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平成26年11月定例会(第2日目) 名簿
平成26年11月定例会(第2日目) 本文

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  1. 島根県議会 2014-11-02
    平成26年11月定例会(第2日目) 本文


    取得元: 島根県議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-26
    島根県議会会議録検索 検索結果一覧へ戻る 検索をやり直す (このウィンドウを閉じます) 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成26年11月定例会(第2日目) 本文 2014-11-27 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 56 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長岡本昭二選択 2 : ◯議長岡本昭二選択 3 : ◯議長岡本昭二選択 4 : ◯議長岡本昭二選択 5 : ◯原成充議員 選択 6 : ◯議長岡本昭二選択 7 : ◯知事溝口善兵衛選択 8 : ◯議長岡本昭二選択 9 : ◯政策企画局長丸山達也選択 10 : ◯議長岡本昭二選択 11 : ◯地域振興部長西山彰選択 12 : ◯議長岡本昭二選択 13 : ◯健康福祉部長原仁史選択 14 : ◯議長岡本昭二選択 15 : ◯警察本部長福田正信選択 16 : ◯議長岡本昭二選択 17 : ◯珍部芳裕議員 選択 18 : ◯議長岡本昭二選択 19 : ◯知事溝口善兵衛選択 20 : ◯議長岡本昭二選択 21 : ◯政策企画局長丸山達也選択 22 : ◯議長岡本昭二選択 23 : ◯農林水産部長石黒裕規選択 24 : ◯議長岡本昭二選択 25 : ◯教育長(藤原孝行) 選択 26 : ◯議長岡本昭二選択 27 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 28 : ◯中島謙二議員 選択 29 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 30 : ◯知事溝口善兵衛選択 31 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 32 : ◯健康福祉部長原仁史選択 33 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 34 : ◯農林水産部長石黒裕規選択 35 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 36 : ◯病院局長(松本功) 選択 37 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 38 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 39 : ◯尾村利成議員 選択 40 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 41 : ◯知事溝口善兵衛選択 42 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 43 : ◯環境生活部長(鴨木朗) 選択 44 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 45 : ◯健康福祉部長原仁史選択 46 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 47 : ◯教育長(藤原孝行) 選択 48 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 49 : ◯尾村利成議員 選択 50 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 51 : ◯知事溝口善兵衛選択 52 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 53 : ◯環境生活部長(鴨木朗) 選択 54 : ◯副議長(小沢秀多) 選択 55 : ◯健康福祉部長原仁史選択 56 : ◯副議長(小沢秀多) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:        午前10時2分開議 ◯議長岡本昭二) おはようございます。  これより本日の会議を開きます。  日程第1、「議員辞職の件」を議題といたします。  和田章一郎議員から、辞職願が提出をされました。  「和田章一郎議員の議員辞職の件」を議題といたします。  地方自治法第117条の規定により、和田議員を除斥いたします。  〔和田章一郎議員除斥〕 2: ◯議長岡本昭二) まず、職員に辞職願を朗読させます。  〔職員朗読〕         辞 職 願  このたび、一身上の都合により島根県議会議員 を辞職いたしたく、許可いただくようお願い申し 上げます。    平成26年11月27日         島根県議会議員 和田 章一郎  島根県議会議長岡本昭二殿 3: ◯議長岡本昭二) お諮りいたします。  和田章一郎議員の議員辞職を許可することに賛成の議員の起立を求めます。
     〔賛成者起立〕 4: ◯議長岡本昭二) 起立全員。  よって、和田章一郎議員の辞職を許可することに決定をいたしました。  日程第2、「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を行います。  これより一般質問を行います。  質問の通告がありますので、議長が指名して順次発言を許します。  原議員。  〔原成充議員登壇、拍手〕 5: ◯原成充議員 自民党議員連盟の原成充でございます。  知事を中心に、6項目にわたってお尋ねをしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  さて、安倍総理は、昨今の経済情勢をにらみながら、来年予定をしていた消費税の再増税を実施すべきかどうか、考え抜いてこられたところであります。その結果、増税は18カ月延期し、その時点で実施をすると明言されたのであります。もし実施ができなければ責任をとるとまで言って、みずからの経済財政政策の是非を国民に信を問うべく、解散に踏み切られたのであります。  総理の解散権は何人といえども侵すことのできないものであることは承知をしておりますが、現今の経済社会情勢のもとでの解散について何か所感があれば伺いたいと思います。  次に、知事は11月19日の本会議において、3選出馬の意思を表明されたところであります。県財政の健全化、産業振興、企業誘致等、2期7年半の実績を述べられた上で、地方創生事業や人口減少問題など多くの課題が山積みしているとの認識もあわせて示されたところであります。  知事が今後の県政に臨む決意として述べられたことは、私たちには十分理解できるところであります。しかしながら、その内容は余りにも各般にわたっており、知事の思いが県民の皆様に通じるのか、心配をするところであります。  知事が次の4年間において重点的に対応したいと思っておられる内容はどういうものか、所見を伺うものであります。  次に、私は、前議会において多くの議員が質問されました地方創生、人口減少対策に関し何点かお尋ねをしたいと思っております。  増田元総務大臣の指摘をまつまでもなく、本県は既に人口70万人を割り、毎年5,000人程度の人口減少が続いており、各自治体は大きな不安を感じているところであります。先ごろの新聞報道によりますと、平成の大合併が行われた2004年の旧市町村の人口比較において、人口がふえたのはわずか1市3町にとどまっており、周辺部の人口減少が加速してるようであります。  このような状況の中、政府におかれましては、地方創生担当大臣を任命し、まち・ひと・しごと創生本部を設置されたところであります。人口減少は国力低下を招き、地方の衰退に直結することは自明の理であり、当然といえば当然のことであったのであります。しかしながら、国もようやく本腰を入れる気になってくれたのかと一応の評価をしながら今後の対応に期待をするものであります。  さて、50年後に人口1億人を維持するために創生本部が掲げた3つの基本的視点、若い世代の就労、結婚、子育ての希望の実現、東京一極集中の歯どめ、地域の特性に即した地域課題の解決は、一地方の問題だけではなく全国共通のものであり、我が国の最大の課題とも言えるものであります。本県におきましても、その対応の重要性、必要性に鑑み、知事、議長を先頭に、毎年、国に対し要望活動を続けているところであります。まさに百年の大計とも言うべき地方創生の実現のためには、国民全ての協力と政府挙げての取り組み、とりわけ首相の強力なリーダーシップが求められるところであります。  そこで、何点か具体的にお尋ねをいたします。  全国自治体から出された地方分権に関する要望は中央省庁の第2次回答においてわずか23%しか認められなかったとする10月29日付の内閣府の発表についてであります。この数字を見る限りにおいては、地方創生本部の基本目標にもとるものであり、地方創生担当大臣や首相のふだんの発言や思いを各省庁は無視しているのではないかと思えるところであります。  この件に関し、知事はどのように受けとめておられるのか、御所見を伺うものであります。  次に、国はかねがね、人口減少対策として、地方の知恵と工夫を示せ、そうすれば予算をつけると声高に発言をしているところであります。そこで、本県におきましても、国の声に応えるべく、8月、10月、2度にわたって市町村長との意見交換会が開催されたところであります。  第1回会合で出された要望内容は、企業分散を促す仕組みづくり、医師確保対策、子どもの医療費や保育料の軽減への一層の財政支援、空き家対策への総合的な取り組み等であったと、知事はさきの議会で答弁をされているのであります。  2回目の意見交換会における各市町村長の発言内容を見てみますと、各市町村長の皆様が市町村運営上かねてより課題であると考えられており、国や県に要望されている内容の列挙であったように感じられたところであります。国が求める人口増への知恵や工夫を出すことの難しさを改めて感じているところであります。  2回にわたる市町村長との意見交換会を通じ、どのような感想を持たれたのか、伺うものであります。  また、10月11日の新聞報道にありますが、本県は、人口社会増への対策として、県外のひとり親に安価な住居と雇用の場を紹介する上、資格取得や移転費用を負担する事業を検討されてるようであります。その事業の考え方について伺うものでございます。  次に、益田市の人口拡大計画には力強い施策があり、発展の可能性が高く、西部の牽引役であると高く評価をされてるようであります。他の市町村との違いは何なのか、また高く評価されている益田市の人口拡大計画とはどういうものなのか、お知らせをいただきたい、そのように思うものであります。  次に、知事はさきの重点要望活動に当たり、議長とともに上京され、地方創生、人口減対策として、新たに5府省に対し、本県及び市町村の率直な声を届けられたところであります。本県の新たな提案、要望に対する5府省の反応と評価はいかがであったのか、また27年度予算への反映の可能性はどのように感じられたのか、伺うものであります。  また、消費税増税が延期されたことによる税収不足は本県の要望事業にどのような影響があると考えておられるのか、伺うものであります。  次に、高齢者対策についてお尋ねをいたします。  地方創生事業や人口減少対策は、若者向けだけの課題ではなく、高齢県と言われる本県においては、高齢者の方々への対応もまた重要な課題であると考えるものであります。  健康寿命、平均寿命がともに延びている今日とはいえ、本県の中山間地に見られる限界集落は18%増の536カ所に上り、高齢化が進んでいるのであります。私は、中山間地における冬場対策や、町部に暮らす1人または2人だけの高齢者の方々の生活不安の解消、安全・安心な生活環境の確保こそが、人口流出の歯どめの一つとなるものと考えるものであります。  厚生労働省は、2025年問題への対応として、今後の高齢者対策は在宅福祉であると位置づけ、医療・福祉・介護の連携を軸に、それぞれの地域に合った地域包括ケアシステムの構築を各自治体へ強く要請をしているところであります。そして、各自治体は、その構成メンバーとしては、社会福祉協議会、NPO法人、福祉団体、社会福祉法人等を念頭に置いているところであります。  現在、介護事業における利用料の値上げ、多床室における利用料の徴収、不足している介護職員の確保に多大な影響を及ぼす介護報酬の大幅な引き下げ、また社会福祉法人への新たな課税等が検討されてるようであります。国の財政が逼迫しているとはいえ、このようにケアシステムの構築に協力姿勢を示している各種団体の皆様の感情を逆なでするような国の方針のもとで、地域包括ケアシステムの構築は果たして可能だと思われますか、見解を伺うものであります。  また、この4月に実施されました消費税の値上げに際し、地方交付税で対応するとされていた消費税の補填に関し、養護老人ホームの措置費についてお尋ねをいたします。  県が所管されております軽費老人ホームの利用料への対応は既に実施されているようでありますが、市町村が所管している養護老人ホームの措置費においてはいまだに実行されていないように伺っております。市町村への指導と対応はどうなっているのか、お尋ねをするものであります。  また、消費税再アップが延期された以上、財源不足を生じることは当然のことであります。来年10月実施予定であった消費税アップを前提に計画をされていた介護保険事業に多大な影響が出るのではないかと懸念するものであります。これについて御所見をお尋ねするものであります。  次に、社会福祉法人への法人税課税についてお尋ねをいたします。  自民党税制調査会は、10月9日、幹部会合を開き、2015年度税制改正の議論を始めたところであります。安倍首相が指示をされました法人減税の具体策と減税分の財源確保が焦点のようであります。  消費税3%アップにもかかわらず、諸施策の実施のためには財源が不足しているのが実態であります。消費税の増税が延期された以上、税収減は当然のことであります。人口減対策、地方創生対策など、安倍首相が新たに掲げた政策の遂行のためには、長期にわたる膨大な財源確保が必要となってくることもまた事実であります。財政再建とのはざまの中で苦しい財政運営が強いられることも十分予想できるところであります。こうした情勢の中、財源確保の一環として、突如、社会福祉法人への法人税課税の問題が惹起してきたのであります。  社会福祉法人は、高齢者福祉の観点からいえば、養老院と呼ばれた100年以上前から、私財を投じて弱者救済に励み、その後、国が追認する形で行ってきた措置制度へ、そして現在の介護保険制度へと移行してきたのであります。過般、全国老人福祉施設協議会は、自由民主党介護福祉議員連盟、地域の介護と福祉を考える参議院議員の会の方々とともに、非課税措置の堅持を強く申し入れを行ったところであります。  私は、超高齢化、人口急減社会が予想される今日、福祉的セーフティーネットの根幹を担う社会福祉法人への法人税課税は、いかに新たな財源確保のためとはいえ拙速過ぎるのではないかと考えるものであります。知事の御所見を伺うものであります。  次に、認知症対策についてお尋ねをいたします。  認知症の高齢者は全国で862万人以上と推計されており、認知症が原因で徘回し、自分の住所がわからず、身元がわからないまま施設等で保護をされてる人が、毎年相当数に上ってるようであります。本県でも、平成25年度における身元不明者は26人、帰るべき家がわからず警察に保護された人が22人に上っているようであります。  認知症は、高齢者に限らず若年の方々にも散見されるところであり、その原因と療法は確定されていないのが実情であります。認知症の一部の方々は、特別養護老人ホームやグループホーム等において受け入れてはいるものの、大半の方々は、在宅介護の名のもとに家族に頼っているのが実態であります。  ところで、愛知県で起きた、徘回癖のある認知症男性が電車にはねられ死亡し、その方の奥様が監督責任を問われ損害賠償を求められた事件は、皆様の記憶の中に残っているであろうと思うわけであります。この件に関する原告でありますJR東海は、男性の妻の責任を認めた上で和解の勧告をした名古屋高裁の勧告内容を不満とし、最高裁に現在上告中なのであります。  この件に関し、さきの6月議会において、石原議員の質問に対し、知事は次のように答弁をされております。個人的な感情としては釈然としない感じがする、社会的救済制度として損害賠償保険制度のようなものをつくることを国も考えるべきだと厚労省にも問題提起をしたいと答弁をされたところであります。私も全く同感であります。  そこでお尋ねをいたしますが、8月に厚労省に対し問題提起をされたと聞いておりますが、厚労省の反応はいかがであったのか、お知らせをいただきたいのであります。  国が新しい制度を創設する場合には時間がかかるのが常であります。もし国において早急な対応が困難な場合は、本県独自の損害賠償保険制度の創設を考えていただきたいのでありますが、御所見を伺うものであります。  また、社会福祉法人におきましては、各自、損害賠償保険に加入しておりまして、監督責任が問われれば賠償金の支給が受けられることになっております。  そこでお尋ねをいたしますが、社会福祉法人以外の介護施設における損害賠償保険への加入状況はどうなっているのか、わかればお知らせをいただきたいのであります。  次に、9月17日、大阪府警が全国初の試みとして発表いたしました身元不明迷い人台帳の配備についてお尋ねをいたします。  認知症による徘回などで府内で保護された人の写真つき台帳を全65警察署に置くとしたものであります。今後さらにふえるであろう認知症者にとっても、また家族にとっても朗報であり、画期的な対応であると高く評価をするものであります。  徘回癖のある認知症者の行動パターンは一律ではなく、家族や施設職員の大きな悩みの一つであります。本県におかれましても大阪府警と同じように対応をしていただきたいと思うのでありますが、御所見を伺い、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 6: ◯議長岡本昭二) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 7: ◯知事溝口善兵衛) 原議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初の御質問は、衆議院解散についての所感を問うと、こういう質問でございます。  