令和 5年 6月定例会 ◎ 令和5年6月
岡山県議会定例会会議録 第7号〇 令和5年6月28日(水曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1 一般質問第2 議第54号~議第61号、議第63号及び報第1号(委員会付託)第3
請願陳情委員会付託 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1 一般質問日程第2 議第54号~議第61号、議第63号及び報第1号(委員会付託)日程第3
請願陳情委員会付託 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○副議長(江本公一君) 皆さん、おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 一般質問
○副議長(江本公一君) 日程に入り、一般質問を行います。 5番渡邉直子君。 〔 5番 渡邉直子君 登壇 〕
◆5番(渡邉直子君) 皆様、おはようございます。民主・県民クラブの渡邉直子です。 先般の統一地方選挙において、玉野市の皆様から思いを託され、初当選をさせていただきました。建設的な議論を続けてこられた住吉良久前県議会議員の志をしっかりと受け継ぎ、岡山県の明るい未来を目指して、いちずに議員活動を行ってまいります。 知事をはじめ執行部の皆様、そして先輩議員、同期議員の皆様、未熟者な私ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 また、本日は、朝早くから遠路駆けつけてくださいました地元の皆様、いつもありがとうございます。 お越しいただいた皆様をはじめ、負託をいただきました皆様の地元の声を県政の場にしっかりと届けてまいります。 このたびの質問では、所属委員会の所管の事項もございますが、住吉前県議から引き継いだ玉野の大切な事案でもございます。お許しをいただきますよう、お願い申し上げます。 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。 港を生かしたまちづくりについて御質問いたします。 まず、宇野港についてでございます。 本年10月には、江戸、明治期に北海道と本州の交易を支えた、北前船ゆかりの地が交流する「第33回
北前船寄港地フォーラム in OKAYAMA」が、岡山市、倉敷市、玉野市、備前市、瀬戸内市の5市を舞台に開催を予定しています。 北前船は、北海道から大阪を日本海回りで航行しながら、寄港地で価格の安い品物を買い、それを必要とする場所に価値を付加して販売する動く総合商社で、当時の経済動脈の一つでもありました。 現在の人の交流を生み、経済効果を生み出す一つの原動力になっているのが文化や芸術です。 県内では、岡山市をはじめ、県北では
美作三湯芸術温度など、人の交流を深めるにぎわいの創出も含めたアートイベントが各地域で行われております。 中でも、瀬戸内においては、現代アートが地域の姿を変えてきました。
瀬戸内国際芸術祭ごとに、世界的なアーティストが瀬戸内の島や港に滞在し、そこに残る歴史や文化に寄り添い、現地で誕生させてきた作品は、人の心を動かし、現代社会の問題をあぶり出し、私たちに今の価値観を考え直す機会をも与えています。 このような作品を見ようと、国内外から多くの方が瀬戸内に向かっています。 その中心的存在が、宇野港の目の前にある香川県の直島で、1990年の来島者が約1万1,300人であったのに比較し、コロナウイルスの影響を受ける直前の2019年には、
ニューヨークタイムズに世界の行くべき観光地として瀬戸内が7位で紹介され、3年ごとに行われる
瀬戸内国際芸術祭の開催年であったこともあり、約75万1,300人と大幅に増加しています。 昭和はモノを消費することで経済が回り、平成は体験を伴うコト消費で経済が回ってきました。令和の今は、その場で感じる精神的満足感に着目したエモ消費に移行しているとも言われています。 瀬戸内には、すばらしい自然と高品質のアート作品など、観光客の心を動かす、そこにしかない、そこでしか味わうことができない美しい景色や意義のある造形物、そしておいしい食べ物が多くあふれています。 先週末の朝、宇野港にて朝食を取りましたが、多くの国内外の観光客が、宇野かいわいに滞在し、直島行きの船乗り場へと向かっていきました。ちょうど、外国人旅行客が押し寄せる港ということで、テレビの取材班も来られていました。 まさに今、岡山県の玄関口である宇野港に注目が集まっていることを改めて感じました。
