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  1. 島根県議会 2002-12-02
    平成14年12月定例会(第2日目) 本文


    取得元: 島根県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-17
    島根県議会会議録検索 検索結果一覧へ戻る 検索をやり直す (このウィンドウを閉じます) 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成14年12月定例会(第2日目) 本文 2002-12-05 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 56 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長小川博之選択 2 : ◯五百川純寿議員 選択 3 : ◯議長小川博之選択 4 : ◯知事澄田信義選択 5 : ◯議長小川博之選択 6 : ◯教育委員会委員長中村俊郎選択 7 : ◯議長小川博之選択 8 : ◯教育長広沢卓嗣選択 9 : ◯議長小川博之選択 10 : ◯五百川純寿議員 選択 11 : ◯議長小川博之選択 12 : ◯教育長広沢卓嗣選択 13 : ◯議長小川博之選択 14 : ◯石橋富二雄議員 選択 15 : ◯議長小川博之選択 16 : ◯副議長福田正明選択 17 : ◯知事澄田信義選択 18 : ◯副議長福田正明選択 19 : ◯副知事江口博晴選択 20 : ◯副議長福田正明選択 21 : ◯健康福祉部長三宅智選択 22 : ◯副議長福田正明選択 23 : ◯農林水産部長松尾秀孝選択 24 : ◯副議長福田正明選択 25 : ◯石橋富二雄議員 選択 26 : ◯副議長福田正明選択 27 : ◯知事澄田信義選択 28 : ◯副議長福田正明選択 29 : ◯大屋俊弘議員 選択 30 : ◯副議長福田正明選択 31 : ◯知事澄田信義選択 32 : ◯副議長福田正明選択 33 : ◯理事(島田一嗣) 選択 34 : ◯副議長福田正明選択 35 : ◯商工労働部長(富田幹彦) 選択 36 : ◯副議長福田正明選択 37 : ◯教育長広沢卓嗣選択 38 : ◯副議長福田正明選択 39 : ◯警察本部長(石田倫敏) 選択 40 : ◯副議長福田正明選択 41 : ◯浅野俊雄議員 選択 42 : ◯副議長福田正明選択 43 : ◯知事澄田信義選択 44 : ◯副議長福田正明選択 45 : ◯理事(島田一嗣) 選択 46 : ◯副議長福田正明選択 47 : ◯総務部長(大西秀人) 選択 48 : ◯副議長福田正明選択 49 : ◯健康福祉部長三宅智選択 50 : ◯副議長福田正明選択 51 : ◯農林水産部長松尾秀孝選択 52 : ◯副議長福田正明選択 53 : ◯土木部長(菅原信二) 選択 54 : ◯副議長福田正明選択 55 : ◯教育長広沢卓嗣選択 56 : ◯副議長福田正明) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 午前十時三十二分開議 ◯議長小川博之) これより本日の会議を開きます。  日程第一、「諸般の報告」を行います。  十二月二日に開催された議会運営委員会で委員長の選挙が行われ、委員長に洲浜議員が選出されましたので御報告いたします。  日程第二、「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を行います。  これより一般質問を行います。  質問の通告がありましたので、議長が指名して順次発言を許します。  五百川議員。  〔五百川純寿議員登壇、拍手〕 2: ◯五百川純寿議員 自民党議員連盟の五百川でございます。ただいまから教育問題に絞って一般質問を行いますのでよろしくお願いいたしたいと思います。  教育の荒廃が叫ばれて久しい中、中央教育審議会は、先月、新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画のあり方について中間報告を取りまとめ、遠山文部科学大臣に提出いたしました。この中で、これからの教育においては豊かな心をはぐくむことを人間の生き方の基本として一層重視していく必要がある。特に、自己とのかかわりでは自立心・切実さ・責任感・倫理観など、他者とのかかわりでは感謝や思いやりの心、他者への痛みを理解する心や礼儀など、社会とのかかわりでは勤労の大切さや公正さなど、さらに自然や崇高なものとのかかわりでは自然を愛する心、美しいものに感動する心、生命を大切にする心、人間の力を超えたものに対する畏敬の念などをはぐくむことが重要であると指摘しております。まさにそのとおりだと思います。このようなかつて当たり前であったはずのことが今は忘れられ、改めて指摘しなければならないほど我が国の教育問題は重要な時期に来ていると思います。  中央教育審議会は、これから全国五カ所で公聴会を開催するほか多くの人の意見を聞きながら、来春には最終答申を行いたいとの報道であります。また、その後は法改正に向けた取り組みが文部科学省を中心に進められることとなるわけでありますが、ここで私は、日ごろから思い描いている一端をまずお話を申し上げたいと思います。  さまざまな対策が講じられていながら、なお日本経済が低迷を続け、本県自体もその渦中でもがき苦しんでいるありさまの中、日本の将来の力強い発展を信じる以上、教育のあり方を今こそ真剣に見定めることが本県の将来のポテンシャルを高めるためにも重要であると考えるのであります。教育の問題は、国の存亡にかかわるものであるにもかかわらず、教育の現場から聞こえてくる声は、いじめや不登校、学級崩壊、若者のモラルの欠如など好ましくない情報に満ちております。本来の教育の姿がかすんで見えない、必ずすぐそこにあるべきはずのものが見えない、そんないら立ちと心配をぬぐい切れない毎日を過ごしておりますのは私だけではないと思います。  我々が小学校在学のころには、例えば授業中に友達とむだ話をしていると、先生が廊下に出て立っておれと言われ、廊下に立ったものです。それでも授業が終わると、先生からげつこつをいただきまして、学級に入れば、もうそこにはいつもと変わらない友達の輪があり、みずからも容易に輪の中へ溶け込むことができたのであります。要するに、あのころは勉強ができなくてもそれぞれの子供にそこそこの存在感が認められておりました。つまり教室の中に自分の居場所があった。そんな子供は往々にして運動会とかあるいは体育祭になると俄然リーダーシップを発揮して存在を誇示することができたわけであります。しかし今、教育現場から聞こえてくることは、勉強のできない子供には存在感が認められない、居場所がない、したがってクラスの中に溶け込んでいくきっかけもすべも見当たらない、そういう寒々とした状況であります。人間というのは、やはり不満があってもそれなりの居場所があり、そこそこの存在が認められておれば、それなりに我慢できるものだと思います。けれども存在感が認められない、居場所がないというようなことでは、もうそれはクーデターを起こすしかない。今、学校現場で見られる登校拒否とか、あるいは校内暴力というのは、子供の心理でいうところの一つのクーデターではないかと思うのであります。問題は、そういう現象を教員がどのように認識をし、どのように対応しているかということであります。  島根県は、最近特に教員の採用試験が難しくなってきております。中国五県の中でも一番難しくなっていると言われておりますけれども、ということは、学力の優秀な方が教員になる可能性が高い。そういう意味においては大変結構なことであろうと思います。しかし、戦後の偏差値教育で挫折をしたことがない教員に、今、挫折をして苦しんでいる子供の気持ちが果たして理解することができるのかということが問題であると思います。  また一方、一般社会に目を移しますと、IT社会と言われるこれからの時代は、合理化によってますます人が要らなくなってくる。そしてIT社会に順応できる人はいいけれども、順応できない人はそのままにして社会がどんどん前へ進んでいってしまう。そして置いてきぼりを食った人はもう居場所がない、存在感がなくなってしまうという状況に陥るのではないかと思います。これがIT化社会の怖いところではないかと思うわけであります。  そしてまた、こうした社会においてリーダーとなれる人もまた恐らく戦後の偏差値教育の中でほとんど挫折を知らずに生き抜いてきた人がなり得る可能性が極めて高いのではないかと思います。そうすると、いずれ今、教育現場で見られる凶悪事件やいじめ、モラルの欠落などこれらの現象が一層増幅される形となって一般社会を混乱に陥れる要因となるのではないかと思うのであります。いや、既にそのような兆候が見え始めていると私は思っております。  あるアメリカのコンピューター学者が、これからは科学者の好奇心に任せたままどんどんと科学技術を推し進めていくことは非常に危険であると言ったのを思い出します。例えば宇宙に存在する病原体は、殺傷力とかあるいは伝染力が強くても、免疫とかあるいは抗生物質によって抑制することができるわけでありますけれども、もし仮にだれかがロボットの病原体を開発をいたしまして、それが悪意によるものであったとすれば、それは免疫も抗生物質も効かないわけでありまして、やがてSFの世界が現実になるような、人類が滅亡するという論理も生まれる素地がもう今の社会にはあることを理解する必要があると思います。そんなことを考えますと、やはりこれからはブレーキを踏みながら徐々に徐々に科学技術を進めていかなければならないと思うのであります。  それではブレーキとは一体何かといえば、それは倫理であり、また道徳だと思うのであります。では、その倫理や道徳はどこから生まれてくるかといえば、それは他人の存在や他人の権利をみんなが認め合おうとするところから私は生まれると思います。では、そのような他人の存在や他人の権利を認め合おうとする発想はどこから生まれてくるかといえば、それはやはり勉強さえできればいいという人間を一面的に評価するような方法ではなく、勉強はできないけれども運動はすばらしいとか、勉強も運動もだめだけれども物をつくることはたけている。このように人間を多面的に評価することであり、みんながそれぞれの個性を発揮し、豊かで立派な人間社会が構築されると考えるところに初めて他人の存在を認めようという発想が生まれると思うのであります。要するに、だれの存在も認めないような倫理観も道徳観も欠如した社会が何の制約も受けずに今後も進んでいけば、人間がみずからつくったロボットウイルスによって滅ぼされてしまうように、形骸化した制度の中でみずからを見失ってしまうような状態が来るのだとアメリカのコンピューター学者は警告しているのであります。
     また、イギリスの天才天文学者スティーブン・ホーキング博士は、宇宙には地球レベルの科学力を持つ惑星が一億以上存在する。それではなぜ宇宙人が地球にやってこないか、それはどの惑星も地球レベルの科学力を持つに至った惑星は急速に消滅をしておると言っております。これも天才学者からの一つの警告ではないかと思うのであります。人間社会というのは、来るところまで来てしまえば滅びるしかないのか。ここで軌道修正をしない限り、本当に人類は滅んでしまうのではないか、そういう思いを持つのであります。  長々と私の思いを述べさせていただきましたが、それほどに教育とは大切であることを申し上げたかったのであり、中教審の中間報告の中にもあるように、よき社会はよき教育によってつくられるということであります。  そこで、まず最初にお尋ねいたしたいと思いますのは、本県の教育施策に対する基本的な考え方についてであります。  冒頭にも触れましたように、国においては教育基本法の改正に向けた動きが続いており、先月の中教審中間報告に対してもいろいろな論評がなされております。島根県民としても高い関心を持ってこれからも見守っていく必要があると思いますが、知事は、こうした背景の中で今後どのように島根の教育施策を進めていかれるのか御所見を伺いたいと思います。  次に、教育委員長にお尋ねいたします。このたび委員長に再任されるに当たりましては、教育は島根の柱、人情や自然豊かな環境の中で世界に誇れる若い人材を育てたいと抱負を語っていただきました。大変心強く思う次第であります。先ほども申し上げましたように、中教審中間報告が出され、各方面において論議が交わされる中においては、島根県の教育行政としてこれからこの問題をどう受けとめ、どのような姿勢で今後取り組まれるお考えなのかお尋ねいたします。  次に、難問を突破され、晴れて本県の教員として採用されたといたしましても、挫折が見えない、居場所がなくて苦しんでいる子供に手を差し伸べることができないということでは何のための教職員かという気がいたします。苦しんでいる子供たちほど表面にその気配を出さないように気を使いながら幼い思慮、算段を重ねているはずであります。このときを逃さず優しい手を差し伸べられる勇気と判断力が今の教育には最も必要ではないかと思うのですが、県は教職員の資質向上に対してどのように取り組んでいかれるのか教育長にお伺いをいたします。また、教員採用試験に対する今後の考え方についてもあわせてお尋ねをいたします。  次に、三十人学級が実現されれば、教員の負担も軽減され、一人一人の子供に接する機会がふえることが予想されますが、それによって基本的には何がよくなるのか、特に倫理観、道徳観が欠如するような教育環境であってはならないと考えますが、どのようにお考えなのかお尋ねをいたしたいと思います。  二番目に、本県のスポーツ教育についてであります。  本年開催された第五十七回国民体育大会よさこい高知国体は、十月三十一日閉幕いたしました。開催県であった高知県は男女総合十位。開催県でありながら天皇杯にこだわらなかったことが身の丈に合ったよい大会であったと評価されました。次の開催県である静岡県も、天皇杯至上主義ではスポーツの振興の上で逆効果になる。高知の精神を尊重する考えであると伝えられております。国体は何番であらねばならないとか、インターハイは何番と、三十番以内に入らなければならないというような目標を掲げて各種の競技は進められておりますけれども、確かに目標を立ててやることは必要であろうと思います。しかし、スポーツ競技というものの一番の原点、基本的な精神というのは、生徒それぞれが共通の場において技術と技量を高め、心身ともに錬磨、鍛練していくことこそ最も大切であると思います。自分の持っている能力というものをどんな状況においても、どんな場面においても一〇〇%発揮することができるような自己をつくり上げていくことが大事であると思うのであります。どんなにすばらしい選手を五十人集めたところで、必ず一番から五十番まで順番がつく。だから順番にこだわるよりも、百の力のある者が百の力を発揮できるように、八十の者は八十が出せるように導いていくことが大切ではないかと、そういう視点で教育をすることが大事であると思うわけであります。百の力がある者が八十しか出せないことよりも、七十の力ある者が七十の力を出し切ることの方が人間として崇高なんだということをスポーツを通じてみずから知ることがスポーツ教育の基本的な精神ではないかと思うのであります。それを徹底してやる。人間社会というのは、みんながみんなスポーツにたけているわけではない。一生涯スポーツで生活できるわけでもない。ただ、どんな場合でも、あるいはどんな状況であっても逃げるのではなく、力を抜くのでもなく、自分の力を出し切る、一生懸命自分を全開できるということがどんな状況の変化にも対応できるような精神力を養うことになる。そうした経験を通してみずからの力をいかなる状況においても一〇〇%近く発揮できるようになるのではないかと思うのであります。百の力がある者が、ある部分で八十しか力を出せないということであれば、六十の力しかない部分では五十の力しか出すことができないと思うのであります。スポーツ教育の原点というのは、どのような場面でもみずからの能力を一〇〇%発揮できるよう努力をする、そうした経験を積み重ねることがやがて自分の人生の壁に立ち向かったとき役に立つような、そのためのスポーツ教育でなくてはならないと思うのであります。余りにも結果にこだわり過ぎる。これは学校教育すべてに言えることではないかと思うのであります。