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  1. 鳥取県議会 2017-02-01
    平成29年2月定例会(第8号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(斉木正一君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号から第20号まで、第32号から第57号まで及び第59号から第70号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  15番濱辺義孝議員 ◯15番(濱辺義孝君)(登壇、拍手)皆様、おはようございます。  公明党の濱辺義孝でございます。通告に従い、質問をさせていただきます。  初めに、狐川水質浄化対策事業について伺います。  本事業は、狐川において、川底にヘドロがたまり、汚れがひどく、地域周辺の臭気及び環境が悪化し、川をきれいにするために、平成12年から14年に川底のヘドロを取り除く調査、しゅんせつ工事を実施、平成19年から20年には狐川を美しくする会の方々を中心に、EM菌を活用し水質浄化の実証実験の実施、平成26年には水門の操作によるフラッシュ放流実証実験を実施し、狐川周辺地域の環境を悪化している原因である堆積ヘドロを取り除くための施策に取り組んできました。  しゅんせつ工事をした後、一時的にはヘドロは減少しましたが、根本的な解決にならず今日まできています。そして、ここ数年、以前よりもヘドロの堆積が進んでいることが確認され、平成27年度より狐川のヘドロ発生のメカニズムの研究、発生要因など、ヘドロの除去及び水質の浄化のために取り組んでいます。  平成27年度には、狐川が合流する袋川を管理する国と連携し、水質の調査を実施した結果、狐川においてヘドロの発生する要因、堆積しやすい場所などをおおむね特定することができました。そして、平成28年度では水質調査を継続実施するとともに、国、県、市、関係団体、地域住民の代表で狐川水質浄化対策検討会をつくり、平成28年度は2回検討会を開催し、課題解決に向けて推進していただきました。  この検討会より貴重な意見をいただき、平成28年度には川の流れの改善と堆積したヘドロを取り除くための実証試験が行われましたが、その内容と結果について知事に伺います。  平成29年度においても予算が計上され、狐川の水質浄化対策に継続して取り組んでいただきますが、事業内容によると、平成27年度から平成28年度の調査結果をもとにシミュレーションを行い、水質浄化対策を検討すると明記されていますが、具体的にどのように取り組みをされるのか知事に伺います。  次に、鳥取港の振興について伺います。  鳥取港は、昭和28年に地方港湾の指定、昭和50年には重要港湾の指定を受け、最近では山陰海岸ジオパークエリアとなり、メタンハイドレートコアセンターを設置。平成27年10月には国産の原木の輸出、平成28年秋にはバイオマス発電の燃料となるパームヤシ殻の輸入などが始まっています。  漁業においても、県漁業協同組合賀露支所の2011年から2015年の5年間の平均漁獲量は沿岸・沖底漁業合わせて約2,900トン、漁獲金額は13億円と、県東部の漁業の拠点港であります。また、マリンピア賀露では、かにフェスタ、白いか祭りなどさまざまな行事が開催されたり、「わったいな食のみやこ鳥取」観光・特産品販売所ができ、平成27年では160万人を超える人がマリンピア賀露に訪れています。昨年度と比べ、15万人ふえています。  平成28年度当初で、鳥取港利活用促進検討事業が計上されていました。目的は、鳥取港で物流、にぎわい創出において新たな動き、環境の変化の中で、鳥取港の問題点や課題、求められる役割を整理した上で、港計画との整合性を検証し、今後の鳥取港の果たす役割と機能拡充の方策を検討すると資料に明記されていました。  千代地区の物流、賀露地区のにぎわい創出において、問題点、課題が見えてきたのでしょうか。問題点、課題と今後の取り組みについてどのように考えておられるか、知事に伺います。  平成27年4月に、超高速船レインボージェットによる鳥取港から隠岐間のトライアル運航モニターツアーが実施されました。レインボージェットは隠岐島民の生活路線であるために、定期航路に支障がない春先の空きダイヤに限定して運航ツアーが実施されました。参加者のアンケートの結果、隠岐らしいコンテンツへの満足度が高く、参加者の8割が満足・やや満足と回答とお聞きしました。
     そんな中、本年も航路の活用に向けて試験運航が予定されているとお聞きいたしましたが、その取り組みと将来性について知事に伺います。  平成27年9月議会の質問で、国においてクルーズ100万人時代に向けた取り組みを紹介させていただきました。この事業は、全国クルーズ活性化会議と連携し商談会などを開催、商社などへの情報発信機能を強化、クルーズ船受け入れ環境改善を図り、2020年にクルーズ100万人時代の実現を目指すというものです。鳥取港へ寄港するクルーズ客船は、港の岸壁の関係で総トン数2万トン級の船で、乗客数は約500名から750名の乗客しか入港できませんが、近年での実績は、平成22年に4回、平成23年に2回、平成24年に2回、平成26年に3回、平成27年は実績がないとのことでした。  山陰海岸ジオパーク、鳥取砂丘などの知名度があり、また鳥取空港、鳥取港をつなぐツインポート化など、以前に比べて環境は改善されています。クルーズ客船の誘致に取り組み、鳥取港のにぎわいの創出に取り組むべきと考えますが、知事に伺います。  鳥取港は、東部圏域の経済を支える上でも重要な港です。千代地区の物流、賀露地区のにぎわい創出において、将来、5年先、10年先へのビジョンを持ち、目標を持って強く推進し取り組む必要があると考えますが、知事に伺います。  次に、県立美術館整備について伺います。  美術館の整備に関しての質問は、代表質問を初め何人かの議員の皆様が質問されています。そのため質問が重なることがあるかと思いますが、お許し願いたいと思います。  新しく建設される美術館は、芸術、文化、教育などのそれぞれの分野で県民に大きく影響を与える大変重要な施設であります。また、今後の美術館の運営及び企画において、経済的な効果も期待できる施設です。  基本構想や建設場所について県民アンケートをとっており、ある程度の評価はできると思いますが、美術館の将来を考えたときには、交通の利便性、芸術、文化、教育、各種団体等への連携が重要であり、位置的な県の真ん中ではなく、さまざまな情報が集まる県庁所在地に置くべきなど、県民のさまざまな意見を聞きます。また、アンケート調査の結果が全てのように新聞に掲載され、偏った報道が流れ、不満を抱えている人が多くおられます。  このような状況で決めることは県民を混乱させるだけで、新しい美術館建設に希望が持てないと感じますが、知事、教育長、どのように感じておられるのか伺います。  2月24日、総務教育常任委員会で、県立美術館基本構想について説明を受けました。構想の概要は、鳥取県の美術の継承と発信、国内外の美術との接触と交流、県民の創造性と鳥取県の魅力の向上、こうした必要性に基づき美術館整備を進める。あわせて学校教育、社会教育と連携し、美術を通じた学びの全国、世界に誇れる拠点とすることを目指し、各地から多くの人に訪れてもらえるようにするとともに、美術館の外での機能を利用する人もふやし、新たなファンをふやすよう留意する。  県が主張されている必要性において、これらのことを推進していくためには、教育、文化施設が多く集まり、人が情報が多く集まる県庁所在地県立美術館を建設し、そこを拠点にネットワークをつくり、活動を広げていけばいいと考えますが、知事、教育長に伺います。  今回の県立美術館候補地の選定において、鳥取市議会、鳥取市商工会議所などから決議、要望書が出されています。このことに対して知事、教育長はどのように考えておられるのか伺います。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、狐川の水質浄化につきまして、何点かお尋ねがございました。平成28年度、さまざまな実証実験をしたけれども、その内容や結果がどうかということ、また、平成29年度に向けて具体的にどのような取り組みをしていくのかというお尋ねがございました。  これについては、濱辺議員からたび重ねて本議場でも取り上げていただいておりまして、そのたびに対策を年々前へ進めているところでございます。もともと地元の方々が危機感を持たれまして、市にも多分働きかけがあるのだろうと思いますが、県のほうでもいろんなお話をお伺いし、私も直接城北の皆様のお話を伺ったこともございました。  そういう中で、ちょっと現状を解決するための方策がなかなか見当たりかねるところがありまして、それを明らかにしながら対策を考えようということで、今おっしゃったように平成28年度においてはさまざまな実証実験等を行ったところです。大体10月から11月にかけまして3つほどのことを回したわけでありますが、1つはフラッシュ放流というふうに言われることです。フラッシュというのは、水洗便所のフラッシュと同じ言葉でありますけれども、水門がございますので水門まで水をためますと、下流よりも高くなります。そして、これを開放することで一挙に流してしまう。そうすると、水門の上のそういういろいろと問題のあるものを除去して下流のほうに押し流し、また流れもできるではないか、このような想定のもとであります。これについては、大体秒速30センチほどの水流ができたことも確認できましたし、また一定程度ヘドロの除去が観測されたところでありました。  これに対しまして、あとの2つでありますが、ポンプを使って人為的に水を動かすというものでございます。これとあと、上流部のほうからの水流を多く流させる、それによって水の流れをつくろうではないかということであります。ただ、この両者は、水流の起きた状況からして、フラッシュ放流に比べますとさほど大きな効果にはつながらなかったというのが実情でありました。  これとあわせてシミュレーションのやり方の研究をして、いろいろと有識者も含め、もちろん地元の御意見も聞き、県や市、国も関係しますので、そうしたさまざまなところでかかわりながらこれについての議論を進めてきまして、シミュレーションのモデルというものを考えてきたところであります。新年度はそういうモデルに基づいて、どういうように対策が効果的に遂行し得るのか、そこを検証していく中で原因の分析のアプローチを一段と強めていきたいということであります。  また、今年度はあわせて地元の方々に河川の美化・清掃活動に当たっていただきました。感謝を申し上げたいと思います。また、県のほうでも、県管理ということもございまして、ちょうどこの後、桜の花びらが舞い散る季節になります。そういう花びらの除去など、県としての役割も果たさせていただき、あわせて、これは後ほど述べる根本的な問題のほうになりますけれども、結局生放流している家屋が今もございまして、これらの御世帯に対しまして理解を得ていこうと。数戸ですね、そういう意味で下水接続に切りかわったということも今年度ございました。一歩一歩ではありますけれども、改善を目指して動き初めて、いろんな関係者がこれに参画をして進めているところであります。  新年度以降のこととなりますと、根本的には幾つか見え始めていることがあります。例えば今申し上げた下水道の接続が全世帯に行き渡っていないということ、これについてはいろいろと御事情もありますので簡単ではございませんが、こうした環境美化への御理解もいただきながら、これは市のほうの仕事になりますけれども、下水道接続を進めていくというのが一つ根本的な治療につながるところだと思われてきました。  あと、河川の構造からしまして、あの辺は干潮地帯、つまり潮が満ち引きしまして、さかのぼってくるところでこれが起きているわけですね。実はこれは秋里のほうで下水処理場の処理水が流入をする、それが結局潮水がまざりながら上流のほうに遡上していくということ、これが根本原因であると推測されるところであります。したがいまして、こういう下水のあり方として考え得ることはないのだろうか、これも一つの中長期的、根本的な検討課題ということだと思います。  あと、先ほど申しましたように水流をふやすということでございます。水流をふやしていけばいいわけでありますが、実は上流のほうにボトルネックがございます。このボトルネック部分というのが、これは都市下水路の市の管理の部分でございまして、天神のほうなのですけれども、そこが広がってくればもっと水流をつくることができるかもしれない。こういう中長期的な課題がありそうだということが徐々にわかってきたところであります。  あと、当面できることとして、このたび効果があったフラッシュ放流のようなやり方であるとか、それから環境美化活動であるだとか、そうした当面すぐにでもできるようなことをいろいろとやっていくということだろうと思います。  次に、鳥取港の振興につきまして、何点かお尋ねがございました。千代地区の物流、賀露地区のにぎわい創出についての検討事業、問題点や課題はいかがか、またレインボージェットの試験運航、それからクルーズ船の誘致、こうしたことを踏まえて将来へのビジョンを持った取り組みというお話でございます。  これにつきましては、今ちょうど始めたところでございまして、こうした賀露地区全体、西浜であるとか港のあたりであるとか、そうしたところでのいろんなにぎわいづくりや物流の可能性、これを調査しよういうことであります。今アンケート調査等も含めまして、潜在的な荷主があるかどうか、これは鳥取県内に限らないわけでありまして、もう少し遠くからもハイウエーを使ってやってきやすいところがあります。リサイクルだとか、いろいろ考えていけば、まだ新たな荷主の存在ということはあるのかもしれません。そんなようなことを今検討し始めたところです。  また、賀露の西のほう、市場のほうにおきまして、ツインポートとして海と空の港を結ぶ、そうした対策を今進めているところでありますが、こうしたにぎわいづくり、この辺も焦点になってくると思われます。  これらの課題があるわけでございますけれども、そういう中でレインボージェットの試験運航をここ2回ほどやってきました。平成27年のときの分析からしますと、需要はある程度はあると。特に関西方面から隠岐に向かう、そういう需要があって、その道筋に鳥取港、そして西郷との航路というのの可能性はあると。ただ、そのほかのところについてなかなか採算が見込みにくいのではないか。船は行ったり来たりしなければいけないし、その辺の難しさがあるのではないかということになりました。  それで、2年目の平成28年には三角航路として、ツアーを隠岐に行くものと帰ってくるものと、それからまた七類からこちらに来るものとそれぞれ考えようということにはなるのですけれども、できたツアーというのはDBSクルーズフェリーに乗った人が足を伸ばす七類から鳥取のツアー、そして鳥取から西郷に行く関西方面から来られた方も含めたツアー、地元の方もジオパーク関連で大分乗られました。ただ問題は、西郷から七類に来る、ここのところを臨時便として隠岐汽船が運航したのですが、乗られたお客様がわずか数名であったということでありまして、ツアー造成を伴わないとなかなか難しいという課題も出てきました。  そこで、このたびは4月にまた第3回の試験運航をするということで関係者と合意しているところでございますが、このたびは3つの方向性につきまして、それぞれの区間につきましてツアーを造成して、バックアップをすることでやってみようということであります。その結果がどうなるか、またこれを見て次年度以降ということになろうかと思いますが、最終的には採算性が合わないとなかなか継続運航は難しいものであります。実は隠岐汽船のほうももともと議場でこれをやれという話が来てこれは始まったわけでありますが、隠岐汽船のほうもこの航路には当然興味はあるとはおっしゃるのですが、ただ、あちらの経営幹部のほうのお話では、リスクをとってまでやるつもりはない。ですから、採算が合わないのであれば担ぐつもりはないということも向こうも明言しておりまして、なかなか難しい局面に来ているのかもしれません。ただ、民間ベースでこうした試験運航を続けていくということは考え得ることではないかなと思っています。  また、クルーズ船についてでありますけれども、おっしゃるように少し下火になってきたようにも見えます。これは実は原因がありまして、日本の近海をクルーズする船は大体一つのツアーで回ってきているわけでありまして、同じ目的地に毎回来るというわけにも、旅行会社のほうがなかなかセットしにくいというのもあるのだと思います。あと、船の絶対数のことなのですが、だんだん大型化が進んでいまして、鳥取に入られる船は今までふじ丸、日本丸、それからあと、ぱしふぃっくびいなすの3つがあったのですけれども、ふじ丸が廃船になってしまいまして、今は残るぱしふぃっくびいなすと日本丸という陣備えであります。我々としては、新年度もこのいずれか、ぱしふぃっくびいなすか日本丸か、寄港を目指して働きかけを精力的に行っているところでありまして、決して手応えがないわけではありません。先方も話がまとまれば当然来られるわけだろうと思っています。  あと、外国の高級な船の小型船があります。我々もポナン社を初めとしたこうしたクルーズ会社にこれまでも働きかけてきておりますが、今後も粘り強くこうしたこともやっていく必要はあるかなと思っております。  そういう中、どういうように今後に向けていくかということでありますが、大体鳥取港は今まで建設資材中心の動きでありました。このたびPKS、ヤシの燃料使用ということで、その輸入が始まりました。こういうことなどで大分違った動きは最近出てきているのもまた事実であります。現実にも、10年前の輸出入ということでと比べますと、前が2,000トン弱だったですね。それが今4万トンを超えるという状況であります。したがいまして、20倍ぐらいふえてきているところでございます。だんだんと荷主さんを開拓してきて、特にそういう新しいPKSのような素材が始まったというのは一つ大きな材料ではないかなと思います。こうしたことの調査も今始めたところですが、掘り起こしていくということが千代地区関係の特に大きなテーマになると思います。  また、西浜のほうでは中村商店さんや浜下商店さん、あるいはかろいちといったいろんな中核的な、お客様がたくさん来られる素材が育ってきました。ですから、有数の人気スポットにふさわしいようなにぎわいをつくっていく必要がある。そういう意味で、ツインポート化をするという空の駅構想が国のほうでも地方創生関係で採択をされたのは大きな後押しになるのではと期待をいたしております。今検討を始めたばかりでありますけれども、中長期的な将来も見据えながら対策を皆さんと協議してまいりたいと思います。  最後に、県立美術館につきましてお尋ねがございました。これについては、また教育委員会のほうから重ねて詳細な御答弁があるかと思います。同じ問いが向こうに出ていますので、あちらのほうでもまたお聞きをいただければというふうに思いますが、るるお話がありましたこと、痛切に私もお聞きいたしましたし、濱辺議員の向こう側にいらっしゃるような、そういういろんな方々のお顔やお話も正直見えるところであります。  ただ、そういう中で、今議会で私も私なりの考え方を申し上げましたのは、やはり時が順々に進んできたということを我々は考えるべきではないかと思うからであります。別に今議会突然この話が出てきたわけではないというふうに考えております。実は議会のたびに美術館問題が取り上げられてきました。検討委員会をつくって議論をしよう、あるいはその中で専門委員をつくって、特に土地の問題、場所の問題が議員さんの関心が深かったこともあり、それにふさわしいような慎重な検証をする必要があるだろうと、さまざまな知見を集めるべく専門委員というのも置いたわけでございました。アンケート調査については、検討委員会ができてから2回、その前にも1回、合計3回やっているわけでありますが、そのアンケートのつくり方も、議員も御案内のとおりの状況でありまして、原案がこの議場である程度ひっくり返されながら、それで最初にまずこの美術館をつくる可否のアンケートに絞ろうということになり、それで分けて2度目にもし可となれば、その後に場所を問おうではないかということになりました。現実には76%が賛成をしたので、私はある意味率直な驚きを覚えました。それほど県民がこの美術館問題に対して関心を持ち、切望をしているということであります。考えてみますと、長きにわたるいわば塩漬けにされてきた課題でありまして、やはり美術、芸術の振興を考えれば、この道はもう避けて通るべきではない、もう議論の俎上にのせて決着を図るべきだという県民の声と受けとめたわけです。  その後、ステージが変わりまして、専門委員会が開かれる中、2回目のアンケートということで選択肢が示されたわけでありますが、その選択肢の取り上げ方につきましても、4つの選択肢それぞれの書き方も含めて、濱辺議員はよく御案内だと思いますが、常任委員会も含めて相当熱心な議論があったわけです。その後、アンケートが行われたわけでありまして、我々も実はこの意思決定過程に深くかかわっているのではないかと思っているのです。  それで、そういう中、仕上げられた最後の案が出てきました。私もそれを拝読させていただいたり、中島委員長のお話も伺ったりしたわけでございますけれども、やはり冷静に自分なりに客観的に捉えてみれば、この一つの大きな流れの中で精細に、そして県民の声も忠実に聞きながら検討してきたこの結果を覆す材料は私にはないと思いました。したがいまして、これを議会の側に御提示申し上げるのが私に与えられた責務であると思いますし、誠実にそのことを実行することが将来の県政において大きな意義があるというふうに感じたわけであります。ですから、正直申し上げて、このいわばしこりをほどくべきときが来たのではというのが私の時代認識といいますか、私なりの考え方でございました。  今、決着を図るような状況ではない、県民を混乱させるだけとおっしゃいましたかね。このような状態で決めることは県民を混乱させるだけというふうにおっしゃったわけでありますけれども、そうしたお気持ちやお考えもわからなくもないのですが、ただ、決めないことが逆に県民の混乱を招くということも私は感じているところであります。そういう意味で、私としては教育委員会の御判断、これを尊重して、このたびの議員の皆様への御提案とさせていただいたところであります。  