令和 3年 6月定例会 ◎ 令和3年6月
岡山県議会定例会会議録 第6号〇 令和3年6月25日(金曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1 一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1 一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○議長(神宝謙一君) 皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 一般質問
○議長(神宝謙一君) 日程に入ります。一般質問を行います。 13番河野慶治君。 答弁者は,控席へ移動願います。 〔 13番 河野慶治君 登壇 〕
◆13番(河野慶治君) 皆さん,おはようございます。
自由民主党岡山県議団,河野でございます。本日も,質問の機会を与えていただき,誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス,今,1年以上たっておるわけであります。第4波まで大変な状況だったと私も聞いておりますが,何とか乗り越えていっている段階でございます。引き続き,関係者皆様の御労苦によって感染症拡大が抑えられますように,私からも強くお願いするところでございます。 また,6月16日から,
食中毒注意報が出されております。
アルコール除菌等,いろいろ徹底されているところでありますが,若干手洗いがおろそかになってしまう,アルコールを過信してということもあります。アルコールが効かないウイルス,食中毒のウイルスもたくさんありますことから,ぜひ注意をしていただきたいと思います。 それでは,通告に従いまして,質問に移らせていただきます。 まず,横断歩道における
歩行者優先と安全対策についてお尋ねします。 我が党代表質問でも御答弁いただきましたが,より一層の
安全対策強化となるため,私からも質問させていただきます。 まずは,事故の状況です。警視庁の発表では,令和2年までの5年間で,全国で,自動車と歩行者が衝突した
交通死亡事故は5,451件で,約7割の3,911件は,歩行者が横断中の事故でした。また,横断中の事故のうち,約7割の2,667件が,横断歩道以外の場所を横断しているときに発生しており,その中の約7割は,走行中の自動車の直前,直後を横断したりするなどの法令違反でした。 横断歩道は,
歩行者優先ですが,このデータからは,横断歩道以外の場所での横断や斜め横断など,歩行者の法令違反による死亡事故が非常に多いことが分かります。 本県における自動車と歩行者が衝突した
交通死亡事故の件数と,そのうち歩行者が横断中であった事故の件数,また横断歩道以外の場所を横断しているときに発生した事故の件数を教えてください。 先日,愛知県豊橋市で,横断歩道が廃止されたことについて報じられていました。この横断歩道は,片側2車線の交通量の多い道路にあり,信号機はなく,過去5年間に人身事故が6件発生し,今年3月には,男子高校生が,自転車に乗って横断中に車にはねられ死亡したそうです。 事故が相次いで発生するいわゆる「危険な横断歩道」と呼ばれていて,隣の信号機との間隔が狭く,信号機を新設できないために撤去が決まったそうです。 本県には,同様の「危険な横断歩道」として,県警が認知している横断歩道はあるのでしょうか。また,あればその数や
当該横断歩道での
事故発生状況,撤去等の
安全対策状況について教えてください。 道路交通法では,横断歩道における
歩行者優先が定められており,違反した場合,
横断歩道等妨害等違反として取り締まられます。しかし,歩行者がいても,一時停止しない車両が,全国的に多いことが問題となっています。
日本自動車連盟JAFでは,2016年から,信号のない横断歩道における車の一時
停止状況全国調査を毎年実施しており,2016年の調査では,歩行者が渡ろうとしている場面で,一時停止した車両の率は,全国平均で7.6%でした。 昨年2020年の調査では,全国平均21.3%まで上昇していますが,まだ8割近い車両が止まらない状況となっています。 本県でも,取締り強化や桃太郎の話を利用した
ポスター掲示等による広報啓発に取り組んでいますが,近年の
横断歩道等妨害等違反の取締り状況について,その件数や推移を教えてください。 この調査で特徴的だったのが,都道府県によって大きな差がある点でした。 2020年の調査で1位だった長野県は,初回調査時から5年連続トップで,2020年には72.4%の車が一時停止したそうです。一方で,ワースト1の宮城県では5.7%,ワースト3の岡山県で7.1%となっており,100台中であれば72台が止まってくれる県と,6,7台しか止まってくれない県があるという異様な状況が示されています。 このような状況で,横断歩道における
歩行者優先について,本県としても力を入れて取り組んでいくことと思いますが,これらを進めていく際に,留意すべき重要な点があると考えます。 それは,本県のような
歩行者優先があまり浸透していない,日常的なものとなっていないエリアにおいて,本違反について取締り強化や啓発が進んでいく段階で,歩行者のリスクが高まってしまうおそれがある点です。 例えば,片側1車線道路にある信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとする際,歩行者から見て右から来る車両が止まってくれて,歩行者が渡ろうとしますが,対向車が気づかず接触してしまうリスクなどが考えられます。 私も,そういう場面に出くわしたことがあり,対向車が減速していないときに,どうすればいいのか,迷って緊張したことを覚えています。
動画投稿サイトにも,
ドライブレコーダーの映像が投稿されており,歩行者を確認して停止した車両の後続車が,反対車線にはみ出しながら,スピードを抑えることなく停止車両を追い抜いて,横断歩道を突っ切っていく,非常に悪質で危険な状況も出ていました。 本違反への取締り強化や
歩行者優先の徹底は,歩行者の安全な横断,全ての人の命を守るために進められます。しかし,歩行者と歩行者の横断に関係する全ての運転者が,注意し,一時停止できる状況となる段階までには,注意できる人とそうでない人が混在し,かえって歩行者のリスクは高まってしまうのではないかと危惧します。 県では,このようなリスクについてどのように認識し,対応していかれるのでしょうか。県警本部長のお考えをお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
警察本部長扇澤昭宏君。 〔
警察本部長 扇澤昭宏君 登壇 〕
◎
警察本部長(扇澤昭宏君) お答えいたします。
歩行者横断時の安全対策についてのうち,まず
交通死亡事故件数などについてであります。 本県における令和2年までの5年間における自動車と歩行者が衝突した
交通死亡事故件数は,118件で,そのうち歩行者が横断中であった事故は81件,また歩行者が横断歩道以外の場所を横断中であった事故は58件であります。 次に,危険な横断歩道についてであります。 議員お話しのような信号機のない横断歩道を通行中の歩行者が被害者となる人身事故が,過去5年間で複数回発生している横断歩道は,県内においては3か所把握しております。 具体的には,片側1車線道路に設置された横断歩道2か所で,おのおの3件の人身事故が,また車線表示のない一方通行道路に設置された横断歩道1か所で2件の人身事故が発生しております。 これらの横断歩道においては,交差点内のカラー舗装や横断者注意の法定外表示の設置,
広報啓発活動や
集中的取締りなどの対策を実施しております。 また,その他の横断歩道についても,地元の御要望や交通実態に応じて道路管理者などと連携の上,街路灯や減速破線の設置など,必要な安全対策を随時講じております。 次に,
横断歩行者等妨害等違反についてであります。 平成28年から令和元年までの取締り件数は,年間約600件から約750件でありましたが,令和2年に,県警察が,
歩行者優先安全プロジェクトを立ち上げ,取締りを強化したところ,昨年は約2,700件,本年5月末現在では約2,500件を検挙しております。 最後に,取締り強化などによるリスクについてであります。 議員お話しのとおり,横断しようとしている歩行者がいる横断歩道において,一時停止義務を履行しない車両が存在する限り,道路横断時の歩行者のリスクは,ゼロとは言えないものと認識しております。 そのため県警察では,これまでも歩行者に対し,信号機のない場所で横断しようとするときは,車が止まってくれたときでも,ほかの車の動きに注意し,安全を確認してから横断を始めること,横断中も車が近づいてこないか,周りに気をつけること,止まっている車の陰から別の車が突然出てくることがあるので,注意すべきことを指導しているところであります。 同様に,手を上げるなど,横断の意思を明確に示すことについても指導しているところでありますが,今般,手上げ横断などについて,交通の方法に関する教則に明記されたことを契機として,一層強力にこうした注意事項を啓発周知してまいります。 また,車両の運転者に対しては,
横断歩道手前で停止している車両の側方を通過する際の一時停止義務や,横断歩道の手前30メートル以内での追越し,追い抜き禁止など,
横断歩道付近における通行ルールの遵守を強く訴えるとともに,違反車両に対しては,徹底した取締りを継続して強化してまいります。 県警察といたしましては,歩行者が横断歩道を安全・安心に利用できる環境を一日も早く実現すべく,これら対策を引き続き強力に推進してまいります。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 13番。 〔 13番 河野慶治君 登壇 〕
◆13番(河野慶治君) 御答弁ありがとうございました。 本当に,車両への取締りの強化というのは,ちょっと語気を強めておっしゃっていただきましたが,歩行者へのその指導啓発というのは,本当にこれは力を入れていただかないといけないなと思います。 従来の
スピード違反であるとか,交差点での一旦停止であるとか,
あとスマートフォンを見てはいけないとか,そういったことというのは,その場,その人が気をつける,抑える,やめるということで全てのリスクは低下します。 でも,この場合には,運転者が一旦停止することによって,いろんな危険がばっと出てくる。瞬間的に出てきてしまうんですね。 特に,浸透しないエリアでやった場合には,歩行者が,皆さんも多分経験があるかもしれませんが,会釈をする,すみません,止まっていただいて,ちょっと小走りになって渡る人も結構いるんですね。浸透しないときに,歩行者も,車の流れが,どちらも途切れるまで待つんだということが,昔そういうことが当たり前であった場合には,どちらにも,右左にも,どちらにも最大限の周知をして,注意をして,途切れたときに渡るわけですけれども,この場合,右がぱっと止まってくれた,すみませんというので,すごく右への集中,注意が行ってしまうんですね。 右に注意が行ったときに,またそれが遠慮とか感謝とか,そういったことも含めて,渡ろうとすると小走りになってしまって,この左の注意をすごくしなければいけないのに,その注意力が低下してしまうと。車と,また後ろに隠れた死角になったバイクや二輪車が出てきて,衝突するリスクが高まってしまうということで,これは,本当に取締りをやらなくてはいけないですし,最終的には,これは,みんなが理解した上で,きちんとできるようにしなくてはいけないんですけれど,その間において,リスクが高まってしまうというこの危険性を,やっぱり歩行者視点で,県警のほうでももっと厳しく指導をしていただきたいと思いますが,その辺について,再度御答弁をお願いします。
○議長(神宝謙一君)
警察本部長。 〔
警察本部長 扇澤昭宏君 登壇 〕
◎
警察本部長(扇澤昭宏君) 再質問にお答えいたします。 歩行者側への指導を強化することが,全体として,
道路交通秩序の早い実現になるのではないかという御質問であろうかと思います。 御答弁申し上げましたように,お話しのようなリスクは,確かに否定できないところであります。 私も,今回,信号機のない横断歩道における事故実態を調べましたところ,信号機のない横断歩道においては,過去5年間におきまして,右側の自動車が譲ってくれて,それで急いで渡ろうとして,反対車線の車にはねられてしまったというような明らかな形態は,幸いにして認められませんでした。 そういう意味では,歩行者の方は,やはり自分がひかれては何もならないですから,それなりの注意をやはり払っておられるのではないかというふうに思っております。 あるいは,片側2車線道路におきまして,歩行者に近いほうの車が止まっているにもかかわらず,中央車線の車が直進をしてぶつかったという事故は,過去5年間に1件発生しております。そういう意味では,確かにそういったリスクが顕在化していることは,間違いないところでございます。 したがいまして,歩行者の方には,申しましたような注意を引き続き強力に申し上げる必要があると思っておりまして,今回の交通の教則の改正を受けまして,既に県の知事部局ですとか,県の教育長,あるいは岡山市等に周知をよろしくお願いいたしますというような文書を発しておりますし,歩行者の方には,手上げを含めて,とにかく渡るときには,最後まで気を抜かずに渡り切ってくださいということを周知してまいりたいと思います。 また,車が,横断歩道で一時停止をしなければ,結果として歩行者が横断歩道を使わず,乱横断になるということもありますので,そういう意味では,歩行者に対するルールを守って,横断歩道があるときには,横断歩道を使いましょうと。その代わり,横断歩道は,歩道でありますので車は止まると。そういった形で,両者,車のほうと歩行者のほうのそれぞれのルールあるいはマナーの向上が相まって,一日も早く安心な
歩行者横断環境を実現していこうと考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 13番。 〔 13番 河野慶治君 登壇 〕
◆13番(河野慶治君) ありがとうございました。 みんな目的は,本当に歩行者の安全な横断ですから,命が守られる,危険にさらされないということが大前提の話でもありますので,ちょっと
いっときリスクが高まってしまうことについては,御認識されているということでありますので,こういう何かヒヤリ・ハットみたいな状況が,どのように増えているのかとか,取締りをどんどん増やしていけば,こういったことのリスクはやっぱり高まっていくということも考えられますので,そういった情報収集とか,そういったものにも積極的に取り組んでいただいて,広報啓発にはかなり力を入れて頑張っていただきたいと要望して,この質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は,控席へ移動願います。 13番。 〔 13番 河野慶治君 登壇 〕
◆13番(河野慶治君) それでは次に,県民の健康増進のための保健行政,学校保健について,お尋ねしていきます。 先月,
ファイザー製のワクチンについて,米国で12歳から15歳を対象に行った治験で,有効性,安全性が確認されたとするデータが出たことにより,日本でも5月末に,
ワクチン接種の対象に12歳から15歳を加えることが決まりました。 若年層の
ワクチン接種については,
新型コロナウイルスに感染した際の重症化率が低いことや,高熱などの副反応が,高齢者に比べて出やすいことなどが指摘されており,慎重に進めていくことになると考えますが,これらを受けて,今後,どのように若年層の
ワクチン接種について対応していかれるのか,
保健福祉部長のお考えをお聞かせください。 また,従来の高校生に加えて,小中学生も接種対象となりました。国は,
学校集団接種については,現時点で推奨するものではないとの見解を示していますが,県立学校をはじめ県内の学校で集団接種を行う予定はあるのでしょうか。 また,学校に,児童生徒や家庭から,