何点取るとか、どれだけやるとか目標を置くことは必要であっても、どういう状況においても自分の力を発揮することができる、その場の自分を自分で判断できる、そうした鍛練こそがスポーツ教育だと思うのであります。  そこで、お聞きしたいことは、特に小中学生から高校生に至る成長期のスポーツ教育のあり方についてどのような考え方による指導がなされてきたのか、今後はどのような方針で臨まれるお考えなのかお尋ねをいたします。  また、平成十六年度本県で開催される全国高等学校総合体育大会の主会場となる県立浜山公園は、既に陸上競技場の改修を終え、現在十五年度完成を目指して体育館の建設が進められております。この新設される体育館は、県内最大規模で、スポーツ選手の競技力向上や一般県民の体力づくりの場としての活用が大いに期待されております。この体育館を活用したスポーツ医科学事業の取り組みはどのような状況にありますか。また、どのようなスケジュールで進めていかれるのか教育長に伺います。  最後に県立高校の定時制・通信課程の再編についてであります。  平成十一年十一月三十日に発表された県立学校再編成基本計画の中で、定時制・通信制課程の再編成につきましては、多様な学習ニーズに応じられるよう、県東部においては独立校の新設を含めて、県西部においては定時制教育のあり方について検討組織を設けて検討していくとの整理がなされ、平成十三年十一月から設置された定時制通信制課程再編成検討委員会において検討がなされ、先月二十七日、新しい時代の定時制・通信制教育についての答申がなされたところであります。この間の検討委員会の皆様の御努力に対しまして深く敬意を表するものであります。  答申の中でも指摘されておりますように、社会情勢の変遷に伴い生徒の意識やニーズに対する変化によって多様な学びの場としての役割が期待されるようになってきました。しかし、特に定時制や通信制に学ぶ子供にとっては、多感な年代にもかかわらず校庭がない、天井が低い、ほとんどの施設が全日制と共有であるため昼間の子供が使っているのを終わるまでじっと待っていて、先生、もう使ってもいいですかなどと子供なりに気を使っている姿、胸の痛くなるような光景に出会うのであります。このように学舎の環境の劣悪な状況は生徒のコンプレックスを助長するものであり、一刻も早く改善することが求められております。  島根に生まれ育っていく子供たちは、すべてが日本の将来を担っていかなければならない宝であります。多感な時期であるからこそ胸を張って学校に行かせてやり、しっかり勉強をしてほしい。体育館も思う存分使ってほしい。そういう環境をつくってやり、自分の学舎に対する誇りを持って巣立ってほしいと願わずにはいられません。検討委員会からの答申を受けられた今こそお伺いしたいのであります。東西に長い本県の地理的条件の中にあって、定時制・通信制教育に対して今後どのように取り組まれるお考えなのか、教育長にお伺いいたしまして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 3: ◯議長小川博之) 澄田知事。  〔澄田知事登壇〕 4: ◯知事澄田信義) 五百川議員の御質問にお答えをいたします。  国における教育基本法改正に向けた動きの中で、今後どのように島根の教育施策を進めていくのかという御質問でございます。  このたびの教育基本法の見直しは、国民の自信の喪失、モラルの低下、あるいはいじめ、不登校など教育が極めて困難な状況にあるとの認識のもとに、自己実現を目指す自立した人間の育成、新しい公共を創造し、二十一世紀の国家社会の形成に主体的に参画する日本人の育成などを目標とする教育を国家戦略として展開していこうとするものであると理解しております。  人づくりは地域づくり、国づくりなどあらゆるものの原点であります。ギリシアの哲学者プラトンは、自由が充満し、欲望が肥大化すれば、青少年は傲岸不遜になり、まやかしの理屈を振り回し、ちょっとした制約でも我慢せずに怒り出すようになる。子供は親を怖がらずに、反対に親が子供を恐れ、教師は生徒の機嫌をとり、生徒は教師を軽蔑するようになると言っております。私は、プラントンが見た古代ギリシアの末期と現在の日本が重なるように思われ深く憂慮いたしております。  戦後の教育は、個人や自由というものを尊重してまいりました。私は、それに加えて社会をよりよくしていこうとする意識を持ち、自分のできる範囲で社会に貢献し、他人の貢献に対して感謝する、そういう価値観を大切にしていく必要があると考えております。自由というのは理想でありましても、現実には当然秩序がなければなりません。平等といっても現実には格差が存在いたします。博愛も現実には競合を伴います。二十一世紀において掲げるべき価値観は、自由と秩序、あるいは平等と格差、博愛と競合、そのようなものをいかにバランスさせていくかの中にあると思っております。  今回の教育基本法の見直し論議は、このような私の考えと軌を同じくするところがあり、起こるべくして起きたものと今後の動きに大いに注目しているところであります。  しかしながら、私は、法の改正の有無にかかわらず、本県の教育は、さきに述べた価値観を十分踏まえた上で展開していただきたいと考えており、そのための教育環境など諸条件の整備にはあらゆる努力を惜しまない覚悟であります。本県には豊かな自然や文化、はるけき歴史があり、すぐれた教員や人材にも恵まれております。これらを十分活用して地域や日本を愛し、国際社会の中でたくましく生きていく子供たちを育てる教育がこの島根で力強く推進され、その中から島根をしっかりと支え、あるいは日本をリードして世界に飛び立つ人材が育ってくれることを願ってやまないところであります。 5: ◯議長小川博之) 中村教育委員会委員長。  〔中村教育委員会委員長登壇〕 6: ◯教育委員会委員長中村俊郎) 五百川議員の御質問にお答えいたします。  国の中央教育審議会においては、このたび教育基本法の改正を視野に入れた中間報告を取りまとめられ、これをもとに広く国民に意見を求めると聞いております。私としても、これを契機として多くの国民の方々が二十一世紀の日本の教育のあり方について広く議論していただきたいと願っております。  私は、常々教育とは一人の子供が持っている多様な資質、能力をできるだけ生かし、幸福な人生を送ることができる人間としての成長を助けることだと考えております。そして、子供にとっての教育とは、ただ大人から与えられ吸収するものではなく、他人の存在や他人の権利を認めることを子供がみずから学び、納得し、そして行動していくことであると考えております。  先月初め、日本でアフガニスタン復興支援活動を行っている医師のレシャド・カレッドさんのお話がありました。アフガニスタンでは、食料事情が悪く、また戦争孤児も多いため、食べ残しの残飯を待っている子供たちが大勢いると。この話を聞いた一人の子は、日本では残飯は家畜に与えているからむだにはなっていないと答えたのであります。恐らくその子には、残飯を待ち構えている自分と同年代の子供の存在は想像すらできなかったのでしょう。今、世界の中には残飯にすらありつくことのできない子供たちがいるのであります。それを自分の痛みとして、その痛みを分かち合えるような教育を行うことが私たちに求められていると考えております。  二十一世紀のこれからの世界は、私たちが子供のころ描いていたようなバラ色の空想の世界ではないのかもしれません。私は、少子高齢化やグローバル化などさまざまな課題の中、この島根、日本を支えていく子供たちがみずからの力で未来を切り開いていけるよう、我々大人は惜しむことなく知恵やみずから判断し行動していける力を授けるよう努めていくべきであると考えております。 7: ◯議長小川博之) 広沢教育長。  〔広沢教育長登壇〕 8: ◯教育長広沢卓嗣) まず、教職員の資質向上の取り組みについてであります。  教職員の資質の向上を図りますことは、子供たちの豊かな心をはぐくむ上で欠くことのできない要件でありまして、特に教職員が日ごろから子供の心の動きを十分に受けとめ、適切に接していく能力を身につけることは極めて重要なことであります。このために現在県内の各学校におきましては、日々教育実践を重ねながら事例研修などを取り入れました子供理解にかかわるさまざまな研究が積極的に行われているところであります。  また、県教育委員会といたしましても、県内の教職員を対象に一人一人の子供の心の動きを理解し、発達段階に応じた支援ができる能力を高めるため、心と心の触れ合いを図る方法、インカウンターというような言葉を使っておりますけれども、そういった演習などを取り入れた生徒指導リーダー養成研修や人間関係づくり体験講座といったさまざまな研究を実施しております。このような研究を今後さらに充実させて、子供の健やかな成長を促すことができる教職員の育成に努めてまいる考えであります。  次に、教員選考試験についてであります。  現在、筆記試験に加えまして模擬授業やさまざまな実技試験などを実施しますとともに、集団面接と個人面接を合わせて四回実施して、教職への熱意や社会性、協調性など教員としての適格性を総合的に判断できますように試験内容の充実に努めてきているところであります。  今後とも子供の悩みや挫折感を心から理解し、それに適切な対応できる心豊かな教員を確保するため、一層多面的に人物評価が行うことができますように選考試験のさらなる改善に努めていくこととしております。  次に、三十人学級を実現した場合の効果についてであります。  県教育委員会といたしましては、小学校入学時における三十人学級の導入について検討しているところでありますが、人間形成の基礎を築く義務教育において、特に小学校入学当初は基本的な生活習慣や学習習慣、それから集団生活に適応する力などを身につける上で非常に大切な時期であります。このような時期に三十人学級を導入することにより、教師が子供一人一人と確かな人間関係を築き、それに応じたきめ細かな指導を行うことができるものと考えております。学習面では個別指導の機会もふえます。基礎・基本の確実な定着を図ることが期待され、生活面では日常のさまざまな触れ合いの中で、より深い児童理解ができ、初めての学校生活に不安を持つ子供への適切な対応もできるものと考えております。このように子供の学習と生活の両面で充実した指導を行うことにより、子供同士あるいは子供と教師が豊かな人間関係で結ばれた学級をつくることができますとともに、倫理観、道徳観などを培う充実した心の教育が推進されるものと考えております。  次に、スポーツ教育についてお答えします。  御指摘のとおりスポーツ教育の原点は、試合の結果だけではなくて選手たちが熱心に練習に取り組み、その成果を十分に発揮することができたかどうかが大切だと考えております。言いかえますと、児童生徒が技術を習得する過程において、体得した成就感や達成感が日常生活に生かされることが何よりも意義深いことであります。  こうしたことを踏まえて本県のスポーツ教育におきましては、児童生徒一人一人の進歩の状況やベストを尽くしたことを高く評価するとともに、その過程において体得できる達成感を次への意欲につなげていくような指導に努めているところであります。  本年度、全国高校総体において県勢として初めてとなる総合優勝をなし遂げた大社高校男子陸上部や、二十一世紀枠で甲子園へ出場し一回戦で惜敗したものの大舞台の雰囲気にのまれることなく伸び伸びとプレーした松江北高野球部は個々の力を一〇〇%出し切った一例であります。  県教育委員会といたしましては、先ほど申し上げました指導方針のもとに、今後ともあらゆるスポーツ活動を通じて心身ともにたくましい児童生徒の育成に向けてスポーツ教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、県立浜山体育館を活用したスポーツ医科学事業についてお答えします。  浜山体育館内には、新たにトレーニングルームを設置することとしております。スポーツ医科学の出雲部の拠点と位置づけたいと考えております。トレーニングルームには、子供からお年寄りまでが健康の保持と増進と、体力向上のための機器や運動能力の測定と分析ができる機器の整備を行い、県民の皆さんの健康と体力づくりやスポーツ競技力の向上を図るための機能を持たせたいと考えております。そのため、現在、県体育協会の職員を中心にトレーニング機器を使った筋力測定法やデータ分析能力の養成を図るとともに、スポーツドクターや関係機関との協力体制や連携について検討しているところであり、来年十月のオープンに向けてハード、ソフト両面から充実した施設となりますように準備を進めているところであります。  次に、定時制・通信制課程の再編成についてお答えします。  定時制・通信制課程の再編成につきましては、昨年十一月に外部検討委員会を設置して、去る十一月二十七日に答申を受けたところであります。答申の概要といたしましては、概略でございますが、まず第一に、現在、松江南高校宍道分校とそれから出雲高校定時制普通科で企業の就業形態に合わせて授業が展開されております隔週交代制の廃止が望ましいということ。それから二つ目が出雲高校の定時制衛生看護科の廃科が望ましいということ。三つ目が県東部の定時制・通信制課程を統合、再編成して定時制と通信制を併置した独立校を新設すること。それから四つ目が県西部に普通科夜間部と普通科昼間部を併置した定時制課程を設置して、通信制教育への対応も可能な県西部の拠点校として位置づけることなどであります。  現在、定時制、通信制課程には、全日制課程からの転入生や不登校経験者などさまざまな事情を抱えた生徒が学んでおり、これまでの勤労青少年を対象にしたものから多様な学びを提供する場へと変容することが求められております。  また、私も先日ある定時制高校を視察いたしましたが、御指摘のように施設面でも決して恵まれた学習環境でないことを感じております。定時制・通信制課程で学ぶ生徒が、そこで学ぶことに誇りと自信を持ち、自己実現を果たしていけるようになりますことは我々の願いでもありまして、学習環境の改善と就学機会の確保に努め、多様なニーズにこたえていかなければならないと考えているところでございます。  県教育委員会といたしましては、この定時制・通信制課程の再編成につきましては、県教育委員会の掲げる諸課題の中でも特に優先すべき事柄と認識しております。このたびいただきました答申を尊重し、新しい時代にふさわしい定時制・通信制教育を推進していきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。 9: ◯議長小川博之) 五百川議員。  〔五百川純寿議員登壇〕 10: ◯五百川純寿議員 一つだけ確認をさせていただきたいと思います。  教育長さんというのは、当然教育行政のトップであると同時に教育者だと思います。したがって、やはりみずからが今後教育の現場に足を踏み入れて、教育の現場から聞こえる悲痛な叫びとか、あるいは肉声というものをがっちりこの体で受けとめて、それを財政にぶつけるぐらいの熱意が必要だと思います。少なくとも財政というものが伴うことは間違いないわけでありますが、初めから財政の顔色見て物を考えるということはあってはならないと私は思っておりますけれども、ひとつ教育長さんの熱意のほどを再度確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 11: ◯議長小川博之) 広沢教育長。  〔広沢教育長登壇〕 12: ◯教育長広沢卓嗣) 教育者ということをおっしゃいましたけど、教育を充実させるために頑張っている者の一人としてお答えをさせていただきたい。  現場をやはり確認すべしということでございました。全くそのとおりでございまして、私この四月に就任以来、とにかく私は現場主義でこれから教育は考えていきたいという思いのもとに、できるだけ時間を割いて、あるいは何かの出張があれば、その時間を削ってでも地域の学校現場を訪問しております。とりあえず四月に小中高合わせて四百校ありますが、最低でも一割四十校は訪問すると誓いましたけれども、現時点でまだ三十校でございます。あとノルマが十校残っております。まだ頑張るつもりでございます。  ただ、単に学校を訪問して、ただ施設を見るだけではなくて、やはり私が特に重視しておりますのは、少人数授業のあり方、総合学習をどのようにやっているか、部活動はどのようなことをやっているか、子供の生き生きとした姿が見えるのか、そしてまた養護学校は必ずのぞいて帰る、あるいは図書館ものぞいて帰る、そういう形で制約された時間でありますけれども、訪問して現場の把握に努めているところでございます。