この11月29日には、再び米子市と
五千石地区との
意見交換会があり、
五千石地区からは、公民館長、
自治連合会長、
社会福祉協議会会長、農業委員、
土地改良組合、
青少年育成会、
子ども会会長などが参加されました。会では、米子市から来年3月を目標に公民館を中心に半径500メートルで規制を緩和するという、
市街化調整区域における規制緩和の方向性が示されました。本当に大きな一歩であり大きな前進であります。このことが町なか過疎同様、鳥取県全体の課題である
市街化調整区域の
地域コミュニティーの維持に対する一つの解決策になると信じています。
地域の未来を
地域コミュニティーの主体である住民が決めていく。この規制緩和を最大限に利用して、地域住民による、地域住民のための地区計画が本当にできるならば、鳥取県や日本全国の
市街化調整区域が抱える大きな問題解決に向けた鳥取県初の新たなモデルになり得ると思います。鳥取県としても、こうした動きを支えていくべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
続きまして、
地域コミュニティーの維持のために、子ども会の可能性について質問をいたします。
子ども会と言えば、地域の
クリスマス会などで県民の皆様にとってもなれ親しんだ組織だと思います。
PTA活動と同じく、地域活動の入り口であり、例えばキャンプなど、地域ごとに特徴のある体験活動を通して、50年以上にわたり地域に貢献してきました。子ども会は地域の自治体単位から市町村単位、都道府県・政令市単位、
全国子ども会連合会の下に組織化され、
子ども会活動の
共済加盟者数で、ピーク時は800万人、現状でも250万人の会員を数えます。
今年の6月には、
全国子ども会連合会の会長に鳥取県
子ども会連合会の美田会長が就任されました。また、10月18日には衆参両院100名以上の国会議員に御参加いただき、28名の発起人で、
遠藤利明自民党総務会長の下、子どもの体験活動による成長・子育て支援を推進する議員連盟が立ち上げられ、設立総会の場で、
文部科学省の
藤江陽子総合教育政策局長に対し、参加された多くの国会議員の皆様から子ども会に対する多くの提言をなされたところです。
さらに、
伊木米子市長も、
全国子ども会連合会の委員として参加された文科省との
政策検討協議会で、文科省の
コミュニティ・スクールについての説明資料の中では──今皆さんに
議場配付資料でお手元に配付している文科省11月の資料の裏面を御覧ください。裏面に赤い印で子ども会というところがマークをされていると思います──新たにPTAと同様の扱いで子ども会を位置づけることが明示されました。子ども会の役割がこのように明確化された中で、鳥取県として、子ども会の役割をどのように考えるか、知事及び教育長に伺います。
最後に、米子市の大川の
河川改修事業は、昭和50年から足かけ40年を超える大事業であり、平成28年度の予算で改修が終わりました。これは地元五千石の長谷川元
鳥取県議会議長が主導しましたが、河川改修が終わった県管理の一級河川部分については浸水被害が減少し、地域住民の安心・安全に大きく貢献しています。
一方、大川の一級河川の始点からさらに上流部においては、川幅が極端に狭くなっており、大雨が降るたびに地元の消防団が出動するなどの現状があります。昨今の異常気象を鑑みたとき、また、国道181号線の整備が進み、周辺の用水路の状況や機能も当初の
大川河川改修事業計画策定時とは大きく変わっていることから、再度全体的な河川計画の点検をする必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。
以上、登壇よりの質問といたします。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)
内田隆嗣県議の一般質問にお答えを申し上げます。
まず、子供たちの通う小学校区を一つの大きな舞台というふうに表現をされまして、
コミュニティ・スクールの役割はどうか、あるいはそうしたところにおける
市街化調整区域の在り方、また、子ども会の可能性につきましてお尋ねがございました。
