鳥取県議会 2019-09-01
令和元年9月定例会(第3号) 本文
▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(藤縄喜和君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。
これより、代表質問を行っていただきます。
20番福間裕隆議員
◯20番(福間裕隆君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。会派民主の福間でございます。ただいまから代表質問を行いたいと思いますが、傍聴席の皆さんは、きょうは早朝からたくさんこの鳥取県議会を傍聴してやろうということでお越しをいただきまして、心からお礼を申し上げる次第でございます。これからもどうぞ鳥取県議会を初め、政治に関心を持っていただく、政治に参加をしていただくということを、皆さん方のお力添えをお願い申し上げておきたいと思います。
冒頭に、議長のお許しをいただきまして、一言知事に申し上げておきたいと思います。
昨日からきょうにかけまして、上海便就航というニュースが駆けめぐりました。米子-上海を来年の1月から週2回の定期運航という非常に喜ばしいニュースが駆けめぐっております。とりわけ鳥取のおいしい食べ物や自然風景が非常に魅力的だと、県産品や海の近くにある鳥取砂丘、家族連れも満足できる、こういう私どもにとって非常に喜ばしい理由での定期便の就航、心から歓迎を申し上げたいと思いますし、今日までの取り組みをされました平井知事に高く評価を申し上げたいと思います。上海吉祥航空の日本支店の支店長であります董蔚様には、3年ほど前になりますか、私が所属をしております鳥取県日中友好協会の総会にもお越しをいただき、御講演をいただきまして、私どもも董蔚支店長には何かと御指導をいただいておるところでございますが、これを機にさらに本県と上海便を通じて中国との友好交流が深まっていけば、私ども鳥取県日中友好協会としてもお手伝いができればな、このように思っておるところでございます。
なお、
鳥取砂丘コナン空港と台湾の台中空港、ここもそれぞれのチャーター便が今かなりの頻度で就航しておりますけれども、できれば一日も早い定期就航ができればと期待を申し上げる次第でございます。
それでは、質問に入らせていただきます。
最初に、韓国江原道との友好交流についてお尋ねをいたします。
9月4日付の新聞各紙で、鳥取県と韓国江原道の友好提携25周年を記念して、平井知事と江原道の崔文洵知事が9月3日に江原道庁で会談されたことが報道されました。両知事とも満面の笑みを浮かべられて、両手をしっかりと固く結び合われた姿の写真も紹介をされ、友好的な雰囲気が印象的でありました。
日本と韓国の政府間では、徴用工訴訟問題や対韓輸出規制などの問題がこじれて、着地点がどこにあるのか見当がつかないほどに対立がエスカレートしているさなかでありますが、このような背景にもかかわらず、今回の両知事の会談は、国家間対立は別として、地方政府、民間レベルでの相互信頼に基づき、友好交流の場が持たれたことを私は高く評価をし、大きな拍手を送るものであります。
会談の実現にこぎつけられた平井知事には、いろいろ御苦労もおありだったと思いますが、御披瀝をお願いしたいと思います。
次に、平井知事の県政運営についてお伺いをしたいと思います。
冒頭に、議員の皆さんにも議場配付をしておりますけれども、お手元のグラフを見ていただきたいと思います。日本全体と鳥取県における人口構造の一覧表であります。今から26年前の平成5年、1993年の人口、令和元年であります2019年現在の人口、6年後の2025年の推計人口、この6年後の2025年は、第1次ベビーブームと言われた団塊の世代、昭和22年、23年、24年生まれの人たちが75歳に到達する年であります。そして今から26年後になる2045年の推計人口をグラフにしたものであります。
我が国全体も鳥取県も同じ形での人口構造の変化が推測をされます。なおかつ、総人口は右肩下がりで、人口減少に歯どめがかからない状況が推計をされております。26年前はまだ中間年齢層が比較的多い状態の構成でありましたが、2019年の現在から6年後、26年後と、年数を重ねるに従って全体人口も減少し、特に若年層の減少が極めて多くなる推計値であります。
3カ月前の新聞報道によりますと、6月17日に発表された国連人口部の推計では、日本の人口減少は際立っているとして、現在の1億2,000万人から39年後の2058年には1億人を下回り、81年後の2100年には7,500万人となる推計が発表されました。2年前の同じ国連の推計より7年も早く前倒しで1億人を切る推計であります。
人が減っていくことは、基本的に歯どめがかけられない状況になっております。どうすればいいのでしょうか。人口減少、超高齢社会は、人類が経験したことのない時代であり、我が国は今どっぷりとその真っただ中へばく進中であります。今までの常識で対応できない社会となっていく可能性があります。人口減少社会は、どこもかしこも人手不足になっていくことが容易に推測できます。今後の県政運営に当たっては、このことをしっかりと認識していかなければならないと思うのであります。
私、福間自身の勉強不足と認識不足を棚に上げ、今さら何を言うのかとお叱りを受けるやもしれませんが、今回、代表質問を行うに当たって、平井知事を初めとする執行部の皆さん、本議場の全ての議員の皆さん、そして県民の皆さんと、このような人口構造の時代にあるということを改めておさらいをし、再確認の上、共通認識を持ちたいという思いから、この
人口構造グラフをお示しした次第であります。御理解を賜りたいと思います。
なお、これ以降の質問、問題提起につきまして、今申し上げた人口減少問題と矛盾する私の主張や課題もあるかもしれませんが、お許しをいただいて、御議論をお願い申し上げたいと思います。
さて、「鳥取から時代を開く──未来への礎づくり」として、5つの新
時代チャレンジを柱に、Go!Go!として55項目の政策をマニフェストとして掲げ、この4月の知事選挙で4期目の当選を果たされた平井知事に改めて当選のお祝いを申し上げる次第でございます。3期12年間の平井県政に対する県民の意見は、おおむね肯定的であり、不満は割と少ないのではないでしょうか。それは、全方位県政の結果だと私は思っています。しかし、反面、余りにもいろいろ取り組もうとしておられ、焦点が定まり切っていない、どこへ向かうかがなかなかわかりづらい、つかみにくいという面があるのではないでしょうか。
今後の平井県政について、私は次のように提案をしてみたいと思っています。
今こそ政策を重点的に集中すべきではないでしょうか。あるときはアラビアのロレンスに扮してラクダにまたがり鳥取砂丘を疾走、またあるときは蟹取県を誕生させてカニカニ行列の先頭を切ったり、そしてまた、名
探偵コナン平井伸治さんは、快刀乱麻、難事件を次々と解決、そして芸能人顔負けの駄じゃれの連発と、鳥取県を売り込もう、広くPRしようとまさになりふり構わぬ
パフォーマンスによる御奮闘には敬意を表したいと思います。
しかし、平井知事だけの
スタンドパフォーマンスには限界があるのではないでしょうか。もうそろそろこのあたりで全県民の共通認識のもと、共同行動を追求するときではないでしょうか。どんな県にするのか、県民の皆さんにゴール、ビジョンを明らかにして、どのルートを通って未来を目指すのか、共同作業に取りかかるときではないでしょうか。
私は、それは青臭くてシンプルなものがよいと思います。とがった理想を掲げて集中に徹してみてはどうでしょう。若い人たちがわくわく感を持てるような明るい未来をつくる。本県の最大の武器である自然を軸としたこれがベースという政策を打ち出し、集中に徹してみるのはどうでしょうか。それは清浄な水、空気、そしてすばらしい大地であると私は思っています。安心できる子育て、安心できる老後、それを支え立つ安全・安心な食料を生み出す大地、それが鳥取県である。
以上、今後の平井知事の県政運営に対する私の勝手な思いでありますが、申し上げてみました。知事のお考えをお聞かせください。
次の県政の諸課題について、9項目22点についてお伺いをいたします。
まず、地域医療の確保についてであります。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年への対応として、平成28年12月に鳥取県地域医療構想が策定されました。平成26年に成立をした
医療介護総合確保推進法により改正された医療法に基づき知事が定めたもので、鳥取県保健医療計画の二次保健医療圏と同様、本県の東部、中部、西部の3地域を構想区域として設定し、高度急性期から急性期、回復期、慢性期、在宅医療、介護に至るまで、一連のサービスが切れ目なく、また、過不足なく提供される体制を確保するための取り組みがまとめられております。構想では、2025年に向けて病床の機能の分化及び連携の推進、在宅医療・介護の推進及び医療従事者等の養成・確保の3つを柱として取り組みを進めるとされておりますが、これまでの取り組みと現状について知事にお伺いをいたします。
また、国は、地域医療構想について、2017年度及び2018年度の成果を検証し、具体的な対応方針を2019年度中ごろに提示するとしているようでありますが、鳥取県への影響と対応について、知事にお尋ねをいたします。
県民の生命を守るために、本県では、自治体立病院が極めて大きな役割を果たしています。自治体立病院は、鳥取県内では県立中央病院、県立厚生病院、鳥取市立病院、
智頭町立智頭病院、岩美町立岩美病院、
南部町立西伯病院、
組合立日野病院、
日南町立日南病院と、それぞれの地域で県民の生命を守り、医療政策の実行の役割を果たしています。この自治体立病院の存続なくして地域の存続はあり得ないと思っています。そして、自治体立病院の存続のためには、県のサポートが不可欠だと思っていますが、知事の考えをお尋ねいたします。
そして、解決が迫られる共通の最優先課題は、医師不足への対応であります。特に町立病院にとっての医師不足は、病院の存続にかかわる問題であり、町立病院の存続は、その地域の存続にかかわる極めて重要な課題でもあります。平成28年11月定例会の一般質問でも提起いたしましたが、再度提案をいたします。
現在、町立病院で直接雇用となっている医師について、県全体での雇用とする。そして、県立中央病院、県立厚生病院、
鳥取市立病院等と一体的に運用するという考え方について、知事の考え方を再度お尋ねいたします。私は、そのためにも、鳥取大学との交流を一段と深め、全面的に特段の支援、協力をいただく、このように思いますが、この考え方に対する知事のお考えをお伺いいたします。
次に、
アディクション対策についてお伺いいたします。
まず、
アルコール依存症であります。
アルコール依存症は病気である。しかし、断酒することによって回復可能な病気であるとして、2013年12月に、不適切な飲酒による健康障害を初め、家族への深刻な影響や重大な社会問題などについて、総合的な対策を目指すことを目的とした
アルコール健康障害対策基本法が成立をいたしました。鳥取県では、この法律の成立とともに、全国のパイオニアたらんとして、いち早く具体的な対応施策を講じていただきました。本議場におきましても、全議員の皆さんの御賛同を得て、満場一致でこの施策が承認をいただきました。私、福間裕隆も
アルコール依存症当事者の一人として、心から厚くお礼を申し上げる次第であります。
基本法の成立からもうすぐ6年目を迎えようとしておりますが、
アルコール健康障害対策基本法に基づく鳥取県での施策について、現状と今後の方針をお伺いいたします。
次に、
ギャンブル依存症についてお尋ねをいたします。
先月8月25日に、JR鳥取駅南にあります鳥取市
高齢者福祉センターにおいて、
NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会主催の家族の会鳥取が開催され、私も参加させていただきました。当日は、御本人、そして御家族のギャンブルで大変悩んでいらっしゃる御家族など、鳥取県内から参加された皆さんから直接悩みをお伺いすることができました。
昨年7月6日に
ギャンブル等依存症対策基本法が成立、パチンコや競輪、競馬などによる
ギャンブル依存が多重債務、自殺、虐待、犯罪等の原因になっているとして、政府は本年4月19日に基本計画を閣議決定しておりますが、鳥取県での取り組み状況はどのようになっているでしょうか。知事にお伺いをいたします。
次に、子供を安心して産み育てられる環境づくりについてお尋ねをいたします。
来月1日から幼児教育・保育の無償化が始まります。3歳から5歳までの児童とゼロ歳から2歳までの低所得世帯の児童について、保育所、認定こども園、幼稚園などの保育料が無償化されます。鳥取県では、県独自の取り組みとして、国制度の対象外となるゼロ歳から2歳の児童のうち、これまで単県で
保育料無償化対象であった児童については、単県補助を継続することとしています。その対象は、第3子(所得制限なし)及び低所得の第2子(第1子と同時在園に限る)、そして中
山間地域市町村保育料無償化等モデル事業の対象児童、これは若桜町、智頭町、八頭町、三朝町、大山町、日南町、日野町、江府町の8町となっていますが、所得制限なしの完全無償化を全県に広げるべきと考えますが、いかがでしょう。知事のお考えをお聞かせください。
次に、保育人材確保のための取り組みについてお伺いをいたします。
保育人材の確保が困難な状況が続いておりますが、保育の無償化を進めるに当たっても、その対策は極めて重要であります。これまで国による処遇改善に加えて、鳥取県による処遇改善も行われているところでありますが、非正規雇用が多く、身分保障ができていない等の意見が寄せられているところであります。平成30年8月に県が実施した保育人材確保のためのアンケート調査でも、664名の潜在保育士に保育士として従事しない理由を聞いておりますけれども、賃金が希望と合わない、仕事の責任の重さに不安があるといった回答が多い状況にあります。4万円上積みの処遇改善などが示されておりますが、どのような基準で実施されているのでしょうか。実効性のある処遇改善策になっているのでしょうか。改めて賃金や労働条件の改善など、保育人材確保のための取り組み状況についてお聞かせください。
次に、少子化対策についてお伺いをいたします。
人口を維持するために必要な
合計特殊出生率は2.07以上とされていますが、ことし6月7日に厚生労働省が公表した人口動態統計によりますと、2018年の
合計特殊出生率は全国で1.42となり、前年と比較して0.01ポイント低下、鳥取県も前年と比較して0.05ポイント低下の1.61と厳しい状況となっております。
なぜ
合計特殊出生率が上がらないのでしょうか。非正規雇用など若年層の雇用不安、晩婚化の進行、若年層の東京圏への移住傾向といったことが私は原因としてあるように思いますけれども、これへの対応がまだ十分にできていないからではないでしょうか。これまでの取り組みを検証した上で、さらに実効性のある対策に取り組む必要があると考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
次に、中山間地で生きるためにと題しまして、何点かお伺いをいたします。
まず、交通政策についてであります。
2013年に成立した
交通政策基本法に基づき、公共交通の利便性の向上を図るため、県、市、町村、交通事業者、利用者等で構成された鳥取県
地域公共交通活性化協議会が平成27年にスタート。鳥取県東部・中部・西部の各圏域ごとに
地域公共交通網計画が策定をされました。県も共同して作成し市町村を結んで生活圏ごとに全県網羅する計画は、全国でも鳥取県のみであり、私は極めて高く評価するものであります。
鳥取県西部では、平成30年10月1日から、商業施設、医療施設、駅をつなぐ
市町村間循環線と幹線の効率化及び支線のデマンド化がスタートしましたが、中部地区、東部地区の実施状況はどうなっているでしょうか。特に問題点はありませんか。進捗状況をお伺いいたします。
次に、
山陰新幹線構想についてお伺いをいたします。
新大阪-下関を結ぶとする
山陰新幹線構想が鳥取県、島根県、兵庫県を駆けめぐっています。27年後の2046年に供用を開始し、供用開始10年後の経済効果も黒字であり、設置効果として、鳥取県で4万人から5万人の人口増になるとの試算も発表されました。地域活性化の切り札として大きく叫ばれていますが、私は、この
山陰新幹線構想に大きな疑問を持つものであり、警鐘乱打するものであります。
私は、5年前の平成26年2月定例会の一般質問でこの問題について発言をしていますので、同じ内容になろうかと思いますが、再度、発言をいたします。
まず、現行の国の枠組みでは、工事着工に当たっては、国土交通省の定めた整備新幹線の整備に関する基本方針による5つの条件をクリアしなければなりません。1つは安定的な財政見通しの確保、2つには収支採算性の確保、3つに投資効果、4つ目に営業主体としてのJRの同意、そして5つ目に並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意といった極めて厳しい条件が立ちはだかっています。計画では12年後の2031年に着工となっていますが、冒頭に皆さんと共通認識を持った
人口ピラミッドでも明らかなように、6年後の2025年には団塊の世代が後期高齢の75歳に到達し、待ったなしの対応策を必要とします。また、27年後の2046年に供用予定となっていますが、国立社会保障・
人口問題研究所の地域別将来推計人口によりますと、本県の人口は現在より10万人以上減少すると推計をされています。
福間、何を言っておるか、夢を追うのだからいいのではないか、これからは国の枠組みなどルール変更することも必要などの意見もあるようでありますが、私は極めて非現実的な構想だと危惧するものですけれども、知事、いかがでしょうか。お考えをお伺いいたします。
クルーズ客船と公共交通の連携強化についてお尋ねをいたします。
クルーズ客船の年間寄客数はおよそ5万人から6万人と定着しつつあると思っています。本県の
ゲートウエー政策の結晶だと高く評価をしたいと思います。境港岸壁の整備事業も順調に進んでおりますが、この際、現在工事中の岸壁までJR境線の延伸を図り、地方ローカル、
公共交通ネットワークの連携強化を図ったらどうかと考えますが、JRに働きかけてはどうでしょう。知事、いかがでしょうか。
次に、農業振興についてお伺いをいたします。
私たちは食料がなければ生命の維持を図ることはできません。このことから、農業は国民の命の産業である。したがって、政策の一番の柱でなければならない。農業は百年の大計であり、米は村で半分、農民で半分でつくるものと、こんな考え方を真っただ中に置いてきた私でありますが、少子高齢化の波が大きく押し寄せてきている今、絶対的な後継者不足の中での農業の現実を注視し、その対応にきちんと向き合い、地域の維持を追い求めることが必要であると思っています。
県内の中山間地域では、認定農業者でなくても集落内の農作業を一手に引き受け、地域の担い手として農地を守り続けている中小規模農家が多数存在していますが、地域の高齢化により
農作業受託面積が増加する中、規模拡大に見合った人員確保や機械整備等ができていません。地域の農業の維持、発展を目指すため、担い手の確保や今後守っていくべき農地の話し合い、そして将来目標の作成を早急に行う必要があると考えますが、知事はどのように考えていらっしゃるのかお伺いをいたします。
また、決定的な後継者不足の中、現在での鳥取県での農業は、3つに私は大きく分かれると思っています。1つは、農地集積で広域化、大型化しているもの、2つ目には、中山間地の耕作放棄を防ぎ、地域を守ることとセットで農地集約しているもの、そして従来からの家族経営を中心にした小規模農家、この3つに私は分類をされるのではないかと考えています。この3つに分類した営農方式では、それぞれの運営に補助事業、支援策が講じられていますが、実態がそれぞれ異なるのに、補助事業ごとの要件に縛られ、生産者の要望、思いとマッチしないケースが多々あるようでありまして、現場の皆さんには使い勝手が悪いように聞いております。とりわけ中山間地を中心にした農業法人や集落営農は、条件不利地域での営農を継続していく上で高額な農業機械の維持・確保に大変苦慮しておられると伺っています。現場の皆さんの状況をしっかり把握したきめ細かな政策が必要と思いますが、知事はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
次に、防災・減災対策についてお尋ねをいたします。
まず、島根原発への対応であります。
我が国最大の原子力災害となった東京電力福島第一原発事故から8年が経過をいたしました。しかし、政府は、この福島原発事故を踏まえて、原発の新規制基準を策定し、原発を
ベースロード電源と位置づけて、原発活用方針の堅持を主張し続けています。しかし、安全性について、国民の不信感は除去されていません。
島根原発は現在、2号機について、
原子力規制委員会による新
規制基準適合審査が進められているところであります。そこで、改めて知事にお尋ねをいたします。
既に今日までに知事は繰り返しその態度を明らかにしていらっしゃいますが、私も知事の方針に賛成であり、まず、鳥取県は中国電力との間において、立地自治体と同等の安全協定を締結すべきだと強く強く主張をいたします。そのために島根県の丸山知事と協議をされてみたらどうでしょうか。
また、避難計画は実効性のあるものでなければなりません。限られた狭隘な弓浜半島をどのように割り振りして、どこから先に、誰から優先して等々、現実の場面を想定してみようとするのですが、想定不可能に陥ってしまいます。避難計画実行についてのお考えをお聞かせください。
次に、自然災害発生時の対応についてお尋ねをいたします。
近年、自然災害が多発をしています。内閣府の避難勧告等に関するガイドラインが2019年3月に改定をされ、住民は、みずからの命はみずからが守る意識を持ち、みずからの判断で避難計画をとるとの方針が示されました。みずからを守るための県民一人一人の意識を高める工夫がより求められますが、鳥取県の取り組み状況について、知事にお尋ねをいたします。
また、鳥取県では、防災士の育成のため、平成28年度から
防災士養成研修が開催をされています。この防災士というのは、相次ぐ自然災害を背景として2003年度から始まった資格で、
NPO法人日本防災士機構が試験を認証するシステムのようでありますが、今、全国的に大きな広がりを見せているようであります。
本県での
防災士資格登録者は8月末時点で903人と承知をしていますが、目標人数は何人ぐらいを想定していらっしゃるでしょうか。
また、防災士の資格取得について、何らかの支援策を講じたらと考えますが、知事、いかがでしょうか。
次に、外国人とともに生きるということで、何点かお尋ねをいたします。
平成31年1月25日に鳥取労働局が公表した
外国人雇用状況によりますと、平成30年10月時点の県内の
外国人労働者数は2,755人で、過去最高を更新、また、外国人を雇用する事業所数も前年同月比94カ所増の608カ所となっており、外国人労働者は今後もさらに増加することが見込まれます。
また、平成30年12月末現在の
県内外国人住民数は4,605人で、外国人労働者の増加に伴い、5年連続で増加をしています。
鳥取県では、平成31年2月7日に県内関係機関とともに鳥取県多
文化共生支援ネットワークを設置するなどの対応を進めておられますが、その現状についてお伺いをいたします。
なお、今後、さらなる充実強化が必要とも思いますが、いかがでしょうか。
今後、労働者として、県内への居住者として、あるいは観光客として多くの外国人の皆さんが鳥取県に来られることが予想されますが、私は、それぞれ相手国の人権、文化、歴史をお互いに尊重し合うことが大切だと思います。外国には改めて旅行者を通じて私ども日本の文化、伝統、しきたり、歴史などを今まで以上に周知徹底を図ってもらう。私たち鳥取県もそれぞれの国の歴史、文化、宗教、風習、しきたり等について、もっともっと学ぶ努力をすることが必要だと思います。言葉を通じ合わせることも大切でしょうが、今まで以上に相手を尊敬する気持ちを持ちながら、長い真のおつき合いのできる地域、鳥取県を目指すべきだと思いますが、知事、いかがでしょうか。
日本語教育の充実についてお尋ねいたします。
外国人労働者がこれからますますふえてくることが予想されますが、外国人労働者への日本語指導は、雇用する企業だけに任せるのではなく、鳥取県としても取り組むべきではないでしょうか。また、外国人は日本のしきたりに不案内であることから、日本語だけでなく、日本のしきたりも教えていく必要があります。
所管の常任委員会の視察で群馬県の外国人雇用企業を視察いたしましたが、会社がつきっきりで日本語を教えていました。鳥取県内の会社は中小企業が多いので、企業内だけではなく、東・中・西部に日本語と文化を教える施設があるとよいのではないかと思います。その場所に行くと、日本語と同時に日本の文化、しきたりも学ぶことができるようなところが必要ではないかと思います。外国人労働者は、どうしても給与の高いところに行ってしまいがちであることから、鳥取県は、日本の語学や文化も学べ、外国のありようを理解してくれる地域だと認識してもらえるような県を目指していく必要があると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
次に、働き方改革を初めとした就業環境の整備についてお伺いをいたします。
県内の労働者の皆さんのための実効性のある働き方改革を推し進めなければなりません。人手不足の現状を鑑み、労働の量から質への転換が必要と考えます。先般発表になりました鳥取労働局の年間労働相談件数は5,300件と増加傾向にありますし、鳥取県の中小企業労働相談所みなくるの年間労働相談件数も3,500件と増加傾向にあります。中でも最近はパワハラ、嫌がらせ、いじめがふえています。労働の尊厳が保たれる労働の質の向上のため、就業環境の整備に向けた取り組みが必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
鳥取県の最低賃金が1時間790円に改正をされました。適用は本年10月5日からのようでありますが、鳥取県最低賃金は、業種や規模及び常用、臨時、アルバイト、パート、嘱託などの雇用形態や呼称にかかわらず、県内の事業所で働く全ての労働者とその使用者に適用をされます。全ての労働者が生活できる賃金水準を確保するため、地域別最低賃金の水準改善は非常に重要であります。鳥取県は、人口、労働力の他県への流出、産業構造の問題、教育機関が少ない等の要因がある中で、労働者、特に若者にとって希望の持てる賃金とする必要があります。また、10月の発効以降、県発注の公契約で最低賃金改定による影響が発生する場合も考えられます。改めて最低賃金の周知の徹底を図るべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
中小企業への支援についてであります。
懸念されますのは、急ピッチの賃金引き上げが中小企業の経営にもたらす影響であります。鳥取県経済の好循環を生み出すためにも、生産性向上を初めとする中小企業、小規模事業所に対する実効性のある大幅な支援策を講じるべきであります。知事、いかがでしょうか。
次に、教員の長時間労働の是正と教員確保についてお尋ねをいたします。
6月20日の新聞各紙で、日本の小中学校教員の勤務時間は世界一長いと報じられました。OECDの実施した国際教員指導環境調査の結果について、日経新聞は、日本の教員の長時間勤務は国際的に見ても異例であることがわかると報じました。また、読売新聞は、世界一長い日本の小中学校教員の勤務時間、それは事務、部活が負担という見出しで報じています。
この国際的に見て異例とされる教員の「超」がつく長時間勤務について、鳥取県ではこの4月から超過勤務の上限を1カ月45時間までと条例で定めたところであります。県内の小学校、中学校の現状、実態はどのようになっているのか、教育長にお伺いをいたします。
また、鳥取県のみならず、全国的にも教員不足が叫ばれています。産休や育休の代替職員がいない、休職者が出ても代替職員がいない、特定の教科の教員がいない等々、人員不足が深刻化していると聞いていますが、鳥取県の現状はどうなっているのでしょうか。教育長にお尋ねをいたします。
