▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(藤縄喜和君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。
これより、代表質問を行っていただきます。
25番
斉木正一議員
◯25番(斉木正一君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
鳥取県議会自由民主党の斉木正一でございます。
本日は、傍聴の皆さん方、早朝から大変御苦労さまでございます。
鳥取県議会自由民主党を代表いたしまして、平井知事ほか執行部の皆さんに質問をいたします。
先月1日には、御代がわりによって新たに令和の時代が幕をあけました。新しい時代の最初の議会において代表質問の機会を得ましたことは、大変光栄なことと思います。今こそ地方創生の先進県である本県が、従来からの大都市中心の価値観や画一的施策、東京一極集中を是正するとともに、その知恵と行動力を遺憾なく発揮し、新時代の日本を創造する旗手となるべきであります。
鳥取県議会自由民主党は、このような現状認識に立ち、鳥取県のさらなる発展のため、会派を挙げて全力で取り組む決意を新たにしたところであります。
初めに、平井知事におかれましては、さきの
鳥取県知事選挙において新時代創造への挑戦として55項目の
マニフェストを掲げ、過去最高となる92.3%という驚異的な得票率による支持を得て当選されましたことを心からお喜びを申し上げます。この空前絶後の得票率は、平井県政3期12年の評価の結果であり、4期目への大きな期待のあらわれです。ぜひ県民の期待に応えていただきたいと思います。
このたびの選挙に当たって、知事はこれまでの実績や御自身が正しいと考える所信を正々堂々と有権者に訴えられました。憲法や公職選挙法で保障された表現の自由、選挙運動の自由等は、民主主義における重要な土台であって、決して脅かされてはなりません。私自身、公正な手続によって選出された議員の一人として、我が国の民主主義と地方自治が健全な形で一層発展し、成熟していくことを心から願うものであります。
それでは、新しく始まった令和の時代が県民の皆様にとって希望に満ちあふれた輝かしいものになるよう、そして本日の論戦がその礎づくりに資する意義深い論戦となることを願い、質問に入ります。
最初は、平井県政4期目への県政運営の基本姿勢についてであります。
我が国全体を覆っているトレンドであり、本県でも今後の令和新時代の創造、鳥取県らしい地方創生の実現に向けた最大の課題は、
人口減少社会への対応であります。
総務省が発表した昨年10月1日現在の人口推計によると、我が国の総人口は1億2,644万3,000人で、8年連続の減少となりました。減少数、減少率ともに比較可能な1950年以降、過去最大であります。また、出生数が死亡数を上回る自然増は、沖縄県だけであったとのことであります。
翻って本県の実態を見ると、昭和63年の61万6,371人をピークに減少傾向に転じており、ことし1月1日現在で55万9,701人と推計されています。自然減、社会減ともに歯どめがかかりません。
また、同年同月の年齢3区分別構成を見ますと、年少人口、ゼロ歳から14歳が12%、
生産年齢人口、15歳から64歳が55.3%、老年人口、65歳以上が32.7%となっており、昭和63年と比べると年少人口、
生産年齢人口の割合が8ないし9ポイント減少する一方、老年人口は17.7ポイント増加しています。加えて、厚生労働省の
国立社会保障・
人口問題研究所による2045年の人口推計を見ると、本県の人口は2015年比で21.8%減の44万9,000人になると衝撃的な予測がされています。ただ、前回調査と比べると減少幅は県全体で鈍化しており、これまでの平井県政の取り組み成果のあらわれであると評価をしています。
しかしながら、さらなる
人口減少社会の到来により、地域、産業、福祉、安全・安心といった県民生活に密接に関連するあらゆる分野で活力が低下することが危惧されており、私は新しい令和の時代は
人口減少社会における鳥取県の将来像を県民と共有しながら、県民総参加による鳥取県らしい地方創生の実現に邁進することが必要と考えます。
知事におかれましては、このたびの選挙戦で県内至るところに足を運ばれ、さまざまな県民の声を聞き、地域の実態をつぶさにごらんになったことと思います。改めて、このたびの選挙戦を通じて現在県内にどういった課題があると認識し、
人口減少社会における令和新時代の創造に向け、今後の県政運営の基本姿勢をどのように考えているのか、まず本日の質問の冒頭で伺います。
また、このたび上程された6月補正予算は、
知事公約チャレンジ55を前進させるための肉づけ予算であり、過去最大規模となる313億円を計上されました。災害への備えを初めとする公共事業に約278億円のほか、
関係人口増加への取り組み、県内企業の挑戦に対する支援など、55項目の公約のうち48項目を早速予算化しておられます。令和新時代の創造に向けた知事の意欲がかいま見えるものでありますが、このたびの予算編成に込めた知事の思いをお聞かせください。
次に、令和新時代の礎づくりに向けた県政の諸課題について、そのうちの一番初めに、県財政の現状と課題、将来に向けた対応についてであります。
今年度の
地方財政計画は、地方税の増収を見込んで前年度を上回る水準が確保されたものの、本県への影響を分析すると、
臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税は18億円を超える大幅な減額となりました。本県のような地方では大都市のような大幅な地方税の増収は見込めず、財源に乏しい我が県は、これまでと同様、非常に厳しい財政運営を強いられることになります。
例えば、平成28年度及び29年度の一般会計決算を見ても、平成28年度は単年度収支でマイナス50億円、29年度は同じくマイナス25億円と大幅なマイナスとなっているなど、非常に重く受けとめなければなりません。また、消費税率の10%への引き上げが予定どおりことし10月に行われたとしても、本県の財源が必ずしもふえるわけではないという試算も出ており、この点においても楽観視できる状況ではありません。そのため、
地方法人課税の偏在是正措置により生じた財源については、
全額地方財政計画の歳出に計上するとともに、本県に確実に配分されるよう国に強く働きかける必要があると考えております。
今後もさらなる人口減少等に伴う税収の減少や頻発する災害への対応、そしてふえ続ける社会保障費などの影響は避けられず、これまで以上に苦しい財政運営が予想されます。平井県政4期目の冒頭に当たり、本県が抱える財政課題と対応策をどのように認識しておられるのか、知事の所見を伺います。
次に、県民生活の安全・安心づくりに向けてでありまして、そのうちの1番目に、大
規模自然災害からの教訓についてであります。
改めて平成の30年間を振り返ると、日本全体がそうであったように、鳥取県にとっても鳥取県西部地震、中部地震、台風、豪雨、豪雪と、災害の時代であったと言わざるを得ません。世界は気候変動の周期に入っているとされ、今後日本、そして鳥取県は、過去に経験したことのないような大
規模自然災害に向き合う必要があると覚悟せねばなりません。
昨年9月の代表質問で、私は7月豪雨からの復旧・復興と教訓をテーマに質問をいたしましたが、その際の議論を踏まえ、県は昨年12月、平成30年7月豪雨を教訓とした安全・安心対策の
あり方研究会報告書を取りまとめました。これまでも本県は、鳥取県防災及び危機管理に関する基本条例を制定するとともに、過去の災害の教訓を踏まえて随時見直しを図り、
災害ケースマネジメントなど全国のモデルとなるような取り組みを展開してきました。
本県が着実に積み上げてきた防災・減災のノウハウにこのたびの報告書の知見がさらに加わったことにより、県や
市町村地域防災計画をブラッシュアップするとともに、住民の防災意識の醸成、支え愛の考え方を取り入れた地域の防災体制を構築するなど、防災・減災活動の実効性を上げるための総合的な取り組みを進化させるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
また、昨年の夏場、気象庁がこれまでに経験したことのない、命に危険がある暑さ、一つの災害と認識していると記者会見でコメントするほどの記録的かつ災害レベルの猛暑が続きました。これについて、私は昨年の代表質問で、県民の命を守るための対策を部局横断的に検証し、必要な対策を取りまとめるべきであると申し上げました。知事からは、従来とは違ったレベルを上げた対策を考えていくとの答弁があり、今年度当初予算で
熱中症予防対策強化事業が予算化されたと承知しております。
既に気温が34度を記録するなど、厳重な警戒が必要となる時期に差しかかりました。県民への注意喚起にあわせて、特に高齢者を中心としてクールシェアの対策を強化する必要があると考えますが、具体的にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
次に、2番目の急速に深刻化する空き家対策についてであります。
総務省が4月に発表した平成30年10月時点の調査によれば、全国の住宅総数に占める空き家の割合は13.6%となったのに対し、本県の空き家率は全国で18番目に高い15.3%、6.5軒に1軒近くが空き家というような状態であり、増加しつつあるという実感を持っている方が相当数いらっしゃることと思います。管理が行き届いていない空き家がこのまま増加の一途をたどれば治安や景観の悪化を招くのは必至であり、空き家の利活用や売却促進、さらには危険度に応じ解体等の措置が必要となります。
また、これと並行して、いわゆる町なかの空洞化や中山間地域の過疎化も進んでおります。例えば鳥取市の状況を見ると、平成30年3月末時点における65歳以上の高齢化率は市全体が28.1%であるのに対し、中心市街地は30.1%と高い水準にあるとともに、10年前より2.3ポイント上昇するなど、災害時の円滑な避難行動や平常時における見守り活動が十分に行われなくなることが懸念されます。これは中山間地域においても同様であり、山間集落を対象に実施した県の調査によれば、平成23年と比較して平成28年は集落人口が9.8%、世帯数も5.8%減少し、65歳以上の高齢化率も40.8%から45.5%に4.7ポイント上昇しています。さらには、独居世帯の割合も19.1%から24.3%と5.2ポイント上昇するなど、人口減少と高齢化は深刻化しており、これが空き家の増加の要因の一つとなっていると考えます。
さらには、所有者が不明となっている土地は年々ふえ続け、民間の研究会の推計では全国に410万ヘクタール存在し、これは九州の面積を上回る規模となります。少子化や高齢化など人口構造の変化に伴い今後もふえ続けると見込まれており、インフラの整備や固定資産税の課税のほか、
空き家所有者の把握や撤去等にも支障を来すなど、全国的にも大きな問題であります。
本県では、県内の空き家や老朽危険家屋に関する問題について、空き家バンクや協議会の設置等さまざまな対策が講じられていますが、
地域コミュニティーの弱体化に歯どめをかけて、空き家問題の抜本的な解決を図るには、町なか、中山間地域の振興策や所有者不明土地問題を含めた総合的な対策を講ずるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、3番目として、県民の命を守る安全対策についてであります。
先月、滋賀県大津市で幼稚園児らが自動車の交通事故に巻き込まれ、2名のとうとい命が失われるなど、歩行者、特に幼児や小学生が犠牲になる事故が全国で相次いで起きております。
本県の現状を見ますと、2018年までの10年間に県内で歩行中の交通事故に遭って死傷した方の年齢は、小学校1、2年生の7歳が最多で、8歳や6歳も多く、小学生低学年の児童が登下校の時間帯に事故に遭う割合が高いことが報じられたところであります。
これらの現状をとうとい教訓として、交通関係のデータ等を活用して危険箇所の洗い出しを行うとともに、具体の点検を実施することなどにより、幼児や児童生徒が犠牲になる交通事故を防ぐための対策を講ずるべきと考えますが、知事、教育長及び警察本部長の所見を伺います。
また、同じく先月、川崎市において、スクールバスで登校しようとしていた児童らを狙った通り魔事件が発生。2人が亡くなり、18名の方が負傷しました。登下校中に発生する殺傷事件は後を絶たず、昨年5月には新潟市において、当時小学校2年生だった女児が下校中に殺害されています。今回の川崎市の事件は一種のテロと指摘する専門家がいるほど、犯行を未然に防ぐための決定打となる対策が見当たらず、対応が極めて困難な事案であるのかもしれません。
このような事件が発生するたびに、地域や学校、警察等において防止対策が検討、強化されてきました。しかしながら、再びかけがえのない命が失われ、深く傷ついた惨劇を前にして、改めて我々は子供たちの命を守るためのあらゆる手だてを考え続ける必要があると思います。
例えば、先ほど申し上げた