新型コロナウイルスワクチンの接種に関する相談があった場合には,どのように対応されるのでしょうか。あわせて,教育長のお考えをお聞かせください。 これまでの議会でも,
子宮頸がんワクチンについて,様々に議論されてきたところであります。
子宮頸がんワクチンは,ヒトパピローマウイルスと言われるウイルスの感染が原因で発症します。国内では,毎年約1万人が子宮頸がんにかかり,約3,000人が亡くなられています。 ほかの多くのがんでは,主に高齢者が亡くなってしまう病気なのに対して,子宮頸がんは,性行動に関係して
ウイルス感染が広がることから,最近では,20~40代の若い世代が多く罹患し,亡くなってしまう,また妊娠できなくなってしまうという大きな特徴があります。 HPVに有効なワクチンについては,若い人のほうが感受性が高く,初交前の接種が予防効果が高いことなどから,若い年齢での接種を呼びかけており,小学6年生から高校1年生相当の女子については,無料で接種できます。 国では,平成25年から,
HPVワクチンの積極的な接種を進めましたが,副作用のリスクが懸念されたことから,積極的接種の勧奨をやめ,接種率は,70%から1%にまで激減しました。 ちなみに,
HPVワクチンが,その他のワクチンより接種部位の痛みなどが強いことは,研究で示されていますが,全身に起きる重篤な症例については,
HPVワクチン接種が原因で増加しないことが,海外や国内の研究でも報告されています。 激減後についても,接種率は低いままでしたが,昨年から今年にかけて,厚生労働省から各都道府県に対し,
定期接種対象者とその保護者へ個別送付による情報提供を実施するよう,自治体に通知,依頼し,確実な周知に努めることという事務連絡を出し,各市町村においても,対象者への直接通知を行うなどして情報提供は進められています。 そこで現在の
HPVワクチン接種の状況について,本県における各市町村への通知状況,各市町村での直接通知の状況,また
HPVワクチン接種率の状況を
保健福祉部長にお尋ねします。 また,年度をまたいで接種する高校1年生から2年生に進級する生徒の接種費用について,2年生になってからの接種費用が個人負担となってしまうため,市町村で補正予算を組むなどして,独自に公的負担を行う予定の市町村もあるようですが,県内の市町村の対応状況,また県として助成する予定があるのかどうかについて,併せてお聞かせください。 小学6年生から高校1年生は,無料でワクチンを接種することができます。当該年齢のほうが,ワクチンの有効性が高いことが認められています。 県教委では,
HPVワクチンの接種について,各市町村教委や学校への情報提供にどのように取り組まれているでしょうか。 また,児童生徒や保護者からの
ワクチン接種に関する相談に対しては,どのように対応されているのでしょうか。あわせて,教育長にお尋ねします。 歯と口の健康は,生涯にわたり健やかな生活を送ることと大きく関係しています。歯の数が多いことと健康寿命の長さ,要介護期間の短さは,関係していることや,歯の状態が悪い人は,閉じ籠もりがちになるという研究データも出ており,認知症への影響も懸念されます。 また,歯周病は,糖尿病や肥満等の様々な疾患を悪化させる原因ともなっていることも指摘されています。 これら歯と口の健康を維持することは,全身的な健康状態の維持にも大きく関わっており,高齢社会を迎えた我が国においても,非常に重要なものであります。 国の取組をはじめ,本県においても,条例の制定や条例に基づいて歯科保健に積極的に取り組まれております。 さて,齲蝕,いわゆる虫歯については,その原因や予防方法が明らかになっています。予防では,特にフッ化物の使用が有効であることが認められており,フッ
化物入り歯磨き粉の使用やフッ化物洗口,うがい,フッ化物塗布,また水道水フッ化物添加等の方法で,フッ化物による虫歯予防に世界的に取り組んでいます。 中でも,水道水へのフッ化物添加は,公衆衛生学的にも優れた手段で,個人の努力は少なく,コストも1人1年,年間1ドル程度であることなどから,WHOも推奨しており,米国では2億人以上が同水道水を摂取しています。 一方で,日本国内では,一部自治体で,過去に水道水へのフッ化物添加を行ったことがありますが,反対の声が多いことなどから中止し,現在,水道水への添加を実施している自治体はありません。 このような状況の中,国内では,フッ化物洗口やフッ化物入りの歯磨き粉の使用,フッ化物塗布等が厚生労働省や
歯科医師会等から推奨されており,反対の声が比較的少ないことなどから,実施,推奨している自治体や学校等も増えてきています。 本県においても,平成25年に,各
市町村教育委員会と各
市町村保育担当課向けに,学校や園における
フッ素洗口モデル事業の通知を行い,県が作成した岡山県
フッ素洗口実践ガイドを基にしたモデル事業の実施を図るなど,フッ化物による虫歯予防の推進に取り組んでいます。 そこでお尋ねします。 近年の子供たちの虫歯の数は,どのように推移し,どのような傾向,特徴が見られるのでしょうか。 また,県内の保育園,幼稚園,
認定こども園や小中学校,高校におけるフッ化物洗口の実施状況は,どのようになっているのでしょうか。 フッ化物洗口の効果についての御見解も併せて,
保健福祉部長にお尋ねします。 高校卒業後から40歳ぐらいまでの間は,子宮頸がんや乳がんを除いたがんや脳卒中等の生活習慣病にかかる率も低く,体力的にも元気で,自分は大丈夫だという過信から,病気の予防や将来へのリスクに備えるといった健康意識が低くなります。 一方で,飲酒や喫煙機会の増加やストレスも多くなり,加えて体力の低下や基礎代謝の低下,生活習慣の悪化による肥満等の生活習慣病への危険因子が高まっていく人が増えていく期間でもあります。 さらに,学校保健から外れた後は,
労働安全衛生法で義務づけられた健康診断を定期的に受けている人,非
正規労働者等で労働条件によって対象とならず,健康診断を受けていない人,会社の規模によっては,産業医や保健師による定期的な保健指導を受けやすい環境にある場合や,そうでない場合もあるなど,様々の状況下で健康や予防に対する意識に差が出てきます。 このような「自分の健康を自分で守る」という予防保健の大前提から,意識的にも,環境的にも遠ざかってしまう大切な期間を,いかに意識的に乗り切るかということが,晩年の健康や要介護状態を含めたQOLにとって非常に重要と考えます。 県でも,市町村等と連携しながら,積極的に取り組んでおられますが,高校卒業後から40歳くらいまでの県民を対象とした予防保健について,より一層力を入れていくべきだと考えます。 健康診断等の全体的な状況や今後の取組について,
保健福祉部長のお考えをお聞かせください。 文部科学省では,
小中高等学校における
学習指導要領の改訂を踏まえ,それぞれに「生きる力」を育む保健教育の手引を作成しています。 この中では,「情報社会の進展等の中で,子供たちが健康情報を正しく選択して,適切に行動できるようにすることが,喫緊の課題であること」や,「健康課題を発見し,主体的に課題解決に取り組む学習が不十分で,社会の変化に伴う新たな健康課題に対応した教育が必要であること」など,社会的変化に対応した
学校保健教育の推進について記されています。 これまでの質問に上げたような
新型コロナウイルスや
子宮頸がんワクチン,フッ化物洗口は,児童生徒や保護者が直面している予防保健であり,学校においても,保健教育の貴重な実践の機会であると考えます。これら保健教育を推進する上では,教員が正しい情報に基づく指導や助言を行うことが大変重要になります。 そこでお尋ねします。 子供たちの保健教育に関わる担任や養護教諭,学校マネジメントを行う校長先生や教頭先生など,学校教員の予防保健に対する指導力向上等については,どのように取り組んでおられるのでしょうか,対応状況について教えてください。教育長にお尋ねします。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
保健福祉部長西嶋康浩君。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 病気の予防についての御質問であります。 まず,新型コロナワクチンのうち,若年層の
ワクチン接種についてでありますが,時期及び方法等を含め,接種の主体である市町村の判断によることとなりますが,先日,国から,学校での集団接種は,現時点で推奨するものではないとするなどの考え方等が示されたところであり,その内容を踏まえ,各市町村において適切に対応がなされると考えております。 県としては,本人及び保護者が,自ら接種の判断ができるよう,ワクチンの効果や副反応について分かりやすく情報提供を行うことにより,若年層の方々が,安心して接種できる環境を整備してまいりたいと存じます。 次に,
子宮頸がんワクチンのうち,接種状況等についてでありますが,昨年度の国の通知を受け,速やかに市町村に周知したところ,本年度は,ほぼ全ての市町村が,対象者等に個別通知を行うと承知しております。 また,本県の令和2年度の1回目の
ワクチン接種の実施率は,国と同じ方法で算出すると23.4%で,前年度に比べ2倍以上増加しているところであります。 なお,高校2年生に対する接種費用の公的負担については,県内1市が実施予定であるものの,全国共通の課題であることから,県単独の制度の創設までは考えておりませんが,今後とも,国の動向を注視してまいりたいと存じます。 次に,歯と口の健康についてでありますが,令和元年度の1人平均の虫歯の数は,3歳児が0.43本,12歳児が0.62本で,ここ10年間で半減している一方で,10本以上虫歯がある3歳児は0.63%となっております。 また,令和2年度のフッ化物洗口の実施状況は,幼稚園等で20施設,小学校で8施設,中学校で1施設であります。 フッ化物洗口は,実施方法も簡単で,長期の虫歯予防効果が期待できると考えており,引き続き虫歯予防への取組を進めてまいりたいと存じます。 次に,健康診断等についてでありますが,令和元年国民生活基礎調査では,県内の20代,30代の健康診断等の受診率は71.8%で,全国平均より高い状況であります。 40歳未満の方に健康診断等を行うことは,生活習慣病を予防する上で重要であることから,地域保健と職域保健の関係者による協議会の開催や,幅広い関係機関,団体が連携して健康づくりに取り組むことを目的とした健康おかやま21推進会議を通じて,県民自らが健康に関心を持ち,予防の重要性を認識できるよう働きかけてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 まず,新型コロナワクチンのうち,学校での集団接種についてでありますが,学校を会場として,その学校に所属する生徒に接種を行う形態の
学校集団接種は,市町村立学校については把握しておらず,県立学校については県教委として実施する予定はありません。 また,
ワクチン接種に関する相談が学校にあった場合には,生徒及び保護者が主体的に接種について判断できるよう,ワクチンの効果や副反応などの質問に対応できる市町村の相談窓口を紹介するなどの対応を行ってまいります。 次に,
子宮頸がんワクチンのうち,学校での情報提供等についてでありますが,病気に対する正しい知識を習得することは大切であることから,子宮頸がん予防等については,がん教育や性に関する指導の一環として指導するとともに,県が作成したリーフレットを各市町村や学校に配布し,子宮頸がん予防に関する情報を提供しております。 保護者等から
ワクチン接種に関する相談が学校にあった場合には,生徒及び保護者が,主体的に接種について判断できるよう,ワクチンの効果や副反応などの質問に対応できる県や市町村の相談窓口を紹介するとともに,接種後の相談については,県教委にも窓口を設置し,対応しているところであります。 次に,教員の指導力向上についてでありますが,学校における健康に関する指導では,生徒が適切な意思決定や行動選択を行い,積極的に健康な生活を実践することのできる資質,能力の育成が大切であるとされております。 お話しのとおり,社会的変化に対応した新しい情報に基づく指導が重要であることから,県教委としては,保健主事や保健体育担当者向けの研修講座や,養護教諭や管理職を対象とした健康課題別研修会等の実施,通知やリーフレットの配布による情報提供など,様々な機会を通じて,国の動向を踏まえた最新情報等を提供することで,教職員の知識の習得や指導力の向上に取り組んでおります。 今後も,社会の変化に伴う新たな健康課題に対応できるよう,教職員の指導力向上に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 13番。 〔 13番 河野慶治君 登壇 〕
◆13番(河野慶治君) ありがとうございました。 健康診断の率は,非常に全国的にも高いほうだということなんですが,部長も御存じでしょうけれど,健康診断率が高まったからといっても,将来的に病気になるリスクはあまり軽減できないという研究データも出ていて,日常的にやっぱり自分の健康を守っていくという意識づけが大事なんだろうなと思います。 特に,健康診断は,会社が受けろと言うから行くような格好で,何日か前からちょっと気をつけて,節制をして,行って,何か乗り切って,さあ食べるぞ,飲むぞみたいな,こういうのは,日常的にもっと個人のリスクと,将来的なリスクと今の楽しみとかそういったもののバランスを取れるような,そういったやっぱり予防保健というのは大事だろうなというように思います。 その中でも,ちょっと前の質問になるんですけれども,歯と口の健康,口腔ケアというのは,やっぱり常に皆さんの状態にいろんな影響を及ぼしますから,痛くなったから虫歯,虫歯になったから歯医者さんに行くのではなくて,定期的なメンテナンスを20代からずっとやっていって,それで虫歯予防であるとか,虫歯のメカニズムをしっかり知って要望していく,フッ素も使っていく。 あと,今度は,歯周病になっていくリスクが高まっていきますから,それの将来のリスクをちゃんと勉強できる。そういったことが,歯医者さんを通していけば,しやすくなりますし,何か痛くなる前に,これは予防できるんだというのは,またこれが動機づけになってくる可能性も高いですから,そういったところにしっかりと力を入れていただきたいと思いますが,その辺について,ちょっともう一回御答弁をお願いします。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) 再質問にお答えいたします。 特に,歯科も含めて,非常に予防が大事なのではないかということだというふうに思いますけれども,議員の御指摘のとおりだというふうに思っております。 やはり,健康診断,会社でやる健康診断のみならず,ふだんから気をつけるということも非常に大事で,最近では,例えば民間が健康アプリを作っていたり,あるいは健康経営みたいな形で,会社を表彰するような制度も出てきていますので,そのとき,1年に1回気をつければいいということではなくて,継続的に意識づけを会社でもやっていただくし,本人もそういったアプリ等を使いながらやっていく,そんなことをやっていく必要があるんだろうというふうに思います。 また,特に歯のことで申し上げますと,最近,口腔ケアをきちっとすると要介護にもなりにくくなるというふうなことも,データとして大分出始めてきていますので,やはり議員最初の御指摘のとおり,若い頃に虫歯の予防することが,将来的な要介護の予防にもつながっていくということで,非常に長い目で影響があるところかなというふうに思っています。そういう観点からも,歯も含めた様々な予防施策について,引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
○議長(神宝謙一君) 13番。 〔 13番 河野慶治君 登壇 〕
◆13番(河野慶治君) 部長,ありがとうございました。 教育長に再度お尋ねしますけれども,今,学校で,様々な
新型コロナウイルスをはじめとして,現在進行形で世界的な問題になっているものに対すること,あと
