鳥取県議会 2021-06-01
令和3年6月定例会(第2号) 本文
▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。
これより、代表質問を行っていただきます。
12番松田正議員
◯12番(松田正君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
鳥取県議会自由民主党の松田正でございます。
鳥取県議会自由民主党20名を代表して、平井知事、足羽教育長、
服部警察本部長はじめ執行部の皆さんに質問させていただきます。
まずもって、このような貴重な機会をいただきました会派の皆様に感謝を申し上げます。そして、先般就任されました内田新議長、広谷新副議長が率いられます新たな議場にて初めての質問をさせていただきますことを大変光栄に感じております。
本日は、ポストコロナに向けた新たな地方創生の礎づくりといった観点から、各分野にわたり質問させていただくこととし、壇上での質問を2回に分けさせていただきます。
1回目は、5の1、真の女性活躍に向けてまでをさせていただきたいので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、大要1点目、コロナ禍における新たな地方創生への礎づくりについて質問させていただきます。
令和という新時代の幕開けを目前にした平成31年4月に始動した平井県政4期目も2年が経過し、折り返しの時期を迎えました。知事は、4期目の選挙に当たり、ふるさと鳥取から新たな時代にふさわしい幸せの形と地域の活力を創造するための未来への礎づくりに挑戦しますと宣言され、安心新時代、しごと新時代、ひと新時代、暮らし新時代、ふるさと新時代という5つの柱立てによる55の政策項目を公約として掲げられました。
これまでの2年間を振り返りますと、今任期当初においては、人口減少の時代にありながら毎年2,000人超の移住者を受け入れ、大型クルーズ船の相次ぐ寄港、上海便など国際定期便の拡充、好調なインバウンド、企業立地の推進や県産品のブランド化など、地域経済は足元を固めながら復調の道を歩み始めておりました。
こうした中、令和元年11月に中国・武漢市から始まった
新型コロナウイルス感染症が瞬く間に全世界に拡大し、世界中の社会経済活動に甚大な影響を与えることとなりました。
県政運営においても、インバウンドをはじめ観光振興や国際交流、移住定住など本県の地方創生牽引の大きな柱となっていた国内外との交流を伴う取組は軒並み縮小を余儀なくされている状況でありますが、任期の折り返し点を迎えられた中で、改めて知事が掲げられた選挙公約の達成状況についてお尋ねいたします。
将来の見通しが困難なコロナ禍においても、鳥取県は昨年10月には2030年の鳥取県の姿を描いた鳥取県の将来ビジョンを改定され、また、今年4月には鳥取県令和新時代創生戦略を改定されました。
新型コロナウイルス感染症が続く現状においては、まずは感染拡大の防止や疲弊した社会経済活動の再生に取り組むべきと考えますが、
新型コロナ対策の切り札となるワクチン接種が全国で本格化を迎えようとしている中、県民の皆さんが将来に希望を抱くためにも、こうした県の将来像に向けた礎を築くことも必要かと思います。
今年度後半に向けてワクチン接種が進む中、一定のコロナ禍の落ち着きを見越しつつ、ポストコロナに向けた新たな地方創生の礎となる取組も進めていくべきと考えますが、任期後半においてどのように県政運営に臨まれるのか、知事の所見を伺います。
大要2つ目です。コロナ禍からの脱却に向けた財政運営について伺います。
今年度の地方財政計画では、コロナ禍の影響により国、地方を通じて税収の大幅減少が見込まれるなど厳しい財政状況にありながら、
地方交付税総額、
地方一般財源総額は前年度と同水準の額が確保されました。また、歳出面では、コロナ禍の影響を踏まえた当面の対策はもとより、デジタル化の推進、激甚化する自然災害に備えた防災・減災、国土強靱化の推進、まち・ひと・し
ごと創生事業費や
地域社会再生事業費など地方創生、地域社会の持続に向けた財源が確保されるなど、大変厳しい財政運営を強いられる地方に対して一定の配慮が図られたものと考えます。
こうした配慮の下、今年度は総額約3,500億円の当初予算を編成してきたわけでありますが、県内はもとより、国全体の経済が低迷する中で、来年度以降の予算編成については見通しが難しいのではないかと考えます。
こうした中、
新型コロナウイルスの第四波の対応として、全国知事会から要請を受けて、政府は
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の5,000億円の増額を閣議決定し、本県もこれらの財源を基に、先月24日に臨時議会を開催し、事業者支援等の緊急対策が予算化されたところであります。
今後もコロナ禍が収束するまで、
新型コロナウイルス感染症に係る
地方創生臨時交付金や
緊急包括支援交付金など、地方自治体が地域の実情に応じて実施する
感染拡大防止対策や経済雇用対策に必要となる財源について、臨機の措置が必要であります。
自由民主党鳥取県支部連合会としても党本部に対して要望しておりますが、県としても積極的に措置するよう、国に働きかけていく必要があると考えます。
あわせまして、来年度の国の概算要求に向けては、令和2年度限りとされている減収補填債の対象税目拡大の継続とともに、コロナ禍が収束するまでの感染防止対策や経済雇用対策に必要な財源をはじめ、地方創生の推進に必要なまち・ひと・し
ごと創生事業費、地域社会の維持・再生に必要な
地域社会再生事業費の継続など、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保について改めて国に働きかけていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
大要3点目、
新型コロナウイルス感染症の克服に向けて伺います。
新型コロナウイルス感染症は、ワクチン接種が進む欧州など一部を除き、インドを中心に世界中で変異株が猛威を振るい、我が国においても第四波の到来により大阪府や兵庫県において医療体制が逼迫する中、3度目の緊急事態宣言が発令されました。
県内においても、感染力が強い変異株の流行により3月下旬から1か月程度の間に4つのクラスターが発生し、新規感染者が140人に上るなど、第三波を上回る急激な感染拡大に改めて脅威を感じております。
本県では、積極的疫学調査の実施による早期検査、早期入院、早期治療という鳥取方式の徹底により感染拡大を食い止めてきており、慶應大学による各都道府県の
新型コロナ対策の評価においても全国で最も総合評価点が高いなど、その成果は高く評価されております。
ただし、この鳥取方式の運用は、保健所や医療関係者の皆様の献身的な努力の上に成り立っているものであり、県内においてワクチン接種が行き渡り、一定の集団免疫が獲得できるまで継続し続ける必要があります。
国立感染症研究所は、5月12日の
新型コロナ専門家会合において、全国的に90%以上が感染力の強い英国由来の変異株、アルファ株に置き換わり、変異株の重症化リスクは1.4倍高いとの分析結果を示すとともに、インド由来の変異株、デルタ株を新たに監視が必要な変異株に加えたと報告しました。
今後も新たな変異株の流行により急激な感染拡大が発生することも懸念されますが、限られた医療資源の中でいかに鳥取方式を徹底しながら進化し続ける
新型コロナウイルスと闘い、県民の命を守っていくのか、改めて知事の所見を伺います。
次に、
新型コロナウイルスワクチンの接種体制についてお尋ねします。
菅政権は、ワクチン接種を長引くコロナ対策の決め手とし、国を挙げて迅速な接種に取り組んでおります。県内においては、中部地域の5市町による共同接種や県営接種会場の開設など、医師会と連携した接種体制の構築に取り組み、全市町村が7月末までに高齢者接種を終える予定と伺っておりますが、現時点の進捗状況と7月末までの完了の見通し、副反応の発生状況等について知事にお尋ねします。
大要4点目であります。新たな国際秩序における拉致問題の早期解決に向けてお伺いします。
昭和52年10月21日の午後8時頃、自宅近くの編み物教室に向かった松本京子さんが北朝鮮に拉致されてから43年がたちました。本県においては、松本京子さんのほか、拉致された可能性がある特定失踪者として古都瑞子さん、矢倉富康さん、上田英司さん、拉致の可能性を排除できないとされている木町勇人さんがおられます。数十年の歳月を重ねる中、御本人や御家族が御高齢となられ、一刻も早い御対面を実現するためのあらゆる努力が必要であります。
今年3月下旬、
北朝鮮拉致問題早期解決促進鳥取県議会議員連盟、通称拉致議連でございますが、こちらにおいて
特定失踪者問題調査会の荒木和博代表を招き勉強会を開催し、松本京子さんのお兄さんの孟さんからも御家族の訴えをお伺いし、特定失踪者を含めた全被害者の一日も早い帰国実現に向け、思いを新たにしたところであります。
北朝鮮問題に関しましては、米国との関係が重要であり、
トランプ政権時代には米朝首脳会談が3回実施され、日本人拉致問題が提起されたこともあり、拉致問題の解決に期待もかかりましたが、残念ながら進展はありませんでした。
バイデン大統領就任後、菅首相との初の首脳会談において、日米が連携して拉致問題の即時解決を求めていくことが確認されました。5月22日に開催された菅自民党総裁と
自民党鳥取県連との意見交換会において、菅総裁より日米首脳会談時の話として、
バイデン大統領から拉致問題の解決に向けてのコミットメントをしっかり示していただいた、出席した国務長官と大統領補佐官もブルーリボンのバッジをつけていただくなど、拉致問題の重要性を認識していただいていると感じたとの発言がありました。
また、4月30日には、バイデン政権が対北朝鮮政策の検証作業を終了し、朝鮮半島の完全非核化に向け、外交を模索していく方針を示し、日米協調の下、拉致問題の解決に向けて前進するものと期待しております。
人権問題を重視し、国際協調路線を進めるバイデン政権が模索する新たな国際秩序の下、日本人拉致問題の進展の見通しについて知事の所見を伺います。あわせて、御本人も御家族も御高齢となり、残された時間が限られている中、改めて
拉致被害者全員の一日も早い御帰国に向けた知事の決意を伺います。
大要5点目、
ポストコロナ時代の新たな地方創生の実現に向けてお伺いします。
人口減少時代における持続可能な地域づくりについて。新たな観光スタイルの定着に向けてお伺いします。
長引くコロナ禍において、日常の喧騒から解き放たれ、大自然に包まれるひとときを楽しめるのはアウトドアツリーズムの醍醐味であり、昨今は大山キャンプ場におけるグランピングや琴浦町の一向平などにおける
フィンランド式サウナと組み合わせたキャンプのほか、登山やトレッキング、サイクリングやウオーキングなど、本県の自然豊かな観光資源は健康志向と相まって、ポストコロナにおける大きな強みになるものと考えております。
当面はこのコロナ禍の苦境をいかに克服するかが課題ではありますが、アウトドアでの滞在型、体験型観光の旅行ニーズに対して、
新型コロナ感染症の不安を感じさせない安心感を併せ持った周遊観光の磨き上げと誘客アプローチを進めていかなければなりません。こうしたポストコロナにおける新たな観光スタイルの確立に向けて、知事はどのように誘客戦略を描いておられるのかお尋ねします。
また、ポストコロナにおいて大きな目玉となり得る
サイクルツーリズムに関してお尋ねします。
皆生・
弓ヶ浜サイクリングコースや大山のダウンヒル、東西140キロにも及ぶ鳥取うみなみロードという本県の
サイクリングコースについて、まずは国内での誘客を図り、サイクリストの宿泊や休憩などの環境整備、県民の活用推進による機運醸成に取り組んでいただきたいと思います。こうした取組により、受入れ環境を整えつつ、コロナの状況をにらみながらインバウンドへのアプローチを準備し、国土交通省が認定する
ナショナルサイクルルートの指定を目指していただきたいと考えております。
今年3月には、この指定を目指す官民連携による
ワーキンググループが立ち上げられたとのことでありますが、今後、
ナショナルサイクルルートの指定に向け、スケジュール感をどのように取り組まれるのか。また、
ワーキンググループにおいて何を課題として捉え、ポストコロナを見据えてどう展開していかれるのか。コロナ禍のあおりで打撃を受けている
観光関連事業者の方々に対して、
サイクルツーリズムの大いなる可能性を踏まえて、知事の力強いメッセージをお願いいたします。
2点目、今後の国際交流と
観光インバウンドの基盤についてお尋ねします。
先頃、自民党青年局において、
台北駐日経済文化代表処の謝長廷処長を招いてリモート研修が行われました。1972年の日中共同声明以降も含めた歴史的背景や人流、物流の結びつきをお聞きし、改めて日台関係の重要性を実感するところに至ったところであります。
本県においても、梨の穂木の輸出などの農業交流に始まり、青少年、観光、スポーツ、文化など多岐にわたる分野での交流を継続して間もなく四半世紀を迎えようとしているところであります。平井知事におかれましても、3年前には台中市政府との間で友好交流協定を結ぶなど、将来に向けた強固な関係性を築いてこられました。
本県議会におきましても、昨年6月定例会において、台湾の
WHO世界保健機構参加を求める意見書を全会一致で可決したところであり、この4月には藤縄前議長とともに
台北駐大阪経済文化弁事処の李世丙処長とウェブ会議でお話しし、コロナ禍によって遮られた議会同士の交流、特にサイクリングを通じた相互交流の再開や農産品などの輸出入について前進していけるよう誓い合った次第であります。
台湾を取り巻く国際情勢は、台湾海峡有事の不安など心配事が多数ございますが、親日派の多い台湾は、我が国、我が県と相互交流の深化を図りやすい立ち位置にあるものと私は考えております。
改めて、ポストコロナにおける国際交流の方向性、ターゲットの考え方について、特に台湾との関係構築をこれまで以上に強化するような展開を考えてはどうかと思いますが、知事の所見を伺います。
次、3点目、
大山隠岐国立公園満喫プロジェクトの総括と今後の展望についてお伺いします。
国立公園満喫プロジェクトは、世界水準の
ナショナルパークとして日本の国立公園のブランド化を図ることを目標に、2015年から5年間で全国8か所の国立公園について訪日外国人を引きつける取組をモデル的に実施するものであり、
大山隠岐国立公園はそのうちの一つとして様々な取組が実施されました。
2020年に計画の最終年度を迎え、大山周辺では休憩機能や情報発信機能を強化した
大山ナショナルパークセンターや山頂避難小屋の整備、登山道の改修、案内看板の多言語化や公衆トイレの洋式化など、
インバウンド獲得に向けて様々な取組が進められたと考えております。
しかしながら、
訪日外国人観光客が目標に達しなかったこと、さらにこれまでの成果や課題を踏まえて取組を発展的に継続する必要があったことから、2020年2月に
満喫プロジェクトを継続することが合意されました。その後、
新型コロナウイルスの感染拡大により、観光分野は未曽有の影響を受けることとなりました。
その結果、今年2月、引き続き
大山隠岐国立公園独自の魅力を高めるとともに、
訪日外国人旅行者だけでなく国内旅行者もターゲットに定めた上で、国外からの利用者を回復することを目指し、
大山隠岐国立公園ステップアッププログラム2025が策定され、当面は中国・近畿地方など近隣の呼び込みに注力することとしております。
最終年度において
新型コロナウイルスの影響を受けるという不運はございましたが、当初計画の5年間の取組についての総括と残された課題について、知事の所見をお伺いします。
国立公園満喫プロジェクトは、これまでモデル事業として全国の8公園に重点投資されてきましたが、今後は幅広く横展開していくことから、これまでのように国からの財源が潤沢に回ってこないかもしれません。しかしながら、
大山隠岐国立公園は雄大な自然そのものが最大の魅力であり、ポストコロナにおいて三密を避けられる利点を生かして、引き続きハード面と併せて民間と連携した体験プログラムなどのソフト面のレベルアップも図る必要もあるかと考えますが、今後の展開について知事の所見をお伺いします。
4番目、こども庁創設を見据えた今後の少子化対策についてお伺いします。
平成31年2月定例会、
鳥取県議会自由民主党の代表質問において、本日傍聴にいらっしゃっております安田優子前県議会議員が次のとおり問題提起されました。
子供は家庭の宝であると同時に地域の宝であり、未来です。同時に、これまで子育ての主体を担ってきた母親を含めて女性の社会進出が欠かせない状況になってきた今日において、子育て環境の整備、とりわけ保育支援は、国、地方を問わず大きな社会的課題となってまいりました。この考え方は現在でも変わらず、むしろこのコロナ禍で一層の支援の重要性が明らかになったのではないでしょうか。
本県ではいち早くこの課題に取り組み、地域全体で子育てを支えることを目指して、平成22年に子育て王国とっとりの建国を宣言し、昨年10周年の節目の年を迎えました。この間、平成26年に子育て王国とっとり条例を制定し、市町村と連携し、保育料無償化や18歳までの小児医療費助成など先駆的取組を実施しており、その結果、合計特殊出生率が平成20年の1.43、全国17位から令和元年には1.63、全国6位に回復するなどの成果が表れております。
平成27年度にスタートした国の子ども・子育て支援新制度も開始から6年がたつ中、子供にまつわる各種の政策の所管が文科省、厚労省、内閣府と複数省庁にまたがっているため、制度分断により子供たちの待遇に差異が生じるなど、様々な問題点が見えてまいりました。
また、痛ましい虐待事案は近年増加傾向にある一方で、ヤングケアラーの実態が初めて調査されるなど、子供を取り巻く環境の問題点が浮き彫りになってまいりました。
こうした問題に対処するため、子供に関する課題を一元的に把握し、府省庁横断の総合調整、政策立案・遂行の強い権限を持った組織が必要とし、自由民主党ではこども庁創設に向け、総裁直属の「こども・若者」輝く未来創造本部を設置し、緊急決議を取りまとめました。
全国知事会においても、こども庁創設に対するアンケートを行った結果、本県を含む43道府県で賛成、残り4団体においても反対ではなく保留という回答とのことでありました。
政策により所管が複数省庁にまたがっている現状を打破し、子供の教育や福祉、医療などを一括して所管することで縦割り行政をなくすことが期待されますが、このこども庁の創設に対し、子育て王国とっとりのさらなる発展に向けてどのような期待を持たれているのか、知事にお尋ねします。
5点目、真の女性活躍に向けて質問いたします。
男女共同参画法の施行を受けて、平成13年4月1日、鳥取県
男女共同参画センターよりん彩は、
男女共同参画社会をつくるため、普及啓発、情報提供、相談、活動支援などを行っていく拠点施設として開設されました。愛称のよりん彩には、センターによりんさい、ちょっと立ち寄りませんかという気持ちと、老若男女が様々な彩りを寄せ合って
男女共同社会づくりの輪が広がってほしいという期待が込められているとのことであります。
先日、同僚議員と初めて私、よりん彩を視察に行かせていただきました。そこで感じたのが、男性の相談日など初めて聞くようなお話もありまして、本当の意味で女性活躍を目指す施設になっていただきたいなと感じたところであります。
先般報道もありましたが、同センターは本年、開所20周年を迎えるということであります。あわせて、当地倉吉市では来年10月には日本女性会議の開催が決まり、県としても相応の支援を考えているように伺っております。
このよりん彩についてでありますが、真の女性活躍を実現するための施設としてどのような未来像を描かれているのか知事の所見をお伺いし、以上で1回目の壇上での質問といたします。
◯議長(内田博長君)12番松田正議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田正議員の代表質問にお答えを申し上げます。
松田議員のほうからは、今のコロナ禍を乗り越えてこれから地方創生、あるいは新しい希望の光を見いだしていこうと、それは観光だとか、あるいは国際関係、あるいは女性のことなども含めまして多角的に切り込んでいただきました。
松田議員におかれましては、私の公約のことも先ほど述べていただきましたけれども、松田議員御自身も子供たちの未来のために、鳥取県再起動を掲げて私と一緒に選挙を戦った、あれから2年間ということになりました。その中に書かれておられますのは、例えば不妊治療のことであるとか、それからまた観光振興や中小企業振興、そうしたことなどを掲げておられまして、障害者のスポーツなども含めて、私と同じような未来を見詰めておられて闘ってこられているわけであります。心から御賛同申し上げますし、これから残り2年間、またこの任期を大切に奮闘してまいることをお誓いを申し上げたいと思います。
だからこそ、冒頭にこれまでの2年間を振り返ってお話をされたのかなというふうに思いました。正直申し上げまして、御質問のありました公約の達成状況、私のほうは89%、ほぼ9割近く達成してきておりますが、それはやはり様々な諸施策、そういうものであります。例えば産業であれば産業成長のための補助金をつくったり、そうしたことをやっていくとか、あるいは例えば救急や災害関係でもNet119というようなことを公約のほうに掲げてみたり、いろいろと具体的なことを書いておりますので、
スタートダッシュで最初の1年目、また2点目と積み重ねていったところでございました。
しかしながら、今それが昨年度以来、新型コロナで大きく基盤が損なわれつつあるわけであります。特に議員のほうでお取り上げいただいた国際関係などは根本的な出直しを迫られるような状況でありまして、正直申し上げて、観光も含めてゼロからの再スタートのような状況になってきております。そうしたところ関係の公約についてはいまだ達成のめどが立っていない、むしろもう一度目標を置き直してみなければいけないのではないかなというくらいであります。
しかし、これは世の歴史も繰り返していることかもしれません。疫病であるとか自然災害であるとか、そうした災厄を乗り越えて私たち鳥取県は立ち直ってきた歴史があるのだろうというふうに思います。
「花の様なる 巳之助さんは 惜しや淀江の焼け町に」と、淀江さんこ節の一節でございますけれども、1699年の淀江の大火、これが実は歌い込まれているわけですね。非常に明るいアップテンポな曲で、誰もが踊り出したくなるような、そういう淀江さんこ節は、全国から、あるいは海外の方からも親しまれるものに今なってきているわけでありますが、そこにはそうした大火を乗り越えて淀江の港町らしく力を振り絞って繁栄を築いてきた、そういう歴史が読み込まれているのだと思います。私たちは、そういう思いで心新たに再スタートを切るべき、それがこの折り返し点に立っている私たちの責務ではないかというふうに考えるわけでございます。
そういう意味で、いろいろと今後に向けての布石もここまで打ってきたところであります。例えばそうした災害等の関係でいえば物資の供給などが重要でありますが、発想を転換して岡山のインターチェンジのほうの近くですね、中国道のところであります。鴻池運輸さんと岡山県と共同して、最初のスタートとなる物質の発送拠点をつくることで合意させていただき、これを発災後直ちに立ち上げるというようなことをさせていただきました。こういうことなど、未来に向けての布石を着々と打っていかなければいけないのだというふうに思います。
特に今、新型コロナで厳しい状況にある飲食店などへのサポートをすることも重要でありまして、これについては松田議員はじめ県議の皆さん方、また各会派からも御要望をいただき、議員もおっしゃいましたが、さきの5月の臨時県議会におきまして、コロナ禍打破の特別応援金10億円を計上させていただくなどしているところであります。
実は今、こうした応援対策、飲食等、22億5,000万円に上る対策を打ってきているところでございまして、その多くは給付金であります。いまだかつてない投入をさせていただいていますが、それを上回る損失がある状況の中でございまして、今1,800億円に上る貸付けを無利子で行っておりますが、この後を見通していかなければいけない非常に厳しい状況でもあろうかと思います。
ただ、廣井良典先生、京都大学の先生がおっしゃっておりますように、都市集中型と地方分散型を比べた場合に、地方分散型のほうがむしろ健康ですとか、あるいは自然ですとか幸せですとか、そうした方向性としては有利性があると。このことが今、新型コロナの中で見直されてきているのではないかと思います。議員は地方創生を考え直すべきだという御主張を今されたわけでありますが、まさに同感でありまして、これからが本当の地方創生、すなわち地方に住むこと、地方で仕事をすることの確かさ、その成果というものが共通認識として持たれるようになったと思います。リモートワークであるとか副業であるとか、そうしたことなどが今急速に伸びてきているわけでありますが、これは今まで大都市の幻影に惑わされてきた人々が正直ベースで疫病によって目を見開いてみたところ、何と幸せのそういう種というのは鳥取のようなところにあるのだということに気がつき始めたのだと思います。
現実にも今、世界中が闘っている最大の相手はウイルスでありますが、このウイルスとの闘い、お集まりの県議の皆様や、また県民の皆様、こうした皆さんが力を合わせて全国で最も抑えている状況にある、このこともまた事実であります。これに全国の方々も注目をされていまして、住んでみるなら鳥取、このコロナが収まったら鳥取へ遊びに行こう、こういうことはネット上にも声としてあふれているようになりました。ですから、今はまだ見えぬ未来は決して真っ暗なものではないのではないか、そう考えて政策の立て直しを図っていく必要があるのではないかと思います。
そういう意味で、今日いろいろと議員のほうから御提案を具体的にいただきました。議員のほうからは、
地方創生臨時交付金や
緊急包括支援交付金など、こうしたもの等を要求していくべきではないだろうかということがありました。今申し上げましたように、反転攻勢をかける意味で、今後の財政運営にとり、地方財政をしっかりと堅持をすることが大切であります。
全国知事会でまとまりまして、6月10日にはみんなの声を上げさせていただきました。また、たび重ねて新型コロナに対応しながら、
地方創生臨時交付金や
緊急包括支援交付金、これの増額を求めてきたところであり、それは累次、政府のほうも応えてきているところであります。