ネットワークをつくるということについて、これは場所の問題だけでもないだろうとも思いますし、また、市議会や商工会議所のお考え、これは当然ながら民主主義のルールとしても我々も耳を傾けるべきものだろうと思います。ただ、最終的には解決を図らなければならないわけであります。そこで私自身も言葉を選びながら私の考え方を申し上げたわけでありまして、今回の教育委員会のまとめた基本構想を起点として、この解決の道筋を開こうではないかというふうに議員各位にお願いをしたところでございます。少なくともアンケート調査までやって大がかりに決めてきたプロセスの大層のところをひっくり返したり、またもう一回やり直そうということになりますと、先ほど申しましたように逆に県民の皆様の間に混乱が起きてしまう。私はその混乱の先に美術館ができないという、そうしたビジョンを感じるわけであります。しかし、76%の方が美術館の建設を望んでいたということ、その状況を我々も共有したところでありまして、鳥取県のたくみで伝統ある民主主義の力というものを最後は信じたいと思っているところであります。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)濱辺議員の一般質問にお答えを申し上げます。  美術館に関しまして、今の状況に不満を抱えておられる人が多いと。こういう中、美術館について今決めると美術館建設に希望が持てないと感じるがといったようなお話、あるいはネットワークづくりの活動を広げていくには県庁所在地の鳥取市のほうがよいのではないかといった御意見、また市議会、鳥取市商工会議所等からの決議、要望書についての所見といった御質問でございました。  今回、美術館の基本構想の策定の検討に当たりましては、前回の轍を踏まないようにというところが私ども一番強く考えていたところでございまして、基本構想の検討委員会においてオープンで、そしてまた丁寧な検討を積み重ねていただいたわけでございますし、また県議会での議会ごとの御議論でありますとか、45回にわたります出前説明会、23回にわたりますキャラバン、また各地、県下東・中・西におきます3回の県民フォーラム、さらには県民意識調査などを行うことによりまして、また、そうした過程がマスコミ等で報道されたこともあって、県民世論というのが高まっていったと感じておるところでございます。その結果、さき方知事からもお話がありましたが、昨年10月の意識調査におきましては、7割の回答者の方が基本構想の内容は適切であり、それに基づいた美術館の整備を進めていくべきと回答され、建設場所以外につきましてはこの段階で大方の合意が得られたのではないかと認識をいたしたわけでございます。  また、1月の調査結果で過半数を超える回答者の中、倉吉市営ラグビー場を選んだ方が最多であったというような結果も踏まえて、検討委員会でも教育委員会でも議論が行われまして、審議の結果、さき方お話がありましたように、おおむね70億円から100億円をかけて1万2,000平米程度の美術館を想定した、地域に根差し、県民のアイデアと愛情で運営される県民立美術館として倉吉市営ラグビー場の場所に美術館を整備するといった内容の基本構想を教育委員会として策定をいたしたところでございます。  お話ありましたように、鳥取市の商工会議所等を初め、立地場所をめぐってさまざまな御意見があるということは承知しておるところでございます。鳥取市には鳥取市なりのすぐれた面というのはあるわけでございまして、そこは私どもも十分含んだ上で、それぞれの候補地一長一短あると思いますが、何事も100%賛成を得るというのはなかなか困難な状況の中で、先ほど申し上げましたようなプロセスを大切にしながら、できる限り多くの県民の方々に理解を深めていただいた上での総合的な判断の結果であるといったことを御理解いただければというふうに存じ上げます。  教育委員会といたしましては、どの地域の県民の方々にも支持、協力していただける、また一緒に盛り上げていただける美術館にしたいという思いはいっぱいでございます。このたびの予算が議決された暁には、速やかに鳥取市議会を初め関係市町村のほうも回らせていただきまして、建設場所選定の経緯を含めて基本構想の内容を丁寧に、また誠実に説明をさせていただき、できる限りの御理解をいただくようにしたいと考えておるところでございます。  その際には、県立博物館について、美術関係のさまざまな機能を一定程度維持していくことを検討していくことでありますとか、県下の全域から集まりやすく、またアウトリーチ活動も行いやすいという立地を生かしまして、県立美術館を拠点に県下の文化施設等の間のネットワークを強化して、県立美術館の整備効果を全県に波及できるといったことなども説明させていただくなどして県民の皆様の理解を深め、県民の皆様に支えられる県民立美術館とするよう努力してまいる所存でございます。県議会の皆様方の御理解も賜りたいと存じます。 ◯議長(斉木正一君)15番濱辺議員 ◯15番(濱辺義孝君)答弁をいただきました。  狐川に関しましては、このしゅんせつの浄化について地域の方々から、やはりやっていただいていることはかなりありがたいという声をお聞きします。その反面、そろそろ何か結果が見えるものがないのかなというようなことの話をちょっと聞いたりします。今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  また、先ほどの鳥取港の振興でありますが、今レインボーにおいては、関西圏のほうからの需要があるような話を少し知事の答弁からいただきました。またクルーズ船のこういう誘致におきましても、クルーズ船は希望はあるけれども、やはりなかなかちょっと厳しいようなお話を伺ったように思います。しっかりとこの点も推し進めていただきたいと思います。  それで、美術館なのですけれども、私自身は美術館を建設することには、反対ではなく賛成という立場でいます。やはりそういう文化をしっかりと根差して、鳥取県民の心の豊かな人を育てる、人材を育てるという意味で、若い子供たちへの希望ということにおいて、自分は賛成の立場にいます。  これはまた後で質問させてもらいます。  それで、狐川の水質浄化対策事業について、さらに質問をさせていただきます。狐川の浄化対策検討委員会が今回設置されておりまして、それについて質問させていただきます。  この検討会は、国、県、市の行政の関係者の皆さんと狐川を美しくする会、また鳥取環境生態研究会など関係団体の皆様、また地域住民の自治会の皆様、そしてアドバイザーとして鳥取大学の大学院工学研究科、矢島准教授に入っていただいております。ヘドロの発生メカニズムの研究、発生要因などがほぼ見えてまいりました。今後この検討会の存続について、非常に気になるところであります。狐川の水質浄化対策検討会は、今後水質浄化に向けて課題解決をする上で非常に重要な組織だと考えます。  そこで、今後も継続して検討会を設置するとともに、さまざまな知見を有する専門家を増員することで機能を拡充させて、水質浄化に取り組んでいただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺議員から重ねての御質問がありました。狐川につきましてとあわせて若干港の話もございましたが、クルーズ船は全く無理だと言っているわけではなくて努力をしておりますので、我々としては、ぱしふぃっくびいなす、あるいは日本丸といったまだ来られる船もございますので、働きかけをしているというふうに申し上げた次第でございます。  狐川を美しくする会、あるいは地元の町内会、そうした方々にも入っていただいて水質浄化検討委員会を開催させていただいておりますが、これはまだ議員のおっしゃるような段階だと思いますので、今後も継続してやっていくことで関係者にも呼びかけてまいりたいと思います。  その際、今、矢島先生がいらっしゃって、かなり的確な御指導もいただいているわけでございますけれども、専門家というお話でございますので、ちょっとまた関係者にお話を聞かせていただいて、例えばどういうタイプのことを今後きわめる必要があって、こういう専門家が必要というようなことをいろいろ中で相談をさせていただき、もしやはり必要だということになれば、その辺は委員の追加人選も話し合ってみたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)15番濱辺議員 ◯15番(濱辺義孝君)知事に答弁をいただきました。  先ほど住民の声の中で少し言い忘れたことがありますので、話をさせてもらいますと、狐川の非常用の、防災のときに起動させる排水ポンプを環境改善のために使えないだろうかというような声もその方々の中で上がっておりました。これは通告しておりませんので答弁は要りませんけれども、そういう集まってくる方々もいろんな形で考えておられますので、今後よろしくお願いいたします。住民の方々は大きく期待されていますので、重なりますけれども、さらに推進をお願いいたします。  それで、次に鳥取港の振興に関連しまして質問させていただきます。  港内の砂の堆積について伺います。鳥取港を中心とする東部の港での港内の堆砂は、漁師の皆さんが漁に出られなくなり、漁業で働く人たちの経済を圧迫する大きな要因になっています。  平成27年2月の一般質問で質問させていただきましたが、鳥取港を初めとする東部地域の港が抱える港内の堆砂問題の解決に向けての取り組みはどこまで進んでいるのか、また見通しはどうでしょうか、知事に伺います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)堆砂問題につきましては、研究会をやはり学者の方々と一緒にやりまして、例えば海岸のほうに少し斜めに延ばした堤防を一部つくってみたり、あるいはポケットをわざとつくって、それで底に砂がたまるような仕組みを考えてみたり、どれが効果があったかわかりませんが、やはり改善が見られるようでございまして、今後もなおそうした原因分析と対策を進める必要があると思います。  そういう中、国のほうで若干制度改正がありまして、鳥取市さんがやっておられるような港湾管理、漁港管理の一環のことにはなりますが、サンドリサイクルのような形で堆砂を除いていくということにつきましても助成対象に加えるように制度改正がなされているところでございます。こういう新しい仕組みも今後関係者とよく話し合って、効果的に発動をしていく中で港の堆砂の防止、改善を進めていく必要があると思っております。 ◯議長(斉木正一君)15番濱辺議員 ◯15番(濱辺義孝君)今の知事の答弁のサンドリサイクルというのは、結局今までどおり港にたまった砂を取って、また沖合に戻すということで考えてよろしいのでしょうか。要は、港に砂のたまらない、そういう方策といいますか、取り組みといいますか、そこをちょっとお聞きしたかったので、後でまた答弁お願いいたします。  今回美術館に関しまして、自分自身が本当に強く感じているのは、それぞれの立場でそれぞれ考えがあるということであり、本当にさまざまな御意見を伺います。確かに知事が言われますように、知事の立場であり、教育長の立場であればどこかで決断をしなければいけない、それは理解できるところであります。でも、今回はやはり非常に混乱しております。いろいろ美術館の検討委員会の中でのお話をお聞きいたします。さまざまな意見があります。また、今回話がありました倉吉市営ラグビー場というところが専門委員会の中で賛成される方が多くてあったということであります。  ただ、私がお聞きした方々でも、美術館の委員会の中で重要な話をされている方がおられるということをお聞きしました。2月16日の委員会を傍聴されておられた方から、その内容を詳細に書きとめた資料をいただいたので若干お話をさせていただきたいと思います。今回は半数以上が倉吉市営ラグビー場ということで、そういう方向に進んでいますが、委員会の中で発言される方には、美術館の建設場所に関する意識調査は県民のサンプル的な調査、県民調査であり、県民投票ではないので、これによって決定することは間違いだと、間違いの危険性を含んでいるということを主張されている方がおられたそうです。また、その方は、この美術館の建設場所に関する調査は、1位から3位までは3%の差だと、そういう範囲で、建設場所を決定するのは将来に遺恨を残すと考えていると。やはり検討委員会という立場は、決定権があると考えておられるということで、県民に対して責任があるのだと発言をされています。  また、アンケートの調査で候補地を決めるべきではない、美術館のどこに焦点を当てるかの議論をした上で決定すべきだということで、美術館建設の候補地決定に対して、この検討委員会の方の中にもこういうことをおっしゃる方がおられるということです。そういうさまざまな意見が出ているということです。  そこで、この重要な役割を担う教育委員会というのは、公平性な立場で議論をされる重要な機関だと私は思っております。この重要な役割を担う機関が、短期間で結論が出せるのかということを感じるわけです。1年8カ月かけて議論されて、間にアンケートもありましたけれども、私たちが常任委員会で説明を受けたのは2月24日です。その後に教育委員会で議論をされてということですね。自分自身が質問をしたいことは、これだけ期間をかけて議論されたのに、こんな短期間で結論が出せるのかということを教育長にお聞きしたいです。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)港につきましてお尋ねがございました。先ほどちょっと説明が不十分だったのかもしれません。その点はおわびを申し上げたいと思います。  酒ノ津、船磯、そうしたところで特に堆砂が認められる、そういう統計がございます。そこで、先ほど申しましたように仮突堤という、ちょっと斜めに海のほうにせり出す形の突堤をつくること、それからサンドポケットと言われます底に砂がたまるようなスペースをつくること、こうしたことを最近させていただきました。結果、堆砂の状況というのが改善をされたということなのです。ただ、これはよくモニターしていかなければいけませんし、どういうメカニズムかということも今後検討していきたいと。これは大学の先生方と一緒になって、市が中心ということかもしれませんが、県ももちろん入ってやっていこうということで進めております。  また、サンドリサイクル事業の補助制度は県のほうでもつくらせていただき、議場でも御議論がございましたので、これを昨年度から進めているところですが、そういう中、長寿命化計画で港を管理するというような場合に、堆砂のしゅんせつ事業、これが国交省のほうでも補助対象になったということでありまして、こういう新しい要素も状況の改善に役立てられるのではないかと思います。  いずれにせよ、圧倒的な日本海の力に我々は耐え抜いていかなければなりませんし、知恵も出していかなければなりません。今後も専門家の方も交えて、市の漁港ということではありますが、県としてもしっかりと協力をしてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)濱辺議員から、重ねて美術館につきましてお尋ねがございました。  短期間で教育委員会で結論が出せるのかといったお話でございましたが、教育委員会のほうでは、最後3回だけでこの議論をしたわけではございませんでして、先ほどお話がありました1年8カ月という検討委員会での検討の期間も教育委員会のほうで情報を共有しつつ、常に教育委員会開催のたびと言っていいぐらい、美術館につきましては委員の間でも議論を深めていっての結論でございます。その途中の段階、昨年11月には、検討委員会の中間まとめを受けて教育委員会としても中間まとめをさせていただくといったことでございまして、そうしたプロセスを教育委員会としても踏みながら議論を進めてきております。  場所につきましても、この意識調査は教育委員会で実施をいたしたわけでございますが、この意識調査の調査票そのものの議論も時間をかけて行っておりますし、その結果やその後の検討委員会での検討状況も逐一報告を受けつつ議論を進めてきているわけでございます。  県民意識調査につきましても、いろいろ御意見があったということも承知をいたしておりますが、最終的に県民意識調査は2,530名という回答者があったというその結果、統計学的にも95%の信頼率で1位のところが選ばれたというところは動かないといったこともあり、そうしたことも踏まえてさまざま総合的に検討させていただいての結論でございます。  そうした意味で、短い期間だけで検討を行い結論を出したのではないということも十分御理解をいただけたらなというふうに存じ上げるところでございます。 ◯議長(斉木正一君)15番濱辺議員 ◯15番(濱辺義孝君)それで、知事においては3月6日に、教育委員会の報告を受けて、3月7日に場所も含めての美術館構想を正式に発表されたわけです。県政の長年の課題に対する懸案ということで、知事は言われておりましたけれども、簡単に結論を出され、何か急いでいるように自分自身は思いました。美術館の建設場所を含めて、知事部局でも関係団体、また関係者の方々と十分に議論を重ね、知事として結論を出されることが大切だと感じますが、知事の所見を伺い、本日の質問を終わります。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺議員から重ねてのお尋ねをいただきました。  先般、一般質問に先立ちまして、斉木議長から発言の御許可をいただき、議会の皆様の御理解もいただきまして発言させていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  実は私もいろいろと悩みはもちろんあるわけでございますけれども、そこに至るまで、あの日に至るまでに私自身もありとあらゆる方々からいろんな御意見を伺っております。もちろん教育委員会で検討される過程におきまして、ではこれは大まかに財政がもつのかなというようなことも含めて、まだしっかりとした推計までは至っておりませんけれども、ただ、のみ込める範囲内なのかなというような感覚をみんなでちょっと分析をしてみたり、当然長い間の議論でありますので、いろいろと執行部側でも、検証作業というのを同時並行的に行いながらでございました。  中島委員長の御報告をいただいた後、一般質問が始まるわけでございます。私は、議会は本県にとりまして一番神聖な意思決定の場であると思います。地方自治法、そして憲法にも淵源があり、この場というのは最終的な県民の意思決定がなされる場であります。我々はそれに対する議案を用意して、皆様の御判断を仰ぐ立場でございます。御判断を仰ぐ立場であれば、一般質問の冒頭にきちんと私どもの考え方も申し述べるのが議会に対する最大のエチケット、誠意ではないかと考えまして、夜なべ仕事にはなりましたけれども、夜半までかけて、私も原稿を書くほうではありませんが、議会での珍しい原稿書きをさせていただいたということでございます。その辺の意のあるところも御理解をいただければありがたいなと思います。  大切なのは、決めるべきときにやはり決定をすることではないかなと思っております。先ほど来議論が続いていますが、実は検討委員会、あるいは教育委員会での議論というのは、私たちがそこに検討をお願いしているという部分もあると思います。少なくとも私の心象風景から申し上げれば、教育委員会のほうに労をとっていただいて、さらには検討委員会、林田先生を初めさまざまな御高名な方々、あるいは県の各地の方々に入っていただいて、大変な労をいただいているわけであります。その労をやはり全て無に帰するというのは、とても私にはできない。私の性格かもしれませんけれども、そういう思いが強くございました。それが県民の意識とかけ離れていれば私もブレーキをかけるべきときがあるかもしれませんが、ただ、先ほど申しましたように、議会と教育委員会との対話の中で、議論の仕方もかなりコントロールされて議論をしていたのも目の当たりにいたしております。ですから、世間から見れば、今メディアのお話もございましたけれども、メディアの皆さん、あるいは県民の皆様と広くから見れば、順々に議論が進んできて、今ようやく決めるべきタイミングに来たというように私は解釈をし、冷静に観察をさせていただいてきたところであります。  「Our problems are man-made,therefore they can be solved by man.」、ジョン・F・ケネディの言葉でありますけれども、私たちの問題というのは人間がつくり出したものである。ですから、こうした問題というのは人間によって解決なされ得るものだというものであります。まさにその言葉のとおり、私たちは最終的には選良の名において、議会の場で解決を最後図っていただくことをお願いしたいと思っております。私どもとしては、議案は提出をさせていただきました。したがいまして、真正な御判断をお待ち申し上げている立場であることを申し添えたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)28番浜崎晋一議員 ◯28番(浜崎晋一君)(登壇、拍手)改めまして、皆さん、おはようございます。  自由民主党の浜崎でございます。通告によりまして、まず災害に強い地域づくりに向けた支え愛の推進について、知事と議論をさせていただきたいと思います。