子宮頸がんワクチンとか,また数年前からいろいろ話題になっていて,最近,国も力を入れ出してきた,それを学校で情報をどう取り扱うかというところと,フッ化物洗口みたいな,本当にリスクはほとんどないのに,なかなか進んでいないところがあるというのが,こういった小中学校,高校等で,自らの健康のメカニズムと,それに対する予防をしっかり指導していくこと,これは,ワクチンを打てとかという話ではなくて,ワクチンのリスクも踏まえて,やっぱり将来的なリスクや今のリスクを自分たちで,家族で,どうバランスを取っていくのかということこそが,この保健教育だというふうに思うんですね。 それをやっぱりいろんな機会を通して,この貴重な機会を通してやっていくことが,またこれは20歳~40歳までの空白期間に対する意識づけにもつながっていくと思います。 そのときに,ちょっと厳しいことを言いますが,教員がこういったことに対して否定的であって,学校でそういったことをやらせないとか反対するといったことが,多少起きているというのは聞いたことがありますが,そういった保健主事等だけではなくて,教員全体が,この理解を促進していかなければ,学校による集団的なこういったことは進んでいかないと思いますが,その辺について教育長のお考えをお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 教育長。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 再質問にお答えいたします。 学校全体で,しっかり意識を高める必要があるのではないかという御指摘かと存じます。 御指摘のとおりでありまして,特に,校長を集めて,先ほども答弁で申し上げましたけれども,健康課題別の研修をやるということの意味は,校長一人が分かるという意味ではなくて,学校の教員にしっかり共通理解を図る。それは,最新情報を基に,年々この情報も変わってくるものもございますので,そういったものをしっかり情報提供して,教員研修の場がございますので,そういったところでも情報を広めて,担当者だけではなくて,共通理解を図りながら,子供たちに正しい情報を与えると。そして,効果とリスクという面,両方しっかり伝えていくことで,判断を促す,先ほど申しましたけれども,子供たち自身にしっかりと判断ができるように育てていくことが,この健康教育の上で非常に重要だと思っておりますので,引き続きそのあたり,管理者も含めて,学校全体への指導というのを行ってまいりたいと思っております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 13番。 〔 13番 河野慶治君 登壇 〕
◆13番(河野慶治君) ありがとうございます。 子供が正しい情報という前に,まず教員が正しい情報を持つ,偏った情報によらない,これが非常に重要だと思います。もう少し力を入れてやっていくんだというような御答弁をいただきたいんですけれども,よろしくお願いします。
○議長(神宝謙一君) 教育長。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 再質問にお答えいたします。 先ほども申し上げましたけれども,やはり子供の命を守るということが,我々の仕事の一番中心だと思いますので,それについて,正しい情報をしっかり教員のほうへも指導してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 13番。 〔 13番 河野慶治君 登壇 〕
◆13番(河野慶治君) 部長,最近,こういうスマートウオッチで,外国では血糖値がそのまま出たりとか,食後の血糖値状態とかが見えたりとか,こういったことが気軽にできるというのは,本当にアプリの利用とかを含めて,進んでいけばなということを思っていますので,国のほうにもしっかり言っていただければと思います。ありがとうございました。 それでは最後に,病気の予防や健康増進を推進していく際には,高リスク戦略と集団戦略が重要となります。 ある病気に対する危険因子を持つ集団のうちで,特に危険度が高い集団に対して,その危険を軽減させる方法を高リスク戦略と呼び,集団全体の危険度を全体的に下げていく方法を集団戦略と呼びます。 例えば社会全体で脳卒中や心筋梗塞の発症リスクを下げようとした場合,危険因子となる血圧に対して降圧薬等を処方するのが高リスク戦略で,減塩,禁煙,運動習慣等の指導を行うのが集団戦略です。 県の保健行政は,まさに政策的な集団戦略であるわけですけれども,集団戦略へ働きかけていく場合は,個々の考え等によって強く反対されてしまい,安全性や有効性が認められていても積極的な政策を打ち出せず,主として,広報啓発や保健指導に頼らざるを得なくなっていることが多々あるのではないでしょうか。 広報啓発や保健指導の強化による集団戦略については,一定の効果はあるものの,経済格差や健康意識の格差など,できる人はでき,できない人はできないままという健康格差を拡大させることも指摘されており,家庭等の影響も大きく受ける子供たちへの戦略は,特に重要なものであります。 これらのことを踏まえた上で,社会全体の健康リスクや危険リスクを避けていくこと,また格差社会等の社会的課題への対策として,戦略的な予防保健の推進を行っていく際には,知事の政治的な強いリーダーシップが必要となると考えています。 また,コロナ禍により,デジタル化が進んでおり,県行政もデジタル化に取り組んでいます。デジタル化のメリットを生かした戦略的な予防保健の推進としても,いただきたいと思いますが,併せて知事の御所見をお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 自由民主党の河野議員の質問にお答えいたします。 戦略的な予防の推進についての御質問でありますが,病気の予防や健康増進については,県政の重要課題として位置づけ,子宮頸がん予防の正しい知識の普及やたばこ対策,フッ化物洗口など,国内外で健康リスクを下げるエビデンスがあるとされる対策について,これまでも強い思いを持って積極的に取り組んできたところであります。 また,ビッグデータを分析し,ターゲットを絞った効果的な事業の実施に取り組むなど,デジタル化のメリットを生かした保健事業を推進してまいりたいと存じます。 今後とも,全ての県民が健康で生きる喜びを感じられ,明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現を目指し,全力で取り組んでまいりたいと存じます。 ぜひ,この再質問を受けたかったわけでありますけれども,多分,あと4秒なさそうだということで,これが子宮頸がんの再質問であっても,歯のことについても,いろいろ言いたいことが,私も,そのパンフレットがちらっと見えて,大変楽しみにしておりましたけれども,これについて,本当に副反応,他に症状が出ている方,その症状に苦しんでいらっしゃる方が今でもいらっしゃるんです。 そういった方,これがワクチンと関係しているかどうかは別として,きちんとした医療が受けられなければいけませんし,いろんな因果関係を考えてみると,ほぼ認められないということがコンセンサスになっているときに,ここまで広く接種が抑えられてしまっているというのは,本当に残念なことであります。 接種を受ける機会がなかったことで,子宮頸がんを発症して,子宮を取り除かなければいけなかった人も現に出ています。この前も,テレビで報道されていましたけれども,強くそういったことに警告を発した一部の新聞も,さすがに今論調を変えてきていまして,何で日本は
ワクチン接種率がこんなに低いんだみたいな記事が書いてありまして,誰がこんなことを言うんだ,というふうに思ったりもするわけでありますけれども,それは,本当に日本でも随分流れが変わってきています。 ぜひ,これはいいワクチンですから,広くお伝えして,守れる命は守る,避けられる病気,これは100%避けられるわけではないんですけれども,かなりの率で避けられますので,ぜひ
ワクチン接種へ進めていきたいと,このように思っております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 以上で河野君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 6番福田司君。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 皆さん,こんにちは。
自由民主党岡山県議団の福田司でございます。 医療従事者の皆様,そして執行部の皆様,未曽有の状況に,昼夜を問わず日々御尽力をいただき,感謝を申し上げます。 また,緊急事態宣言の下,行動自粛に御協力いただいた県民の皆様にも感謝を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の拡大,蔓延の長期化により,日本各地で医療崩壊の懸念と同時に,現場の医療従事者の疲弊が高まっております。 これらを打開するためには,国民一人一人に自身が感染しないという意識を高めていただくこと,そして最前線で働かれる方々へのエール,この2点が必要であります。 最前線で働く方々への最大のエールは,「皆さんが感染しないこと」だと思っております。県民の皆様には,一人一人が今できること,最大のエールを送れるよう,県の様々なお願い事に引き続き御協力いただきますようお願いを申し上げ,質問を始めさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症拡大の第4波の脅威は,県民に大きく振りかかりました。5月,緊急事態宣言が発令された直後から,私は,宿泊療養施設に看護職として勤務に入り,医療の逼迫状況の深刻さを目の当たりにしました。現状は,まさに戦場のような状況でした。 今後,予想される感染の波に備えるためにも,第4波の状況から課題を整理し,対策を講じておかなければなりません。 この第4波で起きた医療の逼迫について,なかなか皆様にはイメージがつきにくいことだと思います。 東京や大阪の状況と同じことが,岡山でも起きていましたが,県民との情報共有や統一認識が持てず,情報さえあれば,もっと医療連携できたのではないかと思うこともありました。もっと情報があれば,早い段階から,県民の皆様に御協力いただけ,感染の急拡大を抑制できたのではないか,様々な課題を感じました。 本日は,コロナウイルスに一番近い場所にいた私から,宿泊療養施設の現状を中心に,医療の実情を議会の場でお伝えした上で,岡山県における
新型コロナウイルス感染症対策についての質問をさせていただきます。 緊急事態宣言が発令されるに至る頃,岡山県内の病床使用率は84.5%,重症病床使用率は76.7%でした。1日の感染者数は180人を超え,自宅療養者は800人を超えていました。 軽症者宿泊療養施設も,2棟404室で運用されていました。そのうちの1棟であるアパホテルでは,180人前後の感染者が療養をされていました。毎日30人ほどが自宅に戻られ,約30人が新規感染者として入所されていました。 本来,無症状者や軽症者の隔離療養機能の宿泊療養施設でありますが,中等症以上の方が多く入所されていました。 医師のサポートも必要となるため,オンライン診療が行われ,投薬も行われます。入所された時点から,血中酸素飽和度が低く,中等症Ⅱと判断される酸素投与の必要性がある方も多く,病状の悪化に伴い,入院措置となる方が1日多いときで9人に及ぶ日もありました。 病床が逼迫しているため,軽症例が中等症からさらに重症となり,ぎりぎりの状態まで宿泊療養で頑張っていただくといった綱渡りのような状況で,夜間に病院へ搬送といった事例が続いていました。 看護師は,入所者数の増加に応じて増員し,日勤6名,夜勤3名,時差勤務体制で対応に当たりました。看護師1名が,おおむね50人以上担当しておりました。この議員の皆様を私一人が受け持つような状況でございました。 電話での聞き取りを中心に,健康観察などを行いますが,入所者への病状への対応は,極めて煩雑な状況でした。 9時から21時の12時間勤務のうち,辛うじて昼食は口に入れられますが,夕食を取る時間もなく,さらに時間外勤務を行い,夜間にも状態が悪化した方の救急搬送に同乗するといったかなり負荷のかかった勤務状況ではありましたが,今回,この波をどうにか乗り切ることができました。 医療機関は,重症化した患者を昼夜問わず受け入れ,懸命に医療を続けています。重症者が回復して重症ベッドが空くのが理想ですが,変異株の性質もあり,重症者の治療は難渋していて,回復してベッドが空くことがあまり期待できない状況,患者が死亡すればベッドが空き,新たな重症者を受け入れるといった残酷な現実もありました。 医療機関も,かなり負荷がかかった状況が,今でも継続しているとお聞きしております。 宿泊療養施設に入所された方の中には,
新型コロナウイルス感染症に罹患した恐怖と不安,発熱やせき,呼吸困難感など,想像以上の苦痛から,パニックになり,泣き崩れ,取り乱される,ホテル療養の環境にストレスを感じ,心の葛藤が暴言やクレームとなるケースもありました。 また,高齢者は,認知機能に問題があれば宿泊療養は困難です。実際,認知機能に大きな問題はないと判断されて入所された方でも,トイレの使い方,電気の使い方が理解できない,カードキーを持たずに出て,部屋が分からず廊下にうずくまっている,自分の食事の受け取りができずに,食べずに過ごしていた,薬の服用ができなくなる,健康観察等の看護師からの電話での聞き取りに応じられないなど,様々な療養上の問題が起こりました。 防護服を着て,汚染区域「レッドゾーン」に入り,直接応対する回数も増え,看護師の負担が急増している状況でした。 以上が宿泊療養の現状の一部ですが,第4波で起こった状況を踏まえ,第5波の備えについて,幾つか質問をさせていただきます。 まず,今後の対策についてお伺いいたします。 岡山県での第4波の医療提供体制は,綱渡りの状況でした。保健所機能も逼迫し,感染が判明してから半日以上待っても何も連絡が来ない,自宅療養中に体調が変化しても,体調が悪化しても保健所に電話がつながらないなどの状況も発生し,命の危機を感じた方も多くおられます。 ぎりぎりの状態で,自宅や宿泊療養施設から死者が出なかったことが奇跡のように私は感じています。 このたびは,国から緊急事態宣言が発令され,県内の飲食店等に酒類の提供の自粛や休業の要請を行うこととなりましたが,県民の皆様の御協力でこの感染の波を乗り切ることができました。 デルタ株の感染性は,アルファ株より高い可能性が示唆されています。通常受けられるはずの医療が受けられない,入院が間に合わなくなり命の選別をせざるを得ない状況は,避けなければなりません。 感染力がさらに強いとされるウイルス株の感染拡大スピードに対応するには,第4波の状況をさらに補完できる体制を取る,効率化を図り,組織体制を強化していくことが必要と考えます。 保健所機能の強化,医療体制の強化,県民への働きかけなど,今後の感染症対策について,知事に御所見をお伺いいたします。 次に,宿泊療養施設の運営についてお伺いいたします。 現在,2施設で運用している宿泊療養施設ですが,事務的管理をする行政職員も入れ替わりの勤務で,交代のたびにオリエンテーションが必要となります。看護師も同様で,入所者が増えると急を要する対応に追われるため,オリエンテーションもされないまま業務に入らざるを得ず,様々なところで不具合も生じてきています。 看護師は,現在,30名ほどの職員が交代勤務に入っており,これは,保健医療機関の病棟看護体制の1単位として取り扱われる人数で,統括する管理者が必要な状態でもあります。 日々の業務課題の解決も,その場しのぎの解決になっていることもあります。 療養施設運用も長期化し,今後も,継続して運用されることが明らかであるため,労働時間管理のみならず,職員のメンタルヘルスをはじめとする健康管理,物資の調整など,業務の効率化を図る統括管理できる人材を確保し,職場環境の整備を図ることが必要と感じます。 県は,現在,宿泊療養施設の管理運営業務の委託に係る技術提案の公募を行っています。 宿泊療養施設の運営や管理上の問題点などについて,どのように認識されていますか。今後の見通しや委託による改善の見込みも含め,
