▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。
それでは、議案第1号「令和3年度鳥取県
一般会計補正予算(第8号)」から第22号「鳥取県盛土等に係る斜面の安全確保に関する条例」までを一括して議題といたします。
これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
35番
銀杏泰利議員
◯35番(銀杏泰利君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。公明党の銀杏です。
それでは、早速通告に従いまして質問を始めます。
初めに、
ワクチン接種について質問します。
12月2日のデータによれば、鳥取県の
ワクチン接種率は全国平均より低く、1回目接種では全国第42位となっています。私は、県民性から考えて全国よりも高くて当たり前と思っていました。若い世代の10代から30代までの接種率は、全年代平均より10%以上低く、70%台となっています。未接種の人数は、12歳から19歳が1万1,216人、20代が1万1,890人、30代が1万4,782人、合わせて3万7,888人もの方が未接種であります。これら接種率が低い若い世代への対策はどうするのか、ここで打ち止めすることなく、今後も啓発なり勧奨を進めるべきであります。
案内を見ていないとかなくした人もいるかもしれません。申込みが面倒だったとか、若い人は重症化しないと軽く見ている人もいるかもしれません。具体の提案として、市町村では誰が受けていないのか分かるので、若い人も含め、そういう人たちに追加の案内をしてはどうか、市町村と協議されるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、
国土交通大臣要望結果について、知事に質問します。
第五波が収束して、早速、
斉藤国土交通大臣への要望の仲介を行いました。高速道路の
ミッシングリンクを解消し、日本の再生を実現する10
県知事会議と
鳥取県内自治体6団体、それに
公明党議員団も要望を行いました。大臣からは、まず、
GoToトラベルに関連して
地域観光事業支援の近接県への拡大の話がありましたが、既に先週、鹿島議員へ答弁されております。
そこで、それ以降、
旅行キャンペーン造成などで進展があればお答えいただきたいと思います。
また、
高速道路要望では、
ミッシングリンク解消、
鳥取県内高速道路建設を推進していくと具体の路線名も出して方針を示され、大体めどが立ってきたと手応えを感じました。
米子-境港間高規格道路では、住宅地、人口の密集地があり、高架の道路で進めたいと具体的な話があり、いよいよ進むとの感触を得ました。その他、
過疎地対策などについてもお聞きいただきました。
残念なことは、
県内高速道路の4車線化について直接言及がなかったことであります。実は、
国土交通省が8月4日に公表した
社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会中間答申の中で、災害時にも機能する強靱な高速道路として4車線化などの取組を進めているとしながらも、現在無料の直轄道路を将来にわたって維持管理していくために有料化を議論の俎上に上げることを示唆しております。つまり、直轄道路の維持管理と有料化、そして4車線化はセットで検討されるのではないかと心配しています。中間答申の表現は微妙ですが、知事は今後の
県内直轄道路の4車線化について、また、有料化について、どのようにお考えか伺います。
次に、
山陰海岸ジオパークについて質問します。
11月26日、
山陰海岸ジオパーク推進三府
県議会議員の会で、藤縄会長を中心に、国、国会へ要望活動を行いました。全国の
ジオパーク登録地域は地方、過疎地が多く、
ジオパーク活動によって地域の活性化、観光振興など、地方創生を期待されています。6項目要望した中で、特に強調したのが
推進協議会への直接の財政支援でありました。
ただ、国としては、今の
推進協議会への直接支援は難しく、法人化すれば可能ということでありました。
山陰海岸ジオパークは3府県3市3町にまたがっていて、それぞれの
ジオスポットには力を入れますが、自らの税金を使って他の
ジオスポットを紹介することには力を入れにくい、
山陰海岸ジオパークを一体として売り出すことの難しさがここにあります。
そこで、
山陰海岸ジオパーク推進協議会を法人化して、財政基盤、そして権限を強くして、実効性とスピード感ある組織にできないかと思いました。
推進協議会の負担金総額は3,000万円程度、その中の半分は固定費で使われているというふうに聞いております。
一方、島根県の
隠岐ユネスコ世界ジオパークは法人化していて、予算も7,000万円を超えております。山陰海岸に比べれば比較にならないほど小さな地域でありますけれども、額は多いということです。隠岐の協議会は、
一般社団法人になっております。予算も多い分、
事務局スタッフは13人もいて3名だけが
地元隠岐出身、8名は他県から2名は外国出身であります。これだけでも地域に活気が出てきそうであります。
山陰海岸ジオパーク推進協議会は、日本、そして
世界ジオパークへの加盟を果たし、10年以上がたっています。当初の使命を果たしたのではと思います。今、コロナ禍で人々の価値観も大きく変わってきています。
アフターコロナに向けて大きく脱皮し、本格的な体制に変えていくチャンスだと思います。ユネスコでも
ジオパーク推進団体の法人化を求めていると伺っています。
私は、今のままでは物足りない部分、山陰海岸全体にわたる事業や海外への発信、国内外の
ジオパークとの交流、
研究教育活動などなども十分にできる、そして国からの直接財政支援や一般寄附を受けやすくできるようにすべきだと思います。財政基盤を整え、かつより的確でスピーディーに事業が行えるよう、一体的な組織として法人化すべきではないかと思います。知事の所見を伺います。
次に、鳥取砂丘の
多鯰ケ池周辺整備について質問をいたします。
鳥取砂丘も
山陰海岸ジオパークの一部であります。
ユネスコ世界ジオパークでは4年ごとに再認定審査が行われ、
山陰海岸ジオパークは来年通ればその次は2026年の予定です。そのときにはこれから進める
ビジターセンター西館の建設、
鳥取砂丘西側整備による上質化が評価されると期待をしております。そして、さらに
多鯰ケ池周辺をどう上質化していくかも一つのポイントになると考えています。
今年3月、
鳥取砂丘未来会議では、
多鯰ケ池周辺整備基本構想をまとめられました。その序文に、
多鯰ケ池エリアは地形的に砂丘東西をつなぐ結節エリアに当たり、高い可能性を秘めた今後の鳥取砂丘の魅力向上に欠くことのできないエリアとされ、さきの
グランドデザインや
国立公園利用拠点計画、
鳥取砂丘西側整備構想とともに着実に実施され、この先10年において、多鯰ケ池に再びにぎわいを取り戻す指針になることを願っていますと結ばれています。
その中に書いてありました
国立公園利用拠点計画を見てみますと、
多鯰ケ池側利用拠点ゾーンの
整備コンセプトが書いてあります。1、砂丘本来の自然・景観を眺望によって堪能できる空間整備を行う。2、スマートで落ち着いた環境の中で、自然と向き合う特別な時間が得られる場をつくる。3、滞在型のゆったりした空間と歩行環境を整備するとされています。
今後、鳥取砂丘の上質化を進める上で必要なのは多鯰ケ池とその周辺整備だと思い、先月訪れました。
県道湯山鳥取線を鳥取市覚寺から
砂丘トンネルに向かう途中に、浜坂東1丁目の橋あたりで右側に抜ける道があります。その道は多鯰ケ池の南側、つまり山側をぐるっと回って
鳥取砂丘入口交差点をもう少し東に過ぎた辺りで再び
県道湯山鳥取線に合流する道路であります。道の前半、合併前の鳥取市と福部村の境界までが
市道覚寺福部線で、実際、多鯰ケ池の脇を通るのは
市道湯山多鯰ケ池線となって2つの道路がひっついているわけですけれども、合わせて距離は2.7キロほどでありました。昭和38年に国立公園に指定された頃は、
砂丘トンネルから出て砂の美術館に向かう道路、今県道ですけれども、これはできておりませんでしたので、覚寺と砂丘東側とを結ぶ今紹介した市道、これが唯一の交通路だったと聞いております。その頃の道路からの眺望は、手前に多鯰ケ池があって、湖畔からずっと日本海までが大砂丘地で広がっていて絶景だったと聞いております。
さて、この道路は、
県道湯山鳥取線と違いトンネルはありません。ただ、ところどころ徐行標識があったり、路肩が崩れそうな場所もありました。狭い道路で普通車が擦れ違いできないところが多く、とても観光バスなどが走ることはできません。山越えの道路であります。
覚寺の入り口から1.4キロほど行ったところに
多鯰ケ池自然探勝路という遊歩道があります。そこから
砂丘トンネルの
砂丘側出口付近とを結ぶ1キロちょっとの遊歩道であります。季節柄、落ち葉が敷き詰めたようになっておりました。途中、池側に折れて220メーター下りたところには、多鯰ケ池を見渡せる湖畔の場所があり、心が落ち着く大変よいところでありました。この探勝路は
山陰海岸ジオパークトレイルのコースの一部ですが、
浜坂財産管理組合の所有で、管理整備は鳥取県が行っているとのことです。途中、落石がそのままになっていたり、樹木が倒れたり道にかかっていたりと管理が不十分だと思いました。ただ、この探勝路でも
湯山多鯰ケ池線でも会ったのはジョギングをされていたたった一人だけで、車は1台も見ませんでした。景観もよく散策コースとしては格好ですが、あまり利用されていないのではと大変残念に思いました。
また、多鯰ケ池は、カヌーやサップヨガなどで利用されたり、東側には
金運アップの
パワースポットとして知られるお種伝説のお種弁天宮や観光梨園さんこうえんもあります。砂丘地にありながら西日本で一番深い池、それは砂丘の成り立ちが影響してできた池で、まさしく
ジオパークです。
多鯰ケ池裏側の山から見る景色は、多鯰ケ池の先に
鳥取大砂丘が広がり、さらにその先に日本海が広がっているという池と砂丘と海が重なった世界でもなかなか見ることができない絶景だと思います。
未来会議では、この先10年でにぎわいをとやや控え目な表現をされていますが、着実に進めていく必要があると思っています。これから締結される連携協約において、早いうちに
多鯰ケ池周辺整備について検討すべきと思います。知事の取組への意気込みを伺って、壇上からの質問といたします。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員の一般質問にお答えを申し上げます。
まず、
ワクチン接種につきましてお尋ねがございました。
