令和 6年 2月定例会 ◎ 令和6年2月
岡山県議会定例会会議録 第2号〇 令和6年2月27日(火曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1 代表質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1 代表質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○議長(小倉弘行君) 皆さん、おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 代表質問
○議長(小倉弘行君) 日程に入り、代表質問を行います。 質問時間は30分以内と定めます。
自由民主党岡山県議団代表52番内山登君。 〔 52番 内山 登君 登壇 〕
◆52番(内山登君) 皆さん、おはようございます。
自由民主党岡山県議団の内山登でございます。 私は、今議会に提案されました令和6年度当初予算案をはじめとする諸議案及び当面する県政の重要課題につきまして、会派を代表し、知事、教育長並びに警察本部長にお尋ねいたします。 まず、本年1月1日に発生した能登半島地震によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げ、いまだ不安去りやまぬ被災地の一日も早い復旧・復興を心より御祈念申し上げます。 また、被災地での支援活動に尽力されている本県職員をはじめ関係各位には、心から厚く御礼申し上げます。 さて、今般の自民党政策集団の政治資金をめぐる問題により、国民の政権への信頼は大きく損なわれ、政治の安定さえも揺らぎかねない状況にあります。 我が党の先人たちは、悪弊を絶つために、平成元年の政治改革大綱において、政治は国民のものと宣言した立党の原点に立ち、党の再生を成し遂げて、信頼回復を果たさなければならないと決意し、様々な改革を進めてきました。 にもかかわらず、一連の事態が生じましたことは、残念でなりません。 現在、国会において、再発防止に向けた法改正が検討されていますが、まずは国民の理解が得られるよう必要な説明責任を果たした上で、実効性ある政治改革となるよう強く求めるものであります。 ところで、国が示した日本の将来推計人口によれば、50年後の総人口は現在の7割、さらに2100年には約6,300万人と半減し、人口減少が加速度的に進む現実が突きつけられています。人口減で社会の活力が失われ、国力の衰退が危惧される中、日本の昨年の名目国内総生産GDPは、ドイツに抜かれ、世界第3位から4位に転落しました。 そうした中、先月、民間有識者らでつくる人口戦略会議が、日本の目指す姿として、人口を安定させる戦略と小さい人口規模でも成長力を確保する戦略の一体的な推進を掲げた提言「人口ビジョン2100」を公表しました。 人口減を食い止め、持続可能な国づくりへの提言を真摯に受け止め、今後、官民を挙げた取組と同時に、我々一人一人も危機感を共有し、行動していくことこそが、次代に向けての責務と考えるのであります。 さて、新たな年が幕を開け、本県アスリートの活躍が続いています。
バレーボール全日本高校選手権女子において、就実高校が2大会ぶり5度目の優勝を飾り、
世界ボクシング協会フライ級では、
ユーリ阿久井政悟選手が県内ジム所属で初の世界王座を奪取し、今夏の
パリ五輪代表選考会を兼ねた
大阪国際女子マラソンでは、
天満屋女子陸上競技部の前田穂南選手が日本記録を19年ぶりに更新しました。野球では、備前市出身の山本由伸投手が米大リーグに挑戦します。 スポーツ県岡山の底力を示し、県民に希望と感動を与えてくれましたことに、敬意と感謝を申し上げますとともに、朗報続く本年が、県政各般にわたり、飛躍の一年となることを願ってやみません。 私
ども自由民主党岡山県議団は、コロナ禍を経て、人の流れや物流が大きく動き出した今こそ、時代の変化の潮流を好機と捉え、岡山県が誇りと活力を取り戻すよう、全力で取り組む決意を披瀝し、具体的な質問に入らせていただきます。 まず、「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」についてお尋ねします。 2040年頃の目指すべき岡山の姿を展望し、県政推進の羅針盤として定めた「第3次生き活きプラン」が、最終年度を迎えます。 県では、これまで3つの重点戦略を掲げ、17の戦略プログラムに盛り込まれた重点施策や推進施策に取り組み、教育の再生や企業誘致などで一定の成果を上げてきたものの、歯止めのかからない少子化やUターン就職率など、目標と現状が乖離している指標も多くあります。 地元紙のアンケートによると、県が優先的に取り組むべき分野には、「地域経済や産業の活性化」、「人口減少への抜本的対策」が挙げられ、当初予算案に望むことには、「重点分野に大胆に予算配分し、もっとカラーを打ち出してほしい」が5割を占めてトップとなるなど、伊原木知事には、長引く物価高騰や加速する少子高齢化への思い切った力強い対策が求められています。 全ての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現に向け、来年度は、総仕上げの年となります。これまでの取組を振り返り、どう評価するのか、また、目標達成に向けたラストスパートへの知事の決意をお伺いします。 次に、国際路線の回復・拡充についてお尋ねします。 昨年、日本を訪れた外国人は約2,507万人と、過去最高を記録した2019年の約8割まで回復し、12月は
新型コロナウイルス感染症拡大前を上回りました。 本県においても、昨年7月~9月の
外国人延べ宿泊者数は約9万人で、2019年の7割ほどに回復しています。国や地域別に見ると、台湾が延べ2万7,040人と最も多く、いち早く再開した台北線が、堅調な回復につながっているものと思われます。 しかしながら、
岡山桃太郎空港では、コロナ禍前は、ソウル・上海・台北線がデイリー、香港線は週3便運航していましたが、完全に回復したのは台北線のみで、香港線は、いまだ運休が続いています。インバウンドの回復・拡大を図るためには、国際路線の回復・拡充が欠かせません。 また、県は、大型機の離着陸を可能とするため、多額の県費を投入し、2度にわたる延長により、3,000メートル滑走路を整備してきました。そのポテンシャルを最大限に生かすためにも、
ロングチャーター便の誘致や航空貨物の利用促進等にしっかりと取り組む必要があると考えます。 地方空港間の競争が激化する中、国際路線の回復・拡充に向け、どう取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、持続可能な中山間地域の形成についてお尋ねします。 中山間地域では、人口減少が急速に進み、高齢化率も、都市部と比べて高い水準で推移しています。昨年末に国立社会保障・
人口問題研究所が公表した本県の2050年の推計人口は、2020年の約189万人から2割減少して約151万人に、人口1万人以下の小規模自治体は、4町村から11町村に拡大が見込まれています。 5年前に公表された推計から、人口減少のペースが加速しており、自治体間の格差も拡大しています。有効な対策を講じることができなければ、減少が大きな地域は、税収減や経済の縮小により、生活基盤を維持することが困難となり、自治体消滅に至るおそれがあります。 県では、移住・定住の促進や小さな拠点形成の支援、
地域おこし協力隊をはじめとする地域の多様な担い手の確保・活動や、「おかやま元気!集落」の活動支援など、中山間地域の振興に取り組んできました。しかし、公表された2050年の推計人口を見ると、対策の抜本的な見直しと、取組の強化・充実が不可欠だと強く感じます。 安心して暮らし続けることができる地域づくりに向け、今後どう取り組むのか、御所見をお伺いします。 次に、
合計特殊出生率の向上についてお尋ねします。 本県の令和4年の
合計特殊出生率は1.39と、13年ぶりに1.4を割り込み、中国地方では最も低い数値となりました。県では、令和22年までに
合計特殊出生率を2.07に引き上げることを目標に、これまでも様々な事業を実施してきましたが、
合計特殊出生率の低下の流れを反転させるには至っていません。少子化対策は待ったなしの課題であるがゆえに、事業効果を見極めることが何よりも大切だと考えます。 少子化をもたらす非婚化、未婚化、晩婚化の進行は、経済的な不安定さや、出会いの機会の減少によって、結婚を希望しているのにできない人が増加していることが要因と言われています。安心して子育てができる環境を整備していくことはもとより、結婚に対する不安感の払拭や、出会いの機会の創出など、結婚の希望をかなえるための施策を充実させる必要があります。 県では、来年度、
少子化対策総合推進事業において、「企業とのタイアップ」、「結婚の壁対策」、「空気感の醸成」に特に注力するとしていますが、これらの取組によって、どのような効果を期待しているのか、改めて示していただきたいと思います。 また、