国土交通省港湾局は、令和5年3月に、「港湾の開発、利用及び保全並びに開発保全航路の開発に関する基本方針」の中で、国内外の人々の港湾を訪れる機会の増加に伴い、
訪日外国人旅行客に加え、日本人観光客及び地域住民にとっても、美しく快適な港湾空間を創造することも求められているとし、人々のライフスタイル・消費行動の多様化、文化・歴史に対する国民の関心の高まりを踏まえた港湾空間の利活用を推進することにより、安全で暮らしやすい国土の形成、恵み豊かな自然環境の享受と将来世代への継承、地域の特徴を生かした自律的で持続的な社会の創生にも貢献していくことが不可欠であるとし、特に戦略的に港湾機能の強化と港湾空間の利活用として、その周辺における散策・飲食・ショッピング等の機能の確保及び地域住民との交流・にぎわいの創出等、快適で利便性の高い交流空間の形成、また地域の文化・歴史等の特色を生かした美しく魅力的なみなとまちづくりに戦略的に取り組むとし、緑地等の再整備を効果的に推進することを指針に追加しています。 県は、人が行き交う海の玄関口でもある宇野港を取り巻くこうした機会をどのように捉えられていますか。 また、宇野港の活用について、今後の戦略と併せて、どのように考えているのでしょうか。知事にお伺いします。 次に、栄れ映れ
UNO緑地整備事業についてでございます。 宇野本港の西側の整備に、令和5年度「栄れ映れ
UNO緑地整備事業」として1,000万円の予算が計上され、地元の高校生がデザインし、映えスポットの作品を作成中です。 この事業の該当場所の目の前にあるビルは、宇野港が四国への玄関口としての役目を果たしていた1960年代に建てられ、当時は大変ににぎわっておりましたが、瀬戸大橋の開通などによる港の衰退とともに利用者が激減。放置された期間も長く、地元では「幽霊ビル」とまでささやかれていました。 2012年に、宇野港に集まってきた若者たちが、岡山芸術祭を契機にビルの再生を行いました。 港を目の前に、アーティストの目線で空間をリデザインしたことにより、古めかしさがうまくリノベーションされ、今ではホステルや飲食店等が多く入り、多くの国内外からの観光客や地元のお客さんでにぎわっております。 宇野港かいわいには、このビルをはじめ、全国各地から、岡山県の住みやすさに、一大決心をして移住してきた芸術家の方々やその方々に理解を示す文化や芸術にたけた地元の方々も多くいらっしゃいます。ビルの復興も、彼らにより行われました。 この「栄れ映れ
UNO緑地整備事業」の実行に際し、このような方々からアドバイスをいただくなど、意見交流の場を設けていただければ、地元の高校生たちも芸術家の目線を学ぶことができ、さらにすばらしい事業になると考えますが、いかがでしょうか。土木部長にお尋ねいたします。 また、宇野港には多くの現代アート作品が点在し、アートを楽しめる港としても注目を集めています。 検索サイトで、「港 アート」で検索をすると、宇野港が上位に上がってくるなど、開かれた芸術空間としても認識をされ始めています。 そのような中、国内外から来られる、特に芸術に対して鑑識眼のある観光客の期待も大きなものとなってきております。 現在の宇野港は、スペイン村計画前後につくられた南欧をイメージする建物と
現代アート作品群が混在していて、港全体を通しての統一感に欠けています。 「栄れ映れ
UNO緑地整備事業」の成果が、今後の宇野港整備のイメージを大きく左右するものにもなりますので、しっかりと港の機能や期待されている役割を理解し、美しい港となるように整備をしていただきたいと考えます。 「栄れ映れ
UNO緑地整備事業」を通じて目指す宇野港の姿について、土木部長にお尋ねします。 次に、観光案内所等の整備についてでございます。 宇野港には、県が整備した
