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  1. 鳥取県議会 2017-09-01
    平成29年9月定例会(第4号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(稲田寿久君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号「平成29年度鳥取県一般会計補正予算(第2号)」から第13号「平成28年度鳥取県営病院事業決算の認定について」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  33番銀杏泰利議員 ◯33番(銀杏泰利君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  公明党の銀杏です。一般質問のトップバッターとして質問をさせていただきます。  それでは、早速始めさせていただきます。  鳥取砂丘コナン空港の空の駅化、コンセッション方式について知事に質問します。  空の駅の議論を始めて4年。いよいよマリンピア賀露とを結ぶ県道鳥取空港賀露線は来年3月完成、供用を目指し、ターミナルビル一体化工事が7月には完了、オープンを目指すことになりました。  県では、この空の駅について、全国の空港で進められているコンセッション方式という外部への運営権委託を検討され、鳥取空港の設置管理条例の改正案も上程されております。  予定では、運営権委託が平成30年7月から平成36年3月までの5年9カ月とされ、運営権者選定鳥取空港ビル株式会社を想定しております。そして、運営権者は着陸料、テナント料等の利用料金を設定し、それを収受して運営するとし、それだけでは不足する管理運営費は県が運営交付金として一定額交付するとされています。  コンセッション方式による委託期間の上限はありませんが、通常30年とか長期になることが多いようであります。先行している仙台空港では30年で、延長しても65年、関西国際空港・大阪国際空港では44年で延長はなし、高松空港は15年で、延長しても55年、福岡空港は30年で、延長しても35年、静岡空港は20年で、延長しても45年となっています。短期、中期の戦略にのっとって計画的で安定した運営が必要なこと、運営権だけでは収益が上がってくるまで時間がかかることなどが理由かと思います。  これらの空港では、いずれもSPC、特別目的会社を委託先に決定、または考えておられます。私は、5年9カ月という中途半端な期間設定は問題や課題のあぶり出しと本格的なSPC設立への準備期間ではないかと推測しています。であるならば、その間は空の駅化、ツインポート化の効果が十分発揮できない、大きな観光の波を起こせなくなってしまうのではないかと危惧をしています。今の世界は時間が勝負と言われています。県はどう転んでも失敗しないように石橋をたたいて進めておられるのでしょうが、本格的なSPCへの長期運営権委託をなるべく早くするべきだと考えます。  そこで、なぜ鳥取空港ビル株式会社運営権者として想定をしているのか、他空港で見られるSPCへの委託を最初から考えなかったのか、知事に伺います。  そして、5年9カ月という委託期間設定の考え方と最初の委託期間をもっと短くできないのか、知事に所見を求めます。  さらに、その次の運営権委託につきまして、委託先と期間など、どのような考えを持たれているのかお尋ねいたします。  農林業対策について質問します。  EPA交渉が妥結しました。農業はもちろん、林業へも大きな打撃が予想されます。林業への影響は、構造材の分野で大きいようであります。また、CLTにおいても、後発の日本にとって今後への影響が大きいと考えます。CLTが中高層ビルの構造材として使えるように法改正されており、ヨーロッパ産CLTが普及することが考えられます。CLT製造では、日本は完全におくれをとっているからであります。CLTの製造と利用について、本県の今後の対応について知事に所見を求めます。
     今、地球的規模の環境問題に直面して、企業も一般国民も環境努力が課せられるようになってきました。一方、CO2吸収にすぐれた森林を管理、維持、育成していくために税金でこれを維持管理しようという動きが、県での森林環境保全税や現在検討中の国の森林環境税創設となってきています。私は、林業再生の突破口として期待をしています。  その森林環境税について、幾つか課題があります。知事会や県議会では、本県の森林環境保全税のような超過課税との整合性確保、また税は市町村にだけでなく県も活用についてかかわる必要があることなど国へ要望してきていますが、その現状と展望を知事に伺います。  また、本県の森林環境保全税は、平成30年度改定で、ちょうど見直しの時期に当たります。現実的には国の森林環境税の議論を見ながら改定作業を進める必要がありますが、現状について知事に伺います。  林野庁の森林環境税の説明では、税は国が徴収し、市町村に配分する。市町村は森林所有者の意向調査などを行う。市町村は所有者不明林地や所有者の管理の意向がない場合など、一定の要件のもとで間伐等、整備、管理を行う。所有者が手放したい場合、寄附として受け入れ、公有林化を進めるなどとされています。  私は、林業の効率化、発展を進める上で、さらに林地の流動化と集約が必要だと考えています。今は条件有利地を中心に間伐などの山の手入れが進んでいますが、今後困難さは増していくと思われます。細分化された林地、所有者不明の林地、連絡がとれない所有者など、障害がますますふえてくると思われます。そのためにも林地の集約が必要です。  山林の持つ環境機能、国土保全の役割、そしてそれを維持管理、発展させるために国民から広く税を徴収するのであれば、山林所有者は相応の責任なり義務を負うべきであります。  所有者不明林地は、全国一斉に広く公告縦覧した上で、国または市町村へ帰属すべきであります。相続されなかった土地などが国庫に帰属するのと同じ考え方であります。  所有者が明らかな林地については、農地の集約化手段としての農地中間管理機構を参考にして集約化を図るべきです。ただ、農地と違って、借地契約ではなくて所有権移転をすべきです。平地と違い、土地に価値が見出せない、毎年収穫があるわけでなく、数十年以上の契約にならざるを得ないからであります。  造林公社の分収造林の例を引くまでもなく、借地契約には無理があります。それらの集約した林地は、意欲と実績のある林家へ安価に売却するなどして、集約を進めるべきであります。  特に、隣接する林地所有者へ売却できれば、隣接境界確定の作業が少なくて済み、林地がまとまって広がることにより管理、育成の効率化が進みます。  また、意欲のない所有者が林地を手放す誘導策が必要だと思います。例えば課税強化があってもよいのではないでしょうか。農地については、それが既に始まっています。遊休農地への課税強化の仕組みです。農業委員会の勧告に従わず遊休農地を放置し続けた場合、通常の1.8倍の固定資産税を課税することになります。ことし1月時点で課税強化された遊休農地は、全国で476件、88ヘクタール、鳥取県でも57件、11ヘクタールに上っています。本県は、件数でも面積でもどちらでも全国3番目となっています。  森林環境税創設に当たり、農地中間管理機構を例として、林地の集約化をより強力に進めること、特に所有者の意向調査を実施し、活用される見込みのない林地の所有権の移譲を促すこと、そしてそのために放置林地などへの課税強化をすることなど実現すべきであると考えますが、知事の実現の方途など、所見を伺います。  また、同時に実施すべきなのが、境界確定作業であります。山林の境界確定には相当の費用がかかるため、市町村で余り進んでおりません。ただ、林地を集約化するときには、必ず境界の確定が必要になります。森林環境税を使って強力に進めるしかないと考えますが、知事の所見を求めます。  次に、収入保険について知事に質問します。  農家の安定経営を支える新たなセーフティーネットとして、収入保険制度の法律がさきの通常国会で成立しました。これは、公明党の重点政策として特に力を入れて取り組んできたものであります。  来年秋から加入申請の受け付けが始まります。収入保険の加入要件は、青色申告を実施していること。原則5年ですが、1年分の実績があれば加入できるようになっており、簡易な方式による青色申告でも要件を満たすことになりました。対象は品目を問わず全ての農産物で、農家の収入減が発生した際に、国と農家が拠出する保険金と積立金から一定額を補填する仕組みであります。これまでの天候不順などによる不作だけでなく、価格下落が原因の収入減にも対応するすぐれた制度です。なお、同じく国費が使われている農業共済やナラシ対策野菜価格安定制度などの類似制度は、重複を避ける観点から、どちらかを選択し加入することになりました。収入保険の受け付けは各県農業共済組合となりますが、新しい制度で、しかも青色申告が要件となっているため、全農家に周知していく必要があります。また、これまで当然加入だった農作物共済なども任意加入となり、現場では混乱することも考えられます。  そこで、収入保険共済制度変更の周知や青色申告のPR、できれば青色申告作成支援なども進めるべきだと思います。農業共済組合ではどの農家が申告しているかなど把握できないので、協力して進めることが必要かと思います。知事の所見を伺います。  また、収入保険制度の実現で、全ての農作物に共済制度の網がかかることになりました。共済がなく、行政による支援が当たり前だったこれまでとは違います。行政の支援も共済加入が条件で、それ以外の部分について支援を行うべきとも考えますが、知事の所見を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、鳥取砂丘コナン空港コンセッション化につきましてお尋ねがございました。長期委託運営をなるべく早くすべきではないか等々のお話でございました。  これにつきましては、今、鳥取砂丘コナン空港は変わろうとしていると思います。例えば新しい大型のチャーター計画が出てきまして、9月30日から40便にわたる非常に大きな今回のものが出てくると。こういうようなことを皮切りにしまして、大分利用が変わってくるだろうということがある。それから、あわせまして国際会館と言われている国際ターミナルとして本来設定をしてつくっていたところ、これをも含めて空港ビルの一体化をしようということであるとか、また、海の駅とも言える賀露と空の駅を結びまして、これを一体化させることで効率を図っていこうと、こういうような時期にこの際新しいスキームの中で経営を始めるのがいいのではないだろうか、これが今回のコンセッションへの考え方であります。  ただ、いきなり100%コンセッションとして考えられるようなことができるかというと、正直現実問題としてはそう簡単ではないということであります。それは、普通コンセッションをしようと思いますと、資産であるとか、それから経営の見通しであるとか、いろんな見積もりをしなければなりません。そういう精細な調査をしていく必要があったり、また、ビジネスのほうにサウンディングといいますけれども、こういうことをやりますよということを十分周知をして、いろんな方々にこうしたコンセッションに手を挙げていただくと。それで、その中で競争的対話が起こりまして、その競争的対話の末に非常に効率がよかったり、また利便性、地元の方はもちろんのこと、利用者の県外、海外から来られる方々にも喜ばれるような、そういう飛行場の運営ということに真になっているわけであります。  ただ、看板をかけかえたからそれでうまくいくというものではなくて、内実をつくっていかなければなりません。実は、これはかなり厳格な手続が制度上設けられていまして、おおむね6年ほどかかるというふうに言われております。そういう意味で、5年9カ月の期間ではありますが、まずはその準備段階的な期間におけるコンセッション方式、その後、本格的に我々が目指したいコンセッション方式、その後のほうでいいますと、これは長期的に利用権を設定して運営権を設定しまして、それでやっていただくというものでありまして、これが本来のものでございますが、当面できることをやっていきましょうという形で、その間、検討期間を置いていくというものであります。  飛行場でありますので実際テークオフするまでの滑走路がありますが、いわばその滑走路期間とでも言うべき期間が5年9カ月必要だということでありまして、制度上の要求もあるのでそれはやむを得ないことかなというふうに思っているところでございます。  現在既にいろいろと反響も出てきておりまして、今、受け皿となるべき方々も相当深い突っ込んだ検討を始めてこられていますし、来年7月に2つのターミナルビルが一体化するわけでありますが、今テナントの募集をし始めていますけれども、もう既に10社ほどそういう手が挙がるなど、新しい空港に対する熱意というものも高まってきていると思われます。これを上手に活用することでいろんな関係者の皆様のお知恵もいただきながら、鳥取砂丘コナン空港2度目の開港とも言っていいような新たな時代の幕あけをつくっていきたいと思っています。  次に、農林業対策につきましてお尋ねがございました。  まず、CLTにつきましてお話がございました。このCLTは、ここ20年ぐらいオーストリアなどを中心としまして技術の発展とともに成長してきている分野であります。本県におきましては、CLTはレングスさんという西部の協同組合さんのほうで製造が始まっています。これは国のほうの認証も取りまして、耐力壁としての可能性も設定をされました。また、私どもの県内のCLTは構造材、銘建工業さんがやっておられるような長尺もので、柱と言ってもいいようなものとはちょっと違いまして、例えば床材として使用していただくときれいな化粧材のような床材であって、なおかつ一定の耐力がある、そういうタイプのCLTでありまして、全国で言われているCLTとは若干ちょっとニュアンスは違うかもしれません。ただ、これも新しい木材の発展可能性でございまして、これを長年にわたり県としても支援をしてきましたし、最近それがようやくここに来て花開き、現実にも今、買い手がついてきています。例えば埼玉県であるとか九州方面などで定常的なお客様が工務店を中心にでき上がってきておりまして、ビジネスチャンスと言ってもいいのではないかと思います。  これは今後事業を拡張していこうというような方向性を関係者が持たれる場合には、ぜひ議会とも相談しながら支援のスキームを組んでまいりたいと思います。  まだまだCLTというのはなじみがございません。今回、国立競技場を設計されたことで大変有名になられました隈研吾さん、先般私も宮城県のほうに行ってまいりましたけれども、南三陸町で新たに商業施設がオープンをしました、自然の素材を生かしながらの商業施設でありまして、隈研吾さんの設計によるものでありました。こういう先導的な新たなジャンルを開いてCLTを活用していく、そういう目を、目線を県内の事業者や県民の方にも知っていただく、そんな意味で、年明けにでもシンポジウムを開催するなどしてこういう新たな流れをつくり上げていければと思っております。  次に、森林の保全等につきまして、何点かお尋ねがございました。森林環境税の現状や展望、また、これと関連して森林環境保全税、これを県で課税していることの改定作業についていかがか、さらに森林環境税の創設に当たりまして何点かお尋ねがございましたが、こうした所有者のわからない、そういう林地がふえてきていることから、放置林地への課税強化などを図るべきではないだろうか、あるいは境界確定の作業、こういうことを進めるべきではないか等々のお話がございました。  議員も問題意識を持っておられますように、要は不在地主を中心としまして所有者のわからない林地がふえてきているところでございます。今回私どもは、台風18号の災禍に見舞われました。これについては、今、衆議院の解散という動きもあることもありまして、こういうもし解散された場合の選挙の執行とあわせて、台風18号の被害対策につきましてもできれば今議会に上程をさせていただければと思います。追加補正をお願いしたい。合わせて10億円規模ぐらいになると思いますが、被害関係だけでも6億円ぐらいあろうかと思っております。  今回は甚大な雨が降ったのですね。普通でない雨が降りました。それによりまして鳥取市河原の渡一木で浸水という騒ぎが起きましたけれども、これについては原因の究明や、それから例えば排水ポンプの活用など、対策が今後はとれないかどうか、こんなことを実はこの週末までに鳥取市とも協議をしておりまして、今夕、鳥取市や大井出川地域、大井出の土地改良区、また国と協議の会議を開催してくれと指示をしたところであります。いろいろと対策をとっていかなければならないほど、今気候が非常に激烈化している。その背景には、議員が今指摘されたように、やはり森林のダム機能というものが少しずつ失われてきていることだと思います。森林が荒れてきますと保水力が山のほうで減ってくる。そうすると一気に水かさがふえるなどがあります。本来、森林が機能していればダム機能が働きまして、森自体がダムになって少しずつじわじわと水かさがふえてくる。そういうことであれば洪水の被害というのも抑えられるというふうに言われています。こういうことであるとか、さまざまな意味でCO2の吸収源とか、森林の機能というのははかり知れないものがあるだろうというふうに言われます。ただ、国のほうの政策もあって杉林などがふえてきたわけでありますが、ただ経済林としての機能が、つまり効能が薄れてくる。外材との競争の中で森林に手入れをするインセンティブが失われてくる。そうなりますと、たとえ相続したとしても山に行く必要はないというふうに考える方々がいらっしゃったり、自分として地元の方でも時々山に入ってみようというインセンティブも薄れる。こんなことがいろいろと重なってきて、今スタック状態、いわば動かなくなってしまってきているということでありました。  そこで、ここ10年ほど鳥取県でも、銀杏議員とも協議をさせていただいてまいりましたけれども、議会といろんな意見をいただきまして、できるだけ山が動く状態をつくろうと。間伐材の搬出であるとか、それから林道網をつくるとか、それから組織化を地元のほうでも図っていけるようにしていこう、森林環境保全税というのも活用して山に対する意識を強めてもらおう、竹林もそうであります。そういうさまざまなことを鳥取県でやってきた関係で、今急速に生産量もふえてきていますし、山が動き始めている、そんな実感も出てきました。でも、まだ道半ばだと思います。そういう意味で、議員がおっしゃるようにいろいろと手を打っていかなければならないわけであろうかと思います。  そうした所有者がわからないようなことなどでの弊害を防止するためにどんなことができるかということでありますが、実は民法の世界からいえば、所有者がわからないからといって森林に対する責任が失われるわけではなくて、それがもとで迷惑をかければ、それはそれに対する責任も負わなきゃいけないわけであります。ただ、現実にはなかなか動かないわけであります。  議員のほうから課税の強化というお話がありましたけれども、幾つかのことを複合的に走らせる必要があろうかと思います。今、農地のお話がございました。農地につきましては、農地中間管理機構というものをつくりまして、それを通して動くときに、今おっしゃるような税制上の特例措置であるとか、そうしたものが設けられたわけであります。林についてそういう芽があるかどうかということでありますが、現実には例えば智頭町におきまして、これは自伐林家を育てようという取り組みがあり、それで町も仲立ちをしながら、これはやってもらったらいいよという林地を提供してもらい、地元の若い人たちを中心にして、ある程度の規模で森林経営ができるようにしていこうと、こういうことがあり、現実にも今、複数のそういう提供者の申し出があらわれてきています。  また、若桜町におきましても、赤松とかが対象ではないのですけれども、鬼ヶ城の南側のほうで28ヘクタールとかかなりまとまった土地、170人かそこらがかかわるような大きなところでありますけれども、そこでそうしたいわば町営で間伐をするといいますか、要はまとめて林業経営をするというようなことをやってみようかと今、町のほうが動かれ始めたりしています。  こういうような要は要素というのはないわけではなくて、実は山持ちの方もこれは手に余して困っているという方々もいらっしゃるわけでありまして、正直、山の値打ちとしては売っても大したお金にもなりませんし、そういう意味でいえば、そこでむしろそれを森林の集積化というものを農地のように進めていく、そういうインセンティブもできてもいいのではないだろうかということです。