• 片耳難聴(/)
ツイート シェア
  1. 鳥取県議会 2018-06-01
    平成30年6月定例会(第4号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(稲田寿久君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号から第8号までを一括して議題といたします。  これより一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  32番澤紀男議員 ◯32番(澤紀男君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  初めに、大阪府北部地震によりまして亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、災害に遭われました全ての方々へお見舞いを申し上げたいと思います。  それでは、通告に従いまして、まず夜間中学について質問をいたします。  夜間中学については、これまで本議場におきまして平成28年12月7日と平成29年9月の2度にわたり取り上げてまいりました。  夜間中学は戦後の混乱期に、生活困窮などの理由から昼間に就労または家事手伝い等を余儀なくされた学齢生徒が多くいたことから、それらの生徒に義務教育の提供をすることを目的に、昭和20年代初頭に中学校に付設された学級です。平成28年度現在、8都府県25市区、31校設置されております。文部科学省は平成27年7月に、不登校などさまざまな事情から実質的に十分な教育を受けられないまま学校の配慮などにより卒業した者で、中学校で学び直すことを希望する者について、夜間中学校での受け入れを可能とすることが適当であることを通知しました。また、平成28年9月には不登校となっている学齢生徒の夜間中学での受け入れが可能であることを示しました。平成28年12月7日には議員立法により、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会確保に関する法律、いわゆる教育機会確保法が成立し、学齢期を経過した者であって、小中学校等において就学の機会が提供されなかった者のうちに、就学機会の提供を希望する者が多く存在することを踏まえ、全ての地方公共団体夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務づけられました。現在、夜間中学は義務教育を終了していないまま学齢期を経過した人や、不登校などさまざまな事情により十分な教育が受けられないまま中学校を卒業した人、外国籍の人など、義務教育を受ける機会を実質的に保障するためのさまざまな役割が期待をされています。  平成28年12月7日の一般質問で夜間中学設置のための協議会設置の質問に対し、知事からは、今後、話し合いが始まることになるが、協議会の設置という提案があれば、執行部側も前向きに受けとめるとの答弁でありました。平成30年3月に鳥取県教育審議会夜間中学等調査研究部会が設置され、中学校夜間学級の設置に係る調査研究を行い、本県における中学校夜間学級の設置等の方向性を明確にすることとし、第1回の部会が開かれております。  知事には、本県の夜間中学等調査研究部会の設置についてどのように受けとめるのか、今後の展望とあわせて伺いたいと思います。  また、教育長には、夜間中学調査研究部会が6月13日に開かれましたが、今後の取り組みについて所感を伺いたいと思います。  続きまして、再犯防止と社会復帰について質問をいたします。  再犯防止推進法による再犯防止に向けた取り組みが行われています。平成29年末現在で全国の刑事施設に入っている人は5万3,233人、少年院は2,084人、少年鑑別所は472人で合計すると5万5,789人となります。広島のマツダスタジアムが3万3,000人収容できることから、マツダスタジアムの約1.7倍の人員規模になります。被収容者の数は、社会情勢や経済情勢の動向とも関係すると言われており、年代によって増加、減少を繰り返していますが、昨年末の人員で見ると、近年の刑事施設のピークは平成18年の8万1,255人で、それ以降は減少傾向にあります。少年院のピークは平成12年の5,044人、少年鑑別所は平成13年の1,369人であり、いずれも減少傾向にあります。平成28年の入所受刑者について見ると、最も多いのが窃盗、覚醒剤の順で全体の約61%を占めています。少年院入院者について見ると、最も多いのが男子では窃盗、傷害、暴行の順で、女子では覚醒剤、窃盗の順となり、全体の約51%を占めています。  鳥取県は、平成28年に成立した再犯防止推進法に基づく計画として、本年4月に全国初となる鳥取県再犯防止推進計画を策定し、平成34年度末までに再犯者率を20%にする目標を掲げています。  そこで知事には、鳥取県の現状、課題等についてどのように認識し、受けとめているのか。また、今後の推進計画についてどのような点に重点を置き、推進していくのか、所見を伺います。  先日、鳥取刑務所を視察いたしました。5月21日現在、380名が収容されております。罪名別では覚醒剤34.9%、窃盗32%と全体の66%で、年齢別では40代34.6%、50代23.3%、30代20.4%となっています。受刑者の特徴としては、65歳以上が44名で11%、平均年齢は48.7歳、最高齢は80歳となっております。  刑事施設では、受刑者に対して犯罪の責任を自覚させ、立ち直りの意欲を喚起し、社会生活に適応する力を身につけさせるため、作業のほか、改善指導や教科指導という教育的な処遇を行っております。また、受刑者が刑を受ける意義を理解し、受刑中の処遇にみずから進んで取り組めるようにするため、入所時には刑務執行開始の指導を行い、出所時には円滑に社会復帰できるように釈放前の指導を行っております。
     鳥取刑務所では、再犯防止の取り組みとしてフォークリフト運転科建築塗装科、パソコンやビジネスマナーなどを学ぶビジネススキル科での職業訓練のほか、一般改善指導として行動適正化、酒害、特殊詐欺などの指導を行っています。また、特別改善指導として行われている薬物依存離脱指導を視察しました。受刑者はごく普通の一般の人という感じです。現実のつらさや寂しさ、孤独から逃れるために、ついつい手を出してしまったと話します。薬物に依存していた自己の問題を理解させた上で、再使用しないための具体的な方法を考えさせます。このほか、暴力団離脱指導性犯罪再犯防止指導ハンドメード帆布トートバッグ製作などの就労指導が行われておりました。  再犯防止のためには、受刑者が出所後の地域への受け入れ環境と就労が大きな課題となります。  そこで知事には、1点目に、鳥取県更生保護給産会が担ってきた事業についての評価と今後の果たす役割について伺います。  2点目に、民間団体において鳥取ダルク薬物依存者を受け入れ、相談支援や啓発を行ってきましたが、どのように受けとめるのか、今後の展望とあわせて伺います。  3点目に、起訴、執行猶予者への適切な機関へのつなぎ等を行う相談支援員を鳥取県社会生活自立支援センターに配置するとともに、就労支援について県立ハローワーク等とも連携していくとしておりますが、自立支援センターの機能と相談員の役割、ハローワークとの連携についてどのように取り組むことが必要か、知事の所見を伺います。  4点目に、全般的に支援施設等が県東部に集中している傾向が見受けられますが、県西部地区での取り組みについてどのように考えるのか、伺いまして、壇上からの質問といたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、大阪の地震につきましては、御冥福、そしてお見舞いを申し上げなければなりません。今日なお余震も続き、場合によってはさらに大きな地震があるかもしれないという学者の見解も出てくるところでございますが、私どもとしては先ほど職員の災害応援隊を送り込みまして、向こうでのボランティア活動にまずは従事しようということも始めたところでございます。私ども中部地震のときに梨の落下被害が広がりました。そうした落下被害が広がった際に、関西の方がそれを買ってくださり農家を元気づけてくれたということがございました。今回は恩返しに、この週末、大阪のほうに、私どもとしてはスイカを差し入れとして持って伺おうかと、いろいろと今、応援の仕組みを考えているところでございます。一日も早く生活を取り戻されることを願ってやみません。  まず、夜間中学につきましてお話がございました。夜間中学等調査研究部会の設置につきましていかがかと、こういうことでございます。  これにつきましては、議員のほうからも御指摘がございまして、論戦をさせていただいたところでありますが、その後こうした研究会が立ち上がることになり、関係者の間で議論が始まることとなりました。この研究部会で実り多い議論がなされることを私どもとしても期待をいたしておりますし、その結論につきましては、執行部としてもしっかりサポートをさせていただきたいと思います。現状では、学ぶ機会が得られなかった方、就学ができなかった方が県内の統計でも700名余りいるとされています。さらにまずこの鳥取県にとどまっておられる外国人の方、そういう方の学べる機会ということにもなるかもしれませんけれども、こうした方々が4,000人以上いるというのが実情であります。そのほかにも、不登校対策であるとかいろいろな対策にもなるのではないかなというふうに思いますが、これはまずは関係者の御理解も必要でありますし、どうやって受け皿をつくるのがいいのか、どういうような形で運営するのがいいのか、いろいろと御意見もあるところであります。  総合教育会議というのを今、私ども執行部教育委員会とで有識者を交えて持っていますが、その際に有識者の委員の中からも、いわば専修学校のようなものを活用しながら、私学のほうで公設民営的なやり方もあるのではないかと、こんな御意見も出ていました。公設民営になりますと、執行部側も関連するということにもなってくるかもしれません。今後もいい形でスタートができればと願っておりまして、議論を期待したいと思います。  再犯防止につきまして何点かお尋ねがございました。  まず、再犯防止推進法に基づく計画として、再犯防止推進計画を鳥取県が策定をしたわけでありますが、現状や課題についてどういうように考えているかと、こういうことでございます。  今、本県の中で鳥取刑務所が典型的にはございます。こちらのほうに入ってこられる方、その措置をされる人の7割は再犯者ということになりました。また、5割の方は帰る先がないという人であります。また薬物関係、これも3~4割ということでございまして、そういう比率も高いし、高齢者も3割というようなことでございます。イメージとして映画で見るような、ああいうイメージとは大分違った世界になってきていまして、福祉、社会政策が求められる、医療政策も求められる、そういうのが現在の鳥取刑務所の現状になり始めています。  私どもでは、このたび再犯防止推進計画の策定をいたしましたが、実はこれは全国の関係者の間で驚きを持って受けとめられています。我々が全国初のものとなりましたけれども、いまだにどこのどの都道府県も策定できていません。今いろいろと考えをめぐらせているのでありましょうけれども、私どもが先回りして、それをやりましたことに、こうした更生保護の関係の皆さんからは、鳥取県の熱意や行動に対する御評価もいただけるようになってきました。その成果として、自立支援のためのセンターの設置もいち早く鳥取県内で実現をしたということになったわけでございます。  こういうようないろいろと動きが、余波があるわけでありますけれども、本県はもともとそうしたさまざまな素地がありまして、民間の皆様の活動であるとか、それから県としての取り組み等もございました。そうした独自性も生かしながら、地域の実情に沿って、それを支えてくださる民間の活動の方々あるいは公共的な団体と連携をしながらやっていこうと、こういうようなスタイルで私ども独自の計画をつくらさせていただいたわけであります。ぜひ実効性を上げていかなければならないだろうと思います。  例えば再犯抑止更生協会という協会が本県では設立されたのですけれども、これは後ほどあるような給産会の安藤さんとか鶴巻さんとか、そうした方々が中心になって設立されたわけでありますが、これは教誨師の方が中心的であります。給産会関係者の方なのですが、出所する前に研修をしてもらおうと。今いろいろな職業訓練的なお話もございましたけれども、職場で面接を受ける際のマナーであるとか社会生活相談窓口、独自に教科書を、わかりやすい平仮名で振り仮名も振って、そういうものをまとめられまして、いわばそういう出所前セミナーのようなものをやり、丁寧に社会へ送り出そうと、そういうことを始められたわけでありますが、全国でも例がないことでありました。  こういうようなことであるとか、あるいはこの8月からは県の予算のほうをお認めいただいたところでありますけれども、住宅の入居しようというときの保証のお手伝いをしようと、そういうような形で住み始めることに対する支援をやろうというようなことであるとか、そうしたさまざまなことを鳥取県独自にもやってきたり、あるいは今後、やろうとしていたりということでございまして、こうした動きを生かしていければというふうに思います。  もともと更生保護女性連盟でありますとかビッグ・ブラザーズ・アンド・シスターズの若者の皆さん、さらにはこうした更生保護を支援する経済界の方々、こういう方々がいらっしゃいました。この他、先般、表彰を受けられた清水さんもそうなのですけれども、中小企業団体中央会の会長もされていた方でいらっしゃいますが、こういう更生保護活動に携わられて就職先を経済界としてもあっせんする、そういう受け皿づくりを一生懸命されたり、それから資金を集められて、ホゴちゃんという着ぐるみを活動用に寄贈されたり、そうしたことが評価されまして、更生保護の世界のノーベル賞のようなものでありますが、瀬戸山賞を受賞されるというようなこともございました。こんなようなよき伝統を生かしながら、進めさせていただきたいと思います。  そういう関係で具体的なお話を何点かいただきました。更生保護給産会が担ってきた事業の評価や今後の役割、さらに鳥取ダルクの活動について展望も含めてということ、さらに社会生活自立支援センター、先ほど申し上げたものでありますが、その機能や相談員の役割、また、東部にそうした支援が集中しているのではないかと、こんなような観点でのお尋ねがございました。  先ほども申し上げましたように、それぞれにいろいろと活動されていまして、ただ一つ一つ鳥取県の人口規模が小さいこともありますけれども、苦労しながらやっているというのが実情かなと思います。  更生保護給産会は、刑務所から出所されたときに、当座の住むところであるとか就職先のあっせん活動、こういうことをされる、いわば滞在型の施設ということであります。前の理事長をされていた安藤さんはお亡くなりになられましたけれども、そのときに入所率7割ぐらいだったところが100%まで持っていかれまして、拡張であるとかそうしたふうに独自にいろいろとてこ入れをされ、それをめぐる支援の輪が広がったところでございました。鳥取県のこの給産活動の特徴になりますのは、先ほど清水さんのお話も申し上げましたが、そういう経済界の方とも協力をされながら受け入れ先を地道にふやしていかれまして、就職の受け皿というものをつくっていかれたこと、また、入所者に対しましてコラージュ療法という、そういう一種の心理療法みたいなものですかね、そういうことをされまして、こういうことが評価されて、この給産会自体も瀬戸山賞をとられています。こういうような活動を非常に力強くされているわけでありますが、このたび平成29年度からぐらいだったと思いますけれども、また、法務省の委託事業も受けられまして、フォローアップ事業ということを開始されたりして、活発な活動をされています。県のほうでも例えば施設の整備であるとか、これまでも支援をさせていただいたところでありまして、この辺も地方自治体としては特徴ある支援だったと思います。  鳥取ダルクについてでありますけれども、実は覚醒剤の再入率、実際、刑を犯すというようなことになりますと、5割ぐらいというふうにも言われています。ダルクは全国組織でありまして、全国各地にこうした施設を持っておられますが、覚醒剤のいわばアディクションから立ち直っていくと、こういう薬物を抜いていくこと、それをみんなで合宿しながらやっていくという、そういう活動をされているところでございまして、これまでも10名の方が卒業されてきているということであります。大体25人ぐらいの定員なのですが、ほぼ満杯近い形でございますけれども、いろいろと寄附金を集められたりして活動をされていますが、本県からも年々の支援をしているところであります。このたび施設の改修の必要が出てまいりまして、まずは調査をする必要がありますので、このたびの議会に御提案を申し上げておりますので、御検討をいただければありがたいと思います。こちらの関係者とも今お話し合いをさせていただいているのですが、より安定した活動をしていくために、グループホームになれないだろうか。法律的な枠組みも変わってまいりまして、これは精神障害の関係ということにもなりますので、そうしたグループホームとして再スタートをさせる、そういう形がとれないか、今、検討していただいていまして、こういうことがまとまってくると、いろいろな形で支援といいますか、負担金、報酬が出ますので、そういう報酬による運営など、安定性が増してきたり、施設の改修等も可能になってくるのではないかなというふうに思っております。今そうした話し合いを精力的にいたしているところであります。  それから社会生活自立支援センターでありますが、これは権利擁護の皆さんが受け皿としてなっていただきまして、このたび6月からこの近くに開所したところでございます。当面は障害を持っておられる方とか高齢者とか、そうした方々を中心に相談を受ける体制をされているところでございますけれども、こうした施設ですね、国のほうの委託事業でもしているところでございます。この委託事業を受けることになったのは、やはり本県が全国で1番目に計画をつくったということが影響しているようでございまして、そのモデルケースとしてそうした採択があったということでございます。  それから東部に偏重しているのではないかということでありますが、西部は西部で頑張っておられる方々がいらっしゃいます。多分、澤議員も御存じなのだと思いますが、美保学園というのがございまして、こちらのほうが少年の受け入れということでございますけれども、これを米子グレートサウスライオンズクラブの皆さんがずっとフォローされていまして、そうした交流事業であるとか社会と触れ合うような、そういう活動などもされていますし、さらにはボーイスカウト活動とも、美保のほうも米子の第9分団ですかね、ということでかかわっておられます。こうしたことで社会活動の中でいわばつながりながら、西部でもそうした活動がこれは根強く地域の支えとしてあるわけでありまして、その関係者の皆様に敬意を表したいと思います。  これにとどまらず、さまざま形での美保学園あるいは県全体での鳥取刑務所も視野に置いた更生保護活動のそうした支援の輪というのはございます。ただ、確かに刑務所自体が東部にあるものですから、東部のほうにその中心的な機関が置かれて、例えば給産会であれば出てきたところで受け入れますので、そうした形になっているわけでありますが、今後も中西部も含めてこうした活動が広がっていくように、法務省あるいは関係者とも協力をしながら明るい社会の推進に努めてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私には夜間中学につきまして、先般6月13日に開催をいたしました夜間中学等調査研究部会等につきましてお尋ねがございました。  これまでの県議会での御議論などを踏まえて、先般、例えば不登校の児童生徒の支援に携わっておられる方あるいはフリースクールの関係者の方、そしてまた外国人の方に日本語教室という形でそういう学びの場を提供しておられる関係者の方々あるいは市町村教育委員会、学校現場の代表の方々、学識経験者等々にお集まりをいただきまして、調査研究を行う部会を立ち上げたところでございます。  1回目の会議では、この夜間中学を設置する際、どんな対象者の方々がおられて、それについて今現在どんな取り組みがなされているかといったことでありますとかニーズ調査についてどう考えるかといったようなことを中心に、1回目ですので、フリートーキング的に御意見を賜ったところでございますが、いろいろ意見が出まして、一般的には学びの場の選択肢をふやすということはいいことだろうということと、あるいは本県では特に不登校の対策としてこの夜間中学というのが効果を発揮するのではないかといったような御意見がございました。一方では、そもそも不登校で学校に行かなかった子供たちが、夜間中学という形ですが、学校にまた向かうだろうかといったような御意見でありますとか、学び直しの場面でありますとか、外国人の方々への学びの場面というのは今もあって、それをさらに充実するという格好で進めていけばいいのではないかといったような御意見、また、ある程度一定量のニーズがないと、この夜間中学の開設というのはなかなか県民を初めとする皆さんの理解も得にくいのではないかといったような御意見もございました。実際、国のほうではこうした潜在的な対象者というのが、先ほど知事のほうも御答弁されましたが、かなりの数いらっしゃるわけでございます。一方で、この夜間中学というシステムが本県において、そうした方々の学ぶ機会の確保ということで、ニーズにつながっていくのかといったあたりで若干悩ましい部分があるなと思いながら、私も議論の成り行きを聞かせていただいたところでございます。ともかくもこの委員会の中でまずはニーズ調査をやってみないと始まらないなということでございまして、そうしたニーズ調査を行う方向で、そうした事務的な準備でありますとか議論を進めるということになりました。  また、あわせて、この委員の中でも先進自治体などの調査を実際に自分たちもやってみて、課題解決に向けた情報をしっかりと得た上で、議論を進めようということになったわけでございます。こうしたことを進めながら議論を進めて、一定の方向性を示すことができればというふうに考えておるところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)今御答弁を知事と、それから教育長にいただきました。  最初に、更生保護施設ということで、再犯防止という観点からやはり地域の受け入れというのは大切だなということは感じております。私も給産会のほうにお邪魔して感じたことがあります。地域の中で、住宅街の中でああいう施設があるというのはなかなか珍しいことではないかなと。これは鳥取刑務所のほうをお伺いしたときも、そういうふうにやはり評価をされておりました。ただ、そこの責任者の方とお話しした中で、とはいいながらも、地域の中で受け入れていただくためには長年の努力が必要ですし、今もその努力はやっている最中だと。その上でやっとここまで来たのですと、地域の行事の中にも参加できるようになりましたという、もううれしい話も聞かせていただきました。そういう意味では、地道ですけれども、しっかりと地域の中で受け入れる、そういう体制を県としても後押ししていただきたいなということを、知事の御答弁をお聞きしながらちょっと思っておりましたので、申し添えておきたいなと思います。  それと夜間中学につきまして答弁がありましたけれども、これは始まったばかりですね、3回ですか。一応結論を出すという方向性のようですけれども、今始まったばかりですので、これからいろいろな形を私も見せていただいて、まだ議会を通じて申し上げたいことは申し上げていきたいということを今の段階で言っておきたいと思います。その上で夜間中学についてもう少し深めていきたいと思います。  夜間中学については、これまで私も取り上げてまいりました中で、東京都葛飾区立双葉中学の夜間学級ですね、これを視察して、議会でも御質問をさせていただきました。  今回は、これはNPOが行っている夜間中学、そういう観点からお話をさせていただきたいと思います。ことしの2月になりますが、沖縄県那覇市にありますフリースクール、学校NPO珊瑚舎スコーレの視察をいたしました。初等部、中等部、高等部があり、2004年から夜間中学が開設をされました。那覇市内にあるビルの3階が校舎となっております。午後5時、学校の周辺は明るく、にぎやかな町並みです。校舎の入り口には1人のおばあさんが午後6時から始まる授業の1時間前から待っております。夜間中学には沖縄の戦中、戦後の混乱と貧困の影響で義務教育を受けられなかった高齢者たちが通っておりました。授業は午後6時から9時までの3時限、この日は英語、国語、音楽の授業を参観いたしました。  英語の授業では、生徒たちより若い先生がきょうは何時に起きましたかと英語で尋ねますと、生徒からは英語で6時、5時、7時などの答えが返ってきます。そのうち、生徒の誰かが先生はいつ起きる、何をしているのと逆に質問する光景に教室は笑いに包まれます。  次の国語の授業は作文でした。課題は文章による自画像です。習い覚えた字で当時を振り返っています。学ぶことがこんなに楽しいことかと生徒の表情は輝いております。  