交通事故防止対策と相通じる面がありますが、多様な担い手による通学路の見守りの実施や
パトロール強化などが考えられます。このたびの事件を受け、登下校時における子供の
安全確保対策についてどのような認識をお持ちであるのか、知事、教育長及び警察本部長にそれぞれの立場で所見を伺います。
次に、4番目のがん対策の推進についてであります。
本県の75歳
未満がん年齢調整死亡率は、年々減少傾向にあるものの、都道府県別で見ると平成22年にワースト2位、さらに平成25年から27年に3年連続でワースト3位、平成29年には再びワースト2位となるなど、全国的に悪い状況が続いています。また、がん全
年齢調整罹患率を見ても、平成28年に全国ワースト7位、特に男性はワースト3位となっており、早急かつ効果的にがんの罹患率と死亡率を低下させることが大きな課題であると考えます。
現在、県では、昨年4月に作成した第3次鳥取県
がん対策推進計画に基づき、がん死亡率を70未満、平成29年は86でありましたが、とすることを目標に、令和5年度までに計画的に施策を展開しておられます。また、ことし3月には、鳥取県
がん対策緊急プロジェクト会議を開催したところ、特に死亡率の高い働き盛り世代への短期・中期的な対策の必要性が議論されたと伺っております。
県内の40歳から69歳までの
がん検診受診率は、平成28年度で43.5%から52.3%となっており、受診率50%の目標は肺がん検診を除いて達成できておりませんが、全国平均と比べて高くなっており、本県においてがん罹患率、死亡率が高い要因はまだ明らかになっていないと言えます。
がんは、死因の約3割を占めていると言われています。健康長寿・鳥取県を実現するためには、県民一人一人ががんを知り、がんと向き合うことが重要です。医療関係者と連携してがん死亡率、罹患率が高い要因を分析するとともに、解決方法の検討や県民運動を展開するなど、総合的にがん対策に取り組むことが必要であると考えますが、知事の所見を伺います。
次に、新たな時代の基礎となる
社会資本整備についてとして、第1番目に、
高速道路ネットワークの整備と効果発現についてであります。
高速道路網の整備は、地方創生の実現に向けた必要不可欠な
インフラ整備であります。県民が待ち望んだ
山陰道鳥取西道路が先月12日に全線開通いたしました。これにより、鳥取-米子間の所要時間は約15分短縮されて1時間35分となり、さらに鳥取道と直結することにより、県内における物流の効率化が進み、周遊観光の拡大など産業の振興、発展が期待されます。
以前は、夏の
海水浴シーズンの大渋滞、冬の積雪時の立ち往生や交通事故での通行どめなどに悩まされていましたが、このたびの開通により、安定的な通行が確保され、通勤、通学の負担軽減や迅速な救命救急等の効果が期待されますし、物流機能の向上による地域経済の発展にも大きく寄与するものと思います。観光誘客はもちろん、このたびの開通効果を確実に地域経済の発展につなげていく必要がありますが、今後どのように取り組みを進めていくのか、知事の所見を伺います。
次に、米子-境港間の高速道路の事業化も急がれます。境港のコンテナ船の増強、クルーズ船の寄港は年々増加し、ことしは57回が予定されており、そのうち8万トン以上の船が過去最多の18回も予定されております。
北東アジアゲートウェイとして境港や
米子鬼太郎空港からの物流、人流の効率化、観光地へのアクセス向上、災害による緊急時の避難経路の役割、米子市内の慢性的な渋滞の解消など、今後もさらなる役割が大きく予想される米子-境港間の幹線道路のあり方の検討会を前進させることが求められますが、建設に向けての取り組みはどのようになっておるのか、知事にお伺いをいたします。
次に、2番目の新幹線構想についてであります。
現在、我が国は、昭和39年10月1日に東海道新幹線が開業を始めたのを皮切りに、東北や九州、北陸、さらに北海道へと、西へ東へ新幹線の路線が延びております。しかしながら、鳥取県へは山陰新幹線と
中国横断新幹線が昭和48年に
全国新幹線鉄道整備法に基づき、建設を開始すべき路線を定める基本計画に盛り込まれましたが、45年以上たった現在に至るまで建設に向けた動きはなく、構想段階のままであります。
早期実現を求めて、昨年2月には
山陰新幹線沿線自治体で構成する山陰縦貫・超
高速鉄道整備推進市町村会議による山陰新幹線の早期実現を求める松江大会が開催。さらには、先月22日に沿線の市町村や議会、経済団体等により、
中国横断新幹線、
通称伯備新幹線ですが、
整備推進会議が設立され、山陰新幹線など他の
新幹線基本計画路線の
整備推進団体と連携をとりながら、
中国横断新幹線を早期に整備し、沿線の地方創生に寄与するとともに、大規模災害時の代替機能を確保するとしています。
知事は
マニフェストで新幹線構想を前進させると述べておられますが、今後の取り組みについてどのような思いを抱き、どのように前進させようと考えておられるのか伺います。
次に、3番目の
地域生活交通の維持・確保についてであります。
過疎化、高齢化の進行等を背景として、県内では特に中山間地域を中心に、バス路線の廃止・縮小が進んでいます。あわせて、高齢者の運転による事故が多発していることもあり、特に中山間地域における交通手段を持たない高齢者など、いわゆる交通弱者とされる地域住民の生活に大きな支障が生じています。
路線バスを初めとする
公共交通機関は、沿線住民の移動手段を確保する上で必要不可欠な
社会インフラであることは間違いありませんが、一方で、利用者数が減少し続ける中で採算性の確保も重要な命題であり、また、
ドライバー不足もそれぞれの事業者が抱えている深刻な問題であります。
こうした中、県内では住民の移動手段の確保に向けたさまざまな取り組みが進んでいます。例えば、県と日本財団では、県西部の3地域において、お互いに助け合う共助の考え方を取り入れた
相乗り輸送サービス、ライドシェアの実証実験に乗り出しました。また、路線バスが廃止された鳥取市大和地区では、県内で初となる
まちづくり協議会による有償運送、大和ふれあいタクシーの運行も始まっています。
今後、中山間地域における
生活交通課題を解決するためには、従来のバス路線の利用促進、維持対策とあわせて、住民が主体となった新たな手法による移動手段の維持・確保の検討が必要なのではないかと考えます。一時的には市町村が主導して取り組みを進めるべき問題ではありますが、県としても、これまで培ったノウハウをもとに積極的に関与し、各地域で始まりつつある持続可能な公共交通のあり方検討を支援していただきたいと思いますが、どのような方向性で取り組みを進めるのか、知事の所見を伺います。
新たな時代を支える人材育成についてとして、1番目に、移住定住の推進と関係人口の獲得についてであります。
平成30年度の鳥取県への移住者数は2,157名と速報され、平成27年度から30年度までの
累計移住者数は8,258名になりました。前年度と比較するとプラス30名と、微増となっています。平井知事は御自身の公約の中で、4年で移住者1万人の達成を掲げておられますが、これまで進めてこられた政策に加え、鳥取県と多様にかかわる関係人口の増加策が移住者数のさらなる増加の鍵を握っていると考えております。
関係人口については、ことし4月、県の東京本部と関西本部内に、鳥取や地方に関心を持っている方に鳥取県との多様なかかわり方を紹介する窓口として、とっとり
歓迎案内所ウェルカニが開設されました。ここを拠点にして、県出身者やゆかりの方を中心に、本県との多様なかかわり方を幅広く情報発信することが大きな期待とされるところであります。
政府においても、東京一極集中の是正に向け、第2期まち・ひと・し
ごと創生総合戦略において関係人口の創出に取り組む方針であり、国の取り組みと連携して相乗効果を上げていく必要があります。
関係人口を増加させ、将来的な移住者数の増加につなげていくためには、都会の若者が鳥取県に何を求めているのか的確に把握した上で施策を展開するとともに、
ふるさと回帰センターなど
移住相談窓口とも密接に連携を図るなどして、鳥取県に関心を寄せてくださる存在を拡大させるべきであると考えます。
今回の移住者数の速報値の分析に浮かび上がった課題、そして関係人口の増加を初めとした今後の取り組み方針について、知事の所見を伺います。
また、鳥取県のさらなる活性化のためには、県外に進学したり就職したりした若者を本県にUターンさせるよう促すことも極めて重要でありますが、一たび県外に出た若者が戻ってくるのは容易ではないことは重々承知しております。しかし、それでもなおこの課題に取り組んでいかなければ、鳥取県の明るい未来はないと思っております。そのためには、鳥取県の未来を担う子供たちに早期から
ふるさと鳥取県を愛する心を育むとともに、県外に就職したり進学した若者が実際に鳥取県に戻りたいと思えるような魅力的な企業の育成や働きやすい環境づくり、そして住みやすい地域づくりなど、インセンティブを与える取り組みを実行すべきであると考えますが、知事及び教育長の所見を伺います。
2番目に、子育て王国とっとりのさらなる充実深化についてであります。
言うまでもなく、子供は家庭の宝であると同時に、地域の未来であります。本県では、平成22年から子育て王国とっとりを掲げ、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てに至るまで、切れ目のない総合的な支援の充実・強化、環境整備に取り組んできました。
本県の
合計特殊出生率は、平成20年の1.43を底に緩やかな上昇傾向にあり、平成29年が1.66、平成30年には1.61となっています。平成26年の子育て王国とっとり条例の制定、市町村と連携した
保育料無償化・軽減化、保育士の加配など、これまでの先駆的な取り組みの成果のあらわれであると考えています。
知事は、
マニフェスト、チャレンジ55の中に、全国の一歩先を行く子育て支援に乗り出し、
児童相談所強化など虐待防止などを掲げておられますし、このたびの6月定例会には組織改正の条例案が上程されており、子育て王国とっとりのさらなる充実と深化を進めようとする知事の強い意思を感じるところでありますが、これまでの子育て王国とっとりの取り組みをどのように総括しておられるのか、また、組織改正により今後の取り組みをどのように展開していこうとされているのか、知事の所見を伺います。
ことし4月に公表された鳥取県における
少子化対策等に関する
アンケート調査結果によると、子育てに係る
経済的負担感、肉体的・精神的な負担、育児と子育ての両立の困難さ等が上げられており、子育てに対する多様なニーズは多岐にわたっていることが改めて浮き彫りになりました。
そこで、この調査結果をどのように分析し、今後の子育て王国とっとりの施策にどのようにつなげていこうとされているのか、知事の所見を伺います。
3番目に、県内企業のニーズに即した人材育成についてであります。
ことし4月に閣議決定された2019年版中小企業白書では、人口減少と少子高齢化を中小企業にとっての最大の課題と位置づけ、経営者の世代交代やAI等の導入によって令和の新時代にも存在感を発揮できるような自己変革が必要であると示されました。
実際に我が国の
生産年齢人口は1995年を境に減少に転じ、人口の減少とともに今後も加速すると予想されるなど、企業の労働力不足が顕在化してきています。そうした状況の中、政府はことし4月から、新たな労働力として特定技能を在留資格とした外国人の受け入れ制度を開始し、本県も外国人材受入れ・共生相談窓口を設置するなど、雇用を初め多様な相談に対応するための体制を構築しています。
本県におけることし4月の有効求人倍率は1.78倍とバブル期並みの高水準を維持しており、県内の雇用情勢は良好と言えますが、建設業やサービス業を初めとして多くの職種では、依然雇用のミスマッチが解消されていない状況にあります。また、求人者数が求職者数を上回る売り手市場において、若者が雇用を求めて大都市圏へと流出する傾向もあり、県内企業が求める人材を確実に確保することが喫緊の課題となっています。
その一方で、企業内の人材育成も重要な課題であります。企業では業績アップが優先されるため、人材育成に充てることができる時間が限られており、また、若手従業員に対して基礎から教えることのできる人材が不足している状況にあります。
このような現状を打破し、県内企業が激化する国内外の競争に勝ち残る力をつけるためには、企業内の技能継承を円滑に行うとともに、労働生産性をより一層向上させる必要があります。すなわち、企業のニーズに即した若年層の人材育成を推進するとともに、AIを初めとした最新のテクノロジーを習得するなどして、新たな価値を生み出すことができる高度人材を量、質ともに充実させていくべきであると考えますが、平井知事の御所見を伺います。
4番目に、今後の県立高等学校のあり方についてであります。
冒頭で
