▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(稲田寿久君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。
なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。
それでは、議案第1号から第25号までを一括して議題といたします。
これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
20番
内田隆嗣議員
◯20番(
内田隆嗣君)(登壇、拍手)会派自民党の内田です。
人口減少社会への対応について質問させていただきます。
人口減少が年々進む中、人手不足や人材不足が深刻な課題となっている。仕事があっても働き手がいない、技術者がいない、有資格者がいない。県内の中小企業は今までに経験したことがない状況に悲鳴にも似た声が上がっています。18歳から25歳までの人口流出はとまらず、退職を迎える60歳から70歳人口が増加する中で、県内の
労働者人口の減少に歯どめがかかる見込みは全くないと言えます。ゼロ歳から5歳の出生率が20年後の県内の新たな労働者となる人口を想定すると、県内経済が人口減少と人手不足が理由となって縮小していくことが容易に想像されます。それを市町村単位で考えるとさらにリアルな未来における現実が見えてきます。
米子市においてゼロから5歳の出生数は、大体各年齢で1,500人前後です。現在の18歳から25歳の出生数が大体2,500人、38歳から45歳の出生数が大体3,500人でした。20年ごとに1,000人減っているのです。2040年、現在のゼロ歳から5歳の子供たちは現在の進学状況が変わらないとすれば、各年代800人前後しか地元に就職しないことになります。出生率が2倍になったとしても800人前後しか生まれてこず、出生率が現状と変わらない場合、最悪500人という可能性もあるのです。このシミュレーションだと大山町や伯耆町、そして智頭町は本当に未来が見えてこない状況であります。
今必要なのは2040年に一体何人の子供たちが鳥取県で働き、住み続けているのだろうかという想像力を持って、さまざまな制度を構築していくことです。2040年の県内経済を考えたとき、
労働生産性を飛躍的に高め、その上で人口流出を食いとめ、少しでも労働力を確保することが求められるからです。それには2020年を迎える今から労働者数のパイに応じた
産業別人材育成と確保が必要であり、特に
基礎的インフラを担う産業分野の人材確保を意識的に進めなければなりません。
まず、建設業です。生活に必要な分野の代表でもあり、建設業者がいなくなると雪かきもできず、道路も直せず、家も建てられません。
建設技術者は育成や技術の伝承にも時間がかかる上に、技術者の高齢化と人員、人材不足が深刻です。
農林水産分野では、新規就農や
水産業分野でも3年ぐらいの
フレームワークで支援制度が確立されていますが、
建設業分野ではたった9カ月の支援制度があるだけです。技術の習得には3年以上かかるというのにです。
建設業分野で農業の
新規就農支援と同様の3年間の
フレームワークが必要と考えますが、知事の御所見を伺います。
また、
公共職業訓練も短期的な
フレームワークしかありません。
産業人材育成センターには2年程度の講座を設け、しっかりと
電気工事士等、建設関係の資格の取得も可能となるような講座を設けてはと考えます。また、
技術者養成の
実業系専攻科を新たに検討すべきと考えます。専攻科の設置は流動人口の防止措置という側面もあります。いかにして18歳人口の県外流出をとめるかという議論です。この視点からすると
電気工事士や測量士といった建設業系の専攻科以外にも、税理士、司法書士、宅建など、いわゆる受験で取得可能な資格取得に向けた専攻科、これは大学卒業後の選択肢の一つにもなっている資格取得のための専門学校であり、県内にない
専門学校分野の一つでもありますし、
セカンドキャリアにも有用です。保育、介護、看護、
歯科衛生士などの
養成系専攻科も考えられると思います。18歳人口のうち
専門学校進学者の中には、以上のような専攻科があったら県外に出ることを再考する生徒も多くなると想定できると思います。また、専攻科ではなく、
産業人材育成センターの機能強化としてでも構いません。人手不足と若者流出を解決する手段として、
実業型専攻科と
産業人材育成センターの機能強化について知事及び教育長の御所見を伺います。
次に、
人口減少社会における高校のあり方についてです。
私は、現在の高校の学科の配置について本当に疑問があります。余りにも普通科が多過ぎると思います。進学先が県内に限られているのにもかかわらずです。私の目には普通科は若者の
県外流出加速装置に思えてなりません。普通科は時代の役割を果たしたのだと考えます。家政科がそうだったように。いわゆる進学校と呼ばれた普通科はより専門性が求められる
生命科学科とか国際科というように、理系・文系の
進学型専門課程にしていく必要があります。漠然と普通科に通わせ、関西圏の専門学校で県外就職ではなくです。普通科を今までどおりの割合で検討するなら、普通科から
実業型専攻科で県内就職という流れをつくるべきですし、それができないのであれば高校における学級減は、県内就職が多い実業高校ではなく、県外進学、県外就職が多い高校から学級減をするべきと考えますが、知事及び教育長の御所見を伺います。
次に、
人口減少社会における県内高校の定員確保についてですが、生徒が減ったから学級減や廃校にすればよいという考え方を変える必要があると私は感じます。先日の安田議員の質問でもありましたが、今は学校はただの教育機関ではなく、
地域活性化の起爆装置の役割も求められています。私立高校は生徒が集まらなければ必死に生徒のリクルートを進めます。極端な話、県立高校の県外者の割合が50%を超えて何か問題があるのでしょうか。県外の子供に税金を使うのはタブーという発想を変え、県外の子供が県内で就職すれば移住定住と同じ考えでいいではないでしょうか。
鳥取環境大学も同様の考えです。人口減少に伴う生徒数
減少イコール学級減ではなく、生徒数減ならまず生徒を確保するという考え方に立てないのか。知事及び教育長の所見を伺います。
次に、鳥取県の国際交流のあり方についてです。
平井知事就任以来、鳥取県の国際交流の発展は目覚ましいものがあります。
中国吉林省との関係は、先月26日に
吉林省長春市において、平井知事と
中国吉林省、劉国中省長との間で「
日本国鳥取県と
中華人民共和国吉林省との
友好県省提携締結に関する協定書」が締結されるまでに発展しました。台湾との関係も、来年開催予定の
国際花博覧会に出席が決定し、台湾台中市との
観光交流協定の締結とさらなる進展がありました。ジャマイカの
東京オリンピック・パラリンピックの
キャンプ誘致が決定し、モンゴルとの交流も順調です。江原道との関係においても、中断していた議会交流も再開されるなど、複雑化する国際関係とは別次元で発展しています。
これも知事のスタイルが大きく反映していると考えます。舛添前東京都知事が海外出張費で話題になったときも大きく注目されましたが、ほとんど全てのことを手配し、流暢な外国語を武器に国際交流の場面においても
トップセールスを展開し、新たな時代を切り開かれております。
クルーズフェリーDBS、
米子-ソウル便の増便、香港便の就航と大きな成果につながっていると考えます。まさに大交流時代と北東アジアの
ゲートウェイの実現が夢物語から現実的な段階へと移る過程であると感じています。
その大きな成果の中で忘れてはいけないのが、その折々できっかけとなった個々人の関係から始まった草の根の国際交流の存在です。この華々しい成果の陰に隠れてはいますが、その果実になる前に種子とも言える草の根の国際交流についてもう少しスポットライトを当ててもよいのではないかと考えますが、平井知事の御所見を伺います。
以上、壇上よりの質問とします。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)
内田隆嗣議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、人材育成につきまして何点かお尋ねがございました。
農林水産業では3年ぐらいのフレームで人を育てることに絡んで、
建設業分野でも同様のフレームとすべきではないか、あるいは
産業人材育成センターのあり方につきまして、
実業型専攻科とあわせて機能強化を図るべきではないか、こういうお尋ねがございました。
これらにつきましては、やはり今、人手不足にもなってきておりまして、建設関係もそうであります。それからそれ以外の分野でもさまざまな人材育成が求められているところであり、新規産業も立地をし始めているということになります。そういう時代の状況の中で、戦後ずっとやってきたような
産業人材育成のあり方、
職業訓練校の伝統のみでよいのかどうか、この辺は問い直すべき時期になってきていると思いますし、そういう流れの中で今まさに政府のほうでも職業能力を考える、そんな大学、これは海外にはそういう
高等教育機関もあるわけでありまして、そこを今議論が始まったところであります。まだどういうふうになるかちょっとよくわからないところがありますけれども、いずれにせよ時代は動き始めているわけでありまして、それに私たちも追いついていく、それをむしろその波に乗らさせてもらう、そうしたことも注意深くやる必要があり、情報収集も怠らずやる必要があるかなと思っております。
議員のほうで幾つか御指摘がありましたけれども、建設関係では技術者と技能者それぞれまたちょっと別でございますし、
産業人材育成センターがございますのとあわせて
建設技術センターというやはりこれは研修機関もございます。
建設技術センターは在職の方々を対象としているわけでありますが、例えばトンネルの補修工事、これがみんな県外業者に行かないように、そういう補修の技術者を県内でも育成をして、そういう仕事も県内の企業が対応できるようにするとか、そうしたかなり応用的なことも含めた研修を広範にわたってやっているところであります。
産業人材育成センターも建築の学科であるとか、またデザインの学科であるとか、そうした建設に関連をする、そうした分野も従来から研修科目として持っていまして、そこでの人材育成もやっているところでございます。
こういうことだけでなくて、特に技能系、左官屋さんだとか、そうしたいろんな技術がございますけれども、そうしたところは古くからいえばでっち奉公的にやっていた分野でございます。技術の育成を、あるいは伝承をどうしていくのかというのは、議会でも実はたびたび議論になっていまして、平成26年度から私どももそうした技術者の育成の事業、若手の人材育成の事業をするに至ったわけでありますが、議会での御議論を踏まえてということであります。
発想としてはそういう仕事、
正直向き不向きもあるわけですね。昔でいえば親方衆がちょっとやってみろと言って、やってもらって、それで見込みがあるかどうかというのも見ると。これは別に悪いことでもなくて、要は一生食べていく仕事としてその道で食っていけるかどうかというのをどこかでフィルターをかけておく必要もあるわけです。それでいいとなればどっちかというと弟子入りをするような形でやっていくと。そういう昔ながらの日本の、特にこういう技術、職人の分野では育成方法があるわけですね。そういうことからしまして、まずはそうした研修を受けてもらって、その間に目ききとして本人もここでやっていけるかどうか、さらに周りの方々もこれからさらに育成して雇っていこうかと、その辺の
マッチングを兼ねた研修をしているわけであります。当初6カ月で、この議場での御議論もあって始めたところでありますけれども、議会のほうでも御質問が出たり御意見も出まして、大体9カ月ぐらいが一つのめどではないだろうか。そこの辺を業界とも大分話をさせていただいた上で、この9カ月という研修制度になっています。
農業のほうは、これは実際に例えばワンシーズン終わって初めて一作付を経験するということでありまして、2年、3年といった
フォローアップ期間が必要ではないかと、こういうことになっていますが、こういう技術職人さんの分野でいいますと、9カ月の間にいわば
マッチングができて、その後の仕事も決まってくるわけですね。
オン・ザ・ジョブで
トレーニングをしていく。むしろ雇ってしまいたいということです、ある程度技術があれば使えますから。それでさらに上を目指す、技術を研さんするというのをその企業、親方とともに仕事をしていただく中で学んでもらう、技術を盗んでもらうと、そういうことで手伝いながら生産的に研修も行っていくという、いわば
オン・ザ・ジョブの
トレーニングをそこからずうっと生涯かけてやっていくという世界であります。ですから、若干農業とやり方が違うのは、議会でも大分御議論があったのですけれども、議会の議論や業界のお考え方に沿った形で、こうした
フレームワークをつくらさせていただいております。
ただ、これが十分かどうかというのは、もちろんまた関係先ともお話し合いもさせていただきたいと思いますが、どちらかというとむしろ業界さんのほうはこれがいいと言っているのが現状でございます。
ただ、議員のほうで御指摘ございましたように、
産業人材育成センターなど、基本的な
研修体系等は、では果たしてほっといてもいいのかどうかというと、これはちょっと別なのだろうと思うのです。例えば建築関係のことでいえば、建築士会さんなども2年ぐらいはやはり研修したほうがいいのではないですかと。要は企業で抱える前にそのぐらいはやらないと、なかなかすぐに即戦力ということにもなりにくいということがあるのだと思います。また、
デザイン系の協会のほうからもデザイナーということでも1年でというのは短過ぎると、2年ぐらいは必要でないだろうか。他県でも2年ぐらいの短大的なそういうカリキュラムでやっておられるところもあるわけでございまして、この辺もう一度、きょう御質問もございましたので、見直し、点検をしてみる必要があるのかなというふうに思います。
その際に、御指摘ございましたが、実業系のいろいろな科目、これは高校のほうでももちろんそれを学んでいるわけで、介護等も含めて資格取得も可能なわけであります。さらに言えば私どもも今では
鳥取環境大学に経営学部を新設しました。これは実業界の要望もあったわけでありますが、そうしたところで学びながら、例えば税理士であるとか公認会計士であるとか、そういうさまざまな資格を目指すこともあり得るようになってきておりまして、多分
高等教育機関のほうで鳥大さんだとかも含めて、実業系の資格を学びながらやれる、そういうようなことも県内では用意され始めているのかなと思います。
余り重複して特に民業圧迫的に民間の研修機関の横取りをすることは避けながら、どういう分野について
産業人材育成センターのほうで
フォローアップをしていくか、強化をしていくのか、この辺をよく考えながら国のほうで今、職業大学の構想があることを横にらみして、若干時間もいただいて1年ほど検討してみる必要があるかなと思います。これから春にかけまして、本議会でも質問も相次いでいますので、関係先のお話もいろいろと集めてみたいと思います。そういうことを材料にしながら新年度に検討機関を設置させていただいて、
産業人材育成センター、これを核にしながらも他の
高等教育機関や高校もおありでしょう、そうしたところで役割分担をしながらどういうように人材育成を本県全体でやり、人材を供給していくのか、そうしたことを考えてみたいと思います。
次に、高校につきましてお話がございました。普通科が多過ぎるのではないだろうか、それから県外進学、県外就職が多い高校から学級減を実施すべきではないだろうか、
生徒減少イコール学級減というわけではないのではないだろうか、こうしたことにつきまして私のほうにもお尋ねをいただいたところでございます。これは
教育委員会のほうが所管でありますので、詳細は教育長のほうからお話があろうかと思います。
確かに普通科がだんだんふえてきている傾向がありまして、これは全国的な傾向だと思います。本県の場合は、先ほども御指摘ございましたけれども、大体56%ぐらい普通科ということでありますが、全国の平均ですと約7割ぐらいが普通科であります。私ども47都道府県で比べてみますと実業科のほうが結構多いほうの県になっています。それは子供たち、御家族の選択ですから、それはそれでよろしいのかなというふうにも思いますし、現に生徒さんとか親御さんだとか
アンケート調査をしてみますと、大体この56%の割合、現状の割合と同じような数字が出てきますので、要は希望どおりに進学をされているということなのかもしれません。多分昔であれば何になりたいというのが子供のころに結構はっきりしていたお子さんが多かったのではなくて、何になるかわからないし、とりあえず勉強しておこうと。そういうような選択で普通科に行かれる子供さんもいて、必ずしも大学進学だけを目指しているわけではないのかもしれません。その辺は
