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12月12日-06号

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  1. 岡山県議会 2019-12-12
    12月12日-06号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-10
    令和 元年11月定例会          ◎ 令和元年11月岡山県議会定例会会議録  第6号〇 令和元年12月12日(木曜日)                  議  事  日  程                  午前10時開議第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時開議 ○副議長(小倉弘行君)  皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 一般質問 ○副議長(小倉弘行君)  日程に入り,一般質問を行います。 19番高橋徹君。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  おはようございます。 民主・県民クラブの高橋徹です。 11月10日に開催されたおかやまマラソン2019で,フルマラソンを走らせていただきました。私は2年ぶりの出場ですが,自分自身の経験に加え,出場したランナーから聞いた言葉,ランニングサイトの評価などから,同大会の最大の魅力は,絶え間ない沿道の声援,ボランティアの方の親切な対応,工夫を凝らした給食や完走メダル,ストレスのない運営など,ランナー,県民,運営が一丸となってこの大会を成功させよう,盛り上げようとしている,そういう雰囲気や熱気にあるということを改めて感じています。 この場をかり,県民の皆様の御声援と御協力に感謝を申し上げますとともに,この運営に携わった皆様に心から敬意を表します。 また,おかやまマラソンのコースは,アップダウンの少ない,記録の出やすいコースで,ことしも気温の高さにもかかわらず好記録が相次ぎました。出場者の大半は,ファンランを楽しむ市民マラソンではありますが,市民ランナーも,自分なりの目標を設定して大会に出場する方がほとんどで,記録の出やすい公認コースというのは,それだけで大きな魅力です。回を重ね,高速コースという評価も定まってきていると思いますので,そのアピールも含めて,この大会の魅力を多くの方に伝え,さらなる盛り上がりにつなげていただきたいと思います。 それでは,通告に従い,質問に移ります。 行動科学の知見に基づく新たな政策手法として注目されるナッジを県の施策,事業等に取り入れることを目指し,職員による岡山県版のナッジ・ユニットが設置されました。 ナッジとは,「そっと後押しをする」という意味の英語で,人々が強制でなく自発的に,こちらの意図するものを選択するよう,そっと促す工夫のことです。「人は的があると,そこに狙いを定める」という行動分析の結果に基づいて,男子トイレの小便器の真ん中あたりにハエの絵のシールを張ったところ,多くの人がハエの絵を狙って用を足すので,結果的に飛び散りが減り,清掃費が減少したというのも,ナッジの事例の一つです。 これまで,公共政策では,法規制,補助金や減税による誘導,情報提供による啓発活動などを使い分け,人々に選択を促してきましたが,ナッジは,それに次ぐ新しい手法です。自由度が高く,費用対効果が高いという特徴があり,ナッジへの期待は高まっています。 欧米では,政府,自治体によるナッジを活用した公共政策が進められており,日本でも,環境省の「日本版ナッジ・ユニット」や,横浜市の「YBiT」など,ナッジ活用の動きが広がっています。 私は,以前勤めていた百貨店で,行動経済学や心理学の知見に基づく売り場づくりやお客様へのアプローチについて,当時の社長から口酸っぱく指導された経験があり,ナッジの有効性には確信を持っています。しかし,一般には聞きなれない概念に基づく新しい手法であり,庁内の職員に浸透させ,取り組みを定着させるためには,知事のリーダーシップと組織的な粘り強い対応が不可欠です。 岡山県版ナッジ・ユニットの設置に当たっての意気込みと,取り組みに当たり,県庁職員に期待することを,知事に伺います。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  民主・県民クラブの高橋議員の質問にお答えいたします。 ナッジ・ユニットについての御質問でありますが,私は以前から,ナッジを含む行動経済学の知見の活用は,行政分野においても有効と考えており,一部の国の機関などで取り組みの動きも出てきたことから,先般,他県に先駆けて,庁内の推進組織として,岡山県版ナッジ・ユニットを設置したところであります。 ナッジは,県民等がよりよい選択を行うよう,情報発信や選択肢の提示方法を工夫する政策手法であり,費用対効果が高まると考えられることから,ナッジ・ユニットの設置を契機に,県のさまざまな分野で取り入れてまいりたいと考えております。 職員には,まずはナッジの有効性を理解した上で,それぞれの業務でどのように活用できるか検討し,可能なものから実践に移すとともに,日ごろから,行政サービスの受け手である県民の皆さんの考えや行動をより意識する姿勢につなげることを期待しております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございました。 今回のナッジ・ユニットは,知事の強い御意向に基づいて行われるものだと理解しているんですが,ナッジというのは,議会も,また職員も,なかなか耳なれない言葉であります。理解を深めるためにも,いろいろ言いたくてうずうずしているような感じもするので,知事御自身の言葉で,もう少し詳しく教えていただきたいと思いますし,また推薦本などがあれば御紹介ください。よろしくお願いします。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  発言の機会を与えていただきまして,どうもありがとうございます。 もともと経済学は,理論をつくるに当たって,行動の主体がとにかく多いわけですから,それぞれの人が決断をするに当たって,一番その人が経済的に得になるような行動をするだろうという仮定を置いて組み立てていきました。それはすばらしい理論ができたわけですけれども,実際適用してみると,なかなか現実に起きることを説明できないことも出てきました。そこで考えられたのが,そもそも理論をつくるためにそういう仮定は置いたけれども,我々が自身のことを思っても,ふだん経済的に最適の決断をしてるわけじゃないよねと。それがランダムじゃなくて,ある一定の様式に従ってベストからずれていることが,少しずつわかってきました。 これは経済学というよりも,心理学の研究からわかってきたわけですけれども,同じ100万円にしても,100万円もらったときのうれしさがこれぐらいだとすると,100万円を失ったときの悔しさというのはこれで済まない,これの何割増しになることとか,もしくは,生物としての人間としてしょうがないことですけれども,きょうの100万円と1年後の100万円で考えれば,当然,金利分,きょうの100万円のほうが価値が高いんですけれども,物すごく高い金利で未来の100万円をディスカウントしてしまうという特徴があります。そういったことを考えに入れて新しく理論をつくると,ほとんどユークリッド幾何学に対する非ユークリッド幾何学のような別の世界があらわれるということであります。これ以上長く言うと,私が天満屋の社長時代に5時間話をしたことに匹敵してしまうので,やめますけれども,すごく豊かな世界が広がっておりまして,ここから随分ノーベル賞も出ているところでございます。ちなみに,私がスタンフォードに通ってたときの学長も,行動経済学ノーベル賞をその後受賞しております。 そういう本も,「ナッジ」という本が多分一番,このリチャード・セイラー本人が書いていますし,多分,議員は読まれているからこそ,あの有名なハエの例を出されているんだと思います。一番最初にどんと出てくる本でございます。ぜひよろしくお願いいたします。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございました。 今おっしゃったとおりで,私もその5時間の講義を受けた人間なので,まさか,どうなるのかなと思ったんですけれども,これからナッジを取り入れてやっていくということです。息の長い取り組みにしていただきたいと思いますし,私自身の経験で言うと,ナッジがもたらす政策の効果はもちろん重要ですけれども,そこにいらっしゃる,例えば県庁の職員の方が経済学的に物を考えるようになるというような思考が身についてくるところもあるので,ぜひ庁内で定着させていただきたいと思います。これは要望です。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  先ほど紹介した便器にハエのシールというのは,その本を参考に,私が以前働いていた会社の提案制度に応募したアイデアなんですけれども,そのときは没にされてしまいまして,百貨店のトイレにはふさわしくないかもしれませんが,公衆トイレ等には使えるかもしれないので,ぜひ議員提案の第1号として御検討いただければと思います。 次に,瀬戸内を舞台にしたアートイベントについて伺います。 ことしは,瀬戸内海の島々,そして岡山県内で,現代アートの大規模イベントが相次いで開催されました。岡山,香川両県の12島2港を会場に,春,夏,秋と3期に分けて,計107日間開催された「瀬戸内国際芸術祭2019」は,延べ117万8,000人以上が来場,前回の来場者を13%上回り,過去4回で最高の動員数を記録しました。 9月から11月にかけて,岡山市内中心部で行われた「第2回岡山芸術交流」には,約31万2,000人が来場し,初開催であった前回を約7万8,000人上回りました。「美作三湯芸術温度」は,現在,会期の真っただ中ですが,本年度の文化振興,観光振興の目玉事業であるアート作品で岡山を元気にする取り組みは,瀬戸内国際芸術祭岡山芸術交流が終了したことで,一つの山場を越えた感があります。 2つの芸術祭を振り返り,どのような成果があり,どのような反省が残ったのか,現時点の知事の御所見をお聞かせください。 10月に,広島県の福山,三原,尾道市を舞台に来年秋に開かれる現代アート国際芸術祭ひろしまトリエンナーレ2020inBINGO」の概要が発表されました。3市の20施設で,現代アート作品の展示や関連イベントを実施し,国内外からの観光客の来訪と,周遊による地域経済の活性化に取り組むとしています。 広島県の湯崎英彦知事は,定例会見で,瀬戸内国際芸術祭岡山芸術交流と積極的に連携していく考え方を示し,「2つの芸術祭とともに,瀬戸内アートリージョンの一翼を担いたい」と述べました。瀬戸内アートリージョンは,瀬戸内地域を包括的な芸術エリアとして発信する構想で,岡山芸術交流石川康晴総合プロデューサーが提唱しています。湯崎知事は,「3つの芸術祭を一枚岩になって世界に発信する動きが今後出てくる」という石川氏の言葉を紹介し,「3つの芸術祭の開催時期の検討や,来場者が広域に周遊していただける取り組みなどが将来的に考えられる」と踏み込みました。 瀬戸内国際芸術祭岡山芸術交流ひろしまトリエンナーレとの連携や,瀬戸内アートリージョン構想に関して,石川氏の提案や湯崎知事のコメントをどのように受けとめ,今後,どのように対応しようと考えていますか,知事の御所見を伺います。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 瀬戸内のアートイベントについての御質問であります。 まず,大規模イベントの成果についてでありますが,2つのアートイベントは,県民への現代アートの鑑賞機会の提供はもとより,国内外からのアートファンにより,前回を上回る来場者数を記録したほか,岡山後楽園の来園者などの増加にもつながり,岡山を世界に発信できたのではないかと考えております。私も,岡山芸術交流の作品を見て回りましたが,これまでの芸術の枠を超えた現代アートの奥深さを認識するとともに,現代アートの鑑賞には,こうした分野のアートリテラシーを高めていくことも必要だと感じたところであります。 いずれにいたしましても,今後,開催効果の県内各地への波及状況などの検証に努めてまいりたいと存じます。 次に,瀬戸内アートリージョン構想についてでありますが,瀬戸内地域が全世界から注目を集める中,アートという切り口で,県境を越え,芸術祭や美術館などの相互連携を強化することは,情報発信力を高めるとともに,誘客の促進が期待されることから,一つの有効な手段と考えています。 現代アートに限らず,アートの持つ集客力は大きいことから,多くの人に来ていただき,感動してもらうためには,どのような手法で行うことが効果的かなどについて,関係団体間で十分に検討していくことが必要ではないかと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございます。 瀬戸内国際芸術祭ですけれども,会場別の来場者数を見ると,香川県直島が30万3,000人,これは前回比17%増で最も多くて,続いて小豆島,豊島,高松港周辺と続いてます。岡山県の2会場は,犬島が5万9,000人,これは前回比3%減,宇野港4万7,000人,これは前回比21%増です。少し,瀬戸芸に訪れた観光客を岡山に呼び込もうという視点からは,ちょっと残念な結果なのかなあという印象を個人的には受けるのですけれども,知事の受けとめと,3年後には次回の芸術祭がありますから,それに向けて取り組むべき課題等があればお知らせください。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
    ◎知事(伊原木隆太君)  瀬戸内国際芸術祭,全体としては非常に盛り上がっているけれども,岡山の2会場はそこまで盛り上がっているように見えない,どう思うかと。 盛り上がっているように見えないということで,私が気にしないわけはございません。岡山県の会場を入れてもらえたということは非常にありがたいことだと思っています。犬島の会場,玉野の会場も,私それぞれ訪れたことがありますけれども,ふだんとは全然違う盛り上がりで,さすがだなあと思ったところであります。 もともと,これはもうみんな知ってることでありますけれども,このきっかけになった,今でも主導的にされている福武会長,ベネッセの福武さんは,もともと岡山の方ですから,せっかくだからもっと岡山もかかわりたいなあと,みんな思ってますし,私も何度かお伝えしました。そういうこともあって,今入れていただいているんだと思うんですけれども,我々とすれば当然,もっともっとかかわっていきたいなあと思っているところでございます。 香川県側のいろいろな思いも承知しております。ぜひいろんなことの調整が進めばいいなあと思っております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  一番手っ取り早いという言い方は語弊があるかもしれませんが,今の件について一番手っ取り早いのは,岡山県側の会場がふえれば,その分,全体も盛り上がるし,岡山県もということです。せっかく犬島まで来てるのであれば,すぐ近くの前島だとか,あるいは牛窓だとかも含めて,今後,御検討いただければと思ってます。 瀬戸内アートリージョン構想ですけれども,これは瀬戸内エリア全体をアートの聖地として発信しようという取り組みなので,先ほどの瀬戸芸も少しそういうところがあるかもしれませんが,各県の損得勘定を超えて,瀬戸内全体で全体最適を優先しようという発想が求められるのかなあと思います。けれども,なかなか現実には,広島だったり岡山だったり香川の中で,限られたパイをとり合うというような発想がやっぱりあるんではないのかなあと思います。そうではなくて,お客様にとって,より魅力的な環境をつくることでパイ全体の拡大を図るところが重要だと思うんですけれども,それについて,それを実現できるような執行体制も必要ですので,そのあたりについてアイデアがあればお聞かせください。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  瀬戸内地域にすばらしいアートの企画が幾つかあるけれども,それがそれぞれ自分たちだけの最適,局所最適を追求するよりも,ぜひ広く協力するほうがいいのではないか,どのようにするかということでありますけれども,まさにそのとおりでありまして,せっかくそれぞれがよくても,とったりとられたりだと,ゼロサムゲームだと,あっちに行くかわりにこっちに来てもらおうみたいな発想でやっては,なかなかポテンシャルを生かすことができないですし,相乗効果は望むべくもないということでございます。 ここは本当に幸いにも,まず今,せとうちDMOの発足とかいろいろなことで,関係者のお互いの仲がいいということがまずありますし,今,美術館とか,芸術祭を主催している主体,例えば福武財団の福武英明さん,それから今,芸術交流をされている石川康晴社長,それから大原美術館の若き理事長大原あかねさん,非常に仲がいいんですよね。この前,岡山でG1中国・四国をした際に,湯崎知事も参加をされまして,そこで石川社長が,全体会で壇上にいる湯崎知事に,一緒に協力しませんかと呼びかけられて,湯崎知事も,一緒にやりましょうよと答えられたということで,関係者が一緒に頑張ろうという機運は非常にでき上がっていると思います。 あと,具体的にどうするのか。今,流れとすれば,3年に1回の開催年を合わせようという方向で意見集約が進んでいると理解していますけれども,もしかしたら,1年ずつずらして,常にどれかをやっているほうがいいのかもしれません。どういう形になるにしても,お互いが協力をして相乗効果を出していこうという形で取り組んでいただくことを期待いたしておりますし,岡山県庁としても後押しをしたいと思っております。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございます。 前向きな連携が進んでいると理解したんですけれども,瀬戸芸,岡山芸術交流は3年に1回ですから,次が2022年で,その次が2025年です。2025年というのは大阪万博が開催される年でもありまして,こういうアートリージョン構想というのを形にする上では一つの大きい機会なのかなあというような気もしてますが,何事も実現しようとすれば,ある程度のスケジュール感を持ってやるというのは大切だと思います。このアートリージョン構想の実現の時期みたいなものについて,お考えがあればお聞かせください。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  アートリージョン構想ということであります。石川社長とは,つい3日前もお会いをしたわけでありますけれど,そのときにはフルーツの話題で盛り上がりまして,アートリージョンの話はしておりません。またいずれ,どういう構想を持たれているのか,ぜひゆっくりお伺いしたいと思っております。 また,その内容についてきちんとお伺いして,びっくりするような,岡山県にとって困るような内容でなければ,99%確信してますけれども,ぜひ協力をしていきたいと思っております。 ○副議長(小倉弘行君)  次の項目に移ります。 19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  次に,せとうち観光推進機構負担金増額への対応について伺います。 せとうち観光推進機構は,2013年に,岡山,広島,山口,兵庫,徳島,香川,愛媛の7県により発足した「瀬戸内ブランド推進連合」から発展改組し,2016年に,民間の旅行交通事業者などが加わり,スタートしました。外国人観光客の誘客に軸足を置いたマーケティングやプロモーションを担う一般社団法人で,7県と民間事業者からの出向者など22人が勤務しています。 ファンドを活用して観光事業者を支援する「瀬戸内ブランドコーポレーション」とともに,観光振興の官民組織「せとうちDMO」を構成し,2020年に,域内の訪日外国人延べ宿泊者数・年600万人泊を目標に掲げています。域内の2018年の総宿泊者数は398万人泊,前身である「瀬戸内ブランド推進連合」発足前年の2012年の103万人泊の約4倍に達しており,「せとうちDMO」は,広域観光連携の成功例として注目を集めています。岡山県からは,職員1名を派遣し,本年度は2,115万円の負担金を納めています。 同機構が,8月下旬に,国の補助金減少や事業拡大などを理由に,各県の負担金を最大で2倍とする増額案を複数提示したとの報道がありました。複数の県から異論が相次いだと伝えられる一方,広島県の湯崎知事は,10月の記者会見で,「財政面の支援は続けていく」と表明し,増額に理解を示しています。 7県の意見が割れている背景には,域内のインバウンド需要の拡大には成果が出ているものの,各県の観光客数の伸びには濃淡があるという現実があります。2018年の外国人宿泊者数の前年からの伸び率は,広島県が33.3%,愛媛県28.5%と,全国平均の18.3%を大きく上回る一方,兵庫県0.9%,山口県4.5%など,伸び悩んでいる県もあります。岡山県は,豪雨災害の影響もあり,6.9%と,全国平均を下回りました。 負担金の増額への対応を考えるに当たっては,これまでの取り組みに対する費用対効果の検証が不可欠です。県として,効果の検証は行っているのでしょうか。 行っているのだとしたら,検証結果を受け,どのような認識のもと,増額提案にどのように対応するお考えか,知事の御所見を伺います。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 せとうち観光推進機構負担金増額についての御質問でありますが,費用対効果についての詳細な検証までは行っておりませんが,国のデータを用いて算出した昨年の英米仏独4カ国の本県における旅行消費額は,せとうちDMOが設立される前の2015年に比べ,約1.6倍となる約5億5,000万円と,大幅に拡大しております。これは,機構が行う欧米豪向け取り組みにより,海外のメディアで「せとうち」が頻繁に取り上げられるなど,認知度が飛躍的に向上する中で,本県の宿泊者数についても大きく伸びたことによる成果と認識しております。 