令和 5年11月定例会 ◎ 令和5年11月
岡山県議会定例会会議録 第6号〇 令和5年12月14日(木曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1 議第99号~議第106号(上程、知事の提案理由の説明)第2 発議第5号第3 一般質問 ~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1 議第99号~議第106号(上程、知事の提案理由の説明)日程第2 発議第5号日程第3 一般質問 ~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○議長(小倉弘行君) 皆さん、おはようございます。 これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(小倉弘行君) 日程に入ります。 この際、諸般の報告を行います。
地方自治法第180条第1項の規定による
専決処分事項についてでありますが、本件はその概要書をお手元に配付しておりますので、御覧願います。 以上で諸般の報告を終わります。
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△日程第1 議第99号~議第106号(上程、知事の提案理由の説明)
○議長(小倉弘行君) 次に、議第99号令和5年度岡山県
一般会計補正予算(第5号)から議第106号岡山県
職員給与条例等の一部を改正する条例まで8件を一括議題といたします。 知事から、提案理由の説明を求めます。
伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) ただいま追加上程されました予算案件及び条例案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、予算案件についてでありますが、11月2日に閣議決定された「
デフレ完全脱却のための
総合経済対策」に呼応し、LPガスを使用する家庭等の負担軽減、物価高騰の影響を受ける
医療機関等への支援などの
重点支援地方交付金を活用した
物価高騰対策や、防災・減災、国土強靱化をさらに進めるための
補助公共事業に要する経費などのほか、
人事委員会勧告等を受け、職員の月例給や期末・勤勉手当の引上げ等を実施する経費について、所要の補正措置を講じるものであります。 その結果、今回の
補正予算額は、一般会計において323億4,500余万円の増額、特別会計において100余万円の増額、合わせて323億4,700余万円の増額、企業会計において6億5,700余万円の増額であります。 補正後の
一般会計予算額は、歳入歳出それぞれ8,443億2,200余万円であります。
一般会計歳入予算の主な内容につきましては、国庫支出金163億1,000余万円、県債133億2,200万円などを増額する所要の補正措置を講じるものであります。
一般会計歳出予算の主な内容につきましては、
河川改修費60億9,400万円、
国直轄河川事業負担金30億2,700余万円などを計上しております。 繰越明許費につきましては、
河川改修事業など29件228億7,000余万円を繰越ししようとするものであります。
債務負担行為につきましては、
治山事業費について新たに債務を負担しようとするもの3件であります。 地方債につきましては、今回の補正予算に関連し、所要の補正措置を講じるものであります。 特別会計につきましては、「岡山県
営食肉地方卸売市場特別会計」など3特別会計において、企業会計につきましては、「岡山県
流域下水道事業会計」など3企業会計において、所要の補正措置を講じるものであります。 次に、条例案件につきましては、「岡山県
職員給与条例等の一部を改正する条例」1件であります。 以上、今回提案いたしました諸議案につきまして、その概要を申し上げた次第であります。 何とぞ慎重御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。
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△日程第2 発議第5号
○議長(小倉弘行君) 次に、発議第5号条例案を議題といたします。 職員に件名等を朗読させます。
~~~~~~~~~~~~~~~ 〔 職員朗読 〕発議
番号件 名提 出 先提 出 者5
岡山県議会の議員の議員報酬及び
費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例案
議会運営委員会 ~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(小倉弘行君) この際、発議第5
号岡山県議会の議員の議員報酬及び
費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例案について、提出者から提案理由の説明を求めます。 加藤浩久君。 〔 45番 加藤浩久君 登壇 〕
◆45番(加藤浩久君) 私は、ただいま議題となりました発議第5
号岡山県議会の議員の議員報酬及び
費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例案につきまして、
議会運営委員会を代表し、提案理由を御説明申し上げます。
岡山県議会議員の期末手当につきましては、従前より、
国家公務員の指定職の支給率に準じて改定を行ってきておりますが、このたび国において、人事院勧告に基づき、
国家公務員の指定職の支給率を年間0.1月分増額するとともに、令和6年度以降の6月期及び12月期の支給率が均等になるよう配分する法案が成立いたしました。 また、知事等の特別職も同様の改定を行うとのことであり、先ほど条例案が提案されたところでございます。 こうした状況を踏まえ、先日の
議会運営委員会におきまして、期末手当を改定する提案があり、協議の結果、年間0.1月分増額するとともに、令和6年度以降の支給率が均等になるよう配分する条例案を全会一致をもってここに提出する運びとなりました。 以上、私は、発議第5
号岡山県議会の議員の議員報酬及び
費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例案について、提案理由を説明いたしましたが、何とぞその趣旨を御理解いただきまして、御賛同賜りますようお願い申し上げます。 以上です。
○議長(小倉弘行君) 発議第5号条例案は、会議規則第40条第2項の規定により、委員会への付託を省略いたします。
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△日程第3 一般質問
○議長(小倉弘行君) これより一般質問を行います。 5番渡邉直子君。 〔 5番 渡邉直子君 登壇 〕
◆5番(渡邉直子君) おはようございます。 民主・
県民クラブの渡邉直子でございます。
県議会議員として御負託をいただき、8か月が過ぎようとしております。多くの方から様々な御意見をいただいておりますが、1つずつ学ばせていただきながら、
県議会議員としてしっかりとその役割を果たせられるよう精進してまいります。引き続き、皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、通告に従いまして質問に入らさせていただきます。 まず最初に、移住・定住の促進について御質問いたします。 全国各地域の自治体と連携し、
地方暮らしに希望を見いだし、新しい生き方を模索する都市の人たちを応援する東京有楽町の「
ふるさと回帰支援センター」では、各地域の相談員が常駐し、様々な移住相談に対応してきました。この秋に20周年を迎えたこの団体の名前が、なぜ「
ふるさと回帰」なのだろうと不思議に思って調べてみたところ、団体の設立当初、2000年代初頭は、都市で就職した団塊の世代がふるさとに帰る
仕組みづくりを目指し、命名されたことが分かりました。その後、リーマン・ショック、
東日本大震災、
コロナウイルスの蔓延といったこの激動の20年間に、移住・定住を選択する人たちの背景や動機は大きく変わりました。そして、
コロナウイルス蔓延による社会の変化により、再度、移住・定住に価値を見いだし、地域の活性化に貢献し、希望のある持続可能な社会構築を目指そうとする方々が、今また増えてきています。 移住者の方々、相談員の方々からお話を伺う中で、岡山県は交通の結節点でもあり、地元と行き来もしやすく、二拠点生活にも大変適しており、気候も温暖、自然災害も少なく、大変暮らしやすいと伺いますが、「初めから岡山県を選んでくる人は少ない」といったお話を伺います。 岡山県がどんなところなのかを知らない方が多く、旅行やスポーツの大会などで訪れたこと、親戚がある、また先に移住した方の友人といった何かの御縁を機に、岡山県内の市町村にたどり着く方が多いと伺います。
移住希望者が自分の求める生き方、暮らし方と向き合ったとき、海と山、産業や農業、自然と都市部、多様な生き方の選択肢のあるこの岡山県内に、ちょうどよい市町村を見つけ、移住を決意したという話もよく聞きます。 また、首都圏や関西圏に出た方々の中には、この機運に乗じて、Uターン、Jターンを選択する方も増えてきています。 都内でのJob総研の「2023年 地方移住の意識調査」によると、これからも地方への移住による人口移動が少なからず増加していくことが予測されています。この好機をしっかりとつかみ、住みやすい岡山県をアピールしていただきたいと考えますが、知事はこれまでの移住・定住施策の成果についてどのようにお考えになられていますでしょうか。また、岡山県への移住を考えられている方々に
メッセージをいただけたらと思います。 岡山県において、例えば、
地域おこし協力隊の任期終了後に定住した方々の定住率は約62%です。移住歴十数年の体験者に伺ったところ、大きな夢を抱き、岡山県にやってきた方々の多くが、「こんなはずじゃなかったのに」という思いに、多かれ少なかれ直面するとのことです。地元住民との温度差、お金の問題、仕事の問題、岡山で始めた農業や飲食店といった新規事業の経営問題など、内容は様々で、深刻度もそれぞれです。新たに移住して県民になられた方々を、県内に末永く定着してもらえるような仕組みが必要であると考えます。 現在も、
移住ポータルサイトの中で、フェイスブックグループ「JUICY VOICE! 岡山県」を作成し、情報交流の場が創出されていますが、リアルな場で、新しく移住されてきた方々と
先輩移住者、行政をはじめ地元の方々との接点をつくる交流事業や、実際に定着しているのか、何に困っているのか、対象者にアンケートを実施して、移住後の現状について調査を行う、また、移住後に相談できる専門の窓口の開設などの必要性を感じています。 移住者を迎えるのは、各市町村が最前線で行っています。
県内定着率を上げていくための事業については、県だからこそ行える分野であると考えます。市をまたいだ多様な方々との交流の場、業種別の交流の場、専門の相談窓口など、移住者へのフォローアップについては、岡山県こそが取り組むべきかと考えますが、いかがでしょうか。また、岡山県に縁のあった方が戻ってくるUターン、Jターンの方向けに、「おかえり!岡山県!」キャンペーンの実施をするなど、帰ってきていただく機運を高める事業に取り組んでいただきたいですが、
県民生活部長、いかがでしょうか。併せてお伺いします。 次に、収入証紙について御質問いたします。 岡山県は、デジタル化の推進と県民の
利便性向上のため、本年10月1日より全国で6番目に収入証紙の廃止を行いました。それに伴い、県が管理する試験や講習会の申込み、また
免状申請等において、手数料の支払い方法が
担当部署ごとに変わりました。 一例ですが、
危険物取扱者試験に合格すると、合格証書と共に免状申請の案内が送付されます。その案内文によりますと、手数料の支払いを
収納専用窓口POSレジで行うよう求められますが、現在、手続で
POSレジを利用することができるのは、県内では、本庁、各県民局、保健所など19か所に限られています。 私の地元玉野市では、今までは
玉野警察署で収入証紙を購入し、申請書に証紙を貼り付け、郵送することで手続ができていた方々が、最寄りで言えば、岡山市北区の
備前県民局へ出向き、
POSレジ窓口で対応する
バーコードを提示し、手数料を支払い、そこで発行されるシールを申請書に貼り、申請窓口へ提出しなければなりません。会計課に確認したところ、
収納専用窓口に行くことができない方には、
金融機関窓口で支払うことができる
納入通知書の送付が利用できると聞いておりますが、手数料によっては、
納入通知書が利用できるのは県外の方に限定され、県内の申請者が
納入通知書での手数料の支払いが利用しづらいのが現状です。 また、特別な事情と認められ、
納入通知書を発行する場合も、
危険物取扱者免状申請を例に挙げると、申請者が申請窓口である
消防試験研究センター岡山県支部に
納入通知書の依頼をし、それが受理され、
消防試験研究センター岡山県支部が
消防保安課に、申請者が
納入通知書の発行を求めている旨が伝達され、
消防保安課が
総務学事課に
納入通知書の発行を依頼、発行されたものを
消防保安課が申請者に郵送し、申請者が金融機関で支払いを行い、その振込確認に最大2週間ほどかかるそうですが、振込が確認され次第、
消防試験研究センター岡山県支部から申請者に免状を送付する手続に至るとのことです。多くの部署をまたがるため、発行まで多くの日数を費やしてしまいます。この状況は、
危険物取扱者免状申請だけではなく、あらゆる部局で起こっているかと思われます。
出納局会計課の確認によると、岡山県では約1,400種類の手数料区分があり、その中で
オンライン手続の準備が整っているのは約4分の1にとどまっているとのことです。DXを進めていくに当たり、収入証紙の廃止は避けられないとも考えられますが、現在のままでは、県民からの苦情の対応、また手続も煩雑となり、効率化とは逆の方向に進んでいるように思えます。出納局において、いま一度、各部署に対して
収入証紙廃止の影響がどのように出ているのか、県民からの意見にはどのようなものがあるのかについて、ヒアリングを行っていただきたいと思いますがいかがでしょうか。出納局長にお伺いします。 また、全ての県民の方々がひとしく手数料を支払いやすくするためには、
収納専用窓口の拡充が必要であると考えます。県内の警察署には、
手数料収納用に
POSレジを設置と聞いておりますが、現在は、岡山県
交通安全協会に委託し、県警所管の手数料の収納のみが行われているとのことです。県政全般の手数料を最寄りの警察署など、
POSレジが設置されている全ての場所で収納できるようになれば、県民の利便性がぐっと上がりますが、取り扱う手数料の拡充はできないのでしょうか。組織の都合よりも、県民視点での対応をお願いします。出納局長にお伺いします。
POSレジの設置場所が増えれば、その分、県民の利便性が向上します。
POSレジは、申請書類に記載されている
バーコードを読み込み、現金等で支払うシステムです。とても操作が簡単で、利用者が一人で手続することも可能です。
POSレジを操作する人の人件費を考えると、設置場所を増やすことは難しいかもしれませんが、
セルフレジとしての設置の場合は比較的費用が安くなると思います。
セルフレジの設置も含めた
収納専用窓口の拡充についてどのようにお考えなのか、出納局長の御所見をお聞かせください。 また、本県より先に証紙廃止を行った広島県では、
収納専用窓口と
納入通知書、どちらかの方法で手数料が支払える仕組みが整備されています。
収納専用窓口の拡充が難しい場合は、
納入通知書での支払いがひとしく利用できるようにしていただきたいと考えますがいかがでしょうか、併せてお伺いします。 次に、
滞在型観光の推進等について質問いたします。 11月28日、山陽新聞にて「訪日客に
体験型売り込み」と題して、
アドベンチャーツーリズムが、今後、地方への誘客につながる旅行形態であるとの記事が掲載されました。 それによりますと、アメリカの調査結果で、
アドベンチャーツーリズムの
世界市場規模は、2022年が49兆円で、2032年までに300兆円にまで拡大すると推計されています。
アドベンチャーツーリズムは、「
アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」で、
アクティビティを通じて自然体験や異文化体験を行い、地域の人々と双方向で触れ合い、楽しみながらその土地の自然と文化をより深く知ることで、参加者の内面が変わっていくような、新たな旅行形態です。地方だからこそ3要素がそろい、地域資源を地方の経済価値に結びつけることが可能です。 岡山県では、本年11月に、「
ポストコロナ期に漕ぎ出す
観光羅針盤」を作成し、観光需要の本格的な回復期を迎えるに当たり、
ポストコロナ期の観光振興の方向性を取りまとめています。 その中で、
滞在型観光の推進、
