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  1. 鳥取県議会 2019-02-01
    平成31年2月定例会(第6号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(稲田寿久君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号から第21号まで、第33号から第48号まで及び第50号から第58号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  33番銀杏泰利議員 ◯33番(銀杏泰利君)(登壇、拍手)おはようございます。公明党の銀杏です。県議会で64回目の一般質問となります。早速、通告に従いまして質問をさせていただきます。  初めに、超高齢化社会を迎えるに当たっての質問をいたします。  2025年問題、団塊の世代の方々が75歳以上になるという超高齢化社会を迎えます。鳥取県においては、全国平均以上の高齢化率であり、6年後には県人口の34%が高齢者、20%が75歳以上になられます。県政にとって最大の政策課題となってまいります。高齢者の方々が元気に生きがいを持って社会とのかかわり合いを持って生きていけるかどうかが鳥取県の活力を左右すると言っても過言ではありません。  実はこの高齢化社会対策については、4年前にも質問しております。現場の皆さんの声を伺う中で、高齢者の方々からさまざまな切実な声が寄せられたからであります。経済問題、年金問題と高齢者の働く機会の問題、生活保護の問題、生きがいの問題、健康の問題、介護や医療の問題、生活移動の問題など、さまざまでありました。特に単身高齢者世帯からは苦悩の状況をよくお聞きいたしました。高齢者の置かれている状況がさまざまであるがゆえに、その対策も難しいものがあります。細かにケース・バイ・ケースで対応する必要性を感じました。その中で、特に生活不安、ぎりぎりの生活水準の中で余裕のない生活、そのため生活に希望が持てない、人生に、生きていくことに希望が持てない、諦めが重なる中で老いていくことがないように政治は対応していくべきだと思いました。  私は、これまで常任委員会で、また、本会議一般質問で幾度となく高齢者対策を取り上げ、高齢者が住みやすい鳥取になるように取り組んできたつもりであります。高齢者総合対策の提案、高齢者の経済負担軽減、介護保険対策、健康づくり対策、健康マイレージ、介護支援ボランティア制度リバースモーゲージ制度、高齢者の交通手段の確保等々であります。これからもより高齢者が住みやすい地域になるように取り組んでいきたい、人生を最後まで謳歌できるように環境整備に取り組んでいくことを決意しております。平井知事も4期目に挑戦されるわけですが、超高齢化社会に対してどのように向かわれるのか、決意をお聞かせいただきたいと思います。  次に、まんが王国による鳥取県振興について質問をいたします。  楽天トラベルが開設する2018年訪日外国人客、インバウンド人気上昇都道府県ランキングで、鳥取の対前年の伸び率が189.6%増、約2.9倍で、全国で最も高かったという報道がありました。これまで観光産業振興に力を入れてきた私としては、大変うれしく思いました。鳥取県には、米子鬼太郎空港鳥取砂丘コナン空港、また、青山剛昌ふるさと館などアニメ由来のものが多く、アニメ人気に乗って好評を博していることも要因のようです。  私ども公明党会派は、かねてより観光振興としても、まんが王国の活用PRなどを知事へ要望してまいりました。2011年11月議会に向けて行った知事要望には、国際マンガサミット国際まんが博開催に向けて、まんが王国とっとり建国へ向けて思い切った目に見える世界の漫画・アニメファンをうならせる事業を実施することと大胆な事業展開を要望したのを鮮明に覚えております。翌年2012年夏に国際まんが博が開催され、それから6年がたちます。平成31年度予算案では、観光交流局を中心に漫画・アニメ関係事業が多く計上されており、事業展開が定着してきたと評価いたします。  県内市町村では、北栄町の「名探偵コナン」の青山剛昌ふるさと館鳥取砂丘コナン空港のにぎわい、境港市の「ゲゲゲの鬼太郎」、米子鬼太郎空港などを初め、岩美町の「Free!」の聖地巡礼などでは、鳥取市内にもその波動が及んでいます。また、中部地震での復興の大きな手助けともなりました「ひなビタ♪」などは、まちづくり、観光振興、地域の発信など、大いに役立っています。  これまで課題であったクリエーターの育成も徐々に進んでいるようです。デジタルコンテンツの漫画で「四十七大戦」というのが大好評で、そのテーマから鳥取県のPRにも大いに役立っています。その粗筋を読んでみますと、極東の島国日本の最果ての地、魔境鳥取は、人口の減少により崩壊の危機に直面する消滅可能性都市であった。この物語は、そんな不毛の地を必死に支える御当地神「鳥取さん」の奮闘の記録であるとあり、2018年WEBマンガ総選挙で見事第1位になった作品で、現在、第5巻まで連載中です。  また、まんが王国を進め、漫画・アニメ文化に理解のある鳥取県ということで、世界的に有名なフィギュアメーカーグッドスマイルカンパニーが日本に初めての製造拠点を倉吉に設置され、全国の若者から就職希望も集まりました。さらに倉吉市では、円形劇場くらよしフィギュアミュージアムもオープンしました。米子のデジタルハリウッドなどとともに産業分野でも大きく貢献しております。  漫画・アニメは、意思伝達の手段だけでなく、自己表現の手段であり、文化芸術であります。世界においてはクールジャパンの旗頭で、外国の方には魅力的なコンテンツであります。さまざまな観点で本県にとって新たな取り組みとなった漫画・アニメ事業でありますが、知事は、まんが王国とっとりの取り組みに対してどのように評価されるのか、お尋ねいたします。また、観光などを含めた経済効果は具体的にどうだったのか、できれば金額を上げてお答えください。  次に、GHP、ガスヒートポンプエアコンの導入について質問します。  昨年11月7日成立した国の2018年度補正予算には、学校の緊急安全確保対策、熱中症対策として公立小中学校へのエアコン設置費が計上されました。これまで公明党では、地方議員中心に、熱中症対策としてエアコン設置を進めてきた歴史があります。今から28年前の1991年、東京都港区の空調設備士だった区議会議員が学校のエアコン設置を粘り強く主張し実現、それを広げていって2014年には東京都内全域で普通教室の設置率をほぼ100%達成した実績があります。国においても、与党の一員として、公立小中学校などの普通教室全てにエアコンを設置することを求め、822億円の補正予算計上が実現しました。対象は、全国で未設置の約17万教室となっています。
     さて、普通教室へのエアコン設置がことしの夏に間に合うように、県内各自治体では昨年末の議会で予算化を急ぎ、既に進め始めていると仄聞しています。県でも必要な教室へ予算化がされていますが、県並びに市町村の進捗状況はどうなのか、現実的にことしの夏に間に合うのか、教育長に伺います。  また、一部で、エアコン機器は足りるのだろうか、設置するための人員が不足するのではないだろうかなど心配する声が上がっていますが、この点について知事にお尋ねをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、高齢者社会、超高齢化というお言葉を使われましたが、それにどういうふうに向かっていくのか、これから2025年に団塊の世代が75歳になってくると、そういうタイミングを捉えてというお話でございます。  これは非常にやはり一定のインパクトがあるだろうと思いますし、議員が今いろいろとこれまでの御提案されたことも含めてお話がございましたが、そうしたことに対して、これは市町村が割と主役になる分野ではありますけれども、市町村のサポートを我々もさせていただきながら進めていくべきものだというふうに強く認識をいたしております。  先ほどもお話がございましたように、本県でも34%の高齢化率に達するというのが2025年というお話でございますけれども、この年は恐らく今の試算では若桜町が55%の高齢化率、さらに、日野郡3町が56%、どの町も56%程度というふうに見込まれています。そういう意味で、実は濃淡がございまして、米子は多分3割ぐらいでありますけれども、34%をはるかに超えている町も出てくると。じわじわときいてくるわけでございますが、恐らく比較的率の低いところはさほど大きなインパクトはないかもしれませんが、大きいところは影響が懸念されるというふうに思われるだろうと思います。  実は現状を言いますと、一番少ないところは日吉津村が28%、しかし、一番多いところが日南町で52%であります。そうすると、実は今その超高齢化社会と言われるそういう状態というのは県内で既に発生しているのですね。日南町が既に5割を超えて52%ということであります。やはりそういうところでどういうふうにコミュニティーを維持していくのかということでありますが、お気づきと思いますけれども、では、それで一挙に何か地域が崩壊してしまうということにも必ずしもならない。要はやりようの問題ではないかというふうに思います。  日南町の場合は、前の増原町長さんも頑張られたということもあるわけでございますけれども、地域の中に、そこに通うような、通所して、それで住民主体でサービスを提供するというところをつくっていこうと。3年ほど前からそうしたことに取りかかられたのですが、今ではそれが43ございまして、各地域に全てできたというところでございます。そこでは、健康体操をされたり、多世代間の交流をしたり、いろんな教室をやってみたり、いわば高齢者の方が寄り合いながら、そこにさまざまな事業を行って、それで実は介護予防になったり、生きがいづくりになったりということであります。また、小さな拠点をつくろうということで、道の駅を一つの拠点にしながら、多里などの集落と結んだ地域交通も実験的に進められておられるなど、そういういわば一つのモデルができてきているところでございます。  こういうようなところでありまして、先週も大山礼子先生という地方制度調査会の方が来られましたけれども、やはり日南を見に行っているのですね。日南の場合は、例えば医療と福祉が共同して、ベッドはみんな病院のベッドだというふうに考えて、福祉のほうでも心配な人は医療のほうに行き、また、病院だけでも大変ですが、それを今度福祉のほうで回すようなこと、こういうことをやってみたり、いろいろと先導的なことがございます。また、林業を初めとして新しい産業興しも軌道に乗ってきている、そういう中には、LVLのような生産拠点ができたり、また、若い方々も就業を始めておられる。農業でも、お米づくりで全国の最高賞をとられたりする有機栽培のところも出てきている、こんなような形でいろいろとおもしろい手がかりがあるのだろうと思うのです。こういうようなことを、今申し上げましたように、確かに若桜町も含めて高齢化率は上がってきますけれども、ただ、そうした中で5割を超えてもこうやって生きていけるのだという例は先導的に我々もつくり始めているのではないかなと思います。  そこにさまざまな施策を組み合わせていく必要があります。例えば高齢者、元気シニアが活躍するような、そういうシニア人材バンクを開設をさせていただきました。こちらのほうでも既に2,000人を超える登録がございまして、800人、900人レベルで今年度も活躍をされておられます。これは有償でございますので、いわば大きなお金ではありませんけれども、みずからの経験を生かして地域に貢献するということが広がってきていますが、こういうのが議員の御提案の中からも生まれています。そうした介護ボランティアでそれを点数化しまして、それで介護保険料を事実上まけるというのを日南町もやっていまして、今申し上げたような中で参加される方がふえてきておられます。  また、リバースモーゲージも先導的施策として銀杏議員がこの議場で以前御披露された考え方ですけれども、今、大体これで4,000万円ぐらいの生活資金に変えて、それで、今、人生というものを謳歌されるという方もいらっしゃいます。これは10件ほどではあるのですけれども、ただ、着実にそうしたことも広がってきているのではないかと思いますし、これから高齢化がさらに進んでくれば、こういうリバースモーゲージを本県でも導入しましたけれども、こうした制度の活用者も広がってくるかもしれないというところであります。  さらに、総合的なケアができる包括ケアというものを進めなければいけない。これもたびたび議場でも指摘をされてきて、近年急速にこれを広げていかなければいけないというところで、ただ、市町村がついていかないという議論が多かったですが、ここに来て全ての市町村で地域包括ケアの体制が整いました。ということは、認知症ケアだとか、そうしたことの一つ一つの基準をクリアしてきているということであります。ですから、ここ数年で一応の体制もできつつあり、そういう中で、日南町のように52%でも元気にやっているところも出てきている、そういうことでありますので、これを横展開をしながら、本県は幸か不幸か高齢化の先進県でありますので、そのノウハウを今後に生かしていくということがよろしいのではないかなというふうに思います。  次に、漫画・アニメ事業について、このまんが王国の取り組み、観光を含めた取り組みをどう評価するのか、また、経済的な効果はどうかと、こういうことでございます。  これにつきましては、銀杏議員が平成23年の要望のお話をされましたけれども、力強くこうした漫画・アニメという素材を何とか地域振興に生かしていけないかと、こういうことをおっしゃられ、まんが博の後押しをしていただきました。あのころと今とを比較していただければ、大分成果も上がり、さま違いになってきているというふうに思います。例えば、あのとき水木しげるロードが要は売り出し中のころでございました。現在リニューアルもできて274万人というお客様が来ておられます。それから青山剛昌ふるさと館、これも15万人ぐらいことしは数えていますが、急速にここに来て外国人が伸びてきたのですね、3万人ぐらい外国の方がおられるということでございます。  事ほどさようでございまして、経済効果も生まれてきていると思います。経済効果の金額の数字というのは、実はあちこちゲリラ的にやっているものですから、十分そこの算出はできておりませんけれども、わかりやすいところでいえば、鳥取砂丘コナン空港のリニューアルをさせていただいて、あれから今、半年余りぐらいですけれども、30万人というお客様が来ておられるわけですね。それは13倍ぐらいの集客規模に前年よりも膨らんでいるわけです。この方々が食事をされたり、買い物をされたりします。最近はリピーター的な方もふえてきているようでございまして、1人当たりの金額もふえてきている状況がございます。つまりコナン空港のグッズ目当てで買って帰られるというような方々が出てきているということではないかなと思います。  こんなような経済効果があちこちでも出てきております。「Free!」につきましても、ここ5年ほどで、レンタサイクルで周遊される、これは観光協会が支援されていますけれども、そうしたレンタサイクルの利用者が倍になっているということでございます。  また、「ひなビタ♪」も、あの震災での風評被害がございました。何とか鳥取県は元気にやっていますよと、それを訴えてくれと被災地の観光業者などが痛切な声を上げておられました。我々も初動からそうした風評被害対策に乗り出したわけであります。そんな中で、11月に入りまして「ひなビタ♪」でイベントをして、そうした被災地を応援しようというふうにしましたら、全国から1,000人以上の方がお集まりになられました。それで、それぞれのお店に入られて、おばちゃんとか言って声をかけられて、本当にいい子たちだというふうに地元でも感激したというお話が残っています。一番早く帰ってきたのは、外国人とこういうアニメファンの根強い方々でいらっしゃいました。  また、最近はフィギュアミュージアムもできたりしていますが、それの先走りになったのが御指摘ありましたグッドスマイルカンパニーでございます。これも本県でのそういうクリエーティブな活動を支援しようということに引かれまして、安藝さんという社長さんがこちらに決められたということでございました。今では、びーふるというやはりフィギュアの会社も倉吉のほうに立地をするということで、後続企業が出てきている状態になっております。  御指摘ございました「四十七大戦」、これは一二三さんという漫画家が書かれておられるのですけれども、その漫画家の方と私もお会いをさせていただきましたが、お話で聞こえてきたのは、実はスタバはないけれども砂場があると言って頑張っていると、そんな鳥取県に興味を持って、これを漫画にしてやろうということで始まったのだそうであります。比較的若い女性に非常に人気があるようでございまして、イベントに行きますとそんな状況であり、2.5次元舞台を来年度鳥取でもやるということでありまして、これがまた結構評判になっています。東京の新宿とうちでしかやらないということでありまして、ネットでも発表されてから、すぐ絶対に鳥取に行くというような声が上がってきています。こういう方々を実はいろいろと場面としては、例えば白バラ牛乳だとかとうふちくわだとか、いろんなものが実は武器といいますか、ネタとして取り上げられているのですね。松葉ガニも大きなネタになっているのですけれども、そういうものを見て歩いたり、食べて歩いたりするような、そういうツアーにつなげて新しい聖地巡礼ができないかなと、この辺も次なるところではないかと思います。  また、ついこの週末は、「ヒマチの嬢王」という新しい漫画ですけれども、既にコミックが2冊出ていまして、好評ですので多分3冊目もそう遠くないうちに出るのではないかなと思いますが、これも小学館系でされておられるわけでございますけれども、その方にもお会いをさせていただきました。茅原クレセさんという、そういう漫画家でございます。先ほどの一二三さんもこの茅原クレセさんも顔出しNGという、最近そうなのですかね、漫画家ですけれども、人前には出ないと、こういう条件で活動されておられる方でありまして、私も顔を見たわけではなくて、マスクをつけた形でお会いをさせていただきました。  これが、また非常に評判になっているのは、小さな鳥取というところ、米子というところで全国制覇を目指すのだと、テーストとしては本県がやっている地域おこしに近いものがございまして、勇気を与えるような、そういう内容になっています。この漫画がさらにスピンアウト、影響していますのは、例えばビール祭りを今、米子のまちでは熱心にされておられます。高島屋の隣のところなのですが、それもこの漫画とコラボしたそういう展開に入ってきたり、全国のほうでも知られる漫画になっておりまして、ネットでも結構出ています。  そんなようなことで、「TABIZINE」というネットサイトがちょうどけさリリースされたわけでありますが、そこで、議員がおっしゃった外国人の好まれるランキングのことが出ていまして、鳥取が1位になったと。それには、やはり2つの空港が漫画であるというようなことなど、外国のアニメファンにとってはたまらないものではないかと。これからそうした「ヒマチの嬢王」などももっと売り出したらどうだろうかと、こんなようなトーンで書かれておられました。  こんなように、今、平成23年に公明党さんから要望をいただいたころから考えますと、まさに雲泥の差でございまして、本当に漫画・アニメが継続効果を生み出し、地域振興になり、多くの方々が国内外からやってきて、被災のときも平常時も我々を励ましたり、経済効果をもたらすそういう存在になってきています。そんな意味で、議員の御提案が今日に生きているなというふうに感謝を申し上げる次第であります。  私のほうには、3点目として、エアコンの機器や設置工事について、人員不足が懸念される状況ではないかと、こういうお尋ねがございました。  これは、詳細は教育委員会のほうからお話があると思いますが、小中学校で既に2,000の採択がございます。それが一遍に来ると大変なことでございます。そこで、私どもとしても対策を考えなければいけないかなというふうに思っているところでございます。  現実にも、私自身も、年明け早々、県管工事業協会の皆さんがお見えになりまして、今エアコンの工事が出るのは非常にありがたいけれども、一遍に出てきているので、対応ができないと。そこで、県の工事等でその辺の配慮ができないかと、こういうお話がございました。人員不足が現実に起きています。特に室外機と室内機を結ぶ冷媒を結ぶ管があります。そこのところが技術が必要なのですけれども、この技術者が不足をしているというのが顕著なようです。ダイキンあるいは三菱重工を初めとした大手のエアコンメーカーは実は増産をかけていまして、そのメーカーのほうで供給不足になるというような状況ではないと思われます。しかし、現場での人員不足、技術者不足が深刻になってきつつあるということであります。  