• 迷惑(/)
ツイート シェア
  1. 鳥取県議会 2022-12-01
    令和4年12月定例会(第4号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時01分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を行い、次いで、議案第23号についての所管常任委員長の審査報告の後、議案の可否を決定したいと思います。  それでは、議案第1号「令和4年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)」から第22号「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  12番松田正議員 ◯12番(松田正君)(登壇、拍手)おはようございます。12月定例会一般質問、初めてトップバッターをさせていただきます、鳥取県議会自由民主党の松田正でございます。  質問に入ります前に、カタールで開催中の2022FIFAワールドカップ、我が日本代表は、優勝経験国でありますドイツ、スペインを破るという、現時点における今大会最大のサプライズを起こしました。まさにドーハの奇跡であります。残念ながら、もはや宿敵となったクロアチアにPK戦の末に敗れ、目標であったベスト8への道はまたしても閉ざされたものでありますが、今大会の開幕前、一体この地球上でどれだけの人間が今回のサプライズを想像できたでしょうか。現在私の長女は、日本代表の9番三笘選手の所属する英国のブライトンに留学、在住しておりますが、「現地では日本人は本当にヒーローだ。」というふうに言っております。そして現地の日本人は、「日本人で本当によかった。」と口々に言っているということであります。  このたびのドーハの奇跡によって多くの日本人が自信と誇りを取り戻したこと、そして何より未来を担う若者、子供たちに大いなる夢と希望を与えてくれた代表の選手、スタッフ、関係者に対し心より感謝と敬意を表し、質問に入りたいと思います。  そして、本日は、先般の高校生議会におきまして、試験日程等の都合により残念ながらリモート参加となりました、米子北斗高校の2年生小川さん、伊藤さん、岩崎さん、渡邊さんの4名が傍聴に来てくれております。  本日は大変項目が多うございますが、いつもよりも角の取れた質問を心がけてまいりますので、執行部の皆様におかれましても、ぜひそのつもりで御答弁よろしくお願いしたいと思います。  それでは、大項目1点目、若者・学生に向けた施策について伺います。  IJUターンの促進について質問いたします。  子育て王国とっとりの魅力を子育て世代の皆さんに伝え、鳥取で子供を育てたいと思っていただけるよう、自分たち高校生が鳥取のインフルエンサーとして活躍したいという思いより、先日の高校生議会で米子北斗の生徒の皆さんが提案したIJUターン促進に向けた地域の魅力発信プレゼンコンテストに関して、今後御検討いただけるという答弁をいただきましたこと、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。  さて、本県では、若者のIJUターン促進を目指し、アプリケーションの「とりふる」の普及、また大学との協定締結など、様々な施策を講じているわけでありますが、今後の課題についてどう捉えているのか、知事、教育長の所見を伺います。  次に、部活動におけるガイドラインについて質問いたします。  鳥取県教育委員会は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により制限された運動部活動を段階的に活動再開するため、運動部活動制限緩和方針と大会への参加及び大会実施におけるガイドラインを策定しておりますが、令和2年5月22日の策定以来、令和4年9月15日版が第15版として改正されておりますが、その内容については様々な面で、段階的には緩和されているわけでございますが、特に県外実施の大会参加について、県内の市町村との足並みがそろっているのか、これを教育長に伺いたいと思います。  次に、生活保護の適用範囲について伺います。  3月4日、自民党本部で行われた自民党青年局定例会では、NPO法人子ども支援センターつなっぐ代表理事の飛田弁護士とNPO法人虐待どっとネットの中村代表理事をお招きし、大学生が生活保護を受けられない課題、虐待を受けた大学生の生活困窮等について御講演いただき、困窮した大学生の実態や現場の切実な声をはじめ、生活保護に関する法改正の必要性などについて御説明いただきました。  以下、御紹介申し上げます。
     大学生「親からの虐待が続いていて、もうこれ以上暮らせないと思って家を出ました。生活保護を受けながら大学に通いたいと思って申請に来ました。」、生活保護担当者「そうなんだね。でも大学生は、生活保護を受けられないの。休学か退学をしないと。」、大学生「え、今年の学費はもう振り込んであるよ。」、生活保護担当者「勉強より生活がまず大事だからね。」、大学生「大学に行きたいから、親に殴られても我慢していたのに。」。  このように生活保護の申請に行ったにもかかわらず、大学生は受給できないと。大学を休学または退学してからでないと申請を受け付けてもらえないことが多くあり、かつてエアコンや携帯電話、スマートフォンがぜいたく品であるという理由で認められなかったのと同じ理由で、大学に通うということも認められていないのが現状であります。  実は過去に、高校生も生活保護対象でないという時代がありました。しかし、昭和38年4月1日付、社発第246号、厚生省社会局長通知の実施要領により、高校生が就学しながら生活保護を受けることができるようになりました。この通知の背景のポイントは、1つに、保護の受給は一時的な現象であり、教育を受けることはその者にとって一生の問題である。2つに、被保護世帯は子供の教育に将来の希望をかけている。3つに、社会は高能率化時代に入り、相応の高等教育が要請されているなどの理由により、被保護世帯の子供の就学をできるだけ広く認めようというものであります。さらには、高校、高専での就学については、全国平均の進学率が約80%となった事情も考慮し、昭和45年に受給が認められることとなりました。  そこから約半世紀がたった現在、昭和38年に12%だった高等教育機関進学率は、令和3年には83.8%となり、72ポイント上昇しております。現在の制度は半世紀前の状況を前提としたものであり、なぜ今、大学に通うことが認められていないのでしょうか。生活保護法第2条及び3条に定める無差別平等の原理、健康で文化的な最低限の生活の基準とは何なのでしょうか。大学生でいることは健康で文化的な最低限の生活に当てはまらないのでしょうか。  ということで、現在在学中の大学生に対する生活保護支給は認められていないわけでありますが、この生活保護の適用範囲の課題に対する御認識について、知事、教育長にお伺いしたいと思います。  そして次に、大きく2点目、水環境について伺います。  1つ目、日野川の渇水対策について伺います。  県西部を流れる日野川において、今夏の記録的雨不足により、6月の降水量が過去10年の6月の平均のおよそ半分となり、川の表面の流れが途切れる瀬切れと呼ばれる現象が発生するなど、深刻な水不足が発生しました。度重なる取水制限が行われ、農業用水などに大きな影響を及ぼしました。今般の渇水の状況を受け、県として今後何か対策をお考えなのか、知事の御所見を伺います。  続いて、名水の里、天の真名井水車・米搗き復活プロジェクトについてお伺いします。  この「天の真名井」と書いて、「あめのまない」と読みます。淀江町高井谷地区の天の真名井は、昭和60年に環境庁、現在の環境省の名水百選に県内で唯一選定され、地域を代表する泉となっております。  ここからは、この後申し上げますクラウドファンディングプロジェクトのホームページからの抜粋になりますが、「夏にはスイカを冷やしたり、子供たちが泉に入り遊んだりと地域になくてはならないものになっています。中でも、水の力で回る水車は、収穫した米を搗いて精米したり、大豆を挽いてきな粉を作ったりと、動力のなかった時代の貴重な動力源として住民の生活を支え、その姿は天の真名井の象徴となっています。」とあります。  天の真名井は、地元、我々淀江町民にとって子供の頃から様々な場面で訪れるスポットであり、まさに名水の里、淀江町の顔とも言える場所であります。しかしながら、その天の真名井の象徴であります水車が豪雨の影響で損傷し、昨年より回らなくなっております。私も何度か地元の皆さん、そしてまた県の担当者と現地を見させていただいたのでありますが、木材でできた水車というのは、水車の部分が回転しなくなると、水につからない部分ができます。全体が水にぬれていると、木というのは腐らないのですけれども、その動作不能状態では急速に腐食が進みまして、もはや朽ち果てようとしておりました。  さて、現地視察の際、県の中山間地振興の補助制度あるいは、あわせて、米子市の補助制度などを活用すれば何とかなるのではないかというようなお話をさせていただいたのですけれども、もう当時、水漏れも出ておりましたので、残りの地元負担分について、現在22戸しかない高井谷自治会では捻出が難しいということで、私としては小水力発電でありますとか、今回実施されましたクラウドファンディングなどできるのではないかというような話をさせていただいたことを覚えております。そして今般、地元で実行委員会を結成され、クラウドファンディングを実行されております。これまでの努力に本当に心より敬意を表したいと思います。  さて、今回のプロジェクトにおいて水車改修等の総工費が約690万円でございますが、その中で280万円のクラウドファンディングが実施されております。先ほど調べましたが、本日の9時50分現在で272万5,000円、残り7万5,000円というところまで迫っておりますが、残りの部分を米子市と鳥取県に支援依頼がなされているというふうに伺っております。このことに対してどういった対応をお考えなのか、知事の所見を伺いたいと思います。  次に、淀江産業廃棄物最終処分場について伺います。  地元の皆さんの声に対し実施していただいた地下水調査の件、改めて感謝申し上げたいと思います。  さて、先日、地元淀江町のお母さん方、淀江町母親有志の会の方に会う機会がございました。その中で、私としては、県の実施した地下水調査については評価、尊重してほしいという旨を申し上げた上でお話を伺ったわけであります。全ての県会議員の皆さんにこちらの手紙が届いておると思いますので、詳細は割愛させていただきますが、要約しますと、まだまだ不安であるという御意見、そして要望、お願いとして、知事、そして調査会にもう少し丁寧に説明してほしいという声を、知事に何とか届けてくれないかというふうな声を伺い、そして約束をしてまいりましたので、本日取り上げさせていただきました。  質問いたします。こうした行為に対して住民理解を得るという観点で、何らかの方策で、何とか応えていただけないものかということ、知事の所見を伺いたいと思います。  最後に、大きく3点目、サイクルツーリズムについて御質問いたします。  鳥取うみなみロードナショナルサイクルルート指定に向け、2018年以来、4年ぶりの開催となったサイクリングしまなみ2022に参加する形で、10月30日にしまなみ海道自転車活用推進議員連盟の藤縄会長と共に試走、視察してまいりました。来島海峡大橋などの高速道路を通行止めにして行われる全国唯一のイベントということで、今回の参加者は国内外から6,371名、自転車で高速道路の車道を走る体験は非日常の体験でありました。私は近い将来、山陰道など規制してのサイクリングイベントが本県で行われることを夢想したものであります。  さて、現地視察においては、一般道の矢羽根──青い矢印みたいな標示なのですけれども──の路面標示、レンタルサイクルサイクルステーションなどのサイクリング拠点施設などなどハード整備の必要性を改めて感じたことも事実であります。当日はサイクルツーリズム振興室、そして県土整備部の皆さんも御一緒させていただいたので、詳細の報告は上がっていると思いますが、特に道路標示、拠点施設の整備などのハード整備を加速させる必要があるのではないかと考えるわけでありますが、来年度予算編成に向けてどのように取り組まれるお考えなのか、知事の御所見を伺います。  最後、また今回愛媛県の今治市を中心に視察させていただいたわけでありますが、今治市で見た自転車のヘルメット着用率に、本当に驚かされました。中高生など学生は当たり前のことでありますが、一般の市民の方、本当に普通のおばちゃん、おばあちゃん、漁村のおじいちゃん、ほとんどの方がヘルメットをかぶって自転車に乗っておられました。肌感覚では、8割以上の着用率ではなかったかと思います。私はまさに文化として定着している感を覚えたものであります。  最後の質問ですが、本県においても支え愛交通安全条例制定により、高校生のヘルメット着用が努力義務化されたわけであり、それなりに浸透してきた感はありますが、現在の高校生のヘルメット着用に向けた取組について、私立高校については知事に、公立高校については教育長に伺いまして、壇上での質問といたします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)松田県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず冒頭にワールドカップにつきましてのコメントがございました。確かに、残念ながらこのたびのワールドカップで、日本は目標であったベスト8というのには届かなかったわけでありますけれども、しかし、想定は超えたというふうに思えると思います。それも議員がおっしゃったように、世界中の想定を超えていたというのは一つの誇りとして、私たちは大切にすべき成果を得たのではないかというふうに思います。  お子様がイギリスのほうで三笘選手と同じところで暮らしているということでございますが、イギリスもそうですけれども、世界の方々の日本チームに対する目線が非常に変わったということであります。もともとサッカー後進国でありましたが、ここまで追いついてくることができた。我々世代はドーハの悲劇という言葉が頭にこびりついておりますけれども、ドーハの悲劇ではなく、逆にドーハの奇跡という形容が当たるようになってきた、そういう結果ではなかったかと思います。死の組と言われました同じE組では、一緒に勝ち抜いてきたスペインが今朝方までにPK戦で敗れるという、同じ結果になっておりまして、誰もこのスペイン、ドイツが入ったE組のチームが全てベスト16で終わるということは、想定していなかったことではないかなというふうに思います。  こういう中で光ったのは、三笘選手の話がございましたが、それと併せて、田中選手もおられたわけでありますが、こうしたところで、昔からの友情ということがありました。川崎市のほうのさぎぬまサッカークラブだということで、またこれも話題になったわけであります。ちなみに、うちの子供は、やはり川崎市の百合丘子どもサッカークラブに入っていた時期がありますが、実は久保選手も同じチームでありまして、全然レベルは違いますけれども。そのようなことで、同じような夢を描いている子供たちが若者になって、今こうやって世界で活躍をしているというのは非常にすばらしいことだと思いますし、その経験が未来に生きてくるのではないかなというふうに思えるわけであります。  ゲーテも言っていますが、真の知識は経験によってのみ得られるわけでありまして、今回のドーハの奇跡、残念ながら最後は夢がつぼんだ格好になっていますが、花開く未来というのは必ずあるものだと思っております。今後も日本チームの活躍を期待したいと思いますし、それとともに、同じ夢を見た日本の国民の皆さんも、これからコロナを乗り越え、様々な困難を乗り越えていく、そういう原動力になればと願っているところでございます。  次に、高校生議会の話がございました。地域の魅力を発信するプレゼンというようなアイデアがございましたが、「とりふる」の普及あるいは大学との協定締結等々、今後に向けてIJUターン促進にどういうようなことを考えていくべきなのかと、こういうお話でございます。  このプレゼンコンテストにつきましては、米子北斗高校の皆さんの提案もございましたし、非常にすばらしいアイデアではないかというふうに思います。そうした意味で、教育委員会と共同の作業ということかもしれませんが、政策化に向けまして実際に実行してみることを考えるべきものだと思っております。これについて受け止めた上で、さらに「とりふる」でございますが、もう1万7,000人ぐらいが加盟している、非常に大きなアプリとなってきました。今後はさらにその幅を広げていくべきではないかなと思います。  高校3年生目がけて、今PR活動をやっておりますけれども、そうしたものをさらに広げて、高校生全体でもいいのかもしれませんし、また御家族などにも広げてもいいのかもしれません。このたび今年度事業として、この「とりふる」サイトから企業へエントリーできる機能というのを今付加しているところでございまして、こうしたことなども含めてやっていくのかなと思います。今回プレゼンのお話もございますが、若い方々がアプリを通じて一つのコミュニティーのように交流できるというのも、機能として面白いかもしれませんし、さらなる展開を図っていければというふうに思います。  また、大学との協定につきましては包括協定、それから就職の協定を含めまして、40大学に迫る39大学まで増えてきているところでございます。その中で最近では、この11月に大阪学院大学大阪学院大学の短期大学部とも協定を結ばせていただきました。実は明日、この大阪学院大学におきまして、鳥取県の交流就職フェアを開催するところでございまして、大学の14号棟を使わせていただくということになっております。少しずつでありますけれども、こうしてその大学との交流の輪を広げて、IJUターンの促進になればというふうに考えているところであります。  最近の傾向として、若い方々の地方志向というのも確実に生まれてきていると思います。そこに向けてしっかりと情報発信をしていく、その情報も、孤立しがちな都会で学んでいる若者ということだけでなくて、その周りの人たちも含めて、私どものほうで丁寧に出していく必要があると思いますし、また重要なのは、就職だけのところで一点勝負するのではなくて、ふるさと教育をはじめとした、私たちのふるさとの価値というのを、育ちの中で体得していただくと、このこともある意味、重要ではないかというふうに考えております。  情報発信の仕方としても、最近ちょっと驚きますのは、「とっとりdiary」というブログを出しておられる、鳥取県庁のほうに来ておられるキャビンアテンダントの金井塚さんという方が鳥取の紹介をしているわけですね。体験型移住発信という感じのものでありますが、30万回というふうに、ページビューが広がってきているところであります。ある意味、同世代の目線だとか、出し方の問題はやはりあると思うのですね。例えば、我々も日々、押売されるかのようにメールで広告が送りつけられてきますけれども、大概迷惑メールで処分してしまうということになるわけですよね。ただ見てみたいなというのは、もっと当事者性があるとか、若い方が生き生きと発信している情報だとか、そういうものかもしれません。