岡山県議会 > 1992-03-31 >
06月12日-01号

  • 暴力団排除対策(/)
ツイート シェア
  1. 岡山県議会 1992-03-31
    06月12日-01号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-10
    平成4年 6月定例会 ◎知事(長野士郎君)  本日は,皆様御多用のところを御参集いただきまして,まことにありがとうございます。  今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして,最近の経済動向並びに当面する県政の諸課題について申し述べ,県議会並びに県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。  最近における我が国の経済情勢を見ますと,個人消費や設備投資の伸びが鈍化しており,鉱工業生産も在庫調整の動きから停滞傾向で推移しております。また,企業収益も比較的高い水準にあるものの減少傾向にあるなど,我が国経済は減速感が広まっております。  なお,物価につきましては,卸売物価,消費者物価ともに安定した動きとなっております。  県内産業の動向を見ますと,個人消費及び公共投資は総じて底がたさを保っておりますものの,中小製造業を中心に設備投資が慎重化しておるほか,素材業種が在庫調整を継続していることなどから,生産は抑制基調にあります。  また,最近の雇用情勢につきましては,4月の有効求人倍率が1.71倍,新規求人倍率も2.55倍と,引き続き高い水準にあり,中小企業を中心に人手不足感は根強く,労働力需給は緩和の方向にあるものの,依然として引き締まり基調が続いております。  このような経済情勢にかんがみ,国におきましては,3月31日,公共事業等の施行促進,民間設備投資の促進等7項目にわたる緊急経済対策を決定したところでありますが,本県におきましても,地域の経済情勢と地元中小企業の受注機会の増大に配慮しながら,公共事業等の上半期契約目標率を75%を上回ることとし,前倒し執行に努めているところであります。  また,中小企業の経営の安定化につきましては,単県融資資金や近代化資金等の貸し付けに当たり,実情に応じたきめ細かい配慮を行うこととしております。  次に,平成3年度の決算見込みにつきましては,自主財源の確保に努めたほか,事務事業の整理合理化,行政運営費を中心とした経費の節減など,行政運営の合理化と経費支出の効率化を図った結果,現時点におきましては収支均衡がとれるものと予想しております。しかしながら,その内容を見ますと,3年度末の県債の現在高は一般会計で4,685億円に上っており,今後,これらの償還に伴う公債費の大幅な増額は避けられないなど,財政状況はなお厳しいものとなっております。  次に,当面する県政の課題について申し上げます。  吉備高原都市につきましては,去る4月23日,前期事業の集大成とも言うべき業務商業ビル及びセンター区広場がオープンいたしました。これらの中核施設の完成により,都市機能が充実され,人の定住及び交流が盛んになるものと期待しております。  なお,後期事業につきましても,引き続き平成5年度から着手できるよう諸準備を進めるとともに,地域振興整備公団事業として採択されるよう要望していきたいと考えております。  チボリ公園につきましては,倉敷駅北の工場跡地における立地についてクラボウとの具体的な話し合いを進めているところでありますが,引き続き倉敷市,経済界,チボリ・ジャパン社等関係者との連携を図りながら,クラボウとの協議を急ぐとともに,県議会及び県民の皆様方の御理解と御協力を得ながら,事業の円滑な推進が図られるための条件づくりを進め,早期実現を期してまいりたいと考えております。  岡山空港につきましては,今後の航空需要の増加と国際化に対応するため,平成5年春の供用開始に向けて滑走路の延長工事を進めるとともに,国際線ターミナルビル増築工事にこのほど着工したところであります。  また,空路利用の順調な伸びを踏まえ,新規路線の開設を初め既存路線の増便を働きかけているところでありますが,国内線については,札幌便が来る7月1日から現行の週3便から週4便へと拡充されることとなりました。また,鹿児島便は,本年10月ごろを目途にジェット化する方向で検討されているところであります。国際線については,次の日韓航空交渉に向けて,韓国便の毎日運航を日韓両国政府に対し強力に要請するとともに,アジア・太平洋地域への新規路線の開設やチャーター便の運航促進などを図ってまいりたいと考えております。  国道昇格につきましては,本年3月25日開催の道路審議会において,本県分として,4路線延長約169メートルに及ぶ昇格が認められたことはまことに喜びにたえないところであり,御尽力いただいた県議会を初め県選出国会議員の皆様方など関係各位に対して深く感謝申し上げます。今後とも,これら国道を初めとする道路網の整備促進に努めてまいる所存でありますので,一層の御支援,御協力をお願いする次第であります。  県立大学につきましては,4月末に大学設置の第1次認可申請を済ませ,去る5月15日文部省において大学設置・学校法人審議会に諮問がなされたところでありますが,平成5年4月の開学に向けて引き続き造成工事,建築工事の円滑な進捗を図るとともに,入学試験,設備備品や管理体制の整備などの諸準備に取り組んでまいりたいと考えております。  苫田ダムにつきましては,新たに42名の同意をいただき,現在の未同意地権者は29名であります。今後も,建設省,県及び奥津町がそれぞれの立場で相互に協力し,すべての地権者の理解が得られるよう,県としても話し合いを申し入れるなど,誠意を持って対話活動を進めてまいります。  また,奥津町地域総合振興計画(案)につきましては,本年3月末を目途に建設省,県,奥津町の3者で協議,調整を進めてきたところでありますが,地形地質調査並びに公共物件等の調査がおくれたため,現在なお成案を得るに至っていないのが実情であります。しかしながら,去る5月15日に奥津町議会において建設省が行う水没予定地内の公共物件等の調査について同意が得られましたので,早急にこの調査を進め,早期に計画を取りまとめたいと考えております。  次に,高齢化対策でございますが,地域ぐるみで高齢者等を支え合う仕組みづくりに取り組む高齢者福祉のむらづくり事業につきましては,昨年度5町村をモデル指定し,それぞれの地域における介護研修やボランティアの拡充などの独自の取り組みを支援してきたところでありますが,本年度は,その取り組みの定着を推進するとともに,さらに新たなモデル町村を指定してまいりたいと考えております。  また,高齢者の生きがいと健康づくりなど総合的な対策を推進していくための中核的組織として,昨年10月に設立した岡山県明るい長寿社会財団では,本年8月に高齢者の「健康・スポーツ・創作活動」を基本テーマに,3世代や地域との交流を進める「メロウ岡山ねんりんピック」を開催するなど,高齢者みずからの社会参加を促す各種事業に取り組んでいくこととしており,県としても積極的に支援してまいりたいと考えております。  次に,国際交流につきましては,アジア諸国との交流の一つとして,中国江西省との間で友好交流を進めてきたところでありますが,先般,県議会からの御参加もいただいて,友好訪問団を江西省へ派遣し,友好提携の調印をとり行いました。この友好提携を記念し,7月から8月にかけて江西省曲技団の岡山公演を行うのを初め,今後,技術研修生の受け入れなど,経済・科学技術・文化面での交流をより一層深めてまいりたいと存じます。  また,南オーストラリア州やインドネシア・バリ州など他地域との友好交流につきましても,県議会の御意見を承りながら積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に,第2期吉備高原地域テクノポリス開発計画でございますが,去る5月15日に国の承認を受けたところであり,高度加工組み立て型産業ライフサイエンスバイオ関連産業の振興を図ることとしております。このため,本県の研究開発拠点である岡山リサーチパークの整備や加工組み立て型企業等の育成を図るとともに,先日,産・官・学からなる岡山県医用工学研究会を設立し,新たに医用工学関連産業の育成にも取り組むなど,21世紀に向けて活力ある中小企業の育成と均衡のとれた産業構造の確立を目指してまいりたいと存じます。  次に,地球環境保全対策についてでありますが,現在,世界各国の参加のもとに地球サミットが開催されており,我が国においても,これを受けて各種の取り組みが一層推進されることになりますが,県としても,地域としての責任を果たすべく,先般岡山県における地球環境問題への取り組み方針を策定したところでありまして,今後これに基づき地球温暖化対策,フロン等削減対策などの諸施策を推進するとともに,県民,事業者などの積極的な取り組みを促してまいりたいと考えております。  次に,観光振興につきましては,観光入り込み客の増加対策に積極的に取り組むほか,岡山のイメージアップを図るため,本年4月からJR6社とタイアップした大型観光キャンペーン「素顔であいたい岡山の旅」を全国展開しておるところであります。このキャンペーン終了後も,引き続き効果的に誘客を図るため,新しい視点に立った滞在型周遊観光ルートづくり「吉備の国新発見事業」などを進めるとともに,韓国や香港,シンガポールなどアジア各国への航路開拓と連携をした国際観光事業の推進など積極的に取り組む所存であります。  次に,農林漁業でございますが,牛肉の輸入自由化など厳しい経営環境の中で緊急な対応が求められている酪農経営につきましては,その改善対策として受精卵移植技術の活用による優良子牛の生産や共同哺育を進めるため,先般岡山県受精卵移植推進協議会を設立したところでありまして,今後,これを母体として総合的組織的に受精卵移植事業を推進し,畜産経営の安定化に努めてまいります。  栽培漁業につきましては,先般の水産試験場栽培漁業センター増設に伴い,さらに稚魚の放流量をふやすとともに,市場性の高いナマコ,キジハタなどの量産にも努めてまいりたいと存じます。また,中間育成施設も,邑久地区に加え,このほど寄島,大畠地区において稼働を開始したところであり,今後ともつくり育てる漁業をより一層推進したいと考えております。  また,自然環境と調和した美しい村を保存していくための一つの試みとして,地域特有の風景とも言える棚田を活用した有機無農薬の手づくりによる「棚田天然米」産地育成事業を佐伯町奥塩田,中央町大垪和,英田町上山の3地区で実施することといたしました。今後とも,消費者の良質米,健康志向に対応するとともに,中山間地域農業の活性化を図る観点からも,保存方策の検討を進めてまいりたいと考えております。  次に,今回提案いたしております諸議案につきまして,その概要を申し上げます。  まず,事件案件についてでありますが,県道高梁建部線道路改良橋梁整備合併工事の工事請負契約を締結しようとするもの1件,岡山県立大学造成工事など工事委託契約を締結しようとするもの5件,公有財産の取得に関するもの2件であります。  次に,条例案件につきましては,7月第3土曜日から完全週休2日制を実施するための職員の勤務時間,休日及び休暇に関する条例及び岡山県の休日を定める条例の一部を改正する条例など5件であります。  また,報告案件といたしましては,庁用自動車の事故に係る和解及び損害賠償額の決定についてものであり,事情やむを得ず専決させていただきましたので,御報告申し上げ,御承認を賜りたいと存じます。  以上,今回提案いたしました諸議案につきまして,その概要を申し上げた次第でございます。何とぞ慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。  この機会をおかりいたしまして,さきの中国江西省の訪問につきまして御報告申し上げます。  去る5月31日から6月5日の6日間,議長を初めとする県議会の方々や経済団体,女性団体などの御参加も得て総勢60名の訪問団が江西省を訪問し,南昌市を初め各地で熱烈歓迎を受けたところであります。  岡山県と江西省の友好提携の調印式には,故岡崎嘉平太先生を通じて仲介の労をとっていただきました中日友好協会の孫平化会長にも御臨席をいただき,友好的な雰囲気の中で協定書に調印いたしました。また,人民公園では,多くの方々が見守る中で岡山の県花である桃の記念植樹を行いました。  訪問団の一行は,廬山,九江,景徳鎮などの名所見学,自動車工場や農家などの産業視察,保育園や体育学校を訪問するなどして江西省の現状をつぶさに見聞するとともに,これらの交流を通じて中国江西省の方々の発展への意気込みを感じ,また私どもとしても,お互いいろいろなことを学び合っていけると思いました。  呉官正省長は,岡山県との友好交流の拡大に強い熱意と期待を示され,なるべく早い機会に岡山県を訪問したいとの希望を述べられました。今後とも,関係各位の御理解を得ながら,経済,科学技術,文化などさまざまな分野における交流を中国江西省と進めてまいりたいと存じます。  以上,簡単でございますが,御報告といたします。ありがとうございました。 ◆31番(栗山好幸君)  皆さん,おはようございます。私は,今議会に提案されました諸議案並びに県政の当面する課題について,自由民主党を代表いたしまして,知事を初め関係者にお尋ねいたします。  昨夜,今国会の最大の焦点となった国連平和維持活動協力法案が,その成立に向けた我が党の努力がようやく実ったところであります。国際社会が平和のために協力し,汗を流すとき,ひとり我が国のみが傍観者たることは許されないことであります。このことは,さきの湾岸危機に際し,国際社会の厳しかったことでも証明されたところであります。今後は,我が国が国際社会の一員として名実ともに世界平和のために貢献できるようPKO協力の体制を整備し,内外からの強い期待にこたえることができるものと確信いたしております。  一方,政治改革は,国民の政治に対する信頼回復への急務な課題であります。政治倫理,選挙制度,政治資金等について,我が党は緊急改革に関する答申をまとめて答申したところであり,信頼回復に向けた国民への具体的な回答の第一弾とも言えるものであります。特に定数の是正は,抜本的な政治改革に向けてのスタート台とも言えるものであり,実現可能な限りの緊急是正として9増10減を取りまとめ,その実現に取り組んでいるところであります。  このほか内外には,地球環境の保全等の国際的諸問題や地域活性化,教育の充実,行政改革など取り組まなければならない課題が山積している一方,バブル崩壊後,減速感を強めている我が国経済の立て直しも極めて重要な問題であります。公共事業の大幅な上半期前倒しや民間設備投資の促進など,このたび決定された緊急経済対策の着実な実施が期待されているところであります。戦後,日本が確実に成長発展を遂げ,今日の平和と安全を確保し,豊かに繁栄し,先進諸国の仲間入りができたことは,自由主義と民主主義に立脚した経済政策をとり,これを日本国民が支持してきた結果であると信じてやみません。我が党は,来る参議院選挙の勝利と前回の参議院選挙における衆参与野党のねじれ現象の回復に全身全霊を傾けて邁進する決意であります。  以上,我が党の基本的な考え方を述べるとともに,我が自由民主党は県政の責任政党として県民福祉の向上に積極的に取り組み,県民の負託にこたえてまいる決意であることをここにお誓いし,以下順次質問に入らしていただきます。  まず最初は,財政問題についてお尋ねいたします。  第1点は,本県経済の現状と税収見通しについてであります。国の平成3年度税収は,昨年夏ごろからの急激な景気減速により,法人税の予想以上の落ち込みが影響し,前年度実績額を割り込む情勢にあります。幸い本県の税収入は,さきに発表されました平成3年度の県税収入決算見込みによりますと,依然好調な経済活動を背景に,法人関係税を中心に前年度実績額を率にして7.7%上回る高い伸びが確保されているのであります。しかしながら,景気の減速化傾向は地方企業にもじわじわと広がりつつあり,県内上場企業の3月期決算を見ると,業績を後退させ,経常利益の減益を余儀なくされているところが多く見受けられるのであります。この3月期決算の状況や今後の景気回復の足取りいかんによっては,抑制基調で計上された本年度の税収が見込みどおりに確保できず,今後の行財政運営にも少なからず影響が出るのではないかと懸念されるのでありますが,知事は本県経済の現状をどのように見ておられるのか,本年度の税収見通しとあわせまずお伺いいたします。  第2点は,公共事業の執行についてであります。さきに政府が決定した緊急経済対策によりますと,国の本年度公共事業の上半期契約率が75%を上回るように前倒し発注するほか,電力など民間設備投資の促進を求めるなど,本格的な景気てこ入れ策に乗り出したことは御案内のとおりであります。これを受けて県では,昭和63年以降おおむね70%で推移してきた上半期契約率を75%以上に設定することなどを内容とした予算執行方針を示し,その完全達成に向け鋭意取り組むこととされているのであります。景気浮揚策として公共事業は極めて有効な手段であることは申すまでもないことであります。我々も前倒し発注に大きな期待を寄せているところでありますが,毎年度用地買収の難航等により多額の繰越事業が生じているように,果たして方針どおり達成できるのかいささか不安を覚えるのであります。いずれにしても強力な推進体制がぜひ必要と考えますが,どのような体制で臨んでいかれるのか,現在までの進捗状況とあわせて知事にお尋ねをいたします。  また,当然のことながら,前倒し発注を行えば下半期の事業量が手薄になるわけであります。国においては補正予算など財政出動の可否がいろいろ取りざたされておりますが,今後の補正措置を含め知事はどのようなお考えを持っておられるのか,この際お聞きしておきたいと思います。  次は,チボリ公園事業についてであります。異例ずくめの中で一進一退を続けてきたチボリ公園事業は,本年2月末,クラボウ側から,倉敷工場の事業転換案の一つとしてチボリ公園の立地について具体的な話し合いに応じてもよいとの考えが示されたことにより,チボリ公園計画は具体化に向け一大転機を迎えたのであります。もとより我が党は全面的に支援してまいりたいと考えております。クラボウ側の最終的な了承を早期に得ることはもちろん,採算性や対デンマークとの関係,さらには周辺整備など,まだまだ多くの課題が山積していると言わざるを得ないのであります。いずれにしても,今後は関係者が十分連携をとり,極めて慎重かつ迅速な対応が必要であると思うのであります。  そこで,以下2点について知事にお伺いいたします。  まず最初は,クラボウ側との交渉についてであります。先般開催されましたチボリ公園特別委員会でクラボウ側との交渉経過が報告されました。それによりますと,県は借地を前提に具体的な土地利用案をクラボウ側に示し,鋭意協議を重ねているようでありますが,現在のところクラボウ側から具体的な条件提示を得るまでには至っていないようであります。早期事業着手を図るためにはクラボウ側の早期了承が大前提となりますが,最終的なクラボウ側の了承はいつごろ得られると考えたらよいのでしょうか,現状とその見通しについてまずお聞かせ願いたいと思います。  2点目は,事業計画の見直しについてであります。今後の交渉で決まってくる地代やロイヤリティーの支払いなど,クラボウ敷地での事業採算性に大きな影響を与えるこれらの課題を考えると,事業主体の強化が極めて重要であります。これについては,さきの2月定例会における我が党の代表質問に対し,知事から「今後,チボリ・ジャパン社,経済界等の関係者と十分検討していきたい」との答弁がありましたが,具体的にどのような手法を考えておられるのか,まずお聞かせ願いたいと思います。  また,チボリ・ジャパン社においては,いろんな条件を想定した見直し作業が進められていると仄聞いたしておりますが,事業費や資金計画など,現状どの程度の検討がなされているのか,あわせてお伺いいたします。  次に,地球環境問題についてであります。戦後間もなく半世紀を迎えようとしておりますが,この間,我が国は高い理想と勤勉な生活態度をもって世界でも例を見ないようなすばらしい経済成長を遂げたのであります。私たちの日常生活を見回しても,自動車,テレビ,ルームエアコンなどの普及状況に見られるように,生活レベルは格段に向上し,情報網も豊かで,暮らし向きも大変よくなってきたと感じておるわけでございます。しかし,この発展の裏には,貴重な資源の浪費や過度の開発行為により地球に対して取り返しがつかないような多大の負荷を強いてきたことも事実であり,これがために地球の温暖化やオゾン層の破壊,森林の減少,海洋汚染など,いろんなところでさまざまな問題が生じてきておるわけでございます。私たちが住んでいるこの地球は,我々一代のもので終わってはならないものであり,現代を生きる我々にとってはより健全な地球環境を創造し,次の世代へ譲り渡していく使命があると思うのであります。こうしたことから,私たちは,これまでの産業至上主義を見直し,環境保全を重視した生活態度を養うなど地球に優しい対応を図ることが必要であり,県民みずからも現在の生活態度を考え直していかなければならないと考えるのであります。当局でも,昭和46年に他県に先駆け,公害防止協定の締結や監視網による環境監視,さらには工場や事業場の指導など,市町村や関係団体と一体になって環境保全に取り組んできたところでありますが,オキシダントの発生や児島湖の水質汚濁,廃棄物の増加などに見られるように,今なお早急な対応を迫られている問題も多々生じているのであります。先般もブラジルで環境と開発に関する国連会議,いわゆる地球サミットが開かれ,地球温暖化をもたらす二酸化炭素の排出規制や森林の保全対策などについて国際レベルの協議がなされたところであり,地球環境問題に関する取り組みが世界的に広まろうとしております。本県でも,昨年の機構改革で環境管理室に地球環境班を設置するなど体制を強化されたところであり,この世界的機運に乗じ,この美しい郷土岡山を守り育てていくため,企業活動はもとより,県民生活の面においてもより積極的な取り組みが肝要と考えますが,知事のお考えを聞かしていただきたいと思います。  次に,高齢者福祉対策についてであります。我が国の平均寿命は,平成2年では男性で75.92歳,女性で81.9歳となっており,欧米先進諸国を追い越し世界最長の長寿国となっているのであります。中でも本県の平均寿命は,男で75.99歳,女で83歳となっております。このことは本県の医療水準の向上や食生活を初め生活環境の充実ぶりを如実に物語るものであり,これまでの関係機関や団体並びに各行政機関のたゆまぬ努力を高く評価するものであります。この世界一長寿となった人生をだれしもがより健康で生きがいを持ち,安心して過ごせるようになることを望みつつ,お伺いいたします。  まず第1点は,健康づくりについてであります。健康づくりには,100歳を迎えられた方々の生活信条としてたびたび聞く言葉に,規則正しい生活と好き嫌いなしに何でも食べるバランスのとれた食事とのことがありますが,私もそのとおりだと思っております。日ごろから食事と運動と休養のバランスのとれた生活を行うことこそ何より重要ということであり,老後を健康で過ごすには,こうした生活習慣を若いときから身につけておくことが何より必要であると考えます。また,さきの国民栄養調査によりますと,近年再び食塩の摂取量がふえる傾向にあるとのことであり,成人病など健康障害の増加が懸念されるところであります。県民の健康増進を目指し,バランスのとれた食生活の積極的な推進が重要と考えるのでありますが,知事のお考えをお伺いいたします。  2点目は,高齢者福祉施設の整備についてであります。国においては,21世紀の高齢化社会をすべての人が健康で生きがいを持ち,安心して過ごせるような社会づくりを進めるため,高齢者保健福祉推進10カ年戦略を策定されたところであり,県でも平成5年度中に老人保健福祉計画を策定するとのことで,大いに期待いたしているところでありますが,高齢者福祉施設については,施設へ入りたくても各施設とも満員で,入所待ちの人が現在でも多数あるやに聞いております。これから本格的な高齢化社会を迎えるのであり,こうした待機者の増加が懸念されるところでありますが,県民のニーズに対しどのように対処していかれるのか,お伺いいたします。  3点目は,高齢者福祉施設などで介護や看護に当たる人材確保についてであります。看護職員の例に見られるように,どことも人手不足で困っております。先日,あるラジオ番組で看護婦の方の投書が報じられておりましたが,この方は人に喜んでもらうことができる看護婦業をこの上ない生きがいと感じ,また趣味にもされているとのことでありましたが,こうした方がふえれば,看護職員の確保はもとよりボランティア活動についてもますます強化充実されることと思います。専門的な技術の向上や給与体系の改善もさることながら,困っている人を助けることが崇高な行為であり,人間にとって何物にもかえがたい,かけがえのないものであるという意識の啓発もあわせて進めていただきたいと考えるものであります。そこで,今後ますます増大が見込まれる看護や介護に従事する職員需要に対しどのように対処していかれるのか,知事にお尋ねいたします。  次は,農業問題についてお尋ねをいたします。  今日,我が国の農業,農村を取り巻く情勢は,農業従事者の高齢化,若年農業就業者の激減による後継者不足に加え,相次ぐ海外からの農産物市場開放要求,農産物価格の低迷,多様化する消費者ニーズの高まりに伴う産地間競争など,まことに厳しい状況に立たされております。こうした内外の厳しい諸情勢がある中,先般農水省は,戦後農政を抜本的に見直し,21世紀に向けた日本農業の新しい政策展開の基本方針となる「新しい食料・農業・農村政策」をまとめて発表したところであります。このいわゆる新農政プランは日本農業の改革の方向を示す画期的なものと高く評価できますが,知事はどのように受けとめておられるのか,まずお伺いいたします。  第2点目は,生産基盤の整備と規模拡大についてであります。本県農業,特に土地利用型農業の現状は,稲作の例で見ますと,平成2年度においては農家1戸当たりの平均耕作面積は約45アール,米60キロをつくるのに生産コストが約2万9,000円かかり,実質1万1,000円の赤字が出るといった状況であります。これでは後を継ぐ若者がいなくなるのも当然であります。国や県ではこれまで農地の流動化,規模拡大,集落営農など農家経営の安定向上のため,生産構造の改善,そして近代化に取り組んでおりますが,現状を見る限り計画どおりに事が運んでいないのが実態と思うのであります。私も長年農協の組合長をやり,いろんな事業を手がけてまいりましたが,いずれにしてもこれからの本県農業を産業として自立さしていくためには,規模拡大による生産コストの低減を図り,競争力のある農産物づくりができる生産構造に大きく変えていくしか現状を打開する道はないと痛切に感じているところであります。このことは,県が昭和62年度から実施した大規模営農モデル事業の実施調査で見られるように,10ヘクタール規模の農家では60キロ当たりの生産費が県平均に対して45%低減していることでも明らかであります。今こそ本格的な農地の再編に取り組むべきと考えますが,圃場整備など生産基盤の整備や農地の流動化について,知事は今後どういった方針で臨んでいかれるのか,圃場整備の整備状況とあわせお尋ねをいたします。  第3点目は,農業公園についてであります。豊かな自然環境に恵まれた農村地域は,農産物の生産の場であると同時に,県土の保全,安らぎの場の提供など,人間性の回復や創造力の養成にとって重要な地域として見直されつつあります。特に近年,所得水準の向上,週休2日制の普及による余暇時間の増大等を背景に,国民の生活意識は物質的豊かさや生活の利便性の追求から精神的,文化的なものも含めた豊かさの追求へと変化しつつあり,都市住民を中心に農業,農村に対する関心の高まりは年々強くなってきております。こうした状況を背景に,県では,昨年4月末オープン以来大変なにぎわいを見せているまきばの館に引き続き灘崎町と勝央町にファーマーズ・マーケットを,また岡山空港周辺の菅野地内にフルーツ・フラワー公園を建設する計画を次々と打ち出したところであります。我々も都市と農村,生産者と消費者が気軽に交流できるこの種の拠点施設は,農村地域活性化の大きな核となるばかりか,広く県民に農業を理解してもらえる場の創出にもなるものと,その整備効果に大きな期待を寄せているところであります。仄聞するところによりますと,今後農業を中心とした同様の施設が民間施設も含め県内に七,八カ所計画されているようであります。まことに喜ばしいことではありますが,それぞれが似通ったものになり,施設運営が十分やっていけるのかどうか,いささか懸念の向きもあります。そのためにも,県の施設については農村地域の資源を最大限に活用した個性的な公園にしていただきたいと思いますが,その点どのように考えておられるのか,運営のあり方とあわせ,まず知事の御所見を賜りたいと思います。  また,両施設とも平成7年度末を目標に現在鋭意事業の推進が図られていると伺っておりますが,進捗状況と今後のスケジュールについて知事にお伺いいたします。  次は,苫田ダムについてであります。昭和32年のダム構想発表以来,かたく門戸を閉ざしてきた奥津町阻止行政も建設省並びに県当局の熱意ある取り組みと現状認識に立った森元奥津町長の英断により,ダム建設を前提とした行政への転換が図られ,県政最大の課題である苫田ダム問題は建設に向けて大きな前進を見ているのであります。しかし,依然補償交渉に応じられないとする苫田ダム建設阻止期成同盟会などへの対応や奥津町地域総合振興計画案の取りまとめの作業のおくれなど,着工までにはまだまだ多くの課題が残されております。こうした課題に対し今後どう取り組んでいかれるのか,以下2点についてお尋ねをいたします。  本年2月の定例会において,特例中の特例として復活を見た協力感謝金と生計維持特別助成金により,条件闘争を掲げていた地権者グループ「苫田ダムを考える会」を中心に42名の同意が得られ,残る未同意の水没地権者は29名ということであります。これらの方々はいずれにしても阻止を貫く方針に変わりはないことを言明しており,交渉にも困難をきわめることが想定されるのでありますが,知事は今後どのような進め方を考えておられるのか,補償交渉の現状とあわせお伺いいたします。  第2点目は,奥津町地域総合振興計画案についてであります。昨年8月,奥津町から提出されたダム建設を前提とした奥津町地域総合振興計画案については,建設省,県,奥津町が一体となって鋭意協議調整に取り組んでおられるようでありますが,各種調査のおくれなどから,その取りまとめ時期は大幅にずれ込まざるを得ない状況と伺っております。奥津町の将来の発展と住民福祉の向上を願う我々としては,もちろん町の将来が展望できる立派な計画にしていただかなければなりませんが,できるものから早期に事業着手するという現実的な対応も極めて重要と考えております。この点について,知事はどう取り組まれようとしておられるのか,また振興計画の取りまとめと,いわゆる水特法に基づく整備計画策定の見通しとあわせお伺いいたします。  次は,倉敷スポーツ公園の建設についてであります。近年の生活水準の向上や余暇時間の増大,さらには高齢化社会を反映した健康志向の高まりに呼応して,スポーツやレクリエーションに対する県民のニーズはますます増大,多様化してきています。子供からお年寄りまで県民1人1人が生涯にわたってスポーツ,レクリエーション活動に親しむことは,真に豊かさが実感できる社会を実現する上で極めて重要であります。このような状況の中で,大リーグ級のグラウンドを有し,ハイグレードで多目的利用が可能な中四国で最高のレベルの野球場を核とする倉敷スポーツ公園の建設が倉敷市中庄地区において進められております。この倉敷スポーツ公園は,県民に夢を与えるとともに,新たなスポーツ,文化の情報発信基地としての機能もあわせ持つものでなければならないと思うのであります。そこで,今後の課題なり取り組みについて知事にお尋ねをいたします。  まず,建設スケジュールについてであります。用地買収のおくれ等により,当初の平成5年春のオープン予定が2年程度ずれ込むように伺っておりますが,用地買収や球場本体工事の着工の見通しなど,平成7年春のオープンに向けて今後どのようなスケジュールで事業を進めていかれるのか,お聞かせ願いたいと思います。  第2点目は,アクセス道路の整備についてであります。本年1月に発表された基本設計によりますと,新野球場の収容人員は約3万人となっております。スポーツ公園は山陽線の中庄駅から1キロメートル足らずの交通至便な場所に位置していますが,プロ野球の公式戦など大規模なイベント開催時には,車での来場者が相当数予想され,周辺道路の大渋滞が危惧されます。したがって,特に山陽自動車道の早島インターチェンジ及び国道2号からのアクセス道路となる県道早島松島線など関連道路の整備を急ぐ必要があると思いますが,現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。  第3点目は,オープンに向けてのソフト面での対応についてであります。現在,本県ではプロ野球の公式戦が年間2試合程度しか開催されておりませんが,新野球場完成の暁には,その最先端の施設を最大限有効に活用するためにも,試合数の大幅な増加を図っていただきたいのであります。また,このスポーツ公園は,プロ野球以外でも,県民の競技スポーツや生涯スポーツのメッカとしていく必要があります。知事はこれらについて今後どのように取り組んでいかれるのか,お尋ねをいたします。  次に,県西部地域の振興についてであります。数点お尋ねをいたします。  地方の活性化を推進し,国土の均衡ある発展を図るために,国,地方を通じたさまざまな施策の取り組みが展開されているのであります。本県でも「活力ある成熟社会・おかやま」の構築に向けて,広域交通網の整備を初め,中四国の中核拠点への基盤整備とあわせ,それぞれの特性を生かした地域づくりが進められております。こうした中で,本県の西部地域,とりわけその拠点としての役割を担う井笠地域では,昭和40年の工業整備特別地域への指定を機に,産業基盤の整備を軸とした振興発展が期待されたのでありますが,人や物の動きは活発化した反面,その流れは東西の水島,福山の両経済圏を軸としたもので,この地方では人口の減少傾向を呈しており,中でも井笠圏域北部では過疎化が進行しているのが実情であります。水島,福山を軸とする新産・工特地域の再生が図られる中で,両地域の中間に位置するこの地域が新たな発展を目指すためには,この地域の温暖な気候と変化に富んだ自然景観など豊富な資源を生かして,本県の西の玄関にふさわしい個性豊かな地域づくりへの取り組みがぜひとも必要と思うのであります。  そこで初めに,地域の振興拠点として平成2年3月に整備基本構想が策定された寄島干拓事業の現況と展望についてお尋ねいたします。全体面積108.5ヘクタールの寄島干拓は,昭和37年に県営の農業干拓事業として着工されたのでありますが,その後の経済社会情勢の変化に伴い,途中その一部を工業用地に,また昭和58年に竣工した農業用地についても翌年多目的用途に変更されたものであります。貴重な財産でありますこの干拓地のより効果的な振興を図るため,早期に埋め立てを完成し,その成果を最大限に発揮することが地元住民の長年の願いであります。また,地域拠点への期待が現実になると思うのであります。しかしながら,中国電力水島発電所で発生する石炭灰による埋立計画が,昨今の景気の減速により,水島コンビナート主要企業の操業度が軒並みダウンしている状況で,計画どおりに進むのかどうか危惧されるのでありますが,その見通しについてまずお聞かせ願います。  また,寄島干拓地等整備基本構想では,幅広い機能を集約した複合的な土地利用が提案されておりますが,この中に,昭和46年に工業用地としての計画のもとに,山陽木材株式会社に埋立権を譲渡した約20ヘクタールの土地がありますが,この土地は昭和63年に竣工したものの現在まで未利用のまま放置されているのであります。構想を実現するためにはこの土地の利用が前提であります。地元では早期の解決を待っているのでありますが,所有者である山陽木材とはどのように調整を図っておられるのか,またこの見通しはどうか,さらにこの構想の具体化をどのように進めていかれるのか,知事にお尋ねいたします。  第2点目は,道路網の整備についてであります。道路網の整備は,産業基盤の確立や魅力ある地域づくりを進め,地域の活性化を図っていく上で最も基本的な社会資本であることは申すまでもありません。井笠地域から高梁地域を経て阿新地域に至る県西部地域を見ますと,南北の軸となる道路網の整備が,東西の軸に比べて大きく立ちおくれているのであります。このため,新見市や矢掛町を初めとする地元の関係1市7町では,昭和54年に岡山県西部総合開発基幹道建設促進期成会を結成し,県に対し西部総合開発基幹道の整備促進を強力に働きかけてきたところであります。この道路は,中国縦貫自動車道の新見インターチェンジと山陽自動車道の鴨方インターチェンジを既存の国道や県道により南北に結ぶ地域間連絡道路として,地域住民の期待もまことに大きいものがあり,一日も早い全線の整備完了を強く望むものであります。  そこで,整備目標年次をいつごろに考えておられるのか,現在までの整備状況とあわせお聞かせ願います。  また,特に整備がおくれている鴨方―矢掛間の県道の整備について,今後どのように取り組んでいかれるのか,知事にお尋ねをいたします。  次は,国道2号の渋滞緩和対策であります。国道2号の慢性的な渋滞を緩和するため,県下ではバイパスの建設が進められており,このうち岡山,玉島の両バイパスは一部の未開通区間を残すのみとなっております。笠岡地区では,建設省において,市街地の南部の笠岡湾干拓地を迂回するルートにより笠岡バイパスの建設が事業着手されておりますが,現在までの用地買収等事業の進捗状況と今後の見通しについて知事にお尋ねいたします。  また,金光町から鴨方町,里庄町にかけての国道2号についても,朝夕の通勤時間帯を中心に交通渋滞が激しいのであります。地元各町では,現道拡幅による4車線化は現実問題として困難であるという声が強く,早急に別ルートによるバイパス化の実現に向けて路線決定すべきと考えますが,今後の取り組みについて知事にお伺いいたします。  3点目は,西部アグリスポーツ公園構想についてであります。全国有数の農業適地として大規模営農が展開されている広大な笠岡湾干拓地は,「べいふぁーむ笠岡」の愛称で広く住民に親しまれ,新たな地域活性化への推進機能を生かして「食と緑の博覧会」を初め多くのイベントが展開されております。この干拓地に,地元の熱い期待を受ける西部アグリスポーツ公園の建設構想が,いよいよ本年度予算に計画推進のための経費4,000万円が計上され,事業化に向けて踏み出したのであります。構想は,農業体験施設と本格的な運動施設を併設した多目的な機能を備えたものと聞いておりますが,西部地域の拠点として,ゆとり社会を展望したリゾート機能も必要と考えますが,ユニークな発想を展開される知事はどのような形をお考えなのか,また同時に,計画を推進する上で農業干拓ゆえの制約があるとのことでありますが,どのように進めていかれるのか,あわせてお伺いいたします。  4点目は,工業団地の整備と企業誘致についてお尋ねいたします。繊維,石材,食品加工業などの地場産業を主体としたこの地域は,人口シェアに比べ産業の生産額が全体に低いのが実情であります。このため,産業構造の高度化を促進し,地域に培われた伝統的な地場産業と先端技術が調和した産業基盤の形成が欠かせないのであります。山陽自動車道や国道2号バイパスなど,広域交通網の整備を初め,地域の新たな動脈となる鉄道井原線の建設,また新笠岡港の整備など,西部地域がさらに飛躍するための諸条件の整備が進む今こそ,産業活性化のための先端産業の導入集積を推進する好機と思うのでありますが,西部地域への高次産業の集積のための工業団地の整備と企業誘致について,どのように進めていかれるのか,また産業の活発化による新たな物流拠点の必要性が想定されますが,地域内の適地に流通センターを配置するお考えはないか,あわせて知事の御所見をお伺いいたします。  次に,梅雨及び台風シーズンを控えての防災対策に関連してお尋ねをいたします。本県は昔から災害の少ない県と言われておりますが,梅雨末期の集中豪雨や台風の来襲に伴う風水害などによる被害は毎年多かれ少なかれ発生しており,万全の防災体制を強く望むものであります。  さて,一昨年9月の台風19号による災害を教訓に,県では昨年1月,住宅団地防災調査検討委員会を設置し,各種の法規制が施行される以前の住宅地造成団地を対象に防災点検調査を行い,その最終報告書が昨年9月に出されております。それによりますと,調査対象となった224の団地のうち,早急に対策が必要なものが6団地,対策が望まれるものが11団地,その他のものも注意を要するものとされておるのであります。災害を未然に防止するためには,住民1人1人が防災に関心を持つとともに,自分の身は自分で守るという心構えが重要だとは思いますが,現実には資金面,技術面などで困難が伴うのが実態ではなかろうかと思われます。そこで,検討委員会の報告書を踏まえて,県としては住宅団地の防災対策としてどのような支援措置,指導を行ってこられたのか,今後の取り組みとあわせて知事にお伺いいたします。  次に,教育問題についてお伺いをいたします。  戦後の新しい教育制度のもとに創設された高等学校は,我が国の成長と発展に大きく寄与してまいりました。しかしその一方で,現在の高等学校教育は,生徒の多様な能力,適性,進路等に十分対応できていない実態や受験戦争の激化などの問題が生じ,必ずしも生徒の多様なニーズに対応したものとなっていないと思うのであります。生徒の選択の余地の少ない画一的な教育課程の編成,普通科における大学進学準備に偏った教育,高校入試の段階での偏差値に大きく依存した進路指導,不本意入学や高校中退の問題などが指摘されております。このような観点から,以下2点に絞ってお尋ねをいたします。  まず,高校中途退学の問題でありますが,文部省の調査によりますれば,平成2年度の高校中退者は,全国の公私立高校で12万3,000人余りで過去最高を記録し,本県でも約2,700人に達しており,大きな社会問題になっております。中途退学は生徒の一生にかかわる問題であり,安易にこれを認めたり勧めたりすることは戒めなければならないと思うのでありますが,しかし一方,自立の道を求めて積極的に進路変更する生徒もいると聞いております。  そこでまず,高校中退者の増加の理由について教育長にお伺いいたします。  次に,このような中途退学の原因や背景,問題解決のための取り組みについて,岡山県学校不適応対策検討会議第2年次報告が先般まとめられており,その中で学校,家庭,行政,それぞれの取り組むべき方向や課題が述べられております。中でも,中途退学を出さないための予防的措置と中途退学者への援助が重要でありますが,教育長は指摘されている課題に対してどのような取り組みをなさるのか,お伺いをいたします。  第2点目は,単位制高校の設置についてであります。私は,昨年文教委員会で単位制課程を併置した北海道の有朋高校を視察いたしましたが,ここは午前の部,午後の部,夜間の部と合わせて1日12時間も講座が開かれており,生徒の選択により全日制と同じように勉強し,大学進学を目指すことも,また働きながら勉強するための夜間定時制ともなり得る学校であり,弾力的な学習が可能となるようさまざまな工夫が凝らされております。単位制高校は,多様な教科・科目の開設により,生徒の能力,適性に対応できる選択機会が拡充され,また生徒の進路等に応じた時間割編成が可能であります。さらに,わずかな科目でも落とすと進級,卒業ができないという窮屈な状況が改まり,留年の解消,中退の防止にも効果的であると思います。本当に学びたい者の希望,過去の学習歴,生活環境などに応じて高等学校の教育が容易に受けられるようにすることが絶対であります。このため,個別的に教科・科目の単位の取得の認定を行うとともに,単位の累積加算により卒業資格の認定を行う単位制の高等学校の設置が最も必要であると思うのであります。現在,県立烏城高校の整備にあわせ,単位制高校の設置を検討されておりますが,設置に向けての具体的検討状況について教育長にお伺いいたします。  最後の質問は,警察関係についてであります。  まず,交通安全対策についてでありますが,今年の全国の交通事故による死者は,5月15日で既に4,000人を突破し,昭和50年以降で最も早いペースとなっております。一方,県下におきましても,交通事故による死者は,昨年こそ若干の減少を見たものの,ことしに入ってから再び増加に転じており,6月10日現在で死者104人となり,昨年同期と比較して25人も増加している状況であります。これら死亡事故の発生状況を見ますと,相変わらず若者の無謀運転による事故や,高齢者が夜間,早朝の歩行中に速度違反の車にはねられた事故などが多発しているようであります。若者の無謀運転には徹底した取り締まりを,また高齢者には夜光たすきの励行など,県警を初め交通安全に携わる各種団体のより一層の努力を期待するものでありますが,交通事故死の約56%を占めるこうした若者や高齢者の事故防止に対し,今後どう取り組んでいかれるのか,警察本部長にお尋ねをいたします。  次に,暴力団対策についてであります。暴力団対策法が施行されてはや3カ月が経過いたしましたが,全国的に,主要な暴力団組織の指定を行うため公安委員会による聴聞会が行われているのを初め,会社法人を偽装した暴力団組織に対して,警察が事件化し検挙するといった動きが出ていることはまことに心強い思いがいたします。また,県民の期待を担って今年4月に設立された財団法人岡山県暴力追放運動推進センターには,県民からの相談などによる利用が多く,またこの相談をきっかけにした事件の検挙も出ていると伺っております。今後とも,同センターが暴力追放運動の中核組織として活動が定着していくことを希望するものであります。  さて,暴力団対策法の施行後において,警察で進めている暴力団取り締まりの現状と今後の対応方針並びに同センターへの県民から寄せられている相談等への対応状況について,県警本部長にお尋ねをし,私の自由民主党代表質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  栗山議員の自由民主党の代表質問に順次お答えを申し上げます。  第1は,財政問題でありますが,本県の経済の現状ということでございまして,個人消費及び公共投資は総じて底固さは保っておりますものの,素材業種が在庫調整を継続しておることなどから,生産は抑制基調にありまして,依然調整局面が続いておるのであります。このような景気の状況から,現時点における財政見通しといいましょうか,税収の見通しは,県税収入の4割以上を占める法人2税を中心にいたしまして,なお見通しがはっきりしない,予断を許さないということが言えるのかもしれませんが,そういう意味で本県財政に及ぼす影響も含めまして,なお今のところは慎重に推移を見守っているという状況でございます。御了承賜りたいと思うのであります。  次に,公共事業等の執行についてでございますが,まずその推進体制につきましては,用地や工事担当職員の重点配置,また予算の早期配分,工事着手のための早期の重点的な用地交渉,また保有用地の活用等による計画的な執行を図っておるわけでございますけれども,本年の5月末現在の契約率は約35%になっておりまして,例年を大幅に上回っておるところでございますが,さらに地元市町村などとの連携を強化いたしまして,より的確な進行管理を実施をいたしまして,目標の達成に努力をしてまいりたいと考えております。  また,今後の予算についての補正措置の問題でありますが,公共事業予算の積極的な導入は,地元経済の活性化対策としては有効な手段でありますから,国の今後の補正措置の状況でありますとか,あるいは事業の執行状況などを見きわめながら検討をしていく課題であると思っております。  次に,御心配をかけておりますチボリ公園事業のクラボウとの折衝でありますが,県から改めてチボリ公園の意義や内容や魅力などについて説明を行いまして,理解を求めることにいたしますと同時に,現在,主として土地利用を中心にこちら側の考え方をお話をいたしまして,検討をしてもらっているところでございます。また,クラボウに対しましては,デンマーク側との次の契約の締結期限が今年末であること等について説明をしまして,早期に話し合いを進めるように要請をしております。今後,クラボウ側の考え方を引き出しながら,話し合いがまとまるように努力をしてまいりたいと考えます。  事業計画の見直しでございますが,現在チボリ・ジャパン社が中心となりまして,さまざまなケースを想定して研究を行っておる段階でございますけれども,今後,クラボウとの話し合いの状況に応じまして,前提となる条件を明確にいたしまして,事業費とか資金計画などの見直しが速やかに進められるようにしたいと考えております。  また,事業の円滑な推進を図りますためには,県内外の企業に参加を求めまして,資本の充実を図る必要もございますので,そういう意味での事業主体の強化に努めていくことが肝要であると思っております。チボリ・ジャパン社,経済界などの関係のところと連携を図りながら,チボリ公園の意義,魅力などについて十分な理解を得まして,事業の趣旨に賛同いただける企業の協力を求めていきたいと考えておるところでございます。  それから,地球環境問題でありますが,もうお話がございましたように,地球環境に配慮した社会経済システムやライフスタイルの転換を図ることが急務となっておりますが,県としましても,人と他の生物との共存共生を図る,そして将来の世代や生態系の維持への責任を果たすという理念に基づきまして,さきに策定いたしました「岡山県における地球環境問題への取組方針」によりまして,普及啓発事業,また地球に優しい事業に対する補助制度,フロンの削減指導などの県事業を推進をいたしておるところでございます。  先般の地球サミットには,県からも職員2名をリオデジャネイロに派遣したところでございまして,今後,その報告も踏まえまして,県民や事業者,市町村などによる全県的な推進体制の確立を図るなどいたしまして,積極的な地球環境保全対策に取り組んでまいりたいと考えております。どうぞよろしく御協力をお願いをいたしたいと思います。  それから次は,高齢者福祉対策という中で,健康づくりについてのお話がございましたが,長寿社会を元気で長生きをいたしますためには,お話のございましたとおりで,自分の健康は自分でつくるという理念のもとに,食事や運動や休養のバランスのとれた生活ができますように,県民の皆さん1人1人の自覚と実践が必要でございます。これを支援いたしますために,県としましても,例えば,現在でも健康増進車を運行いたしましたり,そして正しい食生活の確立を目指した栄養指導でありますとか,あるいは保健所を中心にしてそういう意味での関係の各種の対策を推進をしておりますが,また研究や研修機能,また情報の分析提供機能などを備えました健康増進中核拠点施設を県南と県北の2カ所に計画中でございまして,今後とも,県民皆さんの健康増進のために鋭意努力してまいりたいと考えております。  それから,高齢者の関係の施設の整備の状況でございますが,特別養護老人ホームは59施設,定員が4,334人でございます。養護老人ホームが24施設でございまして,定員が1,510人となっておりまして,65歳以上の高齢者に対する施設定員の割合で見ますというと全国平均をかなり上回っております。全国平均では,施設定員の割合が1.17%でございますが,岡山県の場合は1.46%ということで,かなり上回っておりますが,入所状況につきましては,養護老人ホームはほぼ入所需要を満たしておりますものの,問題は特別養護老人ホームでありまして,入所待機者の数が平成4年5月1日現在で1,000人となっておりまして,平均5カ月程度入所を待っていただくというようなことになっております。こうしたことから,毎年特別養護老人ホームを4ないし5施設整備をしてきたところでございまして,本年度におきましては4施設の創設を含めまして8施設,300人分を整備する予定でございます。寝たきり,痴呆性などの介護を要する高齢者は今後とも増加が予想されますから,ホームヘルプサービスあるいはまたデーサービス,ショートステーなどの在宅福祉サービスの充実を図ってまいりますとともに,地域のバランスとか入所需要を踏まえながら,計画的に今後も施設の整備を図ってまいりたいと考えております。  それから,人材の関係の問題でございますが,老人ホームなどの社会福祉施設の職員は,平成3年10月現在で4,817人でございまして,これも配置基準からいいますというとかなり上回っております。1,000人以上上回っておるわけでございまして,また病院や在宅ケアの業務に就労している看護職員は,平成2年12月末現在で1万6,179人でございまして,人口10万人対比で見ますというと,これもまた全国平均をかなり上回っておるものでございます。来るべき本格的な高齢化社会の到来ということに適切に対応いたしますためには,やはりお話のございますように,介護,看護に従事するマンパワーの確保ということが大きな課題でございまして,従来からの養成施設に加えまして,平成5年4月に開学予定の岡山県立大学におきましても,保健婦,看護婦,社会福祉士,介護福祉士などの養成を行うことにいたしております。  また,昨年10月に設置いたしました岡山県福祉人材情報センターにおきましては,施設職員やホームヘルパーあるいはボランティアなどの幅広い福祉マンパワーに関する啓発とか掘り起こしを行いますとともに,本年度からはナースバンクをナースセンターに拡充をいたしまして,看護に関する啓発や潜在看護職員の活用などの施策の強化を図ることにいたしております。今後とも,社会奉仕の意義の重要性を含めた啓発活動を積極的に行いまして,保健,医療,福祉におけるマンパワーの確保に努めてまいりたいと考えます。  農業問題でございますが,新農政プランにつきましては,農業の魅力を高めますとともに,経営感覚にあふれる担い手を確保するということで,2000年を目標に10ないし20ヘクタールの大規模な稲作農家の育成などによりまして,つまり他産業並みの生涯所得と労働時間,それから生産コストの50%減などを目指しておりまして,これらを実現してまいりますために,農業生産組織の法人化あるいは農地制度や米の一律減反方式の見直し,食糧管理制度の緩和などが盛り込まれておるのでございます。農業を取り巻く環境が,そういう意味では一段と厳しく,抜本的な方向転換が求められておる,この関係につきましては,栗山議員かねてからそういう改革についての非常に強い主張をなさっておられましたけれども,大体そういう方向で今度の問題処理が新農政プランとしてまとめられてきたと思うわけでございまして,まことに時宜を得た提言であると受けとめております。今後,国におきまして,これらの制度の改革や予算化などに具体的な取り組みがなされるものと期待をしておりますが,県としても,国との連携を図りながら,このプランの実現に向けまして努力をしてまいりたいと考えておるところでございまして,よろしく御理解をお願いをいたしたいと思います。  それから,農業の生産基盤の整備と規模拡大でございますが,基盤整備の根幹である圃場整備には,これまたお話のように積極的に取り組んでおりまして,県下の整備率は現在49.4%でございます。ほぼ全国並みとなっておりますが,平成7年度には57%を目標として積極的に整備を進めておるところでございます。御指摘のとおり,規模拡大を図りますためには,圃場整備の促進と農地の流動化が重要でございまして,今後とも,地域の特性に配慮しながら,大区画の圃場整備等に取り組んでまいりたいと考えております。  また,農地の流動化につきましては,平成3年末の利用権設定率が7.5%となっておりまして,年々規模拡大が進んでおりますが,県下約2,000名の流動化推進員や農協あるいは市町村等がさらに緊密な連携をとりまして,一体となりまして広域的な流動化を進めまして,規模拡大,低コスト営農の促進に今後とも努めてまいりたいと考えておる次第でございます。  農業公園でございますが,ファーマーズ・マーケットにつきましては,都市と農村,消費者と生産者の交流や,自然や文化との触れ合いができ,また農産物をつくり育てる,味わい,人々の集う楽しみあふれる施設と,こういうことで多目的ホールでありますとか,あるいはレストランでありますとか,体験農園あるいは花壇や触れ合い広場など,どっちかといいますと,北の方には北欧型といいましょうか,南の方には南欧型といいましょうか,そういう多少の雰囲気を持ったようなものを考えたらどうだろうかというようなことで,しかも同時に,地域の資源と特性を十分生かしながら整備してまいりたいと考えておりますが,またフルーツ・フラワー公園は,熱帯果樹やランなどを中心としました大温室,また研修・展示・即売施設のほかに日本や中国,ヨーロッパなどの庭園で構成されるいわば桃源郷とでもいいましょうか,そういうようなものなどを整備するようなことを考えたらどうだろうかと,そういう個性的な公園として整備したいと考えておるところでございます。  運営管理につきましては,第三セクター方式などを含めまして,今後,農林漁業団体など関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えます。  事業の進捗状況につきましては,本年度は,用地取得のほかに施設配置などの計画作成や調査を進めまして,来年度以降敷地造成などに取りかかる予定でありますので,御理解,御支援を賜りたいと思います。  苫田ダムでございますが,現在水没地権者504世帯のうちで475世帯に同意をいただいております。そのうちで422世帯の方々と契約を締結いたしまして,また369世帯の方々が既に移転を完了をされております。残る29世帯の未同意の地権者がおられるわけでございますが,これらの方々に対しましては,引き続き建設省や県及び奥津町がそれぞれの立場で相互に協力して,誠意を持って対話が進められるように努力をしてまいりたいと考えております。  奥津町の地域総合振興計画案についてでございますが,建設省が行います地形や地質調査あるいは公共物件調査が当初の予定より8カ月程度おくれておりまして,振興計画の取りまとめの時期もことし秋ごろにずれ込む見込みでございます。また,水源地域対策特別措置法に基づく整備計画は,苫田ダムが進展するという見通しに立つことはもちろんでありますが,作業手順といたしましては,振興計画全体の取りまとめを行いまして,その中からどれだけ水特法に基づく整備計画の中へ取り上げていくか,吸収していくかということになると考えております。今後,振興計画の取りまとめと並行いたしまして,水特法に基づく整備計画の早期策定に向けて努力をしてまいる所存でございます。  振興計画の中で早期に事業を着手するというような,そういう現実的な対応について,先ほど栗山議員から御指摘がございましたけれども,これにつきましては既に国道179号の改良,それから県道,町道の整備,それから統合小学校の建設,それから,ごみの焼却場の改築とか住宅団地の造成とか圃場整備などを奥津町及び関係機関と協議しながら実施をしておるところでございますので,ひとつ御了承賜りたいと思うのであります。  それから,倉敷スポーツ公園の建設スケジュールについてでありますが,公園用地は現在おおむね99%が買収済みでございまして,残る用地についても現在鋭意交渉を進めておるところでございます。  野球場の本体工事につきましては,工期が30カ月程度は必要でございます。したがいまして,ことしの秋ごろを目途に発注をいたしまして,平成7年春に新野球場をオープンすることにいたしております。  それから,アクセス道路,栗山議員の御指摘でございますが,早島インターチェンジ及び国道2号からのアクセス道路として県道早島松島線と早島吉備線を緊急的に整備する必要があると考えておりまして,早島吉備線につきましては,アクセスの部分については既に完了いたしております。それから,早島松島線につきましては,早島町の尾越地内から倉敷市鳥羽地内に至る1.4キロメートルにつきましては,平成3年度までに一部を除きまして2車線で整備を完了したところでございますけれども,引き続き本年度からその区間の4車線化の工事を行うことにしておりまして,新野球場の開設までに整備が完了するように努力をしてまいりたいと考えております。  なお,県道岡山倉敷線との交差点につきましても,昨年度から改良工事を実施しておりまして,本年度完成の予定でございます。  それから,スポーツ公園のオープンに向けてのソフト面の対応でございますが,今お話もございましたように,平成3年について見ますと,現県営球場ではプロ野球は公式戦が2試合,オープン戦2試合の計4試合しか行われておりません。新野球場は,観客席も現球場の2倍を超えるなどのグレードも高いものになりますし,またそういう意味でプロ野球の試合開催の条件が格段に向上しますことから,新野球場のオープンに向けまして関係方面へ開催試合数の増加を働きかけてまいりたいと考えております。  また,この公園は,県民のスポーツ,レクリエーションの振興,健康増進の拠点,そういうこととして,野球場以外にもテニスコートあるいはスカッシュコート,サッカー,ラグビー場に使用できる広場などの各種のスポーツ施設を配置することといたしておりますが,ぜひとも県民各層から親しまれる,あるいはまた利用しやすい公園にいたしてまいりたいと,そういうことで,この活用方法,運営管理の方法等につきましては,スポーツ関係者,その他有識者の皆さんの御意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解,御指導を賜りたいと思います。  それから,寄島干拓地の埋立計画でございますが,中国電力株式会社との約束では,10年間で105万トンの石炭灰を埋立処理することにいたしておりまして,これまでに予定どおり25.5万トンの埋め立てをしておりますが,今後搬入量の推移を見きわめながら,御指摘がありましたような計画量を下回るようなおそれがあるということになりましたならば,それは中国電力株式会社と協議をいたしまして,公共工事の残土等も入れるというようなことで,ぜひとも計画どおりに完成をいたしたいと考えております。  それから,現在,山陽木材株式会社が所有しております土地につきましては,昭和63年8月に埋め立てが完了しておりますが,その後,目的に沿った利用がなされておりませんので,県としては,山陽木材の土地を含めて干拓地全体を有効に活用する方針のもとに,寄島干拓地等整備基本構想を策定いたしまして,同社の意向打診をしておるところでございますが,なかなか現在のところまでは,栗山議員御指摘のとおり話が進展をしていない状況にございます。けれども,今後とも精力的に交渉を重ねまして,山陽木材の理解と協力を得まして,県西南部の振興拠点として整備するように努めてまいりたいと考えておりますので,よろしく御協力のほどお願いをいたしたいと思います。  それから,西部総合開発基幹道の整備でございますが,お話のございますように,本路線は県西部地域の振興活性化を図る上で重要な路線でございまして,第4次岡山県総合福祉計画の中でも地域間連絡道路としての位置づけをいたしまして,整備促進に取り組んでおります。  現在の整備状況を申し上げますと,全体の延長78.9キロメートルあるわけでございますが,そのうちで70%に当たる55.2キロメートルが改良済みでございます。現在,県道新見川上線の成羽町の中野地内でありますとか,あるいはまた東水砂矢掛線の矢掛町西川面地内でありますとか,これらの地区についての整備を進めておりまして,それらの事業が完成いたしますというと整備率は74%になる見込みでございます。また,新見川上線の新見市正田から哲多町の宮河内に至る延長1.4キロメートルにつきましても,調査測量を行っておるところでございまして,その他の未改良地区につきましても,今後順次整備促進に努めてまいりたいと考えております。  それから,鴨方―矢掛間の整備でございますが,県道地頭上矢掛線のいわゆる遥照山トンネルを含めた延長4.7キロメートルについての地内の問題でございますが,これは遥照山トンネルというものをあけますために,どうしても天文台への影響ということを考えてまいらなきゃなりませんので,そこで事業化のためのいろいろな調査を行ってまいりました。しかし,最近,大体協議がまとまるような方向でございますので,来年度からぜひひとつ事業着手に努めてまいりたいと考えております。  その次に,国道2号の渋滞緩和策でございますが,国道2号は,本県のみならず,中国地方の瀬戸内海沿岸部を東西に連絡する主要な幹線道路でありますから,特に交通混雑の著しい岡山,玉島,笠岡の市街地周辺部におきましては,バイパスなどの整備が鋭意進められておるところでございますが,笠岡バイパスにつきましては,昭和63年度から事業着手をされまして,現在までに神島横島地区―茂平地区間において路線測量を完了するとともに,一部用地買収を終えたところでございます。現在,名切地区,入江地区などにおきまして鋭意地元設計協議を進められておりますけれども,環境問題等で多少難航しておるように聞いております。今後,早期完成が図られますように,関係機関に対しまして強く要請してまいりたいと思っております。  また,金光―里庄間につきましては,交通渋滞が発生しておりますから,本年度から建設省と協力をいたしまして,この地域の道路網のあり方につきまして検討すべく調査に着手したところでございます。今後とも,関係機関と協力をしながら,早期に道路網計画が策定されるように努力してまいりたいと考えております。  それから,西部アグリスポーツ公園でございますが,干拓地というこの地域の特性を生かすという意味からも,スポーツ施設と,それから農業体験施設の組み合わせをいたしまして,スポーツを楽しむと同時に農業体験もできると,そういうユニークな運動公園づくりを目指しておるところでございます。  計画の具体化に当たりましては,陸上競技場をメーンとするスポーツ施設や,体験農園,工房などの農業体験施設,それからさらには気軽に憩えるレクリエーション施設などの組み合わせをいたしまして,都市の青年あるいは農業青年,あるいは子供からお年寄りまで数多くの人たちがスポーツや農業体験に自由に参加をし,楽しみ,そして相互に理解と交流を深めることができるものにいたしたいと考えておるところでございます。農業干拓地でありますために,何らかの形でそういう組み合わせをぜひ図っていく,むしろ積極的にそれに取り組んでいくということが適当ではないかというふうに思っておりまして,せっかく国営事業で長い間かけてつくりました干拓地でございますので,そういう趣旨も生かしてひとつ進めてまいりたい。また,ひとついい知恵がございましたら,いろいろおかしを願えれば非常に幸いでございますが,そういう意味で,今後国とも十分協議をしまして進めてまいりたいと考えておるところでございます。  それから,西部地域への工業団地の整備と企業誘致でありますが,これまでに県及び市町などにおきまして,茂平臨海を初め木之子,寄島など10カ所の工業団地を整備いたしまして,電子,薬品,化学等を中心に企業誘致を行いまして,調和のある産業の形成に努めてまいりました。今後とも,山陽自動車道など広域交通網の整備の進展をてこといたしまして,関係市町と連携をとりながら工業団地の整備を行いますとともに,先端技術産業など地域への波及効果が期待できる優良企業を導入する,またその集積に努める,そして西部地域の産業の活性化を図ってまいりたいと考えます。  流通センターの設置につきましてのお話がございましたが,産業の集積の状況とか,経済,物流の動向とか,企業の進出ニーズ等を勘案しながら,今後検討をしてまいりたいと考えておるところでございます。  次に,住宅団地の防災対策についてでありますが,昨年の9月に住宅団地防災調査検討委員会の最終報告を受けまして,市町村とともに防災意識の啓発,また日常の防災対策等の指導を行いまして,特に対策を必要とする団地につきましては,実態調査を踏まえた対処方法を指導しておるところでございます。  また,住民から市町村を通じて団地等の防災調査の要望がありますならば,技術者のあっせん並びに調査に要した費用の一部を助成するような制度を本年度から創設をしたところでございます。  なお,危険箇所の改修等に必要な費用につきましては,住宅金融公庫から宅地防災工事資金を融資することにいたしておりますので,御活用を願いたいと思う次第でございます。どうぞひとつよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  栗山議員の自由民主党代表質問にお答えをいたします。  まず,高等学校中途退学問題についてでございますが,中途退学者の増加の理由は,学習意欲,目的意識の欠如,忍耐力の不足など,本人にかかわる問題や高等学校進学率が96%という中で,多様化している生徒たちの能力,適性,興味,関心などに高等学校が必ずしも対応できていないと,このようなことがあり,さらに家庭や社会のさまざまな要因が複雑に絡み合っていると,このように考えております。  中途退学防止の対策につきましては,高等学校における学科再編やコース制,選択制の導入などを図り,魅力ある学校づくりを進めますとともに,生徒の側に立った指導がなされることが重要でありますので,より一層力を注いでまいりたいと,このように考えております。また,中学生に対し,本人が希望する進路を選択できるよう,各高等学校の特色のPRや一日体験入学などの事業の充実を図りますとともに,中学校,高等学校間の連携強化にも努めてまいりたいと,このように思っております。  なお,中途退学者への援助につきましては,各高等学校とも進路相談等を行い対応をしてきておるところでございます。今後一層関係機関と連携をとりながら,より適切な進路指導がなされるよう努めてまいりたいと,このように考えております。  次に,単位制高等学校の設置についてでございますが,お話のように,単位制高等学校は生徒自身が必要な教科・科目を選択履修をし,決められた単位を修得すると卒業ができると,こういう無学年制の新しいタイプの高等学校であります。高等教育の多様化,弾力化を進める上で有意義なものと,このように考え,検討を進めておるところでございます。  現段階では,まず県立唯一の定時制高等学校であります烏城高校を新しい場所に移転をし,これまでの教育方針を生かしながら,夜間を中心とした単位制高校に再編をしたいと,このように考えております。移転場所といたしましては,県立短大の跡地が適地と考えており,今後生涯学習推進センターとの併設も含めて整備方針の検討を進め,具体化を図ってまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  栗山議員の自由民主党代表質問にお答えいたします。  まず,若者と高齢者の交通事故防止対策についてでございます。県下の交通事故は,総件数におきまして,現在までのところ13年ぶりに減少いたしておりますものの,その死者は御指摘のとおり多発いたしておりまして,昨日現在104名,そのうち若者及び高齢者の死者は59名となっておりまして,全体の約57%を占めております。  若者の死亡事故の特徴は,その75%以上が夜間に発生しておりまして,大半がスピードの出し過ぎによるものでございます。このため,警察といたしましては,夏場に向けました暴走族の取り締まりにあわせまして,移動オービスなどを有効に活用しまして,夜間の幹線道路におきます測度取り締まりを強化いたしますとともに,安全運転管理者あるいは運行管理者を通じまして個々具体的な指導を強化してまいりたいと考えております。  また,高齢者の死亡事故を見てみますと,歩行中あるいは自転車利用中被害に遭われました方が70%以上を占めておりまして,これらもほとんどが夜間に集中しております。このため,高齢者用の交通信号機などの安全施設の整備充実を初めといたしまして,市町村等の関係機関,団体との連携を密にいたしまして,正しい道路の横断の仕方などの現場に即しました実践的な指導や御指摘の夜光たすきの一層の普及を図りますとともに,高齢ドライバーに対します運転適性検査の受検勧奨などを通じまして,高齢者の交通事故防止に一層努力してまいりたいと考えております。  次に,暴力団対策法施行後の取り締まりの現状等についてでございます。警察では,本年3月の法施行に伴いまして,暴力団に対します特別捜査班を新設いたしましたのを初め,総勢約1,100名から成ります総合対策本部を設置いたしまして,文字どおり総合的な暴力団対策を実施しているところでございます。  これまでの取り締まりで,公安委員会によります指定を逃れるための偽装会社設立に伴います公正証書原本不実記載,同行使詐欺事件で山健組組長等4名を逮捕いたしますとともに,山口組の総本部や大阪,兵庫等にあります組事務所等16カ所の一斉捜索をいたしますなど,6月15日現在までに195名の暴力団を検挙いたしております。