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  1. 鳥取県議会 2023-02-01
    令和5年2月定例会暫定版(3/7 一般質問) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時01分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。  それでは、議案第1号「令和5年度鳥取県一般会計予算」から第21号「令和5年度鳥取県営病院事業会計予算」まで及び議案第38号「鳥取県基金条例の一部を改正する条例」から第79号「鳥取県新型コロナウイルス感染拡大防止のためのクラスター対策等に関する条例の一部を改正する条例」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  33番野坂道明議員 ◯33番(野坂道明君)(登壇、拍手)おはようございます。議会最終日トップバッターで質問をさせていただきます。今日はサウナの日でございますので、一層気合を入れて質問をしていきたいと思います。  今議会において、4年間の総括や勇退議員の功績などについて知事との多くのやり取りがありました。また、人口減少についても、いま一つかみ合わない川部議員との議論でおおよそ分かりましたので、私の思いも同じだと申し上げ、早速質問に入りたいと思います。  初めに、行財政改革の成果と課題についてであります。  私は、かねてから人口減少社会の下、行財政改革の必要性を訴え、他府県の事例も出しながら行政改革プランの必要性を知事と議論してまいりました。知事は、1月10日の出馬会見において、新たな行政改革プランの策定にも言及されました。意欲的に取り組まれる姿勢は大いに評価したいと思います。  知事が言われるとおり、人口が減少しても逆にコストもマンパワーも増える分野があると私も思いますが、だからこそそのような喫緊の課題に対応するために、従来型業務の無駄を行革により省くことで余力を生み出す必要があると、そのように思います。このことは12月定例会で知事と議論を行い、考え方は一致していると理解しております。  もちろん従来進めてきたデジタルトランスフォーメーションオートメーション化、また、前回の議会で知事が言及された600名を超える職員数の削減による組織のスリム化、これらの成果も大事であり、引き続き進めていただきたいのですが、それだけでは従来型の業務体制の効率化にすぎないと感じております。私は、市町村や民間との連携による新しい自治体運営が行政改革の肝であると考えていますし、新たな行革の一つの柱ではないかと考えております。  そこで、市町村との連携による新しい自治体運営についてお尋ねします。  令和3年11月定例会において、東部の鳥取市、中部の倉吉市、西部の米子市といった地域の中核となる市と全面的に連携する、県の地方機関である総合事務所での業務は中核自治体に移管する、このような中核自治体との連携による大胆な鳥取型の新たな地方自治を提案しました。知事からは検討を進めるとの答弁がありましたが、単に公共施設を共同整備するとか交換するといった、そのような今までやってきたレベルの市町村連携では私は不十分だと考えております。大胆な業務の移管や連携が必要と考えますし、特に県庁所在地である鳥取市との役割分担も重要だと考えています。その後の中核自治体との協議状況と今後の展開について、初めに知事にお尋ねします。  次に、鳥取型の官民連携の在り方についてです。  官民連携に関連して、鳥取県では鳥取県PPP/PFI手法導入にかかる県内事業者参画に向けた配慮方針を策定し、地元の企業の参画を規定するなどの取組を実施していますが、地元企業からは、県のPFI事業の進め方について、分かりにくいとかサウンディングで地元企業の声をもっと聞くべきだとか、そもそも地元のメリットがないとか大変厳しい声を耳にします。このままでは、緒に就いた本県のPPP、PFIが進めにくくなるのではないかと危惧しております。そこで、発注者、受注者ともにウィン・ウィンの鳥取県型官民連携の在り方に向けて、鳥取県PPP/PFI手法導入にかかる県内事業者参画に向けた配慮方針を見直す考えはないのか、知事に所見を伺います。  次に、コロナ禍とウクライナ侵略の影響についてであります。  先日の常任委員会で、コロナ禍での健康診断控えの影響について各県立病院長と議論しました。がんや成人病、認知症などなどの発見が遅れ、県民の健康に深刻な影響を及ぼす事態になりかねないと危惧されており、県としても対策を取る必要があると感じました。  また、5類への見直し後の対応についても議論をしました。その際、一般の医療機関に拡大されてもコロナ指定病院に偏る傾向が続くのではないかとの懸念が示され、その点の周知徹底を行政側としても努力してほしいとの要望もありました。これらの点について知事の所見を伺います。
     また、資源に関する安全保障の観点から、本県の水資源の保全についてお尋ねします。  このたび実施された地下水調査の結果を見て、改めて本県の水資源の豊かさを実感しました。そこで、貴重な水資源を守れるのかと担当課に尋ねたところ、県条例があるとの答弁でしたが、私は危機感のなさに首をかしげてしまいました。知事はどのようにお考えでしょうか。  また、円安を生かした輸出拡大に関して県の取組を聞いたところ、いずれの品目も国の支援要件に該当しないので、まずは産地形成からこつこつと取り組むとの回答でした。豊かな水産品を持つ本県にとってこの機を逃してはいけないと思い、2月25日に開催された自民党全国政調会長会議でその旨要望したところ、要件緩和について検討すると前向きな回答がありました。3年にも及ぶコロナ禍への対応で心身ともに消耗されているのは十分分かりますが、反転攻勢に向けて全庁的にマインドを変えていく必要があると感じました。このことは知事にお伝えしておきますので、次期体制で取り組んでいただきたいと思います。  次に、人口減少社会についてです。  JAのスーパーが県内各地で閉店するということで、今定例会でも対応を求める質問がされていますが、そもそも中山間地の人口が減少して店舗利用者が減ったことが主たる要因で、皮肉に聞こえるかもしれませんが、買物難民の最も効果的な対策は人口増加策ということになると思います。  人口減少に伴い、JRで将来に向けた路線の存廃の議論もされているところですが、先日の福田議員の代表質問で公共交通とまちづくりのリ・デザインの議論があり、その際、知事から、JR境線の河崎口周辺での宅地や商業施設の開発の紹介がありました。40区画の宅地には子育て世代が住まれると思われ、地元住民の一人としてはうれしい限りですが、目の前に駅があるにもかかわらず、JRを利用して通勤する人が果たして何人いるのだろうかと感じます。  観光列車ばかりに話題が集中しがちですが、日常利用に目を向けない限り、人口減少下における地方の公共交通の存続はあり得ないと考えております。県が目指す脱炭素社会の観点からも、この点について知事はどのようにお考えなのかお尋ねし、壇上の質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず冒頭、今日はサウナの日であるので、張り切って質問戦をやろうと、こういうお話がありました。考えてみますと、本日をもちまして私たちの4年の任期、本会議での質問戦は最終日ということになります。これまでの重みのある数々の議論を総括しながら、また、次の時代へと新しい風を送ることができればというふうに考えております。そんな意味で、サウナの日だけに今日の審議で熱波を送ることができればと思いますので、どうか御理解のほどお願い申し上げたいと思います。  議員のほうから今の世情についてのお話があり、この議場での一般質問での議論を引かれたところでございます。確かに今、変わるべき転換点があって、議員がおっしゃるように、行政のシステムもそういう意味で連動して見直していくということになるのかもしれません。伊藤元重、東京大学名誉教授は、こういうように今の世情を分析しておられます。これまでは停滞と、そしてある意味安定の時代であったと。しかし、これからは変化と不確実性の時代になると。今、議員のほうでも御指摘がございましたように、様々な交錯したものがあると思うのですね。戦争のこともそうですし、あるいはコロナ、これもフェーズの転換ということが目の前に迫り始めているところでもございますし、片方で、日本社会の中で果たしてどういうふうにこれから技術革新を起こして、デジタル化だとか、あるいは脱炭素化だとか、そうした世界的なテーマを我が国の主導の下に動かしていけるのか、非常に今そういう意味では歴史の分岐点にあるのではないかと思います。そういう変化や不確実性を乗り越えていくためにも、行政システムをある意味筋肉質なものとして柔軟に、かつ機動的に対応していける力を養っていかなければならないのではないかと思います。そういう意味で、本日いろいろとるる御提案があったわけであります。  まず、PFIにつきましてお話がありました。PFIにつきまして今配慮方針というものがございますが、これをどういうようにこれから改正をしていくことが考えられるのかというようなお話がありました。  これは、PPP、PFI導入に基づく県内事業者参画に向けた配慮方針というものでありまして、平成31年に私どものほうでルールをつくらせていただきました。実はこういうルールづくりというのは、全国的にも恐らく初めてではないかと思われます。PPP、PFIというのは民間の自由にということになりますけれども、ただ、県内事業所が関わるということを担保しながら、県内の経済の活性化だとか県内の民間の活力を行政の中に注入していくとか、そうしたことをあえて一つ道筋をつけようではないかと、こういう考え方であります。  全国的にはなかなかこういうことはないのかもしれませんが、本県では議会の主導による産業振興条例というのもございまして、県内事業者の活用というのは私たちのテーマとなっています。何となれば、そう大きくない経済財政規模であり、事業者もいろいろと苦労して日々の事業を運営しておられるわけであります。そこで、行政の公需がすっぽり抜けてしまえば大きな影響を与えかねないわけでありまして、そういう意味で、そうした県内事業者に対する配慮指針というものを定めさせていただいたわけであります。  ただ、残念ながらWTOの規制というのがありまして、これは日本の団体にも拘束性があり、私どもも入札の際にはWTOの基準に服さなければなりません。そういう意味で、参入に当たって端的には今、一定の基準以下のWTOに引っかからないものについては、県内企業も入ったSPC、特定目的会社をつくりなさいということにしているわけでありますが、ただ、それを超えるところについては、これは原則どおり、完全に競争にかけるということになります。  ただ、もう一つ、私どもではお願いといいますか、条件を付しておりまして、この配慮指針に基づいてWTOで自由に言わばエントリーできるわけでありますが、そういう事業体であっても県内の例えば工事業者であるとか、物品の調達であるとか県内の金融機関の資金調達を活用するように我々としては求めているわけであります。  こういうようなことで県のほうは運用しておりまして、典型的には、今やっている米子の総合庁舎で、私どもの西部総合庁舎と、それから米子市役所の合築によります新しい事務所ビルを今建設することになっておりまして、これが新年度には誕生することになります。これは米子市が実はジョイントで我々が共同の発注者になりますので、米子市のほうの基準がWTOである意味優先されるところがあり、事業費は大きいですけれども、WTO対応ではない対応、それで地元の事業者も含めたそういう特定目的会社というものをつくってやるという形になりました。現実にも美保テクノスさんをはじめとした地元の企業さんがこれを中心に回しておられます。そういう中で、議員も今おっしゃったような声は、私もこの間専門工事の皆さんとお会いをしたときに聞こえてきたところでございます。  いろいろとその後またお会いする機会もありまして事情をお伺いするのですけれども、特に事業者の皆さんが関心を寄せておられるのは、県の発注工事でないものが主だと思います。それで、どちらかというと、県のほうは、そういうふうに美保テクノスさんを中心としたそうした今のPFIが動いているわけでありまして、そういうものなどを地元の事業者へも配慮してやっているということは実は評価をしていただいているようです。ただ、必ずしもこうした県のようなやり方を県内の市町村がやっているわけではございませんで、かなり大規模にそうしたPFIなどを広げていくと、いろんな事業体が入ってきて、今まで専門工事などがやっていたところが侵されるのではないかということです。  実はこれは少しややこしいので背景を申し上げますと、私が就任する大分前のことでありますが、一括して公共工事を発注します。それで、元請さんがそれぞれに工事を分けるわけですね。そこのときに、やはり力関係もありますので、専門的な工事の事業者はその傘下に入って動く関係で、もうけ代がなくなる厳しい状態になるということが言われていました。それで、私が就任した後はそういうふうになっているのですけれども、専門工事のところは分割をして発注をすると。それによって専門工事の皆さんは自分のところの通常の工事として同様の収益を得たり、あるいは職員さんを動員したりということができるようにしているわけですね。  これはあえてそういうようにしてきたわけでありますが、PFIによりまして全部一括してどこかが受注をすることになりますと、その後のところの保障というところがなかなか難しいということになるのではないか。端的に言いますと、我々は産業振興条例に基づいて県内事業者をできるだけ使うように求めるわけでありますが、そういうたがが外れた発注の仕方になりますと、全部ゼネコンさんが県外からそうした工事業者をみんな連れてきてやるという形になる。そうすると、県内の事業者がこれまで通常ベースで得ていたような仕事がどんどんPFIに振り替わっていくことで発注を受けられなくなるという危惧があるということでありまして、こうした動きはどうも関係業界で今強まっているようであります。  正直に言えば、そういう意味では他山の石的な部分ではあるのですけれども、今日もこうして御指摘もありましたので、なおその配慮指針をどういうように今後鳥取県型のPFIとしてさらに進化させていくのか、また、場合によっては、PFIにこんなものも対象にするのかという議論もあるようです。ですからそういう意味で、そこのふるい分けの問題とかも含めてやはりちょっと関係者の御意見も十分にお伺いをしながら、これは新年度の問題になると思いますが、新年度以降のやり方について今御提案を受けた配慮指針の見直しに着手したほうがいいのではないかと思っております。そういう意味で、新年度の議論にこれはぜひ付していければと思っております。  失礼、抜かしましたが、次に、東部、中部も含めた抜本的な行政体制のお話がございました。  これにつきましては、令和2年に西部総合事務所については、県と市の協議会をつくりまして、ここで今、窓口業務、議員がおっしゃいます例えば災害関係でいえば防災のデータ関係、これは建築・土木系も新しい事務所で出会うことになります。そこに、そうしたデータなども今のICTを活用してデジタルトランスフォーメーションをさせてもっと効率よくできないかというようなことで、県市融合型のものを考えようかとか、それからまた人材の研修とか、公営住宅の受付であるとか、単に足し算ではなくて掛け算的なことも含めて今話し合っているところです。新年度に新しい体制がオープンしますので、それに向けて今、両市県間で協議をしているということです。  議員の前回の御提案も受けまして、その後、鳥取市とか倉吉市だとかとも今協議を進めておりますが、その状況につきましては、地域づくり推進部長のほうからその情報についてはお話を申し上げたいというふうに思います。  例えば鳥取市さんとの話合いでも、ハード面でいえば、私どもは駅南に生涯学習センターというのがありますが、そろそろ年限的には検討が必要な時期に入ってくると。近所にまた鳥取市側もいろんなものもあったりすると。それからお仕事のほうでも、例えば倉吉市さんとは、今、相互乗り入れでの交換除雪といいますが、県と市の除雪区間を入れ替えながらやったりしていると。そういうことも含めて、柔軟性のある様々なハード、ソフト両面でのいろいろな改革というのはあり得るのではないかと。ただ、まだ前広な話ですので、今例えばすぐこれをやるということにはなかなかなっているわけではありませんが、進捗を図ってまいりたいと思います。  次に、コロナ指定病院に5類への見直しの後、偏ることにならないのかと、こういうお尋ねだったと思います。  新型コロナにつきましては、5月8日から新たな体制、5類へと移行することになります。非常にしゃくし定規な議論をしますと、5類になりますと、普通の疾病と変わらなくなりますので、コロナについて特別な病床をつくることはなくなってしまったり、保健所が入院のあっせんをしたりということをしなくなるということにルール上はなるのですけれども、ただ、これについて今、政府と全国知事会のほうでも意見を出しまして、すり合わせをしているところであります。現場でのいろんな不安な声もありますので、段階的に移行が進むようにできないだろうか、例えば診療報酬上の配慮をするとか、病床確保をいきなりやめてしまうのではなくて、一定程度、一定の条件の中で段階的に縮小ということになるかと思いますが、そういう余地をきちんと残しながら5月8日以降の準備を整えていくと。  お医者さんや病院についても、いろいろとそうした働きかけをして、様々なところで受けていただけるようにしていくと。これはソフト面のことでありますが、本県は、今、病院や医師会関係者と調査をしておりまして、やはり従来よりも踏み込んで、コロナ協力病院だけでなくて、それ以外でも受ける、それから外来についても受けるクリニックを増やしていく、これについて理解が得られる方向になってきております。今働きかけをまだしているところでありますが、そういうふうにして事実上、一定のところにそうした業務が集中することなく、円滑に通常の医療体制といいますか、いずれはそうなると思うのですが、そこに段階的に移行していくように今調整を図っているところであります。今週ぐらいが一つの山で、政府側のほうでその移行の考え方について示されることになるかと思いますが、国、地方で連帯をしながら円滑に移行ができるように体制を整えていければと考えております。  次に、県内の水資源の保全につきましてお尋ねがございました。水資源について、これが守られるのかというところに議論があったわけでありますが、県条例等があるのでというふうに担当部局のほうでは答えたそうです。  これについてどういうふうに考えているのかと、こういうお話でございますが、詳細はくらしの安心局長からも御説明を申し上げたいと思いますが、これは実は議員が御当選なさる前、平成22年から24年にかけて、例えば北海道だとか、そうしたところで水源地の土地を外国資本が買うということが結構話題になったことがありました。それで、この議場におられる方でいえば福間議員とか、実はいろんな議論が当時も出ているのです。それで、何らかの条例を含めた対応が取れないのかと、こういうことでございまして、当時、自民党でいえば稲田議員とか鉄永議員だとかでそういう議論がございました。それで、大分お互いに意見を交わした上でできたのが実は水源保全条例であります。  現行もそうなのですが、結局、土地の取引を規制できるかと、それを条例でできるかどうかというのには、そもそも法律であっても無理があるのかもしれません。やはりこれもWTOの規制がありまして、GATS協定というのがあります。これに基づいて国籍によって差別をしてはならないというのがございます。では、何ができるかということでいろんな議論を交わした上で、最終的に、そうした水資源の監視をする、それから届出をしてもらう、こういうようなことでそうした水源が脅かされるということを排除していく、それと同時に、水資源を健全な状態で保全をしていくと。当時は、水源を活用した水の採取事業というのも飲料水などでも起こっておりまして、こういうものを総合的に考えてあの条例という帰結になったというのが本県の歩みでございます。  詳細につきましては、局長のほうからお答えを申し上げます。  また、先般、自民党のほうで水産物の輸出品目のお話があったということでありますが、お話を聞いた感じでは非常にクリーンヒットしたのかなとも思います。小ロットのものはなかなか扱わないという農水省の考え方がありまして、私どもも、実は例えば梨だとか、この間も議論がありましたけれども、産地としてはそういうのがあったり、それからサーモンとか養殖でやっているものもあります。  過去も私どもは実は輸出したことはあります。これは、特に中国などは近いですし、お隣の島根県にそうした上海の百貨店の中に店舗を持っていたりするところもございまして、山陰つながりということで、当時、島谷会長をはじめとした、境港水産物輸出促進協議会というものが立ち上がって、私も上海に一緒に行きましたけれども、例えば加工品だとか、あるいは生鮮の魚も梨とかと違って受けられるのですね。ただ、その代わりに我々のほうで、そうした食品については事前にコントロールする、チェックをするというのがあって、それもさんざん当時国と折衝して、県のほうでそういう権限が執れるようにするというようなこともやったものであります。  ですから、そうした水産等も含めて輸出ということは十分考えられますし、このたびも国外の例えばシンガポールとか、そうしたところにそういう水産関係もテスト輸出を3月10日に行ったり、まだ動きはあります。ただ、ロットが小さいものですから、なかなかこういう輸出促進法にのってこない、指定が受けられないということでありますが、そういうことを国のほうで緩和されるのであれば、ぜひ関係者と一緒になりましてそうした次の展開を模索できればと思って伺っておりました。  最後に、鉄道につきましてお尋ねがございました。観光列車に話題が集中するけれども、日常の公共交通存続に向けた利活用ということにも目を向けるべきなのではないかと、こういうことでございます。  これにつきましては、米子市のほうで立地適正化計画というのをこのたびつくられたわけであります。これは、平成26年に政府のほうで都市再生特別措置法というのができまして、そういうのに基づいて、言わば地域活性化の一つの手法としてこうした立地適正化を図っていこうと、こういうものがつくられます。これに米子市さんも共鳴をされてそうした計画を考えながら、河崎口を一つのモデルにして規制緩和を行うということになったわけであります。量販店が出られるということもございますし、それから現実にも住宅の区画も39だか売れているというふうにも伺っております。そういうように今、駅に近いところのまだ農地等も使いながらそうしたことができるわけでありまして、こういうようなことで一つのテストケース、モデルケースだというふうに思います。  なぜそこで開発地を買う人が現実にいるかということでありますが、私は、多分やはり鉄道があることは大きな購入動機になると思うのですね。いざというときは、それは都会のように10分に1本鉄道が走っているわけではないかもしれませんが、1時間くらい待てば、これは車を運転しなくても行けるということは、やはり安心の材料にもなりますし、特に子供たちだとか、そうした人たちには交通弱者として活用もされるでありましょう。こういうようなことが実は大都市でも住宅の駅の近くというのは一等地で開発されるわけですね。これが地方でできないかというと、やはりできる余地が十分にあるのではないかと。そういう意味で、今、米子市さんもこうした規制緩和などに取り組まれたところであり、県も協力をしていこうということであります。  我々地元として、JRさんとこのたび協定を結びました。こういうミニ開発なども含めた利活用、そうしたことを鉄道と連動させながらまちづくり、地域振興につなげていこうと、あわせて、もちろん観光利用の鉄道列車のことも含めて合意をさせていただいたところであります。今はまだ緒に就いたところでありますので、行く行くはこうしたことで利便性が確認されれば、さらに鉄道のダイヤなども配慮がなされてくる余地は十分あるのだろうと思いますし、当然収益が上がるのであれば、それはJRさんも走らせるわけでありますから、少なくとも今、県内でも危惧されているような、もしかすると、廃線の可能性もあるよというような路線からはこういう利活用によって外れてくるということにもなるわけでありまして、地域振興の中の一つの重要なタイプとして、脱炭素社会ということも含めてこういうケースというものを尊重し、応援をしていきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)木本地域づくり推進部長地域づくり推進部長(木本美喜君)事務の共同化等に関しまして、鳥取市、倉吉市との協議状況について補足の答弁をさせていただきます。  議員のほうから令和3年11月の定例県議会のほうで御提案を受けまして、鳥取市及び倉吉市との間で業務の共同実施等に係ります意見交換を実施してまいりました。両市ともハード事業につきましては、建物ごとの改修のタイミングで個別の検討が必要との認識をお持ちでございまして、建物ごとの共同化の可能性を探る作業をしていく方向かなというふうに思っております。また、ソフト事業につきましては、鳥取市におきましては、因幡・但馬麒麟のまち連携中枢都市圏で周辺町と90に及ぶ事業について連携事業を取り組んでおられまして、まずはその事業を継続したいというお考えでありますとか、県と市の間では、都市計画部門での除雪や税務部門での徴収などを連携しておりますけれども、さらなる連携、共同化には個別の議論の積み上げが一層必要というような御意見でございました。  また、倉吉市におきましては、先ほど知事のほうからもございました交換除雪などを実施しておりますほか、有害鳥獣対策におきましては、協議会に県のほうも参加をして連携して実施しているところでございます。まず、ざっくばらんな勉強会をしてはどうかというふうなことも言っていただいております。総合事務所と米子市で進めております連携内容につきまして関心を持って注目をしていただいているということでございまして、引き続き両市ともその情報提供を希望されているという状況でございます。  引き続きまして鳥取市、倉吉市の意向を踏まえつつ、県と米子市の業務連携により得られました効果やメリット、解決すべき課題などについて情報提供を行いますとともに、連携、共同化が可能な事業につきましては意見交換を重ねてまいりたいというふうに思っております。 ◯議長(内田博長君)遠藤くらしの安心局長 ◯くらしの安心局長(遠藤淳君)県内水資源の保全について補足の答弁を申し上げます。  