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06月23日-04号

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  1. 岡山県議会 2020-06-23
    06月23日-04号


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    令和 2年 6月定例会          ◎ 令和2年6月岡山県議会定例会会議録  第4号〇 令和2年6月23日(火曜日)                  議  事  日  程                  午前10時開議第1 議第75号(上程,知事の提案理由の説明)第2 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 議第75号(上程,知事の提案理由の説明)日程第2 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時開議 ○議長(波多洋治君)  皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 議第75号(上程,知事の提案理由の説明) ○議長(波多洋治君)  日程に入ります。 まず,議第75号令和2年度岡山県一般会計補正予算(第4号)を議題といたします。 知事から,提案理由の説明を求めます。 伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  ただいま追加上程されました予算案件につきまして,その概要を御説明申し上げます。 国の第2次補正予算に呼応し,感染拡大防止策医療提供体制の整備や,地域経済の維持と事業の継続のための支援について,補正措置を講じることとし,所要額を計上しております。 その結果,今回の補正予算額は,一般会計において333億2,700余万円の増額であります。 補正後の一般会計予算額は,歳入歳出それぞれ7,906億3,700余万円であります。 一般会計歳入予算の主な内容につきましては,国庫支出金313億4,700余万円,諸収入19億7,800余万円などを増額する所要の補正措置を講じるものであります。 一般会計歳出予算の主な内容につきましては,新型コロナウイルス感染症対策推進費252億500余万円,生活福祉資金貸付費29億3,600万円,中小企業金融対策費19億7,900余万円などを計上しております。 債務負担行為につきましては,金融機関に対する利子補助金の限度額の変更をしようとするものであります。 以上,今回提案いたしました議案につきまして,その概要を申し上げた次第であります。 何とぞ,慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第2 一般質問 ○議長(波多洋治君)  これより一般質問を行います。 26番上田勝義君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  皆さん,おはようございます。自由民主党岡山県議団26番上田勝義でございます。 すぐに質問に入らせていただこうと思います。 新型コロナウイルス感染拡大への対応についてであります。 安倍総理大臣が,2月27日,新型コロナウイルス感染症対策本部で,子供たちの健康,安全を第一に考え,多くの子供たちや教員が日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備えるとして,「全国全ての小学校,中学校,高等学校,特別支援学校について,3月2日から春休みまでの臨時休業を行うよう要請する」という考えを表明以来,学校だけでなくて,企業活動にもこの動きが波及し,社会活動全体に大きな影響が出ました。都道府県境をまたぐ移動の自粛等,仕事,帰省,観光等過去に経験したことがない状況が続きました。 しかし,感染者数の減少に伴い,今月1日からは,ほぼ全ての学校が再開され,19日からは,県外への移動についての自粛は全面解除となり,自由に行動できるようになりました。今後,新しい生活様式を浸透させ,第2波,第3波への対応を含めた感染防止と社会経済活動を両立させることが求められています。 そこで,今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた県民,事業者への支援等について,知事にお伺いいたします。 まず,地域公共交通についてであります。 今回の外出自粛やテレワーク,密閉,密集,密接の「3つの密」を避けるということで,バスや鉄道を利用しない移動が増え,利用者数の落ち込みが大きいとの報道がありました。県内大手グループの路線バスの売上げは,5月が前年比56%減,路面電車,フェリーも7割減と,大きく落ち込んでいます。他の事業者についても,ほぼ同様ではないかとの試算があります。 地域公共交通は,地域活動の血液とも言われ,なくてはならないものであります。行政がしっかり支える必要がありますが,どういう支援策をお考えでしょうか,知事にお伺いいたします。 次に,観光振興についてであります。 今回,この状況下で,県内観光地への観光客は,知事提案説明で,主な観光施設の4月の利用者数が対前年同月比78.4%減少と,大きく落ち込んでいます。6月補正予算で,国の「Go Toキャンペーン」への上乗せで,宿泊クーポン等,割引助成を組まれていますが,知事は,県民に岡山の魅力を再発見してもらえるよう,まずは県内での観光需要喚起から取組を進めたいと言われています。 緊急事態宣言が解除されましたが,終息には1年から2年は要すると言われています。インバウンドや遠隔地からの観光需要には当分期待できない中,3密を避け,車で1時間以内の小さな旅行,「マイクロツーリズム」が注目されています。この際,県民の皆さんに「地域再発見の旅」をしていただき,県内の魅力の情報発信,県内消費をしていただくことで,地域経済への貢献にもつながると思います。 既に取組を始められておられると思いますが,今後の新たな展開について,産業労働部長へお聞きいたします。 次に,県産フルーツについてであります。 今年も,県産フルーツの主力であります桃,ブドウの出荷が始まりました。コロナ禍で,例年どおりの市場価格で出荷できるのか,消費者ニーズがどうなるのか,非常に心配しています。この時期,話題になる,あの夕張メロンの御祝儀相場も,去年は1箱2玉が500万円でしたが,今年は12万円と,ちょっと残念な結果だったようであります。 一方,県産ブドウも,この時期,昨年よりも2割程度安い店頭価格でスタートしているようであります。7月末頃までの加温のブドウは,贈答用が主力であるので,どう推移するのか,気になるところであります。 知事は,首都圏や海外の事業者との連携,SNSを活用した積極的な情報発信で需要喚起を図ると言われています。本県も構成員である,瀬戸内7県で構成するせとうちDMOが,7県の特産品を取り扱う電子商取引,ECサイト「せとうちショッピングエール」を先般開設しました。 新型コロナウイルスの影響で,ECの利用が増えていることを踏まえ,このところ,産直のECサイト開設に力を入れる自治体が増えています。先日の代表質問の答弁にもありましたが,ふるさと納税の返礼品は,生産者の出荷価格も安定するので,積極的に活用されるよう,工夫をお願いいたします。 特に,贈答需要は,県内の方が県外へ発送することも多いので,県民の皆さんの積極的な利用はもちろん,応援していただきたい意味でも,知事からの呼びかけが必要ではないかと思いますが,知事のお考えをお聞きいたします。 また,県産フルーツの消費拡大のため,本県のECサイトを開設してはいかがでしょうか,知事のお考えについてお伺いいたします。 次に,県立美術館等についてであります。 県立博物館は,現在,建物改修のため休館していますので,県立美術館についてお聞きいたします。 県立美術館は,当面,常設展のみの開催となっており,特別展は,延期や中止となっています。あらゆる場面で3密を避け,新しい生活様式に合った開館,展示が求められるとすれば,多くの入場者が予想されるような展覧会を開くことは困難な状況になりませんか。 入場者数を制限すると,チケット収入減という問題も起きますが,予約制にするということも視野に入れ,新しい生活様式に合った今後の展覧会の在り方についての考え方をお聞きいたします。 また,天神山文化プラザについても,併せて考え方を環境文化部長にお聞きいたします。 次に,水の事故防止についてであります。 今年の夏は,新型コロナウイルス感染症の影響により,学校のプール授業や夏休み期間中のプール開放を中止する学校も多く,また海水浴場を開設しないところも多いことから,川や監視員のいない海水浴場での水の事故が懸念されます。危険箇所のパトロール活動の強化等,例年以上の取組が求められるのではないでしょうか,県警本部長にお伺いいたします。 ○議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の上田議員の質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染拡大への対応についての御質問であります。 まず,地域公共交通についてでありますが,県では,今回の感染拡大を受け,バス事業者について,既存の補助事業の要件を緩和したほか,今後,車両の維持修繕費用への支援を行いたいと考えております。引き続き,関係団体等を通じて,県内交通事業者への影響の把握に努めながら,地域の生活や経済活動を支えている地域公共交通の維持確保が図られるよう,国や市町村とも連携し,必要な支援について検討してまいりたいと存じます。 次に,県産フルーツのうち,呼びかけについてでありますが,県では,高級果物の需要拡大を図るため,SNSを活用した効果的な情報発信や,メディア向けのPRなどに取り組むこととしております。こうした取組において,私自身が先頭に立って,本県特産の桃,ブドウの消費拡大を積極的に呼びかけ,しっかりと需要を喚起してまいりたいと存じます。 次に,ECサイトについてでありますが,県では,独自に開設することは考えておりませんが,これまで,果物専門店等オンラインショップでのマスカットフェアの開催や,県の農林水産業ポータルサイトへの農業団体等が開設するECサイトの掲載などに取り組んできたところであります。また,新型コロナウイルスの影響も見据えて,今後の県産フルーツの販路を確保するため,通信販売事業者等と連携し,国内及び台湾,香港向けのECサイトを活用した県産果物の積極的な販売促進に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  産業労働部長小林健二君。   〔 産業労働部長 小林健二君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小林健二君)  お答えいたします。 観光振興についてでありますが,来月から発行する県民限定の宿泊クーポンにより,観光消費の拡大を図るとともに,県民に県内を宿泊しながらゆっくりと観光する機会を提供することで,岡山のすばらしさを改めて実感していただくとともに,それぞれの「岡山自慢」を再発見してもらうことを期待しております。また,県民が再発見した「岡山自慢」は,SNSを通じて投稿していただき,新たに制作するデジタル観光マップにより情報発信するとともに,県外からの誘客を進める際のプロモーション動画の素材として活用したいと考えております。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  環境文化部長古南篤子君。   〔 環境文化部長 古南篤子君 登壇 〕 ◎環境文化部長(古南篤子君)  お答えいたします。 県立美術館等についてでありますが,展覧会の開催に当たっては,日本博物館協会ガイドラインに示された感染予防策を適切に講じていくこととしております。特に,多数の来館が予想される特別展等の場合には,事前予約制を導入したり,平日の観覧を促したりするなど,3密を回避し,落ち着いた雰囲気の中で,多くの皆様に優れた美術の魅力をお伝えできるよう努めてまいります。 また,天神山文化プラザは,主に貸し館施設として利用されていることから,展覧会等の主催者に対し,ガイドラインに基づく感染予防策への協力をお願いしており,広く県民の皆様の創作や発表の場としての活用を積極的に促進してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  警察本部長扇澤昭宏君。   〔 警察本部長 扇澤昭宏君 登壇 〕 ◎警察本部長(扇澤昭宏君)  お答えいたします。 新型コロナウイルス感染拡大への対応についてのうち,水の事故防止についてであります。 お話のとおり,県警察といたしましても,今年の夏は,川や監視員のいない海水浴場などでの水難を懸念しております。県警察では,既に,海や川などにおける水難防止のため,危険箇所の調査・点検を行っており,新たに把握した危険箇所には,関係機関などと連携し,「あぶない!ここではあそばない」と平仮名で書いた立て看板を設置するなど,注意喚起を行っております。そのほか,地域住民・ボランティアなどと連携したパトロールや,万が一水難が発生した場合に備えて,関係機関と連携した水難救助訓練も実施しているところであります。 これから本格的な夏を迎え,海や川におけるレジャーの機会が増えることから,パトカーや警察舟艇による巡回パトロールの数を増やし,また,ヘリコプターによる上空からの危険箇所の警戒を実施するなど,水難防止への取組を一段と強化してまいります。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  それぞれ御答弁ありがとうございました。 まずは,地域交通についてであります。先日の一般質問の中で,太田議員が終わり頃にちょっと人口減少のお話しをされました。今でも人口が少ないところでの地域交通は非常に問題になっていますけれど,今回の新型コロナウイルスで地域交通がまさに非常に苦慮しているのは,ある意味,これから先,さらに県内全域で人口が減ったときの状況が今,先に来たという考え方をすれば,今こうやって経験し,しっかり対応していくことが,これから訪れる人口減少社会の中での公共交通の在り方を考えるいい契機だろうと思います。 通常のバスとか鉄道もそうですけれども,今回は貸切りバスも走っていない状況で,ずっと置いたままになっている近くのバスの車庫などを見ると,かなり厳しい状況になっている。行政が相当支えていかないと,地域交通を守れないことを感じています。人口減少社会ということからも考えて,このことについて今まで以上にしっかり取組をしていかなければいけないと思いますけれども,知事に答弁いただきたいと思います。 ○議長(波多洋治君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  地域公共交通に対する支援をこれからどうするのか,特に,将来来るであろう人口減少が早く来たような状況,それについてどう対応するのか。 私からすると,2つのことに聞こえまして,地域公共交通については,これからしっかり考えていくということでございます。将来,人口減少下での地域公共交通をどう考えるかで言えば,我々が育った時代の常識と,これから変わっていくことも随分あるのではないかと思っています。 例えば,我々からすると,タクシーはぜいたくなものであって,バスは待ち時間があり非常に不便かもしれないけれど,ちょっと我慢するだけで,これは全てにおいてよい,みんなにとっていいものだというのが何となく常識だと思いますけれども,実際,大型のバスに2人しか乗っていないことが普通になってくると,2人のお客であればタクシーで運べます。実はバスとか,もしくは飛行機もそうですけれども,非常に輸送密度が高いときに初めて経済性があるものが,我々の身近な地域では,経済性もしくは合理性を持った存在でなくなってくることが,これからどんどん出てこようかと思います。 鉄道はそれよりもっとすごい存在ですから,今度,逆に言えば,「鉄道は合理的ではないけれども,バスならまだ合理的だ」,もっと奥のほうに行くと,「バスではなくてタクシーのほうが合理的だ」,そういったこともこれから起きてくるかもしれません。もしくは,20年,30年後のことを考えれば,起きてくると思っています。我々とすれば,そういったことをきちんと見据えて考えていかなければいけないと考えております。
    ○議長(波多洋治君)  26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  知事,御答弁ありがとうございました。人口減少について,ちょっと絡めましたけれども,また改めて質問させていただこうと思います。 次に,観光振興についてであります。今回,各都道府県,ほぼ全てに近い都道府県で,この観光振興について,クーポン,割引を含めて取組をされていますけれども,これから先すぐには,やっぱり皆さん遠距離の観光にはちょっとまだ出にくい,どうしようかというところがあろうかと思います。Go Toキャンペーンについても,春まではやると国土交通大臣が言われているようでありますので,今からすぐと,それから秋,冬,春に向けて,順次どういう形で進めていくかは,それぞれ皆さん考えておられると思います。先ほど,バスの話が出ましたけれども,例えば,県内を周遊するバスの新たなルート設定みたいなものを考えていく必要もあるのではないか。意外と身近なところ,いろいろなところがある割には行ってないところが,県民の皆さんも多いのではないか。この際,「じゃあ県内をちょっと回ってみようか」という,そんな働きかけをするのも大事だと思うのですが,そのあたり,部長,どうでしょうか。 ○議長(波多洋治君)  産業労働部長。   〔 産業労働部長 小林健二君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小林健二君)  再質問にお答えいたします。 Go Toキャンペーン等をやる中で,県内周遊を進めるような取組,大まかなスケジュール感という御質問かと思います。 お話のとおり,なかなか全国が一斉に動き出す状況はないかと思っております。先ほど御答弁申し上げましたように,まずは県民の方々に県内を動いていただきたいとのことで,県内を周遊していただく県民限定の宿泊クーポンが第1段階で,それから第2段階といいますか,Go Toキャンペーンと連動した形で,このたび予算化もさせていただこうと思っております。県内のできるだけ数多くの観光地を訪れて周遊していただくことによりまして,観光消費の拡大が図られますので,そういった企画も,次のGo Toキャンペーンに連動した形で計画させていただきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  観光振興も,この県産フルーツも絡んでくるのですが,フルーツについて,直売所の方とちょっと話をしたんです。もう既にブドウは出ていて,やはり販売価格は「2割程度安い」と言われております。 これから先,販売所,直売所に通常ですと,お盆あたりまですごくお客さんが来られるけれども,この密な状態を解消するのにどうしようかと非常に心配されて悩まれております。それから,通常ですと,7月,8月の時期にアルバイトの学生をお願いして雇うけれども,今年の場合は夏休みが短くて,通常アルバイトで賄う人も賄えない問題もあり,全てが費用としてかかってくる。販売価格の低迷と,かかる費用の増大の問題とを両方絡めて,しかも今までどおり本当にお客さんが買いに来てくださるかどうかと心配もされておりました。 その中で,今まであまり力を入れてなかったけれども,ネット通販に行かざるを得ないと言われておりました。ふるさと納税のように,決めている段階から出荷する価格が決まっている状況は,生産者からすると,非常に安心して生産ができる面がありますので,ネット通販についても,価格が初めから決まっているのは,多少の気候の変動があったりこういう状況が起きても,安心して生産できる。