サイクリングロード利用者であるサイクリスト等の休息や整備が行いやすいビジターハウス、観光案内所、物産品の販売所といった県の施設がありません。 このような施設があれば、岡山県の魅力を現地から発信することも可能です。 多くの方が訪れる2025年を目指して、この機会に、近隣の空き家や空き店舗などをリノベーションするなど、大がかりな事業ではなく、今あるものを活用して、観光客や地元の県民が利用可能な飲食店を併設した観光案内所や国内外の方々に岡山県の魅力を発信するベースを整備していただきたいと考えます。 今後、多くの観光客がこの港を訪れることが予想され、国の方針にも港湾の利活用が示される中、県として、こうした観光案内所等を、港湾内の民間利用も含め、整備するお考えはありますでしょうか。土木部長にお尋ねします。 次に、観光誘客についてでございます。 2025年に開催予定の
瀬戸内国際芸術祭の折には、同時期に大阪・関西万博も開催されることから、国内外の多くの観光客が関西経由で岡山県側から直島へ向かうと考えられています。 加えて、宇野港には多くの大型旅客船の寄港が復活し、来年には、蓄電池工場が世界的な建築家の妹島和世氏のデザインで誕生し、一般公開も予定されております。 多くの方が、岡山県の海の玄関口である宇野港に来られる2025年は、今後、岡山県が観光立県として成長できるかどうかの分岐点と考えます。 観光庁は、インバウンドの本格的な回復を見据え、今年3月に、瀬戸内地域も含めた11地域を高付加価値旅行者の誘客に向け重点的に支援を行うモデル観光地としても指定しております。インバウンドの回復を図っていくこととしております。 県としても、宇野港を活用した観光誘客に取り組んでいただきたいと考えますが、2025年に向けた取組も含めて、産業労働部長にお尋ねします。 次に、宇高航路についてでございます。 瀬戸大橋が開通して、今年で35年がたちます。明治末期に、岡山県知事の檜垣直右の英断により宇野港の整備が始まり、それ以来、宇野港は四国への本州側の玄関口として発展してきました。 鉄道連絡船をはじめ、高度成長期にはカーフェリーも加わり、本州-四国間の大動脈を担ってきましたが、瀬戸大橋の開通後に、鉄道連絡船は廃止、フェリーは橋の補完的役割として宇高航路を走り続けました。 2009年頃から、高速道路の値下げと原油高騰等の悪条件が重なり、航路を取り巻く環境が大きく変化し、2019年には休止となりました。 宇高航路は、最初の78年を本州-四国間の大動脈として、その後の31年は補完的役割として、交通網の一つとして運航を続けてまいりました。 この航路のおかげで、香川県側との人流も活発で、地域の公共交通としても大きな役割を果たしてきたと言えます。 これまで、この宇高航路について、地域住民の生活の足としての存続の可否が議論されてきましたが、日本全体を大きく眺めたとき、本州と北海道、九州はトンネルによりつながり、物流が天候に左右されることはありませんが、四国に関しては、橋が3本架かっているとはいえ、荒天時に制限がしばしばかかります。 本年1月24日も、瀬戸大橋は大寒波の影響で止まってしまいました。当日、宇野港では、直島経由、小豆島経由の高松行きフェリーが運航を続けていましたが、離島航路は島民の足としての役割であるため代替を果たすには限界がございました。 年々激甚化する災害、近年は、四季を問わず、異常気象による天候の急変も多く発生しています。今後、来るかもしれない南海トラフ等の大災害を想定し、四国への物資の補給路としての観点からの交通網の枠組みとしても、国や香川県等にも、宇高航路の復活について働きかけていただけたらと思います。 航路の復活ができれば、瀬戸内海の離島への
アクセス利便性向上につながり、四国への旅行客が岡山県内を通過しやすくなり、旅行者の回遊性の向上、滞在先の選択肢の増加で滞在日数や時間を延ばすことも可能になります。 また、長時間労働が問題になっているトラック運転者においては、乗船時間にしっかりと休憩を取れるというメリットもあります。 今まで、繰り返し議論されてきた宇高航路について、今なお、地元の期待が大きいこの航路の復活について、県がどのような御見解をお持ちか、国等への働きかけと併せて、知事にお伺いします。 次に、自転車の活用について御質問します。 自転車は、環境に優しいモビリティーであるとともに、サイクリングを通じた健康づくりや余暇の充実等、人々の行動を広げ、地域との触れ合いや仲間とのつながりを取り持つ