インバウンドの積極的な誘客を挙げ、自然や歴史・文化等の魅力的な観光資源に、食やイベント、
アクティビティ等を効果的に融合させた付加価値の高いコンテンツの開発・改善により、滞在時間を延ばし、宿泊客数と
観光消費額の増加につなげると示しています。まさに、
アドベンチャーツーリズムに当たる取組が羅針盤に示されており、岡山県が新しい時代に即した地方だからこそ発信できる魅力を観光政策にまとめていることを、大変うれしく思っております。
アドベンチャーツーリズムの最先県である北海道では、早くから取組が始まっており、
アドベンチャートラベルガイド認定制度の整備が進み、この夏には、世界の関係者を集めて、北海道でサミットが行われました。 また、大分県では、昨年度から
アドベンチャーツーリズム事業への取組を始め、県内各地の関係者と連携して、「大分県独自のAT商品の開発」を進めており、明日12月15日には、大分県内の
観光関連事業者、自治体・
関係団体職員向けのシンポジウムも企画されております。 そこで、
産業労働部長にお伺いします。 本県での羅針盤にも示されている
滞在型観光の推進、
インバウンドの積極的な誘客を、具体的にはどのように展開していく予定でしょうか。また、今後、機運を高めるためにも、
産学官民金言の方々と、岡山県での
アドベンチャーツーリズムの展開について知識を深めていただく研究などを開いていただきたいと思いますが、御所見について、併せてお伺いします。 次に、不登校対策について質問いたします。 本年10月に、文部科学省にて、小・中学校の不
登校児童生徒数が約30万人、学校内外で相談・指導等を受けていない
児童生徒数が約11万4,000人に上り、過去最多となったことを受け、「不登校・
いじめ緊急対策パッケージ」を取りまとめ、3月に策定された「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(
COCOLOプラン)」を前倒しし、不登校の児童生徒全ての学びの場の確保などを進めるようになりました。 県教委においても、2019年3月に作成した
岡山型長期欠席・不
登校対策スタンダードに基づき、不
登校対策担当教員を中心とした学校の組織的な対応、
スクールソーシャルワーカー等の専門家の活用や関係機関との連携を推進し、子供たちの個々の状況に応じた学習支援や生活支援を徹底することで、誰もが安心して通える長期欠席・不登校等を生まない魅力ある学校づくりを推進しています。 不
登校出現割合が高く、課題のある学校に、
地域人材等を
登校支援員・
別室支援員として、登校しづらい状況が見え始めた児童に対する登校支援や、教室や別室での生活支援、学習支援、保護者等に対する指導を行ってきました。支援員の配置校と未配置校を比較すると、長期欠席・不登校の
出現抑制効果が見られ、令和4年度は20市町102校で、県の予算で措置が行われたと伺っております。 先日、赤磐市の磐梨中学校の
自立応援室「ハッピールーム」を拝見しました。
自立応援室では、学力の保障はできないとしていますが、その卒業生が後輩へ残した
メッセージ、「ここからでも高校に行けるよ」という思いに大変心が動かされました。本人の努力、支えた学校、保護者の思い、全てがそろってこの言葉が結晶のように記されたのだと思います。 そこで、教育長にお尋ねします。 本年から、名称を
別室改め自立応援室としたとのことですが、令和5年現在は、どのくらいの学校で
自立応援室の整備が進んでいるのでしょうか。また、県教委が
自立応援室担当教員等を配置している学校と、配置していないけれども、
市町村教育委員会や学校独自の取組で整備をしている学校、
自立応援室が未整備の学校がそれぞれどのくらいの割合であるのかについて、併せてお教えください。 また、1人1台端末時代を迎え、普通の教室と
自立応援室をつなぐことができれば、
自立応援担当教員や授業の空いている教員がいなくても、支援員が補助をすることで授業を受けることが可能となります。授業の
オンライン配信は、今後の不登校対策の鍵となると考えますが、今後、どのように授業の
オンライン配信が進んでいくのか、教育長の御所見についてお伺いします。 最後に、
県立博物館について質問いたします。 県制100年の記念事業として、昭和46年に開館し、今年4月に、令和2年度からの大
規模改修工事によってリニューアルオープンした
岡山県立博物館について、御質問いたします。
県立博物館では、特別展や企画展、学校と連携した「館内授業」や「出前授業」といった
教育普及事業や、第一線で活躍する研究者等による
博物館講座を開講するなど、工夫を凝らした事業を行っております。12月8日からは、「
八幡大塚古墳と児島屯倉」のテーマ展が企画され、本県が古代より産業の盛んな豊かな土地であったことを学ぶ機会の場ともなっております。しかしながら、目の前には、年間80万人が訪れる後楽園がありながら、
県立博物館の
来館者目標数は5万人と、大きな差があります。年間9,000万円の予算で、重要な文化財を保存し展示するには、この物価高騰時に館では大変な御苦労をされていると拝察いたします。博物館に勤務されている学芸員や職員の熱意も高いだけに、多くの方に御覧いただけていない現状が大変に残念です。 後楽園の正門に立つと、十数メートル先に
県立博物館がひっそりとたたずんでいます。質問に当たり多くの方にヒアリングいたしましたが、博物館というよりも、事務所か倉庫といった誤解も少なからず与えているようです。正面を飾る窓越しのカーテンも、より一層地味さを後押ししているようにも感じます。カーテンを開け、窓越しに人が行き来している様子が見えるようにしたり、
特別名勝後楽園の敷地内という厳しい条件下で大変に難しいとは思いますが、後楽園を出て駐車場に戻るまでの動線を、
県立博物館経由となるように整備するなど、
県立博物館の存在が十二分に分かるように、目に留まる対策を行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 また、後楽園を設計し、岡山藩の土木行政に大きな功績を残した津田永忠の功績の展示や、後楽園への理解がより深まる庭園の知識が学べる展示などを常設展示するなど、後楽園との関連性を高め、後楽園とセットで味わいたい施設へと発展させていただきたいと考えます。 後楽園の
一般入場料は410円、
県立博物館の
一般入場料は250円、共通券で購入すると520円と、大変に格安な値段設定となっております。開館当初は、
県立博物館の料金が後楽園の入場料に含まれていた時期もあったと伺っております。博物館の休館日以外の後楽園の入場料を520円に設定し、自動的に博物館の入場券がついてくるような仕組みはできないでしょうか。 最後に、
後楽園かいわいには、観光で疲れた足を休ませたり、一息入れる飲食店がありますけれども、屋外であったり、ピーク時には満席で利用ができないといったことも起きています。
県立博物館1階の講堂を講義にも対応できるカフェテラスとしてリノベーションすれば、利用者も増えるのではないでしょうか。 以上について、教育長がどのようにお考えか、御所見をお伺いします。 以上、多くの県民の方から託された課題や思いを質問に込めさせていただきました。知事をはじめ執行部の皆様、前向きな御回答をいただけますようお願い申し上げ、私の質問とさせていただきます。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 民主・
県民クラブの渡邉議員の質問にお答えいたします。 移住・定住の促進についての御質問であります。 成果等についてでありますが、県では、これまで、市町村等と連携し、
移住希望者のニーズに沿ったきめ細かな情報発信と受入れ体制の強化に取り組んできたところであり、移住した方々が経験や知識を生かしながら、地域資源を活用して起業したり、芸術・文化活動などで活躍され、地域づくりの担い手として、地域に活力をもたらしていることは、大きな成果であると考えております。 本県への移住を検討されている皆様には、ぜひ移住フェアやセミナーなどに御参加いただき、豊かな自然環境と地域資源に恵まれ、多様なライフスタイルに合った暮らしがかなう本県の魅力に触れることにより、イメージに合った晴れの国ぐらしを見つけていただきたいと思っております。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君)
県民生活部長浮田信太郎君。 〔
県民生活部長 浮田信太郎君 登壇 〕
◎
県民生活部長(浮田信太郎君) お答えいたします。 移住・定住の促進についての御質問であります。 フォローアップ等についてでありますが、県では、県内全域で移住者と地域の方々との交流機会の提供や移住者同士がつながる交流会を開催するとともに、市町村の相談体制の強化支援などに取り組んできたところであり、引き続き、人とのつながりづくりを意識した取組を展開し、定住へとつなげてまいりたいと考えております。 また、お話のUターンやJターン向けの取組については、地域資源をテーマとしたセミナーの開催など、創意工夫しながら情報発信を行い、本県の魅力の再発見につなげることにより、移住の機運を高めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君)
産業労働部長宮本由佳君。 〔
産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕
◎
産業労働部長(宮本由佳君) お答えいたします。
滞在型観光の推進等についての御質問でありますが、本県は、瀬戸内海から中国山地に至る変化に富んだ自然や日本遺産をはじめとする歴史・文化に恵まれており、デスティネーションキャンペーン等において、自然・文化体験や
アクティビティを取り入れたプランを積極的に発信するなど、
アドベンチャーツーリズムに通じる取組を進めているところであります。引き続き、県観光連盟等と連携し、専門家による体験型旅行商品の開発支援や、岡山観光WEBの予約・販売機能を活用した販売支援、国内外への情報発信など、地域での取組を後押しし、観光客の滞在時間の延長と
観光消費額の拡大につなげてまいりたいと考えております。 また、
アドベンチャーツーリズムの展開に当たっては、まずは観光関係者を対象としたセミナー等の開催により理解を深めるなど、今後、必要な取組を検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 出納局長善勝史君。 〔 出納局長 善勝 史君 登壇 〕
◎出納局長(善勝史君) お答えいたします。 収入証紙についての御質問であります。 まず、廃止の影響についてでありますが、これまでも各手続担当者からの相談等を通じて状況を把握してきたところですが、収入証紙制度廃止から2か月が経過したことから、廃止の影響や県民からの要望を把握するため、各担当部署に対する調査を実施したいと考えております。 次に、警察署等での取扱いの拡充についてでありますが、これまでの収入証紙売りさばき所に比べ、
収納専用窓口が少なくなったことから、不便を感じている方もいると考えております。このため、今後、実態を把握し、お話の警察署での取扱い拡充も含め、県民の
利便性向上のため、関係部局と調整しながら必要な検討を行ってまいりたいと存じます。 次に、
収納専用窓口の拡充等についてでありますが、
収納専用窓口の設置場所については、各手続の実態や費用対効果などを検討し、現在の箇所数としたものであり、これ以上の拡充は考えておりませんが、他県の事例も参考としながら、
納入通知書での支払いや電子申請サービス対象手続の拡大によるオンラインでの支払いなど、実態に合わせた改善を進め、県民の利便性の向上を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えします。 まず、不登校対策についてのうち、
自立応援室についてでありますが、県教委の事業により、
自立応援室を設置している学校は、令和元年度の3校から始め、今年度には92校まで拡充しているところであります。また、
自立応援室を設置している小中学校の割合については、岡山市を除き、現在、県教委が
自立応援室担当教員等を配置している小学校が約2割、中学校が約3割あります。このほか、令和4年度の調査にはなりますが、市町村教委が支援員等を配置したり、学校独自で設置に取り組んでいるところが、小学校で約2割、中学校で約5割あり、そのほかが未設置となっております。 次に、授業の
オンライン配信についてでありますが、教室と
自立応援室をオンラインでつなぐ授業配信を行うことは、教室には入れないものの、
自立応援室には登校できる児童生徒への支援の一つとして有効な取組であり、既に取り組んでいる学校もあります。県教委では、
自立応援室の実践研究校での取組を参考に、オンラインでの授業配信やチャット機能を活用した児童生徒との交流等の好事例を取りまとめ、各種研修や学校訪問での指導に活用するなど、その普及を図っているところであります。今後も、不登校児童生徒とのつながりを保つため、市町村教委と連携しながら、授業の
オンライン配信も含め、ICTを活用した不登校対策にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に、
県立博物館についてのうち、目に留まる対策についてでありますが、
県立博物館正面の窓には、館内の温度調整等のため、カーテンを設置しておりますが、天候に応じて開閉するなど、外観にも配慮してまいりたいと考えております。 また、お話の動線については、後楽園の正門から駐車場を最短で結ぶ動線は重要であり、新たな整備までは考えておりませんが、
県立博物館では、正面に特別展を紹介する大型のポスターを掲示したり、駐車場からの動線上に立て看板を設置するなど、後楽園の来園者に対して博物館の紹介に努めているところであります。引き続き、後楽園の目の前という好立地を生かし、
県立博物館の存在をしっかりアピールしてまいりたいと存じます。 次に、入場料についてでありますが、これまでも、後楽園をテーマとした特別展示等により、後楽園の歴史と文化を紹介してきたところであり、
県立博物館を後楽園と関連づけて鑑賞できるよう、共通券を設けておりますが、後楽園のみを目的とする観光客もおり、お話のような
県立博物館の入館料を含んだ料金とすることは難しいと考えております。
県立博物館では、近隣の文化施設と連携し、各施設の割引券を添付した周遊マップを配布したり、条件を満たした大学生等の入館を無料にするなど利用を促しており、引き続き、
県立博物館の集客につながるよう、こうした取組を周知してまいりたいと存じます。 最後に、カフェテラスについてでありますが、
県立博物館では、これまでも利便性の向上に向け、Wi-Fi等を整備しており、このたびの改修工事では、照明のLED化や展示ケースの更新を行うなど、施設環境の改善を図ったところであります。 お話のカフェテラスの設置については、利用者の増加に一定の効果が期待されるものの、博物館内にある講堂での火気や水の利用等による収蔵資料への影響が危惧されることから考えておりませんが、引き続き、魅力ある展示や多彩な関連事業を行い、利用者の増加に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 5番。 〔 5番 渡邉直子君 登壇 〕
◆5番(渡邉直子君) 御答弁いただき、ありがとうございました。 移住・定住の促進について、知事、
県民生活部長より前向きなお話をいただけたことを大変うれしく思っております。しかしながら、交流事業を行っていると伺ったんですけれども、私、玉野市の移住者の方々ともよくお話をするんですけれども、
東日本大震災などの避難者の方々は、避難対象者の交流会であるとか、県がしていたのか、市がしていたのか、よく分かりませんけれども、フォローアップ、そういったことがよくあって、すごい定着率につながったというお話を伺っております。実際、具体的にはどのような交流事業を今されているのか、
県民生活部長にもう一度お伺いしたいと思います。 また、移住者の方々に聞きますと、一番求めているものというのは、住まい、仕事、コミュニティーであるとおっしゃっています。私たちの周りには、空き家が増え、労働現場では人手不足が深刻化していますけれども、移住希望されている方にその情報がなかなか届いていないという現状もあると伺っています。このあたりについても、知事からもう一度意気込みなどを聞かせいただけたらと思います。 また、収入証紙については、御検討いただけるとのことで、本当にありがとうございます。都市に住んでいない人には、本当に不便な状況でして、まだ2か月しかたってないんですけれども、この2か月で多くの方から、もうどうしてくれるのというお話を本当にたくさんいただきました。積極的な対応を、どうぞよろしくお願いいたします。 また、
岡山県立博物館についてですけれども、昭和46年の設立時には、後楽園の正面ではなく、ほかにも候補地があったそうなんですけれども、利用人口、用地取得の点、周辺環境や後楽園との相乗効果への期待が決め手となって、今の場所に決まったとも聞いております。この思いに立ち返っていただいて、岡山県の歴史・文化の情報発信基地として、第3次