部落差別解消のための取り組みについてお尋ねをいたします。
日本国憲法には、基本的人権の尊重を初めとして、国民主権、平和主義の3つの基本原理があるとされていますが、我が国固有の人権問題である部落差別問題については、残念ながら現憲法施行後も根強い差別の実態が残っています。平成28年12月9日に成立をした部落差別解消推進法は、部落差別がいまだに存在していることを踏まえて、部落差別が許されない社会悪であることを改めて明らかにしたものであります。私たちは、部落差別解消推進法を鳥取県内において具体化することで、部落差別はもちろん、全ての差別を許さない社会の創造に向けた取り組みを進めていかなければなりません。
平成29年2月定例会での私の質問に対して平井知事は、法律の第3条2項に定める地域に即した対策について、当面、鳥取県では同和対策協議会を拡充する形で対応すると答弁をされています。
そこで、まず、この法律に基づく施策について、鳥取県内の現状をお聞かせください。
新たな法律ができました。この法に基づく具体的な施策の実行が地方公共団体の責務として位置づけられたところであります。したがって、施策の実施には、その実態を把握することが何より最優先課題だと思いますが、いかがでしょうか。私は調査なくして政策の実行はあり得ないと思っています。鳥取県内における部落差別の実態調査を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。
次に、教育長にお尋ねをいたします。
人権教育の枠組みの中で、同和教育が後退していると指摘をし、学習の不十分さについて、平成29年2月定例会でも質問をし、教師に対する研修の強化を訴えましたが、その後の取り組み、現状について御報告をいただきたいと思います。
次に、淀江産業廃棄物最終処分場問題についてお尋ねをいたします。
この問題については、本議場においても数多くの議論が交わされておりますが、私は、鳥取県に産業廃棄物最終処分場は必要であると考えております。しかし、設置する場合は、地域住民の皆さんの理解と合意を得ることが大前提であると思っています。
本日、多くの県民の皆さんが傍聴にお越しをいただいておりますが、皆さんにもぜひ御説明をお願いしたいと思います。ここで改めて、鳥取県の産業廃棄物処分場設置についての今日までの経過の概要について御説明をいただきたいのであります。また、今後の対応方について、知事にお伺いをいたしたいと思います。
次に、上下水道の持続可能な経営確保に向けた取り組みについて質問をいたします。
水道事業を民間に委託できる改正水道法が2018年12月6日、衆議院本会議で可決、成立をいたしました。民間のノウハウを生かし、運営コストの削減を図るというのがその立法趣旨だと言われています。ただし、全ての自治体で水道事業の民営化が進められるわけではありません。民間委託するかどうかは各自治体の判断に委ねられているからであります。
平井知事は、平成30年11月定例会、野坂道明議員の改正水道法の質問に対して、今後、市町村と共同、共有しながら水道経営の向上に地域全体として努めていきたいと答弁をされています。
私は、そもそも水道の民営化はすべきではないと思っています。私たち人間生活の必需品中の必需品である飲料水は、まさに命の水であります。この命の水を確保するために、これまでの水道法は公営企業のもとで水道を計画的に整備し、事業を保護、育成すると公益性が重視をされていました。今回、これを改正し、民間に委託できる法改正が行われたところでありますが、本来、水道事業のあるべき姿は、現状の公営水道の強化や追求であるべきだと私は思っています。
平成30年12月11日、米子市議会本会議において、米子市の伊木市長は、コンセッション方式の導入は難しいと判断していると発言をしておられます。また、鳥取市の深澤市長は、平成30年12月7日、記者会見で、水道は住民生活の基本ライフラインである。民間運営になじむのかと疑問を呈しておられると伺っております。
改めて、改正水道法について、知事はどのような御見解をお持ちなのかお伺いをいたします。
次に、平和の誓いを語り継ぐための取り組みについてお尋ねをいたします。
本年7月28日、JR大山口駅のすぐ近くにあります大山町大山公民館において、74回目となる大山口列車空襲慰霊祭が開催をされ、私も地元大山町御出身の鹿島功議員ともども参加をさせていただき、被災犠牲者の皆さんの鎮魂をお祈りさせていただきました。
第二次世界大戦の終戦直前の昭和20年7月28日、鳥取発出雲今市行きの列車が大山口の近くの上野地区で米軍機3機から銃爆撃を受け、死者44人、負傷者31名以上という大惨事が発生したそうであります。被災から46年間は命日になると御遺族が個別に慰霊をされていたそうでありますが、平成3年に合同慰霊祭、平成4年に慰霊碑建立、平成24年からは平和を広く語り継ぐとして平和祈念の集いも行われ、今日に至っているそうであります。
ことしで戦後74年を迎えます。戦争を体験された方は、戦争がいかに悲惨なものであるのか、いかに人と命を粗末にするものか、いかに人権を奪うものかを自分の心と体に強烈に刻み込んでおられます。戦争はどんな理由があっても許されないものという拒絶反応が心の底まで深く刻み込まれているように感じます。これは思想、信条などとは全く別次元のものだと思っています。
しかし、今日、戦争を体験された人は御高齢となられ、その人口の割合は1割近くまで減少してきていると言われています。戦争に対する拒絶反応が希薄になってきているのではないでしょうか。今を生きている我々世代にとって、この感覚をどう受け継いでいくのかはとても重いものですが、決して避けては通れない大切なテーマであると考えるものであります。
県、市町村主催の慰霊祭や遺族、関係者主体の慰霊祭、あるいは反戦市民団体関連の反戦イベント等もありますが、県内の戦争犠牲者慰霊の実態を把握していらっしゃるでしょうか。どうでしょうか。また、全てを把握して、鳥取県知事として弔意を示し、哀悼の意をあらわすべきと考えますが、いかがでしょうか。
大儀さえあれば戦争を容認するかのような空気が醸成されつつあるように私は感じております。最近、国会議員の全く信じられない戦争発言、言語道断の暴言を繰り返している現状を見るにつけ、我が国は極めて危険な方向に向かっているのではないかと大きな危惧を抱くものであります。
また、昭和62年12月18日には、我が鳥取県議会において、非核平和都市宣言が決議、採択されており、同時期に鳥取県の39市町村全てにおいても同様に決議、採択され、全県下で核のない平和な社会を創造する意思が確認をされております。
我が国の第64代、65代の内閣総理大臣を務められた田中角栄さんは、戦争を知っている世代が社会の中核にある間はいいが、戦争を知らない世代ばかりになると、日本は怖いことになると発言をされ、我が国の将来を憂いておられます。今、まさに田中角栄元総理の指摘されたそういう時代に突入しているのではないでしょうか。あらゆる機会を捉えて、戦争のない社会、平和を希求する社会を創造することが私たちの責務だと言えるのではないでしょうか。知事の考えを御披瀝ください。
終わりでありますけれども、政治参加の促進について、選挙管理委員会委員長にお尋ねをいたします。
この4月に行われた第19回統一地方選挙の投票率は、知事選挙が53.09%、県議会議員選挙が52.7%と、いずれも過去最低の結果となりました。昭和26年の知事選、県議会議員選挙は過去最高の投票率92.26%、これに比べますと、その違いの大きさにただただ驚くばかりであります。また、7月21日投開票された第25回参議院議員選挙の投票率は50%を割り込み、過去最低となる49.98%と、極めて残念な結果になりました。
この結果について、選挙管理委員会委員長はどのように捉まえていらっしゃるのでしょうか。お伺いをいたします。
また、有権者の政治参加が極めて重要でありますが、選挙管理委員会委員長は今後どのような取り組みを行って投票率向上を図ろうとしていらっしゃいますか。お伺いをいたします。
そして、民主主義を醸成するために、学校における主権者教育は極めて重要であります。主権者教育の育成について、教育長にお尋ねいたしまして、以上、壇上からの質問といたします。
◯議長(藤縄喜和君)20番福間裕隆議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議の代表質問にお答えを申し上げます。
福間県議からは、私のほうに、4月の選挙につきまして、当選についてお言葉を賜りました。県議には私が鳥取県に奉職して以来、ずっとお世話になっておりまして、いろんなことを教えていただいたり、あるいは西部地震のとき、会見を一緒に回らさせていただいたり、苦難をともにした、そういうような思いがございます。このたびまた見事に当選を重ねられました。これで文字どおりこの県議会の大旦那になられまして、年齢の面でも率いておられるということになりました。これからもともにこの県政運営に邁進してまいることをお誓い申し上げたいと思います。
また、県議のほうからお話がありましたのは、ここできょうは傍聴に数多くの方がいらっしゃいますが、政治参画の重要性ということ、最後に質問もそれで締めくくられたところでございましたが、私自身も同じような懸念を持つものであります。今、投票率がどんどんと下がってきている。今回の私たちの統一地方選挙、県議も私もそうでありますが、一つには、18歳、19歳、そこの選挙年齢が今回加わったことはあったと思います。ただ、それだけではない何かを多分この議場におられる皆様と一緒に私も感じているところであります。政治が縁遠くなるのではないか、そういうことであります。先般の参議院議員選挙もそうでありました。やはり投票率が下がる傾向が4県で見られたのもそのことだったというふうに思います。
結局、民主主義というのは、今、香港でああいう課題が燃え上がるように出てきているわけでありますが、やはり住民の皆様、国民の皆様が自分たちの権利として守ること、その情熱がなければよい政治はできないと思いますし、地域社会も支える人間があってこそ前に進むものだと思います。町内会などでも同じようなことが実は言われているのではないだろうかとも思います。地域の機能が低下しないように、私たちとしてもそうした政治参加、特に鳥取県のような人口最少県であるからこそできるような民主主義の姿、デモクラシーの姿というのを私たちがつくり上げていかなければならないのだと思います。
議員のほうからは、昨日の上海吉祥航空のこと、台湾のことについてもコメントがあり、韓国の江原道との交流につきましてお話がございました。
昨日は、上海吉祥航空の日本支社長でいらっしゃいます董蔚支社長がお見えになりました。実はたび重ねて鳥取県にも来県されておられます。沖縄で勤めておられたころからずっと私どものチャーターフライト等々を支援してくださっておられまして、この上海吉祥航空とはいろんなおつき合いがあったところであります。
もともとこの上海というところは2,400万人の人口の規模を誇るわけでありますし、我が国の観光客の蓋然性といいますか、潜在力ということも一つにありますが、ビジネス面でも上海の方面とは結びつきはもともと強いです。例えば大山町に立地しておられますファミリーイナダさん、これもあちらのほうに工場がございまして、そことのやりとりが実は上海-境港間の航路の荷物になっているわけですね。このようなことなど、もともと関係性の深いところでございますので、ひょっとするとソウル便以上に経済的にはメリットがある、そういう路線になるかもしれません。
そんなようなことにつきまして、昨日、1月を目指して就航させるということで、今、最終調整をしている、前向きに今進めていますと、こういう率直なお話がありました。やりとりをしますと、ちょうど旧正月という中国人の皆様にとって大切な時期、旅行に出かける時期であります。その前にできればスタートさせたいと、こういうことでありまして、そうなると1月の中旬ごろには開設をしたいというような意思表示ではないかと思います。
私どももかねて吉祥航空さんとはチャーターフライト、平成24年、28年と2回にわたりまして誘致をしておりました。その前に実は東日本大震災のころまでは春秋航空さんが乗り入れるという話がありまして、当時も福間県議にもいろいろと御相談したこともあったと思いますが、ただ、残念ながら地震の関係がありまして、急遽これがドタキャン的にキャンセルになってしまったということがありました。
その後、上海方面で吉祥航空さんという新しくできた航空会社が日本に興味を持っているということがありましたので、これについて、県職員も出かけてもらったり、向こうからそれこそ董蔚さんなども来ていただいたり、いろんな話し合いもする中で、まず下見に来られまして、山陰は意外にポテンシャルがあるということでありました。チャーターフライトを飛ばすということでは、うちが初めての乗り入れ先になりまして、上海吉祥航空としても、いわば創業以来のゆかりのあるところというような思いがあったと思います。私どももそういう意味で大事におつき合いもさせてきていただいたのですが、実は上海浦東空港の扱いについて、中国政府の考え方があって、新規路線の展開というのに歯どめがかかりました。チャーター便すら飛ばしにくいという状況がここ最近続いていましたが、これが解除されるということになりまして、私どももその機を逃さずという形で働きかけを始めていたところでございました。
いろいろチャーター便の乗り入れということの交渉もあるのですけれども、ただ、向こうとしてはいっそ、過去も乗り入れてきているし、定期便で検討したいというようになってきまして、私どもも、今、韓国便の問題もあり、非常にそういう意味では魅力のある話ではないかなということで、協力して実現を目指しましょうということでやってまいりました。昨日、向こうの検討結果が示されたということであります。
1月、旧正月前となりますと、もう時間がありませんので、これから急ぎその対策をとっていかなければならないと思います。今週末にも向こうのほうと連携をしながら、上海でアピールもさせていただきたいと思います。実は中国地方5県で共同での海外プロモーションをやるのですが、これが今週末ございます。そのときにこの新しい航空路線の話もできるようになったなということで、我々としても弾みがつくと思います。
さらには、経済界もいろいろつながりもあるので、経済界の方と協議をしたり、観光関係者の御意見も聞いたり、できるだけ実りの多い形で、第1便、初便を迎えることにできればというふうに思います。
今、幸い、この議会にも多角化関係でインバウンドの予算も提出させていただいていますし、6月の補正予算の中でもこうした海外誘客の目標のもとに所要の予算も計上してきておりまして、そういうところを活用しながら、この路線の乗り入れに向かってまいれればというふうに考えております。
この鳥取から、山陰から世界へ開いていく、新しい、しかも大きな扉が開かれると思います。上海からメーンランド、中国本土につながってまいることはもとより、東南アジアやヨーロッパなどへの航空路線にも道が開かれることになります。そういう意味で、議員各位の格別の御理解と御協力をいただければとお願いを申し上げたいと思います。
また、台湾便につきましてもお話がございました。これも今シーズン38便のチャーターフライトを予定し、空前の規模ということになってまいりました。今のところ乗り入れた便は93%の平均搭乗率でありまして、関係者も今、胸をなでおろしているというところであります。
議員からもお話がありましたが、例えば台中ベースのマンダリン航空は、私どもが訪問したり、向こうから来られたりというときに、可能なら定期便も目指すのですよというようなお話もいただいています。ただ、当然前提がありまして、飛行機に乗らないようでは定期便にはなりませんよという裏返しもありますし、向こうのほうとしては、日本側からのお客さんも望めるのですかと、こんなようなことも実は水面下ではお話もあるわけでありまして、そう簡単ではないのですが、ただ、まずはこのチャーターフライトを成功させることが今後への道を開くことにもなると思います。
台湾は本県では韓国、香港に次ぐ3番目のお客様の大きいところでありまして、これがチャーターフライトでさらに膨らむことになると思います。上海便ができれば、中国本土からのお客さんも来やすくなるわけでありまして、私どもは他地域と違い、中国のお客さんはこの3カ国に劣るところでありました。しかし、足がかりを得ることができれば、もっと大きなインバウンド客の獲得にもつながっていき得るというふうに期待をいたしております。
韓国の江原道との関係につきましてお話をいただきました。
これにつきましては、福間県議を初め、県議会の皆様から江原道との交流については大変な御尽力をいただいてきたところでありまして、この場でまた改めてお礼も申し上げなければいけないと思います。
そうした素地があったからこそ、9月3日、現地、江原道庁におきまして、崔文洵知事と会談をすることがかないました。そこには関係団体、あるいは若桜町や智頭町の町長さんなど、打ちそろってお伺いをするということになりまして、向こうでは道庁挙げての歓迎をいただきました。簡素なものではございましたけれども、大切なのは友情をつなぐということであり、こういうときだからこそ、地域と地域、人と人との交流を絶やさない、発展させていく方向性、道筋というのをつけるのが大事だと思いますので、そういう意味では成果があったのではないかなというふうに考えているところであります。
これはもとはといえば、平成19年の私が就任する前のときでありますけれども、本議会での発言がもとになりまして、韓国で鳥取県が急遽イシューとなりました。その日に直ちに江原道から交流断絶という、そういう通告が電話でやってきたという過去がございます。その後、アシアナ便が急激に搭乗率が下がりまして、その結果、夏には運休通告ということが来たわけであります。ここから実は私たちはこの日韓交流の大切さというものも育てながら、この韓国路線を再興させようと頑張ってきたわけです。
そのすぐ後の9月には、本議会で江原道議会との交流を求める、そういう交流促進の決議を本議場で行っていただいたわけであります。それで江原道議会と鳥取県議会との対話も始まったところでございました。私は私で、当時の金振先先知事にさまざまな場を捉えて申し入れもさせていただき、最終的には金振先先知事とお会いをさせていただいて、年末には交流再開ということになりました。平井の情熱にちょっと根負けしたと、割と本音のことをあの当時、金振先先知事がおっしゃっていたのを思い起こすわけでありますが、それに先立って福間県議にも訪韓をしていただきました。民団とか、そうした働きかけもございました。議会も議長を初め、多くの方々が行かれました。そういう中で交流再開をし、さらにその翌年すぐには平昌オリンピック実現を目指そうと声を上げたのが大関嶺というところでありましたが、福間県議にも御足労を当時いただいたものであります。
平成22年になりまして、議会同士の交流ということになりました。ただ、今回、こういうような立ち位置に至っているところであります。ただ、我々としては、基本というものを捨て去ることがないように話を続けていくことが大事ではないかなというふうに考えているところであります。
私自身は、今回、9月に会談をセットすることができるかどうかというふうにすら思ったのですけれども、ただ、一つ心のよすがだったのが、崔文洵知事が日本の共同通信にインタビューで答えておられました。このインタビューの中で私と同じ考えを述べておられました。この前に現在の情勢を踏まえて知事同士で話をしていたわけではないのですが、ただ、私は前の金振先先知事とはそういう趣旨のことをお話もし、崔文洵知事とも折に触れてそういうお話もしていたわけでありますが、それを今のこの情勢の中で、ともに民主党という今の大統領府と同じ与党の中でありながら、崔文洵知事が発言をされていることに私は喝采を送ったわけでございます。こういう韓国の中で日韓交流を大事にしようと頑張っている自治体のトップがいるということは、私は大切にしなければいけないと思いますし、それに応える責務というのがあるだろうと。そこで、いろんな声は正直あったわけではありますけれども、韓国のほうへお伺いをさせていただいたということでございます。御理解をいただければと思います。
次に、県政の運営につきまして、基本的な考え方、お話がございました。これについて、最近の県政運営、いろいろと方向が多岐にわたっているのではないか、自然を軸とするといったような核心を考えて、その上でそうした県政運営を展開してはどうだろうかと、こういうようなお話がございました。
議員のほうから私の観光宣伝等の
パフォーマンスのお話、食のみやことかの話があったわけでありますが、それはいわば営業用でやっていることでございまして、あれは仮の姿というふうにお考えをいただければと思います。
ちなみに、アラビアのロレンスの格好をしているとおっしゃいましたが、あれは「四十七大戦」という、それのキャラクターをちょっとコスプレをしていたのをごらんになったのかもしれません。また、快刀乱麻というふうにおっしゃいましたけれども、怪盗キッドというキャラクターがございまして、これをモチーフに最近は本県も売り込みをしているということでございますが、いずれにせよ、そんなようなことで、わかりやすい形で鳥取をアピールしようと。おかげさまでその辺はそういうファン層のみならず、今回の上海便もそうなのですけれども、ファミリー層に受けると、海外でもそういうことがございまして、一定の成果も上げているかなと思います。
ただ、それは手段でありまして、本質のところは、私は、議員がおっしゃるような自然というモチーフ、それから人ということ、また、やはり私たちの時空間が東京、大阪とは違うのではないだろうか。時の流れ方や、あるいは自然に対する身近さ、それからまちのいわば潤いといいますか、そうしたものの違いがあるのではないだろうか。これを出発点にして、安心と活力の2つの軸を発展させていくと。実は私はこれをモチーフにして12年間やってきたつもりでありまして、還元していただければ、もとに戻していただければ、実はシンプルにさせていただいています。その中から例えば食のみやこであるとか、大交流時代であるだとか、働き方とか、そうしたことにつなげてきているわけであります。
議員がおっしゃるような自然というのは非常に重要なポイントでありまして、私も県政担当初期のころに日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例ということをやりました。これは実は企図したのは、当時も議論しましたが、自然のすばらしさというのは鳥取にあるのだということを、そこに規制をかけることによって逆にアピールすることができる。尾瀬沼が規制があるからこそ自然ということに対する敬慕の念、崇敬の念というものが生まれて、観光地として栄えるわけであります。そういう意味で、そうした条例ということを少しとんがって出したことがございました。
最近も大分議論いただきましたけれども、星空保全条例、あれもそうした趣旨もあるわけでございまして、こういうことなど、自然とともに歩んでいく、そういう我々のアイデンティティー、これを追求しようというのは一つのポイントだと思っています。
議員もこの場で提言いただいたのが大山1300年祭でありました。おかげさまでこの鳥取らしいシンボル、それについては昨シーズンは25万人のお客様を集めるに至りました。また、その中からもレガシーが生まれてきていまして、登山客が増加するとか、それから門前町といいますか、大山寺のところ、ここも新しい拠点がオープンをしてきたり、さまざまな展開がありますし、たたらですとか、あるいは食べ物、名産品の大山ブランドであるとか、そうしたことに展開がなされてきているところであります。
御縁ができたのは春日大社でございまして、このたび12月の末から春日大社のほうで伯耆安綱の展示会をやろうということになりました。これに鳥取県も参加をさせていただくということになりますが、これは春日大社さんが結構大がかりにこれから出していかれまして、全国紙と提携してやっていますので、それなりのメディアプレゼンツもあると思います。そうしたところに伯耆安綱という言葉が入るわけですね。こういうのも大山1300年祭で我々がやったことの成果かもしれません。
こんなようなことなどをいろいろと今後も展開をしてまいりたいと思いますし、わかりやすく県民の方にも参画していただけるように、メッセージ性も含めてやってまいりたいと思います。
次に、地域医療につきまして何点かお尋ねがございました。地域医療構想で病床の機能分化等々、取り組みを進めているが、この状況はどうか、また、具体的な対応方針を国が地域医療構想について示すというふうに言っているが、その影響や対応はどうかということ、さらに、自治体立病院につきまして、その存続の県のサポート、また、町立病院も含めた医師の確保、一体的運用ということはどうかと、こういう一連のお尋ねがございました。
この地域医療構想は、本議場でも大分議論がありましたけれども、我々としては、それは一つのあり方の目安というものであって、強制するようなものにはならないはずだということを申し上げているところでございます。この地域医療構想を進める中で、一つに訪問看護ステーションなど、そうしたこれからの柱となる、地域包括ケア等を進める、そういうものの充実ということがありますが、これについては、今、例えば訪問看護ステーションの数も西部で30までふえるとか、そういうように成果も出つつあるところもあるだろうと思います。また、病床の再編なども一定程度進み始めているところでございます。
そういう中で、国が地域医療構想についての考えを示すというときに、重点的な区域をつくるのだということを最近言い始めています。この重点対象区域というのは、それはいわば病院の再編的なことになるのではないかなと。これがどのようにこれから動いてくるかというのは注意をしなければいけないのではないかなと思います。
実は、そうした国の動きに対して、厚労省のほうに我々のほうも言っているのは、東部圏域で病病連携をやりまして、それで日赤の病床数をぐっと減らし、それから県立中央病院を500床以上にする。超急性期医療という病院にすると、こんなようなことをやったり、また、自治体病院も含めて病床の再編等を進めてきているわけであります。そうやってそれぞれの病院の役割、自治体病院の役割というものを明確化しながら進めてきているので、うちはそういう重点対象区域になじまないのではないかということは言ってきております。政府がどういうことをこれからやってくるかというのは注視もしなければいけないのだというふうに思います。
今、足元でも山陰労災病院が病床を10床かそこら減らしながら、建てかえをして、機能高度化を図ろうというようなことをしようとしていますが、この重点対象区域ということが出てくると、いろんな病院の努力というものが前に進みにくくなってしまいかねないところもあるのかなという警戒を覚えるところであります。
また、最近の国の方針でちょっと気になりますのは、やはり専門医についてでありますが、これについて、養成のシーリングをかけると、これが大都市部中心になって、地方部が専門医の養成が事実上難しくなってしまうのではないだろうか。こういうようなことも危惧されていまして、これについては春から夏にかけて、知事会や、有志の県などでも国のほうにも働きかけをしたりということをやってきているわけであります。
こういう中で、我々として一つ重点的に考えなければいけないのは、議員がおっしゃる自治体病院のあり方だろうというふうに思います。実は私自身も、7月8日になりますが、自治体病院開設者協議会の会長職に就任をいたしました。これは全国の自治体病院の方々からちょっと熱いお誘いをいただきまして、前の福井県知事から引き継ぐ形で私のほうで今度担当させていただくということになりまして、また11月に国への要請活動等をしようと、今、問題意識の共有化などを図ってきているところであります。そこで議員がおっしゃるような人材の問題であるとか財政支援、財政措置の問題、それから当面するところでは、消費税が引き上げられますが、これが仕入れの関係もございまして、自治体病院の経営を圧迫する要因になりかねないところであります。こういうようなことなど具体的な問題点、我々としても意識を共有しまして、働きかけをしていこうということを今しているところでございます。