ただ、残念ながら一カ所の時間が非常に少なかったものですから、反省点といたしまして、もう少し余裕のある時間を持って訪問してみたいと思っております。  そのほか各管理職研修などにも出かけまして、今まで一方的な説明で終わった時間を一時間だけ割いていただいて、直接的に管理職、校長先生方と直接意見交換をする。また各市町村の教育長の方々とできる限りの時間を持って、これは教育事務所単位ごとに行ってきたわけでありますけども、直接的に意見交換をする。そしていろんな事例なども、いいものあればどんどん発表していただく。またこちらからも言いたいこと、お願いしたいことはどんどん言う。そういうことを繰り返しやってきたとこでございますが、まだまだ十分とは言えませんので、今後一層の努力をしたいというふうに思っております。  それから予算の対応についてでございますけども、私は、初めから計算をして予算がないからやめようという考え方を持っておりませんので、やるべきことはやれと。例えば内部で大げんかをしてでもですね、ぜひともやるべきことはやっていく。ただ、最初からいきなり百点満点を取るということは難しいことでありますから、できることを一歩でも二歩でも前進するという考え方で予算要求して充実させていきたいという考えでおりますので、また御指導よろしくお願いします。以上です。 13: ◯議長小川博之) 石橋富二雄議員。  〔石橋富二雄議員登壇、拍手〕 14: ◯石橋富二雄議員 県政クラブの石橋富二雄でございます。ただいまから一般質問を行いますので、知事を初め関係部長の真摯な答弁を求めるものでございます。  まずは、知事の政治姿勢について伺います。  一点目は、小泉首相の政治手法に対する御所見を伺いたいというふうに思います。小泉内閣が誕生してからやがて二年になろうといたしております。政権発足当時は、構造改革なくして景気回復なし。自分の首相在任中には増税はしないなどと大見えを切っておられました。しかし、あれだけ固執していた国債の新規発行額三十兆円枠が守れず、あれだけしないと言っていた補正予算も組み、増税や一閣僚一内閣の公約までもほごにするなど、次々と国民を裏切り、平気でうそをつく小泉首相の政治手法は、まさに戦略なしの出たとこ勝負だとしか言いようがありません。最近では、景気刺激対策として本年度の補正予算を組まざるを得ず、だれの目で見ても経済政策転換は明々白々であるにかかわらず、今なお政策強化であると答弁をしておられます。  しかし、今日では聞けば聞くほどわびしく聞こえ、政権の崩壊も早いような予感さえ感じるところであります。これだけ国民にうそをついても恥じらいの一つもうかがえず、もはや一国の首相としてのリーダー感覚には愛想がつくところであります。大胆かつ柔軟に公約破りを連発する小泉首相の政治手法について、同じ政治家として、また県民の生命、財産の安全を負う一国のあるじ、知事としてどのような評価をされていますか伺います。  二点目は、三重県知事の三選不出馬表明に対する御所感を伺います。来年の統一自治体選挙を前にして次々と次期知事選挙に不出馬、勇退声明が聞こえてまいります。三重県の北川知事、神奈川県の岡崎知事が二期で勇退、佐賀県の井本知事が三期で勇退、さらには宮崎の松形知事、大分の平松知事が七選不出馬など世代交代、大きな時代の流れを感じるところであります。高齢で引退される方は別といたしましても、これまで改革派知事と言われた五十八歳の北川知事は、多選の弊害と、新しい時代は新しいアイデアを持った人に交代した方がよろしい、こういう認識に立って三選不出馬を表明されたのであります。人それぞれに見方、考え方は違うものではありますが、この進退表明に対する御所感をお聞かせください。  また、知事は、さきの九月議会で五選目を目指すと表明されましたが、新しい時代は新しいリーダーでという世論の台頭の中で、今でも心境の変化はございませんか、あわせて伺うところであります。  三点目は、大規模施設建設の凍結と生活関連施策充実についてでございます。本県は、景気低迷、最悪の雇用環境、県財政悪化など厳しい状況の上に構造改革の嵐が吹き込んできております。特に本県の財政は、単年度で三百億円程度の収支不足が生じるまさに危機的な状況となっております。これはおくれている社会資本整備の公共事業、また大型プロジェクトを次々と実施したことにより、今年度末にはおよそ一兆円の県債残額となり、毎年一千億円を超える借金返済が財政運営上の大きなネックとなっているのであります。私は、知事が財政難、財政破綻を回避するために本気で歳出の徹底した見直しに取り組まれるのであれば、まずは大規模公共施設建設の見直しから取りかかるべきであると思うのであります。  総事業費約百八十億円の歴史民俗博物館、古代文化研究センターなどは当面延期をし、県民生活の維持向上に直結した生活関連事業に振りかえることが不況下における血の通った政治、行政というものではないでしょうか。倒産、失業者がふえ続けている県内の経済雇用環境にあって、県政上の重要な施策の見直しは当然のことであり、これは決して政策変更ではなく、これこそ政策強化そのものではないでしょうか。私は、地域経済に活力、財政危機打開の第一歩として、大規模施設建設計画は当面延期すべきだと考えますが、知事の御所見を求めます。  四点目は、国の補正予算一・五兆円の公共事業に対する考え方について伺います。政府は、景気刺激対策としての公共事業と雇用対策などセーフティネットに各一兆五千億円など追加歳出総額を四兆円程度とする今年度補正予算額の大枠を決めたようであります。年明け早々の通常国会で補正予算が通過すれば、直ちに各省庁は予算に盛り込まれている公共事業を地方自治体に押しつけてくると思われます。しかし、補助事業の実施は必然的に地方の負担も発生することから、財政健全化計画の観点から論ずれば、事業の必要性、緊急性などを十分に吟味しなければなりません。なぜならば、今日の財政難の大きな要因は九〇年代にバブル後の国の景気対策に安易に乗って大型プロジェクトなどを次々と実施した結果であり、今、巨額の県債残額に苦しんでいるのもこのためであります。そこで、国の補正予算に伴う公共事業について財政健全化を最重要課題として取り組んでいる本県としてどのような方針で臨むのか伺うところであります。  次は、中海・宍道湖淡水化事業中止後の課題についてであります。  一点目は、完全中止に至るまでの法的処理とスケジュールについて伺います。議会の冒頭、知事は、淡水化計画中止を表明されました。昭和三十八年の工事着手から四十年、幾多の変遷を経ながらも汽水湖が残ることになったことに感慨深いものを覚えます。特に昭和五十七年、中海の水質汚濁を懸念する一安来市民から始まった中浦水門締め切り試行計画に反対する取り組みは、瞬く間に山陰両県沿岸の淡水化反対住民運動へと輪が広がってまいりました。農業・食料政策の変更、むだな公共事業のレッテル、自然環境への関心の深まりなどいろいろな局面を経験しながら二十年の歳月を経て後世に誇れる決断、終止符が打たれましたことはまことに意義深いことであり、新しい歴史のページが開かれたと思うのであります。今後は終結に向けてスムーズに諸作業が進むことを期待するものでありますが、これから完全中止に至るまでの法的処理とスケジュールについて伺います。  二点目は、中浦水門従業員の雇用問題であります。中海・宍道湖の淡水化の中止に伴い、最も急ぐべき課題は中浦水門の従業員の雇用問題であります。中浦架橋も完成寸前になっており、従業員の不安も動揺も隠せず、本年度末までには決着を目指さなければならないと思います。農水省は、早期決着に意欲的のようでありますが、県の立場も重要であります。雇用問題の早期決着に向けての取り組みと今後の見通しについて伺います。  三点目は、汽水湖中海・宍道湖の水質改善研究についてであります。淡水化計画が中止となり、私たちは環境改善のスタート台に立ちました。今後の最大の課題は汽水湖の環境や生活保全であり、とりわけ水質改善には住民の皆さんも大きな関心を持っているのであります。日本でも有数のかけがえのない汽水湖の特性を生かした水産振興や観光開発など創意工夫した諸施策を展開するためにも水質改善対策の研究が急務であります。しかし、地元両県の熱意が伝わらなければ世論喚起もできず、中央省庁も動かないと思います。ついては県の重要施策として、専門家によるプロジェクトチームを組織し干拓堤防開削も含めた水質改善研究に直ちに取りかかるべきだと思うのでありますが、知事の御所見を伺います。  次は、米軍の水中爆破訓練についてであります。去る十一月十四日、隠岐島沖で米軍が水中爆破訓練を強行した問題で、情報不足のために山陰両県では混乱と不安に巻き込まれました。中止要請がなされたものの無視され、訓練の開始も終了も連絡がないなどの状況は、手の内を決して見せない軍隊機密最優先戦略をかいま見る思いであります。ベールに包まれました今回の訓練において幾つかの疑問点がありますので、順次質問いたします。  まず一点目は、米軍が通報義務がないとするのは、国際法上正当な手段なのかどうかについてであります。二点目は、通報がない訓練をいつ我が国のどの機関が最初に情報をキャッチしたのかであります。三点目は、外務省は、アメリカ側にいつの時点で訓練中止の申し入れをしたのか。そして四点目は、水中爆破訓練の実施時刻であります。先月十四日の水中爆破訓練による衝撃音は、報道によれば午前十時過ぎに隠岐島などで確認がなされているようであります。私も当時自宅におりましたが、安来でもガラスの戸ががたがた揺れました。しかし、外務省の発表は、午後零時から零時三十分までに訓練が実施されたとのことであります。全く大きな時間差がありますが、実際にはいつ爆破があったのか伺うものであります。  五点目は、抗議・申し入れに対するアメリカ大使館の回答についてであります。副知事は、先月十八日にアメリカ大使館に漁業操業に影響を及ぼす訓練を実施しないこと、連絡・通報体制強化の申し入れをされましたが、その際におけるアメリカ側の対応、回答についての報告をお聞かせください。また、漁船などの安全の担保について、漁民の安全を第一義的に配慮しているような対応であったかどうか、この点についても御報告いただきたいというふうに思います。  次は、食料の安全・安心確保についてであります。  食の安全性をめぐっては、BSE問題や食品の偽装表示問題、中国産野菜の残留農薬、無登録農薬使用、ダイエット食品問題などが相次いで明らかとなり、消費者の間で不安感が広がっております。県民の不安感を払拭するためには、食品の生産から流通、消費に至るまでの安全施策を総合的に推進していかなければなりません。そのためには、部局の壁を取り払った全庁横断的な組織を創設し、安全な農畜産物を市場に供給するための事業を進めるとともに食品表示の適正化、監視・検査体制の充実などを図ることが重要であると思います。  国でも来年度には食の安全委員会、仮称ではありますが立ち上げると仄聞するところであります。一歩先んじて食にかかわるあらゆる部局で構成をした食の安全・安心推進本部を早急に立ち上げてはどうでしょうか。  最後は、しまね和牛肉のブランド化対策について質問をいたします。  農業県と言われる本県の農業算出額は、七年連続で前年度を下回り、農業生産では全国でも下位に低迷をしております。しかし、このような中で唯一の光明を見たのは、九月に岐阜県高山市などで行われました第八回全国和牛能力共進会において、本県代表牛が肉牛の部において主席である農林水産大臣賞を獲得するなど、しまね和牛肉の品質の高さを全国にアピールしたことであります。また、昨年九月のBSE以降低迷を続けてまいりました子牛価格も回復し、先月の子牛競り市ではBSE発生以来最高値をつけたようであります。消費も回復基調にあるようでありますので、本県の特産としてしまね和牛肉を全国に売り込む絶好のチャンスだと思うのであります。  そこで、しまね和牛肉ブランド化に向けての質問と提案をいたしたいと思います。まず一点目は、現在の肥育農家の飼養状況、出荷状況と最近の傾向について。二点目は、しまね和牛肉ブランド化に向けての県としての基本施策についてであります。そして三点目は、指定店の拡大対策であります。現在しまね和牛は、しまね和牛肉として商標登録されております。しまね和牛肉ブランド確立推進協議会が指定登録した食肉販売店、レストランなど指定店となっているようであります。しかし、せっかくの指定登録制もその指定店舗がどこにあるのか知っている人が意外にも少ないようであります。そこで、指定店の現状と拡大対策について伺うものであります。  最後の四点目は、しまね和牛肉の日を創設することと、安く食する日実現についての質問であります。しまね和牛肉のブランド化を進めていくためには、県民の支え、支援、協力がなくては前進はいたしません。そこで、提案でありますが、全国のトップレベルのしまね和牛肉の認識を多くの県民が深めるためしまね和牛肉の日を創設してはどうでしょうか。さらには、焼肉店などの飲食店、家庭などへ、まずは食べる機会をふやし、しまね和牛肉の品質のよさ、うまさを実感してもらうような企画、例えば月に一回でも安く食べられる日を設定してはどうでしょうか。必ず一石二鳥の効果が出るものと信じるところであります。  どうか将来展望の開けるような答弁を期待いたしまして、以上で一般質問を終わります。大変御清聴ありがとうございました。(拍手) 15: ◯議長小川博之) 石橋富二雄議員の質問に対する答弁は、午後一時から行うこととし、この際しばらく休憩いたします。 午前十一時三十五分休憩 午後一時二分再開 16: ◯副議長福田正明) それでは会議を再開いたします。  午前中に行われました石橋富二雄議員の質問に対する答弁を求めます。  澄田知事。  〔澄田知事登壇〕 17: ◯知事澄田信義) 石橋議員の御質問にお答えをいたします。
     まず、小泉首相の政治手法に対するお尋ねについてであります。  小泉首相は、就任以来一貫して改革なくして成長なしという基本姿勢のもとに、不良債権の抜本的な処理や危機的な財政の改革などの聖域なき構造改革を進めてきております。これらの改革は、国政上緊急の課題であり、私は、これに果敢に挑む小泉首相の姿勢について一定の評価をするとともに、我が国の経済社会を覆う閉塞感を払拭し、自信と誇りに満ちた社会を築くためにも、ぜひとも諸改革が実を結ぶことを期待しております。それと同時に、このような特に国民に痛みを強いる改革を実行するためには、国民の信を得ることが不可欠であり、本県を初めとする地方の実情も十分に踏まえて進められるべきであると考えております。  私は、信念は高く掲げつつも独善に陥らず、常に国民の声に真摯に耳を傾けることが政治家の務めであると考えており、信なくば立たずを座右の銘とされる小泉首相におかれても、こうした政治姿勢に立って諸改革を進められることを強く願っております。  次に、北川三重県知事の三選不出馬表明についてであります。  他県の知事の進退に関する決断であり、私がとやかく申し上げるべきことではありませんが、新聞報道などによりますと、これからも民主主義の創造や地方分権などにはかかわっていくと述べておられますので、今後別の立場からみずからの政治的な理想の実現に力を尽くそうとしておられるのではないかと推察しております。  私としましては、北川知事が全国に先駆けて導入された行政評価制度など学ぶべきところは学ばせていただきながら、産業振興や中山間地域対策を初めとする本県が直面するさまざまな課題に本県の英知と総力を結集して取り組まなければならないと考えております。  さきの九月県議会で五選出馬を表明して以来、こうした私の思いに変わりはありません。県民の皆様の御支持がいただけるならば、四期十五年余の知識と経験を生かし、自立的に発展していける快適で活力のある島根の実現に全力で邁進してまいりたいと考えております。  次に、大規模施設建設計画の取り扱いについてであります。  長期計画などに登載された大規模プロジェクトにつきましては、それぞれの政策的重要性や立地条件などの環境整備、財源確保の可能性などの観点から十分に検討を重ねた上で実施に移すこととしておりますが、現下の厳しい財政状況を踏まえ、第三次中期計画に登載された大規模施設を中心に、着手済みの事業も含めて事業の実施時期、施設の機能、規模、ランニングコストも含めた事業費の縮減等の見直し検討を現在鋭意行っているところであります。  