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  1. 鳥取県議会 2017-02-01
    平成29年2月定例会(第10号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(斉木正一君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。  それでは、まず議案第1号から第20号まで、第32号から第57号まで及び第59号から第70号までを一括して議題といたします。  これより一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  12番松田正議員 ◯12番(松田正君)(登壇、拍手)おはようございます。鳥取県議会自由民主党、松田正でございます。私は、鳥取県議会平成29年2月定例会において、大要3点について質問いたします。  さて、本質問に入ります前に、昨日、鳥取県立高等学校の合格発表がありまして、約3,800人の皆さんが合格されました。受験勉強の成果が結実し、志望校に合格された生徒の皆さん、また残念ながら思ったような結果が出せなかった生徒の皆さんもいらっしゃると思いますが、全ての高校受験生の皆さんにお疲れさまでしたと申し上げたいと思います。結果のいかんを問わず、4月から新たな生活が始まる皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。  それでは、質問に入りたいと思います。まず、1点目、民泊制度活用検討事業について質問いたします。  この件につきましては、平成27年9月定例会県議会において、インターネットを介した民泊ビジネスについてという項目で質問させていただきました。その際の当局の答弁を要約しますと、旅館業法という制約もある中で、ビジネスが成立するというのが我が国の仕掛けであるので、注意深く慎重に対策をとらなければいけないと思う。旅の実態に旅館業法が若干合わなくなってきているのかなということも感じる。その証左として国もこういう規制緩和の検討を進めており、ぜひ急いで検討していただき、国全体の新しいスキームづくりをまずやってもらわないと現場が動きにくく非常に悩ましいところである。また、民泊あっせんサイトにはアパートや別荘というふうに記載され、不動産賃貸のような書きぶりもある事例が鳥取県の実数のうち約半数もあり、居室の面積、借り主の生活の本拠がそこにあるのかないのか、また実質的な衛生上の維持管理責任が借り主、貸し主どちらにあるのかといったようなことなど、個々の状況を確認した上で旅館業の許可やまた建築基準法、消防法の基準に適合される必要があるかどうかを総合的に判断する必要があると考えており、職員が出向いて実地調査を行い、必要な指導を行ってまいりたいというものであり、国の制度設計を待ちたいとのことでありました。  その後、政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、訪日観光客4,000万人との目標を達成するため、不足する宿泊施設の受け皿として民泊を普及させたいという考えより、平成28年10月より政府の規制改革推進会議でかんかんがくがくの議論が行われ、去る平成29年3月10日、住宅宿泊事業法案、以下、民泊新法と呼称します、として閣議決定され、国の方向性は固まってまいりました。  きょうは議長のお許しをいただきまして、幾つか資料を配付させていただきましたが、これについては資料の1を御参照ください。  さて、法案の中身をかいつまんで申し上げますと、今までグレーゾーンで行われていた民泊ビジネスをAirbnbに代表される、民泊をあっせんする住宅宿泊管理業者においては、国土交通大臣への登録制、また民家を実際に貸し出す住宅宿泊事業者については、都道府県知事への届け出制として実質解禁するものであり、都道府県知事住宅宿泊事業者に係る監督を実施することとされております。また、年間提供日数の上限は180日とし、地域の実情を反映する仕組みとなっており、都道府県、保健所を設置する市の条例において、民泊の提供日数を制限することができるものであります。  そして本県においては、今議会に民泊制度活用検討事業、約139万円が提案されておりますが、政調会での説明では、国の方向性を見据えた上で事業実施を行うというものでありました。  ということで、国の方向性が定まった中で、県内の民泊事業についての答えを出す時期が迫っておりますが、この間の国の議論についての知事の評価と今回の法案と旅館業法との整合性についてどのようにお考えなのか。また、前回の質問後、どういった対応を県として行ってきたのかお聞かせください。  2点目に、支え愛交通安全総合対策事業について質問いたします。  昨年の9月議会において、あいサポート運動の発祥地である鳥取県の精神を生かし、障害者、高齢者、子供、自転車利用者を初め、交通安全に向け社会ぐるみの活動を推進する目的で知事より提案された鳥取県支え愛交通安全条例が可決し、半年がたとうとしております。  これについても来年度の当初予算案に支え愛交通安全総合対策事業が提案されております。この事業の総事業費は2,793万円となっており、その内訳は、高齢者交通安全対策として1,143万円、乗車用ヘルメット着用促進事業として1,650万円が計上されております。そして乗車用ヘルメット着用促進事業1,650万円のうち、1,500万円が中高生乗車用ヘルメット購入補助となっております。  私は、条例案が提案された昨年の9月議会、条例第5章第16条「自転車利用者は、乗車用ヘルメットをかぶるなど、自転車を利用する際の安全対策に努めるものとする。」、そして「子どもの保護者は、子どもに自転車を利用させるときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めるとする。」という部分、つまり自転車乗車時のヘルメット着用努力義務化の方針を捉え、ヘルメット購入助成制度の創設について提言をさせていただきました。その後、自由民主党の会派要望、当初予算案への再要望という形をとらせていただいたわけでございますが、それらを真摯に受けとめていただき、今回予算化いただいたことに心より感謝を申し上げたいと思います。
     しかしながら、今回の補助制度を実際に行おうとした場合、何点か超えなければならない壁があるように感じており、改めて何点か質問させていただきたいと思います。  まずは、条例制定後の県民の変化について知事はどのようにお感じなのか、所見をお聞かせください。  また、ヘルメット購入補助の考え方、実施方法についてお聞かせいただきたいのですが、予算説明書を見ますに、ヘルメット購入補助事業を行う市町村に対しての補助金という仕組みになっており、市町村の協力体制を得ることができるのかが大きな壁であると感じております。現状の各市町村の状況、また、ある意味市町村の枠を出てしまう高校生に対してはどのように対応されるのか。知事、そして教育委員会も関係してくると思いますので、教育長にもお尋ねしたいと思います。  最後、3点目、淀江産業廃棄物管理型最終処分場について質問いたします。こちらの件についても過去にも質問させていただきましたが、地元米子市淀江町の重要課題ということで、改めて質問させていただきます。  昨年5月議会、関係自治会の皆さんだけの同意では難しい部分も出てくる、どこかで知事がメッセージを発していただくなど、万全をつくしていただいた上で、正しい情報を皆さんにお伝えするなど、何がしかの方法が考えられないかとの私の問いに対し、知事は、条例上の範囲はもちろんのことではありますが、それ以上のところでももし必要があればそれは説明責任を果たしていくように、私のほうからも改めて申し上げたい。これから計画がまとまり、条例上の手続が進んでくる。そういう何らかの局面でできることがある場合には誠意を持って対応させていただきたいと思う。また、メッセージを発しろというお話もございましたが、それも事態の推移に応じてきちんと地元の気持ちに応えていけるよう行動をとってまいりたいとの答弁をされました。まずは、この知事のお考えにお変わりがないのかお聞かせください。  今計画は、県内で生じる産業廃棄物を自前で処理し、県経済の発展を図る目的があるということは、私自身も重々承知しているものでありますが、やはり鳥取県廃棄物処理施設の設置に係る手続の適正化及び紛争の予防、調整等に関する条例上に定められた周辺区域の地元住民の合意は当然でありますが、条例上の周辺区域外の住民の皆さん、具体的に申し上げますと、淀江地域の住民の皆さんの御理解をいただけない状況では、前に進めるべきではないと考えております。  本県の手続条例は、他県に比べても手厚いものであることも承知しておりますが、やはり淀江地域の皆さんの中には、少なからず今計画に不信感を抱かれている方がおられるというのも事実であります。  そういった中、昨年11月に公益財団法人鳥取環境管理事業センターから、淀江産業廃棄物管理型最終処分場事業計画が県に提出され、いよいよ条例上の手続のフェーズに入ってまいりました。センターは条例手続にのっとり、去る1月20日から2月19日にかけ、小波浜、福平、西尾原、小波上、上泉、下泉各自治会、また周辺区域内の事業者の皆さんなどに対し、地元住民説明会を実施されたわけでありますが、その場においての各自治会及び関係者の皆さんの反応、また参加された方の御意見をお聞かせください。  以上で壇上での質問を終わります。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)松田県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、冒頭、今高校の受験シーズンということでのお話がございました。「さくらさくら人が人が子をあるかせて」。放哉の師でございます井泉水の歌でございます。この季節になりますと新しいシーズンを迎え、家族が桜並木の中を、あるいは桜の山の中を歩きながら新しい季節の到来、それはそれぞれの成長のステップにもなると思います。そんな家族の姿が浮かび上がるような、そういう季節になってまいりました。松田県議におかれましても御慶事があったと伺っておりますが、心よりお祝いを申し上げたいと思います。  質問の1つ目でございますけれども、民泊事業につきまして、今回の法案、それから旅館業法との整合性を含めた国の議論についての評価。また、議員の御質問の後、どういうような対応をこの民泊関係について行ってきたかと、こういうお尋ねがございました。  これにつきましては、大激論があったわけでございまして、確かに今法案の中身は、方向性は固まりましたけれども、まだ施行されたわけではございませんので、これからその推移を我々としてもフォローしていきたいというのが現状かなと思います。  そもそもの事の発端は世界中の動きに関連するわけでありまして、海外の旅行者も日本にどんどん入ってくるようになります。4,000万人を目指す、そんなような時代の日本の国でありまして、鳥取のみならず、特に大都市部におきまして外国人の方々が来られるようになりました。旅館のキャパシティーとの関係で問題を生じるようになってきた。我々も例えば東京や大阪に行く急な出張ですと、なかなか宿がとれない。とれたとしてもとんでもない高額のことになっていたりしまして、これが旅行される海外の旅行者にとりましていい環境とも言えない状態になってきています。  あともう一つ実は私どもの地域としては見逃せないかなと思われますのは、農家民泊と言われるような体験型の宿泊。これは若い方々の新しいビジネスの出発点にもなるものでございまして、実は2つの異質な要素が最近入り込みながら民泊が議論されているのかなというふうに思いました。  特に前段のほう、大都市部におけるホテル、旅館需要の逼迫、これに対処するためにマンションなどがホテルに転用されてくる。それを正式な宿泊所でないけれども、泊めてもいいではないかと、それで受け入れてもいいではないかという議論が始まってきているという状況なのだろうと思います。  実はこれは2つの大きな対立する議論がございます。1つは、いや、そういうことは認めるべきではないという議論でございまして、松田議員の自民党の中のことでいえば、伊吹文明元衆議院議長が筆頭になりまして、こういうホテル・旅館関係などが属する生活衛生の議連がございます。こちらのほうはこうした民泊というのを認めるべきではない。それももし認めるとしても限定的に考えられるべきだ。あるいはもし民泊を認めるのであれば旅館業法などのそうした従来の業法規制、これを緩和すべきではないか。こういう一連の議論の固まりがあります。もう一つは、本県の石破茂議員が会長を務められまして、宅建業者等々の集まりになりますけれども、賃貸住宅の議連がございます。こちらのほうの方々はむしろそういう賃貸住宅等を転用して、こうした逼迫した外国人などの受け皿になってもいいのではないか。規制緩和を求めるほうの論調があります。自民党内でいってもこの2つの議論がぶつかり合いながら、今回の民泊の法解禁ということが議論されたわけです。  先行しまして大阪では、国家的な戦略特区を取得して、先行してこういう議論に先導した民泊解禁ということを目指す地域も出てきたわけであります。これはまだ国会レベルでも議論は続きましょうし、またいろいろと詳細を詰めていく段階にもなりましょうから、我々としてもよくフォローアップをしてまいりたいと思います。  これは特に都会部での議論だろうと思います。私どもではそうした意味で、いわばマンションを転用してごみが放置されたとか、騒音でうるさいとか、実は京都なども含めまして都市部の旅行の受け皿地域で問題になっているようなことは正直発生していないというふうに関係者も言っています。  あともう一つの民泊といっても農家民泊のほう、これについては若い方々を中心にして古民家を活用してゲストハウスをつくろう、そうした動きも出てきたりしますし、鳥取の駅前等も含めましてそういうプロジェクトも起こってきています。これはむしろ過疎地におけるにぎわいづくりというようなことにもなるわけかなと思っておりまして、ちょっと異質なものが2つ混在して議論されているのかなという感じがいたします。  ですから、今後法律が実際に施行されるようなこととなってきた場合には、我々としてもよくよくいろんな関係者の議論も聞きながら、その運用について考えていく必要があるかなと思います。  この新しい法律は旅館業法の特例法、特別法になるものでありまして、原則は旅館業法が適用される。さらには、もちろん建築基準法であるとか消防法であるとか、そうしたものも原則がございまして、それの適用も当然ながらあるわけでございまして、その辺の関係の中で新しい領域が今生まれようとしている、こういうふうに理解すべきだと思います。  そしてこうした民泊関係につきまして、議員のほうではおととしですかね、御質問をいただきまして、その後、我々も実態調査をして状況を見に入ったわけでありますが、8件ほどそうしたサイトを見つけたわけでございます。そのうちの5件につきましては、旅館業法の手続をされていたところでありまして、3件がそうでないところでございました。これについてはその後、指導をしたり協議をしたりした結果、いずれも営業していないという状態になっています。  その後、また我々が調査に入りました後ですけれども、厚生労働省のほうで全国的な調査をするなどの動きがありまして、20件以上のものが見つかっておりますけれども、そのうち多くのものは旅館業法の対応になってきていますが、実態が把握できないものとか、もう営業をやめてしまったとか、そういうものも出ているわけであります。  松田議員の御趣旨も捉えながら、我々として、あるいは社会的に一番問題視しているのは多分違法民泊と言われる形態だと思います。この根絶に向けまして今後も努力をしてまいりたいと思います。  次に、鳥取県支え愛交通安全条例につきましてお尋ねがございました。これを捉えた県民の皆様の変化、あるいはヘルメット購入補助に対する状況についてお尋ねがございました。  これは松田議員を初め、この議場でも御議論がございまして、私どものほうで条例化をし、さらに補助制度としてヘルメットの助成制度などを設けさせていただきました。意識の変化は少なからずあったと思います。また、我々の条例の制定後もいろいろな事件が起きています。例えば横浜のほうで軽トラックを運転しておられた高齢の方、これが子供たちの列に突っ込みまして子供が亡くなるという痛ましい事故もございました。また、埼玉県のほうでは視覚不自由の方がホームから転落をするということで、これも痛ましい事故がございました。こういうこともありまして、我々が交通安全条例で書いたようないろいろな問題意識が社会的にも高まってきていると思います。ですから、ある意味タイムリーな条例になったのではないかなと思っております。  先般の雪のときもこういうような事例もあったわけでありますけれども、お年寄りの方が雪の中で非常に歩きにくそうにされている。それを中学生のお子さんが手を引いて安全な道路横断のお手伝いをしたというようなことであります。小さなことかもしれませんけれども、これがまさに我々が条例の中で目指した支え愛の交通安全の姿だろうと思います。  こういうようなことでいろんなレベルでこの交通安全を図ろうという動きも広がってきているわけであります。特に条例制定後、交通死亡事故が114日間ないという記録もできました。ただ、厳密に言いますと、これは非常に珍しいケースでありますが、その114日の中に落馬して亡くなったというのが大山のほうでございました。これを除けば114日間ずっと連続していわゆる交通事故による死者というのはなかった。これも交通安全条例の成果なのかもしれません。こうしたいい方向への動き、展開を今後も図っていかなければならないと思います。  今テレビCMもつくりまして、ごらんになったかもしれませんが、鳥取出身のラッパーの方が、当たり前だと、交通安全、みんなで助け合うのは当たり前だというラップのそうしたCMを流しておりますけれども、そうした意識が広がればというふうに思います。  来年度に向けまして今、予算を提出しているのがヘルメットの助成制度のことでございますが、これはまさにきょう市町村などと話し合う、そういう会議を持つことにしております。できるだけ市町村にも使いやすいような形で、この活用を進めるようにきょうの会議でも図るべく指示もしているところでございます。  ただ、いずれにせよ、スタートする制度でありますので、どれほど広がりが出るのか、これはちょっとふたをあけてみないとということはありますが、中高校生を中心に通学に自転車を使われるわけでありまして、そういう子供たちの安全が推進されますように、関係者の理解を求めてまいりたいと思います。  最後に、淀江の産業廃棄物管理型最終処分場につきましてお尋ねがございました。県としての考え方を示すことに変わりはないのか。また、自治会の皆様の御反応などにつきましてお尋ねございました。前半につきましては統轄監のほうから、後半につきましては生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  先般の松田議員の御質問もございましたが、折に触れまして県のほうで考え方を求められる、そういう場には県職員も同席をしながら、これまで地元への説明、御理解を求める場に出席をさせていただいてまいりました。今、手続条例が動き始めましたので、そういう意味で県のほうには監視役という立場もあわせて備わったところでありまして、いずれ今後手続が順次進んでいく、それに応じていろいろと県としての考え方も示さなければならない、そういう時期も来るだろうと思います。  いずれにいたしましても、地元の御理解を得ること、これが事業の前提になることだろうと思います。その辺につきまして丁寧に対応していくという姿勢は、これからも組織として一貫して持っていく必要があると考えております。 ◯議長(斉木正一君)野川統轄監 ◯統轄監(野川聡君)淀江産廃処分場につきまして関係住民の方以外の対応等々につきまして、少し補足の答弁をいたします。  条例手続に入る前でありますけれども、平成23年度から実質的には淀江町の当該地区の関係住民の方々に、紆余曲折がありまして、事業主体も1回変更になったわけでありますけれども、説明会はこれまで100回を超える回数をさせていただいておりますし、6自治会の皆さん方ともセンター、あるいは環境プラント工業、県外の産廃処分場に一緒に視察に行くなど、地元の方々と一緒にこの産廃処分場問題について考え、検討をしてこられたところでありまして、非常に丁寧に説明なりをされてきたのではないかと考えております。  先ほど知事も少しお話しになりましたが、今は条例手続に入りましたので、条例に基づいた関係住民の方に丁寧に説明をしていく非常に大事な期間だと思っております。したがいまして、現段階におきましては、条例手続にのっとってセンターは説明をする、やりとりをする、そういう段階にありますので、この段階で関係住民以外の方にきちっと説明をするというようなことは、今のところセンターはお考えになっておりませんし、県のほうでもこの段階においてはその考えは了としたいと考えております。  さはさりながら、これから手続条例が進んでまいりまして、いずれ終結をいたします。次のステップに入る段階になりましたときには、また関係住民以外の方々にどういうタイミングでどの範囲でどのような内容を御説明するのかという問題がありますが、センターのほうでそのような対応をお考えになるのではないか、またそういった点、県と一緒になって検討していきたいと存じます。 ◯議長(斉木正一君)広田生活環境部長 ◯生活環境部長(広田一恭君)それでは、私のほうから、地元住民説明会の状況について御答弁申し上げます。  昨年11月30日に県へ事業計画書が提出され、米子市役所ですとか西部総合事務所、公民館など、16カ所に事業計画書を縦覧され、さき方、議員おっしゃられたとおり、本年1月20日から2月19日にかけて関係する6自治体並びに事業者など、自治会以外の方を対象に1回含めて7回説明会が実施されたところでございます。  説明会では、センターのほうから事業計画の概要ですとか生活環境影響調査結果のほか、今後の手続の流れですとか地元との環境保全協定の締結などについて説明が行われたところでございます。関係住民の皆さんからは、ゲリラ豪雨への対応ですとか廃棄物の搬入管理の方法など、その事業計画の内容を確認するような御意見がありましたり、また説明した維持管理計画のとおりのきちっと事業が実施されるのかといった事業実施を求める御意見ですとか、またこの議場でも話題になっておりましたが、事業用地の利用が開発協定に違反すると事業に反対する意見も出たところでございます。こういった御意見、さまざまな意見に対してセンターのほうは、丁寧にきちっと説明しておられたというぐあいに考えております。  また、センターのほうは、関係住民の皆さん方に3月6日を期限として、生活環境保全上の見地からの事業計画に対する意見書が提出できるということも御説明されており、このたび6自治会のうち3自治会などから意見が提出されたところでございます。今後、センターのほうではこれら意見書に対する見解書を作成し、また関係住民の理解を求めていかれることになると思います。県といたしましても、これらの意見書、見解書のやりとりを通じまして、センターと関係住民の相互理解が図られるかどうかしっかり確認してまいりたい、必要に応じてセンターを指導してまいることとしております。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)松田議員の一般質問にお答えを申し上げます。  ヘルメットの購入助成につきまして高校生はどのように対応するのかといった御質問でございました。まず、条例につきまして趣旨をきちんと説明をして理解をしていただくということで、条例制定以降、校長会でありますとか交通安全の担当者の会、あるいは保護者、生徒に対する広報紙においてこの内容につきまして啓発を行ってきているところでございまして、また、この春に新学期になりますと交通安全指導等が行われますし、PTAの総会なども行われることになりますので、そうした場面を通じて、特に自転車につきましてヘルメットでありますとか保険のことでありますとか、そうしたことも含めて改めてリーフレット等を使いながら啓発を図ってまいりたいと考えております。  このお尋ねのありました購入費の助成につきましては、市町村の間接補助ということで、市町村のほうの御理解もいただきながら進めていく必要があると考えておりまして、さき方、知事からも答弁がございましたが、意見交換会をきょう開催させていただく中に教育委員会も入っていって、実際に市町村とやりとりをしながら、そこでいろいろな意見が出てくると思います。そうした課題に一つ一つ対応していくことを検討していく中で、このヘルメットの購入助成が広く活用されるように一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。 ◯議長(斉木正一君)12番松田議員 ◯12番(松田正君)御答弁いただきましたので、再質問させていただきたいと思います。  まず、民泊新法についてでございますけれども、知事とされてはこれからのまた国の推移を見守りながら、法律がきちっと制定された後にしっかり対応していきたいということでございますが、ただ、先般の、一昨年の議会でも申し上げましたとおり、やはりこれは旅館業者の皆さんの声をどう捉えるかということに私はかかっていると思うわけでございます。  今回の事業の予算説明資料においては、民泊制度活用検討会を開催されるということで、そこには旅館ホテル組合、不動産業者、観光団体等々、有識者の方に入っていただいて、そういった会議を行うという予算が上がっておりますが、先ほどお配りした資料1の2枚目を見ていただきたいのですけれども、これが今回の民泊新法において地方自治体に課されたといいますか、持つことができる権利でございますけれども、結局営業日数を自治体で、都道府県で決めることができるということでありまして、極端なことを言えばゼロ日にすることもできるわけです、極端な話。それはないとは思いますけれども。その辺しっかりと取り組んでいただきたいわけでございます。  ちょっともう1個聞きたいのが、まず、都道府県がやらないといけないのはわかるのですけれども、保健所を設置する市ということで、今度鳥取市が中核市になると鳥取市さんが保健所を持つ格好になると思うのですけれども、その辺はどうなるのかということがまず1点。そしてこの180日ルールに関して、日数制限の条例制定に向けた今の県の考え方を伺いたいと思います。  また、立入調査等の監督業務、これも県がやらないといけないわけですが、これを行う人員の数を伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員から重ねて民泊につきましてお尋ねがございました。  新しい宿泊事業の法律案につきましては、これから明らかになってくるわけで、今公表されているところでは政令でいろいろと定めが多分置かれることになります。そして条例で決められることとして、特別の区域、地域を定めまして宿泊日数180日という上限が法律上セットされるだろうということになったわけですね。さっきの両派の議論がありまして、これは大分両方の一つの妥協の産物だと思いますが、180日、大体半年という議論になりました。それをもっと基準として厳しく営業日数を下げるかどうか、この辺が条例で定め得る範囲内ということです。