3時限目は、1年生から3年生まで全員が参加しての音楽です。沖縄伝統の三線の独特の音色が教室中に広がりました。  珊瑚舎スコーレの星野人史代表は、字が読めないから、学校に行っていないからと人前に出ることを避けて生きてきた高齢者たちが学ぶことで堂々と人前で話せるようになり、おしゃれになり、表情が明るくなり、学びはその人の立ち姿になる。学ぶことで世界は広がるといいます。  そして79歳になる卒業生の詩を紹介されました。入学当初は平仮名の読み書きがおぼつかない方で、詩という言葉の世界に悪戦苦闘をしておりました。先生、こんなのでいいかねと言って見せてくれた詩は、勇気とはで始まります。勇気とは、新しい詩をつくり出す。私は何もできないと言ってきた。自分をつくるには勇気を出し、前に進む、こういう詩です。珊瑚舎スコーレという学校で学ぶ体験が79年目の春、新しい芽吹きをもたらしました。新しい自分をつくり出す、自分をつくるという言葉の獲得ですと話します。珊瑚舎スコーレ夜間中学の意味を感じた瞬間でした。  今までに珊瑚舎スコーレを卒業した生徒さんは100人を超え、そのうち約4割近くが定時制高校に進学をしています。中には80歳を超えて放送大学に入学し、卒業した人もおります。そしてフリースクールに通う生徒たちとの交流もありました。夜間中学で学んでいる姿を通し、喜びと輝く顔を見ることができました。  もちろん鳥取県と沖縄県では、夜間中学を設置するための時代背景や生活環境、経済環境のほか、それを必要とする人たちのニーズが違うのは当然です。そのために本県では検討部会が設置をされております。年齢に関係なく、学ぶことの喜び、それによる未来への光、これこそが本当の意味での教育だと思います。その意味で本県においても学ぶべき点があると感じ、NPO法人珊瑚舎スコーレが取り組んでいる夜間中学について紹介をいたしました。  まず知事には、この珊瑚舎スコーレの夜間中学の取り組みについて、どのように受けとめていらっしゃるのか。  また、鳥取県の夜間中学はどのようにあるべきと考えるのか、所見を伺いたいと思います。  鳥取県教育審議会夜間中学設置検討部会が設置されましたが、県民は夜間中学についてほとんどわからないのが現状ではないかと考えます。今議会の知事要望にも夜間中学等についてシンポジウム等を開催し、県民への周知を図るよう要望ししております。夜間中学等について、県民や潜在的入学希望者に十分伝わっていないことも考えられることから、広報活動、シンポジウム等の開催も検討していくとあります。  そこで教育長には1点目に、珊瑚舎スコーレの取り組んでいる夜間中学の取り組みと、教育的観点からフリースクールに通う生徒たちとの交流についてどのように評価をしていらっしゃるのか、また、本県の教育においてどのような点を参考にすべきと考えるのか、お聞かせ願いたいと思います。  そして2点目に、夜間中学を県民により広く認識してもらうために、シンポジウム等の開催についてどのような視点で取り組むべきなのか、県民への周知も含めて所見を伺いたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤県議からのお尋ねでございますけれども、珊瑚舎の取り組み、これは非常にすばらしい取り組みではないかなと思います。やはり人々に学ぶ喜びというものを感じていただく。先ほど勇気の詩がございましたけれども、そうやって人間として成長していくということをこの教育がなし遂げているのだなということを感じます。同じようなことは京都で洛友中学校というところがあり、ここでは昼間部と夜間部とありますけれども、不登校の生徒たちも絡みながら夜間中学の運営ということもなされていたりしまして、そんなようなさまざまなタイプもあると思います。あるいは大阪のほうでは外国人が今ふえていますから、そうした外国人が主たる生徒である、そういう夜間中学であるだとかいろんなタイプがあるように思います。  ただ、大切なのは人間として憲法にもございますが、教育を受ける権利というのがあり、その基本的人権としても保障されているものを地域としてどういうふうに形づくっていくかではないかなと思います。フランクリン・ルーズベルトもおっしゃっておられましたけれども、若者のために未来をつくることはできないかもしれないが、未来のために若者をつくることはできる。社会というのは、そういうものではないかなというふうに思います。やはり人を育てる。伸び、成長したいという、そういう人間の本質的欲求に応えられる。それがひいては未来もつくり、ふるさとも強くしていくのかもしれません。そんな意味で夜間中学についての検討を、真摯に進展することを私どもとしても見守ってまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員から、重ねて夜間中学につきまして何点か御質問をいただきました。  初めに、珊瑚舎スコーレの取り組みについて、あるいはスコーレの交流についての私の評価ということでございましたが、御紹介にありました珊瑚舎スコーレ、いわゆるフリースクールに併設する形で夜間部ということで、これは戦中、戦後の非常に混乱した中でさまざまな事情によりまして、義務教育が終了しないままで学齢期を通り過ぎられた方々への学び直しの場ということで、いわゆる自主夜間中学という位置づけでありますが、そうした形で運営しておられるということでございます。こうした方々が多い沖縄の地ならではというか、そういう地域の実情あるいはニーズというものに非常に合った、また、年齢にかかわらず学びの楽しさを享受できる、すばらしい取り組みではないかというふうに思っておるところでございます。この取り組みの中で御紹介がありましたけれども、昼間のフリースクールに通う生徒たちがボランティアで、夜間中学の高齢者の方々を行事でありますとか授業を通じて、さまざまな形で交流を行っておられるようでございます。  実は本県でも例えば倉吉西高が関西方面に研修旅行に毎年出かけるのですが、同じように、高齢者の方々が通われる守口市立さつき学園夜間学級というところを訪問して、交流を行っておりまして、そこでの状況を聞いてみますと、生徒にとっては高齢者の方々が学ぶ姿をつぶさに見るということで改めてこの姿を通して学ぶことの喜びでありますとか学ぶ意欲、そうしたものへの発見につながるということでありますとか、自分たちが教える側で高齢者の方々にかかわることもあるようでして、そうした意味で感謝の言葉をかけてもらって自己肯定感が上がったり、自己有用感を高めるというようなことにつながっているようでございます。また、高齢者の方々にとっては若者とのかかわりによって自分たちの学習のモチベーションがさらに上がったり、あるいは生きがいを改めて感じるというようなことにつながっているというふうに聞いておりまして、この倉吉西高の場合は1日限りの交流でありますが、この珊瑚舎スコーレではこうした交流が日々行われているということで、若者、高齢者、双方にとって非常に貴重な学びとなっているのではないかなというふうに思っておるところでございます。こうした高齢者とのかかわりなどを含めて、さまざまな形でこの県内でもそうした取り組みを広げていければというふうに思っておるところでございます。  また、議員からは、シンポジウムの開催につきまして御質問がございました。  先般の調査研究部会の中でも夜間中学そのものの認識度が低いのではないかというような御意見も賜っているところでございますし、議員からの提案もございました。ぜひそうした県民の方々への周知も含めて、このシンポジウムの開催を検討させていただければというふうに考えておるところでございますが、そのニーズ調査も一方では今、予定をしているそのタイミングでありますとか、あるいはどういった内容でこのシンポジウムを開催するのか、そうしたあたり、この部会の皆様方にも御相談しながら今後、開催について検討してまいりたいと考えておるところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)答弁をいただきました。先ほど教育長が言われましたように、シンポジウムの開催というのはやはり早目に検討してやっていただきたいなということと、知事も言われましたけれども、鳥取県は未就学者が七百数十名いらっしゃると、そのうち鳥取が381名ですか、やはり西部につきましても280名近いそういうような方がいらっしゃるので、できましたら複数開催していただきたいなということを申し上げて、1カ所だけではだめですよ。やはりこういう県の中で分散して複数の会場でやっていただくということを御提案し、検討していただきたいなと思っております。  そういうことを含めましてお願いしたいのです。後でちょっと教育長、さっきの複数の開催について感想をお願いしたいと思います。  続きまして、再犯防止ということについて話を進めたいと思います。地域で受け入れるということを前提にお話をしたいと思います。  出所者等の雇用の促進といいますのは、再犯防止、犯罪の減少と安心・安全な社会の構築の上で大変重要になります。再犯をして、刑事施設に戻った受刑者の約7割は犯行時に無職です。また、仕事についていない人は、仕事についている人に比較して再犯率は約3倍となっております。出所前からの雇用先が決まっていることは再犯防止への大きな力となります。  私は、ある建設会社の事業主の方から、刑務所を出所した人を雇用したいが、どうすればいいのかとの相談を受けました。その事業主は以前、少年院を訪れた折、少年との会話の中で一緒に仕事がしてみたいという少年の言葉に、できることなら雇用をしたいと思い、相談したとのことでした。  私は、法務省が所管するコレワーク、矯正就労支援情報センターの紹介をいたしました。コレワークの業務は全国の受刑者、少年院在院者の資格、履歴、帰住予定地などの情報を一括管理し、事業主に雇用ニーズにマッチする者を収容する矯正施設を素早く紹介いたします。そのほか、雇用情報提供サービス、事業主への矯正施設での採用手続をサポートする採用手続サービス、事業主への各種支援制度や矯正施設見学などを案内する就労支援相談窓口サービスを行っております。  現在、相談を受けた事業主はこの制度を利用し、ハローワークを通じて求人募集を行っております。鳥取刑務所でも出所前にコレワークを利用して採用が決まり、事業所に継続契約されている事例をお聞きいたしました。  評論家の森田実さんはコレワークを訪問し、これまで刑務所出所者等の理解のある企業経営者を発掘し、支援することが主でした。しかし、今は当時と比べて就労支援事業が大変忙しくなりました。雇用情勢が変わったのです。今の日本は労働力不足です。特に建設業、運送業では深刻な労働力不足に直面しています。建設業では女性を土木建設等に迎える努力をしていますが、それだけでは間に合いません。外国人労働者の導入も真剣に検討されていますが、刑務所内で建設技術を身につけた出所者の需要が高まっているのです。矯正施設における就労支援は新しい段階を迎えていると思います。多くの企業経営者が矯正行政に強い関心を示し始めています。矯正行政にとって進化のチャンスを迎えていると感じます。建設産業の経営者の皆さんが矯正行政にさらなる強い関心を示され、積極的に協力されることを期待しますと建設工業新聞に投稿をしております。  そこで知事に質問しますけれども、コレワーク、矯正就労支援情報センターを通じての雇用促進についてどのように評価をしているのか。  2点目に、県内の協力雇用主の現状とコレワークの周知、活用について所見を伺いたいと思います。  鳥取県立ハローワークが開設され、全国から注目をされております。米子の県立ハローワークは月曜から土曜までの午前10時から午後6時15分までで開所しています。就業支援員による企業に出向いての求人開拓、求職者や求人企業とのマッチングを行うなど、利用者からは高い評価を得ております。鳥取県が進める再犯防止推進計画を進める上からも、刑事施設出所前に雇用が決まることで再犯防止に大きくつながります。しかし、鳥取県立ハローワークでは受刑者等専用求人は取り扱うことができません。  公明党の国会議員を通しまして再犯防止と雇用について法務省、厚生労働省の担当者からヒアリングを行いました。厚生労働省のハローワークの担当者からは、鳥取県立ハローワークについては認識をしている。県立ハローワークからの取り扱いについて検討することも可能だと言います。県立ハローワークでの受刑者専用求人の取り扱いが可能になれば、これまでと違い、再犯防止と雇用促進につながる鳥取モデルとして取り組むことができると考えます。  そこで、県立ハローワークでの受刑者専用求人の申し込みの必要性についてどのように捉えるのか、また、国への働きかけについて知事の所見を伺いたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤県議から、コレワークにつきまして3点お尋ねをいただきました。  このコレワークはまだ新しい方式でございまして、おととし11月に始まったものでございますが、法務省が所管をしまして、これから対処される、いわば求職情報と同じような形になろうかと思いますが、そういう人たちの名簿を提供し、それで全国のハローワークの仕組みを活用しながら、例えば鳥取で出所しても東京とか北海道とかでも就業可能なように、そうした全国の仕組みも使いながら、こうしたコレワークで就労あっせんをするということであります。  メリットとしては、入所している間から出所してすぐに就職できる場所というのを探すことができるようになりました。また、それぞれ実は受刑期間中にいろいろな技量、技能を磨いているところもあるわけですね。懲役刑の関係などもあろうかと思います。そうした労働環境の中で習得してきた技術、そうしたそれぞれの持っている個性や能力というもの、これを実際、企業側と結びつける、具体的なマッチングも可能になってくると、こんなようなことで従来から考えますと画期的なものでございました。今まで我々が一生懸命、企業さんにお願いをして、そういうところで就職の受け皿になってくれますよというところがあり、それがいわばお見合いのような形でうまく合えば合ったということでありますが、システマチックにこういう形ができるようになり、ここ2年弱の間に既に220件、こうしたマッチングが成立をしたというふうにもお伺いをしておりまして、議員もおっしゃるように、ぜひ地域の中でもこれを活用できるような仕組みが必要かなというふうに評価をさせていただきたいと思います。  先ほどの清水さんや給産会のお話も申し上げましたけれども、そうした地道な活動の中で、平成26年に76事業者であったものが今113事業者まで、受け皿となってくださる企業さんが広がってきております。問題はこれを上手にマッチングできるかどうかというところだろうというふうに思います。先ほど澤議員のほうのお話にありましたように、具体的に言えば建設事業者であるとかそうした方の就職を、我々としては受け入れたいという熱意を持ったところも少なからずあると思います。そうしたところでのマッチングが成立するように、こうしたコレワークの活用を企業さんのほうにも呼びかけもさせていただきたいと思います。まだ新しい制度ですので、それほど浸透しているわけではないと思います。  また、あわせて県立ハローワークでの活用がないかということについて、わざわざ政府のほうにもお出かけをいただいて、お話をいただいたということで感謝を申し上げたいと思います。御提案もございましたので、早速、国側と我々のほうでも話し合いをさせていただき、どういうような連携が可能かどうか、協議させていただきたいと思います。  実はこのコレワークの仕組みは非常にプライバシーにかかわるデリケートなものでございます。例えば市町村でも犯罪者名簿というのは実は持っているわけですね。ですが、これは絶対に表に出ません。秘中の秘でございまして、こうしたものは、例えば役所の持っている名簿に反映されていても、一定の職員でなければ見られないというようなものになっています。今回のコレワークが持っている情報もそういうものでございますので、お伺いをしますと、国のハローワークでも担当できる職員は限定されているとか、通常とは違ったルートでそうしたデータベース上のあっせんということもあるとかということでございまして、そのシステムの厳格さ、あるいは取り扱いの厳格さというのは、当然ながら私どもも配慮しなければいけないことになろうかと思います。  ですから、そういう意味でいろいろと限界や制約はあろうかと思いますけれども、議員のほうのお話もございましたように、私どもも県立ハローワークとして発足をし、そして地方公務員でありますから、地方公務員法上の守秘義務も当然あり、さまざまな工夫も可能な状況であって、国のハローワークとは余り変わらずに仕事もでき得るのではないかと思います。ですから、そうしたことで我々のほうでもやれる余地はあるので、その辺、国のほうの理解も得られるようにさせていただきたいなと思います。恐らく県のほうに、コレワークから県立ハローワークのほうに、そうした情報を提供するとかいうことは一定の制約の中では可能になってこようかと思いますし、また、我々で直接やる以外にも今、国のハローワークと実はいろいろな意味で一体化したデータベースなり仕事のやり方をしていますので、国のハローワークのネットワークも、我々県立ハローワークを通して活用しながらやっていくことも可能かなというふうに思います。ですから、御提案もございましたので、政府の関係機関とまずは協議をさせていただきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)シンポジウムの分散開催の問題だったですね。  それでは、山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員から、夜間中学に関するシンポジウムにつきまして複数地での開催という御提案がございました。そうした御提案もございましたので、そうしたことも含めて開催に向けて検討もしてまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)知事並びに教育長から本当に前向きな御提案を御回答いただきました。頑張っていただきたいと思います。  1点だけ申し上げておきます。やはりコレワークのことについてなのですけれども、鳥取刑務所に行きましたときに、事前に面接をしたと。その面接もなかなか相手方が、雇用主が来られないということで、スクリーンで3時間にわたる面接があったというような話も聞きました。そのぐらい内容も濃い面接をして、決まった方はいまだにずっと雇用されているということがありましたのを、ちょっと参考までに皆さんにお話したいのです。これからもしっかりと進めていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)4番福浜隆宏議員 ◯4番(福浜隆宏君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。きょう6月21日は難病の一つでありますALS、筋萎縮性側索硬化症の患者さんに対する理解を広げていこうという世界ALSデーになっています。皆さん、御存じだと思うのですが、五感、いわゆる感覚神経は普通の人とごく同じ正常なのですが、運動神経細胞が年々麻痺をしていきまして、最後は人工呼吸器をつけざるを得ない状態に陥ってしまいます。10万人に5人の割合で発症されて、大体50歳代から70歳代が主で、ですから、ある日、突然その難病にかかる人もいらっしゃることが、私も人ごとではないのです。  氷水を頭からかぶるアイスバケツリレーで一躍全国の注目を集めましたが、しかし、鳥取県の場合は単なる遊びイベントで終わってはならないという平井知事の発案のもと、きょう議長のお許しをいただいてTシャツを持ってきたのですが、ALSの頭文字をとってALL LOVE SUPPORT、あらゆる人の愛でサポートしましょうと、こういう標語を平井知事が考えられまして、運動が行われています。  この世界ALSデーを前に、この前の日曜日なのですが、JR鳥取駅前のバード・ハットで会場イベントが行われまして、藤井福祉保健部長、それから前副知事の林さんも顔を見せていただきました。参加した全員でブルーシートの上にごろんと横になって6分間、もう手も動かない、足も動かない、1ミリも体を動かせないという状況を疑似体験していただきました。例えば顔に虫がとまってかゆくなってもかくことすらできません。また、おおいと誰かを呼ぶこともできません。私は6分間は耐えられるかもしれません。しかし、患者さんは24時間365日、耐え続けなければなりません。それが苦しくて、そして周りのサポートが申しわけないということで、残念ながら人工呼吸器をつけることをやめる方もいらっしゃいます。それが現実です。しかし、今現在、鳥取県内には50人という患者さんがこの難病との闘いを、きょうもこの時間も行っていらっしゃいます。一日も早く新たな治療が確立してほしい、そして、それまではALL LOVE SUPPORT、平井知事が考えられたこの標語をもとに、この思いが全県的にもっともっと広がっていく。そのための県の御支援を改めてお願いして、質問に入らせていただきます。  さて、国会は1年余りにわたってモリカケ問題で空転しました。このうち、加計学園については、愛媛県の職員に対し、誤った情報を伝えていたと学園側が謝罪、これで幕引きかとも思われましたが、今月の6日です。自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長が、どう考えても学園側が愛媛県にうそをついたというのはおかしい、だったら国会に特別委員会を立ち上げるべきと。加えて、自民党内でおかしいことはおかしいと、出てこないことにじくじたる思いだと、国民をなめてはいけないとの発言も報道されました。国会空転に対し、一体いつまで不毛な議論を続けるのか、もっと大事な問題があるだろうといった批判もある中、我々国民の中に残っているもやもや感を機微に感じ取り、代弁した小泉氏の姿勢を私はあっぱれだと思いました。ぜひ自民党内で自浄作用を発揮していただき、自民党に期待する国民の声にぜひ応えていただきたい、切に願うばかりです。  このように、政権与党は与党の責任において生まれ変わる、やろうと思えばできることです。しかし、国と地方との関係はそう簡単ではないことを、今回の一件で改めて見せつけられた思いがしました。  愛媛県知事は、文書が事実だと困る人がいるのか、何事も真実を覆すことはできないとまで言い切り、国と対等である地方の立場を明確にした一方、獣医学科が新設された今治市の市長は、国や県は一緒に取り組んできた仲間だから迷惑をかけることはできない。だから、関連文書は全て非開示とする。また、虚偽の説明をしたという学園側を信じたいとも発言されました。国からにらまれようが、県職員を守ったように映った愛媛県知事が正しくて、今治市長は正しくない、そんなことを言うつもりはありません。むしろ今治市長は、国や県の立場をそれこそそんたくして、うやむやにするしか道がなかったとも言えます。  しかし、どうでしょう。本来は民主主義国家である以上、プロセスはしっかりオープンにするべきではないでしょうか。相手をおもんぱかる余り情報を出せない、これは外交や安全保障上ではいたし方ない面があるとしても、国と地方との関係においては、高い透明性と説明責任が不可欠ではないかと考えます。そもそも国からにらまれてもとか、にらまれるから、そんな言葉を生み出す大もとになっている国と地方の力関係自体は一体いつまで続くのでしょう。お金の分配方針やさまざまな権限を持つ国が絶対君主的存在で、地方の声や立場をないがしろにしていいはずはありません。しかし、今回、愛媛県知事の訴えを国は正面から受けとめたとはとても思えませんでした。地方の声がおろそかにされているのではないか、今回の加計問題で私はそこに一番の問題意識を持ったのです。  全国の知事の中でも、存在感と発言力を高めて地方の立場を主張していらっしゃる平井知事は、この問題についてどのように感じられたのか、まず所見をお尋ねします。