コミュニケーションツールとして、大変に有効です。 欧州では、観光客が楽しく安全に自転車を利用できる上、地元住民にとっては、健康増進や交通渋滞の解消、住み心地向上といった効果を生んでおり、欧州議会では、2022年2月、欧州での自転車利用をさらに手軽で快適にすることを目指した新たな決議を採択しています。 我が国では、令和3年5月に、第2次
自転車活用推進計画を閣議決定し、岡山県でも、令和4年1月に、第2次岡山
県自転車活用推進計画を策定し、自転車の活用に取り組んでいます。 本県においては、平成27年度に、
サイクリング推奨ルートを8ルート選定しています。 私の地元である倉敷・
玉野シーサイドルートは、瀬戸大橋を望み、四国の山並み、海に浮かぶシンボリックな島々を眺めながら、花崗岩の織りなす風光明媚な王子が岳を横目に見てのサイクリングが可能で、世界でも有数の絶景ルートであると自負をしております。 2025年には、
サイクルツーリズムのメッカでもある欧州からの旅行客が、多く宇野駅を通過することが予測されることから、それまでにこのルートのさらなる充実が必要であると考えます。 駅や港での利用しやすいシェアサイクルの拡充、休憩やサイクリストが宿泊しやすい宿の整備が急がれます。 また、現在の選定ルートにとどまらず、瀬戸内が世界から注目を集めている現状を踏まえ、各ルートの一部や新たな区間を結び、県内西沿岸部、笠岡から水島、鷲羽山、王子が岳、宇野、小串、岡山港、西大寺、宝伝、牛窓までの海岸沿いの町々を結ぶ新たな臨海ルートの開発や沿岸部の防災整備、例えば防波堤を兼ね備えた自転車専用道の整備をはじめ
サイクルトレインやサイクルバスの各沿線への導入、隣接県との連携も必要と考えます。
一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパンは、コロナ前の2018年のサイクリストによる市場規模を1,256億円と示し、
サイクリスト国勢調査2020において、サイクリストを次の1日常の移動手段層、2
健康エクササイズ層、3
旅行レジャー手段層、4ツーリング層、5
サイクリングイベント層、6レース層の6種類に分類しています。 どの層への整備を重要視するかで整備する内容も変わってくると思いますが、本県の
自転車活用推進計画にターゲットはあるのか。また、今後どのような整備を計画しているかなど、自転車の活用に関する本県の方針を知事にお伺いします。 最後に、防災について質問します。 まず最初に、
災害ボランティア団体との連携についてでございます。 災害に見舞われるリスクは、年々増大していると感じています。県内には、万が一の災害に備え、
ボランティア活動ができるようにと準備をされている方々が多くいらっしゃいます。私の周りですと、私も所属している「Vネットおかやま」や「
一般社団法人epoおかやま笑顔プロジェクト」などがございます。
災害ボランティアは、被災者に寄り添い、被災地のニーズに即して、きめ細やかな活動を展開するなど、被災者が生活を再建し、被災地が復興を遂げていく上で、今や欠かせない存在となっています。 本県では、
災害救援専門ボランティア登録制度で、被災者の支援に役立つ
災害ボランティア・コーディネーター、介護・手話・
要約筆記ボランティアなど、専門的な知識・技術を持った方々をあらかじめ把握していますが、その登録は
個人ボランティアに限り、団体についての把握をしていないのが現状です。 万が一の災害時に、各地の
ボランティア団体と行政が連携を取れるように、団体の情報の収集をはじめ、ふだんから県と団体間での情報共有がなされれば、万が一の災害時に大いに力を発揮すると考えます。 県内に存在する
災害ボランティアを行うことができる団体との連携について、どのようにお考えになられているのか。県民生活部長の御所見をお伺いします。 次に、
