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06月19日-03号

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  1. 岡山県議会 2024-06-19
    06月19日-03号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    令和 6年 6月定例会          ◎ 令和6年6月岡山県議会定例会会議録  第3号〇 令和6年6月19日(水曜日)                   議  事  日  程                   午前10時開議第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時開議 ○議長(久徳大輔君)  皆さん、おはようございます。 これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 一般質問 ○議長(久徳大輔君)  日程に入り、一般質問を行います。 質問時間は再質問も含め25分以内と定めます。 なお、一問一答方式の再質問については、その留意事項を演台席に掲示しておりますので、御参照願います。 14番大橋和明君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  皆さん、おはようございます。 今議会の一般質問のトップバッターを務めさせていただきます。自由民主党岡山県議団の大橋和明でございます。 今日は、たくさんの皆さんにお越しいただいています。本当にありがとうございます。 先般の我が党の代表質問で、知事は4選を目指し、出馬表明されました。全ての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現を目指し、引き続き、知事の強力なリーダーシップと実行力に大いに期待しております。 さて、先月5月26日、天皇皇后両陛下をお迎えして、「晴れの国 光で育つ 緑の心」をテーマに、第74回全国植樹祭が開催されました。岡山での開催は57年ぶりで、全国からおよそ3,000人が参加されました。 天皇陛下は、「それぞれの地域において日頃から森林や緑を育てる活動に尽力されている全国の皆さんに敬意を表し、そういった活動が、今後とも多くの人々によって支えられながら、さらに発展していくことを期待いたします」とお言葉を述べられました。 そして、両陛下は、本県にゆかりのあるアカマツやクロガネモチなどのお手植えや、ヒノキ、山桜などのお手まきをされました。また、地域の将来を担う学校での人材育成の取組や、西日本豪雨で大きな被害を受けた倉敷市真備町をお訪ねになられ、復興状況を視察され、犠牲者を悼んで深く黙礼されました。 こうして両陛下をお迎えしての全国植樹祭が無事に終えることができました。知事をはじめ関係機関の皆様方には、大変お疲れさまでした。本県の豊かな森林の恵みを次世代へ引き継ぐための県民意識の醸成はもとより、本県のさらなる魅力を発信する機会となり、私たちの心に残る実り多いものとなりました。 これからも、天皇皇后両陛下をはじめ、御皇室の弥栄を御祈念申し上げ、通告に従い質問をさせていただきます。 初めに、流域治水プロジェクト等についてお伺いします。 これから出水期を迎え、梅雨前線や台風等に伴う豪雨により河川の氾濫や土砂災害発生の危険性が高まってきています。 国は、2021年3月に、全国全ての一級水系などで策定した流域治水プロジェクトについて、気候変動による降雨量の増加などを考慮して見直しを行い、県内でも、今年3月末、一級河川3水系の流域治水プロジェクトを見直し、令和5年度版を公表しました。今回の見直しは、地球温暖化対策の枠組み、パリ協定の目標に基づき、平均気温の上昇が2度に抑えられても、2040年頃に雨量が1.1倍になると試算されたことによるものです。 これに基づき被害を想定したところ、浸水世帯数が旭川で現行の想定の1.2倍、高梁川で1.3倍、吉井川で4.7倍に膨らむと算出されました。対策として、河道掘削や築堤の範囲の拡大、ポンプ場の機能強化、用水路の低水管理、農業用ため池の治水転用、田んぼダムの普及・啓発、浸水危険エリアの住宅の開発抑制など、160件を超える取組が進められています。 県管理の二級水系については、流域治水プロジェクトを、西部、児島湖、東部と3つのエリアごとに策定し、今年3月末に改訂版が公表されています。このたびの改訂について、主要な改訂点は何か。また、一級水系と同様に二級水系についても、気候変動を踏まえた早急な見直しが必要と考えますが、見直しの時期を含め、今後の対応について、土木部長にお伺いします。 次に、二級水系の流域治水プロジェクト児島湖エリアについては、洪水浸水想定区域が他の西部、東部エリアと比較して格段に広域となっています。これは、児島湖の排水問題が大きな要因と考えています。御存じのとおり、児島湖は、締切堤防にある排水樋門からの自然排水です。満潮時には、児島湾の潮位が児島湖の水位より高くなることにより排水はできません。加えて、台風等の低気圧の影響による潮位高、大雨による旭川や百間川からの児島湾への流入などにより、児島湾へ排出できる時間が短くなり、排水量も少なくなる場合があります。児島湖の強制排水ポンプの設置については、地元の強い要望を受けて、2019年9月議会で質問をさせていただきました。知事は、国において検討されたものの、「費用面・技術面・利用頻度等の課題があり、河川断面の確保や内水排水の能力強化など、他の方策の実施が完了していない状況においては、その必要性は極めて低いとの結論に至った」と答弁されています。 国の検討がなされたのは2014年であり、そこから10年が経過しています。地球温暖化による台風の大型化、線状降水帯による集中豪雨など、災害の規模、頻度も大きく変わり、流域治水プロジェクトという考え方も導入されました。強制排水ポンプの設置の再検討を含めた児島湖の排水問題について、国に改めて要望するべきと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 また、現在、南海トラフ地震に備え、児島湾締切堤防の耐震化工事が総事業費260億円をかけて行われています。しかし、用排水機場の耐震化は遅れており、早急に耐震化を進める必要があります。加えて、干拓地の排水に不可欠な機場の8割は、耐用年数を超えており、計画的に長寿命化対策を推進する必要があります。これらのことは、毎年行われる県から国への提案事項にも含まれており、先日、知事自ら霞ヶ関の関係省庁を訪れ説明もされていますが、大災害はいつ来るか分かりません。児島湖流域の67万5,000人の生命・財産を守るため、早急な対応を国に求める必要があります。知事の御所見をお伺いします。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の大橋議員の質問にお答えいたします。 流域治水プロジェクト等についての御質問であります。 まず、児島湖の防災対策のうち、排水問題についてでありますが、県では、関係市町等と連携し、児島湖水位の事前低下の取組とともに、河川整備、排水機場の新設など、浸水被害の防止につながる各種対策を国に要望しながら進めているところであります。こうした取組により、平成30年7月豪雨時においても大きな被害の発生はなかったことなど、その効果が見られることから、強制排水ポンプの設置については、現時点で国に改めて再検討を要望することまでは考えていないところであります。 次に、用排水機場の耐震化等についてでありますが、国は、児島湖周辺の用排水機場について、令和2年度(2020年度)から施設の老朽化状況や現状に即した排水能力の有無などを調査しており、今年度末に終了する見込みと聞いております。今後、国が工法や費用対効果等の検討を基に、耐震化を含めた長寿命化対策の必要性を判断する詳細調査に移行することとなりますが、その早期実施を様々な機会を活用して国へ要望してまいります。引き続き、児島湖流域の県民の安全・安心を確保するため、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長西澤洋行君。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  お答えいたします。 二級水系についてでありますが、今年3月の改訂につきましては、令和4年12月のプロジェクト策定後に事業化した土砂流出対策や、出前講座による普及啓発活動など、県や関係市町の新たな取組を追加したものであります。また、気候変動を踏まえたプロジェクトの見直しにつきましては、二級水系は低平地を流れる小規模な河川が多く、降雨量の増大に対応するためには、河川の改修のみならず、貯留施設等の内水対策や土地利用規制など、市町が主体となって行う対策が重要となることから、見直し時期も含め、関係市町と緊密に連携しながら検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  御答弁ありがとうございました。 二級水系における流域治水プロジェクトは、インターネットにも載っておりますので、拝見させていただきました。どこをするかというのは、何となく分かるんですけれど。いつするかというのも、スケジュール感は出ているんですけれども。どの場所をいつするかというのは、なかなか分からないという感じになっているんです。こういったことをしっかり分かるようにできないかと思いますが、予算の関係もありますから、はっきり明示することは難しいとは思うんですけれど、これについてはいかがでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  再質問にお答えいたします。 いつ、どの場所をするのか、具体的に示せないのかという御質問でございますけれども、地元との協議等で進めていくようなところもございます。また、流域治水プロジェクトにつきましては、河川だけではなくて実際に住民の方にやっていただくこと、また市町村の方にやっていただくこと、まずはそれらの調整をしてから実施しないといけないというところもございますので、できるだけ我々としてはできることから速やかに実施したいと考えております。調整の上で実施できるところにつきましては、速やかにプロジェクトの内容を改訂して、実行に結びつけていきたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  御答弁ありがとうございます。 やっぱり計画がないと、見ていてもどこをいつするのか全然分からないんですよ。今、地元とか市町村等との調整はあるという話がありましたけれど、例えば、この河川のこの部分というのは、来年するとかじゃなくて、5年とか、10年とか、20年というスパンで、あれは書いてますけれど。やはりこの5年間では、こことこことこことはやっていくというようなことにはできないのでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  再質問にお答えいたします。 河川の整備について、5年後、10年後とかというようなことで、もう少し具体的に示せないのかという御質問であったかと感じております。 河川の整備に限って申し上げますと、我々河川整備計画というものを策定しておりまして、その中で具体的に、今後20年だったり30年だったり、どの場所をするということを具体的な内容として決めているところでございます。 河川の整備につきましては、原則としてリスクの高いところ、また同じようなリスクのところについては、下流側から整備するというのが原則でございますけれども、現在整備しているところが、やはりいつ完成するのかというところがなかなかはっきりしないところがございますので、それらが、例えば、その終了のめどがついた段階で、次はここをしますというようなことを、我々としてもできるだけ早期に示していくことは重要だと考えておりますので、これからもそういう意味ではできるだけ早く具体的に示すことができるように考えてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  知事、御答弁ありがとうございました。 先ほど知事の答弁では、取りあえず国には要望しないという結論だったと思われます。 県人口の3分の1が流域に住まれているという中で、地域住民は、雨が降ると本当に恐怖を感じている。昨日でしたか、おとといか、すごい雨が降って、うちの隣の妹尾川もいっぱいになっているというようなこともあって、やはり締切堤防が開かないと水が全然流れない。それで、ポンプ場はいろいろなところにはできるんですけれど、それは全て笹ケ瀬川や倉敷川に流れる。締め切っていて、川も児島湖も一つの池みたいな状態で、どんどんどんどん水が増えていく。これは、やっぱり国に要望をずっとし続けていく、強制排水ポンプを要望しているわけではなくて、排水対策を少し考えることをやっぱり国に要望する必要があると思うんですが、改めて、知事、御所見をお願いします。 ○議長(久徳大輔君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
    ◎知事(伊原木隆太君)  排水ポンプという個別具体的なことというよりも、地域の排水問題、もしくは水に対して脆弱であることについては、これからも訴えるべきだという御質問だと思います。 まさにそのとおりでございまして、私、この仕事、今12年目に入っておりますけれども、毎年国土交通省に行って、岡山県の現状として、先人が必死の思いで瀬戸の穴海を干拓することによって人が住める、食糧を作ることができる土地を造っていったと。その結果としてこの岡山が発展しているわけなんですけれども、裏腹に東京と大阪を足した面積よりも大きいゼロメートル地帯を抱えることに岡山県はなっていると。これが埋立てではなく干拓ですので、非常に低い状態のままになっていると。脆弱ですので、そこについてはぜひ常に気にかけていただきたい、対策については県と一緒になって国も進めていただきたいということは、もう必ず伝えているところでございます。 実際、質問にあった強制排水ポンプ、これはなかなか費用対効果ですとか、技術的に問題がありますけれども、それ以外の方法で地域の安全性を確保するよう努めていきたいと思っております。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  知事、今の話ですが、児島湾流域の皆様方、本当に心配されてますので、ぜひとも国に力強く、また継続的にお願いしていただきたいと思います。 次に、インバウンドの拡大についてお伺いします。 国の統計によれば、昨年の外国人旅行者数は、コロナ禍前の2019年の約8割に回復しました。年間消費額は、前年比約5.9倍を記録し、2019年も上回っており、円安に加え、日本の伝統文化や風景の美しさ、安全性の高さ、親切でおもてなしの心のある日本人の魅力などから、インバウンド需要が急速に回復しています。 先日の山陽新聞の記事によると、本県の昨年の外国人観光客数は全国26位の16万6,425人で、近県と比較すると、27位の香川県とは僅差ですが、13位の広島県の4分の1以下となっています。 また、本県の1人当たりの平均消費額は、全国20位の3万8,918円、28位の広島県とは僅差ですが、7位の香川県と比べると3分の2以下となっています。総消費額は、本県の64億7,693万円に対し、広島県が約272億円、香川県が約102億円と大差がついています。全国でのインバウンド需要の急速な回復に取り残されている感がしますが、知事の御所見をお伺いします。 今年1月~3月の本県に宿泊した外国人旅行者は、2019年比で10.9%増となり、初めてコロナ禍前を上回りました。アジアでは、台湾が最多となっており、2019年比26.3%の増、続いて中国、韓国、香港、タイ、シンガポールの順となっています。現在、岡山桃太郎空港の国際線は、台北、上海、ソウル、香港の4路線が就航していますが、台北線は毎日運航に戻ったものの、上海線はコロナ前の毎日運航から週5便へ、ソウル線も毎日運航から週3便となっており、8月3日から週5便とはなりますが、コロナ前の水準には戻っていません。また、香港線は、今も運休が続いています。上海線、ソウル線の便数について、県はどの程度の水準を目指し、そのためにどのような取組をされるのでしょうか。また、香港線の再開に向けた取組についてはいかがでしょうか、併せて県民生活部長にお伺いします。 先日、県内の官民約200団体でつくる空路利用を促進する会において、新規路線の誘致に向けた実態調査や、タイをはじめとする東南アジア地域も視野に入れた新規就航の働きかけなどの事業計画が決定しました。知事は、来月、訪日需要の増加が見込まれるタイでのトップセールスを行うこととしています。新規路線の誘致に向けた知事の意気込みをお聞かせください。 また、インバウンド需要に乗り遅れないように、自治体によるSNSを活用したインバウンド集客が注目を集めています。高知県の外国人向け観光情報サイト「VISIT KOCHI JAPAN」は、アジア・東南アジア圏からの観光客を主なターゲットとして、英語、中国語、韓国語、タイ語の4か国語で対応しています。