平成29年 6月定例会 ◎ 平成29年6月
岡山県議会定例会会議録 第2号〇 平成29年6月13日(火曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1
代表質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1
代表質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○議長(伊藤文夫君) 皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1
代表質問
○議長(伊藤文夫君) 日程に入り,
代表質問を行います。 質問時間は30分以内と定めます。
自由民主党岡山県議団代表16番太田正孝君。 〔 16番 太田正孝君 登壇 〕
◆16番(太田正孝君) 皆さん,おはようございます。 傍聴の皆様,どうもありがとうございます。
自由民主党岡山県議団の太田正孝でございます。 私は,今議会に提案されました
補正予算案を初めとする諸議案並びに当面する県政の重要課題につきまして,
自由民主党岡山県議団を代表し,知事,教育長並びに
警察本部長にお伺いいたします。 さて,本年5月3日,
日本国憲法が施行されて70年という大きな節目を迎えました。現行憲法が施行されて以来,我が国は着実に平和と繁栄を築き上げ,国民主権,平和主義,
基本的人権の3つの
普遍的価値を国民の中に定着させてきたところであり,自衛隊の評価についても,たび重なる大規模災害での出動,活動等により,国民の大きな信頼を得ているところであります。ところが,北朝鮮による何度も繰り返しての
弾道ミサイル発射や中国の
軍事力増強,
アジア各国領海・領空侵犯などにより,
東南アジア情勢は日増しに緊張が高まり,我が国の平和も大きく脅かされています。こうした状況に対して,積極的な平和維持への取り組みができるよう,憲法改正を求める世論も高まってきています。そして,安倍総理から,現行憲法9条などを見直した新しい憲法を2020年から施行したいとの表明がありました。憲法改正は,我が党の立党以来の党是であり,新しい時代の理想像を描き,改正に向けた道筋を鮮明に示すことは多くの国民の願いであり,
自由民主党の
歴史的使命でもあります。
憲法改正国民投票法が整備され,憲法改正のための国民投票は現実に実施できる環境にある中,国民みずからの手で今の日本にふさわしいものとなるよう,憲法論議が加速されることを念じてやみません。 ところで,自治体や地方議会の運営に関する基本的な規則を定めた法律である
地方自治法も,
日本国憲法とともに施行70年の節目を迎えました。国民主権を初めとする憲法の理念を住民に身近な地域で実践するための法律で,戦後民主化の象徴でもありました。言うまでもなく,地方自治は,有権者が自治体の首長と議員を選ぶ
二元代表制であります。しかし,
小規模自治体の議会では,議員のなり手が少なくなり,議会本来の責務が果たしにくい状況が生まれつつあります。最近,報道もよく取り上げるようになりました。県議会においても,そういう状況が近い将来来るかもしれません。そうならないための
環境づくりも急がなければなりません。こうした新たな課題への取り組みを始めていくとともに,私
ども県議会議員は,知事の県政運営のチェックのみならず,車の両輪に例えられるよう,知事と協力し,県民に必要な施策を進める責務を背負っています。我が党は,県議会における責任政党として,
伊原木知事と適度な緊張感を持ってお互い切磋琢磨してまいります。
自由民主党岡山県連は,一昨日開催した県連合同会議において,
天野幹事長を初め新役員を選出し,新たなスタートを切りました。ここに,岡山県の未来を切り開くべく,県民の負託に応える決意をお誓い申し上げ,以下,具体的な質問に入らせていただきます。 まず初めに,おかやま創生実現の加速化についてお尋ねします。 今年度は,県政の最上位の総合計画である新晴れの国おかやま生き活きプランの初年度です。新プランでは,重点戦略として,教育県岡山の復活,地域を支える産業の振興,安心で豊かさが実感できる地域の創造に引き続き取り組むとともに,おかやま創生実現の加速化に向け,おかやま
創生推進連携プロジェクトが設けられました。また,
地方創生推進室が新設されました。おかやま
創生総合戦略に掲げる
基本目標実現の加速化に向けて
マネジメント機能を強化し,全庁で一体的に取り組むとのことです。東京一極集中の傾向が続いており,人口減少に歯どめがかかっていません。この背景には,さまざまな要因が複合的に絡み合っており,自然減と社会減,双方からのアプローチが必要です。このため,このたび充実強化した体制を生かして,市町村や企業,NPO,その他関係団体との連携をさらに深め,さまざまな施策に取り組んでいかなければならないと考えます。おかやま創生の実現をさらに加速化させるため,今後,どのように取り組みを進めていかれるのか,御所見をお伺いいたします。 次に,教育県岡山の復活について2点お尋ねします。 まず,
学習指導要領の改訂についてです。 国は,昨年度末に,約10年ぶりに,小中学校の
学習指導要領を改訂し,平成32年度以降,小学校から順次実施されることとなりました。何を学ぶかという視点だけでなく,どのように学ぶか,何ができるようになるかまで踏み込み,児童生徒が対話や討論などによる主体的な学びを通じ,解決する力を身につける,いわゆるアクティブ・ラーニングを各教科で取り入れることとされました。
グローバル化に対応するため,小学校3年生から英語に親しむ活動を開始し,5,6年生で教科化することや,中学校の英語は授業を原則英語で行うことなども示されました。教員には,これまで以上に専門性や指導力が求められ,授業の内容ややり方だけでなく,準備や
教材づくりなども大きく変える必要があります。また,小学校3年生から6年生までの各学年では,英語の授業時間がふえることから,時間の確保が大きな課題となっています。教員が自信を持って教えることができるよう,教員研修の充実や指導体制の強化などを進めるとともに,授業時間の確保については,既に時間割りに余裕がない中で,各学校が適切に対応できるよう支援していくことが必要です。また,県内全域で歩調を合わせて取り組みを進めるためには,政令市である岡山市との連携も不可欠と考えます。新指導要領の実施に向け,どのように準備を進めておられるのか,教育長の御所見をお伺いいたします。 2つ目は,道徳教育についてです。 道徳は,本来,家庭環境の中で身につけるものです。しかし,家庭や地域社会の教育力の低下や子供を取り巻く環境の変化などから,学校における道徳教育のさらなる充実が求められており,小学校で平成30年度から,中学校では平成31年度から教科化されます。道徳や倫理は,本来,自然の摂理の中で普遍のものとして捉えられるものです。しからば,どのようにこのことを教えるかとなれば,社会生活の規範や正義とは何かなど,課題を議論する中で,納得する,あるいは疑問を持つことなく理解できるようになることであると考えます。なお,教えるということが一層難しさを増すことは理解いたします。本県では,生き活きプランに,
徳育推進プログラムを掲げ,道徳教育の充実による子供たちの規範意識の確立や思いやりの心の育成に努めています。さらなる取り組みの充実に向け,道徳の教科化にしっかりと対応していくことが必要です。国は「考え,議論する道徳」を提唱しており,
県教育委員会は,教科化が決定されて以降,指導方法の研究や教員研修に取り組まれています。これまでの準備の状況と今後の取り組みについて,教育長にお伺いいたします。 次に,地域を支える産業の振興について3点お尋ねいたします。 まず,
産業用地の確保についてです。 県では,これまで充実した交通基盤や安定した電力,水の供給など,すぐれた操業環境に加え,優遇制度の新設や拡充,規制緩和などをセールスポイントに,企業の誘致と立地企業の投資を促進し,地域経済の活性化と雇用の創出を図ってきました。企業誘致の受け皿となる
産業用地の確保については,平成30年度中の分譲開始に向けて,岡山市と共同で
空港南産業団地の整備を進めるとともに,市町村が実施する
団地開発整備について,候補地の適地調査や道路など,公共施設の整備等の支援に取り組んでいます。しかしながら,
産業用地については,農地転用に関する規制など,用地造成に当たっての課題も多く,
企業ニーズの高い
県南内陸部や
インターチェンジ周辺での
産業用地の確保は,十分とは言えません。県内の生産雇用への誘発効果が期待できる企業を幅広く誘致するための
産業用地の確保には,市町村と連携しながら
企業ニーズに応じた立地環境の整備の推進に取り組む必要があると考えます。御所見をお伺いいたします。 2つ目は,
観光振興についてお尋ねします。 まず,市町村と連携した
観光振興についてです。
