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03月07日-06号

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  1. 岡山県議会 2017-03-07
    03月07日-06号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
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    平成29年 2月定例会          ◎ 平成29年2月岡山県議会定例会会議録  第6号〇 平成29年3月7日(火曜日)                  議  事  日  程                  午前10時開議第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時開議 ○議長(井元乾一郎君)  皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 一般質問 ○議長(井元乾一郎君)  日程に入り,一般質問を行います。 8番山本雅彦君。   〔 8番 山本雅彦君 登壇 〕 ◆8番(山本雅彦君)  皆さん,おはようございます。 自由民主党の山本雅彦でございます。 本日のトップバッター,どうぞよろしくお願いいたします。 このたび,岡山県道路交通法施行細則が一部改正され,一部の道路区間(蒜山高原自転車道)において,タンデム自転車の2人乗りが可能となりました。視覚障害者の方々を初め,単独で自転車利用が困難な方も,健常者が同伴することにより,自転車走行による爽快感や自然との触れ合い,新しい世界が開けたことと,また,タンデム自転車が利用できることで,蒜山高原において,リゾート観光を楽しむお客様がふえることなど,大変意義ある改正になったと思います。この改正に至る経緯については,昨年6月本会議定例会にて,故佐藤真治先生が一般質問で取り上げられました。先生からの「視覚障害を持たれている方々がどんなに喜ばれるだろうか」,また,「県北の観光振興にもつながる」と,期待を込めた質問に,県警本部長から,「前向きに検討してまいります」と,打てば響くようなやりとりがあったこと,この一番前の議席で会議に臨ませていただき,ついきのうのことのように覚えています。議会一般質問の提言から,政策,また,法規制,そして改正への実行。まさに議員冥利に尽きると思います。私自身も,こんなセンスのある,成果が上がる,よい質問ができるように頑張らなくてはと思いました。佐藤先生も,今,天上でにっこりほほ笑んでおられる,「次はどんな質問をしちゃろうか」と考えていらっしゃると思います。改めてまして,昨年11月12日に,52歳の若さで御逝去された佐藤真治先生の県政に対する熱い思い,長年にわたる県政発展への御尽力・御功績に対しまして,心から敬意を表し,先生の御冥福をお祈り申し上げます。 それでは,通告に従いまして質問に入ります。 初めに,林業振興をテーマにお尋ねをいたします。 林野庁の統計によれば,日本の木材自給率は,平成14年には18.8%と,非常に低い数字を記録いたしましたが,その後年々上昇を続け,平成27年には33.2%にまで戻ってきております。さらに,国は,平成37年までにこの自給率を50%まで高めようとされており,そういう目標を打ち出しているところでございます。このように,今後,国産木材の活用は,大きく進んでいくことが予想されます。 その一方,岡山県の状況を見てみますと,林業就業者の数がこの30年で大きく減少しています。また,製材所の数も減少が続いていたりと,林業の基盤に揺らぎが生じており,現状のままでは,せっかくの追い風を生かし切れない可能性があると思います。岡山県,中でも津山市においては,市域の7割が森林であり,そのうち61%が杉やヒノキなどの人工林で,中でもヒノキの植栽率は高く,美作ヒノキとしてブランド化を図っています。このように,本県は,県北地域を中心に,品質の高い美作材が産出され,特に高級建材であるヒノキでは,生産量日本一として有名な地域となっていると言えるところであります。したがいまして,岡山県として,その林業の有する潜在力を引き出すための根本的な対策が,さらに必要ではないかと考えているところであります。中でも,先ほどの課題の大きな要因の一つは,森から出る素材に付加価値をつけて販路につなげる好循環が地域内にできていないため,市場からの収益が山元に還元されないことにあるのではないかと思います。そのため,県北地域を中心に,県内の自治体の広域的な連携強化を支援し,入り口から出口まで,お金の流れが循環する仕組みをつくるような施策が必要と考えますが,現在の県の取り組み状況や御見解を知事にお尋ねいたします。 また,津山圏域では,美作材輸出振興協議会が中心となって,昨年8月,韓国にアンテナショップをオープンさせ,美作ヒノキのPRに取り組んでいますが,この協議会に対して,どのような支援をしているのか。また,この施設を有効に活用するための取り組みは考えられていないのか。韓国アンテナショップのオープニングに,津山市の宮地市長とともに参加された宮地副知事に,そのときの手応えと感想をあわせてお尋ねいたします。 同時に,林業の振興にあわせて考えていかなくてはならない課題に,有害鳥獣の対策があります。県として,広域で効果的な防護柵の設置に対する支援制度は,どのようなものがあるのか,いま一度確認させていただきますとともに,本年度予算の執行状況をあわせて農林水産部長にお伺いいたします。 また,ふえ続ける有害獣を地域の資源として活用を図っていくジビエ振興については,岡山県,特に美作県民局が中心となり,関係市町村と連携した取り組みを行っていただいております。将来的には,県北の数カ所にジビエの処理・加工・販売施設をつくってブランド化につなげ,地域の稼ぐ力にしていかなくてはなりません。また,最近の動きとして,一部の障害者作業所が,ジビエを利用したペットフードづくりに取り組む計画もあるとお聞きいたしました。ジビエ振興について,知事の御所見を賜りたいと思います。 あわせて,このような広域的な取り組みを具体的に進めていく,その原動力となるのが岡山県のなるべき姿だと考えますが,御答弁をお願いいたします。 次に,中山間地域における岡山県の対応についてです。 何度も何度も申しますが,現在,県北部を中心に,過疎化,高齢化が進み,耕作放棄地の拡大を初め集落機能の低下といった現状が見られるところであります。この状況において,いかに集落機能の低下を食いとめていくか,そしていかに地域の再生につなげていくかが大きな課題であります。 まずは,これまでの中山間地域への取り組みと新年度の特に力を入れていく施策,取り組みを知事にお伺いいたします。 また,この課題克服に先進的に取り組んでいるところに,高知県がございます。高知県では,2003年より,県の職員が市町村に駐在し,それぞれの視点で自主的な活動を行う制度として地域支援企画員制度を導入して,地域のニーズの把握に努め,地域の課題解決を図ろうとされています。現状,市町村職員は福祉とか農林業とかの分野など,いずれかに所属する,いわゆる縦割りの組織であることから,地域の住民の皆さんと一緒になって地域の振興を図ることが難しいと思います。そのデメリットを解消する上で,地域支援企画員制度は,非常に評価されるものではないかと考えます。今,市町村は,財政の問題もあり,人手不足です。なので,よっぽどのスーパー公務員でない限り,職員が地域に出て地域づくり支援をある程度の自由度でやることが難しくなっております。地域支援企画員は,地域に出向し,ある程度自由度を持って動き,地域に必要な支援を行うことのできる立場にあります。疲弊する地域では,地域支援企画員は大変重宝され,とりわけ若くて行動力も高く動ける方が地域支援企画員になると,その人が頑張って動くと,少し地域が前向きに動ける状況に転じたりする場合もあるとお聞きしております。分野に属さないことから,フリーに動ける,ある意味遊軍的に動けるという立場が大きな特徴であり,地域支援企画員自身が仕事を考え,自分自身で実践するという画期的な職務のあり方であろうと思います。この企画員は,当然のこと,県庁には机はなく,市町村に配属され,役所,役場内に机を持ち,県職員の身分で業務に当たる制度のことです。2003年,当初は7名の県職員が,地域の元気応援団長として配置され,2014年には,65名の体制ということであります。そして,県内各地域での特徴や特性を生かしながら,特産品のブランド化を図るなど,活発な活動が行われている状況があります。 本県においては,県民にとって県職員とは,少し遠い存在なのではないでしょうか。県全体の課題,分野ごとの課題と現状を把握され,対応していくことも当然必要で求められているところでありますが,人口減,そして高齢化の地域に,県職員の持つ行動力と知識,経験を生かす中で,その地域の持続性を高めていくことが求められていると感じております。このような取り組みを先進的事例としながら,中山間地域へのアクティブな県職員の配置を考えてみることはできないか,知事の御所見を賜りたいと存じます。 最後に,メガソーラー太陽光発電について質問いたします。 現在,地球温暖化防止対策が急務です。太陽光発電は,地球に優しい低炭素社会実現の切り札の一つと考えます。また,環境面に限らず,住宅用太陽光発電導入により,売電収入で住宅ローンの一部を賄えることができ,若い世帯が希望を持って新築住宅の購入や建築に踏み切れることから,家計にとっても大変メリットがあります。晴れの国おかやま,本県も省エネルギー社会実現への取り組みを推進することとし,太陽光発電を進めています。皆様御存じの岡山空港メガソーラーも,しっかり稼働し,毎日クリーンなエネルギーをつくってくれています。また,大規模な災害が発生した場合,電力会社からの電力供給がストップすることにより,防災拠点の機能に支障を来すことが予想されることから,防災拠点となる施設の機能強化のため,太陽光発電システム導入も重要であります。ビルや建物の屋根に太陽光パネルを設置し,電気をつくること,大いに推進していかなくてはなりません。小水力発電,また,バイオマス発電と合わせて,地域分散型エネルギーセキュリティー確保への積極的に取り組むこと,しっかり応援していきたいと考えます。 ところが,先日,2月28日の全国紙の社会面に大きく,「買取価格低下…受注激減」「太陽光事業者、相次ぐ倒産」との見出しで,太陽光発電関連企業の倒産が全国で2015年から急増し,2016年には65件,負債総額は計242億円に上がったとのことであります。これは,国が再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づく買い取り価格を年々下げ,太陽光バブルが収束したことが原因であります。小規模企業ほど経営悪化が顕著だということであります。かなりインパクトのある記事でございました。 ここで,住宅や施設,そして都市近郊の遊休地に設置される太陽光発電ではなく,大手資本が事業として岡山県内中山間地各地に建設し,また,建設を計画しているメガソーラーについて,何点かお尋ねしたいと思います。 確認の意味で,メガソーラーとは,出力1メガワット(イコール1,000キロワット)以上の大規模な太陽光発電であります。1メガワットメガソーラーで,おおむね年間100万キロワットアワー以上の発電量が見込めます。これは,一般家庭約300世帯が年間に消費する電力量に相当するそうであります。これからのメガソーラーについて,その設置基準や県の役割など,お尋ねしたいと思います。 まず,現在県が把握している県下市町村内でのメガソーラー設置計画は,どのぐらいあるのでしょうか,その件数と規模につきまして,環境文化部長にお尋ねいたします。 また,県北では,ゴルフ人口の減少に伴い,多数のゴルフ場が閉鎖されました。この閉鎖された膨大な広さを持つゴルフコースに,メガソーラー設置が進められています。雄大な自然の中に,まさにメガ級の数の発電パネルが並ぶわけであります。周辺環境への相当な影響があると思われます。設置までに相当な地元自治体,また,地元住民の皆さんとの協議も必要であろうかと考えます。ゴルフ場跡地の利用や森林の伐採などが必要なメガソーラー建設に伴う許認可等で,クリアしなければならない法令は,どのような法令があるのでしょうか,環境文化部長にお尋ねいたします。 また,森林の伐採による土砂崩れの懸念,水質や水の流れに影響を及ぼす可能性,動物の生態系を崩すおそれもあります。メガソーラーは,本県では環境アセスメント制度の対象となっておりません。一方,長野県では,全国でも有数の日射量を誇り,森林や河川も多く,再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組む地域の一つでありますが,自然環境を守りながら再生可能エネルギーの導入量を拡大するために,「長野県環境影響評価条例」を改正し,新たに,水力,地熱,太陽光による発電設備に,環境影響評価の手続を義務づけたようであります。また,資料によりますと,県下では,蒜山高原に0.8メガワット太陽光発電計画が持ち上がり,地元住民,また,地元観光協会が景観や自然破壊の損害を懸念され,反対。真庭市では,2015年1月に,「真庭市自然環境等再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例」を制定,蒜山地域を抑制地域に指定し,事業計画の届け出を義務づける一方,市が同意しないことで開発に歯どめをかけることにいたしました。 このように,環境アセスメントや環境保全,自然破壊防止などの観点から,条例を設定し,メガソーラー建設の規制をかけている事例がありますが,他県や県内市町村において他にこうした動きがあるのでしょうか,現在の状況を教えてください。また,こういった動きに対する御所見を,環境文化部長にあわせてお尋ねいたします。 そして最後に,知事に御所見をお伺いいたします。 現在,県がメガソーラー開発計画を十分に把握できていないまま,県下自治体の独自の判断で,ばらばらに虫食い状態で中山間地に大規模な太陽光発電設備が次々にできていると仮にします。仮にそうなると,台風や大雨の影響で土砂の流出,また,粗悪な基礎工事により,パネルの崩壊,そしてパネルが飛散,そしてさらには,最悪近隣住民の皆さんが何らかの被害を受ける,そういった可能性があります。その責任は,もちろん設置事業者でありますが,新聞記事を紹介したように,大手企業といえど,倒産する危険性もございます。また,不幸にして事故が起きたとき,最終的に責任は県に向けられるのではないでしょうか。私は,心配でなりません。知事は,どうお考えでしょうか。 私自身,自民党議員でございます。もちろん新エネルギー政策を推進する立場であります。しかし,メガソーラーの増加に伴い,住民や行政とのトラブルが顕在化し,その要因には,景観,防災,生活環境,住民との合意形成プロセスの不足などに加え,国の制度の整備不足も挙げられるのではないでしょうか。6年前の東日本大震災以降,余りにも急速に太陽光発電が普及し,法の整備が追いついていない現状があると思います。県から国に対しても,不安の声を上げていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。あわせて知事にお伺いいたします。何とぞよろしくお願いいたします。質問を終わります。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の山本議員の質問にお答えいたします。 まず,林業の振興についての御質問であります。 取り組み状況等についてでありますが,充実した森林資源を活用し,地域の活性化につなげるためには,森林所有者まで収益が還元される生産性の高い林業を実現することが重要であると考えております。このため,県では,津山市など県北5市町村と連携し,森林資源の利活用を核とした地域の活性化を目指す国のモデル事業に取り組めるよう,昨年12月から協議を進めており,こうした取り組みを通じて,広域的な連携強化を図り,市町村,林業・木材産業関係者等と一体となって林業の成長産業化に向けて取り組んでまいりたいと存じます。 次に,有害鳥獣対策についての御質問であります。 ジビエ振興についてでありますが,捕獲獣を地域資源として活用することは,地域活性化の観点から重要であるため,これまでも首都圏でのPRや商品開発の支援などを行ってきたところであり,来年度からは,おかやまジビエの全県的PRや販路開拓活動への支援に取り組むこととしております。また,市町村が連携した広域的な取り組みは,施設の効率的な運営などに有効であり,市町村との連絡会議等において,他県の取り組み事例施設整備等に関する情報提供や意見交換を行い,広域的な取り組みを促してまいりたいと存じます。 