また,けん銃10丁を押収しているところでございます。  施策面につきましては,風俗営業等暴力団の被害対象となりやすい各事業所を訪問いたしまして,その実態を調査いたしますいわゆる暴力団排除ローラー作戦の実施,あるいは暴力団員の組織からの離脱促進を図ります「離脱110番」を設置するなど,各種施策を鋭意推進しているところでございます。今後は,指定されました団体に対します活動監視を一層強化いたしますとともに,あらゆる法令を駆使した徹底取り締まりとあわせまして,暴追センターを中核といたしました暴力追放活動の積極的な実施など,幅広い総合対策を引き続き強力に推進してまいる所存でございます。  次に,暴追センターに寄せられました相談等への対応状況についてでございますが,同センターが設立されました4月1日から6月15日までの間に174件,265回の相談が同センターに寄せられております。このうち109件が人の弱みにつけ込んでの金品要求やみかじめ料請求などに関するものであります。これらの暴力相談に対しまして,暴追センターは,これまでのところ相談者への対応策の教示だとか,私ども警察への通報あるいは顧問弁護士によります指導等を通じまして,その約8割強を解決していると報告を受けております。  また,私ども警察におきましても,暴追センターからの通報を受けまして,山口組系組員によります屋外広告物条例違反事件を初めといたしまして多数の事件を検挙あるいは現在も捜査をいたしております。今後とも,暴追センターとの相互連携を一層緊密にいたしまして,迅速,適切な対応をしてまいる所存でございますので,一層の御理解と御協力を賜りたいと考えております。  以上でございます。 ◆17番(橘民義君)  私は,今議会に提出されました諸議案並びに当面する県政の諸課題について,民主クラブを代表し,知事及び関係者にお尋ねいたします。  私たち民主クラブが結成されてちょうど1年が過ぎました。7人のメンバーは,所属政党でいえば民社党と社民連,そして無所属,また選挙の形態でいっても,各党公認候補もいれば無所属推薦候補も,そして岡山県議会初めての連合候補も含まれるということで,まさに政党,党派の垣根を乗り越えた,今までにない新しい会派を結成することができたのであります。  先日,我が会派の勉強会で講師を務めてくださった現職の新聞記者の方の調査によると,全国にもこのような会派はないそうです。たった1年ですが,振り返ってみて,なかなかよく団結し,またそれぞれの個性を尊重するために,多少の細かい意見の食い違いもお互いに認め合いながら進んでくることができたのではないかと思います。  政治の世界に限らず,どんなグループにも必ずまとめ役をする者が存在するかと思えば,また逆に異端児と呼ばれる者がいたりするものですが,そのような状態こそ,まさに人間社会の普通のあり方だろうと思います。これを民主クラブに当てはめたとき,だれが異端児で,だれがなだめ役,だれがまとめ役かについてはあえて申し上げませんが,他会派の方々とも,あるときは協調し,またあるときは私たちの意見を強く主張しながら,一番大切な県民の声を議会に届け,そしてその声が県政によりよく反映されるように,これからも全力を尽くしていきますので,執行部を初め議員の皆様方にはよろしくお願いいたします。  さて,本論に入るわけですが,県政の重要課題に触れる前に,きょうは少し知事に,日本の社会といいますか,世界の中の日本といいますか,いつも私たちがお尋ねするような県内版ニュースから少し離れて,国政について自由におもしろくお話を聞かせていただきたいと思います。当然のことながら,知事も県民の皆さんの信託を受け,県政に携わるという点では政治家であります。さきの議会での6選出馬を表明された知事が,政治というものに対してどういう認識,あるいは理念,展望を持っておられるかとここで問うことは決してむだではないと思います。直接県政とは関係ない部分がありましても,知事の世界観,人生観というものは,今までの県政にも深く反映してきているものと思われますので,ぜひ楽しい御答弁をお願いいたします。  まず第1の質問は,日本の政治家の金権体質についてです。  既に国民は,政治家イコール金という図式に怒りを通り越し,半ばあきらめの表情で眺めています。ここ数年を見ても,リクルート事件,共和事件,さらには多数の政治家の名前が取りざたされている佐川急便の事件と,企業と政治家の癒着は与・野党を問わず,この国の政治を深くむしばんでいます。また,全国の自治体においても,リゾート開発などに絡み,議会あるいは行政の長が賄賂を受け取り罪に問われるという事件が続発しております。  そこで,知事にお尋ねいたします。こうした政治と金,政治家と企業の癒着は,いかにすれば断ち切ることができるとお考えでしょうか。さすがに国会にも,国民の間に広がる政治不信に重い腰を上げ,政治改革について多少真剣に議論を始めたようですが,20年にわたり岡山県の行政を担当してこられたベテラン政治家として,所見あるいは提言をいただければ幸いであります。  次に,健全な議会制民主主義のあり方についてお尋ねいたします。  いわゆる政権交代というものは,議会制民主主義にとって必要不可欠なものであると私は考えます。最近,諸外国で行われた選挙の結果を見ましても,イタリア,フランス,ドイツなどで与党が敗北を喫し,またイギリスにおいても過半数は維持したものの,保守党政権は大幅に議席を減らしました。ところが,日本においては終戦直後の数カ月を除き,40年以上にもわたって自民党が政権を維持し続けています。それは,自民党の強さもさることながら,野党側もそれぞれがばらばらだったり,その古い体質がいつまでも改善されなかったりで,国民は今のところ野党への政権交代を許していません。  そして,さらに注目すべきことには,国民はもう既成の政党には興味を失い,いわゆる無党派層がふえ続け,今やある世論調査によれば「支持政党なし」が自民党支持層,社会党を初めとする野党支持層を追い越し,第1位を占めるようになっております。こうした政治状況をいち早く受けとめ,政権交代,そしてその受け皿となるべき新しい政治の枠組みを模索したのが,亡き江田三郎氏であります。  折しも去る5月23日,江田三郎没15周年の墓前祭と記念シンポジウムが,この岡山で行われました。墓前に立った田辺誠社会党委員長は「江田さんのロマンは我々の中に生き,そして今一層輝きを増している。この墓前祭を新しい出発点としたい」と述べ,新しい政治の枠組みづくりへの決意を示されました。無論,この大事業が一朝一夕になし遂げられるものではありません。しかし,今を置いて新しい政治の流れをつくるときはありません。米ソの冷戦が終結し,国際社会における日本の役割が真剣に模索されなければならない今,政治が旧態依然とした枠組みでいることは許されないのではないでしょうか。政界再編についての展望,そして政権交代の意味,議会制民主主義のあり方などについての知事のお考えをお聞かせください。  さて,次は地方自治の未来についてお尋ねいたします。  先ごろ,前熊本県知事細川護煕氏が日本新党を旗上げし,各方面で大きな話題を巻き起こしました。私は,細川氏が新党結成を決意した重要な要因の一つに,日本の地方自治制度の貧困があると思います。細川氏は「文芸春秋」6月号に発表した論文の中で次のように述べています。「日本には地方自治は存在しないというのが私の知事体験の結論であった。日本の地方自治体は,国の出張所,出先機関にすぎない。いわゆる機関委任事務が地方自治体の仕事の大部分だからである。県の場合,それは全仕事の約8割だ。また,地方に自治が存在しないと同時に,中央には本来の政治が担うべき責任と機能がないというのが,私の知事体験のもう一つの深刻な結論であった」と,地方自治の厳しい現状を語ると同時に,中央政界をも鋭く批判しています。知事を経験した人物がこのように語るということは,日本の地方自治は,まさに瀕死の状態にあるのではないかと憂慮せざるを得ません。  そこで,長野知事にお尋ねいたします。かつて自治省に勤務され,20年にわたって岡山県の知事を務めてこられた経験から見て,地方自治の現状は本当に細川氏の言うとおり絶望的な状況なのでしょうか。もし8割が機関委任事務であり,地方の特色を出せる業務が全体の2割だとするならば,知事が今までに岡山県らしさを発揮するためになされた努力は,どのような哲学に基づいていたのでしょうか。そのむなしさ,悔しさはいかがなものであったのでしょうか。そして,知事は,さきの県議会で6選出馬を表明されたわけですが,当選された暁には,今後どのような姿勢で岡山県の地方自治に取り組むおつもりでしょうか。この点が今議会の最大のポイントであり,私たちの最大の関心事でありますので,余りかた苦しい答弁ではなく,ざっくばらんに日ごろ感じておられることをお話しいただければ幸いであります。  そして,同じく細川氏の言葉に「権不十年」というのがあります。どんなに高い徳を持つ者も,10年権力の座にいるのはよくないという意味だそうですが,この点については,20年を過ぎなお県政に情熱に傾ける知事の心情はいかなるものかをお聞かせくださいませ。  さて,私は今回の質問の大きなテーマの一つに,ともに生きるという項目を設定いたしました。ともに生きるとは,障害を持つ者と持たない者がともに生きる。外国から来た人も,いわゆる在日外国人と言われる人も,みんな日本社会でともに生きる。女性と男性も,自然界と人間も,ともに共存していくという意味です。皆がお互いの存在を十分認め合い,いわゆる差別もなく,もし今差別があるなら全部解消し,そしてともに生きる世界を社会を築くことができて初めてゆとり社会や生活大国も意味を持つものとなると私は考えます。もっとはっきり言えば,ともに生きる社会を目指さないのであれば,ゆとり社会も生活大国も本当にみんなが満足できる社会ではなく,またこの点において日本は諸外国に大きくおくれをとっていると言わざるを得ません。  さて,ともに生きるの最初は,「しがらきから吹いてくる風」という映画の話からスタートいたします。  5月16日の午後,岡山市市民文化ホールでは800の客席がすべて埋まりました。記録映画「しがらきから吹いてくる風」の上映と,歌手小室等さんのコンサート,そしてその映画の監督西山正啓氏,現職の厚生省障害福祉課長さんなどによるシンポジウムから成る「しがらきから吹いてくる風,全国巡回フォーラム」が開催されたのであります。  映画の舞台となった,狸の置物に代表される陶芸の町滋賀県信楽町は,昨年の列車事故で,不幸にも全国にその名を知られたわけですが,実は全国に先駆け30年以上も前から,いわゆる知恵おくれと呼ばれる人たちが焼き物を中心に町の中で,あるいは農園で地域の人々とともに働いているところであります。特に,陶芸については,町内の就労者のうち5%が知恵おくれの人たちで,ノーマライゼーションという言葉を100万遍唱えるより,一度信楽を訪れるか,さもなくば映画「しがらきから吹いてくる風」を見た方がよいとまで評されているほどです。私も,連休前に信楽を訪ね,そして岡山でのフォーラムにも参加しましたが,信楽の町のすばらしさもさることながら,岡山でのフォーラムに参加した人たちの感想やアンケートに書かれた意見の深さに触れ,岡山に障害を持つ人たちと持たない人たちがともに生きていけるための何かが芽生え始めたのではないかという思いを強く抱いたのでありました。  なお,岡山でのフォーラムには,県も県教委も,その他多くの団体が後援し応援されたことには心から敬意を表します。  前置きが長くなりましたが,ここから質問に入りたいと思います。  今,岡山県にいわゆる精神薄弱者,薄弱児と呼ばれる人は何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。そして,その人たちはいかなる生活をされているのでしょうか。実態をお教えください。  私は,精神薄弱という言葉を好みません。私が彼らと接した限りにおいては,彼らは精神が薄弱だとは全く感じられないし,逆に健常者と呼ばれている人たちの中に,彼らよりよっぽど主体性もなく,意思もはっきり持たず,あるいは責任感においても倫理感においても薄弱な人がたくさんいると思うからです。しかし,残念ながら,現在行政の中ではこの言葉が使われていますので,本日は仕方なく使用しますが,その人たちのうち何%ぐらいが施設で生活し,何%ぐらいが家庭で暮らしておられるのでしょうか。そして,何%ぐらいが仕事のできる,すなわち中度,軽度の方で,さらにそのうち何%ぐらいの方が作業所,授産所のようなところで仕事をしておられるのでしょうか。  さらに,一番お聞きしたいのは,一体何%ぐらいの人が一般社会の中で就労しておられるのか。また,県は就労に対してどのように助力しているのかということです。できるだけ詳細に実態をお教えください。  障害者の雇用の促進に関する法律によれば,従業員63人以上の企業は障害者を1.6%以上雇用しなければならないとなっていますが,身体障害者だけでなく,いわゆる精神薄弱の方々の雇用の実態はどのようになっているのでしょうか。  次に,グループホーム,生活ホームについてお尋ねいたします。  平成元年,厚生省が精神薄弱者福祉法に基づき,グループホームに対して補助金を出す制度を始めてから,県下では何世帯ぐらいのグループホームができ,何人ぐらいの人が入居されているのでしょうか。また,それらの施設はうまく運営されているのか,改善の余地はないのか,詳しい報告をお聞かせください。  私は,先日,開設準備中のあるグループホームを訪問いたしましたが,やはり最大の困難は入居者の就労先を見つける段階だとのことでありました。一般社会の事業所に入って働くことができるよう,県として職業安定所以外にも何か窓口をつくり,また積極的に対応していく姿勢が必要だと思われますが,いかがでしょうか。  信楽町には焼き物という絶好の就労の場が存在したわけですが,岡山県も産業,芸術,文化などあらゆる点で豊かな土壌を持っているのですから,なすすべはないとは考えられませんが,いかがでしょうか。確かに信楽の工場主の方々も,3つつくったら10個壊すという彼らの仕事ぶりに,最初はいら立ちを覚えながらも辛抱強くつき合い続け,それが今では彼らの作品が本物の作品として,つまり知恵おくれの人がつくったものだからという意味ではなく,ごく普通の作品として売れるようになってきたわけです。ノーマライゼーションに対する知事の基本的な考え方と,また何か心に残る体験のようなものがあれば,ぜひお聞かせください。そして,知恵おくれの方々に働く機会を提供するためのアイデアも,ぜひお聞かせください。  次に,重度障害者に対するホームヘルパーの必要性に関してお尋ねいたします。  高齢化社会を迎え,お年寄りの方々に対する施策は,ある意味で政治の最大課題となっており,本県でも熱心に取り組んでいるところでありますが,重度の障害者で,しかも施設に入っていない人のためにホームヘルパー制度を拡充するということをどのようにお考えでしょうか。在宅福祉を強調するのであれば,お年寄りだけでなく障害者の方々の在宅介護にもっと力点を置くべきだと考えますが,いかがでしょうか。  同様に,重度障害者の方が病気やけがで入院されたときは,事実上,家庭の方か,あるいは施設の職員の方しか介助が困難だということもよく聞きます。障害者の方の看護は,現在の看護婦さん不足,障害者のための施設数,職員の不足などが絡み合い,複雑な問題となっています。障害者の方の在宅看護に関しても,入院時の介助に関しても,現状のままでは余りにも困難が多過ぎます。県が思い切った施策を行う必要があると思われますが,知事のお考えをお聞かせください。  次は,精神障害者の問題に触れさせていただきます。  さきに触れた,いわゆる精神薄弱者と精神障害者は,基本的な面で相違点があり,一緒に考えること自体,彼らに対する無理解と言わざるを得ません。県でも,精神障害者は医療という立場から環境保健部が,精神薄弱者は福祉という立場から民生労働部が担当しています。しかし,精神障害者の問題を医療という枠の中だけで考えるのは,現実には余りにも不十分で,もうぼつぼつ精神障害者の方々に対しても,医療という観点からだけでなく,福祉という視点も含めた総合的なシステムを全国に先駆けて岡山県が独自にスタートさせてもよいのではないかという気がいたします。この点に関してどのようにお考えでしょうか。何かよいお考えはないでしょうか。  それはさておき,先日,私は救護施設である社会福祉法人浦安荘を訪れました。浦安荘は,主に慈圭病院の患者さんたちが社会復帰するための中間施設としての役割を果たしております。ここから近隣の地域へ働きに出る寮生さんは現在71人,さらに浦安荘から出て近所のアパートで暮らす人が50人もおられます。これは,浦安荘の職員の皆さんが,アパートをたびたび訪れ,退所された方々,社会復帰された人たちを見守っているからこそ可能なことであります。聞くところによると,浦安荘のようなケースは全国でも珍しく,地味な存在ではありますが,信楽が精神薄弱者にとっての一つのモデルケースとするなら,浦安荘は精神障害者の社会復帰に関して大きな成果を上げつつあるすばらしい施設だと言えると思います。  ところで,この浦安荘に関しては,設立当初から現在に至るまで知事の御理解の上に成り立っている部分もかなりあるとお話を伺いました。心より敬意を表します。  さて,慈圭病院があり,中間施設として浦安荘があり,さらに浦安荘を離れた人たちは,それぞれ三十数カ所のアパートに住み,50カ所以上の一般就労先が1つの地域に存在し,それらが有機的に機能しているのが岡山市の岡南地区であります。このような地域ユニットを1つずつつくっていく手法こそ,精神障害者の社会復帰に限らず,高齢化社会の問題や環境問題,ごみ問題への理解やその他のさまざまな問題についても,解決の有効な糸口となるような気がしてなりません。中四国の中心で東西南北の結接点だという岡山県についての基本的な位置づけ,そして大きな意味づけが知事の心の中にあるとすれば,その岡山の中身を充実させる本当の地域づくりの重要なヒントが浦安荘の周辺にあるのではと私は思います。毎年行われる浦安荘祭りという行事には地域の人々も3,000人ぐらい参加し,マスコミも必ず取り上げるほどですが,寮内外に暮らす100人を超える就労者が,まさに地域の中で1人1人の人格と人間性を最大限に尊重され,ともに生きられる社会,ともに生きていく地域ユニットを15年以上の歳月の中でつくり上げつつある浦安荘の地道な努力に多くの人が目を向けてほしいものであります。  さて,県では精神障害者の方のために,県立岡山病院を初め精神保健センター,保健所,内尾センターなど多くの医療機関,施設などが,それぞれ有機的に,またしっかりとした個性を持ち機能しているわけでありますが,医療,特に精神医療の難しさは確かに一言では表現できないものがあることは十分予測できます。その中であえて提言するなら,やはり地域医療のシステムというか,生活ユニットづくりといったものではないかと思います。医療機関,中間施設,社会復帰の場所,就労場所,住宅など一連のものを持つ1つの地域と,それを援助する地域住民の理解をいかにつくり上げていくかが問題だと思います。これはお年寄りの問題にも共通することですが,特に精神障害者にはまだまだ偏見も多く,困難がつきまとうものです。県が,現在存在する機関だけではなく,広く精神障害者を受け入れてもらえる地域づくり,就労,生活の場などが一般社会の中でできるような体制づくりに全力を尽くす必要があると思いますが,いかがでしょうか。具体的な案があればお示しください。  さて,次は要約筆記についてお尋ねいたします。  要約筆記とは,聴覚障害者が参加する催しの会場で,発言内容をその場で要約し,透明シートに書き込んでいき,それがオーバーヘッドプロジェクターで拡大され,会場のスクリーンに映し出されるというものです。先ほどお話ししました「しがらきから吹いてくる風」では,映画には字幕が入り,シンポジウムでもコンサートでも要約筆記が聴覚障害者の方々のために大きな役割を果たしました。手話通訳はもちろん大切ですが,現在では,高齢化社会が進むにつれ,難聴者や病気などで聴力を損なう中途失聴者がふえ,にわかに手話通訳を理解することができない人が急増し,その数は手話通訳を理解する人の6倍とも7倍とも言われています。余談ではありますが,最初に県内に要約筆記クラブが発足したのはもう10年以上も前で,そのとき以来,長野知事の御夫人も会員の1人だったとお聞きしています。心から敬意を表するところであります。  手話通訳の必要性重要性は既に多くの人々に理解されるようになってきましたが,要約筆記の必要性は,まだまだ県民の間で理解されていないようです。岡山市社会福祉協議会では,要約筆記のボランティア養成講座を行っていますが,技術的な訓練に時間がかかる上,話の内容,話し手の気持ちを瞬時に理解し要約する力,さらには相当な根気が必要なようです。聞くところによれば,こうした要約筆記のボランティアは,岡山市だけでなく他の市でも行われているようですが,県として,これに対し何か力をかしていかれるおつもりはありませんでしょうか。そして,要約筆記の必要性について県民に広く理解していただくことが,県にとって何よりも重要な仕事だと思いますが,いかなる方法をお考えでしょうか。また,今後県の関係する行事には,福祉関係の行事に限らず,できるだけ要約筆記を導入するというのはいかがでしょうか,知事にお尋ねいたします。  次は,外国の人たちとともに生きるということで,外国人留学生に関してお尋ねいたします。  現在,岡山県内には377人の留学生がいて,そのほとんどがいわゆる第3世界と言われる国々から訪れているということですが,この物価高の日本で,またよくも悪くも独特の文化,生活習慣,社会状況を持つ日本で暮らす苦労は並み大抵のものではないとは,多くの留学生の語るところであります。私も,最近まで中国人留学生の在日の保証人になっていましたが,ともに生きるということの大切さと難しさを十分実感することができました。  さて,外国人留学生にとって,日本で暮らすことの難しさはいろいろあるわけですが,中でも住居の問題は深刻です。岡山大学には,インターナショナルハウスという留学生の寮がありますが,これも原則として1年間だけしか入居できず,2年目からは外で下宿を探さなければならず,住居問題は,高い家賃や下宿代の中で留学生たちにますます重くのしかかってきています。  そこで,提案でありますが,県が留学生のための住居問題を少しでも解決するように何か方策を考えてはいかがでしょうか。一番いいのは,県立の留学生会館を建てることですが,いかがでしょうか。留学生の皆さんは,非常に勤勉で学問に忙しい人たちが多いので,そうした施設はできれば学校の近くに建設することが望ましいのですが,県立短大の跡地の一部を利用するとか何か方法はあると思います。また,そのような大きな事業ができないのであれば,留学生アパートのようなものをつくるのに補助をするとか方法もあると思いますが,いかがでしょうか。  ともに生きるという考えを進めていくなら,留学生会館のようなものに外国人留学生だけが住むという状態より,むしろ町にそれぞれの留学生が住む方がよいという知事のお返事が返ってくるような気もしますが,それでもどうしても必要なものはその存在を認めていただき,県の関与する留学生の寮の役割を果たす留学生会館の建設を提案いたします。いかがでしょうか。  次に,在日外国人の障害年金の問題についてお尋ねいたします。  先日,私は在日本韓国人居留民団で具安順さんという在日韓国人の方とお会いしました。具安順さんは,1954年(昭和29年)1月9日に倉敷市で生まれた現在38歳の女性で,岡山市内の理髪店で働いています。そして,聾唖ということで1979年昭和54年から障害2級の手帳を所持しています。  さて問題は,在日外国人の中に具安順さんのように国民年金制度におけるいわゆる障害年金が受給できない方がたくさんいらっしゃるという事実です。この年金問題は非常に複雑で,また極めて不合理,差別的なものであります。1959年(昭和34年),我が国に国民年金法が成立したとき,在日外国人は日本で生まれ育っていても年金には加入できなかったのですが,日本人に限って,そのとき20歳以上の人には障害福祉年金を支給することにしました。しかし,1981年(昭和56年),日本は難民条約を批准し,それに伴い国民年金制度における外国人排除も撤廃されることになるのですが,残念ながらそのとき,すなわち1982年(昭和57年)1月1日の時点で既に20歳を超えている在日外国人には障害福祉年金は支給しないという決定をしたのです。つまり具安順さんにとっては,1982年(昭和57年)の元旦が運命の分かれ道だったというわけです。このとき彼女が20歳未満だったら,すなわちもう8歳ほど若かったら,もしくは聾唖の程度が進んでおらず2級の認定がもう3年遅かったら,現在彼女は障害年金を受け取ることができたのであります。  この話は,1度聞いただけではなかなか理解できず,やっと理解はしても,実際にこんなことがあるのだろうかと事実の存在さえ信じられないほど不合理なものであります。具安順さんと同じ年の友人の日本人が障害年金を受給しているのに,自分は年金を払い続けるだけでもらっていないことに疑問を感じたことが,彼女がこの問題を知るきっかけとなったわけであります。  そこで,知事にお尋ねいたします。岡山県としては,この問題に対する御認識はいかがでしょうか。また,具安順さんのように在日外国人であるがため,またたまたま制度のはざまに取り残されているために障害年金を受給できないでいる方は県内にどれくらいいらっしゃるのでしょうか。様子をつかんでおく必要があると思いますが,いかがでしょうか。  そして,この問題は,各地で市民運動として取り上げられ,その結果,高槻市,高知市,最近では大阪市など7つの自治体で障害年金にかわる独自の制度が樹立されております。また,ことし2月には,岡山市議会でもこの問題が取り上げられ,市長は制度設立に前向きな答弁をしておられます。知事は,こうした自治体の動きのように,岡山県でも直接何か予算化の措置を講ずる御意思はおありでしょうか。または,県下の市町村に対して,この件に関して指導,協力を行っていくことをお考えでしょうか。また,全国市長会は,ことし6月3日,国に対してこの問題,すなわち国民年金の障害者年金制度の改正を求める意見書を採択していますが,県としても国に対して何か要望していくお考えはありませんでしょうか,お尋ねいたします。  さて,次に外国人労働者に関する問題ですが,法務省は先月30日付で今後四,五年間の外国人の入国と在留管理の指針などを定めた出入国管理基本方針を発表しました。この方針の特徴の一つとして,外国人研究生受け入れ拡大の新制度の創設を検討していることが挙げられています。県内でも,多くの企業がそれに期待もし,また各国からの熱いまなざしも今まで以上にそそがれるものと思いますが,きょうはそのような県内状況についてはお尋ねしません。それよりも,外国人と名がつけば,何かそこに心の壁をつくり,受け入れを拒むような日本社会の仕組みや,また一部の国民の意識もまだまだ島国の歴史から抜け出せず,偏見と差別を持ち続けているという現状の方が問題だろうと思います。中でも,先ほど申し述べましたが,在日朝鮮人・韓国人に対しての大きな差別が存在していることは,日本史の恥部の上にさらに恥を上塗りしていると言わなければなりません。そもそも日本生まれ,日本に育った人たちが,なぜ在日外国人などというように外国人と呼ばれるのかも不思議なことでありますが,この問題を乗り越えずして国際化という言葉がいかに軽々しいものかと私はいつも感じています。日本の行うべき国際化,国際貢献は,常に国内にある外国人と呼ばれる人たちの問題解決と同時に進めていかなければならないと思うのであります。  そのような理由から,私は,今県が進めている国際交流センターの中身について,在日外国人のことが視野に入っていないという点では甚だ不満であると以前にも申し上げましたが,きょう知事にお聞きしたいのは,県政とは少し離れた御意見として,日本という国は基本的に外国人をどのように受け入れるのがよいのか,私たちの,この小さい国土ではあるが,国民の努力により大きな経済力を得た日本を,外国の人々とともに生きる社会としていくための方法,これからの国の開き方について,単純労働者の受け入れも含めて,知事の広く温かい視野に立った外国人の受け入れ政策並びに外国人とともに生きるという課題についての御見解をお聞かせください。  次に,大きい項目の3番目として,岡山の未来づくりについて,具体的に少し考察を交えながらお尋ねいたします。  まず第1に,チボリ公園ですが,私は今までにも繰り返し一般質問で取り上げていますので,きょうは細かい点は省略して,ただ大きな流れだけをお尋ねいたします。  岡山市議会100条委員会の件も,告発問題も,堀貞一郎氏との金銭による和解も,必ずしもすっきりしたものではないという気持ちは県民の中には多分に残っているとは思いますが,いずれにしてもクラボウが話し合いのテーブルに着くと言ったことで,このチボリ問題は新しい局面を迎えるかのように見えました。しかし,その後の交渉は,5月20日のチボリ特別委員会での報告にもあったように,全く進展していないのが現状のようです。「仏の顔も三度まで」と言いますが,どれだけチボリ・インターナショナル社がチボリ公園をつくりたいという気持ちが強くても,話し合いが始まってから既に5年が経過し,しかも岡山から倉敷へと場所もかわり,カイサー社長は倉敷のロケーションを見たこともなく,県当局の作業も何ら進展してないという一連の事実から見る限り,ことしじゅうにというタイムリミットをクリアすることは極めて難しいのではないかと思われます。チボリ・ジャパン社には,きょう現在10億円程度しかお金が残っておらず,長引けば長引くほど問題は深刻化するし,もはや待ったなしというのが知事のお気持ちではないかとお察しいたします。  さて,肝心のクラボウ側は,恐らく事業主体が現在のチボリ・ジャパン社の内容では不満であり,だれかどこかに大きな事業主体となるべきものが加わってくることを願っているのではないでしょうか。いや,願っているというより,それがクラボウにとって土地を貸す条件となっているのではないかと思われます。しかし,もしそのような大きな出資者がどこかに存在するとしても,逆にクラボウの態度が決まらなければ,すなわち地形とか借地料がわからなければ,民間資本に対して基本計画も示しようがないということなので,この鶏が先か卵が先かと言える状況をどのようにして打開するかが最大の課題と言えます。その手順,見通しをぜひお聞かせください。交渉事ですから固有名詞は言えないにしても,現在,本当に何か手ごたえのある話し合いの相手が存在するのでしょうか。一番大切なところなので,ぜひお聞かせください。  次は,総合流通センターについてお尋ねいたします。  昭和61年に完成した早島の総合流通センターは,岡山県の産業発展に大きな役割を果たしており,現在,早島地区では拡大工事が行われており,さらに同じような必要性から県北流通センターの建設も既に決定したところであります。本県は,水島コンビナートを中心に,岡山市も他の地区も生産工場に関してはある意味では充実しつつ,今後は県内の生産物だけではなく,多種多様な流通の拠点がますます求められるところであります。早島地区は物流の拠点として余りにも立地条件がよかっただけに人気も高かったわけですが,今後これ以上の開発の余地はないと聞いております。  そこで,山陽自動車道インターチェンジ近くに新たな流通センターを設けてはいかがでしょうか。流通の拠点づくりの方が,工業団地を開発するよりも本県の特性をより生かすことになるのではないかと思われますが,商工部長の御意見をお伺いいたします。  さて,次の大きいテーマは,守るべき生活環境であります。  先日のニュースによれば,我が国でもとうとう札幌上空にオゾンホールができたということです。単に地球環境を守ろうと叫ぶ時代は終わりました。危機がここまで深刻化した現在,実効ある方策を一刻も早く打ち出す必要があります。しかし,先日のリオにおける地球サミットにおいても,南北問題が環境問題に大きな影を落としていたという事実からもわかるように,今や環境問題はすべての政策決定に際しての分岐点となっています。そして,その分岐点をどちらに乗り越えるかというと,やはり少々の不便や非能率は我慢し,開発はできるだけ少なくし,政策決定は環境の保護の方へ動かなければ,地球の死が近い将来現実のものとなるという意見が多数を占めつつあることは周知のとおりであります。  さて,本県でも山ほどある環境問題を乗り越えなければいけないのですが,まず何といっても児島湖が気になります。今や県下の,いや日本じゅうの水汚染問題の象徴であり注目の的となっている児島湖ですが,まず最初にお聞きしたいのは,昨年から実験的に試みているヘドロのしゅんせつの現状です。集められた実験データより途中経過の方が,むしろ県民の皆さんにとっては興味深いのではないかと思われますので,お教えください。どのようなしゅんせつ処理方法が,また有効な再利用の可能性があるのでしょうか,お尋ねいたします。  次に,児島湖の周辺整備ですが,私は昭和63年の6月議会で児島湖景観論というものを紹介しながら,かなり詳細な提案をさせていただきました。それから既に4年が経過し,その間多くの議員の方も,また県民の皆さんも,周辺整備に関して質問や意見を述べられておりますが,県の側からは具体的なものがほとんど示されないのはとても残念なことであります。思い切りが悪いと言ったら失礼に当たるでしょうか。多くの担当課や部局が複雑に入りまじっているから前に進みにくいのでしょうか。全部まとめ上げてどんと発表するよりも,小さなアイデアを示すとか,広く県民から募集するといった方法もあると思いますが,いかがでしょうか。周辺整備事業計画の進みぐあいをお尋ねいたします。  続いて,産業廃棄物についてお尋ねいたします。  県は,本年度の事業として,振興局単位で数カ所の産業廃棄物最終処分場の候補地を選定するための作業を進めているということですが,候補地を選定する際の基準はどのようなものなのでしょうか。また,最終的に何カ所程度の処分場建設を考え,どのぐらいの量の産業廃棄物を処理することを想定しておられるのでしょうか。さらに,現在岡山県ではどのぐらいの産業廃棄物が生まれ,そのうち何%ぐらいが県内で処理され,何%ぐらいが県外へ持ち出されているのでしょうか。さらに,県外から持ち込まれる産業廃棄物は年間どのぐらいの量になっているのでしょうか。企業が独自に処理するものもあり,正確な数字の把握は困難であるとの見方もありますが,産廃処理場を建設するためには,基礎資料となるべき現時点での数値の把握は必要不可欠ではないでしょうか。将来を見越して産業廃棄物対策を行おうという県の姿勢は一定の評価に値すると思いますが,少なくとも現状の正確な把握なくして有効な計画は立てようがありません。場合によっては,県が県内の事業所に対して産業廃棄物処理の実態についてのアンケートを実施するなどの方策を講ずることを考えてはどうでしょうか。  先日の新聞によりますと,島根県浜田保健所管内では9カ所の産業廃棄物処理場が計画されており,その候補地のほとんどは,いわゆる過疎化の進む農村部だということです。これらの施設が扱うごみのほとんどが,広島県など県外から持ち込まれるものになる可能性が高いことから,地域住民の間に都会のごみ捨て場にされてしまうのではといった不安が広がっているとのことです。自分の住むところにごみ捨て場をつくってほしくないという気持ちを,単なる住民エゴと片づけてしまうことはできません。まして,自分たちの出したごみならいざ知らず,他県から持ち込まれるごみについて反発するのは,ある意味では当然の感情かもしれません。したがって,他府県の皆さんに御迷惑をかけないためにも,岡山で出したごみはすべて岡山で処理するという姿勢を計画の基本に据えることを強く希望するものであります。いかがでしょうか。  次は,エイズと麻薬についてお尋ねいたします。  エイズが世界じゅうの大問題となっていることは周知のとおりです。厚生省・エイズサーベイランス委員会の発表では,新たなエイズ患者,感染者の発生数は,平成2年に97人であったものが,平成3年には238人に急増し,本年は4月までに既に142人に達しています。2月議会でも,我が会派の藤村議員が質問をしましたが,その後,本県でのエイズの実態はどのようになっているのでしょうか。  私は,情報公開という意味からも,エイズの広がりを食いとめるという意味からも,とにかく県民が正確な認識を持つことが大切だと思います。と同時に,プライバシーの保護,そして最近しばしば見られる何でも外国人が悪いという風潮,エイズは外国人が持ち込むと決めつけてしまうのも決してあってはならないと思います。これらの前提に立って,環境保健部長に現状の説明をお願いいたします。  次に,麻薬類についてですが,アメリカではエイズよりもコカインが国を滅ぼしてしまうのではないかという声も聞かれるくらいですが,日本でも何度も大量のコカインが密輸されそうになったというニュースを耳にします。エイズも,きっと表に出てくるデータよりも実際の患者,感染者は多いと思われますが,麻薬類はそれ以上に表に出ない部分がもっともっと多いのではと想像するところであります。県内の麻薬患者等の実態はいかがでしょうか。毎年何人ぐらいが医療機関に診療,治療に来るのか,またその回復の状況はいかなるものなのか,環境保健部長にお尋ねいたします。  また,取り締まりという立場から見て,県内の麻薬類等の不法所持,売買の実態はどのようなものなのでしょうか,警察本部長にお尋ねいたします。  また,エイズに対しても,麻薬に対しても,他府県では青少年,特に高校生向けの教材がつくられているということですが,岡山県では今後どのような教育を進めていくおつもりでしょうか。性教育のあり方も含めて教育長にお尋ねいたします。  最後のテーマは,ゆとりと安心ですが,何といっても学校週5日制は大きな問題です。さまざまな意見があることは承知しておりますが,ここでは取り上げません。長い目で見れば,学校5日制も否定はできないが,かといって現状では問題点もかなりあるというのが公平な見方でしょう。  私が一番聞きたいのは,この9月からこの制度が導入されるわけですが,本当に準備ができているのかということです。ゆとりという言葉がひとり歩きして,ゆとりどころか今まで以上に家庭に負担がかかったのでは何にもなりません。土曜日に子供たちと一緒に過ごせる家は,県下の家庭のうち何%ぐらいなのでしょうか。土曜日に学校に行かないとしたら子供たちは何をするのでしょうか。ある実験校の先生の話では,多くの子供たちが,結局土曜日にも学校へ行って部活動をしたということです。また,塾通いがふえることも事実です。子供たちのゆとりはふえず,ただ学校の授業がないというだけで,同様に家庭にもゆとりが生まれず,ひょっとすると生活のリズムが狂うだけになってしまうことも考えられるのではないでしょうか。先生方も,必ずしも5日制を歓迎する人ばかりではなく,5日制で子供たちと接する時間が減ることが,人間的な触れ合いのチャンスを減らす結果にならないかと心配される人もおられます。長い目で見て必要だから,とにかくスタートして,そしてそのうちに状況も変わってくるだろうというのも現実的な方法かもしれませんが,それにしても,今県教委は各学校に対して,各児童,各家庭に対していかなる準備をしておられるのでしょうか。5日制実施に当たって,どんな困難を想定しておられますか。あるいは困難はないとお考えですか。もし困難を伴うと予測しておられるなら,それに対してどのように対処するおつもりでしょうか。  この件に関しては,ゆとりはまだまだ遠く,それどころか現在教育の現場が抱えている登校拒否,中途退学,校内暴力などの問題に対してもどのように対応していくのか,これらの問題に5日制がどのように関係してくるのか,全く不明のままです。少なくとも,学校週5日制に関して,現在の準備,何か起きたときの対処,また本当のゆとりへの方向づけ,時期など,教育長のお考えをお尋ねいたします。  最後に,安心して暮らせる生活環境を守るという観点から,暴力団対策について質問いたします。  暴力団対策法が施行され,岡山県下でも財団法人岡山県暴力追放運動推進センターの活動とか,警察の暴力団取り締まりなども一段と強化されているようであります。ところで,こうした官民一体の暴力団排除活動が軌道に乗りつつあることは非常に喜ばしいことですが,それと並行して,暴力団対策法の重要な柱の一つである暴力団組員の組織離脱の援助についても,その社会的な受け皿づくりを整備する必要があると思います。暴力団組織に入るに当たっては,その人なりにさまざまな理由があったと思いますが,やはり末端組員クラスの大半は組織に入ったことを後悔し,チャンスがあれば組織を抜けたいという気持ちを持っているのではないでしょうか。これらの末端組員が次々と離脱していけば,組織はおのずと崩壊していく以外にないわけですから,離脱を積極的に勧めていくことが,暴力団壊滅の近道ではないかと思われます。岡山県警では,暴力団関係者の組からの離脱などの相談に応じる専用電話離脱110番を開設されたと伺いましたが,その効果はいかがでしょうか。  先ごろ福島県では,警察と県内企業などにより暴力団社会復帰対策協議会という組織を結成し,組織を離脱する組員の社会復帰を側面から支援するための受け皿づくりをスタートさせたという報道を目にしました。暴力団取り締まりや組事務所撤去運動も確かに大切なことでありますが,さらにもう一歩踏み込んだ対策として,福島県のような活動を展開していけば,暴力団壊滅を一層効果的に進めることができるのではないでしょうか。県内における暴力団組員の組織離脱促進のための対策の推進状況と社会復帰のための組織づくりに取り組む計画はあるのか,警察本部長にお尋ねして,私の民主クラブの代表質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  民主クラブの橘議員の代表質問に順次お答えを申し上げます。  まず最初に,大変難しい話があったわけですが,政治は何を目指すかというようなお話のようでございましたが,その中で政治と金,政治家と企業の癒着,そういう問題をいかにして断ち切ることができるかというようなお話があったと思いますけれども,これはなかなか一概にこれということが言えない問題を含んでいるのではないかと思いますが,1つには,やはり政治とか行政というものが,許認可というもの,我が国の行政規制とか政治規制とかいうものが多過ぎまして,許認可を要する事柄が多過ぎる。したがって,企業が政治家に結びつかざるを得ないというような形があるということになるんではないかという気がいたします。そこで,企業と政治家の癒着ということが生ずると言われるようなことが起きると。  それから,またもう一つには,選挙に金がかかり過ぎるとよく言われる問題であります。つまり,それは政策の争いではなくて,個人本位の選挙が行われておる。今の中選挙区制というものを中心にしてはそういうことになっているということで,個人本位の選挙であるということになれば,やはり支持者の獲得ということが一番大切でございますから,そのためにいろんな活動をすると大変にお金がかかるということになりまして,これは自分の財産だけでは賄い切れないという問題がどうしても出てくる。それが企業なり個人なりに寄附などを依頼するというようなことにならざるを得ない。そして,それが行き過ぎるというようなことがあり得るということではないかと思うわけでございます。  したがって,許認可事項とか,そういう利権にかかわりそうになるものを極力少なくすることが一体できるのかできぬのかと,そしてまた個人本位の選挙というものを政党本位の選挙というものに切りかえるということができるのかできないのかと,そのことをするためにはどういう制度改革が大変必要なのであるかと。しかし,結局最終的には,国民の政治意識といいましょうか,それから政治家の倫理の問題に帰着するということでございますが,さらに言えば,それは国民の政治意識や倫理感が一層高まるということでなくてはならないということではないでしょうか。  それから,政界再編についての展望でありますとか,政権交代の意味でありますとか,議会制民主主義のあり方というようなことについていろいろお話がございましたが,確かに,今や東西冷戦が終わりまして,新しい国際秩序の構築が模索される中で,我が国が国際社会においてどういう役割を果たすかということが非常に注目もされ,またその責任も高まっておるということでございますけれども,一面では,国内では経済的な豊かさを背景にいたしまして,国民のいろいろな要求が多元化しておりますし,価値観の多様化が進んでおるということでございますから,政治は,まことにそういう意味で内外の環境が大きく揺れ動く中で,その変化に柔軟にどういうふうに対処していくかと,そういう環境の大きな変化に的確に対応していくということが極めて望まれるということでございます。  そういう意味では,時としていろんな関係で政党間にいろいろな考え方が生まれてこなきゃいけないわけですが,今までの冷戦構造をそのまま国内に持ち込んだような構造がいつまでも続いているという批判がよく行われているわけですけれども,そういうこともお互いに考えながら,やはり各政党,特に野党におきましては,いつでも政権を担当することができるような体制にあるか,そしてまたそういう政権担当者としての能力を持っておるかと,また持っておることが必要でございますが,政界の再編成というような問題は,そういうところでなされるのではないかという気がいたすわけでございます。そういう意味で,私は,常に政治というのは政権交代の可能性を持った緊張状態にあるというようなことが,そういう中で政治が行われるということが議会制民主主義の発展につながるのではないかというふうに私見としては考えておるところでございます。  それから,地方自治というものが,県政の中ではほとんど考えられないんだと,非常に大きな機関委任事務を背負わされておって,まるで国の出先機関のような格好が今の府県のあり方だと,そういう意見は確かにございます。私どもは,したがってその機関委任事務の整理というものを多年にわたって主張し続けてまいりましたし,また同時に,地方分権というものを大いに断行してくれるようにということは,あらゆる機会に主張してまいっておるわけでございます。しかしながら,現在でも,本当に地方地方が真剣になって考えて,そのわずかなすき間かもしれませんけれども,そのすき間を十分活用して,地方の将来像を描き,地方の向かうべき道を考え,そしてその発展のために力を尽くしていくということは,これはある程度は可能でございます。そういう意味で,大変難しいことではありますけれども,そういう規制の強い中で,できるだけ,逆にいえばそういう規制を逆手にとるというほどではありませんけれども,あるいは補助とかそういうものもうまく活用して目的を達するということで,知恵を尽くし工夫をするというような必死の努力を各地域社会,地方団体は行っておると思うわけでございます。  そういうことですけれども,地方のことは地方で考えるということが地方自治の本旨であることは間違いありません。したがいまして,現在でも狭い範囲の中ですけれども,地方の自主性を最大限に発揮する努力を続けていくということを我々はこれからもやっていかなければならないと思っておりまして,全く絶望的だということを考えるべきではないと思います。  私はそういう意味で,そういう絶望的な中でまだやっとるかっちゅうお話があるのかもしれませんけれど,絶望的にしたくないということで頑張らなきゃいけないと思っておるわけでございまして,したがって一貫して私は人間尊重,福祉優先を基本理念といたしまして,調和と愛情と対話の県政を進めてきたつもりでございますが,引き続きこういう政治姿勢を堅持しながら,本当の地方自治の確立と県民福祉の向上のために努めていきたいと考えております。  20年という歳月というのは長いといえば長いんですが,私自身にとりましては,全くあっという間の20年でございました。今後は,21世紀を「活力ある成熟社会・おかやま」として,そういう岡山を迎えるために,県議会初め県民皆様と手を携えまして,岡山の未来のために相変わらず夢とロマンを語り続けていこうというふうに思っておる次第でございますので,よろしくお願いをいたします。  障害を持った人たちの関係でございますが,精神薄弱者の実態は,平成4年3月末現在で,療育手帳所持者で見ますと,精神薄弱児が1,805人,精神薄弱者が5,349人,合計で7,154人でございまして,障害の程度では中・軽度者が3,986人,55.7%,重度者が3,168人,44.3%ということになっております。  生活の実態については,施設入所者が2,516人,35.2%,在宅者が4,638人,64.8%ということになっております。  就職についてですが,公共職業安定所に求職登録をしておる者のうちで,平成4年3月末現在で1,326人が就労をいたしております。それは中・軽度の療育手帳の交付を受けている人たちの中の33.3%であります。そのほかに,地域の作業所で就労している者が,重度を含めて269人ということになっております。  就労援助ですが,就職予定企業の作業環境に適応させるための職場適応訓練制度,あるいは既設の障害者雇用促進のための各種の助成金制度を活用するほか,本年度新たに県の単独事業として障害者職場定着奨励金制度を創設をいたしまして,一層の就労の促進を図ることにいたしております。  雇用の実態ですが,障害者雇用促進法に基づく平成3年6月の雇用状況調査で見ますと,障害者全体の2,888人のうちで,精神薄弱者が204人となっております。  グループホーム,生活ホーム等の問題ですが,平成4年3月末現在で,グループホームは8カ所33人,単県制度として生活ホームを7カ所整備して29人が入居しております。平成4年度では,グループホーム5カ所で定員23人,生活ホーム6カ所で定員25人の整備を予定しております。  これらの運営につきましては,精神薄弱者援護施設が入居者の健康管理とか,食事提供とか,あるいは金銭管理などを行っておりまして,今後とも関係者と十分協議しながら,適切な運営が図られますように努めてまいりたいと思っております。  ノーマライゼーションに対する基本的な考え方でありますが,障害者や高齢者と健常者が,地域社会の中で人間としてごく普通に暮らして,ともに支え合い自立した社会生活が送れるということが,そのことこそがノーマルであるとする理念であると考えておりますが,現在,それはもう整備を進めております。既に我々は吉備高原都市の中にまさにこのようなものをつくりたいということで考えてきた一つの命題でございまして,したがって,あそこに住居がだんだん整備されていきますと,健常者と障害者がともに共生,共存するということにぜひしていきたいと思っておりますが,現在でも,重度障害者が先端技術を身につける吉備NC能力開発センターでありますとか,多数雇用事業所の吉備松下などで,障害者が健常者とともに生き生きと働いて生活を楽しむ姿が随所に見られるところでございまして,さらにまた,これらの施設を卒業いたしました障害者が,都市の内外の企業へ進出をいたしまして,立派に自立をして地域社会の人々に受け入れられておるのであります。そういう意味で,吉備高原都市の目指すこのノーマライゼーションの実が上がりつつあるということを私どもはしみじみ感じておりまして,多少誇りに思っているところでございます。  それから,精神薄弱者の就労の場の確保につきましては,公共職業安定所で事業主を初め一般社会の理解を得るための指導,啓発を積極的に推進しますとともに,専門官を配置いたしまして,職業相談あるいは個別求人開拓及び各種の援助制度の活用によりまして就労の促進に努めておりますが,精神薄弱者の能力の程度というものは実にさまざまでございまして,指導面で特別な配慮を必要とするわけでございます。したがって,この能力判定と能力開発というものが,個々の人の特性に応じてそういうことがうまく行われれば,もっと自立可能な人が多くなるというふうに考えられるわけでございまして,現在そういう判定や開発のあり方の,あるいはそういう就労の機会を提供するシステムについて,ひとつぜひ具体化したいというので検討を進めておるところでございまして,今後とも,障害者の社会参加と自立促進のために,きめ細かな施策を推進してまいりたいと考えております。  それから,重度障害者の在宅介護対策でありますが,県下の市町村に配置されております460人のホームヘルパーは,高齢者の世帯を対象とするだけでなしに,重度身体障害者の家庭も訪問しまして,食事や洗濯などの身の回りの世話や介護を行う,そういうホームヘルプサービス事業を実施しておりますが,この事業は,高齢者や障害者が住みなれた家庭や地域社会で生活を支援する在宅福祉対策の基本となる施策でございまして,毎年80人程度の増員に努めております。今後とも,市町村と協議しながら計画的な増員を図ってまいりたいと考えます。  このほか,重度障害者の在宅介護を支援するためには,ショートスティ事業などの公的サービスの充実はもとよりでございますけれども,やはり地域住民みずからがそれぞれ介護者となって障害者を支えていくというような,そういう地域づくりを進めていくことが何よりも大切だと思っておるところでございます。  また,入院時の介護につきましては,これは看護の技術というものがだんだん特別に要求されるという点はありますけれども,これはその病院の看護体制の中で考えてケアをしていただかなければならない問題が基本であると思っております。  それから,精神障害者対策で御指摘の岡南地区の取り組みでございますけれども,これはお話もありましたが,地域ケアの先進的なあり方として評価されるものだと思っております。障害者のケアは,地域や家庭でなされるのが望ましいと考えておりまして,県としても従来から在宅ケアの推進に努めておりまして,今年度は共同作業所の運営費補助の充実を図ってまいります。  それから,今後とも,この精神障害者の社会復帰の促進,それから地域での生活を支援するために,地域住民への啓発を進めるとともに,この援護寮,あるいはまた福祉ホームの整備など医療と福祉との連携による各種の施策を地域において充実するように努めてまいりたいと考えております。  それから,要約筆記の問題でありますが,要約筆記の筆記者の養成事業やその派遣事業は,県としては今財団法人岡山県身体障害者福祉連合会に委託をして実施をいたしておりますが,要約筆記ボランティアの養成は,毎年岡山,倉敷,津山の3会場で,おのおの20人程度の養成を行っております。平成3年度末現在で要約筆記ボランティアの登録者数は101人でありまして,公的機関の主催する行事等には,これらの要約筆記者を派遣しておるところでございますが,派遣状況は,元年度は51件,2年度は65件,3年度は103件というふうにだんだん活用されておるという状況でございます。  このほか,市町村が実施する要約筆記ボランティア等の養成事業に対しまして助成も行っております。平成3年度は,玉野市など9市町村に対して助成をいたしましたが,今後とも養成や県事業等について充実を図ってまいりたいと思いますし,広報紙等を通じて広く県民の皆様に理解を得るようにしてまいりたいと考えております。  それから,外国人の留学生会館の御提案でございますが,もう橘議員が予想されておりますように,私はそれはノーマライゼーションには反するという考え方を持っておりまして,留学生会館という特別なものをつくるんじゃないと,やっぱりその人たちも岡山の中で下宿をしたり,いろいろなところへ入って,そしてみんなと交流をして日本を理解してもらうと,岡山県を理解してもらうということが必要なんではないかと私は思っております。留学生会館という特別なものだけつくりますというと,もう交流なんちゅうものはほとんど考えられないようなことになりがちだと私は思うわけでございます。したがって,そういう意味で,下宿とかそういうものを考えるときに大変苦労されるということになるわけでございましょうから,そこで,そういう経済負担もありますから,県としても経済的に恵まれない私費留学生につきまして,その生活の安定とか学業の成就を図りますために奨学金制度を設けて支援をしておりますが,日本国際教育協会を初めとする各種の奨学金制度の活用を図ることにしていただいておるところでございますが,これからも大学や経済団体,国際交流団体の協力を得まして,留学生が学業に励めるような,そういう条件づくりはぜひしてまいりたいと思いますけれども,どうも特別な会館をつくるということでは,やっぱり「ともに生きる」という姿勢ではないと思いまして,ひとつお願いをしたいと思うのであります。  それから,在日外国人の年金問題でありますが,いわゆる難民条約の批准に伴う昭和57年1月の国民年金法の改正によりまして国籍要件は撤廃されましたが,国民年金の対象範囲も拡大されて外国人も被保険者になりましたけれども,御指摘のように障害基礎年金の支給につきましては,57年の1月1日において20歳以上で既に一定の障害の状態にあった人は支給対象に含まれていないということでございます。県内にも,障害基礎年金を受給できない方がかなりおられるというふうなことも聞いておりますけれども,しかし県としては,この問題は,基本的には国の責任で対処すべきものであるというふうに考えておりまして,国会でもいろいろ論議をされておるということも聞いておりますから,その動向をひとつ見守らせていただきたいと思っておるところでございます。  それから,外国人労働者の問題でございますが,外国人労働者に対して日本は門戸を開くのか開かないのかと,確かに日本人というのは,やっぱり御指摘のように閉鎖社会なんですね,これは。それは,単に普通の一般の意識がそうだというだけでなくて,産業界におきましても労働界におきましても,そういう壁というのは大変あるわけですね。したがって,なかなかその壁が取れるまでには時間がかかるのではないかというふうに思っておりまして,そういう意味で,日本人中心の閉鎖社会をいかにして改めていくかと,そして外国人と日本人が共存共生すると,そういう開かれた社会をつくり上げていかなきゃならないことは確かだと私も思います。  そのためには,やはり国と国とで何か政府間で交渉するということだけではなくて,やはりそういう意味で,それぞれの地域が海外と直接に結びついて,各地域について交流を深め,そして理解を養うというようなことがだんだんと高まっていくことが必要ではないかというふうに思っております。  単純労働者の受け入れ問題につきましては,大変論議があります。私どももいろんなところで意見を聞きますが,賛成っちゅう人はもうほとんどおりません。どうも大変だなという気がいたします。そういう意味で,国における議論の方向とか国民的コンセンサスというものを得るということの時間がかなりかかるのではないかというふうに思っておる次第でございます。  チボリ公園でございますが,クラボウに対しましては,現在まで主として土地利用を中心に当方の考え方を話しまして検討をしてもらっているところでございまして,今後クラボウの考え方も引き出しながら早期に条件を煮詰めていくことにしたいと思っておりますが,同時に,事業計画の見直しも進めていくことになるわけでございますから,したがって事業の円滑な推進を図りますためには,県内外の企業に参加を求めまして資本の充実を図るなど,事業主体の強化に努めていくことが肝要であると思っております。なお,チボリ・ジャパン社,経済界などの関係者とも連携を図りまして,チボリ公園の意義,魅力などを訴えながら,事業の趣旨に賛同していただける企業の協力を求めていくべきだと思っておる次第であります。  児島湖のヘドロしゅんせつの現状でございますが,昨年の12月に国がしゅんせつ作業時の汚濁発生の少ない吸引式による試験工事というものを開始をいたしまして,現在,底泥の処理方法として天日乾燥法や真空脱水法について,乾燥の度合い,経済性を比較試験中でございまして,専門家の検討を経まして9月末には結果が出ることになっておりますので,御了承いただきたいと思います。  また,底泥の再利用につきましては,昨年度はれんがなどを試作をいたしました。さらに,本年度はタイルやブロックなどの試作と利用を検討しておるところでございます。  それから,児島湖の周辺整備の計画でございますが,貴重な水辺空間でありますから,この水質を浄化して,県民の憩い楽しめる場所として整備をしていかなければならないと考えておりまして,昨年策定をいたしました児島湖流域の環境の保全に関する基本方針に沿いまして,景観や自然環境に配慮した周辺整備の基本構想を検討いたしておるところでございますが,この構想の策定に当たりましては,議会を初め関係の市町村,関係団体等の意見も十分反映したいと思っております。また,それがヘドロのしゅんせつ事業計画の調整も図りながら,できるだけ早い機会にやっていきたいというふうに思っておるところでございます。  産業廃棄物の最終処分場でありますが,将来的には各地方振興局管内の廃棄物が処理できますように,各管内ごとに1カ所程度の処分場が必要だと考えておりまして,選定の基準としては,地形,地質等の自然条件や,あるいはまた土地利用や交通事情等の社会条件も考慮する必要がありますが,またこれとあわせまして,今後10年間の地域別の排出量でありますとか最終処分見込み量を算出いたしまして,既存の処分場の残存容量等も勘案しながら,事業主体を含めた建設について,また地域による優先順位も決定をしてまいりたいと考えております。  それから,処理の実態でありますが,産業廃棄物は平成2年の搬出量は約560万トンと推計されておりまして,焼却あるいは脱水等の中間処理が行われた後に,再利用や埋め立て処分されておるわけでございますが,平成2年度の県下の埋め立て処分実績は約172万トンで,そのうちで県外から搬入されたものは約27万トンということになっております。  なお,県外へ持ち出されて埋め立て処分されたものは約3万9,000トンというふうに見込んでおります。  アンケート調査等の御提案もございましたが,逐次実態を把握することに努めまして,今年度は課題の多い廃プラスチック類についてアンケート調査を実施することにいたしております。御了承いただきたいと思います。  それから,ごみ処理の基本姿勢でございますけれども,産業廃棄物というのは,搬出事業者が責任を持って処理するのが原則であります。しかし,同時に,県民の不安を解消するために公共関与も必要と考えまして,本年度適地調査等に取り組んでおるところでございますが,今後とも,排出事業者の組織化などを行いまして,排出量の抑制,リサイクル等を進めますとともに,適正な処理がされますように関係業界を指導してまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  エイズの実態についてでございますが,エイズ予防法による平成3年12月末の届け出エイズ患者及び感染者数は,中国5県では12名でございまして,全国的に増加傾向にございます。  また,本県におきます感染者数等については,県の感染症対策委員会エイズ専門部会でも公表すべきであるという意見をいただいておりますので,プライバシーの保護に留意しながら,できるだけ早い時期に公表する方向で,どういう項目で公表するのか,内容等について検討しているところでございます。  今後とも,官民19団体で構成されております岡山県エイズ対策推進協議会と連携を保ちながら,県民の方々にエイズの問題を正しく理解していただけるよう知識の普及に努めてまいりたいと考えております。  次に,麻薬患者等の実態でございますが,まず麻薬中毒者につきましては,昭和49年以降,届け出はなされておりません。  回復の状況についてでございますが,法に基づき入院措置されることとなっておりますが,おおむね30日以内に回復するとされております。  なお,昭和49年以前の麻薬中毒者につきましては,毎年1回その生活実態等を調査しまして,再び麻薬中毒者にならないよう指導を行っているところでございます。  また,精神症状を呈したために入院治療をしております覚せい剤慢性中毒者は,平成3年6月末現在11名となっており,ここ数年10名程度で推移しております。  覚せい剤中毒者については,再燃現象が起きることがあるため,その治療期間は長期にわたることもあります。早期発見,早期治療に努めるとともに,麻薬や覚せい剤の乱用防止対策を推進しているところでございます。  以上でございます。 ◎商工部長(秋山孝之君)  お答えいたします。  総合流通センターについてでありますが,流通基盤の整備は,産業の発展に大きな役割を果たすことから,本県におきましては,広域交通網の整備による地理的優位性を生かしながら,現在,県南の岡山県総合流通センターの拡張を行うとともに,県北におきましても,その具体化に努めているところでございます。  一方,工業団地についてでありますが,これにつきましても高度加工組立型企業の導入等により,本県の産業構造の高度化を図る上で,今後ともその整備を進めることが必要であると考えておりますので,御提案の新しい流通センターにつきましては,こうしたことをあわせ考慮し,経済でありますとか物流の動向,企業の進出ニーズ,さらには地域の産業に与える影響や地元の意向などを勘案しながら,今後検討してまいりたいと存じております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  橘議員の民主クラブ代表質問にお答えをいたします。  まず,エイズや麻薬乱用防止に関する教育についてでございますが,学童期からの正しい知識や予防の指導が重要でありまして,国や県,エイズ予防財団,麻薬・覚せい剤乱用防止センターなどの専門機関で作成された啓発資料を学校関係者に配布しますとともに,各種研修会や講習会を通じて教師の指導力を高め,児童生徒に対し正しい知識の普及啓発に努めているところでございます。  特に,エイズ予防につきましては,国が今年の秋までに教師用手引書の改訂を行いますとともに,全国の高校生向けのリーフレットを作成,配布する予定でございます。  本県におきましては,従来の性に関する指導の研究指定校に加えまして,本年度から新たに国のエイズ問題を含む性に関する指導推進事業,これに取り組むこととしております。今後,これらの成果を全県下に広めたいと,このように考えているところでございます。  また,性に関する指導につきましては,発達段階に応じて正しい科学的知識を与えるとともに,生命尊重,豊かな人間形成,人間の生き方の根幹にかかわることであるという認識に立ちまして,一層の充実に努めてまいりたいと,このように考えております。  次に,学校週5日制についてでございますが,子供たちの人間形成を図ることをねらいとして,子供が家庭や地域社会において,ゆとりのある生活の中で個性を発揮したり,豊かな感性や社会性,創造性を培ったりすることを期待しているものでございます。  実施に当たりましては,その趣旨を学校や家庭及び地域社会が正しく理解をし,一体となって取り組まなければならないと,このように考えております。  平成4年3月に出されました岡山県青少年学校外活動調査研究協力者会議の調査では,土曜日にだれかが家にいる家庭は80%と,このようになっております。これまで実験校を設け研究を進めてきたところでございますが,幾つかの地域的な課題はございますが,全体としては,家庭や地域社会の積極的な取り組みが見られ,子供の主体的な生活態度が育ってきております。現在,9月から月1回の学校週5日制の円滑な実施を図るため,市町村教育委員会や各学校に対して,地域の実態に応じた指導者の確保や社会教育施設などでの活動の充実を図りますとともに,子供たちが家庭や地域社会において多様な遊び,スポーツ,文化活動など有意義な活動を行えるよう指導を進めているところでございます。  また,家庭の理解を深めるために,PTAを通してその趣旨の徹底や家庭の教育力の充実など,理解と協力を要請するよう指導に努めているところでございます。  今後とも,家庭や地域社会など関係者との連携を深めながら,円滑に実施できるよう努力してまいりたいと,このように考えているところでございます。御協力をよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  橘議員の民主クラブ代表質問にお答えいたします。  まず最初に,取り締まりという立場から見た県内の麻薬類等の不法所持,売買などの実態についてであります。  昨年中,本県警察で摘発いたしました麻薬類等の事犯は,覚せい剤と大麻事犯でありまして,その検挙者数は覚せい剤事犯で287人,大麻事犯で48人に上っております。  本年に入りましても,5月末現在,覚せい剤事犯で104名,大麻事犯で6名を検挙いたしております。  その検挙者のうち約50%は暴力団関係者で,これらが密売にも深く関与しておりまして,その売上金は依然として組織の有力な資金源となっております。また,密売手口も一層悪質,巧妙化しているところでございます。  また,新規の乱用者の増加が最近顕著に認められまして,大変憂慮されている状況でございます。  コカインにつきましては,いまだ検挙事犯はございませんが,新たな薬物の流入も当然予想されますので,関係機関との連携を一層密にいたしまして,これらの薬物に対します取り締まりを強めてまいりたいと考えております。  次に,暴力団関係者に対します組織からの離脱促進対策の推進状況などについてでございます。  御指摘のとおり,暴力団組員が,その組織から自主的に離脱を図り,善良な市民として社会復帰することは,暴力団壊滅の有効な対策であると考えまして,5月20日,暴力団組織からの離脱相談に専門的に応じます離脱100番を設置いたしまして,相談業務を開始したところでございます。  6月15日現在,暴力団組員本人及びその家族,親族等から「暴力団をやめたい」とか「暴力団から足を洗わせたい」などと,現在までのところ13件の相談がございました。それぞれ担当者を定めまして,具体的な指導援助活動を実施しているところでございます。  これにあわせまして,県内外の企業からも,新聞報道等を見られました方々でございますが,組織離脱者の求人申し込みの電話もかかっておりまして,この点に関しましては大変心強く感じているところでございます。  今後とも,離脱100番の広報活動を強化いたしますとともに,県当局や暴追センターを初めといたしまして,職業紹介等にかかわります関係機関と連携を強化しながら,企業などの協力も得まして社会復帰のための組織づくりを進めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◆22番(渡辺慎一君)  皆さんおはようございます。2日目の本会議でございますが,順序に従いまして質問をさせていただきます。  私は,社会党・県民会議を代表いたしまして,御提案の諸議案並びに当面いたします県政の諸課題について,知事及び教育長,警察本部長に質問をいたします。  きのうの御質問と重複をする点もあるかと存じますが,代表質問でございますので,どうぞお許しをいただきたいと存じます。適切な御答弁を賜りますようお願いを申し上げます。  今,世界は,かつての冷戦構造時代から一部の局地戦争などの状態を除きましては,全体的には協調と調整の時代へと着実に歩み始めています。そして,国連環境開発会議,いわゆる地球サミットも去る14日終わり,人類は自然と調和しつつ,健康で生産的な生活を送る権利があるという思想が今後の世界をリードすると存じます。一方,国内では憲法違反のPKO法,そして衆参両院混乱の中で強行採決をされ,社会党,社民連衆議院議員の辞職願提出という緊迫をした空気の中でございます。また,共和,佐川急便事件と打ち続く金権腐敗政治に対して,あるいは定数是正の問題に対して,何ら政治改革は進まず,ますます国民の政治不信は高まっていると言わなければなりません。そして,バブル経済の崩壊後の減速経済という名の不況は深刻で,そのしわ寄せは国民に一方的に押しかかり,まして就職戦線にも微妙な影響をいたしておる次第でございます。かかる行政の中で,長野知事は御就任以来20年,瀬戸大橋時代の幕明けを初め,近くは中国江西省との友好提携の調印などなど幾多の業績を積み重ねられましたことは,まずもって敬意を表する次第でございます。そして,6選のための選挙を目前に控えておられるのでございます。  私は,まず知事の政治姿勢についてお尋ねをいたします。  その1つは,PKO法と憲法との関係について,政治家長野知事の御高見をお聞かせ願いたいと存じます。  その2は,知事選を控えて,私どもが聞く県民の声でございます。何としても6選は長い。幾多の業績は多といたしますけれども,県政に発想の転換がなく,刺激がない。長期政権の自信か,エリート官僚のおごりか,真の対話の県政がない。そして,官僚性ということは,2つの病理があると言われてございます。  その1つは,統治の病理,すなわち傲慢,不遜,尊大,横柄,頑迷固陋,不親切,無責任であります。  そして2つ目は,管理の病理であります。繁文縟礼,判こ行政,セクショナリズム,縄張り根性,形式主義,そうして専門利己主義であると,ある評論家は評してございます。  