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  1. 鳥取県議会 2021-02-01
    令和3年2月定例会(第8号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(藤縄喜和君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号から第21号まで、第34号から第75号まで及び第77号から第82号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  32番澤紀男議員 ◯32番(澤紀男君)(登壇、拍手)おはようございます。公明党の澤紀男でございます。  それでは、通告に従いまして、初めに、鳥取県の農業、花卉振興について質問をいたします。  平成26年12月に花きの振興に関する法律が施行されました。この中で、花卉産業は、農地や農業の担い手の確保を図る上で重要であり、国際競争力の強化が必要な産業と位置づけられるとともに、花卉の文化は私たちの生活に深く浸透し、国民の心豊かな生活の実現に重要な役割を持つとされています。  鳥取県花き振興計画では、令和5年度までの花卉振興の方向や対策等を定め、たくましい生産者の育成と花卉産業文化振興を目指すとしています。その花卉文化発信の拠点として、とっとり花回廊があります。県内で生産が盛んな花壇苗をはじめ、メインフラワーのユリやバラ、クリスマスローズ等、年間を通じた季節の花の展示や園芸教室の開催、新品種の展示による情報発信や自然観察、体験型イベントの開催、SNSを意識した展示、企画等など、新たな顧客の獲得に取り組むなど、より多くの来園者が花に親しんでもらう国内最大級フラワーパークとして年間に約30万人が訪れています。  まず、知事には、1つ目に、鳥取県の花卉振興へ向け、とっとり花回廊をどのように位置づけているのか、今後の展望と併せて伺います。  そして、2つ目に、県西部から年間約50万鉢の花壇苗がとっとり花回廊に出荷をされていますが、花卉生産農家への評価と課題について伺いたいと思います。  そして、3点目に、とっとり花回廊は、年間サポーターとして加入する友の会会員が5,000人いるとも言われますが、どのように評価をするのか、所見を伺いたいと思います。  また、鳥取県農業生産1千億円達成プランでは、令和5年度に29億円達成を目標として、10億円品目の芝や新たな10億円品目の候補として花壇苗等を中心に新品種の育成や導入、EOD技術等の実用化・普及により収益の向上、産地の拡大を目指しています。  この花壇苗等の流通の特徴として、他の品目と異なり、系統出荷が少ないことが上げられ、大規模農家は関西等の市場や量販店に直接出荷している生産者が多く、一方で、小規模農家は地元の直販所を中心とする出荷がメインとなっており、販売の二極化が見られるとあります。県内には167戸の花卉農家がストック、シンテッポウユリ、リンドウなどの切り花、パンジーやビオラ等の花壇苗の生産を行っています。知事には、県内の花卉生産農家の現状について、どのように受け止めるのか伺いたいと思います。  平成27年に、流通危機に生産者が一丸となって対応するため、花壇苗の生産者を中心に鳥取県苗物・鉢物生産研究会が設立されました。主な活動内容は、栽培技術に関する研究、研修会を開催し、新品種の試作、技術向上などの研修会、また、販売促進に関する研修会の開催、そして出荷体制及び輸送体制の整備として運送業者との情報交換等の取組、及び生産技術と意欲の向上、生産農家有利販売体制の確立と所得の向上を図り、鳥取県花卉産業の発展に寄与するとしております。  そこで、知事には、1つ目に、鳥取県苗物・鉢物生産研究会のこれまでの取組をどのように評価をするのか、県の花卉産業を推進する上での位置づけと今後の期待、そして2点目に苗物・鉢物生産研究会による協同運送体制の構築についてどう評価をするのか、そして3点目に、生産振興事業として支援をする同研究会の生産対策、物流対策、販売対策などの支援についてどう受け止めるのか、所見を伺いたいと思います。  次に、ICTと教育、学びの保証について質問をいたします。  義務教育段階における小中学校では、GIGA構想により1人1台のパソコンが整備され、必要に応じて検索、記録したり、情報の再利用をしたりできるなど、これまでできなかった様々な活用がそれぞれの児童生徒の状況に応じて可能となります。  教育委員会では、これからの社会を主体的に生き、社会に対応する資質、能力を持った人材の育成を目指すとして、鳥取県学校教育情報化推進計画を策定し、4つの方針と施策に取り組むとしております。
     GIGAスクール構想を推進する上で、ICT、情報通信技術の活用による教員の指導力、活用力の向上は大変重要となります。これまで、県教育センターでは、ICTの学校訪問型等の研修を行い、約2,000人の教員が参加しております。  そこで、教育長に伺いますが、1つ目に管理職の意識改革情報推進リーダーの養成を進めるとしておりますが、現状と課題について伺います。  そして、2つ目、教育センターが出向いて行う学校訪問型研修での受講者の反応と効果について、どのように評価をするのか。  そして、3点目に教員の指導力・活用力の向上として「とっとりICT活用ハンドブック」を推進していますが、これまでの効果と評価、そして今後の取組について伺います。  また、計画の達成に向けて、目標とする指標とスケジュールを設定し、毎年、点検・評価を実施することとなっていますが、その指標に教育研修の充実を点検・評価する項目があります。令和2年度の現状として、文部科学省が行う学校における教育の情報化の実態等に関する調査における教員のICT活用指導力として、授業にICTを活用して指導する能力の評価に1をつける県内教員の割合2.8%、また、児童生徒ICT活用を指導する能力の評価に1をつける教員の割合は3.4%となっており、令和5年度には1%を目標とするとしていますが、現状の評価と取組を伺います。  教育委員会の当初予算に提案をされていますICTを活用したとっとり授業改革推進事業について伺いたいと思います。この事業は、ICT活用教育を全て小中学校に普及させ、先進的なICT活用教育を推進するために小中学校課教育センター、教育局、民間企業インテルと先進校、推進地域をつなぎ、ICTを活用した連携により、新しい「とっとり学び」を実践、逐次発信し、全県で集中的、そして総括的に学び改革を推進するとしています。  まず、総合教育会議を主催する知事として、民間企業インテル教育委員会との提携についてどう考えるのか、伺いたいと思います。  そして、教育長には、1つ目、インテルとの連携でどのような教育効果を期待するのか、今後の取組と併せて伺います。  2つ目にICTを活用したとっとり授業改革推進事業GIGAスクール構想を推進する上でどのように位置づけるのか、また、児童生徒への教育効果、教員の指導力についてどのような期待をするのか。  そして、3点目に、この推進事業による全県での集中的、包括的学び改革について、島根大学などとのSINET接続が予定されておりますが、大学等との連携によりどのような成果が期待されると考えるのか伺いまして、以上、壇上からの質問といたします。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、私のほうには、花の生産、花卉振興について大きなお尋ねがございました。花回廊の位置づけや展望、あるいは県西部からの出荷、友の会、さらには苗物・鉢物生産研究会につきまして何点かお尋ねをいただきました。  議員が御指摘されますように、鳥取県は今、花卉栽培、花の栽培が一つの大きなエポックになり始めていると思います。数々の花栽培についての事象が躍進をしたり、また、鳥取県中部におきましてもスイカの裏作としてこういう花の栽培が広がってきている、これが所得の向上に大きく貢献をしているというようなことがあります。  もともとこのような花の栽培は大都市の近郊で発達するものでありまして、鳥取県はどちらかというと、不得意科目のほうだったと思います。ただ、そこに新しい技術を導入したり、それから様々な鳥取県の優位性のある、そういう作柄を開発したり、推奨したり、そうしたことで広がってきたわけであります。  そのきっかけを開きましたのは、西尾県政時代に構想されました花回廊だったと思います。議員のほうの御指摘のとおり、花回廊、それは設立目的として、もちろん花と親しみながら観光の大きなテーマパークとしてあるものでございますが、それと併せて、要は丘陵地をお花でいっぱいにする、それも季節ごとに花を植え替えていくわけでありますので、そういう不得意科目だった鳥取県の花卉栽培、それの一つの拠点、エンジンとなるべきものではないか、こういうように構想されたところであります。  そういうような意味で、議員が御指摘をされましたように、これをてこにして鳥取県の花卉栽培が急速に成長してきたということは疑いないところではないかと思います。議員がおっしゃった苗物・鉢物生産研究会、これの遠藤会長というのはそのうちの立て役者の一人と言われるわけでありますが、この花回廊ができた頃、あそこで出荷していたのは10戸ぐらいの農家だったのですけれども、今では26戸までその生産が広がってきています。さらに、この遠藤さんのところでは鉢の数も10倍以上に増やしていますし、生産面積も8倍ぐらいに増やしてきています。全てこの花回廊というのがてこになったわけでありますが、別にこの遠藤さんに限らず、周りの農家さんにとりましても重要な機会になっているということです。  そして、この花回廊での花の植付けにつきましては、障害者の方々でありますとか、あるいはシルバー人材センターのような高齢者の方々、そうした方々の雇用の場にもなっているわけであります。  議員から御指摘のございました友の会という組織も開設当初から設立されていまして、今、5,000人ぐらいになっています。この逓減傾向を食い止めるのは一つの課題だと思いますが、いずれにいたしましても鳥取県内で5,000人の友の会というのは一定の規模があると思いますし、この方々が言わばリピーターになって、花回廊の応援団になってくださっているわけです。もちろん、花回廊のすばらしいお花の景観、それから四季折々を彩る自然の親しみ、いろいろとお楽しみがあってお見えになるものでありますが、実はそういう御来場者がこうした花卉栽培を支えていることにもなるわけです。言わば経済の循環がこういう友の会の参画を通して広がっていますし、こういうリピーターがいらっしゃることで生産農家の言わば一つの収入の柱になるものにもなってくるわけでございます。こういうような相互の位置づけがあるわけでございます。議員のほうから50万鉢の花壇苗の出荷というお話がありましたが、その中心にこうした花回廊の存在があるということだと思います。  そして、御指摘いただいた苗物・鉢物生産研究会でありますが、こちらのほうでは、例えば新品種の開発や推奨、あるいは様々な商流をつくったり、それから議員のほうで協同運送体制の話がありましたか、そういう流通に関わったり、いろんな活動をされているわけであります。  例えば、新しいものということであれば、スーパーアリッサムというお花があります。これは開花時期が比較的長いのですね。それで特に九州のほうで鉢物等で長く楽しめることもありまして、かなり活用されています。そういう新市場を開拓しようということで、こういうスーパーアリッサムというのもこの研究会の研究の中で取り組まれてきたところでございます。  また、議員も取り上げられました協同運送体制、これは平成29年度から始めてきているところでございますけれども、お花というのは、例えば花壇の鉢であるとか、それから苗であるとか、一つ一つが小さいものでありますし、それを集荷して配送するというのは結構労力もあるし、時間もかかるわけです。それを合理化しようと、トラックに載せるワゴンを農場のほうで配置しておいて、ここにもうセットをした状態で、それでトラックに積み込んでいくと。このワゴンが流通とともに動き回っていくと、こういうような配送スタイルを考えてはどうだろうかとモデル事業を始めたわけです。  当時は、そういう商流、物流の支援でやっていましたが、その後、県のほうでもこういう花卉振興、花の栽培や流通の支援策として今も応援をしているところでございまして、これが今全県単位で使われているというのは鳥取県のみでございます。そういう先進的な流通システムを入れることで、タイムコスト、それから労力、特に運転手不足が言われていますので、集約化が可能になります。  こういうようなことを通じまして、合理化を図っていきました。その結果、今、どうなってきているかと申しますと、従来よりも商圏が広がったわけです。例えば、九州のほうにも届くようになりましたし、それから愛知県とか高知県もターゲットゾーンに入ってきたということであります。このような形でこの苗物・鉢物生産研究会、いろいろと取り組まれたことが大きく役立っているわけであります。  販売関係でもそうしたいろんな取組がありますが、今、皆さんが頑張っておられるのは、オリパラに向けて東京の夢の島にありますアーチェリーの会場、これは東京の業者さんと連携をして、そこをお花で飾りつけようと、こういうプロジェクトもこの研究会のほうでされるなど、この機会に国内外へ鳥取の花を知らしめようというふうにされているわけであります。  次に、教育委員会に主としてお尋ねがございましたが、私のほうにもICTを活用した授業改革として、インテル教育委員会の提携についてどう考えるかと、こういうことであります。  御案内のように、GIGAスクール構想を広げておりまして、小中学校ベースでは、各児童生徒に行き渡るようになりました。さらに、新年度以降、これは生徒のほうで協力をしながら準備をし、低所得者等にも配置をさせていただく形で全生徒に届くような事業が推進されることになります。これをどうするかということですが、単に機械だけ持っていてもしようがないわけでありまして、これで教育の水準を上げていかなければいけませんし、様々な課題に応えていかなければなりません。  ただ、このICTの教育につきましては、教員の皆様、どちらかというと板書に慣れているわけですね。こういうICTというのはあまり活用してこなかった、言わば学校教育の伝統芸があるわけです。みんなで黒板に書いて、それをみんなで書き写す、それで対話をする。そのときの生徒の表情を読みながらクラス運営をする。こういう日本の、あるいは世界もそうだと思いますが、そういう教育の一つの伝統芸のようなものがあります。これに革命が起こるわけですね。ICTによりまして、生徒と一人一人、実はやり取りもできるようになりますし、また、教材などもあらかじめ作り込んでおいたりすることができたり、場合によっては、自宅から遠隔で学びに入ることもできるようになると、こういうような形に変わってくるわけであります。これはいいことでありますので、この新型コロナの一つのレジェンド的なものとして、私たちは国の事業も活用しながら、一気に導入しようということになりました。  ただ、学校の先生は、一つにはこのICTに慣れていない、機材が使いにくい、使えないということがあります。それで何かトラブルがあるとメンテナンスをしなければいけません。動かないと、これどうしたらいいのかと。大体おじさん教員たちがそうなるわけですね。それで、若い、慣れた方のところに全部それが集中してくると。その人はとても忙しくなってしまう。このようなことになりがちであります。  また、プロジェクトベースドラーニングと言われるような、そういうプロジェクト学習ですね。これもそういうタブレット端末などを活用すれば、生徒同士でのやり取りも可能になりますので、結構できるようになるだろうと。これは現に青翔開智もこのプロジェクト学習というのをタブレットを各生徒に配置をして、それで実現をしてきているということもあります。  こういうような教育の革新を起こしていくために、学校の中の知恵だけではどうしようもないところもあります。そういう意味で、今、教育委員会のほうで検討を進めておられますインテルとの提携につきましては、非常に興味深く、応援をさせていただきたいと思っています。東京都などでの導入例もあるわけでございますけれども、鳥取県で全県的にこうした手法を導入すれば、そうした教育の革新、生徒一人一人の学力の向上や理解度の進展などに貢献するのではないかと思います。  ちなみにインテルさんのほうは、一つの社会貢献として、社是としてこういうことを自治体とやろうというお考えだと伺っております。そういう意味で、経費的に莫大なものがかかるというものではございませんので、一つの大きなエンジンになればと、応援はさせていただきたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)澤議員の一般質問にお答えいたします。  私のほうには、ICTの活用に向けた教員の指導力、活用力の向上といった、そうした現状につきまして、細部にわたりましてお尋ねがございました。詳細につきましては、足羽教育次長のほうからお答えを申し上げたいというふうに思いますが、今年のコロナ禍の中、ICTを活用した教育の推進ということが急遽進められるということになりまして、これはにわかづくりではありましたが、私どものほうでもICTの活用ハンドブックというものを作り込みも一部行いながら作ったわけでございますが、それに加えて、習うより慣れろという一つの合い言葉とともに、教育センターの職員が機器一式を持って学校現場に出かけていって、一斉に教職員の方に研修を行うといった形で、教職員の方が自分でも授業で活用できると実感が得られるように全員参加型の研修を行ったり、あわせて、機器を短期間ではありますが、一式そのまま置いて帰ってしばらくそれを使って試していただくというようなことを急ピッチで進めてきているところでございます。  