令和 4年 2月定例会 ◎ 令和4年2月
岡山県議会定例会会議録 第3号〇 令和4年3月2日(水曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1 一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1 一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○議長(神宝謙一君) 皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 一般質問
○議長(神宝謙一君) 日程に入り,一般質問を行います。 質問時間は再質問も含め25分以内と定めます。 なお,一問一答方式の再質問については,その留意事項を演台席に掲示しておりますので,御参照願います。 21番氏平三穂子君。 答弁者は控席へ移動願います。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) 皆さん,おはようございます。 日本共産党の氏平三穂子です。 質問に入る前に,国際法を踏みにじるロシアの
ウクライナ侵略は直ちに中止して撤回するよう求めます。また,核保有国であることを誇示し,脅しに使うなど絶対に許されることではありません。国際社会が一致団結してロシアの侵略をやめさせることを,皆さんとともに世界に向かって呼びかけようではありませんか。 それでは,通告に従い質問いたします。 このたび私は,オミクロン株に感染し,皆様には大変御心配をおかけいたしました。幸いほぼ無症状でしたが,高齢のため,中和抗体治療もスムーズに受けさせていただき,元気にこのように議会に復帰することができました。そうした感染者としての実体験も踏まえて,まずは
新型コロナウイルス感染症対策について,4項目にわたって質問いたします。 まず,無料の検査体制の再開,拡充を求めます。 私の場合,1月中旬にある高齢者の相談を受け,自宅を訪問し,翌日その方が通っているデイサービスでクラスターが発生しているとの情報を得て,これはちょっとと思って不安になり,すぐに無料のPCR検査を受けました。すると,翌日陽性と判断され,保健所に連絡して自宅療養に入ったという経過です。私が訪問した高齢者も陽性で入院されたということです。当時,無料の検査センターは,私の身近にも薬局を含め多くあり,連絡するとすぐに来てくださいということで対応してもらい,感染を広げることなく自宅療養することができました。 ワクチンを2回接種したこともあり,私のように感染しても無症状の感染者が多いのではないかと考えます。不安があれば,すぐに無料の検査が受けられる体制こそ,感染拡大防止に重要だと自らの体験でも実感いたしました。 ところが,県では,1月31日で無料の一般検査事業を中止しています。キットや試薬不足のためとされていますが,国も増産体制に入ったとお聞きしています。 先日の
予算総括協議会で,
保健福祉部長は,無料の検査体制の再開について,「キット,試薬の流通状況や感染状況を踏まえ検討する」と答弁されておりますが,今後の再開の見通しについて,
保健福祉部長にお尋ねいたします。 次に,感染者が急増している介護施設・医療機関への支援についてお尋ねします。 クラスターが発生した介護施設・医療機関が今までになく増加しています。私の知人が運営する定員10名の
住宅型入居施設でクラスターが発生し,入居者6名と介護スタッフ3名が感染しました。県は
クラスター対策班を組織し,クラスターが発生した場所に専門家を派遣し,感染拡大防止を行っております。この施設にも派遣をされ,感染防具や備品を整えるよう指導されました。しかし,それらはあくまで指示であり,実際にそれらの対策や経費は施設負担,そしてスタッフに感染者がいて入居者に手が回らない状況で,指導どおりに整備を行う人員がどこにいるのか,オーナー自身,24時間施設に泊まり込んで働き続けている状況です。 介護施設は,日頃からぎりぎりのスタッフで働いており,数名が欠けるともうケアができなくなる実態があります。人的・財政的支援が求められると思いますが,
保健福祉部長のお考えをお聞かせください。 また,医療機関でのクラスターも深刻です。クラスターが発生し,医療従事者の多数が感染した医療機関では,空きベッドはあっても,人的体制不足で患者の受入れが困難になり,かかりつけの患者でも緊急入院を断ったというケースも聞いております。病床使用率が50%以下であっても,医療現場は逼迫していると思われます。一般病棟からのスタッフの応援で何とかしのいでいる実態もあります。 医療機関における検査体制の強化や,減収補填など,しっかり支援すべきと思いますが,併せて
保健福祉部長のお考えをお聞かせください。 医療機関等で陽性者が発生した場合,
当該医療機関等の判断で実施したPCR検査は,全て行政検査として無条件に認めるべきだと思います。積極的検査について,
保健福祉部長のお考えをお聞かせください。 次に,発熱外来への支援です。 今回のオミクロン株は,感染者の急激な増加と発熱者の急増が特徴です。すぐに発熱外来にアクセスできる体制が必須です。しかし,電話予約をしてもすぐに対応してもらえない現状があります。先日,県は県医師会長と
保健福祉部長の連名で,医療機関に対し,休日の発熱外来開設の依頼をされました。そのことは積極的な対応と評価いたしますが,ただし補助金は出しませんがお願いしますというものです。これでいいのでしょうか。 現場の声を聞きました。発熱外来は,まずは予約を受け,対応の準備をし,結果陽性と判断されれば本人に確実に連絡をする。それからが大変で,厚生労働省のハーシスというシステムに様々な項目を入れる登録作業があります。1件10分以上もかかります。ここに登録しなければ保健所対応にはつながりません。このように多くの実務作業があり,診療報酬の特例拡充がされていたとしても赤字だと現場は言っています。せめて陽性者数に応じた補助金は出してほしいというのが現場の切実な声です。 医療機関が休日の発熱外来を積極的に開設できるよう,実績に応じた補助金によって支援すべきと考えますが,知事のお考えをお聞かせください。 この項最後,県独自の事業所支援についてお尋ねします。 多くの事業者が,長引くコロナ禍の下,疲弊し切っています。飲食店では,辛うじて時短要請の協力金が出ていますが,他の事業者には皆無です。ここまで補助金や協力金,借入金で何とかしのいできたが,もう限界で,借金の返済のめども立たないとの悲痛な声が聞かれます。 県独自の事業者支援として,一時支援金第4期を出すべきだと考えますが,知事のお考えをお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 日本共産党の氏平議員の質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症についての御質問であります。 まず,発熱外来への支援についてでありますが,診療・
検査医療機関は増加傾向にあり,お話の2月の休日診療も,延べ100の医療機関に新たに御協力いただいたところであります。診療・
検査医療機関は,休日加算など診療報酬上の特例的な扱いがあることから,独自の財政支援までは考えておりませんが,今後とも,地域の感染状況に応じた体制の確保に努めてまいりたいと存じます。 次に,県独自の事業者支援についてでありますが,これまで一時支援金で支援してきた,売上高が30%以上減少の事業者については,国の
事業復活支援金の対象となったところであります。このため,お話の第4期の実施は考えておりませんが,今後とも,国の施策や支援機関の意見を踏まえながら,必要な支援について検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長西嶋康浩君。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 まず,無料検査についてでありますが,
抗原検査キット等の流通は徐々に回復しつつあるものの,今後の見通しは不透明であると聞いており,限りある資材を医療機関等の行政検査や
社会機能維持者に優先して配分することとしております。 引き続き,感染動向や流通状況を踏まえ,無料検査の実施について検討してまいりたいと存じます。 次に,
感染者発生施設等のうち,介護施設等への支援についてでありますが,県では,介護施設でクラスターが発生した場合のかかり増し経費の支援や,関係団体と連携した職員応援派遣の体制整備を行っており,これらを活用いただきたいと考えております。 また,医療機関については,
抗原検査キットの
社会機能維持者のための優先購入や,
クラスター発生時における休止病床等に対する国や県の補助制度を周知するなど,引き続きしっかりと支援してまいりたいと存じます。 次に,積極的検査についてでありますが,医療機関等で陽性者が発生した場合,濃厚接触者の候補者リストの作成を依頼することはありますが,認定は保健所が行うべき業務であり,無条件に認めることは考えておりません。 現在,オミクロン株の特性に鑑み,
濃厚接触者調査や検査等は,重症化リスクの高い方に重点化しており,そうした方が多く利用する医療機関等では,引き続き幅広く検査を実施してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) 御答弁ありがとうございました。 今,死亡者が第5期に比べて異常に増えているが,やっぱり介護施設に入所されてる,かなりADLが下がっている高齢者の方が大半です。施設はたくさんのクラスターが発生すると,認知症が合併しているので,ほかの病院でまず受けてくれないので,とどまって,その施設の中でみんなで頑張って診ているという状況だと思うんです。そこに人的支援が本当に重要だということで,それなりの体制を取っていかれるということですけれども,介護施設「等」という,その「等」です。今,いわゆる介護施設,介護保険の施設以外に,サービスつきの高齢者住宅,いわゆるサ高住であったり,住宅型の入居施設であったり,そういう施設がたくさんできておりますけれども,そういった施設もこの対象と考えてよろしいのでしょうか。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 この
かかり増し経費等の事業について,広く対象なのかという御指摘だと思います。国の事業ですが,その対象は広く介護系の事業所ということになっています。例えばグループホームであるとか,そういったところも対象になっています。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) それでは次に,
外国人技能実習生等についてお尋ねいたします。 日本は,少子高齢化が進む中で,海外からの労働力に頼らざるを得ない状況で,
外国人技能実習制度がつくられました。 岡山県では,現在8,566人の技能実習生が働いていますが,国別ではベトナム人が5,787人と約7割を占めています。外国人労働者は,岡山の労働力の一翼を担ってくれています。 今回,県内の建築業者における実習生への
暴行パワハラ動画がメディアで大きく取り上げられ,衝撃が走りました。しかも,2年間にわたって行われていたというではありませんか。これは氷山の一角なのか,県民の中でも臆測が飛び交っています。本来,この制度では,監理団体が技能実習生を雇用する企業を監査して,実習生を守ることになっていますが,この監理団体による不正も相次ぎ,制度の矛盾が噴出しています。 私たちは,人権侵害が横行する現行の
技能実習制度は廃止し,人権が守られる制度に変えるべきだと考えており,国においても,入管法も含めた
技能実習制度の見直しが迫られています。 今回,この実習生は相談するところがなく,埼玉県にあるベトナムの駆け込み寺を頼り,広島の労働組合団体が動いてくれるということになったようです。 知事は,2019年の
予算総括協議会で,「県として岡山県多
文化共生総合相談センター(仮称)を開設し,相談対応の専任スタッフの配置や対応言語の拡充などにより,雇用問題を含む相談体制を整備したい」とし,「今後,労働局や入国管理局をはじめ,市町村や関係団体と連携しながら,