そういう意味で、情報の出し方をよく検討、研究してみる値打ちはあるのかなというふうにも思っておりまして、こういうようなやり方を、成功例をさらに広げていくという方向性もあるのではないかなというふうに考えております。  次に、大学生の生活保護支給につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、詳細は福祉保健部長のほうからお話を申し上げたいと思います。これにつきましては、議員がおっしゃったように、かつては高校に通うことも生活保護で認められないという時期があり、今は認められています。大学も、今の時流としては変わっているのではないかと私も思います。  政府のほうのその辺の認識も改まりつつあると思いますのは、平成30年に制度改正がございまして、大学に就学する準備についての支援制度も始まりましたり、あるいは世帯分離をした後も住宅扶助を続けるというようなことなども新たに導入をされたりしております。私どもとしても、国の検討を見守りたいとは思いますが、その状況によっては、我々もやはりそうした社会変革として、こういうものを検討するように、国に求めていく必要があるのかなと思います。実は当面、社会保障審議会生活保護部会のほうで、この大学の問題というのを今協議をしている真っ最中だと伺っております、まずはその状況を見た上で、政府のほうに働きかける必要があるテーマではないかなと私も思います。  次に、水環境につきまして、日野川の渇水対策のお話がございました。  瀬切れが発生するということなど、今年の特異な状況があったのではないかということであります。今年は車尾堰のところで瀬切れが5日観測をされました。本来これは、維持流量の考え方からいえば、魚道にもなる、そうした河川が切れるというのはあってはならない事態であろうかと思いますが、実は今年は取水制限が延べ59日にわたるなど、日野川水系は異常な渇水状態でありまして、10年に一度とかいう想定を超えるものになっていたのは事実でございます。そういうこともあって起こったということなのだろうというふうに思いますが、非常に例年に比べると、872ミリメーターという、昨年よりも半分とか全然レベルの違う降雨量でございまして、異常事態があったということでありますが、一応これは乗り越えたということであります。これにつきましては、実務上は、国、それから県、関係団体で日野川水系の取扱いのタイムラインというものを作っているところでございます。これによれば、車尾堰のところが3トンという段階になったところで、この取水制限の協議を始めまして、1トンというところで、5%の取水制限を行うということであります。今回もそういうようなタイムラインを念頭に置きながら対策を取られたところであり、取水制限を行ったところの片方で、この菅沢ダムだとか、それから中電のダムだとか、その正常流量というものを念頭に放流ということも行われたりしました。  ただ、これについてはやはり、議員もおっしゃるように、今シーズンの反省を踏まえた検討が必要でありまして、関係先と協議を進めてまいりたいと思います。例えば今検討の俎上に上がっていますのは、取水制限を始めたときに、5%から始めると大きな効果につながらないかもしれません。ですから、10%から始めるというのが一つの方向性としてあり得ないだろうか。また、河川のパトロール体制を考えたり、それから水位の計測について、取水堰などもございますが、より実効性ある対策になっているかどうか、監視しやすいような水位観測ということも付加してはどうかとか、今話合いをしながら、また次なる渇水に備えようというふうに考えているところでございます。  次に、天の真名井の水車につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、議員もおっしゃるように、非常に全国的にも百選に選ばれる名水の里でございまして、言わば地域、鳥取県のプライドの一つでもありました。最近はあまり使っていないかもしれませんが、以前の観光名所の中には、この名水百選もありまして、天の真名井のきれいな写真が掲載されて、観光地化という意味合いもあり、特にふるさと創生の頃だと思いますが、旧淀江町が園地整備などをしまして、私も家族で何度か行ったことがあります。ちょっとした日本庭園のような形になって、あずまやだとか遊歩道だとか、そういうものがあり、その名水の美しさがいかにも大山のすばらしさとフィットするものであり、一つのシンボルであったかと思います。  そこに水車小屋が設置をされていますが、これはもともとは地元のほうで設置をされたということであり、あずまやだとか園路は町のほうで設置をしたということであります。割と古くからあるものでありますが、今老朽化が進んできて、それをまた直そうということでありまして、地元のほうで松田議員とも相談をされながらクラウドファンディングの選択を進められたということでございました。今、米子市も検討されていると思いますし、それから、地元の高井谷の集落の方のお話もお伺いをしまして、ぜひこれを何らか当初予算の中で検討させていただく方向で考えてみたいというふうに思います。一つの地域というか、大山全体のシンボルのようなものでもありますし、水を大切にしようというもの、あるいは水と共に暮らしてきた我々のプライドというか、そうしたものの一つの表象ではないかと思いますので、私どももコミットをさせていただきたいというふうに考えております。  次に、淀江の産業廃棄物最終処分場につきましてお尋ねがございました。  これにつきまして、副知事と県土整備部長からも詳細は補足をしてもらおうというふうに思いますが、基本的にはこうした、いろいろと御疑問の声等があれば、それに真摯に向き合っていくべきものでございまして、最善を尽くしてまいりたいというふうに考えております。  ただ、物によっていろいろとやり方を考えなければいけないところもございます。現在状況としては、この議会の総意に基づきまして、地下水の状況についての調査をそれなりの投資もして、時間もかけて、専門家の御意見に基づいて詳細に行ったところであります。それについて、一定の成果が得られたわけでございます。その後、当時この調査を始めるときの県議会との話合いの筋道に従いまして、今度はその調査を越えて、今地元のほうでセンターが詳細設計等を進めているという段階に入っているわけでございます。私ども県のほうは、実はまだその詳細設計がどういうものになるかというのは分かるわけではございませんし、説明責任ということからいえば、センターが今、説明責任を負っている時間帯になります。したがいまして、センターのほうにそうした説明を、御疑問のある、あるいは聞いてみたいという方々と真摯に向き合っていただくように、私どももお願いすべきだと思いますし、必要だということであれば、県の幹部も含めて同席をさせていただき、我々がいずれは審査する立場になりますので、それがいいとか悪いとかということはないかもしれませんが、ただ、県のほうも、そうしたコミットメントが必要ではないかということであれば、そうした形態もあるのかなというふうに思っております。  また、地下水の調査についてでございますが、先生方も含めて相当なエネルギーをかけて、膨大な資料を得ておりますし、シミュレーション等も繰り返してきたところであります。説明会もそれぞれのタイミングでさせていただいておりますし、もちろん議会にも御説明をさせていただいておりますが、御疑問のある皆様に対しましては、私どもがその調査の事務局も務めておりますので、しっかりと説明もさせていただきたいと思いますし、具体的にこういう点について、いまだ疑問があるとかというようなことであれば、それについてはまた、先生方とも協議をさせていただく場合もあるかもしれません。こういうデータですよということは今後もお示しをしていきたいと思います。ただ、いずれにいたしましても、調査自体が一旦は終結していますので、次はまた本審査といいますか、実際に出てきたところで、さらにある意味、私どもが本格的にコミットしながら調査、審査をするということになるタイミングがいずれ来るのだろうと思います。そういうような形で、そうした地元の声にも真摯に向き合ってまいりたいと思います。  それから、サイクルツーリズムにつきましてお尋ねがございました。矢羽根等の路面標示、あるいはサイクル施設の拠点につきまして、今後どういうふうに取り組んでいくのかと、こういうことでございます。  おかげさまで、大分、議会での議論もございまして、このサイクルツーリズムについては、急速に今、ルート整備等が進んできたところでございます。そういう中、ナショナルサイクルルートを目指しまして、一定のコース取りが決まってきたところであります。この重要なコースにつきまして、順次整備を図っていく必要がありますが、いずれ国の審査を受けるということを考えれば、特に新年度いっぱいが一つの目安になろうかというふうに考えております。それに間に合うような形で整備を進めていくということになります。  コグステーションにつきましては、2年前から比べますともう3倍以上に増えて、今10か所に設置がなされていますし、それからまた、様々なサイクリングの支援のポイントにつきましても20か所ほどございますし、ある意味、そうした拠点については増えてきております。今後もこれは関係機関に働きかけをしていきたいと思います。  あわせまして、ルート整備につきましては、国の管理の道路の部分もあれば、県の管理の部分もあり、それから市町村の管理の部分もあります。これは法的にもそれぞれ役割分担をせざるを得ない、そういうものでございますので、言わば関係者間でワーキングチームをつくりまして、こうしたことをやっていこうと、今しっかりと示し合わせをしているところであり、これに基づいて、県の分担部分につきましても展開を図っていくわけであります。  具体的に西部のほうとか、さらにそのルートを見てもらうということで、ARCHの高橋さんだとか、それから山中先生とか、矢部先生だとか、そうした方にも来ていただきまして、ルートの点検をしていこうということを今進めておりますし、また、当面、この12月の補正予算ということもございまして、鳥取から東側のほうについて先行的に進めていくことを念頭に置いて今準備をしたところでございます。さらなる、そのほかのところにつきましても、新年度に遅滞なく矢羽根の標示であるとか道路標示も、必要な基準をクリアできる水準のところを目指していきたいと思いますし、可能な段階であろうかと思います。そのためには、今期、それから来期にかかることも当然あるかと思いますが、議会とも協議をしながら、可及的速やかな施設整備、ルート整備を進めてまいりたいと考えております。  最後に、高校生のヘルメットの着用につきましてお尋ねがございました。特に私立学校のところについてと、こういうようなお話でございます。  これにつきましては、令和2年に私立高校にも着用の呼びかけということも正式にさせていただいておりまして、現状8校のうちの5校について終わりつつあるということです。特に湯梨浜学園につきましては、今年度完了するということになりました。残り3校ございますが、これらにつきましても、今働きかけをさせていただきまして、基本的にはやっていく方向になるのではないかと思っております。  実は道路交通法の改正が今年4月にございまして、このヘルメット着用の努力義務というのが拡大をされるわけであります。そういう意味で、こうしたことは当然必要になってくるわけでございまして、全国的に法的な環境も今変わりつつある中で、しっかりと私立学校に対する働きかけというのもしていきたいと思います。日本損保協会など、協力していただけるところも出てきておりますので、様々なところと協力をしながら進めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)中西福祉保健部長福祉保健部長(中西眞治君)大学生等に対する生活保護の適用につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  まず、生活保護制度でございますけれども、原則を申し上げますと、義務教育を終了した方は稼働年齢に達しているということで、基本的には働いていただいて、そしてそれを最低限度の生活に充てていただくということで制度設計ができております、ということなのですけれども、先ほど議員のほうからもお話がございましたように、社会情勢の変化によって、順次その原則が緩和されてきているということでございます。一つに、高等学校に就学する場合におきましては、大分進学率も高くなってきたということがございまして、大分前から一般世帯との均衡の観点から、生活保護を受給しながら、その世帯内で就学するということが認められてきております。一方、大学等の就学でございますけれども、まだ一般世帯においても、高校卒業後に就業する方ですとか、奨学金やアルバイトなどで自ら学費や生活費を賄いながら就学される方、こういった方もいらっしゃるので、そういった方とのバランスを考慮しまして、単純に生活保護を適用するというのは困難であるということで、制度の運用はなされているというのが実態でございます。  ただ、通学はできないのですけれども、例外といたしまして、病気によって大学を休学する場合には、大学に在学をしていても保護が適用されるという場合はございます。また、昼間は働いて、余暇を活用して夜間大学等に就学する、こういった場合にも、昼間働いてもまだ生活保護の基準に達していない場合には、例外的に生活保護の適用がなるということも認められているところでございます。  また、平成30年の法改正でございますけれども、被保護世帯から大学進学する者に対する進学準備給付金を創設したりですとか、また世帯分離後も住宅扶助費の減額を行わない、そういった大学への進学を支援する取組というのは順次行われてきているということでございます。そういったことで、一般世帯において高等教育機関への進学がかなり一般化しつつあるという見方もございますので、生活保護を受給しながら大学等に進学することを認めるべきという、そういった意見もございます。また、コロナ禍ですとか、先ほどお話がありましたような虐待の関係で困窮した大学生については、一時的に保護を利用可能とすべきではないかという意見もございますので、先ほど知事のほうからございましたけれども、国の社会保障審議会において今、議論がなされているところでございます。まずはその議論の動向を見守りたいというふうに思っております。  先ほど議員のほうから虐待のお話がございました。虐待を受けて、それで親元から離れて、それでも大学に通いたいという場合がございます。これに関しましては、令和2年でございますけれども、高等教育の修学支援新制度というものができておりまして、一定の場合には給付型の奨学金が、所得等によって変わってきますけれども、年額90万円ですとか、また授業料が上限70万円とかで免除になる、そういった制度ができております。令和4年7月1日から父母等による暴力から離脱した学生についても、この新制度が適用できるということになっております。まずこの適用も可能かなとは思っておりますけれども、ただ、運用に関しまして、この新制度は、申請してから実際にお金が来るまでに若干タイムラグがあるということがございますので、例えばこの間、何らかの生活保護の柔軟な運用というのも考えられるのかなというふうには思っております。まず国の議論の動向を見守りながら、場合によっては、そういった国に対する要望もしていく必要があるかなというふうに思っております。 ◯議長(内田博長君)亀井副知事 ◯副知事(亀井一賀君)淀江産業廃棄物最終処分場につきまして、補足の答弁をいたします。  さきの9月の県議会におきまして、最終処分場の詳細設計に係ります予算をこの議会でお認めいただきまして、今は環境管理事業センターのほうで詳細設計を行っているという段階でございます。その詳細設計が終わりまして、許可の申請がございましたら、県のほうは、それを審査するという立場でございますので、現時点におきましては、安全性でありますとか、その詳細設計の内容でありますとか、そういったことにつきまして説明をする主体というのは環境管理事業センターというふうに考えております。  議員のほうからもお話がございましたが、淀江のお母さん方に対して環境管理事業センターが、これまで5回説明会をされたというふうにお伺いしておりますし、その後、文書によるやり取りを進めていらっしゃるというふうにもお聞きしているところでございます。この淀江のお母さん方も含めまして個別の要請がございましたら、環境管理事業センターのほうでしっかりと安全性でありますとか、そういったところにつきまして説明をするということにしたいと思いますし、先ほど知事も答弁いたしましたけれども、要請の内容によりましては、我々県職員、幹部職員のほうもその場に出向いてしっかりと対応したいというふうに考えてございます。  地下水の調査の関係につきましては、県土整備部長のほうから答弁をいたします。 ◯議長(内田博長君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)地下水調査会の成果の取扱いにつきまして、補足の答弁をさせていただきます。  地下水等調査会の結果につきましては、7月18日の月曜日に報告会をしてございます。7月3日に嶋田会長から知事への結果説明をした際の資料を基に、音声も聞いていただきまして、調査を担当した県事務局、それから技術説明者から説明を行いました。活発で熱心な議論がありましたことから、質疑時間も1時間40分に延長して実施をし、その後、会場の隣に設置しました地質のサンプル、ボーリングコアなどを御覧いただきながら、質問対応をしております。報告会後は、事務局が御要望に応じて、個別に質疑対応をさせていただいておるところでございます。その個別の対応ですとか、説明会でこれまで寄せられた御質問ですとか、それに対します御説明などがるるございます。調査会の事務局のほうで、これらを必要に応じまして調査会の先生方とも御相談しながら公表していくなどの工夫をしまして、先ほど知事、副知事も申し上げましたとおり、しっかりと説明に努めてまいりたいと存じます。 ◯議長(内田博長君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)松田議員の一般質問にお答え申し上げます。大きく4点にわたって御質問いただきました。  まず1点目は、若者のIJUターン促進に向けた今後の課題、また取組等についてどう捉えるのかというお尋ねでございました。  県外の大学等に進学した本県の高校生たち、その3割しか帰ってこないというふうな状況が現在あるところでございます。それぞれ生き方は様々ではございますが、そうして県外に出ても、この生まれ育ったふるさと鳥取のことを誇りに思い、そして愛着を持って、そしてまた何らかの形で鳥取県に関わっていただく、そんな高校生の育成を目指して、今ふるさとキャリア教育を全ての教育活動の基盤として取り組んでいるところでございます。  そういう意味で、この小・中・高それぞれの発達段階に応じて、鳥取の自然ですとか、あるいは基幹産業、さらには観光、あるいは企業等、そうした様々な機会に触れる、そうした場を創出することが必要だと思って取組を進めております。御承知のとおり、中学生は、ほとんどの中学校が職場体験実習をやっておりますが、米子市の後藤ヶ丘中学校でも、実際職場体験以外に、総合的な学習の時間に学校に地元の企業の方を招いて、実際にその企業の取組や状況を聞き、そして中学生ならではのアイデアを企業のほうに提案するといった、そんな取組もなされています。