この活用ハンドブックというのは、にわかづくりで作ったのですけれども、結構学校現場にも評判がよくて、また、全国に先駆けてこういうものを作ったものですから、他県からの問合せも結構ありますし、また、こういう教育関係に関わっておられるIT企業などが見られるネットニュースなどにも流れて、結構評判を生んでるところでございます。こうしたハンドブックなども学校現場で活用されつつありますし、また、リーダー育成を通じて校内研修等によりまして、学校組織として情報化を推進していくといったことを打ち出しながら、体制づくりを進めてきている中で、推進役の教員が自校でICTの研修を企画したり、あるいはその実施の中で積極的に同僚を支援するといった関わり合いを通じまして、校内全体の意識の高まり、あるいは行動の変容が見られるようになってきているところでございます。  また、このほか、さき方も知事のほうから御答弁がありましたが、来年度は国内外のICTの利活用教育先進取組事例に関する情報、あるいは教員の研修プログラムなどを豊富に持っておられます国際的なIT企業でありますインテルと協働して、学校現場におけるICTの利活用、あるいはICTを活用したプロジェクト型の学習の県としてのリーディングプロジェクトを支援いただいたり、あるいは教職員の研修にお力をいただいたりというようなことで、今、準備を進めているところでございますし、また、インテルだけではなくて、グーグル社ともこうしたことで連携をするといったこと、また、県内の企業もお力をいただきながら、外部の力を積極的にお力添えをいただきながら取り組んでいくことといたしておりますし、また、SINETに接続をしております関係で、島根大学の教育学部とオンラインによる現職教員の研修などにも取り組んでまいりたいというふうに考えておりまして、こうしたことを全体的に進めながら、教員のICT活用による指導力の向上に取り組んでまいりたいと考えております。 ◯議長(藤縄喜和君)足羽教育次長 ◯教育次長(足羽英樹君)補足の答弁をさせていただきます。7点にわたって御質問をいただいたと思っておりますので、答弁漏れがないように説明をさせていただきます。  先ほど、知事のほうからも御答弁いただきましたが、知事及び議会の皆様方に御理解をいただきまして、この機器のほうの準備、あるいは回線のほうの準備が整い、4月からいよいよ構想がスタートしていくことになります。そういう意味では、ようやく準備が整って、これからが本当の意味での大切な時期を迎えることになっていると思っております。その辺りにしっかり力点を置いてスタートしていきたい、そういう意味で、この4月からを学びの改革元年と位置づけまして、先ほど御紹介いただきました基本方針である情報化推進計画、これをしっかり根底に据えて、子供たちをどのように育成していくのか、この思いをしっかり中心に据えた上での展開をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。  その意味では、御指摘がありました管理職の意識改革であるとか、その核になるリーダーの育成というのが本当に欠かせない、必要不可欠な要因だというふうに思っており、これまでも度々研修はしてきておりますが、残念ながらまだそうしたスキル、あるいは意識に差があることも現状課題であるというふうに認識しておるところでございます。  今後、そうした課題を解消すべく、管理職のマネジメント部分でありますとか、あるいは校種別、さらにはそのリーダーとなる活用レベルに応じた研修など、焦点化した研修を組むことによって、この全県的な広がりを進めてまいりたいというふうに思っております。  次に、御紹介いただきました学校訪問型研修につきましては、現時点で96校で約2,000人の教員が受講し、非常に効果が上がっているというふうに聞いているところでございます。知事のほうからもありましたが、若手の教員のほうが堪能な方が多いこと、若手の方がその先輩教員に、同じように機材を持ちながらその場で指導していくというところにもまた一つ教育の改革のみそがあるのではないかなというふうにも思っているところであり、そうした年代の壁を越えた教員組織が一体となった研修体制を校内でしっかり作り上げていくこと、そのために向けた体制強化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。  また、関連して「とっとりICT活用ハンドブック」は、理論編と実践編とから成っております。この両方を組み合わせることが非常に大事なところでありまして、訪問型研修の中でもそれを活用しながら、実際にその活用に取り組んでいるところでございます。  紹介もありましたが、現場からの声も非常に効果は高いわけですが、宮城県とか鹿児島県では、実際にもうこれを活用されての研修も取り組んでおられる、そんな全国的な広がりも見せているところであり、本家本元、本県でのこのハンドブックが形だけにならないように、より有効活用に努めてまいります。  そして、教員の活用能力の評価についても御質問がありました。これは、確かに教職員の意識、温度差、そうした違いがあることも本当に大きな課題であるところでございますが、こうした訪問型研修や、それからハンドブックの活用研修は、今後も継続していくこととしており、少しずつですが、そうした意識や、あ、こうすればできる、こういうふうにすればいいのだという気づきや発見もどんどん生まれてきているところでございます。4月以降からの授業活用に向けて準備を整えつつあるところであり、今後の自己評価の向上に期待をしていきたいというふうに思っております。その意味で、この研修もやはりレベル的に悉皆研修を入れるとか、そういう研修の充実をより図ることで、市町村教育委員会とも連携をしながら、誰一人漏らすことのない、このICT教育の推進に努めてまいります。  インテル等との連携、あるいは島根大学等との連携についての御質問をいただきました。このGIGAスクール構想を通して、子供たちに、これから変化の激しい、そしてどんどん価値観が変わっていく時代を生きていく、そんな中で課題を見つける、そして解決する力、さらには人とつながる力をつけていく、そんな発想力や表現力、そして課題解決力を育成していくことが必要と考えております。その実現に向けて、本県、令和3年度からは、このICTの活用教育推進地域を県内4地域、さらには先進校を1校指定して、このインテル社との連携をより強固に進めて、その先進校として共同研究を行っていくこととしております。  インテル社は、先ほど御紹介があった社会貢献の一環として取り組んでおられます。探究的な学びを生み出す授業づくりとは、ここがキーポイントとなっており、そのための教員研修、独自のプログラムを作成して展開しておられます。その辺りをこの先進地域や先進校で実践をし、それをどんどん全県に広めていくという仕掛けづくりをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。この展開を含めまして、要するに、ただ使えばいいというだけではなくて、中身をどうしていくのかが今後の大きな課題であるというふうに思っております。  最後に、島根大学との連携につきましては、昨年10月に教育学部ICT活用教育の推進に関する協定書を締結したところでございます。この中で、SINETへの接続でありますとか、あるいはICTを活用したネットワーク等の整備、これを万全にすることによって、この教育推進がストレスなく、これまで画面がフリーズしたり、ネットワークが遮断したりといった課題がありましたが、このSINET接続によりそうした課題が解決できるものと思っております。  そうした島根大学との連携によりまして、エキスパート教員の授業を大学生が視聴したり、また、大学生が部活動の指導に加わっていただいたりというふうな、これまでなかった新たな取組も展開が期待されているところでございます。既に、そうした取組を岩美北小学校で実践しておられたり、あるいは、この3月18日には、桜ヶ丘中学校で吹奏楽部の生徒さんが島根大学教育学部の専攻教員から指導を受けるような、そんな計画もしておりますので、その辺を皮切りに大学連携も深めて、このICT教育がさらに深まるように取り組んでまいりたいと思っております。 ◯議長(藤縄喜和君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)答弁をいただきました。  最初、教育委員会については、詳細に説明をいただきましてよく分かりました。いずれにしましても4月1日からはいよいよGIGAのスタートということで、この事業が今後の鳥取県の教育を左右する、そのぐらいの気持ちで私も質問をさせていただきましたので、しっかりと今後の方向性を見ていきたいなと思っていますから、まずはよろしくお願いしたいと思います。  それと、知事のほうから、花卉について御答弁がありました。本当に私自身も花回廊につきましては、個人的には友の会会員として名を連ねさせていただいておりまして、本当に行くたびに気持ちが新たになりますし、サポーターの数が本当に言われましたように、ますます底辺といいますか裾野が広がるという、これをやはり今後も期待をしてまいりたいなと思っています。それと、振興する上での苗物・鉢物生産研究会の遠藤さんの話を今、いただきましたけれども、私もお話をしまして、やはりそういう方たちの本当に努力があってこそここまでできたのだなと、こういうふうに思っておりまして、民間でつくったこの研究会については、今後ともしっかりと見守って、支援のほうもしていただいて、ますます県のほうの花卉振興が進むということにしていただきたいと思っておりますので、もしこれが後でコメントがありましたら、お願いしたいと思います。  続きまして、農業の振興ということで、EOD技術による花卉生産、花育の推進について伺いたいと思います。  このほど、県の園芸試験場を訪問いたしまして、EOD技術を活用した冬季の低日照での省エネ栽培について視察をしてまいりました。鳥取県などの日本海側では、太平洋側に比べて冬の日照時間が半分から3分の1の短さとなりまして、このような地域での秋、冬季に栽培する園芸作物の収量や品質の低下が大きな問題となっています。このEOD技術は、エンド・オブ・デー、日没の頭文字から取られた略語ですが、日没の時間帯から数時間における温度や光刺激による植物の応答は、EOD反応と呼ばれています。この時間帯の温度管理に着目した遠赤色(EOD-FR)光照射並びに変夜温管理、EOD加温による新たな育成技術の開発により、2つの効果が期待できるということなのです。  1つ目がEOD-FR光照射は、日没後の短時間に遠赤色光を照射することにより、花卉類の草丈伸長、開花の促進、それに伴う栽培期間の短縮が期待され、切り花類の早期出荷が可能となるということのようです。  そして、2つ目が、このEOD加温ですが、ハウス内の設定温度を一時的に高めることで夜間の低温管理が可能となり、育成と開花の確保と栽培期間の暖房コストの削減につながります。  この園芸試験場では、EOD技術を活用した県内の花卉生産農家への普及を進めたいと、このようにおっしゃっておられました。  そこで、県では、このEOD電照技術等について、現場の環境に応じた技術指針の確立、普及を進め、生産拡大や市場への安定供給を図るとしておりますけれども、これまでの導入による評価と課題についてどのように考えるのか、伺いたいと思います。  また、そのほかに、園芸試験場が確立した新技術による収量増や品質の安定、経営強化についてどのように見るのか、また、今後の展望についても伺いたいと思います。  次に、花育の推進についてお伺いしたいと思います。将来の花卉消費を拡大するための花育の推進は、大変に重要と考えます。花育活動として、小学校などへの出張授業を平成26年から平成30年に行っておりますが、特にキッズフラワー体験教室では県内55校、1,842名の児童が参加をしております。これまで花に触れる機会がなかった児童が花に親しむよいきっかけとなったほかに、県産の花卉を使用した花育教室による花卉産地への理解が進む取組が行われております。  そこで、知事には、県内の花卉生産の振興を進める上で、児童生徒への花育について、どのような効果を期待するのか、また、県の東中部での開催に対して西部での開催が少ないと感じますけれども、県の花卉振興に向けて、花育の推進をどのように考えるのか、伺いたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて、花卉振興につきましてお尋ねがございました。  苗物・鉢物の生産の研究会の遠藤さんはじめ、皆様の活動は、先ほど申しましたように、非常に花卉振興に貢献されています。これからも、例えば生産流通の応援であるとか、精いっぱい、私どもも支援をしてまいりたいと思います。  また、新技術につきましてお話がありました。EOD技術、エンド・オブ・デーと言われます技術、これを最近、花卉栽培を中心に活用しております。園芸試験場のほうで様々試験を行いました。いっときはイチゴのとっておきなどもやりかけたのですが、なかなか思ったように伸びないところもありましたが、花については結構効果があるだろうと。特に、県中部でストックの栽培がございますが、このストックの栽培、あるいはそのほかにもトルコギキョウなどもそうでありますが、こうしたところも活用はできるだろうと。  エンド・オブ・デーというのは、日没の後のときに集中的に電照で照射をすると。それを数時間やる。それからさらに加熱をすると、熱を与えると。それによりまして、生育が早くなるというものであります。これによって、ストックでありますと、年内での栽培が可能になりまして、そうすると、花の需要の時期に合うわけですね。それで単価が上がってきます。ここ数年でこのEOD技術を入れまして、4割ぐらい単価がアップしまして、今、大体1億6,000万円とか7,000万円だとか、そうしたレベルまで上がってきています。これがちょうどスイカの裏作の時期に重なってくるわけですね。トルコギキョウも同じようなことで、年内での栽培というようなことに貢献するようなことになってきています。  さらに、新技術というお話がありました。そういう意味では、逆に抑制栽培をしようと。それで、シンテッポウユリを、ユリでございますが、それを抑制栽培をすると。技術的にはこれも園芸試験場のほうで実証、そして推奨しているわけでございますけれども、播種のときに5度ぐらいで冷蔵するわけです。さらに、植付けのときにも5度ぐらいの温度で管理をすると。これによりまして、生育が抑制されることになります。それで大体9月から12月といったような、そういう期間で栽培をすると。そうなりますと、これもスイカが終わったときにやれるわけですね。単価もよくなります。  こんなようなことで、新技術というもの、花卉栽培でも十分に活用できるものがありますし、成功している事例も出てきました。私どものほうでもさらに農家サイドとも連携しながら、推進を図ってまいりたいというふうに思います。  花育、花を使った教育につきましてのお尋ねがございました。これも私たちとして推奨してきているわけでございますが、やはり子供たちの情操教育という意味でもいいですし、それから創造性、クリエーティビティーを育てるということや、ふるさとを愛する心をつくる、そういう意味でもよいものだと思います。実際にこういう花育のフラワーアレンジメント、そうした体験活動に参加した児童からは、95%が楽しかったということでありますし、4分の3ぐらい、またこういうのをやってみたいというようなことでございまして、非常に子供たちに親和性の高いものだと思います。  また、農家につきましても、花卉振興の組合のほうの杉川会長さんはじめ、皆様のほうでも御協力をいただいたり、また、例えば、弓ヶ浜小学校でもおととしですか、やったことがありますけれども、そういうときも花秀さんだとか、そうした地域の花屋さんが協力をされる、こういうことで、子供たちと地域が触れ合う、そういういい機会にもなっているのではないかなというふうに思います。  今後ともこれを展開してまいればと思いますし、関係者とよく調整をしてまいりたいと思います。  議員のほうから、西部ではちょっと少ないのではないかということなのですが、ただ、西部のほうは、御案内のように、例えば大人向けでもお花の教室を花回廊でやっていて、年間110回以上やっているぐらい活発にしています。この一環で、子供たちの参画もございまして、結構子供たちがそういう花の教室を利用されたり、花に親しむような機会があるということはあると思います。あとは、もちろん、まだ知られていないということもありましょうから、今後、よくPRをしていきたいと思います。  ちなみに、高校のほうでもこういう花と触れ合う機会がありまして、特に華道ですね。華道家の皆さんが協力をしてやっておられます。例えば、米子西高では未生流の方々がそういう生徒さんたちの指導をされたりしていまして、これは大体どこの学校でも、米子東でも米子高校でもどこの学校でもいろんな流派がこれまでやってきておりまして、こういうのも花育の一つなのだろうと思いますし、お作法等も通じまして、人間性、社会性を育むことにもなっているのではないかなと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)知事に答弁いただいております。  EOD技術、説明がありましたように、しっかりと県内の中でも花卉の振興ということで進めていただきたいと思いますし、特に花育ですね。先ほど御説明いただきましたけれども、教育委員会には質問していませんけれども、できましたら、私はやはり小学校の低学年とか中学校もありますけれども、1回はこういうような格好できちっとこういう花育ができるような環境も必要ではないかなと思っておりまして、これについてはしっかりとまた進めていただきたいということで要望をしておきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  それでは、続きまして、再び花卉振興と後継者、こういう観点から、ほんのちょっと質問をさせていただきたいと思うのですね。  