そんな意味で、林地につきましてもそういう中間保有法人みたいな考え方を入れられないだろうか、それとあわせて税制上の特例措置ということも考えられていいのではないかなというふうに思います。  そんな意味で、銀杏議員の御発言もございますが、今後こうしたいわば森林バンク制度とでも言うべきもの、国も検討に着手するという報道も出始めていますが、こうしたことをぜひ進めていただけないかどうか、我々としても要請活動をしてまいりたいと思います。  また、境界確定、これも厄介な課題でありまして、いろんな手法を使ってこれを後押ししようとしてまいりましたし、現に少しずつ市町村の取り組みも広がってきていますが、こうしたことも森林環境税のような財源ができるのであればやってもいいのではないかというのは、おっしゃるとおりだろうと思います。  その森林環境税でありますが、これから秋、冬と、いよいよ佳境に入ってこようかと思います。国のほうでは今、総務省のほうで研究会が持たれていまして、これが恐らく来月かそこらぐらいには結論を出すと思われます。それが年末の税制改正に当たってまいります。政権の枠組みが今後どうなるかということは正直今もってはわかりませんけれども、ただ、いずれにせよそういう検討が政府のほうで持たれておりますので、それが税制改正の課題として残ることは疑いないところだろうと思います。  現在の森林環境税の素案でありますが、正直、都道府県側からして問題がないわけではないだろうと思います。知事会を代表して宮城県の村井知事が発言をされて、研究会の中でも動いておられますけれども、果たして市町村にどれほど林地に対して世話をできる能力ないし経験があるだろうかということがあります。ですから、お金だけ行ったところで、お金をもらって終わりになってしまったら結局余り意味がないことになります。そういうようなことであるとか、また、国が一方的に配るような仕組みでいいのだろうか、地方がもっと入って、実情に応じた形ができないだろうか、そんなような観点での議論を都道府県側はしているところでありますが、まだちょっと見通しはつかないところです。  いずれにしましても、森林に対して財源が来ること自体は当然推奨されるべきことでありますし、好意的に受けとめたいと思いますが、税制の問題も含めていろいろと調整が必要なことも事実です。議員がいみじくも御指摘ございました森林環境保全税を鳥取県は今、住民の皆様、企業の皆様からいただいているところでございます。その効果も発現をされています。したがいまして、これが新しくできた森林環境税でいわば財源的に追い出されてしまうことになりますと、今まで議会と話し合いながら進めてきた林業対策が、あるいは森林環境対策が失われてしまいかねない、そういうところであります。  これは税の期限が来ますが、森林環境税は早くても平成31年度が本格的な実施ということになりましょう。私どもの森林環境保全税は今年度いっぱいで切れてしまいますので、平成30年度以降どうするかということを早晩御相談しなければなりません。今、国のほうの検討の動きも横にらみしながら、11月議会、場合によっては2月議会で変則的にお願いをするということもあるかもしれませんが、住民の皆様への説明責任もありますので、できれば11月議会ぐらいで提案するのが筋かなと思います。  そうなってきますと、国のほうの結論よりもちょっと先に我々は行かなければなりません。したがいまして、今のアイデアとしては、いわば解除条件つきといいますか、そういう条件つきというようなイメージになろうかと思いますが、国のほうの税制の動向によることを踏まえた見直しを行うということを、見直し条項、検討条項をつけた上で従来の森林環境保全税のスキームをベースに、ほぼそれを延長するような形でとりあえず議会のほうに11月議会で御提案するというのがベターな選択なのかなというふうにも思っています。  また、いずれにせよ税金という負担を伴うものでございますので、慎重に住民の皆様の御意見も伺う必要があると思いますので、今議会終了後、そうした住民の皆様の御意見なども仰いで、最終結論を出してまいりたいと思います。  最後に、農作物につきましての収入保険制度につきましてお尋ねがございました。  これは、国政においても公明党さんが主導されながら制度を導入された非常に幅広い制度でありまして、従来にないものであり、関係者の期待も非常に大きいと思います。  この収入保険制度でありますが、来年度に入りまして実際の中身というものが明らかになってきて、それで大体来年の秋ごろに申し込みが始まり、31年からスタートをするというスケジュールで今言われています。  実は、JA共済さんも含めて十分な情報がまだなくて、農家の皆様に周知したり相談したりすることがちょっと難しい状況にあります。ですから、できるだけ早く国として制度設計を示していただく必要があるのではないかなと思います。  この新しい制度によれば、従来対象となっていなかったようなネギであるとか、そうした各種の作物にこういう収入補填、保障の考え方というものが導入されることになりますし、それから、その制度のつくり方としてもユニバーサルな感じになりますので、農業者も見通しがつけやすくなる、安心して耕作ができるということになろうかと思います。  ただ、いろいろ国でもう既に前提条件がついていて、青色申告をした農家が対象だと。すなわち、原則論からいえば過去5年のそういう青色申告などでちゃんと担保されたような収入というものがあって、その平均的な収入を基準としまして9割、これを割り込んだときに9割を保障すると。いわば0.9掛ける0.9の0.81、81%まで保障しますよという、そういう考え方でありまして、収入のこれまでよくわからないところを特定しなければいけないと、多分そういうことだと思いますが、青色申告が前提にあるということであります。  これは今、国のほうでは簡略な青色申告のやり方というのを新たにつくろうということでございまして、それを前提にこれから農家の方々にも検討してもらうのかなということです。ただ、従来からの農業共済制度であるとか、それからナラシ対策であるとか、また野菜の価格安定制度、そうしたことなどと選択制になります。どれが有利かということはそれぞれの方が判断していただく必要がありまして、そのためにも十分な情報を提供する必要が前提としてあるのではないかなというふうに思います。  また、その収入保険制度ができた後の農政のあり方でありますけれども、これは正直申し上げて、ちょっと全体が出た後でどれほど普及する制度なのかということもございますので、その上で見ていく必要があると思いますが、従来の農業対策のやり方が大きく変わる可能性はあると思っています。ですから、今、収入保険制度を前提として、それ以外のところに農政は限ってもいいのではないかというお話でございますけれども、そういうふうになればよろしいですけれども、そこはちょっと見きわめた上で判断する必要があるのかなと思います。  従来から鳥取県としても、例えば頑張る農家を応援する事業であるとか、それからしっかり守る農業交付金であるとか、そうしたソフト、ハード面を通じたさまざまな支援対策をやっており、最近でもビニールハウスの低価格ハウスの導入支援など、非常に農家の方からも頼りにされている事業もあります。鳥取県はかなり農業対策にお金を使っている県でございます。こうした基本は今後も継続していくということになるのかなと思います。 ◯議長(稲田寿久君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)答弁いただきました。CLTにつきましては、まだEPAの影響等については試算も国から出ていないということでわからないのだろうというふうに思いますが、林産物、CLTです。CLTについてはレングスさんの紹介もしていただきまして、ようやく花開いてビジネスチャンスを迎えようとしているということで、また支援のスキームを検討したいという前向きなお話もございました。  森林環境税でありますが、衆議院議員選挙もあるだろうというふうなことで、関連して台風18号の被害の追加予算であったり、衆議院の選挙の関係予算等、追加補正をしたいというお話もございました。  それで、森林環境保全税については、できれば11月議会に解除条件つき見直し条項を明らかにして提案をしたいということもございまして、国の動きが少し見えないこともあるので、といっても2月議会になると県民の皆様にそれは失礼に当たるというふうな、税をいただくということですので早目にというお話ですが、条件つきというふうな形で提案をしたいというお話もございました。  森林環境税につきましては、農地中間管理機構のようなのを例としてということでありまして、林地でもそうした中間管理の機構はいいのではないかというお話とともに、税制優遇措置を設けてもという、そういうのはやっているところもあるというお話でございましたが、知事は優遇措置であめの話をされまして、私は課税強化のむちのほうの話をしておりまして、表裏一体なのだと思いますけれども、なるべく意欲のある林家へ集約をしたいという意図でございます。同じような内容だろうかと思いますけれども、今後また政府等にぜひとも要請をしていただければというふうに思います。森林バンク制度、こういうことについても、これは要請活動をしていきたいというお話がございました。  収入保険につきましては、単独の作物だけではなくて、例えば1戸で何頭かの牛を飼ったり野菜もつくったり水田もつくったりしていると。その全体の収入について下がったり上がったりする分についての保障もたしかあるような制度になるのだろうというふうに思いますので、これは考え方がこれまでとは大分違ったことですので、農家の皆さんへJAさん等も多分共済組合さんとタッグを組んで説明等をされるのだとは思いますけれども、県もしっかりその点については一緒に協力してやっていただきたいというふうに思います。  それで、鳥取砂丘コナン空港、空の駅化とコンセッション方式でありますけれども、これから6年間の期間というのが法的にも定められておって、制度上やむを得ないのだというふうな話で5年9カ月の設定の理由をおっしゃいました。ではそれはしようがないのだなというふうに思いますけれども、十分にそれがうまくこの期間成功するように、また質問させていただきたいと思います。  もう一点、空の駅化とツインポート化というのは、鳥取空港にとって2度目の開港とも言うべき事業なのだというふうにおっしゃっていただきまして、知事としての本当に力を入れていこうという、そうしたお気持ちを感じることができました。  それで、5年9カ月でありますけれども、その後また本格的なコンセッション方式でSPC等、そういうところに委託するのだと。ほかの施設でもコンセッションというのが県で言われていまして、どちらかというと管理に重点を置いた、そうした無難な、無難と言ったらおかしいですが、赤を出さない、そうした道を選択するような、そうした雰囲気があるわけですけれども、できましたらこの鳥取砂丘コナン空港の空の駅化については自由な発想、多様な意見を取り入れて、挑戦の気概で空港を観光拠点、地域の拠点として生まれ変わらせるのだと、その辺はよく知事も心にあると思いますけれども、これが大事だと思うのですね。  実際運営権を最初の5年9カ月間委託を受けて、成果として利益を上げるのは、なかなかこれは大変だと思いますし、長期のSPCへの委託についても多分そうだと思いますが、運営権者の附帯業務というのを見てみますと、空港の就航促進、利用促進、空の駅に関する事業、さらにエアポートセールスとしての新規・臨時航空路線の誘致、観光誘致、空港の魅力向上、にぎわい創出、これらをやっていただくのだということで、これには幅広で専門的な能力が必要だというふうに思っております。多分、鳥取空港ビルに最初委託をされることになるのだろうと思いますけれども、これまで以上の業務量と内容が全然違う、大変大きくなるわけで、体制強化とか専門人材の登用が必要になるのではないかと思います。そうした準備は短い期間でできるのだろうかなという心配をしております。発注側といたしましても、しっかり注文をつけていただきたいと思います。  今のうちから全国の公の施設や空港やテーマパーク、道の駅などいろんな成功事例について、集客とか情報発信でありますとかイベントなど、研究をぜひしていただきたい。これらについて知事の所見をいただきたいと思います。  来年7月以降、委託を受けた後に運営権者がハード面で整備を行おうとしたときに、県からの支援はどうなのだろうかと、あるのだろうかと。例えば、さらに駐車場を増設したいとか電気とか水道の施設整備とか、いろんな道路や滑走路周辺、ビルの外観などの美観整備、また、中の仕切り工事とかステージつくったりとか、そうした整備に係る費用はどこが実際は負担をしていくのかということを知事に伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から重ねてお尋ねがございました。  森林関係につきましては、いろいろと御意見もいただいたところでありますが、CLTについて、EPAの対応がわからないのではないだろうかということで、まだちょっとよくわからないところがありますけれども、ただ、大切なのは、そういうEPAなどが導入されたとしても、それに勝っていかなければならない競争力をつけることです。CLT自体には関係者は結構自信を持っていまして、今売れているということがあります。正直申しますと、生産が追いつかない。ですから、これを増強するかどうかというところに今後踏み込んでいくかどうかということだと思うのです。ですから、そういう意味ではポジティブにそこは考えていける素材ではないかと思っております。  また、森林環境保全税の導入や森林環境税の関係、また税制の問題などは、おっしゃる点もよく理解しておりますし、税制上の問題もプラスとマイナスと両方から攻めていく、それで初めて林地の移転ということが起きますので、それは当然だろうというふうに思っております。  いずれにしましても、そうした形で災害にも強い、そしてCO2の吸収源にもなる、雇用の場にもなる、また中山間地のいわば潤いの拠点にもなる、そんな森林を取り戻すべく、新しい制度が導入されるように我々としても意見を申し上げたり、また対応してまいりたいと思っております。  空港につきましては、今おっしゃったことと同感でございまして、第2の開港と言っていい時期を迎えるわけであり、「新しい酒は新しい革袋に盛れ」、そうした心持ちで入れ物のところと中身と両方を新しくして時代を変えていきたいという思いであります。  観光振興など、にぎわいをつくることが大切だという銀杏議員の観点を含めてコンセッション方式のことも議論されてきましたし、空港の整備のことも議論してまいりました。空港のコンセッションでございますが、コンセッションには二通りありまして、1つは議員も御指摘ありましたけれども、無難な管理というような、そういうコンセッションという言い方をされましたが、実はこれは利用権を設定することで先方も収益を得るし、それが我々のほうにも確実な形でリターンが返ってくる。これは今、水力発電などで導入をしようと考えているところでありまして、そうしたコンセッションもあれば、ただ残念ながらもうからないけれども、今よりも経営のやり方を工夫しやすくするとか、今よりはコストが縮減されるとか、そうしたタイプのコンセッション方式の両方があります。後者のほうが鳥取砂丘コナン空港でございまして、現実にいえば着陸料収入、あるいはテナント収入だけで現状ちょっと賄うのは難しい。それは便数が少ないことがございまして、それこそ札幌とか羽田とかとは全然規模が違うわけであります。ですから同列に扱えないところでありまして、但馬空港でやっているような、そういう導入ということかなと思っています。  ただ、いろいろと工夫の余地はあるだろうと。議員も先進空港を学べということでありますが、茨城空港であれば中にテナントでレストランを入れたりお土産物屋をやる。それと、近所にそ・ら・らという道の駅がありまして、これを一体化させることで相乗効果を上げていくというやり方でありまして、私ども実はこの辺も念頭に置きながら、海と空を結ぶような全国でも珍しいパターンをつくろうと今考えているところであります。  また、大分空港では、おいしいおすし屋さんがあるということでありまして、ちょっと空港のところには似つかわしくないような少しハイソといいますか、ハイエンドなおすし屋さんというものをやったところ、これがまた人気で、それを食べに来るというようなことになってきたということであります。若干ちょっと経営の問題があって会社が入れかわったりしているようでありますけれども、今でもそうした伝統といいますか、流れが引き継がれていまして、やはりこういう名物の店を鳥取砂丘コナン空港でもつくる必要があるのではないかなということであり、テナントを募集しましたところ、今いろんなタイプのほうからオファーが来ています。喫茶店の系統だとか、もちろん食べ物屋さんの系統だとか、それも水産を得意としている食べ物屋さんだとか、また薬屋さんだとか、いろいろと今手が挙がり始めていまして、大分そうしたことでにぎわいが出てきますと、恐らく賀露・湖山地区の中で一つのアミューズメントポイントにもなるかもしれないということですね。そんな意味で新しい展開ができればなということを先進事例を学びながら模索していきたいと思います。その過程におきましては、にぎわいづくりでありますので、ユーザーである方とか御近所との共存ということもありますので、多くの方々の御意見が入るように考えたいと思います。  費用の分担についてでありますけれども、大きな工事などは、これはコンセッションの契約の中で想定できないことがあります。例えば議員が取り上げられた駐車場の整備であるとか、あるいは滑走路を大々的にやりかえるとか、そうしたことはやはり公のほうがやらなければならない部分だと思います。  コンセッションの契約の相手方のほうで面倒を見るべきところというのは、日常の修繕事業だとか、そうしたものになってこようかと思います。電気工事であるだとか、さまざまなものが入ってこようかと思います。こういうようなことを契約時に明らかにした上で、議会とも協議の上、コンセッションをお認めいただけるのであれば設定してまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)答弁いただきました。  鳥取砂丘コナン空港空の駅化については、今いろんなところから店舗等オファーがあるという大変明るいお話も紹介いただきました。希望が持てるなと思ったわけでございますし、また、契約後の整備等については契約時にしっかり相談をするということ、また議会とも相談をするというお話もございました。  それで、さらに空の駅化、ツインポート化について質問をさせていただきますが、9月8日に鳥取港利用促進賑わいづくり検討部会が立ち上げられ、鳥取空港利用促進懇話会と連携して、それぞれの魅力発信強化について検討が始められたというふうに伺いました。  そこで、1つには、今後の検討課題と検討体制、またスケジュールなど、どうなっているのかお答えいただきたいと思います。2番目に、鳥取港利用促進賑わいづくり検討部会には賀露の地元関係者がメンバーになっておりますが、検討部会、利用促進懇話会、両方どちら見ても、空港側の地元関係者が入っておりません。これは大変バランスを欠くことになりはしないかと思っております。地域とともにという空の駅の考え方からすれば、当然空港側の地元関係者も入るべきだと思っております。知事のお考えをお尋ねします。  また、ツインポート化で空港、マリンピア賀露と、賀露と空港のそれぞれの利用者が多分行き来するようになるのだろうと思われ、にぎわいが増していきます。さらに全体としてにぎわいを増すために、ちょっと空港側にまだいろんなそうした施設が少ないものですから、例えば休憩場所であったり足湯や温泉であったり、鳥取砂丘コナン空港の名前があるわけですから、鳥取砂丘の関連物を砂丘側に設置する。おりてみたらああ鳥取砂丘に来たなと思わせるようなことを考えてはどうかと。また、当然コナンについてももっと出していいのではないかと。世界でここにしかない砂丘とコナンの空港として、もっとアピールすべきだろうと思います。  こうした夢のあるツインポート化で一大観光拠点をつくる、空の駅と海の駅を持つ巨大な、茨城空港の例を紹介されましたが、巨大な道の駅としていくようなことも考えてもいいのかなと思います。こうした構想を具体化できるかどうかが賑わいづくり検討部会と利用促進懇話会にかかっていると思うわけでありますが、知事の思いをお聞かせください。