鳥取県議会 2020-11-01
令和2年11月定例会(第7号) 本文
▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(
藤縄喜和君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する
一般質問並びに議案に対する質疑であります。
それでは、議案第1号から第18号まで、第20号及び第21号を一括して議題といたします。
これより、
一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
33番
銀杏泰利議員
◯33番(
銀杏泰利君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。1番手の銀杏でございます。
それでは、早速通告に従いまして、質問をさせていただきます。
初めに、
ヒト感染症、
コロナ対策について質問します。
追加の
経済観光対策で
#WeLove鳥取キャンペーンPart3の実施決定、心より賛意を表したいと思います。9月議会で
期間延長または再度実施すべしと提案しましたが、今議会の浜田議員の代表質問に応えて、実施に踏み切られました。大変喜んでいます。ぜひ県民の皆様には、できるだけゆっくりできる平日を使って利用していただければと思います。
ただ、
ワクチン接種をして感染の収束が見通せるまで続けるべきで、実施期間が1月11日まででは短い。
感染状況や
県内経済、観光の状況を見て、
期間延長など適切な対応をすべきです。知事の所見を求めます。
次に、
コロナ禍の中、
社会的使命が大きい幾つかの業種、職種で、経営的に大変厳しいとの声を聞いています。その中で、特に
冠婚葬祭業や歯科医院について、大変心配をしています。そのほか小児科や耳鼻咽喉科などを含めて、県内の
経営状況と今後支援を行う考えがあるのか、知事に質問いたします。
次に、
動物感染症について知事に質問します。
まず、豚熱についてですが、既に飼育豚へ
ワクチン接種していた群馬県で、9月26日、飼育豚へ感染が発生し、5,887頭が処分されました。
ワクチン接種前の子豚に感染したということです。豚熱について9月議会で取り上げたときには、飼育豚へ
ワクチン接種すれば事足りると思っていましたが、子豚へは親豚の抗体が永続的に継承されるわけではない。さらに、
ワクチン接種でも免疫獲得は8割程度ということです。つまり、
飼養衛生管理を徹底して続けていく必要があるということです。
群馬県での検証では、農場の周りに柵は設置してあったが屋根がないとか、
防鳥ネットも未設置でカラスやネズミなどが容易に侵入できる状態だったこと、さらに、出入りする車両の消毒もしていなかったようです。小動物や鳥、人間も含めて、豚舎への
ウイルスの侵入を防ぐ対策が必要です。
群馬県の
山本知事は、
ワクチンの接種によって県の部局や農家に油断はあったのかもしれないと認識の甘さを認められました。そこで、群馬県の事例を教訓として、特に
飼養衛生管理の対策はどうされるのか、知事に伺います。
次に、
病原性鳥インフルエンザへの対策を知事に伺います。毎日のように感染拡大し、香川県、福岡県、兵庫県淡路市、宮崎県、奈良県、広島県で、昨日までで合わせて230万羽余りが殺処分されたようでありますし、岡山県でも野鳥から見つかっております。
本県での
対応状況は、先週、語堂議員への答弁をされましたが、その迅速な対応を評価したいと思います。その上で、気を緩めることなく点検と対策を継続して行う、そして
鳥取ブランドの
大山ルビーと地どりピヨもしっかり守る、
中小家畜試験場での
感染防止を徹底して行う必要があります。これらについて、知事に答弁を求めます。
また、12月2日、公明党の
谷合正明鳥インフルエンザ対策本部長らは
野上農林水産大臣を訪れ、対策の
緊急申入れを行いました。
飼養衛生管理の徹底強化や
経営支援、迅速な初動体制などであります。感染が起こらない場合でも
防護強化等で経費がかかります。養豚、養鶏、鶏卵農家に対する
経営支援は県としてどのように考えておられるのでしょうか、知事に伺います。
次に、
いじめ対策について、教育長に質問します。
近年の
県内いじめ認知件数は、平成27年度545件が令和元年度には2,206件と4倍まで増え、小学校では270件から1,611件と6倍にもなっています。また、暴力行為では213件から521件と2.4倍、小学校に限れば61件から309件と5倍にも増加しています。どちらも小学校での増加が全体を押し上げる結果になっています。
いじめ防止対策推進法でいじめの定義が拡大されたことが要因とのことですが、それでも鳥取県は全国平均以上の増加率であります。
いじめは低年齢化、目立たないように巧妙化もしており、ささいだからと軽視してはいけません。
教育現場においてはしっかり対応する必要があります。
今議会に向けての
会派要望に、いじめについて3点申し入れしました。1、いじめはいじめる側が100%悪いとの考え方を浸透させること。2、鳥取県
いじめ対応マニュアルなどを使い、各小・中・
高等学校内で定期的に研修会を行うこと。研修会は現場の学校で行うこと。2年に1回とか定期的に行うことが重要であり、
研修センターで行っている各人ごとの講習だけでは不十分である。3番、小中学校は市町村立がほとんどであり、県のいじめ・不
登校総合対策センターとの間に
市町村教育委員会が入ることでダイレクトに話が通じず、対応が遅れてしまうことがある。
センターと各小中学校とがダイレクトに結ばれる仕組みを構築すること。
2と3の要望への回答は不十分でしたので、一歩深く立ち入って具体的に質問します。
ある小学校の保護者からの相談です。友人の子供がいじめられるようになって3年近くになる。1学年1クラスで、
クラス替えもなくずっといじめられてきた。卒業まであと1年以上ある。多分中学校も同じ学校に通い、同じクラスになるかもしれない。そうなれば、6年、7年もいじめ続けられることになり、耐えられないというものでした。
いじめの首謀者は、自分から手を出すことはあまりなく、取り巻きにさせている。その親は、その事実を認めようとしないし、事を大きくさせないようにしている。保護者の中でも中心的な人物ということです。
相談者は、PTAや校長先生にも掛け合うが進まず、ネットで対策を研究し、鳥取県に
いじめ対応マニュアルといじめ・不
登校総合センターがあることを知ったそうであります。早速
センターに行き相談し、
マニュアルも入手してみると、受けてきた行為が
いじめ重大事態に当たることが初めて分かったということです。
その後、
保護者同士で話し合い、味方をつくっていき、
保護者会をようやく開くことができた。なかなか動かない学校長にも談判し、やっと学校も重い腰を上げ、対策を取るようになったということです。
ただ、まだ終わってはいません。研修会も開かれていません。そして、これまで長い
間いじめと認知されていなかったことが問題を長引かせ、大きくしたことを検証する必要があります。
いじめ対応マニュアルどおりに進めていれば、被害は少なかったはずです。
さて、
会派要望への回答では、
教育センターでの研修、
管理職等を対象とした説明会を行っている、学校からの要請を受けて講師として学校へ出向く研修の仕組みを設けているというものでした。であれば、なぜ3年近くもいじめが続いてきたのか、学校長も教職員も動かなかったのか、一部の保護者が勇気を持って声を上げて動いても、学校が本格的に動き始めるまでなぜ半年近くもかかってしまったのか、これまでの対策を見直す必要があります。
やはり、問題が起こる学校の現場で働く教職員が現場の学校で同じ
いじめ防止研修を受け、議論、討論することで同じ問題意識を持つことができる、このことがないと、皆で解決しようとの動きになるのは難しいと思います。子供を預けている保護者でもそうです。
保護者会やPTAで
いじめ研修を受けることは非常に重要です。親もそういう場が持たれなければ、我が子が加害者になっていることにも気がつかないかもしれません。
また、相談者が
保護者会に来て勉強会をしてほしいと県の
センターに言われましたが、学校長、さらに
市町村教育委員会に話が通っていなければ、勝手に出向くことはできません。これが実態です。問題行動を認知する、また現場で容易に解決できないとなったときに初めて県の
センターに来てもらって研修なり勉強会を開くのでは遅い。だからこそ、定期的に
学校現場で当事者の教職員や保護者が受けることが必要です。学校が要請するのは
教育委員会を通すことになり、表に出てしまうということで要請しにくいのではないか。やはり任意ではなく定期的に行うようにすべきですが、教育長、いかがでしょうか。
そして、
センターがダイレクトに
保護者会や学校と連携して行動できるようにするには、
センターの人員の増強ともっと強い権限を持たせる必要があると思いますが、教育長の所見を求めます。
私は今回相談を受けたとき思いました。人生で人間形成する大事な時期に4年も7年もいじめ続けられ、しかも逃げ場がなければ、その子の一生はどうなってしまうのか、卑屈な人生を送ってしまうことになりはしないか、一生駄目にしてしまうのではないかと思うと、心が張り裂けそうになりました。
実は、私の身近でもそういうことがありました。小学校で最後は学級崩壊になってしまいましたが、いじめる側が転校するまで、息をひそめての
学校生活だったようです。大人になった今でも、その影響はあるようです。また、いじめる側も救済する必要があります。いじめてもいいのだとそのまま大人になってしまっては、人生を誤ってしまいます。まだ柔軟な若いときに意識を変えていく必要が教育にはあります。ぜひ、教える側、管理する立場ではなく、当事者の生徒の立場に立って対策を行うよう求めます。
以上、教育長に答弁を求めて、壇上からの質問といたします。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)
銀杏議員の
一般質問にお答えを申し上げます。
まず、
新型コロナ対策につきまして、
#WeLove鳥取キャンペーンの実施、それからそのほか、こうした
県内経済、観光を見た適切な対応をすべきではないかと、こういうお話があり、また併せまして、
冠婚葬祭、あるいはお医者さんの関係等々、
経営状況に対する支援をどのようにしていくのかと、こういうようなお話でございます。
新型コロナウイルスの猛威は、今、勝負の3週間を道半ば経てきましたけれども、決してこれは成功して収まっているというふうには見えないと私は考えております。恐らく、今おっしゃったような経済や観光の対策というのは、最大のもので最高の効果があるのは多分感染を収めること、その流行を一旦封じることだろうと思います。ところが、なかなかそこがうまくでき切れていない。昨日も2,800症例が全国で見つかりました。東京も572件ございましたし、また北海道も197件、それから大阪も427件、そういうように大変これまで注視したところも多いままでありますし、高止まりしていて、むしろ上昇の気流もまだ残っているというところだと思います。
昨日は愛知県の大村知事と電話で話をさせていただきましたが、最高の数になるだろうと。実際に245件で過去最多になりました。神奈川も245件です。遠い世界だけかというと、お隣の兵庫県も158件でありまして、病床の稼働率がかなり上がってきています。ただ、ちょっと兵庫の場合はそうした大阪、東京と違うのは、基本的には病院に入れることを治療法として採用していまして、基本的に病院に入っていますから病床の稼働率が高いという状況でありますが、ただ、大阪や東京等は自宅待機を余儀なくされてしまっていると、事実上そうならざるを得ないという状況になってきていまして、その辺は稼働率の数字というのはそうした県のやり方も加味しなければいけないところだと思いますが、かなり高止まりしていると。記録的な多さでございました。
実は中四国は比較的収まっていたところでありますが、ここに来て広島が急に不安定化し始めています。昨日77件ございまして、岡山も11件、一頃よりは収まってきていますが、まだ一定のレベルがある。それから、四国のほうでも高知が今急速に不安定化し始めていまして、昨日も18件ございました。病床の稼働率が50%に達しています。決して中四国も圏外ではなくなってきたわけであります。ある意味、奇跡的に鳥取県は守り切っているところだと思いますが、それでも昨日も過去の陽性患者の接触者が判明をしたところでございます。
こういうような状況を何とか収めるのがまず先決問題だろうと思いますし、これを収めるための努力として、赤羽大臣も苦渋の表情を浮かべながら、
GoToについて一定の制約というのをやろうというふうに考えられたのは御英断だったと思います。
ただ、それ以外にもいろいろとやらなければならないことも出てきているのではないだろうか。私も分科会の一員でありますけれども、分科会の中で私も含めて議論している想定していたとおりに今進んでいるような気がいたします。正直、もっと対策を取ることを前提と考えていましたが、その域には恐らく政府、それから関係者のほうでまだ十分な対応になっていないのではないかというふうに懸念もしているところであります。
ただ、そういう中で
GoToキャンペーンの抑制なども図られてきて、県内の観光などに影響を与えることになってきました。9月に
銀杏議員とこの場でも御議論申し上げましたけれども、機動的に我々は対処していくのだということを申し上げておりましたが、現実に私どもの主力の市場である大阪から
GoToは自粛ということになりました。その意味で影響が大きいだろうと。庁内でもいろいろ議論はあったのですけれども、私は中四国に広げても不安定なところがあるので、
県内対象の県民の皆様にまずは観光を大切に考えていただく
#WeLove鳥取キャンペーン、県民向けがいいのではないかと、こういうことで再スタートをさせていただいたところであります。
このほか、
GoToイートは基本的には県内の方が活用されています。現在まで10億円以上販売されています。実は6%ぐらいは県外の方でございまして、多くは島根県や兵庫県といった近隣の方々であります。ローソンで買えるものですから、そういうものは活用するということであります。こういうようなことなどをいろいろと、今打てる手は打ちながら、
セーフティーネットも張っていくということだろうと思っております。
議員のほうから、
#WeLove鳥取キャンペーンを延長することも考えるべきではないかとお話があったわけでありますが、実は本議会のほうに観光の需要創造の事業をお願いいたしております。これをもし御採択いただければ、活用しながら1月12日以降につなげていこうというもくろみでありまして、その間は言わば手銭といいますか、今使えるお金で
#WeLove鳥取キャンペーンをやっていくということであります。
1月12日以降に想定しておりますのは、
GoToイートキャンペーンなどとも連動をさせながら、食べて泊まって
鳥取周遊のクーポン、こういうものを発行して、いろんなところへ波及効果を持たせるようなことを考えてはどうかなと、こういうように考えておるところでございます。
そういう中、議員のほうで御懸念がございましたお医者さんの関係があります。これにつきましては、度重ねて私どもも政府のほうに要請していますし、それから知事会のほうでも要請をさせていただいております。
西村大臣、それから田村大臣にお話をさせていただいており、特に小児科とかそうした特定の科目につきましては患者さんが減ってきていると、受診控えがあると、こういうことであります。ようやく最近、
西村大臣などは、小児科等の対策を口にするようになってこられました。3次補正が来週明らかになりますが、そうしたところなどで一定の対策が取られればというふうに期待をいたしているところでございます。
もちろん私どものほうでも、かかりつけのお医者さんの関係で診療・
検査医療機関として助成制度も設けさせていただいておりまして、様々な手で経営を支えていこうと考えております。実は、私どものほうの病院協会で公表された県内の状況でいきますと、4月は外来で9%減、それから5月で18%減でございました。また、入院のほうは一番厳しい4月、5月ぐらいで6%、7%減ぐらいでございました。今どうなっているかといいますと、かなり戻ってきています。本県は感染があまり進んでいないので、大都市のようなほどには急激に落ち込んでいない。ただ、おっしゃるように小児科さんだとか、やはり親御さんなどが受診を控えられることがございまして、そういうところは影響があるとお医者さんはおっしゃっています。ですから、こういうところの重点的な対策などをやりながら、さらに私どもが気にしているのは
自治体病院の経営だとか、そうしたことも含めた対策を引き続き政府のほうに求めてまいるところでございます。
また、
冠婚葬祭関係でございますが、これも特に
ブライダル系のところは売上半減の期間があったり、厳しい状況の期間がありました。今持ち直してはきていますが、前年並みまで戻っていないというふうに分析をさせていただいております。
葬祭の葬のほうは、
ブライダルほどではないですが、やはり一定の落ち込みがあるということであります。これにつきましては、国の
持続化給付金であるとか、それから家賃助成とか、そうした対策もありますし、特に県のほうでも単独で大分執行してきております無利子、保証料なしの融資は今1,600億円ベースになっていますが、これはそれぞれの関係先で御活用いただいております。
また、
ブライダル系のところの多くは、私どもの再
スタート補助金であるとか、それから国の
持続化給付金、また危機克服型の経営革新の制度の活用、それから
衛生対策、こういうものをほぼ活用していただいております。こういうことで乗り切られる中、例えば鳥取市のMOTHER’s WEDDINGさんなどはリモートで楽しむというようなことで、
映像ウエディングというのをそうした制度を活用して始めておられたりしております。
正直申し上げて、これは冒頭申し上げましたように、まさに
消費者マインドの問題が一番大きいわけでありまして、補助金があるから行くという世界ではない。特に
冠婚葬祭はそういう傾向が強いだろうと思います。ですから、感染が収まるのが最大の
経済効果のある施策になろうかと思いますが、ただ、今できることはしっかりとやって、経営の持続性を保つために我々も協力をしていかなければいけないところでございまして、最大限そうした施策を講じてまいりたいと思います。
次に、動物の病気につきましてお尋ねがございました。豚熱、それから
鳥インフルエンザについてお話があり、
中小家畜試験場を守ったり養豚業者、
養鶏業者、それから鶏卵業者、そういうところの
経営支援をどういうふうに考えていくのかと、こういうことであります。
基本的には、農場を守ることが最大のポイントになろうかと思います。議員がまず豚熱についておっしゃいました群馬のケースでは、確かに
飼養管理につきまして課題も指摘されているところであります。群馬の場合は
ワクチンを接種する、そういう県になっていますが、ただ、子豚についてちょっと調子を見て抑制をしていたそうでありまして、そこに
ウイルスが入り込んでしまったと、こういうことであります。また、
飼養管理の適切さという点でも、レポートもありますが、議員がおっしゃったようなことなど課題も示されているところでございます。
私どもは、実は豚熱が蔓延していく全国の状況を見て、度重ねて豚舎のほうを巡回したり呼びかけをしたり、また消石灰などによる対策を県のほうでもそれを予備費等も含めて供与しながら対策を取ってきておりまして、幸い今まで発生はないところであります。
また、
野生イノシシにつきましてもモニタリングをしておりますが、今のところないということでありますが、前も議論をさせていただきましたけれども、隣の兵庫県に豚熱が入ってくれば本県も
ワクチン接種対象県になりますので、それの準備も実は進めてきたところでございます。そういうわけで、売上げに影響するような状況にはなっていないというのが現況であります。
また、鶏についてでございますが、
鳥インフルエンザはなお猛威を増しているところでありまして、昨日は和歌山県の紀の川市、それから大分県の佐伯市におきまして、新たに
インフルエンザの患畜が発見をされたところでございます。これに基づきまして、大分では5万6,000羽、また和歌山では6万7,000羽の殺処分が現在始まったところでございます。実は今日、そういう状況を踏まえまして、
議会開会直前、9時半に緊急の連絡会議を開催したところでございまして、鳥取県として
家畜伝染病予防法第30条に基づきまして緊急消毒を行うこととし、4,000袋の消石灰を81の農場に配付をし、消毒を速やかに行う措置を命令として出させていただきました。また、その機会に各農場の状況をまた改めて点検をしたりしていくと。実はこれは度重ねてやってきまして、そういう意味で鳥取県はまだ入ってきていないのかもしれません。ただ、今、先行事例が出て、例えば
ウインドーレスという窓のない鶏舎でも発生をしているということがあります。どこから入ったのか、どこかから必ず入るので、それは媒介をしたのが人間かもしれませんし、また扉のちょっとした隙間から入るような小動物を経たのかもしれません。いずれにいたしましても、もう一度ここは点検をしようではないかということにさせていただいているところであります。
現在まで全国で248万羽が殺処分の対象になるというふうに、日に日に膨らんできているところでございまして、事態は緊迫度を増しているというふうに考えられますし、正直、鳥取県の包囲網はすっかり狭まってしまったというふうに思います。
そこで、このたびは中海に加えて気高の日光池におきましても、野鳥のふん便とか水の採取など検体を採取しまして、鳥取大学で改めての検査をしていただくことにさせていただきました。また、今月の17、18日には、こういう緊急事態の訓練を年内のうちにしっかりやっておこうと、鳥取県としてもその訓練を今準備を始めたところでございます。
こんなようなことで、私どもとしてもしっかりと守る対策をしようと考えていますが、議員が御懸念の
中小家畜の試験場のほうにつきましても、こうした豚舎、鶏舎についての対策は今徹底していただいているのと同じような形でやってきています。
ただ、機能的に対策を取らなければなりませんので、豚用のケージとかそれを運搬する車両とか、そういうものを本議会のほうに提案をさせていただいておりまして、なお一層こうした対策を強めようとしております。例えば餌をやるのも外部から餌やりができるようにするとか、こういうようなことなどの諸整備を今進めようと考えておりまして、議会のほうにも随時提案をさせていただいているところでございます。
また、経営への打撃ということでありますが、一時期懸念をされましたのは、香川県の三豊市におきまして相次いで発生をしたときに、実はあそこからひなを仕入れている