観光振興は,これからの
地域活性化の鍵を握ると言われています。昨年のデスティネーション
キャンペーンでは,主な観光施設の利用者数は,対前年比で10.5%の増加,
経済波及効果は71億円という成果が得られました。本年4月に開幕したおかやまハレいろ
キャンペーンでは,
関係市町村と連携しながら,昨年の
キャンペーンで好評であった企画の
継続実施等に取り組まれています。昨年の成果を将来にわたって定着させ,継続的な誘客促進につなげていくことを期待しております。こうした取り組みにより,国内外から本県への観光客が増加し,
観光消費額も伸びる傾向にあるものの,
人口減少社会の到来により,
国内観光客数の大幅な増加は見込めない状況です。観光資源のさらなる
魅力アップに加えて,
滞在型観光を効果的に進めていくことがこれからの課題と考えます。政令市である岡山市とは,
岡山後楽園と岡山城を核に,県都の
歴史文化資源を生かした岡山の顔づくりに取り組んでいます。
倉敷美観地区や蒜山,鶴山公園,美作三湯など,県内各地で地域と一体となって観光資源の魅力向上を図っています。県内への誘客を促進し,
観光消費額の拡大を図るためには,
地元市町村などとのこうした連携をより一層深め,効果的に取り組むことが重要と考えます。市町村と連携した
観光振興に,今後,どのように取り組まれるのか,御所見をお伺いいたします。 また,
岡山後楽園の平成28年度入園者数は,昨年の
キャンペーンにあわせて開催した春の
幻想庭園等の
にぎわい創出事業や,旺盛な訪日旅行を背景とした
外国人旅行者の増加により,前年度比7.9%増の約88万2,000人となり,
うち外国人入園者数も前年度比26.2%増で,過去最高の約12万4,000人となりました。しかしながら,
岡山後楽園の入園者数が着実に増加している一方で,入園者の滞在時間は短いままとなっています。入園者のニーズを的確に把握し,園内にとどまる工夫が必要であり,単に見るだけでなく,食べる,体験するなどの
魅力づくりを行い,滞在時間を延ばすとともにリピーターをふやし,入園者の増加につなげていく必要があります。また,近年の入園者の増加傾向を確かなものとするため,
岡山後楽園の
ブランド力向上を目指し,庭園の魅力や
歴史的価値の本質を効果的に発信する必要があると考えます。今後,さらなる
魅力づくりにどのように取り組まれるのか,御所見をお伺いいたします。
スマートフォンやタブレットの爆発的な普及により,誰もが簡単に
公衆無線LANを利用できる環境が求められています。特に,
外国人観光客の
公衆無線LANへのニーズは,高いものとなっています。県は,平成19年度から,
公衆無線LANサービス「おかやま
モバイルSPOT」を
県有施設等で提供しています。しかしながら,認証手続が簡素なものではなく,ほかの
公衆無線LANサービスとの共通化もできていないため,利用は限定的なものとなっています。国は,2020年の
東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け,
公衆無線LAN環境の整備を積極的に推進しており,県も今年度から,認証手続が簡素化・共通化された
公衆無線LAN環境の整備に取り組むこととしています。県有施設だけでなく,市町村や
民間事業者とも連携し,簡単な認証手続で
公衆無線LANが県下全域で利用できる
環境づくりが必要と考えます。どのように取り組みを進めていくのか,御所見をお伺いいたします。 3つ目は,国の
米政策改革を見据えた農業政策についてお尋ねいたします。 米づくりを初め農業は,食にかかわる産業であるとともに,地域を支える重要な産業です。国は,昭和46年から続けてきた米の生産調整について,平成30年産から,都道府県に対する主食用米の
生産数量目標の配分を廃止することを決定しています。30年産以降は,米の生産農家が独自に生産判断をすることになり,米生産の自由度が増す一方で,米の価格下落や
産地間競争の激化などが懸念されます。このため,
認定農業者や農業法人など,収益力の高い力強い経営体が生産を担う構造へ転換し,経営規模の拡大を一層加速化させ,競争力を高めることが必要です。消費者が求める品種,栽培方法にこだわった付加価値の高い米,安定した需要がある業務用米など,需要に応じた売れる米づくりを進めるとともに,収益性の高い作物の導入,麦との二毛作による
耕地利用率の向上など,水田をフル活用し,収益力を向上させることも重要と考えます。米の
生産調整見直しという大きな転機を迎えるに当たり,本県の
水田農業政策をどのように進めていかれるのでしょうか。特に,県土面積の約7割を占める中山間地域は,平地に比べて
農業生産条件が不利であることから,積極的に
集落営農組織を育成し,より一層の省力化・低コスト化を図ることなどにより,水田農業の収益力を高める必要があると考えます。御所見をお伺いいたします。 次に,
少子化対策についてお尋ねします。 我が国が将来にわたり豊かで安定した社会を実現していくためには,少子・高齢化という構造的な問題を解決していかなければなりません。少子・高齢化の進行が
労働供給量を減少させ,将来の経済規模の縮小や生活水準の低下を招き,経済の
持続可能性を危うくするという将来に対する不安,悲観へとつながっています。こうした中,先般,効果的な
少子化対策を進めるために行っていた
合計特殊出生率の
地域格差要因についての分析の結果が公表されました。本県では,中国地方の他県と比較して,20代後半の有配偶率の低下が大きく,30代前半の有
配偶出生率の上昇が少なかったこと,また,第3子の出生率がほとんど伸びていなかったことなどが明らかとなりました。公表された分析結果を十分踏まえて,出会いの機会の提供などの結婚支援や,第3子にプラスに影響する地域での
子育て支援,男性の
子育て参画の推進など,県全体として
少子化対策の底上げを図っていくための効果的な施策を進めていくべきと考えます。今後の取り組みについて御所見をお伺いいたします。 我が党では,子供を社会全体で支える国づくりをしようという考えのもと,財源は明確となっていませんが,
子育て世帯に分配する「
こども保険」構想が提唱され,活発に議論をしています。一億総活躍社会を実現し,全ての国民がその能力を十分に発揮し,活躍できる機会を確保していくことこそが,女性が安心して子供を産み育てられる社会の基盤となります。本県においても,子供を社会全体で支え,女性が活躍できる環境をつくることが重要です。
子育て環境をさらに充実させるため,延長保育への支援の拡充など,
子育て支援に一層取り組むべきと考えます。御所見をお伺いいたします。 次に,岡山県
国民保護計画についてお尋ねします。 岡山県
国民保護計画では,
武力攻撃事態等を想定し,他の機関との連携・協力により,
国民保護措置を的確かつ迅速に実施することとしています。
朝鮮半島情勢は,冒頭で申し上げましたように,北朝鮮による繰り返しての
弾道ミサイル発射など,これまでにない緊張状態にあり,県民の不安が高まっています。県では,4月28日に,緊急時の対応を確認する会議を開き,情報収集や県民への周知,連携機関との連絡体制を確認しました。その後,国は,ミサイルが発射からわずか10分もしないうちに日本に到着する可能性があることから,国からの緊急情報を瞬時に伝える
Jアラートについて,第一報の段階で避難を呼びかけるよう運用を変更し,国民に早期の避難を促すこととしています。県も,県民の安全確保のため,情報提供を充実するなど,広報を徹底すべきと考えます。また,
Jアラートが出された際には,市町村,県警察,自衛隊など関係機関と連携し,緊急事態に直ちに対処できる体制を確立すべきと考えます。御所見をお伺いいたします。 次に,
公共施設マネジメントについてお尋ねします。 公共施設の老朽化が進んでおり,平成29年3月に策定した
公共施設マネジメント方針に基づき,32年度までに
個別施設ごとに修繕・更新,耐震化等の実施計画を策定することとしています。庁舎,
県民利用施設,学校などの
公共建築物は242計画,橋梁,水門,砂防設備などの
インフラ施設は161計画を策定することになります。また,1,000平米以上の
公共建築物について実施した
県有建物劣化状況調査では,部位,設備の速やかな修繕が必要となるC判定の建物は5棟あり,部位,設備の状況により,一部修繕が必要となるB判定の建物は323棟もあることが明らかとなっています。
長期的視点に立ち,財政負担の軽減,平準化を図りながら施設の長寿命化,耐震化,更新,統廃合等を計画的に実施し,必要な
行政サービスを持続的に提供できるよう取り組む必要があると考えます。予算が限られる中,どのように優先順位をつけ,対応していくのでしょうか,御所見をお伺いいたします。 次に,おかやまマラソン2017についてお尋ねします。 おかやまマラソンは,
中四国最大規模の