岡山県立博物館中期目標に掲げた目指すべき姿を実現していただきたいと思います。 カフェテラスも火が出るから危ないという話もありましたけれども、電気でお湯も沸かせますし、電子レンジで温めることもできますので、ちょっとした休憩所があると、私も実際旅行していると、足を休める場所であるとか、あったらいいなと思っています。 また、入場料についても、込み込みになっていたら、つい見てしまうといったところもございますので、難しいとは伺いましたけれども。
○議長(小倉弘行君) 渡邉君、発言時間を超過しておりますから、注意します。
◆5番(渡邉直子君) (続)すみません、はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) せっかく移住をされた方、もしくは移住を考えられている方に、情報がきちんと届いていないのではないかということに対してお答えいたします。 実際、我々とすれば、いろいろ工夫をして情報を出しているつもりではあっても、なかなか本当にその情報が欲しい人に届かない、これはよくある話ではありますけれども、まだまだ改善の余地があろうかと思っています。移住の促進、それから特に定着ということに関しては、
先輩移住者の方がどれだけフォローをしてくださるか、もしくはいろいろな体験、いいことも悪いことも含めて発信をしてくださるかということが非常に大事だなということを、お伺いもしますし、お話を聞いて自分でも実感するところでございます。 例えば、西粟倉村が、今、非常に移住がうまくいっていて、村民の方の1割が移住された方なんだそうです。そういうこう何か、先輩が後輩をもともといらっしゃる方に紹介をするだとか、もしくはある種の指導をする、これは大丈夫よ、これはちょっと気をつけようねみたいなことをすることで、いろいろなギャップが縮まっていくということを伺っております。 玉野市は、もう一年ぐらい前でしょうか、生き活きトークでお会いした、非常にすばらしい
先輩移住者の会がありまして、本当に積極的に活動をしていただいている。私も、近くのおいしいハンバーガーショップを紹介していただきまして、食べて本当においしかったわけであります。さらに、そのハンバーガーショップは、パワーエックスを持ってくる幾つかの要素の一つになったそうであります。社員にアンケートを取って、3か所か何かあった候補地の中で、どこだったら行きたいかということを若手社員にいろいろ聞いたら、玉野が非常に評判がよく、評判がよかった幾つかのうちの一つがあのおいしいハンバーガー屋さんだったということを、私、伊藤社長からお伺いしたところであります。そういった
先輩移住者がコミュニティーをつくって、お互い同士励まし合う、もしくは地元の皆さんとの連絡調整をしていただく、もしくは後輩たちを呼び込んでいただく、そういうコミュニティーを我々とすればしっかり支援していきたいと思っております。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君)
県民生活部長浮田信太郎君。 〔
県民生活部長 浮田信太郎君 登壇 〕
◎
県民生活部長(浮田信太郎君) 再質問にお答えいたします。 交流会などの開催状況ということで、今年度で申し上げますと、県の公式フェイスブック「おかやまで晴れの国ぐらし」、この中でのオンラインコミュニティー、
先輩移住者等との情報交換、それからオフライン、ハイブリッドでございますけれども、県立図書館で秋の移住者大交流会というものを開催しております。それから、このほか、市町村においても複数の市町村で随時座談会、交流会等を開催しているところでございます。 ただ、議員御提案のような要素も踏まえまして、今後とも、移住前後のギャップができる限り少なくなるような情報提供に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 以上で渡邉君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 4番小原なおみ君。 〔 4番 小原なおみ君 登壇 〕
◆4番(小原なおみ君) 皆様、おはようございます。 民主・
県民クラブの小原なおみでございます。 思い返せば、昨年12月で保育士を退職し、県議会の大事な1議席をいただいて半年以上が経過いたしました。初めて政治の世界に飛び込み、右も左も分からない状況でしたが、先輩議員をはじめ執行部の皆様に親切に教えていただきながら、2度目の質問に立たせていただいていることに感謝の気持ちでいっぱいでございます。 新型
コロナウイルス感染症が5類になり、4年ぶりに行事もいろいろなところで復活し、地域に笑顔と活気が戻ってきました。これからも様々な地域が元気になるよう、「身近な声を県政へ」の言葉を大切にし、地域の課題にしっかりと取り組み、寄せられた皆様の声をしっかりと受け止め、地域の代表者として県政に反映していけるよう、「一隅を照らす」の心で頑張ってまいります。今後とも、よろしくお願い申し上げます。 それでは、通告に従い、質問に入らせていただきます。 保育士の確保についてお伺いします。 6月議会で質問をさせていただきました保育士不足の問題については、今後、少子化対策を強力に進めていく上で避けて通れない大きな課題だと認識しておりますので、引き続き、質問をさせていただきます。 9月に、津山市で2歳児が車に置き去りにされ、死亡した事件が発生し、通っていた保育園の責任問題が問われました。保育園の保育時間外でのことだっただけに、保育士離れや保育士不足は、より一層深刻になることを危惧しております。実際に、事故後に私のところにも保育士から離職等の相談が幾つか寄せられていますが、こうした相談があるということは、現場で働いている保育士が、未来ある大切な子供の命を預かっていることを誰より自覚し、責任の重さを感じているからにほかなりません。 保育士の仕事は、現場を離れた今もやりがいがある仕事だと私は思っています。昔は、子供が大好きで夢を持ちながら保育士を目指す学生が多かったと記憶していますが、最近は、保育の仕事に興味を持つ学生自体が少なくなって、「将来の保育士の成り手不足が深刻になっている」との声を多く聞くようになりました。 そうした中、今月7日、学校法人美作学園が津山市にあります美作大学短期大学部の2025年度(令和7年度)以降の学生募集を停止することを発表しました。来年度に入学する学生が卒業する2026年3月で、短期大学部がなくなってしまうことになりますが、同学部には保育士を養成する幼児教育学科が含まれています。保育士・幼稚園教員養成コースを有する4年生の児童学科は、これまでどおり存続しますが、保育士の養成において短期大学部が果たす役割は小さくなく、現場で子供たちの日々の成長を温かく見守りながら、保育士という仕事に誇りを持って携わってきた私にとっては、非常にショックなニュースでした。 少子化の進行による18歳人口の減少や4年制大学志向など、近年の若者意識等の変化に伴い、短期大学部の入学者が減少し、定員を充足できない状況が続いていたことから、やむを得ない経営判断だとは思われますが、これまで、当学部から多くの立派な保育士が社会へ巣立っていったことを思うと、残念でなりません。また、「待ったなしの少子化対策」と言われている中、保育士の成り手が減少傾向にある状況は、見過ごせません。 こうした中、地域と連携している保育園では、中学3年生の家庭科の授業の中で保育士体験をし、中学生のときから保育士という職業に触れる機会を持たせるなどの取組をしているところもあります。保育士確保に向け、将来の保育士の担い手となる若い世代へのアプローチも必要だと思いますが、県ではどのように課題を認識し、どのように対応していくのか、子ども・福祉部長の所見を伺います。 続いて、現場の保育士の負担軽減への対応についてです。 何度もお伝えすることになりますが、保育の現場は、保育士不足、低賃金、難しい人間関係、過重労働といった問題にあふれています。保育士は、大切な命を預かっていることの責任の重さに耐え切れなくなっています。ただ、賃金が低いだけではありません。日々の保育に加え、持ち帰りの仕事が多く、子供一人一人の保育計画や保育記録などの書き物に追われます。保育中も、子供たちから目が離せないため、お手洗いに行く時間さえもタイミングを考えなければならず、膀胱炎になる方も少なくありません。子供の午睡時間になると、小さい年齢のクラスでは、10分置きにブレスチェックを行い、担任はその日の一人一人の子供の様子を保護者の連絡ノートに書かないといけません。保育士は、昼食も子供を見ながら交代で短時間で済ませています。降園時間になると、お迎えに来られる保護者対応に追われるため、担任同士で役割分担するなどの連携が必要です。土曜保育になると子供の数も半分になりますが、職員の数も半分になります。新型
コロナウイルス感染症が流行してからは、保育室内のテーブルや椅子、子供たちが遊ぶおもちゃなどの小まめな消毒に追われ、保育士資格とは直接関係のない仕事も随分と増えました。 県が令和4年度に実施した「保育士労務環境実態調査」によると、「現在の職場に対し、改善してほしいと思っていることは何ですか」という問いに対し、複数回答ありの答えですが、51%の方が「職員の増員」を、46.7%の方が「事務・雑務の軽減」を要望しています。この調査結果からも、保育士の負担軽減が早急に対応すべき大きな課題となっていることがうかがえます。 県内では、保育士確保のため、独自に就職面接会を開催し、潜在保育士をはじめとする保育人材確保の取組を進めている市町村もあります。県保育士・保育所支援センターでも、市町村やハローワーク等と連携しながら、潜在保育士の掘り起こしや就職支援に力を入れています。こうした取組により、何とか保育士を採用できたとしても、保育士としての業務環境があまりにもひどく、短期間で辞めてしまう状況であれば、保育士確保に関わる関係者の努力も水の泡です。保育士の職場定着や離職防止に向けては、現任保育士の負担軽減が何より大切だと考えますが、現在の取組と今後の対応について、子ども・福祉部長に伺います。 また、保育士の業務負担を大きく左右する要素として、保育士の配置基準の問題があります。御存じのとおり、現在の国が定める配置基準は、ゼロ歳児3人に対し1人の保育士、1・2歳児6人に対して1人、3歳児20人に対し1人、4・5歳児30人に対し1人の保育士が必要という内容であります。全国的に、子供の見守りをめぐる事故が多く発生していますが、恒常的な背景として保育士の人材不足があると言われています。 また、こども家庭庁が本年5月に公表した、「保育所等における虐待等の不適切な保育への対応等に関する実態調査」において、全国の保育所で昨年4月から12月の間、園児の心身に悪影響を及ぼす「不適切な保育」が914件確認されました。不適切な保育は、当然あってはなりませんが、その背景には、やはり保育士が忙し過ぎるという状況があると言われています。 こうした状況などを踏まえ、国は、6月に策定した「こども未来戦略方針」において、1歳児及び4・5歳児の配置基準について、「1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと改善」をする方向性を示しました。確かに、保育士の余裕を確保し、質の担保された子供・子育て支援サービスを確保するためには、子供に目が行き届く配置基準の改善は、有効策となると思われますが、保育士不足の現状では、配置基準の改善に対応できる保育士の確保は容易ではありません。 また、先ほどの国の戦略方針において、月一定時間までの利用可能枠の中で、親の就労状況にかかわらず、時間単位等で柔軟に保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度」の創設が併せて打ち出されましたが、この制度は、保育士に従来の保育に加えて新たな保育ニーズへの対応を求めるものであり、保育士へのさらなる負担の増加が危惧されるところであります。 本県において、特に県北の保育士不足が加速していく中、国が定める新たな配置基準についてどう考えていますでしょうか、子ども・福祉部長の所見を伺います。 この項の最後に、保育士の処遇改善についてであります。 これまでも、保育士の処遇改善措置が実施されてきましたが、保育士の賃金水準は今もなお全産業の平均賃金と比較して、月収で5万円ほど低い状況です。保育園に預ける保護者の中にも、保育士の待遇をよくしてほしいと願う声も聞かれます。保育士に一定の給与水準の安定した処遇が保障され、安心して働くことができれば、保育士自身が生活していく上での安心となり、ひいては子供に対するゆとりのある保育にもつながって、子供たちも楽しい毎日を過ごせます。 先ほど引用した令和4年度の「保育士労務環境実態調査」においては、保育士が現在の職場に対して改善してほしいと希望する項目について、複数回答ありで聞いたところ、1位は「給与・賞与」で、回答者の72%が要望しています。 また、報道によれば、保育人材の確保が課題となる中、埼玉県や千葉県など4県の知事や副知事が、先月13日に国に対し保育士の給与に影響する基準の見直しなど処遇改善につながる取組を求めたとのことです。この4県では、認可保育所などの保育士の給与に影響する公定価格が東京都や大阪府の自治体と比べて低いため、給与水準が高い大都市へ人材が流出しているとして隣接する自治体間で保育士の処遇に大きな差が生じないよう、また「こども誰でも通園制度」が始まれば、保育需要が増して人材確保がますます難しくなることが予想されるとして、早急な処遇改善を求めたとのことです。 現場を含め、多方面から保育士の処遇改善を求める声が上がっています。処遇改善は、保育士確保に向けて有効な対策と考えており、他県の動きも参考に、本県でも対策を強化してほしいと考えておりますが、今後の取組について、子ども・福祉部長に伺います。 続いて、地域公共交通の利用促進についてお伺いします。 JR芸備線については、今議会でも質問が相次いでいますが、私の地元である津山圏域を通る姫新線・因美線も、毎年苦しい状況です。JR西日本の公開資料では、1キロ当たりの1日平均利用者数を示す輸送密度は、因美線の東津山-智頭間で130人、姫新線の中国勝山-新見間で132人にすぎません。しかし、多くのローカル線がそうであるように、交通弱者と言われる子供や高齢者にとっては欠かせない交通手段です。通学のため、毎日鉄道を利用する学生がいます。また、自動車の運転免許証を返納する高齢者だけではなく、もともと免許を取得していなかったり、免許を持っていた配偶者が亡くなられ、鉄道を利用しているというのも現実の地域の姿です。 津山圏域の公共交通、教育施設、医療機関、商業施設は、旧津山市街地を中心に、その多くがJR沿線に立地していて、鉄道の利用は買物や通院、通学といった日常生活に不可欠であり、地域に駅や鉄道がなくなってしまうことは、大きなダメージとなることは間違いありません。 JR西日本では、「みまさかスローライフ列車」や青春18きっぷなど、一時的に利用を呼び込むキャンペーンをされています。一時的には利用者が増えるものの、その利用人数は、JRの年間の乗降者数に正確にカウントされていない上、そこからの日常的な利用促進にはつながっていないと感じます。公共交通の利用促進のためには、まずはJRなどの地域公共交通が脱炭素など地球環境改善にも有効であり、渋滞の解消など、地域の住民にとっても大切なものであることを御理解いただき、住民の日常の移動手段を、車から鉄道・バスへの誘導を図ることが必要だと感じます。そのための啓発を、さらに強力に進めていただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 津山市では、今年3月に、「津山市地域公共交通計画」を策定し、5年間の計画をスタートさせています。計画の中では、朝の通学・通勤時間帯に、JR姫新線の津山・姫路方面の列車で、JR津山駅に到着すると、乗り継ぐことができる路線バスがないなど、二次交通との乗り継ぎの不便さも課題として指摘されていて、バスの利用も人口減少とともに利用者数は減少しているのが実情です。 一方、本県では、JR在来線の維持に向けた取組を強化するため、昨年7月に、「岡山県JR在来線利用促進検討協議会」を設置し、今後、県内市町村及びJR西日本岡山支社との連携の下、エビデンスに基づいた効果的な利用促進を検討するとして、ワーキングチームにおいて、姫新線は5回、今年は因美線も加わり、3回開催されているとお聞きしています。ワーキングチームのメンバーには、市町村や岡山県、JRの代表者が参加されていますが、オブザーバーとして、地域の人たちや利用されている高校生などに参加してもらい、地域の声を反映できるような場をつくってみてはいかがでしょうか、
県民生活部長にお伺いします。 利用者数や運行本数を増やすということは、非常に困難なことだと思いますが、