なお、御指摘の歴史民俗博物館、古代文化研究センターにつきましては、両施設とも島根の存在意義の明確化、情報発信力の向上、観光の振興、さらには人材育成、文化振興を通じた地域振興のために必要な施設であると考えており、私といたしましては、再度見直すべきところは見直し、事業費の縮減を図りつつも地域総合整備事業債の経過措置を有効に活用し、整備してまいりたいと考えております。ただし、財政健全化との関連でさまざまな意見があることも承知しており、今後県民の皆様を初め各界各層のより多くの方々の御意見をお聞きした上で、私の責任で最終的な判断をしてまいりたいと考えております。  次に、国の補正予算に伴う公共事業への対応についてであります。  今回の国の補正予算においては、財政規律を守りつつ構造改革型の公共投資を促進する観点から一兆五千億円の公共投資予算枠が確保されることになっております。ただし、現時点では事業分野別の予算措置状況及び地方負担額に対する地方財政措置が明らかにされておりませんので、本県としての明確な対応方針を申し上げることはできませんが、財政健全化の考え方を踏まえた上で、国の補正予算の趣旨も勘案し、新たな県の財政負担が生じない範囲内での対応を基本として二月補正予算において所要の予算措置を講じることとしたいと考えております。  次に、宍道湖・中海の水質の改善についてであります。  宍道湖・中海の水質保全対策につきましては、これまでも湖沼法に基づく湖沼水質保全計画を策定し、下水道や農業集落排水施設等の整備、湖内のしゅんせつや覆砂による直接浄化対策などの実施に加え、しまね環境基金の創設による県民の環境保全活動の支援など各種の施策を積極的に推進してまいりました。こうした施策により両湖の水質悪化は食いとめられておりますが、今後一層の保全対策を進め、水質改善に向けて取り組む必要があると考えております。そのため今年度から環境省が行う専門家による総合レビュー検討調査に参画して、これまでの湖沼水質保全対策を総括し、新たな施策体系の構築に取り組むとともに、県におきましても宍道湖・中海の富栄養化対策に関する調査研究や、産学官が連携しての水環境修復技術の開発など宍道湖・中海の水環境を改善するための調査研究を推進してまいります。また、中海の水質を初めとする環境改善につきましては、島根・鳥取両県と中国四国農政局、中国地方整備局とで構成している中海に関する協議会の協議事項ともなっており、いろいろな立場からの御意見も聞きながら十分議論してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、宍道湖・中海は県民の貴重な財産であり、このすぐれた環境をよりよい姿で将来の世代へ引き継いでいくため、私はみずからの使命として努力をしてまいりたいと考えております。 18: ◯副議長福田正明) 江口副知事。  〔江口副知事登壇〕 19: ◯副知事江口博晴) 米軍の水中爆破訓練に関して私が十一月十八日に行いました抗議、申し入れに対する米国大使館の回答につきましてお答えいたします。  私どもが会いましたのは大使館の安全保障課長を担当する一等書記官でございました。米国からは、まず一つといたしまして、今回の訓練は国際法上の公海で行ったものであり、どの国もこのような訓練を行う権利を持っていること。それから二つ目には、しかしながら、訓練する海域は日本の排他的経済水域内であることから、海洋法に関する国際連合条約第五十八条第三項にある妥当な考慮を払うことについては重要視していること。それから三つ目には、妥当な考慮とは、日本が漁業を行う権利を侵してはならないということであるというふうな説明を受けたところでございます。  さらに、米国は漁業活動の邪魔はしないこと。安全対策は考えていたこと。人命に脅威を与えないことは訓練を実施する側の義務であること。訓練実施前に周囲に船舶、あるいは航空機がいないことを確認して実施したことなどから、出漁、漁業に出ることですね、出漁を停止する必要はなかったというふうな主張がありました。  これに対しまして、私からは、十分な措置はとったと言われますけども、水中爆破、広大な訓練水域、十一月十四日八時から十五時の間の実施という以外の情報はなかったということ。したがって、訓練海域に入れば大変危険であるというふうに思っていたことというようなことを述べました。情報提供あるいは安全を確認して訓練を実施した、そういうふうに言うことなどが大きく認識にずれがあるのではないかというふうなことを主張したところでございます。この結果、米国側の方もその認識の差については認めまして、事前にもっとコミュニケーションが必要であったというふうな発言がございました。  県といたしましては、今後とも機会あるごとに関係機関に対して必要な申し入れを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 20: ◯副議長福田正明) 三宅健康福祉部長。  〔三宅健康福祉部長登壇〕 21: ◯健康福祉部長三宅智) 食料の安全・安心確保に関する御質問にお答えします。  食の安全については、既に庁内において生産流通、食品衛生、消費者保護の各関係部門で構成する庁内連絡会議を設置し、連携して食の安全行政の推進を図っているところであります。庁内連絡会議は、御指摘の推進本部に比べ対外的なアピール度などは確かに低い点もございますが、今は庁内挙げて取り組んで、おのおのの分野が連携し、その役割を十分発揮することが大切であると考えております。  連絡会議については、今後一層の拡充を図りながら、食の安全に関する基本方針を策定し、総合的な取り組みを進めるとともに監視指導計画や検査結果など積極的な情報の提供にも努め、議員御指摘の食の安全・安心確保を図りたいと考えております。 22: ◯副議長福田正明) 松尾農林水産部長。  〔松尾農林水産部長登壇〕 23: ◯農林水産部長松尾秀孝) 宍道湖・中海の淡水化中止決定後の法的処理とスケジュールについてお答えします。  農林水産省によりますと、平成十五年度予算政府原案決定までに中止が決定されれば、国営中海土地改良事業の計画変更に着手し、平成十五年度には計画変更案を策定し、広く意見を聞いた上で県及び関係市町との協議を経て受益農家の同意取得など所要の法手続を行うとのことでございます。なお、その後、平成十六年度から順次農業用水確保対策の工事に着手することになるものと考えております。  次に、中浦水門従業員の雇用問題についてであります。  中浦水門従業員の雇用問題の解決につきましては、まず事業主体である農林水産省が責任を持って対応すべきものであると考えておりますが、本県としても重要な課題であると認識しており、早期解決に向けて努力してまいりたいと考えております。なお、この課題につきましては、平成十三年八月に設置した中海に関する協議会の場で協議することになっております。  次に、米軍の水中爆破訓練についてであります。  まず、米国の通報義務はないとの主張についてでありますが、外務省の見解によれば、海洋法に関する国際連合条約で定める排他的経済水域であっても沿岸国の権利及び義務に妥当な考慮を払うという条件を満たす限り、国際的に適切な海洋の利用が認められている。したがって、通報の義務はないとのことであります。  次に、訓練情報の最初の入手機関についてであります。  今回の訓練については、十一月十二日の夜、海上保安庁が通常業務で収集している米国の航行警報から明らかになったものであり、米国から我が国政府への個別通報はなかったとのことであります。  次に、外務省の米国側への申し入れについてであります。  外務省によれば、水産庁の要請を受け十一月十三日夜に我が国の利益に対する妥当な考慮を払うよう、また、その過程で必要であれば日程、区域の再調整も含め検討するよう申し入れたとのことであります。  次に、水中爆破訓練の実施時刻についてでありますが、外務省が米国からの回答として入手した十一月十四日午後零時から零時三十分の間に実施したという情報しか確認できておりません。  次に、しまね和牛肉ブランド化対策についてであります。  まず、本県の肥育農家における飼育状況、出荷状況と最近の傾向についてであります。本年二月一日現在における肥育牛の飼育状況を見ますと、二百十三戸の農家で約一万七千頭の肥育牛が飼育され、うち和牛は約一万頭であります。また、平成十二年度の出荷頭数を見ますと約一万二千頭が出荷され、うち和牛は約六千七百頭であります。この和牛の出荷牛のうち約半数は農協等を通じた共同出荷であり、県内へ約三割、阪神地区を中心とする県外へ約二割が出荷されております。残りの約半数は大型農家を中心に関東方面へ個別に出荷されている状況であります。  最近の出荷傾向でありますが、特に農協等による共同出荷では、県内におけるしまね和牛肉の堅調な取引を背景に県内への出荷割合が増加する状況であります。  次に、しまね和牛肉ブランド化に向けての基本施策についてであります。  しまね和牛肉のブランド化の推進につきましては、これまで県と関係団体により、しまね和牛肉ブランド確立推進協議会を設置し、ブランドマークの商標登録や宣伝活動を展開してきたところであります。また、本年度からは、しまねブランド総合推進事業の中で協議会が実施する宣伝活動への支援のほか、新たな流通の改革等も推進しているところであります。  なお、先般、ブランド化の取り組みの基本となるしまね県産品ブランド化基本方針を策定したところであり、消費者の視点から売れるものづくり、生産者の顔が見える安全・安心な産品の提供、産品の背景にある物語性の付加、品質の追求の基本戦略に基づき、しまね和牛肉のブランド化をより強力に推進したいというふうに考えております。  次に、しまね和牛肉の指定店の拡大対策についてであります。  しまね和牛肉の指定店は、肉質が一定基準以上である県内産和牛肉の取り扱いを条件に、しまね和牛肉ブランド確立推進協議会において指定をするものであります。BSEの発生後、信頼のおける県内産の和牛肉に対する需要の高まりから、指定を希望する店舗が増加し、現在では新たな三店舗を加え、県内で十九店舗が指定されております。  指定店の拡大につきましては、現在量販店の加入を促進するため指定基準の見直しなどを協議会において検討しているところであります。県といたしましても、指定店に対する消費者の信頼を維持しつつ指定店拡大によるPR効果も発揮できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、しまね和牛肉の日及び安く食べられる日に関する御提案についてであります。  現在、しまね和牛肉のブランド化の推進や消費拡大のため、しまね和牛肉ブランド確立推進協議会において各種のPR活動を展開しているところであります。御提案のあったしまね和牛肉の日の創設につきましては、協議会などにおいて関係団体の御意見をいただきながら検討したいと考えております。  次に、安く食べられる日についての御提案でありますが、現在、全農しまねや島根県食肉事業連へ加入している店舗では、毎月第四土曜日を肉の日として牛肉などの特売を実施しております。県といたしましても、このような取り組みの充実について関係機関と協議してまいりたいと考えております。 24: ◯副議長福田正明) 石橋議員。  〔石橋富二雄議員登壇〕 25: ◯石橋富二雄議員 二、三点再質問させていただきます。  第一点目は、大規模公共施設建設の問題でありますけども、私が主張いたしましたことと回答は大変なずれがありました。最終的に知事は、県民の多くの各種団体それぞれの声を聞きながら最終決定をするとおっしゃいましたけども、私が言ったものもこれも県民の声であります。私は、歴史文化遺産の宝庫であります島根県の歴史民俗博物館や古代文化研究センターが全く価値がないものとは思いませんし、直ちに中止せよと言っているわけではありません。ただ、緊急性や必要性を勘案した場合に、今が建設をする時期なのかどうか、この点がそうと思えないからであります。したがって、当分は凍結し、いずれ時期が来ればつくればよろしいというふうに思っているところであります。何よりも厳しい県内の経済状況でもございますので、百八十億という額は、一般の方々が見れば非常にうらやましい額でもあるわけでありまして、本当にすばらしい中身のあるような活用方法をぜひとも検討していただきたい。そういう意味でいま一度答弁をいただきたいというふうに思うところであります。  二つ目は、淡水化中止後の話であります。これからいよいよ水質浄化等に向けまして、全力で運動していく必要がありますが、特に島根県が中心になって本気になっていかなければ、長い年月をかけて淡水化中止になった意味がないと思うわけであります。そういう意味で後世に残る歴史的決断をされました知事といたしまして、先ほどもお話ありましたけども、いま一つ意気が感じられませんので、もうちょっと前向きな強いかたい決意をお聞かせいただきたいというふうに思うわけであります。  最後、もう一点は、しまね和牛の話であります。この夏、私は鹿児島市の方へ視察のときに寄ってまいりました。鹿児島は黒毛和牛と黒豚が有名な県市であります。ホテルの案内や観光地図などを見ますと、鹿児島黒毛和牛の店、あるいは豚の店、非常にうまく宣伝がしてありますし、確かに専門店もたくさんありました。そして市民、県民挙げて宣伝しているような気がしたところであります。ブランド化の第一歩は、県民の皆さんがたまには安く食べて親しみを持ってもらうことにあると思った次第であります。先ほど第四週でしたか、ありますけども、もっとアピールをしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。  先週、私はこの件に関しまして松江市内のホテル、表立ったホテルでありましたけども、電話かけながらいろいろ聞いてみました。県外のお客さんが松江へ泊まった場合に夕食にどんな料理を食べたいという注文があるかと、こういう質問でありましたけども、多くの方々は日本海の幸が食べたい。冬はカニ、夏場は岩ガキ、あるいは宍道湖七珍とか、こういう話が多かったように聞きました。たまに肉も食べたいという方もあったようでありますけども、近くに残念ながら料理店がないため和食店を紹介している。もしもあった場合には、幾らでも宣伝をすると、こういうふうにホテルも言っていたわけであります。  私は、このように鹿児島と島根県とを比較したときにアピールの少なさ、指定店の数の少なさを痛感したわけであります。ぜひとも、しまね和牛肉の日の創設と安く食べられる日の創設に向けて、今後の取り組みでありますけども、これにつきましては、島根県知事にひとつ御答弁をいただきたいと思いますけども、いかがでしょうか。以上で終わります。大変どうもありがとうございました。 26: ◯副議長福田正明) 澄田知事。  〔澄田知事登壇〕 27: ◯知事澄田信義) 第一点の歴博、古代文化研究センター、その必要性は議員も十分お認めいただいているようであり、私といたしましても、この施設は恐らく島根でしかできない、そういう大事な施設であると思っておりまして、もちろんそれ本来の古代文化を研究し、それを展示し、内外に情報発信をする非常に大きな施設、大事な施設、これはまさに島根のレーゾンデートルであると私かねがね申しておりますけれども、恐らくこれは島根にとってオンリーワンといった施設ではないかと思います。そういう意味で地域総合整備事業債の経過措置を十分に活用して整備したいという思いでございます。  ただ、先ほど申し上げましたように、今、財政健全化との関連できょうも議員からいろいろ御意見を賜りました。またそれ以外にもいろいろ私のところへ意見が参っております。そうした意見があることは十分承知しております。今後、先ほど申し上げましたように県民の皆様を初め各界各層のより多くの方々の御意見をお聞きした上で、私の責任において最終的な判断をしたいと考えているところでございます。  それから、第二点の淡水化に最終的な決着がやがてつこうとしております。本県といたしましては、皆様方の御意見をお聞きした上で、淡水化中止が適当であるという旨、この間も農水大臣に申し上げてきましたが、鳥取県側の状況が新聞報道によりますと、かなり進んできたようでございます。いずれ正式に淡水化中止が決まる。そうなりますと、先ほど申し上げましたように、今までも私は、この宍道湖・中海の浄化につきましては、これをきれいな湖にするということについては、全力を投入してまいったつもりでございますけれども、これからも、それこそ母なる湖として子々孫々にわたるまできれいな湖として引き継いでいくということで、ひとつ全力を投入したいと考えております。  