教育委員会のほうでもよく
フォローアップをしていただいて、学級編制や高校の再編検討などにも生かしていただければと思います。
昨日も議論がございましたが、県外のお子さんが我が鳥取県の高校で勉強してみようと、人生修行しようというのは、私は歓迎したいと思いますし、昨日も御議論ございましたとおり、その
辺教育委員会で考えられるのであれば
フォローアップもさせていただきたいと思います。
学級編制等のことを考えますと、学級減だけに単純に帰結するということではなくて、むしろ生徒を集めてくる、それだけ魅力のある高校なりにしていくというのが大事ではないかというのは、そのとおりだと思います。一つの地方創生の姿としてそういう魅力ある学校がふえてくればよいのではないかなと思います。
ついさき方、全国のアマチュアの相撲選手権がございまして、本県職員であります西郷が優勝してアマ横綱になりました。ふだんはおとなしいほうの人だと思うのですけれども、土俵の上では結構ガッツポーズをしたりして、ふだんたまっているものが噴き出したのかなと思って見ていたところでございます。城北高校の御出身なのですけれども、岐阜のほうからこちらに来られているわけですね。やはり相撲をやるならこの学校に行こうということで来られたのだと思います。また、鳥取県中部地震のときも賞金の中から寄附をしていただいた鈴木愛さん、このたび女子プロのトップに立たれました。この方も四国の方でいらっしゃいますけれども、私ども鳥取県の
倉吉北高校のほうでゴルフに励んだわけです。そうしたいろいろな人材がこちらのほうに来るというのは、結構私学の世界ではできてきているように思うのです。ただ、公立の場合はそこの殻がなかなか破りにくいのは、多分悪いことではないですけれども、一定の謙抑主義といいますか、配慮もなされているのだろうと思います。
ただ、隠岐島前高校のことがよく例に出ますけれども、いろいろな人材の中でもまれるというのは、やはり人間として大切なことだと思います。人は人中、田は田中というふうに申しますけれども、そういうようにいろいろな同世代の人間たちの中でもまれることで、志がさらに上のほうを目指そうというふうになってきたり、自分自身もそういう方々と接触をしながら磨き上げることになってくるのではないかなというふうに思います。そんな意味で議員がおっしゃるように、もっと教育面でも多様化、魅力化ということを進める必要があるかなと思います。
国際交流につきましてお尋ねをいただきました。このたび私
ども吉林省と友好交流、姉妹提携の調印をさせていただきまして、劉国中省長ともお会いをさせていただくのとあわせまして、巴音朝魯書記、これは前の省長でございます。この書記、省のナンバーワンともお会いをさせていただき、大変に交流も深めさせていただきました。この際には福間副議長も御同席くださいまして、
日中友好協会の事務局の皆様も来られて、にぎにぎしく長年の成果の上に姉妹提携を果たさせていただいたところでございました。
これも背景がございまして、吉林省とは実は一つは王勝今さんという研究員がこちらにおられたことだと思います。その王勝今先生がこちらの、ちょっと昔はいろいろ議場でも大分議論もあったTORCという研究機関がございまして、こちらのほうで私どもがお世話になったわけでありますが、帰られまして吉林省では吉林大学の副学長まで上り詰めておられます。当然ながら教え子もいっぱいいるわけです。先般も吉林省とそのレセプションに参加させていただきましたけれども、向こうの
吉林省政府の幹部、特に外事弁と言われる日本との交流をされている担当の幹部の皆さんは、あれもこれも王勝今先生の弟子なのですね。そういう意味で王勝今先生と私どものつながりがあったことがこうした行為にもなっているのかなということを思ったり、また巴音朝魯さんという書記は内モンゴルの人でありまして、
モンゴル系の中国人でございます。この方はそういうこともあったのだと思いますが、共産党組織の青年のほうの出身ですね。その青年のほうの出身で幹部をされながら今はそうした地位におられるのですけれども、かつて政府のお仕事の中で私どもの
遠山正瑛先生の話を知られまして、
遠山正瑛先生は内モンゴルの恩格貝で植林活動をされました。あれも完全な民間の草の根活動なのですけれども、そういう中で300万本の木を植えるということ。1本1本植えて300万までいくわけでありますと大変なことなのですが、多くの方々、鳥取県民も含めて木を植えに行きました。あの偉業をたたえて生前から銅像が建っているのですね。友誼賞というのですが、友誼というのは中国では非常に重たい意味合いがあると思います。その友誼賞をとられることになりました。実はそういう銅像を建てること、生前に建つのは本当に例外的なことなのですが、これに実はタッチしていたのがたまたまなのですけれども、巴音朝魯先生、書記だったのです。そういうようなことでその話を最初に私がお会いしたときにたまたま持ち出したら、
遠山正瑛先生は私はこういうかかわりがあるということをおっしゃられて、非常にこちらに深い親近感を持たれたことは間違いないと思います。ですから、何が作用してそういう姉妹提携まで発展をするのかというのは、本当にわからないものだなと思いながら今回参加をさせていただきましたが、やはり草の根ということだと思います。
御指摘いただきました台湾につきましても、県議団の方々も向こうに行かれて、いろいろときずなを深めてこられたわけでございますけれども、例えば
岩崎市議会議員だとか皆さんで自転車の交流をしようと。ジャイアントという向こうの会社に行って、岩崎市議も巨体を揺さぶらせながら自転車に乗っておられましたけれども、そういう交流があって、今回も議員団と一緒に行かれたと思いますが、やはり自転車部隊も行かれまして、台湾一周のツアーに参加する、こういうことがあったり、またコナンという漫画の御縁であちらのほうで
観光イベントをさせていただいたり、温泉では旅館の岩崎さんなど三朝の皆さんが温泉交流をしようと、台湾のほうとの交流に乗り出されたり、全く行政ベースではなくて、もともと穂木の梨の交流から始まっていますけれども、そうしたことで交流が進んでいるわけでありまして、今これをでは姉妹提携に上げるかどうか、我々として正式な交際をするかどうかという今非常にデリケートな局面にまでやってくることができました。
先般は謝さんという、これは向こうでスーパーマーケットをされている方で、日本食材を扱っておられる方が食材を見にこちらに来られて、ぜひ扱いたいと、鳥取のものをというお話でございましたが、そのとき台中市政府のメッセージもこちらのほうに伝えてこられまして、姉妹提携ということを考えてはどうだろうかというお話もいただきました。今慎重に検討をさせていただいているところであります。
モンゴルもそういう類いだと思います。これは本議場が果たした役割も大きくて、平成6年に松原議員という亡くなられた日野郡の議員がいらっしゃいました。この松原議員が団長になって何人かの議員さんで、これは戦争の残留の関係があるのですけれども、それで遺骨の問題とかで向こうに行かれたわけでありますが、モンゴル中央県のお世話になったということで、当時のモンゴル中央県の知事さんとお会いされて、ぜひ夢みなと博に出展してくださいと。それがそもそものきっかけなのですね。その後、平成9年ですか、夢みなと博覧会が開かれたときにも現にモンゴル中央県がこちらにパオをつくられて出展をされました。そのパオの主人役をしてこちらにずっと滞在されていたのが、その後、モンゴル国の政府の官房長になられた方であったり、いろいろなつながりができるわけでありますが、そうしたことがいろいろございまして、今の姉妹提携につながっている。人と人との交流ということがあるのだろうと思います。
そうした人間同士のつながり、草の根の交流というのが果たす役割は非常に大きくて、その後、もう10年、20年たってみると大きな花が咲くこともございます。また、参加される子供たちなどには人生経験としても豊かなものもできますし、地域にいろいろな恵沢をもたらすこともございます。せっかくの御指摘でございますので、こういう草の根交流を私どもも財団があります。この財団を通じて活発化させる、そうしたさらなる展開をちょっと関係機関とも相談をさせていただければというふうに思います。この国際交流財団のお金自体も夢みなと博の益金をプールして、これからの環日本海交流に使っていこうという志のもとにつくったものでありまして、その趣旨にも沿った形になると思いますので、草の根交流の一層の活性化を関係者と話し合ってみたいと思います。
◯議長(稲田寿久君)山本教育長
◯教育長(山本仁志君)
内田隆嗣議員の一般質問にお答えを申し上げます。
人材育成につきまして何点か御質問をいただきました。人手不足と若者流出を解決する手段として、
実業系専攻科の配置等についての見解ということにつきましては、本県は実はこの専攻科についてはトラウマが若干ありまして、この議会でも大議論の末、かつて大学進学、これは県内外を含めて支えてきた県立学校3校の専攻科を廃止するということに至ったわけでございますが、その際、民間でできることは民間でということがそのしょっぱなのスタートであったわけでございます。民間のビジネスチャンスを奪うことにもつながる可能性を秘めているというところで、今現在では若干慎重な姿勢でおるわけでございますが、ただ、一方でこうした折々の社会情勢に応じて柔軟に考えていくことも必要ではないかなということも考えておりまして、これは学校教育、高校の延長の専攻科で担うのがいいのか、例えば専門学校でやっていただくのがいいのか、
産業人材育成センターでやっていただくのがいいのか、いろいろ役割分担があろうと思いますので、そうした役割分担などの中の議論にも
教育委員会も加わって、いろいろな考え方を探りながら取り組んでいければというふうに思っておるところでございます。
また、
内田隆嗣議員の提案の根っこにあります県外流出を防止するということについては、私どももこれは非常に大事なことだという課題意識を持っておりまして、特に今、県内には専門学校、専修学校はあるのですけれども、県内にあるにもかかわらず県外の専門学校に通う、進学する、そうした生徒もかなりの数がいるわけでして、そうしたことについては県内にあるのであれば県内の専門学校に進学をしていただくような、そんな進路指導もあるのではないかなというふうに思っております。県内の専門学校、専修学校に進学された方はもう大部分が県内に就職をされているということを考えても、そこについての取り組みというのが大事なのではないかなと思っております。幸い私立学校協会のほうからも御提案がありまして、このたび県立学校と専門学校の関係者の皆様との連絡協議会を設立することにしております。なぜか今までなかったわけです。私立高校との意見交換でありますとか大学と
高等教育機関との意見交換はあったのですけれども、専門学校との意見交換はなかった。そこについて新たにそうした連絡協議会をつくることといたしております。そうしたところで意見交換をしながら、この問題についても話し合っていければというふうに思っておりますし、このたび御提案もありましたようなお話もこの場でも出させていただければというふうに思っております。
また、2点目としまして、普通科の割合が本県は高いのではないかということでございますが、先ほど知事のほうからも御答弁ありましたように、全国平均に比べては低いという状況にあるわけです。これはこれまでさまざまな学校再編あるいは学科改編を行ってきたわけでございますが、その都度、中学生でありますとか保護者の方々、あるいは産業界のほうのニーズ等も聞きつつ、そこのバランスをとりながら進めてきている結果として、今現在こういう割合になっておるわけでございまして、今現在の割合は保護者あるいは中学生の進路希望ともちょうど合った形になっているというのが現状でございます。また、普通科は単に大学進学だけを目指す、そうしたところではございませんでして、幅広い知識あるいは教養、そうしたものを身につける場でもありますし、中学段階で次に何をやったらいいのかという進路が定まっていない、そうした生徒にとっては次のキャリアビジョンを描く場でもあるわけでございます。そうしたことで普通科進学者というのは一定程度必要ではないかなというのが、私どもの今の考え方でございます。
そうしたことで、ただ、普通科高校から専門学校でありますとか専修学校に進学して、その後の県内就職ということに結びつけている生徒も実際あるわけでございまして、そうしたことも含めると普通科高校でもしっかりとキャリア教育を進めていくべきだというのが今の私どもの考え方でございまして、例えば岩美高校などは普通科ではありますが、実際にインターンシップを行っているといったこともありますし、他の普通科高校でも今この議場での議論なども踏まえて、オーダーメード型のインターンシップができないかということで検討を始めているところでございます。大切なのは高校卒業後、あるいは大学、専門学校等を卒業後にできる限り県内の職場に就職をしていただくというようなことではないかなというふうに思っています。そうしたために小中学校ではふるさと教育ということで、ふるさとに誇りを持つような、そんな教育も進めていき、高等学校ではしっかりとしたキャリアビジョンに基づくキャリア教育を進めていく、そうしたことを一方では進めていく必要があろうかというふうに思っております。そうしたことに取り組むとともに、普通科の割合をどうするかといったことについては、今後も生徒、保護者のニーズでありますとか、あるいは産業界のニーズ、そうしたことも踏まえながら、バランスをとりながら進めてまいりたいと思っております。ちなみに平成31年度は普通科を学級減することといたしておるところでございます。
最後に、生徒減に対して学級減ということではなくて、まず生徒を確保するということが大切ではないかということでございます。おっしゃるとおりだというふうにも思うわけでございまして、これまでのさまざまな議論経過から、学校は地域の活性化に欠かせない施設でもあるというふうな認識を持って、その存続に向けて、あるいは生徒、保護者、地域社会から必要とされる魅力あるものにするために努力を払っていかなければならないというふうに考えておるところでございます。そのために生徒を確保するということは大事なことというふうに思っておりまして、平成28年度からその一環として県外生徒募集にも取り組みを始めたところでございます。また、そうした県外から呼び込むということも一つ大事な視点なのですけれども、県内の中学校を卒業して県外の高校に進学するという生徒も、これは部活の面を中心として一定程度あるわけでございまして、そのあたりも県外に出ていかずに県内で次の部活を初めとした進路を見つけるといったことも大事ではないかなということを考えております。そうしたあたりについても市町村
教育委員会あるいは中学校現場とも意見交換しながら取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(稲田寿久君)20番内田議員
◯20番(
内田隆嗣君)それでは、順番に追及質問をしていきたいと思います。
まず、その前に知事がちょっと触れられました専門職大学校、私が議場で触れるのは今回が2回目だと思うのですけれども、きのう浜田議員の質問でも取り上げられていたので、私も調べてみました。何と11月6日に専門職大学校等の制度化に関する説明会なるものがあって、31年4月にはもう開校するスケジュール感なのですね。知事が言うように、来年しっかりと考えていただくというのは本当に重要なことで、さすがだなというふうに思うわけです。それが何でこういう専門職大学校ができてきたのかというのは、まさに人材育成の岐路にあるという考え方が文科省の文書には色濃く出ています。第4次産業革命が起こった後、何が起こるかというと、どうも人工知能やロボット等によってある種の職業はなくなり、ある種の専門職が中心になっていく。生産性革命を含めて人材育成の今までの普通科教育だったり大学教育、リベラルアーツだったりするところを変えていかなければならないというのが文科省の大きな方針で、安倍首相のコメントもここに出ていますけれども、人づくり革命の本質にあるように、きょう考えて質問をさせていただいています。
例えばなくなる職業とは学校の事務員、行政事務員、銀行、経理事務員とか、なくなるように思えなかったいわゆるホワイトカラーという分野の人たちがなくなると言われているのですね。逆に医者、獣医師、保育士、心理学者とかといういわゆるそういったような仕事は代替可能性が低いということでなくならないということになっています。僕もこれを読むまで知らなかったのですけれども、専門職大学校というのは、ではどういう専門職を育てるのだというふうに考えたのですけれども、定義が非常に広くて医者、獣医師、薬剤師等、いわゆる6年制の養成機関以外のものはほとんど全て専門職として養成していくようなイメージなのですね。例えば情報システム科みたいな専門学校があった場合、情報システム学科ができる、介護福祉学科ができる、看護学科ができるみたいなようなイメージみたいです。ということは、しかも高校との連携をすごく意識されています。高校でいわゆる介護の資格などを取った人間が介護のいわゆる専門職大学校みたいな感じになるので、これは本当にこれから勉強していくべきだというふうに思っていますので、知事がつくられるというふうに言われた検討会にすごく期待するものでもありますし、地方創生の中で地方の大学における存在というのが明確に話されていますので、本当に期待したいなというふうに思います。見守っていこうと思います。