「あはれ子の夜寒の床の引けば寄る」という中村汀女さんの歌があるわけでありますが、昨日ですかね、お子様のお誕生日、本当におめでとうございました。かわいい子が寒くて夜寝ている。その布団がいかにも寒そうだったので引き寄せてみたら、子供がするするっとこちらに寄ってきたと、そういうほほ笑ましい情景を詠んだものでございます。
やはり子供というのは我々の宝であり、小学校という舞台は、そうした意味で地域の一つの大きなお城のような拠点であると思います。ですから、明治政府ができて以来、我が町のおらが村の小学校をみんなでつくって守り立てていく。それが、今度はPTA的な組織、また地域の様々なお祭りであるとか、そうした
コミュニティーと重なり合いながら、子供たちを育みつつ、まちが発展をしていく、そういう一つの村社会的なモデルというのは長く日本の中に生まれていたのだろうと思います。
その拠点性のあるのが小学校であり、鳥取県の特徴としては、そこに中学校区も絡みながら、公民館というものができている。これがきれいな形で維持されているのは、恐らく鳥取の強みになるのだろうというふうに思います。
この辺を一つの材料にして、
まちづくりだとか人材育成だとかを考えていく、これは我が県の一つの戦略になるのではないかと私も思います。そうした意味で、冒頭の内田議員の問題提起というのに共鳴をするものであります。
そうした中、この
コミュニティ・スクールというのが、重要な役割を果たしているのではないか、また
子ども会活動というのを大きく今後も取り上げていくべきではないかという問題意識をいただいたところであります。
子ども会は、昭和38年に全国の子供の指導者の連合組織として組織化され始めて、その翌年には
全国子ども会連合会、いわゆる全子連というのができたわけであります。このたび、美田会長が全国の会長さんになられたということであり、それを一つのきっかけにしながら、非常に子ども会に対する全国の政治を含めた、あるいは官庁を含めた目線が引きつけられてきたというのは大変にすばらしいことではないかなと思います。
以前も会長さんとお話をさせていただいたこともありましたけれども、
子ども会活動というのは今非常に衰退をしているのではないかという危機意識がおありでした。現に鳥取県内でも、ここ10年ほどのことなのですが、組織でも加入者の数でも3分の1減っていると。これは子どもの減少率以上に減っているということではないかと思います。
それは、やはり本来、先ほど申したような
コミュニティーの温かさといいますか、子供を一つの中心に置きながら、社会全体が見守るという、日本的な
伝統的村社会が薄れつつあるのかもしれません。ただ、その機能をしっかりと私たちは、もう一度日本全国、取り上げていこうではないかというのが、先ほど文科省の資料も含めて、取り上げていただいた
子ども会活動に対する政府の姿勢の転換ではないかと思います。
この
子ども会活動でありますけれども、私ども鳥取県でも、前の議場での御議論を受けまして、そうした行事として、子供たちが参加をして、自らもある程度リーダーシップを取りながら、県内でお互いの交流をしていくということを今年度、また新たにやらせていただきました。
この
子ども王国わくわく
体験フェスタは、先々月の10月22日、23日に行いまして、中部や東部も交えながら動いていただきました。こういうことが非常に評判がよかったということであります。これはもともと
子ども会組織として、県全体でもされておられまして、私も中四国の
ジュニアリーダー養成のところに7~8年前にお伺いをしたことがありますが、大山で各地から集まった子供たちを、地域の指導者である子ども会の役員さんたちが一緒に守り立てて、合宿生活をされている、そのことに大きな意義を感じたものであります。
こういう活動をやはりもう一度、説き起こしていって、それで子供たちにいろんな体験を地域でしてもらうと。今回のように、それぞれの
子ども会組織はそれぞれの地域、地域でばらばらにやっています。自分の子供のことを思い出してみても、地域のお掃除とかちょっとお出かけぐらいのことをそれぞれの地域でやるのですけれども、もう少し大きくダイナミックに交流をして、人材をその中から育てていく、そこまで
子ども会活動というのを発展させることができれば、地域における大きな柱になってくるのではないかと思います。そういう意味で、ぜひ応援をさせていただきたいと思います。