増額提案への対応につきましては,他県の動向も踏まえながら,来年度予算編成過程において検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございました。 私も,せとうちDMOは効果も上がっていますし,全国的にも非常に成功例として名をはせているというようなところもあります。マーケティングみたいなものは継続性も必要なので,一定程度の負担増はやむを得ないのかなあと思いますが,そういう視点に立てば,7県の対応がばらばらでは,今後の運営に不安も残りますし,また何か不平等感みたいなのも出てくるので,7県が協力して財政支援に取り組む必要性は高いと思っているんですけれども,そのあたりの御所見をお聞かせください。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  この7県で足並みをそろえるべきではないかという話であります。そのとおりだと思います。 ただ,実際それぞれの県が一部苦労をしている費用対効果の話でありますけれども,長くやっている,トレンドが安定しているときの費用対効果であれば,それはそれであるのかもしれませんけれども,今,どっと伸びている現象に対する費用対効果のはかり方は,実は難しいところがございます。 例えば,岡山県が「これはすごいのができた」ということで新しい桃を売り込むときに,これぐらいの宣伝費をかけました,で,1年目,2年目,これぐらい売れましたと費用対効果をもし算出しようとすると,立ち上がったばかりですから売り上げなんてほとんどないものに,宣伝広告費を考えると,「おいおい,これなんか全然もうかってないじゃないか」ということにすぐなってしまいます。これは新車の発売でも,どんなタイプの新製品でもそういうことになりますけれども,じゃあそうしたら,売れ筋のもの,ずっとうちの会社を支えてきたロングセラーの商品は,売り上げに対して大体1%の宣伝費だから,それに合わせて新製品も売り上げの1%でやろうといったら,ほとんど宣伝はできませんし,本来そうあるべきではないと。 これは自信があるというものであれば,投資だと思って,まずどんどん宣伝をしていき,それが大ヒットした数年後に回収できるのが新製品のプロモーションのやり方であります。「せとうち」というのは長らく,すごくポテンシャルがあるのにきちんと宣伝がなされていなかったことで,非常にもったいなかったけれども,さあみんなでやろうということで,今たまたま岡山の場合はこのスパンで,そういう計算をしても十分説明ができるような数字になっていますけれども,そうでないにしても,今やろうとしていることを考えれば,当然,今投資するべきだと私は考えているところでございます。ぜひそれぞれの県も,未来を見据えて投資をする判断をしてもらいたいと考えております。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございます。 未来を見据えた投資という視点に立てば,もともとこの話は,国の補助金の減少に端を発しているところがあって,中長期的かつ戦略的にDMOというものを育成しようとするのであれば,国の財政支援のあり方についても少し再考を求めたいなあという気がしております。 また,機構やDMO自体が事業収益を上げられるような,そういう仕組みが必要だという声もあるんですけれども,これらの論点については,知事,どのようにお考えでしょうか。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  国の補助金について何か言いたいことはないかということで,減らさないでくれというのが私の率直な思いでありますけれども,ただ,サンセットというのは県もやっているわけです。それがなければ今回の新しい取り組みもなかったかもしれないということで,ある程度はやむを得ないのかなと思います。本当に我々が大事だと思っているんだったら,我々で資金を捻出,調達して,やるということであります。 一番いいのは,安定的にそういった有意義な活動を継続して行うためには,独自の財源があるというのは大事なことでありまして,有名なハワイのDMOのように,これは原資は宿泊税が主だと聞いておりますけれども,そういった形で,自分たちで調達した財源を活用しながら,どんどん状況をよくしていくということが,究極的には望ましいのであろうと考えております。 ○副議長(小倉弘行君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  瀬戸大橋の夜間点灯拡大について検討するために,本州四国連絡高速道路と岡山,香川両県が設置した有識者による検討委員会は,11月6日に,2回目の会議を開催しました。一部の報道では,「天体観測の妨げとなる光害の軽減に配慮しつつ,原則として毎日点灯する方向で取りまとめを図ることを確認した」とされていますが,同委員会は,「原則,毎日点灯してもよいと思う」,「ワークショップで365日の点灯にある程度の合意が見られる」という意見がある一方,「光害を最小限とするための技術的な見地を追求する」,「不用意な点灯拡大にならないようルールづくりが大事」など,慎重な意見も出されたと聞いています。 また,オブザーバーとして参加している国の担当者からは,「現行の80日・300時間というガイドラインは硬直化しており,点灯拡大について,地元の強い要望があることは認識しているが,日数・時間の両方を一度に解除することは難しい」とのコメントがあったとも聞いており,「原則,毎日点灯」の方向性が確認されたとはいえ,整理すべき課題があると受けとめております。 検討委員会の議論とは別に,各種団体へのヒアリング,道路利用者・観光客へのアンケート調査,点灯日と非点灯日の瀬戸大橋の交通量調査,周辺観光施設や展望台等の利用実態調査なども行われており,また,両県の観光や宿泊,天文台などの関係者十数人が,4回にわたって,ワークショップで意見交換をしています。 検討委員会の議論や各種調査結果,ワークショップで出た意見等を踏まえ,県としてどのような論点整理を行っていますか。 また,県は,観光振興や地域活性化の観点から,点灯日数・時間の拡大を目指す立場だと理解していますが,拡大に向けてクリアすべき課題とはどのようなものでしょうか,あわせて土木部長に伺います。 県は,2018年度の瀬戸大橋開通30周年,2019年度の瀬戸内国際芸術祭など,これまでも機会を捉えて,点灯日・点灯時間の拡大を国などに求めてきました。その結果,2018年度123日,2019年度136日と,点灯する日数はふえましたが,上限300時間はそのままなので,1日当たりの点灯時間を短くせざるを得ませんでした。 私は,80日・300時間というガイドラインは,策定から20年が経過をしており,観光需要の大幅な伸びを背景に,ライトアップ活用に向けた関係者の強い要望もあることなどから,ゼロベースで見直すべきだと思っています。単年単年の点灯日・時間の議論や,天体観測への配慮等とは別に,国などに対し,中長期的な視点を持って見直しを求めるべきだと考えますが,ガイドラインに対する知事の御所見をお伺いします。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 瀬戸大橋の夜間点灯についての御質問であります。 ガイドラインについてでありますが,本四高速が,夜間点灯の日数と時間について,国に了解を得た上で運用しているものであります。私としては,世界に誇る瀬戸大橋という地域の資源を観光振興などに最大限に活用すべきと考えており,自然環境や天体観測なども考慮した上で,長期間にわたり,点灯日数・時間が大幅に拡大されることを期待しておりますが,ガイドラインの見直しについては,年内に取りまとめられる検討委員会の提言の内容も踏まえ,香川県等と連携し,本四高速と国に強力に働きかけてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  土木部長樋之津和宏君。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  お答えいたします。 論点整理等についてでありますが,これまでの委員会やワークショップ等において,点灯日数については,毎日点灯の方向性が示されておりますが,点灯時間の拡大が論点となっており,推進する意見と慎重な意見が出されております。 このため,点灯時間が,自然環境や天体観測などにも考慮した上で,観光振興や地域振興につながるものとなることが課題であり,引き続き,本四高速や香川県と連携して,関係者間の意見調整を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございます。 まず,天体観測への配慮ということですが,これは調査などでも,ライトアップそのものに起因する天空への影響は少ないとされていて,ワークショップとか検討委員会の中では,それよりも,地元のランドマークである瀬戸大橋の大幅な点灯拡大によってもたらされる人々の心理面への影響,つまり,美しい星空を守るために,できるだけ光を消そうとか,光を上に向けないようにしようとか,そういう意識が緩むことを懸念する声があったと聞いています。 そのあたりの,天体観測に適した環境を維持する,そういう意識づけみたいなことについて,お考えはあるでしょうか。 ○副議長(小倉弘行君)  土木部長。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  再質問にお答えいたします。 拡大等に伴い,全体的な明かりが拡大することに伴って,意識が緩むのではないかと,それに対してどういう対応等を今後考えていくかでございますけれども,基本的には,瀬戸大橋の点灯に関しては,瀬戸大橋そのもののライトアップをどうするかというところがメーンで議論されております。そういったお話もこういう委員会とワークショップで出ていると承知しておりますけれども,それはまたそういう大きい環境分野での議論をしっかりしていただくのが肝要かと思ってますので,我々事務局として,まずは,特に焦点となってる点灯時間の調整を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  天体観測への配慮とか,これは天文観光というのも今,同時に言ってますから,そういうものへの影響を最小限にするということであると,例えば天体観測に向いてない時間帯,例えば日没後の一定の時間とか,あるいは満月とか,そういう空が比較的明るいときには優先的に点灯して,逆に新月とか月食とか,何とか流星群が見られるとか,そういう珍しい天文現象が観測できる日や時間帯などは点灯しない,そういうことで,瀬戸大橋が点灯しない日イコール夜空を見上げるべき特別な日みたいな演出をするというようなことも一つの工夫ではないかなと思うんです。そういう天体観測への配慮等について,今検討してることがあればお知らせください。 ○副議長(小倉弘行君)  天体観測のこととは部署が違うと思いますし,質問を超えてると思いますので。 では,次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございました。 では次に,県警察の交通事故対策について,警察本部長に伺います。 まず,改正道路交通法への対応についてです。 この12月1日から,運転中にスマートフォンやカーナビを見たり操作したりする,いわゆる「ながら運転」について,罰則が強化されました。 警察庁の資料によると,全国の「携帯電話等使用(ながら運転)」の2018年の取り締まり件数は,年間約84万件で,全体の14%を占めています。年によって上下はあるものの,速度違反,一時停止違反と並んで,常に上位3位以内にランクインしており,今回の罰則強化にかかわらず,既に日常的に取り締まりが行われていることがうかがえます。 岡山県の「ながら運転」の取り締まり件数や,年ごとの推移,違反全体に占める割合などはどのようになっているか,お知らせください。 ところで,「ながら運転」の取り締まりでは,「自分は絶対に携帯やスマホを使用していなかった」と強硬に言い張るケースが少なくないと聞きます。明らかに携帯電話を耳に当てて通話をしている場合はともかく,持っていたスマホをすぐに手放した場合や,車載のカーナビやホルダーに固定されたスマホを操作した場合,いわゆる2秒ルールなどとも呼ばれる,画面の注視状況の見きわめなど,警察官が違反行為の証拠を明示しにくいケースもあり,罰則化になれば,違反者が強固に否認するケースがふえることも想定されます。 「ながら運転」の結果,起こる事故の重大性を考えれば,言い逃れは許さず,違反行為・危険行為を厳しく取り締まるべきだと考えますが,どのような方針で臨まれるのでしょうか,あわせて伺います。 さらに,近年,自転車運転中のスマホの閲覧や操作がふえているような印象を持ちます。自転車の「ながら運転」の現状についてお知らせください。 今回の罰則強化を一つの機会と捉え,自転車の「ながら運転」撲滅の取り組みも強化すべきだと考えますが,具体的な対応を含め,御所見をお聞かせください。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 警察本部長桐原弘毅君。   〔 警察本部長 桐原弘毅君 登壇 〕 ◎警察本部長(桐原弘毅君)  お答えいたします。 ながら運転の取り締まりについてのうち,件数等についてであります。 県内の過去3年の携帯電話使用等違反の取り締まり件数につきましては,平成29年中1万12件,平成30年中7,624件,本年は10月末現在で6,151件となっております。 なお,各年とも,取り締まり件数全体に占める割合は,10%弱で推移している状況であります。 次に,方針についてであります。 議員お話のとおり,厳罰化により,違反者が否認するケースがふえることも想定されますが,県警察では,まずはドライバーが違反することのないよう,この種の違反行為の具体的な内容等について,県警ホームページへの掲載,ポスター・チラシの配布,各種講習会など,さまざまな機会を捉えて周知を図っているところであります。その上で,取り締まりに当たっては,違反行為の確認を確実に行い,言い逃れを許さない厳しい姿勢で,厳正かつ適正な取り締まりに臨んでまいりたいと考えております。 次に,自転車についてであります。 自転車利用者が携帯電話等を使用中に起こした交通事故は,本年11月末現在で,軽傷事故2件を認知しております。 また,自転車利用者に対する取り締まりにつきましては,10月末現在で,携帯電話使用等の違反での検挙はありませんが,2,160件の警告書を交付しております。 自転車の「ながら運転」撲滅に向けては,街頭での指導取り締まりを積極的に行うほか,中学校,高等学校等とも連携し,「ながら運転」の危険性の理解が浸透するよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  次の項目に移ります。 19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございました。 引き続き,技術革新を活用した交通安全対策について,県警本部長にお伺いします。 危険運転,あおり運転等への対応についてです。 県警察では,「岡山県 あおり110番 鬼退治ボックス」を開設し,危険運転,あおり運転等の情報提供とともに,危険行為等を撮影したドライブレコーダーやスマートフォン等の動画の提供を呼びかけています。動画の提供情報を確認した県警側が,提供者にメールで投稿ページのURLやID,パスワードなどを送信し,提供者は,そこからデータを送信する仕組みだと聞いています。 県警察では,今月5日,同ボックスに寄せられた情報をもとに,危険な運転を行ったドライバーを摘発したこととあわせ,サイトへの情報提供は,運用開始以降31件で,うち17件で動画を確認したと発表しています。 始まったばかりの取り組みですが,同ボックスの県民の反応や,現時点での手応えについて,御所見を伺います。 この仕組みを実効性の上がるものにするためには,周知の徹底や,活用に向けた動機づけ,ドライブレコーダーの設置推進などの環境整備に加え,提供された映像等を積極的に捜査に活用し,違法行為は厳正に検挙し,検挙に至らないケースでも,問題があると思われる運転者には注意喚起を促すなど,県警察として,危険運転,あおり運転に厳しく対処する姿勢を明確にすることが必要だと考えます。 危険運転,あおり運転の撲滅に向けた意気込みと,今後,この仕組みを有効活用するために検討していること等についてお聞かせください。 最後に,本年1月より運用を開始している「可搬式速度違反自動取り締まり装置」について伺います。 県警察では,これまで,道路が狭いなどの理由から取り締まりが困難であった通学路や生活道などを中心に,県内一円で神出鬼没なスピード違反取り締まりを行っています。その成果と課題,地域からの要望等への対応状況,今後の運用拡大などについて,御所見を伺います。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 警察本部長桐原弘毅君。   〔 警察本部長 桐原弘毅君 登壇 〕 ◎警察本部長(桐原弘毅君)  お答えいたします。 技術革新を活用した交通安全対策についてのうち,危険運転等のあおり運転110番についてであります。 11月21日の運用開始以降,あおり運転の情報に加え,取り締まりの強化を望む声が県内外から寄せられるなど,関心は極めて高く,あおり運転を初めとする危険運転の撲滅を願う警察に対する期待は大きいと感じております。 手応えにつきましても,議員お話のとおり,短期間で多くの情報が寄せられており,現時点で検挙は1件ですが,指導・警告も行っており,取り締まりツールとして威力を発揮しているとともに,報道等で取り上げられることにより,ドライバーに対して警鐘を鳴らす効果も得られているものと考えております。 次に,撲滅に向けた意気込み等についてであります。 県警察といたしましては,あおり運転を初め,悪質・危険な運転者は,看過することなく,追跡捜査を徹底し,着実に検挙していくほか,検挙に至らない場合であっても,関係者に対する指導・警告を行うなど,違法行為や迷惑行為等は決して許さないという姿勢で取り組んでまいります。 また,仕組みの有効活用につきましては,取り締まりを重点的に行う路線の選定に当たって,寄せられた情報をもとに,悪質・危険な運転が予想される時間帯,路線等を予測し,より実効性の高い交通指導取り締まりを行いたいと考えております。 最後に,可搬式速度違反自動取り締まり装置についてであります。 同装置による検挙件数は,本年11月末現在で115件であり,取り締まりを実施した路線での速度低下や,各小学校区での交通事故が減少するなどの成果が確認されております。しかし,現在,県下で1台と,限られた台数で運用しているため,地域住民の取り締まり要望等に対して十分に対応できていないのが現状であります。 今後は,県財政当局とも,運用拡大に向けた協議を行うとともに,同装置の一層の効果的な運用も図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  ありがとうございました。 危険運転,鬼退治ボックスができたこと自体が,ドライブレコーダーをつけておいたほうがいいという意識形成にもつながるとは思いますが,ドライブレコーダーがついているということが非常に重要だなあと思います。ドライブレコーダーの設置というのは,以前よりはふえているとは思いますが,まだまだ課題があるのではないのかなあと思ってますので,ドライブレコーダーをつけてもらうことに対して,何か対応していることがあれば教えていただきたいと思います。 ○副議長(小倉弘行君)  警察本部長。   〔 警察本部長 桐原弘毅君 登壇 〕 ◎警察本部長(桐原弘毅君)  再質問にお答えいたします。 ドライブレコーダーが有効で,それについて警察がどのような取り組みをしてるかということでありますが,各種講習会等におきまして,ドライブレコーダーが違法な情報の確認等においても有効であり,あるいは事故が起こった際に,その事故の原因を立証する際に大変有効であることを話すなど,講習会等の機会で,ドライブレコーダーの有効性についてはお話ししているところであります。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  19番。   〔 19番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆19番(高橋徹君)  これは要望ですけれど,1つは,今の新しいドライブレコーダーは,レコーダーそのものもそうですし,携帯のアプリと連動して,ドライブレコーダーの画像を分析して,例えば何メートル以内になったら警告音が携帯から発せられるとか,あるいはあなたの運転の癖はこんなことがあるので,こんなことに注意したほうがいいよというのを携帯が教えてくれるサービスも,しかも無料で出てきていますので,まさに今,高齢者にいろいろ指導されていることが,割と身近にできるようになっているという意味でも,こういったことを役立ててもらいたいなあと思います。 また,自動オービスですか,可搬式オービスについては,財政当局と相談をしていくということでございますが,1台というのはなかなか,もうちょっとあってもいいのかなという気もしておりますので,ぜひ県全体で御検討いただければと思います。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(小倉弘行君)  以上で高橋君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 18番大塚愛君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  皆様,こんにちは。 民主・県民クラブの大塚愛です。 この県議会の一員とならせていただき,ちょうど3年がたち,13回目の定例会となりました。さまざまな方と出会い,学ぶことの連続ですが,県民の皆様,県職員の皆様,県議会の皆様と,よりよい岡山を描いていけるよう,頑張っていきたいと思います。 まず最初に,先週4日にアフガニスタンで銃弾に倒れ亡くなられた中村哲さんに,哀悼の意を表します。 1991年にアフガニスタンやパキスタンに医療支援に赴かれ,その後,人々が暮らしていくためにはまず水が必要だと,医師でありながら,みずから重機を動かし,井戸を掘り,水路を建設し,ついには1万6,000ヘクタールを緑の大地としてよみがえらせました。