それでは、順次追及質問をさせていただきたいなと思います。建設業の3年間の
フレームワーク、これは知事がおっしゃるとおりです。もう本当にそのとおりで、業界の方も含めて9カ月と言わずに1年くらいの声はあります。3年という
フレームワークを言ったのは業界の中の流れではなくて、それを雇用している一人親方のいわゆる経済状況といいますか、その1人を雇うというシステムは、それで徒弟制度でそうやってなっていくものと言うのは間違いないのですけれども、あと1人、2人雇いたいけれども、なかなか雇えないなというのの背中を押すためには、きちんと仕事ができるようになるまでに、3年間くらい、いわゆる人材育成期間としてその人を応援するとともに、親方の支援をしていく必要があるのではないかなというふうに思っての質問でした。何か所見があればお願いをいたします。
そして私は、専攻科とか人手不足の解消のために
実業型専攻科とかという話をしました。これも含めて、知事がさっき発言された
産業人材育成センターの機能強化とか等について、これから鳥取県で人材をどういうふうに育成していくのだろう、人を教育していくのだろうという流れの中で、ぜひ検討していただきたいなというふうに思うことですが、実際に三重県ですかね、自動車整備士の専攻科などができていたりしますよね。実現可能性としてやはり先ほど教育長がトラウマと言われましたが、民業圧迫という議論もあると思います。私はそれについても一つヒントを得たのですね。きのうの議論だったか、その前の議論だったか、夜間中学の議論があったときに民間と手をとり合ってその可能性を追求してみたいというような議論がありました。つまり、夜間中学で検討されているような、いわゆる行政財産の有効活用ということも考えた場合に、何も
教育委員会ばかりがすることでもなくて、高校の一角に別に行財の中に専攻科、歯科専攻科なのか専門学校なのか、はたまた専門職大学校なのかわかりませんし、専門職大学校には短大までありますから、2年制のこともあるということですが、そういう民間でもいわゆるそこの教室を使う。そこで専攻科なのか、そういう
高等教育機関、専門教育機関の授業が行われるということは、非常に検討に値するのではないかなというふうに考えておりますが、ここのあたりでその可能性というのはないものなのですかねというのが質問の一つであります。
それと学級減についてですけれども、さっきも知事がくしくも指摘されていましたが、私立校においては結構そういうことが進んでいて、いろいろなところから人を集める努力をされています。それは継続していかなくてはいけないという私立校独特の、もう絶対生徒を集めないと潰れますから、そこに起因するところでもあると思うのですけれども、それが魅力化にもつながっているように思います。県外から子供を集めようと思ったときに、やはり寮の議論というのはずっと出ていました。出ていまして、私も、では、私立校についての私学援助の助成金の要綱を調べてみました。寮についての記載なのですけれども、移築、新築はだめなのですね。改築のみ。30年以上たったものを改築するだけには助成金は出しますが、移築、新築というのはだめというふうにありました。私はここを改善してもいいのではないかなというふうに思うのです。要綱の見直しといいますか。せっかく私学が県外も含めて県内の全体から人を集めようというときに、寮を建てようという発想になるのは必然だと思います。それについて改築でないとだめだよというのではなくて、その助成内容の趣旨は高校の魅力化でしたから、魅力を高めるために新しく寮とかを建てたいというのだったら助成の対象にすべきだと思いますけれども、御所見を伺います。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)内田県議から重ねてお尋ねがございました。議員のほうでもただいまいろいろ御高説賜りましたように、国全体で職業大学というのをこれから、まだちょっとよくフレームがわかりにくいところがありますけれども、それを考えることになってきております。外国へ行きますと例えばフランスなどがそうなのですが、グランゼコールというようないわゆる大学があるのとあわせまして、さまざまな職能ごとの教育機関というのがあるのですね。それが我々がCAPという農業士を考えたものでありまして、それをモデルにしているわけです。こういうようなことを今、農業の分野ではやり始めようとして模索をしているわけでありますけれども、それがさらにほかの分野で、先ほど自動車整備士のお話などもございましたが、どういう展開ができるのかというのをまたこれからよく当たってまいりたいと思います。ただ、ちょっとかなり関係者も多くて、また国全体の制度設計もまだ見えないところがありますので、若干時間をかけながら検討させていただきたいなというところであります。
一人親方のことも考えて9カ月の今制度ができていて、若年技能士の技能継承制度というのをつくらさせていただいており、これはOJTの部分と集合研修とを組み合わせてやり、そこに
マッチングを入れたりしてかなり何といいますか、独特の制度で実践的な制度になっています。だからこれはまた現場の声でもしふぐあいがあればその辺は調整をさせていただきたいと思いますが、これはこれで議場での議論に基づくものでありますので、基本的には残させていただくべきかなと思います。ただ、それとあわせてまたそうした今建設ラッシュになってきて、特に今回中部地震でなかなか人繰りがつかないという状況がございました。その辺に問題意識を持ってさらに業容を拡大しようというような向きがあるのではないかというのが多分内田県議のおっしゃることかなと思いますが、その辺はまた別途雇用対策として、またあるいは経営革新的な考え方としてどういう実情にあるのかちょっと調査をさせていただいて、その上で必要な対策を考えてみたいと思います。
私学の助成につきましては、寮の整備は今までもこの議場でも取り上げていただいたところでございます。例えば一つ一つの実は学校と話をしなくてはいけないですね。学校側とも今意見交換をしておりまして、どういう支援がいいのか、これはしゃくし定規でないのだと思うのです。要は何といいますか、例えば米子北高校であれば結構クラブ活動の延長で鍛錬も含めてコーチが抱えるような形でされるようなことがあったり、まさに石浦先生のところの相撲もそうなのですけれども、みずからの家を提供してやっている、そういうところもあったり、それはそれでいろいろなやり方がございまして、単に校舎を建てるようにやるかどうかというと手法はいろいろあるようであります。また、経営の問題もついてまいりますので、例えば民間の住宅を活用するとか、それから職員住宅を県のほうで使っているものを提供できないかとか、いろいろなチャネルを探りながら個別に話しております。そういう上で見えてきた新しいやり方があれば、それをまた当初予算の中でも議論させていただきたいと思います。
◯議長(稲田寿久君)山本教育長
◯教育長(山本仁志君)内田議員から重ねて御質問を賜りました。専攻科の検討の中で民間との共同という選択肢の可能性についての御質問がありましたが、限られたといいますか、この鳥取県は教育資源は有効に活用すべきという基本的な考え方はあろうというふうに思っておりまして、そうした中で官と民との共同という可能性も、これはもう全くそういう可能性はないのだということで否定しなくてもいい、むしろそうした道は可能性があるのであれば探っていくべきであろうというふうに思っております。ただ、具体がどういう展開になるのかということも含めたところで、その可能性というのは探っていく必要があろうかと思っておりますので、先ほど知事の御答弁もありましたけれども、全体の人材育成をどう考えていくのかといった中でも、そうしたことも含めて少し議論ができればというふうに、今御質問を受けて思ったところでございます。
そして県外募集についての寮の話でございますが、私学については、これも官民共同という選択肢もなくはないわけでございまして、そうしたことも含めて、これは執行部のほうともよく連携をして取り組む必要があるのではないかなと思っておるところでございます。
◯議長(稲田寿久君)20番内田議員
◯20番(
内田隆嗣君)本当に何かいい答弁が出てきてびっくりしていますが、僕がきょう思ったこと、質問の中身というのは、次の世代、次の次の世代、例えば今生まれてくる子というのは、日本人の平均寿命からすると大体2100年まで生きるということになるのですね。だから22世紀のことを語るということは当たり前のことではないかというのは、小泉進次郎さんがよく言われることですが、私は本当にそういう気持ちを持って、このふるさとの持続可能性を真剣に考えたいなというふうに思って質問戦に臨みました。僕は米子出身なので、よく米子の例を出すのですが、僕は同級生2,500人いたのです。今生まれてくる子が1,500人です。その子たちが20年たって就職するのか進学するのかわからないけれども、子供を産む、子供を育てるというふうになったときに、本当に500人とか800人とかというレンジになってしまう。それが今の出生率だったら1,000人を割るのはもう20年後、見えてくるという状況になります。1,000人といったら高校3つ、こういう世界が現実的に僕の子供の世代で見えてくるわけです。そうするとやはり真剣にこのふるさとをどうやって残すかというのを考えたいですし、どういうふうに人材を残していくかというのを今まさに考えることで、20年後の未来が見えてくるように思っています。ですから、きつい言い方をしましたが、普通科なんて要らないよというのは、その思いの裏返しでもありますし、普通科があってもいいのですよ。その上にきちんと高等教育があって、このふるさとを守れる人材を育てる環境ができるのであれば、ぜひそういう環境をつくるためにも、先ほど知事が話された今後の人材をどうやってつくっていくかを真剣に検討する会議、もちろん専門職大学校も含めてですが、ぜひとも実りある議論を期待したいと思います。
以上で質問を終わります。
◯議長(稲田寿久君)9番野坂道明議員
◯9番(野坂道明君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の野坂道明です。2点についてお尋ねしますので、よろしくお願いします。
初めに、人への投資と県民総活躍についてお尋ねします。
11月17日、安倍首相は衆議院本会議の所信表明演説で、アベノミクスを進める上で最大の壁となる少子高齢化に立ち向かうため、人づくり革命を断行するとしました。人づくり革命について議論する有識者会議は、人生100年時代構想会議と称し、高等教育無償化、リカレント教育の充実、人材育成のあり方、大学改革、企業の人材採用の多元化、多様な高齢者雇用、高齢者給付中心の現行制度から全世代型社会保障への改革といった4項目を軸に議論が進められています。
このように人への投資が経済再建の切り札として改めて位置づけられたわけですが、本県においても人への投資の観点から、稼げる人材や成長を切り開く人材を育成していくことが不可欠として、本年2月定例会におきまして、地元に生きる人への投資をテーマに、鳥取県版のスタートアップカフェやビジネスサロンの必要性、あるいはキャリア教育、グローバル教育の推進等について知事、教育長と議論をさせていただきました。続く5月定例会でもこの問題を取り上げたところ、知事からは、8月、10月、11月にスタートアップキャンプを実施する。また、女性の起業ミーティングやIoTの人材育成プロジェクトも実施したいとの前向きな答弁があり、教育長からは、キャリア教育にしっかりと取り組むとした上で、グローバル教育に関して提案した国際バカロレア校についてもやっとのことで調査研究する旨の答弁をいただきました。バカロレアに関して国の動きに目をやると、平成30年度には200校程度にふやしたいとしており、本県の取り組みの鈍さに危機感すら覚えているところであります。
これらの提案してきた人への投資について、その後の検討状況や実施状況はどうなっているのか、知事、教育長にお尋ねします。
また、県民総活躍の観点から見ても子育て支援は重要な施策となります。中でもひとり親家庭や共働き家庭にとって一時預かり事業は、子育てと仕事の両面からの支援となり、複合的な効果が期待できます。そこで国の一時預かりに関する補助制度を調べたところ、平成6年当時、国が基金造成をしてこども未来財団が実施していましたが、平成21年の民主党政権時の事業仕分けにより基金が国庫返納され、その後、26年度をもって廃止されていました。現在、一時預かり事業やファミリー・サポート・センター事業に引き継がれていますが、廃止された補助制度に比べさまざまな制約があり、使い勝手も悪いと仄聞しております。事業概要も含め、課題について知事にお尋ねします。
次に、今後の行財政改革のあり方についてお尋ねします。
財務省は、地方自治体の基金残高が21兆円あることを指摘し、地方交付税の削減論を展開しています。総務省との折衝が続いていますが、いずれにしても財政運営の面では今後厳しさを増すのは避けられないと考えております。
昨年の11月定例会において、公共施設のマネジメントや水力発電のコンセッションなどについて提案し、これらの取り組みは厳しさを増す地方の行財政運営にとって財源確保と成長戦略の両面から極めて重要と指摘させていただきました。そこでこの1年の質問を振り返りながら、行財政改革の観点から議論してきた課題について再度確認したいと思います。
初めに、県の出資団体の中で鳥取県情報センターについてお尋ねします。昭和44年、県などの出資を受け、公益法人として設立されていますが、既に平成21年に株式会社として民営化されており、今となっては県が関与する積極的な理由が見当たりません。行財政改革の観点からも資本や人的関与を見直すべきと委員会でも指摘していますが、最近では契約不履行による指名停止という事態も発生し、県が発注者で同時に受注者でもある現在の状態は早急に是正すべきだと考えます。この点について知事の御所見を伺います。
次に、第3回県有施設・資産活用戦略会議の報告では、天神川流域下水道事業について平成31年度以降も引き続き指定管理とし、天神川流域下水道公社を指名するとされています。本年6月の閣議決定では、上下水道の経営の持続可能性を確保するため、2022年度を目途として広域化を推進する目標を掲げ、18年度の概算要求に協議会設置の関連予算を盛り込み、都道府県を通して促したいとしております。
この問題につきましても、さきの9月定例会で議論し、関係市町と話し合いをスタートしたいとの答弁がありましたが、ここでも国の動きに対して本県の取り組みに大きなおくれを感じるところであります。この点についても知事の御所見を伺います。
次に、日本初の水力発電のコンセッションについてお尋ねします。昨年の11月定例会から毎議会この問題を取り上げ、議論してきましたが、現段階では舂米発電所の運営、小鹿第一・第二発電所の改修と運営が対象とされており、舂米発電所の改修あるいは日野川第一発電所は含まれておりません。スケジュール的に考えますと来年早々には導入可能性調査による可否が決定され、実施方針の策定などの手続に移行することから、コンセッションの対象範囲について質問できるのは、実質的に最後の議会となりますので、またかと思わず、真摯な答弁をお願いいたします。
さきの9月定例会におきまして湊企業局長から、バリュー・フォー・マネーの算定については個別の発電所ごとの算出となっているとの答弁がありました。コンセッション対価の最大化を目指すならば、本来グルーピング、一定の区域でまとめて算出すべきと指摘したところ、詳細なバリュー・フォー・マネーは今後、導入可能性調査の中で計算していくとの答弁がありました。このようなバリュー・フォー・マネーの計算手法では、3施設を選定した根拠が揺らぐ上に、コンセッション対価にも大きく影響し、財源確保の観点から見ても極めて不適切だと感じております。この点について知事の御所見を伺います。
また、その後、バリュー・フォー・マネーの算定について調査を受託しているコンサルに確認いたしました。施設ごとの計算と同時にグルーピングしてのバリュー・フォー・マネーは計算しているとのことでしたが、そうであればなぜ報告しなかったのか。また、その結果はどうだったのか。あわせて前回答弁された詳細なバリュー・フォー・マネーの計算結果はどうだったのか伺って、壇上の質問を終わります。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂県議の一般質問にお答え申し上げます。