農業に休みはないので,自粛するわけにはいかない。生産物は必ずできてくるので,それに合わせて動いていくしかない。農業は,年間の収入が,栽培による1回しかないので,持続化給付の申請もできない非常に悩ましい話もある。そのような中で,今,これからピークになる県産のフルーツをどう支えていくのかは,我々の本当に大きな役割だと思います。 先ほど,知事は,本県ならではの独自のECサイトはやらないと言われましたけれども,それも含めて,やはりしっかり支えていただく形が必要だと思いますので,できれば開設していただければと思いますが,再度御答弁をお願いいたします。 ○議長(波多洋治君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  いろいろあるけれども,ECサイトを県でつくらないのかに煎じ詰められると思ったところであります。 このECサイト,先ほど答弁したとおり,現状,ECサイトをつくるつもりはないですけれども,「いや,何で,そんなにすごくお金がかかるものでもなかろう」という考えはあるわけです。ECサイト,つくるのは簡単だけに,つくっただけだと,関わる人に御迷惑をかけかねないということがございます。例えば,つくりましたと,誰も来ませんということになったら,そのためにいろいろ用意をした人にとっては,全く当てが外れることになります。じゃあ,そんなことをするとかわいそうだからと,あまりそんな用意をせずに開けました,何かのことで紹介してもらった等で注文しました,すぐ売り切れが出ましたというところでも,評判が落ちてしまうと。 実は,お店は何でもそうですけれども,かなりの覚悟があってやって,いろいろな人を巻き込んで,常にそれを維持する取組をしなければいけない。私自身,東京のアンテナショップを開設するに当たって,小さいお店ですけれども,いろいろな人が関わるので,常に全力で取り組んでいって初めて,見た目普通のお店を維持できるのでありますので,簡単だからといって何か手を出すというよりも,今,回っているところ。今,回ってるところも,実は当人方は回すのに必死なはずでありまして,そこをうまく活用させていただくことで,つくっている人も安心して出せるほうが,私自身は,現時点ではより生産的だと思います。ここでもう未来永劫ECサイトをつくるつもりはないと宣言をするつもりはありません。何かの理由で,これは県こそやるべきだとなりましたら,当然考えますし,これからも,どうすることが今の,そしてこれからの状況の中でいいお手伝いになるか常に考えていきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  知事,御答弁ありがとうございます。なかなか,フルーツだけではなくて,ECサイトは県産品全てを載せていくことも必要だと思いますので,今後,御検討いただければと思います。 県立美術館についてです。開館90周年の年に,今ちょうど倉敷の大原美術館もコロナウイルス対策で長期の休館ということです。今まで,こんなに長い間休館するというのもなかなかなかったようであり,それだけ対策が難しいということを物語るものかなと実感をしています。そのような中で,公的な美術館の持つ役割というのは,これはまた大原美術館とは違って問われています。 その中で,例えばネットで予約をするシステムをつくって進めていくとかも考えられると思いますが,そのあたりどうでしょう。 ○議長(波多洋治君)  環境文化部長。   〔 環境文化部長 古南篤子君 登壇 〕 ◎環境文化部長(古南篤子君)  再質問にお答えいたします。 予約のシステムを導入してはどうかということでございます。本答弁の中でもお答えいたしましたけれども,事前予約制を導入することを考えております。今日提案させていただきました追加の補正予算の中に盛り込んでおりますけれども,県立美術館の公式のホームページからリンクできるような形で,スマートフォンやパソコンから,観覧を希望する日時を選択して予約をするというシステムでございます。予算が議決されましたら,早速に導入をして,8月以降に開催予定の特別展に導入したいと思っております。 空きのある時間は,予約の画面上にリアルタイムに表示できますので,そういうのを見ながら,一応,1時間当たりというか,実は15分ごとに区切って,何人ずつぐらい入れる,予約できるようなシステムを考えております。空きのあるところに予約して,スムーズに入っていただいて,密にならず,ある程度の入場者を確保するシステムを導入することを考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ御移動願います。 26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  次に,新たな避難の周知についてお聞きいたします。 新型コロナウイルス感染症を踏まえた自然災害時の避難についてお伺いいたします。 このことについては,先般の代表質問でも,それぞれ取り上げて質疑がなされましたが,ちょっと観点を変えて質問させていただきます。 あの西日本豪雨災害から,もうすぐ2年。ちょうど現在,本県も梅雨入りということで,雨が続くと心配でありますが,近年は,年中,災害リスクに直面しなければならない状況に置かれています。そうした中,地震や風水害が発生した際の新型コロナウイルス感染症対策も考えた避難所の確保,運営をどうするのか,新たな課題となっています。 3密を避けてということを前提に考えると,今までの避難の考え方を大きく変える必要があります。そもそも,避難所に避難することが正しいのかどうか,安全なのかどうか。むしろ,自宅内での垂直避難や,お隣や御近所への水平避難のほうがベターではないか。避難所が学校だったとしても,体育館でいいのか,教室への分散避難も考えられるのではないか。 新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた新たな避難について,改めて,市町村,県民の皆さんへ示すことが求められているのではないでしょうか,危機管理監にお伺いいたします。 ○議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 危機管理監塩出則夫君。   〔 危機管理監 塩出則夫君 登壇 〕 ◎危機管理監(塩出則夫君)  お答えいたします。 新たな避難の周知についての御質問でありますが,避難所における3密の回避には,避難所以外への避難も有効であることから,県民に対し,新聞,テレビ等を活用して,ハザードマップによる災害リスクの確認や適切な避難行動等を呼びかけるとともに,市町村に対しては,空き教室の活用などの助言を行っております。 今後とも,地域住民に対し,出前講座,自主防災組織のリーダー研修,地域住民が主体となって地区防災計画等を作成するモデル事業の実施などにより,普及啓発を行うとともに,市町村職員を対象に,避難所運営研修を実施するなど,お話のような避難が適切に行われるよう,積極的に周知に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  御答弁ありがとうございました。 この新型コロナウイルスの対策を考えると,今までの避難の在り方というか,避難所については考え方を変えなくてはいけないのではないかぐらいの大きな要因ではないか。今朝,ちょうどラジオを聞いておりましたら,総社の片岡市長が話されておりましたけれども,今までは,1人が2平方メートルの広さが必要だったけれども,3密を避けることからすれば,これからは,8平方メートル確保しなければいけない。そうすると,極端なことで,今までの4倍のものがないと避難所の確保はできないということをお話しされてました。 そうして考えると,そのとき言われていたのは,今までの避難所から,あれやこれやとずっと羅列されていましたけれども,それだけこの状況下での避難所はほぼ難しいと感じたので,先ほども申し上げましたけれど,分散避難がこれからは本当に求められるのだろう。ただ,なかなか考え方は変えられないので,いかに県民の皆さんに避難の在り方について浸透させていくか本当に難しいことですけれども,でもそんなに時間をかけてともならないと思うので,喫緊の課題として,これをどう周知していくか,どうお考えでしょうか。 ○議長(波多洋治君)  危機管理監。   〔 危機管理監 塩出則夫君 登壇 〕 ◎危機管理監(塩出則夫君)  再質問にお答えいたします。 これまでの避難の考え方と大きく変える必要があるということでございますけれども,まさしくそのとおりでございます。これまでも,新聞やテレビなどのメディアを活用した広報などは行ってまいりましたけれども,今後,地域に出向いて出前講座を行うとか,自主防災リーダーの研修会の際に,リーダーを養成して,その方が地域でそういう考え方を広めていただくとか,あるいは直接,地域住民の方を集めての防災セミナーを開催するとか,直接,地域で住民の皆さんに働きかけを行う取組が必要だろうと思っております。議員御指摘のように,早期にそういった浸透を図らなくてはならないということは,まさしくそうでございまして,その意味からも,地域に出向いての啓発が必要になってくると考えておりますので,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ御移動願います。 26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  次に,自転車の安全な利用についてお伺いいたします。 自転車のあおり運転を危険行為と定めた改正道交法施行令が,今月30日,施行されます。今までにも,14項目の危険行為があり,今回,15項目めに規定されますが,車を運転していて,「どきっ」とするような走り方をする自転車に遭遇することもあり,免許証不要の乗り物だけに,周知徹底の難しさがあると思います。 今回の改正も含めた安全運転のルール伝達の分かりやすい啓発活動をどう進めていくのか,県警本部長にお伺いいたします。 ○議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 警察本部長扇澤昭宏君。   〔 警察本部長 扇澤昭宏君 登壇 〕 ◎警察本部長(扇澤昭宏君)  お答えいたします。 自転車の安全な利用についてであります。 自転車は,道路交通法上の車両に該当し,自転車を利用する上で明確に定められたルールがあります。このルールの遵守を徹底していくためには,幼少期からの継続的な指導や学習が重要であります。 特に,今回の法令改正は,自転車のあおり運転について罰則を強化し,また危険行為として定めるものであり,交通事故の抑止につながる重要な内容でありますので,県警察では,県下の小・中・高校において,クイズ形式で短時間学習を行う「セーフティサイクル・ステップアップ・スクール」や,あらゆる年代を対象とした参加・体験・実践型の交通安全教室などを通じて,改正内容を含めた交通ルールをしっかりと周知してまいります。また,違反類型を具体的に示すイラストを用いたチラシの配布など,各種広報媒体を活用した分かりやすい広報啓発に努めるとともに,引き続き,関係機関・団体と連携し,街頭指導や交通安全教育を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  御答弁ありがとうございました。 今回のコロナウイルス対策で,今まで公共交通を利用されていた人が自転車通勤に変えるとか,公共交通から車に変えるという方もおり,自転車は非常に増えるだけに今まで以上にマナーといいますか,いろいろ出てくると思うのです。あまり自転車をターゲットにした取締りとかは過去されていないと思うのですけれども,やはり啓発だけではなかなか周知徹底は難しいと思いますので,ある程度,取締りも考えていただく必要があるのではないかと思いますが,それについては,本部長,どうお考えでしょう。 ○議長(波多洋治君)  警察本部長。   〔 警察本部長 扇澤昭宏君 登壇 〕 ◎警察本部長(扇澤昭宏君)  再質問にお答えいたします。 コロナウイルス感染拡大下における自転車に対する取締りと広報啓発の在り方という御趣旨と承りました。 お話のとおり,コロナ感染症拡大によりまして,公共交通機関から自転車への利用手段の変化,こういった傾向があり,それに伴いまして,自転車の重要性が高まっていると感じております。お話のように,自転車に限らず,交通取締り,広報啓発,これを言わば車の両輪として効果的に組み合わせながら,対策を講じていくことが重要であり,その重要性は,お話のような状況下におきまして,ますます高まっていることから,これまでも,自転車につきましては,悪質,危険性の高い違反,あるいは交通事故の原因となったような場合に,取締りも行っております。引き続き,そういった悪質,危険性の高い違反を取り締まるとともに,申し上げました広報啓発にも一段と力を入れて,しっかりと対策を講じてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  26番。   〔 26番 上田勝義君 登壇 〕 ◆26番(上田勝義君)  御答弁ありがとうございました。自転車の事故といっても,非常に重大な事故も結構起きておりますので,しっかりと御対応いただきますようにお願いいたします。 これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(波多洋治君)  以上で上田君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 41番増川英一君。   〔 41番 増川英一君 登壇 〕 ◆41番(増川英一君)  皆さん,おはようございます。公明党岡山県議団の増川英一でございます。 今回は,全て新型コロナウイルス感染症対策関連の質問をさせていただきます。一部,所属委員会に関する箇所がありますが,他の質問と関連があり,御容赦をお願い申し上げます。 そして,まずは,最前線で御尽力をいただいております医療関係者,そして県民の皆さんの生活に必要不可欠な仕事に携わっていただく全ての皆様に心より感謝を申し上げまして,通告に従い,質問に入らせていただきます。 まず初めに,防災対策等について,新型コロナウイルスの感染防止策を含めた避難所の整備並びに運営の強化についてお伺いいたします。先ほどの質問に一部重なりますが,よろしくお願い申し上げます。 本格的な梅雨の季節を迎え,集中豪雨による土砂災害や浸水被害の発生が各地で警戒されております。先日も,被害がありました。 そこで,感染防止策を含めた避難所の整備を急がねばなりません。国は,自治体の災害対策の基本的な方針を示した防災基本計画を修正しました。近年の台風被害を教訓に,河川・気象情報の提供の充実や,長期停電への対応強化とともに,特に感染症対策として,避難所の過密を抑制するため,避難先を分散させる必要性を強調しております。 このことを受け,本県では,各市町村に示している災害時の避難所運営マニュアルを,新型コロナウイルスの感染予防対策を盛り込んだ内容に修正されています。避難所は,3密になりやすいことから,間仕切りの設置や,マスク着用などの対策を詳しく示してあります。パーティションで生活スペースを区切り,1世帯ごとの間隔を2メートル確保する目安としており,従来の3倍から4倍のスペースが必要となってまいります。したがって,相当数の避難所が必要となります。また,症状がある方への対応方法も例示,受付の際に検温や体調の聞き取りや,体調不良の人は,別室や専用のスペースに案内し,トイレも別途設けることが望ましいとしております。 そこで,お伺いいたします。 我が会派の代表質問では,市町村に対して,学校の空き教室を専用スペースとして利用することなどを助言したほか,避難所確保のために,県立学校や利用可能な宿泊施設の活用を働きかけてきたとの御答弁でした。県としても,市町村の様々な状況などを伺い,広域調整など,しっかりバックアップしていただきたいと思います。 県有施設の指定拡大や,市町村の指定拡大の状況はいかがでしょうか。 また,出水期を迎え,さらなる避難所の確保が急がれますが,今後の見通しについて,併せて危機管理監にお尋ねいたします。 今回,全県で相当数の避難所指定が進むと思われます。特に,県有施設が避難所指定された場合の,日常の管理者と市町村職員との顔の見える連携が必要であります。また,指定が進んだとき,避難所運営の職員配置も大変です。県としても,市町村への避難所運営職員等の支援などが必要と考えます。 ボランティアの御協力や,中国地方知事会,関西広域連合などとの連携や,民間の活用などの必要性も出てくると思いますが,避難所の運営について,危機管理監のお考えをお聞かせください。 さらに,体調不良の方は,別室や専用のスペースに案内し,トイレも別途設けることが望ましいとされていますが,感染症拡大防止のためには,部屋割りや限られたトイレの対策などが必要であります。仮設トイレの準備も必要です。さらには,国の求める,長期の停電や,今後は,飛沫飛散防止などを考慮した空調設備などが必要と考えますが,どう対応されるのか,危機管理監にお伺いいたします。 次は,マイ・タイムラインについてお伺いいたします。 コロナ禍における防災対策として,住民一人一人によって,地域によっては2階に避難するなど,自宅にとどまることや,親類,友人宅に身を寄せることも,選択肢として考えておく必要があります。特に,要配慮者には個別対応が必要です。 マイ・タイムラインとは,住民一人一人のタイムラインであり,自分自身が取る標準的な防災行動を時系列的に整理し,取りまとめるものですが,災害発生時の行動のチェックリストとして,また避難判断のサポートツールとして,マイ・タイムラインの作成が有効と考えます。 令和元年11月定例会で,我が党山田議員が質問し,県は,普及を図るとのことでしたが,マイ・タイムラインの作成の進捗状況及び今後の取組について,危機管理監に伺います。 次は,備蓄体制について伺います。 本県では,岡山桃太郎空港内にある貨物ターミナルの一部を借り上げ,「防災航空物資センター」として,備蓄倉庫として,災害時には,国からのプッシュ型支援物資の広域物資拠点や,他県の物資拠点が被災した場合の代替物資拠点として活用できるよう,準備を進めてきました。 我が会派の代表質問では,市町村の備蓄の取組を支援しながら,県としても,緊急的な要請に対応できるよう,物資の備蓄に取り組むとの御答弁でしたが,県としての,避難所での感染症予防に有効なマスクや消毒液,防護服などの現在の備蓄状況はどうか,また,今後どのような想定で備蓄に取り組んでいくのか。 また,現在この1か所ですが,県内各地で避難所が分散され,拡大しています。プッシュ型支援を考えている県として,市町村を迅速にバックアップし,県内広域での物資の備蓄体制の強化も必要と考えます。他県からの受入れ拠点として,空港内は大事ですが,県の防災備蓄拠点を県内に分散設置すべきと考えますが,併せて危機管理監にお伺いいたします。 続いて,岡山県地域防災計画についてお伺いいたします。 前述のように,国は,防災基本計画を,避難所における新型コロナウイルス感染症を含む感染症対策の平時からの検討,実施など,最近の施策の進展等を踏まえ,修正をしました。前の項目の対応を含め,新型コロナウイルス感染症を踏まえた岡山県地域防災計画の早期の見直し,修正が必要であると考えますが,今後どう取り組まれるのか,知事にお伺いいたします。 次は,岡山県業務継続計画,BCPの策定についてお伺いいたします。 現在,県では,平成30年7月豪雨災害への対応等を踏まえ,大規模災害時における業務継続計画,岡山県庁BCPの見直しを本年3月に行いました。非常時優先業務の見直し,参集人数等,業務の実施に必要な人数の確保の計画策定となっています。 そこで,同様に考えなければならないのが,新型コロナウイルス感染症に対応した業務継続計画です。県では,現在,新型インフルエンザ対策業務継続計画を策定していますが,今回の感染症を教訓に,もし県職員に感染者や濃厚接触者が出て,出勤が減った事態などを想定して,優先して継続すべき業務を抽出し,職員の中から,優先業務を代替できる経験者もリストアップして,迅速に応援職員を配置できる体制を整えなければなりません。