また、同じく米子西高校では、これは探究的な学習の時間の中で、やはり企業の事業所を実際に訪問して、企業の方からの現場の声、企業実態をしっかり聞く、そんな取組を進めているところでございます。県内にもたくさんの企業がございます。令和2年度に県教委としてふるさと企業読本という本を作りました。企業の主な状況を紹介する本を中学生、高校生にも配付しながら、その職場体験実習や企業訪問等の場で活用していただいているところでございます。  ただ、しかしながら、産業教育振興会ですとか、私は先日、米子ロータリークラブに講演を依頼されまして、いろいろロータリークラブの企業の方々とも意見交換をしましたが、その中でも、やはりまだ高校生が地元企業のことを知らないですとか、先生方がもっと企業のことを知る機会をつくってほしいといったような、そうした課題がやはり見えてきているところでございます。これまでやってきた取組、その中に一つ「とりふる」もあるわけではございますが、そうした課題の声にしっかり耳を傾けながら、高校生がこのふるさとで働く、ふるさとで生活する意義を考える時間をしっかりつくっていくことが本当に重要だろうなというふうに思います。そういう意味で、先日の高校生議会で、本日お越しいただいている米子北斗高校の生徒さん方から、地域の魅力発信プレゼンコンテストという、非常にすばらしいアイデアをいただきました。知事部局のほうともしっかり相談しながら、これを実現できるように取り組み、高校生たち、そしてまた鳥取に生まれた子供たちが、このふるさと鳥取に根差した生き方ができる、選択肢の一つとなるような取組を進めてまいりたいと思います。  2点目でございます。新型コロナ感染における部活動に関しての大会参加や大会実施に係るガイドライン、今緩和をしてきているところではございますが、市町村との足並みはそろっているのかというお尋ねでございました。  当初とは大きく違いまして、この大会参加のガイドラインもその都度の状況に応じて見直し、改正を行ってきているところでございます。その都度、市町村の教育委員会のほうにも県のガイドラインの改正内容等はきちんと周知徹底をしているところであり、市町村のほうでも、そうした県のガイドライン改定に基づいた対応に準じた取組をしていただいているというふうに認識をしております。  ただ、これは競技によっての特性もございます。外でやる競技と体育館の中でやる競技、さらに密集度が高い競技、声を出さなければならない競技、それぞれの競技によってのガイドラインも違ってまいりますので、国、県、そして市町村のガイドライン同様に、この競技団体ごとのガイドラインも状況に応じた改正を順次なされているところであり、それらもにらみながら、今後も足並みがそろって、子供たちの活動機会が、大会参加の機会が確保できるように、取組を進めてまいりたいと思います。  3点目でございますが、大学生等に対する生活保護の適用について、私のほうにもお尋ねをいただきました。  先ほど知事、そして福祉保健部長のほうからも丁寧な御答弁がございました。ちょうど11月15日の新聞記事にも、現在国のほうの社会保障審議会で協議がなされている、その検討状況が紹介されていましたが、現行制度の運用見直しには慎重な検討を要するというふうなコメントも見られたところでございます。  しかし、経済的な困難を抱える家庭あるいは生徒さんにとっては、非常にやはり大学進学ということのハードルを越えていくための支援というのは必要だろうなというふうに思っております。現実に、生活保護世帯の子供さん方の大学等への進学率は、全世帯の子供さんより低いという状況がございます。大学等への進学が全国では58.9%ございますが、被保護世帯では21.6%といったような、そんな現状もございます。この学ぶ機会の公平性の確保ですとか、あるいは学びたいという意欲をしっかり担保していくためにも、今後何らかの支援は当然必要になってくるだろうという認識を持っているところでございます。  先ほども紹介のありました国の保障制度、進学準備給付金や、あるいは給付型の奨学金制度等の整備もなされてきているところではございますが、今後もそうした国の動向を見守りながら、県教委としては、全ての生徒たちに高校在学中から、県の奨学金も含めてこうした支援制度があるということをきちんと紹介をしながら、その学びたいという意欲に応えるべき体制づくり、支援ができるような進路指導をしっかりと果たしていくことが県教委としての務めではないかというふうに思っているところでございます。  最後に、高校生のヘルメット着用について、県立高校側のほうのという視点でお尋ねがございました。  今治市の例を参考に御指摘をいただきましたが、今治市のほうも、この県の条例を受けて、完全にもう義務化をされたというようなことがその背景にはあって、またそうしたことが広く大人にもつながって、8割方とおっしゃいました着用率につながっているように思っております。  本県におきましても、この条例を受けまして、ヘルメット着用の必要性、重要性、それは自ら命を守るという視点で大切なのだと、単に条例化になったからかぶりなさいではなくて、なぜ必要なのかということを考えさせる、それを全校で取り組んできており、ヘルメット着用も随分進捗してきたところでございます。校則化したり、あるいは通学許可条件に入れたりといった学校がほとんどでございますし、中には、県警察と連携をして、中部の倉吉総合産業高校では、安全対策として、スタントマンによる交通安全教室で、本当に自転車事故の危険性、そういったことを体験する取組も進んできているところでございます。ただ一方で、課題は、通学中はかぶるのですが、学校から離れるとすぐに脱いでしまう、そこがやはり意識だろうと思います。通学にかぶらなければいけないというルールで縛られているのではなくて、自らの命を守ること、それは被害者にならない、さらには加害者にもならない、そうした大人への意識につなげるべく、このヘルメット着用を、単にかぶるか、かぶらないかではなく、自分、人の命を守るというふうな視点でも今後取組を詰めてまいりたいなというふうに思っておるところでございます。 ◯議長(内田博長君)12番松田議員 ◯12番(松田正君)今日は手数が多かったもので長くなりましたが、追及質問に入りたいと思います。  コメントをいただきましたが、ドーハの悲劇は、私は大学生だったと思いまして、一世代回ってようやくこういうことになったということで、今後の代表の活躍に期待したいと思います。  さて、質問でございますが、まずIJUターンですね。いろいろと取り組んでいただいているということで、私の母校でございます大阪学院大学が、ようやくのっかってきたということで喜んでおります。今39校ということでございますが、どんどん増やしていただいて、本県出身の高校生はいろんな学校に散らばっておりますので、ぜひ帰っていただけるような取組をいただきたいなと思っております。  それで、これの再質問なのですが、高校生議会の打合せを米子北斗高校でさせていただいたのですが、そのとき、県は「とりふる」という取組をやっているよというふうな話をしたのですけれども、何ですかそれはというリアクションをいただきました。以前も質問しまして、県立高校では卒業式の日のホームルームで知事のお手紙を配って、このアプリを入れてくれという取組を何年かされていて、ほぼ全員が入れてから下校するというふうな取組をされておりますが、やはり私は私立高校においても、それは自立性がありますからそこまでやれるかどうか分かりませんよ、もうちょっと働きかけを強化したほうがいいのではないかと思うわけでございますが、知事の所見を伺いたいと思います。  続いて、部活のガイドラインのことでございますが、冒頭私も申し上げましたが、順次緩和はしておるということでございますが、とはいえ、最新版の9月15日版を読みますと、ふんわりとした書き方で、不安がある場合は無料のPCR検査等を活用することというような書き方がしてあって、任意なのですよね。任意だけれども、こういうことが書いてあるとやはりしないといけないのではないかということで、正直煩わしいなという声がぼちぼち出てきております。というのも、全国旅行支援などは、いろんなところへ行かれてもこういったことをしなくてもいいわけでございます。接種証明等は要りますが、ということもありますし、今、国のほうでも、今朝の新聞では米子市もですか、給食の黙食をもうしなくてもいいのではないかということもあって、いろいろ緩和が進んでおります。今後こういった、特に参加するガイドラインについてさらに緩和する時期がそろそろ訪れているのではないかと思います。  もう年末ですから、例えばバレーボールですとか大会もございますし、春高バレーもありますし、あとサッカーも当然ございますし、スケートなども大会があるというふうに伺っております。その辺、これは教育長に御答弁いただきたいと思います。  あわせて、ちょっとこういったことを知事にも御所見をいただければと思います。よろしくお願いします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から、「とりふる」の登録のことと、コロナにつきましてお尋ねがございました。  「とりふる」につきましては、数字を申し上げれば78%の高校3年生が登録をしています。議員がおっしゃるように、卒業式のときに先生からこれを登録してねというのは多分一番効果があるので、それは有効なのだと思いますが、実は今年度末には高校生が見て楽しいような「とりふる」の機能も追加して、言わばコミュニティー的に使ってもらうというようなことに踏み出そうとしていまして、先ほどもちょっと申しましたが、下の学年も含めて案内をするというのはあるかなと。それで私学もそうです。正直、私学と公立とどういう割合かというのは、データ的にはつかめない構造になっていますので、ちょっとよく分からないところなのですが、私立もちゃんと登録はされていると思いますが、2年生以下のところは多分知らない子供たちは多いというのは実態だと思うのですね。ただ、その子たちの時代からやはりこの「とりふる」というのは結構使ってみると便利だねというふうに思ってもらえば、大学のときもまたそれを見ていただくということになるかなと思います。そうした工夫を考えていきたいと思いますし、私学の先生方にも改めて周知をさせていただきたいと思います。  新型コロナにつきましては、残念ながら今、楽観できる状況ではありません。これは感染拡大という観点を取ってすればです。昨日も後藤大臣と実は東京でお話をする機会がありまして、私はちょっと愕然としたのですが、中央のほうの学者グループや、あるいは政府側の認識は甘過ぎると思います。今、拡大期にかなり色濃く入ってきていまして、本県も昨日の確認は1,010人と久方ぶりに1,000人を超えました。特に今増えているのは西部です。島根県が急増しているのと多分連動していると思います。原因は、BA.2.75.2の系列にも入ってくるような、そういうBN.1が急拡大しているというのが一つあります。
     特に西部で顕著に今見つかり始めているのが、BQ.1の系統でございます。従来より感染力が強いものが入ってきているので、それについてはやはり我々としては感染しやすいですよ、それに対する対策はしなさいという、今、残念ながらそういう時期だと思います。文科省が少しずれていまして、実は今、子供たちなのですね。申し訳ないですけれども、学校とか保育園だとか、そこでのクラスターがあります。昨日の把握したクラスターの数は12です。全然桁が違うのですよね。今、急速にこれは広がってきていると。その原因は、やはり子供の施設が実は感染爆発を起こすのですね。いかにこれを早く抑えるかが大事でありまして、最近我々も学校の実務と大分つながってきていますから、例えば本県の場合は4日程度で収束させて再開させる。そのためには早めにPCR検査をして、小さいうちに固まりを抑えてしまうというやり方をしています。これが多分有効で機能してきた面があって、本県は比較的こういう厳しい株がある中でも抑えかけてきたのではないかと思うのですが、今かなり市中感染が広がっていると見ざるを得ない状況になってきています。  そのクラスターを起こすのは、これも残念ながら結構バレーボールとかバスケとか、いや、本当にそうなのです。そういうような大会が結構実は多かったり、それから学校行事だとかがやはり関連します。私は、そういうものはやめろというつもりはさらさらなくて、工夫をしながらやりましょうというのが多分今の正解ではないかなと思うのですね。  と申しますのは、やはり重症化率だとか死亡率は確かに減ってきているのは事実。ただ、現在の感染の広がり方は、子供の世界で広がって、それが家庭に入ると。家庭に入ったものが例えば家族を通じて別の学年に行ったり別の学校に飛んでいく。あるいは、それが職場だとか医療機関だとか高齢者施設に入ってくると。それで高齢者施設や医療のクラスターが頻発をしています。BQ.1のような感染力が強いものが医療施設でも観測されています。これは非常に残念な状況でありまして、若い方々はそんなに心配しなくてもいいと思われるかもしれないのですが、末端で高齢者とか、それから基礎疾患のある方に入ってくると命に関わってくるということなので、こうした意味でやはり注意は必要だと思います。  教育委員会のほうで今いろいろと詰めていただいていると思いますので、ただ、適宜そうした緩和措置というのが今後は可能ではないかと思いますし、今の第八波のこの大きな波が行った後ぐらいですと、かなり考え方も政府全体も変わってくるのではないかと思いますし、私どももそれに沿って対応を検討してまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)松田議員から、大会参加のガイドライン等の緩和について重ねてお尋ねをいただきました。  今、知事のほうが非常に御丁寧に答弁をされたとおりでございますが、本当に学校内での拡大、そしてクラスターの多発、毎日のように報告を受ける中で心を痛めている一人でございます。  感染はやむを得ないとしても、それが多くの方、児童生徒に広がることは、子供たちの学習がその都度ストップする、そして多くの方がストップする。そのためにも、早期の囲い込みによって早く発見して、そして早く再開をする、こうした取組を今も続けてきているところでございます。  そして、それが残念なことに、高校でいえば部活動を起因とするもの、そして学校行事で密集化するものでやはり多発している現状もございますので、いきなり全てオーケーではなくて、基本的な感染対策をきちっとやりながら、子供たちが学習であったり大会参加に臨んでいけるような、そうした状況を県教委としてもしっかりつくってまいりたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)12番松田議員 ◯12番(松田正君)まず、「とりふる」のほうでございますが、私学への取組はしっかり行っていただきたいと思います。  そして、ガイドラインについては、まさにやぶ蛇質問となりました。適切な対応をお願いしたいというふうに思います。  続いて、生活保護でございますけれども、本当にすばらしいお言葉をいただいたと思っております。先ほど教育長からもありましたが、厚労省の社会保障審議会では大学生の生活保護を認めない方針だということが11月15日の新聞に出ておりました。ぜひ適切なタイミングで国に働きかけをお願いしたいと思います。  続いて、水環境についてでございますが、まず、高井谷の水車について、当初予算で御検討いただけるということで感謝申し上げたいと思います。  そして、産廃のことでございますが、環境管理事業センターが説明いただける、これは県幹部も同席した中だということで、適切な対応をお願いしたいと思います。これも以上でございます。  あと、渇水対策でございますが、ちょっとこの間、地下ダムという考え方を伺いまして、地下ダムとは透水性の地層から不透水性の地層に向けて連続的な地中壁を造成する方法で、水をせき止めるということでございます。ちょっと時間がないのでつらつら申し上げませんが、ちょっと検討してみる価値があるのではないかと思いますので、御答弁いただきたいと思います。  続いて、最後でございますが、サイクルツーリズムですね、これは本当に新年度いっぱいが全ての目標であるという答弁をいただきましたので、期待したいと思います。  ただ、県内市町村、県西部においてはそれなりの連携、コンセンサスが取れているということらしいです。昨日、商工会の勉強会がありまして、そういった御意見がありました。ただ、東部、中部におけるところの意識づけが若干希薄ではないかというところも伺いました。具体的な試走会への参加に難色を示されるとか、そういったことがあったようでございます。こちらについて、なかなか厳しい課題ではあろうかと思いますが、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。これについて再度答弁いただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)地下ダムにつきましては、沖永良部などで取り組まれているところであり、沖縄の特殊な地層ということもあると思います。詳細は県土整備部長からお答え申し上げます。  また、サイクルツーリズムにつきましては、おっしゃるようなこと、そういう様々な実現に当たってはいろんな課題もあると思いますので、丁寧に関係者とも協議を進めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)議員御指摘の地下ダムにつきまして、補足の答弁をさせていただきます。  地層中の小さな隙間、空隙に水をためる構造でありまして、琉球石灰岩という地質を有している沖縄・奄美地域以外では大規模なものは数が限られるということで、1万から10万程度の小さなものしかないということでございまして、日野川の大流域のようなもので発生している渇水への対応としては適用が難しいものではないかというふうに考えてございます。  河川管理者は、車尾堰のところで維持流量と、それから水利流量を足し合わせた概念の正常流量というものを河川法上設定して、一応これは確保できているというふうに河川管理者のほうからは聞き及んでございます。その前提で、先ほどの地下ダムのようなものですとか、既存ダムのかさ上げとか新設とか、そういったようないろんな手段のことが考えられるというふうには思うのですけれども、どの程度の渇水に対してどんな対策を考えるのか、事業主体ですとか財源を含めた幅広く慎重な議論が必要ではないかというふうに考えてございます。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  11時30分より再開いたします。        午前11時16分休憩    ────────────────        午前11時30分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  35番銀杏泰利議員 ◯35番(銀杏泰利君)(登壇、拍手)公明党の銀杏です。早速質問に入らせていただきたいと思います。  初めに、このたびの鳥インフルエンザへの迅速な対応は、誠に御苦労さまでした。