地下水は、本県の豊かな自然環境によって育まれた貴重な資源でありまして、県民生活に欠くことのできないものであることから、地下水を持続的に利用できる環境を守るため、平成24年に地下水保全条例を制定しております。条例では、新たに地下水を採取する場合、採取量を増加させる場合は、採取事業者に事前の影響調査を義務づけておりまして、支障がある場合は採取計画の見直しを求めております。採取後も、毎年、事業者に採取の報告を求め、周囲の地下水位等に変化が見られた場合には県が立入調査を行うなど、地下水の採取の一定の規制をかけているところでございます。  また、届出をしないで地下水を採取した場合、採取量を増加させた場合あるいは地下水の低下など、持続的な利用に支障が生じると認めるときは、県が採取計画の変更を命ずることができ、事業者が命令に従わない場合の罰則も設けているところでございます。条例制定検討中の平成22年から24年にかけまして、先ほど知事のほうからもお話がございましたが、外国資本による水資源を狙ったと思われます森林取得が全国的に話題になりまして、県議会でも取り上げられました。その中で、外国資本による土地を買収することについて懸念をするという意見もございましたが、最終的には、条例は地下水採取を行う場合の届出を基本とし、採取事業者で組織する協議会を設け、県全体で地下水を保全するという形にしたところでございます。  また、外国資本による土地買収については、現在の法制度において、国土利用計画法、重要土地等調査法などにより一定の土地取引について届出を義務づけておりますが、土地取得自体は規制をされていないというところでございます。昨年制定された重要土地等調査法の国会審議において、水源地周辺の土地は対象外だが、地方の要請に応えられる法案になっているのかという質問に対しまして、小此木大臣が、外国資本による水源地周辺の土地取得に懸念が示され、法整備を求める意見書が出されていることは承知している。一方で、水源を涵養する森林や農地は、既に土地取得の際の届出などの措置が講じられており、有識者会議でもこれらの土地を対象とすることは慎重に対応すべきとされ、水源地については対象としないこととしたと答弁をされております。  サービスの貿易に関する一般協定であるGATS協定第17条では、外国企業と国内企業とをひとしく扱う内国民待遇を義務づけておりまして、加盟国である日本は内外差別的な立法を行うことは原則認められておりません。平成23年の外交防衛易委員会におきましても、外国資本による国内の森林買収を規制するための対応を求められた外務副大臣がGATS協定第17条を根拠として、他のWTO加盟国の国民等がサービスの提供に際して我が国の土地を取得することについて、原則として、国籍を理由とした差別的制限を課すことは認められないと発言をされております。県としましては、外国資本による水源地の土地周辺の問題につきましては、国の対応を注視しつつ、引き続き地下水条例に基づき地下水採取事業者の監視を行い、水資源量の把握を継続することで豊かな地下水を守ってまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)33番野坂議員 ◯33番(野坂道明君)それでは、再度の質問をさせていただきます。  初めに、鳥取県型の官民連携の在り方についてですけれども、来年度見直しに関して検討されるということの答弁でしたので、それは次期体制でしっかりとやっていただきたいと思います。  私は、一方、一般の競争入札での落札率などもVFMの関係で突き合わせてみました。PFIだから非常に金額が安くなっているということではないと思います。VFM値と平均落札率を突き合わせると、そこまで元請の業者が言われるほどのデメリットというのはないと。一方、率直に感じるのは、やはりこの制度の理解度があまり進んでいないように思います。そこについては、県のこの配慮方針などもあるわけですから、これをしっかりと周知徹底をして話し合う場をもっとつくっていただきたいなと、このように思います。  それと、水の関係は、局長からも長々答弁いただきましたけれども、前半のほとんどのところは知事がその要点は答弁されているので、要は法律がそもそもないわけですから条例で何か規制することはもう無理ですよね。であれば、こういう本当に豊かな水資源を持っている鳥取県の平井知事から国のほうに法整備の要望も上げていただきたいと、結論はこういうことでございまして、我々もそこは危機感を持ってやっていきたいと思います。広大な土地をぼんと買われたら、もう何の条例で規制することもできませんので、土地が肝になってくると思います。  JR利用については、日常、日々の365日の利用度を上げていかないとなかなか難しいというのは、知事とも同じ理解だと思います。それについて協議の場ができましたので、もうちょっと移動手段として選択していただけるように、ダイヤを増やすとか車両をある程度新しいものに入れ替えるとか様々なサービスを検討していただいて、移動手段として便利な車から駅も近いのだからJRを使おうやということに政策転換をしていかないと、やはり便利だから車で行くというライフスタイルになるのではないかなと思いますので、ここはしっかりと対応をお願いしたいと思います。  次に、工水の改革についてお尋ねします。  赤字が続く工業用水道事業の抜本的な改革につきまして、私は従来から提案を行ってきました。その中で、利用料金の適正化についても議場で度々議論してきたところでございます。今後、老朽化した管路の更新も控えており、一般会計への貸付金返還や利子免除の解消、これらの見通しも立たない中で、知事や過去の企業局長が毎回繰り返される粘り強い営業活動、これだけでは問題は解決しないと思います。独立採算制を取るべき公営企業会計の運営が、このように長年赤字を継続して抜本的な見直しがされない現状が果たして適正なのかと甚だ疑問でございます。  かねてから私を含めて複数の議員が、工業用水道事業の人役について、経費が2人分しか計上されておらず、これが正確な会計処理になっているかどうか、この疑問も言わせていただいております。以上の点も含めて、監査は現状の在り方にもっと踏み込んでチェックすべきものだと考えますが、代表監査委員に所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  桐林代表監査委員。 ◯代表監査委員(桐林正彦君)工業用水道事業に関しまして、監査において現状の在り方にも踏み込んでチェックすべきではないかとの観点からの所見はどうかとのお尋ねをいただきました。  公営企業につきましては、まずは経済性を発揮すべきこととされておりまして、収支均衡の実現を目指すべきでありますが、公営企業運営の本来の目的である公共の福祉、これは住民の福祉にほかならないと考えますが、その増進を図るように運営されなければならないとの、この2つのなかなか両立困難な観点を持つべきことと、義務的な出資のほかにも、公共の福祉に資する範囲においては一般会計からの出資が可能であると法定されているものと理解しておりまして、これらは本来的な公営企業に求められる在り方から当然に導き出される原則を明文化しているものであり、監査においても基本に据えなければならないものと認識しております。  会計処理自体につきましては、現状、電算処理や外部委託も広く導入されておりまして、決算審査のほかにも例月の現金出納検査を実施しておりまして、幾らかミスが見つかることもありますが、本部においてもチェックされており、その都度修正がなされ、結果として適正にされていると考えております。それでも最終的に不適正な事務処理に接した場合には、定期監査において個別に適時しているところでございます。  それとは別に、先ほど申しましたような観点から、本県の工業用水道事業の経営状況を概観いたしますと、御指摘のように、特に鳥取地区工水において、残念ながら理想とする状況とはかなりの隔たりがあるものとの認識でありまして、平成28年度からはまずは経費の削減と既設の供給区域内での需要開拓を行うべきと、また、平成30年度の決算審査におきましては、財源確保策の検討についての意見が付されてきたところでありますが、具体的に何を検討し、どのような結果に至ったかについては、詳細な情報に接しておりませず、先ほど申し上げた現金出納検査の場において、ついつい厳しい口調で申し上げたこともあり、いささか反省をしたこともございました。  また、事業の拡大、均衡については、経営健全化の手法としては、水需要の現状を考えれば容易なことではないとの認識であるにもかかわらず、令和2年度の決算審査からは計画エリアでの需要調査の必要性の認識にも言及し、行政だけでなく、地域の経済団体等との連携も含めた需要開拓に向けた取組も行うよう意見を付しているところでございます。  その背景には、いよいよ経営状況が厳しさを増していくにつれまして、殿ダムのダム使用権としての流水使用につきましては、言わば対価の支払いによって、本来、公営企業が目的とする公共の福祉とは異なりますものの、殿ダム本体の完成、供用による治水力の向上の実現という別の形での一定の貢献があることは事実であるとしましても、監査の一つの視点であります、本来的に県民の権利、財産の利活用が十分に図られていないということに関しましては、従来どおりの発想や取組でいいのかという危機感も増してきているからにほかなりません。従来どおりの総括的な現状認識のみに基づきまして実態を精査しないままでの検討結果で活用は困難という説明では、今後の経営状況の是非を論じることには無理がある、少なくとも調査、検討くらいはするべきであるとの思いがございます。  なお、料金の値上げにつきましては、これまでも監査委員の協議の中で継続的に議論の俎上に上っておりまして、監査委員が決して値上げ否定論者ということではなく、我が国経済の現状からすれば、今々積極的に行うよう意見すべきとは言えないとの判断から、あえて意見にまではしていないというのが実情であります。  一方、検討のもう一つの重要な要素であります公共の福祉の増進に関しては、多様な民間の企業活動を下支えすることによりまして雇用が創出されたり、自治体の税収の増加をもたらすことなどに加え、民間の企業活動による間接的な福祉の増進による影響も十分に視野に入れて判断するべきものと考えておりまして、供給対象でありますとか水量、使途に特別に厳しい制約や制限の設定があるわけではなく、現に鳥取地区工水の供給区域におきましては、行政部門にも供給しておりますし、また、県下全域と言ってよい広範な地域におきまして、県立病院や社会福祉施設を含む多くの民間施設へのリネンのサプライチェーンを形成されている企業もございます。  このような状況の把握につきましては、企業の公開情報に基づきまして、私どもの主観により活動内容を確認、評価しているという現状でありますが、例えば経済効果の推計というような手法で、第三者により可能な限り分かりやすく数値化したり、特徴的な事業についての全体像を把握するような取組を踏まえて監査ができないものかとも考えております。  るる申し上げましたが、経営のセグメントとしての状況のみで判断すれば、一般会計からの繰り出しは、好ましくはないが、現状やむを得ないと、そういう判断をしておりますけれども、現在のマネジメントをそのまま延長、継続することを是としているわけではなく、さらなる経営改善に尽力していただきながら、今後、できること、できないことをきちんと実態に即して精査していただき、従来の経営手法に加えまして、県民の福祉の増進に観点からは、ある程度第三者的な分かりやすい物差しを持って評価なり監査できればというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)33番野坂議員 ◯33番(野坂道明君)続きまして、鳥取空港のコンセッションの導入についてお尋ねします。  このたび、令和5年度からアドバイザリー費の委託として1億4,000万円を投入して事務を進めるということです。1億4,000万円ものアドバイザリー経費をコストとして考慮した上で、どの程度のVFM、つまりコスト削減効果が期待できると考えられたのか、知事にお尋ねします。  また、今までは導入可能性調査の結果を県有施設・資産有効活用戦略会議で議論し、議会に報告しながら進めてきたはずです。なぜ今回はそのような手続を取られなかったのか、併せて知事にお尋ねします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて鳥取空港のコンセッションにつきましてお話をいただきました。詳細は、デジタル・行財政改革局長からお答え申し上げたいと思います。  実は今年度、コンサル会社のほうでその調査をしていただいていたわけでございますが、その中で、簡易な方法でVFM、どの程度収益といいますか、利ざやが出るのかを報告の中にも入れていただいていますが、4億円以上のVFMがあるだろうと。そういう中で、もともとこの議論自体は野坂議員に引っ張っていただきまして、コンセッション、しかも公募型でやる方向でトライしてみようかと、こういう流れの中で進めておりましたので、それに特段の支障はないし、手続をスケジュールどおり行っていくという意味で、今回、担当部局のほうでも計上を考えたというふうなところでございます。  詳細につきましては局長のほうから申し上げますが、今度はメンバーが替わりますけれども、それぞれの委員会ともいろいろと調整をさせていただいたり、御説明をさせていただきながら、これらのコンセッションが本格的に次の段階にいくにはまだ年数もかかりますので、今後とも、しっかりと議会側とも調整をしながら、この大きな鳥取空港のコンセッションの課題につきまして検討を深めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)森田デジタル・行財政改革局長 ◯デジタル・行財政改革局長(森田厚史君)空港コンセッションに関しまして補足の答弁をさせていただきます。  御指摘のとおり、アドバイザリー業務経費につきましては、これを投資いたしましても公募方式による次期コンセッションの事業開始に向けて進めていくため、簡易な形でのVFM算定を行って投資効果をチェックしていく必要があるというふうに認識しております。このため、簡易な算定になるところでございますけれども、令和4年度に専門のコンサルタントに委託をいたしまして実施しております中間評価を踏まえました今期コンセッション改善検討の中におきましてアドバイスをいただきながら、次期コンセッションを想定した公募方式の導入の効果を図るため、VFMの簡易算定を行っておるところでございます。  この結果、アドバイザリー経費を投資いたしたとしましても、VFMは少なく見積もっても約4.2億円程度見込まれたところでございます。これは、今期コンセッションの導入前、県の直営時代でございますが、これらの従来方式との比較で約5.6%余りの削減になるということでございます。  また、今回、資産活用有効会議のほうで議論しないのではないかというような御発言もございましたが、空港コンセッションの導入に当たりましては、平成29年度に現在の指名指定型のコンセッションの導入を決定した際にでございますが、次期コンセッションにおいては公募による本格的なコンセッションを実施する方針としていたところでございます。今回、改めてそのため導入可能性調査を実施していないところでございます。一方で、先ほども申しましたが、簡易的な算定におきまして一定程度のVFMが見込まれたところでございます。  なお、会議のほうにおきましては、有識者の意見ということで、鳥取空港における公募型コンセッションの進め方について意見をお伺いしているところでございます。今回のコンセッションの事業者の募集準備に当たって、コロナ禍の影響を見て慎重に対応すべきといった意見もいただいているところでございます。一方で、効果が大きい、公募を進めるべきといった両方の意見があったということもございます。これらのことから、アドバイザリー業務を進めるに当たりましては、コロナの状況を見ながら条件設定等を丁寧に行った上で進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◯議長(内田博長君)33番野坂議員 ◯33番(野坂道明君)分かりました。私は、この取組は進めていただきたいということでずっと議論をさせていただいておりまして、それはそのような趣旨の質問であります。ただ、様々な対象施設によって対応が違っていくのはおかしいのではないかなと思っていまして、この後、質問させていただきますけれども、また御答弁いただきたいと思います。  先ほど4.2億円のVFMという話がありました。内部の検討で今回の状況で4億円以上ものVFMが出るというのが、私は結構これは驚きなのですね。そもそも5年9か月で1,700万円のコスト削減ということがVFMで導入されていますから、かなりのものだとびっくりしております。誰がどのように算出したものなのか、これらの報告が議会にありません。具体的な説明は、また後ほどで結構ですからお願いしたいと思います。  それで、知事、今回、骨格予算でこのアドバイザリーが入っているわけですね。知事がリトマス試験紙とよく言われる導入可能性調査も飛ばしながら入っているわけです。この後は3か月後に選挙後の肉づけ予算もあるわけですけれども、この三月の差が違いだということなのですけれども、骨格で急がれた理由というのが何かあれば教えて教えていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)その件につきましては、先ほど概略を申し上げましたが、県土整備部長からお答え申し上げます。 ◯議長(内田博長君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)骨格予算に計上した理由につきまして補足の答弁をさせていただきます。  知事が答弁されましたように、29年度の9月議会でも本格的なSPCへの長期運営権委託をなるべく早くすべきだという御指摘があり、本格的なコンセッションを目指すというようなやり交わしがあって、この案件自体が急がれているという認識がまずございます。令和9年度4月に次期コンセッション開始となりますと、令和8年度に新旧の運営権者の引継ぎを1年間かけてどうしても実施したい。5年度当初予算で計上いたしましても最短でも6月の契約になるということを考えれば、5年度の検討期間をしっかり1年間近く確保するためには、骨格予算につきまして以下に申し上げる業務を的確に実施していく必要があると考えました。  それと申しますのが、5年度中は、マーケットサウンディング、資産評価に基づく株価算定、それから鳥取空港ビル株式会社の各株主に対する株式譲渡交渉及び株式譲渡予約契約締結が必要不可欠ということになります。この4年間を今見込んだアドバイザリー契約でございますけれども、他空港を見ましても、例えば福岡空港、広島空港、静岡空港というところもそれぞれ4か年を要しておりまして、アドバイザリー業務委託の経費も私どもが今1.3~1.4億円を計上しておるところですけれども、2億円から4億円強といったところでございます。必要に応じましてこの1.4億円の予算で本格コンセッションの必要な検討をいたしたいと考えておりますが、不足がありましたら肉づけ予算、また次年度予算以降での追加等も加えながら実施をしてまいりたいと思います。  議員御指摘のありました仮のVFMの扱いにつきましてでございますが、手元の資料の内閣府の手引によりますと、このシミュレーションのVFMというのは特定事業の選定時に公表するという資料でございますので、今手持ちにありますのは、最低でもこれ以上のものを見込んでいるという暫定的なものという取扱いでよろしくお願いしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)33番野坂議員
    ◯33番(野坂道明君)次に、観光文化施設のPFI導入についてお尋ねします。  博物館につきましては、昨年10月に開館50周年を迎えました。昨年の2月定例会で足羽教育長が答弁の中で老朽化と耐震改修の必要性に触れられましたが、平成30年6月に改修整備基本構想が策定された後、具体的な動きが見えません。検討に着手してからPFI手法での改修までは5年度かかると思いますが、県立博物館は、再整備が進む鳥取城周辺の観光にぎわい創出にもつながる重要な拠点だと考えます。こちらも空港と同様に早急に改修に向けた検討に着手すべきだと考えますが、まずは知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)御指摘の博物館につきましては、県立美術館問題が本議会の大きな焦点になっておりました。それがこの我々の4年間でほぼ今完成に向けて仕上がりつつあるという状況でありまして、次の任期の皆様に、県立博物館の扱いをどうするのか、本格的に議論していただく時期に来たのではないかなと認識をいたしております。  平成30年に一応一つの取りまとめはございますけれども、その際にも、美術館と連動させながら中身を考えることとしておりますし、今、鳥取市におきましても、こうした文化芸術についての考え方の取りまとめもなされようとしていると伺っております。議会のほうの附帯決議も美術館にございまして、一定の美術関係につきましては博物館のほうでも取り扱うということにしたり、また、この議会での審議でも、博物館での美術展示ということも、展覧会、そうしたものも例えば地元の展覧会などに協力しましょうということを前提に美術館がスタートしたという経緯がございます。この辺を整理しながら、議員がおっしゃるような博物館の耐震改修を含めたリニューアルに次の任期は踏み出していくべきときではないかなと思います。その際、当然リトマス試験紙をかけてPFIをどうするのかということも検討に着手することとなろうかと思いますし、方向性を出していく次の4年ということになると考えております。 ◯議長(内田博長君)33番野坂議員 ◯33番(野坂道明君)空港のコンセッションを推進している立場の私が、ちょっと何か質問で違和感を感じられたところがあるのだろうと思いますが、進めるという話にけちをつけているわけではありません。それぞれ対象によって手続が違うのは納得がいかないな、そういう気持ちで質問しております。  それは観光文化施設へのPFI導入であります。これについては、導入可能性調査で10年で13億円、率に9.5%のVFM、花回廊単独でも3億円、率にして9.3%、これらの数字が出ております。これはコロナ禍を理由に5年後まで先送りされました。しかしながら、空港のコンセッションは数か月、この肉づけもやめて骨格に入れられ、積極的に進めるということであります。それは結構なことですけれども、ならば観光のこれらも同様に検討されてみたらどうかと私は感じます。  今日は時間の関係であえて触れませんでしたが、発電施設の譲渡検討も事実上先送りされていて進んでいません。これらについてもコロナ、ウクライナ侵略が理由だったように思います。あえて骨格に入れられた空港コンセッションと、既に明確なVFMが出ている観光文化施設、これらのコンセッションとの違いをどのように考えておられるのか、この点、再度知事のお考えを聞きたいと思います。  また、先には文化観光施設のコンセッションの検討を継続されるということですが、これらは来年度以降、次の体制でどのように具体的に検討を進めていかれようとしているのか、これは知事の今段階のお考えで結構ですので、お聞かせいただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂議員から重ねてコンセッション等につきましてお尋ねをいただきました。  詳細は局長の森田のほうからまたお話もさせていただきたいと思いますが、先ほど説明申し上げましたとおり、空港につきましては、議会としての方向性も定まっている中で、9年度ということを見据えて逆算をして、できるだけ早くまとまるものがまとまるのであればということで出させていただいたということであり、あまりこの点は議論は大きくはなかったと思っております。片方で観光施設であるとか、それからそのほかの企業局関係、こういうところにつきましては、まだ議論もいろいろと交わすべきものも残っているかと思いますし、現にウクライナ紛争に伴う電気料金の値上げ傾向など不確定要素が多いということもあり、これについては次の任期にまたぐというような形にさせていただいたというのが概略でございます。 ◯議長(内田博長君)森田デジタル・行財政改革局長 ◯デジタル・行財政改革局長(森田厚史君)文化観光施設へのPFIの導入につきまして補足の答弁をさせていただきます。  知事も申し上げましたけれども、鳥取空港のコンセッションに関しましては、平成29年度に導入を決定した際に、まずは指名指定により導入し、次期については公募で行うことを決定しておるところでございます。改めてコンセッション導入の可否について検討を行う必要はなかったという状況にございました。このたびコロナ禍に配慮して指名期間を3年延長することとしたものの、応募意欲を示している事業者もあり、既に決定した方針どおり公募を行うこととしたものでございます。  一方で、文化観光コンセッションにつきましては、導入の可否の検討中の状況でございます。また、過去に導入可能性調査において参入意欲を示した事業者からも、コロナ後の状況を3年程度確認しなければ参入は難しいといった意見があったところでございます。  さらに、令和5年1月に県有施設・資産有効活用戦略会議に際しまして、有識者の方に文化観光施設へのコンセッションの導入に係る方針について意見をお伺いしておるところでございます。この際、コンセッションの検討は、大規模施設の更新時に行わないとメリットが出にくいといったこと、あるいは雇用の面を考えるとコンセッション導入により地域が潤わない可能性もある、また、指定管理とコンセッションでは条件の設定では大きく違いはなく、コンセッションにこだわる必要はない、民間の視点では、現在のコロナ禍の状況を勘案すると、長期のコンセッション等への参入は判断が難しいといったような意見が寄せられたところでございます。  したがいまして、こういった意見を踏まえまして、今時点でのコンセッション導入を決定することは困難と判断し、次時期の更新時、令和11年度に向けて引き続きコンセッションの導入の検討を行うこととしたところでございます。具体的な検討に当たりましては、事業者の意見にもあったように、3年程度のコロナ後の集客ですとか運営状況を確認しつつ、また、いただいた有識者の意見を踏まえまして、地元の雇用でございますとか正規雇用の維持あるいは施設の大規模改修等のタイミング、指定管理期間の延長等の要素も含めまして改めまして有識者の意見を聞きながら検討を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。 ◯議長(内田博長君)33番野坂議員 ◯33番(野坂道明君)空港のコンセッションは、今、指名コンセッションから公募型に変わっても、こういう鳥取空港のような地方空港ではフルコンセッションというのは難しいと思います。