▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(斉木正一君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。
なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。
それでは、議案第1号から議案第17号までを一括して議題といたします。
これより一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
28番
浜崎晋一議員
◯28番(浜崎晋一君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
改選後初の
鳥取県議会もきょうが
一般質問最終論戦でございます。
鳥取県議会自由民主党の浜崎晋一でございます。
それでは、通告に従いまして、
人口減少社会における新たな
まちづくりをテーマに平井知事に質問をさせていただきます。
一昨年1月に、
国立社会保障・
人口問題研究所から、平成22年には1億2,800万人だった日本の総人口が平成72年には8,600万人まで減少するという推計が出ております。昨年5月、
日本創成会議から、2040年までに20代から30代の女性の人口が半分以上減少し、消滅する可能性がある市区町村は全
市区町村数の約半分の896団体に及ぶとの推計結果が報告されております。
国立社会保障・
人口問題研究所の人口推計によりますと、2040年の鳥取県の人口は44万人まで減少すると推計され、また、
日本創成会議の試算によりますと、県内13町が
消滅可能性都市とされております。こうした現状に危機感を抱き、安倍政権は
地方創生を最重要課題と位置づけ、
少子化対策や移住定住の促進、地方における雇用の創出などを集中的に取り組んでおります。このたびの選挙戦におきましても、我々は
地方創生の実現を強く訴えて戦ってまいりました。
今議会において、疲弊した中山間地域の現状を憂慮された何人かの議員の方々が、今後の中山間地域の振興策を知事に問う質問をされました。しかし、疲弊しているのは中山間地域だけではありません。町なかもしかりであります。
私は鳥取市の
中心市街地をくまなく歩きましたが、商店街ではシャッターが閉まったままの店や空き店舗が目立ち、また住宅地では独居老人やふえ続ける空き家の状況を目の当たりにし、改めて
町なか過疎の深刻さを認識したところであります。
中山間地域の過疎問題も大きな問題であります。また、
地方創生の観点からは、圏域全体の活性化を考えた場合に、地方都市が大都市圏への人口流出のダム機能を発揮することが求められており、その拠点となる
中心市街地における
町なか過疎という問題は今後ますます看過できない状況になってくるのではないか、そう思うところであります。
平井知事は選挙戦を通じて県内をくまなく歩かれたと思いますが、実際にその目で見られて、住民の声を直接聞かれまして、町なかが置かれている状況についてどのように感じられたのか、まずお伺いしたいと思います。
私はこれまで
町なか過疎について何度か平井知事と議論をさせていただきました。昨年の6月定例会におきましては、その解決手法の一つとして、
リノベーションによる
まちづくりについて提案させていただきました。
リノベーションとは単なる改修ではなく、建物の持つもともとの性能以上に新たな価値をつけて再生させるということであります。
平井知事は、このたびの
マニフェストにおいて、まちを元気にする
プロジェクトの一つとして、
リノベーション等魅力ある町なか活性化を打ち出されております。また、鳥取県の
地方創生総合戦略(骨子案)においては、
まちづくりの項目の中で、まちのにぎわいの創出や拠点の形成を行うことが打ち出されておりますが、
町なか振興に向けて今後4~5年間を中長期に展望する中で、
マニフェストと総合戦略に込められた平井知事の思いを伺いたいと思います。
去る5月23日でありましたが、全国で唯一店舗がなかった
スターバックスが鳥取県に進出し、平井知事のキャンペーンも功を奏し、全国放送のテレビ等でも数多く取り上げられ、大きな話題となりました。実は同じ日に、鳥取市の
中心市街地の空きビルや空き店舗を
リノベーションし新たな
ビジネス創出を目指す
リノベーションスクールから生まれた第1号の再生案件となるBook
Cafeホンバコがオープンをいたしました。店内の本箱には提供を受けたさまざまな本が並び、店内で自由に読むことができます。お客さん同士で本を読んだ感想をしおりに書き込んで別の読者と分かち合うなど、本を介して人がつながるカフェにしていきたいとのことであります。
そのお店は、9年前まで喫茶店を営まれておりました。また、2年前まで近くに本屋さんがありました。このエリアがコーヒーと本に親しまれていたという歴史をイメージし、
ブックカフェを考えられたとのことであります。私も先日、実際に伺いましたが、その
にぎわいたるや、特に若い男女の方々を初めとして、特に女性が多かったですが、さまざまな人が集まる多様性には目をみはるものがありました。
古きよき町なかの既存資源を最大限活用して新たな価値を生み出す、そして比較的安い
テナント料で若者に活躍の場を提供する、これが
リノベーションによる新たな
まちづくりの有効な手法の一つだと考えます。
このきっかけとなった
まちづくり合宿、
リノベーションスクールは、来月にも第2回の開催が予定されております。さらなる取り組みの推進、また圏域全体の波及なども期待されると思いますが、これまでの取り組みの評価と今後の展開についてどのようにお考えになるか、平井知事にお伺いして、私の壇上からの質問とさせていただきます。
◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議からの一般質問にお答え申し上げます。
浜崎議員から、町なかの活性化につきまして3点のお尋ねをいただきました。
まず、第1点目として、選挙戦を通じて県内を歩いたときに実際に見た、出会った感想として、町なかの状況はどうだったのかと、こういうお尋ねでございます。
これについてはたび重ねて本議会でも取り上げられていますが、中山間地あるいは町なかのにぎわいがいま一つであるということがこの県の課題ではないかと思います。しかし、成功例がないわけではなくて、境港の
水木しげるロードの商店街、これは本当にきれいにあいていますし、お店の中でも御商売をされている方々の姿がはっきり見えました。それに比べて鳥取市や、あるいは米子、倉吉、そうした中心街におきまして、残念ながらもう
一つにぎわいがない。ちょうど選挙戦に入る前も倉吉の大正町で火災がございまして、私どももいち早く市長と相談をし、その復旧に向けて声を上げたときでありましたから、何やら胸の詰まるような思いをしながら町なかを歩いたこともございました。
ただ、驚いたのは、選挙の最終版、4月11日になります。これは言っていいのかどうかちょっと何ともわかりませんが、ちょうど最終日でございますけれども、私のほうは、事務所が本通りといいますか、あちらのほうにあるものですから、最後にそこに帰るわけであります。途中で大変ぞろぞろと町なかに人があふれている状況がありまして、何事かと思いましたら、どうも浜崎議員の関係者の方々が多かったみたいでして、そういうことでやはりおられることはおられるのだなというふうに思いました。家の中におられるけれども、なかなか外のにぎわいに通じていないということかなというふうに思った次第でございます。
どうやってそれを元気にするかということです。高齢者の方が大分ふえている。例えば米子市の
中心市街地だと30%を超えて大体3分の1ぐらいの高齢化率でありますし、鳥取市の
中心市街地も高齢化率が28%ぐらいの実情であります。決して田舎だけの問題ではない。中山間地だけの問題ではなくて、町なかにも同じようなことが起きています。これは全国的にも課題でありまして、古くから開かれた団地では一気に団塊の世代が卒業時期を迎えて、いわば団地の中に入る高齢化の世代ということになりました。それで東京や大阪でも問題になっているわけでございますが、鳥取県においてもそれと同様の状況があることを考えなければなりません。
議員から今御指摘もございましたけれども、本県はこの町なか活性化に中山間地と同じ手法を考えるべきではないかというふうに思います。これについては平成23年11月議会に浜崎議員のほうから御提起がございまして、そこでのお約束に基づき町なかの
にぎわいづくりについての実態調査をさせていただき、鳥取県ではその後、中山間地に導入したような、例えば
買い物支援であるとか
居場所づくりであるとか、そうした中山間地独特の支援制度を町なかにも適用させていただく、そういうようにして新たな動きを起こし始めてきたところでございます。
ただ、町なかのいいところはやはり地域の中に、よし、やってやろうという方の数がそれでも多いことだと思います。川端通りでもそうでありますけれども、先般アーケードの撤去がございました。ただ、それとあわせて町なかウエディングをやろうということになりましたら大変にこれも
にぎわいづくりになり、かつての川端銀座の勢いをほうふつとさせるようなものでありました。さらに最近でも、例えばCORさんとか、FROLICさんだとか、そうしたお店も出てきているなど、町なかの店舗の中では、要はそこに入られたお店に誘われてということもありますけれども、そうやって少しずつ歩みを取り戻し始めているところも出てきています。
米子のほうでいったら、土橋さんがそうしたかつての銀行の店舗を改装してCafe
RestBarドドドを開かれる。それに呼応するかのように若い人たちが集まってくる。従来の商店街とはやり方が違う面がありますけれども、そういうふうに新しい息吹が生まれていることも大切にしなければなりません。こうしたことなどをいろいろと手を尽くしてやっていく必要があるのかなというふうに考えております。
