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  1. 鳥取県議会 2021-11-01
    令和3年11月定例会(第2号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  この際、御報告を申し上げます。  監査委員から、令和3年10月の例月現金出納検査の報告が議長の元に提出されましたが、その報告書は、既に配付している写しのとおりであります。  本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。  これより、代表質問を行っていただきます。  14番鹿島功議員 ◯14番(鹿島功君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。県議会自由民主党の鹿島でございます。昨日より師走となりまして、何かと気ぜわしい月となりました。一昨日ですか、日本に新しいコロナウイルスオミクロン株なるものが入ってきまして、外国人の入国禁止の措置が取られました。またしても経済活動にブレーキがかかってしまいました。  そのような中、本日は、会派を代表して、新型コロナを乗り越え、安心・安全な県民の暮らしを支えるために、今後の県政運営はいかにあるべきか、知事、教育長、警察本部長と議論をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  アフターコロナを見据えた県政運営の基本姿勢、平井県政4期目の総仕上げに向けてということで、未来への礎づくりをテーマに、新時代の創造を掲げられた4期目の平井県政も残すところあと1年半ほどになりました。とりわけこの2年間は新型コロナ対策に奔走され、思いどおりの県政運営がかなわなかった面や、むしろ密から疎へ社会全体の価値観が逆転し、地方回帰の萌芽も見られる中で、新たな局面に合わせた未来志向の地方創生に向けてギアチェンジを図っていく土台づくりの期間にもなったのではないかと思います。  知事は、これまでの議場での議論において、今任期の総合戦略や政策項目について、目標に対して一定の成果が見られ、おおむね順調であると振り返ってこられました。新型コロナの影響が直撃した観光、海外誘客や貿易、販路開拓などについては、数字上の成果が見えない中ではありながら、キャンプやサウナ、アウトドアツーリズムなどの観光資源の掘り起こしや磨き上げ、また、コロナ収束後に海外市場に打って出る意欲的な県内企業に対してはオンライン商談会などで後方支援するなど、堅実な県政運営を図ってこられたものと思います。  改めて、今、この新型コロナの感染拡大によって顕在化した本県が抱える課題や強みを踏まえながら、デジタル化や脱炭素社会など新たな社会環境の中、本県が進めるべき地方創生に向けて、県民の皆さんの納得と共感が得られる県政運営を図っていただきたいと考えます。  ついては、今任期の目標として掲げられた政策項目の実現状況や令和新時代創生戦略の進捗に対する中間評価として、これまでの総括と今任期最終年度に向けた意気込みについて、知事の所見を伺います。  今後の予算編成に当たっての方針と財政運営上の課題についてお尋ねします。  新型コロナの影響による経済活動の停滞、法人税収の落ち込みや個人消費の伸び悩みを要因として、政策実現の裏づけとなる令和2年度の県税収入額は前年度に比べ16億円減の617億円と、依然として財政状況の厳しさがうかがえるところであります。  一方で、年明け1月からは、アジア・オセアニア諸国間で世界最大規模と言われるRCEP、地域的な包括的経済連携協定が発効することとなり、海外需要を背景とした製造業などで持ち直しの傾向が見られるような明るい兆しに期待されるところです。反面、今後も引き続き、半導体不足やコロナ禍によるサプライチェーンの停滞、日米間の金融政策に伴う円安進行と原油・原材料高といった懸念材料もあり、地方財政においても予断を許さない情勢は変わりません。  そのような中、本県においては、継続的な感染症対策医療提供体制の構築、地域経済の立て直しに必要な財政需要のため、一般財源総額確保を中心に、適宜、国に対する要望活動に尽力していただいているところであります。  政府においても、このほど岸田政権として経済対策をまとめられ、18歳以下への給付金や困窮学生に対する支援金、観光支援、GoToトラベル事業の再開、介護職や保育士、看護師らの処遇改善を盛り込むなど、コロナ禍で傷んだ分野に即効性のある手当てが今月予定される臨時国会に諮られるということであります。  衆議院選を経て、言わば16か月予算にもなるであろう今後の国の大型の経済対策を踏まえ、本県における来年度の当初予算に向けて、予算編成方針や今後の財政運営上の課題について、知事の所見を伺います。
     衆院選の結果を踏まえた岸田新内閣への期待について。  今年10月、行政のデジタル化ワクチン接種をはじめとする新型コロナ対策など、幅広く堅実な政権運営を果たされた菅総理に代わり、岸田新政権がスタートしました。岸田新総理は就任後初の記者会見で、丁寧で寛容な政治を進め、国民の信頼感をしっかりと取り戻すと述べられ、国民の声を聴く政策の展開に期待を寄せるところであります。  また、スピード感を持って臨まれたさきの衆議院選の結果を踏まえて、民意が示されたと総括されましたが、私は、決してこの結果に慢心せず、コロナ禍を乗り越え、国民、県民の皆さんが希望に満ちあふれる未来に向けて、ここ鳥取から取り組んでいかなければならないと強く感じた次第であります。政権発足、そして衆院選を経て第二次組閣から間もなく、「成長と分配の好循環」、「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトに、新しい資本主義実現を掲げ、持続可能な社会の創造へスピード感を持って我が国をリードしていただくよう、地方からも声を上げていかなければなりません。  平井知事におかれましては、全国知事会長デジタル田園都市国家構想実現会議など政府諮問会議の委員として深く関わりを持っておられますが、アフターコロナを見据えた県政運営を考えるに当たって、岸田新政権へどのようなことを期待されるのか、所見を伺います。  次に、逆境を乗り越える県民の暮らし、基盤の再構築に向けて、新型コロナ克服に向けた取組についてお尋ねいたします。  新型コロナの感染拡大において、デルタ株の猛威により過去最大の流行となった第五波により、都市部において医療崩壊のような状況に陥り、適切な医療を受けられないまま亡くなる症例も多数発生しました。  その後、8月下旬をピークに新規感染者数は減少し続け、9月末には全国で緊急事態宣言等が解除され、ここまで国内の感染状況は落ち着いている状況ですが、冬場に向けて第六波の襲来や季節性インフルエンザとの同時流行により医療逼迫を招くのではないかと懸念の声が聞かれます。  政府が示した次の感染拡大に向けた取組の全体像の中では、第五波のピーク時の2倍の感染力に対応したコロナ対応病床の3割増強、臨時の医療施設の具体化、自宅・宿泊療養者へのオンライン診療、往診、訪問看護の体制確保など、医療提供体制を強化することとしています。  新たな変異株等により発生が懸念される第六波や季節性インフルエンザとの同時流行に備えるため、感染が落ち着いている今こそ、感染再拡大に向けた備えを整えるべきと考えますが、いかにして県民の命を守るための医療提供体制を再構築していくのか、改めて知事の所見を伺います。  ワクチン接種については、12月から3回目接種を開始予定であり、2回目接種から8か月経過した人から順に接種していく方針が出されています。当初、12歳以上を接種対象としていましたが、18歳未満の3回目接種の安全性等のデータが不十分なため、当面、接種対象を18歳以上に引き上げることとなりました。  しかしながら、2回接種済みの方の中には、ファイザー製モデルナ製等の複数のワクチン接種が混在しており、その他に2回のワクチン接種を終えていない方もおられることから、国や市町村と十分協議の上、県民が混乱しないような接種体制を構築することが必要と考えますが、いかにして円滑な接種体制を構築していかれるのか、知事の所見を伺います。  次に、コロナ禍の中、企業活動において、オンライン化デジタル化の導入、進展が劇的に進み、業務の合理化、効率化など副産物が生まれたのは既に御承知のとおりであります。中には度重なる県内外での緊急事態宣言や時短要請を受けながらも、例えば飲食業界などで新たな分野への事業転換や事業の多角化に取り組まれている事業者もおられるようです。特に比較的若手の経営者を中心とする企業において、デジタル化を基盤として、電子商取引での商品販売や社員のテレワーク化、宅配、持ち帰り事業への新規参入、所有する社屋をワーケーション用に貸し出すなど、コロナ禍をきっかけに新たな商機を見いだす事例もあり、将来のデジタル社会の事業環境に合わせた頼もしい変化であったと思います。  一方、後継者がいない高齢の事業主の方々を含め、感染予防対策のため対面を避けて事業継続できるといったデジタル化の恩恵を得る以前に人材や技術的な面でデジタル化の導入を敬遠され、コロナ禍において事業をストップせざるを得ないという方もあったのではないかと思います。将来を見据えれば、自ら積極的にデジタル化を進める事業者だけではなく、デジタル化に二の足を踏む事業者が取り残されることのないように、商工団体等と連携するなど、デジタル化を基軸とした伴走型の経営体質改善・強化支援も必要ではないかと考えます。コロナ禍を乗り越え、持続的に事業継続していくことができるよう、これまでの取組と今後の支援の在り方を含め、知事はどのように認識しておられるか、所見を伺います。  次に、鳥取版みどり食料システムの構築について、活力ある農山漁村づくりの実現に向けてお尋ねします。  我が国の農林水産業を取り巻く環境は、生産者の高齢化や現場の担い手不足など、生産基盤の先細りといった構造的な課題だけではなく、地球温暖化や自然災害の激甚化など自然由来のリスクのほか、4割にも満たない我が国の食料自給率における市場のグローバル化とそれに伴う地政学リスクなど、将来に向けた不確実とも言える中で、我が国の農業政策の支えを頼りにやっと成り立っているような状況であろうと思います。  他方、SDGsという時代の要請を背景に、新型コロナをきっかけとしたデジタル化や脱炭素化、消費行動の変容など、ピンチともチャンスともなり得る局面の変化の真っただ中にあるものと思います。  そうした状況を踏まえて、今年5月、農水省はみどりの食料システム戦略を策定されました。将来にわたって食料の安定供給を図り、生産者側においては安心・安全な品質を安定的に生産する体制を整えるとともに、それを下支えする消費者側の地産地消を促進することで、生産、加工、流通、消費に至る川上から川下までの持続可能な食料システムを構築しようとするものであります。  本県においては、既に農業生産1千億円達成プランや鳥取県米プランなど、現場の実態に即した実効性ある食料システム戦略が整えられ、それぞれの目標年度を照準とした取組が展開されているところであると認識していますが、このたび示された国の戦略について、本県においてどのように落とし込みを図っていくのか、知事の所見を伺います。  また、農林水産行政における戦略や政策の実効性を確保するためには、根本的に生産者側の持続可能性が担保されるべきであり、生産者がもうかる仕組みが構築されなければなりません。現行においてGAP認証を取得するなど高度な生産管理体系での取組を進めている生産者もある中で、例えば高コストな有機栽培による農産物など、その付加価値が市場において適正に評価され、ブランド力と重ね合わせて他県の農産物との差別化が図られるべきですが、本県としていかにその下支え、側面支援をすべきであるか、知事の認識を伺います。  次に、世界に打って出る鳥取ブランド基盤づくりについて。  鳥取県といえば二十世紀梨ということについては県外でのイメージ調査でも定着しており、梨の生産地として常に1位を誇ってきました。また、和牛についても、和牛といえば鳥取とすべく、2030年までに鳥取和牛の名を全国にとどろかせるとの目標を掲げた和牛振興計画が策定されたところであり、今後、全国でどのように躍進していくのか期待されるところであります。  一方、果樹については、柿の新種、輝太郎や大栄西瓜等が海外において高値で取引されるなど、近年評価が高まっているところでありますが、他県の産地に比べて現状では量と質、輸送コストなどで後れを取る部分もあり、県としても継続して解決に向けた対応、生産者の側面支援に尽力していただいているところであります。  特に二十世紀梨については、海外輸出の歴史も数十年に及び、貴重な青梨ということで人気も高いですが、生育の手間が余分にかかることなどから、ここ数年で大きく生産量を減らしており、国内での出荷分を確保するのに精いっぱいであるとも声を聞いております。二十世紀梨の産地鳥取県としての看板を維持するためにも、海外輸出の販路を維持しつつ、生産者の高収益化を図った生産・流通体制の構築が必要と考えますが、知事の所見を伺います。  次に、逆境をはね返す強い農業づくりについて。  新型コロナの影響で外食需要が低下する中、外食用に割り当てられていた米の需要が大幅に減少し、全国的な米余りが大きな問題となっています。意欲的な米農家の可能性を広げるため、50年近くにわたって続いた減反政策が2018年に終了した直後にこの新型コロナの感染拡大であり、まさに想定のできない災害でありました。需要が減った分は国が責任を持って過剰在庫として市場隔離したり、特別な米価支援策を講じるなどして、生産者や流通業者に負担をかけることなく対応する必要があります。  本県においても、飼料用米などへの転作を進めるなど火急の対策を講じているところですが、農業生産額の実に2割を占める米価の落ち込みは、農家経営を圧迫するだけにとどまらず、本県経済に対しても深刻な影響を及ぼすこととなります。  せんだって、自民党総裁選において、岸田総理は新自由主義からの脱却を掲げ、地方や農家を守るための農業政策について言及されました。自民党部会においては、2020年産米を対象に15万トンの特別枠を創設し、米の長期保管経費など全額助成を行うことで市場に流通する米の抑制策を明らかにしましたが、県民の重要な主食である米を守るためにも、この状態を何とか打破していけるよう、農家の負担や影響を軽減させる安定化策が必要です。本県においては、国への要望も含め、どのように対策を取られるのか、知事の所見を伺います。  以上で壇上での前半部分の質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島功議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員が行われました代表質問にお答えを申し上げたいと思います。  鹿島議員のほうからは、冒頭、今の状況につきまして、師走という季節が始まったわけでありますが、オミクロン株が明らかになったと。これにより経済にブレーキがかかるのではないか。しかし、私たちは生活を守らなければならない。そういう意味で、どういうことをこれからしていくのか。また、平井のほうには、そういう意味で、言わばこれをギアチェンジをする機会というふうに捉えなければならないのではないか、こういうようなお話がございました。そして、私たちのこのふるさと鳥取県には課題や強みがある。そういう意味で、地方創生を住民の皆さんの納得と共感を得ながら進めなければならないのではないかと、こういうようなお話がございました。  冬の山寺に薪割る奥は雪、飯田蛇笏の句でございます。今、その鹿島議員のお話を伺いながら、そんな情景が頭に浮かんできました。冠雪がございました大山は、これからさらに雪が深まっていくでありましょう。そこに大山寺をはじめとした仏閣がございます。そうしたところでまきを割っている様子、そういうのにも重なって見えるわけであります。しんしんとこれからまだ雪が降ってくるでしょう。それはオミクロン株かもしれません。また、あるいは世界の情勢の中で、現在、原油価格の問題であるだとか、不確定要素があまりにも多くあるようにも思います。しかし、そういう中、私たちはふるさとを守りながらしっかりと寺でまきを割るかのごとく、生活というものを維持していかなければなりません。その大きな後ろ盾となるのが私たち県政の役割であり、県議会と私とが共有する使命ではないかというふうに思うわけであります。決意新たに、もう1年となったということがございましたが、私たちはこのもう1年目を仕上げの時期として捉えて、精いっぱいの仕事をしていかなければならないのだと思います。また、それだけの値打ちがある1年でもあるのではないかと思います。  今の状況を見ますと、かなり不透明感もあって、特に去年、それから今年とコロナ株の影響を大きく受けました。そういう意味で、ギアチェンジでいえばローギアに入れざるを得なかった時期なのだろうと思います。新年度を見越してみれば、私たちはセカンドに、さらにはトップギアへと、そうしてギアをチェンジしていけるような方向性を出していかなければなりません。これは経済政策をはじめとした様々な政策によるところもあろうかと思いますし、また、なかんずく、まずは健康と命を守れる土俵を、環境をしっかりとこの鳥取県内でつくっていく、そういう新型コロナ対策を果たせるかどうかというのが一つの大きな前提条件になるのではないかと思います。そういう意味で、重要な1年というものを最後に私たちは残したのではないかと思っております。  そういう意味で、幾つかの項目についてお話がございました。今任期の目標として掲げた政策項目であるとか令和新時代の創生戦略の進捗状況やその評価はどうなのか、また、16か月予算という予算の編成方針、財政運営上の課題についてはどういう状況なのか、また、新たに誕生した岸田新政権に対してはどういうふうに捉えているのか、こういうお尋ねがございました。  これまで3年近く私たちは県政を担当してまいりました。私自身は55の政策目標を掲げました。そこでは、ひと新時代、あるいはしごと新時代、安心新時代、それからふるさと新時代、そうした観点で55掲げてきたということでございます。さらに、あわせまして、地方創生についての総合戦略というのを設けました。これら双方、点検をさせていただいておりますが、幸いなことに9割ほどは目標を達成して、順調な状況であろうかと思います。  例えばこの任期の冒頭で皆さんと議論をさせていただいたのは、経済成長戦略ということでありました。これを果たすために、その新しい補助体系というものをつくりました。これがスタートの年に切ったかじであるわけでありますけれども、そういうようなことが現在ある意味奏功しているわけですね。新型コロナの中で何とか活力を維持していこう、自由な発想で立ち向かっていく企業を応援しようという、その礎になっていますし、現在、我々のほうで例えば危機突破応援金とか、そうした事業転換支援などを随時用意させていただきましたが、こういうものを活用しながらいろいろな企業さんも動いていく、そういう土俵になっているのではないかと思います。  また、例えば農業生産につきましても、先ほど梨のお話もありましたが、スイカなどを取ってみても比較的順調にこの3年ほどは推移してきましたし、また、ブロッコリーについても同様な状況ではないかなと思います。スイカについて申し上げれば、低コストハウスというものを大分展開をしてきたということもございまして、安定的な生産につなげてくることができたのではないかなというふうに考えておりますし、産地の元気というのは広がっていると思います。これは裏作である花卉栽培などと相まって、コロナ禍ではありますけれども、一定の所得を農業でも獲得できる状況も生まれてきているのではないかなというふうに思います。  こういうようなことで、幾つかの指標については順調であり、それは大方大半でもあるのですが、例えば海外との関係、あるいは観光の誘客数であるとか飲食店を中心とした活力の問題等々、想定外のことがやはり起きているわけであります。特に海外との関係では、本県は、ちょうど上海吉祥航空が就航したときにこういう事態になりました。ですからあまり飛ぶ実績がないままに一旦休止をしているという状況が続いています。また、香港航空もそうでありますし、エアソウルにつきましてもそうであります。そういう中で、実はこうした海外キャリアは結構経営に行き詰まっているところがございまして、上海吉祥航空は国内便で盛り返していますが、非常に予断を許さない状況が続いていると。DBSクルーズフェリーにつきましても同様のことが起きたわけであります。言わば振出しに戻りつつあるのだろうというふうに思いますが、ではこれをどういうふうに今後また立て直していくのか。この次の1年間は悩ましいながらもその辺のチャレンジをしなければいけないときなのだろうと思います。幸いなことに人脈は残っていますし、この間も私たちのほうで向こうでのいろんなPR活動などもSNSなどを通じましてやっていて、一定の地歩は固めてはいると思うのですけれども、これをどういうふうに取り戻せるのか。オミクロン株でなおまた不透明感が出てきたということではないかと思います。  ただ、霧はかかっても晴れるものであります。コロナもいずれ終わるときがあるでありましょう。本県でも関西ワールドマスターズゲームズというものを用意していたわけでありますけれども、これは恐らく26年くらいを目標に、今、世界機関のほうで、IMGAという機関のほうで検討中でありますけれども、またどこかのタイミングでやることになると思います。残念ながら隣の兵庫県でやる世界のパラ陸上、これも昨日再延期が決まりまして、本来であれば延期して来年やるはずだったのですけれども、これも2024年ぐらいに延びるのではないかと。そういうようにいろんなものが歯車が狂ってきておりますが、来年はともかく、再来年ぐらいになるとだんだんとある程度の予定、見込みを立てやすくなるのかもしれません。  そういう中、日本はG7を迎えるわけですね。このG7、今、広島が手を挙げているところであります。そういうように中国地方の中でもG7を開こうかということがあり、岸田総理のお膝元でもありますので、あながち蓋然性がないわけではないのかもしれません。そんなときに鳥取もある意味、中国地方として世界に向けてアピールする機会というものを考えてみるということもあり得るのではないか。いろいろと私どもなりに意欲的にチャレンジしていくということをこういう海外との関係においてもなしていくべきではないかなと思います。  そういうような中で、これからローギアだったものをセカンドからトップに入れ替えていくという鹿島議員の言うギアチェンジということを念頭に置けば、デジタル化とか、あるいは脱炭素といった新しい世界が抱える社会変革、経済成長のテーマというものを私たちも追求してみたいというふうに思います。  また、そのための人材育成にもやはり我々はチャレンジしていくべきでありましょう。例えば国際人材を育てる意味で、国際バカロレアというものがございます。こういう国際バカロレア倉吉東高校でやってみようと。なかなか小さな県でやるのは大変なのですけれども、ただ、立ち止まるだけではなくて、そういう可能性というものを鳥取の子供たちにも用意すべきではないだろうか。そういう意味で今議会でも提案をさせていただいたところでございます。  また、今、スーパー農林水産業士というものを高校生などでつくっているわけですね。こういうものを例えば工業分野でも考えられないだろうか。そんなようなことをまた当初予算に向けて検討してみるということもあるのではないか。例えば鳥大さんと連携をしながら、農林水産業士は推薦入学という枠組みを使いながら、農業大学校だとか、そういうものと組み合わせてやっていくというものでありますけれども、こういうものを私どもは工業分野でもまた考えてもいいのかもしれません。いろんな形でチャレンジできる鳥取県というものを将来のために用意していく。言わば種植えを新年度に向けて考えてもいいのではないかと思います。  そういう意味で、環境を整えながら、移住定住であるとか、あるいは副業であるとか、恐らくコロナ後は住み方と働き方が大きく変わると思うのです。住み方と働き方が言わばリシャッフルされてくる。もう一度根本から見詰め直すきっかけを世界のパンデミックが我々人類に与えたのではないかと思うのです。これは一極集中打破についても大きなテーマになり得るのでありまして、この辺も我々の言わば新年度の突っ込みどころではないかと思いますし、今年度、できる限りのそのためのレールを敷くことを最後の数か月でやっていくべきではないかと思っております。  そういう意味で、岸田新政権が今掲げていることは、私自身は割と地方にフィットする、鳥取県にもフィットするのではないかと思います。例えばデジタル田園都市国家構想というものを掲げておられます。全くこれは想定外ではあったのですが、平井のほうにもその委員になれというようなお達しが来まして、出席をさせていただきました。恐らく年内にもう1回ぐらいやることになって、これからデジタル田園都市国家構想推進に向けて始動させようという意図が政権にはあるのではないかと思います。  岸田総理のお話を何度かお伺いする機会を得ましたし、その会議でも議論をさせていただきましたが、総理の考え方は、地方に伸び代があるというところです。