     次に、ICTの活用と県民参画というテーマで平井知事にお尋ねします。  人生100歳時代の到来と言われます。がんも治る時代、iPS細胞による再生医療研究がますます加速して、臓器を取っかえ引っかえできる。もちろん倫理上の問題はありますが、そんな時代がもう目の前に迫っています。  長生きできるのは本当に喜ばしいことです。ただ、誰もがお気づきのように延びれば延びるほど、医療、介護、年金など社会保障にかかるお金が膨らんでいきます。  日本の高齢人口のピークは2040年から45年と言われていますが、ピークはさらに延長される公算が極めて私は高いと思います。そうしたら年寄りは早く死ねということかとお叱りを受けるかもしれません。しかし、そうであっても10年先、20年先を考えるのが我々政治家であるとするならば、次の世代に回るツケを減らす努力を本気で考え、できることから手を打つべきだと思います。  国の財政状況を鑑みれば、消費増税で地方に回るお金はふえたとしても一時的で、交付税が減っていくのはもう目に見えています。義務的経費が膨らんでいく中、行政サービスを維持する。民でできることは民の力で行う。PPPやPFI、コンセッション導入議論は、そこの延長線上にあると思います。そして企業体だけではなく、一般県民の皆様ももっと行政に参画していただく。その意識を高めて、行動していただくことも必要ではないでしょうか。  こうした中、千葉県千葉市の取り組みが行政と住民の協働意識を高める点で成果を上げていると聞き、話を伺いました。5年前の平成25年にスタートとした、日本マイクロソフト社からの提案を受けて、実証実験としてスタートしたちばレポです。  千葉市の場合、地域の課題、例えばここを直してほしいといった市民からの通報が年間に道路関係でおよそ1万2,000件、公園関係で2,000件余り、130人の職員が対応に当たっていました。その要望内容は通報した住民と受け取った行政の担当者がやりとりするだけで、情報を即座にオープンにする仕組みがなく、複数の市民から同じ情報が寄せられたり、対応が遅いというクレーム対応で時間をとられたりして、業務効率の妨げになっていました。  そこで登場したのがちばレポです。地域の課題を発見した市民はまずスマートフォンで現地の写真を撮って、ちばレポのサイトに送信。すると、写真画像のGPS機能から場所を特定し、まずウエブ上の地図に場所と内容を公開します。次に、緊急性が高いか低いかの判断と行政が対応するのか、それとも市民で対応していただくのか、この2点の対応方針を即座に見える化します。そして最後に、課題解決前と解決後の写真を並べて公開するというのが一連の流れで、ごみ拾いや歩道の草抜きといった市民の力で対応してほしい課題についてはイベント化して参加者を募り、作業が終われば何人で行いましたという簡単なレポートを、作業が終わった後の写真と一緒に送信してもらい、ちばレポで発信するという仕組みです。  ちばレポを市民に周知するために、まずはあなたの身近にある困ったレポートを送ってくださいという呼びかけからスタートして、第2弾は身近なカーブミラーのさびを点検してください、第3弾はお気に入りのあなたのまちの風景を送ってくださいというポジティブな呼びかけも行った結果、年々レポーターの数がふえて、去年6月時点でおよそ5,000人がレポーターに登録されています。内訳は30代から50代の働き盛りの男性が全体の6割を占めていますが、一方で、これまで行政参画と縁遠いと思われてきた若者や女性も年々ふえているそうです。つまり、このちばレポをきっかけに自分の住むまちをよりよくしていきたい、そのためにまちを見るという機運が高まり、自分ができることを考え、行動に移す参画意識と、さらにはそうした同じ志を持っている人と新たなコミュニティーを生み出すという好循環につながったという説明でした。  このちばレポを県民参画意識を高める具体例として検討に値すると私は思いましたが、平井知事の所見をお尋ねします。  そして仮に取り組むとするならば、千葉市の人口はおよそ100万人です。鳥取県に当てはめて考えると、基礎自治体がそれぞれ取り組むというよりも県で全体のシステムを構築して、そこに市や町が乗っかる形がいいのではないかというふうに思います。あわせて知事の御意見をお伺いします。  次に、鳥取砂丘コナン空港の利用促進というテーマで知事にお尋ねします。  いよいよ来月の28日に空港ビル一体化がグランドオープンします。あわせて唯一の定期便であります鳥取-東京便も5便化の継続が2020年3月まで2年間延長されました。訪日外国人旅行客の次のターゲットは地方と言われる中、この5便化継続の意味は大きなインパクトであることは言うまでもありません。ですから、次のステップとしてはコンテストに左右されない5便化の維持です。その面で見ると、昨年度、東京便の年間搭乗率は66.6%で前年に比べて3.7ポイント上昇、1万5,000人利用客が増加しました。しかし、米子-東京便が昨年度72.4%だったことを考えると、鳥取空港でもまずは搭乗率70%をクリアする必要が私はあると思います。その具体策について知事の所見をお尋ねします。  ところで去年、県内空港の空の駅化等を進める議員連盟のメンバーと一緒に、山形空港を視察しました。山形を選んだ要因は大きく2つありまして、1つは、ピーク時の平成3年に74万人だった搭乗客が、山形新幹線の開通によって平成25年には6分の1、11万人まで落ち込んだ一方、この3年間で25万人とV字回復基調である点。そしてもう一つが平成28年度、台湾からのチャーター便が年間で40便を数えた点です。  まず、14年ぶりに25万人を回復をした要因ですが、名古屋便の運航再開、そして鳥取空港と同様、コンテスト枠で東京便の増便を獲得したことが主な要因という説明でした。その東京便です。座席数が76席と少ないながら搭乗率が80%を超えています。  その要因は理由が多くあると言われまして、まずは競合する新幹線と同じレベルの運賃になるよう、JALが片道1万1,300円という割引料金を導入したこと。そしてもう一つが羽田便の収支について、地元の山形空港利用拡大推進協議会とJALの両者で赤字になった場合は半分ずつ負担、黒字になった場合も半分ずつ利益を分配するという路線収支共有制度を全国で初めて導入したのが主な要因という説明でした。座席数が非常に少ない鳥取-東京便と比べると一概に比較はできないのですが、しかし、収支を共有してまでも増便を維持するんだという地元の覚悟、本気度が非常に強く印象に残ったのです。  同じような手法をANAが興味を示すかどうかはわかりません。しかし、鳥取空港の5便化の維持、そのために搭乗率を上げる一つの方策として、地元の熱意を示すこの山形方式は、検討に値するのではないかというふうに考えました。知事の目にはどのように映るのか、この点について所見をお尋ねします。  では、壇上での質問の最後に、子供たちの自主性を育む環境と時間というテーマで、山本教育長にお尋ねをします。  県内各地で森のようちえんが生まれました。その理念には、みずから考え、選び、行動し、その中から学びを獲得するというプロセスが含まれています。また、一般の幼稚園、保育園でも、森まで行かなくても近所の公園をお散歩するなどして、自然体験を極力取り入れていこうという機運が高まっていて、私も大いに賛同しています。  しかし、これが小学校、学童期に入ると幼児期とは一変します。学習指導要領に沿ったカリキュラム、教科書を中心とした学びが展開されます。こんな言い方をしますと、公教育を否定しているのかと思われるかもしれませんが、私はむしろ日本の教育は、誰もが平等に一定の学力と知識を効率よく学べる、世界に誇れるすばらしい仕組みだと思っています。  ただ、小学校では受け身的な子供しか育たないという考えのもと、自分たちで新たなスクールを立ち上げている、そんな保護者が県内でも一部いらっしゃるのも御存じのとおりです。その選択がいいのか悪いのか、私には判断は尽きません。ただ、一つ言えるのは鳥取県を含め、日本の子供たちは学力は総じて高い一方、みずから学ぶ、そして意欲という点で諸外国に劣っていると言われています。これは何十年も前から言われています。どうすれば、日本の子供たちの自主性が育んでいけるのでしょう。  主体的、対話的で深い学びという学習指導要領が問いかける実践について、学校だけではなく、家庭教育、そして地域、社会教育をもっと巻き込んで一緒に考えていくべき、そんなタイミングではないでしょうか。くしくも現在、文科省が進めている学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティースクールを設置する動きがそのきっかけになりそうだというふうに私は期待しています。  子供たちを取り巻く環境は、幼いころに比べると格段に悪化していると言わざるを得ません。県内のある海に近い小学校の校長先生に話を聞きますと、海開きの日に2年連続で盗撮魔があらわれたのですよと。1年目は逃げられたそうですが、2年目はひっ捕まえて問い詰めると、1年目とは別の男で埼玉県から来た。翌日は高知に行き、最後は九州まで足を伸ばすつもりだった。その男は全国の海辺の小学校のホームページを参考にして、綿密な日程表、行程表を持っていたそうで、慌ててその校長先生はホームページの海開きの過去の写真を全て削除したそうです。  こうした不審者の出没は言うまでもなく、スマホの普及による弊害、公園でボール遊びができない、子供の声がうるさいというクレームから公園では静かにしましょう。危ないから川には近づかないようにしよう。どんどん子供たちの活動範囲が狭くなっています。もはや失敗から学ぶというよりも、失敗すらできない、それが今の子供たちを取り囲む環境ではないでしょうか。  また、子供たちはかなり時間を拘束されています。今や放課後は児童クラブに預けるのが当たり前、でも、私たちが幼いころは、そんなものはありませんでしたよね。でも、それがないと、私たち保護者は本当に困ってしまうのは実情なのですが。土曜日、日曜日はクラブ活動があります。公民館や地域のイベントもびっしり、子供たちの取り合いになっているのが現状ではないでしょうか。ですから、子供たちの自主性を高め、たくましくてたおやかさを育むには、私は遊びが一番だと思っています。大人が何のお膳立てをしなくても、勝手に自分たちで遊びを創造して発展させます。大人の我々がよかれと思って、あれこれ準備をしてしまうことが実は子供たちの創造性を奪っているのかもしれません。  つまり、子供たちのことを我々大人がもっと信じてやるべきそんなときが来たのではないでしょうか。その前提に立って、どうすれば子供たちの手にかつての環境と時間を返してやることができるのか。学校でしかできない教育と地域でしかできない教育、この2つのバランス、しっかりと子供たちの可能性を広げるためのリスク管理を学校と地域が情報を共有して、しっかり練り上げていく。それをコミュニティースクールを展開していく中での一つの大きな課題として、ぜひ県教育委員会には発信していただきたい。これを壇上でお願いし、教育長への質問といたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議の一般にお答えを申し上げます。  まず、ALSにつきまして冒頭お話がございました。  きょうがそのALSデーでございますが、福浜県議におかれましては、このALSデーのいろいろな取り組みに対しまして、体を張っていろいろと御奉仕いただいておりますことを、本当に感謝を申し上げたいと思います。私もALSの鳥取支部が立ち上がるとき、家族会の皆さんですね、ああいうときなどから大分皆さんともお話をさせていただき、その横になって一定の時間を過ごすイベントにも参加をさせていただきました。  このALSでございますけれども、徐々に進行していくわけでありまして、元気だった人は、全くその体の能力が変わらないわけでありますけれども、ただ動かない。そういうことでありまして、豊かな知性、人間性を持った方でやはり大変悔しいと思うのですけれども、徐々に自分の体が動かなくなっていくことに対して大変な御苦労をされているわけでありますが、残念ながら特効薬がない。今、懸命にその治療方法の確立が目指されているというところでありますけれども、まだそういう状況であります。  このALSの鳥取の取りまとめしていただいている患者さんは岡本充雄さんという方でありまして、その支部長さんは実は私ども県庁の仲間でございます。もともと専門的な技術でお勤めいただいていた方でいらっしゃいますけれども、そういう意味でまことに人ごとでもなく、私もお宅のほうにお伺いをさせていただいたことがありますけれども、御本人は非常に前向きで真っすぐ自分にできることはないだろうかということを考えられるような方であり、御家族と非常に愛情にあふれる生活を送っておられます。こうした幸せを私たちはしっかりサポートしていかなければならないと思います。  鳥取でも記者をされていた方がやはりそういうALSにかかられまして、非常に厳しい状況に置かれているのですけれども、時折レポートをする姿なども放送されていたことがございました。最近はちょっと拝見しなくなりましたけれども、彼も鳥取の支部が立ち上がるときにわざわざお出かけをいただきまして、久しぶりに顔を合わせるということもありまして、手紙のやりとりなどもさせていただいてもおりました。こうした患者の皆様の力になるのは、やはりきずなをもう一度結び直すことだと思います。そういう意味でALL LOVE SUPPORT、みんなの力で、愛情で支えていく。そうしたことを鳥取から展開できたらなと思っておりまして、県としても家族会の御支援を初め、このALSのサポートについては今後しっかり取り組みをさせていただきたいと思いますので、御協力と御理解を賜りたいと思います。  そして国と地方の関係ということに絡みまして、このたびの加計学園問題につきましてお話がございました。中村愛媛県知事のこと等を取り上げていただいたところでございます。これはさまざまな問題をはらんでいると思いますが、政治マターにかかわることは国会でしっかりと御議論をいただければというふうに思います。中村知事の立場であれば、多分私もこういう文書がしっかりあるのだということは、これは説明していくべき立場になると思います。恐らく同じようなことをしているのかなと思いながらも、拝見をさせていただいております。実は国と地方の問題だとか、そういうところは報道でもクローズアップはされていますけれども、この問題の本質は、国民や県民あるいは市民に対して、私たちはどういう説明責任を果たすのかということだと思っています。その説明責任を知事の立場で、あるいは政府の立場でそれぞれが果たさなければならない。そのよりどころとなるのは本当は文書であると思います。  実は我々は行政学などで学ぶわけでありますが、文書主義というのは行政の基本なのですね。今、若干ICT化が進みまして、そこが見えにくいときもありますけれども、基本は文書で行政というのは仕事をしている。それは誰からも検証されやすい、客観性のあるものでありますし、永続性がありますので、後々に向けてメッセージを残すこともできます。これは歴史の問題にもかかわるわけでありまして、残された文書が後々歴史の検証にも役立ったり、今、優生保護問題も大きく取り上げられていますが、そうしたことで個人の権利にもかかわるものにもなり得るところであります。ですから、文書の管理というのは通常はそれまで大学等で学んでいることとちょっと違うところがありまして、まず県庁職員になると、イの一番に教えられるのがこの文書の仕事の仕方、文書主義ということであります。それが揺らいでいるように見えるのですね。今、国のほうで文書を破棄したと言ってみたり、ある日、また出てきてしまったり、それから改ざんということが行われたり、ちょっと我々の常識からは考えられないことが起きている。これがもとで行政に対する信頼が揺らいでいるのではないだろうか。これは国政の問題もありますし、翻って私たち地域社会で自治体が大丈夫かなというふうに、そういうふうに名指しされることを私どもとしては非常に残念に思いますし、警戒もさせていただいているところであります。  今回の展開もいろいろな意味でよくわからないところがあるところでありますが、実は愛媛県庁自体も今治市民の請求に対して全て廃棄しましたというふうにおっしゃっておられたわけです。それがちょっと経緯はよくわかりませんけれども、報道で出てきてしまった。それで中村知事が釈明に出られるときにああいう言い方をされておられるわけでございまして、実は見えない、ちょっと報道されなくなっていますけれども、愛媛県のその文書管理も本当に大丈夫だったのかなというのは実は巷間では言われているところもございまして、この辺は愛媛県庁さんも説明責任を果たさなければいけないところが本当はあります。ただ、その文書に書いてある中身のほうに関心が移っていまして、それで言った、言わない的な話が今クローズアップされ、加計理事長が記者会見をしたり、いろいろな展開に出てきているところでありますが、多分真実がどこにあるのかは文書がないがためにわかりにくくなっているのだと思うのです。もう一度基本に立ち返れば、やはりその文書の問題というのを、これは行政機関を通じてもう一度精査をしていくということが必要なのかなと思います。  幸い本県の場合は、私どもは電子決裁化が進んでおりまして、文書として残さなければいけないものは自動的なシステムの中で保存されてしまい、それに我々は後から手を加えられないと。一遍決裁しますと、そういう仕組みになっていますから、そういう意味で同じことが財務省のようになされる可能性は、私どもはなくなってきているということがあります。  また、大切なのは透明性の問題でありまして、今回も開示された文書が出回ってきて、参議院が求めたらいっぱい出てきたとか、あれもよくわからないのですけれども。愛媛県庁に参議院が求めたらいっぱい出てきたと。それはよくわからないのですが、そういうことが本当はあるのかどうかというのは、少なくとも鳥取県庁ではそういうわかりにくい取り扱いはすべきでない。  私どもは情報公開条例を実はつくっておりますし、それも私が就任した後、開示度をかなり厳密に上げました。正直、その前の段階では、開示される文書の割合は全部開示が大体半分ぐらいない年もありますし、あっても半分を上回るぐらい。それはいろいろな理由でなのですけれども、例えば個人情報保護だとか、いろいろな理由で前例踏襲でだんだん黒塗りがふえたようです。そういうようなことの実態に私も就任して最初びっくりしまして、何でこんなに出さないものがあるのだということで基本、全部開示だってやったわけですね。ですから今、大体平均して9割ぐらい毎年開示され、全部開示です。場合によっては、どうしてもこれはプライバシーとの関係などで一部開示というのになるものもあったり、文書の不存在だとかということも当然ながらそれはあるのですけれども、そういうわけで9割全部開示という県は多分ないのではないかなと思います。  随分前に取材された記事でちょっとびっくりしたのですけれども、実は平井の文章が、きょうの毎日新聞の紙面に写真で出ています。珍しいことですけれども、あれは多分、職員が消してくださったのだと思いますが、私の個人用メールアドレスだけ消してありまして、そういうようなことでああいうものは一部開示になるわけでありましょうけれども、それ以外はもう基本、中身も見れますし、開示の仕方、一部開示でも多分、他県や他自治体とは違ったやり方をしております。そういうようなことなど、私どもとしても住民参画基本条例に基づいて、やはり参画の前提としては情報公開があるというこの憲法を守ってまいりたいと考えております。  現在、公文書適正管理のチームを発足させまして、改めて点検をさせていただいており、例えば文書の保存年限ですね。これは優生保護の問題で、やはり今ない文書も正直あります。これは随分昔の話でありますから、我々の責任というよりは昔の責任かもしれませんが、それを点検してみますと、今、文書の保存年限については結構その他とかいって曖昧な分類にしているものが多いのですよね。ですから、基本は例えば短期間であれば5年、長期であれば30年とかわかりやすい形にして、保存すべきものは保存する。そうでないものはしないという区分けをちょっとことし1年かけて、しっかり立て直しをさせていただきたいと思います。  次に、ちばレポにつきましてお尋ねがございました。  大変に興味深くお話を聞かさせていただきましたし、千葉市長さんは実はやはり若手の市長でいろいろと意見、一緒にシンポジウムをやったこともあるのですけれども、彼らしい発想かなと。ICTが専門分野でございますので、そうしたことでそれを活用されてということで、拝聴させていただきました。ぜひ参考にさせていただきたいと思いますし、市町村とは協働のプラットホームでいろいろなシステム開発をやるようにしていますから、こういうのも参考にさせていただきたいと思います。  ただ、本県では実はそうした県民参画のこと、あるいは我々の仕事の働き方改革のことなども含め、安全対策も含め、そういう趣旨のこともこれまでもやってきていまして、それを延長していけばいいのかなと思いながらも話を聞いていました。例えばこんなイベントをやるので、どうぞみんな参加してとかそういうことでは、私どもでボランとりというサイトをつくっていまして、ボランティアと、それからボランティアを募集する者のマッチングのサイトですね。こういうものをもっと活用できるようにしてもいいのかなというふうにも思ったり、それから興味深かったのはそういう公共施設などのメンテナンスなど、住民の声も入れてやろうということであります。実は今、戦略的プロジェクトとして鳥取大学とここ数年システム開発をやってきていまして、ある意味、今もう実証段階に入ってきているのですけれども、これは道路を走行するときに、スマホですと、例えば速度が変わると、それを検知できるわけですね、そういうセンサーが入っている。そういうものを活用して道路の損傷を、例えばでこぼこがあるとかふぐあい箇所があるとかいうのを検出してしまおうと。そういうことでやっていこうということでありまして、千葉の場合ですと、これはインターバルをとりながら写真を撮ったりするのだと思うのですが、私どものシステムではずっと定常的にデータをとれるような形にして、これを活用しようと。そこに鳥取大学さんも連携をしながら、町なかでのサポーターをつくって、そういう道路のメンテナンスへの協力も呼びかけたり、通報していただいたりというようなこともやろうと。今そんな組み合わせをやろうとしていまして、これはちょっとこの後、第2段階の事業採択を国からもらえるかどうかはあるのですが、研究費をもらってきてやるという、今そういうことも進めております。ぜひ今おっしゃったようなことも参考にさせていただいて、より住民が参画をしたり、ICTを活用した地域の安全・安心づくりを進めていければと思います。  最後に、東京-羽田便につきましてお尋ねがございました。具体的なプロモーションの施策はどうかということや山形県での赤字を折半する、そういうやり方もよいのではないかと、こういうことであります。  御案内のように今コンテスト形式にさせていただき、私どもとしては5便化をかち取って、今日に至っており、それも延長をすることができてきております。その背景には議会からも大変な御協力、御理解をいただいて、いろいろな予算を活用しながらプロモーションをし、搭乗率が現実にも伸びてきているところであります。39万人近い方が乗られて、国のほうの基準の計算をしても、これはほぼ目的も達成しているぐらいになってきている。これは、まだこれから上を目指していかなければなりませんけれども、年々、現実に鳥取便もふえてきている。これは実は導入したころは、正直おぼつかなかったわけですね。全日空さんともさまざまな折衝をさせていただきまして、その上で全日空と共同でコンテストを臨んだわけでありますけれども、その過程でも、非常に鳥取便について懐疑的な厳しい御意見も全日空側からはいただきながらも、いろいろと事業を工夫してやってまいったところです。  何がよかったのかなと今までやってきたことを見てみますと、例えばレンタカーの助成ですね。特に1便の朝の搭乗率の弱いところに乗ると、レンタカーの助成はレートを上げたりする。こんなようなことで、これは割と利用者が多いです。それから1便に乗られた方に対するキャンペーン、早朝便のキャンペーンをしまして、これも3万通近く応募が来たりしまして、やはりこうしたことでの効果もあるかもしれません。また、需要の掘り起こしという意味で、子供さん連れがもっとこうした飛行機を使ってくれないかなということで、キッズ向けのフリーチケットを提供する。これは但馬も含めてこうしたことをやる。これは評判もいいですし、利用者もいらっしゃいますし、移住、定住のテストで来られる方々にも適用させていただいたり、このようなことをいろいろとしてまいりました。それから、あと旅行会社への売り込みとかインターネットでの通販でのプロモーションなど、こういうのもきいているかなというふうに思います。最近はANAのオディッシージャパンということがありますけれども、ANA総研、これは民間の皆さんもいろいろと御提言をいただいたりして、商工会議所さんとか空港を応援していらっしゃる方々にもかかわっていただきながら、そうした海外からの誘客プログラムも今動かし始めております。こんなようなことを、いろいろとこれから進めていくのかなと思います。  全日空さんからは最近、非常に感謝されたのは意外にポケモンGOでございまして、あれ一発で搭乗率が上がったということで大変評価もしていただいたわけであります。ああいうようなことなどで全日空側も、最近は鳥取も大分頑張って搭乗率を上げてきているなという信頼感を我々も感じるようになってきていまして、正直コンテストを始めたころとはさま変わりしてきているようにも思います。ぜひしっかり進めていきたいと思います。  そして御提言の、山形空港の赤字折半のお話でございますけれども、これについては、実はコンテストの最初のときに強力に全日空側からはそれをやれということを言われました。私どもは正直それはお断りをし、かわりに着陸料の助成であるとかそうした別のやり方、搭乗率を上げる、いろいろなプロモーションだとかそちらのほうをぜひやらさせてくれと、それで赤字折半は控えようということで全日空を説得したというのが実際であります。  私ども実は長い経緯があり、テレビ局のときも御案内だと思いますけれども、過去に同じようなことをいろいろとやったこともございまして、アシアナ便が休止になると、運休になるというその騒ぎのときに、最後の切り札で我々、搭乗率を引き上げるけれども、万が一赤字になったときは、それについて助成制度をつくりますよということで、結果は200万円かそこらぐらいしか払っていないのですけれども、そういう制度をつくったとき、航空会社の赤字を埋めるのかというような世の中から大変に御批判をいただいたことがございました。