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  1. 鳥取県議会 2023-02-01
    令和5年2月定例会暫定版(3/6 一般質問) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  この際、御報告を申し上げます。  監査委員から、令和5年1月の例月現金出納検査の報告が議長の元に提出されましたが、その写しは、既に配付のとおりであります。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号「令和5年度鳥取県一般会計予算」から第21号「令和5年度鳥取県営病院事業会計予算」まで及び第38号「鳥取県基金条例の一部を改正する条例」から第79号「鳥取県新型コロナウイルス感染拡大防止のためのクラスター対策等に関する条例の一部を改正する条例」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  14番鹿島功議員 ◯14番(鹿島功君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。県議会自由民主党の鹿島功でございます。今任期の締めくくりとして、通告に従いまして、農業振興について一般質問をさせていただきます。  4年前の初当選以来、私はこの議場におきまして、本県の基幹産業である農業・畜産業・林業・水産業について、担い手確保や後継者の育成、農家の経営安定化に向けた取組に始まり、農地などの生産基盤や加工施設の老朽化対策、あるいは国際貿易など市場開放に伴う海外展開と、その一方で小規模・零細経営の保護政策はいかにあるべきか、さらには世界的な人口増加と食料危機、我が国の食料自給率向上を見据えた食料安全保障の在り方など、多岐にわたって平井知事と議論をさせていただきました。  特にこの4年間は、新型コロナ感染拡大に伴って外食需要が低迷したことに加え、円安やウクライナ危機なども相まって、燃油などのエネルギー価格のほか、肥料、飼料、資材価格の高騰など、農家経営を圧迫する様々な要因が長く続いています。その上、気候変動に伴う豪雨や豪雪など自然災害の激甚化や、昨年末には本県で初めて高病原性鳥インフルエンザの患畜が確認されたことは記憶に新しいところであります。  こうした状況を踏まえて、かつてないほどの試練に立たされている本県の農林水産業でありますが、私は本来、農林水産業は地域経済の根幹をなすだけではなく、県民の命を守り、健康を育み、地域風土や土着の文化を形成する端緒であり、県民の生きがいや地域の活力を生み出す、極めて重要なものであると考えております。そのためにも、将来にわたって持続的に支え、発展させなければならないと思うところであります。  知事は今議会におきまして、4月の統一地方選を前に、このたびの令和5年度当初予算を骨格編成として、前年度1割減の207億7,000万円余りを農林水産業費として配分された予算案を提案されました。本県農林水産業を取り巻く環境が依然として厳しい状況を踏まえて、重点を置かれた点や特徴など、今回の当初予算案にかけた知事の思いをお聞かせください。  以上、壇上での質問とさせていただきます。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島県議一般質問にお答えを申し上げます。  鹿島県議からは、この4年間にわたりまして農業を通して人々の生産活動、また生きがいづくり、そういうことをどのように効果的にやっていくのか数々の御提言をいただきました。  議員も今御指摘のとおり、この4年間は、新型コロナによりましてかなり目算が狂った形になる一方で、ウクライナ情勢や世界的な燃料の危機、これによります諸物価の高騰、とりわけ肥料などの高騰等大変な言わば災禍に見舞われてきた4年間でもありました。  そういう中、建設的な御提言をいただきながら、私どもの農業生産自体は基本的にはある意味一定程度の活力を維持しながら成長をしている軌道にあるというふうに思います。現場の声をこの県政の中に反映していただきまして、こうした後押しをしていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
     このたびの新年度当初予算についてお尋ねがございましたが、議員も御指摘のとおり今回は我々にとりまして骨格予算を編成すべきという政治上のエチケットがありまして、若干控えた形にはなっておりますが、農業生産につきましては当然4月から生産活動も始まりますし、今の肥料、飼料などのそういう危機も終わっているわけではありません。そういうふうなことからある程度積極的な予算計上をさせていただいております。  例えば4億7,000万円をかけまして生産基盤のパワーアップの事業をさせていただいていますが、これはやはり低コストハウスなどの需要は非常に高いですし、最近の台風や雪害ということもありますが、こういう低コストハウス自体は一定の効果もありまして、ある意味これまでのハウスの在り方を変えることになってきたと思います。とりわけスイカなどのそうした品目におきましては、切れ目のない生産活動をする一つの役割になりまして、単価アップにもつながっているところでございます。  他方で、厳しかったのは、例えば畜産関係でも鳥インフルエンザ等がございました。この鳥インフルエンザにつきましては、一昨日ですかね、北帰行が始まりました。米子の水鳥公園でもハクチョウの飛び立つ状況というものが出てきておりまして、恐らく鳥たちがこちらに滞在している間は、もちろん留鳥と言われるこちらにいる鳥もいますけれども、多くはヨーロッパ、シベリア、それからアジア大陸を経てこちらにやってくる、あるいはシベリアから直接飛んでくるというものばかりが鳥インフルエンザを起こしていましたので、5月の連休頃までまだ残ってくるとは思いますけれども、一つ山は越しつつあるということにもなるのかもしれません。  ただ、それでもやはりそうした防疫体制が必要でございまして、畜産防疫は組織の改正も含めて当初予算ベースで強化をさせていただいております。  また、飼料高、餌代などですね、そうしたことが非常に圧迫要因になりまして、畜産対策というものは救済事業を4月からの当初予算に計上させていただいておりまして、2億3,000万円に及ぶものになっております。具体的にはそうした餌の関係などについての補償的な事業ですね、酪農とか養鶏につきまして入れさせていただいておりますし、また畜産経営のコンサルを行っていく事業でありますとか、様々な対策を計上しているところであります。  また、本年度中にみどりの食料システムについての戦略を当県としてもまとめることにいたしております。これにつきましても当初予算ベースから減農薬とか、あるいは特別栽培、無農薬、そして有機栽培ですね、そうしたものに対する支援策盛り込まさせていただいたり、就農支援などにつきましても、一定程度拡充をさせていただいております。  もちろんまた新メンバーで6月議会のときに新たな視点でさらに盛り込んでいくことは重要なことでありますけれども、当面急がれる事業を中心にして計上させていただいているというのが現状であります。  例えばブロッコリーにつきましても、中西部にまたがった広域的な野菜のセンターができました。これを活用した広域の協議会、こういうものの活動支援も入れさせていただいたり、それから機械の整備支援とか、こうしたものでブロッコリー関係でも1,700万円ぐらい当初計上させていただいております。  このようなことなど全体として骨格予算という編成ながら意欲的に計上すべきところは配慮をさせていただいたものと御理解をいただければと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)それでは、順次追及質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、酪農業界への支援ということで、ロシアによるウクライナ侵攻は、このほど1年がたち、さらなる長期化の様相を呈するところとなりました。この影響を大きく受けているのが畜産業界であります。中でも酪農経営においては、肉用牛の肥育や養豚などのような経営安定対策の制度がありません。輸入飼料代高止まりする中、折からの燃油・エネルギー価格の高騰でコストが青天井であり、コストを切り詰めるだけ切り詰めても、もう貯金を取り崩すような、経営が成り立たないほどの極めて深刻な状況であります。  それでも酪農家の皆さんは、子供たちの成長を支え、家庭の食卓を守っていくためにも、この苦境を何とか乗り越えていこう、そのような気概を持ってこの窮状を踏ん張っておられる状況であります。  国においても、昨年、配合飼料価格安定制度による補填金とは別に、酪農経営に対する緊急対策を講じられました。また、本県としても、今議会で知事が答弁されるように、国への働きかけとともに独自の救済策を打っていただいているところでありますが、それでもなお、酪農業界は危機的な状況が続いております。  先月来、NHKの報道で、全国でも鳥取県でも酪農経営が非常に大変だということは多くの方々に理解が広まってきたように思います。鳥取県の生乳生産が、このままではなくなってしまうという危機感を県民の皆さんと広く共有した上で、改めて国に対して要望の声を上げていただくこと、それと同時に、県としても鳥取県の酪農・生乳生産を守っていくために、融資の返済延長など経営支援の取組をお願いしたいと思いますが、知事のお考えを伺いたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から重ねて酪農につきましてお尋ねがございました。  これについては現在、我が国の喫緊の社会問題となっているところです。全国の報道機関のほうもこの問題を大きく取り上げておりまして、本県もいち早く対策にかじを切ったアイテムでもございました。  世情報道されていますのは、例えば北海道だとか、あるいは千葉だとかで子牛まで言わば間引きをしてしまうというようなことで頭数を減らさざるを得ないようなことになっているとか、また生乳も廃棄をしているとか、そういうことが報道され、実際に私も北海道の酪農の状況を現地でお伺いしたケースもあったのですけれども、かなり厳しいという状況であります。  ただ、誤解なきように申し上げれば、本県におきましては大山乳業さんを中心とした、とりちくさんもいらっしゃいますけれども、あるいは酪農家の方ですね、度重ねて春頃からこちらのほうにもお越しになりまして、議員の皆様とも相談をされたと思います。そういう背景の中で、例えばこの議連が県議会でも組織されていまして、鹿島県議も含めていろいろと意見交換もさせていただきました。それにより今年度の5月議会や9月議会におきまして、総額4億1,000万円ぐらいだったと思います、かなり大きな対策をこれまで取ってきたと思います。  その結果どうなったかということでありますが、乳牛1頭当たりの支援ということでいきますと、本県は6万円を軽く超える形になりますが、他の都道府県は一番多い自治体で1頭当たり2~3万円ということです。桁違いに実は多い状況になっております。これはやはり実情として、国の支援策では足りないところがあると。そこを率直に我々も現場の声を聞いて、そこをむしろ思い切って補填をしているという前例のない対策を実はやってきたわけです。  その結果として今、県内で酪農家の皆さんが全くその経営が先行かなくなるという状況は事実上、回避されているということでありまして、申し上げてよいのかどうか分かりませんが、先般ちょっと地元でそういう酪農危機の報道があったのですが、酪農の農業者の皆さんからは、ちょっと風評被害的になっていて、正されるべきではないかなというお話も出てきています。ですからこれはまた一度ちょっと関係の報道機関のほうでも配慮していただいたらいいのかもしれませんが、実情をもう一度報道していただいたほうがいいのかもしれません。それが現状でありまして、北海道のようなことにはなっていないわけであります。  ただ、これは全国的な問題でもありますし、本県もそういう緊急的な救済事業でつないでいるというのが実情であります。当面の資金繰りは、肥料高になっても、飼料高になっても今、回っている形ではありますけれども、ただ、長期的には酪農家は大変設備投資をしますので、皆さんそれぞれ会社経営のように債務を負っているという農業の中でも特殊な業態であります。ですから、その資金繰りのことは考えなければいけないわけで、これについては関係の金融機関にも我々も働きかけをしたりして、融資の借入条件の変更、それで返済猶予だとか、そうしたことに今順次応じてきていただいていまして、これもそこで直ちに、何といいますか、ファイナンスが止まってしまって動けなくなるという状態も回避されているかと思います。  ただ、構造的な要因があまりにも大きくて、やはり政府として思い切った対策を取っていただく必要があります。具体的には配合飼料価格補償の制度がありますけれども、これが今年に入ってきまして高止まりの傾向がずっと続いていますので、結局前から比べて上がったかどうかということを基準にしますと、そうするとそこの助成金が出なくなるわけですね。ただ、高いものですから、当然ながら経費はかかるわけです。ここは非常に矛盾がありまして、国会でも今その点は指摘され始めています。  こういう問題だとか、あるいはさらに踏み込んだ酪農支援などが求められるところでありますし、片方では需要創造のこともありましょうし、全国的には生乳余りということで廃棄があるような状況でありますので、そういう中、国の追加対策はぜひとも必要だと思います。  今、全国知事会の仲間の知事ともこの問題は議論していまして、岩手県がこうした農林商工関係をまとめてくださっていますが、達増知事とも相談をさせていただいております。今、我々として何らかの今取りまとめをする方向で、恐らく今週知事会としての要請案を作ることになると思います。それを国のほうに来週にかけましてぶつけていくことになると思っております。しっかりと今日のお声は届けてまいりたいと思います。  そういう中、岸田総理も2月24日に表明をされたことがありまして、その中でやはりこうした畜産関係追加対策が必要ではないかというふうに踏み込んでこられました。それで昨日だかに報道が出ていましたけれども、世耕さんという参議院の自民党の幹事長の談話として報道されているのが、予備費5兆円を使ってこういう酪農とか養鶏の対策などをやっていくのだという話も飛び出しています。我々ではちょっとその今何が起こっているのかはつかみかねるところでありますが、こういうようにこの議場も含めて各地で今こうした酪農対策を求める声が上がっていまして、政府あるいは与党も含めた政治が動き始めたのではないかと期待をいたしております。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)ありがとうございます。  牛乳というのは、夏場になると必ず足るか足らないかぐらいの量、需要も供給もなってくるというのが通例でございますが、経営というものは安定的にしなくてはなりませんので、冬場も同じ量を作るわけです。調整というものはなかなか利かない。冬場は加工乳に回す。加工乳は、皆さん方も御存じのとおり、あふれてどうしようもないということになるようでございますので、ここの矛盾を、やはり経営という、酪農という立場になれば、生乳を欲しいということになれば、国民に飲ませたいということになれば、やはり安定的な供給は取れるような国策として見なくてはならないのではないかなというふうに私も思うわけでございますので、知事と同意見ではございますし、ぜひとも国のほうにもつなげていただきたいなと思います。  それでは、農産物の輸出拡大に向けた取組ということで、次の質問に移らせていただきたいと思います。  先月、農林水産省は昨年1年間、2022年の農林水産物・食品の輸出額は過去最高の1兆4,148億円、前年比14.3%増となったことを公表されました。  品目別では、ホタテ貝が前年比約42%増、牛乳・乳製品の約30%増などの中で、梨が40%増、柿が50%増と、本県の輸出拡大に可能性を感じさせる数字も挙がっていました。梨に至っては昨年12月単月で193%の伸びがあったようであります。  全体的に、円安になる恩恵ももちろんあったと思いますが、台湾・香港をはじめ東南アジア諸国においても、コロナ禍による外食産業の落ち込みからの回復や、贈答用、あるいは家庭内での巣籠もり需要などに支えられたのではないかと分析されているところであります。  今後、コロナ禍からの脱却を図る上で、海外との人の流れも本格的に再開していくことになりますが、本県の農産品の輸出拡大についてどのように取り組んでいくお考えがあるのか、知事に伺いたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から重ねてのお尋ねがございました。