田園都市国家構想は大平正芳先生が亡くなられる前に提唱されたものでございますけれども、それを今の日本や世界に置き換えておられるのだろうと思います。デジタル化というものをあえて地方で実装化していくと。それによって今までにない産業が生まれるでありましょうと、活力があったり利便性ができるのではないか、これによって地方に暮らすということのハンディキャップを一挙に解消していこうということではないかと私は思っております。これを恐らくこれから政策の中で具現化していくのでありましょう。私自身もそういう意味でデジタル社会構想会議のほうで提唱させていただいたのですが、そういうデジタル田園都市国家を進める交付金を創設すべきだと、地方が使い勝手がよいものをやるべきだということを主張させていただきました。実は昨日は担当の村岡山口県知事が東京のほうで担当大臣の牧島大臣にその旨の要請活動もされておられるわけでありますけれども、こういうことが現実にも先般の閣議にかけられた経済対策の中でも見えてきておりまして、結構これは実現に向かってくるのではないかなというふうに思います。そうしたいろんな可能性を私たちは新しい政権の中に見いだすことができるのではないかと思います。  脱炭素ということもおっしゃっておられまして、これも鳥取と絡むところだと思います。また、聞く力を言わば根源として提唱された方でいらっしゃいまして、地方側との様々な意見を聞くチャネルも積極的に設けていただけるのではないかと思います。この辺など、私どもとしても期待できることはあろうかと思いますし、国と地方の新しいパートナーシップをこの岸田政権の中で知事会長として模索してまいりたいというふうに考えております。すなわち、今まで我々は国に対して陳情、要請するということで結構知事会という存在意義があったと思うのですけれども、それだけではなくて、やはり我々地方側でも、特に新型コロナ対策のようにきちんと役割を果たしていくことで国民の安全・安心や活力再生というものをつくり上げていく、それは現場でなければできないことでありまして、このことに岸田政権は重きを置いてくれるのではないかなというふうに思います。  そういう意味で、いろんな話合いのチャネルというのを例えばコロナ対策であるとか、環境政策であるだとか、そうした様々な分野で私たちは持ち出し得るのではないか。このことを実は先般、全国知事会議の開催をしたとき総理のほうに投げかけました。総理のほうでは、様々なチャネルを通じて話し合っていきたいと、こういうお言葉がありました。従来の政権とは若干そこは異なり得るのではないかなというふうに期待をいたしているところであります。  財政につきましてのお話もございました。16か月予算ということでありまして、先般提案理由説明でも申し上げましたけれども、ぜひ議会のほうでも御配慮をいただきまして、追加の提案をお認めいただきたいというふうに思います。  今、政府のほうでは経済政策として55兆円を上回る大型の対策を打ち出すことにされておられます。これを来週開会する国会に提案されるのでありましょう。その提案がなされましたら、速やかに私どものほうで予算編成をさせていただきたいと思います。それで、今議会中にぜひ提案をさせていただき、その経済政策を具現化していきたいというふうに思います。この中には新型コロナ対策が入っておりますし、地方創生臨時交付金の大幅増額を私ども要望させていただきました。全国知事会議の席で総理がおっしゃったのは、6兆8,000億円増額するということであります。かなりの大型でありますけれども、この中には恐らくかつての協力金と言われる大都市における飲食店対策の精算のお金が大分入っていると思います。ですから生身の地方創生臨時交付金として事業者支援など我々が要望しているところに充てられるものがどれほど出てくるのか。ただ、大体1兆円から2兆円の規模で自由度の高い、我々が要望したものに近いところが出てくるだろうと。私どもは2兆円を要望していましたので、ほぼその方向性というのは出していただけたのではないかなと思います。これも相当霞が関から抵抗があったのですけれども、総理のほうにも直訴をさせていただいたり、関係大臣のところにも申し上げたりしまして、結構霞が関のまだ冷ややかなムードはあるのですけれども、政治的には実現しそうだなというふうに今思っているところでございます。こういうものも速やかに実行に移して、例えばそうした事業者対策とか、観光対策だとか、この辺を年内から新年にかけて始動させていくことができるように、議会の御協力を仰ぎたいというふうに思っております。こういうものも含めての議員がおっしゃる16か月予算ということになろうかというふうに思います。  大きな問題は、やはりコロナを完全に克服していくことがこの16か月の中でテーマになると思うのですが、それを前提としながら経済社会を回復させていくと、少なくともローギアからセカンドへ入れていくと、このぐらいは我々は見越していかなければなりませんし、ジャンルによってはトップギアに入れていくことは可能かと思います。例えば、半導体の問題はあるのですけれども、割と製造業は好調でございます。半導体だとか、燃油だとか、幾つかの不確定要素はあるものの、やはり世界的にはコロナからの回復を待っていまして、それを先取りするかのように世界経済が動き始めている面もございます。ですからそうした意味で、早く成長できるものはそうしたレベルで投資をしていき、また、今傷ついているところにはそうしたところに対する対策を打っていく。これは今回の県としての追加補正予算であるとか当初予算の中でぜひ盛り込んでいければと考えているところであります。その財政誘導目標という県民の皆様との共通のお約束を議会と平井との間で協議をさせていただき、何とかこれを果たしながら、次の任期へとつないでいかなければならないと思います。このめどは、来るべき当初予算編成の中でお見せしたいというふうに思います。  環境はさほど悪くもないと。簡単でもありませんけれども、コロナ禍でも実現可能ではないかなという兆しもあります。例えば税収ですね。決算ベースで昨年度は775億円でございました。今、決算見込みを我々は考えているのですけれども、今まで見えてきたところでは、20億円ぐらいここから上振れした形で今年度は終わるのではないかと思われます。不思議に思われるかもしれませんが、先ほど申しましたように製造業が比較的好調なところがあったり、また、これも意外に思われるかもしれません。金融機関も悪くないのです。これは多分、鳥取県独特の融資制度を設けまして、これで利子補給をして、保証料も出して無保証料、それから金利ゼロで企業さんが融資をつないでいっていると。これは金融機関からすると恐らく利益になっているのですね。ですからそういう意味で、金融機関の決算はそんなに悪くないということです。  こういうようなことがございまして、若干税収が上振れモードになっていると。それから、臨時財政特例債も含めた実質的な地方交付税というジャンルでは、政府は一般財源総額を基本的にはキープすると新年度に向けて約束をされています。そこに加えて、今、追加の補正予算の中にも交付税の増額分が見えています。これは全部使える交付税ではなさそうなのですけれども、少なくとも一部は使える交付税が入ってくるのではないか。そこのところを見越しますと、新年度予算を組んでいくだけの財源は得られるのではないかと期待をいたしております。最終的にはちょっと年末締めくくって政府予算が見えてからでないと分かりませんが、そういう財政フレームの中で、ぎりぎりのところで財政誘導目標を果たしながらも予算編成をある程度積極的に組めるのではないか、こういうように考えているところであります。  次に、新型コロナにつきましてお話がございました。新たな変異株がございまして、医療提供体制をどういうふうに再構築し、県民の命を守っていくのか、また、ワクチンについて、接種体制、市町村が混乱なくどのように進めていくのかと、こういうお尋ねがございました。  オミクロン株が世界に衝撃を与えております。このオミクロン株というのは今までにはない特徴がございます。変異が非常に多いということであります。具体的には、N501Y、これはアルファ株にも入っていましたし、ベータ株にも入っていました。さらに、K417Y、これはベータ株と言われる南アフリカで見られた株に入っていたものであります。これらのほかにも大体30ぐらいの変異があって、特に感染症の場合に大事なのはスパイクと言われる人間の体の中に入ってくっつく部分のところの変異が数多く見られるということです。当初、武漢型で見られたとき、私たちもちょっと驚きましたが、意外にうつらないなと思ったのですよね。それがアルファ株、大分うつるようになったなと。さらにデルタ株、とんでもなくうつるなと。さらに今回のオミクロン株。そういう意味ではある意味ウイルスが進化しているかもしれない。世界中の学者が懸念をしているところでございます。そして、特徴としては、L452Rというのを持っていないと。この変異はデルタ株に見られる変異です。一番特徴的な変異。世界中をウイルスが動き回る中で、デルタ株とは全く別系統で言わば進化を遂げてきたウイルスの登場ということだと思います。  今、南アフリカが震源地のように言われていますが、よく分かりません。昨日ぐらいですと、イギリスのスコットランドでプライベートなイベントで複数感染したのではないか。すなわち市中感染があったのではないか。それから、オランダにおきましても早めの感染が見られたなど、アフリカでも流行は見られるわけでありますが、実はヨーロッパでも見つかっていなかったけれどもあったのではないかという可能性もあります。  このオミクロン株は、世界中に回っているのですが、なかなかゲノムを解析しないと見つからないということもありまして、不思議なのは、2例目の日本での感染例が見つかりましたけれども、あれはペルーからの飛行機なのですね。ペルーから入ってきた人。ですからペルーで感染したと思われるのが普通の疫学的な考え方でありますけれども、ところがペルーは今、感染国になっていないわけです。南米では見つかっているのはブラジルだけであると。事ほどさようでありまして、実は潜んで各地にあるのかもしれないと。だからこれが今広がる局面にあるのかもしれないと。デルタ株もそうだったわけですね。インドであったと言われています。これがインドで爆発的な広がりを見せたと。それからしばらくたちながら、各地で爆発的な広がりが出てきたと。日本もそのうちの一つであったわけです。  ウイルスというのはこういうものでありまして、もういいかげん学者の皆さんも学習したらいいと思うのですけれども、小さいところからだんだん上がってくるのですよ。それで、ウイルスというのは強いウイルスが現れますと、我々は現場で見ていますから分かるのですが、やたらとうつし回るわけです。広がりが速いのです。だからそれがぐっと立ち上がるように見えるわけですね。広がりが速いものが優勢になるのはそちら側のほうがやはり広がるからでありまして、従来の株を上回るものであればそれ以上のスピードで広がります。ここが時々対抗するのですね。本県でも7月頃はそうだったと思います。従来型のものとデルタ株とが競い合うように入り込んでいました。米子の繁華街でも同じビルの中でも違うウイルスの型が入り込んでいると。不思議なのですけれども、こういうことが起こると。そういうものだと思ったほうがいいのですよね。それがいつの間にかデルタ株が優勢になって、うちの県もデルタ株一色になりました。こういうような過程というのを常にたどっていくわけですね。一旦落ち込んだようであっても次のものが出てくると。今度出てくるとまた強いものが出てきて、また山が上がっていくと。こういうようなことを繰り返しているわけでありまして、そういう意味ではいずれは日本でも同じことが起きてもおかしくない。  だからやはり備えなければいけないわけでありますが、ただ、今は感染レベルは非常に低いと、本県は、結局11月が終わりましたけれども、お一人の感染だけであります。このお一人は県外に行っておられた人でありまして、県内で広がっていったわけではないと思います。  そういうようなことでありますけれども、これが逆に次の予兆でもあるわけですよね。パンデミックを繰り返しつつ、感染症というものはいずれは衰退していくということではないかと思います。  衰退も突然起こります。こうやってウイルスの数がどんどん増えていくように見えて、どこかでやはり歯車は狂ってくるのだと思うのですけれども、日本では、いまだに謎ですけれども、急に減ってきたと。だからそういうようなことをウイルスは起こすのだというふうに思ったほうがいいのですが、ここに人出であるとか、ワクチンであるとか、いろんな説明をつけたがるのですけれども、それだけでは絶対に説明はつかないのですよね。だからやはりその辺は学者の皆さんももう少し冷静に、我々現場の意見も聞いてもらって、何が起こっているかを学術的にも解明していただく必要があるのかな、それが次に備えることになったり、感染症というものと人類が向き合うヒントにもなるのではないかなというふうに思います。  このオミクロン株は、ややこしいのは、スパイク細胞のところに変異が多く起こっているということでありまして、今のワクチンがどれほど効くのかなということがあります。それはモデルナの社長さんもおっしゃっているし、ファイザーについても言われているところであります。ただ、ワクチンが全く無効かというと、恐らく重症化予防には効くのではないかという学者さんが多い。だから最初の発症を予防するということだとか感染を予防するというところでどれほど効くかは、スパイク細胞のところのアミノ酸が変異していますから分からないですけれども、それが体内に入ってきた後、重症化するかどうか、中でウイルスが増殖するかどうかについては、一定の作用はあるかもしれないということかなと思います。ちょっと専門的なことなので分かりかねるところもあるのですけれども、何らかのメカニズムが働いているのかもしれません。南アフリカのお医者さんは世界に向けて公表されていますけれども、意外に重症化が少ないのではないかというふうにもおっしゃっています。今、世界中がこの辺の検証作業をしているということです。  あともう一つ厄介なのは、デルタ株でロナプリーブが効いたなと思います。ところがこのロナプリーブが果たして特効薬になり得るかどうか、これも検証が冷静に必要なのだろうというふうに思います。こういう意味で、ワクチンだとかそういう点滴の薬剤、さらに、今、政府が調達しようとしている経口薬、こういうところがどこまで効くのか、ちょっと今、不確実性が出てきているということだと思います。  そこで、私たちがまず今の段階でやらなければならないのは、やはり議員がおっしゃったように検査とか医療提供体制をしっかりと整えておくと、このことに恐らく尽きるのだろうというふうに思います。もともとワクチンだとか医薬品がないときからも鳥取県は頑張ってきました。その鳥取方式が恐らく奏功したのだと思いますが、全国でも第一波、第二波、第三波、第四波と抑えてきたわけですよね。やはりこの成功体験に基づいて、我々はこのやり方を徹底すべきだろうというふうに思います。  そういう意味で、医療提供体制につきましては、ベッドの増床を図りたいと思います。337床であるところを、今、病院さんを回りながら、協力していただける病院も出てきまして、345床確保できるということであります。これは国の基準では243床あればいいということですね。ただでさえうちは多いのです。多いのですけれども、それからさらにもうちょっと増やしておこうと。さらに、臨時医療施設として、今ホテルで使っているものでも5床ほど加えられないだろうか。さらに、臨時医療施設5床以外のところにつきましても、実際上は診療所的に使えるようにならないだろうか。これはちょっと鳥取県独特かもしれませんけれども、そこを医師会ですとか、看護協会ですとか、薬剤師会などとも調整をしながら、そのめどを今立てつつあります。もし診療所的な使い方ができるようになれば、そこで例えばロナプリーブのような点滴薬の治療とかをしたりということも可能になりますし、そういうようにして、ベッド以外のところの補完、病床以外のところの補完の部分というものを広げていけないだろうか。  また、在宅療養なども含めて改善を図ることもあるだろうと。例えば小児科です。デルタ株は、我々が計測したところでは、Ct値と言われるウイルスの量、これがその前のアルファ株と比較をしますと一定程度低く子供さんに出ていました。子供さんはほかの大人とかと比べるともっと顕著に出るのですよね。西部でもありましたけれども、保育所のクラスターなどが起きました。ひょっとすると子供さんにうつりやすいということがあったのかもしれないと、それがデータ的に我々は見えたのかもしれないというふうに思っています。  そういう意味で、小児科の先生方と相談をさせていただきまして、タブレット端末を活用して遠隔医療的に日々見守っていただくということができないだろうか。やはりお子さんの場合、コミュニケーションの問題もありますので、症状を見分けるのが難しいところがあったりします。そういうようなことをやってみよう。あるいは検査につきましても、小児科の先生の御協力を得て、検査を小児科のほうでやっていただくということであります。そのときに、サライバクリアという、こういう特殊な計測器といいますか、検定の機材を購入させていただいて、サライバクリアを使ってお子さんでも適正に検体を取りやすくするというようなこともやってみようと。このようなことで、お子さん対策ということを一つ考えるのかなと。  また、取り残される人、例えば障害者さんだとか、お年寄りとか、そういう方々につきましてもお預かりの仕組みというものを整えていこうとか、こうやって在宅も含めて医療提供体制について一定の対策を取ってはどうかと思います。  また、検査につきましては、先ほどL452Rという変異がないということを申し上げました。このL452Rがないことを逆手に取って、あえてデルタ株のスクリーニング検査をしてはどうかと。そうすると、L452Rマイナス、陰性ということが出た場合に、今、基本的に日本はデルタ株ですから、それはオミクロン株かもしれないというきっかけになるわけです。そうであれば、全数これをまた全ゲノム解析にかけると。全ゲノム解析は結構時間がかかるものですから、そういうものは必ずやるようにしようと。当面は、今、全然陽性者はいませんから、全数やってもいいのです。ですがだんだん増えてきても、まずはL452Rのスクリーニングをかければ、それでまず一時的な判定はできるかもしれないと。ひょっとするとオミクロン株かもしれないとなったら、そういう前提で受け入れ方を考えるとかということをやり始めて、それでその後、ちょっと数日かかりますけれども最終判定をすると、こんなようなことをやってみようか。また、既に導入した機材を上手に使うことで検査能力もさらに上げようと。こういうことなどをいろいろとやって、検査につきましても充実を図ってまいりたいと思います。  それで、ワクチンのことも今、非常にホットイシューになってきております。全国知事会でも大分議論がございまして、一昨日は堀内大臣とテレビ会議で議論をさせていただきました。私のほうから申し上げましたのは、今、鹿島議員がおっしゃったとおりのことでありますけれども、ちょっと市町村に混乱が起きかねないと。一つは、ファイザー社のもので2回接種をこれまで市町村がやってきたわけですね。モデルナ社が実は45%ぐらい本県は2月、3月に配布をされるということになります。このモデルナ社製に慣れていないので非常に市町村は拒否感があったのですけれども、11月29日に市町村長と各医師会長と、みんな集まってのハイブリッド会議をやりまして、そこで市町村長が御了承されまして、モデルナも使おうということではあるのですけれども、それで県のほうでも県営の接種会場をつくってモデルナ接種の応援をしようということに、今、乗り出そうとしています。  こういうようなことは一応は受け入れていただくにしても、ただ、住民の皆さんが果たしてモデルナを打ってくれるかどうかということがあるわけです。やはりファイザーがあったほうが恐らくスムーズに進むのですよね。堀内大臣にもはっきり申し上げたのですけれども、今、8か月経過した人に打つにしても、ファイザーが足りないのであれば、何とかモデルナを使ってくださいと、国民の皆さんにも言って、そうすると早く3回目接種が回りますからと、そういうように政府としても表明してもらわないと我々も動きにくいということを申し上げました。  また、8か月を6か月にできるかどうかということもありまして、我々としてはできれば早く打ちたいと。今、韓国なども6か月どころか5か月、4か月とだんだん短くしてきているわけですね。イギリスもそうです。それはやはり、効くかどうかはよく分からないですけれども、少なくとも重症化の問題もあるので、打てるものなら早めに3回目接種はやったほうがいいと。これは日本でも基本は変わらないはずなのですよね。結局ワクチンが多分足りないのだと思うのです。ワクチンの制約の中で組むと8か月経過した者を中心にということなのだと思うのですが、もっと正直にそこをやはりおっしゃっていただいたほうが国民も協力するのではないかということを率直に申し上げたのですね。  恐らく政府のほうでは、こうした地方の空気も聞いていただきましたので、来週、総理のほうで国会の論戦に臨まれるのではないかというふうに思います。今、厚労省が示しているときよりももう少し枠を広げた6か月経過した方への接種というものを表明されるのではないかという報道が今朝から始まっていまして、そうした政府の動きにまた期待をさせていただきたいというふうに思います。  それで、できるだけ市町村の混乱なくまず初動が進むように、鳥取県独特のやり方を今させていただいております。最初はコロナ患者を受け入れる病院が中心なのですね。昨年の冬から春にかけて打ち始めたところは、まず協力病院と言われるコロナ病床を持っておられるところを中心にして最初に打ち始めているわけです。17病院あるのですが、これにつきましては、市町村が集団接種会場だとか個別接種会場を設けるのではなくて、病院で打ってもらえばいいではないかと。手っ取り早いですしね。1、2回目もそうやって打ったわけです。ですからそういうように本県としてはドライブをかけさせていただいて、17病院全て自院で打つということになりました。それから、400余りある診療所、クリニックにつきましても、そのうちの300は自院で打つというふうに御了解をいただきました。ですから市町村の手間は大分そこでほどけるはずです。少なくとも初動においてはほどけてきまして、高齢者の接種に重点を置いて準備をしていただければよい状況になったのではないかなと思います。  いずれにいたしましても、これらにつきましては、接種の在り方、政府としても6か月経過者をどうするかということを今後また表明されるかと思います。またそうしたところも踏まえながら、臨機応変に対応していきたいと思いますし、市町村のサポートを県としても行ってまいりたいと思います。  次に、コロナ禍における企業活動につきまして、デジタル化に二の足を踏む事業者が取り残されることがないように対応を取ってはどうか、商工団体などと連携をして経営体質の改善や強化を図ってはどうだろうかと、こういうようなお話がございました。  先ほど申しましたように、危機突破応援補助金を皮切りにしまして、私どもでは経営の多角化だとか事業転換の助成制度などを随時実は打ち出してきております。例えば危機突破の応援金で米子のカジマ自動車、たまたま同じ名前ですけれども、そういう会社さんでは特定整備というものができるように、そういうセンサー、スキャンツールを購入すると。これによって自社で全て特定整備ができるようになると。こういうように業態転換をして収益構造を改善しようと。これは県の補助金を入れてやっておられます。  このことは、デジタル化などでも同様のことがあるわけでございます。例えば米子の尾澤運送さん、前の議長さんのところですけれども、あそこなどは、伴走型のデジタルによる支援制度というのを県のほうで当初予算でつくりましたけれども、これを活用されて、今、そういう伴走支援事業に乗っかって、いろいろと経営の構造改善を図ろうとされておられたりします。  また、クリエイティブサポートという会社がございます。ボクシングの入江聖奈選手、伊田武志さんという方がコーチされています。あの方の会社なのですけれども、ここもこういうデジタルサポートを受けるという県の事業に今乗っかって、いろいろと経営支援を受けようというふうになってきております。こういうように、いろいろと伴走支援を議員がおっしゃるような形で今進めつつあります。  さらに、一定の事業費を多く必要とするような事業につきましても、6月の補正予算で入れた事業がございまして、これを基にして、例えば製造業であるとか、印刷業であるだとか、一定の規模の会社でも5社ぐらいは既に手が挙がってきています。そうしたようにして、やはり非接触型だとか、今のデジタル化の波だとか、こうした需要や社会の情勢に応えるような形で企業活動を支援して、コロナ後も生き残り、成長していける土台づくりをしていければと考えております。  次に、農業につきまして、何点かお尋ねがございました。みどりの食料システム戦略について、本県としてどういうふうに対応をしていくのか、また、GAP認証を取得するなど高度な生産管理体系を進める生産者があるけれども、有機農業等について差別化が十分図られていないのではないか、側面的にも支援が必要ではないか、こういうようなお話がございました。  