人口減少社会の到来について触れましたが、これはとりもなおさず、少子化の進行を意味しております。鳥取県内の中学校卒業者数を見てみますと、10年後の令和11年、2029年には、現在より481人減少する見込みであるとの試算が出ております。県内の生徒数が減少している状況にあることは人口減少の結果としてやむを得ない部分もありますが、地域に貢献する人材を養成する役割を果たし、質の高い教育環境を提供するためにも、県立高校の適正規模を維持することは極めて重要であります。
県外出身の生徒獲得については、県教育委員会も取り組まれているところであり、平成28年度からスタートした県外に所在する中学校からの推薦入学者は、その絶対数が少ないながらも増加傾向にあります。また、推薦入試や一般入試を経て進学した県外からの進学者総数も、ここ5年間は年に40名近くを数えておりますが、今後もさらなる増加を図って、生徒同士が刺激を与え合い、切磋琢磨できるよう、県立高校に魅力ある教育理念を掲げるとともに、充実した教育内容、教育環境を整えていくべきであります。
そして、人々の価値観の多様化に伴い、生徒が求める進路やキャリアプランも多岐にわたっておりますし、これを実現するために生徒が身につけるべき知識や技術についても、時代の変遷とともに刻々と変わっております。県教育委員会としても、社会のトレンドにしなやかに対応し、すぐれた教育現場を生徒に提供していかなければならないのであります。
県教育委員会では、今後の県立高等学校の在り方に関する基本方針の中で、令和元年から令和7年の計画期間中は生徒数の減少への対応は原則として学級減で対応することとしています。生徒数の減少見込み数を見ると、令和8年度以降の計画についても早期に検討をスタートすべきと考えますが、教育長の所見を伺います。
また、多様化する生徒のニーズや社会の変化に柔軟に対応するため、県内外の中学生が入学を希望したくなるような魅力ある高等学校づくりを行うべきであると考えますが、あわせて教育長の所見を伺います。
5番目に、次世代を担う警察人材の確保・育成についてであります。
近年の雇用情勢の好転によって、建設業、サービス業を初めとする多くの業種で人手不足が顕著となっており、新卒学生の就職活動でも売り手市場が続く中、全国的に多くの都道府県警察で警察官・警察行政職員採用試験の受験者数が減少傾向にあります。
鳥取県警においても同様であり、平成22年度の警察官採用試験の受験者数が426人、競争倍率が4.4倍であったものが、平成30年度には174人、3.1倍と大きく減少しています。
県民の安全・安心を守る崇高な使命感と正義感を持ち、昼夜を分かたず、時として災害現場など非常に苛酷な状況下においても全力で職務に取り組んでいただいている全ての警察官、警察職員の皆様に心からの敬意と感謝を表する次第でありますが、逆に若い世代にとっては、仕事がきつい、取り締まりやパトロールなど県民が近寄りがたい存在と映ってしまうのかもしれません。
鳥取県警においても志願者数の減少に危機感をお持ちであり、今年度の採用試験から総合能力試験SPIを全国の都道府県警で初めて導入しており、民間企業経営者など多様な人材の確保を進めようとしていると伺っております。
マンパワーは警察活動の重要な基盤の一つであり、優秀な人材の確保は喫緊の課題であります。採用試験実施方法の工夫と警察官、警察行政職員の職務に関する的確かつ積極的なイメージ発信、双方の取り組み強化が求められると考えますが、佐野警察本部長の所見を伺います。
また、県警察では、近年の大量退職、大量採用時による急速な世代交代が進んでいると伺っております。採用5年未満の若手警察官が全体の4分の1以上を占めており、将来にわたって県警察が県民から信頼され頼りにされる存在であり続けるためには、ベテラン警察官が持つ知識や経験の継承も急務の課題であります。次世代の県警察を担う若手警察官の育成について、どのような方向性で取り組んでいくのか、あわせて警察本部長の所見を伺います。
次に、新たな時代で飛躍する産業振興についてとして、1番目に地域経済の活性化につながる観光振興についてであります。
平成29年観光客入り込み動態調査結果によると、この年の本県の観光入り込み客数は923万人で、前年比8.9%の減、外国人延べ宿泊者数は14万530人で、前年比40.1%の増となっています。国内からの観光客については、県外観光客の約8割を占める近畿・中国地方からの入り込みが減少し、交通手段別に見ると貸し切りバスによる入り込みが平成26年の貸し切りバス料金制度改正以降、減少が続いているとのことであります。一方、近年、我が国への訪日外国人旅行者数が増加の一途をたどる中、本県においても積極的な誘客施策が功を奏し、10年前と比べて9倍以上と躍進しています。また、外国人向け日本情報サイト「ガイジンポット」で外国人が訪れるべき観光地として第1位を獲得するなど、うれしいニュースもありました。
観光は非常に裾野が広い産業であり、これからも積極的に予算や人的資源を投下し、適宜その効果を検証しながら地域経済の活性化につなげていくことが重要であります。
現在、県では、鳥取県のブランド力向上とさらなる観光誘客につなげるため、蟹取県、星取県を切り口とした情報発信に取り組んでいます。これまでのメディア戦略や企業とのコラボレーションによって徐々に県内外での認知度は高まりつつあり、大いに評価するものですが、今後も全国レベルでの取り組みを強化する必要があります。
一方、これらの取り組みを地域経済に波及させるためには、観光客に非日常の体験をしてもらえるような観光スポットの発掘や魅力あるツアーの造成など不可欠であり、民間事業者との連携強化が重要となりますが、その取り組みにやや力強さと広がりを欠いているように感じます。今後は県が主体的に行っている情報発信やブランド力強化の取り組みにあわせて、県、市町村、観光団体、民間事業者が綿密な連携と適切な役割分担を行うことが観光消費額の増加と県経済の活性化につながると考えます。川上から川下に至るまで、どのような戦略を持って今後施策を展開していくのか、知事の所見を伺います。
次に、2番目の農林水産業のさらなる活力増進に向けてであります。
県では、「仲間が増える」「所得が増える」「地域農業が進む」を基本目標に、これからの本県農業が目指す姿を示した鳥取県農業生産1千億円達成プランを昨年3月に策定しました。プランでは、2028年の農業産出額1,000億円を掲げ、中間目標として2023年に900億円達成を目指すとしています。ぜひ目標を達成するよう、我々も力を合わせていきたいと考えています。
昨年末に農林水産省が発表した平成29年の本県の農業産出額は765億円、また算出額から経費などを差し引いた生産農業所得は302億円となっており、いずれもほぼ前年並みとなりました。産出額の部門・品目別内訳を見ると、米146億円、野菜228億円、果実74億円、畜産275億円などとなっております。
プランで示された900億円達成に向けた考え方と比較すると、米以外の部門で全体的に大きく底上げが必要であると感じます。特に畜産部門については370億円達成を目指しており、増頭・増羽対策や白鵬85の3を上回る次世代高能力種雄牛の造成などが求められています。2023年の900億円達成に向け、生産面、販売面でどのように総合的な取り組みを進めていくのか、知事の所見を伺います。
また、
人口減少社会が進む中、農業の担い手不足を解消するために、魅力ある産業として農業所得を向上させる取り組みも欠かせませんが、どのような対策をとっていくのか、あわせて知事の所見を伺います。
次に、林業振興についてであります。
県内の森林は、杉、ヒノキなど人工林の多くが主伐期を迎えており、森林資源を切って、使って、植えるという循環的利用となる主伐再造林を推進し、林業の成長産業化と森林の適切な管理につなげることが重要です。加えて、県の素材生産量の目標値である38万立方メートルを達成するためには、間伐による素材生産量の7倍に相当する皆伐再造林のさらなる推進は不可欠です。
平井知事も選挙戦で掲げられた公約に皆伐再造林着手を掲げられており、県においても皆伐後の森林所有者による造林作業の負担軽減を初め、皆伐再造林に向けた取り組みを進めるべきとの認識は共有できていると考えますが、知事の所見を伺います。
次に、水産業についてであります。
現在、境港において、消費者の食の安全・安心のニーズや輸出のさらなる促進に対応するべく、高度衛生管理型市場の整備が着々と進められていますが、6月1日に主要施設である1号上屋と陸送上屋が完成し、供用開始されたところであります。
高度衛生管理型市場に係る全ての施設整備を終えるには令和5年度になる予定であることは承知しておりますが、このたびの一部供用開始に伴い、安全・安心対策を充実強化するとともに、境港の水産物を官民一体となって地元や首都圏、関西圏で広報、宣伝することにより、境港に水揚げされる水産物のブランド化や知名度のさらなる向上を図っていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、3番目として、米中貿易交渉・日米貿易交渉による県内経済への影響についてであります。
先日、米国政府は、中国からの輸入品約5,700品目への追加関税率を10%から25%に引き上げる第3弾となる制裁措置を発動するとともに、中国からのスマートフォンなどの3,805品目、年間の輸入総額3,000億ドル相当の中国製品を対象に、最大25%の追加関税を課す第4弾となる制裁措置を公表しました。
一方、中国政府も、米国からの輸入品600億ドル相当の追加関税の上乗せ税率を最大10%から最大25%に引き上げる対抗措置を発動させたところであり、トランプ大統領はG20が日本で開催される6月末に中国の習近平国家主席と会談し、貿易問題を協議する意向を示しており、我が国も含め、全世界が大きな関心と懸念を持って、その動向を注視しているところであります。
また、ことし4月に始まった日米貿易交渉では、農産物の分野でTPP以下の水準での市場開放を主張する日本に対して、米国は早期の関税撤廃を要求するなど、厳しい交渉が続けられています。
さらに、国内の経済情勢に目を向けますと、内閣府から5月にことし3月の景気動向指数の速報値が公表され、景気の判断基準がこれまでの下方への局面変化から悪化に引き下げられました。悪化と評価されたのは実に6年ぶりのことでありますし、御案内のとおり、消費税の増税は10月と間近に控えているわけであります。
米中の貿易摩擦、日米貿易交渉の進展ぐあいによっては、県内の商工業や農林水産業、さらには県民生活にも悪影響を及ぼすことが懸念されるところであり、このたびの内閣府の景気の基調判断や10月にも予定されている消費税の影響を踏まえると、事態はより深刻さを増しているように思われます。本県も幅広く情報収集を行い、先手を打って必要な対策を講じていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、日本人拉致問題の解決に向けてであります。
日本が北朝鮮との間に抱えている日本人拉致問題は、我が国の主権や国民の生命、安全にかかわる重大な問題であるとともに、政府が主体的に解決すべき最重要課題であり、南北朝鮮間、米朝間でさまざまな交渉、協議が進められる中にあって、拉致問題が置き去りにされることは許されません。
これまでに米朝首脳会談が2度開催され、アメリカのトランプ大統領が拉致問題を提起するなど、拉致被害者の帰国実現への期待が非常に高まったものの、残念ながら目に見える進展はありませんでした。
安倍首相は前提条件をつけないで金正恩朝鮮労働党委員長と日朝首脳会談の実現を目指し、あらゆるチャンスを逃さない決意で臨んでいますが、5月4日以降、北朝鮮は弾道ミサイルの発射を繰り返すなどの挑発的な動きを見せており、予断を許さない情勢であります。
そして、5月27日には、来日中のアメリカのトランプ大統領が安倍首相とともに北朝鮮による拉致被害者の御家族と面会し、皆さんの家族を帰国させるために努力し、協力していくと述べ、問題の解決に向けて全面的に協力する考えを伝えたと報じられました。
このように、日本政府のみならず、アメリカも拉致問題に対する重大な関心を持って協力する意向を見せているものの、北朝鮮からの誠意ある対応もないままに時が経過する中、拉致被害者本人や御家族の高齢化も一段と進み、一日も早い帰国の実現が待ち望まれるところであります。
本県においても、拉致問題への理解促進を図るため、拉致被害者の松本京子さんの兄である松本孟さんを講師に招いての人権学習会の開催や啓発用の小冊子の配布、さらには北朝鮮拉致問題早期解決促進鳥取県議会議員連盟と連携して署名活動を行うなどの取り組みをされており、高く評価するところでありますが、県の東部・中部・西部の間には、あるいは世代間で拉致問題に対する理解や意識に温度差があってはならないと考えているところであります。
北朝鮮による日本人拉致問題は、本県にとっても解決すべき最重要課題であり、松本京子さんを初め日本人拉致被害者全員の帰国を早期に実現させるべく、北朝鮮の動向を注視し、国に対して引き続き粘り強く訴えるとともに、解決に向けた機運を広く醸成し、拉致被害者がいつ帰国されても支援ができるよう、万全を期すべきと考えますが、平井知事の御所見を伺います。
最後に、参議院議員選挙の合区解消に向けた取り組みについてであります。
