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  1. 鳥取県議会 2017-09-01
    平成29年9月定例会(第9号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(稲田寿久君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。  それでは、議案第1号から13号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  17番伊藤保議員 ◯17番(伊藤保君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  きょうは、議員として、政策提言並びにチェック機能を果たす立場で、通告に従って3点の課題について質問をしたいと思います。  まずは、今後の和牛振興についてから質問をいたします。  5年に1度開催され、和牛のオリンピックとも言われている第11回全国和牛能力共進会が、9月7日から宮城県仙台市で「高めよう生産力 伝えよう和牛力 明日へつなぐ和牛生産」を大会テーマに開催され、我が鳥取県からも、種牛の部に12の畜産農家から18頭、肉牛の部に名和の畜産農家から8頭が出品され、この5年間をかけて各県で改良されてきた立派な牛たちが、体形の美しさ、肉質のよさを競い合いました。結果、和牛全共の華とも言われている7区、種牛と肉牛の総合評価群において優等賞2席に輝いたほか、第4区の系統雌牛群で優等賞4席に入賞、第2区、第5区、第6区、第7区、第9区で優等賞に入賞するなどして、総合成績も5位になるなど、過去にない成績を残しました。  大会には、知事を初め多くの県議会議員の皆さんも駆けつけられ、鳥取県の牛が入場するたびに鳥取和牛と書かれた大きなのぼりのもとで声援が送られ、和牛全共で入賞することの厳しい現実を目にいたしました。  これまで何度となく不振をきわめてきた我が県にとっては、このたびの成績はまさに快挙であり、鳥取和牛が全国に名を連ねることができた大会でありましたが、平井知事に総括的な感想を伺いたいと思います。  このたびの快挙は、鳥取和牛の復興、鳥取和牛の全国区を目指して愛牛と苦楽をともにされてきた畜産農家の皆さんの努力の結果であることはもちろんでありますが、今は亡き琴浦町の生田英則さんの改良努力により誕生したスーパー種雄牛白鵬85の3がその源であります。しかも、今では和牛の本場と言われている宮崎や鹿児島県は飼育頭数が鳥取県の25倍、30倍以上と言われ、数ある中で選抜する県と、絶対的飼育頭数が少ない中での鳥取県の場合を考えれば、非常に価値のある入賞であると思います。  このたびの大会は、確かに白鵬85の3の持つ能力が全国的に認められた大会でもあったわけでありますが、鳥取県にとって今大会は出発点であり、時代とともに新たな和牛能力が求め続けられる中、現状に満足していては、次期大会での入賞は困難なものになると思います。県としてさらなる和牛振興を進めるための方策について、平井知事にお伺いいたします。  次に、睡眠教育についてお伺いいたします。  この睡眠教育、略して眠育と言われていますが、初めてお聞きになる方もあるかと思いますので簡単に説明しますと、睡眠が果たす役割を正しく理解し、規則正しい生活習慣を身につけるための教育のことであります。今、文部科学省でも注目され、全国各地で学校を挙げての取り組みが進められております。  そこで、きょうは眠育について、知事並びに教育長と少し議論をしたいと思います。  昔から、寝る子はよく育つと言われていますが、医学的根拠はないと思っていましたが、専門家の先生に聞いたところ、1歳から3歳までの間は脳がつくられる時期で、前頭葉の海馬の発達には十分な睡眠とよい睡眠が必要とされているそうであります。睡眠不足が続いたり睡眠障害が起きると脳が過労状態に陥り、朝起きたくても起きられなくなってしまったり、成長ホルモンがうまく分泌されなくなり、自律神経の乱れの原因になるとも言われております。  文科省の「データからみる日本の教育」によると、小学生の睡眠時間がこの30年間で40分も減少しているとのことであります。県内でも共働きの家庭がふえる中、深夜営業のコンビニやスーパーで親子連れの買い物客を深夜、目にすることがあります。それぞれの家庭の事情で子供を連れ立っての買い物だと思いますが、保護者の皆さんに、子供にとって睡眠を十分に確保することが大切であるという情報を子育て家庭に提供しながら、医学的にも正しく理解していただく必要があるものと思います。
     幼児教育を主体的に管轄されている県として、今日までの県の取り組みについて平井知事に、小・中・高等学校については山本教育長にお伺いいたします。  続いて、県育英奨学資金についてお伺いします。  過日、私のところへ苦情が届きました。7月末で払い込み期限の県育英奨学資金の返済をコンビニで期限内に払い込みをしたのに、8月22日付で督促状が届き、大変驚いた。これまでもおくれることなく納付期限を守り、きちんと納付をしてきたのにショックでしたとのことでありました。  納付期限内に納付された奨学金の返済者に督促状を出された事案がどの程度あったのか、なぜこのような事案が発生したのか、山本教育長にお伺いし、壇上での質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員一般質問にお答え申し上げます。  まず、和牛振興につきましてお尋ねがございました。今回の全共を通じて鳥取和牛が全国に名を連ねることができたのではないか、その感想やいかんということ、また、白鵬85の3、これが全国に認められたわけであるけれども、次回の大会に向けましてさらなる和牛振興を進める方策はどうだろうかと、こういうお尋ねでございます。  議員のほうでも御指摘いただきましたけれども、今回は大きな意味のある全共だったと思います。前回の長崎全共、いろいろハプニングもあって、伊藤議員にもいろいろお心を痛められたところでありましたけれども、さまざまな反省を踏まえまして、今回は万全な体制で向かおうと。正直、県職員の投入であるとか周りの方々の協力は前回以上だったと思いますし、また、尻上がりにムードが盛り上がっていって、これは肉牛のほうもそうですし、種牛のほうもそうでありますが、それぞれに生産者が団結をして、お互いに支え合って叱咤激励も含めてやっておられました。伊藤議員も現場の宮城のほうに行っていただいたわけでありますけれども、ある参加者の方が述懐されておられましたが、仲間の牛飼いの皆さんに随分言い過ぎることもあったと、とにかく勝利を目指して頑張ろうという、まるで国体の選手のような、そういう厳しさも含めて非常な決意で向かわれたと思います。  実は昨日、この議会が散会した後、西に向かいまして、西部の皆さんの今回の和牛全共のいわば祝賀会を兼ねた賞状等の伝達式に立ち会わせていただきました。私も何回か全共の場を経験させていただいたわけでありますけれども、壇上にずらっと並んだ背の高いトロフィー、そして数々の賞状、それからメダルであるとか、もう本当に壮観でありました。机が1つでは足りず、2つ、3つ占領するぐらいの数でありまして、壇上に上がられる方が、それぞれにみんな賞状とトロフィーが当たるわけですね。実は、西部のほうは参加者全部が優等賞に輝いている方々ばかりだったということもありますが、それはそれは見たこともないぐらい壮観でありました。あのトロフィーや、あるいは数々の賞状などを入れるだけで牛小屋が一つ要るぐらいな、それぐらいのにぎわいでありまして、今までなかったことが確かにここで起きたわけであります。皆さん感激も新たにされておられましたけれども、少ない人数の中で、また少ない愛牛の中で私たちがこの勝利を手にすることができたことは、功績と言っていいのではないかと思いますが、次への道を誓い合った、そういう瞬間でもありました。  そのとき、ある参加者の方が次の鹿児島全共をにらんでおっしゃっておられましたけれども、霧島よりも高く、桜島よりも熱く、そして錦江湾よりも美しく、私たちは次の鹿児島全共で闘っていきたいと、こういうお話でございました。胸が熱くなるような思いがいたしましたけれども、歴史をつくったなと、そんな大会であったのではないかなというふうに思います。  今回は、数々の方々の輝きが見えたところでございまして、例えばとうはく畜産では9区のほうに出品されました。優等賞に輝かれたわけでありまして、優等17席ではありましたけれども、しかし、序列をつけて183頭の牛の中で優良枝肉賞をとったのですね。これは、落札される食肉業者のほうでベスト5を選ぶ、そういうものでありまして、そこにとうはく畜産さんが入ったということは大変に大きかったと思います。山下畜産さんも8区で健闘され、1等賞という輝きを得られましたけれども、それにも増して、また7区のほうでは藤井さんが、枝肉の1位を、ほかの岸本さん、西田さんと一緒にとられたわけであります。  実は、非公式ではあるのですけれども点数化しまして、出品牛180頭ぐらいを序列をつけます。その一番上にあった名前が藤井さんでありました。そういう、いわば白鵬85の3という名牛に恵まれたこともありますけれども、それだけ肥育の技術を発展させてきたこと、また、戦略的にもゲノム育種価であるとか人工授精であるとか、この議場でも議論されたような最先端の技術を鳥取県がいち早く取り入れてやってきたこと、それがそうした成果に結びついたのではないかなと思います。  また、4区のほうでは農大の牛も出品されていました。農大の皆さんも活躍されておられ、これも初めて優等賞の中でも4位という序列を得ました。審査の経過を見ていると、ひょっとすると一番上になるのではないかなというぐらいでありまして、最初に審査員から上位牛として選ばれたのが鳥取の牛だったものですから、私も思わず立ち上がって歓声を上げさせていただいたわけでありますが、その後、鹿児島やら大分やらが上へ入りましたけれども、誰が見ても問題ないグループであったと。なぜか。それは肋張り賞に選ばれたことからわかると思うのです。体の体形がすばらしかった。そういう特別賞をここでとられておられたわけであります。その中に農大の皆さんの牛が入っていたわけであります。倉農も活躍をしました。優良賞という結果ではございますけれども、こちらもつむぎを今回出品されまして、その中で高校生たちが頑張った、その成果が出たと思います。  実は倉吉農高は乳牛しかつくっていないのです。その中で和牛を育てる。これは学校の方針もあったのかもしれません、同じような餌代、同じような餌の中でやったりするものですから、結構ハンディキャップがあったと思います。そういう中で大切にこの牛を育てた子供たちは、いずれ和牛にかかわりたいというように言ってくれているわけです。特に今、倉吉農高に通っておられる宮崎さんという女の子、お父さんお母さんは今回の和牛の団長さん御夫妻でいらっしゃいますけれども、堂々と4区の解説員まで引き受けておられまして、大変に神々しいほどのものがありました。つまり、若い方々に鳥取のこの今回の全共の和牛にかける思いというのが確実に伝わったような気がいたします。成果も成果でありますし、未来に向けても道筋をつけることができたのではないかなというふうに思います。  今回のこの勝因の一つに、議員のほうで白鵬85の3のことをおっしゃいました。藤井さんの牛もその成果であります。白鵬85の3は、BMS9.6、それからロース芯面積も72.2平方センチメートルと、非常に大きくて立派な、しかも効率のいい牛でありまして、人気も高いです。  今回この全共が終わった後、実は問い合わせが殺到しておりまして、どうやったらこの白鵬の血筋が手に入るかといったような話でありますけれども、なぜかというと、和牛の農家の皆さんが、外れがないということをおっしゃるのです。これは全国の皆さんです。実はそれなりに成績のいい牛というのはあるのですけれども、後代検定という検定をやりますが、その中で出てくる結果がある程度数字がいいものも当然出てくるわけでありますけれども、外れがない。ですから今回3頭出して、BMS値でいいますと12、12、10であります。12、12、12ということになると、もうかつてないようなことでありまして、12、12、10だけでも圧倒的に他を引き離したのです。そういうわけでありまして、サシといわれる高級肉の代名詞、このサシの横綱と言っていい白鵬85の3でありました。  先般、石浦関の結婚式がありまして、県民を代表して私もメッセージを伝えに参列させていただきましたけれども、その席で、当然事実上の親方の白鵬関も宮城野親方と一緒におられました。そこで、白鵬関は先場所休場されましたけれども、その鬱憤をうちの白鵬85の3が宮城で晴らして優勝しましたと言ったら、白鵬は大変喜んでおられました。そんなようなことで、やはり強い牛が今回いたということだと思います。  では、これは今後どうなるかということでありますが、その辺に向けては、やはり和牛改良をさらに精力的にやらなくてはいけないことだろうと思います。考えてみますと、生田英則さん、琴浦町の方、平成23年に天へ召されました。息子さんも実はその直前にやはり同じ道をたどられたわけであり、牛舎を閉めるということにもなりました。そのとき残された牛が白鵬85の3でございまして、畜産試験場のほうで、それを今回見事に宮城の地で花開かせることができたわけであります。  これも、議場で御議論いただいた県外からの雌牛の導入事業の一環から始まっているわけでありますし、こうしたことを今後もさらに拡大し、強化していけばいいのかなと。成功したことを、それを我々としてもさらに伸ばしていく、そうしていくことが一つの次の勝利への道筋になると思います。現に今、そうしたことでスーパー雌牛の導入みたいなことも新年度に向けても考えてもいいのではないだろうかと思います。昨日の祝勝会の中でも、和牛農家からそういうことを求める声が上がりました。この勢いを次に続けるためにも外からの導入は大切であるということかと思います。  現実問題、今どういう状況かといいますと、白鵬85の3、それから百合白清2の後続を私どもも今仕込んでいるところでございまして、具体的にまだ未完成といいますか、まだ途上ではありますけれども、1頭は隆福也、それからもう1頭は元花江という、そういう牛がございます。この隆福也は、隆之国という宮崎系の牛、これに私どもは、今回出場チームの中にいました谷口さんのところのふくふくという雌牛をかけ合わせたものでありますが、今はまだ後代検定にいっている途中でありますけれども、現在までの状況ではBMS10を超える勢いであります。ひょっとすると白鵬85の3を上回る能力が示されるかもしれない。また、今、白鵬85の3と同程度ぐらいいくかもしれないのが元花江でございます。これは名牛と言われます安福久、これと、それから、もとはな2をかけ合わせたものでありますけれども、BMSの予想は今9.6ぐらいでありまして、ひょっとすると白鵬85の3並みということになります。我が鳥取県としても、今回証明された一定の力というものをきちんとこれからも発揮していけるように精力を傾けてまいりたいと思います。  今回、会場のほうには生田さんの息子さんの姿もありました。先生方もお会いになったと思いますけれども、今、農大に通っていて、その前はつむぎをつくっていた。つまり、倉吉農高でその牛を育て始めた時期のお子さんですけれども、また牛舎を開いて、これから和牛を飼うということを言っておられました。そうして、このような形で後継者、次の世代というものもつくっていければと思います。できるだけ早く、次の全共に向けての体制を再構築させていただきたいと思います。  次に、睡眠教育につきましてお尋ねがございました。  これは教育長のほうからもいろいろ詳しいお話もあろうかと思いますけれども、睡眠にはいろいろな効用があると言われています。例えばストレスを解消する、それから成長を促進する、また、レム睡眠という睡眠については、これは記憶の整理をしたり頭の中の発達、これに役立つというふうに言われています。  子供のころは、特にこの睡眠の効能というのは大事な時期でありまして、子供の睡眠には特徴があると言われています。乳児期は1日のうちの3分の2を睡眠する。それは寝る子は育つという私たちの言葉にも象徴されるわけでありまして、やはり睡眠というのが、子育て、子供の成長にとって何よりも大事だということになります。  特に、先ほど申しましたように脳の発達の時期であるからかとも思われますけれども、レム睡眠がその睡眠時間の半分と言われています。成人の場合は2割がレム睡眠でございますので、それから比べますと非常に時間が長い。ですから、その間どんどんと人間として発達していく。それを支えるもとになるわけであります。それから、子供の睡眠は深い眠りも多いというふうに言われているところでございます。こういう子供らしい睡眠というものをしっかりと確保すること、これが親や社会の責務ではないかと思います。  本県におきましては、1歳6カ月健診や3歳児健診、こういうときに睡眠の効能というものも説いておりますし、また、関係者のほうにもそうした研修活動などもやっているところであります。教育委員会等と一緒に心とからだいきいきキャンペーンをやっていますが、まさにそれはそうしたことが入っているわけでありまして、しっかりと子供らしい必要な睡眠をとること、これを本県としてもいろいろな形で啓発をしたり促進活動をしたりしてまいりました。きょう新たな問題提起もいただきましたので、さらにそうした活動を強化していくことが大切だと思っております。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)伊藤議員一般質問にお答えを申し上げます。  初めに、睡眠教育取り組みについてのお尋ねがございました。  児童生徒を対象にしては、当然この睡眠の大切さというのは学習指導要領上も記載がありまして、それぞれ発達段階に応じて教育を行うわけですけれども、高校あたりになりますと睡眠の質について、例えば夜型の生活をすると、この睡眠の質が下がってくるのだと、それに伴って生活習慣病につながったりすることもあるのですよというようなことを保健体育の時間等にも教えている。そういう意味では、医学的見地からの教育も行っておるところでございます。  また、幼少のころは、特に家庭での生活習慣というのが非常に大切であろうというふうに思っておりまして、これはもう10数年前ぐらいから心とからだいきいきキャンペーンということで、例えば朝御飯を毎日しっかり食べましょうというようなことでありますとか、外でしっかり遊びましょうというようなことを何項目か目標を掲げているのですけれども、その一つとして、たっぷり寝ようということを標語の一つとして掲げて、この睡眠の大切さを家庭あるいは地域、学校、全体で取り組んでいきましょうということで訴えてきておるところでございます。  また、社会教育の中の家庭教育でも、これは県のPTA協議会と連携をいたしまして、平成21年度から26年度にかけて、基本的生活習慣の定着をそれぞれできることを取り組んでいきましょうという中で、多くのPTAで早寝早起きの運動を繰り広げられてきております。こうした取り組み成果などをベースに昨年度それぞれの年齢層に応じてこのリーフレットをつくっておりますが、そのリーフレットの中で、幼児期の睡眠の大切さ、あるいは思春期の睡眠とホルモンとの関係等について、医学的見地からの記載も含めてこのリーフレットで啓発を行っておるところでございます。  こうした中、学校での取り組みも行われておりまして、例えば鳥取市にあります稲葉山小学校では、さわやかセブン運動ということで、先ほどお話ししたような幾つか、就寝だとか起床の時間、あるいはメディアを見る時間、あるいは朝御飯を食べたかどうかというようなことを個別のチェックシートで取り組んでいくということで、これは事前に指導を行った後、年5回、この7つの項目について、できているかできていないかというようなことをチェックして、それをもとにして個別の指導を行っていく、それを例えば懇談の中で保護者の方にも注意喚起をしていく、そうした取り組みを行っているわけでございまして、こうした取り組み、ここまできっちりやられているところは多くないかもしれませんが、多くの学校で、こうした生活チェックシートなどを使っての生活習慣の定着に向けた取り組みを行っておるところでございます。  こうしたことも反映してなのかもしれませんけれども、毎年、全国体力・運動能力調査というのを国のほうが行いますが、その中で児童生徒に、健康のために睡眠が大切だと思うかどうかという項目があって、それに大切だと思うと答えている児童生徒の割合が鳥取県の場合に97%ありまして、全国平均を上回っているという状況でございます。これまでの取り組みの成果が一定程度出ているのかなというふうに思いますが、引き続き、生活習慣の定着の中での一つとして、この睡眠の大切さを訴えてまいりたいというふうに思っております。  次に、育英奨学金につきましてお尋ねがございました。  納付を期限内に行ったのに督促状が届いて大変ショックを受けたということだったが、こういった事例がほかにもあるのか、あるいは、なぜこのような事例が発生したのかお尋ねがございました。  このたびの件は、これまで金融機関しか納付できなかった県の収納金が、今年度からコンビニエンスストアでも納付できるようになったわけでございますが、このコンビニエンスストアでの納付の利用によって発生したものでございます。  教育委員会育英奨学金につきましては、銀行口座で落としていくやり方と納入通知書で半年賦の返還時期で返還していただくやり方とあるわけですけれども、7月の納付の分からこのコンビニエンスストアでの納付を開始したわけでございます。  このコンビニエンスストアでの納付を収納しましたというデータが本体のシステムに反映されるまでに、実は2週間程度かかるということだったわけですが、このことを担当のほうが認識していなかったというのが一番の原因でありまして、その認識していなかったがために、これまでと同じ日程あるいは方法で督促事務の処理をしてしまったということで、実際には払っているのだけれども、そのデータが反映するまでに期間がある、その反映されるまでのデータで督促事務を処理してしまったということで、実際には支払われているのですけれども、担当のほうは支払われていないという認識のもとで事務の処理をしてしまったということで今回の事例が発生したわけでございます。同様の事例、この納期限内に払われたにもかかわらず督促状を発送してしまった件数は、教育委員会所管の奨学金全体で130件ございました。  もともと納期限を過ぎた後に支払われるという例も比較的多くありまして、そうした方々のデータというのは当然このデータが間に合わないおそれがありますので、行き違いで督促状を出してしまうということもあり得るわけでして、従前から、本状の到着前に既に納付済みの場合は行き違いですので御了承くださいということは納付書の中には記載されていたわけでございますが、今回は実際には期限内に払っているのにさらに督促状が行ったということで、該当の皆様方には大変な御迷惑をおかけしたと思っております。  もともと奨学金はほかの収納金と少し性格も違う部分がありまして、もともと経済的に困窮しておられる方に貸し付けを行って、それをまた苦しい生活の中でこの返還金を工面して返還をしておられるという、そうしたことも思えば、より丁寧な対応が必要だったのではないかなと思っておりまして、改めて関係の皆様方に深くおわびを申し上げたいと思います。  次回、この返還の時期が来るのが12月ということになりますので、そのときにまでには何とか手を打つ必要があると思っております。県税の収納は以前からこのコンビニエンスストアでの収納というのをやってきておられまして、この督促状の行き違いに対する工夫というのがそれなりになされているということがわかりましたので、そうした例を参考にしてデータを早くつかまえて、当面は手作業で処理をするということになろうと思いますが、12月には何とかこのような事態が発生しないように取り組んでまいりたいと思っておりますし、この収納件数も結構な件数がありますので、今後は、機械的にシステム的に処理ができるような方法についてもあわせて検討してまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)答弁いただきました。  最初、和牛の分をお話ししたいと思います。次の追及しようと思ったら先ほどもう既に知事から答弁が出てしまったのですけれども、これまでの和牛の改良というのは畜産試験場を中心に行われてきました。しかし、思うような結果を得ることができなかったということであると思います。  先ほどありましたように、生田英則さんの手によって誕生した、みどり3兄弟と言われる白鵬85の3、百合白清2、平白鵬等は、要するに県が創設した県外の優秀な雌牛導入の際に助成する事業を活用して岐阜県から購入された雌牛から誕生したもので、さらなる能力を有した和牛改良を進めるためには、過去の経験も含めて、畜産試験場だけでは私は限界があるというふうに思っております。  