本県としても、今、1千億円達成プランというものを軸にして、JAグループとか農業者と一緒になりまして、意欲的に生産振興を図ろうとしているところでございます。そういう中におきまして、有機、特別栽培、これも重要な成長品目ではないかと考えているところでございます。  そういう中、議員のほうでおっしゃいましたけれども、国のほうで示されましたみどりの食料システム戦略、これは2050年のゼロエミッションというものを念頭に置いてやっていこうと、それで化学農薬とか化学肥料の使用量を減らしていくということなど、環境と調和した農業というものを目指そうという戦略でございます。今、例えばネオニコチノイドのような攪乱性のある農薬などを本県も含めて避けるようになったりとか、いろんな動きがございますけれども、一朝一夕にできるということでは多分ないのだろうと思いますが、目標年度をいろいろと掲げて具体的な戦略をこれから国が出してくると思います。国の詳細はまだ明らかになっておりません。したがいまして、それを見ながら私どもも臨機応変に対応していきたいと思いますが、本県としても、例えばビニールとか、そういうものの使用等の問題もございまして、廃プラスチックの排出削減など、様々な環境テーマについても農業として我々も育てていかなければならないと思います。これまでもJAグループなどとそうしたものの支援メニューについては話合いをしてきました。  有機栽培等もその大きな柱でございまして、これまでも鳥取県は、例えば有機JASの認定者に県庁自体がなろうと。これについては、あとは2県ぐらいなのですけれども、全国でも3県しかありません。特に有機JASの加工品のところは本県が全国で唯一その認定者になっているところです。これによりまして認定料を下げることができますし、それから気軽に、遠くまで申請しなくてもよくなります。向こうの出張旅費だとかが要らなくなりますから、そういうメリットがこういう面ではあるのかなと思います。  また、技術開発等もございまして、例えば農業試験場における稲の有機栽培の研究など、これも有機特別栽培研究室というものを設置させていただいて、実際にそうした研究をしているわけであります。  そのほかにも、販路開拓という意味でも、私どものほうでそういう事業者を紹介するということなどもこれまでやってきました。最近もいろんな動きがありまして、有機栽培等をやっておられる方々がネットワークをつくられました。これは徳本さんという方が会長をされていまして、田中さんだとか、そうした方々がいろいろと関わられて全県的なネットワークをつくって、有機栽培の関係の方々は割と孤立していたのですね。その方々が共同で例えば勉強会をしようとか、販路開拓についてやっていこうと。このネットワークを我々としても支援をしながら進めていこうというふうに考えております。それで例えば関西のほうに売り込みをかける。新年度、こういうパイプを強化できないかなというふうに考えております。  具体的には、オーガニックのバイヤーがあるわけでございます。ヘルスライフという会社が関西で最近急成長していまして、もともと京都の会社なのですが、兵庫だとか大阪だとかも含めまして、店舗を増やしてきております。特にハイエンド層ですね、環境に対する関心が高い、食べ物に対する関心が高い層、そういうところがこうした有機栽培を求めるようになってきていまして、例えばこのヘルスライフのほうに大山町でいえば國吉農園さんなどが卸しておられる。そういう販路がつき始めています。こういうバイヤーとのマッチングの機会をまた新年度も拡大できないかなというのを今検討しているところです。  それから、先ほど申しました農業試験場の有機特別栽培研究室もいっそ改組をして、もっと幅広くグリーン農業といいますか、そうした方向に転換できないかなと。例えば今までどういう研究をしているかというと、イトミミズを使って有機栽培を進めようと。イトミミズによって、言わばそこから出されるものでとろとろの物質ができるわけです。このとろとろの物質が田んぼを覆うわけですね。これによって虫がつきにくくなる。そういう意味で農薬が要らなくなる。昔はそういうようないろんな生物の循環というものが農業に作用していたのでしょうけれども、そこにいろんな農薬を使うようになりましたが、そういうことからまたイトミミズとか、そういうものも活用できないかなと。また、田んぼの中に例えば仕切りを入れることによってゾウムシの侵入を抑えようとか、これもそういう意味で農薬等に頼らなくてもできる手法になります。こういうことを実は本県も地道に研究をしてきておりまして、こういうものをさらに拡大できないかなというところでございます。  例えばずいせん生産組合さんというのが鳥取市内にもあるのですが、平木さんだとか、そういう方々がやっておられます。こちらのほうでは例えば島根のイオンさんだとか、販路をやはり持っておられるのですね。正直、有機栽培はロットが多く出るわけではありません。ですから、今、そうした大切な販路先をもう大分確保しつつあります。こういうものをやはり全県展開でもマッチングをしていけばいいのではないかなと思います。  例えば陣構、こちらは伝統的に長くそうした有機栽培によります紅茶だとか、煎茶だとか、最近はエキナセアとか、そういうものをされているわけでありますが、こうしたものもやはり販路をぜひ挑戦してみたいというお話もございまして、そういう意味で、関西だとか、そうした販路開拓の機会、オーガニックバイヤーとの出会いというものを新年度に向けて考えてはどうかと思っております。  それから、二十世紀梨につきましてお話がございました。これにつきまして、海外輸出の販路を維持しつつ、生産者の高収益化、そういう生産・流通体制の構築はいかがかというお尋ねでございます。  幸い、今、二十世紀梨が見直されてきております。これは鹿島議員も気づかれておられると思います。数年前まではちょっと考えられなかったのですが、今、生産量が全国的に青梨がなくなってきていることも多分あるのだと思います。それから、もちろん栽培技術がうちのほうでも発達してきて、それが評価されているというのもあると思います。今シーズンでいいますと、ハウス物はキロ当たり756円、また、露地物でありましても476円ということで、過去最高ないしは過去2番目というところなのですね。このコロナ禍でもそうです。それほどになってきまして、もう一度我々も二十世紀梨の栽培の応援をしようと、実は昨年度ぐらいから方向転換をし始めています。例えばジョイント整枝であるとか、ああした手法を導入したり、あるいはハウスの導入であるとか、こういうのに従来よりも高率の補助を適用させていただいて、二十世紀梨の生産、これは鳥取の一つの名物でありますので、もう一度立て直しをしていこうと、新甘泉だとか、ああいう梨と併せて二十世紀梨を守っていこうということであります。  ところがやはり今、生産量が順次減ってきているのと、大玉の生産が気候によっては乏しくなったりします。今シーズンでいえば、台湾とか、そういうところのマッチング率、向こうがこれだけ欲しいといったところにどれだけ応えられたかは、5割を切ってきているわけですね。この辺は売り逃しがあるということでもありまして、何とかならないのかなというのをまた関係者と今、作戦協議をしているところでございます。  実は私どもも台湾のほうにも仕掛けをしてきておりまして、台湾の女性等をターゲットにしたニュースメディアにおきまして、鳥取の梨をPRさせていただいたりしております。香港もそうなのですけれども、特に台湾は青梨がお好きのようです。そういう意味で、青梨の需要というのがありまして、今、赤梨ばかりでありますから、希少性もあるし、単価も高いということがございます。ですからこのマーケットというのはやはり大切にしていく必要があるのだろうと。そういう意味で、二十世紀梨の支援ということを新年度に向けても強化をしていきたいと思います。例えば霜対策で防霜ファンであるとか、散水機であるとか、気象条件をチェックするようなモニタリングの機械であるとか、こういうものの助成を新年度に向けても検討させていただいたり、二十世紀梨の振興策にもてこ入れをしてまいりたいと思います。  あわせまして、お米につきましても、安定化策が必要だし、国に対する要望も含めてどういうふうにしていくのかということでございます。  これにつきましては、先般、県選出の国会議員の皆様にこの米対策について、私ども、地方六団体として要望させていただきました。そういうことに応えるかのように、一定の施策は国からも出てきたように思います。例えば米の供給量を一部隔離するような政策について、岸田総理がコメントをされ、農林省からもそうしたものも出てきています。本県としても、どういう誘導策が使えるのかを今、JAとかと協議をしているのですが、必ずしも全部うまく使えるわけではなさそうなのですけれども、ただ、例えば販路開拓とか、そうしたことなどはやはり我々としても積極的に打って出ていきたいというふうに考えております。このたびの経済対策、それから当初予算でもこれは盛り込まれてくると思いますので、そういう国の施策も活用しながら、我々の要望した結果を生かしてまいりたいというふうに思います。  また、飼料用米がやはり重要でありまして、飼料用米というものを一定程度生産していこうということにどうしてもなると、主食用米ではなかなか難しいのであれば、飼料用米のほうにシフトということがあります。  これにつきましては、先般、JAグループと私どもで農政懇談会というのをさせていただきましたときにJAさんのほうから要望がございました。この交付金の支給額、3,300円なのですが、これを5,000円に県として引き上げてくれないかということがありました。重要な時期でありますので、こうした要望にも応えていく必要があるかなというふうに考えております。  また、いわゆる転作作物ですね、こちらのほうもやはり農業全体で考えると、米がなかなか難しければ、ほかのところに転換していくことというのは非常に重要であります。典型的にはブロッコリーだと思います。このブロッコリーにつきましては、平成30年度から元年度にかけまして、冷蔵庫を整備してきました。また、このたびは野菜の広域センターがオープンをしたところであります。先ほど申しました追加補正等も含めて、こういう産地のてこ入れの事業に我々としても手を挙げて獲得を図っていければなと思います。例えば大山町地区におけるそういう機械化でありますとか、それから、隣の琴浦町も今、ブロッコリーの主産地になってきていますが、そういったところでの冷凍庫であるとか、そうしたものなどをいろいろとてこ入れをしながら、このようにして新しい米以外のところへの転換等も支援する、そういう産地化の支援策というものも重要ではないかというふうに考えております。
    ◯議長(内田博長君)換気のため暫時休憩いたします。  再開は11時40分といたします。        午前11時31分休憩    ────────────────        午前11時40分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、代表質問を行っていただきます。  14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)ただいま答弁をいただきました。霧はかかっても必ず晴れる。不透明性、不確定要素があるが、総仕上げに向かっていく価値のあるこれからの1年であると力強い言葉があったと思います。しっかりと今後取り組んでいただきたいと思います。  そういう中で、さきの衆議院選においても東京一極集中の是正は議論を進めるべきテーマとして、様々な考えが述べられてきたことと思います。新型コロナ感染症の発生を機に地方回帰の流れが進展する中で、中央省庁の移転、民間企業の本社機能移転などについて、これまで以上に積極的に推進すべきと考えますが、地方の声を届ける全国知事会長としてのお立場も踏まえて、今後、本県としてどのように国や企業に働きかけていかれるのか、知事にお聞かせ願いたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)一極集中を是正する働きかけにつきましてお尋ねがございました。  議員がおっしゃるように、コロナということが一つの方向転換になりつつあります。現実にも、今、東京におきましては、転出、転入のバランスが変わってきまして、転出のほうが超過することになり始めています。去年、今年とこの傾向は変わっていません。特に23区を対象にこのたび調査をしたところでは、大体47%の20代、30代といった若い方は地方移住に興味があると言っています。また、全年齢でも大体4割弱ぐらいということでありまして、今まで考えられない意識の変化が起きています。その理由というものを上げてもらっているわけでありますけれども、人口が密集していて自然が少ないと、だから人口密度が低い自然豊かなところということで地方ということを考える、こういう回答が多いのですよね。やはりコロナが影響していることは間違いないのではないかなというふうに思います。  これは企業活動だとか、あるいは国家の機関であってもそうだろうと思います。本県では、かつて農研機構の梨の栽培試験地につきまして手を挙げさせていただき、今、私どもの園試のほうに来ています。こちらのほうで今、栽培試験をやってくださっていますけれども、県も協力してやっていますが、割と糖度の高いものが得られていて、これは黒斑病に強くて、わせの品種を狙っているのですけれども、まずまずの試験結果が今得られつつあるということであります。10年がかりぐらいでやるものなのですけれども、今、そういうような状況にありますし、また、もう一つ、職業能力開発総合大学校についても高度な職業訓練というものを鳥取で開発しようと、その開発の舞台が鳥取市にあります国の機関にできまして、ポリテクセンターの中に設置をされ、室長がお一人こちらに赴任されていますし、兼務の部屋の方々もいらっしゃるということであります。現実にも自動車についてはその高度な育成プログラムを開発されまして、今、そこからさらに医療とか、そういうものの関連産業だとか、こういうふうに向かってきているところでございます。こういうものを生かして、国の職業能力開発総合大学校の講師の皆さんなどの御協力も得ながら、県内でのそうした人材開発プログラムの研修などが進められるようになってきました。  こういうように一定の成果は本県としても得つつあるわけでございますが、まだこうしたものは終わりはないわけだろうと思います。今後も知事会としても、あるいは関西広域連合でもこのたび文化庁が来たり、消費者庁の一部組織が来るとかというようなことがございますが、こういうものに加えて、さらなる地方移転をまた我々としては求めてまいりたいと思います。  また、企業につきましても、例えばインフォメーション・ディベロプメントさんが米子のほうに来られました。舩越社長さんの大英断があってということになりますけれども、まずは総務管理的な部門がBPOセンターとかということでこちらのほうに来られました。さらに、今、クラウドということで、次なる舞台転換もございまして、40人だとか、職員がどんどん増えてきているのですね。これは実は目標としていた職員増よりも大分速いペースで今増やしていただいています。それだけのニーズがやはり東京の企業、市ヶ谷なのですけれども、あるということですよね。こちらのほうが自然環境が豊かであったり暮らしやすいと。特にそういうIT系の企業にとってはあまり場所というのは関係なくなってきていますので、こちらでも素地があるということの実証だったと思います。  さらに、そのほかの企業さんにもいろいろと働きかけをしていまして、例えば最近、源吉兆庵さん、米子と鳥取に工場がございますが、こちらは新会社を米子市内に設立していただきました。これは源吉兆庵さんの乳業部門なのですけれども、フォーシーズンズというヨーグルトを開発、製造するという会社でございます。今の開発、製造自体は岡山県内でやっていますが、いずれはこの鳥取県内、米子に本社を置いていただきましたので、本社機能をこちらにつくっていただいたということであります。  こういうような本社機能をそのままつくるということ以外にも、工場展開などもございまして、例えば鶴見製作所さん、これはポンプのメーカーであって、米子にございますけれども、もともとは京都だったと思います。大口径のポンプ、例えば東京オリンピックのスラロームだとか、ああいう会場などはあのポンプを使っているわけです。このポンプの大型のものをこちらで造るだとか、そうした機能を米子とか南部町のほうに拡充をするというようになってきておりますし、また、同じく京都で尾池工業さんという企業さん、これは倉吉のほうに工場がございますけれども、これもこのたび私どもとの話合いが成立をしまして、京都にある一定の部門を倉吉のほうに移していただいて、こちらでさらにラインの拡張をするということが本決まりになりました。これからも粘り強くこのように働きかけをしてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)新型コロナのワクチンについて、年代別の接種状況では、全世代で2回目接種が8割を超えている中、10代、20代は6割前後と、やはり若年層の接種率が低い状況が見られます。その要因として、若年層は重症化率が低いにもかかわらず、ワクチン接種の副反応が強いから、ワクチン接種によって妊娠ができなくなる、遺伝子が組み換えられる、マイクロチップが埋め込まれるなどのネット上でのデマを本当に信じている若者も多くいるように伺っています。  そもそも最近の若者は、新聞どころかテレビもあまり見ず、自分が知りたいときに知りたい情報をインターネットやSNSで入手するというスタイルになっているようです。こうした若者に対しても、その生活スタイルに合った媒体を活用して正確な情報を提供し、正しい情報に基づいて判断してもらうことが重要であります。  県もこうした問題意識の下、今年度、SNS等を活用したターゲティング広告を行い、効果検証をするとともに、デジタル時代の広報に向けて戦略の策定を予定されています。  このワクチン接種に限らず、どの世代も取り残されないよう、全世代に必要な情報を伝えていくためには、時代のニーズや各世代のライフスタイルに合わせて、きめ細やかな広報を積極的に打っていく必要があると考えます。ターゲティング広告の効果検証の状況、そして新たな広報戦略策定に向けた検討状況について、知事にお尋ねいたします。 ◯議長(内田博長君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員から、SNS等も活用した情報発信、デマ等につきましてお話がありました。  議員がおっしゃるように、デマというのは最近特に目立つようになってきたと思います。それはやはりコロナの社会になりまして、SNSだとかネットに頼る、直接のコミュニケーションがまた格段に減っているということもあろうかというふうに思います。特に議員がおっしゃるように若者層は今までのメイントラックのそういう広報媒体から離れてきているのですね。ある調査によりますと、テレビの視聴時間は高齢者層と若者層を比較しますと若者層は半分だということです。それから、新聞を読まないというのも当たり前になってきていると。特に年齢が若くなりますと、ネットのニュースよりもむしろSNSのほうに情報源を求めたりすると。こういうように顕著にやはり時代が移ってきていまして、そうした方々がSNSの情報だけですと物すごいデマに左右されやすくると、これが各地で社会の分断を生み出しているもとにもなるのではないかということであります。  議員がおっしゃったワクチンのデマについて、アメリカで興味深いものがあるのですけれども、ワクチンに関するデマの65%は12人の人がつくっていると。たった12人です。その12人の人にいろんなフォロワーがいて、その12人の人は実は物品販売などで、ネット上でビジネスがそれにつながっていると。結構こういうことでいろんなバイアスがかかった情報に左右されやすいということですね。それが結構デマを生み出していると。  千葉大の黒川先生なども同じような指摘をされていまして、やはりそういうデマには一つの傾向があるというようなことでございまして、今の人々の不安心理というものを利用しながら、さっきおっしゃったような例えばマイクロチップを人の体に埋め込むのだとか、そういう途方もない荒唐無稽なお話が信じられるようになってきているということであります。これは非常にゆゆしきことであります。  こういうような状態というものを考えていくためにも、私もデジタル社会構想会議という政府機関で発言をさせていただいているのですが、デジタル化には正の局面と負の局面と両方あると、こういうデマの拡散のようなこと、それがさらには人権侵害になったりいじめになったりすると、デジタル化を進めるということと併せてやはりその防御体制というものも考えていかなければいけないということを主張させていただいているわけです。多くの専門家の方々もその点は共鳴していただいている。なかなか難しいのですけれども、そういうようなことになってきております。  こういうようなことを逆に我々も広報戦略上も考えなければいけないので、デジタル化社会における広報戦略検討委員会というのをこのたび16日に発足させようと考えております。ここにおきまして、議員がおっしゃるSNSなどを活用した広報の在り方、それから例えばホームページの作り方であるとか、この議場でもいろいろと指摘をされたことを専門家を交えて検討させていただきたいというふうに思います。その成果というものを年度内にも一定程度得まして、新年度予算にも反映させていきたいと思いますし、それから、随時いろんな成果物を出していただいて、我々の情報戦略に活用させていただこうと考えております。  いずれにいたしましても、やはりこうしたデジタル化社会というのは不可逆的に進むでありましょうから、好む好まざるにかかわらず、我々もそれに適応していかなければならないと考えておりまして、今後もこの議場での御意見だとか専門家の御意見なども取り入れて、広報戦略を考えていきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)次に、新型コロナ対策に関わる保健所の体制強化のため、今年度当初の組織改正において、総合事務所の福祉保健局、生活環境局、地域振興局を再編して、保健師、衛生技師等の専門人材を集約した保健所を総合事務所の内局として位置づけ、職員も増員されました。さらに、第五波の感染拡大により保健所業務が逼迫する中、本庁各所属では各保健所業務の応援を最優先として総勢50名の応援体制を確保、OB・OG保健師の活用、市町村からの保健師派遣体制の確保など、機動的な体制強化により、この難局を何とか乗り切られたと伺っています。専門性が必要な業務とそうでない業務に整理した上で、感染拡大期にオール県庁で応援する体制、さらに市町村や民間にも応援を依頼して、県下一丸となった体制づくりが功を奏したものと思います。マンパワーが潤沢でない小さな県だからこそ、こうした機動性が求められ、地域の絆が強い小さな県だからこそ、皆が一致団結できたのではないかと思います。  今後、第六波などの感染拡大に対しても同様の体制で臨むこと、さらには、必ずしも今回のような危機対応だけでなく、平常時においても全県的な大きなプロジェクトに当たっては、職員のワーク・ライフ・バランスの推進の観点からも、機動的な組織運営で取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)新型コロナ対策をはじめとしまして、機動的で柔軟な組織運営を県庁としてもやるべきではないかという御指摘をいただきました。  全く同感でございますし、議員がおっしゃったように、残念ながら私どもは全国で一番小さな県庁ですから、人材が限られていますので、いざというときにアメーバ的に応援をし合うことを考えないと、大きな縦割り組織を維持していくだけでは到底あらゆる事象に対応できないということだと思っています。その典型が今回のコロナ対策でありました。議員からもお話ございましたように、今年度に入るに当たりまして、新型コロナ対策本部の事務局整備をさせていただきました。ただ、ここに至るまでも随時50名程度の応援をするとか、こういうことをやってきたものを基にしまして、正式の組織として発足をさせたものでございます。  今から第五波から第六波に向かっていくことを想定しなければなりません。そこで、例えば20名ほど、今、第五波を経験した専門職員の皆様を応援職員としてあらかじめ任命しておくと、これでふだんから感染動向だとか、そういうことに関心を持ってもらって、前回の第五波での経験を生かしてすぐに即戦力で第六波の応援に入ってもらう。そういうことをあらかじめつくっておくということを今回やっております。  それから、市町村に入れ替わり立ち替わり当番のようにして応援に来ていただきました。ちょっと我々も現場で感じたこととしては、いきなり来ても感染症対策はなかなか難しいのですよね。ふだんの保健所行政で母子保健をやっているとか、そういう保健師さんがすぐに適応するのは大変なので、研修会をやろうと。