今回の解散につきましては、安倍総理は、消費税率の引き上げを延期した上で、経済政策アベノミクスをさらに前に進めていいのかいけないのか、国民の信を問うために衆議院を解散するという説明をされておられます。  このアベノミクスにつきましては、これまで一定の成果を上げているという評価があります一方で、メディアなどからは、実質賃金の減少や国内総生産の2・四半期連続のマイナスが生じ、アベノミクスの効果が地方や非製造業、中小企業などに行き渡っておらず、国民の間で経済格差が拡大をしているといった批判も見られるのであります。これに対しまして政府・与党は、それでは批判する人々はどのようにやって日本経済の再生を実現するのか具体的方法を示すべきであると、こういう論議もされておられます。  このように、アベノミクスに関しましてはいろんな議論が国内にあるわけでございますし、また国政の場におきましては、エネルギー政策、人口問題対策、安全保障など重要課題が山積をしておるわけでございまして、国政としてどのように対応するのか、国民の皆さんがどのように考えているのか、それを選挙戦を通じて議論をされ、議論が深まることが大事だというふうに感じておるところであります。  次の御質問は、私が今議会の冒頭で、県民の皆様の御支持が得られるのであれば引き続き県政を担わせていただきたいと、そのために全力を尽くしますと、こういう発言をしたことに関連しまして、次の4年間において重点的に対応したいと思っている内容についての御質問でございます。  私は、今申し上げました議会初日での表明の中で、「住みやすい地方の先端県しまね」を目指して、大きくくくりますと3つの点を上げまして私の考えを説明したところでございます。  第1に、やはりこの島根で人口などが減っておりますのは、若い人たちが、いい職場が大都市でどんどんふえてまいりますから、それを求めて、特に高度成長期に多くの若者たちが島根から出ていきました。そのために、島根の人口構成の中で若い人の数が減ってきたわけでありまして、若い人の数が減りますと生まれる子どもの数が減るということでございまして、この問題に取り組むためには、やはり島根の地で産業を興し、若者が安心して安定して暮らせる職場を、雇用の場をつくるということが最も大事でございます。  そしてまた、島根などにそういう職場がなかなかできにくかった一つの理由として、やはり大都市から非常に遠かったと。物を運ぶのにも、あるいは情報を得るにも非常に遠いということがあったわけでございまして、そのために、発展の基盤として欠かせない山陰自動車道などインフラの整備を進めていく必要があるということを申し上げました。  第2に大ぐくりにしますと、そうした中で県民の方々が生き生きと暮らせる社会の構築を目指してまいりますと、未来を担う子どもたちの教育を充実をしていくと、これが大事な課題でございます。そして、女性の方々が働きやすい環境を整備してまいります。そして、障がい者の方々あるいは御高齢の方々を始め県民の皆さんが安心して暮らせる医療・介護・福祉の充実を図っていくということを申し上げました。  3番目の大ぐくりの考え方として、県内各地域でいろんな特色があるわけでございまして、各地域の特色に対応した振興を図っていくということが大事であります。離島、中山間地域を含め、各地域にはそれぞれの優位性があるわけでございますし、資源もあるわけでございます。そうしたものを生かして、均衡ある発展を目指していくということでございます。  県内を大ぐくりにしますと、中海・宍道湖圏域を抱える県東部では、山陰をリードする中核的な拠点都市の役割を強化していく必要があります。また、県西部では、海岸沿いの4つの市が、産業の振興あるいは医療、介護などで拠点的な役割を果たしておるわけでありまして、その役割を強化をしていく必要があると。また、人口減少が著しい中山間地域、離島におきましては、地域の特性を生かし、これまでもいろんな地域振興、産業振興の努力が行われておりまして、それを強力に推進強化をしていく、それが必要であるというふうに考えておるところであります。  次に、地方を大事にするという政府の考え方の中で、地方からの地方分権改革に関する提案に対する政府からの回答が非常に消極的なものである、これについての見解を問うと、こういう質問でございます。  議員御指摘のとおり、地方からの提案に対し各府省から実現の方向で回答があったものは23%にとどまっており、非常に残念に受けとめております。本来、地方分権改革は、国と地方が適切な役割分担を行い、行政の質と効率を上げながら、それぞれの地域に応じた最適な政策を行うことで住民福祉の向上を図ることが目的であります。したがいまして、国と地方の見解が異なる場合には、住民福祉の向上につながるよう、両者が納得をして結論を得る、そのプロセスを大事にするということが重要であります。  今後、政府の地方分権改革推進本部により対応方針が示されるわけでございますが、それが最終決定されるまでの間に、政府におかれましてはさらに議論を深められ、国と地方が納得し得る結果が得られるよう取り組んでいただきたいと考えているところであります。  次に、今、国が進めようとされております地方創生の動きに対して県としてどのように国に申し入れていくべきかということで、各市町村の首長の方々とそれぞれ2回にわたって意見交換をしたわけでありますが、それについての感想いかんと、こういうことでございます。  意見交換により特に感じましたことを、次の3点について申し上げます。  第1に、市町村ごとに見ますと、人口の増減にはさまざまな要素が絡まっております。県内においても、地域によって状況が異なっておりますし、課題もさまざまでございまして、こうしたさまざまな状況に対して的確に国も県も対応していくということが大事であるというのが第1点であります。  こうした中で、島根では従来から、市町村ごとに地域の特性を生かした産業振興や定住促進の取り組みが苦心をしながら進められてきておるのでありまして、この方向での支援をぜひ強化をしてもらいたいという声がございます。  第3に、国はそうした地域の課題や取り組みに対し、それぞれの実情に合った支援を、きめ細かな支援をお願いしたいと。我々も努力をしますけども、これまでもやってますし、その上にやりますと、そういう状況をよく見てもらいたいというのが市町村の方々の御意見でございます。  そして、人口問題についての市町村の方々の発言について申し上げますと、特効薬的な施策はなく、産業振興や教育、福祉の充実などさまざまな施策を組み合わせることが必要だと。そうした組み合わせを行うのは、それぞれの市町村の中で総合的に考えながらやる必要があるということでございます。  それから、2番目の発言として、市町村は厳しい財政状況の中、財源の捻出に取り組んでおりますが、これを拡充するためには国の財政支援が必須であるということを言っておられます。この問題は、地方の取り組みだけで解決することは困難であり、地方に支援をすると同時に、国が日本全体としての出生率向上に向けて国全体としての子育て支援などを充実強化をする必要があると、こういう御指摘であります。また、企業誘致や産業振興などに必要な高速道路、高度情報通信網などのインフラが未整備な地域を早急に解消する必要があるといった発言でございます。  県としましては、こうした市町村長さん方の意見をよく踏まえまして、国にこの問題についての提案、提言をしたところであるのであります。  次に、こうした提案、提言、要望を国に先般議長とともに行ってまいりましたが、国の27年度予算への反映の見通しについての御質問であります。  今回の重点要望では、地域の実情に応じた基準による中核的な自治体への支援でありますとか、あるいは新たな交付金の創設、過疎債の充実強化など総合的な財政支援について、政府の地方創生本部など関係省庁に対しまして要望したところでございます。また、こうした提案につきましては、全国知事会と政府との懇談の場でも、私からまとめて島根県の立場を申し入れたとこであります。また、全国過疎連を通じた要望活動の中でも行ってきておるところであります。  こうした提案に関しまして、政府閣僚との意見交換の場で、総務大臣からは次のような発言がありましたので、御紹介申し上げます。  第1点は、人口20万人以上の中核市などを要件とする地方中枢拠点都市圏は、今年度、モデル事業を実施中であり、今後、その結果を踏まえ、交付税措置を検討していく段階であるということを言っておられます。  第2に、それよりも小さな地方都市など多様な規模への対応としては、人口4万人超であれば定住自立圏などが活用できるということを言っておられます。  第3に、さらに小規模な集落対策としましては、集落ネットワーク圏があり、モデル事業を実施中であるということを言っております。特にこの小規模の集落対策につきましては、過疎連の場におきまして、過疎債をそうしたところでうまく活用できるように、発行枠の拡大などを要請しておって、総務省も検討中だというふうに聞いております。  第4に、複数の都市の連携につきましては、国交省の構想との調整を進めるに当たって島根県からの意見も参考にしていくことを総務大臣が発言しております。過疎団体につきましても、発行限度枠の増額について検討する趣旨の発言を総務大臣がされております。  このほか、各府省への重点要望活動におきましては、おおむね地方の提案や要望に耳を傾け、参考にしようという姿勢を感じたわけでございますが、他方で、国の財政は非常に厳しい状況にありますし、後からの御質問にありますが、消費税の引き上げが延期されますと財源の不足が出てくるわけでございまして、その問題が今後どう取り扱われるかということが大きな課題になってると考えております。  次に、消費税増税の延期による税収不足が与える影響についての御質問であります。  今回の消費税引き上げの延期につきましては、政府におかれまして、7-9のGDPなどの経済指標や有識者会合の議論なども踏まえまして、経済活動への影響を考慮し、慎重に判断されたものだというふうに理解をしております。  これまでの考え方では、消費税が引き上げられた税収分は、1つには社会保障政策の充実、安定化の財源とするということがありました。また、地方分の財源としては、地方消費税、地方交付税の増額などに充てられるということが予定されておったわけであります。したがいまして、少子高齢化対策を始めとした社会保障政策の充実など重点要望事項に一定の影響が出得るというふうに考えられるわけでございます。  他方で、安倍総理は、子ども・子育て支援新制度は来年4月から予定どおり実施すると、この点については方針を既に明らかにしております。ほかの部分については、まだそういう検討が進んでないようであります。  こうした状況でございますので、総選挙の中で各政党の方々は各界各地域の声をよくお聞きになりまして、総選挙後の国の予算編成過程におきまして住民生活や経済活動などに十分配慮されることが必要だと考えておるところであります。  次に、地域包括ケアシステムの構築に向けた動きについての見解を問うと、こういう質問であります。  地域におきまして介護や生活支援を支える社会福祉法人は、地域包括ケアシステムを構築していく上で欠かすことができない存在であります。しかし、そうした中で、現在、国におきましては、社会福祉法人への新たな課税や介護報酬の引き下げなどの検討が行われておるというふうに報道などで見るわけであります。  介護サービスをいつでも安心して利用できるためには、事業者の方々が安定して事業展開ができることが必要であります。この点を十分踏まえまして、政府におかれて検討すべきであるというふうに考えております。  次に、消費税引き上げ延期による介護保険事業への影響についての御質問でございます。  平成27年度から平成29年度までの第6期介護保険事業計画におきましては、消費税増税分の充当が予定されていたものとしましては、1つには、介護職員の賃金などの処遇改善を含め、介護報酬の改定、2番目には、低所得者の保険料の軽減の拡大、3番目には、医療と介護の新基金で市町村介護施設の整備への支援や介護従事者の確保などが予定をされておったわけであります。このたびの消費税引き上げ延期により、これらの事業の実施に必要な財源の確保が見通しにくい状況になりまして、来年度以降の介護保険事業への影響を私どもも心配をしておるところであります。  介護保険は、高齢者やその家族の生活を支える基盤でありますので、今後とも国に対しまして重点要望等を通じまして必要な財源確保について強く求めていく考えでございます。  次に、社会福祉法人への法人税課税についての御質問であります。
     社会福祉法人は、その非営利性、公益性に照らしまして、さまざまな公的規制を受ける一方で、法人税非課税など税制上の優遇措置を受けておられます。こうした中で、政府の税制調査会におきましては、次のような意見が出されているようであります。社会福祉法人の行う事業のうち、介護事業のように民間事業者と競合しているものについては、経営形態間での公平性確保の観点から課税対象とすることを検討すべき、こういう意見が政府の税調で出ておるわけでありまして、現在その見直しの議論が進められていると聞いておるところであります。  こうした動きに対しまして、全国の社会福祉施設団体等からは、社会福祉法人は、民間事業者と競合しない分野も含め、幅広い分野で福祉サービスを提供する主体であり、非課税措置の継続は必要だという主張をされておられるのであります。国におきましては、社会福祉法人に期待される幅広い役割を十分踏まえ、慎重に議論を重ねた上で、関係者の納得が得られる結論を導き出していただきたいと考えているところであります。以上でございます。 8: ◯議長岡本昭二) 丸山政策企画局長。  〔丸山政策企画局長登壇〕 9: ◯政策企画局長丸山達也) 私からは、益田市の人口拡大計画の特徴とその内容についてお答えをいたします。  市町村において将来の人口目標を定められる場合、通常は、総合計画や定住計画など既存の計画の中にその一部として盛り込んでおられるのが一般的な姿でございます。一方、今年2月に益田市が策定されました人口拡大計画では、人口に特化した計画となっており、人口拡大のための数値目標を設定された上で、その実現のために必要な各種施策を市民にわかりやすく体系的に組み立てておられることが特徴でございます。具体的には、人口拡大を社会増、自然増、交流人口の拡大の3つの要素に区分した上で、子育て世代への支援、UIターンへの支援、中山間地域への支援の3つの切り口に力点を置いた内容となっております。  益田市では、この計画に基づき、今年度から、UIターン者のうち若者、親子、中山間地域定住者への助成費の加算や、地域の魅力化を図るための地域魅力化応援隊員の配置などに取り組んでおられるとこでございます。以上でございます。 10: ◯議長岡本昭二) 西山地域振興部長。  〔西山地域振興部長登壇〕 11: ◯地域振興部長西山彰) 私のほうからは、人口の社会増への対策についてお答えをいたします。  現在、市町村においても、人口対策について活発な議論が行われておりまして、日々意見交換をしながら、今後の新たな取り組みについて県も一緒になって考えているところでございます。議員から御紹介のあった件につきましても、市町村とのやりとりの中から出てきたものでございまして、人材不足分野への就業誘導の手法の一つとして、有効性などについて引き続き協議を続けているところでございます。  社会増への対策はいろいろと考えられますけども、市町村ごとの状況はさまざまでございまして、それぞれの地域の実情に合った対策が必要だと考えております。例えば雇用に関しても、地域の特性や強みを生かした6次産業化の推進や、若者を中心としたみずからの起業による雇用の場の創出など、地域のさまざまな取り組みを丁寧に拾い上げ、しっかりと対応していく必要性を改めて感じているところです。  今後も、市町村や地域の方々の意見を十分に聞きながら、社会増につながる取り組みを進めていく考えでございます。以上でございます。 12: ◯議長岡本昭二) 原健康福祉部長。  〔原健康福祉部長登壇〕 13: ◯健康福祉部長原仁史) 私からは、高齢者対策及び認知症対策についての御質問にお答えいたします。  まず、高齢者対策に関するものとして、養護老人ホームの措置費に関する市町村への対応状況についてお答えいたします。  養護老人ホームの措置費につきましては、平成17年度に一般財源化されまして、市町村に対する地方交付税措置がなされております。本年3月、厚生労働省から、消費税の引き上げに伴う措置費への影響額についても交付税措置されることになるので、措置費支弁基準を適切に改定するよう通知があったところです。県は、この通知を受けまして、直ちに各市町村に周知を図りましたが、本年10月1日時点では、県内全市町村でこの改定がまだ行われていない状況にございました。  一方、県におきましては、軽費老人ホームへの補助金につきまして同様の対応を行う必要がありましたので、当該補助金の基礎となる利用料等の取扱基準を改定いたしました。この改定に係る積算方法は、養護老人ホームの措置費支弁基準の改定の参考になることから、先般、市町村に情報提供しまして、適切な対応を促したところでございます。  今後も、各市町村の取り組み状況を把握するとともに、市町村から養護老人ホームの措置費支弁基準の改定について相談などがございますれば助言していきたいと考えております。  次に、2点目の認知症対策についてでございます。  まず、認知症の人の家族の損害賠償責任に係る国への要望についての御質問にお答えいたします。  県では8月に、認知症の人の徘回等による事故に伴う損害を介護保険制度などを活用して社会全体で補填する仕組みを設けるよう、国に要望いたしました。厚生労働省からは、愛知県の事案は現在最高裁に上告中であるが、仮に最高裁の判決で家族の監督責任が問われることとなった場合には国としても何らかの対応を考えなければならないと思うが、まずは最高裁の判決を注視したいという回答でございました。  次に、県独自の損害賠償保険制度は考えられないかというお尋ねについてお答えいたします。  認知症の人を介護する家族に対して損害賠償責任を問われる場合があるということを前提として何らかの社会的救済制度を検討するといった場合には、これが認知症の人の徘回などに起因する損害の性格上、介護保険を活用した仕組みをベースとすることが適当ではないかというふうに考えております。しかしながら、こうした仕組み、例えば介護保険料を上乗せして一定額の保険金をプールするというような仕組みですが、こうした仕組みを県独自で設けることが果たしてできるのか、許されるのかなどといった入り口での大きな課題がございます。こういった仕組みは、やはり国において全国一律の制度として検討されるべきものというふうに考えます。  この項目の最後に、社会福祉法人以外の介護施設における損害賠償保険への加入状況についてお答えいたします。  