このたび、北栄町にあります村岡オーガニック、これを視察させていただいておりますので、紹介をしたいと思います。  「植物を通して人々を幸せにする」これを経営理念に、花苗、野菜苗の生産、販売を行っております。これまでにチャレンジプランやがんばる農家プランを活用して、農産物売上高が322%、栽培面積が173%、従業員数が180%アップを2011年の2度のプラン開始前に比べ達成し、さらに、将来目標だった売上高1億円を達成しております。  まず、知事には、このがんばる農家プランを活用した成果について、どのように評価されるのか、伺いたいと思います。  村岡オーガニックの花壇生産では、育種を行っております。オリジナルの品種を育成、生産、販売を行うことで差別化を図り、受注生産により安定した価格で販売ができるようになってきたと。また、野菜苗生産では、中国地方をターゲットに、キャベツやブロッコリーなどのプラグ苗の生産、運送体制を確立したことで、年間2万枚の受注生産を行うまでになったと。後継者として、これまでチャレンジプランやがんばる農家プランに取り組んできたこの村岡オーガニックの村岡佑基さんは、2010年の日本フラワー・オブ・ザ・イヤー最優秀賞受賞が転機となったと言います。  品目名はペチュニア、品種名がマドンナの宝石、別名はマウントプチピンク。旺盛な株張りとこぼれるような花つきが特徴の中高性ペチュニアです。とにかく1株のボリュームに驚かされます。1株のポット苗を植えるだけで株幅が70から80センチ、花数は約300にも成長します。中には1メーター、花数は約1,000を超えるものもあります。花は中小輪サイズで約4センチ、花色は光沢のある淡いピンク、コンテナ植えはもちろん、庭植えでもよく育ち、春から秋に楽しめる品種となっております。また、ジャパンフラワーセレクション2017-2018ガーデニング部門において、マドンナの宝石シリーズのピンクイエローがベスト・フラワー(優秀賞)を受賞しております。  このほか、生産面の取組として、新品種の開発、日本一早い冬取り新タマネギの産地化に取り組んでいるほか、食用花、エディブルフラワーの生産の計画、You Tube「ユウキの園芸チャンネル」が1万7,000人の登録数、また、若手人材育成としてインターン生募集などの鳥取県のリーディングカンパニーを目指し、取り組んでおります。  そこで、知事にお聞きしますけれども、このような取組が県内花卉生産農家へ及ぼす波及効果についてどのように受け止めるのか。  そして、2つ目にタマネギの産地化や食用花、エディブルフラワーの生産の計画についてどのように期待をするのか。  そして、3点目にYou Tubeなどによる地元からの情報発信を行っていますが、どのように見ているのか。  そして、4点目に若い人たちを積極的に雇用していることについての評価と受け止め、また、インターン制度として農業大学校生を受け入れ、研修を行っていますが、将来についてどのように期待をするのか、伺います。  そして、最後、5点目ですけれども、県内で花卉生産に取り組む生産農家のがんばる農家プランの活用について、現状と今後の展望について伺いたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員から、重ねてお尋ねがございました。  村岡オーガニックさんを題材にしながら、がんばる農家プラン等を通じまして、花卉園芸振興を図る、この戦略についてのお尋ねがございました。  村岡オーガニックさんは、私も受賞したときにお会いしたのですが、平成22年に今おっしゃるペチュニアという花の中で、その品種をいろいろとやられまして、それでマドンナの宝石という、そういうお花を開発されたと。これは1株から物すごくたくさんペチュニアの花がもうこぼれんばかりに咲くのですね。それがあまりにも見事だということで、フラワー・オブ・ザ・イヤー、これをコンテストで取られまして、鳥取県としては快挙でありました。  実は、この村岡さんのところは、その翌年度にもピーチプリンセスという、これはナデシコでありますが、これでもデザイン関係というような形での賞をやはり取られていまして、実は数々の受賞に輝いて、様々な品種の改良、開発もされているのですね。  そこで、議員がおっしゃいましたように、後継者ということもあって、がんばる農家プランを様々に活用されてこられたということです。こちら、私もお会いしましたが村岡さんの御夫妻がおられるのですけれども、そのお子さんたち、村岡佑基さんとか朋典さんとかが就農されるというような機会に、規模拡大を図られるわけですね。それで新しいアイデアをどんどん若い力で入れていただきまして、経営革新を図っていくわけであります。それをチャレンジプランであるとか、頑張る農家の支援事業で順次、例えば設備の導入であるとか、そうした様々な拡大事業に適用されまして、それで先ほどのペチュニアの新品種の頃から比べますと、売上げのほうも3倍ぐらいに増やしてきておられるそうでありまして、非常に大きく成長されました。  この間、議員もおっしゃいましたけれども、若い農業者、これも研修的に雇用されまして、そういう方々もいずれ独立してもいいよということで、言わば若い農家の育成にも取り組んでおられる。こういう意味で、農大生だとかいろいろとお世話になっているところであります。非常にモデル的で評価ができるところだなというふうに考えております。
     そこに新しい力が入ってきて、議員も御指摘ございましたように、がんばる農家プランを入れながら、佑基さんをはじめ、いろいろと新展開を図る。その中の一つが、御指摘がありましたような新タマネギであります。これも日本で一番早く取れる、そういう新タマネギということを標榜されまして、スイカなどでハウス栽培があるわけですね。ああいうハウス栽培を活用されるなどして、そういうものにも取り組んでみようというふうにされたり、また、御自分でYou Tubeを開設されまして、これも登録者が万単位でいらっしゃるぐらい、非常に花卉栽培の楽しさ、それからすばらしさ、新タマネギなどのそうした魅力を伝えるようにされておられるところであります。  こんなようなことを言わば世代替わりしながら、若い農業者が中心になってされているというところに非常に可能性を感じるわけでありまして、こういう花卉栽培、あるいはそれに関連して農業をてこに発展させていくというようなことがすばらしいなというふうに思います。  こういう成功例をやはりつくっていきますと、お花農家というのは非常に夢がありますので、若い方々の後継者を引きつけるものにもなるだろうと思います。  例えば、大山町のほうでも濱田さんがやはり若手でビオラなどを作っておられまして、それで規模拡大を図っておられる。そういうところにがんばる農家の支援事業というものを活用されておられます。モノノフという新品種を作られたということなのですが、モノノフというと非常に勇ましい名前ですけれども、実は、御本人がももいろクローバーZのファンだそうでありまして、そのファンのサポーターのことをモノノフと言うのだそうです。それでモノノフという名前の新品種をつけられたということであります。  こんなような形で若い方々ががんばる農家プランなども活用されながら、規模拡大をしたり、新品種に取り組まれまして、花卉振興が進みつつあるということであり、今後も新年度予算の中でも応援してまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)知事に答弁いただきました。後継者という観点から、非常に的確に答弁をいただいたと思っております。  私も個人的にお話を聞いた中で、You Tubeも拝見したりしますと、やはりまず、この佑基さんのバイタリティーといいますか、本当にやっていこうという大きなチャレンジ精神には感服するものがありましたし、これを取り上げたというのは、これは本当に成功例なのですけれども、後に続いていける、こういう花農家が続いてほしいと。この業界の中で非常に特筆したような成功例ということで、皆さんおっしゃっていますし、とてもついていけないのではないかという意見もありますが、やはりチャレンジしていこうということで、しっかりと取り組んでいくということが必要ではないかなと思っています。  私も話を聞いて、そして、You Tubeを見ていますと、思わず知らず、個人的な話ですが、このペチュニアを4月から苗の植え替えらしいのですけれども、ネットで注文してしまいまして、どういうふうに育つかというのをちょっと楽しみにしているのですけれども、そのぐらいに先ほど知事が言われた、この花農家には夢があるということをお話を聞いていて感じておりますので、しっかりと後継者を育てていただきたいなと、こういうことを望んでおります。  それでは、教育委員会に話を移したいと思います。  学びの保障と、今回も夜間中学についてちょっと触れておきたいと思っております。  この夜間中学の設置について、本年1月25日に菅総理大臣は、衆議院の予算委員会で高齢の方や不登校の経験者など十分な教育を受けられない方々や、日本で生活をする外国人など十分な教育が受けられない人たちへ学習の機会の確保として、今後5年で全ての都道府県と政令指定都市に少なくとも1つは設置されることを目指し、全国知事会などの協力を得て取り組んでいく、このように述べております。  知事には、これまでにも答弁をいただいておりますけれども、改めて今回の首相の発言についてどのように受け止めるのか、伺いたいと思います。  鳥取県では、県立夜間中学設置等に係る検討のために、夜間中学への関心や意向等について昨年12月3日から本年2月26日まで、アンケート調査が行われました。県電子申請サービスを活用した電子アンケートで、チラシにQRコードを添付したり、SNSを利用したりするなどの工夫を行うとともに、新聞広報などで周知を図られました。  教育委員会は、県立夜間中学に関するアンケート調査を踏まえて、県立夜間中学設置検討委員会を開催し、夜間中学の在り方について検討していくと、このようにしております。  教育長にお伺いしたいのは、1つ目にアンケート調査はどのような視点を中心に行ったのか、これまでのアンケート調査との違い。  そして、2つ目がアンケート調査から見えてきた現状について、どのように考えられているのか。  3点目に、対象となる人の情報を得るため団体等への訪問聞き取り調査を行っていますけれども、現状等についてどのように理解するのか。  そして、4点目に今後のスケジュール、そして、5点目に夜間中学を必要とする人たちへの周知、広報についてどのように考えるのか伺いたいと思います。  また、アンケート調査の中で、県立夜間中学に関するアンケートの自由記述についての箇所があります。寄せられた意見で、本人、支援者の声から夜間中学対象者の現状をどのように受け止め、取り組むのか、伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ◯議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから、夜間中学につきましてお尋ねがございました。  1月25日に国会におきまして、公明党の遠山議員のほうからお尋ねがあり、菅総理のほうでそれに対する答弁の中で、向こう5年の間に少なくとも1か所は各都道府県や指定都市にこういう夜間中学が設置されるように取り組んでいくと、その際、都道府県や指定都市の協力を得ていくと、こういう御答弁がありました。  これは大きな決意の表明だったと思います。なかなか言うはやすしで、なかなかつくるとなりますと一つの教育機関、しかも夜間中学といういろんな使命を持ったところでありますので、様々な課題はあるわけでありますが、それぞれの地域でそれを関係者とよく調整をして展開していく必要があるなということを改めて感じたところであります。  憲法26条で国民の学ぶ権利というものがあります。残念ながら、戦後の混乱の中で、今もって中学を卒業していないという、そういう高齢の方もいらっしゃるわけでありますし、また、ちょうどその学齢期に様々な事情で学校に通えなかったという人たちがおられる。最近は、外国人ということで、その辺の教育が欠落してしまっている方々がいたりする。いろいろなケースがございまして、そうしたケースに対応していく最後の学びのチャンス、しっかりとした橋頭堡を築いておく必要があるのだろうと思います。  そういう意味で、その必要性も含めてぜひ教育委員会のほうで議論していただきたいと思います。先月までアンケート調査等でニーズや問題点の整理を行っていると伺っております。これを生かして、今後の有意義な検討につなげていただき、我々は執行部の立場でそれを支援してまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)澤議員から、重ねて夜間中学につきましてお尋ねをいただきました。  夜間中学につきましては、本県においても設置の必要があるものと考えて検討を進めてきたところでございますが、本議会でもニーズ調査の結果はあるのだけれども、本来の夜間中学の本来的な対象ではない、学齢期の不登校者のニーズで、しかも非常に少数であるといったことであったり、それは既存の不登校対策の充実で解決すべきではないかと、もう一度しっかりとニーズを深掘りして、その上で必要があるのなら先に進めるべきではないかといったような御議論もありまして、今般、改めてニーズ調査を行ったところでございます。  なかなかアンケートが当事者に届きにくいといった前回の反省、これは全国的にそうなのですけれども、なかなか回答が集まってこないということでございますが、今回、電子申請サービス、あるいはSNSを使った新たな手法を活用したりといったことに加えて、県教委の担当者が、例えば若者サポートステーションであったり、当事者の方と関わっておられるであろうという関係機関にも足を運んで協力依頼をしたり、あるいはそこで聞き取りを行ったりというような、様々な工夫を行いながらの調査となったわけでございます。  今、最終の集計中でございますが、夜間中学の対象となります当事者本人につきましては113名、また、保護者や支援者からは212名から回答をいただきまして、そのうち、形式的な卒業者19名など33名から夜間中学に通ってみたいという回答をいただくなど、本県においても改めて一定程度ニーズがあることが分かってきております。中には、現在は社会に出て仕事をしているのだけれども、どこかで自分が不登校で中学校3年間勉強ができなかったという、そういう負い目というかコンプレックスのような思いがあって、夜間中学ができたらすごく通いたいといった、これは30代の方の声であったり、あるいは60代の方から、鳥取ではもう夜間中学が開校されないのではないかと諦めていたと、学校ができれば、ぜひ入りたいといったような声も寄せられておりまして、改めて小規模であっても夜間中学での学びを必要とする方への学びを保障して、教育行政の使命を果たすべきであろうと思いを強くしているところでございます。  一方、学齢期の不登校児童生徒からも、今回20名の回答がありましたが、通ってみたいという方の回答は3名にとどまったところでございます。また、今回のアンケートでは、本人、支援者、保護者からも多くの記述をいただいておりまして、夜間中学をつくってほしい、おおむね開設に賛成するという記述がある中で、夜間中学以外の学びの場の充実を希望する記述も一定程度見られておるところでございます。  こうしたアンケートの結果であったり、これまでのこの議会での御議論なども踏まえますと、私としては、まずは他県の多くの取組事例と同様に、形式的卒業者や外国籍など学齢期を経過した者であって、学校における就学の機会が提供されなかった方のうち、その機会の提供を希望される方、本来的なこの夜間中学の対象者を対象として、例えば、既存施設を活用するなど極力コンパクトな形での設置をまず目指して、検討を進めていってはどうだろうかと考えておりまして、今後、今月あります教育委員会でも協議した上で、夜間中学の検討委員会で今後の具体的なプランづくりについて、早急に議論を進めていただくようなことを行うとともに、適宜議会にも御相談をしつつ、その間にはホームページなどでもその開設に向かった動き、あるいは夜間中学などについて、しっかりと周知、広報しながら、検討の歩みを進めていければというふうに考えております。  また、学齢期の不登校の生徒につきましては、これは拙速に夜間中学の対象者とするのではなくて、まずは既存の不登校対策の検証であったり、あるいは、対策の充実について、これは義務教育を第一義的に所管いたします市町村教育委員会、あるいはフリースクールの方々など関係機関と総合的な観点で議論を行う中で、県立の不登校の特例校がやはり要るのではないかということになれば、改めて検討を行うこととしたいと考えております。 ◯議長(藤縄喜和君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)教育長から御答弁いただきました。今後の一定の方向性というものを本当に示していただいたというふうに思っております。詳しくはこれからまだ、一つ一つ乗り越えていく課題もあるとは思いますけれども、今日の答弁というのは、非常に大きな転機になった答弁ではないかなと私自身思っていますし、これからやはり鳥取県の中で、この夜間中学をしっかりと推進していただきたいということをお願い申し上げて、質問を終了します。 ◯議長(藤縄喜和君)暫時休憩いたします。11時20分より再開いたします。        午前11時12分休憩    ────────────────        午前11時20分再開 ◯議長(藤縄喜和君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  2番坂野経三郎議員 ◯2番(坂野経三郎君)(登壇、拍手)会派民主の坂野です。  ヤングケアラーについてお尋ねをいたします。  