輸出につきまして、農産物もこれは世界に競えるものではないかと。  最近政府もそういうふうにおっしゃいまして、現に1兆4,000億円、過去最多ということにもなりまして、2030年には2兆円、2040年には5兆円を目指そうと、政府としてもそういう輸出促進の法律や戦略もつくりまして動いているところでございます。  そういう中で、本県は実はそうした海外輸出の老舗でありまして、特に、梨につきましてはアジアはもとよりとしまして、一頃は北米だとか、世界中を含めてかなり輸出に回していた時期もございました。今、若干抑制されているとはいえ、例えば台湾とか、それから香港、そうしたところなどに梨も出ているところでございまして、今年度は260トンを超えるぐらいになりまして、昨年度よりも大幅に増やしています。いろんな知恵をつけて、私も度々交渉に臨んだことがありますが、向こうのバイヤーさんとの信頼関係だとか、それからいろんな量販店、そういうところでの言わば特産の販売戦略とか、そういうものを丁寧にやってきてということであります。ですから、青森のリンゴなどと並んで本県の梨等は一日の長が本来あるところでございます。  ですから、そういうのを国も今追っかけてきているとということであります。国のほうの戦略的な品目の中には本県の関係も若干ございまして、例えばそういう関係では酒蔵が11社であるとか、それから林業関係でも日新林業さんであるとか、それから一般の食品関係でも丸京製菓さん、こうしたところが実は国の認定の事業者ということになっています。  産地も各地で選ばれてはいるのですが、本県はまだ該当がないわけでありますけれども、事実上そうした形で梨だとか、最近は和牛、それからスイカ等々、あと長芋系ですね、こうしたところが出ているところでございます。  梨は、中秋の名月が勝負であります。中秋が今年度は9月10日だったです。ちょっと早めでして、このときにあちらに出荷して、それで販売しなければいけないということで、ちょっと厳しい年だったのですが、そこも工夫をしながら、むしろ昨年度よりも増やせたということでした。  来年度は、中秋の名月は9月の下旬になります。だから若干時間はあるのですが、逆に各産地が入りやすいということになります。  ただ、中秋の名月に私どもの梨が好まれるのは、二十世紀梨が、割と大玉を選ぶのですけれども、青い色をしているところが月の見立てと多分近いということなのかもしれませんが、赤梨よりもやはり人気はあるということでありますし、市場性はあるわけです。また、新甘泉も甘い梨として日本の中でも人気でありますが、海外でも人気でありまして、そうした意味で販売戦略としても組めるのではないかということです。  また、いろんな農産物にこうした輸出を広げていけないかということでありまして、今週の10日からはバンコクの有名なホテル、マンダリンオリエンタルにおきまして、鳥取県の和牛等をフェアで出していこうということになっていたり、またシンガポールのほうでも先般バイヤーの方やシェフが来られました。こうしたところで実は商談会も持ちまして、そこでイチゴの生産農家とか、それから例えばサーモンをつくっている漁業者とか、そうした様々なところと出会いがありまして、それでそうしたサーモンとかイチゴについてはテスト輸出が決まったところでございます。  こういうようなことを地道にやっていって、今世界中は日本のそうした食材に対して評価が高いわけでありますので、国内で売るよりも付加価値をつけて売っていくことは可能ではないかというふうに思われます。本県もそうした意味で海外販売のノウハウもございますので、JA全農さんとかと協働しながら販路開拓をなお新年度一層進めていけるのではないかと思っております。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)梨につきましては、進物というような形で、当時は15キロが主流だったのが10キロになり、5キロになり、今では3キロが主流になっている。値段的に釣り合わないという、希少価値となってしまったわけであります。  そういう中で各選果場、後継者もできたのですけれども、選果機は非常に古いものを使っておるというようなこともあって、3キロの選別機がまた要るというようなことも各選果場で話を聞いております。そういうこともまた考えていただきたいなとお願いしつつ、次の追及に移らせていただきたいと思います。  本県オリジナル品種の保護につきまして質問をさせていただきます。  品種保護についてでありますが、今任期のまとめということで、追及質問に入る前に一つ申し上げておきたいと思います。  戦後間もなく、人口急拡大に伴う食料需要の増大に併せて、稲や麦、大豆といった主要農産物の優良な種子生産の普及のために種子法が制定されました。食生活の変化や農産物の国際市場開放などを背景に、平成30年に廃止されることになりましたが、国会でも本県議会でも様々な議論がなされてきたものと思います。知事におかれましても、種子の公共性であるとか、種子法の理念を重視され、私が県議会議員になってすぐの令和元年、今任期の早い段階に種子条例を制定されたところであります。  これまで本県では、きぬむすめであり、プリンセスかおりであり、このほど食味ランキングで初めて特Aとなった星空舞についても、県の農業試験場の原原種の栽培に始まり、種子栽培、食用栽培と、研究開発から長い年月と人手をかけて本県の大切なオリジナル品種に育ててこられました。ぜひ今後も引き続き、県産米の安定生産、その原動力となる種子生産安定確保に努めるよう、お願いしたいと考えております。  その一方で、私が懸念するのは果樹栽培に当たっての品種の保護であります。かねてより、韓国や中国で、シャインマスカットやイチゴなどの苗木の種苗が流出し、大きな逸失利益があったという事例が後を絶ちません。輸出拡大の反作用となるリスクとして、いかにこうしたブランド品種の種苗を守っていくかが課題であり、本県でも他人事ではないと思いますが、これについて知事はどのようにお考えであるか、伺いたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて鹿島議員からお尋ねがございました。  輸出に向けて3キロのような小ロットの選別ということなどそういう新たな需要もあるということでありますので、その辺は新年度でまた関係者ともよく話合いをして輸出の促進に向けていければと思います。  また、種子法の関係では、最近は星空舞が特Aを取るという2月28日の快挙もございまして、なお一層そうした種子生産の大切さというのはみんなで共有できたのではないかと思っております。  議員の御提案もございまして、種子についての条例制定や、あるいは環境整備はなお一層進んだと思っておりますが、今後もそうした関係方面のお力を結集させていただきながら、本県はやはり米どころとしても今後売れていく素地もあると思いますので、展開を強めていければと思います。  そして園芸作物、果樹等のそうした品種の保護であります。  これについては、ロコ・ソラーレさんですかね、もぐもぐタイムというのがあって、それで韓国で大会のときにそのイチゴを食べたわけでありますが、それが実は日本の章姫などから派生した品種だったということが実は問題になったりしたわけであります。  また、最近もシャインマスカット、これが流出をしていると。これは国のほうのやはり品種なのですけれども、そういうことでも問題が波及しておりまして、やはりそうした種苗の保護というのは非常に重要であるということでございます。そういう意味で各地でいろいろと対策を強めているところであります。  本県もこうした新品種は非常に大きな恩恵をもたらしています。例えば先ほど申し上げた新甘泉でありますが、これはこの4年間も増産を図って、また販売単価を上げようとブランド化を進めてきました。5年前と比べますと、今660円ぐらいの単価になっていまして、実に4割アップということです。それから作付面積も1割ほどは増えてきております。それはやはり市場で非常に評価されるからでありまして、こうした生産が今、鳥取県が独占的にできていることはやはり大きいわけですね。  こういうようなことはほかにもありまして、例えばとっておきというイチゴですけれども、今申し上げたようなかつての事件もありましたので、現在韓国、そして中国で品種登録を進めております。こうやって品種の保護をしっかり図っていこうというふうにしています。  新たな品種の開発というのは非常に重要で、今私ども関係機関で注力していますのは長芋の新しい品種であります。ねばりっこというのは、山芋と長芋を掛け合わせたもので2年、3年かけて作っていくものなのですね。それを1年で栽培できるようにして、粘り、粘度もねばりっこ並みのものを出したりできる1u61という品種を先月15日に登録したところであります。いろいろと次の時代の農業生産というものを見据えながら、こういう品種の改良も進めていく。同時に、議員がおっしゃるように保護をしっかりとかけていることによりまして農業者の利益というのを確保していくことが非常に重要であり、ぜひ戦略的に進めてまいりたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)柿でありますと輝太郎柿、今新しい品種をいろいろ言われました。本当に、これらをしっかりと取っておいていただけますようによろしくお願いしたいと思います。  それでは、次の質問、追及をさせていただきたいと思います。若手リーダー育成方針について伺いたいと思います。  平成11年に制定された食料・農業・農村基本法について、岸田総理は昨年、見直しに向けた検証を進めることにされました。  特にこのたびのウクライナ危機のほか、気候変動に伴う食料生産の減少や不安定化、昨年には世界人口が80億人に到達するなど、基本法の制定から四半世紀が経過して、食料の安定保障を取り巻く環境や情勢は大きく変化しているところであります。  食料安全保障の確立を図っていくためにも、食料自給率の向上は不可欠であり、肥料や飼料の生産を含め、国内回帰させていくことが柱になるものと考えます。その一方で、これまで生産現場は、特に中山間地域を中心に団塊の世代が支えてきたところでありますが、後期高齢者に入っていかれる中で、リタイアされる先輩方も年々増えており、農地の多面的機能を考慮しながら耕作放棄地対策を進めていくことが大きな課題として横たわっている状況であります。  生産の国内回帰に向けて担い手育成が急務である中で、かつては4Hクラブの活動が盛んであり、県内でも勉強会や交流会などが行われていました。4Hクラブのような青年農業者が活躍できる環境を再構築するなど、これからの持続可能な農業の再興のためにも中核となる若手リーダーの育成に取り組むべきではないかと思いますが、国におけるこれまでの基本法の見直しの方向性なども含めながら、本県として農業人材の育成についてどのようにお考えであるか、知事の所見を伺いたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から若手のリーダー育成につきましてお尋ねがございました。  鹿島議員もおっしゃるように、4Hの会ですね、ハンズ、要は腕がいい、あるいはヘッド、それからヘルス、ハート、こうしたものを基軸にした農業青年会議の活動というものが全国的にもあったわけでありますが、何といいますか、跡継ぎが農業者になるというところはだんだんといろいろと今分かれてきて、国でも議論されていますが、企業経営をどうするかとか、農業にも新しい波がやってくる、そういうことだとか、もちろん若手自身の数が減っているということもあるのでしょう、やはり農業青年組織についてもっと元気が出ないかなというお話はうなずけるところがございます。  私もこういう農業青年会議、特に中部、西部で盛んにございますが、平成21年に全国の農業青年会議の集会を米子のワシントンでやったことがございました。私も伺いましたけれども、その前にも、やはり県の組織ですね、そちらのほうにお伺いしたことがあります。大山の酪農家の方とか、いろんな方がいらっしゃっていたわけでありますが、当時、小椋さんという関金の養魚場とかワサビ田をやっておられる方、今大分経営も大きくしておられますけれども、この方が会長をされていたかなと思います。全国からそうした若い方々が集まりまして、非常に元気がいいですし、いろいろ視察もしていただいたりしまして、よき交流があったと思います。やはり本県は、こうした大地の恵みがある中で、農業というのは若い方々にとっても魅力がある産業でなければなりませんし、そのポテンシャルは十分にあるはずです。  そういう意味でこうした農業青年会議のような組織ですね、私どもも活動を今後も支援していければと思いますし、最近はもっと、何といいますか、カズイスティックといいますか、それぞれの思いで集まることもありまして、それはそれで大事なのかなと思います。  例えば河岡さんという白ネギの農家、こちらの方などを中心にして今、次世代の農業を考えるようなネクストという会をつくっておられます。河岡さん自体は、御自身は農業青年会議の活動にも中心人物でございまして、そういうのをつなぎながらそうしたネクストというのをされたりしておられたりしますし、それから大山のブロッコリーをやっておられるJA西部の青年部の皆さんたち、林原さんとか、あるいは青木さんだとか、そうした若手の方々が中心になって、例えばGAPを取得しようとか、それから今後考えているような生産手法を実証研究して定着させていこうとか、非常に熱心に動かれています。こういうのがあって初めて例えばブロッコリーだとか、ネギだとか、そういう生産が言わば横展開して広がっていくものだろうと思うのですね。  本来農業というのは、そうしたノウハウだとか、それからスピリッツ、やっていこうという、向かっていこうというそういう思いを大きな地域の中で一つにまとめていくことが多分産地づくりになってくるのだろうと思います。そういう意味で今後もそうした若き農業者の皆さん、いろいろと思いもあると思いますし、そうした方々の現場の御意見なども入れながら、そうした農業振興、若い方々が中心になって組織化していくことを応援できればと考えております。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)食のみやこ推進戦略について伺いたいと思います。  農業生産を支える若手リーダーの存在は、新規就農者にとっても励みになり、目標にもなりますので、ぜひ農業人材の育成、担い手確保の取組については、継続して取り組んでいただきたいと思います。  その中で、若手リーダーも新規就農者も、最大の悩みはやはりいかに収益を確保していくかであります。先ほど酪農経営生乳生産の現場が極めて深刻な経営状況にあることを申し上げましたが、昨今の二重にも三重にもコストがかさむ農林水産業の現場状況の中で、幾らかでも価格転嫁していかなければ経営が立ち行かなくなる懸念があります。  冒頭にも申しましたが、農林水産業は地域経済の根幹であり、県民の命を守り、健康を育み、地域風土や土着の文化を形成するものであります。将来にわたって持続的に支え、発展させていくためにも、できれば多くの県民の皆さんに少し割高であっても県内産を選ぶように消費行動を取っていただきたいと切に願うところであります。  そのためにも、これまで知事が取り組んでこられた食のみやこのPR戦略は実績と成果を残されて高く評価されるべきだと思っております。次の任期に向けてはてこ入れをしていきたいとおっしゃっておりましたが、今後の食のみやこの取組についてどのような方策を思い描いておられるのか、お聞かせください。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島県議から重ねてのお尋ねがございました。  若手リーダーの育成につきましては、鹿島県議も御案内のようにいろんな方々がいらっしゃいますので、ぜひネットワークをしっかりつくってやっていきたいというふうに思います。  そういう中、食のみやこのお話でございますが、これは私も就任した平成19年に実は一つ政策転換で掲げたものでございます。当時を思い起こしていただければ、必ずしもJAグループなど農業者の皆さんと県政とがしっくりいっていたわけではない部分もございました。ただ、そういうようなことを言っても始まらないだろうというのが一つありましたし、それから飲食や観光ということを考えても食ということをしっかりと強調するというのは地域の言わばシンボル、目玉商品にもなるだろうと。そういうことが全体の活力につながるのではないか。