現状では、そのおかげで実はその一発で運休がとまりまして、ともかく何カ月か運航しましょうと。その末に結果としては現在のようにアシアナからエアソウルになり、今、好調に戻っているということなのですけれども、緊急避難の最後の一発でそれをやったことがありました。ただ、そういう議論があって、県民に受け入れられるかということがありました。また、過去、私が就任する前でも、そういう赤字補填的な運航支援ということをやっている時期もあるのですけれども、必ずしもそれがうまくいったわけではなくて、長続きしていないというのも実情であります。  むしろやはり本質は搭乗率を上げることではないだろうか。お客さんを広げて観光のマーケットをふやしたり、あるいは子供、御家族連れも含めてもっと気軽に飛行機を利用していただけるようにするほうが長続きするし、本当の地域の力にも、航空会社の力にもなるということで御理解をいただき、これは相当すったもんだしたのですが、山形方式は我々は回避させていただいたということです。ですから、御案内のようによそを見ますと、石見空港とか当時コンテストでいったところはそういう赤字補填方式をとっているのですが、うちはそれをとらなかったということです。現在では、それをやれというふうに全日空さんから言われることはなくなってきておりまして、そうした段階は今過ぎつつあるのかなというふうに考えております。いずれにいたしましても、御趣旨はよくわりますので、このコンテスト、今後もクリアしていけるように、さらには恒久化できるように全力を挙げてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)福浜議員の一般質問にお答えを申し上げます。私には、子供たちの自主性を高める取り組みとして遊びの環境とか時間、そうしたことに着目してお話をいただいたところでございます。  共感できるなと思いながらお話をお伺いしていたわけでございますが、子供にとって遊びというのは遊びなのですけれども、学びという意味合いもあるのではないかなというふうに思っております。遊びを通じて自分の興味、関心に基づいた自発的な活動をするという、自主的なものを育てるという意味合いもございますし、具体的に体験をする運動など遊びを通じて、体を鍛えるということにもつながっていきますし、また、ルールに従っていろいろ動いていく。その中で他者とかかわって、いろいろなトラブルもその中では生じるのだろうと思いますが、そういうものを自分たちで解決していく、そうした力もついていく。そうしたことであるとか、何かものづくりすることで達成感を味わったりということで、非常に子供たちの成長にとって大切なことだなというふうに思っておるわけでございます。  今も昔も子供は実は遊びは大好きでございまして、今の子供も遊んでいます。ただ、以前と遊びの環境でありますとか遊び方、そういうものが変わってきているなというふうに思ってきております。私が子供のころなどは近所に空き地だとか原っぱなどもいっぱいありましたし、裏山でありますとか田んぼ、そうしたところが戸外での遊び場であったわけですが、そうしたところで異年齢の子供たちが集まってきて、いろいろな遊びをする。この中で実体験的な遊びというのが多かったですね。場合によってはけがをするというようなこともありましたし、いろいろな失敗をする。そんな中で、大人の人に叱られたりというような経験も多々あるわけでございます。そうした時代から今はどちらかというと、そう、家の中でコンピューターのゲームをやったりというようなことで、一人で遊ぶ。ネットを通じて対戦ゲームなどもあるようでございますが、そうした遊びというのがふえてきているのではないかなというふうに思っております。  子供たちがやりたいこと、行きたい居場所が自分たちで決められて自由に遊べて、かつてのそうした環境でありますとか時間というものを完全に取り戻すことというのが、今の世の中、社会の中では非常に難しいことだなというふうには思いますが、行政として、あるいは大人としてできること、そうしたことに取り組んでいくという、そうしたことをやっていくということは必要なことではないかなというふうに思っております。  県の教育委員会でもその遊ぶということには非常に着目をしていまして、まず幼児教育の部分では遊び切る子供というのが大切だということで、それは幼稚園、保育所、全ての目指す子供像として提示をして、そうした取り組みを幼稚園、保育所の中で進めていただいているわけでございますし、お話にありました森のようちえんというような取り組みも、これは県のほうでも支援をしていただいて、それが広がっていっているというようなことでもあります。  ただ、学齢期に入りますと、お話のとおり、そうした取り組みというのが行政の取り組みとしては少なくなってくるわけでございますが、教育委員会としては体験的なことということは非常に大切だなというふうに思っていまして、学校教育の中でもできるだけそうしたことを取り入れるようにはしていますし、また、青少年の社会教育施設あたりで自然体験を踏まえた実体験的な活動、そうしたものを取り入れていく。そうした取り組みでありますとか、あるいはこれは体を鍛えるというほうになるのかもしれませんが、大縄跳びみたいな運動遊びですね。そうしたものをグループをつくって、それをネットで何回跳んだというようなものを登録していって、離れたところの仲間と競えるような遊びの王様ランキングというような取り組みをやっておりますし、またガイナーレの方などと連携をいたしまして、「復活!公園遊び」というような取り組みなども行っているところであるわけでございます。  こうしたことにつきまして、議員から、最近広がっているコミュニティースクールというのが一つのそういうものを話し合う仕組みとして有効ではないかというふうに御提案をいただきましたけれども、これは今のお話にもありましたが、学校運営協議会制度というのが正式名称なわけでして、本来的には学校運営を協議する場ではあるわけですが、その周辺の部分でいろいろな地域の方々の協力を得ていく必要がある。例えばふるさとのことを、しっかり知った子供たちを育てようということが、地域の方々と共有する中で目指す子供像ができ、それに地域の方々の協力を得ながら学校教育を進めていこう。そうしたことについて話し合う場として今こういう制度があるわけでございますが、このお話のありました子供の居場所、遊びの環境といったことについても場合によっては、議題として出していける可能性がある、そうしたメンバー的にも、制度かなというふうにも思いながら、きょうお話を聞かせていただいたところでございます。  実際このコミュニティースクールに早くから取り組んできてこられました伯耆町では、放課後子ども教室という制度があるのですけれども、その場でふだんは指導員の方が子ども教室でいろいろな指導をされるのですけれども、その中に自由遊びの時間というのを設けるということで、ただ、いろいろな子供たちが広がって活動すると、ふだんおられる指導員の方だけでは対応できないので、地域の方々の協力を得て見守り活動を行っていただくというような、そんな取り組みをやっているところもありまして、そんなところが参考になるのかなというふうにも思っております。いずれにいたしてましても、今この春から62校がコミュニティースクールに取り組むことになりましたので、そうした既に取り組んでおられる市町村の関係者あるいは学校現場の方々とも、きょうの御議論についてお話をさせていただければというふうに思ったところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)4番福浜議員 ◯4番(福浜隆宏君)知事、それから教育長から本当に真摯な御答弁いただきましてありがとうございました。  その上で追及させてもらいます。まず国と地方との関係ですが、知事の言われたことも非常によくすんなり心に落ちていきました。まず愛媛県知事のお立場、自分でも多分そうしたであろうというところが非常に共感しましたし、それから文書管理のあり方ということに関して鳥取県行政に対する不信感というのは、もう不信を持つ余地もないなというぐらいしっかりされているというところが、やはり県民の皆さんの県行政に対する信頼度がますます高まっていく一つの要因にもなるのではないかなというふうにお答えを聞いた次第でございます。  では、ちばレポのほうで追及を一つさせていただきたいと思うのですが、鳥大との実験的な試みって非常におもしろいと思いますし、ぜひ実践を広めていけば、業務効率もかなり上がっていくのではないかなというふうに思います。あわせてなのですが、今回、道路とかハード面についてのお尋ねをしたのですけれども、一つシステムができ上がると、いろいろな使い道というのができると思うのですね。例えば鳥取県民が選ぶここは外せない穴場景勝地ランキングつくる基礎データを、そういうものを使ってつくってみるとか、そこからAIとかICTというものは本県の場合、どうしても商工労働が中心になりがちなのですけれども、今後は福祉とか医療とか、まちづくり、教育、そして業務効率とさまざまな分野に広がることを考えていくと、今、本県のほうには情報政策課がありまして、だけれども、これはどちらかというとセキュリティーのほうがメーンというふうに私のほうには映っておりまして、そうではなくて、AI、ICTの活用に関して国内外のいろいろな活用があると、そういうものの情報をどんどん収集しながら、各部局に逆に提案をしたり、相談を各部局から受けてみたり、そんな新たな仕組みというか、課があってもいいんじゃないかなというふうに思いましたので、この点について知事のお考えを聞かせてください。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から重ねてお尋ねがございました。  福浜県議からお話しいただきましたように、やはりICTだとかこうしたソフトウエア等の新たなビジネスチャンスというのはあるかもしれませんし、また、行政のあり方としても今、名所探しのお話がございましたが、さまざまな活用、SNSなどを通じてできようかなというふうにも思います。また夏以降ということかもしれませんが、例えばインスタ映えというのがはやりましたので、我々は砂丘ですからインスナ映えだとか言ってですね。それで鳥取のいいところをいろいろと投稿していただいたりして、はやらせようかとか、さまざまなそうしたアイデアというのはあり得るかなと思います。この辺にいろいろな仕組みを加えて、システムとして構築をしていくと、そういうようなこともあり得るわけでありまして、そんな提案を住民や、あるいは特にそうした情報産業の関係者などからいただきながら、アイデアを実行していくことで一歩先を行くような行政スタイルは可能かなというふうにも思います。そんな意味で今、情報政策課がございますけれども、ちょっと組織的なことも含めててこ入れを図ってはということでありますので、課の名称等も含めて再考もさせていただいてもいいかなと思います。  実は、過去の生い立ちがありまして、情報政策課ができたのは、そもそも平成12年ごろですけれども、情報ハイウエーを全県に張りめぐらせるという、新しい公共事業みたいなイメージで、国道9号線、あるいは53号線といったところにハイウエーを埋め込みまして、これをギガハイウエーとかいって、当時、ギガビットとかいってやっていました。今ではちょっと懐かしいような話でありますけれども、そのころに情報政策ということをやろうということで情報政策課というのになりまして、セキュリティーというよりは、産業振興だとか、そういう新しい情報化社会を担っていこうということでありました。ただ、御案内のように今、セキュリティー問題や県庁の中の管理システム、こうしたことに若干仕事の重点が移っているようにも思いますし、今回、担当参事をつくりましたけれども、やはりそういう情報セキュリティーのことを一つ重視するようなことにしてまいりました。  ただ、片方で、今の情報ハイウエーをつくれって言ったのは、これ、情報産業関係者が主だったのですね。その流れは今も実は続いていまして、その情報産業協会の皆さんといろんな意見交換をしたり、最近、ちょっと続いているかどうかわかりませんが、向こうの提案を受けながら、その中で、例えばこういうプロジェクトということでいろんなシステム開発をしていったりというようなことを今までもやってきました。  こういういろんなコミュニケーションを図りながら、新しい産業の芽をつくっていくことも大事なことでありまして、例えば県庁の仕事の中から生まれてきたビジネス、ふるさと納税のシステムもそうですけれども、あれもふるさと納税というのをもっと世の中ではやらせようと、そのときにお礼の品というのを導入した境港に倣って県も入れたわけでありますが、いっそインターネットショッピングのように、こうやってざあっと一覧性を持って見ていただいて、選んでいただき、そして、寄附はクレジットカードでぽんとできるような、そういう仕組みをつくってはどうですかということを実は庁内で申し上げたのですね。そしたら、それがめぐりめぐって、エッグさんというところだったと思いますが、それをシステムとしてつくられまして、このシステムが全国の北海道から九州まで売れているわけですね。そういう何か、鳥取発のシステムとして売れていったり、また、意外に思われるかもしれませんが、私どものとりネットのホームページがありますけれども、あのコンテンツマネジメントのシステムも、これも非常に使いやすいシステムを開発しまして、このシステムがまた、他の自治体のホームページの基礎システムとして今、販売されていたりということであります。こういうようないろんなアプリケーションなども大切なことであります。  また、ケイズさんなどとタイアップをして、県内の社会福祉法人と実証実験をしながらやっている。これは実は、県のほうで試験的にバックアップしている事業なのですが、そういうところでは、例えば介護医療でベッドを離れると、それがスマホ等に通報されてくる、また、バイタルデータなどもそういうところで集計されてくる、こういうことで、医療介護のケアの仕組みを合理的で効率的にしようと、そういうようなことも今、実証してきたりしております。  このようないろいろと産業界とのキャッチボールの中で、いわば第4次産業革命のような、そういう産業シーズも生まれてきているように思います。せっかくの御提案でありますが、ちょっといま一度、福浜県議の質問もそしゃくさせていただいて、どういう組織的対応や仕組みを、政策体系ということを考え得るのか、当初予算までに検討させていただきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)4番福浜議員 ◯4番(福浜隆宏君)御答弁いただきました。  自分のイメージは、1つの仕組みというもの、世界中いろんな活用の方法があると思うのですけれども、それがいろんな面で鳥取県の中にも飛び込んでくるものがたくさんあるだろうなと、そういうキャッチするような、そういうアンテナを高くするべきじゃないかなという意味で提案させていただいた次第で、あとそしゃくのほうはもうお任せいたします。  続いて、鳥取空港の活性化についてなのですが、山形の件で、収支共有制度、確かに知事のおっしゃるとおりで、赤字補填という単なるそこだけ捉えると、なかなか自分も、何でそんなものに税金投入するんだみたいな批判があることも重々わかった上での質問ではあったのです。なぜあえて取り上げたかというと、いや、もうこれ絶対守らなくちゃいけないんだという機運づくりを熟成する意味で、赤字が出たら地元が負担する、だから、その覚悟をもとにもっともっと乗ろうよという機運をいろんな方が共有していく、それが県民運動になっていってほしいなという思いで、それが言葉になると共有制度になってしまうのですけれども、赤字になったら行政が負担するからそれでいいじゃないかではなくて、そうなりますよという危機意識のもとに、では、どうやって活用を広めていくんだと、もっと気軽に飛行機乗ろうよ、そのためにはもっと安い運賃をもっとお願いしていこうよというようなことをやはり考えていくべきなんじゃないか、特に新幹線の通ってない我が県にとって、飛行機というものの重要性って物すごく高いと思うので、そういう意味での収支共有制度で、言葉だけとると確かに赤字補填に対する批判というのはあるのかもしれませんが、いまいち何か、行政頼みで県民のほうというか、東部の住民のほうの動きが鈍いような気もしていて、そこにねじを巻く意味での提案でしたので、ちょっと御理解いただければというふうに思います。ちょっと言いわけめいたことになってしまいましたが、済みません。  重ねて質問させていただきますが、台湾とのチャーター便が年間40便を数えた山形空港なのですが、冬場の就航がもうメーンで、台湾の観光客のお目当ては山形蔵王のスキー場と温泉でした。台湾の皆さんというのは雪自体が本当に珍しいと、スキーを楽しみたいというよりも、雪の上で遊びたいという単にこのニーズが物すごく強かったということだったそうです。鳥取の雪といいますと、北国に比べると雪質が重くて、スキーヤーにとっては敬遠されがちなのですが、ただ単に雪の上で遊びたいということであれば、雪質は軽いと雪玉もつくれません。雪質が重いほうが雪だるまもどんどんつくれるというようにプラスに考えることもできると思うのですね。ですから、そういう雪遊びができる、しかも温泉に、さらにカニも食べられるというところで売り込んでいけば、山形に匹敵する、それ以上の需要を何か促すというか、需要を引っ張ってこれるような余地は、私は十分鳥取にはあるというふうに思っているのですが、知事はどのようにお考えでしょう。  また、東北6県は、震災の影響もあるのでしょう、結びつきが非常に強くて、インが宮城県、アウトが山形県というような旅行企画が物すごく多くつくられています。  一方、鳥取県並びに中国5県もやっているのはやっているのでしょうけれども、それがベーシックにまだまだなっていなんじゃないかな、そのベースは何だろうというふうに重ねて問いましたところ、台湾にいらっしゃるランドオペレーターの力が物すごく強くて、東北をどんどん売り込んでいると、毎日のように旅行会社を歩き回っているぐらい強力にされているみたいで、非常に印象に残りました。  テストケースとしてなのですが、岡山空港、台湾から定期便が飛んでます。岡山インアウトでもとにかくいいので、一泊、鳥取県内で泊まっていただくというような形の旅行商品がつくれないのかな、それでまず、鳥取の冬というものを台湾の人たちに体感していただいて、それがひいてはチャーター便につながっていく、そんな流れもできるんじゃないかなというふうに考えましたので、この点について、知事のお考えをお聞かせください。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から、重ねて空港の振興につきましてお尋ねがございました。  議員がおっしゃるように、私どももスキーもできますし、それから温泉もあり、さらに言えば、カニであるとか、あるいはコナン、鬼太郎といった、そういう特別のものもございます。そうしたことを組み合わせながら、やはり旅行商品というのは組み得るわけでありまして、地域の魅力は、山形でできるのであれば、鳥取でもできるんじゃないかなというふうにも思えるところでありまして、ぜひこれから、しっかりとねじも巻いてやってまいりたいと思います。  山形空港は、最近非常に台湾からのチャーター便を確かにたくさん入れておられまして、庄内空港もそうなのですけれども。背景には、東日本大震災の復興事業がありまして、東北観光復興対策交付金というかなり大型の国の交付金があって、10分の8国が見てくれる事業があります。その中で、我々とは大分桁違いのチャーター便の助成制度もつくっておられまして、そういう中でチャーターフライトを飛ばしたり、プロモーションもされていまして、JNTOも絡んで、東北6県の周遊のツアーも重点的に政府が台湾でプロモーションをされています。我々も及ばずながら、そうしたことを自力でやっていこうということでさせていただいているわけであります。  チャーターフライトの芽もあるわけでありまして、11月に花博が台中で開かれるときに、相互にこう来るようなチャーターをできないかということがアイデアとして関係者からも出されて、それを何とか実現しようとしておりまして、今、4月に台北への経済弁事処の方、謝代表ですね、要は大使に当たる人ですね、謝代表がお見えになったときにこちらでお迎えさせていただき、鳥取は台湾と交流も深いし、ぜひこうしたチャーター便をやってみたいということの働きかけをさせていただいたのです。その後、どうもあちらで話があったみたいで、今、ほぼやる方向でこの11月のチャーターフライトが動いております。具体的には、台中ベースのマンダリン航空をベースとして今やろうということが動いています。  また、各社、実は回っているのですけれども、正直、非常に簡単ではない状況がございまして、いろいろと知名度の問題だとか、多分山形も同じことを投げかけられていると思うのです。私ども、それほど財力もないものですから、乏しい中で売り込みを図っているということですが、その中でも、今、何とか実現できるようなチャーターフライトをつくろうとしています。  ただ、議員のおっしゃるように、タイガーエアーですね、あれは合弁で台湾系になりまして、その中華航空の配下のLCCなのですけれども、今、岡山便がふえてきております。お客さんも大分入ってきています。実は、もとのことを申しますと、その影響で本県でも台湾客がふえてきております。ですから、おっしゃるような県内で一泊していただくようなツアー、これも向こうの旅行大手各社で扱っていただけるようになっていまして、もちろん、岡山インアウトですから岡山が絡むんですけれども、我々が絡んだり、さらには、足を伸ばして松江のほうに行ったり、そういうツアー、各社でも今、組まれるようになってきていまして、その辺を我々取り込みながら、向こうの大手の喜美旅行社とか、そうしたところとさらにプロモーションを図っているところであります。  議員がおっしゃるように、どうしてもチャーターフライト、ここで全部というとなかなか抵抗感があるのですけれども、手っ取り早いのは、岡山に来るとか、関空に来るとか、そうしたお客さんをこちらに呼び込むようなプロモーション活動も、結果同じように宿泊や購買が生まれますので、我々としても目指してまいりたいと思います。  コナン空港の振興からいえば、チャーターフライトでございますが、まずは、そうした台湾チャーター便、この11月ごろも最終的に確定できるように調整をしてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)4番福浜議員 ◯4番(福浜隆宏君)もう1分切りましたので、最後ですが、知事ありがとうございました。  水面下でいろんな取り組みをされているというのが本当によくわかりましたし、それから、岡山についてももうアプローチを既にやっていらっしゃるということで、余計なことを言ったのかなというふうに思いましたが、ぜひ鳥取の秋、冬、春、夏、いろんな形で、台湾の方にとって鳥取の知名度アップにつながっていくように、ぜひこれらもよろしくお願いしたいと思います。  また、教育長については、お気持ちは共有していただいたと思いますので、改めて、県の教育委員会のほうから、この地域でしかできない教育について、皆さんで考えてもらえませんかという発信をお願い申し上げて、きょうの質問としています。 ◯議長(稲田寿久君)暫時、休憩いたします。 午後の本会議は、午後1時5分より再開いたします。        午後0時04分休憩    ────────────────
