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  1. 鳥取県議会 2023-02-01
    令和5年2月定例会暫定版(3/1 一般質問) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号「令和5年度鳥取県一般会計予算」から第21号「令和5年度鳥取県営病院事業会計予算」まで及び第38号「鳥取県基金条例の一部を改正する条例」から第79号「鳥取県新型コロナウイルス感染拡大防止のためのクラスター対策等に関する条例の一部を改正する条例」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  27番澤紀男議員 ◯27番(澤紀男君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  本日は、鳥取県議会最後の一般質問となります。よろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、初めに、森林・林業の振興と人づくりについて質問をいたします。  令和3年3月に作成されたとっとり森林・林業振興ビジョンでは、森林は、県土を守り、豊かな水や美しい景観を提供するとともに、木材をはじめとする林産物を供給するなど、私たちの生活に欠かすことのできない県民共有の財産であり、森林は、地球温暖化を防ぐ大きな役割を担っている。鳥取県では、パリ協定に基づき、2050年温室効果ガス総排出量ゼロを目指して、2030年度温室効果ガス総排出量60%減の目標を掲げ、この目標を実現するために、二酸化炭素の吸収源となる森林整備について、従来の間伐に加えて、皆伐再造林にも取り組み、森林の若返りを推進するとしております。  知事には、2030年度温室効果ガス総排出量60%減へ向けた現状と課題、また、県内の森林J-クレジットの推進に対する現状の評価と今後の取組課題について伺います。  また、森林機能の保全、維持、向上の観点から、森林環境譲与税の配分は、森林面積に比例させるよう国へ働きかけることを会派要望したところ、県も同様の方針とのことですが、今後の対応について、知事にお尋ねをいたします。  次に、とっとりウッドチェンジ戦略事業について伺います。  森林施業では、流通量の増加が見込まれるA材、製材用原木の供給を外材や他県産材から県産材へ転換、ウッドチェンジを進める絶好の機会と捉え、品質管理や知識・技術向上のための人材育成を鳥取県木材協同組合連合会に業務委託をしております。木材乾燥技術の向上を図るため、乾燥材生産指導者育成研修会のほか、JAS製品の品質の向上へ向けた人工乾燥処理構造用製材工場の現地診断、心あり平角の乾燥技術の開発に向けた乾燥技術実証試験を行っております。  そこで、知事には、1つ目に、県産の製材用原木の供給体制、流通や木材価格の現状について、どのように捉えているのか。  2点目に、県内の乾燥材生産の現状と今後の展望について伺います。  3点目に、委託事業として行っている乾燥材生産指導者育成研修木材乾燥技術向上現場指診断についての評価と今後期待する成果について伺います。  そして、4点目、委託事業では、平角の含水率20%を目標に、高温セットによる天然乾燥・人工乾燥併用実験が行われております。現状と課題、また、将来はニーズに応じた含水率の乾燥木材加工技術の確立も競争力を高める技術として効果的と考えられますが、知事の所見を伺います。  次に、とっとり林業技術訓練センターを視察いたしました。愛称のGut Holzは、平成28年10月にオーストリアから招聘したピヒル森林研修所マルティン・クロンドルファー所長がこの施設に愛着を持って提案された言葉で、オーストリアの林業関係者の間で、安全作業で木材を生産しようというスローガンで使われているとのことです。  そのオーストリアでは、1990年以降、素材生産量を約1.5倍に増やしながらも、林業労働災害を約半減させております。Gut Holzでは、その要因を伐倒技術の基礎訓練を行う研修所の存在が大きいと考え、チェーンソーによる伐倒や枝払い、風倒木伐採、キックバックなどの各装置を使い、安全に特化した反復練習ができる林業研修体制を整え、日本一安全な林業を目指しております。
     また、天候に左右されることなく、チェーンソーによる伐倒技術の練習ができる全天候型実習施設を昨年4月にオープンをいたしました。建設に当たっては、県営施設では初となる県内産のCLT、直交集成板や構造用合板と鉄骨を使ったハイブリッド構造を採用しております。  そこで、知事には、1つ目に、本県の林業の担い手である技術者育成に取り組む上で、Gut Holzをどのように位置づけるのか、あわせて、これまでの評価と今後の展望についてお伺いをいたします。  そして、2点目、Gut Holzの起源となったオーストリアピヒル森林研究所とはコロナの影響で交流を中断されていると伺いました。森林技術や安全対策の向上に資する関係と捉え、継続した連携・交流が必要と考えますが、所見を伺います。  そして、3点目に、県営施設では初となる県産材と鉄骨のハイブリッド構造の採用について、どのように評価をするのか、また、今後の県有施設での採用について所見を伺いたいと思います。  そして、4点目に、全国の林業における労働災害では、死亡事故の6割がチェーンソーでの伐倒による事故となっています。県が委託して制作したDVD、「正確で安全な伐倒作業 チェーンソー操作の虎の巻 これを学べば免許皆伝」は、一般の人が見ても大変に分かりやすい内容であり、このDVDの活用をはじめとした林業労働安全対策に関わる普及啓発について所見を伺います。  そして、5点目ですが、林野庁は、令和3年11月24日の通知で、林業の死傷率1000分の25.5を10年で半減させることを目指しております。労働安全対策の強化として、下肢の切創防止用保護衣の着用を義務づけております。本県では、とっとり森林緊急通報カードの活用、普及を推進していますが、それぞれの現状と課題、今後の取組についてお伺いをいたします。  次に、とっとり花回廊について質問をいたします。  日本最大級のフラワーパーク、とっとり花回廊は、花卉文化の発信拠点として、県内で生産が盛んな花壇苗をはじめ、メインフラワーであるユリやバラ、クリスマスローズなどの季節ごとの花の展示や園芸教室を開催するほか、新品種展示による情報発信、自然観察や作業体験など、体験型イベントの開催やSNSを意識した展示、企画など、年間を通して花に親しむ機会を提供しております。  冬季に開催されるフラワーイルミネーションは、夜空の下、100万球の光がきらめき、感動の世界にいざないます。今年度の入園者は24万人を超え、イルミネーション入場者も5万6,000人と、年間入園者の5分の1が冬のイルミネーション入場者として定着をしております。  とっとり花回廊の新たな取組として、米子高専とイルミネーション電子制御共同研究をはじめとした様々な分野での連携を目的に、包括連携協定を結んでおり、今後の成果が期待をされます。  また、とっとり花回廊は、毎年延べ数で約1,700人の障害者の方の雇用、就労の場となっています。  そこで、知事にお伺いをいたします。とっとり花回廊では、花壇苗の拠点として毎年40万鉢が納入されています。しかし、生産農家の高齢化、後継者不足もあり、平成27年度には32軒あった生産農家が令和5年度には12軒に激減することが見込まれ、花壇苗納入の影響が出ると考えられます。今後の対策について所見を伺います。  そして、2点目、米子高専との包括連携協定により行ったイルミネーションシステムの開発や子供たちがイルミネーションのプログラミングを学ぶ米子高専デジタル教室をどのように評価をするのか、今後の協定への期待と併せてお伺いをいたします。  そして、3点目、花回廊では障害者作業所A型同様の最低賃金契約のほか、花回廊マルシェイベントにも出店参加しておりますが、どのように受け止め、今後に期待をするのかお伺いをいたしたいと思います。  そして、次に、再犯防止について。  県立ハローワーク刑務所出所者の就労支援について質問をいたします。  県民総活躍の社会を目指すために、就労困難者の就労支援は県立ハローワークの重要なミッションとされています。鳥取県再犯防止推進計画においては、刑務所出所者の就職困難者の就労支援を担う機関として、県立ハローワークが明記されているところです。そして、県立ハローワークがそのミッションを果たすためには、鳥取労働局や国ハローワーク鳥取保護観察所と連携し、同等の情報を共有しながら取り組むことが効果的であるとしております。  また、国の就労支援チーム地方版ハローワークの参画も認められたところであり、県立ハローワークも支援チームの活動に積極的に参加し、実効性のある支援となるよう、その一翼を担うとしております。  昨年9月29日の私の一般質問におきまして、再犯防止における県立ハローワークと国との連携について取り上げました。知事からは、なかなか今隘路に入っているとの発言がありました。  その後、県は、国の関係機関である鳥取労働局、鳥取保護観察所と協議を行い、刑務所出所者への就労支援について課題を明確にし、今後の方向性を示しております。  知事には、この関係機関と協議した課題と方向性について、どのように評価をするのかお伺いをいたします。  また、出所者の雇用の相談窓口であるコレワークとの連携について、県立ハローワーク刑務所出所者の就労支援、職場定着支援を効果的に行うためにも、受刑者が出所する前の段階から支援に入ることが重要で、そのためにも出所者の受刑者情報を集約、管理しているコレワークの情報を共有できるよう県は取り組んでこられましたが、国の壁は厚く、実現をしておりません。  公明党の日下正喜衆議院議員法務委員会所属、同席の下、直接、厚労省、法務省の担当者にヒアリングを行いました。国の担当者からは、県立ハローワークは就労支援を担っていると認識しているので、再度、現場にて現状を確認することとなったが、コレワークとの情報共有については、県立ハローワークとの共有は認めていないとの回答に終始したことから、これからも情報共有へ向けた継続的な取組が必要と感じたところでございます。  一方、県立ハローワークでは実効性のある取組につなげるために、全国の刑務所はコレワークへの案内をし、認知度を高めることで個別に出所者の就労要請を受けることとしていますが、こうした状況に対する知事の所見を伺いまして、壇上からの質問といたします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員の一般質問にお答えを申し上げます。  澤議員から冒頭、これが県議会での最後の御質問だという御発言をお伺いをし、胸に迫るものがございました。  これまで長きにわたりまして、今日も取り上げていただいた再犯防止の扱い、再犯防止につきましては、全国でも再犯防止推進計画を最も早く本県がつくるなど、大きな注目を集めてきているところであります。また、環日本海時代をにらみまして、どういうようなダイナミックな交流をし、そして、それを観光だとか、あるいは物流だとか、にぎわいだとかにつなげていくかということをライフワークのように重ねておっしゃってくださっていました。また、障害者のことにつきましても、今日もわかとり作業所の言及がございましたが、障害者の皆さんが生き生きと活躍できるように、工賃のアップなどにつながるようなこと、あるいはそれぞれの、例えば腎臓の問題等々、そうした課題に応えられる温かい地域社会、そういう包摂できる地域社会づくりに貢献をいただいたところでありまして、本当に感謝の誠をささげさせていただきたいと思います。  本日、まず、環境問題、特に森林の関係につきましてお話が多くございました。  まず、温室効果ガス排出60%削減に向けた現状等についてどうか、また、J-クレジットの推進についていかがかということ、さらには、森林環境譲与税についての働きかけ、また配分の見直し等はいかがかということでございます。  これにつきましては、世界の課題ではありますが、今大きな目標を持って、環境イニシアティブという旗を立てて、本県としてCO2の削減に、貢献していこうといたしているところであります。その一つのターニングポイントといいますか、一里塚として、2030年は国の目標を上回る60%を削減をするということを目標に今やっているところでございます。  これにつきまして、現状は、削減率26.6%となっておりますが、これは全国のものを8ポイント以上上回る削減幅になってきております。この間、バイオマス発電等も今新しい計画が着々と動いていますし、そういう発電等を通じた再生可能エネルギーでのCO2削減ということが見込まれるところであり、また、片方で住宅の課題も省エネ化を進めていこうということがある意味順調に動いているなどがございます。そういうようなことと併せて企業ベースのこうしたCO2削減の取組も排出ゼロを目指す企業さんの数も徐々に増えてきていますし、実践活動も進んでいるところであります。  あと問題は、自動車などのモビリティーのことにつきましては、これはやや進みが悪いところがございますが、全国的な、あるいは世界的な技術開発によって、ここは変わってくるものだと思いますが、一つの射程圏内には、依然として目標の達成に向けて動いているというふうに分析はいたしております。  ただ、これから、議員が今日取り上げられました森林の吸収源対策、これが大きな要素になってくると思います。すなわち間伐の推進は、おかげさまでこの15年ほどは大分進みました。さらに、木の年齢も上がってきていますので、皆伐再造林に向かっていく、あるいは今おっしゃったような、そうした企業と一緒になって森林の保全に動いていく、これが大きな役割を果たすだろうと思います。  J-クレジットにつきましては、今、10のところが動いていまして、パートナーの企業も展開が進んできたところであります。こういう機運を盛り上げていきましたのも、これまで共に森を守っていこうという、山陰合同銀行さんとのプロジェクトが最初でありましたが、こういうところから始まりまして、今J-クレジットという、要は成熟された市場的な取引のほうに動いているところであります。  現在いろいろともくろみがありまして、全国的にも証券取引所、東証のほうが関与する仕組みづくりということもございますし、また、民間の会社と連携をして、J-クレジットの販売を促進しようと。これは多分、企業側もCSRやSDGsということがございまして、ニーズがあるんだと思います。その辺のつなぎをしようというのを本県は、例えば銀行さんと一緒にこれまでもやってきましたけれども、さらに全国企業も一緒にやっていこうというお声もかかるようになってきました。ある意味、都道府県の中でこのJ-クレジットについては、一日の長を取っているポジションにあると思っています。  こうした森林の取組を進めていく上で、森林環境譲与税が重要でございます。これは少し厄介な状況になっているところがありまして、その配分基準でありますが、半分は私有の人工林の面積でということになっているのですが、ただ、20%は働いている方々、それから30%は人口ということで私有は取られていまして、この人口は、当然ながら人口の多いところでは響いてくるわけであります。そういう意味で、例えば大阪市などは人工林とかはないのですけれども、ただ、3億円の配分を受けていると。それから、横浜もほとんどございませんが、4億円の配分を受けている。鳥取は9,900万円ということでありますので、何なのかなという感じもするのですね。東京23区、ここも当然ながら人工林など造成はありませんけれども、各23区の平均でも5,000万円ほど受けているわけです。  結局、そういう意味でもっとこの配分のやり方を見直すべきではないかというのは地方を中心に上がっていまして、このたびの税制改正の際にも与党でも議論がなされたようでございまして、この見直しの検討ということに言及がございます。  今後もこうした見直しをぜひやっていただけるように、公明党さんとも一緒になりまして働きかけを強めていければと考えております。  次に、乾燥材につきましてお尋ねがございました。  その乾燥材の現状や今後の展望ということ、それから技術者の育成や現場の指導など、また含水率の技術開発等々のお話があり、製材用の原木の供給体制、これを今どういうふうに見ているのかということでございます。  今の原木の供給は30万9,000立米ほどまで上がってきました。かつてから比べますと倍増を上回るような状況でありまして、特にその中で、製材用の原木は8万6,000立米ということであります。ある意味大分増やしてはきましたけれども、さらにもう一歩これから増やしていこうと思うと、先ほどの皆伐再造林だとか、そうしたことなどに向かっていく必要があるだろうということになるわけです。  現状の市況でありますが、一時期ウッドショックと言われました急激な高騰というのは今収まりつつあります。  ただ、残念なのは、ウッドショックのときに上がったときに一遍にこれを出していれば、結構それだけ実入りがあったはずなのですが、その辺がなかなか山ですぐに切りに行けないとか、供給体制の問題などがやはり出たところでございます。  そういう意味で、サプライチェーンマネジメントシステムというのをつくっていこうというふうに今考えておりまして、その推進フォーラムをやっているわけでありますが、これによって、川上から川中、川下と情報共有しながら、適切に必要な材が山のほうでも切り出されるようになると。やはり注文を出してすぐ切れるものではありませんけれども、ただ、そうしたトレンドも取ったり、それから現場の供給側のほうのニーズに沿った森林施業体制というものも組みやすくなるわけであります。  若干時間はかかりましたが、いよいよこのシステムに着手するというところまでやってきました。こういうことなどをやって、流通とか、あるいは木材価格のコントロールなどにつなげていければというふうに考えております。  その中の乾燥材でありますけれども、これも平成10年代半ばぐらい、割合が10数%でありました。今は4割ぐらいまで増やしてきました。  この間、議会の御理解もいただきながら、そういう乾燥材のための機械の導入助成などを拡大をしてきたり、議員のほうでお話がありました人材育成も進めてきました。例えば乾燥材に向けた研修は、今年度3回ほどはもう実施をしているところでありますし、現場指導のほうにも1回、こういうことで出かけている機会が11月に16日から18日までございました。こうやってやはり技術を磨いて、それでてこ入れしていくということをやっているわけでありますが、なかなか増えなかった乾燥材の割合も、今何とか4割ぐらいまではやってきたということであります。  議員がおっしゃった、さらに含水率を精密にやる技術開発などは多分、次の課題になると思います。それを例えば注文に応じてきめ細かく何%、何%というふうに供給するためには、結構な投資も必要であったり、技術も必要であったりしますが、これにつきましても県産材の利用推進指針も改正をしたりしているところでありまして、こういう供給ができるように研修会をやったり、現場と調整をしたりして、一歩一歩それに近づいていければと考えております。  次に、Gut Holzにつきましてお尋ねがございました。  このGut Holzの評価であるとか、それからピヒル森林研究所との協力体制であるとか、それからこのGut Holz自体、県産材と鉄骨とのハイブリッド構造になっている、これをどういうふうに考えるのかと、こういうこと。それから労働災害での状況ですね。これについて、森林緊急通報カードも含めまして、こういう林業労働災害というものにどういうふうに対応していくのかと、こういうことでございます。  このGut Holzがそもそも構想されました背景には、林業における労働災害が多発をしていたということがございます。かつては、こうした4日以上の休業者の数とかを見ますと、30人以上いた時期もございましたけれども、今は10名程度に大体抑制をされてきております。やはりまず、林業に入ったときの研修体制ということも一つありますし、それから意外に事故が多いのは、ちょっと慣れてきたときですね。ですから、そうした人たちの技術をさらにアップしていくということが必要であります。  また、オーストリアの現場に、実際に林業関係の森林組合の方とか、若手の林業家などが行ったり、職員も同行したりしましたが、そうやっていろいろと視察をしてみると、やはり例えば機械化が進んでいるとか、それから特に、モビルスーツみたいに格好いい防護服を着ているわけであります。こういうものもやはり導入していこうと。それでその防護服などの支援、援助の助成制度などをつくりまして、いろいろと現場のほうでも改革を進めていきました。労働災害的なことでは、例えば蜂の被害というのが結構あったのですが、こういうものもエピペンを普及させていくとか、アレルギーの抗体検査を普及させるとか、様々なことを林業の現場の安全確保に向けていったわけであります。  それによりまして、労働災害も一定程度は抑制をされてきていると思いますし、国のほうもこの辺を重視をしているところでありまして、今後も展開を強めていこうと考えます。  そういう中、そうした森林組合の皆さん等と話をする中で出てきたのが、とっとり森林緊急通報カードというものであります。これは、同じようなことをやはりヨーロッパとかでもやっていて、もし万が一のときに、働いている方の情報というものを身につけておくことで、その後の緊急措置がしやすくなるということであります。こういうのを平成27年に取り入れるわけでございますが、今では全ての森林組合に行き渡るようになりました。  ただ、森林組合以外の事業体もありますので、そうしたところはまだ完全には普及していません。さらにそうした意味で御理解を得られるように周知に努めてまいりたいと考えております。  こういうような考え方の一環としてGut Holzが構想されたわけであります。やはりチェーンソーでの伐倒時等の非常に重大な事故というが多いわけです。そのチェーンソー技術を磨くということをやったり、もちろん座学的なことも含めまして習得をしていくということをいたしたわけでございます。  そういう中で、ただ、やはり雨が降ったり、天候の問題がありまして、そうすると結局、せっかくその研修を組んでも実施ができないということになるものですから、そういうことで事業体のほうからもいろいろと要請もございまして、屋根つきの研修施設を造ったわけです。こうしてGut Holzが出来上がってきたところでございます。  これにつきましては、ピヒル森林研究所との間で、毎年のように交流があった時期がありました。ただ、議員のほうの御指摘もございますが、コロナの関係で今それが中断をしておりますけれども、我々のほうでも今後も協力関係を大切にさせていただきまして、なお一層そうした安全確保に向けた体制づくりを強化していければというふうに考えております。  こういう海外とのいろんなやり取りの中で、いろいろと鳥取県も林業自体が変わってきたと思っています。例えばロープウエーを使って施業するとか、大型機械を導入してやるとか、こういうのはオーストリアなどでは非常に大規模にやられているわけですね。それで、安全性も確保しようということで、こうした技術向上などの取組もあって、言わば林業というのは人気の職業になっている。さらに、その林業を通して出てくるそういう木材チップなどがバイオマス発電などにもつながっていまして、言わば循環型の産業として林業を大切にしているわけであります。  本県もそれを見習って、そして大型機械の導入などをやることによって、先ほど申しました30万立米という生産にも今大分向上してきたところでございます。今後もそうした海外との技術交流等も含めまして、展開をしっかりやっていければと思っております。  次に、とっとり花回廊につきまして、何点かお尋ねがございました。  とっとり花回廊での花壇苗の納入につきまして、高齢化や後継者不足ということで影響が出るのではないだろうかと、こういうお話でございます。それから、米子高専と一緒になりましてイルミネーションをやったりしているけれども、こういうのはいかがであろうか。また、わかとり作業所の活用につきましてどのように受け止めて、期待をしているのかと、こういうお尋ねでございます。  とっとり花回廊は平成11年に開園して、それ以来、多くの観光客に訪れていただいたり、また、地元でもリピーターの方も多く、親しまれている施設となってきました。何より、四季を通じていろいろな花が見られる。ただ、花は生き物なので、これを支えるのは結構大変です。  開園当初、平成11年頃も新聞に大きく見出しも出たりして、花回廊ではなくて、草回廊だというふうにやゆされたこともありました。それで、JAさんとかと一緒になりながら、言わば花卉生産者の育成ということをこの舞台を活用してやってきたわけであります。一番中心になりましたのは、JA西部の花壇苗部会でございまして、こちらのほうでこうした40万鉢の生産体制の協力を得てきたわけでございます。ただ、これはかつて30戸ぐらいあったものが今12戸まで生産農家が減少してきているところでありまして、議員がおっしゃるように高齢化が進んできたということですね。平成11年からもう時もたってきましたので、元気だった方もそろそろやめようかということになるわけです。  ただ、逆に、1戸当たりの生産高というのはむしろ広がってきておりまして、30戸ぐらいあったものが今12戸になって、がたがたと減ったかというと、そうでもなくて、何とか生産自体は維持をしています。今1戸当たりの出荷ということでも、かつて最盛期に30戸ぐらいあったときは1万6,000鉢ぐらいだったものが、今は1戸当たり2万9,000鉢ぐらいになっていまして、倍ぐらいまでこちらも増やしてきているわけですね。ですから、農家は倍ちょっと減っていますけれども、生産能力は各農家さんで倍近くまで上げてきていると。これの組合せでありますので、一定程度の供給は今も確保できており、出荷自体は大体2割減ぐらいにとどまっていると我々としては受け止めています。  ただ、この生産農家の後継者もいろいろとありまして、例えば最近も浜田さんという生産農家の家では、後継者の翔太さんがそれをお父さんから受け継ぐ形で今一緒に生産されています。  また、これ以外にも花壇苗の関係など、鳥取県の苗物・鉢物生産研究会というのが、これは中部も含めてございまして、今、遠藤さんが会長を元気にされています。遠藤さん自体は花回廊の出荷をされておられます。こういうようなところの別の人たちはまた元気な方々もいらっしゃって、そちらのほうでは、むしろ花回廊への出荷にも関心を示していただいていまして、販路拡大の一環としてそうしたことも選択肢に入れていただいてはどうかなということであります。  いろいろと工夫をしながら、花壇苗の確保につきまして現場のほうでもやっているというふうに御理解をいただければと思いますし、私どもも、これは花卉振興という花の栽培振興の舞台として、花回廊を構想していましたので、そうした実が上がるようにJAと協力をしながらこの体制づくりに私たちも力を尽くしてまいりたいと思います。  それで、米子高専についてでありますが、このたび包括連携協定というのを令和4年に結ばれたわけです。この中でイルミネーションも入っていました。今回、花回廊に入って、入り口近くのところにクリスマスツリーのようなものが立っていました。このツリーは米子高専の生徒さんが手がけられまして、動くような形でツリーが見える、そういうイルミネーションを自ら考案をしていただいたところです。