ワクチン接種を現在、私どものほうで進めてはいるものの、全国的に見ると低位ではないだろうか、こういうことで、啓発を進めていくべきではないだろうか、市町村と協議をすべきではないだろうかと、こういうようなお尋ねでございました。
現状では、今我が県の
ワクチン接種は全年齢でも75%を超えて75.4%になりました。また、対象年齢のほうで言っても83%余りでかなり大きくなってきたところです。特に70代、80代は92%から94%ぐらいですし、50代、60代も87%、88%ぐらいであります。懸念をされておられます19歳以下ですね、10代のところの対象年齢12歳以上のところも70%を超えて70.3%ということになり、また、20代、30代も今73%ぐらいであります。じわじわと上がってはきているのですが、非常にもどかしい状況でありまして、我々もこれは懸念をしているところであります。
実は、実情を申しますと、最初スタートした頃は3位、4位ぐらいでかなり速いペースで接種がいきました。かなり皆さん、それぞれの地域がペースをつくってきた後、大方打ち終わりが見えてきた頃、うちでいうと大体9月末ぐらいはめどが立った状況でした。このときには全国で10位でありました。この頃、実はある程度打ち終わった感があるのですね。それで、その後の状況では、先月末段階では42位ということで、かなり一気に落ちてきていると。何が起こっているかというと、やはり私ども片方で大変に感染者数を抑えています。それが一種の安心感になりまして、打たなくてもいいわという空気感がどうしても出てしまうということですね。これは非常に悩ましいことで、やはりそれぞれの人の言わば自由というのもありますし、選択権というのもありますので、もどかしいのですが、今
オミクロン株も見えてくる。特に
ファイザー社がこのたびは3回打ったら2回目接種で従来のデルタ株までと同じような効果が得られるというようにも言っていまして、やはりまずは1回目、2回目ということを打ってもらわなければいけないということであります。
同じようなことを実は先般、和歌山県の知事と話をしていましたら、いや、実はうちもそうなのだと。和歌山もいっときは全国で1位でありましたけれども、今うちよりも下なのですね。だからそれも一緒でありまして、和歌山も一生懸命対策を打っているという県で有名なのですけれども、感染症対策が進んでいるものですから、逆にちょっと安心感が出るということで、非常に悩ましいねという話をしておりました。
この9月の終わり頃から、市町村には実はねじを巻いた形になっていますし、私どもも予約なしでワクチンを打てるということも当時始めさせていただきました。それで、先般、12月から3回目接種が始まりますので、
ワクチン接種体制協議会をやりましたけれども、そのときに
ワクチン接種の意義について申し上げ、市町村長に直接こうしたワクチンが特に若い年齢層を中心にまだ打ち終わっていないところが多いと。ぜひそういうところに個別にもハッパをかけてほしいと、こういうことをお願いしました。市町村長も同じでありまして、昨日も
長戸岩美町長が就任早々お見えになりましたけれども、このワクチンの話を申し上げました。やはりそれはやらなければいけないことだと。皆さん同じように首長さんたちも感覚は持ってもらっていると思います。
現に今、倉吉などは個別勧奨をしていまして、全部打っていない方に郵送して検討してくださいというふうに送ったそうであります。同じように個別勧奨しているところは大体全体の4分の1ぐらいの市町村でも出てきていますし、同じような検討をしているところもその後また増えてきております。ただ、なかなか非常に厄介でありまして、倉吉市さんもおっしゃっていますけれども、そうやって個別勧奨のを送ったわけでありますが、打ちたくないという強固な方もいらっしゃるのですね。苦情が来るということも言っていました。だから、非常に悩ましい状況ではあるのですけれども、議員も改めておっしゃっていただきましたので、ぜひそうした意味で市町村と話をさせていただきたいと思います。
後ほど別の質問がございましたけれども、観光だとかそうした施策がこれから動き始めます。私どものほうでも国の方針があって、それに従ったやり方をしていきます。そうすると
ワクチン検査パッケージというものがこれからクローズアップされてくるだろうと思います。この
ワクチン検査パッケージも国のほうの指導というか基準としては、無料の
PCR検査を受けられる予算は今30億円以上、皆様に提案させていただいておりますけれども、基本的には無料の
PCR検査につきまして、体調などでどうしても受けられない事情がある方については無料にしますよという制度であります。ですから、基本的にはやはりワクチンを打っていただく必要があるのですよと、そういうようなことを広報するきっかけにもなるのではないかと思います。
もちろん本県は厳密に全部はじくわけではなくて、無料の
PCR検査というのは必要のある人には対応してまいりたいと思いますけれども、国全体の制度設計がそういうふうになっていますので、こういうこともお伝えをしながら、やはりワクチンを打てる方については、集団免疫の獲得もありますし、御自身や御自身が媒介してほかの方に感染させる危険もありますので、できる限りお願いをさせていただくということを改めて今後啓発していこうと思います。
また、実は
ワクチン接種された方にはいろいろな特典をお店のほうとかお宿のほうで出しておられます。県のほうでは、ホームページ、ウェブサイトを使いまして、こういうものも広報させていただいて、ワクチンを打っていただいたほうがいろいろな意味で優遇も受けられますよということを民間の事業ではありますけれども、我々としても示していきたいというふうに思います。
次に、
国土交通大臣への要望結果についてお尋ねがございました。
このたびは就任間もない
斉藤国土交通大臣のほうへ11月19日にお訪ねをさせていただきました。その際には、銀杏議員をはじめ、公明党の県議の皆様方や、あるいは平林代議士をはじめ、公明党の国会議員の方々にも御同席をいただき、合わせた要望もしていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
おかげさまでかなり前向きな回答がいろいろと得られたというふうに思います。まずは観光のほうにつきましてお話がございましたし、それから道路につきまして4車線化の問題についてお話もございました。
観光につきましては、実は前に赤羽大臣に何度か私のほうもお願いをさせていただいていました。それは県内の観光団体と一緒にしたり、それからまた全国的な立場で赤羽大臣のほうにお願いをさせていただいたりしておりました。その頃から我々が主張させていただいておりましたのがマイクロツーリズムという非常に感染も低く抑えられているところで近隣での観光をするということでありまして、今まではそれぞれの県の中だけでありましたけれども、これを隣の県に広げるということについて、我々は主張させていただいておりました。このたび斉藤大臣のほうに同じ旨を申し上げまして、その後、早速政府のほうの方針として隣県に広げるということをお決めいただいたところでございます。
これにつきましては、岡山県知事とはかねて話合いをしていましたし、それから先般は広島、兵庫両県の知事とも話をさせていただきました。また、これから隣の島根県とも協議をさせていただくことにいたしております。こういうようなことで、両方の合意が取れればこういう隣県での宿泊助成等ができるということで今最終調整をしております。
結構周りの県がまた熱心でして、我々のちょっと予想を超えるぐらい熱心にこれに取り組もうということでございまして、私ども基本的には相互主義で先方が出される条件と同じような形で最終の隣県観光を調整させていただこうと思います。すなわち宿泊の受入れとか、それから結構クーポンの発行にも前向きな状況がございまして、そういうクーポンの発行なども含めてこのたび
#WeLove山陰キャンペーンを延長しようとか、それからまた我々のほうで来ていただくスペシャルウェルカニキャンペーンというものを、これは広島、岡山、兵庫に適用しようというものでありますが、こうしたものをやっていこうということで考えております。
条件づけが基本的には
ワクチン検査パッケージということになります。これは国のほうの助成制度がこのたび始まるものですから、それに乗っかろうということでありますので、それが
ワクチン検査パッケージを求めています。先ほどのワクチンのお話というのは、実はこれに絡んでくることになります。こういうようなことでございますが、ぜひこの機会にと思っておりますし、早ければ来週にでもそうした隣県観光の延長や新しいスタート、これをそれぞれの地域と順次やっていって、年明けぐらいまでいろいろ調整がかかるかもしれませんが、早いところは来週ぐらいからどこかで始められるのではないかなというふうに考えております。
そして、道路についてでございますけれども、4車線化やあるいは
ミッシングリンクについて要望させていただきましたが、議員のほうで御指摘がございましたけれども、特に
境港-米子間のこの道路につきましては、今までよりも大分踏み込んだ発言を大臣のほうから出していただきました。感謝申し上げたいと思いますが、いろいろと財源の問題があると。市街地を通ることにいずれなるので、従来の高速道路、鳥取県で造っていたものよりは非常にお金がかかるだろうと。財源についての話合いがどうしても必要になるけれども、考えていくべき路線だと、こういうことで前向きな回答があったというふうに捉えさせていただきました。
また、4車線化などにつきましては具体的なお話はございませんでしたけれども、議員がおっしゃるように、今国のほうでは
社会資本整備の審議会の場で、4車線化するについては有料化を考えるというお話が出てきています。
米子自動車道はもともと有料ですし、これについてはかねて安全・安心の高速道路という観点で4車線化を全線にわたってやるということでの了解が取られていますので、こちらは問題ないのですが、あとは山陰道だとか鳥取道だとかそうしたところについては、そうした検討が入っているという情報がございます。詳細はよく分かりません。恐らく
国土交通省がいろいろと検討され始めているのだろうと思いますが、全国では、とにかく
ミッシングリンクをつないでもらわなければいけないという意見であるとか、それからやはり安全・安心のためでありますので、こういう付加車線をつけるということについて、今無料の道路を有料化するということについては難色を示す声が出てきています。本県もちょっと今後の様子を見ていきたいと思いますが、やはり慎重にこうした検討については我々も対処していかなければならないのだというふうに思います。現状まだこれ以上の詳しい情報はございませんので、今後よく調整を図らせていただきたいと思っております。
次に、
山陰海岸ジオパークにつきまして何点かお尋ねがございました。