           午後1時05分再開 ◯副議長(福間裕隆君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  6番錦織陽子議員 ◯6番(錦織陽子君)(登壇、拍手)日本共産党鳥取県議団の錦織陽子です。  まず、大阪府北部で発生した地震の犠牲者、被災者の皆様に哀悼とお見舞いを申し上げます。また、鳥取県がいち早く救援に向かったことを高く評価するとともに、一日も早い復旧に日本共産党も力を尽くすものです。  それでは、質問に入ります。  まず、原発問題です。  東日本大震災、福島第一原発事故発生から7年が経過しました。世界では、福島原発事故を受けて、エネルギーに対する考え方が大きく変わってきたのに、安倍政権は第5次エネルギー基本計画で原発を重要なベースロード電源として将来にわたって推進することを決め、原発再稼働への暴走を続けています。しかし、国民は原発の再稼働も新規稼働も望んではいません。  中国電力は、島根原発2号機の適合審査が終了していないにもかかわらず、基準地震動820ガルを原子力規制委員会がおおむね妥当と評価したことを受けて、同一地内に建設中の3号機の新規稼働に前のめりです。4月に初めて、3号機の概要を聞いたばかりの周辺自治体を顧みない利益優先の姿勢は看過できません。平井知事が中国電力の進め方に苦言を呈されている一番の理由は何なのか、答弁を求めます。  そして、原発は未完の技術です。中電は、宍道断層の東端からわずか6キロ離れた鳥取沖西部断層との連動を否定していますが、今の知見の到達である調査結果でしかありません。  元原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏は基準地震動の評価の方法は過小評価になっていると言っているように、島根原発の安全性は誰も保障できません。島根原発2号機の再稼働と3号機の新規稼働に向けた一切の活動を中国電力は断念し、原発ゼロを決断するよう求めるべきと考えますが、知事、どうでしょう。  次に、淀江の産廃処分場建設についてです。  県内4カ所で断られた管理型産廃処分場の話が持ち上がり、名水の里、米子市淀江町に産廃処分場は要らない、米子の水はおいしいとずっと言いたいと地域住民が反対の声を上げてから7年が経過しようとしています。  今、条例手続中ですが、水や健康を害する可能性があるなら体を張って抵抗すると、平成28年11月議会で言明された知事は、条例の範囲を超え、調整するため、公平中立の立場の専門家会議を設置し、科学的検討をしていただくと、専門家会議を開催されました。健康を害する可能性の科学的検証なしにこのまま進めていいのでしょうか。専門家会議、意見調整会議と市民の不信は知事、行政に向け強まっています。  専門家会議の松藤教授が言われるように、一番の懸念は埋立地から水が漏れ出すことです。環境プラントやセンターは、流れ出さないよう、厚さ1.5ミリの遮水シートとベントナイトとの3重構造で防ぐ、シートは50年もつ、処分場は生物分解と洗い出しによって安定化すると説明してきましたが、専門家会議の松藤教授は、一方では安定化するとしながら、ダイオキシンは有機物に吸着されるので、大体処分場にとどまると指摘されました。重金属やダイオキシンが処分場に永遠にとどまり続けるとしたら、たとえシートが50年もっても、その先はどうなるのか、安全に未来永劫漏れ出さないような溶出防止技術はないのではないでしょうか、知事、どうでしょう。  この間の意見調整会議で意見の調整ができたところ、平行線になったところを示してください。  なぜ2自治会では、意見調整会議の対象者を絞り5名とするのか、希望する人全てに権利があるのではないでしょうか。関係住民で難聴の営農者の妻を、当初、補助者として発言を認めなかった根拠は何か答弁を求めます。  次に、中海再生です。  国営中海・宍道湖干拓淡水化事業が終了して16年、森山堤防が上部60メートル開削されて9年、来年6月で森山堤防を開削して10年になります。区切りとして開削の効果を住民に示すべきと考えますが、知事、どうでしょう。  中海水質保全計画の実施報告では、中海はきれいになったとは言えません。昨年の中海会議で公表された中海覆砂検討ワーキンググループの検討結果では、表層水の窒素、リン濃度の影響は流入負荷による影響度が80%強と大きく、中海全体の底質から、窒素、リンの溶出による表層水への影響は10%強、中海全体のくぼ地内からの窒素、リンの移行による表層水への影響度は1~2%程度としているように、表層水への影響だけが評価され、中底層の評価は全くありません。それは、中底層の調査はしているものの、中海会議では表層のみ評価し、シミュレーションとしても表層を評価することになっているからです。しかし、表層の評価だけでくぼ地の内部負荷が少ないと結論づけするのは、中海再生事業を誤ることになるのではないでしょうか。今、県が持っている中層、底層データを活用し、評価、公表すべきではないのか、知事の答弁を求めます。  最後に、砂利採取にかかわる県の認可責任についてです。  西部の砂利採取業者が採取した隣地で、主に地下水を利用して営業を行っているAさんから、昨年8月ごろから採掘以来、水の濁りが激しくなり、営業が困難になっている。県にも言っているが、なかなか解決に向かわず、この先、仕事が続けられるのか不安だと相談を受けました。県が訴えのあった早い段階から民民での対応を決めたことで、水質調査や砂利業者への適切な指導がされず、解決を長引かせています。砂利採取業者が砂利を採取しようとするときは、採取計画と跡地の埋め戻し計画を県に提出し、認可を得ることになっています。現在は埋め戻しの段階に入っていますが、埋め戻しの土は、申請した県外の砂販売業者の購入土ではなく、県内業者が土を搬入しています。砂利採取法では、砂利採取の認可を受けた採取計画に変更が生じるときは、事前に変更の認可を受けるか、または軽微変更届が必要です。  また、鳥取県の砂利採取条例施行規則に照らしても、事前の届け出が必要ではないのか、知事の答弁を求めて、壇上での質問といたします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、大阪北部地震についても言及がございましたけれども、私どもも精力的に救援をしてまいりたいと思います。中部地震のとき、災害支援に当たりまして、国会議員が御党からもお見えになりましたこと、思い起こすところでありますが、力合わせて今は復旧を遂げ、復興を遂げる、そういうときではないかと思います。全力を挙げて、今も苦しむ被災者に寄り添ってまいりたいと思います。  次に、中国電力につきまして何点かお尋ねがございました。  まず、3号機について、周辺自治体を顧みない自社利益優先の姿ではないか、中国電力の進め方に苦言を呈した理由は何なのかと、こういうことでございます。  島根県におきましては、平成9年からその島根県のほうで立地という関係で、安全協定に基づくさまざまな申し入れから始まる一連の審査をされているわけであります。当時以来、私ども鳥取県側というのは、この島根県のほうと違いまして、周辺であるという理由により、島根3号機についての詳しい説明がない状態が続いておりました。  そこで、ようやくこの春、4月から私どもも概要説明を聞くということになりました。そのとき、私どもも、これは審査申し立て、つまり適合性審査とは関係がないものですよねということを念を押しながらそのお話を受けたところでございましたが、その後、この3号機の適合性審査の申請が連休明け、5月に出てきたところであります。ちょうど折しも、私どもの両市、中村市長や伊木市長が島根3号機のほうに視察に行かれていた、そのときでございまして、それで、私のほうからはいささか性急の感があるのではないか、こういうことを申し上げたところであります。  皆様のほうでいろいろ、今議会も懸念が出ておりますのは、立地と比べて周辺が置いてきぼりを食うことにならないだろうか、軽視されているのではないかという、そのことでございまして、立地のほうと話をすれば、それで全て終わりということではないですよという趣旨を再三念を押させていただいているところであります。そういうことを今、議員が苦言とおっしゃったのかなというふうに思います。  いずれにいたしましても、信頼関係が大事でありまして、契約の一種であります安全協定でありますから、お互いに信義誠実の原則にのっとり、その履行をしていくべき立場であることを中国電力にもしっかりとわきまえていただきたいと思います。  次に、宍道断層のこと等につきましてお尋ねがございましたが、これについては、水中原子力安全対策監のほうからお答えを申し上げます。  また、淀江の産業廃棄物処分場につきましてお尋ねがございました。  これらにつきましては生活環境部長のほうからお答えを申し上げます。  また、中海のことにつきまして何点かお尋ねがございました。  これにつきましては、詳細、くらしの安心局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  中海につきましては、堤防の一部開削も実現をしまして、その際にお互いの県の約束事として、モニタリングをし、そして、適切な手段ということが認められれば、さらなる開削も含めて、今後両県で協議をすると、この考え方に基づきまして、国土交通省等も入り、中海会議で今、議論を進めているところでございます。  この水質浄化につきましては、中長期的には改善の傾向にはありますが、年々、若干行ったり来たりはするところでございます。詳細、また局長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、くぼ地の問題につきましては、実はこの中海会議でデータを示してくれということを申し上げましたところ、出てきたデータの中ではくぼ地の影響は小さいというデータが出てきました。これは、ただ私のほうで、その席上で反論をさせていただいたのですけれども、中海全体で見ますと、くぼ地の影響は本当に1%、2%ということがあるかもしれませんけれども、その近所のところ、例えば米子湾であるとか、そうしたところでは、その影響はもっと大きく出るのではないだろうか、そうした地域に与える影響というものも入れて、もう一度報告してもらいたいということにいたしております。これ、そのときの会議でも了承されまして、恐らく次の中海会議の中でこの詳細なデータ等も示されるのではないかと思います。いずれにいたしましても、モニタリングをしながら検証することになっていますので、我々としてもそうしたデータを求めながら適切に発言をさせていただきたいと思っています。  最後に、砂利採取につきましてお尋ねがございました。  これについては県土整備部長からお答えを申し上げます。 ◯副議長(福間裕隆君)水中原子力安全対策監 ◯原子力安全対策監(水中進一君)それでは、宍道断層と鳥取沖西部断層の件と、基準地震動が過小評価ではないかという御質問に対して補足の答弁をさせていただきます。  宍道断層につきましては、本県が厳正な審査を求めたものでございまして、平成28年7月の国の地震調査研究推進本部の新たな知見も取り入れられて、原子力規制委員会の審査会合で39キロと評価されたものでございます。  鳥取沖西部断層との連動につきましては、海上の音波探査等の非常に精度が高い調査結果により、連動しないことが原子力規制委員会で確認されているところでございます。  次に、基準地震動が過小とのことでございますが、新規制基準の基準地震動の計算に用いられている式につきましては、2号機でも用いられておりますが、国の地震調査研究推進本部が策定した予測手法でございまして、一般的な建築物にも使われているものでございます。この式は、過去の地震記録に基づく詳細な調査結果をもとに、断層の長さ、深さ、傾きから計算するものでございます。原子力規制委員会によりまして、問題がないことが確認されているところでございます。  いずれにしましても、2号機の審査はまだ途中でございまして、審査結果が出た段階で原子力規制庁等から審査内容について説明を受け、最後には、県の原子力安全顧問にも内容を見てもらうということにしております。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)私のほうからは、淀江産業廃棄物処分場に係ります処分場の安定化及び意見調整会議につきまして補足の答弁を申し上げます。  まず、処分場の安定化についてでございます。  産業廃棄物には埋め立て処分基準が設けられておりまして、基準を超えるものは管理型処分場への搬入が規制をされております。したがいまして、管理型処分場に搬入されます廃棄物中の重金属やダイオキシン類の濃度が極めて低いというものでございます。また、管理型最終処分場では、埋め立て廃棄物に含まれます重金属やダイオキシン類について、雨水による洗い出し効果や水に溶けにくい物質を形成する効果を利用して、洗い出しや土壌に吸着することなどをして、処分場内部での安定化を図る、そういう仕組みになっております。  雨水により洗い出された重金属等は、浸出水に移行した後、水処理施設で処理をされ、処分場廃止までの間は、廃棄物処理法で定めます排水基準に適合することを確認の上で放流されることになります。そして、処分場内部で水に溶けにくい物質を形成したものは、土壌粒子に吸着をし、安定化をすると、そういうことでございます。浸出水への流出が徐々にだんだん少なくなっていくということになります。こういった仕組みとなってございます。  全国で、一廃、産廃を合わせまして1,700件以上のオープン型の管理型最終処分場の設置実績がございますが、同様の仕組みで安全に運用されているというところでございます。処分場の廃止に当たりましては、浸出水が水処理施設での処理不要となるまで安定化したことを確認するなど、廃棄物処理法の廃止基準に適合することが定められております。したがいまして、処分場廃止後に周辺環境への影響が生じることは考えがたく、廃止後の重金属等の溶出防止対策は不要であると認識をしております。  なお、処分場廃止後は、県により跡地指定が行われ、掘削等の土地の形質変更が制限されますので、廃棄物の飛散、流出、また、汚水やガスの発生などによる生活環境保全上の支障が生じることはないものと認識をしております。  次に、意見調整会議について3点の補足の答弁を申し上げます。  まず、これまでの会議で意見調整ができたと思われるところと平行線になったところとのお尋ねでございます。  まず、この意見調整の趣旨を少し説明させていただきたいと思いますが、意見調整会議は、これまでセンターが実施してきた説明会や意見書、見解書のやりとりなどを踏まえた上で、どうしても理解いただけなかったことでありますとか、疑問点についてセンターと関係住民との間で行う最後の調整の場でございます。理解していただけない点について、双方の歩み寄りを確認するというものでございます。決して、これまで、センターが実施してきた説明会などを繰り返すものではございません。  そして、意見調整会議での調整結果等をもとに、廃棄物審議会の意見をお聞きした上で、生活環境保全上の意見の介意の有無でありますとか、事業者の対応状況等について県が判断をするというものでございます。  これまで開催した意見調整会議は、日程が調いました関係住民7名について3回開催したところでございます。会議では、事前に関係住民からの意見に対するセンターの見解を得まして、県で論点を整理した資料をもとに調整を行いました。  これまでの意見調整会議で御理解いただけたと思われる主なものは、処分場廃止後の跡地について、県が台帳を作成し管理すること、掘削等を行う場合には、県の審査が必要になる、こういった廃棄物処理法で規定されておる跡地の指定区域制度についてでございます。  また、御理解がいただけないと思われる主なものは、遮水シートは50年以上の耐久性があるというセンターの回答に対して、関係住民から、永久保障できないのであれば、処分場はやめてほしいとの意見、また、センターがオープン型を選択した理由を説明したことに対して、関係住民は、クローズド型にすべきだ、ただクローズド型だからといっていいわけではないと、処分場自体反対と、こういった意見などでございます。これら3回の意見調整会議の調整結果について、去る6月12日に廃棄物審議会を開催し、御審議をいただいたところでございます。  次に、2つ目のお尋ねでございます。  まだ日程が調っていない2自治会の意見調整会議出席者について、なぜ5人としているのかとのお尋ねでございますが、各自治会員から提出のあった意見調整申出書の申し出内容が同じでございますので、集約された御意見を代表の方に伺うことが適当であるということ、それから、自治会という組織として意見を述べていただくものであること、それから、会議の適切な運営のためなどのこういった観点から、意見調整申出書を提出された自治会の方の中から代表として5名とさせていただいたところでございます。なお、2自治会の連絡窓口の方からは、出席される方について既に取りまとめをいただき、回答をいただいておるところでございます。  最後に、営農者に同行してきた補助者の方への対応についてのお尋ねでございます。出席されました営農者とは数度にわたり電話等で会議開催日時の連絡調整等を行ってきたところでございますが、補助者の方は意見調整会議当日、突然来られまして、営農者の方が片耳が聞こえづらく、会議の様子を配偶者として伝達をしたいということでございましたので、御事情に鑑みて、営農者の方の隣に席を設けてお座りいただきました。その後、会議の冒頭に、その補助者である配偶者の方が自分も発言をしたい旨の主張をなされましたので、手続条例におきます意見調整会議については、関係住民御本人に出席をいただいて、疑問点等を述べてもらうこと、こういったことにより双方の主張内容の理解促進を図るために開催するものであるという会議の趣旨を説明した上で、適宜対応いただくようお話をいたしました。結果、配偶者の方からも活発に御意見、御質問されたものでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)小林くらしの安心局長 ◯くらしの安心局長(小林綾子君)中海再生に向けての森山堤防の開削の効果について補足の答弁をさせていただきます。  森山堤防の開削前に、中浦水門のほうが、21年3月に撤去されておりますので、そちらの撤去と開削について、あわせて答弁をさせていただきます。  中浦水門の近傍では、COD、全窒素は水門撤去の開削前の前後では横ばいでございました。全リンは前後でやや低下しております。近年はいずれも横ばい状況にあります。本庄工区につきましては、COD、全リンは、水門撤去、開削の前後で低下しておる状況です。全窒素は前後で横ばい、近年はいずれも横ばいの状況にございます。米子湾では、COD、全窒素、全リンとも水門撤去、開削前後におきまして、ほぼ横ばい、近年はいずれも横ばいの状況でございます。  現在のところ、堤防の開削及び水門撤去が水質にどのような影響を与えたのかにつきましては、その年ごとに気象の条件が異なるですとか、因果関係を解明することはちょっと難しい状況にあります。  現在のモニタリングを継続いたしまして、中海全体の水質に継続的な変化が生じていないか今後も検証していくこととしております。 ◯副議長(福間裕隆君)山内県土整備部長 ◯県土整備部長(山内政己君)私のほうから砂利採取計画の変更手続について、補足の答弁をさせていただきます。  変更認可または軽微変更の事前届が必要ではないかという御質問でございますが、結論的には不要であると考えているところでございます。  これは、変更認可の要否というのは、災害発生の可能性の有無、こういったもので判断するということでされておりまして、また、軽微な変更届の必要性につきましても、掘削機械等の同型式への機械の変更や採取期間の短縮、あるいは採取土量の減少、こういったものということで限定列挙されております。  今回の埋め戻し土砂の所在地の変更は、これらに該当しないということで不要と判断しているところでございます。ただ、県のルールといたしまして、認可した砂利採取場の採取状況につきましては、しっかりとチェックをしていこうということで定期的な現地調査を月1回以上行うというルールにしております。適切な砂利採取を行っているかどうか、こういったものをチェックしているところでございます。  当砂利採取場におきましても、8月16日の認可以来、毎月、県の職員により現地調査を実施しております。掘削作業がほぼ完了したのが認可してから約4カ月後の12月でございます。12月中旬には埋め戻し作業が始まったというふうに思われまして、12月19日、これも定期的な現地調査でございますが、この際に、埋め戻し土砂の中に木の根や枝、こういったものが混入されているということを確認したことから、12月25日、口頭ではございますけれども、撤去するように指導しております。  その後、毎月の1回以上のものに加えて、それ以上の現地調査をさせていただいて、しっかりとした指導をしたことによって、3月9日には撤去は完全になされたということを確認しているところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)答弁いただきましたので、再質問に移ります。  まず、原発なのですけれども、私は、宍道断層だとか基準地震動は質問してないのですよね、時間がもったいなかったです。私は、福島原発事故の翌年に福島に行き、海岸どおりの北部にある浪江町で被災し、仮設住宅で暮らすおばあさんを訪ねました。家にも帰れず、家族はばらばら、ボランティアによって奇跡的に修復されたたった1枚の写真が彼女の持ち物でした。原発さえなければ救えた命がありました。熊本地震、鳥取県中部地震、ことし4月の島根県西部地震、18日の大阪府北部地震、マグニチュード6以上の地震が相次いでいます。西田良平鳥大名誉教授は、地震の頻発に南海トラフの巨大地震の発生に準備をしておくことを述べておられます。原発を動かせる条件は何ひとつありません。  まず、平井知事が原発は動かさない覚悟をすべきです。申請は新規稼働のためのプロセスであり、2段階論はプロセスを前に進めることです。3号機の申請に反対すべきと考えますが、知事、どうでしょう。  そして、島根県の溝口知事ですが、鳥取県と覚書があるにもかかわらず、3号機が立派なものとして、中国地方の電力供給に貢献することを期待するなどと発言、さらには、審査申請の容認とも思われる発言もされています。  6日の島根県の安対協で島根の共産党県議からの質問を受けて、島根県知事は前言を撤回されました。しかし、これらの立地自治体の不用意な発言が繰り返されると、申請容認イメージが先行してしまうおそれがあり、鳥取県民は大変不安を感じています。島根県側の性急なこうした発言について、何らかの形で直接くぎを刺していただきたいと思いますが、知事、どうでしょう。  次に、産廃処分場の問題です。  私は処分場の仕組みを聞いているわけではありません。ダイオキシンの問題ですが、ダイオキシン、重金属など大部分の汚染物質は処分場にとどまり続けると、明治学院大学の熊本一規教授は指摘しておられましたが、これまでのセンターの説明はそれを否定してきました。今回、松藤教授は、ダイオキシンが処分場に永久にとどまるとはっきりと専門家会議で述べられたわけです。50年後は安定化するので、例えば農地に返すなどというのは、それこそ安全神話ではないでしょうか。  平成25年1月に、公益社団法人日本水道協会が国交省、厚労省、環境省に水道水源における水質保全対策及び水質事故の発生防止の強化についてと9項目の申し入れをされています。この中で、水道事業者が安全で良質な水道水を安定的に供給するため、国の規制強化を求めています。4項目めには、水道水源地域における産業廃棄物処分場の設置を規制する法改正を行い、規制を強化するとともに、当面、産業廃棄物処分場等の新設許可をしない、また下水道法第11条の2第2項で定める特定施設に産業廃棄物最終処分場を追加されたいとしています。こうしたさまざまな水源汚染のリスクを抱えている現場の声が上がっているのです。  もともと淀江の計画地は、適地だといって選んだのではなく、産廃処分場に困っていた環境管理事業センターに環境プラントが持ちかけて、これが決まったというのがことの始まりです。米子市も鳥取市も加入している日本水道協会の要望書について、知事の御所見を求めます。  そして、意見調整会議ですが、県はできるだけたくさんの方の理解を得ようという、そうした思想がありません。営農者の妻の補助参加にしても、鳥取県の手続条例第2条13項でも、関係住民は周辺区域に居住する者、営農者、事業者等で、妻が夫のかわりに意見は言ってはいけないなどとどこにも書いてありません。家制度がなくなった新憲法のもとでは妻の権利は認められています。登録者しか認めず、妻に権利がないような発言の制限をしたのは憲法99条公務員の憲法擁護の義務違反にも相当するのではないかと思われますが、答弁を求めます。  次に、中海です。  中海の堤防開削の効果についてですが、いろいろ数値的なことを今おっしゃいましたが、10年となると、モニタリングをこのまま続けていていいのかということです。今後の方向性を明らかにするのは、やはり開削を強く主張していた鳥取県の責任で行うべき、鳥取県が投げかけるべきだというふうに思いますが、知事、どうでしょう。  そして、表層データだけでは水質悪化の原因がくぼ地であるということを国にちゃんと認めさせることはできません。ぜひ活用すべきです。国交省による浅場の造成、覆砂が進められていますが、覆砂は一時的な効果しかないということもこの間わかってまいりました。まだ実施されていないくぼ地の埋め戻し、これを優先すべきだというふうに考えますが、知事、どうでしょう。  そして、砂利採取の埋め戻しの変更届、ちょっと聞こえづらかったのですけれども、必要でないというふうな答えだと思いますが、必要がないのであったら、なぜ2月27日になって、この業者がわざわざ届け出を出したのか、鳥取県は全国的にも珍しく、北海道と鳥取県しかない、県の砂利採取条例までつくっているのに、本当にこれでは骨抜きだというふうに思うのです。砂利採取業者が行った水質検査は、飲料に適しているかどうかという検査であり、指導も徹底していない。本当にこれでは、Aさんは泣き寝入りなのです。水の濁りのトラブルが続く中、先ほどおっしゃったように12月に埋め戻しが始まりました。これは、県外でなく、県内業者が搬入しているのですね。枝がまじって、土の色も悪いので、Aさんがそこの作業している人に聞くと、これは購入土ではなく、これは表土だよと説明しているのです。  それで、これ通常だったらそのままでいいかもしれませんけれども、これは水質悪化のトラブルが起きているのですね。そしたら、県はなぜこの水質悪化の因果関係がまだ特定していない中、この埋め戻しの土にもっと気を配ることができなかったのでしょうか。  そして、先ほどおっしゃったように、毎月、県の担当者がこの現地調査報告書、これチェックすることが義務づけられているのです。報告は12月も1月も産廃が混入していないかという項目は適切であるという、適になっているのです。これを問題なしとしたのはなぜか答弁を求めます。  そして1月に入って、さらにAさんはこのカシノキの枝とかプラスチックごみ、瓦などが混入していることを訴えると、今度は県は県内業者が間違えて仮置きしたというふうに説明しているのですね。私も現地確認しましたけれども、瓦やブロックなどが混入している状態でした。  それでは、2月2日の報告書ではどうかというと、産廃が混入していないかという項目に適切である適となっているのです。しかし、新たに項目をつくって、仮設用工事道路に使用している材料に異物が混入している、埋め戻した土に木の枝が混入している、そういった項目が追加されて、要注意となっているのです。異物の撤去を文書指導しています。  砂利業者の提出した報告書には、埋め戻した土砂から分別した廃棄物は、木くず類2.1トン、廃プラスチック2.2立米、瓦、瓦れき類1.78トンとなっています。  県土整備局は産廃を異物の混入としたのはなぜか答弁を求めます。
    ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)何点かお尋ねがございました。  産業廃棄物処分場の件につきましては、生活環境部長のほうから、また、砂利採取場に関しましては、県土整備部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  原発関係でありますけれども、これにつきまして、原子力発電所については稼働させないということを明確にすべきじゃないかということと、あと溝口知事の御発言のお話がございました。  これは、皆さんも御高承のとおり、私どもは安全協定を最初に結んだ周辺地域であります。それは、なぜ結んだかといえば、今まで完全にらち外に置かれていた周辺地域でありますけれども、契約の考え方で協定を結ぶことにより、向こうにも私どもに対して事前の了解を実質的にとってもらう、そういう意味で、我々は、意見をちゃんと述べる、監視をする、またさらには、保障の項目であるとか、いろんな情報の提供の項目など、これらを向こうの債務としてのんでもらったわけですね。基本的には立地と同じような形で我々は立場を得ることができたと思っています。  これに従って今、向こうが事前の申し出をしてきたわけでありまして、我々は、逆に言えば、その申し出に対する審査といいますか、そうした検討を行い、意見を返すという、こういう立場にあります。  その中で、今おっしゃるような話については、一つ一つ検討していくということでございまして、最初から結論ありきで考えるものでもないだろうと思います。大切なのは安全でありまして、地域と住民に対して私たちは議会と執行部と共同で責任を負う立場でございますので、しっかりと言うべきことを言い、ちゃんと我々の姿勢も述べていく、そうしたことで今後もいく必要があると思います。  これから、住民の皆様への説明の機会などもありましょうし、安対協というような場もございましょうし、さらに、顧問の専門家の考え方も聞いてみなければいけません。議会と私との間では、最終的な考え方の取りまとめをする責任があると思いますので、私は、最終盤で、全員協議会になるかもしれませんが、議会側と十分協議をする機会をとらさせていただき、どういう回答になるかはわかりませんが、それで回答を返していくと、こんな手順で進めていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、私どもとしては、慎重に安全の立場で今後物事を考えていく必要があると思っております。  溝口知事でありますけれども、私も新聞で拝見させていただき、テレビのニュースでも流れていまして、どういうことをおっしゃったのか、私自身もちょっと見させていただく必要があるかなと思って拝見をさせていただきました。  報道とそれから実際におっしゃったことと、同じことを言っているのでしょうけれども、切り取り方といいますか、その印象の問題は若干あるかもしれません。私のほうで読まさせていただいたところでは、溝口知事は、立地、それから周辺の自治体に中国電力からきちんと説明してもらわないといけないと、その上でいろいろな意見を聞いて、最終的に判断をすると、こういうことをおっしゃっています。ですから、我々、これまで島根県さんと協議をしてきた姿勢が変わっているものではないというふうに受けとめております。  また、翌日6月5日にそういう発言があったということで報道されましたけれども、翌日6日のときにも発言があり、記者団に対するコメントも拝見をさせていただきましたが、周辺地域も含めて、関係自治体の意見も聞いた上で判断をするんだということをおっしゃっておられまして、これまでと姿勢は変わらないというふうに私は拝読をさせていただきました。  したがいまして、特に溝口知事にこの発言で私のほうから申し上げるまでもないだろうと思います。と申しますのも、この3号機の手続がございますけれども、こうしたことと並行して、いろいろ電話だとか、お互い顔を合わせる機会もありますが、鳥取県側は慎重にこれを見ていきますよということを申し上げておりますし、我々のほうで意見を言うことになりますよと、それで、島根県さんのほうは、溝口知事は、それをお伺いしながら島根県も、では回答を出していくというような方向性でこれまで私に話をしてくださっています。ですから、私自身は余りそれについて不信感を持っているわけではなくて、お互いの信頼関係は保たれていると思っております。  次に、中海の水質問題についてお尋ねがございました。  議員のほうからはモニタリングはもうやめたらどうだというお話がありましたが、私は逆だと思っています。モニタリングはやはりやっていかないと、その中で私たちは検証していかなきゃいけない。結局、監視をする立場で、両県で、それから国土交通省や環境省等も入っていますけれども、いわば目を皿のようにして、これまでの施策が有効がどうか、さらに水質がどういうふうに動いているのか、それの対処方針などを話し合う必要がございまして、そういう意味で、やはり共通の理解の基盤として、データを逐年とっていくことは重要であります。  先ほどもちょっとコメントいたしましたけれども、それが適正に分析されなければなりませんので、我々も、くぼ地の影響等、こうじゃないかとか、いろいろと折に触れて意見を申し上げていくと、こういう中で徐々に方向が出るのかなというふうに思います。  くぼ地の埋め戻しのお話がございましたけれども、これについては、私どももそうしたアイデアもあることは、中海会議の場でもこれまでも申し上げてきておりますし、だからこそ、そうした水質の検証ということもなされています。現状は覆砂で対処しようという国土交通省の方針がございまして、その影響も今、拝見をさせていただいているというところでございます。  このことにつきましては、やはりデータに基づいてお互い議論しようということにどうしてもなります。また、これをやろうと思いますと当然ながら金銭的な問題も出てきます。くぼ地を埋めると300億円、400億円というかなり大きな金額の問題になってきます。それは今までの仕組みからして、関係自治体の負担も伴うわけでございまして、それは慎重に見たいという島根県側の主張もよくわかるところでありますし、我々にはね返って同様の問題もあるわけでありますが、これについても、私どもは予断を持たずに、こうした可能性も含めて検証作業をする立場でこれまでもやってまいりましたし、今後も対応してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、中海のきれいな海を取り戻す、それを大目標に、鳥取県としてはこれまでも発言をしてきておりまして、そうしたスタンスで今後も臨んでまいります。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)私のほうから淀江産業廃棄物に係ります補足の答弁を申し上げます。水源地付近への廃棄物処理施設等の設置についての考え方、団体等の要望に対する考え方の1点と、それから意見調整会議での同行された方への対応について、この2点かと思います。  まず、水源地付近にこういった処理施設を設けることについて、そういった団体の動きがあるということでございますが、あくまでもこういった処理施設の設置についての審査につきましては、廃棄物処理法に基づきます。また、廃棄物処理法に基づきます省令あるいは要項等に示される施設設置基準を満たしているかどうかということが、廃棄物処理法の設置許可手続の中での審査の対象になってまいりますし、その施設構造基準の上で生活環境保全上どういう影響を与えるのかということも、専門家等の意見もお聞きしながら、結果的にそういったことも審査をして、満たしているかどうかということを判断していくということになりますので、私どもは、あくまで廃棄物処理法等、そういった法令に基づく基準を満たしているかどうかということで判断をしていくということになります。  また、2点目の意見調整会議での同行者の方への対応について、補助者の対応についてでございますが、あくまでも手続条例に基づく意見調整会議の趣旨というものがございます。考え方、あるいはその条例にいう意見調整会議のルールというものがございます。これは、あくまでも関係住民御本人に御出席をいただいて、疑問点等を述べてもらうことで、双方の主張内容の理解促進を図るといったことが目的でございます。  したがって、先ほども申し上げましたけれども、同行された配偶者の方、御主人のほうが若干耳が聞こえづらいということがありましたので、お隣のほうにちゃんと席も設けて、そういう補助していただくような形もとりましたし、結果的には適宜対応いただくようにお話ししたところ、配偶者の方、随行の方もしっかり御自分の御意見、御質問されたというのが実情でございますので、決して禁じたものでもございません。しっかり、御意見、御質問は伺ったというところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)山内県土整備部長 ◯県土整備部長(山内政己君)私のほうから、日常点検における確認事項において、適としたのはなぜか、また異物の混入としたのはなぜかということにつきまして補足の説明をさせていただきます。  先ほども申し上げたように、県のルールとして月1回の現地確認を行うということになっておりまして、その点検内容は掘削区域、保安距離、防護柵の設置状況、標識の設置等、こういうことを点検するということになっております。  議員言われるように、日常点検で適とした、あるいは異物の混入としたことの判断というものの妥当性、これについては議論があろうと思いますけれども、繰り返しになりますが、そういった何かあった場合に、毎月の1回の日常点検で正していくということでしっかりと対応してまいったというところでございます。  さらに、2月2日の現地調査におきましては、工事用道路につきまして、瓦の混入、こういったものを確認しております。そういったことを踏まえて、2月中旬には、生活環境局の職員とともに現地確認をさせていただいて、文書による文書指導、さらに3月1日には、生活環境局のほうからも改善企画書の提出、こういったものを求めさせていただいて、最終的に3月9日に両局職員が合同で現地確認して、土砂の撤去を確認したというところで、我々として適切に対応できたんじゃないかというふうに考えているところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)先ほどの溝口知事の発言なのですけれども、これは、島根の安対協で発言を撤回するとおっしゃったということは、発言したということだということを言っておきたいと思います。  知事は、再生可能エネルギーを本当に鳥取県で推進していこうということで頑張っておられるのですけれども、県民の命を預かる自治体の長として、国に対してもやはり原発政策の転換を求めるということが大事だというふうに思います。本当に使用済みの核燃料の問題もあるのですよね、ということです。  次に、避難計画についてです。  原発事故の際の避難計画で、鳥取県西部から鳥取県東部に避難誘導されますが、避難所開設は市町村や職員でやって、速やかに地元自治会などが行うようになっています。しかし、現状では、地元自治会や住民への説明が行き届いてないということや、それから、自治会役員も一応毎年かわったりするのですよね。毎年、丁寧に説明して、受け入れ体制の確認が必要だと思いますが、知事、どうでしょう。  それと、原発事故発生の際の避難計画では、9割が自家用車両の利用です。事故が起きれば、段階的に避難するというふうにしているのですが、この避難訓練参加者ですね、その方たちは、これで大丈夫なのかというふうに懐疑的です。本当のところの実効性、どういうふうに考えておられるのかということをお聞きしたいと思います。  先日の全協で、福島事故のときは、プルームが海に向かって80%放出されたという、森議員もこれを指摘されていましたが、風向きでは、倉吉市や鳥取市も避難が必要になってくる。被災者を受け入れることが現実ではありませんが、これらの点についてどうされるのかお答えいただきたいというふうに思います。  それと、産廃の処分場の問題で、日本水道協会の申し入れについて、今、廃掃法や設置基準の問題のことを言われているのですけれども、当然わかっておりながら、いろいろ事故やら心配なことがあるから、これの申し入れをしたということを重く受けとめるべきだというふうに思うのですよね。  松藤教授は専門家会議で、現地を見ていないが資料で確認した。そもそも処分場が建設できないようなところに計画するわけがないというふうに発言されているのですね。処分場計画地の比較選定は全くされてないのです。水道協会の申し入れは、法改正の動きはまだ進んでないのですけれども、やはりこれは重く受けとめるべきだというふうに思います。  それで、5月21日の常任委員会のこの生活環境部の報告資料によりますと、その他の関係住民、日程の照会を行っているが、その都度、新たな質問、要求等の提出があり、対応していると。日程調整に応じてもらえない状況が続けば、県として必要な判断をせざるを得ないというふうに記述していますが、これを打ち切るつもりなのですか、必要な判断とは何か、答弁を求めます。  県は廃棄物審議会を6月13日に開催して、意見調整会議の報告をしています。この審議会は、事業者は前向きに対応しているが、事業者の見解と住民の意見には乖離が見られると、これ以上やっても平行線、これまでの7人は終了するというふうに早々に見解を出しました。  住民と事業者、事業センターとの意見が割れた一番大きかった点は、この地下水の流れる方向です。事業センターは、福井水源のほうには行かないという見解を出しています。そして、吉谷鳥大名誉教授は、福井水源の方向に行くことは否定できないという見解を出しておられまして、両者は完全に割れているのです。県は、住民への両者の違い、これを立証する責務が、義務があると思いますが、どうでしょう。  昨年6月の鳥取県漁協淀江支所が、反対声明を出されているのですけれども、2度の説明会でも反対の声が相次いでいます。この事業は漁業者の同意が不可欠だというふうに思いますが、漁業者の意見の今後の取り扱いについてはどうなるのかお尋ねします。  中海ですけれども、底層、中層のデータを県は持っているのですから、ぜひ開示すべきだと思います。どうでしょうか。  中海については、国にくぼ地が環境悪化の原因と認めさせるためにも、ぜひ県が材料をもって示すことが重要だというふうに思います。  認可責任のことについてですね。生活環境局は、仮設道用の土に鉄骨などの建設廃材が混入しているのを確認して、廃掃法で産廃廃棄物処理基準違反に該当しているとしているのに、県土整備局では、産廃のサの字もないのです。おかしいではありませんか。この問題では、県の対応が、苦情や相談があってからの後追い後追いのふうになっているのですね。しかも、先ほどお答えになったように、ちゃんとやっているというふうにしらっとした顔で答弁されるのですけれども、本当にこれね、重大な問題を含んでいると思いますよ、恣意的に軽く見せかけているとしか思えません。明らかに行政による指導上の瑕疵があるのではないかと思いますが、知事、どうでしょう。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)原子力発電所の件についてでございますけれども、溝口知事の言葉は私も拝読をさせていただきました。先ほど申し上げた趣旨は、いろんなことをおっしゃっているのだろうと思うのですけれども、最後の結論のところで、先ほど申し上げたようなことを溝口知事おっしゃっていまして、周辺との関係については、周辺の意見を聞いた上でないと、最終判断は私はしないというふうにおっしゃっておられるわけです。ですから、このことにおいて信頼関係は失われてないだろうということです。その前段で多分いろんなことをおっしゃっているのだと思いますが、そこのところを撤回されたということではないかと思っております。  再生可能エネルギーについてでありますけれども、原子力発電所に頼ることなく、未来に向けた一つのエネルギーミックスというのをつくっていかなきゃいけない。そんな意味でエネルギーシフトを起こしていく、そういう緩やかなエネルギー革命をやろうということを、福島原発事故以来、議会の皆様とも議論をさせてきていただいたところでございます。  そんなような考え方で、昨日もいろいろ御議論もございましたけれども、私どものほうでは今、環境イニシアチブプランの中で示した目標はクリアをいたしまして、民生の電力の100%を再生可能エネルギーで賄えるというように本県としてもなってきたところでございます。  今後とも、そうした緩やかなエネルギー革命というのは起こしていきたいと思うのですが、ただ、他方で昨日も申しましたように、余り行き過ぎた、駆け込み的な再生可能エネルギーが必ずしもいいというわけではないと思いますので、ニュートラルにこれから対処してまいりたいということを考えております。  原発の避難のあり方についてでありますが、これについては、水中原子力安全対策監のほうから御答弁を申し上げたいと思います。  また、産業廃棄物の関係につきましては酒嶋生活環境部長のほうから、さらに、中海のデータのことにつきましてはくらしの安心局長から、砂利採取地については、これは県土整備部長のほうから重ねて御答弁申し上げます。 ◯副議長(福間裕隆君)水中原子力安全対策監 ◯原子力安全対策監(水中進一君)避難者の受け入れ体制ということで説明が行き届いていないという点と避難計画の実効性という点、それから被災者を受け入れることが現実でない場合があるという点について補足の答弁をさせていただきます。  まず、原子力災害時におきましては、市町村を越える避難が想定されることから、鳥取県におきましては、あらかじめ避難元の地区と避難先の施設をマッチングしております。避難の受け入れは、災害対策基本法及び相互の応援協定に基づき実施しているところでございますが、相互の市町村の理解と連携が必要と考えているところで、受け入れ自治体のほうにつきましても、各種の講演会の開催、あるいは、鳥取県原子力防災ハンドブックの県内全戸配布等を通じまして、原子力防災避難者の受け入れに関する理解が深まる取り組みを、米子市及び境港市と連携して行っているところでございます。  なお、年度初めには、市町村防災担当者会議等で説明するとともに、米子市、境港市からもお願いしているところで、一部自治体の自治会長の集まりなどでも説明をしているところで、今後とも工夫しながら継続していきたいと思います。  避難計画の実効性でございますが、避難区域の全ての住民が、避難指示後、約20時間で避難できることをシミュレーションで確認しております。実効性を向上させるために、訓練と資機材の整備、住民への普及啓発を継続的に行っているところで、さらに、避難が困難な入院患者等の皆さんにつきましては、放射線防護対策を実施いたしまして、避難の準備が整うまで屋内退避できるようにしているところでございます。  シミュレーション結果につきましては、常に精度を上げることが必要でございまして、昨年度、交通実態等の調査を行いまして、かなり精度の高い交通シミュレーションモデルができましたので、今後、その結果によりまして得られた渋滞緩和策も実施していって、さらに避難が円滑に行えるようにしていきたいと考えております。  また、万が一避難が計画どおりに行われなかった場合については、実動組織、いわゆる自衛隊、警察、消防等によりまして、緊急輸送の支援が行われることが国においても決められておるところでございます。  避難の受け入れが困難な、現実的でない場合ということで、鳥取市等で避難の受け入れの実施が困難な場合、避難につきましてはモニタリングデータに基づいてやっておりまして、そのモニタリングデータによって避難等を確認するわけでございますが、UPZのほか、外につきましても現在、平素からの情報共有、それから原子力防災訓練、防災講演会などの参加について全県で連携して取り組んでいるところでございます。  さらに、国の支援も期待するところでございまして、その他、関西広域連合とはバス等の協定を結びまして、避難の体制等については準備しているところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)私から、淀江産業廃棄物管理型最終処分場建設に係ります3点について補足の答弁を申し上げます。  まず、1点目は意見調整の日程調整に応じない方への対応についてでございます。  現時点、日程調整に応じていただけない関係住民、これは2自治会と3人の個人の方でございますが、この方とは、県は幾度にもわたり日程調整を行っているところでございますが、関係住民は、事業主体変更前からの事前説明会の会議録の開示でありますとか、会議への専門家の同席、自治会全世帯を含む希望者全員が傍聴できるようにすること、あるいは、必要な会議資料を事前に受領し、その内容を確認した上で希望日程を出すとか、そういった要求をしておられます。そして、これらが整うまでは、日程の調整には応じないというふうにしております。  先ほど答弁申し上げましたけれども、意見調整会議は、これまで条例手続、さまざまなやりとりも行ってまいりましたが、そういったものを踏まえて、センターと関係住民との間で行う最後の調整の場でございます。双方の歩み寄りを確認するというものでありまして、改めて、これまでのような説明会を重ねて行うものでは決してございません。相互理解を促進する意見調整には、この会議の開催は必要であるというふうに私どもは考えておりますけれども、現在、意見調整会議ができていない関係住民からは、この本来の意見調整会議の趣旨とは異なる要求が続いているのではないかというふうに考えております。  手続条例では、事業者及び関係住民については、相互の立場を尊重するとともに、会議への出席の協力、それから相互の意見及び見解を理解するよう努めることというふうにも規定をいたしております。したがいまして、県としては、今後、意見調整会議ができていない関係住民に対して、意見調整会議への対応の可否について確認をしていくということになるものでございます。  次に、地下水流動への専門家意見について補足の答弁を申し上げます。  管理型最終処分場につきましては、浸出水の漏出防止のため、遮水構造等の法令基準が定められております。これらの基準に合致させることで生活環境保全上の支障の発生を防止するという、そういうものになっております。  また、産業廃棄物には埋め立て基準が定められておりまして、基準を超えるものは、この管理型最終処分場への搬入が規制をされますので、埋立物中の重金属等の濃度は極めて低いものと認識をしております。  本年2月に開催をした専門家会議でも、多重遮水工による、このたびのセンターの事業計画について、そういった対策が講じられているために周辺を汚染することは考えがたいとの見解も示されたところでございます。  他方、この専門家会議では、地下水流動の専門家が欠席であったこと、また意見調整会議でも、関係住民から地下水流動に関する意見もございましたので、県として、平成26年にセンターが実施をいたしました地下水流動等調査の検証につきまして、地元にも詳しく、大山周辺の地下水脈などを熟知されている別の専門家、伊藤哲技術士さんですけれども、この方に依頼をして、6月11日に意見をいただいたところでございます。専門家からは、センターの調査手法は水利学的、水文地質学的にも妥当な方法であること。センターの調査結果により、大まかな流路の推定はほぼできたものと考えてよいこと。事業計画地側は扇状の地形が形成され丘陵地となっている一方、福井水源地側は扇状の地形が余り発達しておらず、福井水源地の地下水の主たる供給源は事業計画地側とは異なると想定されること、主たる流路方向が北西方向であること、水質のパターンから、事業計画地の地下水と福井水源地の地下水とでは、地下水供給域が異なっていること、こういった見解をいただいたところでございます。この意見につきましては、先般開催した廃棄物審議会にも報告をしたところであり、今後この廃棄物審議会の御意見もお聞きしながら、水源地への影響への評価もしっかり確認したいと考えております。  現在センターの事業計画につきましては条例手続を行っているところですが、この計画の中では、県は関係住民と事業者双方の相互理解を促進するという、そういう役目が求められております。