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03月08日-06号

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  1. 岡山県議会 2019-03-08
    03月08日-06号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
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    平成31年 2月定例会          ◎ 平成31年2月岡山県議会定例会会議録  第6号〇 平成31年3月8日(金曜日)                  議  事  日  程                  午前10時開議第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時開議 ○議長(高橋戒隆君)  皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 一般質問 ○議長(高橋戒隆君)  日程に入り,一般質問を行います。 27番小倉弘行君。   〔 27番 小倉弘行君 登壇 〕 ◆27番(小倉弘行君)  皆さん,おはようございます。 自由民主党の小倉弘行でございます。早速,質問に入らせていただきます。 まず初めに,治水対策について質問いたします。 平成31年度当初予算案は,投資的経費が対前年度比で50%以上増加するなど,一般会計は,7,300億円を超える予算案となっています。この投資的経費には,西日本豪雨による県内各所の災害復旧や,真備町や岡山市東区を流れる県管理河川の被災箇所の治水安全度を高める河川激甚災害対策特別緊急事業など,多くの公共事業が盛り込まれています。 知事は,今回の災害にちゅうちょなく対応するとして,平成30年度だけでも総額900億円を超える災害関係予算を確保し,さらに当初予算案では,公共事業の予算要求枠に,国の緊急対策による防災対策等を別枠措置するなど,災害対応を最優先するとの考えを明確に打ち出されています。構造改革プラン以後,厳しい財政状況のため,投資的経費を一定水準に維持せざるを得ない中で,防災対策事業等に予算的制約が及ばないよう,投資的経費を大幅に増加される御判断をされたことについて,大変ありがたく思っています。 一方で,懸念されるのは,計上された予算を確保できるのかという問題です。近年,農林水産部,土木部の公共事業は,11月補正で国の内示が来なかったとして,補助公共事業予算が大幅減額され,それを県の単独事業予算で穴埋めする現状が続いています。 そこでまず,予算確保の現状について,本年度の当初予算に対して,11月補正後の時点で,災害関係分を除く補助公共事業予算は,農林水産部,土木部,それぞれどの程度確保することができてるのでしょうか,農林水産部長及び土木部長にお尋ねします。 また,補助公共事業の内示が落ち込んだとしても,その後に毎年のように編成される国の補正予算で,かなり復元していると説明を受けたことがあります。しかし,国の当初予算にかかわる予算獲得で,他地域におくれをとり,他地域に比べて十分な予算を確保できていないことは,大きな問題です。 内示割れを県単独事業で穴埋めしたとしても,確保できる事業量は,国補助事業で実施できる事業量とは比較できないくらい少なくなります。結果,安易な穴埋めは,県の財政へ大きなダメージを与えますし,単県事業の枠が,大幅に削減されてしまいます。 来年度,ふたをあけてみて,例年のように大幅な内示割れが発生すれば,当初予算で描いた復興や防災対策事業,特に河川改修が,計画どおり進まないことになります。また,河川改修以外の他の公共事業へのしわ寄せも心配です。 そこで,来年度の補助公共事業予算の獲得について,近年続く大幅な内示減を避けるためにも,国に対して,市町村と連携して,オール岡山で,特別な働きかけを実施するなど,国予算確保に向けた取り組みも必要と考えますが,現時点での国との調整状況,その他,その感触なども含めて,これまでどう取り組まれてきたのか,お伺いします。 また,必要な予算が確保できなかった場合には,どう対応されるお考えなのか,あわせて知事にお伺いします。 さて,比較的短期間で事業効果が期待できるものとして,ダムを活用した治水管理があります。これは,難しい課題があり,容易に進まないと思いますが,関係者との協議がまとまらないと,使えない方法です。今回の西日本豪雨では,高梁川水系の上流の県管理ダムの河本ダムや,中国電力が管理する新成羽川ダムからの放流が,水系の治水管理に大きな影響を与えたとの意見も出ています。 こうした中,昨年12月に,高梁川の流域4市,倉敷,総社,高梁,新見と,ダム,河川管理者による意見交換会が開かれ,4市長が,ダムの事前放流について,中国電力に要望しました。これに対して,中国電力からは,「我々としてどこまでのことができるのかということを検討させていただきます」との回答があったそうです。何らかの具体的な動きになることを期待しています。 さて,ダムの設置目的や能力,利用形態はさまざまで,どの程度の効果があるかは未知数ですが,耕作放棄地の増加や人口減少により,農業用水や水道用水の需要が大きく変化し,100年に一度の降雨が頻発するなど,周辺環境は大きく変化しています。仮に事前放流や転用に経費がかかるとしても,河川改修と比較して,費用効果を見て,有効であるならば,予算化することも無駄なこととは思えません。 高梁川水系に限らず,県内には,水道,発電,農業用のダムが,規模の大小はさまざまですが,数十施設あり,これらのダムについても,先ほどの新成羽川ダムと同様に,ダム管理者や利水者に対して,事前放流を積極的に実施していただくよう,協力をお願いすることはできないのでしょうか。 また,事前放流に限らず,以前,水道容量を治水転換するために交渉を進めていた苫田ダムのように,水道用や農業用に確保されているダムの容量の一部でも,治水目的に転用するなどの検討ができないのでしょうか。既存ダムを治水利用に有効活用することについて,関係者を交えて検討を進めていただきたいと考えますが,いかがでしょうか,知事の御所見をお伺いします。 続いて,抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について質問いたします。 本県でも,1月24日にインフルエンザ警報が発令されるなど,ことしもインフルエンザが猛威を振るっています。 県では,新型インフルエンザの大流行,いわゆるパンデミックに備え,タミフルなど抗インフルエンザウイルス薬を,長年にわたり,大量に備蓄しています。これは,国の指針に基づき,新型インフルエンザが世界的に大流行するような非常事態に備えて,県として,約35万人分の治療薬を備蓄するもので,平成30年度当初予算にも,来年度中に有効期限切れとなるものを廃棄し,結果的に不足する備蓄薬を購入する,抗インフルエンザウイルス薬備蓄整備事業2億5,000万円が盛り込まれています。 この事業は,新型インフルエンザの大流行,パンデミックに備え,県民の安心・安全を守る,行政の重要な事業であると理解しています。しかし,ここで気になったのは,この治療薬が,有効期限の到来により,ほぼ全量廃棄されている事実であります。 国は,この治療薬の備蓄を実施するに当たり,製薬会社と取り決めを交わし,新型インフルエンザパンデミック発生時及び蔓延防止のための使用を条件として,通常の価格よりかなり安価で手に入れる仕組みをつくっているそうです。このため,安く購入した治療薬の有効期限が近づいても,これを新型インフルエンザ発生時以外は市中に流通させることができず,結果的に,大量の備蓄薬が廃棄されています。 そこで,まずお尋ねしたい点は,県は,今までどのくらい治療薬を購入したのでしょうか。 また,今まで,廃棄せずに有効に活用されたのは,そのうちどのくらいあったのでしょうか,あわせて保健福祉部長にお尋ねします。 この治療薬の備蓄は,国及び全都道府県で実施されているため,廃棄されている治療薬の量は,全国で,本県の100倍以上になるのではないでしょうか。二,三年に一度とはいえ,全国で数百億円単位の膨大な治療薬が大量廃棄されていることは,大変な無駄であり,残念なことであります。もちろん,備蓄自体は,日本全体での危機管理対策として大変重要なものと思いますが,そのロスが余りに巨大である点は,問題ではないでしょうか。 国が構築した制度であるため,本県だけで制度変更が困難なことや,備蓄量が平常時の国内流通量に比べて大きく,備蓄品を流通させることが結果的に経済のメカニズムを壊してしまう可能性もあることから,抜本的な解決は難しいのかもしれません。しかし,この巨大な無駄を少しでも改善するため,国や製薬会社との仕組みの見直しについて,協議が必要ではないでしょうか。 国内消費が難しいのであれば,発展途上国へ寄附するという方法もあるのかもしれません。何らかの検討をお願いしたいのですが,保健福祉部長に御所見をお尋ねします。 続いて,児童虐待への対応について質問いたします。 千葉県野田市で,小学4年生の女児が死亡し,両親が傷害容疑で逮捕された事件を受け,政府は,2月8日に,児童虐待防止にかかわる緊急総合対策のさらなる強化策をまとめました。全国の児童相談所公立小中学校教育委員会などの連携を強化するとともに,虐待が疑われるケースについて,1カ月以内に緊急安全確認をすることを決めました。子供への虐待が疑われる保護者への対応ルールの明確化も盛り込みました。 この事件では,児相の対応のほか,家庭内での虐待を訴えた学校アンケートを市教委が父の威圧的な態度に屈して渡したことなど,教育現場の対応にも問題がありました。強化策では,「通告元は一切明かさない,資料は一切見せない」ことをルール化,その上で,学校側に対し威圧的な保護者への対応に際して,児相や警察と連携すること,虐待が疑われる子供の欠席が続く場合は,速やかに児相に情報提供することなどが決められました。 また,児相の体制強化に関し,政府は,2022年度までに,保護者の相談,指導を行う児童福祉司を約2,020人増員する目標を掲げています。2019年度では,目標の半分の1,070人程度を増員するとともに,職員の資質向上策を盛り込むとしています。 このたびの事件の問題点は,虐待を訴えたアンケートを市教委が親に手渡したこと,その後,転校して,児相の職員が,虐待のおそれがあったにもかかわらず親元に帰したこと,長期欠席を把握したにもかかわらず自宅訪問しなかったこと,亡くなって発見される数日前から,泣き叫ぶ声や男の怒声があったにもかかわらず,住民は児相や警察に通告,通報しなかったことなど,多くの問題点が浮かび上がります。 そこでまず,岡山県の現状について,このような威圧的で過度の要求をする親に対して,学校現場ではどのように対応しているのか,また虐待が疑われる家庭において,長期欠席についての対応はどうなっているのか,教育長にお尋ねいたします。 一方で,児童相談所の職員が,自宅訪問を定期的に行わないことがあるのか,また自宅訪問した際に,子供の安否が確認できない場合の対処はどうされているのか,警察や弁護士との連携はどうなっているのか,保健福祉部長にお尋ねします。 また,昨年の東京都目黒区で,5歳の女児が虐待を受け,死亡した事件では,ノートに,「もうお願い,許して」とつづられていたことで,衝撃を受けました。先ほどの事件は,沖縄県から千葉県へ引っ越しし,この事件では,香川県から東京都に引っ越ししており,ある意味,虐待をしていることが明るみになり,引っ越しをすることで児相をかえ,その経歴を消そうとしているとも考えられます。 岡山県では,このような他県からの引き継ぎ,もしくは他県へ引き継ぐケースなどはどの程度あるのか,他県との連携・引き継ぎはどのようになっているのか,保健福祉部長にお尋ねいたします。 ここに挙げたことは,厚労省が虐待や体罰を明記し,法制化を進めても,結果的に,現場の学校の先生や児相の職員の確固たる精神力がないと,救うことができないと考えます。これらの事件を参考に,今後,岡山県ではどのように対応していくのか,知事にお伺いいたします。 住民が,児相や警察に通告・通報しなかった点については,児童福祉法第25条に,児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合,全て国民は,福祉事務所もしくは児童相談所に通告する義務があると書かれています。県は,県民に対して,通告義務があるということとともに,何かあった場合は,児童相談所へ通告に限らず,警察でもいいから,まずは通報するんだと啓発すべきだと考えますが,あわせて知事にお伺いいたします。 また,学校現場において,法律に詳しくない教員が大勢で対応するより,法律の専門家が1人いるだけで,状況が大きく変わるのではという意見もありますが,スクールロイヤー制度や弁護士の活用について,どのように考えられているのか,教育長にお尋ねいたします。 続きまして,いじめ問題について質問いたします。 仙台市泉区で,昨年11月,小学2年の娘がいじめを受けていることを苦に,母親が娘と無理心中した事件では,学校や市教委がいじめを相談したのに対応しなかったことが要因だと,父親は話しています。夏休みが終わる前に,「いじめられて何もいいことがないよ,死にたいよ」と書いたメモが発見されており,校長や市教委に何十回も相談をしていたといいます。先ほどの虐待の事件と同じ,市教委や法律家など,そういった問題に対して身を挺して助けることができないのか,大変心が痛くなります。 最近では,我が子がかわいいゆえに擁護してしまうのが親心なのかもしれませんが,自分の子供がいじめの加害者になっても,非を認めない親がいます。さらには,逆に,被害者のほうにも非があると言う親さえいます。 また,子供の自殺などをめぐって,教育委員会や学校に設置される第三者委員会においても,「いじめが自殺の直接原因ではない」,「いじめによる精神的苦痛が理由の一つ」,「いじめのみを自殺の要因と考えることはできない」といった,因果関係がはっきりしない結果報告がなされ,遺族と対立が生じている例があると耳にします。実際のところ,学校現場では,相手が認めない場合は,先生も問題だと思っていても何も解決できない,取り上げることすらできない状況なのではないかと,心配になります。 一方,2011年の大津市立中学2年の男子生徒の自殺をめぐり,先月19日の大津地裁判決では,元同級生2人によるいじめが自殺の原因として,賠償が命じられました。この件では,当初,市教育委員会が,いじめと自殺の因果関係を不明としたため,御両親が,大津市や元同級生と保護者に損害賠償を求めて提訴していたものです。結果として,市教委では,いじめと自殺の因果関係が不明としたものが,裁判では,因果関係があると認められました。 さまざまな事案があり,中には威圧的な行為をする者もおり,対応が難しいのはわかります。しかし,大津市の件では,これまでなかなか明らかにならなかった因果関係がはっきりしました。学校や教育委員会は,悪質ないじめは自殺につながる危険性があることを十分認識した上で,因果関係をはっきりさせるということを前提とした,解決に向けた流れがつくれるよう,対応を変えていく必要があると考えます。 また,毅然とした対応をしていく必要がある中で,重ねてになりますが,専門性の高い問題や保護者等の理不尽な対応への対応に苦慮してる現状を踏まえますと,スクールロイヤー制度や弁護士のさらなる活用も必要だと考えます。 いじめに対して,今後,どう取り組んでいくのか,教育長にお尋ねします。 最後に,寛容で住みやすい社会について質問いたします。 最近,全国の小学校で,老朽化や学校建て直しなどに伴い,二宮金次郎像が撤去されたり,座って本を読む二宮金次郎像に姿を変えているとのニュースを耳にしました。この背景には,薪を背負いながら本を読む姿が,歩きスマホや児童労働を連想させるとの一部の声への配慮があるとのことです。 また,日本の年越しを象徴する除夜の鐘が,近隣住民からうるさいと苦情を受けて,自粛する例もあるとのことです。また,待機児童の解消のために,保育所整備をしようとしても,子供の声がうるさい,車が多くなって危険だということで反対し,整備ができない事例もありました。 今回,質問で取り上げた幼児・児童虐待や,いじめ問題,またあおり運転,ユーチューブ配信の不適切動画,匿名性の高いネットたたき,モンスターペアレント,カスタマーハラスメント,クレーマーなど,こうした話を耳にすると,日本社会が寛容さを失い,どんどんゆがんでいってるのではないかと,大変心配になります。確かに,歩きスマホや児童労働は問題ですが,ある意味では,度を超した意見に社会全体が過剰反応することや少数の人が大きい声を出して発言したら,あたかもみんなが言ってるかのようになる状況,さらには,それに対応する制度やマニュアルができることにより,書類がふえ,仕組みが複雑化し,仕事などがやりにくくなる,それによって,さらに仕事の量やストレスがふえ,そのツケによって,寛容さがなくなることにつながるのだと思います。 聖徳太子が十七条憲法の中で記した「和を以て貴しとなす」という言葉があるように,日本人は,古くから調和を大切にしてきました。社会は,さまざまな人により構成され,いろいろな意見がぶつかり合い,それが一致することはなかなかありません。だからこそ,その差を埋める寛容さが大事だったのではないでしょうか。 そこで,知事は,日本人の持つ寛容さについて,どのような考えをお持ちでしょうか。 寛容さを失うことで,社会は柔軟性を失い,ぎすぎすした社会になっていると私は感じます。こういった現在の世の中の流れを変え,寛容で住みやすい社会を築くことができれば,知事の目指す,全ての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」が,本当の意味で実現するのではないかと考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。 以上でございます。どうもありがとうございました。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の小倉議員の質問にお答えいたします。 まず,治水対策についての御質問であります。 補助公共事業予算のうち,確保に向けた取り組み等についてでありますが,これまでも,国に対し,市町村等と連携しながら,本県の実情や事業の必要性等を訴え,公共事業予算の確保,配分を強く要望してきたところであります。 来年度の当初予算については,現時点で,本県への配分は明らかになっておりませんが,このたびの災害も踏まえ,必要な事業を着実に進められるよう,さらなる国費の獲得に全力で取り組んでまいりたいと存じます。 次に,ダムのうち,事前放流についてでありますが,事前放流は,ダムの洪水調節容量を確保する上で,有効な手段の一つと考えており,台風前など,大きな出水が予想される場合には,土木部所管の全12ダムと,農林水産部所管のうち4ダムにおいて,既に利水者の協力により,事前放流を行っているところであります。 今後は,事前放流を行っていないダムについても,管理者や利水者に対して,事前放流への協力要請を行い,ダム下流地域の安全確保に努めてまいりたいと存じます。 次に,治水利用についてでありますが,水道用や農業用に確保しているダムの利水容量の一部を治水目的に転用することは,洪水調節を行う上で一定の効果があると考えております。先般,国の「異常豪雨の頻発化に備えたダムの洪水調節機能に関する検討会」においても,利水容量の治水活用による洪水調節機能の強化について提言されたところであり,今後,ダムの利水容量の治水面での有効活用について,関係者の意見もお聞きしながら,検討してまいりたいと存じます。 