• 418(/)
ツイート シェア
  1. 鳥取県議会 2022-05-01
    令和4年5月定例会(第5号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第2号「令和4年度鳥取県一般会計補正予算(第2号)」から第8号「特定希少野生動植物の種の指定及び解除について」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  17番濱辺義孝議員 ◯17番(濱辺義孝君)(登壇、拍手)皆様、おはようございます。公明党の濱辺義孝でございます。  ウクライナ情勢において、即時停戦を心よりお祈りいたします。また、犠牲になられた皆様に心より御冥福をお祈りいたします。  新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、医療、介護、教育など、現場で支えていただいている皆様、知事はじめ県職員の皆様、御尽力いただいている関係者の皆様に心より感謝申し上げます。  それでは、通告に従い質問をさせていただきます。  初めに、育児・介護休業法について伺います。  このたび出産、育児等による労働者の離職防止や男女ともに仕事と育児等の両立ができるようにするために、育児・介護休業法が改正され、令和4年4月より施行されました。内容は、柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備や労働者に対する個別の周知、意向確認措置の義務づけ、また、育児休業給付に関する所要の規定整備などの措置を講ずるものです。  概要については、1、男性育児休業取得促進のため産後パパ育休の創設、2、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠、出産の申出をした労働者に対する個別の周知、意向確認の措置の義務づけ、3、育児休業を分割して2回まで取得することを可能とする、4、育児休業取得状況の公表(労働者1,000人を超える事業主)の義務づけ、5、有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和、6、育児休業給付に関する所要規定の整備など、以上6項目が改定の柱となっています。  今回の質問に当たり、担当課よりお話を聞かせていただき、男性育休実態調査の資料を頂きました。この資料は、積水ハウス株式会社が男性の育児休業取得を、よりよい社会づくりのきっかけとしたい思いから調査を実施されたものです。資料名は「男性育休白書2021」で、日本全国の小学生以下の子供を持つ男女に男性育休の実態の調査であります。  その資料によると、男性育休制度に9割が賛成し、取得意向が男女とも高まっている。二十歳代男性は、上司からの指示や職場の協力体制が育休取得の後押しになる。育児休業法において育休取得後は生産性の向上を8割が実感など、調査結果を拝見しました。若者の育児休業の積極的な活用が、仕事における生産性の向上など、すばらしい結果が出ていることに驚きました。  この調査の結果を見ると、育児・介護休業法は、若者にとって、仕事と子育ての両立をさせるための重要な法律だと思います。  また、別の資料では、全国男性職員育児休業取得率は、令和2年度、13.2%で、前年度比5.2ポイント増と、近年増加傾向にありますが、国家公務員の取得率の29%と比べて低い水準にあり、その差は拡大しています。ほかにも、配偶者出産休暇及び育児参加のための休暇については、両休暇合わせて5日以上取得した職員の割合が37%で、前年度比9.1ポイント増加しているものの、国家公務員の取得率は令和2年度、84.9%であり、国家公務員と比べれば低水準であることが分かります。  なお、全国都道府県男性職員育児休業取得率において、鳥取県は29.1%で全国第1位でありました。そのほか幾つかの部門がありますが、警察部門においても鳥取県が53.3%、他県よりも断トツで1位でした。鳥取県の知事部局、県警本部においては、男性育休の取得率はどちらも全国1位で、すばらしい成果を出されています。  以上のことから、全国民間企業男性育休率はまだ低いようですが、鳥取県では企業の男性育休取得に対する実態調査はされているのでしょうか。県内の企業の育休取得率を伺います。  私は、このような調査の結果を見たときに、若者への育休取得促進は、これから強く推進すべきだと感じました。
     改正育児介護休業法では、事業主、労働者理解を深めるために必要な広報活動を行う事業主、事業団体その他関係者に対して給付金が受けられる制度もあるようです。国の制度、財源を活用し、より多くの県内企業に、この法律の取組が推進できるように取り組んでいただければと思いますが、知事の考えを伺います。  次に、労働者協同組合法について伺います。  今回の一般質問に当たり、この組合法の成立に向け長年取り組んでこられた特定非営利法人ワーカーズコープ様にお世話になり、勉強させていただきました。  労働者協同組合法制定までの経緯について話しますと、1995年1月、阪神・淡路大震災で救助活動や避難所生活への支援における行政の対応に限界があった一方で、市民の自主的、自発的な活動には目覚ましいものがありました。このことから、非営利団体の活動を活性化する環境整備を図ることは、極めて重要かつ喫緊の政治課題として認識され、与野党による活発な議論を経て、1998年3月、NPO法議員立法として成立しました。一方、協同労働組合は、NPO法人と並ぶ形態であると期待されていましたが、法人化への動きはありませんでした。  NPO法の施行から2年後、2001年3月、国会において初めて協同労働に関する質疑が行われ、当時、公明党の坂口力厚生労働大臣は、多様な働き方を前提とした就業環境の整備は重要であり、人々の意欲と能力が生かされる社会の実現に向けて真剣に取り組みたいとの答弁を行いました。NPO法が施行されましたが、地域社会のニーズを受けて、2008年2月、協同労働法制化市民会議から要請を受けて、超党派の国会議員により協同出資協同経営で働く協同組合法を考える議員連盟が設立されましたが、坂口議員が引退、法案成立には至りませんでした。  2012年に再び超党派の協同組合振興研究議員連盟が再編成されました。会長に自民党、河村建夫議員事務局長立憲民主党篠原孝議員幹事長代理に公明党、桝屋敬悟議員がそれぞれ就任し、再び超党派で法制化を目指すことになりました。  2015年に一億総活躍国民会議が設置され、ニッポン一億総活躍プランにおいて、男性も女性もお年寄りも、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、誰もが活躍できる言わば全員参加型の社会という、一億総活躍社会の形成を目指すことになりました。これは協同組合の理念と通ずるものがありました。  法制化を加速させるために、2017年3月、与党政策責任者会議の下、自民党、田村憲久衆議院議員を座長として、与党協同労働の法制化に関するワーキングチームを設置しました。  労働者協同組合法の基本的な特徴は、1、組合員が出資(出資原則)、2、組合員の意見を反映した事業の運営(意見反映原則)、3、組合員自ら事業に従事(従事原則)など、協同労働の理念に従って事業が行われることを主眼とするものであり、労働者協同組合法では3つの原則を基本原則とし、協同労働の理念に従って事業が行われることを法律上担保しています。この点が他の協同組合NPO法人と大きな違いがあります。  また、労働者協同組合法における協同組合は、所轄の認可や承認なしに3人以上の発起人で設立することが可能です。これまでの地域事業を担ってきた企業組合やNPOより手続が簡単となっているため、広く活用できます。そのため、組合法の活用は、多様な就労機会の創出、地域の多様な需要に応じた事業の促進、持続可能で活力ある地域社会の実現に向けて大きく期待されることを、今回のワーカーズコープ様の勉強会で学びました。  令和3年2月定例会では、労働者協同組合法について質問させていただきました。知事からの答弁で、この法律の特徴として、「自ら出資して働く場所をつくる。新しいジャンルの働き方、あるいは社会貢献など可能性を持っている。NPOからこの組合のほうに転換するということも認められているので、取組が円滑に進むように県庁内での連絡会議のようなものを組織してまいりたいと思います。」との答弁をいただきました。あれから1年がたちました。どのような連絡会議、組織ができたのでしょうか、知事に伺います。  また、令和3年度当初予算では、行政書士の皆さんと連携し、相談窓口を設置していただきました。これまでの相談件数及び取組状況はどうだったのでしょうか、知事に伺います。  他県において、徳島県では、とくしま協同労働サポート事業の開始や、広島市では、協同労働プラットフォームモデル事業など、事業が開始されています。鳥取県の抱える課題解決に向けて、この組合法を活用するためのプロジェクトチーム研究チームなどをつくり、取り組んではどうでしょうか。知事に伺います。  以上で壇上からの質問を終了いたします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺議員一般質問にお答えを申し上げます。  まず、改正育児介護休業法についてお話がございました。それにつきまして、企業の男性育休実態調査、あるいは取得率、そういうものはどうだったのか、さらに、国の制度、財源を利用するなどして推進を図るべきではないか、こういうお尋ねをいただきました。  これにつきましては、改正育児介護休業法が昨年6月9日に公布をされまして、いよいよこれが動き出し、4月に入りまして施行がされてきたということでございます。  段階的にこれは施行されていきます。まず、この4月からは、中小企業も含めまして、企業における環境づくり、例えば相談窓口をどうするかとか、育児休業を取ったらどうですか、というふうに案内をする、そういうことが会社の中で行われる。それが4月1日から始まることになります。また、10月に入りまして、今度は産後パパ育休、そういう新しい制度が始まったり、育休の分割取得が可能になるということになります。さらには、来年の4月、年度がまた改まったところで、1,000人以上の規模の会社については、育休の取得状況の開示義務が生じるということであります。こういうふうに段階的にいきますが、特にこの4月、多くの企業さんに、この育休というものをお勧めすることになりますので、そういう意味で、今、非常に重要なタイミングを迎えているということであります。ここに向けまして、私どもも様々な啓発活動をやってまいりましたし、4月号のとっとり県政だよりの中でもこの育休など、働き方改革を取り扱わせていただきました。  議員の御指摘の調査につきましては、実は私ども、職場の勤務環境について、3年に一度、そうした照会物をさせていただいています。職場環境等実態調査でございますが、これによりますと、昨年調査をするタイミングとなりましたが、昨年度、13.4%の方が取得をされているという民間企業の実態が分かりました。これはその3年前の前回調査からしますと5%台だったものが7%強増えてきていると。ですから、倍以上に急上昇しています。そういう意味で、我々も女性活躍推進会議など、官民のプラットフォームを立ち上げまして、こういう働き方改革を進め、そして育児への男性の参画もお勧めをしてきたということがありまして、その効果は一定程度現れているのかなということであります。  それから、男性職員に育休を取りたいですか、というお問合せもアンケートの中でさせていただいていますが、半分の職員、5割の方がイエスということでありました。特に若手の方、まさに出産年齢といいますか、子育て期の方々で見ますと3分の2の方、66%強の方が育休を取ってみたいということであります。また、事業主のほうで、こういう男性育休について取ってもらう必要があるかと、これについては、4分の3の方がイエスというふうに言っています。  ですから、議員も御指摘がございましたが、そういう男性育休についての社会的認知度や理解は急速に広まってきておりますし、確かに13.4%ということで、必ずしも高いと言えるかどうかはありますけれども、ただ、全国的に見るとそこそこ今上がってきているという状態かなと思います。  私ども鳥取県は、実は先般、総務副大臣のほうに呼ばれまして、自治体向けの広報誌用として対談をさせていただきました。そのテーマは育休の取得ということでございまして、この4月から新しい改正育児介護休業法が施行されたわけでありますので、それを捉えて全国の地方公務員向けの取材として、鳥取県のほうに御依頼があったのだろうと思いました。  お会いしてみますと、いろいろ国としても鳥取県の取組には注目をされていまして、先ほど議員がおっしゃった29%が男性育休を取得しているというデータなのですが、実は知事部局だけ取りますと、直近の、今一番最新の数字だと、もう5割近くになっています。47%ぐらいですかね、かなり高くなっています。さらに、先ほど御指摘ありましたように、警察本部におきましては、50%を超える取得率になっているわけですね。これはやはり国全体から見ると驚異的なようであります。副大臣のほうから、警察は非常に取得が困難な職場ではないかと、どうやったのですかというお話がありまして、これは実は皆さんも御案内のように、佐野さんという女性の本部長が着任をされました。そのときに、一つ彼女も使命感を持たれて、こういう子育て環境というのを警察という職場でも実現しなければいけないのではないかと、それで警務部長さんのほうから全職場に向けて取得促進の号令をかけられる。また、直接対話をされて、職場でのそうした環境を整えるということをされる。こういうことがやはり大きな効果を上げたのだと思います。  私ども知事部局では、イクボス・ファミボスということを各職場で宣言をしていただき、イクボス憲章というのも、かつてつくっております。そうやって、やはり管理職の皆さんにリーダーシップを発揮してもらうことが大切なのですね。恐らく今、また急上昇して、直近で5割近くになっているというのは理由があって、自己評価シートを作ってもらうわけですね。育休の取得も含めた育児のプランというものを出産前の段階で男性職員にもつくってもらうと。もちろん職場のほうではそういうことを呼びかけます。  総務省も興味を持っていただいたのは、本県独自のやり方ですけれども、イクボス度というのも評価対象になっていまして、職場の皆さんが上司をイクボス度は高いですよと評価しますとボーナスを弾むようになっているのですね。大体0.1か月分ぐらい上乗せをするということになっていまして、これで大体全体の1割弱ぐらいの管理職が、毎回評価対象でプラスになっています。こういうことで、職場文化を私もちょっと主導しながら大幅に変えていったと、それで皆さん、取得しても大丈夫ということになってきたのではないかなということであります。  