そういう中で、本県でも進めていますのは、公立病院の改革プランというのをそれぞれの病院でつくってきているわけですね。例えば西伯病院でいえば、急性期の病床を20減らしまして、回復期の病床のほうを20ふやす形にして、そうやって病院のいわば性格の今現状に即した転換を図ろうということをやる。こういうような改革プランを進めているわけです。こんなようなことを自治体病院それぞれに今やっているところでありまして、国のほうにはそうした健全な運営の確保、それからそれぞれの自治体病院の役割、これを保障することなどを今後もしっかりと求めていかなければいけないだろうと思います。
また、県としても、そういう意味で、例えば利子補給のような形で町立病院等の支援を行っているとか、また、基金を活用したそういう高度化、急性期医療への対応等々、そうした事業などを今後とも積極的にやってまいりたいと思います。
ポイントになる一つは人材のことだと、議員もおっしゃるとおりでありまして、これについてはなかなか現場のところで不足感というものが残ってきているところであります。
そういう中で、今、15人、自治医大、それから特別枠ですね、鳥大のほうでとった枠がございまして、自治医大出身者と同じように県の身分をつけて回すことができる枠、大体、今15人なのですが、これが令和9年度で28人まで今ふやせる見通しをつけてきております。
いろいろと手を尽くしてそうした人材確保を今後とも進めていきたいと思いますが、例えば精神の分野とか、分野によっては非常に確保が、この少ない人数を回す中ではそういう色分けの難しいところがあったりします。議員もおっしゃるように、鳥取大学等とも十分に協議をしながらそうした確保をしてまいりたいと思います。
そんなような構想の中で、鳥取大学に対して、例えば寄附講座で地域医療の講座をつくるとか、また、日野病院のほうでも現場をつくっていただいていますが、地域医療のセンターというのをつくってもらうとか、あるいはお医者さんについて、ドクターのリクナビのような形なのですけれども、そんなようなことをやってみたり、いろいろと今後ともそうした人材確保に向かってまいりたいと思います。
次に、アルコール健康障害につきましてお尋ねがございました。
これにつきましては、平成25年に
アルコール健康障害対策基本法ができたわけであります。これはアメリカではヒューズ法というふうに言われるのですが、ヒューズという方が起案をしまして、それでできた法律でございますが、これは当時、大論争もございまして、アルコール障害、健康障害というものに対する一種の偏見も当然世界を通じてあるところがあります。そういうものを克服しながら、アルコール健康障害に対する処方箋を公的に出して、それで対策を段階的にやっていこうと、こんなようなことであります。
それを下敷きにして、我が国でも基本法ができたわけでございまして、予防の見地、まずは啓発事業などでそういうアルコール健康障害に対する啓発を行う。それから、その次の段階としては、実際に罹患してしまったという場合には、お医者さんで治すことができる病気でもありますので、そうした医療的なケアの対策等をとっていく。さらに、それで一旦お酒から卒業しても、アディクションといいますか、また戻る可能性があります。そういう意味で、家族会など、そうしたサポートを得ながら対策をとっていく、そういう再発の予防などがあるわけであります。
福間議員からも議場で御質問もいただき、本県も全国に先駆けて平成28年に計画をつくりました。それだけでなくて、同じ年に渡辺病院さんに中核の病院としてセンターをつくっていただき、相談の窓口になっていただいたり、さまざまなコーディネートをしたり、また、いろんなセミナーをしたりということを今、県としても取り組んでいるところでございます。
今後もこうした形で、全国でも注目されているところもございますので、断酒会さんなどといろいろと手をつなぎながら、対策を進めてまいりたいと思います。
さらには、
ギャンブル依存症対策基本法が7月に通りました。このことについてもお尋ねがあったところでございます。
この
ギャンブル依存症につきましては、今回の法律では恐らくIR推進法とのセットだと考えたらよいのだと思います。ですからどちらかというとIRというのを考えているところがあって、その地域でそうした
ギャンブル依存ということの懸念もあるので、その処方箋を書くというようなことなのだろうというふうにも思われるところでございます。本県はそのIRに手を挙げるという考え方はございませんので、そういう意味では緊急性は若干低いところはあるのかもしれませんが、法律もでき、それに対する対策ということも言われるところであります。
世界を見渡してみますと、例えばラスベガスといったようなところ、これもカジノがあり、あるいはシンガポールも今、IRでお客さんを集めていると言われています。こういうところはかなり大衆娯楽化しているわけですね。もちろん依存症というようなこともあり得るわけではございますけれども、ただ、例えばラスベガスであれば、毎日いろんなショーをやっている。それで、例えばシルク・ドゥ・ソレイユとか、ああいうショー、あるいはミュージカルであるだとか、コンサートだとか、そういうものがあったり、コンベンションビジネスがあったり、そういう中にカジノというものもあるということでございまして、比較的ある意味一つの産業、インダストリーとして成立するのではないかと、こんなモデルになったわけですね。それがシンガポールのほうにも入ってきて、シンガポールも、今、マリナーベイ・サンズとか、そういう形で今動いているところが出てきていると。それを日本でもというようなことなのですが、ただ、やはり依存症の問題というのはそういう中でもあり得るわけであります。
これについては、このたび法律もできましたので、例えば県政だよりなどの広報のツールなどを使って、私たちとしても周知を図ってまいりたいと思いますし、リーフレットであるとか、ホームページだとか、そうしたことも活用していきたいと思います。
そういう中で、今、この家族の会があるのですが、それの支部を本県でもという動きがあります。ぜひこうした動きと我々も連携をさせていただき、先ほど断酒会のような家族のサポートのお話を申し上げましたけれども、
ギャンブル依存症についてもそうした同じような依存症のタイプでございますので、そうしたことと対応していけないだろうか、依存症セミナーということをやっていこうとか、そういうことの応援をするとか、我々としても対策を組んでまいりたいと思います。
次に、子育てにつきましてお尋ねがございました。幼児教育・保育無償化について、3歳から5歳児が入りますが、ゼロ、1、2歳児、これの完全無償化を全県に広げるべきではないかと、こういうお話がございました。
本県は、子育て王国という形で、実際に子育て施策がうまくいったから、例えば移住とかにも波及してきている。そういういい効果も出ていると思います。昨日も大山町の町長さんが胸を張って記者会見をやっていましたが、ついに社会増になったと、それはやはり子育て施策、県がやっているこの中山間地の無償化だとか、こういうことが有効に作用してきているという分析をされておられました。多分そうだろうと思います。そういうようなことは現実にあるので、この点は我々としても政策のかなめで大事に本県もしていけばよいかなと思います。
ただ、なかなか簡単ではない。なぜなら、これは市町村が主役でありますし、財源の問題も当然考えなければならないところであります。本議場においても平成25年ごろからいろんなお話があり、私も真面目ですし、職員も真面目ですから、そういうお話があれば、いろいろと皆さん、市町村も含めて調整をするわけでありますが、なかなか保育の無償化というのは簡単には理解が得られないと。平成25年に市町村長を回ったときも、大多数が反対というところから始まりました。ただ、中山間地の施策としてはあり得るのではないか。若桜町など興味を示されるところもあり、平成26年に中山間地の施策として、県が2分の1応援する無償化事業を全年齢で始めたわけであります。
その後、またそうしたら都市部もどうだという議論がここでも出て、それもまたもう1回持って帰って市町村と協議をするのですが、強固に反対する市もあったりしまして、なかなかそう簡単ではない。せめて第3子以降ということで折り合えないか。こういう中で、ようやく平成27年に第3子以降の無償化、これは年齢を問わずという形で本県で始まったところでございました。
事ほどさようでございまして、今回、3歳から5歳をやるから、ではゼロ、1、2歳をやりなさいと、市町村が乗るかというと、実は、今、いろいろと調査はしているのですが、正直全くそんな空気はないというところでございます。というのは、本県もそうなのですが、今回3歳から5歳児の無償化をするに当たりまして、もちろん持ち出し増になります。従来我々がやっているところ以外のところも当然出てきますし、ロットも大きいですから、そこでまずはどう定着するかを見てみないとという多分正直な気持ちがあるだろうと思います。
また、そのほかのことも考えられないかなというのをやはり模索すべきかなと思っていまして、今回、大山町のことであれば、高校生の通学費助成などもきいているというのですね。これも立派な子育て施策でありまして、そういうような別の対策というのを含めて全国の一歩先行く次の子育て施策というのをコンセンサスを粘り強く市町村と探していくのが私は現実的ではないかなと思っていまして、今、その作業を市町村と、あるいは専門家と一緒に検討委員会の場で始めたところでございます。今年度、よく市町村と協議をし、その様子もまた議会のほうに随時御報告も申し上げたいと思います。
保育士の処遇改善、4万円の上積みの対策が示されているけれども、これについてどうかと、こういうことでございます。
これについては、副主任保育士、7年以上勤務、こういうようなことで4万円ということが対象になり得るということで制度設計がつくられたところでございます。スタートをして、議場でもぜひその適用範囲を市町村を説得してやるべきだと。平成29年度は66%ぐらいの事業所で適用されていましたけれども、今、約8割ぐらいまで上がってきています。そうやって保育所の現場のほうでも努力をしていただいていますし、実は使いにくいところもありまして、国に直していただいたところもあります。副主任の方だけなものですから、その上の方々とのバランスということがあるわけですね。ここだけ4万円上げるということがなかなかやりづらいので上げられないというようなところもありまして、もっと弾力的な活用ができるようにというふうに国のほうに一部制度改正もしていただき、今、その水準までやってきたということであります。
このほかにも例えばICTを導入して、保育計画や保育記録を簡略化する、そういうふうなことを応援するとか、そうした職場の生産性向上にも今応援をさせていただいているところであります。
出生率の向上につきましてお尋ねがございました。これについては、本県、1.43まで平成20年度に下がっていたものが現在1.61というふうに上がり、全国上位に上がってきました。その背景には、先ほど議員も御指摘いただいたそういう子育て施策のアピール効果があったのだということもあったと思います。また、もともと子育て環境が、例えば三世代同居なども含めまして、本県の場合は恵まれていると言われる面もあるのだろうと思います。いろんな要因が重なって、今、上がってきてはいるのですけれども、ただ、ここに来てちょっと足踏み状態。実は全国的にもなかなか上がらない足踏み状態に入ってきています。要因をいろいろと分析してみますと、一つ考えられるのは、20代、30代ぐらいの若い女性のところでの未婚率がやはり高い。私どもの上の地域、上の県と比べますとそこは若干低目であるかなと。やはり出会いの場づくりというのは、ここからもう少し上げていく上では一つのポイントになってくるかなというふうに思います。例えば隣の島根県では、はぴことかいういわば仲人役をする人、こういう人をつくっていまして、そんなようなことも含めて、今後、政策の高度化を図る必要があるのかな。子育て王国の推進会議等でまた議論を進めさせていただきたいと思います。
次に、交通問題につきまして、何点かお尋ねがございました。
まず、
地域公共交通網計画、これを東・中・西で実施して、現状どうかと、問題はないかというようなお話でございます。
議員御案内のように、まず西部から始めまして、それから東部、中部、それぞれも今やってきておりまして、路線バスの改編に入ってきているところでございます。
西部で先頭を切ってされましたのが、南部町のほうの法勝寺のところでバスをとめると、そこからフィーダーで、デマンドバス形式で出していくというようなことでございますが、これで実は乗られるお客さんはふえていますし、また、実は割とこれでバス停を70ぐらいまでふやしまして、これが評判もよくて、地域に50、60ぐらいまでふやしまして、地域にやってきてくれと、従来の倍以上ふやしているということになりました。
ただ、その一方で、まだちょっと十分使われていないというところもありますので、今、これをまたPDCAサイクルを回して、例えば土曜日の第2便のような買い物に出られるのに都合がいい時間帯を、これはデマンドではなくて定期バス化するとか、いろいろと今後も改善を図る必要があるのかなというふうに思われるところでございまして、これは今、向上策を検討していると。
これは実はデマンドバスも導入したことで、料金も安くなっていまして、大木屋まで米子から出ようと思いますと800円かかったところが650円で行けるようになっています。ですから利便性も増して、使いやすく、運賃も若干低廉化したというようなことで、いい取り組みだったのではないかなというふうに思いますが、こういうことを今各地で進めようと、中部、東部などに広げつつあります。
中部のほうでは、またこの10月からダイヤの組みかえをするわけでございますが、例えば北栄町のコナンのロードのほうに入っていく。それから、倉吉西高校等々に入っていったり、そういう路線をつくるとか、それから、倉吉総合産業高校、これもバス路線を別途つくるとか、また、西倉吉の工業団地のほうの通勤客、これに入れるようにやはり路線を曲げていくとかいうようなことを今しようとしていますし、その後も例えば178号線のところが今、駅の北側のほうが結構お店も張りついて、メーンストリートになってきているのですが、ここにバスが来ていないですね。ここにバスが回るような路線なども今検討中であると。
東部のほうでは、八東駅が若桜鉄道にございますが、これを2番ホームまでつくりまして、ここで行き違いができるようにする。これに路線バス、日交バスとのダイヤの整合化を図って、毎時何らか行き来ができるような形にできないか、今、そういう改編をしようということにしております。それに向けた八東駅の行き違いの工事が進められてきているところでございます。このような形で今進んでいるところであります。
新幹線構想につきまして、非常に強いお話を頂戴いたしました。現実にはまだできていませんから、そういう意味で、非現実といえば非現実なのかもしれませんけれども、ただ、私たち、この山陰には山陰新幹線と中国横断新幹線と、2つの新幹線構想があり、基本計画で従来から設定をされているところであります。つまり国の新幹線の計画の中では骨格をなすものとして、山陰にそういう2本の新幹線をもともと設定してあったわけであります。今、順番に全国で整備新幹線が進められており、北陸新幹線も敦賀-大阪間が令和4年度にできるのではないか。こんなようなところまでやってきているところでありまして、今やっている5線のところからさらに次にそろそろ検討を進める、そういう段階にも入りつつあるのかもしれません。
ですから、今の4年間で私たちが担当して、そこで全てが決められるというタイムスケジュールでは多分ないですけれども、ただ、この4年間のうちに私たちは次の時代に引き継ぐやはり道筋をつけるべきではないだろうかというふうに私は考えております。そこに遮断機を立てて遮断してしまうというようなことよりは、先ほど夢を追うというお話がありましたが、夢を追う、そういう形は地域の中に根強くありますので、やはりその芽を摘むのは、今、時期尚早な議論かなというふうにも思えるところがございます。
議員がおっしゃるように5つのポイントがあって、例えば並行在来線の課題とか、経費の課題だとか、いろいろあるわけでございますが、今、例えば自民党のほうの鉄道調査会、こちらのほうは西田先生という京都の参議院議員が座長をされていますけれども、そういうところで今いろんな議論をされていますが、そうしたところで出てきていることから、例えば並行在来線の課題だとか、複線で本当にやらなければいけないのかとか、単線化するとそれだけ経費も安くなるというようなことがあったりします。こんな議論も始まっています。また、実際、国のほうでも今、国土交通省がそういう単線化したらどうなるかというのは、そういう可能性の探求とか、新年度予算の予算要求も含めて新幹線鉄道、高速鉄道に向けての検討経費というのを引き続き計上し、執行してきているというような状況がございます。
また、政府・与党の新幹線の委員会のほうでは、議論が今提起されていますのは、国の機構のほうからの貸し付けで貸付料収入があります。この貸付料収入がめぐりめぐって財源となって、これが新幹線鉄道の建設費のほうに回っていくわけでありますが、その期間というのを30年から50年に延ばそうと、こういう提案を現に始めておられます。正直な話、JRさんのほうでは非常に抵抗感のある声が上がっているというふうに伺っておりますけれども、これについては2020年に結論を得るというふうに、今、関係者が位置づけているところでありまして、ことし、来年、そうした大きなフレームについての議論が進む可能性があります。
ですから、そういう意味で、いろんな問題を抱えていることは当然承知もしているところではありますが、やはり我々として、そういう基本計画路線があり、いずれは整備計画に上げるものだと、そういう議論の筋道というものを我々も明確に出していく必要はあるのではないかなというふうに考えております。
次に、クルーズ客船につきまして、境港の竹内のほうにJR境線を延伸してはどうかと、こういうお話がありました。
もちろん福間県議のほうで引いていただけるのだったらそれで全く結構なのですが、ただ、恐らく実現性ということも、これからJRさんのほうでの御議論等も当然あろうかなというふうにも思います。ちょっと気になりますのは、クルーズ船のお話をされるのですが、この間もクアンタム・オブ・ザ・シーズという船がやってきました。4,800人が乗っていました。4,800人です。境線、今、恐らく30分ほど走って500人でありまして、4,800人、クルーズ船ってそういう規模でありますので、一遍になかなか乗せられないということになるのかなとか思いますし、また、実は船ですので、予定より早く着いたり遅く着いたりしますし、当然ながら毎日来ているわけでもないので、年間で60隻でございますので、採算性とJRさんがよく言われるものですから、それが果たしてどうなのかなというようなことは言われそうだなという気もいたします。
そういう意味で、バスとかタクシーだとか、そういう自動車交通のほうがフレキシブルで、現状そうやっていますけれども、そのほうが対応性がいいのかもしれないなというふうには思えるところであります。もちろん、今、環境問題などもございますので、鉄道へのシフトとかいう議論が今後加わってくることもあり得るかもしれませんし、富山などでやられているようなライトレールみたいな議論もありまして、かねてからこうした声が鉄道関係者のほうでもあるとは伺っているのですけれども、いろいろと関係者間でもよく御議論もいただければなというふうに思います。
次に、農業につきまして、何点かお尋ねがございました。農地について、あるいは担い手の確保、話し合って将来目標をつくっていくことを早急にやる必要があるのではないだろうかということ、これについては大型化、広域化した農業とか小規模な農業だとか、タイプが3つあるのではないか、それについてきめ細かに政策をとるべきではないだろうかと、こういうお尋ねがございました。
これにつきましては、平成23年に食と農林水産業の基本方針というのを当時、民主党さんのところでつくられて、それに基づいて、人・農地プランというのが始まるわけでございます。これはぜひ集落で話し合って、誰が担いながら農地のお守りをする、そういうようなことを考えつつ、農地の集積も図っていくと、これがその後もまたパワーアップしてはいくのですけれども、本県としてもこれを地道に進めてまいりまして、今、90を超えるそういう人・農地プランというところまでやってきたところでございます。現実にも例えば南部町の中でも寺内とか福成とか、そうしたところで農地集積を強めようとしていますし、それに対する担い手ということを考えたり、また、場合によっては米子のほうから少し切り取って、くっつけて集積所を高めたりというようなこともされ、ネギに取り組まれるとか、いろいろと今出てきているところであります。議員がおっしゃるように、将来を見渡した集落の中の話し合いを基本として、そうした農業の姿を追求していくのは大事でありまして、我々としても今後も促進策をとってまいりたいと思います。
そういう中で、補助のあり方についてお話がございましたが、例えばがんばる農家プランというところでいろんな農業の姿をつくるわけでございます。恩田農場などでいいますと、後継者がいらっしゃいまして、それで、今、このプランを使いながら、繁殖和牛、従来の肥育中心でなくて、繁殖は4頭ぐらいだったものを20頭以上にふやしていくと、こういうことを今進められ、それでまた飼養頭数の増大を図られて、経営を大きくしようというようなことをされたりしています。
また、地域ごとの農地プラン、がんばる地域プランというのをやるわけでありますが、これも大山町とブロッコリー、それからスイートコーン、こうしたことでのプランをつくる。そういう中で、今、夜明け前に収穫をして、新鮮度を保ちながら出荷をするということをするわけでありますが、予冷施設をつくれば昼間収穫ができるということになってくると。例えばこんなようなことなどを今展開されていまして、私どももそうした農業の改善を補助金で支えてきています。
ただ、おっしゃるように、使い勝手の悪いところとかもあると言われます。よく言われるのは、農地の拡大をベースにして大体補助制度を組まれているのですけれども、もうそこが限界に来ていると。では農業の未来はないかというと、むしろ付加価値をふやしていく、そういうことでの農業の展開というのもあるわけであります。ですから例えばそういう付加価値ベースのことに着目しながら、補助制度も少し見直す、弾力化するということもあるのかなと。議員のほうからも御指摘がございましたので、また当初予算に向けまして関係者と話し合いをしてまいりたいと思います。
次に、原子力発電につきましてお尋ねがございました。立地と同等の安全協定を結ぶ、そのために丸山知事と協議をしてはどうだろうか、また、避難計画の実効性、これについてどうかと、こういうお話がございました。
これについて、避難計画の実効性は、水中原子力安全対策監のほうから詳細を申し上げたいと思いますが、私どもの基本戦略としては、かつて2号機、3号機の問題があったとき、議論も十分いただきまして、安全協定の改定を目指すべきだと、それを中国電力に強く申し入れるということにいたしまして、中国電力の考え方も大分我々の雰囲気としては変わってきているかなというふうに思います。ただ、どこまで彼らがやり切れるかということはあろうかと思います。また、国のほうにやはり制度設計というのをきちんと求めていく、これも重要だと思います。
私どもは、島根県のほうとは、立地、周辺という違いはありますけれども、これを乗り越えて、一緒に原子力安全対策をやったり、例えばモニタリングのネットワーク、この機材の設置やデータベースの共有化などもしまして、ほかのサイトではないようなことをいたしているところでございます。
そういう中、前の溝口知事もお話もしながら、安全協定を我々は結びますよということを申し上げて、実際締結をしたということもございました。その際、溝口知事のほうからお話がありましたのは、島根県としても鳥取県の意見をちゃんと聞いた上で中国電力に返すという仕組みもつくるというようなお話がございまして、これが今の両県関係の基本になっています。ちょっと丸山知事とも今後また折に触れてお話もする機会はあろうかと思いますが、この基本を崩すことは恐らくないだろうというふうに思っております。ですから島根県と一緒にやはり安全というものを第一義に考えていく、そういう体制づくりというのを我々としても今後も進めてまいりたいと思います。
また、立地同等の協定については、今、中国電力に強く申し入れていますし、8月にも
原子力規制委員会の長官のほうにも要望に上がったり、経産省に行ったりしましたが、こうしたことも国にやはり、本来は国の制度設計の問題なので、それを求めてまいりたいと思います。
避難につきましては、これは分割してということのお話がございましたが、しないとこれは大渋滞が起こったりしまして、16時間、車に閉じ込められる人が出てくると。そういう意味で、できるだけそうした実効性を高めながらバージョンアップをして、対策を進めてまいりたいと思います。
今議会にも提出をさせていただいておりますが、それに関連して、警察のシステムなども含めてモニターのカメラをつくる。これを河崎の交差点だとか、そうしたところに設置をする。それから、信号の制御をしまして、そういう万々が一のときには通過交通がスムーズにいくようにして渋滞の発生を防ぐ。この辺も年数をかけて展開をしてまいろうとしているところでございます。
次に、防災・減災につきまして、避難勧告等のガイドラインが内閣府のほうで出たわけでありますが、これで県民の意識改革を進める。その取り組みの状況はいかがだろうか、また、防災士につきまして、現在何人いて、目標はどのぐらいか、その支援策を講ずるべきではないかと、こういうようなお話がございました。
ガイドラインにつきましては、これに先立って実は鳥取県は昨年の豪雨災害の教訓に基づく検討の委員会をつくっておりました。現場の方々や関係者と一緒に話し合いまして、例えば命の危険がありますので直ちに逃げてくださいというような表現で避難指示のときには言葉を発していきましょうとか、そういうようなことを実は我々、結論も年内に出していたところだったのですけれども、その後、政府のほうでも同じような検討がなされまして、ガイドラインで5段階に危険度レベルを設定して、3から5段階は市町村がそれを決定し、住民に伝えて避難をさせると、このような仕組みができ上がったところです。まだできて間もないところですが、基本的に我々が考えたこととよく似ていることなものですから、そのときの話し合いの体制の延長として今回のガイドラインの導入をしようと、それで6月の初め、出水期にそれの適用を始めたところでございます。やはり報道機関だとか、そうしたところにも協力を求めていかなければなりません。御案内のように、最近はレベル3とかレベル5だとか、報道機関もそれを丁寧に報道していただける、早目に周知するようになってきておりまして、こうした関係性も大切にしながら進めていく必要があるのかなというふうに思います。近々また10月1日にNHKさんと一緒にそうしたアナウンサーの訓練等もやろうとか、こんなようなことで実効性を高めてまいりたいと思います。
防災士につきましては、現在903名まで行きました。結論から申しますと、またこの後、防災士の養成の試験というのがございまして、それを超えていきますと恐らく1,100人に達するだろうと。これは実は令和2年度末の目標数字だったものを1年前倒して達成可能だというところまでやってきまして、関係者のいろんな御協力が得られたのかなというふうに思っています。
実はその背景として、鳥取県のほうでこの防災士の試験をやると。そうすると経費が安くなるのですね。神戸のほうにその本部がありますが、そちらのほうでいきますと6万920円かかるのですが、本県で実施をすると1万6,000円で済むと。しかも実は市町村が選定をして出してくれるときは市町村がそのお金を負担するとか、また、大学生がこれを取るときに、COC+といいますか、大学間連携の仕組みの中でこういう防災対策ということを出しておられまして、そうした大学間連携のお金の中で負担するという制度もありまして、かなり今、促進剤が効いていると思います。