本県も臨時の交付金のほう、それから緊急の包括支援交付金のほう、両方それぞれ200億円を超えるレベルで得ておりまして、これがあるからこそ思い切った対策が打てる、そういう状況にもなってきていますが、何せこの対策金が伸びてきておりますし、深刻化してきておりますので、今後もこれを追加を要求していく必要があります。
またさらに、まち・ひと・しごとの交付金、これは地方創生の交付金でありますが、全国ベースで1兆円というレベル、これも新年度に向けて確かなものとしていく必要があります。
さらに、今、地方団体間の財政格差を埋める意味で、地域の再生のための事業費を交付税の中で計上しています。これが鳥取県の税源偏在の影響を是正してくれているというところがありますが、これも求めていかなければなりません。そういう意味で、財政基盤確立の知事同盟、10県で構成しておりますが、こういうものでこの夏にも改めて要請活動をしたいというふうに思います。
政府のほうも、少しずつ新年度予算に向けて考え方を打ち出しつつあります。骨太の方針は18日の日になろうかと思いますが、閣議決定の予定と伺っております。この閣議決定に向けていろんな報道が今出てきているところでありますが、その中で新年度以降の地方財源、一般財源ですね、これにつきましては、令和4年度から6年度に向けて、これを今年度のベースを維持しようという方向性が報道されるようになってきました。これで62兆円が保障されるということになります。これが現実に予算の中でも今後向こう3年度にわたりまして維持されていくということは、我々残り2年の任期としては非常に大きな意味があるのではないかと期待をいたしております。
ただ、他方で
地方創生臨時交付金につきましては、こうした一時的なものは新型コロナ終息後は早急に見直すということも方針として出されるようです。この辺はマイナス要因になってこようかと思います。
いずれにいたしましても、しっかりとした財政運営ができるように国に対して求めてまいりたいと考えておりまして、ぜひ議員各位の御協力もいただければと思います。
次に、新型コロナにつきまして、何点かお尋ねがございました。鳥取方式を徹底しながらどうやって県民の命を守っていく決意なのか、またワクチンが重要なポイントであるという認識を上げられまして、それで現在の接種の進捗状況、それから7月末までの完了の見通し、副反応の発生状況についてお尋ねをいただいたところでございます。
副反応の状況につきましては、福祉保健部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
新型コロナでありますが、これにつきましては、先ほど申しましたように議員各位、そして医療事業者、また県民やお店等の事業者、様々な御協力をいただきまして、まずは予防が徹底できているということが一つ上げられようかと思います。この意識は、やはり大都会のニュース報道などを見ていても大分違うのではないかなというふうに思います。そういう人々の考え方、それがベースにあって、私どもは鳥取方式という早期検査、早期入院、早期治療を徹底してまいりました。特にこれが第三波、第四波という非常に急激に全国で感染が拡大したときに、我々も厳しいところになりましたけれども、有効であったのではないかなというふうに思います。
そういうようなことで、現在鳥取県の陽性者、累計で466名というのは、これは全国でも際立って少ない、最も少ないところであり、また島根県が551名で、両県、これは際立って少ないところであります。その上は秋田県であり、そこから上は皆1,000件以上でありまして、1万を超えるところもざらになってまいりました。全然レベルが違う感染状況でありまして、特に陽性率は0.6%で、これも全国一少ない。これは検査も多いということもありますし、発生数が抑えられていることのあかしでもあります。
こんなようなことで、私たちは成果を上げることができました。─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────いずれにしましても、山陰両県はよく収めているほうであろうかと思います。
その秘訣が鳥取方式と我々が呼んでいるもので、島根県さんも同じようなことをやっています。今日実はこれから、本会議が終わった後に、私はリモートで新型コロナ分科会に出席をさせていただくことになっております。昨日も実は尾身分科会長からお電話がございまして、今日こんなことを議論したいというようなお話がございました。そこで、私のほうでかねて申し上げておりますが、第三波、第四波を経験して鳥取の経験が生きるのではないかと思っています。そこで、ぜひ分科会として、政府としてこれからのデルタ株、第五波に向かおうと思ったときに、早期検査の意味をよく理解をしていただいて徹底していただくことが必要ではないか、このことを強く申し上げようと考えていたところであります。
第三波、第四波で大分差がついたのですね。これで他県と大きくレベルの違う形になりました。うちも年末時点では119件だったですから、それから比べますと350件くらい今増えているわけでありまして、そのうちの半分ずつが大体三波、四波というようなぐらいであります。
非常に多くの患者さんが出たのもまた事実なのですけれども、患者さんが広がるスピードが非常に速いものですから、その日のうちに検査をする、それも陽性者が出たときに濃厚接触者に限らずローラー的に検査をする、これが実は他県はやっていないのですね。だから見逃しが出るわけです。結局この検査対象にならなかった人からまた広がりますので、これがどんどんねずみ算式に増えていく。これが全国のこういう急速なカーブで上がっていく原因なわけです。本県は、見つけたときにローラーをかけます。そのとき、一時的にはきゅうっと上がります。つまり、発見する人の数が多いですから。陽性者がきゅっと増えますけれども、その後ずうっと押し下げていくのですね。これがコツだなということが分かったわけであります。
第四波でも同じようなことをやりまして、鳥取保健所、深澤市長、関係者とも話をしますが、やはりこれをやっていくこと以外手法はないだろうと、我々実務としては話し合ったところです。早めに多く検査をすると。このことで一時的にはうわっと数が増えますので、病院は大丈夫かとか少し心配になるのですけれども、必ずそれは波の広がりに追いつくときがあります。追いついた後は、あとはその中で発生をしてくるというものですね。
昨日も島根の雲南市の例が出ていますけれども、あれも既に接触者として検査をした陰性だった人が陽性になっているというケースですね。ああいうものは既にもうほかの人と接触しなくなっていますから、それ以上増えることはないわけです。ですから、よく実務をやっておられる中心におられた中央の先生方は、早めにPCR検査をし過ぎると陰性になるかもしれず無駄打ちになるから、少し待ってからしろということを実は当初言っていました。我々はそれを無視して先にやるわけですね。最初陰性が出ても、その後動かないでくださいとやるわけです。ですから、そこでまた陽性者が出ても、必ずその方は入院ということで医療ケアに回すことができる。これ以上感染は広がらないというゾーンをつくるわけですね。これが一つのポイントになると思っています。
ですから、今日も分科会のほうでそうした鳥取方式を申し上げていきたいと思いますし、これからこれを駆使して次のデルタ株にも備えていきたいと思います。
このデルタ株関係では、本議会のほうにも5,000万円の追加予算をお願いしております。いろいろと科学的な手法を駆使したり、まだ見ぬウイルスでありますので、そのときの特別の対応にも耐えられるように予算計上をさせていただいたところでございます。
ワクチン接種についてもお話がありました。これがもう一つの決め手になると思うのですね。一つは感染拡大、デルタ株になってもこれを抑え込んでいくことが非常に重要でございますし、その時間稼ぎしている間にワクチンを数多くの方に打っていただいて集団免疫をつけていただく、これができれば、鳥取県の大勝利になると思っています。もちろんワクチンは万全ではないですが、そのうちまた抜本的な治療薬、これもできてくるでありましょう。こういうものを時間稼ぎしながらやっていくというのが感染症対策の一番いい道ではないかなと考えております。
そのワクチン接種についてでありますが、今、一番直近の内閣府が公表しているデータでは、鳥取県は第1回接種が15.85%、それから第2回接種が4.64%ということであります。これは、全国47都道府県でどちらも第3位であります。ですから、今のところは非常にパフォーマンスよくできてきていますが、これは2月頃から私どもも本格的に医師会ですとか、それから首長さんと直接話をさせていただいて、体制を整えてきたことの表れだと思っております。このワクチンは県だけではできませんので、市町村や現場のお医者さんの協力がぜひとも必要であります。また、看護協会や薬剤師会、それから今打ち手として、今週末から歯科医師さんも入ってもらいます。歯科医師会の渡部会長にも御配慮いただきまして、100名以上の歯科医師さんが協力していただけるということになりました。
今後もこういうようなことをてこにして、私たちはワクチン接種を広げていこうと考えております。ただ、その際、今ファイザーのワクチンでありますけれども、これが7月のクールでは65箱にとどまるということでありまして、100箱余りの市町村要望があったところ、その6掛け強、3分の2ぐらいということでございます。その多くは都市部で配れないということを国のほうが内示をしてきまして、これを昨日まで市側と調整をして、最終的には御了解をいただいております。
ファイザーが急に細るのですね。これは本県だけの問題ではありません。実は本県の場合、かなり認めてもらった結果、65に戻しているという状況であります。と申しますのは、国がこのたび公表したのですが、全国で接種率がいいところの市町村に重点的に配ると。今回市町村ごとに着目をしました。その接種が進んでいる市町村の数は、本県は19のうち13の町村が済んでいるという判定でございまして、これは他県は3つ、4つ、5つぐらいのことなのです。だから、他県の倍ほどの数、割合で実は本県は個別の市町村が接種率がいいという判定がありまして、これで若干のボーナスをもらって65箱ということであります。ですから、ぎりぎりいっぱいもらっているとは思うのですが、非常に厳しい中でやはり職域接種とか、今週末からの県営接種会場とか、それから市町村におけるファイザー以外のモデルナ接種、これの活用を進めようというのが急遽戦略として浮上してきたところでありました。
そこで、6月11日にワクチン接種体制協議会を開催しまして、医療関係者や市町村長と話合いをし、みんなでではこれでやっていこうと、それでやりたい市町村が手を挙げましたし、商工団体等も参加をされておりまして、現在職域接種は10の団体がエントリーをしておられます。今、非常に急速にそこを増やしてきているところでございます。
こういうような中で、7月末の完了という菅総理のお話ではありますが、本県では既に若桜町が一般接種に入っておられますし、今月中にも数町村がここに入ってきます。現実には、高齢者接種が打ち止め感というのですかね、予約が止まってきて、もうこれ以上伸びないという状況に都市部もなってきておりまして、早晩一般接種を開始していくということになります。
鳥取県も今、県営接種をやっていますが、鳥取会場、米子会場ともこうした形で一般接種のほうにワクチンの余裕がある分は回して接種をしていくという方針で両市と協議をしているところでございまして、こういうような形で進んでいくことになろうかと思います。ですから、7月末の完了ということは各市町村一定程度整う見通しであると思いますし、むしろ早いところでは8月の上旬にも一般接種も完了してくるというところが出てくる見通しであります。
そのためには、やはりワクチンがちょっと不足感がありますので、いろんな我々なりの戦略を通じてワクチンをしっかり取ってくると。それから打ち手、あるいはそこの会場のコーディネート、それからそれを差配する事務的な手続等々、この辺も応援のスキームを組んでいこうということであります。本県としては、こうした職域接種につきましても、5,000万円の助成制度をつくらせていただこうと本会議に提案しておりまして、こういうようなことでファイザーが細る状況がある中でもモデルナでそれを補完していくと。特に職域の場合は、都市部に多く出ると思います。したがいまして、都市部の進捗がやはり町村部よりも遅れぎみでありますので、そこを補う効果が出るのではないかと考えております。
次に、人権問題、拉致問題につきましてお尋ねがございました。これにつきましては、議員もおっしゃったように国際的にも人権問題が注目をされている中でありまして、特にこのたびはイギリスにおいて、ジョンソン首相の主催の下、G7が開催をされました。コーンウォールのあの浜辺に首脳が集まりました。そこで最終的に取りまとめられました宣言の中に地域問題として北朝鮮も取り上げられ、その北朝鮮の記述の中に北朝鮮に対する人権尊重を求め、それで拉致については解決を求めると、こういうくだりが書かれたところでございます。世界の首脳の合意事項にこのたび達したわけでございます。
他方で、北朝鮮のほうも状況が若干変わってきておりまして、身近なところでいえば4月6日のことでありますけれども、突如北朝鮮は東京オリンピック不参加を表明されました。理由としては感染症の問題ということではありますけれども、コミュニケーションの機会というものを積極的にまだ取ろうとしていないのかなと思います。
これにつきましては、松本さんの御家族も今大変な状況の中で非常に心を痛めておられまして、私どもとしても、亡くなられた御家族もいらっしゃいますし、哀悼の意を表しながら、その意をぜひ政府のほうへ届けようと、たび重ねて中央のほうにも伺っております。決起集会のような場におきましても、議連の皆様にも御出席をいただきまして、みんなで心を一つに声を上げているというのが現状でございます。
これにつきましては、アメリカにも当然届いているわけでありまして、日米首脳会談の中でも取り上げられているところであり、
バイデン大統領も今、北朝鮮対策としては現実的なアプローチを取ろうというふうに軌道修正をされているところでございます。その現実的なアプローチがどういうものになるのか詳細は我々もよく分からないところではありますが、その交渉の中でぜひ北朝鮮問題を取り上げていただきたい、そしてこの問題の中の核心である拉致問題、この解決をお願いしたいということを政府のほうにもこれからもしっかりと伝えてまいりたいと思います。
先般は米子北斗高校におきまして、松本孟さんも講師の役目を務められて講座を持たれました。子供たちも熱心に耳を傾けていたところであります。また、今、「めぐみへの誓い」という映画が封切られたところでありまして、これも議連の関係の皆様など、上映の機会を検討されているというふうに伺っているところであります。
10月頃になるかと思いますが、また米子の地で国民のつどいということを企画させていただいているところでございまして、我々としても手を緩めることなく、この願いを我々として発信してまいりたいというふうに考えております。
総理の日米首脳会談に臨むに当たりまして、4月5日には拉致対策の石川事務局長さん、それから4月6日には拉致大臣の加藤官房長官に、私も松本さんの声と併せて、こうした思いを届けているところでございます。
次に、ポストコロナにおける観光スタイルにつきまして、何点かお尋ねがございました。アウトドアでの滞在型、体験型観光、そういう新たな観光スタイルの確立をどういうふうに図っていくのか、特にサイクリング、
サイクルツーリズムというものの可能性があるのではないか、こういうお尋ねがございました。
アウトドアツーリズムの関係ですけれども、本県は観光が昨年度はコロナで非常に厳しかったところでありますが、アウトドアツーリズムの関係はほぼ横ばいで、95%の入り込みということでありました。むしろ、例えばキャンプだとかそういうところにリピーターがあったり、結構遠方から来られるというようなことがあったり、大分トレンドが変わってきているということもこのコロナの中で感じています。
アウトドアツーリズムと言っていいのか分かりませんが、砂丘観光もそうでありまして、昨年のシルバーウイークでも急速に検索件数が上がりまして、有名なテーマパークを上回る、そういう検索数になるなど、人々の志向性が変わってきているところだと思います。そういう中で、議員がおっしゃる
サイクルツーリズムは、その切り札にもなり得るものではないかと思います。
今コロナ禍でありますが、キャンプも「とりキャン」というテーマでやってみようと、私どもも動き始めているところです。それで、ウェブサイトを立ち上げたり、それから「なっぷ」というキャンパーたちには有名なサイトがありまして、これは予約などもできるサイトです。こういうところと提携をしてPRを図っていこうと、こういうような新たな取組を始めさせていただいているところであります。
また、例えば砂丘地におけるファットバイクとか、アウトドア観光のそういうお店、事業者の方々も率先して認証店等を取得されまして、安心できる観光というものを目指されております。そういう方々とも提携している。キャンプにつきましても、私どももゴールデンウイークの前には一斉点検をして、キャンパーにも安心していただき、地元の方も安心できるような、そういうマナーアップだとか、それから例えばいろんな施設の点検をさせていただいたところであります。こういうようなことを通じて、コロナ禍ではありますが、私どももアウトドアへの志向性を高めていってはどうかと思っております。
現に、カルチュア・コンビニエンス・クラブというところがやった調査なのですが、若い方々の大体2割ぐらいがこのコロナ禍でアウトドアを始めたというようなことであります。そういう調査結果がありますし、そこでアウトドアに何を期待するかということで聞いてみますと、バーベキューとか、それから意外にも星空、それから花火。星空が第3位だったと思いますが、そういうのが入っているのですね。そうすると、やはり鳥取県は星取県という、そういうよさもありますので、キャンプ好適地なのかもしれないと。確かにそうした意味では、都会地でキャンプをするよりもよほど環境がいいのだろうというふうに思います。
ただ、この辺の言わばターゲットは今までと違いますので、どういうふうに売り込んでいくかというのは考えどころであります。そこで、今企画をしておりますのは、モンベルクラブという、これはモンベルさん、うちの大山のほうにショップがありまして、辰野会長がもともと大山で冬山トレーニングをしていた、そういう思い出からこういうふうに発展をしてきているわけでありますが、モンベルさんが実は今アウトドアブームで、コロナ禍ではありますけれども会員数を増やしているのですね。100万人クラスであります。そこのフレンドリーエリアとして全県登録してはどうだろうかと。県内でも一部地域でそういう登録をしていましたが、本県としてもそういうふうにして全県的に全国のそういう愛好者の方々にプロモーションをかけてみてはどうかと考えております。いろいろと戦略を練ってこのアウトドア時代を開いていければと思います。
そういう意味で、サイクリングも重要でありますが、特に草分け的だったのが平成4年からやっておられますサイクルカーニバルinYODOEでございます。これも地元の若い方々を中心としてされていましたが、コロナ前の令和元年度には450人ぐらい参加されて、過去最多だったというふうに伺っております。公約の話が先ほどありましたが、私もその中に入れていたのが、こういう
サイクルツーリズム、サイクルルートの整備でありました。現実には、就任早々、令和元年3月に松原を走ります白砂青松の弓ヶ浜のルート、これが完成をしたところでございました。あちらでは今、境港のショップのほうでレンタサイクルの乗り捨て事業というのを始めたところでございます。こういうようなことをされるなど、今動きが出始めていますし、それだけ顧客がつき始めているということです。
議員のほうで御指摘がございました
ナショナルサイクルルート、これも一つの目標として一里塚として考えようではないか、そういう意味で官民を挙げての組織を立ち上げまして、今こういう
ナショナルサイクルルートの指定誘致運動も含めまして、今開始をしたところでございます。
ただ、いろいろとハードルはございますので、今後そのハードルを乗り越えながら、次の節目、恐らく数年後になると思うのですね。本来すぐに毎年のように指定するわけではないものだと聞いておりますし、高橋さんという北海道の専門家の方、この方は西部の商工会のほうとも一緒になってイベントをやったりされていますが、この方のお話ですと、やはりまずは一定期間で体制を整えていくということが大事だろうと。そのためには、いろんなハードルがあるわけですね。例えば60キロごとに宿を整備しなければいけない。これについては先般、山紫苑が本県で第1号のサイクリストに優しい宿に指定をされたところでありますが、ただ、それで十分かというと、例えば湯梨浜とかそうしたところでもやろうかという動きがようやく出てきている。また、20キロごとにサイクルステーション、エイドセンターというものをつくっていかなければいけない。また、ルートの中でも、例えば路側帯のところですね、1メートルぐらい空けられないかと。そこに白線を引けばいいのですけれども、1メートルなければ矢印を標示をしながら、ここはサイクリストが通りますよということを明らかにする。トンネルの中での安全対策、看板をつけたりして、こういうことをいろいろとやっていかなければいけません。ですから、正直一朝一夕でできないのですね。手を挙げたから指定されるというものではなくて、地元として体制を組んでいかなければなりません。そうしたことを地道に始めていくためにも、まずは運動を起こそうということになろうかというふうに考えているところでございます。
次に、ポストコロナにおける国際交流の方向性、そして台湾との関係が重要ではないかと、こういうお尋ねがございました。
コロナによりまして、いろいろと目算が狂ったり、振出しに戻ったりということが続きます。実は、時差がありますので昨夜遅く、カリブ海のジャマイカとテレビ会議で本県関係者、それから鳥取市といった開催受入れ市が協議をすることといたしておりました。ここに至るまで、ジャマイカとオリンピックのキャンプ地誘致について話合いを続けてきており、当然ながらジャマイカはそれに向けて非常に期待感も持っていたところでありますし、地元のほうでも準備を今本格化させようというところではあったわけでありますが、今の新型コロナの状況がありまして、いろんな制約がかかります。例えばバブル方式という受け入れ方、バブル方式というのは、一つの同じ飛行機に乗ってきた人、入国時からそれを全部一つの固まりにして持っていかなければいけないということであります。この方々と外との接触を断つ。これは一つのモデルとしては非常に簡単なモデルなのですが、ただ、これを実行しようと思いますと、トレーニングなどにいろいろと支障が出かねないところがあります。それから、当然ながら様々衛生対策とか、ホテルでの対策だとかいろいろあります。我々はできることはやるという考え方ではいたわけでありますが、率直にやはり協議すべきだろうと。今の政府なり、あるいは組織委員会のほうで示している安全・安心の対策、これを守るためにはこういうような制約がありますよということを、これを我々としても明確にジャマイカ側にも伝えておりました。それで先方としてどうされるか御検討をされていたところでありますが、昨夜遅くの会議の中で、このたびは見送るということでの意思表示がございました。私どもとしては、この新型コロナの状況の中でありますので、その判断を快く受け入れたいと思います。
それで、その際、サミューダさんというあちらのJOA、ジャマイカオリンピック協会の会長がおっしゃっておりましたけれども、これは新しい交流のニュービギニング、始まりであると、そういうように考えると。これからまた機会があれば鳥取を訪れたいし、ただ、残念ながら今回そういう諸制約の中で鳥取に入ることは、オリンピックを前にしたトレーニングとしてはジャマイカ選手団としてはポジティブには考えにくいと、こういうようなお話がございました。
災い転じて福となすべきでありまして、こういうような事例は境港でもセーリング協会の皆様等が非常に心を砕いて準備をされておりながら、実際安田優子前会長も今の会長さんも頑張られておりましたけれども、やはり事前に入国することの難しさが今の新型コロナで出てしまいまして、ジャマイカの皆さんも鳥取が一生懸命受け入れようとしていたことには本当に感謝していると、ただ、COVID、コロナが全てを壊してしまったと、こういうようなことをおっしゃっているところであります。
ちなみに、パラリンピックにつきましては、今どうするか、先方は協議を継続しておられるということでありますが、オリンピックにつきましては鳥取市、米子市におけるキャンプは見送りということになります。残りは、オリンピック関係ではフランスのクライミングでございますけれども、それをまた今後もよく先方とも協議をしながら、安全・安心な受け入れ方も含めて、今後準備を考えていきたいということになろうかと思います。
事ほどさようでございまして、いろんなものの予定が狂いますけれども、ただ、面白いもので、それでかえって心がつながることもあると思うのですね。オリンピックというのはそういう作用が多分あって、世界中が和解する機会としてオリンピックが考えられてきたというものでありますので、その大義には関係国の皆さんも心を向けておられる。したがいまして、ジャマイカもこれで終わりではなく、今後に向けたニュービギニングというふうにお互い考えようということになったところであります。
同様のことは環日本海の地域の諸国との間、関係地域との間にもあることであり、本県としては韓国江原道だとか、あるいは中国吉林省や河北省、またロシアの沿海地方というものがありますし、さらにアメリカのほうでバーモント州であるとかそうした地域、またモンゴルの中央県、こうしたところがいろいろとあります。全て交流が今リモート系になっていまして、明確な人的交流になっていない感はありますけれども、ただ、そうした友情というものは、世界の平和ということ、あるいは子供たちの今後の国際人としての活躍なども視野に継続していくべきものだろうと思います。
そういう中、台湾というのは、実はコロナに入る前に急速に地歩が固まってきた交流相手でもありました。台湾につきましても、2018年、平成30年に私も台中のほうに参りましたけれども、関係の皆様にもお越しをいただきまして、現地で姉妹都市交流をさせていただきました。こういうことを契機としながら、そこに例えば議会も含めた自転車交流団が行かれるなどの熱心な交流がございまして、実際はコロナ前には39往復のチャーター便が飛ぶというようなことになっていたところでございます。