利便性向上に向けたJRや国への要望活動など、県として積極的に御努力をいただいていることに、県北で生活している者として感謝していますし大いに期待しています。困難な状況もあると思いますが、津山圏域をはじめ、各地域に暮らす皆さんの思いを受け止めていただき、粘り強く前向きな協議を行っていただきたいと思います。協議会における今後の議論の方向性と、各種施策の実現の見通しについて、
県民生活部長に御所見を伺います。 JR西日本は、来年夏に、津山市にICOCAを導入することを表明しました。ICOCAの導入は利用者の
利便性向上につながるものと考えますが、津山線のほかの中間駅では、法界院駅以外は利用できず、かつ津山駅からICOCAを利用できるのは津山線経由に限られ、例えば、姫新線を利用して新見駅で使うことはできません。また、ICOCAの定期券は、津山線では使うことができません。 そこで、JR西日本に対して、もう少し利便性を向上しなければ、県民のためにも、利用促進にもならないのではないかと、県からも訴えていただきたいのですがいかがでしょうか、
県民生活部長にお伺いします。 最後に、交通事故防止についてお伺いします。 横断歩道のほか、その前方にあるダイヤマークや停止線がかすれていて、視認しづらいといった県民の声を多く聞きます。信号機のない横断歩道の一時停止率は上がりましたが、昨年の人口10万人当たりの交通事故死者数は、岡山県が全国ワーストでした。全国の昨年中の交通事故死者数は、歩行中が最も多く、また場所では、交差点内・交差点付近の割合が最も多いといった内閣府のデータもあります。歩行者の安全のためにも、また運転者の側から見ても、誰の目から見ても、視認性の高い横断歩道や交差点の対策が急務ではないかと考えます。 昨今、全国の自治体では、白色に限らず、様々な意図で色分けをした路面標示をしている交差点が見受けられます。子供から高齢者までの全ての人が、安全・安心に移動しやすいまちをつくっていくには、運転者の視認性や認識性を向上して、さらなる交通事故防止に努める必要があると考えます。 先日の私どもの会派の代表質問においても、警察本部長から、「愛ライン」の整備など、横断歩行者等の安全を確保する観点からの横断歩道の改修に努めている旨、御答弁いただきましたが、こうした視認性を高めるための改修は、どういう方針で、どういう順番で行われているのでしょうか。そして、薄くなった横断歩道の補修も含め、地域の声を反映させる仕組みはあるのでしょうか。また、2020年に他の県警がアンケートを実施したところ、前方に信号機のない横断歩道があることを示す道路のひし形マークの意味を「知らない」と回答した人や、間違った回答をした人の割合が6割超えに上がったという結果が出たそうです。歩行者の安全確保の観点からも、このマークについて、改めて周知する必要があると考えますが、併せて警察本部長にお伺いします。 昨今、自転車の交通ルールについて、よくマスコミでも取り沙汰されています。また、全国では、交通事故全体に占める自転車の事故の割合は年々増え、昨年度は23%に上りました。歩道などで人とぶつかる事故が目立ち、歩行者が亡くなったり、重傷を負ったりしたケースは、年300人を超えています。携帯電話を操作しながら走行する「ながら運転」が後を絶たない上、近年は性能の向上でスピードが出やすくなっています。自転車は、子供からお年寄りまで手軽に乗れるのが魅力ですが、深刻な事故も目立っています。国が今年公表した交通安全白書によると、昨年の自転車関連の死亡重傷者事故件数を、年齢層別に見ると、65歳以上が最も多く、全体の約4割を占めています。 県警察においては、児童から高齢者まで、あらゆる世代への交通安全教室を実施しておられますが、こうした事故の発生状況を踏まえ、事故でとっさの反応が取りにくい高齢者の方に対し、自転車のルールを周知する方策に、さらに力を入れて取り組むことが必要だと考えますが、警察本部長のお考えをお伺いします。 以上、前向きな答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 民主・
県民クラブの小原議員の質問にお答えいたします。 地域公共交通の利用促進についての御質問であります。 啓発についてでありますが、県では、これまでもイベントや県立図書館等の県民が多く集まる場所などで公共交通の利用を働きかけてきたところであります。また、人口減少や新型
コロナウイルス感染症等の影響により、公共交通を取り巻く環境が厳しさを増していることを踏まえ、昨年度から、マスメディアやSNS等を活用したキャンペーン事業の実施やテレビ・ラジオ番組での広報など、様々な機会を捉え県民への啓発を強化しております。今後とも、お話の脱炭素や渋滞解消といったメリットについても丁寧に説明しながら、自動車から公共交通への利用の転換が図られるよう、さらなる啓発に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君)
県民生活部長浮田信太郎君。 〔
県民生活部長 浮田信太郎君 登壇 〕
◎
県民生活部長(浮田信太郎君) お答えいたします。 地域公共交通の利用促進についての御質問であります。 まず、利用促進検討協議会のうち、ワーキングチームについてでありますが、ワーキングチームには地域の実情に精通した市町村が参画していることから、現時点で住民等に参加を求めることまでは考えておりませんが、利用促進策の検討に当たっては、地域住民や利用者の意向を把握することは重要であると認識しております。このため、市町村等が実施する沿線住民へのアンケート調査の結果を参考にするなど、地域の声も聞きながら利用促進策の検討を行ってまいりたいと存じます。 次に、議論の方向性等についてでありますが、効果的な利用促進策を立案するためには、路線ごとの特性を把握する必要があることから、各ワーキングチームにおいて、詳細な利用状況や地域住民の移動ニーズについて分析を進めているところであります。これまでの分析により、姫新線や因美線では、地域外から普通切符で乗車する利用者が一定数いるという特性が明らかになったことから、今後、こうした特性に応じた施策を検討し、沿線自治体やJRと連携しながら、実現に向け、取り組んでまいりたいと存じます。 次に、ICOCAの導入についてでありますが、公共交通機関において、交通系ICカードが利用可能となることは、利用者にとって大きなメリットがあると考えております。このことから、例年、全国鉄道整備促進協議会において、国及びJRに対して、ICカード設備の導入を進めるよう要望しているほか、先月には、姫新線沿線自治体と共にJR岡山支社に対しても要望を行ったところであります。JRからは、利用状況などを総合的に勘案しつつ、順次利用可能エリアの拡大を図っていると聞いておりますが、県内路線への早期導入に向け、引き続き、関係自治体等と連携しながら国及びJRに対して要望活動を行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 子ども・福祉部長片山圭子君。 〔 子ども・福祉部長 片山圭子君 登壇 〕
◎子ども・福祉部長(片山圭子君) お答えいたします。 保育士の確保についての御質問であります。 まず、若い世代へのアプローチについてでありますが、県内の保育士不足の現状については、市町村からも多くの声を聞いており、またお話のような昨今のニュースが続き、保育の仕事に係る責任の重さや業務負担の大きさなど、マイナスのイメージが印象づけられ、厳しさを増す要因の一つになっているのではないかと感じております。 県では、保育士・保育所支援センターを核に、潜在保育士も含めた保育人材の確保を進めており、先輩保育士と養成施設の学生との交流等にも取り組んでいるところでありますが、今後、課題をしっかりと受け止め、保育の仕事に関する情報発信や職場体験の機会の提供など若い世代へのアプローチを積極的に進めてまいりたいと存じます。 次に、負担軽減についてでありますが、県では、管理職を対象とした職場環境改善セミナーの開催のほか国の補助メニューを活用したICT導入支援や、保育現場の業務を補助する人材の配置促進等により、働きやすい職場づくりの推進に取り組んでいるところであります。今後とも、これらの取組について一層の推進を図り、職場定着や離職防止につなげてまいりたいと存じます。 次に、配置基準についてでありますが、国が示している案は、より質の高い保育や多様な保育サービスの提供につながるものである一方、保育士不足が深刻化する地域においては、新たな基準に基づく保育士の増員は難しく、実現する上では保育士の確保と並行して進めていく必要があると認識しております。国においては、そうした現場の課題や意見を十分に踏まえ、具体的な制度設計などを慎重に進めていただきたいと考えております。 最後に、処遇改善についてでありますが、国の定める公定価格は、順次改善が図られているものの、いまだ十分とは言えず、こうした状況を踏まえ、県では、さらなる処遇改善を図ることや、公定価格上の人件費が実際の給与に適切に反映されるよう給与水準を明確に示すこと等について、国に強く要望しており、併せて全国知事会等を通じた働きかけを行っているところであります。今後とも、機会を捉え、地方の実情や現場の声を国にしっかりと届けてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 警察本部長河原雄介君。 〔 警察本部長 河原雄介君 登壇 〕
◎警察本部長(河原雄介君) お答えいたします。 交通事故防止についてのうち、まず横断歩道の改修等についてであります。 愛ラインの整備、薄くなった横断歩道の補修などの道路標示の改修・補修については、定期点検や学校関係者、道路管理者等との合同点検、地域住民等からの要望等を踏まえ、現場の交通実態や通学路等の交通環境を総合的に勘案し、必要性、緊急性の高い箇所から順次行っているところであります。 なお、地域住民等からの要望等については、各警察署に設置されている警察署協議会における管内住民との意見交換の場や、巡回連絡等で直接地域住民とお会いする機会、県警察ホームページの意見・要望ページ等を通じてお聞きしているところであります。 また、前方に横断歩道等があることを示すダイヤマークについては、その意味をドライバーが知らないがゆえに、横断歩道を横断しようとする歩行者の発見が遅れ、重大事故につながるといったことも十分に想定されることから、県警察では、運転免許証更新時の講習、交通安全教室やSNS等を活用した情報発信等を通じて繰り返しダイヤマークの意味について周知を図っており、今後とも、力を入れて取り組んでまいる所存であります。 次に、自転車についてであります。 県下における自転車が関係する人身交通事故の割合は、本年10月末現在で全体の21.8%であり、そのうち死亡・重傷事故となったものを年齢層別に見てみると、65歳以上の高齢者が最も多く、全体の36.2%を占めています。 こうした現状を踏まえ、県警察では、児童や高齢者といった自転車利用者の特性に応じた形で、自転車の交通ルールや安全な乗り方等に関する交通安全教育を推進しているところでありますが、特に高齢者向けの交通安全教室においては、御自身の身体機能の変化を実感していただくべく、交通安全体験車「おかやまふれ愛号」や自転車シミュレーター等を活用した参加体験型の講習を積極的に取り入れているところであります。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 4番。 〔 4番 小原なおみ君 登壇 〕
◆4番(小原なおみ君) 前向きな御答弁をいただき、ありがとうございました。 JRに関しては、県として努力していただいていることに感謝しています。引き続き、粘り強く取り組んでいただけるよう、よろしくお願いいたします。 そして、JR在来線利用促進検討協議会についてですが、アンケートだけではなく、やはり地域の人の声を聞くということも必要と思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。そして、保育士不足の件ですが、本当によく理解していただいていると思っております。保育士不足は全国的に社会問題となっておりますし、大変な問題ではありますが、今後も、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 そして最後に、高齢者の交通安全教室のことですが、PRをしっかりしていただいて、皆さんが安全に自転車に乗れるようにしていただきたいと思っております。 以上、要望として、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(小倉弘行君) 以上で小原君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 42番高原俊彦君。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 皆さん、こんにちは。 民主・
県民クラブ高原でございます。 今日、午前中最後の登壇になると思いますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。 まず、分権改革の推進についてお伺いをさせていただきます。 政府の第33次地方制度調査会は、年内に「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」を提出し、政府は、来年の国会に
地方自治法改正案を提出する見込みとなっています。 今回の答申案に盛り込まれているのが、非常時に限って必要な事務処理などを国が指示できるとする指示権です。答申案の中では、個別法の規定では想定されていない事態が生じた場合には、現状では、国は個別法に基づく指示を行うことができず、また地方公共団体の事務処理が違法等でなければ、国は関与できないことが課題としています。 2000年に施行された地方分権一括法において、国と地方は対等・協力の関係に変わり、自治体は自らの権限と責務において各種施策を実施しており、非常時の特例を想定しているとはいえ、自治体の自主性が損なわれるのではないかと懸念しています。 全国知事会は、「閣議決定前に自治体と協議する仕組みとするべきだ」としていますが、今後も、しっかりと地方の意思を伝える必要があります。全国知事会が指摘するとおり、「法令の規律密度の高さや『従うべき基準』をはじめとした国の関与などにより、地方が自ら意思決定するための自治立法権を十分に行使できない現状が続いており、さらに近年は地方公共団体に計画策定を促し、これに国庫補助金等のインセンティブを絡めることにより誘導する手法が増加するなどの課題も指摘されて」おり、分権と言いながら、国の関与は大きく変わっていないという印象を抱くのは、私だけではないと思います。こうした流れの中で出てきた指示権の創設は、地方分権の流れを逆流させるおそれがあると言わざるを得ません。地方自治の本旨にのっとり、さらなる地方分権改革を進展させるために、今後、どのように国との関係を整理し、岡山県民の代表として議論に臨まれるのか、知事の御所見を伺います。 次に、伊原木知事は、就任後11年を経過し、この間、西日本豪雨災害やコロナ禍など、県と市町村の役割が問われる様々な課題に直面しながらも、リーダーシップを発揮され、県民福祉の向上に向け尽力されてこられました。 一方、現在も、県と市町村の間で議論になっている課題もあり、今後、どのように広域自治体としての役割を果たし、取り組んでいくかが問われる局面になっていると感じております。今後の県と市町村のさらなる関係構築に向けて、今後、どのように取り組むおつもりなのか、知事が思うあるべき姿とともに決意をお聞かせください。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 民主・
県民クラブの高原議員の質問にお答えいたします。 分権改革の推進についての御質問であります。 まず、国と地方の関係についてでありますが、今回の指示権の創設に関しては、国と地方は対等・協力の関係にあることを前提として、地方の自主性や自立性を十分に尊重すること、個別法が想定しない事態の認定に当たっては、閣議決定の前に国と地方の協議を行う仕組みを設けることなど、全国知事会を通じて、地方制度調査会に意見を提出しているところであります。今後、地方制度調査会からの答申を受けて、政府が法制化の検討を行う際にも、地方と十分協議するよう要望しているところであり、そうした協議の場において、地方の意見が反映されるよう努めてまいりたいと存じます。 次に、県と市町村の関係についてでありますが、県としては、地域の実情を熟知し、住民に身近な行政サービスを担う市町村と課題や施策の方向性を共有し、質の高い行政サービスの提供と、活力ある地域づくりを連携して推進していくことが重要であると考えております。このため、市町村としっかり議論を行い、一層緊密な連携を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 御答弁ありがとうございました。 まず、1番のところで、御要望だけ申し上げますが、私も専門小委員会の文章を見させていただきましたが、保健所について、例えば、パンデミックのときに十分機能されなかったというような評価もあるわけですけれども、それはこれまでの地方自治の姿がそうであったということであって、これは分権とは違う議論ではないかと、私自身は思っています。しっかりと、この岡山県代表として、知事には頑張っていただきたいということを、まず御要望申し上げたいと思います。 そして、2番目ですが、昨日、松島議員も県と市町村の役割について触れておられましたが、極めて大事な議論であると思っています。私もですが、誰もが市町村の自治体の住民であり、県民でありという立場でございますから、そこはやはり密接不可分だと思っています。 まず、知事におかれましては、しっかりと住民に分かりやすく丁寧な説明を、ちゃんとした時期にしていただくということが非常に重要だろうと思っています。様々課題がある中ではございますけれども、今、知事が思っていらっしゃることを、もう一度お聞かせいただければと思います。