災害ボランティア活動専用の基金についてでございます。 災害時にボランティアの方々の活動を支えているのが、自治体や各団体において準備がされている
災害ボランティア活動を対象にした専用の基金です。 平成30年豪雨災害時に、福井県から
ボランティアバスを仕立てて「チームふくい」のメンバーが真備町に来られ、復旧のお手伝いをしてくれています。 その際に使われたのが、福井県の
ボランティア基金で、これは
ナホトカ号重油流出のときに、当時の東角操県議が福井県に提案し、できた基金です。 このような基金は、超党派で国会議員から自治体の現職議員で組織した
全国災害ボランティア議員連盟からの要請を受け、各議会での議員提案により創設がなされており、最近では、茨城県で茨城県
災害ボランティア活動支援基金が、愛知県で
防災ボランティア活動基金が創設され、
災害ボランティアへの資機材調達経費の助成や災害時の
ボランティアバスの調達経費などを助成しております。 各県の取組状況を調査し、岡山県でも
災害ボランティア活動専用の基金を導入できないでしょうか。このような基金に対する所見と併せて知事にお伺いします。 最後に、防災道の駅についてでございます。 「防災道の駅」を拠点とした災害対応について質問します。 防災道の駅は、防災機能を兼ね備えた道の駅のことで、国土交通省が「全国道の駅連絡会」などと連携し、防災機能を持つ既存の道の駅から、地域にとって広域的な防災拠点、災害時の復旧・復興拠点となり得る駅を選定したもので、全国に39か所あり、本県では玉野市のみやま公園が、唯一、指定されています。 災害時には、国から派遣される
緊急対策派遣隊テックフォースや自衛隊などの活動拠点となります。 みやま公園が防災拠点となることを踏まえた玉野市など関係機関との連携が必要になることが考えられますが、防災道の駅に指定されたみやま公園を拠点とした災害対応についてどのような計画がなされているのか、また県はどのように関わっていくのか、併せて危機管理監にお尋ねいたします。
○副議長(江本公一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 民主・県民クラブの渡邉議員の質問にお答えいたします。 まず、港を生かしたまちづくりについての御質問であります。 宇野港についてでありますが、県では、宇野港を人が行き交う港と位置づけております。 近年では、
瀬戸内国際芸術祭を契機として、宇野駅周辺に現代アートも増え、国内外からの観光客の増加に結びついているところであり、再来年に迫った大阪・関西万博の開催も見据えながら、さらなるにぎわいにつなげていく好機と認識しております。 今後は、
クルーズ客船寄港による交流人口の拡大に伴い、従来のおもてなし活動に加え、地域住民との触れ合いなど、宇野港が持つ文化や歴史を生かしながら、地元自治体のまちづくり構想も踏まえ、港を核とした地域の活性化に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、宇高航路についてでありますが、地域住民の移動手段としては、JRや直島経由の航路などが確保されているところであり、お話の災害発生時の物資輸送については、定期航路の有無にかかわらず、チャーターを含めた航空機や船舶等の輸送手段を確保することとしております。 宇高航路の休止は、利用状況を踏まえた運航事業者の経営判断によるものであり、県が主体的に国等への働きかけを行うことまでは考えておりませんが、今後とも、玉野市と連携し、情報把握等に努めてまいりたいと存じます。 次に、自転車の活用についての御質問でありますが、
県自転車活用推進計画は、特定のターゲットは設けず、様々な利用を広く想定した自転車施策に関する包括的な計画であります。 県では、この計画に基づき、自転車の走行環境の整備、サイクリストの受入れ環境の整備、
サイクリングルート沿線の魅力づくり等に取り組むこととしております。 引き続き、ハード・ソフト両面からの魅力的な
サイクリング環境の創出により、県内における
サイクルツーリズムを推進してまいりたいと存じます。 最後に、防災についての御質問であります。