これと関連をしまして、これからの町なかの活性化について
マニフェストや総合戦略にどういうような思いを込めたのか、さらに
リノベーションスクールの評価と今後の課題についていかがかと、こういうお尋ねがございました。
先ほどのような問題意識がありまして、
マニフェストにも書かせていただきましたし、このたびの
地方創生の計画の骨子の中にも、まずは町なかの活性化というのを重点に置かせていただきました。これから任期を4年間ともにする中で、こうした課題にチャレンジをしてまいりたいという決意でございます。
先ほど御指摘ございましたように、
リノベーションという新しい手法が出てきたわけであります。これはアメリカだとか
ヨーロッパでも広く行われているものでございまして、従来の建物の資産を生かそうということです。日本の場合は、どちらかというとこれは不得手な分野でございまして、古い建物は壊すほうがいいという、それが日本の建築の常識だったのだと思います。しかし欧米でいえば、そういう住宅をもう一度使おうということ、まちの中の店舗あるいは工場を再生させようということで、それを比較的リーズナブルなストックとして流通させたり、あるいはまちの思い出に重ね合わせて、そのまちの思い出の中から新しい
思い出づくり、新しい
歴史づくりを始める、そういうことだと思います。それはピッツバーグであるとか、あるいは
ニューヨークであるとか、
アメリカ各地でも行われています。
ヨーロッパについていえば、基本的には古い町並みがそのまま残っている。その残っている中に新しい店が生まれてきたり新しい住人が住まう。こうした形で何百年も続けてきているわけであります。
日本だけが50年もたてばビルでも壊すべきだ、木造住宅も20年、30年で壊してもいいというぐらいのものでございましたが、その辺の価値観の違いがあったのだと思います。しかし最近になりまして、先ほど申し上げたように、米子でそういう動きがあったりいたしました。これはあちらこちらで生まれている状況でありますが、それを全国横串で刺すのが
リノベーションという手法であったと思います。
この
リノベーションにつきましては、昨年の11月に
リノベーションスクールが開かれまして、清水さんという方が
スクールマスターになって来られまして、まさに全国各地から合宿をしながら鳥取市内のまちの再生、それぞれの住宅や店舗の再生について具体的な例をとりながら始めたわけでございます。これには高藤さんとか本間さんだとか、いろいろと新進気鋭といいますか今働き盛りの関係者の方々も大いに参加をされまして、これにまた触発をされたまちの関係者の方もたくさんありました。これは鳥取市のほうも大分かかわっていただきまして、鳥取市の
建築担当部局、それから県のほうでも応援をさせていただきながら
リノベーションスクールをしたところでございました。
その中で、3つの
具体的プロジェクトがあったわけでありますが、一番早く実現をしたのがこのたびのホンバコのオープンでございました。これは岡田良寛さんが実際に開かれたわけでございますけれども、それをまた
鳥取家守舎といいますか、そうした皆さんが資金援助をしたり、クラウドファンディングをしたり、お
店づくり自体も手づくりでされていたところでございました。それは爽やかなまちの初めの1ページを刻み込んだ、そういう思いでございました。
私も何とかこれをクローズアップしなければいけないとも思っておりまして、
スターバックスの開店にあわせて鳥取市内で
鳥取珈琲文化振興会というのをつくるイベントがバード・ハットでございました。そのときなど幾つかしゃべる機会のときに、同じ5月23日に
スターバックスとあわせてホンバコという町なかのカフェもオープンするのですよというふうにPRをさせていただいておりました。果たせるかなマスコミも大分報じていただいたわけでございまして、それでホンバコのほうでも行列ができ上がり、すなば珈琲さんでもでき上がり、スタバには負けますけれども、それなりのにぎわいはできたのだと思います。
この勢いが必ずしもとまっていないのですね。今でもそうした町なかの喫茶店の元気だとか、そうした
まちづくりへの応援の気持ちがあらわれている。現に町なかを歩いてみますと、すなば珈琲ってどこですかとか、どこにこういう喫茶店があるのですかとか、駅ナカの
観光案内所でも
コーヒー屋さんのマップを求める、そういう観光客があらわれる。ですから、そんなようにして勢いも出てきているのかなと思います。
この
リノベーションの手法でありますけれども、いろんなやり方があろうかと思います。こうしたことを丁寧に応援をしながら町なかの活性化について考えていく、行動していく4年間、5年間でなければならない。それが
地方創生の姿とも重なるのだというふうに思います。
いろんな手法があると申し上げましたのは、例えば米子のほうでよくやるのは、
中心市街地の活性化の補助と抱き合わせでやることがあるのですね。国のほうのそうした補助金をとってきて、それとあわせてこういう再生をやるというような例もございました。今回のホンバコさんは全く自分たちの手で手づくりでやるということで、大変立派な
プロジェクトだと思います。
こうしたことでどんどん自転していけばいいと思うのですね。鳥取県内にも同じ
リノベーションでの成功例があると思いますし、今、観光地化しています赤瓦や
白壁土蔵群がそうであります。それこそもちろん県や市の補助金も当初入っていたわけでございますけれども、そうやって
リノベーションをしていく。その
リノベーションをしたときに、
まちづくり会社があって、そこが仲立ちをして貸し付けをするという手法でございます。実は今クローズアップされた
リノベーションの運動とその原形がこの赤瓦にあったり、さらにその原形として滋賀県の黒壁にあったりするわけであります。だからこういう系譜を私たちも持っているわけでありますが、さらに現代風に展開をしていくべきときが来たのではないかなと思います。
おとといはクールジャパンの会議がございまして、その会議のときに
山口担当大臣が来られ、県内各地のいろんな報告がなされました。そのとき境港の
桝田観光協会会長さんが胸を張って言っておられました。327万人のお客さんが来て、今はそれでも200万人をキープしている。ただ、そのほとんどは役所の手を煩わせていないと。当時のことです。役所に頼みに行ったけれども、それこそあそこは
ふるさと創生を昔からやっていますので、そういうときになかなか市役所のほうも必ずしも手伝ってくれたわけでもないし、地元のほうでも賛否両論あった時期もあったけれども、騒ぎを起こしながらいろんなイベントをしかけたりして100ぐらいのイベントをやったと、それでああいう観光地ができ上がってきたという話を胸を張っておっしゃっていて、山口大臣も非常に感銘を受けておられました。そういう元気な
まちづくりの
スピリッツは本県にもあるのだと思います。
今その境港も、
境港市役所が中心となり、県もお手伝いをして
水木しげるロードのリニューアルに取りかかることになりましたし、11月には念願のホテルがオープンをすることになります。まちはだんだんと形を変えて進化していく、変わっていく、そういう歴史を我々がともにつくっていかなければならないと思います。
◯議長(斉木正一君)28番浜崎議員
◯28番(浜崎晋一君)知事、御答弁をありがとうございました。大体知事がおっしゃることは私もよくわかりますし、私の質問も知事なりにしっかりと受けとめていただいた、共有はさせていただいていると、そのように思っております。
今の答弁の中で、知事のほうから、やはり町なかにもその可能性というものは、
スピリッツというものはあるのだというようなことで、中部の倉吉の赤瓦、
白壁土蔵群の話、前回もそのことをおっしゃっておりました。そういう部分で、やはり市町村と一体となってということですが、行政側がそういった鳥取のモチーフの大事な
スピリッツというものを、民間の方々がそれこそ、県に応援してほしいという気持ちはあるにしても、まずは自分らがどこまでできるんだと、やるんだという思いで皆さんやっていらっしゃいます。そういった中で、やはり県の立場としてつなげていく、情報もしっかり入れ込む、そういうようなことは今の知事のお話で十分わかりました。爽やかなまちの1ページがスタートしておりますので、丁寧に応援をしていただきながら、
地方創生という部分で一つの大きな鳥取の礎にしていただきたい、そのように思います。よろしくお願い申し上げます。
それでは、追及させていただきます。
知事の新しい
まちづくり、また町なかの活性化に対する熱い思いをしっかりと聞かせていただきました。私も一緒であります。
さて、平成17年4月に
地域再生法が施行されました。昨年度には
地方創生関連2法が成立、施行されました。今のお話ではないですが、
地方創生のためには産業や技術、自然、伝統文化、地域資源を生かして、活用して地域の魅力を高めていくことが大切です。地方にはみずから積極的に考えて取り組んでいくことが求められております。
地方創生が掲げられた今こそ地域に誇りと愛着を、地域住民や民間企業、行政などが知恵と工夫を創出する協働の
舞台づくりが必要だと、そうした取り組みが町なかの振興にとっての鍵になるのではないかという思いから追及質問に入らせていただきます。
まず、
マッチングの仕組みについてであります。
町なかでは、もう今お話がありましたが、後継者がいないためにやむなくお店を閉めるという状況が発生しています。
鳥取県
商工会連合会が
会員事業所を対象に行った
事業所基本状況アンケートによると、
後継者不足の割合が飲食・宿泊業で70.1%、卸売・小売業では68.3%という結果です。町なかのみならず、県全域において、飲食業や小売業の
後継者不足というのが深刻になっております。後継者がいないお店は閉めざるを得ない。県内で空き店舗が散見される、これが今の状況であります。