まず、ユネスコの
ジオパークの基準として、法人化が求められていると。一体的な組織としてこれを法人化すべきではないかという、こういうお話でございました。
実はユネスコのほうの考え方を受けて、今
日本ジオパーク委員会のほうの事前審査を終えたわけでありますけれども、そのときもこういう法人化の問題ということは指摘をされています。今向こうのほうで申請のやり方というか審査基準を変えたのですね。
エバリューションドキュメントAという評価文書A、そういうものが審査基準になっていまして、こういう新しい評価基準の中で、初めて
山陰海岸ジオパークが審査を受けるということになります。
そこに国際的な理念だとか世界標準の問題がありまして、日本は法人格なき社団というのが極めて一般的にありますし、結構それが重要な役割を果たしていたりしますけれども、海外の目線からするとそれは無責任な組織、財政的に担保がない組織ということに見えるわけですね。また、例えばジェンダーの問題だとか公平公正の問題だとか、そういういかにも欧米的な価値観というものも色濃く今後は反映されてくることになるだろうと思います。
そういう意味で、やはりそういう国際標準に耐えるようにしていくということは大事でございまして、今日も御指摘がございましたので、この関係地域、京都府、兵庫県とも調整をさせていただき、
ジオパークの
推進協議会のほうにも法人化について私どもの意見を出させていただきたいというふうに思います。
法人化をすれば雇用関係として責任関係がしっかりしますし、場合によっては長期にわたって終身雇用もやりやすくなるでありましょう。また、財産主体としての法人格ができますから、そういう意味で、例えば広く寄附を集めるとかそういう活動や、また国のほうの諸制度に乗っかってくる可能性もあります。隠岐の
ジオパークのお話もございましたけれども、例えばDMOを取るにはこういう法人格が前提になるなど、やはりそうしたいろいろなハードルを越えていく意味で、こういう法人格というのは私は避けて通れないのではないかなというふうに思います。
ただ、関係地域もありますので、今後よく協議をしていくことになりますけれども、審査も迫っていますから、速やかにやはり対処方針を決めるべきではないかと思いますので、働きかけをしてまいりたいと思います。
次に、多鯰ケ池の周辺につきましてお尋ねがございました。多鯰ケ池につきましては、地元のほうでいろいろな検討がなされたところでありますけれども、このことについてどういうふうに考えているのかということでございます。
これについては、
多鯰ケ池周辺整備基本構想がこの3月に示されたわけであります。これは浜湯山・多鯰ケ池の皆さんの委員会のほうが中心になってまとめられましたが、県のほうでもファイナンスの面でも支援しながらこういう報告書の取りまとめをさせていただき、参画もさせていただいているということでございます。
ここには一定の未来像が描かれていまして、10年とかいういろいろなお話もありますけれども、ただ、ビジョンとしては皆さんが納得できるようなものが入っているのではないかなと思いますので、それぞれの事業主体、これは事業主体も例えば県はこことか示していますし、それに従って役割を県も果たしていきたいというふうに思います。例えば県のほうでは、自然探索路が県のほうの領分になるかと思いますが、そうしたことにも向かっていく必要があるのかなと思います。
今議員がおっしゃったように、多鯰ケ池は西日本で一番深い池なのだということでございますし、特に
山陰海岸ジオパークというものを全体構成として考えたときに、こういうせき止め湖の存在というのは、ある意味地質学的にも保存すべきといいますか、あるいは観光の対象としてジオとして楽しんでいただくべき素材なのだろうというふうに思います。10万年にわたりましてつくられた鳥取砂丘、それによって日本海から分け隔てられた水域、こういうものが今多鯰ケ池に見えるわけでありまして、これも結局、雨の状況などで水位が上がったり下がったりするなど、特徴的なところもありますし、また伝説もありまして、お種さんという女性がおいしい柿を取ってくると。これを見ていたら、実は蛇だったということで、正体がばれて湖に沈んでしまうというそういう物語でありますけれども、そういうものを思わせるような神秘性があの多鯰ケ池にはあるのだと思います。弁財天もございます。これも日本三大弁天様の江の島の弁財天の分祠というふうに位置づけられていまして、由緒もあるし、そういう意味では観光の意味でも一つのセールストークに使えるところがあるのかなと思います。
また、議員がおっしゃったように、自然探索路とか、あるいは市道であるとか、人が歩いたり、あるいは車が入っていったりできるところがございまして、そうしたところでかなり景観的には面白い景観にもなるわけですね。多鯰ケ池の水辺があって、若干ここの間に松林が入っていますけれども、そういう防砂林があり、その向こう側に砂丘が見えると。さらには雄大な日本海を望む、そういうバリエーションのある光景というものを楽しむことができます。
また湖面上におきましては、最近はサップヨガが盛んに行われておりますし、もちろんカヌーでありますとか、それから様々な行事などにも使われたりしまして、探勝路も含めて例えばこどもの国からずっと砂丘方面に行くときに、県道を通るとあっという間かもしれませんけれども、多鯰ケ池のほうを通って上がっていくというようなものは山陰海岸ジオウオークのコースにもなっているぐらい一つの定番コースにもなり得る探索路になっていると思います。
このようなことなど今後、できるだけ早くこうした整備も含めて進めていくべきものだと思います。特に市側は西側整備を進めていまして、リゾート構想を持っています。リゾートホテル、これから行くと本当に庭先のような形で自然探索路を入って多鯰ケ池に下りてくるということになりますので、私どもとしてもそうした周辺の開発のスピードとも歩調を合わせながらできるだけ早く整備を図ってまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)35番銀杏議員
◯35番(銀杏泰利君)答弁をいただきました。
ワクチン接種についてでありますけれども、若い人は間違った情報に惑わされているのではないかというふうな話もあるわけで、ぜひ案内を出すときには裏づけデータに基づいた正しい情報、納得できる情報、また優遇策の話もありましたので、そうしたチラシみたいなものも同封をしていただければというふうに思っております。
国交大臣への要望についてでありますけれども、
地域観光事業支援の隣近県への拡大の分でありますけれども、時期的には
GoToトラベルが始まる1月末、2月初め、それまでの間にやはりしっかり早く決めてやっていただきたいということと、これはもう早いうちにという話がございましたので、実施スタートも早くしていただけたらというふうに思います。
当然来ていただくだけではなくて、鳥取県民が出かけて向こう側で優遇が受けられるというふうになるのだろうと思っておりますので、期待させていただきたいと思います。
それで、
山陰海岸ジオパークでございます。法人化についてでありますけれども、その中で、今回出向きました文科省の国際統轄官で日本ユネスコ国内委員会の田口事務総長とお会いしました。ユネスコはSDGsの目標5の達成に向けて、先ほどちょっとお話もございましたが、ジェンダーバランスを実現するということで、今、
山陰海岸ジオパークに関わる人々に女性が少ないことが問題だというふうにおっしゃっておられました。また、ユース、若者が関わることが必要だともおっしゃっておりました。法人化には避けて通れないと働きかけをしてまいりたいという答弁でございましたので、ぜひともそうしたときに法人化するような方向性になれば、人員体制も増強されると思いますけれども、ジェンダーバランス、若者の参画について配慮すべきだと思います。知事のお考えを伺いたいと思います。
要望先の観光庁でアドベンチャーツーリズムの取組を支援されておりました。令和3年度募集のアドベンチャーツーリズム等の新たなインバウンド層の誘致のための地域の魅力再発見事業という事業がありまして、その中では、
一般社団法人隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会の高質な磯・海岸遊びを探求する隠岐ジオツーリズム事業が採択をされておりました。また、建物の改修や設備の購入等に係る観光振興事業費補助金の対象として、
一般社団法人麒麟のまち観光局の
山陰海岸ジオパークウオータートレイルアドベンチャー事業、これも採択をされておりました。
アドベンチャーツーリズムとは、自然、アクティビティー、文化体験の3要素のうち2つ以上で構成をされた旅行を指すということです。旅行者それぞれの興味、関心に応じたテーマ、ストーリー性のある滞在プランなど、その地域ならではの体験を求めているとこが特徴となっております。近年では、散策や文化体験などのソフトで簡易なものが主流となっているということであります。アドベンチャーツーリズムは
山陰海岸ジオパークにぴったりの旅行であります。観光庁でも磨き上げの支援などが用意をされておりますので、ぜひ取り組むべきだと考えておりますが、知事の所見を伺いたいと思います。
◯議長(内田博長君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから重ねてお尋ねがございました。
山陰海岸ジオパークにつきまして、ジェンダーの問題と、それからアドベンチャーツーリズムの拡大につきましてお話がございました。
先ほど申しましたように、ユネスコの
世界ジオパークでございまして、当然ながらユネスコは国連機関でありますから、SDGs、これとの整合性ということを追求しておられます。その中には女性に対する教育ということですね、これは日本がターゲットというよりは途上国の問題だと思いますが、そういうようなことなど、やはり女性の参画について大変なプライオリティーを置いておられると。その意味で、田口さんとお会いされたということでありますが、やはりそういう女性の参画とか、あるいは若い方々の参画とか、そうした幅広い人たちと言わばパートナーシップをきちんと組んでいくことが重要だと。これはおっしゃるとおりだと思います。早速、今日もお話がございましたので、審査も迫っていますから、これから関係地域のほうにも働きかけをさせていただきまして、体制の再整備ということを考えるべきかなと思って今伺っておりました。
実は、
日本ジオパーク委員会のほうで事前の審査があったと先ほど申しましたが、そのときに山陰松島遊覧の川口社長がプレゼンテーションをされたわけですね。今回ネットでのプレゼンテーションということだったのですが、そこで非常に