そうした意味で地産地消はもとより、さらに外に持っていく、それから観光も呼び込んでいく、そういうことも含めた食のみやこというようなコンセプトを打ち出したわけでありますが、現在ではそういう応援してくれるお店が県内にも1,938店舗まで広がっておりまして、かなり広がりも出てきたと思いますし、そういうところは地元のものを使っていただいていますので、ありがたいです。  平成23年からは、三ツ星サポーターというさらに濃密に使っていただくお店というのも増やしてきています。ただ、残念ながら今新型コロナでちょっと勢いをくじかれたところもございまして、立て直しが必要だろうということです。  地産地消は大分進んだなと思いますのは、アスパルなどを御覧いただいてもそうでありますが、実はああいう地産地消型の産直市場、これも食のみやこの一つシンボルとしてやり始めたわけです。だからわったいなも食のみやこという会社名になっているのは、その運動の流れなわけでありますが、アスパルにしろ何にしろこういう産直型の市場は急速に拡大することができて、ちょっと規格外品だとか、それから年を取ったので小ロットで作っているけれども、取りあえずああいうところに出してみんなに食べてもらって、小遣い稼ぎプラスアルファぐらいのものをやろうという農家さんというのはやはり定着してきていますので、この辺もよかったのではないかなというふうに思います。  ただ、これをさらにパワーアップさせるべきだろうというのは、このコロナ禍の中で議場でもいろいろと御意見が出たところであります。したがいまして、今後、新しいメンバーでいろいろと議論をしていただくことだろうというふうには思いますが、もう一度こういう分野というものの拡大を図っていく、そういう意味で食のみやこというか、食の天国というか、もっと上を目指すようなそうした考え方をみんなでちょっと打ち出してやっていくのかなというふうにも思っております。  私が就任する前は、実は地産地消ということのみが表示されていました。地産地消では経済は大きくなりませんし、農業生産も大きくならないわけです。ですから、そういう意味で地産他消ということも含めて打って出る農業、あるいは産地を目指したわけでありまして、そうした強みというのは海外も含めて、今、当時と比べますといろんなシェフなどにも評価していただけるようになってきたと思うのですね。そういうことで得た名声というのは今後使えるのではないか。  お世話になったのは、お亡くなりになりましたけれども、シェ・イノの井上シェフ、大山の方であります。非常に辛口の方ではありましたけれども、地元で取れる例えばブロッコリーなども使いようだといって、ちょっとすりおろしたような形でポタージュスープみたいにしたのを作ってみたり、やはりああいう方々と出会わなければいけないだろうと。東京でのレストランシェ・イノさんのお弟子さんだとか、それからそのほかにもいろいろと私どもでお付き合いをする方々の幅も広がってきて、最近は、ホテルニューオータニは定常的に、向こうも自信を強めて、鳥取の食材、特に牛肉については毎年でもフェアをやってもいいというふうに言い出しています。  先般は、中島シェフ、中島眞介さんという総料理長ですけれども、この方と紙上対談をさせていただきまして、これがジャパンタイムズで日英両文で今配信されていますけれども、私と中島さんでそうした食のみやこ話をさせていただいたところであります。
     ぜひそうした意味で食のみやこからさらにもう一段上の食の天国のようなそうした新しいステージアップというものをまた打ち出しながら展開していくべき段階まで今上ってきたのではないかなと思っていますし、コロナ禍から出ていく上ではそうした殻や破るタイミングにも来ているのではないかと思っております。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)知事でなければできない食のみやこの戦略をぜひ新たな次期に向けてまた進めていただきたいなというふうに思いますが、最後の質問となりますが、追及をさせていただきたいと思います。六次産業化について伺いたいと思います。  農林水産業経営安定化のために、歩留りを上げていく、あるいは付加価値を高めながら加工や販売につなげていくことは大事な取組だろうと思います。  ただ一方で、六次産業化に意欲のある生産者は多いものの、軌道に乗せるのはかなり至難の業であり、そもそも生産者は、農業法人のような一定規模の経営体ではない限り作物生産に手いっぱいで、意欲はあっても余裕やノウハウがないのが実態ではないか、成功事例があれば県内で横展開を図っていくことも必要ではないかと思います。  またさらにその一方で、特に販売に関しては、先月来、Aコープの撤退などJAが販売拠点を手放すことに、県内生産者にとっても先行きに対する不安が募るような状況であります。  国においては、みどりの食料システム戦略の中で有機農業を推進していくに当たり、2030年に6.3万ヘクタール、2050年には100万ヘクタールへと有機栽培の耕地面積を拡大していく目標を設定されていますが、現状、有機農産物の単価が上がっていないのが実態ではないかという心配もあります。  農家がこだわりを持って作ったブロッコリーや白ネギ、あるいは星空舞など、農産物を地域全体で有利販売する方策を検討していくことも必要ではないか。そうした観点で、地域全体での六次産業化の機能が構築されるような販売につなげるための生産となるよう、県としても県庁内の各部署や生産者、JAなどと連携して取り組むべきだと考えますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から重ねてお尋ねがございました。六次産業や、あるいは農商工連携と言われる手法を活用しまして、そうした展開を強めてはどうかと、こういうことであります。  本県でもこうした六次産業化、農商工連携の独自補助金などもつくりまして、生産面ですとか、それから商品開発面などの支援もしてまいりまして、幾つかそうした事例も出てきているところでありますし、また議員がおっしゃるように最近の視点としては、みどりの食料システム、そうした意味で健康や環境に優しい農業の高付加価値化を目指すというのもまた一つの手法なのだろうというふうに思います。  例えば井田農園さんというおソバを作っておられるところがある。これは南部町のほうにございますが、こちらのほうではお店も出されていて、これがミシュランのリストにも出ているわけです。地元のお肉なども使ったりして、非常に人気店で、開店してすぐに完売してしまうということでありますが、こういうような形のものをさらに推し進めていく上で農商工連携の手法というのを後押しさせていただいたり、それからpa cherry b.さん、これは南部町のほうのジェラートを作っているところですけれども、そこなどもやはりそうした地元のほうで造った施設を活用しながら、今では遠くからも買いに来るようなお店になっています。こちらも地元の柿だとか梨だとかがございますが、様々な季節の産物やいろんなものを組み合わせてジェラートにしておられますが、こういうものがやはり商品性を高めていくわけです。これは生産者にもプラスになりますし、新しい産業の創造にもなるわけであります。  こういうふうに工夫して生産の付加価値を高めていくことは、そうした減農薬などでも可能でありまして、大山のブロッコリーにつきましてもGI化を目指した頃、きらきらみどりという差別化を図った販売をされたわけであります。当時、ロッコとリーブというキャラクターまでつくって、結構若い人も盛り上がってやっていたわけでありますが、これは7割ほど減農薬をして、それで硝酸などの濃度を測ったりして、それでえぐみない本当にいいものだけを出している。これでブランドが確立されて、一箱当たり200円、300円ぐらいは高く売れるように、マーケットも価格設定してくれるようになってきています。これなどは一つの成功例だと思うのですね。  また、倉吉のほうのプリンスメロン、これもミルクメロンでありますけれども、これなども粉ミルクを使うことで防虫にしようということや、あるいは堆肥の活用などで甘いしっかりとしたメロンができる。これも差別化されて、この10年ぐらいで4割ぐらいは価格が高くなっているのではないでしょうか。プリンスメロン自体も大分、希少価値が出てきたということもあるのかもしれません。  こういうようにやはり一つのストーリーをつけて、それが体や健康にいい、そういう農業の産物ですよということは非常に重要ではないかなというふうに思っております。こういう意味でそうした六次産業化とか、それからみどりの食料システムなど新しい光を当てながら産地の形成強化というものを進めていければと思っております。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  次の本会議は、11時15分より再開いたします。        午前11時03分休憩    ────────────────        午前11時15分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  26番浜田一哉議員 ◯26番(浜田一哉君)(登壇、拍手)改めまして、おはようございます。県議会自由民主党の浜田でございます。今任期最後の質問になりましたけれども、私見を交えながら知事並びに教育長に質問をさせていただきたいと思います。  去る2月6日、トルコ南部でマグニチュード7.8の地震が発生し、その後の余震の影響も含めて、3月5日時点でトルコと隣国シリアを合わせて5万2,000人以上の死亡が確認されたとの報道がありました。地震から1か月たってもテント暮らしを余儀なくされている被災者は146万人余りおられるとのことです。改めまして亡くなられた多くの方々の御冥福と被災されました方々に心からお悔やみを申し上げます。  地震によって倒壊した建物や倒壊のおそれのある建物は少なくとも11万8,000棟に上っており、倒壊した瓦礫の山は、細かく砕かれたようにも見えました。報道によれば、建築物の耐震性能が基準よりも低かったことが要因ではないかとの指摘がありました。  トルコ・シリア大地震の甚大な被害を改めて教訓とすべく、初めに県内建築物の耐震化促進について、平井知事にお伺いをいたします。  我が国において、これまで地震大国と言われるほど多くの地震が発災する中で、昭和56年に旧耐震基準から新耐震基準へと改定され、建築物の耐震基準がより強化されました。しかし、我が国においても、その後に発生した阪神・淡路大震災や東日本大震災では、新耐震基準に満たない老朽化した建築物の崩壊や津波等によって多くの死者が出ました。本県においては、平成12年に鳥取県西部地震、平成28年には鳥取県中部地震が立て続けに発生しましたが、負傷者はあったものの、死亡者は幸いなことにありませんでした。しかし、さらに大規模な地震に見舞われたらどうだったのだろうかと考えると、県民の生命や財産を守るために耐震化促進の取組は急務であると考えます。本県では、昨年3月に耐震改修促進計画(第三期)を改定され、現状の把握や耐震化の目標や基本方針等について定められていますが、県内各公共建築物の現状は把握されているのか、各市町村と耐震計画について情報共有ができているのか、また一般建築物、さらには住宅について、今後どのように耐震化を促進されるのか進捗状況と併せて平井知事に伺います。  次に、米子-境港間の高規格道路について伺います。  これまでも、幾度となく取り上げてきた課題ですが、今任期最後の議会でありますので、今後の取組や戦略等について知事のお考えをお尋ねします。私自身も境港までの米子道の延伸について訴えて約10年になります。中国横断自動車道岡山米子線の4車線化については地元選出の国会議員や知事をはじめ各市町村長、関係する各事業者、そして我々議員の総力を挙げ訴えかけた成果として、全線4車線化が事業化することになりました。さて、残るは凍結されている米子北インターチェンジの計画をどのように解除をしていくかということであります。これまでの課題は、地元の合意、そして地元の熱意がキーワードになっていました。知事は米子-境港間の高規格道路を実現させるために、協議会を設置し立地自治体である2市1村の合意を得ることがまず出発点であるとし、調整を図ってこられ、これが実現に至りました。一方では今年1月に、米子、境港市議会と日吉津村議会それぞれにおいて米子・境港間を結ぶ高規格道路建設推進議員連盟が立ち上がり、3月10日の発足を目指し調整中であるとのことです。また、中海・宍道湖・大山圏域市長会におかれても各商工会議所と連携して、(仮称)圏域8の字ルート整備推進会議発足に向けて準備を進められておられるとのことです。まさに圏域一体となって凍結解除に向けた動きが加速しています。これまで以上に地元機運が高まる中、凍結解除、そして事業化に向けた最後の一押しとして何が必要と考えられるのか、知事にお尋ねします。  最後に、ふるさとを思う意識の醸成について、知事並びに教育長に伺います。  最新の鳥取県の推計人口は、令和5年2月1日現在54万1,775人で前年同月に比べて5,222人の減となっています。過去3年のデータによりますと、転入から転出を引いた社会増減はおおむねマイナス1,000人で、出生率から死亡者を引いた自然増減がおおむねマイナス4,000人となっており、本県だけではなく、自然減が全国的な人口減の大きな要因となっています。令和元年度合計特殊出生率は1.63で全国6位の本県においても自然増減はマイナス傾向が加速しています。2025年問題に直面しようとしている現在、こうした傾向はしばらく進むのであろうと推察いたします。  そこで、今回はいかに生まれ育った、ふるさと鳥取県で暮らそうというマインドを醸成していくかをテーマにしてお尋ねいたします。本県の魅力、山はあるし海もある。豊かな自然に囲まれて水はおいしい、住む人は情に厚い。都会は遊びに行くところであって住むところではない。こう言って私たちが子供に言い聞かせようとしても、なかなか受け入れてはもらえません。いつも見ている光景には刺激を感じることはあまりなく、田舎にはない都会の魅力が勝ってしまうのは必然と言えるでしょう。  県内の若者が都会へ出ていく一番のきっかけとして大学等への進学があると思います。そうした都会へ出た若者が本県とのつながりを持ち続け、将来の県内就職につなげるよう、本県では鳥取の最新情報が満載されているスマホアプリ「とりふる」を活用して、旬な話題や暮らしに役立つ情報、就活情報等を配信しています。また、関西圏の大学と連携してI・J・Uターン戦略に取り組んでおられますが、これらの成果と課題、今後の取組について知事の所見を伺います。  また教育委員会では、鳥取県に誇りと愛着を持ち、ふるさと鳥取をさらに継承・発展させていこうという意欲と気概を持った人材を育成しようとふるさとキャリア教育を全県一体となって推進されています。様々なモデル事業や教職員対象の研修会、コミュニティ・スクールの仕組みの活用など多岐にわたって展開されていますが、子供たちや教職員にどのような変化が感じられたのか、どのような成果を得ることができたのか、今後の課題も併せて教育長の所見を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田一哉議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、耐震化につきまして何点かお尋ねがございました。  これにつきましては議員もおっしゃいました、ちょうど一月ぐらい前ということになりましたけれども、2月6日のトルコ、そしてシリアの地震、亡くなられた方に対して御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、今なお救援活動が続いていること、大変に関心を寄せなければいけませんし、お見舞いも申し上げたいというふうに思います。  現状なかなかはかどらないということも出てきたようでありまして、特にシリアは内戦状態があり、アサド政権は今むしろこの機に乗じて非支配地域に対する侵攻もしているのではないかというようなことも報道され始めておりまして、こうしたことがロシアとの関係ももともとある国であり、また他方で、トルコ、シリアにまたがったところにおける民族問題なども作用したり、実はアサド政権の支配地域自体でも救援物資が届かないということが言われていて、これは政権のほうに救援物資が横流しされているのではないかというような報道がイギリスで今出たりしています。非常に厄介な状況でありますが、やはり人道的な問題でありますので、まずは人間の命というものを基軸に世界中が協力をしなければいけない大きな災害であろうかと思います。  その状況につきまして、浜田議員のほうからお話がございましたように、やはり建物の倒壊等が大きな被害の原因になっているというふうに思われるところです。現にいわゆるパンケーキクラッシュと言われるような、ちょうど建物がぎゅっとアコーディオンが縮んだようになった倒壊の仕方が目立つわけでありまして、これは恐らく、れんが造りの家みたいなもので、強度がかなり弱い状態で急激な揺れに応じて落ちてきたということだと思います。  