ですから、今、うまくいっていますので、こうした支援を継続していき、また、今後ともいろんな声をお聞きしてまいりたいと思います。
次に、多文化共生社会などにつきまして、何点かお尋ねがございました。多
文化共生支援ネットワークの設置、対応について、今後の充実強化はいかがか、あるいは観光客、居住者、また働く人を考えれば、相手国を尊重する気持ちを持ちながらつき合う、そういう風土づくりが大切ではないだろうか、また、外国人の方に対する、労働者に対する日本語指導、文化や語学を学べるような、そういう設定をしていくべきではないかと、こういうお尋ねをいただきました。
これは、国のほうの新しいそうした外国人労働者、働ける環境づくりが始まりまして、4月から適用されてきたわけでありますが、本県は、これに先立って、まず行政書士の皆さんと連動して、総合相談窓口というのをつくってまいりました。また、ことしに入りましてからは県庁の中でも、これはどちらかというと企業さん向けのほうが中心ではありますが、こういう外国人労働者の方の働くということについてのやはり相談や調整窓口というのをつくらさせていただき、政府のほうも労働局等でそういうような仕組みがあります。
そういう中、予算もいただき、この春から国際交流財団のほうにベトナム語もしゃべる方を配置したり、この夏にはテレビ会議システムなども充実をさらに前に進めまして、体制を今整えてきたところでございます。これで現実にも、例えば国際交流財団の窓口のほうには生活についての御相談だとかも含めて、ここが一番件数的には多い形で入ってきていますし、企業さんが、では届け出をして外国人労働者を受け入れるためにどうしたらいいかというので、例えば行政書士さんを活用した窓口とか県の窓口だとかにも相談が来ると、このようなことになってきているところでございまして、一応スムーズにスタートはしています。
ただ、まだ件数が少ないですね。都会部と違いまして、まだまだ件数は少ないものですから今そこで対応できているところでございますが、例えば病院の中でもそうした語学といいますか、言語の問題ですね、これを変換するようなシステムとか、そうしたものの設置などを今、予算も投入して県のほうでも進めさせていただいていますが、こうした体制づくりをますますこれから加速化していかなければいけないのだろうと思います。
それについては、議員がおっしゃるように相互理解の素地をつくったり、日本語教育、あるいは文化教育ということも大切であります。例えば境港では、4社共同しまして日本語学習をする機会をつくろうと、これは県のほうでも支援をさせていただき始めたところでございますし、また、国際交流財団のほうでもそういう教室をつくっておりまして、この仕組みを活用するところもございます。こちらのほうでは、文化ですね、日本の生活スタイルだとか、そういうことも含めて講座のほうは持たさせていただいているところでございます。
また、これに加えて、例えば境港では、地域の行事に外国人労働者の方々に入っていただく、こういうことを積極的に展開されております。いろいろとそうした相互理解も深めながらやるというのは議員がおっしゃるとおりだと思います。県のほうの財団でも支援をしながらそういう機会づくりをしておりまして、今週末は米子市文化ホールにおいて、西部ではそういう国際理解のイベントをすることになっております。いろいろと手を尽くして進めてまいりたいと思います。
次に、働き方改革について、就業環境の整備の取り組みはいかがか、また、最低賃金、その周知を図るべきではないか、さらに、そのためには生産性向上など、中小企業や小規模事業所の支援が大事ではないかと、こういうお尋ねがございました。
これについては、本川連合会長とか、それから宮崎経営者協会会長とか、ともに全国で初めて鳥取県という県も入りまして、3者協定を結び、こういう長時間労働是正に向けたプロジェクトというものを立ち上げたところでございまして、近々にそのためのセミナーもやろうということを今、予定いたしているところであります。
また、これもそうした組織とかかわりながら、みなくるという相談窓口を設置しているところでございますが、ここでもそうした相談対応をとっていただき、場合によっては個別労働あっせんのような形、そうしたところへ持ち込むとか、さまざまな対応が持たれているところであります。
県のほうでも就業環境整備に向けまして、社会保険労務士さんにも動いていただく仕組みをつくり、職場の就業規則の改正等、そうした中小企業のなかなか手が回らないところのアドバイスなどの仕組みもつくらさせていただいたり、県庁の中にも働き方改革の組織を立ち上げさせていただきました。いろいろと関係団体とも一緒になって、地域を挙げて進めていく必要があります。
そういう中で、このたび790円に最低賃金の引き上げがなされました。これで最高額と最低額と都道府県通じて1円だけ縮まった形にはなりましたけれども、いずれにいたしましても、こうしたことを周知していかなければならないわけでありまして、県のほうでも県政だより等の広報手段を通じてこの状況をお知らせしてまいりたいというふうに思いますし、今月中にホームページのほうにもこうした状況について掲載させていただきたいと思います。
ただ、議員が御心配されるように、県内は中小企業が多くて、賃金を上げようにもそれだけの利潤が生み出せていないと、生産性向上を図らなければいけない、あるいは職場環境を整えなければならない、こういうような難しさもあるのも事実であります。
そこで、鳥取県では、これまでこの働き方改革に関連して、経営革新制度の中で働き方改革というものを進める補助制度を立ち上げていったり、また、地域活性化雇用創造プロジェクト、こういうような事業での応援をしたりしてまいりました。例えば米子にオーシャンという施設があります。大協組さんがやっておられるところですけれども、あそこで生産性を5%上げると、こういうことに成功しました。そのためには、業務のマニュアル化とか、改善活動だとか、そういうことをする。特にお食事関係などが生産性の向上が著しくできたということがございました。
また、例えば望湖楼さんなどは、これも県のほうの経営革新のほうなのですけれども、旅館の特性だと思うのですけれども、日に2回働きに出るという、そういう変則勤務があるのですけれども、それを例えば厨房関連の施設を見直すとか、そうした施設整備のことも含めてされて、現在ではフロントだとか、配膳係さんだとか、そういうところでの2回勤務というものが解消されるようになってきております。
やはりちょっと県のほうでもこうやってバックアップをすることで、それで経営改善ということが進み、それが働き方改革につながる。そういうことは我々も経験しているところです。
また、先端的な技術を使うことも可能でありまして、それも応援をさせていただいているわけであります。例えば三洋テクノソリューションズがございます。ここは電機屋さんでございますので、いろいろと開発能力があるわけですね。それで、みずから自社製のタブレットで工程管理をする。それで生産性の向上を図るでありますとか、あるいは確認のチェックというマニュアルでやるようなところがありますが、そういうものを電子化するとか、そういうことを進められ、これで生産性の向上につなげるということをされたりしています。このようなさまざまなやり方があるのだろうと。
そういうわけで、6月に皆様のほうでお認めいただいた新しい産業応援助成制度の中では、こうした助成枠を200万円から500万円に引き上げておりますし、補助の率も2分の1ないし、共同化する等によって3分の2というふうに、これも使いやすくしているところでございまして、ぜひこうしたものの活用も呼びかけてまいりたいと思います。
次に、同和対策につきましてお尋ねがございました。この同和対策の法律に基づく施策の現状はいかがか、また、実態調査を行うべきではないだろうか、こういうお話がございました。
これについては、議員も御指摘がございましたけれども、私ども、同和対策協議会があり、ここのいわばパワーアップをすることで施策の前進を図ろうと、こういうことで法律以後やってきているところであります。現実にも当事者団体の委員の数をふやしたり、弁護士さんに加わってもらったりというような組織改革もし、さらに、分科会を設置しまして、教育関係とか、あるいはインターネット関係だとか、当事者支援だとか、そうした分野について重点的に研究調査をしながら対策を進めていくと。
そういう中で、例えば、今、学校の先生方の教える教則本的な、そういう学習支援の冊子もつくるということになり、多分これに基づく指導もこの2学期ぐらいから始められるということになるのではないかなというふうに思われます。どうして教則本ということがあるかもしれませんけれども、若い先生方もふえて、要は若干風化している面があるのではないかと。そういう意味で、例えば条文の解説だとかも含めて、あるいは運動のこれまでのあり方なども含めて、そういうことの基礎知識を持っていただくことも必要ですし、また、子供たちがこういう反応をするだろうということも含めながら、教えやすい形でのマニュアルをつくっていく。これは非常に現場のほうでも好評だというふうに伺っております。
例えばどんなことが書いてあるかというと、今、当たり前のように思っていますが、小中学生の教科書は無償化されていますよね。あれも実は最初からあったわけではないのです。やはりそういう部落問題というのがあって、なかなか教育を受けたくても受けられないという実情があり、高知のほうで教科書代が払えなくて教育を受けられないと、教科書をただにしようという運動が始まりまして、それが教科書をただにする会という会だったと思いますが、それが後に政策として取り入れられて、昭和30年代最後のころですかね、教科書の小中学校無償化というのがだんだんと学年進行で入っていって、今ではでき上がっていると。当たり前のようにみんな思っていますけれども、これもそうした同和対策事業の中から、そういう人権の意識の高揚の中から教育を受ける権利として成熟してなってきたと、このようなエピソードも含めて、今、明らかにして、学校現場のほうにお伝えをするというような作業をしたところであります。
インターネットなども非常に難しい課題があるのですが、そういうもののモニタリングを昨年度したところでありまして、ことし、市町村も含めて進めていこうと、今、研究会を始めているところでございます。このような形で今前進を図っているところであります。
実態調査につきましては、議員がおっしゃるように実態がわからずして政策というのは打てないものでありますから、何らかの調査ということは当然必要になってくるものだと思います。現に鳥取県としても、例えば隣保館を通じて実態把握などを今進めていこうとしていまして、そこで9月末までにこれを集計しているのですけれども、今出てきていることでいいますと、やはり多いのは結構結婚差別の残存がまだあるということではないかなというふうにも思われます。結婚しようということを言ったらこれが反対をされたと、これがやはりそうした調査の中で浮かんできた課題でございました。そのほかには、例えば独居高齢者の問題とか、子供の教育のことだとか、いろいろと若干はあるのですけれども、同和問題に非常に関連性の深いものはそういう結婚課題ということがあったということでございまして、これは集計をこれからしていきます。今、このような調査も片方で進めているところであります。
また、国のほうでも法務省の人権機関のほうで把握した事例とか、また、県のほうで把握しているような事例、これも集計を国がされていまして、いずれそうした分析結果も明らかになってくるのではないかなというふうに思います。こんなふうにして国も今、実態の調査というのを進められているということでございます。
これはちょっと注意しなければいけないことに、今、全国でなっていますのは、参議院で可決のときに附帯決議が出ていまして、附帯決議の中に、やはりそうした対象地区が明らかになってしまうようなことになったりして、かえってその趣旨にたがうことにならないように、慎重にそこは取り扱うということが1項目入っているのですね。これとの折り合いをどうつけるか、この辺が一つの課題ということであるのではないかと思いますが、我々として今できる範囲のことをまずスタートしようと、隣保館などの調査を進めたところでございます。
次に、淀江の産業廃棄物最終処分場につきましてお尋ねがございました。今日までの経過の概要についていかがかということ、それから、今後どういうふうに進めていくのかということにつきましてお尋ねがございました。
経過の概要につきましては、詳細は生活環境部長のほうからお話もさせていただきたいと思いますが、これはちょうど四半世紀になるわけであります。これについては、産業廃棄物について、適正な処理をしなければならないのではないか。法律の中でも基礎的なインフラとして求められるところもあり、それを県が最終的な担保者ということになっているという事実もあるわけでございます。そこで、平成6年12月に鳥取県環境管理事業センターというものが設立をされたわけでありますが、全会一致で県議会でもそれが認められてスタートをしたということです。しかしながら、そこから四半世紀にわたりまして、実現に至らぬまま、今日を迎えているということでございます。
現在、淀江のサイトにつきまして、地元の方々に大変な御協力や、あるいは御心配、さまざまな御意見をいただいているところでありまして、私どもとしては、真摯に向き合っていくことに変わりはございません。これについては、鳥取県独自のシステムとして、条例手続が設けられていたところでありますが、これについてはこの県議会でも随時御報告を申し上げ、御協議を申し上げてきたところでありますが、これについては一旦手続としては終結をさせていただきました。
ただ、これも御議論ございましたが、これは別にコミュニケーションをやめるということではなくて、今後、正式な設置に向けた法律上の手続が始まります。その中でも意見聴取という手続もございます。また、そこに至るまでの間でいろいろと今後も進む手続もあるわけでございます。そうした前提の中で、これについては終結をしたということでございます。
条例の規定の中に、合意できたところは合意で終わりなのですけれども、合意できていないところで、それがすり合う可能性がないということになりますと、これも終結というふうに条例の中でも定められていまして、そうした手続に従って、今、この位置に立っているというふうに御理解をいただければというふうに思います。
先般、米子市と環境管理事業センターのほうでやりとりがございまして、8月30日付で米子市のほうから返答が来ました。この中で、用地の使用について、条件つきで許諾を与えるということとなりました。9月3日に私どものほうにその写しが来まして、県としてもその状況について了知させていただきました。
注意しなければならないのは、その米子市の中に条件が入っていることだと私は思っております。そんな意味で、今後の進め方というお話なのですけれども、その米子市のほうで出ていた条件、一つは、安全性について、これを今後の手続の中で確認をする。それにより県が許可することが条件だというふうになっています。我々、県でありますが、許可することは我々の話になってしまうわけでございますけれども、それは横に置くということになりますが、その前提としての調査ですね、本当に安全かどうかというのがポイントだというふうに米子市は県のほうには言っているというふうに理解しなければいけないと思います。ですからこれについては、やはり今までセンターのほうでも調査もされており、それについて、県のほうで受け取っているという経緯もありますけれども、私は改めてこの点は、精細な調査というのは、米子市のお考えもあり、しなければならないポイントになってくるのではないかなというふうに考えております。
あと、もう一つ条件の中で出されていましたのは、センター、そして県もということでありますが、地元における、より一層の理解を深める努力をしなさいと、そういうことも条件としてつけられていたわけであります。これについては、これから最終的には環境についての協定を結ぶということが今後作業としてセンターと地元の間で出てきます。また、これは県のほうの基金も活用しながらということになりますが、地元での地域振興の計画づくり、これもその協定と並行して出てくることになるのではないかと思います。
こうしたことを経て、その後の本申請の手続に法的に入ってくるということだろうというふうに見ているところでありますけれども、こういう過程において、やはりセンターのほうでも、あるいは地元として必要があるということであれば、県のほうもそうした地元とセンターの間の協議にあずかっていくと、入っていくと、かかわっていくということは十分あっていいのではないだろうか。そういう中で、理解を得る努力というのも私どももする機会もあるのではないか、こんなように考えているところでございます。
いずれにいたしましても、まだ手続としては、これからが最終的な、本格的な手続に入ってくるわけでありまして、襟を正して真摯に地元の皆様に向き合ってまいりたいと思います。
次に、水道事業につきましてお尋ねがございました。改正水道法について、考え方はどうかと、こういうことでございます。
昨年の12月に改正水道法が成立をしまして、この中に県もかかわりながら、広域化について条文もつくられたところであります。また、コンセッション方式、これについても市町村の主体ということは変えずに、コンセッションでやることも可能というように法律上明記をされたということもございました。
議場でのこれまでの議論も踏まえながら、今、市町村とそういう広域化等についての研究、調査を進めているところでありまして、率直な意見交換をしているところであります。議員もおっしゃるように、石田倉吉市長も含めて、市のほうは、皆さん、コンセッションについては否定的なお話をされています。また、神戸市役所のほうでも神戸市長さんは、これまで市としてこの水道にかかわってきた技術者もあり、市のほうで経営していくということがベターだと、こんなようなことを、ここから近い政令市の中でもそういう発言もあったりしておりまして、市町村がすぐに改正水道法ができたからターンを切って変えていくという、まだそういう空気感はないだろうなというふうには思われます。
ただ、大切なのは、経営の問題、これから長い視点で考えていかなければいけませんし、どういうように合理化できるところもあるのだろうか、その辺はやはり一つは謙虚に見ていく必要もあるのではないかなと。そういう意味で、今、地道ではありますけれども、市町村と話し合いをし、さまざまな意見を出していただいているところであります。例えば管路の接続なども一部考えられるのかもしれません。そういうような割と具体的な話も含めて、今、アイデアベースで議論も一部で出てきているところであります。全県通じて全て一律に何かこれで一気に変わるというようなことでは今の話し合い状況はないかもしれませんが、地域によってはそういう何らか広域的な手法、連携の手法というのも考え得るのではないかと、こういうような空気も出てきているというところでありまして、まだまだ緒についたところと御理解をいただければというふうに思います。
いずれにいたしましても、大体令和4年度ぐらいを目途にして、水道についての広域化等のプランをつくれというふうに国は言っているものですから、そうしたことについて、何らかの結論が得られるような努力をしてまいりたいと思います。
最後に、平和につきましてお尋ねがございました。大山口の列車空襲、これについて取り上げられ、戦争犠牲者の慰霊の実態を県は把握しているのか、また、弔意等をあらわすべきではないだろうか、また、合併等が進んだわけでございますけれども、これについて、合併後は非核平和都市宣言など、どうなってしまったのだろうかと、こういうような観点でお尋ねをいただきました。
大山口の空襲でございますけれども、これは昭和20年7月28日、まだ朝の8時ごろでございます。鳥取発出雲今市行きの列車でございますが、これが米軍機に襲われたということになりました。そこには前のほうに2両、病院に関連する車両も連結をされていたわけでありますが、特に前4両が激しく攻撃を受けました。機銃射撃、それからロケット弾、こうしたことで44名もの死者を出すということになりました。戦争が終わりを迎えようとしているとき、非常に痛ましいことになったと思いますし、ちょうど赤十字の標章もつけながら走っていた列車ではあったのですが、そういう攻撃に遭ったということに、さまざまな感情もあるところでございます。改めて亡くなられた方々のみたまに哀悼の意をささげさせていただきたいと思います。
これについて、ただ、戦後、かなり長くたってきて、風化してきているのではないか、これも含めた戦争の慰霊ということ、あるいは合併後の非核平和都市宣言のことなど、問題意識を提起されたところでございますが、気持ちは全く福間県議と一つにするところでございます。
この大山口でありますけれども、これは東京のほうの湯の花トンネル列車襲撃という事件がございました。これと並ぶ全国的にも非常に大きな規模での列車襲撃の空襲でございました。そういう意味で、一つのシンボリックなことだったと思います。この語り部をしておられるのが近藤さんという方で、東京のほうに住んでおられる税理士会の重鎮でもありますが、鳥取でいうと米城会のお世話をされたり、また、鳥取の県人会でも活躍をされておられる方でありますが、ついせんだっては琴浦町の合併の記念行事の中で表彰を受けられていました。そういう琴浦町に対する功労ということもあったということでございまして、この方は、当時は疎開をして琴浦に住んでおられた。それで米子中学に通われるときにその列車に乗り合わせたわけであります。目の前まで機銃掃射が迫ってくる。もう自分は死ぬかと思ったというふうにおっしゃっておられます。それで、実際、そのときに命からがら逃げていたわけでありますが、歩いてたどり着いて帰ると、自分は死んだものだと思われていたとか、それから、左耳にガラスが刺さる、そのようなけがを負われるとか、そういう本当に瀬戸際を経験されたわけであり、その使命感から、今、語り部をされて、紙芝居にかかわられるとか、毎年この慰霊の席にもおいでになっています。
これについては福間県議のほうのお話もありまして、私も本当は出たいのですけれども、ここ2年ほどお話もいただきましたが、ちょっと予定が合わなくて出れていませんけれども、かわりに県の職員も最近はそういうわけで出席をさせていただいているところであります。
県内のこうした慰霊の状況でありますけれども、県自身も戦没者慰霊祭をいたしておりまして、ことしは米子でやる予定だったと思います。それから、例えば8月6日、そういう節目のときにも私も出させていただいたりしているわけでございますが、そういう行事等もございますし、19の市町村がございますが、それぞれに何らかの形の慰霊祭をされています。それ以外にもさまざまな形、この大山口のお話だとか、あるいは玉栄丸の境港とか、そういう慰霊祭が各所にございまして、県のほうでも当然どこでされているかということは承知をさせていただいています。要請があれば私もメッセージを出させていただいていますし、今後もそうさせていただきたいと思いますし、私自身も可能であれば出席ということもやぶさかではございません。例えば昨年か一昨年ですか、鎮霊神社というのが倉吉の打吹山のところにあるのですね。そこでちょっと節目になるタイミングだということで、どうでも出てくれということがございまして、私も出させていただいたことがありますが、そんなような形で、やはり風化させることなく戦争の体験というのを語り継いでいくことが大切ではないかなというふうに思います。
合併はございましたけれども、合併後も新設合併であれば改めて非核平和都市宣言をされていますし、また、存続合併であれば従前の町のものを引き継いでやっておられますので、現在でも全市町村で体制はとられていると思います。
本県としても、昭和34年に平和宣言ということを県としてもしておりますし、昭和62年にそういう意味で核兵器廃絶平和鳥取県宣言というのをやはり県としてもしているところでございます。議員がおっしゃるように、平和については追求していく責務は令和という時代になっても変わらないところだと思います。令和という時代が目指しているものは、それはやはり人々の平穏であり、国同士のいさかいがないということも当然含まれた上での令和というメッセージではないかというふうにも考えております。
議員がおっしゃるように、確かに昔と違って戦争の話と出会うタイミングというのは減ったかなと思います。私は、子供のころは、まだ周りにたくさんおられまして、私は実は東京の下町に住んでいましたが、デパートの前でも傷病兵の方が、傷痍軍人が膝から下をなくした形で寄附を募っておられる。それは毎日のように目にしていましたし、隣のたばこ屋のおじさんは戦艦大和に乗ったことを常に私にも話してくれていました。このおじさんはもう兵役は済んでしまったので沈没には遭っていませんけれども、そういうようなお話を聞いて、やはり平和というもののとうとさというものを幼少期から聞かされていたものだと思います。今の子供たちはそういう体験者に一時的に出会うことが減りつつあるわけでありまして、議員が取り上げられた大山口の空襲など、私たちも大切なシンボルとして語り継ぎ、子供たちにも伝えてまいりたいと思います。
◯議長(藤縄喜和君)暫時休憩いたします。
午後の本会議は、午後1時45分より再開いたします。
午後0時42分休憩
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午後1時45分再開
◯副議長(福田俊史君)再開いたします。
引き続き、20番福間裕隆議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
水中原子力安全対策監
◯原子力安全対策監(水中進一君)福間議員の避難計画の実効性について、補足の答弁をさせていただきます。
本県の避難計画は、訓練、資機材の整備、住民への普及啓発等に努め、現在でも一定の実効性は確保しているものというふうに認識しております。
避難方法は、コンピューターシミュレーションで被曝のリスクを下げる最適な避難方法を確認いたしまして、弓ケ浜半島で避難対象となる全ての住民、約7万3,000人でございますが、4地区に分割しまして5時間置きに出発するということで、20時間で避難するということを計画しております。
避難時におきましては、渋滞が予想される交差点に誘導員を配置するとともに、原子力災害では広域の避難となるため、警察が交通規制を一元的に行う。それから、警察、消防、自衛隊、海上保安庁といった実動組織が活動の調整を行う拠点といたしまして、全国で唯一の共同調整所を琴浦大山警察署に常設させていただいております。
また、本年度より3カ年で国の事業を活用いたしまして、原子力災害時の渋滞を緩和し、スムーズな避難を行うため、弓ケ浜半島におきまして、渋滞情報をリアルタイムに把握するための道路監視カメラ、それから、避難経路の信号を一斉に青にしたり、あるいは青の間隔を長くしたりするような信号機の集中制御、それから、避難中の住民に渋滞情報などを伝える避難情報板などの整備を始めているところでございます。
万が一の避難の際は、住民の皆さんに冷静に行動していただくことも必要で、放射線の特徴や避難方法をお伝えする原子力防災講演会や、それから避難の注意点などをまとめた原子力ハンドブックについては県内の全戸に配布させていただいております。
避難計画はつくるだけではだめで、常に実効性の向上に取り組むことが大事で、今後も米子市、境港市、島根県とともに連携して、そのように取り組んでいきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)酒嶋生活環境部長
◯生活環境部長(酒嶋優君)産廃処分場計画のこれまでの経緯につきまして、補足の答弁を申し上げます。
本県におきます産廃管理型最終処分場の整備につきましては、平成6年に官民で鳥取県環境管理事業センターを設立いたしまして取り組んできているところでございます。
この環境管理事業センターでございますが、産業廃棄物処理施設を確保することで、本県の産業の発展と地域住民の健康で快適な生活環境を保全することを目的といたしております。基本財産は設立時で約1億9,600万円でございました。平成25年の公益財団法人移行時にこの基本財産は2,000万円となっており、現在もこれは同様でございます。