外国人労働者等への周知を図る」とも答弁されておられます。 今回の事例に対する県の体制は非常に不十分であったと,私は思います。 そこで,以下3点について,質問,要望いたします。 まず,県下の技能実習生の労働実態調査を実施してください。
産業労働部長の御所見を伺います。 2つ目,国に対して,
技能実習制度の改善を求めてください。知事の御所見を伺います。 3つ目,技能実習生をはじめとした外国人のために,岡山県
外国人相談センターの相談体制を,対応言語の拡充も含め強化してください。知事の御所見を伺います。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) お答えいたします。
外国人技能実習生等についての御質問であります。 まず,国への制度改善要望についてでありますが,制度を所管する国において,現在,
技能実習制度の在り方について,多角的視点から検討を進めていると聞いております。検討に当たっては,技能実習生からのヒアリングを通じた実態把握や分析等も行われるとのことであり,まずはこうした国の動きを注視してまいりたいと存じます。 次に,相談体制の強化についてでありますが,
外国人相談センターでは,ベトナム語を含め21の言語に対応し,雇用,医療など,生活全般にわたる相談支援や関係機関への取次ぎなどを行っており,年間1,000件を超える相談に対応しております。引き続き,SNSなど各種媒体を活用し,センターの一層の周知を図るとともに,在留外国人を取り巻く環境や課題等を踏まえつつ,適切な相談体制の整備に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君)
産業労働部長三浦智美君。 〔
産業労働部長 三浦智美君 登壇 〕
◎
産業労働部長(三浦智美君) お答えいたします。 労働実態調査についてでありますが,
外国人技能実習制度は,企業や監理団体への指導監督等の権限を持つ国と
外国人技能実習機構において,定期検査の実施に加え,現在,制度の見直しに向けた実態調査が行われていると聞いております。 また,労働者保護のための監督機関である
労働基準監督署においても,定期的に立入調査などが行われており,県では重ねて調査を実施することまでは考えておりませんが,引き続き,法令違反が疑われる事案を把握した場合には,関係機関へ通報するなど,適切に対応してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) 御答弁ありがとうございました。 要するに,この技能実習生の場合には,監理団体が外国の出し手から受け取って,そしてその監理団体が基本的には監理するという今の仕組みなんですけれども,そこの質が全然上がっていなかったり,不正があったりということで,本当に大変な状況になっていると思うのです。そういうことに対して,例えば今回の事例のような方が労働局に駆け込んでいけば,
労働基準監督署が監理団体も無視してというか,放っておいて,現場に直接入ったりということは,実際にはできるということだったのでしょうか。
○議長(神宝謙一君)
産業労働部長。 〔
産業労働部長 三浦智美君 登壇 〕
◎
産業労働部長(三浦智美君) 監理団体に対してということでございますけれども,まず
外国人技能実習機構が,監理団体には1年に1度,そして企業には3年に1回,定期検査を行うことになっております。また,技能実習生からの申告とか,いろいろ情報を把握して
技能実習法違反が疑われるというところでは,随時検査を実施します。監理団体も含めてということになっておりますので,きっちりそういう外国人実習法に基づいて,いずれは処分ですとか,取消しという処分の流れに,きちんと法にのっとって処分の流れに通じるということで,その前段階として検査を実施されていると聞いております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) そのように機構やきちっと監査をしたり指導しているといっても,もう2年間もこんなことが放置されているのを見抜けなくて,指導もできていなかったという,この実態で,機能してないのではないですか。その機構や国の制度の中で監理団体を1年に1回監査しているとかといっても,もう機能してないと私は思うのですけれど,部長どのように思われますか。
○議長(神宝謙一君)
産業労働部長。 〔
産業労働部長 三浦智美君 登壇 〕
◎
産業労働部長(三浦智美君) そういった実地検査の中では,
技能実習生責任者でありますとか,管理責任者,あるいはその
技能実習生本人からのヒアリングも含めた,そういう調査,実地検査をされているはずと伺っています。しかし,こういった残念な事案が2年間放置されていたということは,実習生の声が届いていなかったのだと思われますが,そういったことも含めて,国でもきちんと検討されているはずでございますので,監督の仕方ということもされていると考えております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君)
産業労働部長,ぜひ本当にこの制度を何とか改善していかなければ,大変な状況に,私はあるなと思いますので,ぜひ国にも要望していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続きまして,高校のタブレットの問題について御質問いたします。 全国的にも,県立高校の
タブレット端末は全額公費負担にする県が増え,現在,24府県に広がっています。先日,「
タブレット端末の公費負担を求める保護者の会」の皆さんが,5,853筆の署名を集めて議長に陳情に来られました。保護者の会の代表は,「兄弟が多い世帯では課税世帯でも負担が大きい。また,住んでいる自治体で格差があってはならない。国も
地方創生交付金の活用を促している。ぜひ公費で」と要請しています。 先日の
予算総括協議会で,教育長は,「非課税世帯は貸与する」と言われましたが,貸与のタブレットは,お聞きすると5~6年使用されるということであり,最初はみんな同じでも,3年たてば
個人購入タブレットが
モデルチェンジなどされれば,使用する機種に違いが出るという問題があります。 生徒間でのこの格差についてはどのようにお考えでしょうか。教育長にお尋ねをします。 また,家庭での
オンライン環境にも格差があり,幾らルーターを貸し出すといっても通信料がかかります。経済的支援も必要ではないでしょうか。教育長にお尋ねいたします。 様々な問題が多いこのタブレットの個人購入は見直しをして,公費負担にすべきと思いますが,再検討していただけませんか。教育長にお尋ねいたします。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 県立高校の
タブレット端末についてのうち,まず貸与端末の格差についてでありますが,端末の貸出しについては,入学説明会等で,条件や手続とともに,機種の状況についても十分な説明を行い,生徒・保護者の理解を得た上で行っております。端末の
モデルチェンジ等により,外見などに違いが生じることが想定されますが,1人1台端末を活用した教育活動においては,
教育用クラウドサービスの利用を前提としていることから,端末の違いにより学習内容に差が生じることはないと考えております。 次に,通信料の支援についてでありますが,
住民税非課税世帯に対し,教材や制服など,教育費の負担を軽減するため,
高校生等奨学給付金を支給しており,令和2年度からは,支給額に家庭での
オンライン学習に必要な
通信費相当額を加えたところであり,令和4年度には,そのさらなる増額を図ってまいりたいと存じます。 今後とも,こうした制度の活用を促すことにより,保護者の経済的支援に努めてまいりたいと存じます。 次に,公費負担についてでありますが,1人1台端末は,生徒の将来の生活を考えれば,学校だけでなく,家庭においても自由に使い,学びを充実させるために必要不可欠なものであると考えており,本県では,個人購入を原則としているところです。 一方で,保護者の経済的負担への配慮も重要であると考えており,お話の貸出用端末の整備や分割払いでの購入を可能とするなどの取組を行ってるところであり,現時点では公費負担は考えておりません。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) 御答弁ありがとうございました。 貸与と個人購入と,
モデルチェンジしたら,形とかいろいろ外見が変わるということで,中身はきっとバージョンアップすれば,貸与のほうもバージョンアップされて,別に中身的には使えて,問題ないと思うんですけれども,見た目というか,外見的に
モデルチェンジすれば,現場ではあの人は貸与されている,あの人は買っているということになるわけでしょう。そのあたりの格差が本当に見えてしまうということではないのでしょうか。ですから,滋賀県に聞いてみましたら,全て公費でこの間からやるようになったのは,6年ぐらいレンタルで全部借りて,それでみんなに貸せば,保険料も要らないしというふうな,そういういろいろな工夫をされていることも聞くんですけれども,やっぱり格差,子供たちの中での格差が本当に見える化するということは,ぜひやめていただきたいと思うんですけれども,そのあたりの御認識はどうでしょうか。
○議長(神宝謙一君) 教育長。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 再質問にお答えいたします。 見た目の問題があるのではないかという御指摘でございますが,各学校ともシンプルな機種を導入しております。多少の
モデルチェンジというものはあるにしましても,議員おっしゃったように,その作業内容自体は
クラウドサービスを使っておりますので,何の問題もないだろうと思いますが,見た目のところで,例えば幾らかあるかも分かりません。それ以外にも,子供たち,生徒たちが使うわけでありますので,故障等が起こった場合の代替機,あるいは予備機も,用意してあるわけでございます。これは当然のことながら,最初の段階で購入しておりますので,そういったものも子供たちは使うようになる。したがって,購入したものと,代わりに使っているものの生徒というのは,ある程度の割合では学級の中に存在するようになってくるのかなと思っております。できるだけその違いが目立つような形ではないようなものを,各学校も気をつけて,購入しておるということは聞いておりますので,その辺のところは,そういったことに伴ういろいろな問題等が起こらないように,十分配慮して進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) それでは次に,私立学校についてお尋ねいたします。 私立学校は,公教育の重要な一翼を担っており,それぞれの独自の建学の精神と教育方針の下に,特色ある教育を行っています。我が党も,私学助成について,もっと予算を増やすべきと要求してまいりました。 現在,国では,私立大学の不祥事案への再発防止策を検討するとして,「我が国の公教育を支える私立学校が,社会の信頼を得て一層発展していくため,学校法人の沿革や多様性にも配慮しつつ,かつ社会の要請にも応え得る実効性ある改革を推進することが必要」として,「私立学校ガバナンス改革に関する対応方針」を策定し,検討を進めているところです。 知事は,私立学校について,岡山県の教育の中でどのような位置づけと認識をされているのかお尋ねいたします。 2つ目が,今回ある私立学校の現場から,「1クラス49人も詰め込んでいるクラスがあり,もう狭くて先生が回れない」,「古い校舎であちこちひびが入り耐震化が心配」という声を聞きました。 こういった私立学校の実態について報告を求め,検査することができる権限が県にあります。 そこで,お聞きします。 県のこうした学校への検査等の実施状況について,実施期間と実施時期と併せて総務部長に伺います。 高等学校設置基準の第7条に,授業を受ける生徒数について,「同時に授業を受ける1学級の生徒数は40人以下とする」と,私立と公立は同じ基準となっています。