保健福祉部長にお伺いいたします。 続いて,一時療養待機所についてお伺いいたします。 夜間に,入院調整が困難な急変患者を受け入れる
新型コロナウイルス感染症療養者一時療養待機所が,岡山県精神科医療センターの敷地内に設置され,5月19日から6月1日まで運用されました。 宿泊療養施設や自宅療養の感染者が急変し,救急搬送されるケースの増加に伴い,夜間の受入れ医療機関や救急搬送の負担を軽減し,緊急性の高い入院を優先するために運用されました。 病床は,5床,酸素投与や生体情報のモニタリング機器が設置され,医師,看護師,県職員が配置されました。短期間での設営であり,人員確保には大変苦慮したとお聞きしております。 宿泊療養施設に勤務している看護師も,数名,やむを得ず兼務をする状況でありました。 15例の入所実績がありましたが,どのような有用性や課題が見えてきているのでしょうか。応急的な設置ではありますが,待機所の有用性などが検証され,今後の医療体制の整備や強化に向けて,計画に盛り込まれる事業と考えますが,一時療養待機所の評価と今後の見通しについて,
保健福祉部長にお伺いいたします。 続いて,医療従事者危険手当補助金の対象拡充についてお伺いいたします。 自宅療養されている方の中には,訪問看護サービスを受けている方もおられます。岡山市内においては,訪問看護利用者が自宅療養となった事例があり,訪問看護事業所が,主治医の訪問看護指示に基づいて,訪問を継続して提供いたしました。 感染防止策を取りながら,訪問サービスを続けることは,事業所や職員の負担の増加につながっています。
新型コロナウイルス感染症患者受入れ医療機関には,現在,身体に直接接触する業務を行う医療従事者に対し,業務の危険性に対して支給した危険手当に対し,補助率10分の10,従事者1人当たり1日につき4,000円を上限とした補助を行っています。 現在,訪問看護での感染症対応に対して,加算算定要件の緩和など,特例報酬等で臨時的対応がなされています。 しかしながら,在宅分野での感染症対応は,医療機関に比べ困難を要し,高リスクのため,訪問した看護師個人への危険手当の支給も必要ではないかと考えます。 訪問看護ステーションを「岡山県
新型コロナウイルス感染症に係る医療従事者危険手当補助金」の交付対象とすることはできないでしょうか。 訪問看護に関しても,医師の指示で直接感染者に対応する業務であり,感染が急拡大した場合に,自宅療養者へ対応するケースは,今後も想定されるため,
新型コロナウイルス感染症対応を行う医療機関同様の取扱いを行うべきであると考えますが,
保健福祉部長の御所見をお聞かせください。 この項最後に,看護人材の活用についての質問です。 厳しい労働環境で疲弊する看護師がいる一方,余力のある看護師もいます。このたびの
ワクチン接種でも,ダブルワークが許されており,休日など空いた時間で応援に入れる看護師の申出が多くあります。 その反面,職域接種では,企業が,医師,看護師を確保することとなっていますが,人材確保に苦慮されている実情があります。 現状では,県内の看護師を把握し,取りまとめる仕組みはありません。医療機関に依頼があり,応援に入るケースもあれば,看護師が個人的に声をかけられ,応援に入るケースもあり,手が空いているのにもかかわらず,声がかからず持て余している看護師もいます。 せっかくの人材活用が十分できていない現状です。コロナ対応における看護人材の有効な活用について,現状認識や課題も含め,
保健福祉部長にお伺いいたします。 以上5項目が,
新型コロナウイルス感染症対策についての質問でした。 続いて,生理の貧困対策についてお伺いいたします。 2019年国民生活基礎調査によると,日本の17歳以下の子供の貧困率は,7人に1人であり,経済的理由などで生理用品を入手することができない状態,いわゆる「生理の貧困」が問題視されています。 このコロナ禍でアルバイトができず,経済的に困窮する学生や非正規雇用が多いシングルマザー世帯では,食費の確保に精いっぱいで,生理用品を買うのに苦労し,節約のためトイレットペーパーやキッチンペーパーなどの代用品を使用する,不衛生な状態で生理用品を使い続けているといった現状が明らかとなっています。 生理用品の誤った使用で,細菌感染による非特異性膣炎などの健康問題を引き起こします。 また,月経に伴う症状に対して薬が欠かせない方にとっては,薬代の確保も難しく,症状が強く,就業にも影響が出るといった負の循環に陥っているケースもあり,状況はかなり深刻であると認識しています。 また,生理をタブー視されることや十分な性教育を受けられない環境で,生理用品に適切にアクセスできていないことも,様々なアンケート調査で明らかになっています。 経済的理由だけでなく,女性の社会進出の観点からも,解決すべき課題です。このような現状に,全国でも,生理の貧困に対し,取り組む自治体が増えてきているところです。 内閣府男女共同参画局の調査によると,生理の貧困に係る地方公共団体の取組は,5月19日時点で,255団体あり,岡山県内でも,現在,岡山市,倉敷市,総社市,瀬戸内市など8市町が,防災備蓄等から調達し,無償配布を行っています。 生理用品は,生活必需品です。自宅での介護で使用する紙おむつも生活必需品ですが,こちらは介護保険事業で補助する市町村があり,場合によっては医療費控除の対象ともなります。 県として,生理の貧困問題に対してどのような認識を持ち,対策についてどのようなお考えをお持ちなのか。男女共同参画の視点及び生活困窮者対策の視点の両面から,知事の御所見をお伺いいたします。 最後に,渋滞対策についてお伺いいたします。 慢性的な交通渋滞が起こる道路の一つ,国道53号線岡山市北区首部地区から津島交差点,その周辺道路の渋滞緩和対策についてお伺いいたします。 国道53号線は,県北から市街地へ,また山陽自動車道岡山インターチェンジから市街中心部へのアクセス道路でありますが,岡山市北区津島周辺の道路は,周辺市町より通勤等の車両が集中し,慢性的な渋滞を引き起こしています。 県北からや高速道路でスムーズに岡山市内に入っても,津島での渋滞でかなり時間を取られ,いらいらしながら運転したという経験を,この議場の皆さんもされたことがあると思います。 県警察におかれましては,道路管理者等とも連携しながら,計画的に信号機の調整や交差点の改良など重ねてきておられると思いますが,渋滞対策の効果は出ているのでしょうか。 渋滞緩和対策の現状や今後の取組について,
警察本部長にお伺いいたします。 質問は以上であります。前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 自由民主党の福田議員の質問にお答えいたします。 まず,
新型コロナウイルス感染症についての御質問であります。 今後の対策についてでありますが,県民の皆様一人一人に感染防止策を徹底していただくことが重要と考えており,5つの岡山ルールとマスクコードの徹底や,飲食店を対象とした第三者認証制度の導入を進めてまいりたいと考えております。 また,さらなる病床の確保に努めるなど,安全・安心に療養できる環境整備を進めるほか,感染状況に応じ,保健所等の体制充実を図るとともに,感染拡大の兆候が見られた場合には,ちゅうちょなく厳しい要請を行うなど,感染再拡大の防止に万全を期してまいりたいと存じます。 次に,生理の貧困についての御質問でありますが,この問題には,経済的な理由だけではなく,DVや虐待など生理用品の入手が困難な家庭環境や性問題,健康に関する知識の不足など,様々な事情がその背景に存在しており,女性の健康や社会生活に関わる重要な課題と認識しております。 こうした女性の抱える様々な課題やその背景に目を向け,丁寧に向き合いながら,幅広い視点で解決していくことが大切であり,市町村等と連携しながら,生活相談や就労支援をはじめ,一人一人に寄り添ったきめ細かい支援に努めることにより,男女がともに安心して生活し,活躍できる環境づくりに取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長西嶋康浩君。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症についての御質問であります。 まず,宿泊療養施設についてでありますが,入所者の急増に伴い,御指摘の交代時の引継ぎや感染防止管理,物資調達など,施設で勤務する看護師やスタッフ等から様々な不安や問題点を聞いておりますが,その都度,改善に努めてきたところであります。 今後,宿泊療養施設の外部委託により,全体マネジメント担当や専従スタッフの固定配置によるノウハウの蓄積や,民間のネットワークを生かしたサービスの向上などのメリットを見込んでおり,決定した受託者との連携を密にしながら,さらなる充実を図ってまいりたいと存じます。 次に,一時療養待機所についてでありますが,重篤化しやすいアルファ株による感染が急拡大し,夜間の救急搬送が急増したことなどから,急遽開設を決めましたが,県内の医療機関等に御協力をいただき,何とか必要な医療従事者等を確保したところであります。 一時療養待機所の開設により,夜間における受入れ医療機関や救急搬送の負担軽減が図られ,緊急性の高い入院を優先することができたものと考えており,今後の感染再拡大に備え,遅滞なく稼働できるよう,事前の人材確保に努めるとともに,必要な医療用資器材や各種マニュアルの整備を進めてまいりたいと存じます。 次に,医療従事者危険手当補助金の対象拡充についてでありますが,入院医療機関においては,長期にわたり患者と接することから,危険手当に対する補助を行っているものであります。 これまで自宅療養者に対して,訪問看護ステーションを活用した事例は少ないことから,直ちに対象を広げることは考えておりませんが,今後の自宅療養者に対する活用状況により検討してまいりたいと存じます。 最後に,看護人材の活用についてでありますが,
新型コロナウイルス感染症対応においては,入院医療機関はもとより,宿泊療養施設や一時療養待機所など,感染者の急増に伴い,非常に多くの看護師を短期間で確保する必要が生じましたが,県看護協会や医療機関等の御協力により,何とか必要な数を確保したところであります。 県内の看護師の所属や勤務実態は様々であり,統一的に把握することは困難な状況でありますが,今後の感染再拡大に備え,県ナースセンターや民間派遣会社を活用しながら,さらなる確保に努め,効果的な人材活用の手法について検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君)
警察本部長扇澤昭宏君。 〔
警察本部長 扇澤昭宏君 登壇 〕
◎
警察本部長(扇澤昭宏君) お答えいたします。 国道53号などの渋滞対策についてであります。 お話しのとおり,国道53号線の津島付近では,主に通勤通学時間帯に交通渋滞が発生していますが,平成29年以降,道路管理者と連携して,津島京町交差点及び岡大入り口交差点における車線の増設に伴う信号現示秒数の見直し,津島交差点における隣接交差点の新設及び車線の延伸に伴う信号機の一部移設や現示秒数の見直しなどの対策を行っております。 その結果,首部地区から清心町地区までの約4キロメートル区間における朝のピーク時の平均通過時間は,平成29年と令和2年との比較で最大約10%短縮するなど,渋滞が緩和しており,対策の効果が現れております。 こうした対策に加え,お話しのエリア内の通過時間の短縮を図るために,県警察では,交通管制センターにおいて信号機を集中的に連動制御するとともに,車両感知器や交通の流れを把握する交通監視カメラなどの活用による交通量の実態に即した信号制御を行うなどの対策を行っております。 さらに,交通情報板VICSなどによるタイムリーな交通情報の提供や,道路管理者などと連携した公共交通機関の利用や,時差出勤の呼びかけなどによる交通総量抑制対策も併せて進めております。 今後も,道路管理者及び関係機関,団体との連携を深め,より効果的な交通渋滞対策を推進してまいります。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 感染の波が落ち着いた岡山県ですけれども,もう既にデルタ株のクラスターが隣の兵庫県で発生したと今朝も報道されていました。待ったなしの状況ですので,とにかく整えるところは早急に,手厚くできるところは積極的に強化,拡充をお願いいたします。 特に,宿泊療養施設は,隔離療養の要となる施設です。感染急拡大に体制が追いつかない部分もあったかとは思いますけれども,体制強化に努め,感染者の急増にも対応できる効果的な運用に努めていただくよう,お願いいたします。 今後,厳しい状況が,どんなふうなのか,本当に想像し切れませんけれども,オール岡山で取り組む姿勢がとても重要です。県民の行動変容につながる情報提供については,より一層の工夫をお願いしたいと思います。 そして,有事のときこそ,多方面と情報共有を図り,知恵を出し合うことが必要です。情報をいただくと,協力できる部分も広がっていきますので,我々議員にももっと情報をいただけたらと思います。 また,有事に際しては,人材の確保がキーとなります。今回の第4波では,医療機関の一部の看護師に負担がかかっていることが明らかになってきております。大勢の職員を抱えている医療機関は,
ワクチン接種にも御尽力をいただいております。 しかしながら,そこで働く看護職の中には,通常業務以外に,
ワクチン接種の担い手として,職場からの依頼で,自分自身の休みを使って応援に入っている現状もあります。職場での勤務上,労働時間に問題はないのかもしれませんが,個人の労働時間で捉えると,休みなく働いている状況も発生しております。
ワクチン接種終了のめどがつくこの一定期間だけ,頑張ればいいことかもしれませんけれども,疲弊も重なり,これ以上の協力は難しいと退職をした看護師の話をつい先日聞いたばかりです。 この現状から考えると,一部に偏って負荷がかかっていることは間違いなく,少しでも分散できる方法も考えていかなければなりません。 県だからこそ,状況を俯瞰的に見えると考えますので,県全体の有効な人材活用について,関係団体とも協議を重ねていただくようお願いいたします。 そして,生理の貧困対策についてですが,様々な背景を持つ課題であります。子供や学生のみならず,働く女性の健康をサポートし,就業を支えるという雇用の観点でも,取り組んでいただけるという御答弁だったと思います。多岐にわたった観点から,この課題に取り組んでいただければありがたいと思っております。 最後に,渋滞対策ですが,渋滞回避のため,住民の生活道路を多くの車両が迂回される現象は,どこでも起こっていると思います。この津島周辺の通学路への影響なども,県警察は考慮してくださっていることと思います。地域住民の生活に配慮した対策を,今後も,継続してお願いしたいと思います。 また,この地域の53号線の渋滞は,岡山空港の利用促進にも影響するものです。岡山駅発着の空港リムジンバスや観光バスなどが,渋滞に巻き込まれているのを時々見かけます。 空港へのアクセス時間や岡山インターチェンジの利用など,企業活動や観光産業などにも影響を及ぼしていると考えておりますので,渋滞緩和に向けて,引き続きの取組をお願いいたします。 以上を要望させていただき,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(神宝謙一君) 以上で福田君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 42番山田総一郎君。42番。 答弁者は,控席へ移動願います。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 皆さん,こんにちは。公明党岡山県議団の山田総一郎でございます。 それでは,通告に従って質問させていただきます。 初めに,