そこで、公立学校のエアコン工事に限って、その技術者の現場代理人の兼務現場を3件まで緩和をするというのを今暫定的な基準として県は運用を始めさせていただきました。また、市町村の小中学校の工事が多分優先するのだと思います。そこで、県のほうの工事については、そうした状況もにらみながら、今、新年度の当初で提案させていただいておりますけれども、11月補正で出した分も執行を見送り、新年度のほうでの市町村の様子も見ながら発注をしていくという、そんなような対応にして、新設の小中学校のエアコンのほうがスムーズに設置できるように我々も発注時期でも配慮していこうというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)銀杏議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私のほうには、普通教室へのエアコン整備の進捗状況についてお尋ねがございました。  市町村におきましては、国の今回設けられました特例交付金を活用して早くから発注準備に取りかかっておられまして、今回100%を目指して整備するというところが3市8町ございますけれども、そのうち5町でもう既に発注済みということでございますし、残りの3市3町につきましても、今、年度末に向けて発注準備を行うという、そんな進捗状況になっておるところでございます。  完成時期につきましても、既に発注している5町については、これは恐らく夏に間に合うような形で整備ができるのではないかなというふうにお伺いしているところですが、残りの特に市部につきましては、全てをこの夏に間に合わせるようなことにはならないのではないかなというふうに思っておるところでございます。これは先ほど知事のほうでも御答弁いただきましたけれども、いろんな主任技術者でありますとか現場の責任者、そうしたところについての緩和もいただいているわけですが、学校のほうで、学校を運営しながら工事をしていくということについて、若干、例えば土日を利用してやるだとか長期の休みを利用してやるだとか、そうした整備の仕方が通常でありますので、できるだけ学校運営に支障がないように整備をしていくということも一方で求められるので、そうした状況になっているのではないかというふうに思います。  一方、県立学校につきましては、既に普通教室は100%になっておりますので、これは今回、夏までに整備が間に合わなくても当面の支障はないということで、これもさき方、知事のほうから答弁ございましたが、市町村の状況を見ながら、その発注時期については営繕課のほうでも調整をいただくという形にさせていただいているところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)答弁をいただきました。重ねて質問をさせていただきます。  超高齢化社会を迎えるに当たってということにつきましては、県内市町村で大分ばらつきが高齢化率につきましてはあるのだよという中で、現在52%の高齢化率の日南の例を引いていただきました。いろんな取り組み、小さな拠点であったり、地域に通う拠点をつくろうというふうなこと、医療と介護のベッドの共有化のようなお話もしていただきましたし、産業振興、林業、農業についてお話もいただきました。こうした日南町のような例を今後横展開をするに当たって、県もしっかりと支援をさせていただきたいということで答弁をいただきました。また、私のほうでこれまで提案してきたことにつきましても、評価をいただき、また、現在も活用されているというお話も伺いました。  また、その中で、地域包括ケアが全ての市町村で体制が整ってきたので、今後、日南町のように52%を超えるような高齢化になってまいりましても、元気にされているような例、こうしたものと同じようにいけるのではないかというふうなこともお聞きしたところであります。  この高齢者の全体的な取り組みと同時に、一人一人の皆さんの経済的な部分というのが特に心配でありまして、単身高齢者の方、特に国民年金だけで生活をされている高齢者の方、こうした高齢者の方が病気などにかかってまいりますと、医療費等もあります。いろんな体も悪くなって外に出にくくなったりとか、そんなことで大変苦労されておるというふうなお話をよく聞くわけでございます。  一方、生活保護を受けますと、医療扶助も受けれますし、その他の保険料や税金の免除といったこともあって、これまでずっと年金保険料を納めてきた方々よりも生活保護を受けたほうがよりよい生活ができるという、ちょっと倫理的に納得するのが難しいようなことが現実あるわけですね。前からずっとこれは思ってきたわけでありますけれども、そうしたところをどういうふうに整理をして対策をとっていくのかということを、これからも私としても何かしら国に対しても申し上げ、また、鳥取県内でもいろんな対策ができないか考えていきたいなというふうに決意をしております。  それで、次に、まんが王国による鳥取県振興でありますけれども、国際まんが博から今日まで事業を継続してきたことは、本当に無駄ではなくて、大きく花開いているというふうなことでございました。  そうしたことでございますけれども、大きな経済効果とともに、何か楽しい鳥取県、興味と関心と注目をもたらして、この鳥取県自体のイメージアップという大きな効果もあっただろうというふうに思います。かつて鳥取県は島根県の右側、それとも左側とよく言われたものでありますけれども、まんが王国を初め各種の施策によって鳥取県の存在感が増してきている、必ずこれは県民によい効果となって返ってくるのだろうなというふうに思っております。国際まんが博から7年目でありますが、県内において定着してきた感があるわけですが、今後は、この文化を大きく開きゆくことが必要ではないかというふうに考えます。今後の漫画・アニメの振興と活用について、課題と展望を知事にお尋ねをしたいと思います。  また、まんが王国で鳥取県振興に多大な貢献をされました水木しげる先生、そして青山剛昌先生には、鳥取県がその功績を顕彰すべきだと思います。既に水木しげる先生には名誉県民の称号を贈らせていただいておりますが、両先生とも県民栄誉賞の贈呈を検討されてはいかがかと思いますが、知事にお尋ねをいたします。  GHP、ガスヒートポンプエアコンの導入であります。  この夏に町村については間に合いそうな感じなのだけれども、市部についてはなかなか難しいのではないかというふうなことで、県としても、十分県のほうは後回しにしてでも市町村のエアコンを優先的にするのだとか、技術者や現場の責任者、この必置義務のところを少し緩やかにされて工事に取りかかるようにしたいというふうなお話でもございました。  もう一つアイデアといたしまして、GHP、ガスヒートポンプエアコンなど、この別方式、架線系の電気エアコンと違いまして、別方式のエアコン採用も進めれば課題解決できるのではないかとも思いますけれども、これは教育長にお伺いをしたいと思います。  昨年の岡山、広島などの豪雨災害、また、台風災害、さらには、多発する地震災害で長期間にわたりまして停電が起こった事例も報告をされております。LPガスで動くガスヒートポンプ冷暖房エアコンとか、停電時にもエアコンや電気器具が使える自立型のGHPエアコンなどは災害時に大変有用であると思います。県内でも既に取り入れられている学校も多くあるようでございます。学校施設は時に避難所としても活用されます。地域によっては頼みの綱の施設でもあります。公明党会派は、これまで2回にわたってこの自立型、自分から発電をするGHPエアコンの設置を知事に要望いたしました。  この自立型GHPエアコン、この特徴としましては、1つには、災害時の空調や非常用電源に利用ができる、2番目に、電力、都市ガス系が途絶したときにも自立運転ができる、経済性にもすぐれておる、省エネ性にすぐれ、二酸化炭素の排出がほかの石油系に比べて少ない、その結果、環境負荷も少ないと。そして電力ピークカットに貢献できると、こうした優位性があるようでございます。  知事、執行部のこれまでの要望に対する回答としましては、機器費用、維持管理費用も割高になる一面があるとして、今後の整備に際しては、災害時の対応の要否を踏まえつつ、コスト低減も図りながら、対象施設に最適な方法を選定するというふうにされております。  一方、全国LPガス協会というのがございまして、実はその試算ではGHPエアコンのランニングコストは低いと。初期投資コストの回収も早くて、年がたつにつれて電気エアコンよりも低廉になるというふうに試算もされておるようです。今後のエアコン設置を進める上で、電気だけに頼るのは危険で、多様な選択肢として積極的にこのGHPエアコン、特に自立型のものも含めて検討されるべきだと思います。特に地域的に避難所として重要な学校施設に対しては必要性が大きいと思いますので、導入を検討すべきと思いますが、これは知事、教育長の所見を求めたいと思います。よろしくお願いします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏県議から重ねてお尋ねがございました。  まず、高齢者の問題につきましては、議員がおっしゃったように、非常に構造的に難しい課題がこれから全国的にもクローズアップされてくると思います。確かに年金生活者、そして生活保護の関係、ともにやはり安心して老後を過ごせるようにということでさまざまな施策を考えなければならず、また、年金に対する負担ということも若い世代も通じてこれから出てくるわけであります。今、消費税を引き上げようというようなことを新年度予定をされているわけでありますが、そうした中で、社会保障のあり方というのも一つ一つ大きな形でメスを入れて、整合性がある持続可能な我が国の地域社会というものを考えていかなければなりませんし、社会保障のあり方というのを見直す時期に今来ているのだろうと思います。  今、公明党も精力的に与党の一角としてこうした議論を国のほうで行っておられますけれども、我々としても現場の声というのを今後も上げていって、そうしたふぐあい、あるいは今後必要なことを積極的に国のほうにも提言をしてまいりたいと思います。  漫画につきましては、お尋ねがございましたけれども、先ほど申しましたように、今かなり鳥取の漫画の魅力、アニメの魅力というのは国内外のほうでも捉えられるようになり、先ほどの楽天の統計もそうですし、あるいはガイジンポットというのもそうでありますが、その辺の売り出しというのが軌道に乗り始めていると。これの地歩を固めていかなければならないのではないかなと思います。例えば「名探偵コナン」も、このまんが王国のころは鳥取が「名探偵コナン」のイメージと余り重なっていなかったと思います。ようやく青山剛昌ふるさと館ができたのですけれども、当時のお客さんの数と今の数では全然違います。しかも米花商店街ということになってきました。これも去年以上にまたことしは売っているということでございまして、お客さんもふえてきているようですし、あの辺を実際歩かれている、そういう観光客の姿も見かけることが多くなってきたと思います。こんなように今いい形の変化ができていますので、これをさらにムーブメントとして盛り上げていくことが方向性かなと思います。  例えば名探偵コナンまつりというのを毎年夏にやっていますが、昨年の夏の名探偵コナンまつりは1,000人余りぐらいのキャパシティーに対して4,600人の応募があったのですね。非常に倍率が年々上がってきています。だから、こうしたことというのは、鳥取の「名探偵コナン」のイメージアップにつながっていると思いますし、それで、来られたお客様が空港に行ったり、あるいは北栄町に行ってお買い物をされたり、見て歩いておられまして、結構興奮ぎみに帰っていくのですね。それは、ネット等でもそれがツイート、リツイートされていまして、やはり波及効果が出てきているかなと思います。  また、この週末に行いました国際マンガコンテストも、今では50カ国近い国から作品が寄せられるようになってきておりまして、ロシア、マレーシア、台湾の方の姿もございましたし、中国の廊坊市からの視察団、これはマンガサミットをやりたいというところでありまして、そうした視察団も来られていました。やはり漫画の聖地として売り出す意味で、こうした国外も含めた発信というのは一つのポイントになるのではないかなというふうに思います。  また、若い方々の中では、声優魂という声優のコンテストがありますが、鳥取西高校の生徒さんも含めて活躍をされて、優勝者も全国大会で出てきています。結構そうした意味で人材といいますか、若い方々の夢や挑戦のあり方として、ここ鳥取でやってきたことがきいてきているものもあるのかなと。実は茅原クレセさんという方も鳥取の中部の御出身でございまして、だから漫画にスイカが出てきたり、いろいろと米子だけではない中部テーストも入っています。そんなようなことでございまして、こうしたことをさらに積極的に推進して、入り込み客や、あるいは観光や、あるいは人材の面でも私たちのほうでも挑戦のサポートを引き続きやっていくのかなと思います。  そういう中、水木しげる先生と青山剛昌先生の県民栄誉賞のお話がございました。実は同じことは我々もこれまで考えてまいりまして、ただ、いろいろ試行錯誤、紆余曲折ございます。実は水木先生サイドともいろいろお話もさせていただいた上で、米子鬼太郎空港に改名をするときに、先生のほうに名誉県民になっていただくと、その名誉県民という称号を差し上げることで先生のほうとも交渉させていただきました。先生は非常に喜ばれて、こういう名誉県民となったことを誇りに思っておられまして、私たち地元の思いは伝わったと思いますし、それが、この鳥取がふるさとだよという全国や世界に対するプレゼンテーションにもなっていると思います。実は先生、調布のほうでもそうした称号がございまして、なかなかちょっと幾つも同じようなことというのは難しいのですけれども、私どものほうは名誉県民という形で対処させていただきました。  青山先生サイドともそうした試みをしたこともありますが、今のところ、まだそういうお話の取りまとめには至っておりません。ただ、今後も機会を捉えてそうした可能性を探ってまいりたいと思いますが、これは御本人のお考えもございますし、私どものほうのやり方ということもあろうかと思います。  ちなみに、県民栄誉賞は、どちらかというと県内在住者が中心でございまして、ロンドンオリンピックの川中選手、ああいうメダリストだとか、森下広一さんもそうなのですけれども、そうした方の賞という意味合いがありまして、国外に住まわれている方と同じ考え方で水木先生のほうには名誉県民として称号を差し上げたということでございました。国外では、例えば朴三求さんというアシアナ航空の会長さんとかは名誉県民としてなっていただいたことがございます。そういうようなことでありますが、今後とも可能性を探ってまいります。  また、3点目として、ガスヒートポンプのエアコンのお話がございました。  県内の高校で15校そうしたサイトがございます。鳥取西高校とか八頭高校とか幾つかのサイトでございまして、議員も御指摘ございましたが、利害得失があるものですからその利害得失を考えながら選定をしていますし、その中に防災という考え方も今後大切な問題でございますので、選定の際にはクローズアップさせていただきたいと思います。ほかにも県立武道館等もございまして、この県立武道館なども、このたびエアコンの更新を予定をしたりしているのですけれども、そうしたところにもGHP、ガスヒートポンプが入っております。  典型的にわかりやすいのは鳥取西高校のケースかなと思うのですが、あそこでも教室あるいは特別教室、そして事務管理系のところ、そういうところにガスヒートポンプを入れさせていただいていますけれども、ガスヒートポンプは重量が重いなど、そういう課題もあるのですが、ただ、電気と違ったよさもありまして、鳥取西高校の場合は地下に文化財があるのですね。だから掘れないと。そういう意味でも、いろいろと経費を考えるとガスヒートポンプのほうがそういうこともあって有利性が出ました。ですからケース・バイ・ケースで、こういうことを考えて今後とも採用すべきときにしっかりと導入をさせていただきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)銀杏議員から重ねてガスヒートポンプエアコンの導入につきましてお尋ねがございました。  先ほど知事のほうから御答弁がありましたが、県立学校では既に15校についてこのガスヒートポンプエアコンの導入をしておるところでございますが、いろいろ会派の要望等も踏まえて、私どもも市町村の施設整備の担当が集まる会などでこのGHPの紹介などさせていただいておりまして、そうした関係もあってだと思いますが、このたびの整備の中にも、このGHPの導入を決めておられる町もありますし、また、市部のほうでも、そうしたことも含めた検討がなされているというふうにお伺いをしておるところでございます。  これは、どちらかにしなければならないということではなくて、学校ごとの状況がいろいろあるのだと思います。例えば、そのままの状況でエアコンが整備できる学校であれば電気のほうが整備も含めて安いのだけれども、受電設備も含めて整備しないといけないというような状況が出てくれば、このGHPというほうが優位性が高まるというような状況もいろいろあると思います。それぞれの整備に応じて、用途、そういったところも含めて必要な機器を選定をしていく、そうしたことが今後しっかりと進むように市町村のほうにも情報提供してまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)答弁いただきました。  水木しげる先生、青山剛昌先生に対する功績を顕彰すべきだということで、今後とも可能性を探っていくということでございましたので、よろしくお願いをいたします。  それで、このまんが王国でありますけれども、これまで何回も知事要望の中で要望させていただきました谷口ジロー先生を含めた鳥取県東部に漫画・アニメの殿堂を設置すること、これはぜひとも本腰を入れて検討していただきたいというふうに思います。これから欧米からの訪日客も本県にふえてくると思われます。ヨーロッパでは芸術的な漫画に対する評価が特に高いようでありまして、谷口ジロー先生がフランス政府芸術文化勲章、シュヴァリエ章を受賞されていることなどに端的にあらわれているわけであります。本県では、画風の違う漫画の3大巨匠を輩出しているということが大変大きな特徴でありまして、そのうちの1人、谷口ジロー先生の作品と人物を顕彰し、その世界に浸ることができる施設がないというのが本当に残念でなりません。県ですること、市ですること、いろいろあるでしょうけれども、ぜひ東部に恒常的に接する機会が欲しい、そういう施設をつくるべきだと私は思います。  また、まんが王国事業で本県は巨匠、里中満智子先生とのおつき合いが始まって、万葉歴史館での作品展や講演会などを開いていただいております。さらに、本県出身の漫画家も多数おられ、それらの方々を一同に紹介する場があれば、それも大変魅力的なものになると思います。幸い東部には場所的にも候補は幾つかあろうと思います。今、鳥取県立博物館の今後について検討がなされていますが、県博もその候補場所の一つになろうかと思います。東部に谷口ジローワールドの記念館、また、本県まんが王国ゆかりの漫画家展示施設を設置することについて知事の所見を伺います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねてまんが王国につきましてお話がございました。  谷口ジロー先生は、国際マンガサミット、また、国際まんが博のほうにもお出ましいただきまして、御夫妻で親しくお話もさせていただきました。本当にすばらしい方でいらっしゃり、研究熱心で、大山の麓でつくっていますカエルのフィギュア、爬虫類のフィギュアなどを御購入されて帰られるなど、非常にこの世界に芸術家として向かっておられるのかなというようにも思いました。そういうことがいわばよい方向で作用しているのだと思うのですが、フランスのほうではバンド・デシネという伝統がありますけれども、いわゆる漫画なのですが、バンド・デシネという一種の芸術の一分野のように捉えられます。そういう中でシュヴァリエをとられるということにもなったわけであり、海外でも評価がございます。  こういうことで何らかの顕彰事業をというのは、実はこれまで我々も接触をしていましたし、特に元魚町1丁目さんなど地元のほうで、鳥取市もそういうふうにいろいろとトライをされた時期もございます。いろいろと御議論は自由闊達にこういう形でいただくのですけれども、実現するのはなかなかハードルもあるわけで、ハードルというか、解決しなければならない課題もいろいろあります。水木しげる先生でいえば、境港市が長い年月をかけて水木先生とも関係をつくられて記念館を市のほうで設置をされました。私どももそのパイプを何とかつなげようということで、今度、生誕祭ということをして、実はそうした著作権サイドと一つの関係というのをしっかりつくってきているわけであります。  