     本年は強い冬型の気圧配置が重なり、1月22日から24日にかけては、智頭町で1月としては観測史上最高となる105センチの積雪を記録し、また、2月10日から12日にかけては、鳥取市で33年ぶりに90センチを超える雪が降るなど、県内各地で記録的な大雪となったわけであります。これらの大雪により、県内の主要道路で数百台の車が立ち往生するとともに、県内発着の飛行機は軒並み欠航し、JRも運休が相次ぎ、私もその波にのみ込まれましたが、鳥取市では路線バスも幾日にもわたり運休するなど、県内の交通網のみならず、県外とを結ぶ主要交通網が麻痺する中で、物流、そして県民生活に大きな影響が発生をいたしました。また、県内企業においても、道路交通や物流の乱れにより、原材料の入荷や製品の出荷ができなくなったりして食材が調達できず、臨時休業に追い込まれた飲食店もあったということであります。  まず、今回の大雪が県内の物流へ与えた影響はどの程度であったのか、また、物流の停滞により県内企業が受けた被害に対してどのような対策を講じておられるのか、平井知事にお尋ねをしたいと思います。  今回の大雪では、県内企業も多大な被害を受けられましたが、一番大きな被害を受けられたのは、やはり県民の皆様ではなかったかと思います。スーパーなどでは、食品を初めとする商品が棚から消え、ごみ収集が滞り、収集されないままごみが山積みとなったステーションも数多くありました。幹線道路を優先して除雪するのは十分理解できますが、生活道路の除雪がなかなか進まなかった。特に東部ということになると思いますが、県民の生活に多大な影響を与えた要因ではなかったかと思うところであります。  特に、ひとり暮らしのお年寄りにとっては大変だったと思うところであります。実際、私の町内でありますが、家の近くにおいても、ひとりでは雪かきも難しく買い物にも行けない。また、デイサービスや配食サービスをほとんどの方が受けておられるのですね。それが一切ストップになったということで、生活環境というのはお年寄りは大変厳しくなったという状況の声を聞きました。  町なかでも大きな影響があったことを考えますと、車が使えない、買い物にも行けないような雪深い中山間地域においてはなおさら大変だったというふうに推察をするところであります。また、通学路の除雪も追いつかず、小中学校も何日か休校になるなど、子供たちにも影響が及びました。  今回の大雪による県民生活への影響についてどのように把握されているのか、また、今後に向けて何を教訓とされるのか、平井知事にお尋ねをしたいと思います。  去る2月20日、県は中部地震への対応を検証し、地域防災力一層の向上を図るため対策を検討するために、鳥取県中部地震を乗り越える防災対策会議を開催されました。この会議に関しまして、平井知事は2月17日の定例記者会見において、こういう場や市町村の実務者との意見交換の場などを活用しながら雪害対策も防災の一つの領域として鳥取県独自に考えてみる必要があるといった発言をされております。この会議の中では、防災活動に当たるリーダーが各自治会で不足している、県民の責務として行政のみに頼らない防災意識づくりに取り組んでほしいといった意見が出されたとのことでございますが、こうした指摘はまさに雪害対策にも当てはまるだろうというふうに思います。  この会議を含めて、市町村や関係機関との間で大雪に関する県民生活への影響と今後に向けた対策についてどのような議論を進めておられるのか、平井知事にお尋ねをさせていただきます。  特に、会議の中でも意見が出されたリーダーの養成が自治会を初めとする地域の取り組みを活性化する上では鍵になるだろうと思います。リーダーとなる人材は、研修だけで育てられるものではありません。今後の対策として、特に地域におけるリーダーとなる人材をどのように発掘して育成していくのか、平井知事の御所見を伺いたいと思います。  今回の大雪のような広範囲にわたる災害への対応としましては、議員の方もおっしゃっておりましたが、いわゆる公助、そして公的機関による支援のみでは行き届かない事態が想定されるため、日ごろから住民同士が支え合う共助の仕組みづくり、そしてマインドづくりが大切であり、何よりも支え愛の心をそれぞれの地域にしっかりと浸透させていくことが重要だと思っております。  来年度の新規事業の中に、災害時における支え愛地域づくり推進事業が提案されております。その内容としては、中部地震を踏まえた支え愛マップづくりなどが中心の事業であります。雪害も含めた大きな災害という観点で考えたときには、必ずしも十分ではないのではないかと思っております。  市町村とも協力をして、支え愛の考え方、精神を県民にしっかりと浸透させていく強力な取り組みが必要ではないかと考えますが、平井知事の御所見を伺いたいと思います。  次に、障害者スポーツの拠点づくりについてでありますが、平成27年11月、鳥取県と日本財団は日本一のボランティア先進県を目指して、地域住民が元気に暮らし、誇りを持てる社会づくりのための共同プロジェクトを実施する旨の協定を締結されました。その中には、コカ・コーラウエストスポーツパーク、布勢総合運動公園を障害者スポーツの拠点として整備することが位置づけられております。  その具体的な整備計画について、平成27年11月議会の一般質問でお尋ねした際に、平井知事からは代々木の国立オリンピック記念青少年総合センター、国立スポーツ科学センター、岸記念体育会館など全国レベルの施設のミニ版のようなもの、具体的にはトレーニング機能、医科学ケア機能、県内の交流団体などが集える交流機能などを備えた障害者スポーツの拠点施設の整備に向けて日本財団と話し合いをしているという御答弁をいただきました。その後、聴覚障害者対応の多目的掲示板の整備、そして日本パラ選手権もありましたが、バリアフリー化なども順次進んでおります。今後は今まで以上に障害者スポーツの拠点施設のほうに力を注いでいただきたいと思うところであります。  来年度の予算に向けた自民党からの会派提言にも盛り込まさせていただきましたが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプの誘致を目指すことを考えると、残された時間はわずかであります。事業の早急な推進が必要ではないかと思います。現在、基本計画の策定に向けて有識者検討会で検討を進めているとのことでありますが、これまでの検討の進捗状況と、どのようなスケジュール感で進めておられるのか、平井知事にお尋ねをしたいと思います。  この障害者スポーツ拠点施設には、パラリンピックに出場するようなトップアスリートの育成のみならず、県内の障害者にスポーツに親しんでいただくこと、さらには健常者にも門戸を広げて、本県の競技スポーツ力の底上げを図る役割が必要だと考えております。より多くの県内の障害者の方々にスポーツに親しんでいただくことにより、リハビリや機能回復につながるといった意義があると思いますし、さらには、障害者に優しい施設としてのハードとソフトの充実は、健常者にとっても使いやすく、安全にスポーツに取り組むことにつながるものと思っております。  こうした観点から、障害者も健常者も県民全てが一緒になってスポーツに親しむ共生社会の実現に向けてつなげていくような施設整備が必要だと考えます。それこそが障害福祉先進県である鳥取県が日本財団と一緒にプロジェクトに取り組む意義だと考えますが、平井知事の御所見をお伺いして、登壇からの質問にさせていただきます。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、大雪につきまして、何点かお尋ねがございました。大雪が県内の物流へ与えた影響はどうだったのか、また対策はどのように講じているのかということ、さらには、スーパーを初めとした県民生活への影響、ここから出てくる教訓、これらにつきましてお尋ねがございました。  これら議員にもこのたびの渋滞の中に巻き込まれたというお話がございましたが、大変に多くの御迷惑をおかけいたしましたことをおわびを申し上げたいと思います。  今回の大雪は、智頭の1月23日からの豪雪のときは111センチという記録的な豪雪でありましたし、また鳥取市内でも2月に降りました雪、これも33年ぶりの豪雪となりました。いずれも大変に足が速い雪の降り方でございまして、これが私たちを苦しめた結果となったところでございます。  物流につきましては、実は鳥取商工会議所のほうで関係企業、会員企業の中で38社抽出で調査をされたのですが、それだけでも影響額は1億円を軽く超える額ということでございました。  そういうようなことのいろんなパターンがありますけれども、県民生活のほうにも影響が及ぶものとしては、よくテレビでも報道されましたが、物流が途絶えましてスーパーに物が入らない。そうすると機会が失われてしまう。あるいは給食の会社であれば給食を出す学校がお休みになってしまいまして、その分が食材が使えなくなったとか、また、物流においても結局つくったものが出荷できないというようなことがございました。ただ、それぞれの事業者でも大変に工夫をいろいろとされたわけでございまして、市内の企業でいえば因伯通運さんのような運輸会社がございますけれども、こういうところではドライバーだとかと情報を共有しながら、あそこの道は使ってはいけないとか、そういうことを上手に駆使しながら、できるだけ業務に支障が出ないように頑張られたというところでございました。また現実にも、先般も御紹介申し上げましたが、BCPにおきまして、ちょっとこの状況では出社が難しいというところで業容を縮小する、そういうような会社も出てきたところでございます。  県民生活のほうでも、学校におきましては休校が多く出たわけでございまして、13日の月曜日には187校のうちの110校が休校したということで、かなり広範囲にわたる休校ということになりました。また、農林被害、これも繰り返し議場でも指摘もされたところでありますが、ビニールハウスを初めとした被害が鳥取市内でもかなり広がったところでございました。交通障害では、JRや飛行機の便、それから路線バス、議員の御指摘のようなことがございました。  対策をいろいろと打っていったわけでありますが、企業向けには総額で10億円の枠をつくりまして、豪雪対策の融資制度1.43%の特別利率で、保証料の減免つきで出させていただきました。実はもう既にこれを御利用なさっている企業さんも出てきております。また、バスについては、バス路線は以前も申し上げました低床バスがふえてきていまして、そうするときちんとバスのために雪をかかなければいけない、そのレベルも変わってきていることもございまして、その辺も踏まえて除雪計画を雪が降っている最中でやり直しまして、優先的に路線バスのところに振り向けたりといったようなことをやりました。  ただ、いずれにいたしましても、例えば農業でいえばネギの葉折れの被害が出たわけでありますが、これについては雪の被害をなくすための方策、一番いいのは雪が降る前に収穫してしまうということがあるのでしょうが、雪が降っても支えられるような支柱を丈夫にするとか、これは県内のある農場さんでも、もっと丈夫な支柱にしてやってみたいというところもありますので、こういうところを応援していくとか、それから、地域の中でできること、例えば除雪であるとか雪おろしであるとか、また渋滞でスタックした場合の住民パワーの力、こんなことなど、いろいろと教訓として残ったこともあると思います。ぜひ今後に生かしてまいりたいと思います。  そういう中、防災のリーダーにつきましてお尋ねがございました。鳥取県中部地震を乗り越える防災対策会議が開催をされたわけでありますが、こうしたことなどでの議論や対策、それから、リーダーとなる人材をどういうふうに発掘し、育成をしていくのか、さらには、支え愛によってこうした雪害も含めた災害時への対応、これの取り組みが必要ではないかと、こういうお尋ねでございます。  議員からは、たびたび福祉の観点を入れながら、こういう災害やまちづくりにさまざまな御提案をいただきました。例えば中心市街地の活性化につきましても、市街地でも過疎が起こっている、高齢化が進んでいる、そういうことにアプローチをしていく、いわば福祉の心による対策というのが主張されまして、県政にも取り入れられてきたところであります。  議員が今御主張なさいましたように支え愛というような、どちらかというと今までは福祉のほうのアプローチだったかもしれませんが、これを防災のほうに入れていく、こうした考え方は傾聴に値すると思いますし、いろいろと検討なされていいのではないかなというふうに思います。  今、災害対策の中部地震の総括をしておりまして、中部地震を乗り越える、そうした防災対策会議というのが設けられまして、2月に会合があり、今月また17日に第2回目の会合を開くことになっております。ここには防災関係者であるとかさまざまな方が入られまして今回の災害の総括をしているのですが、雪が降りましたので、雪のことも含めて御議論をいただいております。  例えば前回の会合のとき出た一つの意見であれば、こういう雪害のときも避難所のようなものがあってもいいのではないだろうか。これは恐らく渋滞でスタックしてしまいまして動かなくなった道路、今回も智頭の大内の集落であったり、岩美町も含めていろいろと中部や東部でそうした対応が見られました。これがいわゆる美談の一つのような形で、全国の方からは驚きを持って鳥取県民の災害に対する意識の強さ、それを象徴するような出来事になりました。  こういうようなことの発想だと思いますが、例えばそういう雪害のときの避難所といった形態も考えられていいのではないかというような御意見も出てきたりいたしております。まだ議論が始まったところではありますが、こうした雪害も含めて、県民生活に対する影響を排除していくように、片方であいサポート条例の検討もしておりますけれども、こうしたものを組み合わせて防災の条例づくりも含めて、その成果に結びつけていければと思っております。  そういう中で繰り返し出てきているのは、震災のとき、それからこういう雪害のときも含めたリーダーのお話であります。今回も支え愛マップをつくって、その中で活躍しているリーダーの姿が目立ちました。例えば雪害というような場面で、今回も若葉台南6丁目、非常に意識の高いところでありますけれども、ふだんから支え愛マップを持っておられるものですから、雪害のときも動かれまして、そうした除雪等々の助け合いをしたりというようなことが行われました。倉吉市の柳町においても同じような状況がございました。こういうようなことが地震のときのみならず、雪のときでも本県において起きている。その原動力になったのが支え愛の考え方、マップであり、その中で磨かれてきたリーダーの姿でありました。  このリーダー養成も今回議場でも指摘をされたところでございまして、新年度に向けまして例えば防災士の養成、あるいはそれに限らないリーダー養成、これを予算も計上しながら対策をまずはとらせていただこうとしております。例えば消防学校においてそういう防災のリーダーの研修、こういうものを新たに起こしてみたり、こんなようなことを新年度でもさせていただきたいと思います。当座今考え得るところで予算を計上しておりますが、今後は条例をつくり、またマニュアルをつくり、最終的には地域防災計画を取りまとめる、そういう流れの中でまた見えてきたリーダー養成の課題、これをしっかりと対策をつくって計上してまいれればというふうに思います。  例えば先進事例を共有するとか、それから、自治会のリーダー同士での交流によって、まだ支え愛マップ等々つながっていないところをいわばPRしまして輪を広げていくとか、そうしたことがあっていいのではないかと思います。  最後に、障害者スポーツにつきましてお尋ねがございました。布勢総合運動公園につきまして、障害者スポーツの拠点化の進捗やスケジュール、またその意義につきましてお話がございました。  これは議員からも前の議会のときも御指摘いただいておりますけれども、一つのシンボル的なプロジェクトとして布勢総合運動公園を障害者のスポーツの拠点にしようと、そういう意味で検討会が設置をされまして、今動き始めたところでございます。これには各種障害者団体にも今後いろいろと意見を出していただきながら、現場に沿った形で計画づくりをしていく必要があると考えております。  これは今、同時並行でいろいろと布勢総合運動公園の整備も進めてきたところでありますが、多分一つの大きな転機になったのは、浜崎県議が働かれて引っ張ってこられました日本パラ陸上選手権大会だったと思います。全国の冠たるスタジアム、障害者仕様のスタジアムにしようと、投てき競技においては車椅子を固定するといった国内ここしかないようなことから始めました。ただ、まだそこでも間に合わなかったことがありまして、今年度もあいサポート駐車場、障害者向けの駐車場の屋根をつくるとか、それから野球場等々の体育館とか、障害者のための座席の仕様を確保するとか、そんなような対策を今年度も講じております。新年度に向けましてもこれをさらに展開をしまして、多目的トイレの改修でありますとか駐車場の整備でありますとか、継続してこれをやっていこうとしているわけであります。抜本的にメスを入れる意味で、日本財団のノウハウや、またそこの御資金もございますので、共同して全国のモデルをつくろうというのをあわせて今行おうとしているわけです。  パラリンピックが2020年東京で開かれる。そのときに日本にいろんなパラリンピアがやってくる。場合によっては、その人たちの練習等の受け皿にもなり得るわけでありますし、日本、そして鳥取というのは障害者に優しい地域である、そういうバリアフリーな社会であることをアピールする絶好の機会にもなると思います。それは一つのレガシーとして残り得るわけでありまして、県内の障害者の皆様の生きがいづくりであるとかパラリンピアンを目指すトップアスリートの養成であるとか、これは未来永劫続いていくものになると思います。また、大きな大会の誘致というのも今後も可能になってくるわけでありまして、そんなモデル事業をやろうではないかというふうに立ち上がったわけでございます。  トップアスリートのことを考えますと、スポーツ指導の医科学的アプローチもあります。したがいまして、広島大学病院の医科学センター、そういう専門のアドバイスや体制づくりについてもお話をいただいているところです。また、今後いろいろと詰めていくことになると思いますが、鳥取県内には全国にも名が知れているようなスポーツジムがあったり、もちろん合宿等もできるような、そんな宿泊のファシリティーもあったり、いろいろと地域の資源もあるところであります。こういうものをいろいろと組み合わせながらやっていける、そんな姿を我々としても考え得るのではないかなというのが一つあります。  またあわせて、初めてスポーツに取り組んでみたいという障害のある方々の願い、これがかなえられるような場を考えなければいけません。自分が取り組みやすい、ふさわしいスポーツというのは恐らくあります。ただ、それが何なのかよくわからない。そんな意味でゲートウエーの役割を果たすような、そういう機能というのも先進的な障害者スポーツのメッカとしては考えられていいのではないだろうか、こんなような観点で今取り組みを進めているところであります。  新年度に入りまして、6月ぐらいまでには構想を取りまとめて、その後基本設計を行い、実施設計を行い、パラリンピックの前の平成31年度に完成できるように、これを今ねじを巻いてやっていこうと関係者ともお話をしているところであります。  日本財団もこうしたパラリンピックの応援をしようと全国の中枢をなしているところでありまして、日本財団とともにこうしたプロジェクトを進める意義は当地にも大きいと考えております。 ◯議長(斉木正一君)28番浜崎議員 ◯28番(浜崎晋一君)知事に答弁いただきました。ありがとうございました。  知事からもお話をいただいたわけですが、私も以前からやはり支え愛ということを、共生社会というこういった流れの位置づけの中では、これが最終的には大変大事になってくるということです。このたびの雪害につきましては、やはり県民生活という立場から、知事も御存じのように、私は川端4丁目ということで町なかの昔からの町内でありますが、やはり高齢化社会でありますし、除雪車が通ったら家の前が全部遮断されるのですよね。除雪車をうまく動かしながら、やわらかいと除雪車は行くのですが、かたいのになったら全然行けないのですよ。家から出られないというようなことで、こういうところは本当に先ほど知事からもいろいろ具体的にお話がありましたけれども、私も若いとは言えませんが、やはり元気な者が応援をしてやっていくということで、だから、それをスコップで割りながらみたいなことでいろいろとやる中で、お年寄りともコミュニケーションとりながらということができる。2月のときには、信用金庫の横のところですけれども、私はスタックの応援団みたいな格好を。とにかく県道と市道が結節するところはどおんと壁ができるのと、もう一つはみんなわだちになっておるのですよ。これは常任委員会でも、県土整備部長にも言いましたけれども、非常に厳しい状況がありました。そういう中でみんなで一緒になって頑張っていこうという部分、根底には知事が推奨しておられる支え愛ということを今回は申し上げておるということでございます。しっかりお願いをしたいと思います。  障害者のスポーツのほうも多少遅きに失した感がないとも言えません。しっかりとこれからねじを巻いて、日本財団の対応ということがありますし、これがやはり障害者スポーツ全体、アスリートはもちろん、これを健常者の皆さんにもやはり使っていただくということが、共生社会なのです。スポーツ共生社会という鳥取のまたもう一つの位置づけというものが確立するきっかけになるのではないかなと、僕はそう思うわけです。  それと、医科学スポーツセンターとかジムとか言われましたが、やはり陸上競技もそうなのですが、人材です。いわゆるトレーナーであったり、そういった人材、これは他県ですごい先生がいらっしゃるとか、すごいトレーナーがいらっしゃるとか、そういうのがあります。もちろん知事がおっしゃったワールドウイングの小山さんもすごい先生であります。そういった部分の情報をボートであったり自転車であったり、セーリング、いろんなところでやはり入れていくということも大事ではないかと、人材がポイントになりはしないかなというふうに思っております。  それでは、追及に行きたいと思います。  中部地震における障害者や高齢者などがみずから避難することが困難な方への対応について、前述した中部地震を乗り越える防災対策会議で議論されたようであります。知事もおっしゃっておりました。私もさきの11月議会で支え愛マップの取り組みについては取り上げさせていただきましたが、元気づくり総合戦略における平成31年度のKPIの中で、支え愛マップづくりに取り組む自治会数が現行の600から900にふえていますよね。こういった計画ですね。私もこうした取り組みが災害時に非常に効果を発揮するものであると、ぜひ進めていただきたいと思います。  しかしながら、マップづくりの課題として、先ほどもお話がございました、リーダーとなる人がいない、個人情報の把握が難しい。県ではこれまでよりマップづくりを支援されてきたわけでありますが、こうした課題に対してどのように対応されようとしているのか、また全県へどのように普及されようとしているのか、平井知事にお尋ねをしたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から重ねてお尋ねがございました。支え愛につきまして、福祉の考え方をこうした防災にも広げていくことの意義についてお話があり、また、障害者のスポーツにおきまして人材の確保ということ、このお話もございました。昨日は鳥取マラソンが開催をされまして、3,400人余りという今までにない大がかりな大会として参加者を集めました。