このような中で、先ほど御紹介しました、知事からもお話をいただきましたが、ホンバコは、
リノベーションスクールをきっかけにして立ち上げられた。先ほどおっしゃいました
民間まちづくり会社、
鳥取家守舎により、またうまく空き店舗を活用したい若者とつながったということなのですが、その空き店舗というのが、今、川端2丁目にあります阿部珈琲さん、おいしい
コーヒー豆をいつもいっていらっしゃいますが、そちらの社長の先代の方がその今のホンバコの場所で喫茶店をやっておられたのですね。そういった流れの中で若い方がオープンにそれをつなげて至ったということであります。
今後さらに
リノベーションによる町なかの
にぎわい創出を進めていくためには、町なかに当然なりわいの場をつくっていかなければいけません。言うなれば、
町なか創業に取り組んでいく必要があるということであります。そのためには、空き店舗のオーナー、または後継者がいないため廃業を考えている事業主と創業・起業を考えている者を効果的に結びつける仕組みを構築し、創業・起業しやすい環境を整備していくことが重要だと思います。
リノベーションの取り組みは建築や
不動産関係者が主体となっており、町なかで創業や起業を希望する者の掘り起こしはこれらの
人的ネットワークに頼っているのが現状であります。
私は、これまで、
リノベーションに取り組んでこられました
鳥取家守舎、また鳥取県建築士会の東部支部の皆さん、先ほどお名前が出ておりましたが、そういった民間組織に創業・
起業希望者の情報を持っている商工会、
商工会議所などの商工団体や事業承継に悩んでいる事業主の情報を持っている鳥取県
事業引継ぎ支援センター、これはオープンのときに知事も出ておられましたが、こちらなどを加えて人と物件を結びつける
プラットホームをつくるのです。
プラットホームをつくって町なかでの創業を促進していくこと、この
仕組みづくりが重要です。こうした取り組みの積み重ねが一つの町なかの
活性化対策の手法になるのではないか、そう思いますが、平井知事の御所見を伺いたいと思います。
◯議長(斉木正一君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から重ねてのお尋ねがございました。
議員のほうでも御指摘がありましたように、入れ物ができても問題は中身のこともあります。この中身と入れ物は実は裏腹の関係でありまして、中身があるからこそ入れ物をつくるという関係でもあります。ですから、ここは不即不離の関係で一緒に動いていかなければならないわけであります。
今、鳥取県内の中小企業が抱えている大きな課題の一つが、議員からも御指摘がございましたような
後継者不足でございます。ですから鳥取県でも
事業引継ぎセンターをつくらせていただきました。これはもちろん県内での
マッチングのこともございますし、それから県外との
マッチング、これは国全体でのデータベースも活用しながら後継者を移住定住で呼び込みながらやっていく、そうしたことも含めております。
なお、実はオープンしたばかりなのですけれども、今、
金融機関出身の方々などを中心に動き始めたところでございますが、既に19件の相談案件が入っております。予想以上の手応えなのではないかというふうに思います。それぐらい今までこの辺のサポートが求められていたのかなということがあります。このセンターをもう一つ活用していただくことがあると思いますし、それからやはり
まちづくりでありますので地元での
マッチングが具体的にもっと考えられてもいいわけであります。
鳥取市さんのほうでも起業推進員を設置されました。こうした方々がそうした起業を推し進めるときにそういう町なか活性化とあわせて動いていく手もあるだろうと思います。さらに商店街の活性化推進委員会というのもつくっておられまして、こちらのほうもそうした具体的な
マッチングの可能性につながると思います。そういうことを丁寧に、県だけではなくて市も一緒になっていろんな形でそこのところのお世話をする可能性を広げていくことが必要かなと思います。
もちろんお店を開くということでありますから、お店を開く関係者の方々、その家主さんだとか、それから今おっしゃるような
鳥取家守舎のようなネットワークであるとか、さらには金融機関等々もあろうかと思います。商工、金庫なども含めまして、こういうようなネットワークをフル動員しながら、そういう業につながるようなまちの活性化、
リノベーションの活用というのにつなげていければと思います。
◯議長(斉木正一君)28番浜崎議員
◯28番(浜崎晋一君)知事が今おっしゃったように、本当にそれに期待したいと思いますし、県に期待するというよりは、我々もとにかく先兵としてやっていくのだという思いの方がたくさんいらっしゃいます。今お話があったような団体の関係者の方、それとやはり銀行であったり商工会であったりというような大きな組織も一緒になってということで、ぜひこのネットワークを業につなげていくということをみんなでやっていきたいと思います。知事もそのようにおっしゃったと思います。よろしくお願いしたいと思います。
追及を続けます。
昨年の8月、北栄町と鳥取中央育英高校は「地域探求の時間」推進に関する協約を締結されました。同校は今年度から、高い志を抱いて地域の魅力や課題を探求し、みずからが地域創造のリーダーとなれることに気づいてもらうということを狙っておられるということであります。
今年5月11日に、地域探求の時間の第1回目として、平井知事が「
地方創生と鳥取県の将来展望について~地域創造と若者の力~」というテーマで講演をされました。人口減少や少子高齢化など現在地方が抱える課題を紹介しながら、
地方創生をリードする鳥取県の取り組みとともに、鳥取県の魅力を存分に紹介されました。すると、講演を聞いた生徒から、うれしいですよね、この感想が。私は将来県外に出るつもりだったけれども、子育てがしやすいことや、この後です。暮らしていくのにお得ということを聞いて、鳥取県に住み続けることもいいなと思いました。女子学生がそう言われるのです。また男子生徒が、自分も何か鳥取のためにできたらいいな、そういった感想のほか、鳥取県の魅力を再認識して、皆さんが、郷土を誇りに思えるようになったといった感想が数多く寄せられたということを聞いております。知事も御存じだと思います。
こうした活動を繰り返して、さらにほかの学校にも横展開、地域ということでの高校の位置づけもあります、また町なかの高校ということもありますが、知事、お忙しいとは思いますが、ぜひ講演をやっていただいたら非常に反響がまた広がるのではないかというふうに思っております。きょうは指定答弁はお願いしておりませんが、山本教育長、また地域探求という部分につきましては、地域にしっかりと根づくというか、そこを理解するということは本当に高校生の皆さんには大事なことなのではないかというふうに思いますので、ぜひとも今後、認識をよろしくお願いしたい、そのように思っております。こうしたことで地域に愛着を持つ、県外の大学に進学してもふるさとに帰り地域を切り開くリーダーとなっていただけるような人材の育成につながるのではないかと思うところです。
鳥取商業高校、昨年もやらせていただきました。毎年、商業教育の集大成として鳥商デパート、完全に恒常化しております。鳥取市民の皆さんが期待をされております。学校を百貨店に見立てて生徒が仕入れから販売まで手がける学校最大の行事であります。平成6年から21回開催されております。商業の知識や技術を学ぶ、実際にビジネスを遂行していく能力、態度、企業経営感覚、そういうものを養っていって、さらには地域社会からいろんなことを学んでいく、開かれた商業教育、まさにこれを目指しておられます。すばらしいことだと思います。昨年の第21回では、2日間で約6,700人、1,000万円以上の売り上げを記録しました。御存じのようにカレーとうふちくわであったりしいたけバーガーであったり、そういった開発をするなど、若者の斬新な発想を生かした商品開発、にぎわいの創出につながっております。
また、昨年6月、鳥取環境大学が大学の研究成果を地域に発信する、地域のニーズを引き出す地域連携の拠点として、日交本通りビルの3階に町なかキャンパスを設置されております。英語を楽しくということでの町なか英語村の公開講座、地域連携や活性化に向けた各種会議、さまざまな活動が行われて、昨年の6月からことしの3月末までに1,845人の方が利用されておる。
鳥大の地域学部、これは本通りビルの3階でありますが、学生や教員が地域の方々と交流してさまざまな研究や企業のアイデアを生み出す創造の場としてサテライトキャンパスを設置しておられます。こちらもワークショップや勉強会、展覧会、シンポジウムなどさまざまなイベントが開催をされております。県の関係者、市の関係者も携わっていらっしゃいます。
このように高校や大学や地域と学校の連携を図ること、若者の力を
まちづくりに生かすことができると思うのです。皆さん御存じのように、特に選挙年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる公職選挙法の改正案が先週の6月17日に成立をしました。将来を担う若者たちが自分たちの住む地域や社会に関心を持ち、
まちづくりのさまざまな活動に参加する、これこそが
地方創生を進めていく上で今後ますます重要になってくると思います。
地域に愛着を持ち将来の地域を担う人材を育成するため、また先ほど言いましたように若者の斬新な発想を新たな
まちづくりに生かし、地域の活性化に結びつけるために、地域と学校や大学等の連携がさらに進むということを市町村と一緒に取り組みを拡充する必要があると思いますが、平井知事の御所見を伺います。
高齢者に優しい
まちづくりということです。
昨年の今の時期です。鳥取市内で生活保護を受けていた老人の方が、死後1カ月以上経過してから自宅で遺体が発見されたという痛ましい事件があったのです。非常に痛ましいことなのですが、核家族化が進む中でこうした事件は全国で数多く発生しております。孤独死を防止するには見守り活動など地域における支え合いを活発化させるということが大事であります。