それから、和牛肉のブランド化でございますが、ああやってBSE問題などで非常に不幸な関係が出てまいりました。しかしながら、きょうお話がございましたように、全国和牛能力の大会で、本県和牛は非常に好成績を上げた、まさに今絶好のチャンスであります。ここで、しまね和牛のブランド化を図り、全国にしまね和牛ここにありということで、生産農家やまたJA、それからその他皆さん方を含めまして、全力を挙げてひとつ成果を高めるように、最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。よろしくひとつお願いいたします。 28: ◯副議長福田正明) 大屋議員。  〔大屋俊弘議員登壇、拍手〕 29: ◯大屋俊弘議員 自由民主党議員連盟の大屋俊弘でございます。あらかじめ通告をいたしております三つの点について知事を初め関係部長並びに県警本部長、教育長の誠意ある御答弁をお願い申し上げます。  まず、交通安全対策についてであります。  知事は、先月五日に交通事故死亡多発警報を発令されたところであります。県内の交通事故発生件数は増加傾向にあります。昨年末の交通事故死者数は、人口当たりで見ますと、全国順位は第十六位、本年十月末現在では第七位と高くなっております。これから年末にかけてさらに増加するのではないかと思われますが、事故防止対策の万全を望むところであります。  そこで伺います。本年、県内の交通事故の発生状況や事故発生防止対策はどのような取り組みがされているのか伺うところであります。  次に、四輪車の昼間点灯についてであります。最近、県内でもトラックやタクシー、観光バスが昼間ライトを点灯して運行している光景を多く見るようになりました。車のフロントガラスにライト点灯運転ステッカーが置かれており、事業者において交通安全対策の方針として実施しているようであります。  そこで全国的な状況を調べてみましたら、公的に昼間点灯を推進する試み、いわゆる社会実験が積極的に行われておりまして、特に島根県、県警、市町村の自治体レベルでの展開がなされております。私の知る限りでの取り組みの事例を申し上げますと、長野県では二百六十九モデル事業所を委嘱し、三月から試行運動を実施しており、アンケート及び事故発生状況は人身事故三割減少、物損事故四割減少、昼間点灯は現時点では特に問題はなく、かつ効果ある安全対策と認められるとの結果を中間報告として長野県警本部のホームページで公表されておるところであります。また、滋賀県では、予備試験をもとに県と県警が九月から三カ月間、前照灯中間点灯の本試験を実施しており、対象はパトカー、自治体公用車で計三万一千台余りで、効果があれば来年四月から本格導入の予定。長崎県では、県内全公用車の終日点灯実施。長崎県警では、雨天、曇天のときの昼間点灯。また隣県の広島市では、交通安全の重点対策の一つとして昼間の事故防止に取り組み、十月一日から半年間、市民モニター車を含め五百台での昼間点灯走行の社会実験を開始しており、実験の意見募集により検証を行いながら効果を調べ、完全導入に向けての検証中とのことであります。  この昼間点灯運動は、民間運送業者から始まり急速に各地で広がっており、自治体での試行や実験は予備試験、本格試験、本格実施といった段階別に取り組み、検証が行われ、交通安全対策としての行動・運動が展開されているところであります。運動の愛称はDLD運動、データイム・ライティング・ドライブ、デイライト、デイライトオンなどと称して行われており、その運動期間中において事故発生件数の減少につながる効果があらわれているようであります。市町村段階においては、積極的な運動が見受けられ、全国市長会は昨年六月に運輸交通施策に関する要望の中で、交通事故防止のため四輪車を含む全車両の前照灯の昼間点灯走行を義務づけると主張を行っております。  また、早目点灯運動については、長崎県から全国に波及しており、トワイライトオン、薄暮時の早目のライトの点灯運動は、視界の低下に伴う事故防止を図る上で既に効果が実証されていることから、他県の県警では一番星ライト作戦などと称してライトの早目点灯を警察が推進、普及されており、本県においても同様に推進されていることは承知をいたしております。  しかし、本県では、二輪車や歩行者、自転車への影響について明らかではないとされていることから、島根県警では、昼間の点灯については他県の検証結果を見ながら今後の対応を検討したいとの見解が新聞報道されております。  そこで、四輪車の昼間点灯運動についてお尋ねをいたします。長野県や広島市では試験的に実施され、その効果は大きいと聞いておりますが、他県での検証結果をどのように評価、分析されているのかお伺いをいたします。既に他県では行っている事例も多くありますし、いつまでも他県の検証を待つのではなく、今や実行に移す時期ではないかと思うわけであります。そのため本県独自の対策として積極的な姿勢が求められております。  そこで、本県においても四輪車の昼間点灯運動を試験的に全県下一斉に実施されたらどうか提案をいたすところであります。例えば交通機関のバス、タクシー、営業用トラック、県の公用車などを対象として限定的に試行を行い、効果測定や実施中の意見募集をしてみるのも一つの方策でありますが、いかがでしょうか。  いずれにいたしましても悲惨な交通事故を減少させるためには、交通安全に対する住民や運転者の意識高揚を図る必要があると思いますが、私の提案を含めて知事に御所見を賜りたいと思います。  次に、二番目の観光振興についてお尋ねをいたします。平成十二年にオープンしたしまね海洋館アクアスと江津市の有福温泉、金城町の美又温泉、旭町の旭温泉を巡回するアクアス三湯周遊バスについてであります。  この事業は、県と観光連盟の共催によるもので、江津市、金城町、旭町の三市町の観光協会と実行委員会が地域観光振興支援事業の助成を受けて実施されているものであります。三つの温泉の連携強化を図り、アクアスの交通利便の向上を通して周辺地域の温泉の活性化につなげようとする試みでありまして、十月、十一月の二カ月間、毎週金曜、土曜、日曜日、一日三便のバスがJR浜田駅を発着地として浜田自動車道旭インターを降り、それぞれの温泉を経由しながらアクアスに至るコースで、利用客はイベントも神楽も楽しみながら温泉めぐりや観光ができるといったユニークなプランであります。アクアスと連携しながら規模の小さな温泉地を一つの温泉郷として売り込んでいくものであり、県内外に観光PR、情報発信を行いながら、地域のにぎわいにつなげていこうとするものであります。  この企画は、地域主体の創意工夫を凝らし発案されており、周辺地域の拠点を結んだ周遊プランとしてアクアスを初め温泉など豊かな観光資源を生かし、温かい人情や地域ならではの魅力を味わってもらい、再び訪れてもらおうといったねらいがあり、圏域の活性化に結びつくことを期待しているところであります。また、今後周遊性の高い観光ゾーンとして整備されることも期待しております。地元の一人としてこのプランが一過性に終わることなく、ぜひ成功してもらいたいと願っているところであります。  全国的な旅行のスタイルを見ますと、日本観光協会による全国宿泊観光旅行の動向調査では、旅行の目的に一つ、見物と行楽、二番目に慰安、三番目に温泉、湯治となっており、また今後の旅行規模としては温泉浴が第一位とのことで、個人型旅行の傾向が強くなっているところであります。また、本県の観光旅行の動向としては、温泉は神社仏閣に迫る二番目の目的になっており、さらに高まる傾向にもあるようであります。  記事によれば、北海道札幌のある大学教授は、全国三千もの温泉から日本百名湯を選定されておりますが、島根県からは玉造温泉、有福温泉、温泉津温泉の三つの温泉を挙げているところであります。温泉地の魅力のポイントは、おもてなし、あるいは料理、町並みのほか温泉質が重要とのことであります。温泉志向としては、これからさまざまな選択肢がありますが、本物志向の中で温泉の湯そのものの質が問われているようであります。そうした中で、有福温泉など島根の温泉は高い評価を得ていますことは、今後地域の努力次第で観光面においてさらに発展する可能性を持っているようであります。観光が名実ともに本県の基幹産業の一つになるよう願っているところであります。  有福温泉は千三百年前、行脚僧に発見されたと伝えられ、十三カ所の泉源はすべて自然湧出で、美人湯として女性に人気があります。美又温泉は、元治年間に発見された歴史を持ち、泉源は美又河畔から湧出し、川のせせらぎが心地よく、豊富な湯量を誇っています。旭温泉は、昭和五十年に湧出した新しい温泉でありまして、夏には蛍の舞う姿も楽しみ、旭インターから車で二分の便利さで観光客が増加しております。いずれも他に引けをとらない魅力ある温泉でありまして、県東部にお住まいの方も意外とそうした魅力を御存じないのではないかと思い、地域のPRを少し述べさせていただいたところであります。ぜひ機会があれば御利用の上、リフレッシュされてはいかがでしょうか。  さて、話は長くなりましたが、観光振興の観点からお伺いをいたします。一点目は、しまね海洋館アクアスですが、県西部の集客拠点であり、本年で三年目を迎えております。これまでの入館状況についてお伺いをいたしますと同時に、このアクアス効果により浜田圏域がもたらす経済的効果のほどはいかがでしょうか、あわせてお伺いをいたす次第であります。  二点目は、三湯周遊バスの企画は、温泉とアクアスを連携する効果があると期待されておりますが、各温泉の活性化にどのようにつながっているのかお伺いをいたします。  三点目は、県の観光キャンペーンについてでありますけれども、県は来年度も広島県を初め他の県をターゲットにした企画もあると聞いております。その取り組みについてお伺いをいたすところであります。  次に、三つ目の水産高校について質問をいたします。  県立学校の再編問題については、これまで平成十一年九月定例会、あるいは本年の六月定例会において私も質問をいたしました。九月の定例県議会でも地元浜田の渡辺県議もこの問題について質問され、いわゆる入れかわり立ちかわりこの思い入れが強うございますので質問をさせていただいておるところであります。  再度、浜田水産高校の再編についての御意見をお尋ねいたします。十月末日に発表された来年度の生徒募集要項によれば、生徒数の減少により県内各高校の定員が減となっていますが、その中で浜田水産高校、隠岐水産高校も一学科の減となっておりました。私は、かねてから水産業、漁業を振興する島根県において水産高校の果たす役割には大きいものがあり、ぜひとも魅力ある学校づくりがなされることを望んでいるものであります。そうした中で、両水産高校において一学科減の二学科になったことは、まことに非常に残念でならないわけであります。  本年五月一日現在での両水産高校は、一年生の生徒数を見ますと、隠岐水産高校は三学科総定員百二十名に対して九十六名で八〇%の在籍率、浜田水産高校は三学科総定員百二十名に対して百六名で、何と九〇%近い在籍率となっており、また浜田水産高校の学科別では、各定員四十名のところ海洋技術科三十五名、食品科学科三十二名、流通経営科三十九名と各定員にはやや満たない状況でありますが、学科を減少させなければならないほどの大幅な定員割れにはなっておりません。むしろ各学年別の生徒数では三学年八十二名、二学年八十二名、一学年百六名と一年生の在学者が多いのであります。このたびの募集について地元水産関係者、中学生の生徒保護者の声は、県教育委員会は希望する生徒に対して学びの門戸を閉じており納得いかないとのことで、私はこの怒りを覚えているのであります。  本年十月には全国豊かな海づくり大会が県・浜田市の共催で開催されようとしておりますが、このようなさなかでの学校規模縮小の発表は、機運が盛り上がろうとしている水産振興に全く水を差すようなことであり、非常に残念でなりません。県教育委員会の水産教育に対する熱意を疑うところであります。そこで、教育長にお尋ねをいたします。来年度の生徒募集決定に当たり、なぜ一学科を減とされたのか、その理由をお伺いいたします。  今日の厳しい水産業の状況下にあって、本県二校の隠岐水産高校、浜田水産高校の存在は名称も含めて地域で果たす役割や期待には大きいものがあり、若者の定住や地域の活性化の観点からも、また次の世代を担う後継者の育成や水産業の技術の習得に学ぶ水産高校生の人材育成と確保は極めて重要な課題であり、そうした点からも両水産高校における職業教育の充実を強く望んでいるところであります。また、これまで以上に特色や魅力ある学校を目指し、学ぶ生徒の期待にこたえる学校づくりこそが大切であり、仮に生徒の減少に伴い二学科になったとしても今までどおり単独校として存続ができると考えておりますし、教育の充実、地域の活性化の視点からそうでなければならないと主張をいたしてまいりました。今、私が懸念しておることは、県教育委員会は生徒減少傾向のみを再編の課題とし、当初計画の見直しや十分な論議がされないままになし崩し的に統合実施に向けシフトされはしないかということであります。  そこで、改めて平成十一年度に策定された県立学校再編基本計画を見ますと、学校再編成は子供の減少による単なる学校規模縮小ではなく、二十一世紀における県立学校教育の出発点として意義あるものとすることが重要であり、生徒の存在が地域の活力を引き出している場合も多い。家庭や地域社会の理解、支援、協力などに支えられて成り立つものであり、一体となって魅力と活力ある県立学校づくりを推進していくことが重要であるとのことでありますが、まことに同感であります。  問題は、その手法であります。基本計画においては、平成十六年度以降の後期再編事項の実施に向けては、庁内検討組織を設置し具体的に審議していくとありますし、これまでの教育長の答弁では、学校へのヒアリングや内部検討がされているとのことでありました。具体的な方向性を打ち出すに当たっては、地域の声や幅広い意見を聞きながら慎重に検討を行っていただきたいところであります。関係者、市町村との話し合いの場を設け、地域の理解や合意が得られることが何よりも重要であり、先決問題であります。そして最終の結論を出す過程において、単独での存続も視野に置きながら、十分な時間をかけて議論が行われるべきであります。仮に結論ありきで教育関係者中心による内部検討に終わるとすれば、不十分でありますし、地元の理解は得られません。そうしたことがないように強く要望しておきたいと思うわけであります。  そこで、教育長に伺いますが、私は、これまで本県基幹産業としての水産業の発展のためには隠岐・浜田両水産高校の存在は極めて大きいものがあると主張してまいりました。改めて浜田水産高校の単独校としての存続について御見解をお伺いし、私の質問を終わりたいと思います。(拍手) 30: ◯副議長福田正明) 澄田知事。  〔澄田知事登壇〕 31: ◯知事澄田信義) 大屋議員の御質問にお答えいたします。