私は,20代のころにその活動を知って以来,アフガニスタンから届く御報告をいつも読ませていただいていました。天まで届くような高い志を持って,平和を願いながら,民衆とともに働かれ,緑の大地をよみがえらせられた中村さんのそのお姿は,私にとって最も尊敬するお方でした。突然の訃報に,深い悲しみを感じていますが,中村哲さんが常に教えてくださった真の平和の築き方を求めていきたいと思います。 それでは,通告に従い,質問に移ります。 なお,一部,所属委員会にかかわる質問もありますが,他部局との関連もあり,お許しいただければと思います。 まず初めに,建築物の省エネ促進についてお伺いします。 県の地球温暖化防止行動計画では,2030年度までに,温室効果ガスの排出を2013年度比で17.7%削減するとし,家庭・業務部門においては約4割の削減を目標としていますが,これらの部門において,来年度以降,あと何%の削減をどのように進めていくお考えでしょうか,環境文化部長にお伺いします。 また,計画には,建築物の省エネルギー性能の向上が挙げられていますが,建築物の省エネ化を積極的に進めている長野県の事例を紹介したいと思います。 長野県では,地球温暖化対策条例の中に,「建築物環境エネルギー性能計画」を位置づけ,新築住宅を建てる施主に対して,エネルギー性能の評価と再生可能エネルギーの導入についての検討を義務づける「建築物環境エネルギー性能検討制度・自然エネルギー導入検討制度」を,2014年より導入しています。この結果,書面を提出した新築戸建て住宅3,800戸のうちの8割以上が国の省エネルギー基準を満たし,約3割が再生可能エネルギーを導入できたことがわかっています。 また,既存の建築物については,概算の省エネ性能を見える化することで,省エネ改修に向けた検討を促す「建築物の省エネ改修サポート制度」を昨年度より始めています。県が認定した省エネ改修サポート事業者が,建物の省エネ性能を無料で簡易に診断し,改修に向けた検討を促しています。 また,長野県建設部では,エネルギーに配慮された新築住宅とモデル的省エネリフォームの事例集を作成しています。こちらが事例集です。(資料を示す)新築については,一般的な工法との施工費の比較や,年間光熱費なども例示してあります。さまざま具体的な工法なども載せられています。また,リフォーム工事については,工事前後の光熱費が比較されており,中には,断熱により,室内温度が10度以上温かくなり,年間24万円かかっていた光熱費が7万円まで下がった例も紹介されています。 省エネ化や断熱化については,一般に,コストがかさむ印象があり,ちゅうちょする傾向がありますが,このように工事費や光熱費の比較を明示することができれば,家という大きな買い物をする際に,将来的なコストまで計算し,かつ環境にも配慮して工法を選ぶことができます。また,光熱費で支払うお金が減り,省エネのための工事費がふえることは,地域外に流れるお金を地域内に循環させることになりますし,また健康を守るヒートショック予防にもつながります。 温暖化防止に資する建築物の省エネ化については,建築分野においても,環境文化部と連携した働きかけが欠かせないと思いますが,いかがでしょうか,土木部長にお伺いします。 改正建築物省エネ法により,300平米未満の新築住宅については,2021年度から,建築士による省エネ基準に対する適合可否を施主に説明する義務が課せられることになります。これに先駆けて,長野県のようなエネルギー性能の評価や再生可能エネルギー導入の検討を義務づける制度を,本県でも導入してはいかがでしょうか。 また,これらの動きに合わせて,県内の建築事業者への制度の周知や,省エネ建築の技術力向上が必要となりますが,どのように取り組んでいきますか。特に,地域の工務店などの建築事業者にとっては,事業継続の支障にならないよう備える必要があると思いますが,どのように支援していきますか,土木部長にお伺いします。 また,既存の住宅については,耐震改修の際に,省エネ改修もあわせて行うことを促すことが効果的です。本県では,南海トラフ地震等に備えた耐震改修の促進に取り組まれているところですが,あわせて省エネ改修についての検討もできるよう,参考となる省エネリフォーム事例を提示したり,活用できる補助制度などの情報提供を行ってはいかがでしょうか,土木部長にお伺いします。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  民主・県民クラブの大塚議員の質問にお答えいたします。 建築物の省エネ促進についての御質問であります。 エネルギー性能評価制度等の導入についてでありますが,長野県の事例は,建築物の省エネ性能の向上等につながる先駆的な取り組みではありますが,約1年後に,改正建築物省エネ法が施行され,エネルギー性能評価が義務づけられることから,法の施行に向けて準備してまいりたいと存じます。 また,再生可能エネルギー導入検討の制度については,エネルギー性能評価制度の導入状況や,国,他県の動向を見ながら,研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  環境文化部長古南篤子君。   〔 環境文化部長 古南篤子君 登壇 〕 ◎環境文化部長(古南篤子君)  お答えいたします。 地球温暖化防止行動計画についてでありますが,家庭・業務部門の温室効果ガス排出量は,2016年度速報値で,2013年度比10.1%減となっており,削減は比較的順調に進んでいると考えておりますが,目標達成には,2013年度の排出量の29.4%をさらに削減する必要があります。 家庭・業務部門における削減に向けては,窓の断熱リフォームや高効率給湯器の購入などの,家庭における省エネルギー設備の導入支援を行うとともに,事業者を対象とした省エネサポート相談事業などを実施しており,引き続き,こうした施策を進めることにより,省エネ化を進め,温室効果ガスの削減を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  土木部長樋之津和宏君。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  お答えいたします。 まず,建築分野への働きかけについてでありますが,土木部では,ホームページ,パンフレット等を活用し,建築物の省エネに関する制度を周知するとともに,県住宅リフォーム推進協議会のセミナーにおいて,省エネ改修への支援等の情報提供を行っているところであります。 お話の,省エネ施策を所管する環境文化部と連携して建築分野に働きかけることは,省エネのさらなる推進につながることから,今後,リフォーム推進協議会などさまざまな機会を通じて,住宅の省エネ対策に係る補助制度や,専門家によるアドバイス事業等の情報提供を行うとともに,効果的な連携の取り組みについても検討してまいりたいと存じます。 次に,改正建築物省エネ法の周知等についてでありますが,このたびの法改正を受け,現在,国において,制度の内容や省エネ技術を解説する説明会を,県内で順次実施しているところであります。県としても,地域の工務店が制度を理解し,技術を習得することは重要と考えており,今後,建築関係団体と連携し,制度の周知や技術力向上に係る講習会を開催するとともに,省エネ技術の相談窓口を設置するなど,建築事業者が事業継続できるよう,支援を行ってまいりたいと存じます。 次に,情報提供についてでありますが,耐震改修については,現在,出前講座の開催やパンフレットの配布,広報誌への掲載等により,普及啓発を図っているところであります。 お話の,耐震改修にあわせて省エネ改修を促すことは,効果的であることから,こうした機会を捉えて,省エネリフォーム事例や補助制度などの情報提供を行い,省エネ改修が進むよう取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  18番。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  それぞれ御答弁をありがとうございました。 また,今,土木部長からも,大変前向きな,さまざまな分野において進めていただけるという御答弁をいただけて,とてもうれしく思っているんですけれども,環境文化部として,これまでも,高効率な設備や窓断熱の補助制度ということをされていて,また事業者からの相談ということは受け持たれていましたが,今度,建築物となったら土木部が管轄するようなところもあります。今後,今までなかった連携として,どんなことができたらよいとお考えでしょうか,もし何かお考えがあったら教えてください。 ○副議長(小倉弘行君)  環境文化部長。   〔 環境文化部長 古南篤子君 登壇 〕 ◎環境文化部長(古南篤子君)  環境文化部と土木部との連携で,環境文化部サイドとして土木部への連携ということでございますけれども,先ほども議員おっしゃいましたように,住宅の省エネ関係の補助事業というのを私どもで所管しておりますし,それから事業者に対しては,省エネ相談というような事業で,省エネ化を進める事業,取り組みを持っております。いずれも,建築物の省エネ化という視点もございますので,建築物全般を担当しております土木部とは常に情報交換をしながら,事業者からの相談に対しては,土木部の技術的なアドバイスをいただかないといけないこともございますので,そういうところでの連携であるとか,私どもも持っております補助制度のPRにも土木部の御協力をいただくということで,できる限りの連携はしてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  18番。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  どうもありがとうございました。ぜひこれからも,きめ細かな連携をお願いしたいと思います。 先ほどの高橋議員のナッジ・ユニットにも通ずるところがあると思うんですけれども,この省エネ化については,見える化をしていくことがとても大事だと思います。例えば,2,000万円で建てられる家に対して年間30万円の光熱費がかかる家と,2,200万円で建てられる家で年間10万円で済む家があるとすると,家というのは20年,30年,40年住むものなので,一回そこにセッティングした環境がずっと続き,環境への影響の差も大きく違ってくると思います。 これまで,光熱費のコストの見える化というのは進んでいなかった部分だと思いますので,そういうところのナッジになるような情報提供にも心がけて,これからの情報提供をお願いできたらと思います。先ほども申しましたように,家計にとってもよい選択になるかもしれない,それから温暖化防止にもつながる,そして,よく建てられた家というのは長く住んでいただけるので空き家にもなりにくい,またヒートショックにもよいという,一石五鳥ぐらいの施策にもなると思いますので,ぜひ前向きに頑張っていただきたいと思います。 事業者についても,省エネ法が改正されるということで,今,建築士会などで,研修などをされていて,今までは20人ぐらいしか来なかった研修会が,今,200人定員いっぱいで,ことしは本当に多くなっていて,皆さん,今,技術向上に向けて動いていかれているところだと思います。ただ,大手であったり一級建築士さんだったりは対応が早いと思うんですが,地域の工務店,また左官屋さんとか屋根屋さんとか,そういう小規模な事業者の方は,まだなかなかそこまで対応ができていないと思います。 そういう方たちに技術を研修していただくことで,能力も上がりますし,また例えば,屋根の瓦を直してくださいと頼まれたときに,ただ直すんじゃなくて,じゃあついでにこの天井の断熱はどうしますかと,その一言が言えるだけでも大きいことだと思いますので,そういう小規模の事業者に対する情報提供についても,今後,心がけて行っていただけたらと思いますが,御所見を伺えたらと思います。 ○副議長(小倉弘行君)  土木部長。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  再質問にお答えいたします。 地域の工務店等にしっかり情報が届くようにという御質問でございますけれども,まさに省エネ法の改正におきましては,床面積300平方メートル未満というのが説明義務づけということになりますので,それを考えると,地域の工務店さんが対応していくような状況になろうかと思います。したがいまして,これは恐らく全国共通の課題であると思いますので,そういった地域の工務店さんにどう制度の周知,技術力の向上を図っていくのがいいのかということにつきましては,国とも連携しながら考えてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 18番。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  続きまして,子宮頸がん予防について質問させていただきます。 子宮頸がんは,ヒトパピローマウイルス,通称HPVの感染が原因で,近年,若い世代に増加傾向にあり,1年間に約1万人の女性が発症し,約2,900人の方が死亡しています。若い女性のがん予防を進めることは,大変重要なことと受けとめていますが,そのよりよい方策を求めて,何点か質問させていただきます。 県は,今年度の重点事業において,子宮頸がんについての正しい情報を伝えるため,リーフレットを作成し,県内の学校などに配付し,その後,同様の内容を伝える動画を作成し,ホームページに発信しています。 HPVワクチンは,サーバリックスとガーダシルの2種が開発され,2013年4月から定期接種が開始されましたが,接種に伴う全身の痛みや運動障害などの症状が多数報告され,同年6月に,厚生労働省の審議会で,「適切な情報提供ができるまでの間,定期接種を積極的に勧奨すべきではない」とされました。HPVワクチンの副反応の疑いは3,130件報告されており,そのうち1,784件が重篤と判断されています。 HPVワクチンの接種を受けるかどうかは,メリットとデメリットを知った上で,御家族と御本人が決めるべきことですので,そのためには十分な情報提供が必要ですが,このたび県が作成したリーフレットや動画には,副反応のリスクについての説明が少ないと感じます。厚労省が,ワクチン接種を受ける方または検討している方を対象に作成したリーフレットには,こちらなどがそうです,(資料を示す)国が積極的に勧めていないことを明示した上で,接種後に起こり得る症状については,幾つかの重篤な症状を例示しています。しかし,県作成のリーフレットには,国が積極的勧奨を中止していることの記載がなく,重篤な副反応事例の記述も少なく,ワクチン接種を勧める印象を与え,若い世代向けにつくられた動画はその傾向が顕著です。 子宮頸がん予防のために,ワクチンや検診を受けることを考えていただくには,「国が積極的な勧奨をやめていること」や,重篤な副反応の可能性があることを,リーフレットや動画でも説明する必要があると思いますが,どのようにお考えでしょうか。 また,これまで接種後に報告された県内の副反応の疑いの事例件数と,そのうち重篤と判断された事例は何件でしょうか。 今も症状が続いている方は何件で,そのうち,治療などの公的支援を受けている方はおられますか,あわせて知事にお伺いします。 このリーフレットは,(資料を示す)県内の小中学校や高校に配付するよう,8月以降に県から届けられましたが,配付後に,保護者からの問い合わせや「国が出している内容と違う」といった声があったり,「教員として配ることに責任を感じる」という意見や,配付を見合わせる学校もあるとお聞きしています。今回のリーフレットの配付について,そのような意見があったことについて,どのように受けとめ,どのような対応をとられたのでしょうか,教育長にお伺いします。 HPVワクチンは,ある一定のウイルスの型に対応するものなので,5割から7割の効果と言われており,細胞診による検診をあわせても,完全な予防ができるかどうかは明らかになっていません。それに対して,細胞診とHPV-DNA検査をあわせて行う併用検診について,自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科の今野先生の研究によると,ほぼ100%の発見精度が確認されています。 また,併用検診は,欧米諸国では既に導入されており,国内においても197の自治体で導入され始めています。併用検診では,細胞診とHPV-DNA検査,どちらもマイナス反応だった場合は,受診期間を延ばすことができ,何らかの異常があった場合は,再検査または精密検査となります。 島根県では,2007年からモデル事業として併用検診を開始しており,2013年には全市町村で導入され,浸潤がん,いわゆる子宮頸がんを半減することができたとの報告があります。また,出雲市の検診費用の比較では,受診者1人当たり3年間の費用が約40%削減できたという報告もあります。 本県における併用検診の実施状況はどのようになっていますか。 また,子宮頸がん予防のために,この併用検診の導入を促進させていただきたいと思いますが,御所見をお伺いします。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 子宮頸がん予防についての御質問であります。 まず,ワクチン接種等についてでありますが,県のリーフレット等は,予防できる子宮頸がんについて,ワクチンに関する正しい情報の周知と,検診の受診促進を図るため,専門家の意見を十分に伺い,作成したもので,必要な情報を適切に盛り込んでいることから,修正は考えていないところであります。 また,2018年度末までの県内のワクチン接種者は約6万9,000人で,接種後の副反応疑いは22人,うち3人が重篤とされております。 こうした方の経過を把握する制度はありませんが,接種後に症状が生じた場合には,県内2カ所の協力医療機関を紹介しており,現在も診療中の方が7人おられると聞いております。 なお,予防接種法に基づく公的支援を受けた事例はございません。 次に,併用検診についてでありますが,県内で実施しているのは2市町村となっております。 併用検診については,現在,国で有効性の評価や実施体制の検討を行っている段階と認識しており,現時点で,導入の推奨までは行っておりませんが,国の動向を注視しつつ,必要な情報を,検診の実施主体である市町村へ提供してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 受けとめ等についてでありますが,今回のリーフレットの配付について,お話のような意見があったことは承知しており,県教委としては,市町村教委や学校に対し,より丁寧な連絡が必要であったと受けとめております。 このため,県教委では,その後の対応として,リーフレットは予防に関する正しい知識を伝えるものであることを市町村教委に通知し,周知を図ったところであります。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  18番。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  御答弁ありがとうございます。 今回のリーフレットの内容については,厚労省が出している,検討している方に向けたリーフレットの情報をもとにつくられたとお聞きしていますが,その抜粋の仕方,ボリュームについて,発信される方が公平で正しい情報を提供しましたと言われても,受け取った方は,ワクチンを勧められていると感じられる方が多いような内容になってます。また,研究者の方とともにつくられたとおっしゃってましたが,恐らくその方たちは,ワクチンの接種を勧めたいという要望もされている方,そういう立場の方であったのかなとも推察しています。 新しく,そのリーフレットの後に動画もつくられていて,そこでは副反応の事例はたった3つだけでした。「腕のところが痛みか腫れ,まれにじんま疹があります」という言葉だけでしたので,特にリスクについて伝わりにくいものがあると思いました。 厚労省が出している情報提供の仕方,それから今回つくられた情報提供が与えてる印象とのギャップについて,どのようにお考えでしょうか。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  県のパンフレット,それからビデオについては,少し,公平な情報を出すというよりも,ワクチン接種を勧めている内容になっているのではないかという御質問でございます。 我々としても,今,日本で行われている子宮頸がんのワクチンが,どういった副反応があるのかないのか,わかっているわけではありません。これはもう,神様でなければ多分わからないであろうと。 そもそも,ワクチン,医療そのもの,全く何も副作用がない治療のほうが大変珍しいわけであります。非常に少ない可能性で,そういった副反応はほとんどの医療行為にあるわけでありますけれども,このHPVワクチンは大変有用なものだと私自身は信じているところでございます。 簡単に紹介させていただきますけれども,ドイツ人のハウゼン教授が,もともと子宮頸がんがヒトパピローマウイルスの感染によって引き起こされるという発見に基づいて開発された,これは人類初のがん予防のワクチンでございます。これまで,そんなことはなかったわけであります。この子宮頸がんワクチンの効果と安全性に関するデータは,世界中で積み上がっておりまして,ハウゼン教授は,その功績によりまして,2008年にノーベル医学賞を受賞されております。 世界中で今,ワクチン接種が当たり前になっておりまして,ワクチン接種を事実上とめている日本は,WHO世界保健機関から何度も警告を受けているわけでございます。できることをやっていないことによって,若い命を失わせていると,この政策判断はおかしいということを,実際に指摘されているわけでございます。 今,日本で認められてるワクチン,これは御案内のとおり2価ワクチンで,質問にありましたように,子宮頸がん全体,全て防ぐわけではありません。実際,3分の2程度しか対応してない。そもそも,ウイルスの種類が100種類以上あると言われておりまして,その2価ワクチンは,一番悪性,危険な2つのウイルスにターゲットを絞って開発をしています。今,2014年に海外で承認された9価ワクチン,悪いほうから9個に対応しているワクチンになれば,90%以上の方を救うことができると言われているわけでございます。 