養鶏業者が県内にはございました。半径10キロ以内が移動制限かかりますので、そのことがありましたけれども、以前申し上げましたように、それは今では解除されておりまして、影響はなくなっております。本県としては、資金のほうの無利子化につきまして制度発動をさせていただきましたが、そういう事情がありまして、今のところ活用はされていないというところでございます。
◯議長(
藤縄喜和君)
山本教育長
◯
教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)
銀杏議員の
一般質問にお答えを申し上げます。
私のほうには、
いじめ対策につきまして何点かお尋ねをいただきました。具体の相談の事例などのお話を私もしっかりと聞かせていただきまして、改めて
いじめ対策にさらにさらに力を入れて、充実させて取り組んでいく必要があるなというふうに決意を固めたところでございます。
本県におきましては、平成25年度にいじめ・不登校の総合対策
センターを県の行政組織として設置をいたしておるところでございまして、
いじめ防止対策推進法に基づいて、いじめ防止のための基本方針であったり、また研修用の
マニュアルであったり、そうしたものをつくりながらいじめの未然防止、あるいは早期発見と組織的対応ということ、そしてまた重大事態への対応ということを3本柱として取り組んできているところでございます。
校内におきますいじめ対応につきましては、これは学校危機管理案件だということで、校長がリーダーとなって対応をしっかり定めた上で進めることが求められるわけでございますが、特に初動が重要であろうかというふうに思っております。そのためにも、議員お話しのように、教職員のいじめ対応に係る理解が極めて大切だというふうに考えております。県としましては、
いじめ対応マニュアルというものを策定しまして、先ほどもお話がありました説明会だとか研修会で
学校現場に周知をしておりまして、その中で実際に事案が発生したときの対応について、ケースメソッドであったり、あるいはロールプレイングといった形で研修方法も具体的に示しながら、研修を校内で取り組むように促しているところでございます。
また、学校においていじめが疑われる事態が生じたような場合には速やかに校内で共有する、そうした仕組みづくりも集約担当というものを設けて行っておるところでございまして、さらに今スクールカウンセラーであったりスクールソーシャルワーカー、そうした専門家を交えた学校組織で対応するように求めているところでございます。こうした取組によりまして、総体としてはいじめの解消率なども全国を上回る状況にあるわけでございます。
しかしながら、いじめ・不
登校総合対策センターは相談も受け付けておるわけでございますが、ここに寄せられるいじめ対応についての相談なども鑑みますと、初動対応で適切な対応が取られていないために、保護者を含めて関係者の人間関係がすっかりこじれてしまって、解決に非常に時間がかかっている事案であったり、あるいは特別な背景、あるいは特性のある児童生徒がいじめを繰り返して行うといったような事案など、いじめ対応に係る課題というものは、やはり個別にはまだまだあるというふうに思っておるところでございます。
いじめ・不
登校総合対策センターは、児童相談所のように法律に基づく強い権限があるわけではございませんので、一般の行政組織として、言わば市町村の義務教育の学校などは設置者であります市町村などとも連携して取り組んでいく必要があるわけでございますが、こうした事案などもあるところでございまして、県の
教育委員会には実は教職員に対する人事権というものがあり、その中には研修の権限というのもあります。そうしたところを使いながら各学校における研修を充実していく、そうしたことは十分できるのではないかなというふうに思っておりまして、改めてこの研修を充実する必要性について感じておるところでございますし、また相談のあった案件については少し主導的に解決に向けて動いていくような、そんなところも動きを強めていくようなことも必要ではないかなというふうに思っております。
現在、研修につきましては、先ほどお話のあったとおり、要請があった場合に出かけていくような研修も仕組んでおるわけでございますが、さらに研修を充実させるために、例えば管理職だけではなくて、先ほど言いました集約担当とか生徒指導担当などサブリーダーとなるような、そうした職員を対象に悉皆の研修を行って、その職員が校内で必ず定期的に研修を行うような、これは学習指導要領が変わったときに伝達講習会というようなことをやるわけですが、そうしたような仕組みをいじめの関係につきましても研修の中で仕組みづくりを行っていったり、あるいは最近ですと研修用の録画というか、ビデオといいますか、そうしたICTを使って研修しやすいような工夫も検討してみたいというふうに考えておるところでございます。
また、保護者に対する研修につきましても、これはもっと利用しやすいような仕組みを考えていきたいというふうに思っております。
また、いじめの事案において、当事者の児童生徒の立場に立って対策を行うということが必要ではないかという御指摘もおっしゃるとおりだというふうに思っております。まずはいじめを受けている子供、この児童生徒は、我々大人が想像する以上に精神的なダメージを受けているということを十分理解して取り組む必要があろうというふうに思っております。場合によっては死を選ぶ子供もあり得るということでございますので、いじめられた側の立場に立って、つらい気持ちに共感することで、まずは心の安定を図っていくことが必要であるでしょうし、また学校全体で組織的に解決するといったことであったり、今後の対応方針をしっかり伝えるということで信頼関係を築いて、最後まで守ってくれるという安心感を子供たちに与えていくことが大切ではないかというふうに思っております。
また、面談等を定期的に行いながら、思いを受け止めながら、そしてまた見守り等を強化しながら支援を継続していく、一回いじめの行為があって、それが止まったからということではなくて、ある程度、例えば3か月とかという継続的にその後の見守りもしていく必要があろうかというふうに思っております。
また、保護者の方々に対しても、いじめた側への対応を含めた学校の指導方針、また対応過程等をその都度丁寧に伝えるなどの対応を行う必要があるというふうに思っております。
そしてまた、いじめを行った児童生徒への指導も大切であるということでございますが、まずもっていじめという行為は決して許されないということを毅然として指導するということが重要であろうというふうに思います。
あわせて、表に出ている行為への指導だけではなくて、いじめの背景にあるストレス等の要因にも着目して、その改善を図るといったこと、またストレスに適切に対処できる力、あるいは相手の立場に立って人を思いやる心を育てていくことも必要であろうというふうに思っております。
また、特性のある児童生徒がいじめを繰り返すような、そうしたケースの場合には、単にいじめは許されないということを指導するだけでは解決がつかない、そうした場合もあろうかというふうに思います。こうした場合は、学校だけで解決しようとするのではなくて、保護者の方々の理解も得ながら、医療機関と専門家との連携による対応も必要になってこようかというふうに思います。
いずれにいたしましても、このたびの御質問をしっかりと受け止めさせていただきまして、子供を中心として、いじめの対策につきまして、市町村ともしっかりタッグを組んで取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(
藤縄喜和君)33番
銀杏議員
◯33番(
銀杏泰利君)答弁をいただきました。追及質問ですが、まず
コロナ対策であります。食べて泊まって
鳥取周遊クーポンというお話もございました。大変期待をしたいと思います。
冠婚葬祭については、やはり消費マインドが大事になってくるのだろうというお話でございました。その
冠婚葬祭業ですけれども、私はやはり何かしらの支援が要るのではないかなというふうに考えています。特にウエディングの関係ではほとんど使われておるのではないかといういろんな支援策の御紹介がございましたけれども、公認の儀式である結婚式というのは、人を集めてにぎやかに飲食をしてお祝いをするというふうな儀式なわけで、リモートでという話もございましたけれども、今実際なかなか開かれる状況ではないわけです。しかも、近年はだんだんと式の規模を抑えて、式の後の新婚旅行などに力を入れるというか、お金をつぎ込む、そういう風潮も広がってまいりました。コロナが収束した後、果たして本当に元に戻るのだろうか、何もしなければ元に戻らないかもしれないなというふうに思います。式場という施設を閉めなければいけなくなる、そうした危機感もあります。
ただ、こうした結婚式などの儀式というのは、一面夫婦の絆を深め、少子化に歯止めをかける効果も期待できる。結構大変な儀式でありますので、一度してしまうとなかなか2回目というのはちょっとという方が、特に男性は多いようだと思います。それぞれのまた親戚関係者や友人関係者のつながりをつくっていくことにもなります。つながりを強めていくことにもなる大変重要な儀式だと私は思います。
何を隠そう、私の連れ添いとは友人の結婚式で出会ったのがきっかけで結ばれたというふうなことでありますが、先月の知事要望もさせていただきました。
コロナ禍で結婚を控える傾向が進んでいる状況を何とか戻し、業界の支援にもなる
GoToウエディングなどの結婚支援の事業を行うよう要望をさせていただきました。
冠婚葬祭業の
社会的使命を考えれば、存続のために特段の支援があってもしかるべきではないかと思います。
国においては、今後、新婚世帯に対し、結婚に伴う新居の家賃であったりとか引っ越し費用等を助成する市町村への補助制度の拡充を検討しているというふうに言われておりますけれども、結婚式そのものへの支援、それによって式場がなくならないことにもつながりますので、ぜひ検討をしていただきたいと思いますが、知事に答弁を求めます。
次に、家畜への感染症でありますけれども、本当に、特に鳥インフルは大変速いのですね。過去に例を見ないほど速いスピードで感染が進んでいると。どうも野鳥ではかかってもなかなか死ななくて、どんどん飛んでいって広げてしまうというふうなことがあるようでございます。そういうことでございますので、早速緊急の消毒を行われるということですが、早め早めにどうかよろしくお願いをしたいと思います。
家畜についてはまた後で質問させていただきますが、
いじめ対策について追及の質問をさせていただきます。
実は今回紹介させていただきました事案というのは、いじめの重大事態に当たるということなのですね。相談者が
センターのほうに行かれてお話をさせていただいていましたら、その子は実は正当な事由がなく7日以上連続して欠席をしていて、これは重大事態に当たるのだというふうに
センターで教わったそうであります。そういう大変な事態だったわけであります。
学校では、今年の11月、先月の段階で、まだ勉強会なり研修会は開かれていません。ということで、保護者もこうしたいじめ防止対策というのがあるというのを全然知らなかったのですね。自分で調べて
センターに行って、やっと分かったということなのですね。その11月の前の10月に教職員から、いじめが続いているという報告が
保護者会であったそうであります。
こういうことを考えると、本当にいまだに学校だけで何とかしようとしているのかなというふうに私は思ったわけであります。できれば、教職員の方は赴任先で最低一度だとか、また保護者はどの学年の保護者もちゃんと研修を一度は受けると、小学校で1回受ける、中学で1回は受ける、高校で1回は受ける、そのぐらいきっちり研修会を受けてほしいのですね。しかし、ちょっと定期的な研修会には具体的に言及がなかったのですが、多分私が考えても、やはり人員であるとか、なかなか定期的には大変だろうなと思いました。
そういうことで一つ提案をしてみたいと思いますが、教育長からもサブリーダーというお話もございましたが、実際保護者や教職員に教えることができる、きっちりと研修を受けた教職員にリーダー資格等権限を与えて、学校でそのリーダーが中心になって勉強会などが実施できるような体制をつくるべきだと私は思います。当然、学校長や副校長であったり教頭などの管理職の方もリーダー資格をしっかり取っていただきまして、そのリーダーをサポートできるような、そうした体制にしなければいけないと思いますが、このことについて教育長に答弁を求めます。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて
銀杏議員からお尋ねがございました。結婚式のお話がございましたけれども、まず第一には、やはり今の
感染状況が収まらないとみんなで集まってわいわい騒ごうというのはなかなかやれないし、多分招待された側のことも考えられると思うのですね。ですから、そう簡単に声をかけたり事業をつくればというものではないような気がいたします。
ただ、そうしたことをいろんな工夫をしてやっていただくことは可能だと思います。先ほどはそうしたお話をさせていただきましたけれども、映像フォト、
映像ウエディングみたいなそういうようなことを考えられるところもございますが、そういうような様々な工夫も含めて実は式場のほうも考えられて、いろいろと業態転換といいますか、やり方の工夫をされているところであります。それを我々としても助成制度で応援をしていこうというのが経営側でございます。
特にそうした事業者の方からお伺いをしておりますのは、やはり無利子、保証料なしの融資で当面つながざるを得ないので、このことについては非常に重要性は高いと思っています。これは政府・与党のほうで、このたび3次補正で国の制度も延ばされるということが決まりました。私どもも同じように、この年度いっぱいそうした融資をつないでいくということで手当てをさせていただきたいというふうに思います。
今、与党と政府で話合いをされて、結婚新生活支援事業という事業がありますが、これの要件緩和等をされることが報道されています。これは、御夫婦両方とも34歳以下という要件だったものを39歳以下というように要件を変えるとか、それから額を引き上げるだとか、そういうものであります。本県でもこれを活用している町もあるのですけれども、ちょっと使い勝手が悪かったですね。なぜなら、男性の初婚年齢が今31歳を超えてきていまして、両方とも34歳以下というのはなかなか適用が難しかったりすることなど使い勝手が悪いという話がありまして、今回、政府・与党のほうでも変更されたのだと思います。
実は鳥取県では、一歩先行く子育て王国ということをやっていこうと。そういう意味で、カップル応援のために今年度、4月から新しい事業をつくっています。それは、ふるさとにおいて新しいステージ、新ステージを開く応援の事業でございます。補助金20万円を市町村と共同で出しましょうということを始めております。現実にも今4つの町が加わってきてくださっていまして、各市町村で来年度予算の準備を始めていますが、恐らく倍増する勢いで来年度さらに活用が広がっていくのではないかと思います。こういうものは自由度が高い補助金でございますので、こうしたものでウエディングを華やかにやりませんかと、こういうことを呼びかけることができようかなと思っています。
またあわせまして、やはり実は
ブライダル業界は最近危機感も持っていまして、もともと少子化、晩婚化で件数減がやってきておりました。ですから、様々な需要開拓をしようというようにしていたところでございます。それで
ブライダルフェアをやってみたり、こういう
ブライダルフェアなどを県のほうで支援したり、それから香港から来られる観光ウエディング、こういうものであるとか、それから
ブライダル写真のビジネス、こういうものも海外も含めて今伸びてきているところですので、そういうものもこれまで助成をしてきました。
今こういう環境にもございますが、そうしたことに
ブライダル業界の皆さんも積極的に関わってきていただいております。今、新型コロナでなかなか難しい状況でございますが、どういうふうに戦略的に立て直していくのか、これは関係者とまた話し合ってみたいと思います。
◯議長(
藤縄喜和君)
山本教育長
◯
教育委員会教育長(山本仁志君)
銀杏議員から重ねて、
いじめ対策におきます研修に関しまして、リーダー資格を与えるような、そんなやり方はいかがかという御提案をいただきました。
先ほどは伝達講習の仕組みということをお話ししましたけれども、研修の中で例えば修了証を出したり、そうした一定の研修を受講したということの認定証を出したりという工夫もあり得るかなと思いながらお話を伺っておりました。
いずれにいたしましても、きちっと校内で研修が進むような、そうした仕組みづくりを行っていく必要があるだろうというふうに思っておりまして、それに向けて検討を進めてまいりたいと思いますし、また保護者の方々なども対象として、
マニュアルの周知なども含めた研修の充実、機会の充実などにも努めてまいりたいと考えております。
◯議長(
藤縄喜和君)33番
銀杏議員
◯33番(
銀杏泰利君)答弁をいただきました。本当に結婚式というのは、結婚するに当たって夫婦で最初に行う人生の一大事業でありまして、そこでかんかんがくがくとそれぞれの意見を言い合って、それを乗り越えてやっとこさできる事業でありますので、そこで夫婦の絆がしっかり固くなると、そうした効果もあるのだなというふうに認識をしておるところでございますので、ぜひとも力強い御支援をいただけたらというふうに思います。
それで、
新型コロナウイルス、そして豚熱、
鳥インフルエンザ等、今年は人間から動物まで感染症が広がった年となりました。さらに、人から人だけの感染と思っていた
新型コロナウイルスですが、日本や世界各地で動物との感染が報告されるようになりました。例えば日本で、飼い主がコロナに感染しただけではなく、実はペットの犬も感染したとの報告があり、世界でもペットへの感染報告がなされております。
最近では、デンマークで家畜のミンクに感染し、そのミンクから人への感染も確認されました。デンマーク政府は、国内の1,700万匹のミンクを全て殺処分するという決定をされたそうであります。
厚生労働省では、人から犬猫に感染した事例は複数あるが、僅かな数に限られている。犬では明確な症状は確認されていないが、猫では呼吸器症状、消化器症状があったと報告されています。実際ペットに感染するしないは別にして、感染者が触ったペットの毛などに付着した
ウイルスから別の人に感染することも考えられます。こうした動物と人との感染を危惧する大学教授がいらっしゃいまして、その方から貴重な御意見を伺いました。それは、こうした感染事例は今は少ないけれども、将来どう変わっていくか分からない。感染対策を専門的に議論する政府の
新型コロナウイルス感染症対策分科会にぜひ獣医学の専門家を入れるべきではないかというものであります。私も確かにそうだと思います。もともとコウモリなど動物から人に感染していったと言われています。しかも、短期間のうちに少しずつ変異をしていって、人間に新たな脅威をもたらしています。この
ウイルスが新たな生き残りの策として人間の身近な動物、例えばペットなどにうつり広がっていく、またペットなどを介して人間に再び感染していく、そのように変異していくことは十分考えられるわけであります。そうしたときに、その道の専門家が国の対策会議の中にいれば、必要に応じて情報提供などがなされ、役に立つわけであります。知事にはぜひ国へ要望していただければと思いますが、いかがでしょうか。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)
銀杏議員から、新型コロナにつきまして、動物との関連性のお話がございました。これにつきましては、アニコムさんで事例が公表された以外、日本では新型コロナがペットへというものの報告はまだ少ないところであります。海外ではミンクだとか虎とか、そうした動物への感染ということも言われているわけでありますが、人から動物へというようなうつり方であるのではないかと考えられています。
そういう意味で、これも一つのテーマにはなると思うのですけれども、正直私も分科会にまた呼び出されるわけでありますが、今の分科会の中では、やはり基本的な感染は会食、それからマスクをつけないでの会話であるとか、それがまた職場や医療機関でのクラスター、こういうものが場合によっては人の命に関わってくる危険もあると。現在、東京でも感染者は500名を超えておりますが、そのうちの103名は65歳以上ということで、初めて昨日100人を超えているのですね。重症化の危険があるというところでありまして、今、正直分科会で議論するとなると、そうした喫緊のテーマが中心になろうかと思います。
ただ、また落ち着いてからそうした提案もあり得るかなと思いますのは、人獣共通感染症というのがあって、狂犬病などがその典型でありますし、恐ろしいのはSFTSですね、マダニを介する感染症でありまして、これは県内でも事例が今シーズン発見をされたりしております。今回の新型コロナも、解明はされていませんけれども、コウモリではないかという説もあって、そういうようなことなど、やはり
ウイルスの起源をたどる、あるいはメカニズムを追求する意味では、私どもでいえば、大槻先生がおられて、山口先生がおられて、
鳥インフルエンザの世界をクローズアップされる研究の中心地に今なっていますけれども、こういう人獣が共通感染症として考えるべきものというテーマは当然あろうかと思います。ですから、状況に応じてそうしたお話も折に触れてする機会を持ちたいと思いますが、今週来週その話をしたらおまえ何考えているのだと言われかねないので、ちょっと今は控えたいと思いますが、いずれそういうような御提案もしていければと思います。
ただ深刻なのは、やはりペットの扱いというのは重要でありまして、本県では患者さんが出た場合、そのペットについてお預かりするという事業をスタートさせました。これは県内の動物病院さんの御協力をいただいております。実際に1例、これを発動してペットをお預かりし、それを県のほうの費用負担でやったケースがございます。こういうことがないと、ペットがゆえに入院していただけない、言わば隔離できない。それによって感染症が広がるということになったり、また人とペットの間の感染の機会を減ずるということにもなりますので、そういう意味で私どもとしてはそうした事業も導入をしております。ぜひこういう人獣共通感染症という課題につきましても、今後向き合ってまいりたいと思います。
◯議長(
藤縄喜和君)33番
銀杏議員
◯33番(
銀杏泰利君)今回の質問では、人の
コロナ対策に加えて、豚と鳥の感染症対策についても質問いたしました。人と家畜に同時期にこうした感染症が拡大したことを考えると、人類の生存拡大に対しまして自然の摂理といいますか、自然が正当に反応した自然界のバランスの反応だというふうにも私は思えてなりません。