それから、子供たちに対するデジタル教室ということもされまして、その一環として、その下のほうの庭園のところのイルミネーションをそうした子供たちの発想によるイルミネーションで今回展開をしたわけであります。  こういうことが大きな自信になりまして、米子高専の生徒さんにもある意味手応えを感じていただき、それから子供たちも自分たちが作ったイルミネーションが実現をしたということもありまして、大変に喜んでいただいています。教育という観点でも、こうした花回廊の効果も出ているのかなと思いますので、今後もこうした協力関係を大事にしていっていただきたいと思っています。  わかとり作業所についてでありますけれども、わかとり作業所も長く雇用の場としてこの花回廊を活用していただきまして、1,700人役というレベルでの活用につながっています。これにつきましては、平成22年にこの議会のほうでも附帯決議をいただいて、指定管理に付したこともございまして、観光ですとか、こういう障害者の声も含めた経済や雇用、それから花卉振興など、そうした実が上がるように、その委託を受けて、十分配慮してやってくれというようなことがございまして、それに基づいて、今も観光事業団のほうでわかとり作業所の活用も図ったり、シルバー人材センターの活用も図ったりして地域に貢献しているということであります。  わかとり作業所の中では、フラワー分場というのがございまして、こちらのほうで皆さん元気に活躍をしていただいているのですが、これについて、最低賃金並みを払っていけるようにしてあります。本来これはB型の作業所ですので、そこまで要求水準ではないのですが、それぐらい手厚い体制を取って、清掃などの軽作業の採択をしているということであります。また、最近は、レクリエーションとして花回廊のマルシェイベントなどにも入っていただいたりしていまして、これはセルプひのみたいな別の、ほかからも来ていただいてやっていただいたりしまして、こうやって幅の広い協力関係というものをつくっているわけであります。  このように、こうした障害者雇用なども募集要件に加えることなどで、そうした花回廊の役割というのも広がっていると考えております。  最後に、再犯防止につきましてお尋ねがございました。  これについては、雇用人材局長のほうからも詳細な経過等のお話をさせていただきたいと思います。  これも、まず、議員のほうからは、出所した後の働き場所を探すという意味で、この近くにあるそういうセンターなどを活用していろいろとマッチングをしたいということを奨励していただきまして、大分いい具合にいろんな意味で軌道に乗ってきた部分があると思います。  そういう中で、県立ハローワークというのを県独自で実は鳥取県はやっているわけでありますが、これをコレワークという、刑務所を出られた後、就業する際のマッチングの資格といいますか、そういう役割も果たすべきではないかという澤議員の提起がございまして、それで我々もこういう大事な議会という場で出た御意見でありますので、国にも精力的に、それが実現できるかということで働きかけをしてまいりました。  平成30年頃、私自身も国の役人に頭を下げに行ったこともありますし、それから政治家の方々にも、こちらに来られたときに申し上げたりしてきたわけでありますが、先ほど日下代議士を交えて働きかけをしていただいたということで、感謝を申し上げたいと思います。  これにつきましては、私どものほうでもこうしたいわゆる就労困難者の就業をお手伝いするべきだという、我々の県立ハローワークの役割を考えておりまして、そういう意味で、そこに当然その出所者の情報も得ながらマッチングにつなげていくということを想定するわけでありますが、国のほうは、実はかたくなに拘泥していまして、「そうしたことはおまえらはやらなくていい」と言わんばかりの態度が続いています。澤議員もそこの感じを多分見て捉えたと思うのですが、これを延々と5年ほど繰り返しているというのが今の実情でございまして、私としてはもうそろそろ本来の県立ハローワークの使命を大事にすべきなのかなとも思っております。  すなわち、こうした就労困難者の支援ということはやるべきであると思いますし、その意味で人材も得て、配置して準備を進めてまいりましたので、これを基軸にして就労困難者の就労支援ということをしっかりやっていく、そういう土台にさせていただきたいというのはいかがかと思っております。  その際に、国側から、法務省や厚労省のほうからやはり逆に我々のほうにきちんと手伝ってほしいというふうに言ってくれば、手伝ってやるということではないかなというふうに思います。私も職員がこれでいつも悩んでいるのはちょっとふびんでならないところもございまして、ただ、やっていることは正しいことだと思っておりまして、そうした社会復帰をしていく、そういう特に就業困難の極みの部分がありますので、それに対するサポートというのはしっかりやっていったり、また、私ども別の観点では、いろんな関係団体と一緒になりまして、再犯防止の枠組みというのをつくってきましたし、就労支援のセンターなども運営しておりますし、そういうものをいろいろと組み合わせながら、この分野では我々なりの役割も果たしていけばいいのではないかなというふうに考えております。  議員のほうにはこうした議論の大きなきっかけをつくっていただきまして、この再犯についての就業問題というものをクローズアップしていただいたことでありまして、その志というのを我々もしっかり受け継いでまいりたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)荒田雇用人材局長 ◯雇用人材局長(荒田すみ子君)それでは、刑務所出所者の就労支援につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  県立ハローワークでは、令和元年9月に専門就業支援員を配置いたしまして、出所者の就労支援に取り組んでまいりました。これまでに21件の就労支援を行いまして、そのうち6人の就職が決定いたしましたし、約100社を企業訪問いたしまして、受入れに前向きな企業44社を確保したところです。そのほかにも、依頼に応じまして刑務所での職業講話や釈放前指導など行って、こうした活動を評価いただきまして、関係機関から直接依頼をいただくようにもなってきたところでございます。  一方で、国の個別支援のスキームにおきましては県立ハローワークが参画できない状況にございまして、9月議会以降、改めて保護観察所や労働局と協議をしましたところ、従来の流れを踏襲をして、支援チームを立ち上げない形で国のみで対応していたですとか、情報共有のための同意の手続等を用意していなかったといったことでございました。こうした現場レベルの問題につきましては、協議を重ねていく中で、支援要請を行う際の手順を見直す形で県立ハローワークが支援チームとして参画できるような方法に見直すですとか、協力雇用主の情報も同意をもらった上で提供するといった改善のほうに向かっておりまして、3月16日開催予定の関係機関との連絡会の中で、こうした方向性も確認をする予定としております。  しかし、コレワークや受刑者と専用求人の情報が共有されずに、出所前段階からの就労支援に県立ハローワークが関われないということにつきましては、やはりこの制度改善の見込みが薄いという状況にございます。そういった状況にもございますので、県立ハローワークとしては、現場でできることに注力をしていきたいというふうに考えておりまして、議員からも御紹介いただきましたように、県立ハローワークとしては、就職困難者の就労支援というのがミッションでございますので、ここに注力をして、強化をしていきたいと思っております。  具体的には、専門就業支援員を中心に、就職困難者支援の体制づくり、関係機関とのネットワークの構築、支援員のスキルアップ等を強化をしていきたいと思っておりまして、刑務所出所者につきましても、こうした中で引き続き取り組んでいきたいと思っておりますし、個別の依頼に応じて就労支援を行っていきたいと考えております。 ◯議長(内田博長君)27番澤議員 ◯27番(澤紀男君)知事のほうから答弁をいただきました。  森林・林業関係については、引き続き質問しますので後に回したいと思うのですけれども、まず、最初、花回廊のことを質問し、知事のほうから3点にわたって答弁をいただきました。  特に、包括連携協定、ここのところについては、これは非常に今後の期待が持てる、教育関係もということも含めて答弁がありましたので、副産物としてまだまだいろんな活用のほうが出てくるかもしれない、こういうふうに期待をしておりますので、しっかりと花回廊のほうでは進めていただきたいなと思っています。  それともう一つ、障害者の方、これの部分で、雇用、就労の場となっているということで、附帯決議の話も知事からしていただきました。  私はもう一歩実は進んで、やはりマルシェという言葉が出てきました。コロナの関係で、その後1回やっただけでなかなか進んでいないということのようなのですけれども、1つは、せっかく花回廊という県の大きな中心施設の中でマルシェをやっている。障害者の方が、祭典となるような、そういうマルシェに育て上げるということもやはり今後一つの大きな目標として取り組んでいくということで、障害者の支援にもしっかりとつながっていくような取組もお願いをしたいなということを思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  それと、最後の再犯防止のことです。知事とは長年、大分、昨年も論議をいたしまして、非常に、何と言いますか、闘争心を持ちながら実は言ったのですけれども、知事のおっしゃる部分もあります。知事の言われることもよく私も理解できる部分はあるのですけれども、やはり話の中で出たのが、最後のほうですけれども、やはり県立のハローワークのいわゆる経験年数、実績ということも少し言われて、出てきましてね、そこまで言われるのだったらと、声出して言いませんけれども、思ったのは、やはり実績も必要だなというようなことをちらっと言われたのです。では、実績があればできるのかなというふうに私は思っています、そこのところは。実績ということを言われますと、年数も浅いですし、なかなか難しいなと思うのですけれども、これから私はやはりつくっていくべきだと思っています。  そういう意味で、知事がちょっと考え直すというふうに言われたのですけれども、何とか進めてほしいなと私は非常に思っておりますし、これを一つはやっていくことで大きな流れも出てくる。そこのところが本当に大変なことだと思っています。だけれども、現場のほうではやってみたいという声もお聞きした部分もありまして、できることの中でしっかりと取組を進めていくということも、コレワーク等ですよ、いろんな形でやってみることも必要ではないかなというふうに思っていまして、私は諦めないでいただきたいなということをちょっと申し上げたいです。  そのことをまたちょっとコメントをお願いします。すみません。  それで、ちょっと時間が大分ありませんですね。森林・林業ということに進めていきたいと思うのですよね。
     先ほど質問いたしましたけれども、振興ということを県でやっていらっしゃいます設計者等への木造建築の啓発に向けた研修会、これは県でやっていらっしゃいます。それは、県内の民間では大規模建築物の木造化は極めてまれなために、県が行う研修会では、比較的簡易な構造計算で設計可能かつ施工例の多い床面積が500平米程度の中規模建築物を研修の内容としていらっしゃいます。また、近年、広い空間や高い耐震性を保持するための接合技術や防耐火技術が進んでいることから、構造設計に加えて、接合、防火設計など、実践的な内容となっておりまして、これまで研修会が17回、そして合計457名が参加をしていらっしゃいます。  そこで、知事にお伺いするのは、この中規模木造設計スクールをどのように評価をするのか、また、今後の展開について伺いたいと思いますし、2点目に、この床面積500平米程度の中規模建築物をはじめとした建築物への木造建築需要拡大に向けて、今後の取組をどのように考えていらっしゃるのかお伺いをしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員から重ねてのお尋ねがございました。  まず、花回廊につきましては、マルシェなどの話がございましたが、平成30年10月に佳子内親王殿下が手話パフォーマンス甲子園の関係で御来県いただきましたときに、花回廊のほうに行かれました。ちょっと台風か何かだったと思いますが、天候の関係で、表でお会いできないということもありまして、わかとり作業所の皆さんと佳子内親王殿下が舞台裏で、ちょっとお話をする機会をつくらさせていただいたわけでありますが、そのときの作業されている利用者の方が非常に生き生きとされていまして、AKB48の話だとか、奇想天外なお話が次々出てくるのですが、それを佳子内親王殿下が、「私も好きですよ」と言ったり、非常にフランクな話合いをされていました。  そのとき印象に残りましたのは、「やはり花を育てることが楽しいです」という言葉です。マルシェというのもその活躍の場として、あるいは楽しむレクリエーションの場として、例えば祥和会ですとか、そうしたところの皆さんが御活用できるのだと思いますので、今日のお話をまた観光事業団等にもお伝えをしながら、これからコロナも終わっていろんなイベントが構想されると思いますけれども、こうしたお話がいい形で生きるように申し上げてまいりたいと思います。  また、再犯防止につきましては、重ねて澤議員に感謝を申し上げたいと思いますが、澤議員のように情熱を持ってこの分野にいろいろと知見を広げていただいたというのは、この議会における大きな功績だと思います。それが現に本県は、各都道府県の中でも際立ってこうした再犯防止の分野で様々な施策を関係者と一緒に展開できたわけでありまして、感謝に堪えないところであります。  コレワークにつきましては、ポイントは、要は法務省のほうが、自分たちが持っている情報を放さないということです。これは個別のマッチングをしないと就職というのは当然あり得ないのですね。ですから、この根本のところを考え直してもらわない限りは、多分前に進まないわけであります。  それで、私どもとして今現実論として、要は困難者の就業を支援するということはやはり我々はやっていくべきなのだろうと。それは、犯罪を犯された方であれ、障害者であれ、あるいは独り親であれですね。そうした中で、やはり我々もこの問題と真摯に向き合っていくべきではないだろうか。そういう中で、今、向こう側も、多分、澤議員の面談のこともあるのだと思うのですが、いろいろこちらにも一定程度歩み寄ろうとしているところも見えなくもなくて、それで、では、これから一緒にこういうことをやりましょうという話が先方から熱心にあるのであれば、我々もそれには協力をしていくということだと思っています。  今ちょっと本末転倒になっているのは、何か我々がコレワークの権限を欲しいからうるさく言っているというふうに向こうは見ていまして、それは、そんなことは知ったことではないと。あなたたちはそもそも志がないのではないかと我々は言いたいぐらいのことです。  だから、別に誰がやるということではなくて、何をやるかだと思うのですね。再犯防止の実を上げるために、犯罪を犯された方がまた再生されるために何を道具として出していくのか。それは国であるのか、県であるのかというのは本来大きな問題ではないと思うのです。ところが、そこが国には分からない。自分のところの権限の問題だと言い張っているというのが現状でありまして、我々は我々のほうでできることをやり、それが恐らく議員がおっしゃる実績ということなのかもしれませんけれども、なるほど、こういうふうにやったほうがいいなというふうに向こうが思えば、権限を放すということもまた考えるのかもしれません。  いずれにいたしましても、これは長い道のりになりますので、今後とも見守っていただければというふうに思います。  木造の非住宅の展開が非常に重要です。大体木造住宅として活用していただいたのは、住宅系ではもう100%近い、97%とか、そういうレベルです。ただ、やはり非住宅のほうはそこまで活用がなされていません。特に鉄骨造りなど簡易な、そうした堅固な事業所というのはやはり多いわけでありますが、特に500平米ぐらいのところというのは、議員がおっしゃる中規模のものは、今、鉄骨造で例えば1階建てだとか、2階建てをやっているものを展開していく上では、木造になじみやすい部分でもあります。  その辺のことがございまして、例えば技術者ですね、設計屋さんだとか、施工業者とか、そういうところへのPRや研修事業ということを展開していきたいと思いますし、最近もオンラインでの研修などもさせていただいております。  こういう木造を使う非住宅ということでは、日ノ丸産業さんが本社ビルを建てられました。これはCLTを使って立派なものができましたし、それから砂丘のところでもタカハマカフェというものができまして、これはあそこの観光事業者が言っていますけれども、想定以上にお客さんが来ているそうです。だから、やはり思い切ってそうやって木造で造ってみて、その場にマッチしたものができれば、集客力にもつながるものかもしれません。いろんな意味で、そうした意味合いというのは出てくるのだろうと思います。それで500平米ぐらいを一つのターゲットに置いたゾーンにしまして、このゾーンのところの木造化というものを中心課題として、建築屋さんだとか、設計屋さんだとか、そうしたところに、技術研修等も含めまして展開をしようという考え方でございます。  500平米は大体どういうイメージかというと、JRの郡家駅ですね。あれは木を使ってきれいに造り直しました。地元でああしたことをやっていただきましたけれども、あれがちょうど500平米ぐらいです。あのぐらいの規模感のものというのが多分なじみやすいのかもしれません。都会地だと、CLTでもう高層ビルも建てるのだみたいなことかもしれませんが、残念ながら、それほどの事業所需要は、この山陰にはあまり多くはないわけでありまして、やはり一つのボリュームゾーンとしては、中規模ということを狙っていきたいという趣旨でございます。 ◯議長(内田博長君)27番澤議員 ◯27番(澤紀男君)答弁いただきました。  再犯防止については長い道のりだと思いますが、よろしくお願いするということを再度申し上げておきたいと思います。ありがとうございます。  それで、今、森林・林業ということで質問を続けさせていただきたいと思います。  答弁いただきましたけれども、今度は人づくりという観点から取り上げさせていただきたいと思います。  そこで、将来の日本林業を担う技術者を養成する、にちなん中国山地林業アカデミーに行ってまいりました。ここは、日本最大級の演習林を使って、林業の第一線で活躍する人たちの声を取り入れた林業実習を行っております。そして、実践的な技術と知恵、最新の林学を学ぶことで、将来の日本林業の担い手を育成する、こういう一つの趣旨でアカデミーは設立されております。  そこで、知事にお伺いしたいのですが、1つは、全国で唯一、市町村営での林業大学校であるにちなん中国山地林業アカデミーを林業人材育成の学校としてどのように評価をしているのか伺いたいと思います。  そしてもう一つは、この林業アカデミーへの入学者数、卒業者の就職状況についてどのように捉えていらっしゃるのか。  それともう一つ、3点目なのですが、林福連携ささえあい事業による障害のある人の林業アカデミー入学は大変に期待をするものがあります。そこで、林福連携のモデルとしてどのように捉えるのかを伺いたいと思っております。  次に、第3回目の日本伐木チャンピオンシップin鳥取、これが10月28日土曜、29日日曜に大山町で開催をされます。この大会は、地域の森林整備を推進するために、大会を通じて全国で正確な伐木技術を習得し、林業の担い手育成を目指すとともに、競技形式のスポーツ感あふれる高度な技術を競い合うことにより、新しい林業の魅力の発信、新規参入者の確保、社会的認知度の向上を図るために開催をされます。  そこで、知事にお伺いをいたします。1つ目に、これは隔年で開催される日本伐木チャンピオンシップin鳥取の開催により、県内の林業従事者や担い手育成にどのような影響をもたらせたのか、また、森林整備の社会的認知度の向上にどのようにつながると考えるのか伺いたいと思います。  2つ目なのですけれども、今回から新たに設置をされます林業大学校、高等学校対象のアカデミージュニアクラスが林業の魅力発信、新規参入者の確保にどのような効果を及ぼすと期待をするのかということを知事にお伺いをしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、日南の林業アカデミーにつきましては、日南の林業関係者の情熱によりまして実現したものであり、高く敬意を表させていただきたいと思います。  これまで27名の方がそれを修了されましたけれども、うち16名が林業の現場に入っていますし、もちろん日南の森林組合に入られた方もあれば、例えばあれは、厚労省の職員だった吉田さんという方が1期生で何と受けられて、我々もびっくりしたのですけれども、林業に興味があったのだと思いますし、いろいろ思い悩むこともあったのかもしれません。いずれにいたしましても、学んでやろうといってやってこられて、現に日南のほうで就業されておられるというケースがあります。  これに限らず、全国各地から結構入ってこられますし、もちろん地元の子も入ったりしますけれども、そういう一つの研修のスタイルとして定着をしてきまして、今12名が学んでいるという状況が今年度の状況でありまして、定員オーバーで受けているぐらいになっています。  議員もおっしゃいましたけれども、非常に特徴的なのは、例えばドローンを使うとか、そういう最先端の研修などもしておりますし、また、我々の林業関係の職員も応援で講師をさせていただいたりして、実践的に林業を学んで、後々、すぐにでも就業できる即戦力になっていただけるようにということで進めているところでございます。  これにつきまして、今、障害者もやれるものがあるだろうと、挑戦したいという障害のある人で、しっかりとした能力のある人というのはちゃんとおられます。ただ、何といいますか、介添えが若干必要になったりすると。そうすると、そういう人たちが学びやすいようにするために、当初予算の中で、そうした林福連携のモデル事業として今お願いをしている事業がございますが、これを活用しながら、今そうした研修に入っていただく環境を整えようとしております。  こういうようなことで活躍の場が広がるというのは非常に重要でありますし、長く生涯のなりわいとしてやっていただく値打ちのある仕事だと思いますので、これは若干その分、介添えとか、若干の手出しは要りますけれども、ぜひ御理解をいただいて、予算をお認めいただけるとありがたいというふうに思います。  あれ、あともう一つ何でしたかいね。(発言する者あり)伐木チャンピオンシップ、大変失礼しました。  伐木チャンピオンシップは、鳥取の砂丘のところと、それから、昨年は大栄のところで実施をしまして、これは1回目、2回目とやり、今度は赤松、槇原の駐車場ですることにいたしております。もともと青森でこうしたチャンピオンシップをやって、それで勝ち抜くと世界にも行けるということでありまして、オーストリアとの交流の中から、やはりこういうことをやってみたいという若者が本県でも出てきて、それで行ってみたら、何と優勝したとか、そういうこともありまして、県内で盛り上がったと。それで今、青森でやらない年にうちでやるという、隔年でやるという形で関係者の御理解を得ているところであり、回を重ねてきて定着してきたと思います。  やはり若い方々が技術を競い合う、それでモビルスーツみたいな格好いいスーツを着て、チェーンソーでもう手際よく仕事をしていく。伐倒なども結構迫力ありますので、そういうものを見て、「ああ、林業というのはすばらしいな。」と、これは子供たちも含めてそういう感想が会場からも、先般大栄でやったときも漏れました。ですから、こういうことはやはり後継者育成にも寄与しますし、何より参加する人が技術を磨きます。参加者だとか、それから審判だとかの育成事業というのを片方でやるわけです。これがチェーンソー技術などの底上げにもつながってくるわけであります。  このたび赤松でやろうというものには、プロフェッショナルのコース40名、それからビギナーのコース20名に加えまして、アカデミーのコースとして20名というものを考えようと今、関係者で話し合いました。これは林業関係の日南のアカデミーだとか、それから県内の例えば倉吉農業とか、そうした高校生や専門学校などの人たちが集まって対抗戦でやるような仕掛けを今考えています。これも新しい目玉になって、学ぶ人たちの励みになるのではないかと期待をいたしております。 ◯議長(内田博長君)27番澤議員 ◯27番(澤紀男君)知事の答弁いただきました。  ちょっと時間が大分迫っていまして、最後に申し上げたいと思っておりますので、しばらくの間お時間をいただきたいと思うのですけれども、私は平井知事とはこの議場で、16年間で64回の議論を行ってきました。知事も丁寧ですが、時に厳しい答弁は私の議員活動の励みと力となり、今日までやってまいりました。  私の依所としている一節がございます。「蒼蠅驥尾に附して万里を渡り、碧蘿松頭に懸りて千尋を延ぶ」、青バエも駿馬の尾についていれば万里を渡り、緑色のツカズラも松の木の先にかかっていれば、千尋の高さまで伸びることができる、こういう意味です。  これまで、知事、教育長とこの議場で鳥取環境大学英語村の開設をはじめ、とっとり花回廊100万球冬のフラワーイルミネーションの開始、皆生養護学校高等部の設置や知的障害者の県職員採用試験、夜間中学など、数々の議論を交わしたことは私の金の思い出となっております。そして、平井知事、教育長、執行部の皆様の大きな尽力により々な施策が実現できたことは、大きな喜びで感謝に堪えません。そして何よりも、少数会派であっても、制限なく質問できる鳥取県議会の懐の深さに心から感謝をいたします。  これからの平井知事、教育長、執行部、議会事務局、県議会議員をはじめ、県民の皆様の御多幸と活躍を祈念し、最後の質問といたします。  16年間、大変にありがとうございました。(拍手) ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  再開は、11時25分といたします。        午前11時14分休憩    ────────────────        午前11時25分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  35番銀杏泰利議員 ◯35番(銀杏泰利君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。公明党の銀杏です。  今回の質問は、いずれも現場の声を直接反映したものですので、よろしくお願いいたします。  それでは、初めに、新型コロナ対策として、ワクチン接種について質問します。  コロナウイルス感染後の死亡、またコロナワクチン接種後の死亡、どちらもウイルス感染やワクチン接種との直接の因果関係が明らかでない場合が多くあります。コロナ感染は、当初、新型肺炎と呼ばれていました。死因がコロナ感染と判断するには、肺炎症状が認められるかどうかが鍵になるのではないかと思います。  最近のオミクロン株感染では、重症者がいないのに、時々亡くなる方がおられます。