混合型の継続で、やはり県費で見ていく部分というのはあろうかと思います。ならば、十分な説明を受けて、共に同じ思いで進めていくというのが私は段取りではないかなと思うわけですね。PFIの取組については、時に例えば今回のように加速があったり、観光文化施設のように慎重な考え方があったり、その点が私はいま一つまだ納得できないので、この多額な4億円以上のVFMももうちょっときちんと説明していただきたいと、このように感じております。  最後に、知事に、今回の今までの議論を通して、これは所感、感想で結構です。行政改革にかける思い、これは知事は並々ならぬ思いで4期取り組んでこられたと十分に承知しております。最後に、行革にかける思いや組織管理の目標、見える化、これらについて知事に所感を……。 ◯議長(内田博長君)野坂議員、答弁の時間がありません。 ◯33番(野坂道明君)伺う時間がありませんので、しっかりと対応をお願いしたいと要望して、終わります。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  再開は11時25分といたします。        午前11時17分休憩    ────────────────        午前11時25分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  3番福浜隆宏議員 ◯3番(福浜隆宏君)(登壇、拍手)改めて、皆さん、おはようございます。  今日は県立高校入試です。今朝街頭に立っていると、中学生の男の子がひょっこりやってきまして、今日は実は受験なんですと、いつになく不安そうな顔をして来るので、大丈夫だと、自分の力を信じて最後まで諦めずに頑張れというふうに肩をたたいて送り出したのですが、考えてみると、高校入試というのは人生にとって初の試練かもしれません。全ての受験生がその試練に打ち勝って合格切符を勝ち取ることを心から願っているところです。  コロナの出口が見えたかなと思った矢先、物価が上がってエネルギーのほうも、そしてトルコではまた大きな地震も発生しました。まさに次から次へと世界中、試練だらけです。しかし、我が国の戦後の復興が表すように、試練のたびごとに我々人類は知恵と工夫と勇気を振り絞り、困難に立ち向かい、互いを思いやり、つながり、そして励まし合いながら前へ進んできました。そんなDNAは今を生きる私たちの中にもしっかり息づいています。人口が少なく機動力にたける本県こそ、変化を恐れず先頭に立ってチャレンジすべきときだというふうに考えて、本日6項目を質問してまいりたいと思います。  3年間に及んだ新型コロナ、多大なるマイナスの影響をもたらした一方で、前に進んだものの一つがテレワークです。鳥取市内にある従業員100人規模のIT系の企業では、常時出勤する人が実に3割まで減ったそのタイミングを捉えて、去年の暮れ、業務フロアを一気に大改造されました。フロア全面を占めていましたマイデスクを一切廃止して7割のスペースが空っぽになり、代わりに1人用の個人ブース、グループワークが可能な比較的大きな机、そしてモニターを複数台配置、反面、実務経験が非常に浅い若手社員などが先輩から指導を受けやすいように、従来どおり机を並べたスペースも残しました。まずは業務のありようを見直し、その上で、在宅勤務を含めて一人一人の業務効率がより高まる環境をあえて求めたのです。  県庁でも、このコロナ禍のさなかにあって業務を止めないため、在宅勤務が一気に増えました。今年度だけでもその数、延べ1万4,000人余りと伺いました。コロナが明けてしまったら通常に戻すのが普通だと思います。しかし、机を並べて働くよりも在宅で業務したほうが、子育てや介護の面だけではなく、気持ちの面でも効率が上がる、そんな職員もいらっしゃるかもしれません。また、個人の意向だけではなくて、組織の面でも部局によっては、より現場に近いところへ係や職員を分散させることも可能になるかもしれません。IT企業と同じとまではいかなくても、テレワークを手段とした県庁の業務改革の可能性について知事の所見をお尋ねします。  次に、県が所有する施設のエネルギー転換についてお尋ねします。  1月の会派要望で、鳥取市内にある県有施設の空調機器の熱源更新というタイミングを捉えて、燃料を重油から天然ガスに切り替えたほうが環境に与える影響が小さくなるため検討してほしいと要望しました。この天然ガスと重油、単位熱量当たりで比較すると、CO2の排出がおよそ30%減ります。大気汚染の原因となる窒素酸化物はおよそ25%減ります。また、ばい煙、いわゆるすすの原因となります硫黄酸化物は、天然ガスの場合、一つも発生しません。世界的な環境重視の中で、この先20年、30年と県が持っている施設で変わらず重油を燃やし続けるのはいかがなものかと。  しかし、天然ガスへの切替えとなると、初期投資が莫大になり、当然ながらそのコストも無視できません。そこで、一定の尺度があればと考えました。例えば建築分野では、鉄筋コンクリートなどを木造建築に切り替える場合、3割増しまでであるなら割高でも使うという目安があるということなのです。では、エネルギー転換に関してもそうした一定の目安があれば、コスト縮減のみにとらわれず広い視野での検討がどの部局でも可能になっていくのではないかと思いますので、知事に所見をお尋ねします。  次に、米です。  日本人の主食である米、国民1人当たりの消費量は、ピークだった1962年、昭和37年当時は118キロ食べていたものが、60年後の去年2022年には50キロと実に42%にまで減りました。本県は8割が兼業農家です。米と違って畑作は手がかかってしようがありません。中山間地域で話を聞くと、この先、定年の延長が影を落としていくと、もはや自分の子供や孫が中山間地に住む必然性がなくなる、集落が消えるとまで言われました。田んぼを守っていく、これこそが集落を守り、地域を守る、また、田んぼは洪水の調整機能もあり、都市部に住む我々も決して無縁ではありません。いざ食料危機の際、田んぼがないでは話にもなりません。瑞穂の国が今、重大な局面を迎えていると私は思っています。  どうやって田んぼを維持していくのか。そこで、登場した飼料用米への切替えですが、農水省は、2024年産から飼料用米の一般品種の単価を引き下げると発表しました。財務省主導による歳出抑制が主な要因と報道されています。幸いなことに本県では、一般品種ではなくて、専用品種とされている日本晴を栽培しているので影響は小さいと思います。しかし、先々、例えば今のような輸入飼料の高騰が一定程度収束すれば、歳出抑制のため専用品種に関しても補助金が減額されて、畑作への切替えをもっともっと奨励する方向性が強まることを非常に危惧しています。需要の減少、米価維持のため供給カットのみが先行して、一方で、危機管理、食料の安全保障、瑞穂の国を守る、地方を守るという姿勢がどうしても見えてこないのです。この点、知事はどのようにお考えなのか、所見をお尋ねします。  次に、鉄道利用です。  今、物流業界は2024年問題に直面しています。働き方改革関連法によって、来年の4月以降、トラック運転手の時間外労働の上限が年間960時間、月換算80時間までに制限が課せられます。トラックドライバーの労働環境にメスを入れるというのはもちろん必要です。ホワイトに切り替えることは不可欠なのですが、物流業者にとっては、運賃を上げない限り利益が上がってきません。ドライバーにとっても、残業が減って賃金が減ります。したがって、今よりドライバー不足がさらに加速されて、5年先の2028年には今物流しているものが4分の1たなざらし、残ってしまうとまで言われています。  今や通販が当たり前の御時世ですから、我々国民もこのホワイト物流への理解と協力をする必要があると思いますが、今後、私は鉄道輸送をもっと強化していくべきではないかと考えます。既に関東では、物流大手の日本通運とJR貨物との間で連携が進んで、共同で荷主に対する説明会も開催されました。御存じのように、我が山陰線での貨物列車は2015年に完全に廃止となりました。いろんな要因があったと思います。ただ、数年前の西日本豪雨の際、山陽本線の一部区間が寸断した影響で、名古屋から福岡への貨物輸送が山陰線へ迂回したことがありました。しかし、山陰線はほとんど電化されていません。国鉄時代のディーゼル気動車DD51が引っ張り出されました。乗務員も経験が浅くて事前訓練まで行った結果、迂回が実現したのは、あの豪雨からようやく一月半たった後だったのです。  山陰線は単線です。ダイヤ編成がより困難で、新たな気動車も必要になってくるでしょう。また、そもそも鉄道輸送に見合うほどの需要が山陰側にあるかどうか非常に課題も多く、そう簡単ではないと思います。しかし、このホワイト物流の実現、さらには、大規模災害によって山陽側が再び寸断した場合であっても、日本を止めない、物流を止めない手段として鉄道を使っていく、山陰線での貨物輸送の復活を国主導で検討すべきと思いますが、知事にお尋ねします。  変わって観光面です。  大阪万博が2年後の2025年4月から10月まで、このときにいかに本県に来てもらって満足して帰っていただけるおもてなしを、観光・宿泊・飲食業関係者だけではなくて県民挙げてどう取り組んでいくのか、今年2023年はその大きな礎を築く大切な年だと思っています。「鳥取に来ても何もええとこないで」ではなくて、あれもある、これもあると県民誰もが自信を持ってスピーカーになって人を呼び込む、そのムードが最も大切です。その試金石となるのが、来年10月19日から4日間、本県で開催される全国健康福祉祭、ねんりんピックではないでしょうか。  鳥取大会には、期間中、高齢者を中心に選手だけでも1万5,000人もの方が来県されます。高齢者の皆さんは、お目当ては、もろちん競技もあるのですけれども、半分は観光です。高齢者の皆さんといいますと、目が肥え舌が肥えていて、高いレベルの接遇を期待されています。御年配の方が満足するおもてなしがもし実現できれば、あらゆる世代にも対応できて、それが大阪万博へとつながっていきます。  しかし、ねんりんピック4日間のためだけでは、期間があまりに短く、やる気も中途半端になってしまいかねません。そこで、来年の秋、9月と10月の2か月間を今風でいうシン・シルバー月間、最高のおもてなしを県民挙げて実現しようというふうに銘打って、2023年、今年はその準備の1年とするというのはいかがでしょう、知事の所見をお尋ねします。  壇上の最後に、地場産業の見える化です。  地元の若者たち、あるいは県内の大学に県外からやってきた若者たちが一体どうすればもっともっと本県にとどまってくれるようになるのでしょうか。  いろんな方策があると思いますが、ある製造業の社長から一つ提案をもらいました。地元大学生向けのインターンシップ、1週間なら1週間と、その中身をしっかりプログラムすることが非常に大切だと。この会社では、社を挙げて検討した結果、1週間でパソコンのよく使っているマウスを設計から加工まで一気に仕上げていくというプログラムを開発したそうです。すると、会社の特徴、仕事の内容、やりがいがとてもよく分かりましたとインターンシップを経験した鳥大の学生の中から実際に就職に結びついたケースが増えていったそうです。ただ、この社長いわく、うちは100人規模だから自社でプログラムを開発できた。けれども、鳥取県は中小の会社が多いので、独自で開発するには非常に無理があるのではないかと。そこで、鳥大などと連携して、会社の特徴を色濃く反映したインターンシップのプログラムを開発する仕組みを県の仲立でつくれないものだろうかという提案でした。  県内にも独自の技術を持った事業所が複数あります。しかし、技術にたけていても発信にたけているとは限りません。上手に見える化するには、第三者の視点、アドバイスが必要だと思います。知事の所見をお尋ねして、壇上での質問とします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から一般質問をいただきました。  まず冒頭、今朝、高校入試の生徒さんと出会ったというお話がありました。私からも、この入試を乗り越えて、すばらしい人生へまた乗り出していただきたいとエールを送らせていただきたいと思います。「児をつれて小さい橋ある梅林」、尾崎放哉がそういう句も詠んでいます。考えてみると、子供からだんだん大人になるに従いまして幾つかの橋を越えていくのではないかと思いますが、そこにちょうど今、花盛りの梅林のような未来があってほしい、そういうように願うものでありまして、無事入試を終えられることをお祈り申し上げたいと思います。  議員のほうから、まずテレワークにつきましてお尋ねがございました。県庁のことをいろいろと取り上げていただきまして、働き方改革、そういう意味でテレワークというものを積極的に考えてはどうかと、こういうことであります。  令和4年は、議員の御指摘いただいたとおり、1万4,000回延べそうしたテレワークを職員が体験しております。これは飛躍的に実は伸びておりまして、その前年は400回余り、その前は150回余り、それまではだんだんと増えてきたときは40~50回ぐらいでありました。極端に増えているのは、当然ながらコロナのものでございまして、それで分散勤務をする、それから在宅勤務をする、そういうようなことをやらざるを得ない状況の中で、県民の行政サービス、そのニーズに継続して応えるためにやったことが大きかったですし、そういうことで実はテレワークを我々の職場も体験しました。ほかにもいろんな企業さんがそういうテレワークを体験しているわけですね。私も、子供が東京で働いていますが、もうずっとテレワークを今も続けております。  それは、それでいいこともあれば悪いこともあるのだと思います。現実にテレワークに参加した県職員に関係部局のほうで状況を調査させていただいたことがありました。そうすると、通勤の時間だとかがなくなるので時間が有効に使えるということが8割ほどでございまして、また、作業能率が上がるとか、それから介護だとか子育てだとかにも活用できるということが大体半分ぐらい、4割台の後半から5割ぐらいそれぞれ答えがありました。ですから、ある意味ワーク・ライフ・バランスを今までずっと我々唱えてきたわけでありますが、期せずしてそういうワーク・ライフ・バランスという点では一つ試金石になったのかもしれません。  他方で、実はどういう問題があるかということでございますが、そうすると、やはり中で、例えば先輩だとか上司だとかと協議をすることができないという課題でありますとか、あるいは突発的な業務が起こったときに、このテレワーク体制だと、要はその場にいれば、みんな集合と声をかけて、では、あなたはこれをやって、これをやってとぱっと突発業務には対応できますが、みんな在宅していますとそういうことができないとか、そういういろいろと課題もあったわけであります。先般、議会のほうでも御指摘がございましたけれども、例えば上司や周りの仲間とも相談できないとか、あるいは役所に来れば、どこかに同期なり友達もいるもので話し相手がいたり、また、資料を参照できないというのも4割ほどはやはり回答がありました。こういうようなことがどちらかというとメンタル面にやってくるのではないかと思われました。  実際そうした傾向が見え始めたので、今年度は職員支援課という、そういう職員のメンタルを所管するところで、看護の資格のある保健師を1名増員させていただいて、さらには、産業医さんにも様々な場面に出ていただいたりしまして、そうした職場の支援ということもやったわけですね。ただでさえコロナでありますので、実は業務ががらがらと変わっているのですね。できることとできないことができてしまいました。  それで、場合によっては応援ということで他の部局の業務を手伝うこともありましたし、そういうのが環境変化としてメンタルに影響するところに持ってきて、話し相手だとか、それからリアルな交流によって言わばストレスを発散したり、いろんな悩みを軽減することができるのでしょうけれども、それがなかなかリモートだとできないということがありました。こういう課題があるということも見えて、それで、今年度はそれに本県としても県職員のメンタルフォローアップでそういう場面も強化をして実際効果は出たようでありまして、若干そこは緩和されてきた、通常に復しつつあります。  こういうようなことは、今後のテレワークの導入可能性とか、それからワーク・ライフ・バランスにとりまして私はポジティブにこの経験は生かすべきではないかと思います。早晩5月8日を超えてきますと、こういうコロナ関係で業務ができなくなるということは多分大幅に減ってくると思われますし、それから動員をかけてやるような今在宅支援の陽性者コンタクトセンターがありますが、これも一種の健康相談のものに衣替えをしながら看護協会などと一緒に運営していくということに多分なると思います。  そういうことで、また旧に復していくわけでありますが、せっかくこういう経験を積んだわけでありますから、こういう場面ではテレワークができますねと、それを入れながら、例えば役所の在り方、その辺も議員がおっしゃいましたように、必ずしもここに集中していなければいけないという固定観念がだんだん今外れつつありますので、もう少し自由度高く考えていくこともできるのかなと思っております。こういう関係では、フレックスタイムとか、あるいは子育て関係の分割休暇だとか、いろんな制度もございまして、テレワーク以外のことも併用しながら職場の改革を進めていければと思っております。  次に、エネルギー関係につきましてお尋ねがございました。熱源回収のことがあったり、そのほかのことも含めて、コスト縮減ということにとらわれない検討をしてもよいのではないかということでございます。  実は今までもそういう観点でやっていました。これからのCO2削減ということを考え、とっとり環境イニシアティブを進めましょうと。そういうものを率先しながら、ここもそうだと思いますが、LEDを入れたりしますね。これは普通の蛍光灯とかに比べますと初動コストが高いです。ただ、後年度でじわじわと言わば電気代が安くなったりして回収できるかもしれない。ここを厳密にやると、なかなかこういうことには実は進まないところがあります。したがいまして、ある程度はそういうLED化というものも優先しながら導入をした時期もございました。ですから、そういうことはほかにも応用が利くわけでありまして、必ずしもBバイCが1かどうかということ以上に、例えばそうしたエネルギー革命につながっていくとか、そうしたことも含めて社会全体として取り組んでいくべき課題があるかと思います。  では、どれほどまで許容できるかというのは難しいところでして、3割も増やすというふうになると、なかなか議会も含めて県民の皆様の納得は得にくいかもしれませんが、例えば1割程度以内で、それもかなり効果が高いものであれば、本来は下げるべきですけれども、このぐらいは許容できるかなというようなことは議論できようかと思います。その辺は柔軟に検討すべきではないかと考えております。  次に、米消費とか、あるいは米作、水田というものを畑作に切り替える傾向に対する危惧を感じるというお話がございました。  これにつきましては、もうそろそろ卒業も近いので最後になるかもしれませんが、農林水産部長の西尾のほうからお答えを申し上げたいと思います。  いろいろと現場でも工夫していまして、例えば岩美町の大谷においては、米作りを集落営農でやるわけでありますが、例えば大豆だとか、そういうような転換を進める、そういうものをいろんな支援制度で応援をする、飼料用米をやっていく、それも応援をしていくと。そこに議員もおっしゃるような直接支払い的なものだとかを併用しながらやっていくわけであります。  こういうようなことを現場ではやっていますが、議員の問題意識と一緒でございまして、やはりもっと根本的に、では、中山間地をどういうふうに守っていくのかとか、あるいは日本の米作というものをどういうふうに今後継続していけるのか、もっと現場の声を政府のほうでも聞いていただいて、例えば、今こうした直接支払制度につきまして見直しということが言われているわけでありますが、5年間のうちに水を入れなければいけないかどうか、そういうことが今度集落の農業の行く末にも関わるわけでありまして、この辺をやはり政府としてもまた柔軟に考えていただくべきところも多分あるのだと思うのです。その辺のまだポリシーといいますか、基軸が確かに定まっていないのではないかというのが福浜議員の問題意識だと思いますが、それは同感でありまして、今後とも、こうした課題それぞれに政府のほうにも働きかけをして、地域の農業が守られ、集落が守られる、そういう視点でぜひ取り入れていただくようにお願いをしてまいりたいと思います。  次に、鉄道貨物の利用につきましてお尋ねがございました。これについて関係者とよく議論をすべきではないかと、こういうお尋ねでございます。  鉄道につきましては、本来、山陰本線も貨物列車が走っていたわけでありますが、平成8年に東松江から米子の間が廃止をされました。翌平成9年に米子から鳥取、湖山のほうまで、これが廃止をされるということになり、湖山のほうの貨物駅につきましてもトラック輸送の拠点として、姫路までJR貨物系で運ぶというように改められたところであります。したがいまして、もうそれから30年近くこうした状況が続いているわけであります。  さらに、最近も、電化区間でありますけれども、米子から伯耆大山のところも伯耆大山のほうにシフトをしておりまして、これもやはり貨物輸送の縮小にもなっているところです。ダイヤ改正が実はあって、数年前のことですが、そのときは国のほうにも、こうした貨物輸送、そうした公共交通機関による貨物の取扱いについて要請活動をしたこともございました。ただ、なかなか時代の波もあって、今現実は、例えば王子製紙さんのようなところが使っておられたりというふうに、かなり限られた利用になっているところであります。  したがいまして、これをどうするかということですが、いわゆるモーダルシフトを起こしていったり、2024年問題というふうによく言われるトラックのドライバー不足があるのではないか、それに向けて今いろんな改革をしようとしています。例えばホワイト物流というのをぜひ産業界、いろんな荷主さんたちにも御理解いただこうと、こういうようなキャンペーンをさらに展開を強める必要があったりします。  そういうものと併せて、こういう鉄道だとか、そうしたものの活用がCO2削減の観点でも必要だとも言われます。大体トラック輸送の13分の1ぐらいが貨物輸送であって、CO2という観点では望ましいものでありますし、実は海運の貨物船よりも半分ぐらいとも言われています。ただ、残念ながら全国的に見て貨物輸送の鉄道利用は衰退しているわけです。  ただ、私どもはローカルのほうで今ローカル線の問題を抱えている地域からよく申し上げるのは、例えば日露戦争のときも、そういう軍需輸送を考えて国有化をしたという背景があります。やはり単に採算だけの問題なのだろうか、安全保障だとか、そういうことも含めてやはり世界ではそういう鉄道資産というのを有効に活用しようとしているわけでありまして、その辺は今後も国を挙げた検討というのはあってもいいのではないかなというふうに思いますし、これが恐らく赤字ローカル線の廃止云々の話にも関わるわけですね。例えば山陰本線の鳥取から東浜、浜坂、ここのところをもし廃線してしまうと、もう二度と貨物輸送はできなくなると。万が一のときの防衛関係あるいは避難の関係、こうした退路が絶たれてしまうことにもなりかねないと。今のウクライナを見ていると、そういうふうに鉄道を軸とした攻防戦というのは繰り広げられているわけであります。ですから、そうした観点も含めていろいろ検討されるべきだというふうに思います。  これについて、これまでも実はJR貨物さんとも協議をしているのですが、なかなかハードルは高い。やはり長距離輸送がJR貨物の採算分岐点といいますか、利用者にとって重要なところでありまして、この長距離輸送をどれだけ荷主が確保できるかによってはあちらも考え得るわけでありますが、現状ではちょっとそこには程遠い利用状況だということであります。ただ、いずれにせよ2024問題もございますので、こういう輸送、物流全体をどうしていくかということについては、政府を挙げて検討していただき、いろんな支援策を含めて、それを乗り切っていく対策というのをこれから次の4年間以降、本格化させるべき時期だと考えております。  次に、ねんりんピックにつきましてお尋ねがございました。これから来年9月と10月の2か月間、おもてなしなどを県民、県全体でやっていく、そういう運動を立ち上げていくべきではないかと、こういうお話でございます。  重要なことだと思いますし、実は今我々も考えかけていて相談しているのは、今、ねんりんピックが迫ってきましたが、ボランティアセンターを立ち上げようと今考えているわけです。過去、例えば国民文化祭であるとか、いろんなときに実はボランティアセンターというのを立ち上げてまいりました。取材されたことが当時あったかもしれませんが、非常に皆さん熱心にいろんな地域から来られる方々をおもてなししようというふうに盛り上がるわけです。こういう県民みんなでこぞって協力しながら迎え入れるというのが、実は来られる方からも評判がいいのですよね。子供たちと出会う機会があったとか、それからあそこの観光地に行ったらこういう人たちが案内してくれたとか、そういうのがやはりリピーターを生んだり、今後の関係人口づくりにもなってくるだろうと思います。  言わばそうしたボランティアさんなど、いかに多くの方々がこの大会に参画していただいたり、何らかの関わりを持っていただくことが、後になって、あの大会はよかったと言っていただけるかどうか、成功か否かというときの分かれ目に多分なってくると思います。これは我々が大きな大会をやったときの過去の経験則からそのように思います。そういう意味で、ボランティアセンターを立ち上げるだけでなくて、他の地域と違って、そのボランティアセンターでいろんな盛り上げ企画、おもてなし企画も考えていただいて、それをある程度我々も機動的に実現をしていくと、サポートをしていくと、これを市町村などと一緒にやっていってはどうだろうかと今構想を進めているところであります。  考えてみますと、このねんりんピックがありますが、令和9年には今度は関西ワールドマスターズゲームズがあると。それから令和15年になりますと、国民スポーツ大会、障害者スポーツ大会があります。こういうものに向けていくステップアップにもなると思うのですね。市町村と協力しながら大会を運営し、そこに多くの県民の皆さん、あるいは私は希望的には学校なども関わっていただくのがいいのではないかと思うのですが、例えばホスト校をつくるとかですね。国体なども割とそういうことをやっていまして、何々県はここの学校が応援しましたなどというのが例えば会場に行くといろいろとあるわけです。各県から来る方々はそれがまたうれしいのですよね。それが、また子供たちにとりましても、その地域のことを勉強するとか、そういう機会にもなると思うのです。  