そこで、さらなる改良を進めるためには、繁殖農家の皆さんに、百合白清2の精液を販売して積み立てている県和牛振興戦略基金から助成してでも、優秀な能力を持つ雌牛導入を促進し、和牛改良の試験研究機関としての一翼を担っていただくことが、絶対的飼育頭数の少ない鳥取県においては、さらなる改良を進めるため、和牛王国としての地位を固めるためにも必要ではないかというふうに私は思っておりますので、先ほどもう答弁がありましたけれども、ぜひとも雌牛導入を進めていただきたいということを提言したいと思います。  それと、全共に私もずっと行っていますけれども、感心するのは、いつも上位を争っている鹿児島県、宮崎県、大分県、この取り組みというのはやはり本当にすごいと思っております。出品対象数が桁違いに多いとはいえ、素人の私が見ても本当にすばらしい牛を毎回出品してこられます。鳥取県も今、この改良と、それからさらに肥育技術、牛を育てる技術、この足をとめてはならないと私は思います。特に、次は本場の鹿児島で大会があるわけです。次の大会の鹿児島で入賞するということは、非常に価値が高いというふうに私は思っています。それを鳥取県としてどう取り組むかということで、今大会はまさに出発点でありますので、飽くなき取り組みを進めていただいて和牛鳥取をつくっていくべきと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。  次に、眠育でありますけれども、先日、坂野議員が代表質問でも不登校の問題を質問いたしましたが、私も中部振興議連の中で、東・中・西、地区別の資料が出てきたことに大変驚きましたが、さらに驚いたことは、出現率の違いを詳細に分析されていないことでありました。どちらかというと、教育委員会の対応というのは、不登校がふえたから現場が大変、だから人的配置をという何か対症療法的な部分が多かったというふうに私は認識をいたしています。  過日、私は県立総合療育センターに出向き、不登校に悩む多くの子供たちの相談、治癒にかかわっておられます佐竹隆宏医師にお話を伺いました。佐竹先生は、多くの小中学生の不登校事案にかかわられているそうでありますが、睡眠問題が全ての原因ではないわけでありますけれども、背景の一つとして睡眠問題が100%かかわっているとのことで、特に家庭の問題、友達の問題等、多くのストレスを受ける中で不登校になっている子供たちが多いと話をしておられました。  中でも、スマホが普及し、小中学生が1人1台持つ時代になりまして、深夜のLINEで仲間外れにならないようやりとりをしているうちに睡眠不足が進行しているとのことで、学校、保護者、地域で課題を共有しながら子供たちにも理解させながら、深夜のLINE規制について検討すべき時期が来ているとお話しになっておりました。教育委員会として、この現状をどう把握されているのか、山本教育長にお伺いをいたしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から、重ねて和牛改良につきましてお尋ねがございました。  議員の御指摘のとおり、雌牛を導入することの効用というのは高いと思われます。大体、和牛の世界で肉について判定する重要なポイントの一つは、BMS値であったり、それからロース芯面積であったりします。このロース芯面積の大きさだとかBMSにつきましては、伝統的に気高系を保有していた、そういう農家が多い鳥取県内では、どちらかというと不得手なところでありました。それをここ10年ぐらい、特にここ2~3年ぐらいで雌牛の導入を3分の2の助成制度ということも入れてやってきたところでありまして、急速にロース芯面積、今、平均でも60平方センチを超えるような形、またBMSも9を超えてくるような形になってまいりまして、本当に肉質が急速に向上してきております。この背景には、そうした県内には余りなかった血を入れること、そのかけ合わせということに最近努力してきた、その成果があらわれていると思います。  そういう意味で、ちょっと政策の点検はしたいと思いますけれども、できれば和牛改良の振興の会議を開催させていただいて今回の総括をし、次年度以降に向けましてどういうことをやっていくかということを話し合う中で、この雌牛導入につきましても議論させていただきたいと思います。  それとあわせて、やはり鹿児島、宮崎、大分という今回も上位を占めたところ、鳥取県はそれに次ぐレベルで5位に入りまして、小さいながらも大健闘したというふうに言われますが、正直申し上げて、飼養戸数、それから飼養頭数を見ますと、大分はうちの大体5倍近いぐらいそれぞれございますし、宮崎は20倍でありますし、鹿児島は30倍のレベルです。ですから象にアリが向かっていくような、そういう闘い方を我々はしてきたということであります。そういう意味で、非常にロットが大きいものですから、その中でいい牛を選んで出してくれば強いのはもう当たり前なわけです。私どもは少数精鋭で指定交配をしたり、それから事前の超音波測定だとか、またゲノム育種価といったようなことをやってきました。さらに今後はAIを活用して判定するような、そういうやり方を研究してみたいということもありますし、また、研究機関と一緒に、香り成分、おいしい肉というものをつくり出す、そういう研究も進めていこうとしております。  それとあわせて、特に種牛の部のほうでは、やはり背筋がぴんと伸びているかとか、そういうことは結構大事でありまして、調教とか、またそうした毛を刈る技術であるとか、そうしたところは、やはり鹿児島や宮崎は非常にうまいわけです。それが牛の見ばえをよくして種牛の部の上位独占につながるわけでございまして、私どものほうでもそうした技術を移転するために、今回、実は我々のチームの中に鹿児島からの技術者に入っていただいて全共をやりましたけれども、そういうようなことであるとか、こちらから向こうに行って研修をしてくる、そういうことであるとか、向こうから講師として来ていただいて勉強して、そのDNAをほかの牛飼い農家に広げていくとか、こうしたことも必要だと思います。  いろんな戦略をこれから話し合わせていただき、次回全共、議員がおっしゃるように鹿児島は非常に大きな意味のある大会だというようにも考えられますので、戦略的に向かってまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)伊藤議員から、重ねて睡眠についての教育につきまして、特に不登校とのかかわりの中で御質問を賜りました。  先般も坂野議員の代表質問の中で、西部地域で不登校の出現率が低いということについて、まだちょっと深く分析をする必要がありますが、西部地区では学校を含めて医療機関との結びつきというのが非常に強いということが要因として上げられるのではないかというふうに申し上げました。そうした意味で、不登校についても医学的な見地からのアプローチというのも必要ではないかなと改めて感じておるところでございますが、不登校に関連する要因につきましては、もうこれは本人の人的な特性でありますとか知的な発達、あるいは家庭の社会的、経済的背景でありますとか、養育の状況、また学校の対応など、これはもう多数、多様であろうかと思っておりまして、佐竹先生のお話のように睡眠問題が100%かかわっているかどうかというところは、ちょっとそこは私どもとしてはよくわからない部分もあるわけでございます。逆に睡眠問題さえ解決すれば不登校問題は解決するということにはならないのではないかなというふうに思っておりますが、先ほど来お話がありますように、睡眠というのは子供たちの生育にとって非常に大切なことでありまして、睡眠不足が子供たちの心と体の成長に影響していって、それが不登校のさまざまな要因のうちの一つになっているということは十分考え得ることでもございますし、また逆に、不登校になって生活のリズムが狂って睡眠に障害が起こって、それがさらに不登校を長引かせるということは十分あり得ることだろうというふうに思っております。そうした意味で、睡眠を改善していくということが不登校の改善にもつながる一つの方策ではないかなというふうに思っております。  特に近年は、議員のお話のありましたように、スマートフォン等で深夜までやりとりをするということで睡眠不足になるという状況が、これは一昨年度、県教委のほうでこうした調査をやっておりますが、その中で、困ったことと感じている中で、深夜までやりとりをしていて睡眠不足になるということを子供自身が感じているという調査結果もあります。  こうしたことから、これもPTAの協議会のほうが中心にやられまして、夜9時以降、21時以降は友達を巻き込むようなコミュニケーションメールを送ったり、あるいはゲームをやめて相手の時間を尊重しようというメディア21:00運動というのを展開されております。県といたしましても、この運動が全県の取り組みになりますようにバックアップを今行っておるところでございまして、こうしたことを関係団体などとも連携をしてしっかり取り組んでいきたいと思っておりますし、あわせて当事者である子供たち自身がこのメディアとのつき合い方を考えていく、そうしたことも必要であろうということを考えておりまして、こうしたことを自分たちで考えて発表するような、そんな機会をつくったりというような取り組みも行っておるところでございます。  こうしたことを含めて、この睡眠ということも絡めながら不登校問題への解決に向けてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)先ほど話の中で佐竹先生の話は、さっき言ったように、睡眠が全ての原因ではないが背景の一つとしてと私は言ったでしょう。さっきの発言はおかしいと思う。そこのところを、ちゃんと話を聞いてください。  子供の健全な発達には、食育とともに睡眠が不可欠であり、睡眠が子供たちの成長に果たす役割を、児童生徒を初め学校、保護者、地域等社会全体で共有することが大切であると私は思っています。まず、子供の睡眠不足が続くと発育不全、日中の集中力不足、肥満、免疫力の低下などに影響を及ぼすことを、やはり社会全体で認識をする必要があるというふうに思っています。  そうした中、今、全国各地の小中学校であらゆる眠育の取り組みが進められておりますので紹介します。福井県では県全体でその取り組みが進められているようでありますけれども、中でも美浜町では地域を挙げてこの取り組みが進められており、取り組みを始めてから5年後には、不登校はゼロになったというだけではなくて、子供たちの学力も上がったということが報告されております。大阪府堺市の三原台中学校においては、眠育を取り組むことによって生徒の欠席日数を減らす効果が上がっているそうであります。また、宮城県大和町、吉岡小学校では、2014年から昼休憩に15分のお昼寝タイムを導入して、授業への集中力が高まったと言われています。  そのほか全国各地でいろいろな取り組みが進められておりますけれども、県としても少し関心を高めていただいて取り組みを進められるべきと私は思いますけれども、教育長の所見をお伺いします。  また、先ほど知事からありましたけれども、幼児期は睡眠により脳がつくられるわけでありますが、同時に体内時計も形成される時期でありますので、幼児期教育を担当する知事部局としても、保護者の生活により幼児の睡眠が左右されることのないよう、保育現場で幼児の睡眠について改めて認識を保護者と共有すべきと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。  次に、先ほど奨学資金のお話、答弁をいただきました。130件も間違いの督促状を出したということなのです。ことしから新たにコンビニでの支払い制度を導入されたのは、大変いいことだと思いますが、一方で、どんなリスクが伴うかということも、制度を運用する前に、もう既に導入されている税務課等に問い合わせれば、もう容易に防げた話であると私は思っているのです。なぜ防げなかったのか、山本教育長にお伺いします。  私は怠慢であると思っています。また今後こうした事案が発生しないようしっかり点検していただき、無駄な仕事と税金を使わないようにしていただきたいと思いますけれども、山本教育長にその決意をお伺いしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤県議から、重ねて睡眠による保育につきましてお尋ねがございました。  考え方は共通していると思います。今、鳥取県のほうでも保育専門員を東部、西部に置きまして、また中部にも幼児教育のアドバイザーを置いて、保育所、幼稚園と連携した幼児期の人間形成、成長を促進する、そういう環境づくりを始めております。こういう意味で、保育園だとか幼稚園に対する先生方への研修事業等を強化することも一つあると思いますし、また、県政の広報手段、テレビや、あるいは県政だより等もございます。そういうようなことなどで、例えば来年の6月とか強化月間をつくって、子供の睡眠をもう一度考えてみましょうと、取り組みましょうというようなことをしたり、7月ぐらいに今度は親御さん、保護者や地域に向けまして相談を受け付けたり、またそうした取り組みを支援するための研修会等をやってみたり、少しまとまった形で新年度予算化も含めて考えてみてはどうかなというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)伊藤議員から重ねて御質問を賜りました。  先ほど、質問をよく聞き取りができておりませんで、大変失礼をいたしました。  睡眠の学習につきまして重ねて御質問がございましたが、今回議論もございましたので、県の教育委員会としても、この睡眠についての教育をもう一度しっかりと見詰め直して取り組みも含めて行っていきたいというふうに思っておりますし、私自身も関心を持ってしっかりとフォローをしてまいりたいと思っております。  ちょうど時を同じくしてノーベル医学・物理学賞が発表になった中で、体内時計のメカニズムのことで賞を受けられたわけですけれども、こうした中で、また医学的見地からもこの睡眠ということの大切さ、あるいは体等に及ぼす影響なども深く研究が進んでいくのかなというふうにも思っておるところでございます。取り組みといたしましては、先ほどいろいろ県外の事例もお話をいただきました。そうしたところもよく調べて、鳥取県内で参考にできるところは取り入れてまいりたいと思いますし、県内でも先ほど申し上げましたような取り組みをしているところもありますので、そうした事例をしっかりとほかの学校にも広げていくような、そんな取り組みも行ってまいりたいと思っておりますし、来年度に向けては、これまでの調査の中で大切さというのはわかっているのだけれども、実践できていないという、そうした県教委のほうでの調査結果もありますので、実践につなげるような取り組みができればというふうに思っております。PTAのほうで毎年、全県集まって研究大会というのを開かれますが、そうしたところの中で睡眠ということに少し着目したような取り組みもできればいいなというふうに思っておりまして、そうしたことをPTAなどとも話をしてまいりたいというふうに考えております。  また、奨学金の件でございますが、これはおっしゃるように、事前の手だてといいますか、どんなリスクがあるかというところを十分に調べることなく取り組んでしまったというところが一番の原因であろうというふうに思っております。そうした意味では、すごく事務的な対応に終始してしまったということを大いに反省をすべきだと考えております。  今後こうしたことが起こらないように、何かシステムを改修するときにはそうした事前にリスクを回避するような、そんな検討も十分重ねた上で取り組んでまいりたいと思っておりますし、次回の収納のときにはこうした行き違いが起こらないよう、手だてを尽くしてまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)これまで子供たちの睡眠の重要性を述べてまいりましたけれども、睡眠は子供たちだけの問題でもありませんし、大人社会においても無視できないのがやはり睡眠であります。睡眠であり、睡眠障害であります。社会病とも言われている鬱病、認知症等にも睡眠のかかわりが大いにあるとも言われております。福祉保健分野においても県民の健康推進のためにも、一つの大きなテーマとして睡眠についての啓発、取り組みをすべきと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。  次に、奨学金の問題へ移ります。  コンビニ制度を導入されて、本当に便利を図ろうという思いはよくわかります。県税は、金曜日に納入したら最新データを月曜日に確認することができると言っているのです、県税は。ですから県税は、払い込みした人に督促状を出すことを極力抑える、ならないようにしている。本当は130件も出た時点で担当者はおかしいと思わないといけないです。このたびの一件を見ていると、教育委員会の担当課の皆さんは督促状を一度も受け取ったことのない人ばかりでしょうが、督促状を送付された人の思い、奨学金の果たす役割等について本当に理解をして事務をするべきだというふうに私は思います。全ての業務が淡々と進められているだけであって、確かに、次の人に使ってもらうために、滞納された人には督促業務はやらなくてはなりません。しかし、先ほどあったけれども、この育英奨学資金は、やはり家庭の経済環境が非常に厳しい奨学生にとっては、それぞれの人生を築くための重要な学資でもあると同時に、返済に当たっては、それぞれの家庭が厳しい状況の中でたんす預金をしながらでも返済努力をされているのです。今回の督促状の発送は、半年返済をきちんと守り、努力されている皆さんにとっては、まさに信頼を裏切ることだと私は思っています。育英奨学資金のことについて、やはり職員全員が認識を改めるべきだというふうに私は思います。教育長の所見をお伺いします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)大人に向けても睡眠をしっかりととりましょうというキャンペーンなり啓発の展開につきましてお尋ねがございました。  本県としても、例えば平成23年にスーミンというキャラクターをつくりまして、各市町村と連携して、睡眠をしっかりとろうというキャンペーンに活用させていただいております。ちょっと羊の形をしたキャラクターなのですけれども、そういうことで展開をして、これは自死予防のことがございますので、特に9月、3月に重点的に展開をしているところでございます。  また実際、こういう心の健康の問題だけでなくて、例えば認知症にもかかわるのではないかとか、心疾患等にも影響するのではないかとか、もちろんストレスの問題とか、そうしたいろんな生活のクオリティーや健康に睡眠というのはかかわるところでございまして、こうしたことの知識を多くの方々に知っていただいて、大人も子供と同じような形でしっかりと睡眠をとる、それが重要だろうと思います。特に医学的なことでいうと、夜の10時から午前の2時ぐらいまで、こうした4時間等をコアに睡眠をとるということの効用がよく説かれていまして、こうしたことなどをぜひ多くの方々にも認識をしていただくことが大切ではないだろうかなというふうに思います。  これと関連して、自死予防が実はあるわけでございます。大分問題になって議場でも取り上げていただきましたが、平成19年に150人を超えていた自死が、直近データでは104名まで減少することになりました。これは、こういう睡眠へのアプローチも含めて研修をしてもらうようなゲートキーパー、今では1万2,000人が養成講座を受けられたところであり、さらに200人、300人といった規模で、その養成のコアとなる指導者も研修などを経て養成されてきています。やはりいろんな方々とネットワークを張りながらこういう自死予防ということを進めていかなければなりませんが、特にふだんの生活の中では睡眠という形であらわれてきますし、その睡眠をとることによってストレスの解消等が進むところでありまして、今後ともいろいろな広報手段を通じましてPRに努めてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)伊藤議員から、重ねて育英奨学金につきましてお尋ねがございました。  この奨学金の貸与あるいは返還の事務でございますが、ほかの収納金といろいろな面で違う部分が多いのではないかなというふうに思っておりまして、そうしたことについて配慮をしながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。このたびの御指摘は、私を含め、関係担当も含めてしっかりと胸に刻み、以後このようなことのないように、あるいはまた督促、あるいはいろんな形で償還をお願いしていくということもありますが、そうした償還に係る事務の中でもこの奨学金の性格等々を十分に考えた上で取り組んでまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員
    ◯17番(伊藤保君)きょう、いろいろ協議させていただきました。  和牛全共も、大会ごとに審査の基準もポイントを置くところがいろいろ変わってきますので、そこのところも情報をしっかり収集しながら、鳥取県のあるべき姿、改良の目的、そういうものをしっかりと持ってやっていただきたいなと思っておりますし、それから眠育の問題ですけれども、本当に今のお子様というのは忙しいようですね。特に心配されるのは、真面目なお子様ほど危険性が大きく潜んでいると言われております。朝早く学校に行って、授業の後は部活、さらに帰ってから塾に行って、夕食を終えれば11時。それから自分の時間を過ごせば12時、1時ということになるわけでして、逆に言うと、こんな真面目な生活を続けている中学生などは、高校に入ってからある日突然、朝が起きられない、お母さんに朝だよと言われて、わかるのだけれども体が動かない、普通どおりに登校できないという事態に陥るということもあるそうであります。  したがって、子供たちに睡眠の大切さをしっかりと理解させて、生活リズムの点検、見直しを進めることが大切でないかと私は思っております。既に取り組みをしている県外等を先ほど言いましたけれども、学校では部活の休みを設けたり、時間短縮したり、昼の時間を確保するなど、学校、地域、家庭、総力挙げての取り組みが進められているようであります。ぜひとも鳥取県でも教育委員会が中心になりまして、子供たちの未来をつくるわけですからね、後の人生のほうが長いのですから、そのベースをつくるわけですから、しっかりとお願いしたいというふうに思っております。  育英奨学資金、少し大きなを声をいたしましたけれども、私は緊張感が足らないと思うのです、緊張感が。ただ普通の事務だけで流していると思うのです。教育長、ぜひとも教育長のリーダーシップで、もう一度、教育委員会の体質を直していただきたい、正していただきたい、もっと緊張感を持って仕事をやっていただきたい。そのことをお願いしたい。最後に教育長に決意をお願いしたいと思いますし、知事のほうも……。まあ知事はいいです。教育長だけでいいです。失礼しました。それで質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)伊藤議員から重ねて御質問を賜りました。  きょうの御議論あるいは御指摘をしっかりと胸に刻んで対応をしてまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)9番野坂道明議員 ◯9番(野坂道明君)(登壇、拍手)通告しております質問に先立ち、議長の許可をいただきまして、先日報道された北朝鮮による拉致被害者、松本京子さんに関する情報について、知事に質問をいたしたいと思います。  報道によりますと、1977年に北朝鮮に拉致されたと認定されている松本京子さんに関して、韓国の拉致被害者家族でつくる拉北者家族会が、平壌の消息筋から入手した松本さんを撮影したと見られる写真を共同通信社に提供したとのことであります。松本さんのお兄さんである松本孟さんは、この情報に対して、妹かどうか何とも言えない、余り似ていない、とにかく一刻も早い帰国を望んでいる。このように話しておられます。  私は、このたびの情報の背景に何があるのか慎重に見きわめる必要があると感じております。国際社会の強い抗議と警告を無視した相次ぐ弾道ミサイルの発射や、6回目となる核実験の強行など、北朝鮮は軍事的挑発をエスカレートさせており、同国をめぐる情勢が混迷をきわめる中で、緊張状態にある北朝鮮からの救出に一刻の猶予もありません。拉致から40年が過ぎようとしています。被害者家族の心中を察するとき、こういった情報に接する都度、県としても国に速やかな確認を求め、適切な情報収集を行うことが重要であります。  このたびの報道に接して、県としてどのような対応をとり、その結果はどうであったのか、知事にお伺いいたします。  次に、通告に従いまして質問をさせていただきます。  初めに、行政改革の課題についてであります。  