ヤングケアラーとは、日本ではまだ公式な定義はありませんが、日本ケアラー連盟では、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートを行う18歳未満の子供と位置づけております。介護といえば、大人が行うイメージが非常に強いと思います。また、お年寄りがお年寄りを介護している現状も非常に大きな課題であり、老老介護という言葉も一般的である一方で、ヤングケアラーという言葉はあまり浸透していないようにも感じます。  地元紙である日本海新聞のネット記事検索を活用すると、老老介護と検索すれば、126件の記事がヒットする一方で、ヤングケアラーと検索をしても記事は1件もヒットしないという状況であり、鳥取県内の状況をつかむことは非常に難しいと思います。  そこで、会派民主では、半年前の11月に、ヤングケアラーの実態調査について、知事に対して会派要望をしました。今回、当初予算にヤングケアラー支援事業が計上されていることは非常に意味深いことだと思います。  今、注目が集まりつつあるのは、18歳未満のヤングケアラーでありますが、オーストラリアでは、18歳から24歳のケアラーについてもヤングアダルトケアラーとして、ヤングケアラー支援の対象としているそうであります。確かに、18歳未満と同じく、将来の自立や生活設計に大きな影響を受ける年代だと思いますが、知事は、18歳以上の若年介護者の状況についてどのように認識されているのか、お答えいただければと思います。  次に、キャリア教育について伺います。  12月5日に鳥取吠え~るず交流会に参加させていただきました。大学生や高校生が30名ほど参加されていたと思いますが、経営者とテーブルを囲み、多岐にわたり経営者と直接意見交換を行うという会でありました。学生が直接社会人と触れ合い、学生の疑問を社会人にぶつけて、社会人がこれまで培ったものを学生に還元していくという取組は、率直に非常にすばらしい取組ではないかと感じました。その場に参加していた学生と参加していない学生では、大きな差がつくのではないかと感じました。社会人になって、仕事が長く続かずに退職する若者が多くなっていると聞きます。学生時代から社会人にお話を伺い、社会人になったときのイメージを持ちながら学生生活を送ることは、学生にとって大きな意味があると感じます。キャリア教育の重要性について、教育長はどのような認識をお持ちなのか伺います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)坂野県議の一般質問にお答え申し上げます。  ヤングケアラーにつきましてお尋ねがございました。議員もおっしゃられますように、我が国においては比較的最近注目され始めているものでございまして、ただ、これは結構社会の中で広く広がっているというふうに考えております。大阪府が数年前、高校生全体にやったとき、5%のヤングケアラーという話がありましたし、また、最近も埼玉のほうで高校2年生対象にやられた調査では4%ほど、そのうち3分の1ぐらいは毎日のようにそういうケアをしているというふうなことでございました。  この議会でも度々取り上げられましたが、それ自体は二宮金次郎の世界でありましょうか、立派なことだぐらいの話でございまして、あまり社会的なケアにつながっていなかったのではないかということ、我々としても思いを新たにさせていただきまして、会派民主のほうの御意見もございましたが、このたび、ヤングケアラー事業を正面から鳥取県としては政策として取り上げさせていただいております。  そういう中で、実は、我々も調べておりますが、市町村レベルでは一定の把握はされているようであります。それは、要保護の関係の児童、そういうものを市町村ごとに言わばケア会議といいますか、対策会議をやるわけですね。そういうものを中心としてそういうヤングケアラーの実態というものはかねて認知をされてきており、いろいろとそれに寄り添った対策をそれぞれでも取ってきているという実情があります。ですから、県レベルではなかなか見えにくかったかもしれませんが、市町村レベルでは既に個別の対応は取られ始めているというふうに御理解いただいてもいいのではないかと思います。  そういう中、議員のほうから、ヤングケアラーとしてもう少し年齢の高いところも含めて考えるべきではないかと、こういうお話がありました。イギリスでは、2014年にケアに関する法律というのができ、こういうことなどでヤングケアラーの対策が始まってきているところであります。その中には、24歳とか23歳とか、そうした年齢層も含めて対策を考えるわけでありますが、特に18歳までの高校生までのところを重点的な対策としているようです。それから、オーストラリアでは、25歳までのところを対象として捉えて、18歳を超えたところであっても一定の施策については国としても政策対象として考えているということであります。  具体的にはどういうところが対象になるか。これはヤングアダルトケアラーと、そうした国では呼んでいるようでありますが、そういうヤングアダルトケアラーについても、例えばレスパイト機能ですね。毎日毎日そのケアをするということになれば、学業だとか、それから社会人としてのスタートを切るときのいろいろと支障にいずれなってしまうと。家族同士で助け合うことはすばらしいことですし、もう成人年齢に達していれば一定のことはやれるのでありましょうが、そういうレスパイト機能ということはあるだろうと。それから、あと、カウンセリングですね。情報を提供する、そうした機能ということもこういうヤングアダルトのケアラーに対しても必要ではないかと、こういう考え方でございます。  私どもとして、議場でも今回大分繰り返し議論になっていますが、まずは学校の中での認知を高めていただき、子供たちにも知っていただき、それで、学校とか、あるいは専門の部署を通じまして、そういうケアにつなげていく、そういうことをまず一つ事業立てとして組んでおりますし、こういうヤングケアラー対策を根本的に動かしていくために、県全体としての対策会議、これを設置させていただいて、関係者と一緒に動かしていこうと。また、青少年の健全育成の関係のアンケート調査の中で、このヤングケアラー問題というのを取り上げて、実態を調べていこうと、こういうことを考えております。  その際に、今日、問題提起もございましたので、坂野議員がおっしゃるような、オーストラリア流に言うとヤングアダルトケアラー、こういうものも対象として、どういうような実態なのか、そういう調査に加えたり、それから、その対策の中で、先ほど申しましたように、オーストラリアでいえば、そういうレスパイト機能だとか相談機能ということをヤングアダルトケアラーとしてやっていますので、こうしたことも参考にしながら、対策を早速新年度から進めてまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)坂野議員の一般質問にお答えいたします。私のほうには、キャリア教育につきまして認識をということでお尋ねがございました。  以前は職業教育というような形でこうした学びの世界というのがあったのかもしれませんが、今もう少し幅広く、自分がこれからどう生きていくのかをしっかりと考えて、それを実践していく、そうしたことに必要な力であったり、あるいは情報を教育の中で提供していく、そうした形になってきております。ちょうど私の就任した頃、7年前ぐらいになりますか、これは学校の中だけで完結するのではなくて、広く社会の方々とつながりながらこのキャリア教育を進めていくべきだということで、当時、大学の教授であったり、あるいは民間企業の代表の方であったり、労働局の方であったり、そうした方々に学校現場を交えて、このキャリア教育の進め方について御議論をいただいたということがあります。そうした中で、高校生について、各学校で、これは普通科の学校も含めてこのキャリア教育の全体計画をしっかりとつくっていくということで、この計画をつくることをそれぞれの学校に義務づけをしました。そうした上で、キャリア教育を進めていく上でアドバイスがいただける方をスーパーバイザーとして教育委員会にも配置して、各学校の取組、あるいは支援などに当たっていただいたところでございます。  あわせまして、民間企業の方々の力を得るために、キャリア教育の推進協力企業制度というものを設けまして、この推進協力企業の方々に学校の中に入ってきていただいて、実際に企業の取組なども説明していただく、キャリア塾というような取組であったり、あるいはワークショップなども含めて、そしてインターンシップですね、そうしたものも含めて御協力をいただくような取組を進めてきているところでございますし、また、そうした成果を各学校で共有するような研修会なども進めてきておりまして、こうした取組でキャリア教育というのは随分認識も深まってきておりますし、取組も定着してきているのではないかなというふうに思っております。  さらに、昨年度から、ふるさとキャリア教育ということで、小中学校、高校、一貫してこの取組を進めていこうということで行ってきております。そんな中で、地域課題型の学習を進めて、ふるさとに愛着を持ち、ふるさとに貢献できる、そうした生徒を育成していこうというような形で進めてきております。  引き続き、こうしたキャリア教育、教育委員会としても重要だという認識を持ちつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◯議長(藤縄喜和君)2番坂野議員 ◯2番(坂野経三郎君)知事の御答弁の中で、冒頭におっしゃった我が国では比較的最近、このヤングケアラーの課題が取り組まれ始めたという言葉が非常に印象的であります。知事の御紹介もありました、2014年にイギリスでは対策が始まってきたという話でありますが、イギリスでいえば、もう2001年から国勢調査の中でヤングケアラーの実数を公表すると、こういう取組をしておりますから、まずは日本が比較的最近始まってきたのではなくて、日本は極めて遅れているという認識からまず私はスタートすべきだというふうに考えているのですね。  そして、先ほどヤングケアラーだけでなくて、18歳以上の若者にもしっかりこれから調査をしていくというお話をいただきましたが、私は、とりわけ、大学機関などとも連携しながら実態を把握していく必要があるのだろうというふうに考えているのです。  実は、そのように思うきっかけとなったのが、2か月前のことでありました。現役の大学生、鳥大生と意見交換をさせていただく機会をいただいたのですが、その大学生と、それからその大学生を紹介してくださったお二人の方、合計4人で意見交換をさせていただいたのですね。その意見交換の中で、冒頭、その学生が私に将来の夢を聞かせてくれたのです。その中身というのは、将来は、介護ロボットを作って介護に従事されている方々が少しでも楽になるような、そんなロボットを作りたいと、そういう夢をまず語ってくれたのです。  実は、その4人で意見交換をしたと申し上げましたが、対面ではなくてインターネットを活用して、Zoomを活用して、モニター越しに意見交換をさせていただいたのです。その理由といいますのも、実は大学の休業期間、休み期間でもないのにその学生が鳥取にいなくて実家に帰っていると、こういう事情からZoomを活用した意見交換をさせていただいたのです。なぜその学生が鳥取にいないかといえば、親の介護のために大学を鳥大を休学して実家に帰って親の介護をしていると、こういう生の声を私は聞かせてもらったのですね。  私がその学生に、このまま休学を続けていると将来の介護ロボットを作るという夢もかなえられないかもしれないだけではなくて、大学も場合によっては卒業できないかもしれないのではないかと、このように私は大学生に聞いたところ、その大学生は迷うことなく、仮に退学になってもいいのだと、親を支えてあげられるのは自分しかないのだと、そのようなお話であります。  先ほど知事は二宮金次郎のように頑張っているねと、そういうようなこともおっしゃいましたが、私は単に家のこと、しっかり頑張っているねと、そういうふうに褒めるというか、そういうふうに言うような次元を超えたレベルにある話だなというふうに聞いていたのです。聞いてみても、その学生は、誰にも相談することなく、役所に行くのも敷居も高いので、自分で決めて自分で帰って親の支援をしていると、そういうお話でありました。  私はまずは、この大学生のこの実態、ヤングケアラーだけではなくて、18歳未満の子供たちだけではなくて、18歳以上でも若者がどのような形で介護に携わっているのか、その実態をしっかりと調査する必要があると感じますし、とりわけ、大学とも連携をしながら調査を進めていく必要があると思いますが、知事の御所見を承ります。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)坂野県議から重ねてヤングアダルトケアラーといいますか、成人年齢を迎えたケアラーの課題につきましてお尋ねがございました。  多分、考え方は相通ずるところだと思います。先ほど、二宮金次郎のお話を申し上げましたけれども、時代は変わっていまして、今では例えば介護保険制度だとか障害者福祉制度、あるいは生活保護であるとか、様々な社会的な支援、そういうサービスが提供される時代になっています。福祉国家として、日本も成熟してきつつあるわけですから、こうした仕組みとつなげていくことで、さっき申し上げたある程度のレスパイト機能であるとか、あるいは機能代替をして、社会のほうでそのサービスを提供する、介護とかですね、そういうやり方に今移行しつつあるはずであります。  ただ、これが十分使いこなせていないのではないかと思います。以前であれば、全て家族や、あるいは近所の者が解決しなければならなかったものが社会的なネットワークの中で支え合えるようになってきています。これを活用するというのが一つの方策なのかなと思います。  議員がおっしゃるような形のことなどにつきまして考えてみますと、大学にも例えば学生課のようなそういう相談機能を果たすところがございます。大学の当局ともしっかり相談してみたいと思いますが、今のところは異論がないようでありますので、入ってもらったらどうかと思うのですけれども、そういうところでそうした相談を受けていただいて、それを地域の福祉サービスへとつなげていく、こういうようなことを意識的に始める必要があるのではないかということだと思うのです。  実は、ある大学では、やはり親の介護の関係で休学とか悩まれた、そういう学生が来られたそうでありまして、大学のほうでは、例えば資金的なことであるとか、それから単位をはじめとした学校生活のことなどいろいろと相談できるわけでありますが、実際の家族の関係のことは自治体を紹介して、福祉サービスを紹介してということをされると。そういうような例がございます。こういうようなことはまだあまり学生の間でも意識されていないと思うのですよね。ですから、そうした相談センター的な機能をやはり大学の中でも持っていただくというのが一つなのかなと思います。  また、調査につきましてもお話がございました。先ほど申しましたように、昨年、市町村のほうに聞いてみますと、11の市町村は先ほどの要保護の児童対策などで実態を把握されておられますし、対策もそれぞれに取られていると。ですから、要は家庭の対策ですね、要保護児童みたいなところが典型でありますけれども、そういうところで対策を組もうと思いますと、中には障害者の関係とか、家の中の社会構成の問題などで兄弟姉妹の面倒を見なければいけないとかそういうのが分かるわけですね。それに対する対策をそれぞれの市町村でも実は既に取り始めてきているということでありまして、それが実は顕在化してきたのが最近の報道ベースだったのかなというふうに思います。  そういう学齢期の子供たちは割と把握はしやすいのですが、大学に行っている学生さんについては、大学と話をしてもなかなかちょっと調査が難しいということであります。防衛大学校のようなところはみんな学生さんが毎日出席されると思うのですけれども、私の行っていた大学も含めて、ほとんど学生が出席しないという、そういうのが実情でございまして、どうやって調査をしようかなかなか難しいと。そこで、本県としては、青少年の健全育成の関係の調査の中に青年層の調査もありますので、29歳までになりますが、大学から29歳までのところ、ここのところも調査対象として、このケアラー問題についても実態をサンプル調査させていただきたいと思います。  今でもある程度分かっているのですけれども、そういう学生さんもいらっしゃる、若い方々もいらっしゃる。しかし、どういうふうにケアサービスを受けるのか分からない、お金の面が心配、ですから、そうしたものに対するカウンセリング機能、レスパイト機能というものを今後確立していく必要があるのではないかと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)2番坂野議員 ◯2番(坂野経三郎君)私は防衛大学以外の大学を知りませんので、防衛大学であれば簡単に調査ができるなと思っておりましたが、なかなか一般大学ではちょっと調査が難しいのかなと思いましたけれども、サンプル調査などもするというお話でありましたので、私はこの実態調査をしてはどうかという質問につきましては、非常に敬意を表したいというふうに思っているところであります。  先ほど、11の市町村も調査をしたり対策をされていると、こういうお話でもありました。その市町村の取組も私は敬意を表したいというふうに思っておりますが、今日は、県の対策について議論をさせていただいているのですね。今回、当初予算の中で、ヤングケアラーの支援事業、この事業が提案されました。私は敬意を表したいと思っているのです。しかし、この対策の支援事業、予算化された事業の対象は、私は児童福祉法の定義された子供という形で、相談窓口も東部、中部、西部の児童相談所に設置すると、こういう形だというふうに認識をしているのですね。