さて,もう一つの問題は,官僚性が強く行政的圧力とも言うべきものがある。例えば,最近では上房郡有漢町議会が,本年2月定例議会で「人形峠に回収ウランやプラトニウムを持ち込ませないための意見書提出決議」を行ったところ,県派遣の,医学博士の名刺を持った先生らがたびたび議員のお宅を説得のため訪問したなど報告されております。これらについてどのようにお考えか,御所見をお聞かせ願いたいと思います。  今は亡き元三木知事は,その晩年1964年,マグサイサイ賞の行政奉仕の部で賞をめでたく受賞されましたことは,皆様方も御承知のとおりでございます。その際,フィリピンを訪れられまして,その答辞の中で,「私は,不思議な運命の導きによって人の生命を預かる医師から公衆衛生の医師となり,さらに三転して民衆の福祉のために奉仕する知事に選ばれ,たびたび道をかえ,曲がり角を回ってきましたが,ただ一つ変わらぬ信念としてかたく守ってきたものは,自分が大衆の一人であるということ,大衆の幸福のために奉仕するということこそ人間としての生きがいであるという信念でございました」と述べられております。  また,当時の副知事,故曽我与三郎さんも「常に人間三木としての本領を発揮し,決してその庶民性を忘れなかった。何ら威張ることを知らず,大切なことは,自分も大衆の一人であるということを忘れてはならないとして,県民とともにあることを忘れず,県民との親しみを増していった」と「私なき献身 三木行治の生涯」の中で書かれてございます。我々政治に志す者,常に心にとめておかなきゃならぬことでございますが,もちろん知事も十分御承知のことと存じます。私は,万古不変の哲学理念ではないかと存じます。  さて,その3は,6選に臨まれる重点施策は何と何か,お尋ねをいたしたい次第でございます。  さてその次は,財政問題についてお尋ねをいたします。  バブル経済崩壊後既に1年になろうといたしております。景気の減速傾向は依然としてとどまらず,先行き不透明でございます。東瀬戸圏企業経営動向調査によれば,本年1月~3月期景況は経常利益で前年同期と比して増加したとする企業は15%,横ばいとする企業は40%,減少したとする企業45%と,減少判断企業の割合が大幅に増加いたしております。また,4月~6月期及び7月~9月期の見通しなどの同調査によれば,経常利益について1~3月期に比べて増加すると見る企業は13%,横ばいとする企業は53%,減少すると見る企業は35%,BSIは11.1と,2けたのマイナス予想となっています。収益面で引き続き厳しい局面が続くと見ている企業が多数でございます。しかし,7月~9月期には一部企業で回復の見通しも出始めておるという企業もございますが,昨年度からの収益減による主要な税収である法人事業税の落ち込み,利子割県民税,不動産取得税,個人県民税など伸びが期待できない状態だと思うのであります。私たち岡山県は,本年度,前年度6月補正後予算額に比べまして1.6%増の約2,100億円の税収見込みでございます。そこで,まだ第1四半期が終わらない段階ではございますけれども,税収の見込みをお知らせいただければありがたいと存じます。  景気浮揚策についてお尋ねをいたします。昨日も栗山議員から御質問がございましたが,公共事業の前倒しを積極的に国と同様進めていらっしゃるようでございますが,その進捗状況はどうか,お尋ねをいたします。  次に,チボリ公園建設問題についてお尋ねをいたします。  今議会におきましても,知事は「クラボウとの具体的な話し合いを進めている」中略「クラボウとの協議を急ぐとともに」と御提案を説明なされ,「早期実現を期してまいりたい」とされておりますが,現在どこまで進捗いたしておるのでしょうか。クラボウ株式会社は,経営参加の御意思があるのかどうか。あるいは借地で進めるお考えなのか。御発表ができる範囲で結構でございますので,お知らせいただきたいと存じます。このハードルを超えなければ,都市計画道路昭和宮前線の地権者に対して具体的にお話ができないという倉敷市議会のお声もございます。  さてその第2は,プロデューサーの実力が事業の成否のキーワードと存じますが,だれが担当するのでございましょうか。  その3は,資金については県内外の企業協力を求めると見通しをお話になっておられますが,私は先般神戸レジャーワールド構想を調査いたしましたが,現在,見積もられておる2,800億円という事業費は,減速経済のもとでは調達に無理があるということで,よほど圧縮されておるようでございます。そこで,岡山県の場合はどうお考えか,お尋ねをいたします。  さてその4は,これまで岡山市北長瀬の旧操車場跡地で設計していましたフェーズⅡはクラボウ跡地ではどう生かされるのでございましょうか。  その5は,チボリインターナショナル社へのコンサルタント料は,現在も払い続けているのかどうか,その額は幾らか,またいつまで払うのか,お尋ねをいたします。  私たち社会党・県民会議は,今までも代表質問で申し上げましたように,県民,市民の意見を十分尊重しつつ進めるべきであると存じております。そして,他の都道府県あるいは他の都市でテーマパークはたくさんつくられており,つくられようといたしておりますが,その例に倣い,常識以上の公共予算を投入するべきではない。あくまでも,民間主導で進めるべきであることを強く申し上げ,改めて御見解をお聞かせ願いたいと思います。  さて,次の質問は,県立大学建設の諸問題についてでございます。  今御案内のように,県立大学は総社市に平成5年4月開校を目指しましてつち音高く建設されつつあります。そして,保健福祉,情報工学,デザインの3学部と短期大学部を併設,教職員,学生で最高1,700人の大キャンパスになると予想されています。  そこで,質問の第1は,教授の先生方を初め教員の確保はどうでございましょうか。  第2は,大学入学生が数年先には急減期に入ります。特に,10年後には18歳人口が現在の205万人から150万人に減少するという大学不況時代が来ると言われております。その上,山陽短大が女子大学に,福山市に平成大学が,また倉敷市にも市立大学構想があると承っております。学生確保の対策に万遺漏なきようしていただきたいと思いますが,その方策はいかがか,お尋ねをいたします。  その第3は,交通問題,特に吉備線の電化促進と増便及び服部駅の駅舎改良が必要だと思いますが,御見解をお聞かせください。  さて第4は,学生寮は計画にはないのでございますが,必要だと存じますが,御所見をお聞かせいただきたいと思います。  次に,高齢者保健福祉推進10カ年戦略と社会福祉関係8法の改正についてお尋ねをいたします。  我が国は,世界的にも例を見ないスピードで高齢化が進んでいる幸せな国でございます。そこで,政府は,この戦略を達成いたしますために法改正をし,その中で21世紀の本格的な高齢福祉の到来を目前に控え,高齢者の保健福祉の推進などを図るため,住民に最も身近な市町村で在宅福祉サービスと施設福祉サービスがきめ細かな,一元かつ計画的に提供されるよう体制づくりを進めるとしておることは御承知のとおりでございます。したがって,平成5年4月から,すべての自治体で老人保健福祉計画の策定が義務づけられると同時に,社会福祉施設への入所決定権,すなわち措置権が市町村へ移譲されることになります。そこで,次の数点についてお尋ねをいたします。  措置権移譲については,町村職員の研修が必要であると思いますが,それはどう進んでいますか。  その2は,町村は,この事務増大に伴い,厚生省は92年度では地域計画上地方交付税として町村では91年度と同じく620名分,市では新たに544名分,計1,164名分を予算化していると言われております。具体的には,人口3万人以上の市町村で職員1人増となるようでありますが,人口の少ない,財政力の弱い町村では,仕事量はふえるが人がないということになります。単県費補助はできないのか,お尋ねをいたします。  その3は,振興局の職員も市町村の実地指導あるいはマニュアルの整備など人員確保,資質向上が必要だと思いますが,その対策はいかがでございましょうか。  その4は,市町村の老人保健福祉計画策定でありますが,全国的傾向として民間研究機関などへ委託をする例が起きてございます。県下でも仄聞いたしますところ400万ないし700万円で委託をしておる町村が多いようであります。研究機関は,フローチャートをつくるのは得意でありますけれども,この計画はもとよりアクションプランとして作成されるのでありますから,行政上の判断が必要であると思います。したがって,あくまでも各自治体が担当者,各団体とともに地域福祉の立場からも,住民参加で作成するべきものと思われますが,実情調査の上,御所見をお聞かせください。  さて,この項最後の質問でございますが,昨年度は地域ぐるみの高齢者福祉のむらづくり事業として5カ町村をモデル指定され,成果が上がったと先般も御説明がございました。本年度も引き続き新たなモデル町村を指定するとされておりますが,本年度は何町村を予定されているのか,お尋ねをいたします。  さて,次は同和行政について質問をいたします。  御承知いただいておりますように,地対財特法は皆様の運動の成果として5年間延長されました。しかし,真の部落解放を目指すには,これでは不十分でございます。部落解放基本法の制定こそ必要と存じます。そのためには,県内の意識調査及び同和地区の生活実態の調査が必要と存じます。県内の市町村によっては,既に実態調査も一定程度行われているようでございますが,県として主要施策と言われておる同和問題の実態調査をぜひ行う必要があると存じますので,御所見をお聞かせください。  次に,環境問題についてお尋ねをいたします。  今世紀最大で最後と言われております国連環境開発会議すなわち地球サミットは,去る14日,12日間の日程を無事終え,成功裏に閉幕をいたしましたことは御承知のとおりでございます。人類共通の環境宣言ともいうべき「リオ宣言」,その行動計画「アジェンダ21」並びに「森林に関する原則声明」を決定いたしました。そして,開発途上国への環境援助が大きな課題であり,現行ODAの2倍,各国GNPの0.7%すなわち1,250億ドル(約16兆円)を拠出しよう。日本も9,000億円ないし1兆円の拠出をすることを宮沢総理はお約束された次第でございます。グローバルに見て大きな成果でありましたが,その議論の中,タイで伐採された森林の65%,その他アジア各国で伐採された60%が日本向けであると非難されたことは,我々日本人として強く銘記すべきだと思います。  さて,質問の第1は,岡山県を代表されまして大川環境管理監などが参加されましたが,その成果をお知らせください。  また,これを機会に県政として具体的にどう取り組むべきか,御所見をお聞かせいただければ幸いと存じます。  さて,環境問題の第2は,産業廃棄物処理,特に建設廃材の野焼きの規制強化についてであります。当局は,昨年度より産業廃棄物対策室をつくられ,鋭意取り組んでおられますことにまず敬意を表しますが,この問題につきましては,昨年の秋より規制を強化されましたことは,環境を守る立場から言えば当然と言わなければなりません。しかし,処分場の確保がないままに規制のみ強化されたのでは,困るのは一方的に排出者でございます。県下の大工さんたちで組織されております財団法人岡山県住宅安定協会が去る5月15日から月末まで840名を対象に世論調査をいたしました。回答者は54.1%の435名ですが,産業廃棄物を扱うと答えた人が95.6%と,ほとんどでございます。処理はどうしていらっしゃいますかという質問については,複数回答でございますが,自分で処理する273名,業者に頼む286名,確保できない28名でございます。この確保できない人は,ほとんど市部であり,どこへ行っても処分してもらえず,困惑されておるのであります。また,大部分の人が,処分業者に懇願をいたしまして,現在までやっと処分をしてもらっていますが,いつ断わられるかわからないという現状であります。不思議な話でございますけれども,笠岡の方からはるばる岡山まで軽四に積んで持ってきて,やっと処分がしてもらえたという例も承っております。また,料金は,規制強化のとき以来大幅に値上がりをし,2トン車1台が5,000円から2万5,000円とばらつきがあり,特に岡山,倉敷が高く,中には2万5,000円以上払ったという人もあります。  そこで,具体的に質問をいたしますが,その一つは,産業廃棄物処理業者のうち,木くずの焼却処分の許可を持っている業者は県下に9社しかございません。特に,岡山,倉敷では5社しかないというのが現実でございます。そこで,きょう今日,現実にこのうち稼働しているのは何社と思われるか,お尋ねをいたします。  その2は,建設廃材の不法投棄が各地で続発していることも考え,早急に,何としても処分場の確保対策を急いでいただきたいと要求する次第でございます。なお,これに関連いたしまして,工務店など中小の建設業者が自分で廃材の処分場をつくる場合の助成措置をお願いできないか,御所見をお聞かせください。  その3は,料金適正化を設定するために,行政指導をしてほしいのでございますが,いかがでございましょうか。  その4は,廃材を出す施主の理解を得るためにも,県の広報紙などによるPRをお願いしたいと思います。  以上,知事の誠意ある御答弁をお願いしたいと存じます。  さて,回収ウラン転換実用化試験について,これに反対し,美しい郷土と自然と水をかわいい子供や孫に引き継ごうとする運動についてお尋ねをいたします。  全県下第1次署名を集約いたしまして,去る6月10日,51万4,948人の署名簿を代表者ら50人の手によって知事に提出いたしましたことは御承知のとおりであります。先年の条例制定の直接請求,34万人余りよりはるかに多い署名でありますゆえに,その重みをかみしめてほしいと思うのでございます。そして,その中身は,農協や生協,食品メーカー,地域の女性グループなどなどが積極的に参加をしたものでございます。ところが,この運動に対して,動燃の対応はどうであったか。大金をかけた数度にわたる新聞広告,動燃職員の同窓生に対する親書作戦,反対決議をした上房郡有漢町など,自治体に対してこれまた圧力,そして毒物及び劇物取締法違反などあり,積極的にデータを公表して安全性を主張するというものではなかったと言わなければなりません。  かかる中で,県はかねてからお約束のように環境放射線専門家会議を設置されました。そこで,お尋ねをいたしますが,委員の選任基準と,今後の審議内容を公開してほしいと思うのでありますが,知事の御所見をお伺いいたしたいと存じます。  次に,農業,農政問題についてお尋ねをいたします。私は,農林常任委員に属しておりますが,代表質問でございますので,お許しをいただきたいと存じます。  さて,農水省は,去る6月10日,新しい食料・農業・農村政策の方向,すなわち新政策を発表いたしました。そのポイントは,食料,農業政策への国民合意の確立,国土環境の保全,食料自給率低下に歯どめをかける食料政策,農業政策の目標は,職業として選択し得る農業,稲作の場合は個別経営体で10ないし20ヘクタール規模,地域住民による育成すべき経営体の明確化,規制と保護を見直した市場原理,競争原理を一層導入,農業経営の選択肢の拡大などなどでございます。私たちは,思い起こせば昭和36年,農業基本法が制定されました。以来,実に30年余り,農業の国際化という名の自由化攻勢,国内的には過度な生産性の向上,効率性,農業予算の削減,農産物価額の低下,したがって農業所得の減少,結果として担い手,後継者の深刻な不足,耕作放棄地の増大,村落の農家離村あるいは消滅というかつてない危機的状況を呈しております。まずもって,これを強く反省してこそ新農政を打ち立てるべきだと存じます。新農政,またして農業基本法の延長論であってはなりません。特に,食料自給低下に歯どめをかけたとはいうものの,向上の展望がありません。国境措置への姿勢や規模拡大や農業経営体育成への具体的道筋が明らかでございません。中山間団地での所得確保,農業の持つ広域的評価,農産物の流通政策の視点が不十分だと私たちは考えております。知事の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。  さて,かような議論を残しながら新農政は打ち立てられましたが,果たして将来の展望として実現が可能でありましょうか。その前に,まず私たちは,ここ10年間の岡山県農業の構造を検証してみる必要があると存じます。  まず,農家数は18%減,農業人口は15%減,経営耕地規模に農業戸数の増減を見ると,2ヘクタール以下では20%前後減少,2ヘクタール以上ではやや増加しており,特に5ヘクタール以上では県南でございますけれども,59戸が77戸にふえております。また,新農政の言う10ヘクタール以上の農家は,残念ながら1985年全県で19戸,90年でも25戸しかございません。農地面積は,ここ10年間で7.4%減少いたしております。また,就業人口の変化は,29歳以下は7.8%から4.9%にダウンをし,逆に60歳以上は48.7%から64.4%にふえております。この事実から私たちが申せますことは,その1つは,稲作においても,いかに規模拡大が難しいかということでございます。また,集積をいたしましても,飛び地であっては効率が上がりません。このことは,実は明治20年代の井上馨農商務大臣──古い話でございますけれども,その時代からの農政の課題であったと聞かされ,一層その感を強くせざるを得ません。しかし,全国的には一村共同営農方式,耕作放棄地ゼロの村として有名な長野県上伊那郡宮田村あるいは岩手県東磐井郡の川崎村の先進例などもあることは御承知のとおりであります。  そこで,本県では,規模拡大をどのようにして今後進められるのか,御計画をお聞かせいただければありがたいと存じます。  その2つ目は,就業人口の高齢化であります。後継者難は大変深刻でございます。もう5年たったら,我が村の農業はどうなるのだろうと,心ある人々は異口同音,非常に心配しております。生産が落ち込むのみならず,公共公益性ともいうべき用排水路の管理,公道や農道や,あるいは畦畔の草刈りなど大変であります。赤磐郡赤坂町では,先日企業との合弁で,この危機を乗り切ろうと,難波町長は計画を発表されたことは御承知のとおりでございます。そこで,社会党は,本年3月に,国会に対しまして,フランスのDJAに学び,青年農業者就農援助法案を提案いたしてございます。本県における後継者不足問題の対策と,この法案に対する知事の御所見をお聞かせください。  また,中四国農政局の先日の調査を拝見いたしますれば,「受け皿づくりができればUターン組はあるぞ」と言われておりますこともあわせお考えいただきたいと存じます。  第3は,中山間地域の農業の問題でございます。私も,休会中,久米郡久米町,阿哲郡神郷町,和気郡吉永町などなどの過疎の地域を歩いてみました。県下にはもっともっとひどいところがあるということを思うとき,工業優先,農業軽視,地域破壊の現実を嫌というほど知った次第でございます。この荒廃ぶりは,瀬戸大橋の及ぼす経済的波及効果を県内くまなく及ぼすという県政の重点課題とはまさにほど遠く,逆行していると言わなければなりません。農民作家である大田忠久氏は,新緑の山々を見上げながら「山は美しく村は寂しく」と嘆きました。過疎問題は,新過疎法が制定されました今日,これらの法律を駆使いたしまして総合的に取り組まなければなりませんが,かねてから本議会でも小田春人議員などからお話のございましたデ・カップリング政策については,その後いかにお考えでございましょうか。新農政では,残念ながらその方向性が明らかにされておりません。しかし,高知県,宮崎県では,国に強く要請すると同時に,検討されておると承っておりますので,知事の前向きの御所見をお聞かせください。  また,県内には耕作放棄農地がどれぐらいあるのか,この対策はいかがお考えか,お尋ねをいたします。  次に,農産物のコストダウンの問題でございます。これは,新農政の方向を待つまでもなく,外にあっては国際化のとき,内にあっては農家の所得,労働時間,労働の質が問われている今日,避けて通れない問題でございます。基幹作物である稲作につきましては,ただいま岡山農業試験場で10アール,5時間,軽労働稲作技術体系の確立,不耕起乾田直まきによる水稲の超省力栽培技術の開発が進んでおります。まさに,人工衛星を打ち上げるような画期的なことでございまして,心から御成功を祈るものであります。そのためには,県,試験場,農協,農業者などなど,一体となっての推進,またそのピッチを上げることが必要だと存じますので,御努力をお願いいたしたいと存じます。また,予算はしっかり確保していただきたいと,かようにお願いをする次第でございますが,御決意をお願い申し上げます。  次は,ポスト水田農業確立対策についてお尋ねをいたします。この問題につきましては,新農政では,奨励金依存度から脱却の課題とされ,農家のリスク負担のもとで主体的判断による仕組みが必要とも報道されてございます。今日まで,我々は食管を守るため,自由化を阻止するためということで,水田農業確立対策事業等に協力してまいりましたが,これでは生産者及び生産者団体は「よろしい」と言うわけにまいらないのでございます。農水省は,いつごろ,どのような案を発表される見通しなのか,わかればお知らせください。  なお,この際申し上げておきたいと存じますが,生産者米価につきましては,生産者団体は実に7年ぶりの値上げ要求をいたしておりますので,知事の一層の御努力をお願い申し上げる次第でございます。  次は,森林法及び国有林野事業改善特別措置法改正に伴う森林整備事業計画,すなわち流域管理について,どこまで本県では進捗しておるのか,お尋ねをいたします。  政府では,去る4月14日,3兆9,000億円の投資計画が閣議決定され,本年度予算は1,800億円が予算化され,事業費ベースでは4,600億円になると言われております。本県の御計画をお知らせください。  最後に,県産和牛の改良促進についてでございます。この問題につきましては,昨年12月定例県議会におきまして,我が党の代表質問で中山議員が,また一般質問で井手議員が適切な御質問をなされ,知事から御答弁をいただいておられます。当局におかれましては,関係団体とともに牛肉の輸入自由化が現実になった厳しい情勢の中で懸命の御努力をなされておりますことに敬意を表しますが,重ねて強くお願いしたいと思います。と申しますのは,去る5月15日から3日間,全国和牛能力共進会が大阪市で開催されました。岡山県は2等賞であり,生産者及び業界関係者ともショックを受けてございます。また,近県和牛子牛市場調査もいたしてみましたが,その成績は昨年度の例でございますけれども,兵庫県,島根県に比べて相当価格の差がございまして,山口県に次いで中国地方では安いのでございます。また,枝肉市場も調べてみましたが,御承知のように肉質の等級は1から5までの5等級で表示されてございますが,昨年度1年間の平均を調べてみますと,岡山市場は4以上が46.1%,大阪南港市場では4以上が73.4%でございます。県産和牛は,体型あるいは増体量につきましては,大変すぐれておる特性を持っとることは申し上げるまでもございませんが,早熟,早肥,肉質の時代でございますだけに,育種,飼養の管理と技術を一層御研究をしていただきまして,かつての千屋牛に代表される和牛王国岡山を再現していただきますようお願い申し上げ,御方針をお聞かせいただきたいと存じます。  さて次に,教育委員会に対しまして,学校週5日制の実施についてお尋ねをいたします。  いよいよ本年9月第2週から月1回の学校週5日制が全国的に本格実施されることになりましたことは御承知のとおりでございます。御当局の御努力に敬意を表する次第であります。既にこの制度は,1960年代から世界の趨勢となってございます。子供にゆとりと活力を,教職員もゆとりと豊かさと元気を取り戻す,このことがまさに90年代の我が国教育改革の出発点であると存じております。日本PTA全国協議会は,去る8月,高知県で全国研究大会を開かれ,この制度は子供のことをすべて学校に依存する体質を改め,知識修得に偏った教育を是正をし,子供たちを伸び伸びと教育するための一つの仕組みであるとして,国民みずからの問題として対応することが必要と,導入に積極的な姿勢を明確に打ち出されておるのでございます。そこで,幾つかの点について御質問いたします。  その1つは,啓発活動がおくれているのではないでしょうか。学校任せではなく,行政も積極的に啓発を必要と存じますが,御方針をお聞かせください。この問題につきましては,きのう橘議員からも御質問がございました。  さて,その2は,実施のための条件整備を,関係団体,行政,学校ともども協議をして急ぐべきであると思います。走りながら考えるでは遅いと思います。既に大阪市では,映画館開放など検討していると聞くのでございますが,岡山県の対応をお聞かせください。  その3は,本年度から小学校の新学習指導要領が変更になり,実施されております。来年度からは中学校,6年度からは高等学校が変わってまいりますが,それによりますと,カリキュラムは6日制となっております。私たちは矛盾していると思われてなりません。その上,教科内容は1年繰り上がるものもございます。例えば,小学校3年生で時計を教えておりましたが,ことしからは2年生で時計を教えることになりました。大変難しくなっております。したがって,文部省は,授業は削るな,学校行事を圧縮せよということのようでございますが,具体的にどう指導するのか,以上,教育長の御所見をお尋ねをいたします。  さて,次は暴力団対策についてお尋ねをいたします。  その前に,現在も進行中であります岡山市浜地内の暴力団組事務所進出阻止の住民運動に対しましては,財団法人岡山県暴力追放運動推進センターの職員の方々を初め,所轄の岡山東警察署や警察本部から全面的な御支援をいただいており,着々と運動の成果が上がりつつありますことに,心からお礼を申し上げたいと存じます。  さて,暴力団対策法についてお尋ねをいたしますが,新聞報道等によりますと,東京都や兵庫県の公安委員会が,全国的組織である山口組,住吉会,稲川会などの聴聞を行ったほか,中国地方でも先般,広島,山口両県で,それぞれ県内暴力団に対する聴聞が開始されたとのことであります。我々は一日も早く新法に基づく指定作業が完了することを願っておりますので,警察当局におかれましては一層の御努力をお願いいたしたいと存じます。  ところで,県下には現在約40団体もの暴力団組織があり,その6割は山口組系と伺っております。山口組系の暴力団は兵庫県公安委員会が山口組系本家を指定すれば,すべての系列下の組織も指定されたことになるのでしょうか。また,そうなれば山口組以外の暴力団についても山口組の指定にあわせて早目に公安委員会が指定を行う必要があるように存じますが,そのあたりの見通しをお聞かせください。  また,最近,ある弁護士さんが書いた「解読暴力団新法」という本が出版をされ,中身は暴力団対策法が憲法違反であるなどという論調で述べられております。当県議会では,新法制定に先立って,昨年2月定例議会で県民すべての願いを込めて,全会一致で暴と団対策立法化に関する決議を採択しておるのであります。この法律に対する見解は,人によってさまざまであろうかとは存じますが,法を重視している善良な市民と,暴力によって善良な市民を食い物にしている暴力団と同じ人権基準で評価することはいかがであろうかと存ずる次第であります。ただ,法律は運用次第では制定趣旨と異なった効果を生ずる懸念もなきにしもあらずでございます。この本の著者も心配してこのことをおっしゃっておるのだと存じますが,この際,県警本部長に暴力団対策法の運用方針を改めてお聞かせいただき,一部の人たちの懸念を払拭していただきたいと存じます。  次に,質問は,交通事故防止についてでございます。  県下の交通死亡事故数は,まことに残念なことでありますが,昨年同期と比較をいたしまして,6月15日現在23人増加しております。その原因のかなりの部分は,若者のスピード違反でございますが,中でも特に目立っておりますのが東備西播開発有料道路,通称ブルーハイウェイの交通事故であります。昨年中に43件,死者は2人,重軽傷者実に86人の事故者が出ており,高速道路を除いた県下他の有料道路より飛び抜けて多いのでございます。スピード違反,無理な追い越しが原因の正面衝突事故が多発しております。もちろん原因は運転者のモラル不足が大ではありますが,その一方では,道路の交通規制の面とか,安全施設面で再検討を要する問題があるのではないかと思うのであります。  すなわち,追い越し禁止の規制や対向車線と分離するための施設が少ないといった点でございます。また,名称がハイウェイとなっていることから,運転者が高速道路を走っているような錯覚を持っているのではないかと思いますので,水玉ハイウェイとともども名称を変更してはと考えるのでございます。交通規制の面では,公安委員会,警察との協議も必要かと存じますが,安全対策は早急に必要と存じますので,道路管理者であります知事の御所見をお聞かせ願いたいと存じます。  さて,いよいよ最後の質問でございますが,岡山市の場外馬券売り場設置を岡山市議会が去る2月定例市議会で決議をされました問題について,教育長及び県警本部長に御所信をお伺いいたしたいと存じます。経過につきましては,よくよく御承知のことと存じますので,省略をさせていただきますが,子供の生活環境や教育を守るため,また交通問題を解消するため,あるいは治安,風紀の点からも,地域に幾多の影響があると存じますので,それぞれお考えをお聞かせくださいますようお願いをいたします。  以上で私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  社会党・県民会議の渡辺議員の代表質問に順次お答えを申し上げます。  まず最初に,PKO法と憲法との関係ということでございますが,憲法の基本理念でありますところの恒久の平和を実現するために,我が国は国際社会の中で積極的な役割を果たしていくことが求められておるわけでございますが,このたびの国会で可決されましたPKO協力法が適切に運用されることを,私どもとしては見守ってまいりたいと考えておりますので,御了解を願いたいと思います。  それから,その次に,県民の声についての所見ということでございますが,かねて申し上げておりますように,私は,知事就任以来「人間尊重,福祉優先」を基本理念といたしまして,ひたすら県民の幸せを願って,調和と愛情と対話の県政を進めてまいりました。これが発想の原点でございまして,転換すべきものはないと考えておるわけであります。しかし,具体的な施策につきましては,これはもうそのときそのときの,その期その期を初心に立ち返りまして反省もしまして,そのときどきの政策課題に新しい角度から適切に取り組んできたと考えております。  それから,県民の皆様との対話についてでありますが,これまでも時間の許します限り県内各地に出かけまして,地域の状況を見ますと同時に,振興局ごとの市町村の連絡会議でありますとか,「話し合うつどい」でありますとか,また直接お会いできない場合にも「知事へひとこと」というはがきでの提言などを通じまして,県民皆様のいろいろな生の声を拝聴いたしまして,すぐれた御意見や御要望はできるだけ施策に取り入れるように努めてまいったつもりでございます。  また,県政運営の指針となりますところの岡山県総合福祉計画の策定に当たりましては,県民各界各層の御意見を伺いまして,計画に反映をさせてきたところでございまして,しかし,それでも十分でないということをいつも痛感をしておりますから,今後は,今まで以上に各地に出かけまして,地域の皆様方や,特に話し合いや意見を聞くことの少なかった方々たちとも直接話し合いの場を持ちまして,御意見を承りたいと考えておるところでございます。  それから,その次に,私が一番言われるのが嫌なことをおっしゃいましたけれども,おまえは官僚だと,こうおっしゃるんでございます。私は,もう既に役人をやめましてからの方が随分時間がたっておるわけでございまして,と同時に,かねてからいわゆる役人的な発想といいましょうか,官僚的な発想というのが実は大嫌いでございまして,そういう意味では,自分としては最も官僚的でないと思っておるところの人間でございますが,どうも経歴がそうだからそうだと,こういうレッテルの張り方というのはひとつ御容赦願いたいというふうに思うわけでございます。  それから,有漢町のことがございましたけれども,これは私どもも全くあずかり知らないことでございまして,それからいろいろ,それでも気になりますから多少様子を聞かせていただいたんですけれども,そういう事実はないということでございます。したがって,いずれにいたしましても,しかし行政圧迫を受けるというようなことがあってはならないということでございましょうから,今後とも,対応については十分ひとつ注意をしてまいりたいと考えます。  それから,6選に臨む重点施策ということでございますが,これまでに積み重ねてまいりました実績を踏まえまして,これからはこれらの成果を最大限に活用しながら,その効果を県内くまなく波及させるように努めてまいりたい。さらに,県立大学とか,リサーチパークとか,なお拠点施設で整備しなきゃならないものもあるわけでございますが,同時に,県民皆さんが安心と生きがいを持って暮らせるためのシステムづくりというようなものを考えていかなければならない。そして,真に豊かで活力のある郷土づくりを推進してまいりたいと考えておりますので,よろしくひとつ御指導,御鞭撻をお願いいたしたいと思います。  それから,税収見込みでございますが,本県経済の現状につきましては,依然として景気は調整局面が続いておるわけでございまして,そういう意味では,確かに先行き透明でない,透明でないということは不透明ということになるわけですが,そういう点があるわけでございまして,現時点における税収見通しというものは,なかなかつかみにくいところがございます。特に,県税収入の4割以上を占める法人二税を中心にいたしましては,にわかに予断を許さないといいましょうか,予断をするわけにいかないところがあることはもう御指摘のとおりでございますので,今後とも慎重に経済動向等を見守ってまいりたいと考えております。  公共事業の前倒しでございますが,本年の5月末現在の公去事業等の契約率は約35%となっておりまして,例年を大幅に上回っております。今後さらに,地元市町村などと連携を強化いたしまして,またより的確な進行管理に努めまして,目標達成に努めてまいりたいと考えておりますので,よろしく御了承をお願いいたします。  それから,クラボウとのチボリ公園の関係での協議でございますが,デンマーク側との契約の締結期限が今年末であることなどについての説明もいたしておりまして,そういう意味で,早期に話し合いを進めるように要請をいたしますとともに,現在までのところ,主として土地利用を中心に当方の考え方を話をしておりまして,検討してもらっておるところでございます。土地の利用形態や事業への関与のあり方など,クラボウとの具体的な関係につきましては,今後相手方の考え方を十分引き出しながら協議を進めたいと考えておるところでございます。  それから,プロデューサーシステムということのお話がございましたが,確かにこういうシステムによりまして公園の魅力度を高めるとか,円滑な運営を図るということ,そういう意味での体制整備のあり方という問題は,今後開園に向けて準備を進める過程でどのような方式が最も望ましいか,これは十分検討される必要があると考えておるところでございます。  それから,資金調達の見通しについてでありますが,現在チボリ・ジャパン社が中心となりまして,さまざまなケースを想定をいたしまして事業計画の見直しの研究を行っておる段階でございまして,今後,クラボウとの話し合いを進めながら,事業費や資金計画を固めていくことになるわけでございますが,いずれにいたしましても,経営主体であるチボリ・ジャパン社の体制強化に努めるということと,また事業の採算性と円滑な運営が確保できる計画づくりを進めていく必要があると考えております。  フェーズⅡ契約に基づくマスターデザインの活用でございますが,建設予定地の変更に伴いまして,全体のレイアウトなどについての変更が必要となるといたしましても,これまで進めておる個々の施設のデザインなり設計なりというものは,大部分が活用可能であるというふうに考えております。  フェーズⅡ契約に基づくチボリインターナショナル社への支払い総額は1億1,940万デンマーククローネということになっておりまして,邦貨に換算しまして約26億円でありますが,現在までにそのうち約21億円の支払いを終えておりまして,今年度末で支払いを完了する予定になっております。  公園の整備運営につきましては,事業主体であるチボリ・ジャパン社を中心に行われることになるわけでございますが,県としては,周辺整備を初め事業の円滑な推進を図りますために,その条件づくりに努めていく必要があると考えておりまして,その具体的な対応につきましては議会及び関係者と協議しながら検討を進めてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思うのであります。  それから,次に,県立大学でございますが,県立大学の建設に伴う教諭の確保,広く内外の大学や研究機関,あるいはまた企業などから人選をいたしまして,4年制大学と短期大学部を合わせまして,現在約130名の専任教員予定者をすべて確保いたしております。現在,大学設置審議会の審査を受けますために,7月末までに書類を提出するように作業を進めておるところでございます。  それから,学生の確保の問題でございますが,新しい県立大学は,充実した教授陣と恵まれたキャンパスを擁しまして,またこれからの社会の高齢化,情報化,ソフト化の進展にあわせて,必要とされる人材を養成するものでございますので,その社会的なニーズは高く,学生の確保は十分見込めるというふうに考えております。  それから,吉備線の電化と,これによる増便対策でございますが,岡山,総社両市や,先般設立されました吉備線電化促進規成同盟会と一体となりまして,早期実現に取り組んでまいりたいと考えております。  また,服部駅の駅舎の改良につきましては,駅周辺施設の整備を含めまして,大学へのアクセス等利用者の利便性の向上という観点に立ちまして,今後,JR西日本あるいは総社市等と協議を進めてまいりたいと考えております。  それから,お話がございました学生寮の問題ですが,学生寮は教育上一定の意義を有するとは思いますけれども,それ以上に,学生がこの地域社会に溶け込んで生活をすること,そのことが学生の社会的視野を広める上でも役に立つのではないかと。また同時に,いろいろな意味で地域の活性化にもつながるために,ひとつ地域の中に入ってもらいたいというふうに考えておるわけでございまして,現時点では,そういう意味で学生寮の建設は計画をいたしておりません。  次に,高齢者保健福祉推進10カ年戦略との関係でございますが,まず県や町村職員の研修等につきましては,老人福祉施設や身体障害者更生援護施設への入所の措置事務を平成5年4月から町村に円滑に移譲いたしますために,平成2年6月の法改正以来,町村の福祉担当職員の研修を実施してまいりました。本年度は,入所措置事務などの移譲準備の総仕上げの年でありますから,町村長などの幹部職員の研修を県下の4地区において実施する予定でございますが,同時に,町村福祉担当職員を対象とした実務面の研修につきましては,現場実習を取り入れるなどいたしまして,より実践に即した研修を実施することにいたしております。  こうした措置権移譲に係る職員の確保や資質の向上につきましては,本庁に専任職員を配置しますとともに,地方振興局の福祉部に市町村指導担当者を配置いたしまして,研修を実施するなど,その推進体制の強化を図ってまいっております。今後とも,そういう意味で町村に対しましてきめ細かな指導を行うなどいたしまして,円滑な移譲が行われるように努力をしてまいりたいと考えております。  それから,町村の支援の問題でございますけれども,国においては,措置権等の移譲と在宅福祉サービスの拡充に対応いたしまして,平成3年度,4年度でそれぞれ620人の交付税を通ずる財源措置が図られたところでございまして,さらに5年度も国において同様な措置がなされる予定でございます。そういうこの措置事務の移譲に必要となる備品とか,いろんな事務費とか,台帳とかいう経費につきましては,別途財源措置が講ぜられることになっておりますから,今後とも,町村の業務量に応じた措置がなされるように,国に要望してまいりたいと考えております。  それから,市町村老人保健福祉計画でございますが,この計画は,地域住民のニーズや高齢者自身の意向を反映させますとともに,各市町村の今後の取り組むべき老人保健福祉行政の基本的な方向を示すものでありますから,その策定に当たりましては,地域住民はもとよりでございますけれども,福祉及び保健医療などの関係者などからも幅広い意見を聞きながら,市町村が主体的に取り組むべきものであると考えております。  お話のありましたこともありますが,これまでに先行的に計画策定にとりかかっておる12の市町村におきまして,計画策定の一部の実態調査につきまして,集計分析等の業務を外部に委託してきたようでございます。  それから,地域ぐるみの高齢者福祉のむらづくり事業でございますが,昨年度5町村をモデル指定をいたしまして,地域ぐるみで高齢者などを支え合う福祉のむらづくりに取り組んでまいりました。本年度は,さらにこの事業の定着浸透を図りますとともに,新たに5町村程度の指定を予定をしておりまして,現在その作業を進めておるところでございます。  それから,同和行政でございますが,お話のありました同和地区の実態等に関する調査につきましては,昨年末に出されました地域改善対策協議会の意見具申を踏まえまして,国においてしかるべき時期に全国的な規模で実施されることになっておるわけでございますので,そこで,県としてはその動向を見守った上で適切に対応したいと考えております。御了承賜りたいと思います。  それから,地球サミットにつきましては,参加した職員の報告では,子孫代々にわたる持続可能な開発を求めての論議が交されたと。その中で一番問題になりますのは,南北の経済格差,それから都市と農村との貧富の格差を是正することが地球環境にとって最も重要であるというような共通の認識が形成をされたということだと言われております。そして,先進国は援助とライフスタイルの転換をしなければならない。開発途上国は適正な開発と人口の抑制を強く求められたということであります。本県におきましては,地球環境問題への取り組み方針に基づきまして普及開発,フロンの削減,発展途上国への技術協力などとともに,県民,事業者,市町村等による全県的な推進体制を確立をいたしまして,地球に優しいライフスタイルの構築に努めてまいりたいと考えております。よろしく御了承を賜りたいと思います。  それから,焼却処分業者の実態でございますが,木くずの焼却処分ができる業者は,県下で9事業者でございまして,現在稼働中のものが8業者,そのうちで岡山,倉敷市内では5業者でありますが,その中では受入先を限定しておる者がおりますから,それを除きますというと3業者ということになるわけでございます。なお,この木くずは破砕及び埋め立ても可能でありまして,これらの破砕及び埋め立ての許可業者は県下に13業者がございます。  そこで,そういう場所の確保という問題もあるわけでございますが,同時に木くずの破砕とか埋め立ての業者をあっせんをする必要もあるわけでございますけれども,同時に木くず取扱業者に対しまして,焼却炉等の設置を指導をいたしておるわけでございます。野焼きというのは,これはもういけないんですけれども,焼却炉できちんと焼却することは当然許されるわけでございますから,そういう意味で,本年3月には1施設が稼働し始めましたし,また7月からはさらに1施設が稼働する予定でございまして,今後とも,そういう指導もいたしてまいりたいと思っております。  処分場の建設への助成というお話がありましたけれども,廃出事業者等が中間処理施設や最終処分場を建設する場合には,これは公害防止事業団等の低利融資制度もあるわけでございまして,これらを活用して処理施設の整備が促進されるように指導してまいりたいと考えております。  それから,適正料金の問題がございましたけれども,この処理施設につきましては,立地条件や施設の規模や施設の内容などまちまちでございまして,したがってそういう異なった条件を反映した処理料金になることはある程度やむを得ないところでございまして,処理を委託する側に理解される料金体系をとるように指導してまいりたいと考えます。  それから,PRといいますか,建築廃材を処分するのには金がかかるんですよということを施工者によくわからしてほしいというような意味でのPRのお話がございましたが,これは発注者と受注者の間の契約の問題であると考えておりますが,いずれにしても産業廃棄物は排出者に責任があるわけでございまして,適正に処理しなければなりませんし,また処理に当たりましては相応の処理コストが必要であるということにつきましては,これはもう,例えば建築主というものも,当然その費用が建築に要する費用の中に含まれるということは考えなきゃならないわけでございますから,今後とも,そういう意味で建設業関係の業界などで十分PRをして,理解を求めてもらえるように指導をしてまいりたいと考えております。  それから,回収ウランの転換実用化試験でございますが,県民の安全と生活環境の保全を最優先する立場から,慎重に時間をかけて審査する必要があると認識をしております。このために,環境放射線専門家会議を設けまして,動力炉・核燃料開発事業団から資料やデータ等の提出を求めまして,広く国際的に受け入れられている科学的知見に照らしまして審査,判断をすることにいたしたものでございます。委員の人選に当たりましては,我が国及び県内の権威者で,しかも国際放射線防護委員会等で活躍されておる人を中心に選任をしたところでございます。また,専門家会議の審議内容につきましては,議会に報告するなど広く県民の理解を得ていくことにいたしておりますので,御理解を願いたいと思います。  それから,新農政プランについてでありますが,国際化の進展,農家の高齢化,担い手の減少など,我が国を取り巻く厳しい情勢を踏まえまして,21世紀へ向けての課題を整理をいたしまして,大規模農業の育成,生産コストの大幅低減というものを目指しておりまして,そして農業生産組織の法人化とか,農地制度あるいは米の一律減反方式の見直し,さらに食糧管理制度の緩和といいますか改革をし,環境保全型の農業の推進もあわせて行うというような新しい農政の方向づけが一応取りまとめられたところでございます。この農政プランは,項目だけを一応は挙げて,それから具体的な手法はその後の研究ということで今もっぱら取り組まれておるようでございまして,しかし中身は明らかじゃございませんが,昭和36年の農業基本法制定以来の抜本的な方向転換というものを目指すものであると思います。したがいまして,今後,県といたしましても国との連携を図りながら,その実現に向けて検討もし,努力もしてまいりたいと考えております。  それから,規模拡大でございますが,農地の貸し借りを中心に現在は進めておりまして,流動化は進んでおりますけれども,今後とも,1市町村の区域にとどまることなく,市町村や農協の単位をまたがって,超えました広域での流動化とか,あるいは農作業の受委託,あるいは農業生産法人などの組織的な経営体の育成などを進めまして,大区画圃場整備などによりまして経営規模の拡大を図ってまいりたいと考えております。  それから,農業の高齢化や後継者対策は,まことに重要な問題であると考えておりますが,県としては,昨年度から他産業からの算入にも力を入れておりまして,新規就農者が早期に経営の確立ができますように,資金の融資,農地取得の円滑化など総合的な支援施策を講じておるところでございます。  お話のありました法案につきましては,国会の場で審議をされるものでございますから,私どもその内容も十分検討もしながら,ひとつ方向づけを見守っていただきたいと思っておるところでございまして,今後とも,魅力ある農業として確立いたしますために,つまりは経営感覚にすぐれた,意欲的な人材を一人でも多く確保していきますために努力をしてまいりたいと考えております。  それから,中山間地農業の関係で,デ・カップリング方式についてでございますが,いわゆるEC型の所得保証制度がいろいろ議論をされておりますけれども,我が国にはなじまないのではないかという意見が非常に多いわけでございまして,そういう意味で今回の新農政プランの提言には入っていない。入っていないということは,つまり見送られたということになるわけでございますが,これらのこともございますので,今後の課題としていろいろ検討してみたいと思っておりますが,中山間地域は,農業振興はもとよりでございますけれども,国土の保全とか,あるいは自然環境の保全というような観点からも非常に重要な地域であると考えておりまして,したがって先進地の事例とか有識者の意見を伺いながら,本県にふさわしい施策をさらに検討しなければならないと考えます。  耕作放棄地につきましては,山間部の急傾斜地とか,あるいは担い手不在地域を中心に現在4,960ヘクタールあるわけでございます。現在,市町村では公社の設立による農地の貸し借りや買い上げなどが検討されておりまして,県としてもこれらを積極的に支援することにしておりますので,御了解願いたいと思います。  それから,農産物のコストダウンについてでございますが,徹底した省力栽培技術の確立が不可欠であると考えておりまして,農業試験場で,今年度から従来の10分の1の労働時間を目指しまして,不耕起直まき栽培技術に取り組んでおります。この技術の早期確立にぜひとも努めてまいりたいと考えております。  ポスト水田農業確立対策でございますが,今回公表された新農業政策では,米は我が国の主食であり,農業の中で重要な位置を占めておることから,自給を基本といたしまして年間を通じて安定的な国内供給を確保するという観点のもとに,具体的には今年秋までにそういう検討が行われるというふうに聞いておりますので,その動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。  それから,森林整備事業計画でございますが,これは国が平成4年度以降の5カ年間に実施する造林と林道事業の目標を示したものでありまして,これに関連して本県でも現在平成4年度以降の造林と林道事業の実施目標を検討中でございます。なお,本県の平成4年度の事業計画は,人工造林,保育,林道整備等で,予算額は35億700万円,その事業費は69億400万円でございまして,今後とも,森林の持つ公益的機能の重要性を踏まえて,その整備に努めてまいりたいと考えております。  それから,和牛の改良につきましては極めて重要な課題でありまして,優秀な雌牛の県内保留,肉質検定ですぐれた雄牛の選抜などに取り組みまして,「おかやま和牛」のブランドづくりに努めておるところでございますが,今後も,県内の種牛のほか,県外の肉質のすぐれた種牛の精液導入なども図りながら,育種改良を進めてまいりたいと。同時に,飼育の管理技術の研究改善を図って,肉質のすぐれた岡山和牛の生産振興に努めてまいりたいと考えております。  それから,最後にブルーハイウェイの交通事故防止でございますが,従来から関係機関と協議しながら追い越し危険標識などの整備に努めておりますが,御指摘の対向車線を分離する安全施設につきましては,現在の道路構造が2車線でありますので,極めて困難なところがございます。そこで,今後とも,交通安全対策といたしまして,実態に即して追い越し危険標識,あるいは視線誘導標,それから道路びょうなどによりまして効果の高い施設の整備を図って,交通事故の防止に努めてまいりたいと考えております。  なお,岡山ブルーハイウェイ及び水玉ハイウェイの名称についてでありますが,これは昭和52年開通以来,愛称として親しまれてきたものでございます。そこで,これらの道路は,設計速度毎時60キロメートルとして建設されたものであるということでありまして,特に岡山ブルハイウェイについては,高速道路と錯覚しないように,起終点を初め主要地点にその旨を促す標識を設置しております。足りなければもう少しふやしますから,御了解を賜りたいと思う次第でございます。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  渡辺議員の社会党・県民会議の代表質問にお答えをいたします。  まず,学校週5日制の実施についてでございますが,これまでPTAや各種の研修会で趣旨説明をし,また市町村教育委員会を通して,保護者や地域社会の関係者に趣旨の徹底を図るなど啓発に努めてきたところでございます。今後,さらに各種関係者との懇談会の開催や広報紙の活用など,啓発活動の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  条件整備につきましては,関係機関や団体へ協力要請を行っているところでございまして,公民館の活用や学校開放などによって地域社会における子供たちの有意義な諸活動が積極的に行われるように進めてまいりたいと,このように考えております。  学校週5日制の実施に当たりましては,新しい指導要領のもとでも,授業時数の確保や教育水準の維持に努めることが求められておりまして,これまでの実験校における研究の結果から,月1回の実施に当たりましては,学校行事の見直しや指導方法の工夫などによって十分対応できると,このように考えておるところでございます。各学校に対しまして,子供の学習負担に配慮しながら適切に対処していくよう指導しているところでございますので,御理解を賜りたいと思います。  最後に,岡山市の場外馬券場についてでございますが,子供の生活環境や教育を守ることは大人社会の責務であり,家庭,学校,地域社会がそれぞれの役割を認識して,よりよい環境づくりに努めなければならないと,このように考えております。  場外馬券場の設置につきましては,その推移を見守ってまいりたいと,このように思っております。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  渡辺議員の日本社会党・県民会議の代表質問にお答えいたします。  まず,山口組の指定に伴います県内系列組織に対します指定の効果などについてお答えいたします。  山口組が指定されますと,県内の約6割に当たります山口組系の約30団体450人の暴力団員に対しまして法の規制が及ぶこととなります。また,山口組系以外の団体につきましては,現在,関係府県警察と緊密な連携を保ちながら諸準備を進めておるところでございまして,悪質性の高いものから順次指定をしていく方針でございます。  次に,暴力団対策法の運用方針についてでございますが,法律の運用は,その法の制定されました目的,趣旨に沿いまして忠実に運用されなければならないのは当然でございまして,本法につきましては,暴力団の壊滅のための総合的かつ有効な対策を推進いたしまして,もって市民生活の安全と平穏の確保を図るため,的確かつ妥当な運用を図ってまいることはもちろんのことだと考えております。  次に,場外馬券場についてでございます。場外馬券場の設置につきましては,かねてより警察と日本中央競馬会との間におきまして事前に協議することとなっておりまして,本件につきましては,日本中央競馬会から平成2年5月29日付で設置を断念する旨の文書を受け取っているところでございます。設置に関しまして,再度の協議の申し入れはいまだ受けていないところでございます。私どもといたしましては,協議を受けた段階で慎重に検討していきたいと考えております。  ただ,一般的に申し上げますと,御指摘のありました付近の善良な風俗だとか,交通の安全と円滑の問題だとか,雑踏の問題などもございますので,関心を持ってその推移を見守っているところでございます。よろしく御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆20番(日南香君)  公明党を代表いたしまして,6月定例会に臨む知事の提案説明並びに県政が担う主要課題について,通告に従い順次質問をさせていただきます。  知事は,去る2月定例会の各会派代表質問に答えて,「郷土の発展と県民の幸せのために,初心に返り引き続き努力をしていくことが私に課せられた責務である」との決意を披瀝され,秋の知事選を目指し6選出馬に向けての強い意欲を表明されたのであります。現在知事選を取り巻く環境は,当初の予測から一変し,波乱含みの激戦に発展する可能性を秘めながら流動的に推移しておりますが,知事は195万県民の幸せのために有権者に何を訴え,何を公約として選挙に臨むおつもりなのか,まずは御決意のほどをお伺いいたします。  さて,この2月に知事が抱負として披瀝された「初心に返る」とは何か,それは47年12月定例会における初の所信表明に明らかであります。そこでは「調和と愛情と対話が県政の基本である」あるいは「県民の生の声を受けとめ得るような努力なり工夫が必要」等々,県民との対話の必要性を随所で宣言されていることでも明白のように,初心とはまさに対話の心であると理解するのであります。近年,歴史の流れは,あの世界を震撼させたソ連の政変に象徴されるように,軍事力や権力,そして富といったいわゆるハードパワーの比重が落ちて,対話によるお互いの合意と納得というソフトパワーの時代が加速の度を加え台頭しております。その意味において,20年前の知事の先見性ある政治姿勢は評価されるものでありますが,では現在においても果たして対話の精神が健在であるかについては,いささかの疑問を挟む余地ありと思うのでありますが,知事さん,いかがでありましょうか。  その1は,去る4月9日に,苫田ダム問題で,建設阻止期成同盟会並びに水没予定地土地共有者が公開シンポジウムを開くよう求めたのに対して,ダムの必要性を論議する段階は過ぎているなどを理由に挙げ拒否回答されたことであります。論議が平行線をたどるであろうことは明らかに予測できますが,それにしても会って対話をし,スキンシップを図ることに大きな意義があったのではないでしょうか。平成2年1月に当時の江藤運輸大臣は,成田空港反対派農民が待つ現地に赴き,意見交換をして一定の評価を得ましたが,このようにトップが住民とじかに肌を接することは,行政が住民の心の扉を開く大切な要素となるのであります。県庁の庁の字は人の意見を聞き入れるとの意があるのでありますが,今回の措置は,知事の所信であり,政治哲学である対話の精神に反する行為であったと思いますが,何ゆえ公開シンポを拒否されたのか,知事の率直な所感をお伺いいたします。  第2に,同じく就任抱負の中で,知事は,職員1人1人が知事になったつもりで県民に対して県政への参加と対話の努力をするようアピールされましたが,現実には多くの県職員は地域の諸行事に参加することはまれであります。住民との対話不足のため,経験豊かな行政マンの豊富な知恵と能力が地域の活性化につながっておらず,遺憾に思いますが,知事の初心である職員と県民の対話の推進については,日ごろどのように認識され,指導しておられますか,お伺いいたしたいのであります。  次は,機構改革と職員人事のあり方について質問いたします。  第4次総合福祉計画の2年次に当たる今年度は,いよいよ計画の具体化に向けた取り組みが待たれる重要な年度でありますが,それにふさわしい組織体制と人員の配置は万全であるのか。また,7月から実施が予測されている週休2日制を前に,現在の機構のままで県民サービスに遅滞を来すようなことはないのか,これらの諸点について検証してみたいと思います。  行政は最大のサービス産業と言われますが,そのゆえんは,県の予算をどれだけ速やかに,そしてその金をどれだけ多くの人の幸せと生きがいに変えてみせるかということに尽きるからであります。行政にはコスト意識が非常に少ないという指摘はだれ人も否定できません。1年間でできる仕事を平気で2年かけてやることは,結果的には県民が1年で得るべきサービスや便利さを1年待たされることであり,サービスの遅滞,見えざる増税につながるのであります。県民は即効性を期待します。つまり,要望に早くこたえてくれた,早くやってくれたことに感謝するのであります。ところが,今年度の機構改革を見るとき,いたずらにポストの配置増が目立つのみで,県民のニーズに素早くこたえるというサービスの基本となる抜本策が見当たりません。県民への奉仕ということを大前提とした機構改革に留意されたのかどうか,まずは知事の御所見をお伺いいたします。  また,週休2日制の実施が来月にも予測される中,県民サービスの保持には万全を期しておられますか。  さらに,市町村の週休2日制実施についてはどのように指導され,今後の実現の見通しはどうなのか,お伺いをいたします。  機構改革の第2は,県民に親しまれる課名についてであります。現在,本庁知事部局には9部8室71課がありますが,いずれもかたくてまぎらわしい名前が多く,業務の内容も判然としないものがあります。この際,過去にこだわることなく県民にずばりわかりやすい課名にされるよう,出先も含めて職員からアイデアを募集するなどの方法で課名の総点検をなされてはいかがかと考えますが,同じく知事のお考えをお聞かせ願いたいのであります。  第3に,職員人事のあり方について若干お尋ねをいたします。ことしも2,000人余の規模の人事異動が行われましたが,人事の配転は組織運営の根幹であり,マンネリ打破のためにも適材適所の配置がえは大いに必要でありましょう。しかしながら反面,長期の大型事業に取り組む部署などにおいては,まさにプロジェクトと心中するような人材も必要とされるわけで,かえてはならないポストもあるのであります。単に長いから異動させるという画一的な教条主義は真の人事刷新とは言えないと思うのでありますが,まず人事ポストの配置,異動に関しては何を基本にされているのか,知事の所信をお聞かせください。  次は,審議監ポストについてお伺いいたします。ことしも新たに2名の審議監が任務につかれましたが,県行政組織規則には審議監の職務について,「審議監は,県行政の重要課題に関する調査研究その他知事の特命事項に関する事務を掌理する。」というまことに漠然としたことが記されているのであります。具体的に審議監ポストは日常どのような仕事をされるのか,また前審議監は就任1年で退職されたのでありますが,その業務実績はどのようなものであったのか,明らかにしていただきたいと存じます。  以上で機構改革と人事についての質問を終わり,次に大型プロジェクトの課題について3題お尋ねをいたします。  まず最初は,吉備高原都市を取り巻く諸問題についてであります。昭和50年に始まった吉備高原都市の建設も17年の歳月が経過し,今年度で前期計画を終了いたしますが,基盤整備も順調に進み,余すところは吉備中央公園の建設のみとなっております。一方,基幹整備事業も,都市本来の目的である保健,福祉,教育,文化,産業など各領域にわたる高度な機能を備えた自立性,拠点性のあるまちづくりがほぼその全容を見せるに至っております。しかし,その反面では,吉備高原都市に向けてのアクセスのおくれが目立ち,いま一つ県民から見て新都市は遠いものというイメージを持たせているのも事実であります。そこで,本年度で前期計画が終了するに当たり,数点についてお伺いをいたします。  その1は,人口集積についてであります。新都市の計画人口は3万人を目標にしてスタートし,前期計画では6,700人の目標を立てたのでありますが,本年4月現在の集計では約2,000人で,目標の3割にすぎないのであります。業務商業ビルも去る4月華やかにオープンし,現在ホテルやスーパー,食堂が入居しておりますが,稼働スペースは60%ということで,前期計画に当たっての人口集積予測は大幅に崩れたのであります。定住化の促進のためにどのような計画をお持ちなのか,今後の対策についての見解をまずお示し願いたいのであります。  次は,人口集積のための必須要件である住宅建設についてであります。昭和62年以来5回にわたる分譲も,毎回予測を上回る好調な売れ行きで394区画すべてが完売となっております。しかし,建設猶予期間が最高8年という関係から,建設された家屋は現在までで約90戸,しかもその半数には人が住んでいないという状況にあります。計画では平成9年にはすべての区画に家が建つということでありますが,5年後の家屋建設の予測をどう把握されているのでしょうか。バブルの崩壊など社会情勢も変化しており,おおよその建設計画は掌握されておくべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。  第3は,小中学校の建設についてであります。学校がないために定住化が進まないという悪循環も考えられますが,建設のめどについてはどのようにもくろんでおられるのか,お伺いをいたします。  新都市に関する最後の質問は,アクセスについてであります。新都市の波及効果で町興しを期待する周辺の市町村は,アクセスのおくれに気をもんでいるのが現状であります。県中部縦貫道と言われる高梁建部線,また県道高梁御津線,賀陽巨瀬線,賀陽有漢線等々,新都市中北部のアクセスの整備は遅々として進んでいないのが現状であります。今後の整備計画についてお尋ねいたします。  次に,午前中,渡辺議員からも御質問のございました,明春開学予定の県立大学の整備について質問いたします。  情報化や国際化の進展,また高齢化社会に向けての人材育成のための4年制大学が平成5年の開学を目指し建設が進められております。文部省の設置認可がおりるのは12月ごろと仄聞いたしますが,学生募集を行い,引き続き入学試験を実施するとのことであります。その場合,学生募集に時間的な余裕はあるのかどうか,また試験の実施がおくれた場合,人材の確保が果たして可能であるのか懸念されるところであります。第1期生といえば大学の顔であり,優秀な人材確保のための作業はすべてに優先して取り組まねばなりません。この点についてまず御所見をお伺いいたします。  人の集まるところ必ず衣食住がついて回りますが,大学立地に当たっては住宅環境の整備と通学の足が課題であります。新規大学の施設内容を見る限り,学生寮の建設は計画にありませんが,学生の住宅確保の見通しと,あわせて住宅費の県費助成についてはどうお考えであるのか,見解をお聞かせ願いたいのであります。  第3は,足の確保についてであります。新大学に近い服部駅は無人駅であり,約100メーターのプラットホームには屋根もなく,設備は非常に不十分であります。また,特に学生が必要とする駐輪場もスペースは少なく,さらに通学時間帯の運行列車の増便等も課題でありますが,これらの諸点についてJRとの交渉はどのようになっているのか,お尋ねをいたします。  第4は,入学者選抜方法についてであります。岡山県内に籍を置く受験生については推薦入学などの優先制度を設けてはいかがかと思いますが,これが可能であるのかどうか,お伺いをいたします。  5番目には,県立短大の処遇についてであります。県立短大は,開学以来四十有余年実に7,900名余の人材を世に送り出し,現在社会の第一線で活躍されていますが,これらOBの皆さんは近い将来自分たちの母校がなくなることにショックを隠せないでおります。4年制大学が時代の要請に応じてビルドされるのは結構なことであるが,母体となった短大がスクラップされるのはたまらないという心情は理解できるのであります。県立大学と県立短大とは全く別のものという意識が大学関係者の一部にはありますが,将来,県立大学を「旧県立短大」と呼称することについて知事はどのようにお考えでありましょうか,お伺いいたします。  大型プロジェクトの3題目は,チボリ公園問題についての質問であります。  チボリ公園については,2月定例会において知事が「クラボウとの条件面での協議を急ぎ,事業の早期実現を期していきたい」との表明をされて以来,交渉経過は特に新しい展開を見せていないようでありますが,この際,二,三点に絞ってただしておきたいと思います。  まず,チボリ公園誘致に当たっての県の基本的な立場は,公園の意義や内容など,県民市民の理解を得られるよう条件づくりをするのが主たる役割であるとの方針が示され,私どもも,いわばソフト面の支援が県の分担であるとの認識でありましたが,事実経過とともに県の姿勢はさらに踏み込んで,ハード面の支援に重点が移りつつあるような印象を受けるのであります。  その第1は,周辺整備についてでありますが,均衡ある県勢の発展のためには岡山県全体を視野に入れた調和のある施策が基本であるべきことは言うまでもありません。この視点から見るとき,都市計画道路の改良など特にチボリ優先を念頭に入れたと思われる周辺整備計画は県全体の事業計画順位のバランスを崩すものではないかと考えますが,御所見をお伺いいたします。  第2は,県が5億円を出資しているチボリ・ジャパン社の運営資金は出費もかさみ,底をつくのではないかと予測されます。新たな資金調達について県は再び出資の考えをお持ちであるのかどうか,お尋ねいたします。  第3に,焦点であるクラボウ立地に当たっては,交渉が成立した場合,土地の扱いについては借地の方法が一番現実的であり,有力視されているのでありますが,クラボウ側も「チボリは事業転換の一つである」と明確に指摘しているように,採算性を最重視してくることは当然であります。その場合,地代を生み出す基金の捻出方法については,県が参画することをクラボウ側は期待するでありましょうが,知事はどのようにお考えでありましょうか。この問題はチボリの成否を握る非常に重要なかぎであり,県民にとっても最大の関心事でもありますだけに,知事選を前に明らかにされておく必要があると思います。  チボリ質問の最後は,クラボウの土地利用についてでありますが,発表では工場敷地14.8ヘクタールということですが,近年レジャー施設は大型化の傾向をたどり,グレードアップをされる中で,果たしてこのスペースで時代の要求にこたえ得るのかという懸念があります。同じく御所見をお伺いいたします。  次に,専修学校の現状と課題について取り上げ,質問をいたします。昭和51年に専修学校制度が発足してことしで16年目を迎えておりますが,この学校制度の性格については,現在なお学校関係者の間ですら十分に理解されていない側面があります。申すまでもなく,専修学校は学校教育法の条文に定められた学校であり,県知事の認可を受けているもので,現在岡山県下に55校,生徒数もざっと8,700人を数えるに至り,今や高校からの有力な進学コースの一つとして定着してきた感があります。ちなみに,高校からの進学率は,短大13.3%に対し専修学校は13.8%で,学生数においても短大を抜いております。このように発足後まだ若い学校制度ではありますが,各分野を通じてライセンスや技能検定の合格を目指し,また職業技術習得の機関としての職業教育として重要な役割を担っているのであります。  一方,県下の専修学校卒業生の就職状況を調べてみますと,県外流出の激しい大卒の学生に比較して,ほぼ8割に当たる学生が地元に就職し,過疎対策や町興し,また企業の人材確保にこたえ多大な貢献をしております。こうしたその道のプロフェッショナルを養成する職業教育は,将来にわたって必要とされ,重要視されるものと思われますが,反面,専修学校に対する一般認識や取り巻く環境条件は劣悪であり,今後の改善方が望まれています。  そこで,以下,知事にお伺いをいたします。  まず第1には,専修学校の位置づけについてであります。知事は,吉備高原都市に全寮制の高校を設立され,ユニークな専門科目が全国的に話題を呼び,関心を集めたところでありますが,その発想の一つはすぐれた職業教育による人材育成にあると思うのであります。専修学校も同じく専門的な職業教育を目指していますが,学校の位置づけについてはどのように認識をされているのか,まずお尋ねをいたします。  質問の2は,奨学金制度についてであります。専修学校生には,一般大学に比較して母子家庭や交通遺児など経済的にゆとりのない学生も多く,奨学金制度の適用を望む声は強いのであります。現在,社会的に最もニーズの高い看護,情報処理などの分野もその大半を専修学校の卒業生が担っているという現状,また将来の受け皿となる人材育成のためにも,岡山県奨学金制度の大学,短大並みの適用が待たれております。知事の御英断を期待するものでありますが,御見解をお聞かせください。  第3は,公費助成の拡大についてであります。現在県費補助は,専修学校の施設整備に要する経費1,500万円など,総計でも1,800万円程度という貧弱なものとなっております。専修学校の健全育成を図り,県内への人材確保のためにも公費助成の前向きな見直しが望まれていますが,今後の見通しについてお伺いするものであります。  次に,福祉対策の推進について2問お伺いいたします。  まず最初は,骨粗鬆症対策についてであります。骨粗鬆症という病名は一般には余り聞きなれない言葉でありますが,現にその存在が指摘され始めたのはここ数年ということで,はっきりとした定義もなく,実態すら十分に把握されていないのが現状であります。そうした中,本格的な高齢化社会の到来とともに寝たきり老人が急増していますが,これは骨粗鬆症が主たる原因の一つと見られるようになり,早急な対策が求められるようになったのであります。  