これは50名程度、鳥大さんなどにも協力していただきながら、研修会を今、進めているところでございます。  それから、専門職員の前倒し採用を今やろうとしておりまして、今、組織改正の時期ではありませんが、次の4月を迎える前にもやるべきことはやっていこうというふうに考えております。  こういうことは、我々はプロジェクトチーム方式でこれまでも展開してきたことでありまして、例えば農福連携などもそうなのですね。これも農業部門と福祉保健部門とが一緒になりまして、チームを組んでやると。それで、具体的には、例えばこの仕事はこの施設でやってもらうということでマッチングをしていくわけです。これが大事であります。こういうようなことを部局を超えて横断的にやるプロジェクトチームをつくりまして進めておりまして、こういうのはやはり効果があるのではないかなと思っております。例えばマッチング、最近の例でいえば、大山のピーナッツ生産組合と米子の大平園さん、ここでマッチングをして、例えばピーナツの皮むきだとか、そうした作業を福祉施設のほうでやっていただくようにさせていただいたりしています。  こういうようなことで、やはり小さい組織であるがゆえに、大きな人口規模の自治体ではできないような総力戦に向かっていく体制づくりが重要だと考えております。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)次に、無利子、無担保のいわゆるゼロゼロ融資に関する国の補助制度が令和2年度末で終了する中、本県は、応援金交付など制度を維持、拡充しながら、コロナ関連の倒産を全国で最も低く抑え込んでいます。しかし、何度も繰り返すコロナ流行の波で疲弊し切っている事業者にとっては、ここからが本番であり、復活に向けて巻き返しを図ろうとされているところかと思います。コロナ禍で売上げが著しく減少した県内事業者にとって、当面の課題は資金繰り対策であり、感染流行が落ち着いたように見える今、令和3年度で支援を打ち切ってしまっては、結局巻き返しが図られないまま倒産ということになりかねません。  コロナ禍以前の借入れを含め、今後到来する返済期限に向けて、国へのさらなる要望を含め、県としても事業者のニーズに柔軟に対応する支援策に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から、金融支援、そのフォローアップにつきましてのお尋ねがございました。  本県は、いわゆるゼロゼロ融資と言われるものを独自に民間の金融機関を活用してやっております。相当出費も大きいのですけれども、ただ、その分機動性も高く、使っていただけています。実に1万件以上の利用がございまして、1,877億円の貸付額ということになっています。これは空前の規模でありますし、全く従来の枠組みを超えるところで、他県と比べても非常に大きい。これが結局企業の資金繰り支援になっていまして、昨年度は倒産件数は20件にとどまっています。これは全国最少ということであります。今年も全国最少という規模で今進んでいるところでございます。  このように一定の効果を上げることはできたのですけれども、そろそろ返還が始まるわけですね。据置期間の設定はございますが、平均してみると大体2年ぐらいというのが実際の借入れです。皆さん堅実ですので、据置期間なしでどんどん返していったほうがいいと思っておられる会社さんも多いものですから、必ずしも据置期間を十全に取らないと。今、大体75%ぐらいは2年以内ぐらいでありまして、今まさに償還が始まってくるという段階まで来ています。  そこで、11月19日にコロナ禍対策金融協議を金融機関のトップの方々とさせていただきました。いろんな意見が出ました。一つは、このゼロゼロ融資と言われるものをやはりもうしばらく延長してもらいたいと。この声を受けまして、今、3月いっぱいまで延長することにさせていただいたところなのです。あと、今後いずれにせよ転換してくるので、その転換についての応援が必要ではないかと、業態転換だとか、新商品への挑戦だとか、そういうこともやはり前向きに考えていかないといけない、それがコロナ禍の融資の中で見えてきたというのですね。それでそうした事業展開を応援する新しい助成制度というのも何だったら追加補正で検討する必要があるかなというふうに思っております。  さらに、フォローアップが大事だということになりました。数多い融資先の中であぶり出していって、結局10数件、今、企業支援のネットワーク、金融機関だとか、商工団体だとか、一緒になって支援をするのがございます。そういうのを今、実はフォローアップ事業としてあぶり出しをさせていただいておりまして、そういうものに個別に今後経営の立ち直りをサポートしていこうというようにさせていただいております。議員がおっしゃるように、これから実際コロナが明けた後の経済、産業、雇用の継続というものが重要でありまして、しっかりと力を入れてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)続きまして、鳥取和牛について、来年の鹿児島全共で好成績を切に願い、余念なく準備していただくようお願いしたいと思います。  かつて岐阜県の飛騨牛は、全共で好成績を収めたことと、その後のブランド化、販売戦略で一躍トップブランドになりました。今後、鳥取和牛の人気化を図っていくためには、課題が2つあると認識しています。一つは、鹿児島全共で肉質日本一の連覇、もう一つは、市場への供給量の持続的な確保であると考えます。  県内の食肉加工処理の能力、規模が小さく、施設が老朽化していることもあり、結果的に他県での処理へと流れてしまう実態があり、畜産王国再興のため、避けて通れない課題であると考えます。特に肉販売においては、東・中・西それぞれの生産者がばらばらなところに出荷しています。鳥取和牛の一大ブランド化を図るためには、まずは生産、加工、販売の川上から川下までの一気通貫の純県産化を図るべきではないかと思いますが、施設整備や人員体制を含め、高いハードルを乗り越えなければなりません。現状と今後の対応について、知事はどのように認識しておられるのか伺います。 ◯議長(内田博長君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島県議から、和牛振興につきまして、重ねてのお尋ねがございました。  これにつきましては、宮城全共が私どもにとっては大きなターニングポイントになったと思います。あれで白鵬85の3が注目をされましたし、百合白清2という本県の種雄牛も注目されました。それから、御案内のように、今、子牛の価格は全国でナンバーワンに本県市場がなってきているぐらいに注目を集めているところでございます。  議員がおっしゃるように、まずこの産地を形成するためには、やはり増頭して一定の供給量というものをつくっていかないといけません。それはもちろん農家の収入にもなります。そういう意味で、ここの増産のてこ入れを和牛全共の成功からやっているわけでありますが、例えば繁殖雌牛でいえば、5年前は3,000頭規模だったものが、今は5,000頭を超えるというところまで急増させることができました。これを裏打ちしているのは、例えばクラスター事業など、大規模な経営というものを我々は応援をしたり、それから、導入事業あるいは保有の事業につきまして、支援制度を県としても設けてやってきております。こういう方向性を今後しっかり続けていかなければいけないと思いますし、そういう担い手となってくださる農家と一緒に進めていく必要があると。また、ブランド防衛のためには、和牛条例をつくりましたけれども、そうした私どもの特定種畜、大事な種雄牛を遺伝子として守っていくということも県独自に始めさせていただいたところでありますし、和牛の振興計画をつくり、その生産、それから販売、ブランド化、こういうものを進めていこうということであります。  その意味で、やはり東京市場というのが一つは重要でございまして、東京市場への挑戦ということを宮城全共の頃から我々も本格化させてきております。幸い向こうの有力バイヤーも評価をしてくださるようになりました。やはり上物率が高いですし、脂の質もいいということを評価してくださっています。例えば大山町の岡崎さん、比較的若手の一貫農家でありますけれども、こちらのほうでは定常的に東京市場に出荷していただいています。それをすると東京の市場は鳥取の市場と違っていいものはいいとしてきちんと評価してくれるというふうにおっしゃっていまして、やはりこういう取組を我々も一つは継続していかなければいけないのだろうと思います。これが恐らくブランド化につながってくるということです。  先般11月19日に東京の六本木で鳥取の県産品のキャンペーンを観光振興と兼ねてさせていただきました。六本木ヒルズというテレビ朝日のあるビルでやったわけであります。そのとき大山町出身のまひるさんというガンバレルーヤのタレントさんにも登場いただきました。そこで期間中、ジョエル・ロブションという一流のお店のコース料理に鳥取和牛をメインとして出してもらっています。その日から始めまして、12月の半ばまでやっているのです。その試食をしていただきましたけれども、まひるさんも非常に太鼓判を押しておられまして、鳥取和牛をアピールされておられました。こういう和牛だとかジビエだとか、そういう肉でも十分に我々は評価され得るものだということがよく分かってきておりまして、こうしたことを一つの体制にしていきたいと思います。これをまたブランド化を進めていきたいと思いますし、ホテルニューオータニ、紀尾井町の東京のものであるとか、それからレストランフェアであるとか、積極的に展開をしていきたいと思います。  また、先般、残念ながらお亡くなりになられましたが、シェ・イノ、井上さんですね、大山町出身でいらっしゃいますが、世界を代表するような有名シェフでいらっしゃいました。御冥福をお祈り申し上げたいと思いますが、その御縁で今もシェ・イノさんのほうで鳥取和牛などを扱っていただいております。お話をお伺いしますと、私も雑誌の対談で御一緒させていただいたのですが、やはりほかの肉と違ってお客様の受けもいいと、産地はあまり明らかにしないのだけれども、鳥取の和牛だというのは自信を持って申し上げているというようなことでありました。こういうところを私たちはてこ入れしていきたいと思います。  あわせて、鳥取の食肉センターであります。これは今年4月からJAグループさん、全農さんがもともと経営者でございますから、そういうところなどが中心になりまして、今、話合いを始めているところです。その検討委員会の中で、今、いろんな議論をさせていただいております。鳥取県としては、これは民間の企業がやっているものではありますけれども、鳥取で和牛全共をやったときも、改修をさせていただくとき、相当県費を投入させていただきました。これは昭和58年にできた老朽化が進んできた施設でありますので、このたびも、その改革案につきましては、私どもはしっかりと受け止めて、県としての応援の施策を今後展開してまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)先月、本県議会の畜産業の発展を考える会において、議員連盟活動の一環として畜舎の視察を含め実情を調査した際、県、市町村における職員獣医師の不足が懸案であると伺いました。昨今は豚熱や鳥インフルなど、一たび発生すれば畜産農家が壊滅的な打撃を被る疫病もあり、日頃の研究を含めた防疫対応、農家に対する指導など、基幹的業務に当たるマンパワーに不安があり、新たな人材確保や人材育成を含めた体制構築が急がれると考えますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)行政の獣医師等の体制整備につきましてのお話がございました。重要な論点でありまして、実は全国の畜産関係部局が悩んでいるところでございます。中国地方においても不足感がありまして、各県、なかなか獲得に苦労しているということであります。  そこで、2つあるわけでありますが、一つは、それを補うような体制づくりというものも必要でありまして、本県では、例えば豚熱の関係で、ワクチンの論点があります。もし万が一のときはワクチン接種をどんどんやっていかなければいけないということになっていまして、これを今、我々は進めているわけですね。こういうときに民間の方々にも認定させていただいて、民間獣医師の活用ということをしたり、それから県職員のOB獣医師の方にも入っていただいて、県の会計年度任用職員のような形で臨時雇用させていただきながら進めていくと、こういうように本体をまた補うようなものを一つ今つくっております。  あと、獣医さんの獲得に向けましては、例えば獣医さんたちの雑誌があります。そこに掲載をさせていただきまして、その広告を見て、現実に鳥取県のほうに入ってきてくださった方が出てきました。どうもこの方法は一つ効果があるようです。  あと、鳥大さんなどは、インターンシップでこちらに送り込んでいただくようにしております。そういう中でも県のほうでの採用ということも出てきておりまして、やはりこういうことをやりながら、もともと数の少ない職種でありますから、1人入っただけでも大分違いがありますので、そういう形で私どもとしても確保をしていきたいと思います。現状においても70名以上確保しておりまして、全く不足するという形ではないのですけれども、そういうような形でこれからも対策を取っていきたいと思います。  そういう意味で、処遇のことが課題になるのですが、本県では平成22年にまずは特殊勤務手当の改正をさせていただいたり、その後、平成27年には、初任給調整手当というのですが、最初に採用するときに飛びつく給料があるのですね。これの割増し額の引上げをしました。当時3万円、6年目までということだったのですが、それを4万5,000円、9年目までとしまして、2倍以上に実は当時この初任給調整手当を引き上げております。今日も御指摘がございましたので、また他県の動向も見させていただき、遜色ない形で、鳥取県を目指していただけるような勤務条件につきまして検討させていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)近年、人の住む住宅地まで鹿やイノシシが出没することがあまり珍しくないことになりました。鳥獣による農作物被害も、ピーク時よりは減少したものの、同じような規模で推移しています。  行政や地元住民の皆さんの御努力もあり、捕獲頭数も年々増加している一方、捕獲頭数を維持することでようやく生息数と同数で推移し、落ち着いている状況と聞いております。  特に鹿については、これまで県東部での被害が目立っていましたが、徐々に西部地域へ分布拡大が進んでいるとのことです。この現状に対してどのような対策で被害を食い止めるお考えであるのか、あわせて、日野郡方面での林業分野への注意喚起として、鹿の食害対策にどのように取り組んでいかれるのか、知事の所見を伺います。  また、捕獲した害獣の利活用策として、本県はとっとりジビエのブランド化や情報発信、販路開拓に尽力され、特に先月亡くなられた、先ほども知事がおっしゃいました大山町出身、シェ・イノの井上旭シェフなど、多くの料理人の方々の協力を仰ぐなど、熱意を持って取り組んでこられました。  害獣の捕獲頭数に対する解体頭数では、令和2年度が約22%と、全国と比較しても高い利用率ですが、さらにうまく解体、加工することができれば、まだまだ利用率を上げる余地があり、そのためにはジビエ利用に向けた食肉加工、解体処理技術の向上や人材の育成ほか、捕獲、解体加工、販売を含めた一連の体制構築と、その連携を支える協議会の組織的な下支えが必要であると考えます。県として今後どのように取組を推進していくのか、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から、鹿の被害とジビエにつきましてお尋ねがございました。  鹿につきましては、今では全県的に見られるようになりました。それは少しずつやはり山の中を多分動いているのですね。東から西のほうに動いていますし、だんだん山から里のほうに動いてくると、こういうような傾向が全体としては見られるところでございます。そういう意味で、鹿について、お話のあったジビエなども絡めながら対策を取っていく必要があると思います。  まずは鹿の害そのものの対策をどう取るかということでありますが、現状、ピーク時は2億数千万円ぐらいの鳥獣被害がございましたのが、今、1億円を切るぐらいになっていまして、一定の効果は出てきているのですね。それは狩猟の捕獲圧を高めること、それから柵だとか、そういうものであります。鹿の場合、一般的に言われるのは、一定レベルまではまず柵で囲うことが重要であると、それから、さらにそのレベルを超えてきた場合に、総数を減らしていく、個体数管理の方向で狩猟のほうにも重点を置くと、大体こういうような対策が全国的には言われるところでございます。  議員がおっしゃったように、西部でいいますと、今、日野郡のほうでそうした状況が見られて、江府町では95頭ですかね、そういう生息の調査も出てきているのですけれども、東部とか中部に比べますと実はまだそんなに多くはないのです。このぐらいのところですと、植林に対する被害はそんなには報告はございません。ただ、これに対して何とかしなければいけないだろうということで、日野郡のこういう鹿の被害を防止していくための協議組織をつくられまして、今、まず分析をしたり、鹿のトレースをしたり、対策の検討をされているところでありまして、こういうものを我々としても一つは支援をしていくのかなと思います。今の生息数の密度からいいますと、多分鹿の防護柵をつくることが重要でありまして、こういうものの支援をまた新年度も含めて展開をしていきたいというふうに考えております。日野郡では地域おこし協力隊の方にも入っていただいて狩猟なども進めておられまして、こういうことが有効に作用すると思っております。  また、それとあわせて、ジビエの問題がございまして、ジビエで活用することで山と食料の循環を起こすことができるようになりまして、非常に重要だということでありますが、先ほどお話があったシェ・イノさんも、今もランチメニューで本県産の鹿肉を使ってくださっておられます。また、11月19日から今日まで六本木で行われている先ほどのレストランフェアにおきましても、レグリスであるとか六本木うかい亭におきまして、鳥取の鹿肉を使って出していただいております。  こういうようなことで、実は今、本県のジビエの活用率は全国的にも指折りのところまで上がってきました。大分処理の仕方がよくなってきたということがあります。そういうこととか、あと料理のこと、活用のことなどを含めまして、いなばとほうきでそれぞれにジビエの推進の協議会が立ち上げられました。中西部のほうきのほうは、菅原さん、前、ANAクラウンプラザにおられたシェフが会長になられまして、平成30年からだと思いますが、最近そうした組織を強化されておられます。ここで例えばテスト的に肉を供給したりして顧客をつかもうと、これで県内外のそういうお店を10個ぐらい今つかまえてきたというのが最近ございました。また、そういうジビエのフェアを折に触れて開催されて、県民の皆様にも知っていただくと。県のほうでも、ちょっと今はなかなかやりづらいですが、東京や大阪のシェフを呼んできてマッチングをさせたりということを我々もやったりしているところであります。  そういう意味で、こうして進展してくるわけでございますが、特に西部の場合はその処理をどこで行うかということですね。これは南部町のほうでもございますし、大山町のジビエの工房が動き出しまして、大変に評判もよろしいわけであります。安藤さんとか池田さんとか、そうした方々が一生懸命になってされておられまして、それがジビエに親しむことにもなると。特に人材育成ですね。解体処理の研修をそこでもされて、そういうことがまたさらにジビエの活用のほうに西部全体の機運を盛り上げていただく重要な役割を果たしていただいております。  これからもそういうようなことで、鳥獣被害対策、それからジビエの振興につきまして、鳥取県として、関係者と協力しながら推進を図ってまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)先ほどイノシシ、鹿の話につきまして、駆除の話を聞きました。先月でしたか、岡山県と鳥取県の県境議員連盟で会合を持ちまして、その際に駆除の方法を決めて一斉駆除をしているというような話も聞き、鳥取県と岡山県、有害鳥獣については県境はございませんので、そういうところで一緒になって、これからも岡山県と合わせた被害対策をやっていただいたらというようなことで、そのときにも協力しましょうというような話をしましたので、ぜひ知事もよろしくお願いしたいと思います。  それでは、午前中、最後となりましたが、追及をさせていただきます。  近年多発する豪雨災害などの大規模な自然災害は、もはや免れられないものとなっており、そのたびごとに農地やため池等の農業用施設、林業用施設等は被害の危機にさらされているところもあります。  県としても、災害発生のたびに補正予算を組んでいただき、災害防止の観点から、原形復旧に取り組まれていることについて感謝申し上げます。  ただ、人口減少社会における人材不足を前提に、農村基盤整備の大黒柱となる農業土木職員が町村部では少ない現状を踏まえて、県が技術研修などを行うことで、少ない人数でも県、市町村で一体となって県全体の農業土木行政の能力向上を図っていく必要があるのではないかと考えます。また、あわせて、頻発化、激甚化する自然災害にも適切に対応できるよう、将来的な体制強化、職員採用の増につながる取組も考えていかなければなりませんが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島県議から、災害対策につきまして、重ねてお尋ねがございました。  議員がおっしゃるように、今や異常気象が通常気象になり始めているのではないかと思うぐらい、大変な災害が続いているところでございます。今年もやはり7月の七夕の時期に梅雨の関係の長雨、行きつ戻りつしながら度重ねて東・中・西それぞれが襲撃を受けたということになりました。さらに追い打ちをかけるように台風がやってきて、また、秋雨による農業被害、こうしたものが立て続けに起こったところでもございました。  こういうようなことが常態化していると考えた場合に、それぞれ自治体の役割がありますけれども、どのように復旧活動を円滑に進めることができるかというのが課題になってきます。  本県は残念ながら人口規模が少ないところでありまして、ふんだんに職員を抱えられるわけではありませんから、市町村が実は一そろえ人材をそろえるわけにもなかなかいかない。特に町、村はそうでございます。その辺は県とやはり相互乗り入れをしながら協力し合っていったり、ウイングを広げて民間の皆様と協調していくことも大事です。現実にも、今、半分以上の自治体におきまして、例えば建設業協会とか、土地改良連合会とか、そうしたところと協定を結ばれまして、災害時の応援というものを決めておられます。現にこれが機能しているというのがあります。  それから、実際に災害が起こったとき、これは私の考え方というのもあるわけでありますけれども、積極的に市町村に応援に行くというようにさせていただいておりまして、例えば平成30年の台風24号ですかね、あのときには琴浦町でかなり大きな被害がありました。あのときは農道が崩壊して、お一人残念ながら命を落とされるということもございました。あちらこちらで被害が重なりまして、とても町役場では人材的に対応できないわけです。そのときは農業土木の職員4人を6クール送り込みまして、合計21名、ずっと災害査定に至るまで支援をさせていただきました。こういうことをやはり柔軟にやっていかないと、本県のような場合、人を雇うことで解決しようと思っても、なかなか役場で農業土木の職員を雇用することは難しいですから、こういうようなことを今後も機動的にやっていきたいと思います。  あわせまして、こういう農業土木のいろんな研修会を定常的に行ったり、それから、実務では災害査定というのがございまして、こういうものをこなしていかないと、その後の復旧工事が進まなくなります。これをどういうふうに効率的にやっていくかということがありますので、災害査定の実務上の研修の場というのもセットをさせていただいており、これは県も大分関わった形で、国の職員にも協力をいただいて、市町村向けにさせていただいております。