青山剛昌ふるさと館ができましたけれども、なかなかコナン関係の展開が図れなかったのがしばらくございました。それで、私どもも国際まんが博を一つの契機としまして、そういう著作権サイド、小学館、集英社のほうと我々のほうでもパイプをつくらせていただき、最近では、米花商店街等いろんな展開が図れるようになり、空港もできるということになってきましたが、かなりハードルの高いところを乗り越えて、今、非常に協力的に対応してくださっておられます。  実は谷口ジロー先生に今おっしゃるようなそういう何らかの東部等で拠点を考えられないかということで、いろんな作品もございますし、その収蔵のお世話等もできるのではないかという考え方で、私自身、谷口ジロー先生のアトリエにお伺いをし、そうしたことを打診をしたこともございますし、長くその辺もお話をさせてきていただいているところでございますが、先生が先年お亡くなりになられまして、それで、現在は著作権はパピエという法人が管理をされることになり、また、奥様のほうでされておられます会社のほうで著作権関連のビジネスもされるというような形になっています。  ですから、今、その辺の関係性も再構築をしようということで、例えば先生を顕彰する事業として展示会などをさせていただきました。先生がお亡くなりになったとき、私も、葬儀といいますか、お見送り、お別れの会に東京のほうに行きまして、そういう関係者ともお話をさせていただき、鳥取のほうでも顕彰事業をやりましょうということで、こちらのほうでも顕彰事業をしていただきました。そこで、作品もこちらのほうに持ってきていただき、御家族も含めていろいろと関係もつくっていただいたところでございました。実はこれが非常に先方としては手応えを感じていただいたそうでありまして、東京で同じような谷口ジロー展をやったとき以上に鳥取のほうの入場者が多かったというのが現実であります。したがいまして、地元としての鳥取市というところの大切さは認識をいただいているというのが現状かなというふうに思っておりまして、これをフォローアップするための、またギャラリーでの展示等を新年度のほうでも考えさせていただきたいと思います。一つずつ関係性もつくりながら、議員がおっしゃるような展開の可能性というのを探っていくのではないかなと思います。  また、元魚町1丁目のほうでも、これは地元として顕彰したいということで、従来から芸術祭をされておられます。そういう中でも谷口ジロー先生を取り上げておられます。こうしたことも今後の展開になろうかと思いますが、これは鳥取市のほうでもそうしたことを知っておられまして、鳥取市としても、そうした地元での顕彰事業というあり方を考えておられると伺っております。 ◯議長(稲田寿久君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)答弁いただきました。引き続き、谷口ジロー先生の顕彰につきましては、また取り組んでいただければというふうに思います。  GHPエアコンでありますけれども、特に自立型につきましては、体育館とか公民館などの避難所への設置というのが必要ではないかというふうに考えております。地域住民の安全が保てるように、県と市町村がよく協議をして、協力して整備充実を進めるべきだというふうに思います。あくまでも行政目線ではなくて、住民目線で進めていかなければいけないというふうに思います。特に防災でございますので、命にかかわる問題であります。経費の問題等もあると思いますけれども、それでちゅうちょして手おくれになってしまったということがないように、必要な施設整備は進めなくてはいけないと思います。  特に鳥取県東部におきましては、鳥取大地震が起きましてそれから久しく地震が起こっていないということで、地震に対する備えとしても必要だと思います。昨年の北海道でのブラックアウトの発生や地震発生による広域の電力喪失などございました。災害時などでの電力の供給は1方式に頼るべきではなく、多様性があったほうがよいと思います。先ほどの御答弁では、特に県有施設で武道館のお話もしていただきましたし、鳥取西高校のお話もしていただきました。それぞれ適否といいますか、優位性を見きわめながら対応していきたいという御答弁だったと思いますが、この災害対策、避難所対応といった点でもぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。  昨年の県東部の豪雨災害では、避難所に自家発電機がなくて、また、冷房も設置されていなかったなどの報告が千代川の明日を語る会でなされたとも仄聞をしております。そうした異常気象に備えるためにも、架線系に頼らなくてもよい自立型GHPエアコンという導入を進めるべきではないか。  また、非常用電源は総合事務所であったり、県庁でもありますけれども、重油型のものだと思うのですが、重油型でありますと、やはり日もちがしないのですね。1年か2年たつと腐っていって使えなくなってしまって、故障の原因にもなったりすると。LPガスは20年でも30年でも使えるということでありますので、そうした劣化しにくいという優位性もあるということでありますし、また、環境省で地域の防災・減災と低炭素化を同時実現する自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業というのが昨年の補正予算、また、31年度の当初予算の補助事業として実は計上されておるようでございます。優位な補助率だというふうにも聞いておりますが、そうした国のほうでも自立型GHPエアコンについてこの対象の設備に加えられておるということでございます。そういうことも勘案されまして、ぜひとも避難所への自立型GHPエアコンの設置を検討いただきたいと思いますので、これについても答弁をお願いいたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから重ねてお尋ねがございました。  結論から申し上げれば、そういう環境省の助成制度もできましたし、災害のことも考えて、避難所は市町村が多いのですが、市町村としてもその辺も考慮していただけるように我々としても働きかけをしてまいりたいと思います。  ただ、もちろん災害のことも、それから経費のことも、また、その場の特性のこともいろいろと踏まえてやっていかなければなりませんので、それぞれの現場、現場での判断ということにはなろうかと思いますが、本県でもこれまでも鳥取西高校を初めとして導入例も出ているのは、やはり比較優位に立つ場合も十分あるということでありますし、そこに災害の際の自立的に電力を確保するというようなことも考慮要素になるだろうと思います。  ちなみに、本県でもそうしたブラックアウト対策、北海道の地震、このたびまた大きな地震がございましたが、そういうことに鑑みて今次の予算の中にも、電気自動車からそのまま避難所の電力、1台の自動車で大体半日ぐらいもちます。そのぐらいの供給量があるわけでありますが、それのインバーターといいますか、交換機、その接続の機械を10台入れてはどうかということを入れさせてもらっていますし、いざというときの30台の可搬型の発電機、これも備蓄をさせていただいております。いろいろとそうした災害時の対応、バックアップ体制も考えていかなければなりません。  GHPの場合、重量があるものですから、水害が多いところで例えば2階に設置するとか、そういうことがやりにくいところがあります。そういうようなことはありますけれども、ただ、その土地の形状や、あるいは例えば電線の関係とか、いろんなことでも優位性は災害時も出てこようかというふうにも思われます。先ほど県庁舎の話もございましたが、県庁の場合はかなり大がかりな施設でありまして、この電力を緊急時にGHPで賄おうということで更新を考えると、ざっと820台以上のGHPが必要になるということでありまして、ちょっと現実的ではなかなかないのかもしれません。ですから、やはり議員がおっしゃるような小さな避難所のようなところ、公民館とか、そうしたところのほうが恐らく優位性は働きやすいのではないかなというふうに思います。今後ともよく市町村のほうに情報提供してまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)4番福浜隆宏議員 ◯4番(福浜隆宏君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。任期最後の質問、今回4つの項目を取り上げました。結果的に、このうちの3項目は、次の時代を担う子供たちに関するテーマとなりました。大人と違って子供たちは、みずからがみずからの環境を選ぶには限界があります。だからこそ保護者が、地域が、そして社会が子供たち一人一人の可能性、その翼を大きく伸ばして、将来、力強く羽ばたけるよう大応援団となる、これが我々大人の一番大きなミッション、使命ではないかと考えます。古巣のテレビ局にいた当時から、そして政治家を志したときから、そして現在にこの思いに変わりはありません。このことを強く念頭に置いて質問に入ります。
     まず、児童虐待防止に向けた取り組みについて知事にお尋ねします。  千葉県野田市で発生した事件、とうとい命をなぜ社会が救えなかったのか、そして我が鳥取県でも人ごとではありません。本県での虐待件数のうち、県内3カ所にある児童相談所に通告があった件数を見ると、平成20年ごろまでは150件程度で推移していましたが、平成27年の465件をピークに、過去5年間平均するとおよそ380件前後で推移していて、ざっと2倍超です。ただ、これは悲観的に見るべき数字ではなく、子供たちと直接接している幼稚園や保育園、学校関係者あるいは御近所の方々の虐待の早期発見に対する意識が高まったそのあらわれではないかと推察します。実際、通告を受けた児童相談所が虐待と認定した件数は、過去10年間80件前後で推移していて、目立った増加は見られません。  しかし、年間80件ある事案の中で1つでも対応を見誤ると、お子さんの命に直結する、そういう事態になるおそれがあります。鳥取県の場合、児童相談所が東部、中部、西部の3カ所にあり、国の基準を上回る職員が配置され、しかもその全員が児童福祉司の資格を持っています。その専門職が現場を担い、対応は、国の基準である48時間以内ではなく、24時間以内に対応するとなっていて、これも全国と比べて充実した体制です。  一方、虐待を受けたお子さんの一時保護や施設入所の措置を解除するというのは、それこそ命にかかわる問題だけにとてつもなく重い判断と責任を伴います。そして解除したとしても、その後により深刻な虐待が発生する場合もあることを絶えず念頭に置いて、最低6カ月間は児童相談所の担当者を中心に関係機関が保護者を指導していくことになっています。ただ、なぜ虐待してしまうのか、その背景を掘り下げていくと、保護者自身がかつて親から虐待された過去があった、経済的に困窮し心に余裕がない、仕事や育児のストレスなど、それぞれに深刻な事情を抱えているとされています。こうした複合的な背景を抱えている保護者の立ち直りを支援する体制は本当に現状のままでいいと言えるのでしょうか。  ある専門家は、子供の保護、いわゆる家庭に介入する担当者と、その後の支援に当たる担当者は分けたほうがいいのではないかと提言している人もいます。介入に当たった担当者に対する保護者の気持ちは、敵とみなすケースが多いことが想像され、その後の支援で信頼関係を一からまた構築していくのは、普通に考えてもとても容易とは思えません。もちろん支援と介入、どちらも同じチームが行った場合がいい場合もあるでしょうが、いま一度そのありようについて見直す段階ではないかと考えます。知事のお考えをお聞かせください。  2つ目に、ビーチスポーツ、日本一の砂場がある鳥取流に言いかえますと、砂場スポーツの今後というテーマで知事にお尋ねします。  ことし9月には、全日本ビーチサッカー大会が鳥取市の賀露海岸を会場に3日間の日程で開催されることが決定しました。この大会は、JFA、日本サッカー協会が主催するビーチサッカー国内最高峰の大会です。過去13回の開催地を見ると、沖縄県が最も多く8回、兵庫県の明石市が2回、ほかは熊本、和歌山、岡山が1回ずつとなっていて、日本海側では鳥取県が初めての開催地になります。  大会に係る運営費の大半は日本サッカー協会が担うことになっていますので、運営自治体に関する負担はゼロ、地元にとっては願ったりかなったりとも言えます。それだけに鳥取県としては、全国から来県する選手や役員、ビーチサッカーファンに対する観光面でのアプローチやおもてなし、そして全国トップ選手が集うビーチサッカーを見に行こうという地元県民の機運を最大限に高めていただきたいと思います。  といいますのも、過去13回の平均集客数を見ると、3日間トータルで大体1,000人から1,500人程度ということで、仮に今回賀露海岸に2,000人を超すような来場者を記録することになれば、日本サッカー協会に対するアピールポイントが高まるのはもちろん間違いなく、2回目、3回目の誘致も視野に入ってくると思います。そこで、知事には、まず、この大会に向けての意気込みをお尋ねしたいと思います。  ところで、このビーチサッカーを含めたビーチスポーツは、今後の伸び代が非常に楽しみなジャンルです。世界的に見ますと、IOC国際オリンピック委員会が、アメリカのサンディエゴでことしの10月、ワールドビーチゲームズと銘打ってIOCとして初の第1回国際大会を開催することになっています。ビーチサッカーにビーチバレー、カイトサーフィン、水上スキー、ウエークボード、BMXサイクリング、デュアスロンなど17の競技に世界100カ国以上から2,000人のトップアスリートが集結する予定になっています。また、アジアオリンピック評議会の主催でアジアビーチゲームズが過去4回開催されていて、国内でも東京のお台場でプレ大会が催されました。こうした潮流を見据えて考えると、今回の全日本ビーチサッカー大会は一つのイベントとして捉えるのではなく、中長期的な視点に立って考える起爆剤として捉えるべきだと思います。  では、なぜそこまで鳥取県がビーチスポーツに入れ込む必要があるのか。それは、鳥取県に日本一の砂場があるからにほかありません。従来、競技スポーツに対する行政支援は、国体があるから、オリンピックがあるから、あるいはインターハイがあるからなど、大会に向けた選手育成や強化に主眼が置かれています。これは決して間違ってはいないと思います。しかし、ビーチスポーツの場合、鳥取県では別のベクトルが必要ではないでしょうか。ここに、日本一の砂場、日本一の舞台があるからという、これまでになかった新たな方向性です。  実は今回、日本海側で初めて開催される全日本ビーチサッカー大会の誘致に向けて最初に活動を始めたのは、鳥取市で生まれ育った一人の青年です。彼は、鳥取砂丘とビーチスポーツ、鳥取砂丘と砂遊びをひっつけたら、もっと多くの人が国内外から呼び込める、地域の活性化につながっていく、この信念のもと、仲間と一緒に一般社団法人すなばスポーツを設立しました。サッカー、バレー、テニス、ドッジボールなど、各競技団体の皆さんの支援を受けながら、また、砂場を使った幼児教育や傘踊りなど教育や文化との融合にまで手を広げ、「すなば王国」の具現化に汗を流してきたのです。その成果の一つが今回の全日本ビーチサッカー大会の誘致につながりました。  私は、日本一カニがとれる県、日本一星が見える県と同様に、砂場スポーツは鳥取県を国内外に売り込んでいく単なる観光要素だけではなく、移住定住にまでつながっていく地方創生の切り札の一つになり得ると考えます。日本一の砂場があると胸を張った平井知事だからこそ、この思いを共感していただけるものと思いますが、いかがでしょう、お尋ねいたします。  次に、鳥取県の今後の教育について、知事と教育長にお尋ねします。  お手元に、議長の許可を得まして資料1と2を配付しています。全国学力・学習状況調査の過去10年間の結果をグラフ化したもので、県内全ての教育現場に通知され、また、ホームページでも公開されています。これを見ますと、鳥取県の学力、ここ数年、全国平均を下回る傾向に陥っています。かつて教育王国と言われた鳥取県がこうした事態に陥るというのは、正直予想していませんでした。学力は数字にあらわれるものだけではない、ある面、数字に踊らされてほしくはないという気持ちがあるのも事実です。  といいますのも、現状について、教育現場のある方から話を聞きますと、学力テストの数値が低かった特に西日本のほかの府県では、ここ数年、小学5年生の段階から学力テスト対策として、国語、算数、理科を重点に指導している、学力テスト前には模擬テストまで行っている、学テ対策を全く行っていないのは西日本では鳥取県ぐらいという話でした。つまり学テの結果が低かった府県が学テに特化した指導を行った結果、全国の平均値が上がり、見た目、鳥取県の学力が下がったように映っているという指摘だったのです。  実際、毎回、学テの結果が高い青森、秋田、福井と鳥取県の差は、10年前とここ数年も変わっていないということでした。しかし、だからといって甘えてはいけないと思います。青森や秋田、福井との差が縮まっていないからです。また、お手元にありますように、算数の勉強が好きと答える児童が年々下がってきています。知事はどのように思われているのか、まずお尋ねします。  そして原因は何なのか、その対策について教育長にお尋ねします。また、青森、秋田、福井と鳥取県では一体何が違うのか、分析されているようであれば、ぜひお聞かせください。  ところで、先日、中学校の校長先生を務められたOBにお会いしまして話を聞きました。私と同様、その先生も現状を憂慮されていて、気づかされる点が幾つかありましたので、御紹介します。  この校長先生は、赴任された中学校では、当時、年間30日以上休む長期欠席児童の生徒が全校で40人いたそうです。ところが、年々数が減っていき、転任された4年後には1桁まで数が減り、その翌年にはついにゼロになったそうです。先生、どんなマジックを使ったのですかと聞きますと、大きく言うと2つ、1つは、学校の玄関を大きくあけたこと、そしてもう一つが、先生に対して、もっと心底学校を楽しめ、こう言ったそうです。  まず、玄関をあけっ広げにしたのは、地域の方に信頼されて愛される学校に生まれ変わるという姿勢、それをわかりやすくするため、きれいに掃除をする、挨拶をしっかりするという当たり前のことをきっちりやれば、地域の目が変わり、褒めてもらえる。学校が変わった、生徒が変わった、それが生徒の自信につながっていくということです。  そして先生が学校を楽しめというのは、わかりやすい授業づくり、丁寧な授業をすれば必ず子供たちが食らいついてくる。ただ、そんな授業はすぐにできないから、校内研究授業を徹底的にふやしていったそうです。当初は、忙しいからできないと現場の教員から反発が強く、希望する先生はほんの数人だけでのスタートだったそうです。しかし、回を重ねるうちに参加する先生がどんどんふえていって、授業改革について学年や教科に分かれてチームで話し合うようになっていった。すると、生徒の反応が見る見るよくなっていって、校長先生、授業が楽しくなってきましたという反応が、生徒だけではなく先生からも聞かれるようになったということだったのです。  極めて大切な示唆がこの中に潜んでいると僕は思いました。この先生が憂慮されていたのは、校内の研究授業の回数とか土日を使った研究大会が以前と比べると極端に少なくなる傾向にある、ましてや働き方改革が叫ばれているだけに、教え方の基礎を先生がお互いに高め合う時間が果たして現場にあるのだろうか、今、ベテランの先生がどんどん退職を迎え、新しい先生がどんどん入ってきます。今その過渡期にある、だからこそこれが大切だという話でした。  教育長、この元校長が指摘されたわかりやすい授業づくり、その教育の基礎の基礎の部分をしっかり築き上げる必要性についてどうお考えなのか、そのために、現場にしっかり高め合う時間が本当にあるのか、その余裕があるのか、お尋ねします。  壇上の最後に、放課後児童クラブ関連で知事にお伺いします。  放課後児童クラブの支援員については、2015年度から、クラブごとに支援員を2人以上置くこと、そして都道府県が行う研修を修了した人が支援に当たることが児童福祉法において従うべき基準とされました。しかし、支援員のなり手が少ない中、とりわけ中山間地や僻地ではこの従うべき基準が障害となって、クラブをつくりたくてもつくれないという弊害が起きているという地方側の声に応える形で、去年暮れ、政府は従うべき基準を参酌すべき基準に改め、市町村が地域の実情に応じた運営が可能になりました。ですから私はこのたびの緩和措置を評価しています。  ところが、今回の2月県議会に向け、従うべき基準の堅持を求め国に意見書を提出してほしいという陳情が鳥取県学童保育連絡協議会より提出されました。この団体は、放課後児童クラブの支援員が構成メンバーです。まさに当事者の現場の声ということで、重く受けとめる必要がある。そこで、複数の関係者から直接話を伺い、何を懸念されているのか、自分なりに理解することができました。  