フェイスブックインスタグラムユーチューブなどのSNSでも積極的に発信しています。埼玉県では、有名なインフルエンサー2名を「LOVE SAITAMAアンバサダー」に任命し、日本伝統文化を魅力的な写真とともに紹介し、たくさんの「いいね!」を獲得しています。福島県では、海外向けのユーチューブチャンネル「VISIT FUKUSHIMA」を開設し、2021年に東北ディスティネーションキャンペーンに向けた3本のPR動画が制作されましたが、その中の「In to the Future」という動画が50万再生以上を記録しています。 本県においても、フェイスブックインスタグラムなどで情報発信を行っていますが、インバウンドに向けたSNSを活用した情報発信について、現状をどう評価しているか。また、今後の取組の強化について、産業労働部長にお伺いします。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 インバウンドの拡大についての御質問であります。 まず、所見についてでありますが、県では、インバウンド需要の獲得に向け、現地における旅行博への出展や商談会の開催、SNSでの情報発信などのプロモーションを積極的に展開しており、今年3月の外国人延べ宿泊者数は、コロナ禍前の令和元年(2019年)同月比で約150%となるなど、本県におけるインバウンドは回復してきているものと認識しております。この回復の動きをさらに加速させるため、来月、タイにおいてトップセールスを行うなど、海外でのプロモーションを強化するとともに、近隣県等と連携した広域周遊による誘客や多言語対応等、受入れ環境の充実を図るなど、来年度開催される大阪・関西万博なども見据え、インバウンドの拡大にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に、国際線のうち、タイの新規路線の誘致についてでありますが、本県への誘客拡大や経済交流の促進に向け、来月には現地に赴き、トップセールスを行うこととしております。この機会を捉え、現地航空会社にも足を運び、新規就航の足がかりとなるよう、本県の観光地の魅力や交通の利便性、ビジネス需要の見込みなどについてしっかりとアピールしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  県民生活部長玉置明日夫君。   〔 県民生活部長 玉置明日夫君 登壇 〕 ◎県民生活部長玉置明日夫君)  お答えいたします。 国際線のうち、上海線等の便数等についてでありますが、上海線、ソウル線共に、まずはコロナ禍前の毎日運航への回復を目指し、インバウンド向け旅行商品への助成や国内旅行会社を対象としたセミナー、利用促進のためのSNS広告などを実施する予定としており、航空会社と緊密に連携し、インバウンド・アウトバウンド双方の需要を喚起してまいりたいと考えております。 また、香港線については、引き続き、航空会社と協議を重ねるとともに、空港の受入れ体制整備を進めるなど、運航再開に向けて積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  産業労働部長宮本由佳君。   〔 産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕 ◎産業労働部長(宮本由佳君)  お答えいたします。 SNSによる情報発信についてでありますが、県では、県内観光地の旬の情報やグルメ、イベント情報等を6言語で随時発信しております。また、昨年度は、海外インフルエンサー等を招請し、観光スポットをライブ配信で紹介するなど、SNSを活用した情報発信に取り組んできたところであり、外国人延べ宿泊者数の回復が見られるなど、一定の効果が現れているものと考えております。今後、さらなる取組の強化を図るため、国や地域の嗜好に合わせたタイムリーな情報発信を行うとともに、新たに海外の人気タレントによるPR動画を配信するなど、SNSを積極的に活用し、インバウンドの拡大に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  説明ありがとうございます。 今年の5月末のデータを見ると、SNSの韓国語の登録者数が、フェイスブックが4,841件、インスタグラムは2,881件ということで、登録者数が、韓国語については非常に少ないんです。繁体字のフェイスブック4万6,902件、タイ語のフェイスブック8万2,186件と比較しても極端に韓国語の登録者数が少ないということであります。この辺をどう分析をしているのか。そして、本県では、2020、23年と、台湾、中国、タイに向けて、さっき言われたインフルエンサーの発信をしているということでありますが、登録者数の少ない韓国でも同様の発信をする計画はあるのか。また、これらのインフルエンサーというのは、例えば、100万人のフォロワーがいるような方なのか、どういった方なのか、教えていただきたいと思います。 ○議長(久徳大輔君)  産業労働部長。   〔 産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕 ◎産業労働部長(宮本由佳君)  再質問にお答えいたします。 まず、SNSによる情報発信で、韓国語に関して、フェイスブックインスタグラムの登録者数が他国と比べて少ないのではないかということでございますが、おっしゃるとおり、登録者数の多いタイ語ですとか、繁体字に比べると少ない状況になっておりまして、県のほうでも現地の観光PRデスクとも連携をしまして、この登録者数を増やすような取組をしております。 先ほど答弁でも申し上げましたが、旬の情報などをSNSで発信しまして、その情報のアクセスの状況などを見ながら、あまりアクセスの状況がよくないようであれば、もっと効果的な内容の情報が流せるようにと、いろいろと検討して情報発信する工夫を続けてきているところでございます。 それから、韓国につきましては、インフルエンサーを今年度1人招請しまして、新たにユーチューブで発信をするという計画もございます。県のほうで、そのインフルエンサーを招請することをこれまでもやってきておりまして、これからも計画をしておりますが、そのインフルエンサーのフォロワーにつきましては、今、手元に詳細な情報がないんですけれど、やはりそれぞれの国で多くのフォロワーをお持ちの方に、県のほうでもPRに御協力いただいているということですので、今後とも、しっかり岡山県の情報を伝えまして、その情報を受け取っていただいて、県へのインバウンドの観光に来ていただけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  御答弁ありがとうございました。 インフルエンサーは、本当に私たちの時代ではあまりなかった言葉です。昔は団体で旅行は行ってたんですが、個人でいろいろなものを見ていく旅行客が多いという世の中でございますので、インフルエンサーの発信力は非常に大事と思いますので、しっかりとこういった方、いいインフルエンサーを選んでいただいて発信していただければと思います。よろしくお願いします。 次に、学校体育施設開放事業についてお伺いします。 学校施設は、学校教育法、社会教育法において、「学校教育上支障がないと認める限り、」「社会教育のために利用に供するように努めなければならない」と規定されており、さらに2011年施行のスポーツ基本法により、「学校設置者は、学校の教育に支障のない限り、当該学校のスポーツ施設を一般のスポーツのための利用に供するよう努めなければならない」旨が規定されています。公共スポーツ施設については、老朽化や財政負担、人口減少等により、安全な施設の提供が困難になり、数が減少する中、地域の小中高等学校には、運動場、体育館、水泳プールなど、体育施設があります。今後、持続可能な地域スポーツ環境を確保するためには、こういった住民にとっても身近に存在する、この学校体育施設をどう活用していくかが重要であります。 現在、岡山市立の小中学校では、小学校87校、義務教育学校を含む中学校38校のうち、体育館は小学校86校、中学校36校、運動場は小学校84校、中学校22校と、ほとんどの学校で開放され、地域スポーツを支えています。利用については、各学校に設置されている運営委員会で使用調整を行っています。県立学校においても、体育施設の開放事業に取り組んでいますが、令和5年度の実施状況は、69校中、体育館は20校、運動場については15校にとどまっており、どちらかを開放している学校で見ても31校と、半数にも届いていない状況です。開放事業は、第2次岡山県スポーツ推進計画にも記載されており、学校部活動の地域移行の受皿となる地域クラブ活動やプロスポーツのジュニアの育成など、地域スポーツの活性化に重要な役割を果たすと考えます。スピード感を持って推進すべきと考えますが、現在の活用状況について、知事の御所見をお伺いします。 開放事業は、利用調整や鍵の管理など、教育委員会や各学校の負担が大きくなることから、全国的に見ても高等学校では進んでいない実情があることは承知しています。学校教育に支障のない範囲で指定管理者制度や業務委託等を活用し、民間事業者や総合型地域スポーツクラブ、地域団体等に委ねるなど、官民が連携して学校開放事業を推進すべきと考えますが、教育長にお伺いします。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 学校体育施設開放事業についての御質問であります。 活用状況への所見についてでありますが、高校では、部活動等の教育活動との調整の困難さなどから開放が進んでいない状況にあると認識しております。今後、中学校における学校部活動の地域クラブ活動への移行が進むにつれ、県立学校の体育施設の利用ニーズが高まってくることが予想されることから、学校開放事業の推進を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  教育長中村正芳君。   〔 教育長 中村正芳君 登壇 〕 ◎教育長(中村正芳君)  お答えいたします。 官民の連携についてでありますが、お話の利用調整や鍵の管理などの負担以外にも、高校では部活動数の多さから開放時間に限りがあるなどの理由により、本事業の活用が進んでいないと考えております。 そのため、県立学校に対して、改めて本事業の説明を行い、趣旨理解の徹底を図ることはもとより、現在、キーボックスの設置により開放している学校などの好事例を周知するとともに、他県における地域団体等との連携を研究するなど、学校開放事業を推進してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  答弁ありがとうございます。 先日、私もある団体から、高校の体育館を借りたいという要望があって、高校から断られまして実現できなかったということがありました。 ある団体のジュニアのチームが練習したいということで、地域柄もありまして、学校をいろいろ選んだんですが、断られたということです。今は学校開放の権限が校長先生に委ねられているという状況でございます。学校教育法上、社会教育法上において、学校教育に支障のない限りとありますが、教育委員会が支障がないという壁をしっかりクリアしてあげて環境づくりをする、これが大事じゃないかと思いますが、改めて御答弁をお願いします。 ○議長(久徳大輔君)  教育長。   〔 教育長 中村正芳君 登壇 〕 ◎教育長(中村正芳君)  再質問にお答えいたします。 確かに、開放が進んでいない理由の中に、支障がない限りということで学校が判断しているという流れの中で、やはり学校間で少しそのあたりの意識の差があると教育委員会としても認識しております。ですので、まずはその学校に改めてこの事業の趣旨を徹底し、さらに工夫しながら学校開放をやっている県立学校も実際ありますので、そういったところを周知させていただくと答弁させていただきました。 併せて、開放に向けては、利用規程であるとか、調整委員会であるとか、そういったものも設置をしないといけないということで、やはりそのあたりについて、ある程度県教委のほうでひな形を作るとか、そういったことをやりながら、今後、開放事業がしっかり進んでいくように、推進していくように努めてまいりたいと考えておるところでございます。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  時間がないので、次に進みます。 最後に、就労継続支援A型などの障害のある方の雇用の確保についてお伺いします。 就労継続支援事業A型は、障害福祉サービスの中で唯一、利用者と雇用契約を締結し、労働法規の適用を受けるとともに、福祉と労働にまたがったサービスを提供し、障害のある人の労働者性と労働の可能性を高めていくことが求められる事業です。2013年に、障害者総合支援法が施行されて以降、設置数、利用者数共に毎年増加し、全国で事業所数約4,500か所、利用者数は8.8万人に上る大切な社会資源となっています。しかし、過去にはA型事業所への安易な参入が目立ち、中には利用者と雇用契約を結ぶだけで得られる給付金や補助金で運営をし、労働の実態が見られない質の悪い事業所が増加し、厚生労働省は2017年に、利用者への賃金及び工賃を、訓練等給付費から支払うことを原則禁止としました。その結果、全国的にA型事業所の経営破綻が相次ぎ、本県でも、岡山、倉敷、総社市などで閉鎖され、大勢の利用者が解雇され、大きな社会問題となりました。 A型事業所は、安定的な売上げを上げていくのが難しいと言われています。全体の約半数は赤字となっています。利用者に対して、最低賃金を支払えるほどの収益が出せるような生産活動が行われていないのが実情となっています。 さらに、今年4月から、報酬改定がされ、大きなルール変更がありました。自分たちの給料を自分たちで稼ぎ切れていない事業所は、国からの訓練等給付金が約4割カットされます。この改定により、事業所の経営がさらに困難なものとなりかねません。 先日、山陽新聞は、県内のA型事業所の廃止や規模縮小が相次いでおり、6月末までに300人余りが解雇される見通しであると報じました。収益力の乏しい事業所が運営の継続を断念していると見られています。A型事業所を閉所してB型事業所への切替えを行っている事業所もありますが、B型は、雇用契約を結ばない非雇用型の支援なので、突然利用者が解雇されたり、給与面でも自立した生活ができないレベルまで減ってしまいます。それによって生活保護の受給者も増加することになりかねません。今年4月1日時点における本県のA型事業所数は122か所で、およそ2,300人の利用者がおられます。このたびの報酬改定により、障害のある方の解雇の動きがさらに拡大しかねませんが、生産活動収入増加の推進について、子ども・福祉部長にお伺いします。 また、障害者雇用促進法によって、今年4月から民間企業に義務づけられた法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられました。40人以上を雇用している事業主は、障害のある方を1人以上雇用しなければなりません。しかし、全国的にも、これまで雇用率を達成した企業は半数にとどまっていて、障害のある方の雇用拡大をどこまで進められるのかが課題となっています。本県における昨年度の雇用率と法定雇用率を達成した企業の割合、そして雇用率アップにつなげる取組について、産業労働部長にお伺いします。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 子ども・福祉部長片山圭子君。   〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕 ◎子ども・福祉部長(片山圭子君)  お答えいたします。 障害のある方の雇用の確保についての御質問であります。 就労継続支援A型についてでありますが、事業所の安定的な運営に向け、農福連携の取組への支援やセルプセンターを通じた共同受注、賃金向上研修等に取り組んでおり、また生産活動収益により利用者賃金を賄えない事業所に対しては、毎年度、経営改善計画の提出を求め、その取組の状況を確認するとともに、必要に応じて助言等を行っているところであります。今後とも、こうした取組を通じて、各事業所の生産活動の向上を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  産業労働部長宮本由佳君。   〔 産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕 ◎産業労働部長(宮本由佳君)  お答えいたします。 民間企業の雇用率等についてでありますが、昨年6月時点の県内企業の雇用率は2.58%、法定雇用率を達成している企業の割合は56.0%であります。 法定雇用率については、半数弱の企業が達成できておらず、また、今後さらなる引上げが求められていることから、県では、経済団体等に対し、障害のある方の雇用の拡大を要請するとともに、法定雇用率を達成していない企業を対象としたセミナーを開催するなど、普及・啓発に努めているところであります。