そういうような形で伸びておりましたし、それをまたコロナの状況ではありますけれども、例えば台湾のエバー航空さんの系列のグリーンローレルホテルを活用しまして、和牛をはじめとした鳥取の物産展、観光の魅力の発信などをさせていただいたり、また鳳凰旅行社という台湾の大手旅行社、こうしたものと提携をしながら台北でのプロモーションをしたり、また和牛のオークションをこの間、台湾でやったり、こういうことなどを活発に今も現実には人の行き来はできない中で行ってきているというところでございます。
これは今後も続けていくこととしておりまして、例えば裕毛屋さんという台中市の高級スーパーマーケット、こちらと提携しての観光物産展をまたやろうということで合意をしておりますし、そのほか、例えば先ほどの鳳凰旅行社さんが中心となりまして台湾の10を超えるような旅行社で集まって、鳥取ファンクラブをつくろうという動きに今なってきています。我々としても、コロナ後に向けてこうした御縁を続けて、またチャーター便から元へ戻していくのだと思いますが、いずれは定期航空路開設も一つの大きな目標としながら、交流拡大を図ってまいりたいと思います。
台湾には、このたび日本政府のほうからアストラゼネカ社のワクチンが120万個送られまして、現地では非常に感謝をされている。そのワクチン接種が台湾で始まったというニュースが入ってまいりました。ぜひ、そうした意味で台湾交流、これも今後の核としてまいりたいと思います。
次に、
大山隠岐国立公園につきましてお尋ねがございました。これにつきましては、当初計画の5か年の状況と、それから今後の展開ということでお話がございました。
このプロジェクト自体は外国人観光客を増やしていこうということでありましたけれども、現実にもこのプロジェクトの期間中に外国人の観光客は大幅に増えました。倍増というか、そういう勢いで増えたところであります。
その間、西部のほうの資金供与も得まして、頂上の避難小屋であるとか、6合目のところのトイレの改修であるとか、それからビジターセンターですね、駐車場のところであるとか、本県としてもあそこの自然の展示館等も直したり、いろいろと関係先が動きました。コモレビトというような、そういう施設もできたりしまして、この5年間で大分さま変わりをしてくる大きな効果はあったと思います。
これを今後にも生かしていこうということで、ステップアッププログラムというのを関係者で組織をして進めることといたしております。例えばそういう中で今一つされているのは、先ほどのモンベルさんが核になりまして、下山のキャンプ場、これのリニューアルをされているところであります。これはDBOと言われるような手法でありますが、デザイン・ビルド・オペレーションというようなものでありまして、例えばここはサイクリストの方が駐輪をして、それで上がっていくことができるような利便施設とか、従来の単なる駐車場とかとはまた違った、そういうものも含めてやっていこうとか、こういう工夫がなされているところでございます。
また、地元のほうでも、コロナの状況の中ではございますけれども、プリムローズガーデン、結婚式場さんが中心になられまして、食材を提供したそういう屋外でのイベントをされたり、いろいろと動いているところであります。
大山の魅力というのは、議員がおっしゃるようにコロナ後にふさわしいテーマではないかと思います。そういう意味で、関係者とステップアッププログラムなど、今後のてこ入れ、促進を図ってまいりたいと思います。
次に、こども庁の創設につきましてお尋ねがございました。これにどういうような期待を持っているのかと、こういうことであります。
これは、自民党のほうの提案があって、「こどもまんなか」というキャッチフレーズの下に子育て対策、次世代対策をやろうということであります。その下でこども庁創設という構想が持ち上がりまして、これからまとめられる骨太の方針にも書かれるのかなと思いますし、今後の政治テーマになってくるのではないかと思います。
実は、私ども知事のほうでも、将来世代応援知事同盟というのを18の県でつくっていまして、こういうところでもこうしたことをかねて主張してまいりました。日本はあまりにもGDP比で子育て対策の経費が少ないです。大体3%弱、2.9とかそういうところですが、平均的には先進国で4%を超えていますし、北欧のほうでは6%を超えるような状況であります。やはり子育て対策はお金を投入しても成果が得られにくいというふうに国の財政当局は考えてきた節がありまして、確かに即効性があるようには見えないのですけれども、じわじわと効いてくるところであります。本県も平成23年に子育て王国推進局をつくりました。このときにまとめさせていただいたのが福祉保健系の子育て対策と青少年の対策などをまとめ、またその後、今、子育て・人財局になっていますが、これは教育関係をさらに追加して今に至っているわけであります。
これで子育て王国推進をテーマに様々な施策をやってまいりました。例えば少人数学級を小中学校全部に広げていくと。かつて安田優子議員などが質問されまして、それでいずれ国がやることになったから先回りをして鳥取でやれと、私もその言葉をうのみにしまして、先行して小学生から中学生まで全部やったのですが、いつまでたっても国が動かないと。(笑声)大分その間損した形にはなっていますけれども、ここに来て、今度の骨太の中でも中学生の少人数も入れようかという議論が報道されるようになってきました。小学校だけでなくてですね。だから、大分世の中は今、変わりつつあるのだと思います。
また、保育問題もそうでありますけれども、保育の無償化など先鋭的にやってきたことに国も追っかけてきている感じになってきています。そのための組織づくりというのは大切でありまして、こども庁はそういう意味で期待できる、縦割り打破になればありがたいなと思います。
本県もそういうような縦割り打破をやったのですが、イギリスも1998年に、これも保健省と、それから教育省の事務のやりくりがございまして、就学前教育や保育の部分は教育省のほうに移ったのですね。それで、教育省のほうにはその後も多分児童虐待の関係、これもチャイルド・ソーシャルケアと言われる、そういうビジネスというか事務ですけれども、これも自治体がやるものでありますが、それを統括するのが教育省に今なっています。こちらのほうに一元化されているわけですね。
こういうような形で、やはり施策を統合する、いろいろな人材を一つに統合することは重要だと思いますので、問題はこども庁という看板のかかった役所ができることではなくて、縦割りが打破されて、そこにOECDなどの対比でもしっかりと世界平均並みになっていくような、そういう子育て施策が財源的にも成立すること、これが重要なのではないかと思います。いずれにいたしましても、この議論は大いに歓迎したいと思っております。
最後に、よりん彩につきましてお尋ねがございました。どのような未来像を考えているのかと、こういうことでございます。
よりん彩も、これもできて20年という長きにわたってきました。未来中心というものができるに当たりまして、全県の中でも一つのシンボルとして中部にセンターを持つということも一つの大きな意味があったのだろうと思います。
このよりん彩のほうで、今では例えばよりん彩ネットというのがあって、いろんな関係団体を組織化していく。今は220を超える団体が集まるようになってきております。また、いろんな助成事業ですね、これは県のほうで当然ながらてこ入れをして、よりん彩で運営しているわけでありますが、そういう県の施策としてやっているよりん彩事業、こういうのに応じて、例えばみーふぁいゆーという米子のグループであるとか、それから琴浦のほうのママプロデュースさんであるとか、そういう男女共同参画等々、そうした事業を自主的に企画されて、地域のリーダーたらんという、そういうような組織も次々に立ち上がってきています。そういう意味で大きな意味を持つと思っております。
一つ思い出深いのは、5年前ですね、鳥取県中部地震がございました。あのときは倉吉未来中心も被災をしまして、よりん彩も使えなくなったわけであります。それで、よりん彩は一時避難をされまして、ただ、できるだけ早く部分的にも順次復旧しようというふうにやっていく中で、よりん彩も11月だったと思いますが、復旧をしたところですね。11月29日、12月も近い頃だったです。そのときに、よりん彩の関連団体、いろんな住民の皆さんの男女共同参画を一生懸命やっている方、これは女性に限らず男性もたくさんおられましたけれども、その再開を祝うテープカットに数多くの関係者の方が集まられまして、この地震の最中、一時的には避難をして、そこでも熱心に活動して、被災地対策をやったわけですね。そういうことも含めて感謝の気持ちを皆さんがおっしゃっていたのが懐かしく思い出されます。
行政組織はいろいろありますけれども、こういう形で住民の皆様に支援をされて、むしろ生活の一部として根づいてきたことは大きな意味があるのではないかなと思っています。
今年は11月に20周年のフォーラムをやることで今関係者と自主的に話合いをしてもらっていまして、なるべくそれを来年の日本女性会議inくらよし、これのプレイベントとして全国へ発信できるようなことをしていこうと準備をしているところであります。これからもぜひ多くの方々にお支えをいただきながら、ジェンダーという問題、ダイバーシティーという問題に向かっていければと思います。
◯議長(内田博長君)中西福祉保健部長
◯福祉保健部長(中西眞治君)ワクチンの副反応の発生状況につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
ワクチンの副反応につきまして、若干流れを御説明させていただきますと、接種後に生じた副反応を疑う事例、これを医師のほうが疑うということで判断をされた場合には、独立行政法人の医薬品医療機器総合機構というところにまず副反応疑い報告として報告を上げることになります。その後、機構のほうから厚生労働省のほうに同じような副反応疑い報告が情報提供されまして、その後、厚生労働省のほうから都道府県のほうに参考情報として当該報告が情報提供されるという流れになっております。
現時点で国のほうから情報提供されたものでございますけれども、昨日、常任委員会のほうでは20件ということで御報告をさせていただきましたが、それからまた増えまして、直近では22件が副反応の疑いがあるものとして鳥取県のほうに情報提供されているという状況でございます。
そのうち、死亡事例3件を含む7件が重篤として報告をされておりますけれども、死亡事案以外ほとんどが症状の軽いものでございまして、2~3日で回復しているということでございます。
死亡の事案につきましては、90歳代、80歳代、70歳代のいずれも女性の方でございまして、現時点ではワクチン接種との因果関係は不明ということでございまして、今後国の審議会のほうで専門家により因果関係の評価が行われることになっております。
ファイザーのワクチンにつきましては、一定の割合で副反応は生じるものでございますけれども、非常に効果が高い一方で、これまで安全性に関して重大な懸念は生じていないというふうに考えておりまして、接種のメリットのほうがデメリットよりも上回っているため、接種についてお勧めをするものでございます。
接種に不安な方は、事前にかかりつけ医の方に相談するなどして、十分御理解いただいた上で接種いただければというふうに考えております。
◯議長(内田博長君)12番松田議員
◯12番(松田正君)いろいろ答弁いただきまして、ありがとうございます。
知事の任期折り返しということで、公約の達成率は89%というふうに言われました。これは当たり前のことなのですけれども、非常に頑張っていらっしゃるなというふうに思いました。
それで、その中の話の中であったのが、やはり鳥取県というのは災厄を乗り越えてきたというお話でございまして、淀江大火のお話もされましたが、本当に病によって県民の生活というのは大変厳しいものとなっておりますので、掲げられた公約も含めて、新たな施策をしっかりと執っていただきたいというふうに思っております。
本当にこれからは地方創生の新たなスタートだということで、我々も共に研さんを深めてまいりたいというふうに思います。
そして、財政のことでございますが、これは釈迦に説法の話でございまして、しっかりと頑張っていただきたいと言うしかございませんが、本当に財源確保については知事会でありますとか様々な知事同盟を通じて要請していくということでありました。私ども自民党としてもしっかりとサポートできればというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
そして、コロナウイルス感染の克服に向けてということでございますけれども、本当に各方面から鳥取県はすばらしいということで評価を受けておるところ、これは私どもも共に認識しているところでございます。
ワクチン接種について、いろいろ答弁もいただきましたが、医師会の皆さんでありますとか歯科医師会もこういう協力いただける、あるいは薬剤師の方々もワクチンを、何というか、元のワクチンから薄めて分けていく作業ですね、これをやっているというふうな話を伺いました。ちょっと米子でミスがあったようでございますが、本当に不眠不休の状態で頑張っていらっしゃるということでございますので、ぜひとも県としても引き続きサポートをお願いできればと思います。
追及に入らせていただきたいと思いますが、公約については承知しました。我々も注視してまいりたいと思いますが、それとは別に、地方創生の礎づくりという意味で質問させていただきたいと思います。
昨年6月ですけれども、地方制度に関する重要事項を調査、審議します地方制度調査会におきまして、人口減少の深刻化や高齢化を背景に、「2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために必要な地方行政体制のあり方等に関する答申」がございました。これによりますと、地域課題に総合的に対応する地方公共団体に求められる役割は大きく、その在り方を変化やリスクに適応したものに転換していくべきとしておりまして、その対応の一つに地方公共団体の連携が掲げられ、組織や地域の枠を超えた協調による役割分担の柔軟な見直しが求められているところであります。
さて、本県を見てみますと、さきの知事の公約にも掲げられておりますように、公的施設へのPFIと民間活力導入について、県有施設の官民連携の活用や適正管理などを検討する県有施設・資産有効活用戦略会議を踏まえ、鳥取県西部総合事務所新棟、米子市役所糀町庁舎や鳥取県・米子市新体育館の整備検討に向けた準備が進められており、これにより県民サービスの向上をはじめ、行政業務の効率化や施設整備費の負担軽減などが図られます。このことについて高く評価されるものでありまして、地方制度審査会の答申でいいます目指すべき地方行政の姿として取り上げられるべきものであると思うところであります。
今後の公共施設の在り方について、これから多様な社会変容を迎えるに当たり、先ほどのような米子市と鳥取県の協調、このような優れた事例が引き続き県内で他の市町村とでも展開されていくことこそ、持続的な発展に向けた新たな地方創生の礎づくりにつながると考えますが、今後の展開の方向について知事の所見を伺いたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から重ねてお尋ねがございました。議員がおっしゃるように、地方創生を進めていく上でも、やはり主体間の連携、特にマネジメント、経営というものを共通化させていったり効率化することも重要であろうかと思います。
そういう意味で、平成28年に公共施設などの総合的な管理計画をつくらせていただきまして、それに基づいて地域の自治体と様々な協議をしております。そういう中で、例えばこのたび4月24日には、新しい米子の体育館、これを県、市で造ろうと、それの基本計画がまとめられることとなりました。令和8年度には開館をするというような運びで今動き始めています。また、糀町にあります西部の総合庁舎、これを米子市と共同化しようと。これは令和5年度で言わば一つの建物の中に同居するような、ちょっとよそではあまりないようなタイプのお役所というのを考えていこうではないかと。これを美保テクノスさんはじめ地元のほうで事業体をつくりましてやっていくと。これは鳥取県内では一つのはしりになるような、そういう建築手法になってくるのではないかなというふうに思います。こういうPFI手法などを導入していくということをぜひ今後も展開してまいりたいと思います。
実は、鳥取県としても長くやってきたのが県営住宅、これを地元で経営してもらうのが一番いいだろうということで、順次その移管を進めてきているところでありまして、十ばかりの自治体のほうにこうしたものを移管してきております。様々なそういう民間と共用しながらということも含めた自治体とのパートナーシップによる新しいニューパブリックマネジメント、そういう公共経営の在り方というものを我々としても追求してまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)12番松田議員
◯12番(松田正君)しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
県営住宅の移管については、聞き取りのときにも粛々と行われているというふうに伺いました。ということもですが、やはり米子市との連携の事例というのは本当に先進的なものだと思います。この議場でも、野坂議員以下たくさんの方が議論されておりました。私や野坂議員が米子市議会におったときとは隔世の感を感じるわけでありまして、なかなか県と米子市がうまくいきませんで困っていたこともありましたけれども、ぜひとも引き続き進めていただきたい。よろしくお願いします。
続いてでございますが、財政については追及はございません。
新型コロナウイルス感染症の克服に向けてということで、追及質問をさせていただきたいのですけれども、ちょっと視点を変えまして質問させていただきたいと思います。
5月11日、憲法改正の手続を定めた国民投票法改正案が衆議院で可決され、参議院でも通りました。このことにより、憲法改正の議論を活発化するために準備が整ったものと私は考えております。
菅首相が
新型コロナウイルス感染拡大などを踏まえ、緊急時に国民の命と安全を守るため、国家や国民の役割を憲法に位置づけることは極めて重要だと述べるなど、感染症を踏まえた緊急事態条項の追加など、憲法改正の議論を進めるべきとの意見がございます。
本県においては、コロナ対策と併せて合区の解消も憲法改正の論点の一つでありますが、最前線でコロナ対策に奔走されております知事は緊急事態に対応するための憲法改正についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から、緊急事態に対応するための憲法改正についてのお尋ねがございました。
議員御指摘のとおり、このたび国民投票法が改正・成立をするという運びとなりました。これは憲法改正のための法律という側面もあろうかと思います。いずれにせよ、憲法は身近なものとしてふだんから議論をするに値するものだと思います。
緊急事態条項につきましては、様々な議論が入り乱れているところであります。例えば関西学院大学の井上先生は、こうした国家的な緊急事態について、一定の憲法上の規定を持つことによって、例えばそういうときでも侵害されない人権があるはずだと。そういう人権を守るという観点でも、緊急事態に対応する憲法が必要ではないか、こういうような議論をされている先生がいらっしゃいます。また、例えば早稲田大学の長谷部先生のほうではまた別の議論をされていまして、逆にそういう憲法は要らないのだという立場でありますけれども、現状でも例えば国民保護法制だとかそうした法律、憲法に基づく法律の範囲内でもできることはあって、憲法というものを前提としながら緊急事態に対処できるという立場であります。この辺はいろいろと議論が分かれるところだと思います。
私は今、非常に関心を持っていますのは、いずれにせよ今回の新型コロナのような場合、井上先生の議論、長谷部先生の議論、両方とも両論あると思いますけれども、やはり緊急事態というものに対して憲法も含めたどういう議論が必要なのかなということは、論点としてあるのではないかと思います。
我が国でも、もともとは実はこういう感染症対策は一つの警察権力的な行政の中にあったのですね。実は、戦前は衛生警察という言葉がありまして、司法警察以外に衛生警察というものがありまして、それで例えば感染症対策というもので一定程度強制的な権限というものを行使していました。それが戦後になりまして感染症法のほうで体系が変わりまして、それで保健所のほうに移管をされるわけです。さらに、その中でもいろいろと考え方の変遷がありまして、例えば予防注射一つ取っても、強制的に義務として注射をするというようなことがありましたが、これが予防接種法が改正になって、最近では義務ではなくなっているのですよね。そういうようにだんだんと緩やかになってきているところです。
もちろんそれぞれ議論があって、私はその道筋が間違っていたと言うつもりではさらさらないのですが、ただ、ある程度の人権との関わりということもあるのかもしれないと。そうなると、基本的人権の問題もありますので、憲法の中での調整規定の必要性について、議論に値する論点ではあるのかなというふうに考えております。
現実にも、諸外国でも今回ロックダウンのようなことが行われました。イタリアの場合は、共和国憲法に基づいて、言わば非常事態として例えばミラノから出たらいけないとか、ああいうのは超法規的なやり方をしてやったわけです。そういう国もありました。別に現行法の中でされている国もありました。だから、この辺はやはり緊急事態について、非常事態の法制というものを考える一つのきっかけにはなったのではないかなと思います。
◯議長(内田博長君)12番松田議員
◯12番(松田正君)今コロナ対応における危機的状況において、いわゆる主権の制限という議論が様々行われておりましたが、その部分を根本的に解決するのには、やはり憲法にそういった条項を置くということが我々は必要であるという論点でお話しさせていただいております。
このコロナ禍において、5月3日は憲法記念日で、あの辺り、様々なメディアがアンケート結果を出しておりましたが、改正すべきだという声が過半数を超える調査ばかりでありました。私はちょっと驚いたのですけれども、やはり国民の皆さんもそういった危機感を持っているのではないかというふうに思っております。
自民党としては、自衛隊の明記、緊急事態対応の設定、合区解消、そして教育の充実、この4つを変えるべきではないかというふうに申し上げておりますが、今後とも我々としては憲法改正へ向けていろんな議論をしてまいりたいと思いますので、またよろしくお願いをしたいと思います。
コロナについてでございますが、ワクチン接種の追及は先ほど答弁いただきましたのでしませんが、1個だけちょっと、これは質問ではありませんが、こんな話を伺いましたので御披露させていただきたいのですけれども、ある医療機関の方に先日お話を伺いましたが、1月頃でしたかね、米子市内なのですけれども、特定されないように言います。ちょっと回りくどい言い方になりますが。認知症の患者の方がコロナに感染されたと。ところが、大病院は受け入れてくれないということで、市や保健当局から再三の要請を受けて自分のところで受けたという話がありました。その後、そういったことに対する協力金というか、補填される予算が通ったわけでありますが、やはりこういったことが今後も起きてくる可能性があると思います。認知症患者の方が例えば感染して入院された場合、対応される看護師の方が1人や2人では難しいということで断られたという話、大病院は受けてくれなかったという話でした。
ということで、今後、介護医療院、こちらをやはり県内で増やしていく必要があるのではないかと私は考えておりまして、県東部はたくさんございますが、西部は少し、そして中部はほぼないと、私の見た資料ではゼロというふうに伺いました。ぜひとも、こういった取組も含めて今後の課題としてしっかり取り組んでいただきたいということ、これは要望しておきたいと思います。
それでは次、
ポストコロナ時代の新たな地方創生、まずアウトドアツーリズムでございますが、サウナ等々、福田議員がサウナのアンバサダーということでSNS等で発信されていますが、本当に愛好者の方がたくさん鳥取県を訪れられているということでございます。
知事の話の中にもありましたが、トレンドが変わってきているということもございました。連休になりますとキャンプ場にたくさん人が来られているのを伺いますが、県外車のキャンピングカーがたくさん走っている状況を見入ったりしております。そういったところで、本当に観光のトレンドというのは変わりつつある、変わってきたというふうに感じております。
これについて、モンベルの協力等々を得ながら今後とも進めていきたいということでございました。議場においても、常田議員が再三グランピング等々を取り上げられております。今議会では福田議員がアウトドアツーリズムについて質問されるということでございますので私はここで止めておきますが、ぜひともさらなる議論の深化、制度の深化をよろしくお願いしたいと思います。
私が追及したいのは
サイクルツーリズムの部分で、1点だけ聞かせていただきたいと思います。
先ほど知事の答弁にもありましたが、
ナショナルサイクルルート認定に向けて頑張っていくが、いろいろハードルがあると。これは何回もこの議場で議論させていただいたところでございます。
国交省ですけれども、2~3年後と言ったのが突然候補が出ましたと気まぐれに発表してみたり、自転車振興議連の我々もどうしたものかと思っておるところがございますが、1つずつ乗り越えていただきたいですね。鹿野の山紫苑さん、あそこが手を挙げられたということで、私も別件でちょっとネットを検索したところ、鹿野は何かサイクリストの聖地だと、昔からやっておられるみたいで、そういったページが出てまいりました。そういったことも含めて、県東部においてもそういった拠点があると。あと、知らなかったのですけれども、砂丘にサイクリングセンターみたいなのがあるらしいですね。そういったところもやはりつなげていただいて、あれは運営しておるのは鳥取市ですか。そういうところもあるみたいでございますので、私も西部の話ばかりしているわけではございませんので、よろしくお願いしたいと思います。
それで、これまで
