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  1. 鳥取県議会 2016-09-01
    平成28年9月定例会(第9号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(斉木正一君)おはようございます。  ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。  それでは、議案第1号から第17号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  31番横山隆義議員 ◯31番(横山隆義君)(登壇、拍手)おはようございます。  台風18号が元気いっぱいでやってきます。台風に負けないように、早いところ終わらないといけないなというふうに思っております。頑張ってやりますので、よろしくお願いします。  ことしの夏は、悲しいこと、うれしいこと、さまざまなことがありました。まずは、この夏、考えさせられたことから3点質問させていただきます。  まずは、自然災害です。  8月から9月にかけて日本を襲った台風7号、9号、10号、11号が激甚災害に指定され、改めて自然の恐ろしさを痛感いたしました。  特に8月30日、岩手県大船渡市付近に上陸した台風10号は、22人の死者を数え、岩手県では商品の水没や店舗の損壊など、1,056億5,800万円という過去最悪の被害額を計上いたしました。犠牲になられた人の御冥福を心よりお祈りいたしますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。  台風10号は、気象庁が昭和26年に統計をとり始めて以来、東北地方の太平洋側に初めて上陸した台風であります。被害の集中した岩手県、北海道の皆さんは懸命に対策に当たられたことは承知しておりますが、台風の襲来がこれまでなかった地域のため、台風災害に対する強靱化対策が十分になされていなかったのではないかと指摘が出ています。  そこで知事に、本県の自然災害に対する備えからお聞きします。  本県はどの程度の豪雨を想定して防災・減災の体制を構築されていますか。そして、想定に対する県土の強靱化はどの程度進んでいますか、お答えください。  また、台風10号では、岩泉町の高齢者グループホーム楽ん楽んで9人の高齢者が亡くなる痛ましい被害が発生しました。高齢者や体の不自由な方々が暮らす施設の防災対策、避難対策を県は把握しておられますか。把握されているとしたら、対策は十分でしたか。不十分な施設があれば、県として支援が必要と考えますが、知事はどうお考えですか、お聞かせください。  この夏は、うれしいこともありました。南米ブラジル首都リオデジャネイロで開催されたオリンピックパラリンピックでの日本人選手の大活躍であります。見事な活躍でありました。41個のメダル獲得は、オリンピック史上最高でした。  本県出身の代表選手も、アーチェリー、ボート、ホッケーで頑張りました。次こそはメダルを目指してほしいと思います。
     まずはリオでのオリンピックパラリンピックについて、知事の感想をお聞かせください。  ブラジルではアスリートファーストを掲げてオリンピックパラリンピックに臨まれたと伺っております。2020年に行われる東京オリンピックパラリンピックでは、ブラジルを見習ってほしいと考えます。  そして、異口同音に選手の口から出たのは、お世話になった人に対して感謝の言葉でありました。その言葉を聞いて、練習環境の整備の必要性を感じました。  単身、ブルガリアで修行したりアメリカで修行したりと、個性を発揮するために努力を重ねた選手が大勢いました。一流になるためには一流を勉強しなければいけません。そして、そのためには選手に協力する体制が重要であります。  体操の内村航平選手は印象的でした。最終種目の鉄棒で逆転に見事に成功し、個人総合で連覇を果たしてくれました。内村選手は試合後、ふだんどおりを心がけたと話されています。ベルニャエフと開いた得点を意識せず、自分との戦いに勝利したわけであります。  練習したことを迷わずやる、本番で強い選手はおおむねそんな選手であります。そして、そうした選手の精神面を育てるのが指導者の役割であります。選手にも増して指導者の環境整備が重要だと思います。  勝負の世界では勝つことが重要であります。指導者は勝たせることが仕事であります。しかもルールを守って公平公正に勝たなければなりません。それがスポーツマンシップだからであります。  その意味では、私は、シンクロナイズドスイミングの井村雅代コーチはすばらしい指導者だと思います。2004年のアテネ五輪日本代表コーチを退いた井村さんは、中国の監督に就任し、中国チームをメダルへと導きます。この間、日本チームはメダルから遠ざかっていましたが、2014年にコーチに復帰し、リオで見事に銅メダルを獲得させました。世界一を目指しての努力は筆舌に尽くせぬものがあったと思います。井村さんの指導といえば、選手に対する厳しい言葉が有名ですが、その説得力は抜群であります。  東京オリンピックではスポーツクライミングが採用されますが、鳥取中央育英高校安井博志教諭は、2010年から日本オリンピック委員会強化スタッフを務められ、東京オリンピックのヘッドコーチでもあります。安井教諭は、鳥取県山岳協会国体強化部長、鳥取県チーム少年監督として、少年女子縦走競技3連覇を含め多数の上位入賞を果たし、国体知事表彰感謝状をずっと受けられております。指導者として大いに活躍してほしいと願っていますが、そのためには知事が先頭に立って環境を整備していただきたいと思います。  そこで平井知事に伺います。選手と指導者の環境を整えることがあしたの鳥取県のスポーツ界の発展のために重要であります。環境整備について平井知事の所見を、選手と指導者に分けてお聞かせください。  会派希望(のぞみ)は、公明党県議団と本年7月、養父市に視察に行ってまいりました。養父市も高齢化と離農で担い手不足に悩み、国の戦略特区の指定を受け、中山間地農業の改革に取り組まれておられます。養父市の農業改革特区構想について詳しく聞いてまいりました。養父市が農業改革特区の採択を受け取り組んだ改革は、整理すると、次の5点であります。  1つ目は、農業委員会と市の事務分担の見直しであります。農地の権利移動の許可を農業委員会から市に移しました。その結果、事務処理に26日間かかっていたものが13日に短縮され、しかも農地とみなす農地面積を10アールまで引き下げました。農地の流動化が進み、耕作放棄地の再生にもつながったそうであります。  2つ目は、農業に従事する役員が1人いれば農業生産法人とみなされるように要件緩和をしました。その結果、11法人が設立されて営農を始めました。そのうち9者は市外からの参入であります。  3つ目は、養父市アグリ特区保証融資制度を立ち上げたことであります。農業を営む事業資金にも兵庫県信用保証協会の保証を受けられるようにして、加えてその信用保証料にも養父市が補助しております。農業分野での第二創業や6次産業化の促進を目指したものでありますが、農業機械メーカートマト栽培を、菓子メーカーイチゴ栽培を始めました。  4つ目は、歴史的建築物を宿泊施設にする際、旅館業法施行規則に定められた玄関帳場の設置を緩和いたしました。その結果、空き家になっていた養蚕農家の古民家が古民家旅館、大屋大杉としてオープンしました。  最後の5つ目は、高齢者雇用安定法の特例を設け、シルバー人材センターの労働時間を週20時間から40時間に拡大したことであります。週40時間なら週休2日制での8時間労働が可能になります。  さらに農地法に特例を設け、農地所有適格法人でない法人であっても一定の要件のもとで農地取得を認めるほか、道路運送法に特例を設け、区域会議が運送区域を迅速に決定できるようにして、自家用自動車での送迎を可能にするなどの規制緩和を検討されているとのことでした。  養父市が取り組んだ5つの規制緩和は、鳥取でも必要な施策と思いますが、知事は養父市の取り組みをどう評価されますか。所見をお聞かせください。  また、鳥取県でも17の特区が認められ、どぶろくや蜂蜜リキュール、梨の果実酒を製造することが可能になりました。酒は嗜好品であり、ブランド化の魅力もあります。県内の特区の現状についてもお聞かせください。  農業に対する規制は岩盤規制の典型例とも言われており、養父市のように特区でもない鳥取県が同様の改革を進めることは難しいことは理解していますが、民宿の規制緩和など、鳥取県のほうが先行して実施しているものもあります。中には採用できるものもあるのではないでしょうか。県職員を養父市に派遣し、調査研究し、連携して政策展開できないか、協議を始めてはどうかと提案いたします。知事のお考えをお聞かせください。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)横山議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、災害対策につきましてお尋ねがございました。どの程度の豪雨を想定して防災・減災体制を組むのか、また、楽ん楽んの痛ましい災害に当たりまして、対策は十分なのだろうか、こういうお尋ねをいただいたところでございます。  議員から冒頭、御指摘もございましたように、台風18号が今、接近中であります。恐らく朝鮮半島の手前のところで折り返しをして東にたどるコースということになろうかと思いますが、ちょうど今、偏西風がこの沖合のところを吹いておりまして、その偏西風に乗って時速50キロぐらいでこの鳥取、山陰地域も通過していくのではないだろうか。中心の部分がどこを通るかということはありますけれども、今、一番真ん中を通れば隠岐島あたりを通るかもしれない。午後6時くらいにそうした山陰への接近が予想されるということでありまして、強い風が見込まれるところであります。  実は台風というのは風が吹く癖がございまして、台風の中心部が通りますと、その進路の右側に当たるところは風が強くなります。結局、こういうふうに吹く風と台風がどんどん進んでいくものですから、台風のスピードプラス風のスピードが乗るわけでございまして、悪いことに今回、その右側が鳥取県の地域になります。ですから、警戒すべきだということで、私どもでは月曜日に準備の会議をさせていただきまして、現在も警報が出て警戒態勢に入っているところであります。  また、特に農家の梨や柿といった果樹であるとか、ビニールハウスであるとか、やはり残念ながら風の被害が毎回のように出る、そういう作物等々もございます。  雨については、今回は前線が離れたところにありましたものですから、強い雨域がこの山陰にかかることはないかもしれません。しかし、台風本体の雲がかかりまして、局所的に豪雨になる可能性がある。これも警戒が必要でありますし、これは中心付近が通るということは、多分この山陰あたりは980ヘクトパスカル、あるいはもう少し強いかもしれません。そうした段階で来るということを予想しなければならないわけありまして、かなり強い状況の中で来るので、高潮についても警戒が必要だということになります。きょういっぱいが中心でありますが、特に午後の警戒が必要だということです。  きょうは170校ぐらい臨時休校が決まっていたり、飛行機の便が既に欠航が決まったり、隠岐汽船の欠航も出たりしております。くれぐれも県民の皆様にも御注意いただきたいと思います。  今、相互協定をこの間結んだことに基づきまして、徳島県からはリエゾン派遣で既に職員も当災害対策警戒本部のほうに派遣をされてきております。  このようなことで、きょうは少し特殊な日になるかと思います。  思い起こさなければなりませんのは、日本は災害列島であるということでありまして、議員から今、御指摘がございました豪雨災害も、山陰は無縁ではありません。  今も記憶に刻まれていますのは、平成19年9月のことでありましたけれども、琴浦町で夜、雨域がかかりました。そのとき、私どももこちらのほうにおったのですけれども、大変なことになるのではないかと。豪雨であることはわかったわけです。しかし、役場ではわからなかったのですね。羽田井のところの、それからちょうど町境のところでありまして、琴浦町と大山町の町境のところ、まさにそこの谷の中心の部分だけが降ったわけであります。役場のほうまで雨は強くは降っていない状況でありました。しかし、現地は大変なことになっていたわけであります。これと相前後して、若桜町でも強い雨が降りました。琴浦のときは時間雨量100ミリメーターということで、まさに県としては記録的なことでありました。  最近も例えば東郷湖の水かさが増すというようなことで、旅館も含めて浸水したという、そういう被害もあった台風もございましたし、水というのは、やはり私どもにとりまして厳しい状況をもたらすものだと思います。  特に今、御指摘がございました、岩泉の高齢者施設、楽ん楽んが水に襲われてしまったわけであります。だんだんと解明が進んできておりますけれども、専門家の分析ではこういうことだったようであります。  上流域でかなり強い雨が降りました。その上流域で強い雨が降ったものが流れてきて川に入ります。この川の流れの中で水かさが増していったわけでありますけれども、悪いことに、非常に厳しい浸水があったときには、その場所でまた局所豪雨があったと。雨に雨が乗っかったような格好になりまして、一気にあふれてしまったということでありました。台風の初上陸、岩手もそういうようなことで大変な被災経験をまた改めてされることになりました。  そういう中、今回、国民体育大会の開会式が開催をされました。横山県議も称賛していただきましたけれども、天皇皇后両陛下も身を乗り出されてごらんになったのは、実は鳥取県の選手団の隊列でありました。なぜなら、鳥取県の選手団は鳥取県と書いてあるプラカードというか横断幕ではなくて、災害復興を応援していますというメッセージを横断幕として持って行進をしたからでありました。私たちも災害列島にともに住む人間として、被災された地域にこれからも復興の手を差し伸べてまいりたいと思いますし、みずからも備えてまいりたいと思います。  今申し上げましたような豪雨災害が考えられるものですから、県のほうでも例えば土砂災害関係は100年に1度、もしくは既往の最大災害を念頭に対策を打つということにしておりますし、河川系につきましても10分の1から70分の1といったような対策を打つようにしております。  現状、そういうハード面はどうかといいますと、まだ十分とは言えません。正直申し上げて、そうした河川関係では大体半分ぐらい、それからそうした土砂災害等の関係のところでは危険箇所でいうと4分の1程度の整備率というような状況であります。  しかし、それとあわせてソフト面が大事でありまして、今回の楽ん楽んのことでもそうでありましたけれども、まず逃がすということによって命は少なくとも救われる、これが一番大切なことだと思います。  鳥取県におきましては、今、レッドゾーンのことは全て指定済みになりましたし、イエローについて大体98%ぐらいですか、もうほとんど指定が終わってきたということであります。また、今回もこちらの議会のほうに出させていただいておりますが、水防河川と言われる重要な災害が心配される19河川については最大の浸水想定を改めてシミュレーションしてみましょうと。それをもとに避難対策を考えましょうということを盛り込ませていただいておりますし、そのほかの200数十の河川につきましても簡易シミュレーションをやりまして、その簡易シミュレーションで大体こういうことになりそうだという想定を地元の市町村や住民の方がやりやすい、そういう材料を今回の補正予算の中で計上させていただいて、御審議を願っているところであります。  また、議員のおっしゃる楽ん楽んのようなことがないためには、ああいう高齢者の施設、いわば災害弱者のところの計画づくりが大切であります。そういう計画については、県内で例えば山口の災害とかもございましたので、避難計画は前倒しで実は進めておりました。現在は、その避難計画をつくった施設が8割ぐらいまででき上がりまして、半分ほどは避難訓練もしていただいています。ただ、逆に読めば、まだ3割できていない計画がありますし、避難訓練ができていない施設がまだ半分あります。  今回、台風10号の災害がございましたので、この議会明けのときに東部、中部、西部でそれぞれそうした施設向けの説明会をさせていただくことにいたしておりまして、今回、楽ん楽んの管理者の専務理事さんがたびたびテレビに出られて、非常に悔しそうな表情で、逃がしておけばよかったと、タイミングがもっと早ければよかったと、こういうことを実感しておられます。とてつもない災害であったので、いたし方ない面はあったと思いますけれども、逃がしておけば近隣にも安全な施設があったわけであります。  私どもでも伯耆町のほうに、なごみというグループホームがございまして、状況としては土砂災害があり得るところということでありまして、そこのグループホームの方は、きょうもそうされるかもしれませんが、雨が強いときには自主避難をされて、近くのことぶきというところに避難をされます。そんなようなことは当県としても今後もしっかりとやっていかなければいけないと思っています。  次に、リオオリンピックパラリンピックにつきましてお尋ねがございました。今回のスポーツの祭典についての感想と、それからコーチングスタッフ、選手や指導者の環境を整えることが必要ではないかと、こういうお尋ねでございました。  この週末は日本海駅伝、それからくらよし女子駅伝、非常に多くの精鋭たちが集まるスポーツの祭典がここ鳥取県でも開催をされました。横山県議もかつてから非常に力を入れた選手の育成が鳥取で現実になされているということでありまして、今回も、今、当代を争う全国の有数のチームが一堂に会して覇権を争うというようなレースになりました。  こういうように、スポーツというのはすばらしい輝きを持って私たちに訴えかけてくれますし、特にオリンピックパラリンピックがその最たるものであろうかと思います。  また、それを支えていく、今回のイベントでいえば指導者の皆さん、選手の皆さん、実際に開会式なども行ってみればわかりますが、緊張した面持ちで勝負をかけるランナーたちの顔と、それを温かく、また厳しく見詰めるコーチの姿がある、これがスポーツというものだと思います。  今回のオリンピックパラリンピックは、川中選手が8位入賞という快挙をまたしていただきました。ただ、本人は、いい色のメダルをとってくるというふうに宣言もされていまして、やり残したことがあるというような表情でございました。ただ、すばらしい感動と勇気を私たちに与えてくださったと思います。  また、冨田選手はまだ若い選手でございますが、ボートの現役として今回も国体に出られている選手でございますが、敗者復活戦で見事によみがえって準決勝のレースを戦われたのは立派だと思います。  ただ、非常に波が高いといいますか、コンディションの余りよくないところだったようでございまして、多分、今、東京で問題になっていますが、同じような状況ではないかなというふうにも思われます。  そのようなことも経験をしましたし、海外勢の力というのも経験したと思います。ですから、次の東京を目指して改めて闘志を燃やしておられると思います。  さらに阪口選手、また大家選手も出かけられましたが、女子ホッケーさくらジャパンも非常に力強い展開をしていただけたと思います。  ただ、残念ながら結果はつながりませんでしたけれども、こうしたことで東京オリンピック、まさに地元になりますので、次こそ勝負のときというふうに考えておられるのではないかなと思います。  これにあわせて野田昭和選手が、幻の入賞となりましたが、いいレースをしていただきました。先般、御本人もお見えになりましたけれども、次への誓いが目の奥に輝いていたように思います。こちらも初出場でございまして、パラリンピックの場合、割と年がいっても出場される選手もいらっしゃいます。70に近い歳でも卓球に出られる選手がおられるぐらいですから、まだまだ、出だしのところだと思います。みんなで応援していかなければいけないなと思います。  そういう中で、日本チームの活躍が目立ちまして、オリンピックパラリンピックとも優秀な成績をおさめたと思います。  パラについては金メダルがなかったこと、それから全体でも64位ですか、メダルとしてもまだもう一つ数が足らなかったという印象がどうも関係者の間にはあるようでございます。これから障害者スポーツの強化にも入ると思いますが、この議場での議論をもとにして、実は鳥取県では今、障害者スポーツを国に先駆けてコーチの充実などをしたりして、力を入れ始めたところでありました。恐らく国もこれから本気を出してくれば、鳥取県のやり方も応援してくれるようになるのではないかなと期待をいたしております。  今後環境づくりをして、そういうようなスポーツを支える選手やコーチたちを、どうやって育てていくかということでございますけれども、一つには、先般もございましたが、小学生のうちからジュニアを育てていくと。これは最近始めたことでありまして、御本人や御家族も含めて、ある意味大変に手応えのあることであります。  オリンピックが目指せるような、そういう選手に対して特別な強化事業も組ませていただきました。例えばボクシングのことを考えていただきますと、やはり優秀な選手と試合を積んで初めて強くなれるものでございます。本県にも例えば入江選手とかに代表されるような、そうした優秀な若手も育ってきているわけでございます。そうした方々に海外も含めて遠征して試合もできるような、そういう支援をしていかないと、なかなか自分だけでやるというのは難しいということでございます。そうしたことだとか、コーチの招聘だとか、いろいろな事業を展開させていただこうと思います。  あわせて、コーチのほうでも例えば安井先生のお話がございました。安井博志先生は、前の亡くなられた浜崎芳宏先生も割と自慢されていましたけれども、国体で点数を稼ごうと思ったら山岳で稼げるということで、いっとき競技種目が違ったころは大分稼ぎ頭になった、その張本人といいますか立て役者でいらっしゃいました。  今、このスポーツクライミング東京オリンピックの種目に選ばれたこともありまして、急速にクライミングの世界、熱が高まっているわけでありますが、日本を代表するコーチになっていらっしゃいます。  ただ、本務の学校の仕事に追われていてはなかなか指導もままならないということですし、恐らくこれから日本全体の課題も出てくると思います。ですから、県の知事部局の中部総合事務所の振興局のほうに籍を置いていただいて指導をするという体制で、思う存分やっていただけるように手配をさせていただいたところです。  