次に,児童虐待への対応についての御質問であります。 今後の対応についてでありますが,県では,緊急性やリスクの高い家庭が他県に転居した場合の引き継ぎの徹底や,新たに警察と提携した協定に基づき,子供の確実な安全確認などに取り組んできたところであり,また県民に対し,警察への通報の必要性についても啓発に努めているところであります。 今後,児童相談所児童福祉司等の増員や人材育成,市町村の対応力強化を図るとともに,警察とも連携し,通告・通報の啓発に努め,子供の命と権利を守ることを最優先にした対応を徹底してまいりたいと存じます。 最後に,寛容で住みやすい社会についての御質問でありますが,現代社会においては,情報化の進展や価値観の多様化など,人間関係を取り巻く環境が複雑化する中で,他者を思いやる気持ちや,他者の考えを理解しようとする心のゆとりを持ちづらくなっている状況があり,お話のような指摘がなされているものと認識しております。謙虚な心で他者を尊重し,理解し,また共感することができれば,よりスムーズな人間関係が生まれ,社会も一層明るく,はつらつとしたものになると思っており,一人一人がこうした意識を持つことが,私が目指す「生き活き岡山」の実現につながると考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長中谷祐貴子君)  お答えいたします。 まず,抗インフルエンザウイルス薬の備蓄についての御質問であります。 購入実績等についてでありますが,51万4,800人分を購入しており,そのうち有効に活用したのは,平成21年の新型インフルエンザ発生時に,職員の予防投与のために213人分,平成23年の東日本大震災発生時に,派遣職員の予防投与や被災地での使用分として840人分,合計1,053人分であります。 次に,仕組みの見直し等についてでありますが,抗インフルエンザウイルス薬については,国の行動計画等に基づき備蓄をしており,仕組みを見直すには,国における検討が必要であると考えております。お話のような有効活用は,県としても課題と考えており,国に働きかけるとともに,全国衛生部長会等の場でも議論をしてまいりたいと存じます。 次に,児童虐待への対応についての御質問であります。 現状のうち,児童相談所についてでありますが,県の児童相談所が虐待と判断した事案については,リスクや支援の必要性,家庭の状況に応じて,自宅への訪問や児童相談所への来所により,定期的に面接を行うほか,関係機関による状況確認など,適切に対応しているところであります。また,継続支援している中で,自宅を訪問しても面会を拒否されるなど,子供の安否が確認できない場合には,警察と情報を共有し,直ちに立入調査を行うこととしております。 さらに,法的な知見を踏まえた対応が必要となる場合には,児童相談所に配置している弁護士の助言を得て,より強制力を伴う捜索等の対応を行うこととしております。 次に,他県から引き継ぐケース等についてでありますが,今年度は,1月末までで,他県から移管されたケースが6件,他県へ移管したケースが16件となっております。緊急性やリスクが高いケースについては,全て対面による引き継ぎを実施しており,双方の児童相談所が連携を図り,必要な支援が途切れることがないよう,適切に対応しているところであります。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  農林水産部長伊藤敦哉君。   〔 農林水産部長 伊藤敦哉君 登壇 〕 ◎農林水産部長伊藤敦哉君)  お答えいたします。 治水対策についての御質問であります。 補助公共事業予算のうち,確保状況についてでありますが,平成30年度当初予算における農林水産部関係補助公共事業予算額約136億円に対して,11月補正後の予算額は約113億円となっており,当初予算比では,約83%であります。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  土木部長樋之津和宏君。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  お答えいたします。 確保状況についてでありますが,平成30年度当初予算における土木部関係の補助公共事業予算額約211億円に対して,11月補正後の予算額は約154億円となっており,当初予算比では,約73%であります。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 まず,児童虐待への対応についての御質問であります。 現状のうち,学校現場についてでありますが,威圧的で過度の要求をする保護者に対しては,必ず複数の教員で対応し,要求に対しては即答せず,十分検討する時間を確保することや暴力的な保護者であれば,事前の警察への相談等を踏まえ,毅然とした対応を行うよう,学校を指導しているところです。 また,虐待が疑われる長期欠席の児童生徒への対応については,児童相談所等と密接に連携を図り,定期的に家庭訪問を行うとともに,児童生徒の安全が確認できない場合は,警察との相互連携制度に基づき,警察に相談するよう指導しているところであります。 次に,スクールロイヤー制度等の活用についてでありますが,県教委では,岡山弁護士会と連携し,保護者等の過度な要求等への対応に苦慮している学校が,弁護士から電話や面談で随時助言を受けられる仕組みをつくっております。今年度は,2月末現在で,29件の相談に対応しており,学校からは,「弁護士の助言により,自信を持って対応できた」等の声を聞いております。 今後も,本事業をしっかり周知し,活用の促進を図るとともに,これまでの相談事例を踏まえて昨年度改訂した,不当な要求等への対応マニュアルに基づき,学校が毅然とした対応ができるよう,指導してまいりたいと存じます。 最後に,いじめ問題についてでありますが,県教委では,いじめが発生した場合には,まずは各学校において,適切に調査を行うこととしており,被害児童生徒及び保護者の思いに寄り添いながら,事実関係を明らかにして,事案の再発防止に取り組んでいくことが重要と考えております。その際,必要に応じて,弁護士等への相談を行っているところであり,さらに,重大事態については,弁護士等の第三者で組織するいじめ問題対策専門委員会が調査にかかわることで,公平性・中立性を確保した,客観的な事実認定が行えるようにしております。 引き続き,弁護士等の協力も得ながら,いじめの未然防止や早期発見,確実な解消にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  27番。   〔 27番 小倉弘行君 登壇 〕 ◆27番(小倉弘行君)  御答弁ありがとうございました。 まずは,補助公共事業予算についてですが,それぞれ83%,73%で,やはり当初の予定よりは大分削減された形での補正予算ということで,全体的にそういった予算が削られた中でのとり合いだとは思うんですけれども,全体的な枠をつくられて,スクラムを組んでいただいて,地元の国会議員等も声をかけていただきながら,他県に負けないようぜひともなるべく多くの予算を獲得していただければと思います。これは,要望とさせていただきます。 児童虐待についてですが,これはいろいろと県の対応をお聞きしたんですが,他県も多分同じくそういうような状況で,それぞれきっちりとケース・バイ・ケースに応じて対応しているという回答になると思うんですが,それでもこういった事件が起きるということは,すき間がある,もしくは,とりあえずこうやるんだよというルールはあるんですけれども,それをさらに上からチェックするようなダブルチェック機能みたいなものがないのかなと思います。実際に,千葉の事件でも学校を転校したから学校との連携ができなかったからなのか,長期欠席であったにもかかわらず行ってない。ですけれど,多分,役所のルールとしては,行くようになってるはずです。 ですから,多分,岡山県の今の担当者の方々に言わせると,何でこんな事件が起きたのかというのは不思議だと思うんですが,実際,現場に行ってみると,100あるそういった案件のうちの1つがそうなったら一大事なわけですから,一つも漏らさないようにしていくためのシステムを再度見直していただければと思うんですが,チェック機能ということについてはどう考えられているか。 また,例えば大変な威圧的な対応をする親などについては,逆にそういった人こそ虐待をしやすいという目で,要注意をする。幾ら口で言われても,逆にそれで余計注意をしないといけない感じになると思うんですが,その点の現場の反応とかがわかれば,教えていただきたいと思います。 あと,啓発についてなんですが,千葉県の事象でいいますと,実は亡くなる数日前から,「殺してやる」とか「助けて」とかという声を近所の人が聞いていると。にもかかわらず,通報がゼロです。沖縄に住んでたときも,そういった声を聞いてるにもかかわらず,通報ゼロです。これが,啓発をしているとはいっても,結局は自分のことじゃないと思って,これ児童福祉法では,児相に通告する義務が全員にあるわけです。義務があるんです。しないといけないんです。そういったことがわからない。やったほうがいいとか,そういう問題ではなくて,やらないといけないということを,特に緊急性が高ければ,やっぱり警察に通報したほうがいいと思いますし,そういったことをもう少し何か方法を考えて,さらなる啓発を私はお願いしたいと思います。 特に今,ネットでこういった義務があるんですよということをもっと大々的に知らしめるような方法論を考えていただきたいと思います。あわせて再質問として,知事にお願いします。 あと,スクールロイヤー制度というか,電話相談が弁護士にできるということで,29件あると言われましたけれども,実際に現場で対応しているうちの何分の1かじゃないのかなと思うんです。学校は警察や弁護士は入れない,教育力で子供を指導するのがいいんだという教師の心意気はわかるんですけれども,やはりそういった,相手が大変嫌なことをするような人はいっぱいいるんです。今のクレーマーとかカスタマーハラスメントも,相手が嫌がることをわかってやるんですよね。そうやって,嫌なところをついてやるので,相談があったら対応するんじゃなくて,もっとシステム的に,常に連携がとれるような体制整備をしていただければと思います。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  児童虐待について,啓発をするべきではないか,児童相談所への通告に限らず警察へも通報する,これは先ほどの,やったほうがいいということじゃなくて,これはもう義務なんだということを,もっと皆さんにお知らせすべきじゃないかということでございます。 答弁いたしましたように,既にいろいろな取り組みを始めていますけれども,我々が伝えていると思っていることが必ずしも皆さんに伝わっているとは限らないのは,確かによくあることでございます。今回の象徴的な2件の事案を通じて,そういった非常にかわいそうで危険な立場にいる子供たちを守るためには,国もしくは地域の機関だけでなく,近隣の住民も協力をしなければ,なかなか守り切れるものではないとの意識は高まっていると思います。我々としても,その意識が高まっている時期を捉えて,今後,積極的に広報してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕
    保健福祉部長中谷祐貴子君)  再質問にお答えいたします。 児童虐待への対応に関してのダブルチェック機能についての御質問でございます。 当然,児童虐待への対応に関しましては,児童相談所だけでなく,市町村や学校,関係機関の警察であるとか弁護士等々も連携をする必要がございます。県では,要保護児童対策協議会がございますし,また市町村でも,そうした協議会がございます。その協議会には,そうした関係機関が全て入っているのに加え,県の担当課も入ってございますし,県でいえば,県民局なども入ってございます。あと保健所や医療機関といった関係者が入っておりまして,それを定期的に開き,各ケースにつきまして,対応状況について確認をすることもさせていただいておりますし,緊急な事案が生じた場合には,臨時でそうした会議を開いて,関係者が情報共有し,対応を検討させていただいております。 次に,現場の対応でございますけれども,各児童福祉司や,岡山県の場合は緊急子ども援助隊ということで,保健師と児童福祉司がチームを組んで対応するという形をさせていただいております。また,各職員それぞれの資質向上が必要ですので,指針を作成して,基礎,経験の年数に応じた研修を計画的に,取り組みをさせていただいているところでございます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えをいたします。 過度な要求に対して,システム的に常に連携がとれるようにしてはどうかとのお尋ねでございますけれども,先ほどのような弁護士対応のシステムをつくったのもその一環でございます。それから,県教委としても,その弁護士対応の中で,どういう事案があったときにどうやっていくのがいいのかこれまでのいろんな対応を次々と蓄積をしてきており,先ほど答弁の中でもお答えをいたしましたけれども,対応のマニュアルをつくっております。この場合にはこうするというものを,新しく加え,更新もしながら,学校へ指導もしているところでございます。 引き続き,こういった取り組みを課せながら,どこの学校においても同様の対応ができるような仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  以上で小倉君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 7番福島恭子君。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  皆さん,おはようございます。 議場にお越しの皆様,インターネット,oniビジョンをごらんの皆様,いつもありがとうございます。 県議会議員として,4年間の任期の終わりが近づき,きょうは,今期最後の質問となりました。任期中,全ての議会において質問させていただけたことに感謝し,登壇させていただきます。 一部,所属委員会に抵触する部分もございますが,ほかの部局との関連等もあるため,お許しください。 26年後の岡山県の人口は,およそ30万人減少の約162万人になるという推計を,「国立社会保障・人口問題研究所」が昨年まとめました。人口減少について,国はもう30年以上取り組んではいるものの,改善の傾向は見られません。 男性の4人に1人,女性の7人に1人が結婚しない未婚社会となり,結婚が全てではないという考えや,子供は欲しくないという考えの方もおられますし,官製婚活には,ハラスメントや,結婚の圧力に対する懸念があるともいいます。 県は,少子化対策として,平成27年に,「おかやま出会い・結婚サポートセンター」を岡山市に設置し,平成29年5月から,「おかやま縁むすびネット」の運用を開始,平成30年8月には津山市,ことし1月には倉敷市に,順次,サポートセンターを開設しました。現在,登録者数は約2,200人で,これまでのお引き合わせ成立数は約1,500組,そのうち,御結婚を決めたカップルは30組とお聞きしています。 生き活き指標では,センターがかかわった成婚数を120組としていますが,知事は,31年度の知事査定で,おかやま縁むすびネットのスタッフを充実させ,さらに多くの方に出会いの場を提供することとしておられます。 今後のセンターの取り組み方針について,教えてください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の福島議員の質問にお答えいたします。 おかやま出会い・結婚サポートセンターについての御質問でありますが,岡山センターの利用が好調なため,来年度から,スタッフを増員し,登録・閲覧環境を充実することとしております。また,登録者や引き合わせの増加に伴い,引き合わせに立ち会う「結びすと」の確保育成に努めるとともに,多様な出会いの機会の提供に向けて,縁むすびネットのイベントシステムの活用を,ホテルなどの民間事業者に働きかけ,出会いイベントを県内各地で開催していただくなど,一人でも多くの結婚の希望がかなうよう,環境の整備に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございます。 この事業は,知事の気合いを感じるんですね。この数の結果とかに関しては,知事は今,率直にどうお思いですか。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  このセンターのこれまでの結果について,どう思うかということでありますけれども,もともとの計画と比べて,なかなか順調に進んでいるのではないかと考えているところでございます。皆様方の協力に感謝をしたいと考えております。 ただ,これは,今こうやって100組カップルができた,もう既に何組も結婚まで進んだとしても,今生まれてくる子供が,毎年1万6,000人を切るぐらいの水準であり,今の高校生でいえば,1万8,000人ぐらいであります。もともと計画した時点で,本当は2,000人,3,000人戻したいと思っているときに,20組だ100組だというのは,ちょっと桁の違う話であります。もともとこの仕組み,愛媛県でうまくいった仕組みを,ある種そのままいただいているわけであります。「結びすと」,つまり,ただシステムに頼るだけでなくて,人も介してサポートする,これは今一番うまくいっていると言われている方式ですから,それ自体はいいんですけれども,我々は,そういったセンターをつくることによって機運の醸成を図り,よくこれが民業圧迫なんじゃないかという議論もありましたけれども,むしろそういった民間で事業をされている方々の事業環境をよくし,もしくは,ハラスメントになることは厳に気をつけなければいけないんですけれども,近所の以前いらっしゃったお見合いおじさん・おばさんをさらに復活させて,いい人がいれば結婚したいと思ってるという方には,いろんなところから声がかかるようにする社会にしていきたい,雰囲気をつくっていきたい,そういう意味で,大変いい一歩が踏み出せていると考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  知事のおっしゃるとおりだと思います。私も,年間の岡山県の婚姻数を出してみると,約9,000組ぐらいあるそうで,例えばそれと比べてどうなのかとか,120組という目標がどういうマーケティングで数が出てきたのかを考えたときに,恐らく,こうだからこうですとの数式はないと思ったんですよね。ですから,知事がおっしゃるように,岡山県全体として機運を高めていこうという中で,こういう事業が生まれてきたんだろうなと本当に感じております。 ただ,予算がここには結構かかっていると思っておりますので,より岡山県の皆さんが,例えばハラスメントに気をつけながらというのもありますけれども,隣近所の人に声をかけて,こういう子がいるんだけれどみたいな話,そういう機運を盛り上げていくための手段は本当にいろいろあると思うので,しっかり考えていただきたいです。ただ私が思うのは,「私は絶対に結婚させる自信がある」と言われてる1,000組のお見合い仲人をしてこられた超ベテランの方が,言われてたインタビューでは,なぜならというと,「絶対に結婚したいというカップルしか引き合わせないから」だそうです。そういったこともありますし,「結びすと」のコーディネート力といいますかフォロー力というのを,すごく私は重要視されるべきではないかと思うんですけれど,そのあたり最後聞かせてください。