そこでまず,骨粗鬆症についての定義,その原因,実態についてお尋ねいたしたいと思います。カルシウムが不足して骨が軽石状態になるものが骨粗鬆症と言われているのでありますが,どの程度の症状を指して言うのか,またその原因は何か,治療方法は確立されているのか,以上についてお答えいただきたいと思います。  次に,実態についてでありますが,ある調査によると,60歳代から急激にふえ,女性の方が圧倒的に多いと言われております。岡山県下では寝たきり老人が約1万3,000人と見られておりますが,その中に占める割合はどの程度と把握されているのか,明らかにしてください。  第3は,その対策と今後の取り組みについてであります。現在は保健事業の中の重点健康教育として各市町村が取り組みをしておりますが,それもまだ3分の2の市町村にすぎず,予算も5,000万円程度であります。「寝たきり老人ゼロ作戦」の強力な推進という観点からも,もっと積極的に取り組むべきであると考えますが,知事の今後の抱負をお聞かせください。  福祉対策推進に関する2点目は,ボランティア活動の育成についてであります。  余暇の増大や価値観の多様化とともに,県下でも企業ぐるみや主婦などを中心にしたボランティア人口が増加し,さまざまな分野で活発な活動が展開されておりますが,今後,労働時間の短縮等でこうした傾向はますます顕著になるものと予測されます。県としても,このような新しい動向には素早く対応し,側面から支援の手を差し伸べるべきであると考えます。厚生省は,介護ボランティア活動マニュアルを作成するよう準備を進めているようでありますが,県としても,県民の自発的な社会活動を応援するためにボランティア活動推進基本方針を作成し,ボランティア団体相互の親睦や情報交換を図るなど,体制づくりを急がれてはいかがかと思いますが,御所見をお聞かせください。  また,ボランティア協力校事業とともにボランティア意識の向上を図るために,学校教育の中にボランティア教育を積極的に取り入れてはと考えますが,教育長の御見解をお伺いいたします。  次に,エイズ予防対策についてお伺いいたします。  日本のエイズ感染はこのところ一段と危険性の高い新しい段階に突入したと言われており,これまで東京,大阪など大都市圏に集中していたエイズ感染者は,確実に地方にまですそ野を広げ,日常生活の中にまで食い込んで,感染拡大の重大局面を迎えるに至っているということであります。今が爆発的に広がるかどうかの瀬戸際の時期であり,感染拡大を防止するには今後一,二年の間の行政や県民の本腰を入れた対応が非常に重要なかぎを握ると指摘されております。こうした現状を踏まえ,次の諸点についてお尋ねいたします。  エイズの感染経路は,従来より一変して異性間感染が圧倒的に増加する状況の中で,感染ルートも2次感染,3次感染による増加が心配されております。初期の対策のおくれで多くの感染者を出した諸外国の先例を勘案し,エイズ対策の抜本的な立て直しを図るためにエイズ予防対策本部を県庁内に設置して,対策推進重点期間の設置などの諸施策を実施し,県民に対しエイズ予防に関する行政側の不退転の決意を示すべきであると考えますが,知事のお考えをお伺いいたします。  第2は,エイズ情報ホットラインの設置についての提案であります。エイズは匿名性の強い病気であり,感染者がみずからの要求を伝えにくい特殊性があります。医療情報,感染情報,検査機関情報や相談窓口情報などさまざまなエイズ情報について電話一本で知ることのできる広報,情報センターを設置されてはいかがかと思いますが,今後の計画についてお伺いいたします。  第3点目は,血液製剤による感染者の完全救済についてであります。本県においても血友病患者の輸血による感染者が会を結成されて,種々の救済を訴え,運動を展開されておりますが,血液製剤による感染は本人の自由意思によるものではなく,その責任は挙げて国にあるのであります。医療関係者の中には今だに感染者に対する偏見が残っておりますが,差額ベッドの公費補助など安心して医療が受けられる医療機関の確保と最新の医療情報の提供について,現状はどのようになっているのかをお伺いいたします。  次に,農林漁業の振興について,農林部長にお伺いいたします。  まず最初は,稲作対策についてであります。昨年は台風,長雨の影響で11年ぶりの不作となり,本年10月の在庫予想はわずか35万トンと見られ,適正水準とされている100万トンを大きく下回る見込みであります。これを受けて平成4年度は1年限りの措置として,転作目標面積が13万ヘクタール軽減されることとなったのであります。本年5月の農水省の調査では,水田減反緩和目標の達成量は目標の77%で10万ヘクタールを割り込んでおりますので,来年度の在庫量は今年に引き続き適正水準を下回るものと考えられます。その達成率を地域別に見ますと,中四国地方は81%とされておりますが,県下の状況はどのようになっているのか,まずお伺いをいたします。  次は,農村の女性対策についてであります。県下の農業就業者数は約14万2,000人で,うち63%に当たるほぼ9万人は女性であります。第4次総合福祉計画の中でも,農村女性が果たす役割が大であること,またその地位向上は県政の大きな課題であることを指摘しているのであります。既に全国各地においては,女性農業士の選定が精力的に進められており,農業に占める女性の役割の高さを証明しております。しかし,男性農業士に比較するとまだまだ少ないのが現状でありますが,県の女性農業士の現況はどうなのか,お伺いをいたします。  農業問題の第3点目は,女性農業大学の開校についてであります。群馬県では,農業に従事する女性の学習活動を支援し,地域の女性リーダーを育成するために農村女性大学を設置し,ファームレディクリエーターを育成しております。農業改良普及所を拠点に独自のカリキュラムによる講義と実習を行い,修了者の中から認定を進め,農業経営における女性の役割を県民にPRしてもらうとのことであります。このように女性の柔軟な発想を農業経営に生かすことで農村の活性化を図ることも重要で,そのための女性農業大学の設置は必要と考えますが,御所見をお聞かせください。  4点目は,花卉の生産振興についてであります。岡山県の花卉は中核産地の育成や新品種の実験的導入など,関係者の努力により生産額も順調に伸びて,花卉生産振興計画,いわゆる岡山花物語は着実に成果を上げております。花は今,飾る場所や贈る機会などこれまでとは大きくさま変わりし,多様化する中で生活必需品としても定着してきております。  さて,家庭用切り花の消費もこのところ順調と言われていますが,それでも業務用の目覚ましい伸びに比べますとまだ消費は少ないのであります。農水省は,くつろいで着るカジュアルスーツに倣ってカジュアルフラワーの普及を目指すとのことでありますが,手ごろな価格で気軽に買える,そして日持ちのする日常用の切り花の開発が待たれているところであります。一般家庭用の消費増を目標に,この種の品種の見通しについてお尋ねをいたします。  次は,「おかやまのさかな」の選定についてであります。現在県では栽培漁業センターにおいて,種苗生産や放流技術の開発などつくり育てる漁業の振興を着実に進められ,成果も上がっているようであります。ところで,瀬戸内の魚介類の種類の豊富なこと,またその品質のよさには定評がありますが,今後一層の需要を図ることも課題であろうと思います。県としても,県民に親しまれている「おかやまのさかな」を県民の投票をベースに選定し,県の水産物として広くアピールして,パンフレットの作成や消費者向けのイベントを通じて県内外にPRし,消費の拡大を図るべきと考えますが,御所見をお伺いいたします。  次に,観光行政の推進についてお伺いをいたします。  昭和63年の瀬戸大橋開通時には,岡山県を訪れた観光客数も対前年比116.9%に当たる2,576万人余と大幅な伸びを示しましたが,その後はブームの退潮とともに微減傾向が続き今日に至っております。観光客数の動向は県勢振興を判断する一つの指標となるだけに,増加のための対策は大きな課題であります。そこで,瀬戸大橋開通5周年を間近に控え,ブームの再来を期したいところでありますが,記念イベントについてはどのようなことを企画しておられるのか,まずお伺いをいたします。  さて,観光客の誘致についての方策は,受け入れ態勢の整備,誘致対策の強化並びに県特産品の振興等の3点が考えられます。そこで,まず受け入れ態勢の整備についてでありますが,各市町村が特に力を入れている観光基盤事業については,県が整備補助を行うことにしておりますが,これまでにユニークなものがあれば明らかにしていただきたいのであります。  次に,誘致対策の一環としての宿泊客の獲得についてであります。統計によりますと,観光客が使うお金は宿泊客の方が日帰り客の約4倍となっており,この数字から見ても宿泊客の増加策には特に力を入れるべきであると思われますが,県内の宿泊状況はどのように把握されておりますか。  また,岡山を単なる通過点にしないためにも,宿泊奨励のための前向きな対策が必要と思われますが,どのように考えておられるのか,お尋ねをいたします。  誘致対策に関するその3は,国際化が進む中で重要な位置を占める海外観光客の受け入れについてであります。岡山空港の滑走路2,500メーターの延長工事も進んでおり,国際線ターミナルビルの建設も緒についたところでありますが,海外観光客では圧倒的に多い近隣東南アジア地域からの誘致対策についてお伺いいたします。  3番目は,県特産品の振興についてであります。最初に,県特産品の宣伝が県外各地で行われておりますが,今年度の計画についてお尋ねをいたします。  次に,観光物産センター「晴れの国岡山館」の経営状態はどのようになっているのか。また,私どもは,当初より観光物産センターはバスによる乗り入れ可能な場所への設置を提唱してきたのでありますが,同センターへの県外客の誘致増加対策について伺っておきたいと存じます。  次は,教育問題について2問,教育長にお伺いをいたします。  初めの質問は,市町村図書館の整備充実についてであります。均衡のある県土づくりのための情報や文化の発信基地として自治体図書館の果たす役割は大きいものがあり,県の本腰を入れた取り組みが強く求められている昨今であります。まず,県下の図書館の現況についてでありますが,現在の設置状況は10市9町で27館が設置されており,設置率24%という数字は全国平均の36%をかなり下回っているという状況であります。また,公民館等へ図書室や図書コーナーを併設している自治体は58町ありますが,専任の職員を配置しているのは2町にすぎず,設置はされているものの活動が不十分な町村の多いことがうかがえます。この数字からも明らかであるように,県下における図書館の新設や図書館活動の活性化については一層の促進を図る必要があります。  そこでまず,現在未設置の59町村についてでありますが,今後,県としてはどのような計画で設置を促進し,支援される予定であるのか,お伺いいたしたいのであります。  次に,当面,公立図書館を持たない町村の僻地学校や,地域に対する県の支援サービスの現状について御説明ください。  第3に,建設が予定されている県立図書館と地方図書館とのコンピューターネットワーク化構想は具体的に進展していく方向にあるのかどうか,お伺いをいたします。  教育問題についての質問の2項目目は,文化財行政の充実と推進についてであります。  ことしは畿内地方を中心に古代文化の解明に重要な役割を果たすと見られる貴重な遺跡が相次いで発見され,古代史研究に一層の拍車がかかり,関心が深まっております。岡山県下には,御承知のようにスケールの大きい数多くの古墳が点在し,その分布密度は古代日本の中心をなした大和や河内にも匹敵すると言われているのであります。古墳の存在は,すなわち当時のその国の権力や勢力を誇示するバロメーターと目されているだけに,それは歴史的に貴重なモニュメントであり,県民が誇り得るかけがえのない文化遺産であります。しかし現実には,例えば全長136メーターの総社市の小造山古墳や,全長165メーターの岡山市の金蔵山古墳などは何の文化財にも指定されていないのが現状であります。  隣県の広島県東広島市の三ツ城古墳などは,その規模たるや前二者の2分の1強ほどの小規模なものにもかかわらず,国指定史跡であり,近年は墳丘の大規模な整備も行われ,生きた歴史教材として,また町の活性化のシンボルとしても見直しが図られているのであります。こうした例は全国的にもその数がふえつつありますが,反面,岡山県には多くの大規模な古墳の在存が確認されておりながら,文化財の指定などの保護措置はその量に比較して貧弱であります。今後,関係市町村との連携のもとに古墳の整備を進めていくべきであると考えますが,教育長の御所見をお伺いいたします。  その2は,百間川遺跡常設展示場の設置についてであります。百間川遺跡の調査は,開始以来十数年が経過し,その間,縄文時代から中世までの遺構が数多く検出され,その成果は岡山県史のみならず,日本史の研究にも多大な役割を果たし,貢献してきたところであります。百間川遺跡の情報公開は研究者の間では比較的スムーズに行われているようでありますが,一般県民に対する公開は極めて不十分であり,したがって関心も低いのであります。これだけの内容と量を誇る遺跡はまれであり,遺跡に近接した場所に常設の展示場と遺物の収蔵施設がぜひ設置されるよう提案するものでありますが,今後の計画についてお伺いいたします。  なお,関連して,古代吉備文化財センターには,現在収蔵施設が建設中であり,今後10年間の出土品の収蔵が可能との予測でありますが,現実には開発の規模拡大による発掘物の増大で数年間分が限度と見られているのであります。長野知事の持論でもありますように,出土品は出土した地域にあってこそその価値を増すものであり,したがって市町村に還元し,活用が図られるよう各自治体に受け皿づくりを整備するよう指導されるべきと思いますが,どのようにお考えでしょうか,お尋ねをいたします。  質問の最後は,警察行政についてであります。  まず第1点目は,未解決の重要凶悪事件の今後の対応についてであります。刑事訴訟法の定めによりますと,殺人事件の場合は事件発生から満15年を経過しますと時効となり,犯人は法の裁きを免れることになっております。法手続の上ではやむを得ない措置かもしれませんが,遺族等の心情を考えますと,実に割り切れないものが残るのであります。ところで,岡山県内では,昭和52年9月に岡山市三野地内で発生した個人タクシー運転手の強盗殺人事件を初め,同年11月には倉敷市東町地内で独居女性被害の殺人事件,また翌年の4月には倉敷市四十瀬地内で独居老人被害の強盗致死事件が相次いで発生したのでありますが,これら3件の事件はいずれも警察当局の必死の捜査にもかかわらず,今日まで犯人を逮捕するに至っておりません。このままで推移しますと,本年秋から来春にかけていずれも時効の成立という事態になってしまうようであります。しかし,このような形で凶悪事件の捜査が打ち切られてしまうことは,治安対策面の問題もさることながら,素朴な県民感情からも悪人の逃げ得といった印象が強く,今後の警察行政を進めていく上での悪影響を懸念するものであります。県警察では,昨年は,まさに時効寸前となっていた強盗殺人事件の犯人を粘り強い捜査によって見事に逮捕した実績もあるわけでありますが,これら未解決の重要凶悪事件についても同様に,最後の瞬間まで犯人逮捕に向けた努力を期待するものであります。県警では,これら未解決の重要凶悪事件の捜査強化をねらって捜査検討会も開催されるなどの措置をとっておられるようでありますが,これら未解決事件の捜査に向けた県警の取り組みの状況と今後の決意について警察本部長にお伺いいたします。  私の質問の最後は,暴力団対策についてであります。暴力団対策法も施行から3カ月が経過し,新聞報道等によりますと,全国最大の暴力団組織である山口組を初めとする主要10団体に対しての聴聞も開始され,いよいよ法律が機能し始めたとの感を深くするのであります。現在県下には41団体もの暴力団組織があると言われ,これら団体に対する公安委員会の指定作業も今後順次行われるものと思いますが,せっかくの法律であり,指定に漏れのないように,法律の網をしっかりとかぶせていただきたいのであります。  また,暴力追放運動推進センターも,開所後,県民からの相談等利用が相次いでいるとのことであり,その成果が期待されるのであります。しかし暴力団対策は,法律ができた,暴追センターができたということで万全の備えが整ったというものではなく,むしろこれからの方が大変だという声が関係者の間で聞かれます。暴力団がいない平和な町づくりを実現するためには,地域住民が団結して暴力団に対して強い対決姿勢を示すことが必要であることはもちろんでありますが,こうした住民運動を裏で支えていくためには,捜査当局による被害者等の保護の徹底が伴わなければならないと思うのであります。被害を届け出て,警察に事件として検挙してもらっても,後で暴力団からお礼参りやいやがらせ等におびえる毎日を送らせたのでは,以降において住民からの協力を得ることは困難になってしまうことになります。したがって,警察は事件処理だけでなく,被害者や協力者の保護についても万全の配慮をする必要があると思いますし,そのことが次の協力者を生み出すきっかけにもなろうかと思います。  そこで,県警としては,暴力団対策法の施行に伴い,被害者の保護のためにどのような対策を現在講じておられるのか,警察本部長にお尋ねをいたします。  以上をもちまして,私の公明党代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  公明党の日南議員の代表質問にお答えいたします。  まず最初に,6選に向けての決意ということでございますが,繰り返して申し上げて恐縮でございますけれども,私は,知事就任以来一貫して「人間尊重,福祉優先」を基本理念といたしまして,「創造・自立・連帯」を基調とした明るく清潔な県政の推進に努めてきたところでございます。幸い,県議会や県民の皆様方の御理解,御協力によりまして一定の成果を上げてきたと考えておりますが,今後は,それらを県内各地域に波及させまして,これを最大限にその成果を生かしながら高齢化社会への対応,また環境保全など県民みんなが安心して,生きがいを持って暮らせる社会システムづくりなどに努めまして,真に豊かで活力のある郷土づくりを推進してまいりたいと考えております。今後の県政推進に当たりましては,県民の皆様の御意見に十分耳を傾けまして,皆様とともに最大限の努力をしてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いを申し上げます。  それから,苫田ダムについてでございますが,先般の公開シンポジウムの申し入れというものは,ダムの建設の目的とその必要性という苫田ダム最初の,一体苫田ダムが必要かどうかという議論からスタートしようというようなお話であったわけでございまして,私どもといたしましては,既にその結論は得られておるという考え方に基づいて,遺憾ながらお断りを申し上げたものでございます。  御承知のように,苫田ダムにつきましては,昭和56年9月の県議会で御同意をいただきまして,特定多目的ダム法に基づく基本計画が策定をされまして,また奥津町におきましては昨年の8月にダム建設を前提とした奥津町地域総合振興計画案が策定されました。さらには,地元地権者の了解を得まして,国道179号のつけかえ工事の調査を行うなど,苫田ダムの建設に向けて既にさまざまな取り組みがなされておるところでございまして,いまだ御同意をいただいてないこの水没地権者に対しましても,今後とも誠意を持って話し合いを続けていくという所存でございますので,その点はひとつあしからず御理解を賜りたいと思う次第でございます。  それから,県職員と県民の対話についてでございますが,職員は,日ごろから担当業務を通じて県民の方々の声に耳を傾け,行政の遂行に努めておるわけでございまして,それぞれの地域で各種の行事にも積極的に参加しておるのでありますけれども,まだまだ十分なものというふうにはなっていないかもしれません。さらに今後とも県民の方々との対話を深めまして,活力のある地域づくりに努めるように徹底をしてまいりたいと考えております。  それから,機構改革でございますが,これは毎年度スクラップ・アンド・ビルドを基本に見直しを行っておりまして,新しい時代に即応した組織体制の整備,また適正な人員の配置に努めておるところでございまして,今年度は農業公園建設推進室の設置を初めといたしまして,廃棄物対策,高齢者福祉対策,公共事業推進等のための執行体制を強化いたしまして,新たな行政需要や県民ニーズに的確にこたえ得る組織整備の充実に努めてまいったところでございます。  それから,週休2日制への対応でございますが,その実施に当たりましては,お話もございましたように,極力行政サービスの低下を招くことのないように配慮しなければなりません。そこで,緊急連絡網の整備充実でありますとか,あるいはまた旅券発行事務につきましての窓口を増設いたしますとか,さらにテレホンサービスの充実など,それぞれの業務に見合った改善策を実施してまいりたいと考えておりまして,今後さらにこの事務改善を進めまして,受付窓口の接遇の向上,また許認可事務の迅速化に努めてまいりたいのであります。  市町村につきましては,現在のところ,6月及び7月の定例議会に提案を予定している団体は10町村でありまして,その他については検討中でございますが,いずれも行政サービスを極力低下させないように努めながら,速やかに導入の準備を進めるように指導をさらにしてまいりたいと考えております。  それから,課名の総点検というお話がございましたが,日南議員のお話のとおり,課名は,そもそもその名称からいたしまして担当業務の内容ができるだけ容易に理解できるということになる方がいいわけでございます。そういう点から考えますと,今まで多少そういう点で注意が欠けておったということはたくさんあるような気もいたします。そこで昨年度は,地方振興局の農林事業部の林務課──林務課といってもよくわからぬということもありますから,森林課ということに改めました。それから,本年度は同じく地方振興局福祉部の社会課──これも言ってみりゃよくわからぬわけでございますから,そこで福祉企画課と,福祉企画課に改めたら非常によくわかるかというと,これ多少疑問はありますけれども,そういうことにしたりいたしておるところでございますが,今後とも,県民にとってわかりやすい名称になり,内容がわかるようにするということでございますので,これはいろいろな意見を承りながら考えてまいりたいし,同時に,一方でCIの研究もいたしておりますから,そういう中でもひとつ点検の一つの項目にぜひいたしまして,親しみやすい,わかりやすい名前になるように努めてまいりたいと考えております。  それから,職員人事のあり方でございますが,職員の各自がもちろん自己の職責を十分に認識をしまして,意欲を持って仕事に取り組むということが,これは何よりも大切なことでございまして,そういう観点から職員の勤務成績なり,能力なり,適性なり,あるいは職員の希望等も十分把握しまして,適材適所の人事ということの配置に努めておるところでございます。今後とも,それぞれの業務の事情に応じまして,人事異動のローテーションを工夫いたしまして,円滑な県政の推進が図られるように対応してまいりたいと考えております。  また,昨年度新設いたしました審議監につきましては,瀬戸大橋などの各種の大型プロジェクトが地域に及ぼす効果でありますとか,あるいはまた女性の社会参加問題等の重要問題について,部局を超えて幅広く調査研究をするということなどを特命事項にして掌理をさせておるところでございますが,これらの調査結果などを各分野に反映をさせてまいりまして,本年度におきましても引き続き同様の観点から業務を担当してもらうことにいたしておるわけでございます。  それから,吉備高原都市の定住化の促進につきましては,各種の施設の立地を先行させてまいったのが今までのところでございますが,現時点ではそういうことで,御指摘のように目標の定住人口にはまだ至っておりませんけれども,最近岡山空港から新都市間の吉備新線の開通がありましたり,また業務商業ビルのオープン等の都市的な利便施設,久しくその施設が望まれておりましたが,これらの充実によりまして今後は人口集積に一層弾みがついてくるものというふうに期待をいたしておるところでございます。  住宅建設計画の掌握の問題でございますが,先般,住宅供給公社で宅地購入者に対する住宅建設計画の調査を実施いたしました。実施いたしますと,それはもうすべての人が期限内にちゃんとやりますという答えが出てくるわけでございまして,今後とも建設を促進をいたしますために,期限の周知徹底を図りますとともに,定期的に建設促進要請をしてまいるようにいたしたいと考えます。  それから,小中学校の建設につきましては,現在,地元両町で今後の生徒数の増加見込みを調査いたしまして小学校の建設についての検討を進めてもらっておるところでございますが,定住促進の観点からも学校の整備ということは必要なことでありますので,地元両町と密接に連携をしながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  それから,アクセス道路の整備でございますが,御指摘の県道高梁建部線につきましては,これは改良率70.5%でありまして,現在高梁市上谷地内の延長2.9キロメートル,それから賀陽町の西から北地内に至る延長4.2キロメートルを道路改良事業でいたしておりますのと,賀陽町北から湯山地内に至る延長4.1キロメートルを道路整備特別対策事業で整備中でございます。  また,高梁御津線につきましては,おおむね整備を完了しておりますが,部分的な線形の改良とか歩道の設置などを実施をいたしておりまして,これらの事業は,少なくとも中国横断自動車道が供用される平成八,九年までにはもう完了してしまう予定でございますが,高梁建部線の改良率は,この3カ所が完成することによりまして約82%となる見込みであります。  また,県道賀陽巨瀬線につきましては,改良率現在49.5%でありますけれども,未改良区間の延長約5キロメートルにつきましては,緊急地方道路整備事業等で整備中でございます。  それから,県道賀陽有漢線につきましては,これは改良率33.1%でございますが,緊急を要する箇所について単県事業で取り組んでおりまして,これも整備促進に今後努めてまいりたいと考えておるところでございます。  それから,県立大学でございますが,入学試験は来年の1月から3月にかけて実施するように計画をいたしておりますが,そこで,事前に文部省の了解を得まして,夏過ぎには実は学校案内を作成をいたしまして,県内及び西日本の各高等学校並びに全国の都道府県などに学生案内を送付いたしまして,また学生の募集要項につきましても事前に準備をいたしまして,12月に設置認可が得られ次第関係先に配布をいたしまして,円滑な学生募集に万全を期することにいたしておるところでございます。  学生寮につきましては,先ほどの日本社会党・県民会議の代表質問にもお答えしましたように,現時点では建設計画は考えておりません。総社市内等を中心にした民間住宅で十分対応されるものと考えております。  また,住宅費の助成のお話がありましたけれども,学生の就学援助につきましては,一般の奨学金制度で対応されるべきものであると考えておるところでございます。  それから次に,足の確保でございますが,服部駅周辺の整備につきましては,当面必要な通学路や駐輪場を開学に間に合いますように,総社市が整備することにお願いをしておるところでございます。  それから,入学者の選抜方法でございますが,現在県立大学建設準備会におきまして,県内高校出身者を中心とした推薦入学制度の実施を含めて検討を進めておるところでございます。  それから,県立短大との関係でございますが,県立大学は,これは新たなる理念のもとに新たなる学部を中心に設置されるものでございますから,そういう意味でどういう呼び方をするといいましても,新たなる名称で呼ばれるようになるわけでございます。しかしながら,歴史的に見ますというと,一部の学科や専攻は現在の県立短大を改組発展をさせて設けるということにもなっておるわけでございますから,その限りでは県立短大というのは県立大学の前身であるということは間違いはございません。恐らくそこの学籍簿その他も今度の大学で保管するというようなことになるであろうと思います。  それから,チボリ公園でございますが,チボリ公園に関するお尋ねの中で,都市計画道路の昭和宮前線というものについて,えらい早く急ぐではないかというようなお話だと思うんですが,これは従来から倉敷駅北地区におけるまちづくりの根幹的な施設として,以前から地元からも再三事業化の要望があったところでございまして,県としても,優先度の高い路線として事業着手をしたところでございます。  また,県の出資や地代捻出のための県の支援などにつきましてもお尋ねがございましたけれども,チボリ・ジャパン社の体制強化とか事業計画の見直しにつきまして今後関係者と協議調整していく過程で,県としても何らかの支援が求められるような場合におきましては,これはかねてから申し上げておりますとおり,県議会ともよく相談して検討してまいりたいと考えております。  土地利用でございますが,クラボウに対しましては,工場跡地などの14.8ヘクタールの土地について,駅前広場などの都市計画関係の需要が見込まれる部分を除きまして,公園用地として使用したいという旨を申し入れているところでございます。デンマーク・チボリ公園の面積は約8ヘクタールでございますから,それに比べますと相当広い面積の確保が可能でありまして,緑と花と水辺をベースに,コンサートホール,アミューズメント施設,ショッピングあるいはレストランなどの施設を効果的に配した質の高い都市型公園としてのニーズに十分こたえ得るものと考えておるところでございます。  専修学校でございますが,専修学校は,お話もございましたように,職業や生活に必要な能力や技術の育成,さらには教養の向上を図ることを目的として,多様な分野にわたりまして教育を行っております。生徒数も最近著しい増加を見ております。今後,生涯学習の場としても地域社会の要請にこたえていくことが期待されておりまして,ますますその重要性が増していくものというふうに認識をいたしております。  専修学校生に対する奨学金の制度でございますが,日本育英会が行う貸与制度のほかに,県はその中で看護学生奨学資金貸与制度を持っておりますが,これら以外の専修学校生への奨学金制度の新たな適用につきましては,これは今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。  それから,専修学校に対する助成でございますが,本年度は設備整備費助成の大幅な充実を図りますとともに,開放講座に対する助成制度を新たに設けたところでございまして,今後ともこれらの充実に努めてまいりたいと考えております。  それから,その次に骨粗鬆症対策でございますが,骨粗鬆症は,一般的には骨塩量──難しいんですけども,骨の塩と書くんです。骨塩量,何ということだっちゅうたら,カルシウムちゅうことだそうです。正確にはカルシウムだけじゃないようですけども,骨塩量が減少しまして,そして骨折を起こしたり,その危険性の高い状態になる,そういう状態にあるものを骨粗鬆症と言うわけでございます。患者は女性が多いわけでございまして,その主な原因は,閉経期になりますと女性ホルモンが減少いたしまして,そして腸からカルシウムの吸収が悪くなりまして,その結果骨がもろくなると,こういうことなんだそうでございます。  治療方法としては,女性ホルモンを補給することが有効である,しかし,これ男性にも女性ホルモンで有効なんだそうです。そのかわりこういうところがふくれてくるかもしれぬと(手ぶりで示す),こう言うんでありますが,そこで我が国では副作用の問題があるということが非常に言われておるわけでございまして,そこでなかなか一般化が図れないということだと言われております。  ちなみに,4年前の数字でございますが,我が国の厚生省の調べによりますと,全体で500万,男性は100万,女性が400万,4対1というようなことになっておるようでございます。そういう意味で500万人,その中で年間に10万人が骨折をしておるということでございまして,寝たきり老人のうちで約5%がこの骨粗鬆症を原因とする骨折によるものというふうに言われておるのであります。  で,この骨粗鬆症の予防は,結局,子供のころからのカルシウムやビタミン摂取など食事と運動習慣の形成,そういうことが大切だと,もうそれしか方法がないということなんだそうでありまして,したがって若いころから一生懸命にカルシウムを体の中へため込んでおかなきゃいかぬと,こういうことになるということでございます。したがって,若いころから生涯を通じての実践が重要であるということで,県及び市町村におきまして健康教育等に取り組んでおるところでございます。なお,未実施市町村に対しましては,今後とも実施に向けて指導してまいりたいと考えております。  それから,ボランティア活動の問題ですが,基本方針の策定等につきましては,急速に高齢化が進展する中で,地域福祉活動の担い手としてのボランティアの役割はますます高まってまいりますから,現在市町村社協には906団体,5万8,296人のボランティアが登録されておりまして,県下の各地域におきまして活動をいたしまして,友愛訪問とか給食サービスなど幅広いその他の活動に取り組んでおります。このような活動を継続して充実していくためには,繰り返し啓発を行い,また実践を促していくことが必要でありますから,県としては,啓発・組織づくりから実践活動までの体系だった施策を進めております。活動への理解と参加を呼びかける啓発の講演会でありますとか,情報交換でありますとか,活動組織の強化のための交流大会などを実施しておるわけでございますが,本年度からは新たに組織強化と実践活動を推進するコーディネーター養成のための講習会も実施することにいたしております。今後とも,教育委員会や市町村,社協等と連携を図りながら,地域住民みずからが地域福祉活動の担い手としてボランティア活動に積極的に参加できるように一層の啓発に努めてまいりたいと考えております。  それから,エイズの予防対策でございますが,感染者の増加や感染経路の変化など新たなる局面を迎えておりまして,御指摘のとおり,その対策は緊急の課題と考えられます。このために,本県では,エイズに関する専門的な事項を協議する県感染症対策委員会エイズ専門部会,また医療,学校,教育,労働などの官民19団体で組織する県エイズ対策推進協議会,こういうものを推進組織として各種のエイズの予防対策に取り組んでおります。お話の対策推進重点期間の設置につきましては,毎年12月1日というのが世界のエイズデーということになっておりまして,この世界エイズデーを中心に普及啓発に努めておるところでございます。  それから,エイズ情報ホットラインの設置というお話がございましたが,現在,エイズに関する正しい知識や検査機関,相談窓口に関する情報などを電話によって提供する岡山県エイズテレホンサービスを実施するとともに,個別の具体的な照会や相談につきましては,各保健所にエイズ相談窓口を設けまして,電話での相談に応じておるところでございます。今後とも,そういうサービスの内容の充実に努めますが,いずれにしましても,プライバシーや人権の保護にも配慮しながら必要な情報を提供できる体制づくりに努めてまいりたいのであります。  それから,血液製剤によりエイズウイルスに感染した血友病患者の救済でございますが,現在,小児慢性特定疾患治療研究事業及び先天性血液凝固因子障害治療研究事業で,医療費負担の軽減,さらには関係企業等の寄附によりまして設立されました友愛福祉財団が救済事業として医療手当,特別手当等を支給しておるところでございます。  差額ベッド料金につきましては,患者の希望がありました場合に限られるものでありまして,医師が治療上必要と認めた場合にはそれを徴収しないように国から通知をされておりまして,さらに患者が安心して治療が受けられるように,保険医療機関等に対しましても周知徹底を図ってまいりたいと考えておりまして,現在のところはよく守られているようでございます。  最新の医療情報の提供につきましては,岡山県感染症対策委員会エイズ専門部会におきまして所要の情報交換を行っておりますが,エイズ問題総合対策大綱に示されました基礎研究や情報の集積,研究の連絡調整組織の整備につきましても,その充実を国に対して強く働きかけてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  それから,瀬戸大橋開通5周年記念事業につきましては,全国から多数の方々の参加のもとに,ブリッジウォークなど瀬戸大橋を利用した大規模なイベントを中心にいたしまして,5周年にふさわしい行事を実施したいと考えておりまして,現在香川県側や本四公団と具体的な協議を進めておるところであります。特に,この事業の実施には橋の利用が前提でありますから,円滑な交通の確保,参加者の安全性など,交通安全に係る問題点の早期解決が大切でございまして,関係機関との対応策を今鋭意調整中でございます。その見通しが明らかになり次第事業内容を取りまとめまして,実施に向けて本格的な取り組みを開始したいと考えております。  それから,観光対策で,観光客の受け入れ態勢の整備でございますが,県が助成しておる施設整備事業の中で,その中でお尋ねのありましたユニークな事例ということでございますが,ほかにもいろいろあるんですけども,観光ということでやりましたユニークな事業は,例えば,牛窓町の「日本のエーゲ海」にマッチした地中海風の風車のあるトイレ,非常に評判になっておるわけでございます。それから,西粟倉村の泉源開発による「湯ーとぴあ黄金泉」の整備,こういうのが大変好評を得ておるものというふうになっております。今後とも,市町村と連携をしまして,魅力のある観光地の整備に努めてまいりたいのであります。  それから,宿泊客の獲得についてでございますが,確かに宿泊観光客は瀬戸大橋ブームの鎮静化に伴いまして減少傾向にありまして,平成2年は約1,180万人でありましたものが,前年に比べまして7%程度の減少となっております。このために,JR6社とタイアップをいたしまして,全国的なキャンペーンを展開をして,観光客の増加を図っておるところでございますし,また吉備の国新発見事業など新しい視点に立った魅力的で話題性に富んだ回遊型の観光ルートの発掘に取り組むなどいたしておりまして,関係者一体となって宿泊客の増大に努めてまいりたいと考えております。  それから,近隣アジア地域からの誘致策のことでございますが,国際定期便の拡充をにらみながら,引き続きソウル及び香港での観光展に参加いたしまして,同時に,本年度は新たにシンガポールと韓国の釜山へ観光宣伝隊を派遣をいたしまして,現地の政府機関,旅行会社等に対しまして,岡山のすぐれた観光資源をPRいたしまして,観光客の誘致に努めてまいりたいと考えております。  それから,特産品の振興でございますが,県外での宣伝につきましては,本年度も大都市圏を中心に全国5カ所で開催することにいたしております。特産品パンフレットによる各地へのPRなどとあわせまして,今後とも販路拡大に努めてまいりたいと考えております。  岡山県観光物産センターの経営状況は,昨年9月のオープンから本年の5月末現在までで約17万6,000人の来館者と6,700万円の売り上げを示すなど,旧貿易産業館に比べて来館者も売上金ともに大幅に伸びておるのでございまして,おおむね順調に推移していると言っていいかと思います。  また,県外客の来館誘致につきましては,県外での観光物産展,観光宣伝隊によるパンフレットの配布あるいは岡山駅の観光案内所でのPRなどに努めておりますが,今後,さらに積極的な周知を図って,県外客の増加に資してまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 ◎農林部長(青山寔君)  お答えいたします。  稲作の減反緩和についてでありますが,本県におきましても2,800ヘクタールの緩和措置がとられております。市町村,農協などとともに稲作復元の指導に努めてきたところであります。しかしながら,この緩和措置が本年1年限りの措置であることなどから,稲作復帰につきましては厳しい面があり,現在70%程度の復帰が見込まれているところであります。  次に,女性農業士についてでありますが,昭和49年度に全国に先駆けまして農業士制度を発足させ,現在118名の農業士のうち,わずか2名ではありますが女性の農業士を認定しておりまして,地域農林業の発展やコミュニティーづくりなどに活躍していただいているところであります。今後も,女性の能力,感性を農村の活性化に反映させる観点から,女性農業士の増員を検討しているところであります。  また,女性農業大学校につきましては,本県でもモデル地区を定めまして,普及所を中心に,農村女性の経営管理能力の向上を図るためのいきいき農村婦人活動促進事業でございますとか,農業の基本的知識,技術などの向上を目指しまして,農業女性技術向上促進事業など女性を対象にいたしました講座を実施中でございます。今後も一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  花の生産振興についてでありますが,農水省では,家庭や職場で,手ごろな価格で日常的に利用できます花の普及を図るために,草丈が若干短いなどのことで秀品に入らない花をカジュアルフラワーとして位置づけております。生活に潤いと安らぎをもたらします花の需要は今後ますます増大するものと考えられます。したがいまして,一般消費者に好まれます手軽な花の生産と消費拡大に一層努めてまいりたいと考えております。  「おかやまのさかな」の選定についてでありますが,瀬戸内で育った岡山の魚介類は,種類も豊富で味もよいことから広く親しまれておりまして,その一層の消費拡大を図るため,これまでお魚まつりでございますとか魚料理の講習会,またパンフレットの作成配布などを行っているところでありますが,今後も水産資源の保護育成とあわせ広くPRしてまいりたいと考えております。  また,お話の「おかやまのさかな」の選定につきましては,今後,関係団体に諮りながら検討を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  日南議員の公明党代表質問にお答えをいたします。  まず,ボランティア活動についてでございますが,子供たちがボランティア活動に参加をし,その体験的な活動を通して豊かな奉仕の精神や実践力を育てていくことが大切であると思います。現在,ボランティア活動の指導資料の配布を行って,道徳教育や体験活動の中でボランティア教育の推進に努めておるところでございます。今後とも,奉仕する心の一層の醸成を図るよう教科や特別活動の中に積極的に取り入れてまいりたいと,このように考えております。  次に,市町村図書館の整備充実についてでございますが,それぞれの市町村の自主的な努力が先決であると考えております。県としては,従来から,市町村が国庫補助金を受けて整備する図書館に対しましては県費の補助をしてきましたが,さらに建設の促進を図るため,本年度から国庫補助金を受けないで整備をする図書館にも補助をしているところでございます。今後3年間で9町村において図書館建設の計画がありまして,町村の図書館建設の機運が高まってきておると,このように思います。  公立図書館のない町村に対します県の支援サービスにつきましては,移動図書館車による自動車文庫や僻地児童巡回文庫,公民館などに図書を貸し出す配本所事業を実施しているところでございます。  また,コンピューターネットワーク化構想につきましては,新県立図書館構想の中で市町村立図書館や公民館図書室などとのオンライン化とネットワーク化を図って,迅速な図書資料の検索,貸し出しができるよう検討しているところでございます。新しい時代にふさわしい図書館サービスシステムを構築したいと考えておるところでございます。  次に,文化財行政の推進についてでございますが,古墳の史跡指定につきましては,規模だけではなく,時代,出土遺物,地域性などを総合的に勘案して行われております。県内では,国指定のものが13,県指定のものが11,市町村指定が109でございます。最近では,昭和63年に中央町の唐臼墳墓群,平成元年には北房町の大谷1号墳を県指定としたところでございます。また,整備されたものといたしましては,津山市の美和山古墳群,八束村の四つ塚古墳群などがございます。今年度より4カ年計画で北房町の大谷1号墳の整備を図っているところでございます。今後とも,市町村や土地の所有者とも協議をしながら,古墳の適正な保護,保存と整備,公開に努めてまいりたいと,このように考えております。  次に,百間川遺跡についてでございますが,御指摘のように重要な遺物や遺構が多数出土しております。現在,古代吉備文化財センターにおきまして遺物の復元などを行いますとともに,県立博物館や地域の公民館などにおきまして遺跡展を開催をし,県民に公開しているところでございます。御提案の常設展示場と遺物の収蔵施設につきましては,岡山市における博物館など建設構想の中で検討を進めていただきたいと,このように考えております。  また,出土品につきましては,地域の生活や文化を物語る貴重な歴史資料でございますので,それぞれの地域におきまして展示,活用されますように歴史民俗資料館などの整備を促進し,市町村への移管を図ってまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。
    ◎警察本部長(滝藤浩二君)  日南議員の公明党代表質問にお答えいたします。  まず,未解決重要凶悪事件への取り組み状況についてでございます。御指摘のとおり,昭和52年9月岡山市三野地内で発生いたしましたタクシー運転手に対します強盗殺人事件を初めといたします3つの凶悪事件は,いずれも所轄署に捜査本部を設けまして,大量の捜査員を動員いたしまして懸命な捜査を推進してまいりましたけれども,残念ながらいまだ犯人逮捕に至っておらないところでございまして,御指摘のとおり15年の公訴時効が次第に近づいているところでございます。このため,この4月からそれぞれの捜査本部で捜査の再点検のための検討会を開催いたしますとともに,多数の捜査員を本件に専従させまして,これまで挙がっております不審者に対します再捜査だとか,現場から採取いたしました資料の再鑑定等の捜査を鋭意推進中でありまして,あわせまして,県民の皆様方からの幅広い情報提供もお願いしているところであります。今後とも,犯人の必検を期しまして捜査を尽くしてまいる所存でございます。御協力をお願い申し上げます。  次に,暴力団からの被害者等に対します保護対策についてお答えいたします。  御指摘のとおり,保護措置の徹底は暴力団対策の極めて重要な問題であると考えております。そこで,私ども警察といたしまして,4月1日付で本部に保護対策官,各警察署に保護対策責任者等を新設いたしますとともに,各事案,各事件ごとに即時具体的に対応できる担当官を指定することができます体制の確立を図ったところでございます。あわせまして,危険性の度合いに応じた保護措置要領を定めますとともに,警察への緊急通報装置,あるいは高機能センサー等の資器材の整備を図りまして,実質的,継続的な保護対策措置が講じられますよう,その万全を期しているところでございます。現在も,複数の被害者等に対しまして,実のところ24時間体制の保護措置をとっているところでございまして,被害者あるいは協力者の方々に安心していただけるように万全を期してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても,今後とも,警察の全組織を挙げまして徹底かつ確実な保護対策を実施してまいる所存でございますので,一層の御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  以上でございます。 ◆35番(戸室敦雄君)  皆さん,おはようございます。早速質問に入らさしていただきますが,きょうは通告をいたしましたように地方拠点都市整備法についてだけでございます。ほかの項目はございません。私のつもりはまさに拠点主義一本やりでございますから……(「津山一本じゃ」と呼ぶ者あり),ありがとうございます。どうぞ知事さんの明快な前向きな御答弁を期待しておきたいと思います。  先般,アメリカの有力紙でありますワシントンポストという新聞に,「地方都市とその住民の変化」という見出しのもとに「音楽を通じての発展を試みている都市,津山」という記事が掲載されました。全文を御紹介する時間がございませんが,記事の要約を抜粋してみたいと思います。  「第2次世界大戦後,東京に経済,情報,人などが集中し,このような東京一極集中が地方の振興を阻害してきた。そういった中で,地方自治体は活力あるまちづくりに懸命の努力をしているが,その中の一つが岡山県津山市である。この町は,偉大な音楽家グスタフ・マーラーをテーマとして,3年ごとに津山国際音楽祭を開催し,既に1987年と1990年には成功をおさめており,第3回目の来年──1993年9月開催に準備を進めている。津山は東京からは飛行機とバスで3時間,汽車で6時間,大阪からは高速道で3時間かかる。津山の歴史は1603年の森忠政の入府にさかのぼるが,町は城を中心に広がり栄えてきた。吉井川の清流が町を横切り,周囲を青々とした緑の山々が囲み,小京都と呼ぶにふさわしい。この記事を読まれているころには,城跡の桜の花が咲き誇っていることでしょう。  その津山は,主に交通の不便さが原因で,1950年代には8万人を超えた人口も1970年代半ばには7万6,000人に落ち込んだ。豊かな歴史と伝統にもかかわらず,津山は若者の心をつかむ新しい文化や魅力のある施設に欠けており,新しいビジネスを引きつけることができなかったが,1975年の中国自動車道の開通により人口の減少はとまった。工業団地の発展とともに町の環境整備も進み,1980年に8万3,000人を超え,現在は9万人になろうとしている。津山の発展が単に経済的なものだけであったら今のように現代的で魅力的な都市にはならなかったであろう。津山市は,1982年に津山地域文化振興研究会を設け,津山地方のコミュニティー活動を豊かにするため,「文化振興による地域づくり──音のまち津山」という計画をつくり,著名な指揮者であり,地元の作陽音楽大学の教授であった故渡辺暁雄氏を中心にして,クラシックだけでなく,あらゆる分野の音楽を取り入れた新しい音楽祭を創造することを決定した。日本の約70の地方自治体が音楽活動を将来の地域振興に役立てたいとしており,これが活性化の唯一の方法ではないにしろ,日本の地方都市において生活の質についての考え方が変わっている証拠である」。  以上がワシントンポスト紙に載った記事の大要でありますが,次にもう一つ,まちづくりに関して御紹介をいたしたいと思います。  自治省は,都市景観や住まい環境の改善,自然環境の保全,地域文化の振興などについて顕著な功績のあった地方公共団体に潤いのあるまちづくり優良地方公共団体として表彰し,その功績をたたえるとともに,広く全国に周知することを目的に自治大臣表彰という制度を創設し,平成3年度には全国で13団体を表彰しましたが,その一つとして津山市が受賞したのであります。津山市の受賞は,次の3つの事業などを実施したことによるものと言われております。すなわち,1つには,景観整備計画の推進であります。これは旧出雲街道沿いの古い町並みを保存するため,昭和63年度から町家──商人の家でございますが──などの修理,修景に助成し,町並みの保存に努めている。また,津山の町に調和した景観の創造に顕著な功績があった個人や団体を表彰する津山ふるさと景観賞を設けているというものであります。2つ目には,蛍のすむ川づくりであります。これは昭和60年に宮川のホタル復活研究会を発足させ,源氏蛍の飼育,幼虫の放流等を実施したというものでございます。3つ目には,先ほども申し上げましたが,音楽都市構想の推進であります。これは昭和59年に音楽都市構想を策定,音楽を中心とした街づくりを進めており,特に津山国際総合音楽祭では,さまざまなジャンルのコンサートを開き,幅広い音楽祭を目指してきたというものでございます。  この音楽都市構想の状況についてつけ加えますと,最近,市役所で昼食どきにミニコンサートを開いたり,ある病院でも,病院の地域開放というんでしょうか,地域参加ということで演奏会をしたり,マーラーの曲をいつも聞くことのできるお店,例えば喫茶店とか洋品・洋装店とか,そういうお店をグループ化してそういう会をつくったり,あるいは皆さんも御承知と思いますが,津山警察署が,音の町津山にちなんで,津山警察署の歌をつくって最近発表会をするなど,警察というのは大変おかたいところだと思っていましたが,そういう音楽都市津山だということに賛同いたしまして,そういうこともやっておられるようでございますが,このように最近では音の輪,人の輪が広がっているのでございます。  今,津山市に例をとりましたが,そのほかにも,過疎と高齢化に悩む芳井町は,若者の定住促進をねらい芳井町生き生きまちづくり条例を制定,この春4月から施行しましたのを初め,平成3年度には新庄村いきいき対策推進条例や富村むらおこし促進対策条例が定住促進のために制定されておりますし,広い意味での地域づくりのために,全国的にもユニークな美しい星空を守る美星町光害防止条例なども制定されているのでございます。このように,地域に根差したまちづくりを積極的に進めてきました津山市や芳井町,新庄村,富村,美星町などの例を見るまでもなく,県下の各市町村はそれぞれにあらゆる努力を払い,地域興し,村興し,まちづくりに励んでおられるのであり,県もまたいろいろな施策を講じ,市町村への支援をしているのであります。長野知事は,地方行政のベテランとしてその名声が高く,今日までの県政のかじ取りの中でも,岡山県ならではと評価される施策,言いかえますと長野知事ならではというものも数多く見られ,今日までの御尽瘁には敬意を表したいと思います。しかし,このような県や市町村の協力や独創的な取り組みにもかかわらず,県下78市町村の中で実に5割の40市町村が過疎化の波を受け,高齢化が進む昨今,高齢化率20%を超える市町村が52もありまして,活力が失われているのも現実の姿であります。  そこで,お尋ねをいたしますが,地域づくり,まちづくりについては,冒頭御紹介いたしました津山市の例に見ますように,まちづくりは単に経済的観点からだけでは魅力あるまちづくりにならなく,地域独自の歴史,伝統を踏まえ,都市づくりの理念を持った上でさらに新しいまちづくりの意欲を持って推し進めなければならないことは言うまでもございませんが,改めて知事のお考えをまず承りたいと思います。  第4次総合福祉計画が目標とする岡山県像の中で,地域づくり,まちづくりへの取り組みについて,あわせてお尋ねをしておきたいと思いますが,特にアクセントを持った事業展開が必要であると考えます。どのような方針で臨まれるのか,お伺いをいたします。  さて,東京一極集中の是正と地方都市の活性化を目指す地方拠点都市整備法が先月29日に成立しました。この法律は,地域の創意工夫を生かし,都市機能の増進や居住環境向上の措置を講じ,地方拠点都市地域の一体的な整備の促進を図るとともに,過度に産業業務施設が集積している地域から,施設の再配置を促進し,地方の自立的成長の促進,国土の均衡ある発展に資することを目的としているのでありますが,第4次全国総合開発計画──四全総でございますが──が目指している多極分散型国土の形成をねらっており,四全総を受けて成立した基本法であります多極分散型国土形成促進法の実施法であり,いわば四全総の総仕上げを担うものと言えるのであります。  これまでの地方振興策は,昭和30年代の新産工特の制度に始まり,40年代の農村工業導入,50年代の高度技術産業集積都市,いわゆるテクノポリスでございますけれども,そういった都市づくりなど,幾つかが実施されてきましたけれども,いずれも工業立地中心の発想であり,拠点都市法は総合的な施策で,快適な地域づくりをねらっており,開発発展もさることながら,環境整備など豊かなまちづくりに期待が寄せられているのであります。さらにまた,従来の行政手法や公共投資は,全国均等,広く薄くが基本であるために,投資効率が悪かったために,集中投資,拠点育成に転換することで,即効性と高効率を期待するもので,具体的な支援措置として,公共事業の重点実施,地方行財政上の特例,都市計画上の特例,税制,金融面の優遇,農地処分の配慮など,極めて実効性のある法律として制定されているのであります。そして何よりも,この法律の眼目であります地方拠点都市地域の指定を主務大臣と協議をすることになってはいますが,都道府県知事がみずから行うことになっており,地方分権の立場からも大きな前進として評価されているのでございます。  そこで,この地方拠点都市整備法への取り組みについてでありますが,近く自治体との調整窓口や基本方針を策定する協議会を設け,年内にも第1次指定を行うとのことでございますが,これら指定についての今後の見通し,手順についてまずお尋ねをしたいと思います。  さて,この指定に向けての市町村を初めとする地方自治体の受けとめ方でございますが,法律の成立以前にも関係省庁にいち早く名のりを上げており,ある新聞の調査によりますと,34の道県114地域が奔走しているとのことでございますが,我が県における取り組みについてお尋ねをいたしておきたいと思います。  このように,この新しい法律に対して多くの期待が寄せられていますが,指摘される問題も幾つかあるのであります。  その1つは,関係省庁が6つということで,知事が指定をするとき協議に時間がかかりはしないかということや,各省庁の主要な支援もひもつきの補助金で縛りをかける従前からの行政から脱却できないのではないかなどでありますが,一番心配されますのは,都市整備を中央省庁の計画で行えば画一的にならざるを得ないのではないかということであります。町や村にはそれぞれに独自の歴史,文化,風土があり,それらを最大限に生かす中で新しい都市づくりが求められるのは申すまでもありませんけれども,その独創性が十分発揮されなければ,単なる集中の分散でしかなく,全国の商店街に銀座があるように,ミニ東京が地方にできても魅力的都市づくりとは言えないのであります。この地方拠点都市整備法に対する知事のお考えを率直にお尋ねしたいと思います。  次に,第4次総合福祉計画と拠点都市法についてであります。第4次総合福祉計画は,21世紀の岡山県のあるべき姿,すなわち県下全域にわたり活力ある豊かな地域社会を形成するとし,県政推進のいわば戦術,戦略を示したもので,地域づくりの方針を明らかにしているのでありますが,この第4次総合福祉計画と新しく成立を見た拠点都市整備法とのかかわりについて,長野知事はどのように整合させられるのかということであります。方針を含めお尋ねをいたしておきたいのでございます。  多極分散型国土形成によって均衡ある国土の発展を図ることが我が国の緊要な課題であると同時に,岡山県においても均衡のとれた県勢の発展が重要な命題であると岡山県長期ビジョンで県の将来像を描いておりますし,また総合福祉計画においても,岡山県が中四国地方における多極分散型国土形成上の重要拠点として位置づけられるとしているのであります。このように,我が県の進む道は四全総の目指す方向に沿ったものであり,先ほども述べましたが,拠点都市整備法が多極分散型国土形成促進法の実施法と位置づけられるなら,その延長線上に岡山県の諸計画があると言えるのでありますが,知事はどのような認識でおられるのか,お伺いをいたしたいと思います。  拠点都市法と県の総合福祉計画とは相関関係にありますが,拠点主義を取り入れた方策としての福祉計画と読み取るにはいささか難しいと思うのですけれども,どのように対処すべきなのか,お尋ねをいたしておきたいと思います。つまり,このように従来にない新しい方法で地域の振興を図るという方法をこれからの県政にどう取り入れていくかということであります。この点につきましては,以前にも考え方,方法論の一つとして御提言を申し上げました。つまり,県の目指す地域振興に地域拠点主義の導入を図り,新しい観点から21世紀の岡山づくりを図ったらいかがかというものであり,さらには今回の拠点都市整備法の基本方針を待つのではなくて,岡山県独自のビジョンを策定して,それを全国知事会などを通じ,各県の実情に近いものを基本方針に盛り込むようにアピールすべきではないかと考えますが,いかがでしょうか,お尋ねいたします。  冒頭,津山市の街づくりについて触れましたが,その津山地域で去る5月8日,地方拠点都市整備指定促進期成会が発足しましたが,これは県北地域の中心都市であります津山市を拠点にして,津山地域の振興を新法の指定を受けて実施するとしたもので,先週の6月9日にはその代表が知事を初め県,県議会など関係者に陳情を行ったところであります。  県北部地域において,中心都市津山市とその周辺の町村からなる津山地域は,豊かな自然,歴史,文化,伝統にはぐくまれるとともに,高速道路や中核施設の整備によって拠点性が高まっておりますが,今後の県北部地域の振興を図る上からも,名実ともに県北部地域の発展を牽引する拠点地域にふさわしい都市機能の付加が望まれているところであり,その意味合いからも当地域の早期指定が望まれるものでありますが,長野知事のお考えをお伺いいたしまして,私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  戸室議員の御質問にお答えいたします。  地方拠点都市整備法に関連してのお尋ねでございますが,最初に地域づくり,まちづくりの理念についてということでございます。県内の各地域が主体的な取り組みをもとに,それぞれの気候や風土,あるいは伝統や文化などの特性を生かして,個性豊かな,よそにないといいますか,独得の誇り得るものを育てていく,そして,住民が愛着を持って地域づくりを進めるということが重要であると考えておりまして,戸室議員のお説と大体私どもも同じように考えておると思っておりますが,そういうことで,県としては,地域での取り組みを積極的に支援をいたしますとともに,各地域が個性を競い合って,そしてまた相互に補完し合っていくと,そして総合力を発揮できるように,例えば,農山漁村地域と生活圏中心都市との一体的な発展と申しますか,それから都市間の連携強化というようなことを重点にいたしまして,社会資本の整備や産業の振興や拠点施設の適正配置というようなことを考えながら,総合的な地域振興策を進めておるところでございます。今後とも,第4次岡山県総合福祉計画の目標とする「美しく豊かな郷土づくり」の実現に向けて一層努力をしてまいりたいと考えております。  地方拠点都市整備法の地域指定の見通しなり手順でございますけれども,この法律によりますと,知事は,国の定める基本方針などをもとにいたしまして,関係の市町村,主務大臣と協議しました上で,地方の発展の拠点として一体的に整備すべき地域社会の中心となる地方都市及びその周辺の市町村を地方拠点都市地域として指定をする,そして,その指定を受けた市町村は,共同してその地域の整備の方針なり実施すべき事業などを定めました基本計画を策定をすることにされておるわけでございます。市町村が基本計画に基づいて事業を実施いたします場合には,国は公共事業の重点実施を初めとする各種の支援措置を講ずるということになっておるわけでございますが,国におきましては,本年秋を目途に地域指定の要件などを示すところの基本方針が定められる予定というふうに聞いております。今後,関係省庁間で具体的な協議が進められるわけでございますが,地方の自主性を最大限に尊重するというこの法の趣旨からいたしまして,国の定める基本方針というものはもう要点にとどめるということにして,弾力的な取り扱いができるようにするという必要があると考えておりまして,先般知事会でも,私がその委員長を務めております地方制度調査委員会で意見調整を行いまして,全国知事会からそのような趣旨のことを政府に働きかけているところでございます。  お話がありますように,そういう意味でいろんな各地域が自分のところに指定を受けたいということで,いろいろ熱心な活動をされておるというふうに聞いておりますけれども,本県におきましては幸いそういうようなことがなくて,非常に都市整備法についての関心は高いにもかかわりませず,何といいますか,陳情合戦などというようなことには現在のところ幸いなことになっておりません。県といたしましても,本年の2月に庁内の関係課長等による連絡会議を設けまして,現在国の動向とか考え方に関する情報とか基礎資料の収集などを進めておりますが,今後とも情報の収集にも努めまして,早期に地域指定が進められるような,そういう対応を図っていきたいと考えておるところでございます。  私どもも,国の基本方針が余り画一的なものにならぬようにと難しいことを言っておりますのは,ちょうどお話がありましたように,いろんな注文をつけられ過ぎますというと,地方で創造性を発揮する余地がなくなってしまうということが一番問題でございますので,地域にはそれぞれの独自な歴史とか風土とか文化等があるわけでございますから,それらを踏まえたそういうお話のような個性と特色のある地域づくりということが必要だと思っております。  そういう意味で,地域の指定というのは知事の権限になっておりますが,その基本計画は地域指定を受けたまず関係市町村が策定をするわけでございまして,そういう意味で,個性と特色のある地域づくりができるように我々も考えていくことはもう当然だと思っておりまして,そういう特色のある制度というのが,今回の拠点都市整備法の一つの特徴だというふうに考えておる次第でございます。そういう意味で,お話のありましたような,地方での弾力的な取り扱いができますようにということで,知事会としても要望をしておるところでございまして,そこで問題は,基本計画というか国が策定するものにつきましても,あらかじめ知事会と協議をしてくれということを今申し入れをしておるところでございます。  そこで,第4次総合福祉計画との関係でございますが,21世紀に向けて美しく豊かな岡山県づくりを進めると,そして真に豊かな県民生活と活力のある地域社会を築いていくということで,県下全域にわたりまして均衡のある県勢の発展を図ることが極めて重要な課題であると考えておりますが,福祉計画はそういう観点から,総合交通体系の整備でありますとか,県下の各圏域の中心都市の機能の充実,また拠点施設の適正配置などによりまして,圏域内における定住条件の整備を図る,そして均衡のある発展構造を築いていくことにしておるわけでございます。そういう意味では,地方拠点都市制度を活用しながら,一定の都市圏について総合的な都市機能の向上を図っていくというようなことはですね,総合福祉計画の考え方と私どもはむしろ合致するものであるというふうに考えております。  県内における地域指定の問題でありますが,県によりましては,4つ要るとか2つ要るとかいろんなことを言っておりますけれども,我々としては,ことしじゅうに少なくとも1つは指定をする準備をしていくべきだということを言っておるわけでございます。そして,津山圏域の市町村が指定に向けて熱心に取り組まれておることは承知しておりますけれども,そして先般も地元の市町村長や経済界の方々にもお目にかかることができたわけでございますが,この拠点都市制度は,この基本計画の策定もその主体が市町村ということにされておりますから,したがって地域指定に当たりましては,地元の市町村の主体的な取り組みが前提となると思っておりまして,現時点では国が策定する基本方針の内容も明らかでございませんから,今後とも情報収集には努めてまいりますけれども,県下の市町村の取り組み状況というものを見ますというと,それほど大勢のところから一生懸命に手を挙げているという状況ではございませんので,適切に対応ができるのではないかというふうに考えておるところでございますので,御了解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆10番(大東良一君)  自由民主党の大東でございます。長野知事には,県民福祉の向上と県勢発展のため日夜多大な御尽力を賜っており,厚く御礼を申し上げます。  さて,このたび一般質問のお許しをいただきましたので,県政の推進について,通告に従い順次質問させていただきます。  まず最初に,環境問題についてお尋ねいたします。  近年の我が国の環境の状況を見てみますと,大気中の硫黄酸化物や公共用水域の鉛やカドミウム等,有害物質による汚染はかつてに比べて大きく改善されてまいっておるところでありますが,しかし,大都市等の窒素酸化物による大気汚染や閉鎖性水域における水質汚濁,交通騒音等改善のおくれている分野が依然残されております。さらに,地球環境の規模の問題といたしまして,フロンガスによるオゾン層の破壊,二酸化炭素等による地球温暖化等が大きな問題となっております。これら地球規模の問題を解決するためには国際的な協力が不可欠でありまして,このたびブラジルのリオデジャネイロで国連環境開発会議,いわゆる地球サミットが開かれたところであります。この会議の森林に関する原則でも,森林が地球環境に果たしている役割が強調され,保全のための国際協力が不可欠とされております。また,木材の持続的生産を可能にするため,環境コストの創設など,木材生産国と消費国の協力を訴えております。今,我が国は,これら地球環境の保全に向けて国際的にその責務を果たすとともに,国内においても,地球環境の保全に資する環境に優しい経済社会の創出が求められているところであります。  こうした中で,経済界でも,行動指針の策定やリサイクルの励行など,地球環境の保全に向けての対策が進められておりますし,本県におきましても,知事の提案説明にありましたように,本格的な取り組みをなされるとのことであり,今後の活動を大いに期待いたしておるところであります。  ところで,こうした背景をもとに,県下各地域においても省資源活動やリサイクル活動への取り組み機運が高まりを見せており,最近生活廃棄物の排出量の伸びが鈍化の傾向にあります。しかし,工場や事業場の事業活動に伴い発生する産業廃棄物の排出量は依然増加しております。先般も,倉敷市玉島柏島地区でも問題になりましたように,不法投棄が後を絶たない状況にあり,環境への悪影響が懸念されているところであります。廃棄物の処理につきましては,さきの法改正により適正処理に向け規制強化が図られたところでありますが,排出事業者に対する指導,相談や情報の提供など適正処理に向けた対応はどのようになされておるのでしょうか。また,県下の処分場の余剰能力はあとどれくらいであるのでしょうか,環境保健部長にお尋ねいたします。  さらに,廃棄物対策には,処分場の確保とともに減量化を目標とした有効利用の開発研究が最も重要と考えます。資源の乏しい我が国の持続的な発展,さらには地球環境を保全する面からも,産業経済界と一体となり積極的に利用活動の研究開発に取り組むことが肝要と考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。  次は,公共用水域の汚濁防止の観点から2点についてお尋ねいたします。  まず第1点は,新成羽川ダムの水質汚濁防止についてであります。公共水域の水質汚濁は,既に申し述べましたように,全般的には大きく改善されてまいっておるところでありますが,湖沼等閉鎖性水域におきましては依然改善が進んでいない状況にあります。御承知のように,本県におきましても,児島湖の水質汚濁が大きな社会問題となり,公共下水道の整備と相まって流域住民が一体となって浄化運動に取り組まれているところであります。河川につきましても,県等が水質汚濁防止法に基づいて毎年実施されている水質測定の結果は,県下3大河川ともおおむね良好となっておりますが,高梁川につきましても生活環境項目のBODは環境基準の達成を見ているところであります。しかし,支流の成羽川につきましては,上流の新成羽川ダムの汚濁が進み,水質は悪化している状況であります。御承知のように,中国電力新成羽川ダムは,電力需要の増大や水島臨海工業地帯等への工業用水の確保,さらには農業用かんがい用水の確保などを目的として,昭和39年8月着工され,4年余の歳月と170億円余の巨額を投じて昭和44年7月に完成いたしたのであります。以来,豊富な水と電力の供給により流域住民の日常生活の向上,産業の振興等県勢発展に大きく寄与してまいったところであります。しかし反面,ダム内に生活排水や畜産排水等が流入あるいは停滞することによって年々水質の汚濁が進み,これがため成羽川の流域住民はいろいろと悪影響を受けるに至っております。特に私の住んでおります成羽町におきましては,市街地の簡易水道の水源を成羽川の表流水に依存しており,臭気の発生等が大きな社会問題となっておるところであります。