定め得るわけでありますから、それについてはどうするかというのは、それぞれの地域で考えることでありまして、定めを置かなければ法律の原則どおりということでございます。  これにつきましては、いろいろな問題状況はあると思うのですね。先ほど申しましたけれども、世界的なトレンドとしてこういう民泊が広がっています。Airbnbというそういうサイトで一気に広がったわけでありますが、大体このサイトが生まれて10年近くたってきていますけれども、その間に1億数千万人の利用があると。ですから、顧客層が多くなってきているということですね。特に海外と結んだサイトになりますから、外国人にとりましてそれを活用するという向きも出てくるということでありまして、この辺をどういうふうに考えるかということがあったり。また、違法民泊の取り締まり、これを強化すべきではないかという観点もありましょう。この観点からして法律ができた後ということになるかもしれませんが、今、東部、中部、西部それぞれに我々としても権限を持ってやっておりますけれども、今後どういうふうに体制を考えていくのか。これも法律の施行とあわせて考えるべき課題ということになろうかと思います。  また、先ほど申しましたように、実は問題になっている事例、違法民泊だとか、それから近所迷惑だとか地域のルールを守らずにとか、そういうのがいろいろ言われているのですけれども、県内ではそういう事例まで報告はされていないのですね。ですから、大都市のような深刻な問題が現実に発生したわけでは正直ないのが現状かなと思います。  そのかわり県内で今見られているいわゆる民泊は、農家民泊のような形態、それから若い方々がやれるような、そういう形態でございまして、例えば米子のほうの町なかでわだや小路ですとか、まちなかこもんずさん、あそこもゲストハウスであります。御案内のように、あれはあれでどこかの旅館やホテルの営業妨害になるという規模でもありませんで、どちらかというと町なかににぎわい拠点づくりのようなことでありまして、まちづくりの一環のようなものですね。ああいう形態がどうも県内でなされている。さらに言えば智頭だとか関金だとかで疎開と言われるような自然体験を楽しまれる方々、あるいは子供たちの教育旅行の受け皿、そんなようなことで体験型の宿泊という意味での民泊、こういうものも出てきているわけであります。  ですから、そこはいろいろな形態がありまして、それを幅広くちょっと県内の実情も把握しながら、今議員がおっしゃるような新しい条例規制を設けるかどうか、この辺の議論だと思います。結論から申し上げれば検討委員会をつくる必要があると思います。これに関係の方々も入っていただいて、また何ていいますか、客観的な分析も加えながら、本県としてのあるべき規制のあり方を考える、こういうことではないかなと思っております。 ◯議長(斉木正一君)12番松田議員 ◯12番(松田正君)先ほど来より知事も言われておりますように、今回の法案というのは都市部の……。今知事が言われた我が県にある民泊業というのはいわゆる健全な民泊であると。都市部にはそうではないやつが結構ありまして、アパートやマンションを一括して借り上げてそれを全部違法な状態で賃貸とか民泊に使っているという、そういったものを規制するという法律でございますので、知事の言うことも私はわかります。  また、自民党内でも先ほどありましたように、旅館業につかれる方、サイドの方、あるいは賃貸業のサイドの方、これは地元の方がされていますけれども、そういったせめぎ合いが本当にあったということで、落としどころとして180日ルールということで落ちついたというふうに私も伺っております。  知事が言われるように、まちづくりに資するようないわば健全な民泊、これは私も殊さら規制する必要はないと思うわけでございますが、でもこの間の観光に対する質問でもありましたが、やはり観光にとって宿泊というのは一番大きなファクターを占めるというふうに知事も答弁されていましたが、その部分の大きなところを占めるホテル、旅館、こちらをしっかりと支えていただきたいと思いますので、これから検討委員会をつくられて議論されるということでございますので、しっかり配慮をいただければと思います。  ちょっと余談ですが、先般の報道で大阪市の臨時職員が違法な民泊サイトを運営していたということで話題になりました。都市部ではいろいろ問題が起こっておりますが、我が県においてはそういったことがないように、また関係者の皆さんが納得できる条例をつくっていただければと思います。  次に移りますが、次はヘルメットというか、鳥取県支え愛交通安全条例の件でございます。  御答弁いただきましたが、変化については少なからずあったというふうに評価されているところでございますが、ついこの間、制定されたところでございますので、ちょっときょう聞くのも酷かなとは思ったのですけれども、けさ島谷議員に言われて、県のヘルメット当たり前だという動画を私も見させていただきました。いい取り組みだと思いますので、しっかり啓発していただければと思います。  先ほどの質問の中で市町村と連携をとり合ってこれから進めるということでございますが、資料の2を御参照いただければと思います。ちょっと細かくてわかりにくいのですけれども、この左側の表は、これはくらしの安心推進課にいただいた資料でございますが、現在の鳥取県内の市町村における中学生のヘルメットに関する補助制度の有無、あるいは助成金額等々が書いてあります。それを抽出しまして右側の表の上ですけれども、鳥取市から伯耆町までのこの表ですが、これが今助成がある市町村の中学生の学年別の人数を表にさせていただきました。そしてその下の表ですが、ヘルメットの購入助成がない町村は省かせていただきまして、市を表にさせていただきました。これでいきますと、鳥取市、岩美町、若桜町、智頭町、湯梨浜町、大山町、南部町、伯耆町が今現在、中学生に対する助成を行っている。それ以外は行っていないということで。今回1,500万円予算が計上されておるわけでございますけれども、中高生に対するヘルメットの購入助成ということで、今後進めていくに当たって、やはり市町村の理解を得るというのがまず一丁目一番地であると考えております。  そこで人数をいろいろ調べてみて一番多かったのがまず米子市が3学年合わせて4,237人、これは去年の資料でございますけれども、大体1学年が1,400人となっております。米子市(日吉津村)と書いておりますのは、これは組合立の中学校が一部ありますので、それはまとめさせていただきました。ということで、例えば米子市にこの財政負担をお願いするということになると、仮に新1年生、1学年をならしてみますと約1,400人ぐらいいますけれども、約200万円の新しい財政負担が生じてくるということでございます。ということで、先ほどの答弁でもきょうまさに会議が持たれるということでございましたが、先日、米子市に伺いまして教育委員会に私は話を聞いたのですけれども、こういった条例が施行されてこれから助成をするような予算が出ているけれども、知っていますかと言ったら、新聞では見ましたけれどもぐらいのお話だったのですよね。くらしの安心推進課の方に聞いたら、米子市には話をしていますよというふうに言われたのですけれども、それは米子市の防災安全課にされているわけで、やはりまだ教育委員会と知事部局の連携がまだまだとれていないなというふうに私は感じております。  そのあたり、きょう説明会をされると言われましたが、改めてお伺いします。連携も含めてどういった動きを具体的にとっていかれるのか、そして今回の予算案が、議決を経まして執行されるのは、来年度になるわけですけれども、29年度入学生徒への対応はできるのか。これお伺いしたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)松田県議から重ねてお尋ねがございました。教育委員会からも多分教育委員会の考え方の御披瀝があろうかと思います。  まずはきょう意見交換会でよく話をするということでありますし、正直予算も今お願いしているわけでありまして、これが成立しなければ何もないということになってしまうというタイプのものでございます。実は新年度に向けましては1,500万円のこの補助制度の予算とあと150万円、ヘルメットをかぶることの啓発事業などの予算も計上させていただいております。議員がおっしゃったように、動画も今流しておりまして、子供たちがヘルメットをかぶって自転車に乗りますけれども、ヘルメットのデザインは松田議員のお好みのタイプのヘルメットにしてありますが、そのヘルメットのデザインコンテストなどもこの啓発事業の中に入れさせていただいているわけでございます。  いずれにせよ、ただ、まだ始まったばかりで条例も制定されたばかりで、議員もいみじくもおっしゃいましたけれども、例えばこのヘルメットの着用義務等々まで十分啓発がなされているわけではないかもしれません。正直申し上げて米子はもう校則で義務化しているのでしょう。ですから、予算がなくてもできるわというのが多分米子市の本音ではないかなと、我々のほうには伝わって来るのですね。それはそれでやっていただければ結構なわけでございますが、その辺はだから市町村の考え方がどうしても出てくるのだろうと思うのです。私どもとしては、ただこの予算を成立させることができれば活用していただきたいと思いますので、教育委員会ともしっかり連携をとっていきたいと思います。一つは教育委員会サイドになりますが、例えば高校の校則で何か書くかどうか。あるいはPTAの申し合わせなどでこういう子供たちの安全のためにそういう運動をされるかどうか。その前提としては保護者の理解が得られるかどうか。保護者の皆様にも御理解いただいて購入補助制度も適用しながら買っていくかどうか。この辺になってくるわけでございまして、間に合うところは4月から動くかと思いますが、全部が全部4月から動くかどうかというのはまだきょうの話し合いをしてみてと。まだ見通せていないという状況でございます。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)松田議員から重ねてお尋ねがございました。しっかりと知事部局とも連携をとってまいりたいと思いますし、市町村の中でも執行部のほうに情報がおりているのであれば、執行部と教育委員会とがしっかり連携をとっていただきたいとも一方では願うところでございます。そうしたことも含めて私どものほうでも市町村の教育委員会のほうにもしっかりと情報を伝え、この対応について一緒になって検討をしていきたいと考えております。  ちなみにきょうの意見交換会には市町村の教育委員会のほうから担当者が出てこられるというふうにお伺いしておるところでございます。また、高校サイドでも今、県立学校の校長会を含めて、意見交換を始めたところでございまして、さき方、校則のお話が知事からもありましたけれども、そうしたことも含めて検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 ◯議長(斉木正一君)12番松田議員  松田議員。質問か要望か、誰に質問するかをはっきり言ってくださいませ。(松田正君「承知しました」と呼ぶ)  12番松田議員 ◯12番(松田正君)失礼しました。私もちょっとどっちが答えられるのかはっきりわからない部分がございまして。連携をとっていただきたいということでございますので、御了承いただきたいと思います。  ヘルメット、さっき知事からありましたけれども、きょうも議長のお許しをいただきまして、また持ってきましたけれども……(「かぶれ、かぶれ」と呼ぶ者あり)かぶれという声がありましたので、またかぶりますが、ちょっとかぶりましてやりますけれども、2回目でございますが、回しますので。こういったヘルメットをぜひ取り入れていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  あと高校生の対応ですね。私の前回の質問の趣旨は、中学生ではなくて高校生に始めたらいいのではないかというふうな趣旨で申し上げました。高P連からも要望が出ておりますよね。そういったことも踏まえていただきまして、しっかりとこれから対応をいただければというふうに思います。せっかく1,500万円もつけていただきました。また、啓発事業にも予算がついておりますので、ぜひとも実効性のある事業にしていただきますよう、予算が通ってからでございますが、よろしくお願いしたいと思います。これは要望です。答弁は結構です。  最後に、産廃について追及質問をさせていただきたいと思います。  いろいろ新聞紙上等々にもこの問題が出てくるようになりまして、前回質問した時点では余り聞かれなかった声を地元の方から聞く機会が最近本当にふえてまいりました。淀江にとって一つもいいことはないというふうな声を口々にいろいろな方が言われます。  これは声高に反対運動をされているような方ではない方が言われるわけでございまして、これは言葉の使い方が正確ではありませんが、いわばサイレントマジョリティーである皆さん、こういった皆さんの気持ちにどう応えていくか、これが今計画を推進するための絶対条件であると私は考えております。  先ほども答弁いただきましたが、そういった皆さんに御納得いただくためには、条例上の周辺区域外の方に対する説明が絶対に必要であると、御理解が必要であると思っております。難しいことだと思いますが、ぜひとも本当に考えていただきたいのです。これがないことにはこのまま半ば強引に計画を進めていくことになれば、美術館の議論でもありましたけれども、将来に本当に禍根を残す形になると私は思うわけでございます。きのうの銀杏議員のお言葉をちょっとかりますと、格別の配慮なくして格別の理解はないという言葉がございました。ありましたね。なので、本当にこういったことに応えていただきたいのです。  一つ提案かたがた質問なのですけれども、まず1個、今現在、この条例上の周辺区域外の方がこの計画に対して理解をされているというふうに考えていらっしゃるのか。そしてもう1点、条例上の区域外の方の理解をどのようにして求められるお考えなのか。例えば自治連合会でありますとか商工会、漁協、農協などの団体に対して情報提供を含め、何がしかのアクションをとれないものなのか。これをお聞かせください。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)松田県議から重ねてお尋ねがございました。詳細は統轄監のほうからお答えを申し上げさせていただきたいと思います。  私も余り自分でしゃべり過ぎますと、2つの立場を混同しているのではないかということで、その辺が誤解を招いてもいけませんので、自制をさせていただいているところでございます。  いずれにいたしましても、当然理解を得る、これが事業の前提でございまして、そのためには法手続上も当然ながら立地のいわば支援のための環境づくりの基金も持って、地域振興対策事業も含めてやるということをこの議場でも我が県は設定をしているわけでございます。もろもろ含めて理解を得ることが事業の前提であることは、深く胸に刻み込んで今後当たってまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)野川統轄監 ◯統轄監(野川聡君)条例区域外の方へのこの計画の理解、あるいは今後どのように理解を求めていくのかというお尋ねがございました。  先ほども申し上げましたとおり、今は条例手続に入っておりますので、もうとにかく地域、関係住民の方への理解を求めるべく、今は鋭意努力をしているところでございます。したがいまして、この産廃処分場の問題に対する理解度については当然のことながら周辺区域外の住民の方々と差があるのは、私どもも承知をいたしております。  先ほど申し上げましたとおりでございますが、どの範囲でどのタイミングでどういう方々にどのようなやり方で御理解を求めていくのかということであります。この点につきましては、センターとまだ十分に話し合っておりませんが、条例手続が終結した後、産業廃棄物処理法に基づく設置の許可の申請がセンターから県のほうに出てくることになりますが、例えばそういうタイミングで整備事業計画内容につきましてどこまでお示しできるかわかりませんが、自治連合会、近くでいえば大和であったり宇田川であったり旧淀江町の方々の御自宅に例えば許可申請を出した内容等々について新聞の折り込みで関係者の方に御理解を求めていくという方法もありましょう。またこれも設置許可後になるかもしれませんけれども、先ほど言われました商工会とか漁協とかまた自治連合会とか、そういったところの求めがあればというようなことになるかもしれませんが、県のほうも出向いて、センターと一緒のほうがいいのかもしれませんが、許可をした処分場の整備計画とか、あるいは地域振興策の御説明をして理解を求める。そういうことも考えられるかもしれません。
     いずれにいたしましても、そういったお話があったことにつきましては、今後センターと十分相談をしながら対応してまいりたいと考えております。 ◯議長(斉木正一君)12番松田議員 ◯12番(松田正君)配付資料の3を見ていただきたいのですけれども、これはセンターが作成された資料で、これはこの間の常任委員会で配付された資料をそのまま持ってきました。今の段階がこの赤の丸で囲った部分、自治会等への説明会、事業計画書提出というところでございますが、先ほどの答弁ですと、チラシ等を新聞折り込みする。こんなことは僕は当たり前だと思いますね。当然のことだと思います。  ただ、僕が言っているのは、やはり直接説明をしていただきたいということで、今のお話ですと許可が出た後ということなので、この表でいくと建設工事の直前という形になります。それではやはり私がさっき言いましたように、禍根を残してしまうのではないかと思うわけなのです。条例上の当局としての物言いとしてはなかなか言いづらいところがあろうとは思います。それは私もしんしゃくしますが、ぜひともこういった部分、地元の皆さんの理解を得ることができなければ、美術館と違って迷惑施設なので、本当に推進することが私はできないと思うわけです。私としても正直賛同しかねる部分が出てまいります。ぜひともこの辺検討いただきたいと思います。最後5回目ですので、これはもう一回答弁をいただきたいと思います。以上で終わります。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員の御質問、重ねて統轄監から答弁をいたしたいと思いますが、きょうの松田議員の御意見の趣旨は、後々よく我々としても考えるべきものが入っていると思います。組織としてしっかりと対処してまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)野川統轄監 ◯統轄監(野川聡君)重ねてのお尋ねでありますが、この図を示して今、条例手続に入っておるという、そういう赤が囲った段階にあるということでありますが、繰り返しになりますが、やはり関係住民の方が条例手続に入る前にはおおむねの了解をいただいて事業計画をつくり、意見を反映させて、正式に条例手続に入っている段階ですので、条例手続に入ってから関係住民の御理解、了解はまだ正直得ておりません。意見書の提出が先月の3月6日に終了いたしました。縦覧が今月の3月9日で終わりました。3つの自治会から意見書が出て、農業者から5件、水利権者から1件、そういう意見書が出ております。それに対して今度センターが見解書をつくります。その見解書と意見書のやりとりを今後、県が厳格に審査をして、きちっと地元の住民の理解が得られていると、そういう段階になったらということを思うわけでありますけれども、先ほどお答えしましたように、具体的に商工会とか漁協とか、今の段階はどうなのだとか、そういうお話があればセンターとよく相談をして、県も出向いて説明するということについてはやぶさかではないと申し上げたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)21番内田隆嗣議員 ◯21番(内田隆嗣君)(登壇、拍手)おはようございます。  鳥取県の今後の財政見通しと平成29年度予算について質問をさせていただきます。  鳥取県の2017年度当初予算案は3,494億円で、16年度比0.1%増で、5年連続の増となり、平井知事就任以来、過去最大となりました。2月16日の日本海新聞の表現をかり、特徴をまとめると、1、中部復興のための積極的予算編成である。2、一方で、予算編成は県税収入が0.4%減の524億円にとどまる中、国からの交付税が1%減の1,370億円、交付税の代替予算措置である臨時財政対策債の発行も1.8%減の169億円となり、実質的な交付税は対前年17億円減となった。3、したがって、財源不足を補うためにやりくりを何とかしながら、苦しい予算編成となったと解釈できると思います。  では、どのようなやりくりが行われたかというと、事業廃止や見直し、また行政改革推進債などで138億円を捻出し、113億円の基金の取り崩しを行ったわけです。結果、財政調整型基金がこれまでの財政健全化目標として掲げた300億円を割ったわけです。  今年度の予算編成については、逆に私は本当によく編成していただいたという感想を覚えました。鳥取県中部地震からの復興関連を初め、今年度予算は平井知事が説明するように、災害の後だからこそ経済規模を縮小させてはならないのであります。こんなときだからこそ必要な予算を必ず編成するべきであるし、財源が足りなければ基金を取り崩すのは、基金の性格上、最も適切な基金の使い方であると考えます。  さらに言えば基金300億円を割り、280億円になった場合、鳥取県財政は健全性を失うかというとそうではありません。鳥取県財政はそれでも全国の中でトップクラスであり、それは平井知事の就任以来の努力のたまものであります。大きな財産です。地方交付税の代替で臨時財政対策債を除いた県の借金である県債は4,377億円から3,347億円と1,000億円以上も減少しております。一方で、28年度予算編成時の基金残高は、平井知事就任時の残額と9億円しか変わらず383億円で、貯金である基金をほとんど使わずに1,000億円からの借金を返してきたわけです。それは大変に評価されるべきであると考えます。  こんなときだからこそしっかりと予算編成するべきであり、時にはしっかりと基金を使って編成するべきであって、財政健全化目標という数字だけを追いかけて、国が滅びる、県が滅びては本末転倒であるからです。だから財政が現在のレベルから少し悪くなっても、将来世代に過度な負担を残さないレベルであれば、つまり基金の範囲内で臨財債以外のその他の県債が減少傾向にあるのであれば、鳥取県財政は依然として健全であると考えます。  私は、今年度予算編成後においても財政状況はゆとりがあるわけではないが、財政は健全であり、引き続き財政見通しも明るいと考えますが、知事の御所見を伺います。  また、借金返済のための公債費についても671億円で、5.6%増の19.2%と、一見財政の硬直化が進んでいるように思えます。しかし、19.2%は国の財政指標に照らしても十分に健全であると言えるレベルであり、財政見通し的にはほとんどピークに当たることを考えると、これより悪くなるということはこの数年あるかもしれませんが、10年、20年のスパンで見れば確実に良化傾向にあることは間違いありません。したがって、財政の硬直化が顕在化しつつあるのではなく、公債費償還はピークを越えたと見るべきであります。  一方で大変心配するのは社会保障費の増加であります。これは性格上なかなか抑制や削減をドラスチックにできない分野であります。さらに言えば国保会計の市町村から県への移管であります。後期高齢者保険制度導入以後の市町村国保会計は悪化の一途をたどっていると考えます。国保会計移管が県財政圧迫要因とならないように、移管には十分注意が必要と考えます。国保会計移管における県財政への影響について知事の御所見を伺います。  また、今年度予算においても公共事業が500億円の大台は確保されており、今回の大雪のことを考えても建設業は鳥取県のライフラインになっていることは言うまでもありません。このことについて5年前にも質問させていただきましたが、500億円の堅持をそのとき求め、それを継続していただいていることは大変すばらしいと考えます。今後、知事の任期が続く限り、この500億円という予算枠の確保の努力は継続していただきたいと考えますが、知事の御所見を伺います。  最後に、今後の財政を考えると、見通しは決して暗くないと考えます。だからこそ美術館をしっかりと決断されたわけだと考えますし、今後もインフラ更新や県有施設のストックマネジメント等、決して予断は許されるものではないと思いますが、必要なものは確保するという平井知事の予算編成に対する姿勢をぜひ変えないでいただきたいと考えます。片山県政にはもう戻ってほしくありません。財政潤い、県土滅びるでは意味がないと考えるので、財政運営においても今後とも小池百合子都知事のようなめり張りでも、なしなしでもなく、やりくりでぜひお願いしたいと考えますが、知事の御所見を伺います。  続いて、鳥取県西部の都市計画についてお伺いいたします。  鳥取県西部の都市計画について、都市計画道路の整備が少しずつ進みつつある現在だからこそ、今から次の都市計画と道路について考えるべきであります。端的に言うと西部の外環状道路のミッシングリンクをつないでいくことが重要と考えますが、知事の御所見を伺います。  また、外環状道路として日野川西側に皆生諏訪線を検討すべきと考えますが、知事の御所見を伺い、壇上よりの質問といたします。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣議員の一般質問にお答えを申し上げます。  内田議員におかれましては、御回復されて元気にまた登庁をされて、その姿で爽やかな御質問をいただきましたこと、お祝いを申し上げたいと思います。  まず、予算関係につきまして何点かお尋ねがございました。今年度予算編成におきまして財政がまだ引き続き健全で見通しも明るいのではないだろうか。他方で、国保会計の移管の問題が心配だ。さらに、公共事業500億円という予算枠の確保を努力する、やりくりで今後もやるべきではないだろうか。こういうお尋ねをいただいたところでございます。  議員のほうでもお話をいただきましたように、皆様の絶大な御協力をいただきまして、県財政の健全化にはこの10年間、一歩一歩ではありましたが、前に進めてきたところでございます。特に経常収支比率、これが90%ちょっとなのですが、これが全国で4位という水準でありますのは、かつてと比べますと雲泥の差になってきました。これは財政の硬直性をあらわす指標と言われていまして、財政のいわば目詰まりを起こしていないかというのを見る指標でございまして、端的に言えば従来よりは健全性が保たれてきていると、こういうことだろうと思います。また、その最大の要因の一つとしては、将来負担比率、こういうようなことで孫子の代にツケを回さないというような堅実な財政運営というのも4位になってきているということだろうと思います。  ただ、変わらないことがどうしてもあります。これは財政力指数の順位でございまして、これはもうほぼ一貫して、どの県政を通じても代々45位ぐらいでございまして、その45位というのは変わっていない。ですから、財政の基盤のところにおいての脆弱性はずっと残ったままということであります。この財政力指数が変わってくる最大の要因は、やはり県内における税収、その前提としての経済の活力、ここのところでございます。  例えば東京都が今議会で当初予算を議論しておられるわけであります。財政の規模でいきますと、鳥取県の当初予算の大体20倍であります。