     交通安全についてでございます。議員御指摘のとおり交通事故を防止するためには、県民一人一人の交通安全意識を高めることが最も重要であり、県といたしましては、市町村、関係機関、団体の協力を得て交通安全県民運動や交通安全教育などを積極的に推進しているところであります。  四輪車の昼間点灯につきましては、県内はもとより全国においても運輸業界を中心に実施され、各方面の注目を集めておりますが、他県等で試行されたところによりますと、実施車両の交通事故が減少するなど効果が認められるものの、全車両が実施した際の効果や影響は明らかでないと伺っております。例えば四輪車が一斉に昼間点灯した場合に、既に昼間点灯しております二輪車や緊急自動車が目立たなくなるということ。他の車両に注意を促すという効果が減少することなどの課題がありますが、交通事故をなくすためにはさまざまな取り組みが必要であり、この昼間点灯につきましても、今後県交通安全対策協議会等において検討してまいりたいと考えております。 32: ◯副議長福田正明) 島田理事。  〔島田理事登壇〕 33: ◯理事(島田一嗣) しまね海洋館アクアスのこれまでの入館状況と地域にもたらした経済的効果についてのお尋ねです。  まず、入館状況についてですが、オープンしました平成十二年度には約百三十五万人、それから平成十三年度には約六十一万人、そして三年目となります本年度には十一月末現在で約四十万人の来館者を迎えておりまして、合計いたしますと二百三十五万人余の方に県内外から御来館をいただいております。  本年度の来館者数はこれまでのところ対前年度比七四%程度となっておりますので、この率で推移いたしますと、年間では約四十五万人程度になるものと推測いたしております。  それからアクアスが地域にもたらした経済的効果についてでありますが、オープン以来二年七カ月の間に二百三十五万人の来訪を得て、約百六十六億円が地域において消費されたと推計することができます。さらに、この観光消費が生産を誘発することも考慮いたしますと、所定の計算によりますと合わせて三百億円を超える経済効果があったと推測されまして、石見地域振興の中核施設として非常に大きな役割を果たしてきていると考えております。以上です。 34: ◯副議長福田正明) 富田商工労働部長。  〔富田商工労働部長登壇〕 35: ◯商工労働部長(富田幹彦) 初めにアクアス三湯周遊バスについてお答えいたします。  本県には、現在営業しております温泉地が五十四カ所を数えており、議員御指摘のとおり泉質も全国的に評価が高く、誇るべき観光資源であります。特に温泉資源が比較的乏しいと言われております広島県と近い石見地域においては、温泉は観光客誘致の重要なポイントであり、石見地域の拠点観光施設でありますアクアスと連携したこのたびの三湯周遊バスの取り組みは、観光ニーズをとらえた温泉とアクアス、ともにいやし空間としての相乗効果が期待される事業であると高く評価しているところであります。  この三湯周遊バスの利用実績は、この十、十一月を終えまして二十六日間で延べ四百三十人の乗車人員となっております。目標の約半分という結果でございました。事業内容の周知が十分でなかったことが主な原因ではと伺っております。この三つの温泉地がアクアスと組んで具体の観光客誘致事業を打って出たのは初めてと認識しておりますが、このような事業を通じまして三湯が石見中央に位置する温泉地としてまとまったイメージを創造し、知恵を出し合い、連携、協力し、より多くの観光客誘致を実現していくことはもとよりでありますが、それぞれが持つ温泉の泉質、歴史、成り立ち、そして町並み、こういった個性を磨きながら、おもてなしなどのサービスの向上にお互いが切磋琢磨することがより一層の活性化につながると考えております。この事業は、来年も三月と七月から九月にかけて実施されることになっており、県といたしましても、事業内容の充実とそのPRによりまして利用が一層拡大定着するように引き続き支援をしていきたいと考えております。  次に、観光キャンペーンについてであります。  県では、昨年度から大型観光キャンペーン「しまね神話から新話へ」を展開しており、来年度は特に山陰路観光キャンペーン「見つけてください あなたの山陰」とあわせて全国にアピールすることにしております。また、今年度からは、東京、大阪、山陽、九州の各地区においてテレビ、新聞などのメディアを通じまして島根の魅力的なタイムリーな観光情報を年間を通じて提供することにしております。特に広島におきましては、既に冬の風物詩として定着した感のありますイベント「島根ふるさとフェア」の一層の充実を図るとともに、さらにテレビやタウン情報誌などさまざまなメディアを活用しまして、より多様な情報提供を行っております。  なお、参考まででございますが、年明けの一月十八、十九両日に開催いたします第六回島根ふるさとフェアでは、今、人気の温泉の足湯体験コーナーを設置しまして、玉造、湯の川、湯抱、有福の四つの温泉を体感していただくなど、さらなる工夫を凝らすことにしております。今後ともあらゆる機会をとらえまして広島を初め全国の皆さんに十分な情報発信をしていきたいと考えております。 36: ◯副議長福田正明) 広沢教育長。  〔広沢教育長登壇〕 37: ◯教育長広沢卓嗣) まず、浜田・隠岐両水産高校の学科を一学級減とした理由についてお答えいたします。  一つには、生徒数の減少であります。浜田・那賀及び隠岐地域における来年三月の中学校卒業予定者は、ともに前年比約四十名、すなわち一学級相当の減少が見込まれております。  二つには、生徒たちの強い普通科指向であります。中学校卒業予定者に対し高校入学の前年九月に実施する進路希望調査によれば、浜田・那賀及び隠岐地域においては普通科志望が最も多く、次いで商業科志望が多くなっております。なお、平成十四年度の入学定員に占める普通科の割合は、県全体ではおおむね六五%となっておりますが、浜田・那賀では五六%、隠岐では五〇%でありまして、他地域と比べて専門学科の割合がかなり高くなっております。  三つ目といたしましては、浜田・隠岐の高校における学級数の変遷であります。浜田水産高校は昭和五十四年度、隠岐水産高校は昭和五十一年度より現在の三学級体制を維持してきました。一方、その他の高校は二学級本校と分校を除いて、この間いずれも一から三学級の定員を削減してきております。このほか在籍生徒の欠員数なども含めて、生徒のニーズを中心にさまざまな観点から検討した結果、浜田・隠岐の両水産高校を一学級の減としたところであります。ただし、二学級に再編成する際には、海洋に関する学科を軸に浜田水産における水産流通、隠岐水産における栽培漁業といった両校の特色を継続できるように新たな学科、類型を設定いたしております。  次に、浜田水産高校の単独校としての存続についてであります。  総論としてではありますが、高校の小規模化が避けられない状況の中、生徒たちに望ましい教育環境を提供する方法の一つとして、県教育委員会では高校の統合も視野に入れて検討を続けてまいったところであります。この間、水産高校につきましては、既に幾度となく地域や水産関係団体の皆様から存続の御要望をいただいております。関係者の皆様が水産業を取り巻く厳しい環境を踏まえ、地域振興、水産振興の観点から水産業の担い手の育成、確保に心を砕いておられますことはよく承知いたしております。こうした関係者の要望に加え、これから高校を目指す中学生本人やその保護者の方々のお気持ちについても今後さらに理解を深める必要があると承知しております。  県教育委員会といたしましては、学校の主役である生徒たちの視点に立ち、生徒にとっていかに望ましい教育環境を提供するかという観点から、当面は単独校として存続する場合と、統合校とした場合のそれぞれの教育効果をさらに一層深く検証するとともに、地域の皆様の御意見も十分に伺いながら今後の両水産高校のあり方について、時間を少しいただき慎重に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 38: ◯副議長福田正明) 石田警察本部長。  〔石田警察本部長登壇〕 39: ◯警察本部長(石田倫敏) まず、県内の交通事故発生状況についてでありますが、昨日現在で発生件数は二千九百八十五件、負傷者数は三千四百七十五人と昨年の同じ時期に比べてそれぞれ四・〇%、二・八%の減少となっております。死者数につきましては、一月に積雪が少なかったため昨年より六人多い十一人が亡くなられ、その増加分がいまだに影響しておりますが、二月以降は減少傾向となり、昨日現在で対前年二人増の六十八人となっております。  本年の交通死亡事故は、飲酒運転や速度の出し過ぎによる正面衝突、単独自損事故あるいは夜間・薄暮時において歩行者が被害に遭う事故が多くなっております。  警察といたしましては、飲酒運転、速度超過等の違反取り締まり、薄暮時に重点を置いた街頭パトロール、薄暮時における前照灯の早目の点灯や歩行者などへの夜光反射材着用の呼びかけなどを実施し、交通事故の防止に努めているところであります。  次に、四輪車の昼間点灯に対する評価、分析についてでありますが、長野県警のデータを見てみますと、モデル事業所の事故件数が二六%減少、中でも加害事故件数が二九%減少するなどの結果が報告されております。その要因を考えてみますと、昼間点灯実施車両が通行車両全体の〇・六%であったため、その他の車両にとって大変目立つ存在であったこと。昼間点灯するという行為により安全運転の意識が高められたことなどが事故の減少につながったものと思われます。  その一方で問題点といたしましては、交差点において進路を譲る合図と誤解されてニアミスが発生した。ライトの玉切れやバッテリー上がりの車両トラブルが増加した。方向指示器が見えにくい、まぶしいといった他の運転者からの苦情が寄せられたなどと報告されております。  また、現在二輪車については、昼間点灯により自分の存在を目立たせ、それにより事故防止を図っているところでありますが、すべての四輪車が昼間点灯した場合、二輪車が埋没してしまうおそれも否定できません。  県内におきましては、現在、旅客・貨物運送業等十六事業所約千二百台が自主的に昼間点灯に取り組んでおられると承知しております。今後これらの事業所や運転者から意見を聞き、より安全かつ効果的な昼間点灯の方法を研究するとともに、議員御提案の試験的実施について交通安全協会や安全運転管理者協会等とともに検討してまいりたいと存じます。 40: ◯副議長福田正明) 大屋議員に申し上げます。再質問は本質問が通告時間を超えなかった場合に限り認められます。先ほどの本質問において通告時間を超過いたしましたので、大屋議員の再質問は認められませんので御了承を願います。  浅野議員。  〔浅野俊雄議員登壇、拍手〕 41: ◯浅野俊雄議員 浅野でございます。一般質問いたします。  通告した問題の前に知事にお伺いをしておきたいと思います。午前中、石橋県議から多選のことでいろいろ御質問を聞いておられました。なるほど三重県知事が、北川さんが二期でやめる、たった二期してどれだけ県民が喜んだかなと私は思っております。早々とやめられたと表明されました。ははあこれは国政に出て、野党の方々との、また大きな渦を巻き起こすためかなと私は思ったんでございます。そのときに、ふと澄田知事のことを思いました。小泉さんが、ああして自由競争、規制緩和、そしてまた価格破壊、結果的には農村軽視。これに対して澄田知事は、地方を重視しなきゃならんということを盛んに先般来からおっしゃってますから、これが知事をやめるとすれば、小泉さんに取ってかわろうということになるかなと、率直夢見たことがあります。それを澄田知事は、何としても島根県民を守っていくんだという強い情熱で引き続いて、今までの経験を生かして、その上に立って新しい手法で県民の期待にこたえたいという訴え方をされて、やっぱり知事はすばらしいなと私は思って推薦をした一人であります。どうか県民が期待しておりますので、意欲的に取り組んでいただきたいと思います。  ただ、今までにない新しい手法で県政をやるんだという、この変わったことが県民の期待が高まる投票行為になるわけで、今までと同じようなことでは投票行為ができない。新人が当選するのは、何するかわからんけれども変わったことをするだろうということで投票行為につながっていると私は思うので、知事も今度は五回目ですから、今までと同じような手法でない県政運営を県民の前に大きくアピールしていただいて新しい期待を求められることを希望して質問に入りたいと思います。知事初め教育長、部長から前向きな御答弁をお願いします。  先般、知事が県の財政が大変厳しいんだということを発表されたことを受けて、その手法もおっしゃいました、それを受けて、益田の美術館、大社の歴史民俗博物館、松江の古代文化研究センター、凍結されたらどうですか、そして厳しさを県民がじかに見て共有することになるからという御提言もありました。新聞にも一部書いてありました。その声に対して、澄田知事は、この三つの施設だけは、県民の将来の夢を与えるものだからぜひともやらせていただきたいと思っているとおっしゃいました。私、あのとき聞いていて、やっぱり知事は県民をこよなく愛しているなと思いました。だからこそ厳しい内情を選挙前に暴露して、そして、さらにその中で県民に夢を与えたいという情熱を訴えられていることはすばらしいなと私は思ったのであります。  そこで、知事に提言ですが、もっと新しい視点で県民に大きな夢と希望を与えるような県政施策について御提言申し上げますので、知事、御答弁をいただきたい。そして補足あれば部長の方からお聞かせ願いたいと思います。  それは創造立県政策であります。その一つは、国営公園導入についてであります。歴史は征服した者で今までつくられております。したがって、古代文化の核は、元来出雲文化であった。ところが大和王朝によって征服されたために、大和・奈良へと一極集中されて、出雲文化は埋没されています。ところが古事記にも日本書紀にも国譲りの神話という中に、大国主命が高天原へ国を譲ることの交換条件として、空高くそびえる宮殿を建てることを提案されたと書いてあります。そのために出雲大社の巨大な神殿となっているという神話が記されているのであることから見ても明らかであります。  今までは、我が国は大和王朝を中心としたために国営公園でも、日本で初めての国営公園、昭和四十九年ですが、国営飛鳥歴史公園として指定をされております。本来、出雲王朝が指定されるべきものであった。ところが世の流れはなっておりません。したがって、国立古代研究所とともに飛鳥の歴史ロマンを感じる公園として、あれがすべてなんだという格好で国民にアピールされておる。残念であります。  ところが、澄田知事は、県立の古代文化研究センターを十八年度に建設して、そして風土記の丘の整備基本構想を中心にして明年三月までに県立歴史公園としての向こう十年間の計画を発表するんだと議会を通じて教えていただきました。私は大変喜ばしいことだと思います。  ところで、これで満足しちゃだめ。今までの県政はそれで満足しておった。それではだめなんで、澄田さんに期待は、さらに将来一歩進んで国営公園として国に指定させるような戦略を立てるべきだと私はかねてから思っております。  現在の国営公園法ではイ号というのがありました。広島の国営備北丘陵公園が平成七年に中国地方でもう既に指定されてしまっておった。したがって、人口が少ない中国地区での二番目の指定は、近畿とか関東は今二つあります。この辺は少ないから四国では無理となっているようであります。しかし、日本の古代文化の発祥の核であった出雲古代文化を国営公園ロ号として指定させる戦略を立てればいいんではなかろうか。仮にイ号であっても施行令を改正させればいいわけでありますから、そういう戦略を立てて強力な政治運動を展開することが必要だと思うのであります。そうなりますと、松江・安来の古墳群、松江市の国庁、国分寺、田和山遺跡、加茂の銅鐸、斐川町の銅剣、さらには出雲大社の巨大な神殿と歴史博物館と結びついて、国家的に非常に価値の高い公園が展開するのであります。出雲を中心とした古代歴史公園が今度は国立の古代出雲文化研究所というものを中心にどんどん広がっていきますから、県民にロマンを与え、また観光産業にも大きな光を与えるものと私は思うのであります。  そこで、そのためにも全庁的にどうしたらそれが取れるか、中央省庁にはいろんな人がおられますが、それらをどういって取り込んでそこへ持っていくのかという戦略会議をつくって、早急に取り組むべきだと思いますが、また澄田知事が今までの経験を生かして五選に出るというのは、それぐらいのことをやられて当然だと思いますが、知事のお考えをお聞かせ願いたい。これが第一点。  第二番目には、バイオマス導入の戦略会議を設置していただきたいということであります。  京都議定書の批准で日本も温室効果ガスCO2の六%削減が義務づけされたが、逆になっております。そこで農林省を中心にして各省庁が、いわゆる政府がバイオマスの日本戦略を作成しようと。そのポイントは農業と結びついたバイオマス利用の取り組みが練られて、これから各県に協力を求められようとしているのであります。これから基本計画ができるわけであります。今までの県ですと、それができて具体的な書類が各省庁から県へ流されて、担当官がそれからタッチするのが島根県でありました。それでは遅い。外国を見ましてもEUとかカナダ、ブラジル、オーストラリア、米国では、もう既にガソリンにバイオマスエタノールが二割ぐらい混入した自動車が走るように推進されているのであり、日本ではなぜやらないのかと思ったら、現在の車を変えなきゃいけないので十年かかるから十年後に実現しようというスケジュールのようであります。しかし、急速に展開をいたし、既に京都、北九州は実証施設が一部稼働し始めているということであります。ここであります。