極端なケース、例えば営利追求型のクラブができ上がった場合、1人でも子供を見ることができるではないかとか、支援員を探したけれども見つからなかったので、やむなく5人の子供を1人が見るなどと参酌すべき基準を悪用するケースが起きかねない、それでは子供たちの安全を守れないということを訴えたい、そういう事情でした。なぜ基準が緩和されたのか、その趣旨が現場でねじ曲がることがないよう、市町村が極めて限定化して捉えること、つまり支援員2人以上配置が原則ということの徹底、そして県としても、子供の安全を主眼に置き、市町村への気配り、目配りを強めることを求めているということでした。  この現場の声に対する知事の所見をお尋ねし、壇上での質問とします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、児童虐待防止につきまして、複合的な背景を抱えている保護者の立ち直り、これを支援すること等にいろいろと今後メスを入れていく必要があるのではないかと、こういうお話でございます。  この児童虐待問題は、このたび千葉県の野田市の例がクローズアップされています。鳥取県内でも、これまでも例がなかったわけではありません。実はそうしたことを繰り返す中で、鳥取県では、そうした事象を踏まえた対策を強化をしてまいりました。その結果が、議員がおっしゃいましたけれども、基準以上に配置をした、東部、中部、西部の児童保護の施設、さらには、専門職員だけで構成をしているという、全国でも千葉の野田とかとは大分様子が違う形になってきています。  そういうところで、あと我々のほうで特に重視しているのは、やはり現場の連係プレーであります。これも大切なところでありまして、要対協という言葉がありますが、要保護児童対策地域協議会というものがございます。同様の組織は各地でも設けられています。私どもの場合、警察とか教育機関とか市町村とか、また、関係団体とかが入って、そこに児童相談所が入り、それでケースの共有を図りまして、正直、非常にケースが難しさが増せば、例えば警察だとか市町村だとか教育だとかを含めて協働でやっていかないといけないケースというのがざらにあるわけでございます。  こういうものを動かすことが大事であります。今回のケースはどうだったか、ちょっと詳細はよくわかりませんけれども、現場の感覚からすると、そこで、要は通り一遍だけの集まりを持ってもしようがないわけですね。その個別のケースについて積極的に各主体がかかわって連携をしていくということでないと、なかなかうまくいかない。本県も、そういう意味でそこのところをこれまでも強化してきたところでありますし、このたび警察と私どもでも改めて話し合いをして、児童相談所が抱える全部のケースについて警察とも情報共有をするというふうに内容の強化を図らさせていただいております。  そうした中、今回も複合的な要因があるのではないか。例えば母親については、DVがあったということも最近報道されております。こうした虐待の背景としてよく言われますのは、保護者の心理的要因ということとか、あるいは養育環境の問題だとか、それからそのほかのさまざまな社会的要因があるのではないかということが言われるわけであります。議員がおっしゃったように、自分も小さいときに虐待を受けていたと、その虐待の連鎖と言われるような、そういう心理的要因ということもありましょうし、また、夫婦仲であるとか、そうしたことや経済的な事柄、いろいろと複合的に入ってくる可能性がございます。ですから、虐待を単に防止するために、いわば一時保護して、それをすることだけでなくて、またいずれ帰るのであれば、その家庭のほうも再構築していかなければならない。この辺が非常に難しいことであります。  それで、よくこういうような家庭の再構築についてだとか、こうした家庭との接し方としていろんな手法があるのですが、サインズ・オブ・セーフティ・アプローチと言われるオーストラリアで生まれたようなやり方とかございまして、実は現場の本県もこうした手法というものを勉強もし、適用もしということもしてきております。例えばポジティブな考え方、こういうものも持って、その家庭の持つプラスの面というものもきちんと捉えて、それを強化をすることによってやっていけないかとか、それから課題を解決していく力ということを考える。最終的には安全プランと言われるような、そういうものをつくってやっていく。結構、理論的なアプローチも含めて現場のほうで対応をさせていただいているのが実情であります。  今回その辺が千葉のケースはうまくいっていたのかなというようなことは今後いろいろと解明されてくると思いますけれども、難しさがあるのかもしれません。議員がおっしゃるように、そうした親の再教育、いわゆるペアレントトレーニングと言われるようなこともありましょう。これについても、かつてCSPという手法を導入して本県でもやってきておりましたけれども、最近は、本県の場合は機中八策というトレーニング方法、これを入れています。理解するとか聞くとか、そうした褒めるや、あるいは子供が変わるのを待つとか、要は子供のしつけが、しつけがという割とキーワードが出てきます、しつけのためにやったのだと。ですから、そういう意味で、子供というのは心もありますし、それからまだある意味未熟でありますから、子供が変わるのを待つとかそういうことも必要なのですけれども、そうしたポイントを捉えてペアレントトレーニングをやっていくと。機中八策という手法なのですけれども、これは実は開発段階で本県の児相もかかわってつくっているものですから、無料でこうしたプログラムを私どもも活用できると、こんなことを実はやってきております。  ですから、こうしたことを今後とも徹底をして、ケースを的確に捉えてそれに対応したペアレントトレーニングが必要であればそういうことをやったり、アプローチの仕方としてもサインズ・オブ・セーフティ・アプローチというような、そういうようなことも応用していったり、今後もそういう展開をしていくのかなというふうに思いますし、また、児相の現場の強化も必要だと思います。この辺は、新年度以降、厚労省のほうが今、基準の見直しや児相のあり方を考えつつございまして、そういうこともフォローしながら対応していくのかなと思います。  そういう中、議員がおっしゃったことで、虐待防止のために一時保護する段階と、それからその後の家族の再構築ということもありますけれども、そうしたところでの家族への介入、指導というようなこと、この辺を分けたほうがいいのではないかという組織論のお話も出てきているということでございますが、これについては実は現場で賛否両論あります。それは、あればそれにこしたことはないかもしれないという議論もあるわけでありますが、片方で、そうはいってもどちらも児童相談所になってしまうので、児童相談所に対する警戒心が取れるとか、まして同じ人が出ていったら同じことになると。現在もそこは非常に苦労するところでありまして、現場の悩みはあるわけでありますが、これも今、厚労省のほうで議論を進めておられますので、そうした専門家の考え方というのも参考にしていく必要があるかなと思っております。  次に、全日本ビーチサッカー大会、そして砂場スポーツにつきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、私も何度かお会いしていますが、岸本雄司さんを初めとして、すなばスポーツの皆さんが今回、日本サッカー協会との関係もつくって誘致されたということでありまして、非常にすばらしいことだと思いますし、これを含めて日本一の砂場ということをキーにして地域振興を図っていく、そういう取り組みを応援をし、強化もしていく必要があるかなと思います。  今回のこのビーチサッカーの全国大会でございますけれども、サッカー協会のほうでバックアップも当然あるわけでありますから、その辺は非常にいい話でございます。ただ、これから多分、岸本さんを初めすなばスポーツの皆さんでいろいろと相談事なり体制づくりをされるのだと思いますが、9月に向けて準備をしていかなければなりません。9月ですから海水浴のシーズンの後ということにはなりますが、ただ、それでも日に1,000人だとか、そういうお客さんが見に来られるということになった場合の駐車場をどうするかとか、多分たちまち課題も出てくるだろうと思います。ですから、恐らくすなばスポーツさんだけで当然解決できないこともあろうかと思いますが、それは市のほうにも多分相談もされるでありましょうし、県としても、そうした相談も今後させていただいて、円滑にこの大会が成功できるように私たちもバックアップをさせていただきたいと思います。  ちなみに、県の関係でのコンベンションビューローでは、早速助成ということを決めさせていただいたところでもございますし、いろんな形でのアプローチをさせていただき、いわばビーチサッカーの聖地のような、そういう位置づけを鳥取県の砂丘地、賀露も含めてそういう名声をかち取ることができればよろしいかなというふうに思います。  このビーチサッカーだけでなくて、先ほどしゃんしゃん傘踊りのお話もありましたし、あるいはドッジボールの大会であるとか、すなばスポーツさんのほうでそういう砂丘の楽しみ方というのを広げていただいて、そこに県外のお客様も引き込むことに成功しておられます。最近は、例えばサンドボードなども年間4,000人のお客さんが来られるようになりますし、また、パラグライダーも2,000人規模になってきました。かつては細々とやっていた感がございますけれども、私どももこういう観光のアクティビティーを国内外を発信をしていることもありまして、海外の方もこうしたサンドボードなどにやってきて遊んで帰られるというようなことも出てきております。ある意味、そうした意味でここもさま変わりしてきたところだと思います。  この辺は、砂丘の使い方ということなのですが、このたび鳥取県と鳥取市のほうで協調して、国の協力も得て鳥取砂丘再生会議を鳥取砂丘未来会議に改組をし、そこには、こういうすなばスポーツさんを含めたアクティビティーの方々も入ってきていただきまして、これからこうした砂丘の使い方として楽しみ方をもっと広げていこうと、こういうように今かじも切らさせていただいたところであります。先般もサンドというキャラクターを使いまして「二度サンドおいでキャンペーン」というポケモンGOを絡めたことをさせていただきましたが、あのときスタンプラリーをいたしましたけれども、1,000人を超える方々が参加をされました。これはスタンプラリーは中西部も行くわけです。そういうように広がりを持って、砂丘を一つのきっかけとして全県の観光振興につなげていく、そういうことにもなりますので、こういうアクティビティーというのは非常に大事ではないかなというふうに思います。ぜひとも今後も支援をさせていただきたいと思います。  次に、学力の問題につきましてお尋ねがございました。  詳細は、教育委員会のほうでお話があろうかと思います。  議員もおっしゃったように、鳥取県は特に朝読などもございまして、国語系を中心として全国平均をかなり上回っていました。しかし、平成25年くらいまでは全国平均を上回る状況が続きましたが、最近は年々これが低下をしてきておりまして、学力テストでのスコアは平均を下回る科目がふえてきて、今かつての状況とはさま変わり、一変してきているところであります。実は、これは数字だけでもないというのもそういうことでありまして、本当の学ぶ力を育てなければいけない。  それで、私も提案させていただいたこともありますが、例えばエキスパート教員というのをつくろうと、こういうのを平成20年代に広げていきまして、今ではかなり数もふえて180人以上の方がエキスパート教員になっておられる、そうした授業ですね、先ほど研究授業の話がございましたけれども、こういうものの輪を広げていこうと。平成28年からは、インターネットというか、ウエブサイト上でこの授業も見られるようにして、それを教員の間でも共有してもらおうとか、いろんなことをしているのですけれども、ただ、結果がつながっていないということであります。実はテキストというか、ドリル、とりっこドリルというのをつくったり、さまざまなことの手は打ってはきているのですけれども、動かないと。議員が先ほどおっしゃったように、最後は現場の教員、結局、教育というのは教室の中で全ては起こっているわけでありまして、その現場をどう活性化させていくかと、そういうことなのかなと思います。  議員もおっしゃいましたけれども、私もつくづく感じているのですが、学校の先生は非常に使命感を持ってこの世界に入ってきています。ですから、子供たちの成長する姿に重ねて喜びを感じるわけです。まして将来、福浜県議とか、こういうような形で活躍している子が教え子だということになれば、それはまたプライドにもなって、自分の人生、生きていてよかったと、これが実は教師の感性だと思うのです。ですから、学力向上だとか体力向上だとか、さまざまなそうしたことは一つのとらわれた概念として、何かそれで忙しくなり過ぎるのではないかとか、こういうようなことで打ち消されてしまうことだけでもないと私は思います。  実は県庁職員もそうでありまして、地域で地域をよくしたいということでやはり入ってくるわけでありますから、そこを上手にくすぐることができれば、いろんなマシンが回り始めることがありまして、地域活性化にも火がついていくということになるわけです。同じことが教育の現場でも起き得るはずでございまして、いろいろと私も教育委員会のほうに申し上げておりましたけれども、このたび学力向上に向けた検討委員会を設置をされておられます。また、今、現場回りをして、既に100校以上、教育の指導主事が回られてきておられまして、いろいろと今後そうした学力向上にも向けて対策がとられることになればというふうに御期待を申し上げております。  いろんなタイプのことがありまして、私もかつて教育委員会と議論したことがあるのですけれども、小学校と中学校、ここのところでいろんなプロブレムが起きるわけですね。中1プロブレム、こういうことがないようにするために、それをつなげたようなことをやるべきではないかと。例えば中ノ郷中学校であれば、中ノ郷小学校と浜坂小学校、それを全部ひっくるめて小中学校通じての授業研究を始めておられるのですね。例えば春休みの課題を共通で出されるとか、そんなことをされ始めました。そしたら、先ほどの学力向上という面ではスコアが顕著に上がってきているのですね。ですから、我々も側面的にサポートさせていただきますが、やはり現場の活性化というのをいろんな形で起こしていったり、そうした学校のつなぎのところの段差を解消したり、いろんなことを今後もやっていく必要があるかなと思っておりまして、私どもも教育大綱の中で述べさせて協定を教育委員会と結んでおりますが、それに基づく施策を応援をしてまいりたいと思います。  最後に、放課後児童クラブについてお話がございました。この基準緩和の趣旨がどういうようなことなのか、これについての対策はどうかと、こういうことでございます。  これは、文科省のほうが結構変遷をしたわけですね。それで、いろいろと基準を強化してきた面があるのです。従うべき基準ということになっていまして、放課後児童クラブについて2人の資格職員を置かなければいけないとか、そんなようなことなど、また、その資格の取得のあり方等も含めて広がってきました。  それで、実は現場が困っているのですね。そこで働いておられる方々のことももちろんありますけれども、子供さんを預けたい親御さんであるとか、それから市町村、また、大体公民館とか学校とかを活用しているわけでありますが、そうしたところの職員さんの見ている状況なども含めて、どうも現場に合わなくなってきているということなのですね。  それで、私どもの県の中でも実はそうした状況がございまして、ある町では、放課後児童クラブがありますけれども、その放課後児童クラブで、もちろんある程度の規模のところもありますが、8人のところもある。その中には3人とか1人とか、そういう日もあるわけですね。たった1人でも、あけなければいけない。そのときに2人どうしても指導員を置かなければいけない。それを、では、8人というのは、つまり子供の規模が小さいくらいですから、実は集落の規模も小さいわけですよね。そういうところで2人用意をしようと思うと大変でありまして、放課後児童クラブが続けられなくなってしまうのではないかと。  それで、現場の町の感覚からいいますと、実はそこは公民館なのですね。公民館なので、公民館の館長さんだとか公民館の職員もいるわけです。ですから、子供たちの安全を見守るには十分な体制がある中で、そこで放課後児童クラブを実は開いて、そこに今度そうした指導員というのを2人強制的に配置させられていると、こんなようなことであります。ですから、放課後児童クラブがなくなってしまいますと、そうしたところは皆さん親御さんも非常に困ってしまいますし、子供たちの健全な成長ということでも課題を生じてしまう。ですから、この2人という一律な基準は現場に合わないのではないかと、こういう声が上がるわけであります。  また、別のところでは、現在6時まで放課後児童クラブをあけているわけでありますけれども、親御さんとか地域の状況から、それを7時まで延長したいと。しかし、実はその延長する時間帯に、それを必要とする子供さんの数はそんなに多くないのですね。大体6時ごろになると皆さん帰ってしまう。ただ、やはりもう少し預けないと困るという方がいらっしゃると。では、そのときに例えば1人延長して7時までということで、7時まであける放課後児童クラブにしようと思うと、6時から7時まで絶対に2人いなければいけないのかと。それでは、ちょっと町のほうでは用意できないと。実は働く人の都合もあるわけですから、放課後児童クラブで面倒を見ていただく指導員の状況もございますので、延ばすのであると、ちょっとこの基準が困るということになってきて、悲鳴が上がったということもあるわけです。  だから、皆さん実は真面目に考えて、子供たちのために何とか放課後児童クラブをつくってあげたい、そのサービスを提供したい、しかし、それがなかなか鳥取県のような規模の小さいところではみんな苦労してしまっているというような状況が生まれているわけでありまして、全国的なものを展開されている大都市部の方々とはちょっと状況が違うのですね。ですから、そこは一律に考える必要はないのではないですかということで、市長会、町村会等で声が上がり、知事会もともに地方団体として協力をしまして分権の要望を出させていただきました。  昨年の11月に総理官邸で会議が開かれたとき、知事会の分権担当としてこのテーマを申し上げました。そしたら安倍総理は、これは実は列席していた知事もびっくりしたのですけれども、いや、それはもう市町村が現場でお父さん、お母さんが困るような基準を設けるはずがないと、こういうことこそ分権すべきだというふうにおっしゃいまして、それでみんなびっくりしたのですけれども、実はこれはいろんな事情があってなかなか実現困難ではないかというふうな危機感を地方団体側は持っていたのですね。それが、その日を多分境にして一変したのかもしれません。最終的には、これは国のほうでもこのたび閣議決定に入る、法案化ということになってきました。こんなようなことでございまして、今回、分権の一つのテーマとして市町村の念願が認められたという状況になりました。  今の議論の経過を聞いていただけばおわかりかと思うのですが、別に現場での保育の質を低下させようということでは狙いはなくて、全く違うわけでございまして、実際に今その需要がどんどん膨らんできている、保育所の待機児童問題と一緒でありまして、どんどんと現場での必要とする声が広がってきている中で、そうした地域の皆さん、また、子育てで苦労されているお父さん、お母さんたちの御意見を何とか入れようとして、それで、そのためには、もう本当に面倒を見切れる範囲のことでありますけれども、この程度のことであれば十分安全は確保できるという確信のもとに、実は市町村のほうで緩和をするということであります。ですから、それ以上のことを誰も望んでいるわけではございませんので、そこを全部まぜ返して議論されると、多分話が混乱してしまうのではないかなというふうに思います。本県でもそうした実情がありまして、そうしたことも御考慮いただければと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)福浜議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私のほうには、全国学力・学習状況調査結果に見る学力の伸び悩みの原因あるいは対策等についてまずお尋ねがございました。  資料でも示されているとおり、過去10年間の推移を見てみますと、学力の底上げが必要な状況があるというふうに私どもも危機感をある意味持って結果を受けとめておるところでございます。  この10年間、我々のほうも手をこまねいて何もやってきていないわけではございませんで、ドリルをつくってみたり、あるいはモデル授業の取り組みなどをやりながら、授業改善に取り組みながら学力を底上げしていこうというふうに取り組んできたわけでございますが、その手を打っているものが必ずしも子供たちの学力の向上に生かされていない部分があるのではないかなというふうに思っております。