日本ジオパーク委員会のほうで言わばポイントが高かった感じで受け止められたのが、それは女性の船長をこの4月に採用したことです。彼女は海外での経験もございまして、英語も堪能なのですね。ですからそういう意味で、多分、川口社長としては非常にありがたい存在として女性の初めてのそういう遊覧船の船長誕生のことをおっしゃったのかなというふうに思います。
また、あそこにあじろやという食堂がありますけれども、あれも女性のいろいろなアイデアで例えばハタハタを使ったメニューだとか、そういうものをいろいろ提供されていると。これもやはり非常に評価が高かったということでございました。
我々もこういうようなことの空気感を感じましたので、例えばいろいろな部会だとか、また事務局の組織だとかございますが、女性の比率というものをやはりきちんと高めていく必要があるし、それをぜひ実践する必要があるだろうと思います。鳥取県は全国で最も管理職としての採用が高いところでありまして、そのときも経験しましたけれども、ある程度やはりこれは気合を入れてやるということなのですね。採用するぞと、あるいは人を入れ替えるぞということをやらないと、これはかなりトップのリーダーシップというのがあると思います。そういうことをやはり我々のほうで3府県で足並みをそろえて、豊岡市さんだとか主要な団体と一緒になってやる必要があるのではないかなと思いますし、できると思います。
なぜなら、実は関西広域連合がございますけれども、あそこも民間の皆さんのいろいろな声を入れていくという意味で協議会という議会とはまた別にそういう審議会というか参画のための委員会みたいなものがございます。これは非常に女性の比率が高いです。これは意識的に実は構成の各府県のほうと協議をして、我々もたしか環境大学の遠藤さんとか入っていたと思うのですけれども、そういう女性の方をわざと推薦をするわけですね。そうやっていくと全体として女性の方がかなりの比率になってくると。やはりこういうことはやろうと思ったらできるので、特に言わば持ち寄ってつくっている組織でありますから、可能ではないかと思います。ちょっとよく相談をさせていただきたいと思います。
また、若い方々につきましても、これは例えば最近は青翔開智がこの
ジオパークのこういう研究発表で最優秀賞を取りました。こういう若者向けのイベントもやっているのですけれども、この子は実は新温泉町から通っているわけですね。それで春来川についてのレポートを考えられて、もっと湯村温泉を元気にしようと、そういうものなのですけれども、そういうことで、若い方々がいろいろと
ジオパークに提案をしてくると、こういうことも今までもやってきております。
例えばちょっと今は下火になってしまいましたけれども、環境大学が山陰海岸のジオ部というのをつくったと。そういうクラブ活動で100人ぐらいいたのですね。これは新名先生という環境大学の先生がこの
ジオパークの我々の山陰海岸の中心人物だったということもございまして、いろいろな活動をされていました。ボランティア活動的なことだとか様々なことをされていたのですが、このジオ部、残念ながらちょっと今、新名さんが東北のほうに行かれて、この活動が多分あまり大きくなくなってしまったと思いますけれども、ただ、こういう形でやはり若い方々が参画をしてくるということが非常に重要なのではないかと思います。
あわせまして、アドベンチャーツーリズムのお話がございました。ぜひ新型コロナの後の、あるいは新型コロナとウィズのツアーとしてこのアドベンチャーツーリズムは有効だと思いますので、展開を強化していきたいというふうに思います。
現実にも例えば山陰海岸のロングトレイルをやりました。これは230キロにわたるトレイルでございますけれども、このトレイルはもともと鳥取県から始まったもので、これを但馬、そして丹後というふうにつなげていったわけですね。こういうものが全線できるようになりました。これを
ジオパークの協議会のほうでも重点事業として取り上げていただきまして、これを通じたこういうアドベンチャーツーリズムの事業ということをされています。
コロナなのでなかなかやりづらいということはあるのですけれども、入門コースだとか、それからポイントウオーク、ポイントをためていってそれを競い合って賞品が出るというようなそういうようなものでありますけれども、こういうものもやって結構参加者があります。ポイントウオークは9月から先月末までやりましたけれども、非常にコロナ禍ではありますけれども、こういう広々とした自然の中を歩くということでありますので、そこそこ参加はあるということでありました。
それ以外にも議員がおっしゃるように、例えばシーカヤックであるとか、いろいろな探索のツールというのはあると思いますし、先ほどアドベンチャーツーリズムで文化などもございましたが、麒麟獅子舞などなどそうしたものも楽しめるわけでございます。
実は、先般、関西広域連合がありまして、そこの議会で岸本議員が質問をされました。兵庫県の公明党の議員団の方でいらっしゃいますけれども、
ジオパークトレイルを取り上げていただきまして、ロングトレイルに代表されるようなそういう屋外を活用したアドベンチャーツーリズムを推奨すべきではないかという声も寄せられたところでございました。ぜひ私どもとしても関係者と協力をしながらアドベンチャーツーリズムを進めていければと思います。議員がおっしゃったように、今観光庁のアドベンチャーツーリズムとして私どもの麒麟のまちの事業を採択されておりますが、いろいろと題材はありますので、私どもの県単独事業も含めまして応援をしてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)35番銀杏議員
◯35番(銀杏泰利君)答弁いただきましたが、続けて
ジオパークについて質問を続けます。
今ロングトレイルの話もございましたけれども、兵庫県のほうの議員の話がありました。海辺近くではスマホも電波が届かないところもあるのだよというふうなことでありまして、環境省のほうには国立公園とほぼ重なるエリアでありますので、通信環境整備ということを申入れもさせていただいたりもしました。今どき案内も情報として入手するのはやはりそうしたスマホ等を通じてやりますし、支払いもキャッシュレスで行うと。通信環境が整わないとなかなか本当に入っていただけないのかなというふうに思っております。ということで、
ジオスポット、そしてエリア内のロングトレイルコース、ロングライド、サイクリングコース周辺などは国の支援も得て通信環境整備を進めるべきだと思いますが、知事の所見を伺いたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから通信環境につきましてのお尋ねがございました。
今議会でも度々デジタル田園都市国家構想が語られるようになりましたけれども、岸田政権も今そういう意味で通信環境を地方にこそ整えていこうというふうにこれから当初予算も含めて動かれるのではないかと期待をいたしております。
私どもとしては、そのような活用をしながらアドベンチャーツーリズムでロングトレイルを歩かれるにしても支障なく、特にちょっと釣り人などが落ちたりすると危険なエリアでもありますので、そういう意味で危険を防ぐということもございますし、事の展開を我々もサポートしていきたいと思います。
今おっしゃったのは兵庫県の中の地域ではあるのですけれども、また兵庫県側にもこうした御議論があったことはお伝えをさせていただいたり、ロングトレイルのいろいろな話合いの中でも問題意識を提起してまいりたいと思います。
今、不感
地区になっておりますのは、余部の道の駅の辺りから左のほうというか、西のほうというか、そちらのほうに行く海岸線でありますが、釣鐘洞門であるとか田井ノ浜など、やはり一つの
ジオスポットとして特に兵庫県側では重要な地域、そういう海岸線でもございます。うちでいうと菜種五島みたいなああいうエリアですかね。あのような感じの景観があるところでありまして、兵庫県側でも有数の
ジオスポットになっています。そういう意味で、今日の御指摘も重要だと思いますので、関係先に申し上げてまいりたいと思います。
携帯電話の事業者が基地局をセットするなどが解決になるのですが、これは国や自治体が共同で要請する制度がございまして、そういうものを活用していただきながらクリアしていただけるとありがたいわけでありますが、隣県でありますので、今日のお話はしっかりお伝えをしてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)35番銀杏議員
◯35番(銀杏泰利君)鳥取砂丘の多鯰ケ池の問題ですが、自然探勝路、そして市道の整備でありますが、通ってみると本当にこれから整備していかなければいけないなというふうに思いました。県の道路ではありませんけれども、多鯰ケ池の市道の整備について特に思ったのは、これからどういうふうに活用するのかと。多鯰ケ池を巡る散策路として活用するのか、もしくはそれとも道路が車が行き交うような自動車用の道路として整備していくのか、本当に慎重な検討が必要だと思いました。散策路としての整備をするのであれば、歩道をきっちり整備しなければいけませんし、自動車の待避所の増設も必要だと思います。それから自動車用の道路とするならば、2車線ということで、道路拡幅ということになりますが、多額の経費が必要になります。私自身は静かな環境で散策もできる道路、つまり散策路としても活用できるようにすべきだというふうに考えております。鳥取市と連携協約にのっとって協議決定していただきたいと思いますので、その席上でぜひこのことも俎上に上げていただきたいなというふうに思いますが、知事の所見を求めます。
◯議長(内田博長君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて多鯰ケ池につきましてお尋ねがございました。
あのエリア、一つはぐるっと多鯰ケ池を回ろうと思いますと、自然探索路もございますが、これについては県としても今日も御指摘ございましたので点検をさせていただき、これは浜坂の財産区さんの権利関係もありますので、そちらともよく協議をさせていただき調整をしながら、支障物の撤去であるとか、そうした整備を図ってまいりたいと思います。これは国立公園の整備の今回の計画に基づくものにも入っているところでございます。