都市型マラソン大会であり,前回大会は約1万6,000人のランナーが参加し,約15億円の
経済波及効果があったと推計されています。本年度開催の第3回大会は,前回大会を大幅に上回る約3万400人の申込者数となりました。おかやまマラソンは,
観光スポットや特産品など,本県の魅力を情報発信し,認知度の向上を図る絶好の機会でもあり,県境を越えた交流の輪を広げるとともに,県外からの積極的な誘客を促進し,地域の活性化につなげていくべきと考えます。大会を盛り上げるためにも,岡山らしいおもてなしにより,多くのランナーに喜んでいただき,愛される
マラソン大会にしていくことが何より大切です。第3回大会をよりすばらしい大会とするため,今後どのように工夫し,準備を進められるのか,お伺いいたします。 おかやまマラソンは,ランナーはもとより,
大会関係者のみならず,多くのボランティアや
沿道応援者の方々の理解と協力によって支えられています。おかやまマラソンが将来にわたって持続的に発展していくためにも,こうした方々の意見を大会運営に積極的に取り入れ,運営側とそれを支える側が一体となった大会としていくべきと考えます。あわせて御所見をお伺いいたします。 次に,県警察の諸課題についてお尋ねします。 まず,警察行政の今後の方針についてです。 警察は,犯罪捜査はもとより,交通整理から雑踏警備,
夫婦げんかや近所のもめごとに至るまで,あらゆる事柄に対応しているのが現状です。県警察では,こうした状況に迅速に対応するとともに,その時々の社会情勢の変化を踏まえ,警察官の増員や新たな課を設置するなど,必要な組織体制の整備を図っており,こうした対応は評価できるものです。しかしながら,業務が拡大するばかりでは,夢と希望を持って働く
職場づくりを目指すワーク・ライフ・バランスが提唱されている世の中の動きに反します。警察官の負担が増大する一方ではないかと危惧します。こうした状況のもと,限られた人員・装備で,県警察ではどのようなことに重点を置かれて取り組まれているのでしょうか。また,今後も,県民のニーズに対応した警察活動を展開していくためには,さらなる増員や
装備資機材の充実が必要ではないでしょうか,
県警本部長の御所見をお伺いいたします。 最後に,警察の知見を生かした渋滞解消への取り組みについてお尋ねします。 交通渋滞は,社会経済の停滞を招く要因の一つであることから,その解消は県民の切なる願いです。交通渋滞の解消に向けては,
道路管理者による道路改良に加え,警察による交通規制の見直しが必要であり,これらが相まってより強力に効果が発揮されます。例えば,平成22年には,国道2
号バイパスの一部区間において,最高速度を時速70キロに引き上げております。県警察の積極的な姿勢により,全国初となる規制の見直しが行われた事例であり,交通の円滑化に即効性があったと評価しています。このように,警察の知見を生かして規制を見直すことで渋滞の解消や交通の円滑化を実現するだけでなく,渋滞に伴うストレスの解消にもつながるのではないでしょうか。こうした取り組みを今後も積極的に実施してはどうかと考えます。また,そのための検討を専門的に行うチームを設置することも検討してはどうでしょうか,あわせて
警察本部長の御所見をお伺いいたします。 以上,当面する県政の諸課題を取り上げましたが,時間の制約もあり,その他の諸課題につきましては,一般質問に委ねることといたしまして,私の
自由民主党岡山県議団代表質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。
○議長(伊藤文夫君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君)
自由民主党の太田議員の
代表質問にお答えいたします。 まず,おかやま創生実現の加速化についての御質問でありますが,これまで人口減少問題を克服し,本県の
持続的発展を実現するため,おかやま
創生総合戦略に掲げる対策を着実に推進してきたところであります。さらに,今年度から,市町村と連携して,廃校施設の利活用や地域商社の設立など,地域が抱える課題について具体的な解決策と
事業化モデルを開発する
プロジェクトなどを新たに進めております。こうした実効性の高い施策を積極的に展開するとともに,国の交付金なども活用し,
PDCAサイクルを働かせながら,おかやま創生実現の加速に向け全庁一丸となってしっかりと取り組んでまいります。 次に,地域を支える産業の振興についての御質問であります。
産業用地の確保についてでありますが,企業の投資意欲の高まりを背景としたニーズに的確に対応していくため,現在,
空港南産業団地の造成や
市町村営団地の開発支援に鋭意取り組んでいるところであります。また,さらなる開発に向け,主体となる市町村と直面する課題について,掘り下げた意見交換を行うとともに,農地転用を伴う開発を実現した他県事例の調査研究も進めているところであり,今後とも,市町村としっかり連携しながら,
産業用地の確保に全力で取り組んでまいりたいと存じます。 次に,
観光振興のうち,市町村との連携についてでありますが,観光誘客を促進し,
観光消費額の拡大を図るためには,歴史や文化を初めとした地域の観光資源を熟知している市町村との連携が不可欠と考えております。このため,新生き活きプランにおいても,多様な主体と連携した魅力発信を重点施策に位置づけたところであり,今後,市町村や
観光関係者との連携を一層強化し,地域の魅力を売り込む戦略的な
観光プロモーションや
体験型メニューを盛り込んだ
滞在型旅行商品の開発などを積極的に推進してまいりたいと存じます。 次に,
岡山後楽園の
魅力づくりについてでありますが,園内の滞在時間を延ばすことは,後楽園の魅力を十分に味わっていただき,入園者の増加につなげていく上で非常に重要であると考えております。このため,幻想庭園や旬彩市場が一層にぎわうよう,創意工夫を重ねるとともに,日本伝統の和文化に触れ,体験できるプログラムを新たに開発し,小学生や外国の方々にも楽しんでいただくことなどにより,滞在時間がさらに延びるよう取り組んでいくこととしております。また,桜とカエデの景観が楽しめる二色が岡の復元を目指した調査や,トイレなどの改修を進めるとともに,後楽園の
歴史的価値を伝える冊子の作成など,情報発信を行い,さらなる魅力向上に努めてまいりたいと存じます。 次に,
公衆無線LAN環境の整備についてでありますが,県民や国内外の利用者の利便性を向上させ,魅力ある岡山の情報を発信するためには,
公衆無線LAN環境が十分でない観光地等への設置を促進する必要があると考えております。そのため,市町村や民間施設などに
公衆無線LANの導入のメリットや国の補助制度を周知し,設置を促進するとともに,県下統一のロゴマークを使用するなど,いわゆる「ご当地Wi-Fi」のプロモーションを官民一体となって展開し,県が率先して事業を進めることによる安心感を持っていただきながら,利便性の高い
公衆無線LAN環境を県内全域に広げてまいりたいと存じます。 次に,
米政策改革を見据えた農業政策についてでありますが,米の生産調整の見直しは,
産地間競争の激化が懸念される一方で,本県水田農業の発展につながる好機とも捉えております。このため,今後の基本的な方向を示した岡山県水田農業振興方針に基づき,きぬむすめのブランド化など,需要に応じた売れる米づくりの推進,水稲作付面積10ヘクタール以上の経営体の育成など,収益力向上の取り組みを加速化することとしております。中山間地域においては,これらの取り組みに加え,集落営農の組織化・法人化を推進するほか,複数の
集落営農組織や個別経営体が連携し,機械の共同利用,人材の確保,新規作物の導入を図るなど,一層のコスト低減と販売収入の増加を目指すこととしております。今後とも,こうした取り組みを積極的に進め,競争力のある水田農業を実現してまいりたいと存じます。 次に,
少子化対策についての御質問であります。 今後の取り組みについてでありますが,県ではこれまで,第1子,第2子,第3子それぞれの壁に対応して,結婚支援やワーク・ライフ・バランスの推進,第3子以降の保育料無償化など,
少子化対策に総合的に取り組んできたところであります。このたびの分析結果や平成28年の
合計特殊出生率が0.02ポイント上昇したことからも,この方向に沿って進めていくべきと,再認識したところであり,引き続き,これらの取り組みを着実に推進するとともに,さらに,今回初めて実施した市町村ごとの分析の結果を活用し,市町村とも連携して県全体の
少子化対策の底上げを図ってまいりたいと存じます。 次に,
子育て支援についてでありますが,