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から重ねてお尋ねがございました。鳥取港につきまして、そのにぎわいを考えるべきと。これはこちらの議場での御議論も踏まえまして、地元と相談させていただき、従来から鳥取港の利用促進の検討会がございましたけれども、その中の検討部会として、賑わいづくりの検討部会を設置されたところであります。これには賀露の深澤自治会長であるとか、それから山田会長とか、いろいろと関係者の方も入られて、地元の方々の声も入れながら今検討しようとされていますが、来年の7月ぐらいを目途に計画をまとめようではないかというふうに言っています。7月というのは実は空港のほうの一体化事業が完成するわけでありまして、その前の連絡道路の開通と、全てが一応そろう段階であります。そうしたことを念頭に置いて、取り急ぎそうした計画をまとめようと今皆さんで話し合われております。深澤自治会長も最初の御挨拶の中で、これについて新しい道路ができることは恐らく港も変わるいいチャンスだというような認識をおっしゃっておりまして、港側のほうの期待も高いところであります。  これは両方の話がいろんな意味で絡み合ってきます。鳥取空港のほうは利用促進懇話会があり、それから議会の皆様や、あるいは地元の方々などが入って研究する場も設けられていまして、これはいろいろとキャッチボールをしながら進めておられます。ですから、今後また来年の7月までということでありますが、その間で港側と空港側と意見の交換をするような場の設定だとか、そういうことをいろいろと心がけていくことで、港には港の事情も正直ありますし、空港には空港の事情もありますので、それを組み合わせながら有意義な計画づくり、ビジョンづくりに向かっていけるようにしてはどうかなというふうに思います。  議員もおっしゃいましたように、地元の方々の御意見も行動があって初めて空港のにぎわいができてきます。昨日も鳥取空港のフェスティバルが開催をされまして、飛行機、あるいはヘリコプター、そうした機材の展示も行われ、ふだん入られないところへの見学ツアーなどもあり、特に地元の女性の皆様などお手伝いいただきながら、大きなにぎわいの日ということになったと思います。また、今後、務安からのチャーターフライトが来たり、それから遠東航空が来るわけでございます。務安のフライトにつきましては、90日間で40回飛ぶという週3便の非常に大きなプロジェクトでございまして、こういうようなことなどが果たして今後に継続していけるものかどうかというのは地元のホスピタリティーにもかかっているところでありまして、こういうことも応援をしていただいているというのは非常に大きなことだろうというふうに思います。ですから、航空の利用促進の意味で、にぎわいづくりの計画など、あるいはその実行に当たりまして、地元の方々のお力を今後も仰ぎながら進めていく基本姿勢が大切だと思っております。  今議員がおっしゃいました砂丘やコナンを感じさせるものということにつきましては、今までも砂像のコナンをつくって空港に置いたりということもございました。いろんな工夫がこれからできてこようかと思いますし、コンセッションになることはそうした自由度が高まることでもありまして、コンセッションの運営の中でも、ああやはり違う世界に来たなというふうにお客様に思っていただけるような、そんな工夫を民間の事業者のほうでも積極的にやっていただけるように、我々としてもコンセッションの方向性をつくっていければというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)最後の質問にさせていただきたいと思いますが、先日、羽田発着枠政策コンテストの有識者懇談会で取り組みなどの聞き取りがあったという報道がございました。本県では、空の駅化の事業、また国の地方創生拠点整備交付金事業の認定も受けましたターミナルビルの一体化、そしてマリンピア賀露とのツインポート化がこうして進められているわけですけれども、こうした取り組みへの評価はどうだったのか、そして5便維持への感触はどうだったのか、知事にまずお尋ねをいたします。  そして、国際チャーター便のお話も最初のほうにございましたが、見てみますと、国内観光、パイはでかいのですが、なかなか毎年の観光客の数を見てみますと、全体ではそう変わりがない。一方、外国人観光客は今大変右肩上がりで、2020年4,000万人という目標も現実味を帯びてきているということで、県内2空港の外国人観光客誘致にはさらに力を入れる必要があるというふうに思います。  今回の台湾と韓国の国際チャーター便就航は願ってもないチャンスですが、報道によりますと、知事はこれまでと違うビッグプロジェクトで地元の努力が重要になるというふうにおっしゃったということでございます。5便維持のコンテストとともに、またこうした国際チャーター便の継続、増便について、地元や経済界や県民の利用促進、これが欠かせないと思うわけでありますけれども、これらの課題について知事の所見を求めます。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事
    ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて空港の利用につきましてお尋ねをいただきました。まず、発着枠の増加のコンテストの件でございます。  9月13日に審査会が開かれました。これは平成27年の審査のとき、例えばコナン化するというのは非常におもしろいというような評価をいただいたり、ツインポートというような構想につきましても肯定的に受けとめていただいて、それで5便化というものがもちろん搭乗利用の促進策、それとあわせて評価をされたというふうに考えております。  今回の説明につきましても、この辺につきましては特段先方の御意見もなく聞き取られまして、我々として一定の理解を得ているのかなというふうにも思っているところでございます。  ただ、さまざまな利用促進策、例えば子供さん連れの旅行の支援であるとか、特に但馬方面などにも広げていくような利用促進策であるとか、そうしたことを我々としても今後具体的に実行していかなければいけないだろうと思います。そういう意味で、まだ審査が終わっておりませんで、これからどういう結果が出てくるか我々としても非常に関心を持っておりますけれども、もしまた5便化維持ということになれば、ぜひまたさらにそれが発展できるように、我々としてもフォローアップを怠りなくやらなければならないなというふうに思うところでございます。  また、利用促進に当たりまして、国際チャーターフライトの件であるとか、いろいろと御指摘もございました。そうしたことにつきまして、例えば国際チャーターフライトであれば務安のこと、それから遠東航空と相次いできました。11月6日から遠東航空も入る、さらには実は務安の交渉もあったわけでございます。私ども頭をよぎりますのが、かつて名古屋便が来たときに結局利用がなくてやめてしまったこと、さらに最近でいえば、スカイマークが米子に入りました。スカイマークにつきましては、この議場もそうでありますけれども、ダブルトラックにする、複数の路線の乗り入れということが非常に大事なのだと、こういうお話がございました。そういう意味で我々も努力して引っ張ってきたところであるのですけれども、飛び始めてみると結局乗る人がいないということになってしまって、会社側としても優先順位を下げざるを得なくなってしまったということであります。  やはり同じ轍は繰り返すべきではないわけでありまして、今回もこういう今まで国際便は来ないではないかと大分議場で叱られていました。その御叱責を受けながら、我々としても努力をして国際便をかなり大型のプロジェクトとして引っ張ってきたという経緯もございまして、ただ、これが続くかどうかというのは、では本当にこういうお客さんが続くような努力を地元を挙げてするかどうかということに次はかかってくるだろうと思っています。うまくいけばこれが成功のまず第一歩になりまして、これがさらに継続をし、場合によっては発展をしていくというような要素も十分にあるプロジェクトでございまして、非常に大事な局面だと思います。  こういう中、空の駅女子会さんとか、あるいは商工会議所の青年部さんとかが中心になりましてこうした方向性を支えていただき、今おもてなしの中でも出ていただいてお迎えをしようというお話も下さっているわけでありますが、こうした地元の努力というのが非常に先方にも心が通じれば、将来の可能性を広げるということにもなるのではないかなと思います。  議員のほうでもいろいろと強調されましたけれども、今、空港の活性化という意味では非常に重要な局面でございまして、そうしたことを支えていくためにも、地元の皆様にも入っていただきながらいろんな意見交換をし、それで具体案をつくって実行していくということが大切だというふうに考えております。  鳥取砂丘コナン空港は生まれ変わる、そんなことに今回のコンセッション導入や空港整備がつながっていけばと願っておりまして、関係各位の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。 ◯議長(稲田寿久君)11番島谷龍司議員 ◯11番(島谷龍司君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。県議会自由民主党の島谷龍司です。  それでは、通告に従いましてAI及びIoTを活用したスマート農林水産業の推進と成長産業化について伺います。  AIとはいわゆる人工知能のことであり、また、IoTとは、あらゆるものがインターネットを通じてつながることによって実現する新たなサービス、ビジネスモデル、またはそれを可能とする要素技術の総称と言われています。  農業分野におけるAIやIoTの活用につきましては、他の議員によりましてさきの6月議会で植物工場などを例に質問されており、一部重複する部分もあるかもわかりませんが、AIやIoTは日進月歩で技術革新がなされている分野でもあるため、今回改めて質問いたします。  近年、世界のあらゆるところでAIやIoTの技術革新による第4次産業革命が進展しております。身近なところでは自動車の自動運転技術の開発など、日常生活のさまざまな場面でAIとかIoT、あるいはICTなどが活用されていることに気づくことがあります。  このAIやIoTの活用により、ほとんどの経済活動について機械が人間の代替を可能にすることにより雇用の問題を引き起こす可能性があると言われていますが、我が国はかつてない少子超高齢社会に突入しており、将来的には労働人口の減少は不可避であり、従来から労働集約型産業と言われている農林水産業にAIやIoTの活用を一層進めていく必要があると考えます。  また、農林水産業は、これまで主に熟練従事者による経験と勘に頼る側面が強く、結果的に蓋然性に乏しい産業だったのではないかと思われ、この点からもビッグデータや科学を駆使して生産性の向上を図るためにAIやIoTを活用すべきだと考えます。  このことは国も同様の考え方を示しており、昨年6月にはAIやIoT、ビッグデータ、ロボットを活用した第4次産業革命を推進し、これらの最新技術を農業分野にも活用することで生産性の飛躍的な向上を実現し、農業の成長産業化に結びつけていくとして日本再興戦略2016を閣議決定しており、この中で革新的技術の導入による生産性の抜本的改善を図る人工知能未来農業創造プロジェクトとして取り組んでいます。この日本再興戦略2016では、農業分野と同様に、林業と水産業においてもそれぞれの成長産業化を図る手段の一つとしてICTやITの活用を掲げており、全国各地でその取り組みがなされようとしています。  本県でも、さきの6月議会で知事が答弁されたように、これまで梨やスイカの選果場などにおいては光センサーによる糖度測定やロボットによる箱詰め自動化などにより、県産品のブランド化や省力化が図られています。さらに、国に先立って一昨年の平成27年4月には、産官学連携によりとっとり農業イノベーション連絡協議会を立ち上げてICT技術の活用を図り、ハウス栽培における環境モニタリングによる栽培管理や圃場管理システムの採用などの先進事例も見受けられるようになってきました。  また、林業では、林業試験所においてドローンを使った森林現況解析や架線集材におけるリードロープ仮設などの実証実験が進行中であり、水産業でも、先日現地を視察してきましたが、県西部の美保湾で事業者によるギンザケ養殖における自動給餌式沖合養殖やコンピューター制御による陸上での稚魚生産を行うなどの事例が見受けられるようになってきました。  このように、本県においても農林水産業にAIやIoTを活用し、それぞれ成長産業化されようとしていると考えますが、この現状を踏まえ、今後どのように取り組んでいこうとされているのか知事に伺います。  以上で登壇の質問といたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議からまず一般質問をいただきました。農林水産業のスマート化という観点でございます。  これは、議員のほうでも今お話しになられましたように、新しい農業生産、それから林業や水産業のいわば付加価値を高める、省力化であるとか高度化に資するものでありまして、できる限り現在の技術、これを駆使していくことで局面を変えようというものであります。  これにつきましては、鳥取県でもとっとり農業イノベーション連絡協議会というのをこしらえまして、ここに鳥大さんとか米子高専さんとか、また県関係では産業振興機構や技術センター、もちろん鳥取県も入るなどして、それでいろんな挑戦できるような、そういうイノベーションを今図ろうとしてきたところでありまして、いい成果も幾つか出てきています。議員もおっしゃいましたけれども、糖度センサーで梨やスイカ、いわば品質保証することが鳥取の農産品の競争力を高めてきて、価格の安定や向上につながっていると思います。また、ロボット化もいち早く導入をすることで、大栄の選果場など非常に効率的に選果を進めることが可能になってきました。  やはり、今はもうこういう時代でありますので、他の産業がイノベーションによってどんどん付加価値を高めていくのと同じように農林水産業も高めることができれば、若い方々の就業にも資するものになるのではないかなと思います。国全体も今そこに向かってきていまして、農業機械の自動走行をやろうではないかと、新年度にそうしたものを完成させて、それをさらに無人化してリモートコントロールしていくということを今後進めていく、こんなスケジュールも思い描いているわけでありますし、林業や水産業の世界でもいろんな形で国も後押しを始めています。  県内でも、例えば河島農具さんがローンスイーパーという芝の刈り取った後の始末をする、そういう機械を開発したところでありますけれども、200万円ぐらいのものでありまして、これが10台ほど活用されているとか、また、これは琴浦町の委託事業で、芝を取った後の結束、そういうことをやっていく、そういう効率的な機械の開発に当たられたり、こんなことを産学官連携で地域レベルでも今始められているところでございます。  前も議場でも御議論がございましたが、田植えの水位の管理であるとか、それからいろんな環境を測定する、そういうことによって農業生産の効率化、高度化につなげていこうということも進められています。早くはケイズさんがそうした農業にこうしたIoTの技術、AIの技術というものを入れていこうという先導的な研究を始められたところでもございますし、現実にも今、今月からスマート農業ということを目指す部会をとっとりイノベーション農業連絡協議会の中に立ち上げさせていただきまして、例えばイチゴ栽培であるだとか、そうしたものだとハウスの中の環境の測定をして、それで効率的に実効ある形で栽培促進を進めていく必要がございますけれども、そういうことをやってみようというふうに今動いてきているところであります。  シーズはいろいろとありまして、それは現場の中でここができたらいいなというようなシーズがある。それをイノベーションの協議会のほうでも取り上げ、事業化をしていく、また企業さんのそうした開発を後押ししていく。そういうことによりまして、議員がおっしゃるような新しいスマートな農業の形というものを鳥取県としてもサポートしてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)11番島谷議員 ◯11番(島谷龍司君)ただいま知事から、農林水産業のスマート化についての答弁等をいただきました。  知事の答弁の中にもございましたように、私も少し壇上でも触れましたけれども、農業分野においては、特に園芸や稲作などには省力化や生産性の向上、リスク対応など、こういうことを目的にAIやIoT技術を活用して、生産、流通のかなりの部分で実際に利用されているということをいろんな方面から伺っております。  完全に活用できている部分とまだ実証段階だということは、先ほども知事のほうからもお話がありました。これが進むことによって、農業分野であればかなりの部分が農家の方の負担なり、あるいは生産性が向上することになるのではないかなというふうに思っておりますし、知事も本議会で冒頭の提案説明の中でもおっしゃっておりましたが、いろんな意味で鳥取県を元気にするためにも、ぜひ1次産業である農林水産業はしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。  それでは、各農林水産業の分野について、少し掘り下げて重ねて質問をさせていただきたいと思います。  知事も今議会の冒頭の提案説明の中で触れられていましたけれども、先日、宮城県で開催された第11回全国和牛能力共進会において、本県代表牛が花の第7区の肉牛の部で日本一になり、全体でも全国第5位というかつてないすばらしい成績をおさめられました。私も多くの同僚の議員の皆さんとともに当日現地に応援に行かせていただき、関係者の皆さんとともに大変喜びました。この好成績を受けたのでしょうか、先週、東京食肉市場で共進会後初の本県の肉牛の競りがあり、全国のトップブランドに迫る高値をつけたとの報道がありました。  このように生産者の皆さんが手塩にかけて育てられた和牛ですが、県内で繁殖肥育されている牛が全てすばらしい肉質になるとは限りません。というのも、肉質のよしあしや肉質の改善には、白鵬85の3や百合白清2にも見られるように、まず血統が重要な要素であり、今回の共進会に出品された本県の代表牛は、畜産試験場で取り組んでいる最新の遺伝子評価法であるゲノム育種価を活用して選抜されたと聞いています。また、今回の共進会に本県を代表して出品された皆さんは、長年の経験に裏打ちされたすばらしい飼育技術を持っておられると思います。最新の育種技術で最高の牛を選抜し、優秀な肥育農家が最高の飼育技術を駆使することで今回のような好成績を獲得したものだと思います。  もちろん、本県の畜産試験場もこの肉質改善のためのゲノム育種価のような最新の遺伝子研究をされるとともに、飼育技術の普遍化や普及に尽力されていることと思いますが、農家熟練の飼育技術はそれぞれの農家が経験と勘により獲得した部分があります。これを県内農家全般に普及するというのはなかなか困難ではないかなというふうに思われます。  今回の共進会の好成績を受けて、知事は和牛王国を復活し、鳥取和牛をブランド牛として売り込み、さらなる和牛生産振興を目指すとコメントされていますが、鹿児島県や宮崎県、大分県などの和牛王国と言われている他県に比べて圧倒的に少ない飼育頭数でこのことを目指すのであれば、今以上にAIやIoTを活用してすばらしい飼育技術を県内の和牛農家に浸透させるべきだと考えます。  また、このことは和牛生産だけに限ったものではなく、酪農や養豚、養鶏などの全ての畜産業においても同様に省力化や生産性の向上を図る必要があると考えますが、加えて、畜産特有の環境問題、例えば悪臭の問題とかですね、そういう問題に対しての対応にもAIやIoTを今以上に活用すべきだと考えます。このことについて知事の所見を伺います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から重ねてAI、IoTの活用を畜産の関係でという観点でお尋ねいただきました。  島谷県議にはわざわざ会場のほうにもお越しをいただき、宮城全共での赫々たる戦果につきまして激励をしていただき、その結果を出していただく貢献をしていただき、本当に感謝を申し上げたいと思います。  