鳥取本通商店街振興組合、本通り商店街のリボーン事業ということで、老朽化したアーケードの再構築はもちろんですが、商店街所有のビルの空き空間を利用して、コミュニティーカフェ、カルチャー教室、多目的トイレ等を備えたコミュニティー施設の整備を計画されておりますが、あわせて休憩機能と交流空間を兼ね備えたコミュニティーカフェ、幼児から高齢者まで楽しく健康に学習できる教室、共生ホームの町なか教室版ですよ。元気な高齢者と子供の
マッチングによる新たなにぎわいの創出を目指しておられます。
こうした若者や高齢者や地域の住民の交流の場となる拠点づくりを推進、そして
リノベーションによる空き家に若者が暮らすことによって、さらに学校や大学との連携と高齢者の見守り活動につなげていくことも考えられると思いますが、平井知事の所見を伺います。
◯議長(斉木正一君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から重ねてのお尋ねがございました。
まず、子供、地域と学校とを結びつける、そういう連携によって市町村と一緒にそうしたまちの活性化に努めるべきではないかということ、さらに若者、高齢者、それから地域住民の交流の場を
リノベーションでつくっていく、見守り活動をしていく、そういうことはいかがかと、こういうお尋ねがございました。
どちらもごもっともであろうかと思います。まちのいいところは人の交差点であるということでありまして、いろんな方々が住まいながら出会う、それがまちの元気であります。自分たちのことを考えてみても、年上の方々に育てられながらまちの中で育っていく経験をするわけでありまして、いろんなことを学んだり体験したり、そういうことがあるわけであります。また逆に、あそこに困ったお年寄りがおられるなといったらそれを助けに行くとか、御家族ぐるみでの交際だとか、いろんな形があろうかと思います。さらに、まちの行事がありまして、そこに若い人からお年寄りまで入って、それを行っていく。そこにいわば人生の意味があるような気がいたします。それがまちのいいところでありまして、この機能を生かしていくことでいろいろと地域づくりに資するところがあるのではないかと思います。
学校と地域の出会いということもございます。鳥取中央育英高校のお話を今出していただきましたが、先般は、私も例えば倉吉東高校とかで長い話をしたことはあるのですけれども、ああいう形で講義に行ったのは、授業として参加させていただくのは高校では初めてでございました。高校生なので余り飽きさせないようにしようということで、少し高校生向けの話も入れながらさせていただきました。
そういう中で高校生の皆様に申し上げたのは、鳥取で人生を送ることのすばらしさだとか、若い方々にぜひ地域に貢献していただく活動をしてもらいたいということを申し上げました。そうしたら、先般ある方からお話を聞きましたが、要はコナンを生かした
まちづくりについて、そういう鳥取中央育英高校の生徒さんが加わって、コナン空港だとかいろいろございますので、そうした活性化の政策をやってみようではないかと、こういうのが高校のほうでも具体的に出てきているという話も聞こえてきました。
議員もおっしゃったように、鳥取で暮らすのはお得というのは実は数字で示したのですけれども、人生、確かに給料は東京、大阪ほど高くなくても生活費のほうも高くないと、それを生涯を通じて計算をしてみたところ、それは鳥取暮らしでも変わらない。残る貯金なりなんなりというのは変わってこないと、こんなような数字の話もさせていただきまして、響くところがあったのであれば幸いであろうかなと思います。
こういうさまざまな連携が各地でも行われているところであります。例えば鳥短がございますけれども、そこで和気というカフェを学生さんたちがつくられて出された時期がございました。それが今、別の形で引き継がれています。このたび鳥取看護大学ができて、町なか保健室を動かすことになります。こうして公民館などを中心にしてという活動になろうかと思いますが、健康づくりに大学の生徒さんがかかわるわけであります。これと同じようなことを江府町等で鳥取大学と地元が協力してやって、具体的な健康づくりの成果につながっているものもございます。また、米子のほうでは岩倉ふらっとという、そういう一種の
リノベーションがなされました。この中心になったのは米子高専の生徒さんたちでありまして、ここに鳥大もかかわる、それから地元の福祉関係の団体もかかわる、そういう中でまさに交流の拠点ができ上がったところでございました。NPOのまちなかこもんずを初めとして、そうしたかかわりの中で生まれた
プロジェクトでございました。
さらに、先ほどの高齢者の見守り活動にもつながるという意味からしますと、鳥取市内でも茶屋二区というところがございます。湖山のほうですけれども、えんがわ事業というのを始めてこられました。野田先生だとか、いろんな先生が指導されたこともあったと思うのですが、地元で公民館がよくなった時期に大学との交流事業ということで始められたわけです。正直、イベントを一緒にやるとか、そういう取りかかりやすいようなことから始めているわけでありますが、それが結果的に高齢者の見守り活動にもつながってきているような面も出てきております。だからこそ、地域福祉学会というのを鳥取県でもやっているのですが、その最優秀賞にその茶屋二区の鳥取大学と連携した取り組みが皆様の審査を通って選ばれたりしているところでございます。
こういうように大学との連携だとか高校との連携、そうした学校とのかかわりの中での地域づくりが進みます。それがさらに高齢者の見守り等にもつながるような、そういう
リノベーションを含めた方向にも向かってきているところであります。
同じような例でいえば、例えば日吉津でひえづの里というのがございますが、これは託児所と、それから子供たちの預かりとを一緒にされるようなところでありまして、いろんな異年齢の交流が双方に効果をもたらすということがございます。
また、由良のほうでもふれあいサロンやまださんというがありまして、これも商店街の家を、
リノベーションというか、そのまま使っているのに近いですけれども、そうした形で活用されながら、地域の人たちの介護予防だとか、あるいは手作業による仕事、こうしたことで元気を出されています。こういうようなことをいろいろとやっていくのかなと思います。
最近も鳥取市内では、大丸からほど近いところで、基礎の建物を
リノベーションして活用しようと、湯梨浜町で「たみ」というところをオープンさせたうかぶLLCというところが、そこにかかわろうということで手を挙げられまして、ゲストハウスもやるのですが、それとあわせて地域の交流拠点としてのカフェのようなものをやってみようということがあります。
また、同じようなことで、いくのさん家というのが鳥取市内、
中心市街地にもございます。これはもともとは米子がルーツだと私は思うのですけれども、米子のほうで田園
プロジェクトというのを以前やりました。田園という喫茶店をよみがえらせながら、そこを地域の人だとか高齢者の交流拠点にしようと、この手のやり方では最初のはしりだったと思います。これが鳥取のほうに飛び火をしまして、そちらのほうでされ始めている、そういういくのさん家というところのやり方、町なかに拠点をつくって高齢者のケア等をしようということでございます。困り事相談だとか、そういうこともやるのですが、学童保育だとか、そうしたことも手がけていく。こんなようにして町なかの拠点づくりというのが進み始めていると思います。
いろんないい例も生まれ始めていますけれども、そのいいところを横展開していって、あちらこちらにそうした元気な拠点が生まれるように、私どももいろんな支援手段がございますので、応援をしてまいりたいと思います。
◯議長(斉木正一君)28番浜崎議員
◯28番(浜崎晋一君)ぜひそのようにしっかりとよろしくお願いをしたいと思います。
追及を続けます。
CCRCについて質問させていただきます。
国の
地方創生総合戦略の中で、人口減少が進行する地方への新しい人の流れをつくる方策として、日本版CCRCの検討が明記されております。日本版CCRC構想有識者会議において議論されている構想は、東京圏を初めとする高齢者がみずからの希望に応じて地方に移り住み、健康でアクティブな生活を送るとともに、医療・介護が必要なときには継続的なケアを受けることができるような新たな
まちづくりを目指すものだと思います。
このCCRCをめぐって、去る6月4日に
日本創成会議首都圏問題検討分科会、東京圏高齢化危機回避戦略ということらしいのですが、東京圏の高齢者に地方に移住していただくべきと提言がされたというのは御案内のとおりであります。国策として高齢者に立ち向かう一つの方策であろろとは思いますが、危機回避戦略が医療・介護の余力の視点を前面に発表されたということで、介護保険負担の偏在に対する懸念から、都会から地方への高齢者の押しつけではないかとの意見も噴出しました。東京圏、地方圏の双方の首長からさまざまな異論も出ているというのも御案内のとおりであります。
しかし、有識者会議がまとめている中間報告素案を見ますと、健康長寿を目指す、地域の活動に主体的に参加する、地域住民や若い世代の交流を重視していることなどを基本としている。このことはまさに知事、鳥取県が進めている支え愛の
まちづくりそのものではないかと思います。
医療や介護の偏在の問題というのは国の責任において対処していただかなければいけない。これが一義的にまずそこからであります。その一方で、本県では、そもそも住民の健康づくり、高齢者の介護予防を進めるためにも、多世代交流を通じて誰もが健康で生き生きと暮らせる支え愛の