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  最初のほうの,雰囲気づくりが大事であって,本当の目標と比べて,今自分たちがやっているものをきちんと相対的に位置づけて,目標に向かってきちんとした努力をするのは,本当にそのとおりであります。私自身,おかやま出会い・結婚サポートセンターがフル活動したとしても,岡山県の少子化問題を解決するにはかなり力不足だということを重々承知でこれを始めた一つの理由は,何年前からそうなのか知りませんけれども,日本は,役所がこっちの方向に向かうといって動き始めたときに,随分世の中の雰囲気を変えることが多々あったということであります。 そもそも日本の場合,戦後,このまま行くと,こんなに子供の数が多いようでは貧困から抜け出せなくなるということで,産む子供の数がもう少し少ないほうがいいですよねということを法律など制定したと聞いてまして,いろんなことで官民キャンペーン,漫画でいろんなことを紹介したり,ポスターをつくったりとかを,戦後,昭和20何年にやったのが,物すごく劇的に効いて,すとんと出生数が落ちたので,落ちる前のところを団塊の世代と呼べるほど,くっきり区別されるようになった。実際,第2次世界大戦後に平和になったということで,出生数は世界中でふえたわけであります。かなりの塊で,5年といわず10年ぐらい出生数がふえた年代が,ほとんどの国で続いたわけですけれども,日本は,もう何か刃物ですぱっと切ったようにすとんと落ちたのは,政府の働きかけが大変効いたという大抵解説が出ているわけでありまして,ぜひ社会のトーンを変えるために,我々,汗をかいていきたいと思っております。 コーディネーター,これは本当に大事だと思っております。私は以前,フランスでアパート探しをしているときに,ある不動産屋さんに行って,死ぬほど案件を見せてもらって,10軒以上見てるうちに何が何だかわからなくなって,これはこっちがいいし,眺めはこれがいいし,その5つぐらいの中から選べないような状態に陥って,別の不動産屋さんにちょっと一旦リセットに行きました。そこの不動産屋さんが,同じような哲学をお持ちで,いろいろ見せるとわけわからなくなるので,ちょっとしっかり話をさせてくださいと話をして,ということは,これかこれですねと,どんと非常にいいものを見せてもらい,私はそのうちの一つに決めたわけです。人間,余り20のうちからちゃんと選ぶということが得意でないらしいと。その人のことをよく聞いた上で,2つか3つの選択肢をお示しするのが,結果的に満足度も高いコーディネーションになるのは,行動経済学でも最近いろんな実験で示されてることであります。そういった知見も含めて,いろいろな段取りをするのは大事なのかなと思っております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ御移動願います。 7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございます。 民間信用調査会社によると,人手不足を背景にした国内企業の倒産件数は,平成30年に,調査開始以来最多となっています。人手不足が日本企業の存続を脅かしてる中,政府は,外国人労働者の受け入れを拡大する方針へとかじを切りました。 さまざまな場面で,外国人労働者を見る機会があります。それ自体を悪いこととは全く思いませんが,以前から議会で質問させていただいてるように,生活保護費の問題や高額医療の問題,また最近では,感染症の対策についても取り沙汰されています。 厚労省は,国民健康保険への加入後,出産育児一時金の不支給件数及び不支給の理由等を今年度初めて調査し,公表しましたが,岡山県における出産育児一時金の不支給の有無,また外国人の高額医療費等の実態はどうでしょうか。 別の調査では,外国人が世帯主の生活保護受給世帯は,平成28年度に,月平均で4万7,058世帯に上り,過去最多に達したと見られております。岡山県での状況はいかがでしょうか,あわせて保健福祉部長にお伺いします。 一方で,人手不足は,国と同様に,本県でも顕在化してきており,さまざまな場面で外国人労働者の活躍が期待されています。ぜひともその能力を発揮していただきたいと思いますが,本県における外国人労働者の受け入れ体制について,知事のお考えをお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 外国人についての御質問であります。 労働者の受け入れ体制についてでありますが,今後,本県においても,外国人労働者のさらなる増加が見込まれることから,先般,情報共有を図るため,関係部局による庁内連絡会議を設置したところであり,また県内企業に対して,受け入れに関するセミナーの開催や,適切な情報提供等に努めることとしており,こうした取り組みにより,適正で円滑な受け入れを進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長中谷祐貴子君)  お答えいたします。 外国人についての御質問であります。 国民健康保険の実態等についてでありますが,国が行った平成29年度国民健康保険事業の実施状況報告において,在留資格を有する外国人の出産育児一時金については,本県では,申請があったものの不支給となった事案はなく,また高額療養費については,年間約165億円のうち,在留外国人は約1億円となっております。 生活保護世帯については,在留外国人が世帯主の受給世帯数は,本県では,平成29年度の月平均で396世帯であります。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  御答弁ありがとうございます。 先日から,皆さんがこのことについていろいろと質問されてると思うんですが,今のような,なし崩し的にという感覚では,労働人口が足りないから外国人に日本に来て働いて住んでもらって,こっちに都合のいいことばかりのような感じもするんです。入国する外国人の方にも,状況や事情など思いもあると思うので,お互いがウイン・ウインの関係にならないといけないと思います。 そのためには,ルールづくりを国にしっかりやってもらわないといけないと思うので,このあたりについて,知事の御感想をお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  なし崩し的にやるのではなくて,しっかりルールづくりをするべきではないかというお話でありますけれど,全くそのとおりだと思います。 化学変化でも,可逆的変化,不可逆的変化というものがありまして,例えば旅行者のように,もともとビザで何週間と決まって来ていただいて,それで帰っていただいて,なかなかちょっとここと相性が悪いなという場合には,ビザの要件を厳格化するとか,いろいろやり方はあるんです。こういう形で労働者として入ってきて長く住んでいただくことになりますということになると,何かこれはちょっとやり方がうまくいかなかったと思っても,もとに戻すことができないケースがより多く出てくるわけでありまして,一番最初の形,岡山弁でいううったてというものは大事であると思っているところでございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移ります。 7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございました。 生活保護に至る前のセーフティーネットとして,平成27年4月から始まった生活困窮者自立支援制度ですが,必須事業として,「自立相談支援」と「住居確保給付金」の2事業があり,任意事業としては,「就労準備支援」,「一時生活支援」,「家計改善支援」,「子供の学習支援」の4事業があり,必須の2事業は,全市町村で実施できていますが,現在,岡山市,倉敷市以外の16市町村と,県が主体の9町では,任意事業がほぼ実施できていないと伺っています。 間もなく制度開始から丸4年がたつ事業として,効果の検証が必要と考えますが,今後の取り組みを含め,お考えをお伺いします。 また,生活保護の約半数が高齢者世帯という実態がありますが,保護世帯をふやさないために,県としては,具体的にどのような対策を行っているのでしょうか。市町村を含めて,財政負担の増加も危惧されますが,あわせて保健福祉部長にお伺いします。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 生活困窮者自立支援についての御質問であります。 効果の検証等についてでありますが,新規の相談支援件数は着実に増加し,制度開始以降,全県で9,000件を超えているところであります。生活困窮者の自立に向けては,個々に応じた継続的な支援が必要と考えており,引き続き,対象者の生活状況などを見きわめながら,効果的な支援に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長中谷祐貴子君)  お答えいたします。 生活困窮者自立支援についての御質問であります。 生活保護についてでありますが,生活困窮者など,保護に至る前の段階における自立相談支援の取り組みが重要であることから,研修会等を通じて,福祉担当職員の資質向上を図っております。 県内の保護費の動向は,ここ数年,ほぼ横ばいでありますが,生活保護制度は,最低限度の生活を保障する,最後のセーフティーネットの役割を果たすものであることから,法令に沿った適切な制度の運用に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移ります。 7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございました。 続いて,岡山県精神保健福祉センターは,自殺対策推進センターと岡山県ひきこもり地域支援センター,依存症相談拠点も併設し,精神保健及び精神障害者の福祉に関し,知識の普及を図り,調査研究を行い,並びに相談及び指導を行う施設で,総合的技術センターとして,地域精神保健福祉活動推進の中核となる機能を担うものです。その目標とするところは,地域住民の精神的健康の保持・向上,精神障害その他の適応障害の予防から社会復帰の促進・自立と,社会経済活動へ参加促進のための援助に至るまで,広範囲にわたっています。 平成28年3月に現地に移転開所後,丸3年を迎えますが,開所以降の重点的に取り組んでいる活動状況についてお伺いします。 80歳代の親と50歳代の単身無職の子が同居する世帯に着目した社会問題,「8050問題」について,以前お聞きしました。岡山県では,40歳以上のひきこもりの方は約4,000人との推計とのことですが,実態は,もっと多いのではと言われています。 それらの問題に対応するためにも,岡山県ひきこもり地域支援センターの取り組みは重要ですが,現在の相談状況及び対応状況についてお伺いします。 厚労省は,統合失調症などによる精神科への長期入院患者を,2020年度末までに,全国で3万9,000人減らす目標を決めました。報道によると,全国の医療機関で,精神科への長期入院患者は28万9,000人で,OECD加盟国平均の4倍となっています。少人数で生活するグループホームなどを整備し,地域社会で暮らせる人をふやす方針とのことですが,以前にも,減らす目標が掲げられていながら,達成できていません。 岡山県の目標値はあるのでしょうか。また,今後,どのように進めていくのでしょうか。県の現状とあわせてお答えください。 また,精神科病院で身体拘束や隔離を受けたとされる患者が,年々増加しております。平成29年度,全国で拘束を受けた入院患者は,1万2,000人強に上り,6割は高齢者であることが,厚労省の年次調査でわかっております。このようなことが,よい結果を生むはずもなく,精神疾患を発症された方は,早期発見,早期治療など,適切なケアが求められています。 その中で,これまでセンターの果たしてきた役割はいかがでしょうか。 続いて,自殺対策推進センターについてお伺いします。 報道によると,日本の年間の自殺率は,OECD平均の10万人当たり12.4人と比べて,20.9人と高く,「要注意」とOECDより警告を受けました。以前はもっと高く,2000年の自殺率は世界2位,また未遂者は10倍いるとも言われています。 現在の人手不足では考えられませんが,平成21年から24年ころには,就自殺と呼ばれる,就失敗を原因とする20代の自殺者が多く,今でも,10代後半から30代の死因の1位と,40代の死因2位は,自殺です。 成人男女のうち,「自殺したいと思ったことがある」人が23.6%に上ることが,平成28年,厚労省の自殺対策に関する意識調査でわかりました。調査結果を見ると,行政などの自殺対策の認知度不足も課題と思われます。 政府は,自殺死亡率を10年間で30%以上減らすとの目標を掲げ,また各地域で起きている自殺の特性に関する情報を分析して提供することや,若者に効果がある会員制交流サイトでの相談事業を展開するための研究を進めることとしました。 そこで,質問します。 県は,平成28年3月に,第2次岡山県自殺対策基本計画を策定しましたが,岡山県の自殺者数は,平成29年,264人と伺いました。26年に全国で2番目に少なかった数値は,目標とした全国一少ない県になったのでしょうか。 いのちの電話やセンターでの相談件数の推移など,本県の実態をお伺いします。 また,国は,今後の10年間で,自殺死亡率を30%以上減らすとしていますが,そのための県の施策について,具体的にどのような対策をお考えでしょうか。 以上,保健福祉部長にお伺いします。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長中谷祐貴子君)  お答えいたします。 精神保健福祉対策についての御質問であります。 まず,精神保健福祉センターの重点的な取り組みについてでありますが,精神保健の専門機関として,市町村等だけでは対応困難な,未治療・治療中断者などに対応するため,全国に先駆け,医師や保健師,精神保健福祉士などの多職種で構成するチームによるアウトリーチ支援を重点的に取り組んできたところであります。 次に,ひきこもり地域支援センターについてでありますが,昨年度のひきこもりの相談件数は,延べ464件となっております。相談内容は,仕事をしない,家族と会話をしない,暴力を振るうなどとなっており,まずは臨床心理士などの専門職が,家族との面接や電話相談を行い,必要に応じてアウトリーチ支援につなぐなどの対応を行っているところであります。 次に,精神疾患のうち,長期入院患者についてでありますが,1年以上の長期入院患者数は,平成29年6月末時点で2,470人であり,第5期県障害福祉計画では,平成32年度末までに2,229人とする目標を掲げているところであります。 引き続き,県計画に基づき,市町村や精神科病院,相談支援事業所,ピアサポーター等との連携強化など,退院環境の整備等を進め,長期入院患者の地域移行を促進してまいりたいと存じます。 次に,精神保健福祉センターの役割についてでありますが,精神疾患の重症化を防ぐためには,疑いのある段階から,早期に相談ができ,適切な治療につなげることが重要であると考えております。このため,センターでは,心の不調を訴える方が気軽に相談できるよう,心の相談窓口を設置し,精神保健福祉士や保健師などの専門職が対応し,必要に応じて,精神科医師による相談や診察を行っているところであります。 次に,自殺のうち,本県の実態についてでありますが,平成29年の人口10万人当たりの自殺死亡率は14.0であり,全国一低い死亡率となったところであります。 また,過去5年間のいのちの電話への相談件数は,1万9,000件前後でほぼ横ばいであり,自殺対策推進センターへの相談件数は,200件から400件の間で推移しております。 次に,今後の対策についてでありますが,自殺は,複数の要因が重なることで起きると言われており,要因には,いじめや過労,健康問題などがあり,世代別の実態を踏まえた対策が求められております。そのため,県では,若年者に対する出前講座の実施と相談体制の充実,中高年層に対しては,職場でのメンタルヘルスの促進,高齢者層の孤立防止に向けた愛育委員,民生委員等による声かけ活動等に,積極的に取り組んでいるところであります。 今後とも,市町村や関係団体と連携を図りながら,自殺死亡率の減少に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  御答弁ありがとうございました。 ひきこもりについて,もうちょっと詳しくお聞きしたいんですけれども,アウトリーチ支援を今一生懸命されてるということですが,相談件数はどういう状況,もしくは,就職ができましたという件数はわかりますでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長中谷祐貴子君)  ひきこもりの相談件数についてのお尋ねですが,昨年度の相談件数は,延べで464件となっており,相談対象となるひきこもりの方は,114名となっております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございます。 全体的になんですけれど,こういったことの成果というのはなかなか示しにくいでしょうし,こちらとしても,一体何が成果なのかなというのはあると思うんですけれども,ある程度,成果みたいなものがあるとするならば,部長にお話しをしていただけたらと思います。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長中谷祐貴子君)  ひきこもりの対応に対する成果についてのお尋ねですが,手元の資料では,実際にどのような対応を行っているかという現状についてのものしかございませんので,今直ちに数字をお答えすることは難しいです。基本的には,ひきこもりの方には家族の方と面談や面接をさせていただいて,原因に医療的な支援が必要な場合には,アウトリーチのチームが行って,治療につながれば,適切な支援につながったと考えてございます。重点的に取り組んでいる事業でございますので,今後,そういった成果なども検証しながら進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  自殺についてなんですけれども,今,世代別の対策ということですが,出前講座というのはどういったところに行かれるんでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長中谷祐貴子君)  自殺対策のうち,若年者層に対する出前講座についてのお尋ねですけれども,出前講座といたしましては,学校などにお伺いをしまして,児童生徒に対して,心の健康に関する御説明などをさせていただいているところでございます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  きょうは,議場に,うちの息子が来ております。お友達も来てます。小倉先生の息子さんも先ほど来られて,この後,河野先生の息子さんも来られるというように,きょうは10代の若者たちが議場に来られますけれども,やっぱり若者の死因の半数以上が自殺なんて,こんな嘆かわしいことはないと思っておりますので,これからしっかり対策をお願いしたいと思います。 警察では,交番や窓口による対面相談に加え,24時間対応する警察相談専用電話#9110を含め,多くの相談が寄せられており,平成29年度に208万2,239件で過去最多だったことが,警察庁のまとめでわかりました。 