こういうようなことに加えて、こういうことをまた企業の皆さんにもいろいろと知っていただくことも非常に重要かなと思いますし、恐らくそうした意味で、これは人事の問題なので、基本的には、やはりリーダーシップが一つは重要でありますし、職場の中で休むことは当たり前だよというふうにみんな思うという文化の改革ということが重要なのですね。その辺はメッセージとして多分、近々全国の公務員の皆様には伝わると思いますし、実は県内でもそうしたことを女性活躍推進会議などで広報して、今、企業のほうも急速に上がってきているということだと思います。  それで、おっしゃるような促進策としては、国のほうでも、確かに両立支援プランナーというものを用意していくような制度でありますとか、両立支援の支援金というものを出すということも始まっています。  私どもは、かなり前から、男性育休取得促進中小企業向け補助制度を始めていまして、平成30年にはイクボス・ファミボスの支援として、介護休暇など様々な休業制度も含めた制度に統合させていただいて、今やっております。  そうしたことなどでやっていますが、例えば、このたび、将来世代応援知事同盟の表彰対象ということで来庁していただきましたが、倉吉自動車学校さん、こちらの会社では100%男性育児休業が進んだということになりました。これは結局、もちろん補助制度で促進しているということもあるのですが、やはり皆さん、休むことが当たり前みたいになっているわけですね。社長さんも女性の方で、そういう意味で、休みやすいとか理解があるという職場の雰囲気も多分あるのだと思います。また、この倉吉自動車学校さんは面白いことをやっていまして、お客さんである教習生がいますが、子育て支援をするわけですね。お子さんがいる方でも安心して教習が受けられるように託児などをやると。そういうことをやって、会社自体も、そういうファミリーオリエンテッドといいますか、家庭支援に向いているということです。  こういう会社をだんだんと増やすことが必要でありまして、議員が今おっしゃったように、国の制度もございますし、県のほうでも支援策をつくっておりますので、この辺を周知したり、何よりそういう一つのポイントですね、職場文化だとか、リーダーシップだとか、そうしたところが非常に重要であると。また、それが中小企業の多い鳥取県としては、有為な人材に定着してもらったり就職してもらう非常に大きなインセンティブになりますので、そうしたことを周知徹底してまいりたいと思います。  次に、労働者協同組合法につきましてお尋ねがございました。これについては、県のほうでどういう組織的な取組をしているのか、相談状況などはどうなのか、また、徳島県等の例を引かれたわけでありますが、プロジェクトチーム研究チームなどをつくってはどうかと、こういうお尋ねでございます。  労働者協同組合法につきましては、さっきお話しになりました坂口力先生は、厚生労働大臣をされていたということもありまして、非常にこれに力を入れておられました。また、お辞めになられましたが、桝屋敬悟先生もたしか事務局長か何か、議連の中でも役をされて、活躍をされておられました。おっしゃった前の厚生労働大臣の田村先生。こうした方々などが中心になりまして、議員立法がこのたび成立をして、長年の懸案でありましたけれども、いよいよ施行に至るというところになりました。  これにつきましては、昨年の4月、令和3年度の当初予算で本県も対策を入れておりまして、これは全国で見ると一番早いタイミングで、実は投入させていただいています。その時期から相談窓口を開設し、庁内でも連絡会議をつくりまして、この制度の定着を各方面に呼びかける体制づくりをしてまいりました。法手続もこのたび明らかになりました。ようやく5月27日に政府のほうから制度の詳細が示されたのです。これを今月、各部局に徹底をさせていただいて、市町村にもお知らせをしていきたいというふうに思いますが、ちょっとそういう意味で制度が切り替わってきましたし、議員のほうからもお話がありましたので、今、庁内連絡会議がありますけれども、これをワーキングチームのようにして、改めて各方面にも呼びかけをさせていただきたいというふうに思います。  相談の状況、今は行政書士会が受皿になっていただきました。行政書士会は、当然ながら法人設立の事務などに明るいので、先方も非常に意欲的ですし、今もしっかりやっていただいております。ただ、例えばNPO法人でも法人格は今取れる時代ですので、必ずしも労働者協同組合で法人格を取らなくても活動できるということもあり、非常に限られた分野の方々という感じがしますけれども、相談は現在も一定程度は来ておられます。ただ、全部でまだ今のところは3件でございまして、これからもそうした相談窓口をいろいろと御案内をさせていただきたいと思います。  議員がおっしゃるようにこれは出資をするということがありまして、そういう意味で、もともとは戦後の混乱期の中で、自分たちで仕事をつくって公益的なことをやっていこうという志から生まれたのがワーカーズコープさんだとか、こういう組合の形態でございまして、今にすると例えば小さなそれぞれ自由業のようにやっている人たちがまとまるとか、今まで相談を受けている感じではそういうようなことにどうも使われるのかなという感じがいたします。ですから、制度も明らかになりましたので、この新しい法律の枠組みを利用できるような人たちが多分これから真剣に利用を考えられるという段階かなと思います。その辺、今の相談状況なども見ながら、我々としてもどういう方々がこういうのを使えますよという案内をするのかなど、よく研究もしながら、奨励も図ってまいりたいというふうに思います。  徳島県のやり方ですけれども、実は本県と割と似たことをされています。正直な話をしますと、徳島県さんからこちらに調査が来まして、私どものやっていることを見て、あちらは昨年の補正予算で制度化されています。ですから割と双子の制度のような形になっていますので、よく似たことをあちらもされているのではないかなというふうに思います。  せっかく国会のほうでも志を持って制度をまとめていただきましたので、しっかり周知も図ってまいりまして、いろんな方々が力を合わせて働ける、そういう鳥取県を目指してまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)17番濱辺議員 ◯17番(濱辺義孝君)それぞれ答弁をいただきました。答弁を聞きますと、かなり県としては取り組んでいただいているということを強く感じさせていただきました。一応追及を準備しておりますので、追及させていただきたいと思います。  育児・介護休業について、順次質問させていただきます。  この追及は、今、知事が答弁していただいた内容ではかなり進んだ施策というか、いろいろやっていただいていますので、ちょっと追及になるかどうかはあれですけれども、質問させていただきたいと思います。  状況を見ますと、私自身もまちを歩いていますと、今、若い御家族が、お父さんのほうが子供さんを抱いて、また、乳母車を動かしている様子をよく見かけるのです。私たち、自分だけかも分かりませんけれども、自分のときには、もう全て嫁に任す、歩いていても嫁が子供をだっこしている、子供をあやしているという、まちを歩いているとそういう光景をもう多く見ました。そういう背景を感じたときに、今の若い御家族の家族のスタイルというか、これは変わってきているなということを強く感じているところであります。本当に今がそういう家族の中でお父さんもお母さんも子育てに携わっていく、こういうチャンスが来ているのではないかということを、今、まちを歩いていて感じさせていただきました。  それで、今回の質問になるのですけれども、県の職員の方、また県警本部長、警察の本部の方、それぞれのやはり努力で、職場の上司、知事はじめ職場の皆さんの努力で、国の先進県といいますか、そういうことでアップしています。ただ、自分がお世話になっている企業さんの中には、やはり企業の中での人材不足であったりとか、特に今、コロナという状況もあって、密にならないように仕事するためのいろんな策が取り組まれております。そういう意味では、育児休暇で例えば休んでいいのかどうかという、社員の皆さんがやはり遠慮するような環境にあるのではないかなというふうに感じます。そういう面では、県で要はいろんな制度をつくっていただいて、企業を応援していただいているのですけれども、でもその辺のところをもう一度それでいいのかどうか、またそういう調査をしていただいて、ニーズの高い支援を検討していただけないでしょうか、知事に伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺県議から重ねてのお尋ねがございました。  議員がおっしゃるように、理想は理想として、現実どういうふうにやれるか、そのためのサポートはどういうものが公的にあるのか、これはこれから重要なテーマになると思います。現実にも、今日も一つの潮目かと思いますが、骨太の方針だとか、例えば新しい資本主義であるだとか、全世代型社会保障、そういうことが今、政府のほうで検討されています。公明党さんも大きな影響力を発揮しながらされているのだと思います。  例えば先月の17日には、全世代型の社会保障についての枠組みといいますか、素案というものが、まずは第1段階だと思いますが、出てきました。ここに書いてありましたのは、男女ともに安心して働ける社会づくりという、そういうテーゼがあるのですね。それから、先月末に明らかになった骨太の方針や新しい資本主義、こういう素案のもの、多分本格的にはもう決まる頃だと思いますが、先月末の素案段階でも、男性の育児休業取得促進であるとか、やはり男女共同参画にふさわしいような職場づくり、こうしたことが大きなテーマとして今取り上げられるようになっているのですね。あたかも、おっしゃる育児・介護休業法の改正ということも本格的に今動き出す。ですから、この時期に新しい経済の構造、会社の仕組み、社会構造として、私たちはこれを目指すというのが政府の大方針になってくると、それに向けて、今、骨太の方針などが示されるということは、そのための国の施策が、何らかこれから出てくるということです。ですから、これから政府を挙げて、今、議員がおっしゃるような、非常に困難を解決していかなければいけない個々の企業に寄り添った対策というのが恐らく出てくると思いますので、そこに注目をしてまいりたいというふうに思います。  それで、我々のほうでは職場環境の調査を3年に一度しておりまして、それである程度見えてくる内容というのも出てきております。事業主のほうから見て、例えばどういうことが休業取得で障害となり得るかというようなことをお尋ねしますと、やはり多く聞かれるのは、ほかの職員に、ほかの社員さんに負担が増えてしまうというようなこと、それから、代替のようなことが急に要員として利かないのではないかというようなことがあるわけであります。あと、御本人、休業を取らない若い方がまだ多いですね。87%ぐらいですから。そういう方々にお伺いをしますと、収入面で不安があるということなわけです。それで、実は、これは我々の公務のほうでも今やっているのですけれども、現状でもある程度解決策もあり得ると思っているのですね。例えば先ほど警察のことをお褒めいただきましたけれども、警察でそうやってそれだけ取得できる。本来、副大臣がおっしゃるように取りにくい職場だろうと思われるのですが、そのために例えばこういう事件を抱えているというようなことを全部整理しながら引継ぎをされるわけですよね。こういう職場環境をつくっていくことがやはり重要であるというのは、一つ我々の経験からも見えるところです。  それから、本人が将来不安だということがある。つまり休業になりますと所得がどうせ減ります。ただ、今、育児休業手当というのが出るわけですね。我々公務員でいうと、共済組合のほうからそういうものが出ます。ただ、もちろん全額は出ない。だから働かなければ駄目だというふうに思うわけです。そこで、鳥取県庁では職員に計算してもらうということをやっているのです。これが意外に分かりやすいのだろうと思うのですが、計算してみますと、確かにその間の給与はカットになる。ただ、休業手当が出ますと。そのほかが実はありまして、私たち公務員の常識的なことなのですが、共済組合に支払うお金とか、職員互助会というのがありまして、職員互助会のほうに払うお金などがあるのです。こういうものがその間徴収免除になるのですね。徴収免除になると、実はこれはとんとんか、むしろ浮くぐらいであるということなのです。ですから、決して収入面で過度に恐れる必要はないと。家族の幸せとか自分の生きがいとかを考えた場合に、そういう選択は十分金銭的にも可能だよというのを皆さんに計算してもらうようにしたのですね。こういうことがあって、ぱあんと本県も取得率が跳ね上がってきているというようなことであります。今、一月以上の休業を鳥取県の知事部局でお勧めをしているのですが、実にこれが今直近では9割が一月以上長期で取ってもらえると。これは中途半端に取るよりは、そうやって取ったほうがそういう免除だとか休業手当の面でも計算上、割としっかりしやすいということも多分あるのだと思います。  ですから、そういうようなことで、今、いろんな仕組みができてきていますから、そういうものを御案内したりして、なかなか難しいことは難しいのですけれども、やはり男性でも女性でも、それぞれに家庭と仕事を両立しながら生きていく、そういうことができる社会に向けて、一歩ずつではありますが、広報啓発活動を進めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)17番濱辺議員 ◯17番(濱辺義孝君)答弁いただきました。いろいろと課題も調査されて見えている。しっかり推進のほうをお願いします。  それで、1つだけちょっと紹介したいのが、これは、大阪教育大学の教授が3人の子供さんがおられて、育休を3回取得した経験が載っていました。その中で気になったところをちょっと御紹介させてもらうと、最後に、今後、ますます男性育休は注目を集めるでしょうが、男性サイドだけの視点ではうまくいかず、女性や子供の視点も加味することが必要です。そして、育休を取るだけでよいわけではありません。この制度は父親と家族が幸せになるためのものです。男性の育休取得は、ゴールではなくスタートです。子育てしたときを思い出した教授の話が載っておりました。本当にこのとおりだと思います。しっかり今の若い方々がこれからの家族のスタイルをつくってもらいたいと思いますので、紹介させてもらいました。  それでは、次に、労働協働組合法について質問させていただきます。  この労働者協同組合における労働者組合は、所轄の認可や承認なしで3人以上の発起人で設立することが可能になります。これまで地域事業を担ってきた企業組合やNPOよりも手続が簡単になっているために、広く活用されることが期待される法律です。  それで、今、あまり周知されていない、分からないということが、私自身、課題だと思っております。  