いずれ世界的に進むべき方向性などが出るかもしれませんが、今は様々な感染症対策が計画実施中で、心配していますのが人手不足であります。
コロナ対策、豚熱、
鳥インフルエンザ対策で、同じ機関の職員や獣医が両方に関わる場合もありまして、そこで仕事が集中するのではないかというふうに心配をしております。できるところは助け合うなど柔軟な対応をされて、この難局を共に乗り切っていきたいと思いますが、知事の所見を伺って質問を終わります。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)
銀杏議員から、重ねて人材につきましてのお話がございました。
私も今、感染が拡大している地域の知事さんとも意見交換をやっているところでありますが、やはり看護師等の不足が非常に厄介でありまして、そういう意味で鳥取県も応援に回りますが、大阪対策でも26名、今のところ知事会関係、都道府県からの派遣を今まとめてきているところであります。昨日も吉村知事から鳥取県の決断に感謝するというお言葉をいただきましたが、こちらも大変な中出していることは先方も分かりながら、背に腹は代えられないということで協力を求めてきているという状況であります。
これは豚熱等でも同様でございますし、
鳥インフルエンザでも同様でございます。家畜防疫員というのが重要な役割を果たすわけでありますが、これが3つの我々の家畜保健衛生所で32人、獣医として家畜防疫員がいます。そのほか農林部関係で22人おりまして、あと生活環境部でも28名いまして、そうすると資格を取り得るといいますか、獣医さんは全部で82人全庁にいます。こうしたところが一つの中核部隊になるのだと思いますが、今月そうした研修会を改めて持つことにしていたところでございます。
また、実際に事が起こったとき人手が要るのは、殺処分を緊急に行うというタイミングです。今、和歌山県と大分県が今日は総出で大変なことになっていると思うのですけれども、例えば三重県で発生した農場の例だと、大体、豚で4,000頭殺処分をするというのに3,000人ぐらい人手が要ると。それが全部家畜防疫員かというと、そうではありません。家畜防疫員は百数十名でありまして、三重県と、あと他県の応援、本県もいろいろと応援で各地へ行っていますが、他県の応援などで集めてくる。それが百数十名で、多いのは一般の県庁の職員であるとか、それから実際に埋設処分をするときには民間の事業者がされますし、自衛隊が出動してそうした業務、一連の業務に携わるということもございます。こうやって全体としては3,000人ぐらい、かなり大きな人数ですけれども、いろいろといろんな組織を束ねて行うと。これが今の実務になっていますので、本県でもいざというときはそうやって対応していくということになろうかと思います。そのための訓練をしなければいけませんので、
鳥インフルエンザが今広がっていますから、12月17、18日に県庁としても訓練を行うということにさせていただいております。
◯議長(
藤縄喜和君)暫時休憩いたします。
11時20分より再開いたします。
午前11時08分休憩
────────────────
午前11時20分再開
◯議長(
藤縄喜和君)再開いたします。
引き続き、
一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
6番山川智帆議員
◯6番(山川智帆君)(登壇、拍手)皆様、こんにちは。山川智帆です。
本日は、
コロナ禍における医療体制について、そして産業廃棄物処分場について、この2点の観点から質問させていただきたいと思います。
まず、産業廃棄物処分場についてですが、平成20年度、米子市の淀江町で
センター、環境プラントが事業提携する処分場の計画が公表されました。それまでの県内の動きはどうだったのでしょうか。平成11年、青谷において断念。鳥取市で平成14年断念。倉吉で平成16年、候補地除外申入れ。岩美で平成18年断念されました。
その中で、今回の米子市の淀江町の計画地を見てみますと、一部に県の所有地があります。配付資料の上のほうです。現況の観測図を見てみますと分かりますが、計画地、そしてこちらがホテル側と青果場側です。こちらによりますと、淀江計画地は平成10年から12年、県が買い上げています。なぜでしょうか。道路地を含むというふうに言われていました。そこで、実際に県が購入した土地と公図を見比べてみますと、あらおかしい。明らかに大きく県が買っているのが分かりました。
そこで、実際に現地を測量してみました。これが下の公図と現況の測量図を重ね合わせた図です。こちらにおいて、オレンジと赤の部分が県の購入した土地です。オレンジが道路部分、盛土を含み、道路部分を含みますが、赤の部分は使用実態がありません。幾らで購入したかということですが、県は坪2万円から坪3万円程度で購入していました。ちなみに、近隣の固定資産税評価を調べますと、畑であると坪100円、山林であると100円未満、原野であると100円未満です。固定資産税評価は市場価値とイコールではありませんが、銀行の評価においては担保価値を示します。そして、不動産売買においては価値判断に当たる有用な情報とされています。なぜこのような価格差ができたのか。県が坪2万円、3万円で買い上げた根拠をお聞かせください。
そして、こちらの道路を造るときは、通常道路に必要な面積、オレンジ部分しか買う必要がない、買わないと思います。実際赤色の道路実態のないものまで買い上げる必要があったのか、2点お聞かせください。
続いて、
コロナ禍における医療体制についてお聞きします。
いまだ終息が見えません。県民、国民誰もが終息を願うところだと思います。本県において、PCR検査の11月末での実施件数は1万6,606人です。これは全県民から値すると大体30人から40人に1人検査している現状です。この議場において、誰かPCR検査を受けた方はおられるのでしょうか。お一人です。そのような感じなのです。
そこで、先ほど1万6,000人と言ったのですけれども、この数値は大半が公費で受けたと思います。議場におられる議員さん、そして執行部の方も皆さんそうだと思うのですけれども、やはり県外で受けようと思っても高い。特に1月から3月は受験シーズンで、県外、県境を越えないといけない。大阪だったり東京だったりに行かないといけない。やはり現場の先生、保護者の方が怖くて、公共交通使えなくて自分が車を運転して行っている。学校でもうつしたらいけない、同居しているおじいちゃん、おばあちゃんにうつしたらいけない。検査を受けたいけれども、4万円近くかかる。何とか負担を、何とか助成してもらえないか、そのような声は皆さんお聞きになると思います。実際に県の
教育委員会にも問い合わせたところ、市の
教育委員会だったり要望を受けているということでした。
ちなみに、県内においては幾らぐらいで受けられるのかということなのですけれども、赤十字病院では約2万円、鳥取大学医学部では2万9,800円と検査結果の証明書をとると6,600円別途かかるということで、やはり4万円近くかかるということなのです。
そこでお聞きします。議場での今日までの議論で、やはり医療従事者であったり介護施設で働く方、そして県外に出られて成人式で帰ってくる方、就活の方、みんなに検査できないかということだったのですけれども、広く検査できないという回答でした。ただ、最近ではやはり状況が変わってきていると思います。国の3次補正予算に組み込むことができないのか。そして、鳥取県においてはソフトバンクグループから2,000円でPCR検査ができないかということのお声がかかっているというふうに伺いました。それの進捗状況はどうなのか、検討状況はどうなのか。やはり検査できる仕組みがあると、みんなが安心して生活できると思います。検討のほどをよろしくお願いします。そして、その検討状況をお答えください。
以上で壇上での質問を終わります。自席に戻って、回答を得てから追及質問に入りたいと思います。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山川県議の
一般質問にお答えを申し上げます。
私のほうには、産業廃棄物処分場に絡みまして、その道路関係の用地につきましてのお尋ねがございました。あともう一つは、検査につきまして、新型コロナについてのお尋ねがございました。
前段のほうにつきましては、詳細は県土整備部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、議員も今まさにおっしゃいましたけれども、ちょうどそこは道路敷の関係がありまして、ボードをお作りいただいて感心しましたのは、ちゃんと再利用されて、前のボードを活用してやっておられるという、非常に今のSDGs型のボードを作っておられます。ちょうどボードの中にも示されております。写真を見ていただくとお分かりいただける、あれはのりをつけているわけです。ですから道路敷が必要でありまして、それについての買収をかけたということでありました。
平成10年、11年、12年頃のお話でございまして、道路計画自体は7年頃からスタートしておりました。大分前の話になります。その頃、道路敷の買収をするわけでありますが、当時の実務は地籍混乱地と言われます、山川議員は御専門なので多分お詳しいと思うのですが、いわゆる地籍混乱地と言われるような登記とか、地境の判定がなかなか難しいというようなところなどでは、全筆買収と言われるような買収形態を取っていた実務がございました。実は今はこういうことはやめていまして、平成17年から分筆買収のほうを原則にさせていただいております。まだ当時はそういう意味で1筆を広く捉えるケースがありまして、買収は広めに行われたことが通例でございました。
あと、単価の面でありますが、近くに例えば米子大山線というところも同じ時期に工事をしていますが、同様の単価で買収をしています。これも御専門なのでよく御存じだと思います。大体標準地というのを考えまして、そこと比較をしながらやっていくような形態で土地の評価というのはやっていくわけでございますが、その当時、県の土木部のほうはそうした評価方法を取っていまして、必ずしも土地の鑑定評価をやるわけではなかったという実務でございます。
そういう実務の中で、通常買収する単価で買収をしたということでありますが、経緯や考え方、実際の状況等につきまして、部長のほうから詳細はお答えを申し上げたいと思います。
後段は新型コロナの関係でございますが、本県は一つの特徴がありまして、かなり早いタイミングで早期に検査をする、そのための体制を取るということでございました。本県でも今、行政検査の能力は1,200件ぐらいに上がってきております。したがいまして、民間の診療所等を加えますと、検査能力が今1日4,800件ぐらいございまして、相当程度上がってきているところであります。
これを活用しまして今回も今やっているところでありますが、実際に感染が発見をされますと、それとつながり得るところを、濃厚接触者に限らず幅広にかけていくと。特に学校関係でやった例もありますし、病院関係でもついせんだってやった例もございますが、そうしたことなど幅広にかけるというのをうちの特徴にしておりまして、これが恐らく感染の数が一定程度抑えられている要因になっているのではないかと私たちは考えておりまして、大切にしている考え方であります。
都会のほうは実はそうなっていませんで、陽性者が出ても周りはほっておくということですね。それで濃厚接触者を検査されますが、それにまた下手すると1週間ぐらい結果が出るまでかかるわけです。この辺に感染が広がる隙ができるわけであります。本県はそこを封じてあるものでありますから、景山先生も基本的には感染はコントロールされている、管理されているという言い方をしてくださっています。専門家がそういう分析をされるように本県の場合は抑制基調の中でありますので、恐らく県内の子供たちを取ったところで、陰性にほぼ確実になるわけだろうと思います。
実は、本県のほうの検査能力等を示したり状況を示すデータがありまして、陽性率がありますが、今まで1万7,000件ぐらい検査されている中で0.3%であります。これは実は47都道府県で最も低い陽性率です。その要因は、こういうように幅広に検査をしているということもありますし、あと現実の
感染状況が抑えられているということだろうと思います。ですから、今、都会地でいろいろと検査をされる、民間の検査場を活用してとかいろいろありますけれども、大分大都市とは状況は違うところであります。
そういう中でありますが、ただ民間のものを活用して検査をされることは、私は個人的には心配もあるのであればされればいいと思いますし、むしろそういうことがこういうところでできますよというふうに案内をすることなどは、積極的にやってもいいのではないかと思います。
ただ、専門家のお立場で研究がありますけれども、実効再生産数を下げる効果は無症状の方に対して検査をしてもほとんど出てこないということであり、今、全国的には拡大期にありますので、その検査資源は有効に使ったほうがいいというのを実は専門家は非常に強く主張されていまして、その辺の折り合いを考えるということだろうと思います。
今議員がおっしゃったように、県内でも実は検査機関ができてきておりますし、中にはベンチャービジネスとしてやっておられるところもございます。そういうような中でございますが、議員もどこでお聞きになられたのかちょっと分からないですが、先般ソフトバンクグループのPCR検査
センターの社長さんが訪ねてこられましたときに、率直なお話合いをさせていただきました。分科会の状況なども私も御説明を申し上げて、あちらも驚かれていましたけれども、もしそういう検査需要があるのであれば、特に東京にいる方ですね、東京にいる方がこちらに来られる、今の受験生のケースのように向こうに行くときに検査してもあまり関係ないと思います。むしろ帰ってくるときに心配なので検査をされるということだと思いますが、そういうときにソフトバンクグループですと1回2,000円でできますので、何らかの助成制度を考える以上にただ受けたほうが手っ取り早いぐらいであります。
このたび、新橋でPCR検査
センターができました。ニュー新橋ビルの中にできたという報道でありましたけれども、あれも2,900円というふうに伺っております。ですから、非常に簡便な形で、唾液の検査でありますから検体もセルフで採れますし、簡単なわけでありますが、私も社長さんに申し上げたのですけれども、陽性者はぜひ保健所に通報してもらいたいと。これが実は全国的課題になっていまして、陽性の場合にお知らせいただけるシステムができないだろうか。これを私も分科会で主張しましたけれども、ある保健所関係の先生がいいかげんな検査の陽性を回されても困るとかというように猛反論されてきまして、私はこれに大反対なのですけれども、やはり陽性だと出たらそれはすぐに我々は追検査しなければいけないし、ちゃんと入院をさせるなりして医療的ケアしなければいけないと思います。どうも大都市と我々地方部とのちょっと温度差がこの辺はあるのだろうと思うのですが、だからソフトバンクの方にも申し上げましたが、本県は教えていただければ必ず入院加療をやりますし、御本人のためにもなりますから、そういう連絡体制を取れないかという御提案をさせていただきました。
そういうようなやり取りなどもさせていただいているように、私どもとしては門戸を広げることは基本的には賛成の県でございます。現実にも今、日吉津村など一部のところでは、今議員がおっしゃるようなケースについて助成制度をつくられる市町村も出てきました。市町村のほうでそういう対応をされることはあり得るかなと思うのですが、私どもは保健所行政を管轄していまして、何でもかんでも検査をするというよりは、何らかの可能性があるところに徹底検査をするというのが行政検査としては必要なのかなというふうに考えておりますし、分科会もそういうやり方を推奨されておりますので、感染拡大防止のためにそうした形を取ってまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、そういう市町村の助成制度の御紹介とか、ソフトバンクグループなどがこういう形でやっていますよとか、東京の新橋のケースだとか、いろいろと役に立つ情報は、それは我々としてもお手伝いをさせていただきたいと思いますし、今ソフトバンクとも話をしていますが、何らかの対応がお互い取れるようであればタイアップする可能性もあり得ますが、今はまだちょっとそこは未定の段階であります。
◯議長(
藤縄喜和君)草野県土整備部長
◯県土整備部長(草野愼一君)道路の買収に関わります根拠と、あと用地買収した当時の範囲の考え方の2点につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
まず、取得単価の根拠なのですけれども、この道路は県道尾高淀江線という道路でありまして、米子市の尾高から淀江までつながる1キロちょっとぐらいの道路です。当時、工事の着工前は1車線で幅が5メーターだったものを工事後は2車線で11.25メーターの道路にするというもので、平成7年から着手しまして16年に供用していると。この道路を造るために用地の買収をしているわけですけれども、当時の取得価格の算出については、工事の起工伺書というものに土地評価調書というのがありまして、そこに詳しく記載されていたはずなのですけれども、県の文書管理規程にのっとりまして既に保存期間が経過しているということで、土地評価調書そのものはもう廃棄しております。
ですが、平成10年当時どういうやり方で土地評価をしていたかというのは、先ほどちょっと知事のほうからもお話がありましたが、取引事例比較法という名前でやっておりまして、この取引事例比較法というのは、買収地と比較的条件が近い近隣の過去の取引事例を集めまして、その両者を比較して、条件を比較して買収地の価格を決めるという方法であります。この県道尾高淀江線の近傍では、平成7年に県道の米子大山線という道路のための用地買収をしておりまして、その米子大山線の用地買収価格と尾高淀江線の用地買収価格はほぼ類似しておりますので、恐らく当時は米子大山線の価格などを参考にして取引事例比較法で算定していたのではないかというふうに推察されるところであります。
続きまして、買収範囲を決めた根拠なのですけれども、議員御指摘のとおり、公共用地の買収は事業用地として最低限必要なところをきちんと1筆であれば分筆して行うというのは原則なのですけれども、ここの当該地につきましては、知事からもお話がありましたが、一部地籍混乱地という、これは法務局の登記されている図面と実際に現地に行ったときに現場の土地の形とか面積とか、これがかなり違っていると。だから、そのまま登記にされている地図のとおりに買ってしまうと現実と合わないと、そういうようなところが地籍混乱地と呼んでいるのですけれども、それが一部にありまして、平成の前半ぐらいまでは道路利用者の方の安全性とか利便性を早期に実現するために工事の完成を優先するということで、必要な用地の速やかな取得のために地籍混乱地があった場合には分筆をやっている時間がなければ取りあえず全筆で買収して事業を進めていくというようなことを当時は一般的に行っていまして、その結果、現在道路としては使わない残地というものを抱えることになっているのですけれども、先ほどちょっと知事からもお話がありましたが、現在は平成17年に鳥取県県土整備部公共事業残地取得要領というものを定めまして、用地買収を行う場合の分筆買収の原則ですとか、全筆買収を行う場合の取扱いを明確にしたやり方を定めて実施しているところでございます。
◯議長(
藤縄喜和君)6番山川議員
◯6番(山川智帆君)やはりコロナ拡大期にあるからこそ、県としても門戸を広げる必要があるということです。それで、ソフトバンクグループの2,000円のPCR検査についてはまだ未定ということなのです。ただ、なぜソフトバンクグループが自治体に対して声をかけたのか。そして価格を落とすためには大量にできることだと思います。
県内で同じようなPCR機械を買った方、2,500万円ぐらいで買ったのだけれども、やはり検査しようと思ったら数万円必要なのだよと言われたのですね。そして、実際に民間で今のPCR検査、安いから誰もがやりたいはずです。ただ、これにも課題があります。先ほど言われたみたいに保健所機能がない。確かに安いからやった。でも、保健所に届ける義務がなかったら、陽性で引っかかってしまったら隠すおそれもある。だからこそ、法整備というのも必要です。
そして、実際に2,980円でやった木下グループというのもそうなのですけれども、我々が気になるのは安くて10分の1ぐらいでできて、精度はどうなのかという話なのですけれども、国立感染症研究所との陽性率、陰性率の一致率が100%ということなのです。全県、それでこのことを検討いただけませんかといったときに課題として、やはり東京にいる子供たちにどうやって知らせたらいいのだ、不公平感があるのではないか、全県の人たちに知らせるにはどうしたらいいのだとおっしゃったのですけれども、私たちの鳥取県には、私たちの宝である水木しげる大先生がおられます。水木しげる大先生のアマビエは今年のキーワードに入っています。水木しげる先生のゲゲゲ忌とコラボして、コロナに撃ちかて受験生、県民撃ちかてということで、民間に委託してテレビCMだったりして、親御さんだったり学校だったり予備校だったり高校だったりも考えられると思いますが、検討いただけませんでしょうか。
やはり皆さんが言われるのは、受験という人生がかかった勝負、だからこそ学校であったり保護者だったりも安心したい。そして、成人式に帰ってきたときに、やはり着つけ業者だったり各種団体の声だったりも、地域に与える影響というのも計り知れないと思います。安いから東京へ行ったらいいではないかと言われたのですけれども、やはり東部、中部、西部で量を増やして設置する。そのときに、この研修をして、研修をした人がやはり人材配置する、場所を設定する。これは皆さん自己負担でもいいと思いますが、県がこのような仕組みをつくっていただけたら全県民が喜ぶと思いますので、いまだ未定ということですけれども、再度検討いただけたらと思います。いかがでしょうか。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山川県議から重ねてのお尋ねがございました。こうしたことは分科会や厚労省、政府のほうでも実は検討俎上になっていまして、ちょっと宿題に出していますから、恐らく厚労省が近々何か出してくるのではないかと思います。