まず、以前御提案をいただいたことに基づいて当方で今実施をいたしておりますスタートアップキャンプ等につきまして、その状況はどうなのかと、こういうお話でございます。
このスタートアップキャンプを実証させていただき、結構活発な議論もあり、その中から米子で高林さんという方が人材の育成や派遣事業について既に起業を果たされておられます。また、これは何といいますか、クラフト的な文具というのですかね、そういうことをやってみようと田中さんという方が東京から戻ってきて当県で起業しようというような動きもほぼ流れができてきております。ですから、結構意欲ある人たちが集まって、そこにそれを指導できる人材と交流をし、まさに野坂議員が御紹介いただいたような兵庫だとかのお話がございましたけれども、そうした一つの場ができたのかなというふうに思います。
あわせまして女性につきましてもやはり起業のミーティングをさせていただき、これはたび重ねてセミナー的にしている中でネットワークもできてきております。中部の田村さんとか、こうした異業種交流などを一生懸命やっておられる方、女性のリーダーのような方々、そういう方々もバックアップをしながら、今具体的な起業の動きもこういう中でも出てきています。
さらに先般、IoT推進のそうしたフォーラムを鳥取でやったのですけれども、これは実は国が絡む事業なのですが、鳥取県が初開催でしました。これは若手の方々、学生などがチームを組みましてこういう商品開発をしたらおもしろいではないかということをやるわけです。それを具体的にまた生かした起業ができるかというところにつなげていったり、ITの活用をこれから生涯をかけて仕事をしてやっていこうと。今IT人材も求人が大変であります。そういう学生たちのモチベーション、学ぶ意欲の造成にもつながればいいと、こんなような趣旨の事業で国もかかわりながらやっているのですが、フィールドとして鳥取県を採択していただいたのです。その中でもこれは米子高専や鳥取大学の工学部の学生が共同したチームなのですけれども、赤ちゃんの見守りをすると。赤ちゃんの様子を見守りをして、例えば体温だとかあるいは寝ている様子だとか、そういうことも含めて見守りをして、それを生かしていこうということでありまして、スマホだとかタブレット端末だとか、そうしたものにつなげていこうと。例えば排せつのこととかいろいろ含めて見守り活動に役立てる、そんなシステムをつくってはどうだろうかということがございまして、これなどは非常におもしろいということで県内の企業さんも一緒にそうした商品開発ができないだろうか、そんな今話し合いにもなってきているところでございまして、やはりこれまで議員が主張してこられたようなそういういろいろな出会いの場をつくったり一種のスクーリングでありますけれども、そうしたことから新しい産業の芽を出していく。本県においてここ1年でかなり実験場ができたのではないかなというふうに思っています。
そこでこの成果をまた生かしていくわけでありますけれども、今、国のほうではふるさと納税の企業版を生かしまして、こういう地域の起業を支えていく、そういうスキームを今、新年度に向けて新しい地方財政対策として盛り込もうという動きでございます。それをちょっと活用させていただいてまさに私どもが今、先ほど御紹介いただいたとっとりスタートアップキャンプなども、私どもで呼びかけたふるさと納税の企業版を活用していまして、これを軸にしながら早速さらにもう一歩踏み出すような事業展開ができないだろうか。今これ検討を始めたところでございます。
次に、子育てにつきましてお尋ねがございました。事業見直しのことも含めて課題につきましてお話がございました。これにつきましては、事業見直しが民主党政権になられたときに事業仕分けということで華々しく蓮舫さんたちがされた中に、こども未来財団も入っておりました。こども未来財団でされていたのは、例えばイベントがあったときに保育のスペースをつくる、それを財団のほうで支援されるという事業で、本県でも米子など活用していた団体もございました。これが事業仕分けにかかりまして、まずその財団の事業が廃止されて、特別会計の運用事業になります。つまり、国庫補助制度として位置づけられたわけであります。さらにそれが翌年また事業仕分けにかかりまして、事業仕分け第3弾というものだったのですが、その第3弾の中でこの特別会計自体が企業の拠出でできているものですから、それと関連するものに限定すべきということなのでしょう。それでこれは廃止されてしまったのですね。事業自体も廃止されてしまった。こういうようないきさつをたどっています。
本県では実は同じようなものは文化活動、事業などにつきまして別途の観点でそういう親子で楽しめる文化イベント、文化芸術イベントということでの支援事業などもございますが、そうしたことなどのみになってしまった感があります。ただ、これに関連するものとして、例えば一時預かり事業と言われるものとかファミリーサポート事業と言われるものがございます。これは一時預かり事業は市町村が運用する事業でありますけれども、一時預かりのスペースをつくってスタッフがいて預かるというものでありますし、ファミリーサポート事業は会員同士がお互いに親御さん同士で子供さんを預け合う、そこのときに若干実費的な何百円かを払うと。大体こういうようなシステムで全県的にもあちこち市町村で運営をされているものであります。こういうものを活用していただくのも一つの手なのだろうというふうに思います。
または、いずれにしましても、過去のそうした事業仕分けでということもありますので、そういうイベントのようなときで何か男女共同参画に関連して、これはやはり要は子育てスペース、一時預かりスペースをつくったほうがいいなというときには2分の1とか幾らかでも支援するようなスキームを考えるとか、イベント実施者が基本的には負担するのでありましょうけれども。あるいは一時預かりという制度をもっと有効に活用していただいて、そういうことを団体のほうでも工夫していただくとか、いろいろと個別具体のことに即してお話し合いをさせていただいたり、新しい県事業の検討をさせていただければと思います。
次に、鳥取県情報センターにつきましてお尋ねがございました。県との関係を見直すべきではないだろうかと、こういうことでございます。県が今23.8%株を持った形になっています。鳥取県情報センターは御案内のように、商工会議所さんなども一緒になり、市町村もかかわるわけでありますが、いろいろとこういう行政のシステムを運用していく上で効率的にやろうと。情報化ということがもう今から20年、30年ぐらい前に大分叫ばれた時代がございまして、そういうものに対応していくために本県としてその実行部隊をつくる必要があったということだと思います。この鳥取県情報センターもいろいろなシステムをつくられて、本県のほうでも例えば出張の際の決裁だとか、そうした手続などを電子決裁化しております。こういうような一連のシステムは、実は鳥取県でつくってそれが兵庫県の自治体で、あるいはそのほかでもそうなのですけれども、よそで売れるようなものにもなってきたりしておりまして、そういうものを鳥取県でつくったことがだんだん今広がる、その媒体にもなっているところであり、営業的にも事実的に回るようになり始めているわけです。
そういう意味で財団ではなくて、もう要はSEなどを抱えた、そういうシステム開発会社のような形で株式会社が運用しようということになりまして、平成21年4月から株式会社化したところでございます。その際に出資していたものがありましたので、その出資していたものを一部我々のほうで現ナマで返してもらったものもありますが、ある程度株式に変わってきているわけです。ですから、今でも商工会議所などは株式を持っている格好になっています。ただ、県とのいろいろな関係もあるわけでございまして、そういうものを見直すべきではないかというのは、それは李下に冠を正さずというようなこともあれば、考えなければいけないステージかなというふうに思います。ですから、今、社外取締役的に県庁の幹部も従来の財団法人のときの流れで入っておりますけれども、こういうものも例えばもう県のほうは退任させていただく、次の株主総会とか、そうしたタイミングで。そういうことなど、きょうも御質問ございましたので、一定の見直しをさせていただきたいと思います。
次に、天神川流域下水道事業の件につきましてお尋ねがございました。これにつきましては、生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
また、水力発電につきまして、その対象事業のこと、あるいはバリュー・フォー・マネーのグルーピングによる報告であるとか、あるいはその結果等々、いろいろと一連のお尋ねがございました。これらについては、湊企業局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
◯議長(稲田寿久君)酒嶋生活環境部長
◯生活環境部長(酒嶋優君)それでは、私のほうから、下水道事業の広域化の検討状況等につきまして、補足の答弁を申し上げます。
議員御提案の天神浄化センターについてでございますが、天神浄化センターにつきましては、平成21年度に天神川流域下水道公社を指名指定してスタートいたしておりますが、その要因につきましては、実際の運営費を負担をいただいております流域の1市3町の要望ということがまずございました。施設設置と同時に設立されました天神川流域下水道公社につきましては、約30年にわたりましてノウハウを蓄積をし、給与削減など経営努力も行いながら適正に管理をしてきた実績があることでありますとか、市町村長がこの公社の理事の立場で公社の経営をチェックしながら運営してきたということもございます。また、地元の安全・安心に寄与してきたというふうに評価もされているということでございます。
このような状況でございますが、議員御指摘のように、全国的にはこの下水道事業をめぐりまして、人口減でありますとか民間活力の観点、民間を活用するという観点から、この下水道の管理方法に多様性が出てきたということも事実でございます。時代に合わせまして天神川流域下水道につきましても、議員の御指摘もございましたので、関係市町と議論、研究する場を設けることは必要であるというふうに考えたところでございます。その上で既に11月10日には1市3町を構成員とした研究会を立ち上げまして、広域化やコンセッションについての意見交換を開始したところでございます。今後も継続的に議論をしていくことといたしております。また、具体的な取り組みが抽出できた段階で市町村長、首長で構成をする改正下水道法で設けられました法定協議会制度に移行していくということも視野に入れているところでございます。
いずれにいたしましても、この天神川流域下水道につきましては、建設の時代からさまざまな歴史的経緯がございます。建設時にその地域をめぐって建設に向けて反対運動があったりとか、訴訟等もあったりもいたしました。また、市町村合併の後、区域の拡大という話もございましたが、なかなかそれもやはり設立時の約束ということもあって実現しなかったという、さまざまな歴史的経緯がございますので、新たな取り組みを模索するにいたしましても、そういったことを踏まえながら慎重に市町の御意見をいただきながら、市町の御意見を尊重しながら進めていく必要があろうかと考えております。したがいまして、次期の5年間につきましては、引き続き指名指定といたしまして、ただこの天神川流域下水道につきましては、1市3町の事業区域ということで広域の下地はもうでき上がっているところでございます。そういったことも勘案し、並行して新しい管理手法を関係市町とも研究していく所存でございます。
◯議長(稲田寿久君)湊企業局長
◯企業局長(湊正彦君)それでは、水力発電のコンセッションにつきまして補足の御答弁を申し上げます。
現在、導入可能性調査によりまして民間事業者のヒアリングを行っております。9月議会で議員からの御指摘がございました事業範囲等についてもヒアリングを行っております。一言で申し上げますと、まず舂米発電所については、この残工事をPFIに入れることのメリットが民間事業者にはない。つまり、県が直営で工事を実施すれば運営権の契約と同時に売電収入が得られるということで、これをPFIに含めて2年程度売電期間がおくれることによって、民間の事業者についてのメリットはないという御意見がございました。それから日野川第一発電所につきましては、やはり取水方法に関する地元関係者あるいはダム管理者、河川管理者、これらの方々との協議に長期間必要だということで、PFIの前提となりますFIT認定が、これが現行のFIT制度期間内では間に合わないという御意見をいただきました。
それ以外も実は事業者ヒアリングの結果でいろいろ御意見はいただきました。少し御紹介をさせていただきますと、ダムの管理でございます。民間事業者の中にはダム管理のノウハウを持っておられる方が少のうございます。ましてダムについては洪水時のゲート操作というものが必要になってまいりますので、このダムあるいはダムのゲート操作については、PFI事業から外してほしいというような御意見もいただいております。それからまた、一時懸念しておりましたコンセッション期間終了後の発電所のことでございますけれども、民間事業者の中にはコンセッション期間が終わっても引き続き発電所の運営を行いたいということを申される方もいらっしゃいまして、その民間事業者は少しお金がかかってもしっかりとした施設をつくりたいということで、運営権対価は下がっても工事の内容で我々は勝負をしたいというような御意見をいただいたところでございます。
今後でございますけれども、民間事業者の意欲、関心は非常に高うございますので、導入の可能性は高いというふうに判断しております。庁内手続を踏んだ上で、新年度の当初予算、この中に導入に向けた調査検討に必要な予算をお願いすることとなると思います。その中で今出ましたような意見も含めまして、民間の事業者の方と十分意見交換をしてまいりたいと思います。現在、導入可能性調査でやったヒアリングは、非常に期間も限られた、対象も非常に狭い方を対象としてヒアリングを行っておりますので、新年度にも引き続きいろいろな御意見を伺ってまいりたいというふうに考えております。
VFMについてでございます。グルーピングしたVFMを出すべきだという9月議会からの御指摘に対しまして、確かに議員おっしゃるとおりでございましたので、早速まとめたVFMを計算をさせております。ただ、先ほど申しましたけれども、民間事業者ヒアリングの中でこのVFMの精度を高めるために、現在、民間事業者で協力いただける方からは見積もりをいただくようにして、この精度を高めようとしておりますので、詳細についてはもう少し時間をいただきたいと思いますけれども、現段階でのVFMの値を申し上げたいと思います。まず、小鹿第一・第二、舂米、この3つの場合、VFMはプラスの5.0%でございます。それからこれに日野川第一発電所を含めた場合のVFMでございますけれども、プラスの5.4%ということで、日野川第一を含めたほうがコスト縮減効果は高いという結果でございます。
◯議長(稲田寿久君)山本教育長
◯教育長(山本仁志君)野坂議員の一般質問にお答えを申し上げます。
私には、国際バカロレアにつきましての検討状況につきましてお尋ねがございました。6月議会の後、早速視察に行かせていただいておるわけでございますが、公立学校の取り組みがよかろうということで、一つは札幌市立の札幌開成中等教育学校、もう一つは高知の国際中学校・高等学校を視察してきたわけでございますが、いずれも例えば新しい学習指導要領に基づいて探求的な学びを進めていく上で、こうした取り組みをやってみようということで、札幌の開成中等教育学校は進学実績も高いわけでございますが、さらにそうしたこと、バカロレアを目指すことによって強化していこうということを考えておられます。高知のほうでは一つは、これも生徒減少の中で学校再編をどうするかという中で、積極的な再編をしていくという中での一つでもありましたし、難関大学等を含めて公立学校が少し長期に低迷しているという状況を何とか打破したいというような強い思いもあって、これに取り組んでいるのだというふうなお話もあったわけでございます。こうしたことを通じて英語教育の充実でありますとか探求的な学びを推進していったり、あるいはキャリア教育を進めていくといったことは、これを取り組むことによって一定程度メリット的に予想はされるということでありましたが、やはり課題としては専用の教育プログラムを教えられる教員の確保にも非常に苦労しているといったことでありますとか、認定に係る多大な費用が必要となるというようなことを上げておられるわけでございます。
こうした調査を通じて幾つか条件の整備が要るのではないかなというふうに思っておるところでございます。1つはこの国際バカロレアを目指すには、高校3年間だけではやはり難しいのではないかというふうに思っております。他県の状況を調べてみますと、やはり中高一貫校が取り組まれるという例が多いわけでございまして、高校だけでやっておられる学校は海外子女の教育ということで、もともと英語力がある生徒がいるという中での取り組みということでございまして、これを公立で新設する場合には例えば県内の進学校あたりを再編してかかる必要があるのではないかなというふうにも思っているところでございます。