大きな財政ということになります。ただ、もっと驚くのは税収でありまして、税収は鳥取県の今回の予算額の100倍でございます。これだけ差がついているということなわけですね。ですから、鳥取県の場合は国のほうの地方財政制度のいかんによってはあっという間に足元をすくわれてしまいかねない。それから大きなことをやろうと思うとそこで一変してしまうと。財政運営の健全性が一変してしまいかねないという脆弱性があるということであります。これはやはり厳しく自覚しなければいけない、私たちの体質だと思っております。  ですから、自動車の運転に例えれば構えブレーキといいますけれども、常にブレーキペダルに足を乗せて、危険があると思えばブレーキを踏み込む、そういうタイプの財政運営が求められるのが我々のところであります。今は比較的ピッチも速く、スピード感を持って運転できる状態にはなっていますけれども、ただ、もともと脆弱性があるということで、構えブレーキでいかなければならない、そういう悲哀があるということだと思います。  国保会計の大改革が平成30年に待っております。これも大激論の末、内田議員は市議会にもおられましたので、あちら側の空気もお察しでいらっしゃると思いますけれども、市町村からするともう市町村財政はかなわないと。この国保財政については都道府県が保険者になるべきではないかというのは、もともとあった議論でございます。ただ、議員がおっしゃったように、逆に回ってみますと要はどんどん赤字が膨らんできている状態がある。そういう国保財政を都道府県側で引き受けるというのは国の策略ではないか。要は本来国が国保会計については責任を持つべき。これは医療保険でありますので、全国を通じた責務を果たすべきでありますけれども、それから逃げようとしているのではないか。都道府県に持ってくるのは反対であるというのが伝統的立場でありました。  実はこの議場でもこの点はいろいろと議論をされて、私は知事会の少数派ではありますけれども、都道府県が後見役として都道府県のほうで医療保険を持つことは、ドイツも州が医療保険を有するわけですね。そういう世界的なレベルで少し広域団体が持つというのは、市町村よりはましだろうと。ですから、その辺は議論の余地はあるのではないかという知事会の少数派ではありました。ただ、今これが多数になりまして、国と折衝をし、国保会計の移譲を受け入れるということになったわけであります。  ただ、課題は、今の問題状況をそのまま都道府県に持ち込まれてしまうのでは、これは市町村民は同時に都道府県民でもありますので、何てことはない、別に問題の解決にはならないわけであります。やはり国がしっかりとした責務を果たさなければならない。これが今回の会計移管の前提条件であると。我々のベースラインであったわけですね。こういう形で交渉してまいりました。  昨年の11月に全国知事会がありましたわけでありますけれども、消費税の引き上げが先送りにされることに伴いまして、国のほうが約束していたその支出をやらないという報道がありまして、私も全国知事会で発言をさせていただきました。もし国が約束を守らないというのならば、国保会計の移管は返上すべきであると。それぐらいのやはり論陣を張らなければならない、こういうふうに申し上げました。結果、これは国と地方の協議の場で妥協が図られまして、若干先送りにはなりましたけれども、一定の基金の積み増しなど、国のほうのお金も出てくることになり、消費税の引き上げとあわせて最終的には処理をしていく方向性も示されたわけであります。  こんなようなことでありまして、一番の問題状況はそこだと思います。ですから、国が国としての責務を果たすことを求めていく、これが都道府県、市町村を通じての国との交渉のかなめだと思います。  国保会計につきましては、我々のほうでいずれ平成30年に特会を設けることになります。市町村と同じような特会であります。ただ、特殊な特会でありまして、市町村の国保特会は残ります。ですから、市町村のほうが基本的には、最終的にはつじつまを合わせる部分は市町村に残ったままになるのですね。都道府県のほうはその足し算をした特会を設けるということでありまして、賦課する、これだけ市町村は納めなさいと。その市町村は納める額というのは市町村の中の医療保険、医療費用の経費の額と連動してくる。また、市町村のほうはそれを保険料で徴収をする。従来の仕組みなのですけれども、これがそのまま引き継がれる形での決着となっているところでありまして、直ちに県財政に激変が起こる仕組みにはなっておりません。ただ、始まればいろいろなことが起きてくるでありましょうから、今後もよく注意深く我々も対処していかなければなりません。  公共事業500億円につきましてお話がございました。地方自治のこともよく御案内だと思いますので、釈迦に説法ということでは当然あるわけではありますが、当然我々地方自治体レベルは、積み上げで最終的にはいきます。今回、公共事業が500億円に達する一つの要因は、やはり災害対策、今回の災害復旧がのったことでございまして、それの事業費が影響していること。それとあわせて今、鳥取西道路を初めとして直轄事業を重点的に鳥取県側に配分をもらえる見込みが立ったと。それは我々としても災害に強い強靱な県土づくりという意味でも賛同しなければいけないことでありまして、それを全面的に受け入れるということで、ポジティブな積み上げになったということであります。  今後も議員がおっしゃいましたけれども、財政の健全性だけ保つ。とにかく切り捨てればそれだけ財政は楽になるわけでありますが、そういう姿勢をとるのではなく、必要な事業を積極的にこれは計上していくと。片方で行財政改革努力を継続する。これで県民に本当の意味での福利と恵沢をもたらさなければならない。そういう役割を私どもも果たしてまいりたいと思います。そんなような意味でめり張りのついた予算をしていきたいというふうに考えるわけであります。いわば二兎を追いかける。財政の健全性と県政の意味では活力と安心の2つの果実。この二兎を、健全性とそれから財政の効果、その果実、この両方を追い求めるものでございます。  次に、鳥取県西部の都市計画に基づく道路整備につきましてお尋ねがございました。これにつきましては、詳細は県土整備部長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、外環状道路と称されるような道路もマスタープランの中で、これは従来から位置づけられているものであります。また、いろいろなネットワークの整備の構想もあるのだろうとは思います。この辺はまだ今そうした絵を描きながら、具体の工事というのは地元とよく話し合いながらやっていくものでございまして、議員の御指摘のような観点につきましては、その必要性でありますとか市と県との役割分担、こういうことも含めていずれ新しい市政も誕生することになりましょうから、そうした新たな担い手の皆さんとも協議をしてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)山口県土整備部長 ◯県土整備部長(山口真司君)それでは、私のほうから、外環状道路の整備について補足の答弁をさせていただきます。  鳥取県西部地域の幹線道路につきましては、境港方面からの国道431号、県道米子境港線、米子市南側からの国道180号、181号、東西方向の山陰道、国道9号が放射状に市街地中心部に集まっている状況でございます。現在、弓ケ浜半島内では国道431号と県道米子境港線及びこの2つのルートを肋骨道路として結んでおります県道米子環状線などの県道で結ばれておりまして、渋滞対策、島根原発の避難路等としての防災対策等の機能を有しておりまして、圏域内市町村を連結するとともに、地域内交流や物流ネットワークを交えまして、外環状的な役割を果たしているものと考えているところでございます。  一方、米子市市街地東部から南側につきましては、米子市南側から国道180号、181号、先ほど申しました東西方向の山陰道などの幹線道路が市街地中心部に放射状に流れている関係がございまして、市街地は渋滞しやすい状況にあるもの等が現状でございます。  これらの米子市南側の幹線道路につきましては、それぞれ横断的には各県道で結ばれておるところでございますけれども、まだまだこういった部分の課題があるのが現状でございます。しかしながら、各市町村の地域総合戦略の目標達成という新たな局面が出てきております。また、各市町村の拠点間連携と強化をするということも必要になってきておるところでございます。  したがいまして、先ほど知事が申しましたように、今後、米子市街地の渋滞対策なども含めまして、今後地元とよく相談をしながら、県と市が役割分担、このあたりの協議をさせていただきながら、今後の道のあり方についても考えさせていただきたいと考えておるところでございます。 ◯議長(斉木正一君)21番内田議員 ◯21番(内田隆嗣君)きのう市谷議員が説明に使った資料を見ながら話をしたいなと思ったのですけれども。先ほど知事も言われましたが、将来負担比率、孫子の代にどれだけ負担があるかというのは、平成18年、151.3%だったそうです。現在それが50%ぐらい解消して100%を切るという状況まできています。つまり何かというと、この将来負担比率が高過ぎるのは孫子に借金を残すということになるのですけれども、逆にそれだけ我々の世代、そして前世代が孫子のためにインフラをつくってくれているという見方もできると思うのですね。  私は最近、2040年にどういう県土になっているのだろうというふうに思います。それは例えば人口指標でも顕著にあらわれています人口減を迎える段階になったときに、この県土に何が残っているのだろうかと。どういう人口構成になっているのだろうということを考えるのです。そのときに、では、人口がどれくらいで、県の財政規模がどれくらいになっているのだろうと。25年後に今と同じことができるだろうかと。25年後の現役世代がさらに25年後、今から50年後の世代にどれだけのものが残してやれるのだろうかということまで考えます。  この資料でちょうど出ていますけれども、鳥取県施設の中の中長期保存計画で、大体1,000億円ぐらいかかるのを300億円節減して700億円にしますよというような話も含めて、実際に150%の将来負担比率があったからといって、県政が運営できなかったわけでもなく、知事はそれを解消してこられた。逆説的に言えばあと1,000億円くらい県債を積んだって県政が運営できないことはないのではないかというように考えれなくもない。それを考えたときに今の世代が何を残して何を残さないかということをきちんと決めて、25年後、50年後の世代のためにどういうものを残していくかということを検討するということが、県立美術館を建てることだというふうに思います。  例えばですよ。県立美術館みたいな施設は25年後に建てれますかといったら、多分建てにくい、建てれないとは言えないけれども、よう建てるかなという、簡単に建てることは想像がしづらいのですね。だからこそ40年後、50年後の世代がきちんとした美術的素養があるために、今だったら100億円投資できるから今やろうという話になると思うのです。そういうことを考えると、私は今この10年間にどれくらいのものを我々が次の世代に残していくかということを、財政のコストカットというだけの視点ではなくて、将来負担比率が例えば120%なのか130%なのかは、健全性はどこで判断するかは別として、考えていくべきことなのかなというふうに思います。投資的事業はたくさんありますよね。例えば県立病院だって200億円、300億円はかかわるわけですし、そういうことを考えて我々は何を次の世代に残していくか。そして足踏みをしないで目先の財政力、基金が300億円を割った、20億円足りなかったというような細かい細かい話に縛られずに、しっかりとつくるべきものはつくる、残すべきものは残すべきだと思います。改めて財政運営の考え方を知事に問いたいです。どのように今後、財政を運営していこうと思っていらっしゃいますか。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田県議にお答えを申し上げたいと思います。  内田県議がいろいろと今おっしゃったことは、財政の本質論として私は正鵠を得ている面は十分あると思います。それは必要なことをやるべきだということにおいてであります。もともとバジェットという予算という英語がありますけれども、あれはお金が入った袋のことを呼んでいたわけであります。それはそのバジェットの中でやれることをみんなで協議をして、それで予算というものをつくっていく。これが民主的な手続の中で進められてくる。これが人類普遍のデモクラシーの原理に今なってきているわけであります。  地方自治はまさにその現実の実行の場でございまして、この議場はそういう意味で健全に機能したからこそ、私がやったというよりは、この県議会の御総意のもとに現在の健全な財政をつくり出してきた。その中でもよく県外の方から不思議がられるのですけれども、これだけ健全性を持ちながら、例えば内田議員が熱心にされたような保育料の無償化の前進だとか、よそにはないような事業を平気でやってみせるというところが出てきているわけです。これはいわば予算づくり、バジェットの本質を我々は追求しているからであろうかと思います。  議員がおっしゃるように、今こうやってかつての150のベースから100ぐらいまで将来負担比率が下がってきたわけでございます。ただ、これは実は全国もうちほどドラスチックではないですけれども、同様の傾向も見られるところでありまして、やはりどんどん借金が膨らみ過ぎたということでの反省で、今、中央団体を通じて健全化の努力に向かってきているという中で、本県はそれをさらに上回るような努力をしているというふうに見るべきものでございます。  やや気になりますのは、ここ2年ぐらいは実は一般財源の配分状況に変化があらわれていまして、私どもよりも大都市部のほうが急速に財源が膨らんできている。それで総体的に見れば財政の健全性が私どもは若干順位を落としぎみになってきている。ただ、こういう小規模の団体としては非常によくやっているというベースではあろうかと思います。ですから、今後の財政制度の状況によっては、もっとこの振り子が振れてくる可能性がありまして、この辺の防御線が我々のバイタルのところだろうというふうに考えざるを得ないわけであります。  公共投資というのはいっときは無駄遣いの象徴のように言われたものであります。正直な話を申し上げれば、以前の鳥取県政においても全国でいろいろな改革と言われるムーブメントの中で、これはムードの問題でありますが、公共投資はちょっとマイナスのイメージで語られることが多くあって、現実には年々の予算査定の中で急速にしぼんでいった時期がありました。私が就任以来、一貫してこの場でも申し上げておりますが、ただ、建設関係の事業者も雇用を大体1割方抱えておられまして、県民全体で考えれば産業構造の一つの大きな要素でもあります。また、今回の雪害など災害ということも考えれば、やはりこうした人材の継承が一定程度なされなければならない。今回も議論が議場でも多く出ました。ですから、そうしたことへのエチケットとして、我々の財政運営としてそこにも配慮していくべきではないだろうか。急速にまたふやしてまた財政を悪化しようという意味ではないのですけれども、そのベースラインを確保する、そういうようなエチケットはあっていいのではないか。県政を転換したわけであります。  そういう中で、例えば今、美術館の例もございましたけれども、私もこの議場で皆さんと一緒にやっていること、目立たないですけれども、例えば学校の耐震化というのを進めてきたわけですね。だからこそ今回、中部地震でも目立った休校措置につながらなかったことがあります。これは先回りしてやっていてよかった面なのだろうと思います。こういうことに結構お金を使っています。あるいは福祉の関係などもそうなのですけれども、そうしたところに財政支出をやはり切り込むべきときには切り込んでいって、しっかりと使うべきところに充てていく。この辺が我々が編み出しつつある鳥取型のバジェット、予算の仕組みではないかと思います。そういう哲学は多分内田議員がおっしゃったことと共有できるところではないかと思いますので、それについては賛意を申し上げたいと思いますが、ただ、今100に下がったから何でもつくって大丈夫だよというところまではまだちょっと警戒を要するのかなという気持ちでおります。 ◯議長(斉木正一君)21番内田議員 ◯21番(内田隆嗣君)ありがとうございます。私も、何でもかんでもばらまけという話をしているわけではありません。ただ、本当に我々の子供の世代の次の世代のことを考えると、鳥取県はどういうふうにあるべきかなというふうに考えます。今実際にゼロ歳人口が我々40代くらいの世代の多分半分になりつつある市町村というのがかなり多くあると思います。そうすると、社会的インフラである小学校や、先ほど言われましたけれども、保育園や中学校等も今後どうしていくかを議論していかなくてはならないところだと思います。  私はいつも米子市財政の話ばかりして比較するので、おもしろくないなと思って、きょうは大山町財政の勉強をしてまいりました。大山町は大体標準財政規模が70億円くらい、予算規模が100億円強です。ここにおいて基金が57億円も積んである。財政調整型基金で18億円。しかも実質公債費比率で14.1%。私はこれだったら100億円の事業はできるなと思ってしまうのです。ただ、そこまでしろということではなくて、済みません、これは大山町を批判しているわけではありませんが、使えるのだったら使ったほうがいいなというように思うこともたくさんあります。  そして何もインフラにばかり投資しろということでもなく、例えば、先ほど知事が言われた保育料の無償化だって大山町でいうとたった100人の子供しか今産まれていないのですね。これを無償化しようと思ったら幾らでできるかということを考えるわけです。多分20年間無償化したって2億円か高くて4億円程度しかかかりません、20年間の無償化で。18億円の基金がある。健全と言われているのはいわゆる財政の予算の10%を財調に積んでおけばいいという大体の割合があるとすると、8億円は何かに使えるのである。こういうことを考えるべきだと思うのです。つまり、今どれくらいの状況にあって、何のために予算を使っていくかというのを真剣に議論するべきだと思います。  そして私の夢でもありますけれども、私はまだ小学校1年生だったときのわかとり国体の記憶があります。わかとり国体の記憶というのはやはり鮮明に覚えています。そういう記憶という財産、いわゆるソフトに投資していってもいいと思うのです。せっかく1300年祭もあります。そして私はぜひ大山町で国体という流れをつくっていただきたいなというふうに思ったり、そういう意味でも大山町にも随分余裕もありそうですし、県にもしっかりと余裕があると思いますので、こういうインフラだけでもなく、記憶や誇りに投資をしていくことも重要だと思います。  以上、感想をよろしくお願いします。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田県議から重ねてお尋ねと御意見をいただいたところでございます。  議員のほうからも御主張がございましたように、今我々が予算づくりをしたり、あるいは事業の選択をします。選択と集中は大切なことであります。その際に一つ後の世代のことまで見ながら議論すべきだということは、大変なことだというふうに思います。今国体のお話があったりしたわけでありますが、我々身近なところでは多分東京オリンピック・パラリンピックがあります。私のほうは多分内田議員より一世代前になるのだろうと思いますが、どちらかというと東京オリンピックのまだ記憶が残っている分かれ目の時期なのだと思うのですね。そういうようなことでやはり今このときに私どものところでできる限り、未来を担う子供たちに東京オリパラに絡めて、この鳥取県でも思い出ができればいいなというふうに思い、スポーツについて先般も議場でも議論がございましたが、少し重点的な投資をさせていただいているわけであります。こういう視点というのは正しく捉えるべきではないかと思います。美術館問題もたしか内田議員の代表質問か何かで始まったようなものでございますから、それが今ここに至るということも考えれば、一つ御示唆をいただいたのかなと思います。  今、大山町が盛んに豊かなようにも言われますが、経常収支比率14%でそれほど威張れないような気もいたしますので、そこはまたよく町の実情に合わせた議論も必要かと思いますが、おっしゃるように、財調の残高であるとか、そうしたとこなどをお聞きしますと大分徳俵のほうはございまして、一時的な財政支出には耐えられるものは十分これまでに努力してつくられたのかなというふうに思いました。  大山で国体をというお話がございましたが、スキーの関係者から以前熱心な声も上がりまして、私自身もお話をいろいろしたことがございましたが、大山町としては1300年祭に全力投球をしたいと、そういう重点化を強く主張されまして、今そういう国体云々という話は少し控えているところでございますが、いずれにいたしましても、今議員のほうから説かれたように、何のための予算か、何のための財政運営か。その哲学は共通して市町村と県と持っていかなければならないと思っております。 ◯議長(斉木正一君)21番内田議員 ◯21番(内田隆嗣君)済みません。多分さっきの私の発言を訂正させていただかないといけないところがあります。実質公債費比率が14.1です。経常収支と私がもし言っていったら訂正を……。済みません、失礼しました。  失礼します。それでは、もう4回目の質問になりますので、まとめてしまいます。鳥取県西部の都市計画について少し触れさせていただきたいと思います。私がこの外環状の道路がいいのではないかと言ったのは、観光面にすごくプラスになるのではないかと思ったからです。なぜかというと、皆生温泉から日野川をずうっと下っていって、戸上からサイクリング道路、日野川を通ってそのまま真っすぐ行くと諏訪から五千石バイパスに直結して花回廊まで上れるのですね。これはすごく観光にも非常にいい道路なのかなというふうに思ったので、改めて提案をさせていただきます。ぜひ御検討ください。  そして最後に、やはり基本は我々の世代のための予算でありますが、次の世代に対して、次の次の世代に対しても責任を持っていく予算編成であるべきだと思います。しっかりと知事の決意というか、財政に対する考え方を確認させていただいたと思いますし、やはり見通しは明るいのだなというふうに個人的には思っております。以上で質問を終わります。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)大変御示唆のある御発言をいただきまして、ありがとうございました。先ほど、実質公債費比率と言うべきところを経常収支比率と言ったのかもしれません。そこは私が間違えておりましたので、謹んで訂正をさせていただきます。  今の御示唆を踏まえまして、しっかりと未来にも責任が果たせるような予算づくりを目指してまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は1時より再開いたします。        午前11時46分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(藤縄喜和君)再開いたします。  引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  8番野坂道明議員 ◯8番(野坂道明君)(登壇、拍手)2点についてお尋ねいたします。  今後のインフラの維持管理と成長戦略について。高度成長期以降に集中整備したインフラをいかに維持管理、更新していくかは、本県のみならず、日本の抱える大きな課題ですが、単に長寿命化や統廃合の議論にとどまらず、ストック効果の最大化を図り、地方創生の推進力に変えていくかは、今後の行政運営の命運を握っていると言っても過言ではありません。また、急速な高齢化と人口減少の中、人口最少県にあって、県民一人一人の稼ぐ力を向上させることも重要な成長戦略と言えます。  以下、インフラ整備と県民の稼ぐ力の観点から、質問をさせていただきます。  初めに、平井知事は、29年度当初予算において、全国に先駆けた制度を打ち出すとし、幾つかの新規事業を予算化されていますが、本県の成長戦略としてどのようなシナリオを描かれたのかお尋ねします。  特に当初予算において私が注目したのは、日本初の水力発電コンセッションの導入可能性調査などが計上されたことです。昨年11月定例会の議論から1カ月余りでの予算化に関して、特に企業局においては湊局長を初め、けんけんがくがくの議論があったと思います。日本初で前例がないだけに判断が難しく、組織の改編も伴う可能性もあることから、勇気ある決断であり、知事のリーダーシップと企業局の中長期的視野に立った判断に敬意を表したいと思います。  このたびの水力発電のコンセッションについては、昨年11月定例会の質問後、日本経済新聞などが日本初の取り組みとして取り上げ、その後マスコミ各社で大きく報道されておりますが、県への問い合わせも含め、具体的にどのような反響があったのかお聞かせください。  また、昨年11月定例会でも申し上げたとおり、FIT制度の全面改定の前に進めるべく、スピード感を持って取り組むことが水力発電のコンセッションの鍵となります。さらに建設やファイナンスなど、地元業者をいかに参入させるかも本県にとって重要な成長戦略だと思いますが、今後の取り組みについて知事の御所見を伺います。  コンセンションのもう一つの目的は、行財政への貢献です。コンセンションで得られた売却益は自治体にとって新たな財源となり、組織のスリム化とともに行財政運営に大きく貢献することとなります。このように財源確保や行革の観点からもコンセンションを進めていく意義は大きいと思いますが、あわせて知事の御所見を伺います。  また、新年度予算では発電事業以外にも鳥取空港のコンセンションや美術館のPFIなどの調査費が計上されていますが、それ以外にも民間のノウハウや資金を活用できる事業がないか、予断を持たず確認していくべきであります。  一例を挙げますと、厚生労働省は市町村などが手がける水道事業を都道府県ごとに再編する水道法改正案を今国会に提出し、2018年度の施行を目指しており、コンセンションという観点から今最も議論になっていく分野の一つです。  また、財政面に加えて、成長戦略の観点からも指定管理を導入している事業について再度検証し、より民間の自由度が高いコンセッションにできないか、あるいは民営化できないかを検討していく必要があると思いますが、これらの点についても知事の御所見を伺います。  次に、鳥取県の成長を切り拓く人材の創出をテーマに、地元に生きる人への投資について質問したいと思います。