来年度、再来年度というふうに時間は今後動いていくわけでありますけれども、そういう中でねんりんピックを通じた学習の機会や育ちの機会にもなるのではないかと思います。いろいろと工夫をすることはできると思うのですね。SNSなども発達してきましたし、今日びのシルバー世代はLINEぐらいやるものでございまして、そういうものを活用しながら、あちらにこういうおいしいお店があるよとか、割とそういうのを楽しみながらやっていただけるような環境づくりだとか、いろいろと工夫はできると思います。ぜひ今日の御提案を受けておもてなしをできるように、ボランティアセンターなどを含めて展開を図っていきたいと思います。  最後に、インターンシップにつきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、今、本県ではインターンシップを歴年でどんどん拡大してきています。その背景には、中小企業団体中央会がありまして、中央会さんが自らの企業ネットワークも生かしながら、このインターンシップのあっせんといいますか、コーディネートをしていただいているのですね。これらがうまくいっている面もありまして、今そうしたインターンシップというのが拡大をしてきて、これが就業定着にもつながっている効果のある事業だと思います。  そこに持ってきて、いわゆる三省合意といいますが、国のほうでもそうした合意が図られて、事実上インターンシップというのが就職について決め手になるようなことになるのではないかと。つまりインターンシップの情報を就職試験だとか、そういうものにも活用できるようになってくると。そうなると、インターンシップを割と早めにやりますが、そうした早い段階からひょっとする青田刈りに遭うと、都会に持っていかれてしまうのではないかということもあるわけですね。ですから、今それに対抗しながら、本県としても地域の中で、いろいろとまだインターンシップに慣れていない面もあるかもしれませんが、インターンシップ文化というのをしっかりつくって、それで学生の皆さんにも早い年次からも含めて参加していただけるようにすることが大切だと思います。そういう意味で、議員がおっしゃった、そうした活動があって、一つのプログラムを全うするという非常に評判のいいインターンシップがあったというお話でありますが、こういうようなことをいろいろと企画をしていくことが大切かなと思います。  気高電機さんは炊飯器で有名な会社ですけれども、最近も、世界に一つだけのマウスを作るというのを課題にして、それで学生さんのインターンシップを受け入れることをやって、これは非常に評判もいいですし、こういうのがまた就職の定着にもつながっていきます。それから例えばツナガルドボクという大学生のグループがあって、こちらが今、県の一向平のほうに、言わば泊まりながら、それで井木組さんだとか、そうしたところを経験するわけです。こういうことで、学生も主体になりましてそういうインターンシップ活動というのを行っている、これも非常に評価されるべきパターンかなというふうに思います。最近は、こういうワーケーションのインターンシップ版みたいなものがこれからトレンドのようでありまして、中にはゲストハウスを使って、これは八頭のほうでありますけれども、エスマートさんでやはりそういうインターンシップを受けられるのですが、2週間ぐらいそういうふうに滞在をしてもらいながらやるインターンシップというのも始まっています。  いろいろとノウハウは生まれつつありまして、議員がおっしゃるようなものを横展開するために、例えばインターンシップのやり方のセミナーをやってみるとか、それからそういう言わば魅力あるインターンシップを進めていくための中央会などとも一緒になった促進策を打つとか、また、新年度、新しいメンバーでぜひ議論していただく必要がある緊急性の課題かなというふうに思っております。三省合意が結ばれて、それで就職活動の風景が変わってくる可能性がありまして、このインターンシップの魅力化というのが重要な鍵になると思います。 ◯議長(内田博長君)西尾農林水産部長 ◯農林水産部長(西尾博之君)水田機能の維持について補足の答弁をさせていただきたいと思います。  現状、米の需給が相当緩んでいるというところで、主食用米の国内需要量、人口減少によって毎年約10万トン減少すると、そう見込まれる状況の中にあります。そういう中にあって、より米価を安定させる、稲作農家の経営安定ということが最優先でございますので、それにできるということで、需要に応じた米生産に取り組むということが何よりも大事だということは言えるのだろうというふうに思います。ただ、本県のように、本県だけではありませんけれども、中四国のほとんどがそうでございますが、中山間地に多くの農地を依存している生産現場からは、先ほど議員のほうが触れられましたようなお声があることは十分に認識しているところでございます。  そういう声も踏まえまして、これまで国に対して水田農業の経営安定化を図るために、水田活用直接支払交付金等、十分な予算を組んでいただくことと、あわせまして、現場の実情を踏まえた継続した取組への支援を国に対してお願いしてまいったところでございます。  一方で、現状、農家あるいは農地が減少していく、あるいは気象変動などの情勢の変化に加えまして、ウクライナ情勢を背景とした食料、それから資材の供給不足あるいは高騰といったさらなる不安が現実起きております。食料安全保障は、国の責務としてしっかりと取り組んでいただくことが重要であると認識しておりますが、現在、政府のほうでは、来年の通常国会に現状ございます食料・農業・農村基本法の改正案の提出を見据えまして、今現在、6月を目途に大枠を固める方向でいろんな議論が進められているというふうに聞いております。食料安全保障のほかに、環境負荷の低減の在り方、それから農地の受け手となる経営体の生産性向上、農村への移住促進等、いろんな角度で分野別の方向性の議論がされているというふうに聞いております。今後その動向をしっかり県としては注視してまいりたいというふうに思います。  県内におきましてですけれども、芝のように作付がある程度固定化されているような地域では、水田の畑地化に向けた検討も開始される動きもあるというふうに聞いておりますけれども、県内の農地、水田のほとんどはその機能を維持するために、飼料用米でありますとか大豆あるいは白ネギ等、園芸作物による転作が中心になるというふうに認識をしております。県としましては、市町村あるいはJAグループの皆さんと連携いたしまして、地域における農地の利活用の話合い、現状、人・農地プランという施策を一緒になって進めておりますけれども、その策定に向けた話合いを進める、あるいは農家の経営判断等々に寄り添いながら県内の水田農業の安定化に向けた取組を引き続き支援してまいりたいと考えるところでございます。 ◯議長(内田博長君)3番福浜議員
    ◯3番(福浜隆宏君)御答弁いただきました。本当に課題はあるものの、知事から、そして農林水産部長からもですけれども、前向きな御答弁をいただいたというふうに承らせていただきましたし、思いは共有していただいているなというふうに本当に熱い思いを感じました。  テレワークです。  環境が変わると、何かアイデアがぱかっと生まれたりというのはやはりあることではないかなと。なので、非常に課題点は、本当にこの3年間テレワークを経験された職員の方も少なからずいらっしゃいますので、いい部分、悪い部分というのを経験された、知事が言われたように、どうこれから生かしていくのかという観点で追及させていただきたいと思うのですが、私がいろいろ考えるに、行政におけるテレワークの定着というのは、人口が多いところに行政の中心を置くという鉄板の常識を覆す可能性もあるのではないかなというふうにちょっと思いを巡らせました。南海トラフ地震とか首都直下地震とか大きなリスクをはらんでいるのに、なぜ東京が首都であり続けなければいけないのかとか、あるいは未来に道州制になった場合に山陽側がなぜ州都にならなければいけないのかというところも疑問を持たせるというか、そこに何か思いというか、必然を薄れさせるような効果もあるのではないかなと考えました。  また、県の在り方だけではなくて、ミニマムな話でいきますと、このたびのトスクショックですけれども、民間で収支が見込めないけれども、地域に生きる人にとっては本当に不可欠なスーパーマーケットの機能、市町村の役所の機能をテレワークで分散させて、補助金という形での補填もあるかもしれませんが、マンパワーで支えるという、そんな選択肢もあるのではないかな。先日、川部議員が言われた官民連携の逆バージョンの一つの在り方かなというふうにも僕は受け止めたところなのですが、いろんなことも考えられると思いますが、改めて、この行政におけるテレワークの可能性について再度知事の御認識をお尋ねします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から重ねてのお尋ねがございました。議員が冒頭おっしゃったとおり、やはりテレワークのよいところ、悪いところのそれぞれ総括をして、これからの働き方あるいは市町村の役所の在り方、そういうことがあるのではないかということで、我々県庁としてもぜひまた考えてみたいというふうに思います。  議員がおっしゃるように、なぜ東京に集中しなければいけないのかというのをほどく鍵にもなると思うのですね。現実にも、今、企業の本社移転ということで、私どものほうにもインフォメーション・ディベロプメントという会社が米子のほうに本社機能の一部を移していますけれども、うまくいったとして、さらに動かそうと。もともとIT企業でありますので、先入観なくそこはされるのだろうと思うのですね。どちらのほうがむしろコストが安いか、職員の満足度が高いか、それで、米子のほうが東京よりもよいのではないかというふうに考えられたわけです。これが能率を上げるようなことになると思うのですね。  国も、やはりそうした意味で首都機能の移転というものを図るべきであるのですが、残念ながら必ずしもうまく動かないところもあります。おかげさまで文化庁は、もう近々7割ぐらいの職員が移って京都に新しい文化庁をスタートさせることになりますが、消費者庁のほうは、いっときは徳島県庁の10階に消費者庁の実験部局をつくりまして、そこに次長とか赴任をしてやっていたというような時期があったのですが、令和元年に結局この構想は終止符を打つことになりました。その理由は、国会対応ができないとか、消費者庁なので健康被害などのそういう緊急事態が起こったときの対応が東京でないとやりにくいとか、やはり企業への指導とか申請物などもあるのだと思いますが、利便性を考えてというようなことであります。残念ながらそういうことになりましたけれども、今のこのテレワークの状況などをもう一度加味して、こういう首都機能移転なども再考する余地というのは本当はあるのではないかなというふうに思います。  市町村におきましても、災害対応などを考えますと、やはり総合支所の位置づけというのは非常に大きいなと思いました。今回、佐治が上と下と482号線が切れまして孤立状態になったことがありましたけれども、そこにしっかりとした総合支所機能があったかどうかで、あったと思いますが、そういうものがやはり大きな成否を分けるところがあると思いますし、いろいろと地域振興などをやるに当たりましても、そういう総合支所機能というのは重要なのだろうというふうに思います。平成16年に鳥取市さんも大合併をしまして、そのときに窓口機能だとか地域振興機能等を総合支所として残しながら、集権型と分散型の調和を図ろうとされたのだと思います。  いずれにいたしましても、いずれの職場でもこうしたテレワークというのを経験したことになりましたので、こういうことが一つの仕事のやり方の改革の糸口になればと期待をいたしております。今後様々な新しいノウハウも生まれようかと思いますし、場合によってはメタバースというようなものを生かしながら行政サービスを提供するということもあるのではないかとも考えられるところでありまして、ぜひ、そうした技術の進歩に応じた県庁のような行政サービスの在り方、市町村の行政サービスの在り方を関係者ともよく話し合ってみたいと思います。 ◯議長(内田博長君)3番福浜議員 ◯3番(福浜隆宏君)次に、米です。  米価の維持、米余りがコロナでかなりまた増えてしまったというような報道もありますけれども、解消していくには、もちろん減反調整もあるのですけれども、もう一つ、消費を増やすことができないのだろうかというふうに思います。消費を増やすというのは、もちろん輸出とか米粉の活用拡大もあるのですが、やはり私たち国民がもっと米を食べることを柱に考える必要もあるのではないかなと。  そこで、ちょっと調べた結果、新潟大学の青柳名誉教授をはじめとした専門家によりますと、2011年と2018年と比べた際、どの年代が米を食べなくなったのか調査した結果、意外なことに、10代、20代は変わらず食べているのに、30代以降では徐々に減っていって、60代では25ポイント減少、70代も2011年の当時の70代と2018年当時の70代では21ポイントも減ってしまっています。つまり20年ほど前と比べて高齢者ほど米を食べなくなってしまっているという調査結果でした。  青柳教授は、米消費の復活の鍵を握っているのは高齢者の皆さんだと。その高齢の方々に米を食べてもらうには、健康がキーワードになるのではないかという提言を行っていらっしゃいます。米で健康といいますと、真っ先に玄米が思い当たるわけなのですが、ほかにもあるかもしれません。冒頭申し上げた食料の危機、瑞穂の国の維持と健康、こうした両面をもっと強調して中高年層に訴える施策が必要ではないかというふうに思います。知事の所見をお尋ねします。  そしてもう一つ、今、県内7つの酒蔵がタッグを組んで、日本酒をインドに売り込む取組をスタートさせています。私も陰ながら応援しているのですが、その関係で酒造関係者から要望を受けました。鳥取県古来の酒米である強力、大山山麓で見つかった酒米で、鳥取の酒といえば強力と言われるぐらい鳥取県の酒には欠かせません。この強力米、県でも力を入れて保護していただいていて、特別に農業試験場で原種を栽培して農家に提供する体制も取っています。ところが、強力米は栽培が非常に難しいようで、原種から種もみを増やして苗を生産するのが極めて大変で、酒造メーカーでは、せっかくのインド輸出が今後軌道に乗ったとしても、肝腎要の強力米がないでは途方に暮れるしかないと相当な危機感を募らせていらっしゃいます。そうした不安感を払拭する手だてについて知事にお尋ねします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)お米につきまして何点かお尋ねがございました。  まず、中高年層など、そういった米消費の拡大をどういうふうに図っていくべきなのかと、こういうお話でございます。  これについては、今大体、1人当たり国民は1年間で50キロぐらいお米を食べるということなのですが、かつては100キロを軽く超えていたわけです。もう半分以下になってしまっているわけですね。中高年のお話もありましたが、当然ながら若年層も含めてやはり米消費が減ってきている、その背景には、食生活の変化だとか、いろいろな状況があるというふうにも分析をされているわけであります。  なかなか容易ではないのですが、ただ、今、生産しているお米のことを考えながら、やはりこれを食料安全保障として生かしていく必要があるわけです。国も食料安全保障についての考え方を見直そうというふうに今されていまして、新年度にはそういう法律改正も含めて動いていくというスケジュールもささやかれているわけでございます。この機会に、こうした米作の米の需給、これも大いに議論していただきまして、片方で米消費拡大というのは健康にもいいし、ふるさとを守ることになりますので、JAさんも国消国産運動をされていますが、こういうものと連動してやっていく大きな動きが今出てきているのではないかなと思うのです。  なかんずく今ウクライナ情勢もありまして、世界の小麦の需給に影を落としています。小麦の値段が上がることでアフリカなどの食料を必要としている国々が非常に苦しんでいる状況が生まれてきています。瑞穂の国としてお米を食しているところで自分たちもその生産を十分できる能力があるわけでありますから、やはりそこは食料安全保障として一石を投じるべきテーマなのだろうと思います。  足元の消費拡大なども今いろいろとやっていまして、3月20日まではSNSのお米の消費キャンペーンをしております。抽せんで当たれば、お米だとか、お米のお供になるようなそういう加工品などもついてくるようなことを今やっていたり、また、現在、お店と連携をしましておかわりキャンペーンというのをやっています。これは、近くでは県庁食堂でもやっているのですが、中部だと清水庵さんとか西部だとANAクラウンプラザの雲海さんだとか、そうしたところで、今、期間限定なのですけれども、お代わり何ぼでもただですよというキャンペーンをしています。これは今、私どもの県のほうで応援をしてそうした消費拡大をやっているわけですね。  このたびは、星空舞が特A米を取得するという快挙につながりました。従来のきぬむすめと併せてダブル受賞でございまして、これもJAさんとお祝いをしようというふうに考えているのですが、こうしたことを契機として、やはり地元のお米の見直しということをぜひ呼びかけていければというふうに考えております。そうしたことなどを今後の展開を図っていければと思いますし、また、新しいメンバーでそういう米消費拡大運動についてさらなる肉づけをしていただければとも思っております。  強力米につきましてお尋ねがございました。  これは昭和20年までは奨励品種に指定をされていました。それで酒米の県の独自のものとして割と浸透したわけであります。ただ、ちょっと栽培上の難点がありまして、丈が長いのですね。ですからコシヒカリと一緒ですが、倒伏すると。その倒伏によって育てにくいということがあったり、または収量の問題などがあったりしますが、ただ、片方でメリットもあるのですね。お米というのは、これはといで芯を使ってお米にしていくわけですが、ここの具合が非常によろしいということなど、強力米にはやはりその強力米のよさというものも片方であるわけです。  ただ、ずっと途絶えていたもので、それが地酒ブームになったときに、鳥取大学の木下先生なども奮闘されまして、そういう強力米によるお酒を復活させようと、酒蔵のほうでも強力米の促進の会をつくられまして、それで本県は強力というタイトルのお酒がいろんな酒蔵で造られているわけです。非常に評判もよくて、味わいもありますし、コクもあってお酒としては一級品だと思います。ただ、今、奨励品種ではないものですから、それをあえて今、国府の生産組合のほうで栽培を県からもお願いをし、それに対して県のほうから原種を県の農業試験場を通じまして特別に供給をするという体制で続けております。  ただ、議員が御指摘になったのは非常にタイムリーな話だと思うのですが、実はその生産組合の中で生産技術のこともありまして、ある方が強力米を手がけておられるわけでありますが、その方がやはり年齢のことだとかで引退をすると。それによって今後どうなるかという課題があるというふうに我々も伺っております。ただ、令和5年度の栽培は別の方が引き継いで継承して継続栽培をされるというふうに今お伺いをしていますが、ただ、栽培技術の問題だとかいろいろありますし、そのほかにも収量の問題などもあるのかもしれません。御質問がございましたので、酒造組合だとか、それから生産農家ともいろいろとお話を伺う機会をつくらせていただきまして、県のほうの支援策ということを考えてみたいと思います。 ◯議長(内田博長君)3番福浜議員 ◯3番(福浜隆宏君)御答弁いただきました。  時間もかなり迫ってまいりましたので、2つ、知事と教育長にお尋ねしたいと思います。  まず、知事のほうには鉄道なのです。  本県は、ナショナルサイクルルートの認定を目指して取り組んでいるわけなのですが、あるサイクルリストから要望を受けました。本県の主に海岸線を東西に結ぶうみなみロード、往復するのは大変なので、片道だけでもぜひサイクリングしたいと。そのときに、山陰線の普通列車に自転車を分解せずそのまま載せることができるようにしてほしいという要望でした。  JRの列車に自転車を載せるには、折り畳むなどして専用の袋に入れなければ持込みができません。通勤・通学時間帯を外した朝9時半から夕方4時半ぐらいの期間であれば、自転車をそのまま載せても普通列車であれば私は不都合はないのではないかなというふうに思います。乗車率が低くなって問題になっています鳥取-浜坂間についても、ジオパークの一角で風光が非常に明媚なところですから、自転車をそのまま載せることができるようになると、もっと気軽にJRに乗ってくれる方も増えるのではないかと、幾ばくかは乗車率が上がる期待もかけています。JR側と協議できないものか、知事にお尋ねします。  教育長にお尋ねします。  本日3月7日、先ほど申し上げたように県立高校の一般入試の初日を迎えたのですが、残念ながら、先日も質問があったように、志願倍率を見ると、専門高校はなかなか芳しい結果が現れていません。どの専門高校も魅力化に本当に力を入れて頑張ってくださっているだけに、もどかしさを感じるばかりです。専門高校離れは全国的な傾向ですので、致し方ない面もあるかもしれませんが、だからこそ新しいチャレンジも必要ではないかと思います。  そこで、県立高校の説明会、中学3年生が対象になっていると思うのですが、これを例えば1年生から年1回何らかの形で、レベルは変えて結構だと思いますけれども、学年に応じたものを開催できないでしょうか。また、夏休みのオープンスクールについても、中1からもう開放するという案もあると思います。  1つお願いしたいのは、保護者の意識なのですよ。保護者がやはり普通科に行ったらみたいなふうになってしまうのではないかなと。専門高校がいかに変わっているというところを親子一緒に共有できる機会をぜひ増やしていただきたいと思います。その点、教育長にお尋ねします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜議員からサイクルトレインにつきましてお尋ねがございました。  私どもも、できればそうしたことを実現できないか、JRのほうに働きかけ、協議をこれまでも行ってきました。今、残念ながらまだその結果が出ていないというか、課題もあるというお話も伺っているところでありますが、結論から言えば、これについては、引き続き、今日の御質問も踏まえながら、JRにこういう議論が議会でもあったということをお伝えして協議を続けてまいりたいということであります。  状況を申し上げれば、全国的にもそうしたサイクルトレインの動きは若干広がりを見せ始めたと思っています。折からの自転車ブームもありますし、CO2のことも考えれば二次交通として自転車を使うことは重要だと思いますし、何となれば公共交通機関の鉄道を使う促進材にもなるはずであります。最近もJRのきのくに線というJR西日本の和歌山のほう、御坊から新宮だったか、あちらのほうだったと思います。そちらのほうで一昨年の秋にサイクルトレインの実証実験をしました。そのとき1,000人ぐらい乗られたのだそうです。それで手応えがあるということで、その後これを通常化して今やっておられます。  あと、近いところでは一畑電鉄さんが、こちらはサイクリングをされながら例えば買物をするとかということもありまして、特に出雲市駅というのが一つの中心でありますから、そこに買物に来るというようなことで、自転車を載せてやってくるというようなパターンも多くやられているそうでありますが、そういうサイクルトレインを現実に一律320円自転車の積載料を加えて、それで営業されておられます。大きな支障はないというふうにも伺っているのですが、本県はどうなのかということであります。  私どもも、今おっしゃったうみなみロードがちょうど境港の駅から東浜の駅のほうまでずっと境線と山陰本線を通じていくわけですね。非常に長大でありますから、どこかを拠点にして往復できるかどうかというのは、なかなかちょっと自信がないかもしれません。そういう意味で、サイクルトレインというのが非常に有効な手段だというふうに考えておりますけれども、実際に実証実験をされたこともありました。伯備線を使いまして、それで米子から平成25年、平成26年と自転車を載せていって、帰り降りて下って帰ってくると、平成25年に2回やって、平成26年はそれもあって、また上石見まで延ばしてされたわけです。米子市議会の人とか結構やられたと思うのですけれども、これは実はほかの乗客を乗せないという形だったと伺っております。  JRさんが危惧されていますのは、よその乗客に、うちの普通列車は割とワンボックスタイプというか、ボックスタイプです。きのくに線などというのは、割と対面式といいますか、間にスペースがあるわけですね。一畑さんも実はそういう車両です。したがいまして、そこは確かに違いがあるのもしれません。事故があったらどうするかとか、それから駅員さんの自転車の扱いとか、ちょっと抵抗感があるというのが正直なところでありますが、せっかく今日もこうしたお話もありましたし、やはりうみなみロードを考えるときには、そういうことも実現できないのか。そのためには、例えばこういうことをすればということがいろいろあるかもしれませんし、引き続き協議を進めていければと思っております。 ◯議長(内田博長君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)福浜議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず冒頭、中学生に温かいお言葉をかけていただいたこと、私からも感謝申し上げます。  今日、明日と県立高校入試が行われます。倍率云々の話もありましたが、このコロナ禍でどっぷり3年間過ごしてきた受験生、3年生たちが受験生としてこの春に挑みます。そういう意味では、本当に今まで以上に熱い思いでこの今日の日を迎えているのではないかなというふうに思っているところでございます。入試が決して高い壁ではなくて、自分の新たな可能性を切り開いていく入り口になるように、私も心からしっかり全ての受験生を応援したいなというふうに思っております。  議員のほうからは、専門高校の魅力を伝える工夫をということで、具体的な御提案を何点かいただきました。1年生のときから説明会に参加を発達段階に応じてさせてはどうかとか、あるいはオープンスクール等にも参加はどうか、そしてまた、保護者の意識改革を働きかけてはというふうなお尋ねでございました。  振り返りますと、我々の高校入試の頃は、もう本当に何点取ったからこの学校だよというふうな輪切り的な、いわゆるそういうふうな指導だったのが、今、中学校の指導のほうも、本人の特性であるとか、あるいはやりたいこと、意欲、それらをしっかり重視しながら、実際、高校の体験入学をしてみたり、あるいは高校の先生方からの授業を受けたり、あるいは高校生から話を聞くような機会を通して体験的に学ぶ中で自分の進路の決定をしております。  