行政改革の目的は、肥大し硬直しがちな行政の機構や政策を見直し、簡素化や効率化を図るとともに、時代の変化に素早く対応し新たな未来を切り開くよう、政策、機構、制度を再構築する点にあり、民間でできることは民間への政策理念のもと、さまざまな規制改革が行われてきました。  規制改革の目玉の一つに、平成15年の地方自治法改正により創設された指定管理者制度があり、公の施設の管理について初めて民間の活力が導入されることとなりました。本県では平成17年度から導入され、直営に比べ一定の財政効果は上がったと思いますが、少子高齢化と人口減少に突入した今日では、施設のあり方も大きく変化したと言えるのではないでしょうか。  人口減少により、施設の利用者は年々減る傾向にあります。使用料収入が減ると施設を維持するための負担金がふえ、負担金を抑えようとするとその分サービスは低下し、やがて施設の存続さえ困難な状況となってきます。施設にはそれぞれの設置目的がありますが、それ以上に時代の変化は大きく、ここで個別の事例を挙げるのは省きますが、冒頭に述べたとおり、施設を適切に維持するためには、時代の変化に素早く対応し新たな未来を切り開く能力が問われることとなります。  平成29年度改訂版のPPP・PFI推進アクションプランでは、独立採算型が難しく一部の費用しか回収できない場合であっても、混合型コンセッションとして積極的に検討すべきとしております。要は、公的負担を入れながら民間活力を最大限活用し、財政負担を抑制するということだと理解しております。現在議論している鳥取空港も混合型コンセッションになると思われますし、仮に事業規模が小さくても、複数施設の運営を一括してコンセッション化するバンドリングの手法なども有効だとされております。  現在、県有施設の多くは指定管理者制度で運営されていますが、より自由度があり、民間活力を引き出すことができるコンセッションなどの導入検討が不可欠だと思います。この点について、知事の御所見を伺います。  次に、下水道事業のコンセッションについてお尋ねします。  国土交通省は、複数の市町村が協力して下水道を維持管理する広域連携を進めるよう都道府県を通じて促し、改正下水道法を踏まえ、18年度の概算要求に共同管理するための協議会設置促進費を盛り込み、22年度までに全都道府県で下水道の維持管理の広域化にめどをつけたいとしております。  この問題につきましては、さきの6月定例会でも知事と議論しましたが、上下水道のコンセッションと広域化に関する検討会を開催してみてはとの私の質問に対し知事は、市町村の意向も確認しながらそのような検討の場を考えてみたいと答弁されております。その後の動きはあったのでしょうか、知事にお尋ねします。  上下水道のコンセッションや広域化ともなれば、事業間の調整も含め課題も多く、一定の時間を要する取り組みだと思いますので、前回も取り上げました天神川流域下水道事業を念頭に、下水道のコンセッションについて今回はテーマを絞って議論したいと思います。  国土交通省は、下水道のコンセッションのメリットについて、住民、自治体、民間事業者、それぞれの立場で提示しており、それらのメリットを踏まえて、浜松市、奈良市、大阪市あるいは宮城県などなど、下水道分野におけるコンセッションに挑戦あるいは検討を始めています。  ここで、まず、下水道分野のコンセッションに関する国土交通省の提示について、知事はどのように評価されているのかお聞かせください。  次に、天神川流域下水道事業についてですが、県が管理する天神浄化センターと下水道幹線は、指定管理者制度が導入された平成21年度から5年を契約期間として、毎回、天神川下水道公社を指名して管理運営されています。現在、平成31年度の指定管理の更新に向けて検証の時期にあると思いますが、この間の問題や課題についてどのように整理されているのかお尋ねします。  次に、水力発電のコンセッションについてお尋ねします。  鳥取県の水力発電のコンセッションの取り組みは全国初となることから、内閣総理大臣を議長として、未来への投資の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るための指令塔として設置された未来投資会議、「第4次産業革命・イノベーション」会合に鳥取県が呼ばれ、湊企業局長が事例発表を担当し、国はもとより全国自治体や関係機関に鳥取県の取り組みが大きく紹介されました。  このような中、先般9月5日、県営発電施設のコンセッション事業説明会が開催されました。この説明会は、大手ゼネコン、大手商社あるいは県内外の主要金融機関など65社122人の方々が参加されるなど、大盛況だったと聞いております。当日は羽田-鳥取間の幾つかの便が満席となり、一定数は宿泊されたと聞いております。また、湊企業局長も、参加者に対して二十世紀梨をお土産にとPRされたと聞きました。余談ですが、そういう一つ一つの積み重ねと営業姿勢が県経済を支えるものだと感じております。  いずれにせよ、本県は、日本初の取り組みであるがゆえに方針決定から今日まで全国的な反響を呼び、さまざまな面で波及効果もあったと思います。初めに、この点について知事の御所見を伺います。  さて、本題に入りますが、この件については幾つかの企業に対して私もヒアリングを行いました。その中で各事業者の皆さんは、事業規模について気にしており、今回のコンセッションは事業規模が案外小さいという感想をお持ちでした。事業規模が小さく、事業者による創意工夫の余地も限られるとの意見であります。今回の説明会で企業局からは、11カ所ある水力発電のコンセッション対象施設のうち、今回は小鹿第一、第二、舂米の3カ所に限る、さらにコンセッション対象の舂米については、リニューアル工事は県が直営で行う旨の説明がされました。事業者の皆さんからは、少なくとも老朽化の著しい日野川第一発電所を対象に含めない理由はない、舂米の改修事業をPFIとし、コンセッション対象に含めないのは不可解などなどといった声を聞きました。  初めに、9月5日の事業説明会後に実施されたアンケートの結果についてお尋ねしたいと思います。  また、事業規模の拡大は事業者のメリットでもありますが、表裏一体として、財政貢献及び地元経済の活性化でもあります。老朽化した日野川第一発電所を対象に含めないこと、そして舂米の改修事業をコンセッションの対象事業に含めないことは本件の成否を握る重大な問題だと考えますが、知事の御所見を伺います。  最後に、工業用水道のコンセッションについてお尋ねします。  経済産業省と内閣府では、平成29年度において工業用水道分野におけるコンセッション方式を中心としたPPP・PFI手法の導入を促進するため、まずは5つの自治体を対象に導入可能性調査を代行するとし、そのうちの一つに鳥取県が選定されております。経済産業省などの選定の背景には、鳥取県における水力発電のコンセッションの取り組みが大いに評価されたと推察いたしますが、このたびの経済産業省の事業の概要と応募に至る経緯、そして目指すべき将来像についてお尋ねします。  以上で壇上の質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、松本京子さんについての先般の報道につきまして、県の対応とそれについての考え方というお話がございました。  松本京子さんがいなくなりまして、もう40年がたとうとしております。昭和52年10月21日、米子市の和田町におきまして何者かに連れ去られる様子が目撃されています。その後、さまざまな捜査の結果、北朝鮮の拉致被害者というように日本政府も認定をされました。  実は松本京子さんについてはたび重ねてこうしたさまざまな情報が出てくるところでありまして、平成20年、それから平成25年、平成28年と情報が出てきております。それは、例えば子供さんが脱北したというようなことであるとか、あるいは羅先のほうにいるとか、あるいは赤十字の病院のほうに入院をしている、通風などを患っているとか、それから平壌市の郊外のほうでそうした拉致の被害者などと一緒に、要は隔離をされて暮らしているとか、さまざまな情報がもたらされています。なぜ松本京子さんだけ次から次へとこう情報が出てくるのかよくわからないところでありまして、こうした情報が出るたびに我々も政府に確認を求め、また、一日も早い救出をお願いしています。  今回も9月26日、私自身もインターネットでちょっと検索をしていたらそのニュースが入ってまいりまして、時事通信などで報道されたわけでありますが、松本京子さんの写真が発見されたと。結婚式のものと思われているというふうなことであり、先ほどおっしゃった拉北、北に拉致された方、そうした方のほうからの情報だということでありました。早速県庁のほうに連絡をとりまして、我々としても対応しなければならないのではないだろうか。それで、翌朝には内閣府のほうに県から要請書を持ってまいりました。その内容としては、この事実の確認を早急に求めるということ、それから一日も早い救出を行ってほしいということ、こうしたことなどの緊急要請をさせていただきました。  政府のほうで対応された方のほうからは、そうした報道があるということは承知しているけれども、その真偽についてはコメントを控えたいということでありました。また、どういう情報があるにせよ、一日も早い救出を政府としても全力を挙げて行うという旨の回答でありました。  今回もこうした報道があるわけでありますが、松本孟さん御自身もごらんになった印象として、果たしてこれが京子さんかなというような印象を持たれたようでありますし、私も見た感じ、目鼻のあたりとかの特徴が若干違うような気もしますけれども、似ているといえば似ているような気もしますし、よくわかりません。  こうしたことがたび重ねてもたらされるわけでありまして、実は私も政府のほうにこうしたたびに出かけていって、話も直接率直な形で聞いてはいるのですけれども、そのニュースソースが果たして信用できるかどうかということも含めて、政府は慎重に見ておられるようであります。ただ、こうした情報が出てくるということも何らかのメッセージなのかもしれませんし、その辺は私どもとしても、政府に真相解明と、それから一日も早い救出を今後とも求めてまいりたいと思います。  次に、行財政改革につきましてお尋ねがございました。指定管理制度が導入されている、またコンセッションの導入検討も不可欠、所見はどうかと、こういうことでございます。  指定管理制度が導入されまして、やはりいろいろと民間活力が入ってきた形で改善が見られることも多々出てきております。例えば米子コンベンションセンターなども指定管理の対象になりましたけれども、料金が引き下げられるということがありましたり、花回廊あるいは武道館等で開館日が多く設定されるようになったり、また花回廊や、夢みなとタワーで夜間のほうの開館時間の延長がなされたり、利用者の利便性に資するものであるとかいうことも出てきました。また、こうしたいろんな指定管理の結果、コスト削減効果が13億円ぐらいあったというようにも算定をされておりまして、いろいろな形でこうした民間活力の導入なり県直営でないやり方での効果は見えていると思います。  これをさらに一歩進めるのがコンセッション方式でありまして、コンセッション方式にしますと、指定管理よりも長目の期間が設定をされます。したがいまして、コンセッションを受けたほうとしては経営計画を立てやすくなりますし、いわば自由度を持って対応できるようになります。また、技術者等々の人材につきましても長期間張りつけることが可能になりますので、育成であるとか確保につきましても、技術の継承等々も利便性があるだろうと。こういうようなことなどがある一方で、コンセッションの場合は民間経営体ということになりますので、その経営が行き詰まるのではないか、その場合はどう担保するかとか、利害得失を含めて、それは考えながらコンセッションに出すときに契約を結ぶとか、そういうことになってこようかと思います。  議員も御高承のとおり、今、議員の御提案で水力発電などコンセッションの検討も進み始めておりまして、これが多くの成果を生むように、我々としても今後実りの多い検討にしてまいりたいと思っております。  次に、上下水道のコンセッションや広域化について、検討や現在の推移はいかがかと、こういうお尋ねでございます。  早速8月24日に、これは地方公営企業の観点も含めまして研修会を中四国合同で行ったときに、こうした上下水道の関係者、市町村の方にも入っていただいて、そうした知識の獲得の場を設けさせてもらっています。この中で、議員も今おっしゃいました浜松市の下水道のコンセッション、これも取り上げられて、それについての考え方だとか、そもそもコンセッションとはどういう効果をもたらすものかなど、研修をさせていただいたところであります。  今後ちょっと市町村の話もよく聞いてみないといけないわけでありまして、相談をこれから進めていくわけでございますけれども、市町村の上下水道関係者のほうは、どちらかというと合併に伴う料金の問題であるとか、それから老朽化のこととか、結構手元のことにとらわれて追い込まれているところもございまして、どこまでこの議論が進展するかということはあります。そうした上下水道の今後の経営のあり方の研究会のような形は、一つ共通、最大公約数的に持たせていただけるのではないだろうか、そういう中で、今おっしゃるようなコンセッションや広域化ということも論点の中に入れながら研究を始めてみると。少なくとも共通の土俵をつくって議論をする、研究するというような場をまずは設けることから始めるのかなというふうに思っています。  これは市町村の主たる権限のある事項でございまして、最終的には市町村のほうの自主的な取り組みということになるわけでございまして、市町村の御意向もお伺いをしながら研究会などの立ち上げに努力してまいりたいと思います。  次に、下水道のコンセッションに関する国土交通省の提示についていかがかと、こういうことであります。  これにつきましては、先ほど申し上げたことと同じようなことになりますが、やはり高齢化がどんどん進んでいく中で技術者がいなくなってしまう、そういう技術の承継であるとか、それから経営によってのコスト改善であるとか、また、いろんな諸施設の更新時期ということもありまして、民間のノウハウ、技術をこうした方面にも活用するとか、そうした可能性のある仕組みだということでコンセッションというものを国交省のほうでも提示されたわけであります。また同時に、経営ということでありますので、倒産等のリスクなどもあることも含めてこのたび提示が来ているわけでありまして、先ほど申しましたように、コンセッション、個別具体の事業にどういうように適用できるのか、さまざまな角度で検証していく必要があると思います。  そういう中、天神川の下水道公社の指定管理の更新時期にあるけれども、この間の問題や課題についてどのように整理しているのかと、こういうお尋ねでございます。  これについては、詳細は生活環境部長からお話を申し上げたいと思いますが、経緯からいたしますと、結構長い議論の末にこの天神川流域の下水道処理というのが始まっているわけでありまして、昭和57年に公社がつくられ、昭和59年に供用されているということであります。その途中では訴訟が起こったり反対運動もあったりいたしましたし、その場所についてもいろんな議論がございました。いわば難産の子供であったと思います。  そして、天神川の流域下水でありますけれども、この費用負担など、そうしたことはエンドユーザーである流域の住民の皆さんの負担に回っていくわけでありますし、また、それを実際に経営する市町村の下水道事業、こちらのほうとの関係性が非常に強いものです。形の上で県の施設のような形になっていますけれども、実態としては市町村の共同施設と言ってもいいものだろうと思います。そうした特性なども考えて、この指定管理、今後どうしていくのか、中長期的な視点で検討も必要なのだろうと思います。  ちなみに、先般の中部地震の折も、かなり公社のほうでは努力をしていただきまして、ライフラインでございますので、その立ち上げを可及的に短くして再立ち上げをされました。この間、二百数十を超えるホールの点検であるとか、かなり迅速にできたわけでありまして、一応今の指定管理のやり方で一定の成果も出ているだろうと思います。  次に、水力発電のコンセッションの波及効果や反響ということでございます。  うちの湊企業局長についても評価をしていただきまして、ありがとうございました。二十世紀梨を宣伝したということでありますが、水力発電でありますので、二十世紀梨、どちらかというと酸い梨でございますので、そういう意味で二十世紀梨を宣伝したのか、それはよくわかりませんが、いずれにいたしましても、そこに呼ばれることがすごいことでありまして、鳥取県の企業局が全国に向けて講師を務める、それほどに注目されているということの証左だろうと思います。  現実に9月5日に事業説明会をやりました。以前も報告しましたように問い合わせが多いというふうに申し上げましたが、この水力発電事業の説明会で全国県内外から65社が集まりました。名立たる企業さんが含まれています。ですからオールジャパンの注目を浴びているというような状況だと思います。  今後、国のほうでも未来投資戦略2017の基本的な考え方をまとめていくわけでありますけれども、その中にも、今行ってきたアンケート調査とあわせて、この鳥取県の検討状況、こうしたことも反映しながら取りまとめをすると政府の担当者も言っていまして、全国に与える影響も出てきているのではないかなと思っております。  この水力発電でありますけれども、日野川第一発電所、舂米発電所の扱いにつきましてお話がございました。  詳細につきましては湊企業局長のほうから申し上げたいと思いますが、基本的な考え方は、客観的な評価は出ましたので、それに基づいて今回ふるい分けをしたところでありますが、日野川第一については、平成32年と言われます今のFITが見直される時期の前に私どものほうでコンセッションというところへ持っていくためには、ちょっと時間的余裕がなかったのかなということで断念をしたということであったり、また、舂米につきましては既に発注も終えておりまして、違約金などを考えますと後戻りができない部分があると。これにつきましては、平成32年という時期を念頭に置きますとコンセッションに間に合うとも見込まれるものですので、逆に対象に入れたということであります。  次に、工業用水のコンセッションにつきまして、経済産業省の事業概要と応募に至る経緯というお話でございます。  これにつきましては、私どものこの企業経営として、工業用水につきましても民間手法の導入ということをかねて基本的な方針としてうたっておりました。ただ、工業用水は水力発電と違いまして採算性が難しいところであります。したがいまして、手法は、導入のやり方でも工夫しなければなりません。そうしたときに経済産業省のほうで、工業用水全般、全国の工業用水につきましてこうしたコンセッション、PFIというものの導入を考える、そういうプロジェクトが始まりまして、その中に、個別の企業経営の事業可能性についても調査をする、そういう募集がありました。そこに手を挙げさせていただいたところ、採択をしていただいたということでありまして、多分、水力発電で頑張ってきたということが経済産業省でも評価されているのだと思います。そんな意味で、モデル的に鳥取県のケースも検討しようということになりましたので、国のほうのお金でできるわけでありますから、ぜひこの機会に活用をさせていただきたいというふうに思います。 ◯議長(稲田寿久君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)では、私のほうから、次期指定管理に向けました天神川流域下水道の課題につきまして補足の答弁を申し上げます。  天神川流域下水道事業でございますが、先ほど議員からもございましたとおり、平成21年度から天神川流域下水道公社を指名指定いたしまして、現在まで至っております。この間の公社の事業運営でございますが、毎年度の内部評価及び指定管理の中間年の外部委員によります中間評価におきましても、特に問題なく適切に管理されているという評価をいただいているところでございますし、評価をしているところでございます。また、先ほど知事答弁にもございましたけれども、予期せぬ災害でございました中部地震の際にも、公社が迅速に応急対応、さらに住民のライフラインの確保に尽力した点も評価をいたしておるところでございます。  ただし、課題もございます。これは全国の多くの下水道処理施設が抱える共通的な課題でもございますけれども、施設の老朽化、あるいは人口の減少といったことがございます。この施設の老朽化につきましては、天神浄化センターも稼働から35年が経過をしておりまして、施設等の更新が急務となっております。また、人口減少につきましては、この流域内でも10年間で260人の人口の減ということで、コスト削減に向けた見直しが必要と考えております。こういった課題が考えられます。  ただ、公社といたしましても、この間、長年のノウハウを生かしてきめ細やかな設備等の点検あるいは諸修繕を実施いたしまして、設備機器の延命化を図っているところでございますし、維持管理経費の節減、委託経費の節減といったものも図ってございます。また、本年度、29年度には、人口減少等の経営環境の変化に対応すべく中期経営計画を策定されまして、今後公社として果たすべき役割、あるいは具体的な取り組み等を明確に示されたところでございまして、公社としても、受託者の立場から、できる限りの努力をして実施中であるというふうに評価をいたしております。 ◯議長(稲田寿久君)湊企業局長 ◯企業局長(湊正彦君)それでは、私のほうからは、日野川第一発電所並びに舂米発電所についての補足の答弁を申し上げます。  まず、議員御指摘のありました日野川第一発電所をなぜ含めないかということでございますけれども、日野川第一発電所につきましては、舂米、小鹿第一、小鹿第二、この3つの発電所よりも運転開始が若干遅うございますので、4つの発電所の中では一番新しい発電所ということで、最後にリニューアル計画をするという予定にしておりまして、具体的な改修計画を策定するための詳細な調査、これがまだ実施されておりません。もちろん調査も終わっていませんので具体的な改修計画も立てておりません。そのため、先ほど知事が答弁しましたとおり、32年度末という段階には間に合わないのではないかというふうに判断をしております。  舂米発電所の改修工事につきましては、これは昨年度におきまして平成28年度から31年度までの継続費ということで改修工事の予算を議会のほうでお認めいただき、平成28年度から水車発電機の工事に着手しております。現在、水車発電機を工場のほうで製作をしております。そのために、この建設までコンセッションに含めるということは物理的にはちょっと難しいというふうな判断をしておりますけれども、ただし、これは設備認定が既に終わっております。したがいまして、売電単価が、FIT制度、固定価格買取制度によりまして24円という非常に有利な単価が既に決まっておりますので、この管理運営についてはコンセッションに含めようということで、今回調査の対象としております。  現在、まだ導入可能性調査の段階でございます。今後、今月中旬から行っていきます参画意欲の高い事業者さんからのヒアリングがございます。先ほどの議員指摘のとおり、事業規模をどうするかというようなお話も民間の事業者の方から伺ってまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)9番野坂議員 ◯9番(野坂道明君)答弁いただきましたので、随時、追及の質問をさせていただきます。  初めに、拉致の問題でありますけれども、本日は松本京子さんの地元町内の方も傍聴に来られております。とにかく一日も早い救出、帰国を願うばかりでありますが、ぜひともこの安倍政権のうちに被害者全員を取り戻していただきたいと切に願うところであります。平井知事におかれましても、国への働きかけ等々を加速させていただきたいと、このように感じております。  そうしますと、まず、下水道のコンセッションについて追及の質問をさせていただきます。  天神浄化センターにつきましては、実態として浄化施設の運転はほぼ下請業者が行っております。公社は、総務部門と水質検査などを直営で行っております。また、指定管理者となり10年近くが経過しようとしておりますけれども、この間、新しい取り組み、野心的な取り組み、挑戦、これらは余りないと感じております。先ほど知事からもありましたけれども、指名による指定管理制度のある意味限界というのも感じるところであります。仮に天神川流域下水道事業を今後大型の下水道コンセッションとして考えてみると、既に1市3町との広域連携事業となっておりますから対応は十分可能だと思います。冒頭言いましたけれども、さらに今後、近隣自治体を巻き込みながら、国も推し進める広域化を図っていくという取り組みになれば、これは日本初という事業になるのだろうと思います。  鳥取市では、平成32年度のFIT制度の抜本改正をにらみ、鳥取ガスとの連携で秋里下水処理場の消化ガス、メタンガスを活用したバイオマス発電が事業化され、そのほかにも下水熱の利用など、下水道事業を取り巻く環境は処分から活用へドラスチックに変わろうとしております。  