あと、今おっしゃったように、あそこには多鯰ケ池湯山線だとか、あるいは福部覚寺線だとか市道が入り込んできているわけであります。今日の議論につきましては、また今後、連携協約を結んでいくことになれば、全体像の話合いをする機会もあろうかと思いますので、お伝えをさせていただきたいと思いますが、地方自治法の第252条の2に基づいて連携協約を今皆様のほうに議案として提出をさせていただいております。連携協約は一部事務組合とか広域連合とは違いまして、そこで意思決定をするというものではありません。それぞれが事業をするその事務を執行するときに、お互いに一定の役割分担に基づいてやっていきますと、それを調和的にやっていくと、連携してやっていくと。こういうようなことをやるということで、それぞれの決定主体は例えば自然探索路であれば間違いなく鳥取県議会のほうが全責任を負うと、平井という執行部が負うというものでありまして、市道については向こうという立てつけの制度になっています。ですから向こう側に決定権のある話でございますけれども、全体像はこれから調和的に例えば自然探索路と市道と両方相まってどういう観光ゾーンにしていくかということでありますので、話合いの中に入れさせていただきたいと思っております。
◯議長(内田博長君)35番銀杏議員
◯35番(銀杏泰利君)砂丘に引き続きまして、鳥取砂丘こどもの国についてでありますけれども、取りあえず今後も児童厚生施設として活用することになろうかと思います。そうした場合の整備について意見を述べたいと思います。
私も子供を連れて何度か利用させていただきましたけれども、対象年齢は小学校低学年くらいまでかなというふうに感じております。中学生、高校生でも十分楽しんでもらえるような施設にすべきだと感じております。あそこは大変広大な敷地でありまして、使われていない部分も結構広い。また、起伏に大変富んでおります。そしてそうした場所もきっちり芝生などできれいに整備されております。
例えば、使われていないエリアを子供たちが遊び運動機能強化にもなるアスレチックパークとして整備してはどうかというふうに思います。また、雨天のときでも屋内で子供たちが遊べるように屋内施設の整備や現有施設の拡充などすれば、入園者の増加も見込まれるのではないかと思います。こどもの国の中に環境教育を子供向けに取り入れた遊びや、また子供向けのSDGs体験プログラムなどを用意すれば、遊びながら環境やSDGsについて学べるのではないかと思います。今でも一部されていると思いますけれども、連携協約の締結後、鳥取市のキャンプ場整備と鳥取砂丘
ビジターセンター西館整備の方針に合わせまして、県もこどもの国の今後の利活用方針を定め、必要に応じて再整備すべきと考えます。知事の所見を求めます。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から重ねてのお尋ねがございました。こどもの国についてでございますけれども、これは連携協約によってこれから深く市側と調整をしながら、あのゾーンの観光振興や、あるいは環境保全などを進めていくということになるところでございます。
今お話がありましたこどもの国ですけれども、これは昭和48年に開園をしました。石破二朗知事の時代に発案をされまして、言わば明治百年事業として手がけられ、国有林を活用して切り開かれたものでございました。それは児童の健全な発達だとか、そうした思いを遂げるそういう地としてやったわけでありますが、これを平成に入ってリニューアルを大々的にやりまして、それがいずれもうあと10年、20年すればだんだんと耐用年数の時期が来るのかなと思いますが、ですからそれに向けて徐々にどういう触り方をしていくかなということかと思います。ただ、令和5年がそういう意味で節目の周年事業の50周年になりますので、そこのときに向けて一定程度何か記念事業的なことは検討してもいいのではないかというふうに思います。
私自身も子供を連れてこどもの国にもちろん行ったこともありますし、非常にいいスペースでありますし、特に県外の方も半分ぐらいは来られますので、大体年間15万人ぐらいの入場者も今あると。今おっしゃった例えばフィールドアスレチックについては、最近は令和に入りまして観光事業団が基本的には受託者になっていますけれども、そちらのほうの要は自主事業として順次フィールドアスレチックの整備を始めています。年々増えてきているというふうな感じですかね。もちろん利用もありますし、特に利用者的にはドリームキャッスルという割と大型な遊具を設置しました。これは大分、県自身も関わっていますけれども、これは人気のようでして、これに来るためのお客さんというのはやはり出ていまして、明らかに入場者数に影響したと思います。
そこで、戦略を考えなければいけないと思うのですが、議員がおっしゃるように、中高生のところはどちらかというと少ない。多いのは幼児、それから小学生、それからその親御さん、これらがほとんどでして、中高生というのは利用がないわけです。だから中高生にターゲットを当てたことをやろうと思えば、それはディズニーランドを誘致するとか、そういうことをやはり考えなければいけないのかなと思うのですね。多分ちょっと中途半端なことをやっても自分の子供のだんだん大きくなった感じを見ますと、印象は来ないのではないかと思います。
お子様連れの家族層、それにターゲットをやはり当てて、こどもの国というのは考えて、その上で、確かに議員がおっしゃったように、雨のとき、雨天で遊べるところというのは入り口の広場的なところぐらいしかないのですよね。もうちょっと屋根のあるスペースを増やすとか、あとはソフトのこともあって、そこに今キャンプ場をどうしようかという市側との共同作業があると。
連携協約というのは、全てを一つの施設で引き受けなさいということでは実はないのですね。今議員が御指摘いただいたように、銀杏議員にも斉藤大臣と当時いろいろとお世話になって造ることになる西側のビジターセンターがあります。このビジターセンターができれば恐らくそこは中高生中心のものになり得るわけですね。現に想定としては学校の説明会を受けたりして、それでふだんから遊びに来てもらってもそこを拠点にして砂丘の中を歩き回ると。砂丘にあるのですからここで何かつくり込んでやるというよりも、砂丘を活用するとか、あるいはサイクリングターミナル、これを今市側がどうされるのか、これから検討されるのだと思うのですけれども、こういうサイクリングというようなツール、こういうものを活用して、どちらかというと思春期世代が自分たちで勝手に遊びに行って楽しむというようなそういうようなものが多分そちらのほうにあるのかもしれないですね。
amulapoさんというところが今、月面を体感できるような観光ツアーを現に11月から始めておられます。結構評判もいいし、こういうのはどちらかとヤングアダルト世代だとか思春期世代に受けるのではないかなと思いますが、ちっちゃい子よりも多分そういうところではないかと。そういうようにして、それぞれキャンプなどは全世代対象ですし、それからお子様はこどもの国、それから砂丘だとか、それからサイクリングだとか、そういうところは若い層、こういうようなことをそれぞれに用意をして、それを連携していくというそういう一つのゾーニングを我々全体として考えるのがいいのかなというふうに思います。
午後0時12分休憩
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午後1時16分再開
◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。
引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
5番由田隆議員
◯5番(由田隆君)(登壇、拍手)無所属の由田でございます。通告に従い、県政に対する一般質問を平井知事、足羽教育長に行います。
本日は、午前中に民主、浜田議員も言われたように、12月10日、世界人権宣言が採択をされた日です。全ての人間は生まれながらに平等で、かつ尊厳と権利について平等である。これは、世界人権宣言の第1条であります。世界人権宣言は、1948年、昭和23年、国連の第3回総会で採択されたものであります。その日が12月10日ということで、日本はその日を世界人権宣言の生まれた日にちなんで、人権週間を位置づけられました。12月4日から10日までの1週間、人権意識の向上を高めるための1週間であります。これは、日本全国で多くの自治体や関係団体がイベントを行い、啓発活動をしています。
12月7日、県議会自由民主党の松田正議員から紹介のあった拉致問題については、平成18年6月に拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律が施行され、国及び地方公共団体の責務が定められました。そして、この12月10日から16日までの1週間、北朝鮮の人権侵害問題を考える北朝鮮人権侵害問題啓発週間として、今、運動が展開されているところであります。この12月10日を挟んだ2週間の間、この人権週間にちなんで、私も県民の皆さんとともに人権課題をしっかり語らい、あるいは行動して、拉致問題の早期の解決に向かっていきたいというふうに決意をしているところであります。
さて、私の地域の高城地区、さわやか人権文化センターがあります。そこでは、今回、倉吉市の第73回人権週間に合わせて、解放文化祭が開催をされています。先週末には、学習会に参加する子供たちの学習発表会がありました。この学習会は、小学校1年生から中学生まで、学年に応じた人権課題を明らかにして、友達を大切にすることから始まり、多様性を認め合い、差別に負けない、たくましく生きる力を育む学習会を年間通して行っています。その学習成果の発表会に私も参加をいたしました。すばらしい内容の発表で、本当に勇気と、そして、元気を子供たちからいただきました。その子供たちに負けないように、本日は一般質問を精いっぱいやらせていただきますので、平井知事、足羽教育長、どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、部落地名総鑑、鳥取地裁の一審判決について、知事の御所見と今後の同和行政について伺います。
被差別部落の地名リストをネットに公開し、書籍を出版しようとした川崎市の出版社、示現舎、そして、その運営者Mに本年9月27日、東京地裁は、リストの削除と出版禁止を命じた部落解放同盟と被差別部落出身者230名の訴えを大筋で認めています。裁判の焦点は、地名の公表が人権侵害に結びつくかどうかだったのですが、判決は、個人の住所や本籍地の情報をリストと照合することで、被差別部落とされる地域が特定されるとして、プライバシーの侵害を広く認定しています。
今回、問題の被差別部落の地名リストは、戦前に作成された全国部落調査の復刻版の発刊を狙ったもので、1970年代には部落地名リストの図書、部落地名総鑑を企業などが購入し、身元調査などに用いたことが発覚して、社会問題になりました。これは、政府が部落地名総鑑を回収して焼却処分を行い、対処してきましたが、近年はネットによる拡散という新たな課題が発生しています。全国5,360以上の同和地区の地名リストが5年前、インターネットのサイトに掲載された。根深い差別を受けてきた人々は、ネットでさらに部落差別が拡散されると憤り、掲載差止めと損害賠償を求める訴えを2016年4月に東京地裁に提訴いたしました。部落解放同盟と同盟員ら248名、そして鳥取県関係では10名であります。