1クラスに49人なんてとんでもないと思います。 私立高校の学級生徒数について,直ちに調査し,指導すべきと考えますが,総務部長のお考えをお示しください。 文部科学省が毎年実施している私立学校施設の耐震改修状況調査,皆さんのところにもお配りをしておりますけれども,(パネルを示す)この結果によると,岡山県内の幼稚園などを除く私立学校施設の耐震化率は,全国平均の92.1%から大きく下回り,74.4%であり,何と全国46位,47位が青森県で,岡山県はワースト2位となっています。 詳しく見ていきますと,耐震診断実施率も55.7%と低く,非構造部材の耐震対策実施率は12.8%となっています。県立高校の耐震化率が100%と比べても,深刻な実態ではないでしょうか。 私立学校でなぜこのような遅れが生じているのか,原因についてどうお考えになっているのか。また,これから計画的に改善するような指導や補助金の増額などの支援が必要と考えますが,併せて知事のお考えをお示しください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) お答えいたします。 私立学校についての御質問であります。 まず,認識等についてでありますが,私立学校は,学校教育に対する県民の多様なニーズに応えるなど,本県における公教育の一翼を担っており,独自の建学の精神と教育方針の下,特色ある教育に取り組み,本県の発展を支える人材を育成するなど,重要な役割を果たしているものと認識しております。 次に,実態のうち耐震化についてでありますが,耐震化率が低い主な原因は,改修に要する経費が多大となることであると考えております。 このため,昨年度までとしていた耐震補強工事に対する県補助金の上限額引上げを,令和5年度までの3年間延長するとともに,順次学校を訪問し,働きかけを行っているところであり,引き続き耐震化が図られるよう取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 総務部長須江裕紀君。 〔 総務部長 須江裕紀君 登壇 〕
◎総務部長(須江裕紀君) お答えいたします。 まず,実態のうち,検査等の状況についてでありますが,毎年度,全ての学校法人に対し,生徒や教職員の数等を把握するための私立学校報告表や関連書類の提出を,5月中旬までに求めるとともに,耐震改修等の状況を把握するための調査票の提出を,8月上旬までに求め,実態把握を行っているところであります。 次に,学級の生徒数についてでありますが,私立学校報告表により,各私立高校全体の定員や生徒数,1学級ごとの生徒数を毎年度調査しており,著しい超過等が見られる場合には,指摘や指導を行っております。 引き続き,各学校において,高等学校設置基準に沿った対応がなされるよう指導等に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) なぜ耐震化がこのように遅れているのかという理由については,学校ですから知事は多額の,億単位の,費用がかかるのではないかということで,なかなか大変だということですけれども,しかし全国的にはどこもやっているわけで,岡山県はワーストツーなわけですから,最下位青森の次なんです。だから,そういうことが理由でやれてないということでは済まないと思いますし,49人のクラスで,もしも地震が起これば,本当に生徒たちの命や教員の命に関わる大問題なわけですから,やはりこのあたりは,国の補助も少し延期するということですけれども,私が聞いたところでは,耐震化率ゼロの高校がありまして,本当に命が守れないと考えている,たくさん父兄の方も含めておられますので,もっとそこのところの指導は,一気に力を入れていただきたい。公立が100%で,ゼロの私立がある。全国でも2番目に低いというこの実態を,やっぱり知事としてしっかり直視してやっていただきたいと思うんですけれども,もうちょっと力を入れられませんか。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 安全というものは非常に大事なわけでありますけれども,原資が税金でありますので,みんなから取った税金を特定のところに入れると,特定の会社であったり特定の学校であったりということについては,なかなか公立の施設ほどには自明ではないと思っています。ただ,いろいろな施設,建物の中でいえば,学校というのは公共性が高いわけであります。だからこそ,国のほかの会社の社屋に対する耐震化よりも手厚い補助がありますし,我々も気にして指導してきたわけでございます。我々自身も,耐震化がなされていないことを仕方がないとか,岡山は地震が少ないから当然だと思っているわけでは決してございません。我々としても,これからもきちんと働きかけを行ってまいりたいと存じます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移ります。 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) 御答弁ありがとうございました。 県の補助がなくても,ほかの県は一生懸命やっているわけですから,指導だと思うんです。そのことがいかに大事なことかということを徹底的に指導していただきたいし,部長に質問できなかったので,いろいろな書類の提出を求めても,実際に現場に入って,監査のようなことはもう数年やっていないと現場から聞きますので,やっぱりちょっと手ぬるい。私立の学校に対してはちょっと手ぬるいというか,ちょっと野放しになっていると,私としては思いますので,そこのところは,今回耐震化率も本当にひどい状況ですので,しっかりと力を入れていただきたいと思います。これは要望です。 最後に,JR西日本の路線見直しについて質問いたします。(パネルを示す) 去年の暮れ,朝日新聞によると,JR西日本は,経営悪化で維持が難しくなっているローカル線について,1キロ当たりの1日平均利用者数である輸送密度が2,000人以下の区間で,優先的にサービスを見直す考えを明らかにしました。 2,000人以下の区間は,JR西日本在来線全体の3割になります。資料2のように,岡山県の県北を走る芸備線,因美線,そして姫新線の一部区間も対象になっています。 旧国鉄は,分割民営化の際,ローカル線は存続させる,また首長が反対した路線では廃止はしないと国民に約束をしていたようです。経営悪化を理由に,JR西日本の一方的な路線の見直しについては,県として,地域住民の足を守る立場から,JRには約束を守り存続するよう強く要請し,国にも民間任せではなく,しっかりと支援をするよう要望すべきではありませんか。知事のお考えをお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) お答えいたします。 JR西日本の路線見直しについての御質問でありますが,ローカル鉄道は地域住民の日常生活の重要な移動手段であり,JRが公表した輸送密度2,000人未満の区間に県内の3路線が含まれていることには,強い危機感を持っているところでございます。 これまでもJRに対しては,路線の維持等の働きかけを行うとともに,国に対しては,JRの経営基盤の安定化への支援などについて要望してきたところであり,今後とも,必要な対応を行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 21番。 〔 21番 氏平三穂子君 登壇 〕
◆21番(氏平三穂子君) 確かに人口が減ってきたり,密度が低くなるのはもう当然なんですけれども,学生であったり,地域の人たちの本当に貴重な足なわけですから,経営的な判断だけでどんどん廃線にするとか,減便にするとかということは,やっぱり許されないと思います。特に地域の沿線の首長さんともしっかり連携しながら,JRに対しても要求していく,このことは知事が先頭に立ってやっていただかないといけないかなと思いますので,今後とも,よろしくお願いいたしまして,終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(神宝謙一君) 以上で氏平君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 39番荒島俊造君。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 公明党岡山県議団の荒島俊造でございます。
新型コロナウイルス感染症への対応に,日夜献身的な御努力をいただいております医療従事者の皆様をはじめ,全ての皆様に心から感謝を申し上げます。 ウクライナにおきましては,連日戦火が広がっており,子供たちを含む一般市民に被害が拡大していることは絶対に受け入れられることではありません。ロシアの力による現状変更,核による威嚇,恫喝は,断じて認められるものではなく,今すぐ戦闘を停止することを強く求めます。 それでは,質問に入らせていただきます。 ワクチン接種について質問させていただきます。 国の助言機関が,2月上旬に全国の新規感染者数はピークを越えたと考えるとの見解を発表されていますが,依然,実数として大変多くの新たな感染が確認されているところであり,医療逼迫の懸念が払拭されたわけではありません。 また,オミクロン株の一種で,より感染力が強く,重症化リスクも高いとされるBA.2の市中感染と見られる事例が国内で確認されており,3回目のワクチン接種をさらに加速する必要があります。 知事は,「追加接種の有効性や安全性,交互接種の効果などについて,正確で分かりやすい情報提供に努める」とされています。 私は,先頃発表されている国内の接種における有効性や副反応などの情報について,県民への周知が不十分ではないかと感じます。 国内接種のエビデンスを踏まえた今後の情報提供の取組について,知事のお考えをお聞かせください。 小児へのワクチン接種が始まります。岡山市では3月7日に接種券を発送し,11日から接種を開始する予定です。小児への接種は,12歳以上と比べてワクチンの種類も容量も違うということや,接種による効果,副反応などについて,子供・保護者などに特に丁寧に,幅広く周知する必要があります。また,接種前後の相談などにもきめ細かな対応をお願いしたいと考えます。 小児へのワクチン接種に対する県としての取組について,知事にお尋ねします。 法務省は,新型コロナワクチンの接種を受けていない人への偏見や差別の防止を呼びかける動画を先月から公開しています。法務省には,コロナ関連の人権相談が,2020年2月から今年1月までの2年間で約4,700件寄せられています。当初は,コロナ感染者や医療従事者,その家族に対する偏見や差別に関するものが多かったのですが,最近では,ワクチン接種に関する相談が増えているそうです。 今後,小児向けワクチン接種も始まります。接種しない子供たちまでもが悲しい思いをすることがないよう,県として偏見や差別を防ぐための情報発信に一層努める必要があると考えますが,いかがでしょうか。知事の御所見をお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 公明党の荒島議員の質問にお答えいたします。 ワクチン接種についての御質問であります。 まず,情報提供についてでありますが,国から提供される情報を活用し,早期の追加接種が従来株に加えてオミクロン株に対しても有効であることを,県民の皆様に強力に訴えているところでございます。また,岡山大学と共同して,3回ともファイザー製ワクチンを接種した場合の副反応調査を実施し,3回目接種後の副反応の症状・頻度は1,2回目とほぼ同様であったとする結果を公表したところであります。 現在,交互接種についても同様の調査を実施しているところであり,引き続きこれらの情報発信に努め,3回目接種を促進してまいりたいと存じます。 次に,小児への接種についてでありますが,専門家の意見も聴取しながら接種体制を検討しているところであり,副反応への対応等については,小児専門相談窓口を設置するとともに,かかりつけ医等での対応が困難な事例に対処するため,専門的な医療機関を確保するよう準備を進めております。 