この課題は、基本的には厚労省は非常に抑制的にPCR検査をやっていたと。鳥取のように非常に革新的に幅広くやる地域があって、実は我々は成功していると思うのですけれども、いろいろと見方が分かれるかもしれません。特に症状がないのに、ただ証明のために検査するということにどれほど意味があるのかというのは、学会としては疑問視している人は実は多いです。と申しますのも、鳥取は違うと思うのですけれども、東京みたいなところですと市中感染していまして、どこで感染するか分からない。今検査をしても、そのうちまたすぐにその後感染するかもしれない。PCR検査は我々も実務をやっていますが、一遍やった後、必ず2週間、例えば濃厚接触者は待機してくださいねとやります。その間に陽性になる人はいます。特にこれは他県と違いまして、我々は早めのタイミングでPCR検査をしますから、検査のタイミングによっては上手に出ないことがあるわけですね。ですから、そういうようないろんなリスクがありますので、疑陽性、疑陰性と言いますが、こうしたことに対する懸念が払拭できないというのが学会の状況でございまして、多分これを何らか一般化しようというところには行かないのではないかなと思います。
ただ、調べたいという欲求がある人が調べるというのは、私はいいと思うのですね。そういう意味で、いろんなチャネルがありますよということを我々としてもそれはお知らせする必要があるかと思います。
受験生向けには、多分PCR検査よりも一番大事なのは、予防することだと思います。私自身も分科会に呼び出されれば決死の思いで行ったりするわけでありますけれども、その間、自己隔離をするわけですね。皆さんも受験シーズンを思い出していただければと思いますが、受験シーズンは風邪を引かせないようにあの子に近づくなとか、それで隔離をして、温かくしたり、本当に家族中が気を遣うわけですね。それが受験生でありまして、ちょうど
インフルエンザシーズンに気をつけるのと同じことを今やらなければいけない。そのことは、私どもは受験シーズンに向けては何らかのメッセージを出さなければいけないと思いますし、そのときに例えば東京へ行ったらここで受けられますよとかというのがあれば、それは一つの材料だと思います。ちょっと私の舌足らずだったところを補足させていただければ、先ほどのソフトバンクのものは郵送で受け付けますので、今皆さんがこの場でエントリーすることも可能です。ただ、実は郵送だと時間がかかりますので、その間、本当に検体が大丈夫なのかというのを専門家は疑問視されていまして、本当に陽性がきっちり出るかなということは言われているところでありますが、ただ、その辺を割り引いても、仮に陽性が出れば、鳥取県の場合は、民間検査でも陽性だったら全て行政検査の対象にして即再検査をし、その日のうちに入院も可能なように私はさせていただきます。これはお約束させていただけると思いますし、これをソフトバンクに言ったらソフトバンクも驚いていたというのが真相であります。
いずれにいたしましても、いろいろと技術革新や環境変化も起こっていますので、私どももできることは住民の皆様の思いに従って努めてまいりたいと思います。
◯議長(
藤縄喜和君)6番山川議員
◯6番(山川智帆君)ソフトバンクグループの2,000円のPCR検査ですけれども、先ほど郵送だというふうに言われたので、郵送するときに、本人が出したものなのか本人でないものかという問題があると思います。そして、その結果陽性だったときに、いつの時点で保健所に届けられるかというのが義務づけではないので、市中感染するおそれもある。
そして、実際にこういう安い制度があるということを県民に対して周知するという広報活動というのもまだありますし、まだ検討すべきことが多々あると思いますので、これらについてはこちらとしてもいろいろ調べていって議論していきたいと思いますので、今後よろしくお願いします。
さて、産業廃棄物処分場についての追及質問をしたいと思います。
先ほどから一般に道路を造る過程の説明を受けましたが、道路を造るときに道路の必要面積しか買わないではないかということなのですけれども、残地の取扱要領、そして取引事例比較法でやられたということをおっしゃったのですけれども、今回と3月議会でじっくりやりたいと思います。
というのが、今回はまず大枠で聞きたいと思います。まず道路を造るときに、県土整備部で確認したところ、一般道路を造るときはそもそも地権者さんに計画があるよという説明をして、その上で現地を測量して測量図を作って、そして道路形態がどういうものだよというのが分かってきて地形図ができる。地形図ができたら、その1筆を分筆して、その上で地権者と交渉する。これが一般的ですよねということだった。それはもちろん一般的ですよということでした。
そこで、実際の具体的な事例を見てお話ししたいと思います。下付資料の下の図、公図、現況重ね図で、オレンジ部分の右手の434の110、これは斜線部分なのですけれども、斜線部分で498と合筆しているのです。498と合筆していたところを切り離して29年に売却。そして、434の115ですが、もともと497と合筆していました。これを平成29年に分筆しています。もともとこの一番右手のオレンジ部分なのですけれども、434の110は確かに執行部が言われるように大半が道路です。ですから、全部を筆として買い上げるというのは納得いきます。しかし、下のピンクの部分434の112、そして434の107、これについては十分分筆が可能だと思います。
使用実態と異なるのを現場では分筆ができると思います。必要でないところを買うというのはやはりどうかと思いますが、いかがでしょうか。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山川議員から重ねてのお尋ねがございました。
後段のほうにつきましては、また県土整備部長のほうから詳細をお話しさせていただきたいと思いますけれども、必要のない土地を買うことはいかがかという議論は当然県庁の中でもございまして、別に悪気があってやっているわけではなくて、地籍混乱地などで手続にかえって時間がかかったり他の弊害が出るということで全筆買収ということを当時やったのだと思いますが、平成17年だったと思いますが、取扱いを変えて分筆買収を原則とするように改めたという経緯がございます。それはまさにそうした意味で、必要性に応じたお金の使い方を厳格にしようとしたものでありましょう。
それ以前も、ただ事業のスピード感だとか実際地権者との交渉がありますので、その困難度なども含めてそういう措置を多分取ったのかなというふうに思いますが、詳細は部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
前段のほうにつきましては、我々もまだ話を始めたところでありますし、どういうことができるか今考えていたところでございますが、私どもはやはり制度として、民間の検査で陽性が出た場合は所管の保健所に通報していただけるような制度にならないかというふうに、私は分科会でも主張をしたところでございます。そういうことに若干反論はありましたが、厚労省のほうで何らか今検討しているのではないかなというふうに思います。
ただ、こうした問題はいろいろと都会と、ちょっと中央とで取扱いの考え方の違いはどうもあるようでありまして、私はそれぞれの地域のやり方でやったらよいのではないかなというふうに思います。
精度の問題も、実は今おっしゃった国立感染症研究所の脇田先生もおっしゃっていましたが、精度についても実は検証が必要だろうというようにおっしゃっていました。だから、民間の検査機関のものというのは、もし何らかの反応が出たら再検査をするのがいいのではないかと私は思いますが、現状では法的にどうなっているかといいますと、陽性が出たとしても医師がその陽性について届け出るという仕組みになっていまして、医師がタッチしていないと陽性を届け出る義務は誰にも発生しないというのが今の現状であります。
先般もソフトバンクさんと話をしていて若干うまくかみ合わなかったのは、きちんとその人のプライバシーにわたる情報まで全部把握した上で検査しているというわけではどうもないようであります。場合によっては会社でまとめてやるということもやっておられるというようなことでございまして、住所地と必ずしもリンクをしているわけではなかったり、ましてお医者さんとつながっているわけでもない。だから、新しい形態、法律が想定する以外の形態が生まれてきてしまったわけでありまして、何らかの制度的解決が必要ではないかなというふうに考えております。
ただ、いずれにいたしましても、鳥取県として何ができるかは別途考えてまいりたいと思います。
◯議長(
藤縄喜和君)草野県土整備部長
◯県土整備部長(草野愼一君)用地買収の範囲につきまして、改めて補足の答弁をさせていただきます。
議員のほうからもお話がありましたのですが、道路を造る一般的な工程で、最初に概略設計をして道路のルートを大体決めて、それから住民の方に説明して計画を固めていって、それから詳細設計という本当に細かい設計をして、そこまでが大体設計段階で、それから用地の関係に入るのですけれども、境界立会という現場に行って本当に土地の境界が接していられる方に境界はここでいいですかという現地を確認して、丈量図の作成というのですけれども、用地買収に必要な面積を出します。あとは用地交渉で面積と単価ですね、それをお示ししながら合意を求めていきまして、最後に分筆であれば分筆して登記するというような流れで用地買収していくわけですけれども、議員御指摘のとおり、この公図でいきますと、434の112ですとか434の107というのは今の図面で見ると道路用地はごく一部で、いわゆる残地ですね、今県としては道路として使っていない残地が多く残っているというのは事実でありまして、県としてもこれはこの状態は解消したいと思っておりまして、道路用地でないところは一般財産に落として売却するとか、そういうような努力をしているのが一つと、もう一つ現在ではそういうような残地を抱えないように、先ほどの繰り返しで申し訳ないのですけれども、平成17年に残地の取扱要領というのをきっちり定めまして、当時はそういうのがなかったので事業の推進のために少し広くても1筆買うというようなことをやっていたのだと思うのですけれども、現在ではそういう後で不要な残地を抱えないように取扱要領を定めて用地の買収を行っているというところでございます。
◯議長(
藤縄喜和君)6番山川議員
◯6番(山川智帆君)何で全部の用地を買い上げる必要があったか、全筆を買い上げる必要があったかということは、行政自体も苦心されておる構図が、登記簿だったり公図だったり現況図から分かるのです。
というのが、この斜線部、赤斜線部と赤の部分、この赤の斜線部分は、平成11年、12年に県が坪単価2万円から3万円で買い上げているのです。それを平成29年に環境プラントに坪5,000円程度で売却しているのです。赤線部分はいまだに残っているのです。この差は何なのですかと。斜線部分は坪単価2万円から3万円で買ったのが坪5,000円で売却ということでしたら、坪1万5,000円から坪2万5,000円の損失が生じているのです。この斜線部分については、平成29年にやったから保存期間でありました。この赤い部分とオレンジの部分は、西部総合事務所に何度も行きましたが、かつてのOBに聞いてくれ、やってくれた人に聞いてくれ、誰も分からない、複数の人に問い合わせたけれども分からない、倉庫も調べてくれ、倉庫を調べたけれどもなかった、保存期間がないからと言われました。ただ、この斜線部分、平成29年の鑑定は残っているのです。この差は何ですか。この差額の損失は県民の血税なのです。誰がこの損害を賠償をする責任があるのですかということなのです。お答えください。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山川県議から重ねてのお尋ねがございました。
事業の執行に伴って、当時の土木部のほうで買収をかけた。それから、それが多分移管されて普通財産として売却をされた。その時々のやはり価格の設定というのが多分あったのだと思います。特にそこで何らかの操作をしようというわけでは全くございませんで、通常のやり方でやっているのではないかと思いますが、売却の状況等につきまして、総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
亀井総務部長
◯総務部長(亀井一賀君)売却のほうの関係につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
山川議員御指摘のとおり、平成28年から29年にかけまして、この斜線といいますか網かけといいますか、という部分につきまして、総務部のほうで売却の手続を取っております。
その前段といたしまして、県土整備部のほうから道路用地としては使わないということで分筆されまして、残地のところの処分ということで総務部のほうに移管されたものでございます。
総務部のほうでは、そういった使用の用途がないものにつきましては利活用を図りたいということで売却をするだとか、そういったことを進めてきておりますので、その中で売却の手続を進めたということであります。
売却につきましては、不動産鑑定評価を行いまして、その不動産鑑定評価の結果に基づきまして適正な価格で売却をしております。
知事、県土整備部長が申しましたように、そのときそのとき必要な手続を取って、適正な価格で適正な手続をしてきたものというふうに認識しております。
◯議長(
藤縄喜和君)6番山川議員
◯6番(山川智帆君)通常の手続ですので何ら問題がないというふうに言われたのですけれども、この今の事実確認をしてください。私は何ら主観で述べているわけではないのです。県がやった契約書、県がやった鑑定、そして公図、現場の測量図から基づいて聞いているのです。きちんと答えてください。今の答えははぐらかしですよ。
客観的な事実、契約書、登記、公図、測量、現場を測量してみると分かってくることもあるのです。平成20年、淀江で始まる計画が公表されました。計画地において、平成18年、誰が土地を買い上げていましたか。環境プラントが買い上げていましたよね。客観的な事実から見えてくることもあるのです。これを通常の手続です、情報はどうなのですか。これは通常な行為なのですか。事業提携された方が買い上げる。そして、県が道路として計画した土地を、坪2万円、坪3万円で県が買い上げたものを坪5,000円で売る。この差額は何ですか。これが通常の手続ですか。
客観的な事実からお答えいただきたいです。そして、事実確認をしてもらった上で、その上でどうなのか。この道路事業がそもそもこの産廃の事業に関連性があるのか、これは分かりません。ただ、事実関係から、登記、公図、測量図、現場の測量図から、それが何かきちんと事実確認していただきたいと思います。
議場でのやり取りもありましたが、やはりここの計画地から古墳が出てきた。地下水の調査会次第によっては現状保存ができる、できない可能性もある、どうなのか分からない。そして、現場においては計画地の下流に水源がある、これは事実なのです。ですから、やはり主観的に感情論ではなくて、客観的な事実から分かってくること、それにきちんとお答えいただきたいと思います。
ある方から言われました。雪が降ってきて寒くなってきた、雪が降らないでほしい。でも、大山に雪が降るからこそ大地に水が潤い、農地には収穫物ができる。人間の欲望では言ったらいけないよ。人間の欲望がごみを作り出すのです。ごみを作る場所は必要なのです。ただ、その場所をどういうふうに選ぶのか、それが大事なのです。客観的な事実から事実確認をしていただき、きちんとお答えをいただきたいと思います。その答えを持って3月、まだまだたくさん客観的な事実が判明してまいりました、それを追及質問したいと思いますので、事実確認をよろしくお願いします。
◯議長(
藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて山川議員からお尋ねがございました。
議員のほうから事実をもう一度確認するようにということでありますので、それについてはまた事実も確認をし、もしその事実について何らかいろいろと御議論があるというような可能性があるのであれば、私は全議員にその結果をお知らせさせていただきたいと思います。
その上で、あとは若干今の状況について御説明を申し上げ、総務部長と県土整備部長のほうから、ちょっと状況について補足があれば話をしていただければと思います。
何かとちょっと結びつけようとされているのかもしれませんが、この道路計画は平成7年に設定をされまして、10年、11年、12年と買収をしたものでございます。当時産廃云々ということは全くございませんで、時点が完全に異なります。
先ほど18年に買われたとおっしゃいましたかね。18年というのは私が就任する前のときでありまして、そのときに環境プラントのほうがお買いになったということなのだろうと思いますが、それもそういう意味で産廃の計画が持ち上がる前でありますし、さらに環境プラントと私どもの環境管理事業
センターが共同してそうした産業廃棄物の処分場の計画を始めたというのはその大分後のことになります。ですから、時点が全然異なっていますので、そこで何らかの関連性があるということはないと、これは申し上げられると思います。
いずれにいたしましても、もう一度事実を確認してということでありますから、全議員の皆様にもその事実を共有していただければと思います。
◯議長(
藤縄喜和君)亀井総務部長
◯総務部長(亀井一賀君)補足の答弁をさせていただきます。
私のほうで所管しております売却のほうに関しましては、先ほど山川議員のほうもお話しになったとおり、先ほど私のほうが補足の答弁をしたとおりでございますので、不動産鑑定の評価、そういったことに基づきまして売却手続を取ったということでございます。
山川議員のほうからも資料の要求等ございまして、私どものほうで保管しているもの、出せるものというのはこれまでも出してまいりましたし、改めて確認など、そういったこともさせていただきたいと思います。
◯議長(
藤縄喜和君)草野県土整備部長
◯県土整備部長(草野愼一君)用地の買収についての補足の答弁をさせていただきます。
道路で全筆買収とかをしまして、残地が残ってしまった場合のその後の取扱いなのですけれども、残地がどうしても形がいびつであったりとか面積がちょっと小さかったりとかしてしまうので、一般的な市場で県が売りに出したときには、道路のすぐそばということもあるかもしれませんが、なかなかあまり広い意味ではニーズというか、買手が見つかりにくいと。それで、大体こういう残地を処分するときには、近くにすぐ隣接する土地を持っている方にまずちょっと買う気はありませんかと、近くの方だとちょっとした狭い土地でもくっつければそこそこ利用価値が出る可能性があるので、そういう売り方というか、近くの方にまず買う気はありませんかという確認をして売るというようなことをよくやっておりまして、ここの残地につきましても、今回、総務部さんのほうで売っていただいたわけですけれども、たまたま環境プラントさんが近くに土地を持っておられたので買われることになったということがあったのではないかなというふうに思います。
◯議長(
藤縄喜和君)暫時休憩いたします。
午後の本会議は、1時10分より再開いたします。
午後0時10分休憩
────────────────
午後1時10分再開
◯副議長(福田俊史君)再開いたします。
引き続き、
一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
7番由田隆議員
◯7番(由田隆君)(登壇、拍手)無所属の由田でございます。11月議会の
一般質問を行います。
今回の質問は、中山間地の課題、そして議案第20号、鳥取県被災者住宅再建等支援条例の一部を改正する条例について質問をいたします。
まず初めに、中山間地域集落の問題とその解決に向けた取組について伺います。
鳥取県の人口は、1988年、昭和63年の61万6,371人を最高の記録に残した後に、減少局面を迎えています。当時はまだ進学、就職のための社会減が主なもので、若年層の転出こそ多くなっていましたが、壮年層はまだ各集落に残っており、集落維持の対策が社会問題にはなっていませんでした。しかし、1990年代になると鳥取県の人口が自然減に突入し、さらに壮年層の高齢化による減少が顕著となり、特に中山間地域にはその傾向が著しく、集落の持続可能性の議論が高まり、今に至っています。
本県の中山間地域の現状は、森林の荒廃、耕作放棄地の増加、過疎化と高齢化の進展の中、集落の維持存続が危ぶまれる地域もあると認識をしています。これらを踏まえ、県は中山間地域振興条例に基づく中山間地域振興行動指針を本年6月に定め、住民が住み慣れた中山間地域に安心して暮らし、地域の貴重な資源と公益的な機能を次世代に引き継ぐため、多様な主体が地域住民と協働し、地域の振興に取り組むこととしています。
そして、条例に掲げる重点施策の具体的な進め方や取組の方向性を定めるため、鳥取県統計調査条例施行規則により山間集落の実態調査をしています。この実態調査は、県内16の市町から111集落を選定して、人口、世帯数、高齢化率、定住の意向、日常生活と暮らしの安心、財産管理、集落の運営状況等、7つの項目について調査を行っています。この調査は、平成7年を100として5年ごとに調査を行っています。そこで、この調査について、以下の何点か質問をいたします。
初めに、人口、世帯数、高齢化率の推移について伺うとともに、調査結果の分析について、特徴的な傾向とその対策について伺います。
次に、中山間地域振興行動指針について伺います。
この行動指針は、住み慣れた中山間地域に安心して暮らし続け、豊かな自然や歴史、文化等地域資源を生かしながら将来にわたって発展していくためには、防災・減災対策、医療・福祉の確保、環境・文化の保全、農林水産業や商工業の振興、道路等社会基盤の整備、教育・保育の確保等、県のあらゆる部局や施策が関連することになっています。改めて、この中山間地域振興行動指針の策定の目的と、そしてその役割について伺います。
次に、荒廃農地対策について伺います。
県内の荒廃農地の現状と荒廃農地が拡大する原因についての分析、併せて現状の荒廃農地対策をお伺いいたします。
次に、荒廃農地の林地化事業について伺います。
山間地の集落を中心に農家の高齢化、過疎化、後継者不足により、耕作放棄された農地が増えています。荒廃農地の管理方法の一つとして、植林による林地化として、山林として管理をしていくという選択肢があると伺っています。平成30年5月、三朝町大谷地区では、荒廃農地の林地化プロジェクトによって、復旧困難な荒廃農地をコナラやクヌギを植林し、原木シイタケのほだ木の供給元として期待されると新聞報道で知ることになりました。
この事業は、鳥取県、三朝町、農業委員会、中部森林組合によるプロジェクトチームで実施をいたしましたが、残念ながらあまり芳しくない結果と伺っていますが、その原因について知事にお伺いをいたします。
そして、質問の最後に、議案第20号、鳥取県被災者住宅再建等支援条例の一部改正案について質問をいたします。