まちづくりを進めていかなければなりません。多世代交流について、以前の知事の答弁でドイツの事例もありました。こうした取り組みに魅力を感じて大都市から高齢者を初め子育て世代や若者も含めて多世代が鳥取県に移住する。きのうちょうど知事はフジテレビの「新報道2001」でそのような話を、高齢者だけではないのだ、若者もということをおっしゃいました。支え愛の輪がさらに広がっていく、こうした好循環を生み出す視点も大事だろうと思います。
単に高齢者と考えるのではなくて、シニア人材として、そのネットワークや知見を生かさせていただく、地域社会だけでなくまちの経済活動に主体として、あるいはアドバイザーとして参加していただく視点も大事であろうと思います。
前回の議会の質問で地域包括ケアシステムについて取り上げをさせていただきました。このシステムは、高齢者だけではなくて障害者の皆さん、子供を含めて地域の全ての住民にとっての仕組みです。自助・互助・共助・公助を組み合わせてさまざまな場面での支えによっての実現するのではないでしょうか。
CCRCも国の総合戦略の中で地方移住の推進策の一つとして位置づけられております。同じやるのであれば、国を挙げて高齢化社会と向き合おうとする動きを逆に利用しましょう。CCRCを一つの切り口に、社会、経済の両面でまちが必要とするシニア人材を獲得して地域包括ケアのシステムが構築されるような
まちづくりを目指していく考え方があってもいいのではないかと思いますが、知事の御所見を伺いたいと思います。
◯議長(斉木正一君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議からCCRCについて、これはむしろ活用すべきだ、利用すべきだという観点での御質問をいただきました。
CCRCは、これはContinuing Care RetirementCommunityというものの略でありまして、もともとはアメリカの発祥のものでございます。この言葉を使ったのが少々誤解を招いたのかなというふうにきのうも思いました。報道番組でありますからそういうものなのでありましょうけれども、急遽出演者が決まるような、時事問題を扱うということで、突然呼ばれまして、しようがないのでちょっとこちらも鳥取の宣伝も含めて行かなければいけないと思い、上京させていただき、あのテレビのほうにも出させていただきました。私に聞きたかったテーマは、どうもCCRCのことだったみたいです。CCRCについて多分いろいろとリサーチをされるのでしょう。全国のいろんな意見が出ている中で鳥取県が結構とんがった表明をしているということがあったのかもしれません。
それで出させていただきまして、帰ってきて周りから言われたのは、ちょっとびっくりしました。出ているほうはわからないのですね。テロップに平井の紹介が出たみたいで、そこに出たテロップでは、駄じゃれに定評があるという紹介だったみたいなのですね。私自身は政策に定評があるという方向で売っているつもりだったのでびっくりしたわけでありますが、そう言われてみれば、あの番組が始まる10秒ぐらい前にディレクターから1つだけちょっとしゃれをまぜてくださいとおっしゃって、それでしようがないので「砂丘からサンキュー」と言って帰ってきたわけでありますが、そんなようなことがございました。
討論会でありますから、いろんな意見が出るわけです。その中で、多分仕組んであったのだと思います。CCRCについて政府の構想として、まず医療や介護の費用がかかるから地方のほうに移住すべきではないかと、こういう考え方が示されましたら、桂ざこば師匠がまず「そんなのはあかんわ」などと言い始めたわけです。それでほかの方々も、そういう上から目線で移住をさせるのはおかしいというお話がございました。私のほうから申し上げましたのは、浜崎議員がまさにおっしゃいましたけれども、本来政府が今考えようとしているのは若い世代も含めてトータルでの移住を起こそうということであると、それから元気なうちに、つまり元気なうちというと50代とか、あるいは40代も入るのだと思います。そういう元気なうちに行って、それで地域の活動に参加をする。あるいはその地域での仕事、技能の提供、そうしたことも念頭に置く。そこについて医療や介護に将来的に余裕がありそうなところでも引き受けてもらったらどうだろうかと、こういうようなことでありました。
実際、今日本でCCRCといって売り出しているところ、金沢だとか那須だとかがございますけれども、こうしたところはアメリカのようないわば富を得て余生をもう遊んで暮らすというタイプのCCRCとは違った、今申し上げたような日本型のCCRCを展開しているところです。そこでデータをとってくださっているのを拝見しますと、介護の発生率が下がる。つまり元気で、社会に参画をして、それで自分も役立ち感がある中で人生を全うする。それが地域にも還元される。例えば若い方々、大学の方々と一緒にお店を経営するだとか、そうしたことなども入るわけです。
最近のアメリカのCCRCも変わってきていまして、単にゴルフだとかフィッシング、釣りだとか、そうしたことを楽しむというだけのCCRCではなくて、大学と共生するような形のCCRC、若い人との交流の中でのCCRCというほうがむしろ主流になってきているわけであります。日本はそうした流れをくんで日本型のCCRCをつくろうとしているわけであります。
今、そうしたCCRCを果たして鳥取県でもできるのではないかということから市町村に調査をさせていただきましたところ、最前より申し上げている南部町さんが明確におっしゃっていますし、実は鳥取市、倉吉市、日野町といったところもこれについて検討してみたいと前向きな考え方を出しています。もちろん市町村の地元の意思、協力も大切でありますし、受け入れ体制ということもありますから、その辺等はよく相談をしながらということになろうかと思いますが、県全体で考えればCCRCの受け入れということはあってもいいと思います。
特に人材がこれから枯渇をしてくるという中で、むしろ知識、経験を積んだ方々がコミュニティーに入ってくることはありがたいことにもなろうかと思います。さらに、そうした一定の資産を持った方が入ってこられることで地域の中の消費を含めたパイが広がってくる面があります。そのように考えますと、議員がおっしゃるように、今いろんな議論が確かにCCRCについて闘わされ始めているのは事実ではありますけれども、全市町村で入れるというわけではなくて、鳥取県内でそれに親和性がある地域として手を挙げようというところを応援していく。まずはモデル事業としてその検討や推進の経費を今回6月県議会に提案をさせていただいたわけでありますが、そうした形で県としてもかかわっていこうというふうに考えております。
◯議長(斉木正一君)28番浜崎議員
◯28番(浜崎晋一君)最後にさせていただきます。知事、ぜひともよろしくお願いをしたい、そのように思います。
最後なのですが、かつて鳥取の町なかというのは活気がありました。鳥取だけではないです。きょう議場にいらっしゃる議員の皆さん、執行部の皆さんもそうだと思います。若いとき、子供のときを思い出してください。私の地元である鳥取市の商店街も今では考えられないほど人であふれ、にぎやかでありました。しかし現在の商店街は、どこもそうだと思います。中部にしても西部にしても、境港もそうだと思います。人通りもまばら、空き家も多いです。かつてのにぎわいがうそのようであります。最初に申し上げましたが、中山間地域と同じく町なかも疲弊しているということであります。
人口減少社会を迎えた今現在、今までの常識が通用しなくなったのではないか。先が見えないために世の中には不安感が蔓延しているというのは皆さんもお感じになっているとおりであります。このような中で、住民も行政も今までと同じ発想ではなく何かを変えていかなくてはならないと考えまして、本日幾つかの御提言をさせていただいたということで御認識をいただきたいと思います。
先ほども言いましたけれども、指定管理者制度の導入等に関する基本的考え方について、これは県が定めていらっしゃるものなのですけれども、指定管理者制度の利点が見込めない施設として民間能力の活用の余地が少なく、住民サービスの向上、経費削減効果などの利点が見込めないものとして、清掃、植栽等業務委託で対応可能であり、民間能力の活用範囲が少ないものということが上げられています。今回分離して指定管理に出そうとしている施設設備の維持管理、使用料の徴収、事務の補助は、まさにこういったことではないのでしょうか。民間能力の活用範囲が少ない部門ではないのでしょうか。これではコストダウンが目的の制度の適用になりはしないかというふうに思うのですけれども、どういうふうな御見解でいらっしゃるのかお答えください。
先ほど知事のほうから集落やコミュニティーの活性化について、県のほうでは本当に中山間地というところから始まって、集落に対して直接県が入っていこうとしている。それをさらに町なかまで広げたというふうなことを伺いました。私も本当にその取り組みについては、市町村を超えて積極的に集落を守っていこうという姿勢について非常に共感するところではあります。
そしてとっとり集落創造シートというのも御紹介をいただきまして、集落をまず分析して、その集落で話し合うツールとしてこういうものを鳥取環境大学とつくっているというふうなことをお聞きしました。実際に伯耆町のほうでしょうか、話し合いを持たれて、計画が完成したということもホームページのほうに出ておりました。
それで本当に直接集落に入っていって元気にしようという思いはわかります。担当の方もそういう思いで一緒だというふうなことをお話ししましたが、実際に肌感覚で私がいろいろ取り組んできて感じるのは、やはりそれは何となく制度をつくりました。活用してくださいというところで終わっているように感じます。私が県に求めたいところなのですけれども、もう少しきちんと集落、小学校コミュニティーまでなのか、一つの集落なのか、いろいろ単位はあると思うのですけれども、それぞれの置かれている状況が違う集落にきちっと入っていって、先ほどの集落創造シートみたいなものを使ってそこの集落の住民の話し合いの場を持って、やはりそこの集落で問題解決能力を育てていく。本当にやる気のあるところ、やる気のある人のところはどんどん出ていって、先進事例だとかということで持ち上げられたり、補助金が入ったりするのですけれども、そうしたところではないところのほうが多いはずです。ぜひそこを市町村と連携していただいて、一つ一つ解決していくというか、住民の課題解決能力の向上みたいなところを支援していただけたら非常にうれしいなというふうに思っております。