サイクルツーリズム推進に当たりましては、県庁内でも観光誘客や観光人材育成、台湾をはじめとする国際交流、脱炭素やモーダルシフトなど環境配慮の観点、そして地域振興や産業振興の側面、道路や附帯施設などハード整備、県民の健康増進、交通安全など、本当に様々な部署がそれぞれの観点から携わっており、一体どの部署がイニシアチブを取って進めていくのか、お互いに遠慮し合ったり委ね合ったりして、外から見るとつかみどころのない状況になっているのではないかというふうに感じております。
私もこの話を以前議場でしまして、そのときは統轄監が束ねられるということでございましたが、今現状はそうなっておるということでございます。
それで
ワーキンググループができたということですけれども、例えばしまなみ海道を有する愛媛県では、政策企画系の部に自転車新文化推進課、また琵琶湖一周のいわゆるビワイチの滋賀県では、観光振興系の部にビワイチ推進室など専門部署を設けておられます。ぜひとも
ナショナルサイクルルート登録を目指して、また登録後の活用推進に当たり、サイクリングを活用した鳥取発の施策展開に向けて、県庁内で事務を一元的に扱う旗振り役となるような専門部署を設けてはいかがかと思いますが、知事の御所見を伺いたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から重ねてお尋ねがございました。
先ほど来お話がございました認知症の方々のケアについては、私どもも実は第三波のときに、かなり問題意識を持ちました。クラスターのこともあったのですけれども、そうした対応が非常に医療現場で大変負荷がかかることがございました。それで、そのときに例えば在宅の療養等も含めてやれるような手だてとか、それから社会福祉施設との連携だとか、そういうこともできるようにしたり、それから精神科のお医者様のほうの受皿づくり、場合によっては新型コロナの患者さんもというようなことなど、そういう関係病院の御協力を得られないか、こういうようなことをさせていただきまして、その後、例えば倉吉病院さんだとか、いろいろと御協力をいただけるというお話をいただいているところであります。ですから、お話のあった頃と今と若干状況は違うかもしれませんが、いろいろと本県なりに動いていることは申し添えたいと思います。
サイクリストの関係でありますけれども、せっかく御提案もございましたので、ビワイチの課とか、あるいは自転車の文化ということでの愛媛の課とかということがございます。正直、まだ緒に就いたところでありますので、課内での推進チームとか、そうした組織対応についても考えてみたいなと思いますが、その際、松田議員がそもそもおっしゃったことで実はちょっと県庁が大騒ぎになっておりますのはヘルメットをかぶるという義務のことでありまして、非常に県庁職員も大騒ぎしているところであります。そういうような例えばこれからサイクリストが通勤も含めて増えてくると思うのですね。そういうことについての安全対策なども含めた、そういう総合統括的なポストというのは、ぜひまた検討させていただきたいと思います。
◯議長(内田博長君)12番松田議員
◯12番(松田正君)ぜひとも検討をお願いしたいと思います。
ワーキンググループのいろんな結論等々が今後出てくると思いますので、それも踏まえた形でやっていただきたい。
あと、ヘルメットのことですけれども、知事が提案されたものにやるのだったらちゃんとやりましょうという話をしたわけでございまして、私が議員提案したわけではございませんので、誤解なきよう、よろしくお願いを申し上げます。
すみません、それとちょっと拉致のことを飛ばしてしまっておりました。これは追及はございませんが、拉致議連で一遍、野坂会長以下、勉強会をしまして、そのときに再現ビデオみたいな映画を見させてもらったのですけれども、非常にショッキングな話でございました。海辺でデートをしていると、いきなり後ろから殴られて麻袋をかぶせられて車に放り込まれて連れていかれる、あるいは、在日系の方が経営されている飲食店でバイトをしている子が、そこにいわゆる工作員がやってきて、その店主を説得して国のためだということで日本人をつかまえろというような話で、その話も、いわゆるお酒に一服盛られてそのまま車に放り込まれて拉致されたというようなお話もございました。
本当にひどい話でございまして、先般、国会の委員会で、北朝鮮にコロナのワクチンを送って友好を深めろというような訳の分からぬ話があったところもございますが、ぜひ県としても、しっかり取り組んでいただいていることは重々承知しておりますが、今後とも取り組んでいただきたいというふうに思います。
そして次、もうちょっとお願いしますね。国立公園の
満喫プロジェクトの前に、インバウンド、台湾とのお話を少しさせていただきました。
これまで環日本海交流の基盤として役割を担ってきたのは米子-ソウル便、あるいはDBSクルーズの航路でありまして、米子空港と境港という空と海の玄関口を有する本県の強みを生かしながら交流を図ってきたところでありますが、コロナ終息後においても、これらのルートが再開や代替路の期待が見通せません。改めて、韓国、ロシアとの貿易面を含めた人的・物的な交流の道について、どのような回復の道を歩もうとされるのか知事に所見を伺います。
あわせまして、台湾との交流に向けましては、度重なる連続チャーター便の成功実績を基に、京阪神エリアや山陽エリアなどとの周遊観光を含めた航空便の就航誘致、国内や現地の旅行会社へのセールスに努めていただきたい。これは言われましたが、もうちょっと具体的に踏み込んだ形で、どのような青写真を描かれているのかお伺いします。
それとあわせまして、
大山隠岐国立公園満喫プロジェクトでございますが、国立公園内には大山が当然ございまして、年間約6万人が登山される西日本を代表する山岳でございます。登山利用に関しまして、山中の避難小屋やトイレ、登山道、木道の維持管理、補修などの経費について、これまで公費で負担してまいりました。
大山の環境保全と持続可能な利用につなげるため、必要な費用の一部を受益者である登山者に負担していただく仕組みとしまして入山協力金の導入が検討され、令和元年度から2年度に実施された社会実験やアンケートの結果、回答者の8割以上が導入に賛成されております。さらに、今年6月から10月にかけて、本格導入に向けた実証実験が実施されております。あわせまして、昨年まで無料配布しておりました携帯トイレキット、これが今期から有料化されております。
私は、大切な大山を利用するみんなで末永く守っていく必要があると思っております。今後、入山協力金の導入に向けてどのように検討されていくのか、知事にお伺いします。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から重ねてのお話がございました。
まず、海外との関係でございますけれども、台湾につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、最近興味深いところでは、ラーチーゴー!という、食べたり、あるいは楽しんだりと、そういうような趣旨のそういう台湾の大手があるのですが、そこでの調査で、中国地方では広島に次いで2位の、全国でも10数位の非常に高位に鳥取県の行きたいところとしての選択が出たばかりでございます。新型コロナで現実に人の行き来はなかなか難しい中で令和元年に37往復飛ばした、そのチャーター便の余韻がまだ残っていると思いますし、それに向けて各方面に働きかけたところが今マグマのように地下にたまっているというようなことだと思っております。
そういう意味で、鳳凰旅行社だとか大興旅行社とか、そういう様々な旅行社にパートナーとなっていただいて台湾でのプロモーションをコロナ禍でも続けているところでありまして、それを今後も展開していこうと。そういう中で、航空会社とのコミュニケーションは維持をしているところでございます。これは具体的には、先ほどイベントでちょっとお世話になっていると言いましたエバー航空さんという台湾の大手航空会社、こういうところとか、それから従来からマンダリン航空さん、これはエアチャイナ系でございますし、さらにはタイガーエアというようなところとか、こうしたところなどとコミュニケーションは続けているところであります。
そういう中には、本県とのチャーターフライト復活に向けて興味を持っていただけているところもあると考えておりますが、いかんせん、新型コロナがまず収まらないと具体的な計画ができないというところであります。そういう意味で、情報発信を続けながら、先ほどのラーチーゴー!のように行きたいところとして選択していただける、そういう環境を今の段階はつくっていくことが大切でありますし、水面下でのパイプを大事にしていくということだと思っております。
そういう意味で、エアソウルとか、あるいはDBSの後継の問題がありますが、議員も御指摘のように今は完全に途絶えた格好になっておりますが、ただ、エアソウルさんとは3月に曹社長さん、代表理事とネットを通じて御相談を申し上げたところであります。あちらは、エアソウル的には地方路線の中で米子は大事だというようにおっしゃっていまして、都市部、大都市の主要空港が復活をした後のタイミングで米子便の復活を考えたいというふうにおっしゃっておりました。ただ、その後、大韓航空の経営統合の話が進んできておりまして、このたびは韓国産業銀行が言わばチェック役になって、それで今後の再建計画を今月中にまとめていくことになると思います。そういう動向を我々としてもフォローしながら、航空会社とのパイプを保っていくというのがポイントかなと思っています。
また、海の道のほうでありますが、DBSの船を買い取ったのがドゥウォン商船という韓国の会社であります。ここは現在、東海とウラジオストク、それから舞鶴を貨物のみの輸送でつないでいるというところであります。私どもとしては、中海の市長会の皆様とも協議をさせていただいているのですが、やはりツアー客が乗ってくるような船を目標にして、それで今後も働きかけを続けていこうと。貨物だけだとちょっと地元としてもいかがかということもございまして、今そういう意味での交渉を続けているところであります。
最近になりまして、崔文洵知事の率いる韓国の江原道、崔文洵知事はこのたび大統領選に出馬表明されましたけれども、多分予備選でどうかなと思いますが、ただ、いずれにせよそういう江原道側は鳥取県に非常に興味を持っていまして、それから沿海地方、ウラジオストクのほうも興味を持っていまして、だからやはりドゥウォン商船を交えて境港寄港についてもみんなで話し合おうということを言ってくれている最近の状況があります。
ただ、いずれにいたしましても、現在この状況なので具体化には残念ながら程遠いと言わざるを得ないところもありまして、事態をよく掌握をしながら適切に対処していくというのが今の戦略だと思っています。
大山の入山料でございます。これにつきましては、例えばほかの山でも、富士山であれば1,000円とか、それから妙高山などは500円、入山料を今徴収されています。本県は、これは関係者と委員会をつくりまして、今500円の実証事業をしているところでございます。その起源は、我々は大山1300年祭がありまして、これから長く大山というものをみんなで大切にしていくために、入山料により登山道を管理していくことを考えていこうと、こういう話合いでございました。
現実にも、鳥取県の大山は大山の山頂を守る会が昭和60年に結成をされて、平成に入りますと山頂の緑がよみがえってくるという状況が確立をしてきている、そういうみんなで守ってきた歴史があります。今、実証事業をしておりますが、始めたばかりですけれども既に40万円以上集まっていまして、やはり山を守ろうという登山客の皆さん、そういう方々の精神というものがやはり大山を押し上げてくれているなと実感を持っております。
これにつきましては、例えば沖縄の伊是名のほうでは島に入るときに入島税という税金を取るようなやり方をしていたり、それから富士山の周りでも税金化することの議論というのは今でも続いているところでございますが、そういう徴収の仕方だとか、それからその使い道や料金の設定などを今後よく検証した上で、永続化に向けて皆さんと話合いを進めてまいりたいと思います。
今は年間ずっと来ますよという方であれば、まとめた料金を払っていただければ梨の木のキーホルダーを差し上げたり、それから500円の入山料を納めてくれたときにカードを差し上げたりして、こういうお礼の品もつけて、言わば地元のPR、リピーターづくりもさせていただいていますが、そうしたことなども一定の好評を得ていると思います。今後よくフォローアップをさせていただきたいと思います。
◯議長(内田博長君)12番松田議員
◯12番(松田正君)すみません、昼を回りましたが、もう少しお付き合いいただきたいと思います。
まず、韓国、ロシアとの航路のことでございますが、なかなか予断を許さないというか、難しい状況であるというのは我々も考えております。
それと、江原道の知事が大統領選に出るという話は、私も勉強不足でございました。知事は応援に行かれるかどうか知りませんけれども、健闘を祈りたいというふうに思っております。
さて、ではその辺を含めてしっかり現実的な対応を取っていかれると思いますが、ちょっと前のようにはならないというのは間違いないのではないかなと。DBSが就航していたような状況にはまず戻らないのではないかと思います。我々も議員派遣でウラジオストクに去年ですかね、行かせてもらったのですけれども、帰ってきたその日のニュースでDBSクルーズ就航をやめるみたいなニュースが出まして、何しに行ったのだという話になったのですけれども、難しい話だと思いますが、会社のことがありますのでね、とはいえ、大事な歴史がある航路であり、我が県が環日本海の交流をするために、あれがあったから踏み出すことができた、諸先輩方が築かれてきた航路、そして交流でございますので、我々も微力でございますが、何かできることがあれば探ってまいりたいと思います。
それと、台湾のことでございますが、自民党の青年局、党本部を含めて、私は鳥取県連の青年局長をさせていただいておりますが、台湾との党としての窓口は青年局が担わせていただいておるところでございます。その青年局の下に学生部というのがございまして、今日は鳥取県の学生部の学生が2人傍聴に来ておりますよね。環境大学と鳥大の学生さんお一人お一人なのですけれども、台湾とのこの間のリモートの会議ですね、それも参加して、その後、東京の弁事処から送っていただいたパイナップルですね、一緒に食べたというふうなことがございました。それ以前に、常田議員のお父様が台湾との交流の鳥取県の代表をされておりまして、そのつてからもパイナップルを何個かみんなで購入したということがございました。そういった民間の交流もこれからもしっかりと続けてまいらないといけないわけでございますが、ぜひとも観光の鍵として、大きな鍵として台湾との交流をぜひとも進めていただきたいと思います。
さっき話がありました淀江のサイクルカーニバルでも、コロナがなければ台湾の方も受け入れてというような話もしておりましたが、今後の課題ということでそれは置いておきたいと思います。
チャーター便も含めて、空路ですね、今後鳥取空港でチャーター便が就航されまして、米子空港もターミナルを造ったはいいが空いておりますので、そういうことも含めて、近県との競争もあるかもしれませんが、航空会社もたくさんあるようでございますので、ぜひとも交渉を鋭意進めていただきたい、これを要望します。
次、あと2点ですけれども、まず、順序前後しますが、女性活躍の件でございますが、自民党は今男性議員しかおりませんので何人かで訪れさせていただきました。やはり、何といいますか、視察に行くに当たってもちょっと緊張感があるというか、正直入りにくい施設であります。申し訳ないですけれども。実際倉吉の女性の方のお話も伺ったのですが、あるのは知っているけれども何をするところかよく知らないみたいなお話も伺いました。20周年に向けて、11月頃に式典をされると伺いました。せっかく造った、そして歴史ある施設でございます。多くの方が、
男女共同参画センターですから男女問わず活用できるような施設として生まれ変わっていただきたい。生まれ変わっていただきたいと言うとちょっと失礼ですね。さらなる昇華を遂げていただきたいということを、これは要望しておきます。
最後、こども庁の追及で最後としたいと思いますが、知事が言われますように、看板ができることが重要ではない。このことは私どもも重々感じております。子育て施策ですね、知事が先ほど答弁がありましたが、鳥取県は本当に先進的に先駆的に取り組まれておることでございまして、鳥取県におるとこども庁ができてもあまり変わらないのではないかなというふうな印象も私自身は持っておりました。
自民党の若手の地方議員の有志でちょっと声がけがありまして、今こども庁の推進に向けての勉強会に私も参加させていただいておりまして、そこで自見英子先生でありますとか山田太郎先生でありますとか、そういった方々とリモートでいろんな会議をしておりまして、先般は地方議員の声のアンケートを取られた結果のプレゼンがあったりしたところでございます。
子育て施策ですね、全国でいろんな取組がありますが、差異があることは間違いございません。私もこの間まで子育て応援パスポート、有効期限が実は3月31日で切れまして、次は来るかなと、やはり来ませんでした。娘は18歳になりましたので来なかったのですが、本当に多くの方々がお世話になっている、また活用されている制度でございます。ぜひとも深化をしていただきたいという観点なのですけれども、令和元年10月から幼児教育・保育無償化によりまして、本県が単独に実施しておりました保育料の無償化は、その先導的役割を終えることとなります。子育て先進県として全国をリードしてきた本県においては、全国に先駆けた新たな子育て施策を検討していくことが必要かと考えますが、知事にお伺いいたしまして午前中の質問を終わりたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から、重ねて子育てにつきましてお話をいただきました。議員には御愛用いただきましたパスポートを大切に持っていただいておりまして、本当に感謝を申し上げたいと思います。
私どもは平成19年にこれを始めて、私も就任早々やった事業でございましたけれども、多くの企業さんも参画をされました。やはりこうやって子育てというのは地域みんなで見守っていくものだ、みんなで応援するものだということの一つのシンボルのようなものであります。そういう意味で、子育て王国として鳥取県も事業を深化させていく必要がありますが、それはやはり現場の意見に基づいていくべきものだと思います。
本県は一つ先回りをして保育料の無償化等も進めておりました。さらに、昨年度からですかね、また一歩先行く子育て事業としまして例えば産後ケアの問題であるとか、それから高校生の通学助成であるとか、それから不妊治療であるとか、そうしたことにも乗り出しているところです。年々そういう意味で少しずつやはり予算は増えていっておりますけれども、ただ、それを必要としている子育て世代の御家庭があり、またそこから先に見えてくる子供たちの未来がありますので、投資の意味は大きく違うのではないかというふうに考えております。
議員のほうからもさらに前へというお話でありますので、今日の御質問を一つのきっかけとさせていただきまして、さらに関係者とよく話合いを深めたいと思います。
そういう現場の声を反映させる仕組みとして、子育て王国とっとり会議という組織がございます。この中に、今月に入りまして次の子育て施策を考える検討会をつくらせていただきました。ここで今年度いっぱい、また新年度予算に向けまして議論してもらおうというふうに思っております。やはりこども庁が今国のほうで検討されていると。私たちも、それに即応しながら新しい施策が多分出てくると思うのですね、そういうものを取り込んでいったり、またそこで出てきたものとさらに上を行くような、もう一歩先を行くような鳥取の子育て施策、これを考えていく必要があると考えております。
ぜひ議員の今日の御質問を一つの我々のテーマとさせていただきまして、子育て王国の推進を図ってまいりたいと存じます。
◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。
午後の本会議は、1時20分より再開いたします。
午後0時18分休憩
────────────────
午後1時20分再開
◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。
引き続き、代表質問を行っていただきます。
12番松田議員
◯12番(松田正君)(登壇)それでは、引き続き代表質問を続けさせていただきたいと思います。
5の2番の県内産業の持続的な発展に向けてということで質問させていただきます。
まず1番目、県経済・産業の再生と持続的発展に向けて質問させていただきます。
今年4月、県は2030年度までの10年間の産業振興のグランドデザインとなる鳥取県産業振興未来ビジョンを策定しました。コロナ危機を克服し、県経済の再生と持続的発展を基本目標として、2030年における県内総生産2兆円、製造品出荷額1兆円の達成に向け、力強い県内産業構造への転換を目指すものであります。
特に重点推進対策としまして、新型コロナ感染防止対策や事業継続などの産業・雇用再生プログラム、基盤的産業分野の成長とグリーンシフトなど次世代成長分野の産業創造・転換プログラム、デジタルトランスフォーメーション推進による生産性向上などのDX推進産業スマート化プログラムなど6つのプログラムについて、今後3年間程度、集中的に推進していくこととなっております。
こうしたビジョン策定の背景としましては、コロナ禍の中で行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れが顕在化し、Society5.0社会の本格到来に備えたデジタル化の推進が課題となっております。
また、温室効果ガス排出削減を目指すパリ協定の推進について、米国の
バイデン大統領が気候変動サミットなどで主導的に取り組むなど、グリーンシフトは今後の世界の潮流になると考えられ、産業界もこの潮流に対応した構造転換が求められております。
こうした背景の下、菅政権は成長戦略の柱としてデジタル化とグリーン化を強力に推進しようとしており、昨年末にまとめた追加経済対策において、脱炭素の技術革新を支援する2兆円の基金創設やデジタル化推進に1兆円を確保されました。
産業振興未来ビジョンの推進に当たっては、いかに国の成長戦略と連携を図り、その施策を取り込みながら本県の産業構造の転換を図っていくかが重要かと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるか、知事の所見を伺います。
あわせて、DXやグリーン成長戦略の推進により、本県の産業構造も大きな転換が求められると考えますが、このビジョンが目標とする10年後の本県の産業構造について、知事はどのような姿を描いているのかお尋ねします。
2番目に、スマート農業の推進についてお伺いします。
我が国の農業の現場においては、依然として人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業が多い中、農業従事者の高齢化等により担い手の減少が進み、労働力不足が深刻な問題となっております。
こうした課題の解決に向けて、ロボット技術や情報通信技術などを活用して省力化、精密化、高品質製品を実現するスマート農業に大きな期待が寄せられております。
県では、令和元年度に国の事業採択を受け、スマート農業実証コンソーシアムを設立し、令和2年度から3年度にかけ、水稲、白ネギ、大豆、小麦を対象にした自動操舵トラクター、自動操舵田植機、収量コンバイン、衛星画像による生育診断等のスマート農業の実証を行っております。
昨年10月には、南部町においてスマート農業の実演会が開催されましたが、GPSの位置情報を基に自動操舵トラクターが白ネギ畑の土寄せ作業をしながら真っすぐ進むなど、テレビドラマでありました「下町ロケット」の無人トラクターをほうふつとさせる現場であったとお伺いしました。
そのほかにも、収穫と同時に米の水分や収量を計測する食味・収量センサー付コンバインや重労働を軽減するパワーアシストスーツも披露され、生産者や農業団体など参加した80名の方は、未来の農業に期待を膨らませつつ見学されたとのことでありました。
ただし、こうした先端技術を活用した農業機械の購入経費は数百万円に及ぶなど、その導入コストは決して安いものではございません。
県では、今年度当初予算において、スマート農業の実践に必要な農業用機械等の導入に係る経費の支援を事業化し、導入コストの軽減を図っております。しかしながら、多額の初期投資を要する事業の実施に当たっては、持続的農業を支える観点から、規模の拡大や地域での共同利用の検討など、長期的な視野に立った収支や経営効果を見極めるノウハウの提供や人材の育成も必要かと考えますが、今後の進め方について知事の所見を伺います。
3つ目、林業の振興についてお尋ねします。
2013年に本県で開催された全国植樹祭を機に、本県の森林、林業、木材産業の施策の基本方針として策定されたとっとり森と緑の産業ビジョンが昨年度で最終年度を迎えました。これを受けまして、今年3月、県は木材生産・利用の促進と環境保全等の調和が取れた多様で健全な森林づくりを実現するため、2030年度までの10年間を計画期間とするとっとり森林・林業振興ビジョンを策定いたしました。
新たなビジョンは、SDGsや2050年カーボンニュートラルの実現、市町村が仲介役となる新たな森林管理システムの開始、スマート林業の推進など、昨今の森林や林業を取り巻く情勢の変化を踏まえて策定されており、全体的にSDGsや地球温暖化対策など森林・林業が担う環境的側面に力点を置いた計画になっているのではないかと考えております。
新たなビジョンにおいては、2030年までの主な施策目標として、現状31万立米の素材生産量を50万立米に拡大、新規就業者数はこの10年間に累計500人を獲得、原木需要に占める県産材率は現状31%を50%まで引き上げることを掲げております。
また、本県、そして国の2050年カーボンニュートラルの宣言を踏まえ、森林による二酸化炭素吸収量については、基準となる平成25年の57万トンより2030年には88万トンと、約1.5倍に増やすことを新たな目標として設定しております。
まずは、2013年の全国植樹祭を機に昨年度まで取り組まれてきたとっとり森と緑の産業ビジョンの総括、そして新たなビジョンに引き継がれた課題について知事にお伺いします。