それにあわせまして、
コミュニティ・スクールは地域において、学校経営を考える協議会が設置をされた学校ということで組織されるものでありまして、恐らく
教育委員会のほうからも詳しいお話もあると思いますが、既に8割が組織化をされてきています。これは全国でも上位に位置するほどになってきておりまして、ある意味、順調に
コミュニティ・スクールへのかじが切られていると思われます。
それとあわせまして、地域での協働活動もやっていこうと。これも例えば南部町におきまして、卒業生の皆さんが小学校、中学校出ますけれども、大きいお兄ちゃん、お姉ちゃんになった人たちがこれから地域の中でまた世代を超えて交流をしていくと。実は南部町は高校がありませんので、高校がないけれども、ふるさととして南部町を愛してもらおう、理解してもらおうと、そういう意味で非常に貴重な活動ではないかというふうに思います。このようなこととして、南部町においても、With you翼というものを平成27年から行っているということでございます。
この
コミュニティ・スクールの活動の中で、例えば五千石の小学校におきましても、安養寺の歯形栗というものを子供たちが劇にしまして、これは要は隠岐の島に流された流罪の物語につながるものであります。それで、みんなで地域の非常に豊かな歴史、伝統を継承しながら、地域の資源をお互いに確認をしていくと。子供のときにそういうことを体験していくことで、大きくなって、また米子で、鳥取県で働いてみようかと、そういうモチベーションになる
ふるさと教育としても有効ではないかと思います。
こうしたことをいろいろと展開していくのが
コミュニティ・スクールであり、あるいは
子ども会活動といったものではないかなと思います。そういう意味で、方向性としては、せっかく今8割の組織化も
コミュニティ・スクールはできてきたということですので、これも生かしていければ、新しい人材育成の姿になればというふうに思います。
こういう地域をまとめていく上で、公民館というのを一つの基軸にしながら、都市計画にも切り込んでいこうという今構想が米子で進められているというふうにお伺いをしているわけであります。もともと
都市計画法におきまして、
市街化調整区域というのは、例えば農家の分家とか、そうしたことなどでの住宅が認められるぐらいで、なかなか住むに住めないと。それが逆に都市計画のない地域にスクロールしてしまうというようなことも、特に都市の郊外においては起きやすいというふうにも言われていました。
ただ、片方で地区計画という、地域の皆さんが言わば計画を提出しまして、それを米子市なりなんなりが認定をして、そこでのミニ開発というものの可能性を開いていくと、これが米子で今活発に行われ始めているというのは、私は一つの
コミュニティーの在り方として、奨励してもいい方向性ではないかなと思います。
もちろん地域において、いかに無秩序な都市化というものを防いでいくかという需要は、
都市計画法の根本理念としてあるはずでありまして、それとの調和を図るのでありましょうけれども、ここは家が建ってもいいのではないかなというところはやはりあるわけだと思います。そういう意味で今、河崎中央とか、あるいは蚊屋東とか、そうしたところで駅を基軸に開発が認められてきている地区計画が相次いで承認をされて動き始めていたところでありますが、さらに鉄道がないところでも、公民館なり、そうした地域の中核となるところを基軸とした上での開発の許可を地元のほうで動かれるというのは、私どもとしても支援できることではないかなと思います。
ただ、これは基本的には市長の権限の問題なので、市のほうで適正に、そうした権限も認められていますので、いろいろと工夫をしていただければというふうに思います。
最後に、大川の河川改修につきましてお尋ねがございました。
これにつきましては、詳細は
県土整備部長の蒲原のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、この大川につきましては、もともと農業用水を取水しながらという関係でできた河川でありますけれども、昭和41年に一部一級河川化して認められたところでございました。その後、昭和47年の水害等もございまして、それで事業化が進められるわけでありますが、最近も平成25年など、やはり相次いで水の害も出たところであります。