全国統一のシステムである介護サービス情報提供システムによりますと、平成25年度末時点で、県内の社会福祉法人以外の法人が運営する介護施設としては介護老人保健施設、介護療養型医療施設、認知症高齢者グループホームがございまして、これらは合計132施設ございます。このうち131施設が損害賠償保険に加入しているということでございます。  また、民間企業等が経営する有料老人ホームとサービスつき高齢者向け住宅につきましては、公表されている統計データ等はございませんが、届け出書類や聞き取り調査等により調べましたところ、大半が損害賠償保険に加入しているという状況が確認されたところでございます。以上です。 14: ◯議長岡本昭二) 福田警察本部長。  〔福田警察本部長登壇〕 15: ◯警察本部長福田正信) 議員御指摘の大阪府警が導入しております身元不明迷い人台帳を活用した制度は、市町村で保護されている身元不明者の顔写真を含む情報が警察に提供されまして、行方不明者の御家族等が閲覧する制度でありますが、島根県警察におきましても本年6月から導入しております。  なお、現在のところ、警察で保護されたものの名前がわからないことから市町村で引き続き保護された方の取り扱いが本県警ではございませんので、実際に制度の活用には至っておりません。  今後、こうした事案が発生した場合には、関係機関、団体との連携を密にするとともに、この制度を有効に活用して早期の身元確認を行ってまいりたいと考えております。以上です。 16: ◯議長岡本昭二) 珍部議員。  〔珍部芳裕議員登壇、拍手〕 17: ◯珍部芳裕議員 民主県民クラブの珍部芳裕でございます。  ただいまより一般質問を行いますので、答弁をよろしくお願いいたします。  質問の第1は、宍道湖のシジミの状況についてお伺いいたします。  宍道湖のシジミが長年守ってまいりました漁獲量全国1位の座を青森県の十三湖に奪われたのは、2011年のことでありました。それから3年間、シジミの漁獲量全国1位の座には十三湖が君臨しており、宍道湖は2位に甘んじているのが現状であります。  その大きな原因は、宍道湖シジミの資源量の減少であります。シジミの資源量は、通常、産卵期に回復いたしますが、2010年から2012年の間は低迷し、2万トンから4万トンにとどまり、漁協は週4日の操業日を1日減らすなど、漁獲量を制限してきました。これに伴い、2010年は3,700トンの漁獲量を誇り、全国に出回るシジミの実に33%を占めていた占有率が、翌2011年からは大きく減り、逆に十三湖のシジミの占有率が毎年ふえてきているというのが現状であります。  宍道湖シジミの漁獲量あるいは全国に流通するシジミの占有率の首位奪還のためには、まずシジミの資源量の回復が絶対条件でありますが、ここ数年芳しくなかったシジミの資源量にもようやく明るい兆しが出てきたように感じております。資源量が低迷した2010年から2012年の産卵期の資源量は、先ほど紹介いたしましたが、約2万トンから4万トンの間で推移をしておりましたが、昨年の秋にはピーク時並みの7万トンに急増いたしました。また、ことしの8月に発表されました今春の調査でも、2011年から2013年の同時期に1万5,000トンから2万トンまで低迷していた資源量が、2006年以来となる5万トンを超えたわけであります。  この資源量の回復は、天候などによって潮位が上昇して塩分濃度が濃くなったことなどが考えられるようですが、いずれにしても、この資源量のV字回復は、漁師を始め仲買業者の方々など関係者の皆様からは安堵の声を多く聞くことができますし、3年連続で2位だったシジミの漁獲量の首位奪還も夢ではなくなってきたのではないかと私は期待しております。  そこで、このたびの資源量の回復を受け、シジミ生産日本一奪還に向けた溝口知事の思いをお尋ねしたいと思います。  次に、宍道湖シジミの武器、言いかえればブランド力を高めるために求められているものは一体何なのかということを議論したいと思います。  以前、青森県の十三湖の漁協の組合長さんを訪ね、十三湖のシジミの現状などについて意見交換をさせていただくことができましたが、十三湖は、漁獲量の安定に加え、サイズを大きくして他の産地との差別化を図るだけでなく、生産履歴のわかるQRコードつきシールの活用なども行ったことが今の高い評価につながっているということを教えていただくことができました。今、宍道湖漁協もこの十三湖と同様な取り組みを行おうとしていると新聞報道などで見聞きすることができるわけですが、十三湖と同様な取り組みを行えば宍道湖シジミのブランド回復につながるのかどうかということは慎重に考えるべきではないかと私は思います。  十三湖の漁協の組合長さんと意見交換をさせていただいた際、宍道湖のシジミについて次のようにおっしゃっておられました。十三湖は、シジミの特産地としての定着を図るために多くの取り組みを行ってきた。しかし、やっぱりシジミの産地は宍道湖が横綱でないといけないと思う。宍道湖シジミの資源が普通に回復してきたら、資源量では他の産地は太刀打ちがいかなくなる。十三湖は、宍道湖シジミとの差別化のためにサイズを大きくするなどの工夫をしただけで、宍道湖シジミはサイズが小さくても、その圧倒的な資源量で他を圧倒できるだけの力があるとのことでありました。  資源の減少で苦しんできた宍道湖にとって、このたびの資源量回復はまさに市場回復に向けた起死回生のチャンスであり、この機会を逃すことなく、宍道湖シジミのブランド力回復に県も漁協と一緒になり取り組むべきだと思いますし、シジミを求めている顧客には年間を通して安定して供給できるということこそが、宍道湖シジミのブランドを守り、顧客の維持につながると私は思っております。  そこで、宍道湖シジミのブランドを回復するための最大の武器はサイズの大きさなどではなくその資源量であると私は考えておりますが、農林水産部長さんはどうお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。  また、念願であった資源の回復が始まった今こそ市場回復の絶好のチャンスと捉えるべきだと思います。現在、操業は週4日、1日の漁獲量は90キロ以内という制限を設け、シジミ漁が行われておりますが、この漁獲制限を緩め、漁獲量をふやすよう漁協に働きかけるべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、シジミの流通販売体制についてお尋ねいたします。  現在、宍道湖シジミの買い付け方法は、漁師と業者が直接売買を行う相対取引が行われております。一方、青森県の小川原湖漁協など、市場で競りにかける共販体制を行っているという地域もあるようであります。現在、宍道湖漁協でもこの共販体制の検討が始まっていると新聞報道などで見ることができるわけですが、宍道湖でこの共販体制を行うことが本当に漁師の皆さんや業者の方々のメリットにつながるのかどうかということを慎重に考えるべきだと私は思っております。  宍道湖は、他の産地に比べ、面積が格段に広い湖であります。実際に漁を行っている漁師の方の話を聞くと、宍道湖は大きいため、漁を行う場所によってシジミの色や形に大きな違いが生じるという傾向があるそうです。味や品質に大きな違いはないようですが、横に並べてみると見た目がよくないものもあり、共販体制を行うと、そういったシジミの値段が下がることも予想され、その結果、見た目のいいシジミがとれる漁場で漁師の競い合いが始まるのではないか、また、見た目のよくないシジミが多い漁場では誰も漁を行うことがなくなり、その漁場はシジミが生きていけないという環境に転じてしまうのではないかとの心配の声を聞くことができます。  また、長年続いてきた相対取引で養われた漁師と業者との人間関係にも大きな変化が生じることも予想され、漁師と業者が困ったときは助け合いながら力を合わせて宍道湖シジミのブランド化を進めてきた宍道湖のすばらしい特徴も失われるのではないかとの声も聞くことができます。多くの漁師からは、強引な共販体制への移行を不安視する声もあるように私は感じており、共販体制への移行ありきの観点ではなく、いい点、悪い点をしっかり検討することがまず重要なのではないかと思います。  そこで、現在の相対取引から共販体制への移行の話が出ていると思いますが、今後の予定と、共販体制のメリット、デメリットを県としてどう考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。  青森県の十三湖には、十三湖漁協と車力漁協という2つの漁業協同組合があり、十三湖漁協は共販体制、車力漁協は宍道湖と同じように相対取引を行っているそうで、扱い数量はほぼ半々とのことであります。このように、1つの産地で複数の漁協があり、買い付け方法が異なっているというケースは、三重県の木曽三川などでも行われているそうであります。  私は、宍道湖のシジミの買い付け方法を共販体制にすること自体に全面的に反対をするわけではありませんが、全ての漁師に共販体制を強いるということは好ましいものではないと考えます。共販体制に移行した場合、漁師や業者の間に大きな混乱が生じるということは簡単に想像できることでありますので、私は、共販体制に移行するということになれば、十三湖のように組合を2つに分け、それぞれの漁師が望む形での買い付け方法が選べるような柔軟性も含め、今後のことを考えるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。  シジミについて何点かお伺いいたしましたが、シジミの消費量の回復策も同時に行わなくてはならないことだと思います。総務省の家計調査によると、1世帯当たりのシジミの年間購入量の全国平均は、2003年の572グラムから2013年は280グラムに減少しており、全国平均の3倍以上ある松江市でも、2003年の2,077グラムから1,059グラムと減少しており、10年間でシジミの消費量は約半分になってしまったというのが現状であります。  宍道湖シジミの資源量が回復しても、肝心な消費者が少なかったら、価格の下落などにつながってしまうことは言うまでもありません。宍道湖シジミは島根県の大きなブランドでありますので、シジミの消費量の落ち込みは島根県にとっても大きなダメージにつながってしまいますので、消費増へのPRなどを積極的に行うべきだと私は思います。  シジミの消費量回復に向け、今後どのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。  次に、出雲市湖陵町の養豚施設についてお伺いいたします。  出雲市湖陵町大池の海岸線に、以前から養豚施設がございました。この施設は昨年倒産したため、飼われていた豚は全て搬出された状態で、今はこの施設の跡地のみが残っているという状況にございます。  かねてより、この施設に対しては、ふんから出るにおいに対する苦情が多数寄せられていたと伺っておりますし、この施設から出る豚の尿による水質の汚染についても問題視されていたと住民の方々から聞くことができました。また、この施設には水道が敷かれておりませんので、清潔に豚を飼育するということへの障害にもなっていたと聞いております。  先ほど紹介いたしましたように、この施設は昨年倒産されたため、現在は住民がにおいに悩まされることや尿による水質の汚濁もないわけですが、別の会社がその施設を使って養豚事業を再開したいと申し出ており、多くの地元住民は事業の再開に反対しているだけでなく、海の水質を汚染されてきて困っていた、大社の漁協からも反対の声が上がっていると聞いております。  このように、多くの住民から事業の再開に対する不安の声が出ておりますが、この養豚施設が倒産する以前、住民からはどのような苦情が多く寄せられていたと県は把握されているのか、お伺いをいたします。  私は、養豚施設が再開されること自体はそれぞれの企業の権利でもあり、雇用の拡大につながるということであれば歓迎できるものと考えるわけですが、地元との共存を無視しての事業再開は好ましくないものだと考えております。実際に地元の住民の皆様と意見交換をさせていただくと、この地域では約半世紀にわたり悪臭に悩まされ続け、地域の発展の大きな足かせになってきたということも知ることができましたし、海を一望できるすばらしいロケーションを生かした地域づくりのためにも養豚施設の事業再開は諦めてほしいという強い思いも感じることができました。  県として、施設の再開について意見をするということは難しいと思いますが、施設の再開に当たっては、地元との意見交換や事業説明が十分に果たされ、住民が同意することが必要不可欠だと私は考えますが、御所見をお伺いいたします。  3点目に、遣島使の活用についてお尋ねいたします。  遣島使制度は、島根を愛する人に、全国と島根との人と文化のかけ橋になっていただきたいという思いを込めて、ふるさと親善大使の島根県版として平成元年に創設されたものであります。島根県の出身者や縁やゆかりのある方だけでなく、例えばNHKの朝の連続テレビ小説でシジミの漁師役を演じられました俳優の吉田栄作さんなど、島根に愛着を抱いていただいているという理由で委嘱されている方も多くいらっしゃると聞いております。  そこで、現在のこの遣島使は何人委嘱されているのか、ここ数年の推移とあわせてお尋ねしたいと思います。  遣島使は、俳優や歌手、映画監督、落語家といった芸能界の方々から経済界や官公庁まで、多種多様な業界の方々がそれぞれの役割を担っていただいていると聞いております。具体的にはどのような取り組みを行っていただいているのか、お伺いいたします。  他県でも同様な取り組みを行っている県が存在しており、観光大使や親善大使といった名称で、遣島使と同じような活動をお願いしているようです。先日、高知県の方とお会いした際、高知県の観光大使という名刺を頂戴いたしました。その名刺の裏を見ると、高知県の県立施設の名称が羅列されており、その名刺を持参してその施設の窓口で見せると入館料が無料になるといったサービスを行っておられました。実際にその名刺を窓口に持参して入館料のサービスを受けた人がどのくらいいるのかということはわかりませんが、高知県の、一人でも多くの観光客を高知県に招き入れようという強い思いが伝わる名刺だと私は感じました。  島根県でも、遣島使の方々に名刺をお渡しして島根県のPRにつなげていただくという取り組みを行っていると聞いておりますが、この高知県のような特典つきの名刺ではないと伺っております。名刺交換は多くの場面で自然に行うことの多い行為ですので、島根のPRにはこの名刺を使うことで大きな効果があるのではないかと思います。高知県のような施設の割引もできる一種のカードとしても活用できるようになれば、観光誘客に少なからずいい影響が出るものだと私は考えますが、遣島使に配付していただいている名刺を見せると県の各種施設の入館料の割引などの特典を受けられるといった取り組みを島根県でも行ってみてはと思いますが、御所見をお伺いいたします。  最後に、障がいのある生徒への通学支援制度についてお尋ねいたします。  現在、肢体不自由などの理由で徒歩や自転車あるいは鉄道やバスといった公共交通などでの通学が困難な児童生徒に対する通学支援制度が設けられております。肢体不自由で車椅子を使用する児童生徒は、主にNPO法人等が運営する福祉タクシーなどを利用せざるを得ないわけですが、こういった交通手段を通常の値段で利用した場合、自宅から学校までの距離にもよりますが、それぞれの家計に大きな負担となってしまいます。例えば私の住む出雲市から松江市内まで利用した場合、月額少なくとも7万円以上かかるそうでございまして、1年間で約100万円、3年間利用すれば300万円という多額の交通費がかかることになってしまいます。  その負担を軽減するためにこの通学支援制度があるわけですが、小学校や中学校に通う生徒や養護学校の高等部への通学に対してはこの補助制度の対象と現在なっておりますが、いわゆる高等学校への補助は設定されていないと伺っております。中学校から高校へ進学する際、将来的に進学を目指すのかどうか、あるいは肢体不自由な生徒の場合はバリアフリーが整っているのかどうかなど、学校を選ぶ基準はいろいろあると思います。しかし、考慮した結果、進学を希望した学校がいわゆる普通の高等学校だった場合、この通学補助がないため、家族が毎日送迎をするか、多額の負担をしながら福祉タクシーを利用するなどの選択をしなくてはなりません。進学を希望した学校が自宅から近ければ負担は少なくて済むのかもしれませんが、学校が遠い場合は、家族の負担はその距離に比例して大きくなってしまいます。  私は、通学する学校によって通学支援の対象の線引きをするのではなく、それぞれの生徒の状況に合わせ通学支援を行うことこそが重要だと考えるものであります。  そこで、肢体不自由などの理由で自力での通学が困難な生徒への補助が高等学校にはないと聞いておりますが、なぜないのか、その理由をお伺いいたします。  先ほど触れましたように、現在の制度では、養護学校高等部への通学支援はありますが、高等学校への通学支援は存在しておりません。将来的に進学を希望する生徒の場合、できれば普通の高等学校に進学したいという気持ちを抱くのは当然のことだと思いますし、例えば松江市の宍道町にあります宍道高校は単位制ですので、体が不自由で、他の高等学校への進学は学校を休みがちになるかもしれないという理由で諦めざるを得ないが、やはり進学を希望したいという生徒から見れば、この宍道高校という高校は非常に魅力的な学校に映るんだと思いますけれども、現在、宍道高校にも通学に対する支援制度はありません。  私は、高等学校への通学支援がないという現状の制度は、県内の高校がそれぞれ現場ではしっかり役割を果たして頑張っているにもかかわらず、実質的に進学先の選択を制限していることにつながっているのではないかと思います。このことについて、教育長の御所見をお伺いしたいと思います。  進学先によって通学支援が違う現行のような制度ではなく、それぞれの生徒の状況を鑑みて通学の支援が必要かどうかを判断することができるような、島根の子どもたちに本当に喜ばれる制度に改善すべきだと私は思います。全ての高校にバリアフリーが徹底されていて、体が不自由な生徒でも安心して学校生活が送れるような状況ならまだしも、現状はそうではありません。  全ての生徒たちが安心して自分の進学先を選べるという環境整備のためにも、進学先によって通学支援が違う現行の制度の変更を強く求めますが、御所見をお伺いをいたします。  以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 18: ◯議長岡本昭二) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 19: ◯知事溝口善兵衛) 珍部議員の御質問にお答えをいたします。  私への質問は、シジミ生産日本一の奪還に向けた思いを問うと、こういう質問であります。  宍道湖のシジミを始めとし、島根県のシジミは、水産資源として重要であると同時に、島根にはあのような大きくおいしいシジミが生息するクリーンで自然豊かな地だというイメージを形成するのに大きな役割を演じておるというふうに思います。