あわせまして、新たなビジョンにおける意欲的な目標の実現に向けてどのように取り組んでいかれるのか、知事の決意をお伺いします。
4つ目、日韓暫定水域における安全操業に向けて質問させてください。
今年3月12日、島根県浜田市沖約146キロの日本海上で、鳥取県漁協境港支所所属の底引き網漁船「重宝丸」と韓国船籍の漁船が衝突するという事件が起きました。幸い、いずれの船員にもけがはなかったということでありますが、第八管区海上保安部によりますと、現場は日本の排他的経済水域、いわゆるEEZ内とのことでありました。この事故は、我が国の資源の開発利用の排他的管轄権を持つ日本のEEZ内で生じたものであり、韓国漁船が安全航行を怠ったことが原因ではないかと推察されます。
国際海洋法条約に基づき、我が国は沿岸から200海里を天然資源の開発や漁業活動の管理などの権利を持つEEZと定めていますが、竹島の領土問題が未解決で両国のEEZが確定できないため、1999年の日韓漁業協定により、日韓暫定水域が設定されました。日韓暫定水域は、両国が共に利用できる水域であり、自国のルールに従って漁業をすることができますが、両国が水産資源保護に協力して取り組むとしております。
しかしながら、実際には暫定水域には休漁期のない韓国漁船の漁具が終始置かれ、日本側の漁具の切断被害が発生するなど、韓国漁船による事実上の占拠状態により日本の漁船の操業が難しい状態が続いている上、韓国漁船の乱獲により資源の枯渇も懸念されるところであります。
さらに、日本のEEZ内では日本の許可がないと韓国船は漁業できませんが、実際には暫定水域ラインを越えて日本のEEZ内に漁具を設置するなど、韓国漁船による違法操業も後を絶ちません。
さて、去る6月4日、鳥取県の水産業の発展を考える会、いわゆる水産議連の有志で日韓暫定水域まで実際に行ってまいりまして、現場をつぶさに視察してまいりました。片道6時間かけまして、12時間かけて行ってきたところでございますが、実際に現場を見ましたら、具体的に言いますと、第一鳥取丸で行きましたが、要は我々は暫定水域に入らずにEEZ線上を視察して回るという作業をいたしましたが、実際にEEZ内に韓国の漁具らしきものが、いわゆるブイをつけずに設置してあるという状態が見られました。
これまで長年にわたり、各種の民間協議により日韓暫定水域内での漁業秩序等を協議しておりますが、進展はないことから、本県の漁業者の安全操業に向け、国の責任において暫定水域内における漁業秩序及び資源管理方策を早急に確立するよう、改めて国に対して強力に働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、大きな3点目、共生社会の実現に向けた福祉施策の推進について伺います。
まず1点目、県営住宅の多目的使用制度について伺います。
県営住宅では入居者の高齢化が進み、孤独死の増加、自治会活動の維持が課題となっていることなどを背景に、令和2年10月、県営住宅の空き住戸を活用して、高齢者、障害者、子育て世帯等の生活支援及び地域コミュニティーの活性化に取り組むため、県営住宅の目的外使用指針が策定されました。
目的外使用の対象は、社会福祉法人などの活動法人と地域コミュニティー活性化に資する活動世帯であり、活動要件としましては県営住宅に入居する高齢者、障害者、子育て世帯等の生活相談に応じること、自治会に加入して活動に参加すること、住戸や入居者の異変を発見した場合、県に通報することなどが求められております。
この制度を活用して、高齢者生活支援及び周辺地域のコミュニティー活性化を目的に、米子市の県営住宅永江団地及び上粟島団地において、社会福祉法人や教育機関が空き住戸を介護施設や学生ルームシェアとして利用を開始しております。
永江団地においては、昨年6月に県と米子市の社会福祉法人で連携協定を締結し、同法人は今年4月から空き住戸を活用した小規模多機能型居宅介護事業所を開設し、介護サービスを提供しながら団地及び周辺地区の高齢者の見守り、そして緊急通報の受信対応、相談対応など生活支援を行っております。この法人は、同様の取組を東京でも予定されていると関係者に伺いました。
上粟島団地においては、米子高専からの学生ルームシェアの要望を受け、県と米子高専で協定を締結し、昨年12月から1組2名の学生が入居し、団地の自治会の活動などに参加しております。
こうした取組は、県営住宅に入居する高齢者等の生活支援や地域コミュニティーの活性化、さらには空き住戸の活用に資する有効な取組であり、これらをモデルケースとして他の県営住宅にも積極的に横展開していく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
2点目、障害者スポーツの振興について伺います。
昨年11月に、県議会自転車活用推進議員連盟として、県障がい者スポーツ協会やサイクリング協会の皆様とともに、タンデム自転車の一般公道走行について、知事及び警察本部長に要望させていただきました。その後、この4月に晴れて道路交通法施行細則が改正され、県内の一般公道においても障害のある方が健常者と一緒にタンデム自転車に乗って風を切ることができることとなり、大変喜ばしく感じたところであります。
今後はタンデム自転車の活用、安全確保やパイロット育成など、パイロットは運転者ですね、さらなる広がりが期待されるところであります。
さて、このタンデム自転車の件と同様、これまでも障害者の支援については議場でも何度か質問させていただいておりますが、障害のある方々がその人格と個性を尊重され、障害の特性に応じた必要な配慮や支援を受けながら、地域社会の中で自分らしく安心して生活することができる社会を実現しなければなりません。
障害者スポーツの振興に当たっては、あいサポート条例や今年3月に改定された県障がい者プラン、そして県障がい者スポーツ振興指針を踏まえ、環境整備、体制構築とガイド人材の育成、ソフト事業の充実などに取り組んでいただいており、昨年7月には日本財団との共同プロジェクトにより、布勢総合運動公園内に障がい者スポーツ拠点施設ノバリアが整備されました。コロナ禍の中ではありましたが、オープン以降、昨年度は約9か月の間に延べ9,039人、うち障害者の方は延べ4,477人が施設を利用されたとのことであり、引き続き今年度も多くの方々に御利用いただき、障害者スポーツの裾野を拡大していただきたいと考えております。
そして、その一方で、中西部への横展開として、ノバリアのサテライト機能を県内に広げていくこともしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。このことについては以前議場でも申し上げました、そして補正予算が計上されているところでございますが、障害者スポーツが全県的に根づくよう今後どのように取り組まれるのか、知事の所見を伺います。
大きく4点目、県民の安全・安心と持続可能な社会インフラ整備について、1点目、高速道路の整備について伺います。
中国横断自動車道岡山米子線のうち、米子-境港間については、昭和41年に予定路線に指定されたものの、平成15年に国土開発幹線道路建設会議において抜本的見直し区間に設定され、平成18年に同会議において当面着工しないとして取り扱うことが決定し、事実上凍結されました。
この事業凍結の解除を目指して、平成24年に米子・境港地域と道路のあり方勉強会が設置され、平成28年には米子・境港地域と道路のあり方検討会に格上げされ、道路整備の必要性やストック効果などの検討が進められていると伺っております。その後、令和2年11月には、中海・宍道湖圏域の将来の道路ネットワークの在り方を検討する中海・宍道湖圏域道路整備勉強会が設置され、中海・宍道湖を囲む高規格によるいわゆる八の字ルートの形成の実現に向けて議論がされております。
国土交通省中国地方整備局が発表した令和3年度の予算概要には、中海・宍道湖圏域については鳥取県や島根県等の関係する自治体と協力し、機能軸強化に向けた検討を推進しますと記載されており、今年度は規格の高い道路の計画の具体化に向け、国、県、関係自治体が連携して検討する節目の年になるのではないかと期待しております。
境港までの高規格道路の延伸は、北東アジアゲートウェイである境港及び米子鬼太郎空港からの物流・人流の効率化、観光地等へのアクセス向上及び緊急時の避難経路の確保などの観点から、本来でありましたら整備着手されても不思議ではない重要路線であると考えております。
道路整備の実現に向けては、道路整備によって地域の将来をどのように描いていくかが重要であり、地元住民を巻き込み、官民一体となってグランドデザインを練り上げ、機運を高めていくべきと考えますが、事業化に向けた知事の意気込みをお尋ねいたします。
2点目、大規模災害への対応について伺います。
平成28年10月に発生した鳥取県中部地震では、倉吉市を中心に1市4町で約330棟の家屋が全半壊し、一部損壊を含めれば1万5,000棟以上にも及ぶほど、広範囲にわたって非常に大きな被害がありました。復興に当たって、被害に遭われた方それぞれに事情が異なることから、被災者一人一人の生活全体の状況を把握し、それぞれの課題に対応して福祉関係者が連携して個別に支援策を考えていく災害ケースマネジメントの取組により、被災者の求めに応じ、きめ細かなサポートを行ってきた本県の対応は高く評価されるものと認識しております。
中部地震の対応で得られたこの取組を全県展開すべく、この4月、県はその中核となる鳥取県災害福祉支援センターを県社会福祉協議会に設置されました。センターの主な機能としては、災害ケースマネジメントの普及、鳥取県災害派遣福祉チームの組成と研修、広域支援のための応援職員体制の整備、災害時の関係団体等との連携などが上げられていますが、まずはこのセンターを全国に先駆けて設置された意義について、知事の所見を伺います。
あわせまして、災害ケースマネジメントの取組においては、市町村や地域の自治会等の役割が重要だと考えますが、センターとの連携や役割のすみ分けについて、どのようにお考えなのかお尋ねいたします。
3つ目、流域治水の推進についてお伺いします。
近年、気候変動の影響により、全国各地で台風や豪雨による災害が激甚化、頻発化しております。今では当たり前のように聞かれる線状降水帯について、気象庁がこのほど正式に警戒情報として取り扱うなど、局地的な集中豪雨とそれに続く浸水被害や土砂災害を念頭に置いた避難の在り方、さらには防災・減災の取組の重要性がますます国民、県民の関心を寄せるところとなっております。
昨年7月、国土交通省の諮問機関であります社会資本整備審議会が「気候変動を踏まえた水害対策のあり方」として公表された答申におきましては、河川などの治水対策に加え、流域全体で協働して氾濫防止や被害軽減などに取り組むよう示されたところであり、国土交通省においても、水系全体で災害リスクを分担する流域治水推進へと政策転換されることとなりました。本県においても、一級河川の千代川、天神川、日野川の各水系について昨年度までに地域住民を含めた流域治水に関する協議会を立ち上げ、プロジェクトが策定されたところであります。しかしながら、この流域治水の考え方として、例えば下流の市街地の氾濫、浸水を防ぐため、上流の貯留機能として、水田などの農業地域が犠牲になるなど、流域全体でのリスク分散という大義のために人為的に被害を分担させられる関係者が生じるのではないかといったネガティブなイメージが若干あるように感じております。流域治水の推進に当たっては、いかにして河川の水系全体で言わば共助意識を醸成し、互恵的な関係性を築いていくかが課題であると考えますが、知事は今後どのように関係者の理解を得ながら進めていかれるのか、お尋ねいたします。
大きな6番目、教育行政の諸課題について、これは教育長に伺います。
1つ目に、未来を開く学校教育の推進についてお伺いします。
本県の未来を開く人材を育む学校教育の推進という観点でお尋ねさせていただきたいと思いますが、本来、教育というのは国や地域の未来を担う子供たちのためのものであり、未来への投資であります。そして、教育行政に期待されるのは、将来、子供たちが社会において自分の力で自立して生きていけるよう、必要な教養と志、健やかな心と体を育み、ふるさとに誇りを抱きながら、他者を尊重し、支え合える人材を育てていくことであります。
私ごとで恐縮でありますが、昨年、今年と2人の娘も高校を卒業させていただきました。コロナ禍ではありますが、1人は県外、もう1人は9月、海外渡航に向け準備中と、それぞれ新たな生活を送っております。社会に出るまであと数年でございますが、小学校入学以来12年間の学校生活において、自分の人生を自分で思い描き、自ら進んでいこうとする心を育てていただいた全ての先生方に深く感謝をしております。
さて、私が中学生のときでありますが、昭和63年春の選抜甲子園大会では、当時まだ教員になりたてのような若々しい足羽監督と伸び伸びプレーをする選手たちが巻き起こした爽やか旋風、そして、甲子園2勝という活躍が大変センセーショナルでありました。
このたび新しく就任された足羽教育長には、本県の子供たちが自分たちの力を信じて夢や目標を思い描き、それに向かって伸び伸びと頑張ろうとする志を持ち、子供たち一人一人が輝くような教育を期待したいと考えております。教育長として初めての定例会ということで、本県教育行政を今後どのように展望されるのか、所信を伺いたいと思います。
来年4月、改正民法が施行されて、成年年齢が18歳以上となります。生徒によっては、高校在学中に成人に達することにもなり、早い段階から社会の一員として自立して生きていくという意識醸成が必要であろうと考えております。
一方、5年前の2016年には公職選挙法が改正され、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたところでありますが、その直後の参議院議員選の県内の18歳と19歳の投票率は約4割、細かく言いますと、39.52%でございましたが、その後、徐々に低下していき、2019年の参議院選挙では3割弱、27.47%と、投票率の低さには憂慮するべきものがあります。
今年は秋までには衆院選、来年は参院選、再来年には統一地方選挙が予定されております。また、国民投票法の改正も今国会で成立し、将来的には憲法改正の国民投票の可能性も考えられます。そして、8月にはこの議場でも高校生議会があり、我々県議会議員としても若者に分かりやすい政治について努力すべき点もあろうかと考えております。次代を担う高校生の皆さんには、政治は社会を生きていく上で自分の暮らしに直結するものであり、選挙権が与えられている意味を学校教育の場でもしっかり学んでいただきたいと考えますが、高等学校における主権者教育について、これは何度も伺っておりますが、現状認識と今後の取組方針について教育長の所見を伺います。
2つ目、今後の博物館の在り方についてお伺いします。
4年前の代表質問の際、私は、県立博物館の今後の在り方についてお尋ねいたしました。その年の当初予算案の審議の中で、県立美術館の整備について一定の方向性が出たタイミングでありましたが、一方で、残された博物館はどうあるべきか、しっかり検討してほしい旨、申し上げたところであります。知事及び前教育長からは、当時、我が会派が提案した附帯意見を踏まえ、新たに整備する県立美術館との連携や役割分担、すみ分けを整理しつつ、県立博物館に残すべき美術振興の部分を含め、博物館の基本的な構想や在り方を改めて検討していくとの御答弁でありました。その際にも議場で申し上げましたが、私は、幼い頃に父に連れられて県立博物館の恐竜展を見に行きまして、全身でその大きさを感じ取って、そのときの感動をきっかけに、しっかりそういった勉強をしてまいった時期がありました。子供の知的好奇心は、日常生活を過ごすふるさとであるとか等身大など、自分を軸に体験することで磨かれるものであり、博物館は、そうした体験を通じて子供たちのあらゆる可能性に応えられる施設であってほしいと願うものであります。
前回、2月定例会の代表質問において、県立博物館をふるさとの歴史を学ぶ場にという西川議員の提言もありましたが、本県の美術史を見ても、江戸後期、江戸や上方から遠く離れた鳥取県において、土方稲嶺に連なる画壇、藩お抱えの御用絵師たちが活躍した史実は、一地方都市にありながら、文化、素養の高さを示すものであり、こうした歴史的背景を踏まえて、城下に立地する県立博物館でその教養に触れる機会があることは、東・中・西部を問わず、これからの本県の将来を担う子供たちにとって、ふるさとを学ぶという点で非常に大きな意味があるものと考えております。
県立美術館については、令和7年春オープン予定ということでめどが立ち、引き続き県民を巻き込んでの活用策が議論されていくものと思いますが、県立博物館の将来像についてはどのように展望されているのか、改めて教育長の所見を伺います。
最後、7点目となります。新たな時代の警察活動を担う人材育成について、警察本部長にお伺いします。
先般、複数の議員有志と県警察学校を視察させていただきました。大学を卒業してすぐの時期にもかかわらず、引き締まった表情で学科や訓練に臨む姿勢に頼もしさを感じた次第であります。しかしながら、警察本部から入手したデータによりますと、過去10年間、採用試験の最終合格から警察署に配属後3年までの間に実に毎年2割から3割が辞めてしまうのが実態であり、警察人材の確保、育成、そして、将来に向けた警察機能の維持、向上に当たり、何らかの課題があるのではないかと感じるところであります。
昨今、社会問題ともなっている特殊詐欺被害については、本県においても撲滅には至っておらず、過去5年間では平成29年の計71件、額にして1億円超の被害をピークに、昨年は1年間で計26件、8,000万円を上回る被害があったとのことであります。その中でも、最近ではコンビニエンスストアで電子マネーを買わせる架空請求の手口が目立っているようであります。警察本部の広報、啓発活動の一環として、コンビニ店舗の協力によるチラシや電子マネー封筒を活用した水際対策が功を奏し、昨年は54件、今年も既に50件以上もの詐欺被害を未然に防いだとお聞きしました。県民の安全・安心な暮らしを守る最後のとりでとして引き続き不断の努力をお願いしたいと考えておりますが、一方では、こうした特殊詐欺被害の問題だけでなく、個人や企業の情報への不正アクセスなどのサイバー犯罪の問題、反社会的勢力の問題、薬物犯罪、家庭内暴力などなど、社会の多様化に伴い、警察に求められる対応能力も多様化、高度化の一途をたどっているところであります。県民の生命、財産を守り、治安を維持するだけでなく、県民を被害者にしない防犯活動、加害者を生み出さない抑止行動、県民一人一人に寄り添った警察活動の重要性が今後ますます高まると考えます。こうした多様化するニーズに対応していく今後の警察行政を担う人材の確保、育成に当たり、特に警察官になりたての早い段階で退職、転職していく実態を鑑みて、現状認識と今後の対応について警察本部長の所見を伺い、壇上での質問とさせていただきます。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員の代表質問にお答えを申し上げます。
まず、産業振興につきましてお尋ねがございました。どのように産業構造の転換を図るのか。例えばDXやグリーン成長等々も踏まえまして、10年後の本県の産業構造に向けてどういうふうに戦略的に進めていくのかと、こういうお尋ねでございます。
これにつきましては、我々としても、この4月に産業振興未来ビジョンを議会と協議をしながら策定をしたところであります。大きな目標としましては、2030年に向けまして、県内GDPを2兆円、それから、県内におきます製造品出荷額、これを1兆円レベルにしていこうと。それに向けて、今、菅内閣も取り組んでおられますが、そういう産業振興の成長軌道、これを我々としてもつくり上げていこうというものでございます。これには、例えば従来の経済産業だとか電子部品等々、こうしたものがあろうかというふうに思います。これに向けましては、例えばFDKさん、岩美のほうに工場がございますけれども、こちらのほうで来月、新増設をされる。これが完成して稼働することになります。これなどは次世代の自動車、こういうものへの搭載するもの、あるいはエネルギー関係、こういうものを見据えた投資でございます。そういう意味で、DXだとかグリーン産業などに向けたものであります。
また、従来のそうした機械等々でありましても、鶴見製作所さんが米子のほうで、これも工場を拡張されまして、今年、大きな工場にされます。ここは東京オリンピックにおきます会場における大型ポンプ、それから、最近はやはり水害に対する意識が高まっていまして、大型ポンプの受注が相次いでいると。これを米子でやろうと、こういうような戦略でありまして、こういうことを一つ一つ丁寧にやっていくのだろうと思うのですね。
また、グリーン関係でもアサヒメッキさん、これは鳥取のほうの事業所でございますけれども、そこはいろんな技術を持っておられますが、水素電池、燃料電池を活用していく、そういう燃料電池車みたいなものが出てくるわけですね。そうしたところでのこの表面加工、そういう塗装等につきまして、このアサヒメッキさんも技術を生かせるのではないだろうか。こんなようないろんなもくろみがあります。
本県としても、そういう今後に向けました脱炭素社会についての研究会をこのたびスタートさせたところでありまして、こういう会社さんがいろいろと入られることになります。有望なところでは、例えば大真空さんなども水晶の発振の技術を使われるわけでありますが、こういうものが例えばそういうカーエレクトロニクスであるとか、それから、そうした様々な先端産業に関わってきて、最近好調でございます。こういうような素材というものを生かせる余地があるのではないだろうか。
また、DXの関係でいえば、これから恐らくデータセンターを地方でも立地させるというのが菅内閣の目玉事業として登場してくるのではないか。これが今、観測記事で出るようになっています。こういうのも鳥取県の中にも好適地はあるのではないかというふうにも思われます。いろいろと我々としても産業や雇用をつくり上げていく、そういうきっかけをつくっていきたいと思います。
そういう中、どうしても人口最少県でありますので、人材をどういうふうに得ていくのか。そこで、最近は副業だとかワーケーションがあるわけでございますが、これも私ども、産業振興未来ビジョンの一つの柱として、こうした産業転換の推進役にしようというものであります。
そういう中、このたび、全日空さんと一つ協議が調ってきたことがあります。今、私どものほうには木村さんという全日空の幹部職員の方が来られて、それで観光のマネジメントをされているわけでございますけれども、こういう方々の御縁も活用しながら協議をしてきたのですが、キャビンアテンダントが全日空さんにいらっしゃいます。実に8,000人ぐらいいるのですね。この方々は必ずしも今、フルで飛んでいないわけです。そういう方々は、私も知らなかったのですが、羽田近辺に住むように義務づけられているのだそうです。これは結構家賃がかかります。それで、飛行機会社でありますので、当然ながら、飛行機で通勤させてもいいわけですよね、空き座席があれば。それで、ちょっと奇想天外かもしれませんが、鳥取砂丘コナン空港とか米子鬼太郎空港の周辺に住んでいただくと。そこから羽田に通勤してもらって、それで路線に乗っかっていただくと。実は今、勤務日数が減っていますので、ちょっと稼ぎをしなきゃいけないものですから、副業をしていただくと。こういう副業を鳥取のほうでやる。例えば接待マナーとか、接客マナーだとか、あるいはいろんなところでちょっとプロデューサー的職員で入っていただいたり、あるいは情報発信をしていただいたり、今回提案させていただいています全日空との協力による諸事業がございますけれども、例えば情報発信でビデオを作ってもらって、それで翼の大使になってもらってなどの事業を用意させていただいていますが、こういうものとも連動させることも十分可能なことだと思うのですね。恐らく全日空さん、鳥取県内の空港以外もパートナーを今考えておられるのだと思いますけれども、こういう副業アンド地方定住、鳥取県内に住んでいただくと、こういうことを我々も応援してみようかと。これは、片野坂社長の御了解もこのたび得たところでございます。これにつきましては、県立のハローワークですとか、それから鳥取県のふるさと定住機構でありますとか、そういうところ。また、民間のほうでも県の宅建協会さん、そうしたところにも応援をいただいて、例えば住むところのあっせんをしていただく、こういうことをスタートさせようと考えております。来月には、こうしたキャビンアテンドさん向けの説明会をさせていただきまして、早速この夏以降、御興味のある方には鳥取空港近辺に住んでいただいて、それで、鳥取暮らしを楽しんでいただくということを考えたいと思います。特に議員の家には住まないかもしれませんけれども。
次に、スマート農業についてでございますが、規模の拡大、それから共同利用の検討など、ノウハウ、あるいは人材育成含めてスマート農業をどういうふうにてこ入れをしていくのかと、こういうことであります。
やはり今、聞くところによりますと、結構農業者も高齢化が進んできまして、スマート農業を導入したら、ちょっと意外な効果でありますが、ちょっと年取っても、草刈りだとか、あるいは田植仕事だとか、もっと楽にできるほうがいいという話が出てくると。それで、この当初予算でも募集をしたのですが、結構この実証事業は反響が大きくて、このたび大幅に拡充をさせていただこうということにしたところであります。例えば田植機であれば、5割増しぐらいのかかり増し経費になってしまう。それから、コンバインも3割ぐらい高くなる。そういうことで、なかなか手が出ないスマート農業の機械ですけれども、例えば自動操舵とかは優れものでございますので、そうしたものを導入する経費支援をこのたび入れさせていただこうというものであります。こういうものをいろいろと手広くやっていただきながら、情報集約をして、どういうように鳥取県のスマート農業を考えていけるのか。その辺を知見も高めていこうと。それを今度は農業大学校だとか、あるいはJAの園芸の農業の指導員の皆さんだとか、それから、私どもの普及員だとか、そういうところでいろいろとお勧めをさせていただいたり、事業の後押しをさせていただく。また、その研究の成果に基づいて、次の開発などにも進めていくことができようかと思います。こんなような形でスマート農業を進めていこうということであります。