次に,中山間地域への対応についての御質問であります。 これまでの取り組み等についてでありますが,集落機能の維持強化を図る「おかやま元気!集落」や人口減少に歯どめをかけるための生き活き拠点の形成など,ソフト・ハード両面から総合的に取り組みを行ってきたところであります。新年度につきましては,元気集落の取り組み拡大や自立促進,生き活き拠点の形成促進,地域おこし協力隊など「ワカモノ・ヨソモノ」の新たな視点による地域課題の解決,移住・定住の促進などに重点を置いて,市町村と連携を図りながら,中山間地域の活力創出にしっかりと取り組んでまいります。 次に,中山間地域への県職員の配置についてでありますが,人口減少や高齢化の進行が大きな課題となっている中山間地域のニーズを的確に把握し,課題解決を図ることは重要であると考えております。このため,各県民局の地域づくり推進課に,市町村ごと連絡調整担当者を置くとともに,昨年度からは,「おかやま元気!集落」の取り組みなどをサポートする支援員を配置し,地域や集落の状況の把握や助言等を行っております。こうしたことから,高知県のように,市町村へ県職員を配置することは考えておりませんが,引き続き,市町村等と十分に連携しながら,地域のニーズや課題に応じたきめ細かな施策の実施に努めてまいりたいと考えております。 最後に,メガソーラーの設置についての御質問であります。 所見についてでありますが,県としての責任は,一義的には所管する法令等に基づく権限の範囲内になるものと認識しておりますが,議員お話の御懸念も十分理解できるところであり,今後とも,地域の貴重な自然や住民の生活に悪影響を及ぼすことのないよう,市町村とも連携を密にし,情報を共有しながら適切に対応してまいりたいと存じます。また,国に対しては,全国知事会を通じて,制度の改善等を要請してきたところであり,引き続き,地域の実情や課題を踏まえた意見をしっかりと伝えてまいります。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  副知事宮地俊明君。   〔 副知事 宮地俊明君 登壇 〕 ◎副知事(宮地俊明君)  お答えいたします。 林業の振興についての御質問であります。 美作材輸出振興協議会への支援等についてでありますが,現在,協議会において広域的な会員拡充や会員所在市町村に支援を働きかけており,県としては,こうした取り組みを積極的に後押しするとともに,引き続き,アンテナショップの運営費等を支援することといたしております。また,昨年の訪韓では,健康志向等に伴う県産ヒノキに対する関心の高さを実感したところであり,今後の販路拡大に大いに期待を持ったところであります。現在,ヒノキ生産量日本一を初めとする本県の特色を紹介した韓国向けの動画の作成や,韓国における消費者の嗜好,木材関係事業者の商品需要の調査分析を行っているところであり,こうした取り組みを活用するなど,韓国でのPRを積極的に行い,一層の輸出拡大につなげてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  環境文化部長大本裕志君。   〔 環境文化部長 大本裕志君 登壇 〕 ◎環境文化部長(大本裕志君)  お答えいたします。 メガソーラーの設置についての御質問であります。 まず,設置計画の件数等についてでありますが,国が公表している固定価格買取制度に関するデータによると,既に国の認定を受けている未稼働の太陽光発電設備のうち,1,000キロワット以上のいわゆるメガソーラーは,平成28年10月末現在で,全県で227件,約1,564メガワットとなっております。 次に,設置に伴う許認可等についてでありますが,メガソーラーの設置に当たり,一定規模以上の開発行為を伴うものについては,その土地等の状況に応じて,森林法や県土保全条例のほか,建築基準法都市計画法土壌汚染対策法等が適用され,また,自然環境保護の観点から,自然保護条例に基づく協定の対象となる場合もあります。 最後に,規制事例等についてでありますが,県内市町村の取り組みとして承知しているのは,お話の真庭市の事例のみですが,長野県と同様に,環境影響評価の対象としている自治体としては,神戸市や福岡市等があります。メガソーラーの設置に当たっては,関係法令の許可手続を適切に行いながら,それぞれの地域の実情に応じて対応することも肝要であることから,現時点では,県として一律の規制や基準を設けることは考えておりませんが,県内市町村に対して,他の自治体の事例を情報提供するなど,助言に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  農林水産部長京博司君。   〔 農林水産部長 京 博司君 登壇 〕 ◎農林水産部長(京博司君)  お答えいたします。 有害鳥獣対策についての御質問であります。 防護柵設置への支援等についてでありますが,集落全体を囲む集落柵が被害防止に効果的であることから,国庫補助事業及びそれを補完する県事業により,設置を支援しているところであります。今年度予算の執行状況については,要望があったもののうち,採択要件に合致した15市町村84地区の事業を全て採択し,9,584万円を執行する見込みであります。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  8番。   〔 8番 山本雅彦君 登壇 〕 ◆8番(山本雅彦君)  御答弁ありがとうございました。 メガソーラーにつきまして,いささか本当に心配な気持ちでいっぱいでございます。しっかり県下よく目配りをしていただきまして,大本部長には,一度ゴルフ場に開発されつつあるどこかの事例をぜひ御自身の目で確認していただけたらと,これは要望にさせていただきます。 中山間地域への支援について再質問をさせていただきます。 私の質問の中で,県職員の皆さんと県民の皆様との間に少し距離があると発言いたしました。知事におかれましては,昨年10月に,県民の熱い支援のもと,見事再選を果たされました。若く行動力のある知事に,民間出身で新しい可能性を感じさせる政策に,大きな期待が寄せられたわけであります。知事は,10月7日,選挙戦2日目には,早くも県北に入り,津山市最北部阿波地区から遊説をスタートされました。県北の産業の振興,農林業の再生が欠かせない,全力で中山間地が持つ潜在力を引き出す,県北の発展なくしては岡山県の発展はないと,力のこもった遊説でございました。応援に駆けつけてくださった方々も,大きな希望と勇気を知事からもらいました。高知県ですばらしい成果が上がっている地域支援企画員を含め,中山間地域支援について,もう一歩踏み込んだ御答弁をいただきたいと思います。 さらに,当日,津山市内の遊説,美作県民局の前の街頭演説会で,僣越ながら私も応援のスピーチをさせていただきました。知事には,大勢御参集いただいた支援の皆様との握手の時間でもあり,お話中で十分聞いていただけなかったかもしれませんが,私はスピーチで,何も岡山県庁が岡山市北区内山下ばかりにある必要はない,県庁を移転させることができないならば,知事室を1カ月に1日や2日は,この県民局に移動させ,知事が一日中ここで執務される,地域でそれぞれ責任ある立場で頑張っておられる方々に,県民局に来ていただいて,直接話し合いの場を持つ,また,知事が直接山や畑や田んぼ,工場や商店街,学校や医療・福祉の現場を訪問し,現場の声を聞く,そんな移動知事室をぜひ考えてほしいと,応援にならない要望のスピーチをいたしました。毎日忙しい日程で,また,危機管理の面からも,ハードルは高いと思いますが,また,毎月とは申しませんが,ぜひ知事が県民局に陣取り,管内の県民の皆様と直接触れ合っていただける時間をとっていただきたい,そう考えております。知事の姿が県北に勇気と希望を与えてくれると考えます。移動知事室について,御所見をお尋ねし,再質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  山本議員の再質問というか,新たな質問にお答えをさせていただきたいと思います。 山本議員は,本当に県北のことも県南のことも両方御存じでありまして,非常に熱心にいろいろ活動をされております。また,その際には,大変お世話になったところでございます。確かに応援してくださった皆様方のお話,全て聞いてなかった場面もございます。皆様方のお話を聞きながらということでございましたが,本当に大変感謝している次第でございます。 先ほどの,県庁職員,もっと地域を応援すべきじゃないかというお話でございます。具体的にどのようにするかということについては,これまでの県議会での論戦でも,集中したほうが専門性が出る場合もあれば,前面に出たほうが距離が近い,もしくは現場のことがわかることもあって,それについてはいろいろ試行錯誤を重ねていきたいと申し上げたときから,基本的な考え方は変わっておりません。ただ,県民局というのは,我々にとっても非常に大事な前線基地でありまして,県民局のそれぞれの職員がいかに市町村の皆さんから,もしくは現地の地域の皆さんから頼りにされるかと,コミュニケーションをうまくとるかということは,非常に大切なことでございまして,ぜひ他県のいろいろなやり方も参考にしながら,少しでも県民に近い県庁と呼ばれるように,これからも頑張っていきたいと思っております。また,どういう機能を持たせるのか,どういう人数にするのかというのは,常に微調整しているところでございます。 あと,県庁を移転してはどうかと,それができないなら,移動知事室みたいなものはどうかということでございます。 実際,私自身も,5年前,この仕事をする前は,もう少しいろいろな場所でイベントがあるのかと思っておりましたら,県全体のイベントも,いろいろな事情あるんでしょう,本当に県庁から1キロ以内のところでイベントが行われていると,いろいろ出ているつもりでも,実際には2キロか3キロの中をぐるぐる回っていることが意外と多いなあというのが,私の率直な実感でございます。特に週末等に県北もしくは東備,井笠,要するに岡山市中心部以外でイベントがあるときには,できるだけもう前後に1つか2つ,何かくっつける,もしくはつくってしまうということで,せっかくの機会を行ってすぐ飛んで帰るということじゃなくって,その機会をうまく利用して,そこで何かもう一つ二つしようということを,一,二年ほど前から始めているところでございまして,ぜひ私も含めて,先ほどは県庁職員の話,次のお話は私でありますけれども,それぞれの地域の皆さんから存在感があるなあというふうに思っていただけるように,工夫を重ねてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  以上で山本君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 12番小林義明君。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  おはようございます。 自由民主党の小林義明でございます。 本日も,新見市から総人口の0.1%に当たる多くの皆様に御来場いただいております。傍聴をしていただいております。一言お礼を申し上げます。ありがとうございます。 さて,知事,この冬の県北の大雪は,例年にも増して厳しいものでございました。生活の道である県道,市道の除雪は,県当局を初め関係の皆様の御努力で,十分な対応をしていただいたと感謝しております。しかしながら,県北に住む高齢者,とりわけひとり暮らしの高齢者にとって,自宅から県道,市道へ出るまでの雪かきは,骨の折れる作業で,現地を視察して,安全・安心の観点から,行政の支援の必要を強く感じた次第であります。そんな折,中山間地域等活性化特別事業につきまして,新年度予算案では,今年度の6億円から1億円を増額し,7億円の計上をいただきました。厳しい財政の中,知事の中山間地域振興への強い意気込みを感じているところであり,まずもって感謝を申し上げます。 それでは,通告に従って質問をしてまいります。 私は,初当選以来,登壇のたびに日ごと厳しさの増す中山間地域の現状と対策について一般質問をしてまいりました。御承知のとおり,一口に中山間地域振興と申しましても,ハード事業もソフト事業もあり,生活基盤整備,農林水産業や商工業振興,子育て環境の充実,高齢者福祉や生活支援等,幅広い分野に及び,多様な施策展開による総合的な対策が必要と考えます。 そこで,知事にお尋ねします。 現在も各担当部局が連携して事業推進を行っておられると思いますが,今後,県として総合的に中山間地域の振興を行うには,例えば総合政策局の中に中山間地域振興に関する全庁的な施策推進を行う部署を設置するなど,組織体制を整備し,人員も増員すべきではありませんか。施策の実行は,何といっても人と予算であります。組織の総合的一元化は,これから本格化する岡山県版の小さな拠点である生き活き拠点づくり,あるいは市町村との連携においても,好作用すると思います。御所見をお伺いいたします。 本県の中山間地域は,少子・高齢化による厳しい人口減少が続いています。集落の現状を重ねるとき,施策を総動員した取り組みが極めて重要であります。予算を重点的に配分し,中山間地域振興を県政の重要課題として集中的な取り組みを加速させるべきと考えますが,いかがでしょうか。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
    ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の小林義明議員の質問にお答えいたします。 総合的な中山間地域振興施策の推進についての御質問であります。 まず,庁内の組織体制整備についてでありますが,お話のとおり,中山間地域の振興は県政の幅広い分野に関係することから,庁内各部局と県民局で構成する推進組織を設置し,連携を図りながら取り組んでいるところであります。こうしたことから,お話のような組織の新設等は考えておりませんが,引き続き,県民生活部を中心に,庁内はもとより,市町村とも連携を図りながら,中山間地域の振興にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に,集中的な取り組みの加速についてでありますが,お話のとおり,中山間地域を取り巻く状況は依然として厳しいものと認識しており,私としては,中山間地域の振興を県政の重要課題の一つと位置づけ,集中的に取り組んでいるところであります。このため,新生き活きプランにおいて,中山間地域等活力創出プログラムを設け,また,来年度当初予算の編成に当たっては,中山間地域の活力創出に向けた特別事業を,これまでの6億円から1億円増額したところであり,今後,全庁挙げて,ソフト・ハード両面での取り組みを加速させてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  ありがとうございます。 知事の認識をお聞きしまして,大変うれしく思っております。 今,知事がお話になりましたように,中山間の課題は,喫緊の急を要するものと,それからちょっと先を見据えて,10年後その地域を維持するために,いわゆる企業的に言うと,先行投資をしておかなければ,種をまいておかなければならない問題があると思いますけれども,今もちろんやらなきゃいけないことが本当に山ほどあるわけですが,知事は,その先を捉えた中山間地の振興といいますか,それについて何かお考えがございますか。 といいますのは,このたび新しいプランの中に,「中高生が活躍!おかやま創生を支える人づくり推進事業」というのが,入っているのを見まして,これは子供たちが,地域で地域の課題を見つけて,地域の将来のことをやってみようという,本当にユニークな,担い手をつくるための投資的な政策だと思って感心しているわけですけれども,そういったことについて少しお触れいただいたらありがたいと思います。 ○議長(井元乾一郎君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  中山間地域について,短期的なこと,今すぐやらなければいけないこと,中長期で考えていること,何かないかということでございますので,ふだんお話ししないことについて1つ述べさせていただきたいと思います。 都市化ということでありますと,実は日本だけのことでは全くございません。世界中で実は,この都市化というものは,この100年間で起きていることでございます。私もあるアメリカの雑誌で,この100年間のアメリカの人口の動きというものをグラフというか地図で見たわけでありますけれども。ちょっと驚くようなことでありまして,人口,あれは10万人を一つのドットにしたぐらいの,ですから2,000ぐらいのドットがどーんとあったりするわけですけれども,以前は,かなり満遍なくアメリカ合衆国に散らばっていた。