ただ、そうしたものに対する対策というのは、平成29年に一応終結をしておりまして、最近もいろいろと雨が降っているところでありますけれども、平成10年とか平成25年、そういう度重なる水害の地域において、再発ということになっていないということであります。
今後も適切に河川につきましては、しっかりと監視をしながら、きちんとした措置を、その状況に応じて取っていくことが重要ではないかと考えております。
◯議長(内田博長君)
蒲原県土整備部長
◯県土整備部長(蒲原潤一君)大川の河川改修につきまして補足の答弁をさせていただきたいと思います。
議員のほうからは、現在、河川改修の整備が進んでいるところの上流についての今後の取扱い、点検等についての御質問かと存じます。
上流側は、今、市が管理をする普通河川、農業用の水路のような状況であるというところです。それの河川整備を県等々で実施するといった場合には、新規に一級河川の指定ということが必要になるわけですけれども、
河川浸水等の被害が発生したことにより、新たな
放水路整備を行った河川等々で、全国で今年であれば4水系4河川ということで、それなりの
かなりハードルが高いという状況であるということが、まず1点あろうかと思います。
議員のおっしゃられている計画の点検ということにつきましては、
河川整備計画の見直しということだというふうに理解をしておりますが、この整備計画も整備の期間、目標の流量、年超過確率、整備の内容、整備場所等々の内容に変更が必要であるような河川の浸水被害が頻発している地域において実施するという流れになっております。
現在、鳥取県では塩見川、由良川、西部であれば水貫川、小松谷川の河川整備を急いでいるという状況の中で、当面、整備計画の見直しの時期が大川に相当するというふうには考えてございません。
知事が申し上げたように、今、現状、地域の流域の状況を見ながら、市町村の要望等を踏まえながら、その辺は進めていくということかと承知しております。
◯議長(内田博長君)
足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)
内田隆嗣議員の一般質問にお答え申し上げます。
小学校、
コミュニティ・スクールの役割と、子ども会の可能性ということで2点お尋ねをいただきました。
御質問いただきまして、小学校というのはどんな意味を持っているのだろうかということを、私自身も改めて考えてみました。ちょうど今年は学制が敷かれて150年の節目の年、この長きにわたって、各地域にある小学校は、まず本当に子供たちにとっても、多様なたくさんの子供たちと触れ合う中で、相手を認め合うこと、競い合うこと、そして協働して一つのことを成し遂げること、子供たちの成長にとって欠かすことのできない資質、能力を育む大切な場所であることは言うまでもございません。
また、それ以外に地域の様々な活動の拠点となっていることを思えば、議員がおっしゃったような
まちづくりにとって必要な大きな拠点にもなる、そういう場所でもあろうかと思います。
そしてもう一点、議員もおっしゃいましたが、この
子ども会活動あるいは
PTA会活動を通して、こうした
地域コミュニティーの中核を担うような人材を育成していく、そういう場所でもあろうかと思います。
どんどん
コミュニティーが薄らいでいく中、保護者にとって、そうした
地域コミュニティーの入り口となる活動が、小学校の活動には多々あろうかなというふうに思います。
先ほど知事も紹介された、全国の
子ども会連合会の会長に就任された美田さん、県の
教育審議会の委員にもお世話になっておりますけれども、子ども会の会長をスタートして、市の
子ども会連合会、また県の
子ども会連合会、そういう歩みを行われて今全国に就任されたこと、ますます今、子ども会の新たな活性化に向けて活躍を期待できるところかと思います。
同じように、県の
PTA協議会の松岡さんも、PTA関係の中でずっと歩み進めてこられて、今、県の会長をしていただき、たくさんの提言を私のほうにもいただいているところであり、そうした地域を担う人材をこの子ども会であったり、PTAがしっかり育てていただいている、そういう大事な機関ではなかろうかというふうに思っているところでございます。