そこで、このことに対して、長年、労働協同組合法の法制化に向けて活動されてきたワーカーズコープのお手伝いをいただき、また、こういうことに携わってきた皆さんのお手伝いをいただき、研修会、フォーラムなどを開催するなどして周知に取り組むことが大切だと思いますが、知事に伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺議員から重ねてのお尋ねがございました。  やはりワーカーズコープさん、あるいは労働者協同組合というもの、この存在意義ということ、制度の目指すところを我々もよく社会的認知を得ていく必要があると思います。法律的にはまだできたばかりの制度であります。もともとは坂口先生もそこを念頭に置いて、このことを強く主張されていたわけでありますけれども、戦後の混乱の中で、失業対策事業を国が主導してやったわけです。これは地方公共団体も失業対策事業として、国の号令の下、やっている。そういう一種の公共事業のようなものでありますが、そうしたことを打ち切ったわけですね。政府のほうでは、もう戦後のそういう仕事がないという状況はなくなったということで打ち切ったわけでありますが、そこで特にその頃年齢が上がって中高年になった方々が、やはり自分たちの能力を生かそうと、そういう意味でこうした労働者協同組合の法律が決まりましたが、ワーカーズコープが全国的に組織されて広がっていったということであります。  多分その理念というのは、公共的なことでいろいろとできることがあるのではないかという理想を持って、それで自分たちで出資をしながら仕事をつくっていく、同時にそれが公益の役に立つ。こういうスタイルが一つのモデルとして出来上がったのだと思います。そのことの意義というのは、やはり知っていただく必要があるのかなと。私どもでいいますと、例えばこども食堂さんであるとか、そのほかにもいろいろと居場所づくりであるとか、そうしたことでワーカーズコープさんに本県ではお世話になっていますし、また、このたびのコロナのときもワーカーズコープさんのほうから御寄附をいただくなどしまして、医療従事者向けだとか、そうした物資を頂きましたが、そういうことにも関わっておられたり、いろいろと手広く今は事業をされています。  このワーカーズコープさんの系列以外でも、同じように志を持って出資をしながら、自分たちの言わば、レゾンデートルを確立する法人をつくろうということはあり得るわけです。  したがいまして、今、ちょうど5月27日にようやく制度の枠組みが分かりましたので、例えば議会が終わって来月とか、この夏の段階で周知徹底のフォーラムをさせていただいてはどうかなと思います。今、窓口をやっていただいています行政書士会であるとか、それから、ワーカーズコープさんもその実践者でございますので、そうした方々にも御協力をいただいて、県民の皆様、あるいは市町村、あるいは労働関係、そうした関係者の方々に理解していただくような制度の周知のPRイベントをさせていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)17番濱辺議員 ◯17番(濱辺義孝君)先ほど言い忘れていましたけれども、昨年、鳥取県で相談窓口を設置いただいたことにワーカーズコープさんは大変感謝されておりました。先進的に取り組んでいただいているということで感謝されていましたので、これをお伝えいたします。  それで、もう一度追及ですけれども、今回の相談窓口を、行政書士へ委託して、皆さんにお世話になっているということなのですけれども、今の相談窓口の体制にプラスして、地域の課題解決に向けたノウハウを持った方々の応援ができるような新たな相談体制の整備が必要だと感じますけれども、知事に伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)先ほどお話もございましたが、全国に先駆けて相談窓口は今つくっております。そういう意味で、今、行政書士会のほうで、13人で相談受付のチームをつくっていただきまして、これで相談体制を整えてやっているということであります。恐らくこれは継続したらいいかなと思いますが、あわせて、濱辺議員からも重ねてお話もございましたので、例えばワーカーズコープさんのような既に実践されている方々が、こういうふうにやれば法人も活性化するよとか、つくる値打ちがありますよとか、そういうことを相談できる別のノウハウもお持ちだと思うのですね。ですから、ちょっと協議させていただきたいと思いますが、そういうワーカーズコープさんのノウハウ等を生かすような形で、より実践的な相談であるとか、あるいは伴走型支援で法人立ち上げのサポート体制を組むとか、検討させていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)17番濱辺議員 ◯17番(濱辺義孝君)ありがとうございます。前向きに検討していただくということで、よろしくお願いいたします。  最後になりますけれども、私自身が今、常日頃感じておるのは、いろいろと皆さんから相談を受けて、また、いろいろと知事はじめ県職員の皆様方に相談をさせていただいて、本当に様々課題解決に向かって動いていただいております。また、今はコロナという中で、本当に大変な中、御苦労をしていただいているわけであります。これは知事はじめ県職員によいしょするわけではないのですけれども、要は、自分もある程度年が来まして、もう本当にいつまでも元気で走り回っている、昔は陸上選手で走り回っていましたけれども、今はそういう年代ではなくて、やはり生身の体ですから、休むこととか体調に気をつけなければ大変なのですね。だから、つくづく思うのは、知事はじめ県職員の皆様、また現場で支えていただいている皆さんの健康をやはりちょっと心配するのです。これはよいしょではないですよ。よいしょではないですけれども、県民の皆様のために汗をかくには、やはり健康でなければ、また家庭の皆さんも健康でなければ汗はかけないと思います。私の任期も残り1年を切って、あと何か月かという段階になりました。知事もそのような任期になりました。この任期中は、特にコロナもありますので、元気で県民のために働けるように、共々に気をつけながら頑張っていけたらと思うのですけれども、よいしょではないですよ。体の健康に気をつけていただきたい。もちろん議場の議員の皆さんもそうです。飲む機会が多いし、お酒の飲み会が多いと思いますけれども、健康第一なので、しっかりと気をつけて頑張っていただけたらと思います。共々に県民の人のために汗を流していきましょう。  本日は以上で質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  11時5分より再開いたします。        午前10時56分休憩    ────────────────        午前11時05分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  5番由田隆議員 ◯5番(由田隆君)(登壇、拍手)無所属の由田でございます。元気な濱辺議員の後に精いっぱい務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。  質問に入る前に、皆さんにぜひ紹介したいことがありまして、述べさせていただきます。  先週末、倉吉では、SUN-IN未来ウオークが開催をされました。3年ぶりということで、全国から2,000人以上の方にお集まりいただいて、久方ぶりに倉吉が活気に満ちた思いをいたしました。やはり人が移動するということは、まちに元気を与えるのだなということを再認識いたしました。その未来ウオーク、NPO未来の関係者の皆さんや多くのボランティアの皆さんに、本当に心から敬意を表したいというふうに思います。この21回の歴史の中で、いろいろなことがあったと思います。でも継続は力なりで、厳しい困難の中にあってもこれを続けてこられたことは、倉吉の誇りと、また自信にしていかなければならないというふうに感じました。  折しも先週末には、倉吉の白壁土蔵群の一角で、皆さん御存じだと思います、邑久光明園、ハンセン病で収容された人たちの陶芸展が開催をされていました。邑久光明園では20数年前に奈良から陶芸師を招いて陶芸教室を行って、今はそれがプロ級の腕前となって、展示会を開催されていました。私も先般見に行ったわけですが、すごく感激をいたしました。一つには、そのつぼのすばらしさもありますが、やはりそこに関係する方が、市民グループ、市民活動家の方がいろいろ説明をしてくださるわけです。つぼの前に名札があって、この名前は本名ではありませんよ。仮名ですよ。偽名ですよ。本名を名のれば出自が分かってしまう。家族やその周辺の人にも迷惑がかかるということを知らされました。以下、背筋を伸ばして見させていただきました。  もう1点は、打吹回廊というところで、ロシアの侵攻によるウクライナの惨状が写真展として紹介をされていました。やはり市民活動家の皆さんは、そういう活動を通して、戦争と人権を改めて考えてほしい、小さな動きや一歩かも分からないけれども、そういう市民の声が大きなうねりになるというふうに言われて、私もいい人権学習の機会を得たなというふうに思ったものですから、ぜひとも皆さんや、そして県民の皆さんにも足を運んでいただければと思って、あえて紹介をさせていただきました。  それでは、5月議会一般質問、通告に従って質問をいたします。  初めの質問は、昨年の7月あるいは8月の豪雨災害の復旧状況についてお伺いをするものです。  実は、私の住まいする倉吉、とりわけ中部が大きな被害が出て、住民の皆さんからの相談も受けて今回の質問に至ったわけでありますが、いまだに未着手、あるいは災害復旧の工事過程であってもまだ完成を見ていない現状があります。もう間もなくすれば出水期になり、7月、8月を迎えます。約1年たってもいまだに完成を見ない。この現状を県当局はどのようにお考えなのか、どのような対策を講じても、いまだにこういう状況なのかをお知らせいただきたいというふうに思います。  そして、質問の最後、2月定例会でも質問をいたしました消防力の強化についての続きであります。結論から先に述べ、今回の質問の趣旨を述べたいというふうに思います。  2月議会の最初に、今回の基になった県内の消防力の整備状況を見たときに、研究会をつくって協議をした結果にあっても、県内の消防力、常備消防力は、全国平均よりも充足率は低いけれども問題はない、そのような答弁であったというふうに思います。平成30年に設置されて協議をした消防研究会の取りまとめの結果を基に、今、話をしているわけでありますが、今後10年間、消防力がどう変化しようとも、これで持続可能な消防体制を維持するという議論の始まりが平成30年でありました。そして2月の答弁でもその取りまとめを踏襲した形での答弁でありました。私の問題意識は、先ほど濱辺議員も言われた、社会情勢の変化の中にあって、消防職員も若い職員がいます。これから、育児あるいは介護休暇を取得できる状況にあるのか、そういう研究をしていただきたい。最後に知事のほうから3消防局と今後協議をしたいという旨の答弁がありました。まだ3か月しかたっていませんけれども、本県がこの問題をどう今後取り組んでいくのか、今回の議会で議論をしたいというふうに思います。  そして、改めて、この消防研究会の趣旨、目的、そしてその法律的な根拠──その意味は、本来、自治体消防、市町村あるいは鳥取県でいえば、3消防局の職員あるいは消防に係る費用は基礎自治体が全て持つことに消防組織法ではなっています。そこにあえて、県が消防研究会を持って県内の消防の行政を研究する。──は何であるのかも含めて、論点整理のために、最初に御答弁をいただきたいというふうに思います。以上です。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)由田県議から一般質問をいただきました。  まず、SUN-IN未来ウオークにつきましては、NPO法人未来、岸田理事長をはじめ関係者の皆様、遠藤さんなど、そうした実行委員会の方々、会長は倉吉短期大学、藤田学院の山田理事長でありますけれども、皆さん、非常に努力をされまして、営々と進めてこられました。中には、年を振り返れば震災があった、そういう傷跡の中でそういうウオークをして、全国からまた応援が来られる。今回、久方ぶりの開催となりましたけれども、北は北海道から九州まで参加をされるということで、私も岸田理事長とお話をしましたが、内心ほっとされている御様子でもありました。もちろんコロナ禍なので、いつもよりも半分ぐらいかなと思いますが、人数を一定程度絞った中での開催で、例えば露店みたいなことはやらないとか、様々な注意も施しながら、ただ、簡素な中にも心の温まる、そういうウオーキングになりました。