○議長(小倉弘行君) 知事。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 具体的な質問というよりも、何かみんなが気にかけていることについてしゃべることはないかという質問のように聞こえました。 いろいろ御心配をおかけしていることがあるのも事実でございます。なかなかどこから申し上げていいのか、しゃべることも限られております。ただ、実際、私としても、ぜひ県とすれば、国ともそうですし、市町村とも、率直に議論をして、ぜひ双方にとっていい、お金の使い方ですとか、事業の進め方をしたいと思っています。私とすれば、議論も非常に大事に思っていますし、実務的に話をするということが非常に大事だと思っています。自分自身もそうですし、あまりパフォーマンスみたいなことはやりたくないと、極力、後から振り返ってもあのやり方がよかったなと、あのお金の使い方は適切だったなと、段取りもよかったなと評価していただけるように進めたいと思っています。 例えば、1年、2年、いろいろ御心配をおかけしたことがあったと思いますけれども、極力これから正常な姿に戻すよう、私自身も努力をしていきたいと思っております。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 知事、御答弁ありがとうございました。 困難ではありますが、私たちもしっかりと知事とも対話をしながら、支えながら頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは続いて、地域公共交通の活性化についてお伺いをさせていただきます。 ローカル鉄道・路線バスなどの地域公共交通は、地域の社会経済活動に不可欠な基盤です。人口減少や少子化、マイカー利用の普及やライフスタイルの変化等による長期的な需要減により、引き続き、多くの事業者が厳しい状況にあることは周知の事実です。加えて、新型コロナの影響により、一気に10年以上時間が進んだとの見方もあるほど深刻な状況です。 こうした需要の減少は、交通事業者の経営努力のみでは避けられないものであるため、自動運転やMaaSなど、デジタル技術を実装する「交通DX」、車両電動化や再エネ地産地消など「交通GX」、官民共創、交通事業者間共創、多分野共創の3つの共創による地域公共交通のリ・デザイン、いわゆる再構築を進めると、国は提言をしております。公共交通の利用促進は、県民の移動の保障のみならず、例えば、カーボンニュートラルの推進、渋滞解消などに資する取組でもあり、積極的な推進により、広く県民の福祉向上を図ることが重要であると考えます。 10年以上前ですが、県は関係者を集め、「岡山県公共交通あり方検討会議」を開催し、平成23年3月に、「運転免許がなくても日常生活ができるということを目標」とする意見書が提出されています。国が進める3つの共創による官民や事業者間などの連携の取組を踏まえ、県においても、今後、関係者が共通認識を持って課題の解決に取り組む必要があります。県の主導により、多様な関係者による検討会を設置し、諸課題の検討を進めてはどうでしょうか。
県民生活部長の御所見を伺います。 また、自治体の努力義務とされた地域公共交通計画の策定は、県内では9市町村が未作成となっており、全県の機運醸成に向けても策定に向けた取組が必要と考えますが、
県民生活部長にお伺いします。 県では、昨年、「パーソントリップ調査」を実施し、今年度はその詳細な分析を行っていますが、県民の約7割、休日においては約8割が自家用車を利用し移動しており、公共交通の利用は僅か1割に満たないことが明らかとなっています。また、外出率の状況を見ると、男女共に70歳を超えると外出率が急激に下がり始め、鉄道及び路面電車・路線バスは、登校での利用割合が圧倒的に高いことから、高齢者の移動手段としてはあまり利用されていないことが見てとれます。公共交通の利用促進を図るには、高齢者の方や障害をお持ちの方にも利用しやすい環境づくりが欠かせません。そのためには、自宅から駅や停留所へのアクセス、そして移動の障害となる物理的・心理的バリアの除去が大変重要となります。住民の実情を把握している市町村における二次交通の充実に向けた取組とともに、様々な交通モードにおけるバリアフリー化のさらなる推進が必要と考えますが、現状と課題、今後の取組について、
県民生活部長の御所見を伺います。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
県民生活部長浮田信太郎君。 〔
県民生活部長 浮田信太郎君 登壇 〕
◎
県民生活部長(浮田信太郎君) お答えいたします。 地域公共交通の活性化についての御質問であります。 まず、検討会についてでありますが、地域公共交通の課題は、地域によって様々であることから、地域の実情に精通した市町村が設置し、住民や交通事業者等で構成する地域公共交通会議へ県も参画し、地域の関係者と連携しながら、課題の解決に取り組むことが望ましいと考えております。また、鉄道の利用促進など市町村をまたぐ広域的な課題については、県が主導し、検討の場を設置しているところであります。地域公共交通に係る諸課題の検討については、引き続き、市町村等と連携し、県としての役割を果たしながら進めてまいりたいと存じます。 次に、地域公共交通計画についてでありますが、この計画は、地域にとって望ましい移動サービスの姿を明らかにするマスタープランとしての役割を果たすものであり、現在、未策定の9市町村のうち2町において、県の補助制度を活用しながら策定に向けた協議が進んでおります。残りの7市町村に対しても、情報提供や助言を行っているところであり、順次、計画が策定されるよう、引き続き、支援してまいりたいと存じます。 次に、バリアフリー化についてでありますが、公共交通事業者等には、法律により旅客施設や車両等を国が定めるバリアフリーに係る基準に適合させることが義務づけられており、令和3年度から5年間を期間として、乗合バス車両の約80%をノンステップバスにすることや、ユニバーサルデザインタクシーの割合を約25%にすることなどの整備目標が設定されております。 本県においては、現時点ではいずれも目標を下回っているところでありますが、施設や車両のバリアフリー化には多額の費用が必要となることから、目標達成に向け、国に対し、事業者向け補助制度の拡充など、必要な財源を確保するよう要望しているところであります。引き続き、関係団体等と連携しながら、バリアフリー化の推進に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 御答弁ありがとうございました。 何回かこの場でも申し上げてはいるんですけれど、まず1番のところですけれども、当然市町村は市町村内の生活交通について重点的に考えていくわけでございます。先ほど部長おっしゃったように、鉄道については市町村をまたがるので広域ということをおっしゃいましたけれども、例えば、バスについても、同じような状況があるわけでございます。これからパーソントリップ調査の結果も待たなければいけませんけれども、例えば、市外の人が岡山市の病院に行くとか、そういう移動の実態も当然あるわけでございまして、ここはやはり市町村の、ここだけを見るのではなくて、全体として考えていく場というのが必要ではないかと思っているのですが、そのあたりについて、県としての認識をもう一度お伺いします。
○議長(小倉弘行君)
県民生活部長。 〔
県民生活部長 浮田信太郎君 登壇 〕
◎
県民生活部長(浮田信太郎君) 再質問にお答えいたします。 県として、議員の御提案自体を否定しているわけではございませんけれども、現状、県南、県北、また県南をとりましても、中央部、東部、西部と非常に様々な事情が大きく異なっているという中で、例えば、全体的な県の検討会議の中で、そもそも意見が集約できるのか、また取りまとめたとしても、それをフィードバックしたときに、各地域にマッチしたものになるのかというところもなかなか難しい面もあるのではないかと考えております。 こうしたことから、県としては、各市町村の地域公共交通会議に参画することにより、基本的には、域内の交通については各市町村でしっかり考えていただきたいと考えておりますけれども、議員おっしゃられた市町村をまたぐ鉄道のみならずバス等で、例えば、その地域公共交通会議の中で、関係者間の意見がぶつかっているとか、ある市とある市の間でのバス路線等で問題が生じた場合には県としても汗をかく所存でございます。ですので、我々としては、あくまでベースは、市町村の地域公共交通会議に参画するという形が望ましいと考えている次第でございます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) なかなか変えていただけないのですけれども、大きな絵を描くということを、私は必要だと思っています。こういう時代でもありますし、効率性の観点からいっても、これから、後ほどお話もしますけれども、運転手が不足する、交通の在り方も変わっていくという中で、どう岡山県の交通移動という分野でのデザインを描いていくのかというのは、非常に大切だと思っておりますので、引き続き、御検討いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 以上、要望だけにします。
○議長(小倉弘行君) 次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 続いて、物流の2024年問題についてお尋ねさせていただきます。 「働き方改革関連法」で導入された時間外労働時間の上限規制を猶予されてきた建設業、物流・運送業が来年4月より規制が適用されることとなります。残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別な事情がなければ、これを超えることはできません。 野村総研が今年1月に出したレポートによると、2024年問題を加味すると、2030年にはドライバーの供給不足により、全国の約35%の荷物が運べなくなると推計され、岡山県においても同様とされております。我が国における宅配便の取扱個数は、ネット販売などの伸びを背景に増加の一途をたどっているとともに、1件当たりの重量は低下傾向であり、小口多頻度輸送となっているのが特徴でございます。コロナ禍後に改善されたものの、現状でもドライバーの有効求人倍率は2倍以上で推移し、高齢化も止まらず、年齢別でも39歳以下のシェアが減少している状況であり、将来にわたっても人手不足は解消される見通しは、大変厳しいと言わざるを得ません。 人材確保に向けては、給与などの処遇や職場環境の改善をはじめとする努力を、官民一体となって行わなければ、人流や物流が大きな打撃を受け、現在の私たちの生活基盤が脅かされる結果になりかねません。現場からは、若い人が入社しても定着しないなど、悲痛な声が聞こえてきており、人材定着の取組も急務です。現在のUターン就職に限定している中小企業Uターン就職促進奨学金返還支援事業を拡充するなど工夫を図っていただきたいと思いますが、
産業労働部長の御所見を伺います。 また、就職を考えている学生や将来の夢を探している子供たちに対し、プロドライバーが「日本の物流・人流に欠かせない大切な存在である」という認識を持っていただくために、その働き方ややりがいについて伝えることも重要です。例えば、ユーチューブ動画による職業紹介や職業体験などの機会を増やすことはできないか、教育長にお伺いします。 次に、輸配送の効率化について伺います。 トラックドライバーが敬遠される一要因に、長時間労働があります。優越的な地位にある荷主の要望への対応や非効率的なオペレーションにより、物流業界の長時間労働は、高止まりをして改善していません。荷待ち時間がある運行が約半分、そのうち半数が1時間以上の荷待ちとなっています。また、現在のトラック積載率は40%未満と低下しており、輸配送共同化が重要とされていますが、中国地方における利用意向は20%に満たない状況です。トラックの積載率を55%以上に向上させると、供給量の不足は約7%まで改善するとされており、配送共同化を進めることは大変重要ですけれども、実現に向けては、「条件の合うパートナーが見つからない」などの課題があります。県として、今後、どのように輸配送共同化の取組を進めていくのか、現状と今後の課題について御所見を伺います。 また、トラックから海運、鉄道への転換、いわゆる「モーダルシフト」を推進することも重要です。現在の取組状況について、併せて
産業労働部長の御所見を伺います。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
産業労働部長宮本由佳君。 〔
産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕
◎
産業労働部長(宮本由佳君) お答えいたします。 物流の2024年問題についての御質問であります。 まず、人材確保についてでありますが、県では、これまで、物流・運送業を含め、県内企業を対象に、労働局等と連携した合同就職面接会の開催や社員の奨学金返還支援に取り組む企業への助成のほか、経済団体に対し、職場定着に向けた入社後のキャリア形成の促進や労働環境の改善を働きかけるなどの取組を行ってきたところであります。県内では、社員の奨学金返還の支援などに取り組む企業も増加しており、県としては、こうした若者を応援する企業のPRやインターンシップへの参加促進などにより、引き続き、関係機関と連携しながら、物流・運送業を含めた県内企業の人材確保の支援にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に、輸配送の共同化等についてでありますが、物流の効率化のため共同輸配送の必要性が高まっており、本県においても物流総合効率化法に基づく輸配送の共同化事業の認定事例がありますが、いずれも同業種での取組にとどまっており、さらなる効率化を進めるには、異業種同士の共同輸配送についても推進する必要があると考えております。 また、モーダルシフトについては、県内での認定事例はありませんが、関東からの自動車用品の輸送を、トラック輸送から岡山貨物ターミナル駅への鉄道輸送とした事例もあることから、国や関係団体と連携し、共同輸配送やモーダルシフト等の先進事例を県内企業に紹介するなど物流の効率化につなげてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 職業紹介等についてでありますが、義務教育段階においては、総合的な学習の時間等で、運送業も含め様々な職業について調べ学習を行ったり、地元企業での職場見学や職場体験を実施しているところであり、学びのコンテンツサイトである「おかやままなびとサーチ」で、動画による職業紹介も行っているところであります。高校においても、インターンシップや企業訪問等を実施するとともに、関係機関と連携して、企業説明会を開催し、運送業を含めた各企業から、高校生が直接仕事内容等を聞く機会を設けているところであります。特に、運送業については、本年6月に、国土交通省が作成した高校生向けウェブサイト教材「HaKoBuから考える『わたしの未来』」を周知したところであります。今後も、子供たちが運送業も含め、様々な職業の働き方ややりがいなどを理解した上で、適切な進路選択ができるよう取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 御答弁ありがとうございました。 3番についてお伺いする前に、今もうこの業種に限らず、どこでも人材確保が難しくなっている中で、いろいろな選択肢を、教育の役割も非常に大きいと思いますし、苦しんでいる業界に対してどう私たちが支援できるのかということは、もっと考えなければいけないのではないかと思っています。もちろん業界でも努力を一生懸命していただいていることも理解していますが、そこがクリアできない以上、行政の役割というのは、非常に大きいのではないかとも思っておりますので、しっかりと知恵を出して努力していただきたいと思っております。 最後の輸配送の取組について先ほどございましたけれども、なかなかどちらも広がってないという状況の中で、まず共同輸配送について、何が今一番課題になっているのか、岡山県はいろいろな倉庫業であるとか、それから高速も含めた輸送路の結節点という、大きなメリットがあるわけですけれども、どのあたりが非常にネックになっているのか、そのあたりについて教えていただければと思います。