やはり、日本でも同様のことはありました。それは阪神・淡路大震災でありまして、あのときに死傷者の実に9割は建物の倒壊等に関わるものでございました。  こういうことの反省に基づいて耐震改修促進法というのが、地震は平成7年1月でしたけれども、その年内に制定されたものでありまして、これに基づいて耐震改修の全国的な促進策が取られるようになり、本県もそうした耐震改修のいろんな計画をつくってきました。ちょうど1年前の令和4年3月はその改定を行った年でございました。  こうしたことでありますけれども、かなりちょっと様相は違うとは思います。阪神・淡路のときは、傾いた家とか、ビルとか、そういうのはよく見られたところであります。また、倒壊したものは結構古い住宅で、基礎、石の上に建物をぽんと載せるようなタイプ、古い住宅の建て方をしているところなどで被害が目立ったということがあり、今回のトルコ・シリアの場合はそれとはまた別の要因があったのかもしれないということですね。やはり地震国なのでトルコも耐震基準は、一定程度はつくってあったそうでありますが、ただ、お金を払うとそれに従わなくていいという免責されるような恩赦要件というのが入っているようでありまして、この辺が悪さをしたのではないかということで、今刑事訴追という話になるぐらいルールがきちんと守られていなかったのではないかと、こういうことであります。  ですから、我が国がその後、東日本大震災も経験しながら歩んできたのとは若干違う様相ではないかとは思いますが、ただ、同じようなことにならないようにやはり耐震改修というのは急ぐべきテーマであろうかと思います。  本県の場合は、私が就任した頃は住宅で6割台の耐震改修率でありました。その後、市町村だとか関係機関といろいろと促進策を打ったり、呼びかけをして、現在のところは足元で85%まで上がってきております。ですから残り15%のところの働きかけというのが次のテーマになるわけでありますが、1年前に定めた今期の計画では、当面令和7年までに92%に上げようというふうにしているところです。  また、そのほかの一般的な建築物につきましては、今回国のほうでちょっとやり方が改まりまして、従来とちょっとやり方は違うのですが、70%を85%にする。これは耐震診断の義務づけられた建築物を対象にしてというふうに法律が改まり、戦略的なところも変わってきましたので、それに併せて本県もやり方を変えることにしましたが、これもそうした意味で促進を図ろうということにいたしているわけであります。  これについて実は市町村とも協議機関を平成30年に設けたところです。こういう耐震改修を促進するためのプラットフォームを県、市町村間でもつくりまして、今そうした意味で技術的なものの共有とか、促進の呼びかけとか、好事例の横展開、特にアクションプランということを進めておりまして、こういうものをやりながらPDCAサイクルを回すというふうに今動いてきているところでございます。  こうした意味で耐震改修の診断を例えば建築物の所有主体とか、それから各世帯に呼びかけている。特に住宅でいえば残り15%でありますから、そこに対してやはり重点的な呼びかけ、働きかけをしていく必要があるのだと思います。私が就任した後、ここに来て伸びてきていますよね。これはやはり代替手段、例えばこれだったら低コストで耐震化できますよということを専門家の方々と一緒にいろいろと考えた上で、例えばこういうやり方もありますよということをしたり、それから耐震診断の無料化をしたわけですね。こうした無料化した耐震診断というものを活用していただいて問題点を把握した上で、それで先ほど言ったような低コストなものも含めた耐震改修ということの呼びかけをしているということであります。  また、改修についての助成、補助も引き上げたりしておりまして、こういうので一定の成果は上がってきたと思うのですが、まだ残る世帯もございますので、しっかりとスクラムを組んで市町村と一緒にやっていきたいと思います。  次に、米子-境港間の高規格道路につきましてお尋ねがございました。これについて何がこれからの最後の一押しとして重要なのかということであります。  議員のほうから御指摘をいただいたように、地元の熱意というのを一頃国のほうも大分おっしゃっていまして、それについては議連のほうでも米子道の4車線化と併せて展開をしていただいているなど、県議会の後押しも重要な要素となり、今明らかに政府側の言い方は変わってきているところであります。  ただ、ここに来て、やはり都市部を貫く、ちょうど弓浜半島を抜けていくわけでありますので、そういう意味で市街地に影響するものでありますから、極めて慎重になっているところが国のほうもあるようでありますし、また先般、国が方針変更をしたのは、有料道路ですね、いずれ無料化していくという構想の上に日本の道路整備というのは進んできたのですが、ただ、維持管理などのお金等もかかるということもございまして、これを事実上先延ばしするというようなことを年末に発表されたりしました。こういうふうに財源の問題ということも片方ではあるのだろうというふうに思います。  複雑にいろんなことが絡み合って、今ちょっと進展が見えにくくなっているということだと思いますが、私どもとしてはしっかりと市町村ですとか、あるいは議会筋であるとか、それから経済界などとも一緒になりまして運動を強めていきたいと思います。  この米子-境港間の道路については、昭和41年に予定路線となったわけでございまして、そして米子北から岡山に至るところについて整備計画というのが設けられるわけでございます。昭和46年にはそうした体裁ができて、現に米子自動車道は開通しましたし、ただ、残されたのが米子-米子北間であったということです。  ただ、残念ながらこの間につきましては公共投資の見直しのいろんな声が上がる中、いわゆる国幹審-国会議員などが入る高速道路についての最高の決定機関-で平成18年にこの米子-米子北間については当面着工しないという文書が決まってしまったということがかつてありました。これを何とかひっくり返そうというのが今、我々の運動のまずは第1関門になってきているわけです。  これについて今、地元のほうでも中海・宍道湖・大山圏域市長会の市長さんたちがいろいろと検討されていて、8の字道路という整備を促進しようではないかと中間報告をまとめられまして、恐らく近々その促進のための一つの機関、会議体というものをみんなでつくろうというように今動いてきています。  境港市、米子市、日吉津村におきまして、それぞれ自治体議員の皆さんが議連を立ち上げられたわけであります。これを一つにまとめて、この日吉津、米子、境港と結ぶ道路についての市町村の議連というものを今月つくろうというふうに動かれていらっしゃいます。こういう新しい動きも出てきているということです。  政府に対しては、私どもは令和に入りまして米子市長、境港市長、いろいろとメンバーも替わってくるという動きがこの間もございましたけれども、いろいろと過去になかなかコミュニケーションが難しい時期があって、その辺の関係、環境の変化を捉えて、令和元年には初めて2市1村で、私も入りましたけれども、一緒に政府に要望に行く体制というものが出来上がりました。同時に、国の事業体も巻き込んで国の事務所と一緒になりながらこのルートの必要性について、例えば渋滞対策であるだとか、そのほかの効果のことも含めた協議会、研究会というものを動かし始めたわけです。その成果が動いてくる中で、8の字道路という構想が国のほうの事務所も絡みながら生まれてきたところでありまして、大分一頃よりは前進はしてきたのではないかと思います。  そういう中、今年度も斉藤国交大臣、それから古川政務官、それから泉田政務官等々に相次いで要請活動をし、今年に入りましても国交省の技監にも要請をしております。皆さん以前とは違って必要性についてはある程度理解を示されるようになったと思いますが、問題は箇所づけ的にこの間を整備に向けてやっていくと、そういう意味で従来の凍結というものを解除していく、その意思表示というのを当面まずは国から求めていきたいと思っております。先ほど申しましたような今恐らく財源の問題があったり、市街地を通るということもありまして若干慎重になっている面はありますけれども、県選出の国会議員も含めて要請活動を強めているところでありまして、可能であれば今年度ないし来年度の早いうちにはそうした一定の進展が見られるように今精力的に年度末に向けて動いているということであります。  最後に、若い方々が県内就職を考えていただけるようにいろいろと連携しながら対策を取っていくことはできないのだろうかと、こういうようなお話がございました。  これにつきましては浜田一哉議員ともやり取りをさせていただいて、今「とりふる」というアプリが動いております。この「とりふる」については、1万8,000人が登録するというふうに、今かなり順調に数は増えてきたところであります。特に10代、20代というところで4分の3以上の方ということでございますので、結構いい方向性で向かっているということだと思っております。  議場での追加の議論もございまして、今は就職活動に役立ちやすいようにマッチングなどエントリーを企業向けにできるような機能というのをつける改修をしまして、これが今動き始めたところであります。この活用もなされているわけでありますが、大学4年生の方が就職活動に活用されたというので、7割ぐらいの大学4年生が就職活動に活用したというデータが出てきておりまして、特に県外に進学をしたお子さんたち、こうしたところが9割ということでありまして、結構そうした就職の一つの対策として「とりふる」が活用されてきていると。それで中にはこういうエントリーということに進んでいただいた方も出てきていまして、それで一つもくろみどおりには進んでいるとは思います。まだエントリー事業も始まったばかりでありますので、このエントリーを活用されている方の数はまだあまりないですけれども、8割は県外進学者でありますので、そういう意味では一つの効果は出ているのかなというふうに思います。  今、さらに改修を進めているのが質問箱というものでありまして、いろいろとやり取りをしながら学生の皆さんの疑問に答えていくという機能を付加しようとしているところであります。  やはり非常に効果があるのはインターンシップ制度でありまして、これも一頃よりは増えてきたところでありますが、そうした強化を図りながら、特に都会地に出た場合に交通手段なども限られていますので、とっとりWorkWork(ワクワク)バスというのを関西との関係では走らせております。  東京圏、首都圏との間でもそうした飛行機のとっとりWorkWork(ワクワク)版もつくらせていただいたのですが、これも先般やってこられました。コロナも少しムードが変わりましたので、こうしたリアルに尋ねていただくというのも進んできているところであります。  アンケートをやったところ、そうした「とりふる」利用者のアンケート回収状況で申しますと実に8割の方がいずれ鳥取に住んでみたいというふうに回答をされています。もちろん「とりふる」を利用している人たちなので、地元志向性が高い人たちということはあるかもしれませんが、ただ、1万8,000人の登録者がいるという今の「とりふる」を考えますと実はかなり潜在的には県内就職に興味を持っている学生はおられるというふうに手応えは感じられるのではないかと思います。  そういう人たちが鳥取の魅力として言われるのは、住みやすさであるとか、それから農産物などのそうした日常品の入手のしやすさ、あるいはストレスがないとか、子育てとか、それから自然環境だとか、いろいろと鳥取暮らしのよさというのも指摘をしておられまして、議員のほうからもお話がございましたが、そういう若い方々に届くようなメッセージの発信やサービスを提供して、こういうアプリを活用しながら県内就職の促進を図っていければと考えております。 ◯議長(内田博長君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜田一哉議員の一般質問にお答えを申し上げます。  教育委員会で進めているふるさとキャリア教育の成果と課題といった観点から、この間、子供たちや教職員にどのような変化が感じられたのか、どんな成果、また課題があるのかというお尋ねでございました。  私も教育長を拝命しましてから2年が経過しようとしております。教育長を拝命した際、子供たちや学校を取り巻く様々な課題、これはいじめもそうですし、それから不登校の課題、学力の課題、多々あるわけですが、一方で、県全体を考えたときにやはり、先ほど鹿島議員のほうからもありましたが、産業衰退の側面でありますとか、浜田議員もありました人口流出の課題であるとか、様々な視点でこの解決に向かわなければならない。そういう意味では一刻の猶予も許さない、そんな状況にあることを踏まえ、では、教育としてできることは何だろうかということを改めて考え直しました。  それがやはり教育は人づくりという意味では、このふるさと鳥取で生まれた子供たちがこのふるさと鳥取に誇りと愛着を持って、そしてなおかつ自分自身が何をしたいのか、どう生きたいのかということを明確に、主体的に持てる、そうしたキャリア教育を並行して進めていくべきだという観点からふるさとキャリア教育をこの2年取り組んできたところでございます。そういう意味では私自身にとって、この2年間の総括という意味での御質問をいただいたのかなというふうに思って受け止めさせていただいております。  成果としまして幾つか上げられるわけですけれども、やはり小学校段階、中学校、そして高校と様々な取組を進めておりましたが、なかなかそこに一貫性といいますか、系統性というものがないというのが一つ課題ではないかなということを考えておりました。この令和2年度から進めた取組の中では、小学校、中学校、高校をつなぐという意味で県内3地区、ちょうど小学校、中学校、高校がその地域にある八頭町と北栄町と日野町をモデル地域に設定して、そうした系統性のある取組につながるような仕掛けをしてきたところでございます。  八頭町では、八頭高の生徒たちが実際に、小学校や中学校に出向いて自分たちのその当時の考えであるとか、高校生になったらこんなことをこんなふうに学ぶのだよ、あるいは生きるのだよというふうなことを伝えている、そんな取組も展開をされております。  同様のことが他の地域でもあり、北栄町のほうでは鳥取県のこと、あるいは北栄町のことが好きになったと答えている生徒たちはいずれも90%以上にものぼって、新たな鳥取県の魅力あるいは地元市町の魅力というものに気づくきっかけになっている、そういうふうな声も届いているところでございます。  また、大切なことは、私はキーワードとして「人をつなぐ」ということだろうというふうに思っております。議員の地元、境三中のほうで取り組んでいらっしゃる「未来トーク」という取組がございますが、地元の企業18社を訪問したりしながら、そこで働かれている大人に中学生たちがその仕事の大変さ、仕事の魅力、あるいはこの地元で生きることの意味、そうしたことを直接話を聞く機会を設けていらっしゃる、そんな取組がございます。  同様のことは高校でも、青谷高校で地域の人と、そして大学生とをさらに間に挟んで、自分の生き方や考え方を学ぶ「だっぴ」という名称で青谷高校は取り組んでおられますし、先日新聞にも掲載をいただいた日野高校では、「おしどりトーク」という名称で、1年生が地元地域の方と一緒になって地域の課題や地域の魅力を話し合う取組をすること、やはりそこのキーワードは人が人をつないでいく、育てていくというふうな視点、ここにこのふるさとキャリア教育の大きな成果が見られるのではないかなというふうに考えているところでございます。  一方で、やはり課題は、その系統性というところにまだまだ課題があるように思います。特に中学校から高校へ進学した際には、通学範囲も広がります。なかなか地域ということに対する意識が育ちにくいということがあるのではないかなということを思っているところでございます。  その辺をモデル地域、八頭町では、教員が中学校から高校に進学してきたときに、今キャリア・パスポートという全国の取組ではございますが、小学校、中学校でどんな取組をしてきたかを基にしながら面談をし、それを高校での探求活動に生かす、そんなつながりをつくるようなことをしているわけですが、まだまだ全県的には中学校から高校に進学した際のその系統性、つながりというものがやはり一つ課題だろうなというふうに思っているところでございます。  もう一方で、そうした子供たちの学びの発信がまだまだ足りないだろうなということを思います。例えば先ほど議員もおっしゃった、ふるさと鳥取にはたくさんいいところがある。