特に、寒い中、朝早くから長時間にわたり苛酷な労作業に携わられた県職員や自衛隊関係者の皆さんに、心から慰労を申し上げます。  さて、私ども公明党会派は代表質問ができませんので、本日、一般質問初日に、会派の代表質問の意義を込めて質問させていただきます。  今後の政治課題として、初めに知事選について答弁をいただいた後、小児医療費助成とまんが王国について質問します。  知事、議員ともに4年の任期が終わろうとしています。私は既に公明党公認を受け、県議選へ挑戦いたしますが、平井知事にはぜひとも共に知事選への出馬をお願いするものであります。  知事はこれまで、真摯にあらゆる意見に耳を傾け、例えば県民に元気を送り、新たな文化振興、産業振興となるまんが王国や、少子化対策、子育て家庭への支援として小児医療費助成などをはじめ、ありとあらゆる施策を実施され、休むことなく全身全霊で県民のために働いてこられました。心より敬意を表するものであります。  さきの9月議会で、自民党会派、斉木会長の出馬要請に対し、知事は自分が県民の道具であり、それゆえ県民の意向に従うという意味の答弁をされました。そこで、その県民の意向の一つとして、公明党からも出馬要請をさせていただきます。  「県民の道具」、知事はさらっと言われましたが、普通こういう言葉はなかなか出ません。しかし、知事が言われると違和感がありません。それは、常日頃の仕事ぶりがまさしくその言葉どおりだと見えるからであります。  まんが王国、トリンドル玲奈さんに王女に就任していただいた後、その相手は誰、国王は、王子は誰かと誰もが思っていたところ、何と知事は執事になられ、大変驚きました。まんが王国のシンボル・王女を陰で支える執事役を自ら望んで演じてみせられました。まさしく、まんが王国とその国民、つまり鳥取県と県民のために働く執事、道具としての役割を全うされました。そうした姿がいつの間にか県民には当たり前のように思えている、そしてこの当たり前が県民にとっては安心の政治になっていると思います。  私の県議会1期目は片山知事でした。この鳥取県で大胆な変革を実行されました。同時に県民には自立を求められましたが、県民はついていけませんでした。平井知事は、それに比べ、より現実的で、より多くの声をお聞きになり、県民に満遍なくサービスを提供することに努められました。そのため、行政コストを極限まで削減されてきました。  一方、職員は大変でしたが、これまでついてこられました職員の皆様には、御苦労さまと慰労を申し上げたいと思います。  知事選を前にして、多選はいかがなものかとか、そろそろ飽きてきたという声がないとは言えませんが、いざ平井知事がいなくなり、当たり前だった安心の平井県政が失われたとき、改めて平井知事が余人をもって代え難い傑出した存在だったことを知ることになります。近過ぎて真の姿が見えなかったと身にしみて感じることでしょう。  公明党には、60年前に示された立党精神、基本精神があります。「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆のために戦い、大衆の中に入りきって大衆の中に死んでいく」というこの立党精神は、党の永遠の方向を示しています。県民の道具にという知事の政治信条は、公明党の大衆の中に入り切って大衆と同じ目線で大衆に尽くしていくという立党精神に合致する、またはそれ以上の覚悟を覚える言葉で、共感するものであります。  本県県政に欠くことができない、失うわけにはいかない存在が平井知事であり、会派として、また公明党鳥取県本部として、一致して強く続投をお願い申し上げます。知事の明快なる御返答をお願いいたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員の一般質問ないし公明党としての代表質問に相当するというお問いかけに、私のほうからもお答えを申し上げたいと思います。  正直申し上げて、20年来、銀杏議員とはお付き合いをさせていただいていますが、今、本当に熱の籠もったお話をいただき、正直、今までお伺いをしてきたことがないような言葉を賜りまして、若干涙腺が潤む気がいたしております。それぐらいこれまで共にこの県政を語り合い、闘ってきた、その銀杏議員ないし公明党の会派のほうから重たいお言葉をいただいたことをしっかりと受け止めさせていただいたところであります。  やはり銀杏議員が今おっしゃいましたけれども、私たちのやるべきこと、なすべきことというのは、「大衆とともに語り、大衆とともに戦い」という立党精神に通ずるところ、これは大なるものがあると思います。これは多分党派を超えて同じ思いでこの場に集っているのだと思います。  私たちは、この鳥取県という地域を背負い、55万人の県民と共にどのように未来をつくっていくのか、このことを自らに問いかけながら走ってきたわけでございます。4年の任期がもうすぐ前に迫っていますが、銀杏議員は、また次期も背負う覚悟だということを表明されました。そうした志、尊いものだというふうに思います。  私自身もそういう言葉に接し、思わず何か言ってしまいそうな自分がありますが(笑声)、いやいやと、まだもう一つ自分としても考えるべきこともまだあると思っておりまして、御期待に沿うようなお答えになるかどうかという感はありますけれども、率直なところを申し上げたいと思います。  銀杏議員の分析にございましたように、私はこの16年の県政を担ってくる、その基本理念の一番大切なところは、県民の道具でありたいというものでありました。ともすれば、政治に携わると自分のことに全てが行きがちでありまして、私も最初の選挙に出たときに、選挙を外から眺めていた立場で中に入ってみましたが、非常に政治家的な方というものであればあるほど、勝ち負けとか、そういう言葉がよく出てくることであります。もちろんそうなのです。それが民主主義の支持を獲得して、それで議席を得たり、あるいはそのポジションに就くことを競争することが世の中を前に進めることにほかならないわけでありますが、自分自身は少し一歩距離感のある、そういう思いがいたしました。私は公務員育ちでありまして、もともとは公僕として憲法に向けて全体の奉仕者として人生を歩み始めた者でありますので、非常にそういう感性なのかもしれませんけれども、そういう政治の様々な事柄とはまた別に、自分として地域のため、人のためにやれることがあればそれで十分ではないかという思いがして、この16年歩んできております。  多分その発想の原点は、学生時代、ちょうど今頃のシーズンのクリスマスの頃に、教会で配られた言葉だったと思います。自分はクリスチャンではございませんが、しかし、そこに「自分を平和の道具にしてください」という聖フランシスコの言葉がありまして、それに正直、当初はとても理解できないと思ったものから、これは何だと考え始めて、自分自身の生き方にだんだんとなってきた感があります。ですから、ちゅうちょなく県民の道具であるということを申し上げ、自分の利益とは全く関係ないところかもしれませんが、それぞれの人の笑顔や幸せがあればそれが十分なのではないだろうか。そのためにこそ自分のレゾンデートル、ここの地位をお預かりしている意義があるのだというふうに思い続けました。  そういう意味で、銀杏議員も度々議場でも提唱されましたが、例えば子育てのためには小児医療費の問題に取り組もうと、これは公明党とも話合いをしたりしたこともかつてございましたし、あるいはまんが王国の問題もそうでありますし、あるいは腎臓の問題、臓器移植の問題であるとか、それぞれの課題を結構真摯に切り出してきていただいていましたので、私もそれに真摯に応えることで、いつしか私たちは遠くまで歩んでこれたのではないかというふうに思っております。  そういう意味で感謝の気持ちでいっぱいでありますし、こうして議会の場で語り合い、議論をし合い、時には理解し合えないことがあっても、それを乗り越えていく努力をしていくことで、私たちは県政というものを何とか小さな県なりに牽引できたのではないかと思っております。そのことについては、少なからず私自身も自負のようなものはあるわけであります。  その上で、私として、では次の4年間を本当に自分が担うことが県民の幸せや、あるいは地域のためになるのだろうかということは、客観的に自分なりにも考えてみたい、そういうふうに思っておりますし、今日のこの銀杏議員のお言葉というのも大きなお声として自分の中心で受け止めさせていただいて、いましばらく時間をいただければありがたいということでございます。  人から信じられるからこそ走り続けるのだと、間に合うか間に合わないかは問題ではないと。これは太宰治の「走れメロス」の中に出てくる言葉であります。受けたからには命がけでやる。それを全うするのがやはり任期というものではないかと思います。今はそうした意味で、また次のことも含めて、いましばらく考える時をいただきたいというふうに思います。  先ほど立党の精神の中で、「大衆の中に死んでいく」までおっしゃいました。メロスの話もありますけれども、私も走り続けたら死ぬまで走り続けることになるのかなという感じもしないでもございません。いろいろと自分自身のことや、あるいは身の回りのことも含めまして、いましばらくお時間をいただきたいと思いますが、今日のお気持ち、お言葉というのは大切に受け止めさせていただきました。ありがとうございます。 ◯副議長(広谷直樹君)35番銀杏議員 ◯35番(銀杏泰利君)答弁いただきました。太宰治の「走れメロス」の言葉もいただきましたし、立党の精神についての言及もございました。「大衆の中に死んでいく」というのは、たとえ議員を辞めた後も一生大衆の中で戦い抜いて、それで生涯を全うするのだという、そうした戒めの言葉でございます。  個人的には、畏れ多いかもしれませんが、知事とは本当に盟友のような気持ちでおります。砂丘であったり空の駅もそうですし、いろんなことについて議論させていただいて、事業を起こしてこれたといった感慨もございます。ある程度のところまで来ているので、後は後継にという思いもないことはないのですけれども、今、自分として、もう少しそれらを完成させていく、やり残したことなのではないかというのが数多くございます。また、知事におかれましてもまだ途中のものがあるのだというふうな私自身の思いもありまして、ぜひとも一緒にまたこの議場の中で議論を交わし、県民のための仕事をさせていただきたい、そういう思いでございます。よろしくお願いいたしたいと思います。  それで、答弁いただきましたので、ちょっと個別の問題について質問させていただきたいと思います。小児医療費助成、今の政治課題として質問いたします。  出生数が80万人を切ることになりました。コロナが収まっても、そう簡単には元に戻らないのではないか、婚姻数も減少の一途をたどっております。日本の人口ピラミッドは今、典型的なつぼ型でありますが、さらに進んで、こまのように先細っていくのではないかと誰もが危惧しております。  若い世代の人口が少なくなっていき、コロナが出会いを妨げ、さらに一人で生きていくスタイルを望む人も増えてきております。今から20年後には、高齢者総数がピークを迎え約4,000万人になり、超高齢化社会が進んでいくことになります。一方、生産人口は減少の一途をたどり、今後さらに高齢者が十分なサービスを受けられなくなるのではないかとか、また勤労者にとっては、働いても働いても自分たちの生活を豊かにするのは難しくなるのではないか、そうした心配があります。  既に時を逸している感がありますが、いま一度対策を立て直し、これ以上出生数を減少させない、将来の生産人口の減少を少しでも緩やかにする必要があると思います。  その対策の一つとして、子供を産み育てることに対するありとあらゆる切れ目のない支援を実施する必要があると思います。子供を産み育てることに何の障害もない、それどころか、子供をもうけることでより豊かな人生を送ることができる、そうした環境づくりをすべきであります。そして、行政だけでなく、社会全体で応援していくという意識を醸成していかなければなりません。  ただ、いろいろ異論がないわけではございません。戦後日本を支えてくださった高齢者の皆様の中には、健康面や経済面などなどで大変苦労されている方も実際多くいらっしゃいます。最近は子育てや教育など若い世代ばかりに支援を行っているが、働くこともできず苦しい生活をしている高齢者にこそ支援をしてほしいという声をよく伺います。本当にそう思いますし、これまで何もしていないわけではありません。3年前に私ども公明党が主導いたしまして、低年金者への年金加算、年金生活者支援給付金制度を始めていますし、これからも必要な支援を進めていかなくてはいけないというふうに思っています。そして、その上で、高齢者の皆様をこれから支えていく人たちへの支援だということで、高齢者の皆様も含めて全世代の方々に理解していただきたいのであります。  支援が多岐にわたりますが、今日は小児医療費助成についてでございます。  私は、5歳未満児までの対象年齢拡大からずっとこの課題に取り組んできまして、2代の知事と議論をしてまいりました。そして、今から6年前、対象年齢を18歳年度まで拡大し、対象年齢日本一となったわけであります。  あれ以降、鳥取県が模範になったのだと思いますけれども、静岡県、鹿児島県が新たに18歳年度まで対象を広げまして、全国で今4県になっております。  また、所得制限を設けていないのは本県を含めて17府県で36%、チルドレンファーストという観点から評価をいたします。自己負担を求めていないのは10県、21%が通院、入院ともに負担を求めておりません。ただ、本県は少額ながら、定額も自己負担を全市町村横並びで求めていて、いま一度再考する必要があると考えます。  小児特別医療費助成は、子育てを所管する市町村との共同事業とされ、財源も県と折半をしております。そこで全国市町村の実態を見てみますと、全国1,718市町村あるわけですが、自己負担なしとしておりますのが通院で1,136の65%、入院では1,222の自治体で70%になっております。既に3分の2の市町村が自己負担なしという中で、本県では全市町村が自己負担ありという実態であります。  本県の現場の声としては、一部負担があっても大変喜ばれている反面、1人当たりの負担金が少なくても子だくさんで大変だ、風邪などは一気に皆がかかるので合計するとばかにならないという声も聞きます。また、前に住んでいた県では無料だったのに、鳥取はお金がかかるのですねという声もありました。  今でも本県の小児医療費助成は全国で評価されていると認識していますが、子育て王国とっとりを掲げる本県として、最後の一歩を踏み出すべきであります。子供を産み育てることで生ずる負担をなるべく少なくすることが大事であります。少子化対策、子育て支援に本気で取り組むのであれば全県下自己負担なしにすべきですが、知事の答弁を求めます。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から、小児医療費助成につきましてお尋ねがございました。  銀杏議員もおっしゃいましたけれども、この議論は議場で公明正大にさせていただいておりまして、銀杏議員の御質問のたびに私も答弁をさせていただき、それで実際に検討すべきことを検討し、実はこの問題は、市町村が非常に重要なファクターでありまして、市町村とかなり粘り強い協議をしながら前に一歩一歩進んできたということであります。  平成20年には、この議場での議論に基づきまして、就学年齢前のところ、通学等も一切合財助成対象ということにいたしましたし、それから、その後3年ほどたって中学生卒業まで延ばした後に、平成28年、議員もおっしゃいましたが、高校3年生までというところまで延ばしていきました。  この議論というのは、そうした意味で議場での様々なお考えを受けて、我々も市町村と交渉をして、まとまったところで提案をさせていただいているという実情にございます。今、全国でもそうした意味で最も進んでいるレベルだと議員がおっしゃるとおり、高校卒業までという、基本的には家で預かっているようなそういう年齢は小児医療費助成が適用されるということでありまして、子育て支援としては大きな効果もありますし、他の地域の方からも魅力的であるというふうに言っていただいています。  実は無償化事業というところまで踏み込むかどうかというのは、その組合せのところがありまして、無償化しても年齢をもっと下に持っているところもあります。例えば岐阜県だとか、そうしたところは確かに無償化ですけれども、所得制限はなくとも、年齢が制限をされている。ですから、鳥取県の市町村や県のほうがむしろ1人当たりの助成額は大きいということになっておりますので、要は助成の効果というのは全国的にはトップクラスということは変わっていないと思います。  問題はそこから先の議論をどう考えるかということでありまして、社会全体が少子化対策に進んできていますし、こども家庭庁が来年にはできるというところまで来ております。小倉大臣とは、こうした問題も実は議論しています。私ども全国知事会でもプロジェクトチームがございまして、それで、ネットではありますけれども、小倉大臣とも車座対話のような議論もさせていただきました。大臣もそうしたことを最近もおっしゃっていますが、小児医療費の問題というのは大きな課題であって、やはりあちこちから声も出ていると。だから、これは検討していかなければならないというお話はされるようになってきていまして、今までの政府とは少し踏み出した発言だと受け止めております。  これは財政負担も伴いますし、特に我々が困るのは国民健康保険料でペナルティーを科されるところでありまして、そういうことは制度解決をしなければいけませんので、願わくば国としてやはり議論していただきたいというのが第一番であり、これは今後もしっかり求めていきたいと思います。  一人一人の最終負担は、通院のときに500円余りかかったり、入院のときも1,200円というのはかかります。ただ、通院も月4回でそこで打ち止めになって、それ以降はかからない仕組みになっていたりして、いろいろ工夫はしてあるのですが、こうした仕組みをどう考えるのか。あるいは、年齢に応じて、例えばどういう年齢であればこういう対応を取るか、あるいは思い切って無償化するならこういう範囲で無償化するかとか、それはもしかするといろんなバリエーションが多分あるのだと思います。  そういう中、日野町におかれまして、今年度に入りまして、初めて全県で無料化、負担金なしに取り組まれました。その理由は、コロナ禍における現在の子育て世帯の負担に対してやっていこうと。ですから、臨時地方創生交付金を活用して時限的なお金を使ってやっているということであります。ただ、こういうような動きが曲がりなりにも出てきていますので、議員がおっしゃるようなことは議論に値する段階に入り始めたのかなと思います。  一気呵成に全部やるとなると、結構なお金も、大体22億円余り、確かにかかります。小児医療費関係で今、助成をさせていただいています。仮に同じ総額であるとすると、今、公費負担が17億円余りでございますので、5億円弱さらに上乗せをしていく必要があると。これを市町村と県とで折半するというのが昭和40年代以来のこうした特別医療費助成のやり方であります。こういう意味で、では市町村がそれについてどう考えるかという協議を、やはり主体である市町村とせずに決めるわけにはなかなかいかないものであることは御理解いただきたいと思います。  そういう中で、恐らく無料化しますと、コンビニ受診、あるいはお医者さんに幾つもかかって、それを比べ合うというようなことも行われたりというのは、世上、言われていますので、そうすると医療費がさらに膨らむかもしれない。