人口減少も、そして
少子高齢化がどんどん進む中で、先ほど申したように、この
地域コミュニティーがどんどん薄らぐ、そしてまた弱体化が懸念されるという大きな課題がある今だからこそ、この
コミュニティ・スクールというものが、この地域と子供たち、そしてもちろん保護者を含めて、どんな子供たちを育てたいのかという目標像をしっかり共有しながら、
社会総がかりで、言わば子供たちの育成に関わっていく、そういう仕組みがこの国が提唱する
コミュニティ・スクールであろうというふうに思っております。
かつては、そうしたものがなくても、地域がしっかりと子供たちを見て支えてきた、それが薄らいでいる今だからこそ、この仕掛けを通して、もう一度地域の力が子供たちの育成につながるような仕掛けになる、そういう大きな働きが
コミュニティ・スクールにはあろうかというふうに思っております。
知事もおっしゃいましたが、現時点で県下では8割の
コミュニティ・スクールがスタートしていますが、来年度中には全校が、県立学校も含めて完成する予定であり、それぞれの学校に見合った
コミュニティ・スクールの在り方がより充実していけるよう、そして長く続く活動になるよう取組を進めてまいりたいと思います。
そういう中に子ども会が位置づけられたということは、本当に喜ばしいことかなというふうに思います。紹介されました、この資料からもありますように、この地域の子供たちを地域で育む、その中核的な組織として、子ども会が文科省のほうからも位置づけられたという、そういう期待の表れではなかろうかというふうに思います。
本県でもそうでしたが、子ども会による様々な季節の行事を小学校を中心として行われてまいりました。米子市のほうでも、
地域コミュニティー、民間団体や企業を含めて、協働的に子ども会の活動をしっかり支援していこう、そういう方針を伊木市長も示されているところでございます。
ぜひもう一度、そうした原点に立ち返った、子供たちを地域ぐるみで支え、そして育てていく、そういうふうな仕掛けに、この子ども会が大きく寄与するであろうということを、私も思います。
先ほども申し上げた
地域コミュニティーの衰退が叫ばれる中、これは言わば大人の責任として、子供たちにどう関わっていくのか、子供たちと一緒に活動する中で、子供たちが来る鳥取県を、または日本を、あるいは世界を担っていくであろう子供たちの育成に向けて、その指導的な立場にある大人が一人でも二人でも、この
子ども会活動を通して成長をされていくこと、そうした人材が生まれ出ていくこと、そうした大きな契機になるのではないかという大きな期待を持っているところでございます。
地域を含めた形で、子供たちの健全な育成に今後も努めてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)32番内田議員
◯32番(
内田隆嗣君)ありがとうございました。知事または教育長から答弁をいただきました。
非常にお褒めいただきましてありがとうございます。改めて、
コミュニティ・スクールというのは、鳥取県の皆さんにとっても当たり前のことだったように感じます。こんな
コミュニティ・スクールなどという言葉がなくても、地域のおじさんとか地域の公民館の人たちが、当たり前に小学校を巻き込んで、学童とかスポーツ少年団活動とかも含めて、鳥取県には当たり前過ぎたものだったというふうに思うのです。
それが、当たり前が当たり前ではなくなってきているから、
足羽教育長が言われたように、
コミュニティ・スクールなるものが出てきた。日本の伝統的な村社会であったもの、古きよきものというふうに知事は言っていただきましたが、それがまさに必要だからこそ、改めて見直されてきているのだというふうに思いますし、鳥取県は特に、これをしなくてはいけないのではなくて、それぞれの地域に合った
コミュニティーは、昔あったよね、これをもう一回やろうよとか、今やっているものをもう一回
コミュニティ・スクールの中でやっていこう、それを公が位置づけてくれたのだというふうに思っております。
ですから、知事及び教育長の発言というのは非常にありがたいなと思いました。また、福間議員の地元の南部町で、来年の11月か12月に文科省が主催して