また、この国際バカロレアに対応できる英語力の目安として、中学校卒業で英検で準2級程度でもって高校の学びに入っていく、そうしたことが求められるわけでございますし、またそうした生徒を、資質のある生徒を中学校の段階でかなりの数を集めないと成り立っていかないということがあろうかと思います。もう1点は、英語で例えば数学だとか、そうしたものを学ぶ必要がある。これは一定程度日本語でも代替可能という制度に変わりつつありますけれども、英語でほかの教科を教える、そうした力のある教員を確保していく必要があるわけでございまして、ここに非常に苦労するというのが他県の状況でございます。また研修等を通じた教員育成、これはどんな学科改編等でも必要でありますが、そうしたこともやっていく必要があるということ。それから経費の面で認定申請に係る経費が数百万、それが毎年更新が必要ということで、そうしたことの財政負担等々の検討も必要になるということでございまして、視察前からある程度わかっていた部分もあるわけですが、極めてハードルが高いなというのを改めてこの視察の中で感じたところです。このような点も踏まえながら引き続き課題等を整理しつつ、研究は進めてまいりたいというふうに思っていますし、また今はまだ
教育委員会の中の一部だけでこうした研究を進めていますが、もう少し勉強会のような形で、例えば私学の関係の方にも入っていただいたりして、この国際バカロレアはどんなものかというところも、これも実際にはつくるとなると県民の方々の理解もしていただかなければならないわけですし、そうした勉強会のようなこともできないのかなというふうなことも今考えておるところでございます。
あわせましてこの国際バカロレアではないとグローバル人材ができないのかといったこともあろうかと思います。今、鳥取西高ではスーパーグローバルハイスクールの認定を受けて取り組んでおりますし、またスタンフォード大学と連携をして遠隔講座を利用しながら、グローバル人材を育成するという取り組みをしております。このたび鳥取西高の生徒でこのグローバルスクールでの学び、あるいはスタンフォード大学との連携をした取り組みを学んだ生徒の中で、模擬国連という、これはユネスコの主催の事業があるわけですけれども、国連各国の大使の役割を果たしていって、国連の中で議論をして一定のテーマで議論をして主張を通していく、そうしたコンクールにこの鳥取西高の鎌田さんと青木さんという男女の2人の生徒が見事、日本の予選の中で6チームの中に入りまして、これは本選が来年の5月に、これはニューヨークの国連本部で行われますが、その日本代表として出場するということが決定をいたしております。こうしたことで今の取り組みの中でもある程度成果が上がってきている、そうした面もあるのではないかなというふうに思っておりまして、いろいろな観点からこのグローバル人材の育成というところも含めて取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◯教育長(山本仁志君)森議員から重ねて御質問をいただきました。
アクティブラーニングにつきましては、いろいろ今後検討を深めてまいりたいと思っておりますし、今、美術館のことを考えていますけれども、美術館だけでその子供たちの移動を考えているわけではありませんでして、もっと幅広く、せっかく中部に美術館ができるといった場合に、その中部の周辺の施設なども含めて、いろんな仕掛けを考えていく必要があるのではないかなというふうに思っております。
また、2回目、3回目に来ていただくための仕掛けをどう考えているかということですが、実は、まだ詳細は詰めているわけではなくて、いろんな美術館の取り組みなどを参考にさせていただきつつ検討をしているところですけれども、例えば、金沢の21世紀美術館では、これはアートバスというのを持っておられて、このバスは無料で送迎をするわけですけれども、石川県内の走行距離が250キロ以内だったらどこでも迎えに行きますよというような、そんな仕掛けも考えておられるところもあるように聞いておりますし、そうしたことなども含めて、少しこれは知恵を絞らなければならないなというふうに思っております。
また、繰り返し来ていただくためのもう一つの仕掛けとして、私も視察をする中で、兵庫の蓑館長にもお会いしたのですけれども、蓑館長が金沢の美術館長になられたときに、子供たちが最初に3年生なりが来る。そのときに、ずっと絵を見て回って、最後に、次の招待券がついたものを配って、持って帰ってもらうと。それで、そこには御両親と一緒に来ても無料になりますよというようなことがその招待券の中に入っている。次は、両親とともに子供たちがまた訪れると、そんな中で子供たちが自分の好きな絵を両親に、保護者の方に説明をするような、そんな誇らしい姿もよく見たのだというようなことを聞いていますので、そんな仕掛けもあるのかなというふうに思いながらそのときにお話を伺ったわけでございますが、そうしたことなども含めて、さまざまこれも知恵を絞ってまいりたいというふうに考えております。
◯副議長(福間裕隆君)12番浜田一哉議員
◯12番(浜田一哉君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の浜田でございます。11月定例会に当たり、私見を交えながら、平井知事にインバウンド対応について質問をしてまいります。
冒頭、先月11月30日は、水木しげる先生の御逝去をされた命日でありました。今年度に入って、本格的に水木しげるロードのリニューアル事業の工事にかかっておりまして、観光客の皆様方には多大な御迷惑をかけている中で、一つの指標である年間200万人という目標を何とか達成しそうだというぐらい、多くの観光客の方に来ていただいております。
特にことしの傾向として、クルーズ船からの外国人の観光客の皆さんが、これまでは多くバスで観光をされて、爆買いしたり観光されたりということが多かったようですけれども、ことしの場合は、水木しげるという名前が海外に飛んだのか、クルーズ船の観光客の6割ぐらいがロードに訪れたというお話も伺いました。亡くなられてからもさらに妖怪パワーが増しているということで、爆買いのほうが経済効果は高いのでしょうけれども、さらなる地元の観光産業につながる事業をしていかなくてはならないなというふうに改めて思っております。
7月には、県道が駅前の道路となっているということで、県と境港市が共催で、1週間かけてリニューアル事業のイベントをされるというふうに伺っていますけれども、くれぐれも平井知事におかれましてはしっかりと予算を組んでいただきまして、誘客につながるイベントにしていただきたいということをお願いして、質問に入ります。
本県においては、これまでインバウンド、いわゆる外国人観光客を受け入れることが可能な主な手段として、鳥取コナン空港と米子鬼太郎空港の2つの空港、韓国、ロシアとつながる国際定期貨客船や国際クルーズ船等を受け入れる体制があるわけですが、これらの順調な進捗により、当初の目標を大きく上回る実績を積み上げてきていることは、知事を初め、関係者の皆様、そして各市町村の取り組みに対しても敬意を表するところであります。さまざまな運航支援や利用促進支援、国内外への情報発信やPR事業など、多くの予算を伴ってのこととはいえ、人口の最も少ない鳥取県に多くの観光客を引き入れること、交流人口をふやしていくことは、にぎわいとともに多大な経済効果をもたらす土壌をつくったと言えると思っております。これまでの取り組みについての総括と今後の方向性について、平井知事の所見を伺います。
昨年4月に山陰両県の官民が連携し、インバウンド誘致を最大の目的として山陰インバウンド機構が設立されました。事業の概要は、山陰ブランドの確立、インバウンド戦略の策定、海外向けプロモーション、受け入れ環境整備となっておりましたが、ことしの10月2日に法人化、そして11月29日に日本版DMO第1弾として、鳥取中部観光推進機構とともに認定をされました。ことし8月4日までに登録された全国157の候補法人のうち、登録要件を満たした41法人を観光庁が認定をされたと伺いました。この登録により、法人及びこれと関連して事業を行う関係団体に対して、関係省庁が連携して支援をする予定であるとのことですが、どのような支援が想定をされているのか、また求められていかれるのか、平井知事に伺います。
そして、このたびの山陰インバウンド機構の法人化に伴う今後の展開について、あわせてこれまでの取り組みについて、どのように評価をされているのか、平井知事の御所見を伺います。
ことし6月16日、民泊サービスについて、その健全な普及を図るための一定ルールを定めた住宅民泊事業法、いわゆる民泊新法が成立をし、来年6月15日に施行の運びとなりました。これは、
東京オリンピック・パラリンピックを控え、飽和状態にある都市部の宿泊施設の緩和、また、地方における空き家対策として、一定要件を満たせば、都道府県知事に届ければ、一般の住宅でも民泊ができるものとするといった法律であり、新たなビジネスの創出になり得るものと考えております。また、同時に地域の自然や伝統文化、そして何より人と人とが直接的に触れ合うことにより、観光客との交流が深まり、さらなる誘客やリピートにもつながるものと期待をしているところであります。
県内2つの空港は、いずれも東京まで1時間程度で結んでいることからも、大いに誘客が期待できるものと考えます。県内においては、既に智頭町や佐治地区、倉吉市関金地区が地域を挙げて民泊推進に取り組んでおられるそうであります。これまでの受け入れ実績は、国内の個人や家族、小中学校が中心であるとのことでありますが、DMOと連携を図れば、さらなるインバウンド誘客につながるのではないかと考えます。
民泊に係る届け出は、平成30年、来年の3月15日からとのことでありますが、どこに届け出を提出したらいいのか、どこに相談をしたらいいのか、さらなる県民への周知や支援体制が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。
最後に、インバウンド受け入れの一つの課題となっていた通訳案内士について伺います。
本県におかれては、通訳案内士の早期育成は困難であることから、山陰限定の通訳案内士の育成に取り組まれています。担当者に伺いますと、現在の登録者数は、当初の目標の120人を既に超え、今年度中には150人に達するのではないかと予想されていました。観光ビジネスに対する関心の高さはもちろんのこと、能力を持った方が県内には多く存在しているものだと感心しているところですが、今後この登録している方々が活躍する場をどのように提供しているのかが鍵となってくるものと考えます。現状の対応とあわせ、今後の取り組みについて、平井知事の所見を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田一哉議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、冒頭、水木しげる先生につきましてお話がございました。早いもので年月が行きますが、11月30日という節目をまた一つ超えたことになります。3月にはまた生誕祭ということで、地元でもお祝いをする、そういうならわし、これもまた来年もにぎにぎしく行われるのではないかなというふうに思います。
折しも今、青山剛昌先生が体調を崩されて、連載を休載されるということが大きな話題になっています。心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い御回復、先生の陽気な、闊達なお話にまた接することができればというふうに願うものでございます。
まんが王国で進めてまいりまして、特に境港はそのモデル的な地域であり、このたびリニューアルも完成をする運びになります。夏にいよいよリニューアルオープンということでございますけれども、ぜひ県のほうも、ちょうどデスティネーションキャンペーンの時期とも重なりますし、どうやってこれを盛り上げて応援していくのか、市役所や観光協会等ともよく打ち合わせもさせていただき、サポートを申し上げたいと思います。
お話にございましたように、いろいろと海外客も足しげく通われるようになってきて、外国人の姿が珍しくなくなり始めています。非常に国際的な観光地として、知名度も上がり始めているのではないかなと思います。考えてみますと、水木しげる先生は天へ上られたわけでありますけれども、描いておられた漫画の内容のゆえでありましょうか、亡くなられても余り差し支えないような、身の回りにいるような、そういう親しみを今なお感じていただけるのかもしれません。そんなように、先生の世界が死してなお継続、発展していく、その辺が我々も腕の見せどころであり、先生への恩返しではないかというふうに思います。
インバウンド観光につきましてお尋ねがございました。県内の2つの空港、それから定期貨客船やクルーズ船、そうしたことを含めて、総括や今後の方向性はどうか。また、DMOの登録が山陰インバウンド機構でなされたところでございますけれども、どういうように国がこれを応援していくのか、また、これまでの活動を評価するのかと、こういうお尋ねでございます。
おかげさまで、大分あの景色はこの10年ほどで変わってまいりました。一つには、この10年のうちに
米子-ソウル便が、一時期は、平成19年休航の危機を迎えましたがそれからすっかり今では立ち直り、23日、5便化ということに、ステージを上げることになりました。
また、米子-香港便が就航をし、1年を超える間、このたびは84%ですか、順調な搭乗率も示しております。
DBSクルーズフェリーができ、運航して8年ほどだと思いますが、これもやはりお客様が満船の状態で来られる、特に観光への影響は大きいものがあり、同じ船でもクルーズ客船が61隻と、非常に過去最高を記録したということになりました。
このように、外国の観光客がやってこられることが多くなってきたわけでございまして、数字の上を申し上げますと、1月から9月までで大体9万6,000人ぐらいということになります。これまでの1年間の最高が10万人余りでありますので、過去最高を更新することは間違いない状況でございます。またソウル便で3万人、また香港便で2万人、同じ1月から9月、旅客で外国人が乗られておられます。これも特に香港便は最高のでき上がりということにもなりますし、非常にこうしたインバウンドの影響が出てきているのではないかなというふうに思います。
こういう中で、単県ではなくて、山陰両県でも取り組んでいこうというように山陰インバウンド機構を設立し、11月28日にいよいよDMOの認定がおりたところでございます。この新しい組織も入れながら、これから展開をしていくということになろうかと思いますし、もちろん鳥取県独自でやれることは、今後ともやってまいりたいと思います。
例えば、やはりこの一つの正念場は、
米子-ソウル便5便化の時期でありまして、これが永続的になっていくようにしなければならず、また香港便も好調でありますので、いずれは増便につなげられるように持っていく必要があり、この辺の展開を強めることが一つの焦点になろうかと思います。
また、あわせまして、私どものところには余り今まで来ていないシンガポールなどもございます。シンガポールは、この秋、シルクエアーという航空会社が広島空港に就航をしたところであります。大体シンガポールのお客様は1週間ほど滞在するものであると言われておりますし、シンガポールの中でもハイエンド層が多いと言われています。私どもは、Follow Me Japanという会社、これは日本人が経営されていますけれども、ハイエンド層を連れてくるツアーをつくられるところでありますが、先般もそちらの社長さんが来られて、親しくお話もさせていただきましたけれども、鳥取市の東郷小学校での交流事業が非常に向こうでも評判がよかったと、こうした出会い、山陰の人々と親しむ、そんなようなツアーなどを今後も展開したいということをおっしゃっておられました。
ぜひ新年度は、こうしたシンガポールも新しいページに加えさせていただいてはどうだろうか、中国5県でも広島空港に就航したというタイミングもあって、共同でお客様を回す、そうしたことも当然あっていいだろうと。あちらでのキャンペーンを考えたいと思いますし、また、鳥取県独自でもチャーター便をシンガポールとの間で飛ばす方向で、今、旅行会社との協議も始めたところであります。シンガポールであるとかタイであるとかベトナムであるとか、そうした東南アジアも新しいターゲットとして加えていくことが必要だと思います。
また、ロシアも、実はビザの改正がございまして、こちらに滞在しやすくなりました。DBSクルーズフェリーもつながっているところであります。実は、ロシアのお客様を連れてくる旅行会社にも積極的に今アピールをしていますが、こちらを見ていただきますと、やはり一様に評判がいいわけでございます。