判決では、部落出身を告白するなどした原告に対しては、出版によるプライバシー権の侵害は認めず、該当者の出身6県を差止めの対象から外した。その6県は、千葉、富山、三重、山口、佐賀、長崎の6県。差止め対象となったのは、北は栃木から南の鹿児島までの20都府県。原告のいなかった1都15県の地域は判断されなかったのであります。
ここでの問題意識は、復刻版全国部落調査全体の差止めを認めず、一部都道府県を差止め対処から外したところにあると思っています。このことは、この判決が原告の権利侵害について、差別されない権利の侵害を否定して、プライバシーの侵害と名誉権の侵害のみを認めた結果、復刻版全国部落調査全体の差止めは認められず、権利侵害を認めた原告が存在する都府県のみとしたことが最大の問題として、原告団は直ちに提訴しています。要は、提訴した人が、被差別部落がたくさんある県においても提訴がなかったら、その県の部落は公表していい。この地裁の判断であります。断固認めるわけにはなりません。
そしてまた、被告の出版社は学術研究や表現の自由を盾に反論しましたが、一審判決は、公益目的は認められないとして、この男性Mに対して差止めと賠償を命じました。この男性も控訴をしています。
そこで、知事には、この東京地裁の一審判決について、率直に感想をいただきたいというふうに思います。
なお、両者が控訴していますから、今後は東京高裁において審議をされます。知事のコメントもある程度制約を受けると思いますが、差し支えない範囲内でコメントをいただければと思います。
次に、障害児者、生徒の学びの保障と就労支援について教育長に伺います。
初めに、鳥取県の特別支援教育について伺います。
鳥取県教育振興基本計画の中にある特別支援教育の充実について何点か伺います。
発達障害を含む障害のある子供への切れ目のない支援体制の充実、そして、特別支援学校のセンター的機能と学校間連携の推進について、いずれもどのような体制で、さらに目的も含めて御答弁をいただければと思います。
次に、特別支援学校の在り方検討及び特別支援教育環境の整備についてとこの基本計画にはありますが、現在どのような検討がなされているのかを伺い、登壇での質問といたします。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)由田議員から、この判決につきまして一般質問をいただきました。由田議員からは、いろいろとこの人権をめぐる状況につきまして、示唆深いお話をいただきました。
今、地元のほうでも子供たちが人権学習をしっかりやっておられる、そのことは大変に貴いことでもあり、また、こうしたことが鳥取県の中でそういう人権意識というものを将来に向けて根づかせていく、そういう大きな役割を果たすのだろうというふうに拝察をさせていただきました。世界のほうで人権を尊重しようと、こういう宣言がなされたこの日に私たちはこういう語る機会を得ましたこと、感謝を申し上げたいと思いますし、決意を新たにさせていただきたいと思います。
今なお世界中で差別、あるいは非常に不幸な、特に近年の場合はネットを通じて行われる犯罪と言っていい行為、これに苦しめられること、それがクローズアップされ、結局、はるかかなたから誓い合っているにもかかわらず、全くその実が上がっていないところもあるどころか、悪化している面があるということを認識しなければなりません。
そういう意味で、今回お取り上げいただきました9月の末に判決が出ました今回の東京地裁の判決につきまして、感想を求められたところであります。
同じようなことは、最近もいろいろと話題になりましたのは、木村花さんという、残念ながら命を絶たれた方がいらっしゃいました。これは、テレビ番組が元で、ネットの上で誹謗中傷を受けたということでありますが、これが元は恐らく数人なのですね。それがある意味、どういう意識なのかはちょっと分析が必要なのでありましょうけれども、数名の方、一握りの方が始めたことが、あっという間に拡散して広がってしまう。それが人間を命を絶つことまで追い込んでしまう、そういう残念な状況が現代社会にあるということをクローズアップさせたものであります。これにつきましても、129万円ですかね、やはり賠償を求める判決が出たところでございます。こういうのと実は同じようなことなのだろうというふうに思います。私たちは、部落差別と闘う、そうした人の心の中の病理を一掃しようと、長年にわたり努力をしてまいりました。
先ほどおっしゃった名鑑、地名の本につきましても、これも一旦はこの日本から消えたと言っていいはずのものだったわけでありますが、それがネット上に平成28年にデータが掲載されてしまうと。さらに本が復刻されてしまう。このことで危機感を持った方々が訴えに出たということでありました。取り急ぎ仮処分の申請がなされまして、出版のほうは止まりましたし、また、ネットの掲載のほうも削除をされているわけでございます。
その本案といいます、中身の実体法のほうの判決、それが今回出て、こうした仮処分の状況というものが言わば肯定をされた上で、損害賠償につきましても判断が出されたということであります。まだこれは確定していなくて、原告側、被告側、両方とも双方、控訴をするという状態でありますので、今後まだ訴訟は展開されていくのだろうというふうに思いますが、こうしたことが現実に多くの方々にも知っていただくところになることが、残念ながら、差別の絶えない、そういう社会を正す効果はあるのではないかと思います。
この手の問題は非常に我々も苦慮しておりまして、平成19年だったと思いますが、やはり同じようなグループの流れなのだと思います。そういう中で、ネットのほうにやはり掲載をされてくるという、そういう残念な事象がありました。これにつきましても、訴訟になり、情報公開請求ということもあったのですが、これは上告まで行って退けられることになったものの、ただ、掲載されるものについて、前に議会で由田議員ともお話をさせていただきましたが、私どももこれを削除すべきと考え、何とかグーグルのほうに掛け合うのですけれども、結局削除は認められないというようなことになる。非常に限界を感じることの多いものであります。
今回の訴訟の中で争われた主要な論点は、表現の自由というものと、それからプライバシー権、個人の人権ということであります。これについて裁判所のほうは、ここについては明確に判断をしているわけでありまして、表現の自由とはいっても、こういうプライバシー権の侵害、あるいは個人の人権を阻害する、そうしたことまでは認められないと。これは憲法におきましても、やはり表現の自由は高い自由ではございますけれども、それも一定の制約があるということは最高裁の判例も含めて確立をされてきたことです。
今、ネット社会になりまして、何でも出していいと。何でもそれを面白がって広げていいという、そういうようなことが横行していますけれども、それに対して警鐘を鳴らすという意味は、少なくとも今回の判決にはあったのではないかなというふうに思います。
もちろん残された論点もあって、では、それについては本人が自ら語っていたかどうかで、いろんな法律効果が変わっていいのかどうかということであるとか、言わば差別を受けない権利と言ってもいいようなもの、そういうことの権利性が果たして、さきにこうした解放についての法律が国家で制定されましたけれども、その後においてもなお、その辺につきましてはまだ認識が十分でないのかもしれないと思わせるところもありまして、双方、上訴ということになったわけでございました。
例えば刑事事件などでよく言われるわけでございますけれども、刑事事件で、例えば物を盗んで判決が出る。あるいは殺人事件など、そうした事件を起こして判決が出る。その出るもの自体は、例えば罰金が300万円だとか、あるいは情状酌量で無期になるとか、いろいろあろうかと思うのですけれども、それは一つ一つは小さいかもしれません。しかし、その人は、もうこれはいかんなということで、本人がやめることになると。こういうのを特別予防というのですが、そういうことで個別にそうした自ら悔い改める、それによって行動を変えていくということがあるわけであります。
また、一般予防といいますけれども、広くそうしたものを一つの他山の石として多くの方々が共有をし、あっ、これはやっちゃいけないのだと、こういうことがあってはならないという認識を深めて、社会全体でそれを抑えていくと。そういうような一般予防ということも言われるわけであります。今回の判決は、そういう意味で、それをやっている当事者の皆さんにはぜひこのことを改めていただきたい、深く認識をしていただきたいと思いますし、また社会全体でも、あっ、これは損害賠償を払わなきゃいけなくなるのだと、あっ、こういうことをやっちゃいけないのだということを広く共有をしていただく必要があるのではないか。まだ訴訟は続きますけれども、そういう意味で、後世にとって意義のある裁判になっていただきたいと思っております。
◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)由田議員からの一般質問にお答え申し上げます。
私のほうには、特別支援学校の充実に向けて、切れ目のない支援体制についてどうかという点、2点目としまして、特別支援学校のセンター的機能、これと学校間の連携の状況、3点目としまして、今後の特別支援学校の在り方検討についてお尋ねをいただきました。
教育委員会でも、教育振興基本計画の中にこの特別支援教育の充実ということはきちんと位置づけながら、その具体の取組を進めてきているところですが、議員から御指摘もありましたように、近年は発達障害と診断されるお子さん、また、診断がなくとも、そういう状況にあるのではないかというふうなお子さんが増加しているなど、これまで以上にそれぞれ個々の状況に応じた支援の在り方を検討していくことが必要となっているところでございます。
その中で、1点目の切れ目のない支援というのは、そういう意味で、そういう小学校段階、中学校段階、高校段階と、子供さんの成長に従ってやはり個々の支援計画、あるいは指導計画、これを明確に立てながら、さらには、これは本人、保護者の同意が必要なのですが、それを引継ぎを校種間できちんとしながらということで、その指導の在り方の一貫性、あるいは連続性、これをしっかりつくっていくことが必要となっております。そのために、全学校にこの特別支援教育に関する手引を作り、どんなふうな支援、あるいは配慮をしていくべきかということの周知徹底を図っておりますし、また、県内の学校に14名のLD等専門員という非常に専門知識を備えた教員を配置しており、講習によって障害のある状況に応じた相談体制を取るようにしているところでございます。