町の関係者によりますと,最初の臭気が発生したのは昭和61年7月下旬ということでありまして,植物プランクトンの検査により,少量ながら水の華──これは淡水赤潮と言うのでございますが,これを形成し,悪臭をもたらす藍藻類,渦鞭毛藻類が出現していたということで,ダムの水質が著しく悪化していることが判明いたしたのであります。ちょうどこの時期,中電では濁水対策としてダムの表面水の取水工事を完成させており,上層部の一番汚れた水を放流したためこのような事態が発生したものと考えられるとのことであります。以来,中電においても,表面水と下部層の水を混和して放流したり,あるいは湖面の噴水試験を実施する等いろいろ努力を重ねてまいっております。町水道にもかつてのような異常な悪臭,臭気は発生しておりません。しかし,ダム内には毎年のようにアオコの発生を見ており,汚濁の改善は進んでいないのであります。夏になりますと,大阪市等では毎年のように水道水の臭気問題が発生いたしておりますが,この田舎でも同様の事態が起きているのであります。また,当該ダムから放流される冷水,濁水等のため魚族の育成にも大きな影響を与えてまいっておるところであります。特に長期間にわたる濁水の放流は,ヘドロの堆積等河床環境の悪化を来し,産卵場所の滅失を招くなど,環境はますます悪化している状況であります。これらダム内の水質汚濁防止について知事はいかがお考えでしょうか,お尋ねいたします。  第4次岡山県総合福祉計画におきましても,日本文化の原点とも言うべき美しい川やきれいな水を取り戻す運動等の展開がうたわれ,県民挙げての実践活動が望まれております。成羽川の源は遠く広島県の東城町に発しており,2県にまたがる大変難しい問題ではありますが,どうか県当局におかれましては,新成羽川ダムの水質が改善され,成羽川の清流が保全されますよう格段の御配慮をお願い申し上げます。  第2点は,植物プランクトンなどの検査体制についてでありますが,現在,水道法では植物プランクトンなどの検査が義務づけられていないため,厚生大臣の指定機関である岡山県健康づくり財団ではこの種の検査が実施されておりません。このため成羽町では遠く福岡市の財団法人九州環境管理協会まで検体を送っているのであります。ダムの水質汚濁の問題は新成羽川ダムにとどまらず,旭川ダムでも起きているところであります。ダム管理者あるいは水道事業者におきましても,水質管理を行っていく上でプランクトンの発生状況等を把握することは不可欠なことであると考えております。ぜひ県内でこれらの検査が実施できるよう早急に検査体制を確立していただきたいと存じますが,この件について知事はいかがお考えでしょうか。  なお,これら植物プランクトンの検査を,現在行われている水質測定にあわせ県自体で実施されるお考えはないでしょうか,あわせお尋ねいたします。  次に,森林の保全管理についてお尋ねいたします。  まず,松くい虫の被害対策についてお尋ねいたします。古来より,松は緑の象徴として,各地方の市の木あるいは町の木にも指定されるなど人々から親しまれておるところであります。しかし,御承知のように,昭和48年ごろから松くい虫による山林被害が大きな広がりを見せ始め,その対策として国や県などでは,昭和52年に制定された松くい虫防除特別措置法に基づき被害木の伐倒によるマツノマダラカミキリの駆除や薬剤の空中散布を全面的に実施してきたのでありますが,その被害はおさまるどころか増大する一方でありました。こうした状況から,昭和57年に国においては松くい虫防除特別措置法を松くい虫被害対策特別措置法に改め,同法並びに森林病害虫等防除法に基づいたさまざまな施策がとられてきたところであります。その結果,全国的には松林の被害もピーク時に比べ約4割程度にまで減少するなど,その被害は鎮静化しつつあると言われております。しかし,我が岡山県では依然衰えを見せていない状況にあります。  その被害面積は,昭和56年度の9万7,061ヘクタールを最高に年々減少し,平成2年度では6万893ヘクタールにとどまっておりますが,平成3年度には7万66ヘクタールと再び増加傾向に転じております。ちなみに,高梁地方振興局管内におきましても,平成元年度で4,164ヘクタール,平成2年度で4,258ヘクタール,平成3年度には実に7,893ヘクタールと増加しておるところであります。このままの状態では,平成4年度には想像もしがたい被害が発生するのではなかろうかと憂苦いたしております。私も岡山まで参る間に車窓より深緑に映える美しい山々を眺めてまいっておりますが,濃い緑の中に立ち枯れて無残な姿をさらす多くのアカマツ林が見られ,実に心が痛む思いであります。県当局を初め関係市町村におかれましては,その被害対策として,ヘリコプターによる薬剤の散布や伐倒駆除等を精力的に推進され,その蔓延防止に努めてこられたところでありまするが,そのいずれもが著しい効果を上げるには至っていないのが現状と思うのであります。特に伐倒駆除につきましては,山林労務者の不足あるいは高齢化等の問題を抱えており,市町村も苦慮しているところであります。いずれにしても,松くい虫被害の早期終息を図るためには,薬剤散布区域の拡大はもちろん,伐倒駆除による被害木の早期解消など,徹底した防除対策が必要と思いますが,中には森林所有者の承諾が得られないところも多々あると伺っております。県は,こうした問題について今後どう取り組んでいかれるお考えでしょうか。御承知のように,備中地方のアカマツは特に品質がよく,古くから建築用材として多く用いられてまいっておるところでありますし,また当地方は県下有数のマツタケの産地でもあります。少しでも松くい虫による被害が減少し,林業振興が図られるとともに,美しい自然環境が保全されますよう一層の御尽力をお願い申し上げます。  以上,新たな広がりを見せている松くい虫の被害対策について農林部長にお尋ねいたします。  次に,森林組合の育成強化並びに岡山県林業公社の事業運営についてお尋ねいたします。  御承知のように,我が国の林業を取り巻く環境は,木材価格の低迷,就業者の減少,高齢化等,まことに厳しい状況にあります。特に木材の使用状況について見ましても,その大半が外国産材で占められ,国産材の自給率は26%まで落ち込んでおります。林業家の生産意欲を大きく減退させているところであります。このような悪条件のもと,各単位森林組合も当然厳しい運営を強いられております。国,県当局におかれましては,これらの状況を認識され,山林資源の有効活用を目指してさまざまな施策を講じてまいっているところであります。特に人材の確保を目指し,本年2月には新しく財団法人岡山県林業振興基金を設立され,森林組合作業班員に対する各種保険料の助成等安定確保の方策が図られております。御同慶にたえません。しかし,一般的に林業地域は過疎化が進んでおり,作業班員も後継者不足となり,人材の確保が極めて困難な状況にあります。こうした中で,単位森林組合内では作業班員の確保も難しく,管外にまでその触手を伸ばしております。また,せっかく人材が確保できても高賃金の方へ移り,長続きしないということであります。これら人材の確保についてどのようにお考えでしょうか,まず知事にお尋ねいたします。  また,県当局におかれましては,昭和40年岡山県林業公社を設立され,幾多の造林事業を手がけられ,本県の林業振興に大きく貢献してこられたところであります。特に新植につきましては,昭和40年から平成3年度までに2万3,500ヘクタールにも及ぶ実績を上げられ,いよいよ平成6年度には2万5,000ヘクタールの造林長期計画が終わろうとしております。県は,この計画年度が終了する7年度以降どのように取り組まれるお考えでしょうか。林業家の中にはまだまだ新植の希望者があるものと存じます。人手不足の折から,個人での施業は難しく,引き続き公社造林が望まれているところであります。また,これら県公社の造林作業は,その大半を森林組合が請け負っており,当組合の大きな収入源となっているところであります。各森林組合も県の対応を見守っているところであります。  以上,森林組合の育成と県林業公社の今後の運営方針について知事にお尋ね申し上げ,私の一般質問を終わらせていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  大東議員の御質問にお答えいたします。  廃棄物の有効利用の開発研究の問題でございますが,本年度から民間で行われますところの廃棄物の減量化,再生利用などの研究開発につきましても,エコビジネス推進事業として助成の対象にすることにいたしておりますが,同時に,県事業といたしましても,廃プラスチック類につきまして,その排出量の実態把握と再資源化技術についての調査研究に着手をいたしたところでございます。資源リサイクル分野においても,技術革新は目覚ましい勢いで進んでおりますので,今後,廃棄物の再利用等に関する最新の技術情報を収集いたしまして,これを関係の事業者に提供するなどして,産業経済界との連携を密にし,そしてリサイクルの促進に努めてまいりたいと考えております。御了承願いたいと思います。  それから,新成羽川ダムの水質汚濁防止でございますが,このダムの上流及び下流ともに水質は一応環境基準のA類型を達成はいたしております。しかし,御指摘のように,ダム湖においてアオコの発生が局部的に見られるわけでございまして,そしてそのために関係の2町と連携をとりながら,畜産の排水や生活排水,汚濁削減対策を進めておるところでございます。  また,臭気などの障害対策につきましては,これはダム管理者でありますところの中国電力が各種の水質改善対策を試験的に実施しておるところでありますけれども,今後とも,ひとつ対策の強化を要請してまいりたいと思いますし,さらに成羽川の上流,つまり,今お話もありましたけれども,広島県側にも問題があるわけでございますから,広島県に対しましても,この成羽川ダムの水質保全に協力してもらえますように一層の水質改善につきましての要請をしてまいりたいと考えておるところでございます。  それから,植物プランクトンなどの検査体制でございますが,今後,お話もございましたけれども,水道事業体等からの要望に対応いたしますために,御要望のとおり,県としても検査体制の整備をぜひ図ってまいりたいと考えます。  なお,植物プランクトンの種類とか量の測定を県で実施してはという御質問でございますが,アオコの発生が見られ,上水道の水源に影響があるダムなどにつきましては,県としてぜひこれからは監視体制を強化してまいりたい,同時に,ダム管理者や流域市町村と一体となって水質改善に努めてまいりたいと考えますので,御了承賜りたいと思うのであります。  それから,森林の関係でございますが,森林組合の育成強化,奈義町や上斎原村などの森林組合におきましては,月給制によりまして若い作業班員を確保しておるわけでございますけれども,そういうところはまだ少のうございまして,全体としては確かに労働条件の整備が必ずしも十分であるとも言いがたいとこがありますから,そういう面もありまして,人材の確保が難しいという状況にもなっておると思うのであります。そこで,本県では,高校生の林業体験学習でありますとか,山村青年を対象とした技術研修あるいは新規参入の促進等による後継者対策,また就労の広域化,新分野への事業拡大によるところの通年雇用の促進を積極的に推進をいたしておるところでございまして,またさらに林業が魅力のある産業となりますように,高性能の林業機械の導入によりまして労働を軽減する,また各種の社会保険への加入促進などの処遇改善を図りまして,雇用の安定に努めておるところでございますが,今後とも,森林組合の強化のために努力をいたしまして,森林の保全,林業の振興を図ってまいりたいと考えております。どうぞひとつよろしく御指導を賜りたいと思います。  それから,林業公社の事業運営でございますが,本県の森林資源の造成にこれは今まで大きく貢献してきました。で,公社造林事業というのは,昭和40年に発足しまして以来,関係市町村や森林組合などの理解,協力によりまして,計画どおりに平成6年度には目標面積の2万5,000ヘクタールを達成する見通しでございます。しかし,今後,この公社造林につきましては,これは森林組合などの協力のもとに,枝打ちとか間伐などの保育や管理を重点的に行いまして,健全な森林の造成を図ってまいりたいと考えております。  なお,平成7年度以降の新規の造林につきましては,森林所有者を初め関係市町村や森林組合などの意向を踏まえまして,今後十分検討してまいりたいと思っておりますので,ひとつ御了承賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  排出事業者への指導等についてお答え申し上げます。  排出事業者への指導等についてでございますが,この問題は産業廃棄物行政の中でも特に重要であると認識しておりまして,事業場への立入検査や各種ガイドライン等講習会の開催,処理業者のあっせんないし紹介など,あらゆる機会を通じまして排出事業者に対しまして適正処理を指導しておるところでございます。  また,最終処分場の能力についてでございますが,平成3年度に大型の処分場が完成したこともございまして,平成3年度末の埋立可能容量は,おおよそでございますが780万立方メートルとなっております。ここ数年の埋立量につきましては,110万立方メートル前後で推移しておりますので,推測いたしますれば,残存容量は約7年分ほどであると見込んでおります。  以上でございます。 ◎農林部長(青山寔君)  お答えいたします。  松くい虫対策についてでありますが,効果的な防除を行うためには,保安林など重要な松林において重点地区を定めまして,市町村を初め関係者と協議調整を図り,森林所有者などの理解と協力を得まして実施することが大切であると考えております。お話のように,理解がなかなか得られない地域もありますことから,松くい虫防除の重要性の啓発に努めますとともに,今後とも,空中散布区域の拡大や伐倒駆除,広葉樹への樹種転換などを進めまして,総合的な被害対策を積極的に講じ,松くい虫の蔓延防止に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆1番(高橋英士君)  公明党の高橋英士でございます。通告に従いまして順次質問させていただきます。  世界150カ国の政府代表が一堂に会して,地球環境の再生を図るための国際会議がブラジルで開催され,この12日には,環境と開発に関するリオ宣言が採択され,今環境保全の機運は一段と大きな高まりを見せております。ところで,我が岡山県にとりまして最大の環境問題は,何といっても児島湖の浄化問題であろうと思うのであります。児島湖は,1956年に児島湾干拓地5,400ヘクタールの農業用水を確保するために,児島湾を締め切ってつくられたもので,今日,沿岸農用地の農業用水源として重要な役割を果たしています。しかしながら,児島湖が完成して三十数年が経過するうちに,流域の都市化の進展とともに水質汚濁が著しく進行し,今日その水質は全国の湖沼の中でもワースト4位という不名誉な記録をつくっているのであります。そこで,私は,こうした環境保全の国際的機運の高まる中において,いま一度,児島湾干拓という大事業の歴史を振り返りながら児島湖を考え直してみたいと思います。  この問題は,けさの山陽新聞にも報道されていましたとおり,真備高等学校の社会部が積極的な研究をされ,昨年10月には専門誌「砂防と治水」にその研究論文を発表されています。以下,この論文を引用させていただきながら質問をさせていただきますことをあらかじめお断り申し上げておきたいと思います。  児島湖沿岸は,古代には出土する製塩土器の分布状態からもわかりますように,当時を代表した塩業地帯であったようであります。近世に入り,塩の生産の増加などとともに莫大な燃料が必要となってきた。必然的に山林の伐採に拍車がかかり,急速なはげ山化を進行させて,そしてそれは山地の崩壊を引き起こし,吉井川,旭川,高梁川などでは雨が降るたびに土砂が河川に流れ出し,水害を激化させることにつながったようであります。こうしたはげ山化の進行は,河口への土砂の流出をもたらし,明治初期には児島湾に堆積した土砂の量は多いところで年間15センチにも達していたようであります。こうして拡散した堆積土砂によって遠浅の干潟となった児島湾内は,絶好の干拓候補地となったようであります。こうした中で,当時の岡山県令高崎五六は,一挙に児島湾口を閉じて,旭川の下流に岡山外港をつくり,これをもって進んで,横浜,神戸に次ぐ開港場とし,児島湾は一変して大児島平野とし,万頃の沃野とするという考え方を固めたのであります。かくして高崎県令は国営事業としてこの計画を実現せんと,内務,農商務,大蔵の3卿に対して強力にその計画を具申したのであります。  この構想は,当時としては空想に近いものであったようでございますが,高崎県令の熱誠に押し切られ,ついに内務省は同省嘱託のオランダ人治水技師ムルドルを派遣して実地調査をすることになったのであります。そして,1881年(明治14年)2月に急遽ムルドル調査団が来岡いたしました。彼は,数日間のうちに精力的に調査活動を行うとともに,多くの資料を集め,同年7月15日に岡山県児島湾開墾計画の復命書を提出いたしております。これが後々まで児島湾干拓の基本的な青写真となったものであり,この報告書に沿って干拓が実行されたのであります。ムルドルが指導した工法の一つに,当時わずかしかなかったコールタールをコケに浸透させ,矢板のすき間に押し込み,水漏れを防止する方法がありました。現地生産による現地調達をモットーとしたオランダ人技師は,このわずかな日本産のコールタールのみを使って工事を行ったのであります。  このように,児島湾の干拓事業は,当時干拓技術が最も進んでいたオランダの治水技師ムルドルによって完成されたのであります。このムルドルの報告書の中で特に注目に値する点は,干拓と並行して児島湾内に流入する土砂の対策でありました。「厳に森林の荒廃を戒め,かつ警察官を置くこと。吉井川,旭川流域の裸山の傾斜面には樹木を植えること。この砂防工事ができれば,堤防の決壊,洪水によるはんらんの被害も減少する」と述べているのであります。警察官を置いてまで流域の森林の保護管理を考えていたことは,流域の山々が想像以上に深刻な状態であったことが推察されるのであります。燃料のために森林を伐採することを戒め,植林を訴えたムルドルは,生活雑排水などによって汚染されてしまった今日の児島湖の状況を,そして以前の児島湖を取り戻そうと,今度は条例までをつくって取り組んでいる今の姿をどのように見ているのでありましょうか。数十年,いや数百年後には,条例までつくって排水規制をしていたことは,想像以上に汚染されていたに違いないとの調査報告がなされるのかもしれません。いずれにしましても,環境保全のために植林を進めた先人の教訓が生かされずに,また同じ轍を踏んでしまった人間の愚かさを嘆いているに違いないと思うのであります。  このように,ムルドルは河川の治水対策を推進し,児島湾の干拓を可能にした,その意味では,岡山県にとっては恩人であると言っても言い過ぎではないと思うのです。しかし,このムルドルの名前が岡山県においてほとんど知られていないことはまことに残念なことであります。岡山市役所の藤田支所にある藤田翁の碑に,内務省工師A・R・ムルドル指導によるという印刻が辛うじてその名をとどめている程度にすぎないのであります。ムルドルは,1848年4月,オランダのライデンで生まれ,1901年3月,ナイメーヘンで52歳の生涯を閉じております。彼は,デルフト工科大学を卒業後,オランダ政府の治水技師として活躍し,スエズ運河などの施設づくりに携わっています。ムルドルの来日は,1879年3月29日,内務省土木局の一等治水工師に破格の待遇で迎えられたようであります。以後,日本の河川改修や港湾事業の多くに携わってきています。それらの業績が認められ,1889年には勲四等瑞宝章を受けているのであります。  以上,真備高校の研究報告「岡山県児島湾干拓の恩人・ムルドル先生」を引用させていただきながら干拓の歴史を述べてまいりました。  それでは,以下幾つかの提案と質問をさせていただきます。  その第1は,岡山の地で,いわばムルドル・サミットを開催したらどうかということであります。ムルドルが携わった干拓事業は,児島湾のみでありますが,先ほど述べましたように,河川や港湾事業などは東京,横浜,広島など日本各地で行われているのであります。こうした各地でのムルドルの事業を再評価し,環境保全の立場からも,その今日的意味合いを再検討するために,岡山の地でサミットを開催したらどうかと考えるのですが,知事の御所見をお伺いいたします。  その第2は,児島湖並びに干拓地を眺望できる地に,ムルドルの銅像並びに干拓資料館を建ててはどうかということであります。児島湖環境保全条例が成立して1年,本年3月には第2期湖沼水質保全計画が発表され,本格的浄化運動もようやく緒についたところであります。こうした時期において,いま一度児島湖干拓の歴史を振り返ってみることはまことに時宜にかなったものであり,意味のあることだと思うのであります。そして,先人の,とりわけムルドルの偉業を再評価し,児島湖浄化に取り組む我々のシンボルとして適当な地にムルドルの銅像を建て,さらには児島湖の今日に至るまでの歴史を学び,そこから浄化運動の精神的なバックボーンを築いていくこともまた重要なことであります。そのために,児島湾干拓資料館の建設を提案するものでありますが,知事の考えをお聞かせいただきたいと思います。  その第3は,オランダ,なかんずく学術都市ライデンとの国際交流を進めるべきではないかということであります。過日,県勢の発展に貢献した外国人はということで,県総合文化センターに調査をお願いしましたところ,岡山県と外国人についてまとめた図書がないということでありましたが,重立った人ということで4人の外国人を紹介していただきました。もちろん,ムルドルの名前はありません。明治の初期には,進んだ欧米の技術等を取り入れる目的を持って,多くの外国人,特に欧米人が来日しており,その中には岡山県とのかかわりが深く,岡山の文化,産業に少なからずとも影響を与えた人がいるはずであります。ところが,そうした歴史が今日まで必ずしも正しく伝えられているとは言えないような気がいたします。国際交流が叫ばれて久しいわけでありますが,このような角度からの国際交流ももっと進めていくべきではないかと思うのであります。日本とオランダの交流は,歴史的にも古いものがあり,特に本県には緒方洪庵やロイトル・ボードインなど関係の深い人もあるのであります。  ところで,オランダという国は海抜が低いことで有名で,国土の約25%が海面下にあり,海抜の最も高いところでも,わずか321メートルしかありません。このため,湖沼の水を風車で運河へ出し,そこから海へ排水することによって国土をつくってきたのが建国の歴史でありました。したがって,オランダの干拓技術は世界最高の水準にあると言われてきたのでありますが,そのオランダも,今は自然を守るために干拓を中止していると言われております。また,海抜が低いことから,地球の温暖化には早くから高い関心を払ってきたなど,言ってみればオランダは地球環境保全の先進国なのであります。児島湖環境保全条例が成立し,保全計画がスタートしたばかりの岡山県にとって,このような歴史的にも縁のある,しかも環境保全先進国オランダとの環境問題をテーマにした国際交流はタイムリーであります。そして,その最初の行事として,岡山,ライデンの両都市でムルドルに関する記念講演を行うとともに,湖沼の環境保全についてのシンポジウムを開催してはどうかと提案するものでありますが,知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  その第4は,児島湖の観光資源としての開発についてであります。児島湖が完成して間もない1961年に書かれた,当時の三木知事のエッセーには次のように述べられています。今や児島湖は,レジャーとレクリエーションの波に乗って,瀬戸内観光の中枢地として大きくクローズアップされてまいりました。児島湖には,締め切り堰堤寄りに農地予定地2万3,000坪の転用を受けて観光センターとし,ここに民間資本も導入して,遊園地,レストハウスなどを建設する。湖水は波静かな淡水湖の特性を生かして,ボート,ヨット,釣りなどの船遊びの地,飛び込み台なども整備して家族連れが安心して楽しめる淡水浴場とする。さらに,岡山から淡水湖経由で水島まで延びるモノレールの構想まで披瀝されているのであります。三木さんの夢とは余りにもかけ離れた現実の児島湖の姿に,少しずつではあるが確実に水質汚濁を進めていったこの30年間の歴史に改めて罪の深さを感じざるを得ないのでありますが,それはともかくといたしまして,児島湖,そしてそれを取り巻く観光資源を,今後どう開発していこうとされているのか,知事の構想をお聞かせ願いたいのであります。  以上,知事の積極的な御答弁を求めるものであります。  次は,肢体不自由児の教育についてお尋ねをいたします。私は,昨年6月に肢体不自由児の教育について質問をさせていただきましたが,ちょうど1年が経過いたしました。その後の進捗状況についてお尋ねしたいと思います。  その第1は,肢体不自由養護学校の新設についてであります。教育長は,昨年私の再質問に答えて「第4次総合福祉計画の中で整備を検討していく」と,答弁されているのでありますが,今日まで,何がどう検討されてきたのか,果たして7年度までに建設が可能なのか,具体的なタイムスケジュールを明らかにしていただきたいのであります。  第2は,施設整備についてであります。肢体不自由教育のあり方についての答申が指摘していましたが,施設の整備は具体的にどのように改善されたのか,お尋ねいたします。利用する側にとっては,毎日のせっぱ詰まったことであります。悠長なことを言わずに,できるものから1つでも2つでも取り組むという,それこそ教育的配慮を示すべきではないかと思うのであります。  この施設の整備ということに関連しまして,県立早島養護学校について少々お尋ねいたします。  この学校は,いろいろな経過をたどりながら,昭和49年1月に初めて県立の養護学校としてスタートしたのでありますが,現在障害別に病弱部,重心部,訪問部の3部門が設置されており,県下唯一の病弱の養護学校として立派にその目的を果たしています。ところで,特殊教育を目的とする学校においては,災害時に早急な避難を行うことが困難なことから,施設計画においてはさまざまな角度より特段の配慮が求められているのでありますが,なぜか早島養護は3階建てになっているにもかかわらず,エレベーターすらありません。したがって,病弱な子供たちでありますから,車いすを使っている子供もおり,そのような子供は大人が3人がかりで抱えて階段を上がっている状態であります。全く危険なことであり,もし事故でもあったら一体だれが責任をとるのかと言わざるを得ないのであります。また,肢体不自由児の教育も,昭和54年には義務化され,その結果として,訪問教育が週3回2時間の割合で行われるようになっております。そして,昨年からは,保護者などの熱心な希望により集団指導という肢体の不自由な子供たちが,つまり全員が車いすでありますけれども,学校に行って他の子供と一緒に勉強するシステムを取り入れられているようであります。こうした指導は,子供たちの成長にとってまことに大切なものであり,先生方の御苦労に対し心から敬意を表するものであります。私は,このような二重,三重の意味からいってもエレベーターの設置を急がねばならないと思うのでありますが,エレベーターの必要性をどう考えられているのか,お尋ねしたいのであります。既に,エレベーター設置の要望書も提出されているはずでありますが,もし検討していると言われるのならば,何をどう検討されてきたのか,その経過をお聞かせいただきたいと思います。  私も,先般学校を訪問させていただきましたが,必死に学ぼうとする子供たち,そしてそれを支える保護者,学校の先生方,こうした皆様の御労苦に報いるためにも,県教委はもっと施設の整備充実を図るべく努力をしなければならないと思うのであります。重ねて早急なエレベーターの設置を求めるものでありますが,知事並びに教育長の御所見をお伺いいたします。  以上,明快な御答弁を求めて,私の一般質問を終わらせていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  高橋議員の御質問にお答えいたします。  第1番目のムルドル・サミット開催ということでございますが,お話もございましたように,児島湾の干拓には多くの先人の努力,同時にオランダ人技師ムルドルが提唱した輪中方式による逐次干拓していくという方式で今日の児島湾干拓ができたということのようでございまして,今後の事業の推進に当たりましても,ムルドルの考えを十分反映をさせて取り組んでいきたいと考えておるところでございます。  それから,ムルドルの銅像や干拓資料館の建設というようなお話もございましたが,児島湖の浄化を進めるために条例を制定いたしまして,広く県民運動も推進している中で,ムルドルの偉業を後世に引き継ぐことも意義のあることと考えられますが,そこで現在検討を進めております児島湖水辺環境整備基本構想に基づくいろいろな事業を想定をしとるわけでございますが,そういう中でひとつ検討することにさせていただきたいと思います。  それから,環境先進国オランダとの国際交流ということでございますが,確かにオランダは,立地条件からいたしまして,ヨーロッパの川が流れてきておる。そして,非常に低地である。地球温暖化ともなれば,オランダが一番被害を受けるというようなことで,水位が非常に高くなることを一番警戒しているヨーロッパの国の一つでございますから,地球の環境保全についても,大変に真剣な地球温暖化問題等については神経質になっていることはよくわかるわけでございます。そういう意味で,オランダはいわゆる炭素税の導入による地球温暖化対策などについても,最も先進的に取り組んでおる国の一つというふうに承知をいたしております。そういう意味で,環境先進国オランダとの国際交流という問題は,今後とも,いろいろな意味での交流を重ねていくということは極めて大切なことであると思いますし,それが本県の環境保全対策に反映をしていくということになることは,まことに喜ばしいことと思っております。ただ,今サミットの話でありますとか,あるいは国際シンポジウムの開催の話でありますとか,あるいは銅像を立てろという話とか,資料館をちゃんとつくれというふうに,いずれも結構なお話だろうとは思いますけれども,これはいましばらくひとつ検討の猶予を与えていただきたいと思うわけでございまして,そういう意味で,今後の検討課題として承っておくということにさせていただきたいと思うのであります。  それから,児島湖の観光資源としての開発についてでありますが,児島湖とその一帯の整備につきましては,昨年策定したこの流域の環境保全に関する基本方針に沿いまして,豊かな自然と県民が憩い楽しめる場として整備するための基本構想というものを今検討しておるところでございますから,しかし当面はまず第1に,何よりもあの児島湖のヘドロに満ちた水の水質というものを何とか考えていかなきゃならない,そういうヘドロの除却というものでもやりませんというと,水質浄化というか,豊かな水辺というイメージになかなかぴったりしないような状況であることもまことに残念でございますけれども,そういう感じがいたすわけでございますので,そういう意味で,当面は児島湖の水質浄化の推進に努力をいたしまして,そして我が国最大の人造湖である児島湖の魅力を回復をいたしまして,観光資源としても生かせるように全力を挙げて努力をしてまいりたいと思う次第でございます。  それから,養護学校の施設の整備でありますが,当面,本年度から岡山養護学校旭川分校の独立校化に取り組んでおるところでありまして,肢体不自由養護学校の複数化とか,あるいは本校の整備につきましては,そういう進捗状況を見きわめながら,今後順次取り組んでいくことにしなければならないと考えております。  また,早島養護学校の施設整備につきましては,児童生徒の安全に配慮しながら,必要に応じて施設の改造を行うなどすることについて検討してまいりたいと思っておりますので,御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  高橋議員の質問にお答えをいたします。  肢体不自由児の教育についてでございますが,養護学校の整備につきましては,本年度から,知事さん先ほどお話,お答えをいただきましたように,岡山養護学校旭川分校の独立校化に取り組んでおるところでございます。また,肢体不自由養護学校の新設につきましては,学校の性格であるとか,それから児童生徒の動向とか,生徒数の把握,施設や病院との関連など,見通しを立てなければならない諸課題がございます。したがいまして,引き続き関係者との協議をしながら検討を進めて具体化を図ってまいりたいと,このように考えております。  岡山養護学校の全面改築につきましては,肢体不自由養護学校の新設との関連が深うございますので,県下の養護学校の整備計画全体の中で検討をしてまいりたいと,このように考えております。  早島養護学校の施設整備につきましては,児童生徒の校内での移動に配慮した教室などの配置を再検討し,必要に応じた改造を行うなど,教育環境の整備に努めてまいりたいと考えております。御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆1番(高橋英士君)  知事並びに教育長に再質問をさせていただきます。  まず最初に,これは要望でございますけれども,オランダとの交流はぜひ進めていただきたいと,こういうように思います。けさほども山陽新聞に紹介をされておりましたが,真備高校では大変時間をかけて研究をされておりますし,ぜひこういう皆さんの努力に報いていただきたいと,こういうふうに思っております。  さらに,聞くところによりますと,オランダのテレビ局が,明治において日本で活躍をしたオランダ人ということで,テレビ局は今取材にかかっておるというようなことも聞いております。そういった意味からも,ぜひオランダとの交流を深めていただきたいと要望をさせていただきます。  次に,肢体不自由養護学校の件でございますけれども,今いろいろお話がございましたが,平成7年度までに整備をすると教育長おっしゃっておるわけですけれども,用地の問題とかいろいろなことを考えますと,この7年度まで,つまり総合福祉計画の第4次の計画の最終年度でありますが,これまでにめどが立つのかどうなのかということが大変心配なのであります。ぜひいま一度決意をお尋ねをしたいと思います。  さらに,早島養護学校のエレベーターの件でございますが,今の御答弁では,エレベーターはつくる計画はないけども,そのほかの教室を考えることによって対応したいと,こういうことでしょうか。そもそも公立学校の施設関係法令とか,また学校施設の設計指針というものが文部省で定められておりますけれども,これによりますと,先ほど申し上げましたように,防災上特段の配慮が必要であると明記されております。そのほかに廊下の幅とか,いろいろ細かい規定があるわけですけれども,このような文部省が定めた指針からいきましても,早島養護学校にはいろいろと無理があるんじゃないかと私は考えておりますけども,果たして教室の利用を再検討することで,今の子供たちの危険が解消できるのか,大変疑問であります。いずれにいたしましても,先ほどから申し上げました車いすを使っておる子供たちの安全の確保に,ぜひ努めていただきたいと思います。  さらに,これは知事からも今御答弁をいただいたわけですが,知事が日ごろおっしゃっております人間尊重,福祉優先ということでありますが,このような現状が長く放置されることのないように,速やかな対応をぜひお願いをしたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  高橋議員の再質問にお答えをいたします。  肢体不自由養護学校の新設につきまして,7年度までにめどが立つのかと,こういうお話でございましたけれども,先ほどお話ししましたように,建設をしていきます順番として,旭川分校の独立校化をし,さらに肢体不自由学校の今あります養護学校をどのように整備をしていくか,さらには新設学校がどのようなものであればいいのか,こういうふうなことの検討を踏まえる必要があろうかと思います。前のときにもお答えいたしましたように,7年度までに整備を考えていきたいと,このように思っているわけでございますので,御了解いただきたいと思います。  それから,エレベーターの問題でございますが,早島養護学校の生徒が安全に行動ができると,すなわち病弱の生徒や重複障害児の生徒たちの教育環境というふうなことにつきましては,校内をスムーズに移動できることが望ましいと,このように思っておりますし,生徒の安全,利便性に立って建物の改造であるとか,そういうものに対する対応は大切だと思います。したがいまして,考え方はエレベーターをつけるという考え方もありますし,それから,教室の配置を安全な状況に配置がえをするというふうなこともありますし,また安全を考えると,スロープの方がいいのか,エレベーターがいいのかというようないろんな考え方があろうかと思います。そういうふうなものを考えながら,設備の改築については具体化を図っていきたいと,このように思っておるわけでございますので,御了解をいただきたいと思います。 ◆32番(久永茂君)  6月定例岡山県議会に当たりまして,当面する県政の課題の中から,今回は4点につきまして,長野知事ほかの御所見のほどを承りたいと存じます。  まず第1点は,道路の整備について。道路の整備について端的に集約をいたしますと,現在の車社会におきまして基本となる広域的な面での時間の短縮を図る道路,これを中核とすると。いま一つには,都市部における交通渋滞の解消,そして県北のように広大な地域における時間距離の短縮と,安全,円滑な交通確保との両面があるわけであります。我々の地域におきましての道路網の整備は,地域の振興に,土地の高度利用に,企業の誘致,若者の定住化等,地域発展と期待されるふるさとづくりの基盤となるものでありますとともに,その効用ははかり知れないものがあることは今さら申し上げるまでもないことでありまして,その多面的な効用は,地域の新しい経済文化圏の構成と直結をするものであります。しかるがゆえにこそ,地域住民の道路整備に対しての期待,要望の高まりは,整備された地域の現状を見聞するにつきまして,さらに強まるものがあるのであります。将来,その基幹となるものであり,我々の最も期待の大きい東部横断高速自動車道の着工を平成5年度に期待をする中で,今回は広域生活圏内の副幹線とも言えます国道の整備についてお尋ねをいたしたいと存じます。  まず,国道429号中,今回国道昇格が決定いたしました津山大原線の改良促進について。このことにつきましては,関係地域23万余人の10年来の悲願とも言えます国道の昇格運動,総延長155キロに及ぶふるさと縦走グリーンロードとして福知山―津山間国道昇格促進協議会を結成し,その実現のために努力をしてまいったところでありますが,このたび国道429号として国道昇格が決定いたしました。これはひとえに,長野知事を初め関係各位の格別の御努力のたまものと深く感謝の意を表するものであります。この路線は,岡山県分が約46キロメートルと相なっておりまして,その内訳は,津山市内が約4.2キロ,勝田郡が約14キロ,英田郡が約27キロと相なっております。その中でも,交通量の多い勝央町,勝田町,それぞれ約7キロ,計14キロの改良が急がれるのであります。  本路線は,従来より,主要地方道としてその改良整備について配慮をいただいているところであります。このたびの昇格を受けまして,国道としての改良に着手をされるまでの改良整備につきまして,死節時がないよう,そして引き続いて国道としての早期改良に対しての期待と要望が極めて大きいのであります。新たに昇格になりました国道429号の改良,そして国道53号線の津山市以東の改良,勝央中核工業団地の再々拡張,そして農業公園にかかわる179号勝央町東部地区の改良について格別の努力をいただきますよう,知事の御所見のほどをお伺いいたしたいと存じます。  なお,整備の現況と現状認識につきまして,この際土木部長にお尋ねをいたしておきたいと存じます。  次に,瀬戸大橋効果の波及拡大と記念事業について。  瀬戸大橋は,夢のかけ橋として9年余の歳月と近代土木工学の粋を集めて約1兆1,000余億円の巨費を投じて完成した今世紀最大のプロジェクト事業でありまして,岡山,香川両県民はもとより,広く全国民の期待のもとに華々しく開通したものであります。そして,各般にわたる記念事業や行事等は,広く県内外より多くの人々の参加を得て大きな盛り上がりを見せるとともに,記念施設は着々として整備され,広く県民に親しまれ,利用され,大いにその効用を発揮しているのでありまして,「燃えろ岡山」県民運動の定着とともに,世紀のかけ橋として県内はもちろん全国のみならず海外にまでその波及効果をもたらしたのであります。  瀬戸大橋は,将来にわたって国際的観光資源として,また太平洋から日本海を結ぶ幹線道の中核として,さらには広域的生活道として,そして県勢振興のためにも,その効用を無限に拡大する要素を兼ね備えていると思うのでありますが,反面,その巨大にして有効なる施設であるがゆえに,これにかかわる課題もまた多いと思うのであります。内外に誇り得る最高の有効施設として,最大限にその効用を発揮し,貢献できるには日時を要するものと思うのであります。架橋5周年を迎える現在,その間の問題点としてはどのようなことがあるとお考えでありますか。  なお,列車騒音,通行料金等につきましては,特に現在問題はありませんか,現状についてお聞かせをください。  なお,これだけの後世に残る大事業であり,内外,そして将来に誇り得る施設であり,これを記念し,改めてその認識を高めるためにも,開通5周年の記念事業は盛大であるべきであると思うのであります。その後の計画はどのようになっておりますか。  なお,雄大にして多島美の瀬戸内海に,世界に誇り得る総合的な公園計画は考えられませんか。巨大にして優美,後世に誇り得る瀬戸大橋を中核として,6年後に開通する他の2橋とあわせ,それに似つかわしい夢のプランは見つからないものですか。架橋5周年を迎えまして,その実績と体験の中から,いま一度瀬戸大橋を中核とし,岡山空港への国際線開設とも相まって,いま一つの岡山県づくりについて,県土全域,特にその足らざる地域につきまして,さらに波及効果を高めるためにも,新たな発想と一工夫を凝らすことがあってしかるべしと考えますが,いかがですか。  次に,農業生産の現況とその動向について。  まず,農業経営の基本について。現在の農業を語るとき,異口同音にまず言われることは,厳しい農業事情であり,農村の実態であります。しかし反面,農業経営の工夫と努力,選択によって成果を上げている農家もまた多いのでありますが,生産性の低下による農業経営の赤字を農外収入によって補てんをしている農家のあることもまた事実であります。しかしながら,それはそれでともに現在の日本農業を支え,守っている農家であります。我が国農業の進むべき道を定めた農業基本法は,そして30年を経過した現在,我が国の農業とそれを取り巻く社会情勢は大きく変化し,現在それを対比すべくもありませんが,農村が生命産業たる農業を守ること,国民食糧の自給を図ることはその使命とも言えるものであります。消費者たる国民は,これを支える互助と感謝の精神は,古今不滅の原理でなくてはならないと思うのであります。農業基本法にかわる農業政策として,新しい食糧,農業,農村政策が打ち出されております。中国では,現在「土を離れて故郷を離れない」,そのことをスローガンとしていると聞きました。心すべきことであると思うのであります。そこで,農村と農業を守るためには,第1に,その総生産において陰りが出るようではならないと思うのであります。現在,県下農村におきましては,1戸当たりの水田耕作面積の平均が約60ないし70アールで,転作率約30%,3年間のローテーション農業を展開しており,米価また共通である現在,市町村ごとの1農家当たりの農業粗生産に占める米の割合を少なくとも30%以下とするための営農指導がその基本とならなければならないと思うのであります。いかがお考えになりますか。  次に,農業生産の現況についてお尋ねをいたします。まず,市町村ごとの農業粗生産において,米の占める割合の一番低い市町村,そしてまた高い市町村はそれぞれどのように相なっておりますか。また,30%以下の市町村が幾らありますか,そしてその傾向と作目はどのように相なっておりますか。  次に,農業粗生産において,特に増加している市町村とその概要,また仮に,特に減少している市町村があるとするならば,その現況をお尋ねいたしたいと存じます。  次に,現在,岡山県における主たる農産物の生産の動向と生産額,市場におけるその評価と要望,今後さらに奨励すべき作目と目標についてお尋ねをいたしておきたいと存じます。  次に,過疎地における義務教育の振興について。過疎過密の問題は,現在行政における最懸案事項の一つであり,その対応は最重点施策でなければならないと思うのでありますが,義務教育の場における現状と課題,そしてその対応について,まずもってお伺いをいたしておきたいと存じます。  岡山県におきましても,長野県政の中で過疎問題への対応,過疎対策は広い分野にわたっての施策,配慮がなされておりまして,その成果もまた逐次あらわれてまいっております。各自治体,また各分野にわたって積極的に努力を続けておりまして,その成果も得るべきものがあるのであります。しかしながら,過疎問題は,寄って来った原因が急激に変化する経済社会の中でも必然的に派生してきたものであるだけに,施策の中でのみ解決できることは不可能な要素,課題が余りにも多いのが現状でありますが,その歯どめから前進へと,過疎からの脱却を図るとともに,均衡ある発展と格差是正のためには,さらなる配慮と努力を必要とするのであります。  過疎過密の中で生起する課題に,教育の問題があります。その中でも,特に義務教育の問題は深刻なものとなりつつあります。殊に過疎地は,その年齢構成から児童数の減少が激しく,重大な結論を迫られるものとなりつつあるのであります。先般,教育長は,その規模についての見解の中で,大規模校にも小規模校にもそれぞれよいところがあり,その可否,適正規模等,一概には結論づけられないというような内容の見解を示されました。この際,大規模校はおくといたしまして,小規模校におきましては,そのような見解のみでは済まされない重大な要素を持つ問題であり,その対応こそ重要であると思うのでありますがいかがですか。  私は,各種の学校行事等に,心して小規模校を訪れるようにいたしております。その中で,児童,教師,保護者,地域の方々の学校を中心とした熱意と協力と努力に対しまして頭の下がる思いがしばしばするのであります。教育長も,一度現在の小規模校の行事に出席をされて,その姿を肌で体験されたらと思うのであります。  そこでこの際,過疎対策としての最も重要な課題でもある現在義務教育における県下小規模校の現況と課題とその対応について,お伺いをいたしておきたいと存じます。  次に,学級編制について。学級編制については,現在複式等での対応がなされておりますが,これらについて何らかの基準があるのですか。あるとすれば,どのようになっておりますか。特別な事由がある場合の配慮等は全く考えられないことと相なっているのですか,それとも方法があるのか,お尋ねをいたしておきたいと存じます。  なお,深刻な事態を迎えている過疎地における義務教育の中で,その重要性にかんがみ,当該自治体におきまして何らかの対応を講ずる等の努力をしているものはありませんか。その場合でも,県教委としては何らの対応も考えられないことになっているのですか。岡山県は,自他ともに認めた教育県でありました。人を育てるのは百年,いや千年の計。21世紀を担う子供たち,言うならば21世紀からの留学生であります。価値ある21世紀を目指して,新たな価値観を求め,新岡山時代を築くために,県民こぞって努力をしている中で,次代を担う子供たち,その初等教育こそ重要であり,そのためにはそれを担う人々の誇りと努力にまつべきものが極めて大であります。そして,その責任の重大さを自覚するところから,その成果が期待できるものと思うのであります。その意味におきましても,将来児童の減少が続く中で,深刻の度を加えつつある過疎地における小規模校の教育体制,学校運営について十分検討し,工夫して最善の方途を講ずるべきであると考えますがいかがですか。例えば,常時複式でなくして,他の学校とのかけ持ち授業による補完とかは考えられませんか。また,近県における小規模校の教育運営についてお聞かせをいただきたいと存じます。  終わりに,多くの課題を含んだ現在の義務教育の場において,当面する課題,教職員の充足,離島における義務教育等について,あわせてお聞かせをいただきたいと存じます。  以上,教育長の御所信のほどをお伺いいたしまして,質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  久永議員の御質問にお答え申し上げます。  まず,道路の整備でございますが,今回新たに429号として認められました区間につきましては,本年度県道として補助事業で実施をしております箇所は,国道昇格後も引き続き整備を図ることになるわけでありますけれども,さらに高率の国の助成を得まして,国道にふさわしい規格の高い道路を計画的に整備してまいりたいと考えております。  また,国道53号の津山以東につきましては,現在勝北町や奈義町において道路の局部改良事業が進められておりまして,今後ともこれらの事業が促進されるように,国に対して強く要請をしてまいりたいのであります。  さらに,国道179号勝央町東部については,既に2車線で改築済みでありまして,今後勝央中核工業団地の拡張とか,あるいはまた農業公園の整備に伴う交通量の動向等を見ながら,整備のあり方について検討をしてまいりたいと存じております。  それからその次に,瀬戸大橋について記念事業のお話がございましたが,瀬戸大橋は,昭和63年春の開通以来,本州―四国間の一体化と交流を促進しますとともに,社会,経済,文化などあらゆる面で地域の振興に大きく寄与いたしておるわけでございまして,この間に,列車騒音問題につきましては,新型車両の導入などによりまして改善が図られましたが,また通行料金問題につきましても,平成2年度から往復割引率の拡充が図られるなどいたしまして,当面の問題の解決が図られてまいりました。しかしながら,通行車両台数につきましては,依然として当初の予測の2分の1以下であるわけでございまして,そこで通行台数の増加を図ることが大切でございますし,また増加を図ることによりまして,さらに料金水準について見直しを行うということもできると考えられるわけでございますので,今後,瀬戸大橋と接続する山陽自動車道あるいは中国横断自動車道,四国内の高速自動車道などの整備促進を図りますとともに,広域観光ルートの形成とかPRに努めまして,橋の利用促進を進めていく必要があると考えております。  瀬戸大橋開通5周年記念事業につきましては,全国から多くの人々の参加のもとに,ブリッジウォークなど橋を利用した大規模なイベントを中心に,5周年にふさわしい行事をぜひ実施したいと考えておりまして,香川県側や本四公団とも具体的な協議を進めております。ただ,開通前と異なりまして,橋が供用されておる状況にありますことから,交通安全の問題でありますとか,参加者の安全性の確保などのいろいろ問題がありますので,これらをどういうふうに解決するかということで,関係機関と対応策を鋭意調整中でございます。その見通しが明らかになり次第,事業内容を,具体的な内容をまとめまして,実施に向けて本格的な準備に入りたいと考えておるわけでございます。  それから,瀬戸大橋の波及効果を高めるための新たな発想と工夫ということで,非常に雄大な3橋時代を迎えて,瀬戸内海の多島美を全部含むような一大公園計画をつくれというお話でございますが,大変夢のあるプランであるというふうに思います。しかし,今のところは中四国瀬戸内海沿岸全体がそういう空気になるまでには,かなり少し時間がかかるのではないだろうかというような気も正直言ってするわけでございまして,そこで広域交通網の整備,それから中四国の一体化というものがだんだん促進されてくる。そして,新たなる経済文化圏の形成が一段と促進されるということがまず大切ではないかと考えるわけでございます。また,そういうことに関連をしまして,中四国との連携を強めまして,観光とか産業とか文化,幅広い分野での交流が活発化し,広域的な視点からいろいろ取り組みが進められるということで,広域交通網の効果を最大限に生かすようにして,またそれが県土づくりに非常に有効な効果をもたらすということに進めてまいりたいと考えております。  それから,農業の関係でございますが,営農指導の基本ということでお話がありましたが,米の減反政策あるいはまた米価の引き下げなどから,大規模な土地利用型の農業経営が可能なところは大いに大規模経営をやりまして生産を上げるということになるわけでございますけれども,そういうところの米中心で経営するということがなかなかできないような地域は,そういうところで米を中心にした農業をやろうということは,経営としては十分な期待ができませんし,安定したものになりませんから,収益性の高い園芸とか畜産などの複合的な経営を基調とするような営農指導を進めておるところでございます。  先ほどお話がありましたように,岡山県の全体の農家で経営内容を全部平均をいたしますと,大体米が30%ぐらいになるような経営に,偶然ですけれどもなるわけでございますけれども,これからの地域に適した営農指導ということで考えますというと,全般としては適地適作でございますが,米に偏ることなく,地域の特性を生かした考え方で,野菜,果物,花などの高品質で付加価値の高い農産物の生産振興を図ってまいる必要があると思っております。  市町村ごとの農業粗生産額に占める米のウエートでございますが,平成2年で見ますと,最も高いのは哲西町で63.5%,最も低いのは牛窓町で1.5%であります。それから,米のウエートが30%以下の市町村は,倉敷市,船穂町などの32市町村となっておりまして,多くは瀬戸内海沿岸部あるいは吉備高原地帯の畑作地帯でありまして,そういうところでは野菜,果樹,花などの園芸作物,あるいは酪農や養鶏などの畜産が主なものになっております。  また,水田地帯の市町村にありましても,野菜や酪農などの占める割合が相当高くなってきておるところもございまして,これらいずれも地域の特色のある生産振興が図られているというふうに考えておるわけでございます。  それから,農業粗生産額の動向でございますが,米の減反面積の増加や米価の引き下げ,あるいは台風などの災害にもかかわりませず,野菜や果樹,花などの園芸作物の生産増ということがあったからかもしれませんが,この数年間はほぼ横ばい傾向でございます。また,市町村別で見ますというと,備中町,久米南町,岡山市などで増加をしておりまして,これはそれぞれ鶏あるいは果物,花の生産量の増加によるものと見られます。一方で,津山市,美星町,作東町などでは減少しておりますが,これはまた乳牛とか豚などの畜産物の生産量の減少によるものであろうというふうに考えられるわけでございます。  本県の主要農産物の生産動向と将来目標でございますが,米,麦の作付面積,粗生産額はともに減少傾向にありますけれども,先ほど申し上げましたように,野菜,果樹,これは作付面積はやや減少しておりますけれども,平成2年度の粗生産額は,野菜が60年に比べまして1.1倍,果樹が1.5倍,花は2.6倍というようなことになっておるのであります。恵まれた自然条件と,それから伝統技術によりまして,他県よりすぐれた農産物を供給していると,そういうことで市場から高い評価を受けておるわけであります。今後さらに,消費者の多様なニーズにこたえまして,岡山ならではといいましょうか,岡山の高級果物でありますとか,特産野菜でありますとか,有機無農薬野菜,また高品質な花などの園芸作物について,平成7年度には現在の粗生産額の1.2倍であるところの613億円を目指して生産振興に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。どうぞひとつよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  お答えいたします。  道路の整備状況についてでございますが,国道429号につきましては,今回新たに国道に昇格いたしました津山市から東粟倉村間の延長44.7キロメートルの改良率は,現在75.8%であります。今後,線形改良,歩道の整備等,国道としてふさわしい規格を目指した整備を行い,改良率の向上を図っていく必要があると認識しているところでございます。  整備状況につきましては,勝田郡内では,勝央町植月中から植月東地内に至ります延長1.9キロメートルを本年度事業に着手いたしまして,さらに作東町梶原地内や大原町滝,川上,下町地内におきまして事業実施中でございます。  また,その他の未改良区間につきましても,国道の重要性にかんがみ,整備促進に努めてまいる所存でございます。  また,国道53号の津山以東につきましては,全線1次改築は完了しておりますが,拡幅や交通の安全を確保するため,現在,津山市楢から勝北町新野東地内や奈義町上町川から久常地内で事業が進められておるところでございます。今後とも,これらの事業が促進されますよう国に対して強く要請してまいりたいと考えております。  さらに,国道179号勝央町東部につきましては,2車線で1次改築が済んでおります。現在,交通量が12時間当たり約8,800台でございまして,4車線拡幅あるいはバイパスを整備するといった基準でございます12時間当たり1万2,000台にまだ達していないわけでございますが,今後,交通量の動向を見きわめながら整備方法等について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  久永議員の質問にお答えをいたします。  義務教育における小規模校の現況についてでございますが,学校運営上,困難を伴うと思われますのは,小学校では複式学級を含む5学級以下の学校,それから中学校は,教科指導上必要な専門教員数などから6学級以下であると言われております。現在,県下にそのような学校が,小学校では分校を含めて72校ございます。中学校では39校ございます。  小規模校への対応につきましては,基本的には国における法改善などにまつべきものと,このように考えておりますが,私どもといたしましても過疎・僻地対策のための単県教員の確保に努めますとともに,複式学級を初めて担任をします教員や,免許外教科を担当する教員の研修を実施するなど,過疎地域の教育条件の改善に努めておるところでございます。  複式学級の編制基準につきましては,いわゆる標準法により2つの学年の児童数が,小学校では1年生を含む場合は10人,1年生を含まない場合は18人,中学校では10人までがそれぞれ1学級と,このように定められております。本県では,従来から指導上困難な変則複式学級などの解消のため,児童数の多い学級から単県の教員を配置してきているところでございます。  また,過疎市町村におきまして,複式学級の解消などのために独自の対応をしているケースもございます。私どもとしては,今後とも市町村教育委員会と連携をしながら,過疎地域の教育水準の維持向上のため努力をしてまいりたいと,このように考えております。  なお,小学校は学級担任制をとっておりますので,複式学級を解消するために他校と兼務することは困難ではなかろうかと思います。  近県の小規模校への教員の加配などにつきましては,各県の実態に応じまして,本県と同様な対応をしている県もあると,このように聞いております。  小規模校には,教職員と児童生徒との人間的な触れ合いが深まるという教育上の利点もございますが,過疎地や離島の義務教育の場における課題といたしましては,集団が少人数のため切磋琢磨して高め合ったりする学習ができにくいとか,児童生徒の人間関係が固定化をして,社会性や積極性が育ちにくいといったことなどがございます。私どもといたしましても,僻地・小規模校における教育の充実が重要な課題と考えており,過疎・僻地対策を中心とした教職員の定数の改善につきまして国に要望をするなど,今後とも努力をしてまいりたいと,このように考えております。御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆32番(久永茂君)  ありがとうございました。  ちょっと聞き漏らしたかと思うんですが,教育長の御答弁の中で,複式の基準について,これは決まっておるのか,岡山県で決めておるのかと,こういうこととですね,それから独自の対応をやっている市町村もあると,こういうことでございましたが,それはどれぐらいあるのか。県は,何か今後検討したいということですが,これはそれに対して努力したいということだろうと思うんですが,その2点について,ひとつよろしくお願いします。 ◎教育長(竹内康夫君)  久永議員の再質問にお答えをいたします。  複式学級の基準につきましては,国の標準法で決まっておりまして,その生徒数は先ほどお話をさせていただきましたが,2学年にわたる場合に,小学校で1年生を含む場合には10名以上の場合には分けると,10名以下の場合には複式になると,こういうことでございます。それから,1年生を含まない場合には18人まで,中学校では10人までと,こういうふうになっておるわけでございます。  それから,この解消のために市町村がどのように対応しておるかということでございますが,私の聞いておる範囲では,小学校で7つの市町村になります。それから,中学校では16ぐらいの市町村になっておると,このように思います。  以上でございます。 〔「ついでに,検討するということは,今後どういうふうにするのですか」と呼ぶ者あり〕 ◎教育長(竹内康夫君)  (続)そのことにつきましては,国の基準はそのようになっておりますが,単複繰り返しとか変則複式につきましては,今単県教員で18人以下の場合の解消のために単県教員を配置をしております。さらに,それを進めることにつきましては,国の動向を見ながら考えていきたいと,このように思っておるところでございます。  以上でございます。 ◆7番(福田通雅君)  皆さんおはようございます。  まず,長野知事におかれましては,この秋の知事選に向けて人間尊重,福祉優先の基本理念のもと「創造・自立・連帯」を基調とした美しく豊かな郷土づくりを目指し,県民の幸せを願って調和,愛情,対話の県政のより発展のために頑張っていただきたいと存じます。心より激励をするものであります。  それでは,順次通告に従いましてお尋ねをいたします。  まず,玉野市に建設が計画されているスペイン村についてお尋ねいたします。本年1992年は,コロンブスの新大陸発見から500年目に当たり,第25回オリンピック大会がスペインのバルセロナで開催されます。また,セビリアで万国博覧会も開催されております。まさに本年はスペインイヤーであります。玉野市においても,去る5月24日にアミーゴ・デ・スペインというイベントが開催されました。このイベントは,ことしで4回目になりますが,フラメンコショー,スペイン仮装コンテスト,代表的なスペイン料理のパエリアの調理実演などで,会場はスペインの雰囲気でいっぱいになり,参加者も3万5,000人を超えるなど,大いに盛り上がったところであります。このような状況の中で,JR宇野駅周辺において第三セクターの株式会社スペイン村によりテーマパーク「岡山スペイン村<プエルト・コロン>」の建設が計画されております。このほど発表された実施計画によりますと,JR宇野駅操車場跡地の一部と民有地を合わせた5.1ヘクタールの敷地の中に,スペイン独特の建物群でスペインの町並みをカルチャーゾーン,アクティブプレジャーゾーン,フェスティバルゾーン,ホテルゾーンなど5つのゾーンに再現するということで,総事業費は495億円を見込み,平成6年7月にオープンしようとするものであります。それゆえに,あと2年でありますので,成功させるために株式会社スペイン村,玉野市の自助努力はもちろんのこと,特に県におかれても,既に2億円出資していただいておりますが,今からオープンにあわせた御支援,御指導をなお一層強力にお願いしていかなければなりません。「スペイン村〈プエルト・コロン〉」は文化性と娯楽性の高いテーマパークであるとともに,本県におけるスペインとの文化交流の象徴としての意義を持ち,県も最も力を入れている国際交流の場としての先導的役割を担うものと大いに期待しております。本年度の地域振興の基本方向に,人々が集い交流し,新たな文化を創造する拠点として,内外の文化に親しみ,体験できる場を提供するスペイン村などの誘致建設を進めるとともに,自然環境と調和した瀬戸内海洋リゾートエリアの先進拠点としてスペイン村のような質の高いテーマパークづくりを進めるとあります。知事も,積極的な支援をする約束をしていただいております。そこで,具体的にどのような支援を行っていくおつもりなのか。また,基本方向に示されているスペイン村に対する県の役割はどうあるべきか,県事業として何か検討されていくものはないのか,改めて知事の御所見をお伺いいたします。  次に,スペイン村の年間入場者数は200万人が見込まれており,これを達成するためには,ぜひとも宇野線の輸送体制をイベントに対応できるよう快適で便利なように強化する必要があると存じます。県としても,JR西日本に対し積極的な働きかけを行っていただきたいと存じますが,知事の御所見を賜りたいと存じます。  さらに,倉敷に計画が進められているチボリ公園との連携を図り,相乗効果を高めていくことも重要課題であり,今後この2大テーマパークを広域的につなげる方策が必要と考えます。河合副知事におかれても,この件につき知恵を出し合ってという積極的な取り組み姿勢の御答弁をいただいております。そこで,チボリ公園より先に開園されるスペイン村は兄であり,チボリ公園に匹敵するだけの価値と意義を持つものと確信いたしております。知事の御所見を改めてお伺いいたします。  次に,相乗効果を高めるということについて,もし早期適切な方策がなされなければ,本県の観光地は,特にメッカ倉敷に集中し,スペイン村は孤立する懸念があり,県の支援もむだとなるおそれがあります。それゆえに,相乗効果を高めるためにどのように具体的に取り組まれていくおつもりなのか。特に,倉敷―玉野間の幹線道路網の整備が急務と思いますが,あわせて知事の御所見をお伺いいたします。  また,チボリ公園とスペイン村のこの2大テーマパークを,ともに発展機能させるための英知を結集した何らかの懇談会など設置して,永久の成功を期したいものであります。知事の御所見を賜りたいと存じます。  次に,サメ問題についてお尋ねいたします。本年3月8日,愛媛県松山沖でタイラギ漁をしていた男性がホオジロザメと思われるサメに襲われるという痛ましい事故があってから,既に3カ月を経過したわけであります。その間,直接被害に遭った愛媛県を初め,瀬戸内沿岸の各県ではサメ対策本部を設置,情報収集や潜水漁業,港湾工事の自粛など安全対策に万全を期する一方,漁業関係者は捕獲作戦を各海域で展開してきたところでありますが,その努力のかいもなくサメの捕獲はできず,現在は捕獲作戦も一時休止し,4月20日から解禁された大規模なサワラ流し網漁に期待を寄せている状況であります。しかし,時ならぬジョーズ騒動は,依然として各方面に波紋を投げかけており,これからシーズンを迎えるマリンスポーツなどへの影響を考えると,このままサワラ流し網漁だけに頼ってよいものか,いささか不安を覚えるのであります。一昨日,17日に,愛媛県伊予灘でホオジロザメが漁船を襲うという事件がありました。潜水員の事故の後に設けた愛媛県サメ対策本部は,サメがいなくなったと判断し,16日に解散したばかりでありました。そこで,今後の捕獲作戦についてどのように考えておられるのか,また漁業者へはどういった対策を講じておられるのか,農林部長にお伺いをいたします。  次に,50万人もの人出でにぎわう渋川海水浴場を擁する玉野市などでは,海水浴シーズン期間中の海水浴客の安全確保を図るため,監視船による常時監視を行うほか,沖合に防護ネットを張るなどして対応,その所要経費も県の財政援助を得て予算措置されております。県の素早い対応に深く敬意を表するところでありますが,いずれにしても渋川海水浴場などは,県内のみならず関西方面からの海水浴客も大変多いところであります。地元ではサメ騒動の影響でお客が減るのではと心配する向きもありますので,こうした安全対策面の措置を積極的にPRし,誘客に努めていただきたいと思いますが,この点どう取り組んでいかれるのか,商工部長にお伺いいたします。  また,県の財政援助は今年度限りになっておりますが,来年度以降状況を見て引き続き対応していただきたいと要望する次第でございます。  次に,観光問題についてお尋ねいたします。最近の観光目的は,単なる行楽,休養だけでなく,自然との触れ合い,地域での交流など,見る観光から参加,創造する観光へと大きく移行され,団体旅行から小グループ旅行へ,周遊型から滞在型へ,また金銭消費型から時間消費型へと生活水準の高度化や観光体験の積み重ねなどにより大きく変化しております。特に,時間と所得に余裕が出てきた高年齢者層を中心に,のんびり,ゆっくりが好まれるようになってきているのでありますが,もう一面では,全般的に時間を節約し,目的地に早く到着して業務を行う,あるいは交通機関に拘束される時間を短縮して,観光地でゆっくりするといったことが主流となってきているのであります。中でも,修学旅行に伴う観光ニーズは年々高まってきており,自主的学習の場にしようと農業,林業などテーマ別にグループ学習を行ったり,芸術体験学習や野外観察調査といったように,従来からの見る観光から生徒の自主性を尊重した学習する観光へと,その様相が大きく変わってきているのであります。しかも,新しい動きとして海外や飛行機を使うなど国際化広域化し,その内容も高度になっているのであります。このような情勢の中にあって,観光地岡山での受入体制が問われてくるのであります。修学旅行は,仲間と楽しい雰囲気の中で集い,交歓をし,また学習するという,一生のうちでも強く印象に残る大切な行事であるだけに,その対応いかんによっては観光岡山のイメージを強力に決定づけるのではないかと思うのであります。また,最近の修学旅行も快適性を追求され,しかも集団での宿泊,つまり分散しないで泊まれる場所が修学旅行候補地選定の基礎となっているのであります。しかしながら,悲しいことに岡山県内ではこの条件を満たすところはほとんどなく,いわゆる岡山の味が味わえない事態となっているのであります。そこで,修学旅行に対する受け入れについて,県の取り組み姿勢と,あわせて関係方面にどのように働きかけをされておられるのか,商工部長にお尋ねいたします。  次に,本県も観光県岡山を目指して大型観光キャンペーンを繰り広げ,並み並みならぬ努力がなされております。中でも,特に観光物産展の開催が注目されるのであります。これは,一般大衆を相手にするだけに,最大の配慮がなされなくてはなりません。山口県のフグを中心とした物産展,鳥取県の物産展など顕著なものがあります。岡山県の物産展について,今までに継続できないもの,一方的なもの,業者選定,目玉商品などの欠如,多くの問題を抱えているものと思います。そこで,観光物産展の開催に当たり,どういった問題が生じているのか,またその問題点に対する今後の取り組みについて商工部長にお尋ねいたします。  次に,県外客から見た岡山の夜は余りにも早く暗くなり,夜7時以降,盛り場もウインドーも暗く,買い物を楽しむような場所がほとんどないことが指摘されています。しかしながら,徐々にではありますが,昨年の9月の岡山シンフォニーホールのオープンなどで新しい人の流れが生まれ,閉店時間延長やウインドー照明も明るくなり,岡山の夜のにぎわいも出始めていることは,岡山のイメージアップにつながるものと大いに期待しているものと思います。夜型社会の定着に向けて,観光対策の上からも,このような健全な夜を楽しむ場所の構築が今後とも必要ではないかと思うのでありますが,知事の御所見をお伺いいたします。  また,現在では大型ドライブインがないため,大型バスでの観光ツアーが県外に逃げていくことが懸念されているのであります。御承知のように,例えば後楽園にはお土産品店も大型食堂もないため,昼食時には他の場所へ移動が余儀なくされ,慌ただしい観光とならざるを得ず,せっかく期待を持ってこられた県外客に余りよい印象を与えられずに帰っていかれるのが実態ではないかと思うのであります。この際,大型ドライブイン設置のための検討会などをつくり,観光客滞留のための早急な対策を講じていくべきと考えますが,商工部長の御所見をお伺いいたします。  次に,昭和60年から毎年6月に東京銀座のソニービルにおいて,ことしも8回目の矢掛町のホタル展が9日から14日まで,初夏の銀座の名物として開催されました。