また、アジア系のところもそうでありますけれども、売りやすいというところがあるみたいですね。例えば、砂丘というユニークなものがある、それから漫画のことがある、また、カニなど特徴がある食べ物があって、アジアでも人気。そんな意味で、香港の旅行会社とかを連れてまいりますと、非常に売りやすい商品をつくりやすいということであります。こんなようなことをいろいろと今後つくり上げていく必要があるのだと思います。
今、星がきれいだというのも、香港ではウイル・チョーさんというブロガーが発信をされまして、鳥取の星空が結構あちらですばらしいという評価を得つつあるわけでありまして、その証拠として、大山に今、体験型のツアーで、星を見に行くツアーを写真家の柄木さんが引っ張りながらやっておられるわけです。これは、まず香港のお客さんから予約が入ると、非常に好調であると、こういうようなことでありまして、まだまだ掘り起こしていけば、身の回りにそうした資源があるのではないかなというふうに思います。ブライダルツアーであるとか、さまざまなジャンルのツアーにつきましても、インバウンドでも挑戦していく値打ちがあるのではないかなと思います。
そういう中で、山陰インバウンド機構でありますが、国のほうからは、広域的なルートにつきまして御支援がいただけております。現在も研究調査としてそうした支援をいただいておりまして、マーケットリサーチをしたり、それから山陰を紹介するユーチューブの動画をアップしました。今、既に570万ビューという驚異的なヒット数になっています。やはりとても美しいということがあるのだと思います。
また、インバウンド機構のほうでも、ミシュランのブルーガイドの認定箇所をふやすことで仲介をとられまして、私も東京のほうに参りましたけれども、このたび白壁土蔵群を初めとした新しい認定スポットを海外メディアに紹介する事業をされておられました。
さらに、今後を見据えて、後ほども若干出てきますが、Airbnbという民泊のサイトがございます。このAirbnbと山陰インバウンド機構がこのたび提携を結ばれました。これによって次世代型の新しい観光ニーズをつかんでいこうということでありまして、まず手始めに、智頭でそうした民泊をする際の留意事項だとか、いろいろ展開するビジョンづくりとか、やり方につきましてのセミナーをやろうということになってきておりまして、これから順次そうしたことも広がってくるだろうと思います。
また、バーチャルなパスポートとしての旅人の支援サポート事業なども進めてこられまして、これを今、県境のまたがるあたりを中心にやっていましたが、県東部にも新年度以降にこれを広げていこうということをされておられまして、非常に特徴ある活動をされているのではないかと評価をさせていただきたいと思います。
次に、民泊制度の周知、それから届け出、相談いかがかと、こういうお話でございます。
民泊については、今、法律改正もできまして、どういうスキームで本県として受け入れていくか、基本スキームはもう国のほうでできているわけですが、修正すべきところがあるかどうか、その辺も含めて今、有識者で議論をしていただいています。これは、議論は越年すると思います。
その届け出のことですけれども、基本的な考え方としては、西部・中部は総合事務所のほうに、また東部は本庁のほうに窓口を設置することにいたしまして、それぞれ東・中・西での窓口を開かせていただきたいと思います。こういう中でも今後御相談はしていただけるように、職員のほうにはこれから制度の詳細ができてくる中で、研修事業等もさせていただきたいと思います。
ただ、国の全体のほうで、まだいろんなシステムづくりが間に合っていませんで、詳細がまだわからないところがあります。ですから、若干、手続的には今おくれぎみなのですけれども、そうはいっても、始まるときに始めなければいけませんので、我々もそろそろ準備にかからさせていただくということです。
若干論点になり得るのは、京都市などで今、条例をつくって、政府が考えているものよりは少し絞り込んだ、そういう民泊対応をということがございます。これについて、いろんな旅行業界だとか旅館組合とかが話し合いの場を持って、今、越年すると思いますが、協議をしておりますが、その中で若干意見が出ているところがあります。例えば、住宅専用地域、これは、普通の旅館ではつくれないところでありますが、民泊だと国のスキームでは制限がない。しかし、その旅館組合等からすると、本来環境としてはいかがかということなので、民泊もそういうところにつくっていいのだろうかという疑問が出されていることがあります。
また、同じように、旅館の規制などで、学校や保育園の周辺での設置規制がございます。こういうものも、果たして民泊だからどこでもいいと言っていいのだろうかと、こういう議論もございまして、そうした適正を保つ上で必要なルールというのを追加するかどうか。もし追加するとなりますと、2月議会に条例で出させていただきたいと思いますので、今、取り急ぎ内部的に検討を進め、最終的にはそうした関係業界を含めた有識者の会議の中でも御意見をいただくことにいたしているところであります。
あとその議論の中でよく出てきますのは、都市型の民泊と、それから農村などでやっている農泊と言われるものとは違うのではないかという議論ですね。旅館組合等も含めて、農泊は結構ではないかと、むしろ観光需要を膨らますということもありますし、そちらのほうはいいけれども、都市型のほうは、先ほど言ったような若干の規制ということもあってはいいのではないかということであります。
農泊は農泊で、先ほど佐治や関金のお話もございましたけれども、子供たちを受け入れるとか、あるいは森林セラピーであるとか、既に先進地域もできてきているところでありまして、多分、我々としては、中山間地の所得向上のためにもぜひ取り組んでみたいところだと思っております。全国的にも新しいこうした制度がいろいろできてくる中で、農業活性化にも役立つのではないかという議論もあり、農林水産省だとか、そうした関係省庁あるいは旅行業界さん、メディアなども含めて、今、官民一体となって、こういう農泊をもっと振興したらどうだろうかという、そういう議論が湧き起こっておりまして、私自身もそれに参画をさせていただいております。いずれ全国的なネットワークもつくって、そうした農泊を国全体で推進していくような、そういうムーブメントをつくっていければと思います。
最後に、山陰地域限定特例通訳案内士につきましてお尋ねがございました。これにつきましては、詳細は観光交流局長のほうからお話をさせていただきたいと思いますが、国のほうの制度改正があって、こうした通訳案内士については、何か資格の特例が極めて減ってしまったと、名称独占だけになってしまうということでございます。私ども自体は、せっかくつくったのにどうかなということはあるのですけれども、片方で、そういう通訳案内士の皆さんもブラッシュアップをしたいとか、そういうこともありますので、そういう研修事業のお手伝いをするとか、また、現在も、例えば米子空港のところの観光案内所であるとか、あちこちこの案内士の方が活躍をされています。ですから、そうした方々がしっかり適切なオファーを受けられるように、周知したり、それから仲立ちをしたり、そうしたことを今後ともやってまいりたいと思います。
◯副議長(福間裕隆君)門脇観光交流局長
◯観光交流局長(門脇誠司君)それでは、私のほうから、山陰地域限定特例通訳案内士の現状と今後の取り組みについて補足の答弁をさせていただきたいと思います。
まず、現状でございますけれども、山陰地域限定特例通訳案内士の方は、現在のところ141名の方がいらっしゃいます。少し内訳を申し上げますと、英語が79名、そして中国語が44名、韓国語が18名とこういった方々がいらっしゃいます。そしてまた、これに加えまして、現在研修を受けていらっしゃる方が36名というのが今の現状というふうになってございます。今現在、この141名の方々は、例えば観光関係団体、先ほど知事からございましたけれども、鳥取中部観光推進機構でありますとか島根県通訳案内士会でありますとか、こういったところに所属する。そしてまた、旅行会社と契約をされて、クルーズ船、客船等のツアーガイドやFITの同行案内といったことに重用されていらっしゃる。そして、地域の魅力をより詳しく伝えていただいて、外国人観光客の満足度の向上につながる取り組みをしていただいていると思っております。
もう少し具体的にちょっと補足をさせていただきますと、このほかにも山陰インバウンド機構でありますとか、こういったところにも所属をしていらっしゃって、ホームページの名簿等への掲載により、通訳業務について案内されているのが現状でございます。
しかしながら、こういった141人の方々がいらっしゃいますけれども、活動を希望される山陰地域限定特例通訳案内士全ての方々に、そういった働く機会があるわけではないということもまた現状でございます。私もアンケートをとらせていただいたのですけれども、このアンケートを拝見したところでありますと、いろんな意味で観光関係団体でありますとか旅行会社とのいわゆる
マッチングの機会をいただけないか、意見交換のような機会をいただけないか、こういった声をいただいているところでございます。こういったことに基づきまして、私どものほうとしましても、
フォローアップ研修でありますとか就業機会の研修の取り組みというものを実際に行っているというのが今の現状でございます。
そしてまた、先ほど知事のほうからもございましたけれども、改正通訳案内士法の施行、これが平成30年1月4日ですが、もう間もなくということになりますけれども、こちらで規制緩和も行われるということであります。具体的に申し上げますと、いわゆる資格の有無というものを問わずに報酬を得て通訳案内ということができるようになるといった法改正がなされるということになっております。
こういった改正はございますけれども、山陰両県を訪れる外国人観光客の方々の満足度の向上でありますとか、そしてまた山陰地域限定特例通訳案内士の活躍につながるように、私どもとしましても、通訳案内士の皆さんのスキルアップでありますとか旅行会社との
マッチングでありますとか、こういったことに取り組みまして、重点的な取り組みというのもこれからも続けてまいりたいと思っております。
◯副議長(福間裕隆君)12番浜田議員
◯12番(浜田一哉君)御答弁いただきましたので、続きまして、追及質問をさせていただきたいと思います。
もう知事がお答えになってしまったようなものもありましたので、追及はちょっと多少はしょっていきますけれども、3便が5便になって、最初に思ったのは、この増便された2便が朝の8時半発ということで、これは10時に着くということなので、一日がすごく有効に使えて一番いいなというふうに思ったのですね。やはり、理想的に思えるそういう時刻というものが結果につながればいいなというふうに自分も思っておりまして、3カ月の限定的といいますか、試行的にまずやってみるというようなお話が報道にもありました。先ほど御答弁の中にもありましたけれども、これがずっと定期便になり得るぐらいの実績をぜひ積んでいっていただきたいなというふうに思っております。
先ほどのシンガポールでしたでしょうか、またそういうような取り組み、この議会でも鳥取コナン空港のお話もありましたし、やはり、滑走路ということになると、なかなか一朝一夕にはできないにしても、米子空港の場合もそうでしたけれども、そういったチャーター便をとにかくこなして、実績をやはり積み上げるということが大切だと思っておりますので、ぜひそういった実績を積めるような、今まで、それ以上の取り組みをしていただきたいと思います。
いよいよ来年、平成30年5月から11月までのロングランで伯耆の国大山開山1300年祭が行われるということになります。県西部を中心に各地各所でさまざまなイベントが開催されているわけでありますが、それぞれのイベントについては、大山開山1300年とかけて、一連の流れをつくっていくというような西部総合事務所からの御説明もありました。一例を挙げれば、皆生・大山SEA TO SUMMITとか、先ほども話がありましたが、水木しげるロードリニューアルイベントであるとか、山の日記念全国大会、皆生トライアスロン等々、そういった事業、行事も挙げられています。
先ほど知事のほうの答弁の中にもありましたけれども、山陰デスティネーションキャンペーンも7月から9月にかけて開催されるということになっております。JRが12億円、鳥取、島根両県が1億円ずつの合計14億円の規模で開催をされるということで、これもまた大きな目玉となることは間違いないというふうに思います。
こうしたビッグイベントめじろ押しの平成30年は、鳥取県にとって、本当に存在感を国内外に知らしめるまたとない大きなチャンスだというふうに捉えております。現在、本番に向けた多くのプレイヤーイベントが開催されていますけれども、いまだに何となく協調性が足りない、一体感がちょっと感じられないというような声もやはりよく聞きます。県が事務局となって、積極的といいましょうか、しっかりと関与をしていくというようなお話も伺いました。数ある点を線に、そして面となるような取り組みにしていかなくてはならないというふうに思います。
このたび西部地区の有志議員で、この大山開山1300年祭を応援するための議員連盟を立ち上げようではないかという話も持ち上がりまして、議会議員として何らかの形で貢献ができたらなというふうにも考えております。また、エリアは中部まででございますので、ぜひ中部の皆さんにも御一考いただきたいなと。
私もジオパークの議連に入っておりますけれども、東部の議員の皆さんにも、これはちょっとおもしろそうだなとお考えになられたら、御興味がありましたらぜひ、この場をかりまして議員の皆さんにも御案内をしたいというふうに思います。これから、本番に当たりまして、知事の御所見を伺いたいというふうに思います。
そして、鳥取県は和牛王国とっとりということも標榜しておられます。大山の地もかつては日本三大牛馬市の一つに数えられた地でありまして、牛つながりで言えば、私は牛骨ラーメンを忘れてはならないというふうに考えております。牛骨ラーメンは、県の中西部を中心として、独自に伝わる牛の骨でだしをとったようなラーメンでありまして、全国的に見ると大変珍しいということであります。私は、もう本当に物心ついたときからラーメンを食べています。100円のころから食べていますけれども、その当時、ラーメンというのといわゆる中華そばという言葉はありましたけれども、牛骨ラーメンとかしょうゆラーメンとかというような名称はありませんで、それぐらい米子の方に伺っても、あれはラーメンだと、ラーメンは牛骨だ。牛骨というのは、ほんの10年もたっていないです。牛骨というものは、我々が親しんだあのラーメンは、牛骨なのだということ。
ラーメンというものは非常に大衆性の高い食べ物ですし、ちょっと調べましたら、2010年に日本テレビの番組「1億人が選ぶ!今夜知りたいランキングご当地最新グルメベスト50」というもので、第2位になった、これが牛骨ラーメンということであったそうです。あと2014年には、倉吉市で鳥取牛骨ラーメン応麺団ですね、応援とラーメンの麺をかけた応麺団という、そういった組織があるようでして、牛骨ラーメンワールドサミットというものが開催されたというような実績もあるそうであります。
先ほども言いましたけれども、ラーメンは、本当に日本が誇る国民的なメニューであり、今や本当に全世界で受け入れられている注目度の高いものではないかなというふうに考えております。加えて、先ほど言いましたけれども、これは西部と中部が中心で、東部はちょっと牛骨ラーメンというのはなじみが薄いようですけれども、これに乗じて、ぜひ中部の皆さんにもお考えをいただきたいなというふうに思っております。食のイベントというものはいろいろと、実はと申しますか、バーガーサミットというものは本当に積み上げられて、10周年を迎えるというふうに、たしかそういうふうになっていたと思いますけれども、あわせて、やはり場所とか出店の方法であるとか、いろいろと難しいハードルもちょっと考えられるかなというふうには思います。ぜひこういった団体や地域の飲食店の皆さんとも協議をしていただいて、この大山1300年祭にはぜひとも鳥取牛骨ラーメンフェスタの開催の検討をしていただけないかというふうに思いますが、知事の御所見を伺います。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田県議から、重ねてお尋ねをいただきました。
インバウンド観光ですね、この
米子-ソウル便は正念場だと思いますので、議員のほうからもいろんな御意見をいただきましたが、しっかり地域を挙げて、ぜひ取り組んでいきたいと思います。これにつきましては、関係者もこのことをよくわかってくださっていまして、韓国のほうにも、やはりうちの経済界等も一度出かけようかという声が上がっていたり、いろいろと我々としても精力的に取り組んでまいりたいと思います。