○議長(小倉弘行君)
産業労働部長。 〔
産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕
◎
産業労働部長(宮本由佳君) 再質問にお答えいたします。 共同輸配送の現状の課題、問題点ということでございますが、今の輸送というのは、それぞれ個社で輸送されているということで、業界の組合・団体もございますけれど、いろいろなところが各所の情報を聞いた上で、共同につなげていく、そのような情報を共有する場が必要ではないかとも考えております。県下には、様々な産業支援の団体もございまして、その中では団体企業、会員企業の中に荷主の企業さんもおられれば、運送の企業さんもおられると。そういったところで、今、この共同輸配送というのも、国のほうでもしっかり推進をということで、皆様にも御案内はしているところですが、なかなか共同輸配送を考える具体的なところまでは至っていないという現状もあるかと思います。ですので、先ほど答弁でも申し上げましたが、県としましては、この共同輸配送とか物流の効率化に向けた取組を、関係団体、国とも一緒になりまして、国による制度的・経費的な支援もございますので、しっかりとこういうことができるんだという周知をさせていただいて、取組が進むように頑張ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 先ほど数字を申し上げましたけれども、2030年にはそれだけのいわゆる供給、移動させる手段がなくなるかもしれないという中で、共同輸配送とか様々な取組を本当に現実のものとしていかなければ、私たちの生活に大きな影響があるのではないかと、非常に心配しております。 先ほど言った法の、例えば、税制の特例とかがいろいろあるんですよね。それがあってもなかなかそこへ踏み込んでいかないのであれば、先ほど部長おっしゃったように、県もしっかりとそこに関与して、必要があれば、それ以上のものを岡山県としても用意して、せっかく物流、交通の結節点ということを我々としては大きなうたい文句といいますか、県政の柱として取り組んでいるわけですから、もう少し一段の取組をお願いしたいと思いますが、部長いかがでしょうか。
○議長(小倉弘行君)
産業労働部長。 〔
産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕
◎
産業労働部長(宮本由佳君) お答えいたします。 一段の取組ということで、先ほども申し上げましたが、県におきましても、経済の支援機関の皆様とも一堂に会しまして、みんなで持っている情報をそれぞれ出し合って、それを持ち帰ってそれぞれの取組に生かすということもしております。その中で、先日も、物流の2024年問題について、皆さんで話をしたんですけれど、例えば、配送ルートを変えると非常に効果が上がった事例でありますとか、それから配送でも倉庫のほうに設備投資をすると、非常に効率が上がった事例というのもお伺いをしております。それをみんなで共有するということでありますが、今後、一層物流の問題というのは、県民生活、企業の生産活動にも非常に影響のあるところでございますので、しっかりと取組を一層進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 次の項目に移りますので、答弁者は控席へ移動願います。 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 先ほどの件、ぜひよろしくお願いを申し上げます。 最後に、熱中症対策についてお伺いします。 我が国における熱中症による救急搬送者数は、年間数万人を超え、また熱中症による死亡者数は年間1,000人を超える高い水準で推移しています。本県でも、今年の5月から9月の救急搬送は1,865件、死亡者は5人となっており、深刻な事態となっています。今年の夏が特異な環境であればいいのですが、一昨年公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書では、今後、顕著な高温の頻度・強度がますます高まっていくことが予測されており、今夏の教訓を踏まえ、さらなる対策強化が求められます。 こうした事態を受け、国では、今後、起こり得る顕著な高温も見据えた熱中症対策の一層の促進のため、法制化に向けて現在検討を行っています。 具体的には、新たな対策として、現行より一段上の熱中症特別警戒情報の創設、指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)の指定・開放や、熱中症対策を普及・推進していく地域団体の活用などが挙げられており、その効果が期待されるところです。 クーリングシェルターについては、気候変動適応法の改正により、市町村による指定が位置づけられ、その指定設置基準等が、今後、国から示されることになっています。一段上の熱中症特別警戒情報が発表された場合、通常の営業時間に当該施設を開放することが想定されています。 県では、これまでクールシェア施設を公表し、活用を呼びかけていましたが、今後は、できる限り多くの施設で猛暑対策に対応できることが望ましいと考えます。しかしながら、県有施設には古いものも多く、また構造的に暑さを感じやすい施設もあり、空調機能の向上が望まれる施設も多いと認識しています。クーリングシェルターの指定は、市町村によりますが、県としても積極的に環境を整備し、外来者の健康に十分配慮した施設整備が必要と考えます。クーリングシェルターとしての県有施設の整備について、今後の取組を保健医療部長に伺います。 また、働く皆さんにとって温度・湿度管理は、働きやすさや生産性を左右するとの研究があります。オフィス内で室温をはじめとする屋内環境を改善すると、0.5%~5%もの生産性向上に直結するとのアメリカの研究もあるそうで、公務においても、室温や湿度の改善により、より働きやすい環境整備に取り組んでいただきたいと考えます。執務室だけでなく、倉庫や作業場なども含めた現状を詳細に把握するとともに、来夏に向けて対策を講じていただきたいと考えますが、御所見を伺います。 また、夏の屋外等における空調服配布など、徹底した対策が必要と考えますが、併せて総務部長の御所見を伺います。 熱中症予防について伺います。 最近の猛暑で、熱中症を予防するために水分補給や暑さを避けることなどは、県民の皆さんの共通認識になってきましたが、報道や感覚的なものに頼っている場合も多いかと思います。特に、高齢者の皆さんは、体温調節機能の低下などにより、暑さを感じにくくなっているケースもあります。先ほど申し上げました救急搬送件数1,865件のうち、実に約4割の774件が住居からの搬送となっており、屋内だから大丈夫という認識は改める必要があります。 埼玉県が行った調査では、「エアコンを使用する習慣があっても、使い方によっては危険な室温となっている日がある」、「暑いと実感していてもエアコンの使用を制限、または使用しない人がいる」ことが明らかになっています。また、大阪府吹田市が高齢者を対象に行った調査では、寝室に温湿度計を設置することで、夜間における適切なエアコンの使用につながるかを調査し、効果があることが示されています。温湿度計などで暑さなどを可視化することが、熱中症予防には有効な一方策であると思います。暑さ指数のメール配信サービスもあるようですが、登録の手間もあり、簡単に暑さ指数や熱中症警戒アラートなどの情報が県民に伝わるようにするため、県有施設等における屋外表示の設置などに取り組んではいかがかと思いますが、御所見を伺います。 また、住居内での熱中症予防対策として、温湿度計の活用などの注意喚起を、市町村と協力して取り組んではいかがでしょうか。併せて保健医療部長にお伺いします。 学校現場における対策も重要です。 県立学校におけるアンケートでは、人体が受ける熱ストレスの大きさを、気温・湿度・風速・輻射熱などを考慮して指標化するWBGT測定器は、全校配置には至っていませんが、未配備校でも工夫をしながら対策を取られているとお聞きしています。県立学校における熱中症による救急搬送は、本年9月現在で20人と、例年と変わらない数字となっています。厳しい暑さが続く中、増えていないのは現場の先生方の並々ならぬ努力のたまものだと思います。発生が5月から9月に至る5か月にわたり搬送事例が生じていること、緊急搬送に至らないまでも体調を崩す生徒がいることを踏まえると、気を抜けない状況が続いていると言わざるを得ません。寝不足や食事抜きなど、体調が万全でない児童生徒が熱中症になりやすいことから、子供たちの熱中症への理解、生活指導などが重要であると思いますが、どのように対応されているのでしょうか。また、先生方の指導にも限界があり、子供たちが自ら判断できる環境をつくることも必要ではないでしょうか。先ほど申し上げました暑さ指数の表示など、各校への設置について、併せて教育長に御所見を伺います。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。 保健医療部長梅木和宣君。 〔 保健医療部長 梅木和宣君 登壇 〕
◎保健医療部長(梅木和宣君) お答えいたします。 熱中症対策についての御質問であります。 まず、クーリングシェルターについてでありますが、少しでも多くの施設が指定されることは、熱中症リスクの低減につながるものと考えております。現在、国において指定基準等が検討されているところであり、今後、基準等が示された際には、各施設の所管部局と情報共有を行い、既存設備の活用を念頭に、連携して適切に対応してまいりたいと存じます。 次に、暑さ指数等の屋外表示等についてでありますが、暑さ指数等の情報が県民に直接伝わることは重要であり、メール配信サービスやSNSの活用などにより、周知を図るとともに、民間も含め、既存の屋外表示等の活用を検討してまいりたいと存じます。 また、温湿度計の活用による適度なエアコンの使用は、住居内での熱中症予防策の一つであることから、市町村とも連携しながら、このことも含めた熱中症予防対策の普及啓発に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 総務部長池永亘君。 〔 総務部長 池永 亘君 登壇 〕
◎総務部長(池永亘君) お答えいたします。 来夏に向けた対策についてでありますが、これまでも産業医等による職場巡視等を通じて各職場の状況把握に努め、適切な室温管理等の指導や助言を行うとともに、各所属長に対し、現状の把握や状況に応じた職場環境対策を講じるよう周知しているところであります。また、職員には、職場会議や庁内ホームページを通じて小まめな水分補給や適切な休息など熱中症予防のための注意喚起を行うとともに、各所属において作業環境に応じ、お話のファンつき作業服等を貸与するなど、職員の体調管理に努めているところであります。来夏に向けても、各所属に具体的な対策事例を紹介するなど状況に応じた取組が適切に実施できるよう徹底したいと考えております。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 児童生徒への対応等についてでありますが、熱中症への理解や熱中症対策として体調管理が重要であることは、保健体育の授業や保健室だより等で子供たちに周知しているところであります。また、各校での暑さ指数の表示については、暑さ指数が31を超えたときなどには、校内放送や掲示板での注意喚起など、地域や学校の実態に応じた対策が行われているところであり、一律に屋外表示を設置することまでは考えておりませんが、引き続き、注意喚起の徹底を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 42番。 〔 42番 高原俊彦君 登壇 〕
◆42番(高原俊彦君) 先ほど教育長言われましたが、暑さ指数と聞いて、31が危険なのかどうかというのは、我々ちょっとぴんとこない部分がまだあるわけですが、そういったところの理解を含めてする必要があるだろうということと、それから暑さ指数の情報提供地点というのが、例えば、気象台であるとか、そういうところに県内は10か所あって、そういうところの情報が我々の暑さ指数として示されるわけですけれども、現状の我々の居場所というのは、例えば、学校であれば、もっと熱い体育館の中であったり、いろいろな各条件があるわけで、そういったところに適切に対応した取組というのが必要ではないかと思っております。表示についてお話をしましたけれども、個別のそういう状況を把握すること、個々の状況に応じた暑さ対策をしていくことが非常に重要だと思いますけれども、その点について部長はどう思われるか。また、そういうことに対応する取組として、何かお考えになっているものがあれば、お聞かせいただきたいと思います。例えば、測定器とかも含めてまだまだ足りない部分もあるかと思いますけれども、お聞かせいただければと思います。
○議長(小倉弘行君) 保健医療部長。 〔 保健医療部長 梅木和宣君 登壇 〕
◎保健医療部長(梅木和宣君) 再質問にお答えいたします。 普及啓発という中で、個別に応じた情報発信であるとか、もう少し工夫があるのかどうかというところでの御質問かと考えております。 現在、普及啓発のためのチラシ等が各種媒体として作られておりまして、その中で特に今重要視しているのが、議員御指摘のような、例えば、高齢者の方であって、かつ室内であるというところでも熱中症が存在していて、それなりにインパクトのある社会的な問題になっているということを踏まえた普及啓発がされているということになります。例えばですけれども、高齢者の熱中症というのは、議員御指摘のとおり、体感を得られないということもあるので、温度とか、あるいは湿度というところも影響してきますから、そういったところの表示を見るということであるとか、あるいは小まめに水分摂取をするということも普及啓発しております。 それから、エアコンとかをつけることはもちろんですけれども、仮につけられない場合とか、ない場合の形で、どうしても設置ができない場合の取組についても周知がなされているということで、すごく細かいところまでというと、程度問題は少しありますけれども、現状・個別性を少し踏まえた普及啓発に取り組んでいるところでございます。 御指摘のような、例えば、測定器の補助みたいなところについてまでは、現時点では申し訳ありませんが、考えておりません。 以上であります。
○議長(小倉弘行君) 以上で高原君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 この際、午後1時20分まで休憩いたします。 午後0時18分休憩
~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時20分再開
○副議長(江本公一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 36番久徳大輔君。 〔 36番 久徳大輔君 登壇 〕