優先業務は,感染予防業務とともに,優先業務の担当部署で人員不足に陥った場合は,経験者リストから職員を選んで配置し,行政機能を維持しなければなりません。県民へは,来庁自粛の呼びかけや,庁内の立入禁止エリアを設けることも定めなければなりません。 第2波,第3波の備えとしても,急がれます。感染予防の徹底とともに,県内市町村を含め,業務を継続し,県民の皆さんの安全安心な生活を守るために,業務継続計画策定は極めて重要であります。 新型コロナウイルス感染症の対応における業務継続計画について,早急に策定していくべきと考えますが,知事にお伺いいたします。 続きまして,新型コロナウイルス感染症専用病院等についてお伺いいたします。 東京都では,4月には,台東区と中野区の病院で,大規模な院内感染が発生しましたが,医療崩壊を何としても回避するために,患者の受入れ体制の整備を強力に進めています。感染者の症状は,無症状から重症まで様々であることから,東京都は,医療機関ごとの役割分担の明確化や,重症化阻止に向け,中等症患者を中心に治療する新型コロナ専用病院の整備について,今年度補正予算案に調査費を盛り込んでおります。これまでの状況を踏まえ,感染第2波,第3波が想定される中での取組であります。 本県におきましても,他の病院の通常診療などの確保の意味からも,重点医療機関の設定に当たり,中等症患者を中心に治療する専用病院設置や専用病棟の設置などの取組を進めていただきたいと思いますが,知事のお考えをお聞かせください。 次に,産業支援について,コロナ禍での事業承継の円滑化支援についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で,中小企業・小規模事業者の事業継続が大変に厳しい事業者が多くいらっしゃいます。事業を承継できるのかが,大きな課題の一つになっております。廃業を検討している事業者の皆さんが,様々な状況の中で,技術や雇用を次世代に円滑に引き継げるように支援しなければなりません。 本県でも,「岡山県事業引継ぎセンター」がありますが,国や中小企業基盤整備機構等とも連携を行いながら,相談員がアウトリーチとして企業に出張して,承継支援や税の優遇措置の紹介が行えるよう,機能強化を行うなどとともに,事業承継支援の助成制度の創設などにより,感染症対策も含め,事業承継の円滑化に向けて,県として総合的な支援を拡充すべきですが,知事のお考えをお伺いいたします。 次に,就職支援について伺います。 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け,来春卒業予定の大学生などの皆さんの就職に不透明感が出ています。企業の業績悪化で,新卒採用を絞る動きもあり,民間の就職情報会社によりますと,6月1日時点の就職内定率は,前年同時期比で13.4ポイント低い56.9%にとどまっています。 新卒採用の現状について,一部企業で採用の手控えがあるとの意見もありますが,県内の状況及び御認識について,産業労働部長にお伺いいたします。 慶應義塾大学の太田聰一教授は,コロナによる経済への悪影響が長引けば,氷河期再来のリスクが出てくる。問題が長引いた際に備えて,今から若年層の雇用を安定化させる仕組みをしっかり準備していくことが大切であり,その意味で,若者向け就職支援の拠点である「ジョブカフェ」の活用が有効であると言われておられます。 さらに,コロナの影響で,就職活動にも混乱が生じています。従来のように,会社を訪問したり,多くの人の話を聞いて判断することが難しく,入社後,ミスマッチに気づき,離職が心配されます。 そこで,お伺いいたします。 おかやま若者就職支援センター内に,コロナウイルス感染症対策の窓口などの設置や,同様の危機の兆候が見えたときには,機能強化や正社員化を後押しするための支援などが必要と考えます。支援センターにおける現在の支援状況と,今後の対策について,産業労働部長にお伺いいたします。 また,支援センターでの支援に関連して,本年2月定例会の一般質問におきまして,支援対象年齢の拡大や,不安定就労が続く非正規雇用の方々に対して,正規雇用に向けた支援を充実するなど,個々の課題に応じたきめ細かい支援に努めるとの御答弁をいただきました。就職氷河期世代への支援状況と,今後の対策について,産業労働部長にお伺いいたします。 次に,新型コロナウイルスに関する支援の強化についてお伺いいたします。 感染症拡大は,我が国の経済,社会に大きな影響を与えており,2008年のリーマン・ショックを超え,戦後最大規模の経済危機と言われております。岡山県下でも,一昨年の豪雨災害,昨年の消費税増税の影響もある中,今回の,感染症による地域経済への影響は,国内外旅行者の減少や,サプライチェーンの停滞の影響に加えて,イベント中止や宴会等の自粛に起因して,あらゆる業種に影響が拡大しています。中でも,宿泊,交通,旅行,土産等,観光関連,飲食,イベント,スポーツジム等の事業者は,一段と厳しさを増して,大きな打撃を受け,また自動車関連製造企業は,自動車メーカーの減産・調整の影響を受けて,厳しい状況にあります。 今回,本県は,商工会議所・商工会への岡山県支援機関特別相談員設置費の補助,県・市町村連携事業者支援金の交付に続き,「岡山県事業継続特別支援金制度」を創設し,地域経済を支える中堅・中小企業を支援することとされました。この制度の創設につきましては,私どものところにも感謝の声が届いております。 こうした中,緊急事態宣言が解除にはなりましたが,一方で,感染症の影響を受けて疲弊している小規模の事業者が事業を再開し,売上げの回復を図ることは,まだまだ先の見えない,非常に困難な状況にあります。 つきましては,我が党の代表質問でもお伺いしましたが,中堅企業に比べて体力が弱く,経済動向の影響を受けやすいところも多い,県下の常時雇用者数20人以下の中小企業も支援対象とする新たな支援制度をぜひ検討していただきたいと思いますが,知事の御所見をお伺いいたします。 次に,観光振興,消費喚起等についてお伺いいたします。 先日,「中国5県内で観光,飲食,買物を楽しもう!」と,中国地方知事会がメッセージを発信されました。県内の観光産業が大きな打撃を受けている中,観光振興・消費喚起等の対策について,積極的に取り組んでいただきたいと思いますが,具体的にどのような政策を考えておられるのか,産業労働部長にお伺いいたします。 次に,相談体制の強化について伺います。 県内の商工会議所,商工会の皆さんも,今回の感染症の影響で苦しまれている事業者の皆さんを支援し,医療崩壊,介護福祉の崩壊とともに経済の崩壊を防ぐために,相談・審査などの業務に全力で取り組んでいただいております。 その中で,第2波,第3波の対応のためにも,今後の相談体制の強化など,県に対して提言があったと伺っておりますが,その提言に対して,具体的にどう応えていくのかを含め,今後の相談体制の強化にどう取り組んでいくのか,産業労働部長のお考えをお聞かせください。 次に,コロナ禍における教育費等の負担軽減についてお伺いいたします。 県立,私立高校の教育費等の負担の軽減について伺います。 新型コロナウイルス感染症による経済の停滞は,多くの家庭に深刻な影響をもたらしていますが,経済的理由により,学びを断念することがないよう,支援する必要があります。コロナ禍により,家計が急変した場合の対応として,県立学校では,既存の家計急変支援の制度で対応することとして,年収350万円程度の収入見込みとなる場合に,授業料を免除することとしております。また,私立高校では,収入が半減する程度の急変があった場合には,現在の支援対象となる年収910万円未満の収入区分に応じて支援することとしています。 県立高校については,収入減の度合いによっては,基準とする年収を引き上げてもよいのではないでしょうか。私立高校については,支援対象となる収入半減という基準が,厳し過ぎるのではないかと考えられます。 この支援の相違について,どうお考えでしょうか。先ほど述べました県立,私立の支援の課題について,解決に努めていく必要があると考えますが,どう対応していくのか,私立高校につきましては総務部長に,県立高校につきましては教育長に,お考えをお伺いいたします。 最後に,専修学校,各種学校の負担軽減についてお伺いいたします。 今回,県へ要望も上がっておりますが,専修学校等は,我が国の中心的な職業教育機関として,令和2年5月現在,本県では68校,1万651人の生徒が学ばれています。人口減少社会に対応した,個人の能力向上や,地方創生による地方活性化等が,今,重要な課題となっております。これらの課題解決の鍵の一つは教育であり,本県の成長産業,地域活性化を担う専門人材を養成する機関としての専修学校等の行う職業教育に対して,一層期待が高まっております。 しかしながら,今般の感染症の拡大により,専修学校等で学ぶ生徒やその保護者の経済状況,あるいは専修学校等での教育活動,学校運営に,多大な影響が生じております。 そこで,お伺いいたします。 既存の国の支援制度は,多くの専修学校等が対象外となっているものがあります。学校再開に向けた,マスク,消毒液等の購入補助や,教室内の空調・換気設備の整備など,感染症対策への支援,経済的に困窮する生徒への就学支援,そして遠隔教育の構築支援など,県が独自に感染症対応地方創生臨時交付金を活用し,感染症対策として支援できませんでしょうか,知事のお考えをお聞かせください。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  公明党の増川議員の質問にお答えいたします。 まず,防災対策等についての御質問であります。 地域防災計画についてでありますが,この計画は,毎年修正を行っているところであり,避難所における感染症対策の強化など,今年5月に見直された国の防災基本計画の内容との整合を図りながら,修正を行ってまいりたいと考えております。 次に,業務継続計画についてでありますが,平成21年度,2009年度の新型インフルエンザの流行を受け,発生時の優先業務とその業務量などを定めた計画を既に策定しており,今回の新型コロナウイルス感染症への対応においても,大きな支障なく,業務を継続できたと考えております。 一方で,医療調整に関する業務や,テレワークの推進など,今回の経験から得られた新たな視点もあることから,今後,必要に応じ,計画に反映してまいりたいと存じます。 次に,専用病院等の設置についてでありますが,本県においては,感染症指定医療機関を中心とした医療提供体制の下,クラスターや院内感染が生じることもなく,第1波を乗り切ったところであります。今後,第2波に備え,円滑な患者の受入れと一般医療の両立が可能となる体制の構築が必要と考えており,中等症患者を中心に治療する専用病棟を設置するかどうかも含め,現在,検討を進めているところであります。 今後とも,医療機関との協力体制を生かしつつ,重点医療機関の設定も含めた取組により,医療提供体制の構築に努めてまいりたいと存じます。 次に,産業支援についての御質問であります。 事業承継の円滑化についてでありますが,県では,平成30年,2018年から,支援機関,金融機関などで構成する事業承継ネットワークを組織し,支援に取り組んでおります。このたびの新型コロナウイルス感染症の影響により,事業継続が困難となる事業者の増加が懸念されることから,支援機関等が行う相談や診断など,様々な機会を通じて,事業継続の選択肢として,第三者承継についても周知を図っているところであります。 今後とも,第三者承継を希望する事業者を事業引継ぎ支援センターにつなぐことで,地域に必要とされる事業や技術が円滑に承継され,地域経済が持続的に発展するよう,取り組んでまいりたいと存じます。 次に,新たな支援制度についてでありますが,国の事業者支援の中心的施策である持続化給付金は,比較的小規模な事業者には高い効果が認められますが,規模が大きくなるに従い,効果が限定的となることから,これを補完するために,事業継続特別支援金制度を創設したところであります。 今後の事業者支援については,国が第2次補正予算で行う施策等を勘案しながら,効果的な支援策を講じることができるよう,しっかりと検討してまいりたいと存じます。 最後に,教育費等の負担軽減についての御質問であります。 専修学校等についてでありますが,国の制度では,専修学校の高等課程は高等学校と,また専修学校の専門課程は大学と同等の支援制度が用意されているところであります。まずは,これらの制度の活用に努めながら,引き続き,生徒の状況等を注視し,支援の在り方について検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  危機管理監塩出則夫君。   〔 危機管理監 塩出則夫君 登壇 〕 ◎危機管理監(塩出則夫君)  お答えいたします。 防災対策等についての御質問であります。 まず,避難所のうち,確保の状況等についてでありますが,現在,市町村が,県有施設38か所,それ以外の施設1,719か所を避難所に指定しております。県では,避難所として利用可能な宿泊施設のリストや,避難所周辺の宿泊施設のマップデータなどを市町村に提供し,活用を促しているところであり,市町村が,可能な限り多くの避難所を確保できるよう,引き続き,支援してまいりたいと存じます。 次に,運営についてでありますが,被災市町村を支援するため,県・市町村相互応援協定に基づき,必要な要員を派遣することとしており,不足する場合には,徹底した健康管理の下で,広域応援協定に基づく県外自治体からの応援を要請することとしております。また,民間事業者の活用や,県内ボランティアの協力についても,市町村のニーズに応じて,必要な支援を行ってまいりたいと存じます。 次に,感染症拡大防止対策についてでありますが,パーティションで仕切った部屋割りや,体調不良者を収容する別室の確保等を市町村に助言しており,また長期の停電対策として,中国電力に電源車派遣を要請することとしております。空調設備などについては,災害時協力協定に基づいて,関係団体に設置を要請し,その他,必要な資機材の調達等については,民間の力を活用し,対応することとしております。 次に,マイ・タイムラインについてでありますが,お話のマイ・タイムラインは,県民が適切な避難行動を取るために有効な取組であると考えており,普及啓発に努めているところであります。現時点で,作成状況の把握までは行っておりませんが,引き続き,県民の理解が一層進むよう,防災セミナーや自主防災リーダーの研修等を通じて,普及啓発に努めてまいりたいと存じます。 最後に,備蓄体制についてでありますが,県では,マスク1万3,000枚,防護服100セットを確保しており,消毒液についても確保する予定としております。現在,南海トラフ地震を想定し,県と市町村の役割分担に応じて,避難生活に必要な物資の備蓄を行っており,今後,感染症対策用の備蓄品の追加を検討してまいりたいと存じます。また,備蓄品の保管については,県民局など,県内8か所に分散して行うこととしております。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  総務部長村木智幸君。   〔 総務部長 村木智幸君 登壇 〕 ◎総務部長(村木智幸君)  お答えいたします。 教育費等の負担軽減についての御質問であります。 高等学校のうち,私立についてでありますが,私立高校においては,既存の制度において,県立高校に比べて授業料等の額が高く,そのため,所得階層ごとの減免額を設定しているところであります。新型コロナウイルス感染症拡大による家計急変世帯への支援制度については,そうした既存制度を前提としていることから,県立高校との違いが生じているものと考えております。 また,私立高校の支援対象とする「収入半減」の基準については,家計急変世帯を救済する特例扱いとして設定したものであり,基準を改めることは考えておりませんが,制度を周知し,必要な支援が行き届くよう努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  産業労働部長小林健二君。   〔 産業労働部長 小林健二君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小林健二君)  お答えいたします。 産業支援についての御質問であります。 就職支援のうち,新卒採用の状況等についてでありますが,県内企業では,採用活動を予定どおり行っているところもあるものの,採用予定数を再検討しているところや,スケジュールを後ろ倒しにしているところもあると聞いております。こうした状況の中,県としては,新規学卒者の就職活動を強力に支援していく必要があると考えており,Webを活用した面接機会の提供などに,関係機関と連携し,取り組んでまいりたいと存じます。 次に,おかやま若者就職支援センターについてでありますが,センターでは,このたびの新型コロナウイルス感染症に伴う学生の不安解消に向け,4月から,電話やメールでも相談できる窓口を設置するなど,対応を行っているところであります。就活環境が厳しさを増す中,今後とも,Web面接対策など,新たな課題にも対応しながら,隣接する国の新卒応援ハローワークと連携し,一人でも多くの方が希望する職業に就けるよう,利用者に寄り添った支援に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,就職氷河期世代についてでありますが,おかやま若者就職支援センターの支援対象を,4月から,40歳代までに拡大するとともに,職員を増員し,カウンセリング体制を充実しており,また就職氷河期世代の支援に理解のある企業の合同説明会の開催を計画するなど,支援に取り組んでいるところであります。新型コロナウイルス感染症の影響により,就職環境は一層厳しさが増しておりますが,一方で,テレワーク等の新しい働き方も広がっており,こうした変化に対応した支援の在り方について,関係機関と共に研究しながら,それぞれの能力や適性に応じた,きめ細かな支援に努めてまいりたいと存じます。 次に,観光振興等についてでありますが,まずは,県民限定の宿泊クーポンの発行などにより,県内から観光需要の喚起に取り組んでまいります。また,夏の観光シーズンに向けて,近隣県に範囲を広げた誘客にも順次取り組むとともに,国のキャンペーンに連動し,全国から,より多くの方に岡山を訪れていただくためのプロモーションを展開したいと考えております。 具体的には,宿泊・飲食クーポンの発行,県内周遊を促すスタンプラリーの実施などにより,誘客を促進するとともに,通信販売サイトを活用した,桃やブドウなど旬を迎える県産果物の販売促進などにより,消費喚起を図ってまいりたいと存じます。 次に,相談体制の強化についてでありますが,商工会議所・商工会における相談件数の増加に対応するため,県では,支援機関特別相談員設置事業を創設し,商工会議所連合会等を通じて,計49人の特別相談員を6月から派遣しているところであります。また,このたびの国の第2次補正予算において,国が商工会議所等に相談員を配置する方針が示されたところであり,引き続き,きめ細かな相談対応ができるよう,体制の確保に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 教育費等の負担軽減についての御質問であります。 高等学校のうち,県立についてでありますが,県立高校における支援制度については,他県の状況等も踏まえて,国の要保護・準要保護制度の基準を参考に,年収350万円未満となる家計急変世帯を対象としており,私立高校は,授業料等の納付金が高額であるため,保護者の負担感を考慮して,対象者や減免額を決定していることなどから,制度内容に差が生じているものと考えております。 こうしたことから,現時点で,制度の拡充を行うことは考えておりませんが,今後も,制度の周知に努め,経済的な理由で学業を断念することのないよう,支援してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  41番。   〔 41番 増川英一君 登壇 〕 ◆41番(増川英一君)  御答弁ありがとうございました。 