しかし,いま一歩積極的な対応がなされていないように思えるのであります。なぜ,この貴重な場を他の市町村も交えながら有効活用はできないのか,せっかくの人出の多い場所をソニー側より無償提供してもらって自由に利用できるのであります。本県で恐らく唯一の継続している事業であるだけに,より一層の効果を上げるように取り組んでいくべきではないかと思うのであります。幸い,ソニー側はクリーンな企業イメージを出すため,ホタル展は長く続けていく方針のようでありますので,それなりに長期的な視点に立った対応が必要と考えるのであります。今後どのように援助,協力される御所存か,商工部長にお尋ねいたします。  次に,最近のPR対応も従来と違ったより高度なニーズが求められているのであります。新聞,雑誌,広告業者,旅行業者,作家など,県内の名所,名物,行事についての紹介をポジフィルムでの借用がふえてきているようであります。そこで,これらに対応する代表的なポジフィルムを四季折々の状態など,きめ細かに対応することが必要と思うのであります。現在までの取り組みと,今後の対応について商工部長にお尋ねをいたします。  最後に,学校週5日制についてお尋ねいたします。この件については,今までにも議論されております。いよいよことし9月から月1回の学校週5日制が全国の公立の学校で始まります。このことは,明治の学制発布以来,週6日を基本としてきた学校教育の転換を迫るものであり,これまで教育が学校に集中し過ぎていたことを改め,子供を家庭や地域に返し,自主性社会性を育てることをねらいとしたものであります。しかしながら,実施3カ月前にもかかわらず,休日となる土曜日の過ごし方,受け皿となる公共施設の不足,心身に障害を持つ子供や共働き家庭の対応など,保護者や地域社会に不安や疑問があり,いまだ学校週5日制に対する慎重論があるのであります。  学校週5日制の実施に当たっては,その導入の趣旨を踏まえ,学校,家庭及び地域社会における子供の学習や生活の充実を図る必要があります。中でも,特に家庭や地域社会の果たす役割が大きく,その理解と協力を得ることによって初めて円滑な実施が可能であると思います。家庭や地域社会は,教育を学校にすべて任せておけばいいという考え方から脱皮し,教育力の回復を求められているのであります。学校週5日制の実施を目前に控えて,この制度の円滑な導入を図るためには,関係者の理解と協力を得るための広報活動や各種の懇談会を開催するなど,各地域の実態に応じて広く県民にその趣旨を理解してもらう必要があると思います。特に,保護者や地域社会の各種団体の理解と協力を得るための啓発活動に万全を期した対応を強くお願いをしておきたいと存じます。  そこで,教育長に1点お伺いいたします。それは,特殊教育諸学校の対応についてであります。今,県下に12の特殊教育諸学校があり,1,300人以上の児童が学んでいます。心身に障害を持つ子供の親も,多くが5日制の意義については理解していると思いますが,私は小学校,中学校,高等学校,特殊教育諸学校の中で,特殊教育諸学校が最も実施に向けての懸念があるのではないかと思います。文部省は,休みの日の子供の活動の場として校庭,体育館,図書室,特別教室などの学校施設を積極的に開放することなどのほか,土曜日に保護者が不在となる幼稚園児や小学校低学年児,特殊教育諸学校児童生徒に対しては学校を開放し,スポーツ,文化活動などが行われるよう指導してきております。しかしながら,特殊教育諸学校においては,地域社会に子供の世話をする場所があっても,児童生徒の障害の程度及び種別によっては家庭や社会で主体的に生活することが困難な子供も多くいると思います。地域社会と触れ合うプログラムの中に,心身に障害がある子供たちが参加できるような配慮が要るのではないでしょうか。また,休みの日となる土曜日の活動の場としての小中学校と特殊教育諸学校の連携はどうなるのか。さらに,寄宿舎設置校,施設併置校においても,土曜,休業日は,子供は家に帰って過ごすことが原則だろうと思うのでありますが,帰省できない子供の対策はどうするかなど大きな課題が山積していると思うのであります。5日制を円滑に実施するためには,特に特殊教育諸学校の児童生徒が,家庭や地域社会で本当にゆとりある生活や豊かな体験を通して望ましい人間育成を図り,社会参加を進め,自立を図れるよう留意することが重要であります。これらの児童生徒に対して,格段の配慮と援助が必要であると思います。教育長の御所見をお伺いいたします。  以上で終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  福田議員の御質問にお答えいたします。  まず,スペイン村の建設支援の問題でございますが,お話もございましたけれども,これまでに県としましては,2億円の出資を行っておりますほかに,用地の確保に対して大変協力をして,スペイン村の実現を期することができたと思っておりますが,またスペイン村のためにスペインとの交流の促進等を図りまして,私もスペインに行きまして王様にお目にかかってお願いをしたりいたしました。先般,事業実施計画が策定されまして,事業がいよいよ本格的になるわけでありますので,地元の玉野市との連携を図りながら,事業主体であるスペイン村からの要望を踏まえまして,宇野港の改修,また港湾緑地を初めとする公園等の周辺整備等についても積極的にいろいろと対応してまいりたいと考えておるところでございます。  それから,宇野線の輸送体制の強化でございますが,スペイン村への年間の入場見込み数が約200万人ということになっておりまして,これを確保いたしますためにも,岡山からの直行便といいましょうか,直通列車,その直通列車の増便とか車両の増結とか,そういうことによりますところの輸送体制の強化を図る必要がございます。玉野市や関係者とともに,JR西日本に対しまして,今後とも積極的に要請をしてまいりたいと考えております。  それから,チボリ公園との連携というお話がございました。チボリ公園との相乗効果という意味では,瀬戸大橋あるいは倉敷の美観地区,そういうところとの既存の観光資源を含めまして相互に連携を図ると,こういうことになると思います。そういうことによって,その相乗効果を最大限に生かしていくという福田議員のお話は,まことにそのとおりだと思っておりますけれども,そういう意味で,このためにこれらの拠点施設を組み込んだ広域観光ルートと申しましょうか,そういうものの開発とPRというのに努めるということになりましょうし,同時に,お話のありました倉敷市と玉野市を結ぶ幹線道路網の整備充実等を図ってまいりたい。今,私が記憶しておりますところでは3本のルートがあるはずでございますけれども,その中で一番能率のいいやつを大いに整備をしていくということにしてまいりたいと思います。  また,チボリ公園とスペイン村を発展させるための懇談会の設置というお話がございましたけれども,主要な観光リゾートの拠点相互間の連携を図るという意味で,そしてまた情報交換,あるいはお互いの誘客対策などをお互いに協議して連携プレーを保つというふうなことについて,今後そういう場づくりをどういうふうにするかということについては研究をしてまいりたいと思います。  それから,岡山の夜,これはしばしば言われていることでございますが,近年ライフスタイルの変化と申しましょうか,就業時間の多様化などによりまして,健全なる夜を楽しむ場所へのニーズというものはこれからますます強くなってくるわけでございます。そういう意味で,お話もございましたけれども,岡山シンフォニーホールのオープンを初めといたしまして,商店街における営業時間の延長でありますとか,ウインドーショッピングというような問題は,そういう意味での夜間照明でありますとか,オカヤマファンタジーの開催とか,夜のにぎわいづくりのための取り組みは進めておりますけれども,お話のようにもう一つぱっとしないところがあるわけでございまして,そういう意味で,現在計画中のチボリ公園やスペイン村も,こうしたニーズにとっては大変有効な働きをするのではないかというふうに考えておりますが,さらに市や関係団体などとも連携をとりながら,健全な夜が楽しめるような環境の整備にぜひ努めてまいりたい。そして,県外から来られる観光客の方々にも,ぜひひとつ岡山のいい夜を楽しんでいただきたいと考えておる次第でございますから,よろしくひとつ御協力をお願いいたします。  どうも失礼しました。 ◎商工部長(秋山孝之君)  お答えいたします。  まず最初は,サメ問題に関する海水浴場のPRについてでありますが,本県では,かねてから関西方面を初め各地からの海水浴客の誘致を図るため,シーズンに先駆けましてパンフレット等により,渋川など主要な海水浴場を広く県の内外に紹介いたしているところでございます。本年度は,これまでの施設や水質などの快適さに,サメ防御網の設置や監視体制の強化などのサメ対策を加えまして,安全面からも積極的にPRに努め,誘客を図ってまいりたいと存じます。  次に,修学旅行の受入体制についてでありますが,近年,修学旅行は御指摘のように従来の見る観光から学習する観光へと変化してきておりまして,本県におきましても,備前焼の作陶や,伯備線による高梁川の水質の観測など新しい動きが見られるところでございます。県といたしましても,このようなニーズの変化に対応し,自然を観察し体験できるまきばの館,自然保護センター,さらには蒜山などを組み込んだ体験型,学習型の新たなルートの設定を関係者に働きかけており,今後とも,東京事務所等を通じましてPRに努めてまいりたいと存じます。  また,大規模な宿泊施設につきましては,岡山,倉敷はともかく,他の地域では必ずしも充足しがたい面もありますが,地域の特性に根差した情緒ある宿泊施設や,湯原憩の家など公的なものなどもありますので,これらの修学旅行への活用を促すとともに,美しい自然と温暖な気候に恵まれた岡山のよさや快適性を感じていただけるよう,温かいもてなしとサービスの向上について関係業界に働きかけているところでございます。いずれにいたしましても,修学旅行は感受性の最も強い時期に実施されるところから,再び訪ねてみたい岡山という強い印象が残るよう,今後とも対応してまいりたいと存じます。  お尋ねの3番目でございますが,観光物産展につきましては,毎年東京,大阪,名古屋などの大都市において開催いたしておりますが,各会場とも多数の方々に御来場いただき,岡山を味わっていただく恒例の行事となりつつあります。マスカット,ママカリ,白桃,備前焼を初め,人気の出ておりますサバずし,岡山米などを中心に順調な売り上げを示しているところであります。これら催事の開催に当たりましては,目玉商品は多い方が望ましく,また出展者の絞り込みや配置など,営業という性格上,調整を要する事項もあることから,今後とも,関係団体と十分に連携をとりながら,目玉商品の育成や開催地に応じた品ぞろえなどの工夫を行い,出展者の協力も得て,観光物産展のさらなる充実に努めてまいりたいと存じます。  4番目は,大型ドライブインについてでありますが,県下には大小含めまして80余りのドライブインがございます。このうち収容能力300人以上のものが22カ所であり,数量的にはともかく,地域的な偏在や更新期にあるものなども見受けられます。大型ドライブインは滞留時間の増大にもつながることから,今後,広域的な観光ルートの整備状況や観光動向等を踏まえながら,民間設置の誘導等,整備方策につきまして観光連盟等とともに研究してまいりたいと考えております。  なお,例としてお示しのありました後楽園につきましては,現在,土木部において来春のオープンを目指し,特別名勝の入り口にふさわしいレストランや土産物店を兼ね備えた新しい施設の整備に取り組んでいるところでありまして,完成の暁には,今後のモデルケースになるものと考え,期待もいたしているところでございます。  5番目は,矢掛町の東京でのホタル展についてでありますが,このイベントは,ソニーが,都心に住む人にクリーンで特色ある季節感を味わってもらう目的で実施しているものでありまして,北海道のスズラン,沖縄の熱帯魚とともに,今や銀座の初夏を彩る風物詩として定着してきており,20万人もの人を楽しませる催しになってまいっております。県といたしましては,このイベントについて県観光連盟と連携をとりながら,「ミス観光おかやま」の派遣や観光パンフレットの配布,観光パネルの展示に協力しており,これからもこのような経緯やイベントの趣旨を尊重しながら,支援をしてまいりたいと考えております。  6番目は,広報PRのためのポジフィルムの作成についてでありますが,現在までに後楽園の四季の移り変わりや,さまざまな角度から見た瀬戸大橋,倉敷美観地区,さらには吹屋ふるさと村など約1,000種のポジフィルムを整備をしておりまして,報道機関や旅行業者,県民などに広く利用されております。今後とも,四季折々のタイムリーなイベントや伝統ある催事,新しい観光資源等についても順次整備し,利用者のニーズにきめ細かに対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎農林部長(青山寔君)  お答えいたします。  サメの捕獲についてでありますが,本年3月から4月にかけて目撃情報が多く寄せられました児島地先の海域を中心に捕獲作業を実施したところであります。現在,操業中のサワラやマナガツオの流し網などは広い海域で操業されますことから,かなりの効果が期待できる捕獲手段の一つであると言われています。今後とも,海上保安部や近県との緊密な連携のもとに,県の漁業取締船を出動いたしまして監視を続けるなど,情報の収集に努めてまいりたいと存じます。  また,現在は,潜水器を用いて漁をいたします,いわゆる潜水漁の時期ではございませんが,一般漁業にありましても,十分な注意を払うよう漁業者に指示しているところでありまして,今後とも,安全操業の一層の徹底を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  福田議員の質問にお答えをいたします。  学校週5日制の実施についてでございますが,家庭や地域社会の人々の理解と協力が何よりも大切でございますので,あらゆる機会をとらえて広報活動に努めておるところでございます。  特殊教育諸学校の児童生徒につきましては,お話のありましたように家庭や地域社会において遊び,スポーツ,それから文化活動,人々との交流を行うことが望ましいと考えております。本年度から,地域の異年齢集団による少年少女サークル活動促進事業を実施しているところでございますが,そのプログラムの中で,障害児も参加できるよう先導的な取り組みを進めておりまして,その成果を踏まえて県下に広めていきたいと,このように考えております。  また,特殊教育諸学校では,子供の土曜休業日の過ごし方につきまして調査をしております。今後,その結果を見ながら,それぞれの学校で実態に応じた対応をしてまいりたいと考えております。お話のような,帰省できない子供につきましては,従来からの休日と同様,学校の寄宿舎におきまして対応する必要があると,このように考えております。  以上でございます。 ◆9番(阿部寿満子君)  皆さんおはようございます。  私は,県議会にあがらせていただいてから2年目を迎え,心を新たにして質問に立たせていただきました。この1年間を振り返ってみますと,実に多くのことを学ぶことができました。長野知事を初め,職員の方々の御苦労と御努力によって,我が岡山県民の幸せがどれほど大きなものであるかがよくわかり,感謝している次第であります。  そこで,私は,この豊かな暮らしが,健康で飛び回ることができる青少年の方々や,経済的に,また時間的に余裕のある方々だけでなく,病人やそのお世話をしている家族を初め,病院や福祉施設などで働いている人々にまで行き渡るよう願ってやみません。そして,病人やお年寄りの方々の日々の不安や悲しみが少しでも和らぐとともに,これらの人々を支え,励ましながら働いている方々が,誇りを持って仕事に専念できるよう願うものであります。幸いにして,このような医療,看護,福祉に関しましては,今国会で医療法の改正並びに看護婦等人材確保法案として取り上げられており,早期実現が待たれるところであります。また,老人の在宅ケアを推進するための老人保健法の一部改正により,ことし4月から老人訪問看護制度が発足し,老人福祉施設への入所措置も来年4月から町村に委譲されるなど,大きく前進しようとしています。このようなとき,岡山県として県民サイドに立った行政が必要であります。  前置きが長くなりましたが,これからの保健医療と看護並びに福祉に関しまして,逐次質問させていただきます。  質問の第1は,県下の医療情報センターの設置についてであります。去る2日,郵政省が発表した通信白書によりますと,国民1人当たりの情報量は世界第4位であり,有線テレビを除くと世界一の情報生産大国であると報じております。日常生活における情報量はふえる一方ですが,その反面で,最も必要な医療情報は不足していると思います。岡山市医師会と御津医師会で診療機能に関する情報交換が行われていたり,近くは岡山県でも脳卒中情報システムをスタートさせると伺っていますが,保健医療,福祉の関係者だけでなく,一般のだれにでも必要な医療情報の提供や利用方法となると,相当におくれているのではないでしょうか。私は長年病院勤務をしてきましたので,情報不足から困っておられる多くの方を見てきました。そして,知り合いの方はもちろん,ほかの方からも相談や依頼を受けたことがたびたびあります。県議会議員になって相談を受けた事例の大部分も,やはり医療に関することであります。年ごとに高齢化が進み,御本人での対処が困難となりつつあることや,家族もまた日々の仕事に追われ,受診をおくらせている人がふえているのではと懸念されるのであります。本当に困ったとき,身近なところに医療情報を提供できる窓口がぜひ必要だと思います。  私ごとになりますが,先日,倉敷警察署管内のある駐車場で夕方盗難に遭いました。受けつけてくださった警察の担当の方は,とても親切に応対をしてくれました。また,預金通帳の盗難届をした際の銀行の方も丁寧にコンピューターで調べてくれたのです。どちらの方にも大いに感謝するとともに,医療関係の情報もこのようにあればと切に感じた次第であります。  最近,私は県下の病院を20カ所ほど回って,医療情報を提供できる窓口の設置状況と,地域単位の情報センターの必要性について尋ねてみました。病院内の情報窓口の設置はどこにもなく,わずか2カ所でケースワーカーが情報を持っているだけでした。一方,情報センターの設置では,老人の末期医療施設を除き,どことも必要だとしております。そこで,身近なところで医療情報が得られるセンターの設置にぜひとも県で取り組んでいただきたいと思うのですが,いかがでしょうか,知事の御所見をお聞かせください。  第2点目は,県民の利用しやすい医療施設についてお尋ねいたします。岡山県は,早くから医療施設が充実しているところであります。例えば,この議事堂から眺めてみましても,周囲数キロの中に400床を超える大病院が6施設もあり,診療所や中小の病院を加えますと,その数は相当の数に上ります。しかしながら,県下全域に目をやりますと,その数や診療科目において地域間に隔たりがあり,僻地と言われる地域では巡回診療に頼っている実態があります。医療の効果をより高めるために,早期発見,早期治療が大切なことはだれもが知っていることでありますが,地域的な実情や病院の事情で入院治療が必要な患者が入院を待っているといった状況が見られるのであります。さきに申しました私の調査した20の施設では,一般病床総数7,236床のうち入院6,133人で,稼働率は84.8%でありながら,入院待ちの患者さんが1,618人にも上っているのであります。これは,入院患者総数の4分の1に相当します。この比率は,特にお年寄りの需要が高いと思われる泌尿器科で3分の1,耳鼻咽喉科で4分の3,眼科では実に2倍近い方が待っているというのであります。せっかく早期発見をしても,早期治療につながらないこうした実態は,かえって不安をかり立てるものであり,何とも言えず胸が痛みます。昭和60年12月,医療法の一部改正により保健医療計画が作成され,必要病床数が定められましたが,現状を勘案して,県民が必要とするとき,役に立つ病床配置や施設整備を促していただくと同時に,場合によっては県が施設を設けるか補助するなど,積極的な取り組みを願うものでありますが,知事の御所見をお伺いいたします。  第3点は,在宅医療,訪問看護の推進についてであります。高齢者の多くの方が天寿を全うするときは,住みなれた我が家で温かく家族にみとられたいと願っていることは衆知のとおりであります。また一方,医療費の急増を抑制するために,適正医療や長期入院の是正をするとともに,在宅における療養が進められています。こうした状況に適切に対処するために,交通事情等を考えて,より狭いエリアに老人訪問看護ステーションを設置し,本人はもちろん,家族の方々の負担を軽減していただきたいと思うのであります。また昨今,診療所医師の高齢化や後継者の不足から,減少傾向にある医師の往診を支援するなど在宅医療の充実を図っていただきたいのでありますがいかがでしょうか,知事の御所見をお伺いいたします。  第4の質問は,看護婦問題についてであります。岡山県では,本年2月,看護職員需給見通しと今後の対応のあり方が公表されました。そして,ナースバンクのデータの電算化が進められ,また病院の日,看護の日のイベントが展開されました。そのほか,看護問題解決のために予算も組まれ,大きく前進させていただいています。さらに,看護基礎教育の大幅レベルアップを目指した県立大学は大いに期待されるところであります。しかし,看護職員需給見通しで明らかなように,看護問題は極めて深刻であり,これがために患者さんはもとより,医療機関,看護婦への影響が大きいのであります。そこで,私は,昨年9月と12月の定例会で看護問題について質問させていただきましたが,再度取り上げたいと思います。  その1は,看護婦の離職防止対策についてであります。岡山県下の看護職員の養成は,年間約2,000名で,全国的に見ますと,人数の上では第11位を占めています。しかしながら,退職者も多く,年間1,000名であります。岡山県下の病院は,さきにも述べましたが,総体的には施設数も病床数も充実していると言えましょう。しかし,看護職の退職状況と,県の報告にもあります看護婦の不足状況から考えてみますと,決して安心できる状況ではないと思います。私が伺いました施設20カ所では,職員総数4,202名のうち,年間の退職数は561名で,約13.4%になります。そして,退職者のうち定年によるものは16人の2.9%にすぎません。これらのことから,看護婦の退職は夜勤が大きな原因となっていることは否定できないと考えます。また,夜勤回数の改善がなかなか図られないのでありますが,その理由としては,夜勤不可能者の分をほかの人で負担していることによるものであります。調査施設の夜勤不可能者は285名で,全体の6.8%に当たり,その理由としては,育児と老人のお世話で50.5%を占めています。そこで,まず離職防止対策として,夜間保育を推進すると同時に,現在の3交代制勤務の見直しを提案したいと思いますが,環境保健部長の御意見を伺いたいと思います。  その2は,看護婦の産前産後の休暇や育児休業の代替要員の確保についてであります。私が伺いました施設では,看護婦の対象総数4,202名に対して,年間の出産者数は178名,約4.2%でありました。育児休業取得者は出産者の42.7%にすぎません。女性が多い職場である以上,職員の出産は避けて通れない問題であります。代替要員の補充に困らないのは3施設のみ,あとの施設では大きな問題となっています。子供を産み育ててほしいと願っている今日の社会でありますが,看護職の世界では,子供が生まれても喜んでばかりはいられない現状であります。前回の質問でも申し上げましたが,短期間でも代替職員が派遣できるように,ナースバンクの機能を早急に改善してほしいと考えますが,環境保健部長にお伺いいたします。  その3は,看護業務の改善への取り組みについてであります。看護婦不足を生じている原因を調べてみますと,医療業務の高度化や患者の高齢化などによる業務量の増加が挙げられますが,看護婦本来の業務を超えるものも多いのであります。このあたりの改善が進めば,看護婦自身,患者のケアに専念でき,看護のやりがいを実感し,少々の困難には負けないで現場に定着することができると思います。しかし,なぜか多くの病院でこの改善が困難であり,中には一日じゅう点滴注射のミキシングや内服錠剤の整理をしている看護婦もいます。そこで,看護婦業務の改善について,県行政の指導が必要であると思いますが,いかがでしょうか,環境保健部長にお伺いいたします。  その4は,看護職の現任教育についてであります。急激な進展を遂げている今日の社会で,医療現場も例外でなく,脳死状態での臓器移殖や骨髄移殖が待たれるなど,ますます様相を変えつつあります。これらの業務に適切に対処するためには,絶えず学習しなければなりません。しかし,看護職に対する現任教育はどこの病院も消極的で,教育計画はあるものの,予算的な措置は極めて少なく,研修時問も忙しさのために余りとれておりません。私が伺ったところでは,年間1人当たりの研修時間は,最高60時間でしたが最低は7時間で,多くの施設は20時間前後でした。また,1人当たりの教育予算は,出張旅費も含めて最高9,638円,最低は400円でした。また,小規模の病院では,院内単独の研修はとても持てないので,看護協会とか保健所管内での研修を希望していました。当岡山県では,看護職の教育は早くから積極的に取り組んでこられ,看護協会の会館建設に多大の援助をし,看護協会への委託事業として各種研修を行うなど数々の施策を実施いただいており,全国的にも例を見ないほどの看護教育県となっており,感謝しているところであります。しかし,前にも述べましたように,勤務体制,業務内容,女性集団という特殊事情から,極めて定着性の低い職場であります。また,看護職員数は,10年前に比べまして約1.4倍に達していることと,医療の発展と,そして看護職員の働く分野も病院から老健施設,そして在宅看護へと拡大している今日,教育の必要性はますます高くなっていると言えます。岡山県民の医療を支えている看護職であります。県民の福祉,医療費の経済効果も考えて,特に看護職の現任教育に力を注いでいただきたいと思います。環境保健部長の御所見をお伺いいたします。  第5の質問は,高齢者用住宅改造相談窓口についてであります。高齢者福祉行政は,年ごとに改善強化され,お年寄りの不安解消に貢献しておられることをとてもうれしく思っています。しかし,高齢者医療費はさらに増加し,全国で平成4年度の推計では6兆5,500億円に達するものと言われています。また,私が初めに申し上げました質問に関係しますが,たくさんある情報が十分に伝わってこないことと,たとえ情報がありましても十分に利用されていない状況があります。また,高齢者が家庭での治療を望みながら,在宅ケアを支援する基盤が弱いため,家庭に帰れない方がたくさんおられると伺っています。実は,リハビリテーション相談をしておられる方から伺ったことなのですが,住宅を改造すれば多くの方が自宅に帰れるとのことであります。しかし,お年寄り御本人が家族に気兼ねをされたり,家族が住宅の体裁を考えて改造を拒否される場合がかなりあるようです。また,住宅改造を思い立たれても,積極的に相談に乗ったり,改造そのものを行ってくださる方がいないとのことであります。岡山県下では,わずかに理学療法士でリハビリ機器販売を業としておられる方が働いておられるとのことであります。岡山県としては,在宅ケアの推進のための高齢者用住宅改造相談窓口をどのようにしておられるのか,民生労働部長にお伺いいたします。  第6の質問は,週休2日制の推進と生涯学習についてであります。日本の経済発展は,内よりも外国に向かっての剌激が大きく,種々非難されているところであります。このようなことから,週休2日制が導入され,岡山県でも従来から部分的に実施されていましたが,本年の7月18日からは完全週休2日制が実施されます。また,県下の公立の学校でも,9月から月1回の学校週5日制が導入される運びとなっております。これらに関しましては種々問題もあると言われていますが,私はこの休日を大いに活用してほしいと願っています。かつて企業で週休2日制が持ち上がったとき,遊び過ぎてかえって日常業務に支障があるとか,遊ぶための財源を得るためにアルバイトをするとか心配があり,休みを有効に過ごす指導の必要性が問われたことがありました。私はこのとき,とても情けない思いがいたしました。どうか積極的に休日を生涯学習に活用する考えを定着させてほしいと思います。ゆとりある社会の実現に向けて,労働時間の短縮が国全体の目標とされ,民間,国,地方公共団体を通じてその推進が図られております。真の豊かさ,生きがいのある人生を求めて,生涯学習に対する期待は高まっております。そこで提案したいのでありますが,生涯学習に関する具体的な取り組みの中で,ぜひ今日の社会問題を取り上げ,子供と大人,若者と老人が,女性と男性がそれぞれ一緒になって考えたり話し合う場をつくってほしいと思います。そして,具体的なテーマとして,環境,食物,生活,人間の一生,生命のとうとさ,死,平和,国際交流などを取り上げてほしいと思います。教育長のお考えをお伺いいたします。  以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  阿部議員の御質問にお答えいたします。  最初に,医療情報センターの設置ということでございますが,県民の健康への関心の高まり,また人口の高齢化の進展に伴いまして,保健,医療,福祉に関する情報を県民に的確に提供できる仕組みというものの整備が必要だと考えております。医療機関につきましても,岡山市医師会等における診療機能情報の相互交換というような先進的な試みがあるわけでございますし,また現在,国会で審議中の医療法改正案による広告事項の制限緩和等に見られるように,より多くの情報提供が可能となってきております。このような動向を踏まえまして,県といたしましても,保健所が地域の総合相談窓口として医療機関の診療機能や保健,医療,福祉サービスの情報を適切に提供できるように,御意見の趣旨を尊重しまして整備を進めてまいりたいと考えております。  それから,県民の利用しやすい医療施設のお話がございましたが,適切な医療を確保いたしますためには,限られた医療資源を効率的に活用する,また医療機関の機能に応じた役割の分担,相互の連携を促進をいたしまして,地域の実情に応じた医療体制の整備を進める必要があるわけでございますが,岡山県地域保健医療計画に基づきまして必要な病床数を定めまして,医療圏ごとに適正な病床整備を促しますとともに,救急医療,リハビリテーション等の不採算となりやすいような医療を担う自治体病院に対する運営費の助成や僻地医療の充実等に努めておるところでございますが,特に,お年寄りのニーズに対しましては,医療機関での治療とともに,老人保健施設あるいは福祉施設の活用,さらに在宅ケアを推進することも必要でありまして,総合的な体制整備に今後とも努力をしてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと存じます。  それから,在宅医療,訪問看護の推進でございますが,今後の在宅ケアの推進のためには,地域の医療機関や訪問看護ステーションなどが連携をとりまして,在宅の患者やその家族を包括的に支援をしていく必要があるわけでございます。そこで,訪問看護ステーションにつきましては,その制度が始まったばっかりでありますけれども,市町村や医療看護関係者とも連携をとりながら,きめ細かな設置促進を促してまいりたいと考えております。  平成2年度から,往診等も積極的に対応する地域の医療を担う医師を養成してまいりますために,地域医療推進医師研修事業も実施をいたしておるところでございます。さらに,本年4月からの診療報酬の改定におきまして,在宅医療の推進のための往診料等の大幅な値上げが実施されたところでございます。そういう趣旨で,訪問看護につきましても,また往診につきましても,在宅医療の整備につきましても,ひとつこれからも努力をしてまいりたいと思いますので,よろしく御支援,御協力をお願いいたします。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  看護婦問題につきまして,まず離職防止対策につきお答え申し上げます。  離職防止対策についてでございますが,退職の理由といたしまして育児を挙げる看護職員が多いことから,特に夜勤時の保育に重点を置きました対策を進めることが重要であると考えております。従来からの院内保育事業への助成に加えまして,今年度から全国で初めて病院が共同して24時間体制で行う保育事業等に対する助成を始めることといたしております。また,勤務体制の見直しについてでございますが,今回の診療報酬の改定におきましても,基準看護の対象として2交代制勤務の病院が新たに加えられたところでございまして,個々の看護職員と医療現場の状況に応じまして,柔軟な対応が図られるよう,医療機関の方を指導してまいりたいと思います。  次に,代替要員の確保についてでございますが,ナースバンクにつきましては,平成3年度にデータの電算化を行ったところでございまして,これによりまして医療機関からの求人に応じまして,産休,育休職員等を補う短期の就労希望者を集中的にリストアップし,きめ細かい就労あっせんができる体制づくりを整備したところでございます。しかしながら,短期就労を希望する求職者は極めて少ないのが現状でございまして,今後,医療機関側においても,短期就労を魅力あるものにする環境づくりといったものの努力が求められていると思われる次第でございます。  次に,看護業務の改善についてでございますが,医療機関において看護職員が誇りを持って看護の専門性を生かしました仕事ができるよう,医師その他の医療従事者との役割分担の明確化と連携強化を図ることは,医療の質の向上を図るためにも,また看護職員の確保を進める上でも極めて重要なものであると考えておるわけでございます。例えば,御指摘のような点滴注射の際に患者ごとに薬剤を混合するミキシング等につきましては,調剤の観点から薬剤師が,採血については臨床検査技師が携わっているという医療機関も聞いております。こうした方法も一つの工夫だと考えております。今後とも,研修会等を通じて,院内におきます適切な業務分担につきましての医療機関の理解が深まるよう努力してまいりたいと考えておる次第でございます。  看護職の現任教育についてでございますが,従来から,中堅管理職に対する研修であるとか,総婦長研修であるとか,各種研修を実施しているところでございます。特に,近年は人口の高齢化に対応しました訪問看護婦養成講習会を取り入れるとともに,今年度からは看護職員のリーダーを養成するための国内留学助成事業を実施するなど,その充実を図っているところでございます。  いずれにいたしましても,看護職員が専門性を生かして活躍していただくためには,常に意欲を持って自己研さんに励むことが大切であるとともに,医療機関も職員の資質向上に対する不断の努力が必要と考えております。県といたしましても,このような努力を支援していけるよう,今後とも研修体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎民生労働部長(石井敬一君)  お答えをいたします。  高齢者用住宅改造相談窓口についてでありますが,高齢者が住みなれた家庭で生活を継続できるような住宅環境を整備していくことは,在宅福祉対策を推進していく上で大変重要なことであると考えております。高齢者のための住宅改造や資金などの相談に専門的に応じるために,岡山県高齢者サービス相談センターにおきまして,毎週水曜日に1級建築士による相談を実施しているところでございます。このほか,財団法人日本住宅リフォームセンターが養成をいたしました増改築相談員の制度がありまして,市町村役場や地方振興局でその登録者名簿が閲覧できることになっております。今後とも,相談窓口機能の一層の充実を図るとともに,これらの相談センター等が有効に活用されますよう広報活動に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  阿部議員の質問にお答えをいたします。  生涯学習についてでございますが,お話のように,今後週休2日制が定着をしていく中で,有意義に休日を過ごすための意識改革と,新しいライフスタイルの確立が求められております。将来にわたっていろいろな学習に取り組むことが,心豊かで生きがいのある人生を送る上で極めて大切になってくると,このように考えております。このために,今後,市町村との連携を図りながら,多様な学習への取り組みを一層推進してまいりたいと,このように思います。  御提案の世代等の交流を通じての環境問題やそれから福祉問題など,今日的諸課題の学習につきましては,現在実施しておりますコミュニティー活動学級等での取り組みを拡充するとともに,本年度から実施をいたします健全家族育成モデル事業にも積極的に取り入れてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆21番(元原敏治君)  通告に従いまして順次質問をさせていただきます。  まず,身体障害者に対する対応について伺います。国連障害者年の10年もいよいよ最後の年になりました。この間,障害者に対する対応も随分と進んできたのでありますが,このような活動はどこまでという終点のない活動であり,いまだ未知の部分も多く,障害者の皆さんの要求も多岐にわたり,それぞれの課題を克服することは容易でありません。本日はその一部でありますが,関係者の対応について伺いたいのであります。  その1つは,教育の問題であります。今,障害者の高校入試の問題が全国各地でクローズアップされております。兵庫県尼崎市に住む玉置真人君は,昨年の春,筋ジストロフィー症という障害を理由に普通高校の入学を拒否されながらも裁判に訴え,今年3月の判決で全面勝訴した経緯があります。このような障害を持つ者にとっての1年といえば,健常者の2年,3年に匹敵するのではないかと思いますが,このあたりもう少し学校側の配慮があってもしかるべきだったのではないかと残念でなりません。我が県においては,障害を持つ子弟も受験でき,入学も可能であり,そのために学校設備の改装も行うとのことであります。まずはこのような問題は出ないと安心をしているのでありますが,兵庫県の対応について教育長の御所見を伺いたいのであります。  私は,学校教育の中に障害者との触れ合う場というものをもっと拡大すべきではないかと思います。小中学校においては,各種の学級が置かれ,ささやかではあるものの触れ合いの場があります。しかし,それぞれの学級は独立しているために,障害を持つ子供たちのすべてに接することはできません。まして,人生で一番多感な高校時代には,みずからがボランティア等で活動しない限りこのような人とのめぐり合う機会は皆無ではないかと思うのであります。したがって,学校生活の中に,障害者と生活をともにし,障害者に対する理解の場をふやすべきであると思うのであります。健常者が障害者の生活の一部でも理解ができているならば,果たして各地で今問題になっている点字ブロックの色が判別することが困難な色になったのかどうか,歩道のカラー舗装の凹凸ももっと配慮されていたのではないか,また,自転車が点字ブロックの上に無造作に放置されるのかどうか,要するに,障害者の困難は障害者になってみなければわからないということであり,私たちには障害者の生活は理解できていないあらわれであると思うのであります。もし,そうであるならば,こうした方々と深く接することによって理解していく以外にはないのであります。これも学校生活での中が最も有効であると思うのでありますが,教育長の御所見をお伺いをいたします。  次に,視覚障害者に対する伝達方法であります。現在,NTTや中国電力あるいは社会保険事務所等においては,領収書あるいは連絡事項等について目の不自由な方々に対しては点字を使用しているとのことであります。しかし,一番気を使ってしかるべき行政においては,こうしたことに対する配慮がなされていないようであります。ある視覚障害者が一度役所にこうした配慮をお願いしたところ「家の人に読んでもらっていただきたい」という冷たい返事が返ってきたようであります。目の不自由な人にとって,自分に来た手紙を家族に読んでもらうということは大変に苦痛のようで,その都度身を小さくして読んでいただくと言っておられましたが,確かにわかるような気がいたします。今では点字ワープロも発達し,こうした配慮も考えていくべきであると思うのでありますが,今後の対応について民生労働部長に伺います。  次に,障害者の雇用についてであります。障害者雇用に対しては,昭和51年に身体障害者雇用促進法が改正されて以来障害者の雇用も随分と向上してきております。県下における雇用の状況は1.9%と法定雇用率を上回り,事業所の雇用率達成状況も67.2%の段階であります。未達成企業も多い中とはいえ,全国平均を大きく上回っているのであります。関係者の努力に敬意を表するものでありますが,障害者の就労希望はまだまだ多いのが実情であります。障害者にとっては,せっかく教育を受け,訓練を受けても,それを発揮するところがない,そのうち訓練の成果が退化していく無念さ,こんなところに障害者の焦りが見えるようでありますが,障害者の就労希望はどのくらいあり,それに対する対応策等をお聞かせいただきたいのであります。  県の障害者の就職及び職場適応の促進の施策を読んでみますと,「障害者の特性等を把握し,的確な職業紹介を行う」と,このようになっております。これでは障害者に合った職場を探してその職業を紹介するということであり,受け身の対応であると思えるのであります。こうした対応では,全国有数の雇用率を誇る我が県であっても,雇用率は年を追って下がっているのが現状であり,このままでは雇用の拡大は望めないと思うのであります。私は,障害者に合わせて仕事をつくっていくということも考えていかなければならないときが来ていると思うのであります。重度の障害を持つ人であっても,ボタンを一つ押す仕事でいい,生きているあかしとして私にもこれだけはできるんだという自覚が障害者には何事にもかえることのできないものであると思うのであります。福祉という名のもとに障害者を社会の片隅に追いやることだけはしたくない,このように思います。時間はかかると思いますが,こうした課題に正面から取り組み,障害者の就労を一歩進めていかなければならないと思いますけども,知事の御所見をお伺いをいたします。  倉敷スポーツ公園・岡山新野球場について伺います。  新野球場は,当初の予定が大幅におくれまして,平成7年のオープンを目指して建設が進められております。いまだ完成を見ない現在,その全容は明らかではないものの,多目的に使える野球場ということで,野球だけを目的とした球場と違い各部屋に多少のスペースの狭さを感じてくるのではないかと思います。スポーツ施設といえば,まずゲームをする人が使いやすく,かつ安全であることが第一の条件であります。次に,球場の管理,整備をする過程でどのような状況下にあっても速やかな対応ができること,また観客の観戦と安全であろうかと思います。したがって,ここにどのような有名な設計者が設計をしようと,どのような建設会社が工事をしたとしても,また各地の球場を参考にされたとしても,このような面が配慮されない球場であれば意味がありません。昨年度は岡山球場や倉敷球場の改装が行われております。岡山球場も改装後,利用者などの指摘によりまして補修をし,倉敷球場も,これは倉敷市のことでありますけれども,専門家の意見では,バックネットの鉄骨が丸出しであり,当然のこととしてゲームをする人から指摘を受けるであろうと言っておられます。結局,補修を余儀なくされることになるわけであります。両者に言えることは,なぜよりよい球場にするために現場との話し合いがなかったのかということであります。何事においても現場第一主義でなければならないのに,現実は机上の論理で終わってしまっているのが実情であると思わざるを得ないのであります。せっかくつくる新球場も,部屋の配置等,現場の声や使う人の声をよく聞き,使いやすい県民の球場にしていただきたいのでありますが,このあたりどのように対応されているのか,お伺いをいたします。  次に,ごみの処理であります。どこの球場においても,試合終了後の清掃には大変苦労しているようであります。現在の岡山球場も同様で,球場使用後のごみ処理には多くの労力を使っておりますが,その労力の主体は付近の主婦のパートに頼っているのが実情であります。したがって,1日で終わる使用にはさほど問題はないものの,何日も続く球場使用の場合には清掃の時間的余裕もなくなり,パートも思うように集まらなくなってきているのが実情であります。したがって,最近の球場では,球場中段の通路をトラックが通れるよう拡大したり,各所にダクトを設けるなど,ごみの収集が容易にできるようそれなりの対応を考えているのであります。1日で数トンも出る新球場において,ごみに対してどのように配慮されているのか,お伺いをいたします。  また,最近できている新しい球場では,ドームの傾向が強くなっているのであります。今後の球場の主流は当然ドームに移っていくことになると思いますが,新球場では現在のところドームの設計とはなっておりません。そこで,将来のことを思えば,ドームも必要性に迫られてくる時代が来ることは必然であります。まして,プロのキャンプも誘致したいとの計画もあるのであります。このような状況を考えれば,現段階で,基礎においてはドーム球場を考慮に入れて設計をすべきであると思うのであります。こうした設計でつくっておくならば,いつでも必要に応じてドームに改修することができるし,対応も簡単であります。知事の御所見をお伺いいたします。  このほか,行き詰まっている用地買収,周辺道路の整備,アクセス道路の整備等,残された問題も多いのでありますが,平成7年の完成に向けての現状をあわせてお伺いをいたします。  次に,総合グラウンドについて土木部長に伺います。  まず,現岡山球場についてであります。平成7年の新球場が完成するまでは現球場の使用は例年どおり行われていくのであります。現球場で一番心配なのは盗難の問題が指摘されております。現施設は,選手控室も外からはガラス戸1枚でありまして,球場内の通路は一応チェックはなされているものの,通行に対する強制力はなく,だれでも通ることができるのであります。そのことは,入ろうと思えば選手控室にも簡単に入れるというのが実情であります。現場にはガラス戸の外に鉄格子を入れていただきたいとの要望もありますが,だれでもが安心して使用できる球場とすべきであります。このような細かいところまで気を配った対応を願うものでありますが,御所見をお伺いいたします。  また,体育館に隣接する北広場では,体育館の壁に向かってテニスの壁打ちを行っているところを見かけるのであります。したがって,整備された体育館の壁にはボールの跡が残り,清掃しても追いつかないのが実情とのことで,このことはそのまま体育館の破損を早めることにも通ずるのであります。ゆえに現在,北広場は体育館の予備の広場であり,時に催し物等に使用されておりますが,広場の一部を壁打ち用に整備することはできないかと思うのでありますが,御所見をお伺いいたします。  また,運動公園の子供の遊具についてであります。子供広場には石で積み上げられた滑り台があります。時々子供が落ちたり,滑り台のカーブの石に頭を当ててけがをするなどし,救急車のお世話になるということであります。改修をしてほしいとの親からの要望でありますが,このような遊具も県下には多くあることと思います。この際,県管理の公園等の遊具に対し,県下一斉に総点検をしていただければと思いますけれども,御所見をお伺いをいたします。  次に,救急救命士について伺います。昨年の4月18日に救急救命士法が成立して1年の経過を経て,本年は初の救急救命士の誕生を見たわけであります。これにより救急搬送業務だけで医療行為は全くできなかった救急隊も,プレホスピタルケアができる,すなわち病院前救護というんですか──ができるようになったのでありますが,救命士が誕生しただけでそのまま救命率が向上していくとは思えないのであります。  そこで,気になる数点について伺います。  まず,今回県下で救命士は何人くらい誕生したのか。また,今回の救命士試験には看護婦の方が多いとのことであります。こうした救命士の活用は今後どのように考えておられるのか,伺います。  次に,救急救命士が活躍できるための環境整備についてであります。救命士の応急処置に期待されることは次の3点と言われております。1つは,気道の確保,2つには静脈路の確保と緊急医薬品の使用,3つには除細動,これは何か心臓に電流を流して正常な動きに戻すということであると言われております。これが救命には一番大切だと言われております。しかし,救命士法には,この3点を行うには,医師の指示のもとで心肺機能停止状態にある患者に対して行うとあります。したがって,救命士法を運用するとすれば,救急病院の施設,救急車の改装,通信システム等の確保等最低限の整備が必要になってまいります。これらのことから,救命士が誕生しても,実際には活躍する場はないというのが現状でありますが,県下で救命士が活躍できる体制を整えるのにどのような今対応がなされているのか,お伺いをいたします。  ここで気になりますのは,何かあったときの責任のとり方であります。厚生省は,医療上の問題は指示を出した医師が責任を持つとのことでありますが,医師自身が直接手を下さないことに責任がかかってくるとすれば,医師の指示が簡単に出るのかどうか疑問の残るところであります。このあたりはどのように解釈すればよいのか,伺います。  最後に,警察の派出所,駐在所の緊急通報についてお伺いをいたします。  先日,名古屋におきまして,交差点の赤信号を無視して走り抜けようとした暴走族とタクシーが接触し口論となり,タクシーの運転者は交番まで逃げ警察に急を知らせようとしたわけでありますが,派出所の警察官は警らに出かけて留守であったために,派出所の中で暴走族により暴行を受け重傷を負ったとの報道がありました。あそこまで行けば何とかなると思って飛び込んだ派出所にはだれもいなかったという不運があったわけでありますが,愛知県においては,通常1つの派出所に2人で勤務しているそうでありますが,夜間は2つの派出所を1つとし,両派出所の1人ずつが2人1組となって巡回をする,その間,もう1人は仮眠するという方式になっているとのことであります。岡山県においては,派出所における勤務体制はどのようになっているのか,まずお伺いをいたします。  派出所が留守の場合,派出所の電話を使い,緊急の場合は110番,その他物を尋ねる場合は,指示されている番号を回せば各署が出て対応することになっております。しかし,名古屋のような緊急事態では110番を回す余裕など到底ないと考えざるを得ません。仮にもこのような緊急事態の発生した場合,派出所としての対応はどのようになっているのか,お伺いをいたします。  派出所において110番を回すのみの場合には,交番にセットされている緊急通報用のボタンを押せば,瞬時に110番に通ずるとか,周辺をパトロール中のパトカーに通ずるとか,警ら中の警官に通ずるとか,交番自体にセットされたベルを鳴らし周辺の住民あるいは通行中の人々に注目させるとか,何らかの緊急通報装置が必要と思うのでありますが,あわせて御所見を伺いまして,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  元原議員の御質問に逐次お答えいたしますが,最初は,障害者の雇用の問題であります。平成4年3月末現在で,公共職業安定所に求職登録をしている障害者は6,708人で,そのうちで就業中の者が5,271人,就労を希望している人は896人となっておりまして,障害者の雇用率は全国的に見てもかなり高い水準を保っておるわけでございます。  障害者の就労促進対策でございますが,法定雇用率未達成企業に対しまして,積極的に個別指導を行いますとともに,企業と障害者の集団面接会の実施でありますとか,障害者を就職予定企業の作業環境に適応させますための職場適応訓練制度,それからまた障害者の雇用促進のための既設の各種の助成金制度の活用を図りますほかに,本年度には新たに単県措置として,障害者職場定着奨励金制度を創設をいたしまして一層の就労促進を図っておりますが,また,障害者の就労をさらに促進いたしますためには,個々の障害者の特性に応じた職場の開発が必要であることは御指摘のとおりでありまして,従来から作業施設設置等助成金制度を活用して,障害者の能力に適合する職場改善を図るように企業指導を行っておるところでございます。  また,障害者の適切な能力判定と特性に応じた能力開発というものを行うことによりまして,さらに就労の機会を拡大することにしたいと考えられますので,現在,能力判定とか開発のあり方や,多様な就労の機会を提供するシステムなどについて検討を進めておるところでございます。  それから,新野球場でございますが,使いやすい野球場についてというお話がございましたが,まさにお説のとおりでございまして,選手にとって使いやすく,また観客にも十分なサービスが提供できるような,安全性とか快適性を備えたものであるべきだというふうに我々も考えておりまして,その意味で,そういう性能を備えた中四国地方で最高のグレードの高い野球場とすることを目指しておるわけでございますが,このために他球場やプロ野球の専門家あるいはアマチュア野球の関係者,さらには県出身のプロ野球関係者でありますとか報道関係者など,いろいろな各層の御意見を聞きながら,選手に対しましてはフランチャイズ球場と同等の広さのグラウンドでプレーができるようにしまして,またグラウンドの周囲には緩衝材のラバーフェンスを張りプレー中の安全を確保すると,また,空調を備えたゆとりのあるロッカールームでありますとか,ミーティングルームでありますとか,温度調節ができるようなシャワールームなどを備えることにいたしておるのでございます。  また,観客に対しましては,快適に観戦ができますように,ゆとりのある単座のベンチを設けたりいたしましてサービスをしたいと,それから,防災面では,将棋倒しを防止するという折れ階段を採用いたしましたり,観客席の出入り口を適正に配置をいたしまして,スムーズに避難ができるような配慮などをいたしておるところでございます。  それから,新野球場のごみ処理でございますが,プロ野球及びイベントの開催日で1日3万人の入場者の場合には,約6トン程度のごみの発生が予想されるわけでございまして,ごみ収集ヤードを設置するなど,当日中に収集できる計画といたしておりますが,なお作業を円滑に進めますために,お話もございましたけれども,2階通路までごみ収集車が通行できる設計にするというようなことで,施設面での検討も加えておるところでございます。  それから,ドーム球場への対応というお話がございましたけれども,これは構想段階では話題になりましたけれども,岡山は雨が少ないと,晴れの国岡山でございますから,それから建設費や維持費が相当かかるということなどを考えまして,ドーム球場の計画を見送ったところでございます。なお,現在の設計とドーム球場とでは,これは構造的に全く別のものでございますから,将来のドーム球場への改修を予想した基礎設計というようなことには実はなっておりません。御理解を賜りたいと思うのであります。  それから,新野球場の用地買収の現状でございますが,公園用地につきましては,現在おおむね99%が買収済みでございまして,残る用地につきましても,野球場本体工事の着工に支障になりませんように現在鋭意交渉を進めておるところでございます。  また,周辺道路とかアクセス道路の整備につきましては,中庄駅から新野球場までの都市計画道路や県道早島松島線の新野球場付近の4車線化工事などにつきましても,平成7年春のオープンまでに整備が完了する予定にいたしております。  それからその次には,救急救命士でございますが,今回県下で救急救命士の国家試験に67人が合格をいたしまして,そのうちで救急隊員が1名で,看護婦免許等を有するものが66人と,こういうことになっておるのでございます。  なお,救急救命士の資格を持った看護婦の活用ということにつきましては,現在のところ消防本部で活躍してもらうわけにはいかないわけでございまして,それぞれの病院に所属されておられる方のようでございますから,そこで所属する医療機関が積極的に従来にも増して救急医療に大いに協力していただけるということを期待しておるわけでございまして,そういう理解を求めてまいりたいと思うのであります。  それから,体制の整備でありますが,救急救命士の活動につきましては,御指摘のようにいろいろ条件整備を図る必要がございます。現在,国において,応急処置の指示を与える医師及び協力医療機関の確保,それから救急隊と医療機関との情報連絡手段の整備などについて検討が進められておるわけでございますが,本県におきましても救急搬送システム検討委員会を設けまして,具体的な対応を急いでおります。  なお,今回合格いたしました1名は岡山市の救急救命士でありまして,この救急救命士は,市民病院などの協力や,また高規格救急車などの条件整備を終えまして,近く活動する予定と聞いております。  それから,救急救命士の業務に関する責任所在という問題でございますが,一般論としては,病院や在宅ケアにおける医師と看護婦等との関係と同様でありまして,患者の状態について救急救命士が医師に対して行う報告と,それに基づいて医師が専門的知見に基づいて指示する,そのいずれに過失があったかは個別に判断すべきものというふうになっておるわけでございます。そこで,いずれにしましても,救急救命士に対しまして医師が迅速かつ円滑に指示が出せるためには,消防機関と地域の医療機関との連携体制を平素から十分築いていくということが必要でありますし大切でございますので,県といたしましても,そういう意味での医療機関の理解を深める努力を今後いたしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎民生労働部長(石井敬一君)  お答えいたします。  視覚障害者に対する伝達方法についてでございますが,視覚障害者に対する伝達方法につきましては,点字によるのが最も正確で障害者にとって便利であることはお話のとおりでございまして,行政機関におきましても,従来からいろいろと点字方式の導入を試みているところでございます。本県におきましても,主な施策や行事を掲載した点字広報紙「おかやま」や点字による「年金のしおり」を配布しているほか,本年度から新たに点字による観光パンフレットの作成や選挙の入場券に点字シールを張ったものを届けるなど,点字の導入に努めてきたところであります。このほか,中途視覚障害者等のためには,録音テープによる国勢調査記入要領の説明や「グラフおかやま」の貸し出しなどを行うなど,視覚障害者に対する情報伝達方法の多様化も図っているところでございます。また,県,市町村等の窓口におきましては,担当者が代行処理をすることにより,視覚障害者の不便の解消に努めているところであります。今後,文書の表示方法などについて関係者の御意見をお聞きしながら検討を進め,点字導入の範囲の拡大を図るなど,視覚障害者に配慮したきめ細かい施策の推進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  総合グラウンドに関する御質問にお答えいたします。  まず,野球場についてで ありますが,選手控室の防犯対策の現状につきましては,監視カメラで対応しているところでございますが,今後,防犯対策の万全を期す上から,野球場修繕計画の中で窓格子の設置などについて検討してまいりたいと考えております。  次に,体育館北広場についてでございますが,当該地区は,体育館利用者のサービスヤードのほか催し物会場として利用されております。壁打ちコートの設置はしたがって困難でございます。なお,壁打ちコートは,テニスコート管理人室東側に1面設置しておりまして,テニスコート利用者に対して無料で開放しておるところでございますので,このコートの適正な利用を指導してまいりたいと考えております。  次に,県管理の都市公園の遊具についてでございますが,必要に応じましてパトロールによる安全確認を行っているところでございますが,今後の安全確認に当たりましては,御指摘の面も踏まえまして,腐食の状況,ねじの緩み等施設面におきます安全性を総点検いたしまして,公園利用者の安全確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  元原議員の質問にお答えをいたします。  まず,障害を持つ生徒の高等学校への進学についてでございますが,本県の県立高等学校の場合,県教育委員会が示す選抜方法に基づきまして学校長が各学校,学科,科の特色を配慮し,教育課程が履修できるかどうかなどを総合的に判断して選抜を行っております。玉置君の選抜に関連し,兵庫県の詳細な対応は承知しておりませんが,本県では,玉置君と同様な障害を持つ生徒も県立高校へ入学しているケースもございます。判決を見る限り,選抜に当たってより慎重な対応があってもよかったのではないかと,このように思っております。  次に,障害者との触れ合いについてでございますが,児童生徒が正しい理解と認識を深めるために,障害児と活動をともにして,仲間意識をはぐくむ機会を設けることがお話のように大切であると考えております。このため,小学校,中学校では心身障害児理解推進校を設けまして,特殊教育諸学校との交流を行っております。高等学校では,特別活動などで交流活動や福祉施設の訪問などを行い,障害者との触れ合いを深めておるところでございます。今後も,学校におきまして,障害者との交流が一層深まるよう努めてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  元原議員の御質問にお答えいたします。  まず,勤務体制についてでございますが,岡山県下には現在95カ所の派出所がございます。複数勤務を原則といたしておるところでございますが,やむを得ず1人勤務制をとらなければならない派出所が合計43カ所ございます。1人勤務の派出所では,特に夜間におきましては,スムーズな執行の必要上,あるいは危険防止を図る観点から,隣接派出所員と組みましてパトロール等に当たらせているところでございます。したがいまして,派出所が勤務員不在となる場合も出てくるわけでございます。  そうした場合,付近で緊急事態が発生したときどう対応するかということでございますが,こういった不在時対策といたしまして,ほとんどの派出所が,受話器をとりますと即時に警察署あるいは110番に通報できますいわゆる不在転送装置を整備しているところでございます。通報がありますと,警察署あるいは本部の通信指令室から現場に最も近い警察官またはパトカーを急行させまして,事案に対処することとしているわけでございます。しかしながら,それでも,御指摘のありました愛知県で発生しました事案のような場合には十分対応できないおそれもあるわけでございまして,現在,内部でどう対応すべきか検討を加えているところでございます。  例えば,派出所と警察署を直接結びます防犯テレビと申しましょうか,そういう物の設置だとか,あるいは不在時でも,派出所に来られた方に警察署から直接対応できるようなテレビ電話等の機能を派出所に付加することができるかとか,あるいは付近の関連施設や関係者への非常通報ベルの設置の可否等について検討をしているところでございます。いずれにいたしましても,今後とも,地域住民の方々に安心していただけますよう,それぞれの地域の事象に即しました有効な対応ができるよう一層検討,努力してまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。  以上でございます。 ◆21番(元原敏治君)  ドームは出雲で懲りたという皆さんからのいろいろな声でございますので,その方はいいといたしまして,ひとつ要望でありますけれども,新野球場の図面をいただきまして,これがすべてではないということでありまして,これからどんどんまだ変わるんだということでありますが,この図面から見ても,要するに現球場と比べてみても,主催者役員室と管理事務室というのは直接行き来できるようにしてもらいたいと,とりあえず電話は設置してあるけれども,実際電話を使うことはめったにないんだと,こういうようなことでありますし,またグラウンドの整備室がカメラマン室の後ろ側にありまして,言うならば非常にグラウンドが見にくい,このままでは見にくい。したがいまして,現在では,高校生の野球あるいは社会人野球というのは,使った人たちがすぐその後トンボできれいにならして,すぐ後の人が使えるようにしていくんだと,そのために物置きが遠くでは困るとかですね,現場の声が非常に強い。また,プロ野球では,試合にはボールボーイが20名くらい来る,こういう人たちの待機場所もこの図面を見る限り今ないように思うと,こういうことが指摘ありまして,今知事の御答弁では,各層の意見をいろいろと聞くと,こういうことでございますので,ひとつ現場の声という,言うならば直接携わるですね,偉い人の声じゃなくて,直接現場で携わっている人の声をどうかよく聞いていただいて,立派な球場をつくっていただきたいと,御要望申し上げます。 ◆23番(近藤さち子君)  通告に従い質問いたします。  憲法違反の自衛隊海外派兵法──PKO協力法が自民,公明,民社の各党によって強行されました。私は,憲法の平和主義をじゅうりんしたPKO協力法が強行されたことに強い怒りと悲しみを覚えたのであります。私の父は48年前,母が私を身ごもっているとき召集されました。そのとき「女の子なら紗智子と名づけるように」と言い残し,出征し,父は再び帰ってきませんでした。父の顔は写真でしか知らないのです。私は,最愛の者を奪われた悲しみを二度と再び次の世代に体験させてはならない,戦争を起こしてはならないと心に深く刻んでまいりました。そして,成人するころになって,あの戦前の暗黒時代に戦争に反対した党があったことを知り,日本共産党に入党したのです。我が国は,この侵略戦争の反省に立って憲法をつくり,平和主義をうたいました。ところが,今回その反省を投げ捨て再び軍隊を海外に送る道を開いたのです。私は,改めて憲法を読み返しました。いかなる軍事行動も憲法は許していません。今回のような形で憲法が踏みにじられるのなら,現行憲法下で徴兵でも何でもできるというひどいものだと思いました。私は,憲法を守り,海外派兵を阻止するため全力を挙げることを申し上げ,質問に入りたいと思います。  回収ウラン転換試験と核防災対策についてであります。  去る10日,回収ウラン転換試験反対を求める51万4,948人の署名が知事に提出されました。この署名は,転換試験に県民が大きな不安を抱いていることを示しています。そこで,動燃に実用化試験のデータの公表を求め,県民に公表し,その理解が得られるまで転換試験の中止を求めるべきだと考えますが,いかがでしょうか。  次に,4月18日,科学技術庁は,核物質輸送の情報を公開しないようにとする自主,民主,公開の原子力3原則に真っ向から対立する異例の通知を出しました。岡山県では,90年11回,91年6回,動燃人形峠事業所へ核燃料物質の搬入搬出や島根原発へと思われる通過がありました。しかし,その通過日時は一般へ公開されないばかりか,県消防防災課にも一切知らされていません。また知る努力もされていなかったのです。驚くべきことではありませんか。一体これで県民に責任の負える防災活動ができるのか,お伺いします。  ところが,公安委員会には運搬の情報が入っています。しかし,県警はこれらの情報を何ら県消防防災課へ連絡していません。なぜそのような秘密主義をとるのか,県と県警の防災上の協力は必要ではないのか,県警本部長にお尋ねいたします。  さて,私が調べたところ,輸送の際,発送地の公安委員会に日時,ルート等の届け出が義務づけられていますが,消防防災課への届け出は義務づけがありません。県は,輸送の安全協定を締結し,核燃料輸送の日時を県に通報する義務づけをすべきと考えますが,いかがでしょうか。  私は,動燃人形峠事業所のおひざ元津山圏域消防組合消防本部で調査しました。同本部は「運搬容器が800度の温度や5トンの圧力にも耐える安全構造といっても,火災の最盛期には1,200度にもなる現実があり,防災に不安を感じる」と言っています。また,「核燃料輸送に伴う知識の研修は行っているが,機材の完備がなく,実際の訓練は全く一度もされていない。万が一の事故では大変な混乱が起こる」とも言っています。核燃料輸送は安全という科学技術庁の神話に不安を抱く現地の困惑があることを示しています。訓練なしに防災活動がスムーズにいくのか,人員が足りず,万が一の対応はできないという現場の声を尊重し,訓練や体制整備の特別対策を講じるべきですが,いかがでしょうか。  さらに,消防職員の事故時の防護服は,津山署は4着,上斎原消防団はゼロと大変お粗末な状況です。1着24万円もする防護服を調えるのは大変という財政力の弱いこれらの防災担当機関に県は援助して,早急に整備されるべきではないでしょうか,お尋ねいたします。  この問題の最後に,県の説明では,輸送の核燃料はウランなので万一事故があっても拡散されにくく安全だと言います。ところが,岡山県内を通過する核燃料物質はウランだけでしょうか。例えば,島根原発などで燃やした使用済み核燃料,これはプルトニウムや多くの核分裂生成物が含まれています。これは運ばれていないのでしょうか。島根原発を持つ島根県の担当課で聞いたところ,運搬物の内容はわからない,使用済みのものもこれまで運搬されたり,今後運搬される可能性は否定できないということです。これらの運搬はどうなっているのか,お伺いします。もし,使用済み核燃料が県内を通過するのであれば,県の対策を抜本的に見直す必要がありますが,その点について御見解を伺います。  高齢者対策について。高齢者保健福祉10カ年戦略,いわゆるゴールドプランと高齢者対策についてお尋ねします。  21世紀高齢化社会の抜本対策として厚生省が発表した10カ年戦略は,医療,住宅問題の欠落,財政措置が不明確など重要な欠点が指摘されています。時間の都合で2点だけ質問いたします。  プランの大きな柱の一つ,ホームヘルパーについてであります。99年度計画到達時点のホームヘルパーは10万人,人口比でデンマークの8分の1,同年次予測される在宅寝たきり老人54万人の36%にしか対応できない不十分なものであります。水準を引き上げるために県はどう対応されるのか,まずお尋ねいたします。  同計画は,ヘルパーの養成,財源の確保,責任の主体への言及はなく,いわばソフトなき計画です。これらのソフト面の対応として,とりわけヘルパー確保のためその正職員化などの対応が求められますが,待遇改善も含めて確保対策をお聞かせいただきたいと思います。  次に,高齢者対策緊急課題についてお尋ねいたします。私たちは,このほど県南東部3市16町の高齢者対策や保健福祉施策の取り組みについて調査しました。その中で,多くの自治体から要望があったのが在宅寝たきり老人への介護手当です。現在,県下25自治体で実施され,年間最高24万円から年間1万円支給の自治体までさまざまであります。これを前進させるため県の助成制度がどうしても必要と思います。県の介護手当実現を求めて知事にお伺いいたします。御見解をお示しください。  あわせて,市町村の要求は,寝たきり老人に対するおむつ代の助成です。この実現も強く求められています。いかがでしょうか。  アトピー対策についてお尋ねいたします。  近年,アレルギー症が急増しています。これは食生活の著しい欧米化や残留農薬,食品添加物の増大,大気や水汚染などによるものと言われています。新聞発表でも,国民の3人に1人は何らかのアレルギーを持つと報道されているほどです。中でも小児アトピーの増加は顕著と言われています。全国の国立病院小児アレルギー科の医師341人のアンケート調査によると,85%の医師がアトピー性皮膚炎がふえていると感じ,95%の医師がアトピーと食物は関係があると言っています。今後,1億総アレルギー時代になるのではと危ぶむ声すらあります。  さて,アレルギーの最初の出現は乳幼児のアトピーです。そして,その症状は軽快するかに見えて,学齢期に達すると,また50%以上がぜんそくに,60%以上がアレルギー性鼻炎を発症すると言われます。それは大人になっても引き継がれていきます。生涯アレルギー体質を引きずるということは,個人にとっても社会的にも不幸なことであります。抜本対策が求められます。しかし,県の対策は残念ながらほぼ皆無であります。知事は,アトピーなどアレルギー疾患に対応するため今後どうなさるのか,お伺いします。  私は,岡山県のアトピー対策の確立のため,まず県下の乳幼児のアトピー実態調査の充実,2つに,治療指針の研究及び普及,3つには,除去食などについての提案をし,御見解をお伺いしたいと思います。  