新型コロナウイルス感染症対策について伺いたいと思います。 今回のパンデミックでは,全世界で大変な被害が広がっており,日本国内,岡山県内でも様々な形で甚大な被害が出ております。 そのような中,このコロナ感染症と最前線で日々闘っておられる医療関係者の皆様をはじめとする現場の皆様に,感謝を申し上げるとともに,今頑張っておられる全ての県民の皆様にも,敬意を表し,エールを送りたいと思います。 連日の県議会でも,コロナ感染症対策が取り上げられており,重なることを避けることはできませんので,重複を恐れず質問させていただきますので御容赦ください。 まず,岡山県は,今週6月20日をもって,緊急事態宣言が解除されましたが,これまでも繰り返してきたリバウンド,いわゆる第5波が懸念されています。 先日の知事会でも,「みんなで第5波を回避しよう」という感染予防の徹底,都道府県をまたぐ移動の自粛,都道府県からの要請に対する協力を呼びかけるメッセージが発表されました。 この会議で,伊原木知事は,「国には,都道府県をまたいで移動せざるを得ない際の出発前のPCR自費検査に対する公費負担制度を創設するなど,必要な財源措置を講じてほしい」と発言されたと伺っております。 リバウンドを防ぐために必要なのであれば,一定の条件の下,まず県として取り組むべきと考えますが,知事のお考えをお聞かせください。 次に,
ワクチン接種の現状でありますが,日々状況は変化しておりますが,6月23日現在,65歳以上の高齢者の接種した割合では,岡山県は1回目が60.45%で全国第8位,2回目が25.58%で全国第8位であります。 岡山県下での進捗状況と,ワクチンの接種を進めていく上での課題があればお聞かせください。また,その課題をどのように克服するのかも,併せてお聞かせください。 次に,職域接種について伺います。 6月21日から,全国各地で職域接種が進んでおり,今週はニュース等でも頻繁に取り上げられ,話題になっております。 知事は,先日の我が党の代表質問で,職域での
ワクチン接種の有効性を認め,県として,説明会を開催することと,企業等からの相談に対して丁寧に対応していくとお答えいただいております。 県下の職域接種の現状について,
保健福祉部長からお聞かせください。 職域接種は,企業等の管理下で行われるため,自治体からの発行される接種券が必要ないので,機動的な対応が可能であります。 岡山県職員に対する職域接種については,どのように考えておられるのか,知事のお考えをお聞かせください。 関連して,東京オリンピックの開会まで,あと28日となりましたが,オリンピック・パラリンピックの業務で派遣される警察官に対するワクチンの先行接種については,現在,どのようになっているのか,
警察本部長に伺います。 今,私は,
ワクチン接種の推進について質問をさせていただいているわけですが,当然ワクチンを受けたくない方もおられますので,ワクチンを受けない自由も尊重されなくてはなりません。 一般の社会でも,同調圧力が気になるところでありますが,特に学校現場で,そのような圧力がいじめにつながってはいけないと思いますので,十分な対策をしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。教育長に伺います。 今年2月,大阪府高槻市で,体育の授業で,持久走でマスクを着用していたと思われる小学校5年生の児童が死亡した事件を受け,学校現場での対応が改めて注目されております。 学校現場での対応について,2月議会でも,私は教育長に質問しましたが,教育長からは,「マスクについては,国のマニュアルで活動の状況や児童生徒の様子なども踏まえ,臨機応変に対応することも記載されていることから,障害や持病等の理由によりマスクの常時着用が難しかったり,自分の意思を教師に伝えることが困難な児童生徒もいることから,教師が一人一人の様子を丁寧に把握するとともに,配慮が必要な児童生徒の状況をほかの生徒にも十分に説明し,いじめ等につながることがないよう,しっかりと対応してまいりたいと存じます」との御答弁をいただいております。 しかしながら,体育の時間などでマスクを外そうとしても,自ら苦しいと言い出すことができない雰囲気の中で,子供たちに選択肢があるとは言えない状況ではないでしょうか。 教育長は,対応すると言っておられますが,現場にマニュアルといったものがあるのでしょうか。お聞かせください。 また,学校現場におけるマスクの着用が困難な児童に対する配慮について,改めて教育長の御所見を伺いたいと思います。 我々のところには,様々な相談が来ており,その中に,これは保育園でありますが,マスクのできないお子様がいることから,保育園に通えなくなり,お母さんが仕事をやめざるを得なかった方がおられました。 このようなことがないように,各保育園には,園児のマスク着用について十分に配慮をお願いしたいのですが,
保健福祉部長の御所見を伺います。よろしくお願いします。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 公明党の山田議員の質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症対策についての御質問であります。 まず,PCR自費検査の公費負担についてでありますが,第4波は,感染性の高いアルファ株が関西圏から持ち込まれたことが大きな要因と考え,リバウンド防止強化期間においても,感染拡大地域との往来自粛を要請しておりますが,県外の方の来県を完全に阻止するのは困難であります。 このため,感染再拡大を防止するため,国が全国的な感染状況を踏まえ,制度設計をすべきと考え,国に対して,県境をまたぐ際の出発前PCR自費検査に対する公費負担制度の創設を提言したものであり,県独自の検査費用の助成等は考えていないところであります。 次に,
ワクチン接種のうち,進捗状況等についてでありますが,11市町村において,基礎疾患を持つ方等から,6月中に予約が開始される予定であり,その他の市町村においても,移行準備はおおむね順調に進んでいるものと考えております。 今後,接種対象者が増加することから,現在,職域接種や県及び市町村の集団接種での武田/モデルナ社製ワクチンの活用を国に申請している状況でありますが,県全体でのワクチンの総量を確保できるかどうかが当面の課題であると考えております。 また,今後の課題として,接種率の向上が想定されますが,引き続きワクチンの効果や副反応について積極的に広報し,県民の理解を一層深めることで,より多くの方に接種していただきたいと存じます。 次に,県職員の職域接種についてでありますが,接種を行う医師,看護師等の人員や接種会場の確保などの課題があることから,職域接種の実施は考えておりません。 現在,県職員のうち,コロナ業務に従事する保健師等は接種を終えており,また県営接種会場において,警察職員や教職員,県職員への接種を順次進めているところであります。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長西嶋康浩君。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 まず,
ワクチン接種のうち,職域接種の現状についてでありますが,昨日までに60の団体から申込みがなされております。 また,既に接種が始まっている団体もあり,そのほかの団体においても,準備が整い次第,順次接種が開始されていく予定であります。 次に,保育園での配慮についてでありますが,子供一人一人の体調や発達の状況を踏まえる必要があることから,国の通知で一律にマスクを着用することは求めていないところであります。 これまでも,保育園に対して周知してきたところではありますが,改めて個々の子供に応じた適切なマスク着用の対応がなされるよう,その取扱いについて周知してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君)
警察本部長扇澤昭宏君。 〔
警察本部長 扇澤昭宏君 登壇 〕
◎
警察本部長(扇澤昭宏君) お答えいたします。
ワクチン接種についてのうち,派遣警察官の状況についてであります。 岡山から東京オリンピック・パラリンピック警備に派遣される警察職員については,職員個人の意思を確認しつつ,県内及び東京都内において
ワクチン接種を進めております。 なお,接種人数などの詳細については,危機管理業務の体制に関わる事柄であるため,お答えを差し控えさせていただきます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 まず,
ワクチン接種のうち,学校現場のいじめ対策についてでありますが,いじめは決して許されないという認識の下,身体的な理由等によりワクチンを接種することができない人もいることなどを十分に理解させ,接種していない児童生徒に対して,からかいや仲間外れなどのいじめが起こることのないよう,指導を徹底してまいりたいと存じます。 また,家庭と連携を図りながら,担任だけでなく,養護教諭やスクールカウンセラーが,児童生徒の様子を注意深く観察するとともに,アンケートや面談等により状況をきめ細かく把握するなど,しっかりといじめ対策を講じてまいりたいと存じます。 次に,学校現場のマニュアルについてでありますが,マスクの着用については,国が定めたマニュアルを踏まえて対応するとともに,県教委からの通知により,その着用の考え方について,繰り返し周知を図っているところであります。 この通知では,体育の授業など身体に過度な負担がかかる場合や熱中症の危険が想定されるような状況では,当初から,身体的距離を十分に取り,マスクの着用は必要ないこととしております。 また,自らの判断ではマスクの着脱が困難な児童生徒には,教員が着脱についての明確な指示をするなど,適切な声かけをすることについても記載しており,この通知に基づいて,指導の徹底を図っているところであります。 次に,学校現場での配慮についてでありますが,マスクの着用が困難で配慮が必要な児童生徒がいる場合には,障害や疾病等の理由によりマスクの着用が難しい場合があることについて,教員が,他の児童生徒に丁寧に説明したり,児童生徒の様子などをしっかりと見守りながら,継続して指導するなどの配慮が必要と考えております。 相手の立場に立って考え,行動することが大切であることを児童生徒に指導していく中で,マスクをつけないことで,からかいや仲間外れなどのいじめにつながることがないよう,しっかりと指導してまいります。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 再質問をさせていただきます。 まず,PCR検査ですけれども,今,都道府県をまたぐときに拡散しないように必要だということで,国の制度設計をということで,県としては考えていないということですけれども,PCR検査の必要性というのは,ある自治体では,いつでも,どこでも,何度でもというのがあって,それに対する批判もありましたけれども,それだけでいいのか,あるいは県として取り組むべきことがあるのではないかというふうにも想像しますけれども,そこら辺はどうなのか。そういった場合,県としてする必要があるのではないかなと思います。 知事は,常々,この感染症対策に対しては全力で何でもやるというふうに言われておりますので,効果が期待できるようなことがあれば,するべきだと思っておりますが,いかがでしょうか。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 効果があれば何でもすると言っているではないかと,これはしないのかということだと思います。 とにかく,私とすれば,今,いろいろ状況が変化していく,新しいことがどんどん分かっていく中で,できる限り効果的なものを実施していきたいという思いは,常に変わらないわけでございます。 私が,全国知事会で提案をしたのは,全国としてのネットワークをつくるべきだということであります。ネットワークの一部でも効果がある場合もあれば,その一部だけでは非常に効果が限定的なものもあります。ぴったり一緒ではないんですけれども,少し似ているということで,水害から地域を守るために,堤防のかさ上げをしようというときに,みんなで50センチずつ上げようという,例えばあのあたりから河口に至る10キロを両岸でかさ上げをすると,ここから下流については,随分守られるということは,これは誰でも分かるわけですけれども,いや,それはちょっと全部でやるのは無理だということで,じゃあ,そしたらここから15メートルかさ上げをするということをして,どれぐらい役に立つのかというと,水はどちらか迂回して結局は入りますので,あんまり関係ない。 そこまで無意味ではありませんけれども,単県でやっても非常に効果が限定的になりますので,私とすれば,一番は国として,外国から入ってくるときの水際対策,これは本当に強力なわけですけれども,もしもある程度入ってしまったんだということであれば,あとは長距離移動をいかに漏れを小さくするかということだと思っています。 我々は,臨時交付金も残額が4億3,000万円になってしまいました。私は,いずれ国からこの増額があると信じていますけれども,この残額をいかに有効に活用するのか,そういうことを考えて決断をしていきたいと思います。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 交付金の残額4億3,000万円ということで,少なくなってきているわけですけれども,国の今後の対策も含めて,必要があれば,さらに検討を加えていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。 次に,進捗状況でありますけれども,先ほどの答弁の中で,ワクチンの確保が問題であるということがありました。 一昨日ぐらいから,ちょっと話題になっているのは,山形市で,1回目の接種を停止すると。それは,ワクチンの配布が順調に潤沢に来ていないということなんですけれども,岡山県で,今後,想定されているそういった課題というのは,ないのかどうかについてもちょっとお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) モデルナの出荷が,予定どおりいかないのではないかということで,話題になっていますけれども,ファイザーについても,7月以降,随分下がるのではないかということが言われております。 その山形市は,ファイザーワクチン,これが供給が減るということで,予約を中止したわけであります。 このファイザー社製ワクチンの供給量が減少することにおいて,それを理由として,県内の市町村において新規予約を停止するなどのお話は,我々はまだ把握していないところでございます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 順調に来るということでありますけれども,そうしますと,大体終わると思うんですけれども,65歳以上の方の進捗状況は改めてどうなのか。 それから,17歳から64歳までの今後の予定についても,影響がないのか,再度確認をさせてください。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 65歳以上,どんな調子だということでありますけれども,私は,順調に進んでいるという報告を聞いております。 国が求めているペース,我々の岡山県,それぞれの市町村は,おおむね守ることができると考えております。 それより下の年齢についてはどうなんだということについては,ワクチン,これはファイザーにしてもモデルナにしても,どれぐらいのスピードで入手できるのかということもございます。 ただ,ざくっと申し上げますと,岡山県の人口は190万人おりまして,