また,接種による効果や副反応などについて,子供や保護者への正しい情報提供が重要であることから,国のリーフレットや日本小児科学会の提言などを用いて丁寧に情報提供し,希望される方が安心して接種できる環境の整備に努めてまいりたいと存じます。 次に,偏見等の防止についてでありますが,これまでも学校や職場等における差別,偏見の防止に向けた啓発活動に取り組んできたところであり,引き続きSNSを活用するなど,様々な媒体を通じ,幅広い主体と連携しながら効果的な啓発活動に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 知事,ありがとうございました。 私から2点,ちょっと思うところがあるんですけれども,1点目は,知事は昨日,まん延防止等重点措置の解除を国へ要請されたということで,より一層,ワクチン接種を加速していくということが非常に重要だと思っております。 それとあともう一点は,今大変問題になってきている後遺症との関連でありますけれども,ワクチンを接種していた場合については,後遺症の出現率が半分になるとか,ワクチンを接種していた場合には,後遺症が現れたとしても,なくなる可能性も高いということが,海外の研究では示されているようであります。そういった点も,今,御答弁を聞いていて,国内でのというのは,まだちょっと時間がかかるかも分からないですけれども,そういった点について,知事,重ねて御答弁をお願いできたらと思います。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 再質問ということで,大変大事な点を御指摘いただきまして本当にありがとうございます。 おっしゃるとおりでございます。これからいろいろな情報発信に努めると申し上げたところでございますけれども,ケーブルテレビで流れているわけでございますので,せっかく機会をいただきましたので,その機会を使ってお話を短くさせていただきたいと思います。 3月6日でまん延防止等重点措置の解除を要請するわけであります。その後は,先ほどの荒島議員がおっしゃられましたように,よりワクチンが重要になってまいります。ぜひとも3回目ワクチン予約,接種をお願いいたします。1回目打ってないんだという方も,まだ遅くはありません。1回目,2回目,今からでもよろしくお願いいたします。 また,後遺症の頻度が非常に高いのがコロナウイルスの残念な特徴でございます。軽症で終わったとしても,結構つらい後遺症がかなりの割合で出てまいります。ワクチンを打った人のほうがこの率が低い,もしくは後遺症が出た後にワクチンを打って症状が軽くなったという例も多数報告をされているところでございます。後遺症のことを考えても,ワクチンを打っていただくようよろしくお願いいたします。大変いい機会をありがとうございました。
○議長(神宝謙一君) 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 知事,ありがとうございました。 小児へのワクチン接種について再質問させていただきます。 今回,先ほど知事も御答弁でおっしゃっていました小児科学会では,リスクの高いお子さんへの接種を勧められていらっしゃいますし,また健康なお子さんに対しても,接種の意義はあるといったような発信をされています。 また,このオミクロン株の流行の中では,学校や保育園等でのクラスターも発生しておりまして,子供たちへの感染が広がったといったことがあると思います。その上で,小児へのワクチンについて,さらにその接種について,知事のお考えを重ねてお聞かせいただければと思います。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 小児へのワクチン接種についての考えということでございます。 公的な立場と私個人の考えについて簡単に述べさせていただきます。 専門家の皆さんがいろいろ検討された結果,努力義務の対象とはしないということになったわけでありますけれども,勧奨はされているわけでございます。議員おっしゃられましたように,特に基礎疾患,心配な点がある場合には,これはぜひとも受けるべきだと,そうでない普通のお子さんにとっても,やはりいろいろなことを考慮してもメリットのほうが大きいということについては,専門家の意見が一致しているところでございます。 いろいろなお考えがあります。努力義務でもありませんので,何か確固たる信念があれば別ですけれども,特にそのような理由がない場合は,ぜひ受けていただくのが,お子さんのためにも周りの人のためにもいいというのが私の公的な立場でございます。 1人の父親として,私の場合は,2人の娘が,幸い2人とも12歳以上でしたので,打てる時期になったらすぐ打つように言いまして,本人も非常に早く打ちたかったということで,2回の接種を終えているところでありますけれども,もし私が5歳から11歳までの子供を持っていれば,やはり同じように,順番が回ってきたらすぐ打ったほうがいいよということを言っていたと思いますし,何か相談があれば,これは打ったほうがいいですよと,個人的にお勧めいたします。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移ります。 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 知事,ありがとうございました。 次の質問に移らせていただきます。 緊迫化するウクライナ情勢を受け,原油価格の高騰が続いています。国では,ガソリンの平均小売価格が一定の水準を連続で超えた場合に,ガソリン税の上乗せ分の課税を停止して,その分を減税するトリガー条項の凍結解除について,岸田総理は検討対象に含める考えを示されました。 しかしながら,トリガー条項の凍結解除については法改正が必要であり,機動的でないこと,国と地方の税収への影響が大きいこと,対象がガソリンと軽油のみであること,買いだめ,買い控えを誘発しかねず,安定供給に支障を来すおそれがあることなどの懸念が示されています。 これに対し,政府が燃料価格の急騰抑制のために1月27日から発動した石油元売業者に補助金を支給する支援策は,冬場に需要が膨らむ灯油や農業,銭湯,クリーニングなどの業界で燃料として使う重油も対象に入れており,法改正も必要なく機動的だとする意見もあります。 原油価格の先行きが見通せない中,私はガソリンや灯油などの燃料の価格高騰の影響を強く受ける事業者や世帯を直接支援する対策が必要と考えます。 燃料価格の高騰が県内に及ぼしている影響について,どのような認識をお持ちでしょうか。 また,国が検討している原油高への追加対策について,どのような期待をされていますでしょうか。知事の御所見をお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) お答えいたします。 原油価格高騰についての御質問でありますが,燃料価格の上昇により,県内においても企業活動をはじめ,農林水産業や県民生活など,幅広い分野に影響が及んでいると認識しており,今般のウクライナ情勢を受け,価格急騰によるさらなる影響が懸念されているところであります。 国においては,地方財政への影響にも十分配慮しながら,我々地方の意見を取り入れ,地方経済や住民生活の実情に即した実効性のある対策を講じていただくよう期待しております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) ありがとうございました。 今回の原油価格の高騰については,コロナの感染がピークアウトした欧米の諸国で,経済や社会活動が再び活発化した,その結果,物資の供給不足からインフレが生じている。その影響が我が国にも及び,燃料やいろいろな原材料の高騰があった。それに,ロシアの
ウクライナ侵略への制裁措置,こういったことの影響が重なってくるということになっております。 私も,先ほど先輩議員から,トラック業界とかも大変苦しんでいるといった話もお聞きしました。 そういった県内への影響について,今後,国でも対策を検討されて決定されていくと思いますけれども,現在御提案の補正予算や当初予算の中では,必ずしも対応できるものではないかと思うんですけれども,対策を取ることが必要な状況となった場合については,議会ともしっかりと御協議をいただきながら機敏な対応をお願いしたいと思いますが,知事の御認識をお聞かせいただけたらと思います。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 原油というものは,我々の生活に広く浸透しております。いろいろな業界が原油なくては活動ができませんし,我々自身の生活でも,ガソリン,灯油なしで自分はやっていけるという人のほうが大変珍しい。そもそも電気も,かなりの部分,油を燃やしてつくっているわけでございます。 それと同時に,県財政をはじめとする役所の税収の中でも,この原油,燃料に関する税金は非常に大きな部分を占めておりますので,いやこれは大変だから下げるために何とかしてあげたい,減税という形,もしくは補助金という形で何とかしてさしあげたいという場合に,じゃそれをどこから持ってくるのか,どこを,どの支出を減らして回すのかということになると,またなかなか悩ましい問題でございます。執行部だけで決められるような問題でもございませんので,何か対応を取るときには,県議会の皆様をはじめ,皆さんの御意見を伺いながら対応していくことになろうかと思います。 いずれにしても,これは大きな決断ですので,国の動向は見守っていきたいと思います。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 知事,ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。 コロナ禍で,児童虐待は一層深刻さを増しています。県内においても,先日岡山市において,虐待を受けていた6歳の少女が死亡する痛ましい事件が発生しました。報道されている凄惨な虐待を受け,亡くなった幼い少女のことを思うと,胸が張り裂けるような思いであります。 全ての子供の命を守ることを何よりも第一に据え,二度と今回のような悲惨な事態を招かないよう,必要な対策を一層強力に進めなければなりません。 本県では,平成30年に国が策定した「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」に基づき,児童虐待に対応する専門機関である児童相談所の体制強化を進めてきました。 本県の児童相談所における児童虐待対応の現状と課題,今後の取組について
保健福祉部長にお尋ねします。 ヤングケアラーは,家庭内のデリケートな問題が背景にあることから表面化しにくい構造があります。ヤングケアラーの実態把握については,これまでの議会での議論によれば,個別のケースの把握については,支援の主体となる市町村が行うというのが知事のお考えと承っております。 私は,できれば県が一律の基準を設けて,隠れたケースも含め,ニーズを掘り起こすことも重要ではないかと考えます。それはヤングケアラーの社会的認知度の向上という課題とも重なります。 国は令和4年度から令和6年度までの3年間を集中取組期間として,中高生の認知度5割を目指し,ヤングケアラーの社会的認知度の向上に向けた集中的な広報啓発を実施することとしています。 私は,国の広報に加え,ぜひ県においても,教育委員会と協力して,中高生が正しくヤングケアラーを理解できるよう,積極的な取組を展開していただきたいと考えますが,いかがでしょうか。
保健福祉部長の御所見をお聞かせください。 家事,育児の不安を抱える子育て家庭に対し,訪問型の支援が求められています。その背景には,現行の支援が,保育所など,施設での預かりサービスが中心で,特に未就園児の多いゼロ歳から2歳児では利用が難しい事情があります。産後鬱などのリスクの高い家庭をサポートする「養育支援訪問事業」が,全国の市区町村の8割で実施されていますが,対象が限られ,家事援助サービスの提供も少ないのが現状です。 そこで,困難を抱える家庭へ幅広く支援を届けるため,国では2021年度補正予算に,訪問支援員が子育て世帯などを訪れ,悩みの傾聴や家事支援,育児支援を行う「子育て世帯訪問支援臨時特例事業」を盛り込みました。幼い兄弟を世話するヤングケアラーや妊産婦がいる家庭への支援も対象となります。これまでカバーできていない家庭に支援を広げ,虐待防止の強化,ヤングケラーへの支援の充実にもつながります。 ぜひ本県においても,「子育て世帯訪問支援臨時特例事業」の活用を広げていただきたいと考えますが,いかがでしょうか。