それぞれ御答弁いただいて,1点,業務継続計画で先ほど言われましたように,新型インフルエンザ対策業務継続計画が既にありますけれども,最初に計画をつくったのが平成23年2月です。その後,新型インフルエンザ等対策行動計画で,平成25年10月,また平成30年1月に変更されております。 内容も見させてもらいました。様々な行動計画がありますけれども,今回,とにかく前提として,このコロナウイルスの感染症は,もう御承知のとおり,治療薬やワクチンも開発中でありますし,先ほど言いました,今まで以上に,来庁の自粛だとか庁内の立入禁止エリア,またそういった様々な観点から今までのインフルエンザと違う点も,さらに手厚く対策をして,業務を続けていくための施策が必要だと思います。 そういった意味で,さらに警戒心を持って,ぜひ見直しを行い,つくり上げて,対応していただきたいと思います。これも要望とさせていただきます。 いずれにしましても,今回のコロナ禍の中で,今も生活に困窮されている方や,本当に大変な状況の方が業種や規模に関係なくいっぱいいらっしゃると思います。そういった方々から,今回も様々な御意見を直接お伺いして,そしてまた,新しい課題について質問をさせていただきました。 本県では,知事を先頭に,全庁を挙げて頑張っていただいていますけれども,さらにきめ細かい支援策の追加,拡充を要望いたしまして,質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。 ○議長(波多洋治君)  以上で増川君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 9番乙倉賢一君。 答弁者は控席へ御移動願います。   〔 9番 乙倉賢一君 登壇 〕 ◆9番(乙倉賢一君)  自由民主党乙倉賢一でございます。 本日は,一般質問の登壇の機会をいただき,感謝申し上げます。ありがとうございます。 また,傍聴にお越しいただき,本当にありがとうございます。 まず,新型コロナウイルス感染症につきましては,全国に感染が拡大し,多くの感染者が発生しました。去る3月22日に,県内で初めて感染者が確認されて以降,県におきましても,様々な対応がなされてきました。 4月7日に,東京都など7都道府県を対象に緊急事態宣言が行われ,さらに16日には,宣言の対象が全国に拡大されたことから,外出自粛要請,観光旅館等に営業自粛をお願いするなど,県民の皆様や県内事業者の皆様には,この要請に御理解いただき,共に取り組んでいただきましたことに感謝申し上げます。 また,感染拡大の防止に御尽力されている医療関係者をはじめ,関係各所の多くの皆様に,心より敬意を表し,御礼申し上げます。 本県では,幸いにも,新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方はいらっしゃいませんが,全国では,1,000人近くの方の命が奪われております。改めまして,新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に,謹んでお悔やみ申し上げますとともに,罹患された方々には,心よりお見舞い申し上げます。 感染症の早期収束を強く願い,引き続き,県民の皆様の命と暮らしを守ることを最優先に取り組むとともに,経済的な影響を受けている皆様の暮らしや事業を維持していく,できる限りの支援を行う必要があると考えております。何とぞよろしくお願い申し上げます。 それでは,質問に入らせていただきます。 災害が少ないと言われている岡山県ですが,近年では,平成30年7月豪雨災害によりまして,県内各所で甚大な被害が発生しました。自然災害は,大規模化かつ頻発化しているようであり,毎年,各地で多くの人命や財産等が失われ,全ての県民にとって,大きな脅威となっております。また,100から150年周期で発生している南海トラフ地震は,今後30年以内に70から80%程度の確率で発生すると言われています。 自然災害が起こるたび,改めて防災の大切さを感じる一方,「何をどう備えたらいいのか分からない」という声も多く聞こえます。災害が起きると,一時的に防災意識は上がるのですが,時間がたつと,また下がっています。災害はいつ起こるか分からないもの,災害が少ないと言われる岡山だからこそ,その防災を特別なものではなく,生活習慣にしていく必要があると思っています。 県民の生命,身体,財産を災害から保護するためには,防災に携わる様々な主体が連携して,継続的に防災のための行動や事業の展開に努めることが重要であり,この連携した取組が持続していく社会をつくっていかなければならないと思っています。県及び市町村が,個人や家庭,地域,事業者等と連携し,日常的に防災のための行動と事業を息長く行っていくことが,何よりも重要です。 岡山県では,岡山県防災対策基本条例が平成20年に施行されており,この条例は,防災対策に関し,基本的理念を定め,災害予防対策,災害応急対策及び復旧・復興対策における県,市町村,県民,自主防災組織,事業所及び災害ボランティアの責務,また役割を明らかにすることにより,防災対策を総合的かつ計画的に推進し,もって災害に強い社会の実現に寄与することを目的にしています。 そうしたことを踏まえながら,災害時の避難生活についてお尋ねいたします。 災害時避難場所などの密集した環境下での生活により,新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染リスクが高まるおそれがあることから,その拡大を防ぐため,事前に備えが必要だということで,避難所運営マニュアルのひな形が作成され,マスク未着用者に対し,マスクを配付する,生活空間に入る前に手洗い,またアルコール消毒等による手指の消毒をお願いする,検温や聞き取りを実施し,発熱など体調不良を訴える場合は,別室や専用スペースに案内する,配付する物品,マスク,毛布などがある場合は,人数分手渡しすると記しています。 避難場所でこうした対応を行うため,県と市町村による感染対策のために必要となる資材の確保等を行う事業が予定されていますが,現時点で,マニュアルどおり対応ができる程度の備蓄は行えているでしょうか。 また,不足している市町村がある場合は,当面,他の市町村から資材の融通ができるように準備しておくことが必要と思いますが,併せて危機管理監にお伺いします。 次に,避難場所の適切な衛生管理についてお尋ねします。 災害時,ライフラインの途絶や集団生活といった条件下では,避難所での感染症,食中毒等のリスクが高まり,このため,トイレの衛生対策をはじめ,うがい,手洗いの励行など,発災直後から衛生管理に徹底して取り組む必要があり,マニュアルのひな形にも衛生対策が記されています。重要なのは,マニュアルの内容を避難者に徹底してもらうことですが,どのようにして周知していくのか,危機管理監にお伺いいたします。 次に,安否確認についてお尋ねいたします。 一昨年の豪雨災害においては,私は,発災の翌日から,地域住民の安否確認を行いました。避難所に残られている方,自宅の片づけに行っておられる方,一人一人の住民がどこにいるのかを,多くの人に伺いながら,確認を進めてまいりました。 新型コロナウイルス感染症を踏まえ,避難場所は3密になる可能性があることから,安全な友人や知人のお宅に避難することも勧められており,感染を防ぎながら命を守る点では,正しい選択です。しかし,災害時の安否確認を行う点では,豪雨災害のときよりもスムーズに進まないのではないかと思います。安否確認が遅れることによって,復旧・復興の第一歩が遅れることがあってはいけません。 それぞれの住民がどこに避難するのかを事前に把握する仕組みをつくっておくべきだと思いますが,危機管理監にお伺いします。 出前講座についてお尋ねします。 各県民局や危機管理課では,市町村や自主防災組織等が主催する防災研修会等に講師を派遣する出前講座を実施されています。この講座については,取組を拡大していただきたいと思いますが,過去5年間の派遣実績を教えてください。 また,今後どのように展開していくのかについてもお知らせください。併せて危機管理監にお伺いします。 次に,自主防災組織についてお尋ねします。 岡山県では,令和2年4月時点での自主防災組織の結成状況は87.2%となっていますが,県として,防災対策や災害対策を行っていく中で,自主防災組織にどのようなことを期待していますか。 あわせて,自主防災組織については,そのメンバーでさえ,どこまでの活動を求められているのかほとんど知らないとの意見を多く聞きます。日常的な防災の取組から,災害発生時の対処,避難所運営での役割に至るまで,市町村が自主防災組織に行ってもらいたい具体的な役割を伝えられていないように思います。 そうした取組を行う市町村にしっかりと助言をしていただくとともに,県も,出前講座などの機会を使って,自主防災組織に期待している役割を伝えていただきたいと思いますが,いかがでしょうか,危機管理監にお伺いします。 次に,県民の防災意識についてお尋ねします。 防災対策について,県民満足度調査では,全体の4分の1を超える方が,「特に対策をしていない」と回答しており,その理由については,「何をすればいいか分からない」「機会がないから」「住んでいる地域に災害は起きないと思っているから」等となっています。2年前にあれほどの大災害に見舞われた岡山県にも関わらず,防災意識が低いように感じられ,将来必ず起こる災害を考えると,非常に心配になります。 この調査結果についての感想と,県民の防災意識をどのように高めていくのかについて,知事にお伺いいたします。 ○議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の乙倉議員の質問にお答えいたします。 災害への備えについての御質問であります。 県民の防災意識についてでありますが,昨年の県民満足度調査では,お話のとおり,災害に対する備えについて,4分の1を超える方が,「特に対策をしていない」と回答しており,今後の防災対策を進める上で,しっかりと受け止める必要があると考えております。こうした状況も踏まえ,災害の発生リスクや適切な避難行動の重要性などを粘り強くお伝えし,県民の防災意識が高まるよう,取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  危機管理監塩出則夫君。   〔 危機管理監 塩出則夫君 登壇 〕 ◎危機管理監(塩出則夫君)  お答えいたします。 災害への備えについての御質問であります。 まず,感染症対策資材についてでありますが,南海トラフ地震発生を想定した場合,県・市町村相互応援協定に基づき,避難所で必要となるマスクの支援は可能と考えておりますが,消毒液や段ボールベッド等の物資の不足が見込まれており,今後,県と市町村の役割分担を踏まえ,備蓄品の追加を検討してまいりたいと存じます。 次に,避難所の衛生対策についてでありますが,県民に対しては,新聞,テレビ等を活用した広報はもとより,出前講座,自主防災組織のリーダー研修などにより,手指消毒やせきエチケット等の習慣化の周知を図ってまいりたいと存じます。また,市町村職員を対象として,研修や訓練を実施するなど,避難所における適切な感染症対策が徹底されるよう,取り組んでまいりたいと存じます。 次に,避難所の把握についてでありますが,県では,災害リスク等に応じた適切な避難行動や避難先の情報が盛り込まれた,地域住民による地区防災計画の作成を支援しているところであります。こうした取組は,お話のような災害時の住民の円滑な安否確認にもつながることから,引き続き,市町村と連携して,県内各地への普及を図ってまいりたいと存じます。 次に,出前講座についてでありますが,過去5年間に延べ258回開催し,約1万8,000人の方に参加をいただいているところであります。出前講座は,ハザードマップによる自宅周辺の災害リスクの確認や,適切な避難行動,備蓄の重要性などを直接,地域住民に説明し,理解を深めていただくことができる有効な手段であり,今後一層,こうした取組を進めてまいりたいと存じます。 次に,自主防災組織についてでありますが,共助の中心的な担い手として,防災知識の普及,訓練の実施や,災害発生時の情報の収集・伝達,避難誘導等の役割を期待しており,今後とも,出前講座や防災セミナーの開催などを通じて,地域住民の一層の理解促進を図ってまいりたいと存じます。 また,自主防災組織の結成や活動の活性化に積極的に取り組むよう,市町村に助言するとともに,引き続き,その取組を支援してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  9番。   〔 9番 乙倉賢一君 登壇 〕 ◆9番(乙倉賢一君)  先ほどの避難所の,知人宅に避難した場合の把握ですが,その後の数を確認する時間をどういった形で減していくか具体的なものがありますか。 ○議長(波多洋治君)  危機管理監。   〔 危機管理監 塩出則夫君 登壇 〕 ◎危機管理監(塩出則夫君)  再質問にお答えいたします。 地区防災計画というものを地域住民が主体となって作成することを県では支援をしております。この地区防災計画の中に主な項目といたしまして,まず危険箇所の確認,連絡体制の整備,さらに緊急避難場所や避難所の確認,そして住民の所在確認といったことをあらかじめ盛り込んで策定して,災害に備える取組を県では支援をしているところでございます。この地区防災計画が策定されると,地域の皆さんが緊急時の所在確認をどのようにするかまで盛り込まれており,その計画に従って安否確認が行われます。この計画を県内に普及することによって,議員が御指摘のような安否確認がスムーズに行われる一つの取組になるのではないかと考えております。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  9番。   〔 9番 乙倉賢一君 登壇 〕 ◆9番(乙倉賢一君)  答弁ありがとうございます。 今の質問もちょっと関連性が出てくると思いますけれど,この自主防災組織そのものに関して,私も地元でその一員として頑張っているところではありますが,先ほども質問の中にありましたように,私自身も実は日々具体的に何をしたらいいのか分からないと思っているところでございます。 そういう中にありまして,県とか市町村が全体的に,「こうしてください,ああしてください,あなたたちの役割はこうですよ」という部分をお示しいただくことは当然ですけれど,私たち自主防災会の会員,運営している側から言わせていただくと,市町村,行政に頼っている部分がどうしても出てきます。それについては,「その組織をつくりなさい」ということで,つくった以上は,悪いことではないと思いますが,まず先ほどの自助,共助,公助の中の共助の部分が,地元でつくる自主防災会に当たるのではないかと思います。要は,行政ができない共助のあたりの部分を皆様にお願いしてもうちょっと具体的にお知らせをする。 それからもう一つ,これは肝腎なことだと思いますけれど,自主防災会の方も当然,一県民,市民ですから,「これはやらないでください,これはやめてください」ということもあると思います。これは消防局とか署の関係になるとは思うんですが,そういった部分を,しっかりと言葉や文章で伝えていただかないと,自主防災会が存在する意味がないと思います。 先ほどの答弁を聞くと,避難された方の把握は,最終的に地域でしてくださいとなるんじゃないかと思いますけれど,そのあたりの必要性を,自主防災会に限らず,地域にもうちょっと強いメッセージをいただかないと。もし地震があれば,今まさに揺れるかもしれませんよ。やらなければいけないことはなるべく早くしていくとのことですが,改めまして,自主防災会に対する思いをお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(波多洋治君)  危機管理監。   〔 危機管理監 塩出則夫君 登壇 〕 ◎危機管理監(塩出則夫君)  再質問にお答えいたします。 自主防災組織でございますけれども,自主防災組織の方自身が何をしていいか分からないので,もっと役割等をきちっと伝えるべきではないかとの御趣旨と思います。県におきましても,自主防災組織で活動していただく方のリーダーを研修する研修会,あるいは自主防災組織に組織化されていなくても,自主防災として地域でリーダー的に活動していただける方を養成する研修会などを開催しており,こうした研修会を通じ,今議員がおっしゃったような,自主防災組織あるいは地域の団体に期待をしている役割などの周知に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へお戻りください。 答弁者は控席へ移動願います。 9番。   〔 9番 乙倉賢一君 登壇 〕 ◆9番(乙倉賢一君)  ありがとうございます。実は,知事にその強い思いをお聞かせ願いたかったのですけれど,次回の機会にもっとすばらしい球を用意して頑張りますので,ぜひよろしくお願い申し上げます。 次の質問に入ります。 災害に強い県土づくりについてお尋ねします。 平成30年7月豪雨災害発生から,間もなく2年となり,被災者の生活と暮らしの再建につきましては,生活の再建が進みつつある一方,多くの方が,いまだに応急仮設住宅での生活を余儀なくされており,引き続き,転居費用の助成や,市町村等との連携した見守り,相談活動などの支援を行いながら,河川,道路などの被災箇所において,引き続き,復旧工事の早期完了を目指して取り組んでおられます。 また,河川の防災・減災対策につきましては,水位計や監視カメラを充実させ,早期の水防活動や住民の避難判断等を支援するとともに,4月に策定した河道内整備実施計画に基づき,優先度の高い箇所から,河道掘削や樹木伐採を積極的に進めていくこととしていると承知しております。 堤防につきましては,地域のさらなる安全確保のために,浸透対策など強化を進めていますが,必要区間を全て整備するには長い期間が必要となると想定され,緊急性の高い箇所から順次取り組んでいると思います。 大規模災害を経験したからこそ,災害に強い安全・安心の岡山県にすることが何よりも望まれます。そこで,質問させていただきます。 河川アダプト事業についてお尋ねします。 河川のアダプト事業は,令和元年度末で1,295団体が認定されています。その活動延長は,河川両岸で約600メートルであり,河川全体の両岸延長約5,400キロメートルの約11%になっており,河川管理に大きい役割を担う事業となっています。 出水期を迎え,新型コロナウイルス感染症への注意が必要な中,河川アダプト団体の活動に支障は出ていないでしょうか。春先の活動ができていない場所があれば,県で直接対応を行う必要があると思いますが,いかがでしょうか,併せて土木部長にお伺いします。 次に,河道内整備実施計画についてお尋ねします。 今年4月に,河道内整備実施計画を策定され,それに基づき,今後,優先度の高い箇所から,河道内掘削や樹木伐採を積極的に進めていただくことになると思います。優先度ランクAとしている緊急対策箇所での全ての解消と,優先度ランクBとしている要対策箇所の約3割の延長削減を,令和6年度までに行うということとされていますが,要対応箇所,残る約7割の対応が完了する想定年数と,その対応を行うための概算費用はどの程度必要となる見込みでしょうか。なるべく短期間で完了するために,重点的な予算づけが必要だと思いますが,併せて土木部長にお伺いします。 次に,河川の防災・減災対策についてお尋ねします。 河川管理者が実施するハード整備と,市町村,地域住民が実施する水防活動は,水害の対応における車の両輪となって,被害の拡大を食い止め,水害から命を守るための迅速な避難行動を支援するものであり,どちらか一方でも十分な対応が行えていなければ,甚大な被害につながるものです。県が河川の改修工事などハード対策を行えば,その場所は必ず安全だと保証されるものではなく,水防活動が果たす役割は,引き続き重要です。 県が河川の防災・減災対策を進めていく上で,水防活動に期待することについて,知事の御所見をお伺いいたします。 次に,岡山県国土強靱化地域計画についてお尋ねします。 