議員がおっしゃったように、これもいろんな人々がかかわって、まさに人材なくしてこうした大きな大会はできないわけであります。そんな意味で、スポーツにおける人材の育成やネットワークづくり、その大切さを改めて感じている次第でございます。  この支え愛のマップづくりを初めとした手法のこれからの拡張でございますけれども、新年度の予算の中でも支え愛の事業を進めていく予算を計上させていただきまして、社協と共同しながら進めていこうとしております。例えばワークショップをやるとか、それからいろんな先進事例の事例集をこしらえるとか、いろいろと方策を考えようとしているところでございます。  そういう中、こうした実務とあわせて2つの方向性が必要かなと思われるのは、やはりマップをつくったり、それから実際に現場で災害対策を進める上で、個人情報の問題がどうしても一つ厄介な課題になります。個人情報につきましては、一つは支え愛マップをつくることによって情報を自分たちで共有する形で情報共有を図り、あそこに誰々さんがいらっしゃるけれども、これはお迎えに行ったほうがいいねということであるとか、あそこのおじいさんにはちょっと無理だからそこは除雪をみんなで手伝うことにしましょうというふうにマップに書くとか、また逆に、浜崎議員のようにお元気な方は除雪機を持ってきて、除雪機さえあれば除雪ができると、そういういわば除雪人材としてこの方に頼めばいいとか、そういうのがマップの中に出てくるわけですね。こういうことで初めて情報共有が図られるわけであります。これは自分たちでつくったマップですから、これは個人情報のたががとれやすいやり方であります。ですから、これを推奨していくのが一つなのですが、ただ、今回、中部地震のときも厄介だったのは、個人情報の課題がありまして、障害者の方の情報等々、市役所側から十分に開示できなかったのではないかという御指摘もあったところです。いろいろと現場では努力されていたのは事実ですし、民生委員の方が行ったりとか、いろいろとフォローもしていったわけではありますけれども、もっといい工夫はできないかなということであります。  そこで、これは防災及び危機管理に関する基本条例の改正の中の一つの項目になり得るのかなと思います。すなわち、そうした支え愛マップのような形で地域の防災活動を進めることを市町村は努力しましょうというのを書く、これが一つであろうかと思います。あともう一つとして、そういうふうに行政側からの情報開示をやれるように、これは市町村の条例があればできることでありまして、市町村がそういう条例を制定する、ないしその検討を求めるような、そういうメッセージを条例の中に込めることもあるのではないかと思います。これは兵庫県でも最近とられた手法でございまして、こういう条例上の項目を設けて、市町村の個人情報保護条例の改正をしていただくということも県のほうの条例でのメッセージとして書き得るのではないかということです。  こんなような対策をいろいろ講じることによりまして、議員がおっしゃったような防災体制の強化を支え愛の中から生み出してまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)28番浜崎議員 ◯28番(浜崎晋一君)ありがとうございました。  今お聞きしましたが、知事がおっしゃるように、個人情報、条例としてのメッセージでということで、ぜひここのところをしっかりとつぶさに細かくやっていただきたいなというふうに思うところでございます。  それでは、続けて追及に進ませていただきます。  県では、中部地震の際に障害者、高齢者などみずから避難することが困難な方への支援のあり方が課題となったことを受けて、鳥取県防災及び危機管理に関する基本条例、そして現在策定中の県民みんなでつくる障がい者が暮らしやすい社会づくり条例、いわゆるあいサポート条例の中に災害時の要支援者の対応を盛り込むということで検討されているということであります。  1月20日の知事の定例記者会見で、6月の定例県議会における上程を目指して作業を進めておられるということを言われておりますが、これらの条例の現在の検討状況というものを平井知事にお尋ねしたいというふうに思います。  ただ、しかしながら、災害は地震だけではなく、このたびのような大雪も社会的弱者にとっては非常に日常生活に支障を来すということであります。共生社会を実現させるためにはと思うのですよね。行政がさまざまな施策を実施すること、障害者関係団体が自主的な取り組みを行うことはもちろんでありますが、一番重要なのは、やはり県民それぞれが他者を思いやる、他者が困っているときは手助けをする気持ち、先ほど来、知事との議論の中で知事もおっしゃっておりました。すなわち、支え愛の考え方を持つことというのが非常に必要であるし、これは雪害対策にもつながるということは知事と共有ができておると思います。  ついては、中部地震のほか、今回の大雪を踏まえた地域における支え愛の考え方をあいサポート条例と防災危機管理条例の中にしっかりと盛り込むべきではないかというふうに思っておりますので、知事の御所見を伺いたいと思います。  そして、申すまでもなく、これらの条例は市町村も一緒に取り組むものでないと実効性がありません。知事、御存じのように平成29年度は県も市町村も老人福祉計画、それから障害福祉計画の改定時期を迎えるのですね。条例を踏まえた具体的な取り組みについて、これらの計画に盛り込むように市町村にも働きかけをしてはいかがかというふうに思いますが、平井知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から重ねてお尋ねがございました。防災危機管理基本条例並びにあいサポート条例と言われますような障害者が暮らしやすいまちづくりをしようという条例、これらについては今検討の途上でございまして、6月県議会に提案できればということで、今その作業を進めているところでございます。  現状何回かそれぞれ検討会をしているところでございますが、また今週中にその検討会をそれぞれ持たれることになります。防災のほうでいえば、今後の条例に盛り込む内容の方向性、今回は雪害ということも加わりますので、そういう大地震だとか防災、雪害の経験を踏まえた例えば避難所対策であるだとか、それから今おっしゃるような支え愛ということもありましょう。いろいろと基本的な方向性で改正項目的なことは今回出して、また議論をさらに深めるのかなと。  また、障害者の条例のほうでは、これも今回いろいろと雪害でも浮かび上がってきた課題も含めて、例えば避難のときに要支援者を迎えに行くとか、それから避難所、これは障害の種別ごとにこういう避難所の配慮が必要だとか、そうしたことがありましょう。また、情報アクセスコミュニケーションの関係、これらも一つの重要項目として書くべきではないだろうかとか、そうしたいろんな観点があります。そういう中に支え愛ということが一つ大きな柱としてあり得るわけでございます。そうした基本的な条例の制定に向けた検討項目、これらも今週検討会のほうで御議論いただくということかなと思っております。  あらあらのイメージでいきますと、春に連休がございますので、あの連休のころにパブリックコメントをさせていただくような形で、6月の提案に間に合うように今後順次検討を進めていきたいということであります。  これらにつきましては、条例の中身でありますけれども、やはり議員がおっしゃったような新しい視点として、福祉と防災とのかけ橋のような支え愛を鳥取らしいコンセプトで持ち出してはどうだろうかと思います。そういう意味で、きょうの御議論も参考にさせていただき、最終的な条文の練り込みに使っていきたいと思います。  イメージとして幾つか、例えば防災のことでいえば、災害時支え愛活動とでも言うべきものがあるのですね。これはどういうことかといいますと、今回の渋滞でスタックしてしまった、そのときにそれを助けに行く人たちがいらっしゃるのですね。コミュニティーでみんなでやるなどが自然発生的に出てくるわけです。ただ、これが今まで、全国どこでもこの手のことというのは防災対策の中に入っていないのですね。鳥取県の県民がなさっておられることは想定以上のことであります。これを想定して、こういう活動が行われるときに、行政とのパートナーシップでよりきめ細かい災害対策が図られるような、そういうことがあると思うのですね。例えば食料の供給であるとか情報の共有であるとか、そうしたことなどを鳥取らしく考えてもいいのではないだろうか。そんな災害時支え愛活動と言うべきもの、こういうものを書き起こしてみるとか、また、熊本地震以来意識されるようになってきたことでありますが、本来は大きな避難所をつくりまして、ここに避難してくださいと。そこに物資を集積する、食事を供給する、これが実は災害対策としては非常に効率がいいです。ただでさえ皆さん忙しい中で一定水準の被災者対策をしようと思えば、避難所の設営というのは指定避難所が優先されるべきものであります。しかし、現実はそういかないことが熊本地震以来意識されるようになってきて、今回鳥取県中部地震でもそうしたことがございました。すなわちコミュニティーの集会所に集まって、そこで自主的な避難所をつくることが各地で見られることですね。さらに言えば、車中避難をされたりビニールハウスの中で避難されたり、そうした方々もいらっしゃる。現在の避難対策の中では、指定避難所を中心に組んで、そことのつながりの中でこうした避難者対策をやるという一応のスキームはあるのですけれども、もっときちんと捉えていく必要があるのではないだろうか。言うなれば支え愛避難所とでも言うべきもの。お年寄りを連れてきて、とても指定避難所に行くのは遠くて大変。ですから地元でそうした方々が自分の家の近いところで、いざとなったら家に帰りやすいところで避難をされる、それを地域の方々が支え合う、そういうことであれば、行政の用意した避難所でなくても自活して動き得るわけです。ここにそれ相当のサポートをするようにする。もちろん災害時ですからたくさんの人的資源や、あるいは流通の経路を描くことは難しいかもしれません。そうであれば、例えば指定避難所にまとめてとりに行くとか、そんなことも物資としてはあるかもしれません。そんなような支え愛避難所というようなこと、こんなことも新しい災害対策として考え得るのではないかなと思います。  こういうようなことを盛り込んだ、従来とは違った切り込み方をしたような防災危機管理条例、さらにそれと連動したあいサポート条例、これを考えてみてはどうかと思います。  こうした考え方は、市町村の計画等にも反映され得るものだと思います。これから老人福祉計画や障害者福祉計画を改定されることになりますし、また、私どもでいえば障害者プランと言われる県計画等の改定もあるわけであります。そうしたときに、この条例の改正、支え愛ということも入れながらやっていきますよということを広く市町村とも共有させていただいて、それぞれの対策づくりに生かしていただければと思います。  今そんなことも念頭に置きながら、市町村も入った形でこうした条例の改正も含めた災害対策、それから支え愛条例づくりの検討会を動かし始めたところでございますので、しっかりと現場に浸透するように配慮をしてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)28番浜崎議員 ◯28番(浜崎晋一君)知事、ありがとうございました。  支え愛避難所だとか、そういった部分はぜひ進めていっていただきたいと思いますし、知事がおっしゃったように、この2つの条例に支え愛、こういったものをしっかりと組み込んでいただきたいというふうに思います。  この支え愛避難所なのですけれども、これからこういうものも検討していきたいということで言っていただきましたので大変ありがたいと思いますし、きょうも多くの傍聴の方が来ていただいておるのですが、知事の答弁の中でありました、鳥取県の県民の皆さんというのは、気持ちが本当に優しい。ただ、逆に自分が何かを受けるというときは遠慮されるのですよね。そういったような困った人がおられたらというような思いは本当にどこの県にも負けない。そういう意味でも、支え愛の心、先ほど知事が福祉の心ということをおっしゃいました。そういう部分は皆さん持っておられるのです。先ほど前段のところでリーダーの話もありました。避難所もそうなのですが、例えば福祉避難所というのがありますよね。やはりいろんなところで小さい福祉施設であるとか大きなところとかいろんなところへ行って見ることも多いのですが、障害者の関係のそういった施設もそうなのですが、知事御存じのように、やはり高齢者などは非常に職員の人材不足というような状況があって、福祉避難所という、そういった部分に対応していく人材的な問題点というのがですね。ですから、町なかにおけるこういった支え愛避難所でも、人材的なものを町内会などと連携して、これは市町村連携ということが非常に大きくなってくるのだと思いますが、ぜひやはり人材をどういうふうにつなげていってリーダーをという部分を避難所でも考えて、具体的にある程度そういった連携もしっかり考えていただきたいと、そのように思います。  それでは、続けて追及に行きますが、先月、政府は2020年の東京オリパラを機に、社会的弱者に配慮した共生社会を実現するためにユニバーサルデザイン2020行動計画をまとめました。これは心のバリアフリー、まちづくりや思いやりの意識を持つ心のバリアフリーを目指すものなのですが、これはやはり政府は政策を検討する際、この中で障害者に参画してもらう視点を反映させるということが明記されています。  2月3日に鳥取県と三井住友海上火災保険株式会社との間で地方創生の推進に資する取り組みということで包括連携協定が締結されましたね。そのときに、リオデジャネイロオリンピックの視覚障害者のマラソン銀メダリスト、道下美里さんが参加されました。鳥取県にメッセージをいただきました。その中で、やはりあいサポート運動の発祥の地である鳥取県は支え愛、思いやり、助け合う心が根づいている。昨年の4月に日本パラがあったということで彼女も言っているのですが、彼女はマラソンですからそのパラには来ていないのですが、関係の選手からすごく会場が使いやすかった、施設の改修工事を行ってもらってバリアフリー対応もしてもらったということでありました。こうした鳥取県に対する高い評価に対して今後とも応えていくためには、やはり当事者である障害者の方々の意見が重要ということになると思います。  このたびの拠点設置の検討に当たりましても、共生社会実現に向けた障害者の声を幅広く聞く機会を持っていただいて、一緒に考えていくということが必要だと思いますが、平井知事の御所見を伺います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から重ねてお尋ねがございました。道下選手は、シルバーメダリストでございまして、こちらのほうに来られたことのお話もございました。私も感銘を受けましたのは、あの世界で鳥取県のクオリティーの高さが評価されていることであります。浜崎県議や、あるいは陸協の皆様、数々の関係者の方々のお力のたまものかなというふうに思いますし、ぜひそういう意味で一つのステータスを今後しっかりつくっていく必要があるだろうと思います。  これはやはりアスリートファーストと言われますが、アスリートの皆様のお考え、それから当事者の方々のお考え、これが評価の尺度になると思います。そのことを肝に銘じながら検討を進めていくことが必要です。もとより日本財団さんもその辺は感性の高い団体でございますので、今後さまざまな団体のお考えを聞きながら進めていくことになろうかと思います。例えば車椅子バスケであるとか、それぞれのスポーツの種別もございます。そうした各団体の御意見も聞きながら検討を進める。その末に、まだ日本でどこにもないような、余り大きなお金をかけて東京のスタジアムのような立派なものでないかもしれませんけれども、機能性やそこから感じられる愛情の深い、そんな施設になるように私どもも努力していきたいと思います。  これからまた新年度、6月までかけまして計画の一つのコンセプトをまとめ上げ、その後、基本設計、実施設計、建築というふうに進め、平成31年の完成を目指していけば、恐らくパラリンピックの合宿等にも間に合うことになろうかと思います。そういう一つの夢のある布勢の総合運動公園の姿を当事者の皆様、関係団体の皆様と一緒につくってまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)28番浜崎議員 ◯28番(浜崎晋一君)知事、今のお話、ぜひよろしくお願いします。  それでは、最後に入らせていただきます。  私は23年11月議会の一般質問において、より身近な人々が互いに助け合う近助についてお話をさせていただきましたところ、知事は、近くで助け合うつき合い、近所づき合い、そうしたことをこれからのテーマにして町なかの拠点をつくったり、マンパワーを育てたり、そうしたことに乗り出していってもいいのではないかとおっしゃいました。そのような知事の思いもあり、その後、さまざまな県民同士による支え愛の取り組みというものが推進されてこられたことに対しまして評価をさせていただきたいところであります。だからこそ、6月議会で提案を目指しておられるあいサポート条例をよりよいものにしていただきたいと切に願うものであります。  災害は忘れずにやってくる。昔は忘れたころにやってくるということでしたが、今は忘れずにやってくる。モルガン・スタンレーの堀田健介元会長が言っておられます。リスクの中で生活するのが我々の社会だということであります。当然のようにリスクがあるということでありますから、自助、共助、公助、そして近助のあり方をいま一度再検してみる必要があるのではないかと思います。  2つの言葉を紹介させてもらいます。KEEP YOUR HOPE,KEEP YOUR SMILE、一緒に笑うために君の笑顔が必要なのだ、そして手をつなごう、あすに向かって。  一昨日6年目を迎えました東日本大震災の復興関連ポスター、これに記載されている言葉がこれなのですね。人と人が互いに携え合うということで、こういった誰もが笑って暮らすことができる鳥取県づくりに邁進していただきたい、この2つの言葉を紹介させていただきました。  知事、このことにつきましてコメントがあればお伺いしたいと思いますし、それから、結びにちょっと言わせていただきます。これは答弁は要りません。議員活動のバックボーンである支え愛の促進、障害者の支援について、知事とさまざまな議論をさせてもらいました。私の理念として、広い意味での福祉というのは、限られた人だけを対象にするものではありません。福祉の概念、社会を構成する全ての人々にもたらされるべき幸せ、これが福祉の概念であります。あいサポート条例、障害者スポーツの拠点も多くの人に喜ばれる、大勢の人がかかわっていただき、議論に議論を深め、県民多数の合意を得つつ、県民誰もが納得できる結果を出していただきたい、そういうふうに考えるところであります。  この2月定例会で多くの議員が取り上げをしておられます。これからも一般質問があるでしょう。かんかんがくがくの議論となっている県立美術館にも同様のことが言えるのではないでしょうか。知事はこのたび、市営ラグビー場を建設地とするという結論をされました。1年数カ月にわたる基本構想検討委員会、そしてその間の県民意識調査、それを受けて大変重たい、大変だったと思いますが、教育委員会の議論、それから市議会の議員、中島議員、また島谷議員からも、我が会派も話がありました。そして、私の存じ上げている鳥取市手をつなぐ育成会役員の方からお話を伺いました。東部において多くの障害児者が絵画、書道、写真、たくさん活動しております。これは知事、やはり皇室もお見えになりました芸文祭、あそこから大変勢いがついているのですよ。先ほど言いましたように遠慮がちな方ですからそれ以上はおっしゃいませんでしたけれども、鳥取にできないのですかねという思いだったと思います。そのほかに数多くの声が私のところに届いております。今のままでは誰もが納得する、県民の合意がとれているという状況とは言いがたいのではないかと思います。今のままでは問題を残すことにならないか、危惧もさせていただいておるところであります。  もちろん全ての人が満足できる結果を導き出すことというのは非常に困難である、それは十分承知しておりますが、しかしながら、倉吉市に決めたからではなくて、今、そしてこれから後、何をなすべきか十分議論をして、誰もが納得、不承不承でも納得できる結論というのを導いていただきたい、そのように思います。これにつきましては通告しておりませんので答弁は結構でありますが、私の思いが知事に届けば幸いであります。  これで終わります。ありがとうございました。
    ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議からお尋ねと、そして御意見をいただきました。一つは、災害対策で手をつないでやっていこうと、KEEP YOUR HOPE,KEEP YOUR SMILEというようなことでございました。あわせて美術館のこともあり、これは答弁なしということでありますので余り述べないようにはさせていただきたいと思いますが、思いはしっかりといただきました。これからどういうふうになるかということだろうと思います。  福祉ということで絡めておっしゃったのは、浜崎議員らしいなというふうにも思います。福祉というのは、やはりウエルフェアという言葉の多分訳語ではないかと思います。よくするというような意味でございます。それぞれのいろんなところに光が当たるように、そういう意味でどこもウエル、ウエルネス、いいことを感じられる、そういうようにしていくフェアというものがある、するということがある。そんな意味で、残念ながら結論は一つしかないということに、これは世の中の常といいますか、民主主義の一つのルールとしてあるのでありましょうけれども、ただ、そこで全てが諦められるものでは決してなくて、むしろその先のことを考え、何ができるかというのを知恵を出すのが民主主義、地方自治の一番いいところではないかと思いますし、そこにウエルフェアの気持ち、考え方、精神というのが生きてくれば、私はそこに鳥取らしい地方自治の道筋があるのではないかなというふうに思います。私自身も今後努力してまいること、これは誠心誠意お誓いを申し上げたいと思います。  お尋ねのありました災害対策のほうでございます。これにつきましては、議員のほうから非常に含蓄のあるお言葉をいただきました。鳥取、あるいは東日本大震災もそうだと思います。日本人が目覚めたのは、日本というのは意外にいい国だなということだったと思うのです。確かに自然災害の厳しさというのはあるにせよ、そこで生き残った者たち、それから地域を超えたきずな、これで支え合っていく、これが人々の心の豊かさに裏打ちをされて日本という国が成り立っているということではないかなと思います。先般3月11日を挟んで、この週末もさまざまな報道がなされ、今も苦しみの中にある方々の言葉が全国の方の胸に届いたと思います。私たちはそういう意味で、鳥取からそのモデルをつくれるような、そんな支え合いながらの防災対策、そうしたことがあっていいのではないかなと思います。  これはちょうど震災のころ、金子みすゞさんの詩がCMで取り上げられたりして、非常に印象的でありました。それは「「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう」。それからだんだんと気持ちが変わっていくのですね。「「もう遊ばない」っていうと「遊ばない」っていう そうして、あとでさみしくなって、「ごめんね」っていうと「ごめんね」っていう こだまでしょうか、いいえ、誰でも」という、そういう詩でありました。これが震災の後に流されたのにはいろんな意味があると思うのです。人間と人間、それがお互いに心を通じ合うことの大切さ、それを今こそ感じようではないかということだと思います。  実は、金子みすゞさんという方御自身も関東大震災の時代を生きた方でございまして、それがきっかけになって非常に複雑な人間関係に巻き込まれて早世されたというようにも識者はおっしゃっておられるわけでございます。そんなメッセージを私たちも受けとめなければいけないのではないかなというふうに思います。  鳥取だからこそできる雪害対策、鳥取だからこそできる震災対策、水害対策、その道筋はここから開け得るのだと思います。またいずれ6月、条例の場で皆様にも御議論を提起させていただきたいと思います。今後それに向けて御指導賜らんことをお願い申し上げます。 ◯議長(斉木正一君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は1時10分より再開いたします。        午後0時10分休憩    ────────────────        午後1時10分再開 ◯副議長(藤縄喜和君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  6番錦織陽子議員 ◯6番(錦織陽子君)(登壇、拍手)日本共産党の錦織陽子です。  まず、美保基地への新型空中給油・輸送機KC-46A配備問題についてです。  アメリカのトランプ大統領は就任後初めての連邦議会演説で、核兵器強化、史上最大の国防費、軍事費の10%増を明らかにし、NATO、北大西洋条約機構、中東、太平洋のどの同盟に対しても地球的規模での軍事作戦での協力や費用負担を求めるなど、極めて重要な発言をしました。太平洋の同盟とはすなわち日本、韓国であり、日本にも米軍の兵たんの後方支援や財政負担を求めてくる可能性が大です。現在、愛知県小牧基地に4機配備されているKC-767の給油可能航空機種に比べ、新型空中給油機KC-46Aはほぼ倍の機種への給油が可能となりますが、その新たに給油可能となるオスプレイやF35戦闘機を含む機種は全て米軍機です。私は、美保基地へのKC-46Aの配備は国が説明する日本防空のためではなく、防衛省も否定しない米軍機への空中給油が行われることと密接に関係するものと考えています。  昨年8月末、防衛省からの配備申し入れについて、鳥取県の意見照会に米子市、境港市は同意するという回答を寄せましたが、まだ実機が完成していないことから、このたびの知事の回答は準備をすることは了承、KC-46Aの完成後に早い段階で協議を行い、同意を得ることとすると、現時点での最終的な判断はされませんでした。  両市の同意回答を受けてもすぐ配備同意しなかった理由の一つには、配備に不安を持つ市民の粘り強い運動があったからだと思います。そこで、両市の態度決定には住民の声が必要不可欠だったと思いますが、住民の声を拾い尽くす努力がされたと思うのか、また、沖縄でオスプレイの墜落事故が起きましたが、説明会で安全性について説明がし尽くされたと考えるのか、知事の所感をお尋ねします。  次に、貧困と格差の是正について2点お尋ねします。  安倍政権はアベノミクスは成功していると言いますが、先日行われた自民党大会でも、地方議員からうちには恩恵がないという声が上がったと報道されていました。大企業にはこの3年間で4兆円もの大企業減税や優遇策で、内部留保金は27年度は378兆円と前年より23兆円も増加しています。  平成29年1月に鳥取県統計課の出した平成26年度の鳥取県のGDPと県民所得の数字から見ると、全国平均所得では前年比プラス4万7,000円に比べ1人当たりの県民所得は233万円で、前年度比1万6,000円マイナス。マイナス0.6%です。自営業、農業など企業所得が軒並み押し下げて、3年ぶりに前年度を下回り、国との格差はやや拡大していると評価しています。  このように地域間格差の拡大はおさまらず、アベノミクスの失敗の影響を最も受けたのは子供たちです。子供の貧困の連鎖を絶つためにと28年度に計画された県の学習機会の提供の事業は、多くの執行残がありました。教育委員会の「地域未来塾」推進事業、福祉保健部では生活困窮者等の世帯の子どもに対する学習支援充実事業、生活困窮者自立支援事業、ひとり親家庭学習支援事業などです。それぞれ減額理由、実施状況と、今後どう進めるのか、知事、教育長の答弁を求めます。  次に、公営住宅についてです。  この住宅政策の問題では、昨年6月議会でも質問しましたが、新年度予算に倉吉、鳥取市の水道料徴収業務を外部委託する方針が出されて、長年の入居者の過重負担が解決されることはまずもって評価したいと思います。  住まいは人権と言われるように、貧困と格差が広がる中で住まいについてさまざまな影響があらわれ、都会では貧困ビジネスが横行し、人間らしく生きる権利が損なわれかねない事態も生まれています。民間賃貸住宅に住んでいる高齢者、年金世帯も高い住居費は深刻です。そして、若年単身者の家賃について、総務省の全国調査によると、1カ月当たりの平均消費収入に占める住居費の割合は、1969年が5%、2014年では男女とも25%以上で、食費を上回る負担になっています。  そこで、国は2017年度予算案で新たなセーフティーネット制度の創設に27億円を計上していますが、制度の概要と、そしてこのたびの県の住生活基本計画では既存住宅ストックの有効活用を一つの柱にも上げていますが、安心して入られる公営住宅は不足しています。具体的にどう展開しようとしているのか、答弁を求めます。  最後に、淀江産業廃棄物管理型最終処分場建設問題についてです。  鳥取県環境管理事業センターは、理事会の承認を得たとして処分場の事業計画書を県に提出し、県は鳥取県廃棄物処理施設の設置に係る手続の適正化及び紛争の予防、調整等に関する条例、いわゆる手続条例に入りました。産廃処分場の事業計画書の公告縦覧が1月13日から始まり、3月6日で終了しました。縦覧をした市民から土地情報が抜けているとの知らせを受け、建設に反対する住民団体は、センターに対し縦覧の即時停止を求めました。閲覧図書から土地関係書類48ページが抜かれており、2月2日夕方に追加されました。縦覧が始まって3週間たって初めて正式な事業計画書がそろったのですから、それまで縦覧された人にはその計画地にどれだけの市民の財産、市有地があるのかもわかりません。市民の権利の侵害ではないでしょうか。  センターは、市民に対しても瑕疵のある事業計画書を縦覧場所に置いたことを謝罪し、改めてやり直すべきだと考えますが、どうでしょう。そもそも、なぜ50ページもの土地関係書類を抜いたのか、経過について知事の答弁を求め、壇上での質問といたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、新型給油・輸送機KC-46Aの美保基地への配備についてお尋ねがございました。オスプレイの原因究明の点につきましては、地域振興部長からお答えを申し上げたいと思います。  これにつきましては、先般2月27日の日に、私自身、米子市の野坂市長、また境港市の中村市長から直接御説明も受けながら、そのそれぞれからの御要請といいますか、御回答書を拝受をいたしたところでございます。それに基づきまして3月3日に、今議員もお話しになりました全員協議会の開催をいたしたところでございます。その中でお示ししました私なりの考え方、まずは準備行為については了承するものの、現実の飛行機がまだ飛んでいない段階であるので、これについては我々として、またそのときに改めて協議を受ける、同意をする、そういう手続でお願いしようではないかと、こういう基本方針でお諮りをしたところでございまして、今それに基づき、防衛省と折衝をさせていただいているところでございます。これにつきましては、まとまり次第そうした回答をしたいというふうに考えております。  今回のこの協議でございますけれども、実は同じような協議は昭和52年から54年にかけましてC-1についてございました。また、平成23年、C-2についても同様の協議を防衛省側から受けたところでございます。これらにつきましても、実は同じような手続を踏んでおります。基本的には首長である米子市長、境港市長が議会とも協議をし、住民の皆様の御意見もいろいろな形で確認をし、また並行して説明会等々行いながら住民の皆様の御意見なり、あるいは御疑問に答えていく、これは防衛省のほうでされる分野も当然ありますけれども、そのような形で意見集約を図った結果でございまして、その首長が代表して持ってきていただいた意見というのが最終回答と考えております。これには、その過程で前の平成23年のときなどの手続と何ら変わることなく、住民の御意向も確認しているというふうに私どもも考えた次第でございまして、そういう意味で議会のほうにも全員協議会でお諮りをしたところであります。  次に、貧困と格差につきましてお尋ねがございました。これについては、詳細は福祉保健部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、議会でもいろいろ御議論をいただきました。今回は新年度に向けましてアウトリーチ型の支援の強化なども加えながら対策をとっているところでありますが、まさに学習支援の場づくりは今急速に広がり始めてきたところでございます。議員がおっしゃるような国費の失効等、あるいは県費の失効等につきましては、市町村が基本的に事業主体になるものが多うございますので、市町村のほうで事業の工夫をされたり、国事業採択があれば県事業は使わないとか、そういうことの結果ではないかと思っております。  次に、住宅につきまして、国が新たな予算案でセーフティーネット制度27億円を計上したということであり、これを具体的にどう展開していくのかと、こういうことであります。詳細はくらしの安心局長からお答えを申し上げます。  これにつきましては、従来からあんしん賃貸住宅として鳥取県も実は同様の趣旨も含めながら事業を実施してきたところでございますし、市町村も当然ながら住宅供給の役割をまちづくりの観点で行っておられます。今後も非常にそうした住宅を得にくい方に対する手当てを市町村、あるいは民間活力、また県の公営住宅も含めた形で供給されるように、我々としても計画の企画や執行に努めてまいりたいと思います。  最後に、淀江にございます産廃処分場建設計画についてでございます。  これにつきましては先般も御質問もございましたけれども、今、条例の手続も始まっていまして、私自身審査する立場と産業廃棄物処分が県全体で進むということを保障しなければならない立場と2つの立場がございまして、議場での答弁が誤解を招く可能性があるというふうにも思われますので、答弁は、生活環境部長からお答え申し上げます。 ◯副議長(藤縄喜和君)岡崎地域振興部長 ◯地域振興部長(岡崎隆司君)私からは、オスプレイの事故に関連して、配備計画にあります空中給油機のKC-46Aの安全性についてお答えします。  このKC-46Aの安全性、特に機能とか性能面につきましては、中国四国防衛局からも説明があっておりますし、去る3月3日の県議会議員全員協議会でも直接説明があったところであります。  そこで、安全なというふうな話ではありますが、ただ、何分この飛行機は開発中でありますので、実機をやはりきちっと見てから検証も必要だろうということで、最終的な同意に向けて判断材料とするために十分な説明をいただきたいというふうに考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)藪田福祉保健部長 ◯福祉保健部長(藪田千登世君)私からは、学習支援の実施状況と今後の取り組みについて補足の答弁をさせていただきます。  学習支援事業につきましては、国庫補助事業とそれを補完する単県事業とがございまして、全体で対象者を広げ、全ての子供を対象とするなど、必要な支援のすき間が生じないようにしているところでございます。  議員御質問ございました事業につきまして、平成28年度事業で減額補正をさせていただいた理由でございますが、それぞれ町の負担が少ない国庫補助事業のほうを活用されたり、事業委託をしないで職員が実施するなど、節減に努められた結果でございます。  まず、生活困窮者等の世帯の子どもに対する学習支援充実事業でございますが、これは2町につきまして実施検討が今年度間に合わなかったものでございまして、来年度、町の負担の少ない国庫補助事業に手を挙げる予定と伺っております。それから、ひとり親家庭学習支援事業でございますが、これは予定していた6町が実施されましたが、コーディネーター業務を職員で実施したり、町営バスを利用することにより節減されたものでございます。また、生活困窮者自立支援事業の学習支援につきましては、予定どおり6市町が執行されまして、補正はございません。  必要な事業は実施できていると考えておりまして、実施市町村は着実にふえてきております。現在、県と市町村の福祉部局と教育委員会との合同連絡会議におきまして課題の共有や研修会を行っているところでもございますので、引き続きよく連携をとりながら学習支援事業の取り組みをふやすよう進めてまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)酒嶋くらしの安心局長 ◯くらしの安心局長(酒嶋優君)では、私のほうからは、国の新たなセーフティーネット制度の概要と住生活基本計画の展開について補足の答弁を申し上げます。  議員御指摘の国の新たなセーフティーネット制度が盛り込まれました住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案、これが去る2月3日に閣議決定されたところでございます。制度の概要といたしましては、賃貸人が住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として都道府県等に登録を行う。その登録住宅の改修、あるいは入居に対して経済的な支援を行う。住宅確保要配慮者の円滑な入居などを図るための居住支援活動へ補助をすると。こういったことが柱になっていると承知しておりますが、まだその枠組みが示されたところでございまして、今後詳しい仕組みが示されるというふうに聞いております。そういう状況でございます。  また、本年度改定の作業を今現在いたしております鳥取県住生活基本計画につきましては、住宅建築、不動産、あるいは福祉分野の有識者の方で構成をいたします検討委員会で御議論をいただき、パブコメも実施するなど改定作業を進めてきたところでございます。改定する計画には、住宅確保要配慮者に対します既存住宅の有効活用の具体的な施策も盛り込んでございます。例えばあんしん賃貸支援事業に協力する不動産店でありますとか民間賃貸住宅の登録の促進、あるいは戸建て住宅、民間賃貸住宅を活用したグループホームの設置促進、そしてリノベーション等による住宅からグループホーム、あるいはシェアハウス等への転用によりまして多様な住居のニーズに対応していこうと、こういった施策などを掲げてございます。市町村、あるいは関係者とともに、これら施策を着実に推進することで誰もが安心して豊かに暮らせる住まいの確保を図ることにいたしております。 ◯副議長(藤縄喜和君)広田生活環境部長 ◯生活環境部長(広田一恭君)それでは、私のほうから、事業計画書の縦覧に関しまして御答弁申し上げます。  環境管理事業センターでは、県に提出のありました周知計画書に基づきまして事業計画書の移しの縦覧ですとか関係住民への説明がなされ、事業計画の周知が図られたところでございます。  縦覧当初の事業計画書の縦覧につきまして、計画地の土地所有者情報等が省略されていたということでございますが、これは土地所有者のプライバシーの保護の必要性、また縦覧自体は関係住民に事業計画を周知して生活環境保全上の観点からの御意見をいただく目的で行われるものでございまして、土地所有者等の情報まで求められるものではないと考えられること、また、計画地の所在地自体は事業計画書に添付されております施設の見取り図等で十分把握できることなどの理由から省略されていたもので、県といたしましても、これまでの経緯から支障ないものと判断したところでございます。  また、計画地に米子市有地が存在していること自体はこの議場でも何回も取り上げられたところでございますし、米子市議会の一般質問でも説明があったり、地元説明会の中でも説明されてきたところでございまして、広く周知の内容で、どれだけ周知があるのかわからないといった状況ではないというぐあいに判断しているところでございます。  土地関係情報の追加の経緯につきましては、情報提供を求める御意見がございましたものですから、県からセンターのほうに土地関係書類の縦覧について検討するよう御助言申し上げたところ、センターのほうでは県、市有地以外の土地所有者については引き続き非公開とするものの、土地関係書類を追加配置されて縦覧されたところでございます。  また改めて縦覧手続をやり直すべきという御意見がございましたが、改めて事業計画の周知等の手続が必要な場合と申しますのは、手続条例第21条におきまして事業計画書または周知計画書の記載内容を変更したときと規定されておりまして、今回の縦覧書類の追加自体は当該規定には該当しないことから、縦覧のやり直し等は必要ないものと判断しております。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)錦織議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私には、学習支援の中で地域未来塾の推進状況につきましてお尋ねがございました。この事業は国庫補助事業でございますが、今年度の当初予算を編成するときに10の市町村でこの計画を持っておられる情報のもとに予算を計上させていただいておったところでございますが、実際には8の市町がこの事業を実施されたということで、そうした関係で2月の補正で不用額等につきまして減額をさせていただいたところでございます。来年度はさらに3つの市町村でこの事業を予定されておるということで、その関係の予算をこのたびの議会にお願いをいたしておるところでございます。  子供の学習支援は、市町村のほうで福祉保健部の事業といろいろ選択をされながら取り組んでおられるということでございます。引き続き福祉保健部ともしっかりと連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)それでは、お答えいただきましたので、追及に移らせていただきます。  空中給油機配備なのですけれども、今防衛省と内容について折衝中だということですが、両市で行われたこの配備の説明会の参加者は、境港市、米子市合わせても約200人で、賛否を問われたわけではありませんでした。最終的には境港では中浜地区自治連合会の同意と米子飛行場周辺地域振興協議会の同意の決定が市民の意思と判断されました。各自治会で賛否を議論する手順を踏んだ形跡も見られませんので、これで住民の同意が得られたと見るべきではありません。それどころか、両市での説明会が終わってから空中給油訓練中の事故が発生しました。  昨年12月13日深夜、沖縄県名護市の海岸で起きた給油訓練中の米軍機MV-22オスプレイの墜落事故は、原因究明もされないまま空中給油機がどうなったかも明らかにされていません。80メートル先には名護市民の集落がありました。米軍が安全だと6日後に訓練を再開しましたが、まだ安全は確認されていません。説明会での安全の前提は、根本的に崩れたと思います。また、3日の全協で防衛局は、部隊は大型機同士のアクロバット飛行やあらゆる状況をシミュレートして訓練しているから安全性は確保できていると述べましたが、これに安全性が確保されていたなら沖縄の給油中の事故も起きなかったと考えますが、知事の所見についてお尋ねします。  そして、防衛局が既にC-1輸送機が配備されているから新たに空中給油・輸送機を配備しても美保基地の位置づけは変わらないという考え方について、私の質疑に答えて知事は、基地の性格について修正はなされていると思うとおっしゃいました。その考えに間違いはありませんか、改めてお聞きします。  次に、子供の貧困対策です。子供の学習支援についてです。これから福祉部局と教育委員会、県と市町村で連携してやるのだというお話でした。今これは本気の取り組みが必要だと思うのです。ある自治体では、学習支援は勉強を教える前に日ごろ親と学校の先生との人間関係しかない児童生徒に居場所をつくり、そこに来る教員OBや若い学生ボランティアたちと交流することが大事だとおっしゃっていました。そして、定着しないのが悩み、本当はもっと必要な子供がいるだろうけれども紹介してほしいと教育委員会に声をかけるけれども、福祉と教育委員会との連携は必ずしもうまくいっていないというお話でした。  今、数ある支援制度を整理して、本当に児童生徒が気軽に足を運べる、そうした学習支援ができるよう、全ての自治体でつくるべきだと思います。そして、できれば自治体に一つではなく複数開設する、郡部で足らない教員OBや学生ボランティアも登録制にしてSNSなどで拡散して募集する、そして子供は特別扱いを嫌います。何よりも、どの子も一緒に学べることを基本に、部局横断の真剣な討議が今まさに必要ではないでしょうか。改めて知事の答弁を求めます。  