また、同じようなことで、飛び込みでも安田千万樹先生がいらっしゃいますが、安田先生も白鳳高校で教鞭を振るうということでは、なかなか回らないということもあり、今、西部教育局のほうの専属になっていただいて、スポーツのほうに打ち込める体制というのをつくらせていただきました。  恐らくこれだけでも大分環境が変わったとは思うのですが、さらにそうしたコーチの方などからもいろいろなお話をいただいていまして、選手のための練習環境をつくらなければならないではないかということでございます。早速、この議会明けぐらいにスポーツ戦略会議を開催して、競技団体の代表者だとか、またこれからのことを担っていくその方向性を議論させていただきたいと思います。  環境づくりといえば、今、申し上げたようないろいろなソフトの施策もございますけれども、あとあわせて例えばオリンピックのキャンプ誘致であるとか、それから大きな大会の誘致、こういうことを通じて地域のスポーツ力を高めていくこともありましょうし、正直申し上げて、ハード面でなかなか練習しづらい環境があるということも聞いております。  スポーツクライミングの関係者のほうからは御要望があって、今、リード壁を倉吉体育文化会館につくらせていただきました。早速、練習として重宝されているわけでありますが、ただ、今回、オリンピックの種目はリードとボルダリングとスピードと、3つの種目の合同で行うわけです。通算の点数になりますので、リード壁だけでは練習は完全ではないということですね。  これは、実は日本のどこにもない施設でありますけれども、また考え方によっては、関係者ともよく話をして、そういうボルダリング壁や、あるいはスピード壁、こうしたところも整備をして、別に東京オリンピックだけではなくて恒久的施設になりますので、鳥取県の若い方々の練習の拠点として、あるいは生涯スポーツの拠点として活用していただくと、そういうことも考えてもよいのかなと思います。  あと飛び込みのほうも悩ましいところでありまして、私どもは東山の屋外の飛び込みしかございません。そうすると、冬季の練習等の課題がございます。そういう中で、何かいい知恵はないだろうか。これも競技者のほうから、あるいはコーチのほうからいろいろと言われているアイデアもございます。  例えばドライランドなのですが、要は風船玉の真ん中に飛び込むような、そういうある意味、水ではないのですけれども、そうした飛び込みの練習ができる、そういう施設が世界的にもあるわけです。これがあると、雪が降ろうが雨が降ろうが関係なくできます。もちろん本当の水ではないわけではありますが、水ではない分だけ痛さがない、ですから練習がしやすいということにもなるのですね。水というのは、飛び込むと結構痛いものでありますので。そうしたことも一つの検討材料かなと思っています。  ただ、いずれにいたしましても、これは競技団体とかともよく話し合って、こうしたハード面も含めた、議員がおっしゃる選手やコーチの環境づくりを検討させていただければと思います。  次に、農業改革特区につきましてお尋ねがございました。  これについては養父市のお話がございまして、養父市の規制緩和、鳥取でも必要ではないか。どう評価するのか。また、鳥取県の規制緩和の状況はどうなのか、特区の現状はどうなのか。また、養父市に調査に行って研究してみてはどうだろうかと、こういうお尋ねでございました。  率直に申し上げて、養父市のことは非常に意欲的な取り組みだと思います。こういうこともやりながら、多分試行錯誤していると思うのです。養父市でやっている規制緩和は全部上手に使われているわけではなくて、結果につながらない規制緩和もあるとは伺っているのですけれども、ただ、やはりチャレンジをして現状の農業をかえていく。それによって生産力を高めて所得をふやしていく。中山間地の耕作放棄地をなくして、農と村の豊かさ、活気を取り戻すと。そういう意味ではこういう挑戦は大事だと思います。そういう意味で大いに評価をさせていただきたいと思います。  そして、議員の御提案もございますので、養父市のほうに改めて私どもも調査に行かせていただき、学べるところがないだろうかということも見ていきたいと思います。  例えばシルバー人材センターを活用するというのが特区の中に入っているのですね。シルバー人材センターで農業をやるときに、週20時間以内に制限されているものを週40時間まで延ばしてもよいと。週40時間になりますと8時間掛ける5日間でございますから、いわば通常どおりの勤務ができるような、そういうことになります。  実はこういうシルバー人材センターもいろいろなところで活用されている向きがございますけれども、農業での活用がないわけではございませんし、この特区のこの部分については横展開と言われて、他の地域でもできるようになっている部分でございますから、私どもでも取り組み得るところだと思います。  例えばこんなような緩和の部分というのもありますから、一度よく研究に行かせていただきたいと思います。  また、鳥取県の特区なりの規制緩和ということでありますが、先ほどもリキュール特区のお話をしていただきました。先般亡くなられましたけれども、住田さん初めどぶろく特区を伯耆町二部のほうでされておられて、これがどぶろくでの全国最優秀だというふうに言われたりしたこともございました。中で、特にそれを支える女性たちがまたおそば屋さんをされたり、広がりのある形でどぶろく特区が生きているのではないかなというふうに思っています。  また、倉吉の町なかでミツバチを飼うというプロジェクトがあり、そのミツバチでミードと言われるような類いの蜂蜜酒になるのですけれども、これをやはり蜂蜜リキュール特区でされて、メイリーンというお酒をつくられました。  今、岡山・鳥取のアンテナショップであるとか、あるいは倉吉のふるさと納税のお礼の品でも使っておられるわけでありますけれども、飲み心地は普通のミードよりも軽いタッチで、非常に優しい、そういうお酒に仕上がっていまして、評判もよいということであり、地域の活性化に役立っているわけです。  これの裏には、町なかを活性化するためにミツバチをみんなで飼おうという、町ぐるみの運動があるわけでありまして、こういうような効果も出ているというふうに思います。  やはりそうしたことで、特区で申請しましたけれども、結局規制緩和で今のでやろうということになったのに、例えば大江ノ郷のレストランの駐車場等のお話があったり、ギンザケを関金で養殖をするというようなお話があったりしました。これらもクリアして、今、動き始めています。大江ノ郷に至りましては一大観光名所になりまして、今、引きも切らず関西等々からお客さんが来ているというような状態になっています。  農山村であってもやれることはいろいろある、そのことを私どもとして、養父の例をある程度倣っていきながら展開をしてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)31番横山議員 ◯31番(横山隆義君)答弁ありがとうございました。  自然災害については、どちらにしても危険箇所を周知徹底するということが条件かなと思っております。  特にことしは岩手県で国体がありましたが、岩手県が国体を中止するかもしれないということが取り沙汰されたと伺っております。その中で、開会式に、鳥取県が復興に期待しているというぐあいにいっていただいたので、大変うれしく思っております。  大体、ことしは北海道とか岩手県とか、全然台風と関係ないところに台風が行っているものですから、世の中どうなっているのだろうな、これはというぐあいに思っております。  2番目のオリンピックパラリンピックについては、いろいろなところで指導者はやはりそろっていると思うのです。ただ、指導者が足らないという、不足しているということになれば、これはパラリンピックの指導者です。パラリンピックの指導者はやはりもうちょっと不足しているかなというぐあいに思います。  やはりいろいろな先生方を、例えば井村雅代コーチは中学校の先生だったのですよ。大変恐ろしいお姉さんというのはあれですが、言い方がなかなか激しい先生で、さすがやはり一流を育てるだけあって、もう一流の言い方だなといつも思っておりました。  内村君は、ただ単に練習したことをすればいいのです。頑張れなんて言う必要はないと。頑張らなくていい、きのう練習したことをきょうしろと。僕の経験からいうと、たったそれだけで、大体これで自己新記録なのですよ。だから、頑張ろうと思っているのに、さらに頑張れなどと言うと、これはプレッシャーというのです。余分なことを言うなと、かねて打ち合わせのとおりだぞと、こういうぐあいに言えば指導者としてやはり大変立派な指導者だなと、そう思います。  第三者は頑張れ、頑張れ、頑張れと、余分なことを言うなと、僕はいつもそういうぐあいに思っております。頑張ろうと思っている者に、さらに頑張れなどと言うなと。そういうぐあいに言うと、大体選手はおかしくなるのです。簡単に言うと、かねて打ち合わせのとおり。そうしたら大体自己新記録と、こういうことになるかなと思います。  ここまでで、まず2つで。 ◯議長(斉木正一君)答弁ですか。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから重ねてのお尋ねがございました。  やはり指導者によって、いろいろとスポーツというものも輝きを増してくるということだと思います。  議員のほうから、井村コーチのお話がございましたけれども、井村コーチは確かに厳しい口調をされていますけれども、ただ、実はいろいろと考えておられるのだなということを思いました。あるテレビ報道の中で拝見をさせていただいたのですが、今の若い子とつき合ってみて、前に指導したころのシンクロチームと違うと。中国でも指導したりして帰ってこられたわけでありますが、日本のほうに帰ってきて子供たちに指導をしてみると、きついことを言うとやめてしまうと。ですから続かなくなると。だから、前とそこはやり方を変えたというのですね。それは、何やっているのよと言って、だめではないのというふうにやるのがいつもテレビで映っていますけれども、ただ、きょうはよくやったねと言って褒めてあげると、これを入れるようにしたというのですね。そこを組み合わせてやるようにして、今の若い方々の感性に合わせたような、そういう指導法をしているということをおっしゃっていまして、なるほどなと思いました。  横山県議がおっしゃるように、やはり指導するにも相手は才能を持っている人間であります。自分がプレーをするわけではなくて、その選手がするわけでありますから、その選手の資質を最大限に引き出そうと思うと、どういう声かけの仕方をしたらいいのかということだというふうに思います。  また、障害者スポーツはまだ指導スタッフが不足しているのではないかというお話がありました。これも先ほど先回りして、今、整えつつあるというふうに申し上げましたが、今回、野田昭和選手を指導したのは山下さんという女性のコーチでありますが、上級のインストラクターの資格を持っておられます。この方がほかの障害者も指導されて、つまり陸上の指導者として今回こういう結果を出したわけでありまして、すぐに結果が出たというのに周りも喜んでいるような部分がございます。
     また、そのほかにも加嶋さんとか、そういう障害者について明るいコーチもいらっしゃいます。  我々としては、こういう方々をもっと充実していくのが一つだと思いますし、実は健常者スポーツとある程度相互乗り入れもしていただいて、健常者スポーツの方にもかかわっていただく、そういうことをふやしていけば、鳥取県の障害者スポーツのレベルも上がってくるのではないかなというふうに思います。  私ども鳥取県政も議会の皆様に育てていただいているわけでありまして、頑張れ、頑張れだけでなくて、多少放っておいてもらっているものですから、少しずつ成長しているということかなというふうに思います。  スポーツ選手の芽が一番いい形で育っていくように、競技環境、コーチ環境を整えてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)31番横山議員 ◯31番(横山隆義君)ありがとうございました。  1964年に私は大学生でした。1回目の東京オリンピックのときに実は私は補助役員をしておりました。私が生きている間にオリンピックなど次はないなと思っておりましたが、何と2020年には2回目のオリンピックです。ぜひ鳥取県出身者のオリンピック選手を育ててほしいなと思っております。  次は戦略特区ですが、農業委員会と市の事務分担の見直しというのがありますが、これはちょっと工夫すると可能性があるので、研究をしてみてください。  農業生産法人の要件緩和はどうなっているでしょうね。旅館業法の規制緩和だとか、いろいろなことがありますが、どちらにしても過疎、高齢化、少子化ですので、いろいろなことで工夫ができるのではないかと思っております。高齢になったら、鳥取県に行こうか、こういう感じになればいいなと思っております。そういうぐあいに努力をしていただくというと、うれしいなと思っております。  ぜひそういうぐあいに。知事のことですから、いろいろなことを研究されると思いますし、内田先生の本を私も読んでおりますが、鷹勇をソフトバンクに持っていったという、そこが印象的でした。鷹勇は琴浦町の酒でして、ソフトバンクは鷹で鷹勇とソフトバンクを掛けて、うまいことを考えるな、さすがやはり知事だなと思いました。砂場だけではないなと、いろいろなことを考えましたので、今後も駄じゃれを含めて、人がよく覚えるような、ぱっと聞いたらそういう感じで、うんっと、こういうものを研究して話をしていただければいいなと思います。  最後に、この間、秋篠宮家次女、佳子様が来られまして、第3回の全国高校生手話パフォーマンス甲子園、御苦労さまでした。いろいろなところを視察していただきましたが、すごくやはりよかったと思っております。これは、佳子様はもちろんですが、沿道の皆さんが平井知事頑張れと、こういうメッセージというか、そういう話をあっちこっちでたくさん聞きまして、何だ、平井知事は佳子さんよりすごくファンが多かったなと言われたので、ついでだから、ちょっと報告しておきたいなと思います。  何かありましたら、よろしくお願いします。 ◯議長(斉木正一君)答弁のしようがないですけれども。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)横山議員から、重ねてのお尋ねがございました。  まず、1964年に補助役員をされたということでありまして、議員の非常に大きな夢を私のほうでも受けとめさせていただきました。  東京オリンピックが50年の時を経て、また今こうして日本にやってくる。それは、私自身も東京オリンピックを幼小のころに体験をさせていただいたものでありますから、あの感激と、それから何か未来に対するとてつもない希望というものを持てる瞬間がこの日本の子供たちにもやってくるのだなと思います。  一番その中にあるのは、スポーツのアスリートの皆さんであろうかと思います。それが鳥取からも花開くようなことは決して夢ではないと思っておりますし、そういうふうに思っている若者たちがいる。であれば、我々がそれをサポートする。ほんの4年間のことでありますので、全力を挙げてここはやっていきたいというふうに思います。  また、特区につきまして何点か御指摘をいただきました。  1つは、農業法人の役員のことだろうと思いますが、この役員要件が緩和をされたこと、これは鳥取県でも活用可能なことだと思います。  養父市の様子を我々も仄聞しておりますが、市外から、あるいは農業以外から参入してくる、そういう例が出てきているということであります。今回もナカバヤシさんという、ファイルアルバムというかアルバムメーカーがありますが、あそこで土地を使ってやるということがこの間も報道されていました。  いろいろな形で地域が利用される、活用されることになれば、それはそれでいいことだと思いますので、この辺もぜひ研究をさせていただきたいと思います。  あとは多分、歴史的な建造物における宿への転用の規制緩和のお話だったと思うのですが、今そうした建物においては、宿にしようと思った場合、用語では玄関帳場、フロントを置かなければならないという規制がかかっていますが、この玄関帳場がなくても宿としていいですよと、そういう規制緩和が入っています。これも農家民宿のような形で活用されるいいチャンスになるかと思いますので、その辺もぜひ我々としても活用できるのかどうか、ちょっと法的なところも見ながら研究をさせていただきたいというふうに思います。  また、先般、佳子内親王殿下がこちらにお見えになりました。中部をお回りになりましたけれども、各地で沿道で、あるいは会場で非常に大きな喝采を送っていただき、佳子内親王殿下を歓迎していただいた地域の皆様に感謝を申し上げたいと思います。また、手話パフォーマンス甲子園に出場された学校や、それを支えてくださった聾唖者の皆様、健常者の地域の皆様、そうした方々にも感謝を申し上げたいと思います。  佳子様がお歩きになられることで、例えば白壁土蔵群であるとか、それから北栄町のコナンの里等々、全国でも報道をされクローズアップをされることができましたし、鳥取県が二十世紀梨を中心に農家が頑張っていること、このこともいいメッセージとして全国に伝わったかなというふうに思います。  私どももこうしたことで今回、手話パフォーマンス甲子園をさせていただきましたけれども、やはり「障がいを知り、共に生きる」、我々がモットーとして全国の先頭を切ってやっていること、これは決してパフォーマンスでも何でもないです。手話パフォーマンス甲子園という言葉で誤解される向きがあるのですけれども、これはパフォーマンスでも何でもなくて、私たちが伝えたいのは、その心であり、実践するということであります。このことを関係者はよくわかっています。中には誤解される方もいらっしゃるようですけれども。その辺をぜひ今後もしっかりと続けていきたいと思います。これが10月30日の次なる芸術文化の障害者の祭典につながっていけばというふうに思います。  また、改めて鷹勇の話をおっしゃっていただきました。実は、今回、出版に至りましたのは、地域で頑張っている方々がおられるので、これを自然な形で全国に伝えたいという気持ちでありました。また、福祉のことでも鳥取が今、体を張ってやっていること、この実践を多くの方々にも知っていただき、全国にも伝わるところがあればいいというふうにも思いました。また、小さくても我々は力を持てるのだということ、このメッセージは恐らく全国の圧倒的多数の中小企業の皆様であるとか、市井の片隅で頑張っておられる方々にも届くのではないかなというような気持ちを込めてさせていただいたところです。  出版社側といろいろと話をする中で、読みやすくしてくれというので、ところどころに若干しゃれをかましたりくすぐりを入れたりさせていただいて、やや読み物風になっているわけでありますが、中身は地域づくりのバイブルであり、実は鳥取県の宣伝、PRというものが半分以上入っているという形になりました。  きょうもお話をいただいて、本当に恐縮をしておりますが、鳥取県議会は全国で珍しい、時々しゃれを褒めてくれる議会だというふうに感謝を申し上げたいと思います。  これからも鳥取のそうした実践例を全国の皆様にもしっかりとアピールをしてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)14番川部洋議員 ◯14番(川部洋君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。会派希望(のぞみ)の川部です。横山会長に続きまして質問をさせていただきたいと思います。  今回は、県立美術館についてということでテーマを上げております。  以前にPFI、PPP、官民連携についてということで、美術館問題にはさらっと触れたつもりですが、今回は、身の丈に合ったとかという言葉がよく出てきましたけれども、それはどういうことなのか。財政だとか数字を中心にちょっと質問をしようと思っています。  ただ、その前に、私も鳥取県中部選出の議員でありまして、皆さんからいろいろな意見をいただいております。今、場所の問題をいろいろ言われておりますが、私自身、別に美術館というものに反対しているとかということではありません。文化芸術を振興する拠点をつくるべきだというふうに考えておりますし、それができるなら中部にぜひ建てたいというふうに考えております。きょうはそのことではなくて、私が例えば県の財政は大丈夫かというふうなことをちょっと言ったりしてきたのですけれども、そういう発言をすると、どうも川部は美術館に対して否定的だ、反対しているみたいなことを言われるようなことがあります。今議会でも議員の皆さんがいろいろ質問をされたり、委員会の中でも委員の皆さんがいろいろな意見を出されていると思います。私はそういった状況を見て非常に健全な議会だなというふうに考えておりまして、現在、ではどういう状況にあるかというと、美術館を建設しようとするための基本構想を博物館をつくるに当たって、検討委員会に案の作成を依頼している、そういう状況だと。その中で、では議員が自分たちの意見をどのように言うか、そのあたりが多分県民の皆さんとちょっと認識のずれがあるのではないかなというふうに思ったりもしているところであります。  当然、いいものをつくりたい、それから例えば鳥取に誘致したい、倉吉に誘致したい、北栄町に誘致したい、いろいろな思いがあると思いますが、私たち議員もやはり県政という大きな立場でいろいろな意見は言うべきであると思います。それは議会の場、それから委員会の場で、各議員の意見として今は発言されているというふうに理解しておりますが、美術館の説明会に出たときにも、議会がこう言ったから圧縮案をつくりましたとか、県民の方から言われるのは、議会は反対しているのではないのかみたいな言い方をされます。決して今はそんな時期ではない、議会が結論を出したわけではなくて、各議員がそれぞれの立場でいろいろなものを受けて個々の意見を発しているというふうに理解しております。  そうしたことで、まず、質問に入る前に教育長にお聞きしたいのが、今、基本構想案をつくっておりますが、これが最終的に議案になる、これから段階を踏んでいくわけですけれども、基本構想案ができる、次に基本設計なり基本計画なりができて実施設計に入る。最終的に議会が実施設計の予算案を決めてゴーになるわけです。その段階について、ちょっと説明いただきたいなというふうに感じておりますし、それらについて、二元代表制の問題にもかかわるわけですけれども、大規模事業に対して議会がやはりどうかかわっていくのかということもある意味問われているのかなというふうに思います。