私自身,今本当に,議員おっしゃったように毎年1万人がかかって,2,900人の若い女性,これから結婚をし,子供を産む女性,それから子供をお持ちの女性が,毎年2,900人亡くなっている,その数がふえている。先進国で,子宮頸がんで亡くなる人の数がふえている国は,日本だけであります。今,撲滅を目指してどんどんどんどん減っている中で,日本だけがふえてしまっている。 じゃあ,その1万人から3,000人弱を引いた7,000人はよかったじゃないかということかもしれませんけれども,その方々の多くは,子宮を摘出することになっています。もう妊娠はできません。子供を持つことはできませんし,臓器を取るわけですから,その後,いろいろな疾患,クオリティー・オブ・ライフが非常に落ちるという事例が多々あるわけでございます。 実際,それだけの人が毎年死んだり,ひどい目に遭っていることを,この9価ワクチンをもし使えば,かなりの部分,救うことができます。実際,いろいろその副反応で苦労されている方のつらい症状は,これは本当につらい症状なのは間違いないと思います。そういう方々に関しては,今の医療でできる限り支えてあげなければいけないと思っているわけでありますけれども,もし,ワクチンを打ったから,今つらい症状を受けているんだという方々のお考えが実際100%正しいとしても,実際には,世界中のいろいろな研究は,そうでないらしいということを示唆していますし,日本で行われた名古屋市の有名な大規模な検査でも,実は名古屋市長が中間報告を発表したときに,いや,自分が予想していたことと全然違う,自分はこれは第三の薬害だと思って,このワクチンによってそういった副反応が出ると予想していたんだけれども,この大規模な結果だけを見ると,全く関係がないということを示しているようにしかとれないということを,市長御自身が困惑しながら発表いたしました。 残念なことに,そのうち,そのデータは名古屋市のホームページから削除されて,もう既に名古屋市は,これについては一切答えないという対応になっています。それ自体,非常に不思議なことだなあと思っておりますが,その方々のお考えが正しい可能性もあるわけです。これはわかんないわけですから,まだまだ100%は。 正しいとしても,この数が随分違います。実際,岡山県で,先ほど,22人の方が副反応疑いということで苦しまれている,またそのうち3人は重篤とされているということであります。本当にお気の毒でありますけれども,ただ実際,この期間に岡山県で接種をした人が6万8,650人いらっしゃいます。その6万8,650人が,子宮頸がんのワクチンを打ったことで死亡を回避できる人が,厚労省の数字を当てはめて計算をしますと98.9人と,ほぼ100人の人が,このワクチンを打ったことで死亡せずに済む。誰がどうだったのかは,もうわかりません。でも,100人というのは,これは大きな数であります。 また,死ぬまでいかなくても,先ほどのこの7,000人部分です。子宮頸がんになることを回避できた人が408人,最低でもいらっしゃる。もし最大値をとるならば,589人ということになります。それだけの人の命を救い,病気になることから救ったワクチンが,今,事実上とまっているということは,私は大変心配をしているところでございます。 ここから先は,でも私も,100%このワクチンが無害で有効かについては,よくわかりません。ですから,ぜひ皆さんに知っていただきたい,その上で決断をしていただきたいと思っているところでございます。 本当に大塚議員が心優しい方だということはよく承知をいたしておりまして,どちらも何とか救いたいという思いで,今いろいろ研究をしたり活動をしているわけであります。私としては,ある一方向に何か引っ張る意図はありませんけれども,ぜひこの今起きていることについては,できるだけたくさんの方に知っていただきたい。人生会議のあのポスターが強く批判をされて,炎上しましたけれども,あの炎上をきっかけに人生会議について知られたというのは,私はすばらしいことだと思っておりまして,この子宮頸がんについてどういうことが今起きているのかということは,ぜひとも県内全ての人にわかっていただきたい,このように考えております。 もし,いやこれはちょっと受けるほうに引っ張られ過ぎているのではないかと思われたら申しわけないなとは思うんですけれども,我々とすれば,かなり公平につくったつもりでございます。私が最初に受けた印象は,これを見たら怖がって,受ける人いなくなるんじゃないかというのが,私自身のもともとの印象でありました。ただ,私自身は,これぐらい強い思いを持っている,かなりバイアスがかかっている人間ですから,そう思ったのかもしれません。 でも,どちらにしても,とにかく子宮頸がんで苦しむ人,副反応に苦しむ方を減らしたいという強い思いは共通していると,私は確信をいたしております。 ○副議長(小倉弘行君)  18番。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  どうも御回答ありがとうございました。 女性の方の健康を守るため,特に若い方の命を守るために,やるべきこと,予防をすることというのは本当に大事なことだと思っています。私も,そう受けとめていた部分もあるんですが,やはり被害を受けている方にとっては,その人にとっては一回の人生であり,お母さんにとってはたった一人の娘さんです。 実は,県内で重篤な被害に遭われた方に先日お話を伺いまして,その方は,中学校のときに接種をされて,その後,突然に症状があらわれて,手足の脱力があって,学校にも車椅子じゃないと通えない状態になって,今,7年たっておられます。今も症状に苦しんでおられまして,ただ,その症状というのが救済制度を受けられるかどうかの条件というのがありまして,ある程度日数がたってから出ると,医療の支援も受けることができないんです。ということで,本当に今,症状を我慢しながら,遠方の治療に通われながら御自宅で過ごされているということで,そういう方たちの支援についても,できる限り考えていただきたいと思います。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  そういった副反応かもしれない症状に苦しまれている方の支援についてはどう考えるかということでございます。 これは私,そちらの専門家でないので,実際その打ち合わせをしたわけではないんですけれども,そういう方々については,ぜひ岡山県としては何とかすべきであろうと思っております。国がきちんとしていただければ,それはそれでいいわけですけれども,今,そういった方々が苦しんでいらっしゃる,かつまた,きちんとした支援を受けられずにいらっしゃる,そのこと自体が非常に残念なことでありますし,そういった方々も日々つらいわけですから,そういった方々をふやしちゃいけないという強い気持ちに駆られることは,これはもう当然であります。私だって,何か日々つらいようなことになったら,それの原因は何なんだと,これは絶対に繰り返しちゃいけないと強く思うに違いないわけでありまして,ただ残念なのが,そのワクチンそのものは世界中で広く使われて,多くの人々の命を救っているということでございます。 ですから,そういった苦しんでらっしゃる方の救済,これこそ公の税金を使って取り組むべきだと思います。また,そのワクチンが有用かどうか,副作用がどうかということは,できるだけ客観的に研究をして対処すべきだと思っております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  18番。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  ぜひ,被害に遭われた方の支援についても,しっかりあわせて考えていかなければいけない問題であると思いますので,お願いいたします。 先ほど3番目に,併用検診について質問させていただいたので,その件についてお聞きします。厚労省が出されてる数字で,10万人当たり859人が,ワクチンによってがんを回避できるだろうと言われてます。副反応については,10万人当たり92人が報告されていて,その中の52人が重篤であったと判断されています。ワクチンの効果がある方が859人で,重篤な副反応があった方が,報告されてるのが52人ということで,割合にしたら17対1ぐらいのことで,メリットというのは全体を見たときには大きく見えるかもしれません。ただ,それはお一人お一人が,感染のリスク,副反応のリスク,または検診だけ続けていって手術することになったときのリスク,さまざまな選択肢とリスクを考えて選んでいけることというのが大事だと思います。 今,静岡市のある病院で,小学校6年生から高校生の女の子が受診をするたびにワクチンのことをお伝えしてる先生のことが,報道で出ていました。毎回,その方は,対象年齢の方にリスクとメリットのことを説明しているけれども,2割の方しか接種しないと報道されていました。このように,十分な情報提供をしても,やはり心配だと思う方がいらっしゃるのは当然だと思います。 そういう方に対して,じゃあどういう方法を提供していくのかということになると,20歳から検診を定期的に受けていくということなんですけれども,その検診で見つけられる確率は7割と言われてます。3割は見つけられない場合があるかもしれない。その検診にDNA検診をあわせることで,ほぼ100%に近い発見精度が報告もされていて,実際,国内では1割以上の自治体で導入もされていて,島根県では子宮頸がんを半減させたという報告があったり,また一番最初に導入した出雲市では,過去10年,併用検診を受けた方に子宮頸がんがあらわれていない,罹患がなかったという報告もあります。 その予防についての知事の大きな思いを,この併用検診,もう一つというか,選択肢をふやすために,ぜひいち早く導入が進むようにお願いしたいと思うんですが,いかがでしょうか。 ○副議長(小倉弘行君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  予防にそんなに熱いのだったら検診も頑張れということであります。 私とすれば,どういうやり方であっても,きちんと命が救われるのであれば,それぞれ考えるべきだなあと思っております。ただ,併用した場合に随分見つける率が高いというのは,そうであれば本当にすばらしいことで,その可能性も高いのかなあと思っています。病気にならないようにするというのはすごく価値が高くて,また,病気になったことを見つけるということに当然,意味があると,やりがいがあるということであれば,これはもうやるべきです。検診には,いろんながん検診がありますけれども,岡山県内でがん検診の受診率を上げよう上げようということで,チラシを毎年ばらまいても,なかなか受診率が上がらないのと同じで,100%受けない受診の率がそこそこよくても,受けない人が大量にわしゃっといて,はっと気がついたときにはもう手おくれという人が実際に多いから,今これだけたくさんの方が亡くなっているということであります。ワクチンをすれば検診が必要なくなるだろうといったって,ワクチンを打ち始めても,それが本当にぐっと効果が出るまでには,国民全体に広がっていくためには随分時間がかかりますから,検診も併用をするというのは非常に大事な考え方だと思っています。 あともう一つ,検診については,最近よく言われ出したのが,検診自体に侵襲性があったりとか,コストが高過ぎることで,本当にそのメリットがデメリットを上回っているのかについて,いろいろ国も調査をしているところでありますので,これが本当にいいということになれば,これは国もやるべきですし,我々もぜひ前向きに検討をしていきたいと思っています。 がん検診については,いろいろな今研究がなされているところですが,救いたいという思いについては共通をしていまして,どのように救っていくかということについて,今,研究者の間でも意見が分かれてる中で,政治としてどのように対応するか,ぜひ議論を続けていきたいと思っています。絶対やるべきということがわかったら,できるだけ急いでやろうと思っています。 ○副議長(小倉弘行君)  次の項目に移ります。 18番。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  知事,どうも御答弁ありがとうございました。ぜひ併用検診についても進めていただけますように,よろしくお願いいたします。 最後に,公立中学校夜間学級についてお伺いします。 県では,公立中学校夜間学級に関する調査研究委員会を設置し,さまざまな理由で義務教育を受けることができなかった方の学び直しの場について,調査や検討を行ってきました。2016年度に行われたニーズ調査では,23件の電話相談があり,その中で,夜間学級に通学して義務教育段階の教育を受けたいと回答されたのは5件でした。 2017年より岡山市内で活動している自主夜間中学では,登録生徒数が180人にふえ,ボランティアによる学習支援を続けておられ,その活動を通して,夜間中学校の存在について,県民の認識や関心も高まっています。多様な人が集い学ぶ自主夜間中学校の役割は,多岐にわたっており,さまざまな困難を抱えている方たちの生きる権利を支える,教育のセーフティーネットになっていると言えます。 今年度,県として2度目の調査に取り組まれ,岡山市とともに,全県を対象としたニーズ調査が行われました。県が実施した調査では,何件の回答がありましたか。 今月予定されている調査研究委員会では,このたびの調査結果について検討されるものと思われますが,どのような点を重視して協議されますか。 また,市との協議に当たっては,県にどのような役割があるとお考えでしょうか,あわせて教育長にお伺いします。 全国に公立中学校夜間学級は33校ありますが,その形態はさまざまであり,そのあり方については,多様な対象に対して柔軟な発想で考える必要があるのではないかと思います。また,岡山県内での設置を検討する場合には,既にその活動に取り組んでいる支援組織と協働することで,岡山の特性を生かした設置や運営のあり方を考えることができるのではないかと思います。 今後の検討に当たり,民間支援団体との協働についてどのようにお考えですか,教育長にお伺いします。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 公立中学校夜間学級についてのうち,まず調査研究委員会についてでありますが,ことし9月から10月にかけて県教委が実施した調査の回答は約350件であり,現在,それぞれの回答について詳細な確認を行っているところであります。 今後,市教委とともに開催する調査研究委員会において,県全体でどのようなニーズが,どれくらい,どこにあるのかなど,ニーズの具体的内容を把握・分析しながら,公立中学校夜間学級の設置の是非を含め,今後の方向性を協議することとしております。広域行政を担う県教委としては,協議に当たり,県全体のニーズの状況を把握し,各教育委員会間の意見の調整を十分に図っていく必要があると考えております。 次に,民間支援団体との協働についてでありますが,今後,調査研究委員会において,設置の是非を含め,協議してまいりますが,設置に向けた検討を行うことになれば,義務教育段階の学びを必要としている方々の幅広いニーズに対応するため,現在,県教委と3市教委で実施している「学び直しの教室」の指導者や,そこで学んでいる方々を初め,NPO団体や民間支援団体などから,必要に応じて,幅広く意見を聞くことも考えてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  18番。   〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕 ◆18番(大塚愛君)  御答弁ありがとうございました。 今回は350件の回答で,以前に比べて十数倍あるということで,以前よりも,調査の仕方についてもさまざま工夫していただいたおかげで,数も伸びていたのだと思います。 そのニーズ調査の結果について,委員会でもお話しされることになると思いますけれども,実際に通いたいという方が,実際に開いてみたら通えないかもしれないという懸念もあると思いますが,逆に,その調査がまだ行き届いてなかった,そこで回答ができなかった方や,また設置してからその存在を知って,通いたいと後から思って行かれる方という,プラスとマイナスの要因があると思います。夜間学級の役目というのは,生きづらさを抱えてる方,また外国人の方も含め,教育のセーフティーネットとしてどれだけ行政が提供をしていくのかという姿勢についても問われるものなのだと思います。ぜひ前向きに,設置に向けて検討を進めていただきたいと思います。 あと,仮に政令市である岡山市内に1校目をつくるということを考えていく場合に,隣接市町村から通える学校にしていくためにも,県としての役割があるのではないかと思っていますが,そのことについて,いかがでしょうか。 ○副議長(小倉弘行君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 岡山市内に設置をした場合に,周りの市町村との関係性はどうなるのかというお尋ねかと理解をいたしましたが,今現在,この調査研究委員会には,政令市である岡山市と,それ以外にも,倉敷市,津山市,備前市,これは今,学び直しの教室を行っておりますけれども,こういったところもメンバーに入って,一緒に協議をしてるわけでございますけれども,お話のように,どういう形になるにしても,どこにニーズがどれだけあって,それから仮に1つつくるにしても,当然それはいろんな方々が一番有効に使える形があれば一番いいのだと思っておりますので,県教委としては,そういった各市におけるニーズと,それをどう調整をして一番いい形にしていくのかが一番大きな役割だと思っておりますので,引き続き,この調査研究委員会の中で,その役割を果たしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  以上で大塚君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 6番福田司君。   〔 6番 福田 司君 登壇 〕 ◆6番(福田司君)  自由民主党岡山県議団の福田司でございます。 議場にお越しいただいている皆様,そして中継をごらんいただいている皆様,傍聴いただきましてありがとうございます。 県民の皆様の負託を得て,本日もこの場に立てることに感謝申し上げます。 早速ですが,通告に従いまして,質問に入らせていただきます。 まず,災害時における液体ミルクの活用についてお伺いいたします。 先日,公明党の荒島議員の一般質問において,液体ミルクの流通備蓄の方針をお示しいただき,ありがとうございました。 調乳の必要がない液体ミルクの国内普及が,今後,進んでまいります。現在,2社が製造販売を行っておりますが,今後,ほかにも大手メーカー2社が,液体ミルクの製造販売を開始する方向だと聞いております。それに伴い,スーパーやコンビニ,高速道路のサービスエリアでの購入もできるようになりました。 このたびの台風第19号で,液体ミルクが国からのプッシュ型支援として実績を上げました。災害時は,必ずしも乳児が母親とともに避難できるとは限りません。母乳栄養の継続が難しくなる状況下で,調乳にふなれな方でも使用でき,感染の心配が少なく,乳児に栄養が与えられる液体ミルクは,災害支援物資としてとても有用です。 このたびの流通備蓄の判断も,賢明だとは思います。価格や賞味期限の課題から,現物を備蓄することには踏み切れないことも理解はいたしますが,私が懸念するのは,想定を超える自然災害が続く今,孤立地域の発生や,物流が停止するなど,さらなる不測の事態に対応できるのだろうかという点です。物流が停止した場合,流通備蓄機能は発揮できませんし,国からのプッシュ型支援が,発災後4日目に届けられることも踏まえると,やはり少量でも現物の備蓄を考えていく必要があるのではないでしょうか。 現在,全国都道府県では,三重県が,粉ミルクの流通備蓄とあわせて,液体ミルクの現物備蓄をされています。また,備蓄する品目を市町村と分担している鳥取県は,来年度には,市町村にある粉ミルクの約2割を液体ミルクに置きかえる方針を打ち出されています。賞味期限が6カ月から1年といった問題も大きいですが,大阪府箕面市では,ローリングストックの手法を活用して備蓄する方向で,話が進められています。 他県の事例も踏まえて,乳児用液体ミルクの備蓄をさらに前向きに検討していただきたいのですが,現物備蓄について,知事のお考えをお聞かせください。 また,市町村との計画的な備蓄を検討されていると思いますが,市町村の液体ミルクの備蓄についてはどのように考えられているのか,あわせてお伺いいたします。 次に,公立夜間中学の設置についてお伺いいたします。 義務教育を十分に受けられなかった人に学ぶ機会を提供する学び直しの場「公立夜間中学」の設置の必要性の検討に向けて,県では9月からニーズ調査を実施しています。 昨年3月に公表された前回調査の報告書によると,学び直しを希望する義務教育未修了者や中学校既卒者,高校中退者などの存在が明らかになりました。一方で,調査結果からは,県内の市町村教育委員会や民間団体により,学び直しへの取り組みなどが実施されていますが,一部市町に限定されている状況にあること,学び直しのニーズは一定数あるものの,義務教育段階の内容について,週5日,毎日学校に通い,授業を受けるという中学校夜間学級を希望する人はわずかであることもわかりました。 そうしたことから,現時点では,直ちに中学校夜間学級を設置する状況にないとの判断をされていますが,このたび行ったニーズ調査の結果が,前回の調査と変化がなければ,設置は見合わせるのでしょうか。 教育を受ける権利については,周知のとおり,日本国憲法第26条第1項で,「すべての国民は,法律の定めるところにより,その能力に応じて,ひとしく教育を受ける権利を有する」と規定されています。この権利は,国民が国に対して要求できる基本的人権の一つとされており,成熟化した社会において,学び直しの機会が保障されることは,非常に大切なことだと考えます。 先日報道された,新聞社によるアンケート結果によれば,公立夜間中学の設置がなかなか進まない要因について,「夜間中学を必要とする人がいることが見えにくく,行政がニーズを把握できていない」,「設置のために何をしたらいいのか,自治体がわかっていない」,「昼の教員でさえ夜間中学の実情を知らず,社会全般での認識が進んでいない」などの意見があったようです。 