自然の豊かさ、食のすばらしさ、多々あるわけですが、では、実際自然のどんなところが好きなのだろうか、そう問われたときに子供たちがどう答えるでしょうか。私は、例えば中学時代、夕闇の迫るグラウンドを走っているときに大山のほうに沈む真っ赤な夕日と、そしてそこにキンモクセイの香りが漂ってきた、そんな場面を非常に印象深く覚えております。単なる自然の豊かさではなく、自然のこんな場面が鳥取の魅力なのだ、住んでいく、生活していく、生きていく、そんな場所なのだということをしっかりと言える、あるいは発信できるような子供たちの育成を図りたい。  そういう意味で新年度は、今予算をお願いしておりますが、そうしたふるさと鳥取魅力発信のCMコンテストを県下でしたいというふうに考えており、ぜひそうした子供目線で鳥取の魅力を語る、発信する、それが地域の方、保護者の方に伝わるような仕掛けづくりにも取り組んでいきたいと思っています。まだまだ緒に就いたばかりであろうと思っておりますので、このふるさとキャリア教育のより充実を目指して今後も取り組んでまいります。 ◯議長(内田博長君)26番浜田議員 ◯26番(浜田一哉君)御答弁をいただきましたので、続けて追及質問をしたいと思います。  知事のほうからいろいろ耐震化についての取組を伺わせていただきました。担当者に伺いましても本当に県のほうは積極的に取り組んでいらっしゃるなということは知った上で今回質問をしているのですけれども、データから見ると地震が発災した後にはこういう耐震診断が件数は増えるのだけれども、総体として改修工事までに至る件数はなかなか伸びていかないというのが実情のようです。  最初に、公共工事についてですけれども、公共工事の多くは、災害時の避難所に指定されていると思います。また、一般建築物においても津波災害時など災害に応じた避難所が指定されている多くの建物があります。県所管の施設で耐震化されていない施設は鳥取家畜保健衛生所や障がい者体育センターなど7施設があるとのことでありますし、また県内市町村においては体育館8施設や公民館21施設、社会福祉施設2施設が耐震診断すら未実施であるとのことです。優先順位をつけて各市町村と連携を図り耐震化を促進するべきだと考えますが、場合によっては避難所の見直しを指導するべきではないかというふうに考えますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)避難施設の耐震改修につきましてお尋ねがございました。  詳細につきましては、危機管理局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、これにつきまして例えば熊本の地震が平成28年4月に相次いでありました。あのときも益城町などでも避難所が結構被災をすることがありました。やはり地震のタイプにもよるのだろうと思うのですが、耐震改修をやっている、あるいは新耐震基準を満たしているということであっても、非構造部材、屋根材、天井材とかがおっこちてきたりとか、そういうようなことはやはりあったようでございます。耐震改修と併せてそうした点検もいろいろとやりながらできる限り安全な避難施設というのを選んでいくというのはやはり重要なようでありまして、耐震化プラスそうした様々な配慮というのを現場では考えていくのだろうと思います。  この避難所の設定自体は市町村がされているわけでありまして、我々のほうではそういう地域防災計画に基づいて指導といいますか、こういうふうにやるべきだよという話を盛り込んでおりますし、また片方でそうした耐震化についての国も含めた様々な助成支援、例えば学校だとか、そういうのはございます。そういうものを展開をしているということであります。  今本県のほうで、中部地震などもありましたし、熊本地震があった。さらには平成23年には東日本大震災などもありまして、実はかなり避難所自体を入れ替えたり、耐震改修も重点的に行ったりしておりまして、現在では90%を大きく超えるぐらい避難施設の耐震化というのは進んできております。  ちなみに境港市のほうは、全て耐震化が終わった形になっているないしは耐震化の済んだ施設のほうに振り替えておられるという状況になっています。  ただ、まだ残りがありますので、それにつきましても市町村とよく協議をさせていただいて、速やかな耐震化、さらには安全な避難所づくり、緊急避難施設づくりに我々も奨励してまいりたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)避難所の耐震化の促進について補足の答弁をさせていただきます。  平成28年度の熊本地震では、益城町の避難所14棟のうち6棟が使用不可能となりまして、住民避難に支障を来したところでございます。こうした大規模災害の教訓から避難所の耐震化を進めることが大変重要だというふうに認識しております。
     災害時の避難所指定につきましては、災害対策基本法によりまして市町村長が指定することになっております。  避難所には2種類ございまして、指定緊急避難場所と指定避難所というのがございます。  指緊急定避難場所につきましては、災害の種類、例えば議員がおっしゃられました地震、またそのほか洪水、津波等ごとに指定しておりまして、地震時に使用する施設につきましては地震に対して安全な構造であること、いわゆる耐震化というものを求められております。  一方、指定避難所につきましては、災害の種類ごとの指定ではなくて、耐震に係る明確な規定もございませんが、国の防災基本計画や避難所に係る指針等で耐震対策を図ることとされているところでございます。例えば避難所におきまして躯体、いわゆる建物は大丈夫でも中の屋根が落ちてきて入れないとか、そういうものも含めて安全な避難所というものを指定するというふうにしております。  県内の状況につきましては、福祉避難所も含めました指定避難所は全部で576か所ございまして、そのうち35か所が耐震化が未定で、耐震化率が93.9%になっております。  市町村によりまして避難所の指定の考え方は様々でございますが、避難者の安全、安心に直結することでございますので、改めて各市町村の取組状況等を確認するとともに、指定避難所の耐震化等の推進につきまして働きかけや財政支援等の情報を行いましてしっかりと支援をしていきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)26番浜田議員 ◯26番(浜田一哉君)ありがとうございます。しっかり取り組んでいただきますようお願いします。  それでは、木造住宅について少し追及をしたいと思います。  平成12年に建築基準法が改正されまして、耐震壁のバランスとか、柱、はり等の接合部の緊結など基準が追加をされましたけれども、私が心配するのはやはり昭和56年よりももっと古い建物ですね、先ほど知事が言われました、15%まだあってという話を聞きましたけれども、やはり古い木造住宅というのは柱元が腐れていたり、多分住んでいる方は自覚されていると思うのですけれども、ちょっとした地震でも揺れが大きかったり、不安を持ちながら住んでおられる人もおられると思います。  担当課のほうに伺いますと、やはりそれぞれの市町村で、言い方は悪いですけれども、やる気度がちょっと違うというようなお話も伺っておりまして、これは何年も、去年も今年もずっと予算化をされて、耐震化の促進に県は努めておられるのは承知しておりますし、「はじめよう!お家の耐震化」というとっても分かりやすいこういう冊子も県で作っておられて、先ほど耐震化の設計については無償でできるよと。実は改修工事に当たっても、国が5分の2、県、市が5分の1ずつ払えば5分の4は面倒を見てもらえるということなのですね。遅々として進まないというのは、さらに市町村との連携を深めていかないと、これはなかなか推進しないではないかなというふうに私は思っています。  先ほど御紹介がありました低コスト工法というものがあって、これは資金が上限100万円までということだったと思いますけれども、100万円以内で終われるなら頑張ってやるわという方もいらっしゃると思うのです。要は、周知が十分に行き届いてはいないのではないかなと思います。市町村にいろいろ温度差があるというのも財源の確保等で積極的な取組ができないのではないかというように推測するところもあるのですけれども、やはり県民の生命、財産というものは軽視してはならない重要な施策でありますし、これまで以上に積極的に推進すべきと考えます。私は、平井知事自らが行政懇談会などで直接各市町村長との意見交換の場を設けてはどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。  また、老朽化が進んでいる住宅の多くというのは、主に高齢者の方々が住んでおられる住宅ではないかというふうに推察いたします。もう今さら後に住む者もいないし、貧乏で資金も乏しくて生活をしていくだけで精いっぱい、そんなことにはお金をかけられない、そういった方々にこそ行政が寄り添い、不安を払拭するような暮らしの安心、安全を守るというような支援が必要ではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田一哉議員から重ねてのお尋ねがございました。  お考えには賛同するものですし、議員も御紹介をいただきましたが、県としてもぜひ残り15%の一般住宅の耐震化が進むように働きかけをしていきたいと思いますし、ぜひいろんな方々とも協力をしていければと考えております。  ただ、一つだけ、行政懇談会で平井のほうから市町村長に呼びかけるというお話もあるのですけれども、私も任期が4月12日までなものですから、それを今ここで、「はい、分かりました」とはちょっと言いにくいところはございますので、その点はちょっと御了解をいただければと思います。  ただ、当然ながら県庁組織として、この行政懇談会も毎年セットされますし、あわせて多分建築士の皆さんだとか、住民の皆さんを巻き込んでいろんな効果的なやり方をしていくべきなのだろうと思うのですよね。その辺の運動の再チャレンジということを考えてやっていくのかなということです。  幾つか成功例も確かにありまして、いろいろと評価は分かれるのかもしれませんが、例えば境港市では、固定資産税の納税通知書と併せてそういう耐震改修の勧めというようなことをされることによりまして実際にそうした申込みは伸びてきているというふうにも伺っていますし、鳥取市のほうでも令和3年度からやはりそうした働きかけということを積極的にされて、DM、ダイレクトメールを古い平成12年以前の建築基準でやっているようなお宅に一斉に出したりしていると。それでその際には低コスト工法だとか、そうした御案内などももちろんするようなことで、これで耐震診断についての申込みが6割ぐらい増え、さらに耐震診断の次の耐震改修も今やはり増えているということでありまして、そうしたターゲットを絞りながら、やり方も考えて届くようにするというのが大切なのだろうと思います。  また、低コスト工法というのがちょっとイメージがなかなか分かりにくい話で、建築士の皆さんなどにも御理解、御協力をいただいて、こういうものを取り急ぎお勧めすることが命を助けることにもなるということだと思います。その辺を例えば建築士会の皆さんと一緒に協議組織なりをつくり、市町村も入り、今も県と市町村ではそうした耐震改修に向けたプラットフォームをつくっておりますが、そういう技術者の方々にも参画をしていただくようなことも今後考えてはどうなのかなと思います。  低コスト工法は、例えば床だとか天井だとかをさわらずに壁の耐震強度を高めるというようなやり方によりまして、それで従来よりもかなり安く耐震化を進めるということなど技術を開発してきたということです。  こういうものを活用すれば、確かにお年寄りの世代など、もういいわという世帯も確かにあるのですけれども、ただ、安心のためにこの程度の投資であればやってみようかと、補助金も出るしということで踏み込んでいただくのが我々今回のトルコ・シリア地震を見ても感じるところでありまして、そうした意味で建築士等の専門家との連帯を強めてやっていくことも検討してはどうかと思います。 ◯議長(内田博長君)26番浜田議員 ◯26番(浜田一哉君)よく分かりました。  いろいろと啓発をするに当たっては、先ほどの建築士会もありますし、事務所協会もありますし、各建築関連の定期講習会であるとか、建築連合会であるとか、いろんなところで啓発をすることはできると思います。資料を積むだけではなくて、これはこういうメリットがありますので、ぜひ読んでくださいと、これは素人ではなくて専門家が来るわけですので、そこからお客さんに波及させるというのも一つの手だと思いますので、よろしくお願いします。  米子-境港間の高規格道路についてです。  いろいろとこれは調べれば調べるほど、私自身もちょっとじくじたる思いといいますか、なかなかこれは難しいなって、どの順番でどういうふうにというのがなかなか頭の中で整理し切れないのが正直なところです。1つだけ伺いたいのは、設計というものはもちろん国がすることですし、ルート帯についても国が提案をするというような形になってくると思うのですけれども、計画段階評価の中で、公共事業の構想段階における計画策定プロセスが、ガイドラインの中では、公共事業の計画づくりにおいて、住民参画手続に加え、社会面、経済面、環境面等の観点から国交省が複数案を提示するというふうになっているのですけれども、例えば地元としてこういった道路を造っていただきたいというような協議の場というのは、いつの段階で協議することができるのでしょうか。要は、そういうことはできなくて、国交省があくまでも幾つか複数案を提案して、それについて協議をするという形になるのか、そこのところを知事にお尋ねします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて道路につきましてお尋ねがございました。  詳細につきましては、県土整備部長の蒲原のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、この問題は非常に厄介でして、議員が悩ましいとおっしゃったとおり、いろいろと試行錯誤といいますか、行きつ戻りつという感じをこれまでずっと繰り返してきました。実はそのルートにつきましても、もともと想定したルートはよく分かりませんが、恐らく米子道から真っすぐ延ばしていくようなイメージを取っていたのだと思います。それで、曖昧ではありますけれども、過去のそうした言葉だけをつなげていくと、米子北というところで国道9号にタッチをするというようなことかもしれないなと思うのですが、ただ、これはちょっと地元的に厄介だったのは、日吉津村にとっては、真ん中に分断する道路が走ってしまうかもしれないと。国道431号との兼ね合いを考えて、もちろんいろいろやり方はあるのだろうと思います。ただ、どちらかというと日吉津の場合は通過交通になるものですから、なかなかそれについては地元として、もともと米子インターがありますので、あれで腹はいっぱいなわけです。さらに境港まで考えると、さらに延伸も必要だと。そのとき、できれば村の発展に支障がある形は避けたいということがありまして、前の石村長なども、どちらかというと否定的だったわけですね。  そういうこともある中で、だんだん人も入れ替わってくるということもあり、別のアイデアもあるのではないかと。それでルートを示していただければ、それで進むよというように我々には思えたときもありまして、村を分断しないルートでどうだろうかということも考えながら要請活動をしたときもありました。ただ、結局、また話をもう一回よくまとめなければいけないというようなことになってきまして、結局、ルートが先なのか、あるいは話をまとめるのが先なのかよく分からない中、今取りあえず我々にちょっと見えてきているのは、とにかく米子-米子北間の凍結ということが足かせになっているので、この凍結を解除して、もう一度この道路を整備するよという意思表示というのが一番の当面の課題なのかなというふうに思います。そういうようなこともあって、今、運動の方針を考えているところでありますが、ここも当然ながら計画段階評価だとか、環境アセスメントとの関係だとか、いろいろと諸手続もありますので、それが今後進んできたときには、議員が想定するようなやり取りもまた改めてあるのだろうと思いますが、今も水面下的にはそうしたルートの取り方も含めてかなり幅広い協議を精力的に行っていると御理解いただければと思います。 ◯議長(内田博長君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)計画段階評価に関係しまして補足の御説明をさせていただきたいと思います。  事業化までの流れにつきましては、その道路の属性に応じて、進め方については国のほうでお考えになられるものだというふうに承知をしております。