子育て環境の充実のためには,延長保育を初め多様化する保育ニーズに的確に対応することが重要であると考えております。このため,病児保育の広域利用を進めるとともに,今年度から新たに保育士・保育所支援センターを設置し,延長保育など保育サービスの拡充に必要となる人材の確保に努めているところであります。また,現在,市町村において最新のニーズを踏まえた今後の保育の量の見直しを進めているところであり,これに基づき一層充実した保育サービスが提供できるよう,市町村を支援してまいりたいと存じます。 次に,岡山県
国民保護計画についての御質問でありますが,
Jアラートを通じて避難が呼びかけられた場合に,地下や頑丈な建物に避難するなど,県民が直ちに具体的な行動をとれるよう,ホームページや県庁舎内でのパネル展示のほか,市町村と連携した住民向け広報を積極的に実施しているところであります。また,現在,職員の常駐体制をとっており,緊急事態発生時には,
国民保護計画に基づき,国や関係機関と緊密に連携しながら,迅速かつ的確に避難指示や応急対応等を行えるよう,体制を構築しております。引き続き,県民の生命・身体を守るため,対応に万全を期してまいりたいと存じます。 次に,
公共施設マネジメントについての御質問でありますが,
公共建築物については,まずは未耐震の建築物について,そのあり方を検討し,できるだけ早期の耐震改修に取り組むとともに,個々の建物の劣化状況に応じて,外壁や機械設備などの修繕・更新等を効率的に進めることとしております。また,
インフラ施設については,機能確保の観点から,計画的な点検及び予防保全を行ってまいります。御指摘のとおり,財源が限られていることから,交付税措置のある有利な起債や国の交付金等を活用しながら,公共施設の長寿命化・耐震化等を計画的に実施してまいりたいと存じます。 最後に,おかやまマラソン2017についての御質問でありますが,岡山らしいおもてなしとして,これまでの大会で好評をいただいている備前焼の完走メダルやきびだんごなどの沿道給食,EXPOでの御当地グルメの販売などを充実させることに加え,ランナーから特に評価の高い高校生等による沿道応援イベントのスポットの拡充を検討するなど,今後,さらに工夫を凝らしてまいりたいと存じます。また,ランナー,
大会関係者,ボランティア等へのアンケート調査のほか,沿道町内会や協力いただいた企業,団体への訪問など,さまざまな機会を通じて意見をお聞きし,託児サービスの新設やボランティアの効率的配置などの改善に反映することとしております。こうした取り組みにより,走る,見る,支える,全ての人々が一つになることができ,皆様に一層愛される大会となるよう,実行委員会を中心に着実に準備を進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(伊藤文夫君) 教育長竹井千庫君。 〔 教育長 竹井千庫君 登壇 〕
◎教育長(竹井千庫君)
自由民主党太田議員の
代表質問にお答えいたします。 教育県岡山の復活についてのうち,まず
学習指導要領の改訂についてでありますが,教員が不安なく指導に当たるためには,今回の改訂の趣旨や内容等を理解することが重要であり,今年度から学校の代表者を対象に説明会を行うこととしております。小中学校の英語への対応については,中核教員の養成や教員の英語力向上への支援を引き続き実施するとともに,留学生等の外部人材の活用を助言するなど,指導体制の強化について取り組んでまいりたいと存じます。お話の授業時間の確保については,総合的な学習の時間や長期休業の活用などの方策とその有効性を示したガイドラインを作成・配布するなど,支援してまいりたいと存じます。また,アクティブ・ラーニングについては,リーフレット等により理解を図ってきたところでありますが,今年度は中核教員が授業公開を行い,具体的な授業場面を通して実践力向上を図ることとしております。さらに,岡山市と研修の進め方等について定期的に情報交換を行うなど,全ての市町村教委と連携し,円滑な実施ができるようしっかり取り組んでまいりたいと存じます。 次に,道徳教育についてでありますが,このたびの
学習指導要領の改訂も視野に入れ,教員を国の研修や教職大学院に計画的に派遣し,道徳教育推進の核となる教員の育成に努めてきたところであります。こうした教員が中心となり,教科化の狙いや授業改善の必要性等の理解を深める研修を行うとともに,モデル校において,身近な内容を取り上げた題材の活用やロールプレーの手法を通して自分とのかかわりで考える学習等,実践的な研究を行ってきております。また,郷土岡山に対する理解と愛着を深める副教材を作成し,授業の充実に向け,準備をしてきたところであります。こうした取り組みをもとに,今年度は各学校の核となる教員みずからが考え議論する道徳の授業や,児童生徒が自己の成長を実感できる評価等を試行することとしております。また,新しい教科書については,教員の理解を深めるとともに,子供が保護者と一緒に考えるなど,家庭での学習にも用いられるよう,広報紙等を通じて周知してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(伊藤文夫君)
警察本部長西郷正実君。 〔
警察本部長 西郷正実君 登壇 〕
◎
警察本部長(西郷正実君)
自由民主党太田議員の
代表質問にお答えします。 まず,県警察の諸課題のうち,警察行政の今後の方針についてであります。 県下の治安情勢は,刑法犯認知件数が継続的に減少するなど,改善傾向にありますが,県警察といたしましては,今後とも,殺人,強盗などの重要犯罪や暴力団等による組織犯罪の徹底検挙を図るとともに,子供,女性に対する犯罪などに関しての各種相談への対応,学校警察連絡室を中心とした少年非行対策,防犯ボランティアと連携したパトロールなどの充実強化により,犯罪の発生を押さえ込んでいく必要があると考えております。また,特殊詐欺やサイバー犯罪など,犯行手口の変化が著しい犯罪への対策,死亡事故などの重大な交通事故や高齢ドライバーによる事故などの防止につきましても,積極的に取り組んでいく必要があります。一方,県警察では,子育てや介護と両立して仕事を継続できる勤務の弾力化,朝型勤務の積極的利用,業務の合理化・効率化などを積極的に推進するなど,ワーク・ライフ・バランスに配意した組織運営に努めておりますが,本県の警察官1人当たりの業務負担は,刑法犯検挙人員や人身交通事故件数,110番受理件数などの点において,全国的に見ても相当高い状況で推移しており,先ほど申し上げましたような取り組みを重点的に推進していくためには,さらなる増員や
装備資機材などの充実が必要であると考えております。このため,本年度も国に対して警察官の増員を初め捜査用車両,サイバー犯罪捜査用解析資機材などの整備充実を強く要望しているところであり,今後とも,県議会の皆様の御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。 次に,渋滞解消への取り組みについてであります。 最高速度の引き上げや信号運用における秒数変更などの見直しは,大きな道路改良を伴うことなく即効的な円滑化を期待できるとともに,渋滞に伴うストレス解消にもつながるものと認識しております。県警察では,これらの対策を専門的に推進するため,平成21年に交通規制,交通指導取り締まり,交通事故分析などの担当者で構成する推進
プロジェクトチームを設置し,道路利用者からの要望や交通実態などを踏まえ,御指摘のありました国道2
号バイパスの最高速度を70キロに引き上げたことを初め,県内全ての40キロ,50キロ規制の道路を対象として見直しを行いました。その結果,これまでに笠岡市内の国道2号や美咲町内の国道53号などの主要な幹線道路を含め82区間,総延長約160キロメートルにわたる最高速度の引き上げを行っております。また,推進
プロジェクトチームでは,平成28年に,交通管制センターの人員を増強し,信号機や交通管制システムについて秒数見直しや必要性の低い信号機の撤去も行っております。その結果,本年2月における管制エリア内で把握できる主要交差点の総渋滞時間は,前年に比べ減少していることが確認できます。今後とも,推進
プロジェクトチームを中心に積極的な交通規制の見直しを図り,渋滞解消に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(伊藤文夫君) 民主・県民クラブ代表3番大塚愛君。 〔 3番 大塚 愛君 登壇 〕
◆3番(大塚愛君) 皆様,おはようございます。 民主・県民クラブの大塚愛でございます。 県議会議員となって8カ月目を迎えますが,初めての
代表質問に立たせていただきます。 先日の知事提案説明でもお話しされたとおり,さまざまな課題が顕在化し,時代の大きな転換点を迎えている今,議会の責任はもとより,