     こういうことを丁寧にやっていきながら、災害に対する備えを確かなものにしてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、1時30分より再開いたします。        午後0時35分休憩    ────────────────        午後1時30分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、代表質問を行っていただきます。  14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)(登壇)観光需要回復と関係人口拡大に向けた取組について、アフターコロナ時代の交流実現に向けてということで、後半部分としての質問をさせていただきます。  コロナ禍を経験して、飲食、観光、宿泊業界などを中心に、事業者の皆さんにとっては大変苦しい状況が続いてきました。  政府においては、飲食店での会食人数の制限や県境をまたぐ移動の自粛、イベント会場の収容人数など、緊急事態宣言下においてもワクチン接種証明によって行動制限を緩和するワクチン・検査パッケージを活用した技術実証の取組を踏まえて、年明け以降、GoToトラベル再開の方針を示されました。  新たな変異ウイルスの感染拡大に注意を払う必要がありましたが、本県においても技術実証による成果の蓄積を踏まえつつ、飲食店等を対象にした安心対策、認証制度と併せて、今後は観光誘客の面でも旅行者側、受入れ側の双方の安心・安全を担保しつつ日常を取り戻していくよう、観光、消費需要の回復に向けて取り組むタイミングを見極めていくことも必要であります。  ついては、ワクチン接種の意向がない方への対応などを含め、政府のワクチン・検査パッケージの課題や成果についてどのように認識しておられるのか、また、観光誘客の再開に向けた今後の方針について、知事の所見を伺います。  次に、鳥取砂丘西側エリアの整備については、昨年4月、鳥取砂丘の利活用と保全を考える鳥取砂丘未来会議から鳥取市に対してサイクリングターミナルと柳茶屋キャンプ場へのグランピングやオートキャンプ場の整備の提言がありました。その後、鳥取市所管のこの2施設に県が所管するこどもの国キャンプ場を加えた計3施設において、キャンプやグランピングを中心とするサービス展開、砂丘西側の核となる施設として観光誘客が期待できるという調査結果が出ました。  これを受けて、県は、民間活力を導入し、一体的に整備する方向で、鳥取市と協議を進められます。今議会には地方自治法第252条の2に基づく連携協約を締結するよう提案されています。  西側ビジターセンターやリゾートホテル構想、将来的には山陰近畿道の南北線も整備される中、県東部の観光拠点としてのポテンシャルの向上が期待されますが、砂丘の東側エリアを含めて、鳥取砂丘全体について、どのような全体像を描いておられるのでしょうか。具体的な姿は鳥取市との連携協約を締結後に検討ということもあるかもしれませんが、知事が描いておられる青写真の一端でも御披瀝いただけませんでしょうか。  次に、生涯スポーツ大会を契機とした健康増進、交流推進について。  スポーツを核とした本県での大規模な交流・誘客イベントとしては、2024年の全国健康福祉祭、ねんりんピックが予定されています。3年後ですので、新型コロナは既に収束していることを願うところですが、参加者の中心が高齢者であるため、心理的な側面も含めて、安心・安全な大会の開催となるよう、ウィズコロナを念頭に置いた運営が必要であります。  本来、生涯スポーツというのは、老いも若きも、性別や体力、体格の違いも超えて、楽しく、心身ともに健康増進を図りながら人と交流できるものであり、特に高齢者においては生きがいづくりになるものと考えます。ねんりんピックのようなイベントの開催をきっかけに、大会前後においても日常的なスポーツ行動につながることを期待するものであります。  まずは3年後のねんりんピック開催に向けて、この8月に基本構想策定委員会が立ち上げられ、今年度中に基本構想を策定されると伺いました。県内への経済効果もさることながら、参加者だけでなく、多くの県民の健康活動の契機としていただきたいと考えますが、大会開催に向けた今後のスケジュールや機運醸成の取組などについて、どのように展開されるのか、知事の所見を伺います。  次に、盛土規制の実効性の確保について、安心・安全な県民生活の実現に向けてお尋ねします。  7月に発生した静岡県熱海市の大規模な土石流災害を受けて、県は、危険な区域への盛土等を規制する条例の検討に着手し、4回にわたる専門家会議による検討を経て、今定例会に鳥取県斜面の安全の確保に関する条例案を提案されました。規制対象は、残土処分場など一定規模以上の盛土等を行う行為、太陽光、風力発電施設などの斜面地に一定規模以上の工作物を設置する行為、500立米以上の建設発生土の搬出であり、これらについて、知事の許可を必要とし、違反者には罰則も設けられています。条例の内容については、専門家の方々が議論を尽くして規制内容に抜け道がないよう適切に取りまとめられていると考えますが、あとは条例の実効性をいかに確保するかということが重要ではないかと思います。  このたびの条例案においては、土砂の不法投棄や無許可の工事等を監視するため、巡視員を配置して定期巡回等を行うと規定されていますが、日々県内各地で様々な工事が行われている中で、それらの監視を徹底するのはなかなか困難ではないかと思います。自らが発注者となる、あるいは民間の開発行為等の許可を行う県において、規制対象となり得る事案を市町村と共有しつつ巡視活動を行うなど、規制の徹底に向けた関係機関による連携が必要かと考えますが、この条例による規制の実効性をどのように確保していくのか、知事の所見を伺います。  次に、米子道4車線化と境港までの延伸についてお尋ねします。  一昨年の令和元年9月、国交省から高速道路における安全・安心基本計画が示されました。米子道では、江府から溝口までの約3.4キロ区間について来週10日に供用開始となるなど、順次整備が進められています。残るは溝口から米子までの約4キロ区間の事業化であり、また、平成18年に事業凍結となった米子北インターまでの約5キロ区間の凍結解除と境港までの約16キロ区間の延伸であります。事業化に至るまで、ルート設定や構造の検討から都市計画決定、環境影響評価など、長い道のりをたどることとなりますが、境港は言うまでもなく漁港、港湾として日本海側の重要拠点であります。背後には中海・宍道湖・大山圏域の約60万人の人口を抱え、食品関連の製造業や森林資源、バイオ、医療機器ほか、金属加工など素形材産業の集積もあり、世界に開く玄関口としての可能性を秘めた将来二重丸の地域であります。  この秋の国要望においても国交省の道路局長から、重要港湾や空港もあり、重要度が高く、道路整備の必要がある。凍結された米子北インターまでを含め、境港まで結ばれないと意味がないとまでの反応があったと伺っています。ぜひこの追い風の中、米子道の全線4車線化と境港までの延伸について、一歩でも議論を進めていただきたいと考えますが、今後の見通しや、県としての取組など、知事はどのように認識しておられるのか、所見を伺います。  次に、高齢ドライバーの視点に立った交通安全対策について。  昨今、高齢者の車の運転については、逆走やアクセルとブレーキの踏み間違えなどにより、加害者となってしまうケースが頻発しています。誰しも年を取れば視力が落ちる、焦点が合わせづらくなる、反射速度が遅くなるなど、身体的な衰えや運転技術の鈍化は避けられないことであります。一方で、高齢者の運転免許自主返納を求める風潮は、高齢者の日常生活において、生活の全てを奪うことにもつながりかねないのであります。  こうした中、道路交通法の改正により、来年5月から安全運転サポート車に限定した運転免許制度が始まるとともに、一定の違反歴のある75歳以上を対象にした運転技能検査が義務づけられます。本県においても、高齢者向け安全運転講習のさらなる充実や高齢者専用区域など通行エリアのすみ分けを図るような一歩先を行く交通安全対策も考えられるのではないかと思います。車の運転が日常生活に欠かせない高齢者にとっても、周囲の県民にとっても、いかに安心・安全が担保される社会としていくのか、知事及び警察本部長の所見を伺います。  次に、消防・防災体制についてお尋ねします。  これからの季節、火の取扱いに特に注意が必要な時期となります。  県内の消防体制については、現在では20代半ばを中心に30代前半までの若手が全体の約半数を占めるなど、若返りが図られています。日頃の鍛錬と経験を積むことで、より充実強化が図られることに期待するものであります。  一方、地域の実情や土地カンにたけ、地域防災力の中核を担うべき消防団員については、全体の団員数の減少と高齢化が顕著であります。今後、将来に向けた消防団の担い手を県として市町村に寄り添って対応していく必要があります。3年前の平成30年度には将来にわたって持続可能な消防体制、消防力の維持、充実に向けた消防体制研究会が設置されましたが、アフターコロナにおいても地域の安全が守られる消防体制となるよう、地域で活躍する消防団員が存続できる人材確保の在り方を含めて、知事はどのように認識しておられるのか伺います。  次に、教育・子育て行政について、まずは学力向上に向けた取組についてお尋ねします。  令和3年度の全国学力・学習状況調査の結果がこの8月に公表されました。本県の学力結果においては、小学校国語が全国平均並みである一方、小学校算数と中学校の国語と数学では全国平均を下回ったとのことであります。一方、学習に対するアンケートでは、特に小学校算数について、算数が好き、授業がよく分かるなど、肯定的、積極的な学習姿勢に大きく変わってきたという結果が見られたとのことであります。学校現場における研究、授業改善と子供たちが主体的に取り組める対話をベースとした授業づくり、分かるということを喜びとともに実感できることを目標とする算数大好き!プロジェクトの取組などがこのたび成果に直結したものであろうと思います。  これまでの全国学力調査結果などを基にした授業改善の取組の結果が県内小中学校で広く共有されるなど、年度によって変わる全国順位に一喜一憂せず、今後とも実りある取組としていただきたいと考えますが、教育長の所見を伺います。  次に、学習意欲を喚起する家庭教育への関与について。  全国学力・学習状況調査の中には日々の生活に関する調査項目もありますが、子供たちの学力向上につながる手がかりは子供たちの日常を整えることにあるものと思っています。  教育委員会では、従来から心とからだいきいきキャンペーンとして、しっかり朝食を食べよう、たっぷり寝よう、長時間テレビを見るのはやめようなど、学校、家庭、地域の3者が連携を図りながら、子供たちの健全育成に向けて取り組まれています。また、家庭内で子供の成長を見守りながら自立を促していくため、平成25年以降、「家庭で応援!小学生スタートブック」を作成されています。子供たちの生活習慣や将来の夢、身につけるべき生きる力についてそれぞれ目標を掲げ、子供たちに寄り添った家庭教育となるよう支えていこうとする教育委員会の姿勢がうかがえるところです。  子供の成長過程を考えれば、幼少期や小学校低学年のうちに規則正しい生活習慣を身につけること、例えば朝御飯をきちんと取る、早寝早起きする、「ありがとう」、「こんにちは」などの挨拶ができることなどが人格形成の土台になるものと思います。そして何より学年が進むにつれて学習に向かおうとする姿勢や意欲につながる心を育む基盤になるものと考えます。  昔と比べて家庭でのしつけや保護者による子供への接し方など、教育行政としてどこまで踏み込むべきであるか、難しい課題もあるかと思いますが、教育長のお考えをお聞かせください。  次に、女性の社会進出を促す子育て支援策の在り方について。  子育て王国とっとりの建国以来、県が保育サービスの充実や放課後児童クラブ等の支援など、働きながら子育てしやすい環境整備を進めてきた中で、結婚、出産後も働く女性が増えてきたことにより、30代を中心に出産や育児のため働く女性が減少するM字カーブは解消されつつあります。  しかしながら、その雇用形態を見ると、平成29年の女性の非正規雇用者は50.8%と過半数を占めており、女性の正規雇用率を年齢、階級別に線グラフで表すと、20代後半でピークとなり、その後、出産期以降に低下を続けるL字カーブを描いています。これは、女性の仕事の受皿が増えたものの、結婚や出産を機に非正規の仕事に移行される方が多いということを示しています。  もちろん働き方は人それぞれであり、非正規を望まれる方も一定程度あるかもしれませんが、社会全体に男性は仕事、女性は家庭という風潮が依然として根強いためにこうした現象が起こっているのではないでしょうか。  一方、平成31年の鳥取県の少子化対策等に関するアンケート調査では、理想的な子供の数は3人という回答が最多であるのに対して、現実に持てる子供の数は2人との回答が最多となっております。このギャップの理由としては、経済的負担が大きいに続き、仕事と子育ての両立が難しい、子育ての肉体的、精神的な負担が大きいという回答が多く、女性の子育てにおける負担感が少子化の一因となっていると推察されます。性別の違いを問わず、働きたい人全てが希望する形態で働ける社会を実現するためには、夫婦がともに子育てと仕事を両立できる環境は必要であり、ひいてはそれが子供を持つ数の理想と現実の差をなくす夫婦が望む家庭環境につながり、少子化の抑制にも寄与するのではないでしょうか。  コロナ禍で少子化に拍車がかかる中、テレワークなど多様な働き方が現実化してきた今こそ、ワーク・ライフ・バランスの観点から、男女ともに働きながら安心して子供を育てることができる環境づくりが必要ではないかと考えますが、これまでの取組の総括と今後の取組方針について、知事にお尋ねします。  次に、北朝鮮による拉致問題についてお尋ねします。  本県においては、拉致被害者である米子市の松本京子さんのほか、特定失踪者、拉致の可能性を排除できない方として、日南町出身の古都瑞子さん、伯耆町出身の上田英司さん、大山町出身の木町勇人さん、米子市の矢倉富康さんが実に40年以上もの間、家族と離れ離れとなっています。言うまでもなく、この北朝鮮による国家ぐるみの誘拐人質事件は絶対に許されるべきではありません。  本県としては、平成22年から毎年、拉致問題の早期解決を願う国民のつどいを開催していますが、拉致被害者の家族の方々も年を取られる中、何の進展もないまま時間が経過していく現状は、事態を悪化させているということであります。平成14年の拉致被害者5名の帰国から来年で20年となります。松本さんをはじめ、何とか早く御家族の再会を願うばかりであります。  この9月には外務大臣を経験された岸田新内閣が発足し、先月の全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会においても、拉致問題は岸田内閣の最重要課題であり、私の手で必ず解決するとのコメントがありました。  本県としては、この拉致問題の早期解決に向けてどのように取り組んでいくのか、改めて知事の所見を伺います。  また、一方で、拉致問題は過去のことではなく、今現実に起こっている、現在進行形の人権侵犯事件であります。若い世代が知らないということにならないよう、学校教育の場において、正しい知識と理解を促すよう取り組んでいただきたいと思いますが、教育長の所見を伺います。  次に、ミサイル発射問題に対する県民の安全確保策について。  今年もまた北朝鮮による弾道ミサイルが、とりわけベニズワイガニの漁期に入った9月と10月に計6回、日本海に向けて発射されました。一部は我が国の排他的経済水域、EEZ内に落下したと推定されています。特に近年は潜水艦から発射される弾道ミサイルや変則的な軌道で飛翔するとされる新型ミサイルなど、警戒レーダーで完全に捕捉することが難しいものであるとのことであります。地域の平和と安全を脅かすこのような愚行は断じて容認できるものではありません。  知事におかれましては、全国知事会長の立場を含め、その都度抗議声明を出されています。今後も政府と連携して、船舶、航空をはじめ、国民、県民の安全確保と速やかな情報共有に努めていただくとともに、特に日本海を取り巻く緊急事態に即応できる国家としての法体系整備を強く求めていくことを含め、引き続き強い姿勢で対応していただくようお願いするものであります。  他方、私が一番懸念するのは、国民、県民の皆さんの危機管理意識が薄れてしまわないかという点であります。約18年間の金正日体制において16発だったミサイル発射は、この10年間の金正恩体制で既に100発目を目前とするところとなりました。日本海側に住まう我々鳥取県民においては、1発1発が有事であります。漁場、水産資源を含め、島根原発や美保基地などの重要施設も有する山陰地方において、県民一人一人の生命、財産が損なわれることのないよう、本県としての情報発信や緊急避難誘導の在り方など、平時において整えておく必要があると考えますが、現状についてどのように認識しておられるか、知事の所見を伺います。  以上、壇上での質問とさせていただきます。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員の代表質問にお答えを申し上げます。  まず、ワクチン・検査パッケージにつきましてお尋ねがございました。ワクチン接種の意向がない方への対応、あるいは観光誘客の再開に向けた方針などにつきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、先ほども議論がございましたように、オミクロン株が今、世界中で見つかっているところであります。したがいまして、特に海外との往来については、まず非常に難しい初動であろうと。まずは水際で防がなければなりません。政府もいろいろと試行錯誤を繰り返しているようで、国際便への予約を一斉に全部やめるというようなことをおっしゃっていましたが、今日になりまして、それを撤回されるということもございました。いろいろと行きつ戻りつはあるとは思うのですが、まずは国境管理でしっかりと止めることが大事でありますし、その間、国内で動けるという場合には、旅行などできるような環境をさらに促進していくということは重要でございます。  そういう意味で、本県では#WeLove山陰キャンペーンを島根県と共同して実施していまして、これがやはり今の観光需要を支える効果はあるようです。三朝のある大きな旅館さんは、本来ですと大都市部から来るわけでありますけれども、今は鳥取県のお客さんが一番多いというふうに言っておられます。やはり#WeLove山陰キャンペーンの効果というのは大きいだろうと。島根県よりもやはり特に県内のお客さんが多いのですね。島根県のお客さんは大体2割弱ぐらいではないかと思います。総じてむしろ県内の方が県内の魅力を発見するということがありまして、これは経済効果もありますしふるさとの魅力をもう一度再認識していくという、そういう言わば一石二鳥の効果もあったのかなというふうに考えております。  こういうようなことを経験しながらやっているわけでありますが、徐々に今の感染状況であれば近隣観光まで広げていってもいいだろうと。そういう意味で、政府のほうも政府の方針の中で近隣観光も含めた隣県への宿泊クーポンの発行などを追加する措置を取られたところであります。そういうようなことを受けた上で、新年になりまして、また感染状況を見てGoToトラベルの再開を考えるということであります。  こういう場合に、議員がおっしゃったワクチン・検査パッケージが使われることになります。政府はこのたび説明会を開催されまして、観光については、国の補助のある制度については、ワクチン・検査パッケージを導入することになっております。したがいまして、本県におきまして今県内向けの#WeLove山陰キャンペーン、あるいは島根県向けがございますけれども、本来であればワクチン・検査パッケージを導入すべきということになりまして、県内向けにつきましては、来年の1月1日以降の宿泊分についてはワクチン・検査パッケージを適用するようにということでございます。これはちょっと国の制度は変わってしまいましたので、本県もこれを考えなければならないということになりました。また、島根県との関係でもワクチン・検査パッケージを受けていれば国の補助が入るということになりますので、今後この在り方を隣県、島根県と協議をしていくことになろうかと思います。  ワクチン・検査パッケージを伴う隣県の宿泊助成などにつきましては、さらにほかの県とも今話合いを始めております。明日には兵庫県、それから広島県の両知事とそれぞれ例えばオミクロン対策とか地域交通対策だとか、あわせて、観光問題につきましてもテレビ会議方式で両県知事会議を相次いで行うことにいたしております。その際に、この隣県の観光支援制度、これの導入について協議をさせていただきたいと考えております。岡山県とは実はもう既に話合いは両県知事会議で終わっていまして、岡山県側は同意をしておられます。これからそうやってそれぞれの県と協議をさせていただき、状況が整ったところからそのような適用範囲の拡大ということも感染状況をにらみながらやっていくことになります。  その際に、ワクチン・検査パッケージの適用ということが国から求められております。ワクチン・検査パッケージでありますが、ワクチンを打った方についてはなるべく簡便にこれが適用できるようにということでありまして、例えば携帯電話のカメラで写真を撮って、皆さんの接種証明書が、この画像をもってワクチン・検査パッケージが適用できるようになるということでございます。また、国においては、アプリなどを今開発中だということでありまして、そういうものを使いながらなるべく支障がないようにということだと思います。  問題は、議員がおっしゃるように、ワクチンを何らかの理由で打てない方の関係でございます。これについては検査を義務づけるわけでありますが、大分政府とここはやり取りをしました。ワクチン・検査パッケージの構想が出てきたのは総選挙の前です。その頃から我々知事会、また私も政府の分科会でも発言を繰り返しておりまして、やはりこれはワクチンと同じようにワクチンを打てない人も何らかのチャンスを与えないといけないものですから、国によって無料の検査をやるべきだということを求めていました。このたび政府から示されたものとしては、それを受ける形で都道府県が中心になって無料検査というものの会場を設営すると。あるいは薬局と、それからそういう検査の会社と共同して、薬局においてもそういう検査を受けられるようにするなど、そういう方針がこのたび出てきました。私どもとしては、それはそれで了とするのかなと思っております。こういう形で一応曲がりなりにも年度内は無料ということが出てきましたので、まずはやってみるということなのだろうというふうに思っております。  いずれにいたしましても、こういうようにいろいろと工夫をしながら経済社会活動、観光も含めて少しずつ戻していくということを感染状況が落ち着いている間には行っていくことになると考えております。  次に、砂丘につきましてお話がございました。県東部の観光拠点としての鳥取砂丘、そのポテンシャルを向上させる、これについてどういうような構想を考えているのかと、こういうお話であります。  鳥取砂丘は2.4キロ掛ける16キロの広範囲にわたる116ヘクタールの広大なところでございます。壮大さというのはやはり万人を感動させ得るものだろうと思います。現実にも鳥取県についての観光地のイメージを聞きますと、鳥取砂丘と答える方が9割であります。今最近伸びているのが水木しげるロード、これが5割でございまして、4割ぐらいが大山というふうにお答えになります。つまり鳥取県の観光イメージを砂丘は担っていると思ったほうがよくて、私自身は初当選の頃から鳥取砂丘は鳥取県の顔だというふうに申し上げておりました。  実はそれまで鳥取砂丘をめぐっては県と地元とのいろいろなちょっと意見の食い違いなどもないわけではございませんでしたけれども、そこを全面的に修正をして、協調体制の中で国も巻き込んでやっていこうと。そういう中で、今ではビジターセンターが政府によってできまして、市と我々県とで共同で運営組織もつくり、今やっているところでございます。  私の当時のイメージとしては、鳥取砂丘はもっと活用できるだろうと。例えばパラグライダーのようなものであるとか、それからサンドボードだとか、今いろいろとヨガなども含めて活用がなされたり自転車などファットバイクも出てきました。ああいうのがあまりなかった時期でありますけれども、もっと活用できれば緩めていって、その片方で今でいうSDGsでありますけれども、例えば草を取る除草作業などをやりながら、みんなでこの自然を守るというサンクチュアリーにすると。それはイメージとしては、群馬県の尾瀬のようなイメージですね。美しいところをみんなで配慮をしながら長く残していこうという運動をすると。その運動をすることがむしろこれからの観光の言わば吸引力になってくるのではないだろうかというふうに考えたわけです。  そういう意味で、就任当初に設けたのが日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例というのを制定させていただきたいと議会にお願いを申し上げました。罰則だとか名称の修正をいただきながら、これが言わば砂丘の憲法のような形で鳥取県には今制定されているわけでございます。これが基本になりまして、利活用と保存とを二兎を追うような形のハーモニアスなそういう運営を今しようということでありまして、当時描いていた言わば理想の姿に近い形で徐々に動いているということかなと思います。  ただ、残念ながら観光客の数は、片方で水木しげるロードの観光客が伸びているのと比べますと、あまり伸びがあるわけではございません。ただ、ここにきて新型コロナということがあり、こうした鳥取砂丘が見直されるチャンスにも来ているだろうというふうに今見ているところでございます。現実にも最近、寺田蘭世さんが乃木坂46というグループを卒業されるということで写真集を作られた。