合計特殊出生率の目標を達成するためには、それぞれの市町村の地域特性や規模等を踏まえた上で、県と市町村が連携し、効果のある施策を強力に推進していく必要があると考えますが、どう取り組むのか、併せてお伺いします。 次に、医療提供体制の確保についてお尋ねします。 急速な少子高齢化の進行や医療ニーズの変化に加え、医師の働き方改革に伴う対応が必要になるなど、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。 本県には、県南東部、県南西部、高梁・新見、真庭、津山・英田の5つの2次保健医療圏があり、
県保健医療計画では、それぞれの医療圏において、入院医療の需要に対応し、比較的専門性の高い領域も含めて、一般的な医療がおおむね完結できる体制づくりを目指しています。 しかしながら、高梁・新見圏域や真庭圏域では医師不足が続いており、また、産科においては津山・英田圏域、小児科においては真庭圏域が医師少数区域に該当するなど、特定の診療科目における地域格差も見られます。加えて、県北で就職する看護職員が少ない状況や、薬剤師の地域偏在といった課題もあります。 さらに、広島県、兵庫県、鳥取県との県境部においては、救急医療など、県境を越えて医療機関を受診することがあり、こうした医療連携についても進めるべきと考えます。 県民が必要な医療サービスを適切に受けられる医療提供体制の確保に向け、どう取り組むのか、御所見をお伺いします。 次に、
瀬戸内海国立公園指定90周年についてお尋ねします。 国立公園は、「日本の風景を代表するに足りる傑出した風景地」を保護し、利用の促進を図る目的で、国が指定した自然公園であり、
瀬戸内海国立公園は、昭和9年に日本で最初に指定され、今年で90周年を迎えます。広い海域とそこに点在する島々、それを望む陸地の展望地が公園区域として指定されており、国内では最も広い国立公園となっています。 記念すべき90周年の節目を迎えるに当たり、あの新渡戸稲造をして世界の宝石と言わしめた、瀬戸内海の自然や地域の歴史・文化のすばらしさを国内外へ発信し、国立公園の利用促進を図るとともに、環境保全に対する意識の向上を図ることで、瀬戸内海の貴重な自然環境を守っていくことが大切です。 国等と連携しながら、代表的な展望地である鷲羽山での
ウオーキングイベントや記念式典の開催などを予定していますが、
瀬戸内海国立公園の魅力を改めて発信し、利用促進と環境保全を図りつつ、来るべき100周年につなげていくべきと考えます。どのように取組を進めるのか、御所見をお伺いします。 次に、観光誘客に向けた認知度向上についてお尋ねいたします。
ブランド総合研究所が昨年発表した
都道府県魅力度ランキングによると、本県は35位にとどまっており、
日本政策投資銀行が昨年発表した
訪日外国人旅行者の国内の主な観光地の認知度においても、「岡山」は12%と低い状況となっています。 こうした中、昨年の訪日外国人による観光消費額が、国全体で5兆円を超えて過去最高となった一方で、一昨年の県内の観光消費額は、コロナ禍前の約8割にとどまっています。本県の観光消費額を回復させるためには、インバウンドを本県に呼び込むことが不可欠であります。 今後、森の芸術祭をはじめ、大阪・関西万博や
瀬戸内国際芸術祭などで、国内外から多くの来客が見込まれます。この機会を逃すことなく、近隣県やせとうちDMO等と連携した
プロモーション活動を積極的に展開するなど、本県の観光情報を国内外にしっかりとアピールし、認知度を向上させ、観光誘客につなげていく必要があります。 今後、どう取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、産業構造の変革についてお尋ねします。 本県の
年間製造品出荷額等は、2011年から2020年までの平均で約8兆円の規模であり、そのうち、水島工業地帯が約4兆円と半分を占めています。一方、それ以外の地域でも、今年、玉野市で
大型蓄電池組立工場が本格稼働を予定しているほか、笠岡市の
洋上風力発電設備、井原市の半導体製造装置といった生産拠点の新設・拡張の動きが広がるなど、今後成長が期待される
グリーン成長分野に関する設備投資が増えており、
製造品出荷額等の増加も期待されています。 本県の産業をさらに発展させるためには、水島工業地帯を中心とする
重厚長大型産業に加え、国の
グリーン成長戦略に対応することで、半導体や情報通信産業など、新技術や新製品の研究開発を進める企業への支援を強化する必要があります。加えて、大学等と連携したイノベーションの創出を加速させるなどにより、産業構造の変革をもたらす産業の振興に取り組むべきと考えますが、どのように対応していくのでしょうか。 また、
グリーン成長分野に取り組む企業を、
地域未来投資促進法を活用するなどにより、集積させることができれば、新たな産業集積地と水島工業地帯を拠点とした
ツインエンジン体制で、本県産業を発展させることができると考えますが、併せて御所見をお伺いします。 次に、ノリ・カキ養殖業の振興についてお尋ねします。 本県では、ノリやカキの養殖業は、漁業生産量の約9割を占める基幹漁業であり、全国でも有数の生産量を誇っています。しかし、近年の気象変動に伴う海水温の上昇や、栄養塩濃度の低下等によって、ノリについては、養殖ができる期間が短くなるとともに、色素が薄くなる「色落ち」が発生しています。また、カキについても、餌となるプランクトンの減少によって身が小ぶりとなるなど、生産に及ぼす影響が問題となっています。さらに、最近では、クロダイやカモによる食害も深刻化しています。 県ではこれまで、環境変化に対応した品種改良や、下水処理施設の管理運転による栄養塩の供給のほか、防護網の設置などの食害対策に取り組んできましたが、ノリは、昨年度の生産量が、記録が残る1980年度以降、過去2番目に少なくなるなど減少傾向にあり、カキの生産量も不安定な状況が続いています。 本県のノリ・カキ養殖業の振興のためには、漁業環境の変化に対応した取組が必要です。あわせて、消費拡大に向けたPR活動や販路拡大の取組も一層促進すべきと考えますが、今後、どのように取り組むのか、御所見をお伺いします。 次に、美作岡山道路についてお尋ねします。 美作岡山道路は、
中国縦貫自動車道と山陽自動車道を県東部で結ぶ全長約36キロメートルの
地域高規格道路であり、これまでに、全体の約6割になる22キロメートルの区間が供用されています。令和3年度には、未事業化区間として残っていた
吉井インターチェンジから
英田インターチェンジまでの区間が補助事業として採択され、これにより全ての区間で事業化が決定し、現在、山陽自動車道に接続する
瀬戸ジャンクションを整備する岡山市と共に、事業が進められています。 将来、全線が開通し、
ミッシングリンクが解消されれば、企業立地や観光振興等による沿線地域の活性化はもとより、大規模災害時においても安定的な輸送が可能となる
物流ネットワークとしての機能など、県全体への大きな効果が期待できます。 美作岡山道路が、これらの効果を最大限に発揮するためにも、一日も早い全線開通が望まれますが、そのためには、地元住民との丁寧な合意形成に努めるとともに、国への積極的な働きかけなどを通じて、必要な予算を確保し、着実かつスピード感を持って事業を進めていかなければなりません。 事業の進捗を加速させていただきたいと考えますが、美作岡山道路の整備の進捗状況と、全線開通に向けた決意について、御所見をお伺いします。 さて、教育の質問に移りたいと思いますが、昨今、教職員による不祥事が相次いでおります。不祥事の根絶と教育行政の信頼回復に向け、全力で取り組んでいただくようお願いします。 それでは、次世代を担うリーダーの育成についてお尋ねします。 本県は、354年前の寛文10年に
岡山藩主池田光政公により、我が国初の庶民の学校である閑谷学校が開かれました。また、江戸時代の寺子屋の数が全国第3位、私塾の数は全国第1位であるなど、早くから充実した教育環境を有しており、明治前期からの小学校就学率は、全国平均に比べ常に高位の状況にありました。 さらに、洋学者で我が国近代化の礎を築いた箕作阮甫や、天然痘治療へ貢献した緒方洪庵、備中松山藩の藩政改革を担った山田方谷など、我が国有数の教育者をはじめ、県内のみならず国内外で活躍する人材を多く輩出してきました。 このような人材育成に対する熱意や教育環境は全国的に高い評価を受け、本県は教育県として知られていました。 第3次晴れの国おかやま生き活きプランの重点戦略に「教育県岡山の復活」を掲げ、様々な施策に取り組んでいますが、本県が誇る先人たちのようなリーダーを育成することは、教育県岡山の復活に向け、極めて重要であると考えます。 県教委では、岡山大学と協働し、高い志を持った高校生が大学生と共に夢を育み、主体的に学ぶ場を提供していますが、次世代を担うリーダーの育成について、今後、どう取り組んでいくのか、教育長の御所見をお伺いします。 次に、学びの