なお、出捐の割合は、当時から変更はございませんでして、県34%、市町村17%、民間事業者、これは約1,500社ございますが、49%となっております。
また、センターには自己財源はございませんので、運営経費等に県が補助、貸し付けを行っておりますが、これまでの県の支出の累計は、補助金で約4億円、貸付金で約2.2億円でございます。なお、この貸付金のうち1.2億円は、この公益財団法人移行時に債務免除にいたしております。
センターはこれまで青谷町内を含め、県内4カ所におきまして、施設設置に向けた努力を行ってこられましたが、いずれの候補地も地権者の了解が得られずに、計画断念または中断となったために、新たな候補地を検討されておりました。平成20年5月に米子市淀江町の現計画地におきまして、民間事業者との事業提携での処分場建設という方針を立てられまして、事業計画を検討するということを公表され、今日に至っているというところでございます。
センターは、この地元関係自治会に対しまして、事業計画の策定段階から計105回の事前説明会を行われるとともに、廃棄物処理法の事前手続でございます県の手続条例による手続の開始後、これは平成28年11月30日からこの条例手続が始まっておりますけれども、計7回の事業計画の説明会を行われております。また、センターは、この関係住民から寄せられた意見書に対しましては、見解書、さらに再意見書に対しては再見解書を示されるなど、丁寧に対応されてきたほか、条例対象外の漁業者などに対しても説明会を行われたところでございます。
条例手続では、センターによる事業計画の説明に対しまして、関係6自治会のうち4自治会からはおおむね理解が得られたところでございます。また、2自治会につきましては、一部御理解をいただけない方もありましたので、この2自治会と個人10名の方とセンターによる相互理解を図るための意見調整会議を開催いたしました。
県といたしましては、これら条例手続の状況は議会のほうにも丁寧に報告をさせていただき、御意見もいただくとともに、地元米子市からの御意見にも配慮し、進めてまいったところでございます。また、第三者機関の廃棄物審議会からも御意見をいただきながら意見調整を約1年間、計9回にわたりまして行いましたが、結果としてセンターと関係住民の意見の乖離は埋められないことから、調整が困難等の理由によりまして、今年5月に条例手続を終了したところでございます。
今回のセンターによります事業計画につきまして、県といたしましては、丁寧に意見調整等、条例手続を進めてきたというふうに考えております。一部意見が乖離し、理解が得られなかった方々もございますけれども、計画に御理解をいただいた方々もあるというふうに認識をいたしているところでございます。
また、条例手続終了後には、米子市からの要請によりまして、県は米子市議会の全員協議会におきまして、条例終了までの経過を説明させていただきましたし、センターも7月25日に事業計画地の約半分を占めます米子市の市有地の利用要請を行われた後に、米子市議会全員協議会で経過説明を行われたところでございます。こういったことを踏まえられて、米子市はセンターに対して、本年8月30日に計画地内の市有地の利用に同意するという通知を市の担当部長がセンターのほうに手交をされております。また、県に対しまして同日付で送付されました当該通知の写しを9月3日に県は受理したというところでございます。
経過の概要につきましては以上でございます。
◯副議長(福田俊史君)山本教育長
◯教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)福間議員の代表質問にお答えを申し上げます。
初めに、教員の働き方改革等につきまして、小中学校の長時間勤務の現状あるいは深刻化する教員不足の現状等につきましてお尋ねがございました。
OECDの調査のお話がありましたが、小中学校におきます1週間の勤務時間が参加国の中で最長であったという結果でございます。本県の小中学校につきましても、これは本県が昨年9月に行った独自調査でございますが、まだまだ解消すべき長時間勤務の実態が見られるわけでございます。OECDの調査と調査方法あるいは期間等々が違うので、単純比較はなかなかできないわけですが、これを無理やり比較してみますと、OECDの調査における日本平均と比べると、時間外の業務時間ベースで本県の場合は4割程度少ないといった現状でございますし、また、本県は独自調査をかねて行っておりますが、前年比で約1割の減少ということで進んできておるという状況でございます。これは本県がこれまで先進的に、この議会でも議論がありましたが、ICTを活用して、教員の勤務時間を客観的に把握していこうという取り組みを行ってきた、あるいは学校業務改善プランというものを立てて、それぞれの学校現場でいろいろ業務の改善運動を進めてきていただいた、そうした取り組みに加えまして、全市町村立学校において、学校の校務支援システムを全校一斉に導入したということでありますとか、あるいは外部人材、部活動指導員でありますとか、教員業務のアシスタントなど、こうした外部人材の配置を拡大していったといったような環境整備の取り組みも効果があってきているのではないかなというふうに認識をいたしておるところでございます。
この働き方関連法案を踏まえまして、本年4月から地方公務員におきましても時間外勤務に係る上限規制が導入されました。本県公立学校の教員もこの規制でありますとか、あるいは県条例の対象となるわけでございますが、教員の場合につきましては、いわゆる給特法と言われております特別法がございまして、実は対象となる時間外勤務は勤務命令を行うことができる例えば学校行事でありますとか非常災害、そうしたいわゆる超勤4項目と言っている項目があるわけですが、これに限定をされるということで、厳密なことを申し上げると、部活動指導といったこと、あるいは教材研究といったことについての業務はこの上限規制の対象とはなっていないというのが実のところでございます。
さはさりながら、実態として、教員の長時間勤務の主たる要因が中学校では部活動指導といったこと、超勤4項目以外がほとんどであります。こうしたことを踏まえて、文部科学省のほうで先般上限のガイドラインというものを定めて、これを民間等に準じて1カ月45時間までとするといったような上限の目安を示されたところでございます。
本県におきましても、このガイドラインを踏まえて、来年から運用します勤務時間上限に関する方針、この策定を今検討しているところでございますが、それと並行して、本年度は特に業務の見直し、削減、あるいは部活動の休養日、あるいは部活動の活動時間の遵守の徹底、こうしたことを重点項目として、学校現場とともに時間外勤務の削減に努めているところでございます。
また、あわせて、部活動の指導のあり方につきましては、この議会の中でも議論がなされておりますが、土日の部活動をいわゆる部活動と切り離して実施することができないだろうかと、そうしたような検討も並行して行っておるところでございます。引き続き学校現場あるいは小中学校におきましての服務監督権者であります市町村教育委員会と協力して取り組んでまいりたいと考えております。
また、教員不足の現状につきましてお尋ねがございました。全国的にも本来常勤講師を配置すべきところができていない、あるいは非常勤講師で対応したり、また、非常勤講師でさえも配置できていないという状況が昨年度来顕著となってきているわけでございます。
本県では、本年度の講師任用に当たりまして、例年よりも任用予定者への声かけの時期を早くするといった結果、昨年度23人ありました年度当初の欠員が本年度は7人になるということなど、改善傾向にはあるわけでございますが、その後に生じた産休あるいは病休の代員需要の増加などもありまして、またそれがふえていっているといったような状況でございます。該当の学校では、学校内の体制で御尽力をいただいているということで、子供たちの授業ができていないといった事態は発生していないわけでございますが、教職員の方々の負担を増加させているという実態があることも認識をいたしておりまして、解消に向けて引き続き最優先で取り組んでまいりたいと考えております。
また、教員採用試験につきましても、近年、志願者の減少が続いてきているといったことから、本年度は小学校教員におきまして、関西で試験会場を新たに設けるといった取り組みでありますとか、受験年齢制限の撤廃、あるいは県内公立学校の講師経験者を対象として特別選考を新設するといったような取り組みを行ったところ、全体の志願倍率が前年の3.9倍から5.7倍に上がる。特に小学校教員につきましては、2.6倍から6.1倍に回復をしているところでございまして、引き続き優秀な人材確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、部落差別解消に向けての取り組みにつきましてお尋ねがございました。
先ほど知事のほうからも教育につきましてかなり詳細な答弁がございましたが、教育委員会としましては、県の同和対策協議会と協力をしまして、教員用の指導参考資料を作成いたしたところでございます。県内の私学を含めて全ての学校に配布をし、ホームページでも公開をいたしておるところでございます。この作成に当たりましては、同和問題につきまして、初めて教える教員にもわかりやすくすべきといったようなこと、こうしたことを同和対策協議会の当事者団体委員の意見なども踏まえて、いろいろ工夫をいたしておるところでございます。例えば部落差別問題の学習がなぜ必要なのか、改めてしっかりと認識すべきといったようなこと、あるいは教職員自身が部落差別問題を正しく理解することから始めるべきといったようなことを同和問題学習を進める上で押さえるべきポイント、あるいは気をつける点を視覚的にもわかりやすく記載するといったことでありますとか、具体的な学習の進め方につきまして、具体的な授業プランを示したり、読み物、資料、単元構成などの例示を多くするなど工夫をいたしておるところでございます。
この活用につきまして、年度が明けましてから、校長会等も含めて周知徹底を図っておりますし、また、活用につきまして、教職員の研修というものもあわせて進めてきております。その際、こうした学習には参加型で授業を行っていくということが非常に効果的でありますので、教職員の研修も参加型の研修にしようといったような工夫をしておるところでございます。こうした教職員の研修なども進めてきておりまして、現場からは、この指導参考資料が非常に役立っているといったような声も多数寄せられておりまして、一定の手応えも感じておるところでございます。
今後も引き続き、この指導参考資料などの活用、しっかりと教職員に伝えて、一方では教職員の研修もしっかりと進めながら、子供たちの学習に役立ててもらうよう取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、学校におきます主権者教育につきましてお尋ねがございました。
主権者教育につきましては、かねてお話をいたしておりますが、単に教科の学習を座学でやるといったことにとどまらずに、例えば選挙管理委員会等と連携した体験的な模擬投票でありますとか、あるいは地域課題を生徒みずから主体的に考察していく、解決に向けて取り組んでいくということで、地域に対する関心、そうしたものを醸成するといったような取り組みを進めてきておるところでございます。また、県議会あるいは市町村議会の協力のもとで、子ども議会、あるいは高校生議会、さらに南部町では今、青年議会といったような新たな異年齢での取り組みなども始まってきておりますが、最近では鳥取市議会のほうで高等学校を実際に議員さんが訪問されて、例えば議員の仕事でありますとか、議員と市長との役割の違いでありますとか、実際に議会の議論の進め方でありますとか、そうしたことを説明いただいた後に、どうすればこの鳥取市が盛り上がっていくのだろうか、そうしたことを高校生と議員さんが実際に意見交換をするといったような取り組みを行っていただいておりまして、これは高校生にとって政治や議員の方々の仕事を身近に感じることにつながる新しい取り組みとして、私どもも非常に効果があるのではないかなというふうに思っております。
このたびの参議院選挙に向けては、私どものほうも繰り返し学校に対してさまざまな働きかけを行ってきていまして、学校のほうも、学校にはデジタルサイネージといいまして生徒に対して行事等を示す大きなテレビモニターがあるのですけれども、そうしたところで選挙に行くような働きかけの啓発の画面を流したりといったようなことも含めて、いろいろ主権者教育、これも含めて取り組んでおるわけでございますが、このたび投票率が非常に低い数字でありまして、私としても少し残念でございました。
現場の教員の話を聞きますと、意識が高い生徒が多くて、多くの生徒は投票に行ったのではないかというような、そういう感覚を持っている教員もいらっしゃいます。ただ、18歳に関しては、県外に進学した場合に住所を鳥取に残して出るといった生徒も結構いるわけでございまして、そうした生徒が投票したかどうかは自分自身も不安だなというような感想もございますし、自分の一票では何も変わらないと思っていたり、争点がわかりにくくて、生徒が自分事として選挙を捉えることができなかったりしたのではないだろうかなというような、そうした感想を寄せる声もありました。こうした現場の声を我々も生かしていく必要があるというふうに思っております。
このたび選挙後ではございますが、県の選挙管理委員会と連携をいたしまして、今回の選挙の選挙公報を、これは各高校に1学年分ずつ配布をするといったことで、これらを生きた教材として各高校の生徒の実情に応じて授業等で活用するといったことを進めてみたり、あるいは改めて選挙の大切さを理解する、そうした授業について働きかけを行ったり、そしてまた、不在者投票の仕組みなどもしっかりと生徒に伝わるような、そんな取り組みも力を入れて行っていきたいというふうに思っております。いろいろあの手この手で引き続き主権者教育を我々もしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◯副議長(福田俊史君)相見選挙管理委員会委員長
◯選挙管理委員会委員長(相見愼君)福間議員の代表質問にお答えいたします。
御質問は、ことし執行された統一地方選挙と参議院議員通常選挙における鳥取県の投票率は過去最低を記録する結果となりましたが、その結果に対する認識と今後どのような取り組みを行って投票率向上を図るのかというお尋ねでございました。
投票率の低下等につきましては、今までもこの議場でいろいろとお答えをしてまいりましたが、改めて現状の取り組みと考えを述べてみたいと思います。
申し上げるまでもなく、選挙制度は、代議制民主主義の根幹を支える重要な制度であります。代議制民主主義の発展のためには、選挙制度が適切に運用され、有権者の皆さんが政治的な判断力を養い、全ての有権者の参画を得て選挙が行われることで民意と政治が結びつき、健全な代議制民主主義の運用が担保されることになります。しかしながら、近年の投票率は本県のみならず全国的に国政選挙、地方選挙の別を問わず低下傾向にあり、先般の参議院議員選挙では投票率が50%を割りました。本県では、統一地方選挙とともに過去最低の投票率を記録する結果となり、平素、市町村選挙管理委員会等と連携をとりながら取り組んでいる啓発活動の成果が見られないことにつきましては、鳥取県選挙管理委員会といたしましても非常に残念に思っているところでございます。
投票率の低下の要因を特定することは困難なことでありますが、最近の国政選挙である平成29年衆議院議員総選挙について、公益財団法人明るい選挙推進協会が行った意識調査での棄権理由の上位3つを上げますと、選挙に関心がなかった、適当な候補者も政党もなかった、仕事があったであり、それぞれが20%前後の数値を示しております。選挙に対する有権者の忌避的な態度が推察されます。また、さきの参議院議員の選挙区選挙では、鳥取県特有の問題として、前回から執行された島根県との合区選挙が県民の投票行動に好ましくない影響を及ぼしていることが、その後の投票率の大幅な低下や無効票の急減な伸び、あるいは報道されている関係者や有権者の声などから指摘できるというふうに思います。
今まで選挙管理委員会が取り組んでいます選挙の啓発事業を紹介しますと、まず、平素から政治意識、投票意識の向上を図る常時啓発として、毎年、選挙権年齢を迎える県下高校3年生全員に小冊子を配布し、さらに、出前講座を市町村選挙管理委員会と協力して平成30年度は約30回実施し、選挙や政治参加の重要性を訴えてまいりました。一方、一般の有権者の皆様には、毎年、市町村明るい選挙推進協議会や市町村選挙管理委員会の委員、政治団体関係者を対象にした研修会、明るい選挙推進鳥取県女性集会などを実施してまいりまして、地域や家庭における意識啓発に取り組んできております。さらに、選挙が執行されるときには、臨時啓発として、明るい選挙推進大会の開催、ショッピングセンターや期日前投票所が設置している大学への街頭啓発、加えて、ことしは県商工会議所連合会を初めとする経済団体を訪問いたしまして、従業員の皆様方の投票機会の確保について協力依頼をするなど、多面的な啓発活動を行ってまいりました。また、市町村選挙管理委員会に対しましては、平素から啓発事業とともに、期日前投票所の増設や投票所への移動支援など、投票環境の整備を積極的に推進していただくような要請しております。
いずれにいたしましても、有権者の政治関心を高め、投票率の向上を図るための即効的な特効薬を見出すことは非常に難しいことであると思います。こうした状況は、まさに主権者教育の課題として学校教育、社会教育での学習によって意識啓発を推進していくことが肝要であると考えております。啓発活動は、選挙管理機関のみならず、学校、地域の関係機関・団体等が連携、協力して取り組んでいくことが大切であります。今後とも県選挙管理委員会といたしましては、県教育委員会、市町村選挙管理委員会、関係機関・団体等と緊密な連携を図りながら、啓発活動の内容、あり方などに工夫を凝らして地道に有権者の選挙、政治意識を啓発し、投票率の向上に努めてまいりたいというように考えております。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)執行部の皆さんには、それぞれの立場から答弁をいただきました。いただきました答弁をもとに何点か追及をさせていただきたいと思っています。
なお、お願い申し上げたいと思いますが、丁寧な答弁をいただくのは結構なのですが、私も年をとりまして、答弁が余り長いと何を言っておられるか、わけがわからなくなってしまって忘れてしまうというのがございますから、できるだけわかりやすくコンパクトに答弁をお願い申し上げたいと思います。
最初に、県政の諸課題、自治体立病院の存続のための取り組みについて再度お尋ねをしたいと思います。
私が申し上げたのは、自治体立病院のドクターを、とりわけ町立病院のドクターを、県一体的な雇用として県で運用するということはどうでしょうかと申し上げたはずなのですが、ちょっとそこのお考えが伝わってきていない、わからないのです。15人が28人になるとおっしゃるのですけれども、冒頭申し上げたように、自治体立病院はその地域にとってなくてはならない事業所なのですよ。そうしますと、なるほど今80何歳でその町立病院に勤めてもらっているドクターもあるかもしれませんし、これから5年も10年も含めてその地域にとってはなくてはならない存在だということを考えていきますと、全県一体的な医師の運用というのは絶対必要だと私は思っているのです。
それは、自治体立病院を抱えている町は、人件費は自己負担してもらえばいいわけですよ、県が全部持つ必要はないわけですから。そういうやり方でやれば、全て県が負担をしていくということにはならないだろう。そういう意味で、私が県がもっと主体的に自治体立病院を抱えている自治体の代表者に集まってもらって、それに鳥大から特段の協力要請をしなさいと言ったのは、そのことなのです。そこに鳥大も加わってもらって、どうしようかと、5年後の鳥取県内の医療のあり方を、自治体立病院をどうしようかということについて議論をしていく、その中で一体的な運用というのがないと、地方が本当に壊れてしまうと私は思いますからこの問題を申し上げていますが、いかがでしょうか、再度お答えをお願いします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福間議員から重ねてお尋ねがございました。
いろんな便法があるのですけれども、実は県のほうで身分をとりまして、それから市町村に派遣してという、おっしゃるような業務を実は自治医大の卒業生、それから最近は鳥取大学のほうに鳥取版の自治医大というのをつくりまして、これの課程を経た人、これを今運用しているのですね。それが15名、今、市町村のほうに派遣できていて、これについては、市町村のほうでお金も負担してもらっています。まさにおっしゃるようなことをやっているのですが、ただ、これはいかんせん枠が少ない。その枠を何とか広げようということで、鳥取版の自治医大という鳥取大学の運用枠をつくりまして、それを今後ふやしていこう。これが28人になる。ですから大体倍ぐらいいきますので、ここで多少この伸び代はあるだろうということを先ほど申し上げたところであります。
そのほか、共同で医師を獲得するとかいろいろありますが、最終的には、議員も先ほどちょっと触れましたが、鳥取大学なり医局のほうである程度押さえてしまうわけですね。これとのやはりコミュニケーションをとってそこを開放してもらったり、また、一遍卒業しても、あるいは都会で働いて都会の大学を出た人でもこちらにリクルートしてもらえるように、先ほどちょっと医者のリクナビみたいなことを申し上げましたが、そういういわばあっせんサイトといいますか、そういうものも今つくって何とか運用しようということをやっています。
たびたびこの種の議論は出てくるのですけれども、なかなか身分上の問題だとか、おっしゃるように、自治体立病院の場合は公務員としての身分というのが片方で出てきますので、ですからその辺のややこしさもありまして、今、自治医大あるいは鳥取大学の自治医大版みたいなものを活用しようというところをてこにしようとしています。今後、今のお話もよくわかりますし、私自身も自治体病院開設者協議会におりまして、この人材の問題というのは非常にネックであります。ですから、もともとの地域に供給される自治体病院に限らず、お医者さんの数をどうやって採っていくか、そこの中の専門医、これをどういうふうに養成していくのか、この辺のまず大枠をつくりながら、先ほど申し上げたような便法も含めて自治体病院での実際診療ができる医師、これを確保していかなければならないと思います。よく現場と協議をさせていただきながら、若干これから伸び代はあると思うのですけれども、それも活用して何とか解決策に結びつけていければと思っております。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)では、もう1点だけ、くどいようですけれども、今の関連でちょっと話させてくださいませんか。
そうしますと、全県で一遍連絡会みたいなことをやるというお考えがあるというぐあいに思ってもいいのでしょうか。
私が非常に危機感を持っていますのは、例えば、私は南部町に住まいをしていますけれども、西伯病院がドクターの回しがきかなくなった。では、西伯病院をどうしますか、閉鎖ですかみたいなことになったときに、南部町そのものが沈没するおそれがあるという危機感を持っているのです。それは智頭町さんも日南町さんも同じだと思うのですよ。だから、自治体立病院を設置された自治体の責務もそれは当然ありますよ。しかし、そのことを含めてそれが原点で自治体が成り立っているわけですから、そこには地域を守るという観点から、鳥取県としても私は特段の取り組みを積極的にやはりやるべきだ、このように思いますけれども、その方向で関係自治体首長さんや施設管理者を含めて県が主体的に相談会でも持つよと、そう思いをお持ちだというぐあいに理解をさせてもらっていいでしょうか。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)もし答弁が不足だったら局長のほうからもちょっと申し上げますけれども、要は先ほどの医師の派遣の話は、実は県のほうで回しをさせていただいているのですね。この過程で、実はそれぞれの自治体病院とは話し合いをしています。ほぼ過不足なく今要望に対しては供給できている。ただ、それでも断っている病院がたしか2つか、そこらはあると思います。でもそれが28人までふえてくれば、そこはいいかなと。
ただ、問題は、先ほどもちょっと触れましたけれども、特に精神科のお医者さん、こういうところがなかなか実はこの枠では育ってきていないのです。採れていない。ですからそういう専門医などをどうするかというところは、また別の問題として考えなければいけないかと思います。
私どもは、この間も鳥取大学さんとちょっと話をしたのですけれども、そうした医師の養成等もこれからやっていかなければいけないだろうということも話をさせていただいております。小さな県ですから、コミュニケーションをよく自治体病院と私ども県の執行部が仲立ちをしながら、あるいは鳥取大学とか、そういったところとも協議をさせていただいて進めていこうと思いますが、多分西伯病院の場合は精神科等の専門医の問題、こちらのほうが今の我々のほうで何とかあっせんして回していくよりは大きな問題として今後あるのではないかと考えておりまして、そちらのほうの解決をぜひ国全体の問題としても取り上げていただいたり、それから専門医として精神科など、そういうところにはある程度優遇をしながら、こういった枠に入ってきていただけるような制度改正を考えていくと、そんな対処を考えています。
◯副議長(福田俊史君)植木健康医療局長
◯健康医療局長(植木芳美君)それでは、私のほうから自治体立病院の医師確保についての補足の答弁を申し上げます。
先ほど福間議員からも御意見をいただいておりますように、自治体立病院の医師確保につきましては、地域住民の方の命を守るといったことで非常に重要な課題だというふうに捉えております。今までも知事のほうからもありましたように、自治医科大学卒の医師、また、鳥取大学医学部の特別養成枠の医師につきまして、県の身分としまして派遣調整をいたしまして要望にお応えをしているところでございます。その中で、年に2回は各自治体立病院の院長、また、病院の管理者の方と意見交換をしておりまして、きめ細やかに御要望を聞いているところでございます。
そういった中での新たな御要望としまして、今までは内科や総合診療の医師を中心に派遣をさせていただいておりますけれども、やはり精神科の医師ですとか外科の医師も不足しているというような御要望もありました。そういった中で、診療科拡大の対応ということで、今年度から新たに、今までは内科総合診療医、また、特定4科といいまして、政策的に必要な小児科、産婦人科、救急科、精神科に限って選択の診療科を定めておりましたけれども、勤務年限は7年目以降になりますけれども、これを基本的に外科ですとか整形外科も含めまして基本領域全てを、あくまでも中山間地の自治体立病院の内科的なところが不足しないということが前提ではありますけれども、診療科の拡大もできるというふうに改正してまいりましたので、そういったことで専門医の確保についてもこれからはつながっていくものというふうに考えております。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)これは先ほど一緒に追及質問すればよかったのですが、医療確保の問題についてもう2点申しわけありませんが。
中部圏では、分娩ができる医療機関が2つの施設、小児科の入院施設が1施設と周産期医療が非常に脆弱な状態にあるというぐあいに私は捉まえておりますが、改めて鳥取県中部圏域における医療体制の現状について知事の御認識をお聞かせいただきたいと思います。また、中部地域で子供を安心して産み育てられる医療体制の充実が必要不可欠だと思いますけれども、いかがでしょうか。
それと、全国的に不足している看護職員については、養成数の増加や再就業支援の取り組みも重要でありますけれども、慢性的な看護師不足の中、離職防止や定着促進の取り組みが極めて重要と考えますが、県内の看護職員の現状についてお聞かせください。また、出産、育児で離職する人がふえていると聞いておりますけれども、その現状と対応策について再度知事にお伺いをいたします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて医療体制につきましてお尋ねがございました。