     地方創生の文脈の中で人口をいかにふやすかが全国的な議論となっています。労働、資本、技術革新は経済成長の3要素であり、労働の投入量を左右する生産年齢人口が減少すれば経済成長は難しくなります。しかしながら、日本全体として人口減少社会を迎える中で、人口増への取り組みは一定の限界があるようにも思えますし、移住促進策自体は自治体間でのパイの奪い合い的要素も秘めております。  現在、日本のGDPは中国に抜かれ、世界第3位で、GDP規模は3倍近く差をつけられ、将来インドにも抜かれると言われております。これはある意味当然で、中国は人口が13億人で日本の10倍以上になるわけですから、人口が伸びている国は必然的にGDPが大きくなりやすい傾向があると言えます。  したがって、日本が目標とするべきは、GDP総額ではなく、1人当たりのGDPということになりますが、残念ながら1人当たりのGDPで見ても世界で20位台後半にあり、人口減少を迎える中では国も鳥取県も今まで以上に1人当たりのGDPの向上策に注目していくべきだと感じております。  人口減少社会において1人当たりのGDPをふやしていくには、人への投資が重要な取り組みになると思います。知事は昨年5月定例会での私の質問に、三洋やJTなどといった大企業の撤退する中で、県のGDPが大きく減少しており、企業誘致や地元の中小企業の振興を仕掛けつつ、構造転換を図っていくと答弁されました。いずれも重要な取り組みですが、企業誘致に関していえば他の自治体との熾烈な競争下にあり、また地元企業の振興も一朝一夕にはなし得ません。  そこで少しだけ軸足を変えて地元で生きる人への投資ということを産業政策の一環として捉え直してみてはいかがでしょうか。平成26年度教育費調査を見ますと、鳥取県は1人当たりの学校教育費の多さは全国の都道府県でトップテンに入っており、教育に前向きな県ということが言えますが、教育に力を入れておきながら1人当たりのGDPにつながっていない背景も丁寧に確認しておくべきだと思います。もちろん教育は力を入れれば即座に結果が出るようなものではありませんが、中長期的に見て一定の相関があってもよいと思います。  人への投資に着目していくならば、教育予算だけではなく、職業能力の向上を図る労働費予算も含め、検証していくべきだと思いますが、知事と教育長の御所見を伺います。加えて、29年度の当初予算を通じて地元に生きる人への投資をいかに盛り込まれたのかあわせてお聞かせください。  以上で壇上の質問を終わります。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂議員の一般質問にお答えを申し上げます。  野坂議員からは、稼ぐ力、そしてインフラにつきましてお話をいただきました。数々インフラ等につきましてお話がございましたが、一つは今後の成長戦略としてどんなことを描くのか。さらには水力発電のコンセッションの計画の反響、また総コストの抑制に導ける、そういうFIT制度の取り組みのあり方、これをコンセッションで進めていく意義が非常に大きいのではないだろうか。また、水道を一つ例にとられましたが、もう一度民営化等も含めて民間の自由度が高いコンセッションにできないか等を検討してみる必要があるのではないかと、こういうお尋ねをいただきました。  このコンセッションにつきまして、これからいよいよ本格化させようと、予算を提出させていただいたところでございまして、一連の動きの口火を切っていただいた野坂議員に感謝を申し上げたいと思います。これまでの議場での議論を踏まえまして、一つは水力発電での可能性などを探ろうというふうに動いてまいりましたし、またこれは別途空港のほうでも、鳥取空港での導入可能性を調査しようということであります。  成長のシナリオを描くという意味では、やはり産業の基盤というものをつくっていかなければなりません。そういう意味で県立ハローワークが今後の成長戦略においても鳥取らしいユニークな貢献ができるのではないかと期待をいたしております。これは具体的なことはまだこれからさらに詰めていかなければならないわけでありますが、当面4月から準備組織を立ち上げまして、できれば夏ごろから米子と境港でつくっていけないだろうかということでございます。予算的にも1億3,000万円ほど用意をさせていただきまして、これを実現に向けていこうということであります。普通のハローワークと違いまして、例えば非常に生活に困窮している方等でなかなか時間を見出しがたい、土曜日にあけれるようなハローワークということもあるのではないか。あるいはまた、移住対策だとか女性の活躍だとか、いろいろなテーマで産業政策もあわせて労働政策の一環としてハローワークを経営していく、こういう考え方もあるのではないだろうか。  従来のハローワークのいわば画一的なものではなくて、他の施策と融合しながらやっていくような自由度が高い、いかにも地域に密着したハローワークのあり方というのを追求してみたいというのが真意でございます。こういう中で人材のマッチングが図られ、中小企業も含めて産業の基盤が整っていくこと、これを一つは目指していければというふうに思います。  また、これからの産業をリードする意味で観光ということも当然あろうかと思います。議員のほうからも前もお尋ねがございましたけれども、大山1300年祭関係、国立公園の魅力化事業も含めて、その基盤をつくっていくプロジェクト、いろいろな行事、これを進めていくのも重点的な考え方でありますし、サイクリングなど新しい旅の魅力もつくっていこうということがございます。  また、成長に絡めて大学などと一緒になりまして、医工連携やICT、またIoT、こうした分野におきましての産業の先端を開いていくこと。従来から進めています経営革新による中小企業の振興やまた大企業等も含めた企業誘致、こういうことにも力を入れていこう。そんなようなことを新年度事業の中で盛り込まさせていただき、成長戦略の確立に向けていこうとしております。  これを行政側でいわば民間活力を入れて活力を持たせていこうという意味では、コンセッションという有力な方法があるわけでありまして、水力発電につきまして初めてこのコンセッション方式の検討を盛り込まさせていただいたわけであります。議員も御指摘ございましたが、全国紙、それから地方紙含めていろいろともう既に報道が出まして、大変に想像以上の反響が来ていると思います。例えば銀行でも4行ですから、県内や山陰だけでは足りないわけでありまして、メガバンクも含めた問い合わせが来ている。それから関連する企業さんでも20社以上来ている。こういうのも名前としては非常に誰でも知っているような会社、全国的な企業も非常に多く含まれております。ですから、全国区のコンセッションの募集になる手応えが出てきたということであります。構想としては非常に有利性のある交渉が展開できるのではないかというふうに思っております。  今後の取り組み、あるいはコンセッションを進めていく意義、またいろいろな点検ということでございますが、これから企業局のもの、有力な候補は小鹿第一、第二や舂米の発電所かと思いますけれども、それ以外のものも含めてまずはテーブルの上に出して検証してみて、その上でコンセッションに向けた具体的なアドバイザリー事業に入っていこうというものでございます。  これに限らず、議員も御指摘ございました。ほかにも例えば民営化を含めて、あるいはコンセッション、PFI可能性を調査すべきだということでありますので、さまざまな県の施設などがございますが、それらを検証させていただきまして、新年度の半ばか後半ぐらいまでにはこういうような検証結果ですというものをまとめていければなと。作業に入らさせていただいております。  指定管理に出すのも一種の民間活力の導入だと思いますが、これまでも例えば二十世梨紀記念館も以前は直営でやっていました。直営のいわば博物館だというわけでございましたが、正直私が就任したころは観光業者から非常に評判が悪かったです。それは観光の使い勝手の面で対応してくれないし、なかなか話のテーブルにも乗ってくれないということでありました。そこでこれは指定管理のほうに出させていただき、開館時間のフレキシブル化とか、また梨の提供、こういう魅力的なさまざまな取り組みをしましたら、今では確立した観光地になってきたわけであります。こんなようなことが多分PFIの魅力にもつながるはずだと思います。  ほかの地域でのコンセッションを見てみますと、例えば仙台空港、これもコンセッション化という有力な例示でよく使われますけれども、ここももともとは赤字の空港だったわけです。国土交通省は全国の空港どこもかしこも赤字だということでコンセッション化ということを打ち出したわけですね。それで、では、コンセッションになったら果たして引き取り手があるかということになるのですが、現実には22億円の価格で売却できたということでございます。つまり、そのあい差というのは、民間の知恵で売り出せる項目をいろいろと考えるわけですね。例えばターミナルビルの活用方法であるとか、そういうことであります。  同じような例は愛知県のほうの有料道路、これもコンセッションに出すことになったわけでありますけれども、結局単に道路として使うだけでなくて、パーキングエリア、これなどは有力な収入源になります。また、そういうパーキングエリアなどとも組み合わせながら周辺の施設との連携もさせていく。例えばショッピングのテーマパークであるとか、そうやって展開をしていくことで全体としての道路の経営をなし得るようにしたということでございます。この辺が自由度の高い民間活力の導入のだいご味ではないかと思っておりまして、本県においてもそうしたことができないかということであります。そんな意味でコンセッションを導入する意義というのは大きいのではないかというふうに考えております。  電力のことでは平成31年度がタイムリミットになります。32年度からFITが変わってくるわけでございまして、その前に決着をさせなければならず、結構窮屈なスケジュールにはなりますけれども、31年度までに委託先、譲渡先というのを探すことで進んでまいれればと思っております。  次に、人材の創出についてお尋ねがございました。GDPの向上という意味では、教育予算、それからそれに限らず職能力の向上を図るような予算も検証し、地元に生きる人への投資というものを入れていくべきではないだろうかと、こういうお尋ねでございます。  我が県は教育の1人当たりの教育費は高いほうでございまして、全国で8位ということになります。ただ、教育予算というのは傾向としては小さな県が1人当たりが大きくなるのですね。これはつまり学校の先生の数に比例して教育費というのは大きくなりますので、それが要は学級編制によって費用というのは変わってくることになります。だからそこのところは割り引いて考えなければならないのだろうと思います。  大切なのはその中身でありまして、鳥取県でいえば少人数教育を国に先駆けてやってみようという御意見が議場でもあって、それを私どもも積極的に取り入れさせていただきまして、全学年小学校、中学校少人数学級化ということをやったわけでありますね。こういう中身のほうが恐らくは大事なのだろうと思います。  これは学校教育でございますけれども、職業人の教育も重要となってまいりました。特に最近の傾向では有効求人倍率が高まっていまして、人手不足ということでありますし、新しい産業を創造していこうと思えばそのための人材の確保ということがなければなりません。これは人口が少ない鳥取県ですから、中で育成するか外からとってくるか、そのいずれかということになります。中で育成することにつきましても、これは我々のほうでできることがあるのではないだろうか。  このたび厚生労働省の和田審議官、また高齢・障害・求職者雇用支援機構の田中理事にお越しをいただき、またダイキン工業の藤縄役員待遇にもお越しをいただきまして、先般、平成30年度からの職業能力開発総合大学校のオープンを記者発表したところでございます。これはこれからの日本にとって、それはひいては鳥取県もそうでありますが、新しい地位を築いていくような骨となる産業、自動車関係であるとか航空機関係、医工連携、こうした分野における人材を育成する。そのためのプログラム開発を鳥取県の職業能力開発総合大学校の移転した部局でやろうではないか。さらに我々にとって大事なのは、その実証研修をやると。実際にこのカリキュラムが有効かどうかということでパイロット的に先駆けた研修をこの鳥取でやるということです。そういう意味でダイキンアレスさんも御協力をいただいたり、ポリテクセンターを活用したりということになります。この意味で地元のほうでいわば優先的にそうした人材育成のチャンスを得られるというのは大きいと思いますし、また必要な人材がこういう人材なので、こういうカリキュラムが必要だという分析もこの鳥取でやることになり、いわば鳥取県内の事業者の状況にフィットしたようなことを考える。これは当方にとってもメリットがあることであります。こういうことに向けて私どもとしても協力をしていこうと。片方でダイキンアレスさんは研修所を大きくするというようになってきたわけであります。  また、これは学校教育との連接もあり、人材をゲットするということにもつながるのですけれども、未来人材育成基金という鳥取県のユニークな事業もあります。これにつきましても2億円の予算で、3,300万円は民間から寄附をもらうと。こんなような枠組みでよそにないような基金を造成して、その中で奨学金の返済の半額免除等々をやっていこうと。こんなようなユニークな仕組みもつくっていこうというふうにいたしております。そのほかICTであるとか医工連携だとか、そのプロジェクトプロジェクトに応じたような人材の育成など、機動性を発揮しながら、議員がおっしゃる教育のみならず、労働費ともいうべきこちらのほうの産業分野における人材育成にも新年度予算で注力をしてまいりたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)野坂議員の一般質問にお答えを申し上げます。  GDPにつながる予算につきまして、私のほうにもお尋ねがございました。お尋ねの趣旨は非常によくわかるところでございまして、教育というのは一般的には国が決める学習指導要領等に従って教育を行うということでございまして、それだけをやっていれば鳥取県に貢献するといった部分というのが薄いことになるわけでございます。そこは鳥取県はかねて小中学校も含めて、ふるさと教育といったことでありますとかキャリア教育、そうしたことにも力を入れてきておりまして、これは教育委員会だけではなくて、執行部のほうとも連携しながら地域の産業に貢献できる人材育成といった観点も含めて取り組んできておるところでございます。  近年、そうした取り組みを強めていくというか、強化しているところでございまして、地域の産業界と学校とのネットワークを会議として設定をして、そこでどんな人材が企業の側で今必要とされているのか。それに向けて教育としてはどう対応していくのかといったことを意見交換しながら、教育課程等を組み立てているといったような動きもしておりますし、キャリア教育推進協力企業認定制度というのを立ち上げて、協力していただける企業の方々としっかり連携して取り組みを行っているところでございます。  一方で、県外に進学した生徒が卒業後にさまざまな要因で地元に帰ってきていないといったような課題もあるわけでございまして、特に県外への進学者が多い普通科高校において、こうしたキャリア教育を充実することが必要であると考えております。従来キャリア教育というのは専門高校を中心に職業教育的に進めてきておりましたが、普通科でもやはり要るということで、最近では普通科高校でもこのキャリア教育にしっかりと取り組むようにしております。全体計画をつくりながら、これも企業の方々と連携をして実際に高校生を前に企業の方に来ていただいて、将来地元に帰ってくることに結びつくようなお話をしていただいたりということを普通科の高校でも取り組みを始めているところでございます。  今後も29年度の予算の中でこうした取り組みに必要な予算につきましてもお願いしておるところでございまして、また御審議を賜りたいと思いますが、そうしたことを含めて今後とも、これは商工労働部あるいは農林水産部などともしっかりと連携をしつつ、鳥取県の未来を支え、活躍する若者の育成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)8番野坂議員 ◯8番(野坂道明君)それでは、初めに、コンセッションの取り組みについて再度質問をさせていただきます。  先ほど知事からの御答弁でもありました抜本的見直しの31年、この年度を見据えて取り組んでいくということだろうと、私もそう思います。そのためには現時点でスピード感のあるスケジュールを計画していくという、間に合うように計画していくということが重要になってくるのだろうと思います。  具体的に言えば導入可能性調査を29年度の早い段階で終わらせて、実施方針の策定に踏み出すと。そして平成30年には事業者を決定していく。つまりは今から約2年間で本事業の取り組みを進めていくということだろうと思います。計画どおりにいけば日本初の事業になることができますね。多分そうなると思います。万が一新たに課題が見つかった場合もその対応時間がとれるということで、リスクヘッジにもなってきます。一番大きいのは知事の本任期中に道筋をつけられるということだろうと思います。この点について知事の御所見を伺います。  次に、鳥取県の未来を切り拓く人材ということで再度質問を教育長にさせていただきます。  政府は日本再興戦略に基づいて国内における国際バカロレア認定校を2018年までに200校程度大幅に増加させると言っております。しかしながら、本県ではその認定校が今現在1校もございません。グローバル人材の育成の観点からこれも大変重要なことだと思いますが、この点について御所見をお聞かせください。  次に、プロジェクト型人材育成推進事業についてです。成長分野の雇用にかかわる補助金だと思いますが、そもそも雇用意欲のある企業にとって都合のよい補助金になりはしないかと懸念もあります。この点について知事の御所見を伺いたいと思います。  また、当初予算にはふるさとワーキングホリデー事業が計上されておりますが、冒頭、壇上でも言いましたとおり、人的資源の奪い合いが強まる中で、県内で仕事を体験してもらうということがどの程度効果を生むのか。そしてまた、他の自治体と比べて優位性が保てるのか。この点についても知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂県議から改めてお尋ねをいただきました。  まず、コンセッションについてでございますが、議員がおっしゃるように、32年度から単価が変わってしまえば何の販売価値もなくなってしまいます。したがいまして、31年度までというと結構タイトなスケジュールになります。結論から申し上げて野坂県議と私と共有しているこの任期中に道筋がつくようにしなければならないということです。新年度の予算でまず新年度上期のできるだけ早いタイミングということでありますけれども、そのタイミングでいろいろな諸事業がある中で、PFI、コンセッション導入可能性のある領域というのをまず絞り込み、その後で例えば小鹿第一、第二や舂米といったものが仮に絞り込まれてくれば、それについての手法を調査するというのが29年度です。そういうことがもし順序よくできれば、29年度末までの間にはこれからどうやって進めていくかという実施計画をつくっていけることになります。アドバイザーもアドバイザリー契約を結びまして業務委託をして、実施方針というのをつくり、公募のための書類づくりなどもやっていく。これに若干の時間はかかりますので、平成30年度のうちにいよいよ公募に向けまして実施方針というものを制定して、公募や優先交渉ということについての募集要項、これを公表することが可能になるのではないかと思います。これで大方の道筋はつくと思われるのですが、どうしても31年度にはずれ込むだろうと。具体的な公募の後のコンセッション、引き受け手の決定、これは31年度になることになりそうです。ただ、いずれにせよ、共有する任期の間にそのための道筋はつけて、確実に31年度には終了できるように、それで32年度を前にしてコンセッションに入れるように、私どもとしても努力してまいりたいと思います。  次に、プロジェクト型人材育成推進事業につきましては、詳細は高橋商工労働部理事監のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、例えば航空機産業のほうに足を伸ばそうとされておられる米子機工さんのようなところで新たな人材を得ながら展開をしていこうと、そんなようなプロジェクトが現実には動き出しておりまして、それなりの産業効果はあるのではないかなというふうに思っております。  もちろん、何か使い勝手が悪いとか修正の必要があるということであれば、今後見直しをすることも当然柔軟にやっていきたいと思いますが、今のところ、利用される企業さんもあり、一定の成果もあらわれているのでないかなと思っております。  次に、ワーキングホリデーにつきましてお尋ねがございました。これは、1週間から4週間ぐらい、ある程度長期にわたりまして夏休みなどを利用して住んでもらい職場を体験してもらうと、こんなようなことで、将来、これをきっかけに鳥取に住んでもらう、鳥取で働いてもらう、その道筋に役立てばということでございます。  今、各市町村で新年度でやる構想を固め始めています。具体的な例を挙げれば、例えば大山町であれば、こちらに来られて漁業に従事をされると。水産関係の職業体験などをする、それから大山の登山であるとかトレッキングであるとかそうした体験をする。そして、かけがえのない、こちらの人のつながりや、自然の豊かさ、仕事の可能性、子育ての可能性、こんなことを体感していただいて、いわばファンになってもらおうということです。それでまた学業に戻った後、志を立てて来ていただく、そんなことになればというので、今、4週間ぐらいのプログラムを検討されている町がございます。  恐らく若い方々をそういう形で招請しますと、例えば朝の大山だとか日本海の美しい状況であるとか、何かティピカルなそういう映像もSNSで拡散することも期待できますし、副次的な効果も見込まれるのではないかなと思います。そういうわけで、もちろんどこの都道府県でもそれなりのよさがあると思います。今、市町村も準備に入っているところでありますけれども、私どもとしてもできるだけプランを磨いて、国のワーキングホリデーではなかなかできない地方版ワーキングホリデーの県のフレームをつくって、応援をしてまいりたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)高橋商工労働部理事監 ◯商工労働部理事監(高橋紀子君)プロジェクト型人材育成推進事業につきまして補足の答弁をさせていただきます。  このプロジェクト型人材育成推進事業というのは、鳥取県戦略産業雇用創造プロジェクトの一事業でございます。この戦略産業雇用プロジェクトは、成長3分野、医療機器、自動車、航空機及びICT分野で求められる高度な技術、技能人材の育成を支援するものでございます。現在、県内でこの事業展開を目指す製造業60社及びICT分野の16社がこの事業に参加しまして、各種講座や専門家派遣等を行っているところでございまして、それぞれの企業において専門的な技術、技能の習得を通じた人材育成という新たな取り組みを進めているところでございます。  このプロジェクト型人材育成推進事業につきましては、企業が積極的に雇用に踏み切ることを後押しするための事業でございまして、企業がその事業構想に基づいて取り組む研究開発や品質管理等のプロジェクトの達成とともに、その事業に必要な人材育成について補助金により支援するものでございます。したがって、単なる既存事業に伴う雇用に対する助成ではございません。  先ほど知事のほうから御紹介のありました米子機工では、航空機産業の参入を図るための品質マネジメント規格の認証取得に取り組み、従業員が専門家から指導を受けることで社内の人材育成の体制づくりにもつながり、5月には認証取得ができる見込みでございますし、7月には1名の新規雇用も創出するということで聞いております。  また、自動車産業分野への参入を目指す別の企業でもそういった人材育成が行われ、4名の非正規雇用の方が正規雇用に転換されたということで、雇用の質の向上にもつながっているということでございます。  こういった従業員の人材育成を通じて、企業の成長、拡大を後押しし、新規雇用を創出するとともに、従業員の質の改善につなげるということで、今後もこういった企業の人材育成を通じた成長分野へのチャレンジを後押しすることで、良質な雇用の創造に努めてまいりたいと思っております。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)野坂議員から重ねて人材育成に関連をいたしまして、国際バカロレア認定校につきましてお尋ねがございました。  グローバル化が進行する中、未来を切り開いていくという意味合いで国際的な大学入学資格が得られるこの国際バカロレア認定校というのは、そのための一つの役割を果たすものという認識を持っておるところでございます。  一方で、先ほど2018年までに200校、国のほうで目指しておられるというお話もありましたが、現在40校程度、この学校がありますが、インターナショナルスクール等を含めてほとんどは私学でありまして、そのうち高校につきましては18校あるわけですが、都道府県立は東京都立国際高校1校のみということでございます。いろいろ私どもも調べてみますと、この認定に向けてのハードルが物すごく高いということで、高校の教育課程と同時にこのバカロレアの認定を受けるための教育課程を組んでいくというのが非常に難しいといった面でありますとか、教育課程ができたとしてそれを実際に指導する指導者の人材確保、そうした面にも非常に苦労するといったような実情があるようでございます。  本県でもそうした研究的なものはやっておるわけでございますが、現時点でこの認定校を設置するということは考えていないわけでございます。  ただ、このグローバル化に向けた人材育成、非常に重要だと考えておりまして、例えば姉妹校の交流を初めとする国際交流事業のほかにも海外大学への進学も視野に入れられるように、英語による探求的な学習用プログラムを実施している、例えば鳥取西高はスーパーグローバルハイスクールという、これは文部科学省の指定を受けてそうした取り組みをやっておるところでございますし、教育委員会のほうでも少しチャレンジをさせていただいておりまして、本年度からアメリカのスタンフォード大学と共同連携をして、県内の公立だけではなくて私立の高校生も含めてこのプログラムの中でスタンフォード大学の提供される教育プログラムを受けて、全て英語で授業等も行われるわけでございます。そうしたことを通じて幅広い国際感覚を身につける、世界を視野に入れて活躍する意欲等も持った人材育成を図るといったことにもチャレンジをしておるところでございます。  こうしたことなども通じて、グローバル人材の育成に今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)8番野坂議員 ◯8番(野坂道明君)壇上の質問でコンセッションについてですけれども、地元の企業をどういうふうに絡めていくかというのも重要な観点だろうというふうにお考えを聞かせていただいたのですけれども、ここ答弁ありましたか、聞き落としですか。聞き落としであればまたひとつよろしくお願いしたいと思います。  これは非常に重要な部分だと思っておりまして、先ほど知事が答弁されましたね、誰でも聞いたらわかるというようなところが、全国でも物すごく注目されてどっと来ているということでありましたけれども、そうなってくると、どうやって地元につなげていくのだというところ、ここの仕組み、知恵というのが重要なのだろうなと思います。  プロジェクト型人材育成推進事業というのは、御説明いただきました。私は取り組みを否定しているわけではないので、そもそもできるところはやるけれども、これだってやらないところはやらない、そのできるところにとっては都合がいいけれども、なかなか踏み切れないようなところにいくのかなと、その部分がちょっと聞きたかったなと、そういうことであります。