この一部改正の理由とその効果について伺って、壇上からの質問といたします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)由田議員の
一般質問にお答えを申し上げます。
まず、中山間地集落の課題につきまして、何点かお尋ねをいただきました。まず、山間集落実態調査、この実態調査から見えてきたもの、その分析、受け止めはいかがかという点、さらに中山間地域振興行動指針、この役割やその果たしてきている状況につきましてお尋ねがございました。
議員が御指摘されましたように、本県では中山間地域振興条例をつくりました。この議場でも大分議論がありまして、それまで正直、中山間地の問題は市町村の問題というふうに言われていたのですが、議会と議論をさせていただき、私に代替わりしたこともあったのだと思いますが、新しい問題意識を持ってやろうと。そういう意味で、そうした条例がつくられて、行動指針もそれに基づきつくられてきたわけであります。
中山間地のいろんな問題があるのだと思うのですが、やはり一番大きいのは、議員が冒頭に御指摘されましたように、人口の減少を抱えているということであります。鳥取県全体がその問題に多く悩んでいますし、特に中国地方は中山間地域が地形の問題もあって大変に多い地域であります。それで勢い、関東とか関西のほうに人が流れていってしまう歴史が続いてきたわけであります。
かねて議員がおっしゃった61万人とか非常に多かった鳥取県の人口の時代がありましたけれども、その頃にやはり過疎化という問題が起こってくるわけであります。これは働き口を探して若い方が都会のほうへ出ていってしまう。それで起きる社会減の問題でありました。ただ、当時三ちゃん農業と言われましたが、家を守る人たちもおり、家族も結構地元にいたりしておりますし、絆はまだ深かったのだと思うのです。しかし、だんだんと核家族化が進んでいったり、それから都市部のほうに高学歴化もありまして学校に入る、大学に行く頃から、あるいは専門学校の頃からいなくなってしまうと。その人たちが帰ってくればいいのですが、必ずしもそういう選択を取られないということになります。ここに追い打ちをかけるように現れましたのは少子化という問題でありまして、少子、子供さんをもうける数がかつての多産の時代から変わってきて、大体平均で2人前後という、こんなようなことになってきた。それはそれで家族間の問題ですから致し方ないのかもしれませんが、ただ、そういうようなことで子供の数が減っていくものですから、当然ながら生命の連鎖は縮小傾向になる。少子化という問題が起きてくる片方で医療が進みまして、高齢者がまだ健康で長生きをされる時代、長寿社会に入ってくる。それで高齢化が進んでくる。こんなようなことが追い打ちになりまして、だんだんと高齢者人口が増えてきて若者人口が減ってくるものでありますから、総体的に人口減、死亡数と出生数のあい差が、死亡減のほうが大きくなってくる。これは自然減が起こるわけですね。
この2つが同時に起こり始めたのが、議員がおっしゃる1990年代で、大体平成2年ぐらいがターニングポイントだと思います。ちょうどバブルがはじけるかというような時代のときですね。あの頃に、鳥取県に限らず、かなりの地方におきまして社会減と自然減が同時に進行するようになる、統計上はそういう局面に入ります。ですから、これが地域の中ではさらに疎密になるわけでありまして、中山間地域ではそのしわ寄せが一層寄ることになる。こういうようなことで、どうやってやったらいいのか、なかなか特効薬が社会全体の問題でない中、時を重ねていきまして、大体10年ほど中山間地域振興条例をつくり、鳥取県なりのアプローチをしようということになったわけであります。
そこで、行政はもちろんですけれども、いろんな農業関係だとか市町村と県、さらには様々なまちづくりの関係者等々、いろんな方々が知恵を出し合い、力を寄せ合ってやっていこうというのが私どもの中山間地の振興条例ということであります。それのよすがとなりますのは統計調査がありますが、議員がおっしゃった山間集落実態調査というのもその一手法として使っておりますし、あと、中山間地の国の全国調査がありまして、これも活用できるだろうと思います。こういうような指標を一つの手がかりにしながら、今までやってきたということです。
山間集落の調査のほうにつきましては、詳細は太田中山間・地域交通局長のほうから申し上げたいと思いますが、人口がやはり減少傾向に歯止めがかかっていない。それから、独居世帯がやはり増えてきている。高齢化も今45.5%まで直近のデータで上がってきているということであります。ただ、この調査でいろいろとああということも出てくるわけでありまして、実は定住意思を問うているのですね。定住意思は、逆に調査を追って強くなってきていると。恐らく定住意思の強いお年寄りなど、この村で一生暮らすのだという方の比率がだんだん高まっていますので、実はこんなところは嫌だというよりは、ここに住み続けたいという、そういう表れなのですね。このことは一つ重要なポイントになると思います。
あと、いろいろと災害も多くなってきましたけれども、災害時に孤立するのではないかという不安については今65%ぐらいまで上がってきています。じわじわと上がってきまして、これも顕著な特徴になっているのではないかなというふうに思います。こういうものにアプローチをしながら私たちとしては対応していく必要がありまして、例えば災害の問題ということでありましたら、公の自治公民館などは倉吉の中でもそれは自主防災組織をしっかりと集落ごとに組織をされまして、それで中部地震のときなども放送を通じてそういう避難の案内、こういうものが割とシステマチックにできると。全集落を巻き込んでやるようなこと、こういうのが一つの解決策になるわけですね。
また、買物の不便も増えています。特に免許の返納の比率が、やはりこうした集落でも高まってきている。ですから、交通の足の問題が重要でございまして、そういう意味での工夫などもある意味必要なのではないかということになるわけですね。
そんな意味で、最近であると琴浦町の安田などはそうでありますけれども、あそこは運輸事業者が言わば司令塔になりまして、住民の皆さんがドライバーになって、そういう地域交通を担っていくというふうに今転換をしようとされたりしています。こんなようなことをいろいろと地域の交通や足の面、買物のこと、また農業など産業のこと、そういうのを多角的にいろいろと総合的にアプローチをして、住み続けることができる、そういう中山間地域をつくろうと、これが議員が御指摘いただきました中山間地域の振興の行動指針になっています。
最近では、地方創生の戦略が改まりましたことに合わせまして、指標などをそちらに置き換えたりというようなことをやったりして随時見直しをしていますし、中山間地域の対策は実はそれぞれのゾーンごとに関係者で話し合いながら進めるというシステムを取っているところでございます。
次に、荒廃農地につきまして何点かお尋ねがございました。荒廃農地の現状とそれが拡大する原因はどういうところにあるのかと、こういうことであります。
また、三朝町の荒廃農地の林地化プロジェクトにつきましては、何か結果がよくないのではないかという報道があったけれども実情はどうなのかと、こういうお尋ねでございます。
荒廃農地については、平成20年頃から全国的に課題になったこともあり、鳥取県も力を入れまして、例えば荒廃農地をどうやって転換をしていくのか、また農業として再生をしていくのか、そういう意味では人と人とのマッチングをやっていったり農地のマッチングをしたりと、こういうのをやろうと。調査を毎年のように続けてきておりますが、直近データでは今3,400ヘクタールぐらいいわゆる荒廃農地があるというデータであります。そのうちの900ヘクタール余りが再生利用可能な農地というふうに分類をされていまして、それに対して2,500ヘクタールぐらいがなかなかそうはいっても再生利用が困難ではないかと、こういうように分類をされています。これは以前から赤とか黄色とか緑とか色分けをしまして、その色分けに応じた対策をやるということで市町村を巻き込んでさせていただいているものでありまして、そんなような状況でございます。
それの理由というのは、やはり後継者不足ということもありますし、また農業で実際に耕そうと思っても、今2,500ヘクタール再生利用が困難な土地ということを申し上げましたが、特に中山間地などはもともと不整形な田んぼであったり、そこに入っていくのはなかなか大変だったり、そこをちょっとほったらかしておきますと山に戻ってしまう。そうやってちょっと手の施しようがなくなってくると、こういうようなことにもなってくるわけですね。そうやって再生利用もなかなか難しい、そういう農地も生まれてきているというような悪いサイクルが回っているという面もあるのではないかと思います。
こういうようなことから、議員が御指摘ございましたが、三朝町の大谷という集落のところで非農地化しまして、町のほうで認定をし、平成30年から植林をして、それでシイタケのほだ木を栽培すると、そういうプロジェクトを始められたところでございます。コナラやクヌギを植えるわけでありますが、私自身も当時、森下組合長だったと思いますけれども、一緒に参りまして地域の皆さんと一緒に植樹をさせていただいたわけでありますが、きれいに広がったちょっと谷のようなところで一つの平地にして、多分あそこをちゃんときれいにされたのでありましょう。そこに植林をしていくわけであります。
当時は中部はあまり鹿が出ていなかったのですね。でも、今は割と中部に鹿が広がっているということでありまして、実は鹿の食害ということに遭遇してしまったと。それでなかなか難しいところに持ってきて、その手入れは森林組合がされるわけでありますが、その手入れの問題があるのではないかと、こういうことでカヤが張ったような形になりまして、なかなか手の施しようがないのではないかと、こういうことで先般報道もありました。
現実はどうかといいますと、これはその集落と、それから森林整備とで分収林契約をしていまして、ですから、今年は草ぼうぼうになっていて、それで収益が上がらないかどうかということよりも、10年、20年先のときに結果がどうなっているかということであります。いろいろと手を尽くされたわけでありますけれども、全面的に鹿の食害ということになったので、侵入防止柵をやるとかして防御策を今進めておられまして、実はカヤがかぶさった形になっていますが、その下ではちゃんと葉がついて、現実にも今紅葉の季節になったりして、木があることは間違いないです。
ですから、そういう意味で地元の人たちは実は諦めていませんで、まだこのプロジェクトは続いているというふうに考えていただいたほうがいいのだと思うのです。ただ、新聞に載ったような写真に撮りますとぼうぼうのところで、これはもう駄目ではないかと思われるのでしょうけれども、どっこい木は生きていますから、いずれはそうしたコナラやクヌギとしてほだ木になる可能性があります。
ですから、まだオンゴーイングが続いているということでありますが、ただ、いろんなこうした問題があって、やはり手入れをしていかなければいけないということであります。もともと田んぼになっていたもので、毎年ちょっと踏み固めるような形がありまして、硬い層があるのですね。これを粉砕していかなければいけないと。こういうようなことをやったり、それから鹿の対策をやったり、そうしたことがやはり必要でありまして、これらを施しながら、今ちょっと荒れた形になっていますけれども、継続して事業をやろうというふうに地元では考えておられるところであります。
次に、被災者住宅再建等支援条例の改正につきましてお尋ねがございました。これにつきましては、中部地震では1万5,000棟ぐらい被災をされましたが、そのうちの100%近いところでこの制度を活用されまして、県の補助制度とこの基金制度とを入れてされて、98%御利用いただいたところであり、現実には相当程度復興に役立っているところであります。
それを市町村とその後相談をしまして、一部損壊も含めて全部対象にしようということを盛り込んだのですが、このたび鳥取県など地方の要請に国が腰を上げまして、一部損壊の中の中規模な損壊のところ、ここまで対象にしようというように国制度が変わりました。ですから、それと組み合わせて執行できるように、このたび条例を改正させていただこうというものであります。
ですから、中身として国が使える部分は国のほうを使いながらということでありまして、中身的には後退するものでは全くなくて、中山間地における住み続けたいというインセンティブを起こすような、そういう条例として再整備をさせていただこうというものでございます。
こういうような議論の過程でもいろいろと御議論がございましたが、では今後どの程度の基金規模まで積み増していくのかなどは条例制定した後また市町村と話し合っていく、そういう若干の課題は残っておりますが、国がようやく我々に追いついてき始めています。ただ、それでも小規模な損壊などに対するものだとか、それから損害の補填額において差がありますので、やはり鳥取県としては市町村と協力をしながら、そういう支援のレベルというのは保っていこうと、こういう考え方でございます。
◯副議長(福田俊史君)太田中山間・地域交通局長
◯中山間・地域交通局長(太田裕司君)山間集落実態調査の結果について補足の御答弁をさせていただきます。
この山間集落実態調査でございますけれども、山間、谷部、奥地に位置します集落の中から111集落を選定いたしまして、定点観測的に5年に一度程度調査を行っているものでございます。集落人口、集落世帯数、高齢化率等に関する調査につきましては平成7年度から実施しておりますので、その状況について御説明申し上げます。
集落人口、集落世帯数につきましては減少傾向にございまして、集落人口につきましては平成7年、1万1,006人であったものが、平成28年の調査では6,766人、また集落世帯数につきましては、平成7年、2,912世帯であったものが、平成28年には2,485世帯と減少傾向になっているところでございます。一方、高齢化率でございますけれども、平成7年には28.1%でございましたが、平成28年度には45.5%というようなことになっております。また、独居世帯の割合につきましては平成18年から調査しておりますが、平成18年、15.3%であったものが平成28年には24.3%と、こちらも世帯率がアップしているというところでございます。
そのほかの調査項目につきまして、幾つか特徴的なものを申し上げますと、今後もその地に住み続けたいかというような意向を確認するような問いもございますが、そういったところでは調査ごとに割合は増加してきておりまして、平成28年度の調査では87%となっております。また、運転免許保有者が65歳以上だけの世帯の割合というものも調査しておりますが、こういったものも徐々に高まっておりまして、平成28年では41%。こういったところから、住民の移動手段の確保が課題となってきているということも分かるというところでございます。また、災害時に孤立をする心配を感じたことがある割合というのも平成28年度の調査では65%にまで上がってきております。こういったところが特徴的に見えてきているというところでございます。
◯副議長(福田俊史君)7番由田議員
◯7番(由田隆君)それぞれ答弁をいただきました。
まず最初に、中山間地集落実態調査について今御答弁をいただきました。私が本当に聞きたかったのは、この調査をずっと平成7年から平成28年、約21年間で人口、集落世帯数や高齢化率が変わってきて、そこから何が読み取れて、政策にどう生かしてきたかということを聞きたかったのです。今は状況だけの説明をいただきました。それでは何にもならないわけですよ。これを先ほど言った行動指針の中にどう生かしていくのかということがお聞きしたかった。
それと、確かに山間地、いわゆるどん詰まり、その集落の奥には山しかない、集落がないところの16市町111集落を抽出して調査をやっておられるわけですね。それで、例えばですけれども21年前の平成7年、この世帯数であるとか高齢化率、当時は28.1%だったのが今45.5%。これはどん詰まりの山間集落ですよね。これから問題になるのが、中山間地なのです。山間地のデータもいいけれども、これから10年、15年、21年後にはどうなるか、やはり中山間地の地域住民や、あるいはその基礎自治体と共有しなければならないと思うのです。県がデータを取っても、市町村や地域住民とそこで何ができるかの議論を始めなければならないのが私は行動指針だと思うのです。私はそういう部分が不足をしているなというようなことをこのデータから読み取りました。
そして、私はこの実態調査で少し不安、あるいは疑問に思ったのが、いわゆるこれは自然減、あるいは社会減を言っていますけれども、その社会減の中に就職とか進学だけではないと思うのです。訳あって域内から外の地域に住宅を求めたり、あるいは転居をしていく。私はそういう人たちの動向調査も必要だと思うのです。なぜそこから出ていって新しいところに土地を求め、家を建てていくのか、そういうことを調べることによって、そこの基礎自治体が、山間地や中山間地の人たちが何を不足に思い、出ていくのかという分析ができ、それに対応ができる。その役割をこの実態調査でお願いしたいというふうに思っています。
それで、ちょうど令和3年が5年目を迎えますよね。やはり実態調査の在り方も私は検討していただきたい。今の実情に合った、あるいは中山間地もそれに入れ込んでデータを今から取っていく、そういうことも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
そして、行動指針についても1点お伺いをいたしたいというふうに思います。この行動指針は、3つの目標を持って行動指針が定められています。私が一番気になるのが、3番目の人口減少をテーマとした、それに歯止めをかける目標です。今言ったなぜ山間地から人が出ていくのか、やはり行動指針にもっと明確に明記をし、目標を定めることが必要だというふうに私は思いますが、そういうところの議論はあったのか、あるいは今後していく予定があるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
そして、林地化の問題を再度質問いたしたいというふうに思います。
いわゆる林地化、林地化の原因は、知事も言われたように、やはり担い手不足やそこに住まいする住民の高齢化、過疎化が原因であるというふうに言われています。先ほどの実態調査で、山間地にずっと住んでいきたい人が80数%。その理由を聞けば、墓があるとか山や田んぼや畑があるからどうしようもない、出ていくわけにはいかないとする理由をもって、多くの人がその地に残って生活をしている状況なのです。もっと言えば、これは今、中山間地で農業をやっている皆さんも、実は5反あればそのうち1反、2反、いわゆる飯米を作っている。残りは耕作放棄になっている現実が私の地域では多くあります。多分県内でも同様だというふうに思います。以前は財産として珍重されていた山や畑や田んぼが、批判を恐れずに言えば、今は本当にお荷物になっておる現状があります。そこをやはりしっかり住んでいただき、心配ないように耕作放棄地を林地化に向けて努力をしていくというのが行政の役割であろうというふうに思っています。
この件について、今回、大谷地区が、私はちょっと勉強不足でした。不十分な状態になっているというふうに言いましたが、知事のほうはまだまだ諦めていませんということでした。そして、三朝町は、第2の候補地として、木地山を今、同じ団体、4団体で林地化を進めています。先般、木地山に行って地権者とお会いして、御案内をいただき、話を聞きました。大谷と比べたら少し規模が小さいけれども、この地で成功をすれば、隣地の荒廃農地もそれを林地化、しゃれみたいなことです、隣の田んぼもそれに向けて取り組むというようなことがもう既に地元では議論をされているそうであります。
やはりこれが中山間地、あるいは山間地の本当にそこに住まいする人たちの心を和らげることにもつながるというふうに私は実感として思っていますので、これを県としてどんどん進めていただきたいというふうに思いますが、御答弁をいただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)由田議員から重ねてのお尋ねがございました。
まず、中山間地対策につきましてお尋ねがございました。
山間集落の実態調査と、この行動指針との関係など、詳細にわたるところは局長の太田のほうからまた改めて御説明をさせていただきたいと思いますが、先ほども例えば防災の孤立の不安があると。そういうのを実は読み取って、それで行動指針のほうに入れさせていただいて、そういう災害時の孤立化対策、その防災対策が重要なポイントになると。それは、実は前回の改定のときも中部地震の問題もありましたので、クローズアップして、一つのポイントにさせていただいたりしています。おっしゃるように、そうした様々なデータは読み解きながら、ただ、計画でありますから、いろんな方々のお考えを入れながら、行動指針として取りまとめていくということを丁寧にさせていただいております。これは、一遍つくったら終わりではありませんので、PDCAサイクルを回していきますから、これから折に触れて、そういう調査状況や、あるいは関係者の御意見だとかを入れて、今後柔軟に見直しをしながら実効性のあるものにしてまいりたいというふうに思います。
また、この山間集落実態調査の在り方につきましてお尋ねが重ねてございましたけれども、実はこれは非常にもう悩ましい時期かなと思っています。と申しますのも、この調査は、平成2年からやっていまして、平成7年にある程度集落の状況などの詳しい調査が始まりということでやっているのですが、まさに由田議員がお言葉を述べられましたとおり、これはいわゆるどん詰まり集落対策という、西尾県政時代に一つのテーマでやっていたことであります。ですから、対象集落は111しかないのですね。たくさんの集落がある中で111だけ選ばれていまして、例えば米富とか、野添とか、小泉だとか、大体お分かりになると思います。そういうところだけ選んでいるわけです。
これが、では、中山間地の全体像かというと、そうではないのですよね。むしろ当時の問題意識からしますと、もうこれから本当にどうしていったらいいだろうかと悩ましい悩みを持っていて、一番究極のところについて、県としても指導なり支援をしていこうと。ですから、主役は