     これについては、今回はちょっとコロナでお見えになっているわけではありませんけれども、未来ウオークにも度重ねて来られています、李康玉先生という、世界を通じてウオーキングを広めている先生が、「足は第二の心臓である」というふうにおっしゃっておられます。先ほど、濱辺議員のほうで健康に注意をしてというお話がありました。確かに濱辺議員もいつもより声が小さかったかもしれませんけれども、少しくたびれておられるのかなと。私も実は、あまり言ったらいけないかもしれませんけれども、コロナになって2年たちますと、ちょっとやはり睡眠障害なのかもしれません。あまりよく寝られないようになって、家内が心配していますけれども、年も取ってきましたので、いろいろとお互い注意をしなければいけないということでありますが、ウオーキングというのは非常にそういう意味で、人間の体づくりの根源でもありますし、血の巡りがよくなる、循環器を促す作用があると。実は足の中にそうした心臓に匹敵するかのような血流を促す要素というのがありまして、これを動かすことで体が循環していくということであります。そういう健康づくりと、あと地域を知っていただいて、鳥取県中部のいろいろなしっとりとした中、ゆったりとした中に鳥取らしい時が流れて、そこに仲間たち、ウオーキングの愛好家が全国のラリーとして集まってくる。そういうよき姿になったのではないかなというふうに思います。  また、お話がありました邑久光明園のものは、たしか無心ですかね、ギャラリー無心でやっているのではないかと思いますが、ハンセン病を患っておられて、なかなか社会参画が難しい中で、作品を残されてきたということの意味を、私たちは受け止めなければならないのだと思います。  実は、鳥取県庁の1階の県民室のところにも、長島愛生園の方の作品がございます。これは、かつての西尾知事が、里帰り運動などを一生懸命されたということもありましたが、あれは、夢みなと博のときですかね、お持ちいただいた陶器がございまして、備前焼でできているわけであります。これも、やはりそうした入所された方の作品であります。これをお披露目したときに、今もって愛生園におられる方々と、こちらでハンセン病の皆さんを支援した方々、もしかすると、由田議員もこの間出会われたのかもしれませんが、そういうこちらで一生懸命里帰りを応援した方々がいらっしゃる。コロナですから、テレビ会議で話をされるわけであります。一通りセレモニーが終わった後は、大変に話が弾んでいる様子で、顔を見てお互いに声を掛け合うという、そういう情景に心が洗われるような気がいたしました。いろんな困難があっても、それを乗り越えていくのは人間の絆ではないかというふうにも思います。そういう意味で、今回の邑久光明園の展覧会というのも非常に大きな意味を、ふるさと鳥取、母県のほうにもたらしてくれたのではないかなというふうに思うわけであります。  また、ウクライナの戦禍がございますが、不肖・宮嶋という写真家かもしれません。「文春」によく出されている方が、あちらに戦争になってから行かれまして写真を撮られたと。その写真を通じて、本当に悲惨な戦争の実態というのを分かっていただけるのではないかと思います。  このたび、本県としてもユリア・メドベージェワさんをお迎えすることになりますが、ぜひ県民の皆様、議会の皆様にも、鳥取らしい温かい包容力でお迎えをいただけるとありがたいと思います。心の中にいろんな傷を負ったり、困難をいまだ抱えながらの御来県ということになるわけでありますが、私ども鳥取県庁としても、明日、対策の会議を持つことにさせていただきました。ぜひそういう意味で、ここに来てよかったと後々言っていただけるような滞在になるように、全力を挙げてまいりたいと思います。  議員のほうから2つお話がございました。詳細につきましては、農林水産部長や県土整備部長、また危機管理局長のほうからお話をさせていただきたいと思いますが、ある程度の考え方を、やはり申し上げたほうがいいと思います。  昨年の大きな集中豪雨がございまして、この豪雨災害による被害というのは平成30年に次ぐような歴史的な被害でありました。特に倉吉市をはじめ、鳥取県中部などで被害が起きました。現実には降った雨量からしますと、倉吉の大塚で475ミリメートル、また、多かったところでは、ふだんはあまり雨が降らない境港市の境で520ミリ降っています。そういうわけで、境でも農地被害などがあったりいたしました。  倉吉市のほうの被害は、やはり山がありますので、割と急流があって、それで河川が傷められるということなど、復旧工事をかなり必要とするものになっています。現状を申し上げますと、土木のほう、県がやっている公共土木施設災害については9割方、工事着手できています。ただ、これは実は、倉吉市さんだとか市町村が主体なのですけれども、そういう農林系の農業被害対策のほうは今のところ8割でありまして、まだ2割程度は未着手になっているということであります。  それには、やはり事情がございまして、一つには、一遍に大きな災害、さっき申しました、実は過去2番目と言っていいような災害であったということでございますので、そういう意味で、技術者が必要になってしまったと。当然ながら現場監督をされる技術者だとか、のりを直していく、そういう施工される技術者が必要でありますが、この辺の数の問題で受けられなかったというようなことはあったようです。あと、なかなか工事が進まない農業のほうでいいますと、どうしても、今、ちょうど田植などをやりますので、こんなときに工事されると困るわけですね。ですから営農期間との関係でちょっと調整をして、あえて遅くして、今は取りあえずの応急復旧をやって、しのぎながら営農期間を過ごすということもありますので、その辺がいろいろと組み合わさって、まだ完全には復旧に至っていないという状況であります。  私ども執行側としては非常に心苦しい状況でありまして、最低限、地元にそれによる危険が生じないように、そのことは現場を預かっていただいている施工業者と一体となりまして、その辺の万全の措置を取ってまいりたいと思います。  詳細につきましては、担当部局から申し上げたいと思います。  また、議員のほうから先般もお話がありました。非常に志を持って若い方々の育児休業などに御心配をいただいていることでありまして、感謝を申し上げたいと思います。  これについては、先ほどもお話ししましたが、4月からいよいよ本格施行されていますので、これから現場の方々、消防局ともよく連絡を取らせていただきながら、育児休業を取りやすいようにしていただく必要があります。その徹底を図ってまいりたいと思います。消防局も特定雇用主になるのですね。それで行動計画をつくる必要がありまして、例えば中部の消防局では、今、計画をつくっていただいて、令和5年度には5日以上、全ての職員に取ってもらいたいと、こんなようなことを理想として掲げられて、それで職場で上司から呼びかけをするということなど、計画の中でも定めていただいたというふうに承っております。しっかりとそういう消防の職員の皆さんも家庭と非常に危険の伴う仕事が両立できるように、我々も環境づくりのお手伝いをさせていただきたいと思います。  平成30年に研究会を持ちましたのは、実は、ちょっとあれですけれども、この議場での御議論がございまして、平成19年、20年頃ですかね、やはり消防体制について議論したのですが、もう一度議論すべきだというお話があり、それで研究会という形で関係者、消防局や有識者を交えて話し合うという形になりました。これは消防法に基づくものではございませんで、任意の研究組織ということでございます。ですから拘束力があるとか、それで勧告に直接結びつくものではございませんが、当時の状況を申しますと、国のほうの消防庁も、そういう消防の体制について改めて議論提供した時期だったわけです。それで多分、議会でもそういう議論が出たのだと思いますが、そういう時期でもあり、向こう10年を見渡して、もう一度消防体制について考えようということでお話をしていただきました。ただ、最終的には何か結論がまとまったという状況ではなくて、問題点の列挙、論点整理というところに最終的にはとどまりましたが、それを一つ参考資料としていただきながら、各消防局のほうでも体制づくりに向かっていただければと思いますし、我々もその支援策というものを今後も考えていきたいと思います。  また、そういう意味で、これからの勤務環境などはまだまだ課題もあると思いますので、対策を十分に現場と一緒に取ってまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)西尾農林水産部長 ◯農林水産部長(西尾博之君)昨年7月、8月の豪雨災害の復旧状況に関する補足の答弁をさせていただきたいと思います。  当該被害に関します農林業関係の災害は、先ほど知事からもありましたように、復旧に当たっては、主には市町村のほうが事業主体になって取り組んでいらっしゃいます。  5月末時点の工事進捗でございますけれども、全体で523か所、これは農地・農業用施設と合わせて林道、森林作業道の復旧も含んでおりますが、523か所のうち、全体で約418か所が着手済み、8割が着手済みとなっております。しかしながら、残り2割、105か所が未着手ということでございます。  ただ、中部においては、523か所のうち370か所を中部地区が占めているということで、かなり中部地区に特化して被害箇所が多かったということは言えるだろうと思います。  ちなみに、中部地区での状況ですけれども、370か所のうち、284か所が着手済み、残り23%、86か所が残念ながら未着手という状況に今なっているというところでございます。  未着手の主な要因ですけれども、農林業関係被害では、入札の不調、それと営農との調整というのが主な原因というふうに、市町村のほうから承っているところでございます。  入札の不調というところでございますけれども、災害箇所一つ一つは、非常に小規模な復旧事業ということもありまして、受注されます建設業者のほうから見れば、あまり利益代の出にくい工事ということがあるのだろうというふうに思います。  また、営農との調整ということでございますが、これについては、非常に災害復旧箇所が多かったということがありますので、災害査定が第7次まで長くに及んだということがございます。したがいまして、今、工事着手をしても中途半端なところで工事が入ってしまうと、要は営農とかぶってしまうということで、取りあえずの応急措置を今しておいて、本格復旧は営農後と、この秋以降というような作業計画、復旧計画を立てられた。そういうものもあるのだろうというふうに思います。  発注されます市町村のほうでは、そういう地元との調整、御要望も含めて復旧計画を立てておられると思いますし、なるべく受注していただきやすいように、複数箇所をまとめて発注にかけられるというような、それぞれ工夫はなさっているように聞いておりますけれども、どうしても業者さんとの関係で、地元の要望に添えない部分というのも出てきているのではないかなというふうに思っております。  これから出水期を迎えます。未着手のところで副次的な二次災害、三次災害が起きてしまってはいけませんので、当然のことながら、安全対策として、例えばシート等で被災箇所を養生するとか、さらなる被害の拡大が及ばないような配慮というのはポイント、ポイントでなさっていると聞いておるところでございます。  県のほうでは、そもそも災害査定に多大な事務手続を要するということは、これまでも何度も経験しておりますので、技術的な支援を、市町村のほうには出先機関のほうを通じましてさせていただいているところでございますし、入札のテクニカルな話になりますけれども、工夫等についても御助言をさせていただいているところでございます。  まだ復旧工事はこれから進んでまいりますので、もし市町村さんのほうでお困りのことがありましたら、積極的に御助言等をしてまいりたいというふうに思います。 ◯議長(内田博長君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)議員からお尋ねがございました、どのような対策を講じているのかということにつきまして、補足の答弁をさせていただきたいと思います。  公共土木施設災害の復旧工事につきましては、県の発注する工事につきまして、それの遅れている原因の大きなものとしては、入札不調、入札をいたしましても応札者がいないという状況がございます。この対策としまして、主に3点御説明をさせていただきたいというふうに思います。  1点目は、現場に配置する技術者の要件の緩和でございます。知事から御説明がありましたように、人手不足というところが一どきに出てくる工事に対して発生をしているということでございまして、常駐が義務づけられております現場代理人につきまして、特例として、ほかの災害復旧工事と掛け持ちで配置ができることといたしております。  2点目は、大型ブロック等の省力化工法の採用ということでございまして、資材不足、それからブロック工の石工さんが、労務不足が発生をしているということでございますので、受注者から協議がございましたら、資材費用は増となりますが、これを支弁しながら機械施工が可能な大型ブロック積みへの工法の変更を認めているというような措置でございます。  3点目が、小規模な現場を組み合わせた発注ロットの拡大ということで、小規模な災害復旧工事の現場にありましては、仮設作業が非効率でありまして、ある程度の工事規模になるように、複数箇所の工事箇所をまとめまして発注をするといった対策を講じているところでございます。  これらの対策によりまして、早期の災害復旧工事の完成を期していきたいということでございますが、引き続き関係団体等と意見交換をしながら、これらの対策の効果を検証し、有効な対策を講じてまいりたいと考えております。 ◯議長(内田博長君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)消防体制研究会設置の法的根拠等についてと県内3消防局の消防力の認識について、補足の答弁をさせていただきます。  消防体制研究会につきましては、前回も補足答弁させていただいたところでございますが、当時の背景といたしまして、消防庁のほうで広域化基本指針ということが作成されまして、消防事務の性質に応じて事務の一部、指令の共同運用等について連携、協力することについても推進していくというのがございまして、そういうふうな背景もございまして、先ほど知事からありましたように、30年3月の議会におきまして、本県の消防についても統合してはどうかという意見がございまして、それに基づいて任意に設置したものでございます。人口減社会の到来及び高齢化社会の進展を踏まえまして、本県の消防力の現状と課題等を認識しまして、10年程度先の消防体制について研究することによって、将来にわたって持続可能な消防体制と消防力の維持、充実を目指すことを目的として、任意に設置したものでございます。  これにつきましては、平成30年12月から平成31年3月まで4回開催いたしまして、市町村の消防の現況及び将来の見通しを確認、研究してまいりましたが、意見としましては、消防局相互の連携、協力につきましては、管轄をまたいだ消防職員の合同訓練の実施、それから現場の体制整備が必要という意見、さらには、共同運用につきましては、現時点での議論は時期尚早であるという意見がございました。  また、消防体制ということで、地域防災力のコアとなるのは消防団でございますので、消防団についても委員のほうからいろいろ意見をいただきまして、機能別消防団員の導入とか入団しやすい環境、それから、消防団員がなかなか確保できないということで、女性や子供に対する働きが有効ではないかという御意見もいろいろありました。  その中で、この研究会の取りまとめの内容といたしましては、最後には、現在は特に消防体制は問題はないのだということと、議論を必要に応じて専門的な論点を実務者でやることが重要だという意見が出まして、それについて記して、今後、専門的、いわゆる消防職員のほうで論点を検討していただくのだというふうに考えております。  なお、議員の御指摘ございました消防法38条の件でございますが、これにつきましては、消防組織の水準の向上と市町村間の消防力の統一性の確保を行うというもので、本来、消防の指揮命令系統につきましては、県にはございませんが、この消防法の38条で、都道府県知事にも勧告、指導、助言ができるというふうになっております。ただ、これは消防庁長官の行う勧告、指導及び助言の趣旨に沿うものでなければならないというのがございまして、例えば議員のおっしゃいます働き方改革というものにつきましても、いわゆる情報提供というのはできるのだろうというふうに考えております。  2つ目の3消防局の消防力の認識でございますが、これも前回、補足答弁させていただきましたが、現状で職員の充足率は、中部消防局が60%、ただ、住民1,000人当たりは1.45人ということの数字になっております。この充足率につきましては、再度説明させていただきますと、消防庁の定めました消防力の整備指針というものがございます。