伊原木知事率いる県行政が担う役割は大きく,将来を決する重要な数年間への覚悟をしっかり持って,広く,深い視野と地に足のついた取り組みで頑張っていただきたいと思います。とりわけ,広く,深い視野に入れていただきたいのは,子供たちのこと,そして中山間地域のことです。これからの未来をつくっていく子供たちを大事にできることは,すなわち明るい未来を創造していくことだと思います。また,これからの憲法改正の論議においても,決して戦争を起こさないという日本の大人たちの姿勢を子供たちに伝えていけるものにしたいと願っていますが,その子供たちの健やかな未来は,また,この岡山県の豊かな自然なくしてかないません。自然の中で大地や海とともに暮らしてきた人たちの営み,なりわいが守られ,時代とともに新たに訪れる人たちを迎えながら,心豊かな中山間地域の暮らしを営んでいけるよう,また,その人たちの文化とまちに住む人たちの文化とが融和する岡山県となれるよう,県政の目を向けていただきたいと思います。 それでは,通告に従いまして会派を代表し,知事,教育長,
警察本部長にお尋ねいたします。 免許を持たない高齢者や通学生など,交通弱者を初め誰もが快適に,そして安心して移動できる交通手段を確保することは,私たちの生活にとって必要不可欠です。しかしながら,2000年代の規制緩和により,事業者間の参入競争が激化するようになると,事業者は厳しい経営を余儀なくされ,運転手の労働条件の悪化とそれに伴う要員不足という悪循環に陥っており,公共交通のあり方そのものが問われる事態となっています。政府においては,平成26年度に交通政策基本計画を定め,自治体を初めとして交通にかかわるさまざまな主体が相互に協力し,地域が一体となって交通ネットワークを形成することを目標にしています。岡山県においても,この3年間で9自治体において地域公共交通網形成計画が策定され,各自治体の取り組みも本格化しつつあります。 そこで,今後の取り組みについてお尋ねします。 まず,地域公共交通網形成計画について,県内の未策定自治体に対する県としてのかかわり方などについてお聞かせください。 また,採算が合わないために民間参入が進まない中山間地域などにおいては,公共部門の関与を強める形でコミュニティーバスやデマンド交通,公共交通空白地有償運送などが進められてきました。基礎データを収集分析する地域公共交通ネットワーク可視化事業にも期待するものですが,今後の地域公共交通ネットワークの維持・確保に向けて広域自治体としての役割をどのように果たしていくのか,お伺いします。 ふるさと回帰支援センターでは,昨年,移住相談が過去最高の2万6,426件となり,特に若い子育て世代の中で地方移住の動きが定着し始めていると言われています。この移住傾向を岡山県の定住につなげていくためには,今後も,ニーズに対応したきめ細かい施策を進めていくことが必要です。和気町では,先輩移住者が相談対応に当たる取り組みなどが功を奏し,年間200人を超える人が下見に訪れていますが,住宅の賃貸物件はほぼ埋まっており,せっかく来ても物件がなく,がっかりして帰ってしまうケースも生じています。都市部以外の地域では,不動産業者が少ない上に,売買希望の物件のほうが多いため,賃貸物件の情報が少ないという課題があります。移住者を受け入れる賃貸物件をふやすために,空き家の掘り起こしや利活用のさらなる促進が求められていると思いますが,県としての取り組みをお聞かせください。 また,中山間地域の住宅の賃貸物件は,地域に住む人が直接紹介する場合も多いため,地域の人と移住者のコミュニケーションが重要で,その間の調整役やサポート役となれる地域組織やNPOの支援があることが鍵になると言えます。今年度始める移住者受け入れ体制整備の取り組みにおいても,移住に携わる地域組織やNPOなどによる移住者への有益なサポートが期待されますが,この取り組みによる具体的な展望をお聞かせください。 また,仕事についての情報提供を拡充していくことも求められています。県内の仕事関連情報は,ハローワーク,企業人材確保支援センター,民間の転職エージェントなどが扱っていますが,それらを移住サイトでまとめて見やすくしたり,相談会などで届ける情報をより多様にしていくことも有効だと思われますが,いかがでしょうか。 また,情報提供サイトにおいて,仕事やその地域のよさを伝えていく工夫も効果的です。民間の求人サイト「日本仕事百貨」では,一つ一つの職場の雰囲気や働く人の思いなどが丁寧に紹介されており,若い世代を中心に月190万の閲覧があるそうです。このようなサイトが注目を集めている背景には,給与だけでなく,その会社や仕事内容に共感できるかどうかを重視する若い世代がふえていることがあると思われます。このサイトのように,岡山の仕事やその地域にあるよさがより伝わる工夫も必要と思います。また,農山村にあるなりわいの経営基盤を第三者が引き継ぎ,再活性化させていく「継業」も近年見直されています。より移住者目線で地域に潜在する仕事を掘り起こすことなども,今後,求められていると思いますが,あわせて御所見をお聞かせください。 次に,発達障害のある子供への支援について質問します。 県の調査によると,県内で特別な支援を要する5歳の幼稚園児の割合は,平成28年度で17.5%となり,8年前から比べて2倍にふえている現状があります。発達障害のある子供の支援には,周りにいる人の理解や心理的受容があることが大切で,教育現場や生活,就労の場において,一人一人違う個性とも言えるその発達特性を理解して人間関係を築いていけることが望まれます。子供に発達障害やその疑いがあると告知されたとき,その母親や父親がそれを受けとめるにはしばしば大きな困難を伴います。その理由は,「障害」という言葉を心理的に受け入れることの難しさや具体的な対応についての情報や身近な相談の場の少なさ,学校などの枠組みの中で分離を経験することなどが挙げられます。発達障害と診断される子供が年々ふえている中で,この保護者の心理的ケアができる機会やその配慮がまだ少ないのが現状です。親や周りにいる大人の受けとめ方やその後の対応次第で,子供の持つ発達特性や問題行動があらわれにくくなる場合もあれば,逆に反抗や鬱などの2次障害につながる場合もあり,この心理的受容についてのサポートはとても重要だと言えます。今年度,県が行うかかりつけ医等の研修においても,この保護者の心理的受容への配慮ができるよう,診断や相談の場で適切な助言を行えるよう,医療従事者の理解を促していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 また,経験者の話を聞いたり,当事者同士で情報交換できる交流会も悩みの解消やエンパワーメントの一助となります。そのような交流会の情報把握や周知,開催支援ができるよう,市町村での取り組みを進めていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 また,近年ふえつつある児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援については,そこで行われる発達支援等の質を担保するための仕組みも必要になっており,行政としての指導力が求められていると思いますが,県としての考えをお聞かせください。 次に,保育士の職場環境の改善について質問します。 若い世代が社会の仕事を担いながら子育てを両立していくために,保育園は欠かせないものであり,待機児童の解消,保育士の確保は喫緊の課題となっています。平成23年度の日本保育協会の調べでは,保育者の離職理由として最も多いものが,職場での人間関係で45.9%,次いで給与の45%となっています。会議で全く意見が出ない,保育に関する話し合いが少ない,若手がすぐやめてしまうという,保育現場の課題を解決するために,東京都のある専門学校は,文科省の委託を受けて保育ファシリテーターの養成講座開発に取り組みました。プログラムの中で,後輩への語りかけや保護者対応のロールプレーなどを通じて,ファシリテーションの技術を学んでいきます。受講者の活躍で実際に現場環境が改善した事例もあり,現場では経験年数が多い人に決定権があったりするが,同じチームの職員で思いや意見を言い合える関係ができてきていると言われています。また,このプログラムに参加したある園では,高い離職率の原因であった保護者のクレームを解決するために,講座で学んだ相互理解の考えをもとに,お迎えのときの5分間でミニ公開保育をしてみることで,保護者の姿勢などに変化が起こり,離職状況も落ちついてきたそうです。保育士の離職を防ぐには,非正規職員を初めとする処遇の改善が不可欠ですが,あわせて,職場環境の改善のためにこのようなファシリテーション技術を普及させていくことも効果があると思われます。岡山県での保育士の研修に取り入れていくことを検討してはいかがでしょうか。 次に,働き方改革について質問いたします。 ことし3月,政府は,長時間労働の是正や非正規雇用の処遇改善など,9分野にわたる改革の方向性を盛り込んだ働き方改革実行計画をまとめました。働き方改革をめぐっては,昨年9月に,有識者らで構成する働き方改革実現会議が設置され,同年12月の同一労働同一賃金ガイドライン案の策定,ことし3月の時間外労働の上限規制等に関する労使合意など,幾つかの政策項目で一定の進展が見られ,実行計画にはこうした成果が盛り込まれています。言うまでもなく,これら働き方改革は,一義的には個々の企業,事業所における労使の労務管理改革,意識改革が取り組みの中心になります。今後,国は,法改正やガイドラインづくりなどに取り組みますが,働き方改革に資する事業実施に活用できる交付金等を造成し,自治体に取り組みを促すことも検討されていると聞きます。 そこで,知事に伺います。 働き方改革に関して,実現会議におけるこれまでの議論経過や実行計画への評価と,その推進に当たり県の果たす役割とその実現に向けた意気込み,具体的に検討している取り組み等があればお知らせください。 働き方改革を地域に浸透させていくためには,自治体が旗振り役になり,関係者の連携や情報共有を推進し,地域の実情に応じた取り組みを進めることが重要です。また,岡山県は,全国平均に比べ,100時間程度労働時間が長いことが指摘されています。地域の政労使の代表者が長時間労働の解消に向け知恵を絞り,対策を講じていくことも必要ではないでしょうか。平成27年より,岡山労働局働き方改革推進本部の取り組みとして,おかやま働き方改革会議が開催されていますが,働き方改革は,