それとあわせまして、大山1300年祭が新年の大きなテーマになると思います。ぜひモードチェンジもしていただいて、議連も発足するというお話もございましたけれども、議会の皆様にも応援していただきながら、盛り上げていただければありがたいと思います。
イベントはイベントで、その日付が終われば終わってしまいますけれども、大切なのは、そこを目がけて来られたお客様が、何と鳥取県というのはすばらしいところだと思って帰っていただく、それが一つのレジェンドとして残るわけでございます。ですから、このときにさまざまな魅力を知っていただくチャンスと我々も考えるべきであって、議員のほうもお話がございましたけれども、食なども含めて盛り込んでいく必要があるのかなと思います。
正直、やはりエリアが広いこともあるでしょうし、いろいろとそれぞれの団体の事情もあったりして、なかなか一体感のあるものになりにくいのではないかという声がいまだに出ているところでございまして、私どもも事務局を担がされたほうとしては、正直痛しかゆしのところもあるわけでございます。
そういう中でも、例えば、山の日全国大会が一つ決まってきましたし、それから、そのほかにも大献灯をやろうとか、もちろん大山寺のほうでも法要というものがあったり、お守り札の話があったり、本格的な年にしようという動きがある。さらには、たたらを盛り上げていこうとか、昨日は、関係者がお見えになりましたけれども、名刀の復活をしようと、童子切という刀剣、これを現代に復活させるというプロジェクトが昨日スタートしたところであります。それのみならず、今、地域の料理関係者の皆さんは四季に応じた大山メニューを開発してこられているわけでありまして、そういうさまざまなおもてなしを感じていただければ、いろいろと行事がある中で、体験もしてもらい、鳥取県のよさも知っていただけるのではないか。
そういう意味で、何か一つにこのことだけというよりは、一つのシリーズとして大山を感じてもらう。自然であれ、歴史や伝統であれ、人の温かさであれ、食であれ、また星空を含めた、そうした新しい観光スポット、そんなことを我々も今、盛り込みながら、ほぼその全体像も見え始めたところであります。一連の行事の中で、その大山1300年祭の記念式典的なものも考えられると思いますし、最終的なところを関係者と相談をしてまいりたいと思います。
そういう中、今、議員のほうで牛骨ラーメンのお話がございました。きょうの御議論は、またそうした料理関係者も今この大山1300年で集まっておられますので、御提起としてお伝えをさせていただきたいと思います。
これは、以前、平成22年のことなのかなと思って今も伺っておりましたけれども、牛骨ラーメンの応麺団が結成され、なぜか三徳山の若住職がトップでいらっしゃるのですけれども、それで結構盛り上がりまして、東京のメディアも注目をされて、全国のいわばB級グルメの代表格のようになり、東京のほうにも実は牛骨ラーメンのお店ができ、ハワイにもでき、そうこうしていたら、うちとは全く関係ないのに牛骨ラーメンを始めている地域が出てきたり、あちこち今、飛び火し始めていると思います。私自身も当時は牛骨ラーメン応麺団の名誉団長に就任をさせていただいて、私もお引き受けしたわけであります。当時はまだスターバックスの前ですので、私も余り駄じゃれは言わなかった時代のことでありますが、そういう役職になってくれということでお引き受けしたこともございました。
これは、普通のラーメンと違って、ちょっと甘みがあるような、コクがあるような、それでいてあっさりしていて、油の下に結構あつあつのおつゆがあったりする、非常に特徴のあるものでございまして、召し上がっていただくと、これはなかなかいけるというものであります。もとをたどれば、米子の満洲味さんが発端ではないかということをよく言われます。満州のほうから持って帰ってきて、その調理方法というのが伝わり、もともとこちらは中部のほうも中心としまして牛を育てる土地柄でありましたので、牛の骨でラーメンをつくるというのが定着し、広がってきた、戦後のものだということだと思います。
ただ、この牛骨ラーメンも、遠くからお見えになった方には魅力のあるところでありまして、今でもやはり牛骨ラーメンの名店と言われるところは、結構お客さんもいっぱいです。中には観光客もいます。牛骨ラーメンが鳥取の郷土料理の一つになっていると、割と多くの方々からも認知され始めておりまして、これもそうした大山1300年という大きなお祭りの中でも活用できるのではないかとも思います。これから具体的なパンフレットであるとか、いろいろつくり込みが始まると思いますので、きょうの御意見も関係方面に伝えさせていただきたいと思います。
◯副議長(福間裕隆君)12番浜田議員
◯12番(浜田一哉君)ありがとうございます。ぜひそういったことが広がって、この鳥取のカレー、ハンバーガーもそうかもしれません、本当に食には、さまざまなそういった独特で固有なものがあるのだということをぜひ全国に発信していっていただきたいなというふうに思います。
通訳案内士のことについて、ちょっと追及をしたいのですけれども、先ほどありましたように、1月4日から撤廃となります。この制度がなくても業としてできるということでありますけれども、私も県のやっていらっしゃるこの制度のカリキュラムを見させていただきました。13回ぐらいでしょうか、1回の試験と実地も2回ありました。全体では本当に13日をかけて、正確には2週間ぐらいですね、14日ぐらいの過程を経て登録ということで、本当にやはりこういった取り組みって大事だと思うのですね。ですから、やはり県は県として、この地域の通訳案内士というのをぜひ続けていただいて、これを受けた人にはそういった情報を優先的に流すような取り組みをしていただきたいと思うのです。
これは、廃止に伴って、国は旅行の安全や取引の構成を確保するためにランドオペレーターの登録制度を創設するということを伺っておりますが、本県は、これについてはどういうふうに対応されるのかを伺います。
また、担当者に伺いますと、登録をしていない人も外国からそのまま来て、その人が案内するケースが結構あるのだというふうに伺いました。その利用する側からすると、利用者といいますのは観光客のほうですね、観光客の側からすると、そういった紹介の中で、通訳さんが欲しいなといった場合に、一体どんな値段で来るのだろうかと、どういう人が来るのだろうかとか、いろいろ不安な面もあるのだと思うのです。その料金について、ある程度やはり設定をされたほうがよいのではないかと私は思うのですけれども、この件について。
あと、やはりトラブルを避けるためには、登録していない人ができるとするならば、そういった人たちにガイドの手引きのようなものを県主導でつくられるべきではないかと思うのですけれども、そのあたりのところをちょっと伺います。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田議員から重ねて、通訳案内士などにつきましてお尋ねがございました。
詳細は、観光交流局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
これにつきましては、制度が改正をされまして、それによって、いろいろとこれから動きが出てくるだろうと思います。
もとはと言えば、九州のほうで、あそこはたくさん外国人のお客様が来られるようになったわけでありますけれども、非常に不適切な案内をする人たちがいると。そういう人たちを、むしろ登録をさせて、そういう不適切な方々をいわば排除というか、指導するというか、そのためのものであります。要は、お土産物屋に連れ込んで、非常に高額のものを売りつけるという。それが、中国のお客さんであれば、中国人の方が結構されていて、通訳と称してやっておられると。本来通訳案内士があるわけで、通訳案内士の業務独占であったはずなのですけれども、そうしたことが横行してしまった。そうしたことで外国のお客様が悪い印象を持ったまま帰られるということになりかねないものですから、国も腰を上げたというのが今回の制度改正の発端であります。
ただ、そのはずだったのですが、なぜか通訳案内士の業務独占廃止まで来てしまいまして、我々としても若干腑に落ちないところであるわけでございますが、地域限定の通訳案内士という、地域限定が取れる形で法施行される形になりますので、考えようによっては今の通訳案内士さんの活動がしやすくなるというような面もあるかと思います。料金体系も、実は、ないようでありますけれども、そこそこ相場観もありまして、これは基本的には観光業者間のやりとりでありますので、通訳案内士さんだとやはり高目の報酬設定がとれるような実務になっているようであります。この辺は、役所で規制するというよりは、その実務がもうでき上がっている部分がございますので、その中で動いていくのかなと思います。
適正な運用がなされればいいですけれども、悪い人らが、例えばうちのクルーズ客船のところにうろちょろされると、いろいろと混乱も起きることもあるかもしれません。これは運輸局などもかかわるところでありまして、国ともいろいろと協議をさせていただきながら、法改正の後、外国の方が安心して充実した旅が楽しめるように、我々も受け地としてのホスピタリティーを高めてまいりたいと思います。
詳細は局長のほうからお答え申し上げます。
◯副議長(福間裕隆君)門脇観光交流局長
◯観光交流局長(門脇誠司君)それでは、私のほうから補足答弁をさせていただきたいと思います。
まず初めに、ランドオペレーターの関係の御質問がございました。これまでランドオペレーターは、実は、登録制ではございませんで、いえば、どなたでもできるといった状態のものが、今般登録制に変わってくるというふうに承知をしております。そういった中でも、先ほど知事からもございましたけれども、具体のところがどういった格好になってくるのだろうかということが一番大事な部分なのだろうと思います。これは、いずれにしましても、動き始めた中できちんとウオッチをしていくということなのだろうと思っておりますので、そういったところをよく見ていきたいというふうに思っております。
また、通訳案内士の関係でございます。先ほど知事からもございましたけれども、一定程度の相場的なものがあるにはある。実は、通訳案内士ではない方の相場というのは、正直はっきりわからないところがあるのですけれども、一番高いのは、やはり国レベルの通訳案内士の方、これが、例えば1日当たり3万円程度、それよりも山陰限定の方の場合は少し安いといった水準で、そういった業務を行っていらっしゃるというお話をお伺いしています。いずれにしても、少しこれからどういった動きになるかというところをまたウオッチをさせていただきながらということにはなろうかと思っております。
◯副議長(福間裕隆君)12番浜田議員
◯12番(浜田一哉君)ありがとうございます。
通訳案内士の活躍できる職場といいますか、その幅を、やはりどういうことができるかということ、例えば、先ほど質問した民泊の中でも、そういった需要はあるのではないかなというふうに思うのです。なので、いろいろなそのケースに応じて、せっかくたくさん登録されているので、こういったことがサービス提供できますよというものを、山陰インバウンド機構なりなんなりからそういう発信をしてほしいのですよ。なので、県のほうにおかれては、どういったことが考えられるか。
例えば、大きいイベントがあったときとか大型のクルーズ船が入ってきたときに、どかっとおりますよね。繁華街におりたときとか、わいわいがやがやどこへ行くかなといって、ウインドーショッピングみたいな感じで終わってしまう可能性も高いと思う中で、その通訳案内士が、例えばシャツとかジャケットに通訳案内といって、英語、韓国語、中国語というような、その人たちがまちの繁華街といいますか、人がたくさんいるところを歩いて行く、そういったいろんなサービスを県のほうで試行的にでもやってみられないかなと思うのです。そこでいろんな観光客と接触して、そういう困ったことがあったらどうぞみたいな、何かそういうフレーズをつけて、いろいろな言葉、言語に対応できるような。やはり外国語をしゃべる場がたくさんないと、通訳案内士さんも、せっかく登録して勉強したのに半年間何もしなかったというのでは、やはり何となく勘も鈍って忘れてしまうと思うのですよ。そういったことは考えられないでしょうか。
それと、もう1分しかないので、もう一個、最後に、民泊事業は本当に可能性の大きいものだと思っていまして、通訳案内士も女性活躍という言葉、あと外国人の雇用などということもありますけれども、本当にそういったことにつながると思っています。民泊についても、定年退職されたような方が、では、そういうのだったら奥さんと二人で二人三脚で、子供たちももういないようになったし、やってみようかなという、チャレンジしようという人もあると思うのです。だから、本当、枠は鳥取県から住居地域を除けば、もう土地はなくなってしまいますので、ぜひもうちょっと寛容に、例えば、人数が多いときはちょっとだめだけれども、何人以下だったらいいよとか、やはり商業地域なんてほとんどないですから、特例を職業だけで判断するのはちょっとどうかというふうに私は思いますが、所見を伺います。
これで質問を終わります。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田県議から重ねてお尋ねをいただきました。
いろいろとお話も伺いながら、関係者とも議論すべきことがあるなと思っておりまして、結論から申し上げれば、通訳案内士の皆様とよくまた協議もさせていただいたり、また、それを活用できる、民泊のお話もございましたけれども、いろいろな各方面の御意見も聞いて、例えば、その登録状況をどこかにプールして、山陰インバウンド機構さんでも結構かと思いますけれども、紹介できるような体制をつくるとか、何らかの工夫ができないのかなというふうに思いますので、今は制度改正の変わり目でありますから、関係方面との協議をしてみたいと思います。
お話として、例えば繁華街に行って、そこで何語とかいうことをつけて歩いてというようなお話もありましたけれども、ちょっと想像してみると、私だったら、危険なので、ついていかないかなと思います。外国に行って、何か私が通訳しますといって、ぼったくりではないかというふうに思われますので。だから、むしろ、どちらかというと、きちんとしたルートで紹介したほうがいいのかなと思います。そんな意味で、どこかで登録をしながら、活用したい人は、大体今はこのぐらいで御紹介できますよということを使わせていただくのが本当かなという気がいたします。
ちなみに、おもてなしとして外国語をしゃべれますよということをお示しして非常に和んでいただこうということでは、今、関西エリアで、例えば韓国語、英語といった、そうしたバッジをつけまして、それでホスピタリティーをしようというのが広がり始めています。こんなようなことを本県としてもやるのも一つの手かなというふうに思います。
今、山陰インバウンド機構さんも、実は、ファムツアーなどでこうした通訳案内士を活用されておられます。また、私ども県の事業でも、テレビ電話方式で通訳をするというサービス、これで通訳案内士にも活躍をしていただいております。やはり、研修も受けておられますので、非常に適切に、例えば、今、米子駅から水木しげるロードに行きたいのだけれども、どうやって行ったらいいですかというような、そのときに対応できる、頭の中にもある程度の地理が入っていたり、行くのだったら、あそこが見どころですよというぐらいの話ができる、そういうような知識もあったりしますので、そんな方がやはり活用できるジャンルというのは多分あるのだと思いますし、そこに今、なるべく使いこなすといいますか、張りついていただけるように、県事業などでも活用しているところでございます。120名が総数でございまして、ロシア語やフランス語も新しく加わったところであります。そうした通訳案内士を山陰でせっかく育成したので、これが地域のインバウンド観光の大きなツールになるように、我々関係機関、島根県も含めまして協議をさせていただきたいと思います。
◯副議長(福間裕隆君)暫時休憩いたします。3時25分より再開いたします。
午後3時16分休憩
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午後3時25分再開
◯議長(稲田寿久君)再開いたします。
引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
29番前田八壽彦議員
◯29番(前田八壽彦君)(登壇、拍手)6日間にわたる一般質問の論戦も、私で最後となりました。私は、県出資法人等の県の関与のあり方についてを議題といたします。
申しおくれましたけれども、県議会自由民主党の前田でございます。どうぞよろしくお願いします。
私は、今定例会に当たり、県出資法人等の運営の適正化、活性化を願い、県の関与のあり方について質問したいと思います。