ここを抜本的にもう一度、原因あるいは対策等を見直していこうということで、本年度、例えば国立教育政策研究所の千々布先生でありますとか、あるいは兵庫教育大学大学院の浅野先生など外部のアドバイザーにも入っていただきまして、この学力の向上に向けての取り組みについて対応、検討してきたところでございます。  いろいろ御指摘もアドバイザーの方からいただいておりまして、例えば、お話のありました秋田県だとか福井県の状況を見てみますと、平均点を見るとああいう上位にあるわけですけれども、さらに、その平均に至るまでの学校の分布を見ますと、秋田県あるいは福井県は大体どの学校も平均以上にあると。鳥取県を初め多くの学校は平均はあるのだけれども、学校の分布が、もう平均よりもかなり下回る学校からかなり上回る学校まで幅広く分布をしているということでございまして、これはどういうことかというと、秋田あるいは福井ではかなり授業の水準が一定レベル以上に保たれているのではないかということが想定されるわけでございます。こうしたことなどを踏まえて本県の状況を見てみたときに、必ずしも我々県の教育委員会が考える施策でありますとか学力向上、そうしたことについての考え方が市町村でありますとか学校現場と十分に共有できているのかといったような視点での課題が一つあるのではないかなというふうに思いますし、また、学習指導要領が改訂をされている中、教員においては大量退職、大量採用の時期を迎えておりまして、こうしたことが進む中で、いわゆる授業技術的なものがベテランから若手にしっかりと引き継ぎができているのだろうかといったような観点が指摘をされております。  そうしたことを踏まえて、今年度は、まずもって授業をしっかりと見つつ学校現場と意見交換をさせていただこうということで、指導主事が各学校に出向いていって、特に算数の授業を見させていただく中で、どういう課題があるのか、どういう困り事があるのか、そうしたことについて把握をしてきたところでございます。  そうした中で、実際、少人数学級ということも行っておりますので、かなり丁寧な指導が学校現場では行われているわけでございますが、丁寧な指導を意識する余りに、例えば導入の部分ですごく時間をかけ過ぎて、最終的に、その一定の1こまの時間の中で最後までいかずに途中切れになってしまったりというような授業も散見されるといったようなこともわかってきました。  こうしたことについて、いわゆる授業の1こまの進め方のポイントみたいなものを秋田県あるいは福井県というものはしっかり県のほうでもつくっておられて、そのポイントが現場でも共有されているということがわかりましたので、そうしたことについて鳥取県でも再度現場としっかりと共有をしながら進めていこうというふうに今考えておるところでございまして、実際モデル地域においてそうした授業改善のポイントを焦点化したようなものを現場にしっかりと示すとともに、わかったということ、あるいは楽しいそうした授業に向けて、これを教員のほうにも見える化をしていこうということで、単元ごとに確認のテストみたいなものをやっていこうということで、市町村の教育委員会と県の教育委員会とが連携をして、単元ごとの確認のテストをつくってそれを単元の終わりにやってもらうと。そこについて、本当に子供たちが理解できているのかどうなのかというのを丁寧に見取りながら、できていない場合には、どこに教える側に課題があったのかというところを自分たちで振り返りながら授業の改善につなげていこうという取り組みを始めております。また、活用について特に問題集を新たにつくりまして、そうしたことを通じて授業改善を行っていこうという取り組みを今行っておるところでございます。  こうした取り組みの成果を今年度やっておりますものを検証しつつ、引き続きこの授業改善のポイントを焦点化して示すということは、今モデル地域だけでやっていますが、それを全体に広げていくというようなことも進めてまいりたいというふうに思っております。また、定期的な学校訪問あるいは模範となるような授業というものをしっかりと示していこうということも今考えておるところでございまして、先ほど知事の御答弁にもありましたエキスパート教員によるモデル授業、これをしっかりと参考にしていただこうということで、ウエブにも載せますし、また、そのいわゆる解説をしっかりしていく。我々素人がエキスパートの授業を見てどこがいいのかというのはわからないのですけれども、それを例えば若手の教員にも、ここがポイントだよというのを押さえた形で解説をしていく、そんなことも工夫をしながら取り組んでいきたいというふうに思っておるところでございます。  また、プロジェクトチームの委員の皆さんから、福井県の取り組みの中で、ここ福井県というのは、伝統的に学校内あるいは教育研究団体の活動の中で教員同士が学び合うという、そういう学校文化というのがしっかりとできているということで、さらにそれに加えて、家庭でありますとか地域の皆さんの協力意識が非常に高いということで、これは一朝一夕にまねできるものではないよということも指摘をされておるわけでございますが、この教員が教え合う風土をつくっていくということ、これはすぐすぐ効果は出ないのかもしれませんが、我々としても目指していきたいというふうに思っております。  来年度に向けて考えておりますのが、ベテラン教員と若手の教員がチームティーチングをするという中で、学び合うというか、教え合う、そういった場を設定できないかということで、特に少人数学級による学級編制のメリットを生かしながら、教科によっては分けたものをまたひっつけて、その中でベテラン教員と若手教員がチームティーチングをするといったような、そうした弾力化も図りながら取り組みを進めていければというふうに思っております。いずれにせよ、このプロジェクトチームを来年度も引き続き設置をしながら、そこの中で外部アドバイザーの意見なども伺いつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。  また、関連して、元校長先生のお話というのがございまして、それについてどう考えるかということですが、この2点について、学校の門と玄関を大きく開く、あるいはわかりやすい授業づくりについて、これはいずれも私も大切なことだなというふうに思います。前段のほうは、特に地域との連携という部分というのは、今、県のほうでも進めておりまして、これまでも学校支援ボランティアの制度をつくったりということでありますとか、コミュニティースクールを進めてきたりということを行ってきておりますが、引き続きこれも取り組んでまいりたいというふうに思っております。  また、わかりやすい授業づくりにつきましては、子供たちがわかった、できたという達成感を味わうということで、学びの楽しさを実感する、あるいは次の学びの意欲につながっていくということで、こうしたことがひいては不登校を少なくしていくということにもつながっていくと思いますし、子供たちが変わっていくということがまさに教員の側のモチベーションのアップにもつながっていくというふうに思っておりまして、こうしたことにつきまして、先ほどは学力向上という観点で話をしましたが、わかった、わかりやすい授業づくりということを引き続き取り組んでまいりたいというふうに思っております。  それに関して、こうしたことを非常に忙しい中でお互いを高め合う時間がとれるのかどうなのかというお話もありましたが、まさに先ほどもお話を伺っていまして、この鍵を握っているのは学校現場の管理職ではないかなというふうに思っています。先ほどの校長先生も、特に県教委が何をしたということではないけれども、学校が校長によって変わっていった、まさにそれを物語るものではないかなというふうに思っておりまして、そうしたことについて、管理職の学校経営力というものも非常に大事だという指摘もプロジェクトチームの中で出てきておりますので、管理職をしっかり支援していくということもこれから県教委としては一つの柱として取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)教育長、時間が押しておりますので、少し発言を簡潔にお願いをいたします。  4番福浜議員 ◯4番(福浜隆宏君)御答弁いただきました。  通告はしていないのですけれども、放課後児童クラブについてなのですけれども、知事が言われたこれまでの経緯も十分理解はできますし、現場の支援員の方々もそういう向きがあるというのは重々わかった上なのですけれども、一番危惧されているのは、要するに2人以上の基準というものが、1人でもいいではないかというふうに野方図にひとり歩きしないことを市町村のほうに徹底していただきたいということが意見書のほうの要望につながっているというところをぜひわかっていただきたいというか、おわかりいただいているからこそ、しっかりと安全を担保した上でやっていくという市町村の先ほどのお答えにあったのですが、そこの部分をもう一度明確に御答弁いただければと思います。  虐待の件です。介入と支援についての考え方も先ほど御披露いただきまして、今、国のほうでもこれを検討中ということなので、その結果を受けて鳥取県としての対応をまたお考えになるという方向性もよくわかりました。  ただ、要対協の話もありましたが、やはり児童相談所が一つの扇のかなめになっていろんな各関係機関との連携に入っていくと、これはもう介入も支援も両方そうだと思います。だからこそ現場の職員の皆さんの負担感というのは本当に相当だろうなというふうに、つまり働き方改革と言われている中で一番改革しづらい部門の一つではないかと。実際、いつ何どき虐待というのは通報があるかわかりません。実際、現場では、24時間2人体制で毎日当番を決めて対応に当たっていらっしゃるそうです。一方で、保護者や家庭の支援というものは、特に仕事を持っていらっしゃる方が大半ですから、実際に対応に当たる時間というのは夕方以降になってしまうわけですよね。ですから、もう5時半で帰るというわけにはいかないというのが本当に児童相談所の支援のほうの現状でもあると。  つらつら考えていくと、やはり思い切った方向転換もある面必要なのかなというふうに思います。支援と介入と大きく切り分けた場合に、私は、支援のほうはやはり児童相談所に担っていただきたい。ただ、最初の介入、初動については、もっと市町村のほうに御尽力いただける余地があるのではないかと。  これは通報を受けたときに明らかに深刻だという場合は、もうこれは当然児童相談所の方が行くべきだと思いますが、初動で24時間以内に確認というところになった場合は、やはり住民に一番近い、距離的にも近い市町村がまず動くべき部分も多分にあるのではないかなというふうに思うのですけれども、このあたり当然責任は児相あるいは県のほうにあるとはいえ、まず初動で市町村に行ってもらう。そこのやりとりをちゃんと児相も確認をした上で次を考えていくという、まさにその扇のかなめの部分の児相のあり方と動きの部分も今、児相が全て担っているという段階の中で、連携が続いているなという自分としては認識を持っています。ですから、その初動についての市町村のありようというのをやはり検討すべき時期に来たのではないかなというふうに思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から重ねてお尋ねがございました。  まず、放課後児童クラブにつきましては、議員のおっしゃる趣旨でございまして、そのように御理解いただければ結構かと思います。処遇を悪くするというような意味ではなくて、子供たちの安全を当然に図るということであり、今まで2人という一定の基準があったわけでありまして、それを市町村が現場の実情で緩和することができる。それによって、例えば6時のものを7時まで延長するとか、今そういうことを実際に考えている町も出てきています。そんなようなことで対処していくというのが筋合いでございますので、そのように御理解をいただければと思います。  また、虐待でございますけれども、これは児童系統の法律の改正やシステムの改正などもあり、市町村も虐待通告を受理する立場でございます。したがいまして、今、私どもも働きかけを始めてきておりますが、市町村のほうで、そういう虐待関係、家庭の総合支援センターのようなものをやはりつくらなければいけないのではないか、これをそうやって市町村も設置をしていただくなど、虐待等の状況に対処するような、そういう体制をつくる必要があるのではないか、このように考えております。  そうであるわけでありますが、市町村も、では、すぐに変われないわけでありますから、そういう意味で、児童相談所と市町村とのパイプをふだんからさらに密にしていくことが必要かもしれません。そういう意味で、今、今後検討すべきことになるかなと思いますのは、児童相談所の中にも市町村とのパイプを務めるような、そういうまた専門職員、スーパーバイザーのような役割、これは今もやっているのですけれども、これをさらに強化をする必要があるかもしれない。そんな意味では、組織的な対応ということが児相のほうにもその反射的なものとしてあるかもしれないと思います。  また、最近は、里親などのそうした事務も児相の一つの業務としてあるわけでありますが、これについては、一定部分、今、鳥取こども学園さんのほうで受託をしてもらいまして、鳥取県としての官民一体となったやり方で、その現場の専門家を生かしてきめの細かい対策をとろうというようなことも進めています。議員がおっしゃるように、いろんな工夫をしていかないと児童相談行政というのはなかなか今後立ち行かなくなると思いますので、その体制の強化、見直しを図ってまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)4番福浜議員 ◯4番(福浜隆宏君)知事に御答弁いただきました。  やはり現場のことが非常によく理解されている知事だからこその御発言だと思いますし、一朝一夕に市町村側にそういうスキルを持っていただくというのは本当に難しいと思いますが、逆に、でき上がった場合は2つの傘で子供を、あるいは保護者を守っていけるというふうになっていくと思いますので、市町村のスキルが年々上がっていくように、プラス思考で市町村に捉えていただくような形でこれからもそのあたりのしっかり機運づくり、そして実態を高めていっていただければというふうに思います。  砂場スポーツです。  知事のほうからも、ビーチスポーツ、砂場スポーツの聖地化に向けてというような御発言もありましたし、今後、強力に、これまで以上にサポートしていきたいというお考えも伺ったのですが、今、一般社団法人すなばスポーツの現状を見ると、本当に一人の青年がもう四苦八苦してやっているというのが、実際私の目から見た現状ではないかなというふうに思います。ですので、市町村はもちろんなのですが、県のほうとしても、将来、ようやく今、芽が芽吹いて花が咲こうとしている、それが一つのビーチサッカー全国大会ということで花が開いたわけで、いかにこの花をたくさんつけていくかどうかというのは、やはり行政側あるいは民間側も、もっともっと強力なサポート役をしないといけないようなところも一般社団法人以外でもあらわれてほしいのですけれども、そのあたりを再度お尋ねしたいと思います。  教育の部分ですが、主体的・対話的で深い学びという新学習指導要領がいよいよ始まって、もう既に鳥取県の場合は高校教育から始まって、中学、小学校とおりてきている今段階にありますけれども、自分が一番ちょっと危惧しているのは、数値を、点数を上げていくということをするには、ある面、知識を詰め込まなくてはいけない部分というのが要求される。一方で、やはり学びの質というか、いかに学びを深めるかという、そういう時間ももちろん必要になってくる。同じ45分の中、50分の中でその両方をやっていく、これは決して相反するものではなくて、上手に有効的に融合していくことというのは、先ほどの授業改革の話の中にもありましたし、エキスパート教員の先生はそういうことを本当に前からやっていらっしゃるのだと思います。だけれども、点数の部分と学ぶ、深めるというところが、やはり保護者としてはどうしても数字を求めてしまいがちで、目に見えない学びが数値化していない部分の未来ということに関していくと、なかなかその求めるところのベクトルがちょっとずれがあるのかなという気もしています。  そこを個人的には、ちょっと概念的な言い方をして申しわけないのですが、ぶれてほしくないというか、しっかりと鳥取県の教育委員会はこう考えて、このようにやっていくのだということを保護者の中にも共有化していただいて、そこが相反することがないように、お互いにやはり子供を高め合うメンバーだと思いますので、ぜひそのあたりを再度お尋ねしたいと思います。
    ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)砂場スポーツにつきまして重ねてお尋ねがございました。  これは、今、岸本さんらがやっておられますけれども、それ以外にも、例えば砂丘ヨガ、石谷さんのところでありますとか、また、今、事業化をしようと3月ぐらいからセグウェイを走らせてみるということでありますが、高垣さん、この方はフロリックシーアドベンチャーをやられている方でもいらっしゃいますけれども、こういう比較的若手の方が今いろんな形で砂丘のアクティビティーにかかわり始めています。ですから、そうしたこととあわせて、今、砂丘再生会議を砂丘未来会議に改編をし、そこにアクティビティー系の人も入っていただいて、どうやってこれを、順調な形で安定的に拡大していったり、活用していけるのかと、そういうことも今後話し合っていくことになるわけであります。  私ども県としても、市との協調の部分がございますけれども、今後ともそうしたすなばスポーツさんと一度よくまた話をさせていただいて、どういうような展開をこれから砂丘未来会議などで話し合いながら進めていくことができるのか、そんな方向づけを考えるべきときかなと思って今伺っておりました。ぜひ協議をさせていただきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)福浜議員から重ねてお尋ねをいただきました。  おっしゃるとおり、両立を十分するということだと思いますし、させなければならないというふうにも逆に思うわけでございますが、文部科学省のほうも、全く新しい授業方法を入れているわけではなくて、小学校、中学校においては従来から行われているものをしっかりと取り組んで、それを若手にしっかりと引き継いでほしいということをおっしゃっておられまして、そのことをまさに我々も実践していかなければならないなというふうに思っております。先ほど申し上げましたような施策、事業等を通じてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)4番福浜議員 ◯4番(福浜隆宏君)御答弁いただきました。  先ほどの教育長の御答弁の中でTTというのがありました。例えば算数とか国語みたいなものを少人数学級に2クラスを例えば3つにグループに向けて、習熟の度合いに応じて丁寧に指導していくというのがこれまでのスタイルでしたが、そうではなくて、ポイントによっては2つを3つに分けるではなくて、2つのままにしつつとか場合によっては1つにまとめて、2人ないし3人の先生がそこに加わっていきながら教えるというスキルの伝達というのを図っていくと、これは本当におもしろいやり方ではないかなというふうに思います。どんどん積極的にそういう現場の状況を見ながら、いろいろトライしていただきながら子供たちを高めていただきたいというふうに思います。  いろいろと検討会も開かれたりして、外部の有識者の方々にも入っていただいて、鳥取県の教育をどうしていくのだというのは、本当に今、一生懸命頑張ってくださっているというのが知事の御答弁の中、それから教育長の御答弁の中で感じつつも、一抹の不安というか、ずっと根っことして自分として不安に思っていたのが、福井を訪ねたときに、やはり大学機関との連携というのを感じたのです。それが教育現場に向かっておりてきていたというところをまざまざと感じました。  そしてもう1個感じたのは、学校の中でのチームというか、ベテランの先生と新人の先生が日々お互いもがきながらやっているというところが、鳥取県にはどうなのかなと思って帰ってきたことがあるのですけれども、その中で、鳥取大学から教育学部が消えました。もうかなりの時間になります。今、島根大学とのつながりというのがその分深まっているとは言いながらも、鳥取大学の教育学部があったときはやはり鳥取県ならではの教育を高めていく、深めていく、研究していく、調査していくという重要な機関としてあったと思うのです。それが今なくなった段階で、私は、例えば、具体的なのですけれども、教育センターを、そこが本当に調査研究の柱になっていく、大学の研究機関にかわるような、そういう位置づけにぜひ鳥取県としては捉えていただきたいと思います。