農業改良普及員の皆さんなどが主役になりまして、集落対策としてやっていたわけです。ですから、非常に独特な調査手法でありまして、全世帯、アンケートをするのですね。実は今、4年度にやるかもしれないという時期なものですから、市町村ともお話をしているのですが、もうお年寄りばかりになってしまって、これは本当にやると、集落の皆さんの結構負担になると。そろそろやり方もどうだろうかという声も上がっているところであります。ですから、ちょっと悩ましいところで、今のお話のようないろいろな問題意識を実は定点観測で、ある特定の集落について、平成2年以来ずっと追っかけていますから、そういう意味では、一つの大きな行政の基礎資料にはなるのですが、ただ、これは全体像ではなくて、非常に条件的には難しい条件のところだけ絞り出しているものですから、これで中山間地政策を議論するというのはなかなか本当に難しい。
実は、もう一つ調査がありまして、これは過疎地域等における集落の状況に関する現況把握調査というのがあります。これは、国土交通省と総務省が共同でやっている調査でありまして、全国調査です。よく皆さんもお聞きになる限界集落の数だとか、ああいうのが出てくるのがこちらの調査でありまして、これだと850集落、県内では対象にしています。それを市町村がいろいろと調査を進めながら、それを全国で集計していくわけでありまして、実はこれも度々議会で問題になっているのですが、全国集計をされるのですが、都道府県の集計というのはなかなか使わせてもらえないところがあります。ただ、現実は、我々は材料は持っていますので、市町村もそのアンケート調査なりなんなりやっていますし、私どもも集計したもの、県内のものはありますから、ですから、これは行政の基礎資料として多分使いやすいし、広めのものなのですね。
これと山間集落実態調査のそういう深掘りしたものと何らかの形で組合せをしながら、例えば傾向を知るために、ある特定の集落ではそういう全世帯調査みたいなこともさせてもらうとか、そういうことも考えてもいいのかもしれません。こういうのを何か組み合わせながら、新しい中山間地の把握の仕方というのをちょっと新年度、もしかすると山間集落実態調査をやる年なものですから、市町村もいろいろ思いがあるみたいなので、また話し合って、よい方向へ総合化していくことも視野に考えていくのかなと思います。
何で全世帯調査をするかというと、それは、昔は車座談義をやるのですよね。それで、集落の人にみんな出てきてもらって、それでみんなでわいわいがやがや話合いをしながら、いわゆるジゲおこし運動です。あれをやるためのものなので、すごく深掘りをした調査になっているのですね。ですから、それはちょっと市町村とか集落にとっても、かなり重荷になるところもあるので、何らかの工夫が必要なのではないかと思います。
議員がおっしゃったような転出者に対するところは、これもかねてからいろいろと課題もあって、そういう意味で、この調査でできるかというと、恐らく市町村の窓口で他市町村に行かれる方にアンケート調査などをするのが多分一番、悉皆調査になって効果もあるだろうと。これをある程度されるところもないわけではありません。ただ、いろいろと使い道のプライバシーの問題などもあって、やり方や使い方の問題などもありますが、これも、いろんな工夫ができると思うのですね。人口動態として世帯が移り変わる、そのタイミングを捉えて、その理由がある程度把握できるような方法はないだろうかと。私ども、例えば移住者については、移住してくる人にアンケートなどをして、こういう傾向があると。例えば子育てだとか、自然だとか、やはりこういうものを好んで移っているのだなというのは把握することができますので、それもやはりいろんな転居の理由というものの把握の仕方は工夫の余地があるかなと思います。
いずれにいたしましても、今日の御提案を踏まえて、よりダイナミックに中山間地のアプローチができるように考えていきたいというふうに思います。
また、林地化、荒廃農地の問題であります。そういうわけで、ちょっと見た目は悪いですけれども、大谷集落は続いていると思っていただいて結構なのですが、それで、木地山のほうでその第二弾をやろうと。そのときには反省を踏まえて、先月、鹿の囲いをしました。それから、今度は、今月、ここの硬い耕地の層を破砕していくと、こういうことやった上で植樹をしていくと。今回は、山桜とか、そういう景観性のある樹種を選んでいまして、地元のほうでは、そういうほだ木ではなくて、つまり経済林ではなくて、自然林、景観林として、環境林として整備をしていくと、こんなようなことであります。
これは、もともとの大谷のときもそうだったのですが、これがうまくいったら広げていけるのではないかということで関係者が協力し合ってやっていることでありまして、今回の木地山の例もうまくいけば、今後のこういう荒廃農地の転換の一つのモデルとなるのではないかと思いますので、横展開も検討させていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)太田中山間・地域交通局長
◯中山間・地域交通局長(太田裕司君)山間集落実態調査を中山間地域振興行動指針に対してどうやって取り入れてきたかというようなことについて御答弁申し上げたいと思います。
山間集落実態調査をやりました翌年には、大体行動指針の大きな見直しをかけております。平成28年の典型的な例でいいますと、先ほど知事の答弁にもございましたが、中部地震もありましたので、このときの調査結果で、先ほど申し上げました災害時に孤立する心配を感じたことがある割合、こういったものが跳ね上がっておりますので、そういったところを防災というような観点を大きな柱立てとして見直しをさせていただいたということでございます。それ以外にも、先ほど申し上げました人口減でございますとか、あくまでもその地域で住み続けたい、そういった方がたくさんいらっしゃる。あるいは、交通の問題、災害時の孤立の問題、こういったことがございますので、これまでそういった傾向を踏まえまして、この行動指針の中に、例えば小規模高齢化集落等の担い手を置くことに対する支援でございますとか、移動販売と見守りを組み合わせたような施策立てでございますとか、生活維持に必要なサービス、こういったものを広域で提供していく小さな拠点づくりでございますとか、災害時の不安解消のために支え愛マップを核とした地域防災力の強化の事業でございますとか、あと、地域地域、適材適所に交通を提供するような新しい交通体系の事業でありますとか、そういったものを反映させてきたところでございます。
行動指針の見直しに当たりましては、この山間集落実態調査ばかりではなく、そのほかの調査でございますとか、有識者委員、実践者の委員、そういった意見、市町村の意見、そういったものも踏まえながら見直しをしてきているところでございます。そういった見直しをやりまして、中山間地の皆様が住み続けたい、同じ土地で住み続けたい、そういった方に対してきちっとしたサービスを提供できるよう、安心を提供できるよう、県としても取り組んでまいりたいと思っております。
◯副議長(福田俊史君)7番由田議員
◯7番(由田隆君)ありがとうございました。
ちょっとここで紹介したいものがあります。これは鳥取県西部地区の中山間地域での調査の内容であります。これは、転出者の動向調査でありまして、伯耆町のある中山間地域の人たちが何年にもわたってまちを出ていった動向調査をしておられます。実は伯耆町から、その中山間地域から出ていった47%、約半数が自宅から片道1時間程度のところに住まいを持っている。それが県西部、県でいえば西部一帯であったり、島根県の安来、松江まで伯耆町からは1時間程度で行けるそうですね。そこから、移住先から、そのうち8割近くの人が何らかの理由で一月に1回、ふるさとに帰省している。その8割のうちの3割が1週間に1回以上、ふるさとに帰省しているという状況です。地域から離れて、居を求めて、住居を建てても、やはりいろんな理由で、田んぼや畑かも分かりません、墓かも分かりません、仏壇がまだ残っているかも分かりません。いろんな理由でふるさとに帰ってきている。関わりを持っている。私は、何が言いたいかというと、本当にそういう人たちをもっと地元に、あるいは県内に置きとどめることはできなかったのだろうかなというような思いを、このデータを見て感じておりました。
だから、私のさっきから言っている転出者の意向調査、あるいは動向調査というのは、基礎自治体も参考になると思うのですね。時間がかかるかも分からない。転出願のときに、プライバシーのこともおありかも分からないけれども、追跡を調査する。この後の行政施策に生かしていくため、今頑張るという行政の姿勢が私は必要だと思うのです。実態調査に深掘りできるこういうものを入れてほしい。ただいまの説明では、議場で実態調査の質問をするのは私が最後になるのかなと半分思いながら、知事や今の方の説明をお聞きしました。実態調査を絶対しなければならないなどとは思っていません。16市町の111で、平成2年からずっとやってきた。7年からはそこを100としてずっと調査をしてきた。でも、私がさっき言ったとおり、以前の中山間地が今の限界集落に近い、高齢化率が45%もなる状況になっている。以前は28%、今の28%といえば、実際は中山間地全体がそのぐらいになっていると思うのですよ、今は山間地の問題ですけれどもね。だから、中山間地もこの実態調査に入れて、今後追跡の調査をしてほしいというのが私の願いなのです。
でも、今の話をお聞きすれば、もしかすると実態調査もなくなるのかも。でも、いいのです。でも、この視点でずっと転出も含めて動向調査をやって、行動指針に生かしてほしいというのが私の願いです。再度お聞きをしたいというふうに思います。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)由田議員のほうから改めてのお尋ねがございました。
結論から申し上げれば、そうしたような実態をどうやって効率的に把握をして、それを政策に位置づけていくのか、ちょっと関係者で話合いをさせていただければと思います。実は、先ほど申しましたように、中山間地域の振興の指針づくり、あるいは具体的な毎年の事業の実行につきまして、中山間地域等活性化・移住定住促進協議会というのをそれぞれの地域でこしらえさせていただきまして、農業関係だとか、あるいはまちづくり関係だとかを含めて、みんなで議論しながらやっていくようにしています。そういうところで、議員がおっしゃるように、いろいろと有用な社会の傾向というのは多分あるのではないかなというふうに思います。したがいまして、そうした効率的な調査の仕方、それで、そこで議員がおっしゃるような、特に家が動く場合は一つの大きなポイントになるのだろうと思うのですね。そういう場合を捉えて、何かアンケート的に協力していただけるような仕組みであるとか、何かそこらを考えたほうが、多分今の御質問の趣旨に合うのではないかなと思って伺っていました。
いろんな要素はあるのだろうなと思います。先ほどの伯耆町の例で、5割近くはそういうように、1時間以内のところであるというようなことでありますが、恐らく方面的には日立金属さんだとか、いろいろと仕事の関係などもあるのかもしれません。それから、多分家族構成が変わる、今大きな家でお父さん、お母さんが住んでいて、それで自分たちも結婚して、また別の家を造って住んで、それでたまに帰ってきて、孫の顔を見せたりとか、多分そんなようなライフスタイル像が何か見えるような気がします。片方の調査で、確実に核家族化は進んでおりまして、高齢者のみの世帯の割合が増えてきています。恐らくそこらと今の数字は関係するのかなというふうに思います。それは、必ずしも否定すべきことなのかなという気もするのですね。私自身も結婚した当初、父母と同居していましたが、なかなか嫁がいろいろと具合が悪くて、結局家を別れて住み始めたということもありますけれども、いろいろそれぞれの事情というのがやはりあるのだと思いますし、そこにあまり手を突っ込む行政のスタイルでもないのだろうと思うのですね。
ただ、大切なのは、デュアルハビテーション的なことだとか、いろんなところに住まいがあって、ただ、関係人口として地元に残っていただくと。姿はなくとも、例えばお祭りのときだとか、そういうときにやってくるだけでも多分値打ちがあるのだと思うのですね。そういう意味で、新しい定住とか、移住だけでない、第3のそういう関係性というものを絆として大事にしていく。そういう社会像も、その伯耆町のデータの中から見えているような気がいたします。いろいろと読み解いていくには重要な資料になりますので、そういう基礎資料集めも含めて、関係者と議論させていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)7番由田議員
◯7番(由田隆君)知事と議論していると、何か自分の言っていることが間違いであるかのような錯覚を起こしてしまいます。さっき伯耆町の例を出しました。私は、そのデータを見たときに、伯耆町から片道約1時間、安来、松江、県西部で住居を求めている。私は、倉吉に住まいしていますが、私の周りの知り合いも多く、北栄町や湯梨浜町に行っています。倉吉は税金が高いとか、保育料が高いとか、いろんな理由を言って出ていかれました。今、翻って話をしてみれば、そんなに変わらなかったと、やはり出たいが一心だったということで。私は本当に残念だと思うのです。やはり行政も、例えばそういう人がわざわざ、私は高城ですけれども、自宅から近いところに安価で土地が求められるのにその周辺から出ていくときに、いろんな理由があるかも分かりませんけれども、やはりそういうことを行政がしっかりキャッチをして、対策を打てる、安価な住宅供給の政策を立てるとか。
それで、残された時間、あと2分しかありませんが、中山間地の問題ですから、私はこの後、予定していました、被災者住宅再建の条例の一部改正でも言おうと思っていましたけれども、この条例の原資は、市町村が一定額、お金を拠出して、県もその同等のお金を出して基金を募って災害に備えています。鳥取県内すべからく、この中山間地、山間地問題が大きな問題として残っていると思うのですね。そこを解決する、あるいは、私が今言った住宅政策として県全体で基金を募って、例えば中山間地に自分の元屋敷に家を改めて新築する、改築するときに基金を補助してあげる、そういうことができないだろうかなというふうに考えました。この住宅災害の分ではそれをやっていますからね。それが中山間地にできないものかということを最後提案したかったのですが、一度言ってそれが実現するほど甘いものではないのですが、最後に知事からこの感想を伺って、質問を終わりたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)由田議員から重ねてのお尋ねがございました。
今おっしゃった震災対策の住宅復興の支援の制度は、基金を市町村と県とで半分ずつ拠出をしまして運用させていただいているものでございますが、実はここにも中山間地の考え方を一部入れています。平成24年に三朝の当時の吉田町長が運営協議会の委員をされていまして、提案をされまして、やはり中山間地で、震災だとか、水害の後に村を出ていくということになったらいけないと。そういう意味で、中山間地に対する脅威のときもこの基金を発動して、助成制度を適用できるようにすべきではないかという御意見がございました。ですから、原則は、全県で全壊10世帯というのが発動要件なのですけれども、そこにいろんな要件のものがありますが、そのうちの一つが、新たに加えられたのが、それはその集落の中の2分の1以上、それで2世帯以上が損壊した場合には対象、発動しますと。この条例を動かしますというふうに書いてあります。これは実はまさにそういう小さな集落の中でそこが壊滅的な打撃を食らうようなときに、その場合も県全体では大きな災害ではないかもしれませんが、その中山間地対策として、支援できるようにしましょうと、こういうふうになっています。これも当時、中山間地の問題を考えていた三朝町と我々との協議の中で入ってきたものであります。こうしたことなど、いろいろと工夫をしながら、議員がおっしゃるような、住み続けてもらえるような環境づくりが必要だと思います。
例えば、恐らくなりわいもあると思うのですね。今のお話は多分、若い方が出ていかれるということだと思います。そういう方々のこともありますので、中山間地でICTを活用したラボをつくるときは、割増しをして支援をするように県もしておりまして、現に今度も、杉を使ったストロー、プラスチックではないストローを作るという、そういう会社誘致を智頭町のほうでされる、それをこの県のほうの助成制度、2分の1にかさ上げをして支援をしようということをやったりします。これもやはり中山間地で身近に働く場があればいいということです。また、倉吉でいえば、例のモリタ製作所さん、あれも誘致に当たりまして、市のほうがやはり結構な条件闘争になったものですから、それで、県のほうは最高5分の4までの助成制度を中山間地特例として適用したのですね。そういうようなことをやって、それで誰もが行ってみたいような職場というのをやはり中山間地の中にも生まれることも一つの多分解決策なのだろうと思うのです。住宅のことでも、若者住宅を造る市町村もあって、若桜町とか、いろいろと例がございます。そういうものの支援策も私どもも定住促進策としてやってきたこともございますので、いろいろと臨機応変に今どんどん時代が流れていって、多分新型コロナの後、また人々の考え方も変わってくるでしょうし、若い方々の定住意識というのも影響されてくるのではないかと思います。
よくそうした関係者とも協議をさせていただきまして、住み続けたい、そういう我が村になるように応援をさせていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)暫時休憩いたします。
午後2時27分より再開いたします。
午後2時17分休憩
────────────────
午後2時27分再開
◯副議長(福田俊史君)再開いたします。
引き続き、
一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
23番内田隆嗣議員
◯23番(内田隆嗣君)(登壇、拍手)内田隆嗣でございます。
一般質問をさせていただきます。
まず、産業振興未来ビジョンと
コロナ禍及びアフターコロナにおける鳥取県経済について。
現在策定中の産業振興未来ビジョンについて、先日、農林水産商工常任委員会で説明を受けたところであります。改めて
コロナ禍及びアフターコロナを見据えた産業振興未来ビジョンにかける知事の思いをお聞かせください。
続きまして、企業局の在り方についてお伺いいたします。
企業局の
経営状況について、今年度も半期が終了し、その中間レビューを常任委員会において説明していただきました。一方で、今年度の決算の着地見込みは示されていませんでした。企業局の半期決算をどう受け止め、今年度の決算についてどのように捉まえているのか、知事の所見を伺います。
また、毎年3億円という資本金を県費からつぎ込み、財務の強化を図っているのにもかかわらず、一向に改善しない
経営状況について、今後の見通しとどのような改革をすれば改善すると考えていらっしゃるのか、知事の御所見を伺います。
最後に、入札の在り方について。
最近、公共工事の入札について入札不調が多く発生しているように感じます。これは、県の工事は専任の主任技術者の配置の確認を開札日に行っていることが理由の一つと考えます。国交省のガイドライン工事によれば、主任技術者を専任で配置することを契約から30日以内としていること、また、入札不調が県に比べて少ないことを考えると、国交省の発注に倣うべきと考えますが、知事の御所見を伺い、壇上よりの質問といたします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣議員の
一般質問にお答えを申し上げます。
私のほうに3点、お尋ねがございました。そのうち、企業局の決算については、企業局長のほうから、また、契約につきましては、県土整備部長のほうから詳細はお答えを申し上げたいと思います。
まず、産業振興の未来ビジョンにつきまして、お尋ねをいただきました。これは、議員もかねて議場でもおっしゃっておられますが、様々な産業を興して、雇用というものをこの鳥取県でつくり上げていかなければなりません。実は今のビジョンは、平成22年に策定されたものが基になっていまして、それから10年たつということでありまして、最終年度を迎えてきているところです。ですから、この機会に経済界の方や有識者の方を交えて、改めてビジョンをつくり直そうということであります。
平成22年の当時は何だったかといいますと、リーマンショックがございましたり、それから、当時は、どんどんと海外へ拠点が流れていく。また、構造改革という美しいネーミングは付されていましたが、各企業でリストラ的なことがやはり行われたと思います。その中で、地方の拠点である鳥取のようなところは、非常に苦しい時代を迎えていた。そういう中で、様々な事業の執行状況の絡み合う中で、鳥取三洋という、鳥取県は三洋城下町の体裁を取っていましたが、その鳥取三洋が事実上撤退をすると、今から言えばですね。そういう厳しい状況がありまして、それで落ち込んだものをどうやってもう一度再生させていくのかというのが当時の大変なテーマでありました。
そういう意味で、当時、一つ大きな目標にしていましたのはGDPをもう一度700億円増やそうという目標を持っておりましたが、今、現時点、一番直近ですと1,200億円ぐらいGDPが戻ってきています。これはGDPが戻れば、生産性だとか、県民所得も同時に回復してくるというものでございますが、そういう状況に至っているものの、ここで新型コロナの
コロナ禍に陥ってしまったと。この1,200億円いったところがまた元に戻ってしまうかもしれない。最終的に数字が出てくるのはまだ先の話にはなるのですが、非常に今不透明感が出ているという状況であります。
そういう意味で、このタイミングでビジョンをつくるということは、やはり経済を再生させる、もう一度雇用をしっかり確保していくと、こういうのが一つの柱になろうかと思いますし、それから、持続的な発展というものを産業は遂げていかなければなりません。そういう意味で、新しい産業テーマ、こういうものを我々としても導きながら、次の時代、次の時代へと、そうやって世代を超えて引き継がれていく、発展していくような、そういう雇用の受皿、生活の糧というのをこの鳥取県の中で育てていく必要があるだろうと思います。そして、こういうものを実現していくためには、人材という基盤であるとか、それから、今海外からの国内回帰の動きや新型コロナ後、恐らく出てくると思われます企業の分散の動き、こういう産業構造のダイナミズムの中で、もう一度基盤づくりを再構築していくと、こういうようなことが恐らく大きなテーマになるのではないかなと思います。こういうような大きなグランドデザインを今年度中にビジョンとして、県議会にも協議をさせていただきながら、まとめていこうというふうに考えているところであります。