そうはいっても,東海岸,西海岸がちょっと厚いというものだったものが,現状でいえば,もうかなり海岸に寄っているという,ちょっとすかすかになったのがアメリカ合衆国の現状でございます。 そういったことは,ほかの国でも,そこまできれいに統計がとられていないだけで,起きているということでありまして,日本だけのことではございません。それはいろんな要因が,以前不潔で過ごしにくかった,死亡率も高かった都市というものが,下水道の普及ですとか,いろいろなことで以前ほど不快な場所でなくなったということも,あると思います。いろんな産業構造の変化ということもあろうかと思います。ただ,では,そのまま行って,世界中が,人のいない自然豊かな場所と,それから,今の香港もしくはシンガポールみたいな場所が国の中に何カ所かあるような国になった場合に,それがどれぐらい維持可能な安定的な国になるかということに関して,私は大変危惧をしているところでございます。 私とすれば,例えばヨーロッパの歴史でいいますと,ベニスのような都市というものは,これはこれで非常に繁栄をしたわけでありますけれども,そこから例えばイタリア統一の起点になったということではありませんでした。やはりある一定の面積を持って,そこでいろいろな活動が行われているということが,いろいろな未来への動きの基盤になるのではないかということを,漠然と世界の歴史をいろいろ考えてみると,私自身思っているわけでありまして,ぜひ広い土地を活用した,それこそ何度も言います,シンガポールだとか,香港,ベニスみたいなことではない人の暮らしというものは,私,持続的になされるべきだと,このように考えております。すぐにできることではありませんけれども,非常に大事なことだと思っております。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  知事,ありがとうございました。 くしくも,ことしは昭和92年に当たり,明治で150年でございまして,日本の150年の歴史もそういう人の動きの中での,大きな流れの中の今の中山間の問題だろうというふうに,知事がおっしゃるとおり思います。そうであるわけですが,流れにさお差さなければならないこともありますので,もうこれから私どもの意見も主張しながら,県として中山間の振興に一層の力を入れていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いをいたします。 では,次の質問に移ります。 新年度予算案で計上されている新規事業,岡山県ふるさとワーキングホリデーは,都市部の大学生等次代を担う若者が一定期間地方に滞在し,働きながら地域住民との交流等を通して,田舎暮らしを学び,地域の活力創出や移住促進を図ることを目的に,市町村との協働で事業実施するものであります。受け入れ企業は30社程度,人数は春休み,夏休みで計150名,滞在期間は2週間から1カ月程度で,役割分担は県が参加者募集,市町村や企業との調整,参加者からの相談窓口設置で,市町村は企業の掘り起こし,地域との交流イベント企画を担うとしています。この事業の受け入れ市町村は,中山間地域に限らず,県下全ての市町村で可能になります。都市部に住む若者たちは,交通の利便性や働く場や宿泊場所を考慮して,参加地域を選ぶ可能性が高い気がします。すなわち,県南地域に希望者が集中するのではないかと危惧しています。 そこで,知事にお尋ねします。 ふるさとワーキングホリデー事業の趣旨に照らすと,この事業は中山間地域においてこそ積極的に取り組むべきと考えますが,御所見をお聞かせください。 さらに,若者の受け入れ企業の確保,受け入れ人数を確定した上で,その受け入れ先を選ぶ希望者との調整等,事業実施までに難しい課題も想定され,市町村との連携が殊のほか重要になると考えます。 県民生活部長に質問します。 具体的な事業の進め方,今後のスケジュールについて御答弁ください。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 ふるさとワーキングホリデーについての御質問であります。 中山間地域での取り組みについてでありますが,中山間地域には,農業や地場産業など,都市部では体験できない仕事があり,学生等の若者がこうした仕事をしながら田舎の暮らしを経験することは,地域の活力創出や将来の移住にもつながることから,お話のように,中山間地域において取り組むことに大きな意義があるものと考えております。参加者の募集に当たっては,中山間地域ならではの仕事や自然,伝統行事などの魅力をしっかりとPRし,中山間地域にも多くの若者に来ていただけるよう取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  県民生活部長松尾茂樹君。   〔 県民生活部長 松尾茂樹君 登壇 〕 ◎県民生活部長(松尾茂樹君)  お答えいたします。 事業の進め方等についてでありますが,企業などの受け入れ先や滞在場所を十分確保した上で,都市部の学生等への周知を徹底することが重要であると考えており,実施に当たっては,市町村と緊密に連携して進めてまいります。スケジュールについては,国の委託事業を活用することから,現時点では確定しておりませんが,まずは夏休みの実施に向けて,今月中旬に希望する市町村へ事業説明を行った後,市町村と連携して,順次受け入れ先への説明会を開催し,参加者の募集を開始したいと考えております。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  知事の御答弁ありがとうございました。 知事がそういうふうに明確におっしゃっていただくと,担当部局もしっかりと中山間に送らなければいけないということでやってくれると思いまして,大変うれしく思いました。 それでは,部長にお尋ねしますけれども,この事業は,最初,私もすっと入ってきたんですけれども,実際には非常に難しい。市町村とのすり合わせを考えてみるときに,じゃあ企業の掘り起こしを,私ども新見市でいうと企業の数が少ないですから,そこでどれだけ受け入れ先を見つけるかというのは,県が見つけられませんから,市町村にやってもらわなきゃいけないわけです。一つ一つ入っていくと,なかなか厄介な問題が多いなと思うんですけれども,どうですか。 ○議長(井元乾一郎君)  県民生活部長。   〔 県民生活部長 松尾茂樹君 登壇 〕 ◎県民生活部長(松尾茂樹君)  お答えいたします。 なかなか学生とそれから企業とのマッチングなどが難しいのではないかというお尋ねでございます。 御指摘のとおり,どれだけの企業,あるいは受け入れ先が手を挙げていただけるかということと,それから都会のほうからどれだけの学生が来ていただけるか,それをまた,どういうふうにマッチングするかという,なかなか難しい問題もあろうかと思います。我々来年度からの事業で行う予定としておりますが,今年度に実施している県も数県ございます。そういったところのやり方,状況などもお聞きしながら,例えばもう少しここをこうやっていればよかったとか,そういったようなこともお聞きしながら,我々のほうの事業の円滑な開始に生かしていきたいというふうに思っております。 例えば,学生がどういったところを希望されるかというのがありますので,希望のところの業種なりを,第1希望から第2希望とか第3希望ぐらいまで書いていただいて,そういう中で,定員を超すようなことがあれば,じゃあ第2希望のほうへ回っていただくようにするとか,そういうあたりの調整を丁寧にやって,一人でも多くの学生がワーキングホリデーで中山間地域等を含む県全域へ入っていただけるように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  ワーキングホリデーについては,私自身もぼやっとですけれども,ああいいことだなあと,これはぜひやってみたいなあと思っております。もちろん知事もそう思われていることと思いますが。事務方のほうは,それぞれいろんなことがあろうかと思いますけれども,ぜひ積極的によろしくお願いしたいと思います。 それでは,次の質問に移ります。 中山間地域での鳥獣被害拡大の深刻さとその対策は,昨年の6月並びに9月定例県議会でも一般質問いたしました。現在,県は,「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づき,鳥獣保護管理事業計画及び第二種特定鳥獣管理計画の次期計画の策定作業を進めています。通算で,第12次となる次期の鳥獣保護管理事業計画は,3月の自然環境保全審議会の答申を得て公表されるようで,計画年度は本年4月から平成34年3月までの5年間であります。同時に,第二種特定鳥獣管理計画では,生息数の著しい増加,または,生息地の範囲の拡大により,顕著な農林水産業被害等の人とのあつれきが深刻化している鳥獣として,ニホンジカとイノシシを対象に策定を進めています。ところが,この第二種特定鳥獣管理計画の対象鳥獣に,ニホンザルは含まれていません。猿の被害も深刻さが増しており,新年度予算案に,猿の生息状況調査の実施が盛り込まれています。 そこで,農林水産部長に質問します。 平成27年の野生鳥獣の農林水産業被害金額は,県全体で約3億4,000万円と聞いております。本県の猿による農林産物への被害総額の過去3年間の推移をお示しください。 また,生息状況調査の結果によっては,第12次鳥獣保護管理事業計画の5年間の期間中であっても,新たに猿を対象鳥獣とした第二種特定鳥獣管理計画を策定する必要があると思いますが,農林水産部長,対応方針をお聞かせください。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 農林水産部長京博司君。   〔 農林水産部長 京 博司君 登壇 〕 ◎農林水産部長(京博司君)  お答えいたします。 猿の対策についての御質問であります。 まず,被害金額の推移についてでありますが,猿による農林産物への被害金額は,平成25年は3,495万円,26年は3,469万円,27年は2,670万円であり,獣類では,イノシシ,鹿に次ぐ被害金額となっております。 次に,第二種特定鳥獣管理計画の策定についてでありますが,猿の群れが確認された14市町村全てにおいて,行動範囲や加害レベル,生息数などを把握するため,生息状況調査を行うこととしており,平成29年度中に完了するよう取り組んでまいります。猿の管理計画の策定は,来年度から始まる第12次鳥獣保護管理事業計画の期間中であっても可能でありますが,調査の結果を踏まえ,専門家等で構成する岡山県自然環境保全審議会での意見を伺った上で,検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  御答弁ありがとうございました。 ざっとメモしたんですけれども,被害金額の5万円に至るまで,どうやって出すのか,私にはよくわかりませんが,3,495万円とか,少なくても2,670万円の被害があるということですが,私が9月とか前の議会で言いましたように,何が一番問題かというと,被害額もそうですけれど,おじいさん,おばあさんたちが畑を何とか耕してやっている,そこへ猿が出てきて持っていってしまうので,やる気をなくすわけです。「もうつくってもしょうがねえわ」と,「もう猿が持っていくんだ」と。これは被害額には,多分上がってないかもしれないけれども,そういった元気が失われていく要因になっております。今まで猿が鹿やイノシシとは別個になっていたのは,多分桃太郎県ですから,なかなか猿は扱いにくかったのかとは,私,思いますけれど,ここに至っては,さる者でなかなか大変なんですね。ですから,ぜひ加えていただきたいんですが,農林部長,全国で猿が鹿とイノシシと同様に,管理鳥獣に指定されている県というのは,幾つぐらいあるか御存じでしょうか。 ○議長(井元乾一郎君)  農林水産部長。   〔 農林水産部長 京 博司君 登壇 〕 ◎農林水産部長(京博司君)  お答えいたします。 猿の計画ができておるのが全国でどれぐらいあるかということでございますが,把握しておるところでは25府県というふうに伺っております。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  例えば,近くの香川県なんかはどうでしょうかね。 ○議長(井元乾一郎君)  農林水産部長。   〔 農林水産部長 京 博司君 登壇 〕 ◎農林水産部長(京博司君)  ちょっと手元に資料がございませんが,25府県ということで,どちらかといいますと,傾向的に言いますと,日本の北のほうでのその計画の策定が多かったように記憶をしております。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  ちょっと意地悪を申しまして,済みませんでした。香川県も策定をされております。 最初申しましたように,県民感情として猿という,なかなかさっき桃太郎の話をしましたけれど,実際には難しい思いが皆さんあるかと思います。今,笠岡のほうも猿が柿をとっていると,こういうことでございました。私らのところは,もうネギまで食べていきますので,もうびっくりする,もうお年寄りは怖くてしようがないという状況がございまして,適切な管理をぜひともしていただきたい。 それで,これは要望ですけれども,先ほど部長が言われた,第12次鳥獣管理計画の5年間の期間中であっても,策定も可能だということでございましたので,調査結果をきちんと踏まえ,ぜひ力強く進めていただきたいと思います。要望して,終わります。 ○議長(井元乾一郎君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  教師業務アシスト配置についてお尋ねをいたします。 改めて申すまでもなく,伊原木県政の一丁目一番地は,教育県岡山の復活であります。新年度予算案においても,教育の重点事業,確かな学力の向上の中に,教員の子供と向き合う時間の確保のため,教師業務アシスト配置事業が盛り込まれています。この事業は,平成27年35校,平成28年93校で,モデル事業として実施し,その効果を検証した上で,新年度121校に事業拡大するものです。アシスタントの業務は,授業準備,資料作成や印刷,学校行事や会議等の片づけ,部活動,PTA等の会計などであります。 そこで,私学を所管する総務部長に質問します。 この教師業務アシスタント制度に対する感想をお聞かせください。教師の多忙さ,子供たちと向かい合う時間の少なさは,公私に差はないはずであります。私学には,このような制度がありますか,お答えください。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 総務部長亀森敏宏君。   〔 総務部長 亀森敏宏君 登壇 〕 ◎総務部長(亀森敏宏君)  お答えいたします。 教師業務をアシストする制度についての御質問でありますが,公立の小・中学校における教員の事務負担の軽減を図る本制度は,2年間のモデル事業の結果を踏まえ,来年度から本格実施するものであり,教員数が中規模以上の学校において,教員が子供と向き合う時間の確保等に効果が見られるなど,有意義なものであると考えております。私立の小・中学校については,同様の制度は設けておりませんが,教員数が小規模の学校が半数を占め,また,学校により教育内容や教職員配置なども異なっていることから,今後,私学関係者の意見も伺ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  岡山県の教育の底上げをするということは,私は公立,私立関係ないと思っている人間です。例えば,病院を考えてみたとき,皆さんどうでしょうか。腹が痛くなったときに,病院に行くときに,ここは私立病院だろうか,公立病院だろうか考えないんじゃないですか。「あっ,私立病院だったら医療費が高いからちょっとやめといて公立病院行こう」なんて,そう考えない。教育についても,私は全く本来は一緒だと思います,岡山県の教育を担っていると。 子供たちのあすに我々大人が責任を持たなければいけない,子供たちに豊かな未来を約束しなければいけないということで,知事さん初め関係者がこのアシスタント制度をやってみようということだろうと思います。それで,少しでも先生に子供たちと向き合っていただきたいと,煩雑な事務から解放してあげたいと,こういう本当にすばらしいことだと思うんですけれども,総務部長,すばらしいと思いませんか。 ○議長(井元乾一郎君)  総務部長。   〔 総務部長 亀森敏宏君 登壇 〕 ◎総務部長(亀森敏宏君)  公私に関係なく,いろいろな形でしっかりやっていくこと,これは1つ大事な視点だと思っております。 再質問の中にはないですけれど,別途実は私立の学校につきまして,今ある制度の中でも外部の人材を導入するための補助制度というものもあったりしますので,そういう意味でというのでありますと,既にそういった措置も我々としてはしていると。