だから、22億円余りと申し上げたのがもっと膨らむかもしれないということも織り込んでいく必要があるのではないかとも思われます。  いずれにいたしましても、我々は今この12月の段階で議論をして、では新年度予算でということには正直なかなかならないのではないかなというふうに残念ながら思えるところでありまして、ただ、こうした議論を開始するというところはあってもいいのかなというふうに思います。まずはそうした議論の端緒は開かせていただけるように、ちょっと市町村とも協議を始めるのかなと思いますが、ただ、これについては次の期の皆さん、銀杏議員は次も出るとおっしゃっていますから、そこも視野に置いているのかもしれませんが、私はちょっとその手前でまだ止まっていますので、次の期の皆さんで御議論いただくべき課題なのかというような感じもいたしております。  いずれにいたしましても重要な問題提起でありますので、今後の課題として我々もそうした市町村との協議ないし話合いの端緒に入りたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)35番銀杏議員 ◯35番(銀杏泰利君)完全無料化にするにはあと5億円ほど必要だと、それを県、市町村で折半していく必要もあるという話をいただきました。  後押しするように、若干動きについて話させていただきたいなと思いますが、今年初め、公明党が全国で行った子育てアンケートの結果を紹介したいと思います。  全国で5万1,999名の方から回答いただきました。子育て・教育施策について今後充実すべきと思う項目を複数回答で選んでもらいましたところ、3歳から12歳のお子さんを持つ家庭では、児童手当の拡充に次いで2番目に多いのが子供医療費助成の拡充でした。これがいわゆる民意だと思います。  公明党はずっと本気になって子育て支援に力を注いできたわけでありますが、今年11月8日には、子育て応援トータルプランを発表させてもらいました。その中の高校3年生までを目指した医療費助成の拡大をするとして、国保の減額調整措置の見直しと地方財源を確保するということを上げております。これまで健康保険の自己負担額を小学校入学前まで2割負担へと減額を進め、また、国保の減額調整措置で未就学児童分を廃止させてもおります。これは党代表自ら代表質問で質問をして進めてきたという経緯がございます。連立与党の片翼が本気で取り組んできていることに、ぜひ留意をしていただきたいなと思うわけであります。  いろいろときっちり整理する必要があるのだろうかなと思います。無償化の分を年齢で年齢幅をつくってはどうかというふうな話がございましたけれども、一部負担金の通院で530円、入院の1,200円にしても、根拠を一回知事にお聞きしたことがあるのですが、どうも納得がいかなくて、これが一体適切な金額であるのかどうなのか、無償化することによってかえって事務負担分が、県ではないにしても、全体的に減るのではないかとか、いろいろ考えるわけであります。前回、鳥取県で18歳まで拡充した後に減額調整措置をなくしたというふうなこととか、それから未就学児童については健康保険の負担が3割から2割まで減額されたとか、そういうことがあって、その分、多分県、市町村の負担額はちょっと減ったと思うのですね。ですから、昔、大分負担をしておったことを考えると、今はまだやりやすいのではないかなというふうにも思います。  何よりも大切なことは、たとえ少額であっても、有料と無料とではその波及効果は全く違うということであります。今の社会が何を差し置いても本気で少子化対策、子育て支援に力を入れなければいけないのだという覚悟を示すことで少子化の流れにくいを打ち、流れを変えることができるというふうに考えております。
     もう一度、小児医療費の無償化について、知事の答弁を求めたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から、重ねてのお尋ねがございました。多分向いている方向性はそろっているかなと思いながら伺っておったところでございます。  中でも心強かったのは、公明党のほうでこのたび全国アンケートを取られたことに基づいて、国保のペナルティー制度に踏み込んでいく考えをまとめられたというお話でありまして、実は私も、高木政調会長だとか石井幹事長、歴代の方々に、度重ねて知事会としてもこの点をお願いしていたものですから、そのたびになかなかそれは難しいというお話を実は結構いただいていました。それはやはり厚労省のほうの考え方が色濃く入っていたのだと思いますが、やはりここに一つの問題があるのだということを現場感覚で理解していただけたのかなと思いながら今伺っておりまして、最近の臨時地方創生交付金の増額のことであるとか、公明党のほうで地方議員のアンケートや現場のアンケートに基づいて動かれることが、結構政権の中でそれまでの想定を覆してきていますので、御期待を申し上げたいなというふうに思いました。その辺の一つの障害が取れれば、この問題について市町村も話に入りやすくなるのではないかと思います。  また、負担の額の調整だとか年齢のことだとか、いろいろなバリエーションがあり得るかもしれず、それについてはまだ幅広い白紙からの議論をしなければいけないと思っていますが、530円や1,200円というのは、これは実は伝統的に本県が取ってきているものの流れでございます。どれほど根拠があるかといえば、一応の根拠はあるのですけれども、ただ、最終的には相場観の問題だと思います。ですから、そこはどうかというのは議論の再考の余地はあるかもしれませんが、この話は、同じ特別医療費助成の、例えば障害者だとかほかの分野にも実は絡んでくるのですね。ですから、これを見直しするということは、結構他分野のところも含めて、もっと大きな金額も含めた議論に発展するということでありますので、これも市町村との共同作業になるかと思います。  いずれにいたしましても、この問題は県に決定権が必ずしもあるわけではなくて、今現に日野町がまず始めたというような状況もあるように、市町村がある程度リードしていただくべきところもあり、県の考え方との相互作用の中でつくっていくところがありますので、まずは立ち止まり続けるということではなくて歩き始める、そういう段階に我々意識的に入っていって、市町村もこれから問題意識を持って議論に参画していただけるように、まず協議の場といいますか、テーブルをつくってまいりたいと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)35番銀杏議員 ◯35番(銀杏泰利君)ありがとうございました。ぜひとも知事選に出馬をされまして、この歩みを進めていただければというふうに思う次第であります。  鳥取県の政治課題、まんが王国についてでありますが、私が30代半ばの頃、ある県会議員に、グラウンドゴルフは鳥取県泊村が発祥の地なのだからもっとPRすべきだと、温泉豊富な本県では各温泉地に雨天でもできる屋根つきのグラウンドゴルフ場を設置してはどうか、高齢化が進み、高齢者に人気のグラウンドゴルフを目当てにお客さんが集まるのではないかと提案したことがございます。残念ながらその提案は実現せず、日本のグラウンドゴルフのメッカにし損ねてしまいました。それどころか、後々、発祥の地は岡山県であるというような情報がネット上に流れる始末で、悔しい思いをいたしました。  国際まんが博前年の2011年11月の会派要望のときに、私は知事に直談判をしました。鳥取県をまんが王国にという提言は、2005年6月に公明党議員から始まっております。まんが王国とっとりの建国事業が予定されているが、規模も内容も迫力不足だ、鳥取県を漫画・アニメのメッカとすべく、今から大々的に取りかかるべきと提言をし、グラウンドゴルフはもう間に合わないかもしれないが、まんが王国はこれからだ、日本一小さい県だから、他の県がやらないこと、小さくてもできることを一番初めにやって注目を集めることが本県のためになると迫ったわけでございます。  他の方からも同様の意見があったのかもしれませんが、結局まんが王国とっとり建国事業の予算は9億3,400万円にもなり、知事の大胆な決断にほれぼれいたした記憶がございます。そのときの担当者が今の寺口議会事務局長でして、短期間であれだけの事業を行うことになり、当時の寺口室長ほか担当職員の皆様には大変御苦労をおかけいたしました。ありがとうございました。  結果は大きな成果を上げ、大成功で終わりました。あれから10年、まんが王国とっとりはすっかり根づいています。漫画が文化や経済に好影響を及ぼしております。  例えば倉吉市にグッドスマイルカンパニーが進出し、今後さらに工場を新設され、200人程度の採用を目指すとのこと。これもまんが王国効果であります。また、円形劇場もオープンし、「ひなビタ♪」の聖地巡礼でまちがにぎやかになり、さらに県立美術館建設の完成を控え、漫画文化、芸術文化がまちに花開いてきているように感じます。産業として、文化として漫画が花開いた。まさしくまんが王国効果であります。  今や漫画は鳥取県の武器になっております。この流れを今後さらにどう進め、生かしていくのか、手腕が問われます。国際マンガコンテストや国際声優コンテストは続けていくべきだと思います。そこからどういう人材を輩出していくかが問われます。国際的な登竜門にしていくことでさらに花開くと思います。  また、経済効果もついてくるようにしなければいけないと思います。拠点整備も必要ですし、何よりもSNSを使ったPRが必要です。まんが王国建設から10年がたち、今後どのような分野でどのように漫画文化を花開かせるのか、知事にお考えを伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から、まんが王国につきましてお尋ねがございました。銀杏議員も今、過去を述懐されておりましたけれども、私も思い起こしながらお話を伺っておりました。  銀杏議員が着想されたように、グラウンドゴルフもしかり、漫画もしかりでありますが、当時は多分、原石のようなもので考えられていたと思います。漫画につきましても、水木しげる先生のふるさとだというようなストーリーがあったり、それからまた青山剛昌先生という存在や谷口ジロー先生という存在はありましたけれども、当時を思い起こしてみれば、水木しげるロードは平成5年にオープンをしておりますが、ただ、それも何かちょっと大きな観光地というイメージではなくて、やはり砂丘、大山ということでありました。しかし、今どうなっているかというと、水木しげるロードは累計で4,000万人というところまで来ていると思います。そういう非常に大きなものになりましたし、また青山剛昌ふるさと館も150万人が入場したということであり、そのうち10万人は外国人であると。およそ考えられなかったことが今、現に起きているということです。  青山剛昌ふるさと館ができたのは平成19年だったと思います。ですから、本当にここ最近のことでそういうことになってきていますし、水木しげるロードのほうも、このたびは水木しげる記念館を建て替えようということも前に進み始めました。なぜかといえば、成功したからです。成功ということを地域が実感しまして、これはもっと大きくしようと、定着させようというふうに動いてきているわけでありまして、地域づくりの一つの大きなモデルになったことは間違いないし、まんが王国という考え方が牽引してきたものではないかと思います。  私自身も同じような考えの道筋を歩んできたわけでありまして、平成19年に知事選に出馬しようというふうに決めたとき、そのときにまんが王国ということの着想を当時自分でも考えていました。その頃どうだったかといいますと、漫画についてのパンフレットはあったのですね。しかし、当時の県政は、漫画については非常に冷ややかに見ていたという感じがありました。県庁の職員さんとも当時もお話をさせていただいたりして、でもこれは海外でも売れるのだから、自分は海外にいましたので、海外でもこの話が一番売れるのだからこれをぜひ県の基軸に据えたらどうだろうかと、まんが王国ということをクローズアップしてはどうかということで、それまで実は日の当たらなかった行政施策だったものを一気にイの一番の政策に転換したというのが実相なのです。そのとき背景では、もともとまんが王国は大切だとおっしゃっていた銀杏議員らがおられて、それと言わば合流したような形になったのではないかなと思っております。  特に平成24年には、まんが博をやったりアジアのマンガサミット、国際マンガサミットをさせていただく。その機会に一気に全国の中でも飛び出て、少なくとも見えるようにしようというのが当時の着想でありまして、その点はある意味うまくいったのかもしれません。ただ、非常に唐突感が他ではあって、その後、「ジョブチューン」という番組に出たことがあるのですが、そのとき、高知県がまんが王国だと言っていたのですね。こちらは本物です。やなせたかしさんがおられて、まんが王国・土佐とかいって、それで漫画の甲子園とかをやって、地域おこしでしっかりまんが王国を標榜していたわけですね。番組の中で私も高知の知事から責められまして、鳥取はそもそもまんが王国ではなかったではないか、何今さら言い出すのだとかと言って対立になる。これを番組的には面白く扱ったことすらあったぐらい、我々は後発県でありましたが、多分今、入り込み客数だとかそうしたことで考えてみますと、それは水木しげるロード、あるいは青山剛昌ふるさと館をはじめとしたところは圧倒的でありますし、議員も取り上げられた「ひなビタ♪」、あるいは円形劇場、さらには「ハイ☆スピード!」というそういう水泳のアニメなどもありまして、そういういろんなものが今、実は私どものほうで全国の注目を集めるくらいになってきていますから、どちらかというと漫画の地域づくりの先進地になってきている。これに角川が気がつきまして、それで漫画の聖地としての指定数が鳥取県は多いし、第1号指定でもこちらに来たのはその辺の背景があるわけです。実際に入り込み客や、それから場合によってはフィギュアの世界のグッドスマイルカンパニーといったような産業創造にまでつながっていますから、そういう意味でうまいこといったうちの一つではないかなと思います。  ただ、これを私もこの議場で提起をして、まんが王国とっとりということで、当時平成23年、24年ぐらいですね、予算も出しながらやっておりましたけれども、中には強烈な反対意見を議場で述べる方がおられたり、それからネットでも正直たたかれました。ある意味、ちょうど「ブリロの箱」のような感じですね。ただ、これは我々も信念を持っていましたし、きっとこれは騒いでもらったほうが炎上して注目も集まるということも考えましたし、いろいろと思惑を持ちながら粘り強くやってきて、ここまでたどり着いたということであります。  議員がおっしゃるように、これから先を見据えますと、この方向性はさらにインバウンド観光を促進していくとか、またグッドスマイルカンパニーも今、幹部の方にも時々お話を伺うのですけれども、意欲的にこちらに日本の拠点をつくろうというふうに考えておられるのではないかとも思われますし、そういう意味でやはり、この次の期に引き継ぐべき問題ではありますけれども、まんが王国というのはさらなる推進を図っていって値打ちのあるものだと思います。  おっしゃったような声優コンテストや漫画のコンテストがございますが、人材がそこからも生まれてきておりまして、例えば西高の生徒さんだった、それで声優コンテストに応募されて最優秀賞を取った、今はサンミュージックで活躍をされる、そういうようなほうに進んできて、言わば夢をかなえておられる方々もいらっしゃいます。  我々としても、そうしたいろんな意味で漫画の王国の振興ということを、漫画的に語って今まんが王国と言っていますが、そうした地域づくりの起爆剤として、漫画・アニメという世界的に日本が価値を持って見られているところの焦点をこの地域づくりの宝物として使っていくことは非常に重要だと思っております。  これは今後の問題ということだろうとは思いますけれども、ぜひこうした方向性を継続して発展していくことが鳥取県としては重要ではないかと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)35番銀杏議員 ◯35番(銀杏泰利君)答弁いただきましたが、このまんが王国についてでありますが、今後を展望してみますと、国内のねんりんピック鳥取大会が開催されます。また、海外の観光客も含めた関西万博、関西マスターズゲームと、大きなチャンスがこれから続くことになります。外国人旅行客の入国も解禁されました。漫画の魅力を使って国内外から大勢の方を呼び込む必要があると思います。  本県は、水木しげる先生、谷口ジロー先生、青山剛昌先生のタイプの違う3巨匠の輩出県であります。漫画の力を借りて出生地をさらに彩られたらというふうに思うわけであります。  鳥取県は東・中・西で違った彩りがございまして、西部を見てみますと、ここは島根県東部も含めて、実に様々な魅力的な自然と拠点施設があります。中海、隠岐ジオパーク、皆生温泉、大山、宍道湖、玉造温泉、そして水木しげるロード、花回廊、足立美術館、島根県立美術館、国宝松江城、出雲大社など、観光地としては実に魅力的であります。それに比べて、東部、中部では少し足りないように思います。東部と中部で合わせてあと2つ3つほど集客エリアや場所が必要だというふうに感じております。東部では、谷口ジロー先生や県内出身の漫画家の作品の常設展示、声優イベントの実施、国際マンガコンテストの優秀作品や特定分野の漫画を生かす試みであったり、また鳥取砂丘コナン空港とツインポートエリアを、コナン君を生かしてグレードアップするなど、検討すべきだと思います。中部では、県立美術館の開館とその活用であったり、燕趙園でのコスプレ大会の他地域への拡大なども検討してはと思うわけであります。  東・中・西のどこから鳥取県に入ってもそこで漫画に出会える、そして県内どこにも漫画拠点があるので県内を巡りたくなる、そういう鳥取県にしたいと思っております。これから続く大きなイベントに向けて、漫画を利用した鳥取県観光の振興、さらに漫画文化の定着と拠点づくりなどについて、知事のお考えを伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから、重ねてまんが王国の振興、それを全県的に取り組めるようにならないかと、こういうことでございました。  観光というのは多分漫画だけのテーストでもなくて、東部は多分最大の観光資源である鳥取砂丘があり、集客の焦点にもなっていますし、中部も魅力的な温泉地として認知をされていますし、白壁土蔵群など由緒ある町並みがあり、漫画でも青山剛昌先生の拠点性があります。そういう意味で、つなぎ合わせていく魅力というのは、旅としてはいろいろとあると思います。  そういう中、多分議員がおっしゃりたいのは、漫画テーストも活用しながら新しい魅力あるスポットというのを全県でつくっていくというような趣旨ではないかなと思います。  いろいろと漫画のストーリーというのは多分あるのだろうと思うのですね。例えば、以前そうしたマップを作ってやっていたこともありますが、「タッチ」という漫画の一番最後のところで出てくる体育館が鳥取市の体育館であると。マニアが見たら非常に面白いし、それを実際に見に来られる方もいらっしゃったと思いますが、残念ながらこのたび壊してしまったわけでありまして、新しい体育館に生まれ変わると。  