知事には、こうした案件に対して議会議員がどういうふうにかかわるのか。私は、さっき言ったように、議員はこういう場でいろいろな意見を言う、それを今、検討されている人が聞いて、案の中に含めながら案を出していって、最終的には私たちは議場で議案として審議するというふうなことになると思うのですけれども、知事のお考えをまずお聞きして、壇上の質問といたします。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員からの御質問にお答え申し上げます。  本日、こういう美術館の問題に端を発しまして、まず根本論を問おうという御趣旨かなと思って、今、お話を拝聴させていただいておりました。  今回、県議会におきます一つの大きなイシューとして、美術館問題がいろいろな議員から取り上げられたところであります。  実は、この議会でのこうした議論というのは、多かれ少なかれ県民の意見を反映したものが大分入っていると思ったほうがいいと思っています。つまり、何のために私たちはここに集まっているかといえば、まさにそれぞれ立派に県民代表者として出てきているわけでありまして、当選を果たした以上は、その背景におられる有権者の皆様、県民の皆様、その御意思があるわけでございます。  ただ、その中でいろいろと調整しなければならないことがある。私たちは一つの結論を最後はまとめなければいけません。しかし、それに至るまでにまとめるという作業が多分一番とうとくて重要なことなのだろうと思います。  デモクラシーというのは、長い年月をかけて古代ローマ、ギリシャと、発展をしてきたのだろうと思います。そういう中で議会制度というものが位置づけられてくる。特にイギリスにおきまして、納税という重要事をめぐり国王と民衆が対立をする中で、議会、国会がヘゲモニーを握る。ここに近代の民主主義のデモクラシーの元祖があるというふうにも言われるわけでございます。  一人一人は違った色のある方々が集まって、最後は決議という形で一つにまとめる。その過程で、こうすればいい、ああすればいいということをいろいろと意見をしていく、これが議会の機能なのだろうと思います。  多分非常にその本質に近いのが、先ほどの本というお話もあったあの中では、ちょっときついかもしれませんがガラパゴス的と、わざとちょっとわかりやすい形で言いましたが、鳥取県独自の県議会の発達があったというふうに私は見ています。ほかの県議会とは大分違います。  きのうも都議会が始まりまして、最初の代表質問だということで、私も注目して夕べからニュースを見ておりますが、皆さん、決められたシナリオどおりに台本を読んでいる形でありまして、先ほどの横山県議の質問もそうでありますけれども、余りシナリオなく展開するのがこの県議会の特徴でございます。だからこそ本音の議論ができて、私たちがこれはいいよと思うことをお互いに意見を交換する。私ども執行部も多分ほかの県と違うところだと思いますが、皆さんの意見がいいと思えば、私は責任を持って県政を改めます。ですから、そんな信頼関係もいい意味で生まれてきているのではないかなと思います。これが多分、議会の本来あるべき姿を我々なりに目指してきた結果なのだろうと思います。  今回の美術館問題は長年のテーマでありまして、時に分断を生んだり、対立や、あるいはある意味大変な挫折感とか、そうしたものを経験してきたのであります。非常にハードルが高いテーマではありますが、未来へのプレゼントとして美術館というものを考えるかどうか、それを議論するには機は熟してきたと私は思い、封印を解いて議論していただこうということにさせていただきました。幸い議会の皆様もその気持ちをごそんたくいただき、こうして今回も大いに議場が沸いたところでございました。  この議会の権能は、先ほど申しましたように、最後は一つの議決にまとまるわけであり、予算なり、あるいは契約の承認という形で、皆様が最後の鍵を握っています。ですから、最後は一つのイエスかノーの結論でまとまるわけでありまして、最終権威者であるわけであります。ですから、皆様方の合意形成いかんに、この問題はかかっている大事なことでありまして、そういう意味で慎重にも実り多い議論を私のほうもお願いをしているところであります。  ただ、その結論に至るまでには、まず案ができなければなりません。その案の段階では執行部が出すという地方自治法の建前になっていますので、今、教育委員会がその任にあり、それをさせていただいているわけです。  ただ、オープンな県政を目指して鳥取型のデモクラシーというものをつくろうとし、私どものほうでは県民参加基本条例という条例を、多数の議員の賛成を得て議決をするに至っています。これによりまして、民意をきちんと確認をしながら進めなさいということを執行部に義務づけられているわけです。ですから、この議会での議論、これは県民意思を投影したものであるというふうに我々もある程度考えさせていただかなければならないわけでありまして、本県の場合、多分よその県とは違うと思いますけれども、今回のアンケートの内容の変更であるとか、あるいは過去にはその額を縮減するとか、実はそういうふうに皆さんの御意見には敏感に案づくりの段階で反応しているというふうに思っていただいたらいいと思います。  こういうキャッチボールの中で、最後はただ一つの決議案、議案にまとめさせていただき、その成否を私たちはお伺いをすると、こういうことだと思っています。  また、その過程で我々も注意しなければなりませんのは、非常に注目されているイシューであればあるほど、2年前に我々が選ばれたとはいえ、民意がどこら辺にあるかということは改めて確認しておくべきではないかと私たちは考えておりまして、今回、アンケートもあえて実施をさせていただいております。今回、やるかやらないかを中心にアンケートをし、ではどこにということも次回また民意をお伺いする。そういう中で、それに基づいた判断を私たちのほうで考えればよいということだと思っております。  議会というのは、これは誰が何と言っても県政の中心であり、この議会がうまく機能すれば地域もいい判断ができて、いいふるさとに変わっていける、そういう重要な装置だと思っております。  今回の美術館問題につきましても、最後の鍵を握っておられる議会の皆様の御意思も十分尊重をさせていただきながら、我々としては、まず議案づくりに励みたいと考えております。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)川部議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私のほうには、この美術館の建設等に関する議案が議会に提出されるまでの過程についてのお尋ねがございました。  今、知事からも御答弁がありましたが、今、アンケートをさせていただこうというふうに思っておりますが、この県民意識調査が終われば、それをもとに検討委員会のほうで基本構想を、検討委員会での検討案を提出いただくということになるわけです。教育委員会のほうでもその検討委員会で検討されたものを最大限尊重するという形で、これは教育委員会としての基本構想案というものを定め、それをもとに各方面、知事部局、また議会等も含めて再度調整をさせていただきまして、次の段階に進むべく、物をつくり上げていきたいというふうに考えております。  最終的には次の段階に進むかどうかというのは、教育委員会、あるいは執行部とも調整をした、議会の皆様とも調整をしたものをベースにして、基本計画に必要な予算を提案させていただく、これは知事のほうから提案をいただくことになりますが、そうした段階で議会の皆様の最終的な、次に進むかどうかの判断をいただくということになろうと思います。  そうした手続を今後、基本計画をつくる段階、あるいは設計に入る段階、そして建設に入る段階、それぞれ段階を踏みながら、御判断をいただきなら進めていくべきものであろうというふうに考えております。 ◯議長(斉木正一君)14番川部議員 ◯14番(川部洋君)答弁いただきました。  知事もおっしゃったとおり、議会というのは、やはりある意味、県民の意識、意見なりをここで反映しながらいろいろな議論をして結論を導いていくというふうなことで、今やられているのは、議会に出す案を、県民に示す案をまとめられているということです。今、一生懸命、大場館長を初め博物館の方、県内くまなく回って意見を聞かれたりしているのですけれども、その中で、議会がどうも大規模過ぎはしないかとか、そういった言い方で、ある意味議会を対比するような形で意見をまとめようとする手法がちらほら見受けられるなということがありまして、非常に残念であります。  要望にも、やはり議会が反対をしているとか、規模縮小を望んでいるというふうに言われているのですけれども、決してそんなことはなくて、今、個々の議員がそれぞれの意見を言っているという段階です。ぜひともその辺を酌んでいただいて、検討委員会、それから専門委員会のほうはもう終わったのでしょうけれども、やはりきちんとした方を選んで、ある意味案をつくっていただいたのですから、それらの意見を尊重してしっかり案をまとめていただければ、我々もそれをもとにまた議論ができるのかなと思います。  こう言われたからこうしましたと、割と検討の中で揺らいでいるような感じを受けたりします。議事録も今回、ざっと見させてもらいましたけれども、事務局主導ではないかというふうな委員さんの意見もあったようですが、ぜひとも委員さんの意見を踏まえて案をまとめていただきたいと思います。  では、今回の質問の本題に入りたいと思います。  今回は、それから財政といいますか数字を見ながら美術館について考えたいと思います。ぜひともいいものをつくるべきだという方向と、とはいっても財政的な制約があるのではないかというふうなことを聞くことがありますので、よろしくお願いします。  資料をお手元にお配りしておりますが、まずこちらの青いほうというか写真の載ったほうであります。  教育長のお言葉にも、身の丈に合ったという話が時々聞かれましたけれども、では鳥取県で身の丈に合った美術館ってどういうものなのだろうなと、私なりに考えてみました。  私自身は、建築というのが非常に大好きであります。こちらの有名建築家が設計した美術館をちょっと調べてみたのです。数字については、ちょっと私の調べなので若干違うところがあるかもしれませんが、傾向はわかると思います。  一番上に上げております、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館であります。これは、ビルバオというバスク州の都市なのですけれども、工業都市だったのが廃れてしまって、どうしようかというときに、グッゲンハイム財団にお願いをして美術館をつくってもらった。その結果、地域が活性化したという例であります。よく美術館で地域が活性化した例として挙げられるのがここのビルバオのグッゲンハイム美術館であります。それが大体建築費が130億円、延べ床面積が2万4,000平方メートルということで、坪単価でいうと大体179万円かかっているのですね。  その他、テート・モダンという、ロンドンの発電所をリノベーションしたところだとか、金沢21世紀美術館、皆さん御存じだと思います。それから、検討委員会でも視察に行かれた青森県立美術館や十和田市現代美術館、それから大分県立美術館、それぞれちょっとざっと出してみましたけれども、やはり坪単価は200万円近くかかっているわけです。  今回の美術館の案が約85億円で1万2,240平米、坪単価でいくと212万円というふうなことで、これを高いかどうか、どう考えるのかというあたりだと思います。  私個人としては、やはりいいものをつくって、それこそビルバオのように活性化するということもあるのではないかというふうに考えております。  続きまして、横のほうの芸術文化経費の都道府県比較というところです。済みませんけれども、ちょっとタイトルが入れかわっておりますので、御了解ください。  これは、関西経済同友会が大阪府のほうに、大阪市もですけれども、大阪府は文化政策にかける予算が少ないのではないかという提言をしました。その記事を見て、鳥取県はどうなのだろうというふうなことで、ちょっとまとめてみたところです。  というのも、ある方が言われたのは、スポーツにかける予算は割とチェックが入らずにどんどんやらせるのに、何で文化芸術、美術館に対してだけこれだけ言うのだというふうな言い方をされたもので、実際に鳥取県はどれくらいかけているのだろうなというふうに見てみました。  結構いい線というか、鳥取県は頑張っているのだなというふうなことがわかりました。これらを見て、ではこれで十分かというと、文化政策にもっとかけて、未来に対する投資として予算をかけていくということもあるのではないかと思います。  そういったことで、知事に質問なのですけれども、これまでの質問の中でもいろいろ、必要なものはつくっていく必要があるのではないかというふうなことを言われたと思いますが、今回の美術館のこの建築費用、それから文化政策にかける鳥取県の経費等、スポーツ振興にかける経費等との比較も含めて御所見をお聞きしたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねてのお尋ねがございました。文化振興にかけるお金のことということで、私のほうに質問かと思います。  この資料によりますと、芸術文化関係の予算は大体3億5,000万円ぐらいということであり、割合として非常に高いほう、5位になっております。  実は鳥取県もこういう形で芸術文化の振興に一定の力を割いているのは事実でありますし、特に、人口規模が小さな県ですから、この中に入っている文化芸術のイベントであるとか、あるいは施設の管理費用であるとか、そうしたものが若干高目に出るのかもしれません。ただ、大阪と比べますと、確かに格段の差があるということであります。  特に最近の状況も申し上げますと、ここに入っておりませんけれども、私どもはさらにこれに障害者の分を乗せておりまして、障害者の芸術文化関係、鳥取県は障害者に冷たく、お金を使わないと言っている一部の議員もいらっしゃいますが、これについては、例えば今、27年、28年ぐらいは実は1億円を超える予算を障害者芸術文化関係で使っております。これにそれが乗るわけでありまして、トータルで見ていただくと4億5,000万円ぐらいですから、多分もう少し順位が上がるのかもしれません。  障害者の関係で、全国で一番多く支援をしているのが滋賀県と言われていまして、そこが大体4,000万ベースの障害者芸術文化関係予算なのですね。それに対して私どもは、ついこのたび、そうやって急に追い抜いた格好になっております。障害のあるなしにかかわらず、芸術文化を通して人間の輝きというものを表現できること、その喜びを感じていただきたいと思いますし、バリアフリーなアートをいろいろな方々、健常者も含めて楽しんでいただける、そんな世界ができないかなというふうに思っております。  問題は、こういうソフト経費もかかるということが多分、美術館については今後は考慮要素にならなければならないと思います。今、博物館の中で芸術文化関係の予算というか管理費用が出ていると思うのですが、それが今度、新しい館ができたとなりますと、当然ながら管理費用が乗ってくることになります。ですから、そういう意味で、小さな県であるために、そういう芸術文化関係の予算というものもそこそこインパクトがある形になるということです。  片方で、大きな都会であれば全体の中の一部だろうというふうに思います。  この辺、指標があるのかどうかというのは非常に難しいです。例えばフランスでマルローという初代文化大臣がいて、ド・ゴール政権時代に活躍したのですが、この方はメゾン・ド・キュルチュールという文化の家、すなわち文化の殿堂というものを各地につくろうというようにされたり、それから1%ルール、文化芸術予算を1%にしようということを唱道されまして、現実にフランスもそういう域に達してきているのですね。  地方においてそうした芸術文化の大切さを説いた、その1人はゲーテではないかと私は思っています。ゲーテがその書籍の中で述べておられますけれども、ドイツがほかの国と比べてすばらしいのは、どこの地域に行っても図書館だとか劇場だとかいうものがある。さらにどこにでも美術館というものがある。こういう地域における文化芸術の輝きがあるのがドイツのすばらしさだというふうに言っています。現実に国家予算レベルでも見てみますと、やはりフランスの半分ぐらい出しているのですね。日本はかなり少ないです。  そういう意味で、今、オリンピックパラリンピックを目指して文化芸術に力を入れようと、国がレガシーづくりに動いておりますけれども、この機会にそうした地方の芸術文化活動についても光を当てていただければなというふうに思っております。  いずれにいたしましても、美術館の場合は管理費用がかかってくるとしても我々財政サイドとしては上手に折り込めるような努力を今後ともやっていかなければならないというふうに思っております。 ◯議長(斉木正一君)14番川部議員 ◯14番(川部洋君)次に財政のことを触れようとしたのですけれども、知事のほうも財政を見ながらというふうなことを言われました。  続きまして、資料のほう、こちらの赤っぽいほうですけれども、以前から検討委員会で、美術館はこうあるべきだ、こういうふうな美術館をつくりたい、それで積算していくと大体これくらいかかるだろうというふうなことで基本構想案をまとめられております。そのときに、やはり私として危惧したのは、それをやるにしても財政上どうなのか。先ほども言われましたけれども、博物館から美術館を分けるということは、新たな建築費もかかるわけですけれども、維持管理費、それから何年かの保守・更新費用、それらライフサイクルコストがかかっていくというふうなことで、それについて検討が必要ではないかということをずっと言い続けてきたわけです。今回、アンケートをとるときに説明案が出ていましたが、一方で、鳥取県のホームページ、「鳥取県の財政状況より」というところで、このグラフはほとんど引っ張っておりますが、若干説明が違うのではないか。きのうも市谷議員が同様のことを言われましたけれども、県債のこと、それから臨財債のこと、地方交付税のこと、県債残高のこと、それから経常収支比率だとか財政誘導目標を達成したという単年度の財政の健全性と、後年度ですね、長期にわたる財政の見通しというふうなこと、やはり両方から見ていかないといけないというふうに思っております。財政課のほうの説明は、やはり財政は厳しいのだ、このままの財政運営を続けると県の財政は危機的状況になるというふうに言われております。  公共事業をこれまでもそのために減らしてきたわけですけれども、今後、その中でやはり公共施設の更新問題というのが重要な課題になってきております。右側のページで財政目標は達成したと言われていますけれども、歳入は当然、これから人口減、それから交付税等も今、減っているような状況ですので、ちょっとずつ下がっていく、それに加えて、歳出の減る要素というのは、これからも努力されるのでしょうけれども、公共施設の更新費用というのがこれに乗っかってくる。この図です。こうした状況が待っているので、公共施設等総合管理計画を立てて、これらを平準化したり施設を見直したりする必要があるのではないかというふうに、財政課や行革のほうは進められているわけです。どうしてもこの美術館の新設という話とこのことが、どうも合わない。説明も合っていないし。では、これを教育委員会、博物館がこのことを踏まえてやるのか。やはり知事部局がある程度、これくらいではないかということは示す必要があるのではないかというふうに考えます。  決してこういう状況だからやるなということではなくて、財政はこういう状況である、今後こういうふうになるけれども、でも必要だからこうするのだというふうな、ある程度の見込みを含めて説明する必要があるのではないかなというふうに考えますが、知事の御所見をお伺いします。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねてお尋ねがございました。