初めに,アトピー症実態調査についてであります。厚生省は,アトピー症問題が深刻になる中,その実態調査のため今年度340万円の調査費を計上しました。そのうち岡山県への割り当てはわずか10万円という大変少ない予算です。そして,調査対象数も150人の乳幼児で,調査期間もわずか1カ年のみです。これでは大変不十分な実態調査で終わります。アトピーの症状は,いつまでも同じ食物に反応して出てくるのではなく,牛乳を飲んでも症状が出ていたのが,次は卵,その次は大豆というように反応が変わるアレルギーマーチがあると言われています。その経過,実態を把握するためには,検診時に乳幼児のすべてと学齢期の児童生徒への調査対象の拡大を図り,毎年実態調査をする経年的調査が必要です。さらにアトピー症の子の経年的追跡も必要であります。このように,調査を充実させるため県の予算計上と体制確立をすべきと考えますが,御見解をお聞かせください。  次に,治療指針の研究及び普及についてであります。アトピー症の治療は,小児科医と皮膚科医の対応が違うとか,アレルギー食物を食べさせないという除去食の指導も医師によって全く違うというように,情報も少なく,治療方針も未確立の中,親たちは不安と焦燥にかられ医療機関を転々とする状況です。信頼できる治療指針が早急に求められているところです。そういう中で,瀬戸地域保健所で88年7月から89年3月までの9カ月間に取り組んだ調査研究は貴重であり,その研究の積み重ねは重要な治療指針につながると考えます。同調査は,アトピー性皮膚炎と除去食療法についてであります。瀬戸地域保健所管内でアトピーの主訴を持つ乳幼児及び同兄弟150人を対象とし,うちアレルギー反応のある58人の対象者に除去食療法を試みたものです。除去食の効果は,有効率85%に及ぶというよい結果が出ています。とりわけ,重症アトピー皮膚炎とぜんそくなどの合併症を持つ8人のうち6人までが除去食療法で症状軽快を認めるという貴重な成果を生み出しています。これは赤磐郡医師会の支援を得て取り組んだものであり,医療機関だけではなし得ない研究成果であります。このように数多くの乳幼児のアトピーの実態を把握し,治療方針を出し,その効果を見きわめる調査研究こそ保健所の役割だと考えます。この成果を県下の保健所や医療機関に普及し,県としても一定の治療指針を示すことが親の不安にこたえる行政の役割ではないかと思いますが,御見解をお聞かせください。  また,アトピーっ子を持つ親の悩みは,除去食療法に多額の食費を要することです。その上医療費もかさみます。この悩みを解消するためにも,せめて医療費の軽減策,乳幼児医療費無料化の3歳までの拡大と現物給付方式が早急に求められます。どう対応されるか,お伺いいたします。  次に,教護院成徳学校の充実についてであります。私は,このほど決まった吉備の国文学賞受賞作品「丘の雑草たち」を読みました。この作品の舞台は「少年の丘」の愛称で知られる県立成徳学校です。第2次大戦後,家族も家もなくし,希望まで奪われた子供たちが徹底した人間信頼の教育の中,生きる希望,人間の尊厳を取り戻す体験が描かれた作品でありました。この作品を読んで,成徳学校の人間性豊かな教育をかいま見る思いがしました。そして,今も同校では脈々と人間信頼の教育は続いています。しかし,103年の歴史を持ち,全国で最も古く,なおかつその教育が全国の模範となっている同校も,全国の教護院と同じくさまざまな悩みを抱えています。その中の幾つかについて質問いたします。  その1つが,職員確保です。成徳学校の寮に住む職員は,学園内に住み込み,365日年中無休の夫婦小舎制という勤務体制です。これは職員が子供らと家族同様に暮らし,親の愛に飢え,成長を支える適切な家庭を失った非行の子に家庭の温かさ,親の愛の優しさを体験させ,みずからを大切にする心,人を愛する心をはぐくみ,主体的な力で非行を克服させ,次の世代に再び非行を継がせない大切な教育体制です。しかし,24時間,しかも年中拘束の過重な勤務で,職員希望者を見つけるのは大変至難のわざです。一般的な採用試験では情熱を持った人材確保は難しく,特別な養成制度が必要であると現場は要望しています。対応策をお聞かせいただきたいと思います。  2つには,措置児の学力保障です。学力と非行には重要な因果関係があります。非行克服の自力をつけるため基礎学力をつけることは重要な課題です。ところが,学校教育法は教護院の児童生徒の義務教育猶予の規定をして,教護院の児童生徒の学ぶ権利を奪っています。子供の権利条約が国連で成立し,世界の流れはどの子にも教育の機会を平等に与える方向に進む現在,この規定見直しを図るべきではないかと思います。御見解をお聞かせください。  また,法改正を待つまでもなく,さまざまな工夫で学力保障の取り組みを行っている県もあります。教護院への教師派遣制度をつくった山梨県,長野県,教護院の分校を開設している島根県などがあります。一方,成徳学校ではボランティアに頼っているだけなのです。少なくとも教師の派遣を制度化し,行政が責任を持って教育体制をつくるべきではないでしょうか,お伺いします。成徳学校では,高校進学志望の子もふえ,昨年度は受験生全員が合格するまでになっています。  3つには,成徳学校へ相談窓口を設置する課題であります。義務教育の小中学校で教鞭をとる先生方が成徳学校の教育に触れ,一様に述べる感想は,成徳にこそ真の教育の原点があるということです。子供の人格に働きかけ,主体的,自発的に伸びる力をはぐくむ人格教育は,右に出るものがないと評価する識者も多いのであります。この教育が児童生徒の健全育成に生かされるのなら,数多くの子供たちが救われるのではないかと思うのです。子供の非行,問題行動が多様化し増加する中,その相談機関も対応しかねています。そこで,成徳学校に非行の子供などの教育相談窓口を設置したらどうかと思いますが,御見解をお聞かせください。  次に,週休2日制と教職員の増員についてであります。県庁や学校で週休2日制が実施される予定ですが,実施に先立ってぜひ解決しなければならない問題について質問いたします。  週休2日制の実施は,長時間過密労働でついに「カローシ」という世界共通語を生み出した過酷な労働条件を改善するためにも不可欠なものであります。同制度の実施が真に労働時間の短縮や労働軽減をもたらすには,事務事業の見直しやカリキュラムの再編といった小手先の対応ではなく,抜本的な増員をしなければならないと思います。今回の週休2日制の実施で県職員,教職員でそれぞれ何人の増員を計画されているのか,お伺いいたします。  さて,私は,多くの先生から学校現場の大変な状況をよく聞かされます。そこで,調べてみますと,1990年度で小中学校の先生が10人も現職死亡しているのを知り驚きました。脳血管疾患が3人,心臓疾患が2人と,過労死と思われる死因が5割を占める状況です。岡山大学医学部甲田茂樹講師は「全国的には男子1万人について約1人が脳血管疾患で死亡している。岡山県の男子教員が6,000人で4人脳血管疾患で死亡というのは,全国平均の6倍以上でひど過ぎる。脳血管疾患と心疾患を合わせても5倍以上であり,余りにもひど過ぎる。教員の現職死亡は過重過大な業務による過労死ではないか」と語っています。高等学校教師もことしに入って既に6人も現職死亡をしています。これも同じ傾向であります。この実態を教育長はどう考え,どんな対策をとられようとしているのか,お伺いいたします。  今後,週休2日を実施しても,人員増がなければ仕事は減らず,過労死を加速するのではないでしょうか。教員の健康は子供たちの教育を守る土台です。人員をふやし,命と健康を守る体制の確立は先決であります。御見解をお聞かせください。  また,県職員も90年9人,91年9人と現職死亡しています。さらに,90年24人,91年30人の長期療養者があり,その主なものはうつ病などの精神障害です。行革で合理化を強引に進め,過重な労働を押しつけ,職場も物が言えないという状況の中から健康障害が生まれているのではないでしょうか。知事,この実態をどう考えますか。週休2日制の導入は,事務事業の見直し,スクラップ・アンド・ビルドで行政サービス低下を防ぐと言いますが,事務事業の見直しももう限界であり,職員の増員以外にはないと思うのです。御見解をお伺いし,質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  近藤議員の御質問にお答えします。  最初は,回収ウランの転換試験の問題ですが,昭和63年から実施しておりました回収ウラン転換中規模試験については,平成2年9月で終了しておりまして,現在転換試験は行っておりませんので,御了解願いたいと思います。  なお,今回の回収ウラン転換実用化試験につきましては,データなどを動力炉・核燃料開発事業団から提出させまして,広く国際的に受け入れられている科学的知見に照らして,環境放射線専門家会議等の意見や指導を得ながら時間をかけて慎重に審査を行ってまいりたいと考えておりますので,御了解を願いたいと思います。  それから,核物質輸送に対する県の防災体制でありますが,核物質の輸送は,核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づきまして,科学技術庁及び運輸省及び都道府県公安委員会によりまして厳しい安全規制が行われておるわけでございまして,安全性は確保されておると考えております。県においては,万一の輸送中の事故に備えて,岡山県地域防災計画の中に,放射線物質災害予防対策として,事故時の通報体制や輸送事業者,消防,警察,その他の防災関係機関の役割を定めまして,直ちに出動し防災活動を実施する体制を整えておるところであります。  それから,輸送日時の事前通報の話でありますが,これは全国的な問題でもありますし,防災対策の観点から,消防庁に対して消防機関への通知のあり方について検討するように申し入れをいたしておりますが,現在国において検討中でありますので,この結果を踏まえた上で対処してまいりたいと思います。  それから,現場での防災活動については,新見,真庭,津山及び英田の各消防本部で消火活動,警戒区域の設定及び避難誘導などの具体的な消防活動マニュアルを作成しますとともに,防護服や測定器などを整備しまして,体制を整えておるところであります。また,消防隊員に対しましては,定期的に放射性物質災害の研修会等を行いまして,事故時には輸送に同行している責任者や専門家の助言も得て活動することにいたしております。  次に,防護服の話がありましたが,県北の4消防本部では,防護服10着のほか呼吸保護具106個,放射線測定器6台などを保有しておるところでありまして,これで対応できるものと考えておりますが,今後も,装備の一層の充実に努めるように市町村や消防機関を指導してまいりたいと考えております。  それから,使用済み核燃料の輸送についてでありますが,県に対しては輸送の届け出がなされないので承知しておりません。しかしながら,使用済み核燃料につきましても,核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の規制対象物質となっておりまして,国の責任で輸送の安全性は確保されておると考えております。  それから次に,高齢者対策でありますが,ホームヘルパーにつきましては,これまで在宅福祉を支える重要な柱としてその拡充に努めてまいりました。平成3年度末で460人を確保し,本年度末には540人を配置するなど,第4次岡山県総合福祉計画に基づきまして計画的に増員をしておるところであります。さらに,来年度策定する老人保健福祉計画の中で,高齢者等のニーズを踏まえてその拡充を図ることにいたしております。  ホームヘルパーの確保については,本年度,岡山高等技術専門校の福祉ヘルパー科の定員の増大や常勤職員の手当額の大幅な引き上げを行うなどいたしまして,その養成と待遇の改善を図ったところであります。今後とも,福祉人材情報センターの活用による潜在的なホームヘルパーの掘り起こしを図りますとともに,ホームヘルパーの養成や待遇の改善等に努めてまいりたいと考えております。  それから,介護手当でありますが,介護手当等につきましては,在宅で高齢者の介護を行っている家族に対する支援のために,ホームヘルパーの派遣,またショートスティ事業,デイ・サービス事業の拡充のほかに,在宅介護支援センターの整備や地域福祉対策メニュー補助事業等を推進をしてきたところであります。介護手当やおむつ代を助成してはという御提案でありますが,介護家庭の負担軽減を図るためには,在宅支援を基本とする公的サービスの充実が現段階では緊急であると考えております。また,経済的な負担の軽減のためには,寝たきり老人などの扶養控除額を大幅に引き上げる等の税制上の優遇措置の拡充がぜひとも必要であると考えておりまして,今後とも,引き続き国に対して要望してまいりたいのであります。  それから,アトピー対策ですが,その実態調査を行ってはどうかということでありますけれども,診断基準が必ずしも明確でなかったアトピー性皮膚炎につきまして,厚生省は本年の5月にその診断基準を示すとともに,その基準に基づいて全国規模で実態調査を実施することにいたしております。この調査は,本県に割り当てられた対象者数は御指摘のとおりでありますけれども,統計学的に必要十分な数を求めてとられるものでありまして,全国での総対象者数は1万5,300人という大きな規模のもので,この種の調査としては十分なものと承知をいたしております。県としては,この国の調査の結果を踏まえて,検診の導入等適切に対策を検討してまいりたいと考えております。  保健所で行いました除去食についてでありますが,アトピーは成長に伴い自然治癒することも多く,また時間の経過とともに軽快,悪化を繰り返すもので,効果判定はなかなか容易ではありませんと言われております。治療指針につきましては,現在のところ専門家の間でも合意が見られておりません。国における開発が待たれるところでありまして,本県の研究もその過程の一助になれば幸いであると思っております。  アトピーの原因は,食物アレルギーよりもダニやハウスダストによるものが多く,除去食については栄養不足による発育障害も懸念されるので,治療については信頼のおける主治医の指導のもとで行われることが望ましいと考えております。  乳幼児医療費の助成制度でありますが,これは全国で統一して行われることが望ましいと考えておりまして,乳幼児医療費の自己負担の軽減を図りますために,新たな制度の創設を平成5年度の重点要望として国に対して強く働きかけていくことにしておりますので,御了承賜りたいと思います。  それから,成徳学校ですが,同校は,主に家庭環境の問題から社会的に問題行動を持つ児童が入所しておる児童福祉施設であります。職員は,児童と生活をともにしまして,また学習指導や生活・作業指導を通して健全な生活習慣を身につけさせるように献身的に取り組んでおるところであります。職員の採用については,そういう意味で,生活指導や児童福祉の専門的な知識を有する者の中から優秀な職員を採用しているところでありまして,採用後の研修にも国立の教護職員養成所を活用するなど資質の向上に努めております。  相談窓口でありますが,成徳学校では,非行に係る専門的な機能を生かしながら,従来から保護者や教職員の相談に応じておるところでありまして,今後とも,施設機能の地域開放といった観点から相談に応じるなどいたしまして,児童の健全育成に努めてまいりたいと考えます。  週休2日制と県職員の増員計画ということでありますが,週休2日制は,職員の生活をゆとりあるものにするために,県民の理解のもとに実施するものでありまして,行政サービスを低下させないことを基本に,現行定数,人員で実施することにいたしております。  職員の健康実態でありますが,残念ながら,御指摘がありますように,現職死亡者や長期療養者がおります。必ずしもすべてが勤務状況に起因するものではないと考えられますけれども,これまでも快適な執務環境の整備,あるいは事務事業の簡素効率化を図りますとともに,各種の健康診断や悩み事の相談に応じる健康相談室などを設けまして,職員の健康管理に努めておるところであります。今後とも,なお一層健康で,気持ちよく働ける職場づくりを推進してまいりたいのでありますが,完全週休2日制はこのような職員の健康管理にもいい影響をもたらすものと考えておりますけれども,導入に当たりましては,従来に引き続いて全庁的な事務事業の徹底した見直しや事務処理方法の改善に取り組みまして,時間外勤務の増などにつながらないように努めてまいりたいと考えております。  なお,職員の定数については,今後とも,業務量の実態に即した適正な人員配置に努めていく所存であります。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  近藤議員の質問にお答えをいたします。  まず,成徳学校に入所中の児童生徒の学力保障についてでございますが,教護院はその設置などが児童福祉法に示されており,非行克服を第一の目的とし,学校教育に準ずる教育も行われ,成果も上げられていると,このように伺っております。  成徳学校の施設内に分校等を設置して教諭を派遣することにつきましては,教護院の目的であります生活指導などとの関連に留意しながら,その必要性などにつきまして,岡山市の教育委員会や成徳学校などと慎重に研究する必要があると,このように考えております。  次に,今回の週休2日制,すなわち週40時間勤務制は現行の定員の範囲内で実施することとしておりますので,御理解を賜りたいと思います。  次に,教職員の現職死亡についてでございますが,現職死亡は十数年前から見ますと相当減少しておりますが,いずれにいたしましても,毎年十数名の死亡があることは非常に残念なことであると,このように考えております。  教職員の健康管理を強化するため,従来の胃検診,それから血圧や検尿に加えまして,一昨年から心電図や血液検査,さらに県独自に肺がんなどの健康診断の充実に努めますとともに,学校に対しましては,従来から勤務時間管理を適正に行い,教職員の健康と福祉を害さないように指導をしておるところでございます。今後も,学校医などの協力を得て健康管理体制の充実を図り,教職員の健康管理に十分配慮するよう指導してまいりたいと思っております。  教職員の定数につきましては,標準法による改善が必要でございますので,国に対して要望してまいっているところでございます。御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  近藤議員の御質問にお答えいたします。  いわゆる原子炉等規制法に基づきます公安委員会に対します運搬届け出制度は,あくまでも核燃料物質等の安全運搬を確保するための制度でありまして,これまでに輸送車列に対します妨害事案が発生していること,あるいは核物質防護の観点からも,具体的な日時,経路等が事前に公表されることは妥当でないとの方針から,運搬に関する情報の公開がされないものと了解しているところでございまして,御理解を賜りたいと思います。  次に,県との防災上の協力関係でございますが,核燃料物質輸送時に万一事故が発生した際には,事業者は直ちに警察,消防等の関係機関に通報することが義務づけられておりまして,関係機関は相互の連絡をとりまして,それぞれ定められた役割分担により迅速に対応することとなっております。私ども警察といたしましても,専門家や消防防災を担当されます関係機関等の協力も得まして,住民の生命,財産の確保あるいは公共の安全と秩序の維持を図るため,必要な措置を実施することといたしているところでございます。  以上でございます。 ◆23番(近藤さち子君)  幾つかの点について再質問をしたいと思いますが,概して知事の答弁は県民にとっては大変冷たい答弁,これまで何遍も何遍も知事がまるでエンドレステープのように,6選出馬の所信は人間尊重,福祉優先だといったそういう中身とは全く反するような内容ではないかと思うんですね。で,在宅支援の介護手当の問題につきましても,また原子炉核燃料物質の輸送の問題につきましても,ましてや職員,教員の増員の問題については全く実態を十分に把握していない状況ではないかと思うんです。  そこで,お尋ねしますが,核燃料物質の輸送については余りにも無責任な対応ではないでしょうか。例えば,島根原発で使われた使用済みの核燃料というのは,死の灰と恐れられるようなプルトニウムも多量に含んだそういった物質なんです。それが岡山県を通過しているかしていないか,そのことすらも承知していない,これでどうして岡山県の防災対策がとれるというんでしょうか。島根県では,その運搬については,電力業者に対して義務づけをし,そして協定を結んで必ず通報するようにしているんですよ,なぜ岡山県がそれができないのか,そして今後やろうともしない,一切県民には防災上の責任を負わないということではないでしょうか。  先ほど県警本部長は,核燃料輸送について知らせないのは,一般に公開されないのは,安全を確保するためだというふうにおっしゃいましたが,一般の公開という問題の次元で私は言っているわけではありません。岡山県の消防防災課にさえ公安委員会は知らせないというんですよ,一体何の根拠があってそういうことをおっしゃるんでしょうか,どういう法律の根拠があるのか,お尋ねしたいと思うんです。私は,科学技術庁の核燃料物質輸送対策室に問い合わせをしました。こういう情報を知り得て公安委員会は消防防災課に通報しないと言っていると,こういった法的な根拠は一体どこにあるのだとお聞きしましたら,法的根拠は一切ないと答えています。県警本部長が,県民の安全をまさに真剣に考えるのなら,その根拠のないものに対して固執するのではなく,本気で消防防災課への連絡をすべきではないかと思うんです。一体何を根拠におっしゃるのか,お尋ねしたいと思います。  そして,知事は,そういう県警の対応に対して,国の指導を待つとかというふうに,国は今検討中なので,検討することを待つっておっしゃいましたが,これもまたおかしな話ではありませんか。国の指導というのではなく住民に責任を持つかどうかですよ,主体的にその対策をとるかどうかです。したがって,電力業者ないしは人形峠と安全協定を結ぶというのが当然ではないでしょうか。そういった問題もあります。  それから,週休2日の問題では,教育長,今高等学校の先生が検診を受けて異常を見つけても,次の精密検査を指示されても,それを検査を受けに行くことができないという,こんなひどい職場の実態があるんですよ。  それから,知事は,この週休2日の中で時間短縮ができるというふうにおっしゃいますが,現在岡山県の残業時間,1人当たり残業時間が450時間です。1人当たりですよ。これはもう既にいろいろと検討を加えてきた結果がそういうふうになってます。それにもかかわらず,さらに50時間近く週休2日を実施すればふえることになります。その500時間を短縮することができないのに,人員を増員していかないと,しかも時間外手当はほぼ毎年のように34億円近く,これが常態化しているんですね。この残業手当を使うのなら増員ができるはずですよ。そして,この現在常態化している残業時間を短縮することができないのに,週休2日で過労死を促進するような体制の不整備ということで本当にいいのかどうか,そういうことを私はお尋ねしたいと思います。  また,介護手当についてですが,今10カ年戦略で高齢者対策を進めようというのは,現在不十分だからなんですね,高齢者が高齢者を介護するというような事態が起こっています。こういう事態を知事はどう思うのか。それにもかかわらず…… ○議長(熊本睦夫君)  近藤君,時間を超過しています。結論を急いでください。 ◆23番(近藤さち子君)  (続)介護手当を出さないということについては疑問です。もう一度答えてください。 ◎知事(長野士郎君)  いろいろお話がありまして,どれからお答えしていいかよくわからぬようなもんですが,通報義務という関係でですね,積極的に核物質の輸送について情報を入手して,そして住民に知らせるべきではないかというようなお話であったと思うんですね,そのことが安全確保のために必要だというお話のようであったと思うんですが,それは先ほど申し上げましたように,消防機関に対して申し入れをしていると申したんですが,つまり運搬に関する公表については,ざっくばらんに言いまして,これはむしろ核物質防護の意味からなかなか知らせないということになっておると,つまり,ここを通りますよといったときに,どっかで要撃されたりですな,略奪されたりすると,かえって危険があるというような心配があるから,私はそういうことの心配を十分考えてやっているというふうに思います。そこになかなか難しいところがあって,私もそうだというふうに言っとるわけじゃありませんよ,ただ,そう推測をせざるを得ないような状況であるということは,甚だ遺憾なことですが,現実ではないでしょうか。  もう一つは,週休2日制の問題でありますが,週休2日制につきましては,これは先ほど申し上げたとおりでありまして,大いに事務改善いたしましたり,執務の執行の処理を能率を上げましたりいたしましてですね,現状のところでひとつ週休2日制をやりたいというふうに考えておるところであります。  それからもう一つ,介護手当の話がありました。私は,介護手当,介護手当と盛んにおっしゃいますけれども,それ全然要らないというふうに申し上げるつもりもないんですね,しかしながら,何と申しましょうか,本当に家庭で介護しておられる方の御苦労というのは私もよくわかっているつもりであります。したがいまして,その人たちの負担をいかに軽くしてあげるかという中で,一番大切なのは,自分が自由な時間が欲しいということ,少なくとも何日か人にかわってもらってですね,そして自分の仕事やいろんな計画をやりたいというお気持ちがあることをよく伺います。したがいまして,そういう意味では,公的サービスとか,あるいはホームヘルパーとか,あるいはボランティアとか,もうあらゆる力を結集してその人たちの負担軽減をしてあげると,これが何にも増して大切なんで,介護手当を月に1万円差し上げてですね,おむつ代を出したからもうそれでいいんだと,こういうことにはならないと思うわけでございます。私自身としては,その点は非常に悩みながらいろいろ検討している最中ですから,まだ結論を持っているわけじゃありませんけれども,そういうことで地域福祉システムというようなものを本当に取り上げていきたいというので今努力して,いろんな面で検討している最中でございますから,私が正直に今どうするということを申し上げるところまでいっておりませんけれども,私の気持ちはそういうことだということを正直に申し上げておきます。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  一言,ちょっとお尋ねしたいわけでございますが,近藤先生,今高等学校でですね,精密検査を指示された者が精密検査に行けない実態があると,このようにおっしゃられましたけれども,その実態につきましては,私も全然聞いておりませんし,あるならば十分に調べていきたいと思いますし,お教えをいただきたいと,このように思うわけでございます。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  近藤議員の再質問にお答えいたします。  いわゆる原子炉等規制法に基づきます届け出の制度は,先ほど申し上げましたとおり,あくまでも核燃料物質等の安全運搬を確保するための制度でございまして,これまでにも具体的な輸送車列に対する妨害事案がありましたし,現に検挙もあったわけでございますが,先ほど知事からの話もございました核ジャック等,核物質を防護しなければならないという観点から,具体的な日時,経路等を事前に公表することは妥当でないということでなされているものでございまして,御理解をいただきたいと思います。  以上でございます。 ◆23番(近藤さち子君)  核燃料輸送といえば核ジャックだというふうに思考の回路がそこへ行くこと自体が問題なんですよ,今,私はそのことを質問したんじゃないんですね,消防防災に事前に通報しないのはおかしいじゃないかと,住民への公開のことは一切今触れてませんよ。今消防防災がそのことを知り得ないというのは,県民の命や財産,そして健康を守るという防災活動が不備になるではないかと,だから,そのことについて公安委員会が消防防災課に通報しないのは,これ自体公安委員会が,県警が県民の安全を考えていないということだということを言いたいんです。その法的根拠も示さないと,こういうこと知事よろしいんですか,そういうことで。  知事もですね,何かすぐ核ジャックだというふうに考えるなんていうのはおかしいと思うんですね。今,津山圏域消防本部が言ったのは,事故が起こったときに,その事故の通報が消防署へ入ってくるのはいろんなシステムで大変おくれると,だから,いつ,どこを通過しているかという一定の知識があればそれなりの体制が整えられると,だから,そのためにやはりその情報は消防には通報してほしいとおっしゃってるんですよ。現場の不安にこたえずして,どうして知事は県民の安全や財産を守るということができるんですか,私はその思考方法自体が県民不在だと思うんですよ,いかがでしょうか。  それから,お年寄りの問題ですが,大変苦労がわかると,それはわかっていただかなけりゃいけないと思うんです。しかし,そのわかり方が足りないんじゃないでしょうか。今,地域の自治体では,市町村の要望はですね,今こういうふうに言ってるんですよ,高齢者の介護手当を出している自治体は,それでも介護手当を出すということは,介護手当なんていうのは申しわけないと,本当に苦労していることに対して申しわけないという気持ちで出させていただいているんですというのが市町村の担当者の声なんですね。それで,ある市町村ではこういうふうに言ってます。介護手当を創設したいと思ってるけれども,町長がそれを,予算をばっさり切ったと,こういうふうな財政力のないところではやっぱり県の助成が必要なんだと言うんですね,だから,そういうために県が誘導して介護手当創設をするというのは,今在宅ケアが行政として支援ができないわけですよ,それで,支援ができるまでじゃあ待てと言うんですか,そうじゃないんでしょう,現在十分でないケア,それから支援活動に対して,それをカバーするのが介護手当であり,おむつ代なんですよ,だから,せめてものですね,不十分でありますが,10カ年戦略の到達時点の平成11年まで何らかの形でこの制度を創設するというのが本当に温かい配慮じゃないでしょうか。  それから第3番目には,職員の過重の問題です。  私は,知事も教育長も現場の実態をよく御存じない,このことが,きのう渡辺議員がおっしゃった官僚的体質じゃないかと思うんですよ。組合員,職員の過労状態というのを先ほど申し上げましたけど,既に岡山本庁,それから振興局の建設部を除いたその残業していらっしゃる1人当たりの残業時間は450時間ですよ,これは去年だけではありません,ほぼ常態化しているんです。事務事業を見直して残業が減ったはずなんですね,行革で。ところがこういうふうな実態があるんです。その上に健康まで害しているという。現職死亡が9人というのは異常だと思いませんか,知事は,その現職死亡9人に対してどういう見解をお持ちですか,他都市と比較しても異常だと思うんですよ。それから国民健康調査に比較しても異常な事態のはずです。こういうものを異常だと思わないことが官僚的体質であり,また現場の実態をよくつぶさに調べようという姿勢を示さないこと自体がですね,県民や県職員に冷たいという体質ではないかと思うんです。  そして,私は,教育長はにこやかな顔でね,現状を教えてくださいっておっしゃったんですが,これ自体が問題だと思うんですよ……(「教えてやりゃええが」と呼ぶ者あり),そりゃ教えてあげますよ,福渡高校なんですね,福渡高校では健康診断を受けたと,そこで異常が見つかったと,だからさらに精密検査が必要だということで指示を受けたけれども,いまだに行くことができない,こんな状態ですよ…… ○議長(熊本睦夫君)  近藤君に申し上げます。発言時間を超過しております。注意いたします。 ◆23番(近藤さち子君)  (続)え,5分でしょ,まだ5分ですよ。そういうことですから…… ○議長(熊本睦夫君)  5分は過ぎたんです。5分までです。 ◆23番(近藤さち子君)  (続)まあいいわ。今そういう実態を知らないということ,どうしてもやっぱり職員の健康に責任を持つ体制ではないと思うんです。ですから,それを改善するためにどうされるのか,もう一度お尋ねしたいと思います。 ◎知事(長野士郎君)  近藤議員の再々質問ですか,お答えを申し上げます。  いろいろたくさんおっしゃいましたから,私もはっきりわからないようなところも出てくるわけですが,1つは,安全輸送に関連してですね,事前の通報義務というものがなければ県民の安全が守れないんじゃないかと,どう考えてんだと,こういうお話があったと思いますけれども,私どもも,核物質の輸送に対しましては,今の輸送が,非常な規制の強い厳しい規制によって守られておる限りは安全に輸送されておると実は思っておるわけでございますが,しかしながら,それでも万一核燃料の輸送中に事故を想定しておかなきゃならないということで訓練をいたしておるわけでございます。したがいまして,その意味で,地域防災計画に基づいて消防機関や警察などの防災関係機関と一体となりまして総合防災訓練を実施をしておるわけでございます。その点ははっきり申し上げておく次第であります。  しかし,どうしてそうなのだというと,先ほど推測をいたしましたんですが,むしろ交通妨害とかなんとかやられてですね,それが変に事故を起こしたら,かえって住民に危険があるという場合もあるわけですから,そういうことはですね,いろいろな慎重な配慮の中で今取り扱われてるということだと私は思っております。これはいろんな問題を,いろいろ関連してまいりますというと,こういう情報というものがだんだん広がっていくということの危険性がいろいろあると,我が方は大いに信頼をしておりますけれども,これは何も我が県だけを通過しとるわけじゃありませんので,よその県もたくさん通過しておりますから,先ほどお話がありましたように,どっかの県ではですね,ちゃんと通報しているとか連絡しているとかいうことがあるようでございますから,その辺はひとつ慎重に扱うべきだと思います。  それから,もう一つは介護手当の問題であります。私どもも,介護手当についてはいろいろと考えていかなきゃならない問題を含んでいるということはよく承知しておるつもりでございます。しかしながら,介護手当ですべてが済んだということにはならぬと,ちょうど日本が金さえ払えば全部終わりだというのと一緒で,こういうのはボランティア活動としてでもですね,地域の福祉で支えなきゃいかぬ,そういう問題を並行して考えなきゃいかぬと私は思っております。これは私の考え方でございます。御理解を願いたいと思います。  それから,職員の問題でございますが,超過勤務をどのぐらいに考えるかというようなことはですね,従来,お話のように450時間とかいうことにしておると思います。私どもは,本当はもう超過勤務などをやりなさんなよということをやかましく言っとるわけですから,幅が今までそうなってるんで,どんどんどんどんできるだけ減らしてまいります。そういうことでございますけれども,しかしながら,仕事の中には突発的に大変時間を要することも出てまいりますから,ある程度のアローアンスはとっておかなきゃならない,それが現状でございまして,それまでびっちりやっているということでもございません。そういう意味で,できるだけ合理化をし,職員の負担を軽減をして,勤務時間を正常なところに置いていきたいということ,そういう中で週休2日制をやっていきたいと,なかなか任務が多いんでございますけれども,頑張ってまいりたいというように思っておるので,御了承を願います。  以上でございます。 ◆23番(近藤さち子君)  知事の答弁漏れです。 ○議長(熊本睦夫君)  何ですか。 ◆23番(近藤さち子君)  答弁漏れです。          「職員の在職死亡について知事はどう思うかということ          に対するお答えがありませんでした」と呼ぶ者あり ○議長(熊本睦夫君)  はい,知事答弁漏れです。 ◎知事(長野士郎君)  申しわけありません。答弁漏れをいたしました。  その9人というものの中を見ますとですね,一番多い6人が悪性新生物なんでございます。したがいまして,これは勤務が多いとか少ないとかいう問題じゃなくて,今のような状況が出てくる。それから,1人が循環器疾患,1人が消化器疾患,もう1人は事故ということでございますので,これが非常に多いとか少ないとかいうのは,今のがんなんちゅう悪性物というものは,これはどうも勤務で治すとか治さぬとかいう問題じゃないと思いますので,御了承賜りたいと思います。 ◆34番(古市健三君)  おはようございます。  通告に従いまして順次お尋ねをいたします。  質問の最初は,環境問題についてであります。  フロンによるオゾン層の破壊や二酸化炭素による地球の温暖化,さらには熱帯森林の減少,砂漠化の進展など,地球レベルの環境破壊が問題となってきており,先般も,世界172カ国の参加により,6月3日から14日までブラジルのリオデジャネイロにおいて国連環境開発会議,いわゆる地球サミットが開催されたところであり,21世紀に向けた地球環境保全の憲法とも呼ばれる環境と開発に関するリオ宣言,それを行動に移すための計画であるアジェンダ21,温暖化防止を進める気候変動枠組み条約,さらに生物多様性条約,森林に関する原則声明などが採択され,地球環境の保全に向け国際レベルでの本格的な取り組みが始まろうとしており,本年はまさに地球環境元年とも言える年となっております。また,我が国も,地球サミットを通じて政府開発援助,いわゆるODAのうち年間2,000億円,5年間で1兆円を地球環境保全に向けた環境ODAとして拠出し,大気汚染防止や熱帯雨林の保護,廃棄物処理対策などで日本の技術と資金を活用するほか,上下水道,水源開発等にその資金を活用し,経済大国日本として地球環境保全に一翼を担うことを明確にしたのであります。  また,このたびの地球サミットの大きな特徴は,各国政府代表だけでなく,NGO──非政府組織でありますが,NGOと呼ばれる市民団体あるいは民間団体にも窓口が開かれており,本会議でもオブザーバーとして発言が許されるなど,地球環境保全にはNGOの協力が不可欠という認識が行き渡っているという点であります。NGOは,国益や国境にとらわれない自由な発想や行動力,資金力によって,貧困の撲滅や自然保護,先進国から途上国への資金援助が本来の環境保全に使われているかどうかの監視など,その役割は限りがないのであります。もとより,地球環境問題については各国の政府のみで解決できる問題ではありません。人類すべてが国境を越え一致協力して対処していかなければならない問題であり,各国政府の相互理解と努力が不可欠であります。本県でも,さきの知事の提案説明にありましたように,地球環境問題について積極的に取り組んでいかれるとのことであり,積極的な展開を期待しているところであります。  そこで,知事にお伺いをいたします。  第1点目は,NGO,いわゆる民間組織の活動支援についてであります。地球環境問題や食糧危機など,地球規模の課題について積極的に取り組む民間組織が徐々にふえつつあることは,よりよい地球の姿を創造するという意味においてまことに心強く感じるものであります。このように,民間組織みずからが,国際的な課題について政治の守備エリアを超え,住みよい社会づくりに向け主体的,積極的な活動を展開することは,県勢の発展にとっても大いに意義あるものと考えます。県としても,こうした民間や組織の活動に対し,活動の支援を図られたいと考えるのでありますが,地球環境問題に取り組む民間組織の育成,助長について知事の御所見をお伺いいたします。  第2点目に,グローバル・フォーラムについてであります。グローバル・フォーラムは,1985年に国連創設40周年を記念して発足した国連のNGO民間組織であります。国連や政府機関の活動では行き届かない草の根レベルの行動を開始しようと,こういう趣旨で,世界の政治家,宗教家,科学者,ジャーナリスト,芸術家などあらゆる分野の人たちが結集して,地球の環境問題について世界的な活動を展開しております。このグローバル・フォーラムは,国連の松村昭雄氏の提唱によるものであり,現在その松村氏が事務局長として活躍しておられるのであります。  活動としては,1988年に第1回目の会議をイギリス・オックスフォード大学で,第2回目を1990年にモスクワで開催をされ,世界じゅうから政治,宗教,科学,芸術,マスコミなどを代表する人々が一堂に会して地球環境問題を話し合いをしたのであります。また,さきの地球サミットでは,国会議員による地球サミットを主催し,政府レベルとは違った視点で地球環境問題について討議したのであります。体制や宗教の違いを乗り越え,今や人類共通の課題である地球環境保全に一致協力して知恵を出し合おうと呼びかけるこのグローバル・フォーラムに世界じゅうが注目するのも,まさにNGOだからできるのではないかと思うのであります。そして,来年4月17日から1週間,国立京都国際会館を会場としてグローバル・フォーラム京都会議が開かれる予定になっております。  岡山でも,先般グローバル・フォーラム・オカヤマが発足し,当面その活動として来年93年,グローバル・フォーラム京都会議における分科会「世界ジャーナリストサミット」の誘致,アジア環境援護隊の創設と活動の促進など,グローバル・フォーラムの地域のステーションとして重要な役割を果たすべくその活動を開始したようであります。県としても,こうしたグローバル・フォーラム・オカヤマの活動に対し絶大なる支援をしていただきたいと思いますが,知事の御所見をお伺いいたします。  第3点目は,地球環境保全に対する県の対応についてであります。県は,先般,岡山県における地球環境問題への取組方針を策定したところであります。人間尊重,福祉優先を掲げる長野知事の県政における諸施策の中で,環境保全問題に,他県に先駆けていち早く取り組みの方針を明確にしたことはまことに時宜を得たものであり,この上はその方針に沿って着実に実を上げるよう強く期待するものであります。  そこで,環境保健部長にお尋ねします。この取り組み方針によると,温暖化対策など9項目を具体的に列挙しその推進に当たるとなっておりますが,その推進の状況についてお尋ねをいたします。  第4点目は,自然景観に配慮した公共施設づくりについてであります。地球規模での環境保全が切実な問題となっている今日,人の健康や生活を脅かす水や大気の問題など,行政はその先導的役割を担っていかなければなりませんが,もう一つ身近な課題として取り組まなければならないものに自然と調和した良好な景観づくりがあります。特に本県は,瀬戸内海の穏やかな気候と中国山地,吉備高原,瀬戸内海沿岸など多彩な地形を擁するとともに,吉備文化発祥の地として古くから開け,歴史的,文化的遺産が数多くあり,こうしたすばらしい自然や歴史を先祖から受け継いだ我々は,良好な形で後世に伝えていく責務があります。また昨今,国民の欲求も,物質的なものから健康や精神的安定,文化的豊かさなど内面的なものの充実へとシフトしつつあり,多様な観点からの景観づくりが求められております。こうした時代を背景に,県では昭和63年3月,府県レベルでは全国3番目となる景観条例を定め,その保全と新たな景観創造に努める一方,県土の基礎づくりである道路,河川,建築物など景観形成の先導的役割を担わなければならない公共施設については,公共事業等景観形成基準で具体的な整備手法等を明示し,各地域において積極的な取り組みが見られるのでありますが,予算的な制約などから,ともすれば機能性,安全性,経済性を優先し,自然の生態系あるいは景観の保全,形成といった面の配慮がおろそかになりやすくなると思うのであります。当然,道路や河川など大規模な公共施設の整備では自然の改変は避けられないことであり,特に自然環境や周辺への配慮が必要と思うのであります。  こうした景観づくりを強力に推進するためには,例えば,全体事業費の数%は美観や意匠のために用いるようにするといった予算措置のあり方は考えられないでしょうか。  また,既存の公共施設など,建設時にはデザインもいろいろ考えつくったものが,完成後何年も経過すると塗装がはげたり,すすだらけになるもの,さらには道路や河川敷における雑草の繁茂,都市内緑地の管理水準の低さなど,周辺の町並みや風景を損なっている事例が多く見受けられるのであります。管理水準を向上させるための予算措置や技術職員の意識改革など,景観づくりに向けた一層の取り組みが望まれるのでありますが,この点どのように考えておられるのか,公共施設の景観づくりの現状とあわせて知事にお伺いをいたします。  次は,児島地区の活性化についてであります。  世紀のプロジェクトと言われた瀬戸大橋は,新しい動脈として,岡山,香川両県を初めとする中四国地域の経済,社会に大きなインパクトを与え,人,物の活発な交流を促しているのであります。人の面では,架橋直後の観光客増加に加え,地域住民の通勤通学圏の拡大,物の面では,拠点性の高まりに伴う企業進出の増加など,架橋効果は縦横に拡大しているのであります。しかしながら,昨年の日銀岡山支店のデータでは,開通直後の記録的な観光客の増加もその後は前年割れを続け,観光資源としての大橋効果は一巡したとする見方も出ているのであります。確かに,通行車両台数の推移でも,トラックを中心とする大型車両の伸びを見ると,橋の機能が観光から物流に移行していることがうかがえるのであります。こうした瀬戸大橋架橋効果に変化が見られる中で,地元児島地区では,瀬戸大橋を軸とした新たな経済文化拠点として地域住民の期待は大きいのでありますが,現状は,架橋による時間距離の短縮を背景とした通勤通学圏が拡大したものの,地域の活性化には至らず,むしろ通過都市のイメージが強いのが実情であります。  そこで,瀬戸大橋の玄関口であります児島地区の活性化について数点お尋ねをいたします。  初めは,産業の活性化についてであります。児島の繊維産業は,江戸時代からのもので歴史が古く,本県の代表的な地場産業の一つであります。また,当地区の就業者構造を見ますと,第2次産業の占めるウエートは約50%と高く,中でも,中小地場産業を中心とした繊維産業の全製造業に占める比率は約70%,事業所数では約80%にもなり,当地区の主力産業であります。しかしながら,近年の円高傾向や東南アジア諸国からの追い上げによる輸出の減少等から厳しい状況にありますが,こうした中で生き残っていくためには,内需転換を図る中で産地間競争に打ちかつための独創性が不可欠であり,現状で言えば,ファッション性に富んだ制服やジーンズなど,多様化するニーズに対応した商品を供給するシステムづくりが必要となっております。また,伝統的な繊維産業の特性として,川上から川下までの生産工程が複雑な分業関係にあり,このことが相互の情報交換がスムーズにいかないなど,消費者のニーズに十分対応できない要因となっているのであります。また,かつては全国の約70%を生産し,文字どおり学生服の児島として有名をはせた学生服の生産も,最近は生徒数の減少やブレザーなどファッション性の高い制服への移行によって,その生産は激減し,他分野への移行を余儀なくされているのであります。  そうした苦しい繊維産業の背景の中で,瀬戸大橋架橋を契機に地域が一体となってこの苦境を乗り切っていかなければならないのであります。無論,行政施策にはおのずと限界があり,企業や地域の盛り上がりのもとに初めて効果を発揮することは言うまでもないのでありますが,瀬戸大橋効果が言われる中で,地元児島地区を支えてきた繊維産業を初めとする地場産業の活性化に向けて,第4次総合福祉計画の中にも示されていますように,繊維,ファッションに関する企画開発と情報の拠点施設の整備をどのようにこれから進めていかれるのか,知事のお考えをお尋ねいたします。  次に,観光対策についてであります。瀬戸大橋の開通により飛躍的な観光客の入り込みを記録したことはまだ記憶に新しいところであり,まさに世界的な観光資源として面目を施したのでありますが,開通4年目を迎え,瀬戸大橋時代の観光への対応はまさに正念場を迎えております。申すまでもなく,観光は,国民の余暇,レジャー生活の中で大きなウエートを占めており,同時に地域経済に広範な波及効果を及ぼし,その経済効果ははかり知れないものがあると言われており,今後ますます観光の振興は重要な施策になってくると思うのであります。そこで,我が地元の観光対策について幾つかお尋ねをいたします。  まず,第1点目ですが,岡山県を代表する観光地は,御承知のとおり倉敷市の美観地区であり,年間450万人もの観光客が訪れております。これは,貴重な観光資源があるということのほかに,山陽新幹線,山陽自動車道などの交通網が整備されているという重要な要素があります。この観光客を児島地区へ導くため,倉敷美観地区から児島地区に至る観光ルート化をぜひ実現していただき,児島地区の振興活性化につなげたいと思うのであります。県として,今後児島地区への観光客誘致についてどう考えておられるのか,お伺いします。  また,下津井周辺地域には,すぐれた自然条件や北前船の寄港した港町情緒の残る町並みがあります。町並み保存地区にあります山高ニシン倉は,下津井の町並みを形づくっている重要な建造物であり,観光資源としても有用なものであります。このすぐれた下津井周辺地域の保存についてどのように取り組んでいかれるのか,あわせて知事にお尋ねいたします。  また,県南で残された最後の自然の宝庫と言われる由加地域の整備についてであります。御承知のとおり,由加には長い歴史と伝統のある由加蓮台寺が位置しております。数百年という歴史の重みはまさに訪れる人の心を安らぐのであります。ところが,この地域には,残念ながら道路が未整備なためバスが入れません。かねてより,地元から道路整備の要望を再三にわたってお願いしているところでございますが,由加周辺の道路整備の状況と今後のスケジュールを土木部長にお尋ねいたします。  また,由緒ある蓮台寺と貴重な植物や昆虫が生息している由加山に代表されるこの地区を,県民がゆとりを持って憩える場所として,自然保護との調和を図りながら,由加地区活性化のためにも周辺整備をお願いしたいと思いますが,知事のお考えをお聞かせいただきたいのであります。  最後に,海上道路及び人工島についてお尋ねいたします。海上道路は,倉敷市児島地区と玉野市渋川地区を海上ルートにより直結するもので,昭和63年度から調査検討に着手され,これまで現況調査,構造,工法等の技術的検討,環境影響調査や実現性のあるルート選定などが実施され,いよいよ本年度事業化についての最終判断がなされるわけであります。また,人工島構想は,昭和61年度に国,県,倉敷市,玉野市が共同して調査に着手し,平成3年度までに一応の基礎的な調査が終了しているところであります。これらの諸問題については,これまで何度も本会議で取り上げられ,いろいろ議論されておりますが,瀬戸内沿岸の豊富な観光資源の積極的利用の促進や児島,玉野地区を初めとする周辺地域の活性化などを図る上で,海上道路及び人工島が果たす役割は極めて大きいのであります。もちろん,景観や環境などクリアすべき問題も数多くありますが,いずれも岡山県が全国に,あるいはまた後世に誇れるものになると確信するものであります。  知事は,昨年6月議会で,人工島については「詳細な調査を行って実現の見通しを見きわめることになる」と,またことしの2月議会では,海上道路について「平成4年度には,これまでの調査も踏まえた総合的な検討を行って結論を得たい」という趣旨の答弁がなされております。そこで,本日は,知事がこの海上道路及び人工島に寄せる思いというか,ロマンの一端をお聞かせ願いたいと思います。  以上で私の質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  古市議員の御質問に順次お答えいたします。  まず最初に,地球環境の保全を図るために,NGOの役割もまた重要であるというふうなことについては,私どもも認識を同じゅうするものでございますが,民間において自主的な意思による活動が広がってまいりますことは,極めて適切なことであり,敬意を表するところでございますけれども,また民間活動への助成という問題につきましては,昨年11月に地球にやさしい事業補助金交付要綱をつくりまして,市町村を通じて地域における実践活動に対しても助成をすることにいたしておるわけでございまして,このような制度を活用して住民の自主的な地球環境保全活動を支援をしてまいりたいと考えております。  グローバル・フォーラムについてでありますが,地球環境問題を初め,芸術とか医学,経済等の人類の将来のことを幅広く議論をしていかれるような民間団体というふうに承知をいたしておりますが,このような民間の地道で自主的な活動は至極結構なことだと考えておりますが,県として協力できるのかどうかということにつきましては,今後研究をしてまいりたいと考えております。  それから,自然景観に配慮した公共施設づくりでございますが,公共施設は,率先して県土のすぐれた景観の形成や保全に配慮いたしまして,民間の模範となるように努めていかなければならないと考えておりますが,このために公共事業等景観形成基準,それから小規模土地改良事業景観・環境整備実施要領,土木構造物等景観形成指針,公共建築物等景観形成基準の手引など,そういうものに基づきまして,地域の景観に調和するように,もう当初の計画設計段階からこの点は十分考慮に入れまして,必要な経費も盛り込みまして,景観面に配慮した公共施設の維持管理に努めておるところでございまして,なお,関係の技術職員の意識改革につきましては,県,市町村の職員を対象にいたしまして,公共事業等景観形成推進連絡会議でありますとか,あるいはまた研修会の開催,緑化実習など,積極的に取り組んでおるところでございます。  それからその次に,児島地区の産業の活性化の問題でございますが,古市議員からお話がございましたように,地元の繊維業界におきましては,最近の消費者ニーズの多様化や生徒数の減少に対応いたしますために,制服というような伝統的な学生服からファッション性に富んだ制服にするとか,あるいはまたジーンズの生産などの新しい分野への進出というようなことに取り組んでおられるところでございますが,県におきましても,ファッションショーや研修会の開催,あるいは工業用水道の整備などの積極的な支援を行っておるところでございまして,そのような中で,地元の業界では,今後地域ぐるみで新たな展開を図りますために,繊維やファッションに関する資料や情報の収集,人材の養成などを行う拠点施設として繊維リソースセンターの整備が必要であるという認識のもとに,先進地の視察や実施に向けての検討が行われておるというふうに聞いておりますが,県としては,こうした地元業界の今後の盛り上がりを見定めながら,倉敷市とも密接な連携をとりながら,計画づくりとか資金調達などの必要な支援を行いまして,児島地区の産業の活性化に資してまいりたいと考えておるところでございます。  それから,倉敷の美観地区から児島地区への観光ルートの話がございましたが,児島地区には,瀬戸大橋を初め,鷲羽山あるいは荻野美術館,野崎家旧宅,瀬戸大橋架橋記念館,由加山蓮台寺などの多くのすぐれた観光資源に恵まれておりますものの,アクセスの関係もありまして,それらが必ずしも十分生かし切れていないということになっておるようでございますが,整備の進んだ主要地方道倉敷玉野線,岡山児島線など,美観地区と児島を結ぶ幹線道路を利用いたしました広域観光ルートの形成に努めておりまして,両地区の連携化を初め,相乗効果を生かしながら児島地区の観光客誘致について,地元と協力して促進をしてまいりたいと考えております。  下津井地域の保存でございますが,この下津井地域は港町として栄えました町並みや多くの史跡が残されておりますから,昭和61年11月から町並み保存地区に指定をいたしまして,以来民家の改修あるいは共同井戸の修復などの整備を行いまして,町並みの保存や歴史的な景観の復元に努めてまいりました。最近におきましても,昨年11月にナマコ壁の蔵を生かした荻野美術館がオープンするなど,歴史的な景観を生かした町づくりが進められております。御指摘のありました山高ニシン倉につきましても,下津井の往時の姿をしのばせる歴史的にも意義のある建物でありますことから,倉敷市や地元関係者の協力をいただきながら,その保存や活用を図ってまいりたいと考えております。今後とも,下津井地域の歴史や文化を生かした,そういう町づくりに取り組んでまいりたいと考えます。  それから,由加地区の周辺整備ということでございますが,この地域は蓮台寺を中心にいたしまして観光資源に恵まれております。同時に,この地域は国立公園の特別地域にも指定されておる自然の宝庫でありまして,これまでも遊歩道でありますとか,あるいは休憩舎などの整備を行ってまいりました。今後とも,地元の要望も踏まえまして,公園事業の導入などによりまして豊かな自然を活用するための施設の整備を行ってまいりたいと考えております。  それから,海上道路と人工島でございますが,瀬戸内海は我々に残された貴重な資源でありまして,これを保全していくこととあわせまして,自然とそれからそこに住む人々との調和を考えながら活用していくこともまた我々の大きな使命だと考えておるわけでございますが,これまで私どもは,それぞれの地域に特有な資源を活用した地域づくりを支援してきたところでありまして,これらの構想は児島,渋川地区の恵まれた海という資源を活用した壮大なものだと考えておりますが,しかしながら,人工島や海上道路などの構想を実現するということになりますと,今までいろいろ検討されておりますものについて考えますと,相当な年数と膨大な事業費を必要としますし,のみならず自然環境あるいは地域で生活する人たちへの影響も多大なものとなることが予想されるわけでございまして,今後,海上道路につきましては,年度内にこれまでの調査結果を踏まえまして,総合的な検討を行いますとともに,人工島につきましても,調査主体である国を初め地元両市と連携をとりながら,これは長期的な視点に立って検討しなければならないというふうに考えております。  大変,ある意味では非常に魅力的な計画でございますが,影響する範囲もかなり大きいものでありますから,いろんな意味での今具体的な案を練りつつある状態でありますし,人工島については国の関係省との関係も十分調整をしながら,だんだんと検討に入ってまいりたいと思っておるところでございます。どうぞ御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  地球環境保全に対する県の対応についてでございますが,今年度実施いたします県の事業といたしましては,地球温暖化ガス排出量調査,フロンガスの使用量調査,県産材利用拡大事業,小水力発電の建設促進など,関連事業合わせまして95事業,約18億円の規模でございます。今後は,全県的な推進体制の整備,市町村に対する指導などを早急に具体化してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  お答えいたします。  由加周辺の道路整備についてでありますが,由加山蓮台寺に通じる道路といたしましては,県道玉野福田線,白尾塩生線,長尾児島線,槌ヶ原日比線などがございますが,これらの県道の整備状況についてでございますが,玉野福田線が改良率67%,白尾塩生線の倉敷市児島白尾から児島上の町までが62.6%であります。長尾児島線及び槌ヶ原日比線につきましてはおおむね全線改良済みでございます。  道路整備の今後のスケジュールでございますが,玉野福田線につきましては,交通の隘路となっております区間の解消を図るべく,現在玉野市滝から児島由加地内に至る延長3.6キロメートルを,また倉敷市尾原地内の延長1.1キロメートルを,それからさらに白尾塩生線につきましては,児島上の町地内の延長1キロメートルをそれぞれ整備中であります。このうち,玉野福田線の倉敷市尾原地内につきましては平成5年度完了の予定であります。その他,事業中の区間につきましても,早期完了に努めますとともに,全線の整備に努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆6番(小田春人君)  皆さん,おはようございます。  自由民主党県議団の小田春人でございます。当面する県政の課題について,幾つか順次質問させていただきます。  まず最初に,井原線について知事にお伺いいたします。  総社―神辺間41.7キロメートル,15駅間を結ぶ井原線は,平成7年4月の開通を目指し日本鉄道建設公団の手で鋭意工事が行われております。総事業費358億円のうち,平成3年度までに投じられた事業費が160億円,平成4年度予算が24億円となっております。予定どおり平成7年4月に開通するためには,平成5年,6年の2カ年度で実に174億円の予算化が必要となります。地方開発のための幹線鉄道であるいわゆるAB線は,平成3年度1線が完成したものの,建設中が井原線を含め5線,しかも予算総額は昭和56年度以来毎年150億円に据え置かれております。そのうち井原線について見ますと,ここ数年間の推移は,平成元年度17億円,2年度21億円,3年度22億円,そして本年度24億円と漸増傾向にはあります。しかしながら,このような状況から考えてみますと,平成5年,6年の2カ年間に174億円の予算措置は事実上極めて実現困難であると言えるのではないでしょうか。井原線の建設は,沿線地域,住民にとって,産業振興,生活基盤の整備あるいは観光開発など,さまざまな意味において文字どおり長年の悲願であり,なくてはならないものであります。地域活性化のための救世主的な起爆剤であると言っても過言ではありません。それだけに早期開業が待望されるのでありますが,第三セクター井原鉄道株式会社の社長としても陣頭指揮の努力をしてきていただきました知事に,現在の進捗状況を踏まえてのこれからの見通しについて改めてお聞かせ願えればと思います。  そして,財政投融資の活用というウルトラCの可能性がないものでしょうか。今の法制度上は難しいであろうことも承知しておりますが,あわせて知事の御見解を教えてください。  また,平成7年4月の開業が無理であるとすれば,本当に可能な時期について言及すべき時期に差しかかっていると思われますが,いかがでしょうか。  昨年9月議会でこの問題について質問いたした際,交通機関としての利便性を高めるためには福山,岡山への乗り入れがぜひとも必要であり,その可能性についてお尋ねしました。それに対して「もろもろの検討課題はあるが,井原鉄道株式会社,沿線市町村,広島県など関係機関の間での検討を踏まえ,JR西日本に対して働きかけをしたい」と答弁されました。その後,チボリ公園は,クラボウ工場敷地への実現を目指し交渉が始まるという大きな情勢の変化が出てきました。チボリ公園の完成は,乗り入れの必要性を飛躍的に高めてくれること必定です。この件につきましても,交渉の進展がございましたらお聞かせ願えればと存じます。  次に,オートキャンプ場についてお尋ねいたします。  昨年8月,岡山県で初めての本格的なオートキャンプ場が上斎原村恩原高原にオープンしました。アウトドアライフを満喫できるようなグレードの高いものをつくるという方針のもと,総事業費3億6,000万円余りで完成したこのオートキャンプ場は,完成後利用者も多く非常に好評であるとお聞きしております。週休2日制の普及による労働時間の短縮,すなわち余暇時間の増加は,滞在型の旅行需要の増大を招来し,緑あふれる自然に親しむ生活は,私たちに潤いと安らぎを与えてくれます。世界に冠たる経済大国となり,1人当たりの国民所得も全世界の中で有数の現在の裕福な日本,その中で,皮肉なことに私たちは今真の豊かさとは何かを模索しています。経済活動は,本来人間を貧乏や長時間労働から解放し,ゆとりのある社会を生み出すためにあるはずでした。ところが,客観性を持つ物と金という富の蓄積が,逆に私たちの価値観を窮屈にし,その結果豊かさ探しに駆り立てていると言えなくもありません。私たちは今個人個人が主体性を持ち,創造的で自由な生き方をすることができる豊かさを求めているのではないでしょうか。その意味で,大規模なリゾート施設よりも,むしろ中あるいは小規模のリゾート,レクリエーション施設の方がより心の豊かさを充足してくれるのではないでしょうか。今回のオートキャンプ場また岡山県独自の農村型リゾートの建設は,まさに時宜を得たものと高く評価するのであります。今までのキャンプ場は宿泊施設の機能を余り有していないと言われており,低廉な宿泊施設機能を有し,楽しくくつろげるオートキャンプ場のニーズはさらに増大するものと予想できます。今年度予算にオートキャンプ場建設事業費として4,000万円計上してあります。新オートキャンプ場建設のための調査推進事業費と理解していますが,私は今後県内適地に数カ所は建設してほしいと考えております。候補地の選定状況そして事業計画の展開について,知事の御所見をお伺いします。  次に,生涯学習の推進について教育長にお尋ねします。  1965年,ポール・ラングラン議長により,ユネスコの第3回成人教育推進国際会議において生涯教育の理念が提唱され,1967年にその理念が波多野完治氏によって日本に紹介されました。それ以来,国レベルの各種委員会等においてさまざまな角度から検討され,生涯教育から生涯学習へ,そして生涯学習社会を目指して,平成2年いわゆる生涯学習振興法が制定され,全国的に生涯学習についての取り組みが活発に行われるようになってまいりました。  最近,県内各地で活力ある地域づくりを目標にさまざまな活動が展開されており,そのいずれもが地域の特性を生かし,住民総ぐるみで生き生きとした取り組みがなされております。こうした地域づくりのためには人づくりや生きがいづくりが必要であり,そのためには生涯学習への取り組みが必要であるということをかねてより考えておりましたが,先般,岡山県生涯学習推進会議が「本県における生涯学習推進の基本的な考え方」について意見具申されております中で,このような考え方に触れられており,我が意を強くしたところであります。2月定例議会において,「この意見具申を踏まえ,本年県の基本計画を策定する」との答弁がございましたが,ぜひとも県内全域で生涯学習が活発に展開されるようその指針を明示していただき,県,市町村の緊密な連携のもとに,生涯学習社会を目指しての基盤整備を進めていただきたいと存じ,以下数点についてお伺いいたします。  第1点目は,市町村への支援についてであります。県下ほとんどの市町村で,活性化のために何らかの特色ある取り組みが行われているのでありますが,そうした取り組みの視点はそれぞれに異なっているようであります。活性化の基本は,担い手たる人づくりにあるという視点から,「生涯学習のまちづくり」を旗印として取り組んでおられる市町村では,取り組みも体系的に進められており,住民挙げての活動が展開されております。しかし,こうした視点での明確な方向づけがなされているところはいまだ過半数に達していない状況であります。市町村の取り組みを継続的なものになるよう促進し,全県的に取り組みを活発化していくためにも,市町村への支援をさらに強化していく必要があると思っておりますが,市町村の推進体制の整備についてこれまでどのような取り組みをなされているのか,また今後どのように進められようとされているのか,教育長の御所見をお伺いいたします。  第2点目は,生涯学習推進センターの設置についてであります。先日の我が自由民主党栗山議員の代表質問に対し,教育長は,県立烏城高校を移転,単位制高校として整備するとともに,県民の生涯学習の拠点となる生涯学習推進センターを併設し,その候補地として県立短大跡地を考えていることを初めて表明されました。私は,個人的に,以前より両者併設のこの構想が最も妥当であると考えていましたので,今回の知事の決断にもろ手を挙げて賛成するものであります。県立短大は,JR岡山駅から北西に約1.5キロメートルと市の中心部に位置し,学習する者にとっては身近なところに情報提供や相談窓口があることが望まれることから,生涯学習推進センターの設置場所としてはまさに適地であると言えます。  生涯学習の推進には,やはり県の中核拠点となる施設が重要になると思いますが,本年度整備計画を策定される生涯学習推進センターには,調査研究,情報提供などの市町村の取り組みを支援する機能や,広域的なものとかあるいは高度なものといった市町村の対応範囲を超えた機能等を整備するとともに,学ぶ楽しさを体験できる機能を備え,県民の学習意欲を喚起する魅力ある施設にすることが大切であると思いますが,どのような機能をお考えなのか,教育長にお伺いいたします。  第3点目は,学習情報の提供についてであります。生涯学習の取りかかりとして,農家を対象にした講座で,「生涯学習で飯が食えるか」という人間として大変よくわかるテーマで取り組まれ,朝市などにどのようなものを出荷すればよいかを手始めとして学習されているところがあるやに聞いております。このような取り組みは,県の各部局を初め県下各地の自治体などで既に実施されているところでありますが,県民として,だれもが,いつでも,どこでも生涯学習の情報提供が受けられることが,学習の取りかかりの上からも,学習を進めていくことからも待たれるところであります。県民の生涯学習を支援するための学習情報提供システムの構築について,教育長のお考えをお聞かせください。  生涯学習は,何よりも個人の自発性,主体性を前提にしております。しかしながら,生涯学習の働きは生きがいの創造だけでなく,新たなる文化の創造,さらには人づくり,まちづくりにつながる広まりがあることを思えば,そしてまた,生涯学習関連の県事業のうち70%以上が知事部局事業であると言われる現状に思いをいたせば,その大切さを幾ら強調してもし過ぎということはありません。それだけに行政の支援が必要不可欠であります。生涯学習社会の形成は終身現役社会への幕あけでもあります。熱意あふれる教育長の答弁を期待しております。  最後に,建築設計の問題について触れさせていただきます。  岡山県が,将来においても安定的に発展するためには,東京一極集中を是正し,多極分散型の国土の形成を図ることが重要な課題と位置づけられ,その戦略として,21世紀の人づくり拠点の形成を図ることとされていることは的を得た施策と評価するものであります。ちなみに,CONVEXやシンフォニーホール,さらには県立大学など着々と整備が図られ,最先端の技術や文化施設の充実は,個性的な都市づくりには欠かせないものであり,中四国一体化を促進するものとして,今後の岡山県が豊かで魅力ある地域として大いに期待され,同時に若者が引きとどまる効果的な施策ではなかろうかと思うのであります。  また一方,このことは既に平成2年に策定された新長期ビジョンにその方向が示されているのでありますが,最近の若者の志向は,魅力的な都市づくりに代表されるように,文化ホールなどの箱物をつくり,コンサートの誘致に成功しても,それだけでは吸引力とはならず,むしろそれよりも中身の充実した書店や図書館をつくるなど,身近な文化環境を充実して,文化のすそ野を広げ,東京にない地方文化の発掘,育成がそのかぎを握っていると言われているのであります。  その最たるものに,建築物が挙げられるのであります。御承知のように,岡山県の顔とも言うべき代表的な建築物はほとんどすべて東京の設計となっているようであり,岡山県の都市づくりを東京にゆだねることとなり,21世紀への飛躍を目指す本県にとって果たしてふさわしいのかどうか,長期ビジョンに定めている中四国の中心的な経済文化圏の確立に,文化,芸術面まで東京一極集中している現実に甚だ疑問を感じざるを得ないのであります。地方には地方のよさがあり,そこに住んでみて初めてわかるものが数多く発見されるのでありますが,生活のにおいが感じられない東京の設計者が,岡山のよさ,すばらしさを設計に十分生かすことができるのでしょうか。一流のものは東京からという発想ではなく,これからは地方が一流の発信基地にならなくてはいけないのではないでしょうか。岡山にも才能のある設計者がいるはずです。いかんせん,設計のチャンスを与えずして,岡山の顔を他県の人にゆだねて設計をさせば,いつまでたってもすばらしい設計者は育たないので,後々禍根を残す結果となるのではないかと思うのであります。そこで,県の建築物については,できるだけ県内の設計者が設計に携わるチャンスをいろいろな形で与えてみてはいかがでしょうか,土木部長の御見解をお伺いいたします。  以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  小田議員の御質問にお答えいたします。  井原線でございますが,本年3月末現在で用地取得が82%,路盤工事が63%の進捗状況になっております。日本鉄道建設公団では,残った用地買収に全力を挙げますとともに,第一河面橋を初め高梁川橋梁の下部工などの建設工事を現在進めておるところでございます。  