これは島根の魅力として大変大事なことでありまして、そういう意味で、シジミは一つのPR効果があるわけであります。  シジミにつきましては、一昨年、県内外の汽水域の専門家から成ります宍道湖保全再生協議会を立ち上げまして、シジミ資源変動の原因の究明と対策の検討を進めているところであります。そして、宍道湖保全再生協議会での検討状況を踏まえまして、覆砂など、シジミの良好な生息環境を確保するために有効と考えられる対策を随時講じてきているところであります。  このような取り組みを進める中で、昨年の秋以降、宍道湖のシジミ資源は回復の兆しを見せているというふうに聞いております。今後とも、漁業関係者の方々と連携をしながら、宍道湖シジミの再生を推進し、シジミ生産日本一の奪還を目指して努力してまいります。以上でございます。 20: ◯議長岡本昭二) 丸山政策企画局長。  〔丸山政策企画局長登壇〕 21: ◯政策企画局長丸山達也) 私からは、遣島使の活用について3点の御質問にお答えをいたします。  最初に、遣島使の人数の推移についてであります。  遣島使の人数の推移につきましては、平成23年4月で763名、平成24年4月で823名、平成25年4月で903名、今年度昨日現在で758名となっております。今年度、100名を超える減少が生じておりますのは、3年ごとに行っております継続されるかどうかの意向調査、意向確認を行った結果、御高齢などの理由によりまして辞退等があったためでございます。  次に、遣島使の皆様の具体的な取り組みの内容についてであります。  遣島使の皆様には、県から年4回、観光情報紙などを送付するほか、東京、大阪、広島で開催いたします交流会において情報を提供しておりまして、これらをもとに自主的に島根の魅力やさまざまな情報を全国にPRをしていただいてるとこでございます。具体的には、友人、知人への口コミによるPR、みずから経営されておられる飲食店における県産食材の利用やPR、また個人のブログなどインターネット上の情報発信、社員旅行など団体旅行を企画をしていただいて来県をいただくなど、幅広い取り組みをいただいているとこでございます。  次に、遣島使の皆さんの名刺に県立施設入館料の割引など特典を付与してはどうかとの御提案についてでございます。  県では、この御提案と同様の取り組みといたしまして、今年度から、県内の観光施設や店舗で割引などの特典を受けることができる「しまねカード」を遣島使の皆様にお送りをしてるとこでございます。島根カードで特典を受けられる施設は、公立、民間を合わせて約180もあることから、対象施設が一覧となりましたガイドブックを作成いたしまして、これをセットとして必要部数をお配りしているところでございます。島根に関心をお持ちの県外の方々に積極的に配付をしていただくことによりまして、全国からの誘客につなげていきたいと考えておるとこでございます。以上でございます。 22: ◯議長岡本昭二) 石黒農林水産部長。  〔石黒農林水産部長登壇〕
    23: ◯農林水産部長石黒裕規) 私からは、大きく2つの項目、宍道湖のシジミについて、それから養豚についてお答えをいたします。  まず、宍道湖シジミのブランドを回復するための最大の武器は資源量であると考えるがどうかというお尋ねがございました。  宍道湖のシジミは、平成22年以前は、全国一の漁獲量を背景に、消費市場におきましても大きなシェアを占め、そのことがブランドの構築に貢献してきたものと考えております。しかしながら、近年、宍道湖のシジミ生産量が低迷し、他産地のシジミの比重が高くなっている中で、消費市場において宍道湖産シジミが従来有していた優位性が失われつつある、そういう状況にあるというふうに考えております。宍道湖産シジミの市場での優位性を回復し、ブランド力を再び高めるためには、資源を回復させて安定的な供給を確保していくことが基本かつ重要であるというふうに認識をしております。  次に、漁獲制限を緩め漁獲量をふやすよう漁協に働きかけるべきではないかという御提案がございました。  議員から御紹介がありました操業週4日、1日90キロ以内という漁獲制限につきましては、宍道湖漁協におきまして漁業者による自主的な資源管理措置として実施されているものでございます。したがいまして、これらの資源管理措置の見直しにつきましても、宍道湖漁協が資源の状況などを踏まえまして随時検討されていくというものだと考えておりますが、県といたしましては、資源調査結果の提供など必要な助言指導を行ってまいりたいというふうに考えております。  なお、県が実施している資源調査によりますと、議員からも御紹介ありましたけれども、宍道湖のシジミ資源量は平成26年6月に約5万1,000トンまで回復してきているわけでございますけれども、依然として資源は回復の初期段階にあるため、未成熟な小型の貝が多い状況でございます。資源が本格的に回復するためには、こうした小型の貝が順調に親の貝まで成長し、再生産のサイクルが安定することが重要であるというふうに考えております。それには少なくともあと二、三年はかかるのではないかというふうに考えているところでございます。  次に、共販体制への移行に関する今後の予定とメリット、デメリットについてお答えをいたします。  宍道湖のシジミの出荷形態を、現行の各漁業者と仲買業者との相対取引から、漁協が一元的に集荷して共同で出荷する共販体制に移行するということにつきましては、現在、宍道湖漁協の漁業者の方々や仲買業者の方々の間でさまざまな観点から検討が行われているところと承知をしております。  共販体制のメリットといたしましては、次の3つのメリットがあるということが他産地の例からも明らかとなっております。1点目といたしまして、オープンな価格競争により、適正な価格形成が図られること、2点目として、出荷サイズの規格が統一されるなど品質管理が徹底され、市場での評価向上につながること、3点目として、生産流通履歴のトレーサビリティーが向上し、産地偽装対策として有効であること、こういったことが上げられるわけでございます。一方で、デメリットといたしましては、市場の開設、運営に要する経費負担の問題が上げられるというふうに考えております。  次に、共販体制に移行した場合の混乱を避けるために、組合を2つに分けるなど柔軟に考えるべきではないかという御提案でございました。  今申し上げたとおり、共販体制に移行するかどうかということにつきましては、現在、漁業者と仲買業者の間で検討が行われてるとこでございます。もし仮に共販体制に移行するということになった場合にどのように移行するのかということにつきましても、まずは当事者においてよく議論、検討していただくことが重要と考えております。  県といたしましては、十三湖など他産地の状況を参考にしながら、宍道湖にとって最良の形を模索していく必要があると考えておりまして、このような観点から、必要な情報提供や助言を行ってまいりたいと考えております。  次に、シジミの消費回復に向けた取り組みについてお答えをいたします。  議員から御指摘がありましたとおり、近年、シジミの消費量は全国的に減少しておりまして、このことが県産シジミの販売にも悪影響を及ぼすことが懸念されるところでございます。このような中で、県といたしましては、島根県産シジミの販売促進を図るため、県外へ向けましては、全国規模の商談会への出展の支援、県パートナー店や業務系事業者、ホテルや飲食店などでございますけども、こういったところへの商品提案や試食会の実施に取り組んでるとこでございます。また、県内につきましては、県内商談会の開催やしまねふるさと料理認証店などへの商品情報の提供、こういったことを行っているところでございます。  また、島根の魅力発信におきましても、シジミというものは大変重要でございまして、県の観光パンフレットや広報紙などへの掲載、マスコミ取材への協力を中心としたパブリシティー、間接広報を実施しているところでございます。このほか、宍道湖漁協や松江市においても、地元消費者や観光客へのPR、消費拡大の取り組みを始められておりまして、県としても支援をしているところでございます。  今後も、関係者が一体となりまして、県産シジミの販売促進、さらには消費拡大に努めていきたいというふうに考えております。  次に、2項目め、養豚の関係について2点お答えをいたします。  養豚施設への住民からの苦情についてお答えをいたします。  出雲市湖陵町におきましては、かつて養豚業が盛んでありましたけれども、豚の価格の低迷や配合飼料価格の高騰などから廃業される農家が多く、現在では養豚業は行われておりません。  個別の経営体について言及することについては差し控えさせていただきますけれども、一般的には、養豚施設に対する住民からの苦情の多くは地元の市町村に寄せられておりまして、県では市町村の相談や要請を受けまして、連携をしながら対応してまいりました。例えば農林振興センターや畜産技術センターが現地調査を行い、家畜排せつ物の処理過程で発生する悪臭を和らげるために技術的な指導などを行ったという事例がございます。また、保健所が現地調査を行い、排水処理施設の維持管理などについて指導したという事例もございます。  次に、養豚施設再開に当たっての地元の同意についてお尋ねがございました。  今申し上げさせていただいたとおり、個別の案件についての言及は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げれば、畜産を始めるに当たりまして、法令に基づく許認可等は特段求められていないわけでございます。ただ、畜産はその生産活動の中で悪臭や汚水などにより近隣の住民の方々の生活環境に影響を及ぼすこともあるため、参入に当たりましては、事前に地元の市町村やJA等と十分話し合って、これらの問題が生じないような施設、機械の整備を行うとともに、地域住民の方々との合意形成を図られるよう指導をしているところでございます。以上でございます。 24: ◯議長岡本昭二) 藤原教育長。  〔藤原教育長登壇〕 25: ◯教育長(藤原孝行) 3点についてお答えします。  1点目は、高等学校へ自力で通学することが困難な生徒に対する補助についてであります。  小学校、中学校の特別支援学級及び特別支援学校に通学する障がいのある児童及び生徒に対しては、国の特別支援教育就学奨励費制度により、通学費など就学に必要な経費が支援されています。高等学校がこの制度の対象となっていない理由について、国からは、高等学校においては障がいのある生徒に対して特別な教育課程を編成することができないためであると聞いております。  2点目は、高等学校への通学支援がないことが進学先の制限につながらないかについてであります。  例えば肢体不自由の障がいのある生徒が、通学支援の対象となっている特別支援学校の高等部から大学や専門学校へ進学したいと希望される場合、その生徒のためのカリキュラムを用意して進学を支援することができます。一方、宍道高校は、通学支援の対象とはなりませんが、毎日の通学が基本となる定時制でなく通信制の普通科に進学すれば、週1日ないし2日授業に出ることで卒業単位を修得でき、通学の負担を最小限に抑えながら大学等への進学を目指すことができます。さらに、近年は専門高校から大学などへ進学する生徒も多くなってきており、通学負担の少ない、居住地から近い専門高校から進学を目指すという方法もあります。  このようにさまざまな選択肢があることから、一概に通学支援の有無が進学先の選択を制限しているとまでは言えないのではないかと考えております。  3点目は、通学支援制度の変更についてであります。  県として、通学費については、国の制度によらない支援を行うことは難しいと考えていますが、障がいのある方に安心して教育を受けていただくため、国への制度拡充の要望も含めて、検討していくべき課題であると考えております。以上です。 26: ◯議長岡本昭二) この際しばらく休憩し、午後1時から再開いたします。        午前11時39分休憩        午後1時3分再開 27: ◯副議長(小沢秀多) それでは、会議を再開いたします。  引き続いて一般質問を行います。  中島議員。  〔中島謙二議員登壇、拍手〕 28: ◯中島謙二議員 自民党議員連盟の中島謙二でございます。  ただいまより、あらかじめ通告しておりました大きく5項目について一般質問を行いますので、知事を始め関係部局長の真摯な御答弁をよろしくお願いをいたします。  それではまず初めに、児童虐待防止について伺います。  児童虐待防止法に、児童虐待は、児童の身体に外傷を生じるような暴行を加える身体的虐待、児童にわいせつな行為をする、させる性的虐待、著しい減食、長時間の放置、保護者の監護を怠るネグレクト、児童に著しい心理的外傷を与える言動を行う心理的虐待の4種類が定義されており、児童虐待は1種類ではなく、一般に重複していると言われておりますが、そこでまず、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト及び心理的虐待といった4種類の児童虐待について、それぞれの具体的な虐待の行為について伺います。  さて、児童虐待は子どもへの人権侵害であり、時には生命を脅かし、子どもの心に深い傷を残し、人格形成に大きな影響を与えると言われております。さらに、児童虐待による不適切な取り扱いや心理的外傷は、人格や知的発達を阻害し、情緒や行動面にも深刻な影響を与え、非行、不登校、ひきこもり、自殺企画、思春期以降にあらわれる精神疾患などさまざまな社会的不適切行動の原因になることもあります。  そのような中、平成12年に、児童虐待の防止等に関する法律が制定されておりますが、今までに、全国の児童相談所の児童虐待相談件数は毎年増加しており、特に、子どもの生命が奪われるなど重大かつ悲惨な児童虐待事件が後を絶たない状況にあります。また、最近では、赤ちゃんを激しく揺さぶることにより頭、脳や網膜に損傷を受け発症する乳幼児揺さぶられ症候群も大きな問題となってきていることなどから、虐待が疑われる子どもがいた場合、みずからが出産や子育てに悩んだときや、子育てに悩む親が見かけられた場合、児童相談所や市町村の相談窓口に連絡いただくよう、県としても県民に呼びかけておられますが、そこでまず、全国及び島根県においての児童相談所における児童虐待相談対応件数の状況及びそれらの内訳について伺います。  また、児童相談所で、近隣住民などから児童虐待の通告を受けた場合、主としてどのような対応をとっておられるのか、あわせてお聞かせください。  このように、児童虐待問題は社会全体で早急に解決すべき重要な課題となっていると言っても過言ではなく、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応から、虐待を受けた子どもの自立に至るまで、切れ目のない総合的な支援が必要となっております。また、これらの総合的な対策が地域に根づき、効果的に実施されていくためには、関係機関を含む幅広い国民または県民の理解を深めていくことが不可欠であります。  そのため、平成16年度から、児童虐待防止法が施行された11月を児童虐待防止月間と定め、この期間中に、児童虐待防止のための広報啓発活動などさまざまな取り組みを集中的に実施されておりますが、今年度の児童虐待防止月間における全国及び島根県内の取り組みの状況について伺います。  ところで、歯科における口腔内情報、例えば身体的な虐待が疑われる舌や口唇、口腔粘膜などの口腔軟組織の外傷や、歯の脱臼や破折などの口腔内所見、またネグレクトが疑われる齲歯の多発、外傷、痛み、感染症、出血の治療の放置などの口腔内所見により、早期に虐待を受けている子どもを発見することが可能であるため、歯科関係者も医療関係者同様に、児童虐待の早期の発見のためにはその役割は重要であるものと考えられます。  一方、国は、平成16年の児童福祉法の改正により、虐待を受けた児童などに対する市町村の体制強化を図るため、関係機関が連携を図り児童虐待への対応を行うため、要保護児童対策地域協議会、通称子どもを守る地域ネットワークの設置を県内各市町村で行っております。しかし、以前は、この協議会に、口腔内や顎、顔面からも虐待の重要な情報が得られる可能性がある歯科医師が入ってないことから、議会においても、歯科医師もその協議会に加えることを求め、現在は歯科医師も加わり、児童虐待防止への対応を行っておられますが、その各市町村の要保護児童対策地域協議会及び県として、医科及び歯科との連携は具体的にどのように行っておられるのか、また医療機関において虐待を疑った場合、具体的にどのような対応をとるように求めておられるのか、あわせて伺いたいと思います。  次に、ドクターヘリについて伺います。  医師、看護師が搭乗するドクターヘリは、2001年、平成13年4月に岡山県において本格運航が始まり、2007年、平成19年の特別措置法成立後、その導入が全国に広がり、島根県においても、御承知のように、県民の安全・安心な暮らしを目指し、平成23年6月13日から、医師、看護師が搭乗する救急医療用ヘリコプタードクターヘリの運航が開始されております。  また、この島根県のドクターヘリの基地病院は島根県立中央病院であり、運航は民間の航空会社に委託され、救急現場に医師、看護師が搭乗し駆けつけ、着陸した場所で治療を開始し、重症患者に早期に適切な医療を行う現場救急や、より高度の医療機関への搬送を行う転院搬送により、救命率の向上や後遺症の軽減を目的とした活動が展開され、現在まで、多くのかけがえのない命を救うため、救急現場と病院間の命をつなぐかけ橋として、ドクターヘリは県内各地に日々出動をしておりますが、そこでまず、現在のドクターヘリの医療スタッフの体制、そして島根県のドクターヘリの運航開始から現在までの現場救急及び転院搬送の運航実績について、あわせて伺います。  また、ドクターヘリの医師の搭乗により現場救急処置を行った場合、当然ながら、初診料、往診料、救急搬送診療料や、その場で行った処置に対する等の診療報酬が支払われることになりますが、ドクターヘリ搭乗により得られる1回当たりの一般的な診療報酬の額はどれぐらいになり、それによる患者さんの負担はどれぐらいになるのか、またドクターヘリそのものの運航経費は別として、島根県立中央病院におけるドクターヘリに関しての昨年度の収支状況はどのようになっているのか、あわせてお聞かせください。  この島根県のドクターヘリの運航については、島根県ドクターヘリ運航要領により定められておりますが、現場救急の場合、消防機関からドクターヘリ要請ホットラインへ要請が入り、その要請を受け、島根県立中央病院救命救急センターの医師及び看護師が搭乗して、現場へドクターヘリが出動することになっております。そのため、ドクターヘリが迅速に現場救急を行うためには、治療開始する臨時離着陸場、ランデブーポイントが各市町村の各地区にできるだけ多く設置され、そしてさらに、今後もその整備を進めていく必要があるように思いますが、県内のランデブーポイントの整備状況について伺います。  