現在、平成31年度の指定管理の更新に向けて、先ほど御説明がありました検討中でございます。更新するにしてもできるだけ短期間として、私は、平成32年度のFIT制度の抜本改正を踏まえて、コンセッションを含むPPP・PFIの手法の導入検討を急ぐべきだと思います。この点について知事の御所見を伺います。  次に、工業用水道についてお尋ねします。  米子市の和田浜工業団地に50メガの大型バイオマスの発電所の計画があります。冷却用として日量4,000トンの工業用水が必要だと聞いております。供給するためには、国道431号線に走る本管からJR境線を横断して数キロの間の管路整備が必要となります。企業局の経営状況からして、新たな投資事業がなかなか困難な状況にあるのではないかと私は推察しております。企業局の経営状況も含め、どのような整備手法を想定されているのかお尋ねしたいと思います。  また、和田浜工業団地のバイオマス発電事業は、FIT制度を前提としたSPC、特別目的会社で運営し、20年間の事業期間を計画しております。事業期間が終了すると、したがいまして給水先がなくなるわけでございます。この点についてどのように考えておられるのかお尋ねします。  次に、水力発電についてお尋ねしたいと思います。  日野川第一発電所を今回のコンセッションの範囲に含めない理由として、施設の劣化度が不明とのことですが、そもそも導水路を含め土木設備、電気機械設備は、県策定の保安規定により自主検査が実施されていると思います。検査記録を5年間保有する必要もあることから、施設の劣化度がわからないからできないということはあり得ないのではないかと私は思います。仮にそのようなことがあれば管理上大変な問題になるのだろうと思います。最低限の劣化度が判明していれば、そこから先は民間事業者のほうが得意とする分野であります。劣化度を詳細に確認し、最適な改修範囲や改修方針を策定するのがまさに民間事業者の知恵の出しどころで、コンセッションの意義そのものと言えます。  日野川第一発電所は50年たっていないということもありましたけれども、いずれにしても老朽化した発電所であります。FIT制度が32年度までに改正されることを踏まえると、今後の財政負担を抑制して大規模更新ができるタイミングは今しかないと思います。少なくとも日野川第一発電所は今回の事業範囲に追加する方向で再検討する必要があると思いますが、あわせて知事の御所見を伺います。  次に、舂米の改修事業をコンセッションの対象事業に含めないとのことですが、そもそも舂米の運営はコンセッションが予定されているわけですから、運営と改修をセットで民間に任せればよいという声が少なからずあります。コンセッションのバリュー・フォー・マネーの源泉は、どのような改修が必要で、またどのような工法で改修するのか、加えて、一まとめにしてバルクで改修を行うことにあります。県が舂米の改修を急いで実行することは、県も事業者も、したがって県民にとっても、誰も得をしない話ではないかと感じております。既に計画は一部進んでいるとのことですが、少なくても現時点で一旦停止すればいいだけで、わざわざ本県の事業規模を小さくする理由はどこにもないと思います。先ほど水車の発注済みで違約金云々というのがありましたけれども、それは舂米の改修の一部でありまして、大きなところは未発注の土木工事だと、このように思っております。  水力発電の改修事業は、非常に難しい困難な事業だと聞いております。新築を建てるより家のリフォームをするほうが難しいのと一緒で、工期が延びたり工事費が増加したり、改修にはさまざまなリスクが伴います。こうした難易度の高い事業、リスクのある事業だからこそ民間の経営ノウハウの活用のしどころだと思いますが、あわせて知事の御所見を伺います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂県議から重ねてお話をいただきました。  まず、松本京子さんでありますけれども、私もたび重ねて和田のほうにお伺いをさせていただき、拉致被害者対策を担当される代々の大臣を御案内させていただきました。静かな町並みの中に今も幸せが見えるような、そういう美しいところで、和田の小学校を中心としまして家並みが広がっているわけです。その真っすぐ行く道の向こう側に、松林の向こうに、日本海がある。そういうところでありました。ここで松本京子さんがその意に反して連れ去られ、あろうことか、そこにおられた御近所の方を暴行して出たということは、決して許されることではないと思います。大臣にもたび重ねて御説明をするなど、その地域で実際に視察にも立ち会わせていただきましたけれども、40年もただ無駄に過ごしているような気がして残念でなりません。  私ども鳥取県は、全国でも珍しいことかもしれませんが、地元の米子市と力を合わせまして、いつ帰ってきてもいい、それだけの予算や準備組織、それから帰ってこられたときのマニュアルまで用意をしてお待ちをいたしております。今、私どもも心配をしておりまして、このたびの国に対する緊急要請の中でも書かせていただきましたが、北朝鮮情勢が緊迫化している、そういう中で、とうとい命、失われた時間、それをしっかりと確保し、取り戻さなければならない、そういうことで、この時期だからこそ政府には解決を目指してもらいたいと、訴えさせていただきました。地域の願いもあろうかと思います。一日も早いこの救出を政府のほうでされるよう、これからも強力に働きかけをしてまいりたいと思います。  次に、PFIやコンセッションにつきまして何点か、また重ねてお尋ねがございました。
     一つは、和田浜工業団地でバイオマス発電所の計画があるけれども、それに対する水の供給はどうなのか、また、工事の状況によって給水について途絶えるときの対策などはどうなのかと、こういうことであります。  御指摘の件は最近報道もされていまして、実は米子市とも、よく意見交換といいますか、情報をお聞きしておりますけれども、米子市にとってはあの和田浜の工業団地がこれで完売に至るかどうかの重要なポイントになりまして、非常に前向きに取り組んでおられます。そういう意味で、私どももできる限りの協力はしたいと思っております。図面的にいえば、本管から大体2キロぐらい管を引き込まなければならない形でありまして、アバウトな話で恐縮ですけれども、4億円、5億円というお金がかかるかなと、そんなような工事になろうかと思います。ただ、工場のプラントの開設時期がありますので、それに間に合わせることなどを考えれば、もし実現するのであれば早く取りかからなければならないわけであります。  御指摘のように、日野川の工業用水の経営は決してよくはございませんけれども、問題は、投資に対して回収できるかです。通常の料金で考えますと、多くても20年ぐらいで回収できる、そういう工事費かなということでありまして、結論から申し上げれば、これは米子市のプロジェクトに協力をしていきたい。そういう意味で、これに対する工事を引き受けることはやぶさかでございません。それについては、財源的には料金収入で回収し得る見込みになると思います。ただ、それのためには用地などで御協力をいただくとか、いろいろと課題もあるわけでございまして、米子市とよく意思疎通を図ってまいりたいと思います。場合においては、ビルド・アンド・トランスファー、つくってそれをこちらのほうに渡してもらう民間活力の導入ということも考えられようかと思います。できる限り御要望を聞きながら、それに沿う形でやっていきたいと思います。  また、万が一のときの給水の代替水源の確保でありますが、これは他の例もそうなのですけれども、そこは事業者のほうで対応するようにお願いをしておりまして、それについては他の事業者にこれまでお願いしてきたのと同様の取り扱いとなろうかと思います。  次に、水力発電につきましてお話がございました。  バリュー・フォー・マネーのことなども含めましていろいろと御議論があったわけでありますが、これも詳細は企業局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  結論から申し上げれば、そういうことができるという事業者がおられるのであれば、その御意見を聞くことは、それはやぶさかでございませんし、お話の筋を伺ってみたいと思いますが、ただ、これも期限がありますので、最終的には何らかの形で当方も結論を出したいと思います。今はまだ検討過程でありまして、こういうようなコンセプトの上にコンセッションに向けて道筋をつけてもよいだろうかという、そういうフィージビリティースタディーをやっているところでありますので、その中でのさまざまな民間事業者のノウハウや御意見というものは、私どものほうでも伺う用意があろうかと思います。  ただ、ざっとした見立てで、先ほど申し上げたように、舂米についてはどうしても多額の違約金が発生しますし、それからコンセッションに動かすときに休まざるを得ない期間が出まして、そこでざっと9億円ぐらい売電収入を失うことになりかねないわけでありまして、多分採算が合わないわけでありまして、事業者側もその分を補填してまで受けるかどうかというと、事業者も計算してみればわかることだろうと思われます。  日野川については、問題は時期の問題でありますので、FITの事業のめどがございますから、期限内にそうした検討事業も終えることができるのであれば、もともとバリュー・フォー・マネーが比較的出ると判定されたところでありますので、その可能性はあろうかと思いますが、では、そこを短くする知恵が民間のほうに果たしてあるかどうか、その辺ではないかなと思っております。 ◯議長(稲田寿久君)知事、ちょっと答弁漏れがあるのではないでしょうか。PPP・PFIの問題です。 ◯知事(平井伸治君)(登壇)PFIの件につきましては、天神川の件につきましては生活環境部長からお答えを申し上げたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)それでは、天神川流域下水道へのPPP・PFI手法の導入の検討について補足の答弁を申し上げます。  先ほど知事答弁にございましたけれども、この天神川流域下水道につきましては、汚水処理施設といたしまして建設まで歴史的に非常に難しい交渉を経た事業であったという前提はございますけれども、先ほど議員御指摘のとおり、この天神川流域下水道につきましては1市3町の事業区域ということで、事業の広域化についてはある程度その下地はできているという事業でもございます。さらに取り込める区域というものも模索する可能性もあろうかと思います。  冒頭申し上げました、今後、検討会、研究会等をしっかり立ち上げて関係市町村とも協議を進めてまいりたいと思いますけれども、先ほど申し上げました歴史的な経過、経緯も踏まえながら関係市町と意見調整を行い、本年度、そのコンセッション、あるいは既に広域化という下地はございますけれども、関係市町と話し合いをスタートしたいというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)湊企業局長 ◯企業局長(湊正彦君)それでは、日野川第一発電所と舂米の発電所について補足の御答弁を申し上げます。  議員御指摘いただきましたとおり、日野川第一発電所につきましては基準を定めてこれは定期的に点検を行っておりますので、その記録もしっかりと保管はしております。ただ、これらの点検につきましては職員が目視で行っております。ただ、そのために変状の調査、あるいは簡易な測定などで記録をしておりますので、我々としては情報量が少な過ぎるのではないかなというふうに判断をしております。  舂米の発電所につきましては、一時中止したらどうかという御提案がございましたけれども、まだコンセッションするかどうか決まっていない段階の現段階で一時中止しますとは申し上げられません。少なくともコンセッションをやるというふうなことが議会のほうでもお認めいただいてからでないと、中止はできません。それから再開する時期につきましても、運営権者が決定した後でないとこれも再開できないということで、工事の中止期間が約2年間ぐらいに及びます。先ほど知事が申しましたとおり、その2年間によりましていろんな課題が出てきますので、一番気にしておりますのが、水車発電機は発注しております。ただ問題は、これから発注する土木工事でございますけれども、現行のFIT制度でいきますと、設備認定を受けてから2年間以内でいわゆる既存の発電所の撤去工事に着手しないと設備認定が失効するというおそれがございますので、土木工事を、これをまた仮に中止するといたしましても、万が一、設備認定が失効してしまえば、またFIT再認定をとらなければならないということがございますので、舂米発電所については工事は直営で実施するということが最善だというふうに判断しております。  また、日野川第一発電所につきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、導入可能性調査の中で民間の事業者の御意見を伺っていきたいというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)9番野坂議員 ◯9番(野坂道明君)要するに、ここで議論しているのは、できない理由を並べるのではなくて、どうやればできるかということなのです。ですから、今後の課題も言っているわけですから、これからコンセッション等に向かうということであれば、ぜひとも早急に検討をしていただきたいと思っております。  知事も、投資した分が回収できればいい、そういう御答弁がありました。BTという手法の話も言及がありましたけれども、ここで私が言いたいのは、回収ができないとだめなのですけれども、これは回収以後にも維持管理がずっと残っていくということなのです。ここの課題というのが大きいのではないかということを前議会からも主張させていただいているわけです。設備というのをつくったらずっとお守りしていかないといけない。これが莫大で、これが地方自治体の財政をむしばんでいくという懸念があるわけです。その点が、議論が多少かみ合わないなと感じております。  次に、工業用水の追及ですけれども、日野川工業用水道の管渠は築後50年が経過して更新期を迎えております。耐震化の改修、更新工事が随時必要になると思いますけれども、先ほど和田浜のバイオマス発電、日量4,000トン、これは基本的に365日稼働します。このような状況で給水を確保しながらどのように改修事業をされるのでしょうか、この点を聞きたいと思います。  また、本管は老朽化した管渠ですから、地震もありますしいろんな想定があるわけですけれども、断水時に対応する大規模な貯水槽の設置を万が一のために事業者のほうに求められていると聞いております。費用負担はどのように考えておられるのでしょうか、あわせてお尋ねします。  次に、水力発電についてお尋ねします。  バリュー・フォー・マネーの算定について、個別の発電所ごとで算定になっております。そもそも改修工事は運営とバルクでやるからバリュー・フォー・マネーが大きく出るのであると、このように理解しております。発電所全て、あるいは圏域ごとにグルーピングしてバリュー・フォー・マネーをちゃんと算定されているのか、この点についてもお尋ねしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)和田浜の件、それからバリュー・フォー・マネーにつきまして、それぞれ局長のほうから御答弁を申し上げたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)湊企業局長 ◯企業局長(湊正彦君)それでは、まず日野川工業用水道につきまして補足の御答弁を申し上げます。  耐震化等の更新工事につきまして、まだ具体的な工法は検討していないために、詳細にお答えするということはちょっと難しいことでございますけれども、バイオマス発電所の事業者から聞き取りを行いますと、年間30日ぐらい、発電を停止する日があるということでございます。耐震化のために管路等の布設がえを行った場合でも、発電停止の日に合わせて切りかえるということで、できるだけ運転に支障のないように工事を進めることは可能ではないかというふうに考えておりますし、先ほど少し議員も指摘されましたけれども、万が一のためにバックアップ水源としての貯水池というものを事業者側にお願いをするようにしております。このバックアップ水源というのは、実は今の工業用水道利用者に全て設置をしていただいております。これは緊急時のバックアップのみならず、ユーザーが、要するに利用者側で一時的に大量の水を使うときにでも、この水槽から水を取り込みまして、超過料金が発生しないというような利用者側のメリットもございます。したがいまして、今回のバイオマス発電所につきましては、企業者の負担によってバックアップ水源を確保するように事業者側にはお願いをしているところでございます。  続きまして、バリュー・フォー・マネーの御指摘がございました。  議員が御指摘のとおり、個々の発電所で今バリュー・フォー・マネーを検討しております。現在、導入可能性調査を行っておりますので、詳細なバリュー・フォー・マネーにつきましては今後計算していくということになりますけれども、実は導入可能性調査の中で……。  済みません、少し時間をいただいてちょっと説明させていただきますけれども、バリュー・フォー・マネーの計算の中で、実はこの収益性のある水力発電事業につきましては公的負担が一切ございません。全ての事業費を民間事業者が賄うということで、事業コストのほかに資金調達コストというものが必要となってまいります。今回我々が目指しますのは運営権対価というリターンを求めるということで、公的負担を減らすということではありません。運営権対価というリターンを求めたいということでございます。この運営権対価というのは、売電収入から民間の事業コストを引き、さらに資金の調達コストを引いて、残ったものということでございますので、この運営権対価というものを、バリュー・フォー・マネーとあわせて見ていきたいと思っております。 ◯議長(稲田寿久君)9番野坂議員 ◯9番(野坂道明君)先ほど局長からは、発電所ごと、要するに全体のバリュー・フォー・マネーはやっていないと、グルーピングもやっていないということであります。これらは常識的な検討方法とはやはり違うのではないかなと思うのです。あえて何で3つだけをピックアップしたのか。なぜこれだけのものができるのに、最大限の対価ですよ、対価が上がっていく可能性があるのにやらないのか、3つに絞るのかというのが、すっと理解できない。  私は、複数のゼネコンあるいは企業、金融機関、地元の企業も含めて同じような声を聞いております。結論的に知事からも局長からもそのような声をきちんと聞いて、ちゃんと検討するという結論をいただいておりますので、それはその際きちっとやっていただければいいと思いますけれども、なぜそのような形で進められていっているのかというのが余り理解がすっとできないということであります。  最後の質問になりますけれども、日野川工業用水道は、これから管渠の更新に約56億円が必要になります。今後の事業のあり方、根本的なところから考え直す時期にあるのだろうと思います。前議会から指摘しているとおり、水道事業の将来課題を踏まえると、例えば、既に広域で事業を運営する米子市水道局などの事業統合、これらも、このような大胆な事業発想、構想も視野に入れながら今後の調査、検討も進めていくべきだろうと思います。この点についてはいかがでしょうか。  先ほどバイオマスの件でありました、バックアップで必要だと、バックアップで必要なのはつくりますよ、とまるから1,700トンの水槽をつくってくれと言われているわけでしょう。それは常識から外れているということです。  やらない理由を並べるより、先ほど言いました財政貢献、地元企業の活性化、このような観点から、この機会をどう生かしていくのか、鳥取県のコンセッションは日本全国が注目しております。しっかりと事業者の声も聞き取って、すばらしいコンセッションの取り組み事例となることを要望します。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めますが、総時間の残りが少なくなっておりますので、答弁は要点を簡潔にお願いいたします。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員の御指摘のとおり、実り多いコンセッションの検討になるように進めてまいりたいと思いますが、詳細、今の各点につきまして企業局長のほうから御答弁申し上げます。 ◯議長(稲田寿久君)湊企業局長 ◯企業局長(湊正彦君)それでは、私のほうから補足の答弁を申し上げます。  まず、工業用水道事業につきましては、VFMが出る出ないにかかわらず、まず、みずから経営改善を努めていきたいと思います。ただ、企業局の経営改革プランにおきましても、広域的運用などを視野に入れた抜本的対策を検討させていただきたいというふうに考えておりますので、まず、みずからの努力を行っていきたいと思います。  水力発電所のコンセッションにつきましては、議員御指摘の点を踏まえまして事業者とよく協議をさせていって、日本一の、日本初のコンセッションに持っていきたいというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時15分より再開いたします。        午後0時13分休憩    ────────────────        午後1時15分再開 ◯副議長(福間裕隆君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  26番浜崎晋一議員 ◯26番(浜崎晋一君)(登壇、拍手)昼からのトップバッターでございます。きょうは3人が我が会派であります。県議会自由民主党が続きますが、よろしくお願いいたします。  医療的ケア児を含む障害児者施策についてということで、知事、また教育長と議論をさせていただきたいと思います。  医療的ケア、家族や看護師が日常的に行っている経管栄養注入、たんの吸引などの医療行為のことでありますが、これらの医療的ケアを必要とする障害児の支援体制の充実については、これまでも何度かこの議場で知事と議論を交わさせていただきました。  県では、訪問看護師を活用したNICUから自宅へのスムーズな移行体制の構築、また、質問もさせていただきましたが、医療型短期入所サービスの整備、短期入所事業所へのヘルパーの派遣など、先駆的な取り組みを創設していただいております。この体制の充実に努めてこられました。評価をさせていただくところであります。  また、これらの施策をさらに発展させるために、日本財団とも連携して、医療的なケアが必要な重度の障害児とその家族が安心して暮らせるプロジェクトを推進していることは承知はしておりますが、その成果に私も大きな期待をしているところであります。どんなに重い障害がありましても、地域の中で安心して暮らせることは保護者の願いであります。体制の充実が急がれるところでありますが、県として描く医療的ケアが必要な重度の障害児者及び家族等への地域支援のあり方、考え方について知事にお伺いをしたいと思います。  また、財団との共同プロジェクト、難病の子どもと家族の地域生活支援事業、小児慢性特定疾患ということだと思いますが、こちらの進捗状況について知事にお伺いしたいと思います。  8月21日の日本海新聞に、医療的ケア児の「受け入れに地域差」との大きな見出しが掲載されました。医療的ケアの必要な19歳以下の子供さんは全国で1万7,000人、4歳以下は6,000人。保育ニーズも高いということだとは思いますが、残念ながら受け入れ先がなく、支援体制の整備が急がれるという内容でありました。鳥取県での受け入れ人数は4人ということになっておりました。  県内でも、医療的ケアを必要とする障害児の数が年々ふえるとともに、重篤化の傾向にあると承知をしております。医療的ケアがあっても、保育サービスを必要とする保護者の願いに対応できる受け入れ体制というものが整っているのでしょうか。また、県として保育サービス提供体制を確保するためにどのような取り組みをされているのか、まず知事にお伺いしたいと思います。  また、学校においても、障害のある児童生徒が子供の年齢、能力に応じて、かつその特性を踏まえた十分な教育が受けられる体制というものを整備することが重要だと私は思うのです。医療的ケア児及びその家族についても、その意向を尊重して教育的ニーズに応えていく必要があると考えますが、県内の小・中・高等学校及び特別支援学校における医療的ケア児の受け入れの状況及び学校看護師の配置状況、教員による医療的ケアの実施状況、学校内の連携体制等、今後どのように学校における医療的ケアの実施体制を整備、充実されようとしているのか、教育長にお伺いをしたいと思います。  続きまして、中部療育園の建てかえ整備についてであります。  昨年の9月定例会におきまして、中部療育園の狭隘化に伴う建てかえ整備について質問させていただきました。