鳥取県の集落が大体2,700弱ですか。小学校区で言うと現在130ほどです。これら市町村と一緒になって何とか集落単位での
まちづくりというか、活性化に取り組むことこそ人口最少県の鳥取県らしい
地方創生のあり方ではないかなというふうに私は思っております。
集落だとか地域コミュニティーにはいろんな課題があります。なりわいのこと、それから医療のこと、保育のこと、教育のこと、いろんな課題がある。そういったいろんな切り口を集落という切り口でもう一回見直して、そこでいつまでも暮らせるようにすることこそこれから求められている
地方創生ではないかなというふうに思いますが、知事の見解をお聞きします。
◯副議長(藤縄喜和君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねて集落の活性化、
地方創生につきましてお尋ねがございました。
午前中も浜崎県議とやりとりをさせていただいたこととある程度共通するところがございますけれども、いろいろと若い方々が入り込んで、それで集落にてこ入れをしていく、そんな動きをこれから目指してまいりたいと思います。
先ほど川部議員がおっしゃった伯耆町は、多分日光のことではないかと思います。あそこでは保育園とかそういう遊休施設というのを生かしながら、そこに入り込んでいく。その際に鳥取環境大学と一緒につくりました集落創造シートという手法を持ち込みまして、さらに環境大学の生徒さんたちが、学生が入り込んだのですね。そこでいろいろと地域と大学生との交流も始まりまして、それで展開が始まってきているということだろうと思います。いろいろとそうした動きが県内各地で生まれてくれば鳥取県も生まれ変わる、十分そういう可能性、ポテンシャルがあるのだろうと思います。
ややこしい、難しいのは、県政が、では、どこまで預かるかということでございます。基本的には町なかのことであれ中山間地のことであれ、それぞれ村々の活性化、校区校区の活性化は、やはり基礎自治体のほうが主として担うところでありますし、まして住民が担うべき部分があります。中には校区で
まちづくり会社のようなのをつくってされている、そういういい例も出てきているわけでございまして、そうしたところの活動が主であろうと。
ですから県のほうでは、一つは、先ほどおっしゃったような手法としてのそういう集落創造シートというものを広げていくとか、アドバイザーとしていくとか、それに中山間地の関係の職員等が入り込むことは可能だと思いますし、やっていくべきだと思います。
あと鳥取力創造運動と言われる私どもがやっている地域おこしの、昔で言うとじげおこし、これを復活させまして、発展させた基金をつくった応援がありまして、これは結構志ある集落では使われておられます。
また、支え愛の基金というものをつくりまして、地域の中で支え合う活動、これを応援する基金助成も始めさせていただいております。
さらに先ほど御紹介申し上げました町なかの総合支援の補助金であるとか、中山間地の補助制度であるとか、そうしたものがあります。
市町村との共同作業もあろうかと思いますが、それぞれの村々、集落、町々でこれを御活用いただくということで我々も応援をしていけるかなと思います。
さらにそれがコミュニティービジネスに結びつくとか、いろいろと出てくる可能性もありますし、小さな拠点ということにもなろうかと思います。例えば倉吉の中でも山守の地区がございますけれども、あそこでエコツーリズムの拠点にしようと。小学校のこともございまして、そうした活用策も含めて今、地元で動きが出てきていますと。こういうのを県のほうの小さな拠点の創造支援で今回提案しているような事業で応援していくことも可能かと思います。そういうように研修事業になってくると、また県職員もかかわって応援をするチャンスも生まれてくるかなというふうに思っています。
ただ、いずれの場合も起点は住民であり、地域であります。その地域の中の今モチベーションといいますか、モラルの問題をおっしゃいましたけれども、それがまず高まって初めて我々も支援に出ていけるということになります。それぞれの地域がこの
地方創生という一つのきっかけで盛り上がってくることを御期待申し上げたいと思いますし、私どももお支えを申し上げてまいりたいと思います。
◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長におかれましては、簡潔かつ大きな声で答弁をお願いします。
山本教育長
◯教育長(山本仁志君)川部議員から重ねての御質問がございました。
2階建て方式では単なるコストダウンだけが目的となりはしないかということでございますが、この船上山、大山両施設におきましては、施設の管理部門について民間のノウハウを導入しようというものでございます。そこによる効率化というのも狙いとしてはあるわけでございますが、今現在指導を担当する部門がこの施設管理の部門にも相当携わっているというところがございまして、そうしたところ例えば自然体験活動などの受け入れの準備でありますとか、そのための消耗品あるいは備品の準備といったところにも携わっておるわけでございますが、こうしたところも含めて指定管理に出すことによって、そこがより柔軟な対応ができるといったこともあろうかというふうに思います。そうしたことで指導部門のほうにも今までよりもより余裕が生まれるといったことで、そこは新しいプログラムの作成に携わったり、実際に来られる県民の方々に対する対応というのが充実してくるといったようなことも含めて制度導入で期待される効果というのはあるのではないかなというふうに思っておりまして、コストダウンだけではなくて、トータルの面で県民サービスの向上につながるのではないかというふうに思っているところでございます。
◯副議長(藤縄喜和君)14番川部議員
◯14番(川部洋君)教育長に重ねてお聞きします。今のお話を聞きますと、やはり施設の管理の部門を何か下請に出しているようなふうにしか聞こえないです。要は直営でやると指導者もそこの管理をしなければならないから、ここはでは、外に出そうと。でもそれは指定管理者制度でなくてもいいのではないでしょうか。業務委託であっても構わないのではないかなと思うのですが、もう一度お聞きしたいのですけれども、本当に直営で運営することのデメリットは何なのでしょうか。
私は、この2施設については、やはり教員があそこの指導者に入って、そこでの自然体験だとかいろんな体験を積んで、そのノウハウを学んで、現場の学校に戻って、そこで生かすというふうな非常にいいメリットがあるのではないかなと思います。それは地域にも還元される、まさに社会教育の養成機関としての役割があるのではないかなと思うところで、それで指定管理者の施設管理だけというのは、先ほど言った2階建ての方式のデメリットしか見えないので、やはりそこは直営でやって、施設の管理業務については業務委託でやっても構わないのではないかなと。直営でやって本当に施設の管理も含めてやることがやはり指導者として覚えていくことではないかなというふうに思いますし、学校現場との連携をさらに推し進めることでこの2施設をよいものにしていくことが必要なのではないかなと思いますけれども、御見解をもう一度お尋ねします。
◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長
◯教育長(山本仁志君)川部議員から重ねての御質問でございました。
直営でやることによるデメリットがあるのかということでございますが、今々何かデメリットがあって指定管理に出すというよりも、今よりもよい県民サービスを提供するために指定管理者に出そうというふうに考えておりまして、先ほど言われました教員の研修機能でありますとか、そうしたところは維持しながら、より効率的な施設の運営を図りたいということで、このたびの提案をさせていただいておるところでございます。重ねて御理解を賜りたいというふうに思います。
◯副議長(藤縄喜和君)14番川部議員
◯14番(川部洋君)御理解はちょっとどうかなとは思うのですけれども、これ以上お話をしても多分見解の相違にいくのかなと思いますが、指定管理者制度はそもそも何だろうな、本当にその制度を適用して一番いい方法でこの公の施設を運営することは何なのだろうなというふうなことを考えれば、私は、この2階建て方式の指定管理者制度、特に施設の管理部門を分離するようなやり方というのは余り望ましくないのではないかなというふうなことだけを伝えて、この質問は終わりたいと思います。
知事にさらにちょっとお聞きします。やはり集落のこと、地域コミュニティーのことは、そこの住民が主体になって動かすべきだ。まさにそうだと思います。
ただ、元気なところは確かに本当にどんどんいける、担い手がいるところはどんどん前に出ていけるのですけれども、割とそうではないところが多いような感じがしております。