チャレンジ精神の育成についてお尋ねします。 本県教育の使命は、子供たちに自らの進路を切り開く力を確実に身につけさせるとともに、郷土岡山を愛し、よりよい社会づくりに積極的に貢献する人間を育てることです。 そのため、県教委では、子供たちの学びの原動力である夢を育む「夢育」を進め、意欲や自信などの「自分を高める力」の育成に取り組んでいます。子供たちが将来、夢を実現するためには、学びに積極的、主体的に取り組み、「やりたいこと」や「なりたい自分」を見つけられるような学びの
チャレンジ精神を育成し、確かな学力の定着を図ることが極めて重要です。 子供たちが勉強や運動を通して、「分かった」、「できた」という、成功体験を積み重ねることで、自己肯定感や困難な課題に立ち向かう意欲が高まります。また、適切な運動習慣は、集中力や忍耐力、前向きな思考等が身につくと言われており、学びの
チャレンジ精神を育成するためには、学力向上と体力向上を一体的に進める必要があると考えます。 学力に関しては、全国学力・学習状況調査の
全国平均正答率を1ポイント上回ることを目標に掲げ、様々な施策に取り組み、全国平均と同程度の学力が定着してきましたが、目標の達成に向けては、さらなる取組が必要です。本県の子供たちの学力を
全国トップクラスにするため、学力向上対策をどう進めていくのか、教育長の御所見をお伺いします。 また、体力に関しては、長引く体力低下に一定の歯止めはかかりましたが、運動する子としない子の二極化が進んでおり、運動が好きな子供たちを増やし、運動習慣の定着を図る必要があると考えます。子供たちの体力向上に向け、どう取り組んでいくのか、教育長の御所見をお伺いします。 最後に、信頼される県警察について、2点お尋ねいたします。 まず、地域と連携した犯罪抑止対策についてであります。 県内の治安情勢を見ると、昨年中の刑法犯認知件数は9,230件となり、一昨年より1,223件増加しているほか、高齢者を狙った特殊詐欺事案や、子供や女性を対象とした犯罪、不審者事案も後を絶たず、体感治安の悪化が懸念されています。 こうした中、県警察では、県民の防犯意識を高めるため、「鍵掛けで『安全』・電話対策で『安心』」
キャンペーン等の啓発活動や防犯講話などを実施していますが、人と人とのつながりが希薄化する中、こうした取組を進めるためには、地域安全運動に取り組んでいる
防犯ボランティアの皆さん等との連携が不可欠です。 県民が安心して生活していくためには、県民との信頼を深めながら、地域と連携した犯罪抑止対策を進めていくことが重要と考えますが、今後、どう取り組まれるのか、警察本部長にお伺いします。 2点目は、県民からの信頼回復についてであります。 地域と連携した犯罪抑止対策を進めるためには、県民から信頼される警察であることが、何よりも大切です。しかしながら、昨年来、家出中の少女へのわいせつ事案をはじめ、証拠品の窃盗事案や、昇任試験問題に係る守秘義務違反など、警察官による不祥事が相次いで発生しています。こうした不祥事は、県民に不信感を与え、県警察への信頼が大きく損なわれることとなり、誠に残念なことであります。 県警察に対する県民の目の厳しさが増す中、信頼回復に向け、どう取り組まれるのか、警察本部長にお伺いします。 以上、当面する県政の諸課題を取り上げましたが、時間の制約もあり、その他の諸課題につきましては一般質問に委ねることといたしまして、私の
自由民主党岡山県議団代表質問を終わらせていただきます。皆さん、御清聴誠にありがとうございました。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 自由民主党の内山議員の代表質問にお答えいたします。 まず、第3次晴れの国おかやま生き活きプランについての御質問でありますが、県政の各分野で、新型コロナの影響を受ける施策もありましたが、教育分野では、落ち着いて学習できる環境が整ってきていることに加え、小・中学校ともに、全国平均並みまで回復した学力が定着してきております。また、産業分野では、
新規立地企業等の投資額が目標値を大きく上回るなど、確かな成果が現れてきていると考えております。 現行プランの最終年度である来年度は、これまで進めてきた施策のさらなる加速化を図ることはもとより、インバウンドを含めた観光振興など経済の好循環につながる取組を推進するとともに、特に、待ったなしの課題である少子化対策については、市町村や民間企業とも一層連携を図り、重点的に施策を展開することとしており、こうした取組を通じ、全ての県民が明るい笑顔で暮らす生き活き岡山の実現を目指してまいりたいと存じます。 次に、国際路線の回復・拡充等についての御質問でありますが、
空港関係事業者が行う人材確保の取組への支援により、空港の受入れ体制を確保し、できる限り早期にコロナ禍前の運航便数に戻すとともに、さらなる増便や新規路線の就航を航空会社等へ働きかけてまいりたいと存じます。 また、航空貨物については、取扱量が国内最大の成田国際空港や、離着陸が24時間可能な関西国際空港、国の税制上の優遇措置がある那覇空港などの国内ハブ空港を中心とした物流の拠点化が進んでいるなどの課題もありますが、令和2年度、2020年度に策定した
空港づくり基本構想を踏まえ、
ロングチャーター便の誘致や、
航空貨物取扱量の増加につながる機材の大型化を航空会社等に働きかけるなど、空港のポテンシャルを生かせるよう、取り組んでまいりたいと存じます。 次に、持続可能な中山間地域の形成についての御質問でありますが、県では、中
山間地域活性化基本方針に基づき、安心して暮らし続けることができる地域の実現を目指し、ソフト・ハード両面から総合的な施策を展開してきたところであります。 しかしながら、中山間地域は人口減少や高齢化の急速な進行による地域活動の担い手不足など、将来にわたる集落機能の維持・確保が厳しい状況にあると認識しております。 このため、地域の主体的な取組への継続的な支援はもとより、外部人材のさらなる活用に向け、
地域おこし協力隊や移住・定住の取組を強化するとともに、新たに、企業と地域の協働による生活機能の確保に向けたビジネスモデルの構築や、地域の課題解決に資する起業支援など、民間活力の積極的な活用も図ってまいりたいと考えております。 今後とも、市町村等と一層の連携を図りながら、持続可能な中山間地域の形成に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に、
合計特殊出生率の向上についての御質問でありますが、目標の達成に向けて、まずは結婚が重要なポイントになると強く感じているところであります。 このたび打ち出した3つの視点に基づき、男女ともに安心して子育てと仕事を両立できる職場環境づくりを企業と連携して進めるとともに、縁むすびネット等を通じた出会いの場の提供や、結婚・子育てを応援する県民運動の展開など、社会全体の空気感の醸成等に取り組むことにより、若い世代の結婚の希望をかなえ、出生数に響かせてまいりたいと考えております。 また、少子化対策を効果的に推進するためにも、地域の特性や課題に応じた各市町村の取組が進むよう、きめ細かく伴走支援するなど、市町村との一層の連携強化を図ってまいります。 将来世代のために、今できることを先送りせず、様々な施策に挑戦し、正面から取り組んでまいりたいと存じます。 次に、医療提供体制の確保についての御質問でありますが、人口減少や高齢化等に伴う医療ニーズの変化、医療の担い手不足等への対応が求められております。 このため、地域医療の現状や様々な課題について関係者と議論を重ね、第9次岡山
県保健医療計画を策定しているところであり、医療機能の分化・連携の促進、デジタル技術の活用や、隣県との連携を含めた円滑な救急搬送体制の整備などに取り組むこととしております。 引き続き、限られた医療資源が、それぞれの機能を最大限発揮し、県民が住み慣れた地域で、必要とする医療が受けられる体制の確保を図ってまいりたいと存じます。 次に、
瀬戸内海国立公園指定90周年についての御質問でありますが、指定90周年を契機に、改めて瀬戸内海の優れた自然環境や地域文化に触れる機会を創出することで、利用促進と環境保全につなげていくことが重要であると考えております。 このため、国や関係自治体等と連携し、記念式典や
ウオーキングイベントに加え、フォトコンテストやスタンプラリー、島での魅力体験ツアーのほか、海ごみ回収イベントなど、年間を通じ様々な記念事業に取り組むこととしております。 こうした取組により、瀬戸内海の自然、歴史、文化などの魅力を発信し、誘客を図りながら、国内外に誇る瀬戸内海の環境や景観を守り、育て、来るべき100周年につなげてまいりたいと存じます。 次に、観光誘客に向けた認知度向上についての御質問でありますが、来年度は、森の芸術祭に合わせて観光キャンペーンを実施し、相乗効果により誘客を促進したいと考えており、アートや食、自然・文化体験といった本県の魅力的な観光素材を、デジタルマーケティングの活用や交通事業者と連携したプロモーション等により、全国に向けて発信してまいります。 また、海外に向けては、今年度リニューアルする多言語サイトやSNSを通じ、旬の情報を随時発信するとともに、インフルエンサーの招請や旅行博への出展、オンライン旅行会社と連携したプロモーションなどを展開したいと考えております。 さらに、近隣県やせとうちDMO等と連携し、海外メディアや訪日外国人に向け、関西発の広域周遊ルートを紹介するなど、大阪・関西万博も見据えながら、様々な手法で本県の観光情報を積極的に発信することで、本県の認知度向上を図ってまいりたいと存じます。 次に、産業構造の変革についての御質問でありますが、