そして、林業についても同様な観点があるわけでありますが、議員がおっしゃいました鳥取県の森と緑の産業ビジョン、これを私どもの植樹祭を契機にしてやってきたわけでございます。この前の長期的な計画と併せて、我々としては、素材生産を高めてきたところです。そういう意味で、私が就任する前は14万6,000立米の切り出し量だったわけでありますが、それが令和元年度には30万立米を超えて30万5,000立米となりました。これを50万立米を目指す新しい計画をこのたびつくらせていただきましたのが、御指摘のとっとり森林・林業振興ビジョンでございます。こういうものを我々は策定するに当たりまして、関係者といろいろと議論をさせていただきました。その中にもやはりスマート林業的なものを入れたらどうだろうかということでございます。例えば、大分レーザー航測が進んできました。そういうもののデータを活用して効率的な林業を行っていくとか、またドローンを使いまして、それでロープを持っていったり、また山を調べたり、そういうこともできますし、最近は様々な林業機械、これも非常に鳥取県としては意欲的に導入支援をしてきました。そういうことをしてきますと、グラップルとか、それからフォワーダーだとか、そうした機械が入ってくると。今、朝のNHKの連続テレビ小説も森林組合、これを題材にしていまして、そういう中でもちょうど鳥取の森林組合と同じように格好いいスーツを着ながら、それで、最先端の林業機械を使ってその山の木を切っている、そういう様子も放送されるようになってきているわけでありますが、もう昔のイメージとは大分変わってきて、より安全で効率的な林業というほうに向かってきているわけです。これをぜひ私どもとしても推進をしていこうということであります。そういう中で、皆伐を進めるとか、あるいはエリートツリーと言われますようなヒノキ等の苗木とか、そうしたものを積極的に導入していこうと。さらには、川上から川下まで情報共有をしていく。それによりまして、効率的に山の切り出しを行ったり、また、加工業者のほうでも使いやすくする。そういうサプライチェーンマネジメント推進フォーラム、これを関係者の皆様にお世話になり昨年度設置しました。こういうものをまた今年度、また継続していくわけでありますが、そういう中で、言わば、いわゆるウッドショックと言われるようなものを逆に今後に生かしていくような、そういう新しい戦略づくりの推進役にしていけないかと考えているところであります。
水産業につきましては、議員のほうから日韓暫定水域のお話をいただきました。国の責任において漁業秩序、資源管理方策を確立するように働きかける必要があるのではないかと、こういう御意見でございます。
これにつきましては、いろいろと過去のいきさつもあるわけであります。元はといえば、平成8年、国際海洋法条約が成立をしたわけであります。これに基づいて、いわゆる200海里、この設定が本格化するわけであります。アメリカも北米のほうのアラスカ沖などの北太平洋の漁場200海里の設定をしたり、当時のソ連ですかね、ロシアかな、あそこもやってみたりしました。そうやって日本もやるわけでありますが、そのときに、日本は200海里の設定は東経135度以西は手をつけなかったのですよね。これは、当時はあまりそこに漁船が出ていなかったということもあったのかもしれませんし、いろいろと政治的なそういううわさ話を聞くと、ある有力政治家が北海道とこちらの日本海の西部のほうと取引したのではないかとか、いろいろと言われることもあるのですが、ちょっと真相はよく分かりません。いずれにいたしましても、事実としてはそういうことであり、そのときに結局、北太平洋のほうから締め出しを食った韓国漁船などが結構この沖合のほうに来たわけですよね。そういう環境の中で、非常にちょっとこの水域をどういうふうに漁業をやっていくのかというのは課題になってしまったと。
そういう中で、金大中大統領が平成10年10月にやってくるわけでありますが、そのときにどたばたではあるのですが、結局、当時の小渕総理の裁定といいますか、そのときの考え方によりまして、結局、日韓暫定水域の設定ということになってくると。これに我々鳥取県の漁業者の方などが実は大いに怒りまして、それで、大日本水産会であるとか、それから、当時、水産の政治的なボスは隣の青木幹雄先生でございまして、そういうところで当時の小渕総理とも大分議論がなされた結果、369億円ですかね、いわゆる日韓漁業基金というのができるわけです。これに基づきまして、漁船のリース事業であるとか、それから共済事業であるだとか、そうしたものの原資になる、それが漁業者の言わば収入の代替になりますし、それから、その水面の清掃事業等々も、これも漁期の空いたときの言わば補償的な役割も果たしたのだと思うのですね。こういうものを国のほうでも後押しをしてやってきたわけでありますが、ただ、残念ながら、平成21年にこの基金は終了になってしまったと。平成25年に復活をするのですが、全部の事業ではなくて、一部で事実上再開をしたと、こういうことであります。
こういうような過程の中で、この水域におきます漁業については、民間同士の話合いということが当時言われたのですね。それで、私どものほうでもカニかごの方々などが韓国側と話し合うということをやってくるわけでありますが、ただ、これは、我々日本海西部の沿岸の地域としては実は承服し難いところがありまして、毎年のように水産庁を呼び出して、それは自民党のほうで私も何回か出ましたけれども、青木先生だとか、それから、各地域の先生方、但馬なども含めて、漁業の組合長などみんな集まって、毎年のように水産庁に、やはりこれについては政府は責任持って交渉しろということを我々は強く主張してきたところであります。ただ、残念ながら、それをやりかけたときもありますけれども、なかなか前に進んでいないというのが実情であります。今日御質問もありましたので、改めてこれについては申し上げてまいりたいと思います。今年3月の重宝丸の事件のとき、このときも我々も抗議を申し入れて、国のほうにも働きかけをさせていただきました。やはり安心して操業できる、そういう環境を整えていかなければいけませんので、我々としても改めて政府のほうへの働きかけを強めさせていただきたいと思います。
次に、団地の活用につきましてお尋ねがございました。永江団地、それから、上粟島団地のお話がございました。
この永江団地につきましては、幸朋苑さんのほうで高齢者の小規模多機能の施設を団地の1階に造られまして、私もオープニングのときに参りましたけれども、非常に美しく、使いやすく、また機能的に仕上がった、2つのお部屋をつなげた造りになっていましたけれども、改装されたところであります。
また、米子高専の校長先生とかと御相談をさせていただきながら、上粟島団地のほうに米子高専の学生さん2名がルームシェア方式で入っておられます。これについては、そのときに協定を学校側と結びまして、それで、地域の団地の清掃活動に参加することは、これは必須であると。それから、そのほかの団地のお祭り等の行事、こういうものにもできるだけ出ると。こういう条件の下に、従来の県営団地の運用を変えるという契約をさせていただきました。これに基づきまして、安い料金で、それで、従来高齢化が進んでいる団地の中で、学生さんという新しい年代層が入っていってもらうと。これがまた地元にも溶け込んでいまして、非常に評判がよいところであります。
さらに言えば、その永江の例などは全国から割と注目もされているのですけれども、これはやはり高齢化が進む中で、独居の高齢者の方の世帯なども増えている。現に鳥取県の県営団地も半分くらい高齢者になるところとか、非常に高齢化が進んできています。そういう方のサービスの場が必要だということで、今回開業に至ったところであります。こういうコミュニティー機能を団地として果たせるのではないだろうか。今、やはり幸朋苑さん等が中心になりまして、子供食堂のような居場所づくりをやれないだろうかと。このたびNPO法人を4月に設立されまして、地元と一緒に今、取組を始めておられるところであります。議員がおっしゃるように、これは県外からも注目されている事業でありますが、こうした形で県営住宅というものを活用して、県営住宅の中の高齢化が進んだりして、いろいろと隘路が生まれていることの解消策にもなるような、そういう事業を進めてまいりたいと思っております。現在、米子高専さんとは、さらに増室をして、上粟島団地や、それ以外も含めて入居者を増やそうというように今相談をしているところでありますし、また、東部のほうでも鳥取福祉会さんとやはりそういうシルバー関連事業、こういうことを今、検討させていただいているところであります。
次に、ノバリアにつきましてお尋ねがございました。
このノバリアでございますけれども、これは活用が進んでいまして、今年度も466回、そういうスポーツ指導等が行われる場が持たれることになります。議員がおっしゃったように、おおむね1万人ぐらいの利用者の中で半分半分、障害者と健常者が分け合いながら使っていると。これがまた交流にもなりますし、お楽しみにもなると。ここの機能としては人材育成が重要でありまして、こういう障害者スポーツのガイド人材が現在200人ぐらい、このノバリア関連で膨らんできています。これは大体4対2対4の割合で東・中・西の人材が育成されていまして、バランスよく今、東部、中部、西部に人材を送り込めるようになってきていると。さらにこれを公式コーチ、公認のコーチですね、初級から上級までございますが、こちらのほうにさらに進んでいただけるように、できれば450人ぐらいの認定コーチをつくっていこうという運動になってきているところであります。
また、中部、西部でもサテライトをつくろうと。この7月には、米子サン・アビリティーズさんが西部のほうのサテライトということになると。ここでやはり障害者のスポーツ関連事業、こういうものをやっていくということで今、準備中でございます。今後もこうした障害者スポーツの振興を進めていければと思います。
次に、米子-境港間の高規格道路につきまして、グランドデザインを練り上げて、機運を高めていくタイミングではないかと、こういうお話でございます。
これにつきましては、議員の皆様にも期成同盟会に加わっていただきまして、毎年こうしたことも含めた要請活動もするようになってきました。元はといえば、昭和45年に基本計画ができるわけでありますが、昭和40年代、まず予定路線から始まる。それが、平成に入りまして米子道が完成をするわけでありますけれども、ただ最近、平成15年に米子から米子北の間がいわゆる新直轄事業ということになり、そして、平成18年には事業凍結ということになりました。それで、実は米子北から境港は基本計画もできていないという状態のままに置かれています。これを何とかひっくり返そうと、私も19年の就任以来、関係方面に働きかけたり、自治体等とも御議論申し上げてきたところでありますが、伊木市長、このたび再選されましたが、4年前に当選をされたときに御相談を申し上げて、こういう米子-境港間、これを米子、境港両市の間でも協議を進めてもらって、ぜひ格上げをしていこうと。計画段階評価というのを目標にしてやっていこうと、こういう動きを始めたところです。その後、日吉津村、中田村長が就任をされたとき、日吉津村も加わっていただくようになり、それで、2市1村と県とで共同で東京のほうに要請活動に上がるように大分変わってきたところであります。その間、私どもでは勉強会を重ねていき、そこにさらに国交省にも入っていただくことで進めてまいりました。
ここに来て、昨年度ぐらいから動きが一定程度見えてきたのかなと思っているのですが、ちょうどこの米子、境港に限らず、中海・宍道湖圏域を見てみると、431号線をどうしていくのか。これはずっと出雲のほうに延びていきますけれども、それと加えての言わば基軸をつくっていく。この中海・宍道湖圏域の基軸を9号線のバイパスである山陰道と併せて考えていく必要があるのではないか。そういう議論を国と両県で始めるようになってきました。これを基に、米子から境港にその基軸をつくっていく一つの重要なパーツとして、この高速道路化というものを働きかけていくと。こういうシナリオが今、見え始めているというふうに思います。実は令和3年度の予算についての国土交通省の説明書類の中でこのことについても触れているところでありまして、鳥取県、島根県等の関係自治体と協力をして、今申し上げました機能軸、これを強化していく。それについて検討するというふうに書かれています。この機能軸も一つの軸を立てていく、これにつきまして、私ども地元としても今年度はその調査検討を深めさせていただいて、それで、行く行くは国交省のほうとも調整をしながら、計画段階評価採択を目指していければと考えております。今年度から来年度にかけて、そうした一つの着実な道を開いていければと考えております。
次に、県の災害福祉支援センターにおけます災害ケースマネジメントにつきましてお尋ねがございました。
この災害ケースマネジメントでありますが、平成28年10月21日の鳥取県中部地震におきまして、家屋で大きな被害がございました。大体1万5,000戸ですね、そうした被害がございました。この復旧を進めようと鳥取県は市町村と話し合いまして、全国では初めて全ての被災家屋が対象になるような助成制度を組ませていただき、それから、関係の事業者とも協力をし合いながら、他県の職人さんにも来ていただく事業もつくりながら、精力的に復興を進めたわけであります。それで、見る見る実は復興が進んだのです。それで、平成30年の春の段階では、大体1,000戸ぐらいまで被災のまま残っている家屋が減ったところでございましたけれども、その頃、大分足踏みに入ったわけです。それを当時、倉吉市さんだとか、アンケート調査をしていただいたりして、調べたわけでありますが、要はいろんな事情が入っていると。例えば多重債務を負っているとか、それから、実は障害ということがあるとか、それからまた、あまりにも高額で手が出ないとか、そういういろんな要因があってどこかで止まってしまっているので、そこから先に進まないということが分かってきたわけです。そこで、テスト的に事情を調査して回ったりする中で、アメリカでやっていたような災害ケースマネジメントを本県でも導入したらどうだろうかと。言わば福祉的手法で対応してみようかということにしたわけであります。それで、危機管理基本条例、この中に災害ケースマネジメントの考え方を入れて、県議会のほうで御承認いただきまして、本格的に地元の自治体や、それから関係団体、ファイナンシャルプランナーや建築関係等々と一緒に動き始めたわけです。現状はどうなっているかというと、昨年度末の段階でまだ修繕が終わっていないのは27軒まで減っています。大分この災害ケースマネジメントで対象家屋が減ってきたところでございまして、非常に全国の関係者から注目され、東北の被災地などでも参照されたりしているところでございます。
この災害ケースマネジメントの手法を今後全県的にも広げていこうという問題意識がございまして、そのやり方を考えていたところ、県の社会福祉協議会のほうでDCATを本格化させようと。そういうようなことでセンターをつくろうというお話がございまして、そこで両者で話を調整させていただいて、そのDCATも含めた形での災害福祉支援センターというのを社協の場所に設置をさせていただき、県として運営を始めることにいたしたところでございます。これにつきましては、まず、訪問して調査をして、言わばカルテのようなものを作りながら、関係機関でまとまって話し合うのですね。当初は、議員が言った役割分担というのは、特に地元自治体が主役になるところかなと思います。それから、ケース会議みたいなことをやるわけであります。これについては、どういうふうにしようか。この辺から関係団体が入ってきたり、県も主導してさせていただく。そして、実際には携わりながら解決策を個別にまた御相談申し上げて、それで、事業を行っていくと。専門家を派遣する。こういうことの事業立てになります。これらをやる中で、お互いの役割分担をしていこうとしております。これは、それぞれの地域のやり方が多分あると思うのですね。今、この災害福祉支援センターをつくりまして、各自治体などと協議をしておりますが、例えば日野町のようなところでは、西部地震を基にできましたひのぼらねっとがあるわけですね。ああいうところなどを基軸にしてできるのではないかなと、こんなような声も聞こえてきています。それぞれの地域に合ったやり方で、こうした災害ケースマネジメントが普及できればなと考えております。
最後に、私のほうでは、流域治水についてのお話がございました。これについては、水田などの農業地域が貯留機能として被害を分担させられるというようなネガティブなイメージもあるけれども、どうやって関係者の理解を得て進めていくのかということであります。
こういう流域治水につきましては幾つかの側面がございまして、1つは、当然ハード対策、これは米子でいったら水貫川のところなども昭和62年や平成23年、25年と相次いで水の被害が出ておりますけれども、これも昨年度から県のほうでポンプを5立米分付加して、それでやっていこうと、今、この事業化に入ったり、あるいは青木のところはよく水につかりましたけれども、あれについても、法勝寺川について、これは背割り堤を造って分流して、それによってやはり大分治水能力が高まった。さらには、維持管理の分野にはなりますけれども、例えば佐陀川とか、あるいは精進川だとか、こういうところで樹木の伐採や河道掘削、こうしたことを今進めていますけれども、こういうことでハード的には一つ対処していくというのが一つの分野になります。
もちろんソフトのものもあって、このソフトの関係では、例えば尚徳地区の自主防災会のほうでは、平成30年の7月豪雨のとき、尚徳公民館のほうにこれを自主避難所として設定をされました。これはいわゆる支え愛避難所というふうに我々は呼んでいるものでありますが、こうしたことで難を逃れる、こういうことを進めて、とにかくみんなで支え合って逃げようということを一つはやるわけですね。
ここにもう一つ、流域対策というものが加わると。これは議員がおっしゃったように、典型的にはこの農業地のほうで一時的に水を引き受けるということも含めて、関係者の理解を得ていくということです。これは今、東部では大路川のところでこの流域治水の協議会が立ち上がりまして、今、話合いを始めておりますし、そこで一部地域で、こういう田んぼダムと言われるのですけれども、田んぼのほうで一時的に水を引き受ける、そういうことを今、テスト的に始めておられます。同じような検討は今、日南のほうでも田んぼダムの検討を地元のほうで進めておられます。この日南の印賀地区になるのですけれども、こちらのほうで今、検討を進められて、これがもし実現しますと、いわゆる多面的機能支払いという制度がありますけれども、あちらのほうで10アール当たり400円の加算が出ることになりますので、地元としてもメリットもあるのですよね。この辺を理解一つ織り込みながら、下流域と上流域との間で協働で治水能力をお互い工夫し合って高めていこうと。こういうのが流域対策の考え方です。田んぼダムに限らず、様々なこと、例えば避難スイッチというような手法があったり、いろいろと今、皆さんで研究をされているというようなところでございます。
◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)松田議員からの代表質問にお答え申し上げます。3点御質問をいただきました。
まず1点目は、今後の教育行政をどのように展望されるかということでございました。
この4月に県の教育委員会教育長を拝命いたしました。その大役、重責に本当に身が引き締まる思いでいっぱいでございます。そして、本日、この議場で代表質問に初答弁をさせていただくということで、甲子園の采配以上に緊張している自分を感じますが、精いっぱいお答えしたいというふうに思いますので、思いの一端をお聞き願えればと思います。
私は、昭和61年の春に国語の教員として、同時に野球部の監督として教員生活をスタートいたしました。生徒や選手の思いを大切にし、共に汗を流しながら、生徒たち、選手たちと一つの目標を目がけて歩みを進めてまいりました。その後、事務局の経験もさせていただきながら、今年で36年目を迎えるところでございます。教員を志した当時も、そしてまた、この重責を担った今も私自身の思いとしては、1人の力ではどうすることもできない、何もできない。みんなの思いや知恵や力を一つに合わせたいいチームづくりをすること、これが私の教育の理念でもあり、モットーでもあります。その上で大切な心は、周囲の声に素直に耳を傾ける、そんな素直さと、そして、決しておごることなく、そしてまた、自分自身から逃げずに、真正面から向き合う謙虚さと、そして、どんな難題にもひるむことなく、その達成を目がけて取り組んでいく挑戦する気持ちと、この素直に、謙虚に、常に挑戦者、この3つの精神が発揮できる、そんな子供たちの育成を目指した取組を随所にわたって進めてまいれたらというふうに思います。今御紹介しましたこの3つの精神は、先ほど議員さんから御紹介いただいた昭和63年の爽やか旋風を起こしたチームたち、その選手たちから私自身が学んだ思いであり、それが今も私自身の座右の銘として、この生きる信念として根底を流れているものでございます。そんな思いが実現できるような教育行政を進めてまいれたらというふうに思います。
御承知のとおり、この4月からスタートしましたGIGAスクール構想ですとか、なかなか減らない不登校、あるいは特別支援教育、様々な課題がありますが、その一つ一つに誠実に向き合うと同時に、組織的な対応をしていく。まずは、事務局がワンチームとなった取組を進めていくことが私は必要不可欠であろうというふうに思っております。
今、教育振興基本計画のほうでも、子供たちの自己肯定感を育むべく、子供たちが鳥取の未来を希望を持って生きることができる、そんな子供たちの育成に取り組んでいるところでございます。そのためには、たくさんつけなければいけない力や、そして、資質は多々ありますけれども、私は、まず学校、家庭、そしてまた関係団体、これには例えばJAさんといったような農業関係や林業、漁業、これらも全て含まれますが、そうした横のつながりと、これを幼・保・小・中・高・大学、短大、縦のつながり、あの有名な中島みゆきさんの「糸」ではありませんが、この縦と横をしっかりとつむぎ合わせることで、鳥取で生まれた子供たちがどこにいようとも、このふるさと鳥取のことを慕い、思い、そして関わり合っていく、そんな子供たちに育てていけるように取り組んでまいりたいと思っております。そういう意味では、ふるさとキャリア教育は全ての活動の基軸になるものであると思い、学力も、そしてまた、いろいろな学校行事も含めた取組として、ふるさとキャリア教育を根底に据えた取組をぜひ進めてまいりたいと思っております。
コロナ禍で随分、昨年来、子供たちは我慢も強いられてきましたが、逆にその中で見つけたものもたくさんあります。また、我々としては、コロナ禍をプラス思考で捉えて、この大きく何かを変えるチャンスである、そんな前向きな視点で子供たちの育成に心から取り組んでまいりたいと思います。
それでは、高等学校における主権者教育についてお尋ねがございました。これは、松田議員をはじめ、以前は福間議員さんからも、そして、政治参画ということで、尾崎議員さんからも質問をいただいた内容だと思います。
この点につきましては、選挙年齢の引下げや、あるいは御紹介のありました成年年齢の引下げが近づいておりまして、より主権者教育の推進をしてまいる必要はあろうと思っておりますし、これまでは座学で学んだ政治の仕組みですとか選挙制度、それをいかに体験的な形で進めていくかということが重要であり、その2つ、2本柱で主権者教育をこれまで進めてまいりました。県議会でもお世話になり、北栄町でも、または八頭町でも議会を通じた高校生議会等でそうした実体験をさせていただいていること、これは貴重な体験であろうと思っておりますし、今月、6月8日でしたか、岩美高校の1年生が岩美町議会を傍聴するという、そんな取組がありましたし、それから、昨年度は倉吉西高校が倉吉市のほうで開かれた市民対話集会、福祉ですとか教育ですとか、観光、医療、そういった市民と市の将来ビジョンを語り合う、そういう場に17名が参加して意見交換をして、実際、自分たちにできることは何か、そんな考えを深めたというふうなことも聞いております。この座学と、それから体験型と、私としては、今後はその体験的な部分をしっかり重視した主権者教育を進めてまいりたいというふうに思っております。
3点目でございます。県立博物館の将来像について、どのように考えるかということを御質問いただきました。
ここ最近は新美術館のほうの整備を優先してきたところでございますが、博物館のほうも平成30年の6月に中間まとめとして基本構想を整理しております。その整理に当たっては、鳥取県の個性だとか魅力をしっかり発信する場所であること、あるいは、知的探求の幅を広げていく、そういう学びの場である、そんな目的を新たに再確認して、博物館の新たな改修、構想に向けての整理をしていっております。この設置目的をしっかり果たすために、資料の収集でありますとか、あるいは教育の普及、地域との連携、そういった観点もしっかり取り込みながら、これらの機能をしっかり充実させることで、博物館もこの鳥取の大きな財産として、ふるさとの自然、歴史、文化、これがしっかり発信できるような博物館として今後も展開をさせていきたいというふうに思っているところでございます。言うなれば、これも先ほど申しましたふるさとキャリア教育の知の拠点として位置づけながら、博物館も美術館も進めてまいりたいというふうに思っております。
◯副議長(広谷直樹君)
服部警察本部長
◯警察本部長(服部準君)松田議員から警察官の退職等の実態などについてお尋ねがございましたので、お答えいたします。
県民の皆さんの安全と安心を確保するため、優秀な人材を確保することは必要不可欠でございまして、県警察におきましては、組織を挙げて採用募集活動に取り組んでおりまして、毎年採用試験の最終合格者を警察官として採用しているところでございます。その一方で、警察官として採用されてから3年以内に退職する者の割合が過去10年間におきまして、少ない年では約2%、多い年では約28%、年によってばらつきはありますけれども、平均しますと約15%存在しておると、こういうところでございます。その退職理由のほとんどは、警察の仕事が合わない、規律が厳しい、警察官としてやっていく自信がなくなった、こういったことでございます。警察は、公共の安全と秩序の維持に当たることを責務としております。そのため、警察官の質を確保する必要がございます。こうした観点から、自分は警察官に向かないと考える者の辞退であるとか退職、こういったことはありますけれども、可能な限り警察官として育てて、県民の皆さんの安全・安心のために貢献させる、こういうことが重要な課題であると認識しているところであります。