◆36番(久徳大輔君) 自由民主党の久徳大輔でございます。 改選後、毎回、登壇させていただけることに感謝を申し上げ、早速質問に入らせていただきます。 初めに、公共交通について質問いたします。 公共交通を取り巻く環境は、急速に悪化しています。とりわけバスについては、全国で路線の廃止や減便が相次いでいます。県内でも、人口が集中する岡山市でさえ、事業者の経営悪化を受け、路線の再編に取り組もうとしていますが、中山間地域のバス事業者はさらに厳しい状況にあります。 平成24年の井笠バスの破産が、いまだに記憶に新しいところですが、こうした事態を再び招かぬよう事業者の動向には細心の注意を払い必要な支援を行うべきと考えます。県内バス事業者の現状と課題、対策についてお尋ねします。 国では、持続可能な地域公共交通を再構築すべく、地域公共交通活性化再生法を改正し、本年10月より施行されました。この法律に基づく地域公共交通計画等の作成と運用の手引によりますと、地域公共交通計画の区域は、生活圏や交通ネットワークの範囲を踏まえ、個別的・局所的なものにならないよう留意し、適切な区域設定を、と呼びかけています。その上で、自分たちの市町村内で交通圏がおおむね収束しているのであれば単独で作成を、交通圏の範囲が複数市町村にまたがる場合は共同での作成を、としています。一方、都道府県は、都道府県内における幹線的な公共交通の維持・充実や複数市町村にまたがる移動手段の確保の観点から計画の作成を検討すべしとされています。 現在、本県では、地域公共交通計画を作成しておらず、17の市町が単独で、笠岡市のみが福山市と共同で作成しています。これでは、広域交通ネットワークを担う県の役割や、適切な区域設定による計画の推進により持続可能な地域公共交通を目指すという国の要請に応えていない状況にあります。都道府県と市町村が連携して計画を作成した事例は幾つもあります。 例えば、大分県では、県が主導し、公共交通や県民の移動圏域に着目し、6つの圏域に分け、計画を作成しています。鳥取県も、東部・中部・西部の3圏域に分けて、県と市町村が共同して作成しました。また、京都府では、JR山陰本線沿線や関西本線沿線などで、京都府と関係市町が作成、島根県では、一畑電車沿線地域として県と松江市・出雲市で作成しています。 本県でも、3県民局ごととか、パーソントリップ調査に基づいた圏域設定による策定、姫新線や井原線など、鉄道沿線による計画策定に積極的に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。 JR伯備線に来春から導入されるやくも号の新型車両273系は、最新の「制御付き自然振り子方式」を採用し、揺れを最小限に抑えて乗り心地を向上させるとともに、テーブルつきのグループ席やフリースペースなども整備されるなど、快適性も高められています。沿線自治体からは、新型車両の導入による盛り上がりを期待する声も聞こえてきます。 そこで、これらを契機として、JR伯備線の利用促進や山陰両県とのつながりを生かした観光振興に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、医療人材の確保について質問いたします。 現在、第9次岡山県保健医療計画(素案)についてのパブリックコメントを募集していますが、岡山県保健医療計画策定協議会での議論を拝見しますと医療を担う従事者の不足や高齢化が度々指摘されています。それらの点について、以下、順次質問を行います。 医師偏在指標によりますと、本県は全国第4位の医師多数県ですが、高梁・新見保健医療圏や真庭保健医療圏では、医師不足と高齢化が進んでいます。また、小児医療や周産期医療を担う人材の地域偏在が指摘されています。小児科医師の数は、2次保健医療圏ごとでは、全ての保健医療圏においてほぼ横ばいとされていますが、高梁・新見及び真庭保健医療圏の小児医師数は、令和2年度においてそれぞれ6名、2名となっており、小児科医師がいなくなるおそれがあるとされています。同様に、産婦人科医師の数は、2次保健医療圏ごとでは減少傾向、もしくはほぼ横ばいです。ただし、高梁・新見及び真庭保健医療圏の産婦人科医師数は、それぞれ3名、2名となっており、産婦人科医師がいなくなるおそれがあるとされています。これらの対策についてお伺いします。 中山間地域の医療を守るには、岡山大学の地域枠や自治医科大学の卒業医師の優先的な配分等が重要な役割を果たしてきたと思いますが、これまでの地域偏在や医師不足の解消に向けた取組の成果と課題について、お尋ねします。 岡山大学医学部の地域枠卒業の医師は、医師不足地域で医療を支えていただいておりますが、今年度末をもって9年の義務年限を終える方々が出ると聞いています。今後も、県内に残っていただけるようにするためのフォローが欠かせないと考えますが、御所見をお伺いします。 第3次岡山県歯科保健推進計画(素案)も、パブリックコメントを募集中です。岡山県保健医療計画策定協議会での議論でも、障害のある方への歯科を担う人材の確保や体制を整えていくべきとの指摘がなされていますが、どのように対応するのか、お伺いします。 薬剤師については、全県で見れば数は不足していないようですが、県南東部に集中しており、地域による偏在が課題になっています。 ところで、富山県は、江戸時代から続く歴史と伝統を誇り、人口当たりの医薬品生産額等が全国第1位で、「くすりの富山」と言われていますが、薬剤師の県外流出により、人材が不足しており、来年度より富山大学薬学部に地域枠を設けると聞いています。ほかには、令和3年に開学した和歌山県立医科大学薬学部も地域枠を設けています。 本県も、岡山大学薬学部に地域枠を設けるのはいかがでしょうか、御所見をお伺いします。 高梁・新見保健医療圏では、看護学生への就学支援金制度や「高梁かんごねっと」により、看護師の確保の面で一定の効果が現れています。しかしながら、看護師の数は改善したものの、高齢化は深刻なままです。高梁・新見圏域の看護師及び准看護師の年齢構成割合を見ますと、令和2年度において、半分が50歳以上で、60歳以上の割合は、看護師は22%、県平均は10%です。准看護師は55.1%で、県平均は36.3%です。看護師の高齢化問題にどのように取り組むのか、お伺いします。 医療を支える従事者の中には、理学療法士、管理栄養士、臨床検査技師などの方がいらっしゃいます。保健医療計画(素案)には、「そのほかの保健医療従事者」として、現状と課題のみが簡単に記されているにとどまっていますが、これらに従事している方々の位置づけや計画的な配置の重要性などについて、詳細な調査に基づき、さらに記載があるべきと考えます。これら医療従事者の現状と不足している場合の確保策、資質向上対策についてお伺いします。 次に、「おかやまの酒による乾杯を推進する条例」に関連して質問を行います。
岡山県議会の委員会発議条例として、「おかやまの酒による乾杯を推進する条例」が、平成26年3月20日に制定、同年4月1日より施行されました。 この条例は、人と人とのつながりを深める乾杯に、「おかやまの酒」を用いることにより、本県の気候風土が育んだ地元の産物の魅力を発信し、地域産業の盛り上げと郷土への愛着と誇りの醸成を図ることを目的としています。こうした、いわゆる乾杯条例は、制定ブームのような動きもあり、令和4年5月現在で、全国で147条例が制定されています。これらの条例は、制定することが目的でなく、その地域の地酒の魅力発信と地域の盛り上がり、製造・消費の増加などにつながっていくことが重要になります。本県の条例では、岡山県で造られた全ての種類の酒を想定していますが、ここでは日本酒について質問をさせていただきます。 国税庁によりますと、全国の清酒の製成量と販売量は、平成26年度から令和3年度の間に共に約3割減少しています。 県内の状況を見ますと、同時期に、製成量は約5割減少し、販売量は約3割減少しています。県内の酒造会社での製成量は、全国平均以上に減少し、販売量も厳しい状況が続いています。これは、コロナ禍や人口減少、高齢化の影響に加え、大手メーカーへのおけ売りの減少や健康志向の高まりなどもその理由として考えられます。こうした厳しい状況ならば、なおのこと、乾杯条例の意義を発信すべきと考えます。 例えば、佐賀県では、本年10月、「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」の制定10周年を記念したイベントが、県知事も参加し、JR佐賀駅前交流広場で開かれました。佐賀新聞の記事によりますと、イベントを主催した県担当者は、「酒販店からは、10年前に比べ佐賀の酒を扱う飲食店が増えたと聞く」と話し、「乾杯条例と『The SAGA認定酒』認定との相乗効果が生まれている」と、手応えを語ったとのことです。 そこでまず、伺いますが、乾杯条例施行から10年を迎えますが、本県のこれまでの成果と課題をどう認識しているのでしょうか。また、佐賀県の取組を参考にして、本県においても地元の産物の魅力を発信し、地域産業の盛り上げと、郷土への愛着と誇りの醸成を図るといった乾杯条例の本来の目的に沿った取組を増やしていくためにも、10周年を記念した取組を行うべきと考えますがいかがでしょうか。併せてお伺いします。 さて、日本酒の国内出荷状況は、ピーク時である昭和48年には170万キロリットルを超えていましたが、現在までほぼ一貫して右肩下がりが続き、令和4年では40万キロリットル程度まで減少しています。その一方で、酒造好適米を多く使用する純米酒や純米吟醸といったお酒は、お酒全体の消費量が減少傾向の中でも堅調に推移してきました。令和4年産の酒造好適米は、全国で約8万トン生産されており、その内訳は、山田錦が約2万8,000トン、五百万石が約1万5,300トン、雄町米が約2,680トンなどとなっています。雄町米の95%は、本県で生産されていますが、生産量自体が少なく、山田錦や五百万石に比べると知名度が低いため、雄町米を原料にした日本酒の売上げが伸び悩んでいるとも伺っており、雄町米の生産農家や酒造業者にとって経営が先細り、厳しい状況が続いています。 そこで、本県の日本酒の現状と課題について、併せて雄町米についても同様に御所見をお伺いします。 先ほど紹介した佐賀県では、平成16年に発足した佐賀県原産地呼称管理制度に基づき、春と秋の2回、純米酒と本格焼酎を対象に、原産地呼称の認定を行う「The SAGA認定酒」の審査が行われています。これは、使用された原料が100%佐賀県産であること、使用された水の採水地が佐賀県内であることなどを条件に、味、香りなどを審査するものです。佐賀県独自の認定制度ですが、この制度により、佐賀県の純米酒の出荷が伸び、認定酒の飲み比べセットなどの企画商品が相次いで発売されるなど一定の成果を上げているとのことです。 また、国税庁では、地域の共有財産としての産地名の適切な使用を促進することを目的として、平成7年から日本酒の地理的表示制度を実施しています。この制度により、産地名を独占的に名のることができ、製造されたお酒とその産地とのつながりが明確になり、地域ブランドとしての付加価値向上が期待でき、他の製品との差別化を図ることができます。令和5年11月時点で、日本酒では16の産地が指定され、その中には佐賀県も入っています。 岡山県の日本酒の製造量は全国32位と決して多くありません。そこで、雄町米に着目して、差別化・ブランド化を図る取組は、至極真っ当であると評価しております。県では、現在、雄町米の日本酒の知名度を高めるため、岡山県産の日本酒ブランディング・ハイブリッドプロモーション事業などを行っていますが、雄町米のブランド力をさらに向上させるためには、佐賀県のような独自の認定制度を確立したり、国税庁の地理的表示制度への指定を目指し、流通の促進を図っていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。 次に、リモコン式自走草刈機について質問します。 中山間地域の最大の課題の一つに、道路や田畑の草刈りが挙げられます。人口減少と少子高齢化が急速に進み、コミュニティーや農業を維持する上で大きな課題となっています。 私は、この草刈り問題に取り組みたいと思い、この夏、地元高梁市で行われたリモコン式自走草刈機の実証実験に2度参加いたしました。実際に操作させていただき、その有用性を感じましたが、参加者のほとんどが70歳代以上の高齢者であり、1台150~400万円ともされるこの機械を購入するには、たとえ国の制度などを活用できるとしても、そのハードルの高さを感じました。また、操作に慣れるまで一定の時間や経験を要することもあって、操作の効率性、事故等が発生した場合の対応、維持管理などの課題もあると感じました。 現在、県では、農林水産部の事業として、県が保有する2台の自走式草刈機を多面的機能支払制度等に取り組んでいる地域等に貸し出し、その操作性や作業効率、安全性を実際に確認してもらうことで、現地に適した草刈り機の導入に向けた支援を行っており、この取組の発展形として、笠岡市や井原市などでは、市の事業として自走式草刈機の貸出しを始めるようになりました。 また、土木部の事業として、平成30年西日本豪雨災害を受けて、緊急治水対策事業として整備した堤防が広大なのり面となるため、令和4年度からアダプト活動を行う地域住民の草刈り作業の負担軽減等を図る目的で、総社市の日羽・下倉地区等に対し、自走式草刈機を貸出しする事業を試行的に行っています。 私の問題意識としては、購入費用が高いこと、行政が所有して直接地域に貸し出した場合に、それを扱う方々の年代が高いことが予想されることから、操作性や作業効率の課題、さらにはメンテナンスをどうするのかといったことがあります。 そこで、自走式草刈機を県下に普及するため、県が所有しながらもその地域の農機具事業者とか建設会社、JA、森林組合などが一定の裁量の下で、専門的に施業や維持管理を担っていただくような取組を行うことができればと考えます。草刈り作業の軽減化を図るモデルとするため、リモコン式自走草刈機を試験的にでも県内の各地に広めるための取組を、ぜひ行っていただきたいと思いますが、御所見をお伺いします。 次に、森林・林業等について質問します。 今議会には、「森林の保全に係る県民税の特例に関する条例の一部を改正する条例案」が提案されています。 これは、いわゆるおかやま森づくり県民税条例の改正でもあり、個人に対して年額500円、法人に対して均等割額の5%相当額を負担してもらう、今の課税の適用期限を令和10年度末まで延長しようとするものです。一方で、個人住民税均等割と合わせて、1人当たり年額1,000円が徴収される森林環境税も来年度から始まります。県民に十分に御理解いただくため、これらの税の使途、その役割は、県と市町村でどのように分担されているのか、お伺いします。 第74回全国植樹祭まで約半年となりました。記念事業として、地域植樹が県下5か所で行われるなど、県民参加の下、緑化意識の醸成などに取り組まれています。準備状況や開催機運醸成の具合、岡山県の特色ある取組など、現在の状況についてお尋ねします。 おかやま森づくり県民税の継続と森林環境税の徴収と全国植樹祭が同年度の始まりとなり、県民に国土緑化運動の意義を理解していただく好機でもあります。森林・林業に関する取組の中で、これからはこの点について県として重点的に取り組むというような施策・事業はあるのか、お伺いします。 林野庁では、「伐って、使って、植えて、育てる」という森林サイクルを提唱しています。また、竹中工務店では、この森林サイクルに加えて、都市部でより多くの建物を木造化・木質化することで木材の需要を高め、森林・林業・地域を活性化する森林資源と地域経済の持続可能な好循環を、「森林グランドサイクル」と名づけ提唱しています。これらを例にして、地方創生や産業創出、教育・人づくりなど、森林・林業をベースに、もう一段大きな好循環のサイクルを目指す展開を、県政推進の政策目標の大きな柱の一つにできないでしょうか、御所見をお伺いします。 最後に、家畜伝染病防疫体制について質問します。 家畜伝染病予防法は、28種類の家畜伝染病を定義していますが、このうち豚熱については、令和3年以降、本県に隣接する全ての県で野生イノシシの感染が相次ぎ、一部では飼育豚についても感染が確認されています。豚熱は、治療法がなく、強い伝染力と高い致死率が特徴であることから、養豚場で発生した際には、感染した豚のみならず、同じ農場の豚が全て処分されるため、感染が発生した農場の経済的な損失は非常に大きいものになります。農場を分割管理するなどの国のマニュアルは、本年9月に示されたばかりであり、現在のところ、対応できる農場は少ないものと思われます。鳥インフルエンザについても、既に県内で野鳥の発生事例もあり、昨年度のような連続した大規模な発生が懸念されます。 県では、大規模発生時の防疫措置について、自治体職員のみでは対応できない場合の支援策を国へ要望していますが、国の対応状況はいかがでしょうか。また、こうした家畜伝染病の発生予防や発生した場合の蔓延防止に向けた県の取組について、併せてお伺いします。
○副議長(江本公一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 自由民主党の久徳議員の質問にお答えいたします。 まず、公共交通についての御質問であります。 バス事業者の現状等についてでありますが、路線維持の重要性に鑑み、これまで広域的・幹線的な路線について、国等と協調し、運行経費等を補助してきたところでありますが、人口減少や新型