1989年から運用が開始された警察相談専用電話は,電話をかけた地域を管轄する警察本部の総合相談室などにつながり,緊急対応を必要としない相談には,内容に応じた助言や,専門の行政機関の紹介などを行っており,また御近所トラブルや家庭問題の相談であっても,事件に発展する可能性を含んだ相談は,直ちに警察の担当部署に引き継ぐことで,早期解決を図っておりますが,こうした警察相談は,増加傾向にあります。 一方で,実際に事件や事故に関連した110番通報の受理件数は,昨年1年間で約900万件ですが,そのうちの2割近くが,緊急対応を必要としない内容のため,警察相談専用電話の利用を促している実態もあるとのことです。 本県における警察相談専用電話#9110と110番通報の受理件数の状況を,警察本部長にお伺いします。 また,平成29年8月には,性犯罪被害に特化した#8103,ハートさん,性犯罪被害相談電話もスタートされました。24時間対応で,女性警察官が主に対応してくれるなど,被害者の方が相談しやすいものとなっています。 本県での相談件数をお伺いします。 また,解決に至った具体例などがございましたら,警察本部長にお伺いします。 #9110を初めとした警察相談専用電話には,日々,多くの相談が寄せられていると思いますが,その中には,警察以外の機関や団体が取り扱うべき内容も多いのではないでしょうか。本当に犯罪の被害に遭われた方や,不安を感じている方が,必要としたときに適正に対応してもらえるよう,専用電話の周知を図る取り組みが求められますが,警察本部長の御所見をお伺いします。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 警察本部長桐原弘毅君。   〔 警察本部長 桐原弘毅君 登壇 〕 ◎警察本部長(桐原弘毅君)  お答えいたします。 警察相談についてのうち,警察相談専用電話等についてであります。 平成30年中に県警察が受理した全ての相談件数は4万2,705件で,そのうち,相談専用電話である#9110の受理件数は872件,前年より147件増加しております。#9110での相談につきましては,電話対応した警察官が助言・指導するケースや,事件・事故や各種届け出等について,管轄警察署等を教示する場合もございます。 次に,110番通報についてでありますが,平成30年中は,17万9,076件の通報を受理しており,そのうち2万9,159件が,緊急を要しない要望,苦情,相談等の通報であったほか,いたずら等も2万4,489件ありました。緊急を要しない通報につきましては,#9110や管轄警察署の電話番号を案内するなどの対応を行っております。 次に,性犯罪被害相談電話についてであります。 性犯罪被害相談電話は,議員お話のとおり,平成29年8月に,捜査第一課に設置され,相談受理件数につきましては,平成30年は20件でありました。そのうち,解決に至った事例としましては,帰宅中の女性が岡山市内の路上で後方から男性に抱きつかれる被害に遭ったということの相談があり,その相談を端緒として捜査を行い,犯人を検挙したケースがございます。 最後に,専用電話の周知についてであります。 県警察では,各種相談窓口の周知を図るため,ホームページ,ミニ広報誌,県政広報等にそれぞれの電話番号を掲載したり,ラジオ等のメディアを活用するなどして,広報に努めているところであります。 県警察としましては,引き続き,県民から寄せられる各種相談に適切に対応できるように,#9110や性犯罪被害相談電話等の各種専用電話の周知に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移ります。 7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  御答弁ありがとうございました。 まだまだ周知が足りないというか,知らない方が多いかなという印象も否めないので,もう一度ここで,#9110もしくは#8103,ハートさんに,何かのときには御相談いただきたいと思います。 続きまして,来年度当初予算案では,豪雨対応を最優先に考えていただいたと感じています。私の地元での砂川決壊に関しまして,被災後すぐに,約3億円の事業費でしゅんせつと伐採,さらに決壊箇所を含め,約4億4,000万円の災害関連事業と,約140億円の河川激甚災害対策特別緊急事業が決定しました。 現在,地元説明会において,川幅拡幅などに伴う用地買収について説明が行われていますが,住みなれた家を離れ,移転していただくのは,お一人お一人ニーズが違うと思いますので,丁寧に対応していただきたいと思います。「やはり住みなれた地域がよい」,「子供を転校させたくない」という御希望も聞いています。数十戸の方がかかわるともお聞きしていますが,移転先として,近辺にある程度まとまったよい場所がない場合,岡山市に御協力をいただいて,農地制度を柔軟に運用し,移転先の確保も検討してはどうかと思います。 用地買収が進まなければ,改修工事のスピードも落ちます。住民のニーズに沿った速やかな事業実施が期待されますが,県の方針を教えてください。 特に今,気がかりなのは,山下橋から浮田橋までの区間のうち,堤防強化計画区間となっている地域です。住民からも多くの不安の声を聞いており,この区間について,少しでも早く事業の開始を求めたいと思いますので,これについて県の方針を教えてください。 堤防強化対策として,真備町の小田川では,倉敷市と国が連携して,堤防上部を広げ,アスファルト舗装で保護し,市道を拡幅することが決まりましたが,砂川においても同じように,岡山市と県が連携し,堤防上部を市道として整備してほしいとの要望があります。県として対応できないでしょうか,御所見をお伺いします。 また,伐採やしゅんせつを継続して行っていただかないことには,またこのような被害が繰り返すおそれもあります。今後の管理について,知事の考えをお示しください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 砂川についての御質問であります。 まず,用地買収についてでありますが,住民の方々にそれぞれ個別の事情があることは十分理解しており,引き続き,丁寧な説明を行い,御理解をいただきながら,事業をしっかりと進めてまいりたいと存じます。 また,お話の,移転先確保のための農地制度の柔軟な運用については,事業を円滑に進めるためにも,可能な範囲で実施していただけるよう,岡山市に協力を求めてまいりたいと考えております。 次に,堤防強化計画区間についてでありますが,本区間は,河川激甚災害対策特別緊急事業として国に認められなかったものの,決壊箇所に近く,地域のさらなる安全確保のためには,県事業として,浸透対策などの堤防強化を進める必要があると考えております。必要区間を全て整備するには,ある程度の期間が想定されますが,堤防の状況を十分確認した上で,緊急性の高い箇所については,激特事業の期間に合わせて実施してまいります。 今後,一日も早い完了を目指し,しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に,堤防上部の市道整備についてでありますが,堤防上部の道路については,河川工事により影響がある範囲は,河川管理者である県が,従前の道路機能を回復しますが,さらなる道路の整備については,道路管理者である岡山市が判断されるものと考えております。 次に,伐採等の継続についてでありますが,しゅんせつや樹木伐採は,河川の流下能力を確保するために重要であることから,これまでも,緊急性の高い箇所から実施してきたところであります。 引き続き,現在行っている緊急点検の結果や,来年度策定予定の河道内整備実施計画などを踏まえ,必要なしゅんせつや樹木伐採を継続して行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございます。 堤防強化区間も激特の時期に合わせてということなんですが,もうちょっと具体的にお願いします。激特のほうは,今年度を含めて6年間とのことで,いつぐらいに事業を開始していただけるのでしょうか。また堤防強化計画区間の工事については,いつぐらいにというのはわかりますでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  私とすれば,今すぐと言いたいところですけれども,できるだけ正確を期するために,部長から答弁させます。 ○議長(高橋戒隆君)  土木部長樋之津和宏君。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  再質問にお答えいたします。 堤防強化区間の整備,いつごろからするかというお尋ねでございます。 今まさに,この区間の細かい状況,詳細に設計しておりますので,これができ次第,その状況を地元の方にも説明した上で,できるだけ早く工事に着手できるように考えております。今現時点では,いつごろからというのは詳しく申し上げれない状況でございますけれども,いずれにしても,できるだけ早く着手して,先ほど知事答弁ありましたように,この激特事業の期間内に,緊急性の高い箇所については,しっかり整備できるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございました。 堤防強化計画区間の詳細設計等に入っているというのであれば,私はもうほぼスタートしてるぐらいの気持ちで期待しておりますので,よろしくお願いします。 知事,3番目の市道の整備ですけれども,岡山市が考えることとおっしゃられましたが,やっぱり堤防の整備自体は県がやることです。例えば細い堤防ができてしまったら,じゃあその上に道路をどうぞとはならないので,そのあたりを市としっかり話をしてもらいたいと思います。もちろん市の考え方がどうかも含めて,堤防強化に当たってお話ししていただけたらと思いますが,いかがでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  市道を拡幅してくれれば何かもっと安心感があるんだがということでありますけれども,県としましては,とにかく限りある資源をいかに合理的に配分をして,県民の命を守るかを考えており,その一環として,先ほど申し上げましたように,堤防強化区間は国に認められなかったけれども,県事業としてやるべきだということで,やっているわけであります。道路の拡幅については,安心感は多分出ると思いますけれども,安全性という点で,費用対効果がほかの事業と比べてそこまであるのか,我々自身,余り納得していないからこそ,事業として考えていないところであります。市のほうがやりたいということをとめるほどでもないですけれども,我々から働きかけるには,それ相応の費用対効果の分析が要るのかなと思っているところでございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございます。 例えば県の堤防がしっかりでき上がってしまったときに,岡山市が,これじゃあ道路の整備できないよねというような,どっちが早いかではなくて,この工事を予定しているので,市としてはどうお考えですかというような,そういうコミュニケーションをとっていただきたい。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  県が考えていることをいきなり発表することで,国や市など,関係するところがびっくりする段取りの悪さ,手戻しなどは防ぐべきではないかとのことでありますが,全くそのとおりだと思います。県だけで完結する仕事は,復旧・復興の仕事の中でほとんどないわけでありまして,できる限り,関係者とは連絡よく進めていきたいと考えております。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ願います。 7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ヌートリアは,半水生で,大河川が多く水路網が発達した地域,ため池が多い地域において定着しやすいため,これらの条件に一致する岡山県ではほぼ全域に生息しており,生息数は全国一と見られています。県では,昭和30年代からヌートリアの駆除が行われておりますが,その生息数は余り減少していないと感じます。 県が平成22年に策定した「ヌートリア被害対策マニュアル」では,2,000頭前後が毎年捕獲され,農作物等の被害額は,2,000万円前後で推移していると記載されていますが,近年の捕獲数や被害額,対策の状況について,農林水産部長にお伺いします。 また,海外では,ヌートリアが巣穴を掘ることによって,河川の堤防などが決壊した事例があります。今回決壊した砂川以外にも,沼川,秋芳川などの河川,ため池などで,ヌートリアの巣穴は数多く見られます。 今回の決壊原因ではないとは言い切れませんし,今後,決壊の原因にならないとも言い切れない以上,調査や駆除に,農林水産部だけでなく,土木部もかかわっていただきたいと考えますが,今後の取り組みについて,知事にお伺いします。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 ヌートリアについての御質問であります。 今後の取り組みについてでありますが,今回の砂川の決壊原因については,越水と浸透であると分析しておりますが,ヌートリアの巣穴は,堤体に空洞や陥没を生じさせることもあることから,堤防点検や河川巡視により,危険箇所を把握し,管理上支障がある場合には,必要な修繕等を行っているところであります。 今後とも,生息域や被害の状況把握に努め,市町村とも連携しながら,ヌートリア被害防止対策に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  農林水産部長伊藤敦哉君。   〔 農林水産部長 伊藤敦哉君 登壇 〕 ◎農林水産部長伊藤敦哉君)  お答えいたします。 近年の状況についてでありますが,捕獲数は,平成26年度から28年度にかけては,毎年3,000頭前後で推移しており,29年度は,狩猟免許に係る要件緩和が行われたことから,農業者みずからによる捕獲が拡大し,約4,000頭と,大きく増加しております。また,農作物被害額は,平成26年から28年にかけては,毎年約1,000万円,29年には約900万円となるなど,被害対策マニュアルの策定当時からは大きく減少しております。 県では,被害防止対策として,防護柵の設置や許可捕獲への助成に加え,今年度は,ヌートリア等小型獣の捕獲手順などを紹介した動画を作成したところであります。さらに,来年度は,地域へ専門家を派遣し,効果的で効率的な防護柵の設置や,捕獲技術の支援を行うなど,市町村と連携した取り組みを進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  ありがとうございました。 毎年,ヌートリアの捕獲数がふえているということを数字で言われたんですけれども,私の中では実はそういう印象が余りなかったので,ありがたいなと思います。有害鳥獣の捕獲奨励金というのを各市町村が設けてると思うんですが,これがヌートリアは2,000円で,イノシシとかは一番高いときで1万8,000円ぐらいもらえるものですから,こういったことも関係して,余り捕獲数自体が伸びてないかと思ってたんですけれど,伸びてるということで,それは本当よかったなと思います。 ただ,大学の教授や某国営放送などが,ヌートリアがどんどんふえてきて,土手の空洞が広がり大変危険であるというようなことをおっしゃってるんですけれども,そのエビデンスが今ないというような状況だと思うんです。国はどういう見解を示されているのか,もしくは全く示されてないのか,このあたりいかがでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 農林水産部長。   〔 農林水産部長 伊藤敦哉君 登壇 〕 ◎農林水産部長伊藤敦哉君)  再質問にお答えいたします。 まず,県内の生息状況でございますけれども,先ほどは,捕獲頭数と被害額をお答えさせていただいたんですけれども,議員御指摘のとおり,生息状況につきましては,実は平成29年度に民間に委託をしまして,集落アンケートをやっております。その結果によりますと,やはり生息状況自体は,県内全域にかなり拡大してきてるという状況でございますので,県としても,引き続き,取り組みを進めていかなければいけないと思っております。 それから,御質問の,堤防への影響等の科学的な知見,そういったものがないかということでございますが,今手元にはそういったものを持ち合わせておりませんけれども,土木部のほうでは,毎年,堤防等につきまして,先ほど知事が答弁いたしましたような形で,足守川初め県内の河川について点検を行っています。実際,足守川の堤防で,ヌートリアの巣穴が複数の箇所で確認されてるということもございますので,何らかの影響はやはりあるのだろうということで,必要に応じた対策を進められてるといった状況でございます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  7番。   〔 7番 福島恭子君 登壇 〕 ◆7番(福島恭子君)  御答弁本当にありがとうございました。 砂川に関しまして,備前県民局,それから河川課を初め,いろいろと一生懸命やってくださって,ありがたいと思っております。また,このヌートリアの件に関しましても,やはり調査というものをこれからしっかりやっていただいて,大丈夫ですよということがわかれば,皆さんの不安等は払拭されていくと思いますし,住民として気をつけていかないといけないこともあるかもしれませんので,こういったこともしっかりやっていただけたらと思います。どうぞ皆さん,よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○議長(高橋戒隆君)  以上で福島君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席へお戻りください。 この際,午後1時まで休憩いたします。        午前11時43分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時再開 ○議長(高橋戒隆君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 5番河野慶治君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  皆さん,こんにちは。 お昼から1番,質問をさせていただきます。 まず,質問に先立ちまして,先ほど情報をいただいたんですけれども,岡山自動車道有漢インターから北房ジャンクション間の4車線化の部分,これ以前,付加車線設置が決まったところでありますが,リダンダンシーの観点等からも,早急に4車線化を進めていくということで,3.3キロ区間が新たに候補箇所として選ばれたということで,伊原木知事を筆頭に,県議会議員連盟でもしっかり要望活動してまいりました。その成果が徐々にあらわれていて,完全4車線化になる日も近いんだろうなということで,引き続き頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは,質問をさせていただきます。 まずは,平成30年7月豪雨災害対応における職員の勤務状況について,時間外勤務状況についてお尋ねいたします。 平成30年7月豪雨災害以降,被災地の復旧・復興,被災者の生活再建,被災した中小企業への支援など,知事を筆頭に,本県職員が,早期の災害対応に全力で取り組んでおられ,被災された方々も大変心強いものと思います。 