保健福祉部長の御所見をお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
保健福祉部長西嶋康浩君。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 子供・子育て支援についての御質問であります。 まず,児童虐待についてでありますが,令和2年度の県の児童相談所における虐待相談対応件数は615件であり,高止まりの傾向にあります。 県では,国の配置基準の見直しに対応して,児童相談所の職員を増員するなど,体制強化を図ってきたところでありますが,経験が浅い職員の専門性の向上が課題と考えております。 このため,県独自の人材育成基本方針により,体系的な研修を実施するとともに,お話の事件についての岡山市の検証結果も参考にしながら,引き続き,児童相談所の体制強化と対応力の向上に努めてまいりたいと存じます。 次に,ヤングケアラーについてでありますが,支援が必要な子供を早期に把握し,適切な支援に結びつけるためには,社会的認知度の向上が重要であると考えております。このため,県ホームページやポスター,チラシを活用し,県民への広報啓発に取り組むとともに,市町村や教育委員会と連携し,中高生の認知度向上に努めてまいりたいと存じます。 次に,訪問支援についてでありますが,家事・育児等に対して不安や負担を抱えた子育て家庭等への支援は,家庭の養育環境を整え,虐待リスクの高まりを未然に防ぐことにつながると考えております。 このため県では,来年度,お話の事業を実施する市町村に対して補助を行う予定としており,本事業が虐待防止の強化等に有効に活用されるよう,市町村への周知を積極的に行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 部長,ありがとうございました。 これまで専門職員の配置を進められてきまして,経験年数の浅い職員が相対的に多いということが課題であるということで,今後の国会に提出される児童福祉法の改正の中でも,専門職員のスキルアップとか,新たな資格の制度とかが盛り込まれているようでありますので,適切な御対応をお願いできたらと思うんですけれども,その中でも非常に忙しいといいますか,大変多くのケースを抱えられてらっしゃると思うんですけれども,その中で,業務のデジタル化とか,AIの導入とか,そういった点で専門職員の負担を軽減していくような,そういった取組も必要なのではないかなと考えるんですけれども,部長の御所見をお聞かせいただけたらと思います。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) 再質問にお答えいたします。 AI等含めて効率化をということでございますけれども,まずやはり今いる人材の育成をきちっとやっていくということで,先ほど経験の浅い職員が多いと申し上げましたけれども,そういった方たちも経験年数別にステージを設定してきめ細かく研修をしていくということで,まずスキルアップを図っていくということが大事かというふうに思っています。その上で,議員御指摘のとおり,効率化できることをきちっと効率化するということなんですけれども,やはり費用対効果等も考えて,それぞれの県のほかの地域の児童相談所での取組状況等も参考にしながら,可能なものを取り入れていくということは,今後とも,必要かと思いますので,そういったことは,引き続き研究してまいりたいと思います。
○議長(神宝謙一君) 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 部長,ありがとうございました。 次に,ヤングケアラーについて再質問させていただきます。 先日,総社市で,ヤングケアラーの実態調査を行った結果が報道されておりました。小中学校で実施されたということで,やはり高校となると,若干広域になってくることや,また県教委の関係もあるということで難しいのかなと思って見ておりました。 市町村の実態調査や,また理解を広めていく上で,教育委員会としっかり強く連携して進めていただくことというのは大変重要だなというのを改めて感じたところなんですけれども,その点について,教育委員会との連携の重要性ということで,部長,御所見をお聞かせいただけたらと思います。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) 再質問にお答えいたします。 教育委員会との連携の必要性,重要性ということでございますけれども,国でも,ヤングケアラーの認知度向上というのは非常に大事だということで,国が令和4年~6年度までの3年間の間で,中高生の認知度を5割を目指していこうということで目標を掲げて取組をするということを進めております。中高生の認知度を向上させるには,保健福祉部,保健医療当局のみではなかなか難しい部分もあるのは,県だけでなくて市町村も同様と思いますので,重要性という意味でいえば,中高生の認知度を向上させるには,教育委員会との連携は必要だと思っておりますので,我々としても,そういった取組を進めてまいりたいと思います。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 部長,ありがとうございました。 続いて,アニマルウエルフェアについて御質問させていただきます。 アニマルウエルフェアとは,国際獣疫事務局の勧告では,「動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」と定義されています。また,アニマルウエルフェア畜産協会では,「感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添わせ,誕生から死を迎えるまでの間,ストレスをできる限り少なく,行動要求が満たされた健康的な生活ができる飼育方法を目指す畜産の在り方」としています。 世界的に見れば,アニマルウエルフェアの理念は浸透しており,規制が強化されています。EUでは,2027年までに,採卵鶏などのゲージ飼育を撤廃する方針で,アメリカでも同様の動きが進んでいます。この波はアジアにも広がっており,韓国では鶏1羽当たりの飼育スペースを定めた法律が施行されています。 国内でも,アニマルウエルフェアに配慮した家畜の飼養管理を広く普及定着させるため,国が基本的な考え方を示し,それに基づいて,畜産技術協会が指針を策定していますが,我が国のアニマルウエルフェアの取組に対する国際的な評価は非常に低いものとなっています。 そのような中,国はアニマルウエルフェアの国内普及への課題を整理するとともに,畜産行政の透明性を確保するため,本年1月,アニマルウエルフェアの推進に向けた意見交換会の初会合を開催し,各畜種ごとの指針を国が策定していく方針を明らかにしました。 私は,最新の科学的知見や国際的動向,国内の畜産農家等の状況も十分に踏まえながら,アニマルウエルフェアの普及を進め,家畜の疾病等の減少や安全な畜産物の生産につなげることは大変重要な取組と考えます。 畜産業におけるアニマルウエルフェアへの配慮についての認識,本県における周知・普及の状況と課題,今後の対応についてお聞かせください。農林水産部長にお尋ねします。 世界的な広がりを見せているアニマルウエルフェアについて,国内ではそれほど関心が高まっている状況とは言えませんが,山梨県では今年度,全国の自治体では初となる「やまなしアニマルウエルフェア認証制度」を創設しました。アニマルウエルフェアを経営方針に取り入れる企業が欧米で増えており,スイスのネスレやアメリカのマクドナルド,ケロッグなどが,ケージでなく平飼いで生産された卵の仕入れに移行する方針を打ち出しています。 国内でも,それらの日本法人や味の素やキューピーなどで,アニマルウエルフェア利用拡大が進められる方向にあることを踏まえれば,国内でアニマルウエルフェアに配慮した畜産物を調達しようとした際に,自治体が策定した認証制度が効果を発揮する可能性は高いと考えます。 本県においても,畜産品のブランド価値を高めるとともに,倫理性を重視する「エシカル消費者」に対し強く訴求するアニマルウエルフェア認証制度を創設してはどうかと考えますが,いかがでしょうか。農林水産部長の御所見をお聞かせください。 現在の国内の指針は具体性に乏しく,現状の飼養管理方式の大規模な転換を促すものとはなっていませんが,国際的な規制強化の流れがある中,今後,中長期的には生産者への圧力が高まることが予想されます。そのような中でも,国内でアニマルウエルフェアにより配慮した飼養管理方式の導入が進まない原因は,設備投資への支援がなく,一時的に生産者が大きな経済的負担を負わなければならないことにもあるのではないかと考えます。 ハード面でのアニマルウエルフェアの向上を資金面で支える補助制度の創設など,生産者への支援が必要と考えますがいかがでしょうか。農林水産部長の御所見をお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 農林水産部長槙尾俊之君。 〔 農林水産部長 槙尾俊之君 登壇 〕
◎農林水産部長(槙尾俊之君) お答えいたします。 アニマルウエルフェアについての御質問であります。 まず,認識等についてでありますが,家畜のストレス軽減などにより,その健康を維持することは,より安全な畜産物の生産につながるものと認識しており,これまで関係団体と連携して,家畜の快適性の向上に向けた農家への指導に取り組んできたところであります。 一方,現時点では,欧米並みにアニマルウエルフェアを重視した家畜の飼養は,畜種によっては採算性が低くなることが課題となっていることから,国の動向や消費者のニーズを注視しながら,農家への周知・普及を進めてまいりたいと存じます。 次に,認証制度についてでありますが,県内の農場や食品加工メーカーから,こうした制度に係る要望がないことなどから,現時点では制度の創設までは考えておりませんが,消費者のニーズや企業の動向等を注視しながら研究してまいりたいと存じます。 次に,生産者への支援についてでありますが,アニマルウエルフェアに配慮した施設整備に対しては,畜産クラスター事業などの現行補助制度でも対象としているところであります。このため,まずは既存制度の活用を前提としつつ,生産者の声を聞きながら,必要な支援に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 部長,ありがとうございます。 アニマルウエルフェアの御認識をお伺いして,一定の御理解をいただいて,また評価をしていただいているということをお聞きして,大変うれしく思いました。ありがとうございます。 認証制度については,それ程生産者からの声とかも,まだ聞いていないということで,今後の課題ということになろうかと思うんですけれども,認証制度とはいかなくても,県内でこういった家畜の快適性とかストレスへ配慮した飼養がされて,こういった製品が生産されているといったようなことを,国の指針に基づいた形でもいいと思うんですけれども,そういったことを発信していくことは,あってもいいのかなと考えるんですけれども,部長,御認識をお聞かせいただけたらと思います。
○議長(神宝謙一君) 農林水産部長。 〔 農林水産部長 槙尾俊之君 登壇 〕