また、条例手続の後においても、廃棄物処理法の設置許可手続の中で許可権者として法令基準の適合性について審査をする、県はそういう立場にもなりますので、その審査の中でも安全性の確認を厳選に行っていく考えでございます。  3点目でございます。漁業者の意見の取り扱いという、これにつきまして補足の答弁を申し上げます。  まず、淀江地区の漁業者とのこれまでの対応の経過について少し説明をさせていただきます。  漁業者から説明会の要望を受けまして、平成29年6月6日にセンターが淀江地区役員に事業計画を説明しております。その後、8月22日に淀江地区の漁業者への説明会をセンターが開催をしております。ただ、この説明会では、その説明会開始早々、センターの説明を遮り、有害物を流すななど、さまざまな反対意見を言われた後、本事業に反対なので説明を聞く必要はないとの発言がございまして、散会となった経緯がございます。  この間、淀江地区の漁業者は7月12日に事業計画への反対声明を発表しておりますが、県漁協の本所や幹部からは、この声明は県漁協または県漁協淀江支所としての動きではない旨、見解をお聞きしているところでございます。  その後、今回のセンターの事業計画では、この淀江地区の漁業者の方々は、条例手続の関係住民には該当いたしませんけれども、漁業者とセンターの相互理解の促進のための機会は必要であるというふうに考えまして、平成29年12月以降、改めて県のほうで淀江地区の漁業者とセンターによる説明会開催の調整を行いました。そして、少し時間はたちましたが、平成30年4月15日に改めてセンターによる説明会を開催したところでございます。その説明会では、センターが事業計画を説明した後、漁業者とセンターとの間で事業計画についての質疑、さらには、漁業者からの質問、意見をお聞きしました。その際、漁業者は有害物はゼロでなければ安全とは言えない、また、いかなる構造基準でも水処理をしていても、法令基準を満たしていても処分場は受け入れられないといった発言がなされました。  その後、漁業者は傍聴者にも発言を許可するとして、産廃処分場建設反対を主張する人々を含む傍聴者から、事業計画以外の質問、意見が約1時間続きました。結果的にそういう会になったというところでございます。  このように、昨年4月の説明会では、漁業者からの質疑もあり、事業計画の説明は聞いていただきましたけれども、会議後半からは本来の漁業者への説明会という会とは異なったものになったというところでございます。その後、漁業者から、事業には反対だけれども、説明会は開催してほしいという要望がございまして、4月以降、本来の趣旨の説明会が開催できる環境であれば、再度説明会を設定する準備はある旨、日程照会もあわせて通知しておりますけれども、漁業者からは事業計画中止の道があるのか県の説明を求めるといった新たな要望を出されるなど、理解促進のための説明会の設定は難しい状況であるというふうに考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)引き続き補足答弁を求めますが、時間がほとんどありませんから、コンパクトにまとめて。  答弁を求めます。  小林くらしの安心局長 ◯くらしの安心局長(小林綾子君)データの公表について補足の答弁をさせていただきます。  中海の水質評価につきましては、先ほど知事が答弁いたしましたとおり、検証を進めているところでございますが、現在、中海覆砂検討ワーキンググループにおきまして、米子湾周辺の環境基準点ごと、また、さらには、表層及び底層に区分いたしまして、水質への影響の寄与度を検証しているところでございます。  議員の御提案のありました中層データというものについての公表ですけれども、中層には淡水と海水の境界域というものが存在しておりまして、試算結果の評価が大変難しいということでございます。そこで、今現在は表層と底層の評価ということで今年度は報告のほうをさせていただきたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)山内県土整備部長 ◯県土整備部長(山内政己君)私のほうから、後追い指導ではないかということにつきまして補足の答弁をさせていただきます。  ここの砂利採取場、埋め戻しが始まったのは、12月中旬でございます。我々がこの異物を発見したのが、12月19日の現地調査でございます。したがって、そんなに時間はたってないと思いますし、その12月19日以来、いろいろな指導をやらせていただいて、3月9日に撤去されたということを確認しておりますので、後追いというふうには考えておりません。 ◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)中海ですけれども、難しいとおっしゃるのですけれども、中層のデータも評価ができるようにぜひ、お願いしたいと思います。  それから、今の砂利採取なんですけれども、これはやはり県は後追い、後追いになっているのですよ。私はもっと言いたいのですけれども、時間がないので言いませんけれども、これは県の許可上発生した問題なんです。解決のためにも、県が本当に力を尽くすということを強く求めておきたいと思います。  それから、産廃なのですけれども、今、重大な発言を部長はされました。この調整会議の日程がなかなかできないということをもって対応可否を決めるという、これは打ち切るということなのですよね。こんなことがあってはいけないと思いますけれども、知事、どうでしょうか。  それから、今、その両者の違いを立証する責任があるというところで、伊藤先生にこれを評価をしていただいたというふうな話がひょっこり出てきたのですけれども、これは何で鳥大の吉谷名誉教授に依頼しないのですか。何で県はこの吉谷名誉教授を登場させたらいけないというふうにして、もう本来だったら、この方に聞いて両方の違いを鮮明にして、意見をそれぞれが闘わすというか、やりとりするということで明らかになってくるのではないのでしょうか。それがない限り、住民は認められないと思うのですよ、こういうやり方は。それで、意見調整会議について、盛んに新たな問題、質問や要望を出してくる、だから日程が決まらないのだというふうに、自治会等をまるで悪者扱いなのですよ。本当にこれは認められません。  昨年センターの事業計画について住民から意見書が出て、それにセンターは見解書を返したのですね。しかし、まともに答えてないから、今度は丁寧にいろいろ書類などもつけて再検証を出すと、それは見解書1の何ページと同じというふうに返すのです。再々意見書に対しては、わずか13行ですよ。県の報告書だけを見ると、丁寧に回答していますというふうになってくるわけです。中身が違うのですよ。それで、7回の説明会の議事録の請求にも、再々見解書の提出も日程をちゃんと決めなければ出しませんよ、こんなやり方は私はないと思います。今情報開示を鳥取県は90%とかと知事はおっしゃったのですけれども、もうこれは抱えて出さないわけですよ、そんなこと許されていいわけないです。ぜひ再々意見書に対する誠実な回答と議事録を出すことを求めますけれども、知事、どうでしょうか。  それから、漁業者への説明ですけれども、前回の進行が趣旨に沿わなかったと、次回は西部総合事務所で傍聴者は入れないということで出してきているのですよ。県漁協の圧力もあるかもしれませんけれども、淀江支所なら参加できる漁業者も参加できにくくする、本当に全くの圧力としか言えません。こういうやり方で進めていいのですか、知事、知事にお答えいただきたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事
    ◯知事(平井伸治君)(登壇)それぞれくらしの安心局長、県土整備部長、そして生活環境部長から御答弁申し上げます。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)まず、意見調整の日程が整っていない方への対応でございますが、意見調整が整えば、しっかり意見調整対応をもって意見の理解の促進を図る、そういった会を持ちたいと思っております。決して現段階で打ち切るというふうには申し上げておりません。  それから、吉谷先生の御意見をということでございますが、吉谷先生につきましては、これまでも住民訴訟の中での証拠書類として、ある程度見解を示されておりますので、このたびは、これまでそういった見解をいただいていない第三者の方、伊藤氏のほうから新たな見解をいただいたというものでございます。  それから、あと、意見書、再見解書については、センターのほうの対応はしっかり行われているものというふうに理解をしております。その上で合意形成判断も行ったところでございます。  漁協さんにつきましても、さきも申し上げましたように、先回の説明会は本来の説明会の趣旨と全く異なるものとなったということがございまして、先ほど議員のほうからも御紹介がありましたが、そういった会の設定で説明会を設けることについて提案をし、日程調整を行っているところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)錦織議員、総時間がもう経過をしておりますので、あと2人の補足答弁はこれで打ち切りたいと思いますから、御了解をいただきたいと思います。  27番広谷直樹議員 ◯27番(広谷直樹君)(登壇、拍手)まず初めに、18日の朝発生いたしました大阪府北部を震源とする地震によって、5名の死者を含め、多くの被害を受けられた方々に対しまして、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。私も関西広域連合議会の一議員でありますので、一日も早い復興、復旧が進みますようお祈りをいたしたいと思っております。  それでは、通告に従いまして、2項目について質問をいたします。  まず、水田農業の振興についてでありますが、6月も半ばを過ぎ、県内各地のほとんどの水田では田植えが既に終わっていることと思いますが、ことしは日本の米づくりで半世紀近くにわたり続いてきた国による生産調整、減反政策が廃止になり、水田農業において、大変大きな政策転換の年になりました。昨年までは国主導で各地域の米生産数量目標の配分を行っていましたが、平成30年産からは行政による生産数量目標の配分がなくなり、各町村の農業再生協議会が生産数量目標の配分を決め、その生産数量目標をもとに作付半分面積が示されております。  先ごろ農林水産省は、4月末現在の全国の平成30年産の主食用米と転作作物の作付動向を公表いたしました。それによりますと、全国的には主食用米の作付面積は前年産と比べて大きな変化はないとのことでありますが、各県の動向を見ますと、34都道府県が前年並み、増加傾向が6県、減少傾向が7都府県であります。本県は、増加傾向6県のうちの1県であり、残りの5県は東北地方などの米どころの県であり、本県が増加傾向の県であるということに少し驚きを持つわけであります。  県の平成30年の主食用米の作付目標面積を見ますと、平成29年の作付実績の1万2,378.8ヘクタールを933.9ヘクタール、7.5%増の1万3,312.69ヘクタールですが、この作付目標面積は各地域の再生協議会や各JAの目標面積を積み上げた数字とのことであり、県内全市町村で目標作付面積が前年より増加しております。ことしの正確な作付面積は、今月末に各農家から営農計画書が提出されないと正確な面積は確定しませんが、全県での作付が目標面積を達成できる見通しなのかお伺いいたします。  また、近年、飼料用米の作付面積が年々増加傾向でありましたが、本年の状況を見ますと、飼料用米の作付面積が減少しております。本県では、飼料用米に日本晴の品種が使われておりますが、なかなか収穫量が上がらないということがあるようで、収穫量によって交付額の多寡があり、飼料用米の作付が敬遠されているのではないでしょうか。多収品種の導入を含め、今後の飼料用米の動向、あり方についての平井知事の御所見を伺いたいと思います。  さらに来年度以降の水田農業、米の作付全般について、どのような見通しをされておられるのか、平井知事の御所見を伺います。  また、平成30年から米政策で大きく変わったことの1つが、10アール当たり7,500円の米直接支払交付金の廃止であります。国の予算で見ますと、廃止で生まれる財源は平成29年で714億円とのことです。本県の総作付面積は全国の0.9%ですので、全ての水田耕作者への交付金の支給総額は7億円弱程度になるのではないかと思われますが、平成30年度はこの交付額の財源はどのような形で農家へ交付されることになったのか、やはり農家の目に見える形にしないといけないと思います。そして、直接支払交付金の廃止によって、農家、特に大規模水田農家にとっては直接的な収入減となり、農業経営に大きな影響を与えると思われますが、どの程度の影響があると考えておられるのか、知事の御所見を伺います。  去る3月、日本穀物検定協会が平成29年産の米の食味ランキングを発表いたしました。鳥取県産のきぬむすめは、平成25年から4年連続で食味が最もよいとされる特Aの評価を受けておりましたが、平成29年産のきぬむすめは、ランクを1つ落としてAの評価でありました。評価を下げた要因は技術的なこと、あるいは農作業の時期、天候などいろいろあると思われますが、ランクを落とした要因について、県としてはどのように捉えておられるのかお伺いいたします。また、きぬむすめの栽培の今後の取り組みとして、作付規模を3,000ヘクタールから3,200ヘクタールへの拡大や販売面での戦略など、きぬむすめブランド化戦略推進事業を予算化して取り組んでいるところであります。今後のきぬむすめの作付、販売面など、ブランド化に向けての取り組みへの影響はどうなるか、知事の御所見を伺います。また、きぬむすめの特A復帰に向けての対策や今後の取り組みについて、どのように考えておられるのかお伺いしたいと思います。  次に、本県のドクターヘリの運航についてお伺いいたします。  昨年度末の3月26日から、本県ドクターヘリおしどりの運航が始まりました。今まで県内の救急医療搬送体制は、平成22年度から公立豊岡病院のドクターヘリが、平成25年度からは島根県ドクターヘリによって確保されてきました。ドクターヘリの標準的な活動範囲は約70キロメートル圏域内ということもあり、救急現場が県中西部の場合は地理的な問題などがあり、十分な利用がされていないのが現状でありました。  そこで、本県単独でのドクターヘリ導入については議会でもたびたび議論され、平成27年度に救急医療体制高度化検討委員会を設置し検討してきた結果、本県単独でのドクターヘリの導入が必要との結論に至ったようであります。  ドクターヘリの効果は、救急車による地上救急より救命率が3割以上高く、完治後に社会復帰した疾病者の割合は約1.5倍に達していると言われ、医療効果のみにとどまらず、経済的な効果にまで及ぶと言われております。  本県ドクターヘリおしどりがこのたび運航されたことにより、これまで鳥取県をカバーしてきた公立豊岡病院のドクターヘリ、島根県ドクターヘリとあわせて、より充実した救急医療体制が構築できたと思います。運航開始から3カ月余り経過いたしましたが、今日までの運航実績、また医療的な効果について、知事の御所見を伺います。  また、今まで鳥取県東部をカバーしております公立豊岡病院ドクターヘリは、平成28年度年間の運航実績は1,926件と日本一出動回数が多いと言われておりますが、本県ドクターヘリの導入によって公立豊岡病院ヘリの出動回数の軽減など、よい影響、効果があるのではと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。  また、ドクターヘリの導入方法として、本県が事業主体の場合、また、関西広域連合が事業主体の場合のどちらでも県の負担額は余り変わらないとのことでありますが、鳥取県ドクターヘリの事業主体は関西広域連合であります。そこで、運航経費の流れを見ますと、関西広域連合が基地病院である鳥取大学医学部附属病院に補助金を交付し、基地病院は補助金をもとにして、民間のヘリ運航会社に運航委託契約を締結する方式と、関西広域連合が民間のヘリ運航会社に直接委託する方式もあるようであります。関西広域連合が事業主体のドクターヘリは6機ありますが、基地病院が運航会社と直接委託しているのが鳥取、豊岡、加古川のドクターヘリであり、関西広域連合が入札、発注して直接運航会社に委託しているのが、大阪、徳島、京滋のドクターヘリであります。この委託方式の違いにより、ドクターヘリの運航に当たっての違い、あるいはメリット、デメリットはどうなのかお伺いいたします。  また、先ほど申し上げたように、本県が導入したドクターヘリの事業主体は関西広域連合でありますが、運航に当たって、県の意向、例えば権限などはどの範囲内で働くのか。例えば、万が一ドクターヘリが事故を起こした場合の責任の所在はどこにあるのか、知事にお伺いいたします。  ドクターヘリにとって一番重要なことは、救急医療活動をどのようにしたら一分一秒を短縮できるか、また、どのようにしたらベストの出動体制に近づけるかであると思います。要請基準には、日本航空医療学会の要請基準とキーワード方式があります。県内には3カ所の消防局にそれぞれ指令課があり、救急要請119番が入ったとき、指令課の職員が救急車かドクターヘリかの判断をして出動要請をするわけですが、各消防局での出動要請はどのようになっているのか、同じ要請基準で運用されておるのかお伺いしたいと思います。以上、壇上での質問といたします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)広谷県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、冒頭、大阪北部地震についてお話がございました。議員にも御参画いただいておりますけれども、関西広域連合は、私どもの一つの統合体でございまして、今回の災害に当たりましても、広域連合の中でいろんな調整をし、そして、これからも部隊の派遣等をやっていくことになろうかと思います。本県は、必ずしも広域防災の中には入ってはおりませんけれども、発災直後に井戸連合長のほうに私も電話をさせていただき、関西広域連合の配下で動きますということを申し上げました。今回のようなスケールも大きなこうした災害の場合にやはり機動的にその機能を発揮されると思います。ぜひ広域連合の議会のほうでも、こうした広域的な災害応援につきまして御理解をいただければと思います。  水田農業につきまして何点かお尋ねがございました。本年産の米の作付面積達成見通しはどうなのか、また、飼料用米、さらには来年度以降の作付はいかがなのかと、こういうことでございます。  大体ことしは1万3,300ヘクタールの目標を設定していたのですけれども、これが現実には今、1万2,700ヘクタール余りの作付でありまして、600ヘクタールぐらい目標には届かない形になろうかと思いますが、しかし、昨年に比べますとこれでも増産でございまして、近年からしますと、大きな節目になったのかもしれません。  先ほど東北地方の米どころの県のお話がありましたが、同じような形で私どもの産地も増産に向かっていくということになりました。背景には、食糧米の需要が非常に強いということでございます。今回のこの作付状況を見ても、きぬむすめが400ヘクタール以上、昨年よりもふえておりまして、急速に伸びているところであり、食糧米を一生懸命つくろうという産地の機運も高まっているのではないかと思います。これの反作用で飼料用米のほうでありますが、こちらのほうは、若干減った形になってございます。そういう意味で800ヘクタールぐらいということでございますけれども、これはどちらかというと、マーケットのほうと約束している量がございますので、それに応えていくためにも、飼料用米からこうした食糧米のほうにシフトしているというのもあろうかと思います。決して飼料用米の魅力が薄まったというわけでもないのだと思います。  この飼料用米の生産でありますけれども、北陸193号という多収量米をやってみようというお話もあり、実際にやってみた状況もあるのですけれども、正直なかなか思ったほど収量が上がっていなかったり、それから、収穫後のトラブルといいますか、手間がかかったりというようなこともございまして、どちらかというと、西部を中心に日本晴の作付が広がっています。それが大体平均的な収量はとれていると思うのですけれども、まだ平均以下のところもございまして、そうした収量目標との関係でてこ入れが必要なところについては、これからもJAとも協調しながら、普及員などでも指導をして多収化を図っていきたいというふうに思います。  そして、新年度の作付はどうなるかということでありますが、JAのグループ内のそれぞれに状況をお伺いしておりますけれども、基本的には、またふやしていきたいという、そういうJAの考え方がございます。これはそれだけつくれば売れるのではないかという、そういう自信が広がっているのではないかと思います。したがいまして、来年に向けましても増産の傾向になるのかなというふうに考えておりますが、今後よくフォローしてまいりたいと思います。  次に、米の直接支払交付金の廃止で大規模農家にとって収入減で大きな影響があったのではないかと、こういうお尋ねでございます。  これにつきましては、確かに直接支払交付金が減りました。それが県内でも影響が700億円があるわけでありますが、新しい収入保険制度のほうですとか、それから、農地関係であるとか、そうした予算も片方でどうもふえたようであります。その辺の行きつ戻りつがありながら、直接支払交付金の減ということになりました。我々も大分心配はしていたのですけれども、実情をそういう大規模農家などにも聞いて歩いているわけでございますが、例えば、いわみ農産さんであれば、新甘泉を植える、あるいは野菜ですね、ホウレンソウだとか、そうしたものを植える、つまり米以外のところです。あるいは加工品として、みそですとか、そうしたほうに注力をされる、そうやって米一本足ではない、そういう作付に、収入構造に変わってくることで所得をふやしていくと、こんなような形で結果的に大きな影響はなかったということでございます。  また、そのほかにも、20ヘクタール規模の大きな農家さんなどにも状況をお聞きしているところでございますが、こちらの農家さんでは、直接支払交付金が150万円減るということでございますが、ここ数年の傾向からしますと、500万円ぐらい所得のほうはふえていると。つまり米の値段がしっかりしてきましたので、その収量に応じて所得が見込めるようになってきていると、こんなようなことでございまして、恐らく大規模農家はそういうような傾向ではないかなと思います。つまりほかの作物との組み合わせでそこを回避している人たちがいたり、あるいは米自体も値段が上がってきて、全体としては直接支払交付金の分を補っているというような形かなというふうに思います。今後精細にフォローしてまいりたいと思いますけれども、正直、我々も心配していたほどに深刻な影響は出ていないのかなというふうにも思われます。  次に、きぬむすめにつきましてお尋ねがございました。このブランド化等に向けてどうか、また、特AからAに落ちたわけでありますが、その要因はどうなのか、対策はどうなのかと、こういうことでございます。  これにつきましては、昨シーズン、特AからAにどうして落ちたかということでありますが、どうも香りとか味で課題が出たのかなと、こういうように関係者はいろいろ情報収集して分析をしております。それは玄米の中のたんぱく質が高くなってきているというようなことではないかなということでございまして、その要因は、9月の上旬ごろの低温の傾向、それからその後の雨でございます。雨量からいきますと、その前の年の倍ほどに雨量が伸びております。こういうようなことでたんぱく質の割合が高くなって、これが食味や香りという審査項目に影響したのではないかということであります。  御案内のように、こうしたことは気候の問題でありますので、鳥取県だけ悪くなるわけではありません。そういうふうに考えますと、新潟のほうでも、南魚沼産のコシヒカリが、ついに特AからAに落ちたといいますが、それもこうした同じ気象条件が影響したのかもしれません。その辺はまたこれからもいろいろとフォローアップをしていかなければなりませんが、そういうことであれば、そういうたんぱく質がふえ過ぎないような対策を考えるということになります。そういう意味で、田植えの後の水を落とす中抜きとか、それから、適期の収穫、出穂期から40日ないし45日ぐらいで、きぬむすめですと収穫するのがよいと、そういう適期の収穫、そうしたことと、いろんな注意事項を考えて、それで特Aをもう一度目指していこうではないかと、こういうことでございます。  これ、実は予算もつけて、食味計を各JAのほうで持っていただくようになっていまして、実際に審査に出すときもこういう食味計も活用しながら、特A復活を狙いに行くという決意で今、関係者も張り切っているところでございます。そんな意味で、米づくりの暦、バイブルも改定をさせていただきながら対応していこうということになりました。  また、売り込み方でありますけれども、例えば最近の傾向でいいますと、金芽米であるとか、ああいうものが売れたり、もちろん業務用のことも含めて、きぬむすめを売っていくという戦略かなと思います。