中部の産科あるいは小児科につきましては、大分課題のあった時期がございました。平成23年のときに門脇産婦人科が閉鎖になりまして、そのころちょうど実は鳥取大学絡みの人事異動もあって厚生病院の産科の医師が1人減ったとか、また、打吹公園クリニックのほうも受け付けが難しくなったということなどがございまして、大分世情議論され、議場でも御議論がございましたが、何とか産科あるいは小児科のこの医療体制をつくらなければいけないということになりました。
平成24年に検討会もつくって現場の方々に入っていただいたりして、それでいろんな知恵を出しました。御記憶だと思いますが、例えば助産師さんのオンコールの手当をつくる、そういうことをいろいろやりまして、それとあわせて実はお医者さんの確保をやりました。そういうわけで産科の医師、それから小児科の医師も含めて一定程度確保できて、今、産科も打吹公園クリニックさんと、それから厚生病院と両方二頭立てでできるようになり、大体900前後分娩が中部で行われております。これは人口割というか、一人頭に直してみますと、大体東部と同じぐらいでありまして、一応の危機は解消されたと思います。ただ、東部も中部も全国の平均からしますとやはりまだ不足数が出るところでございまして、これでゴールということではないと思います。ですから今後も先ほど申し上げた助産師さんの活用だとか、そういうようなほかの工夫も含めて産科あるいは小児科のその体制づくりをしていかなければいけないということだと思いますし、また、鳥大附属病院や、あるいは中央病院などがそのバックアップをして難しい症例などの対処ができる、そういう体制づくりもあわせて重要だと思います。
看護師につきましては、離職率のお話がございましたが、大体全国平均は11ポイントぐらいのところで推移していますが、本県は7ポイント前後ぐらいのところでございまして、全国よりは離職率は低いようになってきました。これは例えばナースセンターを看護協会に委託しまして、一旦離職をされた方の再就職、そういうマッチングなどをやるとか、それからそれぞれの職場での働き方改革あるいは典型的には議場でも大分議論をしました院内保育所、これも数が議論していたころよりも大分ふえてきています。
こんなようなことなどがいろいろと幸いをするのとあわせまして、看護師の数もここ4~5年で1,200人ぐらいふやしていますので、労働環境も大分変わってきているのかなというふうに思います。全国はまだ離職率が本県よりも随分高い水準で推移していますけれども、本県はそこよりは若干低目になってきている。ただ、まだまだそうした意味で働き方改革に通ずるようなことをやっていかないといけないのだろうというふうに思います。そんな意味で、医師会のほうに受託をしてもらって、そういう職場改善のアドバイス組織をつくりました。ここが専門家を派遣したりして、例えば西部の済生会病院とか、そうしたところにも入っていただき、超過勤務を減らす結果であるとか具体的な成果も上がってきているところでございます。ぜひ看護師不足、その働く環境づくりにつきまして今後もしっかりとフォローしてまいりたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)引き続き、中山間地で生きるためにというテーマで、交通政策について何点かお伺いをしたいと思っています。
実は鳥取県の西部地区を中心に、まず、
交通政策基本法に基づく具体的な施策が行われました。東部地区でも中部地区でもその具体的な取り組みが今行われています。私は、
交通政策基本法が成立をして、この法律のもとにそれぞれの都道府県、市町村においてまちづくり政策とセットでこの交通政策が進められることで、交通難民問題というのは一挙に解決するのだと、こんなバラ色の夢を描いておりました。確かに従来、民間事業者の事業運営だけに委ねていた今までの公共交通政策に、国や県、市町村が加わることを義務づけたこの法律は大きく評価されるものだと思いますけれども、一方で、冒頭も皆さんと共通認識を持ったと思いますが、我が国が直面をしています少子高齢社会が異常なスピードで実は進行しつつある。このスピードにほとんどと言っていいほどついていけていないというのが今の私どもがかかわっている政策ではないかなと、こんな思いを持っています。
この
交通政策基本法の成立にもっともっと肉づけをして、私たちの周辺で有効活用するようにしていかなければならないと思っています。あらゆる知恵を出し合って、鳥取県のどこに暮らしていても安心できるまちづくり、これを目指していく必要があるだろう、こう思っています。引き続きこの
交通政策基本法に基づく東部・中部・西部圏域における特に市と町村と一体的な交通政策をつくっていくという本県の取り組みというのは評価されると思いますから、それに基づく政策の深度化を図っていっていただきたい、このことを要望として申し上げておきたいと思います。
今回3点について、交通政策で具体的な課題についてお考えをお尋ねしたいと思っています。
免許返納者に対する支援であります。高齢ドライバーによる重大な交通事故が後を絶っておりません。75歳以上のドライバーが第一当事者となった悲惨な死傷事故が年々増加をしてきています。鳥取県内では公共交通空白地帯が多くて、免許証を返納いたしますと、市街地や過疎地に暮らす高齢者にとっては移動手段を失うわけであります。免許返納になかなか踏み切れない高齢者が多くいらっしゃると思っています。私自身も77歳になりますが、その一人であります。現在、県や市町村、事業者の補助制度が実施されていますが、今以上の移動手段の確保、助成が必要と思いますが、知事の御見解をお伺いしたいと思います。
次であります。誰もが買い物ができて、医療、介護、各種行政サービスが受けられるよう、地域の実情を踏まえて移動手段の確立、移動販売や商業施設の開設、運営への支援等さらなることが必要と考えますが、これについての御見解をお聞きしたいと思います。
3点目であります。精神障害者への割引についてであります。現在JRの割引制度には、身体障害のある方に対する割引制度はありますけれども、精神障害の方に対する割引制度は整備されておりません。これまでも関係団体からは国や事業者などへ要請が行われており、一部のバス会社などでは割引制度が整備をされておるようであります。障害者基本法の基本理念である障害者の自立及び社会参加の促進のためにも、精神障害のある方に対する割引制度の創設について改めて国に求めるべきだと考えますが、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
以上3点お願いいたします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから重ねてのお尋ねがございました。
平成25年の
交通政策基本法、これは大いに議論をして、いい法律になったと思います。私も会見のほうに出かけて、シンポジウムに三日月さんたちと参加させていただいたことも思い出されるわけでありますが、やはり中山間地、特に地方におきまして交通の足というのは社会政策であって、これを解決することで、例えば買い物だとか医療だとか学校教育だとか、そうした波及効果が出て住みやすいところになる、暮らしていける、持続可能なところになるそういうものだと思います。しかし、それが行き詰まってきている、それが現状でありまして、恐らく国の運輸政策自体も転換点に来つつあるのではないかなと思います。今そういう意味で3点お話をいただきました。交通体系あるいは買い物等の支援も含めて、あるいは精神障害者の課題、こういうようなところであろうかと思います。
我々も実は選挙運動を4月にして、非常に私自身も声が多かったのは、やはり交通の問題、バスがどうなるのだというようなことでございまして、そうしたことが切実感であるわけです。これは今までのバス補助のやり方であるとか、あるいは今おっしゃった例えば免許返納に対する助成制度だとかいろいろとあるのですけれども、それがどうもどこか部分的であったり、それからもう時代として追求できなくなってきているというところに来ているのではないかなと思うのです。
もともと交通行政については、それをペイしなければいけないというドグマがあって、新幹線の問題もそういうところがあるのですけれども、採算が合わないといけない。採算が合わないと切り捨てられてしまうというもともとの仕掛けになっているものですから、今、過疎バスを初めとして中山間地のほうはもう補助制度にすらのらなくなるような、そういう状態になってくる。それは公共の問題だけでなくて、鉄道会社あるいはバス会社もこの事業を存続できないと判断しかねない、実際そういうことが始まりつつあると、こんなことになってきているわけですから、今、待ったなしに私たちは来ていると思います。そういう意味で、国のほうにも、そういう交通体系の助成制度や社会政策としての
交通政策基本法に基づく措置のあり方などを今後具体的にやはり要求していかないといけないのだろうと思いますし、翻ってみて私たちもその対応策をとっていかなければならないと思います。
最後の精神障害者の問題などは、平成5年の法律で精神障害も身体障害者として位置づけられると、障害者として位置づけるということになりましたのでそのときに解決していればよかったのですが、なかなかこれがそういう割引制度等ではうまく動かなかった。平成30年に厚生労働省が精神障害者について航空券の割引というのをやるべきではないかという通知を出して、これで全日空さん、あるいはJALさんもそうですけれども、割引制度が入ったということになりましたが、鉄道会社だとかバスだとかタクシーで必ずしもそういう状態になってきていない。多分国交省の中の縦割りもあるのかもしれませんし、よくわかりません。鉄道でいえば、私どもが経営にタッチしている智頭急行は精神障害者割引を入れているのですが、JRさんはまださまざまな事情でなかなかできていないというふうにお伺いをしております。前にこの議会でも議決がございましたので、この点については国のほうに要求もさせていただきましたし、JRさんにも我々の問題意識、これを文書で届けさせていただいているところであります。こんなような不断の努力をいろいろとそうした障害者対策としてもやっていかなければいけないのだと思います。
私どもの地域の身近な交通について、あるいは買い物支援というところでは、新しいモデルをつくり、それでそういうシステム、次のシステムというのをそろそろ見つけにいかないといけないというふうに思っています。例えば日南町でタクシーとかバスの助成制度というのを、これを免許返納に絡めてやっておられるわけであります。とてもいいことだと思うのですが、実はタクシー自体の数が少なくなってきています。例えて言えば、南部町さんも最近タクシーの配車に困るようになったというふうに伺っていますが、先ごろ西伯タクシーがなくなって、それで最近、伯耆町のほうの日交さんの営業所もなくなって、要はそこまでお迎えに行くぐらいだとちょっとどうかなと、なかなかタクシーがつかまらない。これはそこだけでなくて、例えば智頭町等でも、夜中の7時以降ですか、もう営業をやめてしまうということになってきて、それは中山間地だけなのかというと、都市部もそうなのですね。都市部でも、私も実は先般ちょっと家内から小言をもらったのですけれども、日交さんのバスに乗って大阪に行く。結構うちはバスで行くのですけれども、そのときに朝のバスに乗ろうとして配車しようと思ってタクシー会社に電話をかけるけれども、その時間はもうだめですよと言われるのですね。私も最近知ったのですけれども、この間も社長さんと会って、そうだそうだということなのですが、今、例えば日交さんであれば6時15分から夜中の1時までしか営業していない。それ以外の時間は事務所を閉めているわけです。だから配車は受け付けない。これが都市部でもそうなってきている。これは多分東京や大阪の人にはわからないのですね。これが私たちの地域交通の現状でありまして、私は、もうそろそろシステムを変えなければいけないのではないか。そんな意味で、8月1日からそうした地域交通に対する助成制度も含めたあり方を検討する、そういう研究会を始めたところでございます。
そういうような中で、今いろいろと調べに行っているのですけれども、その委員の皆さんが神石高原町、広島のほうに行かれました。あそこは結構有名なところで、共助交通の形で配車をされたりします。あそこはそういう意味で配車がうまくいっているようなこともありますし、ただ、そのかわり従来のタクシー代助成をひっくり返しまして、600円以上のものだけ町が助成しますよということにして根っこは助成しないということにしたのですけれども、それでも使いやすいですから非常に使われるようになったのだそうです。そのように発想の転換をして、地域のバス以外のところ、バスはもう観光客が行くようなところぐらいに絞って、あとはそうしたタクシー等で賄う、共助交通を活用する、このようなことにされているのですね。ただ、神石高原町さんの場合は、町の中にタクシー会社が7社残っているわけです。だから本県とはちょっとなかなか事情が違って、同じようなことが使えるとも限らないわけですね。琴浦町であれば、もう町営のバスも委託が出せない。それで、日交さんも日ノ丸さんもやらないということになって、田中商店さんが今やっておられる。これが現実でありますので、本気で新しいシステムを考えるべきではないかというふうに思います。
議員がおっしゃる買い物だとか、そういうことに関連して今実験事業も始まっていまして、米子の永江団地、それから大山のほうですね、例えば大山であれば、まぶやで行われる行事等へ行くその送迎等を中心にしながら、共助交通、カーシェアリングを活用したそういう実験事業をされています。永江の団地のところでも買い物支援の観点で今それをまさに始めたところでありまして、9月に入って何回かそういう日をとってされています。こういうようないろんなモデルを考えながら、MaaSという新しい仕組みもあれば、ウーバーという仕組みもできてきていますので、何らかのことを考えないと私たちもそうした交通体系を失うことになるのではないかというふうに考えております。また、そういうものと連動させて買い物の場の確保であるとか、あるいは高齢者の活躍できるようなところへの足の確保であるとか、そうしたものを社会政策も兼ね合いとして見ながら展開していくことになるのではないかなというふうに考えているところでございまして、ぜひこういう研究会を活用し市町村の実情をお伺いし、何らかの一つの試案のような形で新年度また新しい補助制度がスタートできるように準備を進めてまいりたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)交通政策でもう2点、追及を実は出しますよということの通告をしておりませんでしたので、知事のお考えと私の思いとがちょっとかみ合っていないなというぐあいに感じている部分がありますから申し上げてみたいと思っています。
クルーズ船と公共交通の連携強化で、境線の延伸をJRに働きかけてみませんかということなのです。
現実にクルーズ船が境港に入りますと、岸壁には県外のバス会社の県外ナンバーのバスがずらっと並ぶというのですよね。それは、それぞれあらかじめ予定をされた観光地なり目的地へ移動していく。県内のバス会社の人に聞いてみますと、県内のバス会社ではもうその観光対応ができないと言うわけです。ドライバーがいない。定期路線を運行するので精いっぱいだと。そうすると、ゲートウェイ構想の一環として境港に環日本海を軸として世界からの船に寄ってもらいましょうということで始めたゲートウェイ構想が、何のためだったのかというのが一つはあるのですよ。それは県内の交通網もそのお客さんを活用できないのかなというのが最初あったと思うのですが、それが県外車ばかりになってしまう、対応できない状況が現実にはありますね。だとすると、境線を岸壁まで延ばすことによって、その境線を地域の公共交通のネットワークとして使ってもらうということも一つのプランではないのかなというのが実は私の思いなのです。
だから、おっしゃるように、3,000人、4,000人のお客さんを境線だけでさばき切れるものでも何でもありません。ただ、そのJRの境線とつながった地域の
公共交通ネットワークにちょっとでも外国のお客さんをかかわってもらえるという、そういう交通ネットワークというのが張れないのかなというのが思いですから、そこら辺のことを御理解いただきたいと思っています。これが1点。
山陰新幹線構想なのです。
知事のおっしゃることも十分わかります。私がこだわっているのは、5つの条件を地域の皆さんも本当に理解をしてもらっているのかということをいろんなところで発表すべきではないのかなという思いがあるのです。並行在来線はほとんど廃止だというのが整備新幹線をつくってきた今までの条件ですよ。現実に今も九州の長崎県では新幹線を早く通せと言っているけれども、佐賀県は絶対だめだと言っているでしょう。今とまっているでしょう。このことも現実面としてもっともっと県内の沿線市町村の首長さんあたりにも理解をしてもらわなければ、私は
山陰新幹線構想というのは何かどこかおかしくなってきはしないかなという気がするのです。
しかも、秋田県が、新幹線を通すことで、毎日毎日、東京駅で秋田、秋田と呼んでもらうだけでも大きなお客さんに秋田県に来てもらえる効果があるということで、秋田新幹線に取り組みをされた。ミニ新幹線方式という格好で、在来線にプラス1本新幹線並みの幅のレールをふやすことによって新幹線幅で走行をし、盛岡まで行って盛岡から新幹線に乗る、秋田新幹線はこの方式で2018年にスタートをした、人口がふえるだろうと予測をして966億円を投じられたというぐあいに聞いています。あれから21年間がたって秋田県では人口が121万人から98万人に今なってきている。23万人の人口減少が、逆に言うと東京へのストロー現象が起きてしまっている。
こんなことも私たちもしっかり見きわめておく必要があるのではないかということで、私は
山陰新幹線構想にやはり慎重であるべきだということを申し上げておりますので、できればそのことも、5つの条件をこれからはなくなりますよという、そんなことと私は違うような気がしますよ。なくなるのなら、もっと佐賀県になくならせて適用して早いこと上げるほうがいいではないですか。佐賀県だけはだめだといって歯どめをかけておいて、山陰新幹線は新たなスキームができますよと、国会議員さんもそんな無責任なことを言ってはいけませんよ。私はそれに腹が立つ。そんな無責任な言い方をしながら、新幹線が通れば地域にバラ色の花が咲く、そんなことはあり得ないと思いますよ。それもこれからの私は検討事項に、夢だとおっしゃる方もたくさんいらっしゃるわけですから、いずれもこれからを生きる人たちのためにちょっとでも便利なすばらしい地域にならないかという思いですからそういう御意見のある方もいらっしゃるわけですが、私は、やはり
山陰新幹線構想というのはより慎重にすべきではないのかなということを申し上げておきたいと思います。
引き続き追及を申し上げたいと思います。
農業問題について申し上げたいと思います。
農業振興では、冒頭申し上げましたけれども、どことも高齢化が進み農家が実は減っていくわけですね。鳥取県農業の5年後、10年後の展望というのはどうなのだろうか、こう御指摘をされる方があります。全くそうだろうと思っています。それについて鳥取県としてどのようにお考えでしょうか。
水田農業における飼料用米の位置づけ、例えばこのまま飼料用米をつくっていけばいいかな、今後の展望はどうかなということを御心配の農家の方がありました。これについてお願いいたします。
鳥取県農業でドローンの活用を進めてはどうですかという御意見もいただきました。これについてお考えをお尋ねしたいと思います。
農地集約及び基本的な圃場の改良整備が必要なのではないでしょうか。農地の集約ということで1町田んぼができてみたり、あるいはさらに大きな農地をつくろうということで今進められていますけれども、その改良整備というのはどうなっているのでしょうか、それについてお尋ねをしたいと思います。
農業問題、あと2点。私は、農業振興において農業改良普及員が地域で果たす役割は非常に大きいと考えています。知事はどのような御認識をお持ちでしょうか。また、県の試験研究機関の存在が重要と考えますけれども、現場からの要望と試験研究のマッチングができているでしょうか、これについてお尋ねをいたします。
農業問題で最後ですけれども、これは全くナンセンスという御指摘を受けるかもしれませんが、全国的にこの取り組みができれば私はいいなと思うのですけれども、地域を守るために、あるいは農業、とりわけ中山間地農業を守るために職員の早期退職制度を創設して、希望する人についてはこの地域と農業、とりわけ中山間地農業、これをしっかり支えていくようなシステムを採用するというお考えはないでしょうか。
これは、中山間地において集落営農を今それぞれやってもらっています。ところが、集落営農の中心になっていらっしゃる人は民間企業であったり公務員であったり、定年退職をして60歳、65歳から実は集落営農の中心的な役割を何人かで組んでやって、集落営農、そしてその地域を守ってもらっている。70歳を過ぎて74~75歳、おおむね10年ぐらいなのですよ。75歳を過ぎてまだ集落営農で地域を守るために大変な御苦労をされている。体力的にもこれは大変なことなのです。だから思い切って、中山間地が守れなかったら鳥取県は沈没してしまうわけですから、中山間地、地域を守るという格好で希望退職制度を新たにつくっていくというような、こんな構想というのはどうなのでしょうか。
以上、何点か申し上げましたけれども、お考えをお聞かせいただければと思います。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から重ねてお尋ねがございました。農業関係は、いろいろとそれぞれの項目、細かいお話もございましたので、農林水産部長の西尾のほうから重ねて詳細を申し上げたいと思います。
まず、境線の延伸についてですけれども、私も絶対ない案ではないと思っています。ただ、実現可能ということになると、やはりいろいろと考えなければいけないこともあるのかなと。例えば431号をまたぐとなると、あそこに多分踏切をつくると交通渋滞の原因になるでしょうから、そうすると、そこの上を通すかということになると、これはまた事業費の問題も出てくるかもしれません。ただ、おもしろい着眼点という点でいうと、高松町駅からは大体2キロぐらいなのですね。ですからそんなに遠くはない。境駅からだと5キロぐらい。それでも今、実は、例えば大阪であれば短絡線をつくりまして新大阪のほうから奈良のほうに行く列車ができたり、また、ずっと神戸のほうから今では近鉄を経由して行けるようになっていますけれども、あれもそのまちの中に地下鉄を通していってできていったわけですが、そういう距離感からするとそんなに長い距離ではないのは事実であります。だから問題は採算性だとか事業可能性、担ぐJRなりがあるかどうかということがまず一つあるのかなということであります。
議員のおっしゃる本質は、せっかくクルーズ船が来るので、地元の交通業者を活用せよということに多分尽きるのではないかなと思います。これは我々も非常に悩ましいのですけれども、もちろん最初からそういうふうにしていまして、少なくとも元請のところは、県内業者が基本的にやっていまして、ただ、そこが結局自分で賄い切れなくなると外へ出す。ただ、船の大きさによりますので、大きな船が来て、この間みたいにもう何十台も観光バスを用意するとなると、そもそも県内にそんなにバスがありませんのでそうなってしまうのですが、そうでないときは地元の交通事業者、一畑さんなども含めて地元で賄おうというようなことでやっています。
悩ましいのは、最近タクシーを使う人がふえてきました。FIT、個人旅行者についてはタクシーで大行列ができてしまったりします。境港市が用意をして駅のほうにとりあえず出てもらうシャトルバスをつくっていますが、こういうようなことでいろいろ工夫を重ねていって、できるだけ地元の資源の中で賄えるときは賄いたいなというふうに思います。この辺は、しっかりとその問題意識を関係者とも今後もよく話し合っていきたいと思います。
また、あわせて、新幹線につきましてお尋ねがございました。
私自身も、実は福間県議が言っていることは非常によくわかるところがあります。壮大な構想でございますので、それにはデメリットとメリットと両方共存するわけでありますし、壮大であるがゆえに、もしやるとなると本当に思い切った決断が必要になるというところであります。ただ、今の現状、先ほど秋田のお話もございましたけれども、片方で富山とか金沢が大変に繁盛していることも、これは間違いない。きのうも上海吉祥航空が来ていましたけれども、北陸に大変に興味を持っていました。また、それと連動して、やはり名古屋圏というのを関西に比較して今優位性が高まっているというようなことも言っていました。つまり新幹線が作用しているのですね。新幹線プラスエア、航空機で世界中のお客様が動くということになり、新幹線以外のところはチケットとしては使えても、果たしてそれを利用するかというと、新幹線に乗りたいという人たちがやはりいるのは事実なのかもしれません。ですから、そうした意味で経済効果がないとは私も言えないのではないかなと思いますし、九州新幹線開通後の熊本などの状況を見ても、残念ながら地震がありましたけれども、あれを差っ引いても相当な事業効果はあったのではないかと思います。
ただ、問題は、並行在来線だとか、それから事業費負担とかだと思います。ですから、もし計画が前に進み始める可能性が出てくるとなると、これは議員がおっしゃるように、市町村長と腹をくくって、また、国にも言うべきことも言ってやっていかなければいけないと思います。個人的に申し上げれば、今、政界のほうの風向きが変わってきているという感じはするのですね。それは、かつて整備新幹線構想のあの真っ盛りのころ、そのころにいろいろと財源づくりをしたりしました。今、新幹線については直轄道と同じ方式でありまして、3分の2の事業費は国のほう、3分の1のところは交付税措置も込みで入ってきますが、いずれにしても3分の1分は地方部分ということでの仕切りになっています。ただ、これでもやはり事業費がかかるものですからどうしようかと。秋田だとか、そういういろんな方式があって、ミニ新幹線方式あるいはスーパー特急方式、残念ながら今難しくなりましたフリーゲージ方式、そういういろんな知恵を本当は比べながら最後は議論していかなければいけないところも多分あるのだろうと思います。また、フル規格でやるとなっても、まともに往復両方つくるということがいいのか、一本単線でもまずは通してみるのがいいのか、これはその需要に応じて経費というのは考えるべきですから、その辺も受け入れながら議論を進めるということもあるのかもしれません。
実はそうしたこととあわせて、並行在来線の負担が重過ぎるという議論も、政界、国のほうに大分入ってきているのも事実であります。皆さんも不思議に思うかもしれませんが、小浜ルートで入ってきて、それで京都に抜けるわけでありますが、そういうときにここの並行在来線というのは本当にあるのかなと。JRさんは湖西線が並行在来線だと主張するのですけれども、そんなことはないではないかというふうに言う議論も実は優勢であります。さらに言えば、京都から新大阪まで、これは一旦田辺のほうに少し迂回をしながら北陸新幹線は京都から新大阪に入るのですけれども、これについては並行在来線の議論は一切ないのですね。JRですらしない。だから、だんだん何か壊れてきているのではないかなというふうに思います。
この辺は、だからちょっと議論の状況をよく見ていかなければいけないのかなと思いますし、ただ、そこのところは条件闘争も含めて考えなければいけない部分なのかもしれません。この辺は実は私一人が言っていることではなくて、先ほど申し上げた鉄道調査会、自民党の調査会の中でもこうした議論が出てきています。また、政府・与党の委員会の中でもこうした議論が出てきております。現に国交省も今の検討のスキームの中では、そういうようなことも含めた調査検討をしているということでございます。ですから我々としても、状況をもちろんフォローはしながら、ただ、旗を早くおろすのが得策なのかどうかということもありますので、やはり夢を語る人たちも現にこの山陰にも多いところでありますから、2つの新幹線ルートについて、今はまずは道をつけていく、調査なりなんなりの検討の路線は引いておくというのが得策かなというふうに私は思っています。