その一つの例が、この春、導入しました特色入試、たくさんの生徒たちが受験をしてくれました。自分がやってきた経験を生かして自分でアプローチしていく、こういうことがさらなる意欲の向上につながるのではないかなというふうに思っております。その意味で、そのきっかけづくりとして、1年生段階から発達段階に応じたこの高校側からのアプローチというのは本当に重要なことだろうなというふうに思っております。1点目にありました1年生への説明会は、中学校側のこれはカリキュラム上のこともありますので、すぐすぐできるとは思いませんけれども、それに代わるオープンスクールなどは、夏休みにございますから、この辺は1年生や2年生も含め、さらには、おっしゃった保護者の方も含めたオープンスクールへの参加等はできるのではないかなというふうに思います。  また、専門高校に限れば、課題研究というのが必ずどの学校もございます。3年間の学習成果を3年次に発表していくことが新聞報道等も最近よく上がっておりますけれども、そういう場に1年生、2年生あるいは保護者の方も招いて披露していくというふうなことも可能だろうなというふうに思います。すなわち書類とか、あるいは本ではなくて、実際に高校生が学んだ姿を描くということが大事、伝えるということが大事かなというふうに思っておりますので、今回の御提案をいただきまして、そうした中学校側への積極的なアプローチにも検討してまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)3番福浜議員 ◯3番(福浜隆宏君)御答弁いただきました。  最後の質問になります。最後は、知事へエネルギーに絡めて重ねて質問します。  昨今の電気代、私も目を見張りました。そして去年、脚本家の倉本聰さんが文藝春秋に投稿された文面がよみがえったのです。現在87歳の倉本聰さんが同世代の年配の方に訴えた内容でした。かいつまんで紹介しますと、我々老人には、ここ何十年、地球を痛めつけ、ここまでの環境危機を招いてしまった責任がある。古いアメリカの先住民の言葉に地球は子孫から借りているものというのがある。我々老人たちは、その大切な借り物を汚し、傷つけ、めちゃくちゃにした。そのまま子孫に渡すことは大いなる恥と考えねばいけない。今から77年前、我々が10歳だった敗戦直後の日本は、宇宙から見たら漆黒の闇に包まれていた。そんな僅かな光の中で、あなたは恋をし、家庭を持ち、自立したはずだ。夜は本来闇のはずなのに、日本の夜はどうしてこんなに明るいのだろう。人が生きる上で不可欠なものなのだろうか。今こそ我々老人が点検し、洗い直し、取り除いていこうではないか。我々は質素だった昔を経験してきた世代である。少し時代を取り戻せばいいのだという、かなり抜粋しましたが、倉本さんの同世代への呼びかけでした。  しかし、私は、これは我が事として受け止めました。各地の小学校でノーメディアデーが実施されています。ある御家庭での話なのですが、毎月、ノーメディアデーの一晩だけ電気を消して、ろうそくの火をともして過ごしていらっしゃるそうです。ろうそくの明かりに包まれた中での一家団らん、エネルギーの大切さとかを人一倍感じていらっしゃるのではないかなというふうに想像します。  そこで知事に提案があるのですが、全国に先駆けた星空保全条例がある本県、7月7日の七夕の一夜限り、鳥取県民は電気を消して、せめて夕飯のときでもろうそくをともしてみる、そんな行動を呼びかけるというのはいかがでしょうか。知事の所見を伺い、本議会での質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から重ねてのお尋ねをいただきました。  すばらしい着想の提案だというふうに拝聴させていただきました。実は地球温暖化が問題になってきて、この種のことは国を挙げて、あるいは世界を挙げてやってきた面がございます。我が国全体でも、平成20年に洞爺湖サミットがありまして、その折にそうしたライトダウンのキャンペーンというものが本格化するわけです。本県でもそうしたライトダウンというものに協力をしまして、セレモニーをやったり各地でそれに共鳴していただいたりということをいたしました。それから、平成28年に星空保全条例ができたということもあり、平成29年からは七夕の日にそうしたライトダウンのキャンペーンをやるようになってきております。今御協力いただけるところには御協力をいただいているわけでありますけれども、CO2の課題であるとか、それから星空が見えるようにとか、今おっしゃるようにむしろ多分明かりを消しながら家族の会話というものもやって、コミュニケーションをもう一度取り戻そうという、そういう昔ながらの家庭なり人間社会というものを取り戻そうという趣旨かなと思って伺っておりました。いろんな意味合いがあると思うのですね。その辺はまた関係者にもお諮りをしながら呼びかけていければというふうに思います。  SDGsのネットワークもございますし、またとっとり環境イニシアティブの協議会等もございます。民間の方々にも御賛同いただきながら、御賛同いただけるところにそうしたライトダウンキャンペーンに加わっていただければと思います。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、1時40分より再開いたします。        午後0時40分休憩    ────────────────        午後1時40分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  24番浜崎晋一議員 ◯24番(浜崎晋一君)(登壇、拍手)鳥取県議会自由民主党の浜崎でございます。  今任期の一般質問も、私とあと残すは福間議員ということでございます。改めまして、県議会自由民主党のアンカーを務めさせていただきます浜崎晋一でございます。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  私も平井知事におかれましても、このたび4期目の任期を終えるところとなりました。言わば政治家としての同期でございますが、この4期目の4年間は、ほとんどがコロナとの闘いとなりました。未知のウイルスに対して、いつどこで感染するか分からない、感染すればどういう症状や後遺症が出るのだろうか、県民の皆さんにとりましては、この見えない敵との闘いは本当に不安な毎日であったというふうに思います。  しかしながら、平井知事は全国のどこよりも早く、またどこよりも的確に対処方針をされ、断固として県民の命と健康を守ることを最優先に行動していただきました。また、これと並行して、全国知事会の会長として全国の知事を取りまとめ、政府に対して意見される姿というのは、県民にとって非常に心強い存在でありました。改めてこの場をお借りして敬意を表するとともに、感謝も申し上げる次第であります。  さて、もうあと2か月もすれば、5月8日からは新型コロナの位置づけも2類相当から5類へと変わります。ポストコロナ、さらには脱コロナに向けた新しい社会へと歩みを進めなければならない。ぜひ、今後も引き続き、共に一緒になって新たな社会づくりに汗をかいてまいりたい、そう思う次第であります。  本日は、そうした観点から、ポストコロナの新たなステージを見据えて、「共生社会の実現を目指した、心をつなぐ“とっとり創生”」につきまして、知事並びに教育長と議論をさせていただきたいと思います。  さて、最初に財政課題についてであります。  本議会に提案されました来年度当初予算は、改選期でもあり、骨格予算とされたところでありますが、折からの燃油、物価高騰に対する経済対策のほか、医療提供体制の維持など喫緊の課題に対処する事業や施策もしっかりと盛り込まれました。県民の安全・安心な暮らしや地域経済の再生に対して責任を持つ継続性という観点で、私としては非常に評価できる予算であったと、そう感じた次第であります。  また、議員全員協議会で知事から説明がありました財政調整型基金の維持、そして県債残高の縮減、そしてプライマリーバランスの確保という、県民に対する約束であります財政誘導目標も達成をされており、財源が厳しい中にありながら、健全財政を念頭に置きつつも、バランスの取れた予算編成に努力されたものと推察をするところであります。  その中で、歳入予算案につきましては、地方交付税が約31億円の増、臨時財政対策債が約37億円の減となり、結果として実質的な地方交付税は約6億円の減となる一方、県税や地方消費税清算金などと合わせると約21億円の増が見込まれております。  何より臨時財政対策債の減少はよい傾向でありますが、地方の借金であることは変わりありません。国においても1,000兆円を超える長期債務残高を抱える中で、臨時財政対策債の返済時に規定どおり地方交付税措置がきちんとしてもらえるか、なされるのかという不安も常について回ります。  いま一度、国に対して臨時財政対策債の縮減に努めること、また地方が必要とする地方交付税が確保されることを強く主張していくべきだと考えますが、平井知事の御所見を伺いたいと思います。  次に、ポストコロナの地域づくりについて、将来に向けた地方創生の基盤となる地域コミュニティーをいかに再構築していくのか、お尋ねをしたいと思います。  本来、鳥取県のよさは、人と人のつながり、地域のコミュニティーが強い絆で結ばれております支え愛の地域社会が構築されていることにあるものと認識をしておるところであります。そして、平井知事はこれまで協働や連携をキーワードとして、例えば自主防災組織、そして自治会、また町内会、青年団や婦人会、あるいは地域課題解決のために立ち上げられたNPOなど、もともとあった地域コミュニティーの結びつきに対して、行政の立場から手を差し伸べ、活力ある地域づくりの好事例へと引き上げられるなど、大きな成果を上げてこられたというふうに思います。  しかしながら、今、人口減少が加速度的に進んでいく中で、この3年にわたるコロナ禍によって、地域コミュニティーの力がそがれてしまったのではないかと危惧するところであります。  自然回帰や地方回帰、あるいはリモート活用など、本県にとって追い風となるような社会の価値観変容があった反面ではありますが、地域の様々な行事はもとより、玄関先での立ち話ですらはばかられる、そうした人と人とのつながり、もともと当たり前だった人間関係が希薄になり、地域のためにもう一回頑張って立ち上がろうという気概が損なわれているのではないか。また、感染症法上の分類見直し後は、どこで感染するか分からないということで、余計に感染を恐れて引き籠もりがちになるのではないか。このような点が懸念されるところであります。  地域コミュニティーに参加することで県民にとってはそれが一つの居場所となり、そうした居場所こそが孤独、孤立を防ぐ基盤にもなるのではないかと思いますが、ポストコロナの地域づくり、地域コミュニティーの再構築を進めていくに当たって、知事は今後どのように取り組むべきであるとお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。  次に、共生社会の実現に向けた福祉行政の推進について伺います。  今任期は、福祉の分野におきましても、コロナ禍で非常に制約の多い中、あいサポート運動の推進、また医療的ケア児に対する支援の確立など、着実な進捗が図られてきたものと思います。  また、障害のある方が生きる喜びを実現する機会として、スポーツ拠点となるノバリア、そしてアートギャラリー県立バリアフリー美術館の立ち上げなど、本県独自の取組も大変評価されるべきものと思います。  そのような中、新年度は今後の福祉の方向性を形づくる大事な年となると思います。鳥取県障がい者プラン、鳥取県高齢者の元気と福祉のプラン、工賃3倍計画、手話施策推進計画、障がい者の文化芸術推進計画など、福祉に関する重要な計画が令和6年度から新たな計画期間に入りますので、来年度はこれまでの成果を振り返りながら、計画策定に向けた検討を行う必要があります。  特に鳥取県障がい者プランでありますが、障害児・者の施策を総合的に推進する重要な計画であります。平成27年に策定されてから令和5年までの計画で、これまで3年置きに見直しを行ってこられましたが、これまでの計画の達成状況についてどのように評価しておられるのか、また令和6年度からの新計画に向けてどのような課題があると認識しておられるのか、平井知事の所見を伺いたいと思います。  壇上での最後の質問でありますが、最後に地方創生の基盤として、「心をつなぐ“とっとり創生”」の担い手となる人材育成の観点で、教育に関する諸課題について伺いたいと思います。  公立小学校の学級編制について定める義務標準法の改正によって、全国で令和3年度から年次的に少人数学級化が進められることとなりましたが、本県においては国に先行して、各市町村との合意形成を図り、全県的な少人数学級を全国に先駆けて進めていただきました。今議会におきましても、令和5年度に小学校4年生までの30人学級の編制を進めるための予算が提案されているところであります。
     かねてより、この先駆的な少人数学級の取組によって、子供たちの学力向上やいじめ解消など、教員の目が子供たちに行き届くことでどのような教育効果につながっているのか、導入の目的とその効果を検証しながら、足らざるところがあれば施策として検討、追加していく、そういう必要があると思いますが、現時点で足羽教育長はどのように認識をしておられるのかお尋ねをしまして、壇上での質問を終わります。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議の一般質問にお答えを申し上げます。  浜崎県議のほうからお話がございましたように、早いもので4期16年が過ぎようとしております。議員とは一緒にこの議場に参ったわけでございますが、その間、議員のほうからは、例えばあいサポート運動というものを評価していただき、これをぜひ全県、全国へと広げていこうと、そういう福祉の心を鳥取から発信していく、そういうことを力強く後押ししていただきました。また、重度の障害者であるとか、あるいは医療的ケアが必要な子供たち、そうした様々な福祉の場面について提案をしていただきましたし、町なかの開発といいますか、町なかのコミュニティーを支えていくことも大切なのだと。従来、中山間地についてはいろいろと振興策はありましたが、町なかにも光を与えるべきだというようなお話があり、これも一つの方向転換ができたと思いますし、さらには交流人口、関係人口というものも含めたにぎわいづくり、これにもお言葉をいただき、これがまた県政の中でも新しいジャンルを開いてきたと思います。これまでの御貢献に改めて感謝を申し上げたいと思います。  私のほうには、3点お話をいただきました。まず1点目は、今の財政状況、国のほうに対しまして臨時財政対策債の縮減を求める、あるいは地方が必要とされる交付税の確保を求めていくべきではないか、こういうようにお尋ねがございました。  このたびの国の当初予算編成、今最後の審議が国会のほうでも行われているわけであります。その中で示されました地方財政計画は92兆円と、過去最大規模ということになりました。また、この中で一般財源を構成します地方税につきましても、42兆円を上回る規模となりまして、これも過去最多となり、さらには地方交付税を含めた地方一般財源全体につきましても62兆2,000億円ということになったわけであります。一頃から考えますと大分改善されたことになりました。  その中で、議員がおっしゃった臨時財政特例債でありますが、これは今回は1兆円という額になりましたが、これは発足以来の最少額になりました。恐らく出口が見えてくるぐらい、一般財源によって地方財政を賄うフレームが整いつつあるのではないかと期待されます。  ただ、議員がおっしゃるように、借金をつなぎながら地方財政全体を支えるというのは例外的な措置でありまして、こういうことが解消されるように、今後も全国知事会などと協調しながら国に求めていければというふうに考えております。  そういう中で、議員がおっしゃる地方交付税であります。この地方交付税が本県の場合、主要な財政収入になります。これは依存財源の一つとは言われますけれども、ただ、もともとは所得税、酒税、法人税、消費税という主要課税の一部を地方が言わば分担して分け合っているものでございます。すなわち、税に代わるそうした一つの財政収入でございまして、これは大都市に今税源が偏在している中で、ぜひとも地方のほうはこれを基軸に据えた財政の賄い方を考えなければいけない生命線と言ってもいいわけであります。  ただ、残念ながら、今このように一般財源が一つ確保されてきている方向が出ましたけれども、ただ、過去消費税が5%から8%に上がった平成25年度から26年度にかけてのときには、本県のそうした財源のほうは50億円逆に減ることになりました。もちろん税収が増えるのではないかということで地方消費税の税収があるだろうというようなことは言われるわけでありますが、それ以上に交付税が減ったことになりました。これで私どものほうで仲間の知事に声をかけまして、10県余りによる要望を組もうと。こういう財政窮乏になっている中、逆転現象と当時呼んでいましたが、こういう本来消費税が上がるときには上がった額で社会保障財源を賄うものですよと、それだけ地方のほうも税収なり一般財源が増えますから、それで賄えるようになりますよという制度設計だったはずなのですが、社会保障などの財政需要だけ増えて逆に収入は減るという、これは決して我々の耐えられないものになりました。  ただ、なかなか政府は取り合ってくれずに、当時我々のほうで地方創生実現、財政基盤推進の知事連盟を設けようということになったわけであります。果たして当時の石田大臣などに我々の要望を聞かれまして、その結果、最終的には地域における地域社会再生事業費というものを4,000億円余り組まれることにはなったわけでありまして、これによって初めて一般財源も確保できるようになったという苦い経験がございました。  今回8%から10%に上がりましたが、この間ではそうした現象というものは起きていないようであります。それは、この地域社会再生事業費、それからデジタル関係の事業費、これも2,000億円程度計上されております。このたびは他の事業も加えて2,500億円計上されているわけでありますが、これらによりまして恐らく一般財源は全体としては伸びる傾向になったのだろうと。  ただ、これがいつまでも続くかどうかが分からないわけですね。議員がおっしゃるように、国全体は国債として借金を抱えておりまして、これからコロナが方向転換をするということになりますと、一気に今度は財源を地方から引き上げることになるかもしれません。この影響は今後どういうふうに出てくるか分からないものでありますから、そういう意味で交付税の確保を我々は働きかけていかなければならないと考えております。  これからの先々を見通しても、大体公共事業の維持補修といいますか、長寿命化をしていくと。こういう関係で50億円ぐらい定常的にやはり財政需要が出るだろうというふうにも見込まれております。また、今回の新型コロナ関係では、800億円を超える歳出ということになりました。大変な額でありまして、こういう災害が起きた場合、それに耐えられるという意味でも、やはり経常的な一般財源が重要であります。議員の御指摘を踏まえまして、今後も地方全体として国に訴えるべきと考えております。  次に、地域のコミュニティーがコロナで失われたのではないだろうか、そういう意味でそういうコミュニティーの再構築を進めていくことが大切ではないか、こういうお話がございました。  これにつきましては、議員のほうでも町なかや中山間地のコミュニティー再生をテーマとして掲げておられます。まさにそれがコロナ後を見据えた戦略になろうかというふうに考えております。  今いろんな活動が失われたわけでありまして、鳥取でいえばしゃんしゃん祭も布勢の運動公園周回で、この間ぐるぐる回る形で実現はしましたけれども、まだ本格的に戻っているわけではありません。鳥取の町なかの名物であります聖さんのお祭りも、この二月後には5年ぶりに旧に復して開催するのではないかというようにも言われているぐらいでありまして、やはり大事なものが抜け落ちた数年間だったようにも思われます。そういうようなことをいろいろと取り戻していかなければなりません。  ただ、議員のほうでも、今までそうしたコミュニティー対策のことや、あるいは福祉を活用した地域づくりのベースはありますので、そういうものもまた元気にしていくということではないかと思います。例えば地域の支え愛ということでいえばスーパーボランティア事業などがありますが、修立地区におきましては、天神川の清掃活動などスーパーボランティアの県の制度も活用しながら進めておられます。また、気高の浜村温泉のところでも、昨年、少し傷みかけた、新泉の共同浴場改修されまして、大分議論があったそうなのですが、要は外の観光客などもいろいろと入ってくることをどう考えるとかですね。ただ、地域の宝としてそういうものをみんなで盛り上げていこうとコミュニティーがまとまりまして、そういう浴場経営に今は乗り出すような形が新たに見えてきたり、それから福祉の施設を拠点にしながら交流の場にするということもあります。明和会さんが湯所の1丁目でやっておられるサマーハウスというのがありますが、これも喫茶スペースがありますけれども、あえて地域の方々にオープンにされておりまして、これによって利用者と地域の方々との交流もできますし、地域の皆様の活用にもなると。いろんな工夫をしながら、議員が目指しておられます中山間とか町なかのコミュニティー再生、これを次の4年間のテーマとしてやっていくべきものではないかと考えているところでございます。  最後に、障がい者プランの改定につきましてお尋ねがございました。これについては、これまでの計画、どういう成果が上がったのか、今後に向けての課題はどうかということであります。  鳥取県の障がい者プランでありますが、これは鳥取県の障害者計画と障害福祉計画、障害児福祉計画、この3つをセットにしまして制定しているものであります。これが議員がおっしゃるように工賃3倍であるとか、手話の計画だとか、いろんなところと連動してくる基本的な計画枠組みということになろうかと思います。  これまでもこうした障がい者プランを中心に、いろいろと本県の障害者施策も展開を図ってきたわけでありますが、最近も例えばバリアフリーを美術面でも実現していこうと、先月の末に県立のバリアフリー美術館をオープンしたところであります。これには山村さんをはじめ利用者の方々の作品、こういうものも展示をされまして、世界中の人たちが見られるようになるので、大変に関係者も期待をしているところであります。  その中では、例えば手話で説明をするとか、そういうような機能も入っていたり、中に行って、それでその作品と出会って、その作者のプロフィール的なことなども見ることができるわけでありまして、そういう美術作品などの販売だとかPRにもなるわけですね。そういうようにして多面的にこういう県立ギャラリーというものを活用することができるようになるわけであります。  また、障害者の方の避難所での対応というのも課題でありますが、このたび、先月からですね、本県のほうでの働きかけが受け入れられまして、UDトークを避難所で使うことができるようになりました。これによって障害者の方の不便が解消されるということにもなるわけでございます。  また、これまでの計画を進めていく上で、今期非常に成果があった一つは、医療的ケア児の対策などでありまして、博愛病院のところにセンターができたり、そうした動きもございましたし、またそのほかにも様々な社会参画の機会等々も生まれてきたわけであります。  議員のいろんなお力を得てノバリアもオープンし、ある意味順調に健常者の方の利用も含めて活用されているということであり、このたびは佳子内親王殿下も御覧をいただくという栄に浴したところであります。先般はそこでトレーニングをしている倉吉総合産業高校の生徒さんが、これも大会を制覇されまして、これからもしかするとパラリンピックという声が出てくるかもしれないというふうに関係者も期待しているわけでありますが、それも練習の様子も実は佳子内親王殿下が現場で言葉を交わされるなど接せられていたわけであります。こういうようないろんな機会が生まれてきて、事業も花開いてきたところではないかと思います。  ただ、こういう意味で、次期に向けて障害者施策推進協議会という組織で改めて検討していただきながら、新年度これからどういうふうに進めていくか大いに議論していただきまして、令和6年度以降の新計画に結びつけていければと思います。  これまでやってきた成果、例えば手話のことであるとか、あるいは情報バリアフリーのことであるとか、さらには医療的ケア児のことであるとか、そういうものをその成果を基にして次のステージへとつなげていくことも一つ重要でありますし、最近議場でも指摘をされますけれども、強度行動障害の関係、こうしたことの手当てなど、いま一つ力を入れなければいけない分野というのもあるのではないかと思います。そういう意味で、新年度、今後に向けてよく関係者でも議論をいただきながら取りまとめをしていくスケジュールになろうかと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜崎議員の一般質問にお答え申し上げます。  私には、地方創生の基盤となる人材育成という観点から、少人数学級の推進につきましてどのような教育効果があったのか、あるいはそうした効果を検証しながら今後の対策、あるいは施策を検討すべきではないかという御質問をいただきました。  議員から御指摘がありましたように、全国に先駆けた少人数学級につきましては、市町村の連携、協力の下に取組を進めてきているところでございます。一人一人へのきめ細かい指導でありますとか、あるいは理解度に応じた指導の在り方、さらにはGIGAスクール構想による一人一人に個別最適な学びの推進ですとか、あるいは段階的に子供たちが進級していくに従って、その学級の中での自分の存在というものをしっかり認める、あるいは周囲が認める、そういうことにも大きく寄与していく、そういうふうな意図、意義を持って取組を進めてきているところでございます。  そうした効果の検証をしていくために、今年度は3年生がまず30人という少人数学級をスタートしましたが、教職員の先生方にアンケートもしております。子供たちが授業が非常に分かりやすくなったとか授業の中で一人一人自分の考えを聞いてもらえるようになったといったような声ですとか、あるいは発言機会が増えて授業が面白くなった、そんな声が聞かれるというふうなアンケート結果も返ってきているところでございます。  