一方で,近年,地震や台風,豪雨災害等で被害を受けた地域では,その災害対応を担当される職員の時間外勤務が,「月100時間」または「2から6カ月にわたり月80時間」とされている過労死ラインを超えてしまうということが,問題点としてたびたび指摘されています。昨年の平成30年7月豪雨災害の対応では,発災直後の応急的な対応や,土木施設,農地等の災害復旧への対応,被災者の生活支援,中小企業の復興支援などなど,さまざまな災害対応業務に追われ,部署によっては,苛酷な勤務状況になっているのではないかと思います。 そこで,お尋ねします。 平成30年7月豪雨災害が発生した7月以降,各部署での時間外勤務状況はどのようになっているのか,心配です。過労死ラインを超えるような時間外勤務が顕著な部署と,その業務内容について,総務部長にお伺いします。 続いて,職員のメンタルヘルスについてお尋ねします。 時間外勤務が長期間化することは,発災直後の特異な状況下で業務に当たることなど,災害対応業務においては,平時とは異なる環境下で,さまざまなストレスを受けやすくなっています。各部署では,職員の心と体の健康状態に配慮しながら,業務の遂行に当たっておられると思いますが,平成30年7月豪雨災害以降,ストレスも蓄積されているであろう職員のメンタルヘルスは,どのような状態でしょうか。調査結果等も含めて,総務部長にお伺いします。 次に,対応についてお尋ねします。 県では,平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興ロードマップを策定し,県民の生活や経済活動の一日も早い回復に向けて,市町村や国,関係団体等と連携しながら,スピード感を持って全力で取り組んでいくこととしており,被災者の生活と暮らしの再建,公共施設等の復旧,地域経済の再生,豪雨災害の検証と今後の対応に関する各種施策を進めています。 本県の厳しい財政状況,また限られた職員数の中で,通常業務に加えて,これら復旧・復興業務を遂行していくことは,より一層の職員の業務負担やストレスの増加につながってしまうのではないかと危惧しますが,今後の復旧・復興業務において,職員の業務負担の軽減やメンタルヘルスに関する対応について,知事にお伺いします。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の河野議員の質問にお答えいたします。 豪雨災害対応における職員の勤務状況等についての御質問であります。 対応についてでありますが,復旧・復興業務をスピード感を持って進めていく中にあっても,職員一人一人の業務負担や健康面に配慮することは,大切であると考えております。 このため,任期付職員の活用などにより,増加した業務量に必要な職員数を確保し,過度の負担がかからないように努めるとともに,保健師による直接の声かけや,出先機関での出張相談の拡充などにより,心のケアを図っているところであり,一日も早い復旧・復興の実現に向け,全力で取り組む中,職員のメンタルヘルスにも十分配慮してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  総務部長上原毅君。   〔 総務部長 上原 毅君 登壇 〕 ◎総務部長(上原毅君)  お答えいたします。 まず,時間外勤務状況についてでありますが,発災直後の緊急対応や復旧・復興業務により,時間外勤務がふえており,特に,災害対応を統括する危機管理部門,河川や治山などの災害復旧事業を推進する部門,被災者の生活再建や事業者の復興を支援する部門,災害廃棄物の処理を行う部門のほか,予算の編成を行う部門などにおいて,顕著となっております。 次に,メンタルヘルスについてでありますが,今回の災害に特化した調査は行っておりませんが,労働安全衛生法に基づき,発災後の10月に実施したストレスチェックの結果によると,仕事のストレスによる健康リスクは,前年度よりも高くなっております。 復旧・復興業務等により,時間外勤務が多くなっている職場において,保健師が直接面談した結果等によると,職員は,ストレスを感じながらも,使命感を持って職務に取り組んでいるとのことであり,引き続き,復旧・復興業務を着実に進めていくためにも,職員の健康状態に十分配慮するよう,徹底してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  ありがとうございます。 まず,時間外勤務状況ですけれども,過労死ライン,いわゆる「月100時間」,「2から6カ月にわたり80時間」という部分を超えてる部署等はありましたでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  総務部長。   〔 総務部長 上原 毅君 登壇 〕 ◎総務部長(上原毅君)  再質問にお答えいたします。 過労死ラインを超えている部署があるかということでございますが,まず,時間が一番多い部署といたしましては河川課,その次に,危機管理課等がございます。過労死ラインを超える人数でございますけれども,7月以降で月100時間を超える者が259名,それから,2カ月からないし6カ月にわたって80時間を超える者が239人という状況でございます。 なお,これらの職員につきましては,産業医による健康相談を実施しているところでございまして,引き続き,職員の安全と健康の確保に留意してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  ちょっと驚いたんですけれども,大勢の方が「月100時間」,また「2から6カ月にわたっての80時間」を超えているということで,使命感を持って臨んでいるんだということではありますが,肉体的疲労,精神的疲労が積み重なっていき,その中に当然,被災地の復旧・復興のためにという熱い思い,使命感は当然持っておられると思いますけれども,きちんと組織的にストレスチェックをしっかりやって,必要であれば休暇や休息やちゃんと準備していく,そういったことをしていかないと,メンタルヘルスがどんどん低下していってしまい,鬱状態になったりとか,そういったことにつながっていくと思います。 そういった面で,この10月にストレスチェックをされたということでございますけれども,これは毎年されてることでしょうか,それとも災害を受けてされたということでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  総務部長。   〔 総務部長 上原 毅君 登壇 〕 ◎総務部長(上原毅君)  お答えをいたします。 ストレスチェックにつきましてですが,実施につきましては,労働安全衛生法が平成26年度に改正をされまして,27年度から毎年1回実施しているところでございます。 ○議長(高橋戒隆君)  5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  通常の年に1回のストレスチェックをやられてるということで,災害時において,こういったことが起きたときに,各部署でそれぞれ組織的に,職員の方の状況をまず把握して,そこからきちんと介入をしていく,また大きな組織の中であれば,それぞれに対応を要望していくだとか,そういったことの対応マニュアルのようなものは今はないんでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  総務部長。   〔 総務部長 上原 毅君 登壇 〕 ◎総務部長(上原毅君)  対応するマニュアルがあるのかでございますが,まず,先ほど申しました時間外がふえてくるということになりますと,いわゆる過労死レベルという100時間を超えるとどうなるかという,先ほど人数の御説明いたしました。そうしますと,そういった方については,産業医による健康相談を受けることになりますので,その中で健康のチェックを受けていただいて,それとともにそういった方については,各職場におきまして,できるだけ業務が集中しないような形で対応する形にしております。 また,今回は災害で,非常に業務量がふえたということで,多忙な箇所につきましては,まず個人の業務量を減らすために,他の部署から応援員を呼ぶ,それから,他県への要請,また任期つきの職員を入れるような形で個人の業務量を減らすということをしております。あと,ストレスを減らすためには,職場の支援,職場の中の支援というのも非常に重要になってまいりますので,先ほどのストレスチェックを受けまして,各個人に気づきを行いますとともに,職場の管理職に対しましても,こういった形でフォローをお願いしますというような研修会も設けておるところでございます。 以上でございます。
    ○議長(高橋戒隆君)  5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  ありがとうございます。 災害時ということになりますと,当然,被災された大勢の方がおられて,被災者の方がそれぞれ避難所生活や,さまざまなストレスをまず受けられている,それをケアしていかなければならない。また一日も早い復旧・復興に向けて取り組んでいかなければならないということで,職員の方もやっぱり健康状態がしっかり良好でなければ,そういった対応も,言葉が荒くなってしまうことなどに結びついてしまい,県民との信頼感も失われてしまうおそれもあると思っております。 そういったことも含めて,今回,7月豪雨災害を受けたわけでございますし,これまでも,熊本地震や東日本大震災等でのこういった問題というのは,災害時に,常々問題になってきておるところであります。そういった報告等も受けながら,また本県でも昨年被災した状況も受けながら,今後につながるマニュアルの整備等をしっかりと,どの組織でもどの部署でもできるようにしていくべきではないかと思いますけれども,いかがでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  総務部長。   〔 総務部長 上原 毅君 登壇 〕 ◎総務部長(上原毅君)  再質問にお答えをいたします。 今後,災害があった場合,職員の健康も十分留意していく必要があり,マニュアルをつくっていくべきではないかということでございます。 これにつきましては,私ども,先ほど申しましたいろんな健康相談をやっております。それから,サテライト相談という形で,実際に県民局へ保健師が出向きまして,健康相談の回数をふやすとか,いろんなことをしております。今回の教訓を糧にし,具体的な実績を踏まえまして,今後とも,そういった形で対応できるようにしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  ありがとうございます。 先ほどの再質問等の流れになると思うんですけれども,今も当然復旧に努めていかなければなりませんが,知事としては,任期付職員に働いてもらったり,保健師さんの出張相談等をやっていかれることで,災害を受けたこの教訓をきちんと残して,今後,長時間労働や過労死ラインになるようなことが起きないようにしていく必要があると思います。そういったところに向けて,今後の対応,マニュアルの整備等,知事のお立場から御見解をお聞かせいただければと思います。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  どうしていくのかということであります。災害が起きたときに緊急対応,それからその後の復旧・復興,必要なことをしっかり進めていくことは当然でありますけれども,その検証をしていくというのも大変大事だと思っております。我々は,そういうことで,第三者委員会をつくり,厳しく検証していただいてるわけでありまして,今回,先ほど答弁申しました,いろいろなことで人員の足りないところを補っていくと,あと忙しい職員がメンタルもしくはいろいろなことで病気にならないようにするということで,頑張っているわけであります。その対応そのものがどうだったのかと,次に似たような事例に見舞われたときにどうするのかをしっかり考えるというのは,また大事なことだと思います。 これがマニュアルになるのか。マニュアルの場合,今回の災害でも,一部の市役所で,無理やりつくっていたマニュアルを引っ張り出し,もともとの想定と違うのに遵守しようとしたがゆえに,対応ができなかったというか,著しく対応がおかしくなったという話も聞いております。想定を考えておくとか,いろいろ教訓を残すことは,非常に大事だと思っております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  ありがとうございます。 続いて,外国人材の受け入れについてお尋ねいたします。 財務省中国経済局岡山財務事務所が本年1月に公表した岡山県内経済情勢報告では,「県内経済は緩やかに回復している」とし,各項目の判断においても,企業の景況感が上昇に転じ,倒産件数や負債金額も前年を下回っている状況にあることが示されました。また,相次ぐ県内産業団地等への企業立地などからも,本県経済の着実な回復基調が実感できているところであり,伊原木知事の進める各種施策の成果があらわれているものであると考えます。 ただ一方で,県内企業の人材不足の状況は非常に厳しくなっており,今後も,生産年齢人口の減少が予想されていることからも,人材不足の問題は喫緊の課題であると感じます。また,人口減少,少子高齢化が急速に進む県北地域の状況は,より厳しいものであると考えます。 実際,私の地元の企業からは,「思うように人が集まらない,そのために,現在いる社員が長時間労働をせざるを得なくなっている」,「オリンピック・パラリンピック等の影響で受注は順調でうれしいのだが,人手が足りないために生産力が上がらない,どうにかならないか」といった,人材不足に関するお話をよく聞きますし,自前でマンションやアパートを建てて外国人材の受け入れを進めている企業も多く,「生産力を維持し,企業としての信用を失わないようにしなければ」という思いで,人材不足に立ち向かっておられました。 さて,人材不足は,日本全体の問題でもあり,国においては,昨年末,外国人材の受け入れを拡大する改正出入国管理及び難民認定法,いわゆる改正入管法を成立させ,外国人材の受け入れによる人材不足の緩和に向けて,今後,積極的に取り組んでいくこととなっております。 それらを踏まえた上で,まずは知事に,本県の人手不足の状況,また本県における外国人材の必要性に対してのお考えについてお尋ねします。 外国人材の受け入れは,単なる「労働力」の受け入れではなく,「人」を受け入れるわけであります。言語や宗教,文化の異なる人が岡山へ来てくださり,働いていただけるわけであります。 政府の方針では,今回の入管法改正についても,「移民政策ではない」との立場ですが,外国人労働者が居住する自治体では,その自治体に住み,働き,生活する「住民」として対応していかなければならず,自治体レベルでは移民とさほど変わらないように私は感じていますし,外国人材への相談支援の充実は,非常に重要なものであると考えます。本県では,外国人材の受け入れについて,岡山市内に「岡山県多文化共生総合相談センター(仮称)」を新たに設置し,相談体制と多言語対応の強化を図ることにより,外国人材の受け入れと多文化共生に向けた取り組みを進めていくこととしております。 そこで,県民生活部長にお尋ねします。 昨年10月末時点での県内外国人労働者数は,1万6,297人で,県北地域にも多くの外国人材が雇用されていると思います。また,先ほど申しましたとおり,県北地域では,深刻な人材不足の状況,今後の不安を抱えており,より一層の外国人材の受け入れが進んでいくものと考えますが,県北地域における外国人材への相談対応,多文化共生の取り組みについては,どのように対応されていくお考えでしょうか。 最後に,知事にお尋ねします。 残念ながら,今の日本は,外国人労働者から見て人気のない国になっているとよく聞きます。その原因は,技能実習制度等の問題や,国民性,言語の問題などさまざまで,働きやすい韓国などの人気国へ優秀な人材が行ってしまうという現象も起きていると聞きます。 特に韓国では,日本の技能実習制度をモデルにして1993年に整備した「産業研修制度」において,人権侵害や労働法違反などの深刻な問題が多発したことを受け,2004年に,政府が直接管理する「雇用許可制」を導入し,そのもとで働く外国人労働者が抱えるさまざまな課題に対応するための相談センターの充実や,シームレスな外国人労働者の受け入れプロセスなどが評価され,人気国となっています。 さて,今後日本でも,外国人材の受け入れを積極的に進めていくわけでありますが,諸外国との受け入れ競争に勝ち,選ばれる国,選ばれる地域となっていかなければ,優秀な外国人材の受け入れは難しいものと考えます。当然,国がつくる制度のもとでの受け入れになるわけですが,生活支援や相談支援,文化交流,観光交流等を通して,本県ならではの外国人材受け入れの環境整備に力を入れ,「外国人に選ばれる岡山県」,「外国人材受け入れ先進県としての岡山県」をぜひ目指していただきたいと思いますが,知事のお考えをお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 外国人材の受け入れについての御質問であります。 まず,本県の人手不足の現状等についてでありますが,有効求人倍率は,昨年,44年ぶりに2倍を超え,その後も高どまりしており,依然として深刻な人手不足が続いております。また,新たな外国人材を受け入れる介護や建設など14分野に該当する職業別の有効求人倍率の中には,さらに高くなっているものも多いことから,外国人材を受け入れることで,人手不足に対応していく必要があると考えております。 次に,環境整備についてでありますが,外国人材の受け入れは,本県の人手不足の解消にもつながることから,県内企業に対しては,適正で円滑な受け入れが進むよう,適切な情報提供等に努めるとともに,外国人材に対しては,多言語で対応できる相談体制を強化し,生活面でのサポートを充実するなど,受け入れ環境の整備にしっかり取り組むこととしております。 こうした取り組みの継続により,外国人材が働きやすく,活躍できる岡山県を目指してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  県民生活部長小林章人君。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  お答えいたします。 県北における相談対応等についてでありますが,現状では,県内の在留外国人の約9割が県南に居住しており,県北地域で暮らす外国人からの相談件数は多くありませんが,岡山国際交流センターにおいて,電話により対応している状況であります。 県北地域においては,今後新たに設置する相談センターの取り組みとして,国や市町村等と連携しながら,必要に応じ,相談員や通訳者を派遣して,外国人材への相談対応を行うとともに,地域で外国人とのパイプ役となる地域共生サポーターの活動促進などにより,多文化共生の地域づくりを進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  知事,ありがとうございました。 企業立地,大変多くなっております。県北の産業団地等も非常に順調に埋まってる状況でありますが,企業同士で外国人材,日本人の人材もそうですが,奪い合いみたいなことが起きている状況でありまして,そういったことも含めて,知事がいろんなところを回って,企業の方とか,工場をやられてる方とか,立地された方から人材不足・人手不足の状況の話を聞かれることが多いんじゃないかと思いますが,その辺について,何か御意見いただければ。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  今,人材の奪い合いになっているのではないかというお話でありますけれども,これはレベルをいろいろ言えば,今に限ったことではありません。