これについて、裏を申し上げれば、実は島根県さんが長年反対をしていました。関西方面は賛成なのですね。島根県さんは、新幹線という言葉を使うことすら嫌っていたのですけれども、ついこのたび島根県さんが長期構想をつくられようとしていまして、今、県議会で議論されておられますけれども、パブリックコメントをされておられるところでございます。この中に、地元の合意等の条件はつけながらも、新幹線について検討するということが初めて、長期構想を島根県さんは非常に大事にしますが、その中に書かれるようになりました。ですから山陰として課題が今ちょっとステージが変わってきているのかなというふうに私などは思っていまして、今後ともこういう自由闊達な議論、大所高所、本音の議論をやはり我々はしていかなければいけないのではないかなというふうに思います。
農業につきましては、いろいろとお尋ねがございまして、詳細はまた部長のほうから申し上げたいと思いますが、令和4年度くらいを目標に900億円の生産額を目指そうではないかと。それに向けて、例えば南部町や米子あたりの新甘泉とか輝太郎、こういうものの作付をふやすとか、それからさらには、先ほど畜産の話を申し上げましたけれども、畜産であれば、大山町のほうで乳牛の生産拡大を今しようとしています。こういうようなことなどをいろいろと盛り込んで、ちょっと高い目標ではありますけれども、900億円を目指してやり、さらには、10年後ベースですと1,000億円を目指していくと、このぐらいのことで向かおうではないかと今、農業関係者とも話をしているところでございます。
ドローンなども今活用が進んできているところであって、例えば日南町の坪倉さんのところ、大菅の農事組合などはそうしたドローンを買いまして、それで稲の防除に使っていたり、こういうのが始まっていますが、まだまだ本県は使用が広がっているとは思いません。こういう新しい技術も入れていったりさまざまな活用をして、やはり中山間地にしっかりと生き残っていけるような農業という姿を探していかなければいけないはずです。
また、改良普及員あるいは試験場、これも農業の実情に沿うように十分に私どもとしてもコントロールをしていきたいと思います。平成19年に私も引き継いだときにこの2つは大変問題でありまして、当時は農林水産系の研究所を独立法人化するという既定事実がございました。私はここに疑問を持っていまして、現場の方々から非常に評判がよろしくなかった。またそれとあわせて、改良普及員につきましても、JAのほうの営農指導のほうと役割分担をして、こちらを大幅に縮小することも考えていた時代でもありました。ただ、農業を本県の基幹産業として育てていくためには、議員がおっしゃったような現場に即したニーズに合った試験研究をやっていく、そして農業の特殊性では、研究を行ってみずから品種改良して開発をする人たちが、今度また指導に行かなければいけない。指導して本当でいいお米というのを広げていく、いい梨を広げていく、これがないといけません。ですから実はそこは人材としては一体性がないといけないですね。だから法人で区切ってしまったり、また、JAとの役割分担は確かに大切ですけれども、量的にぐっと絞ればいいということでもないだろう。ですから、平成19年から20年にかけましてそこは大改革をしまして、今のちょっと下敷きができたということでありますが、最近、星空舞であるとか、そうした新しい品種への挑戦も始まるようになり、いろいろと成果も上がってきているところであろうかと思います。ぜひそうした県のほうもフル動員しまして対策をとってまいりたいと思います。
議員のほうからおっしゃられたことを西尾部長がどう言うか、ちょっと楽しみですけれども、退職させろと言うと西尾部長がびっくりするのではないかなと思うところもありまして、そこは本人の選択かなと私などは思います。むしろ、最近もう60歳でも元気なのですよね。農村に行っていただくと、60歳ぐらいが働き盛りで、これからもっと勉強していいお米をつくるのだよというような人たちでございますので、実は卒業した後でも遅くはないのではないかなという感じがいたします。先般卒業しました前の農林水産部長の村尾さんは今、梨をつくっていますけれども、お仲間と一緒に100アールほどやっていて、いなばの本当に基幹的な組合員でいらっしゃいます。そういうような方もいらっしゃいまして、そのほかにも先輩方で元気に農業をやっている人たちもいます。そういうようなことをこれからもっと我々も意識を持って推奨していくということもあるかもしれません。
また、例えば災害時のようなときに営農指導したり、援農したりというとき、若い方々の力も大切ですけれども、知恵も必要なことが多々ありますし、そういう意味で、改良普及員さんのOB会などもそうした意味で活用していくとか、議員の問題意識に応えられるようなことは、確かに県庁でずっと育ってきた人間でできることもあると思いますし、そのモチベーションというのも使えるのではないかなという感じもいたします。ぜひまたそういった観点で検討させていただければと思います。
◯副議長(福田俊史君)西尾農林水産部長
◯農林水産部長(西尾博之君)福間議員からのお尋ねにつきまして、補足答弁をさせていただきます。
まず、水田農業における飼料用米の位置づけ、そして今後の展望はということでございます。
国では、平成27年3月に食料・農業・農村基本計画を策定しておりまして、その中で、持続性にすぐれた生産装置である水田をフルに活用するという目標を立てておりまして、その中で、水田活用の直接支払交付金なども創設しております。本県におきましては、平成21年に飼料用米の試験導入を実施しておりますが、畜産農家への利用促進等によりまして平成28年には1,100ヘクタール超まで拡大したところでございます。その後、主食用米の米価が回復したこともありまして若干減少しておりますけれども、平成30年現在で作付面積は793ヘクタールということでございまして、おっしゃられるように、転作作物の柱の一つとして定着しているところでございます。
飼料用米は、水田を生産基盤としてできるものでございますし、また、主食用米、水稲用の機械がそのまま利用できるということもありまして、農家の方が比較的取り組みやすいということでございます。県内でも養鶏農家、養豚農家を中心に利用定着がされているということでございますので、県としてもしっかり進めていきたいというふうには思いますけれども、あくまでもつくられる耕種農家の方が経営の中で作付品目等を判断されることだというふうに思いますので、県として、主食用米から飼料用米への転換を積極的に促すというようなことまでは考えておりません。飼料用米の取り組みを継続していくためには、収量性の向上でありますとか生産性の向上、コストの低減といったようなことが大事になってきますので、そういったところでの技術対策、情報を提供していきたいというふうに思います。
県内では、例えば南部町にあります合同会社清水川さんでは長く取り組んでおられまして、平成30年度には飼料用米多収日本一コンテストで日本農業新聞賞を受賞されるなど、成果もきちっと上げておられます。地域の平均単収から250キロも増収されたというようなところで、県内の中でも見本となる事例も出ているところでございます。ただ、いかんせん畜産農家との契約交渉の中で単価が決まるものですので、一定程度の支援というのは必要であることは確かだろうというふうに思っております。冒頭に申し上げました食料・農業・農村基本計画が5年ごとの見直し時期を今迎えております。こうした国の動きを注視して、現行の支援水準が継続されるようにまた要望等もしてまいりたいというふうに思っております。
続きまして、地域農業を守っていくに当たって、農地の集積、集約、基本的な圃場の改良整備が必要ではないかというお尋ねでございます。
おっしゃるとおりでございまして、やはり担い手に農地を集積、集約するからには、担い手がつくりやすい環境を地域としても整えていくということが大事になろうかというふうに思います。国のほうでもその辺の支援施策をつくっておりまして、そういう担い手への農地の集積、集約に伴って、圃場整備する場合には地元負担なしで基盤整備ができるような、そういう方策もできております。ただ、地域の合意がなければその辺ができてこないというふうにも思っておりますので、冒頭、知事のほうからもありました人・農地プラン、これを策定する中で地域の合意形成を図って、やれるところから基盤整備に伴い担い手がそこで営農できるような方策を皆さんと一緒に考えてまいりたいというふうに思っております。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)島根原発問題について、島根県の丸山知事と立地自治体と同等の安全協定を締結すべきという課題について、このテーマで協議されたらどうでしょうかという私はお尋ねをしたつもりなのですが、引き続き今後とも協議をするというぐあいにおっしゃったように私には聞こえているのですが、この問題について改めて丸山知事と協議をしてみたい、するというお考えをお持ちだというぐあいに理解をしていいのでしょうか、そのことをちょっと原発問題についてはお尋ねをしたいです。
防災・減災対策について2点お尋ねをしたいのです。
JR関連ばかりかと言われるかもしれませんが、鉄道軌道整備法の適用要件及び適用対象緩和をしてほしい。自然環境の変化による豪雨災害や地震災害で鉄道が寸断されるという事態が各地で起きています。この鳥取県あるいは島根県でもたくさん起きています。災害復旧については、鉄道軌道整備法の適用要件・適用対象の一部見直しが図られてきましたけれども、まだまだ十分なものとなっておりません。今後発生し得る自然災害を想定をして、さらなる適用要件・対象の緩和や、政府補助率を増すまちづくりとあわせた鉄道の普及や再発防止のための機能強化など、原形復旧を超える整備に対しても助成対象とするようなことを国に求め、地方自治体や鉄道事業者の負担を軽減させるために、県として鉄道軌道整備法の適用要件及び適用対象緩和に向けて国に対し強く要望をしていただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。
もう1点、緊急災害時における復旧への取り組みであります。
緊急災害時には、道路法では災害復旧のために必要に迫られた場合には、近くの土地の利用や周辺住民の力をかりることができる規定があるようであります。鉄道にはそのような規定はありませんが、鉄道に対しても道路法のような緊急対応が可能な制度が必要なことから、県独自で災害時には道路法に準ずる政策が必要ではないかと思いますが、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて安全・安心につきましてお尋ねをいただきました。
原子力安全対策につきましては、島根県さんと今までもほかのサイトにはない協調体制をとりながら、我々も、ほかの周辺ではできないような安全対策を進めることができているところでございます。それで、先ほどの安全協定の問題については、これは一義的には電力会社と結ぶものであります。ですから電力会社をどう動かすかということが一番のポイントであります。また、これは前の島根県さんもそういうスタンスなのですけれども、もともとこういう原子力発電所を稼働させるか否か等も含めて、これについて周辺地域の意見をどう反映させるかというところのシステムがないわけですね。私どもは無理やり安全協定をつくって少し押し込んだわけでありますけれども、ただ、そこのところは必ずしも担保されているものでもありませんし、特に今こういうように立地と周辺との関係性も課題になっている中で、国として意思決定の仕組みというのをやはりつくるべきではないだろうかと、これを私どもとしては国のほうに周辺の意見が反映されるそういう仕組みづくりということを今後も引き続き求めていく。
これは法律、制度などで達成され得るものだと思っております。なぜなら、私どもは周辺地域であるというふうに国の法律でも東日本大震災後は位置づけられましたので、我々も安全対策の計画をつくってそれを実行していくという立場になります。ですから所要の財源も必要ですし、当然ながら私たちの意見が原子力発電所の運営にも反映されなければならないと思いますし、それは法制度上、何らの矛盾もない、むしろ今ないことが、そこがミッシングピースではないか、欠けた部分ではないかと思いますので、これはそう主張していきたいということであります。
これについて、ただ、隣県の島根県さんは実はそういう意味でこのロジックにかかわらないところでありますが、あちらも一つ私どもとの話の中で、島根県も周辺の意見を受けとめた上で回答するようにしますよという仕組みをつくってもらい、これは継続できるだろうというふうに思っています。こういう中で、そうした原子力発電所の安全対策については、隣県の丸山知事、新しい知事とも今後も継続して話をしてまいりたいと思いますし、さまざまな調整もしてまいりたいと思います。原子力安全協定を立地と同じようにしろと彼に要求しても、彼には権限はないものですから、ただ、こういうようなことを我々は主張していますよということはよく知っていただく必要はあるかもしれません。そんなようなことで、今後もコミュニケーションはとってまいりたいと思います。
また、鉄道軌道の災害復旧については、重要な課題だと思います。昨年の7月豪雨災害のときに伯備線、それから因美線、両方とまりました。その関係で鳥取県は陸の孤島状態になったのですね。そういうようなことを解消すべく何とか復旧させようと。私は、JR西日本の米子支社さんも頑張られたと思います。現実にも、岡山の工事にまで出かけられてJRの管内でも越境してとにかく伯備線を直そうとされたりしましたし、因美線系統も早目の復旧になったと思います。そういうようなときに実は我々も、私もちょっと小言風に伯備線を早くやってもらわないと困るというようなことを梅谷さんに言ったこともあるのですけれども、それとあわせて、我々も協力しますよということもさせていただきました。
そういう中で、一つには、先ほど議員がおっしゃった法律の問題ですけれども、新しい制度ができまして、JRさんのような会社本体が黒字であっても、その線区に限っては災害復旧、これを国の補助制度の対象になし得ますよというふうに変わったわけです。こういうことがあり私は岡山、広島両県知事とも話をして、中国地方の急がれる課題を政府のほうに要求しましょうと、そのときにJRさんの意見も実は聞いたのです。聞いた上でその要望書を作成して、7月の10日、11日だったと思いますが、菅官房長官、石井国土交通大臣に中国地方、右代表で行ってまいりました。その中に、今、議員がおっしゃる新しい制度の適用も含めて要望させてもらっています。
そのときのやりとりとしては、できる限りのことはしますという御回答はあったのですけれども、後で聞いてみると結局補助は入っていなかったのだそうでありますが、これはJR西日本さんの事情もあるのかもしれません。詳細はよくわかりませんが、今後も適正な復旧活動ができるように、それについては私どももJRさんの考え方を聞きながら、国に要求すべきことがあれば要求もしてまいりたいと思います。ちなみに、JR東日本の只見線に限っては、その制度が適用されたことはあるのだそうでありまして、全国で適用されていないというわけではないようであります。
あと、鉄道復旧に向けての用地の活用等、道路法のような鉄道外用地の活用等の課題があるというお話がありました。これは、災害復旧というのは非常に厄介でして、直さなければいけないのですが、そこにはいろんな権利関係がまざり込んでいたりしまして、現場では、このことはちょっと了解をとらないとできないとか、いろいろあります。それで道路法のほうでは、ある程度緊急対応ができるようになっていたりしているところもありまして、そのことを議員がおっしゃるのではないかと思います。
例として、先ごろの7月の豪雨災害のときのことを申し上げれば、因美線が不通になりました。あのときに千代川左岸の鳥取市用瀬の川中という地区がございまして、そこの千代川が崩落して、それで結局鉄道が不通になるわけですね。これについては、正直いろいろと細かいところと言ったらちょっと問題があるかもしれませんが、正面切って一つ一つ綿密に詰めていくと難しかったかもしれないのは、実は河川の崩落の復旧でこれは県事業の部分があるのですね。それは、だから県のほうでやるか、JRがやるかとかになるわけです。ただ、早くやろうと思うと、鉄道軌道ですからJRさんがさっさと直してもらって、あとは適当にやっておいてもらったらいいというのが、こちらも忙しいですから本音の話なわけですね。それで、現場の対応として、いわばその確認書みたいな、そういう覚書のような形でもう執行してしまいまして、それでどういう仕掛けにしたかというと、JRが工事をします。そこの県関連の部分のお金があれば、それは県が払います。そうやってとにかく事業をやってしまえということでやったわけです。この辺、やや超法規的なところはないわけではないのですが、ただ、そういうことをやっていかないと、なかなか鉄道軌道の復旧の難しいときというのは現実にあるということであります。
これは別に因美線だけでなくて、あちらこちらでございました。例えば学校のところに土砂を置かせてもらいたい。ちょっと声かけてくれというようなお話があったときもあります。そういうことで、結局それだけで工事がとまってしまうということがあるわけですね。特に山陰の場合、山越えで入ってきたりしているわけでありますが、そんなにもともと土地がないところで、そこで工事の車両なりなんなりを回せないわけですから、どこかによそに迷惑をかけないと鉄道を直せないというのが現実でございます。ですから議員のおっしゃるように、そうした意味で我々は、山陰のいいところでコミュニケーションをとってスムーズに円滑に柔軟に執行できるように、今までも協議を進めてきましたし、運用してまいりたいと思います。また、あわせて国のほうに、そういう道路法のような仕掛けもあるので、そういう用地費用など柔軟にできる緊急の災害対応がとれるような、そういう体制というものを制度的にもつくるように要望もしてみたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)働き方改革について1点お尋ねをしたいと思います。
6月議会でも私は働き方改革についてお尋ねをいたしました。働き方改革は、働く人の尊厳の確立であって、人間らしく生きることの創造である、こういう考え方のもとで社会のありようを変えていくぐらいの心構えでないと向き合えないだろう、こういうことを6月議会のときに私は主張をいたしました。ここで、その先頭に知事みずからがやはり立つべきだと、こういうことを申し上げたと思っています。最近の知事の働き方改革の自己採点はいかがでしょうかということを実はお尋ねをしたいわけです。
岡山県出身の平櫛田中という彫刻家が「いまやらねばいつできる わしがやらねばたれがやる」という言葉を残していらっしゃいます。私は、先ほど申し上げたように、今までと違って今までの国の流れをこの働き方改革という、ことしの4月1日以降から全体で、みんなで変えていくのだというこの思いがなければ、まさに働く人の尊厳、人間らしく生きることをつくり上げていくということにはつながっていかないと思いますけれども、知事御自身の最近の働き方改革について御感想をお尋ねできればと思って、お尋ねいたします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)ちょっといま一つ趣旨がうまく捉え切れていないかもしれませんが、自分自身の働き方改革が進んだかという、点数はどうかという御趣旨かなとも思えるわけでありますが、前回もやりとりをして、あの後、休日ということで当面夏休みがありますので、その夏休みに向けまして職員の皆さんといろいろと現場でも話し合ってもらって、それで現実には「よかよか」という休暇制度というのをやろう。閉庁しましょうと、よかよか閉庁ということで新しいちょっと取り組みをしました。それは、5月の連休のときにいわば実験もできたわけでありまして、あけなければいけないとみんな慣例的に思っていますが、お盆のころ、場合によってはその部屋を閉めてしまうということもあるのではないか。そうすれば、皆さん、実は何か休みたくても当番で出なければなというのが正直あるのですけれども、そういうものもないですし、その分をどこかどうせ出なければいけない所属がバックアップしてあげればいいということでやってみました。
現実には、例年ですと35%程度の消化率が50%ぐらいということで大分引き上げることができましたが、ただ、やはり出ている所属のところで今度電話が鳴りっ放しみたいなことになったり、若干そういう不整合もありますので、次年度以降のまた課題として引き継いでいきたいと思いますし、このようなことをいろいろとやっていけば県庁全体での働き方改革も進むのかなというふうに思います。私も、そういう御質問もあり、ある程度、多少仕事の取捨選択もしようとはしているのですけれども、点数つけても70点か60点ぐらいかなと自分自身のところは思います。ただ、若干は休日をふやした形になっているかと思いますし、そのよかよか閉庁日のあたりは県庁には出てきていないという形にもさせていただきました。
ちなみに、ちょっと今そういうふうに思えるのも、結構、議会も今大変でして、今回32人本会議で立たれるという予定のようなのですけれども、前回に引き続いて全国で断トツに大変に私も出勤率が高いといいますか、労働負荷の高いところでございまして、実は私が手を抜いてしまうと、今度は逆に職員のほうに超勤が発生するものですから、私は12年この方、例えば文章を直すとかいうことは一切いたしませんし、それで、ある程度資料を出してもらえば、それを自分であとは家でやる。持ち帰り残業が今非常に激しく起こっているところでございまして、きのうも眠くなって12時に寝る、4時に起きて4時から今準備をしてこの場に来ているというのが現実でございまして、ブロッコリー農家みたいに夜明け前に収穫をしている。そんなような仕事ぶりでありますので、よく家内からは、何であなた一人でこんなに残業してやらなければいけないのだと言われるのもございますので、余り100点とはちょっととても言えない。そういう意味で、60点、70点かなというところであろうかなと思います。
いずれにいたしましても、ただ、何とかシステムを変えていかなければいけないのだと思うのですね。議員もこの間おっしゃったのですけれども、要は一つの働く文化の問題であると思うのです。固定観念で、これをやらなければいけないとかいうようなものを大胆に捨てていくとか、それから上手にコミュニケーションを活発化するとか生産性を上げるだとか、そういうことを県庁という公的セクターの中でも進めていかなければいけないのだと思います。先般もRPAのことなどの活用の御質問もございましたけれども、そういうようなことなども展開をして働き方改革を鳥取らしくしなやかに進めてまいりたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)もうしばらくおつき合いをいただきたいと思います。
部落差別解消のための取り組みについて、もうちょっと納得のいく御回答をいただきたい。ちょっとわかりづらいのです。
私は、法律ができたわけですから、こういうぐあいに考えているわけです。鳥取県としての同和行政は、法律ができたわけですから県が主体的に責任を持って行うべきではないのかな。前のときに知事の答弁でありましたように、同和対策協議会を拡大してやる、これはこれで結構ですけれども、基本的に同和対策協議会は諮問機関ではないのかなという思いがするわけです。だから基本的に行政実務機関の執行機関というのは県行政ですから、知事の直轄事業として私は、新しい法に基づく実態調査、同和行政というのはやるべきではないのかなというのが基本的にあるわけです。だからそのことを踏まえて改めて実態調査というのは、鳥取県として、各市町村の協力を得ながら行うというのがあるべき姿ではないのかなというぐあいに私は思うわけです。先ほどおっしゃったように、参議院、衆議院でそれぞれ附帯決議がなされています。それは今回の実態調査を行うに当たって、新たな差別を生むような事態を起こしてはならないよという附帯決議だと思うのですよ。だからそれは実態調査のやりようによってできるのではないですかと思うのですが、いかがでしょうか。ですから、あくまでも実態調査というのはやはりやるべきだ。
一歩譲って、この実態調査が先ほど来お話がありましたように、同和対策協議会の中で今までこの何年間か議論をされて、その中での議論の一端として取り組みをされるということもないことはない、あるかもしれないなという気はします。事業の一端を県の直接の執行機関以外のところへ委ねて、そこの力をかりるということはほかの事業でもあるわけですからあると思うのです。しかし、今までのケースから見てきますと、部落差別問題というのは、後で教育長にちょっと苦言を呈しておきたいと思うのですが、本をつくったから解消するような話と違うのですよ。部落差別があることによって人間を否定されてきたということが長い歴史の中であるわけです。
先日も、私の小学校時代からの友人が亡くなりました。私と同い年だから77歳、私の1級先輩も亡くなりました。この2人とも、いわゆる被差別部落に生まれて、部落差別を身をもってのたうち回って生きてきた。私が小さいころには親にこう言われたのですよ。裕隆や、おまえたちの大きくなった時代には部落差別などはなくなるから、でも今はまだあるぞと私どもの周辺の大人はそんなぐあいに言っていました。なくなりません、いまだになくなっていない。人間否定なのですよ、完全な人間否定。私は、亡くなった同級生にも1級先輩にも、何となくならないね、私たちの努力が足りなかったのかな。
そのことから考えますと、新たにできたこの法律をてこに、何としてもこの鳥取県で忌まわしい部落差別をなくすという努力は私は必要だと。そのために、どんな歴史があったのかを今を生きている人に聞かないといけないでしょう。実態調査をしないといけない。ありきたりの表面づらの調査では、私はこの部落差別をなくす政策をつくり上げていくということは不可能ではないのかな、こんな思いを持っているからこの問題にはちょっとこだわりを持ちたいと思っているのです。実態調査をぜひやってほしい、これについて知事、いかがでしょうか。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から重ねて同和対策につきましてお尋ねがございました。
議員の身近な方がお亡くなりになられたことは御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、背負う必要のない苦労を背負って差別を受けたこと、それはあってはならないことだと思います。そういう意味で私たちは、そうした教訓をこれからの人権問題であるとか、また、社会の改革の中に生かしていかなければいけませんし、それから当面そうした同和問題にどういうふうにかかわっていくべきか、行政サービスとしてできることはないのか、あるいは意識改革、こういうところに重点を置くべきではないか、その辺も明らかにしながらその施策というものをつくっていく、実行していくことが大切であります。そういう意味で、同和対策の協議会は一つのベースとして機能し得ると思いますし、最近の先ほど教材のお話もいろいろと御意見はございましたけれども、例えばインターネットのこととか従来できなかったことを今その枠組みの中でも始まっていますので、そこは活用しながら、今、新しい法律下での鳥取アプローチというのを進めていく必要があるのかなと思います。
調査につきましては、先ほど隣保館のお話もありましたが、ある程度のことを我々も今当面できる範囲のことは始めているということでありますが、こうした議場での御指摘もありますので、何らかそうした実態を知る努力ということを鳥取県としても考えていくべきではないかなというふうに思います。