グリーン成長戦略への対応やイノベーションの創出は、企業の競争力強化や地域経済の成長につながることから、自動車や半導体などの分野について、技術動向等の情報提供や研究開発費の補助などの支援に取り組んでいるほか、来年度から、成長分野の企業と大学等の研究者が参画するプラットフォームを設置し、イノベーションの創出を支援することとしております。 また、
グリーン成長分野での新たな産業集積については、一定の集積がある半導体製造装置関連産業や、成長が期待されるエネルギー関連産業への投資促進を図っているところであります。 今後とも、県内企業の研究開発力や技術力の向上を支援し、本県の強みを生かせる分野への早期参入や市場獲得を促進するとともに、
地域未来投資促進法等の活用などにより、厚みのある産業構造を形成し、本県産業の振興を図ってまいりたいと存じます。 次に、ノリ・カキ養殖業の振興についての御質問でありますが、栄養塩対策として、下水処理施設に加え、今年度から民間事業場においても管理運転を開始したところであり、さらなる取組の拡大を図ってまいります。 また、ノリについては、漁業者に対し、食害対策として一定の効果が見られる防護網の設置を粘り強く働きかけるとともに、カキについては、市場ニーズである出荷初期の身入り向上を目的とした養殖試験に取り組むなど、漁場環境の変化に対応した安定生産に努めてまいります。 さらに、各種イベントでのPR販売や小学校等での出張授業、SNSによる魅力発信などにより消費拡大を図るとともに、昨年12月に、カキの主要出荷先である中京圏バイヤーを招いた産地見学会を初めて開催するなど、販路拡大に向けた取組を進めながら、本県水産業の柱であるノリ・カキ養殖業の振興に一層努めてまいりたいと存じます。 最後に、美作岡山道路についての御質問でありますが、美作岡山道路は、本県にとどまらず、中四国における高規格道路ネットワークを構成し、沿線地域の活性化はもとより、近い将来に発生が予想される南海トラフ地震に対しては、広域的な支援のための人の移動や物資の輸送を担うなど、復旧・復興に大きな役割を果たす重要な道路であると考えております。 現在、県が整備に取り組んでいる湯郷温泉インターチェンジから
英田インターチェンジ間については、用地買収をおおむね完了し、橋梁工事等を推進しているところであります。また、
英田インターチェンジから
吉井インターチェンジ間についても、用地買収を進めるとともに、一部、工事に着手したところであります。 今後とも、予算の確保を国に強く働きかけるとともに、関係市町と連携し、早期の全線開通に向け、全力で整備を推進してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 答弁に先立ちまして、教職員の不祥事が続いており、県議会をはじめ、県民の皆様に深くおわび申し上げます。今後、信頼回復に向け、研修の充実等、不祥事防止に全力で取り組んでまいります。 では、自由民主党内山議員の代表質問にお答えいたします。 まず、次世代を担うリーダーの育成についてでありますが、県教委では、語学力やコミュニケーション能力、異文化を理解する精神、自ら問いを立てその解決に向けて他者と協働する力等を育み、様々な分野において国内外で主体的に活躍できる人材の育成を目指しております。 このため、グローバルリーダー育成のためのカリキュラム開発や、岡山大学と協働した「おかやま夢育イニシアチブ」、全国規模のコンテスト等への積極的な参加、世界の若手リーダーが集う「One Young World」への高校生の派遣等に取り組んでまいりました。 今後も、学校の枠を超えて、高校生が共に学び、探求する機会を一層充実させ、自ら考え行動できる次世代のリーダー育成に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、学びの
チャレンジ精神の育成についてのうち、学力向上対策についてでありますが、先を見通すことが難しいこれからの社会では、お話のように、子供たちが困難な課題に対して積極的に挑戦する気持ちを持ち、主体的に課題解決に取り組む力を育むことが重要になります。 そのため、県教委では、各学校に対して、短いサイクルで学習内容の定着状況が確認できる問題を提供するなど、個々の子供に応じた指導・支援体制の構築を図り、どの子も取り残されることのないよう、基礎学力の定着に向けた取組を進めているところであります。 その上で、子供たち自らが設定した課題についてしっかりと考え、その考えを様々な形で表現し、他者と協働しながら最適な答えを導き出していける力をつける課題解決型の学習を一層推進することで、子供たちの学びの
チャレンジ精神や学ぶ力の育成を図り、学力向上につなげてまいりたいと存じます。 最後に、体力向上対策についてでありますが、県教委では、今年度から新たに「一校1チャレンジ」として、全ての小学校が、長縄跳びなどのチャレンジランキング等に参加し、運動習慣の定着を図るよう指導するとともに、体力向上担当者等を対象とした研修会を開催し、子供たちが意欲的に授業に臨み、楽しみながら体力の向上を図ることができるよう、教員の指導力の向上に努めているところであります。 また、トップアスリートを学校に派遣する事業等も活用して、本物に触れ、子供たちの意欲を高める取組も進めております。 引き続き、こうした取組を通じて、運動が好きな子供たちを増やし、運動習慣の定着につながるよう、子供たちの体力向上に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 警察本部長河原雄介君。 〔 警察本部長 河原雄介君 登壇 〕
◎警察本部長(河原雄介君) 自由民主党内山議員の代表質問にお答えいたします。 信頼される警察のうち、まず、地域と連携した犯罪抑止対策についてであります。 県内の治安情勢は、議員お話のとおり、刑法犯認知件数が増加傾向にあるほか、高齢者を中心に被害が拡大している特殊詐欺や、子供・女性を対象とした犯罪が後を絶たないなど、厳しい情勢にあります。 こうした情勢を改善するための犯罪抑止対策を進めるに当たって、地域住民、とりわけ、各地域で活動されている
防犯ボランティアや民生委員・児童委員をはじめ、関係機関・団体等の皆様方との連携は必要不可欠であり、県警察では、これまでにも、各地域の治安情勢や防犯対策に係る広報啓発活動、各種防犯研修会、合同でのパトロールや挨拶運動等において、関係機関・団体等の皆様方と緊密に連携・協働して取り組んできたところであります。 県警察としては、こうした活動等を通じて、地域住民との信頼・連携を一層深化させ、共に「安全・安心の岡山」を実現するとの決意の下、犯罪抑止対策に全力で取り組んでまいります。 次に、県民への信頼回復についてであります。 昨年から今年にかけて、重大な不祥事案が連続的に発生し、県警察に対する県民の信頼を著しく損ねる事態に至っていることについて、県警察として大変重く受け止めており、県民の皆様に深くおわび申し上げます。 県警察では、二度とこのような不祥事案を繰り返さぬよう、高い倫理観の涵養、業務における基本の厳守、きめ細かな身上把握と指導などについて、私から直接幹部職員に指示するなどして、その徹底を図っているところであります。 また、県警察として、全ての職員が、「県民のための警察」という原点に立ち返り、一つ一つの仕事において、地道に、かつ誠実に成果を出していくことで、失われた信頼を僅かずつでも回復していけるよう、職員一丸となって、全力で職務に邁進してまいる所存であります。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 次の質問者に移ります。 民主・県民クラブ代表18番鳥井良輔君。 〔 18番 鳥井良輔君 登壇 〕