少子化対策や女性活躍など,地方創生の基盤となる重要政策であるため,働き方改革については,この会議も含めて県が先導し,推進していくことが望まれますが,知事の御所見を伺います。 県は,ことし1月,従業員30人以上の事業所を対象に,働きやすい
職場づくりに関する実態調査を実施し,51.5%に当たる1,030社から回答を得,その結果を公表しました。これによると,事業所が働きやすい
職場づくりに向け,行政に求めるものとして,先進的な取り組みを行う企業の情報提供,取り組みを推進する企業への助成制度が上位1位,2位を占めています。また,休暇取得促進については,全県的な意識醸成を図る
キャンペーンが30%を超えており,とりわけこの分野では,行政の旗振り役としての機能発揮を求められていることがわかります。他方で,国や自治体の支援制度の認知と活用についての回答を見ると,さまざまな支援制度があるにもかかわらず,その活用は1から7%にとどまり,制度について認知なしと答えたのは7割近くとなっています。より積極的な周知が求められていますが,中小企業などでは,人事部門などに専任の担当者を配置できず,業界団体のセミナーを受けたり,行政の支援制度に関する情報収集に手が回らないケースも多いと思われます。認知度を上げるために,労働局や市町村,経済団体との連携も含め,どのような対策が考えられるのか,御所見を聞かせてください。 あわせて,調査結果を踏まえ,休暇取得などに関し,県が旗振り役になって意識醸成を図るお考えはあるのでしょうか,御所見を伺います。 また,このような県内企業に対する広範な調査の結果は,企業だけでなく,地域の労働組合にとっても貴重な資料となります。調査結果の労働組合,労働団体等へのフィードバックについても御検討いただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 ことし3月の改正労働交通法の施行に伴い,75歳以上の運転者に対する認知機能検査の強化等が行われ,検査結果に応じて受ける講習の内容が変わることになりました。昨年11月定例会の当会派
代表質問で,高齢者講習受講の際の問い合わせ窓口一本化と自動車学校・教習所の受け入れ体制拡充についての質問に対し,運転免許センターにおいて,臨時認知機能検査や臨時高齢者講習等について行うとともに,リアルタイムに教習所の予約状況を集約して受講案内を行うとの
警察本部長の答弁をいただきました。しかし,対象者からは,なお講習の定員がいっぱいで受講できない,受講場所が遠隔地を案内されたなどの苦情が出ているとの声を聞いています。そうした現状の受けとめと今後の改善策について,
警察本部長にお伺いします。 インターネットが生活や経済活動の基盤として定着し,サイバー空間が県民の日常生活の一部となっている中で,匿名化通信技術の悪用など,手口の悪質化・巧妙化により,犯人の特定が一層困難となり,サイバー犯罪対策の重要性はますます高まってきています。そうした中,先月には,世界各国で同時多発したサイバー攻撃により,国内でウイルス感染したパソコンが約600カ所2,000端末に上り,県内でも被害が発生しているとの報道がありました。とりわけ,ランサムウエアによる被害は150カ国で20万件以上と言われています。ちなみに,ランサムとは身の代金の意味で,ランサムウエアとはパソコンや
スマートフォンにあるファイルの暗号化や画面のロックを行い,データを人質として復旧させることと引きかえに金銭を要求する手口に使われるウイルスのことで,感染した端末だけでなく,共有サーバーや外づけハードディスクに保存されているファイルも暗号化されることがあります。感染経路としては,メールやウエブサイトからの感染であり,このサイバー犯罪の標的は,官庁や機密情報を持つ企業だけでなく,あらゆる企業,一般家庭へ拡大しているため,県警ではホームページにおいて警告を発信しています。改めて,
警察本部長から県民へのメッセージをお聞かせください。 あわせて,県民には,もっとわかりやすく幅広い周知が必要と考えますが,今後の対応策についてお聞かせください。 次に,獣医師について質問します。 動物の保護,衛生,畜産業の発展,公衆衛生の向上など,暮らしや食の安全を守るためになくてはならない役割を担っているのが獣医師の皆さんです。しかし,近年,学生の中では,小動物臨床を志望する傾向が強まっており,本県の生産動物のための獣医師募集では,定員割れの年が続き,長期的な人員不足が続いています。本県には,獣医学部のある大学がないこともあり,県外からの就職も多いのですが,中途でやめてしまう人も多く,定着率が低い現状にあります。県の獣医師には,6年制大学で学んだ専門性の高さや業務負担の大きさに見合った待遇が求められており,福岡県が今年度から行ったような給与体系の見直しを行うべきと考えますが,いかがでしょうか。 また,近年,女性の獣医師がふえており,県職員でも現在は約4割が女性となっていますが,今後,この傾向はさらに高まると思われ,女性が子育てしながら働き続けられる環境整備も不可欠です。しかし,産前産後休暇や育児休業をとる制度があっても,代替の人員が不足していると,子供を産むことをちゅうちょする状況をつくりかねません。獣医師は,代替職員の確保も難しくなっており,その一要因となっている待遇の改善が必要です。代替職員の給与体系も見直す必要があると思いますがいかがでしょうか,あわせて伺います。 物流港として機能している宇野港・田井地区は,国道30号の4車線化の交通網整備などがなされたことから,平成26年11月には,同地区の港湾関連用地に新たに2つの企業進出が決定し,県の分譲地は完売となり,立地意欲のある事業者の要望に応えられず,企業誘致の機会を逃している状況です。また,同地区は,博多,広島,坂出,三島川之江,堺泉北,東京,千葉などに3航路,週12便のRORO船が就航しています。さらに,宇野港・田井地区の貨物取扱量は,平成26年の65万8,000トンから,平成27年は97万9,000トンと,大幅な伸びを示していて,貨物取扱量の増加に対応するためにも,貨物の積みおろしのスペース及びRORO船等が着岸する岸壁の増強が急務となっています。こうした背景の中で,県内最大の水深12メートル岸壁を誇る水面整理場は,近年,原木取扱量が激減し,平成18年以降は全く利用されておらず,港湾計画と現状との乖離が進んでいます。そうしたことから,中国地方整備局宇野港湾事務所主催の宇野港利活用方策検討委員会においても,水面整理場の活用による物流機能の強化について検討が進められていましたが,このたび国において宇野港における物流機能高度化等基盤整備検討調査として,事業費900万円の補助事業が採択されました。地域発展を図るため,同地区の利用形態の見直しや用地拡大等に向けた検討が進められることが期待されますが,知事のお考えをお聞かせください。 次に,教職員の働き方改革について質問します。 教職員の長時間労働の問題は,4月28日に公表された文科省の教員勤務実態調査結果でも明らかなように,深刻な事態となっています。昨年6月に県教委が実施した勤務実態調査においても,月当たりの時間外業務が小学校で約64時間,中学校で約87時間となっています。この結果は,中学校教員が平均で過労死ラインと言われる月80時間を超えていることを示しており,苛酷な状況にあることは明らかです。現代の子供が抱える複雑多様な課題に対応しつつ,子供たちが生き活き学べる環境をつくっていくためには,まず一番身近にいる先生が元気でなければならず,長時間労働の解消に向けた取り組みをなお一層進めていかなければなりません。