マーケットのほうからしますと、コシヒカリは結構個人消費が多いのですけれども、きぬむすめは業務用の扱いもウエートが高いようでございまして、ですから、心配されたような大きな影響はどうもなさそうだということでございます。したがいまして、金芽米等新しい手法だとか、GABA米もございますけれども、そうしたことも含めてしっかり販売戦略を立てていこうと、こういう形で向かおうとしているところでございます。また、高級百貨店の贈答品などでも使えるのではないかという引き合いもあるということであります。  次に、ドクターヘリにつきまして、何点かお尋ねがありました。  ドクターヘリの運航開始からこれまでの運航実績、また、医療上の効果はいかがか、また、豊岡のドクターヘリの出動についてはどういう影響だったのかということでございます。  これまでに90件の要請を受けまして、具体的には47名の患者搬送に結びついております。滑り出しとしてはまずまずかなということでございますが、もっと出動の検証をして、消防局など、まだ始まったばかりでありますので、活用していただくことを皆さんで話し合ってもらい、意識を高めてもらおうと。今後それをしっかりとやっていきたいと思います。  この実際の効果ということでありますけれども、やはり時間の短縮につながっていますし、それから、現実の患者の搬送においても、どうしても車ですと揺れ、震動があります。ただヘリコプターのほうが、まだ静ひつに患者さんに病院のほうへ向かっていただけるということがあります。そんなようなことでございまして、例えば大山で交通事故がありました。自動車の単独事故だったのですけれども、4名乗車していた方のうちの3名がけがをされたと。それでお医者さんも行かれて、いわゆるトリアージをするのですね。それで緊急性の高いものから適切な病院に運ぶというようなことをして速やかに救助をしたということも既にございました。また、琴浦町の松谷のほうで総合運動場がございますけれども、そこでバットが当たったか何かでやはりけがをされたと、こういうケースがございましたけれども、これは場所が場所だものですから、余り揺らさないほうがいいと。ヘリコプターで運ぶことで比較的震動を与えずに適切に患者さんに病院のほうへ行っていただけたと、こういうようなことがあったりしています。ですから、やはりドクターヘリ導入の効果は積み上がってくるだろうと思います。  また、公立豊岡病院のドクターヘリは非常に出動率も高いことで有名でありますが、既に5件については、この豊岡ヘリから今回の鳥取ヘリのほうに移ったところでございました。これは出動のタイミングの関係だとかいろいろあるわけでありますが、こうした形で重層的に患者救助ができるようになったり、若干ではありますけれども、豊岡のほうのヘリの負担の軽減にもなるのではないかなというふうに効果も見込まれるところであります。  次に、基地病院が運航会社に委託する方式と関西広域連合が運航会社に委託する方式のメリット、デメリットはどうかということでございますが、これについては、福祉保健部長からお答えを申し上げたいと思います。  基本的には、余り差はないところでございまして、むしろ直接病院がヘリコプターに話ができる意味では、基地病院との契約でよかったのではないかなと、私どもはそっちを採用していますが、そういうふうに考えております。また、本県が導入したドクターヘリの事業主体、これについては、関西広域連合でありますけれども、県の意向は反映されるのか、また、事故の場合の責任の所在はどこにあるのかと、こういうことでございます。これについては、運航調整委員会とか、運航連絡協議会といったようなところで、我々も入ってドクターヘリの運航については発言権を持っています。大切なのは実態だと思いますが、関西広域連合で導入しているそれぞれのヘリコプターの実態がありますが、やはり地元の意向も十分踏まえながら運航されていて、関西だけのメリットで動いていないということになっております。今回も地震がありまして、発災当初、実は私どもは集まり、そして関西広域連合と連絡をとって、うちのドクターヘリをどういう体制にするのかということで問い合わせなければいけないのではないかということをしました。結果どうなったかといいますと、鳥取のヘリはこちらのほうの通常業務に従事をするということになり、そして、関西広域連合外ですけれども、徳島とか奈良のヘリも参加をして、あと、和歌山とか兵庫だとか、そうしたヘリコプターで大阪の方面の救助に向かうというような役割分担ができました。ヘリの数は多いですから、こんなように、機動的にその中で対処をするわけでありまして、もしその広域対象がなければ、地元の業務にしっかりと従事できると、今回がそれを示しておるのではないかというふうに思います。  また、事故の場合でありますけれども、基本的には、当然ながら保険が入っていまして、かなり大きな補償額もその保険の中で出ますから、それが直ちに県に直結するというものではございません。ただ、そうした万々が一のときについては、運航会社、ヘリコプターのヒラタ学園さん、それから、広域連合や県とで、協議をしながら分担していくと、こういうことは別途契約条項の中に書かれています。ただ、法的な問題でいいますと、運航主体はこれはあくまでもヒラタ学園という運航会社になります。ですから、運航責任自体はそちらの会社のほうというのが法的な整理になろうかと思います。私どもはそのサービスの提供を受けている立場ということであります。  それから、要請基準については、日本航空医療学会の要請基準とキーワード方式といずれかどうかと、それから、関係先で混乱がないのかと、こういうことでございます。  これは結論から言うと、キーワード方式をとっていまして、それで、近隣のヘリなどもキーワード方式でございますので、余り混乱もなく今進んでいると御理解いただいて結構かと思います。キーワード方式というのは、例えば自動車事故、横転とか、そうしたキーワードで自動的にもう出動を要請するというものでございまして、出動時間の判断が減りますので短縮されることになります。ただ、そのかわり空振りがあり得るということでありますが、その空振りはよしとするというのがキーワード方式です。今、近隣も含めて、このキーワード方式がとられていまして、本県もそれに従っております。 ◯副議長(福間裕隆君)藤井福祉保健部長 ◯福祉保健部長(藤井秀樹君)私のほうから、委託方式の違いによるメリット、デメリットについて、補足の答弁を申し上げます。  先ほど知事のほうが申し上げましたが、議員から御指摘のあった委託方式の違いによりましても、運航に当たっての基本的に両者の差はないというふうに考えております。あえて申し上げますと、運航契約上の解決すべき事項が生じた場合などにつきましては、基地病院が直接委託しております今回の鳥取大学医学部附属病院がヒラタ学園に委託する方式のほうが、契約当事者である病院と運航会社の協議が速やかにできまして、対話が可能であるというメリットがあるというふうに考えております。また、入札に関してでございますが、全国的に運航会社が限られておりまして、関西広域のドクヘリの契約状況を見ましても、国庫補助基準額とほぼ同額で契約をされているというところでございます。なお、現在関西広域連合での入札等につきましても、これは1機ごとそれぞれで行っておりまして、一括入札ではないということでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)27番広谷議員 ◯27番(広谷直樹君)どうも答弁ありがとうございました。  今回2項目、特に水田農業の振興という部分でお伺いしました。本質問でも言いましたように、ことしは半世紀ぶりといいますか、50年ぶりに水田農業の大きな政策転換の年になりました。米というのは、日本人の主食でもありますし、重要な農産物でもある中で、やはり今後の水田農業のあり方がこれから大きく変わってきますので、ちょっとこのたび取り上げさせていただいたようなところであります。  そういう中で、ことしは、今言いましたように、減反廃止元年というような言い方もされております。当初は主食用米の作付がふえて需給バランスが崩れて米価が下がるのではないかというような言われ方もありました。ことしの作付の動向を見ますと、前年並みというような状況でありますので、来年度以降、どういう姿になるのかちょっとわからない部分、見通しのつかない部分もあるかと思うのですけれども、ことしの場合はちょっと一安心かなと、自分なりには思ったりしておるところであります。  そういう中で、きぬむすめのことも取り上げさせていただきました。特Aだったのが4年連続だったですかね、ことしランクを落としたという中で、このたび、県の農業試験場で新たに育成開発された品種、鳥系93号というのがあるわけですけれども、これは夏場の高温と倒伏にも強くて、刈り取り時期がコシヒカリときぬむすめの間であるということで、特に大規模農家にとったら、労力の分散ができて大変有望な品種ではなかろうかなというふうな思いもしております。  そういう中で、ことし銘柄登録をするということでありますけれども、銘柄というのは、今、全国でいろんなユニークな銘柄の品種名があったり、これから県もこれを登録する中で、鳥取らしい銘柄も必要ではないかなと思いますけれども、この鳥系93号の今後の栽培に向けての取り組み、または、市場に出回るようになるにはどのようなスケジュールを考えておられるのかお伺いしたいと思います。  そして、米のことに関してですけれども、米の海外輸出についてでありますが、以前、議会でも米の海外輸出について伺いましたが、そのときの答弁では、何度かトライしてきたけれども、いろいろな課題があり撤退しているというような答弁もありました。ことし農水省は、米海外市場拡大戦略プロジェクトを立ち上げて、輸出額を来年には600億円までふやす目標を掲げております。国内の消費が減少する中で、やはり輸出用米は、今年度から産地交付金の新市場開拓助成の対象となり、作付面積10アール当たり2万円の転作助成を措置するようなことになっております。今のところ、鳥取県では、この新市場開拓用米の実績はないようでありますけれども、今後の鳥取県産米の輸出について、知事のお考えを聞かせていただきたいなと思います。  それと、もう1点、米の生産対策といいますか、それについて、平成29年度末に策定した鳥取県農業生産1千億円達成プランというのがあるわけです。水田農業の収益性の向上という項目の中に米の生産対策が記載されておりますけれども、平成25年度に米ビジョンというのが策定されております。その中で、この米ビジョンは、目標年度が今年度末ということでありますが、来年度以降のこの米ビジョンの策定はどのように考えておられるのか、知事にお伺いしたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)米づくりにつきまして、何点かまたお尋ねをいただきました。  まず、おいしいお米ということでありますが、きぬむすめについては、先ほどお話もしましたように、田植え後40日ぐらいの中干しであるとか、それから登熟や適期収穫を進めて何とか復活を図ろうと。ただ、これだけでは今のお米の産地間競争もありまして、我々としては、鳥系93号という新しいお米、これの投入を今、独自のお米としてできないかということです。これはプリンセスかおりという、香りの非常に強い香ばしいユニークなお米、これもございますし、また、あわせて一般の御家庭で普通に食べていただくお米としてコシヒカリのようなそうしたお米をということで、これも開発を進めてきたことです。これはササニシキ系のお米と、それから、ゆめそらら、これはコシヒカリをもとにしまして、丈の若干低目で育てやすい、そういうものを県のほうで5回交配をしてそれでつくっていくと、このたび何とか品種登録できないかということで、申請を今月させていただいたところでございます。  このお米の特徴は、ちょっと透明感があるぐらいきれいなお米でして、炊いた後も見た目もよろしい、そして、食味的にはコシヒカリと全く同じような感じでございまして、その一方で、育てやすい、それで1等米の比率が、コシヒカリは最近温暖化が進んできた関係で低くなっていますが、1等米の比率も十分望めるということです。実は、今シーズンも大体5ヘクタール実証的に植えて20トンぐらいですかね、収穫できるかなというところでありますけれども、こういうようなことで今進めておりまして、昨年度もつくっていただいた協力農家もございました。非常に実は評判もよろしゅうございまして、ぜひこれでお米づくりを盛り上げたいという機運になってきており、JAのそれぞれの系統もこれを鳥取の勝負のお米にしてみたいと、こういうことでございますので、大分機運的にも盛り上がってきたところでございます。  来年に向けましては、今、種もみの確保も大分できそうでございまして、そういう意味でかなり大きな作付も可能になってきているということでございます。大体300ヘクタール分ぐらいかなということでございますが、これで今、実はまだ登録の手続中でございまして、審査があるのですね。今月審査をしましたけれども、うまくいけば半年後ぐらいにこういうお米ということで、鳥取が開発したお米の承認が得られるかもしれない。その承認が得られれば、その品種登録に基づいて名前の宣伝ができるようになりますので、こういうお米がとれますよ、鳥取のお米ですよというPRもこの今年度後半からかけて、新年度いろんなところで鳥取らしいお米として売り込んでいきたいということです。これに向けて、プラットホームをつくりまして、販売促進あるいは生産も含めて、JAとの協力関係も整ってまいりましたので、大きな節目にさせていただければと思います。  また、海外への米の輸出ということについてでありますけれども、これにつきましては、ここ毎年のようにイオンの香港店、こうしたところに私どものお米、きぬむすめを出してきております。出しますと非常に評判もよいわけでありまして、5キロの袋で大体3,000円ぐらいの単価になりますから、結構な値段でお取引もいただけているということです。ただ、そういうような中で、私どものところでやってはいるのですけれども、JAさんは実は国内の販売で大体手いっぱいになってきまして、なかなか海外に向けての余力が、梨とかスイカはやるのですけれども、米までできるかということで、今、軌道には必ずしも乗っておりません。  先般、東洋ライスの社長さんがお見えになりました。そのときも意見交換をさせていただいたのですが、東洋ライスさんは、我々とこれまでも御縁をいただいていて、タニタ食堂という、最近非常に評判のいい食堂がございますが、そこに若桜のきぬむすめを出させていただいたりしている、その中継ぎをしてもらっているわけですね。特に最近よく売れているのは、金芽米というもので、島根県でも同様の系統で出しておられます。要は体にいいという、そういう高機能なお米ということで売っていくわけであります。これが今シンガポールのほうで、健康にいいお米として高い単価で取引できるものとして人気が高まっております。私どもが、この東洋ライスのほうにJA鳥取いなばが協定を結びましてお米を出すようになりました。これでこうしたルートを通じて海外への目線も広がってくるのではないかなというふうに考えております。  また、米ビジョンでありますけれども、これについては、こうしたいろんな新しいお米ができてきたり、今、農政が転換される中で、いわば攻めの米づくりに向かっていったり、飼料用米のことがあったり、大分環境が変わってきました。そういう意味で、現在に即したような米の新しい計画づくり、これをJAや生産者、関係者とも知恵を寄せ合いまして策定をさせていただきたいと思います。その中でいろんな、きぬむすめや新しい鳥系93号、あるいはプリンセスかおりの売り込み、それぞれ販売戦略も含めてまとめ上げていきたいというふうに思います。 ◯副議長(福間裕隆君)27番広谷議員 ◯27番(広谷直樹君)どうも答弁ありがとうございました。米づくりに関しては、鳥取県の作付面積というのは、全国の面積の1%にも満たないような面積ですので、ロットとしたら多くないので、なかなか米づくりは難しい部分もあるのかもわかりませんけれども、やはり農家にとっては、米づくりというのは大変重要な農産物でもあり作付だというふうに思っております。そういう中で、今答弁がありましたように、鳥系93号にしろ、そういう部分で盛り上げてというような話もありました。また、米ビジョンについては、こういう新しい新品種の米やら、飼料用米のことも含めて、新しい計画を策定したいということでありますので、そういう部分の中で、これから鳥取県の水田農業を盛り上げるようなやはり取り組みをしていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  続いて、ドクターヘリの関係で何点か質問させていただきますけれども、先ほど答弁の中で、今現在、90件余りの運航実績で、47名というような答弁でありました。平均すれば1日に1件の運航かなというふうに聞かせていただきました。その中でドクターヘリのスタッフの育成についてでありますけれども、通常、フライトドクターが8から10名程度、フライトナースも同様に必要と言われております。このスタッフの確保についてですけれども、当初の予定どおり確保されておるのか、いかがでしょうか。  そして、今後のスタッフの育成については、ドクターヘリの事業主体である関西広域連合が行うのか、それとも基地病院が行うのか、どうなのでしょうか、そのあたりについてお伺いしたいと思います。  また、離着場の件ですけれども、臨時場外離着場というのですか、現在その離着場の設置場所は県内の県東部で106カ所、中部で29カ所、西部地方で28カ所というふうに、中西部がやはり離着場の数としたら手薄であるというふうに思います。今後のこの離着場の増設の必要性についてはどのように考えておられるのでしょうか。その中で、いろいろ調べておりましたら、一覧表があったわけなのですけれども、その中で種別があって、一般とか、防災とか、特殊とか、建築物上というような区別がされております。この指定というのはどのように決められておるのでしょうか、お伺いしたいと思います。  そして、この離着場の維持管理、常にやはり離発着できるような整備はしておく必要があると思うのですけれども、この離着陸場の維持管理は、日ごろの維持管理というのはどのようになっているのでしょうか。  それと、もう1点、やはりドクターヘリの運航をするに当たっての一番重要なのは、やはり無事故でドクターヘリが運航を続けられるようにすることだというふうに思っておりますが、安全性に対する対応、例えば指導監督の点については、どのような体制がとられておるのでしょうか、お伺いしたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねてドクターヘリにつきまして、何点かお尋ねがございました。  このドクターヘリ、詳細は福祉保健部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  ドクター、そしてナースの確保という点について申し上げれば、これは現在5名のフライトドクター、また9名のフライトナースで発足をさせていただきましたが、京滋ヘリ、あるいは徳島ヘリ、そうした他県のところでもそれよりも若干下回る規模で発足をしていますので、チームとしては十分なものがあろうかと思います。ただ、これはまだふやしていかなければいけないというふうに考えておりまして、来年の今ごろには、フライトドクター7名体制にいけるように今研修をしてもらっているということでありますし、もちろん非常勤のフライトドクターというのも6名、現在もいたりしております。このような形で徐々に養成し、補っていくことになります。その養成は本来基地局である鳥取大学附属病院がやるものでございまして、現に、私どもが協力しながらここまで伸ばしてきた、ふやしてきたところであります。関西広域連合もさまざまな養成の支援をしていただいていまして、その養成に向けた研修とか、そうした機会もつくってきていまして、そういう関西広域連合の大きな枠の中で人材養成は比較的やりやすいチャンネルができているというようなことではないかなというふうに思っております。  ヘリポートでありますけれども、中西部30件ぐらいでありますが、実は東部の100を超えるヘリポートも、これはやはり豊岡のヘリが入ってくるようになるのとあわせてだんだんとふやしていったわけであります。今回もこれから中西部、そうしたヘリポートを地元とも協議をしながらふやしていけばいいのではないかなと思います。ヘリポートになれば即座におりられますので、パイロットの判断で。そうでないとなると、地上の支援などがいろいろ必要になりまして、もちろんパイロットが判断して、おりることはおりれるのですけれども、その制約も多くなると。だから、ヘリポートの数はふやす方向で関係先とも協議をしてまいりたいと思います。  安全な運航につきましても、これを最優先して体制はしっかりとっていきたいと思いますが、先ほど申しましたように、国の法律の中で国が監督しながら運航会社が最終責任を持つという、そういう基本的なスキームであります。  詳細は部長のほうからお答え申し上げます。 ◯副議長(福間裕隆君)藤井福祉保健部長 ◯福祉保健部長(藤井秀樹君)私のほうから、ドクターヘリに関しまして、3点補足の答弁を申し上げたいと思います。  まず、1点目でございます。搭乗スタッフの確保と育成についてでございます。  ドクターヘリの基地病院となるための法令上の医療体制の基準、要件等は特にございませんが、4月時点で鳥取大学附属病院のほうでは、フライトドクターは常勤5名のほか、非常勤6名、それからフライトナース9名が確保されておりまして、日々の運航では、原則としてフライトドクター2名体制をとれるような形で支障がないということで運航しておるところでございます。ただ、安全かつ継続的な運航には、さらなるスタッフの確保が不可欠であるというふうに考えておりまして、ここには、一義的には鳥取大学附属病院がしっかりと確保を努めていただくというところでありますが、今回のドクターヘリの導入等で大学の救急医療体制も充実してきているというふうなこともございまして、研修医の中でも、今、専門医制度がスタートしておりますが、救急の専門医を志願する人が出てくるなど、今後救急医療の人材確保、育成にも期待が持てるというふうに考えているところでございます。  2点目でございます。場外離発着場の増設、維持管理でございますが、ドクターヘリが離発着できる場所につきましては、先ほど議員からございましたが、一般とか防災対応、特殊地域、建築物上等々ございまして、それぞれ基準があるところでございます。ドクターヘリといたしましては、一般とか防災対応というふうになっているところを中心に指定をしているところであります。本年3月の運航開始に当たりましては、これまで運航しておりました豊岡及び島根ドクヘリの場外離発着場を中心に指定をしておりまして、確かに中部、西部は少ない状況であります。ただ、実際上の運航では、救急現場近くに場外離発着場がない場合や、ありましても一時的に使用できない場合は、消防機関やドクターヘリの機長の判断でそれ以外の場所でも離発着が可能であるという仕組みになっておりまして、運用上は問題はないところですが、ただ、事前の指定が望ましいというところでありまして、防災ヘリの離発着場は、中西部についても一定程度指定をされておるところでございますので、その中部、西部のそういう箇所、それぞれ約50カ所程度ありますが、そういうところについても、消防機関と調整して今後増設していきたいというふうに考えております。  それから、場外離発着場の維持管理についてでございますが、施設の管理者が一般的な管理を行っていただくということが原則であります。グラウンドなど日常的に使用されているというところも指定をしている場合もありますので、実際の離発着に当たりましては、消防局の地上支援隊が安全を確保した上で離発着を行うと、そういう形になっております。  3点目でございますが、安全な運航のための指導監督体制であります。  安全運航に関しましては、運航会社がしっかり取り組んでいただくということが重要でありまして、今回委託しておりますヒラタ学園においては、安全対策の組織の設置、安全統括管理者の配置、安全教育訓練の実施など、関係法令、契約に基づいて適切に安全対策を行っているところであります。もともとドクターヘリ事業は、航空法上、高度な安全基準を要求される航空運送事業の許可を受けて実施されておりまして、安全運航のために運航規程及び整備規程等を定めて、これも国土交通大臣の許可を受けて行っているのであります。指導監督は、一義的には航空関係法令に基づきまして国土交通省が実施をしているというところであります。さらに厚生労働省のほうのドクターヘリの運航委託契約にかかわる運航会社の選定指針及び全日本航空事業連合のほうの航空会社及び運航従事者の経験、資格等の詳細なガイドライン等で安全確保のための運航会社が備えるべき要件等が示されております。これらを踏まえまして、鳥取大学附属病院のほうでは、運航委託契約書の中で運航会社に対して、安全確保に関する事項を要求しておりまして、その報告を受けているということで安全の担保もさせていただいているというところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時20分散会    ────────────────...