その消防力の整備指針に基づいて、それぞれの市町村が人口とか市街地の状況、それから建物等に基づいて、消防車の必要台数を出します。その消防車の必要台数に、それに乗る人員の数を掛けた数の人員と、いわゆる指令所に勤務する通信員の数、それから、例えば消火器の検査とか、そういう予防業務をされる方の数、それから人事とか会計とかをされる総務事務と、そういう方を合わせた数でございます。それで充足率を出しますが、それを分母としまして現有人員を出せば、中部消防局は現在62.1%になると。これは、例えば都市のほうの消防につきましては、勤務者で全ての消防車に乗って、あるいは救急車に乗って出動するというふうな体制を取られております。ただ、中部消防を含めました東部、西部の消防局につきましては、車はあるけれども人員はその日の勤務に就いていないと。もし何か必要な場合は非番者を呼ぶというふうな体制を取っていると。それについては、いわゆる都市部の消防については非常に出動回数が多くて、基本は勤務者だけで行うと。ただ、中部消防を含めた県内の消防につきましては、非番者を呼ぶ余裕があるということで、そのような形を取っております。これについては、中国地方管内を調べましたが、例えば津山とか、そういう辺り、中国山地の中山間地の消防と変わらないような数字でございました。そのような運用と効率的な業務運用で、例えば消火の方と救助の方が連携して行うとか、そういうふうな体制も進められております。それで現時点では支障なくできているというふうに、消防局長のほうからもお伺いしているところでございます。鳥取県の消防につきましては、昭和50年代に全国に先駆けて消防体制の広域化ができておりまして、非常に消防力に課題のある状況はないというふうな認識でございます。  また、育児休暇等の体制につきましても、県のほうでの働き方改革で、38条に基づいて御助言できるというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)5番由田議員 ◯5番(由田隆君)それぞれ御答弁いただきました。  昨年の7、8月の豪雨災害です。  この質問のきっかけは、いみじくも知事がおっしゃっていただきました。中山間地の農地の水路、雪があったということもあって、4月にようやく仮復旧できて、今年はこの仮復旧でしのぎながら、あるいは夏までに本工事ができるだろうというふうに思っていたところが、いまだに本工事ができていない。私が相談を受けたのは、これは倉吉市の事業です。仮復旧で土砂を山側のほうに積んで水路をきれいにしたと。でもまた出水期で、このせっかく積み上げた土砂がもう1回水路に流れ出て、また仮復旧ですかということを言われました。仮復旧にしても、実は受益者負担、中山間地の少ない農家の戸数で、耕作面積で割られて、受益者負担を払わないといけない。本工事できるまでにもう1回またぞろ同じようなことになったらどうするのというところが今回の質問の趣旨なのです。  県はどうなのかと調べたところが、やはり中部が、あるいは倉吉が未着手。今、知事、そして部長も言われて、今、80%のところまで来ている。でも住民は完成ではないということに不安を感じている部分があるわけですよね。もう1回また大きな去年並みの豪雨が来ればというような不安がある中で、では1年も経過して完成を見ないこの状況を行政は手をこまねいてどうもしないのかという問題意識から今回質問させていただいています。  いろいろ言われました。倉吉市では事業者が少ない。では、事業者を増やせればいいのか。そんなことはできません。災害のときに事業者が少ないということが生じても、日常ふだんのときに事業者が多くあれば仕事の取り合いになって、商いが続かないということにもなります。  私はオール鳥取でできないかということを提案したいというふうに思うのです。今は、中部は中部管内、西部は西部、東部は東部で大体の工事をやられています。先ほど知事も言われました。部長も言われたでしょうか。資機材や人夫賃等々、遠くに派遣すれば費用はかさみます。この非常時の災害復旧については、やはりそこらは柔軟に考えていかなければならないと思います。昨年が初めてではなかったはずです。その2年前にも大きな水害があって、こういう事態が生じてきていたと思います。それがあまり功を奏していない現状があるように私は考えています。学びがない。他県の状況をやはりしっかり勉強することも、鳥取県に導入することも私は大事だと思います。いろいろ努力していることは伺いました。でも結果において、この状態なのですね。これは中山間地に大きな被害が出ています。中山間地が未着手や、今、工事真っ最中のところなのです。やはり出水期までに体制が取れる、工事の完成が見てとれるような状況を、行政は努力すべきだと私は思うのです。さっき言ったオール鳥取。東部でもありました。中部でもありました。鳥取の建設業協会がすべからく、そこに集中していくような交通整理が県当局にできないのでしょうか。そこを求めたいのです。確かに工事代理人だとか、いろんな努力をされています。でも、なかなかそれとて功を奏していない。この現状を再度、知事を含めて、部長でも結構です。この問題をどう捉えるのか。工事中の場所にはシートを張るとか、いろいろ言われます。それは当然です。そして、まだ完成していないところは二次災害、三次災害でもっと大きな被害が出る可能性があります。住民の命の危険や財産の危険もあるわけです。そういう体制は今後どうされるのかということを2番目の追及質問で聞きたいと思います。  そして、優先順位をどうつけるかというのも、やれるところからやっているような気がしてならないのですよ。一番肝腎なところが遅れている。そういう整理はできていますか。それは事業者はやりやすいところから入札に応じていきます。不調にはなりません。やりにくい、工事現場まで何枚も田んぼに鉄板を敷いて作業にかかる、そういう困難箇所は、なかなか人気がない。入札が不調になる。やはり、そういうところには何らかの方策が取れるのではないでしょうか。いかがでしょう。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて由田議員からお話がございました。  詳細につきましては、県土整備部長のほうからも話をさせていただきたいと思いますが、今おっしゃるとおり、我々としては、ぜひ早く仕上げたい、できるだけ出水期なり、それから農繁期に間に合うように実は工事はさせていただきたいと思ってやっているのですけれども、なかなかやはり雪の問題などもありまして、冬期間にどれほど進めるかというところはちょっと難しかったり、また、今回は多分、部長のほうからまたお話があるかもしれませんが、大分被害が集中したもので、災害査定というのを国から受けなければいけないのですね。この災害査定の時期が12月とか、そういうときに事実上なってきたということもございます。もちろん農林と国土交通省ではちょっと違いもありますけれども。そういうようなことで、順々に手続は踏んでいって、できるだけ早くやりたいということで倉吉市さんも頑張られるし、我々もやるのですが、残念ながら結果が出ていないということについては、おわびを申し上げなければいけないかなというふうに思います。  ただ、改善の工夫については、これからもしっかりと取り組んでいきたいと思うのですが、例えば現状を申し上げますと、これは国土交通省系といいますか、公共土木災害系でありますけれども、富海の川がありますね。議員も行かれたかなと思いますが、橋の周りのところが結構洗掘されたりして激しい被害があったところについては、順次発注をしていって、95%できていますから、今年はちょっと梅雨が遅いですので、事実上、出水期には間に合う形で擁壁のところが、河川の修復と復旧ができたのではないかと思います。  ただ、片方で、特にやはり農林被害のほうの市町村が取り組むところについてはなかなか、業者のほうの手配の問題もあるのだと思うのですが、例えば倉吉の立見のほうは、やはり被害があって、まだ残念ながら着手できていないということですが、実はこの件は3月から11月の末ぐらいまでの長い契約期間で倉吉市さんが複数箇所をまとめて発注されているわけですね。これはちょっとやり方の問題で何か工夫があるのか、今後もよく考えてみなければいけないと思うのですが、それで都合のついたところからやはりやるという契約に恐らくなっておられるのではないかと思います。ただ、この場合に、養生をして水は出ないようにやりますよと、地元とも話をしながら多分進めておられるのだと思うのです。残念ながら物理的な時間のタイミングとの関係でそのように農業のほうで、農繁期に入る前にある程度片をつけて、一応作業が終わってからまた動かしますよ、というようなことは往々にしてできるのかなと思うのですが、もっと時間が詰められるかどうかについては、今後に向けてよく現場や市町村の皆さんとも協議をさせていただきたいと思います。  議員がおっしゃるように、ある程度工夫の余地はないかということで、思い起こしていただければ、鳥取県中部地震がございました。あのときは瓦工事の関係など、とても間に合わないということはもう由田議員から見ても明らかだったと思います。ありとあらゆる屋根がやられていまして、それは瓦工事のみならず、建築系もそうでありますが、職人さんが足りないと。それで平成29年2月の議会で予算をお願いしたのですけれども、そこに至るまで、組合のほうとも話をしまして、県外から職人さんを入れると、それを雇うという本県独自のシステムをやりました。結果、3,900人の職人さんが延べで入っていただきまして、それで最終的には、もう県内業者でできるということになった平成29年12月に、このやり方は一応解除になったのですけれども、大方1年近くそうやって県外からもどんどん入っていただいてやるということをいたしました。災害復旧はやはりそういう局面はあり得ると思うのですね。  実はそれをやったときに、ちょっとお見舞いの電話を和歌山県の仁坂知事からいただきまして、全国いろいろと大きな災害の現場というのはある。それで、平井さんのところはどうしているか分からないけれども、県外業者を入れたほうが早く終わる。だけれども、これは地元の業者との関係が難しいということを言っていました。和歌山県は深い土砂崩れがありましたね。あのときにやはり一気に片づけようとして、和歌山県内以外の業者もあえて入っていただくということをやったのだそうです。  その時期、各地で実は地震などの災害もありますが、自分のテリトリーの中の工事業者だけでやるというところは、やはりなかなか進んでいなかったです。ですから県外業者を入れてでも早く被災地の皆さんに安心していただきたいと私も思っていましたので、そうしたことをどういうふうにこれから話をまとめようかなと思ったときに、やはり鳥取県の事業者の皆さんというのは、そういう意味で損得抜きで非常に地元のことを考えてくださるのですね。県外入れていいよという話があったと。それで、では県外の業者の方も入れてやりましょうということで、議会の承諾を取ったということがございました。  非常にデリケートな問題で、難しいのですけれども、県内、今、3つのテリトリーで分けて、東・中・西ごとに入札をすることにいたしております。実はこれは由田議員がいらっしゃるかなり前のときに大分議論がございまして、県内全部でやるというのを執行部側が提起したこともありました。ただ、そのときに議会のほうで反対が強かった。結局、当時は、これは私ではないのですよ。私の前の段階ですけれども、要は、県政としても入札の不正とかに非常に敏感に対応される時期があったのですね。そのときにそういう意味で談合防止のために、もう全県で一括してやるのだということを出して、実は議会が大反対されて、業界も反対されて、それで今は区割りになっているのです。だからこの3つの区割りというのは、そのときの経緯もありますので、ある程度やはり考えなければいけないとは思います。ただ、規定としては、災害時など応援が必要なときはそれを外せるというふうになっていますので、その辺の運用の時期はしっかりとタイミングを取ってやるべきなのだろうと思います。そういう意味で、よくそうした制度の運用についても今後に向けて我々も検証してまいりたいと考えております。 ◯議長(内田博長君)蒲原県土整備部長 ◯県土整備部長(蒲原潤一君)オール鳥取でというところの御指摘につきましての補足の答弁をさせていただきたいと思います。  議員が御指摘のように、入札不調が発生している原因につきましては、災害復旧工事の集中に伴う技能者の不足ですとか、小規模な現場で非効率であるということで、現場条件の悪い箇所が敬遠されているということで、このことにつきましては、当局としましても業界から原因を聞き取るなど、丁寧な対応をさせていただいているところでございます。  入札の際の応募条件につきましては、例えば中部総合事務所の管内区域で施工されるものにつきましては、6,000万円未満のものにつきましては、有資格者の本店の所在地がその所管区域にあることという定めがございますが、先ほど知事のほうからもお話がありましたが、相当数の入札者が見込めないようなとき、このような災害復旧に従事する場合は、その区域を拡大するといった運用ができることになっております。これらの業界の受注動向の把握に努めながら、柔軟に運用されているかしっかりチェックをしまして、適切に運用をしてまいりたいというふうに思います。  現場条件の悪い箇所につきましては、公共工事の品質確保の促進に関する法律などの定めによりまして、見積りを活用した積算によって予定価格を定めることが可能になっております。議員が御指摘になられたような遠隔地からの人材や資機材を集めてくるといったようなことの経費も含めたようなところで、そういった措置を講じていくことにつきまして、この方法をさらに積極的に活用することで、さらなる入札不調の防止に努めてまいりたいと思います。  災害工事の緊急度、それから重要度を踏まえながら、これらの制度が機動的に対策を講じることができるよう、あらかじめよりきめ細かく取決めをしてまいります。さらに制度を柔軟かつ迅速に運用できるよう徹底をいたしまして、災害復旧工事の円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。 ◯議長(内田博長君)5番由田議員 ◯5番(由田隆君)ありがとうございました。  要は、例えば先ほどの言葉で災害査定があります。国の査定を受けて、実質、倉吉でいえば入札が1月です。それから、冬期間はなかなか工事が進みません。やはり国の査定を待つ以前に、例えば広島県だったでしょうか、そういう運用をしているところもあります。査定前の着工を検討されましたか。  先ほどいろいろ柔軟に、迅速にと言われますけれども、ぜひしてください。するのは今でしょう。この聞き取りのときに、「令和3年の7月、8月が初めてではありません。その2年前もこういう状態がありました。」と私に事務方は言うのです。