今後,先ほどの答弁にも重なりますけれども,私学の関係者の皆さんとお話もさせていただきながら,よりよいやり方についても考えていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  少し視点が異なるので,あえて申し上げますが,私が質問しているのは,こうしてくれということを言っているんじゃなくて,このアシスタント制度,子供たちと先生がよく向かい合う時間を確保するというのは,本当にすばらしい発想だと思うわけですよ。私も教員でしたから,それはありがたいと思うわけですね。私立学校を所管される総務部長ですから,「おお,そんなすばらしいことは私学にもしてやろうじゃないか」と,「私学の先生も頑張ってるじゃないか」と,「子供たちがよくなるなら何とか知恵を出してみようじゃないか」と,こういう視点に立っていただきたいという応援の御質問なんですが,いかがですか。 ○議長(井元乾一郎君)  総務部長。   〔 総務部長 亀森敏宏君 登壇 〕 ◎総務部長(亀森敏宏君)  応援をいただき,ありがとうございました。 私どもも一生懸命いろいろ私学の関係者と意見を重ねながら,よりよいあり方について模索してまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  次の項目に移ります。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  総務部長ありがとうございました。 先般,天満屋近くでしたでしょうか,私,歩いて帰っておりましたら,総務部長が自転車に乗ってキャップをかぶって爽やかに走っておられました。ああこの爽やかな方は,私学の将来もきっと担っていただけるんだなと,こう思った次第でございます。 それでは,次のグローバル人材育成について御質問させていただきます。 私たちは,子供たちが活躍する時代を思い描きながら今日の子育て,教育のあり方を定めています。子供たちの未来のために,少し夢のある質問をさせていただきます。 新年度予算案において,児童生徒の英語力向上やグローバル化に対応した教員の育成が掲げられ,生徒,学生の海外留学を促進するため,留学への関心喚起と留学メニューの拡大と,多様な施策が用意されています。私立高校生への留学支援事業も,新設されています。知事は,留学を経験されており,海外で学ぶことの大切さ,語学力や視野の広がり,多様な文化に接することの有益さを身をもって体験されています。次代を生きる若者に多様なチャンスを広げることは,何ともすばらしいことであります。 そこで,知事に質問します。 海外に教育センターを設立してはどうでしょうか。その施設に赴任すれば,教員の育成もできますし,留学もしくは留学支援等もハードルを下げて行うことができます,御所見をお伺いします。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 海外での教育センターの設立についての御質問でありますが,留学はグローバル人材を育成する観点からも,重要であると考えており,県教委において,留学を促進するため,学校の希望を踏まえ,姉妹校提携を進めることとし,海外に出向いて調整等を行うコーディネーターを配置すると聞いております。お話の教育センターについては,留学先が多地域にわたることが予想されるため,設立は考えておりませんが,まずは,こうした取り組みや教員の海外派遣について,しっかり支援してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  知事にお伺いします。 夢のある話と,最初私言いましたので,知事の予算等のこともありますし,現実的には難しいことかもしれませんけれども,ちょっと議論をしてみたいと思います。 日本国には,私立大学,立教大学とか帝京大学等々で,たしか5件ぐらい,5大学ぐらいが海外に学校を持って,既に,そちらで卒業しても日本国内で卒業してもいいようになっています。フランスであったり,イギリスであったりする,あるいはアメリカであったりします。そこの中の様子を見てみますと,約半数の先生が日本から派遣されていました。残りの約半数の先生は現地採用ですから,派遣された先生の語学力は数段に上がるらしいです。それと,子供たちは,そこをいわゆる小さな拠点にして,活動できるわけですから,親としても,一々業者の方にお願いして姉妹縁組先を探していただかなくても,非常に便利,もう説明するまでもなく,そういうことになろうかと思います。岡山県も,そういう海外戦略を考えたら,これは教育県岡山のプライドといいますか,全国に自慢できるんじゃないですかね。岡山ってこういうことやってるじゃないか,非行率を下げることとか,教室を静かにさせるとか,そういうことを一生懸命やるだけじゃなくて,こんな夢のあることを教育でやってるじゃないかと,こう教育県岡山として胸を張れる事業にならないかと思うんですが,どうでしょうか。 ○議長(井元乾一郎君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  ちまちましたことを言わずにどーんと思い切って海外に学校でもつくったらどうかということでございます。 いや本当に私学生時代,バブルを経験しまして,というか横目で見ておりまして,すごい大きな仕事をしている先輩方を見てうらやましかったわけでありますけれども,自分が社会人になってから,その後片づけに随分時間がかかったわけでございます。岡山県,吉備高原にちゃんとした都市をつくるということを,まだ途上でございまして,なかなか,はい,おいそれとそういう夢のある話にさっとは乗れないわけであります。実際に日本の大学が海外に校舎をつくる,これも一つの可能性であります,我々がするかどうかは別として。あと,海外の大学が日本に校舎をつくってということもいい取り組みだったなと,失敗した例もありますけれども,根づいた例もございます。日本で日本の大学に通う,外国で外国の大学に通う,それが一般的だとは思いますけれども,そのハイブリッドのような形もありまして,リスクだとか,リターン,それぞれタイプが違うわけであります。いろいろな学生のニーズに合わせていろいろな機会が提供されるということ自体は,すばらしいことだなあと思っております。ぜひ何か決めつけずに,どういうやり方がいいのか,柔軟に考えていきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  ありがとうございました。 そういうことになろうかと思いますが,先生の英語力ということが盛んに今言われてますけれども,知事自身,先生たちに実力をつけてもらうために,できるだけ海外に中短期でもいいから,とにかく行って,現地の生の英語を勉強してきてはどうかということを多分思われてると思います。先生たちが,今,結構保守的になっていて,「家庭もあるし,何やかんやでなかなか外にまでは行けれないわ」というのがありますけれども,先生たちをどんどん研修で海外に行っていただくというのは,どういうふうにお考えですか。 ○議長(井元乾一郎君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  先生たちに海外に行ってもらうことについて,どういうふうに考えているかということでございます。 子供たちにちゃんとした英語を教えようというときに,一番大事なのは,もともと英語をしゃべれる人が教えるということであります。私,アメリカに3年住んで,それ以外にアメリカの会社で3年英語を使って仕事をしました。ですから,英語で6年間生活をしましたけれども,私自身がもし英語を教えるとすると,詐欺なんじゃないかと思います。要するに,私は英語をちゃんと使うことができないのに,人に教えられるような状態ではありません。私より随分下手な人が実際に教えているというのを見ると,ううんちょっとどうなのかなというふうに思います。ただ,もう現状を考えると,それは仕方がないことでありまして,ですからちょっとでも向上してもらうために,外に行って修行してもらうというのは,現状よりもよくなるという点では,私はすばらしいことだと思います。 実際には,いろいろな国で,先進国で外国語を習う場合に,多くは,例えばアメリカにおいて,スペイン語を学びましょうというときに,スペイン語を第2外国語として覚えた人が必死に教えている学校は,多分ほとんどなくて,スペイン語を母国語としている人で英語も多少しゃべれると,もしくは完璧にしゃべれる人が教えているということが,ある意味当たり前でありますので,日本もできるだけ早くそういう状況にするべきだろうなあと思いつつ,現状から考えると,すぐには難しいと考えております。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  昨年の11月定例県議会で,本県の認知度が21位から31位にダウンしたことが取り上げられました。新年度からスタートする「新晴れの国おかやま生き活きプラン」では,この民間シンクタンク調査による47都道府県の認知度調査を全国20位以内にするとの数値目標が掲げられています。認知度のアップは,国内外を問わず観光客,交流人口や移住人口の誘導,自慢の県産品の販売や拡大にも直結すると認識しています。 そこで,総合政策局長に質問します。 本県の全国認知度の数値目標は,現在のプランでは15位以内としていましたが,目標をなぜ下げるのですか。認知度アップにかける情熱の低下とも思えますし,本県の情報発信能力強化やマーケティング強化の方針と反するものではありませんか。 また,本県のイメージを高めるためには,体系的,多角的な施策展開を進めることが必要と考えます。現在も,各担当部局は,それぞれ情報発信を行っていますが,イメージアップ戦略のさらなる強化・充実のため,イメージアップに関する施策を一元的に担う戦略室を設けてはいかがでしょうか,御所見をお聞かせください。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 本県のイメージアップ戦略についての御質問であります。 戦略室の設置についてでありますが,本県のイメージアップについては,生き活きプランにおいて,情報発信力強化プログラムを重点施策に掲げ,体系的な情報発信に取り組んでいるところであります。また,御提案のイメージアップを一元的に担う組織については,観光誘客や移住促進,県産品の販路拡大などの一層の推進を目的として,関係課で構成する主力商品販売強化会議を設置し,情報の共有やPR活動の連携などを行っているところであり,引き続き,この会議を活用し,情報発信力の強化・充実を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  総合政策局長桐野伸一君。   〔 総合政策局長 桐野伸一君 登壇 〕 ◎総合政策局長(桐野伸一君)  お答えいたします。 認知度の数値目標についてでありますが,これまでの最高順位が22位であったこと,また,全国10位までは北海道,沖縄県,東京都,大阪府,京都府といった都道府県で固定的に占められていることなどを踏まえ,最新の認知度が31位であったことから,まずは全力で取り組むことにより達成が可能な20位以内を目指すこととしたところであります。御指摘のように,観光誘客や移住促進などを進めるためには,認知度の向上を図ることが重要であり,「新生き活きプラン」の目標の達成に向け,熱い思いを持って,より一層,情報発信力の強化に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  ちょっと解せません。伊原木カラーらしくない御説明でございます。教育の目標をあれだけ高く掲げて,しっかりやっていこうと言っているときに,認知度については「上10番は決まってるし,本県はまあこの辺でしょう」,「前は15言ようたけれど,いやあまあそれはもうちょっと無理かもしれんから20に下げましょう」ということでは,情報発信力の強化や充実に努めていくんだという先ほどの知事の答弁と,何か合わないような気がしますが,どうですか。 ○議長(井元乾一郎君)  総合政策局長。   〔 総合政策局長 桐野伸一君 登壇 〕 ◎総合政策局長(桐野伸一君)  小林議員より話が違うのではないかというふうな御質問ではないかと思っておりますが,お話のように,岡山は,自然,歴史,文化,全国に誇るすばらしい資源があるというふうに思っております。我々といたしましても,この岡山を全国に向けて発信することが使命と考えておりまして,他部局の,いろんな県が持ってる強みなども生かしながら,情報発信に取り組んでまいりました。先ほど目標を20位にした理由について御説明させていただきましたけれども,思いとすれば,そういったものをしっかりと発信していきたいというところは変わらないところでありますので,引き続き,熱い思いを持ってしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。もともとは,最初41位のところから出発をしたところでございまして,もちろん20位,できればさらにそれ以上を目指してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  次の項目に移ります。 12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  今の御答弁,時間がありませんので,終わりましたけれども,数値目標を策定で下げるというのは,私はどうもそぐわない気がします。15位を目指してたんだけれど,諸般の事情で下げると,どうも「生き活きプラン」を頑張っていこうというときに,何か寂しい気がいたします。いろいろ事情はあるんでしょうけれど,やっぱり15位なら15位を掲げた以上は,そこへ行くんだと,こういうことでやっていただきたいと思うわけです。これは要望です。 次の質問に移ります。 県内の市町村で日本遺産認定を目指す動きが相次いでいます。御承知のように,日本遺産は,地域の歴史的魅力や特色を通じて,我が国の文化・伝統を語るストーリーを日本遺産として文化庁が認定するものであります。日本遺産への挑戦は,物語性というテーマを持ってさまざまな地域資源をつなぐことで,資源を点から線,面に発展させる効果を有しています。そのことは,国を挙げてインバウンドの増加拡大にあるとき,地域を特徴づける大きな意義があると思います。 そこで,知事に伺います。 県としてこれらの動きをどのように支援するか,その方針をお聞かせください。 また,地域が物語性を持ち,情報発信していくことは,そこに住む人たちがみずからの地域への誇りを醸成することにも資すると,その意義を大いに感じています。 そこで,本県各地のすばらしい歴史文化遺産を本県独自に,「おかやま歴史文化遺産」として認定し,情報発信を強化してはどうでしょう,知事の所見をお聞かせください。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 歴史文化遺産についての御質問であります。 まず,日本遺産認定を目指す動きへの支援についてでありますが,お話のとおり,県内でも認定を目指す動きが相次いでおり,2月には,来年度の認定を目指し,5件が申請されております。これまで,県教委において,認定を目指す市町村に対し,地域の際立った歴史的特徴・特色を示すストーリー構築のための指導・助言等を行っておりますが,日本遺産の認定によって,県内のすぐれた文化遺産を質の高い文化・観光・地域振興に結びつけていくという方針のもと,今後も,市町村の取り組みを積極的に支援してまいりたいと存じます。 次に,本県独自の認定についてでありますが,本県には,地域の特徴を示す貴重な歴史文化遺産が数多く残されており,これらの遺産を関連づけ,その魅力をストーリー化し,誘客や地域活性化につなげていくことは,重要と考えております。お話の本県独自の認定までは考えておりませんが,市町村が日本遺産の認定を目指して進めている地域づくりの計画策定を支援するとともに,歴史的な見どころを取り上げた「おかやま歴史の旅百選」等を特設のホームページで紹介しており,今後とも,県内の魅力ある歴史文化遺産の積極的な情報発信に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  12番。   〔 12番 小林義明君 登壇 〕 ◆12番(小林義明君)  知事の思いを今聞かせていただきました。本当に地域の文化を守るということは,そこに住む人がふえるという,文化がないとふえないと,私は思っておりますので,ぜひとも力を入れていただいて,御支援いただきたいと思います。本日は,ありがとうございました。終わります。 ○議長(井元乾一郎君)  以上で小林君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 19番中川雅子君。   〔 19番 中川雅子君 登壇 〕 ◆19番(中川雅子君)  皆さん,こんにちは。 