これに鳥取砂丘がふんだんに使われていまして、それ以外にも鳥取県の様子だとか、あれは神戸などもあるのですけれども、メインが割と鳥取砂丘で写真集を作られたのですね。これがつい先頃でありますけれども、オリコンの週間BOOKランキングでナンバーワンになりました。このような形で非常に今取り上げられてきているところであります。この寺田さんの場合は我々が呼んだわけではなくて、あちらが気に入って来ていただいたということなのですけれども、これはほかのところでも、鳥取市がちょっと観光プロモーションで呼んだのが竜星涼さんという男性タレントでありまして、これもやはり売り出すということで、砂丘を題材にしてやっておられると。  このようなことでありまして、市場価値というのはやはりあるのだろうというのが最近の状況ではないかなと思います。現実にも今修学旅行は増えています。その目的地の一つは結構鳥取砂丘でございます。どういうことが起きているかというと、先ほど申し上げたサンドボードだとか、あるいはパラグライダーだとか、そうしたものは利用者数が昨年より倍増しているのです。これは修学旅行生がここを利用されているということであります。結局コロナになりまして、学校の中で相談したり保護者の皆さんと協議をされて目的地を定めるわけですね。本来は海外に行くとか北海道に行くだとか、そういうものがありましたが、ある学校ではそういう遠くに行くというところから修正して広島、岡山に行くというところからさらに修正して鳥取に来たと、こういうようなことでありまして、コロナから見てやはりよく抑えている地域、我々の頑張りというのがこういう意味で観光素材として貢献しているということのようです。これは多分後戻りはないかもしれません。健康だとか、それから安全性、それでそこには大自然などの当然ながら従来からの魅力があり、砂丘というのはその中でも絶対性のある唯一のものでございますので、こういうところはやはり素材として光り得るのではないか、このことを大切にしていこうと。  そこで、本議会に提案をさせていただいておりますのが鳥取市と鳥取県で連携協約を結びたいということです。これは砂丘の利活用、それから保全を連携してやっていこうというものでございます。例えば目指すことは、これから西側のほうのエリアが大事になってくるだろうと。鳥取市はリゾートホテルを今誘致しようとされていますが、それ以外にも最近のはやりのものがあると。それはキャンプ地であります。キャンプ場については柳茶屋にキャンプ場がございます。それから鳥取県のほうの管理でこどもの国にもあると。こういうものをつないで一体的に民間活力を導入してもっと使ってもらうということがあるのではないだろうか。実は最近こういうキャンプ場のリニューアルというのが効果を上げているのが一向平であるだとか、あるいは南部町もそうですし、それから日野の鵜の池とかああいうのはみんな実はリニューアルです。それでお客さんが結構予約満杯で来てしまうのですね。ですからそういうことでもう一度こういう市場性が出てきたので、ここを一つ核にしてもいいのではないかというふうに考えているのです。  鳥取砂丘の本体はやはり東側の馬の背を望むところだと思うのですが、適当な距離感があって静かにキャンプをするとか、あるいはこどもの国、これも近々50周年を迎えます。そういうようなことをいろいろ題材にして、そして今度ビジターセンターが建設をされます。西側のビジターセンターを基軸としていろいろと体験館、あるいはガイドツアー等が可能ではないだろうか。最近はamulapoさんが月面生活というのを体現するような、そういうところも考えておられる。こういうようなことで、次の展開を連携協約で応援をしていってはどうだろうかと、このように考えているところでございます。  次に、ねんりんピックにつきましてお尋ねがございました。  ねんりんピックにつきましては、3年後の秋頃ということでありまして、まだ具体的な期日などは設定しているわけではございません。現在、基本構想の策定委員会をこの夏から立ち上げまして、会議を繰り返しているところでございます。目標としては今年度いっぱいぐらいで基本構想をまとめていこうというふうに考えております。  ねんりんピックは実は非常に集客性もある一種のスポーツツーリズム的なところがございます。現実にも2年前の和歌山のときは、56万人のお客様が来られたというところでございまして、27の種目について争われました。また、中国地方でも6年前に山口でねんりんピックが開かれました。このときは54万人のお客様が来られまして、25の種目で争われたということでございます。こういうようにかなり短期間に集客するものでございますし、結局、高齢者の方以外の御家族などもみんなで高齢者の応援にやってくるということがありまして、旅の形になっているところがあります。そういう意味でねんりんピックはいろいろな大会の中でも各県が取り合っているそういう人気のイベントでもあります。せっかくのこの機会を我々も得たわけでありますから、3年後の成功に向けてしっかりとこれから進めてまいりたいと思います。  今年度いっぱいかけてどういう種目をやるのかということであるとか、それから例えばマスコットキャラクターをどうしようかとか、大会テーマであるとか、大会テーマについては今公募をしまして、全国から1,000ぐらいアイデアが集まってきております。マスコットキャラクターなどもちょっとこれからつくるわけでありますが、月並みにやったらまたトリピーの焼き直しなのでしょうけれども、例えば弥生人がこれからもっとはやれば弥生人みたいなものをモチーフにすると、多分考古学ファンは割と高齢者が多いですから、そうしたところのイメージにもなるかもしれません。そのようなことを今ちょっと自由な発想で議論をしているところでございまして、いましばらく時間をいただきながら、また最終的には議会と御相談をさせていただきたいと思います。  それで、来年度には県の実行委員会を発足させまして、再来年度、これが1年前になりますが、市町村の実行委員会をつくる、それで、3年後に本番を迎えると、このようなスケジュール感で今やっているところであります。  そういう意味で、もう大分迫ってきまして、コロナの状況にもよりますが、例えば来年度であれば、プレイベント的なことを県としてもやってみて、やはり県民の皆様にも認知していただかなければいけませんし、全国の皆様にも、ああ、2年後は鳥取でねんりんピックをやるのだなという意識を持っていただく。もちろん開催地に出向いてPRすることもありましょうし、県内での様々なスポーツイベントに行って、それでいろいろと盛り上げることもありますけれども、プレイベント的なことを来年度ぐらいになったら始めて求心力を高めていく必要があるだろうというふうに考えております。  ねんりんピックが終わりますと、じきに関西ワールドマスターズゲームズが来るわけです。関西ワールドマスターズゲームズも年齢層が高い方の国際スポーツイベントでございますので、ねんりんピックからさらにワールドマスターズゲームズへとブリッジを架けていくと。このようなことで本県もスポーツ振興策を展開していくことができるのではないかなというふうに考えております。  次に、盛土規制の条例につきましてお話がございました。この規制の実効性をどういうふうに確保していくのかというお尋ねでございます。  盛土というのは、例えば宅地造成であるとか、あるいは残土処分などで典型的には出てきます。この盛土が2,000平米、1メーター以上のものであるとか、それから高さが5メーターというようなものであるとか、こういうものにターゲットを絞りまして、そういうのは届出をしていただいて許可を得てくださいと。その間に技術審査をしまして、本当にこれで大丈夫なのかというのをチェックしようというものです。許可がない限りは着工できないということになります。同じように、最近問題なのは斜面に工作物を造るというものがあります。15%以上の斜度の斜面に工作物を造るようなとき、こういうものについてもやはり同じように許可の対象にしてはどうだろうかと、こういうアイデアで今条例をつくらせていただきました。  議員がおっしゃるように、実効性を保っていかなければなりません。したがいまして、工事が始まっても6か月ごとに定期的に検査をしようということでございますとか、あるいは中間検査や完成検査、こういうものもやっていこうと。さらには工事が終わった後も完了後10年間はそういう見守りをしていくというようなことでございまして、こういうアフターのところも、これも我々のほうで監視をしていこうと、そのための巡視員を設置しまして見ていこうと。中には市町村の許可のものなどもありますので、市町村と一緒にそういうときには鹿島議員がおっしゃるように役割を果たすということも考えてはどうかなというふうに思います。これでもし言うことを聞いていただけないというときには行政命令を出すと。さらに罰則というものに進んでいくと。罰則につきましても、2年以下の懲役または100万円以下の罰金という罰条もつけさせていただきまして、これも実効性担保ということになるのではないかと考えていますし、一定の工事につきましては補償料を求めようと。言わば供託していただきまして、そこに質権を設定して、それでもし言うことを聞いていただけていないとか手入れが悪いという場合には、これを使って行政代執行をかけていくというようなことにしていこうと、こういう構想でございます。  それで、これは実際には施行されて来年度の話でありますけれども、そのとき以降に着工するものにはこの許可が必要ですよということになります。それは条例の中に第7条というのがありまして、着工前に許可を受けるということを義務づけております。ですから工事が始まる前に受けてもらうものですから、これから工事が始まるものは施行後は全て対象になるということになります。これが盛土、あるいは切土、それから工作物、こういうものが対象になるというふうに御理解をいただければと思います。  このような形でしっかりと実効性があるものにして、熱海のような事故が起きないように我々としても最大限対策を取ってまいりたいと思います。  次に、米子道の全線4車線化と境港への延伸について議論を進めるべきだと、こういうお話がございました。  米子道につきましては、令和元年に国のほうで安心・安全の計画というものがつくられました。高速道路の4車線化というものを一定の路線を指定しまして、10年、15年の間に完成を目指すというふうに分類されました。幸いなことにその中に米子自動車道が入りまして、皆様の運動のおかげと感謝を申し上げております。  12月10日にいよいよ江府インターチェンジ付近の3.4キロが供用開始ということになります。これについては、先般11月15日にNEXCO西日本の前川社長が来られまして、その御報告をいただき、私のほうからは、残る部分についての進捗をぜひ図っていただきたいとお願いを申し上げたところでございます。その余につきましても、溝口-江府間においての4.2キロが平成31年に事業化をされまして、昨年は蒜山と江府の間、4.7キロ、これが事業化をされ、今年度に入りまして残る江府-溝口間の3.4キロ、これも事業化をされるということになりました。これは大体めどが立ってきつつあるということだと思います。  それからあと、米子-境港間についてもお話がございました。これは昭和41年に国のほうの予定路線になったものであります。そのうち米子インターチェンジまでの間は開通をしてきていますが、そこから境港のところがまだできていないと。そういう中で、平成18年に米子-米子北間については事業をやめるということになりました。私が就任したのが平成19年なので、これをひっくり返すことに実はずっと心を砕いてきたというところでございます。それで、具体的には平成24年に地元の連携をやりまして、国の事務所も入れて米子-境港間の地域の高速道路についての勉強会を開始し、いろいろと議論をさせていただきました。それで、平成29年に当時の国交省の青木副大臣のほうを訪ねまして、地元の2市1村をまとめてもらえればというようなお話がございました。平成29年4月に伊木米子市長が誕生しました。この後に米子市との行政懇談会をさせていただいたときに、米子-境港間の道路、これをぜひやりましょうということを申し上げたところ、米子市も応じられました。境港市もそのとき前向きになりました。実はなかなか米子、境港の意思の一致が難しい時期がございまして、私も間に入るような形でそこが整いつつあり、そこに日吉津の話も交えて前へ進もうということになったところでございます。  その後、いろいろと紆余曲折があるわけでございますが、昨年の11月には宍道湖中海圏域の8の字の道路を議題として、これは国交省の主導でやってもらったのですが、そういう高速道路は必要だということの結論が出まして、その中に米子-境港間が入っているということであります。これについては、先般、斉藤新国土交通大臣のほうにもお伺いをさせていただきました。一部県議の方と一緒に要望活動をさせていただいたのですけれども、この際も国交大臣のほうからかなり率直なお話がありまして、大切な段階に入っていると。非常に事業費がかかりそうな路線ですと。ですから、財源のことも含めて今後よく協議をさせてもらいたいと。簡単に言えばそのようなお話だったと思います。  私どものほうでは、今地元でこれも協議会を設けまして、アンケート調査などを今やっているところでございます。こういうものを取りまとめながら地元としての考え方というのを年明け以降、また国に伝えさせていただきたいと思っております。議員が一歩ずつでもというお話でありますが、一歩ずつかもしれませんが、今そのような形で前に着実に進んできているというふうに手応えを感じているところでございます。  次に、高齢者向けの安全運転講習等、高齢者の運転の安全についてのお話が私にもございました。県警本部長のほうからもいろいろとお話があろうかと思います。  これにつきましては、平成28年に支え愛交通安全条例というのを制定させていただきました。これを受けて、例えば踏み間違え防止だとか、そうした高齢者をサポートするような器具についての助成制度もつくらせていただきまして、こういうのを県独自にスタートをさせていただいたところです。それから安全講習等も含めて展開をしまして、PR活動もしました。そうこうしているうちに国のほうでこういうサポカーというのですが、サポートカーの助成制度ができました。国のほうで県がやっていたものを引き継ぎながら今応援をしていただいているところでございます。
     今年に入って先月には国産の自動車につきましては、衝突被害軽減のブレーキ装置、これの装着の義務づけがなされまして、このサポカーがさらに強固なものになってきているということであります。今後こうした啓発活動を私どものほうでもしっかりとやっていきたいと思いますし、自動車学校などとも協調しながらドライブレコーダーなども活用した安全運転講習などの普及を図ってまいりたいと考えております。  また、あわせて、運転免許の返納なども含めて、今こういう交通安全の計画をまとめているところでございまして、そうしたところで市町村だとか関係機関と一緒にこういう安全確保について図ってまいりたいと思います。  残念ながら事故は大分起きていまして、先月も横浜市の戸塚で高齢者が絡む事故がありましたし、そのちょっと前には大阪府の狭山市でも痛ましい事故もございました。9月には例の池袋の事故についての判決が出たところであります。本県も決して例外ではなくて、昨年の場合は3割ほどが高齢者の事故で、初めて3割を超えました。ですからこうしたことは非常に重要でありまして、今後も警察等々と協調しながら進めてまいりたいと思います。  次に、消防団の人材確保についてお尋ねがございました。  これにつきましては、議員も懸念されていますとおり、非常に今人材確保にどこも苦労しています。例えば辞めるというときは後を見つけてこいと大体なるものでございまして、そこで皆さんは七転八倒して何とか後を見つけてきて、何とか消防団の人員を確保する。それから結構分団長の仕事は新規開拓をして、中には戸別訪問もして勧誘をするところもある。そういうようなことで、それぞれの地域で工夫をされているというのが実情であります。  そこの役割分担なども含めていろいろと効果も上げているところも出てきていまして、例えば江府町さんの場合は、3分団あります。第1分団は、これはサラリーマンの方とか自営業者の方の分団であります。第2分団が役場分団なのですね。役場の職員で構成しているわけであります。第3分団は女性分団です。女性分団は比較的、要は啓発等のほうが中心になります。第1分団のサラリーマンの方は大体いないものですから、実際には第2分団の役場職員中心のところが結構出かけていくと。ただ、こういう役割分担の中で回しておられます。そこにさらに自主防災組織、これが地元に残っておられる高齢者の方を中心に組織されていまして、今江府町では21のポンプを設置していまして、これで若い者がいないときは私たちが消しましょうということでされているわけですね。つまるところこういうふうに、言わば地域の絆やネットワークの中で補い合って消防力を全体として確保していくということになるのかなと思ったりします。  また、機能別分団というのもございまして、これも米子のほうで取り入れておられまして、サラリーマンの方、要は活動を限った上で加わっていただくということがございます。また、若い方への働きかけも結構最近活発になされていまして、最近顕著だったのは米子高専の学生に働きかけをされて、14名が米子市消防団の彦名分団に入られたと、そのような例もございました。そのようなことがあったりしております。  これは市町村の課題ではあるのですけれども、そういううまい事例とか消防力の確保の事例などを横展開して我々も普及に努めてまいりたいと思います。  次に、女性活躍についてお話がございました。男女ともに働きながら安心して子育てできる環境づくりということでございます。  本県は、一つには子育て王国として中山間地の保育料無料化など、目立った対策を取って、その意味では一定の評価はいただいていると思います。ただ、女性の活躍のためにはやはり社会の認知やそれぞれの企業、組織での努力が重要であります。そういうような意味で、平成26年に女性活躍の、これは経済団体がトップになりまして、労働団体だとか関係団体も入って行政も入ってやるそういう女星活躍とっとり会議というものを発足させたところでございました。平成27年には10の団体が一緒になりまして、合同でイクボス宣言をしました。これは行政と民間とが一緒にやるのでは全国初めての宣言でございました。その後、女性活躍推進法が国会で制定され成立をし施行されることになります。このときには先ほどの女星活躍とっとり会議のほうと図らせていただきまして、施行日に法律に基づく協議会になりました。これも全国で一番早かったものでございます。また、連携して動く女性活躍ネットワーク会議というのも組織されまして、ここでイクボスバッジを制定するとか、あるいは今介護も含めたファミボスという概念を入れているのですが、こういうものもそういう女性の皆さんの発案で始まってきたものでございます。このようなことをいろいろと取り入れながら進化をさせております。  その結果どうなったかということですが、例えば子育て包括支援センター、平成27年は全県の大体3分の1ぐらいだったのが、現在では全市町村発足をさせておられます。また、病児・病後児保育、これも顕著に最近増えてきているなど、そういう環境づくりにも貢献してきていますし、また肝腎の女性の参画でありますが、小さな企業さんでも26%が管理的地位の職業にある女性の姿が見えるようになりました。本県の県庁も現在女性管理職は22%ですが、他団体は20%に行っていません。圧倒的にトップになっています。実は私が就任した頃は7%だったのです。それが今22%で3倍以上になっているのです。結構大変なのですけれども、地道に毎年少しずつ伸ばしてきて、こういうことになっているところでございます。このようなことなど、いろいろと今後も仕組みづくりをしてまいりたいと思います。  そういう意味で、最近、市町村のほうと協力をしながら家事シェア手帳というのを配布を始めたり、それから先般は若者ミーティングの皆さんから提言がございまして、それをまた新年度予算の中で検討しようかと思っているのですが、家の中にボードを置いてそこに役割分担を書いてみてはどうだろうかと。簡単なことなのですけれども、そういうアイデアを普及させていくとか、いろいろと各方面のお知恵もいただきながらと思っております。  また、病児・病後児保育も大切なのですけれども、そもそも家の中でそういうときはやはり子供を見たいということもあります。そういう意味で、男性の看護休暇というものも制度として企業さんのほうでも持ってもらえる促進措置とか、そういうことを新年度の予算の中でも検討しようかと考えております。  最後に、北朝鮮につきまして2点お話がございました。拉致問題の早期解決、そしてミサイル発射の問題についてでございます。  拉致問題につきましては、県議会の議連の皆様とも協調しながら拉致問題解決に向けて我々も政府への働きかけであるとか、それから様々な運動を展開しております。御協力に感謝申し上げたいと思います。  10月31日には米子におきまして国民のつどいをさせていただきました。ちょうど総選挙の日でありますので、残念ながら官房長官等はお見えにはなれなかったですけれども、ただ、1,700人以上ネットでの視聴があったり、会場も満杯になりまして、我々の様子というのは北朝鮮のほうにはラジオ放送で流れるという形にもなりました。このような形で一定の効果はあったのではないかと思いますが、やはりまだ解決できていないということであります。  昭和52年10月21日に松本京子さんがここから姿を消され、さらにその直後と言っていいと思うのですが、11月7日には古都瑞子さんがやはり北朝鮮へ拉致されたと言われております。そのほかにも矢倉さんとか上田さんだとか、また最近では大山町出身の木町さんも警察の捜査によって可能性を否定できないというリストの中に入ってきたところでございます。こうした御家族の皆様ともこうして度重ねて志を共にし、訴えかけをさせていただいております。先般は東京のほうで国民集会が11月13日に開かれまして、初めて岸田総理もお見えになりました。私自身も議連の皆様と一緒に出席をさせていただき、知事としては私一人だけでありましたけれども、代表して訴えをさせていただきました。  そういうようなことでございますが、一つにはやはり政府にきっちり動いてもらわなければいけないだろうと。北朝鮮はいろいろと動きをされるわけではございますけれども、今国際社会の中で本当で経済というものをしっかりと保っていこうとすれば、やはり協調していくほかはないわけでありまして、拉致問題というのは国連も認める人権侵害であります。ぜひ早期解決をやはり金正恩自らが決断すべきものだと思います。こうしたことをやはり国際社会で協調して政府には実現をしてもらうことが必要であり、一日も早く解決が求められます。  今までよく御家族が年を取られるという話をおっしゃっておられましたけれども、私は11月13日の集会のときに申し上げたのですが、実は松本京子さん御自身も70歳を超えてきているわけですよね。ですから、もうこれは御家族どころか御本人たちも高齢化が進んでしまっているということであります。したがいまして、本当に一日の猶予もないわけでありまして、速やかな解決を求めたいと思います。  そういう意味で、今議連のほうで計画をされておられますけれども、映画の上映会をやろうと。これは本県の当局としても協力をして実現に向けて動いてまいりたいと思います。また、11月13日に家族会、あるいは救う会の皆さんから、知事会のほうに要請がございました。それは12月10日からの週間におきまして、拉致問題解決のバッジの着用をぜひ全国でも呼びかけてもらいたいと。これは今仲間の知事と共有をさせていただいております。重点週間には私ども実は昨日から始めました県庁で今パネル展をさせていただいております。それからちょっとそれに先立ちまして北条中学校のほうで拉致問題について考える子供たちの集会をさせていただきました。こういうことなどいろいろな諸行事を組み合わせながら地域としての連帯感を深めてまいりたいと思います。  あわせまして、ミサイルについてのお話がございました。これはこの秋に入りまして9月11日ぐらいから本当に頻発されるようになりました。議員もおっしゃっておられましたけれども、10月19日には新型のSLBMではないかと見られる発射がありました。また特に9月15日には日本のEEZへ落下したと考えられるミサイルの発射もあり、これについては全国知事会長として北朝鮮に抗議もさせていただきました。やはり備えるべきは備え、そして声を上げるべきときには声を上げるということが重要だと思います。  私どもは何せ相手がミサイルですから、速報体制を重視していまして、度重ねて整備をさせていただいております。平成22年にはJ-ALERTの配備をさせていただき、これが防災行政無線で流れるようになり、皆さんもお宅で聞かれるようになったと思います。それからさらに平成24年にはあんしんトリピーメールに連動して流れるようになりました。これもそういう改善によりまして携帯電話などに即情報が入るということになりました。  こういうようなことを踏まえまして活動しているわけでありますが、例えば平成28年2月には我々の頭上を越えて沖縄かどこかあちらのほうに飛んでいったミサイルがありました。