また、就職面接会の開催や障害者就業・生活支援センターにおけるきめ細かな相談対応を通じて、就業や職場定着への支援に努めているところであり、引き続き、国や関係機関等と連携し、障害のある方の雇用を促進してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  14番。   〔 14番 大橋和明君 登壇 〕 ◆14番(大橋和明君)  ありがとうございます。 いろいろ話したいことはあるんですが、時間に制約がありますので、最後に要望だけお願いします。 昨今の物価の高騰、人件費の増加、最低賃金の上昇、人材不足などで、A型事業所の経営は本当に厳しい状況が続いています。安定的な経営をするために、雇用の確保、企業からの給与である生産活動収入の増加、こういったものをしっかりと推進する必要があると思います。 先ほど、産業労働部長の答弁の中で、本県の法定雇用率をクリアした企業の割合が56%ということで、まだまだ企業の理解が不足していると感じました。企業への周知、雇用の促進をしっかりとこれからも行っていただきたいなと思っています。 また、今回の報酬改定で影響を受けて6月末までに300人余りが解雇される見通しというような、山陽新聞の記事を引用させていただきましたが、制度が変わるたびに、そのしわ寄せは全て障害のある方に回ってくるわけでございます。解雇された障害のある方や、仕方なくB型支援に移行した方の再就職を、しっかりと関係機関を通じて連携を取って、行っていただきたいと思います。 以上で一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。 ○議長(久徳大輔君)  以上で大橋君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 21番氏平三穂子君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  皆さん、こんにちは。日本共産党の氏平三穂子です。 早速、通告に従って質問をさせていただきます。 まず、訪問介護事業所について。 高齢者の在宅介護が困難になり、地域の崩壊にもつながる事態が、今、起きています。訪問介護事業者の経営が悪化し、倒産・休廃止が昨年は全国で何と過去最多の427社となっています。経営の悪化は、介護報酬が低く、人材不足が主な原因です。また、物価高や大手参入による競合などが重なり、介護事業者は淘汰の嵐にさらされています。 本県でも、近年、県北では、社会福祉協議会が運営していた訪問介護事業所が相次いで廃止するなど、在宅を支えてきた訪問介護事業所の倒産や休廃止が進んでいるのではないかと考えられますが、昨年度の県内の状況について、子ども・福祉部長にお尋ねします。 こうした状況にもかかわらず、国は、今年4月から訪問介護の基本報酬の引下げ、2~3%を強行しました。国の言い分では、他の介護より利益率が高いからだとしています。国が示す訪問介護事業所の平均利益率は7.8%、ところがその中身を見ると、赤字の事業所が約4割です。(パネルを示す。以下パネルで説明)資料を御覧ください。そして、黒字でももうゼロ~5%、このあたりのいつ赤字に転落するか分からない、こうした事業所が圧倒的だというのが現状であります。大手の一部の事業所が異常な高利益で平均を押し上げているだけです。大手は、都市部や施設内にある高齢者住宅などで集中的に訪問介護の回数を増やし、利益を上げることができます。一方、在宅を訪問する小規模事業所は、移動時間もかかり、訪問回数も増やせません。さらに、人手不足や高齢化を解消できず、瀕死の状態です。しかし、訪問の移動距離が長い地域では、大手でも効率化ができないため参入せず、結局中山間地域など交通が不便なところは、小規模事業所が支えているのが実態です。 こうした状況にもかかわらず、今回の介護報酬の引下げは、在宅を訪問する事業所を一層撤退に追い込み、介護難民が多く生まれることは必至ではないでしょうか。まずは、県として、訪問介護事業所に出向いて状況を把握すべきではありませんか。また、国に対して介護報酬の引下げを撤回するよう要望していただきたい。さらに、県としての緊急支援策を講じていただきたいと思いますが、併せて子ども・福祉部長にお尋ねします。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 子ども・福祉部長片山圭子君。   〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕 ◎子ども・福祉部長(片山圭子君)  日本共産党の氏平議員の質問にお答えいたします。 訪問介護事業所についての御質問であります。 まず、県内の状況についてでありますが、昨年度の訪問介護事業所の廃止は22件、休止5件であり、理由の約半数は人員不足となっております。 次に、状況把握等についてでありますが、今般の報酬改定の影響について、国は、地域の特性や事業所の規模を踏まえて調査・検証し、丁寧に検討するとしていることから、まずはこうした国の対応を注視する必要があり、現時点でお話の要望や支援策は考えておりませんが、県内事業所の現状や課題については、引き続き、関係団体との連絡会議などを通じて把握してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  御答弁ありがとうございました。 今回の介護報酬の引下げというのは、もう全国的にかつてない怒りの声が上がっているのは、御存じだと思います。だから、先般、衆議院の厚生労働委員会でも、介護・障害福祉事業者の処遇改善に関する決議が出されて、自民党も含めた全会派一致での採択とされています。ですから、きっと国もこの介護報酬の引下げはやばいなと思っているんだと私は思います。ですから、地方からしっかりと声を上げていくということが大事です。この介護報酬の改定というのは、法律の改定事項ではなくて、厚生労働省の告示によって決められておりますので、今からでもやり直しは利くと私は思いますし、全国からいろいろな、本当に大変な声が上がっていると思いますので、ぜひしっかりと国に要望すべきだと思います。赤字でも、もうやらないと、行かないと、命が守れないということで、この赤字の事業者、もう幾ら赤字が出ても全部必死で訪問行っているんですよ。そこのところをしっかりとやっぱり国に伝えていかないと駄目だと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  子ども・福祉部長。   〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕 ◎子ども・福祉部長(片山圭子君)  再質問にお答えいたします。 大変な状況になっているということであります。その点につきましては、私も報道を含め、あるいは県内のいろいろなお声をお聞きする上で、そのあたり承知をしているつもりでございます。今回の報酬改定につきましては、訪問介護事業者全体として利益が上がっているのではないかということで、報酬が下げられたと承知しておりますが、訪問介護の事業の在り方、都市部とそれから中山間地等では随分その業務といいますか、形が違ってきて、いろいろな形ができているという中で、議員御指摘のとおり、その特定のところは利益を随分上げておられて、より厳しいところは厳しいということは、確かに事実としてあるんだろうなと思ってございます。 そうした中で、訪問介護サービスは、今後、より高齢化が進む中で、地域でその高齢の方が暮らしやすい場所で、引き続き、生活ができるようにと、地域包括ケアシステムの理念に基づいたそうした取組を進める上で非常に重要だろうということも認識しているところであります。 そうした点も踏まえて、先ほど答弁申し上げたように、国も、いろいろと調査、精査をして、必要な検討を考えていくと国会でのやり取りがあったと聞いてございますので、まずはそのあたりの国の動きをしっかりと注視し、そして県内のいろいろなお声については、おっしゃいますように、いろいろな場面で私も拝聴いたしまして、様々な方法で国に伝えていくルートはあろうかと思いますので、そのあたり機会を捉えて必要であれば送り届けていくという姿勢で臨んでいきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移ります。 21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  丁寧な御回答ありがとうございました。 国でも、少しそういう見直しというか動きをしてくれるのかなという期待もありますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、加齢性難聴について質問いたします。 私は、過去2回、加齢性難聴について質問しています。難聴が高齢者の社会参加の妨げになっている例は、数多く聞かれ、生活の質を上げるためにも、聞こえをよくすることが必要であることは明らかです。全国的にも、高齢者を対象にした補聴器購入の助成事業の創設が進み、県内の市町村においても、助成事業を実施しているところがあり、今年から岡山市で非課税世帯を対象に、上限2万5,000円助成をする制度が創設されると聞いています。 私は、令和元年9月の定例会で、難聴について、欧米では医療のカテゴリーで捉え、補助制度があるが、日本では障害者のカテゴリーで捉えて、補助対象者を絞り込んでいるため、補聴器保有率が圧倒的に低いと訴え、加齢性難聴に対して補聴器の使用を保険適用にするなど、医療的なアプローチが必要ではないかと質問しました。当時の部長の答弁は、「難聴の程度と日常生活との関係や、補聴器の使用による認知症の予防効果など、科学的根拠はまだ十分ではなく、現在、国においても研究されている」との答弁でした。あれから約5年がたちます。国における見解は出されたのでしょうか、子ども・福祉部長にお尋ねします。 国際的には、難聴と認知症の関係について、2017年に開かれた国際アルツハイマー病会議において、ランセットの国際委員会が、「認知症の症例の約35%は潜在的に修正可能な9つの危険因子に起因する」と発表し、難聴は高血圧、肥満、糖尿病などとともに9つの危険因子の一つに挙げられ、その際、「予防できる要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子である」という指摘がされています。国際的には、難聴と認知症の関係は明らかになっていると考えます。 実は、今日、私も補聴器の試着品をつけています。補聴器は、中程度ぐらいから装着をして慣らしていくのがよいと言われておりまして、この半年間、いろいろな補聴器を試しています。しかし、大体最低でも30万円かかるということで、年金生活者にとっては高額な負担です。ぜひ県としても購入の助成制度を創設していただき、また国に対して保険適用を要望すべきと考えますが、子ども・福祉部長の御所見を伺います。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 子ども・福祉部長片山圭子君。   〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕 ◎子ども・福祉部長(片山圭子君)  お答えいたします。 加齢性難聴についての御質問であります。 まず、国の見解についてでありますが、国等において補聴器装着の有無による認知症発症率の差や聞こえと認知機能との関係等について研究が継続されており、現時点で評価は定まっていないと聞いております。 次に、助成制度の創設等についてでありますが、聞こえと認知機能との関係など、補聴器の装着による効果等について、国の評価が定まっていないことなどから、県による助成制度の創設や保険適用に係る国への要望は、現時点では考えていないところであります。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  それでは次に、子育て支援策の拡充について質問します。 少子化対策は、全ての自治体の喫緊の課題です。本県では、婚活には力を入れておられますが、県としての子育て支援策はあまりにもお粗末と言わなければなりません。賃金の伸びが物価上昇に追いつかず、子育て世代は経済的に厳しい現実があります。結婚ができたとしても、子供を産むことをちゅうちょしている現状もあり、少子化対策と言うなら、県としても子育て支援策をもっと拡充すべきではないでしょうか。 まず、子供の医療費無償化についてです。 子ども医療費無償化制度は、自治体が独自に制定する医療助成制度の一つです。こども家庭庁のホームページによると、令和5年4月1日時点で、全国的には7割の市町村が18歳までを対象に助成しており、また6都県が18歳までを対象とした助成制度をつくっています。県内でも、令和6年1月1日時点で、27市町村のうち24市町村が18歳まで外来通院を無償化、18歳までの入院医療の無償化が25市町村と拡充されています。 ところが、県の制度では、通院は就学前、入院は小学6年生までと対象年齢が低く、所得制限もあり、一部自己負担も必要で、非常に遅れた制度となっています。 さらに、問題なのは、県の子供の医療費予算が増えるどころか、大きく減っていることです。(パネルを示す。以下パネルで説明)これがその資料です。資料2を御覧ください。 伊原木県政になった12年前と比べ、小児医療対策費の当初予算額は約1億円減少しているのです。市町村は、少子化対策のため、独自に多額の予算を確保し、拡充に取り組み、大半の自治体が18歳まで無償化に踏み出してきました。県の施策は、あまりにも遅れているのではないでしょうか。子育て支援策の目玉である子供の医療費助成について、県としてももっと市町村を支援すべきではないでしょうか、知事にお尋ねします。 義務教育における学校給食費の無償化も全国的に進んでおり、県段階では、青森県、沖縄県などが支援を始めようとしているところです。 (パネルを示す。以下パネルで説明)資料3に示しましたように、県内では12の市町村が無償化など保護者への支援を実施しております。義務教育は無償と言いながら、給食費は平均で月額約6,000円、その他の徴収もあり、子育て世帯には重い負担となっています。県としても支援策を講じるべきではないでしょうか、教育長にお伺いします。 高等教育の負担軽減についてお尋ねします。 少子化の大きな原因に、高等教育の経済的な負担があります。日本の大学や専門学校の学費は、他の国に比べて桁違いに高いにもかかわらず、複数の大学が相次いで学費を値上げする事態になっており、1万人以上の大規模私立大学の35%が今年の4月から全学部で授業料の値上げを行いました。また、国立大学でも学費の値上げが取り沙汰されています。今でも学生の約半数が奨学金に頼り、かつアルバイトをしながら学んでいます。卒業後は、奨学金の返済に明け暮れ、40歳になっても結婚ができないと訴える方もおられ、これ以上の学費の値上げは少子化を一層進めることになるのではないでしょうか。高等教育の経済的な負担軽減策を国に求めると同時に、県としての施策が必要です。 まず、県は、中小企業Uターン就職促進奨学金返還支援事業で、県内の中小企業が県外の大学から就職した従業員に対して奨学金返還支援を行う場合に、企業負担額の半分を補助しています。令和5年度では、導入企業数が250社まで増えていますが、令和5年に補助した件数は30件です。県外大学の学生が対象ですが、より一層若者の県内就職を後押しし、若者の人材還流と県内定着を促進するために、県内の学生も対象にすべきではありませんか。産業労働部長にお尋ねします。 また、今年度から、県教育委員会でも優れた教員人材を確保するため、教員奨学金返還支援事業がスタートしました。県内の公立小学校で教諭として原則10年を超えて勤務することが条件となっており、補助対象人数の上限が20人となっています。この事業が創設されたことは評価しますが、全校種における新規採用教諭は、毎年約400名、この400名に対して補助対象人数が20名、5%では少ないのではないでしょうか。今後、増やしていく計画はありますか、教育長にお尋ねします。 有能な若者を自分の県に定着させることにもつながることから、県独自の給付型奨学金制度を創設している県もあります。我が県においても、ぜひ検討していただきたいと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  日本共産党の氏平議員の質問にお答えいたします。 子育て支援策の拡充についての御質問であります。 まず、子供の医療費についてでありますが、少子化への対応は喫緊の課題であるものの、小児医療費公費負担制度については、給付と負担の公平性を図り、持続可能なものとして運用することが重要であり、助成の拡充については慎重に検討すべきと考えております。また、子供の医療費助成に関しては、全国一律の制度とするよう、全国知事会を通じて国に要望しているところであります。 なお、お話の当初予算額の減少は、子供の減少が主な理由であり、この12年間、本制度全般の対象年齢や補助率の引下げは行っていないところであります。 次に、高等教育の負担軽減のうち、給付型奨学金制度についてでありますが、現在、国において一定の要件を満たす大学生等を対象とした授業料等の減免や給付型奨学金が実施されているところであり、県独自の給付型奨学金制度の創設は考えておりませんが、国が実施しているこのような高等教育の修学支援新制度が広く活用されるよう、引き続き、県内の高校生への周知に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  教育長中村正芳君。   