コミュニティ・スクールの全国大会が開催されます。今年度は長崎県だったらしいのですけれども、先日、文科省の方々と話したときに、
コミュニティ・スクールについて、鳥取県であるのだよと言われたときに、私は何でしょうね、ちょっと違和感が、先ほど言いましたけれども、鳥取県にとっての当たり前が全国にとっての当たり前ではない。つまり8割はできていると言っているのは定義だけの話で、多くの場合、その定義には漏れていても、
コミュニティ・スクールとして成立して地域の活動を頑張っている皆さんというのは本当にたくさんいらっしゃいます。
こんなことを当たり前のようにやっている鳥取県だからこそ、誇れる地域の絆というのが脈々と我々の世代にもつながっているのだと思いますし、我々の世代が次の子供たちにギフトとして、このよき伝統を引き継いでいくためにも、しっかりと仕事をしていかなくてはいけない、その仕事というのは、このよき伝統を引き継ぐことだというふうに感じました。
この資料ですけれども、実はこの子ども会、ど真ん中に真っ赤な線を引いて入っていますけれども、もともとこの子ども会というものがなくて、社会教育団体の中に入っていたのですね。ここに出てきたということは、まさに先ほど知事や
足羽教育長が言われたような役割を担っていただきたいという国としての方針でもあるし、今まで鳥取県が公民館を含め、地元の自治会さんを含めやってきたことが、まさに鳥取モデルとして全国でもやっていこうということだと思いますので、ぜひ、そのよき鳥取の伝統として、来年11月の
コミュニティ・スクールの全国大会には、しっかりと自信を持って発表していただければなという会になればいいというふうに思いました。
それで、いろいろしっかりと認めていただいて、やっていきますということだったので、非常にありがたいなと思うのですけれども、一方で、兵庫県などは、こういう地域の活動、特に
子ども会活動などに知事表彰とかがあります。うちの県にも社会福祉分野の教育長表彰であったり、個別分野の知事表彰だったりというのがあるのですけれども、この地域の皆さんが特にボランティアでやっていますし、すごい金銭的な何かがあったりとかという、そういう種の人たちではなくて、地域のために地域のことをやっていらっしゃるということですので、ぜひ、こういう方を、
子ども会活動だけではなくても、子育てであったり、地域の
コミュニティーであったりで、しっかり貢献されてきた方々には、顕彰という意味で、知事なり、教育長の表彰というのはあってもいいのかなというふうに思います。この辺りはどうでしょうか。まずよろしくお願いします。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)内田県議から重ねてのお尋ねがございました。
議員のほうでも強調されましたように、言わば温故知新的なことなのかもしれません。今、鳥取のよきものが見直されて、そういう中で南部町で全国大会ということにも確かにつながっているのかもしれないなとお伺いをさせていただいたところであります。
地域で子供を育むという活動、子供というのはやはり未来を我々にもたらしてくれる、未来からの贈物のようなものでもありますが、子供たちにとっては、自らの人生を歩んでいく、そういう挑戦の連続なのだと思います。それを古代から日本では、いろんな方々が見守ってきたわけでございまして、それは烏帽子親だとか名づけ親だとか、いろいろ鎌倉時代のお話なども最近もテレビでございますが、いろんな形での人々の関わりの中で、人間が成長していって、それが言わば地域を担い、国を担うというものだったのだろうと思います。その言わばよすがが、私どもの鳥取県にもあるのではないかと思います。
先ほども中村汀女の歌のお話をしましたけれども、やはり子供に対して愛情を示すことで、子供もいつしかこちらを向いてくれるという、そういう一つのまだ語り得ぬコミュニケーションというのはやはりあるのだと思うのです。それは家族の中だけでなくて、地域の中でそうしたものを機能させていくことが、孤独や孤立から社会を救っていくことにも多分なるのだろうと思います。そういうことをボランティアベースでされているのが