ただ、私が今回ここで提案をさせていただきたいのは、そのヤングケアラー、18歳未満の子供たちが家事であるとか介護に携わっていく、その子供たちの支援をする事業だけではなくて、18歳以上の介護などに従事する若者に対してしっかりと支援する事業をするべきではないかと、こういう質問をさせていただいているのですね。  実は、11月に会派要望させていただいたときは18歳以上の若者に対してまでは目が向いていなかったのは、私もじくじたる思いでありますが、2か月前にお話を伺った大学生の話、あるいは、2年前に神戸市で起きた事件について、このたびの質問を準備するに当たり知ることになりましたので、その事件を含めてもやはり18歳以上の若者に対してもしっかりとサポートをしていく必要があるのだろうというふうに私は思っているのです。  その2年前に起きた事件の内容といいますのは、2019年10月8日だったと思いますが、その日に事件が起こります。当時20歳の若者が短大を卒業して、夢だった幼稚園教諭に就職をしたと。就職をしたのが4月。その翌月の5月に大好きなおばあちゃんと2人暮らしを始めたということなのですね。そのおばあちゃんというのは、要介護4の認知症のおばあちゃんだったということでありました。日中は慣れない幼稚園での仕事をして、自宅に帰れば2人暮らしのおばあちゃんの介護、夜中も1~2時間ごとにトイレのお世話をし、時には徘回も一緒に歩くというような生活をされ、毎日2時間程度の睡眠だったそうであります。毎日寝ているのか起きているのか、そんな分からない、もうろうとした意識の中で、5月からその生活が始まり、5か月たった10月8日にとうとう、大好きだった認知症のおばあちゃんからひどい言葉を浴びせられたということもありますが、手をかけてしまうと、こういう不幸な事件が神戸市で2019年に起こったということであります。  それを受けて、神戸市では、今年度の当初予算に20代の若者もしっかり対象とするという、そういう事業を提案されて、そういった部署をつくられると、こういうふうに私は伺っているところであります。したがいまして、先ほども11の市町村の話もありましたが、これまでの取組以上に18歳未満の子供たちだけではなくて、若者に対してもしっかりとした支援に取り組んでいく、こういう必要があるというふうに私は考えておりますが、その辺りの知事の御認識について伺いたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)坂野県議から重ねてのお尋ねがございました。  結論から申し上げれば、そうしたことを入れて今我々がスタートするわけでありますので、新年度、新たに施策をスタートさせていただきたいというのが結論であります。  1つすみません、去年の11月に10の市町村でそういうのを把握しているということでありまして、ちょっと私、10と11と混同しましたけれども、そういうようなことで調べている市町村があります。その中で、我々が出会ったケースが今の神戸市のケースと非常に重なって感じられるものもございました。  それは高校生だったと思いますが、やはりおばあちゃんと2人暮らしの御家庭がありまして、おばあちゃんが認知症であると。そういうことで、学校の登校もままならない、一生懸命面倒を見ていると。そういうような中で、このケースでは、地域包括支援センター、それから市町村の社協、また教育サイド、学校だとかそうしたところなどが関わりまして、それで最終的には小規模多機能のサービスを受けるようになり、それで学校生活との両立に向かわれたと。この手のケースはなかなか簡単には解決しないものでありますけれども、そうやって一つずつほぐしていく、しこったところをほぐしていって、レスパイト機能のような形で、単にサービスの転換をして、介護の負担を軽減する。本人もおばあちゃんの面倒を見たいというのもまたあるでしょうから、その辺のバランスもある程度は考えながらということになりますが、ただ、やはり高校生にとりまして課題でありますので、そういうようなことでの対応を取ったようなケースがあります。  だから、今の神戸のようなケースでも、そうした地域において支え合う、そういう仕掛けがあれば、多分結末は変わってきたのかもしれないなというふうに思います。これは成人社会、30代、40代でも同じようなことが起こるわけでありまして、そういう年齢層になりますと、介護保険の仕組みの使い方というのもある程度分かっていますし、それから社会のどこと相談をかけていけばいいかというのも自分で判断してやっていくでありましょうが、社会人として自立したばかりの人たちなどのそういうヤングアダルト層、こうしたところにもこういうレスパイト機能や情報提供、カウンセリング機能というものを提供する必要があるのかなと。大学の当局だとか、あるいは市町村であるとか、そうしたところと協力しながら体制を組んでまいりたいと思います。  新年度早々にこのヤングケアラー問題の対策会議を関係者でつくりたいと思いますが、その中にぜひ大学当局も入っていただいたり、それから市町村の関係機関であるとか、そうしたところで18歳までのところはもちろんのこと、それの上のところでもどういう対策が必要なのか、青少年健全育成の調査と併せて展開をしてまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)2番坂野議員
    ◯2番(坂野経三郎君)新年度早々に行われる会議についても大学の関係者も招いて行っていただけるということで、よかったなというふうに私は思います。  大学の学生課とも連携をして、市町村につなげていくというお話もあったかと思いますが、大学の場合は、鳥取の方だけ来ているわけではないわけですから、学生課と市町村が連携するということは県をまたいで行われるべきものだろうというふうに思いますので、大学生とも、その学生課とも、そして他の市町村とも連携をしながら、最善の支援策を考えていただければというふうに思います。  さらには、10の市町村で調査が行われて、その中に高校生がおばあちゃんと2人暮らしでというお話を伺いまして、その調査をされたおかげだと思いますし、その実態をつかみ、さらにその高校生にしっかり手を差し伸べることができたというのは、私は今本当にうれしく思って聞かせていただいております。  冒頭の答弁の中にも大阪府ですか、過去調査をしたら5%の生徒がヤングケアラーだったという話がありました。仮に鳥取県内の高校生の5%がヤングケアラーであれば、約700人ぐらいの高校生さんがヤングケアラーだということになると思うのですね。先日の質問の中で、高校生の不登校の生徒さんが約200人という話があったかと思いますが、やはりこの700人という数字はかなり大きい数字だと思いますし、その700人のほとんどが積極的に取り組んだり、胸を張ってプライドを持って頑張っているのだろうとは思いますが、その中にも、先ほど知事がおっしゃったような例も必ずあると私は思うのですね。そういったお子さんが頼っていいのだよと、隣の家の人も行政も、いろんな人を頼っていいのだよと、そう思える環境づくりをすることこそが私は政治の仕事だと思うのですね。  自分でやること、自助、これは当たり前なのです。しかし、政治の側が自助だとか自分の力でなどとメッセージを発したら、そのお子さんは、私はますます声が上げられなくなるというふうに思うのです。だからこそ、私は知事の共生社会であるとか支え合ってやっていこうという政治姿勢、心から共感をしておりますし、引き続いてそういった取組を続けていただきますことをお願いして、何か所感があればちょっと伺いたいというふうに思います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねてのお尋ねがございました。  実は、経済や社会というのはずっと発展をしてきているというふうに言われています。もともとは家庭だとか、それから職場の中にあった機能というものが社会サービスとして自治体が担うように変わってきているということであります。例えば、福利厚生のサービス、こうしたものを会社が全部提供している、職場が提供していたものを外部化して、それが実は自治体のほうの社会サービスの提供に変わっていく。あるいは、家庭の中でも介護の負担があると。これに声を上げたというのが平成10年代に入った頃でございまして、それで介護保険という制度を世界ではドイツでしか行われていないような制度でありましたが、これを新たな社会システムとして社会保険制度で創設をしたと。今ではこれがすっかり定着をしまして、従来であれば福祉というのは措置というものであったものがサービスとしていろいろなところで多様な提供がなされるようになり、これが社会を変えてきたということだと思います。  これが昔の二宮金次郎の世界から、それが変わってきている現状との違いでありまして、こういう社会の変革というものを子供たちもその恩恵を享受するようにならなければならないのだろうというふうに思います。「学校へ行かぬ子達か蓬摘」という正岡子規の句がございますけれども、かつては学校に行かずに、それでちょっとした仕事をしたりしていたというのは日常も見られた、そういう風景なのかなというふうに思います。格差社会という言葉が今日クローズアップされていますが、その格差社会であるからこそ社会的なサービスでそこのあい差を埋めていく、そういう地道な取組が必要でありまして、このヤングケアラーの問題は一つの試金石ではないかと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)2番坂野議員 ◯2番(坂野経三郎君)教育長から御答弁をいただいたキャリア教育でありますが、非常にすばらしい取組をしていただいているというふうに思って聞かせていただきました。  教育委員会も学校もすばらしいキャリア教育をされている。私は民間もすばらしいキャリア教育の取組をしているというふうに思うのです。先ほど壇上で紹介をした鳥取吠え~るずの取組も私はすばらしいキャリア教育だと思います。学生たちが目をきらきらさせて社会人に対し様々な質問を投げかける、すばらしい取組だというふうに思います。  そういった民間の取組を含めてですけれども、その活動があることを含めて、それを活かすも活用しないのも学生のモチベーションなりによるところはあると思うのですが、一つでも多くのチャンスを学生に提供するためにも、私は学校の取組、そして民間がやっているキャリア教育の取組、この両方を融合させて、それぞれが相乗効果をもたらす取組をする必要があるのではないかというふうに実は感じているのです。  今、このコロナ禍にあって、学生や生徒さんたち、児童さんたちもそうですけれども、様々なイベントが中止になって、非常につらい思いをしていると思うのです。その中にあって、私はこのキャリア教育がその子供さんたちにとって非常に希望の光となる、そんな活動に、教育になるのではないかというふうに感じているのですね。そして、そのキャリア教育がまさに子供たちの希望になるのだと、そういうふうに私も今実感を持って取り組んでいるのですね。  実は、昨年末にNPO法人ドットジェイピーというところから打診を受けまして、議員インターンを受け入れてみないかと、こういう話がありました。その議員インターンをやる目的は何ですかと聞いてみましたら、若者の政治参画だという話でありましたから、我が意を得たりと、二つ返事であまり具体的な話を聞かずに受け入れさせていただくことにしたのです。そして、私は鳥取大学の1年生の学生さんを受け入れさせていただいているのですが、今日も傍聴に来ておりますけれども、2月1日から3月31日までの間、活動を共にさせていただいているのですね。実は、その学生さん、初めて私が面談したときに言った言葉がどうしても忘れられないのです。どんな言葉だったかといえば、右も左も分からない、友達もいない鳥取県にやってきて、楽しみにしていた入学式はなくなった、授業の開始は5月から、しかし、それもオンライン、なかなか友達もできないし、一番つらかったのはサークル活動も制限されて、鳥取のことや大学のことをいろいろと教えてくれる先輩とのつながりがなかなかできないのだと、そういうつらい胸のうちを打ち明けてくれたのですね。ですから、私はこのインターン活動の中で、少しでもいい活動、思い出になる活動をしてほしいと思って、様々な活動もさせていただきました。  将来は、政治家ではなかったのだと思ったのですが、国家公務員になりたいというものですから様々な会いたいという人にも会って、話を聞かせてあげたいなというふうに思ったのですね。  ただ、みんながみんな、会って話をしてくれるわけでもないのです。そんな中にあって、快く引き受けてくれて、予定していた時間を大幅に超過して、これまでのキャリアを全て伝えてくださったのが野川副知事でもありました。さらには、ドットジェイピーのインターンの経験者でもあって、国家公務員というのですか、総務省から来ていただいている塗師木課長にも熱心に指導していただいて、その後のフォローもしていただいて彼は本当に喜んで、最初はつらいと言っていたその学生が県庁から帰る車の中で鳥取県に来てよかったと、鳥取大学に来て本当によかったという話を実はしてくれたのです。その話を聞いたときに、キャリア教育は本当にすばらしいなというふうに感じました。  そこで、確かに、ただそうやって鳥取に来てよかったと結果的に言えたその学生が、やはり挑戦するということをしたわけであるからそこに結びついたわけでありますが、一つでも多くのチャンスをつかむために、私ども大人は汗をかくべきだというふうに考えておりますし、学校の取組、そして民間の取組を融合させてそれぞれが相乗効果をもたらす、そんな取組が必要ではないかというふうに考えておりますが、教育長の御所見を最後に伺って質問といたします。 ◯議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)坂野議員から、重ねてキャリア教育につきましてお尋ねがございました。  本当に御自身の体験も含めて、取組の話など聞かせていただきましたが、鳥取吠え~るず、あるいはドットジェイピーなどの取組など、すばらしい取組が鳥取県内でも展開されつつあります。  私どもも昨年度、鳥取商工会議所の青年部というところから未来の人材育成で我々も何かやりたいという中で、ワールドカフェ方式で高校生、あるいは大学生、そしてまた企業の方々など集めて将来なりたい自分であったり、やりたいこと、そうしたことをテーマに話し合うような、そんな機会を設けたいのだということがありまして、県の教育委員会のほうも名義後援という形でお手伝いをするというようなことがございましたが、学校ではできないことというのもあるのだと思うのです。民間でこそできること、あるいは学校にない発想で民間でこういう形でキャリア教育につながる取組ができないかというような、そうしたアイデアなどの展開も含めて、お互い相乗効果が上がるような取組ができていければというふうに思います。  先ほどの名義後援などでそうした後援があるから、ぜひ高校生の出席をPRしてくれというような方法もあるかと思います。連携して取り組めるようなことを模索してまいりたいと考えております。 ◯議長(藤縄喜和君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、1時5分より再開いたします。        午後0時05分休憩    ────────────────        午後1時05分再開 ◯副議長(福田俊史君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  13番常田賢二議員 ◯13番(常田賢二君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の常田賢二です。通告に従い、質問させていただきます。  まずは、コロナ禍における鳥取県の観光戦略についてです。昨年の鳥取県内の観光入り込み客数は、前年比で鳥取砂丘は半減、インバウンドが多く来られた観光地ほど影響が大きく、水木しげるロードは7割も減少しました。GoToトラベルで10月、11月と持ち直しましたが、緊急事態宣言により逆戻りとなり、当分、インバウンドが見込めない中、不測の事態にも耐え得る持続可能な観光へ戦略を変えていかなければなりません。  先日、バトンをいただいた安田議員からもありましたが、#WeLove山陰キャンペーンが始まり、まずは両県の皆様の山陰への旅行が期待されますが、報道などによりマインドが旅行などの遊興に向かない方も多く、コロナ感染者が最も少ない両県として、春の観光シーズンに向け両県民により効果的な広報啓発が必要と思いますが、知事の御所見をお聞かせください。  また、コロナ禍において、会合はことごとく中止しており、これまで宴会や冠婚葬祭がメインだったホテルや旅館などは特に大きなダメージを受けておられます。2月には皆生温泉では、旅館の半数以上が休館し、制度融資や雇用調整助成金などで何とか持ちこたえていますが、休館しても維持費でコストがかかります。また、食材の生産者や納入業者、酒屋などへの影響も甚大です。三密を防ぐことは今後も続きますので、団体客頼みから個人客へのシフトチェンジなどの工夫も必要であり、大宴会場の改装などにも多額の設備投資が必要で、なかなか踏み出せない八方塞がりの状態にあるとも聞いております。  3月から営業を再開されている旅館も多いですが、今後、どのようにして反転攻勢していけばいいのか、インバウンドの受入れはどの段階になれば可能なのか、混乱の中にある観光・宿泊業界などに対する県としての支援の在り方や今後の見通しなどについて、知事の御所見をお聞かせください。  続いて、アウトドアツーリズムについて質問します。コロナ禍において、日本百名山には、中国地方には唯一大山がありますが、多くの登山客が訪れています。鳥取県内のキャンプ場も自然や癒やしを求め、多くのキャンプ愛好家が訪れています。キャンプ人気の要因として、キャンプの通年化やソロキャンプ、グランピングなどスタイルの多様化、漫画やアニメで人気の「ゆるキャン△」などが上げられますが、コロナ禍での自然志向の強まりも一層感じられます。  