ハード・ソフト両面から地域の強靱化を進めるため,平成28年に策定した岡山県国土強靱化地域計画が,今年度で最終年度となり,先般,その見直しを行うことが公表されました。国の基本計画の見直しも踏まえて,必要な施策の追加などを行っていくと思いますが,岡山県は,現計画の期間中に,平成30年7月豪雨災害を経験したことから,その教訓を生かし,次期計画では一層の取組を行うことが期待されています。 今後,骨子案などが示される予定ですが,万が一,7月豪雨災害と同じ規模の災害が発生したとしても,復旧・復興への取組が最小の規模で済むような計画にする必要があります。現在進めている復旧・復興の取組への評価に併せて,見直しを行う地域計画に対する知事の思いをお聞かせください。 ○議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 災害に強い県土づくりについての御質問であります。 まず,水防活動への期待についてでありますが,水防とは,自らの地域を自らの手で守る,自衛の減災活動であり,巡視や警戒,水防工法の実施,避難誘導,救助活動等を行うことにより,水害を未然に防止し,被害を軽減するなど,県民の生命と財産を守る重要な活動であると認識しております。水防活動の中心となる水防団には,引き続き,関係機関との的確な情報共有や水防技術の向上に努めていただき,地域の安全・安心の担い手として大いに活躍していただくよう,期待しております。 次に,岡山県国土強靱化地域計画についてでありますが,平成30年7月豪雨災害の復旧・復興については,河川,道路等の復旧工事が,今月末時点で,7割を超える箇所で完了する見込みとなるなど,おおむね順調に進んでおります。現在,地域計画の見直しを進めているところでありますが,大規模な自然災害が発生しても機能不全に陥らない,迅速な復旧・復興が可能な地域経済社会を築くためには,さらなるスピード感を持って,各種施策に取り組む必要があると考えております。 このため,各種個別計画の指針として策定する地域計画には,豪雨災害の教訓や,新型コロナウイルス感染症対策の経験もしっかりと反映させ,より災害に強い岡山の実現に向け,全力で取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  土木部長原田一郎君。   〔 土木部長 原田一郎君 登壇 〕 ◎土木部長(原田一郎君)  お答えいたします。 まず,河川アダプト事業についてでありますが,新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から,一部で活動を自粛していたとの声も聞いておりますが,流水阻害や堤防点検の支障となる樹木等については,これまでも県が直接,伐採を行っていることから,河川の維持管理に特に問題は生じていないと考えております。 河川アダプト事業は,河川への愛着心を育む上でも重要であることから,引き続き,しっかりと進めてまいりたいと存じます。 次に,河道内整備実施計画についてでありますが,ランクBの延長のうち,計画期間内の対策の対象外となる約7割の概算費用を現時点で試算すると,約60億円となりますが,完了までの想定年数については,今後の土砂の堆積や樹木の繁茂の状況変化等もあることから,お示しすることは困難であります。 また,重点的な予算づけについては,今年度から,従来のふるさとの川リフレッシュ事業を大幅に拡充したところであり,まずは,河道内整備事業の効率的・効果的な実施に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(波多洋治君)  9番。   〔 9番 乙倉賢一君 登壇 〕 ◆9番(乙倉賢一君)  ありがとうございます。 整備計画については,一日も早い実施を,改めてお願い申し上げたいと思います。 また,知事におかれましては,これも要望で済ませたいと思います。先ほども,水防活動に対して御理解を示していただいたと思っております。現場での声がなかなか届かない部分が往々にしてあると思いますけれど,そういった声が今後も現場でありましたら,ぜひこういう機会に知事にぶつけていきたいと思っていますので,今後とも,ぜひよろしくお願い申し上げます。 以上で終わります。ありがとうございました。 ○議長(波多洋治君)  以上で乙倉君の質問は終了いたします。 答弁者は自席へお戻りください。 この際,午後1時10分まで休憩いたします。        午後0時3分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時10分再開 ○副議長(遠藤康洋君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 14番渡辺知典君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  皆さん,こんにちは。自由民主党岡山県議団の渡辺知典でございます。 今回は,コロナに関する諸課題を幅広く質問させていただきたいと思います。 まず,学校の再開について質問させていただきます。 3月2日から,各自治体の状況によって多少異なりますが,全国一斉臨時休業がなされました。やっと5月中旬から,学校は再開されましたが,3か月に及ぶ休業により,ICT授業などの取組はなされたものの,生徒児童たちの学ぶ権利が圧倒的に削られました。また,秋から第2波も予測されていることから,政府は,一斉臨時休業の要請を発出する可能性もあります。一度振り返って,今回の対応のよかった点,そして,まずかった点を検証し,次の対応に備える必要があると考えます。 前回の議会でも指摘しましたが,当初,政治判断により,全国的に学校の一斉休業をされたことから,やむなくというか,自動的に県立学校は休業となり,市町村もそれに倣いました。ここまでは仕方ないのかなあということでありましたが,その後,4月に学校が再開された直後,緊急事態宣言が発出されたときの対応がまずかったのではないでしょうか。 本来であれば,国の専門家会議の提言では,感染の地域の3段階を定め,一番厳しい段階のみ,その地域内の学校の一斉臨時休業も選択肢として検討すべきであることが示されておりました。しかし,県教委はすぐさま,ゴールデンウイーク明けまで県立学校の休業を決定し,その後,だらだらと5月末まで延長されました。この対応が間違いではなかったのか。国は,地域の状況に合わせて対応する基準まで示していたのに,全国の臨時休業の動きに合わせてしまった。このような中,勇気を持って,当初から学校を運営した高梁市や美作市の教育委員会については,敬意を表したいと思います。 地方自治を適切に運用する必要があると思います。まず,今後どのような状況になったらどうするのか。また,感染者が学校や地域から出た場合は,個々にどのような対応をするのか。さらには,高梁,美作の経験から,何か岡山モデルを発見したのではないでしょうか。あるいは,台湾のように,学級から1人コロナ患者が出たら学級閉鎖,2人出たら学校閉鎖,地域で何校学校閉鎖が出たら地域を休業するなど,対応方針を決めるなど,今後起こり得る様々な状況に対し,どのような対応をしていくのか,教育長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  自由民主党渡辺知典議員の質問にお答えいたします。 学校の再開についてでありますが,4月20日からの臨時休業は,本県において,外出自粛要請が行われる中,県内や隣接県における感染状況等を踏まえ,通学時等の感染リスク回避や,生徒等の不安解消のため,県教委として判断したものであります。 今後とも,県立学校の臨時休業等の判断に当たっては,地域における感染者数や感染経路不明者の状況,各学校における生徒の通学方法や通学範囲等を踏まえ,関係部局とも専門的見地から協議を行った上で,学びの保障も考慮しながら,適切に判断してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  渡辺君,14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  御答弁ありがとうございます。 今回,コロナで起こったことというのは,都市部とか特定の地域に感染の流行が起き,ただ,それをマスコミによって,全国同じレベルで報道がされたわけです。そうすると,我々も保護者の一人ですが,その立場からすると,「学校で子供が感染したら大変だ」というような思いが出てきて当然。そうなると,やっぱり県教委にクレームが来たりとか,私立学校にしても,一人でも感染者が出てしまったら大変な風評被害が起こってしまうと感じたんだろうと思います。 我々は,例えば災害とかインフルエンザのときも,あらかじめ何人出たら学級閉鎖にするとか,朝6時までに大雨洪水警報が出たら学校休みとか,そういった経験があります。そういった,学校の休業のある程度の目安をつくっておくことが,逆に,そういったナーバスになった保護者を緩和させる効果があると思いますけれども,もう少し具体的な基準をつくるお気持ちはないでしょうか。 ○副議長(遠藤康洋君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 もう少し具体的な基準が要るのではないかとのお尋ねでございます。 先ほど答弁でも申し上げましたけれども,まずは,地域における感染がどういう状況であるのか,感染者数の推移ということ,それからもう一つは,リンクが追える方は,どういう理由で感染したかは分かりますけれども,感染経路不明の方が出てくるということは,要するに,どういう状況になっているのか分からない,潜在的にウイルスがいるのではないかということになります。このあたりのところ,それから,当然,その学校をどうするかについては,それこそ一律ではなくて,子供たちの通学範囲,大体3割が主に鉄道を使っている通学経路がどうか,各学校ごとの状況も踏まえながら,むしろ個別に判断する必要があると考えておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移ります。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  続きまして,9月入学について質問させていただきます。 9月入学が国会において議論がなされている中で,知事から,9月入学推進といったコメントが度々発信されました。 私は,現在の年齢の区分を解消する様々な問題点や,会計年度との不一致から生ずる問題点,四季を通じた行事や気候に合ったスポーツイベント,あるいは4月の桜の咲く時期の入学それ自体が日本の文化となっていることなど,多くの理由から,世界では9月入学が多いということを理由とした9月への移行は,うかつに決められるものではないと考えております。専門家からも反対意見が多数出ているように,日本の現在の教育環境における様々な課題を解決するほうが優先的課題であるというのが,岡山県の教諭の大多数の意見なのではないでしょうか。 また,現在でも,国際バカロレア試験は5月と11月に本試験があり,日本のように4月入学の高校生は,11月に本試験を受けることで,全く問題なく9月入学の大学に進学できる現状があります。逆に,半年のギャップタームを利用して,語学研修や,学費を捻出するためにアルバイトに励む方も多いようです。 さらに,世界の大学は,9月だけではなく,日本に人気の高いオーストラリア,ニュージーランドは,1月,2月が入学であり,アメリカ,イギリスについても,現在は9月,1月の2学期制や,3学期制,4学期制など,通年入学,卒業が当たり前になってきております。国際化を進めるということから9月入学というのは,ある種の思い込みである可能性が高いという意見が,専門家からも出ております。 国際化を言うならば,日本の英語教育におけるコミュニケーションレベルの低さに注目するべきではないでしょうか。中学校から高校まで6年間英語を習って,英語で外国人と満足にコミュニケーションができる人が,1万人当たり何人いるのか。ここは,我々教育制度に関わる者が全員,猛省をすべきものと思います。 また,国際バカロレアを履修している生徒も,半数は日本の大学に進み,日本で就職していることや,9月入学を進めるために,就職やこども園から大学までの全ての社会システムを変えなければならない,大変大きな負担を社会と保護者と現在の生徒たちに強いる理由として,一部の生徒の都合だけで変えることは,強い違和感を感じております。 知事は,予算執行権を持った立場で,どれぐらいの覚悟でこの発言をされているのか,真意をお聞かせください。 また,本件は,政治家からの発信が多く,教育関係者からは,拙速な議論に反対意見が多いように思われますが,教育長の御所見もお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の渡辺知典議員の質問にお答えいたします。 9月入学についての御質問であります。 発言の真意についてでありますが,9月入学については,賛否両論あるのは承知しておりますが,10年先,20年先を見据えると,日本の子供たちがグローバルに活躍するためにはぜひ必要であり,今後,今回の議論を契機として,真剣に検討を進めていくべき事柄であると考えております。このことは,予算執行権を持つ知事としてではなく,政治家の立場として,意見を申し上げたところでございます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 9月入学についてのうち,所見についてでありますが,9月入学は,我が国の将来のグローバル化を見据えて,今後,検討していかなければならない事柄であると考えており,引き続き,国の検討状況を注視してまいりたいと存じます。 いずれにしましても,県教委といたしましては,今回の学校の臨時休業に伴う児童生徒の学習の遅れや,それに伴う不安の解消に,まずは学校や市町村教委と共に,全力を挙げて取り組んでいかなければならないと考えております。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  御答弁ありがとうございました。 留学推進ということについては,知事と私は同意見でありまして,積極的に推進すべきだと思います。ただ,今この岡山県の教育現場を見ますと,岡山県下の学校の先生方が,不登校や,それからコロナのことについても,いろんな親からのクレーム,働く環境,様々な問題に直面してるわけです。その聞かれてる知事の部下である先生方が,「今,学校を9月にする」というのを,皆さん思っていると思います。本当にコロナで大変なときに,これを度々知事が発言することで,非常にモチベーションが下がっているんじゃないかと思います。 それから,9月入学になるということは,当事者である1学年2万人ぐらいの岡山県の生徒たち,小学校から大学生まで,6・3・3・4で16学年,30万人以上の方々が,要は半年,強制的に留年させられるわけです。この影響,こういったことを考えると,知事が政治家として平場で発言されるのは結構ですけれど,記者会見とか,こういう危機のときに発言されるのは,本当にいかがなものかと思います。そういったところの御意見を,もう少しお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(遠藤康洋君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  この9月入学について,もう少しということであります。 私からすると,平場と記者会見は同じようなところに見えますけれども,私自身は,9月入学にするのはすばらしいと考えていたわけであります。理由は,入試の時期が冬にあるのは,入試とすれば大変悪いタイミング。今回の感染症もそうですけれども,自分はしっかり気をつけていても,周りから風邪やインフルエンザをうつされたことで,本番のときに試験を受けられなかった,もしくは非常に不利な目に遭った,こういう話は毎年毎年聞かされるわけであります。 あともう一つ,4月にいざスタートして,桜はすばらしくいいですけれど,すぐゴールデンウイークが来ます。で,またリズムが狂って,ようやく戻ったところでそこから1か月も2か月も夏休みです。どんと長い夏休みは世界各国,一年の中で一番長い休みですけれども,それが終わって,これから涼しくなっていって,読書の秋,勉強が進むときにスタートするのは,本来,タイミングからすると非常にいい。それが,たまたまというか,世界の大半の国がそうなっている。 留学に行きやすくなる。これは,「でも実際に留学する人というのは100人のうち数名じゃないか」と,これも本当にそうだと思います。ただ,実際のところ,留学に来てもらいやすくもなるのも結構大きな効果がありまして,留学するのは100人に数名かもしれませんけれども,例えば交換留学でクラスに1人来た留学生が,そのクラス,学年に与える影響は,大変大きいものがございます。私自身も経験したところでありますけれども,そういった双方向の留学生,日本は本当に少ないという実情があります。また,この20年,30年,先進国の中で留学生が減っている,ほぼ唯一の国であります。 今回,こういったことになったきっかけは,学習が遅れている,休校すべきだったかどうか,特に2回目どうだったのかという御指摘は,非常に鋭いと思いますけれども,現にそうなったことを前提に,具体的には宮城県の村井知事でありますけれども,仲のよい若手知事会の中から,「ここまで遅れたのであれば,一石二鳥を狙って,9月入学も考えてみるのはどうか」という御提案がなされ,私を含めて,すぐさま数名の知事が賛同をしました。そういう話をして,知事の間で広がっているときに,東京都,大阪府の知事も賛同をしたことで,世間一般には多分そこから広がっていったと私自身は理解をしております。当然,我々が思いつくぐらいですから,ほかにもそのことを考えた方は複数いらっしゃって,同時多発的に議論が沸き起こったものと考えています。 今回,今年,来年の導入は見送られるという決定が,国会で主流になっているということですので,学習の遅れと絡めたことはなくなりました。ですから,純粋に9月入学どうするのか,それを私はぜひ真剣に考えていただきたいと思っています。それで,多くの人が納得する結論に達したら,そこですればいい。もし,あまりにもデメリットのほうが多いということであれば,これはもう仕方がないと,このように考えています。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移ります。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  9月入学については,本当に社会全体を巻き込んだことですので,議論は本当に必要なことだと思いますが,実行については慎重に,ぜひともよろしくお願いいたします。 次に,ICT教育について質問させていただきます。 休校中のICT教育の取組が,かなり進みました。どのようなことを進められたのか,教育長にお伺いいたします。 また一方で,文部科学省の課長が,オンライン説明会で,かなりいら立ちをあらわにした説明をされて,話題になりましたけれども,ICT教育の取組が思うように進まなかった事例や原因を,教育長にお伺いいたします。 現在,昨年の国の補正予算で打ち出されたGIGAスクール構想の実現に向け,小中学校及び特別支援学校の1人1台端末の整備が全県で進められておりますが,今年度末での学校でのWi-Fi整備状況と,端末整備の達成時期の見込みを,教育長にお伺いいたします。 また,実際の現場においては,オンライン授業を行うとしても,ICTに不慣れな教員もいることから,現場の教職員を対象とした実践的な研修を,複数回,継続的に実施してほしいという要望が上がっておりますので,ICT支援員を活用した研修の充実とともに,ICTに精通した教員の加配について,教育長に御所見をお伺いいたします。 