一般的な流れとして、当面、当方のほうで承知しておりますのは、道路の交通調査という段階、その次の段階として計画段階評価という段階がございまして、課題の整理ですとか、目標の設定ですとか、概略ルート、構造の比較検討、概略計画の決定という段階があって、この段階に何とか進んでいただきたいという要望をしているという状況だと思っております。その後は都市計画決定、環境影響評価、そのさらに次は新規事業の採択時評価、それから、新規事業化というふうな手順を踏むことが一般的ではないかというふうに承知しております。  議員のほうからございましたルート帯ということにつきましては、地元の動きといたしまして、令和3年10月から令和4年2月までに地元の懇談会ということで、学識の先生方も入って、地元の皆様も入っていただいた中で、米子-境港間の高規格道路の現状と課題につきましての意見交換をし、アンケートを実施いたしまして、1,503件のアンケート回答を得たわけですけれども、例えばこの道路に関していきますと、8割が米子市街を中心に慢性的な渋滞が主な課題であって、約9割がそういった渋滞がなく円滑に移動できることを望んでいるですとか、どういったことを重視しながら地元のほうは見ているかというようなことにつきましては、一定程度意見が調査されておりまして、そういったような視点を国のほうにもお伝えできているのかなというふうに考えてございます。 ◯議長(内田博長君)26番浜田議員 ◯26番(浜田一哉君)よく分かりました。思いは一つ、早期実現でございますので、県と市町村、圏域全体となって今後も取り組んでいただきたいと思います。  最後になりますが、ふるさとを思う意識の醸成ということで、大変丁寧に教育長に答えていただきました。私が用意しておりました資料も説明していただきましたので、もうあえてしませんが、言われたように、やはり人づくり、それで、いろいろと県が作っておられる資料というのを見ると、物すごい多角的な、多方面からのもうきめの細かい、それは県が作ると、そういうふうになるのでしょうけれども、今何が問題で、課題で、どういう事業をやって、どういう成果を得るためにこういう事業をやろうと。それが先ほど言われたような、こういう観点が大事だと思っていまして、実はうちのクラブが今年度取り組んだ、先ほど御紹介があった未来トークという事業ですけれども、これは来年度も引き続き、市の教育委員会と地域学校コーディネーターと中学校と我々が今いろいろとどういう形にしようかというのを協議しているところです。今年度の実績としてその返ってきたアンケートを見させていただきますと、明らかにそれが事業の前と後で違うのですね。教育長も多分見られていると思いますけれども、やはりこうした事業をずっと継続していくことが大事だと思いますし、そういったことを例えば中学校の1年からやろうとすると、高校に入ったときに、「とりふる」についてもやはり興味が違うと思うのですね。なので、やはりこの境港って本当にいいなと、全然地域の人、あまり深く関わった人はなかったのに、こんな社長さんがおられたのだ、こんなすごい会社があったのだ、そういうような新たな地域に対する思いであるとか、リスペクトみたいなものが芽生えてきて、多分、事業をやった直後というのは、気持ちが高揚して、そういういい数字にはなろうかと思いますけれども、そういった一つの学校でやった授業というものをまたほかの中学校にも波及させたりとか、一緒に興味のある先生に来てもらったりとか、いろんなやり方があろうかと思います。これは、地域によってもいろいろなやり方があろうかと思います。そういった中で、何がどういうふうにふるさとに帰ってきてくれるのか、確かに知事が言われたように、そういった8割の子供たちは帰ってきたいと言っているのですよ。なので、そういったことを検証しながら、このふるさとキャリア教育というものを推進していっていただきたいというふうに思います。  ということで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、1時25分より再開いたします。        午後0時25分休憩    ────────────────        午後1時25分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  18番浜田妙子議員 ◯18番(浜田妙子君)(登壇、拍手)午後一番ですけれども……。そうでした、失礼をいたしました。あまり取りたくないので……。  今日、最後の質問になります。先を急がれる方も多いのではないかと思いますので、手際よく進めたいというふうに思います。  議員になりますずっと以前、30年から40年ぐらい前だというふうに記憶していますけれども、人類は今後必ずウイルスとの闘いに直面するということを力説された先生のお話を伺いました。このたび、それを本当に実感させていただきました。その新型コロナも今、春の雪解けのような雰囲気に変わってきているなというふうに思っています。しかし、まだ陽性者は3桁です。心に張った糸の張りはそう緩めないで、まだしばらくはいたいというふうに思っています。どうぞこのまま心配なく過ごせる毎日が戻ってきますように祈っています。  今回、新型コロナ感染症を経験し、私たちは、感染症に対するリスク管理がいかに甘かったかを知ることになりました。社会の備えについては、これからも起きるであろう負の可能性への想定レベルを相当上げねばならないとの実感を持っています。自然災害の中に感染症もしっかり組み込み、医療体制はもとより、医薬品の開発も、日常の中にゆとりとバランスを図りながら備え続けねばならないことを考えさせられています。  鳥取県は知事の強いリーダーシップの下、国や各地域へも先導的な役割を果たせたことに、誇らしい思いを私も持っています。その分、今後の社会の在り方について、意見、提言できる力を鳥取県はつけてきたのではないかと思います。新型コロナ終息に向けて総括し、今後に備える視点で、全国知事会の会長として力を発揮していただくことを期待いたしております。  さて、なれ親しんだマスクについても、本人の自由意思に任せる方向で国は方針を決めています。判断能力と責任能力を身につけた大人たちにとっては、個々人の問題として互いに捉え合えれば済むことかもしれません。しかし、発達途上の子供たちにとっては、自由意思であるがゆえに、学校、教師の皆様が子供たちへの向き合い方について問われる課題でもあると考えています。教育現場としては、自己決定能力と他者との関わりについて、相当の意思を持って子供と向き合う役割と責任が求められる状態に置かれたのだとも言えるのではないでしょうか。  先週、中島議員もお触れになり、知事のお考えも一部お聞きいたしました。健康を守るためにはマスクはつけるものと刷り込まれた子供たちに、状況の変化に合わせ、共に考えを巡らせ、それぞれを尊重し合いながら、自分の意思を固める作業が自由にできる環境をどうつくり上げるか、それを互いに学べるすばらしいチャンスのときではないかと私は思っています。感染症は、日本も世界も、全ての人がその脅威にさらされ、自分事として全ての人が実感を持って考えられるテーマ、めったにないチャンスが目の前に来ているとも思います。このチャンスを大いに教育現場では生かしてほしい。自分が絶対ではないこと、一人一人みんな違い、その違いをどう探るか。善悪ではなく、違いはあるのが当たり前で、それが社会だと実感するところから人の生活は始まることを学校現場で学び合えればと願います。教育現場は、その違いを発見するすばらしい環境であり、子供の成長により効果的に役立つ場だと考えています。1人も取り残さずとのキャッチフレーズが今、飛び交います。違いを乗り越えて、互いを尊重し合う共生社会について、マスクという小さなテーマを通して、考えようによっては、社会人としての基本を学び合う大きなチャンスです。互いの違いを理解し合えるようにと願います。マスクを外すというこのチャンスをどう捉えられるのか、知事と教育長に伺わせてください。  さて、二極化が進んだ社会の中で、犯罪や事故、あるいは貧困や家庭の複雑な事情も多く、そこにコロナ感染症やロシアのウクライナ侵攻まで起きて、その影響を様々に受ける生活は二重、三重に困難が増し、多くの生きにくさを抱える社会になったなというふうにつくづく実感しています。あいサポート運動を全国に展開することになった鳥取県、その県にふさわしい条例、孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例が制定されました。この条例に基づき、推進事業が今議会に上程され、既に困難を抱える人たちへの温かい手が差し伸べられようとしています。これまで事業展開されているひとり親家庭支援相談窓口や性暴力被害者相談窓口クローバーとっとり、犯罪被害者支援センター、再犯防止も特化されていますが、基本的には同じ取組といってよいのではないかと理解しています。自らの生活を痛めつけられ、抱え切れない困難を抱え、個人の生活を元どおりに取り戻すため、それどころか、その日をまともに過ごすこともできない、そんな重荷を背負い、自立に向け歩き出すには他者の力がどうしても必要な皆様が周辺にたくさんいらっしゃいます。山口議員や濱辺議員、島谷議員、福田議員と、今議会に取り上げられました。過去には多くの議員の皆様が、困難の中、苦しい生活を余儀なくされる方々への思いを議論され、その都度真剣に心を遣い、知恵を巡らされる姿に、鳥取県議会はとてもいいなと実感を持ってきました。  このたびの孤独、孤立に対する皆様の議論に対し、知事から、支援員のスキルアップをはじめ、市町村と県や多くの社会資源との連携、支援体制のネットワーク化等、重層的、包括的支援がレベル高く実行できるよう、来年度に向け、より充実させていくことが示され、力強く思わせていただきました。私も過去、困難を抱える方の相談についての勉強をした経験から、現在、相談窓口として置かれている場所を何か所か拝見させていただきました。相談を受けておられる支援員の方々ともお話もいたしました。いろいろ御苦労や実態等を伺わせていただきましたが、相談者、クライアントの漠然とした話の中から本質を探ることこそが必要との知事のお話も先日議会答弁にありましたけれども、本当に私もそこが要だというふうに思っています。不安や迷いにさいなまれ、相当の決心をして訪れるクライアントです。用意される相談窓口は、まず、分かりやすさ、行きやすさ、入りやすさが重要です。相談支援員の皆様は、クライアントから丸ごと受け止められ、何を話しても許される、秘密が守ってもらえる人だと思われねばなりません。周囲に気を遣うことなく、落ち着ける優しい空間と、相談員の受容と傾聴の中に安心と信頼が芽生え、何でも話してしまおうと心の扉を開くのではないでしょうか。心を洗いざらい投げ出せる環境が保障されることこそが知事の言われるクライアントの本質を探るアプローチへの第一歩になるのだと考えています。そのために、相談室はクライアントと相談員の2人を守る場所、誰にも気を遣うことなく過ごせる個室が必要であり、私は、個室でなければ相談事業はできないのではないかとまで思っています。皆様も身近な方から相談があると言われたときに、まず、その方が話しやすい場所をきっと探す、どこにしようかと考えを巡らされるのではないかと思います。気遣いは同じことです。  鳥取県で取り組まれています独り親支援、性暴力被害者支援、犯罪被害者支援、生活困り事支援、孤独、孤立者を支援する、いずれも理想的な個室対応とは言えず、何がしか不自由や違和感を時には感じながらお仕事をなさっておられます。今後しっかりそれぞれの現場を調査していただきまして、相談室のあるべき姿をつくり上げていってほしいと願いますが、いかがでしょうか。深刻で複雑な相談に向き合わねばならないことも出てくる相談窓口です。こうした自然に訪れる皆さんが支援相談室を利用しやすいように、独立した個室が理想的であることを基本に、守られた空間になるように御配慮いただきたいと願います。知事のお考えを伺わせてください。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田妙子議員からの一般質問にお答え申し上げます。  私のほうには、マスクの着用をめぐる問題、それからまた、相談体制のことについて、2つお尋ねがございました。  いずれも共通するなと思ってお伺いをいたしておりましたのは、相談等の心理カウンセリングにつきまして、過去にもいろいろと御質問いただき、また、御自身も研さんを磨かれておられます浜田議員ならではなのだろうと思いますが、やはり心をお互いに通じ合いながら、物事、困難を打ち破っていったり、お互いに支え合ったり、理解し合えるような社会をつくっていこうという、両方ともそういう基軸の中でのお話なのかなと思って伺っておりました。これまでの長い経験の中で、たび重ねてそうした観点でのお話をいただいておりまして、条例のお話もございましたが、我々もそうした意味でぬくもりある支え愛社会をつくっていこうという条例を制定したり、また相談につきましても、子育て支援といいますか、独り親家庭、その問題なども含めまして、最近もそういう相談体制づくりをしてきたわけであります。  瀬戸内寂聴さんが先年亡くなられましたけれども、こういうようにおっしゃっていたのが重なり合って聞こえました、「理解できないと投げ出すのではなくて、相手と同じレベルに立って理解しようとすることが大切なのだ」と。まさにそういうことなのだろうと思います。  最近、ともすれば、多くの分断が持ち込まれたりしますが、それは、お互いを理解するということを外れようとさせがちなネット社会の特性があるように思います。結局、自分と同じ考えの情報ばかりが画面に表示されてきて、確信が隔心を呼ぶようなことになってくる。結局残ったのはリアル社会における分断というものであって、自分のロジック以外を受けられないということなのだろうと思うのです。こういうようなことから我々は社会を正していくことが大切でありますが、私は、この鳥取県のコミュニティーの中、また、議員がおっしゃる県議会議員の感性の中に、その解決の道というのはほかの地域よりもしっかりとあるように思っております。ですから、その辺を信頼しながら、行政サービスやそうした支え合い、あるいはこのたびのコロナ対策などを考えていくべきなのだろうというふうに思うわけであります。  まずは、議員のほうから、このたびの新型コロナにつきましてのお話をいただきまして、鳥取県がこうした分野をリードしていくべきではないかというお話がございました。  まさに終わってみれば、終わってみればというか、今、この段階では、14万人にやっと乗ったような感染者数なのですが、実際には他地域よりもかなり感染者の陽性をあぶり出していまして、その辺を割り引くと、本当は大分、差があるのではないかと思うぐらいでありますが、それでも今、断トツに低い状況であります。これもひとえに県民の皆さんがお互いに理解をし合いながら進めてきた成果であるし、医療関係者や事業者などのネットワークのたまものなのだろうと思います。これをこれからの方向転換にも生かしていけるのだろうと思います。  私どもの知見というのはいろいろと、私も立場上、知事会や、あるいは政府の分科会でも発言させていただいて、かなり先鋭的に物を言うものですから、専門家の皆さんもいろんな思いはあって聞いておられるのだろうと思うのです。ただ、やはり我々には我々の信念があって、本当に守らなければならないのは命だとか健康だとかであり、誰かのメンツだとか、あるいは学会等も含めてあるような先入観ではないわけであります。現実に立ち現れてくる実際の感染実態だとか、場合によっては経済、社会の痛みだとか、そういうことも含めてありのままに向き合って、解決策を見つけていくのが本当の感染症対策だと思っています。ですから、今後も信念を持って、そういうことを進めていかなければならないというわけであります。  それで、議員のほうから具体的に、その後、マスクについてのお話がございました。  現状はどうかと申しますと、昨日の感染者の判明数は51名であります。西部で23名、東部で22名、中部で6名でありますが、昨日は日曜日でありまして、診療が十分行われている日ではございません。その前の日は101人ですかね、その前は129人くらいでありまして、ここのところやはり落ち着いてはきていますが、お気づきと思いますが、もう大体下げ止まってきている感じになっていまして、これをどういうふうに読むかです。次の波の前兆と捉えるのか、あるいは根雪的にオミクロン株というのはこのぐらいは存在し続けるというふうに考えたほうがいいということなのか、議員も3桁というお話がありましたが、恐らく今日以降、また3桁ということで発見が続いていくのではないかと思います。大事なのは、亡くなっていないということであり、そういう中でも、この週末も大きな医療機関でのクラスターなどもあります。