そのためには、まず第1に、警察の仕事をよく理解した上で警察官を志してもらうことがまずは大切であろうと考えております。具体的には、インターンシップやオープンキャンパスなどの体験型の説明会の開催や内定者説明会における警察学校入校中の警察官との座談会、こういったものを実施しております。また、リクルーターが採用内定者を訪問しまして、採用に係る不安を解消してもらうため、採用内定者やその保護者に対しまして様々説明をしたり、疑問、質問に答える、こういう活動を行っております。こうしたことによりまして、警察活動に対する理解を深め、警察の仕事にやりがいや魅力を感じてもらうとともに、いわゆる受験のミスマッチ、こういったものの解消に努めておるところであります。
第2に、若手警察官が自信を持って仕事ができるよう、実務上の知識や技能を丁寧に教えることが大切であろうと考えております。具体的には、警察学校におきまして、基本法令の習得、捜査書類等文書作成能力、現場対応能力及び逮捕術等、術科技術の向上に向けました採用時教養の充実強化を図っております。また、議員御指摘ありましたとおり、ネット社会を背景としましたサイバー犯罪でありますとか高齢者を狙った特殊詐欺、このほかにも外国人による犯罪など、警察官に求められる能力が多岐にわたり、かつ専門性も高まっていると、こういう状況であります。このため、各所管部門によるその時々の情勢を反映しました集合教養、巡回教養を行っているほか、専門的知識を有します部外有識者や他機関の職員等による幅広い教養を受けさせております。加えまして、現場対応の機会の多い若手中堅警察官に対しまして、自らが考え、判断し、行動するといった一連の流れを身につけさせることを目的といたしまして、実践的総合訓練と称しまして、様々な想定のロールプレーイング方式による訓練を実施するなどいたしまして、現場対処能力の向上に努めているところであります。
第3に、若手警察官が働きやすい魅力ある職場環境づくりを進めることが大切であろうと考えております。具体的には、働き方改革、ワーク・ライフ・バランス、女性活躍推進の取組を従来から実施しておりますが、その取組の成果の一例として、男性職員の育児休業取得率、現時点の集計では令和2年度の実績が53.3%でありまして、警察部門で全国第1位となりましたその前年度、令和元年度の実績の56.5%と同等の高い率となっております。また、警察学校における生活指導上のルールの見直しを図りまして、社会の変化や若者の気質に応じました合理的な生活指導を推進しています。このほか、各種情操教育を取り入れまして、警察官として必要である豊かな人間性の醸成と高い倫理観の涵養を図りつつ、警察業務のやりがいや魅力を伝えているところであります。今後とも若者に警察活動に対する理解を深めてもらうとともに、若手警察官が様々な事象に対応できる能力を身につけ、やりがいを感じながら、継続して働くことができるように取り組んでまいる所存であります。
◯副議長(広谷直樹君)質問中途でありますが、換気のため、暫時休憩いたします。
午後3時ちょうどから再開いたします。
午後2時48分休憩
────────────────
午後3時00分再開
◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。
引き続き、代表質問を行っていただきます。
12番松田議員
◯12番(松田正君)御答弁いただきましたので、追及質問に入らせていただきたいと思います。
すみません、ちょっと順番が前後しますが、まず、警察本部長から追及させていただきたいと思います。
警察学校を見に行かせていただきまして、本当に若者たちがしっかりと勉強、そして訓練にいそしんでいるということで、寮の中とかも見せていただきまして、コロナ対策で間引きながら使われているということで、大変だなというふうに思いました。しっかり今後とも育成に取り組んでいただきたいと思います。
今、答弁の中で、オープンキャンパスをするということがありまして、どんなふうにしたのかなと思うのですけれども、またちょっとそれも期待したいというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。
さて、早速追及させていただきたいと思いますが、将来を担う若い世代の警察人材をいかに確保、育成していくか、これは大きな課題であろうと思います。先ほど答弁にもありましたが、男性職員の育休取得率が非常に高いということなど、働く場所としての魅力向上に努められていることは高く評価したいというふうに思います。ただ、やはり根底にあるべきは、県民の生命、財産、安心・安全な暮らしを守るという崇高な理念と職務に対するやりがい、使命感とモチベーションを持ち続けることにあり、それを現場で実践するいわゆる中堅世代の活躍、さらに、それを支える管理職やベテランの存在、言わば研修や訓練などとは異なる職場風土のようなものによることが大きいのではないでしょうか。私も自民党県連におきまして、青年局長の立場として学生部の皆さんと接する機会もありまして、日頃、議員活動にしっかりと改めて取り組まねばならないなと自分を律する気持ちになりますが、20代の若い世代に自分もこういった警察官になりたいというふうに思わせるような中堅世代、30代、40代の警官の方の育成というものが必要な観点であろうと考えます。こうした職場風土や中堅世代の育成という点について、警察本部長、どのように認識しておられるのか、所見を伺いたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
服部警察本部長
◯警察本部長(服部準君)松田議員から職場風土と中堅警察官の育成についてお尋ねがございましたので、お答えいたします。
一般的に中堅世代、30代、40代の職員につきましては、警察の組織に置き換えますと、巡査部長でありますとか警部補、こういった中堅幹部職員に当たりまして、その多くは第一線の現場である警察署等におきましてプレーイングマネジャーとして活躍してもらっているところであります。こうした中堅幹部職員につきましては、自らが経験し、また、諸先輩から受け継いだ知識や技能を生かして、現に第一線の現場における中核として活躍しながら、若手警察官の指導を行い、目標となるべき警察官の姿を体現しているというところであります。若手警察官の育成指導を担う立場として、各種教養訓練を通じて自身の職務執行能力向上のための研さんを積ませておりますけれども、その中で、それぞれ活躍分野における卓越した技能を認められて、技能指導官として任命される職員も出てまいりまして、その背中は若手警察官にも目指すべき目標として映っているのであろうと認識しております。このように、若手警察官の目標となり得る中堅幹部職員の裾野の広がりが、県民に寄り添う強い警察を次の世代につなげる風土の醸成につながるものと認識しておりまして、今後ともこうしたことを大事にしながら、人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
◯副議長(広谷直樹君)12番松田議員
◯12番(松田正君)しっかり取り組んでいただきたいと思います。
最後に、警察本部長にもう1点お伺いしたいと思います。職場環境、人事管理の観点で、感染症対策についてお尋ねしたいと思います。
新型コロナ感染症、今日も何回も言っておりますが、4月には兵庫県の警察学校におきまして、学校内の職員にも16%にわたる60人余りのクラスターが発生しました。そして、全国各地の警察署などでも自宅待機するような事例があったというふうに伺っております。また、現場においても、マスクをしていない方を制止したり、言い争いになったりということ、場面もあろうかと思います。私も実際にそういった場面をこの間ちょっと見たところで、今日、質問させてもらうのですけれども、警察署内などで感染拡大が生じ、警察機能が欠落するようなことがあってはならないと私は考えております。警察署内、警察学校内、県民が多数訪れる警察施設、例えば免許センター等ですね、そういった施設において、また現場対応においても、衛生管理意識の徹底などを含め、感染症対策は万全であるのか、警察本部長の所見を伺いたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
服部警察本部長
◯警察本部長(服部準君)松田議員から、県警察における感染症対策についてお尋ねがございました。
県警察におきましては、警察職員の感染が確認された場合であっても、事件、事故の初動対応や行政サービスなど各種警察活動に支障が生じませんよう、業務継続計画を策定の上、本部職員を中心とした応援体制を早期に構築し、必要な業務体制を維持することとしているところであります。
県警察における感染防止対策でございますけれども、警察署や免許センター等、県警察の庁舎内の共有スペースへの消毒液や透明ビニールカーテン等遮蔽物の設置、窓口の消毒などに加えまして、庁舎に出入りされる警察職員以外の皆様に対して、マスクの着用や手や指の消毒など、感染予防に関する注意喚起や協力依頼を実施させていただいております。職員に対しましても、マスクの着用、手洗いなど手や指の消毒、三密の回避、対人距離の確保などの衛生管理を徹底させておりますけれども、特に泥酔者の保護など、マスクをしていない相手方と身体的に接触することが予想される場合におきましては、手袋の着用でございますとか、その対応直後の手、指の消毒、こうしたことを徹底させております。
また、感染状況を踏まえつつ、各種警察活動や日常生活における
感染拡大防止対策を職員に示しまして、オンラインを活用したリモートによる各種会議や研修会の開催など、各種対策を徹底しているところでございます。加えまして、組織的な健康管理対策として、職員本人のみならず、職員の家族のPCR検査の受検状況でありますとか、健康状態について把握に努めまして、状況に応じて在宅勤務等で対応しておりますほか、警察学校におきましては、入校の2週間前からの検温と朝夕2回の検温を徹底しているところであります。引き続き、各種警察活動に支障が生じませんよう、必要な感染防止対策を徹底してまいります。
◯副議長(広谷直樹君)12番松田議員
◯12番(松田正君)御答弁いただきましてありがとうございました。いろいろ感染症対策がございます。県民の方に対する対策ということで、いろいろ消毒等徹底されるということでありました。一つ検討していただければと思うのが、いわゆる抗菌コーティング、いろんな公共交通、バス等ですとか、そういうところでやっておられるみたいです。教育委員会でも高校施設等で一部やられたというふうに伺っております。ぜひとも県警でも、特に免許センターなど、いろんな方が来られますのでね。そういったところを今後検討していただければと思います。
あと、いわゆる現場での感染防止ですが、今言われたように、泥酔者の対応、大変だと思います。私が見たのは、この距離で、マスクなしでばり雑言を浴びせられている警官を見たのです。それで、今日質問させてもらいました。ぜひそういったことも、ケアといいますか、対応も含めて、今後取り組んでいただきたい。こういうことを要望しまして、次は知事に質問させていただければと思っております。
まず、知事の追及質問は、産業についてですね。産業の再生と持続的発展性ということで、様々な事例を御披露いただきました。米子のポンプ会社のオリンピックのポンプ、あれはたしかカヌー会場のポンプだったと思います。そういったところもある。また、メッキ会社のお話もありました。また、これは、全日空は会社名言っていいですね。全日空さんとのいわゆる業務提携、そして、従業員さんとの移住定住、CAさんの移住ということで、大変興味深いお話を伺いました。そういったこともございます。今後ともしっかりと取り組んでいただければと思っております。
ここで産業振興未来ビジョンの重点施策の一つとして、重点対策についてちょっと聞かせていただきますが、今言いました重点対策の一つとしまして、
新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底や事業継続などを進める産業雇用プログラムがございます。特に緊急事態宣言等による全国的な自粛ムードで甚大な影響を受けた飲食店等については、感染予防、拡大対策を徹底した安心観光飲食エリア、
新型コロナ対策認証制度の取組の拡大、資金繰りなどによる事業継続の支援、デジタル化や新たな業態導入支援などが掲げられております。飲食店の感染防止対策を県など第三者が認定する制度については、本県も含め、幾つかの県で実施されておりますが、山梨県のやまなしグリーン・ゾーン認証を政府が全国で導入するよう推奨しております。恐らく山梨モデルがクローズアップされているのは、その普及状況にあるかと考えております。本県の新型コロナ安心対策認証店の認証事業者数が5月13日時点で192件に対し、山梨県は5月21日時点で5,540件とのことでありました。しかしながら、4月下旬に山梨県の認証店においてクラスターが発生し、県は認証基準の見直しを実施するとのことでありました。県は5月臨時会において、認証取得に取り組む事業者の感染防止対策の支援の拡充や、認証取得に向けた指導及び巡回指導体制の拡充等の事業を予算化されております。山梨県の例を見ましても、感染対策のレベルを下げずに認証店の普及拡大をいかに図るかというところが今後の課題であろうかと思いますが、この難しいバランスをどのように取りながら、安全・安心な認証制度の拡大を図っていくお考えなのか、知事の御所見を伺います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から、認証店につきましてお話がございました。
本県は、実は昨年の6月からもう1年越しでこの認証店事業を行っております。もともとは東京都は虹色のステッカーで有名になっていますが、あれも実は本県は先回りしてやっていたのですけれども、そうした事業の中で、そういう協賛店としてやる中で、特に模範的なものを認証店として、これを広げていこうと。当時、あれは接待を伴う飲食店だったと思いますが、東京の江戸川かどこかでやはりクラスターがありまして、そういうステッカーを貼ってあっても意味ないではないかというような議論がありました。本県は当時、それはやはり手を挙げるだけではいけないだろうと。そういう認証店ということを増やそうということでやったのですが、結構審査の手間がかかるのと、やはりハードルが高いということもあったのだと思いますが、なかなか認証店の数が増えなかった。それで、山梨のほうの事業というのは、あれはあれで増えていっているのですが、山梨の知事などにもいろいろ聞いてみたのですけれども、そこは東武ツアーズ系のそういう事業会社を活用して、そこで認証登録の仕事を委託をしてやっているということなのですね。本県もそれは取り入れられるのではないかということで、この当初予算段階ぐらいから入れさせていただいて、普及を図ろうとしておりますし、それから、これまでも第四波対策の対策事業として、これは認証店並みをやっていただけるのであれば、応援金を出しますよと。これは、既に1,500件以上応募が来ています。
それからあと、このたび5月議会で認めていただきましたコロナ禍対策特別応援金という、これにつきましても、今、問合せが増えておりまして、これは認証ということを条件にしていますので、さらにリジットにさせていただいています。これらで今、急速に関心が増えて、言わば認証店のレベルを目指すお店が急増しているというところです。現在、どういうことをやっているかといいますと、先ほど申しましたような仕組みを活用しまして、調査員について、これまでもそうした外注で15人いたのを、これを30人にしようと。6月から、そういうふうに増やしております。それから、書類のほうも審査がいろいろと手間がかかりますので、12人のところを27人にこの6月から増やしております。こういうふうにして、その認証事業を加速化させていこうと。多分、認証の審査も大事ですけれども、認証レベルに達するようにお店が努力することはもっと大事なのですね。結局は今回、山梨でもグリーン・ゾーン認証店でクラスターが発生をしている。それで、現実には今、山梨県は、東京、神奈川、そして山梨が非常にステージ3のレベルに上がってきているのですね。そういう意味で、今までなかったような感染状況に今、山梨がなっている。ですから、大切なのは、我々がやるように、やはり鳥取方式できちんと調査をして、それで感染を広げない努力を行政がやることが一番大切。それとあわせて、お店にも努力をしていただくと。これも単に認証時だけでなくて、ふだんからやはり声かけをちゃんとやっていただくだとか、そういうことが一番大事でありまして、多分モラルが一番大切なのだろうと思います。その辺の普及活動をやる意味で、補助制度なども今回活用させていただいておりますので、認証のお店の数は今、200を超えましたけれども、まだ足りない。大体1,000ぐらいは最低でも目指そう。で、今、1,500出てきていますから、そのぐらいに持っていけると思うのですが、それをスピーディーにやってまいりたいと考えております。
◯副議長(広谷直樹君)12番松田議員
◯12番(松田正君)しっかりと取り組んでいただけるということで、安心しました。ただ、認証店制度が通ったといっても、100%ではありませんのでね。引き続き、鳥取方式の検査体制と併せて取り組んでいただきたいというふうに思います。
ちょっとすみません、通告していなかったので、もう要望で結構なのですけれども、飲食店の方にお話伺ったときに、今、食事に行くと、名前と連絡先を書いてくださいというお店がぱらぱらあるのですけれども、あのシステムはいいのですけれども、フォーマットを統一して、県として配っていただくと非常にいいなというふうな声を伺いました。確かに店ごとにいろんな書く項目が違ったりして、そういうことがあるのだなというふうに思いました。これは簡単なことですので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
続いて、スマート農業については、追及はいたしません。これは語堂議員が一般質問でされるということでございますので、あとはよろしくお願いします。
次は、林業振興について。
安全な林業ということで取り組んでいきたいということでございます。冒頭の知事の公約の話の中で、皆伐再造林のやつがたしかちょっとまだ緒に就いたところだということで、多分数字が100%となっていないなということだというふうに私も認識しております。それで、ぜひサプライチェーンの維持等々、今後ともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
追及質問ですけれども、先ほど知事も言われましたが、いわゆるウッドショックのことについて再度お伺いします。
今議会の補正予算に、いわゆる製材事業者への手当てと、あと県内木材への転換に向けての施策を講じていくという予算が計上されておりますが、このウッドショックというのは、アメリカの住宅ブームに端を発した木材価格の高騰ということであるのですけれども、このコロナ禍において、なぜかアメリカ人は家を建てたくなっているということで、アメリカ国内での木材需要の逼迫、あわせて、日本に米松等々が入ってくるというのは、商社が買い上げて、それを輸入しているわけでありますが、コロナ禍で、日本の住宅着工需要が落ち込むのではないかと想定した商社が、しばらく買わなかったと。その間に中国の商社が入り込んできて、全部買い占められてしまったと。したがって、今後しばらく取り入る隙がないのではないかというふうなお話を西部の大手の建材、木材販売業者の方に先日伺ったところでございます。したがいまして、このウッドショック、数年続くのではないかと本当に言われております。県も内地材の切替えを考えているということでございますけれども、昨日の農林の常任委員会でも議論があったのですけれども、例えばはりや桁にするような材料をなかなか杉で取れるのかというような提起が福田議員のほうからありました。確かにそれはそうでありまして、なかなか大判のやつを取ることはできない。あわせて、そういった長いスパンを飛ばして使用する、いわゆる大断面集成材ですね。こちらについても、要は材料が入ってこないわけで、それも各メーカーは作ることができないというふうに聞いております。したがいまして、やはりちょっと通告とは若干違うところはありますが、今後、本当に県産木材にシフトしていくのであれば、そういった大断面集成材、県内で今はパネル等しか作っておりません。そういったことも含めて、今後検討していくべきではないかと考えますが、知事の御所見を伺います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から、重ねてのお尋ねが木材関係でございました。
今、ウッドショックと言われるのは、議員がおっしゃるように、1つには、新型コロナで各国が大量に資金を市場に提供しています。こういうことで、資金を借りやすくなっている。で、金利低下によりまして、アメリカで住宅着工が急増していて、それで木材を買い集めている。そこに中国も同じように、景気が戻ってきていますので、こちらも需要が旺盛で、買っていく。さらには、外材を輸出入するときのコンテナですね、これも不足をしてきていると。そのようなことがいろいろと相まって、外材が入ってこなくなったというような状況がございます。これは県内では典型的には石谷林業さん、智頭の市場がありますけれども、そちらのほうでは大体杉、ヒノキ、3割以上、4割以上というように対前年で価格が上がってきております。他方で、山のほうはどうかということですが、山もこれをチャンスと見て、供給はしてくださっているのですね。当然ながら、注文が出ますので、それも対前年でいくと、大体3分の2ぐらい増やしていると、65%ぐらい。こういうようなことで供給も確かに増えてはいるのですけれども、それ以上に需要のほうが追いついていなくて、それは外材の納入減によるものであります。そういう意味で、この議会の中でもそういう製材関係の事業者に対する支援として臨時交付金を出そうと。この中でいろんな事業展開、今おっしゃるような例えば集成材を活用した事業のことだとか、使途はあまり特に限定せずに応援しようということで、2,000万円取りあえず用意をさせていただこうと。そこに150万円、戦略を練る会議をやろうと。これは実は山持ちといいますか、森林、山側にとっては千載一遇のチャンスでもあるわけですね。皆伐再造林なども進めて、どんどんと切り出しをしていくと。で、供給をどんどん増やせる局面、しかも、値段が上がってきていますから、そういう意味では、今はちょうど頑張りどころというようなことにもなるわけです。これは国内全体がそうでありますので、国産材についてもチャンスということです。
実は昨日、閣議決定がありまして、国全体での森林、林業の計画がまとまりましたが、そこでそうした国産材を使った建築需要を大幅に増やそうと。それから、今、まさに議員がおっしゃった、苦労している製材関係に対する支援をやろうと。これが昨日、計画の中で初めて入りました。ちょっとこれは注目しているのですが、こういうようなことを我々としても横にらみしながら、まず、ちょっと今議会では戦略を練る予算をつくらせていただいて、今後の事業展開の応援をさせていただこうと考えております。
◯副議長(広谷直樹君)12番松田議員
◯12番(松田正君)今回、交付金的な予算が計上されておりまして、私の知る限り、恐らく製材事業者に真水といいますか、直接の支援というのは初めてではないかと思います。それだけ本当大変なことになっております。過去、うちも製材業をやっておりまして、地松も少し引いておりましたが、ほとんど米松引いていました。今やっていたら、本当どうしているのだろうなというふうに思うのですよね。全く入ってこない中でどうするのかということで、本当に製材業者さん、もう数も少なくなっていますが、やはりもう生き残ってくださった皆さんのところにはしっかり仕事してもらいたいというふうに思いますので、ぜひとも県としても今後とも取組を加速化していっていただきたいと思います。あわせて、使途の制限が、なるべくなら使いやすい交付制度を練り上げていただきたい、このようにお願いして、次の項目に移ります。
日韓暫定水域における安全操業に向けてということで、先般、第一鳥取丸で現場まで行かせてもらいまして、その際、第一鳥取丸の森脇船長以下船員の皆さん、また水産課の皆さんには本当にお世話になりましたこと、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。
現場に行く前に、私、有志の委員数名と境港の水産会社の方のお話も伺いました。1回ロープを切られると、1,000万円が飛ぶというふうなお話でございました。何で切られるかというと、要はその水域ではもう、日本の漁船と韓国の漁船の網でありますとかはえ縄でありますとかが入り乱れていて、それで、今、壇上でも言いましたが、ブイをつけずに設置していると。何でかというと、ブイがあると、そこで捕れるって分かっちゃうから、韓国船が来ると。あるいは、引き揚げられて切られちゃうということで、本当に、何ていうか、暗闇の中を探るようなことをしてやっているらしいのですよね。要は、漁労長さんのGPSのデータもあるけれども、それを引っかけて揚げたときに一緒に揚がってきた日本のやつを切っちゃうというふうな話でした。ということで、非常に本当に思ったよりも深刻だなというふうに感じました。このことについては今日はこれ以上申し上げませんが、後日、鹿島議員のほうより深掘りされるというふうに伺っておりますので、鹿島議員、よろしくお願いしたいと思います。
さて、続いて、県営住宅の件でございますが、これは本当に今後、東京でも展開されるということです。モデルケースとして、しっかりと今後も広げていただきたいと思います。これも、追及はございません。
次、障害者スポーツの件でございますが、オリンピック・パラリンピック、いろんな議論はあるようでございますが、間近に迫っております。障害者スポーツの頂点でありますパラリンピックの出場を目指して、男子やり投げの高橋峻也選手や女子陸上短距離の川口梨央選手など、本県出身の選手も懸命に努力されております。身近な本県出身者が世界にチャレンジする姿は、子供たちを含め、障害のある方々にとっても励みになるのではないかと思います。幼少期から高齢者まで障害のある方の障害者スポーツの普及、スポーツ実施率の向上もさることながら、パラリンピックや世界選手権、2033年の2巡目国体、障害者スポーツ大会に向けた競技力向上にもしっかりと取り組んでいただきたいと考えますが、県としてどのようにサポートしていかれる考えなのか、知事の所見を伺います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から、障害者スポーツにつきましてお尋ねがございました。