ワクチン接種の対象になっていない11歳までの人口が19万人で,ちょうど1割です。190から19引いて171と。この65歳以上の人口がざくっと57万人,56万6,000人ですけれども,57万人いらっしゃって,この57というのが,たまたまなんですけれども,3掛けると171ですので,その残りのうち3分の1が高齢者,3分の2がそれ以外ということになって,その3分の1にめどがついたということになっています。 ですから,その3分の1の高齢者にかかった期間の,単純に言えば倍かかるわけなんですけれども,高齢者のほうが,実際にはなかなか段取り等難しいところがございます。また,最初のうちは,そもそもワクチンが来なかったわけですので,これから,そこと比べれば,もう少しワクチンが潤沢に来ることが想定をされる。また,ファイザーだけじゃなくてモデルナもあるということを考えれば,あと職域接種のほうが効率がいいということもありますので,高齢者接種が終わった後は,比較的速いペースで進むのではないかと思っております。ただファイザーにしろモデルナにしろ,どれぐらいのペースで岡山県に来るのかが一番の懸念でございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 先ほどの知事の答弁に対する要望ですけれども,65歳以上が3分の1,64歳以下が3分の2ということなんですけれども,菅総理の言われていた100万人も,今月,3回か4回,もう達成しているということで,順調なんですけれども,各県でも,各国でもそうですけれども,ある程度進捗すると,率がだんだん鈍化していくという傾向がございます。 特に,若者にとっては,リスクを懸念する方がいますので,そういうことも心配されますので,広報活動をしっかりとやっていただきたいというふうに思いますので,よろしくお願いします。これは要望です。 先ほどの
保健福祉部長の答弁の中で,60団体から要望が上がっているということなんですけれども,団体数は分かりましたけれども,それのボリュームはどのくらいな人数になるのか。ちょっとそこを確認させてください。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) 再質問にお答えいたします。 職域接種でカバーできる人口は,どれぐらいかということだというふうに思います。 これは,今,各企業は申請を一旦されておりまして,この後,国が審査をされるというようなことなので,今の数字自体が,そのままモデルナで来るわけではございません。ですので,現時点で何人分ということについては,なかなか難しいところかなと思いますが,おおむね規模感で申し上げますと17,8万ということで申請ベースでいうと,人口の約1割弱ぐらいあるというようなことでございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) いろいろテロ対策とか,難しいということで,発表はできないということなんですが,ただ終わるのかどうかとか,どのくらい接種されているのか,そこら辺は,人数ではないので,ちょっとそこら辺の状況を分かる範囲で,言える範囲で教えてください。
○議長(神宝謙一君)
警察本部長。 〔
警察本部長 扇澤昭宏君 登壇 〕
◎
警察本部長(扇澤昭宏君) お答えいたします。 現時点で,どれぐらいの派遣職員に接種できているのかというお尋ねかと思いますが,現状では,全員には接種できておりませんが,引き続き可能な限り
ワクチン接種が進むように,自治体等関係機関との調整を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 前議会からも,この話をしてきたわけですけれども,国からの通知に従って,しっかりと指導徹底しているということで,いろんなソーシャルワーカーとかも活用しているということなんですが,僕は,現場の対応の中では,やっぱりマニュアルみたいなのが必要なのではないかと思いますね。国からの通知ということでありますといっても,現場で対応するためには,やはり1枚紙でもいいですから,分かりやすいマニュアルみたいなものを作って,現場の教員が,いつも持っていて,対応するということが,僕は必要なのではないかと思いますね。 こういうことを,これからでも結構ですので,ぜひしていただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。
○議長(神宝謙一君) 教育長。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 再質問にお答えいたします。 私の説明が十分でなかったかも分かりませんけれども,国のマニュアルは当然マニュアルとしてあります。それをしっかり踏まえた上で,県教委から通知という形で,今,1枚紙というお話もありましたけれども,もう少しあるんですけれども,こういう場合はこうします,こういうときにはこう対応することということを明確に示しております。 これは,マニュアルといえばマニュアルなのかなと思うんですけれども,マニュアルという名前ではございませんけれども,そのマスクの着用について,対応の指針を示したものがございまして,その中に,先ほど答弁でも申しましたけれども,体育の授業などはつける必要はないということを明確に書いてございますし,それから着脱がやはりなかなか自分の判断でできない子には,教員のほうから明確にそこのところは示すようにということも,伝えておりまして,これは1回のみならず,こういうことを何度も行っておりますので,徹底は,もう既にできておるというふうに思っております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移ります。 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 先ほどの質問の中での要望ですけれども,今,学校現場の話は承りました。もっとデリケートな幼稚園,保育園でのことも,非常に気になっていますので,多分同じ対応をされていると思うんですけれども,もう一度,さらに現場への徹底を図っていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。これは要望です。 次に,私立専門学校修学支援緊急補助金事業について伺います。 この事業は,家計の急変により修学が困難な生徒に授業料減免を実施する学校に対し,補助するもので,
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し,昨年度7月の補正で事業化されました。 県下には,対象となる専門学校は46校ありますが,十分に活用されておりませんでした。 これは,やはり事前の周知不足が原因ではないかというふうに思います。潜在的な需要はあるように思いますし,生徒の修学継続のためのリスク回避策としての事業の必要性を感じております。 この事業は,継続的に事業実施を検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 また,事業を実施する際は,周知不足を解消するために,当初予算に計上すべきと考えますが,いかがでしょうか。併せて伺います。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) お答えいたします。 私立専門学校修学支援緊急補助金事業についての御質問でありますが,
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中,国や自治体等で,収入が減少した世帯等に対する給付金や貸付金などの支援制度が創設されていることから,本事業の実施は考えていないところであります。 また,各種事業を実施する際には,当初予算,補正予算にかかわらず,関係者への周知等に努めているところであります。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 次に,心のケアの推進について伺います。 現代社会においては,近年,精神疾患で悩んでいる人が急増しており,国民のおよそ30人に1人が通院していると伺っております。 その上,「コロナ鬱」という言葉が生まれるほど,新型コロナの感染拡大に伴い,心の闇,病気を抱える人が増加しております。 しかし,そのことを自分自身では気づいていない方もかなりおられるそうであります。一方,メンタルヘルスの不調を自覚しても,感染リスクを避けるために,医療機関の受診を控える傾向も強まっております。 こういった状況の中,国立精神・神経医療研究センターは,メンタルヘルスの不調を抱えた人に対し,専用ウェブサイトによるセルフチェックで問題を見つけ出して,専門家による適切な相談や治療につなげられないか,実証研究を開始いたしました。 研究チームは,メンタルの不調を抱える人が,自身で気軽にチェックする入り口として,ウェブサイト「KOKOROBO」を開設いたしました。アクセスした人は,誰でもこのサイトで自分の心の状態のチェックを受けられます。 ココロボでは,まず最近1週間の「気持ちのつらさ」や「日常生活への支障」を10段階で自己評価でき,ページごとに「気分」,「不安」,「睡眠」の質問にチェックを入れるだけで,一定の評価をしてくれたり,受診を勧めてくれたりいたします。 また,メンタルサポートのためのアプリ利用も可能であり,アプリ上に書き込んだ内容に応じて,心の不調への対処の仕方が学べます。 私自身も,このサイトにアクセスしてセルフチェックをしてみました。 ぜひ,県の精神保健の業務の中で活用してはどうかと考えますが,いかがでしょうか。御所見をお聞かせください。 また,学校現場でも活用していただけたらと考えますが,いかがでしょうか。教育長の御所見を伺います。 次に,メンタルヘルス・ファーストエイドの普及について伺います。 こうした中,家族や友人など身近な人が行う「メンタルヘルス・ファーストエイド」という支援が注目されています。メンタルヘルス・ファーストエイドは,心の病に対する「応急処置」や「初期対応」を意味するもので,鬱病などの精神疾患を抱える人に対して,専門家ではない身近な人ができる支援プログラムであります。 鬱病は,誰もがなり得る病気であり,メンタルヘルス・ファーストエイドのような身近な人ができる支援を広げていくことは,大変重要と考えます。 ぜひ普及に取り組んでいただきたいと考えますが,御所見をお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) お答えいたします。 心のケアの推進についての御質問であります。 まず,ココロボのうち,精神保健業務での活用についてでありますが,メンタルに不調を抱える人がセルフチェックを行い,相談窓口につながることは,早期発見,治療に有効と考えているところであります。 お話しのココロボについては,まだ研究段階の取組であり,その成果を注視してまいりたいと存じます。 次に,身近な人ができる支援の普及についてでありますが,県では,身近な人の不調に気づくための取組として,愛育委員等による声かけ活動の支援や,民生委員,ボランティア,家族等,健康状態の変化に気づきやすい人々をゲートキーパーとして養成しているところであります。 お話しのメンタルヘルス・ファーストエイドについては,今年度,国が取組を始めたところであり,その動向を注視するとともに,情報収集してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 ココロボのうち,学校現場での活用についてでありますが,教職員に対しては,法に基づいた定期的なストレスチェックを行うとともに,既に県教委としても,スマートフォン等で日常的に利用できる簡易ストレスチェックを紹介しており,多くの教職員が活用しているところであります。 また,児童生徒に対しては,担任等の教職員による日々の関わりや教育相談の機会等を通じて,その悩みや不安を聞き取り,心のケアに努めているところであります。 お話しのウェブサイトについては,現在,実証研究が行われていると聞いており,その推移を見ながら,有効性を確認してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 知事,そして教育長,今,私が提案したものは,取組が始まったばかりで注視をしてみたいというような,お二人ともそういうことだったと思います。 教育長からは,いろんなスマートフォンでの簡易チェックとか,あるいは生徒たちにもいろんな対応をされているというのがよく分かりましたので,引き続きいろんな可能性を広げていただきたいというふうに思います。 それから,知事,同じことだったんですけれども,ゲートキーパーの養成事業とか,されているということだったんですが,やっぱり精神的に負担の多い現代社会の中で,こういうコロナ禍で,県職員の心の負担も大変,業務は大変ですから,そういった中で,こういったことをやっていると,こういったことで改善されたとか,そういったことがあれば,ちょっと教えていただければというように思います。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) こういった改善があったということがあればということでありますが,私自身は,ちょっと具体例は存じ上げていないところであります。部長から,もしあるかどうか,聞いてみたいと思います。 私自身,ココロボをちょっと試してみました。本当に簡単なチェックですよね。私は,今,数字が下がっているので,非常に意気高揚としていまして,全然問題ないということですけれど,もし1か月半前にやったら,随分問題があるという判定になったかもしれません。実際,問題があると思って,ちょっと厳しめにやってみると,また違うアドバイスが出てきまして,そこに認知行動療法のビデオを見てみたらどうですかという,非常に勉強になったところでありまして,こういう手軽で,ちょっと思考がぐるぐる回ってしまっている人に対して,少し視野が広がるような助けがあるというのは,いいことかなと思ったところです。 もし,今,やっている,今,効果があったような取組があるかどうか,ちょっと取りあえず聞いてみたいと思います。
○議長(神宝謙一君)
保健福祉部長。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 具体的な,何かいい取組はあったかということだと思いますけれども,さっき答弁でも,知事から申し上げましたけれども,ゲートキーパー養成事業ということで,これは,令和2年度で申し上げますと,研修自体は3回やっていまして,133人の方の育成をさせていただいています。 御案内のとおり,メンタルヘルスとか,こういったものを,非常に心に病を抱えていらっしゃる方には,やっぱり傾聴だとか,そういったことが非常に大事で,岡山県としても,こういったゲートキーパーを育成して増やしていく,あるいは愛育委員による家庭訪問ということをずっとやってきていまして,令和2年度でも,件数で言うと80万件ぐらい,そういった声かけあるいは家庭訪問という実績もございます。 こういった声かけだとか,傾聴だとか,そういったものが,たちまち目に見える形でなかなか結果には出づらいわけですけれども,こういった日々の地道な努力を続けていくことが,メンタルヘルスという観点では非常に有効なのではないかと思っておりますので,これについては引き続き進めてまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 次に,国土強靱化地域計画について伺います。 近年,気候変動による台風の大型化や集中豪雨の多発化傾向が見られ,河川の氾濫や土砂災害,都市部での内水氾濫などによる大規模自然災害の発生リスクが高まっております。 また,国の地震調査委員会の研究によりますと,南海トラフを震源とするマグニチュード8~9クラスの巨大地震の発生確率が,今後30年間で70~80%と想定されております。 また,岡山県周辺の活断層を震源とする断層型地震についても,発生すれば県内に甚大な被害が及ぶことが懸念されています。 国では,東日本大震災など過去の教訓を踏まえ,強くしなやかな国民生活の実現を図るために,「防災・減災等に資する国土強靱化基本法」を制定し,「国土強靱化基本計画」により,国土の強靱化を進めております。 本県においても,これら風水害や地震災害など,自然災害のリスクに備え,県域における取組を総合的かつ計画的に推進するとともに,南海トラフ地震において,甚大な被害が予想される他地域との連携協力関係の強化など,国全体の強靱化にも貢献していくことを目指して,平成28年2月に,岡山県国土強靱化地域計画を策定し,今年2月には,近年の災害の教訓等を踏まえ,地域計画の見直し,改定を行ったところであります。 国では,今年度末までに,全市町村での地域計画の策定完了となるよう,支援,促進を行っておりますが,県内市町村での策定状況について,今後の見通しも含めて,危機管理監からお聞かせください。 国では,策定後のステップとして,来年度以降,地域計画の内容充実の支援,促進に取り組むとし,地域計画に明記された事業に対し,交付金や補助金の「重点配分」,「優先採択」を行うとしており,5か年加速化対策も含め,地域計画への事業の明記が大切になってくると伺っております。 岡山県地域計画のこうした事業明記の現状と,内容充実に向けた今後の取組について,危機管理監からお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 危機管理監塩出則夫君。 〔 危機管理監 塩出則夫君 登壇 〕