◆18番(鳥井良輔君) 皆さん、おはようございます。民主・県民クラブ鳥井良輔でございます。 まずは、能登半島地震において被災をされました皆様にお見舞いを申し上げます。 さて、伊原木知事におかれましては、任期最終年を迎えられます。知事は、この間、数十年後に振り返ったときに、岡山県のために適切な判断をしたと評価されるよう、県政運営を心がけてこられたと理解しております。 今回の代表質問でも、必ず発生をする南海トラフ地震への備えなど、長期的な視点に立って、今検討すべき県政の諸課題について質問をさせていただきます。真摯な答弁をどうぞよろしくお願いします。 まず初めに、予算編成に込めた思いについてお伺いします。 令和6年度は、第3次晴れの国おかやま生き活きプランの総仕上げの年として、「教育県岡山の復活」、「地域を支える産業の振興」、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」に加え、重点課題と位置づける少子化対策や脱炭素化関連事業、デジタル化推進事業など、掲げられた政策を着実に実行していくとともに、その成果を示していくことが求められております。 私たちの会派は、従来より、財政調整基金残高の適正化など、財政健全化に向けた取組を重視する立場から、様々な提案や要望を行ってまいりました。 社会保障関係費の累増や物価高騰によるコスト増などの財政リスクを考慮すれば、「選択と集中」による効果的・効率的な行財政運営が継続されることは理解しております。 一方で、現在、我が国は根強く残っていたデフレマインドが変化しつつあり、賃金も物価も経済も安定的に上昇する経済社会へとステージ転換を図る正念場として捉える必要があると考えます。 本県も、平成30年の豪雨災害からの復旧復興が進み、コロナ禍からの経済復活も加速するなど、局面が大きく変化しているのも事実であり、より元気な岡山県の創出に向けた意思と覚悟を県民の皆様にお示ししていかなければなりません。 当初予算要求内容の公表以降、各委員会、予算総括協議会などを経て、知事の査定増額として6億9,900万円の追加・拡充がなされました。令和6年度予算編成に込めた思い、そして任期最終年度を迎えるに当たり、県民へのメッセージをお願いします。 次に、地方創生についてお伺いします。 昨年末、公表された国立社会保障・
人口問題研究所の地域別将来推計人口で、2050年の本県人口は30年で20%減の見通しが示されました。人口1万人以下の小規模自治体は、2050年には11町村に拡大し、県南都市部に人口が集積する傾向が強まるとされています。 また、働き手となる生産年齢人口も低下し、鉱工業生産指数も、本県では下落の傾向をたどっており、このままでは、人口減少はとどまることを知らず、人手不足が加速し、県内経済にも大きな影響が及ぶことは避けられません。 国が発表した2023年の人口移動報告によると、県内27市町村のうち、「転出超過」が前年より2市増え、21市町村となり、県全体でも転出超過幅は膨らむ一方であります。 そこで、社会増に有効な手段である移住・定住促進についてですが、県への相談件数自体は、22年度に計画目標を達成しており、実際にどう移住に結びつけるかが大きな課題と言えます。 県は、来年度「岡山移住・定住促進パワーアップ事業」を拡充し、さらなる移住・定住の実現に取り組む方針ですが、どのように取り組んでいこうとしているのか、御所見を伺います。 全国の自治体は、生き残りをかけて地方創生に取り組んでいますが、本県では、その中でも十分な成果を上げているとは言い難い状況にあります。 来年度が最終年度となる第2期おかやま創生総合戦略の進展に向けて、課題の検証と戦略の見直しを図る必要があると考えますが、御所見を伺います。 続きまして、災害時の空路活用についてお伺いします。 能登半島地震においては、道路寸断により、陸路での救助、支援物資の搬送が困難を極めました。また、海底隆起により、港への船の着岸が困難な地域では、海路による支援も不可能となりました。発生直後に被災地支援に向かった消防・警察関係者からも、陸路による目的地到達が困難を極め、課題であるとの報告が多数上がっています。 国においては、能登半島地震を経て、空路の活用について検証が進められており、先月末には、消防庁から地域防災計画におけるヘリコプター活用に関する通知が発出されました。発災直後の状況把握、道路寸断等による孤立地域からの72時間以内の救命救助、孤立地域への支援物資搬送には、ヘリコプターを活用した空からの支援が有効であります。 能登半島地震を経て、空路による支援の重要性について、県としてどのように認識しているのか、伺います。 また、本県地域防災計画におけるヘリコプターの役割をどのように位置づけているのか、さらに、自衛隊を含めた公的ヘリコプターによる発災直後の状況把握、救助、支援物資の搬送等は、どのような指揮命令系統の下、実施される計画か、併せて伺います。 本県が備えるべきは南海トラフ地震であり、道路寸断や液状化も想定されることから、空路による支援が求められます。本県には3機の消防・警察ヘリが配備されていますが、耐空検査等で、常に3機が運用できるとは限りません。また、南海トラフ地震では、太平洋沿岸地域に甚大な被害が想定されており、自衛隊を中心とした国のヘリコプターも、優先的に、被害の大きな地域に集中することが考えられます。さらに、南海トラフ地震のような広域災害時には、連携協定を結んでいる近隣県からのヘリコプター支援も難しいと言えます。 以上のような状況を踏まえ、南海トラフ地震発生時における本県のヘリコプター運用に関する仕組み、計画は十分な備えとなっているのか、お伺いします。 ヘリコプターは、パイロットの目視で飛行します。どれだけ優れた技術を持つパイロットよりも、その地域の地形、地上の構造物、高圧電線の位置等を熟知したパイロットのほうが機動性に優れます。つまり、移動や遊覧飛行等で地域を日常的に飛行しているヘリコプターが、災害時に即戦力となり得ます。 また、民間には、官公庁で飛行実績を積んだパイロットも多く、災害対応訓練や現場経験を積んだ者も少なくありません。災害時には、公的ヘリコプターに加え、日常的に地域を飛行している民間ヘリコプターも活用し、官民の総合力で空からの被災地支援に臨むことが有益と考えます。御所見を伺います。 全国的には、災害時に民間ヘリコプターを活用する自治体も増加しております。本県においても、物資搬送等に関し、公的ヘリコプターの活動を補完する役割、公的ヘリコプターが十分に機能を果たせない状況におけるバックアップ体制を確立するという観点から、民間ヘリコプターを活用する意義は大きいと考えます。 まずは、関係機関との事前協議や訓練への参加等を通じ、連携の可能性を模索してはいかがでしょうか、御所見を伺います。 続いて、岡南飛行場についてお伺いします。
岡山桃太郎空港は定期路線を中心とした国内外への空の玄関口、岡南飛行場は小型機専用飛行場という役割分担で運用されており、2つの県営空港を有することは他県にない大きな強みと言えます。 来年度予算案では、
岡山桃太郎空港に関して、管理運営費に加え、航空ネットワーク維持・拡充事業等に要する空路利用促進事業費、
岡山桃太郎空港機能強化戦略検討事業に要する空港整備費、EVシャトルバス導入事業等の空港整備促進関連費が計上され、重点事業も複数含まれます。それぞれ、
岡山桃太郎空港の機能強化、利用促進に向けて重要な事業であり、着実に事業展開していただきたいと考えます。 一方で、岡南飛行場に関しては、管理運営費のみが予算計上されており、事業費は皆無です。これまで、中四国唯一の小型機専用飛行場としての特性を生かし、地域活性化を図っていくとの答弁が散見されますが、そのための具体的取組が全く見えません。
岡山桃太郎空港にあるような「
空港づくり基本構想」も策定しないとのことであり、中長期的な将来構想もないまま、現状維持に終始してると言わざるを得ません。 停留料未納状態で長期停留する航空機2機に対する対応も必要ですが、毎年約2億円の赤字改善策や、未利用土地への企業誘致、訓練環境の改善等利用者ニーズへの対応など、岡南飛行場が抱える本質的課題解決に向けた事業や、機能性向上、利用促進に資する事業をなぜ実施しないのでしょうか、御所見を伺います。 また、岡南飛行場はあくまで県所有、県管理を維持する方針に変わりないのか、併せてお伺いします。 続きまして、岡山県勢の活躍についてお伺いします。 スポーツ分野で、岡山県の快進撃が続いています。2022年12月に高校駅伝で倉敷高校が、2023年1月に高校サッカーで岡山学芸館高校が全国制覇、直後の全国都道府県対抗女子駅伝では、当時、津山市立鶴山中3年だったドルーリー朱瑛里選手が17人抜きで区間新記録をマーク、さらに、アメリカで行われたヒューストンマラソンで総社市出身の新谷仁美選手が日本歴代2位のタイムで優勝。勢いは止まらず、昨年末には、全国中学駅伝で岡山市立京山中学校が男女アベック優勝、全国高校駅伝で倉敷高校が準優勝、今年に入って、就実高校が春高バレーで全国制覇。さらに、倉敷市出身で県内ボクシングジムに所属する