県は、やはりそこは市町村を通じてというふうなことを言われます。市町村は、それは住民のことですというふうな言い方をされます。住民のほうは、その問題はわかっているのだけれども、どうしていいのかわからない。やる人がいないとか、結局何か二重行政というわけではないのですけれども、ちょうどエアスポットみたいにあいてしまうところがありはしないかというふうに私は感じております。県が直接やるということに対して、やはりなかなか抵抗があるとしても、この問題、集落を守っていくということにもう少し注目を置いて、市町村とこの課題を共有してもらって、やはり集落を守るということの支援をもっともっと、単に制度をつくったのではなくて、話し合いの場を設けるということについての支援、それから話し合いの場を設けたらそこでやはりうまく話を運んでいくファシリテーターだとかコーディネーターを派遣して話を進めさせて、地域の将来を考えさせる実力を育てる、自分たちでの解決能力を育てる、そういったことをしてほしいなというふうに希望して、質問を終わります。答弁をお願いします。
◯副議長(藤縄喜和君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねて御質問がございました。恐らく多分意図しているところは一致しているのかなと思いながら伺っておったわけでありますが、我々として、では、どうするかということでありますが、私は、
地方創生、いろいろ言われますけれども、これは一つのきっかけにしたほうがいいのではないかなと思っています。今
ふるさと創生のときと似たような状況がありまして、過剰に期待が高まり過ぎているのではないかというそういう御議論も確かにあります。今、産学官金労とかよくおっしゃられますけれども、そうした主体がかかわって、それで
地方創生の案を考え、実行していく。それを科学的にPDCAサイクルを回していけと国が言い始めているということであります。
我が国の大体今までのことから言いますと、それは一つのムーブメントとして全国に広がります。恐らくこれは嫌われる方もいらっしゃいますが、緩やかな地域間競争は起きる可能性は十分ある、そう思ったほうがいいと思います。その中にさらされながら私たちのそれぞれの地域が試される局面に入ってくる、今がチャンスなのだと思うのです。地域がやる気を出して、あそこもこんなことをやっているけれども、うちはもっとこんなことができるというようなことが出てきて、それに市町村が巻き込まれ、県が一緒にお手伝いをしという形で進めていくにはいいチャンスになるのではないかと思います。
ふるさと創生には、功罪いろいろ言われますが、あれがきっかけになって地方がそれぞれ自分の頭でみずから考えて、みずから地域おこしをしていくことが始まったことは間違いないと思います。
今回の
地方創生がその第二の波になるのではないかと期待をいたしております。ですから今、議員がおっしゃいましたけれども、県も市町村も一緒に出ていって話を聞きながら進めたほうがいいようなケースというのはいろいろあれば、それは労を惜しまず我々は出ていくべきだと思いますし、市町村も今そういう気持ちでそれぞれに市町村なりの
地方創生の戦略をまとめようとされているのだと思います。
川部議員御自身もコミュニティーで活発に活躍されたリーダーでいらっしゃいますので、その辺のつぼはよく御存じのことではないかと思います。我々も地域のさまざまな場にも職員も出かけていって、この
地方創生の機会に地域を刺激し、さらに前へプッシュしていく、そういう仕事を今こそやるべきだと呼びかけてまいりたいと思います。
◯副議長(藤縄喜和君)暫時休憩いたします。
3時15分より再開いたします。
午後3時01分休憩
────────────────
午後3時15分再開
◯議長(斉木正一君)再開いたします。
引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
31番横山隆義議員
◯31番(横山隆義君)(登壇、拍手)30番目の質問ですので、長かったですね。皆さん、スタミナがありますね。もうちょっとですから、頑張りますので、御清聴よろしくお願いいたします。
会派希望(のぞみ)会長の横山隆義です。新しい任期が始まりました。会派希望(のぞみ)は、これまで同様、県民の皆様の希望をかなえるために全力を挙げる会派でありたいと願っております。平井知事を初め、執行部の皆さん、同僚議員の皆さん、そして、県民の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
会派希望(のぞみ)は初当選した川部洋議員を会派に迎えました。先ほどの一般質問、ベリーグッドでした。住民主体の
まちづくりという新しい視野を加え、これまでと変わることなく県政のシンクタンクと呼ばれる政策集団を目指してまいります。
平井知事の3期目の
マニフェストは、鳥取を変える、鳥取から変わる、鳥取元気
プロジェクト70であります。県民とともに、ふるさと鳥取の元気をつくるという志は、私たち会派希望(のぞみ)と軸を一つにするものであり、賛同いたします。これまで同様、会派希望(のぞみ)は、徹底して現場を歩き、県民の皆様の声に真摯に耳を傾け、最先端の知見を集め、鳥取元気
プロジェクト70が成功するように具体的な政策提言を続けたいと思いを新たにしており、今回がその第1弾です。
質問の最後ですから、あちらこちらで重複しますが、我慢して聞いてください。
今回の質問は、教育を中心にお聞きいたします。
教育は県民一人一人の豊かな生き方をつくると同時に、ふるさと鳥取県の元気な未来づくりの基礎となります。
教育というと、小泉元総理が最初の所信表明演説で取り上げられた米百俵の故事を思い出します。戊辰戦争で負けた長岡藩は6割も石高を減らされ、困窮にあえぎました。この窮状を見かねた支藩の三根山藩が米100俵を贈ったところ、藩の大参事、小林虎三郎は、贈られた米を苦しむ藩士に分け与えず、100俵の米を食えばたちまちなくなる。教育に充てれば、明日の1万俵、100万俵となると諭し、売却して学校をつくりました。国を興すには教育であります。鳥取を変える鳥取元気
プロジェクト70も、教育からスタートさせていただきたいと思います。
以前2040年までに全国の49.8%の市町村で若年女性が半減し、この896の自治体は消滅の可能性が高いと警告した増田リポートは、衝撃的でありました。県内でも人口1万人以下の町は10町がリストアップされ、また、消滅の可能性が高い町は13町とされました。
人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させると言われております。しかし、人口の減少が必ずしもマイナスの影響ばかりではないと考えております。
鳥取県は人口最少県の利点を生かし、増田レポートの予測を覆す施策を考えるべきであります。
鳥取元気
プロジェクト70を教育からスタートさせることについて、予測を覆す施策という観点も踏まえ、平井知事の率直な意見を伺います。
鳥取元気
プロジェクトは、人を元気にの項目から始まります。人口最少県だからこそ、人が鳥取の宝だという考え方には賛成であります。子育て王国とっとりが、未来への揺りかごとなってほしいと思います。しかし、英語教育など学力向上対策や未来のアスリート選手を育てる項目はあっても、鳥取という地域を愛し、地域への責任感を持った本当の自立した県民を育てるという項目がありません。地域教育の中では、郷土愛を育み、郷土に責任の持てる人材を育てることが大事だと私は考えています。そこで、以下、何点かお聞きします。
郷土ヘの責任、言いかえると県への責任の一つに選挙権の行使があると思います。4月12日に投開票された鳥取県知事選挙の投票率は、戦後最低の56.96%でした。県議会議員選挙の投票率も、東日本大震災で自粛ムードだった2011年の前回選をも下回りました。パートナー県政を掲げる鳥取県にとってはゆゆしき問題であります。特に、若年層の投票率の低さが問題視されています。
しかも、次回、参議院選挙から選挙権が18歳に下がります。若者に選挙に対してどのような関心を持っていただくかが、大きな課題であります。選挙を大人の責任と考えることのできる人を育てなくてはならないと思います。
そこで、会派要望で、学校現場の先生や憲法や政治学の研究者、未成年を含めた幅広い公募委員から成る研究会の立ち上げを提案したところ、総務省に研究会が設置されており、その動向を注視していくので、現時点では設立は考えないという回答でありました。加えて、現在も出前事業で取り組んでいるので、引き続き取り組んでいきたいという回答がありました。
とても残念に思います。これだけ投票率が低下していることへの危機感が希薄であります。これでは県は国の下部機関になってしまいます。手話言語条例も、脱法ドラッグも、お泊まりデイへの規制も、鳥取県の動きが国を動かし、鳥取県が先駆者となったことから考えると残念であります。投票率の問題でも、鳥取県が全国イニシアチブをとってほしいと思います。それが、鳥取を変える、鳥取が変えるという知事の
マニフェストの志を実行することになります。
研究会の設立を再度提案いたしますので、平井知事の明確な回答を求めます。
県教委の高等学校課に、選挙制度の重要性を生徒へどう伝えているかお聞きしたところ、各高校が公民科の授業の中でやってきたし、引き続き、各学校の公民科の授業でするということでありました。
若年層投票率の低下が、これまでの取り組みでは実効性がないことを証明したと思いますが、どう考えておられますか。山本教育長の答弁を求めます。
私は、小学校、中学校、高等学校と段階を追って、選挙が民主主義や地方自治にとって、いかに大切か考える県独自のカリキュラムと教材の作成が必要だと思っています。私たち県議会議員は、二元代表制の議会議員として県政の一翼を担わせていただいております。二元代表制である以上、議会の中で与党はあり得ず、厳しく県政を監視するのが県議会の一番の責務であります。また、選挙区から選ばれていても、県議は県全体の視点から県政上の判断をしなければなりません。選挙区外の課題の解決にも取り組むことが任務であります。しかし、有権者の皆様にも、そして、議員の中でさえ、誤解しているのではないかと感じています。いかに教育が大切か、実感させられております。