     データのことなども含めて、詳細は総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、これはいろいろな分析が多分必要だろうと思います。  今、公共施設の管理計画のお話がございました。そこにもグラフがございますけれども、本県の場合、特徴があるのは、あるとき、きゅっと上がることになっています。大体平準化して180億円ぐらいのところが平均であるのですけれども、それが今から大体四半世紀後になりますが、平成50年代前半ぐらいで380億円ぐらいのレベルにきゅっと上がる。結局、建物などいろいろな更新時期のことがございます。実はこれは不思議なことですけれども、ちょうどその時期に土木系もピークを迎えるのですね。多分ここが一つのそういうメンテナンス等を考えた上での節目のときというふうに我々は見ています。  ただ、これは四半世紀先なので、今直ちに何か解決するとかということではないのでしょうが、環境としてそれを乗り越えられるような財政体質を持っておかなければいけないということではないかなと思います。  私どもでは、今まで財政体質をよくしようということでやってまいりまして、経常収支比率とか将来負担比率とか、そういうものを適正化したり下げたりということで、全国順位も上がってきたところです。川部議員は倉吉市議会も御経験をされて、見ておられたと思いますけれども、大分違うと思います。そこの中身の違いはよくわかっておられると思うのですが。  そういう意味で、実はここの議場のみんなで議論してつくり上げてきた成果なのですけれども、ある程度の裁量の幅は持ち得るだけの財政体質はここ10年、そこまでのところは何とか用意はできたということです。  ただ、我々も悲しいかな、では絶対大丈夫だよとなかなか言いがたい。つまりそれは交付税が今後どうなるかわからないとか、それから実際、今後どういうふうに展開するかわかりませんし、施設の規模によっては美術館もということもあります。今、議論されている東京都のほうの有明アリーナですか、あれも170億円ほどと言っていたものが404億円まで膨れ上がって2倍以上になっているわけでありまして。いろいろなことを考えますと、絶対大丈夫だとか、多分財政当局も言いにくい部分は当然あるだろうと思います。  ただ、財政体質の改善が進んだことは事実でありますし、それからさらに将来計画を見据えて、いずれ本当に具体化した案になった場合には考えるべき時期が来ると思います。 ◯議長(斉木正一君)伊澤総務部長 ◯総務部長(伊澤勇人君)それでは、私のほうから、財政状況につきまして補足の答弁をさせていただきます。  議員からお示しいただきました資料は、大変私にとっても参考になるような資料でございまして、わかりやすいものでございますが、あえて少し解説をさせていただきますと、県債残高の状況、特にこれはこの議場で御説明しておりますが、いわゆる臨財債と呼ばれる、本来は交付税で交付されるべきものが、財源不足によりまして臨財債という形を変えて交付されているということが今の状況の基本になるということは、重ねて申し上げなければならないと思っております。  交付税の経年推移もお示しいただいておりますが、交付税が大きく1回減っている、これは中ほどで大きくへこんでいるのは、いわゆる地財ショックと呼ばれたものでございまして、この表からごらんいただけるとおり、残念ながら地財ショック前の水準に完全には戻り切っていないというのが今の状況だということは御指摘のとおりであります。県債残高の中で上の紫色の部分、これはいわゆる臨財債でありまして、本来は交付税の身がわりということで、後年度、交付税で確実に交付されるということが法定されているということは議場で申し上げているとおりであります。そういう仕掛けになっているということです。ただ、その中に今の地方財政の問題の根幹があるということは、御指摘のとおりだと思っております。  そして、公共事業の管理計画の御指摘でございます。お示しいただいたとおり、これは私どもの資料でございますので、そのとおりでございますが、公共建築物につきましては、お示しの資料をもとに少しだけ要点を解説させていただきますと、当然、現在のこれから検討が進む美術館というものはこの中に入っていないわけでございまして、仮に新たな美術館が建設された場合は、その経費がここに上乗せになるということでございます。増額の見直しが出てくるということになるわけでございますが、現在、ごらんいただいているとおり、おおむね100億弱程度の経費、年によって若干増減はございますけれども、これが2033年ごろまでは大体そういったものが続いていくということであります。それ以降、例えば2033年、あるいは2040年、2041年に大きな山がやってくると。これはいずれも青色の棒グラフになっておりますが、教育委員会所管県立学校の改築がここにやってくるということは、これも常任委員会等で御説明したとおりでございます。  現状、こういった分析をしておりまして、現在、これをもとにいかに平準化するか、あるいは適切な保全を入れて長寿命化等を図ることで、よりトータルコストを軽減していくかということを、この資料をもとに今、検討をしているということでございます。大きな山をできるだけならしていくという作業だということでございますし、その中で、将来残していくべきもの、あるいは場合によっては統廃合するものということを、行革視点も含めて検討をし、また御相談させていただくというような作業が出てくるということであります。  ちなみに美術館をつくった場合の影響でありますけれども、美術館の建設経費はちょっと別といたしまして、保全経費がどの程度になるのかということを今の時点で正確に見込むことは難しいわけでありますが、例えば今の県立博物館の保全経費の見込みが、概算でありますけれども、大体90億円から100億円程度というものを今、見込んでおりまして、仮にそれの1.5倍となれば、40年間のトータルコストを計算しておりますので、ざっと年間当たり3億円ちょっとの負担がふえてくる。2倍なら4億円ちょっと過ぎるぐらいな負担がこの今の将来見込みに加わってくるということでございます。  ただ、繰り返しになりますが、これは現状を分析したものでございますので、これをいかに低減できるかということをこれから検討、工夫していくということだというふうに考えております。  公共土木施設についても御指摘がありましたので、一言だけコメントしておきますと、公共土木施設インフラにつきましては、現状で大体140億円から150億円弱程度の維持管理経費を計上いたしておりまして、これも若干年によって飛び出すところはございますけれども、おおむね現在の規模、若干それを超えるか超えないかというような規模で維持管理経費が推移すると、このように見込んでおりますが、いずれにしても、この公共土木施設についても平準化なりコストの低減ということに努めていかなければならないということでございます。  ちなみに財政状況ということで知事もいろいろ申し上げましたが、いずれこの財政に対する影響というのをきちんと我々も分析していかなければならない。その作業に今、入っておりますが、いかにこれをわかりやすく県民の方にお伝えできるのかということ。少し工夫が要るのだろうというふうに考えておりまして、試行錯誤しているというのが今の現状であります。  先般、興治議員のほうからも経常収支比率に対する影響というような御指摘もいただきました。これが0.3ポイントぐらい上がります。0.3ポイント上がってどうなるのかということになるわけでありますが、それから、例えば将来負担比率、これは将来に対する借金がどの程度財政負担につながるのかということを示すものでありますが、これにつきましても影響を見込んでいくというような作業を進めていかなければならないと考えているところでございます。この将来負担比率に対する影響あたりも、例えば仮に100億円、あるいは200億円ぐらいの規模を想定したとしても、大体8%程度の引き上げ効果になるということでございます。  27年度決算で105.6という数字になっておりますが、ちなみに平井県政が始まった平成19年は151という数字でございましたので、今現在の105.6が8ポイント上がるということがどの程度の財政影響なのかということをきちんと分析していく必要があると、このように考えているところでございます。 ◯議長(斉木正一君)14番川部議員 ◯14番(川部洋君)御説明いただきました。これまでの努力で県の財政がよくなってきているというのは十分理解しております。  ただ、先ほども臨財債のことがありました。それから後年度、交付税措置されるというふうなことがありましたけれども、実際には交付税は減っていっていますし、交付税の算定基礎になるようなものはこれからふえてくることはない。だから、トレンドとしては歳入が減っていくというのは間違いないわけで、歳出についても先ほど言われたとおりで、やはり更新の費用というのは今後乗ってくるという大きな流れは間違いないわけです。  それをもって、ではだめかどうかということを言うつもりはないのですけれども、一方で公共建築物にしても減らしていくという作業を、機能を合わせて合築したりとか、いろいろなことをやっていこうという中で、新たに建物を建てて公共施設をつくるというふうなことについて、やはり慎重に進めるべきだというふうに思います。  結局、この限られた財政の中で必要な施設をどうやってつくっていくのかというあたりが問われているのだと私は考えておりまして、それがあったからこそ、以前PFI、PPPをしっかり検討していくというふうな質問させていただきました。  今回、検討委員会の中での検討の資料だとかを見ますと、PFIが単に県の支出を減らすための材料としてしか使われていないような感じを受けます。本来、PFIにしてもPPPにしても、確かに財政をどうするかという大きな課題の中で出てきています。本当であれば、民間の知恵やアイデアを民間の資金を使ってこういったことをしたいということに対して、自治体では出てこないようなアイデア、民間の収益事業も含めて、どうやってそのサービスを提供するのかという手法がPFIであったり、大きな意味でのPPPだというふうに感じております。今、検討委員会の中で言われているPFIというのは、85億円かかるのが60何億円になりますよというふうなことだけであります。本当であれば、もっと緩やかな仕様、県の美術館はこういうもの、こういう機能があればいい、あとは皆さんのお知恵にお任せしますみたいな、プロポーザルとかそういったことをやって知恵を集めて、財政の要求と、それから機能の要求を満たしていくというのがこの手法ではないかなというふうに考えておりますが、これについて、もう一度知事の見解をお聞きしたいと思います。  手法についてですけれども、私は今回質問がありました木村議員、それから福浜議員と同様に、既存の施設を使う、そうしたネットワークを使って、集権的な大きな美術館を1個つくるのではなくて、機能分散をしながら県全体で、県全体が美術館なのだというイメージのほうが私としては割とすんなり落ちてくる感じがありますが、それらも多分、本来の機能、求められる機能を維持しながら財政の問題をクリアしていくというふうな回答になるのではないかなというふうに考えております。  文化芸術の振興の地域分権化による機能分担とネットワーク化、それからPFI、PPPなどの官民連携でこの美術館をぜひとも鳥取県らしいものにしていっていただきたいのが私の意見なのですけれども、これについて知事の御所見をお伺いします。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねてお尋ねがございました。  PFI、PPPのことと、それからネットワーク型の整備というお話でございます。  PFI、PPPについては、今、フィルターをかけようというふうに、知事部局のほうにその部分は引き取るわけでありますが、いずれそういう協議といいますか検討のステージに入らなければならないと思います。  今から検討委員会のほうでどういうふうに動かれるかということはありますが、まずPFI、PPPの検討が必要かどうか、それについて一定の要件もありまして、その基準を満たすのであれば、検討はまずしなければいけないと、そこのところを決めにかかる必要があります。この秋の間に、その辺は我々のほうが声を上げなければいけない部分かなということで、これは今、事務的に教育委員会とも相談しながら準備をしているところです。  川部議員がおっしゃるように、これは単なるお金の問題だけでなくて、実は手法が全く違うわけです。自分のところの施設として自分がつくって運営をするという、今までの行政のやり方ではなくて、民間の手法を導入しようと。そのほうが、要は行政サービスとして顧客である住民の皆様のニーズにかないやすいものができるのではないだろうか。特に専門性のある分野であればあるほど、その専門性のあるものに対応したような建物のつくり方とか、設備の整え方だとか、運営の仕方だとか、そういうものがあるのではないかということです。建てるだけではなくて、その後のマネジメントも含めて、そうした民間の一貫した中でやっていただくというようなやり方もある。  その場合は、いわば年賦払いで払うような形にして建物を建てることになります。起債でやって起債の償還という形で後年度で負担をするのか、その辺は手法の違いがありますし、また、管理運営のやり方にもかかわってくるところでもあります。  まずは検討するかどうかを決めることが一つありますし、ではこれがふさわしいものかどうかというのを、検討委員会ででき上がってくる、その一つの姿に即して、今後具体的にPFI、PPPでやるべきかどうかということを、我々執行部側としては判断をさせていただくというタイミングがあろうかと思います。  いずれにせよ、これは並行して作業をしてまいりまして、先ほど申しましたように、議会とパートナーシップのもとに検討するものでありますから、議会のほうにも随時御報告を申し上げ、また皆様の御意見も仰ぎたいと思っております。  ネットワークの整備については本議会でも何度か取り上げられて、私もたびたび御答弁したとおりで、余りそこに違和感はありません。教育委員会がどう考えられるかは、また向こうで聞いていただかなければいけないと思いますが、何か中核となる組織があって、それからあといろいろな日南美術館であるとか米子市美術館であるとか、いろいろな拠点があります。そういうところと一つ通じるような形で、この際、新しい建物ができるのであればネットワークを組んで、その恩恵が全体にわたるというようにし、その仕組みの中で、もし一部機能を縮減したりしてリーズナブルな形が可能であれば、それは検討のしどころではないかなと私は思います。  いずれにせよ、これは検討委員会のほうで今、考えていただいていることでありまして、今後の中間報告や最終報告の姿を待ちたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)14番川部議員 ◯14番(川部洋君)PFI、PPPについては、以前の質問のときも検討していくというふうに答えられまして、これから具体的に入られるとは思いますが、これからどういうふうに進んでいくのかと教育長にお聞きした中で、今、基本構想をまとめている。では、知事部局は財政の問題だとかPFI、PPP等の手法の問題をいつどのようにあわせていって示されるのか。基本計画の中で示されるのか、それは教育委員会が案をまとめるのか、何かその辺がちょっと判然としないので、どちらに聞いていいのかわからないというふうな感じがあるのです。ぜひとも検討していただいて、別にPFIを絶対しろということではなくて、先ほど言ったように、求められている機能をどれだけ財政的な制約の中で実現していくのかというふうなことの検討をしてほしいと。ただ、教育委員会のほうは財政的なことはなかなか検討しにくいので、やはり知事部局も一緒になって案をまとめていってほしいというのが私の希望であり、それが県民にわかりやすい姿ではないかなというふうに思います。  ぜひともいろいろな議論をしながらまとめていって、いい美術館をつくりたいと思いますが、その検討の手法について、もう一度知事のほうから、どのようにこれからそれら手法、それから財政的なものを組み込んで、どういうタイミングでどういうふうに出されるのかというあたりについて、最後にお聞きします。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)改めてPFIの導入につきましてのお尋ねがございましたが、詳細は、総務部長のほうから、私ども知事部局サイドの考え方ということでよろしければお話をさせていただきたいと思います。  実は、このPFIの可否について検討する委員会を庁内としてつくっております。今からアンケート調査をされると思います。そのアンケート調査に基づいて一定の姿が見えてくるのではないかなと思っています。そして、中間報告をいずれ取りまとめられるのでしょう。  そういうような、どこかのタイミングになろうかと思いますが、私どものほうでもPFIの可能性、検討の可否について、PFIを導入するかどうかの仕組みが、一応国のルールがありまして、まずその1次フィルターをやる必要があります。だから恐らく11月に私どものほうでフィルターをかける時期があるかなということですね。その後、本格的な内容が見えてきて、いつこちらがお示しになるかにもよりますが、その上で、コンサルタントのような形で、専門の立場でどういうようなPFIが可能なのかということ、そのプラクティカビリティーを、調査するということがございます。これは単に決めるということではなくて、調査をしなければなりません。  それで、もしこういうメリットがあるということであれば、そのメリットを重視するかどうか、その可否を議会にも御相談をしながら、PFIの導入を最終的に決定していくということになろうかと思います。  詳細は総務部長のほうからお答え申し上げます。 ◯議長(斉木正一君)伊澤総務部長 ◯総務部長(伊澤勇人君)それでは、私のほうから、PFIの手法導入に向けた、今、想定しているスケジュールについて補足の答弁をさせていただきます。  今、知事のほうからも御答弁申し上げましたが、教育委員会のほうで検討が進んでおります、その中で、アンケートという話が出ておりまして、これを2段階に実施されるということだというふうに現在認識しております。  第1段階のアンケートの結果が取りまとまった後に、恐らく、今も知事も申し上げましたが、その結果のまとまりといいましょうか、集約とあわせまして、教育委員会のほうから中間報告のようなものが示されるのではないかということを想定しております。  できますれば、その時点でPFIの第1次検討、第1次審査といいましょうか、これは国が定めました標準的なモデル計算で、PFIを実施する、まず入り口としての可能性なりメリットがあるかどうかといったことを少し形式的に審査をするような形になっておるようなものでございますけれども、これを私どものほうでやりたい。これは、知事部局のほうで、県有資産や施設を有効的、戦略的に活用するための幹部職員で構成する戦略会議というのを設けております。副知事がトップでございますが、この会議の中で検討することといたしておりますので、この会議の中でそういった審査をしたいと思っております。  その後、教育委員会のほうで第2回のアンケートを終えられて、最終的な基本構想の取りまとめ、報告が行われました後に、できるだけ速やかに第2次検討、第2次審査といいましょうか、これを行うと。今、知事のほうからも御答弁申し上げましたが、私どもの内部の力だけではちょっとできませんので、外部のコンサルティングの専門家に基礎的な調査なり可能性なり、今、川部議員もおっしゃいました、民間活力の活用方法も含めて具体的な検討をしていただく。これは予算をお願いしなければならないと思っておりまして、予算を議会でお認めいただければ、そういった具体の検討作業に入っていくと。恐らくこれは来年度以降になるのかなというふうに考えております。そのようなスケジュールを考えているということでございます。 ◯議長(斉木正一君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時ちょうどより再開いたします。        午前11時58分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(藤縄喜和君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  18番福間裕隆議員 ◯18番(福間裕隆君)(登壇、拍手)会派民進党の福間であります。  2点についてお伺いをいたします。  2013年12月に交通政策基本法が成立をいたしました。これは、我が国の交通政策に関する基本理念やその実現に向けた施策、国や自治体等の果たすべき役割を定めたものであります。我が国が抱える喫緊の課題に対し、政府、関係者が一体となり強力に交通政策を推進しようと、こういうものであります。  そして、翌年の2014年、地域公共交通活性化再生法一部改正法が成立をいたしました。その内容は、前年に成立をいたしました交通政策基本法の基本理念にのっとり、1つには、地方公共団体が中心となり、2つ目には、まちづくりと連携をする。そして3つ目に、面的な公共交通ネットワークを再構築する、こういう内容のものであります。  従来、我が国では、交通事業者がそれぞれ独立採算を旨として、他の事業者との競争で、その地域における交通事業が展開されてきていました。接続や乗りかえ時間、運賃など、いずれもそれぞれの交通事業者が勝手に行ってきた内容であります。企業同士の、企業だけの運行のみで地域公共交通が成り立っていたわけであります。人口減少社会になったときに、企業利潤のみを追求されますと、地域の公共交通網はなくなってしまうおそれがあるわけであります。それは地域の崩壊に直結することになります。  しかし、事業者同士間の調整では、利害関係が伴いますから、連携が進みにくいし、地域公共交通の維持、活性化ということからすれば、国や地方公共団体が事業者間の仲介役としての役割を果たすことが必須の条件であります。鳥取県や島根県など、地方公共団体がアイデアを持って地域公共交通形成のリーダーシップをとることが求められてくるわけであります。そして、国においては、全国の中でうまくいっている事例の紹介や交通事業への補助等を通じて、その支援を図ることが必要であります。これが交通政策基本法の考え方だと私は思っています。  以上のような考え方のもと、平成28年3月でありますけれども、鳥取県西部地域公共交通網形成計画が策定をされました。  そこで、知事に質問をいたします。  この鳥取県西部地域公共交通網形成計画は、今までの公共交通政策とどう違いがあるのか、その特徴的な点について、大まかにわかりやすく御説明をしてください。  2つ目ですけれども、平成28年度は、西部に次いで、東部地区で鳥取県東部地域公共交通網形成計画の取り組みが行われているようでありますが、中部地区はどうなるのですか。鳥取県全体の計画についてお示しをください。  一方で、交通政策を担う公安委員会行政からすれば、安全走行の推進は公安委員会の最大の使命であり、その一環として高齢者の運転免許自主返納を促しておられます。しかしながら、一方で、運転免許証を返納した高齢者は、移動する自由がなくなってしまいます。そのことは、公共交通のない地域に暮らす者にとっては致命傷になりかねません。日常生活を営むことが非常に難しくなり、場合によっては、交通の便のよい地域に住まいを変えざるを得なくなるような状況もあり得ると思います。極端な言い方になりますが、地域の崩壊に直結するのではないか、そんなおそれを私は持っております。  免許証の返納には、一方でこのような側面もあるということを御理解いただきたいと思いますが、警察本部長の御所見をお伺いいたします。  また、公共交通としてのバスを使ったほうが便利で早く目的地に到着できるという機運を醸成するために、バス優先レーンの設置をしてはどうでしょうか。公共交通バス優先交通政策の考え方をどう思われるか、警察本部長にお伺いをいたします。  次に、観光政策と多文化共生ということでお伺いをしたいと思います。  現在就航中の韓国ソウル便に次いで、9月14日、米子鬼太郎空港と香港を結ぶ国際定期便が就航いたしました。その延長線上には、香港経由で中国を初め、他のアジア地域の諸国に大きく広がる可能性も秘めていると言われている香港便であります。一方、境港にはクルーズ客船の寄港が順調にふえて、ことしも約5万人の観光客の来県が見込まれているとのことであります。世界の国から多くの観光客の皆さんが我が鳥取県にお越しいただくことはまことにうれしく、ありがたいことであり、大いに歓迎、真心を持ってお迎えしたいものであります。  今定例会でも、多くの議員の皆さんから観光問題について、いろいろな視点からの発言がなされています。  私は、次の2点について、平井知事のお考えをお伺いいたします。  