また,加配教員の実施については,学校や地域によって状況が異なることから,任用条件について,ある程度,市町村教委に裁量を与えてほしいという要望もありますので,その点,教育長の御所見もお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 ICT教育についてのうち,まず休校中の取組についてでありますが,地域や学校の間で取組に差はあるものの,インターネット上で児童生徒が学校とつながり,学習を進めるためのアカウントの配付や,学習用ソフトウエアを導入したことにより,オンラインによる教材の配信と回収をはじめ,オンデマンドによる学習動画の配信や,オンラインによる同時双方向の学習指導,児童生徒への健康観察等の取組を進めたところであります。 次に,取組が進まなかった事例等についてでありますが,アカウントの申請から取得に時間を要したことや,ICT環境がそろっていない家庭もあり,ひとしく学習機会を提供できないとの判断から,オンライン指導の実施をちゅうちょしたこと,教員のオンライン指導を実施するためのスキルに差があり,学校全体での取組にまで至っていないこと,またインターネット接続回線の容量不足により,動画配信の際に遅延が生じたことなどが上げられます。 次に,Wi-Fi整備状況等についてでありますが,学校のWi-Fi整備は,県立学校においては10月末まで,市町村立学校においては,差はありますが,遅くとも今年度末までに行われる予定であります。また,端末整備についても,全国で一斉に大規模な調達が行われていることや,世界的な供給の不安定化等により,調達不調や納期遅延等のおそれはあるものの,おおむねWi-Fi整備と同様のスケジュールで進められているところであります。 次に,ICT支援員等の活用等についてでありますが,ICTに精通した教員の加配までは考えておりませんが,県教委の指導主事が,既にオンライン研修や市町村に出向いての研修を行っているところであります。さらに,県立学校では,ICT支援員の配置を行っており,今後,国の補助事業を活用して,さらなる支援に努めてまいりたいと存じます。また,市町村教委では,既にICT支援員を配置しているところもありますが,このたびの国の補助事業を活用して,8市町村教委が配置を希望しているところであります。 次に,市町村教委の裁量についてでありますが,教員の加配は,市町村教委の意見や要望を踏まえながら,全県的な視野に立って行っているところであります。ICTに精通した教員の加配については,現在行っておりませんが,今後,こういった目的での国の加配が措置されるなど,状況に変化があった場合には,市町村教委の要望やICT支援員の配置状況なども踏まえながら対応してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  御答弁ありがとうございます。 できたこと,できなかったこと,いろいろあると思いますけれど,その中で,いろいろ話を聞いていると,国は,全校で,いろんな環境は違うけれども,できるだけオンライン授業をするところに何か最終目標を持っているようなことが聞こえてきます。実際には,小中高校でどの程度のことを県教委はやりたいのか,これをやっぱり示しておくことが,遡って,いろいろな人,金,物を集めるのに,戦略的には合致していると思いますけれども,お教えいただけますでしょうか。 ○副議長(遠藤康洋君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 県教委はどこまでのところを目指しているのかとのお尋ねでございますが,ここで整理をしておかなければいけないことは,まず通常の,例えば今のような状態でのICT教育の推進と,それから今日御質問でありましたような,いわゆる学校休業状態でどう対応していくのかがあろうかと思います。 まず,通常の授業形態の中では,これは学校の授業の中で,いわゆる教師と生徒が一体して対面するような従来型の授業に加えて,オンラインといいますか,コンピューターを効果的に使って,授業の効率を上げて,子供たちの理解を助けることを進めてまいりたいと考えております。 また,今回の経験から,休業に入った段階で,家庭にいる子供たちとつながることは非常に大事だと痛切に感じましたので,もし万が一,次に休業に入った段階では,まず県立学校につきましては,その段階では,家庭とつながって,オンラインで授業配信ができる形を整えていきたいと思いますし,市町村教委につきましては,設備の設置が市町村教委になりますが,できるだけ同様の対応ができるように,今いろんな働きかけをしっかり行っているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  オンライン授業まで行くと,高校生だったら一人で対応できるでしょうけれど,小学生が自分でパソコンの端末をセットアップして,限られた時間の中で,その時間にオンラインで授業をしている姿はなかなか難しく,親の支援がかなり必要だろうと思います。感染の第2波とかが来て,オンライン授業をしようとした場合,小学校はなかなか難しいんじゃないでしょうか。 ○副議長(遠藤康洋君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 小学校,特に低学年と思いますが,オンライン授業は難しいのではないかとのお尋ねでございます。 実は,今回の中で,県教委もやったのでありますけれども,各市町村教委がいろんな取組を行っておりまして,その中で,やはりパソコンを立ち上げてそれで見ることは難しいだろうということはございました。先ほどの話からいうと,学校でのパソコン利用は当然ありますけれども,先ほどの状況の中で考えましたのは,今回もNHKが,「NHK for School」ということで,いろんな教材を効果的に,これはテレビでありますので,スイッチを入れればつきますので,こういったものを活用しながら,それに合わせた形のワークシートを宿題として子供たちに登校日に持たせて帰りまして,それを活用して勉強を進める取組を進めたところもございます。必ずしもコンピューターでなくても,子供たちの学びを途切れさせないために,あらゆるものを使って学習,学びを保障していきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移ります。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  それでは,休業中にいろいろなことをしていただいたということで,学習の遅れについて,実際どうなのかというところを質問させていただきたいと思います。 学校が再開され,遅れを取り戻す必要があると思いますけれども,そもそも休業中の取組で,現在遅れているという認識があるのかどうか,お伺いします。 そして,本年度,県学力テストが8月末までに実施されるとのことですが,今年度の学習の遅れの認識のために,何か工夫するのでしょうか。また,このテスト結果をどのように今後生かすのでしょうか,併せて教育長にお伺いいたします。 遅れを認識したとして,私は,その遅れを通常授業で取り戻そうとすると,さらなる遅れを生むと考えています。なぜなら,遅れを取り戻すために,授業を遡って行う必要があり,本来,現在するはずであった授業を中断せざるを得ないからであります。 本来,現在するはずであった授業をそのまま行い,遅れたところがあるのならば,その部分を夏休みやICTを使った補充授業,あるいは民間のオンライン教材による補強などに切り替えたほうがいいと思いますが,教育長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
    ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 まず,学習の遅れについてのうち,認識等についてでありますが,市町村によって状況は異なるものの,臨時休業等の影響により,現時点では学習の遅れはあると考えております。そのため,お話の県学力状況調査の結果を踏まえて,個々の児童生徒の課題に対応した復習システムや,補充学習のための支援員の活用により,つまずきの解消を図るとともに,秋以降に,今年度の学習内容も含め,定着状況確認テストを行い,その結果も活用して,さらなる指導の充実を図ってまいりたいと存じます。 次に,補充学習等についてでありますが,学習の遅れの回復には,夏季休業の短縮等により,授業日数を確保した上で,算数や英語など積み上げの教科は,教科書の順に行い,理科などの季節ごとの内容で構成された教科は,順番を入れ替えるなど,学校の実態に応じて工夫しながら,指導計画を見直し,取り組んでいるところであります。また,個人ごとの理解の遅れを補う学習へのICTの活用は,有効であると考えており,効果的に活用してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  御答弁ありがとうございました。 遅れについての認識等,また補充学習等の認識等も,本当に私の考えと同じであります。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。 今回,遅れも生じたでしょうけれど,逆に,進んだ子もいると思います。いろいろな塾とか,オンラインの自宅での教材等で,逆に進んだ子と,遅れた子と,格差が開いたんじゃないかと思います。その格差を解消していただくような取組が,本当に必要だろうと思います。 先ほど,オンラインの教材等も考えているということですけれども,お金もかかることなので,遅れた子に対しては,そういったオンラインの教材について,幾らか県で補助をすることができないでしょうか。 ○副議長(遠藤康洋君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 格差がむしろ開いたのではないかと,それについて,その格差是正のための教材に県で補助したらどうかとのお尋ねでございます。お話のように,家庭においていろんなものを活用して自主的に学びを進めた子供たち,これは進んでいる部分も当然あろうかと思いますし,それはそれで喜ばしいことと考えておりますが,基本的に,遅れた部分については,答弁でも申し上げましたけれども,まずはやはり学校の授業で取り返すべきものであります。例えば,何日学校を休んだならば,後にずれますけれども,それに見合うだけの学校を,夏休みの短縮であるとか,いろんな方法を取って回復をすることによって,一律回復する部分はそれで補うべきであることをまず一番に考えます。 それから,補充のためのものへの県の支援でございますが,これにつきましては,現在,どちらかというと高校が中心でございますけれども,こういったいわゆる民間のものも活用しながら取り組んでおる学校もございます。ただ,学校によって,やっぱりいろんなものがございまして,工業高校であれば工業高校なり,普通科であれば普通科なりのものがありますので,一律がなかなか難しい部分があります。ここについては,御家庭の協力もいただきながら,教材費の中で現在は対応しているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移ります。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  次に,令和3年度の高校入試についてお伺いいたします。 令和3年度の入試ですが,前学年の年度末並びに今期の前半の休業により,高校入試における調査書の点がつけられない状況があろうかと思います。一方で,岡山県の入試は,マトリックス方式を取っており,学力検査の結果と調査書の点のいいものから入試の順位がつけられる制度になっております。この方式ですと,各市町村教委の考え方で,授業が行われたところと行われてないところに大きな不公平が生じます。 そこで,今年度の入試においては,調査書の点を参考程度の比率に代わるような新入試をしていただくように提案いたします。教育長の御所見をお伺いいたします。 また,実施時期や出題範囲については,いろいろ議論があるようですが,どのようにお考えか,理由を含めて,教育長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 令和3年度の高校入試についてのうち,まず新入試についてでありますが,現時点では,夏季休業の短縮や行事の精選等により,臨時休業による学習の遅れを取り戻すことは可能であると認識しており,中学校が,生徒の今年度の学習状況等を適正に評価し,1月下旬の特別入試の出願までに調査書を作成できるものと考えていることから,お話の調査書の比率を変更した入試の実施までは考えていないところであります。 次に,実施時期等についてでありますが,中学校における臨時休業による学習の遅れは,それぞれの市町村での休業期間の実態に応じて,夏季休業を短縮し,授業日とするなどの対応により,取り戻すことが可能と認識しており,現時点では,実施時期や出題範囲の変更は考えておりません。今後,再び感染が広がった場合には,各市町村教委を通じて,学習の進捗状況を把握し,必要に応じて適切に対応してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  入試については,変更しないとのことですが,マトリックス方式の入試においては,先ほど申しましたけれども,調査書がかなり肝腎なところを占めています。たとえ学力が1番でも,調査書が悪かったら,落ちる可能性があるということで重要です。 その中でも,3年生の点数というのは,主要教科が2倍になったり,そのほかの教科が3倍になったりします。実際に,技術や音楽などの授業ができていない中で,すごく比率の高いのをそのままやるのは,ちょっとおかしいんじゃないかと思いますし,通常,2学期までの調査を1月末に間に合うようにということは,3学期も入れるということです。それで本当に間に合うんですか。もう一度お願いします。 ○副議長(遠藤康洋君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 本当に間に合うのかとのお尋ねでございます。当然違いますけれども,例えば県立学校で申し上げますと,この休業期間が26日間で,夏休みによって,このうちの24日間を回復し,2日については土曜日等で対応することで,指示をしておるところでございます。同様に,各市町村においても,ずれるわけではありますけれどもほぼ同様の時間の確保は,夏休み等,子供たちにはある程度負担をかけますけれども,実施をしておるところでございまして,通常計画された内容は,いわゆる入試が始まる冬の段階には,もう追いついている状況になっていると考えております。基本的には,通常3年生でやって,出願の時期にやるべき内容はもう終わっていると考えておりますので,間に合わないことはないと考えております。調査書については通常でも2学期までの内容で評価をしておりますから,特別入試出願に間に合います。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  就職活動への対応について質問させていただきます。 本年度1学期の授業が確保できないことから,高校生の就職に大きな影響が出る見込みです。就職活動自体,通常の流れでは,学校による企業訪問が5月から7月,その上で,7月に企業から学校に求人票が来ます。そして,9月16日以降に試験等が行われる手順になります。 先般,厚生労働省と文部科学省は,これを1か月程度遅らせることを発表しましたが,それに合わせて,岡山県の高校ではどのように対応するのか,県立高校及び私立高校について,教育長と総務部長にそれぞれお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 就職活動への対応についてのうち,県立高校についてでありますが,新型コロナウイルス感染症の拡大により,例年実施していた企業説明会がなくなるなど,生徒が企業の情報を得る機会が少なくなることを懸念しておりましたが,お話の延期された期間を有効に活用して,企業訪問や面接指導等の充実を図るとともに,学校行事等の日程を調整するなど,生徒が安心して就職活動に臨める環境を整えるよう,今後とも,学校を指導してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  総務部長村木智幸君。   〔 総務部長 村木智幸君 登壇 〕 ◎総務部長(村木智幸君)  お答えいたします。 私立高校についてでありますが,各学校では,感染症の拡大による休校期間中も,オンラインでの学習の提供などに努めてきたところであり,また企業の選考開始期日が延期されたことで,面接等の進路指導時間が確保できる見込みと聞いております。今後も,生徒の希望がかなえられるよう,各学校において,きめ細かなサポートに努めていただけるものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移ります。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  続きまして,県庁のスリム化について質問させていただきます。 このような緊急事態時こそ,県庁のリストラクションをする絶好の機会であります。以前から提言しております農業土木職員の土木部への編入,あるいは農林水産総合センターの縮小,農業普及指導員の縮小など,農林水産部のリストラ,岡山県健康づくり財団やおかやまの森整備公社など,外郭団体のリストラなどを大胆に進めるとともに,保健所の職員のように,現在までに縮小されたけれども,やっぱり必要だったという部署への加配や,経済対策も含めたコロナ対策,あるいは働き方改革や生産性向上など,今後,重点的に必要な分野への人員に充てるべきではないでしょうか。また,おかやまマラソン中止で不要になった人員は,今,どのようなコロナ対策をしているのでしょうか。 岡山県は,以前,行財政改革を行ったと言われておりますが,まだまだ無駄な施設や事業がいっぱいあります。施設や人員を必要とし,人が仕事を生み,無駄が生じます。過去の無駄遣いや災害対策,コロナ対策によって,岡山県の財政はぎりぎりであり,県庁をスリム化する必要もあります。 知事も,2期目の総仕上げとして,大胆な改革を行うべきではないでしょうか。知事の行財政改革における意気込みをお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 県庁のスリム化についての御質問でありますが,本県ではこれまで,全国的にも厳しい行財政改革に取り組んできたところであり,現在でも,職員定数は,類似団体の中で最も少ないレベルであるなど,比較的スリムな組織となっていると考えております。その成果を維持した上で,社会経済情勢の変化や県民ニーズを踏まえ,組織の不断の見直しを行うことは必要であり,今後とも,それぞれの組織の人員や業務の必要性等を精査してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  知事は,スリム化しているとのことですが,現在,いろんな職がありますけれども,今年,農業職を何名採用予定しているか御存じでしょうか。 ○副議長(遠藤康洋君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  今,頭の中に数字はございません。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  去年,22名だったんですが,今年,29名なんです。これを40年ぐらい積み重ねていくと,現在の1,000人よりも2割アップぐらいになってしまいます。これについて,どう思われますか。 ○副議長(遠藤康洋君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  私は知りませんでしたけれど,議員は御存じだったということでございます。去年22人,今年29人,これを続けると今の2割増しになるのであれば,これをずっと続けることにはならないだろうと思っております。 ○副議長(遠藤康洋君)  渡辺君。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  要望ですけれども,スリム化というのは,知事の思いと組織の思いと,やっぱりちょっとずれたところが幾らか出てきているんだろうと思います。