この事業自体はどうこうということではありません。  教育長、バカロレア、考えておりませんということで明快な御答弁いただきましたので、以上言うことはございません。全国、世界に向けて誇る人材をつくっていくのだ、鳥取県が日本を、地方創生をリードしていくのだと言っておられるわけですから、ステップを踏んでいくというのはわかりますけれども、考えていないというのはいかがなものかなと。今のところ考えておりませんがぐらいの答弁がいいのではないでしょうか。  鳥取県民の稼ぐ力をいかにつくっていくかということで具体的に3つ、提案させていただきたいと思います。  初めに、兼業、副業の推進についてです。厚生労働省の有識者会議、働き方の未来2035懇談会では、兼業や副業は当たり前にとの提言がなされ、経済同友会も兼業禁止規定の緩和に同調するなど、ここに来て兼業、副業を広く認めようという議論が官民双方から湧き起こっております。米国では自家用車で人を運ぶライドシェアや、午前中議論もありましたけれども自宅の空き部屋を宿泊施設として提供する民泊等々で、本業とは別に副収入を得る個人がふえており、相乗りや民泊等のいわゆるシェアリングエコノミーは、2025年には世界で38兆円規模に膨らむという予測もあります。  日本におきましてもクラウドワークスやランサーズといった個人の仕事と企業などをマッチングするサイトが人気になっておりますけれども、このように兼業、副業が拡大すれば、職業訓練や稼ぐ力など個々の新しい能力が研さんされ、1人当たりの所得も拡大することになるのだろうと、このように考えます。  また、主婦や高齢者にとっても自宅での仕事がやりやすくなるという利点もありまして、制度、慣習の見直しを中心にした人への投資、これで鳥取県の人的資源を最大限活用していくことになると思うわけですけれども、知事の御所見を伺います。  2つ目には、奨学金の部分的再設計についてです。県では、産業界と協力して鳥取県未来人材育成奨学金支援助成金ですか、全国初の奨学金返還助成を行っております。この仕組みは、卒業年の前年度から認定申請となっておりまして、従来からそもそも鳥取県で働くことを決めていた人が申請しているケースも少なからずあるのではないかと推察します。制度の趣旨からすれば、鳥取県で働くことに迷いがある人を、いかにこの奨学金を通じて鳥取県に取り込んでいくかであります。その意味でさらなるしかけや工夫があってもよいのではないかと思います。  例えば、奨学金返還助成ではなくて、県みずからが奨学金を設定し、県内の学生や県外に出た学生を対象に入学年度に申請していただき、将来的に県内に残れば返済免除、県外に就職すれば規定どおり返済といった枠組みもあり得るのかと思います。  また、今の制度設計では、起業家に対する措置がなされていません。起業家の場合はみずから雇用を生み出すわけですから、より優遇措置があってもよいと思われます。例えば、起業家支援財団、神奈川県の経済社会の発展に寄与することを目的として、起業を志す学生への奨学金を給付しております。  以上、これらの点について、知事の御所見を伺います。  3つ目に社会人教育の重要性、すなわち稼ぐ県民を育てるということであります。ビジネスサロンとスクールの設置について検討されてはどうでしょうか。みずからビジネスを起こし、地域に雇用を創出していく人材育成に焦点を当てていくことが人口減少に直面する鳥取県におきましても最も期待される施策となると思います。米子と倉吉に産業人材育成センターがありますが、産業人材育成センターでは、簿記、経理、電子会計ソフト、事務系ビジネスソフトなどの基礎的知識と技能を習得するなど、職業訓練を中心に人材育成を行っております。これはこれで重要なことだとは思いますが、軸足は職業訓練にあり、起業家育成とはやや軸が異なるのだろうと思います。  ビジネスは単に経理会計や英語、ITを学べばうまくいくものとは限りません。恐らく、このようなスキルはあるにこしたことはありませんが、事業成功の必要条件ではないように思います。ビジネスは、このように形式知化されていない、いわゆる暗黙知的なものがより重要だと思うからであります。例えば、私が視察した神戸市では神戸起業操練所というビジネスサロンとスクールを昨年から展開しており、簿記、経理などのビジネススキルというよりはいかに事業を起こしていくか、売り上げを上げていくか、顧客を獲得していくかなどなど極めて実践的なプログラムを展開しております。  神戸起業操練所では、起業創造やビジネスの課題解決の方法を体系的に学び、実際に事業を創造する場であり、また一線級の講師やコーディネーターから暗黙知を学ぶ場になっており、さらには人的ネットワークを構築する場にもなっております。地方の起業家の多くはどうしても目線が低く、スモールビジネスになりがちですが、ここでは意識的に起業家の目線を上げることに取り組んでおり、セミナーでは、竹中平蔵氏など一線級の講師を全国から招聘し、人的ネットワークや商圏拡大に役立てているとのことでした。  神戸市のほかに同様の取り組みが福岡市のスタートアップカフェなどでも取り組みが見られます。このような実践的なビジネスサロンとスクールは、本県においても検討すべき課題だと思いますけれども、知事の御所見を伺います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂議員から重ねてのお尋ねがございました。  まず、コンセッション方式における地元企業の活躍の場ということであります。ちょっと私が質問を聞き漏らしたのかもしれません。失礼をいたしました。  これについては先ほど申しましたように、具体的なスキームづくりと事業の可能性を来年度予算に計上いたしました調査事業から始めさせていただきます。その際、先ほど議員の御指摘もございましたように、結構県外からの応募が来ています。ですから、ある程度交渉力がある。我々のほうの交渉にもなり得るかなと思っています。ですから、これはもちろん法律の規制が若干あるかもしれませんけれども、地元の企業が実際コンセッションで経営権の譲渡を受けた後、実際には地元の企業などが手足として動かすことができると、ファイナンスのところは全国的な企業がやるにしても、実際の切り回しのほうでは地元の活躍の場が出てくる、こんなような、何か一つの条件づけができないかなというのは研究させていただきたいと思っています。そういうような形で、一番いい形で、できるだけ効率的であり、しかも地元の尽力も生かされるような、そういう形を追い求めていきたいと思います。  御質問のほうで、兼業、副業の推奨というお話がございました。これは伝統的には日本というのは企業に対する忠誠心が強い国でありまして、兼業、副業というのは極めて少数派でございます。ただ、鳥取、山陰のように、もともと企業規模が小さかったり、それから人材の限りがあるようなところでは、いわば企業同士のオーバーラップ、そういうような形で兼業、副業というのが認められたほうがかえって活力が出る、成長力が生まれるという、理論的にはそういうことがあると思います。ですから、これについてはまた今後、研究会等で今国が調査をしていますけれども、その調査をフォローアップしながら、県としてもその考え方を広げていければと思います。  現実に、例えば先般、三洋の跡地でLASSICという新しい事業所ができました。これはNHK等でも取り上げられてましたのは、働きにくさを持った人が鳥取に移住をして、それで自然を満喫したり、自分のいわば体力なり気力なりに合ったような形で職業を自由に選択できる、そういうのをやらせてくれる会社としてLASSICというのが紹介をされていました。具体的には、感情医工学を研究するセクションのリーダーの方、これが夏の間は海のお仕事をすると。ですから、要は兼業になるわけでありますけれども、こういうのを認めることでLASSICさんという会社のほうは自分のところに有為な人材を引きとめることができますし、御本人にすれば、自分が都会から脱出してきて、やりたかった、自分に合ったようなそういう環境でのライフスタイルを追求することができるメリットがあるわけですね。  バルコスさんという、今、デパートなどにも出ている、大分有名になってきましたかばん屋さんがあるわけであります。倉吉に本社がありますけれども、マーケティングであるとかいろいろとICTも活用しながら展開をしていかなければなりません。その際、やはり自社の人材だけでは難しいので、人を雇う際に、東京のほうで大手のIT企業からスピンアウトされたビジネスマンがいらっしゃると。この方に副業としてバルコスのほうでも働いてもらうと。それでマーケティング戦略であるとか、そうした展開を図っていこうと、このようなことを始める会社も出てきました。  やはり発想を柔軟にしますと、そういうふうに新しいビジネスチャンスが生まれるものだと思います。国のほうの研究の成果も見ながら、私どもとしてもフォローアップをしていければと思います。  未来人材育成奨学金についてでございますけれども、これについては議員のおっしゃった趣旨も考えて、少し修正できることがあるか考えてみたいと思います。  先ほど神奈川県のほうの起業家支援財団という財団のお話がございました。これは、実はいわばビジネスマンの篤志家ですね、アルプス技研の経営トップが自分のお金を出捐してそれで奨学金を出しているというタイプでございまして、うちで言うとキリンビールの創始者の磯野長蔵さんが倉吉で奨学金を出しているような、ああいうのに近いものでございますので、行政のスタイルとはちょっと違うわけでございます。ただ、議員がおっしゃったような観点でできるだけ使い勝手がいいようなことも考えなければいけません。  ただ、この奨学金制度につきましては、新年度、国がいよいよ新機軸を打ち出しつつございまして、一部ではありますけれども、給付型の奨学金を始めることになりました。また、所得連動型の貸付型奨学金というのもつくられる。大分国のほうの展開も来ていまして、私どもはどちらかというとそれに乗っかりながら、こうした未来人材育成基金のようなことで組み合わせていけばいいのではないかなというふうにも思っています。国が基本的には奨学金の枠組みをセットをして、私どもは地方でできることをやっていくということで大体成果もおさめられるのかなと思います。  ただ、議員がおっしゃった問題意識でいいますと、例えば大学に入って1年生のころからこれに登録できるとかいうようなことの改革があってもいいのかもしれませんし、ある会社に入社するだけでなくて、起業される場合でも奨学金の返還免除が受けられるとか、もちろん対象業種の中ということになりますけれども、そういうような運用の修正ということはなされてもいいのかなと思います。  これは出資者もいらっしゃいますので、出資者の方とも調整をさせていただいて、工夫いたしたいと思います。  次に、サロン型の人材育成ということでのお尋ねがございました。今の神戸起業操練所であるとか、福岡でもそういうベンチャーのカフェができたり、また隣の西粟倉村でも同じような考え方のものを地方型でつくってみたりということがございます。本県でも実は最近もベンチャービジネスの伴走型支援もやってきておりまして、例えば、Iターンで鳥取大学入学を機にこちらに来られた女性が智頭の木材を使いまして、それで岩美のほうでお店を開かれる。これは女性の起業家の賞をとられたケースでございます。こういうようないろいろベンチャー的なものを伴走型で支えていく。これは資金のこともあり、それから先輩からのノウハウ伝授もあり、またみんなで横の交流をするということもありでやってまいりました。新年度もそういうようなことで起業につきましてもとっとり未来創造型起業支援事業ということを考えておりまして、専門家のアドバイス等も受けたりしながら、今おっしゃるような神戸的なものにはなるのかなとは思っています。  ただ、一つの考え方として、今の議員のお話でもなるほどなと思われますのは、私どもですとどちらかというと、ベンチャーでやっている小さなお店とかちょっとしたビジネスでありますが、さっきの神戸起業操練所のように大きな志で成長の基軸を担うような、そういうタイプの起業、ベンチャーというのもあると思います。例えば、鳥取県でもマリンナノファイバーといいます海産物からナノファイバーをやるようなビジネスを起こそうと、これ鳥大のベンチャーでございますけれども、これなどは本来、成長力が随分あるかもしれません。竹中平蔵先生のお話がありましたけれども、こういうようなところに従来以上にそういう有為なアドバイスもしたりして引き上げていくということは考えられるのかなというふうに思うところであります。ですから、そうした新しいタイプのファンドの運用ないしファンドの組みかえということも、ちょっと今後検討させていただければと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)8番野坂議員 ◯8番(野坂道明君)これ、神戸起業操練所は私も1回受講してきたのです。そうすると、やはり極めて現実的な、実際に起きている事象について具体的にどう考えるかとかどう対応するかというのをやっているのです。集まっている人は、今現在、まだこれから起業を目指す人ですからあれなのですけれども、目指しているところは上場なのです。だから、そこまでのビジネスモデルにしていくのには、ファイナンスをどうやってやっていくのか。もちろん集まっている人は何もない人ですよ。  そういうような取り組みも鳥取県から、どうしても田舎だと小ぢんまりとまとまってしまうという傾向があるのだろうと思うのです。突き抜けるような発想という、人材というのもこれからは鳥取県には必要ではないかなと、こんなふうに感じました。
     続きまして、今後のインフラ整備の新たな可能性について、公共施設の合築による効率的インフラ整備とにぎわい拠点の創出、これらによる成長戦略、このような観点から再度お尋ねします。  このたび、知事は県立美術館の立地について県民アンケートを尊重し、倉吉市に決定すると表明されました。鳥取市に立地すべきとの厳しい意見も隣の同僚議員からもありましたけれども、対立から合意に向けて知恵を絞るのも私は議会の責任だと、こんなふうに思っております。そのような観点から、私は検討委員会からいろいろ議論された倉吉での美術館整備の課題について、知事と議論していきたいと思います。  検討委員会では、中部で立地した場合の問題点として、周辺人口の少なさや交通を含めたインフラ等々の問題、これらから将来の財政負担を指摘される意見が多くあったように思います。私は常々ストック効果やまちづくり、持続可能性の観点からも検討すべきと述べてきました。昨年11月定例会の質問では、県立美術館と庁舎の合築というのもあるのではないかと、こんなふうに申し上げたところであります。  御承知のとおり、倉吉市の庁舎は老朽化が激しく、震災による影響もあって今後の対応が急務となっております。仮に県立美術館と庁舎を合築し、にぎわい拠点として位置づければ、来場者の確保が一定程度見込める上に、市民、県民に対する美術教育の推進も容易になると思います。  さらに、美術館の管理運営に関して市役所と連動することで総コストの抑制が可能となります。倉吉側からすれば、庁舎の建設コストの削減、管理運営コストの削減、コンパクトシティーへの対応、あるいはランドマーク化によるにぎわい拠点の創造などなど多くのメリットもあります。要は、県も倉吉市も効率的インフラ整備とにぎわい拠点の創出という大命題が同時に追求できるということであります。  これは一見、非現実的に聞こえるかわかりませんけれども、何より日本初の取り組みとなります。水力発電のコンセッションと同様に、日本全国に与えるインパクトははかり知れないものがあると、このように思います。まさしく、知事のおっしゃる「福興」の象徴的建築物となる上に、これからの日本のインフラ整備の規範になり得ると、こんなふうに私は思っております。  単に美術館をつくるというのではなくて、効率的インフラ整備とにぎわい拠点の創出による成長戦略の観点からも合築などの工夫はできないか、今後のインフラの維持管理と成長戦略の観点から私は非常に重要な発想だと考えております。この点について知事の御所見を伺います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)野坂県議から重ねてお尋ねがございました。  先ほどの神戸起業操練所のほうの中身につきましては、非常に興味深い内容でございます。実は、先ほど申し上げた鳥取の未来育成型の人材確保のためのベンチャー支援、これは実は合宿を2回して、それで1回、総合的なアドバイスもする。それで専門家と一緒に県内外から集まったこれはというビジネスを育てようと、そういうタイプでありまして、多分同じようなことになれればなという思いでつくっているものであります。そうした神戸のいい例もございますので、そういうのを参考にして取り組まさせていただければありがたいと思っています。  また、後半のほうの合築による美術館整備の可能性ということでございます。これ、傾聴に値することだとは思いますけれども、今、美術館をどういうふうに基本構想を検討してやっていくのか、あるいはそれについて議会側としてどういう御意見を出されるのか、非常に私も緊張感を持っているタイミングで、倉吉を前提に話すというのはちょっとなかなか今言いにくいところでもございますが、仮にそういうふうになった場合の市役所の庁舎復旧とのコンビネーションということであります。  ただ、現実を申しますと、とにかく復旧は急いでやりたいと。これは他方の事業におきまして私どももそうでありますし、倉吉市も今そうだと思います。倉吉の場合は、東庁舎と南庁舎のダメージが比較的大きいと。本庁舎については、このたび軽微ではないかという結論を出されまして、修繕で対応しようというように、今、報道もなされたところであります。東については階段や壁についての損傷、また南庁舎については建物のつなぎのところの継ぎ目の剥離などでございまして、これはどこかに退避していくかどうかというところが多分焦点になると思います。これから検討されるということになろうかと思います。  ただ、問題は、今、我々のほうで提案しております基本計画をつくってPFIの検討をしてと、順次手続を踏んでいきますと、美術館のオープンというのは36年度でございまして、まだ大分先になります。したがいまして、倉吉市の市役所との合築というのは恐らく倉吉市側にとってはできないということになるのかなと思います。  というと、さっきのバカロレアみたいな話になってしまいますので、きょうのアイデアがありましたことは倉吉市側にもお伝えはさせていただきたいと思いますけれども、ただ、いずれにいたしましても今申しましたように、PFIのあり方を検討する予算をお願いしているところでございまして、そのPFIの検討の中で単に美術館を建てるだけでなくて、何かもっと効用が上がるような仕組み、あるいはコストダウンできるような仕組みがあるかどうか、それは専門的知見も入れて検証できるような予算にしておりますので、その中で検討すべきものだと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)8番野坂議員 ◯8番(野坂道明君)具体的に言ったほうがイメージが湧くかなと思いまして、事例としてあえて引かせていただきました。いろんなタイミングとか合っていかないと難しいのでしょうけれども、まさしく一つの方向性であることは間違いないと思います。  縦割りの行政の中で役割を、機能を絞ってこれはこれ、これはこれとやっていけたらよかったわけですけれども、これから人口減少に向かってそれでできないという答えが出ている以上、では、二戸一にしていくのですか、こういう消極論ではいけないと思うのです。いかに統合していって新たな機能、新たな役割、発信力、こういったようなものを持たせるかというのは今後のインフラの整備のあり方として重要な観点だろうと考えております。予断を持って議論することがないようにお願いしたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)11番浜田一哉議員 ◯11番(浜田一哉君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の浜田一哉でございます。  今月4日、境港シンフォニーガーデンにおきまして、水木しげる先生の生誕祭がとり行われました。今回が初めてとなる行事ですが、平井知事や中村市長がそれぞれ鬼太郎、ねずみ男に扮し、またラサール石井さんや境港市出身のテレビプロデューサー結城氏、そして松江市出身の地元で活躍されている歌手の六子をお招きして、会場満員の中、盛会に開催されました。東京から駆けつけられた奥様の武良布枝さんも感激されて涙ぐまれている光景を目の当たりにして、私も本当にすばらしい生誕祭ができたと感動いたしました。さらに、夕方からは、全国からさまざまな妖怪に仮装した約150名の方々が水木しげるロードを妖怪の着ぐるみたちとともにそぞろ歩き、大いに盛り上がっていました。  平成30年7月の完成を目標にロードのリニューアル工事も着工となり、今後、どのように進化していくのか、期待に胸が膨らんでいます。また、昨年2月に境港駅前にオープンとなったホテル御宿野乃がこのたびの楽天ビジネスホテルランキングで見事全国1位となったとのことであります。これもまた大変にうれしいニュースでありました。観光という一つの大きな産業、大きな財産を残してくださいました水木先生に改めて深く感謝するとともに、関係者の皆様方の不断の努力、そして水木プロダクションの皆様の御理解と御協力に深く敬意と感謝をあらわす次第であります。  前置きが少し長くなりましたが、それでは平井知事並びに山本教育長に、私見を交えながら2点について質問をいたします。  初めに、観光戦略について平井知事に伺います。平成27年の本県の観光入り込み客数は1,044万人で、前年と比較して35万6,000人の増、宿泊者実人数は246万6,000人で、前年と比較して3万1,000人の減であったそうです。ただし、平成27年1月から3月では、蟹取県改名効果やウエルカニキャンペーンにより58万5,000人と、平成26年同期と比べて6万6,000人増加したとのことであります。また、外国人延べ宿泊数は約10万3,000人で、前年と比較して4万5,000人と大幅に増加をし、過去最高であったとのことであります。特に外国人観光客の増加が顕著であり、今年度の米子-ソウル便のLCC化や香港便の開設、クルーズ船の寄港数の増加などにより、さらなるインバウンド観光客の増加が期待されます。現在、県では、さまざまな観光戦略や広域連携などの観光について施策を講じられていますが、これまでの取り組みに対する評価と今後の見通しについて、平井知事の所見を伺います。  観光客の入り込み客数は当然重要な数字ですが、いかにお金を落としてもらえるかというマーケティングやほかとの差別化を図った魅力ある商品の造成も等しく重要な鍵となってきます。特に、好調に推移しているクルーズ船について、現在日本に寄港し、境港に入っていない富裕層向けクルージング会社への売り込みやクルージング会社へのファムツアーを企画されてはと考えますが、平井知事の御所見を伺います。  このことに関連した県の取り組みとして、ことし1月27日には山陰インバウンド機構主催のWebセミナー「明日からできる!インバウンドでの山陰の消費拡大」が開催されましたが、どのような反応、成果を上げることができたのか、知事に伺います。  過日、世界で最も有名な豪華客船とされるクイーン・エリザベス号が平成31年4月に境港に寄港するとの報道がありました。港はもとより山陰の観光について評価が高まるものと大いに期待するものであります。あわせて、平井知事の迅速な行動力に対しまして改めて敬意を表するところであります。24日の朝から夕方までの停泊と伺っていますが、どのようなことが期待できるのか、また受け入れ態勢について平井知事にお尋ねいたします。  もう一つ着目していることがJR西日本との取り組みです。JR西日本は地域共生企業を掲げ、県と岩美町と共同でこれまでの実績において高い評価を受けている養殖マサバであるお嬢サバの陸上養殖事業の協定をことし1月に結ばれました。また、6月には新たな豪華寝台列車トワイライトエクスプレス瑞風も岩美町東浜駅にも停車することとなり、駅舎や周辺施設、駅前広場等も整備されることとなっています。鉄道ファンのみならず多くの県民に期待とともに注目されているわけですが、岩美町が地域の観光スポットとして脚光を浴び、あわせてお嬢サバのブランド化がさらに進むものと期待しているところです。  また、もう一つJR西日本の取り組みとして、平成30年7月1日から9月30日まで、鳥取島根両県全域が開催地に指定され、共同開催で地域の観光資源の開発や全国的な宣伝を行う広域的な観光誘客キャンペーン、デスティネーションキャンペーンが実施されることとなっています。こうしたJR西日本との共同事業は、本県にとってもさまざまな可能性が広がるものと期待しているところであります。今後の山陰地方の観光振興戦略に結びつくイベントにすべきものと考えますが、事業内容や今後の取り組みについて、平井知事の所見を伺います。  今月初めに岡山県に本社のある両備グループ傘下の和歌山電鐵を視察に行きました。この路線は南海電気鉄道が経営不振となったものを周辺住民の路線存続の運動があって公募をした結果、両備グループが引き継いで運営をされているものであります。たま電車と聞けば、皆さんも耳にしたことがあろうかと思います。和歌山駅から貴志駅までの片道30分ほどの間をたま電車、おもちゃ電車、いちご電車、うめ星電車等、これまであった車両の内外装を改装し、楽しい雰囲気と機能性を兼ね備えたユニークな車両が走っていました。2006年からの運行で、民間の支援団体と連携を図りながらさまざまな取り組みをされて経営向上に努められています。  実際に利用して驚いたことは、多くの外国人観光客が小さなお子様連れで乗っておられたということです。主には、香港、台湾からの観光客が多いとのことで、平日の昼間ということも影響しているかもしれませんが、半数以上を占めていたように思います。この光景を見て、私はぜひJR境線もこのような観光列車化を図るべきではと思ったところであります。  多くの外国人観光客が訪れる境港、そして米子駅の南北一体化の取り組みや、さらには大山開山1300年祭を鑑みますと、地域観光の一つの魅力的な要素として点を線にする役割を果たすことができるものと思います。JR西日本に対してぜひ働きかけてみられてはと思いますが、平井知事の所見を伺います。  次に、いじめ問題について、山本教育長に伺います。  この近年、特に目を疑うようなとても信じられない内容のいじめや、教育委員会や学校現場の不信を招くような対応が目につきます。平成23年、大津市において、学校側がいじめはなかったとして適切な対応をしなかったことが原因で中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した事件が翌年になって発覚するといった事態となったことは今でも脳裏に残っております。  大きく取り上げられたことが契機となって、平成25年に被害者側に適切に情報提供をすることを定めたいじめ防止対策推進法が制定されました。また、教育委員会制度についても制度そのものの形骸化が指摘され、学校に重大問題が発生した場合、首長が責任を持って教育行政を進める必要があるとして、およそ60年ぶりに大幅改正をされました。