11月議会で、私のグランピングの質問に対し、知事は、ようやく時代は鳥取のような自然の中でツアーを楽しむ、車なども活用して自由な発想で来ていただけるところになり始めている。これからの観光の一つのツールになり得る。そのような思いから、新年度考えさせていただくと話されました。そして、今回の新年度予算で、密を避けて楽しむ鳥取のアウトドアツーリズム事業として計上しており、力を入れて取り組もうという意気込みを感じますが、このアウトドアブームをどう集客に結びつけ、県内への経済効果にどのようにつなげていこうと考えておられるのか、知事の御所見をお聞かせください。  続いて、鳥取県の景観政策について質問します。鳥取に観光に来られる方の9割は、自家用車、バスなど車による移動だと言われております。鳥取西道路が開通し、高速交通網も整備されましたが、一般道を通って四季折々の美しい景色を楽しみながらの移動も観光の醍醐味です。鳥取県には、海岸沿いや山々など、風光明媚な観光地が多くありますが、その道中、風景を台なしにする派手な看板、ポスターや廃屋、さびたガードレールなどにがっかりされる方も多くおられます。  現在、八頭町、若桜町において、県の支援を受けながら、国土交通省が認定する日本風景街道新因幡ラインの景観形成行動計画の策定が進められており、国道29号線、若桜鉄道沿線の景観づくりに取り組み始めていますが、新因幡ラインは、2016年に認定されているにもかかわらず、私を含め、知らなかったという県民は多数存在します。もっと県民への周知、PRが必要ではないでしょうか。私も何度か現地を確認しましたが、この道が日本風景街道と分かるものは見つかりませんでした。  昨年、青木前国土交通省副大臣が現地視察され、その意見交換会で、知事は、力を合わせ、日本風景街道のかがみとしてこのルートを育てていく必要がある。個人がこのルートをたどって様々な取組を紡いできた中に見える息遣いや美しい自然をみすみす捨て去ることはない。全国から見るとゆったりとした自然の中で伸び伸びと暮らせるこの地域は、アフターコロナを考えたとき、注目されると発言されています。改めて、町が取り組む新因幡ラインの景観形成について、県としてのこれまでの取組状況と今回の新年度予算を生かし、どう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお聞かせください。  続いて、まんが王国とっとりについてです。まんが王国とっとりは、御承知のとおり、水木しげる先生、青山剛昌先生、谷口ジロー先生の3巨匠を中心に多くの漫画家を輩出しております。3月7日、水木先生の99回目の誕生日を祝う生誕祭が水木しげる記念館前にて行われました。リモートでつなぐ動画を拝見しましたが、平井知事は鬼太郎に扮し、伊達境港市長はねこ娘姿で視聴者の度肝を抜きました。その中で、来年の100年祭に向け、4大プロジェクトが発表されました。その一つ、水木しげる生誕100周年記念展覧会は、妖怪をメインテーマに、水木先生が後世に伝えるべく描いた様々な作品が展示されるとのことで、鳥取で開催される日を楽しみにしております。  水木しげる記念館は2003年、100年以上の歴史を持つ料亭を改修し開館しましたが、老朽化が進んでおり、現地建て替えが最適とする最終提言書が境港市長に提出され、生誕100年の来年3月までに計画を具体化させる考えを示しました。水木しげるロードの観光入り込み客数は2019年、再び300万人の大台を超えましたが、昨年はインバウンド客の激減、コロナ禍で96万5,000人と7割も減少しました。ただ、この最悪の状況においても県内で一番多くの観光客が訪れており、根強い人気があることを証明しました。  青山剛昌先生の代表作「名探偵コナン」は、単行本99巻が来月4月に発売され、いよいよ今年中に100巻に到達するのではと言われております。アニメは今年の3月1,000回に到達し、この両方を達成した作品はなく、史上初の快挙で、今年は青山先生にとってプレミアムな年になるのではないでしょうか。  青山剛昌ふるさと館は2007年、大栄歴史文化学習館を改修し開館しましたが、施設の狭隘性やバリアフリー化、貴重な所蔵品の収蔵、保存など様々な課題が山積しております。2019年2月、青山剛昌ふるさと館の移転新築に関する請願書が北栄町議会に提出され、9月定例会で請願が採択されました。  青山剛昌ふるさと館は県内観光地で唯一、水木ロードのように大きく花開くポテンシャルを秘めており、そのためには、新たな施設が絶対条件だと私は思います。インバウンドの観光客は、水木ロード観光後、多くの方が島根方面へ向かわれましたが、例えば水木ロードの300万人の半分でも青山剛昌ふるさと館へ向けられれば、ルートとなる米子だけでなく、延長線上の鳥取、倉吉など県内全域に多大な観光波及効果が期待されます。台湾をはじめとする東南アジアでのコナン人気はすごく、特に、台湾はコロナ感染者数を抑え込めているという鳥取との親和性もあり、新たな航空路線として、鳥取砂丘コナン空港との定期便化が実現できれば、さらなる集客も期待できます。アフターコロナを見据えた観光戦略として、まんが王国とっとりは非常に訴求性の高いキラーコンテンツであり、コロナ収束の見通し、見極めとともにアクセスを含めた受入れ環境整備にぜひ取り組むべきだと考えますが、水木先生や青山先生のこれまでの功績を踏まえ、コロナ前のまんが王国とっとりを活用した観光誘客をどのように評価し、コロナ後に向けた展開など市町との連携を含め、どのように取り組もうとされているのか、知事の御所見をお聞かせください。  先頃、鳥取市と米子市において、谷口ジロー先生のデビュー50周年を記念した原画展が開催されました。鳥取会場では「父の暦」「遥かな町へ」「孤独のグルメ」など、鳥取が舞台の原画が展示され、先生のきめ細やかな筆遣いをじっくり堪能することができました。その会場に展示された追悼パネルには、生前、手帳に記された「たったひとりでもいい。何度も、何度でも本がボロボロになるまで読まれるマンガを描きたい。あきることなく何度も開いて絵を見たくなるマンガを描きたい。それが私のたったひとつの小さな望み」という言葉が深く心にしみました。  現在、鳥取県立図書館の2階などで谷口先生の作品を楽しむことはできますが、谷口先生の功績をたたえ、原画も鑑賞できる常設展示の場所を鳥取市内にぜひ作ってほしい、そう望む声もたくさん聞いております。谷口先生の功績を踏まえ、知事の御所見をお聞かせください。  以上、壇上からの質問とさせていただきます。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)常田県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、観光関係につきまして何点かお尋ねがございました。現在の観光、非常に厳しい状況がある、春のシーズンに向けてどのような展開を考えるのか、また現状はどうなのか、観光・宿泊業界に対する支援、インバウンドも含める考え方いかがかと、こういうようなお尋ねでございます。  議員も御指摘ございましたけれども、新型コロナウイルス感染症対策を考えますと、人の移動、特に感染拡大地域とそれ以外の地域との往来というのは、これは控えるべきというのは感染症学会としては通説のことであります。これが影響しまして、様々な余波をもたらしていると。特に感染症が拡大しているのは大都市部が中心であります。私ども鳥取県は、全国で最も感染症を抑えているところでありますので、県内で動き回る分にはまあ感染の危険というのはあまり考えにくいと、それでも予防はしましょうということが実情でありますが、実際に感染症の本県の状況を見てみますと、全て、これ実は観光というよりはむしろ往来ですね。身内を含めた往来がもとで感染が県内に広がっているというようなケースがほとんどであります。  観光客がもたらしたというものは実はあまりないところでありますが、ただ、やはりそれは旅館とか観光地のほうが感染防御の体制を万全に整えているからでありますし、観光客の皆様もそういうように感染の媒介になりたくないという良心的な行動をされますので、そういう意味で非常に抑制はされているのだと思います。  しかし、残念ながら、人出自体がやはり減ってしまうと、観光客のマインドとしては人出を控えるという方向に向かってしまうところであります。特にその傾向が激しくなりますのは、緊急事態宣言が出たときでございまして、今回も緊急事態宣言が出ますと、てきめんに観光客が減ってしまったということになりました。  そこで、本県としては、山陰両県またいでの#WeLove山陰キャンペーンというのを隣県の丸山知事と相談をして、3月に入りまして開始をしたところであります。こういう需要拡大の効果と併せて、観光地においては、安全安心の観光地を宣言してもらうような、できれば認証施設をそれぞれ目指してもらうような、こういう地域ぐるみの展開をし、それの応援のキャンペーンなどもさせていただいております。  いろんな相乗効果だと思いますが、3月に入りまして、大分表情は変わってきたと思います。議員もお気づきかと思いますけれども、特にお宿のほうは大分様子がよくなってきたところであります。例えば、この近所でいいますと、こぜにやさんなども土日は満館という状態になってきましたし、それから、鳥取のお宿の中では有名なところの岩崎さんみたいなところですね、三朝温泉。こちらも3日間を除いて全部埋まっていると。ちょっと考えられないぐらいであります。お宿によっては、もう99%ぐらい昨年比、もうほぼ100%のところまで戻しているところも出てきています。  #WeLove山陰キャンペーンの効果でありまして、実は県内客が非常に多いと。それから、あと、島根県の方、例えば先ほどの岩崎ですと、大体4対1の割合で鳥取県民と島根県民ということであります。それ以外のお客様もいますが、やはり#WeLove山陰キャンペーンがかなり引き上げた効果がございまして、9割以上、昨年に比べて戻してきていると、平年並みになってきているのが今、3月の状況であります。  ただ、観光地のほうはどうしても県外、特に近畿だとかそういうところのお客様が要りますので、そういう面での厳しさはありますが、他方で、新型コロナの効果なのだろうと思うのですけれども、安全安心なイメージがあるスキー場ですね、これ若桜も2割ほど増えていましたし、また、大山ホワイトリゾートも、これも倍増、いっていたと思います。相当増やしているということでございまして、観光地によってはこの終盤戦で今取り戻しつつあるところでございます。  ただ、議員がおっしゃるように、これからどうなるか分からない中で、戦略的に今後そうした観光客をお迎えするお宿の展開など考えていかなければいけないのではないか、中には改装ということもあってもいいのではないかということです。最近、駅前のところの丸茂さん、大分お風呂もお部屋もきれいにされました。これは実は、県の事業の経営革新事業を使っておられます。当然、県庁所在地ですのでビジネス客も多いわけでありますが、ビジネス客にも観光客にも耐えられるようにしようと。これは今、産業創造の事業として県は補助制度を組んでいますが、これであれば、かなり大型な支援事業が組めます。また、こぜにやさんもバリアフリーの施設整備の対策の助成金を使われまして、離れのほう、こちらのほうを改装されました。それによって客単価が上がったということになっております。  やはりこういうような、時にこうした思い切った設備投資も含めてやっていって、いずれ新型コロナは終わるわけでありましょうから、インバウンドが戻ってくることも想定しながら、体制を取ることが必要だと思います。このために、県としてもお宿のクオリティーを上げるための宿泊施設の魅力アップ事業とか、先ほどの福祉関係、あるいは産業創造の関係等々を応援の手だてとさせていただきたいと思っております。  また、新型コロナ対策では、こうした衛生環境を整えることにつきましても特別の助成制度をつくらせていただきまして、応援をしてまいりたいというふうに考えております。  インバウンドにつきましては、これは今、どうしてもちょっとお見えになれないものですから、そういう意味でオンラインを通じてだとか、現地の駐在員を通じて運動展開を図るところでありまして、新年度もそうしたことでやろうと。例えば、台湾なども有望な新規開拓先でありますが、新年度は台北や台中で観光や物産のイベントをさせていただこうと、現地の駐在員などがひとつ中心になりましてやっていこうと。あるいは、OTAでございます。オンラインでのトラベルエージェント、こういうところを通じたてこ入れを図るということで、例えば、中国でいえば、最大手のところのそうしたOTAの提携ができました。さらに、香港とKLOOKとか、そうした海外の有力なそういうサイトとの連携をぜひ新年度はさらに増やしていって、こういうオンラインを通じたプロモーションだとか、いざこちらに来られるとき、実現するときの旅の販売をさせていただければというふうに考えているところでございます。  次に、グランピングなど、アウトドアツーリズムにつきましてお尋ねがございました。これについては、前回もたしかお尋ねがあったと思います。  今、非常にブームになっていると言っていいのではないかと思います。新型コロナがさらにその拍車をかけて、いわゆるソロキャンプと言われるお一人様のキャンプも急速に今増えているという状況でございます。全国のキャンプ場の集計をすると、半分以上のキャンプサイトでソロキャンパーが増えているということでありまして、全国にそのトレンドがわたっているのではないかなと思います。本県内でもそうでありまして、キャンプ場、予約も取れないようなところもございまして、今こそ攻めどきなのではないかなと思います。  そういう中、議員が強調されましたグランピングについては、平成30年に商工会議所青年部さんが音頭を取られまして、湖山池でグランピングのイベントをされました。美しい星空と組み合わせて雄大な湖山池、鳥取の景観、それを楽しんでもらおうというものでありまして、成功を収めたわけでありますが、その余勢を駆って、その後もそうしたグランピングのイベント展開が図られているところであります。現在はアドセンターパルさんがその成果を永続的なビジネスにしていこうと、市と協議をされて青島のところにキャンプサイトを設けられて、展開を図ろうということにされているところであります。  これにとどまりませんで、11月21日には星取県のイメージで、砂丘でスターナイトというイベントをされました。これは、テントのようなところで星空を見ながら楽しむのと併せて、お食事のほうも凝った料理を提供されると。いわゆるグランピングということになろうかと思います。新しい旅を創造しようという助成制度の一環でやっていただいたわけでありますが、参加者からは非常に評判がよかったところでありまして、またこれも今後やっていく大きなヒントになるのではないかなというふうに思います。  さらには、県内でもスマイルキューブさんという米子の会社があちらこちらのキャンプサイトを引き受けておられまして、いわゆるサブスクリプションをやろうと動いておられるなど、大きなトレンドを生んでいると思います。  そこで、県のほうでも、こういうアウトドアツーリズムを展開するために、新年度、予算を組ませていただきまして、なっぷと言われるサイトがあります。これはキャンパーにとりまして非常に利用度の高いサイトであります。このなっぷと協調しながら、鳥取県のこういう「とりキャン」というキャンプのイメージですね、情報を発信させていただき、ここに県内のキャンプサイトもリンクをさせていただいて、県内への誘客やイメージアップを図らせていただこうかなと考えております。また、こうしたキャンパーが県内をスタンプラリーのように歩かれる、その際のプロモーションもさせていただこうと。いろいろと今、新年度に向けまして検討させていただいているところであります。  次に、鳥取県の景観形成につきまして、新因幡ラインを一つのモチーフとしてお尋ねがございました。  この新因幡ラインは、議場での御質問もありまして、平成28年の3月に国のほうの登録を得ることになりました。本県では、これ以外にも2つ、こういう風景街道として選定をされているわけでありますが、その中でも非常に地元で顕著に活動されているところではないかと思います。  この新因幡ラインにつきましては、例えば緑のイベントがございます。みどりの愛護のつどい、これが秋篠宮殿下と紀子様がお見えになったとき、そのときに若桜のほうに行かれることもありまして、この風景街道を通られると。この新因幡のラインを、沿道を花でおもてなしをしようと、こういうような考え方で、地元でも協力をしていただきまして、県のほうでもその整備に協力をさせていただき、支援も令和元年にはさせていただいた事業もございました。  これで、例えば八東小学校のところとか、道の駅のところとか、そうしたところで沿道の景観を形成されまして、これに遠藤農園さんだとか、あるいはやまこうさんだとか、それから郵便局、それから八東小学校の子供たちなどが協力をして、言わばかわいらしいガーデンをつくって、ナチュラルガーデンのようなものをですね。これは秋篠宮様にも事前に御説明をしておりまして、そこを通られたときは、ちょっと車のスピードを下げて御通行をされたと記憶しております。  こんなようなことも一つのきっかけになりまして、沿道の修景を整えようというように今動いているところです。特に水戸岡鋭治先生、この方は若桜鉄道の車両のリニューアルをされる方でございました。こういう有名な工業デザイナーのアドバイスももらいながら、言わば里らしい風景、これをやろうと。例えば色調なども目に突き刺さるような色調というのを抑えていく、それから看板など不要なものを整理する、こういうことなどを、実は令和元年のみどりの愛護のつどいに向けて展開をしてまいりました。  新年度に向けまして今やっておりますのは、景観形成条例、県の条例に基づく景観形成行動計画、これをこの沿道で策定しようとしております。