肺炎によって人工呼吸器等を装着し、重症化する、そういう患者はいないということかと思います。それでもコロナ感染が大きな引き金になっていることは間違いないと考えられます。  ワクチン接種についても同じことが言えると思います。アナフィラキシーショックなど、明確に因果関係が明らかであれば別ですが、特定できない、例えば基礎疾患の悪化により亡くなった場合などは判断が難しくなります。亡くなられたとき、担当医は死因を特定しますが、明らかに感染症やワクチン副反応が原因だと特定できず、基礎疾患の症状悪化によることが死因となる例が多いのではないかと思います。その証左として、亡くなられた方々の多くは高齢者であり、基礎疾患を持った方々だと言われています。  本県でのワクチン接種後亡くなられた方は11名いらっしゃいます。誠に残念で、お見舞い申し上げますとともに、御冥福をお祈りいたします。  県のホームページに11名の死因等として報告者による見解、考察等が記載されていますが、国の審査前のものだと思いました。この件に関し、今年、会派で2点要望しました。新型コロナワクチンの副反応により健康被害に遭われた方への救済を政府と共に速やかに行うこと。また、接種後に亡くなられた方の遺族に対し、ワクチン接種との明確な因果関係を示し、対応をすること。因果関係がはっきりしていない場合は、遺族へのお見舞い、見舞金なども含めまして行うこと。  これに対しまして、県の回答では、新型コロナワクチンによる健康被害については、国の予防接種健康被害救済制度により国が認定をして救済。これは、医療費や障害年金、年金、一時金などの給付ですが、これをすることになっており、これまで審理された案件のうち約9割が認定されているが、結論が出るまで1年近くかかるなど、いまだ結論の出ていない申請も多くあることから、国に対して、迅速に幅広く救済するよう求めていくとありました。  さらに、厚生労働省の説明では、厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とするという方針で審査が行われているとのことでした。この救済制度によって、実際給付などが始まったというニュースは昨年秋に初めて目にしました。ワクチン接種は一昨年春から始まりましたので、約1年半後です。大変遅い。遺族の方のお気持ちを察すると、憤りを感じます。  そこで、県内で亡くなられた11名の方々への審査の状況と結果などについて、知事に伺います。  次に、災害対策、特に1月下旬の大雪による大規模な孤立集落の発生について、知事に質問します。  このたびの大雪では、特に佐治地区の大きな被害が注目を浴びました。佐治町総合支所のある鳥取市佐治町加瀬木の下手側の国道482号線で倒木があり、通行止め。しかも電力線も巻き込んで電柱が倒れ、停電。そして、NTT線も断線し、固定電話回線も不通となり、全て復旧するのに丸2日かかりました。道路の開通や電力線、電話線の復旧など、国、県、市の土木災害対策関係者、広島や島根から応援部隊として来られた中国電力関係者、NTTの方々には、昼夜を分かたず、徹して作業をしていただいたこと、心より感謝申し上げます。  このたびの特徴は、各所で倒木が起きて道を塞いでしまったことです。その原因として、雪質が重かったこと、そして道路沿いの立木ですが、手入れも伐採もされておらず、雪で倒れやすくなっていることが上げられます。  これはもう事前に切るしかないと私は思いました。2020年2月議会で、森林環境譲与税を使い、防災の観点で県道や林道沿いの立木の伐採を行うべきとの質問をしたからであります。今回は既に知事が定例記者会見で表明されており、私も賛同いたします。  事前伐採するには、それまでに市町村と協議し、箇所の選定と所有者を特定し承諾を得る、分からなければ公告をして周知し、半年待たなければならないなどなど、伐採実施までかなりの時間を要します。1年くらいかかるかもしれません。  そうであれば、年末までに実施するのは難しいのではないかと思いますが、今後のスケジュールなど、どのように進めるのか、知事に伺います。また、実施に当たっての補償も含めた財源についても伺います。  次に、福祉施策について質問します。  まず、知事に、高齢者支援対策について質問します。  これまで高齢者、特に資産や収入が少ない方への支援について何度か質問をしてきました。介護支援ボランティア制度の提案やリバースモーゲージ制度の活用などです。それぞれ少しずつ進んでいますが、現在の物価高という社会情勢の中では、もっと抜本的な対策が必要です。コロナ禍により生活苦に拍車がかかり、生活福祉資金の貸付けが記録的になっています。その償還が始まってきていますが、そのうち1~2割の方は住民税非課税世帯で返済免除になるということでした。返済免除の方もそうでない方もまだまだいばらの道が続くのではないかと大変心配します。  これまで知事は、市町村や県立ハローワークなどとも連携しながら、伴走型で自立できるよう支援していく旨の答弁をされていました。私が危惧するのは、生活福祉資金を返済したとしても、その後の生活が成り立っていくのが難しい方々がいらっしゃるということです。特に高齢者の中でも働くことが難しい方、さらに低年金の方が心配です。生活資金の切り崩しが限界まで来ると、生活保護を検討することになります。生活保護には税金の投入や本人の喪失感、認定の高い壁など、いろいろ問題があります。もう少しの支援で生活保護に陥らない対策を検討すべきです。  生活保護を受けると、いわゆる土地、建物などの資産を放棄し、現金はもとより、預金や保険も解約しなければいけません。当然車も放棄しなければならない。生活保護から脱し、通常の生活に戻ることができればベストですが、高齢者などでは現実的にはなかなか脱するのは難しいと思います。  まず、知事には、県で行っている生活保護者への就労支援とその効果について、現状と今後の見通しを伺います。  教育長に質問します。  今年、教育長に直接、手話普及コーディネーターの増員を要望しました。現在、県東部と西部に各1名、計2名が配置されていますが、県中部については2名の方が手分けして担当されています。手話熱の高まりとともに、学校現場では手話学習などが広がっており、業務の拡大とともに、県中部での人手不足感が強くなっていました。  このたび、県教育委員会では、県中部担当も含め1名増員し、3名体制にすると決め、予算を計上していただきました。感謝いたします。  そこで、今後の具体的な採用と配置のスケジュールなどについて、教育長に伺います。  病院事業管理者に質問します。  まず、昨年、会派要望で、健康診断や人間ドックなどのメニューに認知症検査、診断を入れることと要望いたしましたが、県立病院で行う人間ドックの検査メニューに認知症検査を入れることを検討されていると伺いました。ぜひ実現していただきたいと思います。たとえ有料であろうと、そういうメニューがあれば、人間ドックを受けようという方が増えると思います。また、未実施の市町村や病院によい契機になると思います。  現在の検討状況を病院事業管理者に伺います。  最後に、子育て支援について質問します。  とっとり子育て応援パスポートについて、カードからアプリになることが具体的に決まり、喜んでいます。令和3年から2度にわたり知事要望し、そのたびに積極的な回答を得ていましたが、このたびの会派要望に対しては、具体的な期日が示されました。令和5年3月から子育て王国アプリを稼働する予定ということです。今はカードよりスマホアプリという時代で、しかも様々な情報も提供できるので、活用の幅が大きく広がります。親御さんに喜ばれる施策で、大変うれしく思います。  今、国は子育て支援に全力で取り組もうとされています。岸田総理自ら、異次元の少子化対策に挑戦すると表明されました。  公明党は昨年秋、子育て応援トータルプランを発表、今年に入って、さらに子育て応援3本柱を発表し、国会論戦に臨んでいます。その3本柱は、1、児童手当の大幅な拡充、対象年齢の拡大や所得制限撤廃など、2、高校3年生までの医療費助成の拡大として、国保の減額調整措置の見直しや地方財源の確保など、3、ゼロから2歳児の保育無償化の対象拡大で、所得制限の緩和や第2子以降の無償化などであります。  通常国会の議論では、児童手当と保育無償化の拡充は期待できそうですが、小児医療費助成の拡充について、なかなか見通しが立たないと見ました。衆議院予算委員会では、中野洋昌議員が、高校3年生まで全国一律で無償化を実現すべき、また、減額調整措置を見直すなどして自治体の財源を確保するよう迫り、岸田総理は、地方自治体からも、地域間格差が出ないように留意してほしいとの要望が出ていることを紹介した上で、意見も踏まえつつ、子育て政策充実の具体化を進めたいと答弁されましたが、具体がまだ出ていません。今後、与党内からの強い要請により、小児医療費助成への追い風が必ず吹いてくると思いますが、国の情勢にかかわらず、県としては独自に支援を強めるべきであります。  昨年、出生数が前年を上回ったことは全国でも本県だけではないかと言われています。その要因は、若い世代の転入増との分析です。出生数がプラスなのか、マイナスなのか、天と地ほどの違いがあります。一気に全国の注目を浴びることになります。子育てしやすい、暮らしやすい、魅力的な鳥取県をさらにアピールできます。  その中で、小児医療費助成については、都会には結構完全無料化しているところが多い、鳥取に来てみたら、安いけれども、有料かとため息をつかれないようにしなければいけません。強い気持ちで県内市町村との協議に臨んでいただきたいと思います。  知事は、小児医療費助成について、今後どのようなスケジュール感、いつ頃どのように協議、検討を進めようと考えておられるのか伺います。  そして、小児医療費助成については、これまで公明党の全国の地方議会で長年にわたり地道に進めてきました。言わば老舗でありますので、これからも国会で積極的に環境整備を進めていきますが、知事会からも引き続き、さらに強力に要望していただきたい。これについて、知事に答弁を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、新型コロナ対策で、ワクチンの接種につきましてお尋ねがございました。
     これにつきましては、担当の局長の丸山のほうから詳細は申し上げたいと思いますが、この副反応疑いの報告制度というのがあります。これは、国のほうの機関に、副反応があったと考えられるときに医師のほうから届出をするものでありまして、これは、本県関係は80件あったと考えられています。そのうち11件が亡くなられたケースであったということなのですが、ただ、これは、報告の幅は結構広いものがありまして、実際、例えば亡くなられたといっても、正直、別の要因ではないかということも実は添えられて届出もされていたりしておりまして、現実はどういうことからというのは、これは国のほうで確定していくわけですね。  ただ、いずれにいたしましても、この報告の流れと、あともう一つ、補償を要求する制度が別の制度としてございます。これは市町村のほうに申立てをしていくという制度で、こちらのほうで出てきますと、これを今度、国のほうで可か否かということを決めていくわけですね。それによって対象として、果たして補償が必要なのかということなのですが、本県の場合は、今こちらの補償を求めるということで27件出ている中で8件、これは確定したということであり、議員がおっしゃるように、かなり審査が遅れているというふうに思わざるを得ないところであります。  これにつきましては、国のほうでもっと早めるべきだというふうに全国知事会からも実は申入れをしたところでございますし、加藤厚労大臣も、これは国会の答弁等で改善を述べておられるところでありまして、関係者も非常に心配をし、気をもむところでありますので、ぜひ迅速な対処をお願いしたいということであります。  なお、こうした補償を求める中には、本県は死亡例のものは入っていないというふうに分析をいたしております。つまり、ほかの原因ということなのかもしれませんし、ちょっとその辺は精査が必要なのかもしれませんが、いずれにいたしましても、直接県に情報が来るものではないので、その辺は制度上閉ざされた部分がございますので、我々としても関心を持っているということであります。  いずれにいたしましても、このワクチン接種が安全に行われるということが大前提でありますし、国もそれをおっしゃっておられたわけでありますので、きちんと正すべきところは正していただいたり、内容についてはつまびらかにしていただきたいというのが現場の思いでございます。  次に、災害対策につきましてお尋ねがございました。  今回の雪の被害ということであるわけでございます。これにつきましては、令和2年度も500件余り、また、令和3年度につきましても200件余りの倒木ということがあり、御案内のように、あちこちで停電は起きるわけであります。これは、雪害のときは典型的に出ますし、台風などが影響した風のときにも起きたりいたしております。  私どものほうでこのたび、1月の雪が降りましたけれども、これについては、倒木ということが非常に重要なファクターであったのではないかというふうには関係者と総括をしているところであります。  どういうような雪害だったかというと、前半と後半で若干内容が異なっていました。前半は大変な寒波でありまして、寒さが厳しかったと。ただ、さらさらの雪だったことを覚えておられると思います。雪が降りましたけれども、そういう意味で倒木というような被害がそう多発したわけではない。ただ、JPCZがかかったのは前半と後半がありまして、後半の1月28日頃に非常に厳しい雪が降りました。このときはもう少し気温が上がっていたのですね。したがいまして重たい雪、水分を多く含んだ雪が降り続けるということになりまして、これによって、各所で、例えば畜舎の倒壊とか、ハウスが壊れるというような被害がある。その中の一つの事象として、特に東部を中心に倒木等が多発したわけでありました。  私どもは未明から情報をフォローしていまして、もう朝早くに話を始めて、それで対策本部を早速に設置をするということになりましたし、鳥取市さんなども同じような対応を取られました。その間、中国電力ですとか、NTTとホットラインでリアルタイムの情報共有をしたり、気象台も含めた分析を行っておりました。そういう災害の状況をできるだけ早く把握しようというふうに動いたところであります。  今回、残念ながら、集落が孤立したというのが4市町の8集落に及びます。一番大きいのは佐治でありまして、798名の方が孤立することになりました。これは状況の把握が当初、非常に難しかったです。実は倒木が多発していまして、あそこは、482号線は抜ける道路ですから、どこか1か所で倒木ということであれば、集落の孤立ということは起きない、両方、双方向で入っていけるはずだという地形です。ですから、正直、国のほうの基準でもウオッチする集落ではないのですね。いわゆる一方で通行止めになっている、行き止まりになっているところが孤立しやすいので、こういうところは割と当初からウオッチするリストに入りますけれども、佐治は、そういう意味でどちらかに抜けられますので、そういうリストには入っているところではなかったわけですね。  そこで、これはひょっとして孤立ではないかということにだんだんなってきて、上のほうと下のほうでどうも倒木箇所があると。そのほかにもいろいろと道路はあるのですけれども、道路も除雪しない限りは狭い道路はなかなか走れませんので、だから、これで事実上これは孤立になったというふうに判断をしたのが28日の朝でありました。  これに限らず、智頭町の市瀬の板井原であったり、それから倉谷のところですね、これは芦津のほうでありますけれども、また、鳥取市内でも用瀬がやはり孤立があったり、それから、そのほかにも八頭町であるとか、青谷地区であるとか、各地でそうした箇所が発生をしたというのが今回の状況であります。  それで、総がかりで、我々は「伐開」というふうに言いますけれども、何とか道を開けようということを考えるわけです。過去の豪雪被害のときの教訓がありまして、あれは結局、中国電力とかが関与しないと電線が絡んだところには触りに行けないと。だから、一緒に入りましょうということを今回はさせていただいているのですね。できるだけ早くそういう伐開につなげようということをやったりしまして、それでそれぞれ順次また集落は開放されていくということになるのですが、大変な被害が生じたわけでありまして、関係の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  こういうことが起きる状況になってきたのには、やはり中山間の多い鳥取県の状況がありますし、割と重たい雪が降ったりすると倒木しやすい。そこに、山の手入れが進んでいないということが手伝っているわけです。  今回の前の雪の被害のときの教訓がありまして、それで町長さんたちと相談をして、例えば若桜町のところでも道路敷、道路の隣のところにやはり落ちそうな木があると。そういうものが塞ぎますと、これは集落が孤立するということになりかねないわけですね。そういうことで、岩谷堂のところで若桜町さんがされたケースがありました。それからあと、八頭のほうでも、これは町長さんも実はその集落から出られなくなったお一人だったのですけれども、姫路とか、そうした八頭町の谷のほうに入っていきます。そこのところもやはりこうした伐採をあらかじめやっておいたほうがいいと、事前伐採ということをやはりやっていた地区がございました。こういうところは今回の被害の対象にはならなかったのです。集落の孤立しやすい箇所ですけれども、こういうことで回避できたということは非常に重要だったと思います。  電力会社さんなどとも相談をするのですが、若干お金はかかるけれども、ぜひ事前伐採に進んでいこうと。これは電力会社さんも今回、私も何度かお話をしましたが、非常に前向きになってきました。また、市町村も、深澤市長なども含めて、問題をよく分かっていただいたケースになったのではないかと思います。  そういう意味で、できる限り関係者の御協力や御理解をいただいて、こういう事前伐採ということに進んでいけないかというふうに考えております。  議員がおっしゃるように、いろんな手続がありますが、これまで事前伐採した中には、集落で同意を得て進めたものもあります。こういうのは比較的早くいくわけですね。  そういう中で、誰が所有者か分からない土地があったりすると木を民法上切れないわけであります。ただ、これについては、森林経営計画の手続を援用しまして、告示をして半年たてば、それを伐採可能になる、経営権が移るということが今仕組まれていまして、この新しい仕組みを活用して、事前伐採をした地域もございます。  こういうことを段取りよくやって、できれば次の雪のシーズンに間に合うように、早いものは台風シーズンに間に合うように、今これから協議をもう事実上始めていまして、それで、協議体をいずれつくって共に行動して、例えば、こことここというふうにリストアップをしていくと。それについて、ただ、地元の市町村が動かないと、こういう森林環境譲与税も絡めた仕組みというのは動かないものですから、その地元と調整をしながら進めていくということになろうかと思います。  新年度、何とか次の雪のシーズンの前、できれば台風シーズンの前に一定程度そういう伐採ということが進められるように、手続をできる限り前倒ししていきたいと思います。  次に、生活資金につきましてお尋ねがございました。  暮らしていけないことになりはしないか、就労支援について、現状はどうかと、こういうお話でございます。  これにつきましては、今、生活福祉資金というのを48億円貸し出しています。こういう非常に有利な資金が今回使われたわけでありますが、これは空前の規模になっています。問題は、この後だと思うのですね。コロナが今一定程度終わろうとしているといいますか、方向転換をしようとしている中で、その先に、では、今度はどういうふうにそういう今生活困難に陥った方々がまた再スタートできるか。その意味で就労の問題というのは大きいと思います。  私どものほうでもこういう生活困難について各福祉事務所等でやってきた就労支援の仕組みというのは480名ぐらい御利用されておられますが、そういう中で、14名の方が実際にそれで自立をされるという結果に今までに至っております。こういうような就労支援の生活困難者の仕組みのみならず、県立ハローワークであるだとか、様々な資源を活用しながら、今フォローアップをしていくステージに入ってきたと思います。その準備を進めるという意味で、昨年12月の補正予算で議会でもお認めをいただいたものを活用して、例えば県社協のフォローアップの人員を今4名から7名に増やすようにいたしておりますし、それから市町村の社協でも10数名レベルで今増やすというようになり、市町村のほうでも県のほうでの助成事業もつくりまして、これも12名増員が今のところ見込まれています。だんだんとそれぞれの市町村でも体制を順次強化してくださると思います。  こういうようなことをやりながら、ハローワーク等とも一緒になって、就労支援員による支援だとか、様々なケースワークを進めていく、こういうようなことが今後のテーマになろうかと思います。  最後に、子育てにつきましてお尋ねがございました。  議員のほうから、子育てアプリのこととか、県独自の施策につきまして言及がございましたが、公明党でいろいろと引っ張っていただきまして、こういうアプリも実現という道筋がつきましたし、また、お尋ねの小児医療も含めまして、大分この15年ほどでこうした子育て王国の施策が展開できたことに感謝を申し上げたいと思います。  昨日の発表で、今日ちょっと新聞のほうに出ていますが、出生数ですね。今、まず、速報値というのがこのたび新しく出ました。前回出ていたのは推計値というものでありまして、今回速報値が出たのが、3,945名の出生数が昨年あったということで、これは一昨年と比べますと、僅かですけれども、2名減ということになっています。  ただ、ほかの県は数百人レベルとか、オーダーの違うところで減っています。だから、突出して鳥取県がそこが抑えられているものですから、全国紙は鳥取県の取組を紹介しています。  それで、なぜこうなったかというと、子育て世代の転入者が多かったのではないかとか、あるいはこれまでやってきた小児医療費等のいろんな施策がありますけれども、こういうのを市町村も含めて展開をしてきたということがあるのではないかというのが今報道のベースになっています。  それで、この後、確定値というのが多分秋頃に出てくると思いますが、この確定値はちょっと今の速報値とはベースが違って、外国人などが除かれてくるのですね。速報値ベースはそちらのベースでつくっていまして、恐らく十中八九、やはり鳥取は増えたという唯一の県に多分なりそうです。ですから、分析としてはそういうことで、やはり子育て王国の施策というのはこれから大事になるし、議員が御指摘されますように、今、与党を挙げて子育てをこれからの対策の中心に据えようとしていて、昨日も総理をはじめ、多くの方々の発言が出ています。  こういうようなことを考えれば、新子育て王国として、この次、私たちは新しいステージにやはり行くべきだと考えます。その意味で、議員のほうから小児医療費助成のお話がございました。これについては、今、一部負担金を取っているわけでありますけれども、これを全部なくしてしまうと、単純計算では22億円、恐らくプラスアルファ、さらに利用する人が加速されれば、22億円プラスアルファということになり、その半額は市町村と県で折半していくというこれまでのやり方もありまして、そうなると結構、11億円ほど市町村が持ち出さなきゃいけないわけであります。  ですから、これはいろいろと関係者とお話合いもしなきゃいけないところであり、実は医師会の皆さんには、こうした小児医療費の問題については先般会議をもちまして、協議もしたところです。医師会のほうは比較的好意的に捉えていただいていますが、これまで過去同じようなことをやってきた経験からいきますと、やはり市町村全部こぞって賛成するというところにいくには結構な時間と、それから思い切りをそれぞれしていただくことが必要になりまして、やはり一定程度は時間をかけてしっかりと前に進めていく必要があるのだろうというふうに思います。  2月19日に小倉大臣とも話合いの機会をいただきまして、大臣はひょっとして統計を知っていたのかもしれませんが、鳥取県のような取組を全国に広めたいということをそのときも強調されていました。この小児医療費については、ペナルティー問題ですね、こちらで提起をいたしまして、そういうこともしっかりと政府では考えていかなきゃいけないという認識を示されたところです。  いずれにいたしましても、政府は今月中に新しい方向性をあらあら出していくというふうに宣言されていますので、そこに注目をしていきたいと思いますし、昨日は、全国知事会から少子化対策で緊急要請を行ったところでございます。県独自で今までやってきたことが、言わば一つの糧となりまして、今、全国がかなり急激な出生数の減になっていて、昨日発表では、79万9,700人という出生数になりまして、80万人を切ったということで、大幅減になったと報道されています。  その中で唯一と言っていいぐらいちょっと違った動きになってきているのは、やはりそうした子育て政策を独自にやってきたということが背景にあるのだと思います。  したがいまして、議員もおっしゃるように、そういう独自策について、今の状況にあぐらをかくことではなくて、前に向かって進んでいくべきタイミングだと考えております。 ◯議長(内田博長君)丸山健康医療局長 ◯健康医療局長(丸山真治君)健康被害救済制度の審査状況について、補足の答弁をさせていただきます。  議員お尋ねの11名の審査状況ですけれども、このうち国に対して健康被害の救済制度の申請をされている件数は、現時点で0件という状況でございます。この11件につきましては、県のホームページに公表しておりますワクチン接種後に亡くなられた方のものでして、これは予防接種法に基づく副反応疑い報告制度で報告があったもので、救済制度とは趣旨、目的を別にするものでございます。  この副反応疑い報告制度につきましては、国が接種後に生じる様々な副反応について情報を収集しまして、ワクチンの安全性の管理、検討を行い、広く国民に情報提供することなどを目的にしておりまして、副反応疑いがあった場合に、医師が国に対して報告するというものでございます。その報告が県のほうに情報提供されまして、県のほうでは、個人情報に配慮した上で公表しているものということでございます。  参考までに、これまで県内の医師が国に対して報告した件数は全体で80件ございまして、このうちの7割の57件が、ワクチン接種が始まった当初、令和3年3月から9月にかけての6か月間に集中しております。これは、新しいコロナワクチンによる副反応に対する関心も高かったこと、また、様々な副反応の情報を入手するために、国ですとか、メーカーからも因果関係が示されていないものについても報告するよう要請があって、上がってきたものと考えております。  本県のこの死亡の報告11件につきまして内訳を申しますと、60代が1件、70代が2件、残り8件は80代以上と、全て高齢者の事例となっております。また、11件中8件は、先ほど言いましたワクチン接種開始初期のものとなっており、概要はホームページのほうでも掲載しておりますけれども、例えば基礎疾患の悪化が直接の原因と考えられるものですとか、熱中症の可能性があるものといったものになっております。  