砂丘などもそういう漫画のストーリーはあり得るわけで、「ガンダム」が実は絡んでいますよね。生みの親である方にもお伺いをしましたが、奥様が鳥取出身ということもありまして、この砂丘のところが実はアムロのふるさとであるというようなことのストーリーもあって、なかなか大人の事情でそれをはっきり言ってくれないのですけれども、ただ、こちらで勝手に言うことはいろいろとできるはずであります。そうしたことをいろいろとつなぎ合わせていけば、ある程度世代を超えた分かりやすい漫画の魅力というのもいろいろとあるのだろうと思います。  そうしたソフト面のことに加えて、ツインポートは鳥取砂丘コナン空港がございますので、これをさらにどう肉づけしていくかということもありますし、また中部のほうでも、そうした意味で最近も地元商工会が中心になってされたコナンの館がある。その近くに恐らくは新しいコナンの博物館的なものを造っていこうというような動きで今来ていますので、着実に前に進んでいくところにハード的にもなるのではないかなと思っております。  あとは、そこに上手なPRだとかプロモーションをかけていくことだと思うのですね。その意味で、2年後のねんりんピックであるとか、令和7年の大阪・関西万博、そして令和9年にはワールドマスターズゲームズがあります。こうしたホップ・ステップ・ジャンプでこれからしばらくの間、この地を売り出していくチャンスが日本全体にもあるし、鳥取県にもあるのではないかと思います。その中でどういうふうに漫画テーストを生かして売り込むことができるかというのもポイントになると思うのですね。  うまくいけば1月3日にまた青山剛昌先生を招いて、北栄町におきまして話そうDAYという非常に伝統が出てきたのですが、数を重ねてきたイベントがあります。ここは青山剛昌先生も開かれるときには必ず来られております。ちょっとコロナのことが心配されてもいるのですけれども、もう既に入場者の募集も終わっていまして、やるばかりにはなっているのですが、仮に開かれるのであれば、そこにまた私も行って青山先生とも話をさせていただき、例えば万博の中などでも鳥取を紹介するときにそうしたコナンも含めた漫画の魅力というのも発信できませんかねと、そういうようなお願いをしてもいいのかなというふうにも思っています。  できる限りいろいろなチャンスというものは生かしていかなければなりません。それで認知してもらわないと、なかなかここは漫画で面白いから行ってみようということにもなりませんので、そういう情報発信のことと、あとハード面での整備や、あるいはソフト面での道具立て、こういうものを総合的に展開していくことでまんが王国の発展ということになればと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)35番銀杏議員 ◯35番(銀杏泰利君)数々希望あふれる答弁をいただきました。でき得るならば、ぜひとも共に一緒に次の県政、仕事をしたいものだというふうに思っております。知事は12月中にということもおっしゃっておりますので、それを期待を込めて見守りたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。今日はありがとうございました。 ◯副議長(広谷直樹君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時30分より再開いたします。        午後0時30分休憩    ────────────────        午後1時30分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  34番島谷龍司議員 ◯34番(島谷龍司君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の島谷龍司でございます。午後一番でございますので気持ちよくなられる方もおられますが、質問させていただきますので、お聞きいただければというふうに思います。  それでは、通告しております2点について質問いたします。  私は、平成27年4月の初当選以来、障害者支援、ひきこもりや老老介護の問題、独り親家庭への支援、ヤングケアラー問題など、様々な福祉の課題についてこの議場で取り上げ、その対応を提言してまいりました。これに対して、平井知事をはじめ県執行部の皆さんが真摯に取り組まれ、様々な施策を展開していただいており、全国でも有数の福祉先進県となっていることは皆さん御存じのことと思います。  この12月定例会では、その集大成とも言えるような全国初の本人及び家族援助者の支援に一体的に取り組む条例として、鳥取県孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例が提案されています。その前文では、「近年、核家族化の進行、都市化の進展、社会の高度化・複雑化等により家庭を取り巻く環境は大きく変化し、家庭内における過重な介護等の負担により学習や就業に支障を来しているヤングケアラーといわれる若者、子育てにおける孤立感等が原因となる産後鬱を発症する者、高齢者が高齢者を介護する老老介護や高齢の親が中高年のひきこもり状態にある子を支える8050問題といわれる身体的又は精神的負担を負う者等が、本人が望まない孤独を感じ、又は孤立していることが、大きな課題として認識されるようになった。」とあります。  これらの課題に共通しているのは、困っている状況、状態が外から見えにくいこと、また当事者である困っている方が声を上げにくいことであると思います。特に条例制定検討のきっかけとなったヤングケアラーについては、私がこれまでも指摘してきたとおり、対象が子供であるということもあって、特にしっかりと対応していく必要があります。  今回の条例検討の過程で、ヤングケアラーについてどのように検討がなされ、それをどのように条例に反映されたのか知事に伺います。  また、私との議会での議論も踏まえ、令和4年度当初予算にヤングケアラー支援強化事業が計上され、ヤングケアラー相談窓口、ヤングケアラーの集い・語りの場を提供するためのオンラインサロン、ヤングケアラーの支援に関する研修会、ヤングケアラー研修事業補助金などの新規、充実事業が盛り込まれましたが、これらの事業の実施状況とその成果に対する評価について知事に伺います。  次に、本県の水産振興について伺います。  このことについては、ちょうど1年前の令和3年11月議会でも知事に伺いましたが、自然を相手にするという水産業の特性のため、短期間では目に見えるような成果は表れていません。しかし、水産業は国民の健康を支える水産物を供給する機能を有するとともに、流通や水産加工を含め、地域経済の発展を支える重要な産業であり、本県にとっても誘客のキラーコンテンツである松葉ガニをはじめとして、白イカ、イワガキなど全国に訴求できる多くの有力な魚種があります。  2年前の令和2年12月に改正漁業法が施行され、国は令和5年度にはTAC魚種を現在の8種から15種追加され23種に、資源評価魚種も200種に増やし、資源を回復させようと進めていますが、今後、単に国が示す方針に従うだけではなく、本県の漁業の存続をかけた取組として、本県の現場に即した取組にも期待するところです。  しかし、県の水産試験場が毎年発行する「海洋環境・水産資源レポート」では、カレイ類やマアジ、マダイ、ヒラメ、イカ類など、本県主要魚種の資源状況は中位から低位と引き続き厳しい資源状況が報告されており、漁獲の不安定な状況が続く中、国は機械的なTACの設定を行うのではなく、現場の水産業の実態を踏まえたものとなるべきだと私は考えます。  また、県内漁業の実態を見ると、沖合底引き網漁業、沿岸漁業とも年々水揚げ量が減少しているものの、魚の消費量の減少もあり、また、産地の価格は相場観により形成されるため、昨今の燃油代や資材高騰などコスト上昇分の価格転嫁が困難な上、消費量もコロナの影響や観光客の動向に大きく左右されるなどの現状にあります。  今朝も、地元の賀露港の水揚げに出てまいりました。そこで船主である船長が、幾ら捕っても燃料高騰、そして資材高騰に対応できていないと、本当に切実に訴えておられました。  その価格上昇のできない象徴的なものとして、先月6日に解禁になった今シーズンの松葉ガニも、解禁当初は全国的に天候が安定し、海況も荒れていないため、小型船を主力とする福井県など北陸地方が豊漁で、そのため、本県では昨年に比べ単価が抑えられ、水揚げ量が多くても、燃油や資材の高騰に悩まされていましたが、最近、福井県などがTACの上限に近づいてきたため、漁獲制限を行っています。その結果、本県の松葉ガニの単価は徐々には上昇してきていますが、先ほど申し上げたように、まだ燃油や資材の高騰には完全に対応できていない状況です。  このような水産資源の減少や燃油、漁具、養殖の餌の価格高騰によるコスト増、魚介類の消費低迷などの山積する水産業を取り巻く課題に対する今後の方向性について、知事の所見を伺います。  以上で登壇の質問といたします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、孤独・孤立を防ぐ温もりある支え愛社会づくり推進条例等につきまして、何点かお尋ねをいただきました。ヤングケアラーについて、条例検討の過程でどういうような検討がなされたのか、またヤングケアラーの支援強化事業が今執行されていますが、その実施状況やその成果はいかがかと、こういうお話でございます。  島谷県議は冒頭おっしゃいましたけれども、我が県は、今、福祉について大変力を入れていて、典型的にはあいサポート運動だとか手話言語条例がよく言われますが、ヤングケアラーにつきましても、議員のほうから御指摘をいただき、調査をしたり、また先行して先取りした事業を今年度も展開しておりまして、そういう意味で一つの新境地を開きつつあるのではないかと思います。  もともとこのヤングケアラーの問題、あるいは議員がこれまで取り上げてこられた8050問題や老老介護、障害者の課題というのは、なかなか社会の表面には出ないことが多いわけです。家庭の中に籠もってしまって、それを潔しとしないということが多分日本社会のどこかにあるのかもしれません。それで支援の輪が結局は広げていても届いていないと、そういう残念な実態があるのではないか。こういうことがヤングケアラーの問題にも色濃く出ているわけでございます。  そういう意味で、この議場でも例えば条例的なアプローチや予算のアプローチを含めてやっていってはどうかと、こういうようなお話でございまして、私なりにも真剣に考えさせていただき、その一つとして今回、条例提案をさせていただいております。  いろんな問題の事例に横串を刺してみれば、結局は現代のコミュニティーの中における孤独や孤立ということがあるのではないか。これは御本人もそうですが、御家族も一緒になって一つの使命感なり、あるいは同胞意識といいますか、結束として家族を守るのだ、そういう使命感の中で結局は表に出てきていないというようなことがあるのではないか。そうであれば、絆社会の鳥取県らしく、そこをほどいていって、また制度のはざまにあるような問題があったとしても、柔軟に社会的な支援をするということも可能なのではないか、それによって残念な事態というのを回避できるのではないかということであります。  今回のヤングケアラーの問題についてもそうですし、いろいろと条例検討の中でも当事者の御意見、あるいは支援者の御意見などを聞きました。中には自死を考える子供もいたということも見えてきたところでもありました。非常に厄介な課題ではありますが、鳥取県だからこそ解決できるのではないか、そういう意味で研究会をつくりまして、5月から11月まで、専門的なお話を交え、また現場の声というものを反映させて、条例案をつくるのに少し時間をかけさせていただきました。  その過程におきまして、ヤングケアラーについてはN.K.Cナーシングコアコーポレーションのほうからもいろいろと御意見をいただいていたのですが、こちらが今、当事者に寄り添ったケアをされているわけです。こういう御意見だとか、あるいは支援者の方や、それから当事者の方などの御意見をいろいろと取っていったところでございました。  そこでいろんなことが聞こえてきたわけですね。例えば自分自身はすごい役立ち感がある、家庭の役に立っている、このことの言わば誇りというかプライドは大切にしながらやらなければいけないのではないかということです。そういうようなことであるとか、一生家族の面倒を自分が見なければいけないのではないか、兄弟の面倒を見なければいけないのではないか、そういうことで精神的に追い詰められているというような深刻な事例があったり、いろいろとしたところでございます。  そこで様々な議論を経て、最終的にはこれらヤングケアラーの問題や8050問題等々を全部横につないでいきまして、まずはヤングケアラーのことでいえば、自分自身が気づくということが大切なので、そうした環境をつくっていけるような啓発活動等の重要性ということを考えていったり、それから社会のほうもそれを発見しなければいけないと。そのシステムであったり相談の支援の体制であったり、また市町村だとかNPO等も含めたサポートできる団体、こういうところのネットワークをつくっていくとか、あと特に条例検討の過程の中で議論が浮かび上がってきたのは、こういうヤングケアラー同士の交流、それによって自分だけではないのだということを知ることが非常に大切だという声が実は重要なものとしてあったと思います。こういうものも入れさせていただき、いわゆるピアサポートだとかそういうネットワークづくり、こうしたことも入れさせていただきました。  条例はそういうものをいろんな事象に即して取り込んだものを今回提案させていただき、そこに県の責務や市町村の責務、そうしたものを入れさせていただきました。  問題は、この条例と併せて、私どもも予算も含めた政策というのを実行していかなければならないわけです。ヤングケアラーにつきましては、議員の御指摘もあったので、今年度先行していろんな事業を今させていただいているところであります。例えば6月からは、LINEの相談を本格的に展開いたしております。これまでに5,000回を超えるやり取りになっていまして、20名以上の当事者の方と接点を持っております。さっきも御紹介したような条例検討に結びつくような声も、その中ではやり取りをされるわけでありまして、ケースによってはなかなか解決困難なところがあるということで、児童相談所のほうに結びつけて、そちらのほうのサポートに行ったり、いろいろとケースに即した対応をしています。  ただ、恐らく最初は傾聴といいますか、しっかり聴く、そういう姿勢で社会が向き合うことが多分一番大切なので、そのことを丁寧に今やっているということであります。  またあわせまして、オンラインのコミュニティーをつくろうと、オンラインサロンというのをやったところでありまして、これも18名の当事者の方、あるいはサポートされる100名以上の方の参加がございまして、交流をし、気づきをし、今後のフォローアップというのにつなげているような事業もございます。  また、子供たちが自分自身で分からないということなので、小学校向けのガイドブックをこしらえたり、そのほかの雑誌、マテリアルを作らせていただいたり、PRも含めた啓発事業をしております。例えば駅におけるサイネージ表示による啓発事業とか、いろいろと総合的なアプローチをメディアミックスでやっているということになってきております。  先般12月1日にはヤングケアラーフォーラムというのを開催させていただきましたが、様々な場から研修をしたいということに対応できるような、そういう研修の支援の仕組みも動かしておりまして、既に7団体からの申込みに対応しているところであります。  このように、議員のほうから提案されたことに基づきまして、いろいろと今年度、まずは先行展開をさせていただいておりますが、条例が成立をすれば、さらに地に足をつけてやってまいりたいと思います。  次に、水産業につきましてお尋ねがございました。燃油だとか漁具だとかの価格高騰がある一方で、なかなか魚価が上がっていかないと。こういう中、今後に対する方向性、あるいはどういうような展開が考えられるのかと、こういうことであります。  直接的に今問題になっているのは、やはり燃料高、あるいは資材ですね、発泡スチロールなどはトロ箱など絶対に必要なものですが、その資材も上がってきているわけであります。そうしたものに対して支援をしていこうということが必要で、9月の補正で発泡スチロールの箱につきまして、水産事業者向けに3分の2の支援制度というのもつくらせていただきました。これは既に動いております。また、この12月の補正として本議会に御提案申し上げておりますのが、餌代が上がってきていると、この餌代によりまして養殖業者が大変だと、その餌の高騰分の2分の1を支援するという全く新しい制度をこのたびも提案させていただいております。いろんな意味でセーフティーネットを張っていくということを、県としても国の事業とかと組み合わせながら、今後も展開してまいりたいというふうに思います。  TACのお話がございましたが、漁獲割当ても今始まって数年というところで、定着に向けていくところなのだろうと思うのですが、議員も御指摘がありましたが、必ずしも実情に沿ったことにならないケースもあります。そこで、これは例えば本マグロであるとかズワイガニであるとか、いろんなところにTACがもう既に展開されていますが、鳥取県独自でも資源量の調査をしたりして、それで国のほうがTACをこうやって厳しめにかけようということはありますけれども、今の資源回復の状況はこうですよと、ですからこの程度の減枠で十分ではないですかというような議論を我々もさせていただいて、ある意味そうした政府の言いなりといいますか、水産庁のほうで設定するままというよりは、地元の意見の反映に今努めていまして、一定の成果は得てきているというふうに思います。  こういうような漁獲の問題は、確かに水産資源自体が磯焼けやいろいろな問題もありまして、片方でブルーカーボンというようなことを我々も展開して、資源回復を図るということが重要になってきており、それにも取り組んでおりますけれども、またあわせまして、そうしたことも自主的に漁業者もされているわけです。当地において80の協定が自主的にも結ばれていまして、こうしたことで我々も言わばエコフィッシングということをやる。それから、国のほうのTACにも対応をして、国際的な協力もしていく。そこで持続可能な漁ということができるということになります。  カニについては今、資源量が少し乏しくなってきた時期ではありますが、これを上手にやっていけば近々に資源回復につながってくるというのも今の調査で見え始めていまして、これもある意味厳しいところはありますが、地元の状況をどう反映させるか、ここにも注力をして、適切に回していくことが多分大切になってくるのだろうと思います。  大切なのは魚価の問題であります。これは議員がおっしゃるように、市場で決まってしまう、あるいは大消費地で向こうの言い値といいますか、ここで買うというのと我々の原価計算によるものとは違うわけですね。それが産地と消費者、あるいはバイヤーとの関係がやはり特殊なのが一次産業でございます。これを少しでも風穴を空けていかなければならないわけでありまして、地元における魚食文化をもっとつくって、消費量を増やしていこうと。