〔 教育長 中村正芳君 登壇 〕 ◎教育長(中村正芳君)  お答えいたします。 まず、学校給食費についてでありますが、学校給食費は一部の経費を除き、保護者が負担するよう学校給食法に規定されていることや、住民のニーズや財政状況を踏まえ、学校の設置者である市町村において適切に判断されるべきものであることから、県として支援を行うことは考えておりません。今後、国においては、昨年実施の全国調査の結果から、無償化に関する課題の整理を行い、具体的な方策を検討することとしており、引き続き、その動向を注視してまいりたいと存じます。 次に、高等教育の負担軽減のうち、教員奨学金返還支援事業についてでありますが、近年、志願倍率が低い小学校教員を対象としたものであります。お話の補助対象人数の決定に当たっては、先行県の制度設計や実績等を参考にしながら、日本学生支援機構から奨学金の貸与を受けている合格者の中から20名を上限としたところでありますが、今年度の申込みについては上限に満たない状況であります。このため、まずは来年度に向けて、より多くの対象者に申込みをしてもらえるよう、一層の周知に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  産業労働部長宮本由佳君。   〔 産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕 ◎産業労働部長(宮本由佳君)  お答えいたします。 高等教育の負担軽減のうち、中小企業Uターン就職促進奨学金返還支援事業についてでありますが、この事業は、県内企業への就職率が低い県外学生のUターン就職の促進を目的としているものであり、対象者の拡大までは考えておりませんが、若者の人材還流や県内定着に向け、学生と経営者等が意見交換を行う交流事業や、大学と連携した合同企業説明会を開催するなど、引き続き、国や関係機関等と連携し、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  御答弁ありがとうございました。 対象を県外だけということで。そして、県内の学生さんも卒業して県外に出ていかれるわけでしょう。ですから、私は、やっぱり県外だけを対象にするのではなくて、毎月2万円ずつ払っている学生さんに対しては、企業が半分で、県が半分、上限が9万円ですから、それも最長3年間ということですから、計算してみましたら、年間、県の予算としては600万円ぐらいですよね。まだ本当微々たるお金だと私は思いますよ、もっとこの対象を広げて、こういうチラシを作っていらっしゃるのも聞きましたし、もっともっと宣伝をして、県内外の学生さんが、本当に奨学金の返済に苦しんでいるわけですから、そして中小企業に就職してもらったらもう一番いいわけですから。もっとこれは検討し直してみるべきじゃないんでしょうか、御返答をお願いします。 ○議長(久徳大輔君)  産業労働部長。   〔 産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕 ◎産業労働部長(宮本由佳君)  再質問にお答えいたします。 この奨学金の返還事業、県内の学生にも適用すべきではないかというお話でございますが、先ほども答弁を差し上げましたとおり、この事業は負担軽減の面もありますが、県外の学生が県内に戻られるというか、就職される方が少ないということで、そのインセンティブということで設けた事業でございまして、今のところはこの事業をこれ以上、県内の学生に拡大することは考えておりません。県内の学生が県内企業に就職していただくことに向けては、関係機関、大学とも連携しまして、学生の就職相談にもしっかり乗る、あるいは県内の企業の若手社員にも就活サポーターということで協力いただいておりますので、現場の企業の若い方の声もしっかりお届けしながら、県内にいる学生が県内企業に就職していただけるような、そのような支援に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移ります。 21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  産業労働部長、Uターンで出た人がなかなか帰ってこないから、もう呼び込むためだと言うんだけれども、県内の人も出ていくわけですから、出ていかせないようにするという両方の対応が、私は必要だと思いますので、もう東京に一極集中とかと、出ていかないようにするためにも、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 それでは次に、ローカル線について御質問いたします。 全国で鉄道路線の廃止問題が持ち上がり、日本が世界に誇る鉄道ネットワークがずたずたにされようとしています。地方公共交通の在り方、ローカル線の存廃をめぐり、JRと地元自治体などが話し合う再構築協議会制度が創設され、その最初の俎上にのせられたのが芸備線です。全国がこの動向に非常に注目しています。本県も廃線には異論を唱え、頑張っていただいていることと思います。このローカル線問題について、私は3つの要因が関連していると考えます。 1つ目は、これまで政府の交通政策が道路偏重の投資政策であり、マイカーに過度に依存する社会がつくられてきたこと。2つ目は、JRの営利重視という経営姿勢です。この姿勢は、投資抑制や列車の減便、駅の無人化などで利用者の利便性を大きく低下させてきました。結果、鉄道離れを引き起こし、不便だから利用しにくいという負のスパイラルをつくっていることです。3つ目は、制度的要因で、国鉄分割・民営化です。JRは、分割・民営化の際、内部補助でローカル線を維持するという約束をほごにしようとしています。ローカル線問題は、JRと関連自治体に責任を押しつけるのではなく、基本的には国が住民の足であり、国民の財産でもあるローカル線に責任を持つべきだと思いますが、知事の御所見を伺います。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 ローカル線問題についての御質問でありますが、この問題は、鉄道網の将来像とも関係している全国的な課題であることから、国には積極的に関与してもらいたいと考えております。このため、鉄道ネットワークの在り方について、国の責任において議論し、方向性を示すよう、全国知事会等を通じ、要望しているところであります。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  考えてみれば、道路というのは、公共事業として国や県が責任を持ってやっていますけれど、鉄道の線路は、全部鉄道事業者の責任でやっているわけですよね。だから、その線路を公共事業として国や自治体が責任を持つべきだという、上下分離方式と言われるそうですけれども、こういう議論も、今、活発に行われています。少子化の中で、JRそのものも確かにこれから厳しくなるわけで、もうやっぱり線路は国が責任を持ってやりますよとか、そういう時代に来ているのではないかなと、私は考えたりもしております。これは意見ですけれども、ぜひ国の責任をしっかりと追求しながら、芸備線を廃止させないように頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  それでは次に、食料自給率の向上についてお尋ねします。 国では、先日、「改正食料・農業・農村基本法」が可決されました。この基本法には、多くの問題が指摘されています。一番の問題は、政府が定める食料・農業・農村基本計画に記載される唯一の指標であった食料自給率の目標を、いろいろある指標の一つに格下げしてしまったことです。また、食糧危機の事態には、関連法である食料供給困難事態対策法で罰則を振りかざして、農家には水田から芋への転作、そして国民には食糧に配給を押しつけようとすることも問題です。 東京大学特任教授の鈴木宣弘さんによると、「日本の食料自給率は38%と言われますが、肥料はほぼ全量を輸入していることを考慮し、種子法廃止や種苗法改定によって、野菜だけではなく、米や大豆などの種の自給率も10%に低下すると仮定すれば、実質自給率は9.2%に低下する」と警鐘を鳴らしています。食料自給率軽視は、お金を出せば海外から安い食料を買えると思っているのでしょうが、異常気象の通常化や紛争の頻発などで、お金を出せば買える時代ではなくなっていくのではないでしょうか。まさに食料自給率の向上は、国民の命に関わる問題です。食料自給率の向上を国政の柱にきっちりと据えて、農林水産予算を思い切って増額し、平素から国内の農業生産を支えて国民の命を守ることこそ必要ではないでしょうか。 そこで、農林水産部長にお尋ねします。 本県の食料自給率と自給率向上に向けてどのような取組をされているのかを、教えてください。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 農林水産部長中山均君。   〔 農林水産部長 中山 均君 登壇 〕 ◎農林水産部長(中山均君)  お答えいたします。 食料自給率の向上についての御質問でありますが、本県の食料自給率は、令和3年度のカロリーベースで36%となっております。県では、産地の規模拡大や生産性の向上、力強い担い手の育成等に取り組み、食料の供給力を強化するとともに、関係団体と連携し、県産米の消費拡大の取組などを進め、もうかる産業としての農林水産業の確立を目指しているところであり、こうした取組の推進は、食料自給率の向上にもつながるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移ります。 21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  それでは、最後の質問に入ります。 政治資金規正法についてです。 自民党派閥によるパーティー券の裏金問題を告発したバンダナ姿で有名な神戸学院大学の上脇教授は、「いばらぎ隆太後援会」の関係者も告発しました。教授は、「1億5,000万円を超える資金提供が寄附だった場合、知事は最初の選挙時に違法な寄附によって当選したことになる。こんな形で当選してきたのを不問に付すのは問題だ。政治的には辞任しなければならない。そういう事件だ」と述べています。 この問題は、報道等で御存じのとおり、後援会への寄附や借入金、さらに借入金の返済という事実がないにもかかわらず、それらが存在すると収支報告書に虚偽の記載をし、会計責任者と事務担当者が政治資金規正法違反の罪で、昨年10月、それぞれ罰金100万円の略式命令を受けたという問題です。 以下、知事に質問いたします。 まず1つは、収支報告書が訂正されたのが今年の3月18日でした。略式命令を受けて半年も放置していたわけで、これはあまりにも無責任だと思いますが、この問題をどう認識されているのでしょうか。 2つ目、後援会の会計責任者は、知事が初当選された2012年の選挙において、知事の親族から提供された資金は借入金ではなく寄附であったということで、収支報告書を修正されたようです。知事も、この資金を寄附だったと判断されたということでしょうか。 3つ目、政治資金規正法は、政党及び政治資金団体以外の団体に1人が寄附できる上限を年間150万円と定めています。1億5,000万円という、上限の100倍もの寄附を受けたということに対し、どのような認識をお持ちでしょうか。 4点目、政治資金規正法の上限を超える寄附を受け取ったことについては、時効になっています。しかし、こういうことが許されたら寄附金の上限規制の意味はなくなってしまいます。そういう点では、政治的・道義的責任も問われる重大な問題だと思いますが、どう受け止められているのでしょうか。 代表質問で、知事は、次期知事選に立候補を表明されたこともあり、この問題を県民の皆さんに納得いく説明をすべきだと考えますので、よろしく御説明をお願いします。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 政治資金規正法についての御質問であります。 まず、半年の認識についてでありますが、私の後援会等に関する一連の政治資金の問題につきましては、県議会をはじめ、県民の皆様に御心配をおかけしておりますことを、改めておわび申し上げます。 収支報告書の訂正につきましては、会計責任者等が略式命令を受け、検察の指摘に従った形で訂正する必要があったことから、後援会において弁護士らに依頼し、事件記録を閲覧してもらうなど、確認作業に一定の時間を要したと聞いており、適切に処理されたものと考えております。 次に、寄附の判断についてでありますが、弁護士による事件記録の調査を踏まえ、検察の指摘に沿った形で収支報告書を訂正したところであります。お話の資金については、私や後援会としては、借入金であったと認識していたところであります。 次に、寄附を受けた認識についてでありますが、現時点では、検察の判断を受け入れたものの、当時の私や後援会としては、後援会に対する親族からの資金提供は借入れであったとの認識であり、寄附を受けたとの認識はなかったところであります。 次に、政治的・道義的責任についてでありますが、私自身、政治資金に関する基本的な理解が不足していたことによるものであり、深く反省しているところであります。 今後、二度とこうしたことが起こらないよう、後援会において登録政治資金監査人である公認会計士による政治資金の収支のチェックや、政治資金規正法に精通する弁護士へ相談できる体制を整えたところであり、法令遵守に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  21番。   〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕 ◆21番(氏平三穂子君)  今、政治とお金の問題は、本当に国民は非常に厳しい目で見ているわけであります。そもそも政治資金規正法というのは、民主政治とその土台である選挙の公正のためのルールでありまして、政治活動や選挙活動の資金についての出入りを公表して......。 ○議長(久徳大輔君)  氏平君、発言時間を超過しておりますから、注意します。 ◆21番(氏平三穂子君)  (続)有権者の判断を仰ぐためのものですので、しっかりともうみんなに誤解をされないような形で、きちっとこの選挙戦に向かっては説明責任を果たしていただきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(久徳大輔君)  以上で氏平君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 35番太田正孝君。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  午前中最後を務めさせていただきます自由民主党の太田正孝です。 第4次晴れの国おかやま生き活きプラン(仮称)は、おおむね20年後の2040年代半ばを展望し、目指すべき岡山の将来像を描く令和7年度からの4年の計画です。この計画策定に当たってのお考えをお尋ねします。 中西輝政京都大学名誉教授は、雑誌「致知」で、「長期的には必ず楽観できる選択をする。しかし、短期的には慎重に事を運ぶためあえて、悲観的に捉える」ことが大事だと説いています。そして、さきの日米戦争を日本の失敗例として挙げ、この戦争は「長期の悲観と短期の楽観という組合せで突っ走ったもの、この原則のまさに逆をいった悪しきパターンに他ない」と指摘しています。 それでは、原則どおりにした成功例はどこか。100円ショップのダイソーがそれに当たるのではないでしょうか。今年2月にお亡くなりになられた百均文化を創り出した矢野博丈会長の講演を1度東京で聞いて感動しました。しばらくして、産経新聞で矢野会長の特集記事が連載されました。矢野会長の考えがよくまとめられていて、あの講演の感動を思い出しました。 同時に、この記事を読んでいて、備前市出身の作家柴田錬三郎氏が昭和30年代に著作した「図々しい奴」に登場する後楽園の馬小屋で生まれたことから、イエス・キリストにあやかって名づけられた戸田切人に重ねてしまいました。切人は、小説上の人物ですが、矢野会長のように転職を何度もします。上京しての皇室御用のようかん屋「黒屋」への就職に始まり、軍隊内務班での軍人生活、闇市での芋ようかん屋、そして事業家となり、様々な事業を通して成り上がっていきます。その中で、城づくりを夢見る切人と彼を表舞台に引き上げていく元岡山城主・男爵伊勢田直政をはじめとするエスタブリッシュメントたちとのやり取りがとても痛快なのですが、切人も年長者の助言を大切にするのです。 前段が長くなりましたが、産経新聞の特集記事から紹介します。 故堺屋太一さんが矢野会長に、「あなたは世界一の高級品を売っているね」と、ダイソーのことをこんなふうに言いまして、羨ましがるように褒めたことがあるそうです。そして、「なぜですか。うちの商品は100円均一ですよ」といぶかしげに尋ねると、堺屋さんは、「お客様は必要なものを買うものだ。でも、あなたのお店では必要じゃないものを買っている。こんなに高いものはないよね。