ところで、重傷の外傷患者等の救急救命は、現場へできるだけ早く到着すればするほどその効果は高いと考えられますが、島根県は東西に長く、そのため、特に西部の多くの地域では、基地病院である島根県立中央病院から到着するまで20分以上かかる70キロメートル以上離れているため、西部地域での救急救命率を高めるためには、隣県の山口県及び広島県のドクターヘリとの連携の必要性を議会の場において訴えてまいりました。そのような中、広島県とは、平成25年5月1日から、広島県から島根県へ、同年6月10日から、島根県から広島県へ、そして同年6月17日から、山口県から島根県へのドクターヘリの広域連携が始まっておりますが、そこで、それらの広域連携の実績状況について伺いたいと思います。  このドクターヘリの広域連携における費用の負担は、現在は、出動する側の県が負担しておりましたが、来年度の平成27年4月から、要請した県がドクターヘリを運航した県に対し支払うことが、先般の中国地方知事会で決定しております。そのため、今後、島根県のドクターヘリの他県への要請による負担はどのようなルールでその額を決定していかれるのか、及び、今年度の実績見込みでは島根県の負担はどれぐらいの額となるのか、伺います。  また、現在の医師不足の状況や財政的な面から、西部への新たなドクターヘリの配備が困難な状況においては、今後、より一層、隣県との県境を越えたドクターヘリの連携の必要性が高まることに伴い、さらなる島根県の費用負担が発生することが考えられるため、今後もその費用負担の財源をしっかりと確保していただきたいと思っておりますが、ドクターヘリの広域連携によってどのような効果があったのか、またドクターヘリに関しての財源確保について、知事の所感を伺います。  次に、世界農業遺産について伺います。  世界農業遺産は、正式にはグローバリー・インポータント・アグリカルチュラル・ヘリテージ・システムス、正しいかどうかわかりませんが、GIAHSといい、イタリア、ローマに本部が置かれている国際連合食糧農業機関FAOが2002年に開始した仕組みで、次世代に受け継がれるべき林業、水産業を含む重要な伝統農業や、生物多様性、伝統知識、農村文化、農業景観などを全体として認定し、その保全と持続的な活用を図るものであります。また、世界農業遺産は、過去の遺産ではなく、さまざまな環境の変化に適応しながら進化を続ける生きている遺産と言われ、原則的には、2年に1度開催される国際連合食糧農業機関の国際会議、GIAHS国際フォーラムにおいて認定の可否が決定されることになっておりますが、まず、この世界農業遺産は石見銀山のようなユネスコ世界遺産とどのような違いがあり、そして認定までの手続等はどのようになっているのか、伺います。  また、世界農業遺産に認定されるには、食糧及び生計の保障、生物多様性及び生態系機能、知識システム及び適応技術、文化、価値観及び社会組織、農文化、すぐれた景観と土地、水管理の特徴といった5つの認定基準があるとされ、これまでにこの世界農業遺産に世界で13カ国31地域が認定され、そのうち日本では5地域が認定されておりますが、それらの日本の世界農業遺産認定地域はどのような点が評価され認定されたのか、伺います。  また、来年は、2年に1回の国際連合食糧農業機関FAOの国際会議が開催される予定であるため、農林水産省は、来年の日本の認定候補に岐阜、和歌山、宮崎各県の3件を選び、今後、各協議会が年内にも認定申請書をFAOに提出し、来年5月ごろに開催されるFAOの国際会議で認定の可否が決定される予定となっておりますが、このたびの日本の世界農業遺産候補に選ばれた3件はどのような特徴があるのか、お聞かせください。  ところで、島根県には、豊かな自然に恵まれ、伝統的な農業、漁業、文化、土地景観など有形無形な重要な財産が、既に世界農業遺産に認定された地域やこのたび世界農業遺産に申請される地域と比べて劣ることなく多く残っているものと思っておりますので、世界農業遺産認定へのハードルは非常に高いことは十分理解しておりますが、今後新たな視点で、島根県内における世界農業遺産となり得る候補地を掘り起こしていきたいと思いながら、次の質問に移りたいと思います。  続いて、医療介護サービス提供対策について伺います。  国は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を展望すれば、病床の機能分化、連携、在宅医療の推進、医師、看護師等の医療従事者の確保、勤務環境の改善、地域包括システムの構築といった医療介護サービスの提供体制の改革が急務の課題であるため、医療法改正による制度面での対応に合わせ、消費税増税分を財源として活用し、医療介護サービス提供体制改革を推進するための新たな財政支援制度を創設し、今年度は、国が603億円、地方が301億円、合計904億円の財源をもって、各都道府県の整備計画に基づき配分され、今議会で、その配分額を基金に積み立てする補正予算が上程されております。  そのため、今後、補正予算が成立後、その基金を活用し、各事業が実施されることとなりますが、まず、新たな医療介護サービス提供対策改革を推進するための新たな財政支援制度の具体的な対象事業について、また、医師会や歯科医師会等の関係団体等の今年度の事業内容について伺います。  ところで、この医療介護サービス提供体制改革を推進するための新たな財政支援制度は、今年度は医療を対象に実施され、介護については来年度から実施されることになっておりますが、今年度は、国の医療介護サービス提供体制改革のための新たな財政支援制度の具体的な内容の提示が非常におくれたため、病院、市町村、医師会、歯科医師会等の関係団体からの事業計画の意見聴取等を急急に行い、県の計画として取りまとめ、国のヒアリングを受けるという、非常にタイトなスケジュールとなっておりました。そのため、ことしの6月定例会の一問一答質問において、来年度は介護も加わるため、今後、来年度に向けてできるだけ早く、市町村、病院、事業者、医師会や歯科医師会などの関係団体との協議を開始し、充実した医療、介護に資する計画となるよう質問いたしましたが、それに対し、来年度当初予算編成に向け必要な作業は進め、国からの情報提供があり次第、必要な情報について逐次提供しながら、提案事業の検討を行い、身近なところでよりよい医療介護サービスを提供できるよう期待しているとの回答をいただきました。  しかし、現状では、消費税増税が先送りされ、さらに衆議院解散、総選挙が行われることとなったため、今後、財源等が不透明な状況においては、昨年以上に急急な作業になるのではないかと非常に心配しておりますが、現時点での来年度に向けての医療介護サービス提供に関する計画策定の状況及び来年度に向けての今後のスケジュールについて伺いたいと思います。  最後に、しまね長寿の住まいリフォーム助成事業について伺います。  今年度までで終了する予定のしまね長寿の住まいリフォーム助成事業は、平成21年度から、本格的な高齢社会を迎えている島根県において、高齢者が安全・安心な生活をするために必要とする既存住宅のバリアフリー化のため、改修工事費の一部を助成するため行われているもので、この事業開始の平成21年8月から平成26年3月までの経済的効果は、直接効果約107.1億円、波及効果を含めた総合効果は159.3億円、波及効果倍率は約1.5倍となっていることが県議会へ報告されております。  一方、消費税アップ前の平成25年の島根県内の新築住宅着工件数は3,471件、うち戸建住宅は2,080戸であり、そのうち平成25年4月から9月の着工件数1,671戸、うち戸建住宅1,016戸であったものが、消費税アップ後の平成26年4月から9月の着工件数は対前年比88%の1,478戸、うち戸建住宅は対前年比85%の865戸と落ち込んでいる状況にあります。しかし、事業がスタートしてからの利用件数が年々増加しているしまね長寿の住まいリフォーム助成事業については、平成26年4月の消費税アップにもかかわらず、9月までで今年度の予算額1億7,500万円に達し、それ以降の受け付けを停止している状況にあります。  ところで、島根県の高齢化率は年々増加しており、全国平均より10年以上先行して進行し、平成22年には29.1%であるものが、平成27年には32.7%になると推定されております。また、島根県の住宅ストックの特徴は、老朽化住宅の割合が高いことであり、全住宅の10%程度が昭和25年以前に建設されております。  このような状況の中、厚生労働省人口動態統計から集計した資料によると、健康長寿日本一を目指す島根県において、家庭内での不慮の事故、転倒、転落プラス溺死による死亡者が平成25年は41人と、交通事故による死亡者数を上回る数字となっております。また、これらの家庭内事故の多くが、住宅の整備水準が低いことに起因すると考えられますが、その死亡者の9割近くが高齢者であることを考えると、住宅バリアフリー化が、高齢者の居住の安定を確保する上で、さらには、いつまでも自立した健やかな老後を暮らすためにも必要であることを示しているものと考えられます。  このように、いまだに県民ニーズが高く、大きな経済波及効果が期待でき、そしてこれからますます高齢化を迎える島根県において、健康長寿しまねの推進にも大きく寄与する事業と考えられるしまね長寿の住まいリフォーム助成事業については、来年度以降も予算をしっかりと確保した上で引き続き継続すべきではないかと私は考えておりますが、知事はこのしまね長寿の住まいリフォーム助成事業の来年度以降の継続についてどのように考えておられるのか、最後に所感を伺い、以上で私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 29: ◯副議長(小沢秀多) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 30: ◯知事溝口善兵衛) 中島議員の御質問にお答えをいたします。  私は、ドクターヘリと長寿住まいリフォーム助成事業、この2点についてお答えをいたします。  最初の質問は、ドクターヘリの広域連携による効果と財源確保に対する所見を問うと、こういう質問であります。  ドクターヘリは、離島や中山間地域を多く抱えます島根県にとりまして、緊急輸送体制の強化につながり、非常に有用でありますことは、議員が御紹介になったとおりであります。また、中国地方5県によるドクターヘリの広域連携が開始され、救急現場により近い他県のヘリの出動を要請できる、そして自県のヘリの出動時に他県のヘリの出動を要請できるといったことができるようになったわけであります。これによりまして、各県で運航しているドクターヘリを相互に利用できる体制が整ったわけであります。特に浜田圏域や益田圏域におきましては、広島県や山口県のドクターヘリを優先して要請できるようになりましたので、患者への迅速な対応が可能となり、緊急搬送体制の強化に非常に役立っております。  現在、ドクターヘリは36道府県で43機が運航をされております。その利用頻度は各県ごとに大きなばらつきがありますが、島根県では、36県のうち、たしか5位ぐらいの利用頻度でございます。非常に高いとこであります。  一方、国の支援は全国一律の補助基準額が用いられておりまして、このため国に対しまして、ドクターヘリの運航実績に応じた補助基準額にするよう要望をしておるところであります。いずれにしましても、今後、運航に支障が生ずることがないよう、必要な財源確保に努めていく考えであります。  次に、しまね長寿の住宅リフォーム助成事業の来年度以降の継続についての質問であります。  平成21年度から開始しましたしまね長寿の住まいリフォーム助成事業は、多くの県民の方々の利用があり、手すりの設置や段差の解消などにより、約2,000戸の住まいの安全性が向上したというふうに思います。県内では、段差がある古い住宅の割合が高いこと、高齢者の住宅内での不慮の事故が多いことなどから、今後も住まいのバリアフリー化を推進していくことが必要だと考えております。  お尋ねのこの助成事業の継続につきましては、来年度以降のより一層効果的な事業のあり方について、予算編成の過程でよく検討してまいりたいと考えておるところであります。以上であります。 31: ◯副議長(小沢秀多) 原健康福祉部長。  〔原健康福祉部長登壇〕 32: ◯健康福祉部長原仁史) 私からは、児童虐待防止、ドクターヘリ、医療介護に係る新基金事業の3点の御質問にお答えいたします。  1点目は、児童虐待防止についてであります。  まず、児童虐待の4類型とは具体的にはどのような行為かというお尋ねにお答えいたします。  身体的虐待につきましては、殴る、蹴る、たばこの火を押しつける、冬、戸外に閉め出すなど、生命、健康に危険のある行為をいいます。性的虐待は、子どもに対して性行為を強要したり、ポルノグラフィーの被写体などに子どもを強要するなどの行為をいいます。ネグレクトは、重大な病気になっても病院に連れていかない、乳幼児を家に残したままたびたび外出する、乳幼児を車の中に放置する、極端に不潔な環境の中で生活させるなどの行為をいいます。心理的虐待は、子どもの心を傷つけるようなことを繰り返し言う、無視する、他の兄弟とは著しく差別的な扱いをするなど、心理的外傷を与える行為をいいます。  次に、児童虐待相談対応件数の推移とその内訳につきまして、全国と島根県の状況を申し上げます。  児童相談所が虐待と認定した件数の全国の状況は、児童虐待防止法が制定された平成12年度以降、年々増加の一途をたどっています。近年の状況としましては、平成20年度に4万2,664件であった虐待認定件数が、平成24年度には1.5倍の6万6,701件となり、平成25年度の速報値では7万3,765件となっています。この内訳を平成24年度実績で見ますと、虐待種別では、身体的虐待が35.3%と最も多く、次いで心理的虐待が33.6%となっています。虐待者別では、実母が57.3%と最も多く、次いで実父が29.0%となっています。虐待を受けた子どもの年齢では、ゼロ歳から3歳未満が18.8%、3歳から就学前が24.7%、小学生が35.2%、中学生が14.1%となっています。  一方、島根県の虐待認定件数は、平成12年度以降、約100件から180件の間で推移しておりまして、平成24年度は164件、平成25年度は97件となっております。このように、島根県では虐待認定件数が少なく、全国の状況と単純な比較はできませんが、平成25年度実績の内訳を見ますと、心理的虐待が45.4%で最も多く、次いでネグレクトが27.8%、身体的虐待が23.7%となっています。虐待者別では、実母が62.9%で最も多く、次いで実父以外の父親が16.5%、実父が12.4%となっています。また、虐待を受けた子どもの年齢では、ゼロ歳から3歳未満が13.4%、3歳から就学前が15.5%、小学生が37.1%、中学生が26.8%となっています。  次に、児童相談所に近隣の住民などから児童虐待の通告を受けた場合の対応についてお答えします。  近隣住民などから虐待が疑われる事案の通告があった場合には、通告を受けてから原則48時間以内に、子どもが危険な状態にあるかどうかを市町村や学校などへの照会を通じてまず確認することとしております。市町村等からの情報だけでは子どもの状況が十分に把握できない場合には、児童相談所や市町村の職員などが直接児童の自宅などを訪問し、確認することとしています。その際、子どもの安全の確保のために緊急に親子を引き離す必要があると判断した場合には、速やかに児童を一時保護いたします。  このように、子どもの安全を確保した上で、市町村、学校、保育所等から児童や家族の状況について情報収集し、状況に応じて家族、本人等に面接を行い、虐待の事実や程度等を把握することとしております。こうした対応を行うために、児童相談所は、休日、夜間であっても速やかに対応できる連絡体制を整えています。また、通告事案が虐待と判断される場合はもとより、虐待とまでは言えない場合であっても何らかの援助を必要とするケースが多く、このような家庭には、ケースワーカー等が家族との関係づくりをしながら助言等を行うほか、必要に応じて心理職による親や子どもへのカウンセリングなども行い、医療機関や子育て支援機関と連携した支援につなげているところです。  次に、今年度の児童虐待防止月間における全国及び島根県の取り組みの状況についてお答えします。