また、放課後児童クラブで学習支援する場合、生活困窮等の世帯の児童の学習支援に係る経費の支援がありますが、児童クラブの利用料への補助は対象ではありません。経済的理由でクラブに入られない児童には減免措置をすべきだと考えますが、知事どうでしょう。  次に、公営住宅についてです。新たな住宅セーフティーネットの制度も28年度からの鳥取県の住生活基本計画もこれからすり合わせが必要だというふうに思います。この間、県営住宅の政策的空き家、これは老朽化して新規募集をやめるとか、災害発生時の緊急入居用などのための政策上の空き家ですが、100から200にふやしたということですが、100戸は入れなくなったということです。これに見合った公営住宅の増設が必要ではありませんか。すぐに増設できない場合でも、県民の住環境を整えていく、支えていくのは県の責務です。  民間の空き賃貸住宅を借り上げること、そして家賃補助、また、引き下げられた公営住宅の入居基準を見直すなど、具体的な政策が必要だと思いますが、知事どうでしょう。  私は、米子市内で県営住宅を中心に、1,000件の公営住宅アンケートの配布調査をいたしました。まだ回収中ですけれども、そこで見えてくるものは貧困です。回答をいただいた皆さんは、生活が苦しくなったと回答されました。年金の削減や医療費、介護保険が高い、物価の上昇などが主な理由です。その対策は、食事の回数を減らす、つき合いをしない、水光熱費を我慢している、バスに乗らないなどです。直接声を聞いた中では、例えば20数年来住んでいるが、畳もふすまの張りかえも一度もしてもらえない。県に相談すると、中のことは自分でしてと言われる。風呂のかび、暗い、そんな要望は全て自己責任を求めるのでしょうか。もともと入居収入基準が低い世帯や高齢者、障害者世帯と低い収入の方が対象です。かえたくても、さきに述べたように生活に余裕のない方ばかりです。憲法25条の趣旨にのっとってできた公営住宅です。経年による劣化には補助基準を設けるなど、改善が必要ではないでしょうか。知事どうでしょう。  また、空き家がふえると共同電気代が高くなるので満室にしてほしいという声もありました。共同使用の施設分は入居者の頭割りになるからのようですが、県の判断で政策空き家になっている場合、その部屋の分まで入居者の頭割りで払わせるのはおかしいと思います。改善すべきと考えますが、知事どうでしょう。  そして、産廃処分場の問題についてです。先ほど事業計画書の移しの縦覧、これはその所有者、地権者が米子市の場合、米子市が入っているということはこれまでも米子市や県の議会でも取り上げられたりしているので周知のことではないかと、そういう言い方でしたけれども、それは間違いだと思うのです。知っているから出さないというのは間違いです。県は、土地関係書類を抜いた事業計画書の配置を了解していたのですか。処分場事業計画の縦覧について、都市計画のない事業計画はないではありませんか。閲覧図書から土地関係書類を抜いていたことは、明らかに縦覧すべき事業計画書に瑕疵があったということではありませんか。それは計画地の47%が米子市民の土地であるということを市民に隠したということではないのでしょうか。知事、答弁を求めます。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員から重ねてお尋ねがございました。  まず、美保基地についてでございます。MV-22の件につきましては、地域振興部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  基地の性格につきまして改めて見解をということでございますが、これは全員協議会のときに考え方は議員ともやりとりした当事者同士ですのでよくお聞き取りはいただけたのではないかと思いますが、そもそも私どもは、全員協議会に望む前に、大分前から防衛省側とやりとりをしています。そういう中で、今回の燃料輸送機がこちらに配備されることは基地の性格を変えるものではないと先方は答弁をしてきておられます。ただ、私があの場で申し上げたのは、飛ぶ飛行機がかわりますから、C-1、C-2という、燃料の輸送機にかわるというか、追加になると。そういう意味で機種がかわるというような変更は少なくともあるわけであります。これが基地の性格に変更を来すものにならないかどうか、この辺は改めてあちらに条件づけとして出したいということを申し上げました。これは境港、米子両市も同様の意味で御意見も口頭ないし文書でもいただいているところでございまして、その辺の確認はきちんと今後政府のほうに求めていこうというような趣旨でございます。  次に、学習支援等につきましてお尋ねがございました。部局横断でもっと使いやすいようにするべきではないかということでございますが、これについては、平成27年度から県や市、また教育部局と私ども執行部、その辺が協調しながら進めようということで、いろいろと事業スキームを考えたり、事業の執行においても工夫をさせていただいているところでございます。これはこの議場でも貧困対策が重要ではないかというお話がございまして、そういう学習支援というのは有効な方策でありますから、教育委員会の事業もありましょうし、執行部側の事業もありましょうし、県も市町村もということでありましょうから、それはお互いに協調し合いながらアウトリーチを広げていく、そして実際にそこで学習のキャッチアップを図ろうとしているお子さんが参加できる、そんな環境を整えようということでございます。  したがいまして、これについては御指摘もございましたが、今後ともそうした協調体制をしっかりつくりまして、ともにアプローチをしてまいりたいと思います。  また、放課後児童クラブの利用料につきましては子育て王国推進局長からお答え申し上げます。  住宅関係につきまして何点かお尋ねがございましたが、これについてはくらしの安心局長から、また淀江産廃処分場の縦覧につきまして重ねてのお尋ねがございましたが、生活環境部長からお答え申し上げます。 ◯副議長(藤縄喜和君)岡崎地域振興部長 ◯地域振興部長(岡崎隆司君)私からは、空中給油訓練の安全性といいますか、機体の安全性につきまして御答弁申し上げます。  議員御指摘の空中給油訓練中の事故は去る12月13日に起こりましたが、これは空中給油訓練の給油後、給油ホースとオスプレイのプロペラとが接触してプロペラが破損したというものでして、名護市の東海岸に不時着したものです。この原因につきましては、今はまだ米軍では事故調査中ということでお聞きしていますが、人的要因として考えられるのは、搭乗員での意思疎通とか、あと環境関係もあるかもしれないというような現時点での話があっています。  今回美保基地に配備予定の空中給油機ですけれども、これは既に日本に配備されていますKC-767の上位機種といいますか、母機はボーイング767を使った、これは同じものになるのですがそういうものでして、その諸元につきましては3月3日の県議会議員全員協議会でもるる説明がありましたが、まだ開発中ということですので、その安全性につきましてはやはり継続して防衛局のほうからお聞きしなければいけないというふうに考えていますし、訓練につきましては、またこれも同じように説明がありましたが、自衛隊におきましては空中給油についての訓練は教官の指導のもとに空中給油機と編隊飛行の訓練、その後、その資格も与えながらやっているということでして、その訓練につきましては安全性は確保されているというようなことで私もお聞きしています。 ◯副議長(藤縄喜和君)井上子育て王国推進局長 ◯子育て王国推進局長(井上靖朗君)それでは、私のほうから子供の貧困対策に関連いたしまして、放課後児童クラブの利用料の減免措置につきまして補足の答弁を申し上げます。  放課後児童クラブの利用料の減免につきましては、以前もこの議場でも御質問いただいたことがあったかと思います。最新のデータで申し上げますと、県内の放課後児童クラブの中で6割強、正確に申し上げますと62.8%のクラブで何らかの減免措置を設けているということでございます。ということで、クラブによっては設けていないところもあるということで、実施主体である市町村のほうに私どももいろいろ状況をお聞きしておりますが、利用料の減免措置を設けていないところは大きく分けて2つの理由がございます。1つは放課後児童クラブにつきましては、保育所と異なりまして利用料の徴収、保育料の徴収を市町村ではなく各クラブのほうでやっているというケースがあるということでございまして、所得情報に関係するような、ある意味利用者の個人情報が運営側にわかってしまうという課題からなかなか実務的に減免制度を敷くのが難しいというようなことで設けていないというような答えを一部いただいているものがあります。また、市町村によりましては市町村立、公立のクラブしかないということもございますが、そういった中で、もともとこれはいわゆる所得の低い方に限らず全般的に保育料をかなり低く設定しているということで、国の基準で申し上げますと放課後児童クラブの経費につきましては、半分は利用者の負担という形で国費の補助基準が設定されておりますけれども、実質的にそれよりかなり低い保育料を設定しているということで、そういったことで所得に応じてさらにそこから割り引くということはしないということでのお答えをいただいているということがございます。  このように、放課後児童クラブにつきまして、既にそういった意味で減免をされておられるところは市町村独自でやっていただいておりますし、なかなか現時点でされていないところは課題があってしておられないということでございますので、県としての統一的な基準で利用料の減免措置というのはなかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)酒嶋くらしの安心局長 ◯くらしの安心局長(酒嶋優君)では、私のほうからは、借り上げ公営住宅の住まいの提供、それから県による県営住宅の修繕、それから共同電気代、これらにつきまして補足の答弁を申し上げます。  まず、本県では長期的な人口、世帯数の減少が見込まれている状況から、従来から住生活基本計画におきまして、借り上げ型も含めて新たな県営住宅の整備は行わないという方針としているところでございます。  ただ一方、高齢者、障害者、母子父子世帯等につきましては、今後増加も見込まれるということもございまして、住宅セーフティーネットとして当面は一定数の県営住宅の管理ストックを維持するということにいたしております。
     家賃補助制度をということでしたが、先ほど御答弁いたしました国の新たな住宅セーフティーネット制度に盛り込まれるようでございます。その制度の詳細は今後示されるというふうに聞いておりますので、情報収集を行ってまいりたいと考えております。  また、議員御指摘の引き下げられた公営住宅の入居基準とは、国が平成24年に高齢者、障害者の収入基準を引き上げた際に、県営住宅については従前の基準のまま据え置いたことを指しておられるものであると存じますけれども、本県ではより低所得で困っておられる世帯を優先的に入居対象にすべきという、そういった考え方から据え置いているというものでございまして、現時点で入居収入基準を引き上げることは考えておりません。  次に、県による県営住宅の修繕、あるいは共同電気代の関係につきまして御答弁申し上げます。一般的に賃貸住宅では、退去される際に居住されていた間の障子であるとか、ふすま、畳などの傷みを原状に戻して次の新しい入居者に備えるということになります。その修繕費用でございますが、民間の場合は個々契約にもよりますけれども、通常減価償却費などとして家賃に含めて徴収されておりますし、公営住宅の場合は家賃設定が民間と異なりますので、条例等法令の規定に基づきまして、別途入居者から御負担をいただいているというところでございます。形は異なりますが、民間、公営を問わず、実質的に入居されていた住民の方に御負担をいただくというものでございます。  このように、県営住宅では原状回復に要します修繕経費はあくまで退去時に確認をいたしておりますので、入居を続けられる中で入居者が必要と思われる修繕等に係る費用につきましては入居者に御負担をいただくということになります。  なお、鳥取県営住宅の設置及び管理に関する条例では、第15条で入居者に費用負担をしていただく旨規定をしているというところでございます。  また、共同電気代については、やはり条例に基づきまして各住戸については各入居世帯が電力会社と直接契約をしていただき、団地の共用部分については団地の管理人が契約者となって、共同使用者として入居全世帯共同で費用負担をしていただくという、そういう仕組みになってございます。  政策空き家の関係でございますが、県営住宅の大規模改修を行う際の一時的な転居先とするために、新規の入居をとめる政策空き家というものでございますが、この政策空き家が団地に存在することによります同団地入居者の共同電気代に与える影響については、その実態を調査してみたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)広田生活環境部長 ◯生活環境部長(広田一恭君)それでは、米子市の土地に関しまして御答弁申し上げたいと思います。  先ほどもお答えしましたとおり、センターのほうでは土地所有者のプライバシーの保護の必要性ですとか、所在地は施設の見取り図等で把握できることなどから土地関係の情報を一括して省略していたものでございますが、そちら、プライバシーの観点では、米子市有地等につきましては問題ないということで、今は追加配備されたところでございます。  先ほどもお答え申し上げましたが、この手続条例自体は、生活環境保全上の観点から関係住民の御意見をいただいて事業者と関係住民の間の意見調整を図ることを目的にされておりまして、事業計画書の写しをその意味で縦覧しているところでございますので、生活環境保全上の意見を述べるに当たりまして土地所有者情報というのは必須情報ではないという認識でございまして、県といたしましても支障ないものと判断していたものでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)空中給油機の問題なのですけれども、まだ実機そのものがないので、その安全性ということについては確認をこれからするところだということなのですけれども、超高速で飛んでいる飛行機同士が給油するという、とてつもなく危険な行為です。これまでに小牧基地で配備のKC-767も訓練中に基地内で事故を起こしていますし、それから1999年には岩国基地所属の米軍FAホーネットが空中給油訓練中に友軍機と接触し、高知県沖に墜落する事故というのも起きているのです。そして、これまでは自衛隊が海外へ出かけて米軍機に空中給油するということはありませんでしたが、ドイツやイギリスなど諸外国の首相がトランプ大統領のむき出しの軍事的な覇権主義を批判しているのに対して安倍首相は一切批判しないし、日米同盟第一で、すり寄る態度です。こんなときに日本の若者を美保基地から出撃されるようなことがあってはならないのです。  防衛省が基地の性格に変わりないというくらい、幾ら強弁しても、KC-46Aから戦闘機に給油するということは戦闘行為と一体のものだから基地の性格は変わるというふうに思うのです。  知事は機種がかわるからというふうなことをおっしゃいましたけれども、改めて条件をつけて防衛省のほうに意見を出したいということなのですけれども、基地の性格が修正されているというふうに考えられるのだったら、そのことをあわせて防衛省にきちんと伝えるべきだと思いますが、知事どうでしょうか。  子供の学習支援ですけれども、こういうデータがあります。山形大学の戸室健作准教授、この方は1985年から2012年までの約20年間、総務省の就業構造基本調査や厚労省の被保護者調査のデータなどを独自に分析して、全国の生活保護の捕捉率や子供の貧困率について追跡調査をされています。そして、調査によりますと、約20年間で全国的にも子供の貧困率が倍増していますが、鳥取県は2007年に10.3%だったものが2012年では14.5%と、5年の間に4.2%と急上し、全国的にも急上昇している地域の一つになっています。その理由の一つに、ワーキングプア率が5年間で3%も急増しているということが上げられています。鳥取県の子供がこういう状況だということです。だからこそ、私はこうした学習支援も生きた支援にしてほしいし、オリンピックだ美術館だといろいろありますが、やはりこういうところに心を砕いていただきたいというふうに思うのです。  おっしゃったように、私は以前から放課後児童クラブの利用減免のことを求めてきましたけれども、貧困世帯の児童が利用していることを前提で経費のみを出しても、子供が来れないのでは制度をつくった意味がないというふうに思うのです。それぞれの自治体で保育料も違うしやり方も違うと、統一的に減免は難しい。そこは考えてクリアをすると。こういうふうな御答弁でした。子供たちのことをやはり第一に考えていただきたいというふうに思います。再度どうでしょうか。  公営住宅について、いろいろおっしゃいましたけれども、公営住宅はふやさないということですし、今の時代にとんでもないことだと思うのですね。新しい国の制度もできますけれども、それでも家賃補助をきちんと県としても考えていく、また修繕も、県条例に書いてあるかもしれないけれども、その実態をやはり踏まえて少しでも改善させていくということが、私は必要だというふうに思います。  共有部分の費用については実態調査をするということですので、ぜひこれは考えていただきたいというふうに思います。  産廃処分場の問題なのですけれども、個人情報があったからこれは載せなかったのだというふうにおっしゃっていますけれども、やはり私は隠したというふうに思うのですね。なぜ隠したというと、やはり土地問題が解決していないからなのです。本来、平成4年に環境プラントと旧淀江町と交わされた開発協定書は、一般廃棄物の処分以外には使ってはならないというものです。しかるべきときが来たら開発協定の一部を変更するということですが、その開発協定はまだ変更もしていないし、変更するためには、地方自治法237条、財産の管理及び処分によれば、条例または議会の議決による場合でなければ譲渡もしくは貸し付けてはならないとしています。市議会の議決が要るのです。そういう米子市の財産、土地を市議会の議決も開発協定の変更の手続も踏まず縦覧まで進めて、事実行為を積み上げて米子市を包囲するやり方は本当にひどいやり方だと私は思います。  環境プラント工業の顧問弁護士は、開発協定を変更しないと事業はできないというふうにおっしゃっているのです。開発協定の変更が完了するまで条例手続を中止すべきではありませんか。知事の答弁を求めます。  そして、手続条例は、一たび事故が起きれば影響は500メートル以内ではおさまらないのに、住民説明会の対象を計画地から500メートル以内の自治会に限るという非民主的な条例になっています。この条例手続に入ってわかったことですが、計画書に対し、6自治会の方はみんな個別に意見書を上げることができると思っていたのに、関係住民として直接意見書を上げることができるのは37世帯16事業者のみで、計画地から500メートル以上離れていると個別でなく、自治会へ意見を上げるというものです。そして、例えば500メートル以内に農地、土地がある人でも、自宅が500メートルよりも少し離れていると、もう自治会意見としてしか上げられないのです。まるで意見書は出すなと言わんばかりの制限がかかっています。これでは関係住民の意見も封じるおそれがあると思いますが、知事の所見を求めます。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、KC-46Aにつきまして、重ねてお尋ねがございました。事故については、私どもももちろん見聞きもさせていただいておりますし、こうしたことの究明をし、安全対策が図られなければなりません。これは我々が受け入れる前提条件であろうと思います。ですから、先般も全員協議会で申し上げましたけれども、これは米子、境港市も同意見でありますが、安全性の確保というのを第一義として、条件づけをさせていただきたいと思います。  また、基地の性格のことにつきましても、先ほども申し上げましたとおり、明確に基地の性格、位置づけが変わるものでないということを今後の条件づけの一つとして、我々としては申し入れをしてまいりたいと思います。  次に、学習支援につきましては、これは重ねてお尋ねがございましたが、子育て王国推進局長からお答えを申し上げますとともに、公営住宅、住宅対策につきましては、これはくらしの安心局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  産業廃棄物につきまして何点かお尋ねがございましたが、その進め方、これは米子市を追い込むようなやり方ではないか、開発行為等の協定等、そうしたお話がございました。これらはセンターにおける事業の進め方にかかわることでありますので統轄監のほうからお答えを申し上げますとともに、500メーター以内の基準の合理性、これは審査にかかわることでありますので、生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)井上子育て王国推進局長 ◯子育て王国推進局長(井上靖朗君)それでは、子供の貧困対策に関連しまして、学習支援と放課後児童クラブの関係で重ねての御質問がございました。  若干誤解がないようにということで、ちょっと重ねての答弁になる部分はございますけれども、この学習支援につきましては、従来からの経緯を申し上げますと、生活困窮家庭、それからひとり親の家庭につきまして国庫補助事業がございまして、従前からも幾つかの市町村ではこの国庫補助事業を活用した学習支援というのが行われていたところでございます。ただ、子供の貧困対策が非常に社会的な課題ということもございまして、私どものほうといたしましても子供の貧困対策の計画をつくりまして、先ほど知事からも御答弁ございましたけれども、平成27年度から市町村とさまざまな協議をしてきたところでございます。  そういった中で、市町村によっては、やはり子供の数が少ない中でひとり親なり生活困窮世帯という形で対象を限定しますとさらに対象が少なくなって、ある意味でそういった子供たちが目立ってしまうというようなこともありまして、なかなか国の制度に乗れないというようなことがございました。