まず、第1点であります。鳥取県に訪問されている外国人観光客は、どれくらいの人数で、何カ国ぐらいから来られているのか、直近の数字を明らかにしてください。  国が異なると言葉が異なる。宗教の違いがあったり、文化、ならわし、しきたりなど、いろいろな場面でその違いがあると思います。お互いの異文化をそれぞれが尊重し合う観光交流が必要と考えますが、それについて知事の見解をお尋ねいたします。  第2の質問であります。鳥取県への観光客の皆さんは、鳥取県の自然、歴史、文化等々が魅力的だと感じておられると伝わってきています。県外、海外からの観光客の皆さんが親しみを持って、愛して、評価していただいている今の鳥取県の観光資源は、先人たちの遺産の上に成り立っていると私は思っています。すなわち私たちの周辺にある自然、歴史、文化は、農業や林業など、第1次産業を基本とした先人たちの日常の営みの中から生まれてきているものであると私は考えます。  そして、今、大きくクローズアップされてきているこの観光資源を今後どのように維持、継続されようとしていらっしゃるのか、知事の見解をお伺いをし、壇上からの質問といたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、交通ネットワークにつきまして、何点かお尋ねがございました。  公共交通網形成計画はどういうものなのか。また、東部、中部での取り組み、全体はどうなるのかという、こういうお尋ねでございます。  交通基本法はもう5年前ですかね、福間県議も大分ライフワークのようにされておられまして、これが現実のものとなり、やはり交通というのも一つの社会政策として、地域を成り立たせる重要な要素であると。これに、交通事業者だけでなくて、住民であるとか、あるいは行政であるだとか、いろんなところでかかわり合って、これを守り立てて、しっかりと活用し、展開をし、住民の足を確保していきましょうと、こういう大方針ができ上がったわけであります。  これを持続可能な形で私たちがやっていくためには、やはり地域でも何らか工夫がどうしても必要になってきました。大都市部であれば、人口が密集していて、そこそこ利用者もあるでしょうけれども、地方のほうに参りますと、人口が必ずしも多くないですし、モータリゼーションが都市部以上に進むわけであります。ですから、バスが走っていても車に乗ってしまう、そういうことは当たり前のようにあるわけでありまして、これを責めることもまたできないわけです。ただ、最後のとりでとして、いざとなったらバスがある、地域の鉄道がある。それがなければ、通院だとか、あるいは学校に通うだとか、交通弱者の人たちの足がなくなってしまう、こういうことでございます。では、それをどうやったら地域である程度経営的にペイできるような形で、もちろん行政的にも支えるべき部分は支えていくとしても、持続可能な展開ができるかということを実際につくり出そうというのが地域公共交通網形成計画であります。  私どものところでは、これを一つの市町村にとどまらず、東、中、西の圏域でやることにさせていただきました。それは、現在の鉄道のターミナルの状況や、また、バス路線網の状況、また、通学圏だとか、通院、病院などの生活圏等々を考えますと、東、中、西で分けて、それぞれにまずは計画をつくるのがいいだろうと。もちろんその間での整合性のことがあれば、また考えていくわけでありますが、まずは西部で、一番大きな圏域でやろうということにいたしまして、この3月に計画がまとまったところでございます。  そこで、バス路線が今現状こうなっているというような分析をし、私どものところでは、いろいろアンケート調査をして、例えば学生さんだとか、病院に通われる方とか、お買い物をされる方だとか、いろいろおられます。どういうようなニーズがこの交通に対してありますか、どういう路線なら便利ですか、使ってみようと思いますか、そんなようなことをアンケートをしまして、それで、分析をし、関係者、交通事業者だとか、いろんな方々が集まりまして話し合いをして、一つの計画をまとめたのが今回のものであります。大変苦労しながらまとめられたわけでありますが、非常に意欲的で革新的なこともその中に入っているところでございます。これを現実のものにするためには、今後、実際に路線網を変えていくことまで踏み込んでいくことになります。  中部は来年度、東部は今年度、それぞれこの計画づくりをすることにさせていただいておりまして、今東部をつくっている真っ最中でありますし、また、西部につきましては、それを具体化させる動きをしているというところでございます。  今までの計画と何が違うかというと、そういう市町村の枠を超えて、しかも関係事業者が、今、福間議員がおっしゃいましたように、地域の代表者だとか、あるいはそれを利活用される方々のいろんなジャンルの方々とかが集まって、一堂に会して議論をして、計画をつくったことがまず一つ大きいわけです。一つの市町村の中ではどうしても解決がつかない。鳥取県でいえば、せめて西部、中部、東部というふうに分けたほうが、その中でお互いに通じる路線として考えるのがいいだろうということでありました。  あと、もう一つ、実は法的な違いがあります。それは、今までバス事業者が例えば路線を変えようと思えば、認可をとるわけでありますが、その認可を地元といろいろと一つ一つ調整しながらやっていくというパターンでありました。今回は、この地域公共交通網形成計画、そして、その実施計画ができ上がりますと、これで事業認可のみなし取得になります。ですから、バス路線変更のみなし取得で認可がとれるということになるわけでありまして、法的な効果も生まれているのです。これは、そこにバス事業者等の交通関係者も入っておられて、みずからもその決定に関与するわけでありますし、また、一々ヒアリングをして、事前に状況を調整する対象である地域の方々もここに入っていますので、要は一括してスピーディーに交通の再編を進めようと、便利な世の中に変えていこうというものでございます。  次に、観光につきましてお尋ねがございました。  文化をそれぞれ尊重し合う観光交流というものが大事ではないだろうか。また、県外、海外から来ていただくに当たりまして、地域の受け継がれてきた観光資源を継続し、維持していく、そのことはいかがかと、こういうお尋ねでございました。  人数については、外国人は10万人を超えまして、10万3,430人が昨年の宿泊客数であります。宿泊客数が一番かたい数字に近いと思います。もちろん単なる訪問はこれよりもっともっと多いです。では、何カ国から来ているかというと、これは非常に難しくて、それは数えようがないのですが、今は、以前であれば考えられない国からも来ているのは事実でございます。ムスリム系の国も含めて、アメリカやカナダ、またフランス、いろんなところから来ています。このたびは、これは観光ではないですけれども、中部にバルコスというかばん屋さんがありますけれども、こちらに、何と花の都パリから研修生が来ていると。観光も含めて、これほど国際化が進んできておりますので、ボーダーレスだと考えたほうがいい状況になってきました。  そういう中で、文化の大切さということがあります。議員がおっしゃるように、外国の方と日本人、そして地域の人々、これが理解し合わなければ、多分観光自体も成り立ちませんし、観光にとどまらず、教育や、それから文化の発展だとか、いろんなことを考えますと、相互理解というのは非常に大事だと思います。鳥取県はもともと環日本海交流を志向していたわけでございます。ですから、アジア、特に韓国等を中心としまして、いろいろと民間レベルでの国際交流が盛んに行われていました。また、多くの中国人の学生が留学してきたり、研修生がいたり、また、地域にALTというような形で入り込んでおられるアメリカ、イギリス、ジャマイカ等々のインターンの方々もいらっしゃる。それから、働かれている方々、研修として来られている方々もいらっしゃいますし、もちろん旅する人たちもいる。そんなわけで多彩な文化がいわば融合しているわけです。  東京や大阪や京都に行きますと、もう外国語が当たり前のように聞かれます。それは、鳥取では若干違うかもしれませんが、ただ、時代の流れは確実にそちらにいっているわけでありまして、議員がおっしゃるように、相互理解が大切だと思います。  国際交流の伝統があったことがありまして、それぞれの地域で、こういう外国の文化を理解しようというイベント等が行われています。大きなところでいえば、先月25日に米子市文化ホールで国際交流の集いがなされました。これには、南部町の国際交流協会も入られていますし、SIFNという国際交流の団体であったり、また、フィリピンの方の団体であったり、いろんな数多くの団体が一堂に集まりまして、国際交流の機会をつくろうと。非常に来場者もあるのですね。多くの方々が来場されるのですけれども、その理由の一つは、各地の食べ物があると。私も前、児童センターに行ったときにお伺いしましたけれども、いろんな国の食べ物があって、それをまた来られる方が楽しまれるというのがわかりやすくていいのかもしれません。そんなようなことで、民俗芸能であるとか、そうした食文化であるとかを交流する、そういう貴重な機会になっています。
     このたびは、台湾から三朝のほうに使節団が来られまして、今ちょうど交流をしている真っ最中でございますけれども、こういう住民レベル、地域レベルでの交流というのは非常に大事ですし、文化を理解し合ういい機会になるのではないかなと思います。  そういうことをやっていく中で、県外の人や、あるいは海外にも誇り得るような私たちの伝統に裏打ちされた観光資源がある。それをどういうふうに維持していくかということだと思います。  一つは、これは議員も取り上げていただいた光を初めとした鏝絵なまこ壁でございます。これは、平成21年に琴浦でフォーラムをやりましたし、その翌年に全国鏝絵なまこ壁サミットを鳥取県で実施をするということで、伊豆のほうとか、全国各地から関係者、愛好家が集まりました。左官の職人さん等々もその大事なパートナーでありまして、そういう方々もいらっしゃったわけであります。  この辺の伝統技術というのは失われがちでありますが、そうした技術の伝承や発展に向けて、技能士等々で応援するということもありますし、さらに、今、観光資源としてこの光ではガイドツアーがあるのですね。お一人2,000円か何か、ちゃんと料金もあって、見学ツアーをするというのに実はお客様も来るようになっています。こういうような地域資源は、あちこちにありまして、例えば法勝寺の一式飾り、4月の風物詩でありますけれども、こうしたものなど、よその地域でも余り見られないもの、海外に至ってはなおのことというものがございます。これらのこうした文化等を生かした観光の素材づくりが今確かに始まっていまして、さっきの光もそうでありますけれども、そうしたものを県のニューツーリズムとして支援をさせていただいています。  また、地域の伝統芸能等の伝承のために、記録保存のためのビデオをつくったり、また、地域におけるそうした芸能活動を伝承するために、地域のそういう伝統芸能を集めた、そうした大会をやったり、子供たちのそういう発表の場をつくったり、こういうこともさせていただいているところであります。大切なそういう地域の資源でありますので、一つ一つ磨き上げ、維持、発展していかなければなりません。  あと、こういう文化関係以外にも、自然もやはり先人の遺産と言っていいものだと思います。私どもでは、これも全国でまだ珍しいツアーなのかもしれません。砂丘のほうで除草のボランティアがあります。今シーズンは、除草に大体6,900名のボランティアが出られました。そのうちの3,000人以上は、実に観光客です。観光客が毎年ふえているのですよね。その除草してくださった方にはちょっとしたメリットも差し上げるということで、これに参加していただいているわけでありますが、こういうように、自然に対して貢献をすること自体が観光になり始めているし、そこで守られた、そうした砂丘というもの、こういう自然景観というもの、これに対してきちっと敬意を払い、活動している地域であることが大切な観光資源の維持と伝承にもつながっていくのだと思っております。 ◯副議長(藤縄喜和君)井上警察本部長 ◯警察本部長(井上悦希君)福間議員から2点質問をいただきました。  まず、1つ目が高齢者の運転免許証の返納についてでございます。  御案内のとおり、道路交通法にこの規定がございまして、運転免許を受けた方は、運転免許の取り消しを申請することができる。これがいわゆる運転免許証の自主返納制度でございます。当然この制度につきましては、本人の自主的な意思によるものですので、決して強制になってはならないというのは当然の話でございます。  議員も御指摘のとおり、自動車というのは、非常に生活に不可欠な交通手段でございます。地域の特性から、高齢者の方が運転免許証を返納された場合、自由な移動手段がなくなってしまうということが考えられます。県警としましては、運転に不安を覚えるなどして、運転免許証を返納したい方が安心して返納できる環境、これを整備することは、道路交通の安全を確保する観点からも重要な課題であると認識しております。  現在、県が主導いたします地域公共交通等の活性化協議会、こちらに参画しているところでございます。引き続き自治体ですとか、関係機関等と連携しまして、高齢者の移動手段の確保に向けまして、公共交通機関等の料金の割引など、支援策の拡充に努めてまいりたいと思います。  次の2点目でございます。公共バス利用の機運を高めるためのバス優先レーンを設置してはどうかというお尋ねがございました。  御案内のとおり、バスの定時運行の確保ですとか、渋滞緩和を目的として、このバス専用レーンというのは、片側2車線以上の道路の1車線を公安委員会が指定するということがございます。バスを初めとしました公共交通を利用していただくということは、当然交通総量が減りますので、交通渋滞の緩和ですとか、交通事故防止の面からも有効なものというふうに考えております。また、議員御指摘のとおり、運転免許証を自主返納された方の移動手段の確保として、この公共交通に頼るところは大きいものがあるというふうに考えております。  このバス専用レーンにつきましては、今後の交通実態ですとか、道路改良等を踏まえまして、道路管理者、運輸支局さん、それからバス事業者等関係機関と連携を図りながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。  御案内のとおり、交通政策基本法に基づきます交通政策基本計画の基本方針、この一つに、生活交通の確保、これが掲げてございます。安全で円滑な公共交通ネットワークのあり方ですとか、公共交通機関の定時性、利便性の向上、さらには利用者のニーズに応え、バスが有効に活用されるよう、警察としても協力していく所存でございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)18番福間議員 ◯18番(福間裕隆君)観光政策からちょっと、意見といいますか、こういうことをおっしゃっている方もいらっしゃるということを御紹介したいと思っています。  8月21日に地元の日本海新聞に投稿された人ですけれども、私の友人で、大山町に住んでいらっしゃる荒松徳夫さんという方が、次のような指摘をしていらっしゃいます。「大山隠岐が国立公園ブランド観光地の一つとして、全国で8カ所の環境省モデル事業の一つに選ばれた。海上から眺める、大山をシンボルとした山陰地方はまるで桃源郷なのである。しかもそこに降り立てば、歴史、文化、食、人情など、都会地で忘れられてしまった古き良き面影が各所に残されている。」、「現在境港には毎年大型クルーズ船が寄港し1,000人を超す人たちが降り立つ、何より安心安全が確保されていることが自慢だと思う。外国から来た人たちが日本で感心することに、トイレのきれいなこと、落とした物が帰って来たこと、親切に目的地まで案内してもらったこと、食べ物のおいしいことなどがある。世界が失った人類のすばらしさを今後ともしっかりと残し伝えていかなければならないと思う。」、こういう文章を、実際に感じていらっしゃる地元の県民の皆さんがいらっしゃる。  こういうことの御紹介を実はきょうはしたかったわけで、外国のお客さんにたくさん来ていただく、あるいは私たちも外国へと行きながらの観光交流をやっていこうということで、ややともすると、移動交流ということに目が行きがちではないのかなという気持ちを私はちょいちょい感じていたのです。私たちの地域の中で、先人たちがつくり上げてきた歴史をわからないままにちょっと踏みにじられるというのは、そんなことがあってはなりませんし、私どもも外国のお客さんたちをわからずじまいに、実は傷つけてしまったりすることがあってはならない。  今、知事はいろいろ国際ネットワークでいろんなことをやっていらっしゃる団体もあるということを御紹介がございましたけれども、県行政としても、インバウンドとしてたくさん来ていただく、もちろんそのことは異論はありませんけれども、そういう傷つけて、わからずに傷つけてしまうということがないようなやはり取り組みということも、今後の観光行政の中で、私は位置づけてほしい。このことを要望としてお願いをしておきたい、こう思っています。  次に、交通政策について、1~2点、追及をしたいと思っています。  この地域公共交通網形成計画では、全国の策定状況を見てみますと、比較的市町村単位でつくっているところが全国的には多いようであります。しかし、鳥取県の場合は、先ほど御紹介がありましたけれども、東部地域、中部地域、西部地域、鳥取県を3つのゾーンに分けて、ゾーンでの計画となっている。このことは、例えば鳥取県の西部でいきますと、伯耆町とか南部町など、米子市周辺の町村の住民を病院やスーパーのある米子市につないでいくという公共交通の役割があるわけでして、市町村単位でこの計画を立てられてしまいますと、例えば米子市の交通政策であれば、周辺の町村はその恩恵にあずかることができないという部分があるわけですね。そういう意味で、鳥取県の今回の交通網形成計画では、地域ごとに拠点の都市部と周辺の町村とを一体として捉まえた計画だと。この計画について、私は高く評価をしたい、こう思っています。  一方で、この計画の内容を見てみますと、これは私の誤解かもしれませんが、結局JRさんや日ノ丸さんや日交バスの民間事業者の調整だけかなと。これに市町村が運営するだんだんバスやデマンドバスとの連携に終わってしまっているのではないのかなという気がするのですよ。県内には、企業独自で従業員の送迎をしていらっしゃる企業バスがありますね。あるいは学校で生徒さんを送迎をされるスクールバスなどが独自にありますけれども、これも例えば今回の地域公共交通網形成計画の中に一体的にのみ込んでしまうということが私はしてほしかったな。私の最初の理解では、公共交通政策基本法ではそこをやるのだというぐあいに思っていたのです。そこのところが今回漏れているような気がするのです。  県内のスクールバスや企業が独自で運行する企業バス、これらを全て公共交通でカバーすることで、例えばその企業の近くを日ノ丸さんであったり、日交さんであったり、走ってもらう。学校のスクールバスが出ているところを公共交通のバスを走らせる。便数が足りなかったらふやせばいいわけで、それを国が補助する。こういうことにすればいいではないかな。スクールバスにしても、スクールバスに補助するのではなく、学生も交通バスに乗せればいいわけでして、登下校の時間に間に合わなければ、間に合うようなダイヤを組めばいい、私はそう思っているわけです。  例えば私の近くにとっとり花回廊というのがありますけれども、とっとり花回廊は、米子駅と花回廊をつなぐ直行バスが1日に約10往復ほどあると思っています。このバスの周辺の民間の地域住民の皆さんが乗れるようにしてはどうかなと思います。現在の公共交通網形成計画では不十分ではないでしょうかと、こう思うのですけれども、今まで申し上げました内容について、再度、知事、御答弁をお願いできませんか。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から重ねてお尋ねがございました。  荒松徳夫さんが投稿されて、大山ということを語りながら、私たちにメッセージをいただいたわけでありますが、外国との相互理解の中で、やはりそれぞれの土地土地のことの理解、逆に言えば、私たちのほうでの外国人に対する理解、これを進めることがまず大事ですし、大切なものが壊れないようにしなければいけないというのが確かにあると思います。  きょうも新聞で出ていたと思いますが、京都のほうで最近問題になっているのが、京都というのは非常に特殊なまちで、古くからの伝統やしきたりが非常にあります。それを大切にしようという京都の町衆の皆様のそういう心があるわけでありますが、最近、観光客がふえてきて、外国の観光客の方が道端でたむろをして待っていて、そこに舞子さんが通りかかると、それをつかまえて取り囲んで写真を撮ると。これは外国人なので、ほほ笑ましい光景として見れば、そうなのですけれども、ただ、京都の伝統には合わないみたいなのですね。舞子さんというのもある意味大事にして、まち全体が考えているところでありまして、それを何かテーマパークのように観光資源と全く一緒に扱ってしまうという、ややそれは地元からすると傍若無人に見える。そういうことがある。この辺は多分ミスアンダースタンディングといいますか、相互の理解ができないところなのだと思うのですね。  鳥取でも、実は、私どものほうで、そうした外国人を受け入れるに当たって、こういうところに配慮しましょうというような手引をつくったり、外国人向けに、こういうことをちゃんと教えていきましょうというようなことを、いろいろとこれまでも、ようこそようこそ鳥取県などの事業でやってきたのです。最近は、お気づきのように、旅館に入るとお風呂の入り方の外国語表記のものがあります。当たり前になってきましたけれども、あれがやはりわからないのですよね。別に悪気はないのですけれども、その辺がわからない。自然のこともそうでありまして、ここの自然は我々がいかに大切に考えているかということを勘違いすると、とんでもないことになる。そういうようなことで、いろんなルールがそれなりにあるのですが、大抵外国の方も、外国人の方のマナーというか、モラルがありますから、わかれば協力してくれることになりますし、我々は逆に、相手がムスリムだった場合の考え方なども見ていかなければいけないわけですよね。ムスリムの方であれば、礼拝の時間というのもあるわけでありますが、私たちは構わず会議だの何だの、みんなセットします。それはちょっとどうかなと、あちらだと思うことになるのですね。  