民主・県民クラブの中川雅子です。 毎年2月の第1日曜日に,西大寺郷土芸能フェスティバルが開催されます。その中では,おにぎり劇団という地元の人々を中心に,西大寺管内の小・中・高の生徒さんも参加し,西大寺にまつわる物語を紹介しています。ことしは,「デパートっていいなー」という題目で,西大寺発祥の地元の有名デパートの物語が行われました。デパートになるまでの物語とデパートができてからの家族のお出かけの思い出のストーリーが生き生き演じられていました。その中で,真に顧客本位を願う遠大な理想と粘り強い信念,商品に対する絶対の自信を持った創業者の思いを語られるシーンがありました。時代,ところ変われど,思いは何代も貫くものであるのだなあという感想を持ちました。 それでは,一部所属委員会に関する質問もありますが,大きな方向性を聞くものもありますので,お許しをいただき,通告に従いまして質問させていただきます。 まず,「新晴れの国おかやま生き活きプラン」では,観光プログラムに,より一層力を入れています。国内外からの観光客が増加し,岡山県という知名度を上げていく意気込みが記され,アフターDCとして,ハレ色キャンペーンも予定されています。また,2020年のオリンピックに向けても,さらなるインバウンド客の受け入れに向けて,さまざまな観光プログラムの展開を期待したいところです。観光客が岡山県に入る玄関,JR岡山駅東口エスカレーターをおりると,桃太郎像がお客様をお迎えしており,観光客,ビジネス客,通勤・通学の人々を見守っています。また,岡山駅前と岡山電気軌道城下駅を結ぶ延長約1キロメートルの,いわゆる駅前通りとしての性格を持つ桃太郎大通りは,昭和59年に,道路愛称の公募によって名づけられ,桃太郎大通りにもさまざまな表情を織りなす桃太郎,犬,猿,キジ,鬼のブロンズ像がお出迎えしています。これは,岡山大学や倉敷芸術科学大学で教授としても活躍をされていた彫刻家の蛭田二郎先生の作品だそうです。まさに岡山は,桃太郎という印象を与える工夫がなされています。玄関口周辺は,岡山を最初に印象づける場所でもあるので,岡山の顔とも言えます。その駅周辺がどんな雰囲気や景観を持っているのかで,県民の性格や考え方みたいなものも見えてくるでしょう。最近,この駅前の目抜き通り沿いに,成人用玩具,書籍等の販売店なるものが出店し,疑問の声が上がっています。バスからもよく見え,その近くには大手デパートや金融ビルも隣接し,観光客も多数歩いています。また,桃太郎大通りから一本南の通りには,全国チェーンの店舗がひしめき合い,観光客からどこに行っても同じような店しかなく,岡山らしさを感じないとの意見もあります。 そこで,質問いたします。 岡山県が観光を推進していくに当たって,玄関口周辺の考え方を岡山市長,地域の方々と共有し,気持ちのよい空間,また,岡山らしい空間に育てていくことが大事ではないかと考えます。玄関口のおもてなしにつながるまちづくりについて,知事に御所見をお伺いいたします。 また,この周辺は塾もあり,小中学生もよく利用する場所となっています。特に規制する法律や条例がない今,なかなか対策がとれないのも現状でしょう。駅前は,立地もよいですし,営業するには魅力的な場所でもあります。しかし,市民から既にたくさんの苦情が寄せられていると聞きますし,何より子供たちの目に触れやすく,また,観光客の方々への印象もいかがなものかなと危惧をしています。割れ窓理論に語られるように,1店舗目が2店舗目を生むなどの連鎖により,性犯罪の誘発や少年の健全育成への悪影響といったことにつながらないためにも,青少年健全育成の視点も含め,駅前の繁華街対策について,警察本部長の御所見をお願いいたします。 続きまして,「信はたていと 愛はよこ糸 織り成せ人の世を美しく」の言葉で有名な岡崎嘉平太先生は,独自の経営哲学と人生観を持った生涯や語録,また,日中関係が困難な時期に非難を浴びながらも,後世のために尽くした日中の国交正常化など,数々の御功績があり,岡山県の名誉県民にもなっておられ,この4月で生誕120周年を迎えられます。これを契機として,関係者と連携を図っていただき,先生の御功績を顕彰するための記念講演会やシンポジウムなど開催されてはいかがでしょうか,お考えを伺います。 グローバル人材という言葉ができるよりも前から,国際という国と国の事情を有する中,どんなときであっても,相手を知り,理解を深めていくことの大切さを説き,まさにグローバルな視点から行動されたその軌跡から,私たちは多くの学びを得ることができます。この生誕120周年という節目に,もっと県民にその功績を伝えるための事業を行うことは,大変有意義だと考えます。また,より多くの県民や観光客などに触れていただくには,県の玄関口で多くの人が行き交う岡山駅や空港などの県有施設のスペースを利用し,パネルや写真,語録等の展示を通じて,県民や県外の方に幅広く御功績を周知してはいかがでしょうか。そうすれば,遠足や徳育,郷土学習を含めた子供たちの学習の場として,県民の生涯学習の機会としてもよいチャンスと考えますが,あわせて知事の御所見をお伺いいたします。 次に,畜産振興についてお伺いいたします。 畜産は,生産を行う上で設備投資や病気の対策など,ほかの生産物と比較しても経費がたくさんかかることは,皆様御承知のところだと思います。特に,和牛は,地域特産というほかの作物とは性質が異なり,全国和牛能力共進会で,全国と勝負し,順位が決められる生産物です。結果,県を代表するものとなるため,県が農家と一体となって方向づけをして進めることが重要であると考えます。また,畜産は,多額な初期投資が必要ですが,長期ビジョンを持って経営を行い,乗り越えれば,長きにわたり経営ができますから,経営が軌道に乗るまでの支援が必要と考えます。現在は,繁殖農家の激減により,子牛価格が高騰し,雌が通常平均35から40万円に対し,岡山市場1月の価格は77万円,去勢は平均40から50万円が84万円と,倍の価格になっています。このことから,本来なら保留されるべき能力の高い雌も出荷されてしまうのが現状です。これから先のことを考えると,よい繁殖牛を残しておくことは,岡山県の財産を守ることだとも言えます。よい繁殖牛の保留の推進をすべきだと考えますが,農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 また,先ほども申し上げましたが,子牛価格が高騰している原因として,繁殖農家の激減があります。子牛価格の高騰の対策として,繁殖,肥育の一貫生産の推進を図る,または,繁殖農家を育てる,子牛購入の補助を設けるなどが考えられますが,何らかの対策をとらなければ,肥育農家の経営を逼迫させてしまいますので,早急な対策や支援を図る必要があると考えます。農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 次に,肉質改良についてお伺いいたします。 食は,観光の目玉になるとの御答弁を,今議会の民主・県民クラブの代表質問に対していただきました。牛は,メーンディッシュであるために,食の観光には欠かせない食材です。カニやフグでの食の観光が成り立つように,牛の場合には,銘柄,例えば神戸や松阪など,観光客の誘致ができる力を持ちます。岡山県産牛肉銘柄推進協議会で,ブランド発表した「岡山つる牛」は,首都圏に向けて販売する銘柄ですが,3代祖のうち,1代に必ず岡山の血統が入ること,あえて脂肪交雑の7番から9番という,赤身とさしのバランスがよい肉を条件としています。これは,画期的なブランド戦略とも言えます。有名店シェフや百貨店に話を伺うと,黒毛であっても,赤身とさしのバランスのよいものが求められる傾向に変わってきているとのことです。行き過ぎた脂肪交雑ではなく,おいしさという指標に変わってきているマーケットを見逃さず,肉質の改良やブランド戦略を行うことが大切と考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。 和牛能力共進会で2位をとった経緯もあるその実力に加え,現在は,ブランド戦略には常識ともなっている出口を持っている流通業者,デザイナ-,バイヤーの参加と,従来はつくるだけの担当であった農家,さらにはオブザーバーとして観光関連の人材も入れた銘柄の推進を図り,強い農業を推進すべきと考えますが,知事のお考えをお聞かせください。 また,最近では,ジャージー牛のステーキなども注目され出しました。牛乳や乳製品のみでは,お客様を呼び切れないと,地元観光業の方々の声も聞きます。ジャージー牛のステーキなど,メーンディッシュや目玉になる食の観光素材は大切です。交雑牛やジャージー牛の肉質の向上や研究も,大切な課題と考えますが,あわせて御所見をお願いいたします。 次に,食という観光資源についてお伺いいたします。 民主・県民クラブの代表質問の夕食メニューの開発の答弁において,サワラやカキ,千屋牛などの豊富な食材を活用し,各地域において魅力的なメニューが提供されているとの答弁がありました。サワラとカキは,食材名ですが,千屋牛のみ地域銘柄で答えられていましたが,農産物の状況等を把握していれば,おかやま和牛肉と言っていたと思います。もちろん牛肉については,銘柄で人を呼び込む力があると,先ほどの質問でも言いましたが,岡山県には地域銘柄が幾つか存在しますし,現在ついている地域銘柄は,産地をあらわすものです。また,銘柄の中には,黒毛和種と交雑種に同じ銘柄がつけられているところもあります。食を観光資源とするときに,このような背景を十分に把握し,情報発信を行っていけば,より多くの農産物がもっと戦略的にブランド化でき,岡山の食の魅力がしっかりと伝わるのではないでしょうか,産業労働部長に御所見を伺います。 次に,岡山県には,県立農業系の高等学校が8校あります。その中でも,畜産を勉強する生徒も多くいるようです。来年度は,日本学校農業クラブ全国大会岡山大会が開催されると聞いています。また,農業系の生徒が岡山県高等学校弁論大会において,優秀な成績もおさめています。ひよこから大事に育てた鶏を絞めて,命をいただく授業体験から得た学びから,6次化した商品を売るまでのストーリーなど,生き生きとした成長が弁論を通じて伝わります。しかしながら,このように意欲のある農業系の生徒がいるにもかかわらず,農業現場への就職や担い手現場に結びついていないのが現状です。農業生産法人などから,就職に関する情報と高校の進路担当とのつながりがマッチできていないのも一つの原因と考えます。また,現場へのインターンシップなど,直接のつながりや経験の創出を図ることも,担い手不足の解消にもつながると考えます。きめ細かな進路マッチングのために,教育委員会,高等学校,現場などを,就職や就農情報で結びつけることが大切と考えますが,教育長の御所見をお伺いいたします。 次に,「パラリンピックの成功なくしてオリンピックの成功なし」その意図するところは,障害のある人もない人も互いに尊重し,支え合う共生社会を実現する契機となり,社会に変革をもたらす力があるということです。文部科学省は,小・中・高校などの学習指導要領に,パラリンピック教育を盛り込む方針を決め,児童生徒に障害への理解や障害者との共生について学ばせるのが狙いで,2018年度からの実施を目指しています。他県においても,従来まで福祉分野にて分掌されていた障害者スポーツと,文化分野にて分掌されていたスポーツや生涯スポーツを一つにまとめて,競技力の向上,スポーツや文化の幅広な価値からの産業振興を見据えた取り組み,アスリート育成の財政負担の軽減,障害者支援の先進県として,体協からの要請,国体開催も視野に入れてなど,理由,背景もさまざまに一元化を図っています。学習指導要領の流れも踏まえると,一つになっていかないほうが不自然にも感じられます。現在も,担当課同士,きめ細かに連携はとられていることと思いますが,県民全体の目からも,どのようにインクルーシブしていくのかわかりづらいですし,将来的な意識醸成も含めた県民の福祉の向上の観点や,佐賀県が意思決定した理由である,スポーツや文化の幅広な価値やそれに伴う観光などの産業振興も,岡山県にとって利益をもたらすことが多いのではないかと思いますが,一元化について知事の御所見をお伺いいたします。 次に,民謡は民衆の中から生まれ,はやり歌となったものは,行商や北前船で各地に渡り,その土地の風土や風俗,労働や当時のニュースなどが歌詞として盛り込まれ,発達をしていきました。東北や沖縄では,生活の中にしっかりと残り,舞台芸能にも発展させています。音階や節の流れでどのような発達ルートをたどっていったのかもわかことができます。例えば,岡山県は,米どころを象徴するように,田植え歌,田の草取り歌など,多くの米づくりにまつわる歌が残っています。農作業が機械化するとともに,こうした歌も消えていきます。また,同じ歌でも県南はゆったりとしたリズムに比べて,備中は独特のリズムを持っています。街道沿いや人の往来に合わせて,民謡は口から口へと運ばれていくため,産業の発達の仕方や陸,水路など,土木事業の発達,文化,風俗の歴史を学ぶことができます。職人は,技術を持って地方を動くため,例えば鴨方の「そうめん掛け唄」と播州揖保乃糸の「そうめん掛け唄」は,ほぼ同じで,歌から技術がどのように運ばれていったかがわかることができます。民謡といえば,東北のイメージが強いですが,多くの民謡が既に現代版に修正されており,もとの形をとどめていません。しかし,岡山県の民謡は,全国的にも珍しく,原形をとどめているものが多いことから,岡山の風俗を知るよい資料としての価値も高いと考えます。民謡は,口承芸能のため,受け継いできた方が亡くなられると消えてしまう可能性も高いため,岡山の民謡を歌詞,メロディーとともに保存しておかなければならないと考えますが,教育長の御所見をお伺いいたします。 次に,文部科学省の平成28年度全国調査によりますと,公立中学校の1週間の運動部活動時間は,全国平均で男子が約952分,女子が約967分であります。1日当たりの活動時間は,平均で約2時間弱に対して,土日が約3時間です。土日のうち,1日を休養日にとっている場合は,約6時間ということになります。文部科学省は,運動部活動は生徒にとってスポーツに親しむとともに,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養に資する重要な活動として,教育的側面での意義は高いものであるとしていますが,一方で,適切な休養を伴うことができない場合,教員,生徒ともにさまざまな無理や弊害を生むという指摘もあることから,適切な練習時間や休養日の設定に工夫を図ることは,とても大切だと言えます。学校の決まりとしての部活動の休養日設定状況は,週に1日の学校が55.6%,週に2日の学校が14.0%,週に3日以上の学校が2.0%,設けていない学校は22%となっています。 そこで,お伺いいたします。 現在,岡山県の公立中学校の1週間の運動部活動時間と休養日の設定状況は,どのようになっていますでしょうか。また,その現状を鑑みて,教育長はどのように感じておられますでしょうか。 次に,文部科学省は,2割超の中学校が休養日を設けていなかったことを受けて,休養日を適切に設定するように通知を出しました。文部科学大臣も,教員の業務負担軽減は喫緊の課題,部活動の負担を大胆に減らしていくと述べています。大阪府教育委員会は,全府立学校に対し,午後7時までに一斉に帰宅する日と部活動をしない日を,週1日設けるよう義務づけるとし,平成29年度から本格実施するそうです。岡山県においては,どのような姿勢で周知されていますか,教育長にお伺いいたします。 最後に,平成28年4月1日,岡山県子どもを虐待から守る条例が施行されたことを受け,岡山県児童虐待防止対策行動計画が策定されました。早期発見・早期解決に軸足を置いていますが,この岡山県児童虐待防止対策行動計画が策定されてからの各機関との連携が,現在どのように進んでいるのか,保健福祉部長にお伺いいたします。 また,行動計画の中に,通告を受けた場合には,児童虐待事例における安全確認の基本ルールに基づき,48時間以内に直接目視による子供の安全確認を迅速かつ的確に行うことを徹底しますとしていますが,計画策定前と策定後を比較しての状況と新たに見えてきた課題はありますか,あわせて保健福祉部長にお伺いいたします。 児童虐待が疑われる家庭に法的な対策をとる場合などに,法律面からの根拠や解釈をサポートしてもらう弁護士の存在は極めて重要で,弁護士による相談体制が充実すれば,法的措置がスムーズに行われ,また,いつでも相談できるとのことで,職員のノウハウの蓄積にもつながることと思います。現在,弁護士とはどのように連携していますか,保健福祉部長にお伺いいたします。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  民主・県民クラブの中川議員の質問にお答えします。 まず,観光を推進していくに当たってのJR岡山駅周辺についての御質問であります。 