常に,優秀な人材は我が社,我が地域に来てほしいということはあったわけでありますけれども,今は,その質だけでなくて量も不足していることで,より切実なものがあると思っております。 人に,岡山県のそれぞれの地域の企業に魅力を感じて来ていただくということは,これは外国人であっても,観光客であっても,移住希望者であっても,ある部分,共通しているところがあろうかと思います。「そもそもの基礎的な環境がいい」とか,「地域の皆さんがあったかい気持ちを持っている」とか,そういうところはぜひ磨いていきたい。我々,「いいものを持ってる」とよく言われますので,きちんと,いいところは伸ばし,改善すべきところは地道に改善をしていく,その上で,外国人特有の問題,これは言語の問題は当然そうですし,またこれまで余り身近でなかった宗教,習慣をお持ちの方が来られる場合には,悪気はなくても,そういった方々からすると大変住みづらい,暮らしづらいということもあろうかと思います。 これはマーケティングとすごく似たようなところがありまして,できるだけ早く問題を把握して,できる範囲内できちんと対応する,そういうところの対応が遅いところと早いところで,随分評判も違ってくるのかなと思っております。それは,岡山県の活力のため,明るい未来のために,我々がすべきこと,もしくは働きかけるべきところはしっかり取り組んでいきたいと思っております。 ○議長(高橋戒隆君)  5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  ありがとうございます。 この外国人材の受け入れ等に関しては,きのう高橋徹先生といろいろ議論されたところで,私も全く同じような感じでありましたので,きょうは何を再質問しようかなと迷って悩んできたんですけれども,いろいろな観点があると思います。本当に,この外国人材の受け入れに関しては,労働でいえば,緊急的な喫緊の課題としての人手不足の解消,これはやっていかなくちゃいけないと。ただ,国の制度では,やっぱり期限を切った労働者としての受け入れをやって,また終われば帰ってもらうという流れで,いっときの解消のような感じであります。きのうも議論がありましたが,人口政策でいけば,消滅可能性都市と言われる地方にとっては,長い目で見ていく移民のような,そういった期待感も持った人口減少対策として考え,希望を持って取り組んでいる市町村もあると思います。 その2つを分けたときに,労働であれば,国が出入国管理を行って,違法ブローカーの排除とか,いろんなことをこれからやっていかなくちゃいけないと思いますが,外国人材は企業,工場に入っていくわけで,別に県や市町村を介さなくても,そのままストレートに労働すればいいことになるんじゃないかなと思うんですね。実際,今でも,企業側が,住む場所を自前でマンションつくったり,敷地内にアパート建てて,そこに住んでもらって,当然いろんな制約等は受けると思いますが,特に社会や地域に出なくても生活できますから,労働力としてはそういったことも可能であります。ただ,多文化共生であるとか,住みやすい地域にしたいとか,ぜひ交流したいとかということになれば,今度は,労働者の方が余暇活動だとか趣味だとか,日本の文化を知りたいとか,そういったことに対してケアをサポートしていくようなことになってくると思います。 これが1990年に日系人が多く日本に来たときに,大体,各市町村やNPO,NGO,民間団体がそういったサポートを行って,何とか外国人の共生社会のためのケアをしてきたというわけであります。じゃあ県や市町村はどういう立場でこの多文化共生についてサポートができるのかなと思えば,きのうの議論でもありましたように,余り行政が入って,やってしまうと,違ったときに,振り子が反対に振ってしまうといったことが起きるというのは多々あると思いますので,民間団体の方のサポート,支援というのが一番行政としてやりやすいんじゃないかなと思います。住民との摩擦も,行政がやってるとどうしても,いろいろ言いたい人も出てくると思います。そういったことを含めると,県として今度センターを設置されますので,民間レベルでのサポート機関,市町村,取り組みを進めてる市町村の機関が足りないものとか,もっといろんな相談内容によって,県の設置した相談センターを介していくといった連携というものが非常に重要ではないかなと思います。 ちょっとアバウトな質問になるかもしれませんが,そういったところの御見解をお聞かせいただければと思います。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  外国人材の受け入れについて,思っていることを述べたけれども,それについてはどうかということでありますけれど,本当そのとおりだと思います。これ全部県がやります,国がやりますといって宣言して,やり切れるものではないと思いますし,だからといって,これは地域の皆さんぜひ頑張ってくださいねということにして,トラブルが起きた場合,それがじゃあその会社,地域の責任かというと,それは荷が重過ぎると思っています。 災害対応のときの,自助は当然として,公助だけではない,共助というのが大事なんだけれども,共助だけでできることでもないだろうという,適切な共助と公助の組み合わせを考える議論とちょっと似てるのかなと思いながらお伺いをしていたわけであります。我々自身は,相談センターをつくると,これをまず大きなきっかけにしまして,センターがあると,外国から来られる方々も相談に来られますし,自分たちはこういうお手伝いができそうだとか,いろんな立場の方のいろんなお申し出,相談,場合によっては苦情が入ってくる,そこでいかにうまく対応していくか,活用できそうなリソースを見つけて,もしくは自分たちで確保して,いかに課題解決に取り組むかということが大事なのかなと思っているところでございます。 これは,今だけの短期的なことにするのではなくて,10年後,もしくは1世代後に,元気な地域になっているのか,それとも,あんなことを始めなければよかったと後悔するような,いろいろなトラブル・問題のきっかけになってしまうのかは,最初の対応次第だと思っていますので,ここはしっかり取り組まなければいけないと考えております。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  ありがとうございました。 移民政策を初め,本当にこれは地方自治体,市町村とそういう民間団体が歴史をつくってきた,戦後の歴史を特につくってきたとも言われておりますし,現場はとにかく市町村になるわけですから,ぜひそこからさまざまに意見を集約しながら,サポート体制をつくって,それを,こういった形がいいんじゃないかという政策提言を国にできるぐらいなモデルもぜひつくっていただきたいと思っております。要望で終わらせていただきます。 それでは次に,旭川水系の整備,管理についてお尋ねいたします。 平成30年7月豪雨災害時には,湯原ダム並びに旭川ダムの洪水調節操作が行われ,旭川水系,特に岡山市中心部の洪水危険度の低減に大きく寄与しました。特に湯原ダムでは,洪水調節容量である標高398メートルラインを約10メートル,貯水率も53%程度まで下げる事前放流を行っていたことで,上流からの洪水の多くをためることができ,下流域の水位上昇の低減,ピークカットに大きく貢献しました。また,旭川ダムとあわせた洪水調節操作により,岡山市北区下牧地点では,推定1.2メートルの水位低下効果があったとされています。 しかしながら,旭川ダムにおいては,7月7日未明に,流入量と等しい流量を放流する「異常洪水時防災操作」をぎりぎりのところで回避できた危機的な状況であったことが指摘されていますし,もう一山,豪雨が続いていた場合や,数日前に雨が降っていて,両ダムの水位が上昇していた場合など,決して想定外ではないような状況が加わっていれば,下流域,特に県庁付近も含む岡山市中心部での浸水被害が起きていたおそれもあります。 先日2月28日,中国地方整備局が,高梁川,旭川の河川整備計画を見直し,治水力を高める方向で内容を検討していくとの報道発表がありました。それらを踏まえ,今後の旭川水系における治水力向上のためにも,洪水調節施設である湯原ダム,旭川ダムにおいて,事前放流設備の増設や強化による事前放流能力の向上や,ダムのかさ上げによる洪水調節容量の充実などの,ダム改造事業の必要性を感じますが,土木部長の御見解をお聞かせください。 次に,旭川水系の管理体制についてお尋ねします。 旭川水系では,市街地となる旭川下流部から,河口の児島湾,また百間川の旭川分流地点から河口の児島湾までの合計30.4キロメートル区間については,国の管理区間となっており,岡山市街地の資産の集積度を踏まえた河川整備により,洪水等による災害の発生の防止または軽減を図ることとなっております。それ以外の上流部は,県管理となっており,その中に,湯原ダム,旭川ダムがあります。 先ほど説明したとおり,国の管理区間の洪水調節に対しては,両ダムの洪水調節管理・操作が非常に大きく影響するため,両ダムも含めた旭川水系の一体的な管理が必要ではないかと思いますし,平成30年7月豪雨災害や今後の気候変動の影響も考慮すれば,より一層の洪水調節機能や治水機能を持った河川整備について,国が主体となった旭川水系の整備・管理が重要になってくると考えます。 それらを踏まえ,旭川水系における国が主体となった整備・管理について,国管理区間の河川整備に加え,両ダムの整備・管理を国に積極的に働きかけていくべきではないかと考えますが,土木部長の御見解をお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 土木部長樋之津和宏君。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  お答えいたします。 旭川水系の整備・管理についての御質問であります。 まず,ダム改造事業についてでありますが,お話の設備の増設や強化による事前放流能力の向上や,ダムのかさ上げによる洪水調節容量の増大を図るダムの改造など,既存施設の有効活用は,水系全体の治水安全度向上のために有効であると考えております。 現在,国において,旭川下流の河川整備計画の見直しが行われているところであり,湯原ダムと旭川ダムの洪水調節は,国管理区間の水位低減にも効果があることから,両ダムの有効活用等について,この見直しの中で検討されるものと考えており,今後,県としても必要な協力を行いながら,国に対し,早期に整備計画の変更がなされるよう,要望してまいりたいと存じます。 次に,国への働きかけについてでありますが,お話のように,湯原ダムと旭川ダムの洪水調節操作は,旭川下流地域にも大きく影響するものと認識しており,両ダムについては,下流地域を含めた旭川水系全体を念頭に置いた上で,整備・管理することが重要であると考えております。 このため,下流地域を管理する国が,両ダムを一体的に管理することで,旭川水系における治水安全度のさらなる向上が図られるものと考えており,現在行われている整備計画の見直しの中で,両ダムの管理のあり方についても十分な検討がなされるよう,国に要請してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  5番。   〔 5番 河野慶治君 登壇 〕 ◆5番(河野慶治君)  ありがとうございます。 きょう,資料を用意しました。(パネルを示す)ダムの洪水調節操作ということで,先ほど,ダムの事前放流能力の向上や,そういったことは大事だとお答えいただきましたし,国に要望していく,国にしっかり働きかけていくとお答えいただきました。ちょっとつくってみたんですけれども,ダムの事前放流ですね。雨が降ることが予測されてるとき,台風や出水期,水がしっかり出るときには,ダムの貯水量を当然減らしていくわけですが,これはゲート式のダムで,利水,治水があるダムと思っていただければと思うんですが,下のこの45立米/毎秒というところは,これが発電用に回されるラインですね。水位を下げていく場合に,ここから抜く分しか抜けないわけで,それを下げた状態で,早くからとにかく下げておく,ちょっとずつ抜いて下げておく。下げたら,今度は雨を待つわけですが,それから雨が降ってくると,水位が上昇していきます。流入量は,45立米以上入ってきますから,そのときには,45立米しか残念ながら抜くことができないと。 そして,いよいよゲートまで達したときに,やっとこのゲートから100トン,100立米,200立米,500立米という放流ができていくわけであります。さきの質問の中で説明したのは,例えば水位を下げた状態の待機状態のときに,雨が降る。例えば今回,7月5日から大雨でしたけれども,7月1日に降ってました,2,3,4日と晴れてましたといったときには,例えば1日に降った雨がどんどんたまっていってますので,抜こうと思っても45立米しか抜けないということで,これをしっかり増設させて,事前放流を100トン,200トン,100立米,200立米できるようにすることによって,次の災害に備えると,次の雨に備えるようにできるような洪水調節機能を持っていこうということで,説明させていただきました。 こういったことは,実際,全国でもいろんなダムで行われてまして,これができないところは,かさ上げをして,治水容量もどんどんふやしていくということができるわけであります。上流部の湯原ダム,旭川ダムの洪水調節能力が,旭川の下流域のこの辺一帯の,低平地でゼロメートル地帯の,水が抜けにくい場所の氾濫,洪水に大きく貢献するということでございますので,ぜひ国にしっかり働きかけを頑張っていただきたいと思います。要望で終わります。 ○議長(高橋戒隆君)  以上で河野君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席へお戻りください。 次の質問者に移ります。 12番小林義明君。 答弁者は控席へ移動願います。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  自由民主党の小林義明でございます。 中山間地域の諸課題への対応,県立高校の体制整備等について,質問してまいります。 私は,2期8年間,本県の中山間地域の振興や活性化について,さまざまな角度から質問してまいりました。その厳しい現実が皮膚感覚でわかっているからだけではありません。中山間地域は,県土の約75%を占め,水源の涵養や県土の保全,農林水産物の供給,憩いや安らぎの場として,多面的な公益的機能を有しており,中山間地域の振興を図ることは,「岡山県民の命と暮らしの大もとを守ること」と思うからであります。 御承知のとおり,予想を上回るスピードで人口減少が進んでおり,平成27年の国勢調査をもとにした国立社会保障・人口問題研究所の推計によると,30年後の2045年の岡山県の人口は,15.7%減少し,162万31人になると予測されています。2035年には,県内全市町村で人口減少が始まり,2045年には,マイナス51.5%と人口の半減する新見市を初め,美作市マイナス46.7%,備前市マイナス45.9%,高梁市マイナス44.9%,美咲町マイナス44.8%,久米南町マイナス44.7%など,減少率の大きい上位の市町村は,全て中山間地域であります。 そこで,県民生活部長に質問します。 中山間地域振興に取り組む上で,本県のこの人口減少予測をどのように捉えていますか。高齢化率50%以上の限界集落数,高齢化率70%以上,世帯数9戸以下の危機的集落数の県下の現状を,5年前,10年前と比べた推移も踏まえて,分析をお聞かせください。 本県は,平成15年,「岡山県中山間地域の振興に関する基本条例」を制定し,中山間地域の振興施策を総合的に実施するため,「岡山県中山間地域活性化基本方針」を定めました。平成27年10月には,「岡山県人口ビジョン」と「おかやま創生総合戦略」が策定され,多角的に人口減少対策を進めていますが,総合戦略は,来年度が計画の最終年に当たります。 知事にお尋ねします。 本県の中山間地域の現状について,平成26年に改訂した岡山県中山間地域活性化基本方針に照らし,御所見をお聞かせください。 その上で,知事のこれからの中山間地域振興に対する基本的な考えをあわせてお示しください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の小林義明議員の質問にお答えいたします。 中山間地域振興についての御質問であります。 現状への所見等についてでありますが,平成26年に改訂した活性化基本方針に基づき,元気集落の拡大・発展や,移住・定住の促進などに取り組んでまいりましたが,中山間地域においては,人口減少や高齢化が,人口ビジョンでの予測を上回って進行していると認識しております。 こうした状況を踏まえ,私としては,元気集落や移住・定住の取り組みに加え,日常生活に必要なサービス機能の維持・確保につながる生き活き拠点を形成することで,暮らし続けることができる地域を維持する取り組みにも重点を置く必要があると考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  県民生活部長小林章人君。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  お答えいたします。 人口減少予測についてでありますが,2040年の推計人口を前回の推計と比較すると,県全体では約7万人の増にもかかわらず,中山間地域の15市町村では約1万5,000人の減となっております。前回の推計をもとに策定した人口ビジョンでは,推計のとおり人口が減少すると,中山間地域においては,人口空白地帯が多数生じ,集落の消滅や地域の衰退が進むことが懸念されると分析しておりますが,今回の推計によれば,中山間地域での人口減少は加速しており,状況は,より厳しくなっていると認識しております。 なお,いわゆる限界集落を含む集落数の調査については,前回調査の際に,市町村における集落の捉え方の違いから,集落当たりの平均世帯数に大きな差が見られたため,その後は実施しておりません。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  御答弁ありがとうございました。 中山間地域の人口減少は,予想を上回るスピードで,プランも見直さなければならないという認識は同じなんですが,今,部長がお答えいただきました,限界集落と危機的集落のデータがないというのはどういうことですか。 ○議長(高橋戒隆君)  県民生活部長。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  再質問にお答えいたします。 先ほどの答弁の中にありました,いわゆる限界集落などを含んだ集落数,集落の数についての調査を実施していないことについて,どういったことかということでございますけれども,この調査,平成20年,26年と実施をいたしました。ただ,26年の調査の結果でまず申し上げますと,全体として,調査対象の集落数が6,028あって,そのうち,小規模高齢化集落,いわゆる限界集落が1,122あるといった数字だったわけでございます。市町村ごとで集落の数を把握していただいたわけでございますが,その報告いただいた集落を分析といいますか集計してみますと,例えば井原市の場合は,その全ての集落が1,024あって,その1集落当たりの世帯数が16.3であったということがございます。一方,備前市などは,218の集落があるということでございますが,その1集落当たりの世帯数は平均72.6です。