選挙や政治を体験する取り組みは、米子西高校、米子南高校、境港総合技術高校で実施しているので、それを全校に広げたいという説明もお聞きしました。全校に広げることはよいことだと思いますが、前回、参議院選挙で、米子西高校で実施した模擬投票は、投票率が低かったとお聞きしております。やはり小学校、中学校、高等学校と段階を追って、選挙が民主主義や地方自治にとって、いかに大事か教える県独自のカリキュラムと教材の作成が必要ではないでしょうか。会派要望でも求めましたが、再度提案しますので、山本教育長の答弁を求めます。
北欧では、総選挙時、与野党の党首クラスが、ハイスクールを訪れて演説し、模擬投票までするそうです。アメリカの取り組みは、以前、我が会派の議員が話しましたので、繰り返しませんが、真剣味が違うように思います。やはり、本気で立派な地域の有権者を育てることが、地域の政治をよくするには不可欠であります。
鳥取県議会は、知事にも協力をいただき、学生議会を開催しています。こうした政治家が直接子供たちと接する機会を県議会、知事及び県教委と連絡しながら、今以上にふやしていくべきだと考えます。
平井知事及び山本教育長の所見を伺います。
最後の質問として郷土愛を育てる教育について伺います。
学校教育では、学力を向上させることが重要であります。しかし、ふるさとを大切にする教育の充実も重要課題であります。そのためにまず、ふるさとを知ることから始まります。そして、ここで言う知るとは、単に知識を得るだけではなく、地域の皆さん、地域の企業、地域の自然と触れ合う中で体得するものでなくてはなりません。ふるさとの発展に貢献する人材は、そうやって育てていくものではないでしょうか。鳥取県の未来は、教育実践から創造されるものと確信しております。
小中学校では、総合的な学習の時間などを使って取り組まれております。県立学校でもさまざまな取り組みをされていると県教委から説明を受けました。触れ合い、そして、会得するというより、知識重視のような感じがしています。また、学校により温度差が大きいようにも思えます。
この点の認識及び今後の方針について、山本教育長にお聞きします。加えて、平井知事にも所感があればお聞きします。
投票率も郷土愛も深い関係があると思います。鳥取を心から愛する理性ある大人を育てることができれば、鳥取のために必要な人材を真剣に選挙で選ぶようになるでしょう。そして、選挙結果も違ったものになってくるのではないでしょうか。
最後に、この点について、平井知事及び山本教育長の所感を伺い、壇上での質問を終わります。
◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)横山県議の一般質問にお答えを申し上げます。
ともに元気づくりに行動を起こしていこうというエールをいただきました。ぜひこの議場から、そして地域で行動を起こして、鳥取の元気をともにつくっていきたいと思います。
特に人づくりについて、きょうはお話をいただきました。
議員のほうから元気
プロジェクト70を教育からスタートさせる、予測を覆すような施策も展開する、そういうことについてどういう率直な所見があるかと、こういうお話でございます。
今、議員のほうから例の米百俵の例え話といいますか、史実のお話がございました。
鳥取県でもやはりあの時期、我々の先人たちも同じようなことをしていたのだと思います。ここからほど近いところある尚徳館がそうでありますし、また弓ケ浜半島でも人づくりの塾がありまして、松下村塾のように志のある若者を育てようとしてきました。だからこそ私ども鳥取藩も幕末から明治維新にかけては、その主導権を握る一つの藩であったわけでありますが、その後のちょっと立ち回りが余りよろしくなかったのか、注目はされていないけれども、当時薩長土肥とともに動いていた一つの藩でもあったわけです。その背景には、人材の育成がありました。
また、御一新の後、新しい世の中をつくろうという中でも、例えば育英高校のように私塾からスタートをして、私財をなげうって人材をつくろうというふうに努力をしてきた先人たちの歴史がございまして、そうしたDNAはしっかりとこの鳥取という地には備わっているはずだと思っております。ぜひこれからの4年間のテーマとして、人を元気にする、そのために教育、人づくりということを重点的な課題として上げていきたいと思います。
これまで鳥取県としても少人数学級であるとか、また英語等目立った施策も進めてまいりました。少人数学級は、全国に先駆けて33名ないし35名の学級をつくったわけでありますが、教育現場の皆様からは非常に評判もよろしゅうございまして、学力向上に役立つとか、それから地域とのコミュニケーションができやすくなったとか、そうした成果も言われているところでございます。現にこの少人数学級の効果として、CRTと言われるような学力テストの状況で同じ学年が持ち上がったときにその効果が顕著にあらわれた、8ポイントほど点数が上がったというようなこともございました。こういうようなことなどを考えてみますと、いろいろやってきたことの成果も出始めてはいるのかもしれません。
また、エキスパート教員をつくろうということでやってまいりましたが、これについても評判はよろしゅうございまして、学力向上等そうしたことへの成果も同じようにあらわれているかと思います。
また、英語村と言われるこうした手法をもっと全県的に展開できないか。イングリッシュシャワールームとでも言うべき状況をつくろう等を進めてまいりました。
そういう中、いわば予測を超えたということで言えば、手話を教えるということだったかもしれません。これは本議場から始まったことでありまして、手話言語条例をつくる。その手話言語条例の中に、特に聾者の皆様の願いが強かった教育現場での手話の普及ということがございました。正直申し上げて、その立案の過程で教育現場は非常に冷ややかだったと私は受けとめておりました。それはこれをどうやって教えようかという、そういう不安が先に立つのだと思います。しかし、教材をつくるとか、子供たちのそうした学びの活動を推奨するとか、いろいろと予算措置も含めて皆様のこの議会で議決をしていただいて、実際動き始めました。そうしたら見違えるほど進んだわけであります。多分全国の教育現場から見て、非常に異常なぐらい鳥取はそうした特徴ある教育が始まったように思います。
私自身も鳥取商業高校のイベントなどにも参ったときに高校生がみずから手話通訳をされているのを拝見しましたが、そのレベルは本当に高かったのに驚きました。それは聾学校出身の先生がおられて、そうした先生がキーマンとなって普及を果たしたということもあったのだろうと思いますが、やはり子供たちは学ぶ力があります。育つ力があります。ですから予想を超えるようなことがこの教育という分野でも起こってくることを感じたところであります。
議員のそうした御指摘も踏まえて、重点的分野としてチャレンジをしてまいりたいと思います。
次に、選挙につきましてお尋ねがございました。投票率の改善のための研究会を立ち上げるべきではないか、明確に平井の考え方を述べろと、こういうお尋ねでございました。
このたびの知事選挙の投票率をおっしゃいましたけれども、56.96%ということで、下がってきた傾向にございます。こういう投票率の低下傾向、これをとめるような研究会、国でやっているけれども、県でもやるべきではないかと重ねてお話があったわけであります。
これは明確にとおっしゃるので、あえて、では、申し上げれば、余りやる必要ないぐらい原因ははっきりしているわけです。それは例えば東伯郡のほうで琴浦町、投票率53.86%です。隣の大山町はそれよりも14%も高いです。なぜかというと、やはり無投票だったからであります。今回の全市町村で一番低かったのが岩美町でございまして、済みません。これも別に指摘、ちょっと率直にとおっしゃるものですから、46%でありまして、ブービーが49%、湯梨浜町です。全て無投票のところであります。ですから投票率を上げろということを真剣に地域独自で、国は国で例えば都市の投票率低下だとかそういうのを分析をするわけでありますが、地域独自の理由を何か研究せよということであれば、東伯郡をいかに無投票でなくすかということの研究をするということになるわけでありますが、余りそういうことをやるのもちょっと執行部としていかがかなという思いもございまして、全国でのやはりトレンド調査等々を参考にしつつ、大事なのは実践することだと思っています。その実践するいろんな政策をやるべきだと思います。
これも前田八壽彦議員を初め多くの方から主張されていることでもあるのですけれども、投票所の数がやはり顕著に減っているのも気になるところですね。これについては平成19年の統一選からこのたびの統一選に至るまで、平成19年は510ぐらいあったわけでありますが、それが実に4割減っているわけですね。物すごい数で今減ってきています。市町村の行政改革もあるのでしょうけれども、投票機会の尊重ということも片方であるかもしれません。この辺は我々の範疇の外の話でありますけれども、そういう問題意識もある。
そこで例えば今回初めて北栄町がされましたけれども、期日前投票を時間限定でいわば出前方式でやるようなことをされたときに、やはり70歳代の投票者が多かったということであります。やはり投票に行く機会を奪われている方がいらっしゃるのであれば、それに対する何らかの手だてを、これは市町村でも例えばバスを走らせるとかやり始めていますけれども、仮に投票所をどんどん減らすというのであればそうした機会の保障ということも片方で考えていかなければならない。
今回18歳まで投票年齢が下がります。次の統一地方選挙、また今度の参議院選挙からそういう新しい選挙体制になるわけでありますが、そういう若い層の方々が投票に行くような公民権教育といいますか、主権者教育、こういうことをしっかりと展開をしていく。
なお、我々は現場でございますので、今、国のほうの研究会で研究をされますけれども、それも参考にしながら、正直我々でも原因がある程度わかっていることもありますので、それに対する具体的なアプローチを考えていくべきではないかなと思います。