返す言葉がなかった。「だったら、そのときに考えなさいよ。」と本当は言いたかった。また同じことの繰り返しをして、困るのは住民です。農作業の従事者ですよ。そこに危険、安全、そういうことも加味されてくる状況の地域です。そういうことをぜひ考えていただきたいというふうに思います。  これは、今すぐにということにはなりませんから、この工事の早い竣工あるいは完成を待ちたいし、それまで大きな水害がないことを祈るしかありません。これは結構です。  ただ、未着手だとか、ちょっと知事にも触れていただきましたが、完成前の状態で住民不安、住民に危険、あるいは害を及ぼす危険がある場合にどういう対応をするのか。地元自治体あるいは自治公民館等にそういう状況を事前に説明することが私は肝要だと思うのです。工事は全て、公共工事をするときには御迷惑かけます、というようなことも含めて工事期間とか着工と完成のことを地域に説明しますよね。やはり災害のときにも一番大事です。そういうときに遺漏なき自治体の対応を求めたいと思います。このことの答弁もいただきたいと思います。  それでは、水中局長に質問させていただきます。再質問です。  よく分かりました。ただ、私の前の質問者、濱辺議員が、育児休業が取れることがゴールではない、スタートなのだと。消防職員はスタートラインにつけますかということを問いたいのですよ。あなたは自信を持って、20代、30代、これからまさしく育児に関係する男性職員に、もちろん消防署ですから女性職員もいます。年休も十分取れ、育児休業が取れる状況にあるかをぜひ3消防局に確認をいただきたい。そこですよ。充足率が60%で、るる説明いただいた。車両の数掛ける人数で職員定数が決まる。条例定数が。もちろんそうですよ。田舎の消防は、先発隊が出て、非番招集して、後発隊が大規模では次の車両に乗って出るから、都会と違って余分な車両が必要なのです。そういうところをしっかり議論していただきたい。  ぜひ知事も御答弁いただきたいというふうに思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)由田議員から重ねてのお尋ねがございました。  まず、前段のほうの災害関係については、詳細はまた農林水産部長のほうからもお話を申し上げたいと思いますが、実は去年の災害が起きて、国のほうの政務の方々にもお越しをいただいたりして、大分いろいろと私どものほうで要請もさせていただきました。そこには災害査定の迅速化ということも、もちろん入っておりました。どういうことかというと、これはなかなかちょっと住民の皆様にも分かりにくいことでもあろうかと思うのですが、災害復旧には、やはり国のほうのルールがありまして、まず、災害復旧にどういう工事が必要かというのを自分たちで定めるわけですね。それは、国は国で多分集計をしまして、財源を持ってくるということをしてくださっているのだと思います。それをやはり待たなければいけないということがあるのですが、例えばそういう実地に見に行って一つ一つ見てやるということ以外にも、机上査定といいまして、要は書類上でやってしまって早く済ませるとか、それから、例えば工事箇所の状況等によっては査定前の着工ということもあります。その辺の運用というのは、農林省であれ、国土交通省であれ、一定程度はやっていただけているとは思うのですが、今回、災害の状況が、かなり本県は特殊だったもので、全国一斉に起こって分かりやすい形になっていると、多分そういうのは徹底して早めに査定などもやるということができたと思うのですが、現に中部地震のように全国でも報道されるようなときは、我々は要求をしてかなり簡易査定などにこぎ着けたわけです。そこがちょっと今回やりづらかった面は確かにあって、倉吉の工事箇所なども、おっしゃるように11月の末から12月とか、そういう時期だったと思います。査定がそこで入るので、書類を整えて入札をやるのは年が明けてからということになる。そのときは雪が降る時期でありますので、我々が工事にかかれるかというとどうしても、先ほど申しました立見なども3月以降にやって翌年。ですから、ちょっと田植に間に合うかといったら難しいかもしれません。ですから、その辺のちょっと改善をやはり国全体としても考えていただく余地はあるのかなと思いますが、我々としてもできる限り早く国のほうにも働きかけて、早めに対処できるように今後もしっかりと話し合っていきたいと思います。  また、工事箇所については、例えば土のう積みをするとか、それからブルーシートなどの養生を張りまして、それ以上の出水につながらないようにという応急処置は徹底をさせていただいたり、また、議員もおっしゃいましたが、大雨が降るような予報があったときには事前に点検をする、ということを現場のほうではしてもらうようにしたり、この辺は工事業者にも義務づけるというのが本県の実務でもございます。  あと、確かにちょっと足りないかなと思いましたのは地元への説明ということでありまして、今回は若干特殊な災害という面がありまして、かなり大きいのですけれども、全部終わったわけではないということでありますので、これについては、現状こういう状態であるということは地元のほうにも分かりやすく御説明する機会というのは、我々もちょっと倉吉市と相談をしながら、できる限り考えてみたいというふうに思います。  また、消防職員のことについては、危機管理局長のほうからもお話がございますけれども、今のお話の趣旨はよく分かりましたので、例えば3消防局のほうに今回の制度の趣旨、育児休暇というのはこういう重要な制度であるということをまた通知をさせていただいたり、また、具体的な取組例、本県も中部消防局も取っている職員は男性も含めてここ2年ほど取っていますので、実務はできていると思うのですが、そういうよい例を横展開して、しっかりと対応していただけるようにということは、我々も子育てを所管しているという立場も含めてお願いを図ってまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)西尾農林水産部長 ◯農林水産部長(西尾博之君)豪雨災害の復旧状況について、重ねてのお尋ねにつきまして、補足の答弁をさせていただきたいと思います。  農林関係の災害復旧につきましては、基本的には、市町村さんのほうが発注者ということになりますので、市町村さんのほうで被災地等に詳細な説明等をなされているというふうに承知しております。  基本的には、被災後、災害査定を受けるわけですけれども、必要があればその前に仮復旧というようなことは当然しておられるというふうに思います。査定後に本復旧にかかっていくということでございますけれども、そのタイミングについては、査定の時期等も絡みますし、営農時期も絡みます。その辺を勘案して発注をかけておられるのかなというふうに思っております。  市町村さん、発注者としてのお考えもあるというふうに思いますので、そこについて、また相談等も乗らせていただきたいなというふうに思いますけれども、基本的には地元の業者の技術力を向上させるということ、あるいは産業振興の観点もあるかと思いますので、地元の業者さんに発注をしたいということがまず大前提としてお考えになっているのは確かのようでございます。ただ、いつまでも入札不調が続くということは、市町村さんも好ましい状況というふうには考えておられないので、地元の建設業協会さんと調整の上ということでありますけれども、地域外の建設業者に発注をかけるということは、手段としては視野に入れていらっしゃるというふうに聞いております。  いずれにしましても、議員が言われるように、一番の不安を抱えておられるのは地元住民、不都合を抱えておられるのも被災地の住民の方ということでございます。そこでお声が上がっているということのようでございますので、県のほうとしましても、今どういう状況になっているのかにつきましては、市町村さんのほうを通じてになりますけれども、聞き取り等をさせていただいて、必要があれば御相談にも乗ってまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)水中危機管理局長 ◯危機管理局長(水中進一君)働き方改革等に対応できる人員体制について、先ほど由田議員からいただきましたことについて、補足の答弁をさせていただきます。  これはもう、議員が一番よく御存じだと思うのですけれども、消防という実動組織につきましては、やはり人員が一番大事だと、いかに優れた装備等を入れようが、人員がそれをいかに運用するかということにかかっております。その人員がきちんと働けるためには、やはり士気、モチベーションというのが非常に大事で、それを維持するためには、家庭環境なり働き方というものが非常に重要になってくるというふうに思っております。ただ、鳥取県には直接的な指揮関係が市町村にございませんが、まずは市町村あるいは広域連合のほうでしっかりと体制を取っていただくということ、さらには、消防におきましても、消防の職員さんには団結権等が認められておりませんので、消防職員委員会等でしっかり議論していただくこともあるかと思います。  ただ、先ほど冒頭述べましたように、消防組織法38条で、鳥取県についても、知事につきましても、きちんと監督、指導、助言ができるということですので、先ほど知事も申しましたように、働き方改革等の好事例等について、きちんと県のほうからも通知等を出させていただきたいというふうに思っております。現中部消防局長は鳥取県でも勤務されたことがございますので、そこら辺のことはしっかり分かっていただけるのではないかというふうに思っております。 ◯議長(内田博長君)5番由田議員 ◯5番(由田隆君)ありがとうございました。前田輝彦局長は私の同僚でもありましたので、よくよく私も承知しています。  最後にします。要望あるいは意見のみで、あえて答弁は求めません。今までの答弁で十分です。ただ、言っていただいた、行政が地元の事業者を育成するという役割もあります。私は、そのお返しにという言葉が適切かどうか分からないけれども、地域のこういう非常時には、やはり事業者にも協力いただく。お願いできる行政と事業者の関係を日常、ふだんからつくっておくべきだろうというふうに思います。決して県当局が事業者をいじめておるとは思いませんけれども、そういう関係も、こういうときに力を発揮するのではないかというふうに思います。  さらには、オール鳥取。域内の事業者育成というのも大事だけれども、緊急避難的な対応として、やはりぜひそういうことを考えていただきたいなというふうに思います。  水中局長からの答弁、よく分かりました。消防組織法の中には、言ったように、自治体が予算を出して、条例を定めて、定数を定める。そういうところ、もちろん市町村あるいは各3消防局の役割も分かります。でも県の役割として、先ほど言われたように、それぞれの地方自治体、3消防局でも指導や助言、勧告ができるのです。これはふだんからやるべきことではありません。そういうふだんの関係で指導していく、助言をしていく、意見交換をするということで事は足りると思うのですよ。先ほど言っていただいた取組、ぜひあなたから進めていただきたいということを要望して、終わります。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。
     午後の本会議は、1時20分より再開いたします。        午後0時17分休憩    ────────────────        午後1時20分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  32番内田隆嗣議員 ◯32番(内田隆嗣君)(登壇、拍手)32番の内田です。公立環境大学の役割と今後の在り方について、知事に御所見を伺います。  公立環境大学について、これまで何度か質問させていただきました。民間から公立へ移行を決断して以来、受験者数は堅調に推移しています。また、令和3年には定員を増として、それでも堅調に推移しているところです。改めて、鳥取県における公立大学の役割と今後の在り方について、知事の御所見を伺います。  また、受験者数、学生数とも近年堅調に推移した結果、大学の財政状況も改善していると思います。また、鳥取県として、大学について、現在も財政的援助を続けていると思いますが、援助の考え方について、知事の御所見を伺います。  次に、市街化調整区域の地域コミュニティーの維持と開発規制について、知事に御所見を伺います。  市街化調整区域の小学校、中学校の生徒数の減少幅、人口減が大きく、コミュニティーの維持が難しくなっていると考えます。特に農業振興地域に指定されている場合は、新規に住宅が建てられない現状があると認識しています。米子市は地区計画に関する規制を緩和する方向で検討していると伺っていますが、県としても農地の取扱いや開発行為について、市町村や地域、地元の意向を十分に踏まえていくべきと考えますが、知事の御所見を伺い、登壇よりの質問といたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣議員の一般質問にお答え申し上げます。非常に端的な御質問でございまして、多分答弁のほうは若干長くなると思いますが、御容赦をいただきたいと思います。  まず、公立鳥取環境大学につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、かねて経緯もある話であり、その意義だとか財政援助のことのお話があったわけでありますが、もともとは昭和40年代から鳥取市が誘致をしようと、それは女子大学とか、短期大学とか、いろいろとテーマを掲げて実は挑戦をしたのですけれども、なかなかこれが結果としてうまくいかないと。平成に入りまして、経済界などから、鳥取市で公立大学はどうかというようなことがあったのですが、当時、西尾知事のほうからは、公設民営方式によりやろうというようなことでの宣言がありまして、その後、政権は替わりましたが、これを引き継ぐ方向で最終的には決着をしまして、平成13年4月に公設民営方式による鳥取環境大学ができたわけであります。  理想としては、経営は民間の手法でやったほうがいいだろうということでやったわけでありますが、ただ、残念ながら、受験生がだんだんと減っていく、充足率が100%を切るということで、定員割れを起こすということになったり、また、就職においても問題が出てきました。  その中、私のほうが今度は県政を引き継がせていただいたわけでありますが、当初からいろんな議論がございました。ただ、いろいろ行きつ戻りつして、例えば経営の学部をつくろうとか、あるいは経営の在り方についてもいろんな御意見が出て、最終的には思い切って公立化しようということとさせていただき、平成24年から公立の鳥取環境大学に生まれ変わったわけであります。  