そういうようなことを考えますと、やはり重点を置いた対策というのは必要なのだろうというふうに思います。  議員は、マスクを外すようなこの3月13日以降を捉えて、違いということを認め合うチャンスではないかというお話がありますが、確かにそういう面もあります。ただ注意しなければならないのは、やはり命とか健康だとか、そういうものを守ることも恐らくその違いを理解する際に重要なことだと思います。ですから、先ほどの瀬戸内寂聴さんのお話ではないですが、想像力を働かせる必要があるわけですね。例えば自分がこの場面でマスクを外すことが、果たしてどこかの命を奪うことにならないかというのもやはり考えながら行動してもらう。それから、逆に、マスクをつけることをあまり社会の中で強調して、それが不必要な同調圧力になるということになり過ぎると、今度は経済、社会のブレーキを踏み過ぎることにもなるわけであります。結局、政府は今、個々人の責任において判断してくださいと言わんとしているわけでありまして、我々現場からすると、ちゃんと指針を示すべきではないかという、無責任にも感じるところなのですが、ただ現実にそういうことで3月13日が始まった場合、これまでコロナを上手に抑えて、ある意味上手に付き合ってきたこの県民性の中で、これからの在り方というのをそれぞれで見つけていただきながらも、また、社会の中で例えば言葉を掛け合ったり、一定のルールというものをはめていく必要があるのかなというふうに思います。  土曜日は関西広域連合がありまして、そこで突っ込んだ議論もさせていただきました。最終的には私が申し上げたことを入れていただいて、関西広域連合の中の呼びかけにもなっているところなのですが、今、医療機関の皆さんが非常に困っておられて、強く求めておられるのは、医療機関の中に、自由だからといって、マスクを外して、当然のように入ってくる人たちがいるということになると困ると。だから、推奨ではなくて、ちゃんと明確にすれば、禁止すべきだというようなことを県内の医療機関もおっしゃいます。だから、そういう意味で広域連合の中でも議論していただいたのですが、医療機関や高齢者施設のように、一定のルールをそれぞれが考えておられるような場合には、それに従っていく必要があるということは強く求めたほうがいいのではないかと思いますし、それは命や健康を守ることとの調和を図る合理的な選択でもあろうかと思っております。  また、専門家の皆さんとも今、お話をいろいろしているのですけれども、ちょうどこのコロナが始まった頃に戻るような、そういう考え方で再構成してみるのかなという声が出てきております。具体的にどういうことかといいますと、最初の頃は結構ディスタンスの話を言いました。このぐらい近づくと、飛沫が飛ぶ可能性がありますよと、そうでなければ、マスクを外してもいいということですよね。鳥取県はどちらかというとディスタンスを取りやすいので、マスクを外せるチャンスは多いはずであります。そういうような我々が獲得し得る基礎的な知識を基にして、合理的に判断するようにする。そういう意味では、特に屋外では外せるチャンスというのは大分多いのかもしれないとも思いますが、逆にごみごみしたところではやはりマスクをしたほうがよいですねという推奨モデルになるのかもしれません。本来、ある一定のそうした考え方を国のほうでも明確に示していただきたいのですが、なかなかそうでない場合には、悩ましいながらも、何かしらのものをやはり示していく必要があるのではないかと、先般この議場でも御意見がありましたので、検討させていただこうと思っております。  ただ、その場合に、マスクをする人としない人が混在したときに、先ほどの瀬戸内さんのお話ではないですが、相手の心のレベルまでもう一度御自身も下がっていただいて、お互い理解し合うということが必要なのだろうと思います。新型コロナが始まった頃に、まだ患者さんの数も少なかったですから、非常に厳しい誹謗中傷がネット等で寄せられたことは記憶に新しいところであります。この議場でも御議論いただきまして、クラスター条例にそういうことはすまいということを書いていただいたり、また、県民宣言ということをさせていただいて、そうしたことを何とかやめていこうと。ネットサーベイランスもしまして、これまでに60件ぐらい見つかってはいるのですが、ここ2年ぐらいは大体なくなってきています。ですから、やはり県民の皆様も、こうしたコロナで過剰に反応して、相手を思いやらない対応ということは取らなくなってきているということだと思いますし、この辺の鳥取県民の感性というのを私たちは信頼しながら、この一つのコロナの転換点を乗り越えていければというふうに考えております。  相談体制につきましては、詳細は福祉保健部長からお話を申し上げたいと思いますが、議員がおっしゃったようなことに実は配慮をしながら、現場現場で工夫をしておられます。先ほどお話がありましたひとり親家庭相談支援センターだとか、生活困りごと相談窓口、後者はワーカーズコープさんに委託をしていますし、前者は母子寡婦福祉連合会に委託をしているわけであります。どちらも交通の便のいいところで、ハローワークといったような施設、人が集まりやすいところを使っておられますが、ふだんは、何といいますか、パーティションをしてやっている状況の中、いろいろと相談の体制上、中身がこうだからというときには、個室というか、部屋を分けて、それで相談に応じたり、場合によっては県の総合庁舎みたいなところも含めて、部屋を別途用意して相談を受けるということもいたしているわけであります。これは現場で工夫をされていまして、それはそれとして、大きな支障はないのではないかというふうに我々は当事者からは伺っています。  また、とっとり被害者支援センターや性暴力被害者支援センターとっとり、こちらのほうも例えば県の庁舎だとか、いろんなところを活用してやっておられますが、そちらのほうは部屋を比較的取りやすくて、相談によっては部屋を分けてやっておられるということですし、男女共同参画センターのよりん彩なども建物の設計上から相談室を取っているというところになっています。それぞれの物によって違いますけれども、議員がおっしゃるように、やはりある意味、心を開いて、言いにくいこと、あるいは人に知られたくないことも含めて披瀝していただくことで初めて支援が的確になるというような場合のことを考えて、そういう相談環境を整えていくことも、心を通じ合った行政サービス、相談支援としては重要ではないかと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)中西福祉保健部長 ◯福祉保健部長(中西眞治君)支援相談室の個室化につきまして補足の答弁を申し上げます。  現状を申し上げさせていただきますと、ひとり親家庭相談支援センター、また、生活困りごと相談窓口でございますけれども、東部、中部、西部それぞれ一緒に窓口を設置しております。東部につきましては、県立ハローワークの中に相談スペースを設けておりまして、個室ではございませんけれども、通常はそこにブースを設置して、相談を受けております。ただ、必要がある場合には、会議室ですとかセミナールーム、そういった個室がございますので、そちらのほうで対応させていただいているという状況でございます。また、中部につきましては、パープルタウンにございまして、こちらはハローワークの相談スペースとは別の最初から個室でございまして、こちらのほうで相談を受けているという状況でございます。西部につきましては、県立米子ハローワークの中に相談スペースを設けておりまして、こちらも通常はブース対応でございますけれども、必要があるときには別途個室の会議室がございますので、こちらのほうで相談対応しているということでございます。  また、性暴力被害者支援センターとっとり、また、とっとり被害者支援センターにつきましては、それぞれ執務室と兼用であったり、電話相談室と兼用ということはございますけれども、基本的に相談は個室でさせていただいているという状況でございます。そういったことでございますので、一定程度の配慮はさせていただいているというふうに思っております。あと、現状、それぞれの相談、例えばハローワークでございますと、駅から近いといったような利便性もございますし、また、ハローワークの中にひとり親家庭相談支援センター、生活困りごと相談窓口、こういったものを同時に置いていることによりまして、就労の相談などがかなり入ってくることがございますので、そちらと連携して対応が取りやすいというようなこともございます。そういったことで今のような形を取らせていただいておりますけれども、相談者の利便性に配慮しながら、こういったメリットをなるべく損なうことがないよう、相談環境の向上につきまして、各相談窓口の相談員ですとか、利用される相談者の方の御意見を聞いてみたいというふうに考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜田妙子議員の一般質問にお答え申し上げます。  マスクの着用ということを通して、互いを尊重し合う、理解し合う社会づくりに向けた視点で、マスクという小さなテーマを通し、人としての基本を学び合うチャンスではないか。この違いを共有し、理解し合えるチャンスをどう生かすかというふうなことでお尋ねをいただきました。私のほうからは、学校教育という視点でちょっと考えを述べさせていただきたいなというふうに思っております。  先日、3月1日に県立高校、あるいは私立高校も含めて、多くの学校で卒業式がございました。国の方針も受けながらではありますが、まずは、まだ感染が完全に収まっていないことを踏まえて、感染対策をしっかりした上で、マスクをつけない場面等々、各学校に通知をして、実施をしたところでございます。先日、知事も申されましたが、実際には8割から9割ぐらいの生徒がいろいろ考えた挙げ句、自己判断としてマスクを着用したままの卒業式が多く見られたところでございます。  この3月13日以降、マスクのつけ方もまた大きく変わってくるのかもしれませんけれども、このことを一過性のものとするのではなくて、子供たちにとって、単にマスクをつけるかつけないかではなくて、そのことを通した学びの展開が重要だろうというふうには思っているところでございます。例えば、もう既に県立高校の多くにはちょっと話もしました。鳥取西高では、保健委員会を通して、子供たち自身、生徒自身にマスクを通した人権について考えるキャンペーンを張れないかという検討ですとか、境港総合技術高校でも、生徒会を通したマスクという一つのキーワードで、自分たちの学校生活の在り方や人権配慮という、相手を認めるというふうな視点で話合いを進めたい、そんな様子も聞かれているところでございます。  これは、そういう意味でいうと、マスクだけの話ではないことだろうなと思います。様々な意見や考え方が違う中で、そうした違いを認め合いながら、相手の人権や意見をしっかり尊重する。そして、それが翻って、自分自身の存在意義を考え直すきっかけとしていい材料になるのではないかなというふうに思います。この小さなマスクの話題は、決して周囲に流されるのではなく、何が課題なのかを考え、主体的に判断をし、互いに意見を出し合い、その意見を認めつつ、自分の考え方、あるいは生き方をしっかりと確立していく、そういうことにも転化していける一つのアプローチになるのではないかなというふうに思っております。  そうした学習は、小中学校でも道徳の時間を使って、相手を認める、相手の意見を聞く、認める、その上で自分の考えをしっかり持つ、集団づくりというふうな視点で学びが展開されているところではございますが、そうしたそれぞれの発達段階に応じて、単なるマスクの着脱ではなくて、自分たちが大切にすべきものは何なのか。そして、その際に相手をどう認めて、この社会をつくっていく一員となっていくのか、そういう視点での活動、よりよい人間関係づくりという視点で今回のチャンスを生かしてまいりたいというふうに思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)18番浜田議員 ◯18番(浜田妙子君)御丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。  まずは、マスクは命と健康、これをキーワードに、どう取り組んでいくのかということだというふうにお話がありましたけれども、そこを除いてしまっては、何のためのマスクか分かりませんので、そこを踏まえた上で、どういう力をつけていくのか、相手を尊重する力をどうつけていくのか、互いを支え合う力をどうつけていくのか、そこの学びのチャンスにぜひしていただきたいというふうに思います。  今、教育長のほうからお話を伺ったのですが、生徒会ですとか、それから、子供たち自身に物を考えさせる、そういう取組の一端をちょっとお示しいただきました。こんなことを私からお話しすることではないのですけれども、人は3歳頃から他者と自分との違いをはっきり意識し始めますよね。自分とは違う存在を意識し始めて、自我が芽生えてきます。で、自己主張が強くなってきて、他者の存在を否定することも覚えていきますね。内なる自己規制や、それから善悪、暴力とのバランスを取るのも、このくらいから覚えていきます。自分を生かすために、あらゆる知恵をまたそこで獲得していきます。よくも悪くも、成長とともに身につけていくのですけれども、この発達途上でどう周りが向き合っていくのかというのは、すごく大きな問題だというふうに思います。周囲の大人たちによって保護されている間は、こうしちゃ駄目よ、ああしなさいよというふうに枠が決められていきます。子供だけの世界ですと、そのたがが外れてしまうと、何をするか分からなくなりますね。そういう意味では、言い方を替えれば、小さな子供たちは薄情で、怖い存在にもなり得るということですね。学校に上がったとはいえ、義務教育の年齢では、まだ自己コントロールの幅は本当に小さいです、狭いです。たとえマスク一つとっても、未熟な子供の世界だけに任せますと先ほど来、話が出ていますが、規定だとか強要がいじめにまで発展しかねないという怖さを持っています。マスクから解放されたい子とつけていたい子との関係がぎくしゃくして、傷つく子まで出てしまう。そこを親は心配されるのではないでしょうか。どの子も安心して過ごせる教育現場であってほしいとの願いは、教師ですとか、教育現場に期待をかけてしまうということにもなりかねない。  私の手元にも、今議会への陳情書とともに、保護者の皆様が子供や教育現場、また行政に対して取り組まれた公開質問状やアンケート結果が届きました。拝見しますと、マスク生活がどれだけ子供の生活に負担を強いているか、マスクを取っての黙食給食も我慢の強要で、結果、自分らしく行動できず、少なからず不自由さや不満を抱きながらの日々を強いることになっている。一日も早くマスクのない生活を送れるようにと、片方では極端に思ってしまわれる。ただ、大人も子供も、先ほど来、話が出ていますけれども、個人の意思に任されるわけですから、マスクなしでいいとは言い切れない。しなさいとも言い切れない。その曖昧さの中のもやもや感に心の不安定さを招いての日々が続いているのではないかなというふうに思いました。そんな中で、本人の自由意思ということになると、保護者の皆さんも誰かにすがりたい思いになっていらっしゃるのではないかと思うのですね。分かる気がします。せめて安心できる教育現場であってほしい。その願いに対して、どう教育現場が安心材料として情報を提供できているのか。教育長に、先ほどちょっと事例が挙がりましたけれども、日常的に力をつけるという方策として学校現場でどんな取組を具体的にされているのかについて、何か事例があれば、お示しいただきたいというふうに思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜田妙子議員から重ねて、子供たちにつけるべき力の在り方、どうやって安心材料を提供していけるのかという点についてお尋ねをいただきました。  先日、代表質問で森議員さんと私たち、あるいは子供たちにとっての幸せとは何かという議論をさせていただきました。その中で、今、国のほうが次期教育振興基本計画の策定の中、ウェルビーイングという言葉も紹介をさせていただいたところでございます。議員のおっしゃるような、誰一人取り残すことのない、そして、全ての子供たちの可能性を引き出す、ひいては、それがおっしゃるような子供たちの安心感、あるいは保護者の方の安心感につながる、そういう大切な視点なのだろうなというふうに思っているところでございます。  お話にもございました、この3月13日以降、あるいは4月以降、自分の判断によってマスクをつける子供たちとつけない子供たちとが多分多くの学校で混在していくことになろうかというふうに思います。誰々がつけているからつけない、あるいは、国がこう言っているからつけない、そうではなくて、先ほど知事の答弁にもありましたが、TPOをしっかりわきまえ、医療現場、あるいは家庭の状況、様々な状況を考えながら、主体的に自分が自己判断をしていく。これは、即の解決策にはならない、安心策にはならないかもしれませんが、教育現場では、先ほど申したこのマスクの着脱のみならず、何が今、この状況において求められているのか、必要なのか、それを自己判断していく、そうした力を地道につけていくことが必要なのだろうなと思います。ただ、それがおっしゃるような発達段階でなかなか、身につく段階とそうではない段階とがあろうと思います。