◎危機管理監(塩出則夫君) お答えいたします。 国土強靱化地域計画についての御質問であります。 まず,市町村の計画策定状況等についてでありますが,現在,20市町村が計画を策定しており,残る7市町村については,今年度中の策定完了に向け準備を進めていると聞いております。 次に,県計画の現状等についてでありますが,本年2月,県計画を改定したところでありますが,お話しの事業の明記については,国の交付金等の重点配分や優先採択の対象となると考えられるものを網羅しているところであります。 今後も,個別事業の明記については,国の動向を注視し,財政支援を受けられるよう,適宜見直しを行うこととしております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 次に,小学校での自然体験学習について伺います。 私は,この議場で,これまで,自然体験学習の重要性と岡山県の子供たちにぜひ自然体験をさせていただきたいということで,知事とも教育長とも,何度も議論させていただきました。2月議会でも,同じような質問をさせていただいて,知事,教育長に伺いましたけれども,時間切れで十分議論ができなかったので,また今議会でも取り上げさせていただきたいと思います。 その際,知事には,自然体験学習の意義を認めていただいて,その上で教育委員会での取組について期待されておりましたので,教育長に伺いたいと思います。 2月議会でも,教育長も,自然体験学習の有効性を認めた上で,「各学校が実態に応じた体験活動に取り組めるように,これまで収集してきた好事例を周知し,利用可能な国庫事業,県事業について情報提供する」旨,御答弁をいただいております。 新しい年度が始まりましたので,利用可能な国庫事業,県事業とは,どのようなものであるのか,どのような形で周知しているのかをまず伺いたいと思います。 そして,情報提供するだけでなくて,有効な事業を行わないと,県でつくらないと,なかなか前に進まないと思いますので,平成20年のときもそうでありましたけれども,国庫事業を受けて,県で新しいメニューをつくって募集をすると,こういった形を取らないと難しいと思うんですけれども,そのような考えがあるのかないのか,教育長の御所見を伺いたいと思います。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 まず,自然体験学習についてのうち,国,県事業についてでありますが,国の事業としては,地方創生推進交付金の活用により,子供たちの農山漁村体験等に取り組む活動を推進するもの,県の事業としては,県内の
離島において様々な体験学習を実施する小中学生
離島の魅力発見・発信事業があります。 今年度は,
新型コロナウイルス感染症の状況を見据えながら,各学校において,実態に応じた体験活動が推進されるよう,その内容を文書で通知することで,市町村教委を通じ,県内の小中学校に周知したところであります。 次に,有効な事業についてでありますが,自然体験学習は,粘り強さや協調性など,自己を高め,人とつながる力を養う上で有効な手段の一つであり,自然体験に加えて,生活文化体験や社会体験等,各学校が,実態に応じて様々な学びの機会を設けることも大切であると考えております。 こうしたことから,お話しの自然体験学習に関する新しい事業までは考えておりませんが,子供たちがたくましく未来を開くことができるよう,自然体験も含め,様々な体験を取り入れた学習活動の充実を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) 御答弁いただきまして,ありがとうございました。 先ほど言われました国の事業でありますけれども,20年度に,国からこういう事業が発表されまして,その後,県としてやっていただきました。実績を見ますと,岡山県に,現在,小学校が389校,国立が1校,公立が384校,私立が4校ございますけれども,その中で,毎年されている学校というのはないんですけれども,31の学校が,メニューを実践されたということが,1年だけのところもありますけれども,ありました。 それを見ますと,本当に1割もいかない子供たちしか経験できていないということで,国の要綱の中を見ますと,理科とか,そういう授業として取り組むこともできるというような方針が書かれているんで,私は,しっかりと取り組むことができる内容だと思っていますし,成果を見ますと,やはり協力して困難を乗り越えることができたと,そんな達成感であるとか,あるいは団結力が強まったとか,指導者の皆さんからも,最後まで粘り強く取り組んで,その姿がすばらしかったというような感想もあります。ぜひ,私は,取り組んでいくべきことだと思います。 広島県でも兵庫県でも,両隣の県でも,ほぼ100%の子供たちがこの長期の宿泊体験を経験している中で,岡山県がそういった取組をするというのは,予算的にも大変難しいと思うんですけれども,その取組をやったのは,県がメニューを設定したからできたんで,今,教育長が言われたように,情報提供するだけでは前に進まないということで,ぜひ新たなメニューも,今後,検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
○議長(神宝謙一君) 教育長。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 再質問にお答えいたします。 新しいメニューを検討してはどうかという御質問でございましたけれども,現在,ここ数年の状況の中で,自然体験学習に価値を見いだしていない学校は,私はないと思うんです。その証拠に,渋川には,どういう状況があっても行かせてやりたいという思いで,この春も計画を立て,ただこの状況がございましたので,それもキャンセルになったという状況もございますけれども,その価値はどこの学校も分かっておるわけであります。ただ,現在,新
学習指導要領が施行されまして,小学校3年生から6年生までの間のところで,年間35時間の授業数の増というのが,新しい
学習指導要領で行われておりまして,学校の中で,授業時数の確保というのが大変厳しい状況がございます。 その中で,校長としては,カリキュラムマネジメントということがこの新しい
学習指導要領で言われておりますけれども,子供たちの実態を踏まえて,その中で,自分の学校として,どういう力をしっかりとつけさせたいのかということを考えた上で,その教育課程を自分の学校に応じた形でつくっていくということを今進めておるわけでございます。その中で,今,議員御指摘のような形で,しっかり長期に取って自然体験をやらせていこうという学校もございますし,また先ほど申しましたような社会体験でありますとか,生活文化体験,いわゆる職場体験であるとか,あるいは伝統芸能の継承というようなことに力を注いでおるような学校もございますので,こういったところに,どこに力を注いで,どういった力を子供たちにつけさせていくのかということは,学校の判断として行うべきであろうと思っておりますので,我々とすると,先ほど申し上げましたようないろんな事業を情報提供することで,各学校が活用できるように,しっかりとサポートしていきたいと考えておるところでございます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 42番。 〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕
◆42番(山田総一郎君) ありがとうございます。 新しい指導要領の中で,35時間の確保が必要だということで,先ほども言いましたように,この子供農山村交流は,特別活動や理科,社会等の教科に位置づけることもできるというふうに,国から来ているわけですから,そういった工夫もできると。そういうことも併せて,情報提供していただきたい。 渋川は,私も,小学校のときに行きまして,1泊して,カッターやって,みんなで協力して乗り越えたという楽しい思い出はあります。私が,ずっと言っているのは,1泊の自然体験ということではなくて,数泊する自然体験の中で,やはり社会人になったときに,いろんな困難を乗り切る,そういった力をつけることができる。このことは十分評価されているわけですから,ぜひ取組を続けていただきたい。 もう一点は,前,議論した中でも,やはりあるいは救護の体制であるとか,指導者の問題であるとか,いろんなことがあるんですけれども,やはり取り組むことによって,指導者も成長しますし,例えばボランティアの教育学部の大学生が来ることによって,将来の指導者を育成することができる。そういったことがあると思います。 やはり,そういったことをまずメニューとしてやっていただきたいと思いますので,ぜひ検討していただきたいと思いますので,どうでしょうか。 以上です。
○議長(神宝謙一君) 教育長。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 再々質問にお答えいたします。 いろいろなことを検討すべきではないかということでございます。先ほど申しましたように,実態としては,学校は非常に忙しいといいますか,やることがたくさんある状況があるということは,御理解いただけているのではないかと思いますけれども,そういった中で,自然体験学習にどれぐらいウエートを割いていくのかということについては,先ほどの事業も含めて,しっかり周知を図りながら,学校長がそこのところを知らずに選択ができないということのないように,情報提供しながら,それに重点を置こうという学校については,しっかりと取り組めるように情報提供を図りながら,そこは指導してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 以上で山田君の質問は終了いたしました。 答弁者は,自席にお戻りください。 この際,午後1時30分まで休憩いたします。 午後0時22分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時30分再開
○副議長(池本敏朗君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 4番松島幸一君。 〔 4番 松島幸一君 登壇 〕
◆4番(松島幸一君) 皆様,こんにちは。
自由民主党岡山県議団の松島幸一でございます。
新型コロナウイルス感染症の対応に当たっていただいております医療関係者の皆様,知事をはじめとする職員の皆様,そして飲食店関係者の皆様にも,大変な御理解と御協力をいただいております。改めて,全ての皆様に感謝申し上げます。 さて,県庁にいますと,お昼の時間に庁内に流れる音楽があります。その一つが,岡山県民愛唱歌「みんなのこころに」です。この曲を作曲されたのは,先日お亡くなりになりました作曲家の小林亜星さんです。全国から寄せられた岡山の美しい風景やふるさとを懐かしむ歌詞に,非常に優しく伸びやかな曲がつけられ,覚えやすく口ずさみやすい歌になり,多くの県民に親しまれています。 小林亜星さんも,作曲の際,この岡山に思いをはせて作り上げてくださったことと思います。 このようなすばらしい曲を残してくださったことに感謝申し上げ,これからも皆さんでこの曲と,そして岡山のまちを大切にしていきたいと思います。 みんなのこころにかようまち,ふるさと岡山のために,通告に従い質問させていただきます。 初めに,人口減少社会への対応についてお伺いいたします。 令和2年に実施された国勢調査について,県結果の速報値が,先般発表されました。 県全体では,総人口が188万9,000人と,前回,平成27年より約3万2,000人,1.7%の減少,県内27市町村のうち,5年間で人口増加となったのは,岡山市,総社市,早島町,里庄町の4つのみであり,残りの23市町村についてはいずれも減少し,改めて人口減少に歯止めがかからない現状であります。 特に,人口減少率が大きい市町村は,私の地元美咲町が減少率9.5%で1位,次いで高梁市が9.3%,吉備中央町と笠岡市が8.8%の減と続きます。 また,世帯数の減少率が一番高いのは,こちらも私の地元久米南町で5.3%減,次いで美咲町4.5%,高梁市4.4%の減となっています。 本県は,これまで移住・定住の促進,結婚,出産への支援,雇用の創出など,各種政策を推し進めてきましたが,人口だけで見れば,平成17年の195万人を境に,平成22年は194万人,平成27年が192万人,そして今回,令和2年の189万人と,減少の一途をたどっています。 今回の国勢調査結果の速報値について,本県の人口減少に対する知事の御所見をお伺いいたします。 また,この結果を受けて,これまで本県で人口増あるいは人口維持に向けて取り組んだ施策について,その効果を全体としてどのように評価し,今後,どのような点に注力することが必要と考えておられますか,併せてお伺いいたします。 6月10日付の山陽新聞に,美咲町で取り組む「小規模多機能自治」についての記事を掲載いただきました。 小規模多機能自治とは,人口減少や高齢化などにより,行政だけで地域を支えられなくなってきている中で,旧村や旧小学校区単位などで立ち上げた地域運営組織を基に,住民が自ら地域課題に向き合い,解決を図っていく仕組みです。 協働の精神の下,住民一人一人が地域づくりに参画し,行政はもとより,地域のあらゆる組織,団体とともに,住みよい地域を形成していくための組織であり,美咲町では,旧村単位に当たる13の地区でまちづくり協議会を設置し,それを母体に福祉や防災,子育て支援といった諸課題に地域主体で取り組んでいこうとしていることが紹介されました。 私も,一般質問に初登壇させていただいた際,「地域の力を十分に引き出し,地域主体で課題解決が図れるような施策を考え,提案し,実現できる4年間にしたい」と申し上げました。 地域で抱える課題は,それぞれで異なることは言うまでもありません。そうした課題に,行政が細かく対応していくことに限界があることも事実です。 地域の課題に地域で向き合い,地域で考え,解決に向けて取り組んでいく,行政はそうした組織や住民をしっかり支援していくという形が,人口減少社会におけるこれからの自治運営の在り方の一つではないかと思います。 第2期おかやま創生総合戦略の基本目標にも,「地域の活力を維持する」ために,小さな拠点の形成促進や集落機能の維持,確保,住民自らが地域課題の解決に向けた取組を持続的に実践する仕組みづくりの推進がうたわれ,数値目標として,地域課題の解決に向けた取組を持続的に実践する地域運営組織の数を,令和元年度の258組織から,令和6年度には320組織にするとしています。 私は,こうした組織が増えていくことが,人口減少社会にあっても,前向きな地域づくりや地域活力,生活機能の維持につながるものと考えており,ぜひ強力に進めていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。 小規模多機能自治組織あるいは地域運営組織に,県はどのような役割を期待しておられますか。 また,今後,そうした組織を増やすために,具体的にどのように展開していかれるのでしょうか。取り組む組織や自治体への支援の在り方も含めて,県民生活部長にお伺いいたします。 