それで、その決議のことなのですね。もう参議院の決議のところがあり、それで全国も非常に今考えあぐねているというのが多分実情ではないかというふうに思います。その決議の背景にあるのは、せっかく今解消に向けて同和対策を進めてきたところなのですけれども、その地区が明らかにされてしまう、現に私どもでもインターネットの中で本当に心ない人たちが地区名を明らかにしているインターネットの掲示などもありまして、そういうことが社会問題化していますし、我々として削除を求めたりということもこれまでやったりしてきました。ですからそれを助長することにならないかという、そういうことが一つ多分あるのかもしれません。
あともう一つは、個人の問題、ここにもかかわってしまうのではないだろうか。そこを注意をしながら、要は同和対策、こうした部落差別解消につなげていくそういう実効性のあることをどうやってやったらいいのか。難しい問題ではありますけれども、例えば当事者団体と一体となって進める形であれば、行政が地区名を明らかにしてどうのこうのということにはならないのかもしれません。いずれにいたしましても、何らかのそうした従来よりも実効性があって、それで権利侵害にならないような、そういうやり方というのを工夫する必要があるかなと思いますので、ちょっとこれは検討させていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)ありがとうございました。今、知事もお話がございましたように、私は、部落差別根絶を基本軸に置いた運動体があるわけですから、運動体の皆さんのやはり力、助言をおかりするということも必要だろうと思っています。隣保館のリーダーの皆さんもいらっしゃいます。そこら辺で知恵をかりながら、鳥取県行政として、お話がありましたように、実態を把握しながら政策をつくっていくということでお取り組みをお願い申し上げたいと思います。
次に、淀江産業廃棄物最終処分場問題についてお尋ねをいたします。
いろいろ本議場でも議論があります。私は、知事のおっしゃっているのがちょっとグレーのところがあり過ぎるなというぐあいに思ってきています。今、淀江産業廃棄物最終処分場問題というのは大詰めを迎えているのではないでしょうか。
この議場で我が会派の森雅幹議員も産廃問題に何回か発言をしております。同じような内容になるかもしれませんが、鳥取県知事としては、一つは、鳥取県内に発生する産業廃棄物最終処分を処理する責務があるわけですね。処分場をつくっていくと言って処理をする責務がある。もう一つは、それをつくるということで申請が出された場合は、その処分場を認定するというもう一つの責務があるわけですね。だから相反する部分があるからという言い方が今まで知事の答弁で私は見えていたような気がするので、もしも私の言い方が間違っていたら後で御訂正をお願いいたしますが、それで、酒嶋部長は、ずっと今まで答弁でこのセンターの代弁者のように、つくらないといけないという格好で答弁をされていらっしゃるように私には見えるのです。それはそうでしょう、責務を果たさないといけない。
この法律そのものに矛盾があるのかなという気がするのです。設置者と認定者とを同じ人にさせるという法律そのものに問題があるとするなら、国に言って法律の改正を求めるということも必要だろうなと、こんなぐあいに思ったりしますが、いずれにせよ淀江産業廃棄物最終処分場について、私は、平井知事は必要だと思っていらっしゃるかどうかというのがわかりづらいのですよ。必要であるなら、もう態度を明確にして、何としてもつくらないといけない、だから地域の皆さん、理解をしてほしいということがもっと前段であってしかるべきではなかったのかなと思っているのですよ。今からでも遅くないのですが、これはどうされるのですか。法的だとおっしゃいますけれども、法的に例えば全てクリアしたらそれで走るのですか。地域の皆さんこれだけ反対の方もいらっしゃる。地域の皆さんの理解と合意を得るためにどうしようとされるのか。あるいはこれから徹底的な専門家の知見も入れながら調査をしますよ、調査をしてオーケーになった、では、走るのですか、そこがわかりづらい。そこをわかりやすく御答弁をお願いできないでしょうか。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて産業廃棄物処分問題につきましてお尋ねがございました。
議員がいみじくもおっしゃったとおりのことではあるのですけれども、やはり2つの立場があるのは厳然として事実でございまして、1つは、県内でそうした産業廃棄物処分というものを調整していかなければいけない。それが県庁に求められている役割であって、法律上もそういう位置づけがあるし、現実問題として、産業の商工業の工場等のものだけでなくて、例えば医療用の廃棄物があったり、あるいは住宅を壊した後の廃棄物があったり、そうした暮らしや命にかかわるようなこともストップされかねないものでありますから、そうした産業廃棄物の処分ということについて包括的に私どもは責務を負っているというのがございます。また、片方で、その処分場についての許可権者ということがありまして、その許可をするに当たって環境衛生上のこと、それから安全のこと、そうしたことを基軸として判断をしなければいけない。その過程で関係者の御意見を聞く、こういう立場もあるわけであります。この2つが非常に当人が一番悩んでいるところでありまして、難しい状況の中に私自身もいるということでございますので、それで、県庁の中でも組織をある程度緩やかに割らせていただいて、推進というか、その建設について深くかかわる人たちと、それから中立的に判断する人たちと、これを県の中でも役割分担を置いてきています。
そういうような形でやっていかざるを得ないのがちょっと当面だということは、これは制度上、私自身も悩むのですけれども、なかなかどうしようもないことかなというところもあります。例えば私が、いや、これはつくるのだと言って高らかに宣言して出ていった途端に、では、その責任者としてどういう立場で、あなたは公正中立な判断ができるのですかということになります。私自身の気持ちとしても、もし本当に安全上の問題があったら私は絶対通してはいけないと思っていますから、ですからそういう意味でも最後のとりでにならなければいけないところもありまして、そこが非常に難しいところであろうかと思います。
きょうも午前中いろいろとお話もございましたけれども、ただ、少なくとも言えることは、本当でこの安全かどうかということの確認なり調査研究ということは、これは切り離してでもできるかなときょうお話を聞いていて思ったところでもあります。やはりそれは、そこについて疑問があるという皆さんがいらっしゃるのであれば、それが本当で右なのか左なのかということをやはり公益としても判断する必要があるのかもしれません。これをどのタイミングでどうやって考えるのか。最終的にはもちろん法手続の中でその場面というのはあるわけでありますが、その場面まで待つべきなのか、その前のタイミングでも考えるべきこともあるのか、この辺も含めてちょっと考慮する必要があるかなというのをきょうは感じたところでもございます。また、住民の皆さんの間にもっと理解を深めなければならないのではないかということを市役所のほうも言っていますので、それについても県のほうも、センターが当事者でありますからセンターの了解があれば同席をするというような場面も今後はあってもいいのかもしれない、その辺は言えようかなというふうに思います。
きょうこの場で、私は必要だと思いますと言った途端に多分全てが破綻しますので、やはりそれは差し控えるべき立場ではないかなというふうに思っていることを、これは御理解をいただければなというふうに思います。ただ、結局課題があることは事実でありますので、問題解決のためにどういうふうに行動するのがいいのか、これはやはり自分としても考えを深める必要があるかなと、場合によっては行動を起こすべきときもあるのかなというふうに思います。その辺は、ただ、きょう今このときではないと思っていますので、今、関係者のさまざまな御意見をちゃんと聞いて真摯に対応して物事を考えるということを基本に置かざるを得ないのかなと思っております。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)それでは、最後の問題になりますけれども、政治参加の促進についてということで、選挙管理委員会委員長にお尋ねをしたいと思います。
私は、政治参加の促進についてということで、一つは、期日前投票をもっと簡素化すべきではないのかな、例えば期日前投票制度を設けておりながら、その理由を書けとか、投票者本人の確認ができさえすれば端的に言えば理由まで一々書かなくてもいいではないかなという気もするのですが、いずれにせよ投票ができやすい状況をつくり上げていくということが一つは必要ではないのかなと。これについてどのようにお考えか、教えてください。
それと、18歳で投票ができるようになりました。高等学校に期日前投票所を設置して若い人たちの投票率向上に向けた取り組みを強化してはどうだろうかと思いますが、選挙管理委員会委員長、お答えをお願い申し上げたいと思います。
もう1点、中山間地域では投票所の数がどんどん減ってきています。投票所から遠く、車などの移動手段がない方々は投票に行くことが極めて困難になってきている。移動投票所を準備して中山間地域を巡回し、投票率向上に向けた取り組みを行ってはどうでしょうかと思いますが、選挙管理委員会委員長、よろしく御答弁をお願い申し上げます。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
相見選挙管理委員会委員長
◯選挙管理委員会委員長(相見愼君)2点追及の御質問がございました。
まず第1点は、期日前投票の簡素化と高等学校に期日前投票所を設置してはどうかというお尋ねでございました。
期日前投票に当たりましては、手続として、投票前に法令上、宣誓書を提出することが必要となっています。これは期日前投票を行うために必要な要件、つまり投票日当日に仕事や旅行などで投票所に行けないということを証明するものであります。これは期日前投票制度が投票日に投票所で投票するという、ちょっと詰まりやすい言葉ですが、投票日投票所投票主義の例外として存在する以上、その要件に該当することを宣誓によって担保することを目的としております。この手続を簡素化すべきとのことでありますけれども、これは公職選挙法施行令で定められているものでありまして、鳥取県選挙管理委員会や市町村選挙管理委員会の判断でこれを不要とすることはできませんので、この点については御理解いただきたいというぐあいに思います。
なお、現状では、県下19市町村のうち17市町村の選挙管理委員会では、事前に送付する投票所入場券の裏面を宣誓書の様式として活用しており、これに事前に記入して投票所にお越しいただくことで投票所での事務手続が簡便となり、円滑に投票を行うことができる取り組みが広がっております。私自身、米子市ですが、米子市はもう何年か前からそういうシステムを取り入れておりまして、私も当日よりは期日前投票を今積極的に利用しているという立場でございます。
次に、高校において期日前投票所を設置することにつきましては、公職選挙法上、市町村選挙管理委員会が設置することとされておりますので、高校において期日前投票所を設置することについては市町村選挙管理委員会の判断によることになります。現在、本県において高校に期日前投票所を設置した事例はありませんが、これは選挙が行われるときに期日前投票の対象となるのは、全ての高校3年生ではなく、選挙期日までに18歳になっていること、それからまた、高校の所在地の市町の選挙管理委員会の選挙人名簿に登録されていることが前提となりますので、高校が設置されている所在地で投票できる生徒はかなり限定されてしまいます。1学年は4月2日から4月1日生まれまでの生徒がいるわけです。そうすると、その1年間で生徒は18歳になっていくわけですね。それで、選挙が極端な例でいいますと例えば4月2日にあれば、18歳の生徒は数人に限られてしまうというようなことになってしまうわけですね。そういうようなことがありますので、市町村選挙管理委員会が期日前投票所を設置することを検討しようとした場合、そういうことが大きな課題となって設置がなかなか進まない要因になっているというように考えられます。
2点目ですが、移動投票所を準備して中山間地域を巡回させてはどうかというお尋ねでございました。
投票所は、本県では、現在、当日投票所と期日前投票所がありますが、当日投票所につきましては全ての投票所において午前7時から午後8時までの開設を原則としていますので、当日投票所を移動させるような柔軟な運用は困難であることを御理解いただきたいと思います。
その一方で、期日前投票所につきましては、午前8時30分から午後8時まで開設している期日前投票所が1カ所あれば、それ以外の期日前投票所は午前6時30分から午後10時までの間で自由に開設時間を設定できますので、一部の期日前投票所を2ないし3時間単位で移動させて開設することは可能となりますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、公職選挙法上、期日前投票所は市町村選挙管理委員会が設置することとされておりますので、期日前投票所の設置をどのように行うかにつきましては、まずは市町村選挙管理委員会の判断によることになります。
現在、移動期日前投票所を運用しているのは、北栄町選挙管理委員会のみでありまして、県内における取り組みは進んでいないのが現状であります。これは、投票所に行くことができない重度の障害がある方の投票機会の保障といたしましては既に郵便投票制度があること、全てではありませんが、一部の市町村選挙管理委員会におかれては期日前投票所まで無料バスを運行するなど、移動支援事業に取り組んでおられることなどが影響しているものと思われます。投票機会の保障の観点からは、中山間地域に移動期日前投票所の設置が進むことは望ましいことであると考えますが、市町村での業務に携わる人員の確保など制約される課題もあると思いますので、これらの事情を勘案しながら各市町村選挙管理委員会において適切な対応をしていただけるよう働きかけてまいりたいと考えております。
◯副議長(福田俊史君)20番福間議員
◯20番(福間裕隆君)これで終わりにしたいと思いますが、その前に、選挙管理委員会委員長にお願いをしておきたいと思います。
どんな方法で政治に参加するのか、選挙投票行為をどう上げるのかということに焦点を合わせていかないと、法律を私は変えてでもやるべきだという思いがあるのですよ。だって国会でも今まで壇上に出て投票していたのを、何かボタンか何かでぽんと決めるようにやってきているでしょう。ですから今の時代に似合った選挙参加の方法というのをやはり全国に呼びかけていただいて、一人でも多くの参加者ができるようなシステムをやはりつくっていかなければ、だって何年か前には至るところに投票所があって幾らでも投票に行けたのに、今、移動すらできないこんな社会になってきてしまっているので、その中で、旧態依然とした公職選挙法を国は盾にとってこれをクリアしなければ投票を認めないなど、私に言わすと論外と言いたいのですよ。そうしておいて投票率が上がらない上がらない、ふざけるんじゃないと言いたいのですよ。そんなばかな話はあり得ないのですよ。民主主義の根幹ですよ。この根幹を守るためにどんな努力をしなければならないのかというのを私は言いたい。
18歳の子供たちが、新しい選挙権を得て自分たちが生きる社会をつくろうとして必死になっている、何でそれに応えられないのか。公職選挙法を、いつのものか知らないけれども、それを守り通していく、私は、やはり国に対してそのことをしっかり鳥取県選挙管理委員会として言っていただきたいということを要望として申し上げておきたいと思います。
終わりでありますけれども、今回、代表質問させていただきまして、知事には申し上げておりませんでしたが、今回、代表質問に参加させていただいて私の感じました思いを申し上げてみたいと思いますから、後ほど知事のコメントをいただければなと思っています。
議員の皆さんにも、傍聴者の皆さんにも非常に長時間おつき合いいただきまして、改めて感謝を申し上げたいと思っています。
私は、猛スピードで進行している少子高齢社会、全く私ども未知との遭遇であります。私どもの想像をはるかに超えている今の時代であります。今までの常識、行政ルールでは対応できないのではないのかな、今までと真反対の考え方を持つことも必要ではないのかな、こんな思いを持ったりしています。しかも始末の悪いことには、冒頭、人口問題を申し上げましたけれども、我が国の人口形態は東京一極集中であります。政府が東京一極集中に歯どめをかけようということで政策をいろいろつくり出してきていますけれども、残念ながら全てむなしく、むしろ東京一極集中は拡大し続けてきているのではないでしょうか。
全国の自治体の72%は人口流出で全国各地から東京へ人口が移動している、こう指摘している学者もあります。しかも始末の悪いことには、その年齢層が20歳から24歳が最も多く、次いで15歳から19歳、25歳から29歳、しかも男性が東京に行くよりも多い女性が東京圏へ移動をしている。進学や就職を機に東京圏に移り住み、なかなか故郷に戻ってきてくれない、こんな実態が今、私たちの周辺であります。今、国のシステムを変えなければならないのではないでしょうか。今までのシステムではどうにも立ち行かないことになってきてしまっている、私はこう思います。
今回、我が会派の皆さんに代表質問をさせていただくことになりまして、感謝申し上げたいと思っていますが、改めて勉強をしてみて、いや、これは本当に大変なことになるぞと、こんな思いをひしひしと実は感じているところであります。極端な言い方をしますと、地方が音を立てて壊れつつあるのではないのか、こんなおそれを抱いています。地方の活性化、地方がしっかりとこの地に踏ん張るということが今こそ求められている最優先課題ではないのかと、こんな思いに到達をしたところでございます。鳥取県の30年度の決算は3,450億円、7割が依存財源であり、7割がよそからもらってこなければやっていけない財源なのですね。31年度の予算3,183億円も7割が依存財源であります。幾らここの議場で議論をして、首長である平井知事に執行部頑張れ、この政策をどうするのだ、それこそ極端な言い方でのど筋引っ張ってみたってどうにもならない状況というのがあるわけです。やりくりやりくりしてやっている。私は、今こそ国のシステムの変更が必要ではないのか、こういう思いを持ちます。
それぞれの政党に所属をされている議員の皆さん方には、大変御無礼な発言になるかもしれません。とりわけ自民党議員の皆さんには大変失礼な発言になるかもしれませんが、自民党の政権が長いこと続いてきました。今も我が国始まって以来の長期政権になると言われている安倍政権、一番やはり強い政権ではないでしょうか。にもかかわらず、鳥取県が7割の依存をしなければやっていけない状況というのは何ら変わらない。国民に選ばれた国会で構成するその国会の中で、議院内閣制によって内閣が成立をしている、そしてそれが今、安倍さんがその内閣を、政権を担当していらっしゃる。安倍政権を樹立するために自民党員の皆さん、自民党支持の皆さんは全力投球をされた。その皆さん方が陳情しなければならない状況というのは、国のシステムを変えるしかないのではないですか。私自身、国民民主党の党員であります。残念ながら、仮に、仮に国民民主党が政権を担当させていただいたとしても、このシステムというのは変わらないのではないでしょうか。
東京一極集中、国と地方のありようというのがどうしても変わらない。私は、今こそ地方が一体的に手をつないで国にもっともっとやはり国と地方のありようを本当に変えていこうということを声を大にして叫ぶべきではないのかな、こんなように思っています。国のシステムの変更を求めるために、我が会派の興治議員が2007年に一国二制度の提案が秋田県でなされているということで、地方に企業立地を促進するような新たな規制、企業の法人税を4段階の税率にするというような奇策を使ってでも地方に企業進出を促していこうではないかと、こういうことで平井知事に論戦を挑まれたことがあり、平井知事も賛意の表明をされていらっしゃいます。
しかし、残念ながら一国二制度というのがなかなかなじまないねということもおっしゃっていらっしゃいますけれども、最低賃金制度というのが実はあります。最低賃金制度は、全国を4つのブロックに分けて、Aランクは東京、神奈川、大阪、埼玉、愛知、千葉、ここはAランクというぐあいに位置づけをしている。残念ながら鳥取県はDランクというランクですけれども、そこで明らかに最低賃金の目安金額が違ってきているわけです。国の政策でそうしながら、最低賃金をそれぞれ格差があることを承知でありながら、ブロック別の最低賃金の底上げを図ってきている。これの均等化をせよという意見もありますけれども、地方にはそれに耐え得る企業がないわけです。そのことからいきますと、私は、改めてこの議場で興治議員が平井知事に論戦を挑んだ一国二制度、こういうような企業が地方に進出しやすい制度をやはり今取り組むべきではないのかな、こんなぐあいに思ったりもしているところであります。
いずれにいたしましても、私どもの予想をはるかに上回るスピードで少子高齢社会が進行しつつあります。このことに留意をしながら、しかし、この地に生まれてきて、この地に命を誕生してこの地に生きて、この地にバラ色の夢を抱いてくれる若い人たちがたくさんこれから出てくるわけですから、その人たちに私たちはしっかり応え得る政治をつくり上げていかなければならないと思っています。
以上、大演説をぶちましたが、知事には御感想をお聞かせいただいて、今回おつき合いいただきましたことを全議員の皆さん、傍聴者の皆さんにお礼を申し上げまして、代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から締めくくりとして、今の世情につきましての憂いも込めて発言を賜ったところでございます。
結構大きな課題でございますけれども、大体多分議場におられる方々、共通認識の話だなと思って聞いておられる方も多かったのではないかと思いますし、私も実は同じように思いもいたしているところでございます。我々が今この場で鳥取県政を運営するわけでありますが、次に来られる世代のために、あるいはここに住みに来る人たちのためにどのような鳥取を用意することができるのか、日本というものをつくることができるのか、それを本当に考えなければならないのだと思います。
議員は、少子高齢化のことをおっしゃいました。これにも我々は実は壮大な挑戦をしてきたわけですね。例えば少子化対策、策はないよって実は12年前は言われていたわけです。しかし、私たちは少し思い切って保育料の無償化であるとか、あるいは医療費の助成であるだとか切り込んでいったわけでありまして、結果はどうなったかというと、十分ではないかもしれませんが、ただ、やや改善されて出生率が上がってくるということができました。また、ここに、不便でしようがないなということをよく言われたものでありますが、今、例えば高速道路もつながってくる、10年前と比較していただければと思います。あるいは今、境港もやり変えていますけれども、世界に向けて山陰の一つの拠点として鳥取も胸を張れるものができ始めてきているところでございます。そんなように、無駄かもしれないなと思いながらも挑戦したことが、いずれにせよ今こうして見え始めているところがある。
ただ、本当にそれよりも大きな流れがあって、人口の一極集中はとまらない。あるいは産業まで集中しているというところ、この現実をどういうふうにこれから変えていくのか。多分我々はパイオニアになるべきだと思います。そういう意味で、私たちが鳥取でやってきた実践というものをさらに大きく膨らませていくことができれば、大きなまちではできないかもしれないけれども、小さな鳥取だからやれる、そういう方向転換をここでやってみせるというのも一つの手ではないかな、福祉なども切り込んできたところであります。あいサポート運動や手話の問題、この聴覚障害者のことでいえば、今週末にこれからスポーツ大会があり、その翌週には手話
パフォーマンス甲子園があり、実は今「咲む(えむ)」という聴覚障害者の皆さんを題材にした一つの挑戦的な映画をつくろうとしているのですけれども、そのロケ地が江府町や智頭町が選ばれそうだということでありまして、ここに一つのそうした障害者施策の先進地を多分全国の方々は見ておられるところがあるようです。そんなように、小さいから生まれ変われるそのモデルを私たちはつくることができるのかもしれません。
ただ、議員がおっしゃった少子高齢化あるいは一極集中の現実ということとあわせて、私自身が非常に今危惧をしておりますのが、世界のシステムもおかしくなっているということであります。これは、それぞれが国際協調主義というベースが多分国連運動の中で生まれてきたと思いますし、環境対策を考えてきたそういうパリ協定ができたころ、あるいはその前のリオデジャネイロの会議のころ、ああしたときの熱気というのが今さま変わりをしていまして、それぞれの国が自分の好きなようにやればいいというふうに今動き始めている。それがさまざまな文化や歴史の背景があって、日本も難しい課題を突きつけられているところもあるのではないかと思います。私は、これは決して賢明な状態ではないと思います。むしろ違いを認め合って、それで、どうしてもボーダーレスになっていく経済の現実、社会の現実があるのであれば、むしろ国家を壊してまで、これから新しい社会システムを地球全体でつくっていかなければいけないのかもしれません。その過渡期なのかもしれませんが、今ナショナリズムが急速に高まっているような気がしますし、遠心力が強まっているような気すらするわけであります。
そんなような中で、最後に行き着くところは一人一人の人生だと思います。その一人一人の人生、それをしっかりとサポートするのが、きずながあふれていて、自然もあり、また、いざとなれば農業なりなんなりでも食っていこうと思ったら、ある程度のものがつくれるかもしれない。そんな私たちのところに一つの価値、バリュー、そうしたパラダイムを持ってくる時代が来るのかなとも漠然と思い始めています。動脈系と静脈系という言葉がかつてよく言われたことがありました。お金だとかそういう目に見えるもの、力が強いものがあるかもしれません。しかし、それ以外に時間の豊かさとか、あるいは潤いであるとか、そうした別の価値に基づく一つの体系がひょっとすると鳥取でも十分高い指標を出していけるのかもしれない。だからこそ今、移住先としてナンバー1あるいはナンバー5ぐらいに入るまで選ばれる、そういう選択されるところにもなってきましたし、ガイジンポットも今訪れなくてはならないところだと言っているのも、不思議なようでいて、そうかなというふうに思えるところもあります。
だからこそ、4年間という与えられた期間ではありますが、私たちが次にこの世を担う世代のためにしっかりと今の下地をつくっていかなければならないのだと思います。それには多分挑戦するしかないのかなと思います。おっしゃるように、国家の中でも考え方がおかしいところがある。税財源などは特にそうだと思いますし、経済についてもそういうところがあると思います。多分大企業の人たちの頭がみんな都会中心になっている。アメリカだとか他の国を見ていただければ、地方都市でも十分成立するものが東京でないとできないと思い込んでいるから、こうなっている。今だから税制を変えようとして、そういう地方移転したところの優遇策、これが継続、発展することになっていますけれども、ただ、そこに気づいてもらいたい人たちが多分企業の上層部にもあるのではないだろうか、そういうのを我々としても挑戦的によく訴えかけていく必要があるのかなというふうに思うわけでございます。
チンギス・ハンが言っていました。次に来る旅人のために泉を清く保て。今、私たちにはその次の世代のための責任があるのだと思います。それを今、福間議員が問題提起をされましたが、それとかさらには世界の問題だとか、あるいは幸せの形のことであるとか、そうしたことも含めて私たちの鳥取からモデルをつくっていければと思います。
◯副議長(福田俊史君)これをもって、県政に対する代表質問を終了いたします。
本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後4時23分散会
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