参考までに、今回改めて県医師会の感染症危機管理対策委員会の委員長をしております秋藤先生に県内の状況を確認したところ、報告すべき重篤な案件は県内で発生したことはないということでございました。  一方、ワクチン接種の副反応による健康被害が生じた場合に、本人やその家族が国に対して申請します健康被害救済制度につきましては、現在まで27件が国に申請されておりまして、現時点で8件が認定、19件が審査結果待ちということでございます。この中には、本県の事案でも1年以上経過しているものが27件中7件あるということで、国に対して、早期の回答を要望等しているものでございます。  参考までにですけれども、先ほどの副反応疑いが80件あると申しましたが、この80件のうち、救済制度の申請をしているものが12件ございます。これまで県のほうとしましては、これらの制度をホームページですとか、チラシなどでお知らせする程度でございました。ワクチン接種による健康被害が起こったら、新型コロナ感染症の対策として、国を挙げて取り組んできた結果によるものであり、接種により被害を受けられた方があれば、しっかりと救済されるべきと考えており、改めて県民の皆さんですとか、医療機関、こちらのほうに制度の周知を図るなど、県としても取り得る取組を引き続き進めていきたいというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)広瀬病院事業管理者 ◯病院事業管理者(広瀬龍一君)銀杏議員の一般質問に答弁を申し上げます。  県立病院におけます人間ドックでの認知症検査の検討状況はどうかという御質問でございました。  認知症につきましては、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人、全国では700万人に達するというような推計もございます。認知症は、初期の段階では本人も、周囲の方もなかなか分かりにくい、気づきにくいというようなことでありますし、症状が進みますと、その進行を遅らせるという治療が中心であるというようなところでございます。  けれども、一方では、その原因の疾患によりましては、しっかりと治療もできるというようなふうにも言われているところでございます。そういう意味では、やはり早期の発見、そして早期の治療ということがますます重要になってくるだろうというふうに認識をしております。  そのためにも、現在、市町村で集団健診等において行われている簡便なスクリーニング検査、一方で、機器を有します医療機関において専門的に検査、診断等を行う、こういったものを複合的に、よりつなげていくということがやはり早期発見、早期治療ということにつながっていくものというふうに認識しております。  現在、県立病院では認知症の検査、これを人間ドックと併せて検討しております。鳥取県立厚生病院は、機器であったり体制の関係で、鳥取県立中央病院のほうで、来月4月からの開始ということを目標に今準備を進めております。  内容といたしましては、画像の診断、あるいは神経心理検査と言われるような検査、そして、公認心理師によります問診と併せた検査というものを考えておるところでございまして、それらを複合的に検査することによって、より認知症のリスクを高く判定をすると。そのことによって、治療にしっかりとつなげていくという内容を考えておるところでございます。  もう少し詳しく申し上げますと、画像についてはMRIを撮りまして、そのMRIによって、認知症の大きな型として、血管性の認知症というのもございますが、こちらの判定につながるものでありますし、そのMRIの画像のデータ分析を行いますVSRADという検査がございます。これが脳の萎縮度をデータ分析するものでございますが、それがアルツハイマー型の判定につながるというようなことでございますし、先ほど申し上げましたけれども、公認心理師によります問診、対面でいろいろやり取りしながら検査を行うことによって、よりリスクの確度を高めた検査を行っていく。そしてしっかりと治療につなげていくという方向で考えておるところでございます。  一方、先ほど申し上げましたが、スクリーニング検査につきましては、現在、市町村の集団検診等、例えば浦上先生のタッチパネル等、全てではないかもしれませんが、そういったものでやられているところでございますし、議員も御存じかもしれませんが、スクリーニング検査につきましては、例えば長谷川式というようなものがございまして、これはインターネットでもその様式といいますか、チェックシートといいますか、それが公開されております。すなわち御家庭とか、自分でもセルフチェックができるようになっていまして、そこで一定の点数に満たない場合は疑いがあるというような、簡便な、本当にスクリーニングなようなこともできるようになっております。  今回、鳥取県立中央病院でより専門的な検査をやるように計画をしておりますけれども、そういうことが市町村であったり、あるいはかかりつけ医も含めて、機会をさらに増やすこと、あるいはセルフチェックも含めて、御自身で確認、検査をしていただくと。議員もおっしゃられたとおり、そういうことに、つながっていくよう期待をしたいと思います。  あわせまして、県立病院としまして、認知症に対する啓発というようなことも今後も引き続き努めていきたいと思っております。福祉保健部で昨年の秋だったでしょうか、LINEブログで、認知症を中心にしたブログを開始されていらっしゃいます。そのポスターなども両病院の院内には掲示させていただきまして啓発に努めておりますし、こういった人間ドックの機会を通じまして、例えば認知症に対する不安がある方には、こういう検査もありますよと啓発を図っていくことは引き続き行ってまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)銀杏議員の一般質問にお答え申し上げます。  私には、福祉施策として手話普及コーディネーターの今後の具体的な採用や配置のスケジュールということでお尋ねをいただきました。  答弁の前に、冒頭、コロナについてのお話、御質問もありましたが、今日3月1日は、全県立高校、そして私立高校での卒業式が午前中行われました。この3年間、彼ら、彼女たちは、このマスク着用をはじめとして、様々な感染予防対策の中、制限、制約のある中で我慢を強いられたり、また、様々な工夫をしながらの3年間を過ごしてきました。その中でもちろん失ったものもあったとは思いますが、一方で、考えたことや得たこと、体得したことも多々あったんじゃないかというふうに思っております。そういう意味で、彼ら、彼女たちが今後、ある意味、冬の時代を過ごした3年間、これから先の人生において、大海原を堂々と力強くたくましく生きて頑張っていってくれることを心から期待をするものでございます。  冬の寒さを知った者だけが真に春の暖かさを知る、こんな言葉がございます。このコロナ禍の3年間の寒さ、厳しさ、これを大きな糧として、彼らが力強く羽ばたいていってくれることを心から念じております。  手話コーディネーターの話でございますが、平成25年の条例制定の後、本県でもその取組をさらに学校現場にも広めようということで、平成26年には、手話ハンドブックを作成して、各学校でその取組を進めてまいりました。そして、さらに今年度は、ハンドブックだけではなくて、実際に手話にチャレンジしようということで小学生が動画を見ながら手話にチャレンジしていく、県版の児童用手話検定、手話チャレも取組をスタートしたところでございます。  昨年秋の手話パフォーマンス甲子園で、佳子内親王殿下にも倉吉市の西郷小学校の子供たちがその成果を披露して非常に喜んでいただいたことを私も鮮明に覚えております。そうした取組を進めていくためにも、やはり人が大切だということで、御指摘のありました手話普及コーディネーター、これはこれまで2名の配置でございました。この手話コーディネーターが学校と手話活動を結びつける働きをこれまでもたくさんしてきていただいていること、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。  そして、県内には120名にも及ぶ手話普及員がいらっしゃいます。これは民間のボランティアの方々でございます。実際に子供たちへの指導はこの普及員の方にやっていただいているわけですが、コーディネーターの方は、その普及員の方々と学校とを結びつける非常に重要な役割で大変活躍をしてきていただいているところでございます。令和3年度には114校で延べ253回にも及ぶような、そんな手話学習が展開をされたところであり、いずれも手話コーディネーターのお力添えによるところが大きいかなというふうに思っているところでございます。  このたびの予算要求で2名だったところを1名増要求させていただいて、この議会にお諮りをしているところでございますが、この手話コーディネーターは、やはりそういう意味では、学校現場をよく知られる方が望ましいなと思い、また、手話についての理解、そして、実際にそれができる方が望ましいのではないかなというふうにも思っているところでございます。ぜひそうした教員のOBの方、これを一つ視野に入れながら、今年度中には採用して、4月以降、東・中・西それぞれでこうした手話の普及がさらに広がっていくような形で体制を組んで進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。御審議どうぞよろしくお願いいたします。 ◯議長(内田博長君)35番銀杏議員 ◯35番(銀杏泰利君)答弁いただきました。重ねて追及の質問をさせていただきますが、初めに、ワクチン接種、それによる副反応もしくは亡くなられた方々の可能性といったものについて質問させてもらいました。  答弁ですと、補償の申立ては亡くなられた方々についてはなかったということでありました。ただ、この副反応等によりまして、やはり申立てをされておられる方が結構いらっしゃるということで、審査が少し遅い感じがいたしますが、進んでいるというお話でありました。  私は、直接伺いましたのは、その方ではなくて、その知っておられる方が心筋炎の疑いがあるのだというふうなことを本人は言っていらっしゃいましたけれども、亡くなられたという話でありました。ちょっとそうした疑いがもともとあった方で、血栓等が生じた原因がワクチン接種ではなかったかというふうなこともおっしゃっておられました。因果関係がはっきりしないことだと思っておりますけれども、可能性がなきにしもあらずかなというふうに私は聞かせていただきました。そういうことでもあります。  少なからず、副反応であったり、いろいろな障害が残った方もいらっしゃるということでありますので、ワクチン接種につきましては、これは国会でも、与野党通じて進めようということで進めてまいりましたし、鳥取県でも執行部、そして議会ともにこれを是として進めてきました。どうしてもそうしたワクチン接種による健康被害等は0というわけにはいきません。出るものであります。でも、それをやはりより大きな被害を防止するためにも進めてきたという立場でありますが、やはり進めてきた責任として、ワクチン接種が死亡とか副反応の直接的原因でなかったとしても、お見舞いの意を表し、御冥福の祈りをささげるべきと私は考えます。この点につきまして、知事の所見を求めます。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員から重ねてのお尋ねがございました。  心筋炎の疑いということもあるのかもしれませんが、大切な命が失われましたことに哀悼の意をささげさせていただきたいと思います。  昨年の11月だったと思いますが、愛知県の愛西市におきまして、急に亡くなったという事例がありました。予防接種の後でありました。いろいろな情報を総合すると、恐らくアナフィラキシーショックではなかったかなというふうにも思われるものでありまして、こういうのは典型的な副反応によるものであります。  こういうようなケースに備えて、やはり即座にそうした現場対応をして、しっかりもう一度回復させるということをやっていかなければいけないし、きちんと接種後の経過も見ておく必要があるのだろうと思います。  ですから、政府やあるいは専門家におかれましても、いろいろな事例があって、まだ多分整理がついていないというのが現状なのだと思うのですね。ですから、それは今回のコロナのこともございますが、今後の予防接種ということもあり、遺憾のないように分析をし、また、材料をきちんと国民にも提供して、ある意味、正しいアプローチをするべきなのだろうというふうに思います。  実は、かつて、この予防接種について皆さんが非常にトラウマになっているのは、女性の予防接種のことでありまして、高校生とかで結構アレルギー反応とかも含めて、割とそうしたことが懸念されまして、実際に予防接種自体強制しないということから、やらないという方向にだんだんなっていったわけですね。私も分科会とかにずっと出席をしていまして、これがかなり関係者のトラウマになっているなということは思いました。  最近になりまして、実は冷静に考えれば、あれは予防接種でそうした重大事象がどれほど起こったかということはあまり過大視すべきではないというのが主流になっています。実は180度変わっているのですね。当時からそういう議論がございました。  愛知県のほうの私どもの鳥取の県人会長さんは有名な産婦人科のお医者さんでいらっしゃるわけでありますが、その可世木先生も、あれは結局、過大に評価されて、むしろ予防接種で守るべき命が守られなくなってしまったということを嘆いておられたのが印象的です。最近になりまして、ようやく厚労省も含めて、もう一度そこは軌道修正がなされるようになってきました。  とかくこうした予防接種をめぐる健康被害というのは大きな議論になりがちでありまして、だからこそ正確なアプローチが大切なのだと思いますし、それから、アナフィラキシーショックは必ずえてして起こるものだと思っておかなければならず、その体制というのを接種会場なり、お医者さんとのネットワークの中で確保していくことが重要だと思っております。 ◯議長(内田博長君)35番銀杏議員 ◯35番(銀杏泰利君)次に、災害対策につきまして、追及の順番を変えて、3点続けて質問をさせていただきます。  大雪で幹線道路が途絶えたときに迂回路の存在が交通手段の確保と復旧に必要であります。今回、佐治での迂回路は、佐治町古市の下から津無へ上がり、県道230号線を津野、そして、佐治天文台を通って、加瀬木は上手の佐治小学校に下りるこのルートでありました。私は迂回路が開通すれば、多くの除雪車を送り込んで、通行止め箇所から順次除雪、開通することができると期待いたしました。しかし、実際は、迂回路はたくさんの除雪車が通ることができないということでありました。道路が脆弱だったのかなと思いました。  県道230号線、佐治から河原に抜ける峠道は、日頃から路肩が崩れたり、冬でなくても倒木や木が道路にかぶさってきたり、時には車が落ちたりする道路です。通勤、生活道路、そして農作業で使われる道路であります。通行を阻害する事案が起きたときには、地元の方からの苦情を受けまして、担当課に対策を取っていただいていますが、県道の老朽化が進んでいるのではないかと思います。ある意味、この県道は重要な路線です。もっときちんと整備、維持管理すべきであります。知事の答弁を求めます。  次に、今回の大雪被害ですが、佐治町や河原町の方と随時連絡を取り合って状況を把握しましたので少々報告させていただきます。  大雪により道路が寸断し、集落から外に出られない。食料や生活必需品が不足しても買い出しができない。電気も途絶え、ファンヒーター、エアコン暖房など電気を使う暖房機器が使えない。現地の皆さんから、携帯電話を使って生の声を聞きましたが、想像以上の厳しさでした。家に動く暖房器具がない方には、集落の公民館にあるのではと助言しましたが、やはりそこでも、ファンヒーター、エアコンしかなかったということでした。  そこで、小屋に電気が要らない古い石油ストーブがあったので使ったとか、雪に囲まれた家の中も冷え切ってきたので、家中のホッカイロを集めて毛布にたくさん貼り付けて夜をしのいだという話もありました。結構温かかったという話でした。中には、暖房もホッカイロもなくて、しまっていた布団をたくさん出してくるまって寝たという家庭もありました。寒くて寒くて生きた心地がしないとおっしゃっていまして、想像以上に大変な状況でありました。電気がないことがこれほど大変なのかと思いました。夜明け前に電気が来たときには、明るい太陽が昇ったようで、うれしくて思わず手を合わせたと、佐治町尾際の方がおっしゃっていたのを思い出します。  そこで、これらの教訓から、災害時必要な備品を集落の公民館に整備する必要があると思います。  1、暖を取り、夜には毛布などに貼り付けて電気毛布の代わりにもなる携帯用カイロ、2、電気が要らない石油ストーブ、3、移動可能なカセットボンベこんろ、ストーブの代わりにもこれはなります。これらの整備は市町村の所管ですが、危機管理の観点も踏まえて、意識を共有していただきたいと思います。知事の答弁を求めます。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から重ねて災害につきましてお尋ねがございました。  県道の小河内加茂線という線、先ほどおっしゃった482号にタッチする線につきましては、実は平成24年度から、例えば視距改良であるとか、それから1.5車線化-1車線の道路として改良するのと、2車線として拡幅するのとを組み合わせながらやる改良方式-を今展開しているところで、順次整備箇所を今潰していっているところであります。  今回の通行途絶におきましては、この小河内加茂線がずっと津無を経由していっているわけですね。それが津無で市道津無線というこちらの道路にタッチしていまして、この小河内加茂線を除雪して、それで、市道津無線の除雪もできるということになりまして、これで迂回路ができるようになり、倒木箇所を迂回して、緊急車両など入れるようになり、それが集落の孤立解消という、おととしの宣言につながりました。非常に重要なのですけれども、ただ、やはりもともと、通っていただくと分かるのですが、山の中を行くわけですよね。なかなかちょっと改良といってもそう簡単ではない箇所でございますので、ただ、地元とも今回の状況も踏まえてよく協議をしながら、適切に改良をまた一層進展をさせていきたいと思います。
     集落の中でのケアの問題でありますが、平成29年の豪雪のときに智頭で道路が止まってしまって、大内の集落の皆さんが、自分ところのコミュニティーセンターのところにホストをしてお世話したということもございました。これが非常に評判もよかったし、効果的でありました。  こういうようなことがあり、それから、平成30年に西日本豪雨災害がありました。あの経験もありまして、それで、議会で議論していただいて、防災危機管理条例を平成30年の夏に改正をしました。そのときに、実は、覚えておられると思いますが、支え愛避難所に一定の資材を恐らくホッカイロなども含めて、あるいは発電機だとか、そういうものを整備することなども考えましょうという条例になりまして、私どものほうで防災危機管理の交付金の対象にして、これで今おっしゃったようなことは手当てが可能になっています。あと、指定避難所の環境整備事業というのも最近つくっていまして、これでの整備も可能であります。  いずれにしましても、やはり万が一に備えていただくということは非常に重要であり、我々のほうでも災害対策でやりますけれども、やはり身近なところに、ここに行けば大丈夫だというのを、例えば支え愛マップなどを作っていただきながら、みんなで確認し合ってお互いにそれを乗り切る、そういう地域の防災力をしっかりとつけていただけるように、私たちも市町村と共同しながら呼びかけを進めていきたいと思います。  なお、今回の災害のときも、例えば板井原という智頭の山の中ですね。これは町のほうで発電機だとか持って上がったり、それから、衛星携帯電話を持って上がったりしまして、雪と倒木で通れない中でも、何とか暮らしていくものを整えようとしました。本当は下りてきてくださいという話も申し上げたのですけれども、いやいや、それはちょっとというお話でありまして、まきストーブを使いながら、割ともともと自立できている集落でありまして、それで、大丈夫だからということで、結構智頭の職員も一生懸命上った割に一緒に下りてこられなかったことでへこんでおられたそうですけれども、ともかくいろいろなことがありまして、やはり備えあれば憂いなしですから、議員のおっしゃるようなことをしっかり住民の皆様にも御理解をいただいて、また、市町村のほうでもそうした避難所の整備を進めていただけるように後押しをしてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)35番銀杏議員 ◯35番(銀杏泰利君)災害対策で3つと言っておりましたが、1つ抜けておりました。孤立する集落で支援から抜け落ちていた集落が実はありまして、集落というか、住居がですね。それは用瀬町赤波1480、これは県道沿いのフォレストリア用瀬という三つ星評価の北欧の本格ログハウス、ここにお住まいの方でありまして、1月28日からの大雪で大変だったそうです。積雪1メートル50センチ、夜はマイナス13度、停電して電話もつながらない。まきストーブがあったので寒さはしのげたようでありますが、3日目に古い固定電話をつなげてみたらつながったということで助かったということでした。計5日間閉じ込められたということでありました。これが普通の住宅だったら大変だったろうなと思います。鳥取市の所管かもしれませんが、県としてもそういう場所は災害時要注意箇所として登録しておく必要があるのではないかと思います。これも知事にお尋ねをいたします。  そして、最後ですが、低年金者等高齢者支援について追及の質問をいたします。  生活保護となれば、本当に税金で生活費、住宅費、医療費、介護費などを負担することになります。本人のためにも、財政面でも、被保護者を増やさないようにすることが本当に必要だと思います。なかなか就業支援も芳しくないようなお話でございました。成果は上がっておりますが少なかった。生活保護に陥ると、実際、脱することがなかなかできないということで、その直前に止まるための支援をぜひ検討していただきたい。  現場から聞こえてくる悲鳴は、本当に低年金者の生活困窮の悲鳴であります。物価高、灯油、ガソリン、電気料金の高騰など低年金者には大きな痛手で生活維持に悲鳴を上げておられます。収入が年金しかなく、体力的にも仕事がなかなかできない。またはできる仕事がない。そうした方々からの悲鳴であります。  これら高齢者の方は、これまで戦後の復興を成し遂げられた方々であります。今の現役世代があるのは、高齢者の皆様のおかげであります。そうした方々への生活維持の資金を支援することに多くの方の理解は得られると思います。  ただ、支援に当たっては、資産などについてきっちり調査をする必要があると考えます。生活保護の場合と同じように財産の調査、動産や不動産、銀行口座や保険など、また、親族、親戚の支援が得られるかどうかなど、同意を得て調査し、該当すれば、例えば医療費とか住居費とか介護費などの不足分を支援するなど検討してはどうかと思いますが、知事の答弁を求めます。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねてのお尋ねがございました。  後段の福祉関係につきましては、福祉保健部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  そして、赤波の件でありますけれども、実は、赤波も含めて県内100か所、要注意箇所として把握をしております。もちろん市町村とも共有をさせていただいております。  赤波の場合は、冬季の間に県道の智頭用瀬線の鳥取側は閉鎖をすることになっていまして、そういう季節性のものでありますが、やはり孤立するところとして把握をしておりました。  今回も残念ながら板井原等で倒木が出るというような状況の中で、かなり深刻な倒木の通行途絶の状態になりました。それで、鳥取市とも連絡を取ったり、中国電力とも連絡を取りながら復旧を図るわけであり、途中経過をいえば、ヘリコプターを飛ばして救助に行こうかとかいろいろなことをやりかけたのですが、結局今おっしゃるような経過をたどりまして、いろいろな支援をしながら何とか伐開を急ごうというようなことになったのが実情であります。  いずれにいたしましても、大変な状況というのはやはり生まれ得るわけでありまして、そうした箇所を市町村のほうでもしっかり認識をしていただいて、こうなったらこうしようというような想定をいろいろと考えながら対策を強化していく必要があるだろうと考えております。  いずれにいたしましても、今回の積雪被害につきましては、落ち着いたタイミングで防災研究会を開かせていただきまして、事後の教訓とさせていただきたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)中西福祉保健部長 ◯福祉保健部長(中西眞治君)高齢の生活困窮者への支援につきまして補足の答弁をさせていただきます。  まず最初に、高齢者のメインの収入であることが多い年金につきまして若干申し上げさせていただきますと、たしか、銀杏議員も議場で御質問されたことがあったかと思いますが、以前は年金保険料をしっかりと納めていただいていたとしましても、受給額は生活保護の基準を下回ることがあるという逆転現象がございました。ただ、これが令和元年10月に老齢年金生活者支援給付金ですとか、補足的老齢年金生活者支援給付金制度、こういったものが創設をされまして、年金制度が充実をしております。  こういった逆転につきましては、充実によって解消されているというところが現状でございます。年金の保険料をしっかりと払ってこられた方については、生活保護基準を下回ることはあまりないのかなというふうに考えております。  一方、年金の保険料の納付が少なかったということで低年金のため生活が苦しい方に対しましては、生活保護に至る前に支援をする観点で、県、市町村、関係機関が連携して生活困窮者対策に取り組んでいるところでございます。  例えば、高齢の方で就労可能な方につきましては、県立のハローワークで高齢者でも可能な仕事を紹介したりですとか、収入の増加があまり見込まれない場合には家計のやりくりが重要となってきますので、無駄な支出を見直す等の家計管理の支援を行ったりしております。また、公営住宅の優先入居制度によりまして家賃を抑えたりですとか、こういった支援によりまして、生活保護にならずに暮らし向きが楽になったという事例もございます。県の生活困りごと相談窓口ですとか、市町村の窓口などに御相談をしていただければこういった支援等につながりますし、今後も対策を充実していきたいと考えております。  生活支援のための資金を出してはどうかということがございましたけれども、このような支援によりましても、どうしても経済的な状況が改善しない場合は、やはり生活保護の活用を考えることになるのではないかなと考えております。その場合、たとえ生活保護基準を超える一定の収入があったといたしましても、例えば医療費が一時的にかかるということで収入を超えてしまう場合などは保護の開始となりまして、医療費のみを保護費として生活保護で扶助することも可能でございます。そして、医療費がかからなくなれば、また生活保護から脱却するということになります。