このことを知事並びに教育長にお尋ねして、今議会最後の質問とします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から重ねてお尋ねがございました。  教育委員会のほうからまた詳しいお話があろうかと思いますが、私も基本的に福浜県議のお考えに賛同するものであります。教育センターなど、やはりバックアップ体制として市町村の小中学校あるいは高校ももちろんそうでありますけれども、ただ、教室の中だけで教師が一人で解決できないことはいっぱいあると思うのです。特に今、子供たちの伸びる力というのをどんどんサポートしていかなければならないといったときに、例えば教え方のメソッドであるとか、それから教材開発であるとか、また、研修の場の提供であるとかそういうことを通じて、いわば教育力のブラッシュアップを図っていかなければなりません。  鳥取県も、鳥取大学がいろんな事情で平成15~16年ぐらいですか、島根大学のほうに教育学部を譲ってしまったことがございました。これがよかったのかどうかというのは非常に評価が分かれるのではないかと思いますが、ただ、それが全てではないと思います。実際フィンランドなどもインターネットなどを駆使しながら、あの広い国の中で大体兵庫県ぐらいの人口が住んでいるところで、教材を共有して学校の先生たちのネットワークがあるわけですね。そうしたことが教育力というのを支えているわけでありまして、そういうスタイルは鳥取でも可能ではないかと思います。島根大学との関係性もありましょうし、鳥取県の場合、伝統的に兵庫教育大学との地理的な近接性もあって近い位置にありました。梶田叡一先生にも私ども県政顧問としてアドバイスをいただいてまいりましたし、最近も同窓会が鳥取県で開かれたりしておりますけれども、非常に鳥取の子育てや教育に対して大学のほうでも御関心を寄せていただいています。こうした関係をもっと強くしていくことも一つあるかなと思います。いろいろとサポート体制を考えて、学校の現場を私どもとしても協力してまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)福浜議員から重ねてお尋ねをいただきました。  教育センターの研究機能を強化すべきという点につきましては、私どもも従来からそうした課題意識を持っておるわけでございますが、鳥取大学はこういう変遷を経て今、教育学部がなくなっていますけれども、引き続きいわゆる教育学を教えておられる先生方との連携というのは行っておりますし、あわせて、鳥取環境大学でありますとか島根大学教育学部、そして兵庫教育大学、ウイングを広げる形になりますけれども、さまざまな方々のお力をおかりして鳥取県の教育は今進めていっているというのが実態でございまして、そうしたところをしっかりと教育センターの今、指導主事がグリップしながら、鳥取県らしい教育のあり方というものを探り、また、現場のニーズなどに応じてしっかりとサポートしていただける先生方を紹介するといったようなことも含めて、これからも取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時25分より再開いたします。        午後0時22分休憩    ────────────────        午後1時25分再開 ◯議長(稲田寿久君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  31番横山隆義議員 ◯31番(横山隆義君)(登壇、拍手)会派希望(のぞみ)会長の横山隆義です。議員として最後の質問に立たせていただきます。  会派希望(のぞみ)は川部議員と2人だけの小さな会派でありますが、政策集団としてあるべき会派の姿を示せたと自負しております。私は、5期17年、多方面にわたって質問させていただきました。その都度、平井知事を初め県幹部の皆さんには真摯に、そして丁寧に答弁をいただき、県民の皆様のために有意義な論戦を展開することができました。感謝いたしますとともに、本日もこれまでと同様、率直で丁寧な答弁をお願いいたします。  この1年間もいろいろなことがありました。その中でも、昨年秋の豪雨災害は青天のへきれきでありました。平井知事を先頭に、県当局の対応の素早さは見事であったと感服しております。知事よりおくれて琴浦町の死亡事故現場に行ったことは、地元の議員として恥ずべきことでありました。あの後、御遺族を弔問いたしました。平井知事におかれましては、東奔西走、県政のために尽力され、しっかりとその成果を出されていると評価いたします。心より敬服し、感謝しております。  さて、最後の質問となる今回は、教育の本質について私見を述べさせていただきたいと思います。  今、鳥取県を初め地方では、少子高齢化、人口減少といった難題を抱えております。少子高齢化も人口減少も大問題であることに違いはありませんが、私がもっと危惧しているのは、果たして地方の人間がその難題に立ち向かう気力を持ち合わせているのでありましょうか、そして意気消沈してしまっているのではないかということであります。難題、難問に立ち向かうリーダーの養成こそが今最も必要なことではないでしょうか。  私は、議員になる前の34年間、由良育英高校、今の鳥取中央育英高校で教師をしていました。陸上競技部の合宿所を自費で建設し、日本一に備え、その成果は全国高校総体で3回の男子総合優勝、わかとり国体総合優勝、全国高校駅伝準優勝2回であります。幸運な人生と言えますが、その過程はイバラの道でありました。何度も失敗し、心の中でネバーギブアップ、泣いて辛抱、笑って我慢の連続でした。しかし、その経験の中でつかんだ確かなものがあります。  まずは、自分を変えるということ、鍵はそれぞれ自分自身にあります。私は、やってやれないことはない、やらずにできるはずはない、俺がやらなければ誰がやる、今やらなければいつできるという考えで、やればできるを徹底して指導してまいりました。本気になれば自分が変わる、本気になれば世界が変わるのであります。有言実行こそ真髄であります。言うだけの評論家では何も始まりません。評論家が何千人いても世の中は変わりにくいと思っております。まして批判家は論外であります。言うだけなら誰でも言えるのであります。議員も同様であります。  相手はあなたをじっと見ている、自分を動かそうとする者がどんな人物か、相手はじっと見ているのであります。部下は上司を、生徒は先生を、県民は議員を、知事を。そこで物を言うのは信頼感であります。自分の行いが正しければ、言わなくても人は動くのであります。金ずく、力ずくでも人は動くという人もあるかもしれませんが、果たしてそれで人が心から動くでしょうか。権謀術数、不信が横行するときこそ信によって結びつき、心によって人が動く関係づくりが必要であります。  人間関係は相互作用であります。人を見くびれば相手の心に悪く響きます。相手の価値を認めること、礼を尽くすことが大事だと考えております。不良必ずしも無能にあらず、周囲から嫌われても悪人とは言えないといった例は枚挙にいとまがありません。やんちゃ坊主だった生徒が立派に成長し、社会のリーダーになっている例をたくさん知っております。うわさによって人を評価してはなりません。相手の価値を認めることであります。すぐれた教師はやたらと説教はしません。生徒の話をじっくり聞き、内面にあるすぐれた資質を引き出すのであります。  本当の教育によって、難題や難問に挑戦する心、正しいことを言う勇気、目標を何が何でも達成する実行力を磨き上げるのであります。世のため人のために仕事をすること、これを喜びとする人材を育て上げる、これこそが教育の真髄であり、だいご味だと考えております。  しかしながら、現状はどうでしょうか。相変わらず知育偏重によって有為の人材が埋もれたままになっているのではないでしょうか。学校教育の現場においても、児童生徒を教える教員採用のやり方にしても、目に見えやすい学力試験の成績という一つの物差しだけで評価する傾向があるのではないでしょうか。運動や芸術の才能あるいは正義感、挑戦心、実行力など、評価の物差しは何本もあってよいと考えております。  教育の本質は、悪い癖を直して新しい能力を身につけさせることにあります。悪い癖を直して新しい能力を身につけさせる、このことであります。教える側が、机上ではなく現場で全身全霊を持って実践しなければ、相手の心を動かすことはできません。文句ばかり言っても、人も世の中も変わらないのであります。努力してやっているうちは本物ではありません。実践することが楽しいと感じるようにならねばなりません。難題に立ち向かいながら自分自身の生き方を楽しんでいる、これが本当の幸せであると考えております。  知事は、小さな県でも勝てると事あるたびに話されます。砂丘の国のポジティブ戦略や透明度全国ナンバーワン県庁はすばらしいと思います。小さい県だからこそ強い、全く同感であります。私も、無理だ、むちゃだと言われながら日本一を実現いたしました。職員の皆さんは苦労もあったと思います。一番を目指すと、時には厳しい局面があるからであります。今後もこの調子で頑張っていただきますよう期待しております。  私も、政務調査費訴訟の高裁判決に対し、先日上告いたしました。さまざまな議論があることは承知していますが、議員活動が萎縮するようなことになってはいけません。言いたいことがあればひるまず、へこたれず主張することが大事だと考えております。  結論を申します。地方創生時代の真っただ中にあって、鳥取県からすぐれたリーダーを育て上げる、このことはとても大事なことだと考えております。そのためには、本県の教育のあり方について見直す点があると思います。知事、教育長の所見を求めます。  偉そうなことを言ったように聞こえたかもしれませんが、私もまだまだ道半ばであります。議員をやめて一県民になっても、この鳥取県を、県民を幸せにするため、これまでどおり有言実行の人生を歩み続けると約束して質問を終わります。ありがとうございました。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)横山県議の一般質問にお答え申し上げます。  横山県議の今、声を張り上げて力いっぱいお話をいただきましたことは、深く耳に刻まれました。本当にこれまで議会に新風を吹き込んでいただきまして、新しい県政を進める上で大変な後押しをしていただきました。本当に感謝を申し上げたいと思います。  本日お話しになられたことは、そのまま議員の教育の理念、人育てや地域づくりの理念に向かうものだと思いますが、そうしたことをこれから我々は大切にしなければならないというふうに考えております。力を合わせてやってまいることを、まずはお誓いを申し上げたいと思います。  議員のほうでお話がございましたけれども、確かに今、現代社会になりまして何か欠けるものがあるような気がいたします。それは、志とか本気だとか、そうしたことかもしれません。やはり世の中を変えていくのは、世の中に従う人だけでは変わらないわけです。むしろ世の中に抗うぐらい自分を主張できる人、そしてビジョンを語れる人、そして大切なのは、議員がおっしゃったように、評論家ではなくて、行動すること、結果を出すことだと思います。この結果を出すのは結構大変でありまして、今、鳥取県もようやくいろんなところで観光客の増だとか、それから農業生産高の急増、回復であるとか、商工関係も製造品の出荷額がまた上がってきております。これもほっといてできるわけではなくて、相当努力をしていかなければならないわけであります。そんなようなことを議員にも引っ張っていただいたなというふうにつくづく感謝を申し上げる次第であります。  議員の恐らくそうした人育ての像といいますか、モデルがこれから我々が教育を考える上でのモットーとしなければいけないことかもしれません。議員は、由良育英高校、そして鳥取中央育英高校と名前が変わりましたけれども、その際に3回もインターハイ優勝に導いていただいたり、わかとり国体のときも陸上の総監督を務めていただき、優勝へと貢献をしていただきました。  いろんな人材も輩出をしたわけでありますが、先般も岡本選手が北海道のマラソンで勝ちまして、現代のいだてんというふうにも呼ばれるごぼう抜きの方でいらっしゃいますけれども、オリンピックの最終選考にもまだ残ってきているということであります。同じ陸上部の伝統の中でも、二岡選手がこの間の別府大分毎日マラソンで日本人最高の4位に入りました。これも最後の選考の中に残ってくる大きな橋をかけることになりました。なかなか日本の中でも小さな学校です。由良育英時代、そういうことは、私が今、鳥取県を背負わさせていただいて感じているのと同じような感覚を持たれたと思います。みずからをなげうって合宿所を開かれて、寝食をともにしながら愛情を注ぎ、厳しいことも言い、人を育ててこられたことがその成果になっているかなと思います。  考えてみますと、由良育英、鳥取中央育英の伝統は育成校にさかのぼるわけでありまして、豊田太蔵先生が開かれた建学の理念があったと思います。克己ということを掲げられました。おのれに勝つこと、これがみずからの殻を破って成長することになり、また、恐らくそのことは厳しい状況にあった当時の農村漁村の中で、みずからが住んでいるふるさとを変え、力を出し、社会に貢献していく、そのための道筋が克己という言葉の中に示されていたのではないかなというふうに思います。  由良育英、そして鳥取中央育英の伝統の中でも、いろんな人が輩出をしたものであります。青山剛昌先生の話は午前中もございましたけれども、美術部で当時は生徒をされて、子供のころの夢どおり探偵を描く漫画になったわけであります。よほどの魂といいますか、志と、そして努力がなければできなかったことだと思いますし、我々も非常に印象に残っているのは小林繁選手かもしれません。小林繁選手も、社会問題にもなりましたけれども、巨人から阪神への移籍もありましたが、そのときに本当は苦しかったと思いますけれども、むしろそれを自分の生きて成長していく材料にしようと言わんばかりの記者会見をされたのをよく覚えています。  小林選手は、沢村賞や最優秀投手賞をとられるなど由良育英が育てた偉人の一人でございますけれども、その要はきっかけをつくったのは高校時代だとも言われています。もともとオーバースローだった選手をサイドスローに高校2年のときに切りかえるように指導をした。それで球威も上がり、球速も上がり、ああいうプロの選手に成長することができたわけです。脳裏に離れないのはあの独特の投球フォームでありますけれども、あれは由良育英の生徒のときにみずから苦労してかち取ったスタイルでもありました。  それを育てたのが鳥取県の教育であったことを忘れてはならないと思います。当時その小林繁投手の球を受けていたのがNPOの未来の岸田理事長であったというのは何か不思議な縁があるものだなと思いますけれども、そんなようにいろんな人材を輩出してきたわけであります。  こうしたリーダーをつくり出していくこと、それは私たちのような小さな自治体であると最も大きな課題であり、大切なことであると言ってもいいのではないかなというふうに思います。議員がおっしゃったように、単に知識を詰め込むのではなく、心を持って接することで相手が心を動かされ、本気になること、これが人間成長の原動力になるということでございます。  これは私たちの地域づくり、あるいは国づくりにも言えることなのかもしれません。「ダンジュカリユシヌウタヤワチャガタンユウナサクシマ」というきのう歌が流れました。ユウナが咲く沖縄の島、そこを歌った天皇陛下の琉歌でございます。  ユウナという歌声である意味びっくりしたのですけれども、佳子様がお印がユウナでございまして、私は、花回廊の、記帳所に24日なりましたけれども、その直前に現場のほうに参りました。そのときに西田園長とも話しましたけれども、ユウナ、実は佳子様も余りごらんになったことはなかったそうでありまして、こっそりみずからお写真を撮られて帰られたと。こちらでわざとそのときに花が咲くように仕込んであったわけですね。それでちょっと疑問もあったのですけれども、あの歌を聞いて何か謎が解けたような気がいたしました。  ユウナは、多分天皇陛下、皇后陛下にとりましていわば大切な花だったのだと思います。その沖縄と心をつなぐことが難しいときにみずから向こうに出向かれて、そして帰るときには「ダンジュカリユシヌウタ」が歌われた。そういうように心を結ぶことができた。昨日も向こうのハンセン病の施設の言葉が出ていましたけれども、大変に喜んでおられた。これこそが人間同士がきずなを結んで、それでそれぞれ成長し、発展をしていく、そういうことなのかなというふうに深い感銘を覚えたものであります。  教育の世界は、まさにまだ原石のような子供たちが相手でございます。そこにおいて未来のリーダーを育てること、その意義を私たちは考えなければなりませんし、全人格的に子供と向き合うことが横山議員がおっしゃるように基本なのかなというふうに思います。  あと大切なのは、ふるさと教育ではないかと思います。最近はふるさとに帰ってこない子供たちがふえてきました。やはり志を立てて東京や大阪に行かれるのもいいですけれども、また帰ってきて、またみんなの笑顔をつくろうということに子供のころから生きがいを見出せていたはずであります。  ただ、なかなかふるさとを思う気持ちや知識にまだ学校の教育が十分ではないところがあるかもしれません。もし今の鳥取県教育にそこの不足感があるとしたら、そのふるさと教育のところかもしれません。それが人間教育と相まって通じていけば、新しい人材が未来に輝いてくるのではないかと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)横山議員の一般質問にお答えを申し上げます。  本県教育のあり方につきまして議員のほうで御経験を踏まえてのお話をいただきましたが、教育に必要なものは信頼感ではないか、信によって結びついて、心によって人が動く関係づくり、あるいは評価の物差しをたくさん持つ、そして相手の価値を認めつつ悪い部分を直して内面にあるすぐれた資質を引き出す、そのために必要なことを有言実行するといったことなど、改めて横山議員の教育に対する強い思いを知ることができましたし、また議員のこれまでの教育実践と残された大きな成果に心より敬意を表する次第でございます。  いろいろ人口減少、あるいはグローバル化の進展、あるいはAIの進展等々これから不透明な社会になってくるわけでございますが、どんな社会になろうと教育でつけていくべき基本的な力やそのために我々がやっていかなければならないことは実は余り大きくは変わらないのではないかなというふうに思っています。例えば地域の中で大人が子供にしっかりと向き合い、一人一人の子供が置かれた状況に目を向けていくことでありますとか、子供たちの長所を積極的に見つけ、認め、評価することでありますとか、子供たち自身に目標を持つことや努力することの大切さを伝えて、行動したこと、達成したことを評価し、子供たちの主体的な行動につなげていくこと、あるいは他者との関係の中でお互い認め合い、相手を理解し、尊重することができる環境づくりを進めて自己肯定感を醸成しつつ社会の中で力強く生き抜いていく力をつけていくことなどがあろうかと思います。  教育は人なりということをよく言われるわけでございますが、子供たちと向き合う教員には教職に対する熱い情熱でありますとか、子供たちに対する愛情、責任感、あるいは教育の専門家としての確かな力量、豊かな人間性などが求められるわけでございまして、これを日々向上させていかなければならないわけでございますし、この教員の熱意によって子供たちの心が動かされ、未来に向かって歩んでいくことにつながっていくのではないかと思います。  私たち教育行政にはそうした教員の皆様方をしっかりと確保すること、そして育てていくということに加えて、より子供たちのために力を尽くしやすい環境をつくっていくこと、そうしたことにあるのではないかなというふうに思います。  私も、先ほどは、午前中は学力の課題が議論をされましたが、教育課題の解決に向けてなかなか成果が上がらずに、時にはへこたれそうになることもあるわけでございますが、これまでの横山議員の御指導に感謝をいたしますとともに、本日のお話をエールと受けとめさせていただきまして、しっかりと鳥取県の子供たちのために県民の皆様方と一緒になって取り組んでまいりたいというふうに思っております。 ◯議長(稲田寿久君)31番横山議員 ◯31番(横山隆義君)ありがとうございました。いろいろと大変ですが、壁が厚いほうがやりがいがある。頑張ってほしいなと思います。どうもありがとうございました。 ◯議長(稲田寿久君)14番川部洋議員 ◯14番(川部洋君)(登壇、拍手)会派希望(のぞみ)の川部です。横山会長の最後の質問に続きまして、質問をさせていただきます。  今回は、人口減少によって自治・自治体はどのように変わるのかということをテーマに、広域自治体としての県の役割について質問をしたいと思います。  鳥取県の推計人口がことしに入って56万人を切りました。最新のデータは、ことしの2月で55万9,226人であります。平成19年に約60万人いた県民が12年間で4万人も減ったことになります。