     国におきましては、毎年11月を虐待防止推進月間と定め、子どもの虐待推進フォーラムを開催したり、民間団体や地方公共団体に協力を求め、児童虐待を防ぐための取り組みを推進しています。また、新しい運動として、学生によるオレンジリボン運動が展開されています。これは、近い将来親になり得る若者が主体的に運動にかかわり、児童虐待に関する知識や関心を深めることを目的として、平成25年度から本格的に実施されてるものでございます。今年度は、全国の大学等で、児童虐待に関する勉強会や、学園祭でのオレンジリボンやリーフレットの配布などの運動が実施されています。  島根県におきましては、県内の医療機関や薬局などに対しましてポスターやチラシを送付し、虐待が疑われる場合の通告先あるいは相談窓口を周知したり、テレビスポットCMやJR松江駅での街頭キャンペーンを実施し、児童虐待防止の啓発に努めております。また、市町村におきましても、講演会の実施や広報紙への掲載等、さまざまな活動が実施されております。  この項目の最後に、市町村の要保護児童対策地域協議会及び県における医科、歯科との連携、医療機関での虐待対応についてお答えいたします。  要保護児童対策地域協議会は、県内19市町村全てに設置されておりますが、その構成機関に小児科、産科等の医科が入っているのは、松江市、益田市、西ノ島町など15市町村、歯科が入っているのは、松江市、出雲市、益田市など7市町村でございます。  虐待の早期発見やその後のケアにおきまして、行政と医療機関との連携は重要であると考えております。このため、県におきましては、医師会、小児科医会、産婦人科医会、歯科医師会始め関係機関の参加を得て、毎年、島根県児童虐待防止対策推進連絡会を開催し、児童虐待の状況や各機関における対応状況について情報共有し、相互の連携を図っております。  また、医療関係者は子どもの虐待を発見しやすい立場にあることから、平成23年度には、医療関係者向け児童虐待対応のリーフレットを作成し、県内の医療機関に配付しております。このリーフレットの中では、虐待を発見するための留意点として、不自然な外傷がある、極端な発達のおくれが見られる、必要な医療ケアがされていないなどを列挙するとともに、虐待が疑われる場合には、まず、家に帰せるかどうか、緊急対応が必要かどうかを判断した上で、市町村や児童相談所に連絡する、また事件性がある場合は警察にも通報するといった対応を求めています。  2点目は、ドクターヘリについてであります。  まず、ドクターヘリの医療スタッフの体制と運航実績についてお答えいたします。  ドクターヘリの医療スタッフは、基地病院である県立中央病院救命救急センターの医師9名、看護師9名で運用を行っています。ヘリの出動時には、医師1名、看護師1名の搭乗により対応しています。  ドクターヘリの県内の運航実績は、初年度の平成23年度、この年は6月から運航を開始しましたが、現場救急247件、転院搬送227件でございました。平成24年度は、現場救急337件、転院搬送341件となっています。また、平成25年度は、現場救急437件、転院搬送244件でありまして、スタート時から全国的にも高い運航実績でございました。運航開始からの2年間は、現場救急と転院搬送の件数がほぼ半々でありましたが、昨年度は、現場救急の件数、割合とも高まったところでございます。  次に、県内の臨時離着陸場の整備状況についてお答えします。  現在、県内には414カ所のドクターヘリの臨時離着陸場、これは救急車との合流地点、いわゆるランデブーポイントと言われてるとこでございますが、こうした箇所が確保されております。臨時離着陸場の消防本部別の整備状況は、箇所数の多いところで、江津邑智消防組合消防本部管内が85カ所、雲南広域連合雲南消防本部管内71カ所などとなっております。少ないところでは、大田市消防本部管内が28カ所、益田広域消防本部管内が31カ所などとなっております。  なお、臨時離着陸場の場所としましては、学校の校庭や広場、公園、運動場、公共施設の駐車場などが設定されております。  これまで県では、地域医療再生基金を活用しまして、病院や市町村などが行う臨時離着陸場の整備を支援してまいりました。今後も、新たに創設された地域医療介護総合確保基金を活用して、臨時離着陸場の整備を推進してまいりたいと考えております。  次に、ドクターヘリの広域連携の実績についてお答えします。  ドクターヘリの広域連携は、島根県の働きかけによりまして、中国地方知事会で検討が始まり、昨年1月23日の基本協定の締結を経て、同年5月から順次、協定に基づく運航が開始されました。中国地方では、鳥取県を除く各県に1機ずつ、合わせて4機のドクターヘリが配置されておりますが、昨年度の広域連携の実績は中国地方全体で120件でございました。このうち、他県のヘリが島根県に出動した件数は77件で、その内訳は、広島県から73件、山口県から4件でございました。一方、島根県のヘリが他県に出動した件数は17件で、その内訳は、広島県へ11件、鳥取県へ6件でございました。  広域連携による運航が開始されたことによりまして、浜田市消防本部管内では広島県のドクターヘリを、益田広域消防本部管内では広島県及び山口県のドクターヘリを、それぞれ優先して要請できるようになりました。また、江津邑智消防組合消防本部管内の市町及び飯南町には、基本的には島根県のドクターヘリが出動しますが、重複要請などにより、これが出動できない場合には、広島県のドクターヘリを要請することができるようになりました。その結果、これらの地域では、隣県のドクターヘリにより、現場における患者への対応を迅速に開始することができるようになったところでございます。  この項目の最後に、ドクターヘリの広域連携の負担ルールと額及び負担の試算額についてお答えをいたします。  ドクターヘリの広域連携に係る負担のルールにつきましては、先般行われました中国地方知事会の会議におきまして、ドクターヘリを出動要請した県が運航した県に対して負担金を支払うこと、費用負担については平成27年4月1日以降の出動分から適用することが合意されました。負担金の算定は、出動を要請した県のドクターヘリの総事業費から国庫補助金を控除した額をもとに1件当たりの単価を算出し、これに出動件数を乗じて算出することとなりました。  今年度上半期の実績をもとに年間の負担額を試算しますと、他県のドクターヘリが島根県に出動することによる支出は、広島県へ2,100万円程度、山口県へ800万円程度、合わせて2,900万円程度となります。一方、島根県のドクターヘリが他県に出動することによる収入は、広島県から300万円程度、鳥取県から300万円程度、合わせて600万円程度となりまして、差し引き2,300万円程度の負担額になるものと見込まれます。  3点目は、医療、介護に係る新基金の事業についてであります。  本年度、島根県は、新たに創設された地域医療介護総合確保基金により、3つの分野の事業を実施することとしています。1つは医療従事者の確保、2つ目に在宅医療の推進、3つ目に医療連携の強化促進、こうした医療分野の事業を実施することとしております。  具体的には、まず医療従事者の確保に関する事業として、医療秘書や看護事務補助者の設置支援、過疎、離島地域の病院における医師のリクルート活動等への支援、勤務環境改善支援センターの開設準備などでございます。また、在宅医療の推進に関する事業としましては、訪問看護ステーションの施設整備の支援、訪問診療等に必要な設備の整備などへの支援を行います。また、医療連携の強化促進に関する事業としましては、いわゆるまめネットの普及拡大の支援、病床機能の転換のための施設の整備に対する支援などを行うこととしています。  これらのうち医師会が実施するものとしては、各地域でモデル的に行う多職種連携の取り組み、益田市医師会が行う在宅医療の拠点施設の整備などがございます。歯科医師会が実施するものとしましては、歯科衛生士の復職支援セミナー等の研修、在宅歯科医療を推進するための拠点施設の整備などがあります。看護協会が実施するものとしては、看護師の職を求める者に対する無料職業紹介などがあります。薬剤師会が実施するものとしては、在宅医療用薬剤調製のための無菌調剤室の整備、訪問薬剤指導の研修などを盛り込んでございます。  次に、基金計画策定の状況等についてでございますが、地域医療介護総合確保基金につきましては、毎年度、県の計画をつくって国への申請を行う必要がございます。平成27年度からは、介護分野の事業が新たに基金の対象となります。介護分野としましては、介護基盤の整備及び介護人材の確保の事業を計画に盛り込むこととなります。  平成27年度分の計画に関するスケジュールは、現時点ではまだ国から示されておりませんが、国の来年度予算の成立後、スムーズに対応できるよう、所要の準備を進めています。具体的には、医療分野の事業に関しましては、今年度の早い段階から、関係団体、医療機関及び市町村等に対しまして、平成27年度に要望する事業を固めるようにお願いし、意見交換の場を何度か設けた上で、10月末に第1次の取りまとめを行ったところです。また、介護分野の事業に関しましては、介護基盤の整備に係るものは、介護サービスの見込み量と事業者のニーズとの調整を経て、各市町村から要望があったものを、介護人材の確保に係るものは、訪問看護師の確保事業など、県として継続的に実施する必要がある事業を、それぞれ取りまとめたところでございます。  今後、これら医療分、介護分の要望内容をベースに関係者との調整を行った上で、来春に向けて平成27年度基金計画案としてまとめていく予定としております。以上です。 33: ◯副議長(小沢秀多) 石黒農林水産部長。  〔石黒農林水産部長登壇〕 34: ◯農林水産部長石黒裕規) 私からは、世界農業遺産についてお答えをいたします。  まず、ユネスコ世界遺産との違いについてお答えをいたします。  世界農業遺産は、議員からも御紹介いただきましたけれども、次世代に継承すべき伝統的な農業のシステムを国連食糧農業機関FAOが認定するものであるのに対しまして、世界遺産は、ユネスコ、国連教育科学文化機関が登録するものでございまして、石見銀山のような文化遺産は、遺跡や歴史的建造物などの不動産を登録するものとなっております。農業遺産は、2002年から認定が始まりまして、現在、全体で31地域が認定されております。世界遺産は、1975年から登録が始まっておりまして、文化遺産については779件が登録されております。  次に、認定までの手続についてでございますけれども、おおむね次のとおりとなっております。まず、認定を目指す地域、こちらの地域が、関係する市町村や団体などで構成する協議会を設置していただきます。そして、この協議会がFAOへ世界農業遺産の認定申請をすることになるわけでございますけれども、申請に先立ちまして、県の賛同を示す意見書と、大学や研究機関などの学術的な裏づけを示す意見書を添付して、農林水産省の承認を得る必要がございます。農林水産省の承認が得られましたら、協議会が認定申請書を英訳いたしまして、FAOへ認定申請をすることになります。FAOでは、申請内容を評価、審査いたしまして、おおむね2年に1回開催されるGIAHS国際フォーラムで認定されるという流れになっております。  次に、日本の既に認定されている地域5地域の評価された点についてお答えをいたします。  まず、新潟県佐渡地域でございますけれども、金山の歴史が生み出した棚田などの水田で、冬季湛水など生き物を育む農法、具体的にはトキでございますけれども、それとその認証制度を推進していること、また農業が能やおんでこ、鬼太鼓と書きますけど、おんでこなどの農村文化の発展につながり、佐渡独特の自然、風景、文化、生物多様性を保全していることなどが評価されたものでございます。  次に、石川県能登地域は、棚田やため池による里山の景観や、海女漁、揚げ浜式の製塩──塩ですね──など、里海の資源を生かした伝統技術の継承、「あえのこと」と呼ばれる豊作を祈願する祭礼など、農業と結びついた風習や文化が残っていることなどが評価されたものでございます。  3つ目に、静岡県掛川地区でございますけれども、お茶の生産の過程で、ススキなどを茶園の敷料として用いる農法により、半自然草地を維持し、農業生産と生物多様性を保全している取り組みなどが評価されたものでございます。  4つ目に、熊本県阿蘇地域でございますけれども、世界最大級のカルデラ周辺に広がる草原を利用した放牧、採草、野焼きによって2次的自然を維持し、生物多様性、農村景観を保全している取り組みなどが評価されたものでございます。  5つ目に、大分県国東地域でございますけれども、雨の少ない環境下で、小規模なため池群を張りめぐらせて、効果的な土地、水利用を江戸時代から実践し、日本一の干しシイタケ産地の形成や、国内で唯一の畳表の材料となるシチトウイと呼ばれる特産のイグサの生産を行っている取り組みなどが評価されたものでございます。  次に、候補地3地域ございますけども、その特徴についてお答えをいたします。  1つ目、岐阜県長良川上中流域でございますけれども、アユを中心とした内水面漁業が盛んでありまして、流域の人々の日々の暮らしや水質保全活動により、清らかな流れが保たれ、その清流によりアユが育ち、地域の人々がアユからの恩恵を享受するなど、人の生活、水環境、漁業資源が相互に関連するシステムが特徴でございます。  2つ目に、和歌山県みなべ、田辺地域でございますけれども、養分に乏しいれき質の斜面を利用した梅林と、その周辺に薪炭林を残すことによりまして、水源涵養や崩落防止などの機能を持たせ、薪炭林に生息するニホンミツバチと梅との共生を図るなど、地域資源を有効活用して高品質な梅を持続的に生産する農業システムが特徴となっております。  最後に、宮崎県高千穂郷、椎葉山地域でございますけれども、険しく平地が少ない山間地において、針葉樹と広葉樹で構成されるモザイク林等による森林保全管理、伝統的な焼き畑農業、急斜面に築かれた500キロを超える水路網を有する棚田の米づくりなど、複合的農林業システムと、神楽などの特色ある伝統文化の継承が特徴となっております。以上でございます。 35: ◯副議長(小沢秀多) 松本病院局長。  〔松本病院局長登壇〕 36: ◯病院局長(松本功) 私からは、ドクターヘリに関連をして2点お答えをいたします。  まず、ドクターヘリ搭乗により得られる一般的な診療報酬の額と患者負担額についてでございます。  診療報酬につきましては、議員御指摘のとおり、初診料、再診料、往診料、救急搬送診療料、処置料などが算定をされることになります。これらの項目を合計したものが出動1回当たりの診療報酬の額ということになります。  実際には、ケースにより金額は異なりますが、平成25年度における県外出動を含めた患者搬送等を行った運航実績、これが695件ということでございますが、これのうち中央病院以外の他病院へ搬送したケース、このケースですと、いわゆるドクターヘリ出動に係る経費というものが明確になりますので、そういうケースが319件ございます。それの実績によりますと、1回当たり3万4,810円という数字になってございます。この金額は、受け入れ医療機関、これが中央病院であっても基本的には同様であろうというふうに考えております。  したがいまして、患者さんの負担につきましては、医療保険が通常の3割負担の場合、先ほどの3万4,810円、これの3割ということになりますので、1万440円ということになります。  なお、最初に言いましたとおり、実際にはケースによって金額は異なります。現場や機内での処置の違い等によりまして、例えば25年度ですと、1万円程度から10万円を超えるところまで、いろいろさまざまなケースがございます。  次に、平成25年度の中央病院におけるドクターヘリの収支状況についてでございます。  まず、収入につきましては、先ほど申し上げましたが、保険診療による収入、これは出動695件、1件当たり3万4,810円ということでございますので約2,400万円、国庫補助基準に基づく医師、看護師確保経費ですとか、屋上ヘリポートの給油施設、ヘリに搭載する医療機器等の維持管理経費、そういったものに対する一般会計の負担金収入、そういうものが約2,300万円ということでございまして、合計約4,700万円というふうに試算をしております。  一方、支出につきましては、フライトドクター及びフライトナースそれぞれ1名が365日常時待機ということになりますので、この人件費で約4,400万円、このほか施設設備の維持管理費や材料費、そういったものを加えた支出合計は約5,200万円になると試算をしております。  これらを差し引きますと、平成25年度には約500万円のマイナスというふうな結果になりますが、このドクターヘリの運航につきましては、県の3次救急医療を担う県立病院の重要な役割であるというふうに認識をいたしております。引き続き、医療スタッフの充実に努めてまいります。以上でございます。 37: ◯副議長(小沢秀多) この際しばらく休憩し、午後2時10分から再開をいたします。        午後2時1分休憩        午後2時12分再開 38: ◯副議長(小沢秀多) それでは、会議を再開いたします。  引き続いて一般質問を行います。  尾村議員。  〔尾村利成議員登壇、拍手〕 39: ◯尾村利成議員 日本共産党の尾村利成でございます。  質問の第1は、知事の政治姿勢についてです。  11月21日、衆議院が解散し、総選挙となりました。解散総選挙は、安倍政権があらゆる分野で国民の願いに反する政治を進め、世論と運動に追い込まれた結果であります。消費税増税、原発再稼働、集団的自衛権行使容認、労働法制改悪、沖縄米軍新基地建設、相次ぐ閣僚の金権疑惑など、どの問題でも国民との矛盾が広がり、支持率は低下の一途で、今を逃せば選挙に勝てないとの打算による追い込まれての解散であります。  安倍首相は、GDPの2期連続マイナスを受け、消費税10%の1年半先送りを表明しました。このこと自体、みずからの増税路線とアベノミクスの破綻を認めたものにほかなりません。今の景気悪化は、8%への増税を強行した自民、公明、民主の増税不況によるものであります。  消費税に頼らなくても、財源も社会保障も立て直す道がございます。それは、富裕層と大企業に応分の負担を求め、史上空前に膨れ上がった大企業の内部留保を活用し、国民の所得をふやす方向へ切りかえることであります。我が党は、消費税10%の先送り実施ではなく、きっぱり中止を求めるものであります。  安倍政権が進めるアベノミクスは、異常な金融緩和と財政拡大、世界で最も企業が活躍しやすい国を目指す規制緩和が3本柱です。大企業がもうかれば賃金も上がり、消費もふえるというトリクルダウン政策、おこぼれ経済理論によって、大企業の含み資産や大資産家の所得はふえました。しかしその一方、国民にとっては、円安で物価は上がりながらも実質賃金は上がらず、生活は苦しくなる一方でありました。どの世論調査でも、景気回復の実感がないとの声は8割から9割にも上っています。  アベノミクスがもたらしたものは、格差拡大と景気の悪化だけであります。我が党は、アベノミクスの中止を求め、人間らしく働ける雇用のルールをつくり、社会保障の充実、TPP交渉からの撤退と、農業、中小企業の振興で、暮らし第一で経済を立て直すために全力を尽くす決意であります。  福島原発事故から3年8カ月がたちました。しかし、今なお福島では12万人を超える県民が厳しい避難生活を強いられています。安倍首相は、福島原発全基廃炉を求めたオール福島の声を、それは事業者の判断で行うべきもの、このように人ごとのごとく冷たく切り捨てました。実効ある避難計画も重大事故を防ぐ対策も整っていない川内原発については、原子力規制委員会が厳格な審査を行っていると強弁し、再稼働を強行しようとしています。  安全な原発などあり得ません。原発ゼロの実現こそ、命と安全を守る確かな保障であり、国民の確たる願いであります。  平和の問題では、集団的自衛権行使容認の閣議決定に怒りの声が沸き起こっています。安倍首相は、アフガン、イラク戦争のような戦争をアメリカが引き起こした際、自衛隊が戦闘地域に行くこと、そしてそこで攻撃対象となれば武器を使用することを国会で認めました。集団的自衛権の行使とは、海外で戦争をすることにほかなりません。憲法9条を生かし、平和の外交戦略こそ、国民の願いであります。  国の間違った政治に対して、国にきっぱり物が言えなければ、島根県民の暮らしと命を守ることはできません。さきの沖縄県知事選挙では、新基地建設を強行する国に対する厳しい審判が下されました。沖縄県民よりもアメリカに顔を向ける政府に対し、沖縄県民は米軍基地ノーの回答を突きつけたのであります。  知事に伺います。  県政の主人公は県民であります。県民の願いに反する政治では、決して県民の信頼を得ることはできません。  私ども日本共産党県議団が実施した県民アンケートでは、消費税増税反対が83.3%、島根原発再稼働反対が74.2%、集団的自衛権を認めるべきではないが68.1%の結果でありました。安倍政権の政策とは全く逆の方向であります。  県民の願意を重く受けとめ、消費税10%増税はきっぱり中止、原発再稼働ストップ、戦争する国づくり許さないとの民意を生かしてこそ、県民の信頼と期待に応える道ではありませんか。所見を伺います。  次に、政治と金の問題について伺います。  後援会の観劇などをめぐる疑惑が指摘された小渕前経産相と、うちわを配った松島前法務相の辞任後も、宮沢経産相の東京電力株保有や外国人企業からの献金疑惑、有村女性活躍相の脱税企業からの献金などが発覚しています。そして、塩崎厚労相の秘書の口きき疑惑や、江渡防衛相の収支報告書の訂正に加え、西川農水相の親族企業からの物品購入や、望月環境相のイベントでの報告書での収支食い違いの疑惑も明らかとなりました。  これら一連の疑惑の原資、元手となっているのが、企業・団体献金と政党助成金であります。