本県は農林資源が豊かでありますだけに、他県に先駆けてこういう戦略を立てて、そしてどんどん島根に拠点をつくって発信をしていくという姿勢こそ大事であります。  そこで、島根大学工学部、そのためにできた。そして中電。これは電力事業者として取り組まねばならない課題であります。そして先進の企業が県内にもぼつぼつある、そういう方々と連携しましてバイオマス導入の戦略会議を設置されることを提案するのでございますが、知事の考えを聞きたい。  次、三番目ですが、人工衛星、GPSというんだそうですが、これを利用した野生の有害鳥獣の動向を調査することを提案するものであります。  これは、私はカーナビというものだそうですが、あれに乗せてもらって感動しました。そしてまた痴呆性老人の徘回を電波でキャッチしてどこを歩いているかわかるようになっていると聞きました。であるのになぜあんなに県民が被害の恐れているイノシシについて対応しないのかと浅はかな発想ではありますが、しかしこれが大事なことです。ところが、島根県では既に送信電波を猿につけて、猿は群れで行動しますから、村に侵出しようとしたら電波を受けて花火がババンと鳴って撃退させて効果が上がる実験を取り組んでいることを聞いて、県の役人さんもすばらしい者もおるんだなと感心いたしました。  先般、自民党の本部で有害鳥獣特別委員会という国会議員の会があることを知りまして、全国農業者の立場からそこへ出かけて要望いたしました。イノシシは西日本であります。西日本を代表してということで要望したのであります。そのときにエゾシカで農林省は民間団体と北海道で人工衛星を利用してシカの位置を測定して行動調査を十三、十四年一億円かけて取り組みますと。ただ、イノシシについてはやっておりませんということですから、早速やっていただくように十五年度からと言ってますが、電池の問題があってすぐできないということですが、十六年から取り組むだろうと思います。  そこで思うんですが、せっかく知事が中山間地域センターつくられました。囲いが一つ、中にイノシシが二、三匹おりますが、あんなことではだめ。このGPSですか、これを活用して、あそこで農林水産省にさせる。そして全国に発信する。あのためにあそこにあるんだから、そういうことを早速農林水産省その他と協議して、これも電器メーカーのいろんな開発も必要のようですが、全国に先駆けて取り組んでいくような積極的な知事の取り組みを願うものですが、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。  四番目は、PFIの導入戦略会議の設置であります。  もう既に二十の県、四十四の市町村でこれができてから五年になりますか、取り組んでいらっしゃるようであります。知事は、もう箱物はこれだけですよとおっしゃって、関係者の期待の方々の失望を買っていらっしゃる。そこで、島根県八雲村では給食センターが実施されました。先般、八雲の村長に会って聞いてみた。建設費が四億円です。それをPFIでやって、維持管理費も含めてですが、三十年間、毎年三十万出せばいいんですと。これはすばらしい効果がありますと。なぜこれはよそはやらんでしょうかとおっしゃった。  そこで提案ですが、知事の母校であります出雲高校、教育長の話では来年から四十五億円の事業費を出すように準備されているように聞いたが、また箱物が建つかなと一瞬思いました。本当は私は南高校四十五億円使って、先般竣工させていただいて、出雲の知事の母校より先にしたのは悪かったかなと反省をしておりましたが、今度は出雲だと思ったら、箱物建てないというんでございますから、本当にお気の毒だと思う。午前中、五百川県議の指摘された定時制高校、場所の誘致で言われるかと思ったら人徳豊かな五百川県議ですから場所のことはおっしゃらなかった。ただ、これから準備をしてというんですが、これも箱物です。私は、早くこの定時制高校も独立校をつくってやりたい。教育長の思いと一緒で、せっかく答申を受けたんだから、来年は基本設計、直ちに設計して再来年から建ててやるんだということぐらい積極的に取り組まねばならんと思うんですが、そうなるとPFIの導入こそ早道になる、十分の一ぐらいで、あるいはこれは三十年ですけども、もっと少なくともなれると思う。積極的な導入を期待します。こういうことは町村が案外早い。県の方々はゆっくりした財政でまあまあ何とかなるわという格好で姿勢が見えます。したがって、県もPFIの導入について、幸い医療対策課の方は湖陵病院をPFIでやるというんですから、県庁にもすばらしい課があるんだなと、これは尊敬しておりますが、企画部においてPFI導入して、それをどこへ中期計画の中へどれとどれをとんとん取り入れて早くやらそうか、知事の人気取りではないんですけども、やっぱり箱物はやれるんだという具体的な戦略をお立ていただきたいと思うのですが、お聞かせをいただきたい。そしてまた取り組んでいらっしゃることについて教育長や福祉部長からもお聞かせをいただきたい。  五番目に中山間地諸学校での愛郷心向養教育であります。  まさに本県の山間地域集落は荒れなんとしております。いろんな美辞麗句言いますけれど、まさに荒れなんとしています。そこで、そこに生まれて、その集落を守るべき子供の教育はどうなっているのか。思いますと、あそこらにある小学校、中学校、高校、小学校も高学年からです。高校生等見ると、あそこの教育は物質の豊かさとか、映像文化が盛んなところへ全国一律の文部省が示した知的教育の切り売りであるのではなかろうか、心配をいたします。それはある程度必要だけども生まれた集落を守り育てるのが我々の務めだという尊厳性だとか、あるいは環境を育てるためにはどういう創意工夫をすればなるんだ。自分が思ったことは、できたできたという創意工夫の積み上げをさせるような教育の手法である。できたって豊かさがないから、豊かさなくても清貧の哲学があれば人生として豊かな感受できる、そういう教育とか、こういうものを少なくとも小学校の高学年、中学校、高校生の教育の中に特にあそこにある子供らには全人格的に郷土愛を盛り立てさせるような手法を教えなければ、特別教育を導入しなければ、まさに山村は絶えてしまう。こういう危機感に立って、教育委員会はどのようにされているのか。文部省が最近、触れ合い教育だとか体験学習、あんな幼稚なことで、幼稚と言ったら失礼かも知らんが、それで山村を守る教育を甘受して子供が守っていこうということにはならん現実になっております。私は古いから戦時中の特攻隊教育のことを思う。あの時代の子供には、これだこれだこれだと言うと、ああいう特攻隊も自分が体を張って飛び込んでいこうという精神が肝要でした。そこまででなくても農村の戦後の開拓指導者の養成のために八ヶ岳に伝習農場ができました。あの先生方は、私も二、三お会いしました。すばらしい体験実践者の教育者が入っております。なるがゆえにそこで感受を受けた指導者は全国へ散らばって頭角をあらわします。そのような特別な教育課程を、あそこの山村諸学校に対しては配置すべきだ。島根県の先生には、そんなこと言ったら失礼だが自立的な教育をしている先生はすばらしい。だけどもそのような先生はおられない。中にはおられると思う。だから、それにはどうしたらそういう先生を導入することができるのか、こんなことを強く思うのでありますが、教育長はどのように危機的な状況であることを踏まえて、どのように考えるのかお知らせを願います。  六番目には、これは目先のことですが、来年は羊の年であります。最近、新聞にいろいろ出ます。例えば大阪の女性の知事さんは河川公園に羊を放して、それはやり方がいろいろあるでしょう、草取りをさせております。石川県の干拓の荒れたところにいろんな草が生えておる。そこへ石川県はヒツジを放して、いろんなボランティアを養成して苦労しながらやっておりますよ。大変効果が上がっておる。かつて長江干拓の授産センターに行ったときに、女性の園長さんすばらしい発想するんですが、運動場に草が生えてなりません、だれか頼んで請負に出してというから、そんなことせんでもヤギを放して草食わせてみなさい。お乳までできますよと言ったから、来年はひつじだから、あそこに羊を放して食べさせたらええなと最近思うようになりましたが、こうしたことを考えて取り組むことが新しい時代の一つではなかろうかと思うんですが、土木部長が土木行政のすべての親玉ですので、お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。以上が創造立県であります。  二番目に福祉政策についてお伺いをいたします。五点お伺いします。  一つは、島根県には、障害者福祉課、障害者授産センター、県下に七つあります健康福祉センターの中の障害福祉係、それからまだ二つございます。障害、障害、障害と看板に書いてある。  先般、名古屋で行われた全国の身体障害者大会で中国ブロック、近畿ブロック、中部ブロックから、この障害の害をなくすることが提案されて採択され、これからいよいよ全国的レベルで運動が広がります。先般、全協でも知事にお願いしたんですが、その後どうなったか私わかりませんが、あのときは知事に石原慎太郎さんみたいにあなたそれを提案してチャンピオンになりなさいと言ったんですが、それはそれとして島根県の身障連の藤井会長も何とか害をなくしたいと思っていらっしゃる。害とは虫害、冷害、公害と他人に危害を与えるイメージの悪い言葉の代名詞として使われておる。これを害をなくして身障者とするように言われておるんですが、知事の身内の県の組織名から害をなくする新しい名称をつけられることを願うんですが、知事のお考えをお聞かせ願いたい。  二番目には、車いす利用者から常に要望が高い松江駅の改造とか、今度旅館組合と話がつきましたホテル宍道湖の改造、車いす利用者に対応してどのようにされようとしておるのか具体的にお知らせください。これは部長さんから。  三番目には、養護学校の放課後二時から夜六時まで保育事業についてお願いし、ハッピーアフタースクール事業という名前で運営助成が出たことは大変喜ばしく感謝されております。ところが、この有料ボランティアとか指導員等、なかなか手間がかかりますから、なかなか集まらない、十分集まらない、この値段ではという保護者の声が高いのでありますが、その実態はどうなっているのか、今後の対応について教育長、関係部長からお聞かせをいただきたい。  四点目は、国立松江病院の重症身障者のショートステイ事業の拡充であります。本来、松江病院は療養所から病院になりますときに昭和四十五、六年だと思います。当時中島副委員長が一生懸命、難病奇病の病院にするんだというので重症心身障害児、筋ジストロフィーの病床ということで、私は、親の会という名前で一緒に橋本龍太郎政務次官でした、当時、お願いしたことを思い出し、ところがその病院が重症障害者のベッドが八十あるわけであります。今まで一床ほどはショートステイが許されて希望者が使っておりました。ところが実際は県下には、あそこでショートステイやりたい、四名か五名あるわけです。その前は小児病棟の八病棟を使って活用させていただいて喜んでおりました。ところが独立採算制、独立化法人ですか、明春から八病棟が閉鎖をされるということを聞いて、関係の保護者が大変心配しておりますが、したがって従来どおり八病棟を活用してやっていただきたい。そのためには外部団体であります県が、福祉部長が積極的にその住民の声を代弁して要請することでなければ、松江病院側は独立法人化を願いながら八病棟活用は簡単にできませんという姿勢のようですが、担当部長としてどのように対応されるお考えなのかお聞かせをいただきたい。  五点目には、知事さんが日赤支部長として指導されてます松江日赤の改造のことが検討されているというとを聞きました。ああ、ええことだなと大変喜んでおります。ところが最近、どなたが言ったか知らないが、松江日赤は郊外に移転するんだという話が広がっているようであります。そこで松江日赤周辺町内会長さん方が、何としてもあの場所はすばらしい、駅からも近くだ。したがって現在の地で改造していただきたい。先般陳情されているようですが、建設場所について知事はどのように考えられているのかお聞かせをいただきたいと思います。  さて、最後になりますが、女性の登用率向上対策についてであります。  現在、県の審議員に女性は二二・二%。それを知事は三年以内に四〇%以上にすると新聞発表されたようであります。その具体的なスケジュールはどのようにされようとしているのかお知らせをいただきたい。  そしてまた、県の行政委員への女性登用特別枠はどうされますか。また、島根県では農業会議とか県の畜産振興協会とか、県の労働者福祉協議会など県内のさまざまな団体がありますが、これに女性を登用するようにという強力な指導こそやらねばならんと思いますが、お知らせをお願いいたしたいと思います。  最後に、中浦水門撤去がいよいよ時間の問題となりました。そこで、来年は十二月二十日に決まるんでしょうが、撤去のための調査費が農林省から示される予定と聞いておりますが、これは国営土地改良事業で取り組まれるとすれば、多分そうだと思うんですが、国と県は幾らほど負担しなければならないのか割合をお聞かせください。調査費がそうだとすれば、今度は撤去の費用が膨大ですが、それも島根県に連動されると思いますがゆえにお聞かせをいただいて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 42: ◯副議長福田正明) 澄田知事。  〔澄田知事登壇〕 43: ◯知事澄田信義) 浅野議員の御質問にお答えをいたします。  まず、国営公園についてであります。  ロ号国営公園は、国家的な記念事業として、または我が国固有のすぐれた文化的資産の保存及び活用を図るため閣議の決定を経て設置される公園で、現在、全国で五カ所あります。このうちすぐれた文化的資産の保存活用を図るために設置されている国営公園としては、奈良県の飛鳥歴史公園と佐賀県の吉野ケ里歴史公園の二カ所があります。  国営公園として設置されるためには、これら二つの公園のように国の特別史跡に指定されるなどの厳しい要件が求められております。本県では、昨今、荒神谷や加茂岩倉からの青銅器の大量出土や、出雲大社からの巨大柱の発掘、出雲の国風土記に書かれた役所や寺院の発掘などの大発見が続いており、これらの歴史的文化遺産はまさに全国に誇るべき大きな財産であるとともに、地域づくりの大きな資源になると確信しております。私といたしましては、これら歴史的文化遺産の利活用などについて、今後とも調査研究を一層深めるとともに、議員御提案の戦略会議の設置についてぜひ検討してまいりたいと考えております。  次に、バイオマスに関する県の取り組みについてであります。  農林水産資源や有機性廃棄物など生物由来の有機性資源であるバイオマスの利活用につきましては、地球温暖化の防止や循環型社会の形成に資するのみならず、本県農林水産業、農山漁村の活性化という観点から極めて重要であると考えております。  県としましては、これまでも家畜排せつ物などの堆肥化による循環利用を進めるとともに、中山間地域に豊富に賦存する木質系のバイオマスの有効利用について島根大学や中国電力などの協力も得ながら調査検討を行っているところであります。  一方、国においては、バイオマスを製品やエネルギーとして総合的に利活用し、持続的に発展可能な社会、いわゆるバイオマス日本を実現するための総合戦略を年内を目途に策定することになっております。今後は、こうした国の動向などを見きわめながら本県に賦存する多様なバイオマスを総合的に利活用するための計画の策定や、県の関係部局、関係団体、学識経験者等による横断的な推進組織の設置を検討してまいりたいと考えております。  次に、GPSを利用した野生鳥獣の動向調査の導入についてであります。  鳥獣被害対策、特にイノシシの被害対策は本県にとって重要な課題であります。このため、県においても被害防止の研究に取り組んでおり、その結果、新たな防護柵が開発されるなど着実な成果が上がっております。また、国に対してもイノシシ被害の効果的な防止を図るための生態の早期解明などを強く求めてきたところであります。  GPSは、人工衛星から発射される電波を受信することにより位置を正確に特定するものであり、カーナビゲーションや測量などさまざまな分野で広く利用されております。国内においても御案内の北海道のエゾシカなどの生態調査に利用されております。