ユーリ阿久井政悟選手がWBA世界フライ級王座を獲得。大阪国際マラソンでは、天満屋の前田穂南選手が、2時間18分59秒で日本人1位となり、日本記録を18年半ぶりに更新しました。また、2021年から2023年にかけてNPB史上初となる3年連続で投手4冠を達成し、3年連続で沢村賞・MVPを受賞した備前市出身の山本由伸投手はアメリカ大リーグの名門ロサンゼルス・ドジャースに入団し、活躍が大いに期待されています。 これら岡山県勢の活躍をどのように受け止めていらっしゃいますか。 また、このような「岡山旋風」は、本県の知名度やイメージを向上させる強い追い風になっていると思いますが、県のプロモーションにどのように生かすのか、併せて御所見を伺います。 続きまして、介護事業所の管理業務についてお伺いします。 県は、来年度から介護生産性向上推進総合事業をスタートさせます。「介護生産性向上総合相談センター」の設置等を通じて、介護現場に介護ロボットやICT等の導入を促し、介護現場の生産性を向上させるとともに、職員の負担軽減を図るとしております。 昨年8月にUAゼンセン日本介護クラフトユニオンが実施した「管理者の専従義務・兼務についてのアンケート」の結果では、基本的に、管理者は「管理業務に支障がない場合」にしか兼務が認められていないにもかかわらず、「兼務」業務が多忙で、管理業務に支障を来しているケースが多いことや、管理者の85%が「管理業務の時間を一定程度確保することが、管理者及び介護職員の定着に寄与する」と回答していることが分かっています。 サービスの種別や事業所の規模等にもよりますが、現場スタッフにICT機器の使用方法を教えたり、業務オペレーションを変更し職場に定着させたり、情報端末や通信環境に慣れるまでに発生しがちな各種トラブルに対応するのは、主に管理者が担うと想定されます。事業の推進により、一時的に管理者の業務量が増えることが予想されており、現場からは管理者の兼務状況の改善を望む声が高まっています。 ICT化やロボット導入による生産性向上の可能性は否定しませんが、管理者による適切なマネジメントがなければ、その効果も限定的だと考えます。管理者の兼務についてのルールは自治体によって異なり、管理業務がおざなりにならないよう、1日の勤務時間の半分以上は管理者業務への従事を義務づけている自治体もあります。 今春の介護保険制度の改正では、管理者の兼務要件が一部緩和されますが、基本的には「常勤専従」であることと、兼務する場合には「管理業務に支障がない場合」であることが前提となります。 本県においても、「管理業務」に支障が出ないよう、管理者業務に従事する時間の目安を設けるなどの対応を取る考えはありませんか、御所見をお伺いします。 続きまして、地域計画についてお伺いします。 農業は、私たちの食生活を支える根本となる営みですが、近年は高齢化や人口減少が進み、特に中山間地域では、耕作放棄地が増加しており、将来的な営農の継続を可能とするための取組が喫緊の課題となっています。国は、人・農地プランを法定化し、地域での話合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化する地域計画を定め、令和7年3月までに作成するものとしております。 高齢の農家の方の中には、可能な限り営農を続けたいと考えておられると同時に、将来的な展望を明確に描けない方も多いと思います。そのような中で、それぞれの現状や意向を尊重しつつ、集約化や担い手へのマッチングなどの選択肢について考えたり話し合ったりすることは、重要な取組と考えます。 今年度は、県内34の地区において、モデル的な地域計画作成に取り組んでこられましたが、そこで得られた好事例のポイントや課題について、どのように考えていますか。 また、将来担い手を確保できない見込みの農地については、情報集約や広域的な担い手とのマッチングを促すなど、選択肢や見通しの提示が求められますが、地域計画作成においてどのような働きかけをしていくのか、併せてお伺いします。 続いて、豊かな川づくりについてお伺いします。 河川の主要な魚種であるアユ、アマゴ、ウナギなどの漁獲量は、近年減少を続けており、特にアユについては、平成10年頃と比べ約5分の1となっています。これらの資源は、内水面漁業協同組合等の放流や産卵場造成等により支えられてきましたが、堰等に附帯する魚道の機能低下や河川環境の変化、カワウ等による食害など様々な原因が考えられる上に、昨年は秋の降雨が非常に少なく、河川の流量が減ったことで内水面漁業に影響を与えました。また、遊漁者数は減少傾向にあり、釣りなどを通じた川と親しむ機会の減少が懸念されています。 本県では、内水面資源の回復に向けて、アユの生息環境の改善や、カワウの被害防止対策、養殖業の振興などに取り組むとともに、遊漁者ニーズに応じた漁場づくりの促進、川の恵みや水辺の豊かさの伝承、漁協の漁場管理力の強化などに取り組んでこられました。 今後も、豊かな川づくりに向けて、さらなる推進が望まれるところです。今後の取組について、御所見を伺います。 続きまして、せとうちDMOとの連携についてお伺いします。 「せとうちDMO」は、瀬戸内海沿岸7県が参画する広域DMOであり、瀬戸内エリアのインバウンド対策に取り組んでいます。これまで、主な事業は広島県に集中し、本県での実績が乏しい状況にありました。しかし、現在は参画県全体の底上げに積極的に取り組んでおり、県内においても具体的な動きが見られるようになりました。現在、高付加価値なインバウンド観光地づくりに向けたマスタープランを策定中ですが、欧米豪の富裕層をターゲットとすることをより明確にした観光地づくりを目指すこととなります。マスタープラン原案では、スーパーヨットというワードが初めて記載をされ、1つの項目を割くなど、瀬戸内海クルーズに特に力を入れる方針です。 本県のインバウンド対策として、大阪・関西万博からの波及効果に期待することも理解できますが、息の長いインバウンド施策立案が必要と考えます。また、インバウンド対策は、本県単独で完結するものではなく、広く瀬戸内エリアの中の岡山県という視点が不可欠です。その観点から、「せとうちDMO」との連携強化は必須と言えます。 来年度は、2,415万円の負担金を拠出する予算案も加味すると、本県のインバウンド施策の策定に当たり、「せとうちDMO」と方向性を共有し、具体的な事業についても連携を強化することが効果的だと考えます。御所見を伺います。 続きまして、就職氷河期世代の支援についてお伺いします。 令和4年度「おかやま就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム」事業実績報告書によれば、ハローワークの取組として就職氷河期世代専用窓口を岡山・倉敷に設置し、令和2年4月から令和5年3月末までの実績は、新規登録者数3,167人、就職者数2,763人とあります。実績を見れば、企業の労働需要があり、就職氷河期世代の労働供給も十分にあり、よい循環が生まれていると考えます。 他方、県のおかやま若者就職支援センターの取組では、相談実績は、35歳以上の登録者数192人、うち就職決定者83人という状況です。 県として、就職氷河期世代に理解のある企業を増加させるとともに、おかやま若者就職支援センターの有効活用による就職氷河期世代支援をさらに促進してはいかがでしょうか。御所見を伺います。 続いて、防災についてお伺いします。 本県では、平成17年の耐震改修促進法の改正を受け、耐震改修促進計画を策定するとともに、3次にわたる見直しを経て、令和7年度に「耐震性を有する住宅の割合95%」、「耐震性が不足する緊急輸送道路沿道建築物等をおおむね解消」との目標を設定しており、これまで計画に基づき着実に取組が進められているところです。 しかしながら、年明けに起きた能登半島地震では、旧耐震基準の建物の倒壊はもとより、長期間群発地震にさらされた結果、耐震基準を満たす建物すら倒壊する状況を目の当たりにし、耐震改修のさらなる促進が、県民の生命、財産を守るため重要であるとの認識を新たにしたところです。 南海トラフ地震の脅威が迫る中、残り2年間での目標達成にこだわらず、早期の計画達成に向けてさらなる取組が必要と考えます。資材価格の高騰に対応した補助制度の拡充も含め今後の取組について、併せて御所見を伺います。 能登半島地震で大きな課題となったのは、輸送路の確保でした。元来限られていた輸送路が寸断をされ、人員・物資の輸送に支障を来し、海岸隆起など想定外のことも重なり、発災後の対応に時間を要したのは事実です。 本県でも、地域防災計画の中の緊急輸送活動計画で、救援物資や各種資機材等の搬入は、被災者にとっては生命線であり、その確保のために、拠点施設の耐震性の確保、早急な道路啓開、陸路以外の緊急輸送手段の確保及び緊急輸送車両の通行保証等が迅速に行えるよう努めるとしているところですが、県南の瀬戸内海沿岸平野の大部分は、軟弱な地質の上、近世以降の新田開発により陸地となっている経緯もあり、大規模な範囲での液状化の被害が想定されます。 緊急輸送ネットワークとして指定された輸送施設、輸送拠点及び防災拠点施設に係る耐震性の確保について、現状と課題を伺います。 また、道路啓開の迅速化については、道路管理者が関係団体との間で協定等を締結し、障害物の除去や応急復旧等に必要な人員、資機材等の確保に努め、道路啓開等を迅速に行うため、協議会設置等による道路管理者相互の連携の下、あらかじめ道路啓開等の計画を立案するよう努めるとされているところですが、現状と今後の取組についてお伺いします。 続いて、教職員の働き方改革についてお伺いします。 重点事業の、「学校における働き方改革の推進」で、「教師業務アシスタント配置事業」等が盛り込まれたことは、現場の教職員にとって負担軽減につながるものと思います。