     これは午前中の浜田一哉議員の御質問にもいただいて、お答えしましたが、そうした子供たちがやはり周囲の大人といかに関わりながら、大人の価値観や、そして、社会的な課題をしっかり認識して、自分の生き方を考えていく、そういうふうな地道な積み上げ、青谷高校の「だっぴ」ですとか、日野高校の「おしどりトーク」、さらには、中学校でも桜ヶ丘中学校の「桜咲タイム」ですとか、そうしたいろんな課題、テーマに対して、それを周囲の人との関わりを通して考えていく、その中で自分の自己判断能力を身につけていく、高めていくというふうな取組を私は地道に積み上げていくしかなかろうかなというふうに思います。こうすべきという判断を誰かが下すことは簡単でしょうが、それでは、この日本や鳥取を支える大切な人材育成にはつながらないだろうなというふうに思っております。子供たちが時にはぶつかり合いながら、そして、時には意見をしっかり交わしながら、そして、よりよい自分なりの考えを持って、それがまとまって一つの社会づくりにつながっていく。それこそが学校教育が果たすべき役割ではないかなというふうに思っているところでございます。まさしくそういう意味では、教育の根幹を見間違うことなく積み上げていくことしかなかろうかなと思います。時間はかかっても、そこに全力を注いでまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)18番浜田議員 ◯18番(浜田妙子君)お話にすると、とても簡単だというふうに思います。そして、皆さんもお聞きになっていて、納得されると思うのですが、それが現場でできるかどうかの問題ですね。本当に子供たちがそれを身につけながら、成長していったなと、相手を尊重できる人間性を身につけていったのだとか、現実の問題として何か起きたときに、その力が発揮できるという場面も1つずつ検証していけるのかという話ではないかなというふうに思います。もし仮に子供が対立して、傷つけ合うような状況になったとき、これはもう取りあえずは傷ついた当事者を守るしかないわけですね。それにスピード感を持って向き合えるかどうかですね。それは、教師ももちろんそうですけれども、子供たち同士もそうですね、その行動ができるかどうか。そこになると、なかなか難しいかなと思いますね。毅然とした態度で、あるべき姿をみんなが示す、それが大きな力に変わっていくのだというふうに私は思いますので、そういう意味で、そういう現場をつくっていただきたい。例外は誰一人いません。ですから、教育委員の皆さんもたくさんいらっしゃいますよね。教育委員の皆さんを含めて、例外なく、教育現場の皆様が日常的に議論をし続ける。自分の意見、意見交換をし続ける。その上で、現場サポートが丁寧にできるような教育委員会でなければならないし、教師同士でなければならないし、その姿を見ていて、子供たちが力をつけていくということになっていくのだというふうに思いますね。それがきちっと保護者のほうに、こんな取組、こんな日常ですよということが伝わっていけば、そうそうさっきのような陳情書が出てくるような心配はなくなっていくのではないかなというふうにも思ったりいたします。教育委員会の皆様も含めて、教育関係者の皆さんの顔が見える、保護者にきちっと伝わっていく、それが必要ではないかと思いますが、教育長に伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜田議員から重ねてお尋ねをいただきました。  今回のマスクのことも含めてですが、様々な学校を取り巻く、あるいは子供たちを取り巻く課題、そしてまた、一人一人の保護者の方の価値観が違う中で、多様な御意見がございます。それにもちろん学校現場は真摯に向き合っていただいているわけではございますが、なかなか納得感が得られない、了解が得られないというケースも多々あることを私自身も聞いております。そういう意味では、議員のほうからもあった学校として組織的にどう対応しているのかをきちんと見える化し、つまり、発信をしていますではなくて、届けなきゃいけない。それが子供たちにとってもそうだし、保護者の方にもしっかり届いて、満足はしていただかなくても、納得していただけるような届け方をするということが、議員のおっしゃる顔の見える化を図ることではないかなというふうに思います。こういうルールがあります、こういうふうに伝えましたではなく、伝わっていないからこそ、そうしたトラブルになっていくケース、やはりそういう意味では、謙虚に伝え方、届け方ということで、今の御指摘を真摯に受け止めて、誠実に対応してまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)18番浜田議員 ◯18番(浜田妙子君)ありがとうございます。その努力、繰り返し繰り返ししていただくしかないかなというふうに思ったりいたします。強要するということと、お互いが理解し合って納得するということはもう全然違いますので、ともすれば、教育現場では強要されてしまっているというふうに思いがちな場所、指導者と、それから受け手ですから、そこのところは注意しながら、ぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思います。  先ほど森議員の朝鑑賞の話もあったりしたのですが、幸せづくりですね。個々人、本当にそれぞれが自分のためだけの答えを探し出す、作業というのはとても楽しくて、面白いことだなって私は常日頃思っています。文化とか芸術の世界はまさに自分の心との対話の世界ということですから、自分発見のときでもあるわけですね。それで、森議員が学校現場での朝鑑賞もそれに対しての大きな役割を果たすものだというふうにも力説された、私は大賛成です。その時間は自分と他者の存在の確認作業でもあり、その上に、感性の磨き合いもプラスされていくチャンスでもあります。豊かな時間を持つという時間にもなっていくなというふうに思いますので、自分と他者が違って、それを知ることの面白さ、楽しさ、豊かさをぜひ学校現場で取り組んでいただきたいというふうに思います。ありがとうございました。  それで、相談現場のほうなのですけれども、知事に伺わせてください。相談現場では、様々な問題を抱えた皆さんがいらっしゃいます。自分自身のコントロールが利かなくなってしまって、突然泣き出すこともありますし、大声で怒り出すこともあります。そのほかにも独り親家庭の皆さん方ですと、お母さんが赤ちゃんを連れてお越しになる場合もあります。そうすると、ぐずったり、泣き出したり、時には授乳やおむつ交換が必要になる場合もあるわけですけれども、こうしたことにまで思いを巡らせていただいて、そういう条件に合うような相談室になっているかどうかということについては、もう一度チェックをお願いしたいなというふうに思います。相談者もクライアントもあまり気を遣ったり困ったりしないような体制をどうやったらつくれるかということは、レベルアップして、今一生懸命様々な工夫はしていらっしゃると思いますが、私から見ると、厳しいようですけれども、必ずしもそれは理想的ではないというふうに思わせていただきました。ばやばやと人が通る姿も見えますし、のぞくことも簡単にできるような場所でもありますので、ただ、この前、会派要望で、米子の県立ハローワークの中にある独り親家庭の相談コーナーがあまりにも全部のぞき込んで見えるような形だったので、言わせていただきました。それは、高い壁をしていただきました。本当にスピード感を持ってそれをやっていただいたことには感謝をしますけれども、まだあれでは足りないなと私の目には映りましたので、よろしくどうぞお願いをいたします。  これから先、相談室が様々に周知されて、あそこを頼ろうと思って来られる皆様方が多くなれば多くなるだけ、クライアントの幅は広がっていきます。そして、困難事例もたくさん混ざってきます。困難事例を多く抱えることになりますと、相談支援員のスキルアップ研修はもちろんのこと、ケース検討も必要になってくるかと思います。せめてスーパーバイザーが欲しいと思いますが、特にスタート段階には必要だと考えています。知事の御所見を伺わせてください。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて相談支援につきましてお尋ねがございました。  これは、やはり当事者の皆さん、当事者には相談に来られる方々もいらっしゃいますし、それから、実際に相談を受けて、活動しておられます井田理事長をはじめとした母子寡婦の皆さんなどがいらっしゃいまして、そういう方々とまた年度が改まったところでいろいろ話し合っていただいて、よりフレキシブルに体制を取りやすくする。その際に、場合によってはプライバシーに配慮するだとか、あるいは相談しやすい環境をつくるとか、こういう工夫はいろいろとできると思います。現状、ハローワークと同居することを実は協会のほうは望んでおられるところもありまして、やはり就労支援が一つのポイントになりますので、ある意味、みんなで相談を受けているような体制というスタイルも重要だと考えておられるようです。ともかく、やはりTPOだと思うのですね。そのTPOに応じた対応が取れるような工夫は今後もやっていったらいいと思いますし、当然ながら我々も協力していければと思っております。  スーパーバイザーにつきましては、これはまた新年度、新しいメンバーでもう一度よく議論してもらったほうがいいのかなと思うのですが、私どもは孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例をつくり、これに基づいて、今、当初予算で一定の事業は計上しておりますが、ここにそうした独り親家庭の問題だとか、犯罪被害者のことだとか、また8050問題、いろんな課題があります。実は横串で刺したようなところはあるのですね。我々がこうやって発想して、独自条例をつくりましたけれども、驚くことに、政府も今、法案をまとめかけていまして、これは全く我々の条例と一緒ではないですが、ただ、孤独、孤立対策のスキームをつくるためには、いろんな相談機関、あるいは行政主体がネットワークをつくってやっていく。その中に都道府県もコーディネーター役をやっていくようなことが想定をされていて、今、協議会組織のようなプラットフォームをつくることを軸に、新法をこの通常国会提出を目指してやっているという状況になってきました。今月にも法案が見えてくるのではないかとも思います。  そうやって国も動いてきて、当然ながら、それに対するリアクションを我々も考えなきゃいけないかもしれませんし、この国の言っていることと実は今のスーパーバイザーのお話もそうなのですが、例えばいろんな福祉の事業だとか、あるいは教育の問題、就労の問題、いろんなものが組み合わさってきて、相談というのは初めて機能するところはあり、そういう意味でのスーパーバイザーというようなこともあるわけでありまして、この孤独、孤立で、今、国もやはり我々と同じように横串を刺した対応を考え始めておられまして、私どもは先行した値打ちがあったのかなとも思います。そうしたスーパーバイズしていくという意味で、例えばこういう孤独、孤立に関わりがあるような、要は当事者がいて、この人は孤立しがち、あるいはその周りにいる、我々が想定しているのは家族だとか、そういう人たちも孤立しがち。こういうところにアウトリーチも含めて相談支援をしたり、いろんな福祉へ誘導したりということをやっていこうと。これは多分、それぞれの専門家だけでも分からないところがあるので、それをつなぐような意味でのスーパーバイズ機能というのもやはりそれぞれあっていいのだろうと思うのですよね。ですから、こういうネットワークをつくったり、スーパーバイズをしていったりという新しい仕組みは、また孤独、孤立のスキームが国、地方の間でも一つ見えてきたところで、再構成してみる必要もあるのかなというふうに思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)18番浜田議員 ◯18番(浜田妙子君)ありがとうございます。協議会とかプラットフォームに横串を刺す、それから、複層的にとか、そういう支援が絶対に必要になってきます。1つだけのポイントを何とかすれば、それで全てがよくなるというものではありませんので、そういう仕組みを地域でつくり上げていきたいなというふうに思いますが、それにつけても、民間に目を移して見ますと、既にこども食堂をはじめ、学習支援や不登校対応、ママと子供の居場所づくり、高齢者の給食配布だとか、様々なサロン等がいっぱいあります。もう自発的に皆さんがおつくりになっていらっしゃいます。先般、濱辺議員からは南部町のいくらの郷が紹介されましたけれども、県下には多くの地域密着型で活動する民間の皆様がいらっしゃいます。地域資源として根を張り始めていらっしゃいますので、その人たちをできるだけ巻き込んで、十分に生かせれば、大きな力になるのではないか。暮らしの中にあるこうした資源は、地域の身近な相談窓口とも言えるわけです。それらをつなぎ、点から面へ広げれば、大きな力になります。活動が多岐にわたっています。かなり幅が広い。その皆様は独自の活動が中心で、他団体との交流はあっても、共に手をつないで活動するというところまではまだいっておりませんので、互いにより効果的に地域での重層的な支援が可能になるには、先ほど知事もお話出ましたけれども、つなぎ役のコーディネーターが必要になってまいります。このコーディネーターは育成されるということで、役割が出来上がるということで理解してよろしいでしょうか。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田議員から重ねてのお尋ねがございましたが、まさにそのとおりであろうと思います。孤独、孤立をどうして防いでいくのか、そのために温もりのある支え愛社会をつくっていこうというのは我々のコンセプトでありますが、今、政府のほうでも孤独、孤立対策として一定のシステムをつくろうとしています。我々は昨年、孤独、孤立に向けたプラットフォームというものを立ち上げました。ここにいろんな支援団体が入っているわけでありまして、ワーカーズコープさんなども入っていると。そういうところで今、取りあえずスタートをしていまして、多分これが母体となって今後も動いていけばいいのかもしれません。ただ、ちょっと国のほうの設定の仕方を見て、こういうところでネットワークをして、お互いに、こういう人がいるので、では、これはそちらで支援していただけないか、こういうふうにお互いに道筋をつけていくことが可能になったり、また、分からないことはどうしてもあるので、そういう意味で、例えば県でいえば、スーパーバイズ機能を今度は人権局みたいなところに置くのかもしれません。そうしたようなことなどをやって、それで、例えば県の組織なども改正をしながらやっていくとか、今、福祉のほうの機能をさらに強化をしていくとか、そういう組織的アプローチも含めて、行政のほうでスーパーバイズできるような仕組みということもあるかもしれません。この辺はちょっともうしばらく政府の今国会での動きを見て、我々も再構築していければと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)18番浜田議員 ◯18番(浜田妙子君)大いに期待をいたしております。日常生活の場で、できるだけ身近に声かけや相談ができる場があるということが非常に大事なことだなというふうに思いますので、そういう意味では、本当に今ある資源をどうネットワークを張っていくのか、つないでいくのかということをぜひ進めていただきたいと思います。そこから支援に機能的につながる環境が県下各地に広がっていくことを期待するのですが、孤立・孤独を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例もできております。それで、これから先、事業も展開されていきます。地域密着で、レベル高く鳥取県下に根づいていくことを期待して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◯副議長(広谷直樹君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時25分散会    ────────────────...