同様に、住居費用ですとか、介護費用、こういったもののそれぞれ単独で保護費として支援することができます。財源的にも国の4分の3の負担があるということでございます。  生活保護でございますけれども、健康で文化的な最低限度の生活を保障するためのセーフティーネットでございますので、真に保護が必要な方は、ためらうことなく利用していただきたいと考えておりますが、一方で、自動車保有の緩和など、実態に即した生活保護の柔軟な運用につきまして、引き続き国に要望してまいりたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、1時40分より再開いたします。        午後0時40分休憩    ────────────────        午後1時40分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  6番市谷知子議員 ◯6番(市谷知子君)(登壇、拍手)日本共産党の市谷知子です。トルコ・シリア地震の犠牲者に哀悼の意をささげます。  シリアは、アメリカなどの介入で戦争が今日まで続き、360万人以上が難民生活を送る中での今回の被災です。被災者救援、そして、戦争を激化させないことを求めます。  では、まず、岸田政権の暴走政治です。  昨年末、岸田政権は、憲法違反とされてきた敵基地攻撃能力の保有、軍事費2倍と、戦後の安全保障政策を大転換する安保関連3文書を閣議決定しました。毎年4兆円の追加の軍事費捻出のため、1兆円の国民増税、被災地復興やコロナ対策のお金、たばこ税、国立病院の基金までつぎ込み、歳出削減で社会保障費の削減も狙われ、そのお金でアメリカが核使用を目的に製造し、イラク戦争やシリア内戦の介入にも使った長距離巡航ミサイルのトマホーク、音の速さの5倍以上の速さで中国まで約3,000キロも飛ぶ極超音速ミサイル、そして、美保基地にある新型空中給油機を大幅増強する。これら日米同盟を基軸に展開し、相手国の軍事施設に加え、道路、港湾、空港を標的とし、相手国のミサイル発射前から先制攻撃をする。集団的自衛権の行使でこのアメリカの先制攻撃の戦争に日本が参加をすれば、日本が報復攻撃を受けて日本が焦土と化す。これを岸田政権は認識していると国会で述べています。こんな危険な大軍拡、大増税を国会にも国民にも聞かず、岸田政権だけで閣議決定をしたのは重大問題です。閣議決定の撤回を求めること、知事、いかがでしょうか。  次に、原発です。岸田政権は、福島原発事故後、稼働は原則40年、新増設しないとしてきた政府の立場を180度転換し、再稼働や運転期間の延長、新増設という方針を国会にも諮らず、岸田政権だけで閣議決定をし、原子力規制委員会も異例の多数決での了承となり、安全側への改変とは言えない、締切りにせかされたと反対や批判も出ていました。政府は、いまだ収束していない福島原発事故を忘れたのでしょうか。  平井知事は、これまで緩やかなエネルギー革命と原発縮小の立場を述べていました。閣議決定の撤回を求めるべきと思いますが、知事、いかがですか。  次に、新型コロナです。知事の奮闘に敬意を申し上げますが、知事の議会冒頭の説明に違和感を覚えました。  知事は、オミクロン株主流以降、感染防御型ウィズコロナで経済社会を動かしながら、全国で最も感染を抑えられたと評価をし、国民の生命及び健康に重大なおそれはないとした、政府の5類引下げも評価しています。  しかし、第八波で鳥取県の死者数は最大となり人口当たりの感染者数が全国第1位や上位が続きました。知事は、第八波をどう評価しているのかお尋ねします。  次に、物価高騰、経済対策です。代表質問の答弁で、知事はアベノミクスの異次元の金融緩和を評価しましたが、その下で起きた円安、物価高騰で今県民が苦しみ、一方、知事も述べたように、株価上昇や大企業の内部留保の増加で格差が拡大しています。今この富を経済循環させ、暮らしや経済を回復させる必要があります。  そこで、まず、インボイス制度。10月から売上げ1,000万円未満の中小零細の消費税免税業者にも消費税支払いが生じて、格差解消に逆行です。県内の免税業者数と率を答弁ください。  また、賃上げ。知事も増えたとした大企業の内部留保は、今500兆円、国家予算の5倍です。ここに課税をして中小企業の賃上げ支援に回し、全国一律最低賃金1,500円の実現を国に求めること。  また、酪農、畜産。先日、NHKで大山乳業が報道されました。餌代が2倍に高騰し、酪農家の77.2%が赤字、半数以上が続けられないと答えています。乳価は1リットル当たり10円上がったけれども、赤字30円は解消できていません。農家に聞くと、県の支援に感謝していると言われますが、その県の餌代支援、来年度補助率を3分の1から4分の1に下げないでください。以上、知事、どうでしょうか。  次に、子育て、教育です。岸田総理は、子供予算GDP4%にとの発言を撤回しましたが、県の子育てアンケートでは負担軽減が一番の願いです。そこで、高校生のタブレット購入費5万円、県が補助すること、教育長、どうでしょうか。  次に、障害者などの支援です。精神障害者家族会から、精神障害の場合、運転免許更新でも、自立支援医療の更新でも、障害者手帳の更新でも、ほかの障害以上に診断書の提出が求められ、精神障害が重い人ほどその費用が重くなっていると伺いました。診断書取得費用を助成していただきたいが、知事、いかがでしょうか。  最後に、県政運営です。平井知事出版の本の内容の点検を県職員に行わせたとする住民監査請求、また、議会質問と直接関係ない知事の披瀝のための資料作成で県職員の残業と負担が増えている。技術系職員が離職しているとの投書。これらについて、知事の所見を簡潔に御答弁ください。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)市谷県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、冒頭でトルコ・シリアの地震のお話がございました。私ども鳥取県といたしましても、今、募金活動を進めておりまして、この間、トルコの外務大臣がおっしゃったところでは、全世界で最も寄附金を集めているのは日本なのだそうであります。やはり同じ地震国として、私たちがしっかりと、向こうもこちらの東日本大震災のときなど支援をしてくれたわけであり、世界の中で連帯をしていくということが非常に重要だと思います。  そのトルコ・シリアの状況につきまして、今お話がございましたけれども、非常にシリアは厄介な状況でありまして、これは内戦のさなかであります。  市谷議員は、アメリカの介入というお話をおっしゃいましたが、恐らくそれ以上に世界が見ているのはサダト政権の状況、そして、ロシアが介入をしてきたということであります。アメリカだけを取り上げるのは、やや一方的に過ぎるのではないかと思います。ロシアはシリアを地中海の最も大きな港、軍港として使っていると言われており、今ヨーロッパは地中海において、ロシア艦隊が展開していることを特に警戒をしているという状況であります。  こういうようなことが、今、世界の平和に大きな脅威となっているわけであり、そうしたことを含めて、恐らく岸田総理は、今、国会で、日本共産党も含めて各党と議論を交わしておられるのではないかというふうに思います。単純なことでは割り切れない複雑さが今の中にありますが、恐らくこれは市谷議員と共通だと思いますが、何とかして平和を実現すべきだということにおいて、国連などの機能回復をし、そして、国際社会が協調していくことを見いだしていけないだろうか。そういう意味で、G7議長国としての日本の役割というのが、今、改めて問われているのだろうというふうに思います。  そういう中で、安保関連3文書のお話、あるいは大軍拡、大増税という言葉がございましたが、これにつきましては、地域づくり推進部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  総理は、国会でも重ねて答弁をし、この安保関連3文書につきましても言及をされておられるわけであります。国家安全保障戦略あるいは国家防衛戦略、また、防衛力整備計画、こうしたものが国家安全保障のための、今、安保関連3文書として、今、国会で議論されているものであります。  ただ、私は、重要かなと思いますのは、総理の答弁は、平和国家ということは断固として維持をするんだということをおっしゃっておられ、専守防衛に徹するということも強調しておられます。軍事大国とはならない、非核三原則は厳守する。これが今、政府の基本的な方針であり、その中で、今の国際情勢に対応するためには何をしたらいいのかというのを広く議論しようというお立場なのではないかと思います。  いろいろな立場の差や意見の差はあるのだろうと思いますし、その中で一つの解決策を今、国会が法案審議などで議論されているのだと思います。  基本的に外交や防衛というのは、すぐれて国の専権事項でありまして、私どもとしては、そうした動向を見守るということではないかと思います。その上で、例えば国民保護事態への対処など、この議場でも議論がございましたが、残念ながら、今、我々ももう一度レベルアップをした対策を考えておくべき、世界の情勢にあるのかなと考えているところでございます。  次に、原子力発電所につきましてお尋ねがございました。この原子力発電所の原則40年の考え方についてのお尋ねでございます。これにつきましては、危機管理局長のほうから詳細をお答え申し上げたいと思います。  2月10日には、GXの実現に向けた政府としての基本方針が採択をされました。そして、このたび関連の5つの法案が束ねた形で国会に提出されることとなり、昨日も報道がされたところでございます。この問題につきましては、後ほどまた局長のほうからも詳細を申し上げますが、我々は周辺地域でありますので、先般も議場での議論にお答え申し上げましたが、安全をどういうふうに確保していくのか、そうした観点で私たちはこれからも慎重に考えていく、いろいろな協議に応じていくということになるだろうと考えております。  現状は、今、40年の範囲内で島根原発2号機の課題について手続が進んでいるという状態でありまして、今後もいろいろな協議が恐らく来るだろうと思います。特にこういう、40年をどうするかという課題につきましては、これは必ず本県にも協議があるものだと思っており、我々なりの意見を述べる機会はあると考えております。  ただ、一つ申し上げれば、やはり安全を第一義として考えていただくという立場でございまして、そういう意味で、慎重に、科学的知見だとか、これは原子力規制委員会での議論、まだこれから多分次の議論に入ると思います。それはどういうことをクライテリア、基準として考えていくべきなのかという議論にこれから入っていくのだと思いますが、そうした議論など、丁寧にそして科学的知見に基づいて、また、でき得れば十分な時間を取ってやはり議論をされるべきだと思いますし、それぞれのサイトにおける安全確保につきましても、これも従来と変わることない対応を取るべきではないかと思います。  政府のほうでも、総理は恐らくいろいろな議論について丁寧な説明をしていくということを強調されていますので、多分これで全部一つ方針がきちんと決まってしまったということではなくて、この40年たった後で、ではどうするか、さらにその60年のところでどうするかというのは、今後も立ち止まりながらいろいろと議論を国民全体でやっていくというお立場なのではないかなというふうに思っております。  そういう意味で、今、審議が国会の場に移りましたので、各党各会派間での議論に注目をし、フォローしてまいりたいと思います。  次に、新型コロナウイルスにつきましてお尋ねがございました。第八波をどう評価しているのかというお尋ねでございます。  これにつきましては、新型コロナウイルス感染症本部事務局長、西尾のほうから詳細はお話を申し上げたいと思います。  第八波は、全国でも非常に急激に伸びました。特に言われたことは、残念ながら亡くなられた方が多いということであります。これは都道府県どこを通じてもそうであります。  ただ、不思議なことに、お気づきになったと思いますが、例えば東京とか大阪とか、そうしたところでは、第七波から第八波にかけて感染者数は過去最多を更新しなかったですね。ですが、なぜ死者数が最多をどんどん更新して上に行くのか。それは母数が大きいからであります。同じオミクロン株で一定の命に関わる影響があるとすれば、その確率論的に考えていただければ、むしろ患者の数はもっと多いのかもしれないと。  私ども鳥取県は、患者の数も伸びていって過去最多を記録し、2,000人近くまで行きました。そして、患者さんの中からは、残念ながら基礎疾患があるとか、御高齢だとか、いろいろな要因がありますが、亡くなられた方の数も増えていったという状況であります。だから非常に分かりやすい形で鳥取県は動いていたということは確認できるのではないかと思うのです。  実は、検査数を見ていただければ一目瞭然でありまして、東京だとか大阪だとか、神奈川、兵庫のように、今回は過去最多の感染数を更新しなかったように見えますけれども、検査数はうちの大体4分の1ぐらいであります。ですから、見つけに行っていないということですね。それは何が起こったかであります。第七波と第八波では、やり方と国民の皆様の考え方が変わったのではないかと思うのが自然です。  それは、全数調査というところから、私どもでいえば、陽性者コンタクトセンターというのをつくる。全国的には、健康フォローアップセンターというのをつくって、そこでサンプリング的にというか、具合が悪くなったときは処理するということです。本県は、全員の皆様に登録してくださいと呼びかけをして、一番安心できる体制というものを維持しようとして現に今日までやってきております。ただ、多くのところは、実はここに入ってくる人の数は少ないです。それから、検査に行かれる人の数も大分減っているわけであります。  その背景には、保険が出なくなったということが多分あると思います。前は自宅で療養しても保険が出ていたので、調べに行くと、その保険金が下りたということがありました。ところが、そういうことがなくなったわけです。あと、重要なのは、行政検査というのを保健所が徹底してやるか、また、クラスター対策をそれぞれの事業所と協力してやるかということでありまして、これについては、私ども鳥取県は、独自のそうしたクラスター対策等をやったわけでありますが、ほかはもうクラスターを追えないということになって、行政検査を事実上、まだ休止しているというような状態になっています。ですから、感染者の数だけ数えていただくと、すごく多いように見えますが、実は4倍ほど検査がほかは足りていないということを掛け合わせて考えていただければ、やはり全国でもかなり抑えていると。逆に言えば、きちんと見つけられてきたというのが本県の状況だというふうに御理解いただけようかと思います。  次に、インボイス制度につきましてお尋ねがございましたが、これにつきましては、総務部長のほうからお答えを申し上げます。  大企業内部留保金に課税をして賃金を引き上げるということにつきましては、これは雇用人材局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、重ねてこの議会でも度々議論がありますように、これは賃上げでありますので、労使が協調してやっていかないといけないことであります。  このたび、総理のほうでは政労使の協議をやると、2月22日に表明をされました。芳野連合会長さん、あるいは十倉経団連会長さん、いずれもこうした賃上げについて、協議をしながら前向きに進めていこうという状況でありまして、今、かつてない状況になっているのではないかと思います。  できればやはり今、企業内部留保というお話がございますが、所得をある程度増やしていきながら、それで経済を大きくしていかないと、成長軌道へと戻っていかないということでありまして、新たな新しい資本主義というのか、いろいろと呼び方はあると思いますが、今までとは違った経済対策のベクトルというものを持っていく必要があるのだろうと思います。そういう中で、こうした議論をされるのが妥当なのではないかなというふうに思います。  この企業の内部留保金に課税をするということでありますが、こういう税制というのは、憲法の30条、84条に基づきまして、いわゆる租税法定主義というふうに言われているわけであり、国会において、そういう国民代表の合意の下に課税というのは行われるべきものであります。そういう中できちんと議論をしていただくことが大切であろうかと思います。  内部留保というのは、一旦課税された後に企業の中にたまっているお金という位置づけがありまして、これに課税するということは、相当税制的に議論を呼ぶものではないかと思います。むしろそのほかの意味で、例えば外形標準的に課税をしていくとか、いろいろと課税のやり方というのは工夫されてよいかと思いますが、いずれにいたしましても、国において、税制の大きなところは議論されなければいけないことだと思っております。  次に、餌代につきましてお尋ねがございました。酪農家の現状についてということでございます。これにつきましては、畜産振興局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  これにつきましては、議会でも御了承いただきながら、畜産経営の緊急救済事業ということを本県は行ったところでございまして、今4億円に及ぶ対策を取っているところであります。実は、こういうことは、ここにいると分かりませんが、他の都道府県でやっていることではありません。これによってどういうことになっているかというと、多分テレビの収録の時期と今の状況とまたちょっと違うのかもしれませんが、例えば北海道では、子牛が生まれても、もう牛を殺してしまうとか、牛乳を流してしまうという非常に深刻な事態ですが、それは本県では起きていない。このことはこの議場でも申し上げました。  なぜかというと、この救済事業によりましてかなりの部分が補填されているのです。それでも、なかなかかすかすという感じではありますけれども、今は何とかなっているという状態が続いていまして、今後この展開をある程度継続をしていかなければいけないわけであります。  今、乳業者の皆さんは、乳価の引上げということを全国団体と交渉していまして、そういうものと組み合わせながら、どういう制度設計で応援をしていくのがいいのかということであります。いずれにいたしましても、酪農家に寄り添った対策を取っていきたいと思います。  次に、精神障害者の皆様の診断書の課題についてお尋ねがございました。これにつきましては、福祉保健部長のほうからお答えを申し上げます。  次に、監査委員のほうの住民監査請求であった件、あるいは新聞の投書のことでお尋ねがございました。  まず、住民監査請求のことにつきましては、その監査請求の内容や結果については総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  これはかなり誤解というか、私から見ると、少し違った角度でされたかなという感じはするのですけれども、もともと私ども地方創生ということをやっていました。地方創生で何とかそれぞれの地域が頑張ってやっていく。それから、産業を興していく。そういうものを我々鳥取県でやっていることに注目していただいた全国メディアがございまして、その全国メディアのほうで、私どもの何人かの知事でのインタビューというか、討論の機会をいただいたわけです。そのときに私は、東京であれば、小さなお店であっても、街かどのお店も全国にテレビが報道してくれたり、それから、それぞれの県庁で頑張ってすばらしい政策をやっても、東京だったらそれがちょっとしたことでも報道されても、地方のほうはなかなか報道されない、言わばメディアの独占というのがあるのですよということを強調させていただきました。  しばらくたってからでありますが、そのメディアのほうから、それだったら本を書いた方がいいというようなお話がございました。それで、話し合ったわけでありますが、意図としては、まだ光が当たらないいろいろな方々、それから、県庁のいろいろな、例えば鳥取のPRのことだとか、あるいは産業興しのことだとか、地域でのまちづくりのことなどを取り上げて書いてみようかということになったわけであります。したがいまして、もとより私個人の利益のためではございませんで、収益は全て全国の福祉事業に寄附をしております。  それで、何がやりたかったかというと、そうした光が当たらない方々等々にもちゃんと注目が集まるようにその紹介の手だてというのが基本的なことであります。読んでいただければお分かりいただけますけれども、例えば中部地震のとき、こういうようなことで苦労したお店があったと。そのお店のことに基づいて、鳥取県独自で例えばお店の支援策というのを組んだと。非常に苦しい状況の中でもそのお店は再開をして、大変に関係者も喜んでいると。こういうのを例えば書いているわけです。コロナのこともそうでありますけれども、そうした記述をさせていただいておりまして、これは地方創生、あるいは地域での頑張りを何とか全国に発信しようという試みの一つでございました。  それで、住民監査請求のほうでそういう取り上げられ方をされましたけれども、実は、そこに出てくる登場人物、今のお店のこともそうですけれども、そうした方々全てにこういうふうに出版してよろしいですかというふうに断っています。それで、原稿を見せて、これで本を出しますけれどもというのをぎりぎりのタイミングですが、もう書きかけたというか、書き終わったあたりで実は皆さんに投げているわけです。それと同じことを役所のほうもさせていただきました。  なぜなら、役所の場合は、平井の名前で本が出て、具合が悪いことが書いてあったり、あるいは数字が違うとかいうことになりますと、これは非常に迷惑をかけるわけであります。ですから、役所側にもこういう内容で本が出ますよと、最終的にこれでよければ確認してくださいと。だから、正直言って、それを書き直すつもりではなかったですから、合っていないことを教えてくれと。あるいはこれ絶対書いて欲しくないということを教えてくれということで申し上げたわけでありまして、ある意味、そうした意図に基づくものであったということであり、今回監査請求自体は却下をされたということでございました。  そういう意味で、私の中には、実は財布に残るものは何もなくて、ボランティアでかなり膨大な作業をしたというのが実情でありまして、こういう請求が出ることには正直違和感もあるということであります。  議会の答弁のお話ということがございまして、これらについても、詳細、総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  議会について、皆さんも当初からおられる方々はよく御存じだろうと思うのですけれども、大分変わったのです。我々が就任したとき、市谷さんと私は一緒だったと思いますけれども、その前と今とは大分違います。何が違うかというと、職員が残業しなくなっています。それはどういうことかと申しますと、典型的には、どこの都道府県でもそうですが、答弁はこういうふうにしましょうと原稿を書くのですね。その原稿の文章を詰めるということで、県内の市町村もそうですけれども、ある市長さんなどもいつもそういうお話をされますが、休みの日も出ていって、それで原稿づくりをする。そういうようなことをやるのは職員の負担ばかりかかるわけですね。平井が答弁するのだから、平井がこれで納得したというものをしゃべればいいだけのことで、それに相応する資料を出していただければよいということに鳥取県はいたしているわけであります。  したがいまして、かつての私の就任前と今とを比べてみますと、職員が例えば6月、9月、12月、2月、こうした議会がある月での残業時間というのは極端に減ってきています。それをどうしているかというと、実は、平井がみんな家に持って帰っているのです。そういう資料を出してもらって、それを自分のほうで整理をして、夕べもそうですけれども、真夜中過ぎまで、実はそうしたものを拝見しながら、明日、では、こういうような論戦をするのかなということでこの場に臨んでいるわけであります。