また、先般もジャマイカの大使御夫妻がお見えになって、コーヒーサミットというのをやりました。そのときに、軽いお食事でおもてなしをするということで、関係者と一緒に食事会があったのですけれども、そのときに、さあ、どうぞ、食べてくださいと、こちらは別に悪気は何もないのですが、レッツスタートと、始めましょうというふうに言ったら、ちょっと待ってくれと言うのですね。その前に、やはりお祈りをしないといけないと。敬けんなクリスチャンであると、これは当然のことで、私もはっとしましたけれども、それで、私がお祈りしますからと大使がおっしゃって、みんなでお祈りをしてから食べ始める。この辺はやはり人と人としてつき合うというときの私たちも忘れてはならないルールなのだと思います。  自然とのかかわり方、あるいは文化や伝統とのかかわり方、この辺は注意しなければいけないことがあるなと思います。この辺もしっかりと県としてもPRをし、関係者の皆様と共通理解をつくっていきたいと思います。  交通につきましては、おっしゃる意味もよくわかります。今、西部ではどういうことをやっているかというと、例えば上長田・大木屋線とか、あるいは御内谷線とかがあります。共通するところで、例えば南部町に行くところの幹線のところ、これを共通にして、それで、この町内のところはループバスのような形で、お互いに横に行けないというわけですね。例えば大木屋から出るのが非常に難しいところとして、例えば金山とか、そういうところがあったりします。これが別々のバス路線だからなのですけれども、これを回るような循環型の路線バスをつくって、それで、これがフィーダー線のようなものでありますが、そこに幹線をつなげるというような、こういうアイデアでやったほうが、利用者としては使い勝手がいいのではないかと。こんなようなことをいろいろと織り込んでいるのですね。  今だんだんバスのお話がありましたけれども、私らも、たまに西に行って、車がないときなど、家族でうろうろすることもあるのですけれども、例えば意外にイオンに行けないのですね、日吉津のほうに。皆生に泊まっていても、一応バスはありますけれども、なかなか難しかったりする。ですから、米子駅だとか、いろいろ回りながら、日吉津は米子市の外ですから、ちょっとその辺の今まで難しさがあったと思うのですけれども、その辺をぐるぐる回るようなバスをつくって、それで路線の再編をしたほうがいいのではないかとか、こんなようなことが実は書かれていまして、私は、議員も評価していただきましたけれども、あの計画自体はそこそこ、関係者も納得しながら、よく考えられてつくっておられるなと思います。  今、議員がおっしゃったのは、さらにその次の部分だと思うのです。あれは、当然ながら、運輸局も入ってつくっていますから、自分のところのいろんなルールのことをやかましく考えているところがあるのだと思います。ですから、少し規制緩和などを今後訴えるのであれば、また別出しで考えていかなければいけないのかもしれません。  スクールバスに単純に乗せるというのは、確かにちょっと子供の安全のことからして難しいかもしれませんけれども、逆はできるのではないかというのは、確かにそのとおりでありまして、最近の私たちの成功体験としては、鳥取環境大学と日本交通さんが協定を結ばれまして、それで、スクールバスを、鳥取駅のほうから来るやつをやめたのですね。それで、路線バスに乗れるようにしたと。路線バスに無料で乗せますと。さらに、土日の休日には、東部圏域内は全て学生さんは無料で乗れますよと。いろんなところにフィールドワークに行くこともできるというように変えたのですね。これは物すごく評判がいいです。利用者のほうでも、確かにスクールバスがあれば便利かもしれませんが、路線バスも変わらないわけですから、それを活用しながら通学すればいいですし、しかも、おまけとしていろんなところにも行ける。大学側からすれば、路線バスを運行するために、またバスも用意をし、委託をし、確かにあれはバイオディーゼルか何かを使って環境に優しいこともやって、それはそれなりの教育効果もあるのですけれども、ただ、もちろんお金もかかりますし、そういう意味では、それぞれが得をする、そういうような世界ではないかなというふうに思います。  こういうことをいろいろと実践してみたり、場合によっては規制緩和も必要ならば、特区だとか、そういうこともお願いしていく時代なのではないかなと思います。  実は、今、お話がありました花回廊のことは、これはちょっと検討俎上でございまして、御記憶と思いますけれども、会見で交通フォーラムをやりました。そのときにこの花回廊のバスを使えないかという話が出まして、あれ以来、実は町も入り、バス事業者も入り、県も入りで検討してきて、ちょっと今ペンディングになっているのですが、やはり白タクになってはいけないという規制の問題があったり、それから、花回廊のバスを使うように住民が動くと、御内谷線が多分ペイしなくなって、廃止になるかもしれないという、経営が苦しくなるかもしれないと、そういうようなこともいろいろこれありだったようです。  残ったところで、一つだけ選択肢で残って、町が今検討されていることになっているのですが、それは、町が認定した、登録した人、その地域に住んでいる人として登録した人に限って、実費払いで乗ってもらうという、そういうことならば、ぎりぎり法律のいろんな組み合わせの中でできるのではないかということで、検討を続けておられます。今この西部の地域交通形成計画ができましたので、この中でのバス路線再編もありましょうから、それと組み合わせてどう考えられるかなということではないかと私は思っています。  いずれにいたしましても、いろんな車が走り回っていますから、それを活用できるものがあれば、今回の計画に絡めてやっていくことももちろん可能でしょうし、場合によっては、国の規制があれば、そちらのほうは、特区なりなんなりも検討してみるということだと思っています。 ◯副議長(藤縄喜和君)18番福間議員 ◯18番(福間裕隆君)観光政策で、私はこんなことも考えてみるのですよ。境港から皆生温泉までのサイクリングロードが半分、約8キロ近くが完成して、非常に皆さんの評判がいい、好評な御意見がたくさん紹介されています。あそこから眺める大山というのは、白砂青松で、大山が眺められるということで、すばらしい眺望なのだそうです。そのことを含めて、折しも大山1300年祭ということで、今大きく盛り上がろうとしている。私は、地元で、目立たない運動ですけれども、西部総合事務所の皆さんが始められたのではないでしょうかね、頂上に上がる人に一木一石運動というのですかね、頂上に登山される人はちっちゃな木切れか、石を持って上がって、頂上の崩れて低くなっていくのをみんなで防いでいこう、こういうことをやっておられますよね。私は地元に根づきかけている、地域ならではのこういう取り組みをこれからお越しになる外国の皆さんにも協力をしてもらう、強制的ということはならないでしょうけれども、こういうならわし的なことがありますよということに使っていくということもこれからは考えてみられたらどうでしょうかなということで、これは提案として申し上げておきますので、また御検討いただければなと思っています。  警察本部長、先ほど大変ありがとうございました。安全運転をしっかり今まで以上にきちっと運営をしていただきますように、お願い申し上げたいと思いますが、ただ、公安委員会からもお話がありましたように、公共交通のやはり充実ということが今後とりわけ求められてくると思うのですよね。そういう意味からしても、道路行政も含めて、やはり公共交通のネットワーク、公共交通機関が作動しやすい環境整備をするということも県行政の中で、私は求められてくる大きな課題だと思っています。  そのこともお願いをしておきたいと思いますが、もう一つは、この公共交通網形成計画などを含めて、県民の皆さんに広報、周知徹底を図ることが必要だと思っています。先ほど知事がお話しになりました内容も、どれだけ県民の皆さんにこれから理解をしてもらうのか、積極的に公共交通機関を利用していただくのかということが非常に大きな課題として、私はあると思っています。  実は私も偉そうなことを言っておりますけれども、県庁、議会に来るときには、実は公共交通としてJRしか使っていないのです。県庁までバスを使ってはいないのですよ。これも考えてみると、本当はバスを使わないといけないなという気にもなります。あるいは、私の自宅から米子駅まで、先ほど御紹介もありましたけれども、周辺住民の皆さんが一生懸命路線を残そうとして大きな取り組みをしていらっしゃる御内谷線も本数が少ないし、接続が悪いものですから、私自身がほとんど使っていないのですよ。これではいけないと思っています。非常に反省しているのですが、なかなかよう使っておらない。これではいけないと思っているのです。  改めて、私は、平井知事以下、みんなでもう一遍公共交通機関を使いましょうと。県民の意識改革が必要ではないだろうか、こうお訴えをしたいのです。先ほど申し上げましたけれども、かく言う私もほとんど公共交通を使っていないのですよ。しかし、運動論的にとか、議員としての発言としますと、公共交通機関を残そう、残そうといって偉そうなことを私は言っているわけです。乗らずに残そう公共交通機関なのです。それを乗って残そうにしないといけないのです。今は乗らずに残そう公共交通機関なのです。これではだめなのです。やはりそのためには、公共交通を使おうということを鳥取県の合い言葉として、みんなが積極的に利用する。もう意識的に利用する。それは知事も、県の職員さんも、市町村の職員さん、私ども議員を初め、みんながまず率先をして公共交通機関を使っていく。そういう機運をつくろうではないでしょうか。  このことを私は知事にお訴えをして、知事の御所見をお伺いして、質問を終わりにしたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議からいろいろと御提案をいただきました。  今いただいた御提案は基本的に賛成でありますし、ほかのいろんな政策テーマとも絡むのではないかなというふうに思いました。  まず、公共交通機関がだんだんと失われてしまう。これを何とか食いとめなければいけないわけでありますが、議員がおっしゃるように、ただ、そのためには、持続可能な回転するような、そういうサイクルをお金の面でもつくらなければならず、そのためには、利用を高めるということが必要です。ですから、西部地域の公共交通形成計画で新しい路線を設定して、またもっと使いやすくしようというのは一つの手なのですけれども、それとあわせて、実際に、では、乗ってみましょうと、こんなに便利になりますよというのをやはり市町村などとも協力をし、交通事業者とか、また、環境に対して非常に理解のある方々、いろんな方々に加わっていただいて、改めて運動を提起するのかなというふうに思います。  最近、公共交通では、割とショッキングなことが続いていて、三江線の廃止のことが決まり、1年半後になくなるということになりました。あそこでも、まさに私たちがやっているのと同じ公共交通網形成計画をつくる。そのために1年半、これから勉強をすると言っているわけでありまして、まさに同じようなことを今考えておられるわけであり、他人事ではないわけですよね。  また、JR北海道も相次いで、今、抜本的な動きを見せています。御案内かと思いますけれども、夏休みの7月末ごろ、この秋口にも継続困難な路線というものを発表するというふうに言っていますし、さらに、ついこの間、10月1日には、これもニュースになっていましたが、46駅を廃止するということを発表されています。もう公共交通自体がそういう段階に差しかかってきているわけでありまして、座視しているわけにもいかないのだろうというふうに思います。  これとあわせて、私たちのほうでも考えなければならないのは、もうすぐパリ協定が発効するだろうということです。昨日の動きとして、みんなまとめて批准をするということがEUにおいて決定されました。個別の国ということを乗り越えて、EU全体で加盟国を拘束する形で批准をするということになりました。これはもう今月中の発効ですね、11月の会議には間に合うような形で発効することが決まったわけであります。先般、民進党の代表質問でもお答え申し上げましたが、この際、そういう環境問題を考えれば、もう一度環境先進県づくりを、民間のセクターのいろんな方々と、また、活動を熱心にしてくださる方々、あるいは学識経験者と一緒に会議をもう一度立ち上げて、動き出す必要があると思います。  その中で、今のこの公共交通機関を乗って残そうという運動も、これも環境に優しい一つの柱となるモータリゼーションから脱却していくための方策でありますので、こうしたことも含めてやっていきたいと思います。  県庁の職員についても、例えばノーマイカーデーに参加するため、月に3日ぐらいですかね、公共交通機関を使ってもいいような、そういう通勤手当を用意してみたり、いろんな手を使ってノーマイカーデー、ノーマイカー運動の支援をしているところであります。こうしたいろんな実践を各企業さんだとか、地域の中でも広げていったり、また、議員がおっしゃるように、バス路線を使うのだということで取り組んでいただく地域をふやすように運動を始めてみたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)23番安田優子議員 ◯23番(安田優子君)(登壇、拍手)きょうは、交流新時代への対応と題して、平井知事に質問をさせていただきたいと思います。お疲れのことと思いますが、よろしくお願いを申し上げます。  この夏、私は、境港管理組合議会の視察で上海に行ってまいりました。長江、揚子江の河口に立地する上海港は、急激な中国経済の伸展とともに、今や貨物取扱量では世界一を誇り、アジア向けの外高橋港と、欧米向けの洋山港、大きく2つのターミナルから成っております。山と積まれたコンテナや数え切れないほどのガントリークレーンの立ち並ぶさまには圧倒されました。とりわけ、沖合の島丸ごとターミナルとして整備し、32.5キロメートルの橋をかけて、本土と高速道路で結んだ洋山港については、ただただ恐れ入るばかりでありました。  また、クルーズ船寄港ではアジアトップの宝山国際ターミナルは、2011年の開港から、わずか6年目のことし、460隻が母港として発着し、利用客は実に274万人、中国全土のクルーズ人口の75%を占めるということでした。我が境港がこの上海港と21年にわたり結ばれていることに感謝し、航路船社である神原汽船現地法人の楊社長を表敬訪問した次第であります。  さらに、高速道路もいまだ通らず、駐車場もない宝山国際クルーズ船ターミナルに向かって、唯一のアクセスである地下鉄の駅から、遠路、炎天下の道を行列をなして歩いてくる人々の群れに、中国13億の民の底力をかいま見た感がいたしました。  こうしたクルーズ人口の需要に応えて、岸壁では、現在の10万トン、20万トンに加えて、16万トン、22万トンの船を同時に受け入れることができるよう、延長工事が進められており、あわせて来年度末には、ターミナルビルもあと2棟、新設されるということでした。境港へは、上海からのクルーズ船寄港はまだまだ少ないものの、今後についての可能性に期待を持つことができました。  その境港では、新たに中野地区に水深12メートルのターミナルが供用開始となり、大型クルーズ船の接岸も可能となることから、今後、昭和南と合わせ、年間50隻程度を受け入れることができるようになります。境港は今、国内有数のクルーズ船寄港地として揺るぎない地位を築きつつあり、竹内南ターミナルの完成に夢が膨らみます。  時を同じくして、米子空港にも初の香港定期便が就航、ソウル便のLCC化も含めて、これまで以上の広がりと深まりの中で、環日本海交流新時代の到来を実感するとともに、これまで掲げてきた北東アジアゲートウェイの看板が現実と合わなくなったのではないかと思うのであります。  確かに北東アジアの地域とは、これまでの長い交流を生かし、今後も関係を継続、発展させていくべきであろうと思いますが、今本県が目指しているのは、さらに南に広がる中国南部、シンガポール、タイ、マレーシアであり、看板と現実がそぐわないように思えてなりません。  以前にも質問したのですが、再度取り上げ、平井知事の真意を聞いてみたいと存じます。あわせて、交流の今後をどのように展望しておられるのかもお聞かせください。  思い起こせば、平成9年、竹内団地で開催された夢みなと博覧会のテーマは「翔け、交流新時代へ」でありましたが、今私たちはその夢をかなえるためにも、クリアしなければならない多くの課題に真剣に向き合わねばなりません。きょうは、その課題の中から、新たな交流拠点となる竹内団地と大山について取り上げ、知事のお考えを問うてみたいと思います。  竹内団地については、新ターミナル完成時には、人、物集う新たなまちが出現するということで、昨今注目が集まっております。企業局の御努力もあってのことですが、団地内の未分譲地の売却も順調に推移をしていると聞きます。加えて、国道431号沿いの空き地、空き店舗にも出店が相次いでおり、期待の高さがうかがえます。何よりうれしく思いますのは、周辺住民の皆さんが境港の新しい玄関口を自分たちの手で整備しようと、竹内マツ植樹隊として立ち上がってくださったことであります。今でこそ竹内団地ですが、建設当初は反対運動で工事着手もおくれた経緯などを知る私にとりまして、感慨もひとしおのものがあります。  そのような中にあって、気になっておりますのは、団地南側の夢みなと公園の現況であります。この公園は、博覧会の際に整備されたもので、小高い丘の上からは美保湾、大山、弓浜半島が一望できる絶好のロケーション地であります。駐車場にあずまや、水飲み場、トイレ等も完備された立派な公園ですが、雑木が生い茂り、道路からは存在すらもわかりかねます。おまけに、夜間は暗く、ある意味、非常に危険な場所になっております。屋根つきのステージまで用意してありますが、この公園での催し物等、最近ではほとんど聞いたことがありません。竹内団地の港を核としたにぎわいづくりの展望とともに、この公園の再活用について、知事の所見を伺います。  大山については、かつて、そしてきょうもこの議場で福間議員が語られたとおり、その裾野に住む私どもにとって、その存在の大きさと恩恵の深さははかり知れないものがあります。昨今、開山1300年祭に弾みをつけるように、博労座の牛馬市が日本遺産登録を受けるとともに、大山隠岐国立公園として国立公園満喫プロジェクトのモデル事業地としても選定されました。全国32の国立公園の中から選ばれた8カ所の一つということで、地元にとってこの上もない喜びであると同時に、この大山をどのようにブランド化し、世界水準のナショナルパークとして磨き上げていくか、私たちは今大きな正念場を迎えているのではないでしょうか。  国の交付金を活用して、本議会にも総額3億6,000万円の事業が計上されるなど、県の取り組みも活発になっております。しかるに、このせっかくの取り組みが、開山1300年祭推進については西部総合事務所、国立公園満喫プロジェクト推進事業については生活環境部、日本遺産登録については教育委員会が担当しております。それぞれ国の所管に従った県行政の仕組みからすれば当然の成り行きではありましょうが、本当にこれでいいのでありましょうか、私は大いに疑問を覚えるものであります。  8月末、たまたまつけたテレビで「ゲストの旅」という番組を見ました。元サッカー選手の前園真聖さんが大山を訪れ、阿弥陀川でのシャワークライミングや、この夏最も旬な話題となったグラマラスキャンピング、グランピングの体験を紹介しておられました。外から目線で大山をめぐる新しい魅力を教えられましたが、とりわけバーベキューの食材として集めた境港の魚介類や、今売り出し中の鳥取和牛オレイン55、大山町の中村浩和さんが育てたメロンより甘いトウモロコシ、これら全てが大山の恵みから成るという説明には、食のみやこ鳥取がいかに大山のおかげであるかを思い知らされました。スイーツ大好きで有名な前園さんは、ずっと食べたかったという名和の小川養鶏場のプリンとシュークリームを大量に買い込んで帰られました。  大山への取り組みに農林水産部は当然かかわらねばなりませんし、県土整備部の協力も必要です。広域連携、広報、スポーツ等々、全庁挙げての対応が求められるのではないでしょうか。  私の亡くなった父は、長年、県政にかかわった経験の中から、大山は裾野の広い山だと常々申しておりましたが、小さな鳥取の大きな山、グレートマウンテン大山を、今世界に向かって売り出そうとするときに当たり、県庁ももっとトータルに一体となって向き合い、寝ても覚めても大山を考える人をトップに据えて取り組むべきではないでしょうか。  庁内では、現在、統轄監以下、関係する部局でプロジェクトチームが編成されているということですが、今後、外国を含め、国や他県、関係市町村、マスコミ、企業、団体等々、対外的にも対応できる組織と責任者を置くべきと考えます。知事の御所見を伺います。  あわせて、平井知事御自身は、大山をいかように捉えておられますでしょうか。考えてみれば、事、大山に関しては得意の駄じゃれも聞いたことがないように思います。スタバはないけれども、砂場はあるに負けないキャッチフレーズでぜひとも大山を売り込んでいただきたいとお願いをいたします。  あっと驚くような駄じゃれに期待をいたしまして、壇上からの質問といたします。よろしくお願いいたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)安田議員から一般質問をいただきました。  まず、交流新時代の一つとして、北東アジアゲートウェイについてお尋ねがございました。  議員におかれては、上海のほうに御視察をいただき、また、私ども、非常に大切にさせていただいております神原汽船さん、楊さんにもお会いをいただいたそうで、本当にありがとうございます。  あちらの港の様子を見ていただければおわかりいただけますように、大分アジアの中心が上海のほうに今移っておりまして、釜山、そして、それを上回る規模で上海という時代です。また、このたび、天津からもオベーション・オブ・ザ・シーズという船が来ましたが、あちらのほうもまた中国の中で一つの大きな港として頭角をあらわしているところであります。どんどん世界は変わっていく中で、日本も変わらなければならないのですが、釜山が隆盛を遂げるときに、横浜とか神戸がどちらかというと荷が減ってきた、衰退してきたとも言われ、素通りされるようになってきた。それがさらに上海ということであります。  