いいよねぇ。」と話されたとのこと。さらに、堺屋さんは、よくお孫さんを連れて訪ね、千円札を握らせては自由に買物をさせたそうで、「便利な店だ。しばらく一人で遊んでくれるから、助かる」と言って目尻を下げたとの逸話が残っています。 こうなると、テーマパークでもあります。経営計画はつくらないとした矢野会長は、自らを行き当たりばったりと自嘲されますが、実際には理想とする、飽きられず楽しめる店作りを先頭に立って取り組み、百均文化を創り出したのです。しかし、こうした店づくりは、一朝一夕ではできません。商品の仕入れについて取引先と格闘技さながら一瞬一瞬の勝負をしてきたことや、社員の前で物を売るために目の前のことを一つ一つ必死にしていることを見せて、叱りつけて社員の成長を促してきたことなど、何事も必死にやり切られたからできたのであります。矢野会長は、照れ屋で謙遜の塊のような方ですが、原則を実行に移す胆力のある方だったと思います。 国や商売のお話をしましたが、それでは本県はどんな岡山を創ろうとしているのか、そこに向けてどう取り組むのか、次期プランの策定は「長期で目指す所」と「短期に取り組む所」の組合せを作る好機です。人口問題に取り組む決意を示されている知事におかれましては、「知事が考える長期として目指す姿」と「それに向けて短期で取り組む事柄」をどう組み合わせていくのか、具体的な策定方針について、知事の御所見をお伺いします。 また、次期プラン策定には、各首長とのパートナーシップと各市町村の計画のベクトル合わせなど、市町村との連携が必要です。教育の課題では、政令市と調整し切れていないものもありますが、27市町村の首長とのパートナーシップをいかに強めていくのか。また、市町村の総合計画と次期プランのベクトル合わせなどどのように行うのか、知事の御所見をお伺いします。 次の質問も矢野会長の言葉を引用します。 日本の高度成長は、人口増が支えていて、人口が増えたから物が作られ、売れたと分析していた矢野会長は、人口減少していく今の日本に対して、「世界の変化について行けずに、このままでは沈んでいく。そういう時代に直面していることを誰も言わない。人口が減るのなら、皆が頑張るしかない」と警鐘を鳴らしておられました。この頑張るというのは、今までは大方長時間労働を指していましたが、これに代わるAI、DX任せの今の論調に怖さを覚えます。 さて、人はどうやって働き方を変えるのかというと、矢野会長を参考にすると、その一つが年長者の助言であります。県には、郷土や国を発展させた先人がいます。「至誠惻怛」の山田方谷先生や、「個人は質素に、社会は豊かに」の名誉県民土光敏夫氏、「行政の心」の長野士郎元知事らです。私たちは、郷土の先哲たちのよき教えに学ぶべきです。そこから「令和の頑張り方」を考えると、時代の変革期はいつも「長期展望に立脚した課題解決型の思考」に基づく頑張り方がなされていたと知ります。「令和の頑張り方」について、こういう形が「令和の頑張り方」だということがありますでしょうか、知事の御所見をお伺いします。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の太田議員の質問にお答えいたします。 第4次晴れの国おかやま生き活きプラン(仮称)についての御質問であります。 まず、策定方針についてでありますが、第4次プランにおいては、長期構想として、おおむね20年後の2040年代半ばの岡山の姿を描くこととしており、その実現を目指すための中期的な行動計画として、4年間で取り組む施策の方向性を検討することとしております。今後、さらなる人口減少社会の到来を見据えながら岡山の将来像を示すとともに、少子化対策はもとより、デジタル化や脱炭素化など、社会ニーズに的確に対応しながら検討を進めてまいりたいと存じます。 次に、市町村との連携についてでありますが、住民に身近な行政サービスを担い、地域の特性を生かした地域づくりに取り組む市町村との連携は、大変重要であると認識しております。このため、具体的な施策実施に当たっては、直接、市町村に赴いて説明や協議を行うなど、顔の見える関係づくりに努めているところであり、私自身もトップミーティングの場などで市町村長から直接意見を伺うなど、日頃から連携を図っているところであります。 また、生き活きプランの取組については、県のみで推進できるものではなく、特に市町村とは、情報共有や意見交換を通じた一層の連携が重要であると考えており、策定に当たっては様々な機会を通じ、丁寧に御意見をお聞きしながら、市町村の総合計画との調和が図られるよう努めてまいりたいと存じます。 次に、「令和の頑張り方」についてでありますが、第4次プランにおいては、長期構想をお示しした上で、その実現に向け重点的に取り組む戦略や施策を盛り込んだ行動計画を定めることとしております。そうした中、常に県民の幸せと県の発展に思いを寄せていた先人たちの考えは、私自身、学ぶ点が多くあると考えており、20年後、30年後の岡山の未来を見据え、県民や地域が抱える課題に対し、より効果的な手法を追求し、他者とも適切に連携しつつ、実践と検証を繰り返しながら、合理的に解決を目指していくことが大切ではないかと考えております。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  2040年の姿でありますけれども、2022年の出生数、各市になりますが、87人であったり106人であったり、100人を切る95人、7人というような市があるんです。こうなると、2040年にこの市はどういう姿になっているのかというのを、きちっと2040年の姿として示していかれるべきだと思いますが、どうでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  今、それぞれの地域は、人口減少問題に直面をしているところでございます。これは、もうできるだけ早く出生率を戻さなければいけない、2に近づけ、少し超えるあたりで安定をさせなければいけない。もし、明日、魔法のようなことが起きて、明日から合計出生率が2を超えたということになっても、それぞれの地域、岡山県全体の生産年齢人口は、長期にわたって減少を続けることはもう確実でありまして、その両方に我々は備えていかなければいけないわけでございます。子供は、増やさなければいけない。どんな努力をしたとしても、これから生産年齢人口の減少に耐えなければいけないということでございます。そういった現実を見据えた計画にしなければいけない。 議員おっしゃられましたように、長期的に我々住みやすい豊かな地域にしていくんだと、その確信を持って取り組んでいくわけでありますけれども、現実的にはなかなか大変な問題もある、そういった両方のことを踏まえて計画を立てていきたいと考えております。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  もう知事が言われたように、現実をしっかり直視してやらなければならないと思うんですが。高梁市なんですが、議長おられますけれど、2022年、87人赤ちゃんが生まれまして、そうなると15年後に、入ってこなければもう県立高校の定員よりも少ない人数にということになりますが。そういう状況になったときのことを、この生き活きプランは想定して、高校の再編であるとか、産業振興であるとか、こういうことを考えるということになるんでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  2040年半ばを考えてプランをつくるわけでありますけれども、20年後のことについて、そこまで詳細なプランを立てるということにはならないと考えております。20年というのは、これは天気予報の中で、2日後、3日後の予報と、それから今年の夏が暑い夏になるだろうか、秋がどんな気候になるかという長期予報に近いものかもしれません。ざくっと当てることはできる、備えることはしなければいけないけれども、そこまで詳細に解像度を高く分かるわけではありませんので、我々とすれば、とにかくどうなるか分からないけれども、子供の数はこのままいけば減っていく、その場合どう我々は備えなければいけないのかということは考えなければいけないと思っております。どれぐらい具体化するのか、抽象的ではありながら、我々の対応策を考えるのか、めり張りはしっかりつけていきたいと思っております。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  知事、トップミーティングをされていくということで、各首長との連携を深めていただくということで、もちろんありがたいことでありますが、トップミーティング以外にいろいろ懸案を抱えている市もあるわけですが、トップ会談というのはあるんでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  トップ会談、必要に応じて条件が整えばしていきたいと思っております。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  本県では、人口が減少を続けていますが、今もなお岡山市や倉敷市の中心市街地で新築分譲マンションの建設が行われ、販売を続けておられます。その結果、都心部への人口集中が起きています。しかし、間取りは1DK~2LDKが多いため、中心市街地での子育て世代の受入れには十分つながっていません。 一方で、県南の大きな市では、土地政策が見直され、子育て世代にとっては住宅取得が一段と難しくなりました。これでは、結婚はできても、収入が増えない、住宅価格高騰のダブルパンチの上に、さらにパンチをもらったようなものであります。このまままちづくりの合理化・効率化の下、県南でのコンパクトシティー化政策推進による中心市街地への重点投資は、単身者や2人暮らし用分譲マンション建設に拍車をかけていきます。この政策に、子育て世代の住宅政策を加えなければならないと考えています。高度経済成長期は、ニュータウン構想や公営住宅の提供などの子育て世代の住宅政策があったではありませんか。堺屋太一さんがよくこの話をしていました。しかし、令和の今はどうでしょうか。 岡山県住生活基本計画によると、平成30年の本県の子育て世帯の誘導居住面積水準未満の世帯は約55%と、全国平均より3%低い割合です。令和元年の出生率は人口1,000人に対して7.3人と、全国平均の7.0人より若干高い割合であるものの、微減傾向にあります。これらの数字を踏まえて、県当局は、結婚・出産を希望する若年世帯や子育て世帯を支援していく観点から、必要とする質や広さの住宅に収入等の世帯の状況に応じた居住ができるよう、既存ストックを活用しつつ、公的賃貸住宅や優良な民間賃貸住宅の供給等の促進を図るとしています。また、乳児期から幼児期、学童期へと子供の成長による変化や、第2子、第3子の誕生による家族構成の変化など、ライフステージの各段階の住宅ニーズに効率的に対応できる可変性の高い住宅などの情報提供等をするとしています。 以上のことを踏まえて、まずこれまでの子育て世帯の住宅事情改善の取組についてお伺いします。 県が実施した結婚・出産・子育てに関する県民意識調査では、子育て世代が希望する子供の数が2.06人ということから、2人の子供を持つ世帯とすると、一般型誘導居住面積水準、都市居住型誘導居住面積水準は、それぞれ125平米、95平米となります。これに見合う子育て世帯向け公的賃貸住宅が県内にどれくらい準備され、どれくらい利用されているのか。また、子育て世代向けの民間賃貸住宅利用促進のための補助制度がどれくらいあり、どれくらい利用されているのか、併せて土木部長にお伺いします。 そして、知事にお伺いします。 今の都市政策が取り続けられれば、県南中心市街地以外は、人口転出、学校消滅、企業撤退などが余儀なくされるケースも増えるはずであります。それに伴い、県南中心市街地以外での産業振興も難しくなります。そして、県民にとりましても、中心市街地以外では職を探すのが今以上に難しくなり、賃金面でも冷遇が起こるのではないかと心配です。そうなると、より一層中心市街地へ仕事を求めて移り住む人が増えることになります。今の流れを変える強い住宅政策が必要です。知事の権限で、子育て世代向けの住宅政策を打ってはどうでしょうか。若者のマイホームの夢の実現に対して、土地代を含めてのマイホーム購入費補助や魅力ある公営住宅の提供など、新たな住宅政策を打ち出す考えはありませんか、知事の御所見をお伺いします。 また、婚姻した世帯の新生活に係る住宅費用などを補助する国の結婚新生活支援事業を活用していない5万人以上の市においても活用されるように、県から何かインセンティブが働く政策を打つ考えはありませんか、知事のお考えをお聞かせください。 最後に、吉備高原都市住宅用地購入者に対しまして、例えば、中学生以下の子供がいる世帯の場合、住宅購入補助を1人当たり50万円、上限200万円の補助制度を新設してはどうかと提案します。知事のお考えをお聞かせください。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 住宅政策についての御質問であります。 まず、新たな政策についてでありますが、マイホーム購入費への補助制度までは考えておりませんが、これまでも県営住宅への入居に当たり、子育て世帯への優先入居の拡大や所得要件の緩和などを行ってきたところであります。今後とも、県営住宅への子育て世帯の入居希望の状況を踏まえ、必要な場合にはさらなる対策を検討し、より多くの子育て世帯の方々が希望する住戸に入居できるよう取り組んでまいりたいと存じます。 次に、結婚新生活支援事業についてでありますが、事業の活用に向け、結婚支援の推進を図る連絡会議での制度説明や、未実施市町村への個別の働きかけ等を行っているところであります。実施に当たっての直接的なインセンティブは考えておりませんが、引き続き、制度のメリットや実施市町村の状況など丁寧な情報提供を行い、各市町村の実情に応じた取組が進むよう、しっかりと支援してまいりたいと存じます。 次に、吉備高原都市住宅用地についてでありますが、当該住宅用地は、豊かな自然に囲まれており、都市部に比べ、安価で広い敷地であることや、災害リスクの低い安定した地盤等が評価され、近年、多くの子育て世代への分譲が進んでおります。こうしたことから、お話の補助制度の新設は考えておりませんが、引き続き、吉備高原都市のセールスポイントを積極的に情報発信し、住宅用地の分譲を促進してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長西澤洋行君。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  お答えいたします。 子育て世帯向け公的賃貸住宅等についてでありますが、お尋ねの誘導居住面積水準を確保している公的賃貸住宅は、市町村営住宅66戸、地域優良賃貸住宅15戸の計81戸あり、そのうち子育て世帯29世帯が入居しております。また、子育て世帯向けの民間賃貸住宅利用促進のための補助制度としては、3市町で独自の制度が設けられており、昨年度は合計14件、計約200万円が補助されております。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  お答えを聞くと、市町村営住宅が66戸、地域優良賃貸住宅は15戸、そのうち、子育て世帯利用者が29世帯ということでありまして、かなり若者に対する施策が弱いのではないかと思うのですが、この戸数についてどういう現状認識でしょうか。 それから、これからもうありとあらゆることをやっていくということになると、これはもっと1桁も2桁も増やしていくべきだと思うんですが、1桁も2桁も増やすためのお考えを持っているのでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  再質問にお答えいたします。 先ほどお答えを申し上げました計81戸でございますが、公営住宅等で95平米というかなり広い面積のものでございます。御質問の中で、95平米の基準でございますが、大きなお子様が2人いる4人世帯ということで、95平米ということになります。例えば、小さいお子様1人ないし2人ということで言いますと、95平米までは求められないということでございまして、そのような住宅でございましたら、県営住宅、市町村営の住宅等も多くあるものと考えてございます。 県営住宅についてでございますけれども、もともと住宅を自力で確保することが困難な方が健康で文化的な生活を行うと、そのような目的で整備しておるものでございますので、なかなか誘導居住面積水準に見合う県営住宅という広い住宅を整備することは、現時点では考えておりませんが、先ほど知事からの答弁でもございましたように、優先入居であったり、所得要件の緩和であったりということで、住民の方々の、希望する方々のニーズを踏まえてしっかりと、希望するところに入居できるように、まず現状をよく把握しまして、そのような優先入居等のさらなる対策が必要であれば、しっかりと取り組んで、住宅の確保、供給の確保につなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕
    ◆35番(太田正孝君)  2.06人の子供を希望していて、県営住宅は今までそういう大きなスペースを持っているものはなかったからこういう結果だったということであります。県営住宅の稼働率低いですよね、そんなに90%とか、そういう高さではないと思うんです。部長が言われたように、95平米以下のものであっても、子育て向けの方々が入れるように、残って使われていないところを、子育て向けに改修するべきだと思うんですが、されていないと思うんですよ。どうしてされないんですか。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  再質問にお答えいたします。 先ほども申し上げたところで大変恐縮でございますが、公営住宅のもともとの目的につきましては、先ほど申し上げましたように、自力で確保することが困難な方がということで整備をしているものでございまして、そのようなことから、まずはそのような方がしっかりと入居できるようにということが、まず我々としては第一だと考えております。 一方で、子育て世帯の方にも、希望するところにしっかりと入っていただく、そのような取組も一方でまた重要だと考えておりまして、先ほどお答えを申し上げましたように、できるだけ希望するところに入っていただけるようにというところで努めているところでございます。現状、なかなか、昨年もございましたように、県営住宅の壁が一部落ちたりとかというようなこともございまして、そのような住民の命につながるような対策を優先的にやっていかないといけないということから、そちらのほうを優先的にやっているような状況でございます。そのようなことで、おっしゃったように改修のようなところもこれからできるような状況になれば、まずはそのような命を守る対策をしっかりとやった上で検討してまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  国の制度なんですが、5万人以上の市が活用されていないんですね。先ほど申し上げたように、子育て世帯については、いろいろと所得が増えない、さらには今の物価高騰であったり、それから周辺の住宅取得が難しくなっていたりして、これは公的な補助という形で大変すばらしいものだと思うんですが、働きかけをしてくださっているということですが、大きいまちほど全国的にしない傾向があるんですが、どうしてしない傾向にあるか御存じでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  私もよく分かっていないので、ぜひ教えていただきたいと思います。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  見ていると、例えば、29歳以下のカップルですが、60万円なんですが、3分の1を各市町村負担するようになっていますが、これは人口が多い、何十万人もいるところなると、かなり単市の負担が大きくなるのではないかということと、さらには窓口をどういうふうにするのかということが十分できていないのではないかと思うんですが、そういったことをきちっと私はヒアリングをしながら聞いておりますが、知事のほうでそういうことは聞かれていなかったということでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  私のほうで聞いていたわけではありません。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  土木部長は、聞いてなかったんですか。 ○議長(久徳大輔君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  部長に答弁を委ねたいと思います。 ○議長(久徳大輔君)  子ども・福祉部長片山圭子君。   〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕 ◎子ども・福祉部長(片山圭子君)  再質問にお答えいたします。 議員おっしゃっております結婚新生活支援事業、当部が所管をしております。 先ほど知事のほうから答弁申しましたとおり、いろいろと各市町村へ、電話とか、場合によって会議の場等も活用しながら、個別のいろいろとお伺いもしております中で、おっしゃったような経費負担、あるいは窓口の負担みたいなことをそのものずばりで聞いていると、私のところには報告が、そこまでの聞き取りがなかったようではあります。いろいろとお話をお聞きする中で、おっしゃるように3分の1とはいえ、大規模な市になると対象となる方も多くなるだろうということでありますので、負担が小さくはないんだろうと承知はしてございますので、そのあたりどのようにクリアしながらやっていくかというのは、県のほうも提供できる情報や他の市町村のよい取組があれば、そういったことも紹介をしながらではありますけれども、市町村のそれぞれの任意の判断という部分もありますので、主体的にそのあたりが御判断いただけるように、県としてはなるべく効果的な事業、活用が図られるようにと思っております。 そして、県においては、その働きかけもそうですけれども、議員御承知かもしれませんけれど、この国の交付金の制度の中で、県がそうやって幾らかバックアップを申し上げると、少し補助率がアップしていただけるという仕組みにもなってございますので、そのあたりも踏まえて、県としてもしっかりと応援、支援を行ってまいりたいと思ってございます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移ります。 35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  部長、ありがとうございます。 県も補助するとよりよくなるということでありますので、ぜひこの機会に検討を深めていただければと思います。 国の小田川と高梁川の合流点の付け替え工事完了で、浸水面積が3割減少し、地元の方々が喜んでおられると聞いています。この小田川に続けて工事を行ってほしい箇所の要望が、県民から多く出されています。その一つが旭川水系です。この旭川水系について、このたび国土交通省岡山河川事務所は、大雨に備えてダムの水位を下げ、容量にゆとりを持たせる事前放流を次期河川整備計画に位置づける方針を固め、流域ダムの実態調査に乗り出したとの報道がありました。旭川中流域では、10年に一度の頻度で、2~3メートルの浸水がある地域が幾つもあり、西日本豪雨では、この流域8.8キロメートルの区間の中に、東京ドームの1.5倍の水が流れ込みました。そして、想定最大規模降雨の洪水浸水想定区域図において、330ヘクタールの浸水区域があります。国の計画見直しにより、より安全な環境が整備されることを期待していることを申し上げて、旭川中流域に関して伺います。 平成30年11月議会で質問した旭川中流域の堤外民有地の境界確定についてです。 堤外民有地については、所有者を特定し、境界の確定などを行っていることから、工事着手までに時間がかかっているところであり、必要な場合には、用地買収を行うとのことでしたが、現況と今後の見通しを、土木部長に伺います。 また、昨年、県では、一級河川旭川水系中流ブロック河川整備計画を策定しておりますが、このたび国が次期河川整備計画に事前放流を位置づけることにより、どれぐらい浸水区域を減少させることができるのか。また、県計画にどのような影響が出るのか。最後に、県計画に位置づけられている岡山市北区建部町小倉地区の工事完了のめどがつきつつありますが、今後はどこを重点に工事を行っていくのか、併せて土木部長にお伺いします。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 土木部長西澤洋行君。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  お答えいたします。 旭川中流域の河川整備についての御質問であります。 まず、堤外民有地の境界確定についてでありますが、旭川中流域において河川内の工事を行う際、実施箇所に堤外民有地を含む場合には、土地の所有者を特定し、了承を得た上で工事を実施してきたところであります。今後も、河川整備計画に基づき、堤防整備や河道掘削等を予定していることから、必要な場合には堤外民有地の買収を行い、工事を進めてまいりたいと存じます。 次に、県計画への影響等についてでありますが、国が河川整備計画にダムの事前放流を位置づけ、計画に基づきダムの運用が行われるようになれば、旭川中流域の安全度は向上すると考えておりますが、計画の具体的な内容は、現在、国において検討中であることから、その状況を注視しつつ、必要に応じて浸水区域や県計画への対応を検討してまいりたいと存じます。 また、今後の工事予定箇所についてでありますが、現在施工中の小倉地区の完了のめどがついたことから、平成30年7月豪雨において堤防の決壊により被害の生じた御津国ケ原地区の河川整備を進めるよう検討しております。今後も、県民の生命・財産を守る治水対策に全力で取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  部長、堤外民有地の件ですが、どれぐらいの面積を調査されましたか。その中で、問題のある箇所は何か所ぐらい確認されましたでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  再質問にお答えいたします。 どのぐらいの面積を調査されたのかということでございます。すみません、面積の数値については少しお答えが現状できません。旭川中流域の御津芳谷というところから御津国ケ原までの区間について、現在、堤外民有地の調査を終えており、そこでは10か所堤外地を確認しております。そのうち2か所につきましては、河川整備計画に基づく工事を実施する必要があることから、今後、用地買収が必要と考えてございます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  残り8か所は、どういう計画でしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  再質問にお答えいたします。 残り8か所ということでございますが、この残り8か所につきましては、今回の河川整備計画では河道掘削等を行う必要がある箇所ということには位置づけられておりませんので、用地買収の予定は現状ございません。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  今回の河川整備計画になくても、やっぱりこういう問題は解決していくべきだと思いますが、解決していくという意思はありますでしょうか。 ○議長(久徳大輔君)  土木部長。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  再質問にお答えいたします。 このようなところを解消していく意思があるのかという御質問かと思っております。 我々、限られた事業費を最大限有効に活用して治水安全度をできるだけ速く、そしてできるだけ高くしていく必要があるということであると思っておりまして、そういう意味では、まずは工事の実施に必要な箇所から優先的に買収をさせていただくと考えているところでございまして、残りの8か所のようなところにつきましても、今後、さらなる安全度を高めていく上で必要があるというときには、工事の実施に遅れがないように買収等を行っていくという考えでございます。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  今月22日は水島に、29日は岡山に米軍の空襲があり、多くの方々が亡くなられました。心から哀悼の誠をささげます。 さて、冒頭の質問で触れた柴田錬三郎氏著作「図々しい奴」の中で、柴田氏自身の戦争体験も含めて戦争に関する箇所が随所にあります。少し申し上げます。 まず、昭和7年、五・一五事件により政党内閣は終わりを告げる。社会に目を向けると、映画がトーキーになり、ミュージックものが幅を利かせるようになる。また、スポーツにおいて、ロス五輪で三段跳びの南部選手が優勝、国内はそれに沸いていた。昭和15年、大政翼賛会が発会し、隣組ができた。「とんとんとんからりと隣組」という国民民謡が歌われます。昭和16年12月8日、ついに日本は途方もない大ばくちを打ってしまった。昭和20年3月10日未明のB29の大編隊は、イナゴのように東京上空に飛来した。4月1日、沖縄本島へ上陸を開始した米軍を迎え撃つ日本軍は、菊水作戦の下、戦艦大和以下10隻の水上艦隊に片道燃料を積んで、特攻、殴り込みをかけさせた。8月15日、日本はついに無条件降伏をした。そして、闇市の時代に。一握りの砂糖がダイヤモンドより貴重な時代で、札束はほとんど力を発揮しないなどの記述があります。軍隊に身を置いた方の文章から伝わってくる内容に、身が震える箇所が数多くありました。この小説を読み、戦争と社会の関係について考えさせられました。 さて、いまだに世界各地で戦争が起こっています。日本の近現代史を、今ほど次世代に伝えることが大切なときはないのではないでしょうか。できれば、先ほど取り上げた中西輝政京都大学名誉教授のお話なども若者に知ってほしいと願っています。 そこで、伺います。 本県教育の中で、岡山大空襲や五・一五事件を子供たちにどのように学習させているのか。また、その際に、岡山シティミュージアム、岡山空襲展示室や犬養木堂記念館をどのように活用しているのか、教育長に伺います。 また、近現代史を学習する中で、戦争に対して日本社会がどう向き合っていたのかを知ることは、これからを生きる上でとても大切なことと考えますが、近現代史の学習を通して子供たちにどういう力を身につけてほしいと期待されているのか。先ほど紹介した中西輝政京都大学名誉教授の言葉から感じたことを踏まえ、子供たちに分かるような言葉で教育長の御所見をお聞かせください。 ○議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 教育長中村正芳君。   〔 教育長 中村正芳君 登壇 〕 ◎教育長(中村正芳君)  お答えいたします。 近現代史教育についての御質問であります。 まず、岡山大空襲等についてでありますが、社会科の歴史的分野において、第2次世界大戦に突入する経緯を学ぶ際に、五・一五事件を扱うとともに、戦争によって人類全体が大きな被害を受けたことを学ぶ際に、岡山大空襲の被害に遭われた方から直接お話を聞いている学校もあると承知しております。 また、特別の教科道徳において、子供たち一人一人がよりよく暮らすことができる社会の実現について考える教材の一つとして、県教委が作成した郷土資料で犬養木堂の生き方を取り上げております。 さらに、総合的な学習の時間等を活用した平和学習の一環として、岡山シティミュージアムの展示室を見学したり、地域学習として木堂記念館を訪ねている学校もあると認識しております。 次に、期待についてでありますが、現代社会がどのような経緯で形づくられてきたかを理解し、今日的な課題にどう向き合い、今後、何をすべきかを考える上で、近現代史を学ぶことは大変重要であると考えております。特に、世界と日本の近現代史を一緒に学ぶことで、それぞれの出来事を比較したり、互いのつながりや影響、現代の様々な課題とどのように関わっているかなどを考えたりすることが大切であり、そうした学びを通して多様な視点で物事を見ることができる力や、主体的に社会課題に関わろうとする態度などを、子供たちには身につけてほしいと考えております。 そして、そうした力を存分に発揮し、社会の課題解決を自らの夢として、困難にも果敢にチャレンジする子供たちがこの岡山で育っていくことを私としては期待しているところであります。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  35番。   〔 35番 太田正孝君 登壇 〕 ◆35番(太田正孝君)  教育長、今お話をしたような取組をぜひして、すばらしい岡山県の子供たちを育てていただければと思うんです。 さて、岡山空襲なんですが、私の知人から教えていただいたんですが、現在、6月7日から6月30日まで、「第47回岡山戦災の記録と写真展 戦時下の学校と子どもたち」ということで開かれております。こういう冊子ができていまして(冊子を示す)、これを見るとかなり詳しく書いてありまして、もう一つ、これは「岡山空襲の記憶」ということで、広げて皆さん見ていただくと、こんな状態(資料を示す)、岡山空襲で焼けたとき、こういう形になったわけです。日本銀行であるとか、日赤であるとか、焼け跡が、焼け野原の中に残っているわけであります。こういった実際に起きたことを子供たちがこういうシティミュージアムを訪ねて勉強してくださるというのは、まさにタイムリーな、今、企画がされていると。教育長からこれの御紹介あるのかなと思いましたけれど、ありませんでしたけれども、こういう機会を大いに、また情報、県の施設だけじゃなくて市町村の施設でタイムリーな取組があったら、それをきちっとして、これをうまく生かす、これがパートナーシップ、連携だと思うわけであります。市町村との連携という部分で、教育界にお詳しい教育長でありますから、もう少しそのあたりをお話をいただいて終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 ○議長(久徳大輔君)  教育長。   