そのとき島谷県議も大変興奮ぎみに喜んでいただいておりましたけれども、何せ全国で肉質ナンバーワンという、とても今まででは考えられないことが起きましたし、今御紹介いただきましたように、中央の食肉市場でもトップブランドと肩を並べるような、そういう域に達してきました。ちょっと10年前、20年前といった段階を振り返っていただければ、10年前ももちろん、5年も10年も、そのぐらいはまだそうですけれども、鳥取の肉というのは値段は高くないと。これは子牛もそうであるし、それから肥育牛も実際市場でそういう目で見られていました。ただ、そういう中で農家の皆さんと一緒にここ10年ぐらい努力をしてまいりまして、チャンピオンをとるような牛が例えば神戸や大阪でも出てきて、今議員がおっしゃるように肥育の技術も相当向上させてきました。その陰には経験に裏打ちされたものもありますし、科学的なアプローチなども活用してまいりました。例えばオレイン酸の測定もそうでありまして、これで差別化を図ろうということです。私自身もこの週末、東京のほうで鳥取和牛肉質ナンバーワンのキャンペーンを行ってまいりました。そのとき農業関係の専門のメディアの方から言われたわけでありますが、オレイン酸の含有量で売り出す、それは鳥取が全国でも一番上手に利用されていて浸透しているというお話でございました。この辺をいわば切り口にして、徐々に全国の評価というのも上げてきました。ただ、まだ道半ばでございまして、今回も完全制覇ということには至っていないわけです。象にアリが挑戦するような規模での戦いでありますから、どちらかというとインテリジェントにスマートに、そして力を合わせてきずなを深くしてやっていく、それが鳥取の戦い方であり、農家を育てる育成の方法かなと思います。  そんな意味で、こうしたIoTの技術やAIの技術というのはいろいろと使えることがございまして、最近はゲノム育種価、これを県の試験場のほうで活用することが今回の勝利にも役立ちました。例えば7区、優秀な成績をおさめましたけれども、その出品に当たりまして、ゲノム育種価の考え方を導入したところであります。また、今、百合白清2や白鵬85の3に次ぐ種雄牛造成をしなければならないということでありますが、このゲノム育種価を活用することによりまして、例えば元花江など有望な牛というのも、今見きわめ始めているところでございます。次の種雄牛造成にも役立つということだろうと思います。  また、あわせまして最近導入されているそうした技術では、監視カメラを和牛の牛舎の中に置きまして、それで夜間の見回り監視にかえることができたり、それから分娩など、そうした予兆を感知したり、そういうことに役立つようなことをインターネットを活用しましてやり始めています。そうしたことや、また牛の体温測定をしまして、それで分娩の時期というものを予測する、そういうシステムを使い始めています。こうしたことに例えば生産農家の西田さんだとか、そうした今回出品された全共でもいい成績をおさめられた方々もこうした技術を導入して、またもう一足先の和牛経営ということを始められているところであり、こうしたことをどんどん広げていく必要があります。  また、乳牛におきましても、大山乳業さんのほうで今進めておられますが、バルククーラーの検温によりまして自分でそれを記録していく、そのデータというものを集積して、いわば全体を監視をしていく、モニターをしていくと。これによりまして乳質の維持、高品質化ということをやろうと。これによってさらに大山乳業の白バラブランドの価値を上げていこうという取り組みを始めていますが、これもやはりインターネットなど、そうしたものを活用していくわけであります。  島谷議員が強調されましたのは、例えば臭気対策というようなこともあるだろうと。西日本ジェイエイ畜産さんが鳥取市内に養鶏場を持っておられますけれども、平成24年にまず県と市と一緒になりまして、市議会のほうでごらんになっていただいたと思いますが、密閉化を図ることによって何とか臭気を下げたい、さらには、その後、噴霧器によりましてそうした臭気が外に出ない工夫をする、そうしたことをいろいろとやってまいりましたけれども、改善はされているものの、まだやり残していることがあります。そこで今、ガラス玉を活用して臭気を取るということを始めようとしました。まだなかなか現場にうまく適合できなくて、これは中小家畜試験場なども一緒に技術開発を進めているところであります。今このようなIoTを活用するということでは、臭気が発生するのにかかわる情報というのを、鶏舎の中に設置をしまして、できれば新年度ということを相談しているのですけれども、いろんな条件で臭気が上がってき得るわけでありまして、そうしたセンサーをいろいろと置くことによって、それを先回りして臭気対策を鶏舎のほうで行うことにより周囲に悪臭が漏れないような、そんな予測システムを導入しようというものも考えているところであります。こうしたことをいろいろと駆使していくことで畜産というのも大きく前進することになるのではと期待をいたしております。 ◯議長(稲田寿久君)11番島谷議員 ◯11番(島谷龍司君)知事からいろいろと前向きなといいますか、答弁をいただきました。特に最後にいみじくも知事が言われたように、畜産業というのは我々の口に入るものをつくっていただいているのですけれども、やはり鼻にも入ってきますので、しっかりと対応はしていただきたいというふうに思いますし、この和牛の今回の成績は本当にすばらしいものでしたが、知事もおっしゃったように、まだ到達点ではないと思っております。これはしっかりとこれからも農家の方々を支えていただきながら、農家の方と一緒になって日本最高の和牛を生産していただきたいなというふうに思っております。  それでは、次に林業分野におけるICT等の新しい技術の活用と成長産業化について、重ねてお伺いいたします。  林業については、戦後植林された木がいよいよ収穫期を迎え、本県においても豊富な森林資源をしっかり活用していくことが求められています。鳥取県では県土の約7割を森林が占めておりますし、毎年約60万立米から70万立米程度、資源の蓄積が増加しているというふうに伺っています。  本県の木材生産量が現在毎年約20万立米であることを考えますと、森林にはまだまだ活用が可能な資源が眠っているものというふうに考えられます。  これらの豊富な資源をしっかり活用すべく、県においても施業箇所の団地化、路網の整備、機械化などを軸として施策を推進してきた結果、木材生産量も徐々に伸びてきているというふうに伺っていますが、今後さらにこの県内森林資源の活用を推進するには、やはり林業を支える担い手の確保、これが必要不可欠なものではないかなというふうに思っています。  林業の現場では、自分のやりたいことができる時間を確保できるとか、自然を全身に感じながら山で働くことが気持ちがいいなど、働くことに対する価値観も多様化して、今までと違ったような価値観の中で働いている若い方もふえてきているというふうにお聞きしています。  最近の若い方は、色鮮やかな格好のいいチェーンソー防護服を着用されて、生き生きと現場で働かれているような印象を持ちます。これは本当にすごく格好いい防護服なのですね。私も林業試験場のほうで1回現地を見させていただきましたが、そういう服を着て頑張っておられる若い方もおられますけれども、世間一般では、まだまだ林業は危険、きつい、そして汚い、いわゆる以前3Kというふうに言われている、そういう仕事のイメージがいまだに根強くあるように、作業員の方は依然として厳しい現場環境の中で働かれています。  これまで何度か本議会でも取り上げられていますけれども、機械化への基盤整備として、高密度路網整備、そして高性能林業機械の導入、こういうことも進んできていますし、以前に比べると労働負荷の軽減が図られてきたと考えていますが、一方で、その結果ですけれども、徐々に作業箇所が奥地化し、またとれる場所も急峻化しているというふうな話も聞いています。  そうした中で、本県では、日本と同様に急峻な地形がありながら安全で生産性の高い林業を実践しているオーストリアを目標に、平成26年度から若手技術者の派遣や研修講師招聘など、林業の本場であるオーストリアの技術導入に向けて取り組むとともに、また、これまで県内2つの事業体にオーストリア製架線機械の導入、高度機械の導入もなされているというふうに伺っています。  さらに、ことしの3月には林業試験場内にとっとり林業技術訓練センターを整備するなど、作業の高効率化と労働安全性の向上に努められていますけれども、このような取り組みをさらに進めることを本当に希望しています。  将来、人口が減少し、担い手の確保も困難となることが想定される中、このような取り組みを進めながら今後さらなる林業の成長産業化を図ることが本当に重要でありますし、そのためには林業分野においても、先ほどから取り上げられているようにIT、ICTなどの新しい技術を活用して効率化、省力化を図る必要があると考えていますが、このことについて知事の所見を伺います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から、新技術の林業経営の導入につきましてお尋ねがございました。  議員の問題意識のとおりでありまして、だんだんと間伐等を進めるにしても、入りやすいところからとっていきますので入りにくい奥地が残ってしまう。そこには急峻な地形があって、どうやって入ったらいいか、入ろうとすると全部順番に木を切っていかないとそこまでたどり着けない。そうすると大変にコストもかかってくるし効率も悪い。こんなようなことがだんだんと全国各地で問題になっているわけですね。我々はそれを、隘路を破る意味で、今オーストリアの話がございましたが、先進諸国の手法というものを導入して、森林組合、あるいは若い方々、いろいろと考えられて、それをサポートする形で今進めています。  一つの切り札になり得るのはタワーヤーダでありまして、タワーヤーダという先進機械を入れて、いわばロープウエーを渡すような形で木材を奥地で切り出したものを運び、それが道のついた林道のところまで持ってきて、これをおろすという形で出荷が可能になる、そういうものであります。ただ、問題がございまして、議員がおっしゃるように奥地でありまして、急峻な地形であります。谷を渡してロープを通わすわけでありますが、一旦谷の底におりてまた上がって、それでロープを設置して、それを引っ張って木を切ってくるということであります。ここの上に上がるまでの道を切り開く意味でも伐採を行ったり、いろいろと手間がかかるというのは、まだ残された課題になります。  そこでドローンを活用できないだろうか。今、林業試験場のほうでドローンを使った技術開発を検証しようとしているのですが、理論的には可能なはずでありまして、これを500~600メーターほどはドローンで渡せるだろうと。向こう側の目的地のほうにロープを落とせば、そしたら、そこに行きさえすれば周りを切り込むだけで運ぶことができる。また、急峻な地形というものを上るのも大変でありますし、作業はなおさら大変でありますので、そうした危険の回避ということにもなり得るわけであります。こんなことが一つの例かなと思います。  また、国のほうでも今いろいろと機械の開発を進めていまして、例えば自動走行のフォワーダーをつくろうと、そのフォワーダーについては向こう側で自動的にまた積み込みもできるような、そうしたシステマチックなことを国のほうで今研究開発しようとしています。これは実は鳥取県の日南町の森林組合も調査研究に協力していまして、こういうものがまた導入できれば、また効率化が一つ進むことになります。  また、そのほかにも、現場で木の曲がりぐあいだとか測定もしながら、それを整えていく、そういう機械をつくろうとか、いろいろと今そうした機械の開発も国のほうで進めておられます。ドローンを飛ばすということになれば、恐らく森林の状況調査であるとか、そうしたことで経営計画も立てやすくなったり、いろいろと従来難しかったことができるようになってくると思います。議員がおっしゃるように、新技術によりまして森林の経営も変わってきましょうし、特に若い方々がいわばスマートで格好いい、そういう職場として、女性もまた参画できる職場として林業が親しまれるようになるのではないかと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)11番島谷議員 ◯11番(島谷龍司君)知事から林業の成長産業化、あるいはICT化について答弁いただきましたが、答弁の中にもありますように、林業分野においてはまだまだAIなりICTを使った産業の成長化には道半ばだというふうに考えておりますので、一層の取り組みをお願いしたいというふうに思っております。  それでは、次に水産業におけるAIとIoTの活用と成長産業化について質問いたします。  これもよく知られていることですけれども、水産業も1次産業の例に漏れず労働集約型産業であり、また熟練の就業者による経験と勘を必要とされてきたなりわいです。登壇でも触れましたが、現在美保湾でのギンザケ養殖事業や琴浦町での稚魚生産など、県内でもIoTを活用した事業が展開されており、また、県外に目を向けると、実証段階ではありますけれども、長崎県でのAIを活用したマグロ養殖業や佐賀県でのAI、IoT、ロボットを活用したノリ養殖などが行われています。  今述べたように、水産業においてはさまざまなデータを収集でき、計画的な生産や出荷が可能となる養殖でのAIやIoTの活用は比較的容易であり、今後もこの方面でのスマート化の進展が図られるものと思われます。このことは水産業を活性化し、成長産業化するものではありますが、恩恵を受けるのは一部の事業者であり、従来からの1次産業従事者としての水産事業者、いわゆる実際に海や内水面でとる漁業に従事している漁師、県内には沿岸漁業や沖合漁業などの従事者が法人、個人を含め1,000人以上いるのですけれども、これらの漁業従事者にAIやIoT技術がなかなか活用されていない現状があると思われます。  というのも、漁業は、特に海面漁業は、本来ある一定の地域でつくり育て収穫する農業や林業とは異なり、大変広く、また一見何も目印のない海の中から目的とする魚の生息場所を探し出し、でき得る限り他の漁業者以上の漁獲を上げることを目指すものです。このことからも、漁業は漁獲高を左右する瀬の位置、潮流の速度、海水温など、漁業者自身の経験と勘に頼る属人的なものであり、その経験と勘はその人独自のものとして、血縁者以外には引き継がれがたい現状があります。  実際に同じ漁船でも、船長が他人にかわると過去の漁獲情報が引き継がれないため、漁獲高が激減するということも幾度も目の当たりにしています。このような現状を放置すれば、漁業従事者の高齢化と後継者が不足する中で本県の漁業が衰退していくのではないかと危惧しています。そのためにも、今後AIやIoTを活用し、誰が漁業に従事しても一定の漁獲を確実にできるようにしていくことが必要だと考えています。  現在、他の地域においては、北海道の公立はこだて未来大で20年分のデータを活用して漁場予測システムと漁獲予測システムが研究されたり、九州大学と九州北部の3県が共同で、漁師の勘に頼らなくても、いつどこに行けば水揚げできるかを精度よく予測するシステムの開発に乗り出したと報道されています。  確かにこれらの研究が水産業の維持発展に寄与されることを願っているのですけれども、いかんせん、他地域の研究であり、各地域によりそれぞれ漁業形態はもちろん、漁獲魚種も異なります。このことから、我が県においても県内漁業に適したスマート漁業を確立すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  また、我が県の沿岸漁業は、多種多様な魚介類が水揚げされています。さらに、日本は四季がはっきりしていて、本県でも夏の白イカ、秋、冬の松葉ガニなど、それぞれの魚種ごとに旬もあります。旬の魚を食べることで季節を感じ、同じ魚でも調理の仕方で食感や風味も変わるなど、水揚げする地元ならではの魚介類の楽しみ方が消費拡大にもつながります。  しかしながら、消費者の多くはスーパーマーケットなどの量販店で魚介類を買うことが多く、大手量販店を中心とする流通では定量、定時、定規格、定価格での供給が重要視されています。一方で、沿岸漁業は魚種構成やサイズが多様である上、生産量も日により変化するため、安定供給や規格の面で不利に働いています。このことは沿岸漁業だけではなく、本県の沖合底びき網漁業にも言えることであり、関西圏を初めとした消費地の動向や他県の漁船の水揚げ情報を把握し、ターゲットとする魚種を変更したり漁獲量を調整することも生じてきます。  このような現状に対して、消費者や市況のニーズに応じ、漁獲したものが高く取引される流通方法などに結びつけるようなAIやIoTを活用する場面があると考えますけれども、知事の御所見を伺います。 ◯議長(稲田寿久君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から、水産業へのこういうIoT、ICT、AIといった技術の応用につきましてお尋ねがございました。  議員のほうでも御指摘ございまして、今、各地でいろんな取り組みも始まっていますし、研究も進みつつございます。はこだて未来大学のお話がございましたけれども、あそこはスルメイカ漁、ことしは非常に全国的にも不漁であるとか、稚内のほうでやたらとれるとかいろいろあるわけでありますが、そういう漁獲の予測システムなどをこしらえたりというのをさまざまな技術を駆使しまして動いておられる例もございます。  本県でも、例えば潮流の予測等、そうした漁場がどこに形成されるかとか、そういう予測のシステムをいろいろとつくり続けてきておりまして、平成23年ごろから酒津と、それから御来屋の沖5~6キロのところに観測機を設置しまして、どういうふうに潮流が動くかというようなことなどを調べて、これは漁業者の方に提供をすると。今、大分加入者もふえていまして、こういうような情報をもとに出漁するかどうかとか、どちらへ行こうかとか、特に油代もありますので、その動き方のことだとか、いろんなことに応用されております。  さらに、日本海沿岸の府県、それから大学などで共同して急な潮の流れの予測システムを開発しまして、平成27年度から導入をしておりますが、これは最近本県でもふえてきました定置網漁業などの場合、網を傷める可能性などもございますので、急な潮の流れというのを未然に察知をする、そんな意味でこれも今、本県でも活用が始まっているところでございます。  議員がおっしゃるように、今回の展開として、例えば今、九州のほうで行われています漁場の形成を予測するようなシステム、これは温度とか塩の濃度だとか、そういうものの観測をあちこちで、これはいろんな漁業者も参加しながらということになろうかと思います。そういうことをやって、それをいわば大きなデータを処理しながら予測をしていくわけでございます。これによってどういうふうに漁場が形成されていくか、それが漁業者の皆さんもわかりやすくなる、それが効率的な漁業につながる、こういうシステム開発でございますが、これは実は国のほうの委託事業でやっているものでありまして、これが今年度、来年度と進んだ後、全国各地にも応用されてくるのではないかなという関係者の期待もございまして、例えばこういうものを活用していくといったことも考えられるのではないかなと思います。  こうした生産面での活用とあわせて、新技術、こういう情報通信技術というものを活用して販売に役立てていこうというのも出てまいりました。これは以前から、例えば若い方が賀露で取り組まれたり、赤碕等で取り組まれた方もいらっしゃいまして、直接消費者に販売をするということも進められてきました。最近もっと組織的に行われている例として、JF、漁協のほうで、賀露の直売店がございますけれども、そことビー・ツー・ビーで全国のそういう水産取引の事業者との間でネットワークをつくりまして、プラットホームというシステムで実際販売に役立てているということも始まっております。  また、協同組合のかろいちさんのほうでもUOICHIというサイトをつくりまして、これでお客様、全国の消費者の皆様が朝のとれとれの魚を注文することができると、こうしたことも始められておりまして、徐々にではありますけれども、こうしたことでのお客さんが広がってきています。  また、山陰旋網さん、ここはいろんな魚種をとられているところでありますが、こちらのほうでもそうしたICT技術を活用した販路拡大を始められていまして、こうしたことが漁業者の所得向上であるとか、あるいは流通の合理化、また全国に鳥取のファンをつくっていく、そういうチャネルにもなってくると思われます。  