そうしたところに一つこの少人数学級の大きな成果はあるのだろうなというふうに思っておりますが、やはり一方で課題は、子供たちのそうした学びが全国学力・学習状況調査で見ます学力という一つのくくりで見ますと、なかなかまだ成果として表れておりませんが、並行して実施しております個々の伸びを見る鳥取県独自の学力調査では、そうした伸びが確実に見えてきているというふうな状況もございますし、また、年々不登校の児童生徒が増加していることや、あるいは特別な支援を要する生徒さんが年々増加していることなど、少人数学級を導入したから即解決できるものばかりではないなというふうに思っているところでございます。  そうした課題認識に立って大切なことは、やはり個々の課題の本質に迫ることが必要だろうなというふうに思います。30人学級をしたから不登校児童生徒が減るのではなくて、その一人一人の家庭、あるいは本人の要因、あるいは学校の課題、そうした背景、要因をしっかり見取って、理解をしてしっかり寄り添って、そして学校だからこそできる共に夢を語り合う、そういうふうな環境づくりをしていくことが今後ますます必要であろうなというふうに思っております。  少人数学級がその大きな基盤となるものと私自身確信しておりますけれども、そうした30人という少人数というその枠組みをしっかり大切にしながら、子供一人一人を大切に見取っていく、そんな鳥取県らしい温かい教育現場、学校が今後もますます発展、寄与することに尽力をしてまいりたいというふうに思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)答弁いただきました。知事、ありがとうございました。本当に丁寧に説明をいただいたというふうに思っております。  財政計画、財政運営における課題ということで私のほうからいろいろ申し上げましたけれども、知事のほうから今の現状ということで聞かせていただきました。なかなか難しい大きな課題ではありますけれども、前を向いておられるということと同時に、私の気持ちもそうでありますけれども、これをしっかりと1つずつ進めていかなければいけないということを知事の話の中で感じたところであります。  地域社会の再生事業費4,000億円というようなこともありましたし、何といってもとにかく経常的な財源という部分があるわけでありますけれども、知事も言われたように国債を減らしてもらわなければ、国の借金をやはり落としていっていただくということが我々の地方交付税に絶えずそこのところが関係していますので、やはりそこの心配が全く消えるというわけにはなりません。そうかといって、物すごく大きな額ですので、そういう部分におきましては鳥取県としてしっかりと我々の考え方という部分を国にも申し上げるということもそうでありますが、今の現状の中でやはり県民の皆さんの思いという分も捉まえていただいて、具体的にこういった財政の問題というのは大本でありますので、しっかりと1つずつ丁寧に進めていっていただきたいというふうに思うところであります。  いつまでも続くかというような依存財源というようなところもありますので、しっかり見定めて状況を踏まえていかないといけないだろうというふうに思います。よろしくお願いをしたいと思います。  地方創生の地域コミュニティーの再生でありますけれども、やはり地域コミュニティー、今日知事のほうからいろいろ話がございました。私も鳥取市ということでいいますと、いろいろとコロナによって大変遠ざかってきたということがありますけれども、潜在的にやはりコミュニティーがあったり、福祉の部分でもこういったコミュニティーというのは非常に大きな要素でありますし、例えば市民の皆さんにとりましても、最近3年ぐらい御無沙汰しておるのが、知事もおっしゃいましたけれども祭り、そういう部分がやはり市民の高揚感というものをあおるという部分では、コロナによっていろんなことができなくなってきたというところが非常に大きな潜在的な状況かな。今のですよ、今のということでありますけれども、中山間、町なか、ここのコミュニティー再生という部分について、目先の状況も踏まえた上で一歩一歩進めていかないといけないだろうということを思います。  当然地域の支え愛ということ、また個人の皆さんが引き籠もってしまうというような現状というのを私は質問の中でちょっと申し上げましたけれども、やはりコロナによって、また2類から5類にという状況になったときに、今日言いましたようにまたそこで籠もりがちになるような、そういった状況が出てきても困るわけでありまして、その辺のところの状況を踏まえながらしっかりお願いをしたいというふうに思うところであります。  共生社会、福祉の行政の推進ということでありますけれども、バリアフリー美術館が先月オープンということでありますし、それからスポーツ拠点のノバリアなども非常に障害者の皆さんがよく行って使っておられます。自分のところの関係の施設みたいな感じでしょっちゅう来ておられて、本当にこれができてよかったというようなことで障害者の皆さん、また視覚障害者の関係者であっても、私も関係しておるわけでありますけれども、肢体不自由児父母の会、そういった皆さんもよちよち歩きながら体育館でいろいろと活動しておられます。スポーツにいそしんでおられる。大変結構なことだなというふうに感じるところでありますけれども、この障がい者プランという部分をしっかりと今後やっていかないといけないだろうなというふうに今日のお話を聞いて改めて思うところであります。  社会参画という部分も踏まえたところで、どうか共生社会という位置づけの中で1つずつ着実に進めていかないといけないだろうなと、今日の知事のお話を聞いて、可能性というものが十分あるなということを感じたところであります。  少人数学級の話につきましては、教育長いろいろおっしゃいましたけれども、本当に一人一人、それからまた理解度であったり、GIGAスクールの学びの推進であったり、自分の存在をやはり周りも含めて認めていくというような、一人一人に対してのそういった今の現状を踏まえたところでの確認ということで聞かせていただきました。  やはり伸びの可能性というのは大いに期待していきたいというふうに思っております。学力などはまだまだというところでありましたけれども、非常に環境としては温かい教育現場というような方向性という部分も説明の中でお聞きいたしましたし、まだまだ現状は厳しいところはたくさんあるわけでありますけれども、個々の生徒の本質、やはり共に夢を語り合うという、そういった考え方の中でしっかりやっていただきたいなというふうに思うところであります。  それでは、追及の1回目でありますけれども、新年度に入って新型コロナの脱却の機運が一層進むと思います。これまで守りが多かった局面から、一転して多くの場面で攻めの姿勢で臨む必要もあるのかなと思っています。  議員全員協議会で知事が、一定の財源を確保、留保されている趣旨の説明をされたように記憶をしておりますけれども、改選後の肉づけ予算の編成に当たって活用し得る財源の規模、考え方などについて、どのように整理し、用意していらっしゃるのか、平井知事にお尋ねをしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から、財政の財源につきましてお尋ねがございました。これにつきましては、全員協議会で御説明を申し上げましたように、新しいメンバーで議会、それから首長そろってこれからの方向性を6月県議会で出していく、そういう予算の財源も民主主義のエチケットとして残しておく必要があるだろうと、このように考えながら予算編成をさせていただきました。  実は、私も就任した平成19年、浜崎県議と一緒に上がったときですね、このとき既に当初予算が、骨格編成ではなくて結構本格で組んであったようでした。既に貯金の財調のほうも120億円崩してありまして、当時はずっと議席のある方は御案内だと思う、140億円というキャッピングがあったのですね。1年間で140億円しか財政調整基金を崩せないと。ですから、あと20億円しか財源がない中で就任早々の予算をまとめるというのは、なかなか至難の業でございました。結局当時大騒ぎをしていろいろやったのですけれども、ただ、そういうことはやはりまた次どういうメンバーでどういうふうに方向づけするかというものの自由度を奪うことにもなりますので、ちょっとそういう編成をしていない県も中にはございますが、本県としてはそういう財政的な含みを持たせた上で引き継ぎたいと考えたわけです。  今、具体的にどういう財源状況かということを申し上げれば、今任期、私たちは3回普通の当初予算編成をしました。それは財政調整型の基金はそれぞれ40億円、50億円、55億円と崩していまして、実は毎年50億円前後崩して、それで何とか当初予算を組んでいます。あわせまして、翌年度の事業ではありますけれども、当年度の繰越金をあえて計上して、それを大体毎年20億円組ませていただいているというのが実は我々の財政の最近の状況でございます。  今回はどうなっているかというと、財政調整型の基金は取崩しはせずに、それから繰越金を財源に投入するというのも1億円にとどめております。ですから、その分の財源はまた6月に使えるものはあるのではないかということであります。そのときの料理人がまた料理をすればいいということで、材料だけを用意しておくということにさせていただいたものであり、これによって一定の自由度は保たれていようかというふうに考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)それでは、追及を続けたいと思います。  いよいよ今月から、コロナ明け到来を思わせると台湾と米子連続チャーター便が実施されます。また、来月には韓国のエアソウル、米子-ソウル間の連続チャーター便も就航するということであります。コロナ禍でしぼんでおったインバウンド観光の復活に向けた明るい兆しということではないかなというふうには思っております。  インバウンド、観光業界だけではないですね、やはり土産物、文化交流、ビジネスなどの多方面に大きな波及効果、このチャーター便をぜひ成功させていただきたいというふうに思いますし、また大阪・関西万博、そちらに向けてということでも、こういったインバウンドという流れから戦略をしっかり立てて進めていくことというのが必要だと思います。  そこでお尋ねしたいのですが、せっかく鳥取に多くの客が期待されるということがこれから出てくるわけですが、単発の観光で終わるというのはもったいないのです。リピーターとなっていただいて、その中の数%でも将来的に鳥取県の地域の課題に関心を持っていただく、その解決に向かう人財となっていただくような、そういった二兎を追う戦略もあり得るのではないか。これも可能性としてでありますが、せっかくのチャンスであります。知事も御存じのように、鳥取のインバウンドという部分では人気も結構高うございますので、雄大な鳥取砂丘を見ながら乾燥地研究、月面実証であったり宇宙産業につながる取組を紹介するであったり、鳥取の星空を見上げながら星空舞を食べていただく、鳥取県らしいストーリー性のある観光旅行、人種や言語を超えて旅の思い出を一歩進めた本県との結びつきということで深化させていく可能性はあるのではないかなというふうに思っております。  国際バカロレア、倉吉東高も教育導入ということがあると思います。通訳ガイド人材の育成確保にも期待が持てるのではないかなと思います。  コロナ明けだったり大阪・関西万博に向けて、このタイミングは、国内客はもとよりインバウンドの観光誘客を導線に、長期的な視点に立った新たなつながりとして人的交流の拡大を図っていく、そして関係人口の創出へと展開していく仕掛け、仕組みというものを考えていく機会ではないかと。知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から重ねてのお尋ねがございました。関係人口とか、それからインバウンドの交流だとか、こういうものを盛り上げていって、それでにぎやかな元気な鳥取をという、そういう戦略でございます。  考えてみますと、議員におかれては平成30年のときだと思いますが、関係人口という言葉を初めて議場でも語られまして、これを受けて本県でも関係人口を呼んでいこうと、これによって単なる観光客だけでない、もっと広がりのある人々の絆というものをつくる。それによってリピーターとなって来ていただいたり、例えば二地域居住ということもあるでしょうし、最近であればインターネットなどでつながるという形の関係人口もあるのではないかと思います。大分それでこの4年間で政策の幅は広がったのではないかと思います。例えば副業ということでも、既に5,000人を超える応募があるに至りました。しかも、募集側の企業のほうも、それから募集されるほうも、応募される副業人材のほうも、両方とも満足度でいうと、調査してみると8割、9割という満足度でありまして、ここは一つ関係人口づくりの今後につながるいい材料ができたのではないかなと思っております。  特にコロナも明けまして、大阪・関西万博もにらみますと、インバウンドをどうつくっていくかが重要です。その意味で、まずは台湾とのチャーターフライト、これが今月の末から4月9日まで、4回来ましてツアーを得ると。現在、鳳凰旅行社が募集して満席になりました。その後、何といいますか、LCC的な安い航空運賃の路線が近くにあったりしまして、それで一旦キャンセルも出ているところも事実なのですけれども、またそれも恐らく埋まってくるだろうと旅行社も今見ているところであります。非常に台湾関係は手応えがあるということですね。  韓国につきましては、今、4月9日から4月23日までチャーターフライトを行うこととなっており、これをロッテ観光さんという韓国の最大手の旅行会社が今差配をして、エアソウルを飛ばすことになります。これにつきましては、ちょうど私どもとしてありがたい知らせが届いたところでありますが、3月4日に向こうでテレビショッピングを放送したのだそうであります。それで、2,000件にわたる電話がかかってくるということになりました。いろいろと歩留りはあるにせよ、まだ旅行需要があるというふうにロッテ観光さんのほうは見込まれておりまして、このたび4月23日までとしていた予定をもう2便、4月26日と4月28日と、もう2回多くチャーターフライトを飛ばすということで決められました。エアソウルもそれを了解されているということでございます。これでまた旅行のツアーが2往復分増えることになります。  また、今お伺いをしていますと、ロッテ観光さんのほうには個人客でも乗せてくれないかというお問合せも来ているのだそうです。やはり米子-ソウル便も、これまでコロナの際もいろいろとプロモーションをかけてこちらの情報も出しておりまして、一旦は切れたものの、しかし心はこちらのほうに残してくださった韓国のお客さんも多いということだと思います。  そういう手応えがございまして、このインバウンド観光も見込めるのではないだろうか、できればエアソウルの定期便復活というふうに来年度動ければありがたいというふうに考えているところであり、鳳凰旅行社やロッテ観光、あるいはそのほかにも今チャーターフライトを考えているところもございまして、ぜひそうしたところを応援しながら誘客を図っていければと思います。  それで、議員のおっしゃる関係人口的なところでは、スナバ国パスポートというのを作らせていただきました。これはまだ募集を始めて間もないのですけれども、既に2,000人を大きく上回る数の方々がスナバ国の国民になっていただいています。そういうように関心を持っていただいて、この鳥取県内のいろんな魅力に興味を抱いていただいています。こういうのを引き寄せようと、鳥取市の町なかにおいてはリノベーションを建物に行う、そういうものと絡めた関係人口としての方々も今こちらに来るようになっていますし、それからワーケーションプログラムですね、これも順調に動いているところでございます。  今まではコロナでなかなかリアルに動きづらかったですけれども、これからはそうした関係人口もリアルに、ネットだけではなくてつながってこられるように変わってくると思います。今年度か来年度に向けまして、まずは3月13日、マスクの取扱いが変わるということがあり、5月8日にはコロナの5類化ということに踏み切る方向でございまして、そういう意味で、今議員がおっしゃるような戦略的な関係人口づくりやインバウンド観光をぜひ進めていけばというふうに考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事、ありがとうございました。追及を続けさせていただきます。  知事、医療的ケア児ですけれども、この支援については現在、鳥取県障がい者プランでも基本的な方向性が示されております。令和3年に医療的ケア児支援法が制定されたことを含めて、今任期中、本県としてもケア児に対する支援は大きく前進したのではないかと思うのですが、今後の障がい者プラン改定を念頭に、特に医療的ケア児を取り巻く環境整備、これまでの取組をどのように評価されて、今後さらに充実すべき点をどのように認識されているのか、知事にお尋ねします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から、医療的ケア児につきましてお尋ねがございました。  思い起こしてみますと、浜崎県議が平成28年に医療的ケア児ということを議場で持ち出されまして、それで医療的ケア児の支援というものを一層前進させたわけでありますし、もっと遡れば、我々が子育て王国ということを始めたときに、平成23年頃だったと思いますが、そういう医療的ケアを必要とする子供たちの施策も子育て王国として重要ではないか、こういう問題提起もいただきました。  実はこうした流れの中で、医療的ケア児対策というのは、本県は例えばぴのきおの皆さんとかと一緒に実地に問題点を調査するようなことをやらせていただいたりして、例えばショートステイの場所を増やそうということを進めてきたわけです。今の現行のプランの中でも、ショートステイについてはこれも増やすことができましたし、また、こういう医療的ケア児のケアに関わる人材の問題についても研修プログラムが今動いて、130名以上の研修も整ってきております。この間、ナーシングデイこすもすが鳥取市のほうにあり、それから博愛病院のところにも拠点があり、こうしたところに中部療育園なども応援をするというような形で全県的にもネットワークが整ってきたところでありますが、そういう中、本計画期間中に博愛病院のところで医療的ケア児の支援のセンターを法律との関連もありまして立ち上げたところでございます。  ここ最近のことでいえば、湯梨浜町で非常にケアを必要とする、そういうお子様が無事通級として普通の学校に入学を果たされるわけでありますが、これも本県の中部療育園なども後方支援に回りまして、そうした看護師の配置の協力とか指導だとかということも含めまして整えさせていただいたところです。  また、こうした医療的ケア児の災害時の避難につきましても、なかなかコロナで思うに任せませんでしたが、このたびは日吉津村でその実証実験的な訓練を行うことができ、これによって逆に課題も明らかになったということであります。  今後、障がい者プランをまた再編成する中で、これまでの医療的ケア児のそうした歩みを今後に生かしていく必要があると思います。なお一層人材を育成していったり、それから様々な支援の拠点性というものを高めていったり、今後の方向性についてまた専門の皆さんや当事者の方々などとも議論させていただきまして、今後のプランづくりに反映をさせていきたいと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事、ありがとうございました。しっかりよろしくお願いをしたいというふうに思います。  次の質問でありますが、工賃3倍計画なのですけれども、いわゆる就労継続支援事業所、働く障害のある方の賃金を向上するということからのそういった目標で、今現在、令和3年においては平均工賃が約2倍に迫る1万9,203円、工賃支払い総額も約6億7,000万円ということで、第1期計画の策定前の数字から大分上がってきまして、平均工賃は今、全国第5位ということであります。鳥取県の取組によって大きく進んできた。  ただ、最初の計画策定からすると、15年たってもまだ平均工賃の目標とする3倍化、額にして3万3,000円には、先ほど言ったように1万9,203円と、到達していないと。高い目標を掲げて、それに向かって邁進する姿勢というのは評価されるのだけれども、目標とあまり乖離があり過ぎるとかえって到達の具体的な道筋が見えなくなってくる、立てづらくなってくるというようなことがあります。  令和6年度から次期計画が始まるに当たって、令和5年度は成果を振り返って、目標達成の道筋を見詰め直す機会だと思いますが、このような点も踏まえて、各事業所の励みとなるような目標工賃を設定するなど、見直しを検討すべき時期だというふうにも思いますが、知事の御所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から重ねて、工賃3倍計画につきましてお尋ねがございました。  この課題につきましては、思い起こせばちょうど我々がスタートする頃ですね、当時は特別医療費をどうするかなどという問題もあって、これもそれまでの方針を180度転換して、また一から見直しをして圧縮した形で整えさせていただいたこともございましたし、あわせて、障害者の作業所の在り方も当時から議論をして、こういう工賃3倍計画というのを我々は国の倍増計画に対比して打ち上げ、その実現を目指そうというふうに動き始めたところであります。  考えてみますと、あれからもう15年ぐらいたちまして、随分時間はかかりましたが、ただ、大分内実はそういう意味で方向づけができたのではないかと思います。議員も結局目標を達成するということもあるけれども、問題は中身のことなので、新しいこれからの工賃計画をつくるのであればどういうビジョンでやったほうがいいのかもう一度考えたらどうかとおっしゃるわけでありますが、まさにそうかなというふうにも思います。  ちょっと逆説的に聞こえるかもしれませんが、工賃3倍計画というのは実は実現されています。それは、工賃自体は平均工賃でありますので、平成18年が基準年次だったのですが、それが1万1,000円。それが今1万9,797円でありまして、ほぼ倍増ぐらい、国の工賃倍増と言っているのに近い形になっているわけでありますが、工賃総額のほうは、これは今6億6,000万円を超えていまして、当時の平成19年からしますと3倍を軽く超えています。当時我々が想定していたのは、いろいろと作業所の収益を増やしていくと。当時を思い起こしていただければ、あいサポート補助などを始めまして、新商品を開発する、それに対して助成金を出しましょう、また振興センターを活用しまして、それによって例えばアドバイザーを派遣して、例えばうどんの商品、本格的なうどんを作りましょうとか、ぱにーにさんの梨のお菓子などは、これは当時のヒット商品でありますけれども、農林水産大臣賞を取られるというようなこともございました。こういうようなことをやって、要は所得、全体としての生産所得を、生産全体の総額を増やして、これをみんなで分配していくということを想定していったわけです。  一つ、この間で我々でちょっと計算外、想定外だったのは、うれしい悲鳴なのですけれども、当時の利用者が延べ1万7,000人ありました。これが3万4,000人になっていますね。ですから、利用者が増えますから、平均すれば当然ながらおっこってくるわけです。ただ、当時もくろんでいた工賃の基となる総額を増やして、それで障害者の皆様の参画に応えていこうというふうにしたもくろみは、基本線は一応達成したのかもしれません。そうであれば、今までこうしてやってきてことをさらにもう少しブレークダウンして、本当に必要な対策に変えていく必要があるのかもしれません。  実は、最近裾野が広がってきたものですから、来られる方々の傾向が変わってきています。例えば割と高齢の方とか、それから精神障害の方もこちらのそうした作業所のほうに来られることが増えてきております。そういう方々は時間が結構短いのですよね。短いものですから工賃がその分は少ない。先ほども申しましたように利用者がかなり増えたような格好になってくるわけですけれども、一人一人の手取りは少ないかもしれませんけれども、ではそれで達成できないかというと、恐らくそうした御本人や御家族は、そういうところに来られることに多分意味を見いだされている方々もいらっしゃるのだと思うのですね。ですから、そういうある意味満足度とか参画度だとか、そうしたものがそれぞれのケースに応じて果たされるように、本当にある程度働いて、できればその後一般就労のほうに行きたい、それに向けてだんだん技術レベルを上げていこうというような形の方々のグループと、それからそうではなくて、例えば先ほどアートの話を申し上げましたが、アートなどもやはり作業所が絡むことがありますけれども、実はそんなにはもうからないものであります。では、そういうジャンルは要らないのかといったら、そうでもないと思うのですよね。ですから、そういうふうに少しブレークダウンをしながら目標設定を定めて、政策の再構成をしていくというのが私ども一応初期の工賃総額レベルでは3倍というふうに分配できるパイを大きく広げましたので、ここから先のところはそうした新しい目標に応じてやっていくべきだと思います。  伸ばしていくべき工賃、本当の意味で3倍になりそうな人たちというのは、もう既にできています。例えば私どものワークコーポのほうで共同作業でやっているところがあります。ここ最近は、例えば不二家さんだとか、コクヨMVPさんだとか、あるいは円山菓寮さんだとか、そうしたところの御協力をいただきまして、仕事をもらってきているわけです。ですから、今、工賃的には6万円、7万円ぐらいにまでなっているのではないでしょうか。かなり高くなっているのですね。ですから、達成できているところは達成できている、そのノウハウをほかの作業のところにも広げていって、そういう言わば収益性を高めるグループと、それとあと参加型といいますか、そうしたグループと、それぞれの目標設定なり政策の組み方、これを模索するのも一つの考え方かなと思います。  いずれにいたしましても、来年1年かけてこうした目標設定も含めた障がい者プランについて話し合う期間となっておりますので、しっかりと新しいメンバーでそういうビジョンを形成していただければと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事、ありがとうございます。私は、この3倍計画の根底にあるのは、障害のある方の働く意欲に応えるという部分、こういった部分が非常に大きなコンセプトだろうな、自分の仕事や成果によって誰かに喜んでもらえる価値観、生きがいにも通じるこの価値観に応える環境を整えなければいけないという部分も、知事もお分かりだと思いますけれども、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