〔 教育長 中村正芳君 登壇 〕 ◎教育長(中村正芳君)  再質問にお答えいたします。 私も議員が、今、御紹介をされた企画展へも行ってまいりまして、非常にいい展示であるということで、しかもミュージアムの方とお話をすると、もう47回目ということで、やはり岡山大空襲を忘れてほしくないと、そういう思いを語っておられました。たくさんの資料がございましたし、こういったいいものにつきましては、県教委としても、例えば、指導主事の研修会とか、そういったことでしっかり周知させていただこうと思っておりますし、今は1台端末がございますので、子供たちのところにそういったいろいろな企画とか、あるいはミュージアム、それから先ほど申し上げた木堂記念館のことであるとか、そういったものが直接伝わるようなことができないのかということで、今、「まなびとサーチ」という学習のコンテンツがございまして、そういったところで、例えば、紹介するとかといったことも併せて考えていきたいと思っています。 市町村ともしっかりいいものについては、情報収集して、紹介をさせていただきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(久徳大輔君)  以上で太田君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 この際、午後1時40分まで休憩いたします。        午後0時30分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時40分再開 ○副議長(中塚周一君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 25番河野慶治君。   〔 25番 河野慶治君 登壇 〕 ◆25番(河野慶治君)  皆さん、こんにちは。 一般質問初日、最後の登壇となります。今回も一般質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 それでは、早速、通告に従いまして質問に移らせていただきます。 まず、森林・林業等についてお尋ねします。 先月26日、天皇皇后両陛下の御臨席の下、四大行幸啓の一つである全国植樹祭がここ岡山で開催されました。私も出席させていただきましたが、その3時間の間、入退場ができない緊張感の中で、森林・林業関係者はもちろん、知事をはじめ岡山県全域の政財界関係者や若い世代を含む県民の皆様と一緒に、森林の保全と林業・木材産業の大切さや森林資源を過去から未来へ引き継ぐことの尊さについて共有できたことは、大変貴重な機会であったと感じました。 まずは、全国植樹祭を受けて、改めて森林の保全や活用の大切さについてのお考えを、知事に伺います。 戦後、全国で一斉に植林された木々が現在伐採適齢期を超えて山々に残され、手入れもされていない森林も多くあります。急斜面に植林された木々を見て、「よくあんなところに植えたな」と感心する一方で、「子々孫々に宝を残そうと頑張られたんだな」と、尊敬と感謝の念を抱きます。戦後の植林から現在までをワンサイクルとすれば、次のツーサイクル目には、自然の山に返すべき場所、用材として数十年育てる場所、バイオマス燃料として数年育てる場所など、適切な経営管理が必要です。また、伐採した木材を利用するためには、住宅需要が低迷する中で、中高層建築物への需要を創出する技術研究やそれを支える人材の育成も大変重要です。 現在、県北部地域では様々な挑戦が行われています。私の地元真庭市の旧久世高校跡地においても、産官学民連携による「林業・木材・木造建築教育・研究ゾーン構想」に基づき、市町村や岡山大学、企業等とともに世界的な教育研究ゾーンを目指した動きがスタートしています。植樹祭の式典では、天皇陛下から、「循環型の木材利用や健全な森林づくりの輪が岡山の地から全国へ広がり、将来の世代へとつながっていくことを願います」とのお言葉をいただきました。 本県は、森林・林業、木造建築教育・研究の先進地として、全国、世界へと広がり、未来の世代へとつながる輪となるような新たな木材産業の創出に挑戦する時期に来ていると強く感じています。そして、そのためには、人や物、研究分野が集まり、融合するようなゾーンが必要です。アフター植樹祭として新たな木材研究のスタートなど、新たな木材産業の創出に向けて知事の御所見をお伺いします。 次に、安全・安心な県土づくりについてお尋ねします。 道路、橋梁、トンネル、港湾、空港、上下水道、学校、病院、公園など、私たちの生活に欠かせない施設やインフラの整備を行うのが公共事業です。これらの社会資本は、経済の発展や国民の生活の質向上において重要な役割を果たしています。戦後、日本は、戦災からの復興と経済成長を目指して大規模な公共事業を実施しました。高度経済成長期には、急速な都市化と産業化が進み、インフラ整備が全国的に急務となりました。この時期、新幹線や高速道路網の整備、都市再開発などが行われ、日本経済の発展を支える基盤が築かれ、その成長の成果は公共事業として全国に広く展開されました。その後、バブル経済崩壊後の経済停滞期を経て、一時的に公共事業の必要性が見直されましたが、地域振興や災害対策の観点から、再び重要性が認識されるようになりました。特に、近年では、老朽化したインフラの更新や耐震化が課題となり、安全・安心な社会の実現のための公共事業の必要性が高まっています。さらに、気候変動の影響で、日本各地で豪雨災害が頻発し、激甚化しており、これにより河川の氾濫や土砂災害、浸水被害が多発し、多くの人々の生命や財産が脅かされています。本県においても、平成30年7月の豪雨災害など、甚大な被害を経験し、災害対策の重要性が再認識されました。 このような背景から、豪雨災害に対する防災・減災対策の一環として、道路整備や河川改修などの公共事業がますます重要となっています。これらの対策は、被害を未然に防ぐだけではなく、災害発生後の迅速な復旧・復興を支援する役割も果たします。これらの点を踏まえ、安全・安心な県土づくりの大前提となる公共事業の実施における土木関係予算の増額や新たな予算の獲得について、代表質問に続いて具体的な方策を伺いたいと思います。 まず、本県の土木関係公共事業予算についてお尋ねします。 公共事業には、一般財源や地方債といった地方自治体の自らの負担で実施する単独事業と、国から交付金または補助金を含めた財源で実施する補助事業があります。補助事業のメニューには種類があり、それぞれで補助率、起債充当率、交付税措置率が異なり、事業の類型等により有利な財源を活用することが大切です。 さて、公共事業費については、昨年11月議会で、令和3年度決算の数値を用いて、単独事業及び補助事業共に類似団体と人口1人当たりの事業費を比較し、本県の公共事業費が少ないことについて指摘しました。また、最新数値である令和4年度決算でも同様の傾向が読み取れました。この比較については、指定する類似団体や政令市の有無、災害復旧費、直轄事業費等の取扱いに注意しながら、比較検討する必要があります。 そこで、お尋ねします。 他の都道府県と比較して単独事業及び補助事業の予算額の推移や現状について、どのように分析し、その規模についてどのような認識をされているのか、土木部長にお尋ねします。 次に、公共事業推進の基本的な態度についてお伺いしたいと思います。 国の補助事業の中には、防災・減災・国土強靱化緊急対策事業債のように、事業費の地方負担額への起債充当率が100%、その元利償還金に対する交付税措置率50%という、地方自治体にとって魅力的な地方債を活用できる補助事業があります。これは、例えば、100億円の補助公共事業があった場合、国による補助が2分の1ならば、残り50億円の100%を地方債によって資金調達でき、さらにその50%の25億円は地方交付税として国から財政措置されるということです。したがって、100億円のうち実質的な地方負担額は25億円となります。ただし、このような魅力的な地方債ですが、将来負担を無視して無尽蔵に増やしてしまうと、借金となる地方債残高を増大させ、公債費比率を高めてしまう危険性があります。実際、和歌山県では、これら補助事業を将来の償還の負担を十分に検証することなく急激に進めてしまったため、財政状況が悪化し、令和5年2月に、財政危機警報を発出する事態となりました。もちろん公共事業には、道路などの社会資本の充実によって産業の生産性と生活の安全性を高める重要な役割があり、県経済の生産高を押し上げる効果もあることは明らかで、できる限り推進していくことが求められることは当然です。 以上のことからすると、公共事業は、できるだけ財源の有利な補助事業を優先的に活用し、補助金のない単独事業の場合でも、例えば、起債充当率100%、交付税措置率70%の緊急防災・減災事業債のような有利な財源を使える事業を選択していくことを基本に、将来の起債償還負担を適切にコントロールしつつ、最大限の事業推進を図ることが重要であると考えられます。 このような状況も踏まえた上で、本県における公共事業の推進についてどのように考えておられるのか、単独事業と補助事業の状況と併せて土木部長にお尋ねします。 次に、実現可能な補助事業目標額についてお聞きします。 本県が類似団体や隣県で地形も似ている広島県や山口県と、県民1人当たりで比べて同等の補助公共事業費を目指す場合、どの程度の公共事業費の増額が望まれるのか、具体的な金額を教えてください。土木部長にお尋ねします。 さて、他県と比較して公共事業予算や補助事業費が少ない要因として、土木部の体制と財政面の2つが大きく影響しているのではないかと考えます。この点について、以下、お伺いします。 まず、土木部の体制についてお伺いします。 公共事業を計画する際に、事業計画の策定が必要となります。これには、現状分析から始まり、目標設定、具体的な計画の検討、予算の策定、スケジュール管理、関係者との調整、リスク管理、計画書の作成と提出まで多岐にわたる業務が含まれます。このため、公共工事の増加を目指す場合には、職員数とのバランスも考慮しなければなりません。 さて、本県の土木部職員数については、人口や財政力規模が類似する栃木、群馬、長野、岐阜、三重の5県で、人口10万人当たりの土木部門の平均職員数は44.4人であり、本県は43.5人となっています。また、土木技術職では、5県平均が24.1人に対して、本県が26.3人であり、これらの類似県と比較しても平均的であり、人員不足とは考えにくい状況ですが、土木部職員数について現状どのような状況にあるとお考えでしょうか、土木部長にお尋ねします。 次に、財政面についてお伺いします。 本県は、20年以上に及ぶ緊縮財政や行財政改革の効果により、財政力指数0.5以上1.0未満である東京都を除いたトップグループ20府県の令和4年度の平均経常収支比率は96.1%に対して、本県は95.1%です。また、実質公債費比率も、20府県平均が11.1%であるのに対し、本県は11.0%、将来負担比率も20府県平均は170.8%であるのに対し、本県は169.9%と、平均的な財政状況に好転しています。 一方で、普通建設事業費は、栃木、群馬、長野、岐阜、三重の5県平均が本県より538億円も多くなっていますし、令和6年度の国土交通省の社会資本総合整備事業も、5県平均が507億円に対して、本県は337億円となっています。類似団体と遜色ない財政状況であると考えますが、財政面における制約や課題があれば具体的に御説明ください。総務部長にお尋ねします。 続いて、公共事業を事業化していく際に求められる公共事業事前評価について質問させていただきます。 公共事業を計画・実施するに当たり、費用対効果(B/C)の評価は重要な要素となります。特に、道路事業については、新規路線の費用対効果がよく議論されます。そのため、中山間地域では、費用対効果が見込めないことから、事業化をちゅうちょする状況が見受けられます。その理由は、中山間地域には交通量が少ないため、費用対効果が低い路線が多く存在するからです。一方で、これらの地域には、幅員が狭く、大型車と擦れ違えない、土砂崩れや落石の危険性が高い地方幹線道路が多く、地域住民の利便性や安全性、産業振興の観点からも、早急な道路整備が強く求められており、今後、公共事業の増加を目指す中で、これまで諦めかけていたような事業が進んでいくことを期待しています。それらを踏まえ、以下、公共事業事前評価の在り方についてお尋ねします。 まずは、事業事前評価の評価方法について土木部長にお尋ねします。 また、事前評価においては、インフラ整備により蓄積される資産価値や地域の安全・安心の向上を指すストック効果と、事業実施に伴う経済的な流れや経済波及効果を指すフロー効果、またそれぞれの地域の状況や必要性もしっかり考慮しながら評価することが重要であると考えます。これらの効果をどのように事前評価に取り入れられているのか、土木部長にお尋ねします。 最後に、本県の公共事業を取り巻く環境では、高度成長期の公共事業隆盛期から、緊縮財政・行財政改革期による財政再建を経て、また平成30年豪雨災害やコロナ禍も一段落するなど、様々な変遷がありました。現在の補助公共事業獲得額が少ないことについては、先般の我が党小野議員の代表質問にもあったように、誰も悪くありません。一方で、土木部の体制や財政面で類似県と遜色ない状況にありながら、補助事業の獲得が他県より少なく、公共事業の推進が低迷しているとすれば、それは公共需要の受益者である現在や将来の県民に対する私たちの責任となります。公共事業の段階を隆盛期を1.0、行財政改革による緊縮期を2.0とするならば、今後は補助事業の獲得を強化し、安全・安心な県土づくりを推進する3.0に進むべきです。県民に伝わる分かりやすいネーミングの下、新たなステージへ挑戦してみてはいかがでしょうか、知事のお考えをお聞かせください。 ○副議長(中塚周一君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の河野議員の質問にお答えいたします。 まず、森林・林業等についての御質問であります。 森林の保全等についてでありますが、このたびの全国植樹祭では、森林の持つ公益的機能の重要性や豊富な森林資源の循環利用の必要性を発信する中で、豊かな森林を未来へ継承していく決意を新たにしたところであります。このため、少花粉杉・ヒノキへの植え替えや県産材の利用促進など、「伐って・使って・植えて・育てる」林業サイクルを活性化させるとともに、県民に参加いただく森づくり活動を推進するなど、森林を守り育てる機運の醸成を図り、緑あふれる郷土を未来の子供たちに引き継いでまいりたいと存じます。 次に、新たな木材産業の創出についてでありますが、お話の「林業・木材・木造建築教育・研究ゾーン構想」は、地域の将来を見据え、産官学民の連携により、人材育成や研究開発などの拠点化を目指す意欲的な取組であり、本県も検討委員会に参画しているところであります。こうした取組は、新たな木材利用に向けた技術開発や木造建築に関する技術者の育成など、県全体の森林・林業・木材産業の振興につながるものと期待しており、構想の具体化に向けて協力・連携してまいりたいと存じます。 次に、安全・安心な県土づくりについての御質問であります。 本県公共事業の新たなステージについてでありますが、本県のこれまでの補助公共事業費は、安全・安心な県土づくりを計画的に進めていく上で十分ではないことから、総決起大会の開催など、あらゆる機会を捉え、本県の実情を国に強く訴えることで、これまで以上に国の補助公共事業費の獲得に努めることとしております。お話のネーミングの設定までは考えておりませんが、将来にわたり県民の生命や財産を守る県土の強靱化を図る安全・安心な県土づくりを一層強化するため、強い決意を持って公共事業費の増額を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(中塚周一君)  総務部長浮田信太郎君。   〔 総務部長 浮田信太郎君 登壇 〕 ◎総務部長(浮田信太郎君)  お答えいたします。 安全・安心な県土づくりについての御質問であります。 予算が少ない要因のうち、財政面の制約等についてでありますが、本県の各種財政指標は一定程度改善しているものの、財政運営の目安としている類似5団体に本県を加えた6団体で比較すると、経常収支比率は最下位、実質公債費比率と将来負担比率は5番目に位置するなど、依然として厳しい財政状況が続いております。特に、県債残高は高止まりしており、公債費負担も重く、経常収支比率が高いため、財政運営の自由度が低い状況にあると認識しております。このため、将来の公債費負担や県債残高を注視しながら事業量を決定し、必要な公共事業については、国の補助金等の獲得を一層進めることが重要であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(中塚周一君)  土木部長西澤洋行君。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  お答えいたします。 安全・安心な県土づくりについての御質問であります。 まず、公共事業予算額の推移等についてでありますが、政令市の有無や災害の発生状況、社会資本の整備水準など、都道府県により状況が異なるため、単純な比較はできないと考えております。