正直、本県はまだ緒についたところかもわかりませんが、関係者ともよく協議をさせていただいて、こういうICTを活用した販売促進につきまして県としても今後も応援をしてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)11番島谷議員 ◯11番(島谷龍司君)知事には、水産業に対していろんな造詣が深く、いろいろ私の質問以上の答弁もいただいておりますが、一つだけ漁師の気持ちといいますかね、先ほど九州のほうでは漁師の協力をいただいていろんなデータをいただいて、そういうICT化を図る実証が始まっているというふうに言っておられます。確かに本当にそれを進めていって本県の漁業に活用させていただきたいのですけれども、いかんせん、やはり今までの漁師というのは、自分がとった魚、魚がとれた場所というのは秘密にしたがるのですよね。データをなかなか出したがらないと。私はここの意識改革もこれからの課題ではないかなと。漁師の息子が言うので間違いがないと思いますけれども、ここをしっかりとやっていただければなというふうに思いますし、我々も各方面には働きかけていきたいと思っております。  知事がいろいろと農林水産業のICT化、あるいはAIの活用について答弁いただきましたけれども、農林水産業は本当に我が県の基幹となる産業であります。はっきり言ってAIやICT、IoT、これが普及したからといって、それだけで農業の成長産業化というのは図られないと思いますので、ぜひいろんな方面から施策を投入と言ったら悪いのですけれども、農林水産業者とともに産業を発展させていっていただきたいと思いますので、最後にその決意をいただければというふうに思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から、こうした農林水産業の活性化につきまして再度お尋ねがございました。  きょうるるお話がございましたように、農林水産業もイノベーションを起こす時代に入ってきていると私も思います。それを支えていく地域の応援も大切だと思います。特にどうやったらその技術を使えるのか、そこにはもう一つ橋を渡していかなければなりません。ですから、商工業の世界だけのICT、AIということでなくて、それを実際に農林水産業の世界でも使えるようなアプリケーションなり応用というものを支えていかなければなりません。この辺はやはり、国もそうでありますけれども、地域としても応援すべき部分があると思いますし、現にこの間の全共のように、いい成功例も出てきたのかなというふうに思います。  スティーブ・ジョブズがこんな言葉を生前おっしゃっておりました。「Older people sit down and ask,‘What is it?’but the boy asks,‘What can I do with it?’」すなわち、お年を召した方々は座ってこう尋ねる。それは何ですか。しかし、子供たちは聞く。それを使って何ができますか。ここの違いがあると思うのですね。やはり今、技術革新が起こってきていて、何かわけのわからないものがある。それを使わずに置いておくのではなくて、それを使って何ができるかということを考えて、それで将来の成長、発展につなげていく、こうしたことが必要なのだと思います。今、農林水産業もそうした局面に差しかかっていて、私たち県政としてもその応援を果たしてまいりたいと思います。
    ◯議長(稲田寿久君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時より再開いたします。        午後0時01分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(福間裕隆君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  21番福田俊史議員 ◯21番(福田俊史君)(登壇、拍手)皆さん、こんにちは。会派自民党の福田俊史でございます。  さて、今月の上旬に、東京の八重洲にあります日本屈指の高級果物店でありますおなじみの京橋千疋屋に出向きまして、市場調査を行ってきました。千疋屋さんの店頭では、今シーズンも我が鳥取県産の二十世紀梨が1玉1,080円。そして、新甘泉は1,296円という高値で販売をされておりまして、ますます鳥取県の梨のブランド化が進んでいることを実感したわけであります。  やはりブランド化が進んでいくということ、そして高値で優位的に販売が進むということは農家の所得が上がりますし、農家の所得が上がれば後継者につながる、こうした流れ、こうした好循環をつくっていくということが平井県政の大きな役割だと思いますし、私は鳥取県の地方創生の基本だろうというふうに思っております。  梨の次はいよいよ花御所柿のシーズンが来ますので、平井知事におかれましては、首都圏におけますトップセールス、そしてさらなるブランド化にお努めいただきますようにお願い申し上げたいというふうに思います。  それでは、通告に従いまして、山陰デスティネーションキャンペーンに向けた我が県の観光戦略について質問に入ります。  近年、訪日外国人観光客、インバウンドの増加が続いています。2015年の延べ宿泊者数は6,561万人に上り、前年比46.4%の増となりました。特に地方の伸びが顕著で、東京など3大都市圏の増加率が39.2%だったのに対し、それ以外の地域の増加率は59.6%に上っております。  観光庁によりますと、2015年の訪日客が499万人と倍増し、国・地域別で最多となった中国人客を中心に、訪日の目的が変化している、地方の観光地に興味を示すリピーターがふえているといい、観光庁は、地方はこうした動きを取り込む対策を練ってほしいとしております。  平井知事はこれまで台湾やタイからの誘客に力を入れてこられたわけでありますが、中国人客は1人当たりの旅行消費額が28万円を超え、訪日客平均の17万6,000円を大きく上回っており、誘客できれば大きな経済効果が見込めると思います。ちなみに、昨年の県内外国人延べ宿泊者数約10万人のうち、中国人客の割合は10.9%にとどまっており、この分母が大きい中国人客をどう鳥取県に呼び込むかが大きな課題であります。  中国経済に詳しい専門家によれば、昨年500万人を記録した訪日中国人客がことしは700万人、2020年には1,000万人を超えると予想しています。さらに、中国人旅行者の爆買いの次の目的は、日本のどこにでもある田園風景や埼玉県の川越、岐阜県の飛騨高山、白川郷といった伝統的な家屋の町並み、民宿の素朴でアットホームなサービスと分析されています。  また、先週19日の日本経済新聞には、中国の旅行予約サイト最大手、シートリップCEOの孫潔氏のインタビュー記事が掲載されていました。その中で孫氏は、中国人が日本旅行に期待するものとして、「日本製品はすばらしいので、初めのころは買い物が大きな目的だった。しかし、中国人の旅行客は成熟しており、茶道や料理など日本の文化に触れたいという要望が増えている。マラソン大会に参加するといったツアーも人気だ」と述べております。  古きよき日本の面影を残す我が鳥取県は中国人のニーズにマッチしていると思いますが、全国に競争相手も多く、いかに鳥取県の魅力を売り込むか、商品造成と広報戦略が鍵を握っております。  私はこのようなことから、県は今後さらに我が県の課題である欧米人の誘客対策とあわせて中国人の誘客対策に力を入れていくべきだと思いますが、平井知事の御所見を伺いたいと思います。  地方への呼び込みを図る上で注目されるのが、観光地域づくりの推進法人DMOであります。御承知のとおり、DMOとは、宿泊施設や商工業者、金融や行政などが一体となって魅力的な観光地づくりを進める組織であります。私もDMOについては平井知事と何度かこの議場で議論させていただきましたが、観光庁が登録制度を設けたこともあり、組織化が全国的に広がっております。  兵庫県篠山市のノオトは、限界集落対策や農村地域再生に取り組んできた民間団体がDMOに移行。地元の複数の古い民家を再生し、地域全体を一つのホテルと見立てて宿泊客を受け入れており、外国人観光客にも人気とのことであります。瀬戸内海に面する7県による広域連携DMOは、クルーズやアートなどのテーマを設定した上で協力して観光ルートやプログラムを発信し、誘客に結びつけております。和歌山県のDMO、田辺市熊野ツーリズムビューローは同市内5つの観光協会が連携して発足し、世界文化遺産、紀伊山地の霊場と参詣道観光を軸に、個々の旅行者の要望に応じた情報を提供されています。  DMOは我が県でも次々と設立され、インバウンドの受け皿づくりがスタートしたわけでありますが、昨年4月に設立された山陰版DMOの山陰インバウンド機構は、鳥取・島根両県の外国人宿泊者数を2020年までに40万人とする目標を掲げられ、最大の課題である海外での山陰全体の認知度向上に努められております。山陰の認知度を上げるため、広域観光周遊ルート「縁の道~山陰~」のPRと国別のプロモーションを今年度から本格化されており、この広域観光周遊ルートの形成は地方への誘客を図るため国が設定し支援。全国で11のルートが設定をされております。  設立から1年半がたった山陰インバウンド機構のこれまでの取り組み状況と成果について、平井知事の御感想を伺います。  特に山陰インバウンド機構には金融機関も参画されており、マーケティングや施設整備などへの融資がどれぐらい進められてきたのか、あわせてお伺いいたします。  そして、いよいよJRグループ6社と鳥取・島根両県の観光事業者、行政などが一体となって誘客に取り組む山陰デスティネーションキャンペーンの開催が1年を切りました。こちらは大山開山1300年に合わせ来年7月から9月まで展開される大型観光企画でありますが、現在はプレキャンペーンが行われておりまして、来年の本番に向けたガイドブックの製作など、着々と準備が進んでいると伺っております。  この山陰デスティネーションキャンペーンは、今から5年前、2012年の10月から12月にも開催されており、両県はプレキャンペーンを含めた2年間分で各6,000万円の計1億2,000万円を負担し、島根県は古事記編さん1300年にちなんだ神話博しまねを開催し、鳥取県は国際まんが博関連イベントを各地で展開するなど、一定の成果を残しました。当時のJRによりますと、期間中の特急利用者は89万800人で、前年比9.4%の増加。特に山陰線のおき、まつかぜの出雲-米子間、鳥取-倉吉間は18%と伸びが大きく、キャンペーン用に企画された関西発着の格安周遊券も1万4,000枚を売り上げるなど、大きな効果があったと分析をされております。  しかしながら、キャンペーンが終わると期待どおりのその後の成果や起爆剤につながっていない部分もあり、一過性のイベントに終わったとの声もあります。今回も前回以上に大きな予算を投資するわけでありますから、前回の成果と反省をしっかり検証し、本当に地域の観光の基盤強化につなげていただきたいと思います。  そこで、1年を切った山陰デスティネーションキャンペーンに向けて現在どのような準備や戦略が図られているのか、そして、キャンペーン成功に向けた平井知事の意気込みを伺いたいと思います。  山陰デスティネーションキャンペーンは、全国のJR6社が展開する、どちらかというと国内観光客向けの観光キャンペーンだと思いますが、我が鳥取県への国内観光客の入り込み数を見てみると、関西圏からのお客様が約30%と一番多いことがわかります。あわせて、その移動手段はバスや自家用車など自動車を使っての移動がほとんどを占めております。  平成25年3月に県民待望の鳥取自動車道、姫路鳥取線が全線開通し、観光面において大きな効果が期待されたわけでありますが、全線開通した平成25年度以降、開通するずっと前の平成19年度などと比べてみても入り込み客数はそれ以上になっておらず、逆に開通後のこの4年間は減少が続いている状況であります。  この問題は、間違いなく新たに開通した鳥取自動車道に対する認知度不足であります。この7月から鳥取県議会から選出され、関西広域連合議会に私も参加をさせていただいておりますが、2府6県4政令市の議員の皆様と交流させていただく中で、ほとんどの方が鳥取自動車道の存在はおろか、無料の高速道路ということも御存じありませんでした。名刺を交換する際には必ず鳥取から大阪までどれぐらいかかるのかということを聞かれ、鳥取県は関西から見て北陸以上に遠いところというイメージを持たれていることがわかりました。  鳥取自動車道が全線開通してことしで4年、来年は5周年を迎えます。この節目の年に向けて、認知度不足の解消や関西人が持つ我が県に対する距離感や時間のイメージチェンジを図るための何らかの取り組みが必要ではないかと思います。人気旅行雑誌や関西ローカルの情報番組に働きかけ、観光するポイントや食事、宿泊など実際にコースをつくって特集を定期的に組むなど、これまでの地道な努力に加えて大きなプロジェクトを動かしていくことが今必要だと私は思っておりますが、平井知事の御所見を伺い、壇上での質問といたします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福田県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、欧米人誘客とあわせて中国人の誘客対策に力を入れるべきではないだろうかと、こういうお話でございました。  先ほどシートリップのCEO、孫さんのコメントのお話がございましたが、そうした視点も大切にしながら中国も一つのマーケットとして考えるべきでありますし、欧米などもそうでありましょう。欧米については、最近はユーチューバーのアンジェラ・アンさんという方をこちらにお呼びをしまして、大変にヒット数の多いそうしたユーチューブの2作品を今とりあえずホームページにアップしていただいています。それをごらんになって欧米系の英語圏、英語の通じる人たちから、これはぜひ行ってみなければいけないというようなことでございまして、欧米系の場合は何せ距離があるものですから一気にわっとは来ませんけれども、じわじわとふえてきている。我々の統計を見ても、少しずつでありますけれども、やはりこうしたネット社会を通じて広がっていることが感じられるようになってきました。  中国のマーケットも大分変わってきて、以前であれば団体旅行中心で、名所旧跡を見て歩く、それもディズニーランドに行ったり浅草に行ったり、それからゴールデンルートだといって京都や大阪に行くという定番型でございました。だんだんとこれが多様化しているわけでありまして、それに応じて私どもでも受け皿となる可能性も広がってきているはずであります。そういう意味で、昨年も1,700名ほど上海のほうからチャーター便で吉祥航空さんで運んでいただいて、これで中国のお客様がふえたという、そういう実績もありました。  実はこれは最近一つ事情がありまして、上海浦東空港という上海の空港でございますけれども、これが今、新規のこういうチャーターフライトなどが制限されるというか、禁止されていると。これは中国政府の方針でありまして、上海浦東空港のパフォーマンスが余りよくないということなのだと思います。定時制をしっかりとる必要があるとか、そうした観点で新規路線などの制限があって、余りこうしたチャーターマーケットや、あるいは新規路線就航が今できない状況が続いています。それで本県もあおりを食いまして、今シーズンは上海からのチャーターが結局うまくいっていないという状況があります。  ただ、関西空港が好調でありますし、またそのほかの近隣でも岡山や広島といったところにも来ますし、大事なのは羽田経由で入ってくるルートであります。こうしたルートについてそれぞれ開拓をする必要がありまして、後ほど出てくる山陰インバウンド機構さんでもそうした羽田乗り継ぎを強化しようというようにして、ANAとかJALの職員派遣も入れて、そうした乗り継ぎによる山陰周遊を組もうとしていまして、我々もこれをサポートさせていただいています。  山陰インバウンド機構さんよりも前に、今私どもでも中国の全日空の支店網のほうから送客を乗り継ぎでやってもらうと、こうしたことも進めておりましたところ、幾つかツアーが出てまいりました。先ほど孫CEOのお話では、マラソンツアーというのも人気だということでありますが、この夏、7月にはアモイからマラソンツアーを鳥取に招致することが実現しまして、東郷湖の周りを回るという、そういうコースなのですけれども、お客様が初めてお見えになりました。またそのほかにも、今月は山陰のゴルフ場を回るという中国人のどちらかというと若干ハイエンド層を狙ったツアー、これも入ってまいりました。また、この夏は子供たちのサッカーチームをこちらに招請しまして、こちらで国際試合をやると、そういうトレーニングなのですけれども、こうしたツアーも初めて呼び込むことができました。こうしたことを上海だとか広州だとか、いろいろとターゲットを入れましてやってまいりまして、幾つかこういうふうにスポット的に実現してきているところも出てきています。もっともっとこれを広げていく意味でも、weiboなどの向こうのSNSも通じまして、鳥取ゆかりの中国語圏の方に情報発信をしていただくなど、こうしたアプローチを強化してまいりたいと思います。  次に、山陰インバウンド機構につきましてお話がございました。山陰インバウンド機構、いよいよこのたび法人に組織整備をされることになりまして、10月2日に法人化のお祝いをする運びとなりました。法人化によりまして、より契約の主体として自由度が高い動きを機動的に行うことができるようになります。これは溝口島根県知事とも一緒にお祝いに参ろうかということを今計画しているところでございます。  この山陰インバウンド機構発足以来、いろいろと新しい組織ですから苦労されていますけれども、挑戦をされてきました。特に観光ルート、国際観光ルートを組む、これに国の認証を得るということについては成功しまして、これで一応5,000万円ほど政府資金をゲットするという道筋もつきました。こうしたことをもとにしまして、今具体的なプロジェクトも進めてきているわけです。先ほど申しましたような乗り継ぎによる誘客を図ること、それからターゲット別に、特に欧米等は山陰インバウンド機構で島根県と合同でやるほうがいいではないかと、お金がかかりますのでそんなように体制をすみ分けをしようということにもなってまいりましたし、特にユーチューブで山陰の美しい風景を動画撮影をし、これをアップしたわけでありますが、これが280万ビューという大変に大きな支持を得まして、何回も再生されているという形になりました。そういうところでコメントが寄せられていますけれども、これは行かなければいけないというような気分に、これは欧米系も含めて見ていただくチャンスに広がっていると思います。  さらに具体的なマーケットリサーチを今後進めようとしていまして、体系的、組織的に、我々単県でやるのとは違いまして、マーケティングの手法もしっかり導入して、今、顧客開拓を図ろうとしているところであります。  さらに、政府の事業支援も得ながら、電子上といいますか、ネット上のパスポート、そういう周遊パスポートをつくって、観光施設の割引とか、そうしたものを受けられるようにしようと。2日であれば2,000円とか4日なら4,000円とか課金をしまして、それでそういう周遊をしやすいものをしようと、こういうアプリケーションの商品販売を始めたり、また指紋認証によりまして決済が電子的に行える、こういうことを実験的にやってみようとか、今いろいろと意欲的に動いていただいています。  ただ、まだまだ始まったばかりでありまして、ではこれで目立って何万人ふえたとかということではないのですけれども、山陰両県で2020年までに40万人の宿泊客を目指そうということにしています。  こういう山陰インバウンド機構とも協力しながら、本県で去年は地震等がありましたけれども、巻き直しで今やってきておりますが、対前年で1月から6月、15%増の外国人宿泊客、5万5,500人ほどこのたびございました。ですから、順調に今シーズンは今伸ばしにかかっているというところではないかと思います。  問題は、さらに観光地として整備をしていくという意味で、受け皿のところでの整備が必要であります。つまり旅行商品をつくらなければならない。そういうことなどで金融機関とタイアップをしながら、ビジネスとして観光産業を育てていくという使命があろうかと思います。これにつきましては、山陰インバウンド機構さんのほうに例えば山口議員の息子さんが合銀から派遣されてきたりとか、ちょっともう帰られましたけれども、そうしたいろんな合銀さんや鳥銀さん、それから地元の金融機関ともタイアップしていまして、それぞれの銀行と連動したファンドがありまして、そういうファンドでの支援などを視野に、今動きを強めているところでございます。  