経団連は、企業献金の再開を表明しました。企業献金によって法人実効税率引き下げ、原発再稼働、消費税率引き上げなど、政策を金で買う行為は政治をゆがめ、民主主義を破壊するものであります。  知事に伺います。  金権腐敗政治の根源である企業・団体献金中止、憲法違反の政党助成金を廃止してこそ、清潔で、県民の暮らしと福祉、命を守る政治が実現できると私は考えます。所見を伺います。  次に、原発問題について伺います。  宮沢経産相は、11月3日、鹿児島県を訪れ、万一事故が起きた場合は国が責任を持って対処することを表明し、再稼働同意を迫りました。その結果、11月7日、鹿児島県知事は、多くの県民の反対を押し切って、九州電力川内原発の再稼働の同意を受け入れました。安倍政権の圧力と原発マネーが、鹿児島県知事と県議会の同意につながったのであります。  宮沢経産相は鹿児島で、川内原発をかわうち原発と呼び、大ひんしゅくを買いました。本当に原発のことがわかっているのでしょうか。情けない限りであります。福島原発の事故処理に責任を持たない政府が、事故が起きた場合国が責任を持って対処するなど、よく言えたものです。  川内原発は火山噴火対策が大問題なのに、原子力規制委員会では十分な審査が行われませんでした。九州電力は、火山噴火の予知ができると強弁しましたが、火山学者は、噴火は予知できないとしています。そしてその上、実効ある避難計画は未策定であります。  鹿児島県内で開催された住民説明会では、住民から多数の不安や疑問が出されました。しかし、国はまともに回答できず、住民の合意は全く得られていません。原発から30キロ圏内のいちき串木野市や姶良市などの議会からは、川内原発再稼働反対、廃炉を求める決議が相次ぎました。この点からも、地元同意が得られたなどとは到底言えません。鹿児島県の拙速で乱暴な再稼働決定に、島根県民からも怒りと不安の声が数多く今出ています。  知事に伺います。  福島原発の事故原因は、いまだ究明されていません。島根県民は、危険な原発再稼働など望んでいません。福島事故の原因究明、立地・周辺自治体や鳥取県、そして何より県民の理解と納得、そして実効ある避難計画の策定、使用済み核燃料処理問題の解決なしに、島根原発再稼働などあり得ないではありませんか。知事の所見を伺います。  次に、核燃料税について伺います。  今議会には、税収を安定的に確保する目的で、稼働原発の核燃料に課してきた核燃料税を、原発が停止中であっても課税できる仕組みへと変更する出力割導入の条例案が提案されました。  核燃料税の原資は何でしょうか。それは、住民が負担している電気料金であります。電気料金には、電源三法交付金の原資である電源開発促進税も上乗せされており、その上、新たなる出力割導入によってまたもや住民に負担が転嫁され、間違いなくさらなる住民への負担増加につながるではありませんか。  そうであるなら、核燃料税の税率変更、決定に当たっては、料金を負担する住民の意見を聞くことこそ当然のエチケットであります。住民の理解と合意の上で判断すべきではありませんか。いかがですか。  福島県は、2012年12月に核燃料税を廃止しました。その理由は、原発稼働を前提とする核燃料税は福島の状況にそぐわないとの理由であります。  県民の願いは、原発ゼロの島根をつくることです。そのためにも、核燃料税など原発依存の財政構造から脱却すべきであり、原発再稼働を前提とした核燃料税は廃止すべきであります。知事の所見を伺います。  次に、国民健康保険について伺います。  高い保険料、保険税に、住民から悲鳴が上がっています。本年6月1日時点で、県内において、国民健康保険加入世帯の1割に当たる9,000世帯が滞納となっています。  この間、私は、滞納者への無慈悲な保険証の取り上げ、給料や年金を差し押さえる強権的な取り立ての実態を告発し、改善を強く求めてきたところであります。益田市のひどい実例を告発したいと思います。
     昨年8月より、益田市は、国民健康保険税納付コールセンター事業をスタートしました。この事業は、年3回、保険税未納者に対し、民間事業者であるコールセンターが電話により納付勧奨を実施するものであります。これまで1,535件の滞納者リストがコールセンターへ提供され、悪質な滞納者ではなく、1カ月だけ納付がおくれた人に対しても督促電話がかけられております。電話を受けた人からは、なぜ益田市役所からではなく民間の知らない人から督促を受けるのですか、自分の情報が第三者に漏れて怖い、詐欺の電話かと思いましたなど、戸惑いと不信の声が出されております。  県は、滞納問題に関する私の質問に、市町村に対しては、滞納者には親身な相談収納活動を心がけること、徴収第一主義ではなく本人の生活の困窮度などをよく把握した上できめ細やかかつ柔軟な対応に努めること、このことを指導そして助言すると答弁してきました。滞納者リストのコールセンター提供は、個人情報の保護に抵触するではありませんか。滞納者に対する生活実態を全く鑑みることなく、納付だけを求める徴収第一主義そのものではありませんか。  コールセンター事業は、即刻中止すべきであります。所見を伺います。  次に、国保の広域化についてです。  現在、国保運営を都道府県に移管する新制度が検討されています。新制度では、県が域内の医療費を賄うのに必要な保険料総額の分賦金を市町村に割り当てることとされています。医療費が低い市町村の分賦金は低くし、医療費が高い市町村は分賦金を高くするなど、医療費削減を市町村に競わせる仕組みが検討されています。また、県が示す目標より高い収納率を上げた市町村は低い保険料率を設定できるとし、保険料の徴収強化が狙われています。  結局、国保広域化とは、国保会計への一般会計繰り入れ中止による保険料値上げの道であり、収納率目標設定による徴収の強化、一部負担金減免など自治体独自の医療費助成制度の廃止、縮小など、住民の利益に反するものです。広域化路線は中止すべきであります。所見を伺います。  次に、女性への格差と差別の是正について伺います。  世界経済フォーラムが毎年示す男女の格差指数調査で、日本は136カ国中105位の位置にあります。日本の女性の人権、平等のおくれは、国連女性差別撤廃委員会や人権規約委員会などの国際機関から繰り返し改善が指摘されています。女性の賃金は正社員で男性の7割、管理職の女性比率は1割以下にすぎず、働く女性の半数以上がパートや派遣、契約社員などの非正規雇用に置かれています。働く女性への差別と格差を是正し、労働条件や職場環境の改善は待ったなしの課題であります。  ところが、安倍政権の女性活躍推進施策には、そのかなめとなる男女の格差是正や女性に対する差別撤廃の言葉も政策もありません。経団連は、女性の活躍は女性のための施策ではない、企業の競争力を左右する経営戦略、日本経済の持続的な発展を可能にするための成長戦略そのものとの政策提言を行い、ずばり女性を利益の道具にする意図を明らかにしています。女性の活躍推進と言いながら、企業が世界一活躍しやすい国をつくるために女性を都合よく活用し利用することは、女性を二重三重にだまし、新たな女性への差別と格差を広げることではありませんか。  知事に伺います。  男女の賃金格差、妊娠、出産による退職や、保育所不足、母子家庭を始めとする貧困問題で、女性が置かれている厳しい実態を直視し、法律や制度を改めるべきであります。企業に対しては、男女の賃金格差やパート労働者への差別的取り扱いの禁止、育児や介護の休業、休暇の取得保障、復帰後の不利益扱いを行わないよう働きかけ、実効ある対策を講じるべきであります。所見を伺います。  次に、一人一人の人権を認めない封建的な家制度、明治時代の家父長制度の名残である所得税法第56条についてです。  所得税法第56条は、事業主の配偶者やその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しないと規定しています。そのため、妻など家族従業者の働き分は全て事業主の所得となり、どんなに働いてもただ働きで、必要経費としては認められません。事業主の所得から控除される働き分は、配偶者86万円、家族50万円で、最低賃金にも満たないものであります。  世界の主要国では、自家労賃を必要経費として認め、家族従業者の人格、人権、労働を正当に評価しています。憲法や男女共同参画社会基本法に基づき、人権侵害の所得税法第56条を早急に廃止すべきであります。所見を伺います。  次に、子どもの貧困対策について伺います。  厚労省の調査で、子どもの貧困率が過去最悪の16.3%となり、ほぼ6人に1人の子どもが貧困状態にあることが明らかとなりました。特にひとり親家庭の貧困率は54.6%にも及んでいます。  政府が進めてきた雇用破壊と消費税増税、社会保障の切り捨てによって、貧困と格差が拡大しました。生活保護費削減や就学援助の縮小、ひとり親世帯への児童扶養手当のカットなどが、子どもを持つ生活困窮世帯を追い詰めています。  昨年6月、子どもの貧困対策法が制定されました。対策法では、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備することを掲げ、教育や経済的支援の実施を国の責務と明記しました。  子どもの貧困対策を進めるために、貧困率改善の数値目標の設定、児童扶養手当の拡充、給付型奨学金の導入、子どもの医療費の負担軽減などの抜本的支援策が必要と考えます。所見を伺います。  次に、就学援助についてです。  島根県内の小中学生で就学援助を受給している生徒数は年々増加し、現在約15%に上っています。就学援助制度は、義務教育は無償とした憲法第26条など関係法に基づいて、家計が苦しい小中学生に学用品や給食費、修学旅行費、部活動などの費用を支給する制度です。  県内の市町村教育委員会の実施状況を見ると、周知に当たって自治体の広報紙に制度を記載したり、ホームページに制度を記載、また就学案内の書類に記載するなど、さまざまな対応がとられています。また、準要保護認定基準としては、雲南市と邑南町で生活保護基準の1.5倍の基準が設定されていますが、認定基準が1.3倍、1.2倍の自治体もあり、中には基準そのものが設定されていない自治体もあります。  子どもたちの教育を受ける権利を保障するために、就学援助制度のさらなる周知徹底を進めるとともに、準要保護認定基準の対象は少なくとも生活保護基準の1.5倍とするよう市町村に助言すべきと考えます。教育長の所見を伺います。  最後に、教育問題、学力テストについて伺います。  全国一斉学力テストは、過度な競争や序列化を招いています。学校では、子どもたちの実態を無視したテスト対策や、過去に出た問題を解かせる過去問練習やドリルが押しつけられ、テストのためのテストが繰り返されています。このような実態は、学力をつけるためではなく、テスト対策そのものではありませんか。  県内のある市において、テスト実施日に生徒の答案用紙を全員分コピーし、それを学校で独自採点せよ、こういう指示が教育委員会から出されました。この驚くべき事態に、学校現場では混乱や戸惑いが生じました。  松江市教育委員会は10月22日、全国学力テストの学校別成績を公表しました。公表に当たって、小学、中学校長会からは、学校がランクづけされ、子どもたちの自尊心が傷つけられるとの懸念が表明され、教育関係者からは、数字がひとり歩きし、点数至上主義とも言える過度な競争を招きかねないとの意見が出されました。保護者からは、うちの子の点数が悪くて学校に申しわけなく思います、次のテストは学校を休ませることにしますなどの悲痛な声も出されています。公表することによるメリット、デメリットの議論が十分されることなく、関係者の合意がないままでの一方的公表によって、子どもや関係者は深く傷ついています。  県教育委員会は、このたびの松江市の学校別成績公表の弊害をどう認識していますか。また、いかなる問題意識を持っていますか、伺います。  子どもを苦しめ、学校間の序列化を生み、学校現場を競争主義に駆り立てる学力テストの実施、テストの結果公表は、行うべきではありません。真の学力向上の道は、少人数学級の実施や教育費の無償化など、子どもたちが安心して学べるための条件整備を進めることです。そして、多忙をきわめる教職員の勤務環境を改善し、経済的困難を抱え子育てに不安を持っている保護者を支援することではありませんか。  行政は、学校や家庭を励ます施策の充実にこそ力を入れるべきと考えます。教育長の所見を伺って、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 40: ◯副議長(小沢秀多) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 41: ◯知事溝口善兵衛) 尾村議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初の質問は、消費税10%増税中止、原発再稼働ストップ、戦争する国づくりを許さないといった民意を生かした政治について所見を問うと、こういう御質問でございます。  まず、国政におきましては、安倍総理は消費税10%引き上げを延期し平成29年4月から引き上げることの是非や、経済政策アベノミクスを実行されておるわけでございますが、それについていろんな論議があるということで、アベノミクスの是非についても国民の信を問うということで、この時期に衆議院を解散する大きな理由として上げられておられます。  この問題につきましてはいろいろ意見があるわけでございますけども、この問題以外に、議員もお触れになっておりますけども、国政におきましてはさまざまな課題が山積をしております。総選挙では、例えば安全保障のあり方、国のエネルギー政策のあり方、経済再建と財政の再建の両立、地方創生や女性の方々が活躍できる社会の実現など、これからの日本をどう築いていくのかにかかわるさまざまな重要課題があるわけでございます。これらにつきまして、各政党がみずからの考えを国民に訴え、競うことによって、民意の大きな流れが選挙結果にあらわれ、これによって国政が進んでいくものだというふうに思います。  したがいまして、各政党がこうした重要課題にどう対応するのか、総選挙におきまして議論が深まり、民意を踏まえた政治が展開されることを期待する次第でございます。私自身も、いろんな場を通じまして、あるいはこの議会における議論、あるいは県民の方々の意見をいろんな場で聞くことがございますけども、そういうことをよくお聞きして、県民の方々の民意を踏まえて県政を運営してまいる所存でございます。  次に、企業・団体献金の中止と政党助成金の廃止について所見を問うという質問でございます。  政治資金は、政党や公職の候補者が適切な政治活動を行い、それぞれの考え方を国民の皆さんに伝えていく、それによって民主主義が機能する、そういうものに必要なものとされておるわけでございます。したがいまして、政治資金は、適切な政治活動に適切に使われることが必要であります。政治資金規正法により、寄附に関するルールや収支公開が定められておるのであります。そして、企業献金、団体献金も含め、政治資金の収支が十分に公開をされ、常に国民のチェックを受ける必要があるのであります。  次に、政党助成制度につきましては、議会制民主主義を支える重要な役割を担う政党に対し、国から政党交付金を交付する仕組みであります。この交付金は、政党の政治活動の自由を尊重するため、使い方を制限するものではありませんが、国への報告書は公開をされることになっておるわけであります。  こういう意味で、この2つの制度は、日本における政治活動に対して重要な役割を有しておるものでありまして、政治に携わる者一人一人がこの制度の適切な運用に心がけていくことが大変大事なことだというふうに考えております。  次に、原発再稼働についての御質問がありました。  原発の再稼働につきましては、政府は、原子力規制委員会による新規制基準適合性審査に適合すると認められた場合には再稼働を進めるという方針を明らかにして進めておられるところであります。その際、地元の理解と協力を得るため、新規制基準への適合結果でありますとか、あるいは国のエネルギー政策、原子力政策、そしてまた当該地域の原子力災害対策などにつきまして、関係地域の住民の方々や自治体、その議会などに政府の方針について丁寧に説明をするということとされております。  また、県におきましても、万が一の事故が発生した場合に備え、避難計画を含む地域防災体制の充実を図るべく、国とともにワーキングチームなどで検討を進めているところでございます。しかし、原発について、リスクがゼロにはならないわけでございまして、政府のエネルギー基本計画におきましても、再稼働の際に政府は責任を持ってそうした事態に対処するということを明らかにしておるところであります。  仮に政府から島根原発の再稼働について地元の同意を求められた場合には、県議会を始め県安全対策協議会、県の原子力安全顧問、さらに松江市や周辺自治体などの意見をよくお聞きをして、総合的に判断をしていく考えであります。この考え方は従来より申し上げていることでございまして、この考え方に変わりはありません。  なお、福島原発の事故の原因究明につきましての御意見、御質問もありました。  この原因究明につきましては、政府などによる事故調査の結果を踏まえ、相当程度の原因の分析がなされ、その結果も踏まえ新規制基準がつくられております。従来に比べ、地震や津波の想定の仕方が厳格化され、対策も強化をされているとされております。  しかし、そうした対策にもかかわらず万が一の重大事故に至った場合でも対応できるよう、シビアアクシデント対策が新設をされ、万が一の事態に対して政府は責任を持って対処するということを言明されておられるわけでございます。また、現在も原子力規制委員会で事故調査が進められており、仮に新しい知見が出てくれば、当然基準も見直され、全国の原発に適用されるものだというふうに理解をしておるところであります。  次に、核燃料税の税率決定における住民の理解及び核燃料税の廃止についての質問であります。  議員御指摘のように、核燃料税が電力会社のコストに影響するわけでございます。そしてまた、そのコストは電力料金に影響するものであります。  この問題を逆に考えてみますと、電力料金のほうから見てみますとどういうことになるのかということを申し上げますと、まず電力料金は、電気を安定的に供給するため、火力でありますとか水力でありますとか、あるいは原発でありますとか、発電事業に要する経費を総合しまして、その経費が賄われるように電力料金が定められるというのが原則でございます。そうしませんと、電力の安定供給というのはできないわけでございます。  他方で、原発立地県におきましては、原発が稼働しているいかんにかかわらず、原発そのものが最終的な廃止が行われるまでは、防災対策などの負担が生ずるわけでございます。しかし、そうした負担を、原発立地県でありますとか原発市でありますとか、その県民、市民が負担するものではないわけであります。