史上初めて、鳥取・島根、徳島・高知の4県で合区が導入された第24回参議院議員通常選挙から3年が経過しようとしています。この間、前任期をもって勇退された安田優子元議員を中心に、自由民主党鳥取県支部連合会では、必ず合区解消を実現するとの強い決意を持ち、今後合区対象となることが懸念される20県連にも参画を呼びかけながら、党本部への要請など多くの行動を起こしてきました。私自身も、議長時代に議長会などの場でたび重ねて活動してまいりましたし、平井知事におかれましてもリーダーシップを発揮し、さまざまな機会を捉えて問題提起を行っていただきました。その結果、例えば昨年7月には、参議院選挙における合区の解消に関する決議が全国知事会で採択をされるなどしました。
しかしながら、知事や我々の奮闘むなしく、来月にも予定される参議院議員選挙は再び合区のもとで戦う結果となりました。昨年の改正公職選挙法成立によって、比例代表の一部に拘束名簿式の特定枠を導入する緊急避難措置がとられましたが、これによって合区が固定化されることを強く懸念するものであります。
改めて申し上げるまでもなく、参議院は創設当時から一貫して都道府県単位で代表を選出し、それぞれの地方の声を国政に反映させるという極めて重い役割を果たしてきました。都道府県ごとにこれまで果たしてきた役割、多くの国民が都道府県に帰属意識を持っている現状などを鑑みると、それが最も合理的かつ妥当であるからであります。
一方、この3年間、合区制度に対する国民の関心は薄まりつつあるのではないかと危惧をしています。冒頭でも申し上げましたが、これから始まる新しい令和の時代は、
人口減少社会への対応が最も大きなキーワードとなります。課題先進県とも言うべき本県のような地方が、新しい価値観で我が国のこれからの施策展開をリードしていく必要があります。
先日開催された中国五県議会正副議長会議でも、改めて合区解消を求める要望書を決議したところですが、知事におかれましても、いま一度我々とともに、憲法改正も視野に入れた国民的議論を喚起し、合区解消に向けた取り組みを強化していただきたいと考えますので、御所見を伺います。
以上をもって壇上からの質問といたします。
◯議長(藤縄喜和君)25番
斉木正一議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)斉木議員の代表質問にお答えを申し上げます。
まず冒頭、健全な民主主義の発展につきましてお言葉があり、そして私に対しましても、このたびの知事職につきましてのお言葉をいただいたところであります。
議員もおっしゃいましたけれども、92.3%と私も予想以上の得票率をいただいて、この場に立たせていただいていますが、かえってその責任の重さを痛感しているところでございます。ぜひともこのお集まりの県議の皆様と一緒に、県民の代表としての役割を果たしていかなければならない、改めてそのお誓いを申し上げるところでございます。
昨日、例えば香港で大変なデモ行進がございました。主催者側の発表では103万人とも言われますけれども、なかなか数字は警察側の発表と乖離があるといいますが、人波が絶えなかったということで、過去最大規模のデモだったのではないかというようにも言われているところでございます。
これはなぜ起こったかといいますと、民主主義を守らなければならないという香港の皆様の心でございました。これまで一国二制度ということで折り合ってきましたけれども、なかなかその現実どおりにいっていないのではないだろうか。今新しい条例、イコール、これは日本でいうと法律でありますが、それが制定されると、場合によっては何か物をしゃべったら引き渡されてしまうことになるかもしれない、そういう恐怖感がその背景にあったわけであります。
今、台湾でも総統選挙が行われようとしていますが、どちらかというと中国寄りと言われる国民党の総統候補のほうでも一国二制度を堅持しなければならない、香港は今悪い見本になってしまったと、こんなような言い方も出てきているところでございます。
こういう民主主義というのは、やはり我々は不断の努力で守っていかなければならないわけであり、憲法の21条にも表現の自由がありますし、公職選挙法の225条、あるいは148条と、それは選挙の自由を妨害してはならない、あるいは報道、評論の自由というのが選挙に関して保障されるという制度的な保障であるわけであります。こういうようなことの保障をぜひとも私どもは守っていかなければなりませんし、その上に私たちの地方自治という土俵が築かれるわけであります。
そういう意味で、考えてみますと議員との20年の御縁を今思い返しながらこの場に立たせていただきました。斉木議員が初当選をされたとき、私もこの県庁に身を置いたわけでありまして、いわば同期と言うと大変失礼ではありますけれども、一緒に県庁の門をたたき、こちらで仕事を始めたわけです。たびたび、今はもうこの議場にはおられませんけれども、初田議員だとか上村議員だとか野田議員と一緒の皆様で招いていただきまして、それで勉強会をしました。そのテーマは地方分権でございました。あのころ、ちょうど平成12年、地方分権一括法が通るというような流れの中でございました。それで、鳥取県で地方自治の最先端を開いて、それが全国をリードする、この国を変えていく、そんな力も持ち得るのではないか、いわばそんな志に燃えながら話に加わらせていただいたことを思い起こすわけであります。考えてみますと、斉木議員にはそういう御指導をいただきながら、私が知事に就任しても12年間、お導きをいただきました。深く感謝を申し上げたいと思いますし、斉木議員がそのころ目指しておられた地方自治、あるいは民主主義の発展というものをこの鳥取県から開いていかなければならないのだと思います。
考えてみますと、今イギリスでは新しい、これは代表選挙は保守党で行われているわけであります、その党首選挙が始まりましたけれども、その民主主義の母国、イギリスにおきましても、サー・ウィンストン・チャーチルは、民主主義というのは最悪の政治形態と言われている、ただし、これまで試されてきた全てのものよりはましだと、こういうようにおっしゃっていました。
民主主義というのは、確かに私たち個人の尊厳を実現し、そしてみんなの考えで社会を運営していく大切なツールであります。しかし、それにも陰の部分がありまして、民主主義というのが健全に行われるように我々としても不断の努力を重ねていかなければならないのだと思いますし、その一番のモデルになり得るのが適正規模の鳥取県であるということだと思います。もし鳥取県が大都市と伍して我々発展を遂げることができるそのチャンスがあるとすれば、この議場でこうして話を交わすことができる私たちの間柄、あるいはそれぞれのコミュニティーにおいて顔が見えるネットワークがあり、その上に我々が政策を議論する、それが都会で時間をかけてやっているうちに私どもは一歩前に進むチャンスを得られる、その辺が地方自治のだいご味、分権のだいご味ではないかというふうに思います。ぜひそうした理想に向けまして、令和の新しい時代をともに築いていければと思います。
議員のほうからは、具体的に地方創生を遂げていく必要があるとして、令和の新時代、その創造に向けてどういうような基本姿勢で臨むのかというお話がございまして、このたびの6月補正予算に込める思いというのはどういうものかと、こういうお話がございました。議員のほうから、選挙戦を通じていろいろと見聞きしたことがお互いにあるはずだと、そういうことをもとに議論をしようではないかと、こういうお話をいただいたわけでございます。
先ほど申しましたように、私どもは実はデモクラシーという意味では適正規模なのではないかと思います。大都市ではできない、そういう施策を住民本位で実行することができる。その信念の上に令和という新しい時代、この令和に込められたメッセージというのは、自然が豊かなところで人々が支え合う中で日本らしい文化、歴史を開いていこうという、そういうことだと説明されています。であれば、この鳥取県こそがその旗手、リーダーとなり得るはずでありますし、議員がおっしゃった地方創生というのがその大きなテーマにもなるのではないかと思います。
私も、このたび選挙戦、あちこち歩かせていただきまして、やはり皆さんもそうだと思いますけれども、目についたこと1つは、結構災害の根深さというもの、私たちが自然とともに生きていくことの大変さ、それを乗り越えていく底力をきちんと持たなければならないということでございました。だから、安心の新時代を開く必要があるというふうに思うわけであります。例えば忰谷のあたりとか、あるいは山のほうへ行って濁谷のところであるとか、いろんなところにまだ災害復旧工事が進みつつあるといいますか、まだまだやらなければいけないなという状況が見えたところでありますし、実際選挙カーをおりてお話を聞いても、恐ろしい思い出、それからあそこを何とかしないといけないというようなお話、いろいろと触れるわけでありました。ですから、そうした安心の新時代というものをやはり自然災害を前提として私たちのふるさとの中でつくっていかなければなりません。
安心といえば、健康、がん対策など、そうした命にかかわることや一人一人が暮らしの上で安心を求める、ともに生きる社会をつくっていく、そんなようなこともあると考えます。また、仕事の新時代を開いていかなければならないのではないか。やはり、都度に触れてあちこち参りますと、結構今回、農業者の皆さんで元気な方々の声も正直ありました。先ほど質問の中でもございましたが、765億円という、そういうような急成長をまた遂げてきた農業ということが背景にあって、その裏にはみんなで進めてきた新甘泉という品種、あるいはスイカづくり、ネギやブロッコリー、そうしたことが実際に数字として所得に結びついてくるようになってきている。そんなことの自信もあるような気がいたしました。
ただ、片方で、やはり集落営農とかいろいろとやっていかないと、こうした農業の厳しさというのは克服できないのではないだろうか、また若い方々が魅力ある働く場所、そんな意味で産業や雇用の創造をなお一層進めなければならないのではないか、そんなようなお話もよく聞かれたところでございました。やはり仕事から令和の時代を鳥取らしい一つのモデルでつくっていく必要があるのではないかと思います。
また、人の新時代ということもテーマかなと思いました。今回あちらこちら行きまして結構目についたのは、意外なほどに子育て世代の方々が小さなお子様を連れて出てこられたことでございまして、余り今までなかったようなことだと思いました。それだけ鳥取県政で皆さんと進めてきた子育て政策、一人一人を大切にしようという政策が評価をされているのではないだろうか。また、選挙カーを追っかけるように来られる方がおられたので、おりて駆け寄ってみると手話で話してこられた。つまり、障害のある方でいらっしゃいました。そういう方々が県政を頼りにしようというふうに心を開いてくださってきている。それもこれまでの県政の歩みのゆえだったのかもしれません。そんなように一人一人を大切にすること、また未来世代の子供たちの教育、あるいは今、人材不足のところでの人材育成、この辺も都度に言われたことでございました。こうした人の新時代も開いていかなければなりません。
あるいは、暮らしやふるさとの新時代、新甘泉というお話も今ございましたけれども、そういう社会基盤の未来への礎づくり、その辺もテーマになりましょうし、これからいろんな暮らしの利便性を求めていく、その中で中山間地や町なかの過疎、こうした問題にも向き合っていかなければならない。生活交通の問題などは非常に今回選挙を通じて感じられた、今壁にぶち当たっているポイントだったのではないかというふうに聞こえてきました。
こんなようなことなどに私たちはこれから4年間で一定の答えを出したいと思います。そんな意味で、皆様と最初につくる今回の6月補正予算の中にそうしたエッセンスを入れさせていただきました。ただ、これはまだまだ緒についたところでございます。これから皆様と一緒に大きな木として育てていかなければなりません。
313億円の予算のうちの135億円は、安全・安心の公共投資に割かれています。例えば河床の掘削事業とか河川内の樹木の伐採、この辺は従来なかなか手がつかなかったところであります。思い切ってこうした部分に予算を投入させていただいているところでございます。
また、これから安全・安心をつくっていくという意味でソフト対策なども必要でありますし、医療系や、例えば医療的ケアが必要な小児対策、子供対策、そうしたことなども予算のほうをつくらせていただいたりしております。
また、このほかにも、人や仕事、あるいはふるさと、さらには暮らしといったような観点で、例えばロービジョンケアであるとか、あるいは、最近、池江さんの問題がクローズアップされていますけれども、ドナー対策をやろうとか、この議場でもこれまで出てきたような課題も政策の中で取り組ませていただき、早速に計上させていただいたところもございます。
また、町なかでの空き家対策であるとか、こうした町なか過疎や、あるいは安全対策、そうしたことなどもありますし、農業では900億円、また製造業で9,000億円を目指す、その道筋の上に思い切った補助金を計上してみようというようなことなどもさせていただきました。