ただ、海は変わらずに今も私たちの目の前に広がっておりますので、そう変わらぬ存在である海の交通路、これをしっかりと確保することができれば、実は日本海側の山陰にも大きなチャンスがあるだろうということであります。  今鳥取県でもいろいろと港の活用をしてきて、今から10年前は1万4,000TEUだった、そのコンテナが今2万3,000TEUと、倍ほどに伸びてきているわけであります。その背景には、やはりそうした交流を起こすためのいろんなポートセールスを向こうへ出かけていってやったこともございますし、こちらのほうの企業さんに利用を呼びかけることもありました。さらには、その外国に出かけていっていろいろ交渉をしながら、DBSクルーズフェリーのような、そういう新しい航路を開くということも含めてやってきたところであります。  今、韓進という韓国の運送会社が経営が左前になって、非常に議論が出てきております。幸いなことに、今調べておりますけれども、直接の影響は余りまだ境港のほうには及んでいないようでありますが、いずれにいたしましても、さまざまな航路を開いて、活性化を図っていくべきだというふうに思います。もしこれが可能になれば、港がいいということで、そこに張りつく企業さんであるとか、また、我々が狙っておりましたクルーズ船、こういうような形で観光客が海からやってくるということになります。実にそのクルーズのことで言えば、大分、時代の幕が半ば開いてきたという感じだろうというふうに思っております。  北東アジアゲートウェイというお話を常々申し上げております。これは、実は私の造語でして、最初に選挙に出るときに書かせていただいた造語でございます。ちょうどアジアに向けて手のひらを差し伸べるように中国地方があり、その手のひらのところが山陰、鳥取県である。その鳥取県がアジア、北東アジアと近い距離にある。そこが結ばれてくれば、時代を変えるチャンスがあるのではないか、こんなように訴えかけたわけであります。今日、現実にもクルーズ客船に乗ってお客さんが来る時代になりまして、本当に変わってきたなというふうに実感できるようになりました。  これが今、もっと南のほうにも目を向けるべきではないかと、こういうお話であります。上海は多分辛うじて北東アジアなのだろうと思いますが、シンガポールだとか、そうしたところもいずれは出てくるのだろうというふうに思います。そこを排除するわけでもなくて、現実、今はどうなっているかというと、釜山トランジットが多いです。釜山トランジットで向こうとつながっているという荷が多いようでございますが、そうした意味で、アメリカ方面とか、東南アジア方面、今までも例えば木材が入ってくるとか、そういうように海を渡って北東アジア以外からも来ているわけであります。  私は地理的な、地政学的なことを考えれば、北東アジアゲートウェイという看板をおろす必要はないというふうには思っていますが、その相手によっては別のキャッチフレーズを使っても確かにいいのかもしれません。例えばオーシャンゲートウェイ境とか、何か新しい港を売るセールストーク、これもちょっと関係者とも話をして、設定もしてまいりたいと思います。  次に、竹内団地の公園のお話がございました。  夢みなと公園は、平成8年から平成12年に、日本海と大山が見渡せる一番きれいな港ですよと、そういうコンセプトのもとに、そのシンボルとしてつくられたところであり、今おっしゃった夢みなと博等々、にぎわいの中心でありました。当時を思い返してみますと、日本丸、咸臨丸等が来られまして、そこに停泊していたり、また、ステージでは華やかなショーがあったり、また、当時、境港市、まだ売り出し中の水木しげるロードということもあって、鬼太郎のシアターをつくったり、大変に多くのお客様でにぎわうことになりました。  そのコンセプトとしては変わらない、今でも日本一美しい港というものがあの公園にもまだ備わっていると思いますが、今現在もいろんな形で活用はされています。例えばマイケル・ジャクソンの「スリラー」がありますが、あの「スリラー」をみんなで踊るという、そういうイベントのときにあそこのステージを使ってみたり、私自身も出席したところでは、青年会議所の周年行事があったときに、あそこでされました。確かに珍しいなとあのときも思いましたけれども、ああいうような行事があったり、また、夢みなとウオークのスタートポイントになったり、さまざまイベントでは使っておられると思います。  課題となるのは、今度新しい港ができた後、竹内南の国際クルーズ岸壁が誕生するときに、では、どういうふうにこれから使うかというところが多分大事なのだと思います。今境港では、市長選挙が終わった後、基本計画をつくろうというようになってきていまして、そこでもそうした竹内に港ができるときでありますので、あちらはあちらなりで、地域の活性化のいろんな使い方も含めた考え方を出されるのではないかと思いますし、それをぜひ私どもも受けとめて、公園の管理者側に、境港管理組合がなりますから、提供してまいりたいと思います。  あと、あわせて、にぎわい施設をどうしようかというのがいずれ出てくると思います。このにぎわい施設についても、これは長いスパンかもしれませんが、ああいう貴重なスペースがあることは大きな意味が今後あるかもしれません。  あと、今回の議会でも登場してきましたけれども、サイクリングロードを弓ケ浜半島に走らせようとしております。今7.5キロが完成をしまして、先般、安田大サーカスの安田団長を初め、愛好家の方が実際試走されて、非常にいい景色をごらんいただきました。安田団長からは、残りのルートの完成が待ち遠しいというお話があったそうであります。  実はこのルート自体は、431が竹内団地に達するところで終わる予定だったのですけれども、私もちょっと担当の皆さんとお話ししてみると、どうも不自然ではないかと。多分ここで終わってしまうと、休憩のことだとか、ちょっとお買い物とか、ましてクルーズ客船が入ってくる、さらにはDBSクルーズがやってくるということになった場合、自転車が走るロードが港まで行っていないとおかしいのではないだろうかと、こんなようなことを申し上げまして、検討してもらったのですが、1キロぐらい延伸をして、夢みなとタワーのところまで走り込むように、今計画変更をしてきているところであります。当然ながら、ルートとしては見晴らしのいい、夢みなと公園を通るルートが有望だと思います。そういうところでも、サイクリストの皆様も走られるような、愛される憩いの場になっていただきたいというふうに思います。  次に、大山につきまして、何点かお尋ねがございました。  一つは、組織のこととか、担当者のことのお話がありました。  議員も今おっしゃいましたけれども、私たちも私たちなりに特別なシステムといいますか、体制を組もうとしておりまして、プロジェクトチームとして動かそうというようにはしているところであります。ただ、このたび、大山1300年祭の実行委員会がいよいよ発足することになります。今月を目標に今関係者と日程調整をしているところです。そうすると、当然その事務局をつくることになりますし、それから、議員の御指摘のような、大山隠岐国立公園のナショナルパーク化に基づく3億円余りの予算、今回も出させていただいていますが、諸施設の整備であるとか、いろんなこともスタートをすることになります。
     大山の話は、実は西部だけにもとどまらないところもありまして、中部のほうの三徳山も大山隠岐国立公園の一画になりまして、昔の大山道を活用しながら、古道を復活させるということもあり、三徳山に至るルートも今後目玉として、もっとアピールしていこうではないかと、こんな声も上がっています。ですから、そうした中部だとか、あるいは岡山側だとか、島根県との連携も必要になります。デスティネーションキャンペーンが島根との共同になりますし、それから、日本の旬というJTBのキャンペーン、これは岡山も含めて中国地方一帯のものであります。このように、ある程度大きなスケールで物事を動かしていかなければいけない局面が予想をされます。  きょうも御質問がありましたので、後でまた本人とも話をしなければいけませんが、副知事をトップに、またそうしたちょっと組織化を図ってみたいと思いますし、また、大山振興室のような大山をこれから守り立てていこうという部屋を西部総合事務所の中に新たに室体制をつくってみようかと思います。善は急げであります。実行委員会ができますから、実行委員会のできるころと軌を一にして、組織改正も行わさせていただきたいと思います。  また、大山をどういうふうに捉えているのかというお話がございました。  大山は、今、議員がおっしゃったように、大山さんでありまして、我々にとってなくてはならない山だと思います。まさに仰ぎ見る山であり、いろいろと私たちに恵みをもたらしてくださる山であり、また、いろんな思い出がそこの大山の場で持たれる、そういう場でもあります。最近はウエディングの施設もできたりしていますけれども、まさに人生そのものと言っていい値打ちのある山ではないかと思います。  この大山には私もちょくちょく実際出かけておりまして、4月には日本遺産の発表のときに大山寺のほうに上がらさせていただき、みんなでお祝いをさせていただきましたし、6月のたいまつ行列の日の前夜祭、こちらのほうにも、今、大山1300年祭もありますので、お伺いをさせていただきました。このたび、バーガーフェスタが開かれますが、それにも行こうかというふうに思っていますし、奥大山のほうの調印式でも鏡ケ成のほうにお伺いをしたり、これは米子ではありますが、米子コンベンションセンターで山の日の行事、御質問のあった山ガールの集まっている場でありますけれども、それにも出させていただくなど、今精力的に大山のことにも私自身もかかわって行動をしようというふうにさせていただいています。  何か駄じゃれをということでありますが、それはまたおいおいということでいいかと思いますが、実はいろいろやっていることはやっているのですね。こんな話をしに議場に来てもしようがないと思うのですが、御質問なので、あれですけれども、例えば準備委員会のときに大山だけに、だいせんこうをおさめようというようなことを申し上げさせていただいたのですが、これは一つも字にならなかったです。それから、これはちゃんとはやったなと思っていますのは、バーガーフェスタのかけ声でガンバーガーというのがありますが、あれは私が言い出した駄じゃれでございまして、そういうようなことで、私なりにも貢献はさせていただいている。安田議員、まだ長い人生ですので、温かく見守っていただければと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)23番安田議員 ◯23番(安田優子君)私は、まず、北東アジアゲートウェイなのですけれども、以前にも質問をしまして、ずっと私は、交流の相手としての北東アジアということを考えていたのですね。知事の御答弁をもう一度よく読んでみると、どうも北東アジアに近い鳥取県、存在を言っておられるようで、その辺がちょっと食い違っているのかなという気持ちで、また、同時に、北東アジアというゲートウェイにこだわられる知事の思いも本当は私もよくわかります。唯一の環日本海定期航路、DBSは、知事がサミットで提唱され、実現にこぎつけられたものですし、ソウル便の中断のときにも頑張られて、継続に至っておられる。さまざまな面で、平井知事の思い入れもあろうかと思うものでございます。  了解をいたしましたが、私は私なりに、ちょっと違うことを考えておりまして、実は米子に東亜青果という会社がございます。名前のとおり、満鮮貿易でスタートした会社でございます。その初代社長を私の祖父が務めておりまして、これは私が生まれる前に若くして死んでおりますので、私は今、この間、お亡くなりになりました秦野社長からそのことを教えていただいたのです。それで、そういうこともございまして、長春に向かう道すがら、広大なコーリャン畑を目にすると、何か懐かしさのようなものを自分で思う気持ちがございますし、たびたびお邪魔している吉林省には親しい友人もできておりまして、この交流というのは、今後とも継続していきたいな、大事にしていきたいなというふうに思っております。  そして、この現状を上海に行っても確認しましたが、今、知事がお話しになりました天津であるとか、シンセンであるとか、そういう若い都市がどんどん伸びているのだというお話を聞いてまいりました。そちらへの可能性というのも外せないものがあろうかと思います。  かつて境の港は、戦前、大陸の航路を持っておりました。戦争で一切を失ってしまったわけでございます。今、70年かけて、やっと今日を迎えているということに大変重たい意味を感じております。そういう意味で、環日本海というのが平和であり、繁栄を求める、そういう海であってほしいという思いをずっと抱いてまいりました。私は、交流を環日本海交流、北東アジアゲートウェイ鳥取、あるいは境港、こういうふうに解釈をさせていただきたいと改めて思った次第でございます。何かございましたらお願いをしたいと思います。  念願の香港便が就航いたしました。知事、御苦労さまでございました。世界のハブ空港と言われる香港空港と結ばれること、この安定就航を果たしていかなければなりません。そして、きょう同時に質問もいたしました大山のためにも、蒜山も大山の公園の一部でございますので、やはり岡山との連携、岡山空港との共同作戦というのが大事になってくるのではなかろうかなと思っております。その意味で、内田議員からもございましたが、米子道の4車線化、そして、もともとの計画、同時に境港終点、これを実現することは、鳥取県にとりましても喫緊の課題ではなかろうかと思っております。見通しのほどをお聞かせを賜ればと思っております。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)安田県議から重ねてお尋ねがございました。  まず、境港、国際交流の位置づけということでありますが、今、議員のほうからおっしゃったことは全くそのとおりだと思います。環日本海交流、北東アジアゲートウェイ鳥取、あるいは境港、そういうことをモットーにして、これから基本戦略として向かってまいりたいと思います。  確かに私たちの目の前に広がる海でございますが、きょうは残念ながら台風がやってきてしけているわけでありますが、この海こそが大陸からこの国に文化をもたらして、ここに日本という国が生まれる礎にもなったといわれるところでありますし、先ほどおじい様のお話がございましたが、亡くなられた秦野社長さんにお見舞い、お悔やみを申し上げたいと思いますが、その東亜という言葉の中に隠された歴史ときずなというものを私たちは大切にしなければならないのだと思います。  そこがまず基本にあった上で、今、私たちはありがたいことに海の向こう側にも、江原道や吉林省といった、ただ会っただけで理解し合える仲間ができたことは事実であります。これが経済交流や子供たちの成長の糧として活用される、それも、一つ一つではありますけれども、実現し始めてきたわけであります。ぜひこれを今後、その恵沢を将来にも向けて継承できるように、私たちも港の活性化とか、あるいは航空路の活性化だとか、観光交流、あるいは物の動き、荷物の動き等々も含めて、今が勝負どころとしててこ入れをしていかなければならないのだというふうに私のほうも認識をする次第でございます。  また、大山ということを考えたときに、中国圏域で南北の一体化、中国山地の南と北を結ぶような形での大動脈を力強くつくり、それが日本海まで抜けていく、その道筋をつくらなければなりません。そういう意味で、蒜山のお話がございましたが、このたび、江府インターのところの3キロ余りが4車線化がなされることになりました。これにとどまらず、岡山道側もございまして、米子-岡山の横断自動車道の4車線化、岡山道と米子道が動き始めたところであります。来月の下旬になりますが、東京で決起大会を改めてやろうと。これは国会議員の方々も来られるということでありまして、私も、では、伺おうかなと思っておりますが、これが単に3キロだけで終わるのではなくて、きちんと米子まで4車線がいずれはつながっていくように、我々の運動を強化をしていかなければならないと思います。  あと、もう一つは、そこの先、米子道が延びるべきところでございます境港方面でございますが、これについては、今地元の国交省の直轄の所長も入り、それから、県や両市等も入りまして、研究会を進めております。その具体の状況がどうかというのは、県土整備部長からお話をさせていただきたいと思いますが、例えばアンケート調査をやる。そうして、その道路の必要性について、それが浮き彫りになれば、それを今度主張していくということになりますが、そういうことの基礎調査、またセンサスなどもあります。そういうものの分析をしたりして、ストック効果がこの道路にはあるのだということをまず立証していかないと、事業というものが現実にならないと思います。そこのフォローアップをしていかなければなりません。  あと、正直な話、地域での合意形成が必要な部分、ルートについてもあるところであります。今米子のほうでも市長選挙がまた春に行われるというタイミングもございますので、そうした日程などを横にらみしながら、多分これから合意形成に向けてどういうふうに動いていけるのか、いけないのか、それを見定めていかなければいけません。ただ、いずれにせよ、最後は一つにまとめなければ国が動かないようでありますので、一致結束した形で持っていく必要があります。  実は、平成18年、私の就任する前の国幹審でありますが、その国幹審において凍結が決まってしまったわけです。これをひっくり返すことはなかなか容易なことではありません。ただ、同じ時期に凍結をされた道路が、今次々と解除をされていまして、平成30年ごろになりますと、そうしたところが開通してくるというようなことにもなってきます。ですから、もういよいよこちらの番だと、順番を考えなければいけない時期になっていますので、いつまでもどこがどうだと言っていられるかということも、そろそろ我々はタイミングを見なければいけないのかもしれません。  ただ、いずれにいたしましても、道路事業の厄介なところといいますか、大変なところは、地元が必ず協力しなければ絶対にできない事業であります。したがいまして、境港、米子、両市、それから日吉津も関係するかもしれません。関係者含めて合意が整えられるように、これもその研究会の場で議論をしていくということにいたしております。 ◯副議長(藤縄喜和君)山口県土整備部長 ◯県土整備部長(山口真司君)では、私のほうからは、米子-境港間の道路整備の今の状況について、補足の答弁をさせていただきます。  先ほど知事が申されましたように、この米子-境港間の高規格幹線道路につきましては、平成18年度の第2回国土開発幹線自動車道建設会議、いわゆる国幹会議におきまして、当面着工しないとして事業凍結された経緯がございます。したがいまして、まずは、この凍結解除に向けた動き、これを加速化させることが必要と認識しているところでございます。  そのためには、関係市村及び県が一枚岩となりまして、米子-境港間に高規格な道路が必要である、こういったことをいわゆる地元合意のもと、道路の必要性や妥当性を具体的に訴えかけていくということが必要だというふうに考えてございます。  そのため、先ほど知事が申されましたように、平成28年3月まで勉強会でありました、これまでのあり方勉強会を国、県、市村で立ち上げた検討会という形で格上げいたしまして、現在地域の目指すまちづくりの方向性について検討しているところでございます。具体的には、今3つのワーキングにおきまして、圏域の目指すまちづくりの方向性を検討していく、また、企業アンケートなどをいたしまして、このあたりの地域全体が道路ありきではなくて、どのようなものを目指していくのか、そして、これを踏まえまして、この中で道路交通センサスなどを踏まえながら、この圏域が発展するためには道路がどのようなものを目指すのか、そして、そういったことを踏まえた上で、この高規格な道路に何を望むのか、こういったことの高規格な道路の必要性を浮き彫りにさせようということを考えて、作業をしているところでございます。  そして、今後につきましても、こういった検討などを踏まえながら、高規格の道路の活用を想定した上で、いわゆるストック効果の裏づけ、こういったことをまとめていきまして、この必要性、妥当性というものを強く訴えかけていくといった作業を取りまとめたいと思ってございます。  先ほど知事が申されましたように、この凍結解除に向けた動きは、非常に時期的なタイミングもあろうかと考えるところでございます。そのためにも、一日も早く地元が一枚となりまして、まず、検討会の取りまとめを行わさせていただきまして、強く国のほうにもアピールできるように準備を整えてまいりたいと考えてございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)23番安田議員 ◯23番(安田優子君)4車線化、あるいは終点、境港まで頑張っていきたいと思います。  3月に太田真庭市長さんにお会いをしてまいりました。4車線化を一生懸命頑張っておられます。同時に、おっしゃっていましたのが、うちは蒜山を抱えていると。ぜひとも大山につなげたいと、一緒になってやりたい。事態がこういう展開になってまいりましたので、鳥取県側としても、ぜひタッグを組んでいろんなことを頑張っていただきたいと思っております。  次に、竹内団地の夢みなと公園でございます。  サイクリングロードは、福間議員もおっしゃっていましたが、みんなが楽しみにしておりまして、431でとどまっていたものが、それから先、大体公園の中の道路が使われるような話も聞いております。堤防の脇に立派な道路があるのですが、柵でとめられていて、この道路は、もったいないなと常々私も思っておりましたので、ぜひその道路を使っていただけば、眺めもいいし、それから、ヨットハーバーがすぐ右手に見えます。ヨットに加えて、サイクリングというスポーツ面でのにぎわいも竹内団地に加わるということで、大いに期待をしたいと思います。  大山から、あるいはもっと東からのサイクリングロードとしては、ここが終点になる。もう一方では、やまなみ街道サイクリングロードとか、あるいは愛媛までの400キロコースというのも今協議中だと聞いております。そういう意味では、ここは境港から、今度は島根のほうに向かっての起点にもなるところでございます。ぜひともサイクルステーションというのですか、いろんな整備をしたりする、そういうところとして整備を進めていただきたいということをお願いしたいと思います。  私も娘が学生時代、サイクリングをやっていまして、日本列島を走りまくっておりました。