こういった集落の捉え方が各市町村ごとで大きく異なっている状況で,それを同じ土俵で比較することは問題があろうということもございまして,それ以降の調査はしていないところでございます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  現場に住んでいない限りデータによる分析でこそ現状を肌身で感じることができると私は思うんです。となると,データに基づかない臆測や雰囲気で,「だんだん減っていってますよね」というところで終わられたら困るんです。 データを集めるときに,それぞれの集落が違うんだったら,県が主導して,条件を合わせて集めればいいだけの話ではないんですか。 ○議長(高橋戒隆君)  県民生活部長。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  再々質問にお答えをいたします。 確かに,データに基づかない感覚で申し上げることではいけないというのは,私も十分そう思います。ただ,先ほど申し上げましたような人口の数,先ほどの答弁につきましては全体の人口で,推計ではございますけれども,2040年の人口,あるいはもう一つは,前回推計時には示されていました2015年,これは既に国勢調査の数字が出ておりますので,そういった数字は確認をした上で,全体的に,中山間地域においては人口の減少が,当時推計したり予測したよりも加速してるということを申し上げたところでございます。 一方で,集落につきましては,先ほど申し上げましたとおり,例えば我々は,小規模高齢化集落と申しておりますが,世帯数19以下の集落を基礎的な地域単位として捉えて,その数を確認してくださいと市町村への投げかけをした上で,その捉え方が随分異なるという状況であり,無理やりこれを分割するということは,逆にデータの信憑性を損ねるものであると考えております。 したがいまして,この指標で,集落の世帯数であるとか高齢化率だけでそのものを語るということは,逆にそのデータのエビデンスの信憑性について疑義があるという面もありまして,今回,それ以降の調査を実施してないというところでございますので,御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  よくわかりましたと言いたいところですが,全く私にはわからないので,抽出調査でもいいですから,今後,検討していただきたい。私なんかは現実に暮らしてますから,これだけ減ってる,ここも減ってると,本当に危機感を持てるわけです。議会の中にいると,減っているだろうなというんだけれど,20が5になりましたよというのがはっきりわからないと,危機感が持てないような感じがすると思うんです。 危機的集落は,今,本当に大変なことになっていますから,ぜひ調べていただきたい。部長も県北にお住みですから,実感としてはおわかりなんでしょうけれど,ぜひ詳しい調査をして,5年ごと,あるいは3年ごとにこれだけ減っていっているんだというのが目に見える形にしていただけたらありがたいと思います。これは要望で結構です。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  知事に御質問いたします。 先ほどは,御答弁ありがとうございました。 岡山県中山間地域活性化基本方針は,平成26年に改訂されていますが,5年がたつわけですけれども,この見直しについてはどのようなお考えでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  岡山県中山間地域活性化基本方針の改訂につきましては,これはおかやま創生総合戦略と生き活きプランの改訂スケジュール等を踏まえて,改訂内容,また時期を検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移ります。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  次に,生き活き拠点強化支援事業について質問します。 本県では,これまでに14市町村が,岡山県版の小さな拠点である「生き活き拠点」の形成に取り組んできております。生き活き拠点は,人口がある程度集中し,日常生活に必要な機能がそろった地域,例えば合併前の旧町村の中心地などで,拠点性を高め,周辺地域や遠隔地集落の生活機能をカバーすることを目指しています。 新年度,新たに「生き活き拠点強化支援事業」に取り組むこととしていますが,説明によると,現在の取り組みの中で,拠点がカバーする地域の全体像や将来のビジョンが描き切れていない例もあると分析。その上で,「拠点に必要な機能,拠点がカバーするエリア,拠点と周辺地域との交通アクセス等を内容とする計画をしっかり策定する市町村を,県のモデル事業として重点的に支援する」とし,生き活き拠点形成計画策定と事業実施をセットに,3市町村の支援を想定しているとありました。 改善,強化に取り組むことに異存はなく,さらによくなることを期待しながら,県民生活部長に尋ねます。 まず,これまでの拠点形成事業に取り組んだ市町村が,同じ地域を対象として「生き活き拠点形成計画」の策定に取り組む場合は,どのように扱われますか。 また,計画策定の主体が市町村か地域か,よく見えてきません。計画は誰がつくり,その計画策定に地域住民はどのようにかかわりますか。 そして,拠点を運営・機能維持するのは地域住民組織ですが,この拠点がまさに生き活きと地域に根づき,機能効果を発揮するためには,地域をコーディネートできる人材の育成や配置こそが重要と考えます。いかがでしょうか,あわせて答弁ください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 県民生活部長小林章人君。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  お答えいたします。 生き活き拠点強化支援事業についての御質問であります。 まず,策定済みの市町村の取り扱いについてでありますが,来年度から新たに実施する「生き活き拠点強化支援事業」では,市町村の拠点形成に向けた取り組みのうち,横展開が期待できるものを支援することとしており,従来の事業で支援した地域と同じ地域を対象とする取り組みについては,新たな事業で支援することは考えておりません。 次に,策定主体等についてでありますが,生き活き拠点形成計画の策定に当たっては,県と策定主体である市町村の職員等で構成するプロジェクトチームにおいて,拠点がカバーするエリアの将来像や拠点に必要な機能,望ましい交通手段などを整理した上で,市町村が策定手続を進めることになりますが,地域住民がどのようにかかわるかは,策定する市町村において判断されるものと考えております。 また,生き活き拠点の形成には,地域住民組織だけでなく,民間事業者など多様な組織や団体が参画することとなりますが,全体のコーディネートは市町村が行うことを想定しております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  県がモデル地区を3地区つくって,生き活き拠点をやろうとすることは,私は異存なくて,本当にいいと思います。よく頑張っていただいて,ありがたいと思っていますが,今の御答弁を聞きますと,結局,市町村が出してきて,誰がかかわるかも,その市町村が言うがままを県が判断するということだけでは,今まで失敗したものの繰り返しじゃないんですか。 これ,従来のところはもう相手にしない,新しいところをやるということは,実際にはうまくいかなかったわけでしょ。だから,これを新規にやろうというのが正直なところじゃないんですか。それを同じことをまた地域から出させても,地域ははっきりしたことを出しませんよ,お金がかかるから。お金だけまた無駄に使うようなことになりませんか。 ○議長(高橋戒隆君)  県民生活部長。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  再質問にお答えをいたします。 もともとうまくいってない取り組みと同じことを重ねるのではないかという御質問でございますが,もちろんそうではないと考えております。先ほど申し上げましたとおり,決して市町村から全て考えて出してくれと申し上げてるわけではございません。そもそも今回は,県がその存在価値を示しながら,伴走型の支援をしていこうということを申し上げているところでございますが,その具体的な中身といたしまして,先ほどの答弁で申し上げましたとおり,プロジェクトチームをつくり,そこにはもちろん,策定主体である市町村の職員,そして県の職員も入ると。 その場合,地元の地域住民の方が入るかどうかについて,市町村の判断であるということはございますけれども,そのプロジェクトチームにおいて,先ほど申し上げましたように,将来像であるとか,今後どういった施設,機能を持たせていくべきか,あるいは交通アクセスも含めて,十分な検討を行う,そこには県職員もかかわってやろうと申し上げているわけでございます。その上で,市町村の判断によって,住民の皆さん,もちろん最終的には住民の皆さんの意見を伺わないと,この事業は進まないと考えておりますけれども,その検討のプロセスの中で,どこからどのような形で関与していただくかは市町村の御判断であると申し上げたところでございます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  私は新見ですから,大変危機感が本当にあるわけです。8年,私,議員やらせてもらって,「地方の振興を図ります,中山間頑張ります」と一生懸命やってきても,それでもなおかつ衰退していく,人口が減っている。本当にじくじたる思いがあります。 それで,この14カ所。今までやってたのがよくないから新しくやるんじゃありませんというんだったら,今までどおりやりゃいいじゃないですか。今までどおりやってたことをやめて,新規にやろうかというのは,やっぱりその地域には注文もつけなきゃだめですよ。 それから,さっきの,地域の住民が主体にならない計画は,私はうまくいかないと思いますよ。平成10年に協働という考え方ができて,NPO法というのができたのが,もう今から20年前ですよ。私らは,どきどきして見たもんですよ。まだ議員じゃありませんでしたけれどね。新しい公共,変わるんだ,こう思ったわけですよ。それから20年がたった。しかし,中山間は,いずれもよくなってないんですよ。 それで,私,ちょっと自分の意見を言わせてもらうと,これからの行政サービスというのは,地域の住民の声を聞くという今までのスタイルどおりではうまくいかないんじゃないかと,近ごろ思ってるんです。もっと最適な組み合わせといいますか,先ほど言ったようなさまざまな団体の組み合わせをうまくやって,いわゆる1足す1が2じゃなくて,3にも4にもなるような仕組みをつくらないと,地域はお金だけ使ってもだめだと思うんです。そういった人材を育てることこそが大事だと思います。 ましてや,ここから先,私言ってしまいますけれど,3地域を指定するなんて,見え透いてるじゃないですか。恐らく,1県民局に1つずつ振っていくんじゃないですか。これ私の勝手な推測ですよ。5つくってもいいじゃないですか。2でもいいわけでしょう。これ3でしょう。また同じことを繰り返して,結果が出ないことになるのではないかという心配をしてるんです。 御意見がありましたら。 ○議長(高橋戒隆君)  県民生活部長。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  再々再質問にお答えをいたします。当然それが失敗することがわかってるような事業を私どもは提案してるわけではございません。今までの失敗の反省に立って今回提案をしたところということは,ずっと申し上げてるところでございます。まず,1つは,小さな拠点,あるいは生き活き拠点のイメージを我々が示し切れてなかったということが問題であると認識しております。 ですので,今回我々は,どういったイメージでつくっていくのかというのを明確にしております。資料も既に公表をされてるところでございますけれども,この規模で,こういった形で,ここに,主な例としてはこういった機能を持たせる,そして交通ネットワークをこういった形でやる,これが一つのイメージでありますけれど,こういった形で考えていただく。従来の取り組みは,そういったものにかなうものがなかなかなかったということの反省を含めて,プロジェクトチームという形で県が参画し,地域にではございませんが,市町村に我々の考え方を十分説明してやっていくことで,県が関与していこうというものでございます。議員御指摘のような,今まで失敗であった,それを繰り返すということにはならないように,今回提案したということについて,御理解をいただければと思います。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  応援団ですから,批判をしてるわけではなくて,何とかうまくやってもらいたい。それで,今までもそうだったんですけれど,市町村を主体にしたら,やっぱりなかなかうまくいかないと,私は思いますよ。やっぱり人材をしっかり見つけてやっていかなきゃいけないと思います。 「山猫」という映画にこういう言葉があります。私がまだ10歳か15歳,初めて見たイタリア映画か何かで,どきどきしながら見た映画でございます。その中にありますよ,「変わらずにあり続けるためには,変わらなくてはならない」。行政もそうだと思います。言いっ放しで,この項を終わります。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  最近,「関係人口」という言葉をよく聞きます。国の定義によると,移住した「定住人口」でもなく,観光に来た「交流人口」でもない,地域や地域の人々と多様にかかわる人を「関係人口」と呼んでいるようです。 国は,平成30年度,国民が関係人口として地域に継続的なつながりを持つ機会・きっかけを提供する自治体を支援する,「関係人口創出事業」を予算化しました。観光イコール交流人口という定義には,若干の違和感を覚えています。 交流人口という言葉の登場は,平成10年3月閣議決定の,第五次全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」の策定過程であったと記憶しています。観光でも仕事でも,その土地以外から訪れた人は全て交流人口と捉え,交流人口1人がその土地で3食の食事をすると,定住人口1人分に換算できるとされていました。 関係人口については,さまざまな意見があります。「田舎に大切なのは,イベントの回数や参加者数ではなく,リピーターを超えた関係密度」,「ともに考え,決めて働くという関係の多様性」,「量の拡大よりも質の拡充をどう進めるかが大切,にぎわいよりも担い手,どこにいるのか,何をしているのかより,どれだけ深く見通して動いているのか」が大切として,「関係人口という概念は問題解決しない」と言い切る方もおられます。 ただ訪れるだけの一時の関係で,地域は変わりません。多くの先例が示すとおり,これからの地域づくりを考えるとき,何より重要なことは,他所の人が「その地域の課題と目標を共有し,それを改善・解決・達成するための役割を担う」関係を,地域とともに築くことができるかにかかってると思っています。 そこで,お尋ねします。 人口減少対策に取り組む上で,「関係人口」について,総合政策局長はどのように考えられていますか,御所見をお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  総合政策局長村木正司君。   〔 総合政策局長 村木正司君 登壇 〕 ◎総合政策局長(村木正司君)  お答えいたします。 関係人口についての御質問でありますが,地方創生を推進する上で,関係人口に着目し,地域との多様な交流の入り口を用意することは,地域課題解決を初め,地域づくりの担い手確保,将来的な移住者の増加などの観点から,有効な視点の一つであると認識しております。 また,関係人口の領域は,地域内にルーツがある方や,過去の勤務,居住経験等何らかのかかわりがある方々など,幅広く多様であることから,地域へのかかわりの段階に応じた対応が必要であるとともに,より実効性を確保していくためには,お話のように,地域の課題等を共有し,ともに解決を図る仕組みの構築が不可欠であると考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  ありがとうございました。 県として,関係人口創出事業を取り組んだり進めたりしていくお考えはありますか。 ○議長(高橋戒隆君)  総合政策局長。   〔 総合政策局長 村木正司君 登壇 〕 ◎総合政策局長(村木正司君)  県として,関係人口という視点に着目した事業をやるか,進める考えがあるかという御質問でございますけれども,既に現在でも,大学生を呼び込むとか,企業と協働するとかといったような事業,森づくり,新見の哲多でもたしかやっていると思いますが,そういった事業をやってます。そういった間口をまた広げていくといったようなことは,今後とも,いろいろ検討してまいりたい,あるいは市町村の意見も聞きながら,そういった事業を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  ありがとうございました。 総合政策局長さんに重ねてお尋ねしますけれども,この総務省が言う関係人口創出って,この関係人口という考え方は,どのように受け取られておられますか。 ○議長(高橋戒隆君)  総合政策局長。   〔 総合政策局長 村木正司君 登壇 〕 ◎総合政策局長(村木正司君)  再々質問にお答えいたします。 総務省の言う関係人口を県としてどう捉えているかということでございますが,先ほど答弁しましたとおり,関係人口はかなり幅が広い概念でございます。一般の旅行客も,関係人口といえば関係人口,それからリピーターになれば,もっと深い関係人口,それから勤務が例えば10年勤務経験がある人,1年しかいなかった,私は新見は3年でしたけれども,そういったようないろんな幅広い概念だろうと思います。 そういった幅広い関係人口という概念に着目して,そういったものを取り入れていく入り口,間口をつくっていくといったような考え方で,総務省が進めていると認識しております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  私は,率直に言って,この関係人口では地域の活性化はちょっと難しいんじゃないかなと思いますし,そういったようなことを言われる方も多いわけですけれども,どう思われますか。 ○議長(高橋戒隆君)  総合政策局長。   〔 総合政策局長 村木正司君 登壇 〕 ◎総合政策局長(村木正司君)  お答えいたします。 関係人口という視点だけで地域を活性化するというのは,お話のとおり,かなり難しい部分があろうかと思います。本日の新聞,ごらんになったかもしれませんけれど,西粟倉村が,「地方都市の奇跡」というタイトルで,非常にいい循環をしてるといったような好例も,県の中では生じてるところでございますので,その取り組みが全ての地域でできるかというと,それはだめだと思うんですけれども,そういったようないい取り組みのプロセスとかやり方,そういったものを県としてもしっかり研究して,市町村等と一緒にいろいろ検討していければと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  次の質問に移ります。 新見市哲多町矢戸地区の只野,町,宮ノ峠の3集落は,江戸時代の宝暦年間から約270年間,「蛇神楽」,正式名称,本山荒神社式年──これは神殿と書いて「こうどの」と読みます──神殿神楽を伝承しています。