玄関口のおもてなしにつながるまちづくりについてでありますが,岡山駅周辺がまちづくりの中で岡山の玄関口としてふさわしい気持ちのよい空間,また,岡山らしい空間となることは,観光客の満足感や印象度を高めることから,おもてなしという面でも大変重要であると考えております。まちづくりは,市町村みずからが地域の実情や課題を踏まえた都市の将来像に基づいて行うものと考えておりますが,岡山市長との懇談会や双方の関係部局による連絡会議などを通じて,連携や意見交換を行っているところであり,引き続き,こうした取り組みを踏まえ,一層の連携強化を図り,観光振興に努めてまいりたいと存じます。 次に,岡崎嘉平太先生の生誕120周年記念講演会等についての御質問でありますが,県では,毎年,講演会や岡崎嘉平太記念館での企画展を開催するとともに,110周年の年には,記念事業を実施するなど,日中友好や人材育成に尽力した先生の顕彰に努めてきたところであります。お話の講演会等の開催につきましては,120周年を踏まえ,現在,先生の資料を多数保有する岡山県郷土文化財団などと内容の検討を進めております。また,パネル展の開催につきましては,岡山空港で既に展示をしておりますが,さらに県立図書館での関連書籍を含めた展示などについても検討してまいりたいと存じます。 次に,畜産振興についての御質問であります。 肉質の改良等のうち,所見についてでありますが,和牛肉については,ここ数年で脂肪交雑の比率が急速に増加している一方で,健康志向等から,脂肪の少ない赤身肉を好む消費者もふえていると認識しております。このため,お話の「おいしさ」という視点からの改良やブランド戦略も重要と考えており,マーケットのニーズや消費者の嗜好に合わせた食味等について,調査・研究を行ってまいりたいと考えております。 次に,流通業者等を入れた銘柄の推進等についてでありますが,ブランド戦略のために,各分野の専門家の意見を取り入れることは,効果的であると認識しており,今後とも,必要に応じて意見を伺いながら,銘柄の推進を図ってまいりたいと存じます。また,交雑牛やジャージー牛の肉質の向上等については,和牛に比べて赤身が多く,低価格という特性を生かした交雑牛のブランド化や,ジャージー牛肉に含まれる豊富な鉄分,ビタミンに着目した肉質向上の研究を行っているところであり,先日,私自身,ジャージー牛肉のしゃぶしゃぶを食べたところ,そのおいしさに驚きを覚えたところでございます。大変おいしゅうございました。引き続き,観光関係者とタイアップしたジャージー牛肉のPRなどに努めてまいりたいと存じます。 最後に,スポーツ担当課の一元化についての御質問でありますが,県では,環境文化部と保健福祉部が相互に役割分担と情報共有を図りながら,スポーツの振興に取り組んでいるところであります。引き続き,現在の体制のもとで,それぞれの専門性を生かして緊密に連携し,観光等の産業振興も視野に入れつつ,障害のある人もない人も互いに尊重し,支え合えながらスポーツや文化活動に参加できるような環境づくりに努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  保健福祉部長荒木裕人君。   〔 保健福祉部長 荒木裕人君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(荒木裕人君)  お答えいたします。 児童虐待防止についての御質問であります。 まず,児童虐待防止対策行動計画についてでありますが,計画には,児童相談所,保健所,警察,教育など,関係機関の役割が明記されており,互いの役割を理解することで連携の意識が高まり,日常的な情報交換や,研修,訓練などへの積極的な参加が行われるようになったところであります。また,48時間以内の安全確認については,計画策定の前後とも100%の実施でありますが,策定後は,関係機関の協力が得やすく,迅速な安全確認につながっており,大きな課題は生じていないところであります。今後とも,計画に基づき,関係機関が一体となって児童虐待防止に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,弁護士との連携についてでありますが,これまでも困難事例の対応について,弁護士から法的助言や実務援助を受けるとともに,市町村の対応力向上を図るため,弁護士などの専門家を派遣する事業に取り組んできたところであります。昨年10月からは,児童福祉法の改正を受け,中央児童相談所に非常勤の弁護士を配置したところであり,今後,さまざまな業務面で弁護士とさらなる連携を図り,児童相談所の法的対応力を強化してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  産業労働部長横田有次君。   〔 産業労働部長 横田有次君 登壇 〕 ◎産業労働部長(横田有次君)  お答えいたします。 食という観光資源についての御質問でありますが,食は旅の大きな楽しみの一つであり,多くの方々に本県ならではの食材の魅力を知っていただくことは,大切なことと考えております。このため,観光パンフレットの作成や首都圏での料理フェアの開催などに当たっては,農林水産部と連携して取り組んできたところであり,今後とも,本県の農産物の魅力やこれを育んだ背景などを,しっかりと発信し,ブランド価値の向上や観光誘客につなげてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  農林水産部長京博司君。   〔 農林水産部長 京 博司君 登壇 〕 ◎農林水産部長(京博司君)  お答えいたします。 畜産振興についての御質問であります。 まず,繁殖牛の保留についてでありますが,和牛の生産振興のためには,能力の高い雌牛の確保が重要であると認識しております。本県の繁殖農家戸数は,10年で約6割に減少しているものの,規模拡大や年間約400頭の繁殖牛の円滑な更新によって,繁殖牛の頭数は約5,000頭で維持されております。県では,農家等に対し,県内保留を条件に受精卵移植を行い,年間約100頭の優良雌牛の確保に努めるとともに,国庫補助事業を活用して,今年度は約180頭の優良雌牛の増頭を図ってきたところであり,引き続き,関係団体と連携し,能力の高い雌牛の確保による繁殖基盤の維持強化に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,肥育農家の経営安定についてでありますが,和牛の肥育経営において,生産費の約6割を占める子牛価格の高騰は,肥育農家の収益性に大きく影響しております。このため,生産費の低減に向けて,繁殖と肥育の一貫経営を推進するとともに,繁殖経営への新規参入支援や受精卵移植を活用した子牛の増産などにより,和牛肥育経営の安定に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  教育長竹井千庫君。   〔 教育長 竹井千庫君 登壇 〕 ◎教育長(竹井千庫君)  お答えいたします。 まず,きめ細かな進路マッチングについてでありますが,これまで高校生のインターンシップに取り組み,ミスマッチ解消に努めてまいりましたが,さらに今年度からは,若手農業経営者と交流するアグリ・夢・みらい塾を実施し,農業の現場への理解と就職への意欲の喚起を目指しているところであります。しかしながら,お話のような状況も見られることから,就職問題連絡協議会や地区別の産業教育懇談会など,県教委,高校,事業所の会議に,農業生産法人にも参加していただき,就職に関する情報を共有するなど,より適切な進路指導に努めてまいりたいと存じます。 次に,民謡の保存についてでありますが,県教委では,昭和62,63年度に,県内の民謡延べ1,601曲を調査し,報告書には840曲の歌詞を収録しております。また,大半の民謡については,調査の際に音声を記録しており,現在,デジタル化し,保存しております。お話のとおり,民謡は,それぞれの地域の歴史や風土に根差し,人々の生活心情やなりわい等の姿を伝える大切な民俗文化財と認識しており,調査成果は貴重な資料として長く保存してまいりたいと存じます。 次に,中学校の運動部活動についてのうち,運動部活動時間等についてでありますが,平成28年度調査によると,公立中学校の1週間の活動時間の県平均は,男子943分,女子931分であり,休養日を設けている学校の割合は,週1日が67.1%,2日が14.8%,3日以上は0.7%,設けていないが12.1%であります。教員は,部活動の教育的意義を理解し,献身的に指導に当たっていると認識しておりますが,こうした活動が生徒の健康面や教員の勤務に過重な負担とならないよう留意する必要があると考えております。 最後に,休養日の設定の周知についてでありますが,運動部活動については,教員の勤務負担軽減だけでなく,生徒の健康面や多様な体験の充実等にも配慮する必要があり,週当たり1日以上の休養日設定を義務づけ,土日のいずれかは原則休養日とすることを,市町村教委を通じて通知するとともに,教育長会等で強く働きかけております。この指導を徹底するためには,練習の時間や休養日の設定と,競技力との関係を示すことが有効と考えており,現在,医・科学的根拠に関する情報の収集に努めているところであります。いずれにしましても,来年度には,全校で適切に休養日が設定されるよう,しっかり取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  警察本部長西郷正実君。   〔 警察本部長 西郷正実君 登壇 〕 ◎警察本部長(西郷正実君)  お答えいたします。 観光を推進していくに当たってのJR岡山駅周辺についてのうち,岡山駅前の繁華街対策についてであります。 県警察では,健全で魅力あふれるまちづくりを推進するため,繁華街・歓楽街の安全・安心に向けた総合対策を推進しておりますが,岡山駅前の繁華街につきましても,無許可や禁止区域での営業,あるいは悪質な客引き行為の取り締まりを行うとともに,ボランティアと連携した少年補導など,環境浄化と少年の健全育成に向けた取り組みを行っているところであります。また,この地域に存在する成人用の玩具や書籍などの販売店に対しましても,県と連携して立ち入りを行い,商品の陳列方法や18歳未満の者を立ち入らせないようにすることなどについて,指導を行っているところであります。県警といたしましては,引き続き,指導取り締まりを徹底するとともに,関係機関やボランティア団体などとの連携を強化し,岡山駅前の環境の浄化に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  19番。   〔 19番 中川雅子君 登壇 〕 ◆19番(中川雅子君)  御答弁ありがとうございました。 JR岡山駅前というのは,岡山市の管轄にはなりますけれども,岡山県の県民がたくさん利用するところでありますし,また,いろんなお客様が出入りする場所なので,岡山県の本当に顔だと思っています。そこを見てやはりいろんな方が岡山県てこういう考え方なんだな,場所なんだなということを感じる第一歩でもありますので,ここに関して,地域を含めて,私たち全員が岡山県というものをどう考えてこれから暮らしていくのか,それがまずベースにあってのことであろうと思っています。そういったことをしっかりと市長とともに連携をとっていただいて,行政を行っていただきたいと思います。これは,要望でございます。 それから,岡崎嘉平太先生のさまざまな講演会など行っていただけるということですけれども,本当に空港という場所が非常に重要だと思っています。中国便もありますので,そこでこの御功績を新たに中国の方が目にすることによって,これから先,ここに住む岡山県民の,また,いろんな見方が養われていくと思っています。そういうことを思われて過去に岡崎嘉平太先生も,今の私たちのことを思い,頑張って非難を浴びながらも,大変なときでも,国交正常化に向けて頑張っていた,そのことを考えると,その意を継続して発信していく,その中国との玄関口でもあります岡山空港という場所は,非常に大事な場所だと思っておりますので,ぜひともよろしくお願いいたします。 それから,お肉だけでなく,農産物は本当に岡山県にとっての大切な食料であるとともに,観光資源でもある,そういった見方を含めて,強い農業を図っていくのは,本当に大事なことだと思っています。さまざま積極的な御答弁をいただきましたので,その御答弁のとおりしっかりと連携を図っていただきまして,推進していただきますようにお願い申し上げます。これも要望でございます。 質問でございますが,民謡なんですけれども,今でも既に漏れた曲はありまして,まだ発見されてない曲もあるやに伺っております。これは,やはり継続的に行っていって,保存しておくべきだと思います。そのときに,歌詞は保存されているのですけれども,曲がまだ保存されていない,デジタル化ということもありますが,また,研究者がしっかりとすぐ手元に持って研究ができるようにしておかなければならないと思います。今は,多分文化庁に資料が行っているやにも聞きましたけれども,大阪府などはCD化して,それを全県立図書館などにも配ったりもしておりますので,そういったことも含めてしっかりと推進を図っていただきたいですが,いかがでしょうか。 そして,最後になりましたけれども,岡崎嘉平太先生の「たていと」と「よこ糸」,県民と県政だと思います。しっかりとこれを加えていただいて,豊かな生き生きとした布を織っていただけますように,最後祈りを込めまして,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(井元乾一郎君)  答弁を求めます。 教育長。   〔 教育長 竹井千庫君 登壇 〕 ◎教育長(竹井千庫君)  再質問にお答えいたします。 民謡の録音したデータでありますけれども,現在はデジタル化してありまして,この一般的な活用ということでありますけれども,この録音の内容には,御本人の住所とか氏名とか,そういった個人情報も保存が同時にされておりますので,一般に供用するときには,そういった方の承諾が要るという作業が必要になってまいります。亡くなった方も結構おられますので,御遺族にも確認をしていかなければいけないと。今後,確かに保管をするだけでは,保存するだけでは何も意味がありませんので,活用ができるように御遺族の方,あるいは御本人に了解を求めながら,了解が得られたものについては公開をしていきたいというふうに思っております。 なお,冊子につきましては,県立図書館のほうへありまして,貸出可能ですので,どうぞごらんいただけたらというふうに思います。 以上でございます。 ○議長(井元乾一郎君)  以上で中川君の質問は終了いたしました。 この際,午後1時20分まで休憩いたします。        午後0時18分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時20分再開 ○副議長(久徳大輔君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 42番高橋英士君。   〔 42番 高橋英士君 登壇 〕 ◆42番(高橋英士君)  公明党県議団の高橋英士でございます。 きょう最後の質問となりましたが,どうぞ最後まで御清聴のほどよろしくお願いいたします。 初めに,財政問題について伺います。 県の本年度予算は,県費負担教職員の給与負担事務が岡山市へ移ったため,人件費が大きく減りました。このため,予算に占める義務的経費の割合は,平成28年度当初予算では76.0%だったものが,75.2%と下がっていますが,社会保障関係費については,医療や介護などの自然増や社会保障の充実分などで増加しており,今後の財政運営には一層の留意が必要でございます。 そこでまず,毎年度比5%増の1,014億円に上り,初めて1,000億円を突破した社会保障関係についてお伺いします。 県は,今後も,20から30億円の幅で伸び続けると推計しています。しかも,臨時財政対策債を含めた県債残高も高どまりしており,今後,こうした問題が県財政をさらに圧迫していくことは,間違いありません。このことは,単純に考えれば,10年後には200億円から300億円歳出額がふえるということになるわけでございます。今後の人口推計なども考えれば,いずれピークが来るはずですが,依然としてふえ続ける社会保障関係費の財源の確保は,どうしようと考えているのか,今後の見通しについて伺います。 また,知事は,今回も知事を初めとした特別職の給与を5%から20%カットされています。県財政が,今後とも,予断を許さない状況にあるとの知事のメッセージとは受けとめますが,正確に伝わっていないように思われます。改めて,知事の県財政の現状についての認識をお聞きしたいと思います。 次は,市町村との連携について伺います。 「新晴れの国おかやま生き活きプラン」を見ると,大半の事業が県下の市町村事業とダブっているのではないかと思われます。