鳥取県の四季の魚というのをこのたび漁業者と一体となりまして制定して、今新しいPRも始めたところでありますし、現在はカニのシーズンでありますから、先ほどおっしゃるように、なかなかカニの値段の問題とかもあるということでございまして、例えば東京のほうの有名な料理屋さんだとか、そういう高値で買ってくれるお得意さんというのをしっかり応援しながら、また情報発信を首都圏、そして首都圏を通じて全国へと発信していくことが非常に重要であります。  そういう意味で、このシーズンにおきましても、山崎さんとか武尊さんの御協力もいただいて、そういう有名人の方と一緒にメディアアピールもさせていただきまして、いろいろとスポーツ新聞だとかはやはり武尊さんが絡むので多いのですけれども、いろんなところで取り上げていただけるようになってきております。  そういう意味で一定のそうした情報発信はできていると思いますが、島谷議員におかれましても、粋京という東京の銀座のお店のほうにおけるPR事業に御同席をいただきました。わざわざ中村商店の中村社長にもお越しをいただきまして、それで五輝星を世の中に売り込んでいこうと。効果的にやるために、そこにメディアの言わばブロガーの有名な方とかをお呼びして、実際にもう発信が始まっております。そういう中には、道明寺さんのように、一生に一度は召し上がっていただきたい一品だと、そういうように五輝星を御紹介いただいたり、あるいはそのほかのメディアにおきましても、カニといえば鳥取という記述をしていただいて、これまでの北海道とか福井だとか、そういうようなイメージとは大分違うのだよという発信をしていただいたり、非常に高級なカニのすばらしさを写真などを交えて、リアルに食レポを出していただいたり、結局こういうことがいろんな購買者の購買意欲につながっていくわけであり、魚価を支えていく取引先の出口をつくって販路をこしらえていくことにもなるのではないかと思います。そういう意味で、今回御協力をいただきながらそうした情報発信ができたことに感謝を申し上げたいと思います。  これからもカニのシーズンはしっかりそうしたカニのPRもさせていただき、それが鳥取県の魅力発信にもなるというふうに考えております。  今、蟹ガチャというのが実は結構な人気になってきました。東京の新橋のアンテナショップでガチャガチャを回しますと中からカプセルが出てきて、当たればカニ1杯2万円というものなのですが、これが思いのほかメディアキャッチがよくて、ワイドショーだとかニュース番組で取り上げていただけるようになりました。昨日も私も取材がありまして、上京した際にお付き合いさせていただいたのですが、恐らく明日以降の朝のTBSのテレビでも大きく出していただけるのではないかなというふうに思います。  カニといえば鳥取県ということを売り込む必要があると。蟹取県、そしてぜひ遊びに来てくださいと、こんなようなストーリーで多分番組はつくるのではないかなというふうに思いますが、これなども一つの知恵を出したところなのですね。どういうことかといいますと、まず500円でカウンターに行って、レジでコインを買ってくるわけです。コインを入れるとガチャガチャが回せるわけでありまして、そこから出てきて末等が500円の食事券、あるいはお買物券であると。末等が500円で買って500円のものが出てくるのですが、絶対損はないわけですね。そこにうまくすればカニだとかカニパフェ、カニ汁というものが当たりますよと。そういうことで射幸心をそそるわけでございまして、それにまた評判なものですから、朝開店前に今、行列ができるようになってきています。
     これはからくりを申しますと、実は県のほうで出しているお金は商品のお金だけで十分なのですね。500円のものを買ってもらって、500円の商品券を買ってうれしいわけですけれども、絶対損はないと。その分はお店にとっては必ず商品や食事が売れるわけですよね。ですから、その分は県の手出しはないわけです。だから、実は毎日の商品の部分だけ、この部分を乗せていればいいわけでありますので、実は少ないPR経費で蟹取県のイメージづくりをしようと。そこに蟹ガチャというちょっと今のトレンドのアイテムを加えてみたということです。  そういうようなことをやらせていただきまして、今後もPRに努めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)34番島谷議員 ◯34番(島谷龍司君)知事に答弁をいただきましたが、順次重ねて質問させていただきたいと思います。  まず、鳥取県孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例に関連して、重ねて質問したいと思います。  この条例を検討する過程で、先ほど知事もおっしゃいましたけれども、実態調査の実施や様々な関係団体との意見交換会、パブリックコメントなどを行われていますが、私もその結果等を見させていただきました。その中で、ヤングケアラーについても様々な御意見が寄せられています。例えば被援助者であるおばあさん、これは自身のおばあさんだと思いますが、「おばあさんは家族が世話をするものだと言っている。今後、要介護になったとしても、ヘルパーやデイサービスなどを利用しないと思われ、一生面倒を自分が見ないといけないと思うとつらい。」、「昨年度から国の事業でヤングケアラーへのヘルパー派遣が可能となった。県からの後押しがあればと思う。」、「本人は気づかず、周りから言われてヤングケアラーと気づくこともある。ヤングケアラーの自覚がない子もあり、子供自身がヘルパーに来てと声を上げることは難しい。」、「スクールソーシャルワーカーを増やし、ヤングケアラー、若者ケアラーの早期発見と具体的な支援につなげてほしい。各学校に1人は配置することが理想だと感じる。児童相談所やこども食堂や病院ともうまく連携してほしい。」、こういう意見が寄せられています。  本当に切実な状況を反映していると思いますが、これらの意見やこれまでの事業実施状況などを踏まえて、今後ヤングケアラー対策としてどのような力を入れていくべきと考え、どのような充実策を新年度予算に向けて検討しておられるのか、知事及び教育長の見解を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から、重ねてのお尋ねがございました。ヤングケアラーにつきましては、この条例というものが仮に制定されれば、それも土台にして次なる展開をというふうに考えているところでございます。  具体的に今やってみて効果があるなというふうに思われますのは、12月1日のフォーラムのときもそうでありますが、ヤングケアラーの当事者の方の声がほかの方々に伝わっていくこと、それによってこういうものだなというのが分かってくるということですね。  今まで我々ちょっと経験的に少し積んできて、ヤングケアラー対策のポイントになるかなというのは、第1はまず子供自身の気づき、自分はヤングケアラーで、もしかするとこれはちょっと支援を求めたほうがいいのではないかと、そういうことを気づいてもらう。それから、周りの大人や学校やら社会のほうで気づく、その気づきが2つ目でありますし、3つ目として、それに対する支援の政策、そして4つ目として、お互いのネットワーク、当事者の交流というようなことの4つがあると思うのですが、それぞれについて考えていくべきなのだろうというふうに思うのですね。  そうした意味で例えばSNSを活用するとか、それから支援につきましても家庭の中に入っていけるような支援制度を市町村のほうでもやっていただく。そういう意味で今、市町村とそれぞれ話をしているのですが、今4つほど、鳥取市をはじめ興味を示して、新年度向かっていただけるかなというのは子育て支援の特別の事業でありまして、家庭の中に行って家事援助をするということですね。今そういう事業に取り組もうという自治体を、声をかけて増やそうとしております。こうしたことなどをやはり精力的に展開していって、それでヤングケアラーの問題の軽減、少しでも解消につながるように取組を進めてまいりたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)島谷議員からの一般質問にお答え申し上げます。  ヤングケアラー対策における新年度、今後の取組、どんなところに力を入れていくべきかというお尋ねをいただきました。私のほうからは、学校としての役割という観点からお話をさせていただきたいと思います。  昨年9月のこの議会でも、今はいらっしゃいませんが藤井議員さん、それから語堂議員さんのほうにもお答えしました。学校としてのポイントは、やはり教職員を含めた3つだろうと思います。1つは、やはりヤングケアラーという存在に対しての理解をしっかりと教職員、そして学校として認識することだろうというふうに思います。どんな状況に置かれた子供さんなのか、ではそれにはどんな支援が必要なのか、あるいは学校としてしていくべきなのかといった基礎的な理解をしっかりと持つこと。そして2点目は、やはりこうすべきだというふうないきなり指導ではなく、カウンセリング的、つまり傾聴の姿勢を教員がまずしっかり持つことで、そうした困り感のある、悩み感のある子供たちの声をしっかりと聞き取ること。そして3点目は、やはりそれを教員個々ではなく、学校組織として対応していくということだろうなというふうに思っております。  先ほど知事のほうからもありましたが、6月からスタートしたLINE相談には、11月までで73件の相談があったというふうに伺っております。そんな中にはやはり切実に自分自身の悲しい切ない思いを伝えてきたような声もあり、要対協ケースだなというふうなことで児童相談所のほうにつなげたというふうなこともございます。つまり、やはり早く発見をして、早く適切な支援をしていく。そのために学校としてできるまず早期発見に向けた教職員の気づき、学校の気づきというふうなことを大切に取り組みたいというのが1点。  そしてもう1点は、やはり社会福祉の専門家であるSSW、スクールソーシャルワーカーの力をお借りするというのも大切な点でございます。この点は市町村教育委員会のほうとも年度ごとに連携を取りながら、その必要な数というものをお願いしてきているところでございます。今年度も現時点での市町村の要求、要望を取りまとめ中でございますが、そうした福祉の専門家の力もしっかりお借りしながら、学校の中で子供たちの支援につながる、ではそうしたことを来年度に向けてもより充実を図るように、市町村教育委員会と連携をして進めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)34番島谷議員 ◯34番(島谷龍司君)知事、教育長から答弁いただきました。答弁いただいたように、県だけで、ヤングケアラー問題、あるいは福祉の問題については解決できるということはありません。先ほど知事、教育長が言われたように、市町村との連携というのは本当に大切な重要な要素でありますし、それなくして福祉の課題を解決できるということはないと私も考えますので、ぜひ来年度以降にも力を注いでいただければというふうに思います。  それでは、条例に関して重ねて質問させていただきます。この条例は、先ほどからヤングケアラーを一つの例として取り上げさせていただいておりますけれども、それだけではございません。障害者など補助を必要とする本人への施策として、福祉サービスや就労支援などの充実を図ることも規定されています。  鳥取県の工賃は全国トップクラスとはいえ、月額平均1万9,203円と、一般就労に比較すると非常に低い現状にあり、いわゆるB型作業所では障害者である利用者は僅かな工賃しかもらえないため、就労意欲の低下のみならず、自己肯定感の低下につながっているのではないでしょうか。これは以前にも質問なり指摘をさせていただいております。  実際に今回のパブリックコメントでも、「頑張っても工賃が1日500円ではやる気も意欲も落ちる、工賃アップに県の協力をお願いしたい。」という意見も、当事者と思われる方から寄せられています。部品組立てを請け負う作業所が県内製造業のピラミッドに組み込まれ、低コストで作業できる便利な下請と化している事例もあり、作業所における労働は障害者からの搾取だと指摘する人もおられます。障害者の所得を向上させるためには一般就労を進めていくことが必要ですが、この一般就労を確保する制度としては、国が認定する特例子会社もありますが、近年、就労に困難を抱える方を多く受け入れる社会的企業としてソーシャルファームは誕生しています。ソーシャルファームの特徴は、障害者など就労に困難を抱える方が他の従業員と一緒に仕事をする場で、就労困難者を幅広くカバーする仕組みです。また、障害者手帳を所持していない精神障害、発達障害のある方やひきこもり、依存症の方など、様々な理由で就労が困難な方の受皿にもなり得、ソーシャルファームでは障害者の働く場所づくりから始まるため、集団行動が難しい精神障害者や発達障害者にもなじみやすいと言われています。  このソーシャルファームの理念は今回提案された条例の趣旨にも合致しており、援助を必要としている全ての方に必要な施策でもあり、ぜひ鳥取県としても進めていくべきではないでしょうか。このことについて、まず研究するところから始めてはいかがでしょう。知事の所見を伺います。  ソーシャルファームの導入は一例ではありますけれども、就労困難者の孤独・孤立を防ぐためには就労は非常に重要であり、福祉施策と労働施策の連携を密にして、孤独・孤立対策の一環として部局横断的に就労困難者の対策を図っていくべきだと考えます。  次年度当初予算として、具体の施策をぜひ検討していただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷議員から、重ねてのお尋ねがございました。このソーシャルファームを題材にしまして、次年度の施策についてもお話をいただいたところでございます。  ソーシャルファームというのは、イタリアのトリエステで始まったと言われていまして、バザーリアが始めたというふうにも言われるのですが、要は精神病の患者さんがいらっしゃると。そういう患者さんたちが病院を出た後に社会でどうしていくのか、そういう意味でそうした協同組合的な働く場というものをつくる、こういうことをしたのが原形になっていまして、世界的にもソーシャルファームという言葉が当てられて、ある意味普及してきているというか、その理念が広がってきているのだというふうに思います。  我が国におきましては、さっきおっしゃった特例子会社もいろんな持ち方がありまして、そういう特例子会社の中にも事実上ソーシャルファームとしてやっているところもあるのではないかと思われるものもございます。  本県は、議員も御高承のとおり賃金3倍増というのを目標に掲げて、全国の中でも急上昇して今、工賃を上げてきていると。おっしゃるようないろんな声がある中で、やはりやりがいに通じるような、売れるものを作って、それで工賃も上がるようにして、お客さんも来れば障害者の方も楽しいし、手応えを感じる。そういういい循環を起こそうということで、15年間かけて大分質的転換も図られてきたところであります。このことは日本財団も鳥取県の仕組みを評価していただき、全国の一つのリード役として集団での受注制度などをこちらでも展開してくださいました。  これと併せて正規就労ですね、おっしゃるのは一般就労をするというほうのことがまたもう一つ大事だということだと思います。これについては、平成27年に新規の障害者雇用1,000人創造しましょうと、そういう計画を立ち上げて一気に動き始めました。結果どうなっているかというと、平成18年頃から比べますと実雇用人数は倍増しております。特に平成27年以降、顕著に増えてきています。そのためには、経済界のほうにもきちんと理解をしていただいたり、それからある意味効率よく職をつくるという意味では特例子会社をやっていこうと。平成27年からやはりそうした特例子会社の支援制度もスタートしております。  そういう中に一例を言えば、倉吉の関金のところにドアーズという会社があるのですが、これはペットフードを作るわけですね。50人余り雇用されておられる。そこを我々のほうで支援しまして、そのうちの15名は障害者の方、そのほかに高齢者とか独り親家庭だとか、いろんな言わば課題を抱えた人たちが数多く就労して、もちろん一般の方もいらっしゃる。それで協同して仕事をするという意味で、多分ソーシャルファームというものに近いというか、その一つの形になっているのかなというふうにも思います。  鳥取市内でも愛ファクトリーさんが、青谷でやはり学校を使ってそうした事業所をつくっておられますけれども、これも多くの障害者の方が就労して、今ではベビーリーフなどの生産が定着をして、独り立ちできるような会社になってきています。こうしたものをやはり今後も実例としてつくっていく必要があるのだと思うのですね。  以前は本県の場合、三洋さんの特例子会社であるとか、ごく限られた、例えば大企業が言わば人格を切り離して別の法人をつくって、そこで障害者の方を雇う、それによって自分のところの障害者雇用にカウントしますという、そういう制度を言わば目当てとしてつくったものが多かったと思いますが、だんだんそうした特例子会社とはいっても実質上そうしたソーシャルファームのようなものもできてきていますし、これも活用できるのかなと思っています。  問題提起もいただきましたので、県外で行われているいろいろな実例とか、それから海外でのやり方だとか少し我々も研究をさせていただいて、ソーシャルファームの考え方を基に、さらに障害者の方の活躍の場、雇用の場というのを拡大できないか考えていければというふうに思います。  具体的にも、いわゆるあいサポート条例がありますが、あいサポート条例の29条だったと思いますけれども、就労ということは実はテーマになっています。議会の意思として、就労についてはそういう共生社会の大きなパートだということになっていまして、これの一つの表現としてそうしたソーシャルファームにも取り組んでいければと思います。  それで、新年度に向けて事業のほうは、部局横断でまた考えてみたいと思います。例えば仕事を出すにも、いわゆる農福連携というのがありました。ああいうのもやはり農林部局と福祉との協働によってできてきました。商工関係と福祉をまたつなげていくということでも、ここに雇用の創出のチャンスというのはあるのだと思います。これは県庁の中の縦割りを排除するだけでもなくて、例えば就労支援の組織、センターがございますけれども、こうしたところで福祉の手法と企業との連接、ここをつなげていくようにさせていただいていますし、また最近の生活困難者の支援センターみたいなものもございますが、そういう相談窓口などもやはり活用できるところもございますし、こうしたところをいろいろとつなぎ合わせて、どういうような形で社会の中でそうした自立というものを援助していけるのか、その辺は、予算のつくり方としても部局や制度の壁を越えて横断的に検討させていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)34番島谷議員 ◯34番(島谷龍司君)知事にソーシャルファームについてお答えいただきました。  