中部療育園の利用者につきましては、発達障害に係る外来診療患者の増加など利用者ニーズの多様化等に伴い、利用者数が激増しております。保護者からは施設が狭く使いづらいなどの声が上がっていたことから、狭隘化した施設を一刻も早く建てかえするべきではないかとお尋ねをしたわけでありますが、知事からは、少し時間をかけて関係者とも議論を行い、中部療育園のあるべき姿をしっかり模索していきたいという答弁をいただいたところであります。前回の質問から1年が経過しました。現在の検討状況はどうなっているのか知事にお伺いをしたいと思います。  また、中部療育園の建てかえ整備にあわせて、倉吉養護学校の肢体不自由教育部門について、分教室化などの方法により同じ敷地内に整備して、学校における医療体制の充実を図ってはどうかというような提案もさせていただいたわけであります。教育長からは、保護者や関係者の意見をよく伺いながら対応を検討したいということで答弁をいただきました。分教室化等に対する保護者の意見を踏まえて、その後の検討状況がどうなっているのか教育長にお伺いをしたいと思います。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、医療的ケア児の対策につきまして、県として描く医療的ケアの必要な重度の方々への地域支援のあり方についての所見、また日本財団と連携した難病の子供対策についての状況につきましてお尋ねがございました。  たんの吸引であるとか経管栄養であるだとか、そうした医療的ケアを必要とする子供たちはだんだんとふえてきております。全国でもそうして就学をしている子は8,800人くらいということでございますが、本県でも80人台だったのが今95人ぐらい、やはりじわじわとふえてきています。これはNICUによる非常に高度な医療的ケアが本県でも大分浸透してきておりまして、そういう意味で、命を大切にしてケアする、そういうことで生まれてきた子供たちも助かって生まれてきている。ただ、逆に長い目で見ると、ケアが必要となる、そういう状態の子供たちの数もふえてきている。そういうようなことではないかというふうにも思われるところでございます。  いろんなアプローチの仕方があると思いますが、一つは福祉のアプローチ、それから医療のアプローチ、さらには家族等も含めました相談であるとか、そうした支援のアプローチ、それぞれがあろうかと思います。保育していく、その上での配慮であるとか、また民間の中でそういうショートステイなどを行うそういう施設であるとか、また医療人材、専門のお医者さんの養成や、あるいは看護師さん等の養成、介護人材の養成ということもございます。また、そうした方々をサポートする地域的なネットワークの相談体制なども必要であると、こういうことでありまして、本県でもぴのきおさんなど、私も拝見しに行って、やはりこういう医療的ケアが必要な子供たちに対する独自の対策が必要ではないかと、そういうことから、例えば医療の施設の中でショートステイを行う、そういう意味で家族にもちょっと一息ついていただけるようなレスパイトの効果もありますけれども、そういうショートステイのときに、ホームヘルパーさんといいますか、介護の人材がそちらのほうに手助けに行く、こういうことで医療的ケアを伴ったシステムというものを本県の中でも独自につくれないだろうか。これに呼応して、実際に制度の利用者も出てきておられます。ホームヘルパーのサイド、あるいは医療サイド、それぞれの支援というのを県独自にやってきたわけでございます。  また、NICUから地域移行するに当たりまして、いきなり退院するというのも難しい部分もございます。そこで、訪問看護センターなどにも御協力をいただきまして、そういう看護サービスを提供しながら地域移行していくと、それをサポートするということも始めており、これの利用者も徐々に出てきているということであります。  こういうように、最近始めた県の施設、施策もございますが、議員のほうで御指摘になりました日本財団との連携が昨年から動き始めているところであります。日本財団さんも、全国を通じてのテーマとして、重度の子供、難病の子供、そういう子供に対する社会的なサポートシステムを確立していこうと、その一つのモデル地域として鳥取県を考えていこうではないかと、こういうように、笹川会長もこちらにお見えになりまして、昨年の11月には鳥取大学の中に支援センターを立ち上げました。私も出席させていただきましたオープニングのセレモニーで日本財団の笹川会長も、こうしたことに我が国は力強くやっていかなくてはならないけれども、まずは鳥取大学、そして鳥取県がこういうように手を挙げてくれたと、そういうお話をされていました。ここで現実に人材育成が始まってきています。そうした難病の子供などに対応する、そういう具体的な研修、オン・ザ・ジョブ・トレーニングであったり、それから外来で来てもらって、それで技術を覚えてもらうと、そういうようなことも含めてであります。在宅型の人工呼吸器の取り扱いの仕方であるとか、そういう器具の取り扱いなども含めまして人材育成、研修というのがここを拠点に始まり、これが全県的なサポートをするという位置づけで、本県に新しい拠点ができ上がったところであります。  さらには、地域移行していくにふさわしいようなそうした地域での拠点をつくろうと、今はまだ関係方面と調整中でありますが、例えば看護関係であるとか、病院関係であるだとか、大学関係であるだとか、いろんな可能性があると思いますが、私どもとまた協調していただけるところに御協力をいただきまして、そうした地域でのサービス、これは在宅サービスのような児童発達支援とかデイサービスだとか、そうしたことをやっていただけるような受け皿、これを日本財団との協力の中でもやろうとしております。今思い描いておりますのは、来年度、再来年度ぐらいになるかもしれませんが、東部、中部、西部、それぞれにそうした拠点をつくれないだろうか、今、この辺を目指して動いているところでございます。  そして、議員のほうから、今こうした医療的ケア児の保育ニーズは高まっているわけですが、県内での受け入れ体制はどうだろうかと、その確保のためにどういう取り組みをしていくのかと、こういうお尋ねでございます。  これは最近の県単独のいろんな施策なども含めまして、保育の現場のほうでも大体4分の1ぐらいのところで看護師を置き、そして医療的ケアも対応できるという保育の現場の実態になってきました。そういう中で、議員も御指摘いただきましたように、今、4つの施設で4名の方が現にそうした医療的ケアを受けながら受け入れをされている、そういう状況に来ているところであります。具体的には、今の支援策として看護師の配置が必要になります。そうした意味で、いわばその単価といいますか、サービス提供に対する支援制度というのを私どものほうで組みまして、これで現実にも医療的ケア児の受け入れのモデル事業なり支援事業ということをやっていただいていると、そういうような実態であります。  ぜひ、また今後とも状況をよく調査しながら、実情に即した提供体制が現場のほうでもしていただけるように、これは市町村と協力しながら今後も拡充を考えていければと思います。  次に、中部療育園につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、今まだ検討中ということになりますが、中部療育園整備検討会という検討のスキームを立ち上げまして、既に4回ほど委員の皆さんに集まっていただき、会合を開いています。ここにはそういう発達障害などの課題を抱えているお子様の御家族であるとか、それから倉吉養護学校や、あるいは厚生病院や、そうした各方面の代表者にも入ってもらって、この中部療育園の今後の姿をどういうふうにしていくのか、整備をどうするのか、これを今具体的に話し合っているところであります。  実は最近、本当にここ数年なのですけれども、中部療育園の使われ方といいますか、利用のされ方が急速に変わってきているところであります。以前はそういうタイプではなかったのですけれども、ほんの4~5年前ぐらいまでは年間300人くらいだったところが、今、年間1,000件、2,000件と外来の診療がふえてきていると。現実にも今年度から専門の先生という者を張りつけており、こうした傾向はますます加速するのではないかなというふうに思います。ですから、従来の医療型児童発達支援施設的なものということよりも、そういう外来診療などを行うような、そういう場に今変わり始めているところでございまして、ちょっと利用者の層が入れかわり始めているということであります。ですから、そこをどういうふうに今後考えていくかということも含めて、場所のことなども考えなければいけないのかもしれません。  以前も御意見をいただきましたように、倉吉の養護学校サイドの話もございます。それから現在の中部療育園のところ、あるいは場合によっては、あの近所にも河北中学校のように私どもで使い道のまだ十分決まっていないような施設もあったりしますので、どういうところが具体的に望ましいのか、この辺をそうした選択肢の中で検討していくということになろうかと思います。  最終的には、利用者の利便性なども考えながら結論を出していくべきかなと思いますが、まだ現在は検討の途上というところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)浜崎議員の一般質問にお答えを申し上げます。  初めに、医療的ケア児への対応につきまして、受け入れ状況、あるいは看護師の配置状況、ケアの実施状況、学校内の連携体制等々、どのようにこの体制を充実しようとしているのかといった点につきましてお尋ねがございました。  この医療的ケアを必要とする児童生徒は、今、特別支援学校4校で受け入れておりますが、合計で79名ということでございまして、年々増加傾向あるいは重度化の傾向にあるわけでございます。こうした児童生徒の皆さんへの医療的ケアを行う看護師が、今、常勤2名を含めて19名で対応をさせていただいておりまして、こうした医療的ケアの実施体制のさらなる充実の必要性を認識しておるところでございます。  教育委員会のほうでは、特別支援学校におきますこの医療的ケアの運営について話し合いの場を設けておりまして、協議会という形ですが、県立総合療育センターの医師の方、あるいは県立中央病院など医療関係の方々にも加わっていただき、意見も賜りながら、例えば医療的ケアについて保護者やあるいは教員を初めとする県民の皆様の御理解を得るための取り組みでありますとか、医療的ケアを実際に実施するときの手続を明確化していこうという取り組みでありますとか、ヒヤリ・ハットあるいはアクシデントを教訓に生かす仕組みづくりでありますとか、あるいは配置する看護師の増員や常勤の看護師の配置、あるいは医療的ケアを行うケアルームの改修など、この施設設備あるいは人的な体制の充実を進めてきておるところでございます。教員につきましても、直接医療的行為を行わないわけでございますが、医療的ケア理解のための研修を行うなどを通じて医療的ケアに関する専門性の向上を図りながら、看護師との連携を強化するなど取り組んでおるところでございます。  こうしたことに加えまして、最近重度化が進んでいるといったあたりがございますので、医療的処置の依存度が高い方、あるいは医療的リスクの高い重度の児童生徒への対応を中心に、例えば病院内に教育の場を設置して、医療と教育が連携して医療的ケアの必要な子供の成長を支えるための新しい学びの場、そうしたものができないだろうかといったような、これはまだ研究レベルでございますが、そうしたことにつきましても、先ほどの協議会の中でも御議論をいただいておるところでございます。  今後も学校現場あるいは医療関係者、保護者の方々等の意見を聞きながら、医療的ケア実施体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、中部療育園整備に関連して、倉吉養護学校の分教室化の検討状況についてお尋ねがございました。  さき方、知事からも御答弁がございましたが、中部療育園の整備検討会に倉吉養護学校の学校長あるいは倉吉養護学校の保護者OBの方が委員として加わっておられまして、教育委員会のほうもオブザーバーという形で特別支援教育課のほうが参加させていただいて、一緒に検討を進めさせていただいておるところでございます。この検討会の中で、倉吉養護学校の分教室を設置する場合のメリット、デメリット、あるいは、その中部療育園が仮に倉吉養護学校近辺に移転するというような考え方もあったわけで、そうした場合の影響なども含めて整備のあり方について検討いただいておるところでございまして、これはまだ何回か開催される中で一定の方向が整理されていくということでございますので、そうした議論に県教委のほうも参加する形で対応を検討してまいりたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)26番浜崎議員 ◯26番(浜崎晋一君)知事、教育長、まず最初の答弁でありましたが、ありがとうございました。  本当に全国的にも、先頭を切ってこういった医療的ケア、障害福祉の分野で知事がどんどん進めていっておられる。9月1日には御存じのようにあいサポート条例も施行されたというようなことで、その背景の根底というものがどんどん厚くなってきているし、それから広がってきているということだと思います。  その一つのあらわれが、この例の日本財団との共同プロジェクトということだと思います。小児慢性特定疾患、この子供さんたちの地域生活支援事業ということでありますが、今おっしゃっていた東・中・西に拠点をという、知事の思い、また執行部の関係者の思い、3階には日本財団の関係者もいらっしゃるわけですが、それぞれの思いだと思います。これがこのたび私が質問させていただいた医療的ケア児ということ、先ほど教育長のほうからも新しい学びの視点というのも必要ではないかというお話もあったわけです。ぜひ、こういった重たい方、こういった症状の皆さん、難病の皆さん、そういった方に対してというのは医療的な部分も含めて範囲は広いのですが、この拠点という部分は非常に大事だろうなというふうに思っておりますので、引き続き応援もさせていただきますし、ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。
     それと、きょうの議題ということにつながっていくのですが、また後でお話しします。やはり保育サービスの提供体制の話でおっしゃっておりました、看護師の配置であるとかサービス提供の支援、この辺のところでやはり人的な支援という部分がかかってくるというのは、もうどうしてもここが大きな一つのポイントになってくるだろうというふうに思っています。またこれから後で追及でやらせていただこうと思っておりますが、知事のほうからもそういう説明がありました。  やはりとにかくいろんなアプローチを、というのは、もうそのとおりだと思います。福祉のアプローチ、医療のアプローチ、家族を含めた相談アプローチ、いろんな部分でそれが具体的にいろんな状況に展開していくのだろうというふうに思いますので、その可能性は鳥取はたくさんあるのだというところで、そういった姿勢でぜひともお願いしたいと、そう思っております。  教育長のほうから、特別支援4校の79名ということで、ちょっとお聞きしました。看護師についてということでまた追及をさせていただきますが、常勤2名を含めて19名、4校79名、この辺の数字が全てということではありませんが、これは現状なかなか大変なんだろうなというふうな感じがこのお話を聞いただけでもいたします。ただ、やはりリスク、依存度の高い、そういったお子さんをまず初めにして、新しい学びの場という部分は非常に大事ではないかなというふうに思いますが、やはりちょっと気になるのは、医療的ケアという部分は、鳥取の教育委員会、いわゆる特別支援においては、学校の先生方は、医療的ケアはされないということであります。だから、逆に言うと、看護師の皆さん、正職はもとより非常勤の看護師の皆さん、そこにかかる負担といいますか、その辺は、先生との連携ということになってくると思います。先生もしっかり理解してもらわなければいけない、さっきおっしゃったように。だけれども、実際、看護師の皆さんとの連携という部分、その辺をしっかりということなのですけれども、それはまた追及でやらせていただきますけれども、そこのところがというところかなと思います。  教育長は御存じだと思いますが、他県では学校の先生が研修をされて、資格を、たんの吸引レベルだと思いますが、されているのですよね。そういう部分も十分御存じだと思います。教育長も、教育次長も御存じだと思いますけれども、そういうような背景がある。そういう中で、鳥取はこういうスタンスだという部分でいくと、やはり余計に連携をしっかりとっていくことが大事だろうというふうに思います。  追及がありますのに、こんなにたくさんしゃべってしまって時間がなくなってはいけませんので、次に進めたいと思います。  1回目、医療的ケアを必要とする児童生徒の保護者、放課後等デイサービスやショートステイを実施する事業所が少ない。十分利用ができない等の声をよく聞きます。これは、医療的ケアが必要な障害児を事業所側が受け入れるためには、専門的な知識や技術を持った看護職員、そして支援員の増員が必要であるということは、そういうことだと思います。あわせて、運営面の財源の問題も大きいのですよ。そういうふうに聞いております。  また、現在学校に通っている子供たちも、やがては学校を卒業するのですね。全国的にも医療的ケアが必要な子供の数は増加傾向にあります。そうなると、今後、学校を卒業した子供たちについて、利用ニーズに応えられるサービスが不足するということが絶対出てくるわけです。これを心配するわけです。これらのサービスを充実させることは、就学中はもとよりでありますが、学校卒業後の体制にもかかわってきますので、保護者の皆さん、きょうも関係者の皆さんがたくさんおいでだと思いますが、この不安が大変大きいのです。これはもう知事も教育長も御存じだとは思います、感じておられると思います。  保護者の声をちょっと紹介します。事業所の見学に行った。だけれども、送迎車に乗れないなどの理由で利用も断られた。医療的ケアに対応できる事業所が少ないです。行き場がないです。重度障害のある子供が安心して放課後や卒後に生活できる場を提供してほしい。正直な気持ちだと思います。それから兄弟がおられると、片方が例えば医療的ケアが必要な子供さんが家におられて、それで弟さんは普通の小学校に行っておられる。運動会があった。その逆もあるわけですが、そうすると、例えば特別支援の学校でも文化祭とか、イベントなどがありますから、学校と自宅をその都度往復する。大変なんです。兄弟の行事にせめてゆっくり参加したいですとおっしゃっていました。ライフステージに応じて切れ目なく地域生活を支える支援体制を構築してほしい、こういうことだと思います。総合的なサービスを提供する県立施設が東部地区にも必要だ。これも忌憚のない正直な気持ちだと思います。  こうした不安に応えるためにも、西部地域では総合療育センターが総合的に支援を行っていらっしゃいます。それは承知しておりますが、東部、中部でも何らかの対応ができないものかというふうに思うところです。民間の社会資源をふやすことというのはもとよりであります、今の流れもありますから。ただ、東部地区において安心感や公平感のある公的な支援での放課後等デイサービス、こういった事業や卒後利用する生活介護事業、こういったものを実施することを含めて、県として将来を見据えた支援策をぜひとも講じるべきと考えますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。  また、県だけではなくて、教育委員会及び特別支援学校においても、児童生徒の放課後の充実と卒業後の生活の場の確保及びそれを踏まえた教育ということだと思います。重要であると思います。もちろん教育長もそう思っていらっしゃると思います。在学中から卒業を見据えた支援が必要と考えますが、教育長の所見をお伺いしたいと思います。  あと一つ、学校看護師、県内の特別支援学校においては、先ほどお話もありました、私も申し上げましたが、正職員の学校看護師が配置されていない、または配置されていても1人しか配置されていないというようなことです。今、鳥養、白養、倉養、皆生養護で、正職がいらっしゃるのはたしか鳥養と皆生養護だけ、あとは非常勤の看護師さんが頑張っていらっしゃるというようなことだと思います。白養の場合は訪問学級という部分は医療センターというようなことで、それまた状況が違いますが、そういうような背景かなというふうに思っております。  というようなことで、子供の数に比べて正職員の看護師の人数が大変少ないということで、養護学校に正職員である学校看護師が配置されたことは、関係者の皆さんの御努力を本当に評価されるものだと思います。一時、養護学校も大変でありましたが、それで正職員が来られました。そのときに聞いた話は、保護者や教員の安心感はもとより、非常勤看護師を含めて看護師全体の組織立った動きが今まで以上にできるようになったということも聞いております。効果がとっても大きかったのではないでしょうか。そういうことからしますと、やはり保護者や学校の安心感のためには、今後、全ての特別支援学校への正職員である看護師の配置であるとか、複数配置ということが必要だと考えますが、教育長の所見をお伺いしたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から重ねてお尋ねがございました。  特に子供たちの場合は教育委員会サイドと連携をしていかなければならず、多分共通の資源を有効利用していくということもあろうかと思いますが、私サイドのほうのお話を申し上げたいと思います。  東部のことで言えば、一つには鳥取療育園があったり、あと、鳥取医療センターがございます。この鳥取医療センターでは、現在、障害児を受け入れることをもちろんしていますし、また、成人した後、18歳以降につきましても、療養介護を行うというようなこともされているわけでございますが、こういうもの以外にも東部にも幾つか事業所がありまして、今おっしゃるような受け入れも一部はできていると思います。  ただ、これからどうやってそこをさらに受け皿を拡大していくのか、機能を強化していくのかなど、課題は残っているわけであります。例えば西部のほうですと、先ほどちょっとうちのほうの事業を始めるきっかけとなったぴのきおさんというNPO法人ですが、障害を抱えるお子さんですね、医療的ケアなど、そういう御家族の方が中心になって設立されたものでございます。ことしの3月末に施設をオープンさせたわけでありますが、生活介護の事業所としてエールというものをつくられ、また、放課後児童クラブの施設を立ち上げられました。これは施設整備の補助金を活用しまして、こういうサービスを始められたわけであります。中身としては、当事者に近い御家族の方が中心になってつくられていることもございまして、いわばこういうものが必要だよというものをモデル的に自分たちでアレンジしてやっておられるということであります。  また、先ほどおっしゃった日本財団との協調事業もこれから大事だと思います。まだこれは今構想を練っている段階でありますが、発達支援とか、それからデイサービスであるとか、また、放課後児童クラブのような機能であるとか、そうしたものを専門人材のおられるところに委託をするような形で開設をすると。こういうことで何人かずつ、10人、20人と受け入れの幅が広がってくれば、鳥取県はそんなに人口規模の大きなところではありませんので、一定のニーズの充足ということは手が届き得るところではないかなというふうに思っております。  こうした意味で、例えば時間を延長するとか、サービスを強化しようとした場合、やはり看護師さんであるとか、必要な人材の育成や確保、それに対するいわばファイナンス、先ほど議員も資金の問題をおっしゃいました。持続可能な形で施設が動かなければならないわけです。障害児、そしてこうしたケアのお話は、市町村が本来、福祉サービス等の中では中心にならなければなりませんので、今後、そうした市町村とも協議をしながら、どういうふうにこうしたサービス提供の受け皿を拡大できるか検討していきたいと思います。何らか充実策を日本財団の事業なども横にらみしながら、私どもでも機動的に展開してまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)浜崎議員から重ねて御質問を賜りました。  初めに、医療的ケアの児童生徒の放課後の居場所づくり、あるいは卒後の生活の場の確保等を踏まえた教育が必要ではないかといったことでございましたが、この医療的ケアが必要な児童生徒につきましては、放課後については放課後等のデイサービスの事業所につないでいくということが今中心でございます。そうした福祉事業所との間でいろんな情報のやりとりをしつつ、児童生徒の方々の個々の実態でありますとか、要望に合わせたサービスとなるように、事業所とも連携をとらせていただいているところでございます。  