子ども会活動ではないかと思いますが、今、非常に組織化などで苦労をされているからこそ、我々県としてもその御尽力というものに対して、きちんと顕彰させていただくことというのは大切ではないかと思います。
これは関係者ともよく話をさせていただきたいと思いますが、
子ども会活動もありますし、それ以外にも子育てなどを一生懸命取り組んでおられる地域の活動団体などもあろうかと思います。そうした意味で、顕彰につきまして、
教育委員会サイドのものもあるかもしれませんが、知事部局としても協働して検討させていただきたいと思います。
◯議長(内田博長君)
足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)内田議員からの質問にお答え申し上げます。
先ほど紹介された全国大会、全国
コミュニティ・スクール研究大会という名称で、今年は長崎県玖珠町で開かれました。来年度、文科省から直接、南部町のほうにという御依頼があったというふうに福田教育長様からも伺っているところであり、その
コミュニティ・スクールの、言わば県内では先駆者として活躍してこられた福田教育長が中心になって、南部町だけではなかなかできにくいので、米子市も含めた西部のお力を借りながら、来年、開催をされるというふうに伺っております。
その中にパネルディスカッションもございますが、分科会として、県の取組を紹介するようなブースも設けられないだろうかというふうなお話も伺っております。先進的に取り組んできた本県の取組の好事例の発表になるような形で参画、また協力できたらというふうに思っておりますので、鳥取県から全国への大きな発信につなげたいというふうに思います。
顕彰の件がございました。先ほど知事が申されましたとおり、本当に自分たちの子供たちを自分たちで守り、そして、育てる、そういう意識で活躍をしていただいている方々、私も40軒ほどの小さな部落ですが、かつては20人からの子供がいましたが、今年は3人でございます。なかなかその活動自体を進めていくのが難しくなっている現状にある中、でも、県内には先ほど紹介した美田さんのように、思いを持って活躍していらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。そうした方々への顕彰ということ、
教育委員会のほうとしてもどんな形が取れるのか、また研究をしてみたいというふうに思います。
◯議長(内田博長君)32番内田議員
◯32番(
内田隆嗣君)よろしくお願いします。先ほど言われた分科会について、鳥取県の紹介をということだったので、ぜひお願いしたいなというふうに思います。
あと、これは調整していないことで、私の個人的な発言なのですけれども、例えばこうやって
コミュニティ・スクールの中に位置づけていらっしゃる子ども会であったりPTAだったり地域だったりの分科会などもあったら面白いのかなというふうに思いますので、その辺りも検討してみていただければというふうに思います。
さて、先ほど五千石公民館で
コミュニティ・スクールとして、教頭先生──県の職員の頼田さんのお姉さんなのですけれども──も来られて頑張っていました。写真をいっぱい撮っていました。しっかりと子供たちは地域の伝統、地域の民話である物語について、地域の皆さんの前で発表されました。民生委員さんも含め、公民館には50名を超えていたのではないでしょうかね。地域の皆さんが集まって、地元の小学生の発表を見ていただきました。
米子市民とか西部の人は分かるかもしれないですけれども、五千石地域には安養寺というお寺があります。安養寺は、後醍醐天皇の娘さんで瓊子内親王さんという方が残られて、そこでずっとお父様のことを思って、先ほど知事が言われた歯形栗の話が残っているわけです。それについて、地域のおじさんに聞いたよという設定の下、ニュース、特集番組方式で子供がキャスターをしながら、地域でその話をしている飯塚さんというおじさんの話も子供がやった上でやると、本当に温かい、地域のおばちゃん、おじちゃん、この学校を守らなくてはいけないなという思いを改めて皆さんが共有したのだと思います。
私の娘もそこに通っているのですけれども、同級生16人、17人ぐらいです。そうはいっても、やはり先ほど皆さん言われたように、子供は地域の宝だ、だから、でも子供たちに何を残せるかというのが、この