コロナウイルス感染症の影響に加え、燃料価格の高騰、人手不足など、バス事業者を取り巻く環境は厳しさを増していると認識しております。 このため、国の経済対策等に呼応し、社会情勢に応じた支援も行ってきたところであり、今後とも、事業者の動向把握に努めながら、国等との適切な役割分担の下、路線の維持・確保に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、県による計画策定についてでありますが、住民生活と密接に関係する公共交通計画の策定に当たっては、関係者の合意形成を図ることが不可欠であることから、地域の実情に精通した市町村が主体となって取り組むことが望ましいと考えており、全ての市町村が策定するよう支援しているところであります。 このため、県による計画策定は考えておりませんが、地域住民や交通事業者等で構成する市町村の地域公共交通会議に参画し、専門的・広域的な観点から必要な助言を行うことにより県としての役割を果たしてまいりたいと存じます。 次に、新型やくもについてでありますが、山陽と山陰を結ぶ特急やくもに新型車両が導入されることは、伯備線だけでなく、中国地方におけるJR在来線のネットワーク全体の活性化にも寄与するものと期待しているところであります。お話のとおり、沿線自治体や鳥取・島根両県と連携しながら、伯備線をはじめとするJR在来線の利用促進や沿線の観光振興にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に、医療人材の確保についての御質問であります。 高梁・新見及び真庭保健医療圏の小児科医師等についてでありますが、県では、内科医等を対象とする小児医療に関する研修会や小児救急医療に係る電話相談、地域枠を卒業した産婦人科専門医の県北への配置を行うなど、医療人材の確保等を図っております。今後は、さらなる少子化等を見据えた医療提供体制の構築が不可欠であることから、医療関係者や地元自治体等との積極的な協議を通じ、限られた医療資源がその機能を十分に発揮できる体制づくりに取り組んでまいります。 次に、取組の成果等についてでありますが、地域枠や自治医科大学の卒業医師を中山間地域等の病院に配置することにより、医師不足地域での診療継続が可能となり、医師の地域偏在の是正に一定の成果があったと考えております。また、自治医科大学の卒業医師の
県内定着率が、全国と比較すると低い水準にあることが課題であり、定着率の向上に向けた取組を進めていく必要があると考えております。 次に、義務年限終了医師へのフォローについてでありますが、これまで、地域枠医師一人一人に対し、県地域医療支援センターの専任医師が、キャリア支援に係る情報提供や個別面談等による適切な助言など、きめ細やかな対応を行ってきたところであります。今後とも、義務年限の終了も見据え、個別に丁寧なフォローを行い、県内定着を図ってまいりたいと存じます。 次に、障害のある方への歯科保健についてでありますが、障害のある方が身近な歯科医療機関で定期的な健診等を受けることができるよう障害に合わせた健診に関する研修などを通じて、受入れ可能な歯科医師や歯科衛生士の人材確保を図っております。あわせて、障害のある方に対する全身麻酔等を含む高度な歯科医療体制の充実に向け、県歯科医師会等の関係機関と連携を図りながら検討してまいりたいと存じます。 次に、薬学部の地域枠についてでありますが、全国的には、地域偏在や業態偏在が見られ、特に病院薬剤師の不足が課題となっております。県内の薬剤師数は、毎年増加しておりますが、現在、まずは病院薬剤師の地域偏在の実態を把握するため、病院薬剤師会と連携し、就業実態等を調査しているところであり、その調査結果や関係団体からのヒアリングを踏まえ、大学での地域枠を含め、薬剤師の確保対策について研究してまいりたいと存じます。 次に、看護師の高齢化問題についてでありますが、高梁・新見保健医療圏域をはじめ、全県的に高齢化が進んでいると認識しております。そのため、特に若手看護師の採用が困難な地域において、病院等が支給する就職準備金に対する支援や、看護師を目指す中高生を対象とした看護進路ガイダンスの開催を行うなど、若手看護師の確保を図ってきたところであります。今後とも、関係団体・地域の関係者等と連携し、様々なアイデアをいただきながら、対策の手を緩めることなく、若手看護師の確保に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、その他の保健医療従事者についてでありますが、県内の医療機関に就業している理学療法士や管理栄養士、臨床検査技師などの保健医療従事者の数は、人口10万人当たりではおおむね全国水準を上回る状況となっております。こうした専門人材は、地域医療において重要であることから、各職種の関係機関・団体等が行う研修会、講習会や医療安全に資する情報提供などを通じ、保健医療従事者の資質の向上を図ってまいりたいと存じます。 次に、日本酒についての御質問であります。 乾杯条例の成果等についてでありますが、県や民間団体による県産日本酒に関するイベントの継続的な実施等を通じ、日本酒への理解は徐々に広まっていると認識しておりますが、酒蔵等の関係者からは、県内で飲まれる県産日本酒の割合はいまだ低い状況にあると伺っております。県産日本酒のさらなる振興を図るため、酒蔵や関係団体等と連携し、条例制定10周年を機に、改めて条例の趣旨をホテルや旅館、飲食店等に周知し、利用者がお酒による乾杯を行う際には、県産日本酒を勧めていただくなど、その普及拡大につなげてまいりたいと存じます。 次に、県内の現状等についてでありますが、コロナ禍の影響等により、雄町米で造ったお酒を含め、本県の日本酒の国内出荷量は減少している状況でありますが、海外出荷量は全国的に伸びていることなども踏まえ、国内外でのイベント等を通じて、「酒米処おかやま」のイメージを定着させることで、県産日本酒の振興を図ってまいりたいと考えております。 また、雄町米については、契約栽培による生産を基本としており、コロナ禍で酒造メーカーの需要が低下し、栽培面積が減少しておりましたが、経済活動の再開とともに、令和4年(2022年)産は、コロナ前の水準にまで回復しております。雄町米の栽培は、急激な需要の変動への対応が困難であることや技術習得に時間を要するなど、栽培者の確保・育成が課題と考えております。 次に、ブランド力の向上についてでありますが、県では、首都圏や海外において、県産日本酒のプロモーションを実施し、「酒米処おかやま」のイメージを定着させることで、県産日本酒のブランド化を図っているところであります。さらなる雄町米のブランド力向上に向け、県独自の認定制度やGI制度を含め、どのような取組が効果的か、酒造組合や酒蔵の御意見を伺いながら、今後、検討してまいりたいと存じます。 次に、リモコン式自走草刈機についての御質問でありますが、地域の多くで高齢化等が進行しており、労力がかかる道路や田畑の草刈りは、作業の軽減化や安全性の確保が課題となっております。お話のとおり、多様な主体による草刈りへの参画やリモコン式自走草刈機の導入は、これらの課題に対する有効な手法と考えていることから、これまで、組織づくりや機械の貸出し支援を行ってきたところでありますが、地域の話合いを一層活性化させるとともに、機械メーカー等とも連携しながら、県内各地で人材確保や機械導入が進み、草刈り作業の軽減化が図られるよう努めてまいりたいと存じます。 次に、森林・林業等についての御質問であります。 おかやま森づくり県民税等の使途等についてでありますが、森づくり県民税は、林業経営に適した人工林において、林業サイクルを循環させる取組のほか、ナラ枯れ被害の拡大防止など、森林保全の取組に活用することとしております。また、森林環境税を財源に、市町村に配分される森林環境譲与税は、所有者が管理放棄した森林の解消や、間伐後に広葉樹を育成する針広混交林化を図る取組に活用されることとなります。県は、森づくり県民税を活用し、森林の保全に係る広域的な取組を推進し、市町村は、森林環境譲与税を活用し、地域の課題を解決するための独自の取組を担うことになります。 次に、全国植樹祭についてでありますが、現在、関係機関と連携し、本番に向け準備を加速させているところであり、お話の地域植樹の開催のほか、木製地球儀の巡回展示や各種イベントによる情報発信などを通じ、開催機運の醸成を図っているところであります。大会では、県産木材を積極的に使用した会場装飾や本県林業の歴史・文化を伝える式典アトラクションなどを通じ、本県の魅力を全国に発信するとともに、大会を契機として、緑あふれる郷土を未来の子供たちへつなげてまいりたいと存じます。 次に、今後の取組についてでありますが、県民の森林に対する多様な要請に応えるため、少花粉杉・ヒノキへの植え替えの促進や、森林整備を推進するための担い手の確保・育成、民間建築物等への県産材の利用促進、ナラ枯れ被害対策などに重点的に取り組むこととしております。また、ボランティア団体や企業による森づくり活動や森林環境学習ツアー、みどりの月間行事等、緑化意識の醸成を図る取組を推進するなど、令和6年度を好機と捉え、県民全体で森林を守り育てる機運を高めてまいりたいと存じます。 次に、好循環のサイクルについてでありますが、森林は、温室効果ガスの吸収源として大きな役割を果たしており、林業は、その森林資源の循環利用等を通じて、森林の有する多面的機能の発揮や地域経済の活性化などに寄与していると考えております。県政の推進に当たっては、御提案の視点も参考にしながら、将来を見据えた本県の課題を分析し、社会のニーズを的確に捉えた施策に取り組んでまいりたいと存じます。 最後に、家畜伝染病防疫体制についての御質問でありますが、国に対し、防疫作業従事者の一元的な確保について要望しており、引き続き、国において検討されている状況にあります。また、発生予防については、県内全ての農場に対し、家畜防疫員の立入検査による飼養衛生管理基準の遵守の徹底や血液採取によるモニタリング検査など、監視体制の強化を図っております。発生時の防疫体制については、平常時から自衛隊や関係団体等と協議を行い、迅速な対応ができるよう準備を進めるとともに、発生時の効率的な対応に向け、作業の外部委託を検討するなど、万が一の発生に備え、万全を期してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(江本公一君) 36番。 〔 36番 久徳大輔君 登壇 〕
◆36番(久徳大輔君) 公共交通について、市町村が主体とおっしゃられましたけれども、市町村の地域公共交通計画を見ても、鉄道に関する記載というのが本当に薄いんです。それは、恐らく単独の市町村では、鉄道問題に取り組めないからだと思っていて、この現状を、みんな危機感を感じている中で、市町村だけに任すのではなくて、県がリーダーシップを取って、沿線市町村を巻き込んで公共交通計画をつくらなくてはいけないのではないかと思うんですけれども、その点はいかがか。 続いて、医療人材ですけれども、高梁・新見、真庭の小児科医、
産婦人科医は、非常に危機的な状況にございます。知事は、少子化対策にも力を入れたいとおっしゃられてましたけれども、まさにこの2つの科は、少子化対策にも、それから今後の地域の在り方、そして地域の医療に大きく影響する科ですから、何とかしてこれを守り抜くという知事の決意を改めてお聞かせいただきたいと思います。 それから、日本酒ですけれども、この認証の問題、地理的表示の問題は、令和2年6月議会でも問われて、そのときも検討すると言われたんです。今回も検討するなんですけれども、どう検討するのか教えてください。
○副議長(江本公一君) 答弁を求めます。 知事。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 再質問にお答えいたします。 まず、地域公共交通のお話でございます。 議論になっております市だけではなかなか難しいだろうと、県が取り組むべきであるというお話であります。 絶対にやらないと決めてかかっているわけではありませんけれども、この議会でも部長が答弁したように、随分それぞれの地域で様相が違うというのが、我々の現在の実感でありまして、地域を分けるとか、特徴的なところを取り出すというのもあるのかもしれませんけれども、我々が最も有効だと思っているのは、例えば、今、新見市の交通問題が注目を集めていますけれども、そういったことにきちんと我々も一緒になって取り組んでいくと、地域の問題に我々も一緒に取り組んでいくということが、より実効性があるのではないかと思っております。当然、我々しないと決めてかかっているわけではありませんので、これは我々が乗り込んだほうがいいんだということになれば、そのときに考えようと思っております。 次に、医療人材に関して、小児科、産婦人科、これは偏在が著しいと、高齢化も進んでいるということについては、我々も大変心配をしておりまして、地域の皆さんがきちんとそこで生活できる、インフラを維持しなければいけないということで、答弁でもありました、地域枠の活用ですとか、いろいろな採用の工夫をしているところでございます。ただ、それが非常に効果的であったら、今、何らか改善の方向に数字が動いているはずですけれども、なかなかそういうことになっていないということでございます。全国的にも、大体同じような傾向だとは思っておりますけれども、これからも地域の皆様の心配にお応えできるよう努力を続けていきたいと思っております。 日本酒のことについては、どういう経緯があったか、部長から答弁をさせます。
○副議長(江本公一君)
産業労働部長宮本由佳君。 〔
産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕
◎
産業労働部長(宮本由佳君) お答えいたします。 日本酒のブランド化の検討状況ということでございます。 令和2年度当時は、県産日本酒のブランド化に向けまして、酒造組合や酒蔵の皆様から御意見を伺う検討会などを開催する予定にしておりましたが、コロナ禍ということで事業がなかなか思うように進まずに見直しを行いまして、一旦検討を止めていた状況でございました。今年度は、コロナ禍の影響も落ち着いてきましたので、首都圏や海外でのプロモーションも制約なく実施できるということで、これから酒蔵の皆様を対象に、地理的表示、GI制度の勉強会などの実施を予定しているところでございまして、今後、関係団体の方とも連携をしながら、ブランド力向上に効果的な取組の検討をしっかり進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(江本公一君) 以上で久徳君の質問は終了いたしました。
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○副議長(江本公一君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
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△12月15日の議事日程
○副議長(江本公一君) 明日の議事日程は、午前10時開議で、一般質問、議案委員会付託、請願陳情委員会付託であります。
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○副議長(江本公一君) 本日は、これをもって散会いたします。 午後2時7分散会〇 令和5年12月14日(木曜日)出席議員 1番 角屋 忍君 2番 井出 妙子君 3番 鈴木 一史君 4番 小原なおみ君 5番 渡邉 直子君 6番 天野 英雄君 7番 坂本 亮平君 8番 正木 美恵君 9番 松島 幸一君 10番 佐古 一太君 11番 本山 紘司君 12番 福田 司君 13番 清水 薫君 14番 大橋 和明君 15番 乙倉 賢一君 16番 小倉 博君 17番 秋山 正浩君 18番 鳥井 良輔君 19番 吉田 徹君 20番 須増 伸子君 21番 氏平三穂子君 22番 荒島 俊造君 23番 大塚 愛君 24番 高橋 徹君 25番 河野 慶治君 26番 渡辺 知典君 27番 福島 恭子君 28番 山本 雅彦君 29番 木口 京子君 30番 市村 仁君 31番 上田 勝義君 32番 小林 義明君 33番 中塚 周一君 34番 江本 公一君 35番 太田 正孝君 36番 久徳 大輔君 37番 中川 雅子君 38番 柳田 哲君 39番 笹井 茂智君 40番 森脇 久紀君 41番 増川 英一君 42番 高原 俊彦君 43番 蜂谷 弘美君 44番 小倉 弘行君 45番 加藤 浩久君 46番 遠藤 康洋君 47番 神宝 謙一君 48番 波多 洋治君 49番 蓮岡 靖之君 50番 小田 圭一君 51番 渡辺 英気君 52番 内山 登君 53番 小野 泰弘君 54番 小田 春人君 55番 千田 博通君 ~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員 事務局長 清水 浩史 次長 下坂 泰幸 議事課長 安井 誠一 政務調査室長 村上 裕二 議事課長代理 門脇 学 議事課長補佐 難波 喜弘 議事課主幹 栗原 修平 議事課主任 山口 広倫 ~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局 知事
伊原木隆太君 副知事 横田 有次君 副知事 上坊 勝則君 公営企業管理者 片山 誠一君 危機管理監 根石 憲司君 総合政策局長 笠原 和男君 知事室長 下野間 豊君 総務部長 池永 亘君 総務部次長 中川 担泰君
県民生活部長 浮田信太郎君 環境文化部長 大熊 重行君 保健医療部長 梅木 和宣君 子ども・福祉部長 片山 圭子君
産業労働部長 宮本 由佳君 農林水産部長 万代 洋士君 土木部長 長尾 俊彦君 出納局長 善勝 史君教育委員会 教育長 鍵本 芳明君 教育次長 國重 良樹君公安委員会 委員 金子 雅彦君 警察本部長 河原 雄介君 警務部長 川口 晃君人事委員会 委員 古南 篤子君 事務局長 原田 和広君監査委員 代表監査委員 浅間 義正君 事務局長 有田 裕君選挙管理委員会 委員長職務代理者 平松 卓雄君...