知事は,今議会の提案説明や先般の我が党の代表質問への答弁の中で,第3次晴れの国おかやま生き活きプランがスタートしたことに触れ,「人口減少,長寿社会が到来する2040年頃を見据え,20年後,30年後も発展し続ける岡山を目指す」と言われました。 知事として,夢を語り,未来を描き,発展する岡山の姿を示されることは当然であり,県民も,知事が描く将来の岡山の姿に大きな期待を寄せているところです。 一方で,地域での活動を続けていくことが困難な集落が増えていることも事実であり,それは,今回の国勢調査結果の速報値からも容易に想像されます。 既に発展する地域を描けなくなっている,発展ではなく衰退するのを待つだけ,そうした閉塞感が漂い始めているのです。 こうした現実を目の当たりにしたとき,一方で発展する未来を描きつつ,もう一方ではどのように地域を維持していくか,あるいはどのように縮小させていくかを考えていかなければならない時代に突入していると思います。 最近では,スマートシュリンクと言われる「賢く縮む」という考え方,つまり絶対的な人口減少下において,どのように地域をマネジメントしていくのかという概念が広まりつつあり,さきに触れた山陽新聞の記事の中で,町長は,「人口減少,歳入減少に見合ったまちづくり,言わば『賢く収縮するまちづくり』が必要」と述べておられます。 行政や政治に携わる方であれば,恐らく多くの方が収縮するまちづくりの必要性を感じていながら,なかなか口に出すことがはばかられることでもあります。 しかし,国勢調査の速報値や今後の人口予測などからも,多くの市町村が人口減少傾向にあり,財政規模も縮小していく中で,公共施設の維持や公共福祉サービスの提供を縮小していかなければ成り立たない現実が,目の前に迫っています。 人口減少,高齢化社会を見据えたスマートシュリンク,「賢く収縮するまちづくり」について,知事の御所見をお伺いいたします。 私は,人口減少社会にあって,行政もかなり限界のところまで来ているという認識を持っております。 だからこそ,これからは,民間の活力をもっと行政に生かしていくべきだと考えます。いわゆる公民連携は,これまでもPPPやPFIといった手法での公共施設の管理や様々な団体との包括連携協定の締結,最近では,企業と大学との共同研究センターの取組など,本県でも積極的に行われていますが,私はもう少し踏み込んで,まちづくりそのものに企業にもっと参画をしてもらう,もっと民間の力を活用しやすい体制を整えていくことが重要ではないかと考えます。 近年は,CSR活動に加え,人口減少や高齢化といった社会の共通課題に対して,企業が本業を通じて解決に取り組むCSV,クリエイティング・シェアード・バリュー,「共有価値の創造」という考え方が広まっています。 CSVは,企業が行政と連携することにより,本業の売上増加や企業価値の向上を目指す連携手法と言われます。 こうした連携により,行政だけでは実現し得ないサービスの提供や企業からの技術やサービスの提案による地域主体の課題解決への取組,そして公的活動を通じた企業価値の向上やビジネスチャンスの開拓など,行政,住民,企業の3者それぞれに新たな利益や価値を生み出すことが期待されます。 実際に,大阪府では,企業からの提案を受けたり企業に積極的にアプローチを行ったりする一元的な窓口相談機能を持つ公民戦略連携デスクという専門部署を設置し,企業や大学,庁内の各部局の課題やニーズを把握し,連携をコーディネートしたり伴走型支援を行ったりしています。 さらに,最近では,こうしたノウハウを大阪府内の自治体にも展開し,市町村と企業,大学をつなぐ役割を積極的に果たしています。 ぜひ本県でも,こういった形の公民連携を積極的に取り入れていただきたいと考えますが,人口減少社会における地域課題解決や住民サービスの向上に向けた今後の公民連携手法の活用についてのお考えを知事にお伺いいたします。 また,県・市町村と企業・大学,そして地域との連携を図るため,専門部署の設置は考えられないでしょうか。 課題解決に有効な技術等を持つ企業や大学と,自治体あるいは地域課題解決に取り組む組織とのマッチングを行うような部署や機関があれば,行政の新たな手法,方法論としての公民連携の定着につながり,人口減少社会の課題解決に大きく寄与するものになると考えますが,併せて知事の御所見をお伺いいたします。 次に,教職員等による児童生徒への性暴力防止対策についてお伺いいたします。 さきの通常国会において,「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が成立いたしました。 この法律は,児童生徒等の尊厳を保持するため,教職員等による児童生徒への性暴力等の防止に関する施策を推進し,児童生徒の権利,利益の擁護に資することを目的としています。 わいせつ行為などで懲戒処分を受けた教職員は,2010年度には全国で175人だったものが,2019年度には273人と,増加傾向にあります。 また,小児わいせつの特徴として,他の性犯罪と比較し,極めて高い再犯率と常習性があり,法務省の調査によれば,5年以内の再犯率は9.5%と高い数字が記されており,早急な対応が求められてきました。 現在の教育職員免許法では,わいせつ行為などで懲戒免職となり,教員免許を失効しても,3年が経過すれば,再び免許を取得できることとなっていました。 さらには,懲戒免職になっても,官報への記載漏れがあった件もあり,教員免許を再取得後に,他の都道府県で採用され,再び児童生徒へのわいせつ行為を働くといった事案も発生しています。 今回の法律が成立したことにより,わいせつ行為等で懲戒免職となり,教員免許を失効した人の氏名などを共有するデータベースを国が整備し,教育委員会が教員を採用する際に活用できるようになり,都道府県の教育委員会が不適格と判断した場合には,教員免許の再交付を行わないことが可能となりました。 さらに,児童生徒から相談に応じた教職員は,犯罪が疑われる場合,警察への通報や,犯罪があると思われるときは,告発する義務を課しています。 性暴力,性的虐待は,絶対に許されるものではなく,幼い頃にわいせつ行為を受けた子供は,その後何十年間も,PTSDなどの心の傷を抱え,苦しみながら生きていくことになります。 この法律により,教育現場から性暴力等により苦しむ子供たちを二度と出さないという強い決意で,教育委員会には対応に当たっていただきたいと思います。 そこで以下お尋ねいたします。 まず,本県における児童生徒への性暴力等により懲戒処分を受けた教職員,その直近3年間の数字をお示しください。 また,教員によるわいせつ行為等が疑われる行為があった場合,学校内だけで対処するのではなく,校長は,教育委員会に確実に報告するよう国から通知が出ていますが,各学校に対して,この旨をどのように指導しているのか,併せて教育長にお伺いいたします。 今回の法律では,国及び地方公共団体は,通報及び相談を受けるための体制の整備等に必要な措置を講ずることとされていますが,今後,性暴力を受けた児童生徒が,通報,相談する窓口の設置等はどのように行われるのでしょうか。 同じ学校に被害者と加害者がいる場合,その学校に通報,相談することはなかなか難しいのではないかと思いますが,通報,相談しやすい工夫についても,お考えがあれば併せてお示しください。教育長にお尋ねいたします。 最後に,鳥獣被害への対策についてお伺いいたします。 本県における野生鳥獣による農作物への被害額は,平成25年が3億9,400万円,平成30年3億300万円,最新の令和2年の被害額は2億6,400万円と,減少傾向にあります。 しかし,実感としては,野生鳥獣による農作物への被害は年々深刻さを増し,営農意欲の減退や離農による耕作放棄地の増加,森林や農地の荒廃による土壌の流出など,農作物への被害以外にもあらゆる問題をもたらしており,被害額として数字に表れる以上に,農業者や農業地帯に深刻な影響を及ぼしています。 本県では,鳥獣被害防止対策として,集落柵設置サポート事業の拡充やジビエとしての利活用の促進,岡山,兵庫,鳥取の3県が連携した鹿の捕獲など,対策の強化を図っているところであり,引き続き総合的な対策を実施していかなければなりません。 そこでお伺いいたします。 狩猟者の確保には,狩猟免許の新規取得や更新に係るハードルを今以上に下げる必要があると考えます。 例えば,狩猟免許の取得,更新試験に当たって,日程の配慮が必要ではないでしょうか。コロナの影響により,昨年,また本年は,試験1回当たりの定員を減らし,回数を増やして対応されていますが,新規取得試験では計6回のうち土日の開催は1回のみ,更新試験では19回のうち土日での開催はゼロ回です。 また,全てが朝からお昼にかけての開催となっており,これでは,農業者や自営業者以外は会社を休んで受験する必要があります。 多くの方に門戸を広げるのであれば,土日開催を増やしたり夜間の開催時間を設定したりと,もう少し工夫できると考えますが,農林水産部長のお考えをお伺いいたします。 近年では,鳥獣害対策にもICT技術の活用が進んでいます。 これまでは,狩猟者の経験を基にした対策が打たれてきましたが,狩猟者の高齢化も進み,そうした経験値や技術を次世代に継承していくためには,AIやICT技術の活用が必要不可欠となっています。 ICT技術の活用により,対策の実効性や被害抑制につながる効果などが可視化され,費用対効果についての検証もこれまで以上に明確になることが期待されます。 具体的には,ドローンを用いた上空からの個体数や生息域の把握,わな設置とともに出没や捕獲を検知するICTセンサーを設置し,センサーが反応すれば,その位置情報や画像が携帯電話などに通知されるといったシステムの活用です。 これらの導入により,作業負担の軽減やコスト削減,管理の簡素化が図られています。 また,最近では,こうしたICT機器に地理情報を組み合わせた鳥獣害対策用GISの活用により,効果的なわなの設置をはじめ,対策の計画立案,ノウハウの蓄積,事務作業の効率化につなげる自治体も増えています。 GIS上で出没感知センサーや柵の設置情報,わなの位置,耕作放棄地の情報,目撃,被害情報などを一元管理し,データを蓄積することで,鳥獣害対策だけでなく,土地情報や周辺環境から鳥獣の出没リスクや出没予測を行うことも期待されています。 私は,本県でも,ドローンや鳥獣害対策用GISの活用を積極的に進めるべきだと考えます。 導入実施を目指す市町村への支援はもちろんですが,専門的知識と科学データに基づいた実効性のある正しい鳥獣害対策の普及を目指し,モデル事業を展開してはどうでしょうか。 例えば本県の主力産品である桃やブドウの供給力向上を目指し,ハイブリッド生産団地の整備を進めていますが,生産団地と連携をして鳥獣害対策用GISを導入し,実証実験を行うことは考えられないでしょうか。 ハイブリッド生産団地での鳥獣被害の低減や農作物の生産性向上につながるとともに,県内に波及できるデータの蓄積にもつながると考えます。 あるいは,県南部,中部,北部といった分類,またイノシシ,鹿,猿,カラスなどの被害属性による分類など,特に被害が大きい箇所を中心に,それぞれモデル事業による実証実験を行い,効果を検証することで,県内での普及,導入につなげていってはどうでしょうか。 こうした取組は,鳥獣被害の減少はもとより,作業の効率化や労力的,またコスト的な軽減にもつながると考えますが,ドローンや鳥獣害対策用GIS活用に対する有効性への認識と,ハイブリッド生産団地等でのモデル事業,実証実験の実施について,農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 以上,よろしくお願いいたします。
○副議長(池本敏朗君) 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 自由民主党の松島議員の質問にお答えいたします。 人口減少社会への対応についての御質問であります。 まず,国勢調査結果の所見等についてでありますが,県では,これまで各種人口減少対策に取り組み,移住促進やおかやま出会い・結婚サポートセンターが関わった成婚数の増加など,一定の成果は現れておりますが,今回の速報値では,「県人口ビジョン改定版」において想定した範囲内とはいえ,改めて人口減少の厳しい実態が明らかとなり,対策を強化していく必要があると考えております。 このため,デジタル化の進展や地方分散の流れなど,感染症を契機とした社会の変化も踏まえながら,多様な主体と連携し,結婚から子育てまで若い世代の希望をかなえる環境の整備や,若者の還流,定着,企業の地方移転など,総合的な対策に継続的に取り組み,人口減少問題に的確に対応してまいりたいと存じます。 次に,人口減少等を見据えたまちづくりについてでありますが,お話しの美咲町長による「賢く収縮するまちづくり」は,町の厳しい現実を直視し,人口減少や歳入縮小に見合った持続可能なまちづくりを住民と協働して進めようとする意欲ある取組であると評価しており,私も大いに期待しております。 こうした取組が,町長のリーダーシップの下,多様な主体と連携して進められることにより,人口減少や高齢化が急激に進行する中山間地域などにおいて,地域の実情に即した今後のまちづくりを検討する上での有効な選択肢の一つになるものと考えており,県としてもしっかりと支援してまいりたいと存じます。 最後に,公民連携についてでありますが,人口減少社会において,複雑多様化する行政課題に対応し,地方創生を実現する上で,企業や大学等との連携は有意義であり,これまでも包括連携協定の締結等により,地域づくりや観光
振興など幅広い分野で,企業等との連携,協働の取組を進めているところであります。 専門部署の設置をとの御提案をいただきましたが,現行の組織体制の下,総合政策局が調整機能を担いながら,引き続き企業等からの提案内容や県側の課題などに応じ,それぞれの関係部局において企業等との連携を推進してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 県民生活部長那須信行君。 〔 県民生活部長 那須信行君 登壇 〕
◎県民生活部長(那須信行君) お答えいたします。 人口減少社会への対応についての御質問であります。 小規模多機能自治組織等についてでありますが,こうした組織には,住民自らが地域における福祉や子育て支援,防災などに主体的に取り組む実行組織としての役割を期待しており,地域活力の維持にもつながるものと考えております。 県では,組織の増加などに向けて,地域における担い手確保や組織運営,活性化方策に関する知識の向上などをしっかり支援していくことが重要と認識しております。 こうしたことから,地域リーダー育成研修や先進事例に係る情報提供に加え,今年度新たに組織の設立や運営に資するためのコンサルティング支援を開始したところであります。 引き続き,地域の力が十分に発揮されるよう,様々な事業を展開してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 農林水産部長槙尾俊之君。 〔 農林水産部長 槙尾俊之君 登壇 〕
◎農林水産部長(槙尾俊之君) お答えいたします。 鳥獣被害対策についての御質問であります。 まず,狩猟免許取得等試験についてでありますが,狩猟者不足が懸念される中,その確保,育成は重要な課題であることから,これまで試験会場を増やすなど,受験者の利便性の向上に努めてきたところであります。 お話しの土日開催については,受験者や試験に御協力いただいている猟友会の御意見も伺いながら,今後,日数を増やすことについて検討してまいりたいと存じます。 なお,夜間開催については,更新試験でも5時間程度を要することから,対応が難しいと考えております。 次に,ICT活用の有効性等についてでありますが,狩猟者の高齢化が進む中,ICTの活用は,鳥獣被害対策の高度化,効率化を図る上で有効な手段であると認識しております。 こうしたことから,県では,GPSやドローンを活用した実証に取り組んでいるところであり,今後,その成果を基に,特に被害が深刻であるなど,より高い導入効果が見込まれる地域でのモデル事業の実施を検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。