一方、同じく重点事業において「英語コミュニケーションスキルの向上」等の新規の事業内容がたくさん盛り込まれております。 授業の改善をすることは、子供たちにとって大切なことではありますが、ゆとりがなく、新たなものを受け入れていく精神力もないくらい疲労こんぱいし、休職していく教師の姿を見ているのも子供たちです。業務の効率化、外部人材の活用が図られているものの、授業改善やDXの対応などを総量的に見ると、決して働き方の改革に結びついていないと言えます。 社会を意識した新しい基軸をつくっていくことは、企業だけでなく、学校にも必要なことです。総量的な観点からの働き方改革と授業改善は、バランスよく、調和的に図られるべきものと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 続いて、教職員のメンタルヘルスについてお伺いします。 教職員の精神疾患による病気休職者数が国全体で増加しており、過去最高となりました。本県においても、令和4年度が109人と過去最多となっており、教職員のメンタルヘルスが重要な課題となっています。 このような現状をどのように評価されているのか、伺います。 加えて、何らかの精神的な不調を抱えながらも勤務を続けている、休職予備群のような状態に陥っている教職員の実態を何らかの形で把握し、未然防止に取り組むことも必要と考えますが、教育長の御所見を併せてお伺いします。 また、保護者等とのトラブルが起きたときに、まだまだ一人で抱え込む教職員が多いと聞きます。岡山型スクールロイヤー制度や、学校に対する苦情・不当な要求等への対応マニュアルは整備されておりますが、それらが有機的に活用され、組織で対応していく体制は取られているのでしょうか。 また、改めてチーム学校として体制整備と組織的な対応ができる仕組みを機能させていく必要があると考えますが、併せて教育長の御所見をお伺いします。 最後に、サイバー犯罪対策についてお伺いします。 今や私たちの生活に欠かせないスマートフォン。インターネット等の高度情報通信ネットワークを利用した犯罪等、情報技術を利用した犯罪がサイバー犯罪になります。 サイバー犯罪に関する被害の相談件数は、年々増加傾向で、令和5年は暫定値で5,025件の相談が県警に寄せられました。その相談の内訳も、高いコンピュータースキルを要するものから、インターネットショッピング等の詐欺・悪質商法等といったように多種多様です。特に、フィッシングによると見られるインターネットバンキングによる預金の不正送金被害の件数、被害額は全国で急増しており、本県においてもその傾向は顕著です。 サイバー犯罪の多くは、被害者に知識があれば、被害に遭わないよう回避することができます。今後、県民に分かりやすい形で、犯罪被害に遭わないための防止対策、被害に遭った場合の対処要領などを情報発信することにより、セキュリティー意識が浸透すれば、被害減少につながると考えます。 近年のサイバー犯罪の傾向と、その対策について伺います。 また、被害防止につながる県民への周知に関する取組について、併せて警察本部長にお伺いします。 御清聴ありがとうございました。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 民主・県民クラブの鳥井議員の代表質問にお答えいたします。 まず、予算編成に込めた思い等についての御質問でありますが、先般の予算総括協議会での議論などを踏まえ、企業や市町村との連携を一層強化する取組も含め、少子化対策等を中心に、これまでより踏み込んだ形で事業を追加・拡充したところであり、第3次生き活きプランの総仕上げに取り組むとともに、喫緊の課題である人口減少問題に挑んでいくとの決意を形にした予算となったと考えております。 本予算案に基づき、本県の未来への投資を一層進め、全ての県民が明るい笑顔で暮らす生き活き岡山の実現に向け、全身全霊で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、地方創生についての御質問であります。 移住・定住の取組についてでありますが、これまで、地域資源をテーマとしたセミナーをはじめ、人とのつながりづくりを行いながら、移住検討段階に沿った戦略的な情報発信に取り組んできたところであります。 来年度は、こうした取組に加え、移住に関心の高い若者や女性への情報発信や、子育て世帯の移住を後押しする取組を強化してまいりたいと考えており、市町村等と一層の連携を図りながら、地域で活躍する先輩移住者の活動などを積極的に発信するとともに、きめ細かな受入れ体制の整備に取り組み、地域づくりの担い手確保と本県への移住・定住につなげてまいりたいと存じます。 次に、第2期おかやま創生総合戦略についてでありますが、毎年度、創生戦略に掲げる数値目標の進捗状況を把握し、効果を検証した上で、県議会の皆様や有識者等からの意見も踏まえ、必要な見直しと改善を図り、翌年度の取組に生かすこととしております。 来年度には、次期戦略を策定することとしており、これまでの取組結果も分析しながら、より実効性のあるものとなるよう、検討を進めてまいりたいと存じます。 次に、災害時の空路活用についての御質問であります。 認識等についてでありますが、大規模災害時には、ヘリコプターによる被害状況の把握、救命救助や消火活動、支援物資の搬送など、航空機を活用した防災活動が極めて有効であると考えており、地域防災計画の各項目に具体的に記載しているところであります。 また、こうした防災活動は、県災害対策実施要綱に基づき、災害対策本部内に航空運用調整班を設置し、私あるいは危機管理監の指揮の下、被災地空域に集中する航空機の運航調整を行いながら、実施することとしております。 次に、ヘリコプターの運用についてでありますが、本県では、最大規模の被害想定に基づいて推進計画等を策定しております。被害が太平洋沿岸の全体に及んだ場合、自衛隊や近隣県からのヘリコプターの応援が受けられないことも想定されます。 このため、平素から県内の公的ヘリコプターとの間で、耐空検査等による運航休止期間が重複しないよう調整するとともに、県内の被害が甚大で、ヘリコプターの応援が必要な場合は、国の緊急消防援助隊アクションプランに基づき、他の地域ブロックに残留している航空隊の応援を要請することになります。 次に、民間ヘリコプターのうち、活用についてでありますが、地域防災計画では、陸上ルートが遮断された場合は、
海上ルートやヘリコプターによる輸送を検討するとともに、民間航空事業者を含むヘリコプターによる輸送体制を確保することとしており、民間も含め運用可能なヘリコプターをできるだけ多く確保しておく必要があると考えております。 次に、連携についてでありますが、災害時にヘリコプターを活用する場合、安全運航を確保し、救助・救援活動の効率的な運用調整を図るためには、関係機関相互の連携体制の確立が重要であると考えております。 このため、まずは、民間ヘリコプターの役割や県災害対策本部との連絡方法など、具体的な運用について、民間航空事業者との協議の場を設け、検討してまいりたいと存じます。 次に、岡南飛行場についての御質問でありますが、これまでも、効率的な運営に努めながら、操縦士等養成施設の誘致などにより、利用促進を図るとともに、イベントの開催や、eVTOLの試験飛行に向けた検討など、にぎわいの創出や飛行場の活用に向けて取り組んできたところであり、来年度も、こうした取組を継続するとともに、さらなる活用の可能性について、引き続き、幅広く検討してまいりたいと考えております。 また、岡南飛行場は、警察・消防活動の拠点として、公的役割を果たすとともに、市街地に近い立地条件といった、他の飛行場にはない大きな優位性を有していることから、引き続き、中四国地方唯一の小型機専用飛行場としての拠点性を高めることにより、地域経済への波及や地域活性化を図ってまいりたいと存じます。 次に、岡山県勢の活躍についての御質問でありますが、本県ゆかりの方々が、全国や世界を舞台に活躍する姿は、県民に大きな感動や希望を与えてくれるとともに、本県の知名度向上にも寄与しているものと考えております。 お話のスポーツ分野だけでなく、他の分野においても、本県出身者が活躍されており、今年度は、地元出身の芸人を活用したプロモーションを展開しているところであります。 引き続き、岡山県勢の活躍により注目が集まるタイミングを捉え、効果的かつインパクトのあるプロモーションを展開してまいりたいと存じます。 次に、介護事業所の管理業務についての御質問でありますが、このたびの制度改正では、介護人材不足の中、良質な介護サービスの効率的な提供に向けた取組の一つとして、管理者の兼務要件の緩和がなされたものでありますが、運用に当たっては、人員配置基準の原則に照らすとともに、個々の事業所の実態を踏まえ、管理業務への影響を十分に考慮する必要があります。 このため、お話の目安など、一律のルールを設けることは考えておりませんが、引き続き、個別の事業者指導の中で、各事業所の状況の丁寧な把握に努めながら、適切に対応してまいりたいと存じます。 