あのときも随時発射されましたというのを9時34分に出して、9時43分には通過しましたという情報をJ-ALERTやあんしんトリピーメール、これはEm-Netと絡んでいたのですけれども、そういうもので出させていただいたり、さらに9時51分には落下しましたという情報を出し、通過したということを確認して、それで9時55分には我々庁内の話合いをして、10時過ぎには県としてのコメントを発出させていただきました。何せスピードが重要でございますので、今後もこうした緊張感を持って対応を図ってまいりたいと思います。  実動訓練も平成29年など度重ねてやっておりますし、今年度も国を交えた図上訓練を予定させていただいております。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)鹿島議員の代表質問にお答え申し上げます。  学力向上の課題について、それから2点目が家庭教育の重要性について、そして3点目が学校教育における拉致問題についてのお尋ねがございました。  まず、学力向上につきましては、近年全国学力・学習状況調査において、国語、算数とも平均点的に低下傾向にあり、特に活用力、応用力に課題があるということが明らかになってきていたところでございます。その旨、3年前から文部科学省の調査官ですとか、あるいは兵庫教育大学の教授等を交えた学力向上のプロジェクトチーム会議を立ち上げ、そうした専門家の方々からの御意見や提言も踏まえて具体的な取組をプランとしてまとめて取り組んできたところでございます。残念ながら今年度2年ぶりに行われました全国学力・学習状況調査で同様の課題、平均点の低下、そしてやはり応用力、活用力に課題があるという結果が出たところでございます。  これまでの状況も踏まえ、また今年度の状況の結果を踏まえて、9月議会後には私のほうが全19市町村、市長さん、町長さん、村長さんを訪問し、この情報の共有を図りながら具体的な取組の着手についての依頼等もしてきたところでございますが、教育委員会のみならず、首長部局のほうとも連携を図った取組を今後進めてまいりたいと思っております。議員さんのほうから御指摘のあった算数が好きになったとか分かる、そういう成果が見られるところではございますが、決して結果に一喜一憂することなく、確実に子供たちが学びを分かるということ、あるいは学力が向上していくということは、子供たちの自己肯定感ですとか達成感、やればできるというそのような自信につながる、その一端が学力には当然あるものというふうに思っております。  そういう意味で、今議会にも計上させていただいております「未来を拓くとっとり学力向上プロジェクト」、より市町村との連携を課題共有を図りながらしていくこと、あるいは先生方の授業力を高める教材作り等をお願いしているところでございます。  昨年度からスタートしました本県独自の一人一人の学力の伸びをはかるとっとり学力・学習状況調査と活用力という視点がはかれる全国学力・学習状況調査、この2つを両輪として、本県の学力向上に危機感を持って今後も取り組んでまいりたいと思います。  2点目でございます。家庭教育でございますが、全国の専門家会議ですとか、あるいは今年度のとっとり学力・学習状況調査の質問項目等におきましても、基本的な生活習慣や自己肯定感、こうした回答の高い子供さんは国語、算数の成績にも反映がされて関係があるというふうな結果が出ているところでございます。議員御指摘のとおり、幼児期からの家庭教育の大切さはそうした自己肯定感や安定感、そして学力向上に向かうそうした基盤をつくる大事な視点であるというふうに思っているところでございます。  ただ、一方で、様々な価値観の多様化、社会状況の変化から、よく家庭や地域の教育力が低下しているというふうな声も聞かれるところではございますが、その一方で、こうした子供たちの課題解決に向けて熱心に取り組んでいらっしゃる保護者や地域の方もたくさんいらっしゃることも事実でございます。先週の日曜日にも私は県のPTA協議会の総会、研究大会に参加させていただき、意見交換をさせていただきました。テーマは今話題となっているSNSとの付き合い方というテーマでいろいろ基調講演があったり意見交換がなされたところでございますが、そういう熱心に取り組んでいらっしゃる方々に県教育委員会としましては、様々な情報発信、しっかり届けながら、家庭教育も我々の責務であるぐらいの強い意思を持って家庭教育にも関わっていけたらなというふうに思っているところでございます。  アメリカの古い子育て4訓という言葉がございます。乳児期にはしっかり肌を離すな、幼児期になると肌を離して手を離すな、少年期になれば手を離して目を離すな、そして青年期になると手を離して心を離すなというこんな子育ての4訓がございます。それぞれの成長段階において、子供たちもいつか巣立ちのときを迎える。しかし、そこに家庭の関わり、周囲の大人の関わり、この大切さが込められた貴重な言葉ではないかなと思って私は大事にしているところでございます。  ぜひ学校教育と家庭教育とが一体となったそのような取組をもって、このふるさと鳥取に生まれた子供たちの健全な育成に向けて今後も取り組んでまいりたいと思います。  最後に、拉致問題についてのお尋ねがございました。  拉致問題につきましては、改めて私が言うまでもなく、日本の国家主権に関わる問題、あるいは国民の生命に関わる本当に重大な問題であるというふうに思っているところであり、子供たちにとってそれが遠い過去の話ではなく、今の自分たちの問題なのだという捉えにつながる学習が必要だろうと思っております。  中学校の社会科の教科書にはこの拉致問題が取り上げてございますので、全ての中学生が拉致問題についての机上の学習は行っております。それ以外に総合的な学習や特別活動において、先ほど知事のほうからも御紹介のあった松本さんからの直接のお話を聞く、そのような機会を中山小学校でも、そして先ほど紹介のあった北条中学校でも行われているところでございます。自分のこととして考える契機になったとか、拉致された方だけではなく、家族までもが悲しい思い、あるいは人生を狂わす大きな問題だ、そのような声が中学生から聞かれたところでございます。  そうした知識だけの学習ではない体験的な学習をしっかり進めること、県教委としましても、アニメであるとか映画の推奨を進めると同時に、若い先生方が増えてきている中、その指導に当たる先生方のこの研究というのも大事なところでございます。初任研や、あるいは人権教育主任会等を通じて拉致問題の持つ大きな意味をしっかりと捉え直して子供たちの学びにつなげていきたいと思います。決して許さない、日本を挙げて行う、そのような一人であるという自覚を持てるような学習、学びにつなげていきたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)服部警察本部長警察本部長(服部準君)高齢運転者の視点に立った交通安全対策についてお尋ねがございました。  まず、ここ数日、交通死亡事故が相次いでおり、県全域に交通死亡事故多発警報が発令されております。県警察といたしましても、交通死亡事故抑止対策を強力に推進してまいります。  一方、中長期的な交通情勢でありますけれども、人身交通事故の発生件数を見ますと、昨年は628件、これは平成17年から16年連続で減少しているものでございます。このうち御高齢の方が過失割合の高いいわゆる第一当事者であった事故は177件発生しておりまして、全体の約3割を占めている状況でございました。これは10年前の平成23年の約2割よりも高い構成割合ということでございます。御高齢の方の運転に関しましては、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下による交通事故の発生も懸念されるところでございます。  県警察といたしましては、こうした高齢運転者による交通事故の発生を抑止するため、高齢者訪問活動による交通安全指導や複数回交通事故を起こした方を対象とした個別指導、また、交通安全教育車両などの交通安全教育用機材を活用した参加、体験、実践型の交通安全講習などを実施しているところでございます。さらに県内の各地区運転免許センターに看護師等の資格を有する医療系専門職員を安全運転相談員として配置し、自動車等の安全な運転に不安のある高齢運転者や御家族などから相談を受け付け、認知症等一定の病気の方の早期発見、早期受診の勧奨、運転免許の自主返納についての説明など、安全運転相談の充実を図っているところでございます。各運転免許センターへの安全運転相談員の配置、安全運転相談の実施につきましては、ホームページに掲載するなど広報しているところでございますけれども、さらに周知を図ってまいりたいと考えております。  他方、議員からお話がありましたとおり、来年5月から、75歳以上で一定の違反歴がある運転者は運転免許証の更新時に運転技能検査を受けていただき、一定の基準に達しない方は運転免許証の更新ができないことと安全運転サポート車などに限定する条件を付することを申請することができる新たな制度が設けられることとなっております。県警察といたしましては、適切に対応してまいりたいと考えております。  また、県警察では、安全運転講習などあらゆる機会を通じまして、車の運転が日常生活に欠かせない方々をはじめとする御高齢の皆さんに運転される際の注意点などをお伝えしております。例えば体調が優れないとき、雨の日、夕方などは運転を控えていただくとか、あるいは交通量の少ない路線を選んでいただくなどであります。こうしたことを通じまして、御高齢の方の安全な運転と周囲の皆さんの安心・安全等を確保してまいりたいと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)換気のため暫時休憩いたします。  3時15分より再開いたします。        午後3時03分休憩    ────────────────        午後3時15分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、代表質問を行っていただきます。  14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)観光需要回復と関係人口拡大に向けた取組についての追及質問をさせていただきます。  今後、新型コロナの収束を見極めつつ、観光客など交流人口、関係人口についてさらに関係性を深めながら、行く行くは移住につなげていくよう取り組んでいただきたいと思います。  市町村と連携した田舎暮らし体験やお試し住宅の取組の再開、あるいは時代のニーズに合わせた空き家の共同オフィスの改装など、既に地域にある資源をいかに利用していくかといった観点を含めて、課題と今後の方向性について、知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から、重ねてワーケーションだとかお試し住宅等、そうした展開についてお話がございました。  これは恐らくコロナで大分空気が変わってきたところだろうと思います。先ほども若干触れましたが、東京23区のほうで調査をしましたところ、20代の方の49%が地方移住に興味があると。その他の年代を入れても37%、全世代でも出ているということでありまして、非常に高いことに驚きます。実はこれはちょっと前から比べても増えているのです。やはりそれはそうした伸び伸びした空間で居住したり子育てをしたり、自分の生き方として確かに都会だとたくさんお金もうけができるかもしれないけれども、失うものも多いのではないかと。それにコロナで健康とか命ということや、あるいは自由な時間ということも含めて都会のリスクになってきたのだろうと思います。そういう意味で、鳥取県についてもチャンスが到来したのかなと。  例えばこの間、ファミリーワーケーションということを展開させていただきました。そのときに名和のBIKAIの2階のTORICOというところをベースにして大山の雄大な自然を感じてもらいながらファミリーワーケーションをされたと、非常に評判がよかったです。中にはその後の展開も考えておられる方もいらっしゃるかもしれないというふうに聞いておりまして、そういう意味で手応えは大分昔とは違って出てきているのかなと思います。  また、このたび今週末からまちづくりワーケーションプログラム@鳥取ということをしようと。それは鳥取市の町なかにございますリニューアルしたビルのスペースを活用しまして、それで行おうというものなのですが、これが私どもでやっておりますふるさと来LOVE(クラブ)とっとりという応援のメンバーをつくりまして、メンバーシップを活用してこうした動きが後押しされるようになってきました。と申しますのが、このメンバーシップは今1,500人以上加入されているのです。主力は20代、30代、40代です。まちづくりワーケーションでこちらに通ってもらうのですが、このメンバーシップのうちのエアサポート事業という航空運賃を支援するというものがございまして、これを活用して東京のほうからこちらのほうに通ってこられるというようなことを今展開になってきているのですね。ですから、いろいろなツールを準備し、また副業もそうですが、いろいろと芽が出始めているのかもしれません。  ちょっと前まで夢物語だったのですけれども、このたび鳥取県庁で全日空のキャビンアテンダントさんが仕事をするようになりました。実はこの方はほぼキャビンアテンダントの仕事をされます。副業で鳥取県庁職員をすると。昨日、任命式を行ったわけでありますが、とっとりへウェルカニコーディネーターとして鳥取暮らしをダイアリーとして情報発信してもらおうと。それからこの方は実は海外留学が長くて、英語が堪能でいらっしゃいますので、海外への鳥取の魅力の発信、こういうことをやっていただこうとか、また、アテンダントとして接遇の研修などもお手伝いいただくとか、本業が業務を縮小されてきていまして、そういうのを言わば余力を持ってこちらでされると。なぜこれが成立するかといいますと、鳥取は家賃が安いわけです。たとえ鳥取市の大中心街に住んでも知れているわけです。東京の郊外よりはるかに安い。それで、空港に行くのもアテンダントさんは割と多分車の送迎があるのでしょうね。15分もすれば空港へ行ってしまうわけです。このような15分で電車に乗って通勤だというのが考えられないのが東京ですから、下手すると1時間ぐらい平気でかかるわけでありまして、そうすると非常に実は通勤条件がいいわけですよね。空港まで行けばあとは飛行機に乗れば羽田に着くわけでありますから、何てことはない、成立するわけでございます。そこに副収入として県のほうの職員の手当も出る。これはトータルで考えれば多分彼女としてはリーズナブルな選択なのだろうと思うのです。いろいろ悩まれましたけれども、最終的には鳥取県でのお仕事ということを選ばれました。こういう今までちょっと前までは考えられなかったことが現実に形になってきていまして、こういうのを今後展開していくことで、議員がおっしゃるような新たな働き方、住まい方ということにつながってくるのではないかと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)次に、鳥取砂丘西側エリアの整備について追及させていただきます。  空前のブームとなっているキャンプ場ですが、ホテル並みのサービスを提供するグランピングであるとか初心者も気軽に快適に過ごせるテントサイトとかが人気であります。具体的なサービス内容は、今後、事業者から提案を受けてということになるかと思いますが、私も実際に現地を視察させていただく中で、結構老朽化している施設もありました。時代のトレンドである手軽で快適なキャンプに向けた基盤として最低限度必要な既存施設の再整備についてはどのように進めていかれるのか、知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鳥取は雄大な自然がありまして、その中で夜は星を眺めながらキャンプをする、キャンプファイヤーとか、あるいはちょっとしたみんなでわいわい囲んだそういうクッキングなどが実は人気でありまして、キャンプ場の人気は今うなぎ登りでございます。現実にも一向平だとかああいうところではゴールデンウイークなどは200人も応募があってキャンセル待ちになるというようなちょっと考えられない状況でございますし、大山周りでも例えばFBI DAISENが、これが本県唯一のグランピングと言っていいと思うのですが、これもやはりなかなか予約が取れにくくなっているような状況であったり、こういうような今キャンプを取り巻く環境は変わってきました。  鳥取でもとりキャンというサイトを開きまして、ファミリー向けだとか上級者向けだとか一般向けだとか、いろいろなタイプに応じたキャンプができるように御紹介をさせていただくようにしているところでございます。こういうのを鳥取砂丘という全国でも有数の観光地で体験できるということで、最近はこういう柳茶屋だとかサイクリングターミナル、またこどもの国のキャンプ場につきましても、同様の傾向が見られつつあるところでありますが、これをもっと確実なものにして、砂丘の発展、活性化と結びつけていこうというようなことでございます。  それで、サウンディング調査ということをしまして、どういう方向性というのが考えられるのか。そういう中で出てきたのがキャンプ場をある程度統合して運用するというやり方、これに民間の企業さんも関心を持ち得るということでございます。それぞれちょっと離れていたりしますので、利便性のことは鳥取市なども汗をかいてやろうということもおっしゃってくださっていまして、全体をまとめながら運用することを考えてはどうかと。今まずは今議会に連携協約を皆様にお願いをしまして、お認めいただければ鳥取市と連携協約を結び、両方それぞれの施設がありますから、それをどういうふうに統合して運用するのか、これはなかなか前例があまりないことでありまして、やり方の工夫をしながらということになろうかと思います。  ただ、イメージとしては、一定程度の期間、包括的に民間のほうで受けてもらって経営してもらうと。我々の場合、ちょっとややこしいのはこどもの国というところに入っていますので、こどもの国の今まで実は入場料金があります。この入園料なども含めてどういうふうな処理をしてやっていただくのか、また責任関係なども整理していかなければいけませんし、いろいろと課題はあるのですけれども、チャレンジしてみようという方向でございます。年明けに具体的なステップを踏みながら手続に向かっていければというふうに考えておりますが、まずは両市と県の議会の御意向を伺ってから我々としても動いていきたいというふうに考えております。  恐らく一定の役割分担をしながら民間は経営されるのだと思います。キャンプ場、いろいろなタイプがあって、ファミリー向けもあればグランピング的なところもあれば、そうやって楽しめるところがあるのではないか。そこにそれぞれの実は幾つか民間で興味を持っておられるところがございまして、それぞれの思い、これまでやってきたこととの関連の中で、こういうようなキャンプ場づくりをしてみたいというアイデアが今ございます。この辺を私どもとしても実現していくことができれば、キャンプ地としての鳥取砂丘の魅力というのも高まるのではないかと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)次に、ねんりんピックについて、スポーツツーリズムという話がありました。高齢者、考古学、弥生人ということで、今ある観光資源、素材を磨いてPRにつなげていく、非常に大事なことでありますので、自由な発想でスポーツ振興と併せて取り組んでいただくようお願いします。  それでは、追及に入ります。  交通安全対策について、一昨年の5月には滋賀県大津市、今年6月には千葉県八街市でも子供が犠牲になる痛ましい事故がありました。本県においては、大津や八街の事故報道を受けて速やかに点検が行われ、学校やPTA、地域の方とも現地を確認されて必要な箇所にガードパイプを設置するなど、適切な措置が図られていると伺っています。ただ、県内各地でも様々な要望があり、全て即座に応えるのが難しいことも事実であります。限りある予算の中での整備、改良基準や優先順位の考え方など、知事はどのように認識しておられるのか、所見を伺います。  一方で、子供たちに対する交通安全教育について、子供たちが危険を危険と認識して日々のヒヤリ・ハットを意識するような安全意識の醸成が必要であります。特に県内各小学校や市町村に対して指導、助言に対する立場として、教育長はこの交通安全教育についてどのように認識しているのか、所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から、子供たちの交通安全につきましてのお尋ねがございました。  京都の亀岡でいろいろ事件がございまして、このときスクールゾーンについての見直し等が行われました。それから議員がおっしゃったように、2年前、滋賀県大津市におきまして、これも園児たちが交通事故に遭うという痛ましい事故がございました。そしてこのたびは八街の事故であります。大津のときも、毎回そうなんですけれども、そのたびに実は関係機関、道路管理者だとか警察だとか市町村だとか、みんなで寄り集まりまして我々点検をして対策を取るようにさせていただきました。例えば大津のときは、あれはガードレールがないものですから車が突っ込んできたということですよね。ああいう危険な箇所が例えばお散歩中の園児たちに突っ込む可能性があるところ、すなわち地元の園のほうでお散歩ルートが大体あって、そこで柵がなくて突っ込んできたら危ないというところがあると。こういうものを抑止するための防護措置を取るということになります。こういうのをあぶり出してみたら74か所ございました。それから2年間たちまして、今ほぼ終了しています。  そういうようなことで今対策を取ってまいりましたところ、今度は八街の問題があると。八街がこの6月、交通事故がございました。あれは子供たちがガードレールのない場所を歩いていると。結構な交通量があって、そこにお酒が影響して突っ込んだ車があったということでございます。そのために防護柵といいますか、ガードレールを設けるということでございますが、これも関係機関で総点検をしまして大体500か所ぐらいあぶり出しをして点検をして、県管理のところにつきましては80か所の要施工場所というのが出てきました。80か所のうち私どもで今一応整理はしておりますが、できればこの後、追加提案をさせていただく経済対策の公共投資の予算も組み込んでできるだけ早く終わりにしてしまいたいと。そういう意味で、できれば大体78か所ぐらい着手できるような形に今議会中に持っていけないだろうかというふうに考えております。  こういうことを丁寧に箇所を洗い出しながら、そのたびそのたびで事故の形態が違いますので、それに応じた対策を講じていくことで子供たちの安全のレベルというのを地域全体で上げてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)鹿島議員の御質問にお答え申し上げます。  子供たちへの安全教育という点でお尋ねがございました。  今るる紹介がありましたとおり、痛ましい事故が多発しているところであり、本当に何より子供たちの命を守るということに私たち子供たちに関わる者としても全力を尽くす必要があろうと思っております。そういう意味でも、子供たち自身が自らの身を守る、そのような体験的な学習を交通安全教育の中でもより進めていくことが必要であろうと思っているところでございます。  例えば地域の安全マップを子供たち自身が作っている、そのような例もございます。どこが危険なのか、なぜ危険なのか、そういうことを共有する学習ですとか、先ほど県警本部長さんのほうからもありました県警察と連携をした交通安全教室で体験的に危険を感ずる、そういう学習を通して子供たちのヒヤリ・ハット、その感覚に訴えるそういう学習を積み重ねてまいりたいと思います。  また、教職員も毎年研修を行っていますが、結構気づいていない部分、子供たちと大人の物の見え方が随分違うというふうな、例えば前方は大人は150度見えるところが子供たちは90度から100度ぐらいしか見えない。ということは、左右確認はしっかり顔を動かす、そういうふうな指導、基本的なことではありますけれども、科学的な見地に基づいた手法も伝えたりするなど、子供たちに、より実践的になるような学習、そういう形で交通安全教育の実践版とも言えるような教育を進めてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)先ほど知事からも交通安全対策の話を聞かせていただきましたのですけれども、今、教育長が言われたように、子供の目で危ないというのと大人の目で危ない、あるいは警察、公共の立場で危ない、それぞれ違うのですけれども、やはり子供にとって一番危ないということが大事ではないかなと思います。特に危険箇所を割り出すことに対して、地元で出た箇所と相当のギャップがあるように聞いております。地元のPTAとか子供たちの目で危ないというところにやはり視点を当てていくということも大事ではないかなと思いますので、その点はよろしくお願いいたします。  それでは、消防団員について伺います。  消防団員については、昼間は住まいと離れた地域に勤めるサラリーマン団員と言われる方も少なくありません。勤務中に出動しづらいという現実もある中で、いかに出動しやすい環境を整えるのか、勤務先の理解を促すための取組も課題の一つであります。  例えば防災士の資格を持つ消防団員が勤務先にいれば、いざというときに勤務先にとっても救急救命の心得としてメリットとなるものと思います。減少傾向にある消防団員の活動しやすい環境づくりも必要だと考えますが、市町村や商工団体、企業等の連携を含めた対応について、知事の所見を伺います。  また、本県における消防職員、消防団員の教育機関としては、昭和58年に開校され間もなく40周年を迎える消防学校がその役割を担っています。昨今は頻発する出水期の水害対策やいつ発生してもおかしくない地震、津波対策、さらには新型コロナの影響を踏まえた新たな知見を基にした地域防災力の向上のため、自主防災組織を対象とした実践的な教育訓練の充実化にも取り組んでいくと伺っています。  一方、消防庁が示す消防学校の基準に対して、本県では教官の人数が5名であるべきところ管理職の校長を含めた5名体制で運営されているとのことであります。あくまでも指針としての基準であり、告示から半世紀、当時と状況も変わり、適正な人員配置を考慮し実態に合わせた合理的な運営が求められるべきでありますが、改めて消防職員、消防団員、自主防災組織を含めた県民の消防防災教育に当たり、消防学校の運営についての現状と今後の取組について、知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)消防団員と消防学校につきましてお話がございました。  消防団の確保、特にサラリーマン消防団員が多いということについてございました。現状は大体4,700人ぐらい消防団員の皆さんがいらっしゃるのですが、そのうちの3,900人はお勤めの方でいらっしゃいます。そういう意味で、先ほども申しましたが、例えば江府町だったら分団ごとに役割分担をしたりだとか、いろいろとそれぞれ工夫をしてなさっているところでございますが、消防団の役割というのはやはり大きいものがあると思います。現実にも例えば平成22年の暮れから大雪がありまして、平成23年にかけてお正月に雪が大分積もりました。あのときも大山町の消防団長の金田さん、クリーニング屋さんが大分元気を出されまして、団員が70人ぐらいいると思いますが、呼びかけて、それでみんなで除雪作業をするということで投入をされました。非常に英雄的な行為だったと思いますし、消防団が地元に貢献されるその躍如たるものがあったと思います。  また、これは令和元年ですか、台風があったときかな、割と潮風が吹きまして、塩害であちこちに停電が起きました。そのときも大山町の消防団の皆さんは、豊成からずっと田中のほうですかね、あちらのほうに向けて放水して、それでまとわりついている塩を除去するわけですね。これによって停電解除というものに貢献をされたりしました。こういうのが通常の消火活動以外にもやはり消防団の存在というのは大きなものがあるのだろうというふうに思います。