その意味で,市町村との連携は重要であるし,特に人口の約3分の2を占める政令指定都市の岡山市,中核市の倉敷市との連携は不可欠であります。今までのような年1回の知事と市町村長が地域の個別課題について,協議,意見交換を行うトップミーティングだけでは,具体的な課題に対して対応できないと思いますが,どのような考えをお持ちか,お尋ねします。 特に,岡山市,倉敷市との連携については,定期的な意見交換の場を持つ必要があると考えますが,知事の考えをお聞きいたします。 次は,就学前教育等について伺います。 本県の学力がなかなか向上しない,その背景に,小・中・高生の不登校や長期欠席者の割合が全国と比較しても依然として高いことがあると思われます。 まず,不登校等の現状と対策について,教育長に伺います。 平成27年2月議会でも,こうした不登校,長期欠席,校内暴力などの問題は,ある意味,一つの結果であり,問題はその背景にある家庭教育,幼児教育など,いわゆる就学前教育にあることを指摘させていただきました。こうした指摘も受け,教育委員会は,平成28年1月に作成した保幼小接続スタンダードを活用し,平成30年度を目途に,小学校区単位での接続カリキュラムの作成を目指すとしておりますが,進捗状況を教育長にお尋ねします。 特に,平成25年度までには,岡山,津山,瀬戸内の3市が既にカリキュラムを作成したにもかかわらず,この間全く進みませんでした。果たして27全市町村全部が作成することができるのか。仮にカリキュラムができても,誰が現場で教えていくのかなど,人材確保も問題となります。私は,まずはモデル校を設置し,そこから始めるのも一つの方法だと考えますが,教育長の御所見を伺います。 人材確保という点では,保育士の確保も重要になってきます。保育士の確保のためには,処遇の改善が一番の早道ですが,厚労省では,副主任保育士等の中堅役職を新設し,一定の経験年数や研修修了を要件とする処遇改善の環境を整備する方針とも言われていますが,処遇改善も含めた保育士の確保についての今後の県の取り組みをお伺いします。 また,千葉市では,男性保育士の採用が話題になっています。公立保育所の保育士の採用は,市町村において行われるものですが,保育士の確保という点では,本県でも採用が積極的に進められるべきではないかと考えます。こうした市町村における男性保育士の採用について,知事の御所見をお聞かせください。 また,県において,保育士・保育所支援センターを設置することとされていますが,岡山,倉敷市には,既に設置されています。県は,どのような役割を担い,津山市や残りの市町村についてはどう支援されていくおつもりか,お伺いいたします。 次に,水道事業の広域連携について伺います。 県内の多くの水道施設は,老朽化が進み,更新時期を迎えており,人口が減少し,水需要が減る中,更新費がかさみ,個々の自治体単独では事業の継続が難しくなっています。このような中,香川県が来年度に,広域水道事業の企業団を設立し,県内一水道に取り組む方針とのことですが,本県の水道事業の広域連携について,現状と課題をお尋ねします。 次は,産後鬱の対策等について伺います。 母子の健康と子供の健やかな成長を目指し,公明党が進めてきた妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援について,来年度から新たな事業が始まることになりました。厚労省は,産後鬱予防などの観点から,出産後間もない産婦の健診費用の助成と先天性の聴覚障害の早期発見に向けて,新生児聴覚検査の推進体制を整備するための予算を計上しました。産後ケアは,助産師や専門家による母体・乳児のケアや育児相談・指導などが受けられるサービスで,この事業を行う市町村に国が2分の1を補助することになっています。県下の市町村の実施状況を県はどう把握していますか,保健福祉部長にお尋ねします。 一方,新生児聴覚検査の推進体制の整備では,都道府県の取り組みを国が支援するもので,事業費の半分を補助することになっています。新生児聴覚検査の現状と今後の取り組みについて,保健福祉部長にお尋ねをします。 産後鬱の支援については,これまでもさまざまな形で取り組んできました。全ての市町村で実施している事業もあれば,一部の市町村でしか実施できていないものもあります。一方,県が単独でやっているものもあります。産後鬱の支援に限らず,福祉事業全般に言えることですが,市町村における取り組みに差が出ていることは,大きな問題と言わざるを得ません。しかも,出産・子育ては,安心・安全の基本中の基本であり,県下で平等に行わなければならないと考えています。しかし,現状では,県下の市町村で子育てに相当な格差が発生していると言わざるを得ません。この穴を埋めるのが,県の仕事であると思いますが,知事の認識をお聞かせください。 次は,子供医療費に係る国庫負担金減額調整について伺います。 現在,医療保険制度における医療費の窓口負担は,就学前が2割,小学生以上は3割となっていますが,未就学児については,全ての市町村が助成制度を設け,実際の負担は大幅に減額されています。一方で,国は,市町村による独自の医療費助成によって受診機会がふえ,医療費の増加を招くとして,一部の例外を除き,ふえたとされる医療費分を市町村が運営する国民健康保険に対する国庫負担金から差し引く減額調整措置を実施しておりました。その総額は,2014年度全国で約110億円に上り,私どもはこれまで国に強くこの制度の廃止を求めてまいりました。このたび,厚労省は,私どもの主張を認め,未就学児までを対象とする助成についての減額調整措置を2018年度から廃止することを決め,昨年末に全国に通知したところであります。本県のこれまで減額調整されてきた国庫負担金の額は,どのぐらいになるか。運営が厳しくなっている国民健康保険の重要な財源にもなると思いますが,そのいわば浮いたお金は,今後,どのように活用されることになるのか,あわせて保健福祉部長にお尋ねをいたします。 次は,伝統的木造建築物の存続等について伺います。 一昨年の7月に,「建築物のエネルギー消費性能の構造に関する法律」,いわゆる「建築物省エネ法」が成立し,3年後の2020年までに一般住宅にも省エネ基準への適合を義務化することが閣議決定されています。しかし,この法律の審議の過程で,このままいけば,日本の伝統的な木造建築物が衰退していくのではとの懸念が表明され,一昨年6月の参議院国土交通委員会で,地域の気候風土に対応した伝統的工法の建築物などの承継を可能とする仕組みを検討することという附帯決議がなされたところであります。このように,この法律は,日本の文化そのものとも言える伝統的な木造建築物の存続が危機に瀕しかねないことから,いち早く岩手県,埼玉県,高知県,高山市,京都市などのいわゆる木材どころの自治体が,国の伝統的木造住宅検討ワーキンググループに参加し,共同で研究・検討していると承知をしております。 そこで,伺います。 まず,岡山県における森林の重要性についてであります。 本県のヒノキの生産量は,4年連続で日本一を誇っています。特に,勝山は古くから木材の町として知られ,真庭市はCLTやバイオマス発電で有名になってきましたが,そのもとは木材であります。幸いにして,本県のヒノキなどの人工資源は,本格的な利用期を迎えており,品質,性能のすぐれた県産材の木造住宅への積極的な活用に加え,CLTなどによる需要拡大を進め,林産地岡山をもっと積極的にPRする必要があると思うのですが,知事の御所見をお聞かせください。 次に,「建築物のエネルギー消費性能の構造に関する法律」についてですが,本県における伝統的な木造建築物が省エネ基準の適用除外となる,気候風土適応住宅の認定指針等の運用に向けて準備を進めていると思います。具体的にどのような検討を行っていますか。建築士などの実務者を入れた検討委員会を立ち上げ,研究を始めるべきではないでしょうか。さらに,2020年の認定に向けてのタイムスケジュールは,どうなっていますか,あわせて知事にお尋ねをいたします。 最後に,高齢ドライバーによる交通事故対策について伺います。 報道によれば,2015年の75歳以上の高齢ドライバーが起こした死亡事故のうち,ブレーキとアクセルの踏み間違いなど,運転操作ミスが原因だった事故が約3割に上ったことが明らかになっています。こうしたことから,平成27年に道路交通法が改正され,これまで免許更新時に実施していた認知機能検査に加え,75歳以上の運転者が通行禁止違反や信号無視などの違反をした場合には,その都度,認知機能検査を行い,検査の結果,認知症のおそれがあると判断されれば,医師の診断を受けることになり,その結果,認知症と診断されれば,免許取り消しか停止の対象になることになりました。もちろんこれまで,警察庁は高齢者の免許の自主返納促進に力を入れてきましたが,交通の代替手段のない地方ほど返納が進まない実態については,これまでも指摘されてきました。 そこでまず,本県における高齢ドライバーによる交通事故並びに免許証返納の実態について,警察本部長にお尋ねします。 次に,代替の交通手段についてですが,これまでもバスやタクシー料金の割引制度を導入してきてはいますが,限界があると思います。国土交通省は,地域公共交通活性化再生法で,地域公共交通ネットワークの再編に取り組む事業者と自治体,住民を支援する仕組みを整備していますし,岡山市においては,民間事業者から公共交通の整備を求める提言もなされているところであります。県としては,こうした取り組みにどうかかわっているのでしょうか。高齢化社会における足の確保は,深刻な問題であり,早急に取り組まなければならない課題であります。知事の御所見をお聞かせください。 ○副議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  公明党の高橋議員の質問にお答えいたします。 まず,財政問題についての御質問であります。 社会保障関係費の財源確保についてでありますが,将来にわたって安定的な財源を確保することが重要であることから,今後とも,全国知事会等を通じ,国に対して,消費税・地方消費税率10%への引き上げを確実に実施するとともに,必要な地方一般財源総額を確保するよう,要望してまいりたいと存じます。 次に,県財政の現状認識についてでありますが,本県財政は,これまでの行財政改革の取り組みにより,収支不足が縮小するなど,フローとしては,一時期より改善したものの,社会保障関係費の累増や公共施設の老朽化への対応,県債残高の高どまりなどから,引き続き,予断を許さない状況にあると考えており,行財政運営を預かる立場として,給与減額を継続したいと考えているところであります。 次に,市町村との連携についての御質問でありますが,トップミーティングや市長会・町村会との意見交換など,トップ同士の話し合いはもとより,各部局や県民局ごとの事務レベルの会議など,さまざまな機会を通じて,意見交換や情報共有を図りながら,市町村と一体となって各種施策を推進してまいりたいと存じます。 また,政令市及び中核市は,保健所設置や福祉サービス分野など,県と同じ事務を担っており,引き続き,三者のトップ同士が連絡をとり合い,率直に話し合える関係の構築に努めてまいりたいと存じます。 次に,就学前教育等についての御質問であります。 保育士の確保のうち,今後の取り組みについてでありますが,お話のキャリアに応じた処遇改善における県の役割は,職務分野別の研修や処遇改善の実施状況の確認などであり,制度の円滑な導入に向け,準備を進めているところであります。また,新たに設置する保育士・保育所支援センターにおいて,養成校等と連携した潜在保育士の掘り起こしや,魅力ある職場づくりの支援などを行うこととしており,市町村とも連携して,保育士の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に,男性保育士についてでありますが,保育士の採用は,市町村や事業者において判断されるべきものでありますが,女児の着がえなどについて,不安視する保護者の気持ちも理解できる一方,専門職である男性保育士が活躍することで,男性が積極的に子育てしていく機運が醸成され,子供の育ちや保育の質の向上につながるとも考えているところであります。 次に,保育士・保育所支援センターについてでありますが,保育ニーズの高まりに伴い,待機児童のない市町村においても,保育士の確保に苦慮している状況にあることから,県では,主に岡山市,倉敷市以外の市町村の保育士確保を支援するために設置するものでありますが,両市のセンターとも,潜在保育士の登録や復職支援セミナーの開催などにおいて連携しながら,県全域での保育士の確保を推進してまいりたいと存じます。 次に,水道事業の広域連携についての御質問でありますが,人口減少に伴う料金収入の減少や,施設の老朽化などにより,市町村等の水道事業の経営環境は一層厳しさを増しており,経営基盤の強化が喫緊の課題となっている中,広域連携の推進は,一つの有効な方策であると認識しております。このため,県と県内全ての市町村,水道企業団で構成する検討会を昨年11月に設立し,事業統合に限らず,さまざまな手法による広域連携について協議を始めたところであり,県としては,本検討会の運営を通じ,市町村等におけるこうした取り組みが円滑に進められるよう,助言や調整に努めてまいりたいと考えております。 次に,産後の鬱対策等についての御質問であります。 市町村における取り組みの差についてでありますが,誰もが安心して出産・子育てができる環境を確保するため,県では,周産期・小児救急医療体制の整備などを行うとともに,各市町村がそれぞれの実情や課題に応じ,妊娠期から子育て期まで,切れ目ない母子保健サービスなどを提供できるよう,支援しているところであります。今後とも,県と市町村の適切な役割分担と連携のもと,母子の健康と子供の健やかな成長が図られる環境を整備してまいりたいと存じます。 次に,伝統的木造建築物の存続等についての御質問であります。 林産地岡山のPRについてでありますが,県では,各種事業の実施により,木造住宅への県産材の利用を促進するとともに,木材のよさや新たな建築資材であるCLTの普及啓発に努めているところであります。また,新たにヒノキ生産量日本一など,本県の特色を映像化し,今月中旬からテレビやインターネット等で配信することとしており,今後とも,林業の盛んな岡山を積極的にPRしてまいりたいと存じます。 次に,気候風土適応住宅の認定指針等についてでありますが,近年,建築物のエネルギー消費量が著しく増大していることから,住宅の断熱化など,省エネ化を促進することが喫緊の課題となっております。一方,本県の気候風土の中で培われてきた伝統的な木造建築の文化や建築様式の継承も重要であり,現在,国のワーキンググループによる検討状況を注視しているところであります。今後,建築関係団体などとの意見交換等も踏まえながら,平成32年の省エネ基準適合義務化に向けて,気候風土適応住宅の認定指針等について検討してまいりたいと存じます。 最後に,高齢ドライバーによる交通事故対策についての御質問であります。 代替交通手段についてでありますが,県では,これまでも市町村が地域公共交通の再編に取り組む際には,その協議の場に参画し,広域的な見地から助言を行うとともに,こうした再編を財政的にも支援しております。また,広域的,幹線的なバス路線の運行費の支援や,日常生活における移動手段の確保に向けた公共交通空白地有償運送の導入促進に取り組んでいるところであり,今後とも,こうした取り組みを通じて,免許返納後の代替交通手段の確保に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(久徳大輔君)  保健福祉部長荒木裕人君。   〔 保健福祉部長 荒木裕人君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(荒木裕人君)  お答えいたします。 まず,産後の鬱対策等についての御質問であります。 産後ケア事業の実施状況についてでありますが,出産直後の初産婦は,育児不安等から産後鬱等心身の不調を来すケースもあり,支援のニーズが高いことは指摘されております。このため,国においては,平成26年度から,コーディネーターによる相談支援と医療機関等の空きベッドを利用した産後ケアなどをあわせて行う市町村に対する補助事業を開始し,県においても,平成27年度から,要件を緩和した産後ケア補助事業を開始したところであります。現在,国または県の補助を活用して,8市町村が産後ケア事業を実施しているところであり,今後,より多くの市町村で本事業が展開されるよう,先進事例の情報提供を行うなど,積極的に働きかけてまいりたいと存じます。 次に,新生児聴覚検査の現状等についてでありますが,県では,平成13年度から他県に先駆け,国のモデル事業として,新生児聴覚検査事業を開始し,県内全ての市町村において,公費負担による検査体制を整備しております。