これに町をはじめとした関係機関も入っていただきまして、今進めているところです。こういうものに基づいた広域的な景観形成につきましては、新年度にその支援事業を予算計上させていただきました。主としては地元、町や地元の各団体が取り組まれると思いますが、そういうものを県としても応援をしていこうという予算になっているところでございます。  次に、まんが王国とっとりにつきまして何点かお尋ねがございました。まずはコロナ前のまんが王国とっとりの評価、今後の展開、市や町との連携、さらには谷口ジロー先生の原画を鑑賞できるような、そういう常設的な展示、こういうものを考えるべきではないかというお話がございました。  まんが王国とっとりにつきましては今、生誕祭を行われました水木しげる先生、それから御指摘いただきました「名探偵コナン」の青山剛昌先生、さらには亡くなられた谷口ジロー先生、こうした、言わば巨匠たちが鳥取をふるさととされておられるわけであります。最近では、「Free!」でありますとか、それから「四十七大戦」であるとか、「そのへんのアクタ」という漫画であるとか、先般はちょっと取壊しということになりましたけれども「タッチ」の、そういうゆかりの地などもあったりします。いろんな意味で、漫画のゆかりを楽しめるところでありまして、私どもとしては、まんが王国として観光地化していこうと。関係地域や施設のほうも全面的に協力していただいて進めているところであります。  今、非常に特徴ある観光誘客になってきたと思います。私も就任した頃は、このまんが王国というのは、どちらかというとちょっと横に置かれたコンセプトでございまして、ただ、それをやはりやるべきではないかと、ここは180度ひっくり返して、漫画を中心としたことをやってみてはどうかと。と申しますのも、こちらで知事選挙に出る前は海外におりましたが、海外でもやはり「名探偵コナン」などは訴求力があるわけですね。世界中からお客様を呼び込むこと、もちろん日本国内もそうでありますが、こういう漫画という素材は重要なコンテンツであると、こういうふうに捉えるべきだと。それをやはり、山とか川だ、海だではなかなか差別化ができない。そういう意味で、漫画のイメージと結びつけることで鳥取を売り込む、これがまんが王国とっとりの戦略であります。  しかも、まんが王国としてやっていくことで、そこでまた人材が育っていくとか、子供たちの夢を描くとか、また学校の中でもクリエーティビティー、創造性を磨くというようなことにもつながってくるのではないか。それでコンテストをやってみたりとか、それからマンガサミットをやってみたり、国際まんが博をやってみたりと、そういうようなことで、平成24年にこうしたまんが王国の取組を本格化させることになったわけであります。以後、この影響で香港路線なども開設をされるに至りましたし、海外との行き来にも大きく影響したと思います。  残念ながら今、コロナということではありますが、ただ、こういうコンテンツというのは、むしろこういうときに輝いて見えるのかもしれません。現実に青山剛昌先生の「名探偵コナン」につきましては、今年度はリアルでのイベントはできませんでしたが、名探偵コナンまつりをオンラインで行ったところでございました。その視聴が非常に多かったわけであります。  また、議員のほうでお話しになられました生誕祭でありますけれども、私もビデオ出演をしたり、現場のほうで先生のお誕生日をお祝いをさせていただいたわけであります。市長と2人でえらい格好をして、ギャラももらっていないのにということをぼやいていたわけでありますが、ただ、それで皆さんがこのコロナの、言わば沈鬱な空気を吹き飛ばすよすがにしていただければ、ある意味、安いものでございます。  現実どうだったかといいますと、オンラインで生誕祭をやりましたが、それは大体、今までに5万回再生をされています。多分リアルでやっている生誕祭では、それほどのお客様は来られませんので、むしろオンラインと併用したハイブリッド型の開催でうまくいったのではないかなというふうに思います。  これの際には、「悪魔くん」とか、そうしたアニメの構想も出てきまして、悪魔くんは、実は境港にもいるのですね。着ぐるみもいますし。生誕祭のときのビデオで悪魔くんの着ぐるみが出てきましたが、あれは実は境港から飛行機に乗って行ったものでございまして、もともとは境港にふだんいるものであります。こんなものも、また子供たちの人気者になれば、次の世代が来ることになると思いますし、ゲゲゲの鬼太郎の誕生の秘密という、そういう映画を封切ることも発表されました。これも今後、この生誕100周年を迎えるに当たりまして、非常に大きな題材になるのではないかと思っております。  このようないろんな成果を上げることができましたし、「名探偵コナン」のほうでもようやく、去年、先生の強い御意思で封切りを差し止められましたが、「緋色の弾丸」がこのたび封切られるということになります。こういうものにちなんだ私どもの、例えば鳥取砂丘コナン空港の展開であるとかということも考えられようかと思います。これにつきまして今後、今回の生誕祭もそうでありますが、市町村と我々と一体となりまして、地域おこしの重要なツールとして展開をしていきたいと思います。  例えば「名探偵コナン」のラッピング車両がありますが、これも新年度、リニューアルをしていく方向で今、準備を進めているところでございます。そういうようないろんなコラボレーションを図っていきたいと思います。  谷口ジロー先生は、非常に情緒的で、しかも再現性のある、特徴ある漫画の世界というのをつくっておられます。特にフランスで居住されていたようなこともありまして、バンド・デシネというフランス流の漫画、このテーストもしっかりと表現をされておられます。ストーリーと、それからいろんな、小さな心の描写等も含めて、また風景であるとか犬や動物たちであるとか、そうした精細な生き生きとした筆致等々、非常に我々としても誇りにできるものではないかなというふうに思っております。  先生は、平成10年に「遥かな町へ」という、そういう作品を著されました。これはヨーロッパでも大ヒットをしまして、むしろヨーロッパのほうがヒットしたかもしれません。それでフランスでは映画となりました。こういうような作品もあれば、それから鳥取を題材にした「父の暦」であるとか、また久松山を題材にしたものであるとか、また、最後の遺作のところの「光年の森」というのがあるのですが、これは、恐らく智頭を題材にしているのではないかというふうにも言われています。鳥取と結びついて先生が描くこういうような精神世界がこの鳥取の中にあるというのも、私たちの誇っていいことではないかなというふうに思います。  先生とは、生前もいろいろとお話をさせていただいたり、先ほど申し上げました平成24年の国際まんが博にもゲストとして御夫妻でお越しをいただきました。こちらのレセプションでは、海外でも人気の高い先生でいらっしゃいますので、現実にも、私も富川の漫画祭へ行きましたが、そのときもちょうど谷口先生の展覧会をやっていて、向こうでも漫画賞を取られていました。「神々の山嶺」とか「犬を飼う」とか、その辺が韓国でもたしか評判がよかったのではないかと思います。ですから、サインを求める人が、漫画家が漫画家にサインを求めるのですけれども、海外の漫画家が行列をつくって谷口先生のサインをもらっているというのは、本当に誇らしく拝見をしていたところであります。  先生はその後、鳥取のシネマのほうに行かれまして、「遥かな町へ」の特別上映会、そこにも行かれておられました。そのような思い出のある先生が旅立たれたわけでありまして、非常に私どもとしても痛惜の念に堪えないわけでありますが、やはり地元としても、先生の顕彰をしてさしあげたいという気持ちで、今シーズンも展覧会を鳥取と米子のほうでさせていただいているところであります。  常田議員のほうから、その作品についての原画を鑑賞できるような常設展示などというお話がございました。これは非常に難しい問題が入っています。著作権とか、そうしたことがありまして、今回の展覧会にしてもそうでありますが、著作権の保有者のほうでは、一つの興行と言ってはなんですけれども、そういうものと見ておられるわけでありまして、ああいうことをするのでも使用料的なものがどうしてもかかってきます。ですから、地元の話とかも、なかなか踏み切らないところがありまして、それで県がやっているというのが実情であります。  実は、私自身もそうなのですが、谷口ジロー先生のアトリエにも参りまして、たくさんの作品がありますから、作品の置場ということもありましょうし、私どものほうでもお預かりをするような形で原画をずっと後世に伝えていくということも考えられるのではないかということを話し合ってまいりました。先生もなかなかはっきりとはおっしゃらない方でいらっしゃいますけれども、否定するわけでもなくて、実はそうした交渉事は、鳥取県は割と粘り強くやっています。ただ、残念ながら、一時期は非常に活発にそうしたことをされる時期もありましたが、なかなか最近は地元の市町村と必ずしも呼吸が合わないところもございまして、そう簡単ではないところであります。ただ、この辺のアイデアは、これから鳥取県立美術館が開館するということもありますし、今日の御質問というのも参考にさせていただきながら、関係者の皆様とお話合いはさせていただきたいと思います。  ただ、この世界は非常にそういう権利関係がございまして、その辺の解消といいますか、マネジメントが大きなポイントになってこようかと思います。 ◯副議長(福田俊史君)13番常田議員 ◯13番(常田賢二君)知事より御答弁いただきました。  その中で、谷口先生の関係は著作権の問題でなかなか難しい、あと市町村との絡みも難しいという話でしたけれども、今後も地道な活動を続けていただきまして、本当に鳥取市は、まだまだ漫画に対する意識はほかの地域に比べて低いのかなというのも感じていますので、ぜひ谷口先生の作品を通じて、もっと広く子供たちにも漫画にも関心を持ってもらいたいし、本当に谷口先生の作品は読んでみてすごいすばらしい作品が多いので、ぜひ皆が見られるよう地道に続けていけたらいいなと思っておりますので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。  時間が限られておりますので、早速ですが、アウトドアツーリズムについて追及させていただきます。  鳥取県内のキャンプ場は、現在閉鎖中の6か所を含め、46か所あります。それらのホームページを全て確認しましたが、キャンパーのニーズに応えられるキャンプ場の少なさに愕然としました。空室状況やネット予約、キャッシュレスに対応したキャンプ場がある一方、必要最低限の情報しかなく、電話予約しか受け付けないキャンプ場がほとんどです。  キャンパーがまず確認するのは、各ホームページや、先ほど知事からもありました、なっぷというキャンプ場検索サイトです。予約できるキャンプ場は人気があり、既にいっぱいだった場合、他県に流れてしまう可能性が高く、情報発信など、顧客獲得に頑張っているキャンプ場に悪影響を及ぼしかねません。
     また、県内のキャンプ場には様々なクレームが寄せられている実態も耳に入っております。鳥取に来て嫌な印象を持たれた方は二度と来ません。キャンパー目線に立って直さなければならない課題は山積しておりますが、課題を克服するには市町村の協力が不可欠です。語堂議員からも質問がありましたけれども、いかにしてこの事業を進めていこうとお考えか、知事の御所見をお聞かせください。  また、鳥取砂丘には柳茶屋キャンプ場とこどもの国キャンプ場があります。鳥取市は、鳥取砂丘西側エリアの滞在環境の上質化に向け、サイクリングターミナルと柳茶屋キャンプ場の一体運営、民間活力の導入、グランピングやオートキャンプといった新たな機能整備を計画されております。  鳥取市は、県に対し、こどもの国キャンプ場との連携を要望しており、現在の低料金、昭和レトロな状態から、鳥取砂丘の価値を一層高めるためにも、市場動向把握にたけた民間ノウハウによる運営の導入が必要だと思いますが、知事の御所見をお聞かせください。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)常田議員から重ねてのお尋ねがございました。  前段のキャンプ場についての現状ですとか、展開、考え方等につきまして、詳細は観光交流局長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、この点につきましては、県内に50ぐらいキャンプ場がございます。中には休眠状態のところもありますが、その中には、議員のおっしゃるように、実はレベルもいろいろでありまして、ハイクラスのものもあれば、ミドルもあれば、また非常に一般向けといいますか、そうしたレベルのものもあったりします。  ただ、やはり今の好みからすると、クレームなどを考えますと、おトイレ等、そういう水回りや衛生関係など、さらには予約をするにもインターネットが重要であったりしますが、必ずしも行き渡っているわけではありません。こうしたところをこの際、関係先と一緒になりまして改善をしながら、そうしたキャンプの高まりをつくっていく必要があるのかなと思います。  また、キャンプが増えてくるに従いまして、苦情のほうも出てくる、それはキャンパーのマナーの問題だと思います。この辺もやはりキャンプ場とか、あるいは先ほどのなっぷのようなサイト等も含めて、我々も、みんなで美しい鳥取を守りましょうみたいな、そうした運動も展開しなければいけないのではないかなと思います。  よく問題になりますのは、してはいけないのにたき火をしているとか、あるいはごみの処理ですね。特に今、バーベキューがはやりなのだと思うのですが、そのバーベキューで大量のごみを残して、ルールどおりにそれを始末されなかったり、それから真夜中まで若い人が大声で騒ぐ、これは近隣のキャンパーにも迷惑だし、近所にもいかがかということがあったりします。  どうしても屋外なものですから、解放感もあって、何か許されるのではないかなという、そういう感覚もありますが、ホテルだったらやらないようなことをキャンプ場だったらやってしまうという、そういうマナー違反とも言えることもあると思います。こういう意味で、言わばクオリティーの高いキャンプ地というものを我々としては目指していかなければいけないのかなと思いますので、その辺の一体的なネットワークをつくって展開してまいりたいと思います。  鳥取砂丘の辺りにつきましてのお話がございました。砂丘西側の今後の方策につきましては、今、鳥取市役所の中で方針を定めようと議論がなされていまして、今、取りまとめの最終段階ではないかと思います。議員のほうから民間の活用というお話がございましたが、昨日の市のほうの常任委員会で、そういう民間の活力導入等も含めたサウンディング調査について市側が市議会へ説明をしたと伺っております。  詳細はよく我々も聞いてみたいと思いますが、私どものほうからも実は申し上げていたこともございまして、そこには柳茶屋のキャンプ場があります。それから鳥取砂丘こどもの国の中にもキャンプ場があるのですね。キャンプがこれからの一つのポイントであれば、キャンプ場をどうするかと。例えばクオリティーの高いキャンプ場を目指す等々あるかもしれません。そのときに、2つ、似たようなところにあるよりは、もっと一体的にやったほうがいいのではないだろうか。もしそうであれば、県のほうはもう、何だったら閉めてもいいぐらい、あるいは一体化させるとか、それを民間でやってもらうとか、いろいろと手があるのではないかなと思いますので、サウンディングとかを考えられるのであれば、ぜひこういう鳥取砂丘のこどもの国のほうも含めた検討をしてもらえないだろうかという打診をしておるところであります。市のほうもそういう県のほうの申入れを受け止めていただいて、動いていただけていると思います。  いずれにいたしましても、これから鳥取砂丘西側のほうの、ビジターセンターもできてきたり、ちょっとコロナ禍で頓挫していますが、リゾートホテルの構想もあったり、大きく展開する時期に入ってこようかと思います。そういうアウトドアツーリズムに向けまして、我々としても協力をさせていただきたいと思っております。 ◯副議長(福田俊史君)鈴木観光交流局長 ◯観光交流局長(鈴木俊一君)県内キャンプの現状等につきまして、私のほうから補足の答弁をさせていただきたいと思います。  県内キャンプ場は様々でございまして、50か所程度あるのですけれども、非常に最近、新しいハイスペックな、グランピングと呼ばれる、例えば西部のFBIさんですとか、森の国さんもかなりいい展開をしていらっしゃいます。また、ハイスペックの次のミドルクラスのようなところで、一向平キャンプ場さんも、スマイルキューブさんがかなり力を入れて、レベルを上げてきておられる。また、船岡の竹林公園もそこそこ評価の高いところだというふうな状況です。  例えば設備が古いですとか、様式トイレがないとか、そういったクレームが多いところというのが、大体全体の7割ぐらいを占めているのが現状でございます。どういった声があるかといいますと、レンタルテントが昭和だとか古いとか、毛布やブランケットがキャンプに向いていないとか、今はタープ、寝袋みたいなものが貸し出しされたりとか、そういうところもあるのですけれども、そういったものがないとか、あとは公式サイトがない、予約が電話でしか対応できていない、現金しか扱っていない、あとは、そこにそろえてある食べ物とか、物が少ない、非常にいろいろなクレームがございます。  実は、キャンプ人気が高まるにつれて、そういったハイスペックやミドルスペックのところを利用できないお客様が、空いているところを探して行かれるというふうなことがあって、自分が望んでいるレベルと自分が望まないレベル、そこに行ってしまったときにこういったクレームが生じるというふうな状況が出てきております。中には野営的なものを好むキャンパーは、特にそういった状況を好むということなので、全て悪いというわけではないのですけれども、そのミスマッチがクレームを生んでいるという状況でございます。  