そういった観点で、教育委員会で取り組みをされておりますけれども、例えば地域未来塾、こういった形と連携してやるというやり方ですとか、あるいは放課後児童クラブという形を使って、ある意味一般対策の中などで学習支援を行うというようなことのメニューをある程度ふやしていくということで、それぞれ市町村の実情に応じてこの取り組みができるように私どもも進めてきたところでございます。  したがいまして、議員からは放課後児童クラブの利用料減免との関連での御質問ということでございましたけれども、我々といたしましては、そこも含めまして、市町村がそれぞれの状況に応じて取り組みができるようなメニューを設けるというような形での取り組みをしておるところでございまして、そういった意味での取り組みを今後とも続けていきたいというふうに思っております。 ◯副議長(藤縄喜和君)酒嶋くらしの安心局長 ◯くらしの安心局長(酒嶋優君)では、私のほうからは、県営住宅に係る2点につきまして補足の答弁を申し上げます。  まず、家賃補助制度についてということでありましたが、これは国の新たな住宅セーフティーネット制度の詳細が今後示されるということを聞いております。情報収集を行ってまいりたいというふうに考えております。  県営住宅の修繕について、これは重ねての御質問でございましたが、県営住宅では、原状回復に要する修繕経費はあくまでも退去時に確認をいたしまして御負担をいただくということにいたしております。入居を続けられる中、入居者が必要と思われる修繕に係る経費につきましては、あくまでも入居者に御負担をいただくということになります。 ◯副議長(藤縄喜和君)野川統轄監 ◯統轄監(野川聡君)私のほうから、事業計画書の縦覧につきましてお尋ねがございました。  縦覧につきましては、生活環境部長から答弁がありましたけれども、議員から瑕疵のある事業計画書と言われましたが、正確には事業計画書に添付する書類と図面を部長が申し上げましたようにプライバシーの観点で省略をしておったと、そういうことでありますので、隠す意図があったということではございません。  土地の問題が解決してからどうかということでありますが、今回の添付書類は土地の所有者の情報であります。実際その事業をするに当たって、土地の所有権でありますとか使用する権限、これにつきましては、条例手続が終わってから今度は廃棄物処理法、その段階でまたきちっとするという順番になっておりますので、今回についてはそういう考え方で、土地の情報については省略をさせていただいたということでございます。  開発協定を変更するまで待ったらどうかということでありましたが、この関係につきましてもたびたびこの議場でお話ししておりますが、センターも開発協定の変更といいますか、その事前の段階として、土地の問題について協議を申し入れたところでございますけれども、市議会のほうでは事業の是非が固まってから、条件が整ってからと、そのようにお話があって今日があるわけでございますので、今は条例手続をセンターとしてはしっかりと踏んでいく、また県のほうは審査をしっかりしていく、そういう状況、段階であると考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)広田生活環境部長 ◯生活環境部長(広田一恭君)それでは、私のほうから、関係住民の範囲につきまして補足の答弁をさせていただきます。  このたびの最終処分場の設置手続につきましては、議員御指摘のとおり、手続条例の規定に基づきまして実施をされているところでございます。この手続条例におきましては、事業計画の説明対象の範囲でございますが、これは条例第2条第12号で規定しております周辺区域として規定しているところでございますが、このたびの最終処分場で申しますと、敷地境界から500メートル以内の範囲、また排水がおおむね100倍となる地点までの区域というような規定をされているところでございまして、この規定でございますが、全国的に見ても広範囲を対象としているものと認識しているところでございます。  また、意見書を提出できる者でございますが、この周辺区域に居住している方、また周辺区域内で事務所、また事業所を有する方、そういった方々のほかに周辺区域内にあります自治会等も規定しているところでございまして、いわゆる周辺区域内で継続的に生活、事業を行っている方を関係住民と規定しているところでございます。逆に、500メートルを超える地域に居住されている方でありましても、周辺区域内に含まれる自治会の会員でございますが、意見を提出することが可能としておるところでございまして、議員御指摘のような意見を封じるといったような指摘には当たらないものと考えているところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)空中給油機では鳥取県はたくさんの疑問点を防衛省に聞いていますので、ちゃんと回答がなっていないというところをぜひ厳しく追及していただきたいと思います。そして、米子市、境港市で開かれた説明会はオスプレイ墜落前で終了していますので、中身も不十分です。ぜひ県の責任で住民説明会を開くこと、知事どうでしょうか。  学習支援ですけれども、いろいろメニュー化してふやしていくということなのですけれども、急速に進む子供の貧困を改善するためには、保育料や医療費の無償化もそうですし、それから子ども食堂、給食費の無償化、また給付型の奨学金など、現金・現物給付など、家族と子供の支援策をさらに拡充、具体化できるようにしてほしいというふうに思います。  そして、頑張って勉強しても、生活保護世帯の子供は大学に進学すると保護から切り離される。ここで厳しい選択を迫られます。制度の改善を国に求め、そして当面県として生活支援するなど、引き続き検討するよう、これは要望しておきたいと思います。  産廃処分場の問題なのですけれども、私は縦覧のやり直しをすべきだと思います。最低でも1月13日から2月2日までの日にちの縦覧は追加するべきと思いますが、知事どうでしょう。  そして、計画地の借地について伺います。森議員の代表質問で、処分場は借地でなく買い取りをすべきだという質問に対して統轄監は、地権者は買い取りを望んでおられない、借地を前提にこれまで地権者と話を進めてきたと答弁されました。とすれば、計画地の約半分を持つ米子市と環境管理事業センターは、開発協定の変更もなく借地を前提に既に話を進めてきているということなのでしょうか、答弁を求めます。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員から重ねてお尋ねがございました。まず、給油機につきましては、これは事故原因の究明等々、まだまだこれから進むものもありましょうし、現にまだ飛んできている飛行機がございません。実際に飛んでくる段階で改めてその安全性を我々も確認をしたりという作業もあるのではないかと思いながら、今回準備については了とするけれども、配備についてはまた改めて同意を求めるようにと、これを今申し入れをしているところでございまして、その中で実効性を担保してまいりたいと思います。  説明会のお話がありましたが、今回はこれで一通り向こうとのやりとりは終わるわけでございまして、また改めて実機配備の段階で、その状況を見て防衛省側とさまざまな協議をさせていただくということだろうと思っております。  貧困対策につきましては、これは子育て王国推進局長からお話を申し上げたいと思います。  次に、淀江の産廃の縦覧期間を延長する必要があるという御意見につきましては、これは生活環境部長のほうからお答え申し上げ、また、地権者が買い取りを望んでいないという点につきましては、統轄監のほうからお答えを申し上げます。 ◯副議長(藤縄喜和君)錦織議員、子育てのほうは要望でしたね。(錦織陽子君「はい」と呼ぶ)  広田生活環境部長 ◯生活環境部長(広田一恭君)それでは、手続に関しまして、再度答弁をさせていただきます。  やり直すべきだという御意見に対してでございますが、さき方も条例の規定を申し上げましたが、改めてその事業計画の周知の手続が必要な場合と申しますのは、手続条例第21条に事業計画書、または周知計画書の記載内容を変更したときと規定されているところでございまして、今回の縦覧書の追加に当たりましては当該規定に該当しないところから、縦覧のやり直しは必要ないものと判断しているところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)野川統轄監 ◯統轄監(野川聡君)開発協定の変更につきましてでありますが、先ほども少し触れましたけれども、センターのほう、県のほうもですけれども、昨年3月に正式に土地の問題、開発協定の問題について、センターのほうが米子市のほうに相談、協議をスタートしたいという話をしたときに、米子市のほうにつきましては条件が整ってから、事業の是非がおおむね整った段階でという、そういうお話がございましたので今日があるわけでございます。先般の森議員の代表質問でもそういった状況でありましたので、米子市を除いたところの地権者の方々とは既に借地契約で調整が整っておると、米子市の市有地につきましてはそのしかるべき段階になるまで、少しまだありますけれども、これから本格的な協議をすることになると、そのように申し上げた次第でございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)それでは、空中給油機の配備の問題では、両市で説明会を開催されない場合、協議というふうなことを言っておられましたけれども、県が責任を持って県民の声を聞く機会をぜひ持っていただきたいというふうに思います。  産廃処分場の問題なのですけれども、変更の場合のみといっても、追加したのは、これはもともと置いてあったものに追加するのですから変更になるのではないですか。  産廃処分場の計画、けさの地元紙の「海潮音」には、淀江町の上淀廃寺跡から妻木晩田、向山古墳群など貴重な文化財が集中していると、その魅力を伝えていました。大山観光道路からそちらに向けて車を走らせると産廃処分場がある。私はそんな光景は見たくないと。大山の自然とおいしい水を守ろうという思いで、今、別の団体が6自治会の住民の署名を集めておられます。6自治会のうち4自治会の過半数を超える世帯が反対署名しておられます。住民には土地関係の閲覧図書を抜いて情報提供せず追加の縦覧を拒否する、住民意見も制限して処分場をごり押しする、こんな道理の通らない危険な処分場計画は白紙撤回以外にないということを申し述べて質問を終わります。 ◯副議長(藤縄喜和君)7番西川憲雄議員 ◯7番(西川憲雄君)(登壇、拍手)会派自由民主党の西川でございます。  私は、鳥獣害対策、林業政策など中山間の問題を数多くやってまいりましたが、このたびは大きく視点を変えて、県下全体の問題、通告済みの数字で見る鳥取県について質問いたします。  県議会議員に配付されている「県勢要覧」をもとに、数字で見る鳥取県、特に経済関係について平井知事にお伺いします。規模の大きさ、内容の複雑さは、私の知識が十分でない中での質問になるかと思いますが、5年後、10年後に成果が出るべく質問してまいります。  私は、本来行政の役割は住民福祉であり、健全な経済活動ができる安心・安全な社会環境、インフラ整備にあると考えていますが、そのために必要な財源を得るため、一定の経済成長は必要と考え、本日の質問とさせていただきます。  財政力の乏しい鳥取県では、全てに対して十分に取り組むことが難しい中、今まで取り組んだ政策が資料の中でどのように読み取れるのか、平井知事の分析を述べていただきたいと思います。  議長のお許しを得て、皆様に「数字で見る鳥取県」という資料を配付させていただきました。この資料は、要点を抜粋して作成したものであります。この資料に基づいて、何点か質問をいたします。  その1、本県の10年前のGDPは2兆1,218億円だったものが、現在1兆7,792億円と約16%の減少となっておりますが、これは知事の想定の範囲内でしょうか。  その2、10年前の製造業の事業所数は1,158事業所、製造品出荷額等は1兆1,127億円だったものが、現在は815事業所、6,804億円、製造業の事業所数は約30%の減少、製造品出荷額等は約39%の減少となっております。このような状況をどのように見ておられるのでしょうか。  その3、農業、林業、漁業の推移は県の政策が反映されたものと思われるでしょうか。  その4、観光客の誘客の取り組みと成果について、どのように認識されているのでしょうか。  平井知事におかれましては、厳しい数字や納得できる数字があると思いますが、今後の取り組むべき方向性が少しでも明確になればと考え質問いたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川議員の一般質問にお答え申し上げます。  西川議員のほうから資料を配付いただきまして、数字を伴いながらつぶさに御分析いただき、御質問を頂戴しました。例えば製造業についての事業所数だとか、あるいはGDPだとか、また農業、林業等々でございます。  数字は今御説明されたとおりでございまして、それを私どもとしても厳粛に受けとめ、また、これを効果測定として、政策の効果があったかどうか、それを見る指標といたしたいと思いますし、それを分析しながら今後の動向も読み込んでいって対策につなげていく、これが大切な点ではないかというふうに思います。  先ほどGDP、それから製造業の出荷額、また、それと関連して人の数の話だとか事業所の数の話だとか、お話がございました。これは私どもとして分析をしている限りではありますけれども、やはり全部つながっているというふうに思っております。一番根っこのところは、鳥取県の主要な産業の一つでございます製造業、これがこの10年間で厳しい風が吹いたということであります。先ほどの資料によりますと、製造業の出荷額が4,800億円余り減っております。これは生産が減るということなのですが、生産が減るというのは分配ベースでいきますと所得が減ることになります。また、生産が減るときにそれが事業所のお互いの関連、またそこで雇っている人の数の問題、この辺にも影響してくるわけですね。実は、製造業の出荷額が4,800億円減っていますけれども、これは非常に粗い試算ではありますが、私どもでは最近非常に大きな企業の動きがありました。もう大分時間もたってきておりますので若干時効的なこともあるでしょうから率直なお話を申し上げれば、鳥取三洋さんがパナソニックの系列のほうに入られ、その後、今では商務関係の清算までいっているわけでございます。それからまた、西のほうでは、JTの工場が米子にございました。これも実は生産学的にも大きいのですけれども、これが丸ごとなくなってしまった。また、日立金属、これは安来に工場がございますが、鳥取市内のほうにもございました。これにつきましても、系列の考え方として、その生産のほうをやめてしまったということでございます。これらを合計しますと、おおむね4,700億円ぐらいになるのですね。それがほぼ製造業の出荷額の減少と同じぐらいということになります。いかに大きなインパクトがあったかということです。1兆1,000億円ぐらいのうちの4,700億円でありますから、10年間の変化としては大きなものであります。  では、我々は実は何をやっていたか。議会も含めて、いろいろとこの状況を心配したわけですね。ですから、三洋が撤退するのではないかという、そういう情報が走った途端に、私も何度も大阪に通いましたし、また、市のほうでも動いてもらったり、商工会議所にも出かけていったり、いかに地域の産業を引っ張っているか、その与える影響が大きいことなども訴えかけさせていただきました。そして、一旦は三洋はある程度残る形になったのですが、その後また徐々に会社の仕組みが変わっていきました。それで今日のようなことに至っているわけであります。  三洋という社名は残っていますけれども、ただ、内実が大分異なってきております。従業員の数でいえば、3,000人以上いたところが今は200人ぐらいの規模の会社になっています。ですから、これは雇用者数に関係してくるわけですね。また、ピラミッドをつくっていましたので、実はピラミッドの中で、この三洋グループの主力がここにあったわけであります。それが企業城下町をつくっていました。ですから、事業所のほうにつきましても、その影響は当然出てくるわけでございます。今までの供給先がなくなってしまう。特に最終組み立て工程でございますので、頂点に立っている会社だったのですね。これがうちにあったのが大きかったところでございました。  JTにつきましても、工場再編が全国的に行われるという情報が入りましたときに、私も国会議員と一緒にJTの本社のほうにお伺いをいたしました。ただ、今から考えると非常に冷たい対応を受けたわけでございまして、私も少々むっときましたけれども、ただ、そこはそこで受けとめざるを得ないのが現状でございました。  日立金属の動きもございましたときに、実は工場のサイトのほうに私も乗り込みました。それでかなり率直なお話をさせていただいたのですが、三洋さんのときもそうだったのですけれども、単純に撤退するという話にされると雇用から企業活動からみんな失われてしまいますので、こちらで残すというときに我々も協力しますよ、あるいは一旦出ていくかもしれないと、一旦出ていかれたにしても、またそれがこちらに戻ってくるというようなことを考えていただけるのであれば我々としても協力しますよと、それをあちらの幹部の方々にも申し上げたわけであります。日立金属さんともその際お話をしましたが、決してけんか別れではない。もう一つ似たような例でいえば、スカイマークさんとうちの関係もそうでありますけれども、一旦は撤収するけれども、またちゃんと頭に入れて考えますからと、こんなようなことで別れたわけであります。ただ、残念ながら生産額はがたっと減りますので、それに伴うものになってきます。  実は、数字をつくる上で企業活動が結構大きいです。結局、企業活動があるなしで雇用者所得にも影響してくるわけですね。雇用の数が変われば、あるいは関連会社に影響すれば全部変わってきますので、ですから、根っこのところはそこにあるわけであります。  では、我々はどうしたかということでありますが、今、三洋のああいった工場をほぼ埋めるような形で、今度共和薬品工業さんがオープンしようとしていますが、先般はLASSICさんが開業されました。これはこの議場でも大分議論があり、議決もあり、鳥取市議会とは若干意見が異なりましたけれども、県としては応援をして、LASSICの誘致ということを先導させていただいたところでございました。ほかの各工場も含めまして、今そうやって企業活動に戻して、そこに雇用が新たに生まれるということになっています。  また、東日本大震災以降、ジェイシービーさんを誘致したり、また智頭のほうでも蛇腹の工場が拡張するとか、いろんな動きがございますが、そうしたことを一つ一つ丁寧に応援をしていくことで今、雇用が戻ってきているという現状です。直近のデータでいきますと、1.4倍を超えるぐらいの求人倍率になっています。それからあと、大切なのは正規社員の求人倍率でございますが、これは0.94倍ということで、過去最高になりました。ですから、我々で仕掛けてきたことで何とか大きくあいてしまった穴を取り戻そうということは前に動いております。おっしゃる直近のデータは、平成26年ぐらいまでしか追いついていません。今は28年でありまして、26年の状況でも製造業の出荷額ベースが7年ぶりに戻ってきたり、ちょうど転機になってきました。我々の感覚では、その後27、28年、数字はよくなっているはずでありますので、どうなのかなというふうにも思っているところでございます。  いずれにいたしましても、かつて1兆円あった製造品出荷額に戻るような、ちょっと大きな夢ではありますけれども、それを目指すというのが基本的戦略かなと思っています。  これとちょっと対照的なのは、そういうリーマンショックであるとか、企業再編の波に洗われなかった農林水産業のほうでございます。こちらにつきましては、議員も今いみじくもおっしゃっていただきましたが、最近の数字データは上がってきているところでございます。  農業についていえば、例えばスイカが今シーズンは一番売り上げという面では10アール当たりよかったということに象徴されますように、年々よくなってきています。それを支えるべく、ハウスの手当てなどを県の支援策として現場と対話しながら進めてきました。また、GIをとったラッキョウであるとか、そうしたことでも生産が伸びてきておりますし、ブロッコリーやネギの災害、雪害などもございますが、それを乗り越えるぐらい力強さは出てきているわけであります。  林業は西川議員の御専門の分野でございますけれども、これも西川議員も町議会時代大分やりとりもしましたが、間伐材をどうやって持ち出すのか、あるいは山が動く状態をつくろうと、現場と話をしながらいろいろと施策導入し、もう今は加速度的に林道網が広がってきている。そして、素材の生産量が上がってきている。こういうことでさま変わりになってきているのが数字上もあらわれていると思います。  水産業は、これはいろいろですけれども、もちろん県も船の手当て、支援策を講じる、あるいは栽培漁業を応援する、こういうこともやってきました。県の施策も一つあるかもしれませんけれども、恐らくつい最近のことでいえば、イワシやサバ、この魚群が戻ってきた。これで実際に水揚げが出てきたというのも正直なところ多いだろうと思います。  いずれにいたしましても、議員も最後におっしゃいましたように、数字ですから耳に逆らう話もいろいろと出てまいりますけれども、我々としては謙虚に受けとめて、今後の政策遂行に役立てていきたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)7番西川議員 ◯7番(西川憲雄君)知事に御答弁いただきました。  それで、事前に追及の文章をお配りしているのですけれども、答弁で少し内容が変わりますので、その資料とは多少違う部分も質問させていただきます。