昨年長時間労働の問題が明らかになったヤマト運輸は,長時間労働の一因となっていた時間帯指定配達の見直しや,宅急便貨物量の抑制など,大胆な事業の見直しを含んだ方針を打ち出し,同時に従業員を前年度比の5%ふやし,慢性的な人手不足の解消に取り組んでいます。この取り組みに見られるように,長時間労働を是正するためには,既存の業務を削減することと,業務量に見合う人員を増員することが必要不可欠です。県教委の働き方改革プランにおける重点取り組みでは,教職員の意識改革や業務改善など,現場に委ねる内容が多いですが,総業務量の削減や教職員の増員に向けて県教委が主体的に方針を打ち出すべきと考えますが,教育長の御所見を伺います。 次に,医療的ケアの必要な子供の教育保障について質問します。 平成27年5月の文科省の調査では,全国の公立特別支援学校で日常的に医療的ケアが必要な子供は8,143人,公立小中学校は839人です。その中でも特に人工呼吸器をつけた子供は,訪問教育を受けることがこれまでの通例でしたが,みんなと一緒に通いたいという希望のもと,公立小学校に通う子供もふえてきており,そこでは訪問教育では体験することが難しい多様な授業や友達とのかかわり合いが実現しています。しかし,たとえ学校に看護師がいても,保護者の付き添いを求められることが多いため,その負担が保護者に重くのしかかっていることが大きな課題となっています。昨年4月に,障害者差別解消法が施行され,誰もが分け隔てなく平等に学べる
環境づくりの必要性は高まっており,医療的ケアを必要とする子供が保護者の付き添いなしで学校に通える環境整備も重要な課題となっています。平成28年度に,県内の公立小中学校及び特別支援学校に在籍する医療的ケアの必要な児童生徒の学校生活における保護者等付き添いの実態を,教育長にお尋ねします。 また,医療的ケアが必要な児童生徒が保護者の付き添いなしで通えるための環境整備が進むよう,県としても市町村に働きかけながらしっかり取り組んでいただきたいと思いますが,教育長の御所見をお聞かせください。 最後に,LGBTへの理解促進について質問いたします。 電通ダイバーシティ・ラボが行った調査によると,LGBTと呼ばれる性的マイノリティーは13人に1人,40人クラスだと3人の割合でいると言われています。LGBTの子供たちは,物心ついたころに生まれ持った体の性とは違う心を持っていることに気づいたり,思春期になって恋愛感情を持つ相手が同性であることなどに気づきますが,これまでの社会通念が生む偏見などにより,そのままの自分を受けとめることが難しく,孤立を感じたり,中にはリストカットなどの自傷行為を経験する子も少なくありません。昨年プラウド岡山が実施した,主に岡山県内の性的マイノリティーを対象とした学校生活に関するアンケート調査では,152名が回答し,その46%が自傷行為を経験し,64%がもう生きていたくないと思ったことがあると答えています。また,88%の子供が先生に相談できなかったと答えていますが,中には同性愛は悪いことじゃないよという教師の言葉や一緒に学ぼうとしてくれた養護教諭の対応に救われたという子供もいます。アンケートの自傷行為などの数からわかるように,多数と異なる性自認や性的指向を自己肯定できるかどうかは,その人にとって生存を左右するほど大切な要素です。周りの無理解や偏見により,傷ついている子供たちが一人でも救われるよう,LGBTへの理解促進や相談しやすい
環境づくりなどを進めていただきたいと願います。具体的には,学校の図書室や保健室にLGBTに関連する本を置くことや教職員の理解促進のための研修,相談窓口や相談機関をカードなどで周知することなどが考えられますがいかがでしょうか,教育長にお伺いします。 以上で民主・県民クラブの
代表質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。
○議長(伊藤文夫君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 民主・県民クラブの大塚議員の
代表質問にお答えいたします。 まず,公共交通のあり方についての御質問であります。 地域公共交通網形成計画についてでありますが,県では,市町村の計画策定を支援するため,市町村が住民や事業者などの関係者と協議する場に参画し,広域的な見地から助言を行うとともに,必要となるデータの収集や分析などに対して財政的な支援を行っているところであります。 次に,地域公共交通ネットワークの維持・確保についてでありますが,地域住民の生活を守る上で重要な課題と考えており,県としては,広域的な見地から助言を行うとともに,幹線的なバス路線の運行や地域に適した交通手段の導入に係る市町村の取り組みに対する財政支援などにより,引き続き,地域公共交通の維持・確保に努めてまいりたいと存じます。 次に,移住・定住についての御質問であります。 空き家の掘り起こし等についてでありますが,空き家調査などの市町村の取り組みを支援するとともに,市町村や民間団体と連携して,空き家情報流通システムを運用し,空き家の利活用を促進しているところであります。今後とも,こうした取り組みを市町村と一体となって進めることにより,賃貸物件も含め,空き家の掘り起こしや利活用の促進に努めてまいります。 次に,移住者受け入れ体制整備の取り組みについてでありますが,移住希望者にとって地域組織などは,住宅の調整だけでなく移住後の日々の生活のサポート役としても大変重要であると考えております。このため,今年度からの移住者受け入れ体制整備の取り組みにより,地域と市町村が一体となって移住者をサポートする活動を支援することで,地域組織などの受け入れがより積極的になるとともに,こうした取り組みが多くの地域に広がるよう期待しているところであります。 次に,仕事関連情報の提供拡充についてでありますが,これまでも,移住・定住ポータルサイトにおいて,ハローワーク等の求人情報を閲覧可能とするとともに,移住相談会では,就職相談ブースや県内企業の紹介コーナーを設置するなど,仕事についての情報提供に努めております。今後とも,民間転職会社との連携も含め,移住希望者が利用しやすいよう,ポータルサイトの改善や移住相談会での仕事情報の充実に取り組んでまいります。 次に,情報提供サイトの工夫等についてでありますが,仕事探しは,移住に向けた大きな課題の一つであり,お話のようなポータルサイトでの職場の雰囲気や働く人の思いの紹介までは考えておりませんが,地域や仕事の魅力が伝わるよう工夫しながら情報発信してまいります。 また,「継業」については,移住者が地域産業の後継者となれば,地域にとっては経済の活性化につながり,双方にメリットのあるものと考えます。事業を引き継ぐには,技術の習得や地域の理解と支援が必要となることから,こうした仕事の掘り起こしについては,市町村や地域と連携しながら取り組んでまいります。 次に,発達障害のある子供への支援についての御質問であります。 かかりつけ医等の研修についてでありますが,この研修では,診断やその後のフォローにおける保護者の心理に配慮した家族支援のあり方についても,カリキュラムに組み込んでいるところであり,今後とも,身近な地域で発達障害のある子供と家族を適切に支援できるかかりつけ医など,医療従事者の養成に努めてまいりたいと存じます。 次に,交流会についてでありますが,親同士が経験を共有し,支え合う大変有意義な取り組みであることから,県では,こうした取り組みの連絡調整も含め,地域連携を担うコーディネーターの配置を市町村に働きかけるとともに,先輩として相談に応じるペアレントメンターを派遣しているところであります。今後とも,ペアレントメンターを養成・派遣するとともに,コーディネーターの配置促進に努め,市町村の取り組みを支援してまいりたいと存じます。 次に,発達支援等の質の担保についてでありますが,平成24年度の制度創設以降,放課後等デイサービスなどの事業所が大幅に増加し,不適切な事例もふえているとの指摘があったことから,本年4月に,有資格者または経験者の配置を義務づけるなど,指定基準を厳格化したところであります。今後,新基準に沿って実地指導等を行い,発達障害児に対する通所支援サービスの質の向上に努めてまいりたいと存じます。 次に,保育士の研修についての御質問でありますが,保育士の離職防止のためには,若い保育士が自信を持って業務に臨めるよう指導する中堅職員の専門性やマネジメント能力の向上が重要であります。今後,県が行うこととされている保育士のキャリアアップのための研修では,乳児保育や保護者支援などの専門分野に加え,リーダーとしての資質を高めるマネジメント分野もカリキュラムに盛り込む必要があることから,お話のファシリテーション技術の研修についても研究してまいりたいと存じます。 次に,働き方改革についての御質問であります。 働き方改革実行計画への評価等についてでありますが,日本の労働制度や働き方における課題解決を目指して,労働界と産業界のトップ,さらには有識者も含め合意形成し,実行計画が決定されたことは,画期的であると評価しているところであります。県としては,これまで,誰もが働きやすい