こうした課題はあるものの,「教育機会確保法」の成立を受け,文部科学省は,全都道府県に少なくとも1校の設置を求め,指定市にも設置を促している状況で,設置の推進は必須だと考えますが,教育長のお考えをお聞かせください。 次に,学校での動物飼育の推進についてお尋ねします。 私が小学生だったころ,学校には鶏やウサギなどの動物がいて,飼育係をすることが楽しみでした。私自身,動物との触れ合いを通して,命のとうとさや思いやりの心を学んだように思います。文部科学省の委嘱を受けて,日本初等理科教育研究会が作成した「学校における望ましい動物飼育のあり方」においても,間接体験では得られない学びがあるとされています。 毎日の餌やり,水かえ,掃除など,命あるものを飼い続けることには大変な労力がかかりますが,その作業を通じて,根気や忍耐,使命感などが培われます。また,物言えぬ動物の立場で物事を考えることができれば,豊かな感受性や思いやりの心なども学ぶことができます。 そこでまず,お尋ねします。 学習指導要領にも,動植物の継続的な育成の実践が明記されているところですが,本県での動物飼育を通じた教育のあり方について,その効果の認識も含めて,教育長の御所見をお伺いいたします。 以前,岡山県獣医師会は,学校飼育動物の現状把握のためのアンケートを試みたところ,教育現場の働き方改革の影響で,アンケート調査が教職員への負担がかかることが懸念されるということで,調査が実施できず,現状が把握できていない状況であると聞きました。比較的飼育が簡単なメダカや亀の飼育をされている学校もありますが,さきに述べた教育効果を考えると,人肌と同じ温かみのある動物飼育が適切ではないかと考えます。 学校での動物飼育は,全国的に減少しているとも聞きますが,県内の実態をどのように把握しているのでしょうか。 また,実施している学校の割合や,飼育動物の種類について,あわせて教育長にお伺いいたします。 続いて,動物飼育に係る管理上の課題について,幾つかお伺いいたします。 ある小学校では,ウサギの飼育をされていますが,ウサギ小屋の中に何羽いるのかもわからない状況だそうです。小屋の中で無数に繁殖しており,昼間は巣穴に潜っているので,正確な数がわからない,夜,見に行くと,光っている目が無数にあるので,数十羽いるのではないかなといった状態だそうです。繁殖のコントロールもなされず,どんどん繁殖することで,余計に管理できない状況になり,管理が届かないことが劣悪な環境を引き起こして,動物たちが死んでいくため,適切な教育に結びつかなくなるといった悪循環になります。 動物の適正飼育が必要と思われますが,飼育環境の整備,病気への対応,亡くなった動物への対応はどのようにされていますか,教育長にお伺いいたします。 学校には,飼育動物に使う費用に該当する科目がなく,ある学校は,建物修繕費の項目から支出をされています。また,該当する予算項目がないため,餌代や病気治療に係る費用を,校長先生のポケットマネーや,教員からの寄附,PTA会費で賄われている事例もあるようです。 このような状況を認識されてますでしょうか。現状の費用負担に係る認識と,今後の対応について,教育長にお伺いいたします。 動物飼育については,豊かな人間性の育成に資する一方で,不適切な飼育が行われた場合,教育的な観点と動物愛護の観点の両者からの問題が生じる可能性があります。そうした問題が発生しないように,現場の教員には細心の注意が求められます。 動物飼育が減少傾向にある理由の一つに,教員の負担が大きいこともあるのかと推察しますが,現場の教員の負担はどのような状況でしょうか。働き方改革を踏まえた業務の調整状況とあわせて,教育長にお伺いいたします。 岡山県では,平成13年度より,農林水産部において,岡山県獣医師会と業務委託を結んで,学校飼育動物サポート事業を実施されておりました。獣医師を学校に派遣して,児童や教職員に,動物の適正飼育の指導や啓発,家畜伝染病の発生防止など,衛生管理をサポートし,児童が安心して動物と触れ合うことができるよう,県がモデル事業として実施されていたと記憶します。 しかしながら,平成20年度の行財政改革により,学校飼育動物サポート事業は終了しましたが,学校飼育動物のサポートの現状と課題について,どのように認識されているのか,また今後のサポートについて,どのようにお考えになるのか,あわせて農林水産部長にお伺いいたします。 適正飼育は,いじめ,不登校,非行問題の改善にもつながるとの報告例も多数あります。先ほど挙げさせていただいた管理上の課題もございますが,子供たちへの教育上の効果を考慮すれば,獣医師と協力をしながら,適正な動物飼育を推進してほしいと考えておりますが,今後の取り組み方針を教育長にお伺いいたします。 次に,性教育についてお尋ねいたします。 性教育については,「寝た子を起こしてしまうのではないか」とタブー視される傾向もありますが,性教育は,自身の身を守るため,命を守るために必要な教育と言えるものです。 近年は,インターネット上に,性に関する情報が氾濫し,SNSなどを通じて性犯罪に巻き込まれる事件も発生しています。若年層のエイズや梅毒など性感染症の増加問題や,人工妊娠中絶の問題などもあります。県民の性に関する意識や価値観も多様化し,少子化,情報化など,家庭環境や社会環境が大きく変化する中で,子供たちの心身の発達は,性的成熟と社会的成熟に大きな差異が生じ,アンバランスになりがちです。そうした状況において,寝ている子を起こしてでも,適正な性教育により,子供たちをしっかりと守っていく必要があると,切に思います。 まず,現場の性教育の実態についてお伺いいたします。 学校での性に関する指導は,子供の発達段階に応じて実施する必要があります。性行為などをどの段階で教えるべきかは,個々の発達状況により異なるため,本来は,最も身近な家庭において,我が子の成長度合いを見ながら教えていくことが理想だと思いますが,家庭事情もさまざまであることから,学校での性教育が重要になってまいります。 また,性教育は,学校の教育活動全体を通じて行われるべきものであります。教育課程に基づいて,着実に進めていく必要がありますが,「雨降り保健」という言葉があるように,晴れたら体育,雨が降ったら保健という学校もあるのでしょうか。 各学校の年間計画に位置づけ,組織的かつ計画的に実施する必要がありますが,どのように計画されているのでしょうか。人員の面においても,保健体育や養護担当の教員に任せっきりということはないでしょうか。 学校全体で方向性を共有した上で,かつ特定の教員への負担が極力集中しないように配慮しながら,計画的に取り組むべきと思われますが,小学校,中学校,高等学校の各段階での教育をどのように役割分担し,どのように学校間での申し送り等の引き継ぎをなされているのでしょうか。 各段階でどれくらいの授業時間数が確保されているのか,また現場の計画づくりと指導体制について,あわせて教育長にお伺いいたします。 実際の授業に当たっては,保健の授業は,教科書などのテキストだけで終わる場合も多々あるのではないかと推察しております。みずからの身を守るための大事な内容であるだけに,児童生徒には,性に関する授業に真面目に向かい合い,しっかり学んでほしいと思っております。 そのためにも,児童生徒の興味を引く取り組みが必要だと考えます。例えば,妊娠週数別に胎児と胎盤の大きさや重さがわかる胎児の模型を教材として活用すれば,より実感が湧く体験型の授業となるでしょうし,専門家である産婦人科医や助産師による出前授業を実施すれば,よりリアリティーのある授業になると思われます。 こうした児童生徒の興味を引くための授業の工夫はなされているのでしょうか,教育長にお伺いいたします。 また,児童生徒だけでなく,保護者や地域の方々に性教育の理解を得ていただき,共通認識を育むことも大事だと考えます。例えば,保護者参観で性教育の授業を公開したり,保護者や地域の方も同席できるセミナーを開催するなどの取り組みが有効だと思われますが,そうした地域や保護者との連携を図るための取り組みはなされているのでしょうか,あわせて教育長にお伺いいたします。 12月1日は,世界エイズデーでした。1988年にWHOが定めたもので,エイズに関する啓発活動等の実施を提唱いたしました。 日本でも,その趣旨に賛同し,エイズ蔓延防止及び患者・感染者に対する差別・偏見の解消等を図る活動を推進しています。今年度のテーマは,「UPDATE! 話そう,HIV/エイズのとなりで ~検査・治療・支援~」でありまして,正しい知識を身につけ,自分の隣にある身近なものとして語り合うことで,検査,治療,支援という具体的な行動につながるよう後押しするものです。 岡山県内のHIV感染やエイズ患者の新規発生は,毎年同水準で推移しており,減少はしておりません。一方で,HIV罹患率が高くなる性感染症の中でも,梅毒感染は県内でも増加しており,人口100万人当たりの届け出数は,2017年以降急増し,昨年は全国ワースト3位という状況であります。体の発育や発達,心の健康,性感染症等の予防知識などの科学的知識を,子供たちが適切に理解することを推進していかなければなりません。 そこで,お尋ねします。 性感染症の防止に向けて,学校現場ではどのような教育が行われているのでしょうか。知事部局でも,今年度の重点事業で,子宮頸がんや梅毒などの予防に取り組んでいると思いますが,そうした事業との連携を含めて,教育長にお伺いいたします。 また,現在直面する性の課題のみならず,将来直面するかもしれない性の課題にも適切に対応できるよう,教育を充実させていかなければなりません。妊孕性の問題は,将来直面するかもしれない課題に含まれると思いますが,生殖に関する正しい知識,中でも,加齢を主要因とした妊孕性の変化について学ぶことは,自分のライフプランを思い描く上で,親になることについて考えるよい機会にもなります。 文部科学省の資料によれば,年齢別に見た周産期死亡率は,20歳未満や30代後半以降で高くなっており,年齢と妊娠出産のリスクには関連があることについても,あらかじめ理解しておく必要があります。 妊孕性の知識教育を含め,性教育は,教員のみならず,専門職や民生委員・愛育委員などによる出前授業など,学校と地域社会が連携して指導していくことで,さらに充実していくと思われますが,現在の妊孕性に関する教育の現状と,今後の取り組み方針について,教育長にお伺いいたします。 児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ,適切な意思決定や行動選択ができるようになること,そして結果的に,みずからの身を守ることにつなげることが,性教育の意義だと私は考えます。インターネットやスマートフォンの普及などにより,目まぐるしく変化する社会にあって,ともすれば大人でも適切な意思決定や行動選択が難しい中,社会を十分に知らず,社会的な責任も十分にとれない児童生徒を,我々大人が何としても守らねばなりません。 今まで以上に,学校での性教育の充実を図ってほしいと考えておりますが,性教育のあり方に関する御所見と,今後の取り組み方針を,教育長にお伺いいたします。 以上が質問であります。御答弁よろしくお願いいたします。 ○副議長(小倉弘行君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の福田議員の質問にお答えいたします。 液体ミルクの災害用備蓄についての御質問であります。 県による備蓄については,まずは流通備蓄として導入を進める方針でありますが,今後の流通状況のほか,国や他県の動向等についても注視してまいりたいと存じます。 また,市町村による備蓄については,公立保育所において,ローリングストックの手法を活用することもでき,液体ミルクの有用性や課題ともあわせて総合的に勘案し,導入することも有効な手法であると考えており,こうした取り組みについて,市町村と情報共有してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  農林水産部長伊藤敦哉君。   〔 農林水産部長 伊藤敦哉君 登壇 〕 ◎農林水産部長(伊藤敦哉君)  お答えいたします。 学校での動物飼育の推進についての御質問であります。 飼育動物のサポートについてでありますが,お話の事業終了後においても,岡山県獣医師会の公益事業として,毎年約20の小学校,幼稚園で,それぞれ年2回の飼育指導などが行われており,特に問題なく,取り組みは定着しているものと承知しております。 今後とも,獣医師会の積極的な活動により,一層有意義な取り組みとなるよう,必要に応じて協力してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 まず,公立夜間中学の設置についてでありますが,お話の国の方針は承知しており,県教委としては,ことし9月から10月にかけて調査を実施し,約350件の回答があったところであり,現在,それぞれの回答について,詳細な確認を行っているところであります。 今後,市教委とともに開催する調査研究委員会において,県全体でどのようなニーズがどれくらい,どこにあるのかなど,ニーズの具体的内容を把握・分析しながら,公立夜間中学の設置の是非を含め,今後の方向性について協議してまいりたいと存じます。 次に,学校での動物飼育の推進についてのうち,所見についてでありますが,動物を飼育する中で,その成長の様子を見守ったり,触れ合い,かかわり合ったりすることを通じて,動物に対する親しみの気持ちが生まれ,責任感が育ち,生命のとうとさも感じることができるものと考えております。しかしながら,児童を取り巻く環境の変化によって,日常生活の中で自然や生命に触れ合い,かかわり合う機会が乏しくなっている現状があることを踏まえ,動物に親しみを持ち,生命のとうとさを実感するために,地域等の実情に応じ,学校において継続的な飼育を行うことには意義があると考えております。 次に,実態把握等についてでありますが,学校での飼育動物について,県教委では,全県の状況の継続的な把握は行っておりませんが,鳥インフルエンザの発生があったことを踏まえ,平成28年12月に,学校での哺乳類と鳥類の飼育の実態について調査を行っております。その調査結果によると,全小学校のうち,ウサギなどの哺乳類を飼育している割合が40.9%,インコなどの鳥類が2.3%であり,これ以外の学校では,メダカなどの魚類等を飼育しているものと考えております。 次に,飼育環境の整備等についてでありますが,動物の飼育に当たっては,管理や繁殖,施設や環境などについて配慮する必要があり,お話の「学校における望ましい動物飼育のあり方」等を参考にしたり,地域の専門家や獣医師と連携するなどして,各学校で飼育環境の整備に努めるよう指導しております。 また,病気や亡くなった動物については,学校が必要に応じて関係機関と連携しながら,適切に対処しているものと考えておりますが,今後とも,適切な管理がなされるよう,市町村教委を通じて周知してまいりたいと存じます。 次に,費用負担についてでありますが,全県の状況は把握しておりませんが,可能な範囲で確認したところ,餌代等については公費で負担しているとのことでありました。学校が動物を飼育する場合の餌については,学校の実情に即して,地域や家庭の協力も得ながら調達する方法も考えられますが,餌代を含め,飼育に係る経費については,本来,各学校の予算で対応すべきものと考えており,機会を捉え,市町村教委に周知してまいりたいと存じます。 次に,教員の負担状況等についてでありますが,動物飼育に関して,教員の負担が大きいこととしては,長期休業中や土日の世話,動物の病気やけがの対応などがあるものと考えております。動物飼育の推進については,保護者や地域の協力を得て,教員の業務との調整も行いながら,組織的に取り組んでいる学校もあり,こうした事例を広く紹介し,教職員の負担軽減も図ってまいりたいと存じます。 次に,今後の取り組み方針についてでありますが,学校での継続的な動物飼育は,学習指導要領に示されているとおり,生命のとうとさを実感し,命あるものを大切にする心を育む上で,意義あるものと考えており,獣医師会等の協力も得ながら,引き続き,適切に動物飼育が行われるよう,市町村教委を通じて学校を指導してまいりたいと存じます。 次に,性教育についてのうち,役割分担等についてでありますが,学校での性に関する指導は,国が定めた学習指導要領に基づき,小学校では,思春期の体の変化,中学校では,生殖にかかわる機能の成熟,高校では,それを受けて,感染症やライフプラン等について,より詳しく学ぶなど,児童生徒の発達段階に応じて行われております。学校間での引き継ぎまでは行っておりませんが,各校種では,他の校種での指導を踏まえて,系統的な指導を行っております。 保健や保健体育の時間では,小学校では3時間程度,中学校では6時間程度,高校では6時間程度,性に関する指導が行われており,それ以外にも,学級活動や家庭科等の時間においても実施されております。また,各学校では,性に関する指導を含めた保健教育全体の年間指導計画を,保健主事や養護教諭が中心となって,指導体制を踏まえて作成しており,全教職員が共通理解の上,学校全体で計画的に指導を行っております。 次に,授業の工夫等についてでありますが,学校では,妊娠・出産に関するDVDや,新生児人形の活用,産婦人科医や助産師等の専門家による出前授業,おもりを身につけて妊婦の大変さを実感する体験授業など,各学校がそれぞれ工夫して,児童生徒の関心を高める効果的な授業の実施に取り組んでおります。 また,学校における性に関する指導の推進には,保護者や地域の理解が必要であることから,保健だよりの配付や,性に関する指導の授業参観の実施,専門家を招いた講演会等に保護者や地域の方に参加していただくなどの取り組みを行っているところであります。 次に,性感染症についてでありますが,学校では,発達段階に応じ,その原因や予防法などについての教育を行っており,中学校では,疾病概念や感染経路,効果的な予防法など,高校では,予防のための社会全体の対策や,具体的な個人の行動選択について,国が作成した生徒用資料なども活用し,指導しております。 また,県教委では,学校での指導が充実するよう,性に関する指導を担当する教員に対し,保健福祉部と連携して,本県の性感染症の実態や課題を周知するとともに,効果的な指導の事例を紹介する研修会や,専門医等の講演会を開催し,教員の指導力向上を図っており,こうした内容も踏まえ,各学校では,本県の実態に基づいた生徒の意識をより高める指導を行っているところであります。 次に,妊孕性についてでありますが,現在,中学校では,思春期になると生殖にかかわる機能が成熟し,妊娠・出産できる体に近づくこと,高校では,受精,妊娠,出産と,それに伴う心身の健康問題,妊娠と年齢の関係や,家族計画の意義など,妊孕性に関する指導を行っております。 県教委としては,学校に対し,国が作成した生徒用資料や,保健福祉部が作成した妊孕性に関する資料の活用を働きかけるとともに,助産師等による出前講座を紹介するなど,妊娠・出産等に関する正しい知識を生徒が身につけ,妊孕性についての理解が深まるよう,しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 最後に,所見等についてでありますが,学校における性に関する指導は,児童生徒が保健などの授業で正しい知識を身につけるとともに,必要な情報をみずから収集し,適切な意思決定や行動選択ができる力の育成を目的として取り組むものであると考えております。 お話のように,性に関する指導は,自分を守るため,命を守るために必要な教育であり,教師は,社会の変化や子供たちを取り巻く課題を踏まえながら,そのことを伝え続けていかなければならないと考えており,性に関する指導の充実に向けて,しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小倉弘行君)  6番。   〔 6番 福田 司君 登壇 〕 ◆6番(福田司君)  御答弁ありがとうございました。 液体ミルクに関しましては,今後,販売需要に応じて,価格等も変化してくると思いますので,ほかの備蓄品とあわせて,検討を繰り返し行ってもらいたいと思います。 そして,公立夜間中学ですが,ニーズ調査で,県内の状況が全て拾い上げ切れていないように感じるところがありますので,隠れたニーズもあることは承知されているとは思うんですけれども,その部分も酌み取って,前向きに検討いただければと思います。 学校での動物飼育の推進についてですが,学校事情もあるため,県内全ての学校での動物飼育をお願いしているわけではなく,まずは,今取り組みを行っている学校での適正飼育を評価して,教育効果につながる状況になるよう,県には支援していただきたいと思います。 動物飼育は,児童のアレルギーの問題なども考慮されなければなりませんので,どのような動物を飼育するのかも課題となってくると思います。動物飼育に関しては,やはり獣医師の協力が不可欠のように感じていますので,飼育環境の整備や予算的なものも含めて助言をいただきながら,よりよい教育環境の整備と,教員の負担軽減に努めていただくよう,要望いたします。 性教育についてですけれども,学校現場には多くのものを求められて,教員の皆様は本当に大変だと思います。せっかくの授業も,そして日常の指導も,子供たちに教育効果が出るものでなければなりませんので,専門職や地域の力をかりながら子供たちを教育していかなければ無理なこともたくさんあると思います。 性に関する教育に関しては,医療職や民生委員,愛育委員の皆様は,自分たちが学校に足を運んででも子供たちに伝えていきたいという熱い思いを持っておられますので,今以上に連携を図っていただくよう要望いたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(小倉弘行君)  以上で福田君の質問は終了いたしました。 この際,午後1時30分まで休憩いたします。        午後0時27分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時30分再開