にもかかわらず、沖縄県豊見城市の小学校4年生の自殺や、横浜市では原発避難者の中学1年生が何年にもわたってばい菌呼ばわりをされ、150万円ものお金をおごらされたにもかかわらず、当初、いじめと認識されなかった事件、愛知県一宮市では、担任教師のいじめによって中学3年生の男子生徒が飛びおり自殺をした事件等々、法が整備をされ制度が改正され、また多くの事件が発生しても、いまだにこういった事件が多発していることに憤りを覚えずにはいられません。こうした一連の重大な事件についての見解と、またあわせて本県においてこうした重大な事件が発生した場合の対応について、山本教育長の所見を伺います。  県内のいじめやそれにつながる不登校の状況を伺いますと、いじめ認知件数についてはいずれの年も生徒数割にすると全国平均を下回っているものの、平成26年から27年は特に小中学校において大幅に増加をしているとのことです。これは、積極的にいじめを認知するために教職員がアンテナの感度を高くして、初期段階や短期間で解消した例についてもいじめと認知し、早期に、そして組織的に対応するための学校の姿勢であるとのことであります。  いじめの態様の中では、小中学校ともに冷やかしやからかい、悪口やおどし文句、嫌なことを言われる、また軽くぶつかったり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりするの項目が大幅に増加をしているとのことでありました。  また、不登校については、小学生が平成22年の109人から平成27年は154人と、年々増加傾向にあり、その出現率も全国平均の0.42に対して0.51、大きく上回っています。県内の傾向としては、学校復帰できる割合が高かったが、近年、継続の不登校の割合が増加をしているとのことであります。90日以上の長期不登校小学校児童数は66人、同じく中学校生徒数は257人とのことです。不登校の長期化は、子供をますます孤立化しかねず、学校へも復帰しにくい状態になりかねません。教育長として本県の現況をどのように分析されておられるのか、また、各市町村とどのように連携をし、取り組まれているのか、山本教育長に伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田一哉議員の一般質問にお答え申し上げます。  冒頭、3月4日の水木しげる先生の誕生祭、さらには野乃のお話がございました。確かに境港は変わってきたと思います。ちょっと前までシャッター街のようなまちが妖怪の力でよみがえったかのようなことになりました。念願でありましたホテルも駅前にできて、夜中の人通りも生まれるようになってきました。野乃というそのホテルも朝食が大人気でありまして、海鮮丼を腹いっぱい食べられる、そんなどこにもないようなそういうホテルのおもてなしが多分このたびの第1位を獲得した原動力ではないかなと思います。  「しないではいられないことをし続けなさい」、7カ条の中で水木しげる先生が私たちに残した言葉であります。しないではいられない、そういうまちおこし、観光の振興、こういうことにしっかりと力を入れることが私たちの先生に対する報いる道ではないかと考えております。  議員のほうから、その観光につきまして何点かお尋ねをいただきました。  まず、外国人観光客の増加等々、これまでの観光の取り組みの評価、あるいは今後の見通しなどはいかがかと、こういうお尋ねでございます。  議員もざっと振り返られたように、最近かなり顕著に鳥取の観光もしっかりし始めているのではと思います。先般の3月4日のとき、あのにぎわいを見ますと、全国各地から集まられる方がいらっしゃって、非常におもてなしといいますかまちの雰囲気を喜ばれたり、それぞれ感動していかれるわけですね。また、先般3月12日ですか、倉吉のほうで、これは「くらよしありがとう祭♪」という「ひなビタ♪」を活用しながら、震災復興に協力いただいた方々にお礼を申し上げる趣旨でやりましたところ、8,000人のお客様がやってきて、狭い通りがいっぱいになるという状況が生まれました。なかなか今まではなかったようなことが確かに現実に変わってきていると思います。ここに至るまで、漫画やアニメの魅力の振興だとか観光地づくり、それからおもてなしの向上、海外とのパイプづくり、そんなことがようやく生きてきたのかなと思います。  これまでの観光の本県の最近の状況を振り返ってみますと、平成22年がやはり一つのモーメントだったのだろうと思うのです。これは私自身もある程度迷いも持ちながらも、ただいずれ最後には少なくとも境港に来るだろうと思いながら、御協力申し上げたのが水木しげる先生の「ゲゲゲの女房」のドラマ化でございました。NHKもそこを決めていただいて、現実にドラマは放送されたわけであります。そんなに鳥取県が画面の中で登場する機会は必ずしも多いほうではなかったと思いますけれども、ただ、読みどおり、この水木先生にちなんだ観光地にお客さんは来るだろうと、観光地はほかにないので、鳥取の境港に来るはずだというのは当たっていまして、結果的にはそれ以来、1,000万人の大台に乗ってこれをキープできているということであります。これを大切な財産として今後発展させていかなければなりません。  その中で、クルーズ客船が来年度60回前後来るのではないかというのは大きなことでありまして、これで来られるお客様がさらにリピーターになって私どものところを訪れることが大切でありますし、91.1%にもなってまいりましたアシアナにかわるエアソウル便、これもこれからちょっと大統領選がありますので冷え込む危険はあるのですけれども、長い目で見てしっかりとこれをキープしていけば、増便の可能性だって考えられないことではないだろうと思います。  こういうような海外とのパイプづくり、それから内に向けましても先ほど蟹取県キャンペーンのお話がございましたけれども、大分鳥取の、ここはいいところだよとか、こういうカニだとかスイカだとか梨だとかありますよという、そういう一つのキャンペーンが大消費地に届き始めているのではないかなと思います。現に鳥取が取り上げられる、そういう数はふえてきたというデータでございます。  こんなようなことがいろいろと重なってきて力は生まれてきたと思いますが、さらにこれを伸ばしていかなければなりません。そういう意味で、私どもとしても現場と話し合いながら、マーケティングをしたり、またおもてなしの力を高めていったり、特に目の前に迫っている大山1300年祭、こうしたタイミングを活用していく必要があると思います。  具体的なお話も何点かいただいたわけでございます。クルーズ船につきましてのファムツアーを企画してはどうだろうかと、こういうことでございますし、また、山陰インバウンド機構のセミナーの反響はどうだったのか、また、クイーン・エリザベス号に期待できるもの、受け入れ体制はどうかと、こういうお尋ねでございます。  これらについてでありますけれども、クルーズ船につきましては実は一つの手順がありまして、議員も境港管理組合のこともあってある程度御案内かと思いますが、いきなりは来ないのですね。それで通常はやはりまず船社側と知り合うこと。私どもはACTA、アジア・クルーズ・ターミナル協会に神戸港とともに最初に加入したチャーターメンバーであるということで、これが後々生きてきまして、いろんな船社側とのパイプが一挙に拡大をしたということがございました。そこで来てくださいということを、例えばシンガポールのそういう見本市などで申し上げるわけです。それで実際に来ていただく、いわばファムトリップをやるわけですね。大事なのは船社側の重要人物でございまして、私どもとしてはそれを招請して、松江城など島根県側も含めて回ってもらい、こちらのものを食べていただき、納得してもらうということをさせていただいております。この積み重ねで新年度60回の予約というところまで来ているわけでございます。こういうようなことをぜひ今後とも継続して展開してクルーズ船の足元をしっかり固めていければと思います。  また、あわせてこのクルーズが停泊する港であることをもう一つ利用できないかなという意味でのファムトリップといいますか、体験をしていただくこともあっていいのかなと。これもコスタネオロマンチカという船が新年度は24回寄港するわけです。これがこちらに入りまして、境港に入って出ていくのですけれども、お客さんがあれば乗せてもいいかもという今交渉になっているのですね。ただ、これはなかなか難しいです。乗船できない港というふうに従来なっていまして、これが例えば香港便であるとかそうしたのとうまく組み合わさってくると、我々が夢見ていたようなターンアラウンドといいますか、乗りかえ港としてツインポートとしての境港と米子鬼太郎空港が生きてくるということにもなり得るチャンスもありますと。ですから、こういうのもいわば実地に体験していただいて、そういう意味で船旅につなげるようなファムトリップの活用ということもあるのかなというふうに思っております。  山陰インバウンド機構では、いろいろと今、プロモーションだとかおもてなしの体制づくりでいろんなことを始められていますけれども、議員が御指摘ございましたように、1月にそういうセミナーがありました。例えば、こうした一環で西林さんというトリップアドバイザーの方のお話も結構刺激的だったみたいで、結局世界に通ずるようなネットサイトで口コミ評価が書かれないと、こういう宿がありますよということすら伝わらないと。ですから、そういうところにまずは掲載をしたりして顔を出すことが必要だというお話がありました。今、そういうことに呼応して、では、トリップアドバイザーにチャレンジしてみようかというお宿が早速出始めております。このようにいろいろと反響も出てきたところかなというふうに思います。  そういう中で、例えば今、経産省ともタイアップしてできないか協議中なのですけれども、IoTを活用してスマート決済をしたりだとか、そうしたことも含めた次の時代に向けたような旅のあり方を提案できないかなと、この辺も今、そうしたインバウンド機構とも協議をさせていただいているところであります。  クイーン・エリザベスにつきましては、ティモシー・マシソンさんという方がいらっしゃいまして、私も米子で打ち合わせ、協議をさせていただき、非常に日本のことも気に入ってもらったようでございましたし、山陰の魅力もわかっていただけたようでございました。その後、3月1日だったかと思いますが、横浜を起点してクイーン・エリザベスを回していくという港の中に境港が発表されまして、大変にありがたく感謝申し上げた次第でございます。  クイーン・エリザベスは、寄港するのは次の次のシーズンですか、2019年だったと思います。ですが、実に知名度の高い船です。特にイギリス、それからドイツを中心としたヨーロッパで非常に好まれる船でございます。日本の国内でもとても人気がある船です。ラグジュアリークラスという上のほうのクラスになりますが、このクラスの船、我々のところへも今までも飛鳥IIを初めとして寄港もしているのですけれども、やはりクイーン・エリザベスというとちょっと世界的には別格です。これが寄港するというのは、クイーン・エリザベスも入港する港だよというステータスが境港に生まれるということでありまして、いいチャンスではないかなと思っております。  早速、その受け入れ態勢、例えばバスの用意であるとか、それからこちらでのランドでのツアーであるとか、その辺を向こうのランドオペレーターをするような会社などと打ち合わせを始めることとしておるわけでありますが、用意できるバスの数の中に大体ツアーのほうもおさまりそうに考えられますし、また境港の岸壁から境港の駅のほうに運ぶようなシャトルバス、それに伴うツアーづくりなども含めて今、交渉しようとしていますが、いろいろと魅力を売り込んで、またこれだったら境港に寄ってみようというふうにキュナード・ラインのほうが、クルーズが考えていただけるような、そういうおもてなしをできればと思っております。  次に、JR西日本とのタイアップ、妖怪列車等の働きかけにつきましてお尋ねがございました。これにつきましては、幾つかのプロジェクトが今同時進行していまして、御指摘いただいた、まず瑞風についてでありますが、今、だんだんと6月からのツアーの中身の詳細が見えてきました。きょうもJR西日本のほうで記者発表がありまして、鳥取市内の民芸関連施設、そうしたところを冬の間の立ち寄り先として発表されたところでございます。こんなようなことなど、県内のいろんな魅力にお客様に接していただく、それが当方の観光スポットのステータスの向上につながるようになればと期待をいたしております。  また、お嬢サバにつきましては、これ岩美のほうで現実に操業されることになりましたけれども、新しいJRの地域貢献ビジネスとして養殖を通じて雇用をしたり、また新しい食材を提供して地域振興につなげようということでありまして、県としてもこれは全面的に協力をさせていただいております。  山陰デスティネーションキャンペーンは、来年、平成30年の7月から9月が中心になりますけれども、その前にプレのキャンペーンをやり、また1年後にはアフターのキャンペーンをやると、そういう3年がかり、特に真ん中が平成30年でこれが重点的なときということでございます。さまざまなツアー造成をして新しい旅の素材もつくり上げながらやっていこうというふうに今、関係者とも動いているところでございます。  こういうこととあわせて、平成30年の夏にリニューアルオープンする水木しげるロードを初め、妖怪の魅力を鉄道とつなげていくことも非常にいい考えだろうと思います。現実にもリニューアル事業の関係で、平成30年の春ごろはちょうど駅前に50体ぐらいですか、かなりの妖怪を集めるという、そういう過渡的なのですけれども、作業の工程上集めるわけでありますが、それを逆に利用して、妖怪か何かミーティングをやっているようなそんな魅力のある駅前にする、それをJRとタイアップしていくというのもアイデアとしてあり得るだろうと思っております。  議員もおっしゃいましたけれども、この際、何か盛り上げてもいいのではないかと思われますし、私どもでも過去のことを申し上げれば、国際まんが博をやったころ、境港の観光協会とも協議をする中で、妖怪列車のリニューアルをしたことがございました。今回も県も出捐しながら、観光事業者も出捐しながらキャンペーンをやるわけでありまして、そういう意味でこうした妖怪列車のパワーアップ、その辺もJR側に働きかけさせていただきたいと思います。  また、これとあわせて、たま電車の盛り上げを地域でやったようなこともございました。ですから、この境線を一つのモチーフとしながら、境港や米子の観光協会と話し合いをしたり、JRとも話し合いをしたりして、何かみんなでこの沿線を盛り上げるような、そういうプログラム、キャンペーンも含めて組めればなというふうに考えております。いよいよデスティネーションキャンペーンも1年ちょっと先に迫ってまいりましたので、関係者ともよく協議をしてまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)浜田一哉議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私には、いじめ問題への対応につきまして、法律が整備されて制度が改正されても全国的にはいまだにいじめに関する事件が多発していると、こうした重大事件についての見解、あるいは本県でこうした事件が発生した場合の対応、またいじめ、不登校の本県の現況についての分析、それに対して市町村とどのように連携して取り組んでいるかといった点について、お尋ねがございました。  議員お話のとおり、全国では深刻な事件、事案が後を絶たない状況でございまして、私としても大変心を痛めておるところでございます。このような重大な事案の対応において、これは新聞報道等で読む限りということになるわけでございますが、やはり何がしかそれぞれ課題があるのではないかなと考えております。例えば、アンケート、あるいは日記、そうしたもので情報をやりとりする中で、子供たちがSOSを出しているにもかかわらずそれを見落としていたり、読んでいたかもしれないけれども気づいていないといったようなことで教員に伝わっていないということでありますとか、また、そうした訴えを担任を初め教員が抱えてしまってほかの先生方と情報共有がなされていない、あるいは学校と教育委員会の対応がばらばらで全然連携がとれていなくて、そこがまた不信感を呼んで事が大きくなっているといったようなことがあろうかと思います。  これはどこの学校でも起こり得ることではないかなと一方では思っておりまして、こうした事態に至らぬように、常に私としても危機感を感じておるところでございます。いじめの問題として捉える部分もあろうかと思いますが、一方では、例えば職場の風土でありますとか、風通しのよさ、あるいは同僚性、そうしたこともしっかりと取り組んでいく必要があるのではないかなと思っております。  重大事態が発生した場合、本県では法律に従って対応していくことになるわけでございますが、学校におきましては重大事態が発生した旨を速やかに学校設置者であります教育委員会、県または市町村それぞれになると思いますが報告をし、それぞれ教育委員会は首長ですね、地方公共団体の長に速やかに報告することになっております。また、教育委員会につきましては、重大事態の調査主体を教育委員会自身がやるのか、学校にやらせるのか、そうしたことを判断して調査を実施するとともに、その調査結果をいじめを受けた児童、あるいは保護者等に情報提供をいたしますとともに、これもまた首長、地方公共団体の長に報告をすることといたしております。  こうした重大事態に関して行われた調査結果につきまして必要があると認められるときには、地方公共団体の長、首長は再調査を行うこともあるわけでございまして、鳥取県の場合には鳥取県いじめ問題検証委員会という常設の委員会がそれに当たられるということになっておりまして、制度上、そうしたことをきっちりと定めているというところでございます。  この調査につきましては、第三者の参加を図るなど適切に行い、調査後につきましては、先ほど少し申し上げましたが、必要な情報を必要な方にお知らせをするといったことはもちろんのこと、調査結果を踏まえて必要な措置を講じていくということにもなろうかというふうに存じ上げるところでございます。  いじめにつきましては、認知件数の割合、先ほどお話のとおりでございまして、全国的には低い状況にあり、その態様といたしましては、冷やかしあるいはからかい、悪口、嫌なことを言われる、そうしたことが大幅に増加しておりますが、こうした初期段階のいじめも認知して早期に対応するという姿勢、こうしたことが必要ではないかなと考えております。  一方で、いじめを1件も認知しなかった学校というのもあるわけでございまして、全くないということが本当にあり得るのだろうかということも思ったりもするわけでございまして、そうしたところにつきましてはいじめについての定義を再度しっかりと承知してもらいまして、子供たちの状況をしっかりと把握してもらうといった取り組みも行っているところでございます。  一方では、このいじめの認知件数の多い少ないに余りとらわれ過ぎず、基本的には一人一人の子供たちの状況をしっかりと見ると、観察をする、教育の世界では見取るという言葉を使いますが、見取りをしっかりと行って、初期の段階のいじめもしっかりと認知をして早期に、これは組織的に対応するといったことで重大な事態に至らないようにするということが、最も重要ではないかなと考えておるところでございます。  実は、この法律は25年にできたわけでございますが、先ほどお話ありました大津の事件、そしてまた本県でもいじめの事案等がありまして、そうしたことを教訓に、平成24年度に実は当時教育協働会議という、今の総合教育会議の前身の制度を平井知事のほうでつくっていただいておりまして、そこの場で、例えばhyper-QUという心理テスト、これは学級内の人間関係もわかってくるような心理テストを全県下の小中学校でやるといったようなことでありますとか、24時間体制でのいじめ相談窓口を設けるといったようなこともその中で話し合い、予算措置もしていただいたというようなこともあります。また、あわせて、その翌年の4月にはいじめ・不登校総合対策センターというものを組織的に設置いたしまして、ここで学校をサポートする専門家を派遣したりといったことも含めて、市町村の支援等々、組織的に対応するといったことに取り組んでおるところでございます。そうしたことを通じながら、市町村としっかりと連携をしながらこのいじめの問題に取り組んでおるところでございます。  また、不登校につきましては、最近少し増加傾向にあるわけでございますが、不登校の理由についてはいじめを直接の理由とするものは小学校、中学校ともごくごく少数であるわけでございまして、最近では本人が非常に不安感を持っているといったような事例が圧倒的に多いと。そこにはいじめとは違う人間関係があるといったことも背景としてはあるわけですが、そうしたことでありますとか、家庭環境ですね、そうしたことに起因する不登校がふえていると承知をいたしております。  こうした子供たちを取り巻く環境というのが複雑化、多様化してきている中で、例えば、心理の専門家でありますスクールカウンセラー、あるいは福祉の専門家でありますスクールソーシャルワーカー、こうした方々のニーズというのが学校現場でも高まっている状況にありまして、そうした方々、専門家の配置について教育委員会としても意を払っておるところでございます。さき方も不登校が長期にわたるといった場合がふえているということでございますが、そこに対して市町村の教育支援センターに昨年からアウトリーチ型の支援ができる職員を配置していただいておりまして、引きこもって不登校になっている家庭に支援センターの職員の方が何度も出かけていって、外に出れるようになるといったような成果も出ておりまして、そうしたことを引き続き取り組んでまいりたいと考えております。そうした関係の予算もこのたびお願いいたしておるところでございます。  また、こうしたいじめでありますとか不登校になる、あるいはいじめをしてしまうというところを精神医学的、あるいは脳科学の見地から少し科学的根拠に基づいて、それを防いでいくような、例えば情動を抑制するプログラムでありますとか不安を自分で解消していくような、そうした訓練を行うようなプログラムを使った指導につきまして、来年度少しモデル的に取り組んでみようということでこのたびの予算の中にもそうしたことも盛り込ませていただいております。そうしたことも含めまして、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)11番浜田議員 ◯11番(浜田一哉君)御答弁いただきました。実は自宅からジャージを着まして家内と2人で歩いて水木しげるロードまで行って歩いたわけですけれども、たまたま市の担当者がおられまして、やはり鬼太郎ファミリーのぬりかべや一反もめんなんていうのは、ちょっと難しいよねなんて話をしていたら、ぬりかべのコスプレで参加をされた人がちょうどもうすぐ隣に来られて2人で目を丸くしてびっくりしたのです。それが後日、日本海新聞のほうに掲載されていましたけれども、佐賀県から来てくださったということで、本当にありがたいなと思ってすごく喜んだところです。そういった面でもやはりこの全国的な広がりを少しずつ、皆さんのおかげで広がってきたのかなというふうに思いました。  知事からも前向きな答弁をいただきました。幾つか追及をしたいと思います。  境港外港竹内南地区の貨客船ターミナルの着工記念式典が今月12日に開催されました。いよいよ事業も本格着工となったということであります。寄港される観光客にとって、良好な環境、また機能、そして周辺地域の特色や魅力を紹介できるスペース、地元の誇るべき商品の展示や販売ができるスペース、各種イベント等ができるスペースなどなどが考えられると思います。以前にも少し提案をさせていただきましたけれども、アシックスの直販店が欲しいなと。ただし、これは常設というわけにはなかなか難しいのかなとも考えましたけれども、そういった寄港の際、あるいは船の乗客にもよるかもしれませんけれども、限定的にでも出店ができないものかなというふうに考えるところであります。  オーダーメードのウオーキングシューズは海外で購入すると1足5万円を超すほどの値段にもなるというふうに伺っております。ターミナルでサンプル展示をし採寸してオーダーして、それが3万円ほどでできるとしたら、1日分のクルーズ料金が浮くという、そういったことも考えられるということであります。それだけでもクルーズ船を利用してみようかなという気持ちにつながるかもしれないと思っております。シドニーオリンピックマラソンで優勝した高橋尚子選手やイチローが実際に履いたものを展示すれば、さらにアピールできるものと考えます。知事は、このターミナルについてどのようなイメージを持っておられるのか伺います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田議員から重ねてお尋ねがございました。  先般は、3月12日、関係の議員の皆様もお集まりになり、着工の記念式典を夢みなとタワーで開催できましたこと、改めて感謝を申し上げたいと思います。  その折にも御披露申し上げましたけれども、3,300平米ぐらいの絵を描こうとしておりまして、シンプルな中にも機能性のきちんと備わったような、そういうターミナルのイメージで最終的に調整をしているところです。例えば、CIQを経たらすぐに目の前に観光バスがいるような、そういうようなしつらえであるとか、また近くの夢みなとタワーと一体化したゾーンとしてにぎわいを演出するだとか、そういういろいろと構想を今最終的に詰めているところであります。  今の一つの考え方としては、このターミナル自体はシンプルにして、それで夢みなとタワーの中でおもてなしなりにぎわいなりを、近いですからそこはそういう一体性のあるもので考えてもいいのではないかなというアイデアで今進めていますが、例えばちょっとしたイベントぐらいは柔軟な構造にして、つまりパーティションなどである程度のことはできるぐらいのスペースもターミナルの中に用意をする、そんなイメージかなと思います。それをこれから具体的に煮詰めていくわけでありますし、現実にできるときまでに物販等も含めてどうするのかということになってこようかと思います。  今お話ありましたアシックスは、海外のお客様にも人気のあるアイテムだと思います。以前タイのお客様をこちらでツアーを呼び込みましたときも倉吉のほうでアシックスを特別に買える時間帯をつくりましたところ、大変な売れ行きになったということでございまして、お国柄もあるでしょうけれども、非常に人気があるということです。  そんなこともありまして、ターミナルのようなところでアシックスのお店ができないだろうかというのは、率直に申し上げれば、そういう声も今までもありましたので、私どもでも先方に打診をしたこともございます。今、浜田議員がおっしゃったような理由なのですが、ターミナルを目いっぱい使って多分年間100日程度だろうということでございますが、それではちょっと採算が合わない。夢みなとタワーであってもなかなか難しいと。ですから、企業側としてはリダクタントでありました。それとあわせて、やはり系列のお店があるものですから、系列のお店の売り上げへの影響ということの懸念をどうもされるのではないかと思います。企業としてむべからぬところがございますので、それはそれとして受けとめるのかなと思っていますが、何らかの工夫の余地はあるのではないかと思います。  例えばアシックスさんの新しい工場がこのたび誕生します。ちょうど靴を入れる靴箱のような外見の工場でありまして、中での靴の製作工程、それからアシックスさんの靴の歴史などにも触れられるような、そういうマニアの人といいますかファンの人が見ても楽しめるようなところになろうかと思います。工場が主体でありますので、ふだんから入れるわけではありませんが、ミュージアムファクトリーとして人にも見ていただけるようなしつらえをするということであります。  イベント的な物販をそういう、例えば、特にアシックスを好まれるようなお客様のツアーが来たときにやってみるということなどは今後交渉の余地はあるのではないかなというふうに思っていまして、どちらかというとアシックスのことであればそういうほうが現実的かもしれないなと思います。  大切なのは、夢みなとタワーのほうの盛り上げも含めて、ターミナルができるときまでに両者の機能分担や、それからつくり方も考えていかなければいけないことでありまして、今後また県議会、それから境港管理組合にもきちんと協議をしながら煮詰めてまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)11番浜田議員 ◯11番(浜田一哉君)よくわかりました。  そういうことはあろうかなというふうには思っておりました。でも、先ほど言われたように、境港市がもう唯一の国内の工場であります。私が住んでいる町内にあるわけですけれども、小学校ぐらいのときにできたのでしょうか。やはり僕らはオニツカタイガースポーツシューズ時代からなれ親しんだ憧れたメーカーですし、ぜひこういった名前を世界にここの地元から発信したいなというふうな気持ちを持っております。今後ともよろしくお願いいたします。  あと、デスティネーションキャンペーンです。山陰DCとこれからは言いますけれども、山陰DCは、観光戦略において本当に一つの好機だと考えます。これまでの有効な取り組みは継続しても、少人数グループを対象にしたものや富裕層に向けたプレミアムコースなど多種多様なニーズに応えることができる商品を造成することが必要ではないかと思います。コースの内容も酒造見学、飲酒、販売といったものや、家族風呂のある温泉、お祭り等のイベント、マラソンやウオーキング、サイクリングなどスポーツイベントへの参加であるとかカニなどの食の体験ツアーなど、魅力のある選択肢をふやすことが多様なニーズに応え、またリピートにもつながるものと考えます。知事の御所見を伺います。  そして、JR境線については、地元住民や愛好家にもっと愛着を感じられるような取り組みが必要ではないかと思います。かつてはJR境線も廃線になるという危機的な状況のときもありました。ただ最終的に境-米子、米子-境で通勤、通学をされる人のことを考えると、バスがどうなるかもわからないという状況の中で存続になったわけです。そしてそれから水木しげるロードによって観光客が来られるようになって、少しずつ利用するお客さんもふえてきたのかなというふうに思います。  私はやはりそういった愛着をもっと感じられるような取り組みが必要ではないかなと思います。例えば、車両内に子供たちの絵を掲示できるようなスペースを設置したり、土日、祭日、限定的になろうかと思いますけれども、妖怪の着ぐるみが乗車するといったような取り組みなど考えられるのではないかなと思います。また、各駅には妖怪の名前がついているのですけれども、それらしい雰囲気は一つもありません。各無人駅に待合室としてあずまや、もしくは丸太でつくったひさしみたいなものを設置したりとか、駅周辺にも工夫が必要ではないかと思います。鬼太郎列車応援隊のようなものをつくり、企業やメンバーからの寄附、あるいは会費を利用してさまざまな魅力アップのための費用に充てるなどの体制づくりはできないものかというふうにも考えます。クラウドファンディングなども活用ができるのではないかなというふうに思うわけであります。観光列車としての位置づけが加わりますと、乗車率の向上にもつながるのではないかというふうに思いますけれども、知事の御所見を伺います。
    ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田県議から重ねてお尋ねがございました。  まず、山陰デスティネーションキャンペーンでありますが、これはこれからつくり込んでいくことになります。いずれ島根県、鳥取県両県またがる実行委員会組織もつくりまして、大々的なキャンペーンを展開していこうということです。  大切なのは、後に残るようなもの、観光素材をこの機につくり込みまして、リピーターが来ていただけるようなものであれば、後々観光客がふえていく要因になる。デスティネーションキャンペーン自体そういう未来に対する投資としてやるようなところがございますので、その本質を突いたことを考えていかなければいけないと思います。  例えば、境港であれば妖怪がそぞろ歩くような、そういうイベントであるとか、またみなと祭の花火であるとか、そういう素材も実は観光でも生かせるものでございますし、また鳥取県の中部でも北栄のところに蜘ケ家山という170メーターぐらいの山、そんな高い山ではありませんけれども、そこから見るといさり火がきれいに見える、そんなものも素材になるのではないかとか、あるいは大山や三朝や佐治などで星を眺めるとか、そんな従来とはまたさらに前に踏み出すような観光素材づくりをぜひ今回のデスティネーションキャンペーンでやっていこうではないかと、JR側とも話をしているところであります。  あわせまして、境線の振興でございますけれども、今のようなお話、沿線の観光協会等、あるいは自治体等とも今後このデスティネーションキャンペーンも絡めて協議をしながら盛り上げ策を考えていくのかなと思います。  先ほどの和歌山電鐵の貴志川線のように、沿線で協力して資金もみんなで頑張って集めて、いろいろと手を加えて、今ではちょっとした名所になっている、そういう成功例も出てきております。境線はその素材は十分あると思うのですね。単なる通勤、通学の路線だけではなくて、妖怪列車化してきて今では大体1日当たり3,000人ぐらいの乗降客が出てくるようになりました。また、米子空港駅が誕生して、これもまたある意味交通弱者である外国の方も含めて使いやすい素材にもなり始めて、ユニークな路線だろうと思います。乗って楽しいような意味で、今の着ぐるみでのイベントなどもあろうかと思うのですが、香港のお客様が定着したのは、その着ぐるみが乗り込むというサービスがゆえでございましたし、地元が協力していけばそういう誘引策というのはとれるのではないかと思います。この辺もデスティネーションキャンペーンの議論の中で関係者と話し合ってみたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)11番浜田議員 ◯11番(浜田一哉君)ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  時間が押してまいりましたが、いじめ問題について追及をいたします。  文部科学省の平成27年度の調査によりますと、全国でいじめの重大事態は313件あり、49件について第三者委員会が設置されたとのことでありましたが、本県の状況について教育長に伺います。  また、いじめ対策推進法が制定され、そして教育委員会制度が改正されたことによって県の取り組みとしてどのように変わったのか、お聞かせください。  過日、報道によりますと、公立学校で起きた重大ないじめを調べるために、全国の教育委員会が2015年度に設置した第三者委員会による調査結果のうち、全国で13都府県の18件が公表されていないということがわかったとのことであります。文部科学省では、特別な事情がない限り、調査結果の公表が原則としております。これは東京電力第一原発事故で横浜市に自主避難した生徒のいじめ問題が報道されるまで結果を公表せず、批判が起きたことを受けて、共同通信が行った全国の現状調査の結果であります。非公表の主な理由は、プライバシーの保護や、状況を悪化させないための教育的配慮、公表の義務がないなどの理由によるものだというふうになっておりますが、鳥取県が公表しなかったのはなぜか、教育長の所見を伺います。  仮に、重大ないじめ問題が確認できた場合、被害者や加害者への対応はどのように対応しておられるのか、また担任と学校側の意思疎通が図れていないケースが多いように思うが、なぜ重大な事件に至るまでの段階に未然に防ぐことができないのか、本県においてそういった事態にはならない体制がとられているのか、教育長に伺います。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)浜田一哉議員から、重ねていじめ問題につきまして何点か御質問がございました。重大事態につきましての状況でありますとか、教育委員会制度が改正されたことに伴う取り組みがどう変わったのか、あるいは第三者委員会の調査結果のうち公表されていなかったことについての所見でありますとか、あるいはいじめ問題が起きた場合の被害者、加害者への対応ということでございます。  こうしたいじめ問題につきまして、推進法が改正され、教育委員会制度も改正されたわけです。教育委員会制度はいじめとは直接関係はないのですが、それが前提となって改正をされたわけでございます。先ほど申し上げましたとおり、教育委員会制度改正絡みでは、本県はこの改正以前からそれに準じたような、先取りをするような形で取り組みを行ってきておりましたので、ここの部分につきまして何か特に変わったことというのはないわけでして、従前から知事と教育委員会とがしっかりと連携をとりながらこの問題に取り組んできておるわけでございます。法が制定されたことに伴いましては、例えば県内の関係団体ですね、医師会でありますとか弁護士会でありますとか、子供たちにかかわっておられる方々を交えたいじめ問題対策連絡協議会というものをつくって情報交換をしたり、あるいは今後の対策をお互い知恵を出し合って検討したりというようなことも始まりましたし、各学校にいじめ問題に対応する組織をきちんとどの学校にもつくるといったようなことで、この法律に基づいて行うべきものという項目につきましては、どの学校あるいは教育委員会も対応をしてきているといった点で、組織的あるいは体系的に取り組みが進んできておるところでございます。  そうした中で、重大事態というのが鳥取県では27年度1件ございまして、その問題につきまして、調査結果は原則公表ということになっておるわけでございます。国のほうでは特別な事情がない限り原則公表するということでございまして、私も例えば社会的な説明責任を果たすということでありますとか、再発防止に生かしていくといったことではこうした考え方に沿って対応すべきものというふうには考えております。特別な事情ということをどう考えるかということでございますが、例えば、被害者の側がどうしても公表を拒まれる、そうした場合もあるのではないかなと思っておりますし、また加害側と被害側と言われる子供たちがまだ同じ学校の中にいて、例えばクラスが分けれないというような、1クラスしかないというような状況の中で、そこが公表によってわかってしまうと、非常にまたその後の人間関係がうまくいかないといったようなこともあるのではないかなと思っておりまして、そうした特別な事情、公表が前提としながらも個々具体的にそこは検討をした上で判断をすべきものではないかなと考えておるところでございます。  また、加害側についてもしっかりと指導をしていく必要もあるわけでございますし、加害の側、いじめた側の子供たちだけではなくて、それを周りで見ていたけれども何もできなかった、そうした児童生徒への指導というのも必要になってこようかと思いますが、そうしたもの、トータルで学校は対応していく必要があるのではないかなと思っておりまして、そうしたことにつきましていじめ・不登校総合対策センターでいろんなケースを蓄積をしつつ、そこについて学校に適切に指導をしていくといったような取り組みを行いつつあるところでございます。  そうしたことで、先ほど申し上げましたが、担任が1人で抱えない、組織的に対応するといったことで重大事態につながるようなそうしたケースを防いでいくといったことが一番肝要であろうと思っておりまして、そこに一番の力を注いでまいりたいと考えておるところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)11番浜田議員 ◯11番(浜田一哉君)ありがとうございました。  教員側は生徒の目線にやはり合わせる、そういった下げて、おりてこないとだめだと思っているのです。やはり生徒から信頼される先生ではなかったら相談もできないと思います。しっかりと教育現場で周知徹底をお願いしたいと思います。いじめのない学校によろしくお願いいたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)暫時休憩いたします。  3時30分より再開いたします。        午後3時20分休憩    ────────────────        午後3時30分再開 ◯議長(斉木正一君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  18番福間裕隆議員 ◯18番(福間裕隆君)(登壇、拍手)鳥取県議会会派民進党の福間でございます。昨年10月21日に発生した鳥取県中部地震で被災された皆さん、またことしに入ってからの33年ぶりと言われる大雪で被害に遭われた皆さんに心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。一日も早く、もとどおりのいつもの穏やかな日常生活を取り戻していただきますよう、心からお祈りを申し上げる次第でございます。その意味からも、私は現在審議中の平成29年度当初予算案の最大の柱の一つを復興から福興へと据えられたこと、このことに敬意を表明し、賛意を表明し、エールを送るものであります。  さて、3点の課題について質問をいたします。  まず第1点であります。我が会派民進党の代表質問で森雅幹議員が質問いたしましたが、それに引き続き部落差別解消推進法に伴う課題について、何点かお伺いいたします。  部落差別という言葉を初めて法律に盛り込んだ部落差別の解消の推進に関する法律が昨年、平成28年12月9日に成立しました。この法律は、現在もなお部落差別が存在することを認め、その解決に当たっては部落差別を許さない社会づくりが重要であるとした内容であります。  この法律の意義について、私は次のように理解をしています。一つ、部落差別が現在もなお存在することを認めたこと、二つには部落差別が許されないものであることを明記したこと、三つには部落差別の解消という目的を明記したこと、そして4番目には部落差別解消のための施策実施を国と地方公共団体の責務と明記したこと、さらに、その具体的な施策として、第1に相談体制の充実に取り組む、第2に教育及び啓発の実施に取り組む、第3に部落差別の実態の把握に取り組むと具体的な課題について明記をしています。  以上、部落差別の解消の推進に関する法律とその意義について、私の見解を申し述べました。これについて、知事並びに教育長の見解をお伺いいたします。  次に、知事にお伺いいたします。この法律が現在もなお部落差別が存在することを認めているわけでありますが、鳥取県における部落差別事象の件数、過去3年間の発生件数がどれくらいあるのかお尋ねをいたします。あわせて、特徴的な事例について御発表できる事象についてお示しをいただきたい。  次に、教育長にお伺いいたします。この法律では、先ほど申し上げましたように、部落問題解決のために教育、啓発を推進することが明記されています。この間、人権教育の枠組みの中で同和教育や同和研修が後退したと指摘する声があります。さらに、特に若い先生方は、同和教育に対する学習が極めて不十分との声も耳にします。鳥取県教育委員会ではどうなのでしょうか。率直な分析をお聞かせください。  この法律の趣旨を踏まえ、改めて学校教育や社会教育という場での同和教育、同和研修の取り組みを点検し、その上で積極的な取り組みを推進する必要があると考えますが、教育長の見解をお示しください。  次に、知事に提案をしたいと思います。この法律の第3条の第2項で、地方公共団体は国との連携を図りつつ、その地域の実情に応じた施策を講じるよう努めるものとすると具体的に明記をしています。したがって、今後、鳥取県としての具体的な施策の実行が求められるわけでありますが、例えば、鳥取県、鳥取県教育委員会、そして部落差別の根絶を運動主体として長い歴史を持っておられる部落解放同盟などの運動体、隣保館担当者、さらには有識者、専門家の皆さん等で構成する、これは私が勝手につけた名前でありますが、鳥取県部落差別解消推進対策会議などの協議機関を設けて協議、検討されてはどうかということを提案いたします。いかがでしょうか。  2番目の課題でありますが、県民所得の向上をどう図るのか、お伺いいたします。  議員の皆さんのお手元にもお配りをしておりますけれども、平成23年度224万1,000円、平成24年度227万5,000円、平成25年度234万6,000円と23年度以降連続して2年間上向きであった1人当たり県民所得は、平成26年度233万円とマイナスになっています。1人当たり国民所得を100とした指数は81.3で、前年の25年度の83.1と比べて1.8ポイント拡大をしています。現行基準による経済計算を採用した平成13年度、今から13年前でありますけれども、そのときの1人当たり県民所得258万9,000円と比べると25万9,000円のマイナス、1人当たり国民所得格差は実に8.5ポイントも下方拡大をしてきています。そこで知事にお伺いいたします。この県民所得マイナスの現状について、知事はどのように認識をしていらっしゃるでしょうか。お尋ねをいたします。  鳥取県元気づくり総合戦略において、鳥取県では、重点施策として平成23年度から雇用創造1万人プロジェクトに取り組み、平成26年度までの4年間で1万2,000人以上の雇用、うち9,500人の正規雇用を創出したとしておられますが、この実績と県民所得の向上ができていない原因についてどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。  さらに、雇用数の目標のみで所得アップの戦略が全く見えてきておりません。県民所得減少から増大へのプランはどう考えておられますか、お尋ねをいたします。  誘致企業についてお伺いいたします。鳥取県の誘致企業の労働条件はどうなっているでしょうか。本社の給与体系と鳥取県内での事業所、支社や工場などの給与体系、労働条件は同じでしょうか。差が生じてきていないでしょうか。お尋ねをいたします。  平井知事は、連日、まさに東奔西走、身を粉にして鳥取県のPR、宣伝に努めて鳥取県を売ることに全力投球であります。改めてその行動と努力には敬意を表したいと思います。  さて、鳥取県を売るということで鳥取県が大きく花火は上がった、私はこう思っています。それをどうするのか。県民生活の安定、福祉向上を目指して県民所得を向上させるためにどうつなげようとしていらっしゃるのか、お伺いいたします。私は県民所得の向上を目指した工程表、スケジュールが必要だと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  3番目の課題であります。大山開山1300年祭について、知事はどのように考えていらっしゃるのか、改めてお尋ねをしたいと思います。  私は、鳥取県が積極的にかかわるべきと声を大にして主張するものであります。大山隠岐国立公園としての山陰地方での観光拠点としてさらに磨きをかけるために、さらには、周辺地域住民にとっては古来より安らぎの日常生活と日々の安寧を与えてくれている偉大なる存在への敬けんな感謝の気持ち、私は、このような観点から鳥取県がさらに積極的に関与し、大山開山1300年祭を鳥取県政の一大事業として取り組んでほしいと強く主張するものであります。県は、大山開山1300年祭をどのようなものにしようと考えているのか。前年祭、当年祭、後年祭という考え方もあるようでありますが、大山開山1300年祭という取り組みは、期間はいつからいつまでなのか、ピーク、山場があるのか、今のままの状況でこのままの状況で推移することで成功していくのか、どの時点が成功と言えるのか、鳥取県の観光振興、地域活性化につながると考えていらっしゃるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  鳥取県民、とりわけ地元の地域住民への周知、理解、共通認識、共同作業についてどのようにお考えか、お伺いいたします。地元の住民、県民の皆さんはおろか、きょうこの会場にいらっしゃる私ども県会議員もその全体の青写真が見えづらいと感じておられると思いますが、どうなのでしょうか。お尋ねをいたしまして、壇上からの質問といたします。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議の一般質問にお答えを申し上げます。  冒頭おっしゃいましたように、私どもの今回の大きなテーマは災害からの復興でございます。雪害も含めまして大変な災禍から立ち直ること、さらにはその先にある新しい幸せの形をつくっていかなければならない、そういう思いを共有させていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。  部落差別解消推進法の制定に当たりまして、その意義についてはいかがかと、こういうお尋ねでございます。鳥取県は人権尊重の社会づくり条例を早くから制定をしまして、この意味では先導的な役割を果たしてきたと思います。大激論もありましたが、その末に人権尊重の社会づくり相談ネットワークもできるなど、今でも独自の歩みをさせていただいているところです。  ただ、議員がおっしゃるように、このたびの新しい法律、これを生かしてさらに関係者と一緒に本当の意味の差別の解消を求めていかなければなりません。先ほど議員が上げた点は全くそのとおりだと思います。あと、それに加えて、私のほうで今回の法律の意義で注目をいたしておりますのは、これはもともと同対審の答申の中でできなかったことが今回できたということだと思っています。法律という形でこの差別解消というものを国の中心的なルールとして決めたということであります。これが裁判など結局は民対民の争いになることが多いです。あるいは、官対民ということもありますけれども、なかなか強権的に言論の自由との関係で整理をし切れないところが見られがちな中で、最後に司法判断を受けるときに法律の存在というものが大きく寄与してくるだろうということです。  そんな意味で注目をいたしておりますのは、第1条が基本理念的なことを前文ではなく条文の中で書いたわけであります。通常、前文に書くと、これは解釈のための指針程度のことで法規範性というものは直ちに認めがたいわけでありますが、条文として書いた場合には、法規範性がある内容になってくるというふうに法学的には通常言われるところです。その1条の中で書かれておりましたのが、情報化の進展に伴ってこういう同和差別についての新しい事象が生まれてきていると、そういうことも含めて書いてあるのですね。ここは非常に特筆すべきことだと思うのです。  私どもがなかなかアプローチしがたかった厄介なインターネット上の課題がございました。これに対して一つの足がかりをいただいたのではないかなと思います。現にこの規定がきいているのかどうかはちょっと分析はできれていませんけれども、先般は仮処分の形でこの厄介な課題について作為をするということが実現をしました。これが今度法案審理、正式な裁判審理に入ってくるのですけれども、この中でもこの条文の存在というのが評価される可能性は十分にあるのではないかなと考えております。  最近の差別事象の件数等どうかということであります。今年度は今のところ4件、それから昨年度が2件、その前の年度が3件ということで年間3件ぐらいで推移していまして、ちょっと前から比べますと大分減少しているということは言えようかと思いますが、まだあるということですね。  特徴的な事例ということであれば、今年度の事例で、これは大手のある企業さんでありますけれども、ちょっと恋愛のもつれから発展をしたようでございますが、差別的な言動をされたということでございまして、これはその後、会社としても対策を考え、解決をしてきており、本人も落ちついてきているということであります。また、落書きであるとか、それから相変わらず結婚において障害があるというようなお話であるとか、いろいろと相変わらずのものが聞こえてきているということであります。結局は社会的な病理でありまして、これを払拭していくのに地道にやはり対策をとっていかなければいけないということではないかと思います。  そういう意味で鳥取県部落差別解消推進対策会議のようなことを考えてはどうかと、こういうお話でございます。議員がおっしゃいましたように3条の2項という条文で地域に即した対策を行うことが定められています。  鳥取県の場合は、人権尊重の社会づくりの協議会がございまして、これとあわせて同和対策の協議会が伝統的にこれは長く設けられてきました。私はこの同和対策協議会、さらにこの中には差別事象を研究してそれをただしていくような小委員会も設けられているものでありまして、私はこれが実効的に機能しているのかなと思いますし、関係者もここに結構依拠して活動されておられますので、これを残しながら新しい法律の趣旨に鑑みまして、議員がおっしゃったような当事者の方にもっと入っていただく、それから弁護士といったような専門家に入っていただく、また隣保館の代表者の方に入っていただく、こういうような形でこの長年にわたって機能してきている同和対策協議会を拡充するような形で新年度やってみてはどうかなと思います。同じような組織をまたつくってそれぞれに、ちょっと非常に微妙な人権課題も出てきますので、それについて多分斉一的に行ったほうが実効性が上がると思いますので、そういうふうな拡充を考えてはどうかと思いました。  次に、県民所得につきまして何点かお尋ねがございました。国民全体との、平均との所得差が拡大しているけれども、現状についてどう考えるか、それから雇用数目標のみでなかなか所得アップの戦略が見えてこないのではないだろうか、また誘致企業の労働条件はどうかと、こういうお尋ねでございます。  この国民所得と県民所得との乖離のところでありますけれども、先般もちょっと議場でのやりとりもございましたが、県民所得ですね、これは県民総生産と実は近しい関係にございます。三面等価の原則といいますが、生産そして分配、消費、これが基本的には一つの流れの中でつくられてきているわけでございまして、基本的には等価性があるということになります。我が県の課題は前も申しましたけれども、大きな企業さんが雇用を事実上、一挙に減らすような形で実は事業所を閉じられてしまうことが相次いだ時期がございまして、この余波が残っているということです。それで、それを何とか取り戻そうと新しい産業をつくろうとしてきていまして、議員がおっしゃった26年段階だとまだ今の努力の半分ぐらいしかあらわれていないところでありまして、恐らくもうちょっとはキャッチアップできているのではないかなと思っています。  さらに、こちらで事業所を閉じられるときもカムバックしてくるときは応援するので、またちゃんと雇用もつくっていただきたいというようなことを申し入れながら別れてきたところでありますけれども、このたび、3月22日に日立金属さんが日立フェライト電子の中に、今、大阪の山崎にある研究開発拠点をこちらに機能移転してくれると。これが昨日、向こうの会社のリリースで公表をされました。