     これを実は15年やってきて、定着もしてきて、皆さんも大分仕事が楽になったはずでありますが、最近はちょっと心配も出てきたのですね。このシステムは本当に議会の皆さんに感謝しているのですけれども、何日か前に皆さんがどういうことを質問するぞという予告をしてもらうことが大事で、その後の手続を申しますと、職員からこういうようなことという資料が来ます。私のほうでそれを一旦見て、それで、実は申し訳ないのですけれども、15年もやっていますから、大抵のことは平井のほうがよく知っているのですね。それで、これはこういうことではないのかということをやり取りをする。それから、これはもうちょっと調べたほうがいいよとか、これは、では、もうちょっと詳しく教えてください。こういうことを1回言って、それが戻ります。それがもう一回平井に戻ってくるのですね、宿題の答えというのが。これ以上は何も求めない。これが鳥取県のやり方なものですから、大変に省力化をされているということなのですね。  ただ、これをやると、皆さんと私の議論はそれなりにかみ合いますし、県政も前に進みます。ですから、私はこれでいいと思うのですが、自分自身いつまでこれを続けるかというふうにこの仕事に対する疑問もないわけではございませんで、自分がいなくなった後、とんでもないことになりはしないかなと。結局県庁の中で政策立案能力がなくなってしまうとまずかろうと。  それで、この間も、例えば川部議員のようないろいろと大所高所のお話があります。そういうのを例えばぺらぺらの1枚の紙で解決できるはずがないわけですね。では、これについては、例えば海外ではこんなことをやっているよとか、こういうような過去の沿革がありますよとか、法律制度はこうなっていますよとか、そういうことを調べてくる必要があるわけですね。それで、職員にも議論に疑似的に参加してもらうことが大切だと思っているのです。  そういう意味で、職員の皆さんにもそうしたうんちく等について、やはりちゃんと調べるべきだよと。正直半分以上は自分は分かっていますけれども、わざと宿題を出すということもあります。それで皆さんに出してもらっているわけです。  投書にもあったので非常に違和感があったのですが、そこで何かここで披瀝することのためにというふうになっていますけれども、皆さんも分かると思うのですが、ここは民主主義の言わば土俵なわけですね。ここでお互いに心を込めてお互いの心を変えさせるぐらいのやり取りということをやるわけです。その場合にいろいろと話のバックグラウンドというものをお互いに持ってやるものでありまして、これを否定するというのは、何ぼ何でも県庁の職員は民主主義を無視するのではないかなというふうにも思えるような投書でもありました。  むしろ、市谷議員も含めて、私たちは、そうした自由闊達な議論ができる環境というのも、やはりいろいろと工夫してやっていかないといけないのだと思うのです。皆さんも他の都道府県に行っていただいて、そこの議会の様子を聞かれることもあると思いますが、異常なぐらいうちは真面目に民主主義をやっているし、地方自治をやっている県だと思います。この議場も、ある意味、皆さんも楽しまれるところもあると思うのですが、それだけ通り一遍でない、原稿を読んで、お互いに読み合って終わるという、そういう形式的な議会にしていないということでありまして、これにはやはり職員の皆さんにも御協力をいただきたいというふうに思います。  また、技術系職員が離職しているということのお話がありますが、必ずしもそうではないと思っています。例えば、保健所ができて、鳥取市のほうにごっそり技術系の職員が移転をするというのは当然起きてきました。その分だけ職員の数は減ったりします。また、仕事の量に応じて伸縮するということがあったりしますし、また、実は民間との取り合いでありまして、こういう議論、議場でもございましたが、特に土木系の技師については民間の給料とのせめぎ合いもありますけれども、そもそも数が足りていない。それで、民間も7倍とか9倍とかそういう倍率になっていると、そういうようなこともありまして、そこの組合せの中で職員の数というのは出てきているというふうに御理解いただきたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)木本地域づくり推進部長 ◯地域づくり推進部長(木本美喜君)安保関連3文書の撤回を求めてはどうかということにつきまして補足の答弁をさせていただきます。  今回、新たに閣議決定されました国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の安保関連3文書は、有識者会議による議論などを経て作成されたものでございまして、ロシアによるウクライナ侵略、北朝鮮のかつてない頻度の弾道ミサイルの発射、中国による東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更など、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、こうした動きの最前線に位置をする日本の安全保障、防衛政策の在り方が地域と国際社会の平和と安定に直結するものとの問題意識の下に、防衛力強化の内容、予算や財源を一体とした方針として示されたものでございます。  また、知事のほうからもございましたけれども、安全保障政策の前提といたしましては、平和国家として専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を堅持するとの基本方針は今も変わらないということも明示をされております。  その上で相手の能力と新しい戦い方、これは例えば精密な能力を持つミサイルによる大規模な攻撃でありますとか、情報戦を含みますハイブリッド戦、また、宇宙、サイバー、電磁波領域を用いた攻撃などに着目をいたしまして、これに対応し得る防衛力の抜本的強化や国全体の防衛体制の強化が必要との考え方によるものでございます。  この防衛力強化に係る財源につきましては、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金の創設、税制措置等、歳出歳入両面において所要の措置を講じるとされておりまして、この財源確保のための法整備といたしまして、外国為替資金など、特別会計から一般会計への繰入れについての特例措置を定めることでありますとか、確保された税外収入等を計画的、安定的に防衛力整備に充てるための新たな資金といたしまして、防衛力強化資金を設置することなどを規定いたしますいわゆる防衛力財源確保特措法案が今国会に提出をされておりまして、現在衆議院で審議をしておられるところでございます。この法案審議でありますとか、毎年度の予算審議の過程で国防全体の内容でありますとか、その財源について議論が進むものと考えております。  また、令和5年度の税制改正の大綱におきましては、新たな課税等について盛り込まれておりますけれども、これについては令和6年以降の適切な時期から複数年かけて段階的に実施するとされておりまして、引き続き検討がされるところでございます。  防衛に関する事項は、国の専権事項でございますので、国会においてしっかりと議論をされるべきものと考えておりまして、県として安保関連3文書の撤回を求める考えはございません。 ◯副議長(広谷直樹君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)原子力政策の閣議決定の撤回について補足の答弁をさせていただきます。  政府が2月10日に閣議決定しましたグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXでございますが、その実現に向けた基本方針におきまして、原子力については脱炭素化と電力の安定供給の両立に資する観点から、60年超運転の限定的運用による運転期間の延長、それから、廃炉が決定した炉に限っての次世代革新炉への建て替えとリプレース等が記載されているところでございます。  このGXの基本方針につきましては、再生可能エネルギーの主力電源化を進めつつ、原発については安全性を最優先に原子力規制委員会の安全審査に合格し、かつ、地元の理解を得た原発の再稼働を進めるとしております。これにより、現在60基あった我が国の原発につきましては、24基の廃炉が決定し、縮小が進んでいるところでございます。  原発期間の運転延長につきましては、現行制度、これは原則40年、延長20年という制度でございますが、これを堅持した上で、原子力規制委員会の厳格な安全審査を前提に一定の停止期間、例えば審査期間ですね。それに限り追加的な延長を認めるもので、原子力委員会で多数決により決定されたものでございます。  原子力政策をめぐるプロセスは途中にございまして、GXの基本方針を盛り込んだ2つの法案が、GX推進法、それから、GX脱炭素電源法は、今国会に提出されておりまして、今後法案審議が本格化すると思われます。  国においては、安全を第一義として、国会での徹底的な議論、国民への十分な説明と双方向コミュニケーションによる合意形成といったプロセスを丁寧に踏むことが重要だと思っております。  我々周辺地域の関心は、何より原発の安全性、国が原発の安全性を技術的、専門的にどう確保するかといった点に注目し、国会での議論、それから、原子力委員会での規制制度の検討、これらについて注視していきたいと思います。  また、県におきましては、島根原発2号機の新規制基準合格に際しましては、安全を第一義として、新規制基準に係る安全対策を進めることについて前提条件付で了解したところでございます。  今後は、再稼働までの各種規制手続の段階において一つ一つ説明を受けて、必要な意見を提出してまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)西尾新型コロナウイルス感染症対策本部事務局長 ◯新型コロナウイルス感染症対策本部事務局長(西尾浩一君)新型コロナ第八波の評価について補足の答弁をさせていただきます。  第八波におきましては、オミクロン株の複数の亜系統が侵入いたしまして、感染が広がる速度が非常に早まりました。この結果、複数の都道府県では、過去最多の新規陽性者数となり、1日当たりの死亡者数につきましても、1月14日には過去最多の503名というものが確認されたところでございます。  本県におきましても、1月6日に過去最高の1,795名の新規陽性者数となりましたし、死亡者数につきましても、この期間中179名ということでございまして、これも70歳以上の方が9割を占めているという状況でございました。  先ほど、知事から、検査件数について御発言がございましたけれども、具体の数字を申し上げますと、第八波の期間中の検査件数といたしまして、本県では38万件余りの検査を行っております。これは人口10万人当たりにいたしますと、7万557件ということになります。これを全国の平均で見てみますと、1万7,946件ということでありますし、首都圏を見ますと、東京都では1万5,000件、神奈川で1万件余り、千葉でも1万4,000件余りということで、非常に本県では検査を丹念にやったということが言えると思います。  それで、この第八波がほかの波と比べてどうだったかということでありますが、令和3年6月から12月の第五波と比較いたしますと、新規の感染者数では63倍、これのうち70歳以上は128倍ということで、年代別の割合でも非常に高まっております。こういった高齢者の感染者数の増大というものが死亡者数に影響していることは間違いないと思います。  一方、19歳未満も87倍ということで非常に増えておりますが、小児につきましては大半が軽症者でございまして、重症化や死亡につながる事例は本県では確認されておりません。  こういった状況を踏まえまして、本県では、機動的なコロナ病床の確保ですとか、あるいは流用体制の構築、コロナの治療薬の早期投与、高齢者施設の感染拡大防止などの強化に注力してきたところでございます。 ◯副議長(広谷直樹君)松田総務部長 ◯総務部長(松田繁君)インボイス制度の関係、それから、住民監査請求の関係、それから、投書に関する関係の御質問についての補足の答弁をさせていただきます。  まず、インボイス制度に関連しまして、免税事業者数についてのお尋ねがございました。  消費税率引上げの国会審議の中で、平成31年に国が示しました全国の課税事業者数は317万者で、免税事業者の推計数は488万者でございます。これらの数値から、免税事業者の率を算出いたしますと、事業者全体の約6割ということになります。なお、都道府県別の数字については示されていないという状況でございます。  本県には、これまで、国に対しまして、このインボイス制度の円滑な導入に向けて、実情を踏まえた対策を講じるように令和元年度以降、繰り返し提案や要望活動を実施してきたところでございまして、その結果、従前から講じられておりました免税事業者からの一定の仕入れ税額控除を可能とする措置に加えまして、令和5年度の税制改正では、中小事業者の納税負担や事務負担の軽減を図るための措置が盛り込まれたところでございます。  次に、住民監査請求についてでございます。これは平井知事の著書「鳥取力 新型コロナに挑む小さな県の奮闘」に関する住民監査請求でございますが、これは令和4年の12月28日に地方自治法第242条第1項に基づきまして、監査委員に提出をされたものでございます。  この監査請求では、職員に原稿等の確認を指示し、県の業務を妨害し損害を与えたとして、知事に損害賠償請求をすべきであるということとされておりますが、監査委員は、これは法定要件を具備していないとして、請求者に対し補正を求められました。  具体的には、誰がいつ行った財務会計行為を監査請求の対象としているのか、また、その行為によりどのような損害が発生しているのか等について示すように監査委員から求められたものでございます。  これに対し、請求者は、令和3年1月から2月の間に職員に行わせた著書の記載内容の確認作業等を対象としていること。また、支給された給与や電気代等が県の損害となっている等の回答を行っているところでございます。  これらの請求者の回答を踏まえまして、監査委員におきまして、この請求者は住民監査請求の対象たる財務会計行為を摘示しているとは認められず、また、損害に対する損害賠償請求権といった具体的な債権として県が有していると摘示しているとは認められないとして、令和5年の1月31日に却下をされたというものでございます。  次に、投書に関連しての御質問でございます。まず、議会関係の資料作成などの業務で職員の負担が増えているというところでございますが、これは、知事からもございましたように、平井知事就任後、この作成業務が抜本的に見直しをされて、職員の負担は大幅に軽減をされております。具体的に、例えば現在の答弁資料でございますけれども、ポイントを端的に記載した1枚のみということでございます。前は答弁だけでも何枚もございましたし、それに参考資料ということで分厚い資料となっていたというような状況もございますし、さらにその前は、読み上げ原稿方式で、かなり答え自体がすごく長いというような時代もございました。さらに勉強会等もごく短時間で必要最小限の職員で対応するというような形となっております。  また、資料作成につきましても、先ほど知事からもございましたけれども、質問に関する過去の経緯であったり、あるいは他県の状況や専門家の意見、また、外国の先進事例などを把握するということは当然に必要なことでもございますし、また、この資料作成をきっかけに改めてまた過去の経緯などを調べたり、また、把握するということで、その当該業務のその後の適正な執行でありましたり、また、政策立案能力向上にもつながるものであると考えております。  また、職員の離職で市町村等に職員が流出しているというような投書もございましたけれども、土木職などの技術者につきましては、自治体に限らず、民間を含めて人手不足の状況が続いておりまして、これは鳥取県に限らず全国的な問題であると考えております。  また、自己都合退職者の離職理由は様々でございまして、例えば転勤がないとかいう理由で市町村へ転職をするという職員もおりますけれども、逆に鳥取県職員としての公務のやりがいを求めてほかの自治体等から転職をして来られる方も毎年一定数ございます。この令和5年4月の採用予定者のうち、ほかの自治体からの転職者は一応5名ということになっております。こういうことで、職員が一方的に他の自治体へ流出しているという状況ではございません。  以上のように、この投書についての議員の御指摘につきましては、これはいずれも事実ではないということを申し上げておきたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)荒田雇用人材局長 ◯雇用人材局長(荒田すみ子君)内部留保への課税による賃上げにつきまして、補足の答弁をさせていただきます。  先ほど知事の答弁でもございましたように、今年の春闘では賃上げの必要性を労使ともに共有をいたしまして、協調路線で賃上げの方向に進んでいるものと認識をしております。  中小企業の賃上げへの支援ということですが、一過性の支援では賃金水準を維持することも難しいと考えますし、やはり必要なことは、企業間取引から消費者への販売価格までの各段階における価格転嫁、そして企業の生産性向上というふうに考えておりまして、こうしたことにより企業の収益力が向上をし、従業員の賃上げが実現するという、しっかりとした好循環をつくることが重要と考えております。  県におきましては、企業間取引の価格適正化につきまして、パートナーシップ構築宣言やホワイト物流の普及促進などにより支援をしておりますし、また、賃上げを行った事業者の生産向上等に関します環境整備についても、賃金アップ環境整備応援補助金などによりまして支援を行っております。  なお、内部留保への課税につきましては、国会でも議論をされているものと承知しております。知事の答弁にもございましたように、国で十分な議論が尽くされるべき課題と考えておりますので、県として内部留保への課税を求めることは考えておりません。 ◯副議長(広谷直樹君)岡垣畜産振興局長 ◯畜産振興局長(岡垣敏生君)飼料代高騰対策について、補足の答弁をさせていただきます。  鳥取県では、議会の皆様の議論と同意を得まして、令和4年、昨年5月、そして9月の補正予算で飼料代の一部を支援することとなりました。そしてその支援ですが、多くの農家の皆様から、乳代から餌代や経費が引かれると手取りがほとんど残らないのだけれども、県や市町、そして大乳からの支援によって生活ができているという声をいただいているところでございます。  そのため、鳥取県内では飼料高を直接的な原因とします経営難による酪農家の廃業というのは1件も発生していないところでございます。  そして、令和4年11月1日、昨年の11月1日から飲用乳価が1キロ当たり10円値上がりました。そして、今年の4月1日からは加工用乳価が1キロ当たり10円値上がるということになっております。ただ、赤字解消のためにはまだまだ、飲用乳価で20円ほどやはり値上げをすることが必要というふうになっております。ただ、この令和5年度内に再び乳価を上げる必要があるということで、今、生産者団体と乳業メーカーが交渉中であるというふうにお伺いしているところでございます。  令和5年の当初予算につきましては、骨格予算でございますが、最新の飼料価格を反映いたしまして、1日当たり補助上限額を2,300円から2,578円に引き上げました。そして、その上、乳価の値上げ分を反映すれば、令和4年度並みの支援内容になると考えております。  いずれにいたしましても、本県は酪農家の経営を守るために他県よりも踏み込んだ支援をしております。今後の乳価交渉の進み具合を見守りながら、今後の状況の推移を注視してまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)中西福祉保健部長 ◯福祉保健部長(中西眞治君)精神障害者の診断書取得費の助成について、補足の答弁を申し上げます。  精神障害のある方が自立支援医療を受ける場合や手帳を取得する場合などは、医療機関による診断書の提出が必要となっております。制度ごとにいろいろと異なりますけれども、例えば、精神保健福祉手帳は有効期限が2年でございますけれども、その2年ごとに更新手続が必要となってまいります。  一方、身体障害者につきましては、心臓機能障害のペースメーカーの埋め込みなど、障害程度の軽減が予測される場合には有効期限が設定される場合もございますけれども、原則、有効期限がございません。  こういったことで診断書の提出頻度に差異がございますけれども、精神障害は身体障害等と異なりまして、症状や状態が固定的ではなく、その方の心身状態や状況により変化する側面がございまして、一定期間ごとに状態を確認する必要があるため、法令や国の通知などにより、このような取扱いが定められているものでございます。それぞれの障害の対応等を勘案して、国において全体の枠組みを決められているものでございますので、精神障害者のみに診断書の取得費用を助成することは慎重に考えるべきと認識しております。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)市谷議員の一般質問にお答え申し上げます。  子育て、教育支援ということで、高校生のタブレット購入費の補助についての御質問をいただきました。  今年度入学生から、高校でも国の方針に沿ってGIGAスクール構想がスタートしましたが、残念ながら国の方針は小・中、業務教育と違って、財政措置が全く国からないという中でスタートしたところであり、全国が本当にどうするのだということで、様々、議論なり検討なりを重ねてきたところでございます。  本県でももちろん導入前からどうすべきかを十分検討しましたが、高校在学中の一過性のものではなくて、卒業後にも生かせるように、そしてさらに将来のデジタル社会の貢献できるような人材育成にもつながるようにということ、そしてまた、学校だけでなく家庭でも自分のものとして自由に使える、そういう長い目で見たときに、個人購入のほうがいいのではないかという形で結論づけたところでございます。  ただ、その後、このコロナ禍、さらには物価高高騰の波の中で、議員のほうからも御指摘のある、本当に家庭において経済的な困窮、また困難さが発生していることについては非常に認識をしておりますし、私のほうにも新日本婦人の会鳥取県本部会長さんのほうからも同様の要望をいただいているところであり、本当にこれは注視すべき、考えなければいけないところがあるなと思っております。  購入がなかなか経済的に困難な御家庭には、卒業まで無償で同じ機種を貸与するような制度を設けたり、Wi-Fi設備を無償貸与したりというふうな取組とともに、学校のほうでは、高校では、教育活動費として学校徴収金等を集めますが、この辺の見直しをして、例えば3万円幾らする電子辞書をやめる、あるいはほかの書籍をやめる、そういうふうな取組でこの軽減が図れるようにというふうな取組を進めていたり、また、県のほうとしても一括して見積りを複数業者から取ることで価格を他県よりも随分安く落として、機能は十分生かせるような形のものを購入していただくような工夫、対応をしているところでございます。  そういう流れで、県として、現時点で補助は考えておりませんが、このことについては知事会のほうも、また鳥取県としても、さらには全国教育長協議会としても、国のほうには国が財政措置をきちんとすべきという要望をこれまでも出してきております。ぜひ今後もこうした小・中・高とつながっていくこのGIGAスクール構想の並び、デジタル社会の構成員としての人材育成を目指した国の財政措置をしっかり強く求めてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)6番市谷議員 ◯6番(市谷知子君)安保3文書の閣議決定の撤回は、いろいろおっしゃったのですけれども、結局求めないと、国の専権事項なのだからとおっしゃるわけですが、これ人ごとではないのですね。資料1ですけれども、この3文書の防衛力整備計画ですが、トマホーク、今400発という話も出ています。それから、極超音速ミサイル、その一番下に空中給油機KC-46A等13機とあります。このKC-46Aは、国内配備は美保基地だけで、唯一、アメリカの戦闘機オスプレイにも給油可能で、アメリカが先制攻撃の戦争に使えば、日本が、鳥取県が報復を受けかねません。  そこで、これまで鳥取県が聞いている配備計画6機なのですが、今後これがどこに何機増えるか聞いておられるでしょうか。勝手に鳥取県にこういうものを押しつけないということも併せて言っていただきたいと思いますが、いかがですか。  原発回帰なのですけれども、これもいろいろおっしゃいましたが、安全第一だとおっしゃりながら、これだけ古い原発を使おうかというものを国の協議を待つと、平井知事は閣議決定の撤回を求めないということで言われました。政府の原発回帰に賛成なのかなというふうにも思いました。なぜ原発は期限40年にしていたのか、それは、原発の重要部分の多くは運転40年で設計をされ、原子炉の圧力容器の壁は停止中でも中性子の照射で脆化し、長くなるほど危険だからです。島根原発2号機は今年で運転開始34年、本来、残り6年です。  そこでちょっとお尋ねしますが、知事は5年前に実施された原子炉劣化の評価を確認してから再稼働関係の了承の返事をされたのか、お尋ねしたいと思いますし。それから、今こういうふうに政府が前提を変えてきているわけですから、一旦その再稼働の了承の返事について、これは撤回していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  コロナ第八波の評価については、本当にさっきから数や率のことを一生懸命答弁されるのですけれども、結局、高齢者や基礎疾患のある方がたくさん犠牲になったということをきちんと見ないといけないと私は思います。  資料2です。第八波の死亡者は、お話ありました、最大の178名、さらにこの後増えています。コロナ陽性者の救急搬送は、令和3年より令和4年は約7倍の1,161人。全数把握をやめて、重症化リスクの低い方はコンタクトセンターに自主登録、自宅療養した9月以降、コロナの救急搬送が倍増しているのです。しかも、救急搬送後、初めてコロナと分かった死亡者が13名もあったと聞いています。福浜議員、ありがとうございます。  この第八波、よく医療逼迫が防げたのだということを知事はおっしゃるのですけれども、さっき言いましたように、この自主登録に自宅療養、発見の遅れ、重症化、命が犠牲になったのではないかと私と推察します。この医療体制の改善なしに5類の引下げは大変危険だと思います。  先日、常任委員会で鳥取県立中央病院の廣岡院長が、年末年始に患者が急増し、基礎疾患を持つ人が命に関わる事態となり、また、後方支援病院も患者の受入れができなくなった。5類になったからといってコロナが消滅するわけではない。引き続き感染対策や検査が必要。また、鳥取県立厚生病院の皆川院長は、中部は後方支援病院がなく、鳥取県立厚生病院が今後も1フロア、コロナ病棟を確保する覚悟だとおっしゃいました。コロナ医療は縮小ではなく、充実こそ必要だと私は思います。  そこでお尋ねします。病院や社会福祉施設の無料のPCR検査、3月末までだとしていますが、早期発見できず院内感染の拡大が懸念されます。無料検査を継続すること。  また、県は、どの病院でも外来診療できるのだと言われますが、発熱外来の診療報酬の加算がなくなれば、受入れが難しくなります。加算を継続すること。  また、県は、病院内で発生したら、コロナの協力病院でなくても、当該病院に留め置くように指示していますけれども、病床確保料はコロナ患者の2倍までしか出ませんから、全て休床補償されないので、減収が大きくて患者さんの受入れが難しい、こういう声を聞きます。病床確保料を継続し充実をさせること。  また、県は、5類への移行を待たずにクラスター対策を停止し、資料3です、社会福祉施設や病院の感染報告は1名以上から5名以上に緩和して、もう指導もしない、こういうことが書いてあります。これ、感染拡大して犠牲が出ませんでしょうか。  また、県は、施設内感染者も当該施設に留め置くように指示していますけれども、他県では部屋を分けずにカーテンの仕切りで対応して、入所者が感染し死亡した例があります。部屋を分離しようにも、施設には空床補償はないのです。病院への入院を促すとか、施設に適切な報酬を出すこと。  また、患者の医療費負担は5類となり、無料から3割負担になった場合、外来や治療薬のレムデシビルやモルヌピラビルの自己負担額、一体幾らになるのでしょうか。以上、知事にお尋ねします。  次に、インボイス制度……。 ◯副議長(広谷直樹君)市谷議員、残り時間が少なくなりましたので、ここで質問を止めていただいて、答弁を求めたいと思いますので。 ◯6番(市谷知子君)ちょっと言わせていただきたいのですけれども。 ◯副議長(広谷直樹君)残り時間がありませんので。 ◯6番(市谷知子君)はい。ちょっと言わせてください。 ◯副議長(広谷直樹君)質問ですか。 ◯6番(市谷知子君)はい。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めますので。  答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)市谷議員の重ねての質問にお答えを申し上げます。