市の重要無形民俗文化財に指定され,7年ごとに3集落が持ち回りで当番組を務め,徹夜の神楽と,明け方の託宣神楽をとり行い,翌日,男衆が,御神体のわら製の大蛇を担ぎ,朝から夕方まで派荒神社などをめぐり,野山や田畑で「蛇押し」を勇壮に繰り広げることで知られています。 その地域で,2月24日,「蛇神楽の魅力再発見の集い」が開催されました。蛇神楽にかかわることができるのは,3集落の人だけであります。過疎高齢化が進む中で,文化財の次代への継承に不安を抱いていた折,近隣集落出身の若い女性の提案があり,この日,3集落以外の希望者が,要請により蛇神楽をサポートできる,「蛇神楽応援隊」を設立しました。応援隊は,蛇神楽への理解を深め,その魅力を発信し,伝承を応援することを目的にしており,広報やファンをつくる,蛇神楽の学習,蛇神楽サポートを活動事業としています。集いで,「地域外から見た蛇神楽の魅力」を講話した県外のゲスト3人も,早速,応援隊に加入し,順調に動き出していると聞きました。 関係者は,これから伝統文化を次代につなぐ原動力として,「誇り」が決め手になると話します。地域住民みずから,蛇神楽の魅力を心得るとともに,地域外の人と直接つながり,外からの蛇神楽への評価が地域住民の「誇り」を育む力になるといい,地域の人たちは,今後,伝統文化の伝承を端緒に,地域外の人と直接つながった地域課題の解決を図る仕組みに発展させたいと,夢を抱いているようであります。 これら中山間地域では,戸数の減少や担い手不足により,伝統文化が衰退,消滅の危機に直面している地域も少なくありません。 そこで,教育長に質問します。 県内の伝統文化を次代へ継承することの意味と,現状の課題,対策を,それぞれお聞かせください。 また,紹介した蛇神楽の応援隊の取り組みは,伝統文化継承のモデルになるのではないでしょうか,あわせて所見をお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 伝統文化の継承についてでありますが,地域の歴史や風土の中で育まれた伝統文化は,先人の不断の努力による恩恵であり,次代へ守り伝えることが大切であると考えております。 一方で,過疎化や高齢化などの社会の変化に伴い,その継承の基盤であるコミュニティーが脆弱化し,伝統文化の維持・発展が困難な状況にあると認識しております。 このため,県教委では,子供のころから伝統文化に関心が持てるよう,ガイドブックの発行や,発表機会の提供等,継承に向けた環境づくりに努めるとともに,改正文化財保護法に基づき,今後,市町村や民間などと協働して,継承に向けた計画等の策定を積極的に進めてまいりたいと考えております。 また,お話の蛇神楽応援隊の事例については,地域外の人を巻き込み,伝統文化の継承を目指す一つのモデルになり得るものとして,今後の活動に期待しているところであります。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  御答弁ありがとうございました。 この蛇神楽は,7年に1度ですから,本当に勇壮なお祭りでして,ぜひこういうものをつないでいきたいというように思いますので,いろんな意味でお力添えをいただけたらと思います。 それでは,次の質問に移ります。 次に,本県の和牛の生産振興について質問します。 本年2月策定の「21おかやま農林水産プラン」は,向こう5年間の本県農林水産行政の基本計画と位置づけられ,農林水産業の目指すべき方向と施策が示されています。その中で,肉用牛にかかわる施策の展開方向に,「岡山和牛の改良項目に,新たに,「おいしさ」の指標の(小サシ化,オレイン酸など)を加え,さらなる魅力向上を推進します。」また,「ブランド確立のため,発育や肉質等のすぐれた種雄牛の作出や和牛子牛の資質向上に取り組みます。」との文言があります。 本県畜産研究所のホームページによると,ことし2月19日,追加の現場後代検定情報が掲載されています。現場後代検定とは,1頭の候補種雄牛につき,その産子15頭以上を肥育し,その枝肉の成績をもとに,父親である候補種雄牛の遺伝的な能力を判定する検定法であります。追加情報として載せられていたのは,「美恵茂」でした。 そこで,農林水産部長に質問します。 この「美恵茂」は,生産者からは,「いい種雄牛ができた」と歓迎する声が届いていますが,「美恵茂」の検定結果と,これまでの本県の種雄牛と比べた評価をお聞かせください。 また,農林水産プランが掲げる「おいしさ」指標と,「発育や肉質のすぐれた種雄牛」に合致していますでしょうか,あわせて答弁ください。 5年に1度の和牛のオリンピックと言われている「第12回全国和牛能力共進会」は,3年後,鹿児島県において開催されます。既に,「和牛新時代 地域かがやく和牛力」の開催テーマ,出品区分も発表されています。 農林水産部長に,重ねて質問します。 鹿児島全共の審査基準や傾向などをどのように想定されていますか。 また,3年後の全共に挑む本県の考え方や意気込み,今後のスケジュールもあわせて聞かせてください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 農林水産部長伊藤敦哉君。   〔 農林水産部長 伊藤敦哉君 登壇 〕 ◎農林水産部長伊藤敦哉君)  お答えいたします。 和牛の生産振興についての御質問であります。 まず,種雄牛「美恵茂」についてでありますが,「美恵茂」の検定成績は,枝肉重量,脂肪交雑ともに,本県歴代の種雄牛の中で最もすぐれた結果となっており,肉量・肉質の両面で,全国的にもトップクラスのものと評価しております。 また,「美恵茂」は,新たに「おいしさ」の指標として着目をされているオレイン酸や小ザシ化を示す数値が,いずれも県内和牛の平均値を上回っており,今年度から県が進めている,肉量・肉質に加えて,「おいしさ」にも着目した改良方針に合致していることから,今後,本種雄牛の積極的な活用により,生産農家の収益力の向上を図ってまいりたいと存じます。 次に,鹿児島全共の審査基準等についてでありますが,次回,鹿児島大会では,おいしさに関係する「脂肪の質」を評価する新たな出品区が設けられたことからも,肉量と肉質に加え,脂肪の質や形状など,おいしさを重視した審査基準が定められるのではないかと想定しております。 県では,そうした動向を踏まえた和牛改良を進めるとともに,前回の宮城大会終了直後から,生産者や関係団体との協議・話し合いを重ね,県下全域の関係者が一体となって取り組みを進めるとの出品対策の基本方針を定めたところであります。ことし12月からは,候補牛づくりを始めることとしており,それに向け,既に,受精卵の確保に努めているところであり,新たな種雄牛「美恵茂」も積極的に活用しながら,多数の候補牛を作出し,鹿児島大会での上位入賞を目指してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  御答弁ありがとうございました。 久々にうれしいニュースで,スーパー牛かエース牛が出たなという感じで,皆さんも喜んでおられますし,私もうれしく思っております。知事も御存じでしょうけれど,この全共と言われる全国和牛能力共進会の第1回目が,岡山県ですから,1回目を岡山に引っ張ってきたときは,岡山はそれだけ和牛のもとといいますか,その県でありましたから,ここのところずっと少し低迷してますので,ぜひ今度の鹿児島に向けて,やっぱりお金かけなきゃだめですよ。スポーツと一緒ですから,やっぱりお金を使わないと強くなりませんので,そこらも含めて,鹿児島全共に向けての決意をもう一回述べていただきたいと思います。 ○議長(高橋戒隆君)  農林水産部長。   〔 農林水産部長 伊藤敦哉君 登壇 〕 ◎農林水産部長伊藤敦哉君)  再質問にお答えいたします。 鹿児島全共に向けての決意をということでございます。 実は,前回の宮城大会直後に,結果としてはなかなか厳しいものがあったということで,関係者を含めまして,宮城大会で優勝されました鹿児島に現地調査に行っております。その結果で,やはり行政だけでなくて関係団体,それから生産者,こういった方々を含めた全県的な体制をつくるということが重要だろうということで,先ほど答弁で申し上げました基本方針の中に盛り込みまして,現在,関係者一丸となって取り組みを進めると考えているところでございます。 ぜひ鹿児島大会では,出品をしました全区で優等賞を目標といたしまして,取り組みを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  御答弁ありがとうございました。 胸を張って新見に帰れるような御答弁でありました。ありがとうございました。 次に,県立高校の体制整備について質問します。 県立高校のあり方については,新年度から向こう10年間の指針となる「岡山県立高等学校教育体制整備実施計画」の素案に対し,昨年11月19日から1カ月間,パブリックコメントが行われました。県教委は,2月,このパブコメ結果を踏まえて,計画を策定したと理解しています。 そこで,教育長に質問します。 パブリックコメントの意見内容はどのようなものがありましたか。件数,内訳を含めて答弁ください。 また,素案から成案に移るまで,このパブコメの内容がどのように反映されたか,素案から変更になった成案の箇所を具体的に示してください。あわせてお伺いします。 私は,昨年11月議会において,島根県の事例等を紹介しながら,「地域に根差した小さな高校」の必要を説き,地方創生と県立高校の存置は不可欠の関係にあることを繰り返しました。続けて,島根県の取り組みから,本県も「高校の魅力化」の必要があることを力説しました。新年度当初予算案には,「高等学校魅力化推進事業」が新規に盛り込まれています。 重ねて,教育長にお尋ねします。 この事業は,何校での実施を想定していますか。実施校は,どのように選定しますか。具体的に,事業内容とともにお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 まず,県立高校の体制整備についてのうち,パブリックコメント等についてでありますが,計画案に対し,91名から170件の意見が寄せられ,内訳として多かったものは,「高校の存続」18件,「地域ニーズに対応した学科の設置」15件,「再編整備基準適用に当たっての地域の実情等への考慮」9件などでありました。また,各学校の家庭や地域に対する広報や,在留外国人の増加への対応についての御意見などをいただいており,その意見を踏まえ,小・中学生や保護者,地域の関係者へ,各学校の取り組み等をわかりやすく広報することや,外国人生徒等の受け入れに関して研究を行うことを新たに記述するなどの変更を行ったところであります。 次に,高等学校魅力化推進事業についてでありますが,本事業では,小規模校が地域との連携のあり方等を研究しつつ,各高校の魅力づくりに取り組むリージョナルモデルと,時代をリードする教育内容等を研究し,新学科等の設置を目指すリーディングモデルを指定し,県立高校の魅力化を図ることとしております。 リージョナルモデルは,1学年3学級規模の小規模校6校を対象として,学校と地域をつなぐコーディネーターの配置や,地元関係者等から成る地域連携組織の設置により,地域の産業や文化等に関する探究的な学びの実現などを通して,魅力づくりを推進してまいりたいと考えております。また,リーディングモデルは,普通科や職業科の拠点校2校を対象として,グローバル化やAI時代に対応したリーダーの育成や,社会の第一線で活躍できる専門的職業人の育成に向けた研究を推進することとしております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  ありがとうございました。 時間がないので,体制整備についての質問をさせていただきます。 10年間,これからやっていくわけですけれども,いわゆる2校地制というのがございまして,2校地の高校については1校地にするというまとめでよろしいんでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えをいたします。 校地制をとっておる学校への対応ということでございますけれども,これにつきましては,高等学校教育研究協議会の中でも議論がございまして,校地は統合を図っていくという方向性を持っております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  何年度ぐらいを目標として,そういう方向に持っていかれますか。
    ○議長(高橋戒隆君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 各学校の校地の整備方針を,2023年度までに策定し,校地解消を図る方向へ持っていくということでございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  その再編,2校地制を1校地にするところを2023年までに終えて,それからあと5年,6年間ぐらいで次の再編の検討をするという理解でよろしいか。 ○議長(高橋戒隆君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えをいたします。 正確に申し上げますと,整備方針を2023年度までに策定をするということでございます。したがいまして,それより早い場合もあるかもわかりませんし,方針ができてから実施に移すまでに時間的なずれが生じることは,可能性としてはあろうかと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  その校地の話はそこでわかりましたが,例えば2025年になるかもしれないってことですよね。23年までに方針を出して,次に行くわけですから,それより早くなるかもしれない。 次に,学科の編成等々の学校のあり方について進めていくのは,その後ということでよろしいんでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えをいたします。 これは,その整備方針の中にも書いてございますけれども,アクションプランの策定が2024年でございます。その後,再編整備,当然その対象になるような学校があればということでございますけれども,そういう方向へ移っていくということになっております。 ○議長(高橋戒隆君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  私たち中山間地域に住む者は,地方創生の拠点の一つが県立高校であると捉えておりますので,それがなくなってしまって,若い人に住んでくれというのは,本当に難しい問題であります。地域とともに進む県立高等学校であってほしいと願っておるわけでございます。 最後に1点,私の言いっ放しになりますけれども,定員が不足しているところで,ずっと同じ定員でおられると,また減ってる,また減ってるというイメージがありますが,実態にできるだけ合わせていただいたらいかがかなと思ったりもします。これは要望でございます。 終わります。ありがとうございました。 ○議長(高橋戒隆君)  以上で小林君の質問は終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(高橋戒隆君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △休会の件 ○議長(高橋戒隆君)  お諮りいたします。明日から3月11日までの3日間を休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。   〔 「異議なし」と呼ぶ者あり 〕 ○議長(高橋戒隆君)  御異議なしと認めます。よって,3日間休会とすることに決定いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △3月12日の議事日程 ○議長(高橋戒隆君)  3月12日の議事日程は,午前10時開議で,一般質問,議案委員会付託,請願陳情委員会付託であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(高橋戒隆君)  本日は,これをもって散会いたします。        午後2時38分散会〇 平成31年3月8日(金曜日)出席議員   1番 須増 伸子君     2番 鳥井 良輔君     3番 大塚  愛君   4番 高橋  徹君     5番 河野 慶治君     6番 渡辺 知典君   7番 福島 恭子君     8番 山本 雅彦君     9番 小林孝一郎君  10番 市村  仁君    11番 上田 勝義君    12番 小林 義明君  13番 中塚 周一君    14番 江本 公一君    16番 太田 正孝君  17番 木口 京子君    18番 花房  尚君    19番 中川 雅子君  20番 氏平三穂子君    21番 森脇 久紀君    22番 荒島 俊造君  23番 三宅 和広君    24番 柳田  哲君    25番 池本 敏朗君  26番 渡辺 吉幸君    27番 小倉 弘行君    28番 加藤 浩久君  29番 遠藤 康洋君    31番 神宝 謙一君    32番 西岡 聖貴君  33番 波多 洋治君    34番 久徳 大輔君    35番 高橋 戒隆君  36番 蓮岡 靖之君    37番 高原 俊彦君    38番 住吉 良久君  39番 笹井 茂智君    40番 増川 英一君    41番 山田総一郎君  42番 高橋 英士君    43番 佐古 信五君    45番 井元乾一郎君  46番 伊藤 文夫君    47番 小田 圭一君    48番 渡辺 英気君  49番 内山  登君    50番 小野 泰弘君    53番 河本  勉君  54番 岡崎  豊君    55番 小田 春人君    56番 天野  学君  57番 千田 博通君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     内田二三雄         次長       矢吹  巧  議事課長     下坂 泰幸         政務調査室長   竹原 祐一  議事課長代理   田中  悟         議事課長補佐   新井 祐二  議事課主任    平澤 郁男         議事課主任    池上 祐毅           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       伊原木隆太君        副知事      佐藤 兼郎君  副知事      菊池 善信君        公営企業管理者  佐藤 一雄君  危機管理監    吉田 邦成君        総合政策局長   村木 正司君  知事室長     房野 文彦君        総務部長     上原  毅君  総務部次長    須江 裕紀君        県民生活部長   小林 章人君  環境文化部長   片山 誠一君        保健福祉部長   中谷祐貴子君  産業労働部長   横田 有次君        農林水産部長   伊藤 敦哉君  土木部長     樋之津和宏君        出納局長     古南 篤子君教育委員会  教育長      鍵本 芳明君        教育次長     村木 智幸君公安委員会  委員       三村由香里君        警察本部長    桐原 弘毅君  警務部長     臼井 伸幸君人事委員会  委員       武井 祐子君        事務局長     水田 健一君監査委員  代表監査委員   山本 督憲君        事務局長     小寺 紀孝君選挙管理委員会  委員長      藤原 健補君...