     教育長、少人数学級の導入の効果と私が期待するのは、子供たちが互いに切磋琢磨して、時には相手の痛みや悲しみに寄り添える心が育まれることというふうに思うわけであります。  子供たちがふびんでならなかったこの3年間、いろいろ動きもなかった、なかなか行きたいところにも行けない、子供たちともなかなか会いにくい、そういう状況が、例えばコロナを乗り越えたことを自信に変えて、将来どんな災難が降りかかっても仲間と手を携えて困難に挑んでいくような、しなやかなたくましい心の強い人に鳥取県の子供たちになっていただきたいと切に願うところであります。  教育長、ちょうど卒業シーズンでもあります。新たな門出に臨む鳥取県の子供たちに対して、教育長から激励のメッセージをぜひお願いしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜崎議員から重ねてお尋ねをいただきました。子供たちへの激励のメッセージをということで御質問いただきました。  7年前に学校現場で卒業式、校長式辞を話したことを瞬間ちょっと思い出しました。先日、銀杏議員さんの御質問の際にも多少触れましたが、本当に今年、この3年間コロナ禍の中で過ごしてきた生徒たちが旅立っていくことになります。休校、学級閉鎖はもとより、様々な学校行事が中止になったり、あるいは部活動の大会が中止・延期になる、さらにはいろんな活動が制限される、黙食の実施とか本当に制限の中での3年間を子供たちは過ごしてまいったところでございます。  本来、学校というのは逆に、子供たちが触れ合って、語り合って、そしてその仲間とともに自分のよりよき場所を見つけて、そして人生の生きる力をつくっていく、そういうふうな場所であったものでございますが、そうしたことが奪われたというのは本当に残念なことでございます。  ただ、子供たちは逆に、議員がおっしゃったとおり、たくましくこの3年間過ごしてまいりました。何ができるのかを真剣に考え、どのようにしたらできるのかを創意工夫し、そして困難な状況の中にも積極的にチャレンジしてまいりました。こうした力は必ずや彼ら、彼女たちの今後の人生を支える大きな力になろうというふうに思います。  先日、これは他県の生徒さんでしたが、卒業式を終えた生徒さんが、私たちの3年間というのはフィジカルディスタンスはもとより、様々な制限があったり身体的距離はあったけれども、心の距離は密だったよね、そんなメッセージを残して巣立っていかれた場面が放映されておりました。これこそが子供たちがコロナ禍で学んだ、あるいは培った心の強さ、たくましさではないかなというふうに思って拝聴させていただきました。  私の好きな言葉に、素直に謙虚に常に挑戦者たれという、私の座右の銘でございます。どんな境遇にあっても素直に周囲の人の言葉に耳を傾け、そして決しておごることなく、高ぶることなく自分の姿を見詰める謙虚さ、そしてどんな逆境にあっても決して逃げない、ひるまない、そんな挑戦者の心を持ち続ける。きっとこのコロナ禍を過ごした本県の子供たちだからこそ、大きく大きく羽ばたいてくれるものと信じております。そんな彼らの、彼女たちの姿を私もしっかり今後も応援してまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)本日は、知事、教育長、御答弁いただきまして、ありがとうございました。結びに大急ぎで入りたいと思います。  任期を振り返ると、リーマンショック、東日本大震災から続くデフレから脱却して、令和の御代の始まりと、どこか明るい兆しがスタートというようなことがあったのですが、100年に一度のパンデミック、コロナ、それから燃油・物価高騰、元総理も凶弾に倒れるというようなあってはならないことがありました。国際情勢も、北朝鮮のミサイル、それからロシアのウクライナ侵攻、非常に改めて我が国のありようを見詰め直す時期であったと思います。  そうした激動の時代に、我が国全体がかつて経験したことがないほどの人口減少社会に突入していく中で、それでも鳥取、地方の立場として関係人口、ワーケーション、将来に向けた鳥取県らしい地方創生、「心をつなぐ“とっとり創生”」を目指していくきっかけや共生社会実現に向けた芽生え、様々な分野にあったと思います。そのような息吹を、ポストコロナに重なる次の任期4年間、ぜひ花開かせていくよう、県政運営を県民の一人としても期待したいと思います。  県議会140年の歴史の連なりを受け継ぐ議員の一人として、県民の皆さんのために汗をかいていかなければならないと思いますが、最後に平井知事からコメントをいただいて、時間がありませんが、短めにしっかりとお願いをしたいと思います。この任期最後の一般質問を締めくくらせていただきます。ありがとうございました。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から御質問を重ねていただきました。議員がおっしゃるように、この4年間、波乱万丈だったと思います。ただ、今私たちがこの4年を閉じようとして一つ誇れるのは、恐らく新型コロナをうまく乗り切った県になれたということかもしれません。それは、皆様の御協力やいろんな知恵を糾合した結果ではないかと思います。なかなか飲食店が大変だといえば、そういう声をここでまとめる、それで次々にそうした支援のカードを切っていく。また、コロナ対策、健康・命を守ろうと、医療従事者の皆様、病院、医師会など看護師会、みんな協力をしてもらって乗り切っていく。それに県民も応えていく。これはすばらしいチームワークだと思います。そういう意味で、切り抜けてきたこの4年であり、そこにウクライナ戦争、エネルギー危機など新たな課題ものしかかっているわけであります。  ただ、私たちはこうした人のネットワークやすばらしい自然、それから皆で培ってきた例えば福祉の領域における、あるいは関係人口づくりにおけるノウハウというのがあり、例えば副業の応募でいえば、全国でも冠たるものでございます。そういう意味で、私たちはこれからの4年間、次につなげていければと思います。  「君が行く新たな道を照らすよう千億の星に頼んでおいた」、聞き覚えがあるかもしれませんが、「舞いあがれ!」という今のNHKのドラマで度々取り上げられた、貴司が詠んだ歌なのですね。これに励まされて主人公は頑張ったわけでありますが、後々これは狭野茅上娘子の歌の本歌取りだということが分かり、これが結婚につながるというストーリーに意外に展開していったわけであります。  今、私たちは星取県と言われ、実は星取県の認知度も高まって、長野を抜いて今2年連続、美しい星の都道府県に選ばれています。そういう全国の声の中、1,000億の星に私たちは思いを託しながら、これから県民が進む道を照らし出していければというふうに考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)暫時休憩いたします。  午後3時10分より再開いたします。        午後2時56分休憩    ────────────────        午後3時10分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  31番福間裕隆議員 ◯31番(福間裕隆君)(登壇、拍手)皆さん、こんにちは。  私は、会派民主に所属をしております福間裕隆でございます。平成7年に鳥取県議会議員として初当選をしましてから7期28年間、県会議員としての役割を頂戴してまいりまして、この壇上で幾度となく発言をさせていただきました。今期限りで引退を決めておりまして、本日が私にとりまして鳥取県議会壇上で意見を申し述べさせていただきますのは最後となります。心を込めて務めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  最初に、黄色い花を胸に、先ほど女性議員の方から頂戴いたしました。明日3月8日は国際女性デーだそうでございまして、女性の権利と平和を求めて活動する日ということに皆さん方が決めていらっしゃるそうでございます。  鳥取県議会の中にも5人の女性議員がいらっしゃいますけれども、今日は前日行動をするということで、お昼に県民文化会館の前で超党派の皆さん方5人でプラカードを持って、道行く人や車に世界平和とジェンダー平等をお訴えになったようでございます。心から敬意を表したいと思います。一日も早い世界平和とジェンダー平等の世界が築き上げられますように心から祈念を申し上げたいと思いますし、私もどこかでその役割を果たしてまいりたい、このように思っております。  それでは、質問に入りたいと思いますが、その前に、今年2月6日に発生をいたしましたトルコ・シリアの大地震、今日のニュースによりますと、お亡くなりになった皆さんが5万2,000人以上にも達し、被災者として影響を受けられた皆さんは途方もない人数の皆さんになるという大惨事が発生をしています。お亡くなりになった皆さんに心からお悔やみを申し上げますとともに、被災をされた皆さんが一日も早く復興されますように、心からお祈りを申し上げたいと思います。  また、議員の皆さん方もこの壇上で既にほとんどの皆さんがお訴えになっておりますが、ロシアのウクライナ侵攻によって、2月24日、ウクライナ侵攻、いわゆるウクライナ戦争が始まったわけでありますが、既に1年を経過することになっています。一刻も早いこの戦争の終結を望むものであります。  またあわせて、ウクライナだけではなく、世界では既に45年前からアフガニスタンで紛争が起こっています。シリアでも、リビアでも、イエメンでも、イラクでも、世界各地の至るところで戦争の絶え間ない状態が続いています。  戦争の中で生まれた子供は、戦争の毎日の中を必死で生きていることであります。まさに戦争しか知らない子供たちが世界にはいるということを改めて私たちはしっかりと目を見開いて心に刻むべきではないでしょうか。一日も早い世界の平和を希求するというのが今を生きる私たち大人の責務だと私は考えています。  それでは、私が本日質問として設定をいたしました課題について質問を申し上げます。  昭和20年8月15日、第二次世界大戦が終結をいたしました。この戦争で、我が国日本国民310万人、鳥取県でも民間人120人、軍人1万9,002人、合計1万9,122人の皆さんが犠牲になり、命を落とされたと聞いています。  この惨禍を教訓に現在の日本国憲法が制定され、戦争を放棄し、二度と戦争の過ちを繰り返さないと誓い合いました。終戦以来77年間、我が国はこの不戦の誓いを守ってきました。あわせて、この戦争の教訓として、二度と戦争をやってはいけない、平和が大切と声を出すことの大切さと重要さを学んだはずであります。  近年、国際情勢は大きく変化し、我が国周辺地域の安全保障環境が私どもの想像もつかないほど一段と厳しくなってきている中、国民の生命、財産を守るために、いろいろな意見が発信をされています。我が国には、私もその中の一人でありますけれども、軍備拡大反対を主張する人もあれば、軍備拡大・増強による平和を主張する人もいらっしゃいます。  岸田政権は、5年間で43兆円、対GDP比2%という防衛費の大幅増額を打ち出しました。戦争は、人の命も家庭の幸せも破壊してしまう恐ろしい愚かな行為であり、悲惨な結末しかありません。私は、平和外交に徹し、友好・互恵関係を積み上げ、戦争を回避するためにあらゆる方途に全力を尽くすべきだと考えています。  先日2月16日の鳥取県議会自由民主党で代表質問をされた福田議員とは異なる主張をいたしておりますが、県民の生命を守る地方自治体の立場として、知事の所感をお聞かせください。  あわせて、鳥取県内の公立学校において、平和学習を行っていらっしゃるのか、また具体的にどのようなことを取り組まれていらっしゃるのか、教育長にお尋ねをいたしまして、壇上からの意見といたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まずもって、冒頭お話がございましたように、これで7期28年の議会人生を一区切りしようとされております福間県議に対しまして、衷心より心よりの敬意を表し、また感謝の誠をささげさせていただきたいと思います。  福間県議におかれましては、この間、副議長の要職を務められたり、また様々な提案をされてきました。例えば中山間地のこと、あるいはアルコール依存症を含めたそうした心の病からどのように人々を立ち直らせ、社会で守っていくのか、あるいは交通のことでありますとか、先ほどもちょっと議論がありましたが、水源保全のそうした条例提案なども御協力をいただいたことなど、枚挙にいとまがないわけであります。  議員との様々なお話や共にした経験を思い起こしますが、惜別の感はございますけれども、これからまた違った目で世界の平和や地域の発展を見詰め続けるという決意を述べていただきましたので、それを私どもも心のよりどころとして今後も邁進してまいりたいと考えております。  また、冒頭お話がございました国際女性デーにおきまして、女性、ジェンダー平等ということ、そして平和について訴えられたわけでありますが、このことにも心よりの連帯を申し上げたいと思います。  議員のほうから今るるお話がありました。非常に今の世界や我が国にとりまして大切な議論を最後に議場に送り込んでいただいたのかなというふうに拝聴をさせていただきました。  私たちは第二次世界大戦を経験したわけであり、その間には世界で唯一の原子力爆弾の被爆も体験しました。これは、広島に近い鳥取県民には決して無縁のことでもなかったわけであります。そして、その平和の願いむなしく、例えば境港における爆弾の爆発事故であるとか、それから様々な空襲であるとか、いろんな爪痕が本県の中にも残されて、失われた命もありました。世界を見渡してみれば、今もその当時とひょっとすると変わっていないのか、または逆戻りしつつあるのか、大変な戦慄を覚えるのが最近の状況ではないかと思います。  日本国憲法のお話がございました。日本国憲法の中に前文というのがありまして、これは単なる解釈規定と言われたり宣言文のように言われるわけでありますが、多くの学者はこれと憲法の本文とを重ね合わせて読んだり、そういうことによって意味があるものではないかと思いますし、そういう説もありますし、歴史的にも言わば平和宣言や国民主権の権利宣言だと思うのですね。そうした宣言性のある基本文書を我が国の国民が共有するということの大きさを戦後皆で確認し合ったのではないかと思います。  その中にこういう一節があるわけでありますが、全世界の国民は恐怖と欠乏を免れて、それで平和のうちに生存する権利を有することを確認するというふうにあります。今を照らしてみますと、そうした恐怖や欠乏がひょっとしたらまだ現実にあるのではないか、起こっているのではないかというふうに思われます。戦争を経て、私たち日本国民の総意として、そうした恐怖や欠乏を全世界の国民が免れるのだと、国際協調主義も唱えながら当時確認をしたというものです。  その前文の冒頭のほうには、政府の行為によって戦争の災禍が繰り返されることがないように、それから国民に主権がある、このことを我らは確認するのだと、こうしたところから実は憲法全体が始まっているのですね。このことの意義は、我が国の一つの真ん中にある真理だと思いますし、そして世界中の人たちもこれを確認していただくに値する内容だったと思います。  実はこの憲法ができた当時というのは、国連ができた頃です。国連によりまして、これからは第二次世界大戦のようなことを繰り返さない、戦争はもうなくすのだということを各国が協調しながらやっていく道筋ができたと多くの国々が考えていたのだろうと思います。その一つの世界の流れを受けてそうした日本国憲法の記述が生まれたわけでありまして、議員もおっしゃいましたけれども、平和をどうやって守っていくのかというのは、私たち国民のDNAに入っているものだというふうに思います。  ただ、そこから先の手法の問題はいろいろと分かれるのだろうと思います。先ほどもちょっとそうした表現もございましたけれども、私自身もこれまでいろんな拙い経験もさせていただいて、幾つか思い起こすこともありながら伺っておりました。一つは、こちらに出馬する直前は、ニューヨークのほうで自治体国際化協会の職員をしておりました。そのときに、議場でも述べたことがございますが、国際姉妹都市連盟の総会、これは1956年だったですかね、アイゼンハワーがピープル・ツー・ピープルという運動を起こして、人と人との交流が第二次世界大戦後は大事だと言って、それでそうした姉妹都市運動が生まれたわけです。その姉妹都市運動の50年の節目になされた総会だったと記憶いたしております。だからこそ、全世界から集まりまして、私もそういうゆえを持ってその会場にいたということであります。  議員の御子息さんと出会ったのもそうした時期でございますけれども、そのときにちょうど中東で紛争が起こりまして、これはえらいことになったと日本人であった私は思いました。戦争が起こるというか、ミサイルが放たれたのですね。それで多くの被害が出て、紛争が現に始まってきたというときであり、これは朝一番は、パレスチナとイスラエルの自治体同士のシンポジウムだったのですね。これは中止になるだろうと思っていたのですけれども、どうなっているかなと思って会場に行ってみると、やっているわけですね。それで、始まってみると大変盛り上がるわけです。それは、会場にいた方々が本当に共感をしたのだと思うのです。皆さんそれぞれパレスチナの代表やイスラエルの代表が口から出てくるのは、政治は愚かだということです。政治はすぐに暴力に訴えると。我々国民というものは、人々は、住民はそういう暴力など何も望んでいないと。文化だとか宗教だとか、そういうことを乗り越えていくために私たちはこの姉妹都市連盟の会合に集まったのだと。今お互いにすごく有益な話をしたというふうに、そういう中東紛争の当事者たちが語り合っているわけです。驚きましたし、もっと驚いたのは、世界中から集まった人たちがそうした発言が一言出るたびに皆さんスタンディングオベーションをするわけですね。世界は捨てたものではないなとそのとき思いました。  平和への願いというのは諸国民を通じてあるものであり、宗教だとか、あるいは過去の歴史だとか、そんなことは関係なく、殺される命を見るたびに皆さん痛切にその大切さを思い知らされるものなのだというふうに思います。そういう意味で、平和を守ることは日本の一つの役割だと思いますし、現在G7の議長国でありますから、その役割いや深いものがあるというふうに思います。  その手法については、私はいろんな考え方があっていいように思っているのです。もう一つ私がちょっと個人的には衝撃的だったのは、日本の公務員になりまして、国家公務員として参加をさせていただいた、もしかすると兵庫県の地方公務員になっていたかもしれません。そのときに、世界中の公務員を集めて、若い者で討論させるというプログラムがありました。そのとき、平和をどう守るかというテーマなのですね。それで、私は日本国憲法みたいなことだとか、それから平和を守るためには外交が大切でと非常に日本人的な発想の話をしました。ディベートなものですから、相手はまたこれを潰しにかかってくる人たちもいるのですね。そのときに、シンガポールの国家公務員、この方は外交官だったのですけれども、甘いとおっしゃいましたね。この世はパワーゲームでできていると。やはり力を持っていないと攻められると。本当に平和を守るためには、やはりそうしたパワーをやはり一つの視点として持っておかないと本当の平和はやってこないというふうに言っていました。それは私の常識とは大分違っていたのですけれども、それも正しいのかなとつくづく思いました。  だから、手段はどうあれ、人間がこの世で尊厳を持って生きていける、そういう道筋を諸国民がそれぞれに苦労しながらたどらなければいけない、探さなければならないのだと思います。今、正直、出口が見えない、答えが見えにくくなっていると思います。前提としていなかったのは、核保有国という大国が武力を行使して他国の主権の侵害をし、その人民、人々を、民間人まで殺している、インフラを壊すということがありました。これは実は国連も想定していませんし、世界中の最近の協調主義の中で予定されていたものではなかったです。残念ながら、これが一つの地域にとどまらず、ほかでも呼応するかのような動きが起こっていまして、今本当に難しい時期になってきたなというふうに思います。だからこそ、今日のこの議場のように真摯にこの問題を、我々日本の中の一角の地方の鳥取県という自治体ではありますけれども、我々が何をすべきかということを考えるきっかけになればというふうに思います。  いずれにいたしましても、この議会は平和を宣言している議会であり、核兵器の廃絶も宣言をしている議会であります。その大儀を私ども執行部としても共有してまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)福間議員さんからの一般質問にお答え申し上げます。  学校における平和学習ということで、どのように取組を行っているのかお尋ねをいただきました。  まず、7期28年にわたる県議会での御活躍、そして県政への御尽力、本当に感謝申し上げたいと思います。お疲れさまでございました。  福間議員さんとは、平成30年、一緒にブラジルに訪問をさせていただきました。いろんな記念式典に参加、そしてアリアンサ村を訪ねて、この真っ赤な大地の中にたくさんのコーヒー畑がある、そしてまたそこで活躍する子供たち、過ごす4世の子供たちと触れ合ったことを懐かしく思い出します。  その公園に、コーヒーより人をつくれという石碑があったことを私は非常に印象深く覚えております。生きていくための糧、コーヒーを得るよりもまずは人づくりだということを示した、本当に貴重な名文句であったように思っております。議員さんから御質問のあった平和学習というのも、言葉を換えれば人づくり以外の何物でもないのではないかなというふうに思っているところでございます。  平和教育は、もちろん平和主義を三大原則の一つとする日本国憲法を学んでいく子供たちにとっても、言わば学校教育の中でも大きな大きな柱になっているところでございます。ただ、戦後もう78年を迎えようとしておりますが、戦争を知らない世代が多くなってきている日本の中にあって、先ほど議員さんからは、戦争しか知らない子供たちがいる、その現状をしっかり知っておいてほしいという言葉は、非常に胸に突き刺さりました。ぜひ、日本で学ぶ、鳥取で学ぶ子供たちが単なる机上の学習ではなくて、自分事として平和の大切さを学んでいく学習を社会科の学習の中で、あるいは高校の地歴公民科の中で、そうした学習と同時に様々な体験を通して、この戦争体験を持たれる方々の話を直接聞く、あるいはそういう広島であったり沖縄であったり、そういった場所に行って当時の様子をしっかりと目に焼き付ける、心に焼き付ける、そういう体験的な学びが必要だろうなというふうに思います。  昨年の6月議会だったと思いますが、語堂議員さんからの御質問にお答えしました、お話にも出ましたロシア軍によるウクライナ侵攻が1年を経過したわけですが、このときにも全ての学校にぜひ遠い東欧諸国の争い、戦いではなくて、自分事としてこの侵攻を受け止め、自分に何ができるか、どう行動に移せるかを考える機会をつくってほしいということで、多くの学校でそうした取組が進められてきたところでございます。  ぜひとも、今後この平和学習が単なる過去の歴史学習ではなくて、実際大切な命、人づくりにつながる学習につながるような自己体験として学びが深まっていくような命の貴さ、そして自分がどう行動できるか、行動に移せる学習を深めてまいりたいというふうに思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)31番福間議員 ◯31番(福間裕隆君)議長にお許しをいただきまして、皆さん方の机に議場配付資料として、核への言葉、戦争を知らない世代という用紙を1枚お配りしております。御覧いただきたいと思います。  元総理大臣であり、自由民主党総裁を務めておられた田中角栄氏は、そこに書いてありますように、戦争を知っている世代が社会の中核にある間はいいが、戦争を知らない世代ばかりになると日本は怖いことになると述べていらっしゃいます。  現在、政策をつくる、いわゆる法律をつくっていく国会の状況を見てみますと、衆議院議員では462人のうち、いわゆる戦前生まれの人、昭和20年前にお生まれになった国会議員さんというのは5人しか今のところいらっしゃらない。二階俊博さん、麻生太郎さん、衛藤征士郎さん、谷川弥一さん、小沢一郎さん、この5人の方々が昭和20年以前にお生まれになった方。参議院議員では、248人のうち、お二人しかいらっしゃいません。尾辻秀久さん、山崎正昭さん。この議場でも、昭和20年以前にお生まれになった方は、残念ながらいらっしゃらないのですよ。私は昭和17年生まれですから、私と、あとお一人、女性議員の方で昭和20年4月生まれの方でしょうか、いらっしゃるのです。この2人だけなのですよ。ただ、私にしても、そのもう一人の女性の方にしても、2つか3つ、本当の戦争がどういう状況だったかというのは全然分かっていない。分かっていない。そういう中で、今、我が国の政策はつくられていくし、この議場でも平和ということ、平和を守るためにどうすればいいのかということの議論がなされている。時代が年を取っていくわけですから、それは仕方ないことだと思いますよね。  私は、田中角栄さんがこうおっしゃったのは、戦争を体験した人、戦争の悲惨さを知っている人が年々減少することを心配していらっしゃったのではないのかなと、こう推察をしています。  総務省の統計によりますと、2021年10月1日時点で我が国の総人口1億2,500万人、そのうち昭和20年以前に生まれた人口は1,700万人、人口の約14%。鳥取県でも、その当時の鳥取県の人口54万8,000人、そのうち昭和20年以前に生まれた人口というのは8万6,000人、人口の約15%、こういう状況なのです。年々この数は減っていくと思いますね。そういう中で、戦争の実体験を体験された人が御存命中にその人の体験を何とか聞かせていただく、それを引き継いでいく、そういうことが非常に大切ではないだろうかということを私は思っています。  一つ皆さんに御紹介をしたいと思います。JR山陰線の大山口という駅、皆さんも御存じだと思いますが、鳥取から米子に向かって大山口の駅をもう50メートルぐらい米子寄りの左側、大山側に忠魂碑が建っています。今度列車で通られたらぜひ見ていただきたいと思いますし、その周辺で昭和20年7月28日、鳥取発出雲今市行き列車がアメリカ軍の艦載機3機により襲撃されて、45名の皆さんが死亡、負傷31名以上の犠牲者を出した大山口列車空襲事件というのがございます。列車は11両編成で、前の2両は呉の海軍病院三朝分院を退院したり転院する人、付添いの衛生兵、日赤の救護看護師の皆さん、そしてそれ以外の列車には一般の乗客が満杯で乗っていらっしゃった。