     まず、KC-46Aにつきましては、地域振興部長のほうからお答えを申し上げます。  また、原発の関係につきましては、これは危機管理局長のほうからお答えを申し上げますが、原発回帰をやると私は先ほど一言も言っていません。基本的に従来のスタンスを変えるものではなく、緩やかなエネルギー革命を起こすという意味で、今も例えば境港でバイオマス発電の動きがありますけれども、こういうような形を大きくはやっていくのだろうと。あと、私どもの県民の最大の関心はやはり安全だと思いますので、その地元の安全につきまして、しっかりと国やあるいは中電と協議をしていくという立場でございます。  新型コロナの第八波につきまして、何点かお尋ねがございました。  これにつきましては、新型コロナウイルス感染症本部事務局長の西尾のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、5月8日以降も感染は続くわけでありますので、これからはやはり、病院の医療提供体制をどういうふうにするのか、それが図られるバックグラウンドづくりが重要です。政府のほうには我々知事会を通しても同じ要望をしておりますけれども、やはり診療報酬の問題だとか、あるいは病床確保に係る一定の制度の継続であるとか、そうしたことなどをしっかりとやっていく必要があるのだろうと思います。  そうしたことなどをこれから、まずは3月13日にマスクの件で一つの節目がある、それから5月8日に新しく5類のほうに移行をすると。ただ、これ段階的にやりながらも、感染がなくなるわけではないということを念頭に置きながらの対策が継続して求められていると考えておりまして、今、病院の医師会のほうともいろいろと調査をさせていただいているところでございまして、そういう鳥取県独自の安全の確保策というのを考えていく所存でございます。  最後にインボイスにつきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、総務部長からお答え申し……(「インボイスはないです」と呼ぶ者あり)インボイスはないですか。では、最後ちょっと聞き間違ったかもしれません。 ◯副議長(広谷直樹君)木本地域づくり推進部長 ◯地域づくり推進部長(木本美喜君)KC-46A等の配備計画について答弁をさせていただきます。  美保基地への配備を決定しております空中給油輸送機は、昨年、配備のほうを了承いたしました6機でございまして、既に2機が納入されておりますので、今後は令和5年度に2機、令和6年度に2機の4機が予定をされております。なお、この4機は、前の中期防衛力整備計画に基づくものでございます。  このたびの防衛力整備計画におきましては、今後5年間で整備される主要装備の数量として空中給油輸送機KC-46A等を13機整備するとされておりますけれども、その配備基地につきましては明記はございません。昨年12月に防衛力整備計画が公表されて以降、この13機の中に美保基地への配備があるのかどうか、中国四国防衛局に説明を求めておりますけれども、現時点では未定とお聞きをしております。配備基地に関する動きがあれば、まずは速やかに情報提供をお願いしているところでございます。これまで、県と中国四国防衛局との間では、美保基地の運用に変更が生じる場合には、速やかな情報提供や事前協議等を適切に行う旨の取決めを行っておりまして、新機種の航空機を配備する場合のみならず、配備機数を増やす場合にも事前に協議をしていただけるものと考えております。  仮に今後、美保基地への空中給油移送機をはじめ航空機の追加配備の協議がございました場合には、防衛局に対しまして丁寧に説明をしていただくよう求めてまいりますし、県としても増機の必要性、訓練飛行の頻度、騒音に関すること、安全対策の状況など、地域の安全・安心が確保されるか、また、基地周辺の住民の皆さんの生活影響が課題とならないかなどにつきましてしっかりと確認し、境港、米子市の意見を確認、また、議会への御報告、御相談など手順を踏みながら、地元が必要と考える対応を国に求めてまいりたいと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)原子炉の高経年化と再稼働について、補足の答弁をさせていただきます。  現在、議員の御指摘のありましたことにつきましては、高経年化として保安規定の変更の認可申請がされておるところでございまして、現在、申請基準で追加された機器、それから耐震評価の反映も必要なことから、現在審査中でございます。  一般的に原発につきましては、プラントの安全と安定運転を確保するために、定期事業者検査や日々の保全活動を行いまして、最新知見や国内外で発生した事故、故障の再発防止対策を反映させまして、必要な機能や性能を維持できるように、予防的に設備や機器の取替えが行われております。しかしながら、一般的に機器の材料は時間とともに劣化するため、通常の保全活動に加えまして、経年劣化の兆候を早期に検知いたしまして必要な措置を行うことで事故、故障を未然に防止する経年劣化の管理が法令で義務づけられているところでございます。  この経年劣化の管理については、追加の高経年化の観点から、耐震安全性評価を含めた技術評価として行われ、運転開始後30年以降、10年ごとに事業者が安全機能を有する全ての機器、構造物について中性子の照射脆化等に着目して、劣化の現状等、劣化予測等による健全性評価を高経年化技術評価として取りまとめ、その評価結果に基づいて長期施設管理方針を取りまとめて、保安規定に記載して申請し認可されることが必要で、事業者はこの保安規定に基づいて追加された保全活動を行い、国のほうは原子炉規制検査で厳格に確認することになります。  なお、保安規定につきましても、先ほど述べましたように、島根原発の申請基準合格につきまして、そのときに安全を第一義として、安全新規制基準に係る安全対策を進めることについて、前提つき条件で了解したところでございますので、今後は、再稼働までのこの保安規定の手続等についても一つ一つ説明を受けて、意見を提出していく予定にしております。 ◯副議長(広谷直樹君)西尾新型コロナウイルス感染症対策本部事務局長 ◯新型コロナウイルス感染症対策本部事務局長(西尾浩一君)コロナの関係で4項目について御答弁を申し上げたいと思います。  まず、外来診療に関しての加算の継続の有無でございます。  これにつきましては、国が外来医療に関する診療報酬上の特例など、そういったことを段階的な見直しを行うということはおっしゃっておりまして、その具体的な方針は今月3月上旬に示される予定でございます。今のところまだ加算が継続するかどうかというのは不明でございます。  次に、空床確保料のことについてお尋ねがございました。  この件につきましては、国のほうから11月に県と医療機関が事前協議しておくことで、コロナ病床以外の病床でコロナ陽性者の入院を継続する場合に、病床確保料の対象とするということが可能だということが示されたことを踏まえまして、本県で取扱いを始めたところでございます。これは自院での入院を継続していただくほうが、そのコロナ以外の疾患で入院されている方の転院によるような負担が軽減でき、確保病床の逼迫も回避できるというふうに判断したからでございます。現在それで合意をいただいている機関が31機関ございますので、その機関がこの取扱いによりまして事後報告によって遡ってそのゾーニングなどによって発生する休止病床の空床補償を受けられるようになったということでございます。ということでありますので、その方針決定が速やかにできるようになったというふうに歓迎の声をいただいているところでございます。  即応病床数の2倍であるということにつきましては、国が昨年1月から適応しているルールでございまして、医療機関には既に一定の理解をいただいているというふうに判断をしております。特段、不満の声を私はお聞きしておりません。  また、クラスター対策についてでございます。  このクラスター対策につきましては、実際に早期の対応が必要ということで1名からの報告を求めてきたところでございますが、これまで何回も様々な経験をされて、それぞれの施設が経験を積まれて、早期対応の重要性については御認識いただいているところでございます。ということでありまして、その初期対応に非常に負担がかかっておって、簡素化してほしいというような御要望も承ったところでございます。それでこのような形で見直しをさせていただいたというものでございます。  また、5類になった場合に、その自己負担額はどうなるのかということのお尋ねがございました。  これにつきましては、外来診療を行った場合には、その1回の外来受診に当たっては……。 ◯副議長(広谷直樹君)時間となりましたので。  暫時休憩いたします。  再開は、午後3時5分といたします。        午後2時56分休憩    ────────────────        午後3時05分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  2番山川智帆議員 ◯2番(山川智帆君)(登壇、拍手)皆様、こんにちは。山川智帆と申します。  政治とは何のためにあるのでしょう。常に自分に問いかけています。住民がやはり幸せになる仕組みをつくるため、心より信じています。先般も代表質問で森議員が、政治と幸せ、幸福をかけて代表質問がありました。知事は幸田露伴先生の幸福学を、そして教育長は禅僧的幸福論をおっしゃられました。それを聞いて、やはり幸せと人間の持つ欲というのは切っても切れない関係だなと実感しました。  マズローが言う人間の欲求には、5段階あるということで、ピラミッド形式で言われています。まずは、生理的欲求、食べること、そして次は安全の欲求、自分の自らの命を守ること、そして社会における欲求、社会においてどのグループに属するか、そしてどう承認されるか、それがあった上で、最後に自己実現ができることが言われています。あえて、今回、ここでは生理的欲求、安全欲求、どう身を守るかという観点から、2点質問に入りたいと思います。  まず、海岸浸食にですが、鳥取県は海岸整備で県の海岸は延長、長さ130キロあります。海岸線の約6割を占める砂浜です。しかし、近年、鳥取県の海岸はひどく浸食傾向にあります。砂浜がほとんどなくなっている地域もあります。国のデータでは古いものしか見当たりませんでしたが、平成4年までの13年間、過去13年間どれぐらい砂浜が浸食されたか、鳥取県の海岸は、その浸食面積全国9位、平均浸食量は全国ワースト1というデータでした。つまり、県の資産が削られているということです。近年、台風や異常気象が発生し、頻発し、この浸食が加速していると専門家は警笛を鳴らしています。住民も実感しています。県は、平成17年、鳥取沿岸の総合的な土砂管理ガイドラインを策定されました。砂が削られたら、別の場所から砂を持ってくればいい、このサンドリサイクルを中心として、これが困難だったら必要最低限の人工リーフ、構造物などの整備をするとされています。  ここで、皆生海岸、淀江漁港から境港工区まで16キロの範囲の説明をさせていただきます。  国の直轄事項と県の直轄事項があるのですが、皆生から境港の10.2キロの工事区間を取り上げます。過去の経緯を説明したいと思います。  昭和の初めに皆生温泉の市街においては源泉、薬師堂、そして清風荘、金魚亭、これらが海岸浸食によるダメージを受けました。そこで、昭和35年、全国初となる国の直轄工事として区域指定がされました。昭和46年から57年、12個のテトラポットが建設され、トンボロ現象という凹凸型の現象ができてきました。この凹凸型の現象は、平成15年においては安定水位の傾向にありました。しかし、その2年後の平成17年において、テトラポットは見た目がよろしくないという景観上の理由から、人工リーフに変更がされました。そうしましたところ、トンボロ現象は消失し、著しい掘りが生じています。  テトラポットと人工リーフと申しましたが、いずれも波を消す効果があるものです。テトラポットの特徴は、昭和24年、フランスのネールピック社が発売され、モロッコの火力発電所の護岸工事に用いられたものです。語源は、4本の足から成っていて、日本においては昭和30年度に普及しました。  人工リーフにおいてですが、海岸に見えたらいけないということで、海岸に並行して捨て石を積んで海岸の表面上に見えないように幅広にフラットに表示して、海から見えないものになされました。  ここでパネルにおいて説明させていただきます。まず、ビフォーとアフターという形でお手持ちの資料にもありますが、最初改良前ということですが、こちら左手がテトラポットのものです。こちらが改良されたものが人工リーフのものです。これを皆生に住んでいる人は大体もう、小さいときから海水浴が子供の遊びだったのですけれども、ここのテトラポットまで行ったら、泳げない人もカニを捕ったり、テトラポットの上に乗って磯釣りができたりしていたものです。海は途中までは浅かったのですけれども、途中いきなり深くなる感じです。  こちらのアフターなのですが、人工リーフなのですが、このフラットで海の表面から見えない状況になっているのですけれども、こちらになると全体的に浅瀬になっていまして、浅瀬になっているので深くはないのですけれども、その代わりもうこのトンボロ現象、この凹凸型の現象が全部消えて大体なくなってきまして、テトラポットまでは渡れない状況になってきまして、そして同じに砂も削られる率も高くなっている現状なのです。  もう1枚の資料で説明させていただくのですけれども、まず皆生の華水亭と天水の間のところに海に渡る階段があるのですけれども、皆生では砂をサンドリサイクルで、砂が削られたとしても、そんなにそこまでないから、緊急的にサンドリサイクルというのをやらせてもらっているよということなのですけれども、今年の1月に降った大雪の後に撮った写真なのですけれども、こちらは階段からもう転落してしまう状況です。砂がえぐられ、天端まで砂がえぐられる状況になっています。皆生、あまりないよというふうに言われるのですけれども、半年前に、ちょうど令和4年9月、台風14号がありまして、こちらでも緊急要請、砂を日吉津から持ってくるという事業をやった半年後にこの大雪でなっている、緊急的ではない、年に2回も起きる状況になっているのが現状です。  そこでお聞きします。これまでの経緯と事業評価についての認識をお聞かせください。  続きまして、コロナ禍の葬儀についてお伺いします。  コロナ禍において、コロナで亡くなられた方にお見舞い申し上げます。コロナのときの葬儀とコロナではないときの葬儀というのはどう違うか、皆さん、御存じでしょうか。コロナになったら、24時間以内に火葬しないといけないです。体から出る体液というのは、やはりそれに詰め物をして、二重で袋がかけられて、お骨を取る収骨するのも人数制限があったり、実際、遺族は本当に十分な最期のお別れができないという声を聞きました。やはり大切な、皆さん大切な人との、気持ちの整理がつくためには、悔いあるお別れをすればするほど悲しみを長引かせるということで、国も厚労省が1月の初めに遺体の搬送や葬儀に関する制限を緩和しました。この国の緩和制限を受けた鳥取県内の現状についてお伺いします。  お見送り状況はどうなっているのか、関係者といっても医療関係者、そして葬儀屋さん、火葬場、広域組合だったり、その関係者との協議状況はどうなっているのか、壇上でお伺いします。以上です。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)山川議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、皆生海岸の整備事業についてでありますが、詳細は県土整備部長、蒲原のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、山川議員も非常に詳しくおっしゃっていただきましたので、そういう流れであるというふうに御理解いただければいいかと思うのですが。  やはり日本海というのは非常に波が荒いわけです。特に冬季の風浪被害、これはやむところがないわけでありますし、日本海側は全国的にそうですけれども、風浪被害が強まっているのではないかなとも言われます。もしかすると水位が関係しているかもしれませんし、もちろん異常気象ということもあるかもしれません。ですから、従来よりもかなり状況は厳しくなっているというのを今、現状では念頭に置かなくてはいけないのかなと思います。  ただ、遡ってみますと、おっしゃるとおり、以前、皆生海岸の中で温泉が湧いて大変ににぎわいができ始めるわけでありますが、どんどんと海岸の浸食が進んでくると。それで、金魚亭のお話もございましたけれども、非常に見るも無残な状況になりかけて、本県とあとほか2か所ぐらいあったと思いますが、国の直轄事業で海岸事業をやるということに、昭和35年に踏み出したわけであります。そういう意味で非常に由緒正しきといいますか、長い沿革のある、そういう歴史的な大事業でありますが、正直まだ終わっていないし、厄介なのは、相手は自然であります。美保湾は、ふだんは穏やかに見えるわけでありますが、時に荒波を立てて牙をむいてくると、そんなときに一気に削り取られていって、住むところすら脅かされるという状況があった。そこで、今、テトラポットのお話がありましたが、トンボリが一つの名物になるぐらい、皆生海岸の工事が進んだわけであります。  この皆生海岸の整備事業、全部で12堤ということで、できてきておるわけでありますが、そういう中で、平成14年ぐらいに地元のほうの意見がむしろあって、トンボリというのはある意味特徴的で、面白い幾何学形状ではあるのですが、本来の自然護岸とは大分違いがありますので、やはり観光地でありますから、それはいかがかということがあったのだと思います。したがいまして、華水亭のところの辺りでそうした潜堤化といいますか、人工リーフ化が進められることになったわけであります。これは国の名誉のために言えば、むしろ地元が声を上げてやっていただいたという経緯もありまして、あの当時の状況としては、そういう選択であったのだろうと思います。  また、片方で富益工区とか、あと恐らくはこれから和田の辺りも含めて、順次整備が進められていかなければ、結局どこか塞いでも、そこの空いたところが削り取られたり、それから砂が動き回りますので、境港のほうではヨットハーバーが埋まってしまうということになるわけです。ですから、常に動きを取らなければいけないわけですね。  現在の基本的なスタンスは、平成17年にガイドラインを有識者や国、それから地元なども入った形でつくり、基本はサンドリサイクルでやろうということになっています。サンドリサイクルで間に合わないところはハード事業をやると。これはある意味リーズナブルなお話でもあるのかもしれません。特に事業費のことを考えますと、護岸堤を造るというのは結構な事業費がかかりますし、また自然との関係でいえば、自然をある意味形状変更していくということになる面もありまして、そういう意味で慎重さというのは一定程度求められるのかなと思いますが、平成17年にはそういうガイドラインをつくられたということでございました。  しかるに、我々も同じ状況を目の当たりにしていますが、台風で、あるいは雪の後だとか、つまり大きな波が来たわけですね。そういうときにかなり大きな浸食が起こっているという現状があります。これは皆生にとどまらず、全県的にもあって、本当に悩ましい我々の課題です。例えば岩美のほうの東浜だとか、美しい砂浜でありますけれども、そういうところが、浦富やらいろいろございますが、結局どんどんと取られてしまうと海水浴もできなくなれば、道にも迫ってきます。そこで、最初は護岸堤とかいうことをやっていました。しかし、それもまた形状的にどうなのかなということもあって、砂丘の辺りもそうですが、サンドバッグを埋めるという新しい手法を取ったりもしました。ただこれもなかなか試行錯誤です。最近記憶に新しいのは、国道9号のところ、浜村温泉のところがやはりあっという間に削られてしまいまして、しばらく国道9号の通行不能ということにもなりました。ですから、この山陰に住まいする以上、この波との闘いは終わることがないわけであります。  そういう意味で、今、いろんな試行錯誤の一環だと思うのですが、皆生方面においてはこういう護岸堤やあるいは潜堤の人工リーフ、こういうものができてきて、以前よりは大分進化したと思います。ただ、正直に申し上げて、平成17年のガイドラインの合意自体がどこまで正しいのかということも含めて、やはり相手が自然ですから、自然の前にこうなったということを最大の証拠として、私たちは事業について、やはり国と地元と一緒になって考えていかなければならないのではないかと思います。  2つ目に、新型コロナにつきましてお尋ねがございました。  みとりの問題というのは非常に難しいし、身につまされるものでもあります。正直申し上げて、最近の新型コロナの状況を見ても、感染される方が大変御高齢だったり、基礎疾患が進んでいる方ばかりになったということもあるのでしょうが、そういう意味で、病院に入れるよりも、家でみとりたいという人も少なくないのですね。最期をどういうふうな形でお別れをするのかというのは非常に重要であり、かつての武漢株から今のオミクロンに替わる中で、みとりの形態というのも変わってくるのだろうと思います。  そういう意味で、1月に入りまして、1月8日だったかと思いますが、国のほうで方針変更をされました。これはかねてそういう課題が指摘されていた中で、片方でオミクロン株の重症化率のことだとか、対応の変化が可能ではないかというのが背景にはあるのだろうと思います。やり方を変えて、それまでは納体袋に入れるという、ある意味簡単に隔離措置ができるやり方ではありますけれども、もっとも御遺族や多分旅立たれる御本人にとりましても寂しい形なのだろうと思うのです。それは取らなくてもいいよと、「おくりびと」という映画にも出てきましたが、通常、最後に納棺師がいろいろと体の世話をします。通常、病院ですと病院のスタッフが結構される、慣れたものです。そのときに例えば鼻の穴とか、要はウイルスが出そうなところをきちんと閉じていくと、そういうような措置ができていれば、納体袋というのは不要ですというようなことを基本とする方針変更がなされました。  ただ、これを実際に適用するに当たりまして、議員も今おっしゃいましたが、現場の葬儀屋さんだとか斎場なども含めてどういう話合いをしたかということなのですが、早速皆さんから疑問も上がりまして、そういう声を踏まえて、1月16日頃だったと思いますが、説明会といいますか話合いをするということになり、それで我々の地域のローカルルールとして決め事もさせていただき、その後は極めてスムーズに流れているのではないかと思っています。どういうようなことかというと、基本的には病院のほうでやっていただく、ただ御自宅でやるとかそういうような場合には、その葬儀屋さんだとか業者のほうでされる、そういう体の清拭と言いますけれども、拭くとかそういう作業をいろいろとやって、それで最後のお見送りのあの体制へということになります。基本的には恐らく普通はかかりつけ医さんが最後の御臨終も含めて関与されますので、そうした医院のほうでもそういうことはなさっていただくというのが通例あると伺っております。  いろいろと場面によってやはり違いはありますけれども、適切にこうしたガイドラインの変更も含めて、県内でも処置が行われ、最期の時間というものを大切にできる環境づくりについて、県としても心配りをしてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)皆生海岸のこれまでの経緯と事業評価につきましての補足の答弁をさせていただきます。  昭和35年に皆生海岸の一部が新潟県や佐賀県とともに全国で初めて直轄工事区域に指定されまして、浸食対策として人工リーフや離岸堤などの海岸保全施設整備によりおおむね安定をしているという状況でございます。工区は、東から議員の御指摘の皆生工区、それから両三柳工区、夜見工区、富益工区、和田・大篠津工区は、これは県管理区間でございます。さらにその西側に境港工区というふうに分割をして事業を進めていただいておりまして、事業評価上の予定施設は、沖合施設といたしまして離岸堤人工リーフが23基、緩傾斜護岸が720メートル、離岸堤補強が5基、施設改良が5基、サンドリサイクルが年間8,000立米から3万立米で、全体事業費272億円の事業計画を昭和35年度から令和7年度にまたがって実施をするということで、進捗率が今91%というふうに直轄事業のほうはなってございます。直轄のほうは平成29年度から富益工区で人工リーフの改良に着手されておりまして、残る2基の完成に向けて工事が進められているという状況でございまして、令和3年度の事業費でいきますと補正込みで3億3,200万円、令和4年度は4億5,400万円でございます。県は、両三柳工区の一部で県管理河川の河口が閉塞しているというところに対応して、サンドリサイクル等を同エリア内で実施をしているという状況でございます。 ◯副議長(広谷直樹君)2番山川議員 ◯2番(山川智帆君)皆生海岸事業というふうに言うと、やはり皆生だけと思うかもしれないですけれども、やはり皆生、両三柳、夜見、富益だったり工区を含むのですけれども、その総事業費の移り変わりというのを見ると、総事業費というのは、維持管理費も含んでいるのですけれども、維持管理費も砂の移動をするサンドリサイクルと人工リーフの改良などを含むのですけれども、日野川河川事務所から実際維持管理費はどれぐらいだったか出してくださいということをお願いしましたら、令和2年と3年は6億4,000万円、令和1年は4億1,000万円、平成30年は1億9,000万円ということでした。総事業費においては、昭和35年、国の直轄工事ということで着手したのですけれども、計画がまだされていなかったということで、総事業費の算定はこの時点ではされていませんでした。その以後、数年ごと、5年なり3年ごとに事業評価をされたところ、そのところでちょっと気になることがあるので確認をしたいのですけれども、平成15年においては総事業費が328億円だったのです。平成26年においては総事業費、この見直ししたときには272億円になって、要は56億円下がっているのですけれども、これって大丈夫なのでしょうか、理由な何なのでしょうか。この内訳資料を見ると、平成15年においては砂を取る施設が1基計上してあるのですけれども、平成26年においては載っていないのです。だったり、ほかの差だったりがあるのですけれども、これは大丈夫なのでしょうか、確認させてください。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)国におきまして長期的な視野に立ち、それから施設の見直しなども適宜行いながらやっているところであります。私どもも適宜、地元も含めて協議をしながら進めておりますが、先ほども申し上げましたとおり、今後のことについては、やはりもう一度見直すべきところもあれば、それは県も間に入りながら議論をしていくべきなのだろうと思うのです。最終的にはどうやって海岸浸食を止めるのか、またいろいろコストパフォーマンスのことを考えて、サンドリサイクルがなされることを基本とすることで恐らく総コストを下げようとしたのだろうと思うのですけれども、ただ本当にそうなるのかというのは、相手は自然ですし、どうも海水の水位がひょっとすると上がっていて、想定以上に削られているという状況が人工リーフの中にはあるのかもしれませんし、我々としてはある意味、さめた目でこの問題についてアプローチする必要があると思います。  詳細のその経緯につきましては、県土整備部長からお答え申し上げます。 ◯副議長(広谷直樹君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)整備計画、全体事業費の全体事業の内容の経過につきましても補足の答弁をさせていただきます。  議員御指摘の平成15年度に策定されました全体計画は、総事業費で328億円でございまして、例えば離岸堤が15基、先ほどの砂を取られる施設が1基というふうになっていた、それ以外にもあるのですけれども、令和4年度の同じ内容が離岸堤等の沖合施設が23基というふうに、事業の内容が適宜その都度その都度、見直し評価をされているという状況でございます。浸水防護やそれから浸食防止の目標につきましては、それを達成できる計画となっているというふうに伺っておりますので、その点につきましては支障がないものと承知しております。 ◯副議長(広谷直樹君)2番山川議員 ◯2番(山川智帆君)国の直轄事業なので、やはり国も国会において事業の見直しというのが必要だと思いますが、ただ審議する上で、その関係者である県に意見照会をやはりされています。