これによりまして、御案内のように、その後、充足率は100パーを超え、むしろ定員を増やすぐらいまで成長することができましたし、もともとは環境情報学部という学部だったのですが、それに経営学部を環境学部と併せて設置をしたことで、この経営学部がどちらかというと環境学部のように全国でここしかないというユニークな学部と違いまして、地域の経済界の方々が望んでいた、言わば人を育てる受皿としての地元の機能を果たす性格が発揮をされまして、地元での入学生だとか就職にもある意味つながった面があります。  それで、抜け落ちた環境情報学部、この情報のところは、実は当時、IT化、情報化を目指そうという時代の流れがありまして、もともとが設置時、平成13年の開学時にはあったわけでありますが、ただ、ここは定員がなかなか来ません。意外に受験生が集まらないわけですね。正直申し上げて、近所でも広島だとか、あちらこちらに優秀な大学があれば、当然ながら就職も考えてそちらへ行ってしまうわけでありまして、この情報学部というのは結局うまくいかないので、実は廃止をしたと。  ただ、今、ここに来て、政府のほうがICTを教育に取り込むべきだというお話が出てきまして、それで、今、IT化に対応する副専攻というのも入れるようになってきております。大学側は、情報学部をつくりたいという思いは議論の過程ではあったのですが、我々自治体側、鳥取市長さんも含めまして、かつての失敗例がありますので、そこには非常に慎重であるべきだということで、まずは副専攻でやってみようということに今なってきたわけであります。  こういうような経過を経まして、今、環境大学があるわけでありますが、ここに来て、ウクライナからユリア・メドベージェワさんがやってくる。あるいは、SDGsについては県内でも非常に早いタイミングでSDGsに取り組む大学として名のりを上げられるなど、積極的に地域への貢献活動、世界への貢献活動もされているところであり、我々としても経営者側として大学を応援していく決意でございます。  そういう意味で、年々、我々のほうからは交付金をお出しする形にさせていただいております。直近の状況でいえば、10億400万円ほど交付金を出させていただいておりますが、これについて、議場でも大分議論がありましたけれども、赤字にするべきではないという議論が非常に強くありました。もともと民営でやろうというときは、つじつま合わせて、後から公費がかからないようにということで、最初はそういう制度設計をされたのですが、理想どおりにはいかないものでございまして、公立化すると交付税が算入されるところがございます。この交付税の算入分に鑑みまして、その範囲内で交付金を支援として出していくと、これにより大学の経営の安定化に資するという構想を持ったわけであります。現在のところはこの構想を議会からいただいた範囲で運営ができているということであります。  ちなみに、直近のところで、公立大学でそういう意味で交付税の範囲内で交付金をとどめているというのは、私ども以外には、滋賀の県立大学ぐらいしかありません。ほぼ全てで、実は交付税からはみ出るような交付金をお出ししているというのが実情でございます。だからそういう意味で、大学側も、県議会でのそうした経緯についての議論に積極的に対応していただきまして、言わば節度ある、しかし中身の濃い経営に努めていただいているというふうに理解をいたしております。  次に、土地利用規制につきましてお尋ねがございました。  市街化調整区域については、都市計画法に基づく規制がかかっております。ですから、現実には、市街化調整区域ではめったやたらと宅地を造成して家を建てるということはできない仕組みになっています。これはもともとスプロール現象という、今はあまりそういう言葉は、はやりませんけれども、昔は無秩序に市街地が広がっていくということに対する警戒心がありまして、これが都市計画法の区域設定の基盤をなしているわけです。ですから、無秩序な開発にならないように市街化を調整する区域として設定されているわけですから、その言葉どおり、これについては言わば利用制限がかけられているということであります。  したがいまして、例えば農家があって、農家が自分の家を建てる、あるいは分家住宅を造るというようなことについてはここの緩和がなされておりますし、本県としても、お孫さん世代だとか、そうしたことでのこういう分家住宅の考え方をさらに延長したような規制緩和等を地元とも調整しながら適用しているところでございます。  ただ、もともとが市街化を調整するという区域なものですから、ここに同じようにどんどんビルを建てていくということには法律上はできないところがありまして、それをやるためにはゾーニングの改正ということをきちんとやらなければいけないということです。  ちなみに、マスタープランも議会と議論をしながら定めていったわけでありますが、マスタープランは米子市、境港市、日吉津村、こういうところと十分協議をした上で、地元の意向に従ってゾーニングをしていただいているという状況でございます。  これに関わるのが、いわゆる農振法と言われる農業振興についての農林省のほうの規制行政でございます。これによりまして、農振地域になっているところは農業の土地利用をやめることに対する歯止めがかかっている形になっています。したがいまして、一般論で申し上げれば、公益性が非常に高い事業をやる場合を除いては、そうした転用が利かないことに制度上なっておりまして、あと、それに加えて、例えばかつて農業対策をやってから8年が経過をしているとか、それからほかに適地がないだとか、いろんな要件を満たした場合、そうした公益性が非常に高い場合と同じように解除ができるケースもあります。この辺は、運用について地元の市町村のほうから、いろいろと農業担当としての県のほうにも協議があったりしまして、それで運用を変えていくということはある程度は可能な制度設計になっています。  ちなみに、現在、米子市さんにおきましては、駅がございますが、駅の周辺地域については、そうした言わば転用が可能な形に、今運用をしているところであり、また、米子市としてもそうした規制緩和をもう1段やってもいいのではないだろうか、例えば公民館のような施設の周辺など、駅周辺と同じような考え方ができないか、今、市において御検討中だというふうに伺っております。  いずれにいたしましても、これは振出人が市町村のほうになると思うのですが、市町村のほうでまずは御検討いただき、私どもも法律の趣旨に照らして御相談させていただくということになろうかと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)32番内田議員 ◯32番(内田隆嗣君)ありがとうございました。  まず、環境大学について追及質問をさせていただきます。  議長の許しを得て、資料を配付させていただいております。資料の1を御覧ください。先ほど知事のほうから、24年の公立化前のストーリーと24年の公立化に関するストーリー、そして公立化以降のストーリーを御披瀝いただきました。要は、公立前、私学だったときが10年あって、公立になってから10年ちょっと、11年目になります。それで、見ていただくと分かるとおりですが、本当に平井知事の御英断と言っても間違いないことだと思うのですけれども、明らかに志願者数が増え、本当に毎年このように1,000人以上、実は入学者さんを断らなくてはいけない状況になっています。平成24年以降、鳥取県としても環境大学の魅力向上に努め、カリキュラムを充実させ、先ほども言われましたけれども、副専攻を設置されたり、英語村をつくられたり、いろんな取組をされました。不断の努力を重ねた結果、志願者が公立化前と比べ劇的に増え、それが安定しています。また、入学生の平均偏差値も、ぐんぐん向上しているというところで、公立化以前と公立化後とは全く別の大学になったのだと。それはもう、この10年間でまさに先ほど言われました環境を冠する学部としての一定のブランド化には成功したというのは間違いありません。  それで、私は以前に定員増に、戻すべきではないかという議論に対して、知事がそれは検討すべきだなと言っていただいて、戻していただきましたし、ITについては、新学部をということは、副専攻で対応するよと言って、もうしっかりと対応していただきました。  先ほど知事が言われましたけれども、資料2を見ていただくと、ここ3年間でも交付税としては約10億5,000万円以上が算定されている中、県と市の負担合計というのはそれ以下にきれいに収まっているということでありまして、つまり国から県、市に10億5,000万円以上の交付税収入があり、それを財源に環境大学に運営費を交付しているわけですから、結論から言うと、大学に運営費を交付してもお釣りが出ている状況であるということは、先ほど知事が御披瀝いただいた滋賀と鳥取県でしかしていないということは、非常に堅実、健全な経営をしているにもかかわらず、大学のブランド価値を上げ、そして志願者数が増えているという好循環が生まれているということになります。  私は、相変わらず学部をつくるべきだというふうに考えていまして、では新設にどれくらいかかるという話が、資料3を見ていただければと思います。当時、99億円ずつの折半だったわけですけれども、これは間違っていたら訂正していただかなくてはいけないのですけれども、198億円の内訳です。経常経費補助というので28億円、要はランニングに対して追い銭をしていたというところがあって、この建設コストというところではない、つまり公立の交付税措置がされるということを考えた場合に、ここは差っ引けるのだろうなということを考えたら、大体、校舎と研究機材の整備に110億円ぐらい、108億円ですから、100億円に消費税くらい、校地整備費が62億円かかっておるというところであります。だから100億円強あれば、土地があった場合はこれくらいの300人規模の大学がつくれてしまうのだということを意味します。  ちなみに、校地整備は、いわゆる適地があった場合、校地整備費は62億円という、こんなにかからないところを選べばいいわけでして、では100億円を市町村と県で折半する場合は50億円ほどで環境大学クラスの大学ができてしまうということは、私はすごくコスト感としては安いのではないかなと感じます。  これは、あくまでも人それぞれによって違うと思うのですけれども、つまり、入りたいけれども、申し訳ないけれども、大体毎年、志願者1,000人お断りしているという状況であるのです。その断っている1,000人という人は、県内外の割合は分かりませんけれども、鳥取に来たい、あるいは鳥取県に残りたいという人を断っているという状況で、本当にもったいない状況であるなというふうに感じます。移住定住だとか、IJUターンだとか、あの手この手で鳥取に来てくれということを言っている中で、これほど確実に来てもらえるものを断っている。10年だったら1万人断っているわけですから、全部定着するとは言いませんけれども、交流人口を含めて確実に鳥取県に4年間は住むという人を10年で1万人断っている。だったら300人で、10年で3,000人くらいプラスオンがあってもいいのではないかなというふうに、私はすごくプラス効果が多いように感じます。  また、新設学部について、鳥取県だけというふうには絶対いかないと思うのですよ。鳥取市さんがあることなので、鳥取市さんと鳥取県さんが折半して鳥取市に新しくつくるか、鳥取県と、どこでもいいです。智頭町でもいいです、大山町でもいいし、米子市でもいいけれども、自治体が負担割合を案分して学部をつくっていくということになるというと、可能性としてはそういう可能性しかないのかなというふうに思います。  また、新学部を設置したいと考える県内自治体もあると聞いています。誘致したいという自治体もあるように聞いています。そのようなケースでは、例えば資料2のように開設費をある程度案分、2分の1負担してもぜひ新学部を誘致したいという声が上がった場合は、設置に対して鳥取県としても鳥取市を説得、鳥取市さんが言えば文句はないのですけれども、鳥取市さんではなくて違う自治体が言った場合は、余地があるのではないかと考えますが、知事の御所見を伺います。取りあえずお願いします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣県議から重ねてのお話がございました。  大学につきましては、実は県政を巻き込んで何回か議論の波がございまして、最初の波が鳥取環境大学をつくるとき、それから、それを公立化するかどうか、その前提としては、やはり大学経営は難しいと、大赤字になったし、どう責任取るのというような議論が、実は大分ありまして、それを収拾する意味で、むしろ前向きに公立化して打って出ようというのに作戦変更したというのが2回目でございました。その後にまたもう1回波がありまして、四年制の大学を看護大学でつくるべきだと、これを公立でやれというのが実は議論がございまして、この環境大学に併設しろというような議論も正直ございました。ただ、最終的にはやはり、議会とも大分御議論申し上げましたけれども、あまりめったやたらと大学経営に公が手を出すべきかという議論は、正直、県議会全体としては議論があったと思います。その辺の言わば実を取る形で、藤田学院さんが最終的には話に乗ったわけでありますが、倉吉市と鳥取県でその設置に向けた経費を一定程度助成するような思い切った形をしながら、看護大学を民営でやると、これを四年制で開設するということがございました。  こういうように、最近までいろいろと議論の波が幾つかございまして、私は、実はあまり聞いていないのですが、もし今お話しのようにどこか大学をつくりたい、誘致したいという自治体があるということであれば、まずは、そこでお考えを出していただき、それを広い県民世論の中で議論していただくことから始めなければいけないのではないかなと思います。  鳥取環境大学の経営側、すなわち198億円の半額を出し、現在も運営経費について半額助成してもらっている鳥取市と我々は協議をしながら共同経営をしていかなければいけませんが、鳥取市さんとして、今のところ、大学をいじるつもりはないというのは現実でありまして、当面、新しい副専攻なり、それから様々な課題に挑戦をするというところをまずはやりながら、また今後、世の中の動向を見て、必要があればということだと思いますが、今現在、鳥取市さんはそのお考えはないわけでありまして、環境大学側から、ここに何か学部をつくりたいとかいうような話は、今のところ正直ございませんので、もしそういうお考えがあるという自治体があって、開設なり誘致なりされるというのであれば、まずはそこの自治体で一定程度説明責任も果たしていただきながら、そこに我々県議会、そして県の執行部がどういうふうに向き合っていくかという議論を始めるという手順になるのかなと思います。  看護大学のときも、例えば、看護協会さんのほうから四年制をつくれという議論が持ち込まれ、それをどうするかというので、実は県も研究会を開いたり、あちらこちらに議論に行きました。それで、県の中部のほうで自分のところにつくれというお話が先行して、最終的には、藤田学院さんのほうに受けてもらうという流れになったわけであります。