いろいろと中身をつくらせていただいたところでありますけれども、ぜひ皆様と新しい令和の地平を開いていければと思います。
大きな時代の転換点にあると私は思っています。昭和は高度成長の時代でありました。その中で、実は予算規模も伸びてきました。一時期財政難で、あちこちの市町村でも財政破綻が起こりましたけれども、それを克服し、バブルのほうに向かっていく中で、むしろ基金を積めるということの中でふるさと創生も始まったわけでありました。しかし、平成に入りますと低成長時代に入ったわけであります。その中で、私たちはそうした成長時代を取り戻すこともなかなかできないままに雇用の問題などを抱えて、結構鳥取県は七転八倒したことがあります。そういう中で、ハード整備であるハイウエーの整備などを思い切って手がけることで、平成の中でハイウエーは8割まで持ってくるところまでやってきた中でございました。
こんなようなことなどを通じて、何とか努力をしながらも、しかし災害が続き、人々が価値観の迷いを覚えたのが平成の締めくくりであったのではないかなと思います。バブル崩壊以降、低成長や安定成長という中でパイが余り膨らまないところでの大都市への集中が起こってしまった。しかし、ここに人々は価値観の転換をしようと、暮らしというところに基軸を置きながら、本当の幸せを求める、それが令和という時代に込められた日本人としての新しい時代のあり方ではないかなと思います。その好適地として、この鳥取県があるというふうに私は考えております。皆様と一緒に令和の新時代を切り開いてまいりたいと思います。
そういう中、議員のほうから本県が抱える財政課題はどこにあるのかというお話がございました。これはそういう低成長の時代に入った平成の中でやはり財源難を抱えることになりますし、大都市に税源が集中をした結果として、ここでは税収に乏しいということになります。私たちは努力をして財政再建を果たしてまいりました。健全化は今、整いつつあります。そういう中でも、相変わらず財政力指数は下から数えたほうがとても早い状態から脱皮できているわけではございません。ですから、構造的には脆弱さを今も抱えているし、それが深刻になりかけていると思います。
今回の6月補正予算の編成でも実は苦労したのですが、一般財源がない、乏しいという点であります。この大きな原因は、やはり最近の交付税配分の問題があります。平成25年度と平成31年度予算、そして今の令和6月補正、この辺をにらんでいますと、大体95億円ぐらい地方消費税が伸びてきています。しかし、その倍の190億円ぐらい交付税関係が減らされています。ですから、幾ら地方消費税がふえて、一般財源は地方に配りましたよと言われても、私たちは逆に聞こえるわけですね。こういう逆転現象が起きているのがやはりおかしなところであります。本来であれば地方消費税の伸び分というのは地方の社会保障財源として考えた結果でございますので、その辺に充てられるような仕組みにならなければなりませんが、現実は差し引き勘定で一般財源が減ってしまうという私どものような自治体があるわけであります。これをぜひとも解消していかなければならない。議員もおっしゃいましたが、10月には消費税の引き上げが予定されているわけでありまして、今パイが国全体で膨らんでいくこのチャンスに、大都市も地方もそれぞれ財源を伸ばして財政基盤を確立していく、それを何とかつくらなければならない、これが喫緊の課題ではないかというふうに思います。
また、こういう状況でございましたので、どうしても有利な財源も使いながら節約をしつついかなければなりませんが、ただ、片方で令和の新しい時代を開く事業に大胆に向かっていかなければなりません。そういう意味で、先般、全員協議会で申し上げましたが、改めて財政誘導目標を設定させていただきたいというふうに考えております。これにより基金残高を標財規模の1割以上と、それからまた、将来負担につきましては県内GDPの18%をキャップとする、また黒字のプライマリーバランス、これを最低の節度として持ちながら、その範囲内で思い切った事業もやっていく、こんなスタンスで4年間を運営していけば、財政の健全化の維持・確保と、そして県民が求める地域の発展や、あるいは安心の形、こういうところを実現することができるのではないかと考えます。ぜひ皆様ともそうした議論を積み重ねてまいりたいと思います。
次に、防災、減災につきましてお話がございました。その実効性を上げるための総合的な取り組みを深めるべきではないかと、こういうお話でございます。
斉木議員初め県会の皆様からもかつて御提案がございまして、7月豪雨、それから台風24号災害、昨年相次いだ中で、そうした豪雨災害を教訓として今後に生かしていくためのそういう処方箋を考えようではないかと、その研究会をつくりまして、昨年末に取りまとめをし、これに基づいて議員がおっしゃるように防災、災害対策を進化させようというふうに今動いているところでございます。
例えばダムについては、残念ながら去年、ダムを放流したということで人間の命を失う結果にもなったという悲しいことがありました。私はこの立場にある者として、実は非常に強い疑問も持っています。私がもしダムの担当者であれば、どういう思いでダムの放流ということを行うだろうかというふうに思わざるを得ないわけであります。ですから、そういう悲劇を繰り返さないことを鳥取ならできるのではないだろうか、そんなに難しいことではないはずだ。つまり、あらかじめ逃げておいていただいた後にやむを得ない場合の放流を行ったり、またダムの放流が甚大な結果をもたらさないようにあらかじめダムの水位を下げておく。当たり前のようなのですけれども、これが今の法制の中で、いろんな仕組みの中で、できないのですね。それを鳥取県は現場サイドで変えていけないだろうかという挑戦をしたい、こういうように考えるわけであります。
そこで今、つい先日も、賀祥ダムについて地元との協議もまとまりました。米川の土地改良組合さんとか、それから米子市さんだとか水利権者もいますけれども、そういう方々と協議の上で、あらかじめ放流を行って水位を下げておくことの了解をとりました。また、佐治川ダムについても、県の企業局のほうとこれも既に了解をとっています。そういう意味で、事前に水位を一定程度下げておくということもやろうと。さらに、先般佐治で図上訓練をしていただいたわけでありますが、住民の皆様にも御認識をいただいて、こういう場合はどうしたらいいのだろうかというようなことをみんなで話し合いながら、あらかじめ逃げておく算段を考えようということでございます。
それは土地によっていろいろと違いはあるのだろうと思います。例えば佐治のそうした図上訓練で住民の皆様から御意見が出ましたが、サイレンというのは4回場面を変えて鳴るのですね。4番目がもちろん深刻な、今回愛媛でやったような放流でございまして、ダムを守るための放流をするという場面でありますが、実は佐治のほうですと2回目の放流ぐらいで、2回目のサイレンが鳴るぐらいで経験的には橋を渡れなくなるというふうに言うのですね。多分これは現場がおっしゃっているのでそうなのだろうと思います。ですから、ではそういうことを前提にして、例えばサイレンの鳴らし方であるとか、またあるいは地元の避難のあり方なども考えていく。今私どもがやろうとしていますのは、ハザードマップをつくりまして、ここは万々が一のときは逃げておいていただく必要がありますよというのを広く認識していただこうということであります。そして、今予算のほうにも入れさせていただきましたが、サイレンを鳴らすだけではなくて文字情報で今こういう状態ですよというのを出すようにしようと、こういうような改革を今進めようとしております。一つ一つ手段を重ねていく必要がありますし、ため池についても、この議場でもこれまでいろいろと指摘はされましたが、現実に今回の西日本豪雨では大きな被害が各所でもたらされました。ですから、ため池につきましてもため池のマップをつくる、それからこれについての想定の浸水区域、これの浸水区域図を策定するというのを今年度全体でやってしまおうと、こういうようなことを今予算化して進めようとしております。このように、深刻な被害の教訓をもとにしまして、根本から今組みかえるべきところは組みかえようというふうにしております。ぜひ議員の戒めの言葉を旨としまして、向上に努めてまいりたいと思います。
次に、熱中症予防対策強化につきまして、具体的な対策はどうかと、こういうお話がございました。
現実に昨年の状況ですと、熱中症で搬送された方、53%が高齢者でございました。そして、意外なことは、そのうちの半分は家の中におられたわけであります。私自身もそうでありますけれども、どうしても自分のことだからといって空調をきかせないでおるということはあるわけでありましょう。まして、もう年金が頼りだという年代に入ってしまえば、それを責めるわけにも多分ならないのだと思います。そうであれば、町なかでのクールシェアをする、これをことしのポイントとしてやっていこうというふうに考えて、今関係者にも御理解、御協力を得て進めております。
例えば公民館等、そうしたところでクーラーを入れていただいて、そこでさまざまな行事をするということでございますが、米子市の石井でも、クーラーを入れて、それでいきいきサロンをやったり、子供たちに夏休みの勉強会をやったり、そういうようなことを今、計画していただいていますが、こういうモデルをどんどんまた全県的にも広げて市町村と一緒に取り組めないかなということです。
また、スーパーマーケットであるとか、それから百貨店であるだとか、そうしたところでは、非常にお客様にとりましては快適な空間でもあります。そうしたところで例えばちょっと飲み物サービスをするとかWi-Fiサービスをするとかして、そこで滞在していただくということを受け入れていただきましょうと。そういうクールシェアに賛同いただいたのは、今回募集しまして51カ所ございました。こういうところでこうした熱中症予防の啓発も行っていただく。
そのほかさまざまな箇所で300カ所を超えるクールシェアスポットができたところでございます。これからまだ暑くなる季節でございますので、ぜひ地域で支え合いながら、そういう予防に取り組めればというふうに考えております。
次に、空き家問題、所有者不明土地問題につきましてお尋ねがございました。
これにつきましては、本県の空き家率、先般発表がございましたが15%でありまして、じわじわとふえてきています。全国もそういう傾向でございますが、これが深刻化しつつあるということであります。現在は司法書士さんとか、それから宅建業者の方とかに協力をいただきまして、こうした空き家の利活用の協議会をつくり、シンポジウムをやったりマッチングをやったりということに向かっておられます。
ただ、それだけでは十分ではないので、最近の制度改正なども取り込みながら、市町村で危険空き家の除却事業、こういうことを進めていただいておりますし、それに向けた詳細調査もしていただこうと。この調査は、議場でも大分取り上げられたことで、市町村にも呼びかけもしてきたのですが、今9の、半分の市町村でそうした調査もしていただいております。
さらに、危険除却につきましては100戸を超えまして、101戸までやってまいりました。特に中部地震が深刻な被害があったわけでございますが、そこで空き家問題が顕在化をしましたし、危険性が高まった家も多かったわけであります。中部の被災地域では、北栄町や、それから倉吉市では再調査もしていただきまして、また湯梨浜町も29年に調査をされましたし、琴浦町も30年に、それから三朝町はもうやっておられて、そういうもので危険建物の把握もされながら、最終的には42件の除却に向かわれました。これは県としても上増しの制度運営をさせていただいたところであります。こんなような実効性のある手だてをこれからも展開していかなければなりません。
所有者の不明土地につきましては、このたび法律ができまして、6月1日から施行されたところであります。それによりまして、10年間の利用権設定を県が主導してやることができると。それに向けて地元から、いろんな団体からその申し立てをしてもらって、適正と認めればそういうことをしましょうと。本人があらわれて、所有者がこれを使うのだよとなればそこで解消されてしまうのですけれども、ただ、一般にはそういうことは想定され得ないのが実情でありますので、所有者不明土地についてはそうした制度も始まりました。これにつきましても、研修会を7月に市町村とやろうというふうに考えております。
また、このたびの補正予算の中でも、モデル地区として例えば倉吉市や日南町でもそういう伝統的な文化財の建物などがございますので、そうしたものを活用していくモデルをやろうとか、それから流通しにくいそういう住宅については、それの助成を考えようとか、いろいろと今回上乗せ、追加の対策も6月に計上させていただいたところでございます。
次に、子供の安全につきましてお尋ねがございました。滋賀県の大津市での交通事故、それから川崎市登戸での凄惨な事件、これについての認識や対策いかんということでございます。