◎農林水産部長(槙尾俊之君) 再質問にお答えいたします。 認証制度を設けるまででもないけれども,現にそういったアニマルウエルフェアの認識を持った取組はPRしてもいいのではないかと,これは議員御指摘のとおりだと思います。現に日本国内あるいは海外でも,そういったアニマルウエルフェアへの認識に付加価値を見いだす企業も現れているわけですから,当然そういった消費者の方もいらっしゃると思いますので,そういう方々に,県内のこの農場ではこういった取組が行われているというのを,県としても広報していくことは,ひいてはその畜産農家の経営の向上にもつながろうかと思いますので,そういったことについては前向きに対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移ります。 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 部長,ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。 2020年の日本の温室効果ガス排出量の速報値が示されました。総排出量は11億4,900万トンで,前年比5.1%減少,2013年比で18.4%減少となっています。 温室効果ガスの内訳別に見てみますと,全体の9割を占める二酸化炭素は,昨年比5.8%減少,2013年比で20.8%減少していますが,温暖化係数が25のメタンは,前年比0.5%減少,2013年比で6%の減少,温暖化係数が298と高い一酸化二窒素は,前年比1.7%減少,2013年比で9.6%減少と,二酸化炭素に比べ減少幅が小さくなっています。2030年までに2013年比46%削減に向けて,より取組を加速する必要があります。 温暖化係数の高いメタン,一酸化二窒素の排出源としてシェアが最も高いのが農業分野です。メタンの総排出量のうち約8割が家畜の消化管内発酵や稲作などによる農業由来であり,一酸化二窒素は約半分が家畜の排せつ物管理などによる農業由来となっています。 農林水産省は,牛の消化管内発酵で発生するメタンガスなど温室効果ガス排出削減の研究を進めています。メタン排出が少ない個体と一般的な牛を比較研究し,発生メカニズムの解析を行うとともに,乳牛用飼料に不飽和脂肪酸カルシウムを加えることにより,消化管内発酵によるメタンを最大約15%減少させることから,カルシウム添加飼料の支援金を導入しています。 排せつ物対策では,温室効果ガス削減につながる栄養バランスを考慮した餌を研究しており,既に栃木県内の牧場で実証実験を行い,その牛肉を「地球環境に優しい肉」と銘打ち,出荷しているそうであります。 畜産分野における温室効果ガス削減の取組について,農林水産部長の御所見をお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 農林水産部長槙尾俊之君。 〔 農林水産部長 槙尾俊之君 登壇 〕
◎農林水産部長(槙尾俊之君) お答えいたします。 畜産分野における温室効果ガス削減についての御質問でありますが,国では,今年度から,お話のメタンの排出削減に有効な飼料の追加給与に対する支援制度を設けたところでありますが,飼料代の増加や牛の好みなどの課題も指摘されていることから,支援制度の事業主体である関係団体と調整しながら普及に努めてまいります。 また,一酸化二窒素については,家畜排せつ物の強制発酵処理を農家に促すなど,畜産分野での温室効果ガスの削減に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 部長,ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。 高等教育の修学支援新制度についてお尋ねいたします。 このことについては,先日の我が党増川議員の代表質問でもお尋ねさせていただきました。 経済的な理由で学びを諦めることがないよう,給付型奨学金や授業料・入学金の減免により支援がスタートしています。 昨年4月に文部科学省は,制度を開始した2020年度の
住民税非課税世帯の進学率が48~51%となっており,無償化開始前の18年度と比べて7~11ポイント上昇したことを発表しています。 代表質問では,希望する生徒への制度の周知をお願いしましたところ,「日本学生支援機構が毎年度,直接高校に対して文書等により周知しており,県教委としても当該制度の周知のために通知を発出するとともに,三者懇談等を活用して徹底を図っている」との御答弁でありました。 しかしながら,保護者の方々からのお声では,「高校の先生方が新しい制度のことをあまり理解されていないのでは」と不安に感じられている状況をお聞きします。 高校の先生方に新しい制度をしっかり理解していただく取組が必要ではないかと考えますが,教育長の御所見をお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 高等教育の修学支援新制度についてでありますが,お話のように,高校の教員が当該制度をしっかり理解しておくことは重要であり,これまでの取組に加え,今後,校長会や進路指導担当の教員を対象とした研修会等を活用して,さらに当該制度の内容の周知や理解の徹底を図るなど,引き続き高校生が経済的理由で進学を諦めることのないよう取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移ります。 39番。 〔 39番 荒島俊造君 登壇 〕
◆39番(荒島俊造君) 教育長,ありがとうございました。 先生からも,いろんな支援があるということを提案していただいたり,保護者や当事者に対して,いろんな選択肢があるということを示していただけるというのは,大変保護者や当事者の生徒にとっても心強いものだと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 最後に,ギフテッド教育についてお伺いいたします。 アメリカ等においては,ギフテッド教育として,古典的には知能指数の高さなどを基準に,領域非依存的な才能を伸長する教育が考えられてきましたが,近年ではこれに加え,領域依存的な才能を伸長する教育や特異な才能と学習困難とを併せ持つ児童生徒に対する教育も含めて考える方向に変化しています。 例えば,単純な課題は苦手だが,複雑で高度な活動が得意な児童生徒や,対人関係は上手ではないが,想像力が豊かな児童生徒,読み書きに困難を抱えているが,芸術的な表現が得意な児童生徒など,多様な特徴のある児童生徒が一定割合存在します。特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する教育に関し,我が国の学校において,特異な才能をどのように定義し,見いだし,その能力を伸長していくのかという議論は,これまで十分に行われてきませんでした。 こうした中,国では,令和3年6月,「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」を設置し,議論が進められています。全ての子供たちの持てる力を存分に開花させる教育の実現に向けて,現在も教育現場の全ての先生方が努力していただいていることは十分承知しておりますし,期待を寄せているところでもあります。特定分野に特異な才能のある児童生徒への,本県における現在の対応状況について教育長にお尋ねします。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 ギフテッド教育についてでありますが,学校においては,特定分野に特異な才能のある児童生徒も含め,個別最適な学びを通じて,一人一人の資質・能力を育成するとともに,協働的な学びという視点も重視し,児童生徒が,お互いの違いを認め合い,学び合う教育が重要と考えております。 本県においては,プログラミング教育など,ICTを有効に活用し,学習意欲を喚起したり,科学コンテストへの参加など,知的好奇心を高める発展的な学習の機会を設けております。 さらに,実社会とつながった教科横断的な課題解決型学習に取り組む中で,一人一人の児童生徒の個性の伸長の場を設けているところであります。 今後は,国の動向も注視するとともに,お話のギフテッド教育に関する教職員の理解を深め,こうした児童生徒が才能を十分に発揮できるよう努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) この際,午後1時まで休憩いたします。 午前11時37分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時再開
○副議長(池本敏朗君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 4番松島幸一君。 〔 4番 松島幸一君 登壇 〕
◆4番(松島幸一君) 皆様こんにちは。 自由民主党岡山県議団の松島幸一でございます。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は言語道断であり,強く非難されなければなりません。一方で,この状況が以前から想定されてきた中で,ロシアによる暴挙を止めることができなかった国際社会,国際機関への失望は,その存在意義が問われる事態であると同時に,私たちは有事の際,自分の国は自分で守る以外,誰も助けてはくれないという現実を目の当たりにしました。 日本国憲法の前文には,「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して,われらの安全と生存を保持しようと決意した」とありますが,その平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼する大前提は,無秩序な軍事侵攻により崩されました。ロシアとの北方領土問題,韓国による竹島の不法占拠,尖閣諸島周辺での中国による領海侵入,北朝鮮による拉致問題,ミサイル問題など,周辺国と諸問題を抱える我が国において,改めて自国を守るということを真剣に考え,憲法改正を実現させるため,地方からも強く声を届けなければならないということを申し上げまして,質問に入らせていただきます。 本県の令和4年度当初予算額は,一般会計の計で前年度を0.5%上回る7,634億円となりました。第3次晴れの国おかやま生き活きプランで掲げる教育の再生と産業の振興に加え,第6波が猛威を振るう
新型コロナウイルス感染症対策や県内経済の回復,デジタル化の推進や平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興などに重点が置かれた予算となっています。 今回の予算編成に当たり,知事は,「コロナを言い訳にしない」と,その決意を語られました。まさに,コロナだからできないではなく,コロナだからこそやらなければならないというポストコロナを見据えた前向きな予算編成,そして令和4年度事業であってもらいたいと願います。 2年間にわたるウイズコロナを経験し,私たちの生活や考え方は,大きく変容しました。本県でも力を入れる地方移住や二地域居住の機運の高まり,テレワークの推進等による働き方の変化,そして心身のストレスを和らげ,健康でより豊かに生活したいといった意識の高まりを受け,ウエルビーイングという考え方が広がっています。ウエルビーイングとは,「肉体的,精神的,社会的に満たされ,良好な状態にある人々の幸せ」を示すものとして,企業経営や行政運営にも積極的に取り入れられるようになりました。 企業でのウエルビーイングは,ワーク・ライフ・バランスの推進や健康経営の実施など,従業員が働きやすい環境を整え,仕事へのモチベーションをアップさせることで,心身の充実や離職率の低下,人材の確保などにつなげ,業績向上を図る取組です。 行政でいえば,全ての施策がウエルビーイングにつながることが大前提ではありますが,子育て支援や観光振興などで幸福度の指標を活用する自治体も増えています。 2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」,いわゆる骨太の方針では,「ウエルビーイングを実感できる社会をつくる」として,政府の各種基本計画等でウエルビーイングをKPIに設定して進捗を把握することが明記されるなど,国の戦略としてウエルビーイングを指標化し,施策に反映する動きが本格化しています。 