    ○議長(蓮岡靖之君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 7番清水薫君。 答弁者は控席へ御移動願います。   〔 7番 清水 薫君 登壇 〕 ◆7番(清水薫君)  皆様,こんにちは。 自由民主党岡山県議団の清水薫でございます。 令和元年11月岡山県議会定例会で一般質問をさせていただく機会を頂戴し,心から感謝を申し上げます。 平成最後の岡山県議会議員選挙で,津山市・苫田郡,勝田郡の皆様に多くの御支援をいただき,大きなお役目をいただいてから,はや8カ月が過ぎました。この間,多くの学びや気づきをいただき,本当にありがたい限りでございます。 歴史と威厳,品格ある岡山県議会の一員として,責任をしっかり自覚し,全力で頑張ってまいりますので,何とぞよろしくお願い申し上げます。 また,本日は,私の地元を初め,多くの仲間の皆様が傍聴へお越しいただき,元気と勇気を与えてもらい,大変感謝しております。頑張ってまいりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。 本年,新しい年,令和元年も,残すところあとわずかとなりました。去る10月22日,皇居,宮殿において,即位礼正殿の儀が厳かにとり行われ,天皇陛下が,御即位を国内外に明らかにされました。御即位に伴う祝賀御列の儀,そして皇位継承の祭祀である大嘗祭が,29年ぶりに行われました。私の地元津山市でも,本年10月22日に,天皇陛下即位奉祝事業,祝賀パレードには約7,000人もの皆様が参加され,皆様とともに心からのお喜びを申し上げたところでございます。 御皇室の弥栄と,日本国,日本国民の繁栄を心から御祈念いたします。 さて,伊原木知事は,令和元年11月岡山県議会定例会,我が党の代表質問に対して,「平成30年7月豪雨災害の被災地の課題やニーズに対応するために,必要な施策に優先的に財源を配分するとともに,最終年度を迎える生き活きプランの目標達成のため,教育の再生,産業の振興,人口減少問題への対応などを中心に,より実効性の高い施策を重点的に推進していく,限られた財源を有効に活用し,復旧・復興の一層の加速と,生き活き岡山の実現に向け,全力で取り組んでいく」と答弁されました。私も,強く同感したところでもありますし,生き活き岡山の実現に向けて,ともに頑張っていく決意でございます。 それでは,通告に従い,質問に入らさせていただきます。 なお,前回,6月議会での一般質問と重複するテーマもございますが,このたびは,前回の答弁を踏まえ,具体的な内容に踏み込んで質問していきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 まず,女性活躍について質問いたします。 私は,現在の人手不足を解消する大きな力として,女性の活躍,社会進出こそ最重要施策だと考えています。 本県では,男女共同参画社会の実現を目指して,各種施策を推進しており,各種啓発やシンポジウムを開催するほか,県内全域で,地域における男女共同参画にかかわる活動を積極的に推進するなど,固定的な性別役割分担や偏見などにつながっている社会制度や慣行の見直しについて,社会的な合意を得ながら,意識改革を進め,男女共同参画社会の基礎づくりを行っています。 知事は,平成28年に,男性リーダーがさまざまな女性の意欲を高め,その持てる能力を最大限発揮できるよう,内閣府が推進している「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言に賛同されました。前回,行動宣言に賛同したリーダーとして,今後どのように取り組まれるのかをお尋ねしたところ,「企業やさまざまな団体と連携し,働く女性の課題解決に向けて,アドバイザーの派遣等により,企業の女性活躍に向けた取り組みを支援するなど,女性の意欲を高め,能力を最大限発揮できる社会の構築に取り組んでまいりたい」と答弁され,大変心強く感じています。 まずここで,お尋ねします。 生き活きプランも,来年度,最終年度を迎えようとしており,成果が求められる段階に来ております。これまでの取り組みに対する成果及びその評価,また,最終年度を迎えるに当たって,改めて知事の意気込みをあわせてお伺いいたします。 次に,具体的な事業などについてお尋ねしていきます。 まず,「おかやま☆輝く女性☆応援事業」についてです。 企業の女性活躍に向けた取り組みを加速させるとともに,女性自身の活躍する意欲を喚起することで,男女がともに活躍する社会を実現させることを目的に,企業側と女性側双方にアプローチし,社会保険労務士などの資格を持ったアドバイザーが,企業の実情に応じた女性活躍やワーク・ライフ・バランスの取り組み等の支援などを行っていますが,これまでの実績はどのようになっているのでしょうか。 また,具体的にどのような支援を行ったのか,県民生活部長にお尋ねします。 一方で,企業による女性活躍の取り組みを加速させていくには,その事例を他の企業に対して積極的に展開していくべきではないかと考えますが,今後,どのように取り組んでいくのでしょうか,県民生活部長にお尋ねします。 次に,女性就職応援出張相談会等開催事業についてです。 女性も活躍できる就労環境の整備を促進し,子育て世代を初めとする女性の就職を積極的に支援することにより,女性の社会的活躍の機会を増加させ,本県の労働力確保や人材発掘を目的に取り組んでおります。平成30年度の事業成果としては,来場者が225名で,就職決定者が,来場者の1割の24名となっています。 まず,この来場者及び就職決定者数について,どのように評価しているのか,お尋ねします。 また,費用対効果も考慮しつつ,来場者のニーズの把握など,より実効性を高めていくための対策も必要と考えますが,今後,女性の就労支援に向け,どのように取り組んでいくのか,あわせて産業労働部長にお尋ねします。 また,前回も申し上げましたが,本県の女性の就業率は46.7%で,全国平均の45.4%を超え,また女性役員比率は,全国平均の24.4%を超えて,27.1%と,全国第9位です。これらの数字から見ても,女性がお元気に働いて活躍できる土壌は,本県にしっかりあると考えられます。 民間でも,女性の起業を応援する会もたくさんあり,起業を目指す女性からは,「起業したくても子育てと仕事の両立で苦労し,経営の勉強をする時間もなかなか割けず,助成金の受け方などを相談する場所がわからない」,「余裕のあるお金がないため,民間には相談できない」などと,多くの悩みを聞くとのことです。 本県は,岡山県女性創業サポートセンターを設け,窓口相談,創業塾,創業セミナーや交流会など,起業を目指す女性の方々を積極的に支援しています。引き続き,積極的に支援していただき,より女性が起業しやすい環境を整えていただきたいと思いますが,産業労働部長の御所見をお聞かせください。 ○議長(蓮岡靖之君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の清水議員の質問にお答えいたします。 女性活躍についての御質問であります。 取り組みの成果等についてでありますが,県では,職業生活と家庭・地域生活の両立支援や,子育て中の女性への就職支援などに積極的に取り組んだ結果,生き活きプランの指標である「女性の生産年齢人口に対する常用労働者の割合」は,昨年度には目標を上回る結果となっており,着実に前進しているものと認識しております。 意欲と能力のある女性が,さらに社会での活躍の場を広げるためのチャレンジを支援することで,女性の活躍を推進し,全ての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現を目指してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  県民生活部長房野文彦君。   〔 県民生活部長 房野文彦君 登壇 〕 ◎県民生活部長(房野文彦君)  お答えいたします。 まず,「おかやま☆輝く女性☆応援事業」のうち,実績等についてでありますが,昨年度は,社会保険労務士等の専門家を県内の30事業所へ派遣し,女性活躍に向けた一般事業主行動計画の策定や人材育成など,企業の取り組みを支援したところであります。また,県内のさまざまな業種や職種などで活躍する女性20人をロールモデルとして,ホームページ等で紹介するとともに,ロールモデル自身が働き方や経験を発表するトークイベントを開催し,仕事と生活の両立方法等を具体的に示すことで,女性自身の活躍する意欲を喚起したところであります。 次に,他企業への展開についてでありますが,女性活躍・ワーク・ライフ・バランス応援アドバイザー事業の結果を踏まえ,企業の抱える課題に対するアドバイス等を紹介した事例集を作成し,経済団体等に配付するほか,県のホームページにも掲載し,幅広く周知しているところであります。 今後は,経済団体の会合の場などを利用して,本事業での支援事例を紹介することで,他の企業での実施につなげ,企業による女性活躍の取り組みを加速させてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  産業労働部長小林健二君。   〔 産業労働部長 小林健二君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小林健二君)  お答えいたします。 まず,女性就職応援出張相談会等開催事業についてでありますが,この事業は,就職活動に制約のある子育て世代の女性を対象に,マザーズハローワークが設置されている地域を除く県内10カ所で実施しており,来場者からは,「身近な会場で気軽に参加できた」,「子供を預けて安心して相談できた」などの意見が寄せられております。回を重ねる中で,参加者の意見を踏まえ,セミナーの内容を充実するとともに,子育て世代の女性に理解のある企業の掘り起こしに努めており,来場者及び就職決定者数は,年々増加しているところであります。 今後も,働く意欲を持つ女性が,一人でも多く自分のライフステージに応じた働き方を選択できるよう,丁寧なマッチングに努めることにより,女性の就労を積極的に支援してまいりたいと存じます。 次に,起業支援についてでありますが,平成27年に設置した女性創業サポートセンターでは,起業前,起業準備の各段階に応じて,きめ細かなアドバイスを行うとともに,活躍中の先輩起業家との交流を通じた起業マインドの醸成などに積極的に取り組んでおり,アパレルやインテリア等の分野で,これまでに32人の女性起業家が誕生したところであります。 引き続き,女性の感性を生かした革新的な事業にチャレンジする起業家が数多く生まれるよう,しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  7番。   〔 7番 清水 薫君 登壇 〕 ◆7番(清水薫君)  部長,御答弁ありがとうございました。 経済団体等の会合の場でしっかりこれを生かしていくということでありましたが,本当に私も民間のいろんな方と接して,女性を応援する多くの団体があると思いました。ぜひ,企業だけでなく,女性を応援する民間団体にも,いろんなアドバイスや知恵をいただけたらと思うのですが,いかがでしょうか。 ○議長(蓮岡靖之君)  県民生活部長。   〔 県民生活部長 房野文彦君 登壇 〕 ◎県民生活部長(房野文彦君)  他企業への展開の中で,企業だけでなく,女性団体の関係にも展開をさせたらどうかという御質問だと思います。 御案内のとおり,経済団体だけでなく,議員おっしゃりました女性団体にも,しっかりとこの事例集を配付いたしまして,女性の活躍の場が広がるように,しっかり取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  7番。   〔 7番 清水 薫君 登壇 〕 ◆7番(清水薫君)  御答弁ありがとうございました。 せっかくいい事業で,女性が活躍する機会を与えていただいているということでございますが,来場者が30年度は225名で,1割の24名といったら,ちょっともったいないという思いがあります。限られた予算の中で,よりよく効果を出していくということが一番だと思いますので,来場者等のアンケートとかをされてるかどうか,お聞かせ願えたらと思います。 ○議長(蓮岡靖之君)  産業労働部長。   〔 産業労働部長 小林健二君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小林健二君)  再質問にお答えいたします。 年間で200人余り,それから24人の就職決定というのはちょっと少ないのではないかというお尋ね,それから,アンケートはどうかというようなお話でございます。答弁の中でも申し上げましたけれども,マザーズハローワークというハローワークが岡山市,それから倉敷市,それから津山市で設置をされております。そこでは,働く女性の方々が子供を預けて相談でき,そこへ全県下から来るようにはなっているんですけれども,なかなか遠くてそのエリアに行けないような10カ所で,この事業を毎年開催させていただいてまして,それぞれの箇所を20人の定員で来ていただくような形をとらせていただいております。通常あるところから,さらにきめ細かくサポートさせていただいているという事業ですので,御理解をいただけたらと思います。 それから,アンケートについては,毎回とっておりまして,そういうアンケートの中で,こういったセミナーがいいという御意見を伺っており,毎回改善を重ねておるというような状況でございます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ御移動願います。 7番。   〔 7番 清水 薫君 登壇 〕 ◆7番(清水薫君)  御答弁ありがとうございました。ぜひアンケート等を生かしていただいて,しっかり女性が活躍できる岡山県づくりをよろしくお願いいたします。 続きまして,子供たちの未来応援についてお尋ねいたします。 まず,養育費確保についてです。 本県はこれまで,養育費確保に関する情報を市町村や県ホームページ等を通じて発信したり,相談関係職員等の研修の実施,ひとり親家庭支援センターでの養育費に関する相談対応,家庭裁判所などの司法手続への同行支援など,養育費確保に向けた支援に取り組んでいます。 しかしながら,離婚相手から養育費を受け取れないという相談をいただくことがあります。ひとり親で,子供たちの生活に一生懸命で相談する場所がわからないなどが理由で,泣き寝入りしている方がたくさんおられます。なかなか大きな声で相談もできず,悲しい思いをされておられます。このようなことがあるようではいけませんし,なくならなければなりません。 新聞報道によると,兵庫県明石市では,離婚相手から養育費を受け取れないひとり親家庭が困窮するのを防ぐため,市が立てかえ制度を創設し,立てかえで得た求償権を不払い者に行使できるよう,条例を制定する検討を行っているそうです。求償に応じない場合は支払い命令を,命令に従わなければ過料を,さらに従わなければ,氏名の公表も視野に入れて検討を行うとしております。養育費不払いで,こうした取り組みは全国初であり,令和3年4月からの制度開始を目指すとのことです。 そこで,知事にお尋ねいたします。 本県でも,このように養育費の確保を支援するために,条例の制定を含め,養育費未払いに対して積極的に対応していくべきと考えますが,知事のお考えをお尋ねいたします。 次に,キャリア教育,職業教育についてです。 知事は,今議会の提案説明で,生き活きプランの重点戦略に沿って,「教育県岡山の復活に並々ならぬ決意で取り組んでいく」と述べられました。 私は,将来,生まれ育った地域で元気に活躍する子供たちを応援し,未来に夢や希望を持ち,輝きを放ちながら,地に根を張り,何事にもくじけない強さを持ってほしいと,強く願っています。このことが,「教育県岡山の復活」につながり,岡山県の発展,市町村が持続していく礎となると確信しています。 そのためにも,みずからの力で生きる生き方を選択していくことができるように,必要な能力や態度を身につけさせるキャリア教育が大事であり,と同時に,特定の職業に従事するために必要な知識,技能,能力や態度を育てる職業教育も大切だと考えています。自分の将来に夢を描き,その目標に向かってしっかり頑張っていく過程こそ,ふるさとにしっかり根を張り,何があっても頑張っていける,「生きる力」になると考えています。 中教審では,「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育のあり方について」で,キャリア教育の理念が浸透してきている一方で,次のような課題が指摘されているとしています。「職業体験活動のみをもってキャリア教育を行ったものとしているのではないか。」「社会への接続を考慮せず,次の学校段階への進学のみを見据えた指導を行っているのではないか。」「職業を通じて未来の社会をつくり上げていくという視点に乏しく,特定の既存組織のこれまでのあり方を前提に指導が行われているのではないか。」「将来の夢を描くことばかりに力が置かれ,『働くこと』の現実や,必要な資質,能力の育成につなげていく指導が軽視されていたりするのではないか」としています。私も,そのとおりだと思います。 前回,キャリア教育,職業教育の重要性についてのお考えと,その将来的な方向性を教育長にお尋ねしたところ,「小・中・高校の取り組みの充実を図り,子供たちの発達段階に応じた望ましい勤労観や職業観を育てるとともに,自分の将来への夢や,ふるさと岡山への愛着,誇りを育み,地域を支える人材へと育成してまいりたい」と,力強く御答弁いただきました。 そこで,お尋ねいたします。 地元の私の仲間が所属している若者の団体の津山商工会議所青年部YEG,みまさか商工会青年部,津山青年会議所等では,キッズビジネスタウン,建設わくわくパーク,オープンファクトリーなど,自分たちのまちづくり,人づくりに取り組んでいます。また,私の地元津山市では,町内の地域の皆さんが親子で学べる「キッズマネースクール」を開催し,お店屋さんごっこを行い,パン屋さん,おもちゃ屋さん,洋服屋さんなど,模擬のお金も使用しながら,将来に向かって経験の機会を与えています。さらには,津山市主催では,子供たちに地域企業の魅力を知ってもらおうと,「学生のための『つやまオープンジョブ』」を初めて行いました。 このような地域団体等と積極的に連携しながら取り組みを進めるとともに,これらの活動に対して,児童生徒の参加を促すなど,県教委として支援していくべきだと考えますが,教育長のお考えをお尋ねいたします。 ○議長(蓮岡靖之君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 子供たちの未来応援についての御質問であります。 養育費の確保についてでありますが,養育費の確保は,離婚後の子供の生活に大きな影響を及ぼす,全国共通の課題であることから,養育費の取り決めを離婚届の受理要件とするなど,養育費が確実に支払われる仕組みの構築を国に要望しているところであります。 お話の明石市の取り組みについては,私も高く評価しておりますが,課題もあると聞いており,今後の動向を注視していきたいと考えております。 引き続き,養育費を取り決めることの重要性の周知や,丁寧な相談対応など,養育費確保に向けた取り組みを積極的に進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 キャリア教育等についてでありますが,お話の津山市における取り組みは,地元の団体等により,多様な企画が用意されており,小学生等を対象としたキッズビジネスタウンでは,今年度初めて,地元商店街で,県立高校の販売実習と同時開催し,高校生もその実施に協力することにより,幅広い世代にわたって地域理解と連携が深まったと聞いております。このような実践的な体験活動は,児童生徒の地域や地元企業への理解につながり,望ましい勤労観や職業観を育てるとともに,地域を支える人材を育成する上で有効であると考えております。 今後とも,県内各地で,地元の団体等により行われているさまざまな取り組みに,児童生徒の積極的な参加を促すとともに,児童生徒が企画段階からかかわるなど,学校と地元の団体等の双方にとって,一層有意義な取り組みとなるよう努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  7番。   〔 7番 清水 薫君 登壇 〕 ◆7番(清水薫君)  知事,ありがとうございました。ぜひ,本当にしっかり動向を見ていただきながら,また今後とも,よろしくお願いいたします。 教育長,ありがとうございました。 若い皆さんが,まちづくりに,人づくりにと,本当に力を入れて,持続していくまちづくりに力を入れておられます。ぜひ応援をよろしくお願いしたいのと同時に,今の中教審の話でもありましたように,地域ともっともっと密着した職業体験ができればいいなという意見もあったとお聞きしてます。 この議会でも,本県は農業にしっかり力を入れておられます。多分,私が聞くところによると,農業体験,お米をつくったり畑に行ってしたりということはされていると思うんですけれど,より就農者で本当に成功した皆さんのところへ,成功例とか体験とか,いろいろしていく職業体験,農業部門も積極的に入れていただけたら,また県北や中山間地域も,より一層,人材の確保ができるのではないかなと思っていますが,お考えをお聞かせ願えたらと思います。 ○議長(蓮岡靖之君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 職業体験の中にぜひ農業もという御質問でございました。 今,幅広い活動の中で職業体験を,これは専門高校はもちろんでありますけれども,高等学校においては普通科においても行っておりますし,それから中学校あるいは小学校においては,逆に地域の人と一緒にお米づくりの体験なんかもやっております。段階に応じて行っておるところでありますけれども,特に高等学校においては,地域とつながりながら,地域の課題を解決していくという取り組みも,高校生が積極的に行っておりますし,議員の地元の津山市におきましても,ここでキャリア教育について,経済産業省の表彰をこの12月に受けるということもございました。そういった中でも,地域と連携しながら,地域課題解決の中で,農業に目が向いてる子供たちもおりますので,そういうところで成功事例等の情報も得ながら,子供たちが積極的に地元課題の解決に向けて取り組めるように,しっかり後押しをしていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  次の項目に移ります。 7番。   〔 7番 清水 薫君 登壇 〕 ◆7番(清水薫君)  ありがとうございました。ぜひ教育長,農業にも,また地域にも,より一層力を,目を向けていただいて,よろしくお願いいたします。 次に,文化財の補助事業に伴う岡山県補助予算の確保についてお尋ねいたします。 