この間、県は人口減少に対してさまざまな施策や事業を行ってきています。平成26年には全自治体の約半数が消滅する可能性があるというショッキングな予測が増田レポートによって突きつけられ、鳥取県でも地方創生を掲げ、人口減少対策にこれまで以上に取り組んできました。それでも人口減少の流れはとまっていません。何の対策もしていなければ多分人口減少はもっと進んでいたのではないでしょうか。平井県政だから、さまざまなことに取り組んできたからこそ4万人の減で済んでいるのだと思います。  このように人口減少という流れは、今後しばらく不可避なものとして考えなくてはなりません。その中で自治体は、どのような役割を果たすべきなのか。市町村の今後と広域自治体の県の役割について知事の所見を伺っていきたいと思います。  人口減少は、社会や住民の生活にさまざまな影響をもたらします。人口減少が不可避であるとしたら、その影響を最小限にして、できるだけ住民の生活を守っていくようにしなければなりません。  地方自治法第1条2項に地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うとありますように、その役割は第一義的に地方自治体が担っております。人口減少だけではなく、グローバル化、情報技術の進展により世界のありようが大きく変わっている中で、どんな状況にあっても地方自治体は住民の暮らしを守り、幸福を増進することがその役割であります。  しかし、当然のことですが、人口が減少することによって自治体行政の財政規模は縮小し、職員数も減っており、行政運営がこれまでどおりにはできなくなっています。こうした中での行政運営は、目標と方向性をしっかり定め、必要とされる施策、事業に無駄なくお金と人材を充てていくことが必要だと思います。  私は、その方向性として、まず第1に人口が減少しても最低限の住民の福祉を維持する政策、2つ目に人口の減少に歯どめをかける政策という2つの政策の方向性を明確に意識しながら事業を組み立てる必要があるというふうに考えます。このことについて知事の考えをお聞きします。  次に、人口減少下における市町村の役割についてお尋ねします。  市町村には、住民に最も身近な基礎自治体として、自立性の高い総合的な行政主体であることが求められています。  一方で、人口減少の影響は特に小規模な自治体にとってより深刻な影響をもたらし、財政難や人材難など、存続さえ危ぶまれる自治体も出てきています。  総務省は、自治体戦略2040構想を発表しました。構想では、人口減少下において満足度の高い人生と人間を尊重する社会をどう構築するかということを掲げて、若者を吸収しながら老いていく東京圏と支えて手を失う地方圏、標準的な人生設計の消滅による雇用、教育の機能不全、都市のスポンジ化、インフラの老朽化を2040年ごろの内政上の大きな危機としています。  この構想によると、国は人口減少下における自治体のあり方として、圏域における連携、すなわち横の連携を基本にしながら、それが難しいところに関して県による補完、縦の連携で基礎自治体の機能の強化と補完を求めているようです。これまでも圏域の連携は打ち出されてきましたが、今回の報告ではさらにそれを進めているように見えてきます。  地方自治の仕組みは、住民に身近な市町村が行い、それらの補完や連絡調整を都道府県が行うという補完性の原則で成り立っています。まずは県と市町村の縦の連携を強化することでこれからの時代に対応していくことが第一だと思うのですが、国が横の連携を進めようとしているということについては、その先に何か意図を感じるところではあります。  きのうの日本海新聞の1面に「新たな広域連携34%反対、国主導「圏域」構想に懸念」という全国自治体アンケートの記事が掲載されました。市町村の独自性が維持できない懸念や国主導で議論が進むことへの警戒感が強いとの内容でありました。  私も自治や自治体のあり方については、住民が選択するものだと考えております。国が主導した平成の大合併についての検証もまだ不十分だと考える中、今後の自治体のあり方については住民による十分な議論が必要であります。自治体の選択肢をふやすために制度の整備を行ったり、今後の自治体のあり方について国が議論のきっかけをつくることはよしとしても、国の考える方向に誘導するということは控えるべきだと考えますが、知事の所見はいかがでしょうか。  次に、広域自治体の役割について、縦の連携の強化にということでお尋ねをします。  地方自治体の役割は、住民の福祉の増進ということは先ほども言いました。住民に近い基礎自治体である市町村が第一にその役割を担っていますが、その市町村において財政難・人材難の影響はより深刻であります。  こうした状況で、住民の暮らしを守っていくには、市町村がその役割をしっかり果たせるよう、県はこれまで以上に広域自治体としての役割を果たす必要があると考えます。  自治法では、広域自治体の役割は、県全体にかかわる広域的なもの、市町村に関する連絡調整、市町村が処理することが適当ではないものを処理することだとあります。  今後、人口減少が進み、市町村の機能が低下してくるとなると、市町村単独では処理し切れない事務がふえてくるのではないか、県が広域的に処理しないと維持できないことがふえてくるのではないかということが予想されます。ある意味都道府県の基礎自治体化が進むという感じですが、人口が少なく面積が広くない鳥取県の場合、その傾向は顕著ではないかというふうに考えます。  国は、圏域連携の推進、横の連携の強化で基礎自治体の機能を維持しようとしているのではないかと言いましたが、私は市町村への補完や支援といった県の広域自治体としての機能強化で市町村の自治を損ねることなく、人口減少下での住民の暮らしの維持は図れるのではないかと考えております。知事の所見を伺い、壇上での質問といたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員の一般質問にお答えを申し上げます。  広域自治体と、それから基礎的自治体の関係、また自治体同士をどういうふうに今後展開をしていくのか、国のほうの方針等も含めていろんな観点からお話をいただきました。
     根本論として、これからの地域社会を考えていく上で、片方で人口減少はほとんどの地域で起こっています。起きていないのは東京圏であるとか、ごく一部であります。それ以外のところは人口減少が進んでいますし、特に中山間地と言われるようなところ、そうしたところでは高齢化も著しく進んでいるところでございます。  そういう中で、人口は減るわけではあり、また少子高齢化が進むわけではありますけれども、その中でもきちんとした暮らしを続けていける、いわば温かみのある幸せな暮らし、それができるような体制づくりというのは、やはり地域社会の責務ではないかと思います。  それとあわせて、これが極端に行かないようにしていったり、完全な集落崩壊にならないように歯どめをきっちりかけていく、そういう人口減少に歯どめをかけ、場合によっては反転させていこうという、こういうベクトルも必要であります。  議員がおっしゃる2つのポイント、人口減少に歯どめをかけていくことと、それから人口が減少しても福祉をきちんと対応できる体制をつくること、これはともに重要であるという考え方に全面的に賛成をするものであります。  そのために多分最近国のほうでも言われ始めているのが、地方制度調査会等でですね、新聞記事のお話もございましたけれども、その自治体間の連携ということで、いわば一つのブロック化をしていくような広域的な対応、それからそうでなければ縦につなげて、都道府県が市町村のほうにいわば力をかしていって、それで支えていくという関係、こうしたことを検討しようという方向になってきているということでありますが、これは恐らく議員がおっしゃった人口減少社会でも福祉を初めとした行政サービスを担保していこうというそのための方策として私は完全に否定すべきものでもないだろうというふうに思っております。  本県は、実は他地域にいわば先駆けたことが幾つかあります。一つは人口減少対策であり、また市町村と県との境界を外したり、県同士の境界を外したり、そうしたことで新しい行政スタイルをつくっていこうと、ここを意図的に、実験的に進めていることでございます。こういうようなことが今おっしゃることにもつながってくるだろうと思います。  人口減少に歯どめをかけていくには、やはり特に20代、30代ぐらいの移住者が多い現状からすれば、そうした子育て政策を一つのターゲットにしてやっていくと。これをやろうと思った場合に、県だけでは当然できない。これは児童福祉の観点が大きくはございますし、また地域でのそういう日常の住民生活、自治会活動だとか、いろんなことが影響します。したがいまして、これは県では到底できないことでありますけれども、やはり全体としてそこを見渡しながらてこ入れをする必要があるだろうと。そこでいろいろと議論はあったのですけれども、市町村と協力をしながら医療費の助成を高3まで上げるとか、それからまた保育料無償化だとか、少人数学級だとか、いろんなことを実は市町村との共同作業で進めてきているわけであります。これが幸いして人口減少に歯どめがかかってきたというような面がございました。恐らくこの方向は間違っていなかったので、これをさらに続けていくことが大切だと思います。  また、新しい考え方として、例えば観光等も必要でございます。観光も観光客の目線に立って見れば、それは県境も市町村境もないわけでありまして、ある程度広域で対処をしていくということが必要であります。こんなようなことで広げてみていくことが可能であったかなというふうに思います。  例えば中部の場合でありますと、DMOをつくりました。これはもともとの歴史がありまして、ふるさと広域連合が平成10年に発足をして、その流れの中でございます。もともと平成10年のこのふるさと広域連合が全国でも注目をされましたのは、県の一部業務を市町村のつくっているこのいわば一部事務組合である広域連合のほうに移譲をしたことであります。広域連合というのは、そういう県からの移譲を受けられるシステムとして発足するわけでありますが、必ずしもそれができていなかったわけでございまして、中部のふるさと広域連合はそのトップバッターになりました。こんなことがまず契機としてあり、例えば税金とか、消防行政はもちろんでありますけれども、地域おこしなどにもかかわるようになり、観光なども近年、梨の花温泉郷の受け皿となって進んできました。それを思い切ってこのたびDMOにされたわけであります。  これで今何が変わってきているかということの一つは、岡山県の蒜山地域も入ってきたことであります。その蒜山地域も1市4町と合わせた6番目のゾーンとしてこれをつないで、スタンプラリーをやったり、周遊するバス旅行をセットをしたり、こんなことをしているわけですね。これは観光客のニーズにも合いますし、実は倉吉など鳥取県側の自治体のメリットにもなります。なぜなら蒜山のほうは、恐らく鳥取県中部よりお客さんはよっぽど来ているわけですね。蒜山で帰ってしまうと。そのお客さんたちは、実はここはもうほとんど鳥取県中部と一体の観光ゾーンですよということになれば、それはそうしたお客様が周遊してくることにもなるわけです。やはり単一の市町村だけでは解決できないことがあって、観光なども消防と同じようにやはり垣根を徐々に払っていかなければならないところだったのではないかなというふうに思います。  こんなようなこととあわせて福祉などもそうでありまして、例えば人材の確保であるとか、それから障害者関係の施策なども含めて、高齢者の数はそれぞれの市町村にかなりいらっしゃいますけれども、子供は減ってきていますし、それから障害者とか、あるいは低所得者対策だとか、いろんなことを考えますと、もう一つの市町村の中では今スケールメリットはとれなくなる可能性も広がってくるわけです。今、東部のほうでは、こども食堂も因幡全域で協調をしてやっているわけです。こんなような形で一定の福祉サービスを定常的に提供していこうとした場合に、そういう市町村の垣根を取っ払うことは重要であります。  また、災害対策は、そのきわみだろうと思います。従来から消防についてはそうしたことを進めてきたわけでありますけれども、このたびの鳥取県中部地震でも県のほうでいわばそうした建築関係の人材とか土木関係の人材を積極的に現場の市町村のほうに投入をしました。その結果、応急危険度判定ですが、9日で全て完了しました。以前鳥取県西部地震というのがございましたが、そのときは2週間以上、15日かかっているのですね。実に4割短くすることができたわけです。  それのみならず、住宅の支援制度をつくるに当たっても県と市町村とが協調しながら進めることができました。実は災害時、市町村は多くの仕事を抱え込んでしまうわけです。それでもっと大変なのは住民の皆様でもございます。ですからそこに何か力を投入しようとした場合、県がかかわっていくのは私は選択肢として十分必要性のあることだと思います。中部地震のときに余り国が熊本ほどは手伝ってくれていないのですけれども、その辺は県のほうで補いながらやっていくことができたかなと思います。  こんなような形で2つのベクトル、これを満たしていくこと、それは決して不可能でもございません。小さい自治体はできないということでもなくて、逆にネットワークを張りやすい、県と市町村のコミュニケーションや市町村間の協調性、さらには住民とのきずな、住民同士のきずな、こういうものを使えば私はチャンスは十分にあると思っています。ですから今、当面する課題ではありますけれども、こうした鳥取県方式といいますか、鳥取県型のアプローチの有効性ということを私たちは追求していっていいのではないかなと思っています。  そういう中で自治体の組み方でありますけれども、強制的に市町村の複数の枠組みをつくることが得策だとは私も思いません。やはり納得しなければ、普通市町村同士、県同士もそうでありますけれども、なかなかコミュニケーションはとられていません。同じ郡内であっても意外にコミュニケーションはない。そういうようなことで首長同士は時々会って話もしますが、具体的な行政領域の職員同士になりますと、例えばすり合わせだとか、知識の共有まではなかなか進まないものでございます。ですからそうした地方自治のユニットそれぞれが一つの単位として行動をしていて、そこに住民の皆さんが結びついて長年の歴史の中ででき上がっていることをこうした制度設計の上では無視すべきではなくて、そのユニットが納得をしながらこの部分では協力し合えるよというようなことをあぶり出していくのが道筋ではないかなと思います。何か一つの大きな力で、例えば行政経費を削減しようという国全体の力の中でやるとしたら、それは多分失敗するだろうと思います。うまくいかない、現場の状況に合わないことになるだろうと思います。ですからそこは考えていかなければならないだろうと思います。  また、県と市町村との協力関係、これは私はある程度進めていくべきだろうと思いますし、その前提としては信頼関係をきちんとつくることが必要だと思います。本県も市町村と県との関係の余り良好ではない時代も決してなかったわけではありません。私が就任して、そこは改めようということで進めてまいりまして、今、市長さん、町長さん、村長さんのコミュニケーションも十分とりながら、さっきの子供の問題などを進めてきたところでございました。ですからこうしたことをこれからも進めていけばいいのだろうと思うのです。  ただ、これは実は鳥取県は非常に珍しいようでございます。先日、先週来られた地方制度調査会で、大山礼子先生という駒澤大学の先生が副会長なのですけれども、その調査の中で非常に興味を持ってこちらの説明者側に聞かれたことが、どうして県と市町村でそんなにコミュニケーションがとれているのかということであったそうであります。やはり全国的にはなかなかそこは、県に対する一定の不信感もあれば、市町村に対しては命令調のところもあるのではないでしょうか。本県の場合は、そこはパートナーとしてお互いを認め合ってできる関係になってきたのかと思います。であるからこそ県と市町村でさっきの災害時などの協力体制というのは、今後も折に触れて強化をしていけばいいのではないかと思っております。 ◯議長(稲田寿久君)14番川部議員 ◯14番(川部洋君)知事からこれからの連携のあり方として、これまでも含めてですけれども、縦の連携、横の連携、いろいろ鳥取県でやっていることを説明いただきました。  鳥取県は、それこそ本当に進んでいるみたいな説明をお聞きして安心する部分はあるのですけれども、さらにこの連携を進めていくという意味でもう少し具体的にお聞きをしたいと思います。  市町村と県との連携について、さらにお聞きします。  今おっしゃられたように、当然県はこれまでも十分に取り組んでこられたところではあるとは思いますが、私自身の経験からして本当でこれで県と市町村は連携できているのかと思うようなことがこれまで何回かありました。  一つには、県が市町村への支援制度を設計するに当たって、担当部署同士の協議や調整が十分に行われているのだろうかというふうな疑問を持ったことがあります。  今回この質問を取り上げるに当たって、平成30年度の市町村向けの単県補助金について調べてみました。平成30年度の市町村向けの単県補助金のうち、市町村への直接補助が84件あります。そのうち19ある市町村全部を対象にしているものが69件ありました。その執行状況を見てみますと、補助を活用している市町村が1件もないもの、要は利用がゼロの補助金が8件もありました。そして一つの市町村しか利用していない補助が10件、2つしか利用していない補助が13件という状況でありました。19ある市町村のうち利用しているところが9以下、すなわち5割以下という補助金は54件、78%を占めているというような状況であります。これらの補助金は、個別に見たら市町村への直接補助とは言っているのですけれども、事業主体が市町村だけではなくて、企業やNPO、個人が対象になっているものもあるので、予算枠として確保するという意味では一概にだめだとは言えないとは思いますが、もう少し市町村との事前調整があれば利用がゼロというふうなことはなかったのではないかと思うようなことはあります。  もう一つは、企業、NPO、個人に対する市町村を経由した間接補助についてであります。県は、こうした間接補助制度を設計するときに事業主体と市町村を連携させたい、それと県と連携したいというふうなことを期待して市町村負担を求めることが多いと思います。ただ、この市町村負担と市町村との連携ということが補助を利用したい者にとっては制度自体非常に使いづらいものにしているのではないかというふうなことがあります。  私自身、県の文化政策の補助を何年か使わせていただいたのですけれども、そもそも県がこの補助制度を用意しても市町村に予算的な余裕がなくて市町村に制度ができない、制度化されないということがあります。それから市町村の担当者がそういった事業に理解がなくて、補助が制度化されないというふうなこともありました。それと補助の利用を希望しても補正予算に計上して議決を経ないといけない、市町村の議決を得ないといけないということで、そういうのは面倒くさいからということで門前払いされてしまったこともありますし、予算に計上できたとしても6月議会以降の補正予算対応になるので、スタートが遅くなるというふうな弊害をいろいろ感じてきたところであります。  こうしたことから市町村を通じた間接補助ではなくて、実施団体に対する直接補助にしてほしいとか、間接補助にするのであれば市町村と事前に十分な協議を行った上で制度化をしてほしい等の希望を伝えてきたところであります。県としては市町村に補助を利用する市民や団体ときちんと向き合ってほしいという希望があるのでしょうが、市町村は予算も人材も足りなくて大変だということを痛感させられてきました。現在は改善されているのかもしれませんが、市町村の財政難、人材難が進めばこういったことはさらに今後起こり得ることだと考えます。  こうしたことを踏まえながら、人口減少下においても住民の生活を守るために県の市町村へのかかわり方について私なりにちょっと整理をしてみました。  1つが最低限の住民福祉の維持をするということで、広域化を目指すということ。県レベルで最低限の住民福祉を維持するために、市町村に共通する課題を県全体の課題として解決するよう持っていく。  2つ目が地域ごとの個別課題の解決。これは補完機能の強化ということで、市町村の最低限の住民生活を維持するために、市町村ごとの課題に予算配分、職員派遣といった形で支援する。  3つ目、市町村の独自性の発揮。これは個別支援という形で、市町村のさらなる住民福祉の向上のために、市町村の個性や魅力を向上させる施策に対して、補助という形で支援する、こういった3つの方向を考える。  これをそれぞれの部署でそれぞれが市町村との連携を考えるのではなくて、県全体として方向性を意識して、市町村と連携することを考えてはどうかと思いますが、知事の見解を伺います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて川部議員からお尋ねがございました。  