ウエルビーイングは,幸せの実感,幸福度とも言われますが,幸福度については,これまでの議会でも取り上げられ,とりわけ令和2年2月定例会での木口議員の質問において,生き活きプランの指標として幸福度を用いてはどうかという質問に対して,知事は,「幸福度には明らかな定義がなく,個人の心情に影響される部分が大きいといった課題がある」,「指標として使うには不安定であったり,逆に操作が可能であったりと,実用上問題がある」とされつつ,一方で,「非常に大事な考え方であり,常に気にとどめながら県政を推進していきたい」と答弁されました。 確かに,幸福度を指標として用い,施策に反映させていくには,個人の主観に左右される要素をある程度数値化していくことが必要であり,それができて初めて,結果の分析や効果的な対策を打ち出せるものとなります。 日本でのウエルビーイングを測定するための指標となるGDW(Gross Domestic Well-being)と言われる「国内総充実」の考え方については,今後,内閣府においても関連統計指標を作成,公表する計画となっており,そうした動向も注視していただきたいと思います。 一方で,知事も,幸福度については非常に大事な考え方であると言われていますが,私も,県民がどれだけ幸せに暮らせているかを把握することは非常に重要であると考えます。 岩手県では,令和元年度から10年間の総合計画について,幸福をキーワードに,人々が幸せと感じる要素を含め,岩手が持つ多様な豊かさやつながりにも着目して将来像を描くという方向性を示し,所得などの経済的要素に加え,幸福を主題に総合計画が策定されました。そして,これまで行政が重視していた経済面重視の生活満足度に加え,家族や地域のつながりなど,非経済的要素をさらに重視するウエルビーイングに重点が置かれるようになりました。 また,幸福度指標を策定することの意義について,課題の発見や政策の優先順位を見定めることに役立つことや,幸福度という横断的な視点を導入することで,縦割りになりがちな政策を総合化することに通じることなどを挙げ,それまでの生活満足度を中心とした県民意識調査に新たに幸福感等に関する設問を追加し,県民の幸福に関する実感等を把握したところ,生活満足度と主観的幸福度には異なる傾向が見られ,満足度に比べ,主観的幸福感が高かったとのことです。 本県でも,施策展開の基礎資料として,第3次晴れの国おかやま生き活きプランに掲げる項目に関連した県民満足度と重要度について,県民アンケートを実施していますが,その県民満足度調査に幸福度に関する設問を追加するなどして,幸福度を把握し,課題の抽出や施策の方向性に生かしてはどうかと考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。 富山県では,新年度予算を「ワクワク富山実現予算」と命名し,ウエルビーイングの向上へ具体的な施策を進めています。「経済的な豊かさだけではなく,体や心の健康,社会とのつながりが満たされた総合的な幸せ」をウエルビーイングと定義づけ,県民の理解を進める普及啓発や達成度を表すための指標設定などに2,300万円の予算を計上し,新たに「ウエルビーイング推進課」も設置するとのことです。 県を挙げてウエルビーイングを推進し,併せて県民や事業者へも普及啓発を図ることは,企業や市町村も含めたよりよいウエルビーイングな環境を整える上でも非常に重要であると考えますし,それが県民全体の幸福度の向上,そして本県のさらなる魅力向上にもつながるものと考えます。 知事は,ウエルビーイングをどのように捉えておられますか。また,本県におけるウエルビーイングの推進について,併せて御所見をお伺いいたします。 次に,農業の振興について伺います。 まず,棚田地域の振興についてです。 日本の原風景と呼ばれる棚田は,農業生産だけでなく,国土の保全や美しい景観,伝統・文化の継承といった多面的な機能を有しており,農業を主体としつつ,地域住民の共同活動によって守られる国民共有の財産と言われています。 棚田の保全活動を行うことで,農業面のみならず,地域コミュニティーの形成や住民の健康づくり,教育や都市部の住民との交流など,その多面的機能は様々な効果をもたらすと期待されてきました。しかし,棚田特有の地形による生産条件の悪さや担い手の減少,棚田の維持にかかるコストの増大などにより,全国各地で荒廃が進んでいます。 こうした現状を受け,貴重な国民的財産である棚田を保全し,棚田地域の持続的発展と国民生活の安定を目指し,棚田地域が有する多面的機能の維持,増進を図ることを目的として,令和元年6月に,「棚田地域振興法」が成立しました。 この法律は,棚田の保全にとどまらず,棚田地域への定住や,国内外の地域との交流を促進し,農業者や地域住民などが協力,連携する地域協議会が様々な施策を主体的に実施することで,棚田地域全体の活性化を図ることを趣旨としています。 「指定棚田地域」の指定による区域の明確化,棚田の保全や地域振興の取組主体となる「指定棚田地域振興協議会」の設立,棚田の保全と地域振興の目標と活動内容を定める「指定棚田地域振興活動計画」の策定と国による認定を行うことで,財政上,税制上,また棚田地域振興活動を担う人材育成・確保のために必要な措置や棚田振興コンシェルジュと言われる国の職員による幅広い相談,助言や情報提供が受けられるようになります。 また,都道府県においても,棚田地域振興計画を策定することとされており,本県でも,令和2年4月に計画が策定され,棚田地域の振興に資する各種施策の積極的な活用や,庁内連絡会議設置による推進体制の構築など,県独自の支援施策も盛り込まれています。 法の施行や計画策定から2年余りが経過しましたが,現在,県内ではどれだけの棚田が「指定棚田地域」として指定されているのでしょうか。 また,「指定棚田地域」に申請していない棚田地域について,その理由や障壁となっていることなど,把握されていることがあればお示しください。あわせて,農林水産部長にお伺いいたします。 本年2月15日,農林水産省は,平成11年に全国134地区の優れた棚田を認定した「日本の棚田百選」に替わるポスト棚田百選として,棚田地域の振興に関する取組を積極的に評価し,改めて優良な全国の棚田271地区を「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」として選定しました。 日本の棚田百選には,本県では私の地元である久米郡から久米南町の北庄と上籾の棚田,そして美咲町の大垪和西と小山の棚田の4か所が認定されていましたが,今回つなぐ棚田遺産には,この4つに加え,真庭市の社棚田,美作市の上山の千枚田,和気町の田土の棚田の3か所が加わり,県内で計7か所が選定されました。それぞれに地域の歴史や伝統,特色を生かした取組が行われており,選定により,農業と地域の振興にさらなる期待を寄せるところです。 しかし,今回の選定に当たり,全国から推薦された274の棚田地域のうち,日本の棚田百選にも認定されていたのは35%に当たる95の棚田であり,平成11年当時,134の棚田が認定されていたことを考えれば,20年余りで40近い棚田の活動が困難になっていることが想像され,棚田地域における活動の難しさがうかがえます。 また,274の棚田が最も力を入れた取組としては,「農産物の供給促進」と答えた地域が14%に対し,「棚田を核とした地域振興」と答えた地域は46%と半数近くになるなど,棚田の地域資源としての有効性には可能性を見いだせるところです。 今回の7地域での選定を受け,県にはさらなる棚田地域への支援をお願いしたいと思います。 そこで,お伺いいたします。 先ほども述べた岡山県棚田地域振興計画において,庁内連絡会議の設置が明記され,棚田地域に対して分野横断的,総合的な支援ができるよう関係部局間で十分な連携を図ることとされていますが,これまでの同会議の開催状況とその内容をお示しください。 また,今回のつなぐ棚田遺産の選定を機に,県と選定された地域の協議会,市町村,指定棚田地域振興協議会などで構成する新たな協議会を設置し,情報共有や課題解決に向けた取組など,横の連携によるさらなる活性化につなげてはどうかと考えますが,農林水産部長の御所見を併せてお伺いいたします。 そして,これからの棚田保全,棚田振興において,地域内外の非農家の参画や棚田オーナー制による都市部住民との交流,観光やイベント,農泊等による棚田の魅力発信が欠かせないものとなっているものの,コロナ禍でイベントや交流が難しい状況が続いています。そうした中で,来年度以降実施されるデスティネーションキャンペーンやポストコロナ観光振興事業,岡山移住・定住促進パワーアップ事業等において,棚田地域の魅力を含めたコンテンツの開発や情報発信を行っていただきたいと思いますが,棚田地域の振興支援について,今回の「つなぐ棚田遺産」の7地域選定への御所見も含め,知事のお考えをお伺いいたします。 次に,農地中間管理事業について伺います。 農地中間管理事業とは,離農や規模縮小を行う農地を農地中間管理機構が借り受け,できるだけ集積した形で意欲ある担い手に貸し付けることで,農業経営の効率化や安定化,生産性の向上を図る事業であります。知事が指定する農地中間管理機構が公的機関として仲介役に入ることで,出し手にも受け手にも安心感が生まれ,積極的な活用を行うことで農地の有効利用につながると期待されています。 また,農地中間管理事業では,出し手,受け手ともに様々なメリットがあり,条件を満たすことで協力金の支給や固定資産税の軽減などの支援も行われています。 県としても積極的に事業を推進されていますが,一部で課題も見つかりつつあると伺います。それは出し手と受け手の間に貸付け後に生じる生産活動に対するギャップです。出し手側は,これまで自分が行ってきた生産活動と同程度の生産が行われると考えているものの,受け手側による十分な管理や生産が行われず,貸し付けたことで,出し手は自分で手を出すこともできず,このままでは農地が荒廃してしまうのではないか,あるいは期間終了後に耕作ができない農地が戻ってくるのではないかと心配される声を伺いました。 中山間地域という地理的条件や,受け手側の担い手不足,またコロナ禍において期待していた外国人技能実習生が確保できない状況など,要因は様々考えられますが,より安心して農地を預けられ,出し手,受け手ともにギャップによる相違が生じないよう,制度の運用を見直していくことが必要だと考えます。 そこでお尋ねいたします。 農地中間管理機構が受皿となり,農地の貸借を行う際に,出し手側と受け手側の生産活動へのギャップを防ぐため,互いが納得し得る状況をより具体的に提示した上で契約が結ばれるよう,県としての運用を見直してはどうかと考えますが,農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 最後に,信号機のない横断歩道における安全確保対策についてお伺いいたします。 このテーマについては,これまでも度々議論が重ねられており,県警察においても,横断歩行者等妨害等違反の取締りや,歩行者に明確な横断の意思表示を呼びかける「目と手で合図!ストップ運動」を推進しているところですが,大変残念なことに,今年1月,私の地元で,信号機のない横断歩道での交通死亡事故が発生しました。大切な人命が失われたことは非常に残念であり,一層の安全確保対策を講じなければならないと強く感じるところです。 そこで,令和3年6月定例会の一般質問において,河野議員が質問されていますが,危険な横断歩道の撤去について,私からも質問させていただきます。 昨年10月,愛知県警は,全体で3車線以上の広い道路上に設けられながら,信号機がなく事故が起こるリスクが高い危険な横断歩道について,対処方法をまとめ公表しました。その内訳は,横断歩道の撤去が12か所,残地30か所,信号設置が1か所の計43か所であり,横断歩道をそのまま残す30か所については,ポールを立てるなどして,走行車線を片側1車線に減らしたり,横断歩道があることを知らせるダイヤマークを追加で塗装したりするなど,注意を促していくとの方針です。 本県でも,3車線以上の広い道路上に信号機のない横断歩道は多く確認できます。