津山市ではこれまで,国・県の補助制度を活用して,文化財の修理や調査,史跡整備,土地の公有化事業を実施しています。しかしながら,市が実施主体の新規事業については,平成20年の「岡山県財政構造改革プラン」により,国指定の補助事業では国庫補助残額の3分の1以内,県指定の事業では市事業費の3分の1以内の県補助制度の適用が受けられない状況が続いています。 津山市の,国・県・市指定,国登録文化財総数は218あり,人口当たりの文化財の割合は,岡山市の4.7倍,倉敷市の5.7倍と非常に高く,保存のための修理が大きな負担となっています。特に津山城址は,初代津山藩主森忠政公が築城し,1873年の廃城令で,石垣を除いて取り壊されましたが,1963年に国史跡に指定されており,毎年,多くの観光客が訪れ,また,本年9月に,「あなたも絶対行きたくなる!『日本最強の城』スペシャル」でも紹介されました。 津山城復元は,津山青年会議所,津山商工会議所青年部等,多くのまちづくり団体,津山市民の悲願であります。歴史があり,貴重な文化財の適切な保存活用事業の推進を図るため,国・県指定文化財の補助事業に伴う県費補助について検討すべきだと考えますが,教育長のお考えをお尋ねいたします。 ○議長(蓮岡靖之君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 文化財の補助事業についてでありますが,昨年の文化財保護法の改正を踏まえ,文化財の積極的な活用に向けた事業については,今年度から,新規事業についても,市町村事業を含め対象とするなど,補助制度の見直しを行ったところであります。 一方,保存事業については,多くの要望があるところであり,限られた予算の中で,全ての要望にお応えすることは厳しい状況にありますが,民間所有の事業や市町村事業のうち,県の財政構造改革以前からの継続事業については,県費補助を行っているところであり,県教委としては,今後とも,予算の確保に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ御移動願います。 7番。   〔 7番 清水 薫君 登壇 〕 ◆7番(清水薫君)  教育長,ありがとうございました。ぜひ,最近では自然災害等,多くの災害が起こりますし,いつ何どきということでありますので,また市町村のお話もよくお聞きいただいて,前向きによろしくお願いいたします。 次に,観光振興についてお尋ねいたします。 中山間地域の活性化には,観光の振興は非常に大切です。先ほど質問させていただいたように,私の地元には多くの観光資源があり,町を挙げて観光振興に努力をしております。 ある民間サイトによると,2018年の岡山県インバウンド訪問者数は31万2,199人であり,年々増加しています。平均宿泊数は3.4泊であり,お一人1回当たりの旅行消費単価は3万7,825円で,全国23位です。地域経済の活性化には,魅力的な数字であります。中でも,本県には,台湾の方が全体の34.38%と高く,本当にありがたいことと思っています。 しかしながら,岡山県の2018年度の外国人旅行者宿泊者数調査によると,約96%が県南で宿泊し,残りの4%が,県北の美作県民局管内と新見市だそうです。本県としても,各種取り組みをしていただいてると存じますが,この結果についてどのように認識しているのか,また今後,どう取り組んでいくか,考えなどを産業労働部長にお尋ねいたします。 また,外国人観光客を導くために,「空き家」を活用するのはいかがでしょうか。岡山県が作成している「空き家」ガイドブックによると,全国の空き家は約846万戸,空き家率は13.6%であり,岡山県では約14万2,000戸で,空き家率は全国平均を上回り,15.5%となっており,特に,賃貸,売却用でも,別荘として使用中でもない住宅は,空き家全体のうち約半数を占めている状況であります。先般,不動産業界との意見交換会では,「地域の空き家は増加傾向にあるが,私たちには情報が入らず,マッチングは難しい」との御意見を頂戴いたしました。 津山市を訪れた外国人旅行者は,古きよき日本の伝統を体感できる歴史文化,グリーンツーリズムを満喫できる自然エリア,独自性の極めて高い食文化を求めており,訪れた方々に非常に満足いただいていると聞いています。本県は今年度,地域独自の文化や日常生活に高い関心を持つ外国人旅行者向けの観光コンテンツの開発に取り組む事業者に支援する事業に取り組んでいます。これからますます増加が懸念される空き家対策にも資すると考えますが,空き家を活用した観光コンテンツの開発を検討できないでしょうか,産業労働部長にお尋ねいたします。 ○議長(蓮岡靖之君)  答弁を求めます。 産業労働部長小林健二君。   〔 産業労働部長 小林健二君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小林健二君)  お答えいたします。 観光振興についての御質問であります。 まず,外国人観光客についてでありますが,滞在型・周遊型の観光を促進し,観光消費の拡大を図る上で,外国人観光客の県北への周遊や宿泊は,大きな課題であると認識しております。このため,県ではこれまで,観光キャンペーンの取り組みで,駅と観光地を結ぶバスの運行等への助成を行うとともに,今月から,台北線利用者を対象に,レンタカーの利用料金助成を試行的に実施しているところであります。 県北への周遊を促進するためには,外国人が高い関心を示す観光コンテンツの開発や,レンタカーなど二次交通の充実が特に重要と考えており,どのような取り組みが効果的か,市町村等と連携し,引き続き,検討してまいりたいと存じます。 次に,空き家の活用についてでありますが,古民家等を,宿泊施設やレストランなど,観光資源として再生・活用することは,観光誘客を図る上で効果的な取り組みと考えております。このため,今年度実施している外国人旅行者向けのコンテンツ開発においても,古民家を改修した宿泊施設を組み込んだ旅行商品の造成を進めているところであり,引き続き,市町村等とも連携しながら,空き家の活用も視野に入れた観光コンテンツ開発に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  7番。   〔 7番 清水 薫君 登壇 〕 ◆7番(清水薫君)  ありがとうございました。4%というのは非常につらいものですので,ぜひともこれからも,さらなる二次交通の発展等,御協力よろしくお願いします。 また,空き家もたくさんありますので,空き家と不動産業界とか,いろんな業界があると思いますので,ますます情報の共有をお願い申し上げます。 以上です。 ○議長(蓮岡靖之君)  以上で清水君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席へお戻りください。 次の質問者に移ります。 42番山田総一郎君。 答弁者は控席へ御移動願います。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  公明党岡山県議団の山田総一郎です。 それでは,通告に従いまして,順次質問をさせていただきます。 質問の内容につきましては,所属委員会に関係するものも1問ございますが,知事部局への質問と関連がございますので,お許しをいただきたいと思います。 初めに,防災について伺いたいと思います。 昨年,岡山県におきましては,7月の豪雨によりまして,大きな被害を出し,現在も多くの皆さんが応急仮設住宅での生活を強いられており,復旧・復興は道半ばであります。また,気候変動による影響なのか,ことしも台風第19号の被害など,災害の頻発化,大規模化,激甚化が懸念されております。 国では,平成30年7月豪雨や台風第21号,北海道胆振東部地震等の災害を受け,重要インフラの緊急点検を実施し,その結果等を踏まえ,国や県では,インフラの機能維持のための対策を実施しております。岡山県内でも,国直轄事業により,小田川の水位を下げるために,高梁川への合流点のつけかえ工事が着手されており,この事業で,合流点が約4.6キロ下流に移り,小田川の水位を下げると同時に,高梁川本流の倉敷市酒津での水位を下げる効果も期待できます。 今議会で,我が党笹井議員の代表質問で,新合流地点での新たな危険性の懸念に対し,知事は,「国は,洪水時のシミュレーション等により検証を行い,小田川からの流水が新合流地点の高梁川左岸に与える影響はないことを確認している」とされておりますが,その根拠について,もう少し詳しくお示しいただくとともに,この点についての広報もしっかりしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか,土木部長に伺います。 次に,タイムラインについて伺いたいと思います。 水防法及び土砂災害防止法の改正により,大雨等による浸水や土砂災害のおそれがある社会福祉施設等に,避難確保計画の作成が義務づけられたことから,岡山県では,避難確保計画の作成が進むよう,昨年度,避難行動タイムラインを作成するモデル事業を実施しました。その結果,今後,避難確保計画を作成する施設のために,避難確保計画や避難行動タイムラインの作成を支援するフォーマットを示し,その作成方法や防災情報を,本年3月から情報提供されております。 避難確保計画作成の対象となる社会福祉施設や病院施設の現状,県の取り組み状況について,保健福祉部長にお伺いいたします。 また,一般財団法人河川情報センター作成の「みんなでつくろう!マイ・タイムライン~マイ・タイムラインをつくるためのヒント集~」がありますが,これは,国土交通省が作成した「小中学生向けマイ・タイムライン検討ツール~逃げキッド~」をもとに作成されたものであり,内容は具体的で,自分自身の置かれた立場を客観的に把握し,災害時に役に立つシミュレーションになっております。 学校での防災教育に,マイ・タイムラインの作成を促す取り組みも取り入れるべきであると考えますが,いかがでしょうか。現状と,今後の対応について,教育長に伺います。 また,私は,マイ・タイムラインは県民全体で取り組むべきものであると思いますが,知事の御所見を伺うとともに,今後,さらなる普及についても,お考えをお聞かせください。 次に,私は先日,東京臨海広域防災公園にある防災体験施設「そなエリア東京」を訪問してまいりました。この施設では,当日,小学生の団体が,防災体験ゾーン,防災学習ゾーンに分かれて,それぞれの課題に取り組んで,体験学習されておりました。大人の方の団体も来ておられました。昨今の災害情報の報道の中で,子供たちに促されて避難をすることによって災難を免れた事例なども,テレビの報道で見ておりますけれども,災害時を想定した防災体験学習は,「釜石の奇跡」などでも,その効果は実証されております。 この「そなエリア東京」は,国の災害応急対応の拠点として整備されたものを活用した施設でもあり,とても岡山県ではまねのできないような,大規模なすばらしい施設でありますが,岡山県としても,子供たちを含めた一般の県民が防災について体験し,学習できるような工夫をすべきであると考えますが,御所見について,知事に伺います。 ○議長(蓮岡靖之君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  公明党の山田議員の質問にお答えいたします。 防災についての御質問であります。 まず,マイ・タイムラインのうち,全県民の取り組み等についてでありますが,県民お一人お一人が,災害からみずからの命を守るためには,いざというときに迅速かつ冷静に避難行動をとる必要があり,あらかじめ自分自身の防災行動を時系列で計画しておくマイ・タイムラインは,有効な取り組みであると考えております。 こうしたことから,マイ・タイムラインの活用については,既に,地区防災計画の作成を支援するモデル事業で紹介しておりますが,今後,防災セミナーや自主防災リーダー研修会などを通じて,さらなる普及を図ってまいりたいと存じます。 次に,防災体験学習についてでありますが,防災について,体験を取り入れて学習することは効果的であると考えており,これまでも,総合防災訓練において,起震車による地震体験や,避難所運営訓練などを実施しているほか,防災出前講座などでは,災害時における事象を提示し,その対応策を考える疑似体験をするゲームを取り入れるなど,さまざまに工夫しているところであります。 今後とも,こうした手法を活用し,県民がいざというときに迅速かつ円滑に避難行動がとれるよう,積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  土木部長樋之津和宏君。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  お答えいたします。 小田川合流点付け替え工事についてでありますが,洪水時において,高梁川の流量は,小田川の流量に比べ,大幅に多く,また,つけかえ後の新しい合流点は,下流に向け,滑らかに合流する形状となっております。これらを前提に,水の流れの軌跡を計算するシミュレーションを行った結果,つけかえ後,高梁川の流れる方向はほとんど変わらず,高梁川左岸に向かう流れも確認されないことから,小田川からの流水が高梁川左岸に与える影響はないと,国から聞いております。 こうした分析結果については,地域の皆様に安心していただくため,積極的に広報活動に取り組まれるよう,国に働きかけてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  お答えいたします。 社会福祉施設等の避難確保計画についてでありますが,社会福祉施設と病院施設においては,ことし3月時点で,対象となる1,459施設のうち,計画を作成しているのは42施設にとどまっております。このため,お話の,計画作成を支援するフォーマット等の提供に加え,今年度,計画作成を義務づけられた施設管理者等を対象とした説明会を,県民局単位で開催し,計画の必要性や具体的な作成方法の周知を図ったところであります。 今後とも,市町村や関係部局と連携しながら,対象施設に計画の作成を促し,要配慮者利用施設での円滑かつ迅速な避難確保に向けた体制整備を進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 マイ・タイムラインのうち,防災教育についてでありますが,各学校では,児童生徒が,理科などの授業で,天気の変化や,自然災害と日ごろの備えなどについて学習するとともに,年間計画に基づき,抜き打ちの避難訓練などを行うことにより,災害時にも迅速かつ適切に行動できるよう,指導を行っているところであります。 洪水などの自然災害が全国各地で発生していることから,今後,お話のタイムラインの作成に関する資料も紹介しながら,引き続き,各学校における立地条件や実情等に応じた防災教育を推進してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  左岸に影響がないと言われたんですが,ホームページに出てる絵を見ますと,(資料を示す)どう考えても高梁川の本流にぶつかるように見えたので,私もちょっと危険かなと思いました。 具体的には,地元の方から電話があって,「山田さん,あそこは危ねえんじゃないか」という話があったので,私は,高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所に行って,所長さんにお話を聞きました。シミュレーションは,スーパーコンピューターでされたんですかね。(資料を示す)このシミュレーションを実際に見ますと,さっきの答弁のとおり,ずっと流れの流量とか流速とかが出た図があり,割と納得できるんですね。 だから,自分たちが生活上で思っている危険な感じと,実際にシミュレーションしてみたものは,違うということがわかりました。この12月1日に倉敷のアウトレットモールで防災展があって,河川事務所の方も来られていたので,いろいろ質問をしたら,右岸に対して危惧する声は非常に多く,左岸に対するのは少ないんですけれど,それでも一,二あったと伺っています。ですから,こういう資料を,私も地元の方に提示しようと思うんですけれども,色分けをしてたり流線が描いてあるものを見ると,確かに洪水時の流量も,高梁川の本川の小田川から流れるのは6分の1程度だったと記憶していますけれども,それほど左岸に対する危険はないのだなと理解するためには,やっぱり百聞は一見にしかずで,こういう資料を見るとよくわかるので,国が広報すると思うという御答弁でありましたけれども,広報は県でもしっかりと,言葉だけじゃなくて,わかるように,特に,一番気にしている地元に対しては周知していただきたいと思いますけれども,その辺はいかがでしょうか,伺います。 ○議長(蓮岡靖之君)  土木部長。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  再質問にお答えいたします。 つけかえによる高梁川左岸への影響について,もっとわかりやすく説明してはどうかという御質問でございます。 おっしゃるとおり,こういうシミュレーションといっても,なかなかわかりにくいんで,可視化してわかりやすく,住民の方の立場に立ったような情報にかみ砕いて説明して御理解いただくのは確かに重要だと思いますので,我々もしっかり要請してまいりますけれども,こうしたデータはもちろん,事業主体である国が持っておりますから,これから国が,住民の皆様方に,わかりやすい説明を多分していただくようになると思います。そういった資料も踏まえて,県としてもあわせて説明できるように努めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  土木部長,よろしくお願いいたしたいと思います。 それから,今御答弁いただきました確保計画の進捗状況が,今,3%程度ですよね。1,500に対して,50弱ということですから。これは,スケジュール感はどうなっているんでしょうか。今後の進め方ですけれども,そこを教えていただきたいのですが。 ○議長(蓮岡靖之君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  再質問にお答えいたします。 スケジュール感と,現状の進捗状況ということでございますけれども,こちらの水防法等の義務化がされまして,2021年度末までに全ての施設が作成することを目標としております。今年度の現時点まで,既に計画が提出された施設が356です。先ほど答弁させていただいた42は,ことし3月時点ということで,まだ集計中で公表しておりませんでしたが,今把握しているもので356が進んでおり,説明会の成果も出てきていると考えておりますので,引き続き,しっかりと計画作成が進むよう取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  今の御答弁で,学校の理科とか,抜き打ちでいろいろされるということなんですけれども,さっきの知事の御答弁もありましたように,百聞は一見にしかずということで,体験することが物すごい大事だと思います。「釜石の奇跡」を見てても,東大の特任教授になった片田先生は,小学生,中学生に対して,「君たちは守られる側ではなくて,年下の幼稚園,小学生,お年寄りを守る側の立場なんだ」と発災直後,直ちに動いたそうです。座学も当然大事ですけれども,先ほど提示しましたマイ・タイムラインの作成キットを見ますと,まず自分の置かれてる状況,家が出水時にはどのくらい浸水するのかとか,どういう状況になったら危ないのかということを,知ることから始まってるわけです。 また,けさのテレビニュースを見てたら,目黒区だったですかね,出てましたけれども,災害がいざ起こるとアクセス数がぐっと上がって,アクセスしようと思っても,その情報にアクセスすることすら難しいということで,平時にしっかりと対応する,準備をするということが大事だと言われてました。 倉敷市では,3年生,5年生がそのキットを使ってマイ・タイムラインをやると言われてましたけれども,ぜひ全県でそういう取り組みを,教育長,していただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。 ○議長(蓮岡靖之君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  資料を活用した取り組みを進めてはどうかというお尋ねでございます。 私も,議員御指摘のこの資料については,全部拝見をしましたけれども,非常によくできておりまして,子供たちにもわかりやすく学習ができるようになっておりますので,今御指摘のように,倉敷市においては全小学校で実施をすると,来月には公開授業も行うというようなことも報道で出ておりましたけれども,こういったところで実際にやっておる子供たちの反応なんかもしっかり,我々も行かせていただいて,拝見をさせていただいて,その効果等についてもまたしっかり把握した上で,ほかの地域にも普及していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ御移動願います。 42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  次に,連帯保証について伺いたいと思います。 岡山県信用保証協会の連帯保証の問題につきましては,昨年9月議会におきまして,自由民主党の渡辺知典議員から御質問がありました。担当部長からの答弁で,保証協会が経営者等に求める連帯保証については,「事業承継により経営者が交代した場合において,新旧経営者が重複して保証人とならないように,新たな取り組みを開始した」とのことでございました。そして,「融資が滞りなく返済され,新旧経営者に連帯保証の交代の意向がある場合は,旧経営者の保証を解除する」と言われております。これは国の方針であることから,この取り組みの進むことが望まれておりまして,そのことによって,円滑に事業承継の進むことが期待されております。 そのときの御答弁で,「6割が重複している」ということでしたけれども,御答弁から1年が経過し,岡山県として,この重複保証の問題についてどのように取り組んでこられたのか,現状はどうなっているのかについて,産業労働部長にお伺いいたします。 また,今議会に,岡山県営住宅条例の一部を改正する条例が上程されており,契約時における連帯保証人に関する規定が削除され,連帯保証人を不要とする改正内容となっております。 この条例の施行日は,令和2年4月1日となっておりますが,4月1日入居の皆さんにも適用されることになるのか,土木部長に伺います。 ○議長(蓮岡靖之君)  答弁を求めます。 産業労働部長小林健二君。   〔 産業労働部長 小林健二君 登壇 〕 ◎産業労働部長(小林健二君)  お答えいたします。 連帯保証についての御質問であります。 事業承継での重複保証についてでありますが,県では,新旧経営者の重複保証の解消に向けて,経営指導員の研修や,事業承継ネットワーク会議の場などを通じて,周知を図ってきたところであり,県信用保証協会における重複保証の割合は,平成30年度は32.0%,今年度上期は3.6%と,大幅に改善しております。 今後とも,重複保証が事業承継の妨げとならないよう,支援機関と連携し,中小企業者への周知に努めるとともに,県信用保証協会に対しても,取り扱いの徹底を働きかけてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  土木部長樋之津和宏君。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  お答えいたします。 県営住宅の連帯保証人についてでありますが,今年度最終となる県営住宅の第4回募集は,入居予定日を来年4月1日と公表しており,予定どおり入居していただくためには,来年3月中に入居手続を完了する必要があることから,現行の手続に定められている連帯保証人が必要となります。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  産業労働部長には,すばらしい取り組みをされているので,さらにこれが進むように,ぜひお願いしたいと思います。 土木部ですけれども,さっきの産業労働部長と答弁が何か矛盾するような話でした。来年度になると,産業労働部は,重複の保証にならないように変えていくということでしたが。例えば,年度がかわり,制度が変わったら,その保証人を解除するような手続をやっていくということになるのですか。見てみますと,3月中に契約した分は拘束されるということになるんですけれども,4月に法律が変わって,保証人が要らなくなったら,保証人の解除ということを全体的にやるのかどうか,それを伺います。 ○議長(蓮岡靖之君)  土木部長。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  再質問にお答えいたします。 4月1日以降になったら,過去の連帯保証人までさかのぼって解除するかという質問でございますけれども,条例の施行を了解いただければ,4月1日以降からの入居ということになりますので,それ以前の連帯保証人に係るものについては,従前のままということになろうかと思っております。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  この連帯保証の問題は,住宅セーフティーネットの関係で,保証人がない場合,なかなか入りにくいということで,かなり無理をして保証人を立ててるとか,あるいは保証会社に保証してもらってるのもあるのかもわかりませんけれども,できれば解除したいという意向があると思うので,また,国の方針としてもそういうことがうたわれてると思いますが,ぜひそれは検討していただきたいと思います。 岡山市では,もう既にことしの4月から,連帯保証人を,この法の趣旨を受けて,必要としないという制度がとられておりますし,倉敷市は既に,この12月議会に提出されてる条例案の中では,来年の1月1日を施行日にして,4回目の募集から保証人が要らないという制度にしてるわけですね。岡山県でもぜひ,予算が追加されるわけでもありませんし,そこは柔軟に考えていただけばいいのじゃないかなと思いますけれども,いかがでしょうか,伺います。 ○議長(蓮岡靖之君)  土木部長。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  再質問にお答えいたします。 保証人制度の施行日は4月1日だけれども,もっと柔軟に考えてはどうかという御質問でございます。 この保証人制度は,県営住宅条例の一部を改正するという条例でございますけれども,そもそも,お話のとおり,なかなか連帯保証人がなくて,入居を断念するようなケースがあるということで,今回,この連帯保証人の規定を削除して,その旨を議会へ上程させていただいとるわけです。基本的に,この議会で了解いただければ,来年の4月1日からということで,大体3カ月間,期間があくことになります。この施行に当たっては,連帯保証人が今後必要なくなるという情報に接していない方ももちろんいらっしゃるわけですから,そうした方々は,知らないまま応募を断念しているという状態が続くようなことにもなりますので,公平性を確保するために,その間に十分な周知活動等を行っていきたいということもございまして,来年の4月1日の施行としているところでございます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  周知期間が必要だからということですけれども,倉敷市は即施行するというような状況です。 また,例えば,保証人が要らなかったのに保証人が要るということになれば,それは周知期間が必要かもわかりませんけれども,今まで保証人が要ったのが要らなくなるという場合,周知をしないといけないのか疑問が湧きます。今の御答弁だと,知ってる人と知らない人,知らなくて応募を諦めた人に対して不公平になるからという御答弁だったと思いますが,私は,それは要らない心配だと思います。保証人で困ってる方が相談に来られたときに,「いや要らないんですよ」と言えば,そのまま終わると思います。 ですから,重複保証の話とかぶるので,ちょっとややこしいですけれども,例えば,今まで何十年も住んでいて,保証人がもう亡くなられてるとか,そういうケースもあると思うんですよね。そこら辺を一遍精査して,県営住宅は保証人が要らないということの周知が必要なのであれば,しっかり周知をして,来年1月の応募から必要ないとされるべきだと思いますが,いかがでしょうか。 ○議長(蓮岡靖之君)  土木部長。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  再質問にお答えいたします。 他の自治体等でも,早目の施行をしておることも鑑みて,県もやってはどうかというところでございます。他の自治体の状況についてコメントする立場にはないと考えておりますけれども,やはり条例ということで,広くお知らせして,ある意味,公平性を確保していくことが県としては大事だと考えておりますので,御理解いただきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  要望ですけれども,今ここで言っても結論は出ないと思いますので,まず,そうなるのが一番いいんですけれども,4月以降,保証人解除ということができる方向で検討していただくということでも私は構わないと思いますので,この問題については,ぜひもっと,他県の情報とか他の自治体の情報もしっかり見て,岡山県がおくれないように,ぜひ検討を加えていただきたいということを要望しておきます。 ○議長(蓮岡靖之君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ御移動願います。 42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  次は,インバウンドの政策について伺いたいと思います。 ことしの初めに,ニューヨークタイムズの電子版で,「2019年に行くべきデスティネーション52のエリア」として,瀬戸内の島々が,世界中の観光スポットの中から日本で唯一,第7位に選出されました。記事には,桜満開の三豊市の紫雲出山から望む瀬戸内海の写真が掲載されておりまして,岡山県の笠岡諸島も写真に載ってたと思うんですけれども,2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックとともに,今,瀬戸内の島々に海外から熱い視線が注がれていることは間違いありません。 瀬戸内に暮らす我々にはいつもの景色でも,海外の皆さんには新鮮に映るのだと思います。知事には,この機を逃さず,岡山の魅力を全世界に発信していただきたいと思います。 知事のインバウンド戦略について,改めてお聞かせください。 また,岡山県の売り,世界に売っていくコンテンツについて,どうお考えか,御所見をお聞かせください。 次に,国土交通省の空港管理状況調査書によりますと,2018年の岡山桃太郎空港の利用者数のランキングは,160万2,761人で,全空港中24位,国際線は,30万6,648人で第13位となっております。しかしながら,人口規模で岡山県の51%の香川県では,高松空港は,209万2,395人で第18位,国際線は,32万1,530人で第11位となっております。 国管理空港,地方管理空港との違いはあると思いますが,高松空港では,国内線ではジェットスター・ジャパンの成田便,国際線ではエアソウルの韓国・仁川,春秋航空の中国・上海,香港エクスプレスの中国・香港と,国内外4路線のLCCが就航しております。高松空港は,立地も関係あると思いますけれども,LCCの複数就航が強みになっているんだと思います。岡山桃太郎空港の競争力を上げるためにも,LCCが運航する新規路線開拓が急務であろうかと思います。 本会議場でもたびたび質問が繰り返されておりますけれども,このLCCの新規路線開拓について,どのような状況であるのか,今後の見通しについて,県民生活部長にお伺いいたします。 次に,岡山県の誇る第一級の観光資源である瀬戸大橋の活用が議論となっており,本日も,高橋徹議員からも質問がございました。北備讃瀬戸大橋の主塔の頭頂部に登るスカイツアーの常設化,瀬戸大橋の夜間点灯の拡大が求められておりますが,現段階での実現の可能性について,どのようになっているのか,お聞かせください。 また,本県のすぐれた観光素材として,鷲羽山から瀬戸内に沈む夕日は,「インスタ映え」といいますか,非常に見応えのある風景でございまして,鷲羽山夕景観賞バスや,瀬戸大橋,水島コンビナートの夜景を楽しむナイトクルーズを活用することや,美作三湯との連携,また体験型の観光などへの取り組みについてもお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。 こうした観光素材を活用した,太平洋,瀬戸内,日本海の3海を結ぶ観光ルートの開発も,大きな力になると思います。この実現のためには,他県との連携も大切であります。あわせて,知事の御所見を伺いたいと思います。 また,訪日外国人旅行者の要望の上位に,常に,「公衆無線LAN環境」が挙げられております。岡山県でも,インバウンド向け公衆無線LAN整備事業の補助制度が予算化されておりますが,岡山県内の手軽につなげるWi-Fi環境の整備について,これまでのお取り組みと,今後の計画を県民生活部長にお伺いいたします。 ○議長(蓮岡靖之君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 インバウンド政策についての御質問であります。 まず,戦略等についてでありますが,後楽園や美観地区に加え,瀬戸内の多島美や,美作三湯,高品質のフルーツなど,豊かな自然や歴史・文化,温暖な気候に育まれた多様な観光資源が,本県の大きな売りであると考えております。 お話のように,瀬戸内の認知度が向上している今が,岡山を売り込む絶好の機会であることから,近隣県やせとうちDMOなど,多様な主体と連携し,本県の強みを生かした積極的なプロモーションを展開するとともに,体験型コンテンツの開発など,滞在時間の延長につながる取り組みを進めることにより,観光消費の拡大を図ってまいりたいと存じます。 次に,瀬戸大橋の活用についてでありますが,スカイツアーについては,年間12日間に限り実施しておりましたが,本四高速において,この秋の試行を経て,来年度から常設化し,4月から11月の間,週末や祝休日等に実施する予定と聞いております。 また,夜間点灯の拡大については,本四高速,香川県と共同して設置した検討委員会において,先般,毎日点灯の方向性が示されたところであり,今後,年内に取りまとめられる提言を踏まえ,大幅な点灯拡大が実現できるよう,香川県等と連携し,本四高速や国に対し,強力に働きかけてまいりたいと存じます。 次に,観光素材の活用等についてでありますが,瀬戸大橋を含む瀬戸内の美しい景観や美作三湯など,岡山ならではの観光素材を海外に売り込むとともに,市町村等と連携し,外国人が高い関心を示す体験型コンテンツの開発を進めているところであります。 また,新たなインバウンド需要を獲得するためには,県を超えた広域での取り組みが重要であることから,せとうちDMOと連携した広域観光ルートの開発に取り組むとともに,鳥取県や香川県など近隣県と連携し,レンタカー利用による県域をまたいだ周遊観光のPRや,海外の旅行会社等の取材ツアーなどを実施しているところであり,お話の3海を結ぶ観光ルートの開発についても,今後,どのような連携が可能であるか,研究してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  県民生活部長房野文彦君。   〔 県民生活部長 房野文彦君 登壇 〕 ◎県民生活部長(房野文彦君)  お答えいたします。 まず,LCCの新規路線開拓についてでありますが,現在,LCCを含む航空会社に対して,国際線では,本県と観光やビジネスで交流が活発な東南アジア地域を視野に入れながら,就航を働きかけ,国内船では,イン・アウト双方で集客が見込まれる,利便性も高い成田空港への就航の可能性を探っているところであります。 こうした中で,新規路線については,具体的な就航の見込みをお示しすることはできませんが,岡山桃太郎空港に興味を持つLCCもあることから,LCCで高い搭乗率を維持している台北線の事例をアピールするなど,引き続き,就航を働きかけてまいりたいと存じます。 次に,Wi-Fi環境の整備についてでありますが,県では,簡素な認証手続で利用できるおかやまWi-Fiの整備を進めており,官民協働で,事業者等に広く設置を働きかけた結果,民間施設を中心に,1,010カ所と大きくふえ,外国人旅行者が手軽に利用できるWi-Fi環境の整備が進んだところでございます。 今後は,商工会議所等とも連携し,今年度末までに1,100カ所設置するという目標に向け,さらなるWi-Fi環境の充実に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  まず知事に,要望ですけれども,他県との連携ということで,瀬戸大橋のときも,岡山と香川,どちらが誘客数が多かったかというと,やっぱり香川のほうが多かったと思います。要するに,岡山県のほうが人口が多いから吸われるということは,ひょっとしたらあるのかもわかりませんけれども,コンテンツを開発すると言われました。コンテンツも大事ですし,それからやはり制度ですね,他県から岡山に来たらメリットのあるような制度,そういうこともあわせて御検討いただきたいと思います。これは要望です。 それから,LCCのことについても,要望です。具体的なところがあるみたいなので,きょう非常に希望を持ちましたし,成田線も検討してるということなので,非常にいい御答弁をいただいたと思っております。ぜひ具体的な成果が近々出るように,これからしっかりとお取り組みをお願いしたいということを要望しておきます。 それから,Wi-Fiについて,新たに1,010カ所増設したということなんですけれども,目標1,100というのは,プラス90ということなのか,新たに1,100ということなのか。多分,プラス90だと思うんですけれども。 また,Wi-Fi環境の整備について,岡山市内,倉敷市内に数がふえるのじゃなくて,美作三湯とかいろんなところにふえることが物すごい大事だと思いますし,知事も海外によく行かれて御存じかと思いますが,日本のキャリアのままWi-Fiが使えるようなサービスもあります。Wi-Fiの使えるところを探すと物すごいほっとするというか,うれしいですよね。岡山に来る観光客の方も,Wi-Fiがつながると,そこからすぐインスタとかで情報発信できるわけですから,どういう地域・観光地にきちっとやっていかないといけないとか,数だけではなくて,面的な広がりについても,県北も含めた面的な広がりもぜひ取り組んでいただきたいです。そこら辺についてもあわせてお聞きします。 ○議長(蓮岡靖之君)  県民生活部長。   〔 県民生活部長 房野文彦君 登壇 〕 ◎県民生活部長(房野文彦君)  再質問にお答えいたします。 Wi-Fi環境の関係で,1,100カ所という目標は90プラスかどうかという点と,それから県北についても面的な広がりを求めるべきであるという御質問をいただいております。 まず,1,100カ所でございますけれども,現状が1,010カ所でございまして,あともう90カ所ということでございます。 議員おっしゃいますとおり,Wi-Fiの環境の関係は県北のほうが若干薄い状況もございますので,商工団体等ともしっかり連携をしまして,ちゃんと県北にも面的に広がっていくように,しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(蓮岡靖之君)  42番。   〔 42番 山田総一郎君 登壇 〕 ◆42番(山田総一郎君)  御答弁ありがとうございました。 Wi-Fi環境ですけれども,観光地とか,ぜひ岡山のここを全世界に広げたいといういろんなところがある,そこにはWi-Fiがあるというような環境をぜひやっていただきたい。 で,目標が1,100と言ってましたけれども,1,100はぜひクリアしてください。そこから先,2,000,3,000と,ぜひ広げていただきたいということを要望して,私の質問を終わります。 以上です。ありがとうございました。 ○議長(蓮岡靖之君)  以上で山田君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席へお戻りください。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(蓮岡靖之君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △12月13日の議事日程 ○議長(蓮岡靖之君)  明日の議事日程は,午前10時開議で,一般質問,議案委員会付託,請願陳情委員会付託であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(蓮岡靖之君)  本日は,これをもって散会いたします。        午後2時57分散会〇 令和元年12月12日(木曜日)出席議員   1番 秋山 正浩君     2番 鳥井 良輔君     3番 佐古 一太君   4番 松島 幸一君     5番 本山 紘司君     6番 福田  司君   7番 清水  薫君     8番 大橋 和明君     9番 乙倉 賢一君  10番 大森 一生君    11番 小倉  博君    13番 河野 慶治君  14番 渡辺 知典君    15番 福島 恭子君    16番 山本 雅彦君  17番 小林孝一郎君    18番 大塚  愛君    19番 高橋  徹君  20番 須増 伸子君    21番 氏平三穂子君    22番 吉田  徹君  23番 中川 雅子君    24番 木口 京子君    25番 市村  仁君  26番 上田 勝義君    27番 小林 義明君    28番 中塚 周一君  29番 江本 公一君    30番 太田 正孝君    31番 池本 敏朗君  32番 小倉 弘行君    33番 加藤 浩久君    34番 遠藤 康洋君  35番 神宝 謙一君    36番 波多 洋治君    37番 柳田  哲君  38番 高原 俊彦君    39番 荒島 俊造君    40番 笹井 茂智君  41番 増川 英一君    42番 山田総一郎君    43番 蜂谷 弘美君  44番 住吉 良久君    46番 蓮岡 靖之君    47番 伊藤 文夫君  48番 小田 圭一君    49番 渡辺 英気君    50番 内山  登君  51番 小野 泰弘君    52番 河本  勉君    53番 小田 春人君  54番 天野  学君    55番 千田 博通君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~欠席議員  12番 田野 孝明君    45番 高橋 戒隆君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     那須 信行         次長       清田 耕介  議事課長     下坂 泰幸         政務調査室長   竹原 祐一  議事課長代理   田中  悟         議事課長補佐   新井 祐二  議事課主幹    前田 英雄         議事課主任    池上 祐毅           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       伊原木隆太君        副知事      佐藤 兼郎君  副知事      菊池 善信君        公営企業管理者  佐藤 一雄君  危機管理監    吉田 邦成君        総合政策局長   片山 誠一君  知事室長     須江 裕紀君        総務部長     横田 有次君  総務部次長    池永  亘君        県民生活部長   房野 文彦君  環境文化部長   古南 篤子君        保健福祉部長   中谷祐貴子君  産業労働部長   小林 健二君        農林水産部長   伊藤 敦哉君  土木部長     樋之津和宏君        出納局長     佐藤 将男君教育委員会  教育長      鍵本 芳明君        教育次長     村木 智幸君公安委員会  委員       服部恭一郎君        警察本部長    桐原 弘毅君  警務部長     臼井 伸幸君人事委員会  委員       吉松 裕子君        事務局長     角田 直樹君監査委員  代表監査委員   山本 督憲君        事務局長     福本 正弘君選挙管理委員会  委員       山名 千代君...