やはり、まだ未来がある子供たちがこういう形で命が奪われるというのは大変残念なことでございます。あってはならないことであり、私も実は仲間の若手の知事と一緒に声を合わせまして、先般、事故現場に近い滋賀県でそういう声明を出させていただき、私たちそれぞれの県で取り組みをし、また国にも対策を求めようというような旗を上げたところでございます。
この交通事故のところにつきましては、これは今、点検を保育施設にお願いをしておりまして、今それの集計の作業中でございます。それで対策をとっていこうと。今よく寄せられているのは、やはり歩道がはっきりしないとか、それからガードレール等の要望であるとか信号機であるとか、いろいろでございます。それをこれから緊急性の高いものを選別しながら優先度をつけて、早ければ9月の県議会にもまた対策を提案させていただこうかなと思いますが、何せ多分数は多いと思いますので、そうしたことは優先度の高いものから順番にやっていくのかなというふうなイメージでおります。
また、国のほうの対策がはっきりしません。どこまで安全を追求してやっていったらいいのかというのは、実は現場では非常に難しいところでございますし、それから厄介なのは、よく最近見かけるポールを立ててある交差点のところですね。今回、滋賀ですと、車が突っ込んでまいりました。あそこに何か立っていれば防げたのではないかという話でありまして、すぐに考えるのはポールを立てるということでありますけれども、実はポールを立てるのは、これは強度の問題があって車の進入防止にはならないというふうに国交省は言っているのですね。そうしたら一体何やったらいいのと。ではガードレールをやりますと今度は横断歩道を出ていけなくなりますから、そこのところをどうやったら安全という基準になるのかなというのは、ちょっと実は現場ではわからない。また、実はそのための財源もないのですね。交付金なども、実は交通安全関係は減らされてきていまして、今十分でないと。そうしたことも国に対して要望していかなければならないのではないかなと思います。
例えばこういうようなケース、場所で多分対策ということがあると思うのですが、431沿いで、皆生のところで、すしの北海道があります。あそこの交差点のところでは、結構交通量もありますし、それから交差点のところは結構オープンに開いています。実はあそこは近所に2園ありまして、それがいわゆるお散歩コースに使っておられるということでございます。だから、例えばこういうところでガードパイプで防護措置をするということが典型的に考えられるのではないかなと思います。こんなようなことを優先度、緊急度をつけて今、洗い出しをしているところでございますし、できるだけ早く対策もとってまいりたいと思います。
それから、川崎の件につきましては、これはちょっと皮肉なことがありまして、官房長官などが記者会見でも言っていましたが、登下校防犯プランというのを政府が出したので、それを徹底してほしいということもおっしゃっていました。でも、実は登下校防犯プランというのは、これは昨年出されて、実は我々もそれを教育委員会とか警察とかでやっているのですけれども、ただ、それは集団下校をしなさい、それから通学バスを使いなさいというものでありまして、今回は実は通学バスの列自体が狙われたわけですね。だから、実は想定外のことになっていまして、登下校防犯プランだけでは十分でないことは明らかであります。
もちろんこの有効性を否定するものではないのですけれども、やはりそれに追加をした対策を考えなければいけないのではないだろうか。そういうような意味で、5月30日に県庁の中でも関係部局の会議を開催させていただき、行政当局などと今いろんなプランを調整しているところであります。例えば学校の防犯ボランティアの研修会を夏休みぐらいにやろうかとか、あるいは子供たちに対する啓発。今回も何か起こったときにみんな黙って立っていたということでありまして、なかなか経常で難しいのですけれども、そういうときにやはりみんなで「逃げろ」とやって逃げてもらうと少しでも被害が減る。そういう意味で、鳥取県の警察との取り組みをもっと広めたらどうかなと。イカのおすしというキャンペーンなのですけれども、「イカのおすし」という言葉になじんで、それで例えば大声を出すとか、それからすぐ逃げるとか知らせるだとか、それから一緒に行かないとか、そういうようなことでございますけれども、その頭文字で子供たちにわかりやすく教えようと、こんなことをさらに広げていく必要があるのかなということでございます。
こんなようなことで、ぜひ子供たちの安全を今後も図っていけるように努力を重ねていかなければならないと思います。
次に、がん対策につきましてお尋ねがございました。
これにつきましては、実は平成25年にがん対策の専門家の研究会をつくりました。そこで出てきた課題、これをさらに実行に移していかなければならないと思うのですが、まだ十分でないのではないかというふうに思っておりまして、もう一度、鳥取大学であるとか専門の方にも入っていただいて、本当でがんの死亡率、これを抑制するためにどういうことが考えられるのか、これの対策をもう一度あぶり出して、それでやっていく必要があるのかなというふうに思います。
実はこの間、いろいろと対策も進めてまいりました。例えばがんの検診率が低いのが問題なのだというふうに言われてきたわけであります。そこでがんの検診率を上げようと。私が就任したころから比べますと、例えば肺がんだとか、検診が30%だったものが今は5割を超えているのですね。ほかの乳がんであるとか、そういうところも大体倍近くまで上がってきています。全国の平均を優に超えるに至っているのですが、がん死亡率は減らないと。だから、結局地域でやれる手だてはいろいろとやってきているのですけれども、結局治らない、亡くなってしまうと、こういうことでありまして、やはりほかの問題があるのですね。やはりそこに正面から目を向けなければいけないのではないかというふうに思います。
ですから、そういうことで今回も予算に出させていただいておりますが、本県の場合の一つ、山陰両県を通じてなのですけれども、地方はそうなのですが、放射線医療の関係の放射線の判定等を向上させる必要があると。そこで放射線技師を鳥取大学のほうから県内の病院等に派遣をしてもらって、それでレベルアップを図る。また、放射線の専門医が本県は5人しかいないのですね。その中でもレベルを上げて、拠点病院などでの治療水準を上げていくと、こういうことも必要でありますので、鳥取大学と連携をしたそういうもののレベルアップ事業ということをやっていこうと、これを今回予算の中でも提出をさせていただきました。これにとどまることなく、さまざまな対策をこれから考えていかなければならないと思います。
次に、道路につきましてお尋ねがございました。鳥取西道路の開通効果を広げていく、あるいは米子-境港間、これが
北東アジアゲートウェイの機能強化のために必要ではないだろうか、こういうお尋ねがございました。
鳥取西道路が5月12日に開通をしまして、大変に効果もあらわれていて、渋滞が白兎から、あるいは伏野とかは大分減ってきたとは思うのですけれども、それとあわせて、交通量全体が足し算でふえてきているわけです。つまり、誘客効果などに結びつきつつあるということであります。ですから、これを観光のスタンプラリーとかに生かしていこうと。今、県市協調しまして、そういうスタンプラリーを始めていますけれども、多くの方にそのパンフレットをとっていただきまして、3万部刷ったのが足りなくて、今また3万部増刷をしたというような状況でございます。
その周遊先のアンケートをとってみますと、水木しげるロードのところまで含めて、やはり高速道路を使う方々ですので周遊性を持って動いておられるわけでありまして、大きくパイを県全体で伸ばしていくのにも、鳥取西道路の観光誘客というのは効果はあり得るのではないかなというふうに考えております。
また、経済関係でも、例えば米子のケーティーさんであるとか藤井工機さんであるとか、そうしたところで、この道路がつながったことで例えば人材を獲得するチャンスになるとか、あるいは販路拡大に向かえるとか、そういうことで考えてくださり始めていらっしゃったり、あるいは米子の商工会議所も、今までは松江方面との連携が主だったのですが、東部のほうとか、さらには但馬のほうまで、その圏域としてやはり連携を進めるべきではないかと、こういう議論も出てきております。このようにして、山陰を一つにまとめるワンインの連携ということをこれから進めていくべきではないかなというふうに思います。
米子-境港間の高速道路につきましても、今までは予定路線であり、米子北インターまでのところも、これも平成18年に休止ということにされてしまっています。これをひっくり返していく上でも、いろいろとこれから展開をしていかなければならないのだと思います。
今、
北東アジアゲートウェイということがございましたが、DBSクルーズフェリーが経営を移管したということが急遽明らかになりまして、大変驚いているわけでありますが、ぜひ境港を起点とした航路の運航継続、発展に向けて、関係先に働きかけていこうと。今週にも我々の担当幹部を向こうへ派遣しようというふうに考えておりますが、これまで歴史を積み重ねてつくってきた北東アジアのゲートウェイが真に全国の高速道路とつながっていくためには、
米子鬼太郎空港、あるいはそういった境港、このエリアが高速道路のネットワークとつながることは大切でありますし、誘客や、あるいは航路開拓等にも影響があるというふうに思います。
そんな意味で、平成29年5月に米子市と協議をさせていただき、それに基づいて米子市と境港市が協議をし、さらには今、道路のあり方の検討会をさせていただいております。行きつ戻りつという感がなかったわけではないのかもしれませんが、きょうもこうして御指摘もいただきましたので、議会後にもまた改めて米子市との協議から始めさせていただき、まずはこういうルートの必要性について圏域としての合意を形成し、そして具体的な要請活動に向かっていくと、こういう道筋を開いていきたいと思います。
次に、新幹線構想につきましてお尋ねがございました。
これにつきましては、斉木議員にも伯備線ルートにつきましてこれまでも声を上げていただいているわけでございますが、これから令和の時代に入り、令和4年度には北陸新幹線の敦賀まで、さらには長崎新幹線の武雄温泉から長崎に至るところ、こうしたところの開通が見込まれますし、もう10年もたてば札幌まで新幹線も延びるということになります。だんだんといわゆる整備新幹線の5路線と言われたものが終わり始めるわけでありまして、いよいよその次のことを考えなければならない。ですから、令和4年にそういう開通箇所が出てくるわけでありますから、これから私たちが担当する4年間が、次の手を挙げる意味では非常に重要なエポックになってくるだろうと思います。
そういう意味を込めまして、皆様といろいろと御相談もさせていただきながら、山陰には2つの新幹線構想があります。山陰新幹線と
中国横断新幹線でございますが、いずれも基本計画路線のままとどまっている。これの格上げを目指す、そういう運動を展開しながら、未来への道筋というものを開いていく。恐らく着工だとか建設だとかはまだ遠い先になるのかもしれませんが、令和4年までの間にやはりやるべき手は打っていく、いよいよそういう正念場に入ったのではないかなというふうに思います。
そんな意味で、先般、中国地方知事会が開催をされるに当たりまして、私のほうから強く関係県にお願いをし、初めて中国地方知事会として新幹線を含めた山陰の高速鉄道、これについて進捗を図るべきだと、こういう決議をさせていただき、要請の中に盛り込むこととなりました。今まで新幹線という3文字はなかなか各県の調整の中で入らなかったのですけれども、今回初めて入るに至りました。まずは議論をこれから進めていくことが大切でございまして、折しも本日は山陰新幹線構想、東西を結ぶ構想につきまして、市町村の協議会が東京のほうで開催をされており、京都大学の藤井先生が恐らく整備効果について何らかのものを示されるのではないかなというふうに伺っています。いろんな各方面と連帯をしながら前進を図ってまいりたいと思います。
次に、バス路線の利用促進を含めた地方公共交通のあり方についてお尋ねがございました。
先ほど鳥取市の大和地区のお話がございましたけれども、そのほか、例えば米子市の永江とか、それから大山町とか、そうしたところで共助交通のモデル事業を今立ち上げておりまして、そういうことも今緒についてきているところでございます。
今実際に地域を見渡してみますと、どこもバス路線の問題、地域の交通の足の確保で困難を抱えています。衝撃的なことだったのは、琴浦町で日本交通さんも日ノ丸さんもこれまでやってきた町の中の運行バスをやめてしまうということになり、それで町のほうで募集をかけて、田中商店さんというところが参入をして、また再開をするというふうになりましたけれども、経費的には倍ほどふえたというふうに伺っております。
同じ状況が実がございまして、