環境づくりに向けた意識醸成に努めておりますが,今後,時間外労働の上限規制など,国による制度改革の動向を注視しながら,働き方改革が実効あるものとなるよう取り組みを検討してまいりたいと存じます。 次に,県の先導についてでありますが,新生き活きプランにおいても,働く人応援プログラムで,仕事と生活の調和に配慮した多様な働き方の推進を重点施策に位置づけ,働く人と企業の双方の意識改革などを推進することとしているところであります。県としては,お話の会議の場も活用し,関係機関の緊密な連携を図りながら,地域ぐるみで働き方改革が進むよう積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,働きやすい
職場づくりについての御質問であります。 支援制度の認知等についてでありますが,調査結果を踏まえ,先般,労働局とも連携し,制度を紹介したチラシを県内企業へ配布するとともに,経済団体や市町村等に周知を依頼したところであり,今後とも,さまざまな機会を通じ,制度の普及に努めてまいります。また,休暇取得の促進等についても,労働局等と連携を図りながら,意識醸成に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,調査結果のフィードバックについてでありますが,今回の調査結果は,仕事と生活の調和に配慮した誰もが働きやすい
職場づくりに参考となることから,報告書を主要な労働団体や経済団体,市町村等へ送付するとともに,県ホームページへ掲載するほか,電子メールで企業へ周知するなど,幅広く普及に努めているところであります。 次に,獣医師の確保についての御質問でありますが,お話の福岡県のような獣医師に特化した給料表の導入には,人事委員会の勧告を踏まえるべきであること,さらに,本県の初任給水準は,他県と比較しても遜色ないことから,現時点で見直しは考えていないところであります。また,育児休業の代替職員についても,正規職員と同様の給与制度を適用しております。しかしながら,応募者数が少ないことから,受験年齢の引き上げや試験会場の追加など,受験機会の拡大に取り組んでいるところであり,今後とも,獣医師の確保に努めてまいりたいと存じます。 最後に,宇野港・田井地区の利活用方策についての御質問でありますが,宇野港の物流機能の強化を図り,地域の発展につなげるため,今年度,お話の調査により,同地区の貨物及び土地の需要調査,既存岸壁の構造検討等を行うこととしております。同地区の利用形態を検討していく上では,海水面の埋め立てや整備手法等について,関係者との協議・調整が必要となることから,調査結果も踏まえながら,慎重に検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(伊藤文夫君) 教育長竹井千庫君。 〔 教育長 竹井千庫君 登壇 〕
◎教育長(竹井千庫君) 民主・県民クラブ大塚議員の
代表質問にお答えいたします。 まず,教職員の長時間労働についてでありますが,教職員が元気で意欲的に働き,教育の質を高めるには,長時間労働を見直す必要があり,このたび市町村教委と連携して働き方改革の方針を示したところであります。具体的には,時間管理の徹底など意識改革を行い,業務の見直しと効率化を図るとともに,小学校で増加する若手教員のための授業準備の支援や,中学,高校での部活動休養日の徹底などに取り組むこととしております。また,国に対してさらなる定数改善を提案するとともに,今回拡充した教師業務アシスタントや運動部活動支援員と教員とがチーム学校として一体となり,子供たちの教育に取り組む体制づくりを進め,働き方改革に全力で取り組んでまいりたいと存じます。 次に,医療的ケアの必要な児童生徒についてのうち,保護者等付き添いの実態についてでありますが,平成28年度,県内の公立小中学校に在籍する医療的ケアが必要な児童生徒は9名,このうち付き添いが必要な者は5名で,この中には人工呼吸器を装着している者2名が含まれております。また,特別支援学校の通学生では87名おり,うち付き添いが必要な者は4名であります。付き添いが必要な理由としては,医療的ケアを頻繁に実施するため,つきっきりでの対応が必要なことや,体調急変時に即時の対応が求められることなどがあります。 次に,市町村への働きかけについてでありますが,医療的ケアの必要な子供の受け入れについて,子供の状況によっては保護者の協力が必要な場合もありますが,負担の軽減が図られることは大切であると考えております。そのため,学校の受け入れ体制づくりのアドバイザーとして医師等を派遣する事業や,看護師配置に関する国の補助事業の活用を,市町村教委に働きかけてまいりたいと存じます。 最後に,LGBTへの理解促進等についてでありますが,県教委では,第3次岡山県
人権教育推進プランに基づき,性的少数者について理解し,多様な性を認める教育や性的少数者が自分らしく生きるための支援を進めることとしております。そのため,教職員を対象とした各種研修において,専門医やLGBT当事者による講演やワークショップを実施するなど理解を深めるとともに,図書室等への書籍の配置についても働きかけているところであります。また,相談窓口の周知方法については,今後,関係機関等と連携しながら検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(伊藤文夫君)
警察本部長西郷正実君。 〔
警察本部長 西郷正実君 登壇 〕
◎
警察本部長(西郷正実君) 民主・県民クラブ大塚議員の
代表質問にお答えします。 高齢者講習についてであります。 まず,現状の受けとめについてでありますが,議員御指摘のとおり,平成27年から28年末ごろにかけて,県南部の自動車教習所を中心に,高齢者講習の申し込みから受講までの期間が最長で5カ月程度となっておりました。このため,高齢者講習通知書において早期に受講できる自動車教習所を具体的に情報提供するとともに,受講者からの相談に対応し,その意向に沿った早期受講可能な自動車教習所を案内するなどいたしました。さらに,運転免許センターにおきましては,これまでに高齢者講習を約260人に対して行った結果,最近の受講待ちの状況につきましては,最長でも2カ月程度で受講できるまでに改善をしているところであります。今後の対策についてでありますが,現在,高齢者講習通知書により具体的な情報提供を引き続き実施するとともに,本年3月からは,リアルタイムで教習所の予約状況を把握できる高齢者講習管理システムを活用しながら,高齢者のニーズに対応した受講案内を行っております。さらに,自動車教習所に対しては,新講習の繰り上げ実施や新法に沿った合理的な講習の実施について要請するなどし,引き続き受講待ち期間の短縮など,受講者のニーズに沿った高齢者講習の実施に努めてまいります。 次に,サイバー犯罪対策についてであります。 議員御指摘の世界的規模で発生したランサムウエアによる被害を初めサイバー空間における脅威は,ますます高まっており,県警察におきましては,本年3月,サイバー犯罪対策課を発足させ,この種犯罪への対策を強化しているところであります。先般実施しましたアンケートにおきましても,
スマートフォンのウイルス対策が半数以上になされていないなど,特に若者を中心としてセキュリティー意識が十分でないことが認められましたので,このような現状に加え,新たな手口の発生やその対策につき,ホームページやフェイスブック,マスコミなど,あらゆるメディアを活用した広報啓発を行っているところであります。また,最近のサイバー犯罪におきましては,中学生などの少年が遊び感覚で関与している実態がありますので,県内の小学校から高校までの全学校を対象として実施しております非行防止教室において,インターネット利用の危険性や犯罪になる具体的な行為などについて周知をしているところであります。さらに,今後は,
民間事業者や大学教授などの有識者によるサイバーセキュリティ研究会を発足させ,サイバー犯罪の新たな手口や犯人を特定する解析手法などを研究し,その成果をサイバー犯罪捜査に活用するとともに,セキュリティー対策の充実に反映させることとしております。特に,中小事業者などにサイバー犯罪の脅威を知っていただくため,ランサムウエアなどのウイルス感染の被害を疑似体験できる体験型セミナーも開催し,サイバー犯罪の被害防止対策を一層充実してまいります。 以上でございます。
○議長(伊藤文夫君) この際,午後1時まで休憩いたします。 午前11時41分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時再開