コミュニティーもだけれども、小学生の
持続可能性も僕らが残さないといけないというのが自治会の公民館長さん含め、役員の皆様の思いでした。どうやったら残せるのだ、
市街化調整区域にはもう家が建たないではないか。息子は、次男は隣へ出てしまったよという切実な思いが米子市を動かしたのだというふうに思います。
先ほど知事からも紹介がありましたが、現状、蚊屋東地区、河崎はJRの駅から300メートルあるいは500メートルの緩和ということで、地域住民の思いを乗せての地区計画となりました。でも南部、箕蚊屋地区にはそういう駅がないもので、公民館という単位で五千石、尚徳、春日、成実も南部箕蚊屋地域で規制を緩和するのだという方向性が示されたことは、非常に大きな一歩だというふうに思っています。
当然、一義的には米子市が決定権者でありますが、調整区域の農振地域にありますので、そこの扱いについては、やはり県とどうしても調整であったり協議をしなくてはいけません。農振農用地の法律、そして
都市計画法の法律からいうと、甲種農地、1種農地は当然対象外ですが、2種あるいは3種農地のエリアとかで、もし地域の住民から持ち上がった地区計画が米子市を通じて鳥取県のほうに御相談があったときには、真摯に耳を傾けていただきたいなと思います。
なぜなら、農振農用地域の扱いというのは、本当に法律は曲げるわけにはいきませんので、ただしっかりと農地の保全をつかさどるという法律の趣旨にのっとった上で、地域の思いも乗るようなことがあるのであれば、しっかりと肩を押していただきたいなというふうに思います。御答弁をよろしくお願いいたします。
◯議長(内田博長君)答弁求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)
内田隆嗣県議の質問にお答えを申し上げたいと思います。
子供たち、五千石のお話がございました。歯形栗自体は、内親王の父への思いというものが、その後、栗の木の中へ残った、そういう非常に印象的な物語になっているわけでありまして、こうしたことを地域で伝承していくこと、子供自らが担い手になり、地域で確認し合うというのは理想的な姿ではなかったかなと思います。
そうしたことなど、子供たちの豊かな活動を支えることが、地域の人材、そしてふるさとに対する認識の高い方々がまたもし学びに外に出ていっても帰ってくる、そういうチャンスが広がることにもなると思います。
そういう意味で、今なかなか子供たちの数も減っているところでありますが、だからこそ、そうした
子ども会活動や
コミュニティ・スクール、この辺に重点を置きながら、地域振興を図っていく、これを我々としても目指していきたいと思います。
またあわせまして、
都市計画法に基づく
市街化調整区域の緩和問題と併せまして、農振農用地という課題もあるというお話でありますが、これはまた、ちょっとそれぞれ所管法が違いまして、優良な農地を守るという法律の目的もあるわけであります。その辺で議論がまた出てくることは往々にしてございますけれども、今回も地域の皆さんが望む姿というのが、恐らく前面に出て、米子市が調整に入られると思います。その際には、私どもの関係部局のほうでも真摯に対応させていただきまして、そうした農地の扱い、優良な農地を守りながら、地域の開発、振興ということも同時に実現していくような方向性というのを追求していければと考えております。
◯議長(内田博長君)32番内田議員
◯32番(
内田隆嗣君)何か細々したこともいろいろ考えておったのですけれども、知事、教育長にいろいろ本当にいい答弁をいただき、子供の未来についての思いを聞けたと思いますので、あまりここで細々しいこともあれかなと思います。
議場の皆さんと、本当に知事含め執行部の皆さんと、鳥取県の未来をしっかりとつくっていかないといけないなというふうに改めて感じさせていただきましたし、しっかりと頑張っていかなくてはいけないなというふうに思います。地域の未来をしっかりつくっていきたいというふうに、知事の発言を聞いて思いました。
以上で質問とさせていただきます。ありがとうございました。
本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後3時56分散会
────────────────...