県内大手のバス会社でも、なかなかこれから先行きは厳しいという声を都度に伺うようになりました。まだまだいろんなことが起こる可能性がございます。ですから、地域としてお互いに支え合う共助交通であるとか、あるいはタクシーへの代替であるとか、そうしたことも含めて地域交通のあり方を見直さなければならない。それが中山間地の対策の一つのポイントになってきたと思います。
そこで、今回予算も出させていただきましたが、検討会をつくらせていただき、こういう地方交通、バスに限定せずに、それをどういうふうに今後支えていくのか、従来のバス補助の体系の見直しをしていく、こうしたことを市町村等も含めて話し合いを始めさせていただきたいと思います。また、タクシーに計画をつくって乗りかえていくというようなところなどにはタクシー助成を市町村は独自にされていますけれども、県のほうでもそれに半分おつき合いをしようというようなことも今回入れさせていただいたりしまして、これからそうした議論を起こしてまいりたいと思います。
次に、移住者や県外就職者、進学者のUターン促進につきましてお尋ねがございました。ふるさと回帰支援センターなどのデータから読み取れることであるとか、魅力的な企業の誘致や働きやすい環境づくり、住みやすい地域づくりなど、Uターン等のインセンティブをつくっていくべきではないかと、こういうお話でございます。
これは議員が強調された地方創生の核心部分でございますが、ふるさと回帰支援センターのほうで我々もブースを開いております。あちらの高橋さんだとか、かつては立松和平さんなどもいらっしゃいましたけれども、大分発足の時期から私もいろんな交流をさせていただいていまして、今は結構いいところに、有楽町では入り口のところに鳥取県のブースを持たせていただいております。そこで出てくるデータ等の解析をしていきますと、きょうも読売新聞に出ていましたが、一つの最近の傾向が出てきました。大分移住者がふえてきているわけでございますが、それは従来のUターンのベースにIターンやJターンが乗っかってくるわけですね。その辺の意識ではないかと思うのですが、地方都市志向があるということです。直で農村に直接行くということよりも、地方都市に入ると。地方都市の中には協力をしながら県全体で二次移住として、一旦は地方都市に入ってもらって、それから中山間地域のほうに移住するということをタイミングを置いてやるという、そういうのを呼びかける地域もあらわれてきたということであります。この辺が最近の一つのトレンドになってきているのかなと思います。
また、私たち鳥取県でいいますと、7割の人は30代以下の若い層であります。そういう若い層が中心になっていて、この方々は子育て政策などに結構響いてやってきているのですね。典型的なのは、徳本さんという神奈川県から来られた方です。風りんりんという森のようちえんをされておりますけれども、あの方などはもともとは智頭の森のようちえんに入るということもありまして、こちらのほうに移住をしてこられて、御自身もこれはというので風りんりんを始められたという方でございます。こんなようなことが典型的なところでありまして、比較的若い方々に、そういう子育てだとかそうした魅力は、自然も含めてよく映っているところがあります。
ただ、そうしたところをどうやって引き込んでいくかという意味で我々の対策を考えなければいけないわけですね。最近の状況は確かにそうした傾向があらわれていまして、やはり移住者が多いのは4市であります。特に米子、鳥取両市が多い。それに境港、そして倉吉が続いていまして、その次のところに岩美町であるとか琴浦町であるとか、そうしたところが続いてきて、西部でいえば南部町や日南町、あるいは日吉津村、大体共通しているのはやはり熱心に地元で組織をつくって、カウンセリングに乗ったりそういうのがあるところであります。結構行ってみて人の魅力に取りつかれて鳥取に移住を決断しましたという方はいらっしゃるのですが、やはり最後はそこに住まう人たちの理解やネットワークということも重要なのではないかなというふうに思います。
そういう中で住みやすい環境づくり等を考えれば、そうした対策は必要でありますし、若い方々の心を捉えるという意味では、ふるさと登録のアプリをこのたび提案をさせていただきました。まずはいろんな就職イベントに出ていただく。そうするとポイントがたまる、あるいは、鳥取のほうに観光に来ていただく等も含めたそういう観光情報等も提供する、そんなようなことをやっていってはどうかというようなことがあります。そうしたことなどいろいろと手を尽くして、移住促進を図っていく必要があると考えております。
次に、子育て王国につきましてお尋ねがございました。一歩先行く子育て支援をどのようにこれから進めていくのか、また
アンケート調査、これをどういうふうに生かしていくのかということであります。
アンケートをとりますと、経済的負担の課題が多いです。ただ、経済的負担につきましては、必ずしも保育園段階だけではなくて、どちらかというと高校、大学といった年が上がった後の経済的負担の訴えが実は目立ってくるようになりました。また、そのほかにも身体的、精神的負担であるとか、それから仕事と子育ての両立だとか、そういうようなこともあります。ですから、この辺を一つのポイントとしながら、これからの子育て政策を再構成していく必要があるのかなと思います。
10月には、今回消費税の導入とあわせて少子化対策のことで幾つかテーマが出てきます。それは保育料の無償化ということであります。また、新年度に入れば、さらに奨学金等、そうした高等教育の一部無償化なども出てくるスケジュールになってきました。鳥取県が先に進めていたことを国が今、後追いをしてくるわけでありますが、そうすると、全国との差別化を図って、やはり鳥取に住んでいてよかったと、移住してよかったと言っていただけるような、そういう環境づくりを考えなければいけません。
ただ難しいのは、やはり子育て政策は市町村が主体でやるそういう福祉の位置づけがございますので、市町村との役割分担も考えなければいけません。ですから、この議会後にそうした市町村とか関係者も交えた、これからの新時代の子育てを考える、そういう検討の会をつくらせていただいて、総合的な子育て政策の改変に努めていかなければならないと思います。
また、喫緊の課題としては、毎日相次いで報道のある虐待問題がございます。こうしたことについては、児童相談所のこと、これも
マニフェストで書かせていただきましたけれども、児童福祉司を米子のほうに配置をすることで、それでスーパーバイザー的な役割等も果たしたりしようと。さらに、今回国のほうの法律が成立をしました。それもにらみながら弁護士さんとかお医者さんだとか、そうした方々が定常的に児童相談所にかかわっていただける、そういう予算も用意をさせていただきました。いろいろとそうした喫緊の課題も含めて、対応を深めてまいりたいと思います。
次に、若年層の人材育成、AI等高度人材の充実等を図るべきではないかというお話がございました。
これにつきましては、経済界と話しますと、やはりアンケートをとると最初初任者研修などの余裕がないと、またそれの人材がいないということがあります。そこで人材育成のプラットフォームをつくりまして話し合った結果、まずはそういう若手の人材、オン・ザ・ジョブも含めて新人や若手の育成を行う、そういう養成講座をやってみようということになりました。これを取りかからせていただこうと思います。また、観光人材についても養成の深いところでありますが、インバウンド観光をにらんだそういう養成を、米子をベースにして、民間の活力も受けてやっていこうと、これをスタートさせることにいたしております。また、ものづくり人材のスタートアップ研修が非常に好評でございまして、これも国の事業は終わるにせよ、私どもとして継続、発展させていこうということになりました。こうしたことなど、さまざま人材育成の強化を図ってまいりたいと思います。
また、AIなどの高度人材については、AI、IoTのそういうチャレンジを進めていますけれども、例えば鳥大とのコラボレーションの中で研修をしていって、そこでGibier-AIというジビエ肉の肉質判定システムの開発を民間企業と一緒にすることができたわけでありますが、こうしたことなどをさらに今後も展開をしていくということにいたしております。
次に、観光戦略につきましてお尋ねがございました。
これにつきましては、おっしゃるように各方面が協力をし合いながら、そしてさまざまな資源をつくり出しながら観光を展開していくということになります。例えばこの15日には、サイクリングロードを6キロほど、夢みなとタワーから、それから弓浜半島の途中までオープンさせようというふうにさせていただいています。実は先般、台湾のジャイアントさんに試走していただきましたけれども、非常に好評でございました。それをさらに延ばして、最終的には皆生工区と結び、ずっと日野川のほうまでやってこれる長大な白砂青松のコースをつくろうということであります。さらに、東西を結ぶサイクリングロードを整備しようと、このたびまた予算も出させていただきまして、県境のほうまで延ばしていくと。また、岡山のほうにも佐治を通りまして鏡野のほうへ抜けていく、そういうコースとして今それも予算を計上させていただきました。これが実は岡山側も山の上までつながってきておりまして、こうしたところと結ばれれば南北横断になってくると、こういうもくろみであります。こんなようなことで、新しい観光素材、鳥取らしさを生かして星取県等も含めた、あるいは漫画も含めて展開を図ってまいろうと思います。
また、最近も地域経済活性化に向けて、地元の金融機関もいろいろと積極的に動いていただいておりまして、これも効果を発しているのではないかなと思います。山陰合同銀行さんですと、マリンナノファイバーというベンチャービジネスがございます。これはキチン・キトサンの類いを利用しまして、それで繊維をつくっていくというようなものでございますけれども、こうしたものを育てていただいたり、また、鳥取銀行さんのほうでは、最近、県内のジビエがレストラン等でも東京でも扱われたりして、隆盛をきわめるようになってきましたが、その後押しをしていただいたり、隼Lab.などにも協力をしていただくなど、中山間地の活性化にお力をいただいております。
また、議員も御案内のように、米子信金さんは商店街など、米子の地域活性化に非常に伝統的に力を発揮していただいておられまして、その辺を頼りにしておられる地域の商店主さん、あるいは若い人たちの姿がございます。このようなことでございますので、ぜひ今後もいろいろとこうした金融機関とのネットワークをさせていただきたいと思います。
例えば、特産品を売るときに、そういう銀行のネットワークの中で商談会などが成立します。現にそういうところで売れるようになった商品もございました。また、企業誘致をする際など、金融機関さんのほうから情報を私たちが得ながらアプローチをしたこともございまして、成功事例もございます。いろいろとそういう意味で地域のリソースとして、金融機関さんの存在というのは大切にしなければいけませんし、パートナーシップを組んでいくべきだと思います。
今、ちょっと心配をしておりますのは、国全体では、金融機関の今後の経営について大きな検討を進めている報道が続いていることでございますけれども、やはりそうした金融機関の存在というのが、私たちの暮らし、経済を支えているという実相をぜひ政府としても考えていただく必要があるのではないか。私どもとしても、そういう意味で、地域の金融機関の存続はもちろん、発展に向けまして、我々なりの協力もしていきたいというふうに思っております。
◯副議長(福田俊史君)25番斉木議員
◯25番(斉木正一君)ありがとうございました。金融機関もそうなのですけれども、こういう民間の企業とのお互いの交流、情報の交換というのは非常に重要なわけでして、要するに、取っておきの情報を引き出す人間関係をいかにつくるかということがやはり一番だろうと思います。その人と人との、本当にその話をこの相手ならしてもいいかなというのは、やはりつき合いの上の大きな差が出てくるわけでございまして、ぜひそういう面でのいい人を相手に選んでいただいて、情報を収集して、県民のために還元していただきたいものと思いますので、よろしくお願いをいたします。
次に進みます。農林水産業のさらなる活力増進でございますけれども、鳥取県農業生産1千億円達成プランでは、10年後においても本県農業の活力を維持するために新規就農者を毎年200人ふやすことを目標にしておられます。どの世界、分野でも一番重要であるのは人であることは論をまちませんが、現在、数字の上では農業就業者数が毎年1,500人ぐらい減少している状況であります。それに今度、毎年200人の新規就農者は高いハードルのようにも思いますが、担い手不足を解消するため、今後どのような取り組みを重点的に行うのか、知事の所見を求めます。
それと、達成プランで掲げる本県農業の目指す姿の一つに地域農業が進むがあります。農地、農村の管理された自然環境は、その地域に住む人ばかりでなく、都会から訪れた人の心の安らぎともなります。小さくても農業従事者が生きがいを持って取り組める地域農業を実現するため、県民みんなでともに農地や農村を支え合う環境づくりに取り組む必要がありますが、どのようにかかわる人々をふやしていくのか、知事の所見を求めます。以上、お願いします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)農業の振興につきまして、人の面、それからさまざまな経営手法のことにつきましてお尋ねがございました。