令和4年9月に中国地方整備局事業評価監視委員会に諮る対応方針の作成に関わる意見照会について知事の回答があるのですけれども、概略すると、国の方針については異存ありません、事業執行に際しては附帯意見に留意して、できる限り経費縮減を図られるようお願いしますとあります。海岸浸食に対して過分にコストはかけるものではないとは思うのですけれども、ただ必要なものであれば、コストはかけるべきだと思いますし、削減すべきではないと思うので、そこら辺を踏まえて、もう一度認識をお聞かせいただけたらなと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)山川議員から重ねてお尋ねがございました。  恐らく山川議員がおっしゃっているのと、我々の回答のスタンスは大きく異ならないと思います。とにかくコストを下げろと言うつもりではございません。現実に何がリーズナブルなのかということは十分考えていただければいいですし、それとあわせて、実務としてはこの計画につきましては地元との協議をする仕組みになっていますし、先ほど申し上げました地元の協議会組織というのもございまして、ここに専門家も入り、また、国交省や我々、そして地元の関係者も入り、それで考え方を整理しながら、具体的な事業変更をするのであれば、それに関わっていくということであります。  冒頭申し上げましたとおり、今もうこの皆生海岸の事業は終わったという感じでは多分ないと思うのですね。現実にも浸食については解決していないし、今年度の波浪災害を見ても改善すべき部分があるように思います。もくろみはどうあれ、この種のことはやはり結果が全てだと思いますので、現実にその災害が防止できる状況になるというのを我々は見届けなければならず、今後も精力的に国に働きかけをしてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)2番山川議員 ◯2番(山川智帆君)先ほど今の回答があったのですけれども、やはり県としても県民としても海岸浸食を何とか防げないかという思いは一緒だと思います。先ほどの国からの諮問に対しての意見照会の回答の附帯意見なのですけれども、皆生海岸だけではなくて、日野川だったり天神川の砂防工事だったりも一緒に出されていまして、概要としては、皆生海岸においては事業推進をお願いしたい。ただ、浸食対策に対しては推進してくださいよ、人工リーフなどの効果の影響に対しては検証をお願いしたいとあるのですが、先ほど知事が言われたように、やはり結果が全てだと思うのです。そのために、結果が全てだからこそ、日野川の浸食の実態をやはり把握する必要があると思うのです。日野川河川事務所のホームページで、皆生海岸事業の事業評価において計画がなされているのですけれども、平成10年度にはサンドリサイクルが302万立方メートル、平成15年においてはサンドリサイクルが150万立方メートル、5年で半分になっています。ただ、全体目標なのか、それとも何年スパンを目途にしているかは明記していないので、平成20年から26年には、先ほど部長も言われましたが、上限が年間3万立方メートルということが記載してありました。では、計画は分かったのですが、実績はどうなのでしょうということで、日野川河川事務所にサンドリサイクルの実績を出してもらったのですけれども、令和3年においては年間3万3,000立方メートルなので、計画よりも3,000立方メートル、上限しているのです。しかし、年度によっては年間5万立方メートルを超えているときがあるのです。これの御認識はいかがでしょうか。  そして、令和2年度3月の鳥取県が公表しています、鳥取沿岸海岸保全基本計画においては、国の浸食実態調査、平成4年までの13年間分がこちらに載っていますが、平成4年度までのものしか載っていないのですね。そのときには、鳥取県は平均浸食量がワースト1、浸食面積は9位ですよということなのですけれども、現在令和5年度、平成にすると35年、30年以上たっているのですが、現状としての認識はどうなのでしょうか、お聞かせください。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)詳細につきまして、重ねて蒲原のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、今この時代時代に応じてやり方が変わってきている、最初は離岸堤でやっていたものを潜堤にしたりとかいうこともありましたし、それからサンドリサイクルを入れることでトータルコストも含めた影響を緩和できないかということもあったのですが。ただ、今、例えば、やはり砂はどうしても動くものですから、境港のほうまで実は影響しているのですね。この事業が本当に難しいのは、例えば、ここがこうやって蓋をしたとなると、今度は行き場を失った砂が別のところ行ったりということがあるわけですね。だから、その辺はやはり大きく分析をしながらやっていかないといけないということで、常時、モニタリングをして、それで話合いをするというのが多分当面の基本的な方向性ではないかと思います。  そういう意味で、技術的な委員会を設置をして、そこに県も入っていますし、それから、皆生海岸利用促進懇話会というのを地元も含めて入って、それで随時協議をしていくというやり方であります。  そういう意味で、いろいろと分析もしながら、効果があったこと、あるいは、これはちょっと見直したほうがいいことというのは柔軟に、我々は少なくとも地元としては考えてまいりたいと思いますが、詳細につきまして、その経緯や数値等、部長のほうからお答え申し上げます。 ◯副議長(広谷直樹君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)砂のリサイクルの関係について補足の答弁をさせていただきたいと思います。  先ほど議員のほうからも御指摘がありました、日野川の河口を出た砂が潮の流れに乗りまして東から西のほうへと流れていくわけですが、皆生工区ほかのそれぞれの施設の効果で海岸のほうが安定をしていると。一番下手のほうが、今一番、砂がたどり着くものが少なくなっているということで、富益工区につきましては、まさに議員がおっしゃられたように、計画上は3万立米近くの砂を毎年入れるようなペースでどうだろうかというふうに計画をされておりまして、実際それを過去10年間のデータが今お手元にあるのだと思うのですけれども、やはり2万立米から多いときには5万立米というのは御指摘がありましたが、大体そのオーダーとしては匹敵するような砂を入れて安定を保っているという状況かと承知をしております。
     こういった計画上見積もられたものが実際的にその時々の砂の手の入り方ですとか浸食のされ具合に応じて土砂の大きい少ないというのは毎年々にあるのだと思うのですけれども、大体匹敵した土砂によりまして安定が保たれているというようなことだと理解をしておりまして、当時ワーストワンだったという浸食量が、この令和4年度ベースでどうなのかというデータが正直手元にはございませんけれども、そういった過去計画で見積もった量の土砂を投入し続けて何とかキープをしているという状況から鑑みますと、鳥取県の海岸の浸食状況につきましては、なお状況としては当時と変わらなく、それなりにしっかりと対応していかなければいけない状況というふうに承知をしてございます。 ◯副議長(広谷直樹君)2番山川議員 ◯2番(山川智帆君)ちょっと正直、部長の説明はよく分からなかったのですよ。砂が結局浸食されてえぐられてしまうと、要は県の面積、県土面積が減るのです。要は国土面積が減るのです。地政学においては、日本は海に囲まれているのでシーパワーを持つ、中国だったり韓国だったりはランドパワーというふうに言われるのですけれども、日本においては海に囲まれていて、海岸線の長さは世界で6位と言われています。この県の面積、国の面積がなくなってしまうからということで、国も頑張っているのですけれども、実態調査が平成4年という古いものだと、本当、現状はどうなっているのという話で、国自体もどうなっているの、鳥取県自体もどうなっているのはもちろんなのですけれども、それが分からないと対策も何もないと思うのですね。先ほど部長の説明が分からないと言ったのは、その答えがなかったので、令和4年の数字を、新しい最新版を聞いているのではなくて、平成4年からのこの30年たった経過、一番新しいのが令和元年度ですよでもいいのですけれども、その傾向を知りたかったわけです。その回答がなかったので、後日でもいいので、資料を国からも求めていただきたいなと思います。  やはり、今、専門家も指摘していますし、誰もが分かるように、異常気象が発生しています。津波が起きないと否定できるいわれはないのです。ですから、やはり事態を把握するためにも、この間も大雪の後、現場に行ったら日野川河川事務所の方も来ていました。皆生のほうの方が言われましたからということを言われたのですけれども、皆生がテトラポットから安定的にトンボロ現象ができて、安定的に砂が留意していたけれども、人工リーフにしたために西側がえぐられてしまって、両三柳工区、そして夜見、富益工区に行って、今は県直轄の和田・大篠津もやはりもうやらないといけないのではないか、境まで行ってしまうのではないかと言われている状況なのです。  だからこそ、実態を把握していただいて、指摘したいのが、景観よりも何よりも防災・減災、防護ということのほうがやはり大事だと思うのです。そこがない限り、海から何十センチしか飛び出たらいけないみたいな形だと、やはり守ることができないと思うのですよ。なので、景観よりも防護だ、国の面積を守るのだ、県の面積を守るのだということを方針として決めていただかないといけないのではないかと思うのですけれども、そこら辺についての知事のお考えはいかがでしょうか。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて山川議員から海岸につきましてお尋ねがございました。  実は我々よく海岸事業の要請活動を国のほうにも申し上げたり、国会議員の皆さんも一緒になってやってくださることもありますが、国土を守るというのは一つのキーワードで我々も使っております。だからこそ、国も直轄事業でこの皆生海岸を取り上げていただいているのではないかと思います。  現状、先ほど部長もいろいろと申し上げましたけれども、要は、どうしようもないほどやはり波の力が結構強いのですよね。ですから、削られていく傾向にあることは変わっていない。その場所が多分、今度こっちを塞ぐと、今度は向こう側に行ったり、砂も動きますから余計なところが埋まったりということもあります。こういうことが起きていて、それが全部その昔の鉄穴流しがなくなったからだで片づけられない問題だと僕らは思っていまして、それはやはり国も直轄事業のさらなる拡大や見直しも含めて考える可能性というのは当然持っていただきたいと思っております。  そういう意味で、実はいろいろと長年にわたりまして、仕掛けは若干できていまして、技術検討委員会というのをつくっていると。ここに専門家も入って、砂の動きだとか、それから波の波力がどういうふうに影響しているかとか、これがこの形状との関係。一つよく分からないのは、人工リーフ化したことに伴った何らかの影響があるのかもしれないし、人工リーフ化して、最初は結構止まっていたのですよ、それでトンボリがなくなってということだったと思うのですけれども。ただ、あの丸いものがなくなって、いい具合に海岸が落ちついたかなとも思っていたのですが、最近の状況では、やはりこれで少しえぐられているようにも思えなくもないと。それは正直、私自身は素人ですから、なかなか科学的判断をしかねるところではあるのですけれども。ただ、そういう意味で、この技術検討委員会ですとか、あるいは地元のほうでの皆生海岸利用懇話会だとか、こういうところでやはり議論を続けていくべきなのだろうと思うのですね。  現状は全部、12基とはいえ、つながった形でできているわけではなくて、穴がどうしても開いていると、その中にはやはり小さな河川が流れているというような問題などもあるのですけれども、やはり総合的にアプローチをして考えていかないといけないのではないかなということでありまして、多分、山川議員の問題意識とこれは近いのだと思うのですが、安全ということを基本的に考えた上で、どういう解決策がいいのかというのを我々も今後も問題提起していきたいと思いますし、地元の意見も伝えていければなと思っております。  一つちょっと気になるのは、多分国は、これ実は大論争がありまして、せっかく造った離岸堤を潜堤化するという、人工リーフ化するというのをかなり寄り切るような形で地元が意見を出してやった経緯があるのです。そのことに多分、国側は若干の遠慮というか、ある意味、議論がうろちょろしたら困るなという、そういうことは多分根っこにはあるのではないかと思います。  いずれにいたしましても、過去の経緯いろいろあるとは思うのですが、さめた目で何が正しそうなのか、どうしたらよさそうなのかということで、試行錯誤にどうしてもなりますけれども、次の一手、次の一手と打っていかないといけない。多分、皆生海岸の事業はなかなか終わらないのではないかと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)2番山川議員 ◯2番(山川智帆君)知事がさめた目でやはり試行錯誤しながら、皆生海岸のことだったりをやっていきますみたいなのを言われたのですけれども、技術検討委員会だったりも何度か傍聴したことがあるのですけれども、間隔をどれぐらいにしようか、では、今度は高さを変えてみようかみたいな議論だったのですね。  ここであえて言いたいのが、やはりテトラポット、従来工法のテトラポットを、どうしても何か見た目がよろしくないということで排除されているのですけれども、従来工法とその人工リーフのすみ分けというか併用という選択肢はないのかというふうな形で思うのですね。というのが、やはりテトラポットのほうが人工リーフよりも砂の流出を防ぐ効果が高いのです。従来工法というふうに言ったのが、土木学会論文だったり皆生海岸がまとめられたものだったりを見てみますと、やはり人工リーフは波が浅瀬になる、それで穏やかな海岸においてはいいですけれども、実際、工法とかは計画とか設計が難しいですよみたいな形が書いてありまして、日本消波ブロック協会のホームページを見ていますと、テトラポットは、冒頭にも言いましたが、フランスで昭和24年に造られて、現代でいう円柱の4本の足があるのですけれども、もともとは丸い足の4本の足だったのです。しかし、いかに効果があるものかということを突き止め、現代の形になったということです。私たち素人から考えて、整形のものだと防護力って高いのではないのと思うかもしれないのですけれども、このテトラポットの4本の足というのがあると、隙間に波がぶち当たったら入って、分散して、波の力が、エネルギーが弱くなるのです。ですから、昔はテトラポットだったらこういうふうになっていましたよというふうに言ったのですけれども、入ってちょっとだと浅瀬なのですね、最初は。でもいきなり深くなるのですよ。段々にこういう形になっているのです。逆に人工リーフだと、もうずっと浅瀬なのですね。なので、砂の削られる率というのも、見た目はこれが見えなくて人工リーフのほうがよろしいかもしれないのですけれども、4本の足のテトラポット、海の場合だと大体20トンあって、1個が20万円ぐらいみたいなのですね。  なので、いかに将来に向かって、やはり効果があるものを、景観が重視だからこのテトラポットは排除してくださいよ、ほかの工法とのすみ分けということでテトラポットは排除ということではなくて、やはりあらゆる場所に対応したいろんな形がテトラポットにはあるので、その併用を検討、検証いただけたらなと思うのです。  境港のほうにも影響するのではないかというふうに言われていたのですけれども、そのとおりで、和田と大篠津を国の直轄にしてもらったらいいではないか、それもそうなのです。でも、テトラポットの工法を排除しないで、工法を検証していただくということと、この事業はいろいろ住宅だったりも回っていたら、背後の資産においては、住宅は雨水を用水路に流して、それが海に流れるように設計してありますので、砂が流れるということは河口閉塞にもつながって、雨が一定量を降ると逆流して床下浸水だったりになって、結局いろんなところに根が張っていて、この海岸浸食がいろんなところにつながっているので、やはりそのテトラポットを含めて、従来の工法との併用を検証いただけないかなと思いますが、いかがでしょうか。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)詳細につきまして、県土整備部長の蒲原のほうから重ねてお答えを申し上げたいと思います。  最近の災害の傾向として、やはり大分、豪雨があったとき、弓ヶ浜の真ん中の辺りでも水がたまって湛水したことがございました。ああいうのはやはり中小河川についての河口のところの閉塞的な状況というものが併せて起こったりすると、そうしたことが拍車をかけるわけであります。境港でも最近もそうした問題もあったりはしたのですけれども、やはりいろんな問題が実は組み合わさってつながっていまして、非常に悩ましいと。多分国交省さんも物すごく悩ましくて、僕らもそうですけれども、だからお互いに知恵を出し合って、どういう方法がいいのかなということを真摯に考えていくということだし、学者の皆さんの御意見もやはり総合していくということなのだろうと思います。  そういう意味で、テトラポットの併用的な活用というのはできるのかどうか等の課題、今日御提起いただきましたが、議場の議論というのはまたそうした場におきましても御紹介を申し上げていきたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)直轄事業で適用されています工法の関係につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  議員のほうからもパネルによって御指摘がありました。人工リーフのほうは汀線、いわゆる地上から見えるところは後退しているように見えるのですけれども、実は1.5メートルから2メートルぐらいの水面から下がったところの面積は、ビフォーとアフターでそんなに変わらない。それから、人工リーフの前浜は、議員御指摘されたように勾配が緩くなって、むしろマリンレクリエーションとしては使い勝手がいい面もあるというように評価をされている面もあるようです。さらに、冬場、このように緊急養浜をしなければいけないほど浸食される場合があるのですけれども、夏場にはそれが元のような地形に季節変動によりまして戻って、大きな目で見たときには、均衡状態が維持されているのではないかという一定の評価があるというふうにも聞いてございます。  その上でではございますが、先ほどから御指摘がありましたように、年に2回も緊急養浜をするような事態が発生をしていると。地域住民から砂浜が削られることに不安があるというような意見が国交省のほうにももちろん十分伝わっておりまして、気候変動の影響を確認した上で、今後の対応を検討すべきというふうに議論がされていると。そういった技術検討会のほうには、国のほうももちろん参加させていただいておりますので、そのような議論に加わらせていただきまして、よりよい方向を探っていきたいと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)2番山川議員、質問回数、あと2回ですので。 ◯2番(山川智帆君)はい、ありがとうございます。  人工リーフは一定の成果はあるということで、おっしゃられることは重々理解するのです。それで、国がその事業費を出してくださったということは理解するのですが、土木学会論文だったりを見ると、やはり西側が極端にえぐられてしまって、実際、今でも皆生工区では3基、それで富益では両端において沈下して改良が必要で、それでかさ上げが必要ということで記載してありますので、やはり一番、将来に向かって県の面積を減らせないようにもですし、地域住民の生活の安全、身を守るためにも、一番いい併用方法だったりを検証をいただけたらなと思います。重ねて、これは要望をしておきます。  そして、コロナのことについてお伺いしていきたいと思います。  コロナの葬儀で、結局、国はガイドラインを改正したのですけれども、このことはそのガイドラインが改正された1週間後の出来事ですけれども、実際、手術した後、病院でコロナにかかってしまって、そうしたら葬儀しないといけないと言われたのだけれども、次の日までには火葬しないといけない。家族の収骨も3人までしか駄目だ、それで袋詰めにされて、顔を見ることも、関係者も、誰も気持ちの整理ができないという相談を受けました。副知事にお願いをしたところ、結局、3人しか収骨したらいけないと言ったのは感染対策を講じた上で、10人までとしてもらいました。そして、袋詰めについてはガイドライン1週間後ですので、その県から病院への通達が間に合わなかったみたいで二重にはされていたけれども、1枚が胸まで下りていて、顔を触ることはできましたよ、御配慮をいただいたので、ありがとうございましたということは言われたのです。  同じようにコロナで亡くなられた方だったり、コロナではなくても、コロナ期間中に病院で亡くなられた方だったり、いろんな方に聞くと、やはりどうしても亡くなられた方の顔を見たり骨を収骨したりとかをしないと気持ちの整理がつかないことをおっしゃられていました。今コロナで本当に家族葬になって、流れ焼香になっていったりとかしていますが、いろんな人に聞くとどうしても弔い不足、気持ちの整理がつかないので地域を挙げて、竹で灯籠を作ったりとか、いろんな人とつながってみんなで送り出してあげていたよという話をするのです。コロナの2週間目になって、1月16日に、医療関係者、そして葬儀屋さん、そして火葬をする広域行政が連携して説明会をしましたということで説明を受けましたので、今後も株の状況でいろいろ状況が変わってくるかもしれませんが、感染対策を徹底した上で、やはり誰しもが大切な方との気持ちの整理はしたいと思いますので、それを踏まえた上でやってあげていただけたらなと思います。  今日の質問は、生と死を取り上げました。死に対する恐怖があるからこそ、政治がその防護をできると思います。政治は生と死にも深く関わっていて、やはり皆さん、今、挨拶回りとかされているのですけれども、「政治家はうそばかり言うから嫌いだわ」とか、「政治って何だよ」とかと言われるのですけれども、やはり無関心でいたり、選挙に行かないよというふうにやっていても、ずかずかと私たちの生活に入り込んでくる、こんな大事なことをということをまず再認識しました。要は、皆が当事者意識を持って、適切な情報共有をした上で、その物事をやっていかないといけないなと思いました。  蒲原県土整備部長は国交省から来てくださっているということで、国に対しての要望、先ほどの海岸浸食に対しての要望をしていただきたいということと、今回、広谷副議長だったり、海岸浸食を議場で議論されている皆さんの議事録を見まして、やはりそのお話ししたところを、工法だったりのことは情報共有していきたいねみたいな話をさせてもらいました。これをテレビで見ている方だったりで、現場で自分はこの先進事例を知っているよということがあれば教えていただきたいです。知事には、国土の面積を削る、県の面積を削るということで、海に属しているみんな共通の課題だと思いますので、知事会においてもこの工法の早期検証、抜本的な解消を求めていただけたらなと思います。情報共有をどうぞ今後ともよろしくお願いします。回答ができましたら、何とぞよろしくお願い申し上げます。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)山川議員から重ねてのお尋ねがありました。  コロナの看取りの件につきましては問題提起をしていただきまして、今確かめましたけれども、私どもの副知事のほうにもお問合せがあったと、そういうような動きをしていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  なかなか、機微に触れることで対応が難しいし、急に変わったわけですね。1月6日頃だったと思いますが、国の通知があって、ニュースになりましたけれども、それで混乱があって、我々も1月18日頃にみんなで話し合う機会をやって、それで正直、葬儀屋さんだとかお医者さんだとかいろいろとお立場や考え方も違う中で調整を図りながらやっていくと、これが多分、行政のプロセスとしてどうしようもないことだと思いますし、皆さんがコロナと闘っている中で、ただ片方で最後のお別れをしっかりやりたいというお気持ちにどう寄り添っていくのか、みんなで工夫するということだと思うのですね。こういうプロセスをきちんと取っていくことが一つ大切なことであって、コロナというのは、そういう意味では我々にはいい一つのレッスンにもなったのではないかなと思っておりますし、今後ともこうした際にいかに地域の中で協力をし合ってネットワークを張って対処していけるかということであるかと思います。  皆生海岸の話も重ねてお話がございました。これも非常に厄介なことであります。今、波浪災害は多分全国で非常に激化しているのではないかという感覚を実は我々持っているのですね。ですから、ほかの県の知事さんとも、うちもこうだああだというのは意外に話が合うところでありまして、その原因はよく分からないです。それに対する処方箋は幾つかあるのですが、自然相手のことなので、財政のことはもちろんありますけれども、財政以外にもやはり影響があるということです。  実はこのトンボリの話も、今日は安全面の話に終始をしてやっていますけれども、見直しをした頃は逆の議論だったと思います。非常に景観上よろしくないということがあって、やはりほかを見ればちゃんとリーフにして、きれいに見える海岸にして、それが温泉地の景観ともマッチをするということはあるのではないだろうかと。そういう、実はその地元の声の中で見直しをされた、それが果たして今のこの気象条件の中で変わってきたのか、うまくいっているのかというのはやはり絶えず検証しなければいけないということでございます。  そういう意味で、多分この議論は最終段階に入っていこうとするときには、やはり地元の考え方をもう一回確認しなければいけないのだと思うのですね。国交省も何度も行ったり来たりもできないと思いますし、また、ほかの海岸の部分も、和田やら夜見のところやいろいろありますし、そういうところ、全体を貫いて検討していくという作業を根気よくやっていくのだと思います。そんな意味で、地元の声を聞きながら、しかし、議員がおっしゃるように、どういうふうに命を守っていくのか、安全を守っていくのかということだろうと思います。「荒波やあるいは低き雁の列」と、原石鼎さん、この方は山陰の方です。恐らく同じ海を見ていたのだと思うのですね。波が荒い冬場、そこに少し低めに雁が飛んでいく。多分、風が強いのでしょう、そういう厳しい条件の中で、私たち山陰は地域を守っていかなければならない、雁のように命を守りながら旅をしていかなければならないわけでありまして、そういう宿命と向かい合わせでいることを自覚しながら、ただ片方で観光だとかそうしたことも考え合わせて、今日をきっかけに、この問題については提起を国のほうにもしてまいりたいと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後4時05分散会    ────────────────...