14億円投資をするということでもございまして、私どもが今調整しているところでは、かつて300人以上の雇用がちょっと失われた感じですけれども、その3分の2ぐらい戻るかもしれないと。そういうように、今まで我々も地道にあいた穴をもう一回戻そうと頑張ってきたことに企業側も私どもの実情も配慮していただきながら、戦略を練り直して、また鳥取の事業再開というか新しい事業展開につなげてきてくださるところが出てきました。こうしたことを地道にやっていくことで、生産局面での乖離を減らすことができれば、これは三面等価により所得の分配のほうにもつながってき得るわけでございます。  そうしたことで、では、生産をふやすだけでいいかということでございますけれども、そういう意味で雇用の数として1万人雇用、これは達成することができましたが、さらに正規社員をふやそうということでこちらのほうも取り組みをさせていただきまして、これも順調に今積み上がってきているところです。県のほうでそれの補助金を出させていただいておりますけれども、昨年度は50人の利用だったところがそれの4倍ぐらい、今年度今のところ利用があるということになってきておりまして、多分それに応じた正規の社員がふえてきていると思われます。また、企業誘致等のときも正社員を優先してやるように補助政策も展開をしたり、働きかけをしておりまして、例えば最近ですと米子に進出した源吉兆庵さんは全て正社員でお雇いをいただいているというようなことがございます。  給与条件のお話もあったわけでありますが、連合におられた方に釈迦に説法でありますけれども、もともと民法で契約自由の原則がございますから、賃金体系というのは使用者側と労働者との契約で決まるわけでありますし、そこに労働三権、団結権や団体交渉権や争議権、こういうものを権利として認めながら交渉して、今ちょうど春闘シーズンでありますけれども、賃金が設定をされるということでありまして、ここに直接私ども県が介入するのはなかなか難しい部分ではございます。  なお、最低賃金などそういう法規制の部分は国のほうが労働基準法や最低賃金法で持っているところでありまして、私どもで十分手当てできないところではありますけれども、ただ、先ほど申しましたような正社員を雇うことを優先してくれという政策誘導は可能でありますし、また、労働局と一緒になりまして労働環境の向上ということを求めていく、そういうキャラバンをすることなど、我々としても展開できることがあるだろうと考えております。積極的にそうしたこともやりながら、生産局面から分配局面、消費局面と移りながら循環が回りますけれども、ここでいい形で雇用者賃金のほうに還元されるように我々も働きかけをしてまいりたいと思います。  次に、鳥取県の認知度は上がったけれども、生活の安定や福祉の向上を目指して所得を向上するためにどういうふうにつなげていくのか、また今後の計画、工程等いかがかと、こういうことであります。  基本的な考え方は先ほど申し上げたようなことでありますが、議場でも今議会、大分議論がございましたように、例えば農林水産品のブランド化であるとか、付加価値の高い新しい産業創造であるとか、そうしたことをいろいろと展開をしながら、所得の水準を上げていくということになります。  そんな意味で、私どものほうで今、鳥取県の経済の成長再生戦略、これをこのたび見直そうというふうに考えております。それで当面2020年までのスパンで目標であるとか、さらに25年を見越した目標であるとか、その辺も定めながら新規の産業雇用政策というのをつくってまいりたいと思います。この辺は新年度に向けまして、そうした成長戦略の改定をさせていただき、今、議員がおっしゃるような、ある程度ビジョンを持ちながらの対策につなげていきたいと思います。  次に、大山の開山1300年祭につきましてお尋ねがございました。これが一体いつからいつまでなのか、この状況で成功が見越せるのか、地域活性化につなげられるのか、さらには、地元への周知、共通理解等をどういうふうに進めていくのかと、こういうお尋ねでございます。  議員もおっしゃいましたように、まず新年度5月に開白法要ということがございまして、これがどちらかというと宗教行事的なことでの一つののろしになるわけであります。さらに、本番の30年には開創法要がございまして、31年には結願の法要があると。これは民間行事としてされるものでありますけれども、それとタイアップをするような時期で我々地域としても1300年祭をしかけていくと、こういうストーリーになります。  我々のほうでは、例えば大山の恵みというものを感じていただけるように、刀剣やたたらのことを売り出そうと。早速3月19日にプレ的な行事としてその刀剣についてのフォーラムをやろうということで募集を定員かけて出したのですけれども満杯になりました。やはり県外からのお客様もいらっしゃいますし、女性に大変に人気がある、今応募状況になっています。また、定員もふやしまして対応しようかというくらいであります。  また、この際、星空や緑といった自然をしっかりと日本全国、世界の人に刷り込む、そういう第2のジャンルというのを考えるわけでありますが、星空を売るようなことで、星取県のそうしたイメージのまず先行イベントをやろうと。3月20日に、これは篠原ともえさんに来ていただいてやることになりました。彼女はこの星につきましては宙ガールとして知られる存在でございまして、そういう方を取り込みながら鳥取のいわばスターだという形で盛り上げて、話題づくりもできないかなと思っているところであります。  また、あわせましておいしい食べ物、こういう水や食の魅力、大企業ともある程度コンビネーションを組みながらやっていこうということを考えているところでございます。  南部町におきましても来年度、プレの年になりますけれども、この年回りの中では、例えば観光の素材づくり、これ赤猪岩神社などもありますので、そういうフォーラムをやるとか、また金田川での蛍のバスを増便してイベントとして高めていくとか、また、母塚山のようなところでまたイベントをやるとか、こんなようなことを今考えております。例えばダイヤモンド大山というキャッチーなコピーを立てて、母塚山のほうから大山の朝日というものを見ていただくと、こんなようなことを今、話し合っているところです。  ただ、議員も今おっしゃるようにまだ住民に十分知られていませんし、正直申し上げて市町村レベルで動いていることと県レベルで動いていることなど十分連絡もとれていないと思います。そこで、今、市町村、それから関係者で話し合っているのは、コアな戦略プロジェクトチームをつくろうではないかと。そしてもっともっと連結性を高めていこうと。それから、市町村の広報も含めてアピールをして県民の皆様にも広く知っていただけるようにすべきではないだろうか。あるいは、県のほうで設ける実行委員会事務局、いよいよ4月からその体制も強化します。こういうところに市町村の職員ももちろん賛同いただける市町村ということでありますが、参加していただいて、一体となった運営をしていくと、こういうことで住民の皆さんや地域への浸透を深めてまいりたいと考えております。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)福間議員の一般質問にお答えを申し上げます。  初めに、部落差別解消推進法の意義についての見解ということでございますが、さき方福間議員おっしゃったそのとおりだと私もその意義については感じております。近年でも差別落書きが起こったり、あるいは電話による差別問い合わせが起こったりという事案があるわけでございまして、こうした事案は人の心を深く傷つけるとともに、新たな差別意識を植えつけたり、あるいは差別意識を助長したりするなど、その影響には大きなものがあると、そうしたことから、教育委員会としても解消に向けて取り組むべき重要な課題の一つと考えておるところでございます。  こうした中で、部落差別のない社会を実現することを目的とし、地域の実情に応じて必要な教育等の施策を講ずるよう努めることを定めた法律が制定されたことは重要な意義があると認識をいたしております。早速この法律制定後、直後にありました県立学校の校長会でも私のほうから直接校長先生方にこのことについて言及をさせていただきましたし、改めて県立学校、市町村の教育委員会にも周知をいたしたところでございます。  教育委員会といたしましては、鳥取県の人権教育基本方針というものを定めておりますが、その中で同和教育の推進指針を示して課題解決に向かって取り組んできているところでございますが、ちょうど改定の時期を迎えております。その中にこの法律の制定に係る記述も盛り込ませていただいたところでございまして、今後、その周知に努めるとともに、課題解決に向けた取り組みのより一層の推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。  次に、この法律を受けて改めて学校教育、社会教育の場で積極的な取り組みを推進する必要があると思うがどうかということでございます。私もそのとおりだと思っております。これまでもさき方申し上げました同和教育推進指針のもとに部落問題に関する知識、理解を深めるとともに、人権感覚を磨き、自他の人権を守ろうとする意識を育成できる学習を推進することが重要であることを示して取り組みを進めてきたところであります。取り組みが後退したというふうには私ども認識をいたしておりません。  学校教育におきましては教育委員会としまして、教員に対する初任者、あるいは中堅の教職員を対象とした研修の中で人権教育に係る研修を実施したり、あるいは学校が実施します人権教育の授業研究会でありますとか、公開授業に参加する中で児童生徒が主体的に学習に取り組める参加型の学習形態にするといったことでありますとか、あるいは部落差別の解消に向けた教育を進める上で留意すべき点を共有するといったことなどに取り組んでおるところでございます。  また、社会教育におきましては、これは市町村が実施主体の中心になるわけでございますが、ほとんどの市町村で部落差別の解消に向けた研修講座の開催等に取り組んでおられるところでございます。  一方、本法には附帯決議が示されておりまして、教育の取り組みを進めることによって新たな差別を生むことがないように留意すべきということで、その内容を手法等に配慮しながら取り組みを進めることが肝要だというふうにも一方では感じておるところでございます。  先ほど若い教職員の課題を御指摘いただいたわけでございますが、近年、大量退職、大量採用の時期を迎えておりまして、例えば小学校であれば6年生の段階でこの部落差別の解消に向けた学習に取り組むことが多いわけですが、なかなか新規採用のあたりで6年生を持つということは少ないわけでございます。そうした意味で6年生の担任を経験していない教員というのもふえてきておるといったことで、経験の積み上げがこれからといった中で不安を抱える職員もできているということではないかなというふうに思っております。  いずれにいたしましても、必ずしもこうした6年生の担任をしなくても研修等の中でしっかりとこの部落差別の解消に向けた学習、あるいはそうしたことに向けてのさまざまな、これは教職のほうの効果的な手法等の取得に向けて若い教員の方々が持っておられる課題の克服にも私どものほうで留意しつつ、努めてまいりたいと思います。  あわせて、こうしたことを通じて部落差別の解消に向けた教育の取り組みのより一層の推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。 ◯議長(斉木正一君)18番福間議員 ◯18番(福間裕隆君)何点か追及をさせてください。  まず、教育長に注文といいますか、部落差別問題の理解は恐らく同じだろうと思うのですね。教職員が学ぶべき、とりわけ若い教職員の知らない人が多いという指摘があるのです。先ほど教育長もお話しになりました。大量退職、大量採用ということもあってなかなか若い先生に教えるということが少ないのかなと、時間が必要かなということをおっしゃっているのですが、私は部落差別というのは人間を否定してしまっている差別の社会悪なので、だから、教員採用になる以前から本来でいけば身につけておかないといけない感覚のはずなのですよ。そのことを怠ってしまっているというのは、私に言わせるとそもそも論がなっていないのではないのと言いたいのです。だから、この法律ができたこれからを含めて、しっかり向き合うということを後で約束してほしいと思いますけれども、今さら過ぎてしまったことをどうこう言ったってどうにもならないのですが、そこら辺を若い先生が全然わかっていないから、子供たちに教えようがつかない。そのままずっと推移してきてしまっているというのがやはり非常に大きなマイナス面があるのではないでしょうか。  そこはぜひ理解をしてほしいということと、この部落問題で知事にもちょっとお尋ねしたいのですけれども、先ほどおっしゃったように審議会ですか、対策会議ですね、そこの中でちょっとそこの見直しをしながらどういうことをやろうかということを検討したいということをおっしゃっていただきました。知事部局と教育委員会と別々ではなしに、その中に全部テーブルに着いて鳥取県は何をやらなければ、急ぐことは何をしましょうかというようなことというのは全部その中でみんなで議論をして、鳥取県では部落差別という社会悪をなくすためにどういう手順でいこうかということをそこで議論するという、そういうやり方を私はやるべきではないかなと思うのですが、どうでしょうか。知事、再度お願いできませんか。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)同和対策協議会、議員もよくおなじみの組織だと思います。当然ながら、先ほど御指摘されたような教育の課題もあるということでありますので、その教育者の方々もきちんとまとまった行動がとれるように、意思統一を図れるように、幾つも同じようなものができるよりも多分統一的な場所がいいと思うのですね。ですから、同和対策協議会で基本的には人材もまとめながら方向性をみんなで話し合ってやっていくと、個別の事象にも対処していくと、そんな姿が望ましいと思いますので、関係者とこれ議論させていただきたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)福間議員の重ねての御質問にお答えを申し上げます。  私のほうで少し勘違いがあったのかもしれません。学習が不十分というところが本人の学習が不十分ということではなくて、要は指導法、どういうふうに子供たちにしっかりと教えていくことができるか、そうした面での学習というふうにちょっと理解をしていたものですから、先ほどのような御答弁を申し上げましたが、教職員一人一人がしっかりとこの差別に向き合って、その解消に向けて自分たちが教員として何をすべきか、人間として何をすべきか、そうしたことをしっかりと考えていけるように取り組んでまいりたいと思います。
    ◯議長(斉木正一君)18番福間議員 ◯18番(福間裕隆君)この部落差別解消推進法に関することでもう1点だけ、これは要望として受けとめていただけませんか。  平成25年にアルコール健康障害対策基本法という法律ができました。それに基づいて、鳥取県ではいち早く鳥取県アルコール健康障害対策会議というのを設けていただいて、その中で関係する人、あるいはお酒を飲む人、お酒を売る人、あるいは依存症になった当事者、専門家、全部お集まりいただいて、鳥取県のアルコール健康障害対策推進計画というのを国のモデルケースができるよりも早く先んじて策定していただきました。今、全国47都道府県ではまだ半分もできていないのですけれども、各県が鳥取県をモデルケースにして実は取り組みをしていただいています。  そういう意味から、今議論になっています部落差別を解消するために、鳥取県ではどの課題を最優先にしようかと、中長期的にはこうやろうかということをこの場所で御議論をいただいて、鳥取県的な、鳥取県の地域に似合った対策をつくってほしいということをお願いしておきたいと思っています。  次に、県民所得のことで2~3点ちょっとお伺いしたいのです。  今から6年ぐらい前になるのですかね、知事が選挙直後にこういう言葉をおっしゃったことを私は覚えているのですよ。選挙期間中にずっと県内を回ったと。県民の皆さんと対話をしてくると、若い人の働き場所がないということを痛感したと、物すごく多くの県民の皆さんが働き場所がないということをおっしゃった。だから、鳥取県政最優先課題は働く場所を確保することなのだ、私はそれを最優先課題で取り組みたい、こうこの議場でおっしゃったのです。しかも、それに基づいていろんなところで、例えば境港、米子港、ここも例えば日本ゲートウエー構想も出てきたり、いろんなことを雇用ということに結びつけて東奔西走していらっしゃる。私はそう受けとめているのです。だから、そのことで働く場所の確保がいろんなところで今、徐々に芽を出そうとしてきている。これは先ほど申し上げましたけれども、高く評価したい。  ただ、平井知事が就任されてから誘致企業だけで50億円ぐらい助成金が出ています。そうすると、進出される企業の労働条件がそれは企業の都合ですよ、労使で協議してもらうものですよ、確かに労使で決めるものでしょう。ただ、誘致企業に助成金を出す行政は労働条件に何も触れてはならないわけですかと僕は言いたいのです。きちっとした労働条件のある企業に進出をしてもらうということでなければ、それは私はちょっとお粗末ではないのと言いたいのです。  だから、ここで申し上げていますように、少なからぬ助成金を出しながら企業進出をしていただいて、ここで若い人たちを対象に雇用の場をつくってきた、そのことを高く評価したい。やはりその内容については十分な吟味をして、きちっとした、少なくとも誘致企業の中からブラック企業が出てくるような、そんなあほなことはないでしょうねと言いたいのです。だから、労働条件も調印するときに、する前に、きちっとやはり内容も吟味をしてやってもらわなければ困るということを私は主張したいのですが、いかがでしょうか。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から重ねてお尋ねがございました。  アルコール健康障害対策会議やその計画に見られるように、そういう先導的な事例を鳥取でもつくっていけるよう、今回の差別解消法に基づいて考えていきたいと思います。  あわせまして、勤務条件についてでございますけれども、先ほど申しましたように、私の2期目のときは1万人の雇用をつくるということでやりましたが、3期目に向かうに当たりまして、次は勤務条件だろうと。そこで、正規雇用での1万人という、さらにちょっとグレードを上げまして、ちょっとハードルは高いですけれども、それで挑戦しようということで始めさせていただき、結構呼びかけをして正規雇用もふえてきているのは事実であります。ですから、直近のデータでいきますと正規雇用の求人倍率が0.94倍と過去最高になっているところであります。  実は、私どもも誘致に当たりまして、企業さんともこうした良質の雇用という意味で正規雇用を基本にお願いし、それに現実に交渉段階のこともあって応えてくれる企業さんもありますので、それは我々も今後も交渉の中に入れてまいりたいと思います。  ただ、企業さんも企業さんなりの悩みはどうもあるみたいでして、あちらはよかれと思って都会並みの給料で組んでみようとしたら、結構周りの同業の同種の地元の企業さんとちょっと差がつき過ぎると逆にクレームが来たりとか、いろんな事情があるようであります。そういう意味で、最後はもう労使交渉で決める、その賃金相場ということにならざるを得ないだろうというふうには思うのですけれども、いろいろと県全体での給与水準というもの、これも正規雇用もふやしながらつくっていかないと、なかなか全体として動かないというのもあるのかなというふうにも思うところであります。なかなか県庁だけでどうしようもないところでもありますし、誘致企業だけ引っ張り上げれば済むということでもないのかもしれませんが、いずれにせよ、誘致に当たりまして当然そういう交渉、働きかけもしてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)18番福間議員 ◯18番(福間裕隆君)県民所得、雇用問題でもう1点だけ。  皆さんのお手元にその1ということで1人当たり県民所得、国民所得、これ先日もこの議場でも配られたのと同じ内容なのですが、私、気になるのは国民所得との格差なのですよ。国民所得との格差が26年度で81.3。平成13年のときには89.8だったのです。国民所得が100とすると9割方まで鳥取県の県民所得というのは接近をしておったわけですね。それが26年度は81.3と出てきている。先ほど来、知事がおっしゃっていますように、いやいや27年度、28年度はもうちょっと動く可能性があるよということをおっしゃっていますから期待をしたいと思っていますが、これは要望として言っておきたいのですけれども、やはり国民所得との格差があるというのは私からすると安倍さんは、アベノミクスでどんどんどんどん国内の景気がよくなっていますよと、しかし鳥取県だけ取り残されているなと言いたいのですよ。こんなものはアベノミクスの効果どころの話ではないですよ。だから、私に言わすと鳥取県ではアベノミクスなんて全然だめ、成功していない、こう言い切れますよ。  だから、そのことでやはり県民所得をどう上げていくのか、県民所得の向上、そう簡単なことではないと思いますし、先ほどから申し上げていますが雇用確保ということに懸命の御努力をいただいておることについては評価をしたいと思っていますが、やはり中身、ここで安心して暮らせる賃金体系はやはり行政も一体となって確保していく、その他の労働条件を向上できるようなことを今後も引き続き御努力をお願いしたい。これはもう要望としておきたいと思っています。  次に、大山開山1300年祭なのです。カラー刷りのこの表の分を見ていただきますと、実行委員会の全体像が大体書かれて、かなりの団体も加わっていらっしゃる。問題なのは、自治体間でも温度差があるのです。大山さんだから大山町がもっとしゃんと走れ、いやいや、伯耆町のほうにちょっとずれているからまあまあ少しでいいかみたいなことであったり、ここが、私のちょっと誤解かもしれませんが、一体となって今までいろんなところで1300年、1300年というのがぽつんぽつん点で1300年祭という声が出てき出しました。来年、30年がピークの年だとすると、もう本当は燎原の火のごとく燃え上がってこないといけない。点が線でつながってすらいないのではないのかと言いたいのです。  だから、民間のリーダー、民間の方が大変な御苦労をされてこの実行委員会の委員長をお引き受けいただいておるようでありますが、実際は県なり周辺自治体が裏方としてもっとしっかりサポートしてリーダーシップをとって、民間の皆さんが動きやすい実行委員会を押し上げていくという格好でないと僕はできないのではないのかなみたいな気がするのです。ここの組織体制、イメージ図がありますけれども、これでいきますと、この大山振興本部に副知事が就任をされて、この中で国立公園満喫プロジェクト、国の事業ともうまく絡まって時期的に非常に僕は、ここ5、6年から10年ぐらいかけていくとすばらしいものができ上がっていくのだろうなという気がするのですよね。せっかくのチャンスですからすばらしいものにして、この西の大山、東の砂丘とセットしたものにうまくやはり鳥取県全体の観光資源として今回の大山をつくり上げていくということが非常に大事ではないかなと思いますけれども、改めてこの大山開山1300年祭の振興について、再度知事の決意をちょっと私はお伺いしたのですが、いかがでしょうか。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて福間県議のほうからお話がございました。  大山はやはり我々にとって偉大な山であり、全ての恵みは大山からやってくると思っています。  ただ、県内の人はそのよさを十分に理解していても、まだ全国、あるいは世界の人々にもっと伝えたい、そのための機会が今回であろうかと思います。  単に一過性のお祭りをやってはいけないと思っています。むしろレガシーが大事でありまして、その後に、例えばたたらであるとか星空であるだとか、あるいは宗教施設の非常にすばらしい価値であるとか、そうしたものが後々残ってリピーターであり、にぎわいであり、つながっていかなければなりません。そうするためには、やはりもっと組織的に動く必要があるわけであります。この議場でも福間議員から御提案があって県でもこういう実行本部をお世話させていただくようにいたしましたけれども、なかなか地域で一体的に盛り上がってこないという中で、県だけが走ってもしようがないなと思いながら、我々はとにかく動いているという状態が続いてきたわけでありまして、ここに来てやはり戦略的なプロジェクトチームをコアメンバーでつくって、やはり中核的に市町村、それから県がまずはまとまって動かそうと、それをきっちりやろうと、今、話し合いが始まりました。  また、鳥取県の西部総合事務所のほうをこの大山開山1300年祭の県の実行本部として、所長が本部長になり、日野が副本部長になるなど、そういう形で圏域としても県も体制をもう一度とり直して、性根を入れてやっていきたいと思います。  また、新聞社を初め、民間の重要な機関がいっぱいあります。そういう方々にも加わっていただいたり、あるいはサントリーさんのような企業さんとか大山の値打ちをわかってくれるところにも協力をしていただいて、今やっている以上に仕上がりとしていい形でレガシーが残るようにねじを巻いていきたいと思います。  「冬晴れの雲なき空にそびえ立つ雪の大山いともさやけき」と、これ高円宮妃が詠まれました。そういう大山のお姿が世界中の人の目に、そして心に残るように、我々としても全力を挙げてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)18番福間議員 ◯18番(福間裕隆君)負けじと一句、短歌で切り返せと同僚議員が言うのですけれども、とても私は短歌が出ませんのでこれで終わりますが、大山1300年祭も含めて観光行政についてたくさん、この議会で多くの議員さんからお話がございました。お話を承りますと、鳥取県の自然、きれいな海、きれいな空、きれいな星、これが実は県外の皆さんや外国の皆さんから非常に高い評価を受けているということを共通項としてお話になっています。それをやはり鳥取県観光行政の目玉にすべきでしょうし、これからもそうでなければならないと思っているのです。  ただ、それを下支えしているのは、農業を軸とする第1次産業だと私は思うのです。この第1次産業が今、音を立てて崩れ落ちようとしている。だから、それはやはり私たち行政の中でも第1次産業のこれ以上の衰退にならないように、しっかりとやはり気を配り、支えるということが私は必要だろうと、このように申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◯議長(斉木正一君)これをもって、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。  それでは、議案第1号から第20号まで、第32号から第57号まで及び第59号から第70号までは、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりであります。これもそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会します。        午後4時28分散会    ────────────────...