開業の時期についてのお話でございますが,御指摘のように残事業費が多額に上っておりますから,井原線を含むAB線予算が増額をされまして,そして井原線への予算配分が大幅にふやされませんと,予定どおりの開業は大変厳しいと考えざるを得ないのでありますが,関係機関に対しましての強力な運動を展開して,できるだけ早く開業ができますように,建設予算の確保に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  財政投融資の活用という御提言につきましては,井原線がこれまで国の全額一般財源補助という形で建設されてきた経緯もございますが,去る6月19日の運輸政策審議会の答申におきまして,鉄道整備促進のために国における鉄道整備基金や日本開発銀行融資などの政策金融の充実に言及しておるところでもありますし,今後県としましても,運輸省など関係機関の意見を聞きながら,ひとつ積極的に研究を行ってまいりたいと考えます。  それから,井原線の福山,岡山への乗り入れの問題でありますが,井原鉄道株式会社,それから沿線の市町村,JR西日本などとの間で検討を行っておりますが,当面は,福山乗り入れについて駅設備の改良,乗り入れ本数など,具体的な協議に入っておるところでございます。それから,岡山などへの乗り入れにつきましても,今後,沿線開発に伴う需要動向などを踏まえまして,関係者間での検討を進めまして,JR西日本等との協議を行うことにいたしておるところであります。  それから,オートキャンプ場でありますが,御指摘のように,これからの余暇時間の増加やアウトドア志向の高まりにこたえまして,気軽に自然に親しめる施設を県民に提供する必要があると考えております。で,現在,市町村から推薦いただきました候補地につきまして,自然環境とか交通アクセスとか,保安林の解除の問題でありますとか,農地転用の見込みでありますとか,用地確保の問題,また完成後の維持管理などのいろいろな条件を比較検討しておるわけでございます。いろんな候補地が挙がっておりますが,本年度はこの中から少なくとも1カ所は建設箇所を決定をしまして,そして調査設計に入りたいと考えておりますが,小田議員のお話にもありますように,その他についての候補地につきましても,地元とのいろんな理解を進めたり,意見を聞いたりしながら,すり合わせをしていく必要があると考えております。  今後,県としては,恩原高原オートキャンプ場が好評を得ていることもありまして,お話もありますように,あと数カ所程度のものはぜひ整備をいたしたいと,そして本格的なオートキャンプ場の建設,これは県の北だけではございませんで,県の真ん中とか,西とか東とかいろんなことを考えると,どうしても数カ所は必要ではないかと,そして,ゆくゆくはこういう本格的なオートキャンプ場が,それぞれがネットワークが組めるような,そういう形も考えていくべきではないかと考えておりまして,どうぞひとつそういう意味で御支援,御協力をお願いいたしたいと思います。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  建築設計の問題についてでございますが,県発注の建築設計は,基本的には県内の設計事務所に委託することとしておりますが,近年,大規模なものや特殊な建築物の設計が増加しておりまして,これらにつきましては,設計事務所の陣容等を勘案の上県外業者にも発注しているところでございまして,御理解をいただきたいと思います。  なお,県内の設計事務所の技術の高度化,あるいは若手建築士の育成等は重要なことであると認識しておりまして,こういった観点から,昨年度創設いたしました「クリエイティブTOWN岡山」事業におきまして,県外設計事務所と県内設計事務所の共同によります設計の発注を行っているところでございます。こういった方法によりまして,県内設計事務所の技術力の向上を図り,大規模なものや特殊な建築物設計につきましても県内業者への発注が可能となるよう育成してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  小田議員の質問にお答えをいたします。  生涯学習の推進についてでございますが,貴重な御提言をいただきましたが,お話のように,豊かで活力ある地域社会の実現にはその担い手となる人づくりが必要でございます。その意味からも,生涯学習は今後ますます大切になってくると,このように考えております。生涯学習の推進は,一義的には住民に身近な市町村で行うことが基本でございます。県といたしましては,これまで生涯学習のまちづくり推進事業を初め,ソフト,ハード両面にわたる諸事業を通して支援を行ってきたところでございます。その結果,市町村では逐次推進体制を整え,住民挙げてのさまざまな取り組みが各地で展開されるようになってきておるところでございます。今後,県が取り組みます方向や市町村の指針となる基本計画の策定を急ぎますとともに,行政各部門や県,市町村間の連携を一層密にして,生涯学習への取り組みが県下の市町村へ浸透していくように支援に努めてまいりたいと,このように考えております。  次に,生涯学習推進センターにつきましては,本県生涯学習振興の中核拠点として,情報提供それから指導者の養成,広域的,先導的学習機会の開設,さらには学習意欲を高める交流の場とするなど,魅力ある機能を備えたものになりますように整備計画の検討を進めてまいりたいと,このように考えておるところでございます。  学習情報提供システムの構築につきましては,必要な情報が身近で容易に得られることが大切でございますので,生涯学習推進センターの整備計画の中で,市町村や国それから諸機関とのネットワーク化などにつきまして検討をしてまいりたいと,このように考えておるところでございます。  以上でございます。 ◆43番(舛田貞三君)  民主クラブの舛田です。通告に従いまして順次質問を申し上げます。  まず最初に,完全週休2日制の実施及び労働時間の短縮について,知事並びに警察本部長,総務部長にお尋ねし,あわせて今後の課題について所信を伺いたいと存じます。  労働時間の短縮を図り,ゆとりある国民生活の実現を推進するため,国と並んで地方公共団体においても完全週休2日制を導入することは,まさに画期的な出来事でありますだけに,その実施に当たっては配慮,工夫をしなければならない点と今後の課題も多いのでございます。  今,官公庁,銀行,学校が週休2日制になれば,社会の週休2日制の環境は整うと言われ,既に銀行など金融機関では平成元年2月の法改正により,土曜閉業により完全週休2日制に移行しました。国の行政機関は本年5月から実施し,地方公共団体は条例改正の必要の関係で若干おくれ,本県においては7月の第3土曜日から完全週休2日制となる予定であります。政府が,公務員の完全週休2日制導入関係法案を国会に提出したのはことしの3月17日で,4月には5月1日から実施の政令が公布され,地方公共団体も若干のばらつきはあるものの,今秋にはおおむね実施するものと予想されます。国民生活に直結した法改正が,これほど短期間に成立,実施されることはまれなことで,それだけ国民も当然のことと待ち受けていたものと思われます。  また,文部省は,ことしの3月23日,学校教育法の施行規則の一部を改正する省令を公布,9月から公立学校における第2土曜日の閉校による月1回週休2日制導入を決めており,今後,教育的な配慮など環境整備を進める中で段階的に導入を進める予定であります。  もっとも,民間企業における完全週休2日制は,平成2年現在で,1,000人以上の規模の企業で3分の2が導入済みであり,問題は導入率が1割に満たない99人以下の規模の企業であります。ともあれ,今我が国では年間総労働時間を1,800時間とすることが政府や連合の目標となっており,完全週休2日制,週40時間,所定外労働時間いわゆる超過勤務の削減に向けて国民的コンセンサスが得られたといってもよろしいかと存じます。  さて,以下具体的な質問に入りますが,県行政機関の完全週休2日制実施について,まず総務部長にお尋ねいたします。  第1の点は,県職員の勤務実態でありますが,現行月2回週休2日制での年間所定内労働時間,超過勤務の管理,有給休暇取得の状況について御説明ください。  また,完全週休2日制実施後の年間所定内労働時間はどのようになりますか。今後,年間総労働時間1,800時間達成に向けて,超過勤務,有給休暇取得について管理目標があればお示しください。  第2点は,完全週休2日制の導入に当たって,県民の理解と協力を得るための努力はどのようになされておりますか。行政サービスを低下させないよう,事務処理体制の整備,行政サービスの改善向上に努めるとともに,緊急時の連絡体制の確保など改善工夫の内容を具体的にお示しください。  第3点は,行政サービスの性格上,土曜閉庁になじまない部門などについては,勤務シフトの変更に伴う定員の見直し,現行予算の補正措置はございませんか。  第4点目は,地方公務員のライフプラン推進計画の策定と関連施設整備の推進状況について御説明をいただきたいと存じます。  完全週休2日制の導入が,単に休日増に終わるのではなく,より人生を豊かにする,また職員の資質の向上が県民福祉の向上に直結しているとの認識に立って,その推進を願うところでございます。  第5点は,市町村及び県の外郭団体の完全週休2日制導入の状況及びそれらの円滑な実施に向けての連携はどのようにされておりますか,この際伺っておきたいと存じます。  次は,知事にお尋ねいたします。  国及び地方公共団体,学校などの週休2日制の実施は,社会全体の週休2日制,労働時間短縮をリードするという側面があります。18日に明らかになりました政府の新経済5カ年計画答申案によりますと,計画期間中,すなわち平成8年までに年間総労働時間1,800時間の達成を目標に,労働基準法の改正で週40時間労働制に移行,時間外労働の削減のための残業賃金割増率の引き上げの検討,フレックスタイム制,裁量労働制の普及に努めるとあります。このように,今時短は国の内外の要請を受けて宮沢内閣の目玉商品の感がいたしますが,県下における時短の現状と,今後促進に向けてどのように取り組まれますか,所信を賜りたいと存じます。  一方,我が国における時短は,欧米とは逆に労働力不足の中での時短で,さきに述べました99人以下の規模の企業ではこれが一層深刻で,国際的には特異な情勢にあると思います。欧米では失業が多いために,1人当たりの労働時間を減らし,仕事を分け合ういわゆるワークシェアリングで,できるだけの多くの人が雇用にありつくという発想でありますが,我が国では今の労働者は長時間働き過ぎだから,その仕事の一部を,能力がありながら就労機会の少ない高齢者や主婦に分け持ってもらうといった考え方での対応が必要であり,いうならば日本的ワークシェアリングの発想が求められるのであります。  また,高齢化時代を迎えて,年金財政の安定確保,それに労働者本人の健康や社会参加のためにも65歳までは働くことも求められるのでありますが,定年は60歳で,60歳代前半の雇用は困難なのが我が国の実態であります。  そこで,連合や民社党などが提案しております部分就労,部分引退ないし部分賃金,部分年金制度を導入し,60歳代前半層の雇用促進と時短,そして労働力不足を一挙に解決することが望まれるのであります。  また,女性が職場に出るためには,時短によってより長い自由時間を得る男性が,その自由時間を家事に充て,夫と妻,職場と家庭におけるワークシェアリングを進めるとともに,女性が社会進出できやすい環境づくりが必要であります。そのことによって,出生率の回復が進めば,まさに一石三鳥であります。新経済5カ年計画答申案には,こうした観点と取り組みが見られますが,日本的ワークシェアリングの発想をもとに,主婦や高齢者の活用を積極的に図らなければ,実質的な時短の促進,ゆとりの実感を味わうことはできないのではないでしょうか。知事の所見を賜りたいと存じます。  続いて,警察本部長にお尋ねいたします。警察は,知事の所轄する公安委員会の管理のもとにあって,県民の生命,身体,財産の保護を初め,犯罪の予防鎮圧及び捜査,被疑者の逮捕,交通の取り締まり,その他公共の安全と秩序の維持に当たることをもってその責務とされ,警察署を中心とする派出所,駐在所などの警察業務は県民生活と深くかかわっております。一方,県民は信頼できる警察業務のもとで安心して日常生活を営むことができるのであります。警察の組織は,警察本部と警察署から成り,業務の性格上,機動性,迅速性,それに警察官個々人の強い使命感が求められ,なおかつ一時のすきや油断があってはならない職務であり,勤務の態様も1勤24時間の交代制勤務であります。こうした部門での完全週休2日制導入は,綿密な検討のもとで万全の体制で実施されなければなりません。  そこで,本部長にお尋ねいたしますが,まず最初に,業務の見直しと合理化省力化はどのようになされましたか,具体的にお示しください。  さらに,土曜日,日曜日の警察署窓口はどのように運営されますか。  次に,派出所,駐在所は閉庁の対象外ですが,勤務シフトの変更だけで対応できますか,御説明をいただきたいと存じます。  今回は,予算も定員も現行のままで実施されるお考えですか。その場合,問題はございませんか。今後の課題について所見を賜りたいと存じます。  私は警察官のように1直24時間交代勤務で,しかも省力化の極めて困難な職務の職場で,週2時間の時短が問題なく可能となるとは考えにくく,不安に思っておりますので,この点明快な答弁をよろしくお願いいたします。  次は,環境保健問題について,環境保健部長にお尋ねいたします。  地球環境を保全するためには,1国のみならず国境を越えた社会経済の変革が必要であり,国際的な新たな制度的政策的な枠組みづくり,国の新たな制度づくり,政策の転換,地方自治体の積極的な取り組み,企業活動の質的変化など社会経済システムの変革が必要であります。そして,このことが成功するか否かは,生活者1人1人が自発的に環境に適した生活様式を追求することから始まり,社会経済システムの変革へと進展させることが肝要で,環境問題の解決は,一にも二にも人々の意識と行動がすべてを決する原点と言われます。  そこで,地球環境問題の国際的標語「地球規模で考え,行動は足元から」が,どれだけ地域の人々に普及していくかが地球環境問題解決のかぎを握ることとなり,この標語の普及啓発のため,住民と直結する地方自治体の役割が極めて重要でありますが,本県ではどのように取り組まれておりますか,御説明ください。  標語は2つの部分から成り立っており,「地球規模で考え」の部分は,地球環境の悪化の実相を周知させることでありましょう。そして「行動は足元から」の部分は,家庭レベルでの具体的な行動であり,中でも省エネ,生活排水,ごみの選別の3つが重要な柱で,その対策はできれば極めて効果的であります。  そこで,最近私が調査したこれらの対策について気づいたことを二,三申し上げ,部長の所見を伺いたいと存じます。  第1点は,家庭排水の中で,てんぷら油,サラダ油などはBODの値が食品の中でももうめちゃくちゃに高く,捨ててはいけないということで,古くなったてんぷら油を家庭廃油と称して石けんをつくることが奨励されていますが,これは基本的にはいかがなものかと思います。使用方法さえ適切であれば油は何度でも使用できる。捨てる油などないことを基本とすべきではないでしょうか。油が傷むのは,高温での料理が原因で,適温で使用し,使った後は油こし器でこし,涼しいところに保管すれば,差し油だけでいつまでも何回使ってもさほど味が衰えることなどないという実験結果が示されております。てんぷら油の使用方法についてのアンケート調査では,ほとんど捨てない人は1割程度で,約半分の人が二,三回使ったら捨てると答えていますから,困ったものです。今後の指導について研究調査されてみてはいかがですか。  第2点は,穴の小さいストレーナーを使用することです。通常のものは直径が2ないし5ミリですが,これを1ミリのものに変えるだけでBODの数値が40%も低下すると言われ,県でもそれを奨励し,市町村とともに補助金制度を設け,普及に努めておられますが,実績はどのようになっておりますか。なお一層の努力を要請いたします。また,クリーンネットも効果がありますが,目詰まりしたクリーンネットを洗って再使用するのでは意味がありません。それならば,不要の和布や女性用のストッキングでこし捨てるのが効果的だと言われております。  第3点は,県下の市町村におけるごみの分別収集と廃棄物減量化再生利用施設設備整備などの事業の取り組み状況について御説明ください。また,本県においても中間処理施設,再生利用施設設備の整備が必要と考えますが,いかがですか。  第4点は,省エネ住宅設備,合併処理浄化槽の設置について。住宅金融公庫貸付金の中で特別融資枠がありますが,調査してみますとほとんど利用されていません。ということは,新築住宅の場合でも「行動は足元から」の発想が乏しく,一般に広く認識されていないと指摘されるのであります。この際,制度上の問題はないのか,環境対策の立場で研究調査されたいのでございます。  以上,環境保健部長の見解と所信を求め,答弁を賜りたいと存じます。  次は,岡山県のCIについて河合副知事にお尋ねいたします。  県は,平成4年3月に,岡山県CI導入検討委員会のCIの基本的な考え方についての報告を受け,本年度より岡山県CI推進連絡会議を組織し,全庁的な体制で報告書の考え方を踏まえ,CIコンセプトや具体的な進め方,リーディング事業を取りまとめたマスタープランの策定作業に取り組まれます。この会議の会長が河合,香山両副知事でありますので,この際,河合副知事に答弁を求めたところでございますが,質問をしております私が,本人が,CIとは余りよくわかっておりませんで,コーポレートアイデンティティーの略語で,企業の社名や社章を変えたり,横文字風のロゴタイプをつくったりするといった程度の知識しかありませんので,的外れがあるかと思いますが,よろしくお願いします。  まず,報告書を読ませていただいた感想から申し上げますと,何と片仮名の多いこと。輸入品ですから,やむを得ないと言えばそれまでですが,翻訳解説書がもう一冊必要かなと存じます。  また,岡山県の目指すCIは,デザイン面やイメージアップのみだけでなく,地域づくりや県庁の活性化にも及び,広範囲かつ長期な取り組みで,大変な作業と運動であるということです。一方,提言の内容を1つずつ確かめながら,みずからに問いかけながら楽しむこともできました。私に岡山県の地域特性は何かと問いかけられれば,三大河川,児島湖,瀬戸内海を含めた水辺と答えます。残念ながら,それが生かされていないことも指摘されます。県章とか県の木,県民の鳥など忘れ去られているものは当然見直すべきでありましょう。それはさておき,今後の進め方について具体的にお聞きいたします。  第1点は,研究部会の若手職員,女性職員の参画はどのようにお考えですか。また,小集団活動グループの活用なども考えてみてはいかがでしょうか。  第2点は,報告書は今後の進め方の中で,CI特性調査やデザイン調査,各界各層からの幅広い意見聴取など,留意すべき点が指摘されておりますが,どのように対処されますか。  第3点は,推進体制についてでありますが,「燃えろ岡山」県民運動とどのように連携されますか。屋上屋を重ねる懸念がございます。私は,推進体制は簡素明快で,だれでも参加できる組織なり仕組みでなければ大きな成果を期待することはできないと思いますが,いかがですか。  また,CIが第三者による認識という外部に与えるイメージが最終的な評価でありますだけに,マスメディアの活用が重要と考えます。河合副知事の答弁を求め,所信を伺い,若干時間オーバーしました点おわびしまして,質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  舛田議員の御質問にお答えいたします。  労働時間の短縮の現状と促進対策についてでございますが,毎月勤労統計調査によりますと,平成3年の県内の常用労働者30人以上の事業所における年間総時間労働時間は2,053時間となっておりまして,これは昭和62年以来ずっと短縮の傾向にあるわけでございます。  お話のございました新経済5カ年計画案では,高齢化社会の到来に備えまして,ゆとりある社会を実現させるために,社会や家庭において女性や高齢者もそれぞれの役割に応じて仕事を分け合うという,いわゆるワークシェアリングなどによりまして一層の時短を促進しようとするものと理解をいたしておりますが,本県におきましては,労働時間の短縮や雇用の場の確保などの観点から,高齢者や女性の就労を促進いたしますために,高齢者雇用助成金の活用でありますとか,キャリア活用会社の設立,パートバンクの活用などの事業を進めておりますほかに,弾力的な勤務形態の導入及び職場作業環境の整備について企業を指導しておるところでございますが,今後とも,新経済5カ年計画案に沿いまして,高齢者や女性の能力が発揮しやすい環境づくりを推進いたしますとともに,完全週休2日制,年次有給休暇の取得,連続休暇の普及促進というような普及啓発を積極的に促進を展開いたしまして,年間総労働時間1,800時間に向けまして,その実現に向けて今後とも努力をしてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎副知事(河合昭君)  CIについてのお尋ねにお答え申し上げます。  御指摘のように,これからの地域づくりや対外的な地域のアピールあるいは組織の活性化などに,共通の目標,理念のもとに体系的に取り組んでまいりますために,昨年度からCIの導入に向けて検討を進めてまいったところでございます。本年度は,本県のCIの目指すべき方向や具体的な事業を取りまとめたマスタープランを策定することといたしております。このため,先般岡山県CI推進連絡会議を設置いたしまして,その下部組織として,幹事会やテーマごとに4つの研究部会を設けて検討を進めておるところでございます。そして,原案をまとめていく上で中心となって活動してまいります研究部会につきましては,新しい発想を取り入れていく必要がありますことから,関係課の若手の職員や女性職員にも参加してもらい,検討を進めてまいることといたしております。  また,小集団活動などの活用につきましては,本県では,従前から職場の活性化策として職員提案,小集団活動,グループ研究などを進めてきておりますので,今後のCIの検討や推進に当たりまして,これらの制度も活用してまいりたいと考えておるところでございます。  今後の進め方についてでございますが,CIの普及啓発を図るためCI推進フォーラムを開催いたしますとともに,本県が持っております地域特性の取りまとめや,県のパンフレットなどのデザインの活用状況についての調査等を実施しながら,CI推進連絡会議の研究部会を中心に作業を進めてマスタープランの素案を取りまとめ,そして市町村,各種団体,学識経験者など各界各層の方々の御参加をいただいた懇談会を開催するなど,できるだけ幅広い御意見をお聞きしまして成案を取りまとめてまいりたいと考えております。  次に,推進体制についてでございますが,「燃えろ岡山」県民運動は,みずからの地域の発展はみずからがつくるという気概と実践のもとに,21世紀に向けて活力ある郷土づくりを進める運動として取り組んでまいったところでございますが,このような県民参加の考え方に基づく地域づくりの運動は,今後のCIの推進に当たっても重要な柱の一つとして活用されることが必要であると考えておりますが,御指摘のありました点につきましては十分配慮してまいりたいと考えております。  また,御指摘のとおり,コミュニケーション,イメージアップのための公聴広報活動につきましては積極的な展開が必要であると考えており,そのように取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎総務部長(山本信一郎君)  完全週休2日制の実施等につきましてお答えいたします。  まず,最初のお尋ねの県職員の勤務実態についてでございますが,現在の4週6休制のもとで,実際に取得をしております年次休暇及び夏季特別休暇を除外いたしました県職員の年間の実所定内労働時間の平均は約1,950時間であります。時間外勤務は,振興局の建設部などの三六協定を必要とする職場では1人当たり年間270時間以内とし,それ以外の職場では450時間以内を努力目標としておりまして,おおむねその範囲内におさまっているものと認識をしております。また,年間の年次休暇の取得状況は,平均いたしますと11日程度でございます。  完全週休2日制導入後の年間実所定内労働時間は,年休の取得実績等に変化がないとした場合,平均で約1,850時間となりますが,今後とも,連続休暇の取得を含め年次休暇の有効活用を促進いたしますとともに,各職場でより計画的な業務執行に努めまして,具体的な目標値を示すことは直ちには困難でございますが,できる限り時間外勤務の減少を図ることによりまして,お話の1,800時間達成を目指して努力してまいりたいと考えております。  次に,完全週休2日制の導入に当たっての業務の改善工夫についてでございますが,緊急時の連絡体制の徹底や留守番電話の増設,それから旅券発行窓口の増設,平日におきます電話相談サービスの充実など行政サービスを極力低下させないように,それぞれの業務に応じた改善策を講じることとしておりまして,今後さらに継続いたしまして事務改善に取り組み,受付窓口での接遇の向上や許認可事務の迅速化などに努め,県民の皆様の理解と協力のもとに実施をしてまいりたいと考えております。  それから,第3番目の定員等についてのお尋ねでございますが,土日の利用率が特に高い公共的施設,入所者のおります福祉施設など,その業務の性格上閉庁することができない部門あるいは適当でない部門につきましては,週40時間勤務制を基本とすることになるわけでございますが,行政サービスの低下を来さないよう,一昨年度から実施をいたしました週40時間制の試行の結果も踏まえまして,ローテーションの組みかえの工夫,事務事業の見直しや,さらには設備の改善によります省力化等に努めまして,現行の定数人員で実施することとしております。  また,必要経費につきましては,当面既定予算の範囲内で対応してまいりたいと考えております。  なお,職員の定数につきましては,今後とも業務量の実態に即した適正な人員配置に努めていく所存でございます。  それから,第4番目の,お尋ねの県職員のライフプランについてでございますが,退職後の生活設計にも役立つよう公的資格の取得支援,手話,点訳講習会などによりますボランティアの育成,さらには資産形成や年金に関する相談,勉強会の実施など各種ライフプラン対策事業を平成2年度から体系的に実施をしておりまして,また職場に身近なテニスコートなど福利厚生施設も逐年整備をしておるところでございます。今後とも,余暇時間の増加に対応し,適切に対処してまいりたいと考えております。  それから最後に,市町村,外郭団体の完全週休2日制導入の状況についてでございますが,市町村につきましては,6月定例議会で既に4町村が議決済みであり,今後6月または7月定例議会に6町村が提案を予定をしております。その他の市町村については,現在検討中と聞いておりますが,行政サービスを極力低下させないように努めながら,速やかに導入の準備を進めるよう地域振興部におきましてさらに指導してまいることとしております。  また,県が出資出捐をいたしております主要な関係団体につきましては,県に完全週休2日制が導入されればこれと歩調を合わせる団体が多いものと思われます。県としても,各団体において早急に導入が図られますよう配慮をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  お答えいたします。  地球環境問題についてでありますが,地球環境に配慮した社会経済システムやライフスタイルへの転換を図ることが急務となっておると考えます。県としても,人と他の生物との共存共生を図り,将来の世代や生態系への責任を果たすとの理念に基づきまして,また「地球規模で考え,足元から行動する」との考え方に沿いまして,さきに岡山県における地球環境問題への取組方針を策定したところでございます。これに基づきまして,普及啓発事業,地球に優しい事業に対する補助制度,フロンの削減指導等の県事業を推進しているところであります。今後は,県民,事業者,市町村等による全県的な推進体制の確立を図りますとともに,積極的に地球環境保全に取り組んでまいりたいと考えております。  次に,食用油の処理についてでございますが,食用油はできる限り使い切ることが基本でございまして,平成元年度に実施いたしました県政世論調査によりますと,現に約22%の人がいためものなどに使うというふうな形で使い切っているという結果が出ております。今後とも,水質保全の観点からその啓発に努めてまいりたいと考えております。  しかしながら,やむを得ず廃食用油として処分しなければならない場合にありましては,油脂を主原料といたしまして,また生活必需品として必要でございます石けんに再利用するということも水質保全上有効な手段と考えておりますので,御理解賜りたい思います。  次に,ストレーナーについてでございますが,御指摘のとおり,本県でも平成2年度から1ミリメッシュの微細目のストレーナーや三角コーナーを設置する者に対して,市町村を通じて10分の8を補助しているところでありまして,この事業により,平成3年度末で岡山市ほか3市1町で約2万3,000戸に設置されており,今後ともその普及拡大を図ってまいりたいと存じます。  次に,ごみ対策でございますが,まず市町村の分別収集の状況について申し上げますと,2種類分別が23,3種類分別が41,4種類分別が11,5種類分別が3となっております。そのうち,資源ごみとして収集している市町村数は22でございます。また,中間処理施設,再利用施設等の整備状況は,焼却処理施設が43施設,圧縮,破砕,選別等の何らかの形で資源再生を図る施設が11施設設置されております。今後とも,市町村の廃棄物処理計画の中に,中間処理施設,再利用施設等の整備が明確に位置づけられますよう指導してまいりたいと考えております。  また,近々排出事業者,再生資源業者,ボランティア団体,市町村等で構成されます廃棄物減量化・再生利用促進協議会を設立いたしまして,廃棄物の分別収集,再生利用等の普及に努める等,市町村を支援してまいりたいと考えております。  最後でございますが,合併処理浄化槽の設置促進についてでございます。  本県におきましては,昭和63年度から市町村への助成措置を設けまして,普及促進に努めているところでございます。平成4年度におきましては,前年度比で36%の増が見込まれており,全国でも上位のスピードで普及しているものと考えております。  県といたしましても,これまで市町村の要望にこたえるため,必要な予算措置を行ってきたところでありますが,今後とも,関係部局の協力を得ながら,あらゆる機会をとらえ,市町村への助成制度や省エネ対策を含めまして住宅金融公庫の融資制度の活用などPRに努め,合併処理浄化槽等の一層の設置促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  舛田議員の御質問にお答えいたします。  まず,業務の見直しと合理化省力化についてであります。  県警といたしましては,これまでにも長期的な観点から勤務時間の短縮を想定し,しかも警察官の定員増加はなかなか望めないこと等考えまして,勤務制度の見直し等種々の事項につきまして検討を加えてきたところでございます。具体的には,本部内に勤務制度委員会等を設けまして,警察官の適正配置のための定期的な見直しだとか,軽微でかつ物損のみの事故の手続の簡素合理化あるいはOA機器等の導入によります各種統計手続などの事務の省力化などにつきまして,その実施を図ってきたところであります。  お尋ねの,土曜日,日曜日におきます警察署の窓口についてでありますが,完全週休2日制が導入されますと,現在あけております第1,第3土曜日の午前中の窓口は閉庁となります。ただ,県民の関心の最も深い運転免許の更新窓口につきましては,現在までのところ,免許更新のための来訪者の多い日曜日につきましては,運転免許試験場におきましてこれまでどおり行っていきたいと考えております。また,土曜日につきましても現在検討中でありますが,他県の動向等も考慮しながら判断してまいりたいと考えております。  次に,派出所,駐在所についてでありますが,その勤務体制等につきましては,現在県下7つの警察署におきまして,新たな勤務制度の試験実施中でありまして,7月初旬にはその結果が出ますので,その運用の結果を分析検討いたしまして,治安水準の低下を招かないよう,また県民の皆様方が不安を感じられないような運用を図ってまいりたいと考えております。  あわせて,派出所等の機能強化策と申しましょうか,そういう点から,現在テレビ電話等ハイテク機器の導入だとか,夜間におきます勤務員のブロック別運用等につきましても検討を加えているところでございます。  なお,予算につきましては,当面既定の予算の範囲内で対応していきたいと考えております。  いずれにいたしましても,完全週休2日制が導入されますと新たな課題も出てくることとは思いますが,これらを一つ一つ前向きに組織全体で解決し,県民の皆様方の安全と平穏を確保してまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りますようお願い申し上げます。  以上でございます。 ◆43番(舛田貞三君)  再質問させていただきます。  まず最初に,要望でありますが,時間短縮,週休2日制の導入,こういったことは,ある意味では行政改革の絶好のチャンスと,こう言えるんではないかと思うんです。そういう意味では,2日制はやりますけども,サービスは一切低下しません,むしろ向上します,問題ありませんと,こういうことだけでは私はないと思うんですね。もうやはり切るべきものは切るといった,あるいは簡素効率化を徹底させると,やはりこういうお願いなり訴えがなければ本物ではないんではないかと,こう考えておりますので,何か手品のようなことでは納得できないわけであります。そういう点で,ひとつ今後とも格段の行政改革に対する御努力をお願いしておきたいと,こう思います。  環境保健部長に改めてお尋ねしますが,まず地球規模の環境問題で,標語について,私は「地球規模で考え,行動は足元から」,これをどう普及啓発されておりますかと,こうお尋ねしました。具体的にどのように扱っておられますか。  それからいま一つ,中間処理施設,市町村の対応はよく懇切に御説明いただきましたが,本県で将来こういったものをさらに整備する。あるいは大きく言えば,リサイクルセンターのようなものを本県でも整備していくと,こういう考えはあるのかないのか,こういうことでお尋ねしました。ひとつお答えいただきたいと思います。  それから,てんぷら油。私は,家庭廃油,余りこういう言葉は好ましいことじゃない,これは死語になるべきだと,こう考えておるんですけども,そういった使い捨ての油で石けんをつくることを否定しておるのではございません。それはそれでまた奨励していただいて結構なわけですが,今後の指導として,廃油で石けんをつくりましょうというんじゃなくて,廃油というのはないんだと,もっと有効に使ってくださいということが基本になければならないと,こう申し上げておるんです。これは学者によりましてもいろいろ説がありまして,難しい問題ではございましょうけれども,私が調査しておる資料によりますと,まずためて石けんをつくるほど家庭から油を捨てると,こんなことは通常はもうあり得ないとも言われておるんです。一昔前だと当然そうでしょう。燃料までになったわけですから,そういうことは指摘されるわけでありますが,いずれにしましても,油の温度を適正な温度で使う,あるいは差し油を十分にする。少ない分量で揚げるときは小さい鍋を使うとか,魚は別の油でやるとかいった工夫がされれば,ほとんど半永久的とは言いませんけども,捨てるところはない,こういうふうに言われるんですね。とんだ料理学校になりましたけども,ひとつ今後の御研究調査をお願いして,再質問を終わりたいと思います。 ◎環境保健部長(高原亮治君)  舛田議員の再質問にお答えいたします。  まず,地球的規模で考えて「行動は足元から」というのを具体的にどう結びつけるんだと,どう普及啓発するんだということでございますが,やはり普及啓発する,その地球規模で考えるということと足元の行動というふうなものを結びつけるためには,やはり1つは先ほどお答え申し上げました,岡山県における地球環境問題への取り組み方針というものを策定したところでございまして,それを県としてもやっていくと。それに基づいて,また普及啓発事業も行ってまいりたい。それから特に,今後は県民,それから事業者,市町村,ありとあらゆると申しますとちょっと語弊がございますが,いろいろな県内のセクターの方々に集まっていただきまして,そのつなぎ方,地球的な規模の物の考え方と,それから我が岡山県,我々の日常の地域コミュニティーで何をやるかということのいろんな考え方を出し合って推進体制をつくってまいりたいというふうに考えております。  それから,第2の,中間処理を行うようなリサイクルセンターというふうなものはどうなるんだというふうなことでございますが,基本的には,まず減量化といいますか,まず家庭内に余計なものが入ってこないというか,ごみになるようなものができるだけ入ってこない。例えば,包装の問題一つを取りましても,そういうふうなことが重要なんじゃないかと考えておりまして,廃棄物の減量化,それから再生利用化,リサイクルシステムをどうつくるかということで,先ほどお答え申し上げました廃棄物減量化再生利用推進協議会というものをつくろうと,呼びかけようと考えております。これは学識経験者,それから特に事業者の団体代表──製造メーカーでございますとか,百貨店協会でございますとか,スーパーマーケット協会でございますとか,そういうふうな事業者団体,それから廃棄物の再生事業者,資源回収連合会でありますとか,鉄リサイクル工業会でございますとか,そういった廃棄物の再生事業者,それから住民代表,市町村代表,そういうふうなところで,いろいろどういうふうな形で減量化,再生利用というふうものができるのか,いろいろ知恵を出し合いまして,それが何かそのセンターというふうなものが広域的に必要だということになるのかどうか,その議論をしていただきまして,その結論を見守ってまいりたい。県としても,資料提供とか参加をするとか,いろいろ適切に対処してまいりたいと考えております。  それから,油で廃油というふうなものはないんだということでございますが,私も全く同感でございまして,できるだけ有効に使うということについて異論は全くないわけでございます。しかしながら,お話にもございましたが,私どもといたしましても,一生懸命,適切に,過剰な高温は避けるとか,いわゆる酸化防止というふうなことは保健所の料理教室,栄養教室,そういうふうなことを通じまして普及啓発に努めてまいりたいと考えておりますが,しかしながら,どうしたって,つい熱してしまったとか,毎回適切な管理が必ずしも十分できなかったというふうな場合もあるわけでございまして,こういうふうなものを各家庭ベースと申しますよりか,町内会とか,そういうふうなところで集めまして石けん等をこしらえていらっしゃるというふうに承知しております。  以上でございます。 ◆50番(有可洋典君)  お疲れと思います。3年ぶりの一般質問であります。心を新たにいたしまして,御答弁の方もよろしくお願いいたします。  質問の第1は,知事の政治姿勢についてであります。  私は,議長在任1カ年間に,主に来賓として県内外各地での大会,総会,式典,祝賀会等々266カ所の催し物に出席したのでありますが,率直に申し上げまして恐縮でありますが,あちらこちらで昨今の県政への強い批判,時には要望などを多く耳にしたのであります。「なかなかよくやっている」という褒め言葉や激励もあったものの,案外少なかったように感じられたのであります。これらは,ひとしく県民の偽りのない生の声であります。その際の私の説明を,擁護または弁解と受け取ったかもしれません。岡山県政史上まれに見る最長不倒距離の記録を誇る長野県政への評価は,受けとめ方により分かれるところでありますが,批判のトーンの上がった一つのきっかけは,何といってもここ一,二年間くすぶっているチボリ公園誘致問題であると察しられます。6選を前にいたしまして,県政批判をいかに察知し,肌に感じておられるのか,まず知事の所見を伺っておきたいのであります。  チボリ公園誘致問題で一言だけ触れさせていただきますが,公園設置予定地が,県都岡山市(旧国鉄岡山操車場跡地)から倉敷市(クラボウ敷地)へと舞台が移った直後,私のところへ──議長室でありますが,岡山市議会の有力な代表者2名が来られ,「何かと県議会にも御迷惑をおかけしお騒がせいたしました。倉敷市に移ったことはざんきにたえない。至極残念に思う。安宅市長にも重大な責任と反省点もあるが,長野知事と安宅市長とがさしで,理屈抜きで食事でもともにしながら,赤裸々に何度か本音の話をしてほしかった。それがあったならば,何か光明が,糸口が見つかり,もとの予定地に落ちついていたと思う」と肩を落としながら述懐されたのであります。その際の両議員の姿が今でも私の脳裏から消え去らないのであります。政治的解決,決着には理論,理屈で決まるときもあれば,人情話と笑いを交え,加えて2で割る手法で決まるときもあるのであります。失礼とは思いますが,知事,市長とも情け話と笑いの中で物事が決まるという一つの手法として,あのときそのポーズをされなかったことは,そのポーズをとることへの心遣いと思いやりが欠けていたように思われるのであります。いかなる心構えで,またポーズで臨まれるのか,知事には193余万人の県民が,市長には59余万人の市民が後ろにつき,かたずをのみながら推移を見守っていたのであります。  また,傍らで知事に対し助言,忠告を与えることのできる信頼ある立場の人にも,助言されなかったことへの心遣いの不足があると思われます。この配慮が欠けていたと思われることに対し,知事はいかように感じておられるのか,寝た子を起こすようでありますが,政治姿勢の一つとして所見を伺っておきたいのであります。  私は,議長在任中,県政を進める中で,県の首長である地位の有する権限権能の広さと強さをまざまざと至るところで見,または知り得たのであります。今は亡きノンフィクション作家大宅壮一氏が,生前中「戦後の現憲法下における内閣総理大臣の権限権能は,鎌倉幕府時代の初期に設けられました征夷大将軍に明治憲法下の天皇制時代の天皇の地位を加えたほどの力を有している」と言われたことがあります。この指摘は別として,首相はもとより,地方自治体の首長に至るまで,とにかく大変強力な権限権能,そして権力を保有しているのであります。  その主たる原因の一つは,首長が絶えずすべての許認可権の決定権の頂点にいることであります。頂点に立ち,権力を持つと,しかも長期化すればするほど部下からの助言忠告は耳に届かなくなり,みずからの言動にすべて正当性を置くこととなり,傲慢,おごり,排他性が生じてくるものと思われ,白を黒にし,また黒を白にするほどの強権力を持つこととなるといっても過言ではないものと思われるのであります。そこに,みずからを支えてくれる部下との間にも隔たりができ,その上一般社会,地域住民の民意との間にもますます乖離が生まれるものと思われます。ここまで来ると,民主政治の根幹である人民の人民による人民のための政治も,また行政もできないわけであります。不利益をこうむるのは地域とその住民であります。県行政の推進上,最高の権限権能を有する,または行使できる知事の理解する権力者とは何ぞや,またあり方について,あわせて首長という権力保有者と地域及びその住民の利益,換言すれば地方自治との関係とあり方について,政治姿勢の視点から所見を伺っておきたいのであります。  知事の姿勢についての最後は,県職員に対する処し方,思いやりについてであります。長野知事の5期20年間という長きにわたり,残された功績は大いに多としているところでありますが,知事の行政力量もさることながら,知事部局5,790余人を初め,その他の多くの県職員の優秀さと勤勉さが知事功績の基となっていることを見逃すことはできないと思うのであります。「勇将のもとに弱卒なし,賢者のもとに邪臣なし」とかよく言われます。私は,県職員の力量を高く評価し,毎日の御苦労に感謝しているところでありますが,長野知事という勇将のもとに,すぐれた兵,すなわち職員は集まっていると思われるのであります。時々,知事に「よくしかられる」と嘆く職員がおり,これは叱Л激励の意と解しますが,知事の県職員に対する評価と期待はいかようなものか,所見を伺っておきたいのであります。県職員の望む知事及び上層部の労をねぎらう思いやりの一言は,仕事への強い励みとなるものと察します。  質問の第2は,岡山市と総社市との境界付近にある吉備路史跡郷土記念物指定の矢喰天神社東隣,県有地の利用及び整備についてであります。この土地は,現在県有地となっておりますが,この土地に建っていた元軽食喫茶店「鬼ノ城」は,去る昭和56年10月初めに無許可で建てられたものであり,県の営業中止命令にも応じなかったため,県が農地法,農振法,建築基準法等の違反で告発し,告発しておいて間もなく県が土地と建物を買収し解決したといういわくつきの土地であります。私は,県が告発に勝つめどが立っているにもかかわず,県が買収したことに対する県の態度について承服できないとして,今から約10年前,昭和57年12月の定例会で知事に質問しているのであります。その際は,知事部局から質問取りやめを強く求められたのでありますが,知事答弁だけは私も一歩譲り,その当時の渡辺功副知事に答弁を許した経緯があるのであります。  また,質問の際,矢喰天神社北方五,六キロメートル離れたところにある国指定史跡高松城址周辺を,岡山市が都市公園法による地区公園として整備中と伺っているが,これとあわせて,矢喰天神社周辺一帯を,吉備路史跡保存の立場から県に整備計画があるのかどうかの点も重ねてお尋ねしているのであります。  告発して後,その当時の内海重忠建築課長は,「県が告発に踏み切るとはまれのケースで,本件については県が絶対に勝つ,また勝ってみせる。悪を追放したい。もし負けたら県行政は笑い物になる。その上,県内至るところに違法建築がはびこることとなる。県下の市町村がこの決着を見守っています」と,自信のほどを言われたことを今でも忘れることはできないのであります。その後,内海課長から連絡があり,「上層部の意向で,急遽県が買収することとなった。土地開発基金をもって4,750万円で,まことに残念」と申されたのであります。この買収方法は,黒を白にしたような処理であったのであります。買収後,被告発人は,うわさによれば「県を相手にごまかすのは簡単なものだ」と高笑いし,県を軽く見た態度をとったそうであります。渡辺副知事の答弁は「当該物件の買収は,吉備路史跡と自然景観保護保全という立場から,特例措置として処理した」と苦しい内容であったのであります。  また,県指定の郷土記念物矢喰の岩,矢喰天神社地域一帯は,将来その景観への保護保全の必要性から「岡山市ともよく協議しながら,これら地域の保全策を検討してまいりたい」と申されているのであります。私は,毎日,県が買収した用地の前を横目に見ながら行き来しておりますが,時たまお年寄りがゲートボールをしている程度で草いっぱいであります。全く,10年間手もつけずそのままであります。喜んだのは,10年前被告発人だけであります。この10年間,岡山市といかなる協議をされたのか,また高松城址から矢喰天神社にかけて,あの一帯を史跡保全も含め,岡山市と協議の上,将来いかように開発していく計画なのかどうか,知事の所見を伺っておきたいのであります。  質問の第3は,児童生徒の塾通いとスポーツ参加についてであります。最近の塾通いの傾向は,小中高の各校とも極めて激しく,塾通いをしないと学校の授業におくれ,そして自分の志望する学校へと進むことができない状態にまで追い込まれているのが現状であります。この傾向の要点は,何といっても受験地獄と言われる受験の厳しさがますます強くなっているところにあると思われます。また,最近の教師は,塾通いを児童生徒,父兄にも勧めるそうであります。これは,教師みずからが非力や努力不足を児童生徒にさらけ出すことを意味していると思われるのであります。教師みずからが家庭教師をしているケース,特に高校にかなり多いと,うわさとして伺っておりますが,その実態と小中高の各校別の最近の塾通いの実情を,まず竹内教育長に伺っておきたいと思うのであります。  みずからスポーツすることによって,健全な心身を養い,社会に役立つすばらしい人となるよう,青少年,また父兄に求めることは論をまたないところでありますが,私の総社市内でも,ここ二,三年後には,少年野球チーム編成に女子児童を入れないと試合に支障を来すこととなるとまで最近言われるようになったのであります。県下どこでもその傾向と思われます。野球でも,剣道,サッカーでも,子供たちが減少してきている,またコーチなど指導者が少ないことも手伝って,スポーツに活発さが失われている原因の一つに,塾通いの方へ子供たちが傾く嫌いがあるように思われます。最近の子供たちは,塾通い,スポーツ,習い事と極めて忙しく,のんびりとゆとりある思い出の多い少年時代を過ごしにくくなっていると思われます。私は,地元で,スポーツとボーイスカウトにも関係者として多少かかわりがありますので,強くそのことを感ずるのであります。県下の小中高の各校に対し,県教委及び市町村教委などを通じ,塾通いを極力控えさせ,スポーツに関心を持たせ,その上積極的に参加させるような指導はできないものか,その対策について教育長に所見を伺っておきたいのであります。  平成17年度開催を予定している岡山国体に備えて,今から選手の発掘と育成の必要性を考えるとき,余計に児童生徒たちのスポーツへの参加を促したいのであります。参加を求める上にぜひ必要なことは,特に小学校の場合は,PTA活動などを通じ,まず特に母親に対して参加への理解をいただくことであります。  また,フィールドワークを通じて,生きた知識と豊かな創造力を養うことを目的としたボーイスカウト活動にも,スポーツ活動と同じく入団する子供たちの数が減少し,隊の編成にも影響が出始めているのが現況であります。この傾向にも,子供たちが塾通いに流れることも一つの原因となっていると思われるのであります。ボーイスカウト活動は,社会教育活動の場として青少年の健全育成にとり大切と思いますが,ボーイスカウト活動の現況と今後の育成対策にいかように取り組んでいくのか,知事の所見を伺っておきたいのであります。  以上をもちまして質問を終わりますが,おのおの明快な御答弁をお願いいたします。 ◎知事(長野士郎君)  有可議員の御質問にお答えいたします。  どうも明快な答弁とおっしゃいますけれども,なかなか私に対する御批判は,明快な答弁になるかどうかわかりませんが,お許しを願うことになるかもしれません。  県政の評価ということでございますが,県民の県政に対する声につきましては,さまざまな機会を通じて拝聴しておるつもりでございまして,またいろいろの意見のあることも承知をいたしております。しかし,一方で,知事としてビジョンや見識を持って岡山のあるべき姿を追い求めていく,そうしてその実現に努めていくということも大切でございますので,そういう意味で,県民皆様の御意見ばかりにも,必ずしも総体を見通した御意見と,それから個々の目先の御意見といろいろあるわけでございまして,そういうものをいかにうまく調節をとりながら考えていくかというときには,あるいはそのすべての御意見に必ずしも意に沿わないということは起こり得るわけでございまして,しかし御指摘をいただきまして痛み入っておりますから,どうぞよろしくお願いいたします。今後とも,謙虚に受けとめながら,努力をしてまいりたいと思っております。  それから,チボリ公園の建設予定地の変更ということでございましたが,どうも当時の私としては,本来が岡山市の100周年記念事業でございますから,そういう意味では,私どもが主体的に物を考えるという立場になかった。常に前へ出ることを自戒自粛をしておったつもりでございますけれども,したがって,その辺に多少の期待外れといいましょうか,はずの合わなさというものが今から考えてみますとあるいはあったかもしれないという気もいたしますが,しかし同時に,あの当時岡山市長とはたしか3回ぐらいいろいろその問題について話し合いをいたしたのでございますけれども,そして市長の考え方についての確認に努めたわけでございますし,それから同時に,関係の県議会の皆様方にも大変な御心配をかけ御尽力もいただきましたし,大勢の皆さんのそのほかの御意見も種々伺ったつもりでございますが,しかしその結果,やはりあの当時予定しておりました操車場跡地での事業の推進は,これは極めて困難であると判断せざるを得なかった。そこで断念をするということになったと思っております。そういう意味で,いろいろ今から考えると,もっとやるべきことがあったのではないかというお話もありますが,そういう御指摘はまことに申しわけないという気もいたしますけれども,やはりあの当時としては,できるだけ努力をしてお互いの意思疎通に努めたつもりではありました。あるいは,私どもの努力の至らなさのゆえんが大いに原因したかもしれないと,おっしゃられてみるというと反省をしなきゃならぬのかもしれません。しかし,かねてから申し上げておりますように,それによって岡山市と県とが非常に深い亀裂が生じて何ともならぬというようなつもりはありません。私は,最後のその話のときにもそういうことを申し上げたと思います。県としても,これで変にならないようにお互いに努力しようということで別れたつもりでございまして,現在でも,地域づくりのためにはお互いに協力すべきことは協力しなきゃならぬというふうなことを考えておりまして,その後も,いろいろな問題で岡山市長とも意見を交わしながら,よりよい地域づくりのために努力をしておるつもりでございまして,御了解を願いたいと思うのであります。  それから,知事の権限や権能が非常に強大で,白を黒とでも言えるんじゃないかというようなお話がございましたが,そういうことは決してございません。ひとつ私どもも,そういう訓練だけはしてきたつもりでございますから,そういうことになることが一番許されないことであるということを自粛自戒はいたしておりまして,これからもそういうつもりで努力をしてまいりたいと思います。住民の皆さんの幸せの実現のために努力をしていく。そのために許認可というものが役に立つのなら,それを活用するということはこれは当然でありましょうけれども,それはもちろん適切に行使されなければならないものであることは言うまでもございません。今後とも,そういう意味で常に謙虚な姿勢を保ちながら,自粛自戒,反省を重ねて,適切に行使をしていくということは,これは肝に銘じて努力をしてまいりたいと思っておりますので,御了解を賜りたいと思うのであります。  それから,県職員に対する評価はどう思っておるかと,職員はよくしかられていると言うではないかというお話ですが,これは私ははっきり申しますが,多少口のよくない方でございますから,多少無礼なことや率直に物を言うかもしれませんけれども,決して私利私欲,あるいは何か私ごとの関係で物を言ったつもりは一つもございません。私は,専ら仕事の上でのやりとりだけをしておるわけでございまして,そういう私情を差し挟んで考えたことはございませんから,意見が違うときに,いろんな話をするときに,先方はしかられたというのは本当はしかられちゃいませんけど,よそで言う照れくささでそんなことを言ってるんだと思いますけれども,それはまた別の言い方でございまして,職員に対する評価や期待ということでありますというと,私は,今まででも幾つかの県や幾つかの役所で経験をしたこともございますけれども,そのレベルや程度から言いますと,それはこの県の職員は非常にすぐれております。非常によくできると思います。それは,ある意味で傑出してできると言ってもいいかもしれません。大変に優秀で勤勉であるということでございまして,そこで今までの県政の推進,あるいはいろんな実施ということが,円満に円滑にいったということになるためには,当然ながら職員の大変な努力がカバーしてくれたということでございますから,私には,そういう余り優しく丁寧に物を言うということは,これは戦中派でございまして,そういう言い方は下手くそでございますから余り言っておりませんが,心のうちでは日ごろの苦労を大いに多としており,感謝しておるわけでございまして,職員もそのことはよく知ってくれてると思っております。長いつき合いでございますから,そのぐらいのことは知ってくれてる。大変信頼をいたしておるところでございます。職員にいつも申しますように,やはり自分たちが知事になったつもりでひとつ物事の判断をしてもらいたいということでございまして,そういう意味で,大いに見識を持って努力をしてもらいたいということを常日ごろ申しておりますし,期待もいたしておりまして,私の期待にはかなうような仕事を随分してくれたと思っております。そういう意味では,大変感謝しておるということを申してもいいかと思っておりますが,何さま口が下手でございますから,余り気持ちのいいようなくすぐるようなことは余り言わぬ方でございまして,どうぞよろしゅう願いたいと思います。  それから,もとの喫茶店の跡の話でございますが,これはいろいろいきさつがあるということで,私も記憶は十分ではありませんけれども,つまり県が買収いたしました。その買収した土地とその跡地の西側,つまり喫茶店の土地とそれからその西の矢喰の宮に至る間の土地も追加買収をいたしまして,そうして岡山市と協議をいたしまして,それを一応園地として県が一応整備をするから,そこで地元の町内会でそれを管理してもらうというようなことにいたしたわけであったと思います。また,その園地の西側の水田というのは,平成3年度まではいわゆる朝日米の有機無農薬栽培実証展示圃として利用しておったわけでございますが,その園地も,それから水田の方も,実は180号線の拡幅工事,それからつけかえ道路用地として今年度から工事が始まることになっておるもんでございますから,一応そういうことがわかっておりますだけに仕事を見合わせておるというのが現状でございます。  私も,行き帰りをするたびにあそこを実は通るわけでございます。そうすると,本当におっしゃいましたようにいい形にはなっておりません。どうも余りよろしくないなと。ゲートボール場にしましても,あれ片一方のところが高いのがこう低くなってますから,あれは玉がスライスするだろうといつも思っておりまして,これは何か考えなきゃいけないなと思っておるのが私の個人的な印象でございますが,今後の利用計画につきましては,そういう道路の整備その他の一応の見通しがつきました上で岡山市とも協議をいたしまして,つまり歴史的な価値といいましょうか,あるいは伝説的な価値かもしれませんけれども,そういう吉備路の古い歴史のロマンか伝説のあるところの場所でございますから,自然景観にも配慮しながら検討を進めてまいりたいと思いますので,御了承を賜りたいと思うのであります。  それから,ボーイスカウトの活動状況ですが,今後の問題としましては,そもそもボーイスカウトというものは野外活動を中心としましての活動を通じて,青少年に社会に奉仕できる能力と,そういう人生で役立つ技能を体得させると。そして,誠実,勇気,自信及び国際愛を実践できる青少年の育成というものを目的として活動を展開しているわけでございまして,現在,加盟団員が約2,200人,団員数の多少の減少はありますものの,健やかな青少年を育成するために,野外活動,健康づくり,ボランティア活動などを行いますとともに,1個団が1人のスカウトということを目標にして組織の拡張にも努めておるところでございます。今後とも,その活動の促進に努めてまいりたいと考えておる次第でございまして,御了承を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  有可議員の質問にお答えをいたします。  まず,塾通いの実情についてでございますが,高等学校の教員の家庭教師の実態につきましては把握ができていないのが現状でございます。教員は,自己の使命を自覚をし,その責務の遂行に努め,保護者の信頼を得るように従来から指導をしてきておるところでございます。  児童生徒の学習塾通いの実態につきましては,昭和62年度の本県の調査によりますと,小学生で18.8%,中学生で52.2%となっておりまして,増加の傾向にあると思っております。そのため,過度の塾通いとならないように,保護者や関係者への理解と協力を求めますとともに,教員が指導方法や評価を工夫改善し,子供たちが充実感を持って学習に取り組めるよう学校教育の充実を図ってまいりたいと,このように考えております。  次に,スポーツ参加の指導と対策についてでございますが,少年期におけるスポーツ活動による人間形成は極めて重要でありまして,少年スポーツ教室の開催や指導者の養成,資質向上に取り組んでいるところでございます。近年の児童数の減少傾向もありまして,スポーツ少年団の登録者数も減少をしてきております。今後,学校週5日制の趣旨を踏まえ,家庭や地域での多様な生活体験を重視すると,そういう観点に立って保護者の理解を得ながら地域でのスポーツ活動への積極的な参加を促進してまいりたいと考えております。  また,岡山国体に備えては,ジュニア層から長い目で取り組むことが重要でございますので,発達段階に応じたスポーツ活動の充実に努めながら,計画的に選手を育成してまいりたいと,このように考えておるところでございます。御了承を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆50番(有可洋典君)  勇将という,長野知事に対して私もぎりぎりのことを聞いたんでありますが,御答弁もぎりぎりのところだったというように思います。それはそれといたしまして,知事も,私が聞きました元喫茶店の鬼ノ城周辺を,時々ということを言われましたけど,私は1日に2回見とるわけですね,往復。10年間でありますから,相当,もう通るたびにあそこを思い出して見るわけでありますが,今御答弁の中では,国道の拡幅に伴いというか,そこを待ってということを言われたんですが,国道180号の拡幅工事とあそこの場所というのはそう関係ないと思います。もっと北側が関係あるわけでありますが,高松城の城址にひっかけてあの一帯をどうするかということでありますので,どうも主たる原因にはとりにくいわけであります。国道の拡幅をしばらく待ってという言い方はそのように思います。  それで,10年間こういう放置状態にあるわけでありますが,10年前にああいう特別な方法をもって買収されたわけでありますから,これは全く超法規であった。ですから,買収方法は超法規でできるなら,私は整備計画も超法規でできると思うんです。今さっきは,いろいろのいきさつがあってということを言われましたけども,そのいきさつは私も自分なりに知っとりますけども,そういういきさつ上,超法規でお買いになったんだったら,私この整備計画も超法規でできると,こう思っていますんで,その点だけ確認をいたして再質問といたします。 ◎知事(長野士郎君)  有可議員の再質問にお答えします。  しかし,私は,今の記憶で間違いなければですね,買収を法律など無視してしたということにはなっていないと思います。やはりこれはあくまでも合法的に買収しておるんでありまして,超法規というようなことはそういうときに考えたことにはなってないだろうと思うんです。したがって,超法規で買収できるんだから超法規でやれなんちゅう,超法規をそう重ねられても困りますから,やるのはその状態に応じて妥当な線で考えていくということでひとつお許しを願いたいと思います。  以上でございます。 ◆18番(岡田信之君)  私は,日本共産党を代表して,討論に参加をいたします。  初めに,議案第68号県職員の週休2日制実施のための条例改正案についてであります。  先進国に類例のない我が国の長時間過密労働を解消する方策の一つとして,週休2日制の実施は労働者にとって当然の要求であり,また我が党はこれに賛成をするものであります。同時に,今回の措置が県職員の実質的な労働時間短縮,負担の軽減をもたらすものでなければならない,このことを指摘をしたいと思います。  本県では,この十数年来,事務事業量の増大と裏腹に行政改革の名による人員の削減が進んでおります。その数はこの18年間で知事部局のみで405人にも及んでいるのであります。また,営利会社であるチボリ・ジャパン社への職員派遣や倉敷駅北昭和宮前線の整備への職員張りつけなど,偏った人員配置が随所に見られます。それらのことから,1カ月200時間を超える残業が珍しくない,有休,夏期休が消化できない,サービス残業が横行するなどの状況が常態化いたしております。職員の健康がむしばまれ,昨年度うつ病などの精神障害を中心に30名に及ぶ長期療養者があったことも先日近藤議員が指摘をいたしました。これらの現実から目をそらし,形ばかりの週休2日制を実施するのみでは何ら問題の解決にならないのであります。何よりも事務事業量の増大と県民要求の多様化にこたえ得る職員数の抜本的な増員を図ること,これこそが職員の健康を守る上でも不可欠であると考えます。その旨強く意見を付して本議案に賛成をするものであります。  次に,陳情第90-1号,これは国家公務員の定数削減計画に反対するなどの意見書提出を求めるものであります。陳情の趣旨にもありますように,航空管制官や気象庁職員,輸入食料品の防疫検査官,法務局やあるいは国立病院,療養所の看護婦を初め国民生活防衛の第一線で働く公務員労働者の定数削減が,国民の安全,健康,暮らしへの脅威となっておるばかりか,これら労働者の過重な負担をもたらし,ひいては我が国労働者の労働条件改善を目指す方向にも逆行をするものであります。したがって,定数削減に反対し,大幅増員を求めるなどの意見書提出は,国民,県民の願いに合致するものであり,本陳情は採択すべきものと考えます。  次に,請願第13号は,同和諸施策の一般対策への円滑な移行を実現するため,事業内容の適正化などを求める意見書の提出を願意といたしております。地対財特法の期限切れに当たり,国民融合と自立自助を基礎にして,21世紀に差別を持ち越させてはならないと最終的な国民的努力がなされております。本請願は,国の地域改善対策協の意見具申や政府の発表した今後の地域改善対策に関する大綱の趣旨に沿いながら,1つ,今後の措置に当たって一般対策への円滑な移行を明確化し,経過措置に限定した事業内容とすること,2,物的な残事業を精査して,早期に完了させること,3,行政の主体性の確立,同和関係者の自立向上の涵養,えせ同和行為の排除,同和問題についての自由な意見交換のできる環境づくりなどを求めているのであります。これこそが長い不幸な我が国の差別の歴史に終止符を打つ方向であります。これを不採択にする理由は全くありません。我が党は本請願の採択を強く主張をいたします。  続いて,請願第12-1号は,行き届いた教育を求めることについてのうち,生徒急減期の私学における教育条件のため助成の大幅拡充を求めるものであります。県民にその学力に応じてひとしく教育を受ける機会を保障することは行政の責務であります。とりわけ,公立に比べ過大な父母負担が強いられ,学習条件のおくれております私学に対して行政が助成措置を拡充することが求められております。私立高校教職員と父母,県民が共同して取り組んでおります私学助成充実を求める署名運動は,毎年70万人に及び,県内有権者の過半数を超える圧倒的な県民世論であります。そのような中で,今生徒急減期に入り,私学経営や学習条件の悪化,父母負担の増大が強く懸念される今日,本請願を採択し,県当局の助成策の抜本的な改善を行うべきであると考えるものであります。  最後に,陳情第88号は,子供の権利条約の早期批准と実行を政府に働きかけることを求めております。この条約は,すべての子供が人間として尊重され,成長する権利を確認し,そのための必要な諸条件を整えることなどを各締結国に求めるものであります。1989年11月,国連総会で全会一致で採択されて以来,既に世界113カ国以上で批准を終えております。また,我が国でも過半数の都道府県議会が早期批准を求める決議を終えております。さきの国会で,政府提案は継続審査となったわけでありますけれども,次期国会における早期批准の実現を求める立場から,本陳情は今議会で採択すべきである,このように考えるものであります。  以上,討論を終わります。 ◆32番(久永茂君)  総務委員会に付託されました議案6件及び請願陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,議第60号は,岡山県立大学造成工事について工事委託契約を締結しようとするものであります。 次に,議第67号岡山県職員特殊勤務手当支給条例の一部を改正する条例は,職員の特殊勤務手当の額を適正な額に改める等所要の改正を行うものであります。 議第68号職員の勤務時間,休日及び休暇に関する条例及び岡山県の休日を定める条例の一部を改正する条例は,平成3年10月7日付週休2日制等に関する人事委員会の報告にかんがみ,国家公務員に準じて完全週休2日制を実施するため,すべての土曜日を勤務を要しない日とするとともに,県の休日とする等所要の改正を行うものであります。 議第69号岡山県吏員恩給条例等の一部を改正する条例は,恩給法等の一部改正に伴い,県吏員の恩給についてもこれに準じて必要な措置を講ずるものであります。 議第70号岡山県税条例の一部を改正する条例は,地方税法の一部改正に伴い,個人の県民税について,みなし法人課税を選択した場合の課税の特例措置を廃止する等所要の改正を行うものであります。 また,報第3号は,知事の専決処分した庁用自動車の事故に係る和解及び損害賠償額の決定についてであります。 委員会は,去る26日に開催し,関係当局者の出席を求め,慎重に審査した結果,これら議案はいずれも必要な措置と認め,全会一致をもって原案を可決または承認すべきものと決しました。 請願陳情につきましては,お手元に配付いたしております審査結果報告書のとおりそれぞれ措置すべきものと決しました。 以上,報告申し上げます。 ◆12番(中塚正人君)  商工警察委員会に付託されました議案2件に対する審査の結果について御報告申し上げます。 議第61号は久米工業団地造成工事について,議第62号は熊山工業団地造成工事について,それぞれ工事委託契約を締結しようとするものであります。 本委員会は,去る26日に開催し,関係当局者の出席を求め,審査を行いました結果,議案2件はいずれも必要な措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆25番(天野学君)  農林委員会に付託されました議案1件及び請願に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 議第65号公有財産の取得については,岡山フルーツ・フラワー公園(仮称)整備用地として,土地開発公社が先行取得した用地を取得することについて,議会の議決を求められたものであります。 本委員会は,去る26日に開催し,審査の結果,必要な措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 請願につきましては,お手元に配付しております審査結果報告書のとおり,不採択とすべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆15番(千田博通君)  土木委員会に付託されました議案4件及び陳情1件に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,議第59号は,県道高梁建部線の道路改良・橋梁整備合併工事について工事請負契約を締結しようするものであります。 また,議第63号は,児島湖流域下水道浄化センター建設工事について工事委託契約を締結しようとするものであります。 次に,議第66号は,県道岡山賀陽線,いわゆる吉備新線の道路用地を岡山市芳賀地内において取得しようとするものであります。 次に,議第71号岡山県風致地区条例の一部を改正する条例は,公害防止事業団法等の一部改正に伴い規定の整備を行うものであります。 本委員会は,去る26日に開催し,関係当局者の出席を求め,審査を行いました結果,これら4議案はいずれも必要な措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 陳情につきましては,お手元に配付いたしております審査結果報告書のとおり,採択すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆14番(三村峰夫君)  文教委員会に付託されました議第64号は,岡山県津山陸上競技場(仮称)施設整備工事について工事委託契約を締結するものであります。 本委員会は,去る26日に開催し,関係当局者の出席を求め,慎重に審査を行いました結果,本件は適切妥当な措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。...