ただ、機器が高価であるということや鳥獣の種類によっては装着する技術が確立されていないなど、まだ克服すべき課題があるものの生態を解明するための有効な手段の一つであると考えております。  本県においては、御指摘のように中山間地域研究センターが全国でもまれなイノシシの飼育場を設置しているということや、農地森林に関する豊富な地理情報の蓄積があるということ、また、大田市に設置されております全国で唯一のイノシシ研究部門を持つ近畿中国四国農業研究センター地域基盤研究部という長い名前のところですが、もあることから、先進的なイノシシの研究を行う環境が整っております。さらに全国的にも数少ないイノシシの研究者が本県に集中しているそうであります。聞いてみますと、イノシシの研究をする博士号を持った人が全国で六人おるそうでありますが、そのうち三人が島根県にいるそうであります。このような実態を国にアピールし、GPS調査を初めとする先進的なイノシシ研究が国の事業により中山間地域研究センターで行われるよう強く働きかけてまいりたいと考えております。  次に、PFIの導入についてであります。  PFIは、民間の資金や経営、技術的能力を公共施設などの建設や維持管理及び運営に導入することにより、公共サービスを効率的、効果的に提供する手法であり、この方式の促進を図るため、平成十一年にいわゆるPFI法が施行されました。以来、二十六都道府県において六十四のPFIを導入したプロジェクトが取り組まれるなど、全国の自治体でも広がりを見せてきております。県内におきましても、お話のありました昨年八雲村で学校給食センターの建設にPFIが導入されたところであります。  PFIの導入は財政健全化に向け歳出規模の抑制と質的改善を進めていく本県にとりまして必要なことであり、積極的に導入すべきものと考えております。しかし、従来方式に比べまして、制度的に非常に複雑であるということや、それに伴う事業期間が長期化するといったことなど問題点も多く、導入に当たっては事業費コストの削減、公共サービスの質の向上が実現可能かどうかなど比較検証した上で判断する必要があります。県におけるPFIの導入につきましては、現在湖陵病院の改築に当たって目下検討しているところでありますが、今後は、お話のように、本県でどういった事業が可能であるか、どこまでの業務を対象とするかなど、本県の実情に沿って個別的に検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、県の組織における障害という用語の使用についてであります。  障害という用語はすべての都道府県、政令指定都市の組織の名称を初め障害者基本法や身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などの法律において使用されておりますし、行政や一般社会において幅広く使用されております。しかしながら、用語の問題は非常にデリケートで難しいものであり、障害という言葉についても当事者の気持ちを十分くみ取って用いるべきであります。  昨年十一月には身体障害者、知的障害者、精神障害者の団体の方とお話する機会がありまして、その折にも障害者という呼称についてお話をしたところですが、いろいろ議論する中で、なかなか妙案がない状況でありました。  私といたしましては、当事者の皆さんの意見をよく伺いながら、県組織の名称の変更についてもよい案がないか検討してまいりたいと考えております。  次に、松江赤十字病院の改築についてであります。  松江赤十字病院は、隠岐地域を含めた県東部の広い地域をカバーし、高度医療機能を備えた中核病院として県の医療提供体制の上で大きな役割を担っている病院であります。近年、施設や設備の老朽化や狭隘化が進み、これ以上の診療機能の充実や療養環境の改善が困難となってきております。このため、現在、病院において全面改築に向けて改築場所、建築の規模、財源の見通し等についての検討が進められております。このうち議員御質問の改築場所につきましては、現地も含めた橋北地区を念頭に置いて検討されていると聞いております。  私といたしましては、昼夜を問わず多くの方々が出入りされる基幹病院でありますので、交通を初めとする利用者の利便性や市内の他の総合病院との地理的バランスなどのさまざまな要件を総合的に勘案の上、適地に決定されるべきものと考えております。  次に、県の審議会等における女性登用についてお答えをいたします。  私は、かねてから女性が生き生きと輝いている社会はおのずと発展するという信念を持ち、女性施策を展開し、女性の意見を県政に反映させるよう努めてきたところであります。これまで現在のしまね女性パートナープラン二十一に至る数次の女性計画に基づき、政策・方針決定過程への女性の参画を推進してまいりました。さらに、本年三月にはその法的基盤となる島根県男女共同参画推進条例を制定したところであります。この結果、県の審議会等への女性の参画率は、平成十年度末に一〇・六%であったものが、本年九月一日現在で二二・二%にまで上昇いたしました。しかしながら、まだまだ十分とは言えない状況であると考え、先般、各部局長に対し、原則として十七年度末までに四〇%以上にするよう指示をしたところであります。現在、各部局において公募制の導入も含め、女性の参画が進むように審議会委員などの構成を見直すなど目標達成のための方策を検討しており、今年度末までに審議会ごとの登用計画を策定し、男女共同参画推進本部長である私が先頭に立って着実な実行に取り組んでまいります。  次に、行政委員会における女性委員の登用についてであります。  現在、十あります行政委員会の七十七名の委員のうち五名が女性委員であり、女性参画率は六・五%と低い数値となっております。また、七つの委員会では委員のすべてが男性という状況であります。行政委員の中には選挙で選任される委員もあり、また分野によっては多くの女性の登用が困難な状況もあり、現時点で一律に目標とする参画率や年次を設定することは難しいと考えておりますが、私としましては、県政のあらゆる場面で女性の参画を推進していくことが必要であると認識しており、行政委員につきましても一つの委員会に少なくとも一名以上の女性の参画を原則として積極的に女性委員の登用を図っていきたいと考えております。
     次に、県内のさまざまな団体への女性登用についてであります。  女性登用を初めとする男女共同参画社会の実現は、県の取り組みのみでなし遂げられるというものではなく、市町村や企業、民間団体などにおいてみずからの課題として取り組んでいただくことが何よりも肝要でありますが、県としてもその取り組みを促進する必要があると考えております。そのため、私自身、この九月に開催した農業団体や商工団体など五十二の団体などで組織する島根県男女共同参画社会形成促進会議におきまして、団体における女性登用について強く要請をしたところであり、今後ともあらゆる機会をとらえて積極的に働きかけてまいります。 44: ◯副議長福田正明) 島田理事。  〔島田理事登壇〕 45: ◯理事(島田一嗣) JRの松江駅のバリアフリー化についてお答えいたします。  松江駅は、一日に一万人近い利用者のある県内の主要な駅でありますので、エレベーター、エスカレーターの整備についてJR西日本及び国に対してその設置を要望してきたところであります。その結果、事業主体のJR西日本においてエレベーター二基、エスカレーター三基、概算事業費約三億八千万円で平成十五年度中に設置されることとされ、国に対して補助要望をされている段階であります。したがって、県としましては、引き続き国に対して松江駅バリアフリー化に必要な予算が確保されるように要望してまいりたいと考えております。 46: ◯副議長福田正明) 大西総務部長。  〔大西総務部長登壇〕 47: ◯総務部長(大西秀人) ホテル宍道湖の施設改善についてお答えをいたします。  今回のホテル宍道湖の改修は、建設後二十七年を経過しまして老朽化が進んだ給排水管や空調設備など基幹的設備の修繕を主といたしまして、あわせて利用者ニーズを踏まえ洋室・個室化を図り、さらに耐震防火対策を講ずるものでございます。  現在のホテル宍道湖の施設では、一階に車いす対応のトイレを設置いたしておりますが、客室やエレベーターなどへの車いすでの出入りや方向転回ができないなどバリアフリー化が十分でない状況にございます。こうした現状を踏まえまして、平成十年に制定されました島根県ひとにやさしいまちづくり条例に基づき、今回実施しようとしております改修に合わせて玄関などの入り口の段差解消や車いす対応トイレの増設、介助者も一緒に宿泊できる専用客室の確保、方向転回が可能となるエレベーターの設置などを図りまして、身体の不自由な方や高齢者の方に配慮した宿泊施設としたいと考えておるところでございます。 48: ◯副議長福田正明) 三宅健康福祉部長。  〔三宅健康福祉部長登壇〕 49: ◯健康福祉部長三宅智) まず、湖陵病院の整備についてお答えします。  病院経営は、診療報酬のマイナス改定が行われるなど非常に厳しい環境にあります。このような中で、湖陵病院が将来にわたって安定的な経営を行うためには医療サービスの向上を図りつつ新たな施設の建設、維持、運営コストなどいかに抑えていくかということが重要であります。このため民間の資金や経営ノウハウなどを活用するPFI事業の導入も有効な手法であるとの判断から、平成十三年度、PFI導入の可能性について検討調査を実施し、一定の事業費節減効果が得られるとの結果を得たところであります。  現在、この調査結果を踏まえつつ施設規模や事業期間などの前提条件について、より詳細な検討を進めており、早期に方向性を決定したいと考えております。  次に、ハッピーアフタースクール補助事業についてであります。  今年度各養護学校等の保護者会における事業実施状況を調査したところ、本事業の補助金交付基準との間に児童生徒一人当たり人件費、教材費及び施設費などにおいて総額五万円程度の格差が生じております。県といたしましては、この格差を改善するため現在検討を行っているところであります。  次に、短期入所事業についてであります。  来年四月からの支援費制度への移行に当たりましては、現在のサービスが低下してはならないと考えており、引き続き障害者福祉サービス基盤の充実に取り組んでまいります。御指摘の国立療養所松江病院では、これまでどおりのサービスを維持する方向で事業者としての申請を検討されていると聞いており、県といたしましては、当面その検討結果を見守りたいと考えております。 50: ◯副議長福田正明) 松尾農林水産部長。  〔松尾農林水産部長登壇〕 51: ◯農林水産部長松尾秀孝) 平成十五年度に予定されております国の中浦水門関係の調査費についてお答えします。  農林水産省は、概算要求において国営中海土地改良事業として淡水化施設等に関する関係機関との協議資料の作成や、中浦水門の取り扱いに係る調査に必要な経費三千万円を計上しております。この中で国庫負担率は三分の二、本県の最終的な負担率は約一四%となっております。以上です。 52: ◯副議長福田正明) 菅原土木部長。  〔菅原土木部長登壇〕 53: ◯土木部長(菅原信二) 羊の放牧による河川敷などの除草対策についてお答えします。  御質問のありました取り組みは、幅広い環境対策が求められている昨今、非常に斬新な御提案だと考えますが、これを実現するためには雨天時や冬季も含めて三百六十五日を通じた動物の世話、野犬などの被害を防ぐための防護対策、地域における受入体制など数多くの条件を整える必要もあり、現時点で県として早期に取り組むことは困難であると考えています。  今申しましたような対応を進めるに当たっては、NPO活動など地域や住民を主体とした共同体制が不可欠であり、これらの条件を整える中で検討してまいりたいと考えております。 54: ◯副議長福田正明) 広沢教育長。  〔広沢教育長登壇〕 55: ◯教育長広沢卓嗣) 県立学校施設整備事業へのPFIの導入についてお答えします。  まず、出雲高等学校の改築事業につきましては、もう既に平成十三年度において施設整備基本計画を策定して、今年度既に建築設計にも着手し、学校、地元への説明も実施するなど事業が進行しているところであります。今後、平成十五年度から建設工事に着手して、平成十七年度に竣工するよう計画をいたしておりまして、現時点でのPFIの導入につきましては困難であると考えております。  なお、今後の財源見通しということでありますが、出雲高校につきましては、老朽化した校舎の改築事業でありますので、既に今年度から交付税措置のある有利な起債の対象となっているところであります。  また、定時制・通信制高校の再編成についてですが、県教育委員会といたしましては、先般、先ほどもお答えしましたように外部検討委員会によりいただきました答申を踏まえまして、平成十五年度中を目標に具体的な計画を策定する予定でおります。その際にPFI方式の採用につきましてもあわせて研究してまいりたいというふうに考えております。  次に、山間地域での愛郷心を養う教育についてであります。  豊かな自然、すぐれた文化遺産に恵まれております本県におきましては、各学校がそれぞれの地域の特性を生かして特色ある教育活動を展開しているところであります。例えば飯南・邑智・吉賀地域におきましては、中高一貫教育を導入して中高連携による地域学習を実施し、ふるさとを愛する生徒や地域の自然や歴史を理解する生徒を育成しております。  また、地域の教育力を活用するために人材バンクを設置して総合的な学習の時間などの中で郷土の歴史、神楽、炭焼きなどすぐれた知識、技能を有する地域の方々をお招きし、地域に根差した学校教育活動を展開しているところでもあります。さらに、二十一島根っ子のびのび事業を活用して、小学生に田植えや芋堀りなどを実際に体験させて、みずからが生活する地域に対して新たな発見をし誇りに思う心をはぐくんでいるところであります。  このようにふるさとの自然、文化、歴史に触れることにより子供たちがふるさとに対する理解を深め、ふるさとを愛する心をみずから養っていくよう支援することが我々の教育委員会の役割であるというふうに考えております。しかし、まだこれでは不十分だというような御指摘もございましたし、私もこれで十分だというふうに思っておりません。今後、例えば九月議会にも御質問ありました農業小学校への支援なども研究していきたいというふうに思っているところでございます。現に津和野町の名賀というところで農業諸学校が活発な活動をやっているところでございます。そういった農業小学校がこれからのどんどんふえることを非常に期待しておるところでございまして、県教育委員会といたしましても、市町村とかあるいは関係団体と連携をとりながら、どんな支援ができるかさらに活動を活発にしてもらうような研究、検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。  次に、ハッピーアフタースクールにおける指導員とボランティアの実態及び今後の対応についてであります。  今年度は、ハッピーアフタースクールに六校の養護学校で七十六名の児童生徒が参加しております。これに対応する指導員とかボランティアは、現在百七十三名が登録されておりますが、児童生徒一名に指導員、ボランティアのどちらかが一名つくこと、それから活動時間が放課後の二時過ぎから五時間程度、それから長期休業中には朝九時過ぎから十時間程度といったことがあります。そういったことからも各実施主体とも、指導員、ボランティアをさらに確保することが課題となっております。このため、各学校においては、広報紙で募集を行うといったこととか、独自にボランティア養成講座を開設するなどの取り組みを通して人材確保に努めております。  また、我々県教育委員会といたしましても、大学、短大、専門学校、また市町村のボランティアセンターなど三十一カ所へ文書をもってボランティア募集の依頼を行い、この事業への理解と参加を呼びかけているところであります。今後、ホームページのさらなる活用でありますとか、健康福祉部との連携強化によりまして、指導員、ボランティアの確保と円滑な運営のための支援に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。 56: ◯副議長福田正明) 以上で本日の議事日程は終了いたしました。  なお、次の本会議は十二月六日に開きます。  本日は、これをもって散会いたします。 午後三時十四分散会 発言が指定されていません。 島根県議会 ↑ 本文の先頭へ...