次に、山陰デスティネーションキャンペーンにつきましてお尋ねがございました。これについてどういう戦略で臨むのかと、こういうお話でございます。  山陰デスティネーションキャンペーンでありますが、先般説明会を1年前ということで行いまして、米子のコンベンションセンターで各社集まってもらいました。全国から40社ほど集まりまして、皆様御存じのようなところは大概そろったと思います。JR関係者や地元も含めて全部で700人ぐらい集まるという、前回のデスティネーションキャンペーンに比べますと格段に大型で、多くの方々が集まってきていますし、舞台上でも、プロモーションも三朝の方であるとか、それからしゃんしゃん傘踊りの方であるとか、かなり凝った演出でアプローチをしていまして、食べ物のほうも非常にインパクトがあったようで、地元の素材だけを使った料理が非常に好評でありました。そういう中で、現に今、旅行商品化しようというところも出てきています。  実は、前回と違って今回少し力の入れ方を変えていますのは、要はデスティネーションキャンペーンが終わった後、伸びていく観光地として山陰がお客様に位置づけられなければならないと。ですから、素材の掘り起こし、そしてその素材を売り込む、さらにはそれが定着をしていくという、いわばレジェンドを残すような、そういうデスティネーションキャンペーンにしようと関係者で動いているところでありまして、単に従来商品を組み合わせただけでなくて、今だからできますよとかということでやってみて、それがうまくいけば長きにわたって観光名物になるというものをどんどんつくっていこうということであります。  例えば北栄町の山の上からいさり火を眺めるとか、従来はなかったようなツアーを今回わざとつくっているところであります。例えば大江ノ郷さんが特別のランチ、これをセットすると。これは今、旅行商品として組もうとしておりますけれども、先般の説明会でも大江ノ郷さんも出品されて、現に味見をしていただいたと思うのですが、既に商談が入ってきているという形であります。また、そのほかにも日南町の蛍もありますし、清徳寺さんのヒメボタル、これは7月の2週間かそこらだと思いますけれども、来年の夏に蛍を見に来てもらうと、そういうツアーを今回入れ込んでやってみようということになっています。また、若桜のまちでも花火大会がございますけれども、この花火大会にSLのライトアップと組み合わせて、幻想的で華のある、そうした夏の思い出づくりをしてもらってはどうだろうかとか、また智頭のほうでも、きのうはモモンガですか、テレビ番組がありましたけれども、ああいう芦津でのシャワークライミングであるとか、そうした新しい商品を今回実は既に入れ込んで、今計画を練り始めています。こういうものをプレでやってみて、さらに本番でやってみて、そのポストデスティネーションでもそういうものを定着させていく、こういうことによって本当の意味の観光地のブランドアップを図る、これが本来我々が目指すべきところではないかなというふうに考えております。  最後に、関西からの距離感を払拭する、そういう対策が必要ではないかと、こういうお話でございます。  これにつきましては、鳥取自動車道無料で便利、早くて近い、そういうことは事実できてきていますけれども、それがまだまだ浸透していないということだろうと思います。例えば遊・悠・WesTとか道の駅ナビだとか、関連の場面でも今、我々としても精力的に広告を打ったりしています。ただ、まだまだ通常のものでは足りない面もありましょうから、いろんな各方面でのお知恵もいただきながら、関西で近い鳥取県をもっとアピールしていく必要があるだろうと思います。  私自身も、8月末にラジオ大阪の番組に出させていただきまして、鳥取の魅力ということを語らせていただきました。さらに、今度来月の21、22日と、道頓堀湊町リバープレイスでイベントが開催をされます。これは我々のイベントではなくて、あの地域のお祭りですね。こちらのほうは、向こうは商店街連合会さんなどがやっておられるわけでありますが、そこと境港の水木しげるロードさんだとか、それから大山観光局さんだとか、もちろん東部のほうも参加されるのですけれども、そうしたところがいろいろとつき合いを深めてきたのですね。今いい関係ができてきていまして、そちらのほうでアピール行動に私も参加させてもらおうかなというふうに思っております。  それ以外にもいろいろと向こうのワイドショーであるとか、またフジサンケイグループのサンケイリビングとか、いろんなチャネルがございまして、関西本部のほうでやっていただいたり、また観光関係でやったり、住民の皆様がされる活動の応援をしたりして、精力的に今追い込みをかけているところでございます。  特に重要なのは、これからデスティネーションキャンペーンが開催されることです。今、7月から9月の時期でありますけれども、議員もお気づきかもしれませんが、例えば大阪の環状線を初めとして関西エリアのJRさんは、プレデスティネーションキャンペーンとして鳥取県を今重点的に扱っていただいております。それから、また来年度もデスティネーションキャンペーンの本番を迎えるわけでありますが、この年にJTBさんも日本の旬という、そういう事業でやはり鳥取を取り上げる時期になります。ですから、いろいろと露出を高めやすい時期でありますので、来年どういうふうに鳥取を売り出すかというところで、近くて便利で行きやすい鳥取、いわば関西の奥座敷のようなところだというふうな売り込み方を工夫してまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)21番福田議員 ◯21番(福田俊史君)平井知事のほうからは、中国人の今後の誘客対策について、しっかりこれから方針を立ててやっていかれるということでありましたし、また、山陰インバウンド機構につきましては、ほぼ順調なスタートを切られたということであります。金融機関との連携もファンド等をつくるなどして今機能的に動かしているということでありましたが、DMOの今後なのですが、単なる補助金の受け皿団体にならないようにということをよくマスコミ等で指摘をされていますので、しっかりお願いをしたいと思います。  また、山陰デスティネーションキャンペーンのほうも700を超えるエージェントが集まられたということで、前回と規模感が全然違うのだということでありましたし、また、私の地元であります大江ノ郷さん、また清徳寺の蛍、そして若桜の花火大会と、こういったものも入ってくるということでありますので、先ほど知事も言われましたけれども、終わった後のレジェンドをどう残すかということで、一過性に終わらないように、そういう対策をしっかりお願いしたいと思います。  そして、関西からの距離感をしっかり縮めていただきたいと思います。関西広域連合の議員の皆さんは本当に親しくさせていただいておりますけれども、鳥取から大阪までが2時間ちょっとで来られるということにびっくりされておられました。これは本当に力を入れて、来年ようやく5周年を迎えるわけですから、何らかの具体的なアクションを起こしていただきたいなというふうに思います。  それでは続けます。山陰デスティネーションキャンペーンを1年後に控えて現在プレキャンペーンが行われておりますが、私は準備のプレ期間というのが、期間と内容というのが大変重要だと思っています。現在JR伯備線や智頭急行では、特急出雲やスーパーはくとの席のポケットにプレキャンペーンのパンフレットが入っております。皆様のお手元に配付をさせていただいたものでございますが、パンフレットの作成に関係された方には大変申しわけないのですが、表紙から中身にかけて見ていただいたらわかるように旧態依然でありまして、斬新さや今回のテーマ性を全く感じることができません。今回の山陰デスティネーションキャンペーンのテーマはノスタルジック山陰でありますが、ノスタルジーを辞書で引いてみますと、フランス語で故郷や過ぎ去った時代を懐かしむ気持ちという意味で、日本語では望郷や郷愁と訳されることがあります。繰り返しますが、全くノスタルジー色を感じることができない、どこにでもある幕の内的な観光パンフレットになっているのではないかというふうに思います。知事もごらんになられてそのように思われませんでしょうか。鳥取砂丘や出雲大社を初めとする山陰各地の名立たる観光地はしっかり紹介されておりますが、私はノスタルジーといえばやはり若桜鉄道のSLであり、浦富海岸を走るボンネットバスを思い浮かべます。  平井知事も、先ほどおっしゃった8月8日に開かれた山陰デスティネーションキャンペーン協議会の設立総会の挨拶の中で山陰には一畑電鉄や若桜鉄道があることを指摘され、田舎ならではの鉄道の旅があってもいいと御提案をされています。本当によくぞ言ってくださいました。また、平井知事は、山陰にノスタルジーや懐かしいふるさとを求めて多くの方に来てもらうため、知恵を集め、行動を起こそうとも呼びかけられております。しかしながら、このパンフレットの中には、若桜鉄道も一畑電鉄も、ましてやノスタルジーの象徴である浦富海岸を走るボンネットバスさえも紹介されていないのです。  キャンペーンまで1年を切ったとはいえ、まだまだ時間はございます。ぜひともノスタルジック山陰というテーマにふさわしい、今まで地域に埋もれていた観光資源や宝を掘り起こし、商品化する絶好のチャンスだと思います。今こそ知恵を集めて行動を起こすときだと思いますが、平井知事の御所見を伺います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福田県議から重ねてデスティネーションキャンペーンなどにつきましてお尋ねがありました。  私も今ざっとパンフレットを拝見させていただきましたが、多分明るい色調で気分よく、山陰を感じさせないぐらい明る目にまとめてあるので、かえって日本らしさとかしっとり感だとか、その辺が若干感じにくくなっているかもしれません。これは最初につくったパンフレットでありまして、これからつくり込みがまだ進みます。実は、JRの関係者がデスティネーションキャンペーンのキーですけれども、話をしていまして若桜鉄道の活用等々は非常に前向きでありまして、やはり鉄道マン同士の思いもあるのでしょう。撮り鉄の旅ということを取り上げるということにつきまして肯定的でありました。実は余り心配はしておりません。  若桜鉄道は、このたび御勇退を表明されました小林町長の非常に御功績があったところでありまして、福田県議もともに声を上げられて、例えばピンクのSLに象徴されるように大変な集客があり、今観光地の一つの素材になってきたSLの活用であるとか、また経営安定化させようと皆さん奮闘努力されている中、水戸岡さんにこれもいろんな縁を伝って実現をされて、「昭和」という列車が走り始めるということになるなど大変な展開があり、新年度は実はそうした意味で重要な年でもあります。当然にイベント列車のような形など、若桜鉄道とこのキャンペーンを絡めることも十分可能だと思われますし、正直申し上げまして、そういう下話も始まっております。  ボンネットバスでありますが、これは別に排除したわけではなかったみたいでして、まだ話がまとまらなかったと。これはボンネットバスの動かし方によるものでありまして、いわば日交さんとのチャーター契約で運行しているということがありまして、チャーターの内容がつかないと商品ができないということがございまして、そういうようなちょっと手続的な事情があって間に合っていなかったと。ただ、これは岩美町さんも今、前向きにそこをやろうとしておられますので、そういうノスタルジーを感じるような旅として若桜鉄道や一畑電鉄を活用していく。それは今後新年度の本番までに間に合うように盛り込まれてくると考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)21番福田議員 ◯21番(福田俊史君)知事はこのノスタルジック山陰のパンフレットを見られて明るくていいのではないかということで、明るくていいかもしれませんけれども、これで全くテーマ性を感じないのですよね。岡山のデスティネーションキャンペーンが去年行われておりまして、そこでは美作ノスタルジーという津山を中心とするやはりノスタルジーをテーマにしたキャンペーンをやられていまして、やはり表紙は国鉄の古い列車で、古いヘッドマークをつけた、そういう表紙でありました。非常にノスタルジー性を感じるものでありました。まだ1年ありますので、もっとノスタルジー性を感じるものにしていただければなというふうに思っています。  質問を続けたいと思います。最近、鳥取駅前で映画館を営む方から次のようなお話を伺いました。最近、鳥取駅前でもアジア系のみならず、フランスやアメリカなど欧米系の外国人観光客がふえていて、古い町並みを探しているのだがどこにあるのかとよく聞かれるそうであります。そのあるじは、鳥取市内に古い町並みが残っていないので、大変ありがたいことに古い町並みが残る我が八頭郡の若桜や智頭を御紹介いただいているようであります。先ほど壇上で御紹介したとおり、古く伝統的な家屋の町並みは外国人観光客にとって大変魅力的でありまして、求めている観光コンテンツだろうと思います。  今月の初め、先ほど知事から御紹介いただきましたけれども、JR九州の豪華クルーズトレイン、ななつ星in九州を初め、数多くの観光列車のプロデュースを手がけられている日本屈指のプロダクトデザイナー、水戸岡鋭治先生と面談をしてきました。いよいよ来年の3月、若桜鉄道に水戸岡デザインの観光列車「昭和」がデビューすることになっておりますし、今回、県議会で質問を行うということもあって、大変お忙しい中お時間をとっていただきました。そこで水戸岡先生からは、全国各地で観光地としてそれほど有名でない町が外国人観光客であふれ返っている。それは一流の観光コンテンツがあるわけではないが、日本の伝統的景観や自然を生かしているところであり、水戸岡先生自身もJR九州の各施設を含め、全国に小さな京都をつくるプロジェクトを進めているということでありました。  そこで以前から申し上げていることでありますが、この水戸岡デザインの観光列車「昭和」の運行スタートを契機に、若桜の古い町並み、県道でもある仮屋通りを町と連携しながら、今こそ整備すべきであると改めて御提案を申し上げたいと思います。若桜町の仮屋通りは近く文化庁の重要伝統的建造物群にも指定される見込みになっておりますので、電柱の地中化や町屋の再生など、具体的に進めて商品化し、観光列車とのセットで大きく売り出すべきだというふうに思っております。  若桜町はいっとき話題となりました地方創生のきっかけとなった消滅可能性都市で全国25位に位置づけられるほど、県下で最も過疎化、高齢化が進む町であります。世界の事例を見てみますと、スイスにツェルマットという人口3,000人の小さな村がありますが、この村は1日に村の人口以上の観光客が世界中からやってくる村として世界的に大変有名であります。人口は減少していきますが、観光による交流人口をふやしていくことで地域の活性化に結びつけていく。まさに若桜町が目指すモデルであり、我が県の観光による地方創生のモデルだと思います。3周おくれ、4周おくれの手つかずだった若桜の町が観光のトップランナーになるプロジェクト。こうした逆転の発想を形にすることこそ、まさに平井県政の大きな役割だと思いますが、平井知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福田県議から重ねてお尋ねがございました。若桜という町、これをもっとノスタルジーという面で整備をして、景観というものを大切にしたまちづくり、テーマ性のあるまちづくりをと、こういうことでございます。  これにつきまして、最近、大分年を追って進展してきました。考えてみますと、平成21~22年ごろから本格的にこうした若桜町の仮屋通りなどの整備が言われるようになり、例えば県民の建物100選に選ばれるだとか、それから地元でいろいろ有識者も入ってシンポジウムを開いて、こういう伝建群のことなどを交えた話し合いをやってみるとかいうあたりからスタートをして、例えばカフェができたり、それから治郎丸さんの家のところを直したり、またチャレンジショップができて、これに石井さんとか波多野さんとか相次いで入居をされながら新しいビジネスを起こされる、こういうことが温かみのある昔からの町並みの中で広がってきていますし、その町並みの中にやはり住みたいという方もあって、移住者も住まわれるようになってきまして、本当にここ5年くらいで変わってきたかなというようにも思われます。小林町長初め、地元の方々の大変な熱意、それが今実り始めているのかなと思います。  また、最近よく全国でも話題になっているのは、谷口剛史さんがSLを蒸気でなくて、圧縮空気で走らせると。これは恒松さんからその技術を伝承されまして、全国で唯一の職人として、この技術が各地のSL復活につながってきているということがあります。考えてみるとそのメッカでありますので、私ども県としてもその谷口剛史さんのそういう鉄道技術、いわばマイスターとしての顕彰をしてもいいのかなと思います。そんなようなことなどを通じて、昔からのものを大切にして非常に美しいゆとりのあるきずな深い、そうしたふるさとをつくっている、そんな若桜という町がより鮮明に浮かび上がってくるのではないかと思います。  今、伝建群の指定に向けまして、学術研究調査も含めてアプローチしていますが、非常にいいところまで来ていると思います。ここから先は計画をつくったり、またこれは町のほうになりますけれども、景観条例を県でつくっていますが、その中でも特別行動計画というものをつくって、そこで条例を制定してもらうのが本来一番いいことではないかなと思われますし、また今おっしゃる電線地中化、これも通常無電線化というのは市町村の交付金事業で全国でされている事業でありまして、そういうことにも取り組まれるとか、もちろん我々も県道が走っていますから、県道としての修景事業なども協力できることもあるかもしれません。今後そうした観点で観光地としても楽しめる、また住んでみて潤いのある、そんな若桜のまちづくりに協力をしてまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)21番福田議員 ◯21番(福田俊史君)平井知事は本当に若桜の町の実情をよく御理解いただいているなと思いましたし、また若桜鉄道の谷口さんの話をされましたけれども、この間ニュースでも大きく取り上げられた谷口さんであります。本当に貴重な存在だと思います。本当に生かしてほしいなと思いますし、また小林町長がこのたび御引退を表明されたわけでありますが、やはり小林町長は思いがあって、若桜鉄道を生かして、あの古い町並みを生かして観光で交流人口をふやしていくと。2~3周おくれの町がトップランナーになる可能性が本当にあるわけですから、平井知事も、あと2月までの御任期ですかね、しっかり連携を図っていただいて思いを形にすることをお願いしたいと思います。  質問を続けます。昨年の2月定例県議会の一般質問で、私は徳島県の山間集落で古民家を再生し、フランスの農家民宿を手本にした宿泊施設を運営するアメリカ人で東洋文化研究家のアレックス・カー氏の先進的な取り組み事例について御紹介しましたが、今月14日、山陰インバウンド機構主催の講演会が松江市で開かれ、そこでアレックス・カー氏がゲストとして参加、「美しき日本を求めて」と題して講演をされております。そこでカー氏は、観光客が見たいのは暮らしの中の何でもない魅力だと訴えられております。さらにカー氏は、観光の時代、町の未来は景観で決まるとの持論を展開されており、京都で古い町屋が現代的な住宅に建てかえられたり、電線地中化が進まなかったりする状況について、周囲の環境に合わないデザインの建造物をつくってみても、経済効果は生まれない、伝統的なものをいかに生かすかが重要だと指摘をされております。  また、先ほど壇上で御紹介した国内有数の観光都市となった岐阜県高山市でありますが、インバウンドの伸びに伴って多くの外国人観光客が訪れ、国際観光都市の名にふさわしいにぎわいを見せています。その背景を調べてみますと、高山市は1963年に生活雑誌「暮らしの手帖」で山の向こうのきれいな町と初代編集長の花森安治氏に紹介され、1970年のキャンペーン、ディスカバージャパンで観光に火がついたとのことであります。他の都市が都市計画による市街地整備や道路の拡幅を進める中、1972年に景観保存条例を制定するなどして、古い町並みを保存、引き継ぐ飛騨のたくみのわざや地域文化が飛騨高山の観光の礎になっています。  