議員がおっしゃるように、私ども、1,000億円を将来的に目指そうということで今進みまして、新しいプランをつくり、1年間で200人の就農をという大目標も立てております。ちょっと高目ではありますけれども、そういう気概で今進んでいるところでございます。
実は近年、そうした新規就農者、かつてとは水準が違ってふえてきているのが事実です。その背景には、鳥取県として、例えば初任給程度を保証しようという制度を発足させ、それが農の雇用という国の事業を誘発しまして、国の事業と今度はタイアップをしてくる。さらに、アグリスタート研修という担い手育成機構を活用しながら、いわば包み込むようにして、その新規就農者を支援していくことを始め、次にはハローワークのやり方を一部導入しまして、農業大学校でそうした新規就農支援の研修をするというようなことを始めました。
このようなことに加えて、現場でのいろんな見守ってくれるシニアたちの制度をつくって、昨年は年間大体165名の新規就農者となりました。実は私が就任したころは40名、50名が大体年間の相場です。ですから、今は4倍というような水準にふえてきていまして、それだけ広がりが出てきているのは事実でございます。これをやはり地域としても、いろんな形で支えていかなければならないと思います。
先ほども申しました大山町の林原さんとか、そうしたブロッコリーの農家さんも、片方で担い手の指導士として、その田舎暮らしというか、農村暮らしの指導員になっていただいて、それで新しい就農者を、いわばチューターとして見守っていただくと、そんなこともしていただいていますが、こういうネットワークが一つ重要なのではないかなというふうに思います。
こういうようなことで、200名を一つの目標として進めていけないだろうかということでありますが、これを支えていくためには、やはり農業の所得自体をふやしたり、経営規模の拡大なども裏腹のこととしてやっていかなければなりません。そういう意味で、例えば南部町のほうで福成の場合は一部米子も取り組み始めていますけれども、寺内農場さんだとか、最近組織化を強めておられて、稲を中心に古代米づくりだとか、そのようなこともやっておられますけれども、こうしたところを支援するために、南部町さんでも、マッチングを全町的に、ここの農地は遊休化していますよというのを集めて、そういう担い手となるような中核の農業組織のところでオープンにして、お互いに話し合って農地を引き受けていくと、そのような仕組みを始めたりしていまして、これがやはり規模拡大等にも役立っているのかなというふうに思います。あるいは、経営の適正化、そして健全な成長を図っていく専門家の導入ということもあろうかと思います。
日南町のほうでファームイングというところがございますけれども、大宮のほうですかね、あちらのほうで、もともとは農事組合法人でやっていたのですが、株式会社化されて、最近は、要はスマート農業の実験にも協力していただいているわけですけれども、そうしたところでも、例えば適正な規模でどのような生産をしたらいいのか。以前は白ネギをつくっていたのですけれども、米を中心にしてトマトなどを一緒にやっていって、それで、このぐらいの規模だったらちょうど経営体として適正な収益が上がると、この辺のことはやはり専門的なところで分析も必要なのですね。そういうところに専門家を入れて経営指導をしていくというようなこともさせていただいたり、このようないろんな手を尽くしまして、議員がおっしゃるような付加価値の向上、経営の安定化、こういうものも図っていく、これが人の受け入れと、いわば裏腹の関係として必要になってくるわけであります。
こうしたさまざまな取り組みを総合的にやることで、ぜひとも農業生産900億円を、これから向こう4年間で前倒しで実現できないかチャレンジをしてまいりたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)25番斉木議員
◯25番(斉木正一君)ありがとうございました。我々もそうなのですけれども、とりあえずこの900億円を目指して、まず載せてあった数字に向かって、やはり一つ一つ積み上げていくということが必要であろうと思いますので、ぜひ取り組みを努めていただきたいと思います。
もう一つ、山林のお話なのですけれども、皆伐再造林の推進に当たっては、搬出要トラックが通行可能な林業専用道を整備して、素材生産に要するコストを縮減することも重要であります。
そのために、比較的安価な林業専用道の整備を推進するため、県の公共事業として林業専用道を重点的に整備すべきであります。さらには、非公共事業の林業専用道整備に係る国の交付金の単価が減額され、整備の遅延が危惧されております。これらの課題を解消するための具体の対策が必要と考えますが、知事の御所見をお願いいたします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)斉木県議から、林道、あるいは、そうした林業専用道につきましてのお尋ねがございました。
最近、鳥取県は林業の生産額を飛躍的に伸ばしつつございます。これはやはり、最初は鳥取式作業道などということをやっていましたけれども、だんだんとそうした林道整備も拡大をしていきまして、いわば施業区域を団地化して広げていく、それによって林業のコストを下げて、それを競争力として生産を今度は上げていくと、このような好循環を起こそうということでやってきたことが、今、例えばバイオマス発電だとか、あるいはLVL等の新しい素材やCLTなど、こうしたことの追い風も受けながら、さまざまな活用もされるようになってきまして、前に進み始めているというのが今現状だろうと思います。
ただ、そのためのキーになるのは、やはりその林業生産の基盤となる道路網、作業道網でございます。このことにつきまして、公共投資、公共事業としてというお話もありますが、これは国のほうの公共事業の採択基準もございまして、ある程度の規模感、それから効果等を見ながらやっていかなければいけないところでございますが、必要なところは今後も手がけていかなければいけないと思います。
最近も中部の議員さんたちからも大分要望もいただき、また、地元の森林組合等のお話もありまして、富海福山線、山を越えていくような林道ですけれども、それを採択して、平成29年度から、これは公共事業として、県事業で今やっています。こうしたことは、今後とも進めていく必要があるだろうと思います。
ただ、他方で、今回実は、ことし急に問題になりましたのは、国のほうの制度転換がございまして、非公共事業でやっている林業の道路につきまして、単価が2万5,000円というところの上は5万円まで特例採択をするという形だったものが、会計検査院の勧告等があったようでありまして、それでその制度をかなり圧縮した形になりました。これが、もともとそういう前提で組んでいた事業体にとり打撃になりまして、今年度に入って問題になったところであり、林活議連さんなどから御要望もいただいておりました。
そこで今回6月補正の中では、それを補強する意味で、単価をはみ出たところについて2分の1を県のほうで支援しますというような対策を提案させていただいております。今、こういう案を持ち出しましたところ、中部森林組合さんなど、そういう意味では非常に評価もいただいていまして、ぜひ皆様のほうでも御審議をいただき、実現に御協力いただければありがたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)25番斉木議員
◯25番(斉木正一君)今の準公共事業の関係、大変御尽力をいただきましてありがとうございまして、林業関係者は、ある程度胸をなでおろしているのではなかろうかなと思います。しかし、道路ができなければ、次の行動に移れませんので、一番もとになることを県のほうがしっかり支援をしていただいたということで、大変うれしく思います。ひとつよろしくお願いをいたします。
次に、教育長のほうにお願いをいたしますけれども、1つは要望でございますけれども、何といっても安全というのは絶対がなくて、少しでもリスクを減らすためのやはり不断の努力は、常にそういう気持ちを持っているということが必要だろうと思います。
それと、やはり事件等があって、バスなどもそうなのですけれども、人が遠くまで、要するに学校の統廃合が進みまして、地方を中心に通学距離が延びていますので、そういう面では必ずバスに乗っていかなければならない、人が集まる場所があるというようなことでありますので、そういうところをぜひとも警戒を、よく注意深くしていただきますようにお願いをいたします。
もちろん本部長も先ほど答えていただきまして、ぜひそういう面での仕事のほうで、しっかりと地域の駐在さんなり派出所の皆さん方の、そういう目を持つことが必要だろうと思いますので、よろしくお願いをいたします。
それと、教育長、県立高校のあり方の件ですけれども、中山間地域にある県立高校は地域の中核となっているため、見直しに当たっては地域としっかりと協議しながら、魅力化や今後のあり方を検討すべきと考えますが、この点、教育長はどのようにお考えでしょうか。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
山本教育長
◯教育委員会教育長(山本仁志君)斉木議員から重ねて御質問を賜りました。
初めの子供の安全については、ここでの御議論などをしっかり踏まえて対応してまいりたいと思いますし、特にこのたびの川崎市の事件はスクールバスで起きているということで、そこがポイントの一つとなろうかというふうに思いますので、そこにも十分留意しながら対応してまいりたいと考えております。
中山間地域の高校の検討についてでございますが、おっしゃるとおり、最近、高等学校の役割として、単に教育機関という役割だけではなくて、地域振興の中核の一つだという位置づけ、そうした機能でありますとか、地方創生の一つの推進役を担っていくものだという、そういうことが期待をされつつあるわけでございまして、そうしたことにもしっかり対応していく必要があるなというふうに思っております。
かねて中山間地域の県立学校においては、地元自治体等々を交えて、いろいろ意見交換などをしながら活性化を進めてきておりますが、このたび、あり方の検討の中でも、そうした自治体、あるいは地域住民の皆様、企業の皆様、そうした方々としっかりタッグを組んで検討していくことが必要ではないかなというふうに思っております。
このたび、例えば岩美高校では応援団というものが、これは勝手連的に起きてきたわけですけれども、そこの中でいろいろ意見交換する中で、岩美高校の中に英語塾をつくってはどうかというようなアイデアが出され、それがこのたび実現に向けて動いたわけでございますが、そうした小さな活性化も含めて、地元の方々としっかりと連携しながら取り組んでいきたいというふうに思っております。以上でございます。
◯副議長(福田俊史君)25番斉木議員
◯25番(斉木正一君)御答弁ありがとうございました。地域の高校というのは、やはり勉学もさることながら、全ての社会の伝統文化、こういうのもしっかりと次の代に受け継いでいくという大きな役割が私はあると思いますので、ぜひともそういう面での指導なり見方をして、子供たちのためにそういうことができるような授業のカリキュラム等も組んで、しっかりと地域のためにやっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをいたします。
長時間、皆さん方、おつき合いをいただきましてありがとうございました。以上で終わりたいと思いますけれども、最後にこの言葉を言って終わりたいと思います。私自身が住んでいるところが非常にこういう地域でありますので、常々思っていることがあるので、ぜひそれを最後の言葉で終わりたいと思います。
日本は瑞穂の国です。息をのむほど美しい棚田の風景、伝統ある文化、若者たちがこうした美しい故郷を守り、未来に希望を持てる強い農業をつくってまいります。これは、第2次安倍内閣発足当時の言葉だったろうと思います。少子高齢化が一段と進み、家の周りは田畑のすぐ近くまで山が迫り、勤めをしながら年老いた親たちと田畑をやっと守っているから美しい田園風景も何とか残っているのです。新しい令和の時代も、この営みがいつまでも残り続けていくようにしてもらいたいものと思います。我々議員も、そして執行部も、そういうこの鳥取県のすばらしい自然を世界に発信できるような県にしていただきたいものと思います。以上で終わります。
◯副議長(福田俊史君)これをもって、県政に対する代表質問を終了いたします。
本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後3時03分散会
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