災害ボランティア活動専用の基金についてでありますが、あらかじめ活動支援のための財源を確保しておくことは望ましいと考えますが、県では、これまで市町村の
災害ボランティアセンターが必要とする資機材の調達や
県社会福祉協議会が実施する被災地への
ボランティアバス運行費用の助成について、適切に予算措置を行い、支援してきたところであります。 現時点では、基金の創設までは考えておりませんが、他県の取組状況なども参考にしながら、
災害ボランティア活動が迅速かつ円滑に実施できるよう、引き続き適切に対応してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(江本公一君)
危機管理監根石憲司君。 〔 危機管理監 根石憲司君 登壇 〕
◎危機管理監(根石憲司君) お答えいたします。 防災についての御質問であります。 「防災道の駅」についてでありますが、みやま公園は、玉野市の地域防災計画において、緊急避難場所や避難所としての機能に加え、物資の備蓄基地や救助救援活動の拠点として位置づけられており、ヘリポートや非常用発電装置、マンホールトイレなどの設備も有していることから、浸水想定区域や
土砂災害警戒区域が多い玉野市にとって重要な防災拠点であると考えております。 また、このような広く充実した防災拠点があることは、県においても、自衛隊や
緊急消防援助隊等の進出拠点を円滑に決定できるほか、消防防災ヘリ等による迅速な救急搬送、物資輸送も可能になるなど、災害対応力の向上につながることから、今後、県内で防災道の駅の整備がさらに進むよう、国や市町村等に働きかけてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(江本公一君)
県民生活部長浮田信太郎君。 〔 県民生活部長 浮田信太郎君 登壇 〕
◎県民生活部長(浮田信太郎君) お答えいたします。 防災についての御質問であります。
災害ボランティア団体との連携についてでありますが、県では、ボランティアやNPOなどの民間団体が参加する
災害支援ネットワークおかやまを官民連携により設立し、ネットワーク強化のためのセミナーや毎月の情報共有会議等を通じて、日頃から関係団体との連携を図っているところであります。 さらに、今年度は、
災害支援ネットワークおかやまとの連携により、国のモデル事業を活用して、災害時に協力が可能な団体をリスト化することで、迅速かつ円滑に被災者支援を行う体制を整えることとしております。 被災者支援に当たり、民間団体等との連携は重要であり、引き続きさらなる強化を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(江本公一君)
産業労働部長宮本由佳君。 〔 産業労働部長 宮本由佳君 登壇 〕
◎産業労働部長(宮本由佳君) お答えいたします。 港を生かしたまちづくりについての御質問であります。 観光誘客についてでありますが、宇野港とその周辺は、
瀬戸内国際芸術祭の会場として、また瀬戸内海の島々への玄関口やクルーズ船の寄港地として、さらには蓄電池工場のオープンファクトリーの構想等もあるなど、様々な可能性の広がるエリアであると考えております。 これまでも、デスティネーションキャンペーンと
瀬戸内国際芸術祭とのタイアップにより、アートをテーマとした観光列車やクルーズ船を企画するなど、宇野港を活用した誘客に取り組んできたところでありますが、令和7年に向け、香川県等と連携し、関西から瀬戸内エリアへの周遊促進の取組を強化する中で、宇野港の魅力を生かした観光誘客に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(江本公一君) 土木部長長尾俊彦君。 〔 土木部長 長尾俊彦君 登壇 〕
◎土木部長(長尾俊彦君) お答えいたします。 港を生かしたまちづくりについての御質問であります。 まず、「栄れ映れ