アレックス・カー氏の話や飛騨高山の事例を受け、改めて景観保全の重要性を認識させられるわけでありますが、山陰デスティネーションキャンペーンを契機として、まずは外国人からの視点で県下の景観を評価してみてはどうでしょうか。その上で観光的な視点で全県的な景観保全のアクションを県がリーダーシップをとりながら、市町村としっかり連携して進めてみるべきだと思いますが、平井知事の御所見を伺います。  ただいま飛騨高山では引き継がれる飛騨のたくみのわざが観光の礎となっていると御紹介しましたが、我が県にも飛騨の文化に負けない鳥取民芸がございます。こちらはJR西日本が現在運行中の豪華寝台列車瑞風の室内用の茶器に因州中井窯が採用され、いよいよこの12月から瑞風の乗客の皆様が鳥取民藝美術館、そして鳥取民芸がふんだんに施された旧吉田医院に立ち寄られることになっています。この鳥取民芸については、昨年の議会でも平井知事と議論を交わしたわけでありますが、知事もその価値を高く評価されたところであります。  この山陰デスティネーションキャンペーンであるノスタルジーにもテーマとしては通ずるものがある。そんな中で、今、鳥取駅前地区商店街振興組合さんや鳥取民藝美術館が中心となって、鳥取民芸をコンセプトとした駅前民藝舘通りの整備構想を打ち出そうとされております。この間、東京高島屋でも民芸のイベントで鳥取民芸は大変な高い評価を受けたわけであります。  JTBの会長を務められております、山陰インバウンド機構の田川会長は、会長就任時に次のようにおっしゃっているのですね。旅行者の発地からでなく、受け地で商品をつくるプロダクトアウトを進めたい。マーケットに合う商品を的確につくることが山陰DMOの最大の仕事だ。伝統芸能や文化など山陰には隠れた宝が多い。それを生かした商品に取り組んでいくとしっかりおっしゃっております。  この山陰デスティネーションキャンペーンを契機に県は鳥取市とも連携して、鳥取民藝美術館、民藝舘通りの整備の支援を行い、そして観光振興につなげるべきだと思いますが、平井知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて町の景観づくりや民芸の活用につきまして、お尋ねがございました。  町の景観につきましては、景観まちづくりの条例もございまして、今重点的にやっておられる地域も出てきています。例えば鹿野であるとか琴浦の光であるとか、そうしたところでそれぞれ景観行政団体になられて計画もつくり、されているところでありまして、若桜でもこういうものでもっと十分活用可能なものもあるだろうというふうに思いますし、その値打ちがあるだろうと思います。  昨日も私、鳥の演劇祭の最終日のクロージングにお伺いをさせていただきました。そのときにニューヨークから来られた劇団の方とか、パリから来られた劇団の方とお話を親しくさせていただいたのですが、皆さん口をそろえておっしゃっておられたのが、鹿野の町は最高だというのですね。美しい、また人々も優しい、すばらしいところ。中には日本に初めて来た方もいらっしゃるのですけれども、東京だとかよりも先にこちらのほうに来ておられる。ところが、これが実は外国、欧米系などから見ると、日本らしさの一つの典型なのだと思うのですね。決してそれはお世辞ではないと思いました。私もいろいろな方とお話ししていますけれども、本気でおっしゃっている。だから私たちのところにはそうした価値があるのであり、恐らく若桜もそういう意味ではその値打ちに値するところだというふうに思います。  ですから、そうしたことの例えば修景づくり、中山間地域の活性化であるとか、いろいろな事業がございますので、我々もそういうところを応援していければと思いますし、ニューツーリズムをつくっていく、そういう事業も活用してそのにぎわいづくりということは可能ではないかなと思います。  それとよく似た話で、民芸も今、大分熱気が変わってきたなと思います。これは例えば木谷さんだとか八村さんだとか、地元で一生懸命になって支えてこられた皆さん方がいらっしゃり、それで民芸というものの正当な評価を世の中に対して受けようとしてきたところです。議員もおっしゃいましたが先月、今月あたり、東京の高島屋でまずは皮切りになりました。これはずっと大阪だとか各地を回りますけれども、巡回展で今民芸展をやっているわけです。全国の民芸の関係のものが集まりましてやっているのですけれども、鳥取県からは鳥取のたくみ工芸展がまとめて出品をされたわけであります。これは主催者側も驚くぐらい非常に手応えがあり、好調であったということであります。今確かに民芸ブームになってきたのですね。私たちは当たり前のように思っているあの染め分け皿なども、もう出したら売れるというようなことになってきていまして、中井窯などは4日目でもう既に完売をしたということであります。そのほかにもちょっと我々はなじみが余り薄いかもしれませんが、例えばちょっとおしゃれなパン切りのナイフであるとか、ああいうものも含めて売れています。今、民芸の関係の窯元さんとかいろいろなところから聞こえてきますのは、もう注文に追いつかなくて1年、2年待ちだというぐらいなところまで戻ってきているのですね。だからかつて私たちが夢見てきたようなことが今現に実現してきていますし、それがあの瑞風が立ち寄るという立ち寄り観光にまでつながってきている理由だと思います。  今、地元のほうでも鳥取の商店街の事業が絡むと思います。中心市街地活性化の事業として今プラットホームをつくろうではないかという動きがあると伺っておりまして、大変すばらしいことだと思います。事柄としてはそういう商工関係者やあるいは鳥取市がイニシアチブをとるべき分野でありますけれども、我々としても中心市街地におけるまちなか振興ビジネス活性化支援事業であるとか、いろいろと支援メニューもございますし、民芸を一つの軸とした町の活性化に我々としても応援をさせていただければと考えております。
    ◯副議長(福間裕隆君)21番福田議員 ◯21番(福田俊史君)大変前向きな御答弁でありました。たくみ割烹店は外国人の方だけでことし1年で3,000人をほぼ間違いなく超えられるということであります。本当に重要なコンテンツだろうと思いますので、さらなる御支援をお願いしたいと思います。  最後の質問でありますが、きょうは平井知事と来年7月から始まる山陰デスティネーションキャンペーンに向けた我が県の観光戦略について議論をさせていただいているわけでありますが、鳥取県に行ってみようかと思うとその大前提となる、そもそも我が鳥取県の魅力度とはということで全国どの程度の位置にあるのか関心を持って調査をしてみました。皆様のお手元に配付をしたとおりであります。  昨年、東京にあるブランド総合研究所が行った地域ブランド調査2016によれば、我が県の順位は47都道府県中、岐阜県と並んで第42位であり、残念ながら下から5番目でありました。平井知事におかれましては、みずから先頭に立たれて鳥取県を常に売り込んでいただいており、県民皆が高く評価し、県民皆が誇らしく思っているところであります。また、県外の方々からも平井知事は大変有名であります。  しかしながら、この順位を向上させるためには、平井知事の努力だけではどうにもならないわけでありまして、部局を横断して県庁を挙げて戦略立ててこの課題に取り組む必要があるのではないかと思います。幾ら観光キャンペーンを繰り返しやってみても、一過性で終わるというのは、この前提であるそもそもの魅力度を上げていかなければ、課題の解決にはならないのではないかなというふうに思います。  そこで県庁内に鳥取県の魅力度を向上させる専門のチーム、担当セクションを設置し、まずは東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて30位以内、最終的には10位以内を目指す勢いで具体的な目標を掲げての取り組みを進めてみるべきだと思いますが、平井知事の御所見を伺って、今議会の質問とさせていただきたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福田県議から重ねてお尋ねがございました。鳥取の魅力度向上、これはすぐということでもそうですし、特に旅あるいは食という意味での魅力度の向上が大切なことだろうと思います。それが地域ブランドなのだと思います。  おっしゃった地域ブランドの調査も実はいろいろなものが入っておりまして、42位ということにはなってはいますけれども、ただ以前と比べてやはり認知度は上がってきている面も多々ございます。ある意味その魅力度を上げるあれに連動するのが、結構そこで何か騒ぎがあったとか、少しおもしろいことが起こったと。だから我々でいうとちょうどスタバ騒ぎがあったときにくっと上がったりしたこともございまして、あれだけで一喜一憂する必要はないのでありますが、例えばトリップアドバイザーの外国からの関心度で、今回鳥取が上昇率で上位になったということでありました。やはりブログ、SNSなどで情報発信している、それが中国であるとか香港であるとか、欧米も含めまして、結構心に響き始めているようで、今まで余り知られていなかった鳥取という場所のイメージが大分上がってきている。私も香港に行きまして、今回も9月の初めに向こうで物産展のオープニング、観光PRに行ってきましたけれども、クイズをしてみて鳥取についての知識を普通の香港のお客さんが持っておられることに驚いたわけです。砂丘であるとか、そういうのが鳥取だというのがすぐわかる。ちょっと前では考えられないことでありまして、だんだんと認知度が上がってきているということではないかなと思います。  それでいろいろと過去も実は鳥取県もそういうイメージアップの戦略で組織をつくったこともございました。正直申し上げて、そういう組織をつくって予算をつけたら順位が上がるということには過去なっていないかなというふうに思います。むしろ例えば今回は和牛がそうでありますけれども、和牛であったら和牛でイメージアップを図る、それからカニで図る、それから砂丘でやったり大山1300年祭であったり、何かがヒットして話題になってくれば、それは別に鳥取はということでさっきのデスティネーションキャンペーンみたいなパンフレットをつくり、イメージづくりをしても余り胸に響かないのですね。むしろそういう心に残るような、そういうメッセージをそれぞれのジャンルで出していくのが、トータルで順位が上がっていくことになるのではないかなというふうに思います。  最近、鳥取で話題になったのは、幽霊がいるとかいないとかいうことで話題になりまして、あのときもくっと認知度といいますか、関心が上がったりしました。直近で言いますと、砂丘の砂浜をファットバイクで走る様子がウユニ塩湖のようだと。そのことで1枚の写真からわあっと関心が広がっていくわけですね。多分鳥取の場合、そういう自然だとか食べ物だとか、そうしたいわば正攻法のものを上手に切り取って出していくことができれば、中長期的には外国での認知も含めて上がっていくのではないかなというふうに思います。  秋は夕暮れ、これは「枕草子」もそういうふうにいっているわけでございますけれども、夕日が落ちるときに山の端いと近づきて、それでカラスの三つ四つ、二つ三つ飛んでいくこそあわれなりといって、カリが連なってだんだん小さく見える、それはいとおかしというふうにいっている。そうした光景が春はあけぼのであったり、夏は夜であったり、冬はつとめてであったり、それが自然な形で今もあるのがこの鳥取のよさではないかと思うのですね。そういう四季あるいは暮らしと密接にかかわりながらあるすばらしさ、これをむしろ上手に外国人の手でも伝えていただく。そういうことをやっていけば、国内外でのブランド力はだんだんと上がっていくのではないかなというふうに考えております。  組織をつくることも大切だとは思うのですけれども、むしろそういう一つ一つのてこ入れを図り、特に外国人の目線も含めて、ネット上での情報発信などにも力を入れていくことがイメージアップの本来の道ではないかなというふうに感じております。ぜひきょうの御質問いただいたこと、県庁内でもよく議論させていただきまして、新年度に向けてまた新たな戦略を練ってまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)10番中島規夫議員 ◯10番(中島規夫君)(登壇、拍手)初日の最後となりました。よろしくお願い申し上げます。  議会改革推進会議で、ある議員が指摘されました。議員はわかりやすい質問を心がけるようにと言われましたので、私は議会改革推進会議のメンバーとして、趣旨に賛同いただけるかどうかは別として、わかりやすい質問に心がけたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。  まず、通告どおり、2点について伺います。  まず、1点目、公の施設の今後について伺います。  広谷議員の代表質問に、知事は、財政の健全化のため規制改革を行うと答弁されておりました。本県も多くの施設を抱え、直営、指名、公募の違いはありますが、指定管理者、そして今後導入しようとしておりますコンセッション等いろいろあり、平井知事としては今後、維持運営に多額の財政支出を伴う本県の公の施設をどのように運営しようとしているのか伺います。特に多くの指定管理者施設は、平成31年に新たな契約となりますが、知事の考え方を伺います。  2点目、将来の鳥取漁業像を知事に伺います。  本県の水産業は境港、それから鳥取賀露港、岩美の田後港を母港とする沖合底びきとまき網漁、それに沿岸漁業の2つが中心だった業態でございますが、最近は日本水産グループの弓ヶ浜水産のギンザケ、赤碕港に進出しました淡水魚では日本ナンバーワンの林養魚場と養殖業が興っております。  私は8月、9月にかけて境港の弓ヶ浜水産、赤碕の林養魚場、三重県尾鷲市の尾鷲物産、愛知県田原市の林養魚場、福島県の林養魚場本社、そして弓ヶ浜水産と尾鷲物産で自動餌やり等と水中の養殖網の実証実験をしております新日鉄住友を視察してまいりました。  この視察を通して、将来養殖業が日本の水産業に大きく影響を及ぼすのは理解できましたが、知事は将来の鳥取県の水産業はどうなると考え、どういう施策を打っていかれるのか伺います。  壇上での質問を以上で終わります。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)中島県議の一般質問にお答え申し上げます。  非常にわかりやすく3分で質問が終わってしまいましたので、ただ、私のほうから若干説明も含めてお答えも申し上げたいと思います。  まず、1点目のほうでありますけれども、これからの県営の施設経営についてであります。  これにつきましては、誰がユーザーかということでいえば、県民の皆様でございます。したがいまして、カスタマーズサティスファクション、CSというのが大切なポイントになろうかと思います。また、もう一ついえば、そのコスト、それは議会の皆様とともにそのコストを何とか抑制をして、それで県財政との調和を図ろうということを年々歳々重ねてきているわけでありますが、やはり今、議員もおっしゃいましたけれども、結構多額のお金もかかる中で、どうやってこれを経営していくのかということからいえば、そのコストのことも大切であります。  この2つを追い求めていくためには直営であるとかそれから指定管理、指定管理も指名型と公募型とあったり、またコンセッションという新しい方式、こうしたそれぞれの中で何がいいのか、適切なのかを考えたり、さらにこれ以外にも完全民営化をする、むしろ県営から外してしまって民間のほうに譲渡をして、民間のほうで経営してもらうというほうがよいものもあろうと思います。この辺を一つ一つの施設に応じて考えていかなければなりません。これは私どものほうでも今議論をしておりまして、議員もおっしゃったように、実は指定管理の関係でいえば、37の指定管理がございますが、そのうち33が来年度いっぱいで切れることになります。ですから、今年度中にでも方針を考えた上で来年度、指定管理の手続、議会ともども入っていかなければなりません。そういう意味で今ちょっと重要な時期に差しかかってきましたので、今議会の終わりか、あるいは遅くとも次の議会か、どこかで一応一覧表的に皆様にも今後、指定管理をどうするのか、それと関連して直営であるとか完全民営化であるとかコンセッションであるとか、その辺をどういうふうに選択をするのか、議会とも相談に入りたいというふうに考えております。  直営には直営の一つの意義もあって、これは行政サービスとして提供するのが適切だというものも中にはあるでしょう。ただ、それが従来そういうふうに考えていたけれども、一部でも切り分けられるものがないかどうか。これが今まで大分議論のあった美術館や博物館ということ、そういうところでも一部なりとも切り取ってコンセッション等々に出すものもあるかもしれません。また、例えば賀露かにっこ館のようなところ、こういうところも先般もお客様をお迎えしてセレモニーをしましたけれども、必ずしも行政だけのことでなくてもいいかもしれません。民間のノウハウでできることもあるでしょう。そうやって考えていきますと、一つ一つやはり見直しが必要なことがあるのかなと考えております。例えばもう大分社会福祉構造改革も進んできて、障害者施設だとか高齢者施設だとか、県が県営施設として持っていなくても、もう民間でたくさん今ノウハウの高い施設もできてきています。ですから、そうした福祉の施設の中でも民営化になじむ、そういう時代も今始まっているところであり、今までも実は数多くの民営化を福祉施設でやってきたりしています。  コンセッションはちょっとハードルが高いのですけれども、これは資産の評価をしたり見通しの評価をしたり、そういうことを経た上でかなり厳格な手続で長期にわたる経営権の移譲をしようというものでございます。こういうものに例えば水力発電所であれば、実はあれはもうかっていますから、これを買う人がいるかもしれないと。そうすると、これを買っていただければその分、経営の手間がこちらで省けて、当然経費は節減できるわけでありますし、逆に将来を見越しての対価として支払われる収入を確実に得ることができる。そういうふうに移行したほうが納税者にもメリットがあるだろうというものもあるわけであります。  この辺はそれぞれ個々に分かれていまして、一つ一つ丁寧に見ていく必要があるかなと思いますが、それぞれの施設ごとにその方向性について近々御相談を申し上げたいと思っています。  次に、養殖漁業についてお尋ねがございました。  これにつきましては、もう大分世界の趨勢が変わってきたと思います。考えてみますと、人間は海のほうへ出ていき、あるいは川に行き、そこにある魚、魚介類をとって暮らしてきたわけでありますが、実は海洋資源は限られていますし、また消費者側、実は食べる人たちにとりましては、これはいっぱい食べたいとか、これはどうでもいいとか、いろいろあるわけでありまして、需給のミスマッチが生じてきているわけですね。そんな意味で最近、大西洋のマグロが課題になり、さらに太平洋のほうでもマグロの漁獲制限が始まったり、こうした海に対する収奪型の漁業というものの転換点に来ています。  世界の趨勢はどうかというと、5割ほどが養殖のほうに移ってきています。国内の漁業は今2割ほどが養殖でございます。特に鳥取県は養殖関係がおくれていたところだと言わざるを得ません。それは理由があります。海がかなり荒れていまして、内海で湾の中の波が静かなところという、そういう環境が得にくいことがございました。ですから、いろいろな工夫が必要でありますし、技術開発も必要でありました。平成23年に全国海づくり大会がございました。そのとき天皇皇后両陛下がこちらにお見えになったわけでありますが、それはつくり育てる漁業への背中を押していただいたことでもございます。「鳥取の海静かにて 集う人と 平目きじはたの 稚魚放しけり」と陛下がお詠みになられた御製が今も賀露港にございますけれども、そういうヒラメやキジハタの稚魚を実際に湯梨浜町で放された両陛下のお姿が今も我々の記憶にあります。そのとき実は我々は誓い合って、ぜひこういうつくる漁業をもっともっとやっていこうというふうに方向転換をしました。その後、陸上養殖の技術が取り沙汰されるようになり、井戸海水の活用もある程度めどが立ち始めました。最近の状況でいえば、先ほどお話がありました林養魚場さんは鳥取の赤碕新港のほうに養魚場をこしらえられまして、恐らくこの秋、10月ころかなと思われますが、いよいよ動き始めるということになろうかと思います。また、弓ヶ浜水産さんのほうでギンザケ養殖をしたり、マサバの養殖をしたりということをされ、そのさらに派生として大山の湧水を活用した、そういう養殖もされています。