知事がおっしゃったように、ソーシャルファームを運営する上では、やはり大企業が特例子会社としてやっているようなところは、基盤としてすごく充実していると思うのですけれども、これからそういう業態に頑張っていこうというところには、やはり伴走型の施策を展開していっていただければなというふうに思いますし、弱い立場の方々は一つの施策で本当に、何といいますか、支えられるということはありません。先ほど知事が申されたように、いろんな部署が横串を刺しながら、しっかりと支えていく社会になるようにしっかりと頑張っていただければなというふうに思います。  それでは、話題を変えまして、水産業に関連して重ねて追及していきたいと思います。  令和3年11月議会で、沿岸の水産振興に関して、藻場の消失と対策について知事に質問いたしました。知事も藻場の消失問題を重要視され、今年度、ムラサキウニの集中駆除につながっています。2年間かけてウニの集中駆除に取り組む計画とのことですけれども、現時点での駆除の状況と2か年かけて目指している駆除の内容について知事に伺います。  また、アワビやサザエの水揚げが年々減少しており、ウニを駆除するだけではなかなか資源回復にはつながらないと思いますが、ウニ駆除と今後の貝類や沿岸魚種の資源回復への取組の方向性について知事に伺います。  また、我が国では1990年代を境に漁業生産量は急減していますが、世界の漁業生産量は、養殖による生産量の増大で増加し続けている現状があります。2020年の漁業法改正により、海面養殖に民間が参入しやすい仕組みができていますが、御存じのように、本県では美保湾や漁港内の小規模養殖を除けば、適地となる沿岸は非常に少ない状況です。このように海面養殖に向かない地形であれば、水産業を振興させるためにも、海面の状況に左右されない陸上養殖への取組を県としてさらに取り組むべきと思います。  実例として網代漁港等に陸上養殖の施設等もありますが、先ほど取り上げた海の厄介者であるムラサキウニでも、山口県では駆除したムラサキウニを漁業者から買い取り、陸上で養殖している事業者もあると聞いていますし、岩手県、長崎県などでもウニの陸上養殖に取り組んでいます。  本県では、第8次栽培漁業基本計画を本年7月に取りまとめ、養殖、蓄養について新たに項目立てし、今後振興を図るとのことですが、今後の養殖や蓄養の振興について、県としてどのように取組を行っていくのか知事に伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて島谷議員から、水産につきましてお尋ねがございました。詳細は水産振興局長のほうからお答えも申し上げたいと思います。  海が、藻場が荒れてきた一つの原因がムラサキウニでありまして、賀露でそのことに立ち向かうブルーカーボンの取組をするときに、島谷議員にも参加をしていただきました。感謝を申し上げたいと思います。  そんなような形で今いろいろと展開をしておるわけでありまして、全県的にここのスポットを重点駆除していくということをやっております。例えば浜村とか福部だとか、あるいは岩美だったら東とか田後とか、また西部のほうで淀江だとか御来屋だとか、いろいろとそれぞれの地域でやっているところでございまして、我々が声をかけさせていただいた中で応じていただけました水産業者の皆様、漁業が多少手間がないときですね、それからボランティアダイバーは県内外からも集まっていますし、鳥大生のダイビングチームなどに御協力をいただいています。  これがまた全国でも割と取り上げていただいているブルーカーボンの取組になっています。成果は上がっています。多分想定以上に早いかもしれません。我々の目標としたレベルに大体達しておりまして、かなり速いスピードで駆除は進んでいるわけでありますが、2年間かけて集中してやろうと。そこの今度きれいになってきた海に、またもう一回養殖なり放流なりをやるわけですよね、あるいは藻場を造成すると。その藻場造成のためのアラメであるとか、いろいろと仕掛けをしていくということで、そうやってもう一度貝類の再生だとかを図っていく。  現在はどうなっているかというと、サザエも減っていますし、特にアワビがこの4~5年で半分ぐらいに漁獲が減ってきている割と顕著なところです。実はこういう貝類の採取漁業というのは、割と西のほうが多いのですよね。実はそこでの藻が貝類やそういう海の生き物の揺り籠のような役割を果たしているのですが、これをやはりウニが結局食べてしまうものですから、どんどん海が枯れていってしまうと。そういう磯焼け現象を回避しようとして、今これをやっているわけでありまして、このウニのほうの駆除が一定程度できてくれば、そこにもう一度、例えばアワビの稚貝だとか、そういうものの放流が効いてくる可能性があるわけでありまして、こういうようなことをいろいろとセットで今計画的に取り組んでいるという状況であります。  第8次の水産の養殖の計画のお話もおっしゃいました。例えばマサバの陸上養殖とか、それからムラサキウニも蓄養できないか等々、今、取り組んでいるところでございます。ムラサキウニはまだ試験的なところで、議場などでも取り上げられますけれども、全国でもまだそんなにうまくいっているわけではございません。やはりなかなか難しいのですね。例えば、レタスだとかそういうものを使えばいいではないかとよく言われるわけでありますが、レタスを食べさせてウニをつくってみるものの、その後、身が溶けてしまうというか、そういう現象に今突き当たっています。それでキャベツを試してみる。キャベツはまあまあいいかもしれない。そういうわけでいろいろとやっていまして、今ブロッコリーなども食べさせてみようと。そういう中で、うまくいけばそこで身太りがしてきまして、蓄養してムラサキウニも言わばお金に換えることができるようになるかもしれませんが、今そうした試験をしながら養殖の試行をしているというのが現状でございます。  それに比べてマサバだとか、あるいはギンザケだとか、ニジマスなどは一定のものは確立されつつありますが、そういうところでもいろいろと工夫をして効率を上げていこうということを今応援しようとしております。例えばマサバなども、岩美のほうでなかなか採算が難しいこともあって、経費を削減する意味で太陽光発電などを併用するというようなことをします。それが一定程度軌道に乗ってくるわけでありますが、蓄電池とかでそういうものの支援をさらに強めていくとか、いろいろと策を組み合わせながら対策を取っていく必要があるのかなというふうに考えております。  詳細につきましては、水産振興局長からお話し申し上げます。 ◯議長(内田博長君)國米水産振興局長 ◯水産振興局長(國米洋一君)ウニ駆除の状況、そういったあたりについて御答弁をさせていただきます。  令和4年6月から県下14地区で、漁業者と一般ボランティアによる海の集中駆除を開始したところでございます。これまでに、予定した地区はほぼ駆除を完了しております。  どういった状況になっているかと申しますと、目標は1平方メートル当たりウニが5個以下になるようにしたい。これを超えると非常に藻場が減っていくのですけれども、それ以下にすると藻場の減少が抑えられるということで、それを目標にしております。同じ地区を何回も駆除していく中で、かなりその目標に近づいてきているところでございます。  ダイバーさんとか漁業者の御意見も、やればやるほど減っていくのが目に見えてくるということで、非常にやる気を出していただいているところでございます。  今後は、来年度もさらに駆除に取り組みますので、さらに効果的な方法がないかとか、そういったあたりを関係者と集まって検討して、より効率的な駆除について進めていきたいと考えております。  その後、駆除した後にどうやっていくかということですけれども、知事も申し上げましたが、藻場を回復させることによって資源の回復につなげたい、そういったことで今、実はサザエとかアワビの種苗を放流してもなかなか増えないなということで、少し漁業者の方から何か元気が出ないという声も聞いておりますが、ウニを駆除して藻場が回復することによってそういう貝類も増えるという実感も感じていただいて、放流尾数を増やすとか、そういった取組も進めていきたいと思っております。  養殖についての今後の支援でございますが、これにつきましても、陸上養殖に対する助成制度、既存の業者さんに対する支援制度がない状況にございまして、新しいことに取り組みたいと、そういった声がある中で、何ができないかというのでちょっと当初予算の中で検討をしているところでございます。 ◯議長(内田博長君)34番島谷議員 ◯34番(島谷龍司君)知事、水産振興局長から答弁いただきましたが、先ほど申し上げました陸上養殖なのですけれども、本当に技術的にも、またいろいろな問題でかなり難しいというのは私も実感しております。  私の父親も漁業者でありましたが、30年前に漁業者でありながら漁協が勧めるヒラメの陸上養殖に取り組みました。沿岸漁業をしながらそういう養殖をやってみるというのは、やはりかなり困難です。漁業者としてそういうものに取り組むというのであれば専業でいかなければいけないと思いますが、でも、やはり漁協とかではなくて、こういうのは民間の会社、先ほどマサバの話なども出ましたが、そういうのがほとんどだったと思います。  養殖に対する助成制度としては、水産庁の助成制度では民間への支援は限られていますし、中小企業庁の補助制度も一次産業を対象外としています。県の助成制度は雇用増や新増設に着目した企業誘致をイメージした補助制度でありますが、陸上養殖業の実態は、先ほど申し上げた相当の設備投資を行って、売上げが生じるまでかなりのタイムラグや漁病の発生、電気系統トラブルによるリスクなど、技術的にはまだまだ発展途上の分野であり、30年たってもなかなか技術が確立されていない、そういう状況であり、絶えず追加の投資による生産性向上が必要と聞いています。  そのため、例えば県内の既存の事業者による飼育の効率化や、環境に配慮した飼育への投資などへの取組にも支援を行えるようにしてはどうかと考えます。先ほど局長もおっしゃいました、そこをしっかりとやっていただきたいと思いますが、いま一度知事の所見を聞かせていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷議員から、養殖業者に対する支援のお尋ねがございました。  おっしゃるように、普通の業態とは違いますし、また沿岸漁業だとかそうした漁業とも実は本質的には異なるものであります。一種の装置産業でありますし、さらには、何というか、いろんな工夫の仕方がいろいろと違うわけですよね。過去も実は私どもも直接向き合って、これが本県の養殖支援の端緒になりましたが、弓ヶ浜水産さんがいらっしゃいます。もともとはあちらの東北で営業していたわけでありますが、地震の影響でそこに一つちょっと課題を生じてしまったと。ただ、日本の養殖を続けたいという思いがあったので、我々もそれに応じて支援をしましょうと。それでこちらのほうで養殖ということを始めるわけですね。最初は非常にシンプルな、例えば投資額に対して何%だとか、そんなことをいろいろと考えながらの支援を企業誘致のように考えたりするわけでありますが、やはり必要となってくるのはその後いろいろと出てくるわけです。例えば養殖用の生けすがありますけれども、東北では必要なかったのですが、波が荒いものですから、やはりそれに蓋もしなければいけないとか、どんどんとオットセイなりなんなりが入ってくるものですから、そういうものを入れないようにする設備とか、さらにはそうした海上での自動給餌で、こういうものが結構有効だということで、自動給餌ということに移っていく。こういうようにして、実はニーズがニーズを呼ぶような形で、養殖の局面に応じた支援というのはやはり重要なのですね。  今、例えば話として持ち上がりかけているのは、小泉川の養魚場があります。清流でニジマスをつくっているわけであります。しかし、そこのところで今は手で、網ですくって、出荷するのに輸送車に載せるというようなことをやるわけでありますが、こういうものをやはり生産効率性を上げていくためにはポンプを使って送り出していくと。では、こういうものも例えば支援対象として考えたほうが、そうした生産効率を上げるためには役に立つということなわけですね。あるいは、病気対策だとかいろんなことがやはりあるわけでありまして、そういうような局面に即した助成制度というのも今後柔軟に弾力的に考えていく必要があると思います。  今回提案させていただいていますのも、餌代が高くなったので、その半分を見ようというものなわけでありますが、こういうものもやはり養殖の実態に応じた支援措置というものを考えているからでございまして、なかなかちょっと型にはまったようにはいかないところもありますので、議員がおっしゃるように柔軟、弾力的な制度設計というものに今後も努めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)34番島谷議員 ◯34番(島谷龍司君)知事には様々な課題について今日も答弁いただきましたし、これまでもいろんなことで鳥取県の代表として全国に発信していただいております。登壇での私に対する答弁の中にもありました、松葉ガニを例にしてですけれども、東京に行って一緒に知事とプロモーションの場に立たせていただきました。本当に自分を殺してといいますか、我々鳥取県のためにPRしていただいて、ブランド化を推進していただいております。  ただ、先ほどの松葉ガニといいますか、ズワイガニですが、やはり東京、首都圏では越前ガニ、あるいは加能ガニのブランド名に負けているというような言い方はちょっとおかしいのですけれども、やはりブランドの浸透がいま一つです。先ほど、一生に一度は食べてみればというようなことを言われましたけれども、私たちとしては、やはり1年に一度は食べてほしいなと、そしてトップブランドになってほしいなというふうに思っておりますし、今までの知事の努力がこれからの鳥取県政への発展になるように私は思っております。  先ほどの午前中の銀杏議員の質問に知事が答えられておりました。公明党として代表質問の代わりにということを言われておりました。私は全く個人的な意見として、知事、今まで以上に鳥取県を代表して鳥取県を売り込んでいただき、そしてこの鳥取県が売り込むだけではなく、いろんな施策を伴走型で、「走れメロス」ではないのですけれども、みんなが本当に幸せになるような鳥取県にしていただきたいと思っておりますが、知事、どういうふうに考えておられますか、お答えいただければというふうに思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷議員から、重ねてのお尋ねがございました。島谷議員とは、この議場にお見えになる前から、いろいろと観光だとか御活躍をされていて、御一緒させていただいた機会もございましたけれども、本当に精力的に動いておられることに敬意を表させていただきたいと思います。  島谷議員のように一生懸命されて、それで地域に身をささげておられる方と共に仕事ができたことは大変に自分も喜びでありますし、そういう意味では一つの手応えも感じさせていただきました。  これからまた、PRしていくということは多分まだまだなければならないと思いますし、我々は一つのメソッドを築きつつあるかなと思うのですね。この間も東京で一緒に売り込みをさせていただきましたが、非常に食いつきがよくなってきたと。15年前はああいう感じには多分ならなかったですが、その前提として、やはり例えば世界ギネスブックにカニ500万円というのを載せてみるとか、そういうちょっと一つ踏み込んだことをやり続けたことの成果が、徐々に表れてきているのかもしれません。  そういう意味で、自分自身なかなか手が抜けない性格なものですから、やり始めると没入してしまいまして、ちょっとカニの格好をしてみたりとかいろいろやってみたりもするわけでございますが、自分自身これから次の4年間に向けてどういうふうに考えをまとめるべきかというのを、また島谷県議と一緒にこれまで走ってきたことを思い起こしながら考えてみたいというふうに思います。  「手も足も室いっぱいに投げ出してやがて静かに起きかへるかな」と石川啄木が歌っているわけですね。正直、私も手も足も全部投げ出して、今までずっと休む間もないところでございますので、そういう時間も必要かなという思いが正直ないわけではございませんが、同じ啄木が、やはりこういうことも言っているわけでありまして、仕事をして、それで息もつかず仕事をしたということということのその疲れが心地よいというようにもまた歌っている歌もございまして、「ぢっと手を見る」という姿の啄木もあれば、仕事をして息もつかずやることに喜びを実は感じている姿もあると。私自身も今、そうして少し心静かに考えていますと、いろんな自分が見えてくるのかなというふうにも思っているわけであります。  大切なのは、この鳥取県、そして県民のために、自分自身はどうするのが自分よりも県民の皆さんのためにとってよいことなのか、そこの答えをもう少し考えてみたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)34番島谷議員 ◯34番(島谷龍司君)本当に知事、お疲れさまです。でも、ランニングハイではないですけれども、働き続けることに喜びを感じるということもあります。ぜひ頑張っていただければというふうに思って、私の質問を終わらせていただきます。 ◯議長(内田博長君)次に、議案第23号「令和4年度鳥取県一般会計補正予算(第7号)」を議題といたします。  まず、所管常任委員長に順次審査結果の報告を求めます。  農林水産商工常任委員長松田正議員 ◯農林水産商工常任委員長(松田正君)(登壇)本会議から、農林水産商工常任委員会に付託されました議案につきまして、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。  本委員会所管の議案第23号「令和4年度鳥取県一般会計補正予算(第7号)」は、妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  これをもちまして、本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(内田博長君)総務教育常任委員長常田賢二議員 ◯総務教育常任委員長(常田賢二君)(登壇)本会議から、総務教育常任委員会に付託されました議案につきまして、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。
     本委員会所管の議案第23号「令和4年度鳥取県一般会計補正予算(第7号)」は、妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  これをもちまして、本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(内田博長君)以上で、所管常任委員長の審査結果の報告は終わりました。  ただいまの委員長報告に対する質疑の通告及び討論の通告はありませんので、これより議案について起立により採決いたします。  議案第23号「令和4年度鳥取県一般会計補正予算(第7号)」は、委員長の報告のとおり、原案を可決することに賛成の議員の起立を求めます。  〔賛成者起立〕  起立全員であります。  よって、本議案は、原案のとおり可決されました。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時47分散会    ────────────────...