ただ、お話があったように、受け入れ先の事業所そのものの数が非常に少ないというのが現状でございまして、より一層、そうした事業所等の確保が期待されるところでございます。県の教育委員会といたしましても、そうした場の確保、あるいは、そこへのつなぎといいますか、充実を図ってまいりたいと思いますし、福祉保健部と執行部との連携を強化してまいりたいと存じます。  また、医療的ケアに当たる看護師について、正看、正職であります看護師の配置や複数配置が必要ではないかといったお話がございました。常勤の看護師につきましては、実は学校の教職員の定数というのは国のほうで標準法というのがありまして、それで定まっておるのですが、常勤の看護師というのは標準法には入っていませんでして、鳥取養護学校での事案を契機にして、今、2校、2人の定数をもって2人の常勤看護師を配置しておりますが、いずれも県単独で配置をしているといったような実態がございます。一方、非常勤の看護師については国のほうの補助制度があって、補助金を使いながら配置をしていると。そこのあたりはいろんな効果等を勘案しながら配置をしていく必要があろうかというふうに思っておりますが、先ほどお話のありましたように、保護者等のアンケート、あるいは教員のアンケート等から見ても、配置で非常に安心感が深まったというようなことでありますとか、看護師と教員との連携が強化されて、保護者としても非常に安心だというようなお話も伺っております。非常に学校現場、あるいは保護者からは好意的に常勤の看護師の配置を受けとめられているのではないかと思っております。引き続きまして、こうした状況等を勘案しながら、看護師の配置の充実に向けて検討してまいりたいと考えておりますし、あわせて国に対しても、この制度の改正について要望をしてまいりたいと考えておるところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)26番浜崎議員 ◯26番(浜崎晋一君)知事、教育長、ありがとうございました。しっかりと進めていっていただきたいというふうに思います。  それでは、追及を続けていきたいと思います。  中部療育園。先ほど知事のほうからお話がございました。利用者数が27年度は1,896、平成28年度が2,897、平成29年度は8月末現在で1,438ですが、年換算で計算すると3,451というような数値が出ております。かなり増加していくということです。先ほど知事からも外来診療で1,000件ぐらいというお話がございました。発達障害の方々もふえているようであります。利用者の増加で、ますます狭隘化が進んでおります。日々の療育活動にも支障を来しているのではないかなと心配するところであります。保護者、関係者、地元自治体等の意見をよく聞いて、時間をかけることも大事でありますが、現実問題として狭隘化の問題、かなり猶予のないところまできているのではないかというふうに思うところもあります。  中部圏域の子供たちに質のよい療育を提供するために、人の配置はもちろんでありますが、療育環境を整えるためにも、ここの部分はハード面の整備も重要だろうと思っております。そろそろ改築場所の決定など、整備方針の結論を出す。先ほど知事のほうからはもう少し時間をということでありましたが、答えられる範囲でよろしゅうございますが、今後のスケジュールを含めて、知事の所見をお伺いしたいと思います。教育長のほうは結構でございます。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)中部療育園のあり方につきまして、重ねてお話がございました。議員のほうからもかねて問題提起がありますように、中部療育園の老朽化といいますか、使い勝手が悪くなってくる。特に利用者はふえていますので、ちょっと手狭感が出始めているということもありますし、もともとある意味プレハブ的につくっているところもありますので、それをきちんとした施設にという面もあります。また、前回の御質問のときは、倉吉の養護学校との関係もありまして、だからここをどういうふうにほどきながら問題を解決していくかということで今議論が重ねられているところです。  一つには中部療育園については、利用者の視点も入れて方向性を出していくということでありますが、できれば今あるところと近いほうが便利なのだという方が、今通っておられる方には当然ながらそういう御意見が強かったりしております。他方で、学校のほうに例えば併設をするという考え方もあり得なくはないわけでありますが、そちらは学校側のスタッフのほうで充実していくことで対応できるのではないかとか、そういう御意見も出ていたりしております。いずれ選択肢がもうだんだんと絞られてくると思いますが、年末までか年度内かぐらいにはそちらのほうの結論が出るのではないかなと思っておりますし、そうであれば、平成32年とか平成32年度とか、そうしたあたりで供用開始できるような、そういうスケジュール感もそろそろ見え始めたのかなというふうに思っております。  ただ、今の医療的ケアの必要な子供たちの事情などもだんだんと変わってきていますし、発達障害の問題も実は倉吉の療育園の場合は非常にウエートが大きいものですから、その辺の実情をよく踏まえて、また改めて議会のほうに相談をさせていただきたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)26番浜崎議員 ◯26番(浜崎晋一君)今、知事から答弁をいただきました。なかなか難しい問題があるのも重々わかっております。年末、年度内、また供用開始、そういう流れで、しっかりと。しかし待っている子供さんなり親御さん、今の状況があります。よろしくお願いしたいと思います。  追及を続けます。県民挙げてのあいサポート運動の継続というのは大事であります。また、障害者のスポーツ、文化、余暇活動の機会の場を提供すること、支援を行うことも大切であります。しかし、知事もよくわかっておられると思うのですが、教育長もそうだと思いますが、何より、障害のある方と、その家族の根本的な生活を支える障害福祉サービスが充実していること、これが一番大事だと私は思っています。身近な地域で生活するためには、日中活動、働くための場所が必要であります。家族の支援のために使いたいときに使えるショートステイ、大変お世話になっております、皆さん。ヘルパー派遣など、訪問系のサービスのほか、相談支援業務の強化や住まいの間であるグループホームの整備も今後必要になってくるでありましょう。また、医療的ケアが必要な方も同様のサービスが受けられる支援体制、民間支援も含めた社会資源を整備していくことも必要であります。これはもう知事も重々わかっておられると思います。  実際に私はいろいろと相談を受ける中で、特別支援学校を卒業した後の受け入れ先がない。この課題というのが一番大きいみたいです。少しでも早い時期に卒業後の居場所づくりが必要だと考えております。このことは本当に懸案の問題だということを関係者の皆さん全員がおっしゃっておられました。そのためには、既存施設を例えば使って、早期に受け入れ体制、仕組みを構築するというやり方も考えてはどうかと思っています。先ほど来、知事がいろいろと考え方の方向性みたいな部分は、部分でおっしゃっておりましたので、そういった部分の可能性もあるんじゃないかな。特別支援学校においては、早朝子ども教室、これは県独自です。それから放課後子ども教室、これは文科省でありますが、実施しているとお聞きしております。あわせて学校は在校生、卒業生の一番なじみの場所です。医療的ケアを担っておる看護師も、先ほどの教育長の話ではないですけれども、おられるわけであります。例えば特別支援学校と連携した受け入れ事業の実施など、これまでにない発想で受け入れ体制や仕組みをつくっていく視点が必要であると思いますが、知事及び教育長の所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)また重ねて浜崎議員から、これまでにない視点でこうした対応をというお話でございます。  従来、多分一つなかなか厄介だったのは、学校という存在があって、特別支援学校というのは、やはり学童期におきまして重要な役割を果たすと思います。ここと社会とのつながりのところを上手につくっていく、それが一つの解決策を広げるところにもなるのかなと思います。これは教育委員会等とよくまた今後協議してみたいと思いますけれども、一定の人材確保なり施設の拡充をした上で、こういう特別支援学校を活用して、例えば放課後児童クラブのような、そういうことを何らかの形でさらに強化していくとかいうことが、居場所づくり、生活介護等にも広がっていくものになろうかと思います。  また、既存の民間施設をさらに拡充していくと、せっかくそういう施設も立ち上がり始めております。ただ、まだ看護師等の人材確保のことであるとか、どうしても経営上の不安定さ等もございます。鳥取県の場合、東部でも数十名とかそういうオーダーですから、そうした方々が対応できればよいわけでありまして、地元の市町村の役割にはなるのですけれども、市町村とも協調して、そうした受け入れの強化を図れるような支援制度の改革ということもあり得るのではないだろうかなと思います。例えば施設整備面であるとか、送迎面であるとか、それから人材面であるとか、そうしたところでいろいろ見直しをかけていくことで、おのずから受け皿を設定しやすくなる、それがサービスの受け皿拡大になるということもあろうかと思います。  あともう一つは、日本財団と今協力してやっている事業、これが有効に機能し得ると思いますし、関係者も今それに向けて英知を結集中でありますので、これも重要な核施設として生かしていければというふうに考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)浜崎議員から重ねて御質問を賜りました。  私どもも、保護者の方々から、放課後、あるいは卒後の居場所について非常に困っているというようなお話を伺っておりまして、教育委員会としても、そうした放課後等の居場所づくりの必要性については認識をいたしておるところでございます。こうしたことにつきまして、執行部のほうともよく連携、協議しながら取り組みを進めていければというふうに思っております。その際、先ほど学校を放課後子ども教室のような形で利用できないかというようなお話がありましたけれども、そのやり方も一つの方法ではないかなと思っております。ただ、施設管理上の問題でありますとか、人的体制の問題、そうしたあたり、少なからずクリアしていかなければならない課題というのはあろうかと思っております。そうしたことにつきましても、執行部のほうともよく連携、協力してまいりたいというふうに思っております。 ◯副議長(福間裕隆君)26番浜崎議員 ◯26番(浜崎晋一君)知事、教育長、大変前向きな答弁をありがとうございました。1年ぐらい前だったでしょうか、私がある子供さんと、お母さん、お父さんをよく知っているものですから、肢体不自由で、医療的ケアもありますし、多少重複障害なのですが、勉強していますかと言ったら、うんと、言葉で出ないのです。勉強するのがうれしそうな。本当に僕はそのときに糸賀一雄先生のこの子らを光にというのを感じたのですよ。勉強しているのかと。その子が僕のほうを見ながら、うんと。おじさん、勉強できるようになったのだよと。自分の体のことがありますから。そういった部分をぼっと発してくるのですね。僕はそれを感じました。  このたびは医療的ケア児及び家族が地域で安心して生活していくためにということで、今しゃべりかけましたけれども、さっきの答弁の続きをちょっと済みません。  知事、ありがとうございます。支援制度の改革、施設整備、送迎面、また人材面の部分、ぜひ前向きに捉まえていただいて、しっかりとよろしくお願いしたいと思います。教育長も看護師の問題は国のほうにということをおっしゃっていましたし、人材面の部分では、知事も連携とってやっていくということをおっしゃっていただきました。看護師の問題とかいろいろ問題はありますが、そこのところは連携をとっていただいて、また知事からもお話がありました市町村、鳥取市の障害福祉などの関係者も一生懸命であります。ぜひ連携をとっていただきたいと思います。  最後、医療的ケア児及び家族が地域で安心して生活していくためには、教育や福祉サービスはもとより医療、福祉、それから保健との連携というのが重要であります。また、保育もそうであります。市町村との連携もあるでしょう。それぞれの分野がお互いに連携しながら、医療的ケアが必要な子供たちや重身の子供たちに、どんなに重い障害があっても、家族とともに地域で生活できる、そういう共生社会の実現を知事と教育長には切にお願いをしたいと思います。  昨今、公の施設における指定管理制度やコンセッションの導入等、官から民への運営移管というものが主流となりつつありますが、重度心身障害者を初めとする障害福祉分野については、行政のいち早い気づきと、それに対する素早い対応という、それによって福祉サービスの環境を変えることが私は必要だと思っております。  あいサポート条例が条例のための条例にならないように、なってしまうのではなく、真にその理念が生きてくる取り組みというものをぜひお願いしたいと思います。あいサポの理念を生かすということであります。障害福祉の父であります糸賀一雄先生、もう知事とはいっつも議論させていただいておるこの場で、糸賀先生のお話を出させていただくのですが、お互いに。「自覚者が責任者である」とおっしゃっているのです。「自覚者が責任者である」こういう言葉を残されました。社会のさまざまな課題に気づいて、それら課題を解決するために、みずから責任者として多くの実践を通じて日本の障害福祉のありようを変革してこられた糸賀一雄先生自身の生き方をあらわしていると思いますよね。「自覚者が責任者である」  どうかこれからも郷土の大先輩の思想を忘れることなく、障害福祉のさまざまな課題に取り組んでいきたいと決意を新たにしているところでありますが、知事からコメントをいただいて質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から重ねて御意見と御質問を頂戴いたしました。  糸賀先生のお言葉をひかれましたけれども、まさにあいサポート運動の引用がございましたが、ここにおられる議員の皆様、あるいは県民の皆様が自覚者であったからこそ私どものところであいサポート運動が起こり、あるいは手話言語条例がつくられ、そうして今、鳥取県の「障害を知り、共に生きる」という、その考え方が形になって各地へ今広がり始めているということだろうと思います。  と申しますのも、ついこの週末は手話パフォーマンス甲子園がここからほど近いとりぎん文化会館で行われました。実際、あの舞台に挑戦する権利を得た各地から集まられた、北海道から沖縄までの少年少女、その人生に大きな影響を与えると思いますが、手話の大切さ、障害者とともに生きていこうということ。また、そこで実際今回優勝したのも奈良県立ろう学校でありまして、2回目の優勝だったのですけれども、すばらしい演技力でありまして、まさに光であるわけであります。このように、今、我々の中から価値観が大きく変わり始めているのだと思います。特にきょう焦点を当てていただきました医療的ケアを必要とするような重度のお子様たち、こういう方々の医療に頼らずしてなかなか生きていくのが難しい。ただ、医療と福祉と別々のところにいるからこそ、制度的な隘路のようなもので、なかなかこれがうまくくっついていかない。本県では、医療施設で福祉サービスを提供するという少し違ったアプローチを始めたり、日本財団との協力で政府の縦割りとは別の今アプローチをしようとしているわけであります。  昨日、ノーベル物理学賞が発表になりました。LIGO(ライゴ)という研究グループが重力波を発見するわけであります。これは日本の研究チームもかかわっていたということでありますが、こういう分野、ブラックホールだとかそうした研究をされて、宇宙物理学を開いてきたのがスティーヴン・ホーキング博士でいらっしゃいました。皆さんも御案内の方だと思います。発声器を使い、車椅子、電動で歩かれるわけでありますけれども、その頭脳によって、今の重力波の問題も絡むわけでありますが、宇宙の成り立ちというのが人類にもたらされる、知恵が与えられるということになりました。  ホーキング博士もこういうようにおっしゃっておられるのですね。「I wouldn't be here todayif it were not for the NHS」、全国保険制度というのは、要は医療保険のような仕組みであります。すなわち、「全国保険制度がなければ、私にはきょうという日すらなかっただろう」と、そういうようにおっしゃって、ここまで私が生き残ってこれたのは、高度なそういうケアをある程度お金もかけながら受けることができたからだというように感謝する言葉を述べられているのですね。これはやはりホーキング博士の価値を引き出して、その恵沢が人類の宇宙物理学の知恵になってくる前提に、社会全体でそういう医療的ケアで支えてきたそうしたイギリス社会の姿があるわけであります。  我が国においても、また本県においても、そうした道を選択することが、長い未来の日本の社会、世界のためにもいいことなんではないかなというふうにも思えます。「咳の子のなぞなぞあそびきりもなや」と中村汀女が言っていますけれども、病気の子供でもいっぱいエネルギーを持っていて、私たちが圧倒されるぐらいの力がある。そんなことを考えれば、医療的ケアと向き合って生きている子供たちや家族、ぜひ鳥取県の中でも支える、そういう仕組みが大切だというふうに考えます。  今後とも、浜崎議員初め、議員の皆様のいろんな御提案を実際に政策として実行していくことで、私たちはパイオニアになれるのではないかと思っております。 ◯副議長(福間裕隆君)12番浜田一哉議員 ◯12番(浜田一哉君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の浜田一哉でございます。  9月定例会に当たり、私見を交えながら建築技術の革新と伝承について平井知事に伺います。  歴史をひもといてみますと、日本の建築技術は第二次世界大戦や多くの台風、地震、津波などの自然災害を経験する中で、さまざまな技術革新がなされ、発展してきたものと思います。  初めに、これまで幾度かこの議場でも取り上げられているCLTの取り組みについて、まず議論をしてみたいと思います。  CLTとは、ひき板を並べた層を板の繊維方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判を示す用語であります。新しい木質構造用材料として1990年代からオーストリアやノルウェー、イギリスなど、ヨーロッパを中心に木造高層ビル建設に使用され、急速に普及しているとのことであります。CLTのメリットとして、1つ、比較的低質な木材を大量に利用でき、木材需要の拡大と二酸化炭素固定に貢献。2つ目、厚みや幅があるため、高い断熱性、遮音性、耐火性や強度が期待できる。3つ目、現場施工がシンプルで工期が短縮できる。4つ目、鉄筋コンクリート造などと比較して軽量であるとされています。  2010年、木材利用の確保を通じた林業の持続的かつ健全な発展を図り、森林の適正な整備を目指した木材利用促進法が施行され、耐火要求のない低層の公共建築物については、原則として木造化の検討が求められており、今後、県産材の需要が増し、林業、林産業に光明が差すことにつながるものと期待をされているところであります。  また、このCLTに係る国の動向について申し上げますと、最近の大きな動きとして、2016年6月に林業及び林産業の成長産業化を推進し、地方の持続的な産業の育成と雇用の確保を図り、地方創生を実現することを目的に、CLTの公共建築物、商業施設等への積極的な活用に向けて、関係省庁の緊密な連携を確保し、実行ある方策を検討するため、CLT活用促進に関する関係省庁連絡会議が設置されました。この検討会議の中では、普及啓発や設計、施工者が学べる環境整備、中高層建築物が容易にできるような部材の開発、全国的な生産体制の構築、コストの削減等を目標において検討されているようであります。  本県の取り組みについて、担当者に伺いますと、平成27年に設立されたCLTで地方創生を実現する首長連合に当初から加入をされ、設立時には10道県、4市町村の合計14首長であったものが、ことし3月31日現在では、24都道府県、69市町村の97首長にまで拡大されたとのことです。また、本県はあわせてCLT及びCLT工法の普及を通じて、木造建築を中心とした建築の可能性を広げ、森林資源の有効活用や循環型社会の実現に寄与することを目的として設立をされた日本CLT協会にも加盟をしているとのことであります。知事のCLT活用促進に対する熱意のあらわれと理解をし、評価をしているところですが、どこまで本気で取り組んでいくのか、今後の取り組みや戦略が重要になってくるものと推察します。  こうした組織が普及促進に向けてどのような役割を果たしていくのか、また、どのような支援を考えられているのか、平井知事に伺います。  先日、ことし3月に日本初のCLT専用工場を建設された真庭市にある銘建工業株式会社や、現在、真庭市において工事中の(仮称)北房統合小学校、CLTを使って建築された株式会社アサノの木材倉庫、そして本県で唯一のCLTであるJパネルを製造している協同組合レングスを視察してまいりました。お話を伺って感じたことは、前述したような長所は認められるものの、商品コストがかかり過ぎること、そして、使用される金具が特殊で別注となるために大変高価になること、法的な整備が十分できていないために、審査に時間を要すること、設計や施工業者がまだ少ないことなどを上げられました。  当初から単価の面が第一にネックになるであろうと予測していましたから、想像どおりの課題があるものと認識したところであります。材料単価を下げるのは公共工事だけでは到底補うことは困難であります。まずは公共工事等で実践をし、それをモデルにして、いかに需要をふやしていくかということに尽きると思います。解消するには商品開発もありますが、設計、施工業者にとって使いやすいもの、施主にとっても魅力あるものと映らなくてはなりません。実証実験の積み上げや技術者の育成、主要用途の多様性の追及、商品PRなど、取り組むべき課題は山積していますが、取り組むべき価値、将来性を秘めた新建材であると思っています。  これまでの取り組み状況とあわせて、今後どのような取り組みをしていくのか、平井知事の所見を伺います。  新たな工法や素材が開発をされ、また、普及に向けた取り組みがなされる一方で、高温多湿という日本の気候風土に合わせた伝統的な工法である在来工法、いわゆる木造軸組み工法の行く末を案じております。地域でとれる木材を地域の住宅建築に利用することで、山間部の自然環境を維持し、林業などの地域産業を活性化するなどの相乗効果もあり、改めて在来工法の価値を再認識すべきではないかと考えます。  諸説ありますが、法隆寺や五重塔は木造建築として1300年を経た今でも現存しており、長きにわたって幾度となく遭遇したであろう地震などの災害に耐えてきたその技術の高さには、ただただ驚くばかりであります。特に五重塔については、見た目は不安定そうに見えるのにもかかわらず、なぜこれまで持ちこたえることができたのか、現代の技術をもってしても謎だそうで、いまだに解明されていないとのことであります。ただ、五重塔の大きな特色である建物の各所が柔軟に動く構造は、耐震性にすぐれ、1968年に建築された日本初の超高層建築である霞ヶ関ビルに応用されたそうであります。そうした実績をきっかけに、この技術は世界中の高層建築に取り入れられるようになったとのことであります。東京スカイツリーの誕生の際には、応答せん断力を40%軽減する質量付加機構という最新技術を用いた設計と五重塔の類似点が話題となったことも記憶に新しいところであります。  こうした技術は特殊な例としましても、何代にもわたって引き継がれてきた伝統的木造建築技術の継承は大変重要なことであり、今後についても守っていくべきものと考えますが、平井知事の御所見を伺います。  日本は高温多湿の気候風土と山間部の多い地理的条件から、木材の生産に適していることが知られています。国や自治体、製材業者、工務店等が連携し、地元木材の住宅への使用を促進する取り組みを行っています。多くの自治体では、地元木材の住宅への利用により、建築費を一部助成する制度を設けています。本来、木材は加工のしやすさ、軽さの割に強度が強いことなどから、建築材料に適しており、古くから日本建築の主要材料として使われてきました。木材は適正な使用を行えば1000年以上の耐久性を持つことは、特殊な事例とはいえ、現存する京都や奈良の寺社建築が証明をしています。そして、木材を縦横に組み合わさせて使用する伝統木工法は、日本で起こる大地震にも耐え得る耐震性を持っています。我が国には伝統工法を受け継ぐ技術者集団である大工が存在をし、現代の建築構造学や実物大の耐震実験を通して、地震時の安全性を確認する取り組みもなされています。  