先ほどおっしゃったように、高橋選手など、パラリンピックに選ばれるかどうか、今、最後の選考に入っているということでございまして、活躍されればありがたいなと思っております。5年前になりますけれども、野田選手が結構な勢いでスタジアムを走り抜いて、正直、行ったのではないかなと思ったのですが、残念ながら、ちょっとしたことで失格の判定になってしまったということでありました。リオオリンピックでもそうした活躍があったというのはまだ記憶に新しいところであります。我々としても、これからもノバリアをはじめとした拠点を通じまして、障害者スポーツを伸ばしていきたいと思いますし、サン・アビリティーズさんのほうでも砲丸投げとか、これまでも実績を出しているところでございます。
これらの問題、課題につきまして、私どもとして一つ目標にするのは、2033年に決まりましたけれども、障害者スポーツ大会、これが本県で実施をされることになります。このときには、通常ですと、30名強ぐらいの出場枠が二百数十名ぐらいに膨れ上がると思うのですね。このときにそれだけの競技人口といいますか、選手が出ていけるチャンスでもありますので、そういうのが一つの節目として、今後、人材育成、それから、スポーツにチャレンジをすることの励みになればなと思います。実は国体だとかオリンピックだとかと違いまして、この障害者スポーツ大会のほうは参加のことを言わば一つの生きがいとして感じていただくというのもありまして、2大会連続出場したら休まなきゃいけないという特殊な大会にさせていただいていまして、ですから、単純な競技力だけではないのですけれども、ただ、現実にはメダル獲得率、本県は60%以上をキープしているぐらい、みんなが頑張ってくださっています。やはりそういう体験をぜひ多くの方にしていただけるように、そうしたノバリアをはじめとした競技人口育成をこれからも図ってまいりたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)12番松田議員
◯12番(松田正君)しっかりお支えいただければと思っております。
ノバリアに視察に行かせていただきまして、初めて車椅子で、あれはバスケット用ですかね、乗らせていただきました。本当に結構腕力が要りますもので、非常に鍛え上げられた方々がやっておられるのではないかというふうに改めて感心したところでございます。これからもノバリアを含め、米子ではサン・アビリティーズですか、中部でも決まってくると思います。しっかり取り組んでいただきまして、障害者スポーツの振興を図っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続いて、高速道路ですが、これは壇上でも申し上げましたが、本当に今年が勝負の年というか、鍵になる年だというふうに伺いました。我々議会としても全面的に協力する所存でございますので、今後ともいろいろ議論しながら、意見交換しながら、早期実現に向けて共に歩を進めてまいりたいというふうに思います。
続いて、次は、大規模災害、災害ケースマネジメントのお話でございますが、DCATのお話、答弁の中でされましたので、追及はしません。この災害ケースマネジメントはアメリカの例と言いましたが、あれはカトリーナ台風のときでしたよね。そのときにできた制度というふうに伺いました。先般、鳥取県の取組がNHKの番組でも取り上げられたということで、担当課の方に見せていただきました。本当に鳥取県はすばらしい取組だということでございます。DCATも含めて、今後しっかりと、いわゆる弱者の皆さんに寄り添った災害対応を進めていただきたい、これをお願いしておきます。
知事には、最後になりますが、流域治水のことについて追及質問したいと思います。
利害関係がいろいろ発生してくるケースが多々あろうと思います。その中で、いわゆる田んぼダムですか、そういったことでつかるところにおかれては、それは心情的につらい面はあろうと思いますが、知事が言われましたように、いわゆるメリットを示しながらいろんな話をしていくということで、いろいろ理解をいただければと思っております。
話の中に水貫川のポンプのお話もございました。また、青木の話、これは小松谷川でしたか、法勝寺川の合流のところ、たしか斉木議員と私が市会議員のときに、一緒に現地に行かせてもらった覚えがあります。そのときも県の方に来ていただいて、あのとき、橋が流れたりというのもしたもので、いろんなことをして、現地調査等々させていただく機会をいただいたことを思い出しました。今後とも、対応含めてよろしくお願いしたいと思います。
追及なのですけれども、さっきの答弁の中でぱらぱら出てきましたが、県の管理する川について、僕、質問させていただきたいのですよね、いわゆる二級河川。私の地元の淀江町、宇田川は県管理の二級河川であります。平成23年の台風12号により、家屋の浸水被害など、一帯が水没することもあり、仕切り堤、輪中堤を整備するような計画について地元説明がございました。ただ、地元においてはあまり現実的ではないのではないかということで、理解もあまり進んでいないのではないかというふうに思っております。実際、私の自治会はぎりぎりその協議会に入らないところなのですけれども、隣から入りましたもので、そこの自治会長さんから、あの話はどうなっているのだろうなということを伺いました。結局、輪中堤で対応するということで、集落を土類で囲んでしまって、あふれたときに入ってこないようにするというようなことで、本当にできるのか、こんなことというふうな声も多数伺っております。とはいえ、今後、対策はしていかないといけないわけで、今、田んぼダムの話がありましたが、この宇田川が氾濫する場所というのは、福井地内の辺りで直角に曲がるのですよね。その辺りであふれまして、それこそ田んぼがそこからJRの線路の辺りまで水浸しになって、湖みたいになるというところでございます。今後、改めて地元住民の方や利害関係者に対する、ここだけではないですよ、宇田川だけではないのですけれども、二級河川全般についてちょっと聞きたいのですけれども、そういった関係者に対する丁寧な説明や意見交換などを踏まえまして、大規模水害の備えについて取り組まれることを私は期待をしております。県内二級河川水系における流域治水プロジェクトについてどのように進めていかれるお考えなのか、知事の所見を伺います。
あわせて、特に鳥取市を流れます大路川においてモデル的に実践されます避難スイッチを決める取組など、避難の在り方について県内でどのように横展開を図っていかれるのか、知事の所見を伺います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から、流域治水につきましてお話がございました。
まず、その宇田川につきましては、度重ねて被災があるところでありまして、お見舞いを申し上げたいと思いますし、県としても二級河川の管理に当たるものとしまして、ぜひ今後も話合いをさせていただき、丁寧に地元に寄り添った解決策を考えていきたいと思います。
このたび私どものほうでも、そうした大路川の流域治水のみならず、中部や西部でも同じような状況のところはございますので、そうした話合いをしながら、対策を考えていく、そういう予算を計上させていただいておりまして、これをぜひ活用させていただきながら、お話合いをさせていただければと思います。中部のほうでも、例えば北条川のところですね、ああいうところでやはり、米里ですかね、水がつかるところがございまして、そうしたところで例えばシステマチックに、どういうような雨の状態だったら浸水域がこうなるよと、それで、避難スイッチも活用しながら、逃げてもらうという、これは地元と今、協議をしているのですが、そういうようなことをやることも例えばあるのかなと。宇田川のところも同じように、これまでも度々課題が出ていまして、昭和62年の台風のときもそうですし、平成23年の台風12号ですかね、私も現場へ行きましたけれども、もう湖のようにあの一帯がなってしまうと。歴史的には実は縄文時代は海面が今よりも5メーター高いですから、あの辺は実は淀江一帯は海のところでありますし、ちょうど妻木晩田遺跡ができた頃にはもう少し海面が下がって、1メーター50センチぐらいですかね、今より高いぐらいで、それで、ラグーンのような状態で、砂州が発達をして、あの一帯はやはり広々として、水があったと。中世には沼地のようになっていましたが、最近は田んぼのような状態で活用されているという実情です。ですから、どちらかというと、水がたまりやすい、そういう性向がありまして、それをどういうふうにコントロールしていくのか。東部のほうでも福部の辺りが同じような状況でありまして、対策を順次重ねてきたところです。平成23年のときには、今おっしゃったように、輪中堤と言われるものの方策について地元と協議をさせていただきましたが、やはり反対の御意見も多いので、今、無理してやることではないかなというようなことで、そのまま凍結をした形に実情はなっていますが、未来永劫放っておいていいということでもございませんので、この機会にまた丁寧な話合いをさせていただきたいと思います。
それとあわせまして、避難スイッチにつきましては、今、大路川の流域治水でその検討を始めたところですが、モデル的には、このたび若桜でやってみたのですね。若桜の上町、中町等がございますが、特に中町のところなどは、上町のほうでの観測状況を見て、それで中町のほうがそれを避難スイッチにして、それで避難をするというようなことを実際やってみたところであります。こういうようなことが非常に有効でありますので、今、大路川の流域治水の中でも大覚寺の辺りでそうした話合いをして、避難スイッチの設定ということを考えています。これはもともと私ども、京都大学の先生の指導を受けながらやっていまして、日野町のほうで根雨の防災教育を京都大学と共同してプログラム開発をやった時期があります。この頃お世話になった先生が今、避難スイッチを提唱されていまして、これをまた我々のほうでも取り入れさせていただこうというふうに考えております。やはり逃げるのが一番いい災害対策だというのは、東日本大震災の大津波で日本中が目の当たりにしたところでございまして、私どもとしても、この避難スイッチの手法というものを活用してまいりたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)12番松田議員
◯12番(松田正君)宇田川の話を例に挙げさせていただきましたが、昔、たばこの乾燥場があった交差点のところからJR淀江駅の裏の辺りが浸水するということで、前回は淀江駅の裏の辺りの住居、そして、淀江小学校の横の団地の住居にも水が入ったということでございます。もうちょっとで小学校も行くのではないかというような実態でございました。避難スイッチのこともありますし、あと、話にありました東・中・西部もそれぞれそういった課題を抱えている河川があるということでございますので、ぜひとも積極的な対応をお願いしたいと思います。
そして、県土整備部長におかれましては、事情をよく知っている場所だと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それでは、教育長、追及質問させていただきます。
本当にすばらしい所信を述べていただきまして、大変期待感が高まったところでございます。今日の発言に当たり、甲子園で監督したときよりも緊張しておるというようなことを言われましたが、そんなことないように見えております。ぜひ、先ほど言われました思いを胸に、今後の我が県の教育行政のかじ取りをしっかりしていただきたいと思います。
御自身の野球の経験を含めて、チームが大事だということで、事務局としてもワンチームで頑張ると。子供たちにも、そういった一人では何もできないというようなチームづくりが大事だということを伝えてまいりたいということでございました。そして、地元に誇りを持てるような教育をしてまいりたいということを伺いました。ぜひしっかりとした鳥取県の教育、またこの議場でも議論させていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
そして、主権者教育のことも質問させていただきました。私も、前教育長と何度かこの議場で議論させていただきました。話にありましたように、福間議員もされていました。森議員もされていたように思っております。最初の参議院議員選挙のときは、メディアもすごい取り上げていましたので、関心も高かったのですが、やはりだんだん薄れてきている。恐らく現場での教え方もこなれてきているのではないかなと思うわけです。私も子供に聞いたのですけれども、いみじくも、やはり座学と体験ということで言われましたけれども、座学の部分がなかなか、子供の友人は寝る時間だというふうなことを言っている子もいたというふうに聞いております。本当大事なことですので、社会に参画するための一つの権利でございます。これをしっかりと行使できるよう、教育をしっかり進めていただきたい。その中で、今答弁で言われました、体験を重視したいと言っていただきました。ぜひここをやるべきではないかと思っています。模擬投票もそうですし、県議会だと学生議会、高校生議会をやります。また、いろんな市町村で学生議会等々やられるところもあると聞いております。ぜひともそういった機会を捉えていただくとともに、やはりもう学校単位でそういったことをやってみようやと、議会に行って、何ていうか、執行部の方と議論してみようやみたいなことをどんどんやるべきではないかと思います。私たち議員も当然責任はございますので、協力できることは何でもしたいと思っておりますので、ぜひともそういったことも含めて、今後の課題として主権者教育にしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、これに関して答弁をいただきたいと思います。
そして、もう1個追及でございますが、壇上では、未来を開く学校教育の在り方として、社会を自立して生きていくための教育行政の在り方と主権者教育、今尋ねましたが、続いてもう1個、本県の地域産業を支える人材育成の観点でお聞かせくださいませ。
境港総合技術高校には本県唯一の海洋科が設置され、従前から海運、造船などの海事産業、あるいは漁業や食品加工などの製造業への就職実績があり、地元を含め、我が国の水産業を支える人材を多数輩出しているところでございます。同校の実習船、若鳥丸でございますが、これは平成15年の竣工から間もなく一般的な更新時期である20年を迎え、新規造船に係る検討は待ったなしであり、特に船の定期点検、自動車でいいますと、車検ですね。これに当たる費用として今年度は1億5,000万円余りを要するなど、今後の見通しを含めて、本当に早期に方向性を見いだすべき課題に直面しております。去る議会で安田議員が一般質問されたところでありますが、教育委員会として人材育成の在り方などの検討を踏まえ、船の規模、そして、必要とされる機能について協議されていることと思いますが、現在の検討状況について教育長の所見を伺います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)松田議員の重ねての御質問にお答え申し上げます。
2点、1点目は、まず、主権者教育につきましての応援をいただいたものと思っております。先ほどの答弁でも申しましたが、やはり机上の勉強、学習以上に、実際自分が動いてみる、体験することによって得られるもの、これははるかに多いと思います。選挙に行くという行動もしかり。では、そこの行動を起こすためにはどういうふうなきっかけが必要なのかということ、これは幅広く議員さん方のお力をお借りしたり、先日は県の高等学校のPTA連合会のほうにも、来る選挙にはぜひ子供さん、18歳超えた方は一緒に行ってくださいと私の口で直接お願いをしました。一歩を踏み出すということ、そういう行動に移すことによって、やはり社会に参画していく、そうした気持ちが芽生えてくるだろうというふうに思っております。全校で行っております探究的な学習の中でもそうした学びはできるものと思っており、ぜひ全校で取り組んでまいりたいと思います。
2点目、若鳥丸につきまして御質問をいただきました。
御紹介ありましたが、平成15年に竣工いたしました。当時、私も事務局の指導主事として、竣工式の準備に1泊2日で境港まで行ったことを思い起こします。あれから19年の歳月がたって、老朽化が確かに激しくなり、安全運航にも懸念があるということから、今、学校のほうと、次、どんな船が必要なのか、その在り方を検討しているところでございます。言うまでもなく、水産業は本県の主要産業の一つであります。地元企業からも、ぜひ網を使った作業体験をさせてほしいとか、やはり海技士の資格をぜひ取らせてほしいというふうな声、そういうふうな情報共有も図りながら、どんな船を造るべきかという前提にある、学びを通してどんな人材を育成すべきかということをしっかりと練り上げてまいりたいというふうに思っております。現時点では、やはりニーズの高い内航船、国内ですね、内航船の海技士の育成を図るということや、それから、水産漁業関係者の育成を図ること、さらには、SDGsも含めて、今後は調査研究というのが、鳥取環境大学等との大学との研究で調査をしていく、そういうふうな新たなビジョンも必要になってきているところでございます。今の若鳥丸をそのままではなく、今、そして、将来に向けてどんな人材育成を図るべきか、そのために必要な船は、その内容をしっかり精査して、盛り込んだ船としていきたいというふうに思っているところでございます。議会のほうともしっかりまたいろいろ意見交換をさせていただきながら、進めてまいりたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)12番松田議員
◯12番(松田正君)主権者教育の件、しっかり取り組んでいただけるというふうに宣言いただきましたので、投票率を注視してまいりたいというふうに思います。
そして、若鳥丸の件でございますが、今日質問するに当たりまして、関係者の方にいろんなお話を聞く機会がございました。先日は財政当局も含めて、教育委員会の事務局も含めて、いろんな話、勉強会を開かせていただきました。そのときに、校長はいろいろ言葉を選んで発言されておりましたが、とにかく子供たちのためになるような船を我々は造らないといけないというふうに思っております。予算の縛り、際限なくお金が使えるわけではありませんので、何ていうか、フルスペックでやっちゃえよということもなかなか言いにくいところはありますが、とはいえ、要るものは要るわけで、例えば今の多様性の時代において、女子生徒も乗船するということがございます。そういった女子生徒のスペースを取らないといけない、そういうこともございます。また、高度化しているいわゆるデジタル設備ですね、こちらについてもそれ相応の設備が当然必要になってまいりますし、更新も必要になってくる。だんだん小型化はするのでしょうが、とはいえ、大きな場所を取ることとなろうと思います。ぜひ検討に当たっては、船の大きさありきではなく、設備等々を積み上げる形で、予算ありきということも脱却して、要るものは要るものとしてパッケージングして、いびつな船にならないようにしていただきたいと思います。小さな船に無理していろんな設備を積み込むと、どうしてもバランスが崩れると思いますし、そういったことがあってはならないと思いますので、ぜひともこの御検討をお願いします。
これについては、先ほど言いましたEEZの視察に行ったときに、第一鳥取丸の後ろに若鳥丸が停泊しておりました。ちょっと中には乗らなかったのですけれども、外から見させていただいて、遠くから見ると、あっ、何だ、きれいではないかと思うのですけれども、それは車検ごとにいつもペンキを塗っていますから、それは外から見るのはきれいだと思いますが、中は恐らく大分老朽化していると思います。第一鳥取丸の中に入りまして、本当に船の中というのは限られたスペースで、いろんな設備がある。私が12時間乗っていた場所はデジタル機械、サーバーですとかも置いてあって、そこに2段ベッドがあって、そこで過ごしたということでございます。船の中の居住環境は本当大事ですので、何度も言いますが、要るものは要るとしてしっかりと積み上げていただきたい。これは要望しておきたいと思います。
最後、博物館でございますが、先ほど答弁されましたので、これはもう結構でございます。しっかりと練り上げていただきたいと思います。本当に私、壇上でも言いましたが、博物館には思い入れがございまして、子供のときに恐竜展を見に行って、何か歯の化石みたいな、レプリカだと思いますが、そういったキーホルダーを買ってもらったことを今でも覚えております。そういった体験をこれからも鳥取県の子供たちにもしっかりと感じてもらえるような施設として、新たな鳥取県立博物館誕生に期待をしておりますので、しっかりとした議論、オープンな議論をしていただきたいというふうに思います。
それでは、教育長、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
それで、最後、すみません、知事でございますが、実は4年前もこのタイミングで代表質問をさせていただきましたこと、覚えていらっしゃいますでしょうか。そのときも、知事の公約の達成度合いについて冒頭聞かせていただきました。今言いましたが、このタイミングというのは、議長が交代するタイミングにも重なりまして、当時はうちの自民党が分裂しまして、非常に微妙な空気の中、代表質問させていただいたことを質問しながら思い出したところでございます。何といいますか、最後、この締めの言葉があるのですけれども、何て言ってやろうかと思いまして、本当に朝まで寝ずに考えて言った言葉が、会派は割れたけれども、分裂前の全員の代表として質問させていただいたみたいなことを申し上げたというふうなことを記憶しております。それで、今回は晴れて自由民主党の全員の代表として、20名の代表として代表質問させていただいたこと、本当に誇らしく思っているところでございます。
そして、度々申し上げておりますが、知事の任期が折り返しということは、我々の任期も折り返しでございます。冒頭、私のキャッチフレーズも言っていただきまして、私も久しぶりに見たのですけれども、ちょっと写真が現物とかけ離れてきているなという実感はあることはあるのですが、知事のこの後援会のしおりですね、こちらのほうも拝見させていただきました。これには、コロナのことは一言も当然入っていません。ただ、今、本当に未曽有のコロナ禍において、県政のかじ取りというのは本当に重要であり、困難な難局に差しかかっていることは確かでございます。そして、議会のほうですが、6年前の我々が通らせていただいた改選期とこの2年前の改選で大きくさま変わりしたというふうに伺っております。この難局を県民の皆様とともに乗り越えるべく、私自身も初心に立ち返りながら、平井知事以下執行部の皆さんと県政を守り立ててまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
それでは、すみません、最後にですけれども、残り2年となった任期ですね、残り任期に向けた決意、そして、県民の皆様に対する知事の思いをお聞かせいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)松田県議から重ねてのお尋ねがございました。
確かに4年前も同じタイミングだったなということを思い起こしました。微妙な空気でなくて、今日はよかったと思います。
ともかく、そういうことで、早いもので、また折り返し点を迎えるわけでございますけれども、これは私も皆さんも同じ船に乗って、この4年間を今、航海をしているのだというふうに思います。その半ばでとんでもない大嵐に引き込まれたのだと思いますが、ただ、嵐のとき、言わば風待ち港のように、風を待つ港のように私たちは今、身を寄せて、しっかりとこのコロナに立ち向かうことをやり、また新たな船出を迎えようとしているのだろうというふうに思います。私は、ワクチン接種がある程度進んでくれば、遠からず、また行動制限も心の中でもほどけてくる時期が来るだろうと思います。しかしながら、まだいましばらくは感染予防まではワクチンは効果があまりないかもしれないとも言われます。また、変異株がどれほど影響するかということもまだ分かりませんので、もう少しマスクをつけながら、予防に努めるという時期があると思いますが、ただ、その後、必ず揺り返しが来ると思うのですね。もう一度自分らしく生きていこうという人たちが世の中にあふれてきて、そのときには、ここ鳥取県は新たなにぎわいの中心になればいいと。そこをこれからの後半の2年間、私たちは共に目指さなければならないのだと思います。先ほどの米子-境港間の高速道路もその一つの大きな道筋になるのだと思うのです。向こう2年の間に実際、計画段階評価など、将来に向けて道をつけることができれば、私たちはこの4年間、一つの成果を上げることができるだろうと思います。産業界においても、グリーン化であるとか、DXであるとか、そうしたことは決して鳥取県は無縁なことではないというふうに思います。そういう意味で、農林水産業も含めた産業雇用、こういうものを育て上げ、福祉、子育て、また障害者のスポーツなど、今日お話をいただいたようなことを共にまとめ上げていくことができればと思います。
考えてみますと、この新型コロナを通じて、お互いに結束し合うことの大切さを学ぶこともできたのだろうと思いますし、また、どっちかというと、内向きになりまして、#WeLove山陰キャンペーンのように、身近なところの魅力というのに触れ合う大切な時期であったのかもしれません。そういうように思い返してみることができれば、私たちはふるさとのよさをもう一度共有し合って、次の2年間、かじ取りができればというふうに思うわけでございます。「港出ていく船乗り衆がさんこ見たさに帆を揚げぬ」という、これもさんこ節の中の印象深いフレーズがございますが、さんこという、さんこ節という大変に楽しいもの、幸せの形がここ淀江やふるさとにあって、それを見たくて、とても港から離れられなくなっちゃいますよと、そういうような思いでありますけれども、そんなように私たちはこのふるさと鳥取県の魅力をなお一層、このコロナを乗り越えて、つくり上げていければと思います。
◯副議長(広谷直樹君)これをもって、県政に対する代表質問を終了いたします。
本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後4時02分散会
────────────────...