それは国のエネルギー政策あるいは地域の電力供給のために必要であるからそういうものがそういう立地自治体にあるわけでございますから、それにかかわる経費につきましては、例えば原発につきましては、原子力政策を進めてきている国と事業を営む電力会社が負担をしなければならないわけでございます。そして、この電力料金の決定は、事業者からの申請を受けた経済産業大臣が、関係の法令に基づく審査や広く一般からの意見を聴取する公聴会などを行った上で認可されるものであるというふうに理解をしております。  今回の核燃料税の更新では、原発立地県として防災対策などを着実に実施し、また必要となる財源を安定的に確保するため、事業者に一定の負担を求めるものでございます。  次に、女性の置かれている厳しい実態への対処についての御質問がありました。  議員からは、女性の活躍を推進する前提として、女性が置かれている実態を直視すべきであるとの御指摘がありました。私も御指摘のとおり、女性の方々が置かれている状況につきまして、さまざまな厳しい実態があると思います。例えば、職業上のキャリアアップを阻む壁を感じておられる女性の方もおられると思いますし、正社員として働きたいが機会に恵まれず、非正規雇用で働いておられる女性の方もおられます。また、出産、育児、介護において精神的、経済的な悩みを抱えておられたり、仕事との両立に苦労されておられる女性の方々もおられます。あるいは、ひとり親として世帯を支えながら、精神的、経済的に苦しんでおられる女性の方もおられます。さらに、ストーカーやセクハラなどの被害からの救済を求めておられる女性の方もおられるわけでございます。  こうした問題は、社会全体で、そして政治において取り組んでいかなければならない大きな課題であります。例えば、職場で活躍をしたいという希望に応えられるような雇用環境の整備、処遇の改善が必要であります。安心して妊娠、出産、子育て、介護をしたいという希望に応えられるようなさまざまな支援の強化も必要であります。労働や家事、育児、介護などの分担を男女とも選択できるようにすべきであるという希望に応えられるようなワーク・ライフ・バランスの考え方の徹底でありますとか、関連する法制度の見直しも必要でありましょう。  こうした取り組みは、人口減少問題にも深く関連する重要な政策課題でございますし、県としましても、先般、議会とともに、国に対する提言の中でこういう点にも触れてきたところでございます。県としましては、こうした施策を粘り強く着実に推進をしていく考えでございます。  次に、男女の賃金格差等、労働条件に関し、女性に不利益な扱いを行わないよう、企業に対しての働きかけ、実効ある対策を講ずることについての御質問でございます。  企業に対し、県では、男女を問わず労働者の方々が働きやすい環境整備の一環として、次の取り組みを独自に実施をしております。中小零細企業にアドバイザーを派遣し、就業規則等の見直しなど労務管理に関する助言や情報提供の実施、企業の役員を対象としたワーク・ライフ・バランス推進のための研修会の開催、労働条件や就業環境などに関する相談窓口を設けてアドバイスを行い、島根労働局などの関係機関と連携した対応、このようなことを行っておりますが、県としましては、女性の方々が社会の中で活躍できる職場づくりに向け、引き続き努力してまいります。  最後に、子どもの貧困対策についての御質問がありました。  子どもの貧困対策につきましては、平成25年6月に、子どもの貧困対策に関する法律が制定をされ、それに基づき国の大綱が定められております。その大綱によりますと、子どもの貧困率や就学率など25の指標を定め、これを重点的な施策展開により全体的に改善していくという考え方が示されております。  県では、この国の大綱を踏まえ、今年度中に計画を策定することとしております。児童扶養手当の拡充、給付型奨学金の導入、子どもの医療費負担の軽減などの施策につきましては、住んでいる地域により差がいろいろあるわけでございますが、そうした差が出ないよう、国においてさらに議論が進められる必要があるというふうに考えております。また、県としましては、支援が必要な子どもを早期に発見し、きめ細かい支援を行っていくことが重要と考えておりまして、今後、関係機関との連携の仕組みづくりなどに取り組んでいく考えでございます。以上であります。 42: ◯副議長(小沢秀多) 鴨木環境生活部長。  〔鴨木環境生活部長登壇〕 43: ◯環境生活部長(鴨木朗) 所得税法に関する御質問にお答えいたします。  所得税法第56条の問題につきましては、国会において答弁が重ねられております。また、税務当局による研究、検討が行われていると承知しております。これは、個人事業主の所得の把握をどうするかという課税上の問題であると思いますが、零細な個人事業者の方々にとりましては、配偶者などの労働の対価を必要経費に算入するための要件、すなわち記帳と帳簿書類の整備を行うということが困難な実態もあると思われます。したがいまして、そうした実態を踏まえました課税上の配慮のあり方について検討がなされていくことを期待したいと考えております。以上であります。 44: ◯副議長(小沢秀多) 原健康福祉部長。  〔原健康福祉部長登壇〕 45: ◯健康福祉部長原仁史) 私からは、国民健康保険に関する御質問にお答えいたします。  まず、益田市のコールセンター事業に対する所見についてお尋ねがございました。  益田市におきましては、島根県国民健康保険団体連合会が実施する収納率向上に向けたモデル事業として、平成25年度から平成26年度までの2カ年間、国民健康保険税納付コールセンター事業を実施されています。この事業は、国民健康保険税の長期滞納者の発生を防止するため、市からの委託業者が未納者に電話による納付の呼びかけなどを行うものでございます。  委託業者に提供する個人情報の取り扱いにつきましては、益田市個人情報保護条例に基づきまして、市の審議会に諮問し、了承されたと伺っております。  議員も触れられましたけども、島根県では平成26年6月1日現在、国保世帯9万7,640世帯のうち約1割に当たる9,063世帯が保険料を滞納している状況にございます。保険料負担の公平性の確保の観点から、負担能力のある滞納者からは保険料を納めていただく必要がありますが、納付困難者につきましては、早期の実態把握に努め、納付相談につなげていくことが重要であると考えております。  県としましては、このモデル事業も含めまして、滞納者に対して親身な相談収納活動を心がけ、経済状況を十分に把握した上で適切に対応するよう、引き続き指導助言をしてまいります。  次に、国保広域化を中止すべきとのお尋ねにお答えいたします。  昨年12月に成立しましたいわゆるプログラム法は、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革を推進することを目的としております。この法律におきまして、国保の広域化の方向性が示され、それに基づき、現在、国と地方の協議の場である国保基盤強化協議会において議論が進められております。  全国知事会としましては、国に対し、県民に過度な保険料の負担を負わせることなく、将来にわたり国保の持続可能性を担保するための措置を講じることを強く求めております。島根県としましては、国保広域化を取り巻くさまざまな動向を注視しつつ、市町村と適宜情報を共有するとともに、国保のあり方に関して今後とも積極的に意見交換を行っていくこととしております。以上です。 46: ◯副議長(小沢秀多) 藤原教育長。  〔藤原教育長登壇〕 47: ◯教育長(藤原孝行) 3点についてお答えします。  1点目は、就学援助制度についてであります。  就学援助制度については、県内全ての市町村において、入学時や進級時に書類を配付したり、自治体の広報紙、ホームページや就学案内の書類で制度を紹介するなど、周知に努めているところです。県においても、ホームページ上で、就学援助を始めとするさまざまな支援制度について紹介しています。  就学援助制度は、教育の機会均等を保障する上で必要なものであります。国の基準による要保護認定に対し、準要保護認定は市町村が独自の基準で認定するものですが、現在市町村が行っているさまざまな就学援助が一層充実するよう、引き続き市町村に働きかけてまいります。  2点目は、全国学力テストの学校別成績の公表についてであります。  国が示した全国学力・学習状況調査の実施要領では、学校別の結果を公表することが過度な競争につながらないよう、数値を一覧にしての公表は行わないこと、公表内容、方法等については当該学校と事前に十分に相談することなどの配慮事項が記載されております。  学校別結果の公表については、設置管理者である市町村教育委員会がそれぞれの判断で行うべきことですが、公表に際しては、学校の序列化や過度な競争につながらないような配慮が大切です。加えて、結果を踏まえた改善策について、児童生徒や保護者に対して十分説明していくことも必要だと考えております。  3点目は、子どもたちが安心して学べるための条件整備についてであります。  子どもたちの学力向上策として、生活指導と学習指導の両面において、児童生徒一人一人に対するきめ細かな指導の充実を図ることは重要です。少人数学級編制については、県独自の施策として、これまで小学校1、2年生の30人学級編制に加え、今年度から小学校3、4年生と中学校1年生に35人学級編制を導入し、平成28年度には全学年に拡大予定です。  また、発達障がいのある子どもたちに対するにこにこサポート事業、いわゆる中1ギャップの解消に向けたクラスサポート事業、不登校などの個別の支援を要する生徒に対応する学びいきいきサポート事業など、学校を支援するため非常勤講師を配置しており、今後も継続に努めてまいります。  教員の多忙化の解消に向けた取り組みとしては、不要な業務の廃止、削減、会議資料作成の効率化など、事務負担の軽減について、管理職に工夫するよう指導してきております。今後さらに、勤務状況の実態を把握し、市町村教育委員会と協力して、勤務環境の改善を図ってまいります。  経済的困難を抱える保護者への支援については、小中学校における就学援助制度に加え、今年度から、高校生のいる世帯を対象とする奨学のための給付金制度を新たに創設したところです。  こうした学校や家庭を励ます施策の充実を通して、子どもたちが安心して学べるための条件整備に向け、引き続き努力してまいります。以上です。 48: ◯副議長(小沢秀多) 尾村議員。  〔尾村利成議員登壇〕 49: ◯尾村利成議員 3点再質問します。環境生活部長、それから健康福祉部長、そして知事。  まず、環境生活部長、所得税法第56条、課税上の問題ということでした。私はそう言ってるんではありません。これは確かに課税上の問題もあります。そうではなくて、家族従業者の働き分を正当に評価しない、自家労賃を認めていないというこの実態というのは人権問題である、私はこう言ってるわけです。ですから、一人一人の人権そして人格、労働を正当に評価することこそ必要なんではないのかと私は質問したわけです。この点での答弁をお願いしたい。  それから、健康福祉部長、益田市のコールセンターですね。コールセンター事業は、保険税を払うことを忘れた人、納付忘れの人に督促をするということで始まってる事業なんです。だけど、答弁あったとおり、納付忘れじゃないんですよ。皆払おうと思ってるけれども、毎年うなぎ登りに上がってる。保険料が上がってる、保険税が上がってる、払いたくても払えないから加入者の1割が滞納になってるという、こういう現実があります。よく御存じだと思います。  しかしながら、この事業というのは、払えない人に対して愛情のかけらもないわけですよ。もしもし、おくれてますよという電話でしょう。これ許されるのかと私は思うんですよ。私は質問の中で、電話を受けた人の声を何点か御紹介したわけです。払いたくても払えないわけです。そこに、おくれてますよ、それではだめなんですよ。  根本的な解決というのは保険税下げることにあるわけですけれども、しかしながら、滞納者に対する丁寧な対応、親身な対応がないと、これは根本的な解決には全くならないと私は思うわけです。今の実態もよく市から聞いていただいて、対応策を善処いただきたいということをお願いしたいと思います。  それから、知事、私は知事の政治姿勢で何点か言う中で、知事は、民意を踏まえた政治が必要だ、民意を踏まえた県政を進めていく、こう答弁されましたね。私はそのとおりだと思います。
     だけど、今の政治は民意を踏まえてますか。例えば、消費税がことしの4月、8%になった。県民が消費税上げてくださいって頼みましたか。原発を今動かそう動かそうって言ってますか。県民はそんなこと言ってませんよ。年金が、去年10月、1%削減されて、ことしの4月は0.7%下がった。介護保険も、要介護度が3以上じゃないと特養ホームに入れなくなった。こんなことを国民が望んでますか。望んでませんよ。  じゃあなぜこんなことになってるのか。消費税の増税、誰が望んでますか。原発の再稼働、誰がやれって言ってますか。はっきり言ったら財界じゃないですか。経団連じゃないですか。で、経団連が今度、企業献金を再開するわけでしょう。  政党助成金はどういう経過で入ったかというと、金権腐敗政治が広がってくる中で企業献金と団体献金は中止すると、そのかわりに政党助成金という制度がつくられたんです。我が党はこの制度に反対しました。それは、この政党助成金というのは私たちの税金であって、支持もしてない政党に対して国民が税金を負担するというのは、これは納税の民主的原則に反してるから憲法違反だといって、我が党は反対したわけですよ。だけども、そういう企業献金も団体献金ももらい続けながら政党助成金ももらってる人たちが、増税とか原発動かせと言ってるんですよ。私は、これが今の政治の実態じゃないかと思うわけです。民意と離れてると思うんです。  この点で、今、今後、総選挙です。我が党は、民意である増税中止のために精いっぱい頑張りたいとは思います。  それで、知事にお願いしたいのは、今本当に県民の暮らしが痛んでるわけですよ。県民3人に1人は非正規だと。働く人の年収が200万円以下の人というのが、今大体4割近くまでなってるんですよ。それに消費税の増税なんか、私はあり得ないわけですよ。ぜひとも県民の暮らし応援の予算を次年度の当初では心がけていただきたい、このことを再質問としたいと思います。お願いもしたいと思います。以上です。 50: ◯副議長(小沢秀多) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 51: ◯知事溝口善兵衛) 民意を踏まえた政治の御質問でございます。  先ほどの答弁の中でも申し上げておきましたが、民意は人によっていろいろ違うわけですね。しかし、どこが大勢であるかというのが議会制民主主義の仕組みであるわけでございまして、国政におきましては衆議院、参議院、それぞれ定期的に民意を問うために任期を定めて選挙が行われる、そこで民意の大勢が得られたところが政権を担うと、こういう仕組みであるわけでございます。  まさに今度の総選挙では、安倍総理は、消費税を今上げるのは経済全体に悪影響を及ぼす、適当でない、しかしいろんなことを考えると1年後には上げざるを得ないと、そういうことを決めるわけだから、民意を問うために総選挙をこの時期に行うと、これは一つの考えでございます。それから、民意は選挙だけではなくて、それはいろんな場においていろんな方がおっしゃるわけでございまして、それに耳を傾けて、それを自分の中で吸収して政治活動をするというのも政治に携わる者の役割でございますが、ただ、国全体の政策をどうするか、あるいは県全体の政策をどうするかということになりますと、やはり議会制民主主義の中で考えていくということが大切であるわけでございまして、今度の総選挙におきましてもいろんな課題につきまして議論がなされていく、それによって民意の大勢がどうであるかということを踏まえまして、政権を担う人がしっかりやっていく必要がありますし、県政においても同様のことだというふうに理解をしておるところででございます。 52: ◯副議長(小沢秀多) 鴨木環境生活部長。  〔鴨木環境生活部長登壇〕 53: ◯環境生活部長(鴨木朗) 所得税法に関する再質問にお答えをいたします。  個人事業主の所得の把握に際して、実態を踏まえた課税上の配慮をどうするのかと、そういう点につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、税務当局において配慮が検討されることが望ましいのではないかと、このように考えているところでございます。  一方、そのような課税技術上の処理の問題の根底にあります物の考え方として、家族従業員一人一人の労働が適正に評価されるべきではないのかと、そのような考え方につきましては、私は議員の御指摘を説得力が感じられると思ってお聞きしておりました。  なお、こうした理念に照らし、全国的にも議会における決議、意見書の採択を行っているところがございます。都道府県レベルでいえば8県、市町村レベルでいえば373市町村、このような状況を承知しております。以上でございます。 54: ◯副議長(小沢秀多) 原健康福祉部長。  〔原健康福祉部長登壇〕 55: ◯健康福祉部長原仁史) 先ほどの答弁でも申し上げましたけども、前々から、滞納者に対しましては親身な相談収納活動を心がけると、で、経済状況を十分に把握した上で適切に対応するようにということを市町村に助言指導してるということでございまして、このモデル事業についても同様な考え方で臨んでほしいという気持ちでございます。ただ、そのモデル事業を実際実施してるのが委託業者であるということがありますので、私もよくその実情をまた聞きたいと思ってますが、委託業者がやる場合であっても同じような考え方のもとに、同じような相手に対する親身な言い方、そういうことに心がけてもらうということが非常に重要じゃないかなというふうに思います。その辺はちょっと実情をよく聞きたいと思います。  ただ、市として、これはこのコールセンター事業を活用するということが必ずしも徴収第一という考え方をどんどんとこれでもって追求していこうというような考えで入れられたもんじゃないんじゃないかなというような気もしてますので、市のほうとしての考え方もちょっとよく聞いてみたいなと思います。私が思うのは、この事業を通じまして、単に徴収徴収というよりは、早い段階でそういったちょっと納付がおくれてるような方々との話し合いの場をつくって納付相談につなげていくというような効果も期待できるんじゃないかと思いますので、そういったような運用という部分も十分に考えてやってほしいなということをまた市にも伝えたいなと思います。  いずれにしましても、今回のモデル事業は、今後、市なり、あるいは国保連におきまして評価検証がなされるということとなりますので、県としてもこれについて十分注視してまいりたいというふうに思います。 56: ◯副議長(小沢秀多) 以上で本日の議事日程は終了いたしました。  次の本会議は11月28日に開きます。  本日は、これをもって散会いたします。        午後3時20分散会 発言が指定されていません。 島根県議会 ↑ 本文の先頭へ...