以上のように、木造住宅には日本の風土に適したすぐれた特質があり、環境にも優しい材料であることから、今後の発展が期待される住宅工法であり、県としてもしっかりと利用促進に取り組んでいく必要があると考えますが、現在の取り組みとあわせて、知事の御所見を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田一哉議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、CLTにつきまして何点かお尋ねがございました。鳥取県で首長連合に加入し、CLT協会に加入をしていると。今後、CLTの普及促進に向けてどういう役割を果たし、活動を行っていくのか。また、CLTについて、新建材としてどういうように活用する方策を今後考えていく、広げていくのかと、こういうようなお尋ねでございます。  今、御指摘ありました日本CLT協会は業界の皆さんが中心なのですけれども、銘建工業の中島社長が会長をされておられますし、また、首長連合、これは地方創生をCLTでやっていこうと、そういう首長連合でありますが、尾崎高知県知事に私も誘われまして、その尾崎知事と真庭の市長が会長を務められておられます。今、議員がおっしゃったように、繊維を直交させてこれを張り合わせるということで、強度を強くする。それによって、大構造の鉄筋の高層の建物でも建て得るのではなかろうか。よくスローガン的に言われるのは、ビルのように何階建てにもなる。普通建築基準法だと2階建てというようなことになるのですけれども、それを、もっともっと、建築基準法も改正して、こういう木造での構造物がつくれるようにすべきではないかという議論などが典型的にあったわけであります。平成25年に、このCLTのJAS規格認証ができるようになり、また、平成28年ですか、建築基準法も省令なども改正になりまして、こうしたCLTの活用の幅や社会的認知が今急速に広がり始めています。  その背景には、こうした全国組織の活動もございまして、政治面でも本県の石破代議士も中心人物なのですけれども、こういうCLTで地方創生を応援していこうという政治的なグループも形成をされています。それで、各省庁も横断的な組織で、議員が今おっしゃったように、それぞれの役所ごとにCLTへの対処というのをつくるようになってきたということであります。  こうした諸規制がいろいろ絡んでくるものですから、活動として行っていますのは、そういう制度の改正を求めるものであったり、また、CLTはまだまだ使われていないものでございますので、そういうCLTをもっともっと活用するように、その促進の施策を国のほうでもつくるように働きかけたり、また、現実の活用例、これをつくっていく。これと関連しまして、最近では、オリンピック・パラリンピックの選手村プラザの採用をかち取った背景には、こちらの全国組織運動もありました。私もこの首長連合の一員として東京のほうに参りまして、東京オリンピックの実行委員会のほうに参りまして、武藤総長のほうに要請活動をさせていただいたところであります。  こういうように、いろいろと成果は出てきているのですけれども、議員がおっしゃるように、いろんな課題があるのは事実であります。一番問題なのは、やはり高いコスト面でありまして、実際、建築設計するにしても、どうしてもコストのことを考えますので、それなりの何かメリットがないと使わないかもしれない。または、先ほど金具のお話がありましたけれども、CLTの設計をしていくということになりますと、やはり現実にそのための知識も必要でありまして、そういう住民の皆様、国民の皆様の周知と、あとそういう実務に携わる建築設計の方々も含めた研修、人材育成というのもあわせてやっていかないと、これはなかなか前に進まないということになろうかと思います。ですから、この辺を国もやっていますけれども、本県としても強化していく部分だろうと思います。  年明けに隈研吾先生、オリンピックの国立競技場の設計者として名をはせた方でいらっしゃいますけれども、こちら鳥取のほうに来ていただいて、こういうCLTの意義、その活用方法について特別講演の御講演をいただくという予定をさせていただいておりまして、市町村など自治体や、あるいは技術を持たれている建設関係者、建築関係者や住民の皆様にいろいろとお聞きをいただき、それでこうしたCLTの活用方法について学んでいただこうということを考えているところであります。  今後の戦略としても、今、実は重厚長大型の何かシンボリックな、オリンピックの施設もそうなのですけれども、そういうところに入れることにどうも目が行っているような気がします。確かにオーストリアであるだとか、海外の様子を見てみますと、物すごい大きな公営住宅だとか、そうしたところにCLTを活用するということが目立つわけでありますけれども、ただ、本県の場合、全国でも数少ない、全国で7つしか実はCLT生産施設はないのですけれども、本県のレングスさんは、また独自のCLTをつくっておられます。それは厚さ36ミリのCLTでありまして、化粧材のようにきれいに見える。そこでまた構造もとれる。このたび国交省のほうの認証もとれまして、構造壁として活用することができる。特に洋風の建築などに壁材として使うことが可能であるということになりました。また、きれいなものですから、家具だとか建具なども含めまして、別の用途、建築以外の用途にも現実には活用されていまして、この議場で今回も取り上げていただきましたけれども、埼玉とか九州方面で販路もできてきていまして、生産のむしろ拡充をしたいというぐらいであります。  今のCLTを取り巻く議論がそういう重厚長大型の大きな建物への活用に目が行きがちでありますけれども、本県の特性からすれば、そういう化粧材的で、プラス構造的にも強度もある。そういう意味で、CLTというのも活用したらどうかと、こちらの方面も全国的にももっと認知をしていただきたいと思いますし、活用していただければと思います。  私どもとしても、そういうレングスさんがございますので、今後、生産を強化しようとかいうことがあれば、ぜひ応援をさせていただきたいと思いますし、県内のいろんな公共施設でも活用の余地をつくっていきたいと思います。  あわせまして、伝統的な木造建築技術の継承、それから木造住宅の意義、それのこうしたものを振興していく取り組み等につきまして、お尋ねがございました。  議員のほうでお話がありましたように、なかなか職人さんも減らざるを得ないような状況になっておりまして、それは特に木の家づくりの衰退の傾向があったからではないかなと思います。ただ、木造住宅にはすばらしいことはいろいろあるわけでありまして、先ほど五重塔のお話がありました。多分その秘密は芯柱にあるというふうに言われていて、柳のように振動を吸収する。それによって建物か壊れないという仕掛けを内在させていたということであります。これはそれを意図してつくったのかどうかはよくわかりません。むしろ古くても残っていたから、ああ、こういうような原理が生きるんだなということが後世になってわかったのかもしれません。いずれにせよ、そういう木造建築のよさというもの、それが世界的にも認知をされてきているところであります。  よく奈良の正倉院の話がございます。あれもなぜあの中で貴重なものが1000年、2000年というふうにもつのかということでありますが、やはり木造建築のよさがあるわけでありまして、湿気がものを悪くします。ところが、木造建築の場合は調湿機能があって、湿気を吸収するわけであります。そういうようなことで、中の物の保存性がよくなる。それは我々の住まいであれば、住み心地の問題にもなるわけです。また、断熱性のことからしますと、鉄筋コンクリートの建物の倍の断熱性能があって、保温効果などがある。これはだから特に鉄など入っていれば、その分だけ熱の伝導性がよくなりますから、そういうことと比較してみると、やはり木造の住宅のよさが認められるのではないかということもあります。また、木の香りであるだとか、自然のテースト、これがやはりリラクゼーション効果というのがあったり、ストレスを和らげる作用が、こんなように、いろいろといいことはあるのですけれども、何となく木造以外の建物のほうに世の中がずっと世界的に向いてきたということだろうと思います。  ただ、木造のよさというものをもう一度見直してもいいのではないだろうか。特にCO2の吸収などを考えますと、県産材の活用、これは林業に働く人たちのこともありますので、こうした県産材活用を推奨しようではないかということであります。これに実は、本県の場合は伝統技術の継承事業を組み合わせて最近やるようになってきております。そのかなめなのがとっとり住まいる支援事業という事業でありまして、今、最高100万円くらいまで出るわけでありますが、それに子育て世帯の応援が入っています。現に最近の傾向としては、このとっとり住まいる支援事業によりまして、木造住宅の着工が維持されていますし、特に県産材の活用のボリュームが、これがぐんぐん今膨らんできています。やはり家の中で家の建材としてこうした物を使いますと、県産材を使いますと、ボリュームが大きいですから、県産材の活用が県内で広がるもとになります。そこに左官屋さんの技術だとか、そうしたものを入れていくと、加算をするというものもつけさせていただいて、この利用者もおられるわけであります。住宅メーカーさんもこれを使われる、使うように推奨されているのだと思います。そのようなわけで、県産材の活用量が5万立米から14万立米ぐらいまで今広がってきているその背景には、このとっとり住まいる支援事業が結構当たったということがあろうかと思います。
     また、伝統的なそうした技能を継承するための技能団体に対する支援事業ももちろん行ってまいりましたし、それからリモデル事業としてこうした伝統技能を使いながら、例えばなまこ壁だとかそうしたものを住宅以外の支援事業でつくらさせていただきました。これも今活用されてきておりまして、さすがにどんどんふえるとかいうことにはなりませんけれども、伝統的な技能の継承者、その数というのは、ある程度減少を食いとめてきているというようなことかなというふうに感じているところであります。  県内でもこうした伝統技能の使用も含めまして、例えば鳥取西高の芸術棟であるとか、そうしたいろんな建物など、こうした木造のよさ、また、職人のよさというのを活用しております。最近オープンした東部の運転免許センターなどもそうした木をあしらった形にさせていただいております。これからもそういう木造住宅建築のよさ、これは県内の林業などにも影響しますし、CO2の比較的かからない建築方法でもありますし、今後ともこういう木の住まいを推奨するとっとり住まいる支援事業などを活用して、伝統技能の継承も含めて展開をしていきたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)12番浜田議員 ◯12番(浜田一哉君)御答弁をいただきましたので、続けて追及質問をしてまいりたいと思います。  今の首長の連絡会議ですけれども、県内を見ますと境港市だけがこれに加盟しておられて、これを使おうという機運を盛り上げるというよりは、こういった素材があるからみんなでちょっと集まって、そういった素材の紹介ですとか、これだったらいいねとか、全県的な取り組みをもう少し、具体的な取り組みというよりは、まずその前段にこういったCLTの長所、あるいはメリット、デメリットも含めてみんなでやはり協議をする場を持たれたほうがよいのではないかなというふうに思っております。特に銘建工業さんは南部町でございますので、せめて南部町ぐらいにはやはり入ってもらわないといけないのかなと……(「レングスです」と呼ぶ者あり)ああ、失礼しました、レングスです。そういった県内でも拡大、協力体制というものの働きかけをしていくべきではないかなというふうに思います。  あと、先ほど知事に触れていただきましたけれども、CLTといっても銘建工業さんがつくっているCLTというのは、本当にCLT造というような形、そしてレングスさんのほうは、今言われたように、木造軸組み工法の中にCLTパネルを厚さ36ミリ、幅がおおむね1メーター掛ける2メーターという定尺のものをつくっていらっしゃるということで、こういった県外の大手メーカーとはちょっと違ったやり方をされているので、私は、個人的には非常に使いようによっては普及できる可能性があるのではないかと思っているのです。  ただ、これも昨今できたわけではなくて、長いことかけて一生懸命そういった取り組みをされてきている中で、まだまだ一般の方には、CLTとは一体何というようなわからない方もたくさんあるのではないかなというふうに思います。私はやはりCLTの具体的なよさというのがまだ伝わってこないのです。断熱性はあります。では、断熱性が高いのであれば、断熱材は使わなくてもいいのです、極端に言うと。断熱材要りません、その分安くなりますよ、例えばですよ。強度についても、断熱性についても、遮音性についても、耐火性についても、耐火の部分は、今、防火構造であるとか、準耐火まではいっているようですし、ちょっと進展してきたかなというふうには思うのですけれども、具体的な数字とか具体的なこういったところを省くことができますみたいなものもやはり具体的に示していかないと、なかなか使う側に対しては説得力に欠けるのではないかなというふうに感じております。  オリンピックのほうでも、今、知事がおっしゃっていただきました選手村に利用するとか、ベンチに利用するとか、レングスさんに行ったときに、当初は構造用にしか考えていなかったということで、規格をとるためには抽出試験も毎月のようにやらなくてはなりませんし、100枚つくったら8枚検査をしなくてはならないとか、いろいろハードルがあるわけでして、いざCLTを業者の人に言うと、あっ、これは結構ベンチに使ったり棚に使ったりカウンターに使ったりするといいねと。いいけれども、高くつくねということがやはり今言われたようにあるのです。何とかこれを造作材用のCLTとして申請できないでしょうかというようなことをおっしゃられていました。今何か相談はされているみたいなのですけれども、県としてももう一回よく事情を聞いていただいて、そういった多用途、構造用のものと造作用のものというものに分けることができれば、さらに用途がふえていくのではないのかなというふうに思いました。  同様に、銘建工業さんも今ハウステンボスとかいろいろな取り組みでたくさんパネルが出てかなり忙しそうでしたけれども、土木屋さんが古くなった橋の補強材にこれがいいから使うといって小規模の橋にCLTを使われるというケースが結構あるらしいのです。そういったもう少し県側としてもこういった利用があるのだという、利用のされ方をもうちょっと研究されてみたらどうかなというふうに思います。知事の御所見を伺います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田議員から重ねてお尋ねがございました。  いろいろ詳細にレングスさんを含めて御調査いただきまして、私どもも参考になるお話がたくさん聞けたと思います。ぜひ議員のおっしゃるような問題点を入れながら進めていければと思います。  市町村の協力は、やはり公共のほうで使うということもございますし、当然ながらふやしていくべきものだと思います。その中で、南部町も含めて、理解も得ながら、今の首長連合の輪を広げていければと思います。境港さんもいろんな御考慮もあるでしょうけれども、日新林業さんなども、そうした木材をこれから活用しようという大きな流れの中で加入されたのかなと思いますが、CLTの細かい製品どうのということだけではなくて、今全部RC構造などに置きかわってきているものをもう一度木造で考え直してみようではないかと、そういう大きな運動の一環であろうかと思います。山間地を中心に御理解を得られるところも多いのではないかと思います。そんな意味で、関係市町村にも呼びかけさせていただきたいと思います。  また、この活用方法で造作用の規格などのお話もございました。これはちょっとJAS規格のつくり方があろうと思います。その辺、まず現場のお話も聞いて、国のほうと調整すべきことがあれば、ちょっと間に入らさせていただいて、協議をさせていただければと思います。  耐火性だとかいろいろ長所の研究なども、これも全国的な試験研究ももっと進めていただければと思います。確かに断熱性能など普通の合板よりはよほど高いだろうと思いますし、そうすると、断熱材が全部要らないかどうかはともかく、少なくとも少し減らした仕様で建築が可能になるかもしれませんし、いろいろと研究の余地があろうかと思います。PRの仕方としてその辺も含めてやっていければと思います。  私どももレングスさんに販売促進の支援事業も組まさせていただいておりまして、そうした事業の中で、セールストークをどういうふうに展開するかということもありますので、きょうの議論も参考にさせていただければというふうに思います。  また、小さな橋などにも活用できるのではないかということでありますが、そういう多用途に使えるということも全国の連帯の中で省庁に研究開発を求めたり、調査を求めたり、また我々自身でもやれることをやってみたり、それでCLTの活用の幅を広げていければというふうに考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)12番浜田議員 ◯12番(浜田一哉君)ありがとうございます。ぜひいろいろそういった形で研究していただいて、どういうことに使えるかという幅を広げていただければなというふうに思います。  なかなか難しいようなことではあると思うのですけれども、県には林業試験場等、関係機関もありますし、いろいろなところで、実証実験みたいな形で県の公共の建物をCLTで建ててみて、それを一般公開の展示の場みたいな形で、例えば派出所をCLTでつくりました。これからずっと安定的にCLTで派出所をつくりますよと。できた暁には皆さん一般公開をしますよと。そういった形での普及というものも考えられないかなと思います。それに限ったことではないのですけれども、安定的な供給場所が、需要の場所があるということ、供給する先があるということが、やはり工場にとっては非常にありがたいことなのかなと思いますが、知事の御所見を伺います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)CLTも含めまして、木造建築として、先ほど軸組み工法の話もありましたけれども、そういう伝統建築も含めて展開しようという方針で、木造の推進のプログラム、計画をつくって、県庁を横断的に、できるだけそうした方面に振り向けようとしております。CLTの活用につきましても、その中で検討できると考えておりますが、詳細、局長のほうからお答えを申し上げます。 ◯副議長(福間裕隆君)尾崎森林・林業振興局長 ◯森林・林業振興局長(尾崎史明君)公共建築物の木造化についての御質問でございました。補足答弁を申し上げます。  公共建築物につきましては、整備についての指針というものを整備しております。そういったものの中にCLTも位置づけながら、今後、検討してまいりたいというふうに考えております。  林業試験場の話もございましたが、今年度12月末ぐらいにオープンするとは思いますが、試験棟の整備をしております。その中にCLTも部分的ではございますが、整備を活用するということで考えておりますので、そういったものも基本的にオープンな施設として、展示として使えるのではないかというふうに考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)12番浜田議員 ◯12番(浜田一哉君)ぜひそうした形で、今まだ実践にいくもう一つ前かなというような感じがします。金具にしても、県内で一回試算してもらうというのも手だと思うのです。建物の1.5割から2割近く金物代に飛ぶという話を聞いて、僕はそんなに金具代がかかるのだったらとても無理ではないかなというふうに感じたわけであります。ただの木造倉庫なのに8,000万円中の1,000万円は金具代でしたと。ですから、どんな特殊な金具を使っているのだというふうに、見た目では厚みが5ミリぐらい、そんなに一つが何万もするというようなちょっと考えにくいなという印象を持ったものですから、それについてもそういったCLTを使う段になる前に、そういった調査もされてみてはというふうに思います。  時間も少なくなりましたので、最後の質問にしたいというふうに思います。  実は木造の建築物、持ち家ということに限りますと、7割は在来工法で、在来工法は一度ちょっと落ちたことがあったのですけれども、また最近にわかに占める割合というのは高くなっていて、木造の和風住宅というようなイメージは少なくなってはいますけれども、割と昔のいわゆる在来工法で建てられる人は多いというふうなデータも出ております。ただ、9割が今プレカットであらかじめ材料を刻んだものを組み立てるような形になっていまして、これは建てる側からすると物すごく便利なありがたいやり方で、スピーディーで手間要らずで、だけれども、今60を超える大工さんの割合というのがおおむね3割を超えたと思います。30代未満の大工さんというのが、多分もう5~6%だというふうに思います。4年ほど前にもう早くも8%で急激に下がっています。それを考えると、いろんなリノベーションであるとか、要は増改築とかそういうものが木造の一つの長所ですが、そういうことができる職人さんが本当に少なくなるのではないかなというふうに思っています。では、それをどうするんだという具体的なことは僕は思いつきませんけれども、錦帯橋のような年次的に改修して技術を継承するという、そういった取り組みもありますので、先ほど知事がおっしゃいました何かシンボリックなものを、建物ではなくて建造物でも構わないのですけれども、そういった技術を継承する事業というものも私は大事なことなのではないかなというふうに思います。また、なかなかすぐに答えは出ないとは思いますけれども、御検討をいただきたいと思いますが、知事の御所見を伺います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)詳細につきましては、生活環境部長からお答えを申し上げたいと思いますけれども、議員がおっしゃったような観点で、私どもも一つには木の住まいづくりを推奨しようととっとり住まいる支援事業をさせていただいて、現実の件数も相当ふえています。ここ数年で3倍ぐらいに、900件ぐらい、今、年間出るようになってきていましたし、それに伴いまして、木造の使用量もふえてきている。これに職人さんの分野の加算も入れたりしておりまして、これとあわせて鳥取のほうであります技能団体の大会など、研修事業など、こうしたことをやって何とか今食いとめようと。東・中・西でそれぞれに組合のほうでもやっていただいておりますが、今のところは件数を少し、以前のようにだだ減りの状態からちょっとなだらかになってきたと思いますが、やはり技能の研修は大切な課題でありまして、今後も関係団体とよく協議をしながら技能の継承のあり方を考えていきたいと思います。  詳細は部長のほうから申し上げたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)それでは、私のほうから伝統的木造建築技術の継承につきまして補足の答弁を申し上げます。  議員おっしゃいますとおり、この技術の継承、必要なことではございますが、なかなかこれをやればという決めてはもちろんございません。私どもといたしましては、先ほど知事のほうからもありましたとおり、伝統技術を活用するという項目も加えておりますこのとっとり住まいる支援事業、こういったものを大いに活用いただきながら、この減少傾向を少なくとも抑える形で、まずは対応してまいりたいと考えております。  また、別な事業でございますけれども、「とっとり匠の技」活用リモデル事業といったものもございます。こういったものでしっくい塗りでありますとか、なまこ壁、そういったものの白壁改修等の事業も御支援申し上げておるところでございます。  また、先ほど少し答弁の中にありましたけれども、県有施設でもそういう可能なものは木造づくりといたしましたり、左官仕上げを採用するなど、例えば先ほどもありましたが、鳥取西高の芸術棟でありますとか、青谷駐在所、こういったものは木造在来軸組み工法を採用した事例でございますし、また、左官仕上げの採用事例といたしましては、東部の運転免許センター、県営住宅の改修工事等々、できるだけ活用するようにいたしております。こういったものもできる事業につきましては採用いたしながら、技術の継承というものに努めてまいりたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)暫時休憩いたします。15時20分より再開いたします。        午後3時06分休憩    ────────────────        午後3時20分再開 ◯議長(稲田寿久君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  25番内田博長議員 ◯25番(内田博長君)(登壇、拍手)9月定例会最後になりました。