今いろいろとお話がございましたけれども、補助金等の執行の仕方、制度の組み方につきましては、いろいろと悩ましいところがございます。議員もおっしゃったように、物によってなかなか使われていない補助金もそれはあるのだろうと思います。その辺はまた我々も点検をさせていただき、使い勝手のいいやり方、それから実効性のある制度にさせていただきたいと思います。  間接補助が悪いことかというと、必ずしもそうではないところがございます。実は間接補助というのは、ちょっと議員のイメージと違うのかもしれませんけれども、本来の間接補助というのは、市町村なりの負担を軽減をする、それによって市町村の行政が回りやすくする。それが例えば文化行政であったり、商工関係とかもあるかもしれません。そうした意味で間接補助という形態にさせていただくわけであります。その背景というのは、基本的にはまちの中のことは、市町村の自治がありますので、自分たちで話し合って、例えばこういうことをやりたいとか、こういうことをやりたいという選択は余りゆがめるべきではないだろうと。市町村のほうの中で議会もあり、話し合いもしたところで進めていただくと。必要であればこういうような補助をするけれども、そのときには県のほうで助成金が入り、負担感が緩和されて、市町村の助成もやりやすくなると、これが間接補助の考え方でありまして、県がやらせたいからやっているだけではないのですね。もちろん総体としてそうした望ましい姿というのがあって、そこへの一つの誘導としてはやるわけでありますけれども、市町村の財布を当てにしてやっているわけでは決してないわけでありまして、市町村が判断して、これは要らないと言ったときに、では、無理にそれを頭を飛び越えてやるかということがあるわけです。  実は全国知事会でもたびたび議論されますのは、国のほうの補助金で商工系や農林系であるのですけれども、都道府県が絡まない形で直接企業に助成をしていくというのを空飛ぶ補助金と言って批判をするわけです。それは自分たちでも商工行政をやっているわけでありますけれども、それが国がとっとこやりますとそれでゆがめられてしまうというようなことでありまして、きちんとこちらを通してやってくればいいではないかと、こんなことを言うわけですね。これはやはり地方自治というものの本質にも絡むところでありまして、間接補助的なやり方というのはやはりある程度残していくことになるだろうと思います。  ただ、議員がおっしゃるように、それが適否があると思います。その適否を考えながらちゃんと仕分けもして、点検もすることも大切だと思いますので、きょう御指摘もいただきましたので、改めて点検もさせていただきたいと思います。  そして議員のほうからいろいろと今後の考え方についてのお話がございましたけれども、私どものイメージと余り異ならないのかなと思って伺っておりました。市町村とのかかわり方として、市町村は地方自治がございますので、それを損なわないというか、それを発展させるようなことで、それにどういうふうに県がかかわっていくかというのが基本スタイルではないかなと思います。そういう意味で、先ほどお話も申し上げましたけれども、例えば人材だとか、それから財源だとか、そういうものをある程度こちらでも支援をしながら市町村のほうの自主的な取り組みが進むようにということをこれからもある程度のことはできると思うのですね。  いろいろと難しいものが時々やはり生じるわけです。例えばひきこもり対策などでもそうですけれども、基本はやはり市町村の仕事という面が強いです。ただ、例えば精神保健衛生のことであるとか、では、技術者やお医者さんがいるかというとそうではないので、県の精神保健センターなどがかかわりながらやり、人数は限られていますから、すぐに人を出すわけにはならないかもしれませんけれども、少なくともネットワークをつくって、研修をして、その知識をもとにそれぞれの現場が回るようにする、そんなようなことなどやはり一定のてこ入れということは必要になってくるのではないかなというふうに思います。  また、市町村とのかかわり方でも市町村のほうの自主的な発展の方向性、それがいいと思えばこちらでむしろ応援をするような施策を考えることもあるだろうと思います。  例えばモリタ製作所さんという、鳥取県にはまだなかった医療系の機械をつくられる、器具をつくられる会社が進出をするかどうか、かなり瀬戸際に来た時期がございました。そのときに倉吉市さんともいろいろとお話をしたのですけれども、正直自分のところではこれは絶対欲しいけれども、なかなかちょっと相手方の交渉が難しいと。それで県のほうで、あそこは中山間地に立地をするということもございまして、中山間地の立地について県のほうの助成を引き上げて、それで県のほうの立場で言えば産業活力の分散といいますか、それぞれのところに産業立地が難しいところに立地させていくという、そういう県全体の一つの方向性もありますので、それとも倉吉のおっしゃっていることは合致する面もございますから、それで協力をしようということになりました。  結果、モリタ製作所さんは、進出をしてこられまして、それで今さらにその事業の幅を広げようというようになってきていますし、またその関連の技術がございますので、県内企業の活用ということも当時私どものほうで大分働きかけをしたのですが、これのほうも応じてきてくださるようになってきておりまして、具体的な取引企業も出てきました。  こんなような形で議員がおっしゃるような何か新しい時代の地方自治を見据えた市町村と県とのかかわり方、この辺はまだ模索が必要かもしれませんけれども、今おっしゃったような方向性というのは私は的を射ているところがあるのではないかなというふうに思います。 ◯議長(稲田寿久君)14番川部議員 ◯14番(川部洋君)ありがとうございました。  間接補助も含めて市町村との連携について、いろいろお話しいただきました。私も間接補助とかそういうやり方を否定するとかということではないのですけれども、やはり市町村のそれこそ本当に財政がなくて、あの制度を使いたいのに使えないということがやはり実際にあります。  例えば、これはもう一つの例を挙げますけれども、県の市町村に対する交付金の中で医療的ケア児に対する通学支援の制度があるのですが、これも本来市町村の事務に対して県が交付をするという形で支援しているのですけれども、市町村はそれに上乗せができないまま事業者にそのまま払っているというふうなことがあります。実際の制度を見ると、やはりなかなかそれでは立ち行かないけれども、何とか事業者さんはやっておられるというふうなことがあるというふうな、こんな実態もあるのですね。  だからしっかりそこらあたりは市町村との連携という前に、先ほど言った県として、全ての問題であれば市町村のことという形ではなくて、広域化というふうな形で県として取り組むというふうなことが必要なのかなというふうにさっきの3つの方向性についても申し上げました。  例えば今やっていることで言うと、下水道について、やはり今俎上にのせて、今後どうしていくのかというふうな話し合いをしていると思います。ああいった県全体で、プリフェクチュラルミニマムという言い方をしたらいいのでしょうか、県として最低限維持するというふうなこと、それがこれまで市町村でやってきたのだけれども、なかなかできなくなっているということを県全体の最低限の住民生活の維持というふうな形で持っていけたらいいなという思いはすごくあります。  それで、そういったことを話し合う場を設けることが必要なのではないかということでまたお尋ねをしたいと思います。  人口減少下で住民生活を守るための対策について、オール鳥取で取り組むためには、全市町村が参加する協議・検討の場を設ける必要があると考えます。  協議の場では、最低限の住民生活の維持における自治体の役割を明らかにして、住民に理解を求めながら、やはり計画的にダウンサイジングをしていくことの必要性について、県全体で認識を共有するということ。それから市町村で共通している課題を抽出して、県全体で解決する、先ほど言いました広域化のあり方について、まずは個別のことではなくて全体として検討する。それから市町村それぞれの課題や方向性について、県の補完や支援のあり方というのを、これも個別ではなくて全体として検討をするみたいなことをまず始めるような場所を設ける必要があるのではないかと思います。  これらの協議の過程は、やはり広く公開して、県民の意見を反映させることも必要だと思います。こうした縦の連携を強化して、オール鳥取で住民の生活を守っていく協議の場の設置について知事の見解を求めます。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねて市町村との協議の場の設定等のお話がございました。  今お話がございました医療的ケア児の通学支援だとか、それから下水道のお話がございましたけれども、議員の目から見るとちょっと見えにくいところなのかもしれませんが、実は県と市町村で行政領域は実は違うのですね。特に一人一人の子供たちのことだとか、それから下水道というふうになりますと、これはやはり市町村がみずから責任を持ってやるべき分野でございます。ですからこうしたところについては、それはまずは市町村が基本考えるということでありまして、私も同じ執行する立場、首長だから申し上げられるのですけれども、予算配分のことについては、最後は、それはやはり自分自身の責任で、ある程度の裁量でできる範囲内のことはある程度ございます。ですから、やるかやらないかの意思決定が実はそこで行われているのですね。多分それをやらないことが何か県の制度に問題があるのかということで見えるのかもしれませんけれども、実はその事業を活用するかどうかというところは市町村の政策判断が確実に入っているのです。ですからそれは市町村の中で議会もあり、住民の皆さんもあって、そこでやはり議論をしていただいて、これについては上乗せをしようとか、するまいとか、それを考えていただくのが必要なのかもしれません。  結局市町村と県とはそれぞれ基礎的自治体と公益的自治体とで、私どもではどちらかというと産業系はある程度県という仕切りはありますけれども、身近な生活系や下水道、水道は市町村という切り口はございまして、そうした中でやはりお互いに一定のプライドを持ってパートナーとしてそれぞれの行政領域は違うけれども、協力をしようということでやっているというふうにモデルとしては御理解をいただいたほうがいいのかもしれません。  その上で、議員がおっしゃるようなコミュニケーションをとる場は、これは絶対に必要です。実はこれは私どもも心がけている部分がございます。先般も鳥取市とこれからについて協議をする場を設けさせていただきましたし、それぞれの市町村と折に触れてこうしたことを持ったり、また私自身が出かけていって現場で伸びのびトークという形でお話を聞きながら、そこで市町村行政とすり合わせをしたりということもさせていただいております。  ただ、こうした努力をもっと強める必要はあるかもしれません。今までいろんなことで私どもも市町村と本気で協議をしなければいけないことがありました。  一つは、子育てのこと、これは全国に先駆けてやっていることは余りにもあるわけでありますが、それは全部市町村行政にかかわることにもなりますので、市町村と合意をして一つ一つ進めていかなければならず、それについて県も応分の支援をしますよということで応援をする約束をすると。これは行政懇談会という場を活用しまして、例えば保育料無償化であれば平成25年ごろから繰り返し繰り返しやってきました。そこで出てきた御意見で在宅の保育支援だとか、あるいは第2子の支援だとかを含めて一つ一つ結論を得て前に進んでいきました。  また、国民健康保険を統合するというのも大切な話し合いでございまして、こうしたこともそうした行政懇談会の場で進め方を議論をさせていただき、組織づくりなどもしてきたところでございます。  典型的には最近地方創生ということである程度のものが入ってしまいます。地域活性化系とかですね。これを東・中・西それぞれに県と市町村と、さらには現場の企業さんや団体も入っていただいて議論をする場をつくらさせていただきまして、これが有効だったかなと思います。これを応用したのが中部地震の復興対策の会議でありまして、そこで大分鳥取県らしくスピーディーに進めることができましたのも県と市町村との話し合い、そこに関連の団体も一緒に入ってもらって、みんなが納得して前に進むという形をつくったからだと思います。  ただ、議員がおっしゃったいろんな論点のレベルはあろうかと思うのですけれども、こういうようなコミュニケーションというのは非常に重要でございまして、今後も市町村とのそうした場の設定を積極的に行ってまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)14番川部議員 ◯14番(川部洋君)県と市町村との行政領域については十分承知した上で、決して県がだめだとかというふうなことを申しているわけではありません。なかなか市町村のほうで対応をし切れないという現状があるというふうな例示として先ほど挙げたわけで、それは今後さらに加速していくのではないか。だからこそ方向性を定めて協議の場が要るのではないかというふうなことで言った次第であります。  それで、これまでそうした県と市町村のあり方、自治体のあり方について質問をしてきましたが、県自体も今後、財源の不足やら職員数の減少に直面してきて、安心していられる状況にはないのではないかと思います。  最近は道州制について余り話題に上がらなくなりましたが、都道府県の広域的連携についてまた何らかの形で国は俎上にのせてくるのではないかというふうに思いますし、さらに、参議院議員選挙区の合区にありますように、人口の少ない都道府県は一緒にしてしまえといったような乱暴な議論が起こりかねないかもしれないです。都道府県の合併の話も出てくるかもしれないというふうに懸念しております。  何度も言いますけれども、自治や自治体のあり方は住民が選択するものではありますが、国の検討の方向を見ると何らかの不安は隠せません。  いずれにしても住民の生活を維持するという視点の中で議論が行われることを望むものであります。  県の存続については、今すぐにこの問題を議論するとか、検討する必要はないとは思いますが、将来的な課題として見据えておくことの問題の一つであると思いますが、知事の見解についてお聞きします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部県議から県の存続ということにつきまして大きな問題提起がございました。  都道府県のこの枠組みというのは、明治23年の府県制以来ずっと続いてきております。再三申し上げているように、これは恐らく我が国の民主主義と不即不離なものでございまして、きょう私たちがこうしてこの議会を運営していること、これが地方自治の柱になっています。ですからこの柱を壊すことは大きな影響があり、場合によっては住民の皆さんと国政のパイプすら奪ってしまうことになりかねないものであります。  ですからこの都道府県という存在については、今の法体系の中では大きなステータスとして保障されているというふうに考えたほうがよいのではと思います。  戦後、新しい地方自治法を施行し、新日本国憲法をつくるというときもいろんな議論がございました。そのときに自治体というものを前提としたわけです。都道府県の存在を前提として、中にある仕組みを首長を大統領的な公選制にし、議会との対立構造の中で車の両輪での地方自治制度を都道府県についてもつくりました。これは大きな転換であって、当時、国の出先機関としての首長がいたわけでありますが、官選知事から民選知事へと移ったわけであります。これはその背景には都道府県という存在を前提として今の憲法の構造、地方自治という章の構造ができているという考え方がございましたし、また地方自治法の中で都道府県の区域はこうですよと定めていない。それは都道府県というのは既にあるものとして、それを法律が追認をして、法的存在として今、都道府県があるというふうに通常は理解をされています。いろんな学説があることは承知していますけれども、基本的な、多数的な理解というのは、そういうふうに考えていただいて結構かと思います。  そんなようなことでありますので、無原則に都道府県を合併させるとか、何か早期に廃止するということができるわけではなくて、かなり大がかりな議論がないとできないことになろうかと思いますので、当面その心配はないのではないかと思います。  これとあわせて考えなければなりませんのが道州制というものであります。この道州制の言葉の中にもいろんなものがありまして、広島県知事などは道州制と言うときは今の都道府県47を前提とした47の道州制だということも言うわけです。ですからいろんな考え方があるわけではありますけれども、一般的には地域ブロックをつくって、中の都道府県を廃止して、二層制にしようというのが経済界などが主張する主流的な考え方であります。  ただ、これも再三議論をされていますけれども、平成27年に自民党の道州制の調査会が当面この検討を休止するというふうにして以来、それ以来動きがとまっているというふうになってきております。  したがいまして、これもなぜとまったかというと、なかなか実情に合わないのではないかという、そういう背景のものがあったり、特に町村レベルでの反発が強いこと、そうしたこともありまして、これはそうそう動くものではない。ですからこの辺については急々な準備は必要ではないのではないかなと思います。  片方で、我々が今やらなければならないのは、そうは言っても今の都道府県の枠組みでは処理できないことがあるのではないかという議論でありまして、これには謙虚に我々も向き合って、住民のために都道府県境を越えた協力関係を強化をすることが大切であります。そういう意味で中国地方知事会も機能強化をして、例えば先般来豚コレラの問題が発生していますが、早速に集まりまして、豚コレラ対策、情報共有をしようと、またいざというときは資機材をお互いに融通し合おうということを話し合ってきました。  事ほどさようでございまして、以前は知事会、5人集まってそれで終わりだったのですが、ふだんから協力体制を組み、ドクターヘリなどもいわば共有しながらお互いに融通して使うというような形になっています。  さらに本県の場合は、関西広域連合にも所属をし、これも都道府県の枠を超えて医療や産業政策、さらにはそのほかの領域におきましても関西ワールドマスターズゲームズを初め展開を図っているところでございます。  一つの地域だけでは解決できない課題であります。だんだんとこの私どものやり方が周辺からも理解をされるようになってきたかなと思います。  その一つの例は鳥獣対策でございまして、鹿は鳥取県だけが駆除しても山の中に逃げ込んで、また帰ってくるというだけになります。それで協力をして駆除を進めようというような体制をとらさせていただくようになり、岡山や兵庫、そして鳥取で一斉にそうした対応をとるようになりました。そうすると以前岡山さんのほうは、うちほどには実は鹿の駆除を行っていなかったのですけれども、直近では向こうのほうがむしろ頭数をふやしてきました。これを県境をまたいだ地域に、大体山に逃げ込みますので、この山の中に対して我々もコントロールをかけていくという意味で非常に有効だというふうに思います。こういうようなことをこうした鹿の害だけではなくて、いろんな領域で我々はやり得るわけでございまして、今後、議員がおっしゃるような問題意識もよくわかりますので、それぞれの都道府県という枠組みを超えた行政サービスの提供のあり方、これを積極的に私どもとしても周辺とも話し合って進めてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)14番川部議員 ◯14番(川部洋君)県境を越えた連携のあり方、本当に関西広域連合も含めて、それから今の鳥獣対策の岡山との連携も含めていろいろ鳥取県としては取り組んでこられていることは十分わかりました。  本当にその中で住民のためにどのようにあるべきかということを言われたとおりで、やはり自治体というのは住民のため、自治ということが第一だというふうに思います。そのことを踏まえて、県の役割だとか、市町村の役割だとか、隣の県のことだからということではなくて、ぜひとも一緒になって住民のために課題を解決していっていただきたいと思います。  本当に今後、厳しい時代が予測されます。その中でもやはり鳥取県は、人口最少県であるというそのことを生かしながら、ぜひともオール鳥取で県民の福祉の向上に向けて取り組んでいただくこと、横山会長からありました有言実行で、私は意思あるところに道は開けるというのがスローガンなのですけれども、ぜひともしっかり住民のために取り組んでいただくことをお願いして、質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時51分散会    ────────────────...