そこを知事がトップダウンで,いろいろと方向性を示していくことで,今後,スリム化した組織になっていくと思います。こういったチャンスでありますので,ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。 ○副議長(遠藤康洋君)  要望でよろしいですね。 ◆14番(渡辺知典君)  いや,もう一度,すみません,質問を。 ○副議長(遠藤康洋君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  非常に厳しい中で,今,募集をしていますので,これはそれぞれ理由があることだと思っています。ただ,議員おっしゃられるように,今それぞれ,1人雇うのは税金をかなり使うことでありますので,その人が本当に意味のある行政サービスをしているのかどうかは,厳しく問われなければいけないと考えております。 民間企業であれば,きちんと顧客から売上げの形で評価をされないことを続けていると,結局は倒産をして,従業員の生活が回らなくなる。そういったことで淘汰がされるからこそ,ソ連のような国全体が破綻をすることを防げるのであります。我々自身もしっかりと,一人一人の仕事が本当に評価をされているのか,考えなければいけないと思っております。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移ります。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  中小企業の経済対策について質問させていただきます。 コロナ危機に関する経済対策について質問します。 私は,産業労働警察委員会の委員長の立場でありますので,現在の課題については,委員会においてしっかり対策を議論していただいておりますので,今後,大きなところについて議論させていただきたいと思います。 まず,コロナによって最も苦しんでいるのは,宿泊,飲食,観光,輸送などのホスピタリティー産業であります。多くは中小零細企業であり,もともと体力のない中で,必死に人材を育成し,生き抜いてきた中小,またはレストランや飲み屋さんなど個人事業主,あるいは大手の下請事業者などであります。 今まで,国がインバウンドの旗を振り,県もそれに合わせて,インバウンドを含めた観光誘客をしてまいりました。それが今や,5月の県内の主な観光施設の利用者数が85%減との数字も出るなど,がたがたとなっております。 今必要なのは,輸血や止血でありますが,今後必要になってくるのは,大きな方向性,戦略,ロードマップによって,これらのホスピタリティー産業をどのように導いていくかということであります。コロナ後の世界はコロナ前には戻らないとも言われておりますが,投資を伴うこれらの産業には,軽々しく復興というのは無責任であります。 通常の県の戦略とは別に,ホスピタリティー産業の回復のロードマップについて,知事の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 中小企業の経済対策についての御質問でありますが,お話のホスピタリティー産業は,観光客や住民などに対して,宿泊や飲食,娯楽などのサービスを主に対面により提供する産業と理解しておりますが,このたびの新型コロナウイルス感染拡大により,特に大きな打撃を受けているものと認識しております。 ホスピタリティー産業の回復に向け,まずは県内から全国へと,段階的に観光需要を喚起するとともに,コロナ後を見据えた施設改修等の支援に取り組むこととしており,今後は,新たな生活様式を前提とした事業活動への転換や,付加価値の高いサービスの創出を支援することで,着実な回復に道筋をつけてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移ります。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  次に,おかやま助け合い寄附金について質問させていただきます。 岡山県は,おかやま助け合い寄附金を設置しています。これは,コロナで大変な状況の中小企業や医療関係者をみんなで助け合おうという趣旨の寄附金です。現在,1,600万円以上の寄附を頂いており,感謝を申し上げます。 この寄附金は,個人は,ふるさと納税の仕組みを使ったもので,寄附金額から2,000円を引いた金額は,限度額まで全額,住民税から引かれるものであります。広島の湯崎知事が,特定給付金の使途については,「県職員は寄附をしてほしい」と発言をし,大いにたたかれ,それ以降,特定給付金の使途についてとやかく言うことは,はばかられることとなりましたが,実は湯崎知事の言っていることは間違っておらず,実はこの制度を使えば,実質2,000円の負担で,県は国から住民税の控除による減少分の75%を交付税措置してもらうことができる,画期的な制度であります。 所得等の制限はありますが,もし国からの給付金10万円を寄附していただける県民の方がいたとすると,実際には2,000円の負担で,残りの住民税等から差し引かれた分は自由に使っていただき,県は,寄附していただいたお金をコロナ対策に使うと同時に,国から差し引かれた分を補填されます。大阪では,既に26億円集めていると聞いております。 知事は,この制度をもう少し広く県民に周知して,広くお気持ちを募り,コロナ対策の資金を募るお考えはありませんでしょうか。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 おかやま助け合い寄附金についての御質問でありますが,この新型コロナウイルス感染症対策のための寄附金は,医療提供体制の整備,地域経済の維持など,幅広く活用するため募集しているものであり,思いのこもった多くの寄附を頂いているところであります。お話のとおり,個人の寄附者には,税制面での大きなメリットもありますので,制度の分かりやすい広報に努めるなど,より多くの寄附が頂けるよう,取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  最後に,アスベストの処理について質問させていただきます。 先般,6月5日,大気汚染防止法の一部を改正する法律案が公布されました。内容は,今まで規制対象となっていなかった石綿含有整形板など,いわゆるレベル3の建材を含む全ての建築物の改築,解体等をする場合に,事前調査の結果を,アスベストのあるなしに関わらず,県に報告することが義務づけられ,違反者には罰則規定が創設されました。また,事前調査を有資格者が行うことについても,国において検討が進められております。さらに,作業結果の発注者への報告義務づけや,作業記録の作成,保存の義務づけなど,事務作業も大変多くなることが見込まれます。県への報告の義務づけについては,2年以内に施行とされておりますが,現在の規制対象の除去作業で年間1万6,000件あるものから,最大20倍になると,国が予測しております。 まず,かなりの多くの審査や監視人員が必要と思われますが,県が担当する審査は年間何件であって,県の担当職員は何人と見込んでおりますでしょうか,環境文化部長にお伺いいたします。 また,国は,事前調査を有資格者が行うこととして検討しており,30万人の一定の知見を有する者を育成すると言っておりますが,実際にはどのような資格の保持者が想定され,岡山県内では人員は足りているのでしょうか,環境文化部長にお伺いいたします。 また,今回の法改正において,解体コストが非常に上がることが予測されます。業者の話では,通常のアスベスト含有外壁塗装剤が発見された場合,解体コストが現在の2倍程度になるとの見積結果があるとのことです。 空き家の倒壊など,立ち枯れのような家屋が多い中,解体補助をしていかないと,とてもではないけれども解体ができない状況になるのではないかと思われますが,解体のコストアップの費用はどれぐらいであると考えられておりますか。また,コスト縮減策や補助の可否について,併せて環境文化部長にお伺いいたします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 環境文化部長古南篤子君。   〔 環境文化部長 古南篤子君 登壇 〕 ◎環境文化部長(古南篤子君)  お答えいたします。 アスベストの処理についての御質問であります。 まず,審査件数等についてでありますが,事前調査結果の報告件数は,建設リサイクル法に基づく解体等の届出件数と同程度の年間約1,500件,うちアスベストがあるものが600件程度と見込んでおります。また,現在,1県民局当たり3人程度の職員が,分担しながら審査や監視に携わっておりますが,法改正に伴い,業務量は一定程度増加するものと考えております。 次に,資格の保持者等についてでありますが,現在,国では,建築物石綿含有建材調査者講習の修了者などを,「一定の資格を有する者」とする方向で検討が進められていると聞いております。県内でこれに該当する者は,約20人であり,十分とは言えないことから,県としては,今後,法改正の趣旨を周知することで,事業者に対し,人材確保を促してまいりたいと存じます。 次に,解体のコストアップ等についてでありますが,現時点では,コストにも影響する作業基準の具体的な内容が示されていませんが,発注者側の費用負担は,ある程度増加するのではないかと考えております。このため,お話の補助については,全国知事会を通じて,国へ助成制度の創設を提案しているところであります。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  御答弁ありがとうございます。 まず,1,500件は県の審査で,リサイクル法の届けは市町村も受け付けているので,かなり県内では多くなると思います。それを全部統括してる環境文化部としては,市町村の審査の援助等,またその物件としての監視もこれから県がするようになるのではないかと思いますが,そのあたりはどのように考えられてますか。 ○副議長(遠藤康洋君)  環境文化部長。   〔 環境文化部長 古南篤子君 登壇 〕 ◎環境文化部長(古南篤子君)  再質問にお答えいたします。 審査件数,担当する県と市町村との関係ということだと思います。建設リサイクル法の関係で,岡山市,倉敷市,あと特定行政庁となっている例えば津山市とか玉野市とかが担当をしますけれども,このアスベストの関係につきましては,基本的に岡山市,倉敷市以外の市町村は担当しませんので,県で全て担当いたします。先ほど答弁させていただきました1,500件とか600件とかは,岡山市,倉敷市を除いた県担当分でございます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  14番。   〔 14番 渡辺知典君 登壇 〕 ◆14番(渡辺知典君)  時間が余ってるので,少し2番も。 資格の保持者を国が育成するといいましても,実際には,県で受託して育成するようになるのではないですか。国が独自に資格を創設して,講習を開いて,資格を与えるのですか。 ○副議長(遠藤康洋君)  環境文化部長。   〔 環境文化部長 古南篤子君 登壇 〕 ◎環境文化部長(古南篤子君)  再質問でございます。 資格の創設について,誰が担当するのかでございますけれども,今,国で検討されている建築物石綿含有建材調査者講習がございます。これは全国1つの講習団体が全国各地でやっていて,県が担当しているわけではございません。一定の資格を有する者は,今のところ,そういう講習会を受講した者との考え方で検討されているとは聞いておりますけれども,それではとても,国が言っている30万人の人数には追いつかないので,そのほかの資格についても検討するのではないかと観測が流れております。その資格がどういうものを示しているのかが今の段階で分かりませんので,もしかしたら,県が担当しなければならない資格講習みたいなのがあるのかもしれませんけれども,今の段階では,そこはよく分からないところでございます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  以上で渡辺君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 11番小倉博君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 11番 小倉 博君 登壇 〕 ◆11番(小倉博君)  皆さん,こんにちは。自由民主党岡山県議団の小倉博でございます。 本日最後の登壇となりましたが,しばらくの間,御辛抱願いたいと思います。 今回は,2件について一般質問の通告をしておりますので,御答弁のほう,どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず,昨年の12月に,介護保険制度全体の問題につきまして質問させていただきましたが,今回は,介護保険制度を運営していく中で重要な立場におりますケアマネジャーについて質問させていただきます。 御両親等の介護で介護保険に関わったことがある方は,ケアマネジャーがどんな仕事をしているのかについて,ある程度認識いただいているものと思いますが,ケアマネジャーは,正式には「介護支援専門員」といいまして,2000年に介護保険制度の施行とともに誕生した資格で,介護を必要とする方が,その人らしい生活が送れますようサポートするのが主な仕事でございます。サポートといっても,介護職のように身体介護や生活援助を行うわけではありません。御利用者やその御家族と相談し,御利用者がどんな介護を必要としているのかを見極めて,最適なケアプランを作成し,行政や介護事業者との調整を行うのが主な仕事でございます。 介護保険制度が施行されて,今日まで20年が経過し,その間,介護保険制度全体についても同様のことが言えるのですが,ケアマネジャーの立ち位置や処遇についても様々な変更が行われてきました。介護保険制度の発足当初から,ケアマネジャーの資格を取得している人数が不足していたこともありましたが,ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所は,単独で独立している事業所は少なく,大抵どこかの介護関係の施設や事業所に併設しているものが多くありました。その結果,施設や事業所による介護サービスの囲い込みが問題となり,一時は国により,ケアマネジャーの仕事を施設や事業所から切り離して独立させようという動きがありました。 その頃は,月額のケアプラン料を上げることで,居宅介護支援事業所が単独で運営できるよう,独立を促そうとした時期でもありました。しかし,この話もいつの間にか消えてなくなってしまい,居宅介護支援事業所の独立運営も十分実行に移されないまま,現在に至っております。最近では,介護保険制度の中で,ケアマネジャーは本当に必要な職種なのかといった,ケアマネジャー不要論も出てきたりしておりまして,介護保険制度があるべき姿になるように国の方針に協力してきた立場としては,この20年の歴史の中で,翻弄され続けてきていると言っても過言ではありません。 そこで,保健福祉部長にお伺いいたします。 岡山県の介護支援専門員実務研修受講試験の受験者と合格者の最近の推移について,教えていただきたい。 また,2025年問題を抱えながら進んでいる介護保険制度の中でのケアマネジャーに求められる役割や必要性について,県としてのお考えをお聞かせください。 次に,ケアマネジャーの資格についてでありますが,ケアマネジャーになるためには,この実務研修受講試験に合格することが必要であります。この試験は,国家試験ではなく,各都道府県により管理されています。つまり,岡山県内の介護支援専門員を管理するのは岡山県ということになります。 介護支援専門員資格は,合格率が大体20%前後という厳しい中ではありますが,介護福祉士や看護師のように国家資格ということではなく,公的資格に属しています。しっかり介護分野や医療分野の学習をして,無事に試験に合格したので,「あしたからケアマネジャーとして一生懸命頑張るぞ」と張り切りたいところですが,残念ながら,そうはいきません。試験に合格後,「介護支援専門員実務研修」という研修を受講しなければなりません。 この実務研修は,平成27年度以前は,全日程が44時間だけだったものが,平成28年度以降,14日間の日程で87時間に延長されました。講義と演習を受講して,その後3日間,運営している居宅介護支援事業所での実習研修で構成されています。したがって,17日間の全日程を受講した後,登録申請をして,介護支援専門員証が交付されて初めて,ケアマネジャーとして働く資格を得ることができます。 介護保険制度の介護福祉士の資格と比較すると,ケアマネジャーとして働くための資格の取得は,時間と労力がかかるということがお分かりいただけると思いますが,まずは,このような現状の中で,どれくらいの方が実際に従事されているのか,状況を把握することが大事だと考えます。 そこで,保健福祉部長にお聞きしますが,岡山県内での試験合格者のうち,ケアマネジャーとして実際に働いている介護支援専門員の割合及びその推移を教えていただきたい。 また,最近の岡山県内に登録されている居宅介護支援事業所の数の推移についても,併せてお聞かせください。 介護現場では,人手不足が慢性化しており,ケアマネジャーの人材確保や育成も重要なことと考えますが,県として,ケアマネジャーの確保育成について,現状の課題をどのように考え,それに対してどのように取り組まれるのか,保健福祉部長にお伺いします。 先ほど述べた,ケアマネジャーになる際に交付される介護支援専門員証ですが,実はこれには有効期限があることを御存じでしょうか。介護支援専門員証の有効期間は5年で,有効期間の満了時までに,特定の研修,岡山県では更新研修と呼ばれていますが,これを全て受講していないと,5年後は介護支援専門員として働くことはできません。この更新研修についても,平成27年度以前は,全日程が53時間だったものが,88時間に延長されています。 さらに,平成28年度の研修制度の見直しで,居宅介護支援事業所には主任ケアマネジャーを管理者として配置しなければならず,居宅介護支援事業所を運営していくためには,主任介護支援専門員の資格が必要となりました。その研修も同様に,64時間であったものが70時間に延長されております。 ケアマネジャーの資格を取るには,試験に合格すればいいことなのですが,合格率は低いといっても,不可能なことではありません。しかし,一番問題なのは,ケアマネジャーとして仕事をしていくためには,高いハードルがあるということです。介護支援専門員実務研修受講試験に合格しても,介護支援専門員に登録するまでに実務研修を修了していないと,現実的にはケアマネジャーとして働けません。5年ごとに更新研修を修了していないと,ケアマネジャーを続けることはできません。さらに,現在では,主任介護支援専門員の研修を受けなければ,居宅介護支援事業所の管理者として事業所を運営することもできません。結局,最低でも5年置きに,常に特別な講習を受けていなければ,ケアマネジャーとして働くことはできないということになります。 さらに,仕事の内容について申し上げれば,ケアマネジャーが抱えている御利用者の中には,一人暮らしの方も多く,県外等に居住している家族からの支援がすぐに期待できない場合は,どうしてもケアマネジャーに頼るということになり,御利用者も家族も,何をするにおいてもケアマネジャー頼みになることが多くなります。しかし,ケアマネジャーは,他の人が代わって対応することは,制度上できません。したがって,一人で対応していると,時間的にもできないこととか,介護保険法上もできないことも出てくるわけです。そんなことが原因で,御利用者とも関係が悪くなることもあり,そのことで悩むケアマネジャーも少なくありません。 また,ケアマネジャーとして活動するには,「施設ケアマネ」と「居宅ケアマネ」の2通りの働き方があります。特別養護老人ホーム等の施設で働く「施設ケアマネ」と,居宅支援事業所で働く「居宅ケアマネ」です。 「居宅ケアマネ」は,自宅等で必要な介護を受ける利用者を対象に,ケアプランを作成します。