その前提の下で類似団体の状況と比べた場合、本県の予算額に対する投資的経費の割合や投資的経費に占める補助事業の割合は、類似団体よりも低いものと考えております。また、本県の補助事業予算の規模については、安全・安心な県土づくりを計画的に進めていく上で十分ではないと認識しております。一方で、予算額の推移としては、国土強靱化のための3か年緊急対策開始以降、増加していることから、まずは5か年加速化対策終了後も切れ目なく国土強靱化の取組が進められるよう、国において国土強靱化実施中期計画を速やかに策定いただきたいと考えております。 次に、公共事業の推進についてでありますが、県ではこれまで厳しい財政状況の下、コスト縮減を図りながら補助・交付金や有利な起債などを活用して事業を推進するとともに、国の5か年加速化対策予算等の最大限の確保に努め、インフラの整備や長寿命化等に取り組んできたところであります。議員御指摘のとおり、今後とも、公共事業の実施に当たっては、財源の有利な補助事業を優先的に活用するとともに、単独事業についても、有利な起債を活用することにより、最大限の事業推進が図られるよう努めてまいりたいと存じます。 次に、補助事業目標額についてでありますが、都道府県により状況が異なるため、単純な比較はできないと考えておりますが、補助公共事業費について、国土交通省における補助事業等の今年度の当初予算を基に、仮に類似団体及び広島県、山口県の県民1人当たりの配分額の平均を用いて試算すると、本県の額は類似団体等に比べ約40億円少ない値となります。 次に、予算が少ない要因のうち、土木部職員数についてでありますが、これまで業務量に応じて必要な人員を確保しており、現時点では職員が不足しているとまでは考えておりません。今後、業務量が増加した場合には、職員の増員も含め、適切かつ柔軟な配置に努めるとともに、DXの活用など、業務の効率化にも、引き続き、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、公共事業事前評価のうち、評価方法についてでありますが、事前評価は、事業の必要性と事業化の熟度の2つの観点から行っております。具体的には、事業の必要性として、費用対効果に加え、各種計画との整合が図られているか、大型車の擦れ違いが困難な区間の解消など、よりよい生活環境の確保につながるかといった点、また事業化の熟度としては、地権者の同意率や関連する他事業と連携が図られているかといった点などについて評価をしており、その結果、事業化が妥当と判断したものについて、県議会や外部の有識者の御意見をお聞きした上で事業化を決定しております。 最後に、効果の取り入れ方についてでありますが、費用対効果の分析は、国が行っている方法に準じて実施しており、例えば、道路事業については、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少の3項目をストック効果として見込んでおりますが、フロー効果については、国と同様に取り入れておりません。また、それぞれの地域の状況等については、先ほど評価方法について申し上げたとおり、事業の必要性の観点から評価を行っており、引き続き、適切な事前評価を実施してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(中塚周一君)  25番。   〔 25番 河野慶治君 登壇 〕 ◆25番(河野慶治君)  それぞれ御答弁ありがとうございました。幾つか要望と、再質問等させていただきます。 まず、森林・林業についての新たな木材産業の創出の件でございますけれども、こちらは要望でさせていただきます。 先般、同僚の議員の先生方が愛知県の愛知総合工科高等学校専攻科というところを視察されたということでお話をお伺いしました。そこは、愛知県で、トヨタもある、自動車産業の集積地であり、また航空宇宙産業、そういったものも集積している中で、今、困っている即戦力となる技術者を、高校段階、そして2年間の専攻科で育成していこうということで、専攻科に関しては、公設民営型の、県立でありながら、名城大学がその運営を行っているという学校でございました。各会社の、いろいろな企業の技術者、開発者、重役の方、そういった方々が、講師になったり、教えているということで、それによってほとんどの生徒が即戦力となって各会社に就職され、また一部の学生に関しては、技術研究を進めていくために大学に進学されたりという、愛知県ならではのこの集積した場所でそういった学びの展開、人材育成が起きているということをお聞きして、本当に頼もしく思ったところであります。 逆に言えば岡山ではなんだろうかと思いまして、先ほど聞きますと、岡山は研究開発的なところよりは生産ラインが多いので、なかなか新しい技術の開発等の人材育成がちょっと難しいのではないかとか、そういったこともお聞きしましたし、規模的にもちょっと小さくなりますから、岡山でも規模を小さくすればそういったこともできるんだろうと思いますが。岡山ではなかなかないけれども、愛知ではそういうことができる。逆に、愛知ではできないけれど、岡山県でできるのは、私はこの木材、森林・林業、そして木材産業の新たな創出だと思っています。それが先ほどの真庭市も進めているようなこういった取組でございまして、これらも構想段階からもう数年たちますけれども、最初は本当みんなそれを理解してもらうために、相当駆けずり回って、政財界、中央官僚も含めていろいろな人にお願いをして、実績も上げながら、そこからいろいろな情報が共有されていって、今、岡山大学さんも相当力を入れられているというふうにお聞きしています。こういった分野で、まさに日本や世界をリードするような、これからの木材産業、そしてそれをかなえる技術の創出と人材育成、これにはぜひ岡山県のほうも、岡山県ならではの産業なんだという、ぜひ気概を持っていただいて、力を入れて、連携、支援に取り組んでいただければと要望させていただきます。 続いて、公共事業のほうで、最後に知事のほうに総括的な再質問をさせていただきますが、その前に、土木部長に1つ再質問させていただきます。 いろいろな指標がありますから、確かに補助事業目標額を出すのは難しいと思います。ちなみに、補助事業目標額というのは、ちょっと私が質問した趣旨は、全体的なところだったんですけれども、これはあくまで土木事業の単独事業と補助事業、公共のほうだけだったのか、それを教えていただきたいと思います。 また、社会資本総合整備の事業なんかも入っているのかどうか、その辺を教えていただければと思いますし、もしもその辺のまとめた数字を持っているようであれば教えていただきたいと思います。 そして、財政面の制約に関して、これは意見ですけれども、確かにいろいろな類似団体と今回も比較をさせていただいております。比較をするときに、主に岡山県では類似団体を、栃木、群馬、長野、三重、岐阜と、その5県を対象にいろいろな比較をされているようですけれども、財政状況に関しては、これは確かに5県と比べると岡山は悪い状況にはあると思います。 一方で、今回、私のほうが、総務省が比較しているビーワン、ビーツーのほうで全体的に出したときには、比較的、平均的によくなるということで、これはどこを対象にするかとか、どういう性質のものなのかとか、どういった財政状況なのかによって、やっぱり見え方が違うということもありますから、一概には言えないのは十分に分かっております。 その上で、これまで類似のところでもやっぱり相当この補助事業等の獲得を要望段階からしっかりされておりますので、もしも財政的にある程度好転しているのであれば、その辺のキャップを外していくとかということにぜひ力を入れていただきたいと思います。 そして、最後に知事に再質問をさせていただきます。 総括的にはなるんですけれども、先ほど土木部の職員数に関しても平均的であると、財政面も厳しい状況もあれば好転している状況も見受けられるという中で、これまでの数十年と比べれば圧倒的によい状況にはあると思っております。私もちょっと危惧したのが、補助事業いっぱい取ってくることができるけれど、事業をいっぱい起こさなくてはいけなくて、もう土木職員が足りない状況であれば、それはもうまず職員を増やさなくてはいけないという大変な状況になりますし、またそもそも、ほかの県と比べて同じぐらいもう補助事業取っていれば、そこから伸び代もないわけでもありまして、こういったいろいろなことがある中で、岡山県は、今、本当に非常にチャンスだと感じております。 その中で、特に職員数もある程度いる、財政面も好転している状況と捉えていますので、その中でただ社会保障の累増等によって県政の中でほかの部局から予算を持ってこれるということは、100億円、200億円は絶対無理だと思いますけれども、国の補助事業の予算配分の中で、他県と同じように取ってくれば、私の認識では数百億円、100億円、200億円は超える規模かなと思っているんです。それが取ってこれるという状況にあるということでありますから、ぜひここはしっかりもっと力を入れていただいて、ぜひ岡山県にしっかりと補助事業、そして予算を取ってきていただいて、安心・安全な県土づくりということで求めたいと思いますので、いい答弁をいただいたんですけれども、もう少し知事のお考え、また決意のほうをお知らせいただければと思います。 ○副議長(中塚周一君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  公共事業費を国からもっと取ってくることは可能ではないかと、職員数が徹底的に不足しているわけでもないと、財政面について厳しいかもしれないけれども、以前と比べれば改善しているではないかと、今がチャンスではないかということに対して、もう一度答弁をさせていただきます。 実際、県内各地それぞれの様子を見ますと、まだまだしなければいけない事業たくさんございます。要望もたくさん積み上がっているわけでございます。もしくは、もう少し早くできれば本当に皆さん喜んでいただけるのにというような事業も多々あるわけでございます。我々が県民1人当たりでこれまでずっと取り過ぎていたということであれば、さらにもらうというのはずうずうしいことなのかもしれませんけれども、岡山県、それぞれの産業が頑張って税金はきちんと払っている県だと、私は認識をしております。1人当たりの国からいただける金額が長期にわたって少ない状態が続いているということであれば、我々は堂々とぜひほかの県並みにいただきたい、もしくはこれまで少なかった分をちょっと取り戻すような形でいただきたいと主張するのは、何ら問題のあることではないと思っております。 7月に総決起大会を開催し、議場にいらっしゃる県議の先生方をはじめいろいろな方に参加いただく予定でございます。1回だけの大会で何か急に事態が改善するというほど、多分甘いことではないと思いますけれども、きちんとこのことについて継続的に国に訴えて、状況を変えていきたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(中塚周一君)  土木部長西澤洋行君。   〔 土木部長 西澤洋行君 登壇 〕 ◎土木部長(西澤洋行君)  再質問にお答えいたします。 補助事業の目標額の算出に当たっての具体的な御質問だったと認識をしております。 今回、先ほど申し上げた数字の根拠になったデータでございますけれども、国土交通省のほうで公表しております補助事業プラス社会資本整備総合交付金、それぞれそれを47都道府県に配分した額、そのデータを用いまして、本県と各県の比較を行ったものでございます。 その一方、こちらの数字、県と市町村合わせた数字となっておりまして、純粋に県の数字という形での比較は難しいところではございますけれども、その数字を用いたということでございます。 したがいまして、あくまでこれは国土交通省が配分した額ということですので、例えば、農林水産関係とか、そのような事業は含まれていないということでございます。 以上でございます。 ○副議長(中塚周一君)  25番。   〔 25番 河野慶治君 登壇 〕 ◆25番(河野慶治君)  ありがとうございました。 最後に、要望ですけれども、来月の決起大会みんなで参加して、ぜひ岡山に取ってくるということで頑張りたいと思います。 大体全国的に見ても、やっぱり何となく政治的な力が強いところは、補助公共をしっかり取っているなというものが見受けられます。前も言いましたけれども、岡山県は本当に優秀な国会議員の先生方多いですから、やっぱり政治力学的なところでも取り合いになってくると思いますので、ぜひ一致団結して、オール岡山で補助公共を取ってこれるように頑張っていくことができるようお願いを申し上げまして、再度の要望とさせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(中塚周一君)  以上で河野君の質問は終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(中塚周一君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △6月20日の議事日程 ○副議長(中塚周一君)  明日の議事日程は、午前10時開議で、一般質問であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(中塚周一君)  本日は、これをもって散会いたします。        午後2時19分散会〇 令和6年6月19日(水曜日)出席議員   1番 角屋  忍君       2番 井出 妙子君       3番 鈴木 一史君   4番 小原なおみ君       5番 渡邉 直子君       6番 天野 英雄君   7番 坂本 亮平君       8番 正木 美恵君       9番 松島 幸一君  10番 佐古 一太君      11番 本山 紘司君      12番 福田  司君  13番 清水  薫君      14番 大橋 和明君      15番 乙倉 賢一君  16番 小倉  博君      17番 秋山 正浩君      18番 鳥井 良輔君  19番 吉田  徹君      20番 須増 伸子君      21番 氏平三穂子君  22番 荒島 俊造君      23番 大塚  愛君      24番 高橋  徹君  25番 河野 慶治君      26番 渡辺 知典君      27番 福島 恭子君  28番 山本 雅彦君      29番 木口 京子君      30番 市村  仁君  31番 上田 勝義君      32番 小林 義明君      33番 中塚 周一君  34番 江本 公一君      35番 太田 正孝君      36番 久徳 大輔君  37番 中川 雅子君      38番 柳田  哲君      39番 笹井 茂智君  40番 森脇 久紀君      41番 増川 英一君      42番 高原 俊彦君  43番 蜂谷 弘美君      44番 小倉 弘行君      45番 加藤 浩久君  46番 遠藤 康洋君      47番 神宝 謙一君      48番 波多 洋治君  49番 蓮岡 靖之君      50番 小田 圭一君      51番 渡辺 英気君  52番 内山  登君      53番 小野 泰弘君      54番 小田 春人君  55番 千田 博通君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     清水 浩史           次長       村上 裕二  議事課長     門脇  学           政務調査室長   長家  輝  議事課長代理   藤原 健人           議事課長補佐   岩上 竜也  議事課主幹    山口 広倫           議事課主任    平田 哲也           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       伊原木隆太君          副知事      上坊 勝則君  副知事      笠原 和男君          公営企業管理者  片山 誠一君  危機管理監    中川 担泰君          総合政策局長   万代 洋士君  知事室長     下野間 豊君          総務部長     浮田信太郎君  総務部次長    森  隆之君          県民生活部長   玉置明日夫君  環境文化部長   大熊 重行君          保健医療部長   梅木 和宣君  子ども・福祉部長 片山 圭子君          産業労働部長   宮本 由佳君  農林水産部長   中山  均君          土木部長     西澤 洋行君  出納局長     小寺 恵子君教育委員会  教育長      中村 正芳君          教育次長     田中 秀和君公安委員会  委員       大土  弘君          警察本部長    河原 雄介君  警務部長     川口  晃君人事委員会  委員       武井 祐子君          事務局長     根木  昭君監査委員  代表監査委員   浅間 義正君          事務局長     武内 克之君選挙管理委員会  委員       西  康宏君...