     そういう意味で、そういうものを確保するためにも、やはり職場の皆さんに理解を得る必要があると。そこで、消防団というものに対する理解のある職場ですよということを表彰する制度というものをつくっていまして、表示をしていただいたりそういうことでの御協力をいただく、そういう職場の拡大を今後も図ってまいりたいと思います。  こういうようなところがいろいろと地域でも恩典を加えて、それで、それがまた地域貢献にもなりますので、職場の言わばやはりCSRにもなると。こういうようなことの好循環を今後もぜひ起こしてまいりたいと思います。  消防学校についてのお尋ねがございました。  これは非常に悩ましいところなのですが、本県は多分全国でも小さな規模で消防学校を運営するということであります。それで、現場ではいろいろと苦労されながら工夫をされながらやっておられるところであります。議員がおっしゃったように、国のほうの基準で5名というのがございますが、ただ、これは国のほうの考え方では、今おっしゃる管理職である校長先生も含めてもいいというようなお墨つきはいただいております。ただ、さはさりながら、やはり冷静に考えてみるべきものかもしれないなと思います。  本県の消防学校のほうでは、消防職員、常備消防については初任者研修、それから現職者研修がございますが、これは新年度からカリキュラムを平準化して、いっときにたくさんの負担がかからないようにしようという工夫を今考えておられます。それから消防団の団員の研修ということもされています。これも消防法に基づくものであります。ただ、特徴的なのは、住民の皆さんの消防についての研修機関になろうとされていまして、そういう意味で、例えば自主防災組織の研修カリキュラムというのを他県と比較するとかなりふんだんにつくっておられますし、それから学校だとかPTAだとかいろいろなことを含めて地域での消防人材、防災人材を育てていこうと消防学校が意欲的に取り組んでいるところであります。  加えて、山口県でこのたびちょっと残念な事件がございまして、プールを使って、救命救助の訓練をされているときに残念ながら2人沈んでしまいまして、それで教官が助け出すわけでありますが、お一人は救急搬送したものの、残念ながら命を落とされるという事故がございました。これは学んでいた学生が55人いて、それに対して教官5名という見守り体制ではあるのですけれども、ただ、結局、目が届きにくいということになったわけですね。コロナもありまして、なかなか体力づくりがうまくいっていない時期の中での限界に挑戦するような訓練でございますから、そういう残念な事故があり、これが業務上過失致死で送検されるという全国の消防学校にとりましてはショッキングな出来事もありました。ですから、やはりしっかりとした研修体制というものを人員的にも確保することが必要なのかなと、この点でも思います。  したがいまして、これまた新年度に向けて検討させていただきたいと思いますが、現場と相談をさせていただき、人員の確保について考えてみたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)次に、住家の火災予防に当たり、平成16年の消防法改正に伴い、市町村条例により既存住宅において、平成23年6月から住宅用火災警報器の設置が義務づけられました。本県における設置率は、家に1つでもあるのは83.8%で全国16位とのことで、寝室など設置義務のある箇所に全てに設置しているのは57.1%で全国41位と家に1つつけて満足されている家庭が多い傾向があります。  また、この住宅用火災警報器は、10年たったまさに今が電池交換の目安の時期であります。県の調べによると、県内の住家102軒の抽出調査で、僅か45%しか電池交換をされていないとのことでありました。火災報知機の設置推進と電池交換を含め、県民の皆さんに向けた火災予防の意識啓発について、今後しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)火災報知機につきまして、鹿島議員からお尋ねがございました。  これは平成23年6月の法律改正によりまして設置が義務づけられることになったわけでありますが、あれからもう10年がたつわけであります。したがいまして、今の電池交換のお話がございましたけれども、ちょうど今節目になってきたということであります。おっしゃるように、設置率としては大体全国平均を上回るぐらいの8割台でありますけれども、全対象室に設置されているかというと、そこはまだ不足をすると。恐らく鳥取県は都会と違いまして部屋数がいろいろあって、そこの全てに設置をするというところのインセンティブが十分働いていないところがあるのかもしれませんが、ただ、現実の火災で亡くなられた方の調査をしておられるわけでありますが、全国的にはおよそ半数が逃げ遅れでございます。ですからやはり火災報知機の存在というのは、逃げ遅れで半分の方が亡くなられているということを考えれば、重要なものであると言わざるを得ないと思います。  これは基本的には消防局と市町村の責務でありまして、条例に基づいて市町村レベルでやっておられるのがこの義務づけの施行なのですけれども、県もやはりPRという意味では協力をさせていただく必要があるのかなと思います。  今も消防の安全対策の運動の中でいろいろなことをやっていますが、ぜひこれも取り上げていったり、それから今実はそういう仕掛けをしているわけでありますけれども、リフォーム業者があります。県内は35の業者がございまして、こういうところ等が家の例えばリフォームとかで火災報知機をつけますよと。そういうチラシを我々のほうで準備させていただきまして、それを配っていただこうと。民間企業を通じてお客様にお伝えをして、電池交換も必要ですねというようなこともそこに入れておくと。このようなことの今仕掛けをさせていただいております。  また、県政情報番組などもございますし、それから県政だよりもございますので、御質問もありましたので、手を尽くしてそうした電池交換の必要性、それから設置箇所につきましての啓発活動を県も協力してやってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)県民の希望に応える教育という観点で、県立夜間中学について伺います。  本県においては、令和6年の県立夜間中学の開校に向けて、着実に準備を進めておられることと思います。学校設置に向けては、学びを必要とする全ての方へ学びを保障するとして、過去に中学校での学習機会を得られなかった意欲ある方々の受皿となるよう、開校までにしっかりと議論を尽くして準備を進めていただきたいと思います。  ついては、2年4か月後の開校に向けた今後のスケジュールについて、教育長の所見を伺います。  また、県立夜間中学の在り方として、フリースクールなどとの違いが入校対象者に正しく情報提供されているのかどうか、さらに、一定の入校制限などで平準化を図るのか、1期生の3年間だけで入校希望者が途絶える可能性への対応をどう考えるのか、教育長の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)鹿島議員から重ねてお尋ねをいただきました。夜間中学の今後のスケジュールですとか情報発信提供の仕方、そして入学者確保という3点にわたってお尋ねがあったと思っております。  夜間中学の設置については、検討スタートから私も教育次長時代から関わってまいりました。これまでも本議会で澤議員をはじめとする大変たくさんの方から御意見、常任委員会でもいただいているところ、また、事務局で設置しております検討会でも先進校視察を重ねるなど、本当に県内に、では、ニーズがあるのかどうか、地域性はどうなのかどうか、様々な観点で慎重に議論を重ねてきて、先日の定例教育委員会で設置方針について議決を見たところでございます。  今後のスケジュールとしましては、2月議会におきまして、改修に係る設置経費でありますとか、広報費等を予算計上させていただき、議会のほうにお諮りをすることとしております。また、認められれば来年度には事務局内に設置準備室を設けまして担当者を置き、具体的な設置の準備に取りかかりたいというふうな構想を持っているところでございます。  周知につきましては、3つ目の入学者確保にもつながるこれは大事な視点でございます。どのような特徴があるのか、教育内容なのか、そしてどのような学びが提供できるのかを仮に開校しても発信をし続けることがやはり大事だろうと思っております。ニーズ調査と併せてでございます。私も先進校訪問したときに、一番の広がりは、実際に学ばれた方々からの口コミによる広がりが一番の周知だというふうなお話も伺いました。その意味では、では、どんな学びを提供できるのか、スタートが肝腎だろうというふうに思っているところでございます。そうした周知をスタート前、そしてスタート後も続けてまいりたいと思っております。本県にとって学び直しの機会をどのように提供できるのか、そういう意味では、本県の姿勢を示す大事な新たな学校だろうというふうに思っておりますので、温かい、そして学びを求める方々への返しになる、そのような学校となるように取り組んでまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)県庁の子育て応援メッセージ、男性職員の育児休業体験を読ませていただきました。育児休業の体験により、育児と家事を一人で行うことの大変さを再認識し、子供との関わり方や家庭の在り方を考えるよいきっかけとなったという感想がありました。ワーク・ライフ・バランスを再認識する上で、育児休業は非常によいきっかけになるのではないかと思います。  今年6月に成立した育児・介護休業法の改正によって、来年4月から男性も含め育児休業制度の周知や意向調査など、育児休業の取得促進が企業に義務づけられます。これを機に、改めて県内企業に対して男性を含めた育児休業の取得促進を働きかける必要があると考えますが、知事の所見を伺います。  男性職員の育休取得率について統計データを見たところ、知事部局、警察本部は全国トップクラスですが、教育委員会については、少々寂しい実態があるようです。全国的に教育委員会の取得率が低いのは、学校の先生が中途で入れ替わるなど、勤め先で受け持つ子供たちに影響を与えたくないという配慮があるかもしれませんが、むしろ男性であろうと育児休業を取るのが当たり前という姿を子供たちに見せることも将来に向けた少子化対策の取組ではないでしょうか。そして復帰後に、かけがえのない幼少期の育児に関われたこと、夫婦で一緒に子供を育てていくことの楽しさを交えて伝えていただき、子供たちの結婚や子育てに対する期待感やイメージアップにつなげていただきたいと思いますが、教育長の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて育児休業につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、6月に法律改正がございまして、来年4月から新制度がスタートすることになります。企業のほうでも周知徹底を社員の皆さんにされなければいけない。それから、申出のこと、また例えば分割取得のような促進措置等々が盛り込まれているところでありまして、周知徹底を我々としても図ってまいりたいというふうに思います。  企業さんによってはある程度進めていただいているところもございますが、私どもでもこういう育児休業を取得した企業さんへの助成金の制度を作っておりまして、こういうものを使いながら多くの企業さんで前向きに取り組んでくださるようになってきたと思います。例えばエナテクスさんという中部の会社でありますけれども、こちらのほうではイクボス・ファミボス宣言ということをされまして、こういう休暇制度を活用したり研修をしたり、それからそうした促進措置を取っておられる。あるいはこれは金融機関と一緒になりまして、イクボス・ファミボスの宣言をしてそういうところに金利上の優遇措置なども与えていただくようにしています。こういうカテゴリーに西部では例えば鳥取県金属熱処理協業組合さんもこれに加わってきていただいていまして、こういう会社さんなどは例えば教育ローンとかマイカーローンだとか、そうしたものの金利優遇を企業さんのほうで設けられると。だから、社員さんにとってメリットがありますし、社員さんの福利厚生に役立つということにもなるわけでありまして、これは人材獲得にも企業でもメリットがあるということであります。  このような形で様々な団体や企業と一緒になりまして周知を図ったり、促進措置を取ってまいりたいと思います。これも県の広報制度だとか、あるいは番組等も通じてPRをさせていただいたり、また商工会議所や商工会などそうした団体にもしっかりと新しいものの周知をさせていただきたいと思います。  また、この支援として労働福祉協議会のみなくるさんなども協力していただいたりしまして、徹底を図ってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)鹿島議員のほうから男性教職員の育児休業取得について、私のほうにもお尋ねがございました。  御指摘のとおり、知事部局でありますとか県警察本部等に比べますと本当に教育委員会、学校を含めた教育委員会の数値は非常に低く、御指摘のとおり、小学校での学級担任制の在り方、中高での教科担任制、いろいろ取得しにくいような状況もあるのではないかと思っており、また、私自身個人としても昔を振り返ってみると非常に反省をしているところでございます。社会が大きく変わり、そして男性、女性ではなくみんなが共同してつくっていく社会づくりのために、御指摘のとおり、男性教職員が率先して育休を取ること、そしてその姿、あるいは体験談を子供たちに語る、これは男性、女性ではなく、共に家庭をつくる、命をつなぐというふうな意味で、大きな働きがあるのではないかと思います。  そうした形を、どのように下ろしていくかという点で、例えば育休の取り方も授業に支障がない長期休業中のみ取るだとか、あるいは計画的に次年度半年間だけ取る、そうすれば代員措置ができるとか、そういった取り方もいろいろ工夫ができるようになっている、そういうことの周知がまだまだ足りていないところがあろうと反省をしております。そういったところを福利とっとり等、広報紙を通じても、それからまた校長会等を通じてもしっかり伝えて取得できる体制づくりに今後も取り組んでまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)今年2月に厚生労働省が発表した令和元年度衛生行政報告例によると、人工妊娠中絶件数を15歳から49歳の女子人口で割った本県の人工妊娠中絶実施率は8.8%で全国ワースト1位となっています。年齢別の件数を見ますと、19歳以下が71件、あとは5歳刻みで20代前半、20代後半、30代前半の3区分で170件弱、一番多いのが30代後半の198件とされ、比較的上の年代が多いことを意外に感じたところです。もちろん産む権利もあれば産まない権利もあり、その選択は本人なり御家族の意思を尊重すべきものと思いますが、問題はその選択の理由が何かということであります。個別の理由の把握は困難だと思いますが、例えば経済的な理由であったり、子育ての負担が大きいといった理由によりそうした選択をせざるを得ないということであれば、注意を払うべき指標の一つなのかもしれません。  特に子育て王国を標榜する本県として、こうした現状に対してどのような認識をお持ちなのか、知事にお尋ねいたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から重ねてのお尋ねがございました。人工妊娠中絶につきましては、このたび8.8%というお話がございましたが、もともと平成15年ぐらいがピークでございまして、その頃は20%近いというか、17%だとかそういうかなり高いところから実は下りてきているという状況です。年々落ちてきていまして、ちょっとこのたびは少し上がりましたけれども、基本的にはかなり落ちてきているということです。件数的にもかつては350件ぐらいと言われていたものが今70件台ぐらいまで落ちてきておりまして、一定の効果は多分出ているのだろうと思うのですが、全国的に見てまだ多いということかなと思います。全国の落ち方と比べますと本県の落ち方は実は大きいので、今までやってきたことを続けていくのがいいのかなと思います。  何をやってきたかというと、一つは助産師会さんと協調しまして、未来のパパママ育み事業というのを中高生などにやり、それからいつかはパパママ育み事業というのを大学生とか短大生だとかそうした若い方々に対して行う。これによりまして正しい知識を身につけていただいたり、それから心構えをつくっていただいたり、そういうことを進めておりますし、あと鳥取大学と一緒になりまして大学生がピアカウンセリングをやる、それを中高生向けに実施をさせていただいております。もちろん学校のほうでの性教育であるだとか、そうしたことと組み合わせながら知事部局のほうでもこうしたことを展開させていただいておりまして、全体としては順調に減ってきているというように思います。  それで、議員がおっしゃったような経済支援ということで、生活困難対策であるとか、それから子育て支援、そうしたことなど、いろいろと私どものほうでも対策を講じながら総合的にアプローチをしていくというのが必要かなと考えております。  実はこれはちょっと我々もすごく分かりにくいところもあるのですけれども、厚労省の調査というのは定点観測なのですね。一定のクリニックで調べたもので全体を推計するということであります。ちょっとベースがでかいのかもしれないなというのは前から関係者もおっしゃっておられまして、その辺はよく調査としてはこれは受け止め方を考えなければいけないと思うのですが、何か鳥取県がとてつもなく中絶が多いという見方よりも、どうも全体の傾向として減っているかどうかのほうが重要な気がいたします。そういう意味で、今後、粘り強くこうした啓発活動とか、それから相談体制などをしっかりとつくってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)最後のほうになりましたが、1970年代に相次いだ拉致被害の多くは、不審船などの目撃情報を踏まえて、工作員が日本海から不法入国し、暴力を辞さず強引に連れ去る手口でありました。現在は当時よりも海上警備、沿岸警護について厳格化が図られているものと思いますが、県民の命、財産を守る防衛線が破られることはあってはなりません。国の関係機関などとの連携や本県所有の警備艇の活動などを含め、本県における水上警察の現状と課題、今後の取組について、警察本部長の所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)服部警察本部長警察本部長(服部準君)鹿島議員から、水上警察の現状と課題、今後の取組についてお尋ねがございました。  まず、現状についてではありますが、海上における警戒警備につきましては、大型船艇等、機動力を有する海上保安庁が主に担っているところでございます。一方、県警察におきましては、日本海沿岸を管轄している警察署を中心に、パトカーや徒歩による沿岸パトロールを行っております。特に境港警察署では、同署に配備しております警備艇ゆみはまを活用し、沿岸部をパトロールする活動も行っているところでございます。このほか沿岸部を管轄する警察署では、漁業関係者をはじめ、沿岸部にお住まいの方々に海岸付近において不審者、不審物を発見した際の通報をお願いしているところでございます。  次に、課題についてでありますが、テロリストの密入国等、不法入国事案を未然に防止するためには、出入国在留管理庁、海上保安庁等、水際対策を担っている関係機関との連携が極めて重要であります。境港では、定期的に境海上保安部等関係機関と合同でテロ対処訓練を行うなど、連携して水際対策に当たっているところでございます。  今後の取組についてでありますけれども、12月6日には境夢みなとターミナルとその周辺におきまして、境海上保安部等15機関が参加いたしまして、国際旅客船の乗客に紛れ込んだテロリストの検挙をはじめとするテロ対処訓練を予定しており、県警察も参加することとしております。こうしたことを通じまして、引き続き海上保安庁等関係機関や漁協等関係団体との連携を深めるとともに、パトカー等や警備艇ゆみはまによる沿岸パトロールを徹底いたしまして、テロリストの密入国等不法入国事案の未然防止を図ってまいります。 ◯副議長(広谷直樹君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)最後となりました。本日は新型コロナを乗り越え安心・安全な県民の暮らしを支えるために今後の県政運営はいかにあるべきか、知事、教育長、警察本部長と議論させていただきました。  新型コロナウイルスは中国・武漢での発見から2年となりました。この間、多くの方が罹患され、多くの命が失われました。社会構造そのものをひっくり返すような人類史上の転換期でもありました。そして、まだ気を緩めることなく、第六波への警戒とともに、経済の再生を図っていかなければなりません。  年が明ければとら年であります。中国の故事に虎の子渡しというものがあります。虎の子とヒョウの子を向こう岸に1匹ずつ行っては返し、虎の子がヒョウの子に食われないように渡していくものでございますが、コロナ対策をすれば経済が止まり、経済を回せば感染が増える。虎の子渡しではなく感染対策と経済活動の両立をさせていく年にしなければなりません。  もう一つ虎に乗って走り出したなら、途中で下りると虎に食われてしまうので最後まで下りることなく不退転の決意で走り続けるべしという騎虎の勢いという言葉もあります。ぜひ騎虎の勢いの強い意思で臨む今任期の最終年度となるようお願いして、本日の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ◯副議長(広谷直樹君)これをもって県政に対する代表質問は終了いたします。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後4時13分散会    ────────────────...