これも、県が公立で全部金出してという議論もないわけではなかったのですけれども、ただ、なかなかちょっと県全体でコンセンサスを得るには、ハードルが高かったかなというふうに思っております。  いずれにいたしましても、私たちの次の世代とか、その次の世代をつくっていくことが非常に重要でありますし、なぜ公立鳥取環境大学を、そもそも平成13年につくるに至ったかといいますと、県内の進学率がやはり低いということですね。結局、当時は県内に大学は鳥取大学1つだけでありまして、短期大学が1つあったぐらいでありました。ですから、新しい大学をつくってでも、若い人材に地元に定着してもらうことを考えようという県民世論があって、ああいう結末に至ったわけであります。その分での議論というのは、正直まだついえているとは思いませんし、内田隆嗣議員がおっしゃるように、若い人たちが県内で学べる場というのは、いろいろと考え得るのだろうというふうに思います。ただ、例えば大学を県なり公立でつくるかというと、ちょっとそこはかなり大きな議論が必要なのではないかと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)32番内田議員 ◯32番(内田隆嗣君)十二分な答弁をいただいたと思っています。この種の議論というのは、こうやって議場で私が質問して、ではやりますよという議論ではないと思うのです。本当に大学というのは、総論からすれば、みんないいよねという話になる。でも、ではどうしたらやるのだとか、誰がどういうふうにしていくのだとか、どの分野をしていくのだというのが話されていく。その前段として、知事が先ほど言われたように、本当に必要だよね、という機運が醸成されて、そこからがスタートになるのだろうなというふうに私も思っています。それに当たっては、そのような取組がどこかの自治体でなされるのか、それとも県議会の場で、看護協会さんとの議論の中で出てきたようなことになるのか分かりませんけれども、今日聞いていただきたかったのは、特に議場の皆さんを含め、鳥取県民の皆様に、大学を本気で必要でつくろうと思ったら、そんなにハードルが高いものではないのだよという議論を始めてみたかったというのがまず第1です。5年前、6年前くらい、それこそ地方創生が言われる前は、少子高齢化の中で、子供の人口が減るから地方に大学を増やす、今はもうあり得ないというくらいの議論がされていたと思うのですけれども、その議論については、都内は駄目だけれども地方だったらいいよみたいな議論に変わっていっているというのは間違いないですし、必要とされているニーズ、例えば先ほどITのことを言われましたけれども、ITとかDX人材をどうやって育成していくのだという議論も含めて、ここは議論をするべきだというふうに思っていますし、皆さんにもぜひとも大学はどんなものなのかな、というふうに考えるきっかけの質問になったらいいなというふうに思って、今日はこういう資料を出させていただいております。  知事も、鳥取県内にそんな市町村があるなど私は把握していないよ、ということだったのですけれども、それもいろんな形で議論が出てきたら受け止めていただきたいし、そういう議論が出てくるということは、何かしらのバックボーンがあるということだというふうに思っています。どこの自治体とは言いませんけれども、例えば単位自治体というところで考えると非常に難しいというのは、どの自治体もそう思っておられます。さはさりながら、例えばGAFAでもいいですし、IT系の大手企業などがバックボーンにいて、それが一緒に大学をつくるというような話とか、いろんなやり方というのは数限りなくあると思うのです。それについて、今日は、そういう議論があれば、今のところはつくる気はないけれども、傾聴には値する話なのかなというふうに思うというのが知事の感想なのかなと思います。違えばきちんと否定していただければと思いますので、よろしくお願いします。  次に、市街化調整区域と地域のコミュニティーの維持と開発規制についてです。  私の娘が通っている小学校も、例に漏れず市街化調整区域にあります。同級生が16人とか17人とか、20人切るくらい、私の同級生が54人いたので、もう市街化調整区域は大体そういう傾向にあります。弓浜半島でいうと、崎津、大篠津、和田が統合して弓ヶ浜全体で新しい学校をつくるみたいな議論が始まっていますし、南部箕蚊屋というところで市街化調整区域が多いところは、やはり子供の数がどうしても減ってしまっている。小学校を守るという意味ではなくて、地域のコミュニティーの維持というのにすごく大きな役割を果たしているのは、コミュニティ・スクールの議論と一緒ですけれども、やはりPTA活動があって、PTA活動から地域の活動へ入っていってコミュニティーを維持する、自治会長候補になる人材の入り口になるというのが、やはり学校としてのPTAの活動だったり地域との連携であったりするというのは間違いないと思うのです。だからこそ地域の自治会であるとかコミュニティーの人たちは、小学校、中学校に対してすごく思いがあるということがあります。  その中で、先ほど知事が言われたとおり、米子市は第二弾の規制緩和を考えています。地区計画をつくるに当たって、駅の周辺500メートルくらいで規制緩和を、地区計画がつくれるようにしていこうというのを去年つくったのですけれども、それについて既に河崎エリアであるとか、二本木エリアであるとかというので地区計画ができる予定で物事が動いています。  一方で、市街化調整区域は駅がないところが多いのですね。だったらコミュニティーを維持するために、小学校の近くだったり公民館の近くだったら駅と同様に考えて、コミュニティーの維持のために必要だよねというような議論を、今始めようとしているところです。  これが大きな引き金になっているのは、自治会から本当に小学校が必要だから、米子市、何とかしてくれと、市街化調整区域なのだけれども、我らのまちで地区計画でもつくって、子供が来る、要は家が建てられる環境を後世に残したいという思いがあるというので自治会で議論が始まっていたり、自治会の中でも話があるよというところで米子市もすごく迅速に対応してくれているのだと思うのです。  これは、本当に小さなコミュニティーの積み重ねの集合体である鳥取県において、この一番重要で一番小さな地域のコミュニティーの声というのは、やはり本当の声だというふうに思うのですね。このコミュニティーの声をどうやって実現してあげるか、しかもそれが市町村も含めて頑張って変えたいのだ、こうしたいのだというところにあったときに、受け止めますというふうには聞こえないでもなかったのですけれども、県としてもやはりどうやったらできるのだろうかというのを地域のコミュニティー、そして市町村としっかりと共同歩調で考えていただきたい、その声を受け止めていただきたいというふうに思うのですけれども、その辺り、どうでしょうか。知事、御答弁ください。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣議員から重ねてのお話がございました。  大学については、議員の御趣旨はよく受け止めさせていただきました。実際にそれぞれの地域でお考えがあり、協議したいということであれば、そのときに私どもも真摯に対応をさせていただきたいと思います。  大学の議論というのは、半永久的にやはり経営についてお金もかかるところがございまして、私も自治体の首長ですけれども、かなり慎重な、それで精細な考慮をしていかなければいけないものでありますし、また、大学をつくるとなりますと、文科省のほうの設置認可、あるいは学部の設置ということの了解を取らなければいけませんが、それには教官を何人そろえなさいとか、それから施設はこういうものがこの程度必要ですよとか、かなり細かい基準があり、それを大学の審議会にかけて了解を取るということであります。少子化の時代なので、そう簡単に認可が下りるということではどうもない空気感であります。  最近の状況を申し上げますと、議員がおっしゃったように、我々知事会の中でも山口県を中心に議論がありました。地方創生なのだから、首都圏の23区の大学の学部の定員は増やさずに、地方のほうを増やすべきだと、こういう議論をして、実は今、そういう制約が地方創生の副産物としてかかっています。これもそろそろ外してくれという議論がどうもあるみたいで、文科省が今、もう一度東京23区の学部新設だとか定員増など、そういうものの規制を撤回できないかというふうに、どうも動き始めているような空気感が出てきております。したがいまして、ますます地方のほうでそうした高等教育の機会というものが相対的に低下する可能性もあるわけでありまして、戦略的に我々はどう考えるか、これはやはり県民全体の議論としてきちんと今後もやっていくべきだというふうに考えております。そういう意味で、今後、何か問題提起があるのではないかということかもしれませんが、またそれを受け止めさせていただきまして、真摯に対応してまいりたいと思います。  もう1点の区域規制のことでございますが、詳細につきましては、これは農振法の許可の関係もあり、農林水産部長からもお話をさせていただきたいと思いますが、議員がおっしゃるように、いろいろと地域で暮らす者にとって、必ずしもそうした様々な都市計画法とか農振法の規制が地域の実態に合っているかどうかというのは、私も若干疑問があります。ただ、厄介なのは、国が法律でそれを決めていることですね。農地法の転用許可一つ取っても大騒ぎをして、若干都道府県と市町村との役割分担に違いが出たり、平方メートルの規制の基準が変動したということはありましたけれども、大山鳴動してもその程度というような状況で、相変わらず例えば農地を守るためとか都市の乱開発を防ぐためという大義自体はなくならないと見て、それぞれの各省庁がやはり規制を残しているという状況はどうしてもあります。我々執行部は、残念ながら法律ですから、その仕組みに従わなければいけないところがありまして、そこで苦慮しているというような状況があります。ただ、地域の声に基づいて、こういう規制についても再考すべきところはあるだろうと思います。  今、米子市において、駅周辺の500メーター以外にも具体的な検討も始まっているということでありますので、これについても、まずは地元のほうで地区計画をどういうふうに設定するのか、このことをよく御検討いただいた上で、そして最終的には住民の皆様や農業者、あるいは地域の利益というものを十分に酌み取った形で、我々も真摯に協議に臨んでまいりたいというふうに思います。 ◯副議長(広谷直樹君)西尾農林水産部長 ◯農林水産部長(西尾博之君)市街化調整区域の開発規制につきまして、補足の答弁をさせていただきたいと思います。  議員言われるところの、米子市さんの都市計画部局サイドの地区計画の策定の状況、詳細についてはまだ正式に承っていないところでございます。地区計画策定に当たっては、もしその当該区域が農振法上の農用地区域というふうになっている場合にあっては、私どものほうに事前の相談等をいただくものというふうに思っておりますが、まずは米子市さんの中で、農地法、農振法を所管する担当部局のほう、あるいは農地の在り方について所管しておられます農業委員会、そちらと意見調整を図っていただくということが必要になるかというふうに思います。その段階から、私どものほうには恐らく相談がかかってくるのだろうというふうに思っておりますけれども、いずれにしても、それらのところと意見調整を図られたところで、農用地区域からの除外の見込みも含めて検討をいただくということが必要になってくるというふうに思います。事前相談の段階から農業サイド、住民サイドの御意見を承った上で、御相談に乗っていきたいというふうに思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)32番内田議員 ◯32番(内田隆嗣君)ありがとうございます。  大学について、私もそうだなと思って聞いています。本当にそうなのだろうなというところで、声が上がってきたら検討してください。大学というのはこういう形でできなくもないですというような、いいのか悪いのか分からない質問でした。  最後、では、そうはいってもせっかく開学時に324人という定員を設定して、今回300人まで引き上げていただいたと。今後、何年か様子を見るということなのかもしれませんけれども、私はここで24人、実際に入学者は323人ということで、ほぼ入学定員みたいなところを確保している状況というのもありますので、ここはもう一度324人まで定員をまず戻してみるということを考えていただけないかなというふうに思います。  それから、農地法について、るる説明がありました。もちろん農地法について、それから都市計画法について、非常にハードルが高いというのは、多分我々も皆さんもよく分かっているし、それが高いからこそ今までなかなか実現してこなかったというのがあるのだと思います。ただ、いよいよな状況だからということで、地域の例えば農業委員、土地改良区、公民館運営審議会、自治連合会みたいなのが一体となって、地域のために何とかしてくれと声を上げてきたからこそ米子が動いたのかなとも思いますので、私は非常に期待したいと思いますし、知事から真摯に耳を傾けていくという真摯な声をいただきましたので、非常にありがたいと思っております。  公立鳥取環境大学の定員を324人まで戻してみようというところで、最後の質問といたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて内田議員のほうからお話がありました。  土地の利用規制につきましては、先ほど申しましたとおり、地元の事情というのが一つ優先されるべきものだと思いますので、真摯に我々も対応させていただき、結果として地域の様々な調和的な発展がなされるように協力をさせていただきたいと思います。  大学につきましては、定員を今300人とさせていただいていますが、定員をどういうふうにするかによりまして、教官の数とか施設などにも実は影響してきます。それで、現状のところでどういうふうに組み合わせるのがいいのかという判断で、大学側で今300人という定員設定をしています。もちろん志願者はもっと多くの数がございますし、また、上方修正することは、可能性は当然あると思いますが、今、大学側の想定としては、まずは定着を図ることだと思います。かつて定員割れを繰り返していくという状況がございました。それから、今、基調は少子化が進んでおりまして、大学生の獲得競争が各地で行われているということがございます。したがいまして、その辺は大学のほうでも適切に御判断いただくように、経営側としてもサポートをさせていただきたいというふうに思います。今日の議論につきましては、お伝えをさせていただきたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時06分散会    ────────────────...