そういった状況でございますので、まずは県内の市町村の方々にキャンプ場の今の状況、ハイスペックなものとか、先ほどのようななっぷ、昔はキャンプ場をネットで取るということなど、発想のないところもまだあるかもしれませんので、そういった情報を共有した上でしっかりと全体の底上げを図っていく、そういった取組を新年度、着手してまいりたいというふうに考えております。 ◯副議長(福田俊史君)13番常田議員 ◯13番(常田賢二君)アウトドアについて説明いただきました。  先ほど説明がありましたように、キャンプ場に対するクレーム等で実情を認識されていると思いますので、ぜひ改善を急いでいただくようにお願いできたらなと思いますし、鳥取市の砂丘西側エリアのサウンディング型市場調査については、昨日、耳にしております。来年度、プロポーザルでの公募を予定しておられまして、大手と地元企業のJVではとも言われております。鳥取砂丘を愛する地元企業が運営することを願いまして、次の追及に移ります。  景観政策についてですが、新因幡ラインを推し進め、きれいな街道に生まれ変われば、景観への意識も向上し、景観資源の保全はもとより、新たな魅力も創出され、景観まちづくり活動の誘発にもつながります。そして、この事業に啓発され、この取組が全県に広がれば、改めて景観、食、文化など、地域の魅力を見詰め直し、磨き上げ、個々の魅力が一つの道でつながり、住民、事業者、来訪者のいずれにとってもメリットが生まれ、地域の価値を高めていきます。今後、県独自の鳥取県風景街道構想を打ち出し、全県に広げていってはどうかと思いますが、知事の御所見をお聞かせください。  また、京都市をはじめ長野県の軽井沢や山梨県、富士山麓の河口湖や山中湖周辺では景観への配慮が徹底しており、コンビニや金融機関、郵便局など、建物や看板の色を統一して、町並みになじんだ景観を創出しています。本県においても、29号線沿線のコンビニや郵便局も景観配慮型看板に関心を持っていると聞いております。鳥取県もこのような取組を推奨し、協力をお願いしていくことが大事だと思いますが、知事の御所見をお聞かせください。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)常田県議から、景観形成につきまして重ねてのお尋ねがございました。  風景街道につきましては、先ほど申し上げましたように、この新因幡ライン、国道29号線の八東谷、若桜谷のところと併せまして、そのほかにも倉吉のほうの国道313号線など、また431号線や国道9号などの島根、鳥取両県境の中海、宍道湖の一帯、こうしたところも風景街道になっています。いずれも、そうした意味で特徴的なシーニック・バイウェイと言えるところだと思います。こういうところも含めて、先ほど景観形成行動計画を八東谷のところでやろうというようなことで今動いていますが、そうしたところでも随時、地元と協力をしながら進めているところでございます。  また、先ほど郵便局だとか、いろんなところにも協力をしてもらってはというようなことがありますが、そうしたことも、この景観形成行動計画の中でうたいながら、地元とまず話合いをして、地元のほうでこれは基本的にまとめていただくものになると思うのですけれども、それで協力できるところ、例えば我々も郵便局さんだとか、お話を申し上げますと、例えば八頭の辺りは、八頭カラー的にダークブラウンというのを、一つのシンボリックといいますか、なじみのあるカラーとして考えておられる。我々も景観条例などで想定していますのは、実は色調のトーンがありまして、そのトーンのハイのところ、ビビッドなところではないところで抑えていくと、それを通常の景観形成はこのぐらい、さらに景観形成行動計画をつくってやるような踏み込んだ場合はこのぐらいという一つのモデルを持っていまして、そうした範囲内での色調を抑えたことをやることなども御協力いただけるのではないかなというふうに思います。  鳥取県は、ヴァモントというアメリカの州と友好提携していますが、そのヴァモントはこういう景観形成の先進地域でありまして、コンビニだとか、いろんなお店がありますが、どの看板もとってもちっちゃいのですね。それで、全部茶色だったと思いますが、色調を抑えてやっている。それで、州全体で景観というものを自然に親しむような形にしている。  あそこの州のイメージはサウンド・オブ・ミュージックの世界でありまして、ああいう映画のような世界、それを一つのモチーフにして、あの主人公たちが最後、移住して、アメリカに来て、オーストリアから山を越えて、アルプスを越えてやってきたのがあそこのヴァモントでございます。トラップ一家ということでありますが、そのトラップファミリーのイメージというのを多分大事にされているのだと思うのですが、そういう景観形成に非常に頑張っておられる。我々も実はそこをイメージしてやっていまして、そういう意味での一つの基準というものを、協力いただくこともあるだろうと思います。また、看板の撤去とか、こういうものも景観形成行動計画の中で盛り込んでいくことになると思います。  それで、街道というのも、この3つだけではないと思うのですね。どちらかというと、ドライブビューマップみたいなものでしょうか、そうした形でつなげながらやっていくのかなという気もいたします。例えば城原の海岸のところとか、ああいう田後から入ったようなところで美しい海岸線がある、あるいは東浜のほうもそうでありますが、そういう東部でも非常に美しい景観のところというのはほかにもあるわけであります。そうしたところをある程度つなぎ合わせながら図っていくのかなというふうに思います。  また、事業としても、県のほうのこういう単独事業というのももちろんありますけれども、国の事業なども活用しながら、町並みの景観形成の事業であるとか、それから倉吉などはそうですが、伝建群、伝統的な建造物群として、そういう景観形成の事業スキームなども使いながらやっていけるのではないかと考えております。 ◯副議長(福田俊史君)13番常田議員 ◯13番(常田賢二君)景観形成行動計画、期待しております。ぜひよろしくお願いします。  新因幡ラインが成功例となれば、次につながっていくと思います。ぜひ整備していただいて、すばらしいロードになるようお願いいたします。  続いて、漫画原画の保存、デジタルアーカイブについて質問します。  日本では、漫画の原画をきちんと保護する体制が整えられていません。多くの原画は、印刷が終われば漫画家の元に返され、その後は漫画家任せのため、オークションなどで原画の流出が一気に加速し、贋作が出回ったり、商業主義の売買取引対象に成り下がる、あるいは誇るべき日本文化でありながら海外流出してしまうなど、第二の浮世絵になるのではとも言われております。  秋田県横手市増田まんが美術館は、25年前から原画の展示に一貫してこだわってきましたが、2019年5月のリニューアルで原画の保管も担う施設に生まれ変わりました。現在、漫画家182名の原画40万枚以上を収蔵しております。紙の原画は経年劣化するため、24時間、温度と湿度を一定管理しております。  原画のデジタルアーカイブも必要です。横手まんが美術館ではガラス張りのアーカイブルームをつくり、原画を1枚1枚確認し、劣化度合いを細かくデータベース化し、高い解像度でのスキャニングを地道に行っておられます。  川崎市民ミュージアムでは、2019年の台風19号により、漫画も含む約26万点の所蔵品が浸水被害を受けました。京都アニメーションの痛ましい放火事件もあり、原画などの収蔵の在り方について議論が重ねられております。  青山剛昌ふるさと館には、現在、「名探偵コナン」の原画の一部が貯蔵庫に厳重に保管されており、酸化を防ぐ中性紙での保存や温度・湿度チェックなどで、でき得る限りのことはされておりますが、展示スペースや保管場所の不足などが喫緊の課題となっております。  水木しげる記念館では、水木プロから企画のたびに原画を送ってもらうという状況ですが、管理する体制が整えば収蔵したい意向も持っておられます。両館とも漫画の価値を高め、漫画文化を後世に残していくため、アートとしてミュージアムのような役割を担う、ワンランク上の施設を目指しておられます。まんが王国とっとりの取組の一つとして、原画の保存、デジタルアーカイブについてどのように考えているのか、知事の御所見をお聞かせください。  また、このような原画保存や展示については、生涯学習や学校教育の場としても活用することを想定し、今後整備が進められる県立美術館や県立美術館整備後の県立博物館を拠点とするなどの検討、特に保存、保管と併せて、専門の学芸員の配置なども含めて検討していただきたいと思いますが、教育長の御所見をお聞かせください。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)常田県議から重ねて、漫画につきましてお尋ねがございました。  先ほども若干申し上げましたけれども、こういう漫画につきましては、ゆかりの地ということもありまして、これまでも水木しげる記念館や青山剛昌ふるさと館におきまして原画を展示させていただいているところでありますし、様々な企画展などで、谷口ジロー先生も含めて、原画を活用させていただいているところであります。  議員もおっしゃいました川崎市のミュージアムでは、残念ながら台風19号、令和元年の災害で、かなりの数の作品が失われたことになりました。やはり厳重な管理体制というものも大切でありますし、実は作家さんもそこを望んでおられるのですね。  私どもも平成24年、まんが王国とっとり開国としていろいろなイベントをやる一方で、もうちょっと中長期的に漫画との関わり方、地域としてのサポートのやり方について検討したことがございます。当時は私も明治大学のマンガ図書館にお伺いをして、話をさせていただいて、それで、コラボレーションでの授業なども当時やったりしました。実は明治大学のマンガミュージアム自体、大分いろんなものを収集しているのですね。それで、いっとき、麻生政権のときに漫画の殿堂をつくろうということがありました。ちょっと流れましたけれども、実はあれは明治大学もその一つ、コアに入りかけたところでありまして、我が国の中のそういう収集の中心的な存在でもあります。いろいろと明治大学とは我々も提携関係もありますので、議論させていただく中で、こういう原画の保存というのはこれから課題になるというふうな話があり、先ほどの谷口ジロー先生のこともそうでありますが、実は作家の皆さんとも打診をしたりしたこともございます。  ただ、こちらも県の担当者がどんどん替わってしまいますので、替わるたびに話がまた元へ戻ってしまうというようなことの繰り返しが実は続いていまして、残念ながら今日に至るまでまとまった原画の提供をいただくということにはなっていないというのが実態でありますが、議員も御提案がありましたけれども、県立の美術館をつくるということで、博物館のほうのキャパシティーも空きますし、今、一つのターニングポイントではないかなと思っておりまして、教育委員会サイドにもその辺のお願いをしているところであります。  青山剛昌ふるさと館、水木しげる記念館での様々なそういう取組、ぜひ応援をしてまいりたいと思いますし、市長さんにも先般お話も申し上げましたが、文化庁のほうで、新しい法律に基づいてそういう拠点計画、こういう漫画などを生かしたまちづくりの、ミュージアムを中心とした観光振興ですね、そういうような事業がありまして、これにエントリーしないかという御相談をしています。近々、3月24日がその期限になっていまして、今、そうした意味でもいろいろと検討されていると思いますが、こういうようなことも含めて、そうしたアーカイブ、あるいは原画保存につきまして、県としても応援をしていきたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)常田議員から、私のほうにも漫画の原画の保存、展示等につきましてお尋ねがございました。  今整備を進めております県立美術館の整備基本計画の中でも、実はアニメ、漫画といったポップカルチャーを取り扱うのだといったことが盛り込まれております。そうしたことを踏まえて、現在、整備運営を受託しておりますPFIの事業者もそうしたことを踏まえての提案を出してきておるわけでございまして、お話のようなことも参考にしながら、今後、具体にどうした役割が美術館あるいは博物館で果たせるのか、関係者の皆さんとよく相談しながら進めていきたいなというふうに考えております。 ◯副議長(福田俊史君)13番常田議員 ◯13番(常田賢二君)知事、教育長から前向きな御答弁をいただきました。  原画についてですけれども、まだ世の中には5,000万枚とか6,000万枚埋もれているとも言われております。原画展は、大英博物館をはじめ国内外で大変人気を博しておりまして、観光の集客コンテンツとしても、今後、価値が高まっていくのではないかと思っております。まんが王国とっとりとして、県内出身者をはじめ、それに限らず、広く対応していただけることを期待しております。  続きまして、鳥取砂丘コナン空港、みなとさかい交流館の装飾について質問します。  空港は表玄関で、観光客を各地にいざなう重要な拠点ですが、コロナ禍で鳥取砂丘コナン空港は現在、1日往復2便となり、空港内はとても閑散としております。  鳥取砂丘コナン空港は、「名探偵コナン」の装飾で彩られており、私は好意的に見ております。ただ、空港ということで、いろいろな制約はあると思いますが、等身大フィギュアや観光地案内、パネルなどが展示してあるだけという感もあります。  今やスマホは国内外多くの方が所持しており、カメラからQRコードを読み取れば多くの情報源につながります。スマホをかざすだけなので、ながらスマホも防げます。AR技術も進化しており、コナン君や安室透など、現存する人気キャラクターと会話したりもできるのではないでしょうか。  現在、COCOARというアプリを使ってスタンプラリーを行っていますが、空港内に限定されており、待ち受け画面がもらえるくらいです。例えば空港から県内の観光地をQRコードで結ぶ謎解きクイズラリーや動画でのコナン声優さんによる観光地案内につなぐなど、もっといろいろと発展できる可能性を感じます。インバウンド対策にもなり、多言語対応したアプリを開発すれば、多様な観光客に有益な情報を提供することができます。新たな装飾も大事ですが、スマホアプリなどで現在の装飾を生かしつつ新たなニーズを掘り起こしていく取組も必要かと思いますが、知事の御所見をお聞かせください。  また、JR境港駅に隣接するみなとさかい交流館には、フェリー乗り場や観光案内所などがあり、その2階の一角にまんが王国とっとりPRコーナーがあります。議員になって何度か交流館に立ち寄っていますが、その存在を知りませんでした。  PRコーナーでは、鳥取ゆかりの漫画家紹介や、鳥取、倉吉、北栄、境港の見どころを、3巨匠を通して紹介していますが、パネルを展示することが目的となっており、誘客を促す効果的な掲示にも思えず、残念ながら、今のまんが王国を映し出しているように感じました。スペースの有効活用について、境港市との協議、連携が必要なのではないでしょうか。  水木しげるロードは、夜の妖怪ライトアップに力を入れており、妖怪の影絵がうごめき、妖艶な雰囲気を醸し出しています。このライトアップは大変高い評価を受けており、2019照明学会照明デザイン賞最優秀賞など、数々の賞を受賞しております。みなとさかい交流館の外壁には巨大な妖怪壁画があり、記念写真の絶好のスポットとなっております。夜、その壁画に昇降式のスクリーンをかけ、プロジェクターで鬼太郎やコナンの映画などを流すパブリックビューイングをしたいという思いをお聞きしました。境港には映画館がなく、観光庁のナイトタイムエコノミー推進にも通ずる面白い取組だと思いました。  これからのまんが王国とっとりを活用した観光誘客に当たっては、現場の声を聞き、現地の希望に沿ったサポートや各地の連携強化に注力していくべきだと思いますが、知事の御所見をお聞かせください。  以上で終わります。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)今お話がございましたそれぞれにつきまして、市や町と協力をしながら、関係者と協力をしながら進めてまいりたいと思います。  COCOARによりまして、空港でのスタンプラリー的な活用はできておりますが、実は青山剛昌ふるさと館だとか、そうした北栄町のサイトでも、キャラクターのデザインが出てくるような、そういうようなARを生かした事業も展開されています。いろんなものと組み合わせながらやることも可能かもしれませんし、もっとエリアを拡大することもできるかもしれません。いろいろと関係者とも調整をさせていただきたいと思います。  また、みなとさかい交流館の活用でありますが、この建物の2階に、今、空きスペースとなるところがございまして、以前はあそこでたしかお化け屋敷をやったり、一応漫画とか水木作品と関係のあるようなことをやった時期もあります。今後どうするかでありますが、先般も境港の市長とお話をしましたが、あれを取りあえずどういうふうに活用しようかなという下話も始めたところであります。市長さんをはじめ市側ともよく調整をしながら、またいろんな方々のアイデアもいただきながら、それこそ先般から共同のサポートデスクというような、こういうアイデアもこの議会でも出ていますけれども、そうしたものも使いながら、使い道、今後の展開を考えていきたいと思います。  また、壁画を利用してやることもいろいろとございますので、そうした方面でも、地元の皆様と協力をしながら、効果的な展開を図ってまいりたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)本日の議事日程は全て終了いたしました。これをもって散会いたします。        午後2時20分散会    ────────────────...