夜は野営をして、公園にテントを張ってというようなことをやっていたようでして、今、マリーナのキャンプ場が時代に合わなくなりまして、利用者が本当に減りました。ぜひこの公園では、自動車でやるキャンプはオートキャンプ場というのですか、ああいうようなことや、一般にサイクリストなどがキャンプを張れるような、そういう設備もあわせていただけたらいいかなというふうに期待しますとともに、私はかねてより申し上げております、岸壁に向かっての道路は、将来を考えれば、ぜひとも4車線化が必要であろうと。この公園の整備とあわせて、4車線化という計画を進めていただけたらありがたいと思いますが、この辺についてのお考えをお尋ねさせていただきます。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて安田議員から、境港のサイクリングロードや道路につきましてのお尋ねをいただきました。  その4車線化のところにつきましては、これは県土整備部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  サイクリングは、今議会、結構議論が出ましたけれども、やはり一つのトレンドとして、これから、若い方だけでなくて、生涯学習という、生涯スポーツとしてもサイクリングというのは有効でございまして、幅広い年齢層の方の旅のテーマになると思いますし、もちろん地元の方もそこで体を鍛える、健康づくりをする、そうしたこともできるようになります。比較的安全な形で431の脇を走るような形になりますので、そういう意味で、白砂青松を楽しみながら、タワーに向けて、その431の動線に沿いまして、皆生から境港に向けて走るというような形になりますから、いいルートになるだろうと思います。  また、これができることで、今後サイクリングロードの設定も展開が変わってくる可能性は十分あると思うのですね。この間も野坂議員ですか、米川沿いか何かのサイクリングロードが狭い話があったりしますけれども、こちらにきちんとしたロードがつけば、また、そちらを選択されるサイクリストもふえてくるだろうと思います。これがどちらのルートで行くかわかりませんが、境港水道ルートか、どこかを回って、松江のほうに抜けていくというようなことも十分考えられます。  その意味で、やはり一つの基盤をつくらなければいけないというのが、実は道路建設とあわせてあるわけであります。私どもは、目標としては31年の竹内の港に実際お客様が乗って来るようになるときを目指してサイクリングロードも開通をさせたいと思っています。それが一つのにぎわいづくりになると思います。その際に、これは企業さんだとか、そうした方や、あるいは、場合によっては観光協会とかかもしれません、御協力をいただきながら、サイクリストたちをお出迎えできるような、そういう機能を持たせなければいけないわけですね。  実は皆生であるとか、大山のあたりであるとか、コグステーションといわれるものや、サイクルカフェといわれるものなど、サイクリストの皆さんにおトイレを提供するとか、あるいは工具をお貸ししていくとか、そうした利便施設をつくってきております。これはもちろん御商売もありながらでありますが、そういうのがないといけないわけでございますし、また、温泉が多分、そのサイクリストには楽しみだと思うのですね。最後に温泉につかるということにもなりますし、また、港に着かれた外国人はそこからスタートをする、そんな意味で、着がえであるとか、いろんなものも必要になるかもしれません。実はその辺の手だてが上手にまだできていないと思います。  今から港のポートステーションともいうべきターミナルビルをつくるわけでありまして、そのターミナルビルの中にCIQ機能だとかが入りますが、それとあわせて、隣にある夢みなとタワーだとか、近隣の施設だとかで多少入り繰りが出てもおかしくないわけです。例えば境港の貿易関係の振興会などがそちらのターミナルビルのほうに入ってもおかしくないわけでありますし、そうすると、部屋があくかもしれません。夢みなとタワーのほうで使える部屋が出てくれば、そういうところが更衣室にも変えられるかもしれませんし、いろいろと今後、31年度にらみで、その辺をよく協議をしていって、地元、境港市のほうとも話をしながら進めてまいりたいというふうに思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)山口県土整備部長 ◯県土整備部長(山口真司君)それでは、私のほうからは、4車線化のほうにつきまして、補足の答弁をさせていただきたいと思います。  先ほど知事のほうから御答弁申し上げましたように、この竹内南地区については、これから具体的な検討が地元の境港市の次期総合計画などを含めましてなされていくと考えております。そのときには、実際に民間の観光団体でありますとか、経済団体の方等を含めまして、いろんなことが決められていくことになろうかと思います。  その中で、先ほどから出ておりますサイクリングロードについても、どうしようかとかいうことを思いますけれども、いずれにいたしましても、こういった話を含めながら、この4車線化すべき位置を含めまして、この竹内南団地全体、このあたりがどのような人が集まってくるのか、どのようなにぎわいづくりとしての役割を求められるのか、こういったことも踏まえつつ、また、ことし実施しております境港市内でのネットワーク調査、こちらのことも加味、備えをしながら、総合的にどんなもの、どういう形が考えるべき道のあり方なのか、こういった中で引き続き検討させていただければと考えているところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)23番安田議員 ◯23番(安田優子君)大山については、大山振興室を設置していただけるということで、早速の御対応、ありがとうございます。林副知事におかれましては、トップに御就任をいただくということで、よろしくお願いを申し上げます。  その大山についてでございます。  これは、突然話が変わるのですが、私は西部なものですから、美術館というのはほかごとだと思って、よそ目で見てまいりました。だけれども、ちょっと今語られているような場所を考えてみるに、これでいいのかなという気持ちがございまして、石川県の美術館に行ってまいりました。兼六園の道を挟んだ向かい側ですので、本当に隣接している、風致地区に立地をしておりまして、やはりそういう文化芸術ゾーンの中にあるということは非常に大切なことかなというふうに思いました。それと、中に入ったら、一番いい展示室に、野々村仁清のキジの香炉が一対、ただそれだけ。広い部屋の中のショーウィンドウに飾ってありました。一方は国宝、もう片方は重文の指定を受けたものです。  翻って、我が鳥取県にそのような財産があるのだろうかということを思いました。池田公の姿勢だったのでしょうか、幸か不幸か、私どもには残していただいておりません。そのような鳥取県が何をもって売り込んでいくのかということを考えたとき、私はやはり自然、景色、大山から弓浜半島に向かう、あの光景は一つの財産ではないか。これを一つの額縁におさめて展示するというのは、足立美術館がああいう技法をやっていますが、もうちょっとスケールの大きい、そういうやり方もあるのではなかろうかと思ったのです。周辺に古い保養所がたくさんあります。芸術文化人にそこに滞在していただくというのも一つのゾーンの形成になるのではないかと思いまして、大場館長に話しました。今さらそんなことを言ってもらってもだめです。一蹴をされてしまいました。  でも、日光国立公園は、大変、関東の人間にとってすごいところです。子供たちの修学旅行にも連れていく。知事もおわかりかと。日光国立公園に負けない大山だと思っていますけれども、残念ながら、大山に東照宮はない。今の大山は、民間資本のお力で、大変点としての魅力はいっぱいできています。総じて、私から言わせていただければ、画竜点睛を欠くという状況かなと思っています。幸い、今後20億円の国の交付金も入ってくるわけです。県が行政としてこの大山に何を果たしていくのか、考えていかなければいけないのではないかなとも思っています。  この大山は、志賀直哉が死のふちからよみがえった感動を与えてくれた、その場所、やはり訪れる人を感動させる、そういう力を多くの人に味わっていただくために、私は県にも頑張っていただきたい。私たちも頑張る。そういうことでございます。よろしくお願いします。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)安田議員から重ねてのお尋ねがございました。  大山につきまして、さまざまな観点からのお話がございました。  大山は、私たちにとって、いわば命の源泉となるような山であろうかと思いますし、志賀直哉のお話もございましたけれども、文学の世界でも取り上げられるスピリチュアルな、そういう聖地であると考えるのがよろしいかと思います。  大山のすばらしさについては、これを守ろうという方々がいらっしゃることもまた一つであって、先ほど一木一石運動の話がございましたが、昭和60年以来、山頂を守ろうというふうに立ち上がった方々がおられ、さまざまなボランティアによっても支えられているところです。  私も、天皇皇后両陛下を植樹祭のときに御案内しましたときに、大山寺のほうに上がるときに、天気を心配しましたが、非常に不思議なほどにきれいに青空が出て、その山の頂を天皇皇后両陛下が遠くに見合ったのを、本当に見ながら、私もしみじみとしました。あれがダイセンキャラボクですねというふうに天皇陛下がいみじくもおっしゃったことに、大山という山の価値を感じたような気がいたします。  この大山については、自然のこともあり、また、歴史でも僧坊がたくさんあったということもあり、文学のこともあり、牛馬市など、御紹介いただいたような日本遺産にまつわるようなお話もあり、いろんな魅力があるかと思います。これを一気に花開かせるのが2年後のことでございまして、平成30年のお祭りを一つの目標として、地域が結束できる、そういうモーメントがつくれれば、流れが変わってくるのではないかなというふうに期待しております。そういう意味で、先ほど副知事のお話も申し上げましたが、県庁としても全庁挙げて取り組む姿勢でやってまいりたいというふうに思います。  時任謙作が最後の場面で、今、命を復活させるというお話がございましたが、山登りをしながら、自分の人生を考えておられたのだと思います。そういう中で、ちょうど大山を登りかけたところで夜明けがやってくる。そのときに、光が徐々に米子のまちのほうに動いてくる。影が少しずつ米子のまちから上がってくるのが、地びき網で引き寄せるかのようだったというふうにつづっているわけであります。大山が多分私たちの心も、そして生活も、私たちの豊かな今後の発展も地びき網ですくい取るように、私たちを導いてくれているような気がいたします。  ぜひ、きょう、いい御質問もいただきましたので、その体制を組んで、そういう大山を基軸とした鳥取県の地域振興に向かってまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)暫時休憩いたします。  3時05分より再開いたします。        午後2時54分休憩    ────────────────        午後3時05分再開 ◯議長(斉木正一君)再開いたします。  次に、議案第26号「平成28年度鳥取県一般会計補正予算」を議題といたします。  質疑の通告がありますので、発言を許します。  5番市谷知子議員 ◯5番(市谷知子君)日本共産党の市谷知子です。  日本共産党県議団を代表して、議案第26号、一般会計補正予算の平成28年度ブロッコリー産地再生緊急支援事業について質疑をいたします。  本事業は、9月以降の台風16号と長雨によるブロッコリー被害に対する支援です。改めて被害に対しお見舞いを申し上げます。  さて、まず、現状の被害の状況について、確認をさせていただきます。  西部地区を中心とした被害とのことですが、西部地区での被害は、ブロッコリーの作付面積の何割で、被害額は幾らか、また、県下全域での被害は、作付面積の何割、被害額は幾らか、答えてください。  そして、今回のこの被害に対する支援事業の内容と、支援総額を答えてください。  さらに、ブロッコリーは、価格補填の制度はありますけれども、気象災害で発動される共済制度はないと聞きました。ブロッコリーの唯一の収入保障となるであろう価格補填制度は、今回使えるのかどうか、答えてください。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  岸田農林水産部長 ◯農林水産部長(岸田悟君)それでは、私のほうから、ブロッコリーの被害状況等について答弁をいたします。  まず、西部地区の今回の被害についてでございます。  西部地区は、県下でも特に被害が大きく、9月28日現在、ブロッコリーの定植面積213.5ヘクタールに対しまして、28%の59.3ヘクタールで被害が確認をされております。また、被害額は約1億9,000万円ということになっております。また、県下全域では、琴浦町、北栄町、それから鳥取市、八頭町等からも被害が上がっておりまして、県下の被害面積は合計63.8ヘクタールでございます。定植済みの面積293ヘクタールに対しまして、被害率は22%ということでございます。なお、東、中部地区の被害状況は、現在調査中でございます。  また、今回お願いしております平成28年度ブロッコリー産地再生緊急支援事業の内容につきましては、政務調査会、それから常任委員会で説明をしておりますとおり、長雨に伴って発生します黒腐れ病等の蔓延を防止する防除経費並びに再生産に必要な苗代、肥料代、農薬代等の一部の支援をするものでございます。総額833万1,000円の補正をお願いするものでございます。  また、価格補填制度は使えるのかというお尋ねでございます。  ブロッコリーについては、農業共済制度の対象にはなっておりません。しかしながら、市場価格の下落時に価格を補填いたします野菜価格安定対策事業の対象になっております。しかしながら、今回のように、圃場で被害を受けて市場に出荷されないというような場合については、当事業の対象外となっております。 ◯議長(斉木正一君)5番市谷議員 ◯5番(市谷知子君)まず、被害状況ですけれども、御答弁がありましたように、西部地区では作付面積の28%、それから被害額は1.9億円、それから全県下での作付面積の被害割合は22%で、被害総額についてはまだ調査中ということで、全体はわからないという御答弁でしたが、今後さらに広がるということになろうと思われます。ですから、これは本当に大変大きな被害になっていると私は思います。  これに対して、今回の支援内容と支援額ですけれども、緊急防除と、それから苗代や肥料代、農薬代など、ブロッコリーの再生産に要する経費に合わせて833万1,000円ということです。それから、唯一ブロッコリーで収入保障になるであろう価格補填制度は、そもそも市場に販売できないので、この価格補填制度は使えないということでありました。  私は、今回の支援、農協から要望があって、県が素早い対応をしたということについては、評価をしております。しかし、御答弁がありましたように、2億円近い、また、それを超えるかもしれない被害に対して、833万円の支援というのでは余りに少ないというふうに思いました。その上、所得を補う価格補填制度は、販売できないため、制度が使えないということで、丸々この2億円か、それを超えるものが農家の減収になるということは大変深刻な事態だと思います。このままでいいのでしょうか。  そこで、国では今、収入補填の制度が検討されているということのようですが、それがいつから発動される予定で、今回の被害は対象になるのかどうか、お答えください。 ◯議長(斉木正一君)岸田農林水産部長 ◯農林水産部長(岸田悟君)それでは、国の収入補填制度について答弁をいたします。  国では、平成26年度から、農家ごとに価格低下を含めました収入減少を補填する収入保険制度の導入に向けまして、これまで事業化の調査を行って、現在制度内容を検討をされているところでございます。国では、9月7日に設置をされました収入保険制度の検討等に関する有識者会議で、これから検討を重ねて、本年11月中に制度内容を取りまとめて、平成29年度の通常国会への法案提出を目指していると伺っております。法案成立後、システム整備等に必要な準備を行った後、最短では平成29年秋に収入保険の加入申請を受け付けて、平成30年の農業収入からの運用開始が想定されているものでございます。  この制度が実施をされれば、現在ブロッコリーなどの野菜が野菜価格安定対策事業で補填されている価格低下による収入減の補填だけではなく、今回のような自然災害による減収についても、対象となるということで伺っております。(市谷知子君「今回の被害は対象にならないのでしょうか」と呼ぶ)平成30年の農業収入からでございますので、今回の被害は対象とはなりません。 ◯議長(斉木正一君)5番市谷議員 ◯5番(市谷知子君)先ほどありました国の収入補填の制度ですけれども、今検討中で、29年度に法案が提出をされて、秋にはその法律ができて、運用開始は30年度からということで、今回の被害は残念ながらこれの対象にはなりません。  ですから、私は県独自に収入補填の制度を検討すべきだということを農林水産商工常任委員会で申し上げましたけれども、そのときには、お金がかかるという答弁が返ってまいりました。しかし、今回の被害額、約2億円といたしまして、半分を支援するとしたら1億円ということなのですけれども、今度の補正予算には、コナン空港の整備にも9億円、それからソウル便や香港便といった外国の飛行機の赤字補填の運航支援には合計1.6億円も税金投入されるのに、鳥取県の特産品であるブロッコリーの被害支援にはお金がかかるといって、収入補填しないというのは、本当に私は誰のための県政かと疑問に感じております。
     また、農業については、今回補正予算で、TPP協定締結前提で、競争力を強化する必要があると、国の補正予算も使って36億円もの予算が組まれておりますけれども、この県内のブロッコリーが大きな被害を受けているのに、そこには適用にならない。収入補填しないでおいて、何が競争力の強化でしょうか。生産すらできなくなってしまうと私は思います。  そこで、今後農家のほうから収入が、所得が大変だとの声が出た場合には、さらなる支援を検討されるのかどうか。  また、今回の被害は、長雨による排水不良とのことですけれども、被害や再発防止のためにどのような排水対策があるのか、その経費の支援制度はあるのか、支援率の引き上げを検討する意思はあるのかどうか、そのことを最後にお尋ねし、私の質疑を終わります。 ◯議長(斉木正一君)岸田農林水産部長 ◯農林水産部長(岸田悟君)それでは、ブロッコリーに対するさらなる支援の検討や排水対策についてのお尋ねでございます。  県内では、9月28日の今回の被害調査以降も、降雨なり、気温が温かい状態が続いております。また、さらに、本日、台風18号が通過ということで、特に今回強風が吹くということで、さらなる被害の拡大というのが懸念をされる状況でございます。  県では、台風18号の対応のために、JAでありますとか、ブロッコリー生産部と連携しまして、被害防止対策の徹底を図っているところでございますが、今後ブロッコリー生産部やJA、それから市町村等々、被害状況を確認しながら、被害が拡大した場合、また、ほかの地域、それからほかの作物も被害を受けた場合については、必要に応じて追加の支援を検討したいというふうに考えております。  また、今回大きな被害を受けた農家からは、JAに対して運転資金を融資してほしいという相談があったと聞いております。ブロッコリー農家への資金融資につきましては、現行制度で無利子の融資でございます果樹等経営安定資金が活用ができます。こういう融資が必要な農家が早急に受け取れるように、県としても事務局でありますJA中央会に働きかけてまいりたいと思います。  また、現在どのような排水対策があるのかということでございます。JA鳥取西部では、平成24年から県の地域プラン事業によりまして、補助率2分の1の畝立て機によります高畝栽培の導入でありますとか、サブソイラーによります耕盤破砕によりまして、現在30ヘク程度で取り組んでおられるということでございます。また、レーザーレベラーということで、水田を傾斜化するような実証にも取り組んでおられます。これらの対策を実施した多くの圃場では、今回、畝間が滞水しなかったというようなこと、また、滞水しても早く排水ができたということで、今回の長雨の影響を免れておられます。ほかの農家もこういう圃場の状況を見て、排水対策の必要性に関心を持っておられるところでございます。  JA西部では、今回の被害を受けて、一層の排水対策に取り組むということでございまして、県としてもJAと一緒になって生産部ややる気のある農家に対しまして、国の産地パワーアップ事業、それから単県でありますがんばる地域プラン事業等を活用した機械導入等によります排水対策の仕組みづくりを働きかけてまいりたいというふうに思っております。  なお、排水対策の機械等を導入されました農家については、これまで1割程度増収があって、収入も安定しているということでございます。県としては、現行の補助については継続をしてまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(斉木正一君)これをもって、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。  これより議案を付託いたします。  まず、議案第15号「平成27年度鳥取県営電気事業会計未処分利益剰余金の処分及び平成27年度鳥取県営企業決算の認定について」及び第16号「平成27年度鳥取県営病院事業会計資本剰余金の処分及び平成27年度鳥取県営病院事業決算の認定について」は、決算審査特別委員会に付託することに御異議はありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議はないものと認めます。よって、議案第15号及び第16号の2議案は、決算審査特別委員会に付託することに決定いたしました。  次に、議案第1号から第14号まで、第17号及び第26号は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりであります。これも、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時20分散会    ────────────────...