片側1車線の道路では,県警察の取組等により,歩行者優先が浸透しつつあるとも伺いますが,片側2車線以上の場合,自身が一時停止しても,ほかの車線の車が停止をしなければ追突事故につながる可能性もあり,反対に危険な行為となりかねません。また,広い道路上であれば,運転中に反対車線等の離れた場所に立つ歩行者を認識することが難しい状況もあるのではないかと思います。 河野議員の質問でも同様に,片側2車線の交通量の多い道路上にありながら信号機のない危険な横断歩道を,県がどのくらい認知しているか,また当該箇所での事故の発生状況や撤去等の安全対策状況を尋ねられました。 当時の本部長は,「信号機のない横断歩道を通行中の歩行者が被害者となる人身事故が,過去5年間で複数回発生している横断歩道は,県内で3か所把握しており,これらの横断歩道には交差点内のカラー舗装や横断者注意の法定外表示の設置,広報啓発活動や集中的取締りなどの対策を実施している。その他の横断歩道についても,地元の要望や交通実態に応じて必要な安全対策を講じている」と答弁されました。 度々の議論がなされ,また実際に事故等も発生している状況において,県警察としてもさらなる実態の把握と早急な対策を講じるべきと考えます。 さきに上げた愛知県警のように,全体で3車線以上の道路上にあって信号機のない横断歩道について,危険度などの実態を調査し,信号機を設置するもの,そのまま残すもの,そして撤去するものなど,その対処方針を策定してはどうでしょうか。既にそうした方針を策定しているのであれば,その内容をお示しください。 また,こうした横断歩道は,設置当初から,周辺環境や交通事情が大きく変化しているものもあることから,地元等との協議にもよりますが,自動車,歩行者双方の安全確保のためにも,撤去について積極的に検討すべきと考えますが,併せて警察本部長の御所見をお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
○副議長(池本敏朗君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 自由民主党の松島議員の質問にお答えいたします。 まず,ウエルビーイングの推進についての御質問であります。 県民満足度調査についてでありますが,県では,累次の生き活きプランに掲げる項目に関連し,経済的な豊かさのほか,心の豊かさに関する設問を設けるとともに,暮らしに対する満足度の設問を設け,多様な観点から県政に対する県民の実感を継続的に調査しているところであります。 お話の幸福度については,明らかな定義がないことや,個人の心情に影響される部分が大きいなどの課題があると考えておりますが,今後ウエルビーイングに関する国や他県の取組状況を注視しながら研究してまいりたいと存じます。 次に,捉え方等についてでありますが,ウエルビーイングについて,私は経済的な豊かさだけでなく,身体や精神の健康,社会とのつながりなど,心の豊かさを実現することと捉えており,県政を推進する上でも重要な考え方であると認識しております。この考え方は,目指すべき岡山の姿として掲げる全ての県民が明日への希望に満たされ,物質的豊かさのみにとらわれず,明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」と相通じるものであり,引き続き,第3次生き活きプランに基づき,多様な主体と連携を図りながら,その実現に向けて全力で取り組むことがウエルビーイングの推進にもつながるものと考えております。 次に,農業についての御質問であります。 棚田地域の振興のうち,振興支援についてでありますが,今回,「つなぐ棚田遺産」に選定された7地域では,都市住民との交流や伝統文化の継承など,地域振興へ向けた住民の積極的な取組が国において評価されたものと考えております。 また,棚田地域の振興は,国内外からの誘客や移住・定住にもつながる取組であることから,お話の事業等での情報発信も含め,地域住民が主体となる取組を支援してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 農林水産部長槙尾俊之君。 〔 農林水産部長 槙尾俊之君 登壇 〕
◎農林水産部長(槙尾俊之君) お答えいたします。 農業についての御質問であります。 まず,棚田地域の振興のうち,指定棚田地域についてでありますが,現在,10市町村62地域が指定棚田地域に指定されております。一方,指定棚田地域に申請していない地域については,高齢化等に伴う担い手の不足により,保全活動や地域振興の取組が実施できないなどの理由があるものと認識しております。 次に,庁内連絡会議の開催状況等についてでありますが,令和2年1月に庁内連絡会議を設置して以降,15回の会議を開催し,各地域の指定棚田地域振興活動計画や,今回,「つなぐ棚田遺産」に選定された地域の取組内容等について,関係部局間で情報を共有するとともに,支援について連携を図っているところであります。 なお,お話の新たな協議会の設置については,地域の課題や情報を共有する上で意義があると考えられることから,関係者の意向も確認しながら検討してまいりたいと存じます。 最後に,農地中間管理事業についてでありますが,事業の円滑な推進には,農地の出し手と受け手の双方が納得して貸借を行うことが重要であると考えております。このため,お話の生産活動に対するギャップの解消については,契約時に,出し手,受け手,農地中間管理機構の三者で,耕作方法や水路の管理等に関する確認書を取り交わすなどの見直しを進めるよう,機構に指示しているところであります。 今後とも,現場で発生する課題に応じた見直しを随時行うことにより,出し手と受け手が安心して農地を貸借することができる環境を整え,農地の集積を一層進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 警察本部長檜垣重臣君。 〔 警察本部長 檜垣重臣君 登壇 〕
◎警察本部長(檜垣重臣君) お答えいたします。 信号機のない横断歩道の安全対策についてであります。 信号機のない横断歩道に関しては,それぞれの交通実態等を踏まえ,ドライバーに注意を促し,歩行者の安全を確保するための愛ライン,横断者注意等の法定外表示や,信号機を設置するなど,個別に必要に応じた安全対策を行ってきたところであります。 改めて,3車線以上の道路に設置された信号機のない横断歩道に特化した対処方針を策定することは考えておりませんが,今後も,交通実態等を踏まえ,横断歩行者の安全対策の必要性等について検討していくほか,歩行者優先安全プロジェクト等の広報啓発活動や,横断歩行者等妨害等違反等の集中的な交通指導違反取締りなどの対策も併せて進めてまいります。 また,横断歩道の撤去につきましては,歩行者の横断需要等を基に,地元の御意見等も伺いながら検討すべきものと考えております。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 4番。 〔 4番 松島幸一君 登壇 〕
◆4番(松島幸一君) 御答弁ありがとうございました。 幾つか要望させていただきたいと思います。 まず,ウエルビーイングについてですけれども,こちらはGDPやSDGsに替わる,その次を見据えた取組とも言われています。質問でも申し上げましたけれども,大前提として,全ての施策がウエルビーイングにつながるものでなければならないと思います。 その中で,満足度と幸福度ですが,確かに私の主観にはなりますけれども,私も岡山に住んで,非常に幸せを感じてはいるのですが,ただ満足しているかというと,やはりもっとこういうことができるのではないかとか,こういうことをしてほしいという思いがあって,この場にも立たせていただいているわけでありまして,確かに主観にはなりますけれども,その幸福度と満足度のギャップというか,差の中に,施策展開のヒントが隠れているのではないかなとも感じますので,ぜひそのあたりも意識をしていただいて,引き続き,県民のウエルビーイングにつながる施策を展開していただきたいと思います。 農業の振興,特に棚田にとりまして,今回の棚田振興法やつなぐ棚田遺産は,厳しい棚田地域にとって後押しとなるものであってほしいと願います。その中で,庁内連絡会議や,あるいは協議会の設置についても検討いただけるということで,また県としても力強い後押しをいただけたらと思っております。 横断歩道につきましては,なかなか一旦設置したものを撤去というのは,地域からも声が上げづらいような状況もあるのかなと思うんですけれども,交通ルールやマナーを守るというのはもちろんですけれども,反対に,危険について取り除いていくということも,また一方で重要であると思います。ぜひこれからの人口減少社会を見据えても,県警察としても積極的な検討を行っていただきたいということを要望させていただきまして,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(池本敏朗君) 以上で松島君の質問は終了いたしました。 ~~~~~~~~~~~~~~~
○副議長(池本敏朗君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△3月3日の議事日程
○副議長(池本敏朗君) 明日の議事日程は,午前10時開議で,一般質問であります。 ~~~~~~~~~~~~~~~
○副議長(池本敏朗君) 本日は,これをもって散会いたします。 午後1時32分散会〇 令和4年3月2日(水曜日)出席議員 1番 秋山 正浩君 2番 鳥井 良輔君 3番 佐古 一太君 4番 松島 幸一君 5番 本山 紘司君 6番 福田 司君 7番 清水 薫君 9番 乙倉 賢一君 10番 大森 一生君 11番 小倉 博君 12番 田野 孝明君 13番 河野 慶治君 14番 渡辺 知典君 15番 福島 恭子君 16番 山本 雅彦君 18番 大塚 愛君 19番 高橋 徹君 20番 須増 伸子君 21番 氏平三穂子君 22番 吉田 徹君 23番 中川 雅子君 24番 木口 京子君 25番 市村 仁君 26番 上田 勝義君 27番 小林 義明君 28番 中塚 周一君 29番 江本 公一君 30番 太田 正孝君 31番 池本 敏朗君 32番 小倉 弘行君 33番 加藤 浩久君 34番 遠藤 康洋君 35番 神宝 謙一君 36番 波多 洋治君 37番 柳田 哲君 38番 高原 俊彦君 39番 荒島 俊造君 40番 笹井 茂智君 41番 増川 英一君 42番 山田総一郎君 43番 蜂谷 弘美君 44番 住吉 良久君 46番 蓮岡 靖之君 47番 伊藤 文夫君 48番 小田 圭一君 49番 渡辺 英気君 50番 内山 登君 51番 小野 泰弘君 52番 河本 勉君 53番 小田 春人君 54番 天野 学君 55番 千田 博通君 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~欠席議員 8番 大橋 和明君 45番 高橋 戒隆君 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員 事務局長 高田 哲也 次長 米戸 健浩 議事課長 岡本 聡 政務調査室長 平井 哲哉 議事課長代理 安井 誠一 議事課長補佐 岡崎 将丈 議事課主任 池上 祐毅 議事課主任 中田 智也 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局 知事 伊原木隆太君 副知事 横田 有次君 副知事 小谷 敦君 公営企業管理者 片山 誠一君 危機管理監 塩出 則夫君 総合政策局長 伊藤 敦哉君 知事室長 笠原 和男君 総務部長 須江 裕紀君 総務部次長 万代 洋士君 県民生活部長 那須 信行君 環境文化部長 佐藤 将男君
保健福祉部長 西嶋 康浩君
産業労働部長 三浦 智美君 農林水産部長 槙尾 俊之君 土木部長 筋野 晃司君 出納局長 森下 慎君教育委員会 教育長 鍵本 芳明君 教育次長 梅崎 聖君公安委員会 委員 金子 雅彦君 警察本部長 檜垣 重臣君 警務部長 牧 丈二君人事委員会 委員 武井 祐子君 事務局長 佐藤 昌之君監査委員 代表監査委員 浅間 義正君 事務局長 吉田 光宏君選挙管理委員会 委員 山名 千代君...