県出資法人については、監査委員の財政的援助団体等監査や県議会へ経営状況を報告させるなど、県は、その運営の適正化や事業効果に平素から注意を払っておられると思っております。しかしながら、こと人事に関しては、人事権が及ばないとの理由のもとで、県出資法人等に対して意見を述べることもなく、当該法人の独立性を尊重していると考えております。
なお、ここで私が意味している人事権は、プロパー職員に対してではなく、県職員出身者に関してであることを念のため申し上げておきます。
ところで、県は、平成16年12月16日付で鳥取県職員退職予定者人材情報登録制度実施要領を施行しております。これは、県退職予定者の再就職に関し、県における情報提供窓口を一本化することにより、透明性、公平性を確保する目的であろうと推測をしております。同時期に同様の制度をつくっている岩手県は、企業からの求人に対しても対応することとしておりますが、私は、本県の制度は県出資法人への人材情報に限っていると判断しております。民間企業は往々にして県と利害が絡むこともあり、厳に慎むべきであると思います。
本論に返りますが、この制度は、県出資法人等への人材情報を提供することによって透明化を図っている趣旨からすると、それなりに効果はあると思っております。この運用は、県は関与していないよというような、単なる外向けのポーズではないでしょうか。
私は、県の出資法人等を利害関係団体と認定していることによって、この制度ができているのではないかと推測しております。ですから、県は関与していないことを強調しているのではないかと思っております。
私は、天下りという定義は、主に官庁から民間団体等へ官庁出身者を強制的に押しつけることであると理解しております。また、役人出身者が関連団体や出資法人等の理事長等に就任し、その団体を利権化したり退職金を二重に受け取る等のケースも天下りの一種であると思いますが、本県の県出資団体の場合はそれには該当しないと思っております。県出資団体を天下りであるとの、この考えの延長上で出資法人の独立性がとうとばれ、人材の関与もしないし、人事権は及ばないとの整理になったのではないかと思っております。
県出資法人等は、ほぼ全てが県の行政の一端を県費により運営されているのであり、法的な根拠はないにしろ、幹部の人事権を含めて指導、監督する必要があると思っておりますが、平井知事の所見を伺います。
今年6月1日現在で、県職員出身者で公的団体等に就職した方は162人おられますが、県出資法人関係で34法人のうち25法人に36人が就職をされております。その年齢内訳は、65歳以上10人、64歳5人となっており、今年度末で65歳となる者が半数近くを占めており、特に65歳以上が3分の1になるという状況にあると聞いております。このような状態は異常であると思いますが、平井知事はどのようにお考えでしょうか。所見を伺います。
一方、今後の県職員退職者に関しては、公的年金の支給開始が段階的に60歳から65歳に引き上げられております。本年度末の退職者の年金支給開始は63歳だとも聞いております。このようなことから、県として県出資法人の就任期間を含めた人事のあり方について関与していく必要があると思いますが、知事の所見を伺います。
次に、人材情報や、その団体の業務にふさわしい人材の紹介についてであります。
私は、新たに県出資団体の幹部職員の人材紹介制度、すなわち副知事、総務部長、行財政改革局長で組織する幹部職員人材紹介システムをつくり、現在の人材登録制度と併用させることにより、透明性、公平性、さらには説明責任を担保してはと思いますが、平井知事の所見を伺います。
今回の質問では、私は元県職員であったという経歴から、随分申し上げにくいことをあえて申し上げました。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある、人とすみかと、またかくのごとし」。時は流れ、人の心も移ろうものであります。私の思いを「方丈記」の一節に託し、壇上での質問を終わります。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)前田県議の一般質問にお答えを申し上げます。
前田県議は、私どもの先輩でもいらっしゃいまして、県庁の中のこれまでの組織のあり方とか人事のあり方とか、いろいろとよく御認識いただいた上での御発言でございますので、まず申し上げなければなりませんのは、重く受けとめるべき性質のものだというふうに申し上げたいと思います。
その上で、いろいろと御提言いただいたりお話をいただいたことにつきまして、若干私どもの考え方、それから考えるべき点につきまして、私なりに考えておりますことを申し述べさせていただきたいと思います。
議員のほうでお話がございましたように、以前からこの当県の人事システムとして、OBのことにつきましては変化がございました。従来、よく天下りと言われるお話がございます。ただ、西尾県政のときももちろんそうなわけでありますけれども、昔からその辺の不透明感であるとか、それから何か県職員が不当に高額の報酬を得ているのではないかとか、退職金を重ねて取っているのではないかとか、それに人事系統が関与しているのではないかと、こういうことを言われるわけでありまして、先般、文部科学省で大学への人事あっせん、OBのあっせんの事案が問題になり、これがその後、加計問題にも飛び火するような形になりました。あのときに、やはり世論が指弾したポイントというのは、いまだにそういう天下りということを陰に隠れた形でやっているのではないだろうか、甘い汁を公務員が吸っているのではないだろうかと、こういう趣旨のお話でございました。
実は、本県は多分、独特だと思っています。私もほかの県をいろいろ経験しておりますし、国のほうも見てきている上で、あえて申し上げれば、西尾知事のころに襟を正した面がございまして、OBの方々について、確かにある一定の格付の方は、その後の役職をお世話いただくということはあったと思います。ただ、その際に申し合わせをしまして、当時、公益団体の協議会のようなものを組織して、それでお互いに話し合いをしたり共同で監査をして適正化をしたり。
前田議員はよくわかっていると思いますから、別にメモをとらなくても大丈夫なような話ばかりでありますけれども、そういうことがございました。覚えておられると思います。いや、どうぞとってください。
そういうことがあったわけでありまして、そういうところでの申し合わせがあり、実は県庁の中でも、給与をもう取り過ぎないように、実はかなり制限をした形で、たとえ理事長職であっても、給料もある程度抑制をしていました。皆様も他の地域の方々、民間の方々もいらっしゃるので、ほかの市役所とかと若干流儀が違うかもしれませんが、大体20万円とか、せいぜい30万円とか、そのぐらいしかOBはもらっていないのですね。しかも、退職金は辞退をするということで、鳥取県は実は西尾県政の時代、規律を持って動いておりました。その枠の中で、実は人の行き来ということは、確かに県から団体へということはございました。
しかしその後、やはりそうした天下りではないかということはいろいろと言われるわけでございまして、それで、さっき岩手のお話がございましたけれども、当時も大分勉強したものでございまして、そういう人材バンク制度というのがあるではないかと。これはたしか議会でも御提言があったと思います。そうしたアイデアをいただきながら、人材バンクに登録をして、人事はかかわらずに、それでお世話をする、先輩が後輩を、あるいは場合によっては、もうことしはいないから中で登用しようとか、また団体のほうも、今プロパーの人がいるけれども、やはり県庁職員は優秀だし拾ってみようという方々の交差点として、そういう人材バンクをつくらさせていただき、今でも確かにそれは機能していると思っていただいて結構かと思います。ただ、その人材バンクをつくるのとあわせまして、片山知事のときなんですけれども、そうしたかつての申し合わせであるとか、それから公益団体の共同組織、そういうものは順次、やはり同時に廃止されていっているのですね。その後はそれぞれの自覚においてやるということで、それぞれの団体なり、あるいは実際に再就職されたOBの方の考えなりがかなり色濃く反映されるようになってきているところでございます。
それで、議員が先ほど、「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」という皮肉をおっしゃいましたけれども、確かに65歳以上の人というのは、かつてはほとんどいなかったはずです。それは、そういう内部規律がございまして、いわば申し合わせ、それから県庁も裏で関与していた時代には、その辺はおのずからコントロールされていた面があったのですけれども、そこが自律のもとになってしまって、今、かなり以前とはさま変わりしている面があって、議員が65歳を超えている方が多いのは従来にない異常な状況ではないかというのは、確かにそういう面もあるのではないかと思います。
そういうようなことでありますし、また、処遇のこともあると思います。私も就任した後も若干透明性を高めようということで、内部の財務状況などをつまびらかにするようにしたり、その再就業の状況につきましても、これも公開をするということをさせていただいたりして透明化をしていることはいるのですけれども、ただ、それでおのずから適正化されるはずではあるのですが、ただ、問題が生じないとも限らないということはあろうかと思います。
ですから、今は63歳まで年金不支給ということがあるなど、外部環境も変わってきている中で、どういうふうに、ではもう一度仕切り直しをする必要があるのか、するとしたらどういうことなのかということを考えなければいけないかなというのを、今お伺いをしていて思いました。
ちなみに、年金不支給のことは年次で動いてきております。国のほうでも、自由民主党さんの中でもそういうことを定められたのですが、公務員自体の定年年齢を上げるべきだということで、65歳に引き上げることを検討し始めたのがこの年末です。ですから、いずれそこは解消されてくるのかもしれませんが、ただ、そういうようなOBになられた後の給与の状況などもございますし、いろいろと考えなければならない側面もあるのではないかと言われれば、それもそのとおりかもしれません。
私どもは今、定年と、それから年金支給年齢とのギャップにつきましては、再雇用ということを、これは他の自治体でもやっておりますが、従来の処遇ではないですけれども、技量を生かしていただくという意味での再雇用ということの募集をかけたりして補っておりますし、これは国もそうです。そういうことを始めているところでございますが、そうした年齢のこともある程度考えに入れながら、きょうも御発言がございましたので、どうですかね、前田議員の率直なお話も伺いたいのですけれども、正直申し上げて、最後におっしゃったように、もう一度人事が乗り出して、彼はここに、いつから罷免するということをやるところは、やればやれなくはないと思うのですが、これまた天下りそのものという指弾を受けかねない面もあろうかと思います。
他方で、議員が冒頭におっしゃったわけでありますけれども、何らかの指導性を発揮すべきではないかということもあります。現実にも今、公益法人の認定に関する法律の中で、給料を不当に高くしないということも盛り込まれていまして、そういうことに反する場合には勧告権が所管地方公共団体なり行政庁のほうに与えられています。ですから、完全に野方図というわけではないのですね。そういう法律関係もございますし、また、世の中の方々が、我々は公務員の端くれでありますけれども、何か退職後もいい目をしているのではないかと言われること自体が片腹痛いことがございまして、こうやって抑制的にやっているということであるとか、就職も自分で探している、あるいは先輩に紹介してもらったとか、そういうようなことでやっていますよということをむしろ言いたいということもありましょうから、そこの調和をとって、何らかの方策を考えるのがいいのかなと思います。
一つのアイデアとしては、かつてそういう申し合わせがありました。そこには給料水準のことがあったり、退職金はもらうまいということがあったり、さらに年齢もある一定のところで抑制されてとまっていたという過去の実務もありました。ですから、そこらは御自身で最終的には判断いただいたり、それぞれの団体の意思決定の問題には帰着をするわけではありますけれども、ルールなりガイドラインなりを共有させてもらう、それで余りにも余りあるところがあって、その場合には公益法人法に基づいて勧告をする、例えば給与水準が余りにも高くなっているし、急に給料を上げよったというような人がいるかもしれません。そういうようなときには指導性を発揮するということも前提としながら、こういうような水準でどうでしょうかということを共通理解として持つことから、今おっしゃったような問題意識に応えていくことはできないだろうかと思っております。
県民の皆様の税金で食べている我々公務員でありますので、必要不可欠なのはやはり身を律することであります。ですから、自分たちで都合のいいように人事をするということではなくて、ただ、誰が見てもその程度ならしようがないかという、あり得ることだなあと、むしろそんな安い給料だったら民間のほうも公益団体もメリットがあるわなというふうに思ってもらうぐらいの、そういう一定のルールを、昔、西尾県政のときにしっかり持っていたような形で再度共通化するというのは一つ考えてみたいなと思っております。
◯議長(稲田寿久君)29番前田議員
◯29番(前田八壽彦君)ありがとうございました。
知事の御答弁をいただきまして、問いかけもあったようですからお返ししたいと思うのですけれども、私はやはり県出資法人等の幹部ポストが既得権化しないような規律性を、自発的でもいいです、確かに申し合わせでもいいのですけれども、やはり何らかのルールをつくっていく必要はあるのではないかなと、このように思っています。そのことが私はやはり既得権化を防ぐ一番大きなツールではないかと思っておりますので、これで質問を終わりたいのですけれども、もしも何かありましたら、どうぞよろしくお願いします。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)前田議員が今いろいろと御意見を述べられたわけでありまして、確かにおっしゃるように、自由化したわけですね、要は片山県政のときに。それまでは、西尾県政時代は基本的には統一していたものが自由化された。それは片方で透明性を高めるということもあったのですけれども、みずからタッチしないということのためにかえって、今おっしゃいましたけれども、少し度が過ぎることが生じる可能性が出てきているということだろうと思います。そういう意味で、一部、旧に復することも必要なのかなというふうに思います。
御案内のように、それぞれの公益団体は非常に大事な仕事をしていまして、特に私ども県の関係者が退職後ということになりますと、所望されればそういう団体に行くわけでありますけれども、その力量によっていろんな、例えば農業行政であるとか、それから商工行政であるとか、文化振興であるだとか、そのいわば県庁という公的セクターに準ずるところの動きがよくなれば、それだけ世の中が活性化するということもあります。そういう意味で、みずからのためというよりは公益のためにきちんと仕事をしていただく、その意味で、余りにも人事が固定化しないように、そうやって風通しをよくして新たな、さらに優秀なリーダーを次々輩出していく、そういうことが必要なのかもしれません。
野村沙知代さんを失われた野村克也さんの言葉の中に、「組織というのはリーダーの力量以上には伸びない」、こういうように言い切っておられたのが印象的であります。リーダーをどういうふうに求めるかというのは、やはり我が国の実情としても、地域の実情としても大切な課題になると思います。
大変に貴重な御提言をいただきました。前田議員のきょうの御提言を踏まえて、どこまで我々がうまくルール化できるかはありますけれども、きょうの御趣旨に沿って、適切なリーダーによって公益団体がいい仕事ができるように環境づくりをしてまいりたいと思います。
◯議長(稲田寿久君)これをもって県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。
これより議案を付託いたします。
まず、議案第23号「平成28年度決算の認定について」は、決算審査特別委員会に付託することに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議はないものと認めます。
よって、議案第23号は、決算審査特別委員会に付託することに決定いたしました。
次に、議案第1号から第22号まで、第24号及び第25号は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりであります。これも、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後3時51分散会
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