また、湯梨浜振興さん、地元の企業が中心になりまして、やはり井戸海水を活用してヒメラであるとか、またクロアワビであるとか、そうした養殖を始められていますし、ついこの間はJR西日本さんが岩美町におきまして、お嬢サバと言われるサバの養殖を始められたところであります。もう本当にここ数年間で急速にこういう養殖の世界がロットでも広がってきました。  さらに最近の傾向として、漁港の中で比較的静ひつなものですから、その環境を利用して海藻であるとか、そうした養殖を進める動きも出てきましたし、また放流を通じて例えばキジハタのように高級魚、これをまた回収する、それのめどを今つけようとしていまして、いよいよ商業ベースに、要は経済ベースに移行し始めてきています。大分、鳥取もそうした養殖漁業への時代の扉をあけ始めていますが、恐らく長い目で見ていただくと、需給のミスマッチだとか海洋資源の枯渇などをにらめば、こちらの養殖のウエートをふやしていくというのは大切なテーマになってこようかと思います。鳥取県としても技術開発やそれから養殖業の推進に向けまして、支援の枠組みを強化してまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)10番中島議員 ◯10番(中島規夫君)では、追及に入ります。  まず、公の施設、これはよくわかりました。協議の結果が10月の終わりか11月議会の最初には出てくるだろうと。そのときに議会にも報告があって、相談があると、こういうことでございますね。  何か知事と話していますけれども、そうですよね。これは別に反問権ではないです。  それはそれで結構ですよ。私はどこをどうしろという個別具体なことを言っているわけではありません。  さらにお聞きしたいのは、34施設ですか、差し迫っています指定管理者の契約の更新が31年度には来ると。これはたまたまなのですけれども、鳥取砂丘こどもの国が私のいる福祉生活病院常任委員会でたまたまそれの結果が出まして、見に行ったのです。対応がよかったか悪かったかは別として。自分がなぜ関心を持っていたかというと、私の古巣であります鳥取市がドル箱であります砂の美術館を完全に県外の民間の大手に。これはイズミという広島のほうでたくさん指定管理を受けています。だから私も先日、道路の関係であそこに行ったときに、前泊して見に行きました。ただ、こっちのやつは、JR西日本とかIT企業の大手3社で組んで、施設の維持管理だけではなくて、もうほぼ運営全部を引き受けるというような。私もおりましたからよくわかりますけれども、普通でしたらああいう施設はなかなか手放さないでしょう。観光コンベンション、昔でいったら市の観光協会みたいな外郭団体が持っていたわけですよ。大概手放さないのが普通なのですけれども、だんだん業績が下がってきますね。それでいよいよ手放したと。  別に鳥取市の自慢話をするわけではないですけれども、こういう事例は過去に1回ありました。これは小中学校の給食業務を担っている学校給食会という、やはりこれも外郭団体であります。ちょっと政治的な偏りがあったように思いますけれども。1,000名以上のノロウイルスの中毒を起こした。それをきっかけに県外の大手の指定管理を入れましたからね。私は中心におりましたからよく知っています。いろいろなおどし文句をさんざん言われました。しかし、やはり必要なときはしないといけないと思う。鳥取市も別に条例とかつくっておりませんけれども、市内の業者をかわいがりますからね。  ですから、私は観光事業団が所管の職員を呼んで公募状況だとか管理費だとか聞いたわけです。7施設ほどございますけれども、たまたまですよ、観光事業団に行ったから、多くの中での例示を出しているのですよ。観光事業団を標的に言っているわけではないのですよ。3回ほど入札がありました。1回目は3社とか2社とか、割と競争しているのですよ。2回目になると、2つの施設だけが2社が応募して、あとは全部1社。3回目になりますと、もう全部1社。もう競争相手なし。僕はこんな状態はよろしくないだろうと思うのです。  それともう一つ、経営はどうなのといいますと、黒ですよと。黒ですよとはどういうことかなと思って、県の持ち出しがあるのではないですかというと、7施設で9億5,000万円ほどあるのですよ。それは県が赤字補填しているということでしょう。ですから、その7施設をとってしてもそれだけの赤字分の補填があるということは、ここに表がありますけれども、大変な数の施設があります。大型の施設もありますからね。だから知事が広谷議員の代表質問に答えたように、やはりメスを入れないといけないところは入れないといけないと思う。  そのときに担当に何でこんなに県内業者なのというと、県には平成23年に産業振興条例、こういうものができまして、趣旨は何ですかと聞いたら、県内事業者に配慮する。それの援用で指定管理者選定にもこれを踏まえて運用すると、こういう答えが返ってきた。ということは、もう選ぶ段階、応募する段階でこういう規制がかかっていると。  私は、知事が言われたユーザー、県民を第一に考えて、それからコストは我々が削減するように努めないといけない。こう考えると、やはり競争させないといけないと思う。しかも、県内事業者だとこういう運営会社は余りないので、県の外郭団体みたいなものがどんと行くと、比較選定のときにそこが受ける可能性が多いだろうというのが予想できる。だけれども、県外にはこれに対抗できる、もっと上を行くような事業者はたくさんいると思う。ですから、私が知事に伺いたいのは、全部が全部、産業振興条例を適用するなとは言いませんよ。少なくとも今回の指定管理者の公募の見直しのときには考慮されたらどうですかと、このことを知事にお聞きしたい。(「議員提案」と呼ぶ者あり)  議員提案と後ろのほうから声がありますけれども、議員提案でも足かせになっていることは改めればいいと思う。私はそう思いますからね。それを聞きたい。  将来の漁業像、知事、同じ意見でございます。日本を代表する大手の新日鉄住金がもうはっきり言っておりました。漁業の世界の趨勢、日本はおくれていると。何でこんなプラントメーカーとか金属の大手が養殖に手を出すかというと、日本は入り江が少なくて、ノルウェーみたいになかなか養殖に向かないけれども、恐らく漁業は養殖業のほうにずっといくだろうから、試験のためにやっていますと。みんな、こういう表現をしていました。私たちのプロジェクトチームは手弁当なのですと。利益を生んでおりませんから、会社内では冷たい扱いを受けていると。しかしながら、今弓ヶ浜水産で自動餌やり機の試験をして、三重県の尾鷲市では海面より15メートル下のところに網を置いて、そういう実験をしております。海面から15メートル下がると、どんなに海が荒れても、静かな海の中で育てるのと大体一緒だそうです。ですから、もしそれができれば、我々鳥取県みたいな、中海とかはちょっと違いますけれども、島根県とか多くの浜辺で、海岸でこういう養殖が可能になる。ただそれが採算に合うかどうかは別です。今、会社のほうが考えているのは、大体50メートル四方ぐらいで20メートルから25メートルぐらいの深さ、これを4基沈めて、それから石油掘削などで技術があります餌やりの塔、これを1セットで魚種によりますけれども、大体年間2,000トンぐらいを揚げて。そうすると初期投資10億円から15億円。回転の状態によりますけれども、それぐらいで、7年で元を取ると、こんな計算でした。ただ、それを聞いて、県漁連の幹部に聞いてみました。10億円から15億円、挑戦できますかといったら、いや、まだ無理ですねというような答えでしたけれども、いずれコストが下がるだろうと思います。そういう意味も含めて伺ったのです。ただ、そんな夢ばかりを追って、今やっている沖底とかまき網とか沿岸漁業、手を打たないといけませんからね。  大体知事の方針はわかりましたけれども、既存のところへの援をもう少し具体的にお聞きしたいと。この2点をお願いします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)中島県議から重ねてお尋ねがございました。  まず、指定管理を初めとした施設の管理委託等についてでございますが、先ほどちょっと私の説明がわかりにくかったかもしれません。今議会の最後は10月の頭に終わるわけでありますが、その中で一定の方針が示せれば、早い場合はそのときにお示ししたいと思いますし、遅くとも11月議会の頭ぐらいまでにはお示しをしたいと。と申しますのも、2月県議会で予算だとか条例改正だとかが出てきますので、その前に議会側ともお話を始めさせていただいて、我々としても31年度以降の体制を考えていきたいと思います。  今いろいろとお話がございましたので、そうした、では、実際に公募するだったら公募の範囲はどこまでかということも含めて、一つ一つ相談の中に入れさせていただき、議会でのお考えもお伺いをした上で、最終案を執行部として取りまとめをさせていただこうかと思いました。  ただ、ちょっと一つだけ申し上げれば、産業振興条例という条例がございまして、これは実は本県では2つの議会、平成23年でしたかね、9月、11月と2回にわたりまして結構大議論がございまして、その議論の末に産業振興条例ができました。議場でも大分御議論があったのですが、入札だとかこういう管理委託のような、こういうケースを念頭に置きましてできるだけ県内業者に出すべきだと。それで県内に本店、本社、または主な事業所があるところ、それに配慮をすることということが、ちょっと実はいろいろな大議論の中で最終的にはそういう文言が条例の中に入りまして、私ども執行部は議会のつくられた条例の意を受けて、現在もさせていただいております。ただ、もちろんその解釈の部分もございますし、議会として修正するなら修正するということがあるかもしれませんが、私どもも別に全部タブー視する必要もないと思いますので、一つの一定の考え方のもとにこういう範囲で委託先を募集したいというようなことも含めて御相談させていただくのがよいかなというふうにも思います。  ただ、産業振興条例の趣旨は、特に雇用の厳しいときがございまして、そういうときに県外業者が来て下請も含めて県外のほうに利益も落ちれば給料も落ちるという形ではどうかなと、こういう発想でできたものであり、それ自体は間違っていないと私は思います。ですから、大切なのは先ほど砂の美術館の例がございましたけれども、範囲を県内以外に広げる合理性のあるものかどうかというのも我々もちょっと考えてみたいと思います。例えば公共事業であれば大規模な橋梁工事だとかトンネル工事で県内の業者の技術ではちょっと到達し得ないところについては、県内事業者の枠を外して募集をかけるということをやっています。だからそれとアナロジーのような形で県外事業者を入れる合理性があるものかどうかぐらいで、まずはちょっと案をつくってみて御相談をさせていただければというふうに思います。  2点目の養殖のほうでありますが、考え方は今、中島県議がおっしゃったとおりだろうと思いますし、そうした大きな世界の方向性の中で、我が国、そして鳥取県もどうやったら養殖漁業を育てることができるのか、そのようなパイオニアの気持ちで向かってまいりたいと思います。  今、御紹介がございました新日鉄住金エンジニアリングさんも尾鷲、それから本県の境におきまして実験サイトをつくられ、私どもの弓ヶ浜水産さんでは自動給餌システムを入れられて、これは非常に現場では評判がよかったです、正直申し上げまして。ただ、おっしゃるような投資額が結構、膨らむものですから、では、これを新しくつくって入れるかなというのは、ちょっとまだ抵抗感が現場ではあるようです。ただ、うまい形でそうした技術を県内で使えるのであれば、それは関係者とも相談して実験的、モデル的な導入ということもあり得るだろうと思います。もちろん国のほうも今TPP11だとか、そうしたこともございますので、今後、水産業の支援についても考え方を変えてくるかもしれませんし、そうした自動給餌システムのようなことを応援してくださるのであれば、その辺も導入できるのではないかなと思います。  いろいろな魚種がありまして、それぞれの魚種と場所に応じてやはり戦略を組まなければ、養殖漁業というのは具体的に成立しないと思います。例えば井戸海水も使った養殖ということを本県も導入しましたけれども、現場の企業さんにとってはなかなかこれは採算が合わないということも多々ございました。そんな中で試行錯誤をしてクロアワビだとかいろいろと採算の合いそうなところをいわば県のほうでも手助けをしながら今動き始めているということでありますし、JR西日本の当時の真鍋社長もサバの養殖単体でたくさん収益が上がるとは思っていないと最初からおっしゃっていました。ただ、JRが走るところに産業がなくなってしまって、人が住まなくなったら運ぶものがなくなってしまうわけですね。ですから、地域の産業興し、地域おこしということにJRはコミットしていくのだということで、今うちだけなくて各地で、カキとかだったと思いますが、いろいろなところでJR西日本さんも養殖を始めているわけであります。ですから、そうした事業を我々のほうでも将来の雇用だとか発展可能性を考えて、一定の御支援をしていく必要があろうかと思います。当然企業ベースでやっていくところでありますので、何でもかんでも支援というスキームにはちょっとなりにくい面ではありますけれども。ただ、雇用がどれほど生まれるかとか、それからその事業効果などに応じた従来からの支援スキームをつくらさせていただいておりまして、こうしたことを今後も適用させていただき、県内でも養殖のロットが広がっていくように応援をしてまいりたいと思います。  また、こういう企業的なもの以外でも例えば県内に入られた今嶋さんとか、そういう海女さんもおられまして、ワカメとかそんなに大きなものではありませんけれども、そういうのを港内での養殖を始められているものなどがあります。こうしたロットは小さいですけれども、それぞれ漁業者が挑戦しているようなそういう養殖につきましても、技術的な支援やあるいは販路開拓、また一定の施設整備等々、応援できるところもあると思いますので、そうした方面も積極的に応援してまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)10番中島議員 ◯10番(中島規夫君)公の施設については、慎重な協議が要るだろうと思います。後ろからやじが飛んでおりまして、産業振興条例はおまえの先輩がつくったのだと、そういう声が飛んでおりますけれども、いや、それはそれで全面否定するわけではないのですよ。物品の納入だとか、そういうものにはどんどん使えばいいと自分は思っていますけれども。  でも、例えば今、例に出しましたけれども、観光事業団の7つの施設の例をとっても、3回契約更新して競争相手がなくなる、普通おかしいでしょう。しかも黒だとは言いながら、7施設のトータルですけれども、9億5,000万円ほどそこに突っ込んでいる。そういうのはおかしいと僕は思う。ですので、一度競争させて、それで観光事業団が生き残るのでしたら、それはそれで結構なことですけれども、その議論をなかなか知事のほうから先に言い出しにくいですから、新たな議員で私のほうが言いましたけれども、議論してほしいということですね。  ですから、公の施設は審議の過程や相談を待っておりますから。それをしていただければ結構です。  漁業。隣の島谷議員はとること、漁師の気持ち、私もそれはわかるのですよ。私の育った町でも港町がありますからね、漁師の気持ちというのはよくわかる。だけれども、沿岸漁業は細っているでしょう。この前も28年度の決算で新規漁業者を引き受ける漁港がないというのですよ。結局、魚だとかいろいろなものがたくさんいないから、後継者はうれしいけれども、それはライバルですから、乏しい魚や貝をとり合っていたら生計が成り立っていかないと、こういうことなわけですから。  だけれども、さっき申しましたような、新日鉄住金が考えているような最初から大きなものは、鳥取県はなかなかよく取り組まないだろうというのは聞いております。それでしたら、将来はそっちに向かっていっても今々の具体的なもの。これはやはり近所に小さい漁港を抱えている私としては、いつも言われること。だけれども、将来は業種がちょっと変わっていかないといけないと思いますけれども。知事、もう一度。後ろには詳しい水産振興局長がおりますから、要望は私も聞いておりますから、具体例を幾つか答えていただきたい。これを最後に質問いたします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねての御質問でございました。施設のほうにつきましては、ちょっとでは、県外も導入すべきものもあるかどうか、そこをもう一度精査をさせていただきまして、早ければ今議会中に原案、素案をまた個別に御相談を申し上げたいと思います。  養殖につきましては、せっかくお話もありますので、水産振興局長からじっくりまたお話をさせていただきたいと思いますが、今いろいろなタイプがありますけれども、とりあえず種苗放流というやり方もあるわけですね。バイガイなども非常に単価が高いわけでありますが、悪いときに比べると今47倍ぐらいまでふえてきました。これはやはりその種苗放流の効果だと思います。そのほかにもキジハタもかつての7倍ぐらいまで今ふえてきて、先ほど申しましたように、放流も試験的な公の放流的なものから、民間ベースでいわば有償でやっていただくような放流へと切りかわってきている。これなどもそうした例になろうかと思います。また、港内での静ひつさを活用しまして、これは長和瀬とか御来屋でウマヅラハギあるいはマアジといったような、そうしたものの養殖をできないだろうか。これは今年度からそうした実証的な事業に着手をさせていただいたところです。  沿岸の漁業者の一つの今後の方策としていえば、余り本県は盛んではなかったですけれども、定置網漁業というのを、例えば数年前に夏泊でも定置網を置かれまして、そうした新しい漁業が始まっています。こうしたものが今、各地で行われるようになってきております。こうした従来の船を出してとりに行くだけでない、もっといわば定置網であれば身近なところでとれますから、燃料コストだとかいろいろなことを考えればコストも安くなりますし、そうした別のつくり育てる、あるいはまた沿岸の別の定置網等の漁業、こうしたシフトをしやすいように、例えば定置網であればその助成事業を行うなどしまして、応援をしてまいりたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)小畑水産振興局長 ◯水産振興局長(小畑正一君)では、私のほうからは、今、具体的な取り組み状況について御説明をさせていただきます。  まず、我々といたしましても、知事も答弁いたしましたように、やはり海洋資源に頼っているだけでは漁業は見通しがつきませんので、つくり育てる漁業というのを推進していきたいと思っております。その中で今行っておりますのは、特に種苗放流でありますとか、あるいは養殖に対して支援をさせていただいております。具体的には養殖のほうで7魚種、放流のほうで3魚種ぐらいやっておるのですが、こういったものにつきまして、例えば養殖でありますれば3分の1、それから種苗放流につきましては2分の1あるいは4分の3、これはそれぞれの技術の成熟度に応じて支援をさせていただいておりまして、平成29年度は両方合わせて2,800万円程度の支援をさせていただくこととしております。  これは陸上養殖とか、あるいはそういった養殖施設をつくるときなのですが、議員も御紹介なさいましたような、例えば県外のほうから養殖施設をつくるとき、このときは20%程度の施設支援ということもさせていただいております。また、知事が先ほど答弁いたしましたように、こういったものとは別に定置網というのも最近非常に県内ではやってきておりまして、比較的安定して漁獲が上がるということがありまして、現在は県内の4地区で取り組んでおります。特に議員の夏泊とかでも、漁獲量の大体3割強をこの定置網で占める。浦富などですと8割ぐらいを定置網で占める。こういったことで最近なかなかこれも注目されておりまして、こちらについても支援をさせていただいております。具体的にはこういった施設整備につきまして、県が3分の1、市町が6分の1、合わせて2分の1の支援をさせていただくようなことも行っております。また、この定置網につきましては、現在、漁協さんのほうで来年度といいましょうか、今後新たな箇所も考えておられますようですので、こういったことにつきましても、御希望等をお伺いしながら今後とも支援のほうをさせていただきたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時44分散会    ────────────────...