また、高等学校にもそうした障害のあるお子さんが進学してきておられます。ようやくということなのですが、通級指導教室を全県で今4校設置をして、自立活動といった取組をつなげているところであり、そうした一貫性、連続性のある体制を全県下で進めていくことが必要であり、今後も取り組んでまいりたいと思っております。
2点目は、今のことと重複する部分もございますが、特別支援学校がこれまで培ってきたノウハウや知見を支援学校の生徒さんだけではなく、小学校、中学校、あるいは高等学校にもそうした対応が必要な生徒さんがいらっしゃることから、随時その相談体制を構築できるようにして、場合によっては、学校に出向いて、先生方への研修であったり、あるいは個別の相談、ケース会議に参加したりということで指導、助言を行う、そういう体制を今、全県下でしいているところでございます。
3点目でございますが、今後の在り方ということになるわけですが、これまでも様々な状況に応じて、その障害のニーズ、あるいは社会状況の変化に応じた取組を進めてきており、中部地区では令和2年度に盲学校、聾学校の附属教室センターをようやく開設することができました。わくわくという施設を設置して、中部地区を中心とした保護者への相談体制だったり、指導を行うようにするとか、先ほど申しましたが、高等学校にも通級教室を設置するなど取り組んできたところでございます。
まだ今後、年々変化していくであろうこの支援体制の在り方について、今後、では、どうあるべきかということで、審議会のほうでもう既に8回審議を行っていただいており、自立と社会参画に向けた切れ目のない支援体制づくりや、では、体制のない高校への支援の在り方、また学校現場と医療、福祉との連携、そういったあたりを今審議いただいているところでございます。
いずれにしましても、学校におきまして、そうした個々の状況に応じた支援の在り方は何がふさわしいのか、これを今後も追求しながら、支援の充実に努めてまいりたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)5番由田議員
◯5番(由田隆君)ありがとうございました。特に知事におかれましては、なかなか答弁しにくい内容であったにもかかわらず、コメントをいただきましたこと、感謝申し上げたいと思います。
実は知事にも教育長にも聞いていただきたいのですが、9月27日のあの東京地裁判決、その報告集会が11月21日にありまして、これは、こういう内容でこういうものを私が地域を中心に配布をしました。これは地域、被差別部落中心になったのですが、私の認識でも、倉吉市内、地区外から離れて居住している仲間、あるいは知り合いの方をよく承知していますので、これを配布、本来、コロナがありますので、ポスティングだけにしようと思っていましたけれども、ちょうど玄関の前に家人がおられて、お母さんだったのですけれども、少し内容を話して、渡そうとしました。部落から出て約10年が経過するその方は、ええっ、私にもか。すごい重たい言葉をいただいたように思いました。
今日、この後、再質問でやらせてもらうわけでありますが、実はこれは平成17年の古い資料なのですが、県内には17市町村に107の被差別部落があります。そして、6,218世帯、その時点では2万237人おられましたが、その5年前と比較したら、81世帯、1,581人が減少しています。これは、いわゆる亡くなられたり、そういう方もあるわけですが、私の知る限り、倉吉でも、東部でも西部でも例外はありませんが、部落から外に出て生活されている、居住されている人は結構、先ほど紹介した人のように、たくさんおられるわけですね。
近年の解放新聞を見ていますと、今、そういう方がターゲットになっている向きもあります。ある意味、さらし、暴く。ある例では、町内会で世話役をずっと続けてきて、自治会長をして活動しておられた方に、そういうところで暴いてさらす。これは全国的に今、多くなってきています。
例えば、ある商店街にお店を出したら、その出自は部落であったというようなことをネットに、あるいはビラを貼る。そういうことすら今、起きている。私の思いは、被差別部落の中に住んでいる人たちだけでなくして、そういう裾野が広がっている方にも、こういう集会に参加をして学習していただきたい。あるいは、自信を持っていただきたいという思いでもあったのですが、なかなか思うに任せないところもあったかなというふうに思っています。
2016年には部落差別解消推進法ができましたし、本当にこの法律ができても、こういうことにはなかなか無力であるというふうに私は感じています。今年の4月にも、この条例改正もありました。期待するところは大きいのですが、なかなかこれをもっても、こういう規制はできません。
そして、実は最近お聞きしたのですが、鳥取県も来年4月から、いわゆる部落解放・人権政策確立要求鳥取県実行委員会に正式に加入されるように伺っています。この人権政策確立要求鳥取県実行委員会は今、差別禁止法、そして、人権侵害救済法を国に求めています。その中に鳥取県が入って議論を尽くしていただけること、すごく喜んでいるものであります。
知事におかれましては、最後の質問になりますが、これらを通して、今回の東京地裁の一審判決も踏まえながら、今、鳥取県にも2万人余りの被差別の人たちが生活をしている、これからのその人たちの人権をいかに守っていくか。いや、それだけではありません。条例でいえば、あらゆる差別をなくするという視点ですから、障害のある方もジェンダーの方も、差別に苦しんでいる全ての方を救済するための決意を最後に伺って、この問題の締めにしたいと思います。
そして、教育長には、今、私の発言も聞いていただいたと思います。県内には107の被差別部落があって、少なからず児童生徒がいるわけであります。教育長から見たそういう子供たちの教育的課題が認識されていれば、お示しをいただきたいというふうに思います。1つ提言として、私はこのように思っているのです。やはり学校教育の中で部落問題を語るときも、やはり実感がないといけないと思うのです。この鳥取県にもこれだけの集落や世帯や人口がいて、差別に苦しんでいる、その裾野もある。学年の能力に応じてですけれどもね、やはりそういうところからしっかりと、すとんと胸に入るような人権教育をしていただきたいと思いますが、そのことも含めて御所見をいただければと思います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)由田議員の一般質問にお答え申し上げます。
重ねて、こういう部落差別の問題につきましての今後の決意についてお尋ねをいただいたところであります。
議員のほうからも御指摘いただきました部落解放・人権政策確立要求鳥取県実行委員会につきましては、かねてやり取りもさせていただきましたが、先月、倉吉市の事務局のほうから御案内がございまして、鳥取県としても加入をさせていただき、これまでももちろん同趣旨のことをやっておりますが、組織的な関わりを持って、今おっしゃったような問題解決に改めて当たっていきたいと、決意を申し上げたいと思います。
今お話を伺っておりまして、やはりそういうことがあるのだなということを思いました。ちょっと先ほども申しましたが、ネット社会がいろんなものをゆがめているように思うのです。ですから、デジタル社会構想推進会議の中でもちょっと私は異端かもしれませんが、ネット社会の負の面ということをやはり、専門家といいますか、どちらかというとプロバイダーとかそういう人たちの集まりなものですから、割とはっきりと申し上げさせていただいております。我々もいろんなことと出会ってみて、非常に苦労していると。
先ほどもワクチンのお話がございましたけれども、ワクチンについては、人の体の中にマイクロチップを埋め込む作業だみたいなことは普通は信じられないのですけれども、ただ、テレビも新聞も読まずに、あまり本も読まない、そういう人たちが、何かそういうことを書いてあると、何か妙に納得することってあるのですね。そういうことが元で、大変な社会的な弊害に広がっていくということがあります。
人間というのは非常に弱いもので、一人一人は孤独では生きていけないわけでありますが、ある意味、いじめと同じ心理構造で、それをむしろ悪用して、その人を追い込んでしまうということがある。これは命にも関わることでありますし、それは生命のみならず、例えば社会活動、職業を持って生活をしていくとか、あるいは地域の中でのいろんな活動だとか、子供たちの教育の場における地位であるとか、いろんなところに影響してくる。その反省を我々はしたはずなのですが、またネット社会という匿名性のある社会に入ってしまったものですから、その隠れていた、言わばみんなが理性で抑えていたものがまた噴き出しているような、そういう恐ろしさを感じるわけでございます。
そういう意味で、私ども、この議場での議論に基づき、人権尊重の社会づくり条例を先般改正させていただきました。そこにおきまして、全国でまだ例がないことだと思いますが、差別を受けない権利と言ってもいい、そういう包括的な差別禁止の条項というものを設けさせていただきました。それは別に部落の問題だけでなくて、今回の感染症の差別のことだとか、あるいは政治倫理やジェンダーのことであるとか、そういうことも全部含めてはっきりと書かせていただいて、つくらせていただきました。また、それを実効あらしめるために、教育が大事であると。この教育についての条項を設けさせていただいたり、また、いろんな調査であるとか、それから相談機能など、社会におけるそうしたセーフティーネットを張る事業につきましても、今回の条例の中には書かせていただきました。
現在、第4次の人権尊重の社会づくりの計画を策定いたしまして、今広く意見を求めているところでございますが、こうした観点を盛り込みながら、新しい差別事象についても明記をさせていただいています。その一つがデジタルのことでありまして、市町村と共同して、ネットモニタリングをしたり、削除要請をするということも明記をさせていただいておりますし、また、職場の中の差別、今、いろんなハラスメントの問題もございます。そうしたことも書かせていただいたり、性につきましても、男性、女性ということ以外の性的指向だとか性自認といったこと、これも同じようにクローズアップされている課題でありますので、今回はそうしたことなどにも挑戦的に書かせていただいております。
ぜひ、こうしたことを一つの我々の基本指針として、今、由田議員がおっしゃるような、いまだに起こっている残念な事象、追いかけてくるような、そして暴き出して、その方の生活を脅かすようなこと、これがないように全力を挙げていきたいと思いますし、そういう言わばしなやかな包容力は我が鳥取県にはあるはずだと思っていますので、多くの方々の深い賛同と理解が得られるように啓発活動、あるいは教育等を進めていければというふうに考えております。