UNO緑地整備事業」のうち、意見交流についてでありますが、この事業は、定期フェリー乗り場跡地の有効活用の取組として、宇野港周辺の地域振興につながるよう、県と地元高校生との協働により進めているものであります。 今後、この事業を進めていくに当たっては、県が橋渡し役となり、お話の芸術家などからの意見も参考に、クルーズ船寄港による効果なども取り込み、周辺地域ににぎわいが広がっていくよう取り組んでまいりたいと存じます。 次に、目指す姿についてでありますが、大型旅客船バース周辺には、世界から注目されている
瀬戸内国際芸術祭に関連した作品が展示されております。 一方で、「栄れ映れ
UNO緑地整備事業」による作品は、地元高校生の学びの場としての視点も大切にしながら製作に取り組まれているものであります。 こうしたエリアごとの違いを地域のにぎわい創出に結びつけ、様々なアートを楽しめる港を目指してまいりたいと存じます。 次に、観光案内所等の整備についてでありますが、宇野港周辺には、市や観光協会の案内所が既に設置され、積極的な情報発信が行われているところであります。 また、これらの観光案内所周辺には、既に様々な飲食店等によるにぎわいが見られることから、県による整備は考えておりません。 以上でございます。
○副議長(江本公一君) 5番。 〔 5番 渡邉直子君 登壇 〕
◆5番(渡邉直子君) 御答弁ありがとうございました。 香川県では、玉藻地区の港の拡充、また電動リフトつきサイクルバスも誕生するなど、官民挙げて、今、実施されております。 知事をはじめ執行部、職員の皆様、岡山県の玄関口である宇野港の整備を契機に、岡山県の魅力向上に、今後とも、御尽力いただきたく思います。どうぞよろしくお願いします。 一般の家におきましても、玄関口は特に美しく整えております。また、玄関口を美しくしておくと福が多く舞い込むとも言い伝えられておりますので、どうぞよろしくお願いします。 あわせて、瀬戸内は、古くから神功皇后が立ち寄られたり、源平合戦の舞台として、また朝鮮通信使、北前船の寄港地としても発展してきております。 現在の瀬戸内海を取り巻く状況は、今後、歴史にも残り得る大きな機会であります。沿岸部の各自治体とも、より一層連携していただき、この機会を生かしていただきたいと要望させていただき、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(江本公一君) 以上で渡邉君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 20番須増伸子君。 〔 20番 須増伸子君 登壇 〕
◆20番(須増伸子君) 20番、日本共産党の須増伸子です。 通告に従い、質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 平成30年7月豪雨災害への思いについて伺います。 平成30年7月豪雨災害から5年が経過しようとしています。私ごとではありますが、昨年末、私の住居を早島町から夫の実家のある真備町箭田に転居いたしました。誰一人取り残すことのない被災者支援と真備の完全復興を目指し、共に頑張る決意でございます。 県においても、5年の節目に当たり、一人一人に寄り添った支援を掲げていただいていることに改めて感謝を申し上げます。 さて、真備町の被災者支援センターガーベラハウスでは、毎月、「今だから話せる」というテーマで地域の方々と懇談を重ねてきました。 その中でお聞きしたのは、「あの災害さえなければと考えざるを得ない」と様々な悔しい気持ちを吐露され、「老後のために蓄えていた備えを全て使い果たし、住まいの再建をしたが、年金だけでは、病気になったり介護に関わるようになればどうすればよいのか」とか「人がいなくなり町内会を構成することがまだできていない」地域も残されていることも分かりました。 もちろん、報道などでも紹介されているように、意欲的に、積極的に取り組んでいる住民の方もたくさんいらっしゃいます。しかし、まだ前を向いていくことが難しい方々が多くいらっしゃることも事実だと分かりました。 甚大な被害を受けたあの災害から5年、改めて被災者支援に当たり、知事の思いや認識についてお示しいただきたいと思います。
○副議長(江本公一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