次に、地域計画についての御質問でありますが、好事例のポイントとしては、担い手の意向を基に農地利用の将来像を提示することや、自治会等既存の集まりを活用することで、効率的に話合いが進んだ事例などを把握しており、課題については、農地の貸付希望に対し、将来の受け手となる担い手情報の不足が見込まれることなどがあると考えております。 また、来年度には、農地中間管理機構と連携し、大規模経営体等の広域的な担い手や、集約化が見込まれる農地の情報をデータベース化し、地域の協議の場において活用することなどにより、担い手確保が難しい農地のマッチングの取組を支援してまいりたいと存じます。 次に、豊かな川づくりについての御質問でありますが、県ではこれまで、内水面漁協と連携し、アユの産卵場造成や魚道の改善等に取り組んだ結果、産卵数や遡上数が増加するなどの成果があり、漁業者も手応えを感じているところであります。 また、漁協による釣り場マップ作成や、釣果等を発信するホームページ開設を支援するなど、遊漁者確保や水辺への親しみを深めるための取組を進め、好評を得ているところであります。 今後、これらの取組をさらに展開し、身近な川への関心が深まるよう、豊かな川づくりを一層推進してまいりたいと存じます。 次に、せとうちDMOとの連携についての御質問でありますが、インバウンド誘客に当たっては、お話のとおり広域的な視点が不可欠であり、本県も参画するせとうちDMOでは、せとうちブランドの確立や高付加価値旅行者の獲得に向け、戦略的な取組を進めているところであります。 今年度、県では、せとうちDMOと、マスタープランの策定等について意見交換を行ったほか、フランスでの現地プロモーションを連携して実施したところであり、今後とも、より効果的なインバウンド施策の実施に向け、専門的な知見や幅広いネットワークを有するせとうちDMOとの連携を強化してまいりたいと存じます。 次に、就職氷河期世代の支援についての御質問でありますが、県では、就職氷河期世代を対象とした相談体制を整えるとともに、国の交付金を活用し、若者就職支援センターにおいて、正社員としての就職に向けたセミナーを開催するほか、地域若者サポートステーションに専任スタッフを配置し、就職氷河期世代の支援に理解のある企業の開拓等に取り組んでいるところであります。 また、若者就職支援センターでは、カウンセリングや面接の練習等により、就職活動のサポートを行い、ハローワークの職業紹介につなげているところであり、今後とも多くの方々に利用していただけるよう、セミナーの開催形式の工夫や、SNSを活用した効果的な広報に取り組むなど、引き続き、就職氷河期世代の方々を支援してまいりたいと存じます。 最後に、防災についての御質問であります。 耐震改修の促進についてでありますが、現在、国や市町村と連携し、住宅等の耐震改修への補助を行うとともに、県民意識の高揚のため、広報誌や出前講座等による普及啓発にも取り組んでいるところであります。 今後、住宅等の所有者が、国や県の補助制度による耐震改修への支援を十分に受けられるよう、関係の市町村に補助率や限度額の見直し等を促すとともに、住宅等の所有者を戸別訪問し、耐震診断や耐震改修の実施を働きかけるなど、市町村と連携し、早期の目標達成に向けた取組を強化してまいりたいと存じます。 次に、緊急輸送活動計画のうち、拠点施設の耐震性についてでありますが、輸送施設のうち、緊急輸送道路上の橋梁については、落橋等の甚大な被害を防止する対策はおおむね完了しておりますが、被災後の速やかな機能回復が重要であることから、さらなる耐震性能の向上のための対策を計画的に進めているところであります。 また、重要港湾等である水島、宇野、岡山港や
岡山桃太郎空港については、耐震強化岸壁など、耐震性を確保しており、県の輸送拠点であるコンベックス岡山については、躯体は耐震性があり、今後、非構造部材の耐震化を進めてまいります。 さらに、防災拠点となる公共施設等については、耐震化率は94.5%であり、着実に上昇はしているものの、全国平均を下回っており、引き続き施設管理者に耐震化を働きかけてまいりたいと存じます。 次に、道路啓開の迅速化についてでありますが、各道路管理者や県警察等の関係機関で構成する協議会において、南海トラフ地震を想定した中国地方道路啓開計画岡山県計画を策定した上で、具体的な啓開作業の進め方などを定めた行動指針等を作成したところであります。 今後、これらの計画や指針などの実効性をより高めるため、県民局・地域事務所ごとのタイムラインを作成し、防災協定を締結している関係団体等も参加する、実践的な訓練の実施などにより、道路啓開の迅速化を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 民主・県民クラブ鳥井議員の代表質問にお答えいたします。 まず、教職員の働き方改革についてでありますが、お話のように、複雑化する教育課題への対応による新たな業務の増加が、学校の忙しさの要因の一つとして挙げられますが、これまでも学校が担うべき業務の適正化を図るために、保護者や地域関係者等の理解と協力を得ながら、行事等の教育活動の見直しを進めるとともに、教師業務アシスタント等の外部人材の効果的な活用を推進してきたところであります。 今後も、子供たちの学ぶ力の育成に必要な事業等は実施するとともに、こうした働き方改革の取組をさらに進め、教員業務の総量の削減を図りつつ、教員が教員にしかできない業務に注力できる環境づくりに努めてまいりたいと存じます。 次に、教職員のメンタルヘルスについてのうち、現状等についてでありますが、在職者に占める精神疾患による休職者の割合は、全国平均より低いものの、近年、本県においても増加しているところであります。 これは、経験豊富な教員の多くが定年退職する中、若い世代が、仕事での悩みを先輩教員等に相談できず、一人で抱え込んだり、従前に比べ若い世代の責任が重くなることなどが、その一因と考えており、若い世代への予防的対策が喫緊の課題であると認識しております。 県教委では、これまでも管理職研修の実施や相談窓口の設置、ストレスチェックなどにより、休職に至らないまでも不調の兆候のある教職員の把握と早期対応に努めてまいりましたが、来年度から、新規採用教員全員に、心理専門職によるカウンセリングを実施し、不調の兆候の早期発見・早期対応につなげるなど、未然防止の取組を一層推進してまいりたいと存じます。 最後に、体制等についてでありますが、県教委では、保護者等の訴えを教職員が一人で抱え込むことがないよう、管理職に速やかに報告し、学校として組織的に対応するよう指導しているところであります。 また、学校に対する不当な要求等があった場合には、教職員が適切に対応できるようまとめた手引の活用を促しており、さらに、そうした事案が解決困難な場合には、岡山型スクールロイヤー制度の積極的な活用や、警察等の関係機関と連携した対応を行うよう指導しております。 今後は、こうした体制がより機能するよう、様々な機会を通じて改めて周知するとともに、引き続き、管理職や生徒指導担当者を対象に、実際の事例等を踏まえた研修を実施することで、学校の組織的対応力のさらなる向上に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 警察本部長河原雄介君。 〔 警察本部長 河原雄介君 登壇 〕
◎警察本部長(河原雄介君) 民主・県民クラブ鳥井議員の代表質問にお答えいたします。 サイバー犯罪についてであります。 議員お話のとおり、令和5年中のサイバー犯罪に関する相談件数は過去最多となり、その約半数が、詐欺・悪質商法等についてのものでありますが、特に昨年中は、フィッシング等によりインターネットバンキングのIDやパスワードが盗まれ、預金が別口座に移される不正送金による被害の増加が顕著でありました。 こうした情勢を踏まえ、県警察では、昨年中、不正アクセス禁止法違反等のサイバー犯罪事件を211件検挙したほか、サイバーパトロールを強力に推進し、管理者に対する違法・有害情報の削除依頼などを積極的に実施しております。 また、高度な情報通信技術を有する捜査員を指定してサイバー事案の捜査支援に当たらせる、新たな仕組みの運用を開始したほか、全警察官を対象に、サイバー事案対処能力検定を実施するなど、県警察全体の対処能力の向上を図っております。 さらに、被害防止の観点からは、最新のサイバー犯罪の手口や注意すべき点等を分かりやすく解説したチラシや、広報啓発動画等をSNS等に掲載しているほか、サイバー犯罪被害を疑似体験できる被害防止セミナーを開催するなど、県民のサイバーセキュリティー意識を高めるための施策に力を入れております。 県警察としては、今後とも、こうした取組を含め、サイバー空間の安全確保に向けた諸活動を着実に推進してまいります。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) この際、午後1時まで休憩いたします。 午前11時44分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時再開