先ほどのエピソードをお伺いして、私もちょっとうろ覚えであれですけれども、中学生の頃、島崎藤村の「破戒」を読んだことを思い出しました。最後のラストのところで、みんなから愛されていた人が、言わばそういう戒めを破って自分の出身というものを明らかにしてしまう。それによっていわれなき差別を受けて、結局は退場させられるという非常に社会性のある小説だったことを思い出しました。あの時代のみならず、今の時代でもそういうことが繰り返されていることに戦慄を覚えるわけであります。今回のこの新しい計画づくり、あるいは条例改正の契機に、私たち皆で正しくみんなで共に生きていける、そういう社会というものを目指してまいりたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)由田議員から重ねて私のほうにも、この問題に関しての所感といいますか、思いをということでお尋ねをいただきました。
今、知事のほうと由田議員さんとのやり取りを聞いていましても、この部落差別問題の重要性、そして、その解決に向けた思いの非常に強さというのをお二人のお言葉から感じたように思います。我々としましては、それをどんなふうにして学校現場の子供たちに、過去の歴史の問題ではなくて、今なお明らかに現存する問題であるということの認識をしっかり伝えていくこと。そして、もちろん指導する教員がその認識に立って、過去の問題ではないよ、今なお鳥取県でも、そして全国でもこうした問題、差別に苦しんでいる方々がいらっしゃること、それに対して、君たちはどうする、何ができる、今後どう生きる、そうした心から呼びかけをしていく、そういう指導が必要ではないかなということを強く痛感をいたしました。
そして、もう1点、この部落問題にかかわらず、安易な情報発信がSNS、インターネット、GIGAスクール構想もスタートしましたが、そしてまた、スマートフォンを中学生が6割も持っている。高校生はほとんど持っている。そんな中で、情報発信の持つ意味と危険性、これが本当に問われていく社会がもっともっと強まっていくのだろうなということを、今回のこの裁判事例から見ても、感じたところでございます。こうしたモラル、あるいは情報を扱っていくリテラシー、そういう言葉ではなくて、そうした情報発信の持つ意味をこの部落差別問題も絡めながらしっかり学ばせていくこと、そして、その上では、議員御指摘のあったように、実態から学ぶという実感性を伴った学びである、そのためにどうするかということを部落解放同盟の皆さん方とも意見交換する中で出てきたところでございます。ぜひそうした重みを心に届けられる、そんな学びに変えていけたらなというふうに思っているところでございます。
◯副議長(広谷直樹君)5番由田議員
◯5番(由田隆君)ありがとうございます。知事、ありがとうございました。教育長、ありがとうございます。
よくよく分かりました。ぜひ今の教育長の方向性で、県内の各市町村教育委員会等を通じて発信していただければというふうに思います。
それでは、琴の浦の高等特別支援学校について、時間はありませんが、何点か質問します。要点のみで御容赦ください。
先ほど、学びのことについて伺いました。確かに、そうです。これは、次の機会にします。
養護学校、琴の浦の1学年の定員40人ね。それで、入試、選抜入試というそうですが、40人の根拠をちょっと教えてください。
それと、2学科6コース、生産流通科、サービスビジネス科、あとコースがそれぞれ3つずつあるわけですが、これを選んだのはどういうことなのでしょうか。そして、東・中・西の地区ごとの生徒数、及び通学、あるいは寮があるわけですが、入寮状況について通告していましたので、簡単に御答弁いただければと思います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)由田議員から重ねて、琴の浦高等特別支援学校についてお尋ねをいただきました。
3点ございましたが、まず1点目の40人の定員については、学校設置前の平成22年に中学校における特別支援学級や、あるいは当時の特別支援学校における保護者の意向調査を行いました。その結果や、全国に既に設置してある全国の高等特別支援学校の状況等を勘案して、この40人を設定したものでございます。そうしたニーズの状況でありますとか、目指すのが、就労に向けた意欲ある、そして一定の学力が必要であるという、これは全国的に同様ですが、そういう状況から、入試を行う。これは、全国の学校が全てそうなっております。ただ、本県では、平均倍率が大体今、平均して1.1倍、今年度もちょうど40人の1.0倍でございました。大体そうしたニーズに合致した入学定員であり、入試になっているのではないかなというふうに思っております。
2点目、2学科6コースですが、これも同様に、この学校を設置する際に、当時の生徒たちがどんな分野に就職をしていたのかということや、当時の状況、企業ニーズ等を勘案して、今の2学科6コースを設置したものでございます。ただ、もちろんこれは時代や社会の状況によって変わっていきますので、今後必要であれば、そうしたことの変更も柔軟に検討する必要がございますが、それに向けた施設や設備、指導の関係ということも併せて検討する必要があるかなと思っているところでございます。
3点目は、各地区の生徒数、通学者ですが、今年現在、東部からは37人、中部からは28人、そして、西部からは48人の生徒さんが入学しておられ、入寮者は東部で13人、中部で1人、西部で10人という状況になってございます。
◯副議長(広谷直樹君)5番由田議員
◯5番(由田隆君)ありがとうございました。よく分かりました。25年開校ですから、22年ぐらいからいろいろ議論を重ねて、定員が決まったというふうに、これは分かります。ただ、私が危惧するのは、県内1校の学校の選抜入試。その裾野は、例えば同じ養護学校だとか、各学校で支援教室におる児童生徒と言ってもいいのでしょうか。そこで担当の先生などが、これは無理であるとか、大丈夫だとか、そういうようなことで私は、この9月議会で島谷議員さんが言われていた、この共生社会をつくる上で個性や能力をどう引き出すか、あのパラリンピックを見て、そのような感想を持って知事と議論していたのを見て、今回それにいわゆる触発されてというか、そういう思いで今回したのです。入試の是非までいきたいなぐらいに思っていますけれども、やはり広く門戸を開くべきではないでしょうか。そして、今聞けば、中部が一番少ない。西部、東部、私の調査、琴の浦の校長先生のお話を二度ばかりお聞きしに行きましたけれどもね、もう6時半ばぐらいの列車に乗って学校に来ている生徒もいる。そういう通学の状況の中で、本当に今、障害者に対する法整備、これは配慮になるのでしょうかというような気持ちになります。
それとあわせて、このコース、学科についても、1か所琴の浦で専門的な能力を持った先生を迎え入れると大変です。やはり分校だとか、新しい学校の建設も私は視野に入れるべきだろうと思っています。もうそこらも含めて、今回、令和8年からの学校教育のこと、10月にたしか答申も既にされていますよね。やはりそういうところで議論を深めておいてほしかったなというふうに思っているのです。やはり改めて新しいこの高等特別支援学校、高校、やはり考えてみる機会だと思うのですが、教育長の所見を伺います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)由田議員から重ねて、琴の浦高等特別支援学校の在り方についてお尋ねをいただきました。
先ほど申しましたとおりですが、この高等特別支援学校が目指すものは何なのか。つまり、それは子供たちにとってここはどんな学びを提供できる場なのかという、やはりその根本的な在り方をしっかりと確認、そして、今後も確かなものにしていく必要があろうというふうに思っております。1つには、働く能力、意欲、そして、学ぶという意欲、能力、そしてもう一つには、社会参画をしていく。つまり、これが自立ということになろうと思いますが、そういうふうな人材をしっかりこの3年間であっても築いていくことが必要なのだということ、この理念をしっかり実現する一つのハードルが入試という捉えになってございます。向かってきている生徒、先日、由田議員も学校のほうを訪問いただいたというふうに伺っております。私も9月議会終了後に学校のほうを伺って、生徒さんの様子も見させていただきましたが、今私が申しましたような思いが、先生方の指導がしっかり行き届いて、生徒たちが本当に生き生きと、そして、自覚的に自分で動く、そんな姿が学校内で随分見えたと思っております。そういう生徒さんをしっかり育てるためにも、その一つの意欲をはかる場としての入試というものを設定しているところでございます。
また、東部からの通学生、分校等についてのお話がございました。
私も、確かに智頭のほうから朝6時台の汽車で出発してという生徒さんがいらっしゃることはそのときにも伺ったところですが、そういう生徒さんのためにも、ここには寮を設置しているわけですが、中にはやはり支援が必要であるがゆえに、寮生活になじまない子供さんもいらっしゃることは確かであろうということを思っております。
ただ一方で、寮の中で共同生活をする、集団生活をして、ルールや、そして友達と切磋琢磨する、これも社会の自立に向けた大切な学びが寮にもあろうかなと思います。なじめない生徒さんに無理やり入れというわけでは決してございませんが、そういう寮を十分に活用していただくということと、分校、あるいは新たな学校をもう1校となれば、その体制なり、あるいは設備もしっかり整えていく必要があろうと思いますので、今々ということには当然ならないかと思いますが、今後の長い将来に向けた一つの展望の中に置いておいてもいいのかもしれませんけれども、今現状として、分校設置ということまでは考えておりません。いずれにしましても、そうした子供さんの実態に合わせながら、適切な指導ができるよう、今後も努めてまいります。
◯副議長(広谷直樹君)5番由田議員
◯5番(由田隆君)ありがとうございます。
あと、離職率だとか就職率だとか、そういうようなことを質問する準備をしていて、実は就職率、あるいは離職率、それに伴って、学校関係者がその人に対して、もう就職しているわけですから生徒ではないですね、その人に対しての再就職のあっせんまですごいフォローをしている。本当にもう頑張っているなというところも褒める質問を準備していたのですが、時間がありませんでした、申し訳ありません。先ほどのことも含めて、私もそう議員として長くないのですが、残された部分について、さらに勉強して、提言をできるように準備を進めたいというふうに思いますので、これからもよろしくお願いします。終わります。