そういう列車が、敗戦直前、7月28日ですから8月15日まで僅か18日前の出来事なのですが、乗客の皆さんは全て非戦闘員であり、さらに、前の2両の客車には赤十字マークがたかれていたにもかかわらず、アメリカ軍機の攻撃は前の4両に集中して攻撃が繰り返されたようでありまして、先ほど申し上げましたように、45名の命を、犠牲者を出してしまうような大惨事になってきた。  7月28日の命日の日に、御遺族の皆さんはそれぞれ現地を訪れて慰霊をされていましたけれども、平成4年にみんなで一緒に慰霊しようということで慰霊碑が建立されて、先ほど御紹介申し上げましたように、大山口のちょっと米子寄りにこの慰霊碑が建設をされました。  このときに、遺族の皆さんや周辺の皆さんが慰霊祭を毎年行ってきておられたのですけれども、8年ほど前から慰霊祭に合わせて平和祈念の集いも同時に開催をされていらっしゃるそうです。地元の大山の小学校の皆さんに集まってもらって、子供たちに命の大切さ、戦争の悲惨さということを平和祈念の集いで子供たちにも御紹介があるようであります。  この会を主導していらっしゃる方は、こういう具合におっしゃっているのです。ここでの学習の狙いは知識を身につけることではない。戦争は人の命も家庭の幸せも破壊してしまう恐ろしいものであることを体と心で感じ取ってもらうことだ。そして、今の自分自身の生活を見詰めて、周りとの関係性を大切にしながら、日々の生活に生かしてほしい。私たちはそんな願いで取り組んでいるということをおっしゃっています。  令和2年から始まった新型コロナウイルス感染拡大は、多くの学校の修学旅行に大きな影響を与えたとおっしゃっていますが、例えば広島での平和学習を希望されていた県外や県内の幾つかの学校が、この大山口の慰霊祭と平和学習に訪問されるようになったそうであります。修学旅行以外でも、出前授業の依頼がたくさん列車空襲の慰霊祭の皆さん方に寄せられたそうでありまして、令和4年の平和学習の実績としては、修学旅行で30団体1,385人、出前、成人、小学校の皆さんや公民館活動ということでトータル60団体2,329人の皆さん方に平和学習という格好でお訴えになったようであります。県外からも問合せがあったようですけれども、お断りをして、県内に限定をさせていただいたということをおっしゃっています。この皆さん方は、どの政治団体とも誰とも結びつきたくない、自分たちだけで大山口の列車空襲に命を落とされた皆さん方の心をお慰めするのと同時に、自分たちが持てる力で平和運動をやりたい、そういうことをおっしゃっています。  ただ、生存者で令和3年まで体験をお話しいただいたお方が91歳と御高齢のために、令和4年は残念ながらこの集会には御参加をいただくことができなかったという悩みもあるようですけれども、御紹介をしたこの大山口列車空襲を語り継ぐ会の皆さん方は、全て戦後の生まれの方なのです。70歳から77~78歳ぐらいの方が中心になって、紙芝居を作ったりしながらこういう活動をしていらっしゃいます。  このことを御紹介申し上げて、何点か質問をさせていただきたいと思います。  今御紹介申し上げましたように、私は先人の足跡に学び、戦争の惨劇を記録に残し、語り継ぐことが重要だと考えますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。  さらに、修学旅行等を通じた平和教育の取組が必要だと考えますけれども、教育長にお伺いをいたします。  さらに、憲法前文について学んで、理解を深める学習が必要だと私は考えますけれども、教育長の所見を併せてお伺いいたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から重ねてのお尋ねがございました。  昭和20年7月28日早朝8時のことでありました。大山口、その付近を通行していたそういう列車が襲われたわけでありますが、その災禍というのは今日なお残っている、そういう戦争の記憶であろうかと思います。  今の語り部の役割でありますけれども、実は東京の県人会でいつも熱心に活動いただいているのは近藤裕さんという税理士をされていた方だと思いますが、時々ふるさと、琴浦だったと思いますが帰ってこられて、琴浦で感謝状を受けられたこともあると思います。そういう熱心な方々に支えられながら、こういう記憶が伝えられて、多くの子供たちも含めて共有され、それをまたその次の世代へと受け継がれていくのだと思います。  最近のウクライナ情勢を見ていても、やはり鉄道を狙うというのは一つポイントになるのかもしれません。結局軍事面での重要な補給路になったり、それからまたそこで運ばれているものが何なのかということがあったり、恐らく今回そのケースは何らかの誤解があったのだと思いますが、赤十字マークもつけて、要は傷病列車ですよね。その色彩のある車両も含めて狙われたということでありまして、ちょっと考え難い惨禍であったのですが、それが戦争というものなのかもしれません。  私たち県の執行部のほうでも、平成21年には「孫や子に伝えたい戦争体験」という本を出させていただきまして、これは上下2巻にわたり、上巻のほうは海外の戦地でのお話など、また下巻のほうではこの鳥取県内でのお話があります。いろいろと体験談を募集しまして、これを将来に文字として残していこうという、そういう事業で平成21年、上梓させていただいたものでありました。  この中にもいろいろとお話、エピソードが籠もっているのですが、3人の兄弟がいて、2人お兄さんがいたと。2人のお兄さんは両方とも戦地に出て戦死をされるわけであります。その2番目のお兄さんが弟に遺書を残していて、自分の可能性というものを実現するように生きていけと。それに強く胸を打たれるわけですね。実際に遺骨は帰ってくることなく過ごされるわけでありますが、その最期の戦地に向かわれて、言葉をかけられると。こういうようなお話など、身につまされる、非常に一人一人にとってやはり戦争があったのだというふうに思わせる、そういう体験談になっています。  こういうものをやはり私たちは語り継いでいかなければならないのだと思いますし、残せるものはどんどん残していかなければいけないだろうというふうに思います。そういう意味で、公文書館には様々なものが残っていまして、これ以外にも例えば空からばらまいた、日本国民に告ぐという、そういうビラなどもある。このビラには、徳山とか実は鳥取とか順番に空襲しますよという予告なのですよね。この戦争をアメリカはやりたくないのだと、やりたくないけれども終わらないのでやる。その際に空襲するから逃げておいてくれというような、そういうような意味なのですけれども、それが割と流暢な日本語でしっかり書かれているのですね。そういう歴史がひょっとすると今も繰り返されていて、ウクライナでもここを攻めるぞと言い、逃げる、逃がせ、こういうようなやり取りがあり、果たして戦争というのはいつまで続くのだろうかというふうに改めて思い知らされるものであります。これはネットを通じて我々のほうからも公開をさせていただいております。こんなようなことをやはり丁寧にやっていくことが大切なのかなと思います。  この週末は、境港で水木しげる先生の101年目の生誕祭が行われました。そのときも話にも出てきましたし、水木しげる記念館の中にも収められていますが、実は娘さんの原口尚子さんがよくおっしゃるのは、水木が最も伝えたかったのは戦争の話だと。そういうラバウル戦記だとか、そうしたものも漫画の中でしたためているわけであります。あの水木先生なので決して暗いトーンだけで描いているわけではないのですが、ただ、こんなむごいことが本当に起こるのだというのを多分漫画を通して子供たちや孫たちに先生は伝えようとされたのだと思います。  こういうようなことは我々にとりまして今を生きる上で重要な役目なのではないかと思いますし、そういう思いも含めて、ウクライナのことだとか世界で今起きていることについて冷静に考えていかなければいけないのだと思います。
    ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)福間議員から重ねてお尋ねをいただきました。2点ございましたが、1点目は修学旅行等を通じた平和教育の取組を進めるべきではないかというお尋ねでございました。  先ほども少し触れましたが、修学旅行は体験的な学びの大切さということにもつながるだろうなというふうに思っております。コロナ禍の前は、議員さんからも御紹介のあった、多くは広島県の原爆ドームでありますとか平和記念館を訪れて、あるいは沖縄県のひめゆりの塔を訪ねて、現地の語り部さんから当時の様子を詳しく聞く、あるいはその遺品や状況を写真等で見るという、そういう体験的な学習をしてきたところでございます。  そして、コロナの3年間の間は、詳しく御紹介がありましたが、大山口列車の空襲の現場を訪れる学校がたくさん増えまして、これもまたコロナ禍でなければそこに目を向けることが少なかった、そうした事例にも子供たちは目を向けることができた。非常にそういう意味では、コロナ禍がもたらした大きな財産ではなかったかなというふうに思います。  そこでも、御紹介のあった空襲を語り継ぐ会の皆様方からの本当に紙芝居を拝見したり話を聞かせていただくことで、そうした戦争のやはり悲惨さ、命の大切さを改めて認識すると同時に、鳥取県の大切な歴史を学ぶことができたいい機会になったのだろうなというふうに思っているところでございます。  外で学ぶことも、そして県内で学ぶこともそうですが、やはり語る会の皆さんが知識ではなく心で感じることだというふうにおっしゃった、まさしくそういう体験的な学習を修学旅行を通して戦争を知らない世代の子供たちが心を奮わせ、今度は次の語り部になっていけるような、そんな子供たちの育成が図れればというふうに思っているところでございます。  2点目は、その下地となる憲法前文について学ぶべきではないかというお尋ねでございました。  日本国憲法が国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義という3原則の中でこの学びを深めてきているところでございますが、小学校段階では、その前文の概要版が教科書には記載をされております。その概要を学びながら、では私たちの今の生活につながってくるのはどんなことだろうかなというのを小学校段階では学んでおります。それが中学校に上がりますと、大日本帝国憲法と日本国憲法のその根幹の違いは何だろうかということをさらに深く学ぶことを通して、平和の在り方といったようなことをさらに深く学ぶような取組を進めているところでございます。  これもまた体験的な部分、修学旅行も含め、またそうした学校の授業での学びも含めて、平和について他人事では決してない、自分事としていかに捉えられるかということ、それが大事な視点だろうなというふうに思います。  そういう意味では、指導する側の教員も戦争を知らない世代でございます。どうやってその思いをつないでいくのか、まさしく議員さんがおっしゃる平和のバトンをどう子供たちにつなげていくのかという視点、これはまず指導する側がその思いをしっかり受け止め、そして学び、そして子供たちにその心を奮わせるような伝え方をしていくことが必要だろうなというふうに思っております。  そういう意味で、まずその原則となる憲法前文、これもしっかり大事にしながら、子供たちの心を揺さぶる教育につなげてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)31番福間議員 ◯31番(福間裕隆君)時間が少なくなりましたけれども、もう一つ、ちょっとだけ、もう一点知事にお伺いをしたいと思います。  実は、今回の一般質問をするに当たりまして、調査活動で、先ほど知事からお話がございましたけれども、「孫や子に伝えたい戦争体験」、すばらしいものを実は県立図書館でも見ましたし、公文書館、県立図書館に大変お世話になりました、今回の調査活動。私は、県立図書館はすばらしいなと改めて実は感心をしました。1993年に「月光の夏」という映画を私たちは自主上映いたしました。当時の連合鳥取、私は役員をしておりましたから、連合鳥取、部落解放同盟の皆さん、あるいは遺族会の皆さん、鳥取県の教職員組合の皆さん、高等学校教職員組合の皆さん、こういうような皆さんと一緒に「月光の夏」という映画を自主上映いたしました。この映画は、佐賀県の鳥栖小学校にグランドピアノがあると聞いて、どうしてももう一度ピアノを弾きたいという耐え難い思いで、音楽を愛していた2人の若者がその小学校を訪れて、出撃を控えた特攻隊員でしたけれども、ベートーベンの「月光」のソナタを見事に弾き、もう一人の隊員は、子供たちの「海ゆかば」を伴奏しました。そして、その小学校の音楽の教師から送られたシラユリの花束を抱いて、ありがとう、さようならと大きく手を振って、出撃のため基地に向けて走り去っていったと。恐らくこれは当時佐賀県にあった目達原基地から来られた特攻隊員だろうと思いますけれども、こういう映画でございます。  私どもは、この映画を鳥取県内で上映いたしまして、収益金で鹿児島県の知覧町にある特攻平和観音堂に石灯籠を寄進しております。今度知覧のほうへ、鹿児島のほうへおいでになった議員の皆さんも、ぜひ特攻平和観音堂にお越しをいただいて、17歳から22歳ぐらいで散っていった子供たちの、青年たちの無念の思いを特攻平和観音堂でも見て、接していただきたいと思います。  戦争のことを記録に残すことはできていますけれども、あとはいかに県民へ広めていくのか模索する必要があると思います。この書籍のことだけではなくて、平和に関して県民への啓発を工夫する必要があるのではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から重ねてのお尋ねがございました。  書籍は書籍として残す、あるいは資料も公開をしたりして世に訴えることもできようかと思いますが、それにまた要は立体的に伝えていく、そういう努力も必要ではないかということでありますが、まさに今、映画のお話がありましたけれども、私も知覧のほうにお伺いをしたときに、そちらのほうにお訪ねも申し上げました。いかに若い方々がどういう思いで散っていったのかということを身につまされて考えさせられるところでもございました。  そういうことは随所にやはり歴史の爪痕というのがあるわけであります。例えば私どものほうでそういう言わば新しい鳥取県史を作るという、ブックレット形式の読みやすいものを最近は作るようにしているのですけれども、そういう中で、満蒙開拓団の冊子を作ったわけです。これは敬愛の先生ですね、小山先生が書かれる形でまとめていただいたものでありますけれども、そこに出てくるのは、16歳から19歳くらいの男子が満蒙義勇軍として満州に送り込まれるわけですね。それで農地の開拓などということで割り当てられてやるわけでありますが、ただ、2,000人を超える人たちが実はそうした形で鳥取県からも若い子供たちが出ていっていると。それで、結局一つの難民の集団になるわけですね。命を失う者もたくさんいますし、それから向こうの訓練等でも苛酷を極めていましたし、大変な惨劇ということだと思います。  実は残念なことに、先生の分析では、当時の教育と関連したのではないかと。そういう満蒙開拓の勧めというものがあって、それを人一倍やった鳥取県は、実は人口当たり最も満蒙義勇軍を出した県なのだそうです。特に角盤の学校が多かったということでございますが、そういうようなことがやはりもう分からなくなっていると。こうしたことを改めて伝える必要があるのですが、それも先生が実は解説をしまして、戦後70周年の記念ということで、当時広くそういう講演会などをしていただいたことがありました。  そういう意味で考えますと、ちょうど今年は鳥取地震から80年なのですね。それでそうした80年の地震をどうするかということもこれから次の年度にかけてみんなで考えていくことになると思うのですが、今日のようなお話もありました。実は鳥取地震は、銃後の守りと言われる女性たちがまちを一生懸命になって守った、そういうモーメントでもあったわけですね。戦争中ということもあって、あまり世の中に正確には伝えられていないものであります。そういうものをもう一度おさらいをしながら、県民の皆様と共有する機会というのを今年は持つべき年だろうと思っていますが、その際に、地震と戦争、そうしたことを共に知っていただく機会を持ってもいいのかなと思いながら伺っておりました。  また新たなメンバーで、今日の議場での最後の御質問、これをしっかりと受け止めて、次の期の中でも継承していければと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)31番福間議員 ◯31番(福間裕隆君)最後に、議員の皆さん方にも、さらには平井知事、足羽教育長、半田警察本部長はじめ執行部側の皆さんにも、心からお礼を申し上げたいと思います。  私は、私ごとで恐縮でございますが、アルコール依存症としてのたうち回った時代がございます。精神病院を3回入退院を繰り返しながら、ようやくたどり着いた断酒会という自助組織の中で酒を断ち、そして立候補した県会議員選挙で受け止めていただきました。そんな私を受け入れていただいた鳥取県の地域社会に、私は奮えるほどの感激を覚えています。鳥取県は本当に温かいところだなと。やり直しができる機会を与えてもらえたし、やり直しができることを実践して、私に県会議員という役割を頂戴することができたと。このことは生涯忘れてはならぬ、この温かい鳥取県を忘れてはならぬと今も思っています。それをつくり上げたのは、鳥取県の執行部の皆さんであり、それを支えてこられた鳥取県の職員の皆さんであり、さらに、いろんな意見はあったとしても、みんながこの場所に結集して活発な意見を展開された鳥取県議会議員の皆さん方の活動があってこそ、この温かい鳥取県が出来上がったと、私は本当に心からそう思っています。  今期を限りで私は鳥取県議会、この場所から引退をさせていただきますけれども、私の住んでいます南部町で皆さん方のこれからの活躍を御期待申し上げたいと思っています。  私と同じように、今期を限りに別な分野で活動を展開される議員の皆さんもいらっしゃるでしょうが、引き続き県政に挑戦される方は、ぜひ皆さん、当選してこの場所に来られないといけませんよ。負けてはいけませんよ、選挙を勝ち抜いてここに来てもらわないと。そして、4年間に続く優しい温かい鳥取県政をつくり上げていただきたい。もちろん、そのことは平井知事にもお願いしたい。そのことを私はお願いを申し上げまして、この28年間、鳥取県政の場所で皆さん方にお世話になりましたことを重ねてお礼申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました(拍手) ◯副議長(広谷直樹君)暫時休憩いたします。  4時20分より再開いたします。        午後4時09分休憩    ────────────────        午後4時20分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  次に、議案第80号「鳥取県税条例の一部を改正する条例」を議題といたします。  それでは、質疑の通告がありますので、発言を許します。  6番市谷知子議員 ◯6番(市谷知子君)日本共産党の市谷知子です。  先ほど福間議員からお話がありました、御紹介がありました「月光の夏」を、私は25歳のときに見させていただきました。平和のバトンを引き継いで頑張りたいと思います。そして、連帯の御挨拶をいただきました、明日3月4日は国際女性デーです。女性が参政権を求めて立ち上がり、暮らし、平和、女性の権利と地位向上を世界が連帯して訴えた記念すべき日です。  ロシアによるウクライナ侵略はやめよ、そしてトルコ・シリア地震の被災者支援を前に進めるためにも、戦争停止を強く求めてまいります。  では、議案第80号、鳥取県税条例の一部を改正する条例について、質疑をいたします。  今回、令和5年度の政府の税制改正を反映し、自動車関係の県税が改定されます。自動車を購入する際に払う自動車税環境性能割、これは従来の自動車取得税に当たる税金ですが、電気自動車や一定の燃費基準を満たし、環境負荷が少ない自動車については非課税または1%や2%と税率を低く抑えるための措置をこのたび延長し、さらに来年度から段階的に、より燃費のよい車に減税対象を絞っていく内容となっています。  そこで、この税制措置の狙いはどこにあるのかお尋ねいたします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  松田総務部長 ◯総務部長(松田繁君)自動車税の環境性能割の税率区分の見直しの狙いについてお答えを申し上げます。  自動車税の環境性能割は、自動車の購入や名義変更などのときに自動車の取得者に対して課税をされるものでございます。令和元年10月に従来の自動車取得税に代わりまして環境性能割が導入され、自動車の燃費性能等に応じて段階的に税率が定められております。  このたびの地方税法の改正に伴う自動車税環境性能割の見直しでございますが、現行の税率区分を令和5年12月末まで維持し、その後、令和7年度まで、税率区分の基準となる燃費基準の達成度を段階的に引き上げるものでございます。  令和5年12月まで現行の税率区分を維持いたしますのは、新型コロナウイルス感染症等を背景といたしました半導体不足等により、自動車の納車までの期間が延びている等の状況を踏まえるためというふうにされております。  また、令和6年1月以降に税率区分の基準となる燃費基準の達成度を段階的に引き上げるのは、2050年のカーボンニュートラルの達成に向けまして2035年までに乗用車の新車販売に占める電動車の割合を100%とする政府目標と整合させ、電動車の一層の普及促進を図る観点から行われるものでございます。 ◯議長(内田博長君)6番市谷議員 ◯6番(市谷知子君)自動車税の環境性能割の減税を継続し、より環境負荷が少ない車を減税対象にしていくというのは、半導体などの関係もありますけれども、全体としては脱炭素、カーボンニュートラルに向けての取組とのことでありました。  私も環境負荷が少ない車へと移行することは必要なことだと思っています。ただ、もう一つ、今回、毎年払う自動車税について書かれているものがあります。その自動車税にはグリーン化特例というのがあって、電気自動車などの環境配慮の車は買った年に限り75%減税されます。ところが、その一方で、13年たった古いガソリン車は15%も増税をされ、それを今回3年間延長するといいます。お金がなくて新しい車が買えない人や業者には15%の重課・増税は痛いというふうに思います。  そこで、15%重課・増税される車には、乗用車、トラック、バス、特殊用途車、例えば救急車などがありますが、それぞれ重課・増税の対象割合はどれぐらいでしょうか。割合が高い順にお答えください。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  松田総務部長 ◯総務部長(松田繁君)自動車税の種別割の重課の対象の割合についてお答えを申し上げます。  まず、乗用車等のそれぞれの自動車税種別割の課税台数に占めます重課対象台数の割合でございますが、令和4年4月時点で高い順に申し上げますと、トラックが38.7%、特殊用途車が37.3%、それからバスが29.3%、それから乗用車が16.8%でございます。  なお、救急車や消防車につきましては、人命または財産を守るための高い公共性に鑑みて、課税はされておりません。  また、バスにつきましては、多くの人員を輸送可能であること、またトラックは路線貨物運送や建設資材運搬等に広く使用されている実態があること、またバス、トラックの平均使用年数は乗用車に比べて長いこと等を考慮いたしまして、バス、トラックに関しましては、重課する割合を通常より5%低い10%とされているところでございます。 ◯議長(内田博長君)6番市谷議員 ◯6番(市谷知子君)15%の重課・増税対象の割合は、先ほどトラックとかバスは10%に下げてあるというお話もありましたけれども、ただ、重課される割合としてはトラックは38.7%、救急車などは外れているということでありましたが、特殊用途車は37.3%、バスは重課の割合は10%ですが、ただ、重課対象は29.3%、乗用車は16.8%と、これらを見ても、2割、3割、4割近くも増税対象になっているということであります。  コロナだとか物価高騰でトラックやバスなどの運送業界では収益の見通しが立たず、また個人家庭でも暮らしの見通しが立ちにくい中、環境性能がよい車に買い換えることができればいいですけれども、それができにくいのではないかと私は想像します。そういう経営が苦しい業者や家計が苦しい方々には自動車税は増税、こういうことでいいのでしょうか。  一方、今回の条例改正では、国が廃止をしてしまった障害者を多数雇用する事業所の不動産取得税は減税をすると。これを県独自で継続することにしています。本当にいいことだというふうに思います。  そこでお尋ねしますが、この15%の自動車の重課・増税も県税でありますから、先ほどの障害者を雇用する事業所のように鳥取県独自に、コロナや物価高騰から経済状況が回復するまでの間、この15%の重課・増税を取らないという対応が可能なのかどうか、できないのかどうかお尋ねいたします。  さらに、そのことを検討されなかったのかお尋ねをし、私の質疑を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  松田総務部長 ◯総務部長(松田繁君)重課の相当額の減税という御意見に対しましてのお答えを申し上げます。  自動車税の重課でございますが、これは低炭素社会の実現や地域における環境対策のため、より燃費性能の優れた自動車を普及させることによりまして地球温暖化対策と大気汚染対策を進めることを目的として、平成13年に導入をされたものでございます。  この自動車税の種別割の重課が導入された趣旨から考えまして、一律に重課対象となっている車両についてのみ減免する理由はないと考えております。  コロナや物価高騰の影響によりまして収入が急激に減少し、一時納税することが困難な納税者にありましては、まず徴収猶予でありますとか、あるいは分割納付等の納税緩和措置を講じるなど、納税者の個別事情に配慮した対応に努めているところでございます。 ◯議長(内田博長君)これをもって、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。  それでは、議案第1号「令和5年度鳥取県一般会計予算」から第21号「令和5年度鳥取県営病院事業会計予算」まで及び第38号「鳥取県基金条例の一部を改正する条例」から第80号「鳥取県税条例の一部を改正する条例」までは、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりでありますが、これも、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後4時31分散会    ────────────────...