両者の大きな違いは,1人で担当できる件数であり,「居宅ケアマネ」は,通常,最大でも35件ですが,「施設ケアマネ」は,100件ほどの件数を担当できます。担当可能件数に違いはありますが,「居宅ケアマネ」は,御利用者一人一人に合った介護や医療サービスを,幅広い選択肢の中からケアプランに反映して,御利用者に提案するため,その分,深い介護保険制度や医療分野の知識が必要になってくると言えます。 さらに,ケアマネジャーの業務として,サービスを利用する前にはアセスメントを取り,利用契約書を作成し,利用するサービス事業者を集めて担当者会議を開催しなければなりません。さらに,毎月,利用者ごと,サービスごとにモニタリングを実施して,支援経過を聴取し,それをまとめておかなければなりません。これら全てのことが書類として残されていなければ,毎月のケアプラン料がもらえないのです。 「居宅ケアマネ」は,最高35人の御利用者に対して,今述べたことを全てこなしていかなければなりません。その上,御利用者や家族の皆さんからの日々の要望を聞いて,介護サービスに組み入れていかなければならないのです。このようなことを考えてくると,ケアマネジャーが,日々の業務の中でかなり疲弊してきていることが理解できると思います。 そこで,保健福祉部長にお伺いいたしますが,ケアマネジャーは孤独である上に,最終的な判断を委ねられる立場であり,肉体的にも精神的にもゆとりのない状態で,日々の業務をこなしています。岡山県としても,ケアマネジャーにもう少し寄り添った対応や支援が必要と考えます。 例えば,先ほど申し上げた実務研修や更新研修の実施についても,もう少し柔軟に考えられないものでしょうか。受講のたびに必要となる数万円の受講料の減免を考えるとか,研修日程についても,もう少しゆとりを持って受講できる体制に変えることも,絶対に必要なことだと考えます。 今まで申し上げたことが原因かどうか分かりませんが,特に最近では,20代,30代の若い人が,あまりケアマネジャーになることに積極的でないとも聞いています。現状を放置しておくことは,岡山県の介護保険制度を堅持し,質の高いサービスを提供することに逆行するのではないかと考えますが,お考えをお尋ねいたします。よろしくお願いします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  自由民主党の小倉博議員の質問にお答えいたします。 ケアマネジャーについての御質問であります。 まず,受験者数等の推移についてでありますが,お話のとおり,制度の変更に伴い,受験者数及び合格者数は大きく変動しております。過去5年間の推移を見ると,受験者数は,平成29年度までは約2,500人から約2,800人であったものが,平成30年度以降は約1,000人に,合格者数は,平成29年度までは約280人から約500人であったものが,平成30年度以降は70人から約160人に,それぞれ大幅に減少しております。 次に,求められる役割等についてでありますが,団塊の世代が75歳以上となる2025年以降,高齢者が地域において自立した生活を送ることができ,たとえ要介護状態になっても,住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう,医療や介護サービスが包括的に提供される地域包括ケアシステムの構築が必要となってまいります。その中で,ケアマネジャーは,必要な医療や介護サービスが切れ目なく提供されるよう,医療と介護の連携促進や,地域における多様な資源の活用などにより,高齢者の暮らしをコーディネートする役割を担う重要な存在であると認識しております。 次に,実働割合等についてでありますが,直近の統計がある平成29年度では,試験に合格し,ケアマネジャーとして登録している約1万3,500人のうち,約25%が業務に従事しており,その割合は,微減しております。また,県内の居宅介護支援事業所数は,平成28年658か所から,令和2年631か所へと微減しております。 次に,人材確保等についてでありますが,ケアマネジャーには,医療と介護の連携促進,地域における多様な資源の活用といった役割をより一層果たすことが期待されておりますが,医療の必要性が高い利用者が増える中で,医療との連携が必ずしも十分でないなどの課題が指摘されております。このため,ケアマネジャーの資質向上が図られるよう,関係団体と連携し,専門研修の中に,認知症への対応や医療との連携などに関する科目を盛り込んだところであります。 今後とも,ケアマネジャーの方が,地域包括ケアシステムの中で中心的な役割を十分果たせるよう,育成と確保に努めてまいりたいと存じます。 次に,支援についてでありますが,お話のように,利用者への対応や計画書の作成など,日々多くの業務を抱えながら,長時間の研修を受講することは,資質向上のため欠かせないものとはいえ,ケアマネジャーの方の負担は大きいものと認識しております。 これまで,研修受講料を全国平均より低く設定し,受講しやすいよう,休日にも開催するなど,工夫した運営に努めておりますが,今後,受講者のさらなる負担軽減を図るため,自宅からの受講を可能とするオンライン研修の導入を検討してまいりたいと存じます。 今後とも,ケアマネジャーの方が,地域の中で質の高いサービスを提供し,誇りを持って働き続けられる環境の整備に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  11番。   〔 11番 小倉 博君 登壇 〕 ◆11番(小倉博君)  御答弁ありがとうございました。 オンライン教育の実施も考えていただけるということで,非常に喜ばしいことですけれども,実際,居宅支援事業所自体は減っていないけれども,ケアマネジャーで働いている方は,相当数,減っているのではないかと思います。とにかく一番問題なのは,私が介護の仕事をしておりまして,20年前は40代が中心だったのですけれども,20年たって,今,中心なのは,やっぱり60代になっているわけです。結局,新しい世代が全然入ってきていないのが一番問題でして,先ほど申し上げたような,研修の方法とか費用負担とかが,特にケアマネジャーについてかなりの影響を受けている一つの原因だと思います。 自宅での研修も確かにあれですけれども,全体をもう少しコンパクトにするとかを考えていただけたらと思います。私も研修を受けた一人でございますけれども,どうしてもこれをやらないといけない,全部必要なのかも含めて,今,NPOの介護支援専門員協会に委託されていると思いますけれど,県がもう少し積極的に入って,一緒に,主体的になって参加していただいて,少し方法を変えていくよう考えていただければと思います。もう一度御答弁をお願いしたいと思います。 ○副議長(遠藤康洋君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  再質問にお答えいたします。 ケアマネジャーの研修等について,負担軽減するための工夫した運営がさらにできないかとの御質問と思います。 お話のように,国の制度改正が行われて,それぞれの研修における必要時間や科目が増えたことがございます。このため,県では今年度,自宅での受講が可能となるオンライン研修の導入を検討してまいりたいと考えております。これを導入することで,例えば座学で終わることについては,かなりオンラインで自宅で効率的にできるとともに,会場の費用などについてもかからなくなりますので,受講料についても,さらに低く設定することができるのではないかと思っております。 この取組の中で,今お話にあったような課題も含めまして,また関係団体とも協力しながら,運営に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  11番。   〔 11番 小倉 博君 登壇 〕 ◆11番(小倉博君)  ありがとうございました。できるだけケアマネジャーが仕事を続けていけるような方向へ持っていっていただきたいと思います。 中谷保健福祉部長もまだお若いですし,介護保険なんてと思われていると思います。この議場にいらっしゃる方も,将来,実際に介護保険を利用される方が何人かいらっしゃると思います。みんなではないですよ。そんな中で,少しでも自分に合ったサービスや施設入所をするためには,今の現状,やっぱりケアマネジャーの存在は欠かすことができないと考えております。介護を頑張ろうと思っている人の意欲の芽を摘むようなことにならないように,しっかりとサポートしていただくことを要望いたしておきます。 以上です。 ○副議長(遠藤康洋君)  次の項目に移ります。 11番。   〔 11番 小倉 博君 登壇 〕 ◆11番(小倉博君)  それでは次に,スポーツを中軸とした地域振興についてお尋ねします。 スポーツは,体を動かすという人間本来の欲求を通じ,人々の精神的充足をもたらす,世界共通の文化の一つと言えます。体を動かす楽しさや,観戦したりボランティアで支えたりする喜びで欲求を満たすだけではなく,地域の一体感や絆を強くするなど,スポーツには大きな力があります。 本県では,サッカーJ2リーグのファジアーノ岡山や,女子バレーボールV1リーグの岡山シーガルズをはじめとした6つのトップクラブチームが,県内各地域を拠点として活躍し,県民に感動や勇気を与えてくれています。国内リーグでの戦いのみならず,ジュニア世代の選手育成や,学校や地域でのイベント参加などにより,多くのファンや子供たちとの交流も行っており,日本のトップクラブが地域に溶け込み,地域の活力の核として,大きな役割を果たしていると言えます。 さらに,来年度は,岡山県において,「日本スポーツマスターズ2021岡山大会」の開催が予定されており,全国から岡山に集まった13競技,約8,000人のシニア選手が熱戦を繰り広げ,多くの来場者で大いに盛り上がるのではないかと期待しているところでもあります。様々なライフステージやカテゴリーを超えて,人々が交流し,コミュニケーションの中から新たな地域を創造できることも,この大会の大きな意義だろうと思います。 こうした中,世界最高峰のスポーツの祭典である東京2020オリンピック・パラリンピック大会の今後が気になるところです。東京オリンピック・パラリンピックは,新型コロナウイルス感染症の影響により延期されましたが,本来であれば,大会直前ということで,5月には本県の聖火リレーが行われ,県内12市町を聖火が駆け巡ることになっておりました。 また,6月には赤磐市で,ニュージーランドの女子ホッケーチームが,7月には岡山市で,スペインの柔道チームや陸上競技チームが事前キャンプを行うなど,県内各地に多くのチームが来訪する予定となっておりました。これに伴い,各地域において交流行事も行われ,オリンピック・パラリンピック成功へ向けての機運が高まるとともに,オリンピック効果による地域の盛り上がりが期待されていたところでありました。 延期されたオリンピック・パラリンピックについては,先日,来年の開催に向けてのロードマップが改めて公表され,また開催の可否についても取り沙汰されているところであり,今後のIOCや大会組織委員会の動向が注目されているところであります。 先ほど少し触れさせていただきましたが,県内の市町村において,各国と事前キャンプの協定締結やホストタウン登録を済ませ,受入れの準備を進めており,ここで培った各国とのつながりを大会終了後も継続し,交流の輪を広げるなど,大会の開催を地域活性化の起爆剤にしようと,様々な取組を展開しているところでもあります。赤磐市の取組を例に取り,御紹介させていただくと,赤磐市は,2018年に,熊山運動公園多目的広場ホッケー場を改修し,フィールドホッケー用の人工芝をオリンピック会場と同じものに貼り替えるなどの整備を行い,2018年,2019年と2年連続で,日本最高峰の大会である全日本ホッケー選手権を男女同時に誘致しました。地元磐梨中学校出身の選手をはじめ,岡山県出身の選手も出場し,岡山ゆかりの選手が出場チームの中心として活躍するなど,大変盛り上がった大会となりました。 2019年に行われたニュージーランド女子ホッケーチームのオリンピック事前合宿では,日本代表の「さくらジャパン」との練習試合やホッケー教室が開かれました。ハイレベルな試合を観戦することができたり,外国人選手に直接指導を受けたりして,競技の指導,普及や国際交流にもつながりました。また,合宿中には,2,000人を超す市民ボランティアが積極的な応援・サポートに関わるなど,市を挙げての歓迎ムードが好印象となり,その後の事前キャンプの協定締結につながりました。本県出身の石橋唯今選手も,「さくらジャパン」の候補選手となっており,日本代表としてオリンピックにも出場し,活躍してくれることを期待しています。 ホッケーという競技は,決してメジャーな競技とは言えませんが,様々な可能性や発展性を持った,今後注目されるべきスポーツであると考えます。こうした将来あるスポーツを,新たな地域資源としてつくり上げ,地域活力につなげていく赤磐市の取組は,スポーツを通じた地域づくりの新たな可能性を示したものであると言えます。 そこで,スポーツが県民を元気にし,地域に活力を与えていくためには,御紹介した赤磐市のホッケー競技のように,県内各地域が,それぞれの地域の特色を生かしたスポーツを資源とした地域づくりを行っていくことが重要と考えますが,県,市町村,企業など,それぞれの役割について,お考えを含め,知事の御所見をお伺いいたします。よろしくお願いします。 ○副議長(遠藤康洋君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の小倉博議員の質問にお答えいたします。 スポーツを資源とした地域づくりについての御質問でありますが,スポーツには,県民を元気にし,地域社会に活力を生み出すとともに,経済の発展にも寄与するなど,極めて大きな力があると認識しております。 議員の御地元の赤磐市では,優れた指導者が地域の中学校にいたこと,近隣の高校に県内では数少ないホッケー部があることなどから,従前から,地域のスポーツとしてホッケー競技が盛んだったと伺っております。また,赤磐市のホッケー場で育った選手の中には,本県のオリンピアン育成事業の強化選手にも指定され,パリオリンピックを狙える選手も生まれており,ますますホッケーを通じた盛り上がりが期待されております。 スポーツの持つ力を効果的に活用するためには,こうした赤磐市の例のように,地域にあるスポーツ資源を生かした施策を実施する市町村や,地域貢献に取り組む企業,それらを総合的に調整する県など,それぞれが有機的につながり,自らの役割を主体的に果たしていくことが重要であると考えております。こうしたことから,県では,地域が官民一体で取り組むスポーツコミッションの運営や,オリンピック事前キャンプの誘致など,県内各地の活動を支援しているところであり,今後とも,地域の特色を最大限に生かし,スポーツが地域活性化の大きな力となるよう,取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(遠藤康洋君)  11番。   〔 11番 小倉 博君 登壇 〕 ◆11番(小倉博君)  知事,御答弁ありがとうございました。 新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言は解除されて,社会経済活動は徐々に回復しておりますが,経済は依然として厳しい状況にあります。知事も,本県経済の再生に全力で取り組んでいただいていると思いますけれども,経済再生の起爆剤として,ぜひとも,県内それぞれの地域の特徴を生かしたスポーツを資源とした地域づくりにも全力で取り組んでいただきますよう要望いたしまして,私の一般質問といたします。ありがとうございました。 ○副議長(遠藤康洋君)  以上で小倉君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(遠藤康洋君)  以上をもちまして本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △6月24日の議事日程 ○副議長(遠藤康洋君)  明日の議事日程は,午前10時開議で,一般質問であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(遠藤康洋君)  本日は,これをもって散会いたします。        午後2時44分散会〇 令和2年6月23日(火曜日)出席議員   1番 秋山 正浩君       2番 鳥井 良輔君       3番 佐古 一太君   4番 松島 幸一君       5番 本山 紘司君       6番 福田  司君   7番 清水  薫君       8番 大橋 和明君       9番 乙倉 賢一君  10番 大森 一生君      11番 小倉  博君      12番 田野 孝明君  13番 河野 慶治君      14番 渡辺 知典君      15番 福島 恭子君  16番 山本 雅彦君      17番 小林孝一郎君      18番 大塚  愛君  19番 高橋  徹君      20番 須増 伸子君      21番 氏平三穂子君  22番 吉田  徹君      23番 中川 雅子君      24番 木口 京子君  25番 市村  仁君      26番 上田 勝義君      27番 小林 義明君  28番 中塚 周一君      29番 江本 公一君      30番 太田 正孝君  31番 池本 敏朗君      32番 小倉 弘行君      33番 加藤 浩久君  34番 遠藤 康洋君      35番 神宝 謙一君      36番 波多 洋治君  37番 柳田  哲君      38番 高原 俊彦君      39番 荒島 俊造君  40番 笹井 茂智君      41番 増川 英一君      42番 山田総一郎君  43番 蜂谷 弘美君      44番 住吉 良久君      45番 高橋 戒隆君  46番 蓮岡 靖之君      47番 伊藤 文夫君      48番 小田 圭一君  49番 渡辺 英気君      50番 内山  登君      51番 小野 泰弘君  52番 河本  勉君      53番 小田 春人君      54番 天野  学君  55番 千田 博通君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     那須 信行           次長       米戸 健浩  議事課長     下坂 泰幸           政務調査室長   中西  健  議事課長代理   岡本  聡           議事課長補佐   岡崎 将丈  議事課主任    池上 祐毅           議事課主事    中田 智也           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       伊原木隆太君          副知事      菊池 善信君  副知事      横田 有次君          公営企業管理者  佐藤 一雄君  危機管理監    塩出 則夫君          総合政策局長   片山 誠一君  知事室長     須江 裕紀君          総務部長     村木 智幸君  総務部次長    笠原 和男君          県民生活部長   伊藤 敦哉君  環境文化部長   古南 篤子君          保健福祉部長   中谷祐貴子君  産業労働部長   小林 健二君          農林水産部長   槙尾 俊之君  土木部長     原田 一郎君          出納局長     三浦 智美君教育委員会  教育長      鍵本 芳明君          教育次長     池永  亘君公安委員会  委員       服部恭一郎君          警察本部長    扇澤 昭宏君  警務部長     臼井 伸幸君人事委員会  委員       吉松 裕子君          事務局長     角田 直樹君監査委員  代表監査委員   山本 督憲君          事務局長     岸本 雅博君選挙管理委員会  委員       田中 信行君...