新しい産業創造、例えば新型コロナで明らかになってきたデジタルトランスフォーメーション、こういう非接触型、それからICTを活用したものというのは、一つの大きな山としてあるだろうと思います。これはなかなか全国でも競争があると思いますが、ただ、鳥取という東京から離れているところだから不利だということにならない、それが今回、証明をされたと思うのですね。現実にも米子に、今度、インフォメーション・ディベロプメントさんが本社機能を構えるというように決められたのも、そういうIT企業ならではの選択だったのだろうと思うのです。
そういう意味で、私どもとしても、様々なチャンスはあるのではないか、新しい産業に導いていけるのではないか、健康だとか医療が今急速に見直されていて、シャープ米子さんもケイケイさんと一緒になりまして、今まで考えられないことですけれども、医療健康素材としてのフェースシールドなどをヒット商品として出したりしています。こういうような健康医療系であるとか、また、多分、環境技術が自動車など、基幹産業も巻き込んで動いていくはずであります。こうしたところなども新しい産業テーマとして、これからクローズアップされてくるのではないか、その中で、鳥取県が今磨いてきた中小企業のそれぞれの技術が生かされる場面も当然あるのではないか、こういうように考えております。そうしたことなどを私どものほうでも拾い上げていけるような、そういうビジョンを考えたいという趣旨であります。
企業局の企業会計の決算でございます。詳細は、局長の松岡のほうから申し上げることになりますけれども、これはやはり企業会計である以上、経営を健全化させるというのは大命題であります。それに向けて、今、年々努力を重ねてきているところであります。特に、多分、今回はちょっときれいには出ませんけれども、今後、そこは割と出てくるかなと思われますのは、この議場でも繰り返し議論をされた私どもの発電事業、電気事業につきましては、そうしたコンセッションが導入をされることなどによりまして、大きくこの電気事業会計などは構造的に変わってくる面が期待できるのではないか。今現実には足元での決算は向上してきていると、黒字体質ということになってきています。
また、それから、工業用水につきましては、今も3億円というお話がございましたが、基本的にはやはりダムのアロケーションを抱えるとか、そういう構造的問題もありまして、なかなか一気に改善することは難しいところの中で、顧客を開拓しようと。これについては、米子のバイオマス発電、和田浜の工業団地のところとか、境港の昭和町の先のところですね、あちらのほうにやはりバイオマスの発電所がエネルギープラントとして誕生するとか、こういうことのみならず、今まで工業用水を使っていなかったけれども、この際、工業用水を考えてみようかというところも今掘り出しつつあります。こういうところを地道にやっていったり、経費のほうの節減を、例えば長寿命化などで果たしていったり、この辺がこれからのキーになってくると思います。若干その効果が現れ始めてはいますけれども、そうした状況をつくり出していかなければいけない。まだ水面上には浮かんできていないという段階であります。
あと、企業団地の工業用地の分譲等のほうにつきましては、大分売り切ってきている状況がありまして、例えば崎津も全てソーラーパークにしてしまいましたから、年々収入が入るだけのものになりました。こういうようなことや、あるいは具体的な企業進出を働きかけて、実際に団地の分譲につながっているという最近の例も出てきていると。これで、少しずつ改善をしてきていると。ただ、過去の投資がかなりかさんでいます。これらをいずれは整理をしていく必要があるのでありましょうが、先ほど申し上げましたように、ソーラーパークのように年々入ってくる、そういう地代等は、要は現金収入が入ってくるだけのものになったり、そういうことや、また、未分譲地を販売していくということによって、水面上に浮かんでくるところがもう数年先には見え始めてきているというところまで来ているのではないかと思います。
詳細につきましては、局長のほうからお話を申し上げたいと思います。
また、入札の在り方についてでありますが、これは私ども、いろいろと業界の方々、皆さんの御意見をしっかりと聞いて、これまで年々見直しをしてまいりました。例えば最低制限価格もドラスチックに引き上げてきていたり、それから、入札の諸条件の開示の在り方につきましても、行きつ戻りつはしておりますが、その業界や事業団体等の声を聞き、全国の趨勢を見ながら改善をしてきているところであります。そのほかの細かいいろんな条件、今日御指摘いただいたような条件もありますが、これについても適宜、建設業協会をはじめ、そうしたところの御意見をよく踏まえながら、私どもとしても手入れをしていくことなのだろうというふうに考えております。
◯副議長(福田俊史君)松岡企業局長
◯企業局長(松岡隆広君)企業局の上半期決算及び今年度の決算見込みについて補足の答弁をさせていただきます。
まず、電気事業についてでございますが、上半期につきましては、リニューアルを終えました舂米発電所の試運転を開始いたしましたこと等によりまして、販売電力量が大幅に増加をいたしまして、営業収益は、前年同期比で1億2,400万円の増となっております。これに加えまして、人件費や減価償却費の減がございまして、営業費用が1,400万円ほど減少いたしましたことから、黒字幅が1億3,600万円ほど拡大をいたしまして、純利益は3億7,400万円となりましたので、上半期はおおむね順調であったものという具合に考えております。下半期につきましては、舂米発電所の売電収益が、コンセッション運営権者に移行することよりまして、営業収益の減少が見込まれますが、コンセッション運営権対価の収益化ですとか、舂米発電所の運営維持業務の受託収入によりまして、期末決算では昨年度を2億円上回る約5億円強の純利益が確保できるものと見込んでおるところでございます。
工業用水道事業の上半期決算につきましては、利用を休止されておりましたユーザー様の供給が開始、再開がございましたものの、既存ユーザーの契約水量の減少ですとか、利用水量の減少に伴う超過料金の減少によりまして、前年度同期比で約800万円の営業収益が減りました。ところが、営業費用が減価償却費の減少等によりまして2,300万円の減、営業外費用も600万円の減ということになりまして、赤字幅が900万円ほど縮小いたしましたので、純損益は1,900万円でありました。上半期も経営的には厳しい状況であったものと考えております。下半期におきましては、上半期には計上をいたしておりませんダム負担金などの費用を計上いたしますことから、期末決算では純損益が1億7,000万円程度となるものの、前年度と比べると減価償却費や支払い利息が減少することから、赤字幅は昨年度よりも縮小するものと見込んでおるところでございます。
埋立事業会計につきましては、上半期決算は、2件の土地売却等によりまして、前年度同期比で営業収益が8,200万円の増、一方、土地売却に伴う土地売却原価も計上いたしますことから、営業費用は6,900万円の増となりました。これによりまして、前年度同期比で黒字幅は1,200万円の拡大となりまして、純利益が9,400万円となったことから、上半期はおおむね順調であったものと考えております。下半期におきましては、1件の土地売却がございますものの、土地売却原価の増や長期貸付けしていた土地の分譲によります貸付収入の減もございまして、期末決算では昨年度をやや上回る8,500万円程度の純利益が確保できるものと見込んでおります。
次に、工業用水道事業の今後の経営見通しと改善につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
先ほど知事からも答弁がございましたが、工業用水道の経営改善につきましては、まず、事業の開拓に取り組んでまいります。現在も積極的に企業を訪問し、営業に努めておるところでございまして、このたび鳥取地区におきましては、株式会社アサヒメッキ様が増量をするということで申込みをいただいたところでございます。また、このほかにも交渉中の案件がございます。日野川工業用水道につきましては、2つのバイオマス発電所のほかにも、令和4年度に使用開始をする比較的大口の新規案件がございます。令和3年度にはバイオマス発電所に向けた支管が完成をいたしまして、和田浜工業団地にも供給開始することから、同団地に立地いたします事業所への営業を強化してまいります。
経営改善の2つ目は、日野川工業用水道の管路の長寿命化でございます。平成28年度に実施いたしました配水管の非破壊検査では、すぐに配水管を交換する必要はないとされておりましたので、内面止水バンドを設置することによりまして長寿命化を図り、設備投資を抑制し、長期に使用することで資金の内部留保を図ってまいります。
これらの取組によりまして、工業用水道事業につきましては、令和3年度以降のバイオマス発電会社2社への大口供給による増収や減価償却費及び企業債支払い利息の減少等の費用の削減によりまして収支は改善をいたしまして、想定しない大規模な設備投資や契約水量の減がなければ、令和10年代前半には単年度の収益的収支がプラスに転じる見込みとしております。また、今後の企業債償還金の減少によりまして、単年度の資金収支につきましては、令和7年度を目安にプラスに転じる見込みを持っております。
これらの取組に加えまして、11月20日には第1回目の米子市水道局との情報交換会を開催いたしまして、
経営状況でございますとか、課題等について情報を共有したところでございます。今後も情報共有を進めながら、県、市、双方が抱える課題等の解決に向けて、できることがあれば、その方策等について検討いたしまして、経営改善につなげていく所存でございます。なお、鳥取市水道局とも今後同様の情報交換会を開催するよう調整しているところでございます。
さらに、経営改善を模索するために、事が成るかどうかは別といたしまして、例えばPFIコンセッション事業でつながりのできました大手商社丸紅の本社の幹部の方にも工業用水道の在り方について御相談を持ちかけさせていただいたところでございます。このほかにも、価格の戦略や、これまで検討をいたしました需要拡大策を再度検証するなども取り組んでいるところでございます。
今後もあらゆる可能性を検討し、経営改善につなげていく所存でございます。
◯副議長(福田俊史君)草野県土整備部長
◯県土整備部長(草野愼一君)公共工事の入札についての主任技術者の配置について補足の答弁をさせていただきます。
この主任技術者の配置につきまして、県及び国の手法の特徴ですとか、違いを説明する前に、ちょっと一連の流れを御紹介したいと思うのですけれども、まず最初に、入札に当たって必要となる書類一式、入札参加申込書というのですけれども、それを入札希望の会社さんから出していただきます。これが入札参加期限日ということになるのですけれども、その後に、提出いただいた資料の中に、会社さんの実績ですとか、配置される予定の技術者の方の評価点ですとか、当然工事価格、そういったものが入っていまして、それを総合的に評価しまして、落札者を決め、それから、契約をすると。あと、契約後、工事現場には少なくとも30日以内には着手してくださいと。こういう一連の流れがありまして、これは県も国も同じでございます。
違うのは、期間の取り方なのですけれども、県の場合は、入札参加の期限日で、開札日はもうすぐ翌日なのですけれども、入札参加の期限日から契約締結までが大体2週間ぐらいです。一方、国のほうでは、技術審査にかかる時間が長いということで、平均で5週間ぐらいかかると、こういう違いがありまして、この入札参加期限日から契約の間、この間、入札参加申込書に登録された技術者の方をどれだけ拘束するというか、この期間にほかの現場でその技術者の方が働くことを認めるかどうかという問題が発生するのですけれども、この点につきまして、県の場合は待ち時間が、先ほどの2週間程度ということがあって、この待ち時間の間にほかの工事に従事することを認めていないというところなのですが、国の場合は5週間ぐらい平均であるということで、他の工事に従事するのを認めているという違いがあります。ただ、県でも国でも、仮に万が一契約日以後、予定していた技術者の方が配置できないと、今の手持ちの工事が何か延びてしまって、こちらの工事に来られる予定だったのが来られないと万が一なった場合には、その場合はもう契約違反になりますので、当然そこの会社の方は1か月ぐらいは入札資格は失う。また、県のほうとしても、全部入札手続を1次から全部やり直しになりますので、ほかの入札参加されていた会社の方にも迷惑をかけると、そういうリスクがありまして、県としては、県の手続の問題、また、入札参加いただく多数の会社さんのことも考えて、そういうリスクは取らないということで、現行の入札手続方法を取っているものでございます。
◯副議長(福田俊史君)23番内田議員
◯23番(内田隆嗣君)答弁いただきました。私の質問が短かったのですけれども、すごく丁寧に答弁いただいたので、ありがたいなと思いながら聞いておりました。
まず、どれからしましょうかね。時間がなくなってもあれなので、鳥取県産業振興未来ビジョンについて、ちょっと議論を交わさせていただきたいと思います。
一例を出します。1989年に世界で時価総額が高かった企業ベスト50というのを調べると、何と日本で36社も入っていて、14社がアメリカとか。だから、本当、世界のトップ50はほとんど日本だったという時代が89年です。徐々に徐々に減っていって、この2019年、何社あるかというと、トヨタ1社だけになりました。今これが日本経済の置かれている現状なのかなというふうに調べていて思いました。また、こういう例があります。89年の日本の株式総額ランキングで、1位から順に言っていくと、NTTとか、その後、大手の銀行がざあっと並んでいて、トヨタが7番目くらい、7番か、8番に来ます。13位にパナソニック、松下が4兆6,000億円、日立が4兆7,000億円、15位ですね。ソニーが2.7兆円でした。ちょっと前を調べてみて、5年前ってどうなっているのかなと思ったら、2015年、ソニーが3.5兆円、前の10兆円超えていたのが落ちてきたというところもあるのですけれども、パナソニックも3.2兆円で、日立が3.6兆円でした。5年後、今、2020年ですが、
コロナ禍を経て、ソニーの株価は11兆4,000億円に跳ね上がり、パナソニックは2兆6,000億円、日立が3兆円後半くらいあるのですけれども、何が言いたいかというと、ソニー以外の日本の電機、いわゆる我々が自信を持って物づくりだとかと言っている分野に関して、トップ企業が時価総額では全く増えていない。唯一ソニーが増えている理由は何だというふうに分析していくと、コンテンツとゲームで利益の7割稼いでいて、実際の電機なんて3割以下だというところなのですね。エレクトロニクス部門が全く役に立たなくなっているというのが現在の社会情勢なのかなというふうに株価だけを見ているとそう思いました。
翻って鳥取県のことを考えます。10年前、ちょうど私もこの前ビジョンの策定前後で議員になっていますので、すごくよく覚えています。東日本大震災があったり、その前のリーマンショックがある中で、本当に大きな課題というのは、雇用の回復、自民党のテーマは日本を取り戻す。
平井知事は本当に懸命に雇用、経済を立て直して、あと一歩のところまで来た。先ほど言われましたが、1,200億円のGDPというのは生半可な努力でできるものではないし、しっかりとそれを実現されたことに対しては敬意を表しますし、その後、では、今何が起きているかというと、またコロナだということです。農業生産の1,000億円の目標に関しては、3年後、見直しをされていますけれども、その10年間、積み上げてきたものががらりと変わろうとしている現在があります。
その中で、先ほど来、DXであるとか、SXであるとか、SaaSとか、いろんな言葉が出てきます。APIとかRPAとか、横文字ばかり言うなと言われそうですけれども、実際そうなのですよね。ソニーに鳥取県はならなくてはならないと私は本気で考えています。10年前に航空産業を、そして、自動車関連産業の誘致やそことの連携が大きなテーマであって、そこに対して本当に、モリタであるとか、今井航空産業とか、実績を出されてきた。それが180度、コロナで変わってしまった今、何を目標に掲げるのかというのは、本当に本当に重要なことなのだと私は非常に感じています。
先ほど来、申し上げましたが、今日、私が御提示させていただいている資料を見ていただくと、先ほどのような話が、棒グラフであったり、GDPの増加であったり、求人倍率の変化だったりというところで示させていただいております。今後何を目指していくのかというのが、右下の集中型から分散型への変化であるとか、人々の行動の変化であるとか、デジタルシフトであるとか、産業活動の変化というのは、先ほど知事が述べられたことが大体ここに包含されているというところです。この中で、私がぜひ目指していただきたいというのは、今、先ほどの例でいくと、コンテンツであるとか、ITであるとか、サブスクリプションであるとかというビジネスモデルを構築し、しっかりと人の流れを逆利用して、こちらで働いてもらう人を増やしていくというのがどこの地方も考える戦略なのだというふうに考えますが、その魅力には鳥取県は本当にあふれているのだと思います。そして、それを可能にしているリモートワークという働き方が完全に都会地では定着しつつあります。私ごとですけれども、うちの会社は、新日本監査法人というのが今入っていますが、その監査法人さんと話をすると、もうほぼ100%、在宅ワークだそうです。また、様々なIT企業の皆さんと話をしても、技術者はほとんど出社していないという事実もありますし、これを捉まえて、菅総理がDXとワーケーションとを合わせたような政策を今年度打ち出しているゆえんだと思っています。
そこで、完全に足りない人材をどう補っていくかというのがまず鳥取県が抱える大きな課題です。技術者がいないというのは、皆さんが思っている以上に深刻ですし、それを育てる学部というのも本当に不足しています。だから、2つしかなくて、ちゃんと技術者を育成する機関、環境を整えるのか、あるいは、技術者さんにこの地を選んでもらうのかという2つの可能性を追及していくことになると思うのですが、一つ、真剣に考えていただきたいなというふうに思うのは、今日の新聞でも国立大学の定員増を認めるというのをはっきり政府が打ち出していましたけれども、IT以外の様々な人材について、きちんと育成していく、人の流れをつくっていくというのは、国の方針にも県の必要性にもかなったものだと私は考えます。
その中で、
平井知事は、以前、私の公立環境大学の定員増についての質問に、定員を戻すだけですけれども、増については、非常に前向きな答弁をしていただいたことを思い出しております。そして、実際に今、環境大学というのは学生が集まる魅力的な大学になりつつあるというのも間違いないことだというふうに感じます。それは、倍率がどんどん上がっている、偏差値も上がっていることからすれば、当然であります。ですから、ぜひ新学部なのか、学科の増なのかでも構いませんけれども、デジタル人材を育成するような機関として、環境大学が役割をきちんと果たせないかというところをもう真剣に考えていただきたいなと思いますし、私は今現在、環境大学の
経営状況の分析をしたときに、県や市にお金をもらっている企業局とは違って、逆にお金を配分いただいている、稼いでくれてお金を返してくれているというか、くれているという環境ですから、しっかりとここはアプローチして、前に1歩も2歩も進んでいけばいいのではないかなというふうに強く思いました。
2つ目の外からどうやって人を連れてくるのかというのは、しっかりと考えていかないといけないことだと思います。どこの分野でも、そういうふうに地方は考えますから、多分同じような施策が横並びになるでしょう。このときに、どういうことをしたら鳥取県が選んでもらえると知事は考えているのか、御所見を伺います。
以上、2点お願いします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣県議から重ねてのお尋ねがございました。
議員がおっしゃられる大きな産業のビジョンや流れにつきましては、私も賛同するものでありますし、その辺の先を読みながらやっていかなければいけないのだと思います。そういう意味で、いずれ、今回コロナ時代の中で私たちが改めて目覚めさせられたのは、日本がICT等をはじめとした、こういうソフトビジネスにおいて、他国に後れを取っているということですね。
コロナ対策一つ取っても、台湾などはそういうICTの技術を活用しまして、コロナを完全に抑え込むということに成功したとも言われています。しかし、日本例えば補助金一つ出してもらうにしても、システムが動かなかったとか、あるいは、不正があったとか、とてもとても世界にキャッチアップできていないではないかなと考えさせられるわけでありますが、逆を考えれば、この面は人材育成の必要性があり、そして、ここは企業がビジネスをする余地がふんだんに残されているということだろうと思います。そういう意味で、議員がおっしゃる視点というのは、私も賛同するものであります。
実は、鳥取環境大学とは、かねてこうした問題意識も議論をしてきた経緯があります。一番最初に、環境大学ができるときも、環境情報学部という名前におきまして、実はそうした情報、ICTとか、あるいはデータサイエンスだとか、そうしたものは実は主要な学ぶ領域でセッティングされていたのですね。そういう先生方も連れてきていたのですけれども、御案内のように、経営的にはうまくいかずに、結局特に情報系のところは都会の大学との競争がありまして、そちらのほうに学生を取られてしまうと。学生が集まらないということで、残念ながら、そちらのほうは道を閉ざして、巡り巡って、今、経営学部というのができていますが、環境と経営の2本柱になっていると。ただ、今こういう意味で、世の中が変わってきている中、こういうICTとか、あるいはビッグデータだとか、そうしたものを制御していく技術というのが非常にこれからの若い方々が世界で活躍する、日本で活躍する上で、切っても切れないものだと。そういう中で、江崎学長なども交えながら、どういう展開ができるのかなというかなり突っ込んだ議論を今しているところでございます。
例えばアイデア的には副専攻のような形で、そういうICT関連だとか、情報工学やデータサイエンスというものに学びを深めていける、そういう大学のカリキュラムにならないだろうか。つまり、募集するときは、やはり今、環境学部と経営学部でそこそこ学生さんも来ているわけでありますが、情報だけの学部をつくったときに、それで勝負できるかというのは一つまた自信がないところでありますし、我々と共同経営している鳥取市さんも、かつてちょっと失敗した例がありますので、別のやり方を考えたほうがいいかなと。だから、今ちょっとみんなで話合いをしているのですが、そういう大学の学びの中に上手に埋め込んでいって、そこで本当に超越したような、この時代、これから後の時代をリードしていけるような、そういう情報に精通した人材もこの大学の中から生まれるような、そういう工夫を考えていけないだろうか。それに向けた教員配置等々も考えていけないだろうか。そういう言わば現実的な解を今見いだそうとしているところでございます。そういう意味で、議員が今問題提起していただいたことに私どもも応えていければというふうに考えております。