     先ほど知事のほうから、雇用が大分戻ってきて、また企業も誘致ができ、明るい兆しが見えたというお話もいただきました。ただ、私が今いただいているのは平成27年までの資料ですので、それをもとにある程度分析させていただいたり、見させていただいた中での質問になるのですけれども、先ほど言われた大きな会社が3つなくなったというのは私も認識していますし、数字の中にどうしてもこれを織り込まなければならない問題だとは思います。ただ、それを差し引いて見ても、知事、よく見ていただいたらわかるのですけれども、事業所数が相当の減少であります。それで、その率にあわせて従業員数はそんなには減っていないのです。ですから、雇用が守られたというように見るべきか、私は反対に、先ほど言われた名前を出してもいいのですか、三洋さん等大きな会社がなくなるということは、結局これを計算して見ると生産性が相当落ちたと、1事業所当たりの生産性が悪いということになるのです。私はこれは大きな問題で、これからの将来に何かかかわる問題が生まれてくるのではないかなという思いがしております。  またばらばらになりますけれども、農林業の問題ですが、知事が言われたように、農林業は自然環境の中でやっている産業ですので本当に厳しいと思います。ですから、そういう点で見ると、人口減少で市場が縮小する中で、私は本当に県の政策とマッチしてよく維持しているなと。反対に、よく頑張っているなという思いはあります。ただ、県下で農林業が中心的な役割を果たしていこうと思えば、この数字ではちょっと心もとない。それで、そのためには2次産品、特に加工業というものが鳥取県は弱いのではないかなという思いが私はします。  少し前にラーメンの全国チェーンの経営者とお話ししまして、農産品の成功か否かは、2次産品をいかに処理できるか、2次加工があるかないかによって大きく左右されるというお話を内々にお聞きしました。やはりそこら辺が鳥取県は生産地ではあるのだけれども加工地になり切っていない、そういう面があると私は思いますが、2点について、知事いかがでしょうか。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川議員から重ねて統計等につきましてお話がございました。事業所数と従業者数というのは、一般論でいえば本県は小さ目の事業所が多いです。ですから、どちらかというと雇用の数の少ないところは失われると出るということ。また片方で、1万人雇用という政策をやりまして、雇用に対してドライブをかけてやってきました。ですから、事業所が減るわけではありますけれども、片方で私どものほうでそうした動きをしてきたということであります。こんなようなことの中から新たな戦略を考えながら組んでいかなければならないということだと思います。前段につきましては、詳細は商工労働部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  後段につきましては、2次加工は、それは大切でございます。単に今までの鳥取県の伝統的な1次産業というのは、木を切ったり、あるいは野菜をつくったり、お米をつくったりしまして、それをそのままマーケットへ出すと。マーケットのほうでは、正直、需要と供給のバランスの中で価格が設定されますので、どちらかというと生産者のコストとは関係ないところで値段が決まっていくものであります。そこで付加価値をつける。その付加価値をつける意味での2次加工まで県内でやる、6次産業とも言いますけれども、そうしたことができてくれば、県内での付加価値所得が伸びてくることになるわけでございます。  ですから、そうした観点から申し上げれば、県内でも幾つか成功例が出てきているのかなと思います。例えば大江の郷さんのようなところは本来卵を平飼いで飼っているだけでありましたけれども、今、2次産業、3次産業、サービス業のほうまでウイングを広げようと、急速に動いておられます。また、中前製材さんなども、何といいますか、ウイスキーの樽の上のほうをつくると。これは実は智頭町森林組合さんなどでも同じように椅子であるとか、そういうものを手がけられたり、つまり半製品ないし製品にして出荷をするベースまで持っていく。それによりまして県内に所得が残る、こんなようなことになっていきます。水産業のほうでも、ワカメとかをとった後、障害者の方にも参画をしていただいて板ワカメにする。これがそのまま東京の三越などでも売られるようになると、非常に高く、障害者の所得も含めて付加価値高い生産に変わっていくわけでございます。  ラーメン屋さんのお話もございましたけれども、やはり食品というのは材料だけですと非常に安いわけです。しかし、そこに手を加えることでラーメンがそれなりの値段になりますように、手間賃、工賃、そしてアイデア料、いろんなものが詰まって別の値段が形成されてくる。そこにやはり付加価値というものを手にできるチャンスが生まれるわけであります。ですから、単に1次産業を振興するのみならず、今おっしゃったようにそれに手を加えて付加価値を高めるところに応分の県政策も割いていく、これがベターな選択肢になるというふうに考えます。 ◯副議長(藤縄喜和君)岡村商工労働部長 ◯商工労働部長(岡村整諮君)それでは、製造業の事業所数、従業員数等の変化につきまして、補足の答弁をいたします。  まず、この統計データでいきますと、平成26年のデータ、事業所815、従業員3万人を切っておりますけれども、このあたりが底だという認識をしております。先ほどから答弁あります県内の主要産業の中での、やはりどうしても関連企業さんの事業の事業所の統廃合というのがありまして、工場を集約して拠点化されるという動きがございました。その関係で、集約化が進んで事業所の数が減ったというところが現象としてあります。それから、県内企業の従来立地されております中小企業の製造業、特に金属、機械、電気系の企業さんにおきましては、逆に県版の経営革新等に積極的に投資いただいておりまして、生産性は少しずつ上がってきております。どちらかというと従業員は下げどまって、事業所もここは底という感覚で今認識しておりまして、誘致企業等の数等によりまして関連企業等も少しずつふえてくるのではないかと期待しておりますし、生産性の向上につきましても、製造業に関しましては他の業種に比べては県内の製造業はかなり上昇傾向、生産性が上がってきているというふうに認識しております。ただ、まだ全体として製造業の中でもばらつきがありますので、今後ますます生産性の向上に力を入れていきたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)7番西川議員 ◯7番(西川憲雄君)1点、知事に御答弁いただきました2次産品が加工することによって付加価値が上がるというのはある意味同じ考えなのですけれども、私は、経営者とお話しして感じたのは、付加価値を上げるのではなくバックアップ機能、例えば自然相手ですので、品質が100%で、全て買っていただけるという産品はほとんどないです。特に今みたいに規格が厳しくて、生産の何割しか受け付けませんよという会社のほうが多いのです。そうすると、これが少しぐらい高くても、残りのものが10分の1で売られると採算ベースでは平均単価がとても下がりますので、ここの部分を加工に回すことによって価値を上げましょうと、そちらのほうの御意見のように思いました。  ですから、やはり漁業にしろ農業にしろ自然相手ですので、そういう不安を払拭するためには受け皿となる加工場が近くにある、連携できるということのほうが大きなウエートだと思いました。その辺について、もう一度お考えをいただきたいと思います。  今、部長のほうから御答弁いただきました。現実に来ておられる新しい会社などは生産性の高い優秀企業ですけれども、この数字で見ますと、例えば事業所数は相当減って、従業員がある程度確保されています。統合でそういう形ができたかにしても、工業生産額がそれに見合った数字が上がっていない、反対に減っているのです。そうすると、それを全部トータルで計算しますと、生産性は下がっていると。ミクロではわかりませんけれども、マクロではそういう数字になってしまうわけです。そこが問題ではないでしょうかという質問。この2点をまたお願いいたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議から重ねて産業振興につきましてお尋ねがございました。  まず、2次加工でございますけれども、私どもも議員がおっしゃるようなある意味いいレッスンを今回受けたのかもしれません。すなわち、中部地震がございまして、梨がたくさん落下をしました。一つはこれを何とか売ってやろうということで、受験生対策だといって売ってみたりもしたわけでありますが、それでもどうしても商品化できないものがある。中部のほうのぱにーにさんというお菓子屋さんが、梨がたとえ傷ついていても、これをお菓子として活用する分にはその傷があっても使えると、そうやって買っていただいたわけですね。そういう災害のときなどでも、そういう身近なところに知恵を出して使ってあげようというところがあるというのは大変に大きいです。佐治なりなんなりにしても、梨をふだんから、もちろんきれいな梨で出荷もされるわけでありますけれども、くず梨と言われるようなものもあるわけでございまして、それをジュースにしたりピューレにしたり、そうやって加工用に転用するものがある。だからこそ全体を使うことができる。これはトマトであるとか、いろいろとそんな同じような展開があるわけです。ですから、ふだんからそういう加工場がある、そういうものが身近に存在して、それが人のネットワークでつながれていることの意義というのは、セーフティーネットという意味でも大きいのではないかなというふうに思うところでございます。  そんな意味で、我々としてもそういう加工場で、例えば県内でレトルトであるとか、ふだんから生産できるような工程がそろっていないところなどもまだまだございまして、この辺は一つのボトルネックとして、本県の課題として取り組んでいくべきところではないかなというふうに思います。  生産性のことについては、これは先ほどもちょっと申し上げたのですけれども、数字自体は何せ1兆1,000億円が4,800億円も減っているという製造品の出荷額ベースで見ていただければおわかりいただけるかと思うのですが、かなりロットが大きいわけですね。正直中小企業のベースではないのです。ですから、大きな数字の変動を起こしたのは大企業ベースのことであろうかと思います。生産性の計算というのは実は国民所得を人の頭数で割り算して出すものでありますから、どうしても総生産が減ってしまうと、総生産イコール総所得、経済の三位一体でございまして、そちらのほうが削れてしまうと生産のほうが落ち、所得も落ちるというような計算になるということです。だから、そこはある意味数字の上ではやむを得ないところなのですが、先ほど岡村商工労働部長のほうからも申し上げましたとおり、では頑張っている中小企業が本当に自分の取り分が減らないように、むしろ業態を拡張するとか自分のところのイノベーションを起こすことによりまして、それで新しい製品にチャレンジをする、それから次の業態を目指す、最近でいえば航空機産業のほうに進もうとして頑張っておられる、そういう企業さんがいたり、先般も議場でもございましたが、医療系の工具のほうに進もうとしている会社さんがいたり、その辺を応援することで生産性自体は大企業ほどにマクロのグロスでは積み上がらないにしても、それぞれの企業が伸びることは、我々にとっては雇用の場の創造や、また所得の拡大には大きく影響すると思っております。  そんな意味で、中小企業向けの経営革新制度というのを私どもでもさせていただいているところでありまして、取り組む事業者さんもふえてきました。まだまだゴールにはほど遠いと思いますが、そうした活動を続けて、生産性の向上というものを目指してまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)7番西川議員 ◯7番(西川憲雄君)先ほど知事に答弁いただきました。この点は最後の質問に関連しますので、少ししつこく質問させていただきました。  続きまして、観光客のことでございます。資料にもありますように、1,000万人を超えております。これは本当に喜ばしいことで、私も観光行政というのは産業として本当に有望なものだと思っております。  ただ、これを分析しますと、入り込み数が1,000万人の中の35%が県内移動。私が鳥取へ出るとか倉吉へ行くとか、そういうのが35%で、県外から来られるのは65%ということになります。特に県外も関西方面、岡山方面が多いので、もし日帰りであれば、客の内容といいますか、経済面から見ますとちょっと物足りないなというような考えを持っております。  ですから問題は、産業として捉える場合は人数の把握ではなくやはり消費支出、いかにお金を使っていただけるかということが私は一番大きな問題点だろうと思います。  県の資料を見ますと、ここ3年で鳥取県の取り組みは大変成果が出ておりまして、宿泊の一人頭の支出額が2万5,000から3万円、25%もアップしております。私は、やはりここら辺がこれから取り組むべき問題ではないかなという思いをしておりますので、知事にそのお考えをお伺いします。  そしてもう一つ、少し変わった数字を御紹介します。平成27年1月から12月まで、1年間の本県の転入転出を見ておりますと、転出先は大阪が1位で1,460人、第2位が島根県で1,360人です。一方転入は、第1位が島根県で1,433人、第2位が1,991人で、実にこれは皆さん御存じないと思いますが、外国からの方々が第2位です。これは多分皆さん想像すらされなかったと思うのです。つまり、転入転出が1,300人の転出超過ですけれども、転入の中にこのように将来定住が見込まれない外国の方、そういう研修生や留学生が含まれているということです。そうすると実質数字は大きく変わってくるわけで、この点について将来不安はないのか、知事に御所見を伺います。以上2点お願いいたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川議員から重ねてお尋ねがございました。まず、観光のことでございます。議員が観光の宿泊で考えると、1人当たり消費額が伸びているということでございます。おかげさまで今680億円ぐらいでございまして、かつてよりも優位に伸びている傾向は出ていると思います。  なぜかということでありますが、これはやはり外国人が一つ大きいと思います。多分一番県内の観光でお金を使わないのは県内の人でありまして、日帰りはもちろんですし、ひょっとしたら昼御飯さえ食べずに帰ってしまうわけでございます。その次は県外の人ということでありますが、ただ、日本国内の方は日本に来てあれもこれも珍しいという状況ではありませんので、やはり選びながら消費をします。ただ、外国から来られた方は、限られた滞在日数の間で日本を存分に楽しみたいと、やはり気合の入れ方が違うわけでありまして、消費性向が高いのですね。外国人の宿泊客数が今10万人を軽く超えてくるようになってきておりまして、これが最近だんだん消費性向が上がってきて、総消費額が上がっている、下押しする要因にもなろうかと思います。  願わくばもっと、東京だとかそうした日本国内でも、近くの県よりもやはり遠くから来た人のほうが山陰は別世界のように思う人も多いですから、いろいろと滞在期間も長くなりますし、お土産物などの買い物なども期待できるところがあります。そういう意味で、国内でも遠方のほうもやはりキャンペーンをやる必要があるかなと思います。  実はこのたび、とっとりで待っとりますキャンペーンというのを国の支援も得ながら震災対策で始めまして、特別の事業組みをし、ほぼ完売状態ぐらいまできているわけであります。その内訳は、大体4分の1が首都圏ということになりました。これはほかの旅と比べますと優位に高くなっています。こうしたことで仮に外から、かなり遠くのほうから、外国だとか、あるいは首都圏だとか、そういうところで来るお客さんがリピーターとなってくれるようになれば、これは私どもとしても観光消費額の伸びにつながるのではないかと期待をいたしております。ですから、そうした戦略を今後も意識的にとりながら、議員がおっしゃるような問題意識に応えていきたいと思います。  次に、転入の件等についてでございますが、これについては、詳細は小倉元気づくり総本部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  これについては、例えば移住定住セミナーをここ1年で15回ぐらいやるとか、いろいろと我々も手を尽くして、現実に長くいていただけるような定住者をふやそうとしていますが、多分外国人はほとんどが研修生の類だと思います。あとは留学生ということだと思います。この辺は先般も議場でも御議論がございましたが、経済の実勢としてだんだんとウエートが大きくなってくる傾向のものでございまして、いずれ法律改正等々のことで制度の枠組みが変わってくれば、その辺は我々としてもさらにフォローしていく分野かなと思っております。 ◯副議長(藤縄喜和君)小倉元気づくり総本部長 ◯元気づくり総本部長(小倉誠一君)それでは、私のほうから転入者の関係につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  先ほど外国からの転入が1,091人ということでお話がございましたけれども、入りも多いのですけれども出も多いのです。ですから、トータルでいくと外国人の方、転入超過になっているのは200人程度でございます。ですから、1,300人のうちの200人程度ということで御理解いただきたいと思います。  人口移動調査については2種類ございます。外国人を含まないものと外国人を含んだ調査、2種類あります。外国人を含まない調査を見てみますと、平成27年度転出超過が1,503人であったものが28年には1,310人ということで、200人緩和されております。この減少率はマイナスの5.2%ということでございまして、全国レベルで見れば上位から4番目ということで、非常に鳥取県は緩和されてきているというのが実態であります。  また一方、ゼロから14歳の年齢層を見ますと、県内の14市町村で転入超過になっているというような状況で、徐々にですけれども、いい方向に向いているのかなというふうに思っています。  また、外国人を含めた調査でも同じ傾向でありまして、議員がおっしゃられたように平成27年が1,300人の転出超過でございましたけれども、28年には1,091人の超過ということで、ほぼ200人、同じ傾向で低減されているというところであります。  この転出の主な年齢層でございますけれども、20代前半、20から24の若者でございまして、全体の73.7%がその年代層に入るということであります。したがって、本議会にもふるさとワーキングホリデーであるとかインターンシップであるとか、そういう呼び込みの経費、また県内におけます雇用増大の経費をお願いしているところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)7番西川議員 ◯7番(西川憲雄君)最後の質問になります。  その前に、一つお聞きするのを忘れていまして、もしよろしければ答弁をお願いしたいのが、観光行政の中で以前、前の議員のときに知事が観光はフランス式がいいというようなお話を発言されました。私はそのフランス式というのを理解ができませんので、その内容をもしよろしければお話しいただきたいと思います。  数字はうそをつきませんが、正しく読み解かなければ判断を誤ることがあります。きょう知事の答弁をいただいて、そのことも加味されていたように思いました。  それでは、最後の質問になります。最後の数字は46、これを皆さん御理解できるでしょうか。この46という数字は、鳥取県が県民所得で47都道府県の中の46番目の順位であります。下から2番目であります。地理的条件が悪い沖縄を除けば最下位になります。県は以前、所得は低いけれども生活費用、生活支出が少ないので住みやすいと説明されていたこともありました。私もそれは一つの考え方でいいのですけれども、やはり若者に対しては前向きではないように思います。県民所得は鳥取県の構造上どうしても高く出ません。例えば給与所得だけでなく出生率、高齢化も加味しますし、生産年齢人口が少ない鳥取県はどうしても出ません。でも、それでも若者がこの鳥取県に住んで夢を持てるためには、やはり前向きな所得が上がるという形をとるべきだと私は思うわけです。  そこで、知事どうでしょうと言ったら隣の人の言葉になりますのでそれは使いませんけれども、1つ上の45番を目標に頑張ってみると。とりあえず45番。そうすれば44、43も見えてきます。とりあえず46を脱出すると、そういう思いを知事にお伺いしたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議から重ねてのお尋ねがございました。観光につきましての一つのモデルとしては、その中にある文化だとか食だとか、そういうその国の魅力を題材にしまして、外からの観光客を引きつけてやまないフランスのようなモデルが東洋において日本で成立するのではないかというふうに考えてまいりました。中国も確かに4,000年の歴史があるわけでありますが、最近の韓国のお客様の動向を見ていますと、こちらの日本のほうに来られます。また、香港の方ともお話を申し上げますが、本当に身近な観光地が中国大陸にもあるのでしょうけれども、日本に行きたいと多くの人は思っている。これはまんざらうそでもないことが最近の旅行の動態を見ていてわかるようになってきたと思います。  そうすると、ここに国のあり方として観光立国を目指せるのではないだろうか、東洋におけるフランスを目指せるのではないだろうか、そういうように考えるところであり、その場合、鳥取県は例えば南仏のようなところだとか、あるいはモンサンミッシェルであるとか、地方における旅の魅力のあるところとして世界にアピールしていければありがたいのではないだろうか。壮大ではありますが、そんな道筋で物事を考えていければと考えております。  また、県民所得についてでありますけれども、先ほど申しましたような事情で実は順位が下がってきて、今46番目にあります。45番でよろしいのであれば目指させていただきたいと思いますし、できれば、これは国体と一緒でありまして、せめて30番台を目指そうとか、そんなような乗りで考えていったほうがいいのかなというふうに思います。  今、我々も挽回をして、いろいろ収益力のある企業さんの誘致に成功したり、また県内での企業さんの成長性も高まっている企業もございます。そうしたリーディング役のカンパニーができてくれば、経済というのはかつて企業城下町として三洋やJTやら、そうしたところが引っ張っていた時代の再現も決して夢ではないのではないのだろうか。ただ、これは10年、20年かけての挑戦になるかもしれませんが、若い方々に夢を持っていただけるように、そうした順位の向上について、これはKPIの中で検討させていただきたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時07分散会    ────────────────...