お疲れでございましたが、いましばらく御辛抱をお願いしたいと思います。  昨年10月に鳥取・岡山県境議員連盟でスイスの視察研修に参りましたが、たまたまその時期に中部地震が発生いたしまして、中部の我々同僚議員さんが4名ほど参加できなくて、大変寂しく思ったわけでございますが、しかしながら、西川議員と2人、鳥取側から行って、しっかりといろいろなところを見てまいりましたので、報告方々、知事にお伺いをしたいと思います。  まず、スイスの有機農業研究所におきまして、ウルス・ニグリ所長に説明を受けてまいりました。この研究所は1973年に設立されて世界的な有機農業の推進支援を行っております。設立当時は、国、要するにスイスは有機農業に余り関心がなかったことから、民間の財団として設立いたしましたが、現在は有機農業への関心が世界的に高まり、スイスも、またEUも研究所に資金提供をしております。また、民間財団として国際的に展開もしております。  本県も将来を見据えて、専門的な指導機関を県立の農業大学校等において生産者の育成する体制を確立してとは思いますが、知事の御所見をまず求めます。  現在、日本国内での農業の形態は担い手不足から大型化していく傾向にありますが、小規模農家の可処分所得を求める手段として、有機農業の振興を推進してはと私は考えるところでございます。中山間地域の小区画の耕地でも可能な高価格帯での有機農業による作物を生産販売する方向を目指したらというぐあいに思うところでございます。  全体的には安心・安全な食品を消費者は求めていますが、販売現場を見ますと、それほど多くはございません。特にヨーロッパ中部及び北米では、有機農産物の消費市場が拡大して、消費者ニーズもふえておりますが、本当に有機農業が適切に管理されているのか危惧された面もございます。本県においても、過去に有機農業の生産管理について、基準が示されていますが、現在、どの程度の生産面積があるのか知事にお伺いをいたします。  また、販売はごく一部の施設で散見いたします。今後、農産品の輸出を考えたとき、有機農産品は重要な品目と考えております。  少しここでヨーロッパ市場における有機農産物の売り上げをちょっと示してみたいと思いますが、これはかなり古くて2012年のデータでございますが、ドイツが31%で、日本円に換算しまして9,533億円、2位がフランスで19%で5,417億円、スイスが3番目で7%、2,031億円、そんな感じで1人当たりの有機農産物の購入高ではスイスがトップというところでございます。また、栽培面積でございますが、EU平均で5.6%、オーストリアで20%、スイスが12%、ドイツで6.3%というような状況でございます。  今後、日本とヨーロッパとのEPAが発効する時期を考えましたとき、安価な大量生産品も必要ですが、日本人が得意とする品質の保証できる商品の開発が成長産業に結びつくものではないかと思いますが、平井知事にお伺いをいたします。  次に、バイオマス関係でございますが、スイスでは、中山間地帯の農業、畜産業、木材産業等、多様なシステム及び材料を使用して、地域の特性に合った複合的な施設を多く視察することができました。その中で、ウンターブック農場では、収穫残渣と家畜ふん尿をメタン発酵させたバイオガスで発電し、発電した電気は固定買取価格制度、日本と一緒でございますが、利用して売電をするとともに、熱は温水にして地域の地域暖房、各家庭に送り、利用しております。また、消化液のほうは液肥として牧草地に散布をしておるような施設でございます。  この施設では、発酵炉やバイオガスのタンクを地下に埋設し、周辺から発電家屋以外の設備は見えません。臭気もありません。県内では畜産農場から発生する臭気が周辺住民から指摘されておりますが、このような手法を活用して対応するすべもあると思われます。大型の畜産団地等に導入も検討されていると仄聞しておりますが、ガス発電のみでなく、発酵熱の活用も考慮されたらと思いますが、知事の御所見をお伺いたいします。  次に、木材の総合カスケードについてお伺いをいたします。  森林の管理や木の伐採、製材過程で生じる大量の残材や低質材など、できる限り付加価値の高い用途に使用していくことで、林業や製材業の収益性を上げることについて、代表的な企業体でございますスイスのレーマン社を訪問いたしました。製材所の敷地内に関連業種を集めることで、木質資源の輸送費を削減し、生産効率を上げる動きが盛んでありました。敷地内に製材所と木造建設会社、ペレット、ブリケット工場、エネルギー会社の4つの企業体が集まり、木質資源のカスケード利用をしております。製材所から出た残材の低質チップを利用し、木材の乾燥、建物の暖房、施設への熱供給を行っておりますし、生産拡大に大きな出力が必要になったため、熱だけではなく、発電設備も導入し、この設備運営のため、エネルギー会社を設立いたしました。木質バイオマスで熱と電気を供給しており、熱と電気を合わせた総エネルギー利用効率は88%とのことでございます。木の持つエネルギーを最大限に活用をしております。  県内にも製材施設が多数ありますが、カスケード利用を考えたとき、資金及び支援制度を確立して、国際競争に対応する必要があると思いますが、平井知事にお伺いをいたいします。  今回の質問に至りました部分の中身は、スイス連邦の農業庁、農業政策のトーマス・マイヤー副部長に説明をしていただきました。スイスの直接支払制度の根幹に5本の基本目的が示されております。1つ目が、生産物の安定供給に対すること。2番目に、文化的景観農地の維持に関すること。3番目に、生物多様性農地の推進に対すること。4番目に、多様な景観品質維持促進に対すること。そして、5番目に、生産システムを自然環境、動物に優しい生産にする。このような方針を憲法の下のもとに定めて執行をされていました。また、農業の振興や農業を中心とした地域の景観を守ることで、都市への人口集中を抑制することも目標とされています。  いろいろと申し上げましたが、これから多国間貿易が拡大していく中、この先、先進的な高品質の生産物で対応する可能性について、平井知事にお伺いをいたします。  また、来月くらいから森林環境税の創設が議論されますが、これもまた日本版直接支払制度の一環と私は考えてはと思います。平井知事の思いを伺って壇上からの質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田博長議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、有機農業につきましてお話がございました。農業大学校を中心として生産者を育成する体制を確立してはどうだろうか、また、現在の有機農業の栽培生産面積がどれほどあるのか、また、品質の保証できる商品、これをつくっていく必要があるのではないか。こういう観点でお尋ねがございました。  今、大体51ヘクタール、有機農業の生産面積がございまして、10年前が30ヘクタールを切っていましたので、ここ10年で大分ふえてきました。水田もふえていますし、畑もふえていますし、両方の面におきまして増加が見られます。また、当然ながら担い手である有機栽培の認証者も10名だったところが25名にふえておりまして、少しずつ広がってきたところでありますが、最近そうした市場性ができてきたというのもあるのでしょう、拡大をしてきております。  そういう中、議員のほうでも御指摘ありましたが、農業大学校のほうも、平成25年ごろから、新しいこうした有機栽培への思いが強い人たちと、また、化学肥料を使ってでも生産力を上げようとした人たちとまた別でありますので、有機栽培の研修も行うようになってきております。その意味での実証的な栽培体験ができる、また、外部講師も含めまして、そうした有機経営につきまして勉強する、そんなようなことを始めております。  議員がおっしゃいましたスイス有機農業研究所というのは、非常に特徴のあるところでありまして、そういう研修をそこで受けて、それで初めてスイスの有機栽培の認証を得られるというような仕組みが入っていたり、行政的なことだとか認証機関だとか研究機関が何か混在しているような、そんなような組織だと伺っております。スイスの国民の11%がこうした有機産品を買うということもございまして、日本以上に積極的に進めておられる面があろうかと思います。  本県でも、今こうした有機栽培の幅が広がってきておりますので、そうしたことを農業大学校の一つの核にして強化していくのはどうだろうかというのは、一つの考え方だと思います。最近鳥取ずいせんであるとか、それから伯耆町の長谷川さんであるとか、そうした有機栽培農家にこういう有機・特栽を広める指導される方ということで、認定をさせいていただいたところ、やはりそこに勉強に来られる方がいらっしゃいますが、それを今度、実証的に農家のほうで受け入れて、また研修の幅を広げる、これも始めようと。これについては、8月に鳥取県の中の有機農業のネットワークができているのですけれども、有機農業推進ネットワークの皆さんがその受け皿になろうということで合意をされまして、こういう有機栽培、特栽の担い手の皆さんがみずからこうした人材育成に買って出るようにもなっていきました。こうしたところとあわせて私たちの農業大学校なども活用していけばいいのではないかなと思います。  これにつきまして、新しい農業のやり方として、私ども試験場サイドなどでも指導も含めて展開をしておりまして、こういうところと農大を一体化して運用をしていく、そういう仕組みを強化していければなというふうに思います。例えば最近始めているところで、緑色のLED、あれをつけておきますと、ガの食害が劇的に減るという今調査研究をしておりまして、これなどは使いやすい有機栽培の強化策になるのではないかなとも思います。また、水田の場合、雑草が後で生えてきますけれども、その水田に水が張ってあるときに、ミミズを活用する。ミミズが動き回って、そこで生活しますと、雑草の種が地中の深いほうに埋まっていく。それで雑草が後で生えてこなくなると。そういうミミズを活用した有機的な有機栽培といいますか、新しい栽培方法というのもある。あるいはチェーンを使った除草だとか、いろいろとこれは本県でも研究開発したり実証化して実用に至るところもございます。こうしたいろんな手だて等を開発する試験研究のレベルと、それから普及員だとかの実動部隊と農大などを有機的に組み合わせていくことで、議員のおっしゃるような育成が可能ではないかというふうに思われます。  また、国際的な認証も含めまして、品質の管理向上を図るという意味では、GAPの普及が大きく影響すると思います。JAさんのほうもJAのGAPを今やろうということでございますが、このたび御提案申し上げました補正予算の中にも、そのための人材育成や周知等についての予算も入っておりまして、御審議をいただければというふうに思います。今そうした意味では、大山町のきらきらみどりというブロッコリーでありますとか、こうしたことに関心を寄せている田中農場さんのような大きなところでも、アジアGAPをとってアジアでの輸出を考えようとか、こういうことで多国間でこういう農産物取引が始まる時代にふさわしいような認証取得を今目指しておられるところも出てきております。この辺も議員がおっしゃるような付加価値を高めるそういう商品開発につながると思います。  次に、バイオマス発電につきましてお尋ねがございました。ヨーロッパの先進的な事例の御紹介がございましたけれども、北海道でも今結構大がかりなこうしたバイオマス発電をされておられます。私どものところでも、美歎ですかね、東部のほうのみんなの牧場さんでもこれをやろうということになりまして、180キロワットぐらいではあるのですけれども、バイオマス発電を畜産ベースでやろうと。そのときに、熱効率なども考えて、いろいろと複合利用しようというのを今実験的に取り組んでおります。ふん尿のところがありますけれども、それをベースにするわけでありますが、メタンガスを発生させる。これでボイラーをたいて発電をするわけでありますけれども、この発電のボイラーのところで熱も出てきます。熱をこのメタンガス発酵のところの熱源として活用するようなことで、全体としてエネルギー効率を上げるようなことをやってみたり、また、消化液が出てきて、この始末に結構このバイオマス発電は経費がかかったり難しかったりします。これを行く行くは肥料の系統で活用することによって、もう自分たちのテリトリーの中で一貫して余すことなくそうした問題を解消していくことができれば、コスト計算も成り立つようになると。このようなことで今進めておられます。これを次世代型のこうした再生可能エネルギーの事業として認定して、計画づくりであるとか、また施設整備であるとか、施設整備についての利子補給の県での支援だとか、そんなことも含めて今対応しているところであります。  こういったことはいろいろ各地でもできると思いますし、議員がおっしゃるように、畜産の人の宿命として、周辺との共存ということを考えなければなりません。昨日も和牛のお祝いの会のほうに参りましたけれども、日南町の西村さんが、もうかなり御高齢でもいらっしゃるのですけれども、御夫妻で出てこられまして、今回、2区で見事優等賞をとられたということを喜んでおられました。日南町のようなところは中山間地で、本来ああした畜産団地などにもふさわしいところかと思います。また、きのうは恩田さんとか南部町の方もいらっしゃっていましたが、今度そうした畜産団地をつくるんだといって張り切っておられたり、そういうようなことで、こうしたある程度の規模がないとなかなか成り立ちませんけれども、こういうバイオマス発電の活用というのも、今後いろんな事業体で取り組んでいかれれば、御支援をしてまいりたいと思います。  次に、木材の総合カスケード事業につきましてお尋ねがございました。これもヨーロッパが先進的なところでありましょうし、この近所でも、先ほどたびたび名前の上がった銘建工業さんのようなそういうところもあると思います。今回、林野庁のほうで木材産業の高度化の事業に日南町が指定をされました。これは大建工業さんと共同で新しい林業の姿をつくっていこうというプロジェクトが採択されたわけであります。バークを使っていくとか、それから新しいDWファイバーという、そういう新製品を開発して売り出していこうとか、そうやって木材を余すことなく使っていく。そのモデルの事業が今始まろうとしているところであります。これからこうした木材カスケード事業というのは、地球規模でみんなで考えていかなければならないことでありますし、経営効率の向上にも役立つところであります。雇用にもつながるわけであります。現在、日南町でそういう先進的な事業が始まったことは、非常に大きいことでありまして、本県としてもいろんな形でサポートをしてまいりたいと思います。  多国間の貿易にふさわしいような農産物ということでありますが、これは私どもも最近自信を持っておりますのは、香港であるとかタイであるとか、新しい販路開拓先にも仕向け始めていますが、本県のスイカや梨や柿や、そういう農産物は結構商品力があるということであります。さらにそれを高度化するためにも、このたび出荷が始まります輝太郎、あるいは新甘泉、そうした新品種も有力な手段になりますし、これらは総じて評判も海外でもよろしゅうございます。ですからそうした付加価値、高付加価値で高くても売れるような、そういう農産品の生産拡大を図ることが一つ大事なところであります。  それとあわせて、議員がおっしゃるようなGAPといったような、多国間での貿易に必要な、そういう土台づくりというのもJAや農業者と一緒に進めていく必要があろうかと思います。  最後に、森林環境税のお話がありました。これが直接支払制度的な機能もあるのではないかと、こういうことであります。スイスのほうはまたスイスなりの考え方がありまして、まさにそうした直接支払いと言っていいものかと思います。今、森林環境税はまだ素案づくりでございまして、内容は見えておりません。どちらかというと民有林で放置されたようなところ、それを市町村がてこ入れして手入れをすると、この辺が中心になるのかなというふうに見ております。ですから、直接山持ちにお金が行くとか、そういうようなタイプではありませんけれども、実質上、山に対して直接お金が行くということに等しいような効果も出てこようかと思います。ちょうど農業の中山間地直接支払のように、ある程度みんなで協力をし合いながら、中山間地の維持、それから環境保全に農業サイドでもやっていこうと。こういう事業とある程度パラレルなものに最後はなってくるのかなというふうに思います。  議員も今回いろいろと知見を集められたようでありますが、いわばグローバルスタンダードとでも言っていいような山であるとか農地であるとか、そうしたところに政府、あるいは公が支援をしていく。そういうことで食糧生産、あるいはCO2の吸収、そうした多面的機能をふるさとの中でつくり上げていく。そういう総合的なアプローチができてくるのだろうと思います。  森林環境税につきましては、議員もおっしゃっておられますように、都道府県の事業がそれで衰退するようなことになってはいけませんし、市町村がやるといっても、その能力がどこまで発揮できるかということもありますので、今後の制度づくりに我々としても注目していきたいと思いますし、必要な御意見を申し上げてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)25番内田議員 ◯25番(内田博長君)ありがとうございました。知事は大体おわかりですのでありませんが、GAPの問題もありますが、要するに日本の場合は認証制度としてJAS認証もございます。そのあたりの資格がきちっとしたレベルになって、国際的に通用する段階に持っていく、そこまでが大変だというぐあいに思うのですね。それがしっかりと表示ができる食品をつくるという、そのことが一番問題になると思うのです。スイスの研究所で聞きましたところ、研修生が80人大体常時おるのだそうです。そして大体200戸近い農家がそれのサポートをして実験農場等をつくってやっているというのがどうも現地でのあれで、そこでやってようやく資格をもらえる。だから、1日、2日の研修では無理ですよということなのですよね。長期的にそういう研修をしながら、農薬をどうやって使わないようにするのか、肥料は有機でどうやってつくっていくのか、そういうところを十分にやるとすれば、私が先ほど言いましたように、やはり農大がいいのかな、そういうところできちっと時間をかけてトレーニングするという。そして、その人にしっかりとした資格を与えてあげるというのが、県の指導農業士等もございますので、そういう形のものできちっとした体制というのが必要ではないかなというぐあいに今私は考えておるところでございます。  要するに、販売の面につきましても、しっかりとしたブロックをつくって、ここは完全に有機農産物ですよというシール、また、コーナーをつくっててあげれば、生産量も上がるのではないかなというぐあいに思っております。  バイオマスでございますが、先ほどの野坂議員さんとのやりとりの中でいろいろな新しいものが出てくるというぐあいに思ったのですが、県内でもかなりそういうのが広がってエネルギーに交換されているようでございます。実は何年か前に富山県の黒部市に行ってまいりました。これは逆に下水道を使って発電をしておったところでございました。女性の皆さん、一番うれしがると思うのですが、シンクの底にシュレッダーを入れまして、生ごみは全部そこでシュレッダーして下水に流し込む。そのことで最終処理場でメタン発酵させてガス化して発電する。それはいいのですけれども、やはり下水道ですので、水分量が多過ぎて余り発酵しないということで、逆に餌となる残渣をよそから集めてくるということをやっていました。たまたま行ったとき何がありましたかというと、コーヒーの搾りかす。工場が近くにあったもので、そこから10トンダンプで2杯ほど入ってきました。結局そういう流れを考えますときに、生ごみを活用して下水に流し込むという方式も考えられるのかなと思って、先ほどの野坂議員さんの質問の中で、ちょっと聞いておりながら考えたような次第です。いろいろな可能性が今から日本の技術の中では生まれると思いますので、そういうことも加味しながら、いろいろなことを考えてほしいなというぐあいに思っているところでございます。  それともう一つ、カスケードの件ですが、実は林構事業なんかできちっとした大きな施設をつくるのですが、今それこそ言いましたように、新しい技術が生まれてきた場合に、県のほうはちっちゃな施設とか設備は持っておるのですが、大きなものに対する国の支援の形というのがどうもないようですので、そこを何とか考えて国のほうに要望していってほしいなというぐあいに思うのです。そうしないと、旧態依然のまんまの施設を稼動していますと、生産性も上がらないし、先ほどからありましたCLT等にも対応できない施設が、今かなり製材所等が残っているようですので、先端的な最新の設備を入れるとすれば、そこのあたりの助成制度というのも国のほうに要望していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)若干聞きほれていまして、どこから答えていいのかちょっとあれですけれども、まず有機農業につきましては、先ほど申しましたように、農大は一つポイントかと思います。そこに希望者の方に入っていただけるようにして、そういう有機栽培の実証的なことを、さっきスイスの例がありましたけれども、そうしたことを進めていく。そこに例えば技術指導であるとか、それから最新の新しい栽培方法であるとか、そうしたものをいろいろと連携して入れていくのとあわせて、有機栽培のネットワークの皆さんにも協力していっていただく。何かそんな仕組みを、今後、大きくしていけるように関係者と相談してみたいと思います。  また、バイオマス発電につきましておっしゃっていただきましたけれども、割と欧米のほうに行きますと、シンクの下にミキサーのようなものがつけてあって、ディスポーザーと言うのでしょうか、それで何でもかんでも下水で流してしまう。そういうのが割と一般的でありまして、その中に結構有機物が入っているわけですね。これを活用して発電をすることは十分考え得るところであります。本県でも、午前中の質問でもございましたけれども、もちろん天神川でもそういうことも可能かなということで勉強したのですが、本県のような規模ではちょっとお金がかかり過ぎたと。それでバイオマス発電は議会にも相談させてもらいましたけれども、当時、やめた上で埋設といいますか、別途の処分方法を考えたほうが効率的だということで、そこのプラントは結局やりませんでした。ただ、日本全国見渡してみれば、そうした下水道の発電というのは当然ながら取り入れたところもございますので、世の中の流れとして考えられるかなと思います。  木材についてのカスケード利用でありますけれども、国のほうでもたしか次世代林業の交付金だとかがあるのではないかと思うのですが、ちょっとまた調べてみます。いずれにいたしましても、今プロジェクト自体はもう動き始めていますので、それにふさわしいような対策、せっかく認定をもらったわけでありますので、その辺の応援も国のほうとしても考えるように私どもから改めて要請活動もさせていただきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)25番内田議員 ◯25番(内田博長君)課題は物すごくいろいろと大きなものがあると思いますが、しかしながら鳥取県がやはり生産性を上げて所得向上をやるとすれば、お互いに知恵を出し合って、県民の皆さんの生活の安定のためにやるというのが、我々の仕事だと思っておりますので、努力しながらお互いに頑張ることを私自身も申し上げまして、本日終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◯議長(稲田寿久君)これをもって、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。  これより議案を付託いたします。  まず、議案第12号「平成28年度鳥取県営電気事業会計未処分利益剰余金の処分及び平成28年度鳥取県営企業決算の認定について」及び第13号「平成28年度鳥取県営病院事業決算の認定について」は、決算審査特別委員会に付託することに御異議はありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議はないものと認めます。
     よって、議案第12号及び第13号の2議案は、決算審査特別委員会に付託することに決定いたしました。  次に、議案第1号から第11号までは、それぞれの所管の常任委員会に付託いたします。  また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりであります。これも、それぞれ議会運営委員会または所管の常任委員会に付託いたします。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時58分散会    ────────────────...