また、これから様々な産業立地において、多分リセットされると思うのですね。全国的に、あるいは世界的に見ても、かなりダメージを受けたような産業分野もあったりしますし、その中で、またよみがえってきているところもあり、目をみはるのは、最近では自動車系ですね。これは確かに伸びてきています。自動車部品も対前年、取り戻して、さらに伸びているところも出てきています。県内でも、そういう意味で、跛行的、ジグザグでそれぞればらつきのある形の再生、回復というような状況に今ありまして、この後、では、コロナ後にどういう産業創造が生まれるのかというところは、我々も考えていかなければいけないのだと思います。そのときに大切なのは、ユーザー目線に立った私どもの産業支援政策を取っていく必要があると思います。実は、三洋の問題等もあり、かなり激烈に県内の産業基盤が揺らいでしまった後、議員がおっしゃったように、今井航空機器工業だとか、様々な先端企業、共和薬品さんとかを引っ張ってくるようなことになりましたけれども、それはやはりオーダーメード型で、企業が求めているものに沿った形でこちらも誘致を進めたことがあります。また、経営革新制度も一気に広げて、これも前、議員のほうから御評価いただきましたけれども、企業の思いに寄り添った他県にはない支援制度にしまして、これがやはり産業成長を支える土台にもなったのではないかなと思います。ですから、そうした意味で、これからどういう産業が生まれてくるか、よく分からないところはありますけれども、ユーザー目線に立って、企業側を応援するようなパートナーシップを含むことを一つ基本にしながら、新しい産業政策をコロナ後につくっていく必要があるのではないか。そうして、我々もリセットして、再スタートをしなければいけない、そういうように考えているところであります。
そういう際に、そういうIT等、こうした新しい情報技術の活用、5GやSociety5.0、それから、さらに環境マインドも多分、一つの基軸になってくると思います。そうした脱炭素化に向けたような、そういう基軸とか、幾つかそうしたベクトルをしっかりと立てて、そういうのに対するまた応援の政策を強めることで、産業の誘導に当たっていければというふうに考えております。
◯副議長(福田俊史君)23番内田議員
◯23番(内田隆嗣君)知事からすごく知事らしいというか、現実を捉まえてしっかりと実を取っていくというような姿勢はやはりさすがだなというふうに思います。
経営学部と環境学部、確かにここに情報の力を持った加算ですね、情報の力を持った経営学が分かる人、いわゆる経営学も、そして経済学もプログラミングであるとか、C言語というのは必須になりつつあります。また、環境にもまさにSDGsを含んだところの環境と情報処理の融合というのはまさにこれからの課題であり、ビッグデータの解析においてもそのとおりだと思います。ですから、ぜひその方向でいろいろな可能性を検討していただきたいと思いますし、今本当にいろんな方が気軽にコロナのおかげで、おかげでと言ったらいけないのですが、
コロナ禍の事由によって、テレワークだとかウェブが進んだことによって、今までは絶対会えなかったり、出てこれなかったような人が普通に時間を割いて話ができる環境になっているのだなというのは、日々実感させていただいているところであります。
ぜひその方向で検討していただきたいですし、定員の設定ですね。せっかく国が定員を増やしてもいいと言っているこんないい状況というのはないと思いますので、定員を戻すだけではなくて、さらに増加させるようなところまで御検討いただきたいなというふうに思います。改めてこの辺り、定員増についての考え方について、御答弁をいただければと思います。
本当にすごくこの10年で進んだことは、鳥取県の中小企業に対する商工施策の充実だというふうに感じております。県版経営革新から始まった制度運営や今回のコロナ融資に対する機動的な判断と柔軟な運用、それは、国が後から追いかけてきたようなものです。同じように物づくり補助金ができたり、融資についても県と同じ、丸パクリかというような規制の緩和を行ったというのは、これは間違いなく
平井知事の下、執行部の皆さんが、ユーザー目線と言われましたが、中小企業目線で施策を展開してこられた大きな成果だというふうに敬意を表したいと思います。
一方で、足りていないところがやはりあります。例えば500万円とか1,000万円の補助金で、中小企業の立ち上げを後押しして、例えば1億円とか3億円とかまでの売上げに伸ばすというところの政策の充実は、鳥取県は本当に日本一だと思います。一方で、仙台とか神戸とか福岡がやっている5億円とか10億円の企業を30億円、100億円にしていくという施策については、一歩後れを取っているのかなという思いがあります。そこについて、残念なことに、商工労働部の方と、現場の方と話す、これは商工会議所の悪口になってしまうように感じるので、言葉を選ばずに、そうではないということを言ってから話をしますが、例えば資本性劣後を入れようと思ったときの相談者というのは、鳥取県の中小企業診断士さんではないのだと思うのです。それは本当に東京の山田コンサルとか、AGSコンサルとかというコンサルみたいなところと連携しながらやっていくというのが一つ大きな手段でもあります。また、ITの共同開発などをするに当たっても、API連携をさせるみたいな話になるに当たっても、もちろんすばらしいIT企業さんもいますが、もっと機動的で特有なのはやはり東京であるとかに集中しています。交流人口と言われましたが、そこの人材をうまくつかまえていって、キャッチアップしていくこと。メガバンクもみずほしかなくて、4大監査法人もここにはないという現状において、3億円まで伸ばした企業を10億円、20億円と導いていくというところを今回非常に注目していただきたい。
そこに対する施策をぜひ展開していただきたいと思いますし、それは菅内閣でも現実に起きています。今回の3次補正にも大きく出ているのが事業承継とM&Aの予算、あとは、業態転換の補助金といって、業態転換などは1億円とかという補助を突っ込むという話ですし、事業承継のためのM&Aには優遇税制が適用されるというように、新聞紙面ですけれども、聞いています。その動きに素早く反応しているのが東京都でありまして、事業承継用のファンド、100億円のファンドを都が主導で立ち上げています。その都と民間の金融機関が一緒になって、いわゆる事業承継のファンドを立ち上げた。これは都の説明であると、民間のファンドをあまり使うと、イグジットを意識し過ぎて、言ったらハゲタカみたいなことになりかねないから、中小企業向けのファンド運営ではないというところがある。だからこそ、ここできちんと都が中心になってファンドを組むのだ。そして、事業承継を円滑に進めていくのだという決意の表れなのかなというふうに思います。これについても非常に参考になると思うので、ぜひ検討していただきたいと思います。
以上、答弁をお願いします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣県議から重ねてお尋ねがございました。
まず、鳥取環境大学につきましては、定員の在り方、議員とも議論させていただき、徐々に見直してきている面があります。これは、経営の根幹に関わるところでありますので、共同経営者の鳥取市、また、大学当局とよく話をさせていただきながら、もちろん我々の本意としては、どんどん増やせばいいと思うのですが、ただ、経営の安定性ということも同時に考えたり、また、増やすためには教官を雇わなければいけない。これは文科省の許認可の問題もございまして、そうした環境整備のこともありますので、これについては、また今後よく協議をしてまいりたいというふうに思います。
それで、議員のほうからいろいろと産業政策につきまして、貴重な御提言をいただきました。いろいろと思い当たるところもあるなと思って聞いておりました。鳥取県は、この間もお話がここでもございましたけれども、ベンチャー対策のようなところでは、いろいろとベンチャースクールみたいなことをやって、企業塾みたいなことをやったり、それから、ベンチャー向けのファンドなども銀行と共同でつくったり、そういうことをやってきているところでもありますし、ある意味、幾つか成功例も生まれてきているわけであります。ただ、要は多分我々はキャパシティーが小さいというのもあって、ゼロから立ち上げていくときでも何とか伴走型で育てていくというところはあるかもしれませんが、それなりの資本力を持ったところがその先に向かっていくときに、正直、そのノウハウや資金面でのサポートというところは、いま一つ、大都会と違って出会いの場がないのかなという感じもいたします。ビジョンを今つくっている最中でありますので、今おっしゃるような視点も今度、専門家の皆さんや商工関係の皆さんともお話をさせていただいてはどうかなと思います。
先ほどおっしゃった資本性の劣後ローンのお話でございますが、最近もそれを議論しながら、企業のサポートをしたこともございました。それは、我々は企業サポートチームというのを、銀行さんだとか、それから、県ももちろんですが、商工団体だとかが入りまして、ここに専門家の診断士みたいな人材も当然ながらぶら下がってきますので、それで、それぞれの個別の企業ごとに伴走型で支援をするわけでありますが、その中には、西部のほうの企業でそうした資本性の劣後ローンを使ってというところもございました。やはりそういうようなことは、例としてはあるのですけれども、ただ、そうしたことがまだふんだんにできるかというと、なかなかまだ限界があるのかもしれません。どうすればそういう言わば投資をする人たちと事業家が出会う場ができるのか、この辺は別に鳥取県内で全部完結しなくてもいいのかもしれません。大都会、都市部、大都市部の企業の力、ファンドの力というのも活用できるものもあるのかもしれません。ですから、どういう方策ができるのか、ちょっと考えてみる必要があるのかなというふうに思います。
そういう意味で、産業がさらに伸びていけるような、そういう支援の在り方もビジョンの中で議論をさせていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)23番内田議員
◯23番(内田隆嗣君)前向きな答弁が続いていて、ありがたいなと思いながら聞いております。
やはりGDPを伸ばしていくということは、地元の企業が伸びていくということだと思っていますし、それをいかにユーザー目線で後押しできるかというのが非常に重要なことかなというふうに思います。鳥取県の中には優秀な技術を持っている方も、企業さんもたくさんありますので、そこがちょっとした出会いとか、理屈づけで伸びていくということというのは往々にしてあるというふうに考えております。そのような支援の在り方について、しっかりと議論していただけるということなので、すごくありがたいなというふうに答弁を聞いておりました。
農林水産商工常任委員会の中でも少し議論をしたのですけれども、すごく面白い発想だなというふうに思った事案があったので、御紹介させていただきたいと思います。東京のベンチャーというか、スタートアップ企業さん、10億円とか20億円の範囲で売上げはあっているSaaS系の方と結構話す機会というのがあるのですけれども、その方が今何に困っているかというと、監査法人がつかないという、監査法人難民は日経新聞にも出ていますけれども、監査法人がつかないことによってIPOができないということがよく言われています。そのIPOができないというのは、内容が悪いわけではなくて、監査法人が都会で忙し過ぎて、ついてくれないから、なかなか上場のステージに行けないのだと。一方で、地方には、その環境があるのですね。どこでもいいですけれども、あずさなのか、新日本なのか、トーマツなのか、どこでもいいですけれども、東京の方はすごく契約単価も高いですし、忙しいという、リソースがないとおっしゃるのですけれども、支店があるわけですね。九州にもありますし、福岡にもあれば、例えば長野にあったり、広島にあったり、岡山にもあったりするのです。そこにはリソースがまだ空いているということを実際に新日本のうちの担当から伺って、うちも広島と契約しているのですけれども、だから、実は本社を鳥取に持ってきて、鳥取から上がるという企業誘致の仕方というのは、すごく可能性を秘めたことだと思います。だから、インフォメーション・ディベロプメントさんみたいな発想と一緒で、ここでならきちんと監査法人と契約ができて、この地からなら上がれるよという環境を整えるだけで、本部機能をこちらに移してきたいという方というのはかなり多くいらっしゃるのではないかなというふうに実際に感じているところです。
ここにおいて、必要なのは、補助金ではなくて、環境の提供とマッチングなのですね。それについて非常に可能性を感じているので、ぜひいろんな角度から検討していただければなと思います。
あともう一つ、今まで企業誘致って、設備投資に対して補助金を出していたというのがあると思うのですけれども、今、設備投資が人材であるとか、技術者であるとかの人件費と開発費になっている場合が非常に多くて、それが例えばfreeeさんとか、マネーフォワードさんとかは赤字を出しながらも株価はどんどん上がっているという状況なのですけれども、そこに対して、どういうふうに色づけをして誘導していけるか。鳥取県の企業誘致の制度でいうと、そこが非常にケアできていないような、穴が空いているような気がしていて、そこはちょっと、いろんな可能性を含めて分析していくべきなのかなというふうに思いますので、その辺り、今後どのような形態の企業誘致が可能性としてあるのか。従来型のはもちろんです。自動車とかはもちろんですが、それ以外にも人に対する投資、コストに対する計算をどうするのかというのはいろいろあると思うのですけれども、そちらについてもぜひ力強く検討していただきたいなというふうに思いました。
入札については、業界団体としっかり話をしていただけるということですので、業界団体の意見をしっかり聞いていただいて、私が言ったようなことが出てくるのであれば、ぜひ対応していただきたいなというふうに思いましたし、企業局について、1点だけ質問をして、3月議会に私もしたいなというふうに思っているのですが、もうないですね。赤枠のところに人件費があります。人件費のところに赤枠をしているので、見ていただければと思うのですが、電気事業会計が36名、人件費を払っていて、工水で2人、あと、土地で2人しか払っていないのですよ。この割合というのはちょっと非常にアンバランスだなというふうに思うのですけれども、これは改善しないといけないと思いますが、御所見を伺い、質問といたします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣議員から重ねてお尋ねがございました。
最後の企業会計の点につきましては、これは局長の松岡のほうからお答えを申し上げたいと思います。
それで、前段のほうの産業政策でありますが、興味深い提案をいただいたなと思います。率直に申し上げて、取り入れられるものは取り入れていきたい、そういう提案だったと思います。
その趣旨としては、確かに今、大分企業の形が変わってきていて、装置型産業の時代からソフト化してきているというのは長く言われていながら、それが現実に今、急速に方向転換してきているということだと思うのです。本県は装置型産業も大事でありまして、今、実は海外から引き揚げてくるという企業を取り込もうというのも結構有効でありまして、これはこれで設備投資に対する支援とかを場合によってはしていくことで、そちらのほうは持ってこられるかもしれません。
ただ、それ以外のところというのは、また違った方策が必要で、そもそも事業活動をしたいけれども、IPOのような形で、資本を集めて、それで、実際に企業活動をスタートさせたり、発展させたりすると。それについては、どういうところが本来やりやすいのかということでありますが、必ずしも東京でなくてもいいのかもしれません。例えばよくいうシリコンバレーみたいなところも、正直、田舎でありますが、そういうところでも資本を投下してやろうという人たちが集まってくると。そういうところで出会いの場というのはできて、それで、企業としてのベンチャーが生まれて、それがいずれはフェイスブックみたいになったり、とんでもない大きな会社になっていくことだってある。その夢は、鳥取でも本来あるはずでもありますし、これまでも上場企業を生んできたり、最近ではバルコスさんみたいな、アイデア一つから始めて、しっかりとブランドを確立してきたようなところも出てきているところでございますが、そんなような形でのことからいいますと、今、例えば地方銀行がどうだこうだということを言われますが、正直申し上げて投資先がないのですよね。その地方銀行は、結局国債で運用するぐらいしかなくて、日銀の金利が下がると困った、困ったになりますし、また、世間の投資相場が下がってくると、それだけ利益が失われると。本来であれば、本業として地場産業に投資をして、そこで利子を稼いで、それで共存共栄で伸びていくという本来の産業スタイルなのですが、ただ、その金融が要は投資先が失われていると。そうすると、都会で苦しんでいる企業が、こちらであれば融資を受けるチャンスというのはあるのかもしれません。
IPOもそうでありまして、監査法人、確かに社会福祉法人なども含めて、新日本さんとか、あずささんだとか、結構なところを使っておられますが、そういうところの出会いのチャンスというのも、こちらの都会の営業活動と、こうした地方の営業活動は多分違うところがあって、こちらのほうがそういう出会いのチャンスが広がって、IPOのような形での資本調達の可能性というのが本来広がるのかもしれません。ですから、そういう金融面、資金面というのは、今までの産業政策としてはちょっと確かに見落としていた部分があるのかもしれませんし、お金を我々のほうで補助金を出すということではない、別の育成手段というのが見えるような気がいたします。
あと、もう一つの人材のこともおっしゃいました。この人材は実は非常に重要でありまして、私どもも装置型産業、製造業を誘致することをこれまでもやってきていますけれども、必ずデッドロックに乗り上げるのは人材のところです。私たちはふんだんにこういう敷地もあれば、そこに建設工事をやって立派な産業素材を造ることができるのですが、その基盤の上で働く人、人の数が実は山陰は足りないわけですね。ですから、その人の数が本当にそろえられますかというのが最後まで残る企業誘致のボトルネックであります。ですから、これまでも研修事業というのをくっつけて誘致をしたこともありました。それで、最近は戦略的な人材獲得を目指そうと副業ビジネスを我々のほうで訴えかけたところ、これが結構全国に反響がありました。こういうような形で、また別の意味の人材というものとして、こちらのほうで活躍してもらう、そういうようなやり方というのはやはりあり得るわけでありまして、特にIT系になりますと、どれだけSEさんが集まってくるかということにもなってくるわけですよね。だから、結局そうしたところの人の面というのは、これからの単なる物づくりでは、恐らく他国からどんどん取り残されつつあるところだと思うのです。冒頭、議員がおっしゃったように、電子機器、電機産業の中でも凋落が激しいのは、今回パナソニックも急に津賀さんが社長を放り出されたというのもそうでありますけれども、やはり従来の成功の方程式が通じなくなってきて、物づくりでは勝てなくなってきている面が正直なところある。そうであれば、これまで我々が培ってきた経験や技術、そういうものはまだまだ先進国として優位性がありますので、そうしたところを武器にしたこと、すなわち人材を基軸にした、そういう産業展開というのがやはりこれからの主流になり得るのではないかとも思います。
こちらのほうは、設備投資と違って、あまり大きなお金をかけなくても、比較的小さな額でも支援できる分野でもあります。ですから、考えようによってはこういう産業政策もあり得るのかもしれません。以上のような金融面だとか、それから、人材面も含めた新しい産業のチャンスというのを我々としても考えてみたいと思います。
あわせまして、入札制度につきましてのお話がございましたが、これは鳥取県建設業協会などとも早速、今日のアイデアにつきまして、御相談をさせていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)松岡企業局長
◯企業局長(松岡隆広君)企業局の人員の配置につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
企業局では、従来から施設設備の保守点検ですとか、監視業務、修繕工事等を外部委託化することや埋立事業業務の本局への集約等によりまして、業務の効率化を図り、人員削減をぎりぎりのところまで進めてきたところでございます。例えば電気事業ですと、ピーク時55人のところを令和2年度で36名、工業用水道事業ですと18名のところを2名、埋立事業につきましては19名のところを2名という具合に削減を図ってきたところでございます。
会計ごとに人員にばらつきがあるのではないかということでございますが、これにつきましては、本局、東部事務所、西部事務所におけます複数の職員が関わるそれぞれの業務に応じた適切な人役を積み上げて算定をさせていただいているところでございます。数字的に見ますと、非常にばらつきがあるように、偏りがあるように見えますが、業務の専門性みたいなものがございまして、例えば水力発電所でございますと、発電機が油圧で動いておりますので、非常に手間がかかる。メーカー自体ももう保守ができないというふうなことがございまして、例えば水力発電から、油圧から油が出ますと、職員が油まみれになって缶に油を入れて、それをまた戻すというようなこともしていただいております。それから、場所がばらばら、結構山の中に小水力があったりしますし、太陽光発電などもいろいろなところにあります。ですので、そういう業務の複雑性とか、それから、場所の広がりなどを考えますと、そこにはどうしてもこういう偏りみたいなものが出てくるというところでございまして、なかなか委託も難しいものがあるというところでございます。
◯副議長(福田俊史君)本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後3時36分散会
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