県では,医療機関や市町村,難聴幼児の訓練機関などとの協議や,市町村職員への研修などを行い,受診率の向上や検査精度の管理に努めているところであり,今後とも,検査体制の充実を図ってまいりたいと存じます。 最後に,子供医療費に係る国庫負担金減額調整についての御質問でありますが,県内市町村で減額調整された額は,平成27年度は約8,400万円,平成23年度から27年度までの5年間の累計では約4億7,000万円となっております。また,減額調整の廃止は,国保財政の収支改善に寄与するものと考えており,国からは,見直しにより生じた財源は,市町村において医療費助成以外の少子化対策の拡充に充てるよう求められているところであります。 以上でございます。 ○副議長(久徳大輔君)  教育長竹井千庫君。   〔 教育長 竹井千庫君 登壇 〕 ◎教育長(竹井千庫君)  お答えいたします。 就学前教育等についてのうち,まず不登校の現状等についてでありますが,平成27年度,小学校は前年度並みの473人,中学校では57人増の1,385人,高校では36人増の1,096人となっており,小学校・高校の出現率は全国平均よりも高く,依然,厳しい状況にあります。県教委では,まずはわかる授業づくりや特別活動の充実による,児童生徒が自己存在感を実感できる魅力ある学校づくりや,特別支援教育の観点を取り入れた安心して学べる環境づくりを推進し,休み始めには,登校支援員の効果的な活用等による早期からの組織的対応,複雑なケースでは,スクールソーシャルワーカーなどの専門家や関係機関と連携した支援の充実を進めているところであります。また,小学校低学年での不登校の増加が懸念されることから,就学前からの取り組みとして,小学校区で親育ち応援学習プログラムを実施するなど,家庭への支援にも取り組んでいるところであります。 次に,接続カリキュラムのうち,進捗状況についてでありますが,就学前教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり,その質的充実と小学校への円滑な接続を図るため,小学校区ごとに接続カリキュラムを平成30年度を目途に作成するよう働きかけているところであります。その結果,今年度末までに作成を予定しているのは,岡山市を除く全小学校302校中172校で57%であります。 最後に,モデル校の設置についてでありますが,これまでの働きかけにより,現時点で15市町村が接続カリキュラムを作成しておりますが,保育所と小学校との連携が課題であることから,今年度,学区に保育所のある3小学校をモデル校として取り組んでいるところであり,平成30年度末までには,全市町村で作成できる見込みであります。お話の人材については,県教委に配置している就学前教育スーパーバイザーが,モデル校も含めた園内研修や市町村での接続に関する研修会,県の指導者研修会でカリキュラムに基づく活動内容の工夫や指導方法の改善等への指導・助言などを通して,育成を図っているところであり,今後とも,こうした取り組みを充実してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(久徳大輔君)  警察本部長西郷正実君。   〔 警察本部長 西郷正実君 登壇 〕 ◎警察本部長(西郷正実君)  お答えいたします。 高齢ドライバーによる交通事故対策についてのうち,交通事故等の実態についてであります。 まず,本県における75歳以上のドライバーによる死亡事故の発生状況につきましては,年ごとにばらつきがありますが,昨年までの5年間では合計49件が発生しており,直近2年間では減少しております。また,これらの事故のうち,ブレーキとアクセルを踏み間違えるなど,操作不適による事故は約18.4%を占めております。 次に,免許証の返納の実態についてであります。 運転免許証の自主返納者は,近年増加傾向にあり,昨年中は6,197人の方が返納されておりますが,これらの方のほとんどが,バスやタクシーの料金の割引を受けられる「おかやま愛カード」の交付を受けておられます。県警察では,昨年3月からは,日曜日にも免許の自主返納を受け付けるとともに,10月からは,代理人による返納も受け付けるなど,返納しやすい環境の整備に努めているところであります。 以上でございます。 ○副議長(久徳大輔君)  42番。   〔 42番 高橋英士君 登壇 〕 ◆42番(高橋英士君)  それでは,何点か再質問をさせていただきます。 まず,知事にお尋ねをしたいんですが,産後の鬱対策等についての中で,市町村における取り組みの差,県下27市町村あるわけですけれども,その中でこの産後鬱支援対策だけを見ても,全ての市町村で実施できている事業もあり,一方,一部の市町村でしか実施できてない事業,また,岡山県が主体でやっている事業,こういうふうにいろいろありまして,細かく見ると,産後鬱の支援対策だけでも多分20事業ぐらいはあります。ところが,今申し上げましたように,それぞれの市町村単位で,これは恐らくそこの財政事情,財政能力と言っていいんでしょうか,そういうものと大いに関係があるんでしょうが,かなり差があります。つまり,やれているところとやれていないところですね。ですから,私が先ほど申し上げましたのは,この出産・子育て,こういうものは安心・安全という中の一番もう重要なものだということです。だから,ここにやはり市町村で差が起こるということは,皆さんもお聞きになったことがあるかもわかりませんが,やっぱりある意味で住民移動というのが起こるんですね,こういうことから。ですから,そうであってはやっぱりならないと思うんです。少なくとも,岡山県下どこにいても,やっぱり出産はどこでもできる,安心して子供が産める,そしてその産後のケアができる,そして子育てができるという環境を,やはり私は県下市町村でつくる必要があると。 それで,財政力に差がある,そこをやっぱり岡山県がフォローする,カバーするというのが,私は県の仕事じゃないかと。知事は,先ほどそれぞれ県政の役割分担があるというようなお答えでしたけれども,役割分担というだけでは,結果的に,この「子育て格差」と言っていいんでしょうか,これがなかなか解消されないんですね。ですから,一つ一つの自治体をよく見ていただいて,この市町村にはどういうサポートが要るのかということを,私はさらにきめ細かくやっていただく必要があるんじゃないかというふうに思うわけです。再度御答弁いただきたいと思います。 それから,林産地岡山県,このPRということ等申し上げました。実は,最近このような「日経アーキテクチュア」という雑誌を見たんですね(資料を示す)。多分これは知事も見られてるんじゃないでしょうか。「世界の木造最前線」というもので,これには何が書いてあるかというと,CLTで18階の高層建築物ができているということ,CLTでですよ。こういう画期的な中身になっているんですが,きょうは午前中は県北の美作材のお話もありましたけれど,私はこのCLT,これはどちらかといえば真庭だと思っておりますが,県南から北のほうの応援をさせていただきたい,別に頼まれてはいませんけれど,そう思っているんです。 私は,実はこのCLTは,これだけではなくて,やはりその背景にある木材,この木というものをもっともっと活用すべきじゃないかということで,先ほどの伝統的な気候風土適応住宅の認定についての御質問もさせていただきました。私が今回知事にこの問題をお尋ねしたのは,岡山県でこういう木材林産県をPRするに当たり,今そういう仕事にかかわっていらっしゃる建築士や,また,大工さんら,いろんな方が建物をつくるにはかかわっていらっしゃるんですけれども,ここで建築物の省エネ法というものができて,大変危機感を持っていらっしゃるわけですね。だから,私は,知事にもそういうところを十分この際,御認識いただいたほうがいいと,また,支援していただきたいと,そのような気持ちから知事に御答弁を求めたわけです。 それで,重複になりますが,知事がおっしゃったとおり,国においては,このエネルギーというものが,東日本大震災の後,大変いろいろな形で注目をされております。その中で,この住宅というものの省エネ効率が余りよくないんじゃないかというようなことから,国が法律をつくり,一方で,やはり伝統的な木造住宅というものをどうやって残していくかということも,大変大きな問題になっておるわけです。 そこには,このエネルギー効率が,住宅建築物ではよくないんではないかというような一般的な考え方があるわけですが,しかし決してそうではないです。この木造というものは,建てるときから,また,焼却するときから,エネルギーの効率は非常にいいということが,今,研究をされていますし,見直しされておると。特に,伝統的な建物の特徴といいますか,気候風土適応住宅の特徴をどういう観点でみるかという話なんですが,私が若干調べさせていただいたところ,例えば建物の様式,形態,空間構成,それから建物の建て方,それからその建物で使っている材料・壁とか,その生産体制,一番大事なものは,日本の伝統的な建物の景観。こういうあらゆる面から見て,その気候風土適応住宅というものを,やはり見直ししなければならないし,今回そうした建築物における省エネ法というものができた中で,この法律の適用除外になる気候風土適応住宅の認定を県がすることになるんですよ,岡山県が。岡山市,倉敷市は除くと思いますけれど。そのほかの市町村では,多分県がこれを認定する。そして,今,国がガイドラインをつくっておりまして,そのガイドラインに基づいて指針を今検討しているということで,そのような御答弁を今いただいたわけですけれども,本当にこれは大変大事な,重要な問題になりますので,ぜひしっかり研究していただいて,しかも現場の皆さんの,建築士や大工さんやいろんな方の,関係者は大変たくさんいらっしゃいますが,そういう方の御意見もしっかり聞かれる中で,指針をつくっていただきたいというふうに思っておりまして,これは要望とさせていただきたいと思います。 最後に,教育長にお尋ねをいたします。 就学前教育については,今お聞きをしますと,随分進んできたというふうに理解いたしました。ただ,カリキュラムができましても,それを現場で教える人,これは恐らくまだ大学でもこういう接続カリキュラムというものについての勉強は,されてないんだと思うんです。ですから,カリキュラムができても,誰がじゃあ教えていくんですかと,しかも,27市町村でそれだけの人材が果たして現場にいるのかということは,大変大きな不安材料でございます。その辺の取り組みについて,教育長から御答弁をいただきたいと思います。 以上です。
    ○副議長(久徳大輔君)  答弁を求めます。 知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  産後鬱の取り組みの差ということでございます。 母子保健については,母子保健法上,住民に身近な市町村が実施主体とされており,国,県,市町村の適切な役割分担と連携のもと,国は,ナショナルミニマムを保障し,県は県内全域で必要となるサービス水準の確保に努めることが重要であります。県下全域で活用していただきたい補助制度もありますが,市町村ごとの実情や課題を踏まえ,活用を検討していただきたい補助制度もあると考えております。いずれにしても,県としては,補助制度の積極的な周知に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(久徳大輔君)  教育長。   〔 教育長 竹井千庫君 登壇 〕 ◎教育長(竹井千庫君)  お答えいたします。 幼稚園,保育園,小学校で接続カリキュラムを,誰が,どのようにしていくのかというお尋ねでありますけれども,一応全員が理解できるというのが最終目標でありますけれども,それはなかなか時間がかかりますので,各学校園で最低1人中心となってこのカリキュラムを理解し,そして合同で保・幼・小が動けるような,そういう中心的な人物を養成していこうということで,先ほども答弁いたしましたが,県教委配置のスーパーバイザーが市町村の研修会,あるいは県が主催する研修会,あるいは保・幼・小の合同の研修会に出ていって,カリキュラムの内容を説明しながら,どのような接続を図っていくのが望ましいのかということを,実践的に研修をやっておりますので,これをしっかりやっていく,それがだんだんだんだん広がっていくんだろうというふうに思いまして,こういう取り組みを通して,「小1プロブレム」を解消していきたいというふうに考えておるところであります。 以上でございます。 ○副議長(久徳大輔君)  以上で高橋君の質問は終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(久徳大輔君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △3月8日の議事日程 ○副議長(久徳大輔君)  明日の議事日程は,午前10時開議で,一般質問,議案委員会付託,請願陳情委員会付託であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(久徳大輔君)  本日は,これをもって散会いたします。        午後2時5分散会〇 平成29年3月7日(火曜日)出席議員   1番 須増 伸子君     2番 鳥井 良輔君     3番 大塚  愛君   4番 高橋  徹君     5番 河野 慶治君     6番 渡辺 知典君   7番 福島 恭子君     8番 山本 雅彦君     9番 小林孝一郎君  10番 市村  仁君    11番 上田 勝義君    12番 小林 義明君  13番 中塚 周一君    14番 江本 公一君    15番 青野 高陽君  16番 太田 正孝君    17番 木口 京子君    18番 花房  尚君  19番 中川 雅子君    20番 氏平三穂子君    21番 森脇 久紀君  22番 荒島 俊造君    23番 三宅 和広君    24番 柳田  哲君  26番 渡辺 吉幸君    27番 小倉 弘行君    28番 加藤 浩久君  29番 遠藤 康洋君    30番 蜂谷 弘美君    31番 神宝 謙一君  32番 西岡 聖貴君    33番 波多 洋治君    34番 久徳 大輔君  35番 高橋 戒隆君    36番 蓮岡 靖之君    37番 高原 俊彦君  38番 住吉 良久君    39番 笹井 茂智君    40番 増川 英一君  41番 山田総一郎君    42番 高橋 英士君    43番 佐古 信五君  45番 井元乾一郎君    46番 伊藤 文夫君    47番 小田 圭一君  48番 渡辺 英気君    49番 内山  登君    50番 小野 泰弘君  53番 河本  勉君    54番 岡崎  豊君    55番 小田 春人君  56番 天野  学君    57番 千田 博通君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~欠席議員  25番 池本 敏朗君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     石原 伸一         次長       河井 伸充  議事課長     米戸 健浩         政務調査室長   渡邊 謙二  議事課長代理   竹原 祐一         議事課長補佐   安井 誠一  議事課主幹    近藤 理恵         議事課主任    平澤 郁男           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       伊原木隆太君        副知事      宮地 俊明君  副知事      佐藤 兼郎君        公営企業管理者  佐藤 一雄君  危機管理監    山本 哲也君        総合政策局長   桐野 伸一君  知事室長     上原  毅君        総務部長     亀森 敏宏君  総務部次長    水田 健一君        県民生活部長   松尾 茂樹君  環境文化部長   大本 裕志君        保健福祉部長   荒木 裕人君  産業労働部長   横田 有次君        農林水産部長   京  博司君  土木部長     三村富士男君        出納局長     渡邊 知美君教育委員会  教育長      竹井 千庫君        教育次長     内田 広之君公安委員会  委員       服部恭一郎君        警察本部長    西郷 正実君  警務部長     菅昌 徹治君人事委員会  委員       佐藤  園君        事務局長     村木 正司君監査委員  代表監査委員   與田 統充君        事務局長     守本  堅君選挙管理委員会  委員長職務代理者 平松 卓雄君...