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  1. 鳥取県議会 2015-02-01
    平成27年2月定例会(第10号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(野田修君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。  それでは、まず議案第1号から第20号まで、第33号から第61号まで及び第63号を一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  18番福間裕隆議員 ◯18番(福間裕隆君)(登壇、拍手)おはようございます。  それでは、通告をいたしております3点について、お伺いをいたします。  まず、第1点であります。がん等で声を失った人たちのための医療用器具の支援についてお尋ねをいたします。  平成23年2月の定例会で、当時の会派「絆」の代表質問鍵谷純三さんが質問をいたしました。鍵谷さんは、この前の年、平成22年6月に喉頭がんで声帯を除去する手術をされたばかりであります。その内容でありますけれども、御紹介いたしますが、「皆さんおはようございます。鍵谷純三でございます。会派「絆」を代表して質問をいたしますけれども、初めにお断りとお礼を申し上げます。私は、がんで声帯を取ったため、お聞きのとおり十分な声が出ません。今回私が用意した質問を会派の同僚議員の代読により質問することをまずお許しいただきたいと思います。また、このようなやり方で質問に立てるように御配慮いただきましたことを心からお礼申し上げます。」このように冒頭に御挨拶をされた後に、伊藤保議員と私とが代表質問を代読させていただきました。そして、鍵谷さんはこの質問を最後に政界から引退をされたのであります。  鍵谷さんはこの手術で声を失ったけれども、鳥取大学の医学部で治療を受けて、お手元の資料にありますとおり幾つかの方法がある中のシャントという方式で回復して声を出せるようになりました。  資料をごらんいただきたいと思います。そこに要約をして記載しておりますけれども、食道発声法、器具を使わなくてもいい方法で、口からは食道に取り入れた少量の空気を逆流させて音を出す。かなりハードな練習が必要だけれども、上達すると自然で明瞭な声になるようであります。人工喉頭は、気管孔に振動膜のついたチューブを当てて、息で吹き鳴らして音を出す。この音をチューブで口の中に響かせて会話をする、こういう発声法であるようであります。さらに、電気人工喉頭、首のやわらかい部分にバイブレーターを当てて、振動させて代用音声をつくる、こういう発声方法。そしてシャント発声、気管から食道に細い空気の通り道をつくり、気管切開孔を指で閉じ、呼気を食道に送り込むことにより食道発声と同じ音源部分を呼気で振動させることができる。  喉頭摘出後の音声回復には以上のように大きく4つの方法があるそうでありますけれども、鳥取県でこの発声法を使っておられる種類ごとの人数を把握していらっしゃるのかどうなのか、まずその人数をお伺いいたします。  声がなくなるということは非常に苦しくてせつないことだけれども、手術によって回復するということは極めてすばらしいことだと思います。先ほど御紹介をいたしました電気発声法については、県からの補助システムがあるようであります。シャント発声法についても、手術については医療費で対応ができているようであります。しかし、メンテナンスは2カ月から3カ月ごとに1回取りかえが必要なようでありますけれども、メンテナンスについては医療器具扱いのために補助対象になっていないようであります。これについて、県として何らかの支援策を講じるべきではないだろうか、私はこのように思います。知事の所見をお伺いいたします。  シャント挿入方法は、通常は挿管チューブ挿入法全身麻酔で行われる手術のようであります。全身麻酔の手術は予定が入りにくく、患者側や医療側双方に相当の負担が伴うそうであります。ところが、鳥取大学は外来で局所麻酔、かかる時間は15分ほどの簡便法を考案されておるようであります。利点は、いつでも手術ができるということであります。いろいろな負担が軽減されるようであります。この新しいシャント挿入方法は、鳥取大学など全国でも11カ所程度の病院で行われており、中でも鳥取大学はかなり多くの実績があるようであります。  今、本県は鳥取大学との医工連携ということで、鳥取県での医療産業の推進と研究のバックアップを支援しておられますが、例えば、以上御紹介申し上げたこのような先進的なすぐれた医療技術の発信もすべきではないか、私はこのように考えるものですが、知事の所見をお伺いいたします。  次に、身元調査登録型本人通知制度についてお伺いをいたします。  戸籍や住民票などの個人情報を不正に取得し、結婚相手の身元調査、ストーカーや脅迫、振り込め詐欺などの犯罪に利用される事例が全国で発生をしています。本人通知制度とは、市町村が住民票の写しなどを代理人または第三者に交付したときにその事実を本人にお知らせする制度で、通知を希望する場合は事前に市町村の窓口で登録が必要ですが、不正請求の抑止や個人情報の不正取得の防止に効果が期待されています。平成21年度に大阪狭山市でスタートして以来、全国各地でますます充実した制度へと改善が進み、導入する自治体もふえ続けております。ことし2月には、本人通知制度を導入している市区町村は32の都道府県に及び、その数は536市区町村に上るようであります。  そこでお尋ねいたします。鳥取県内の19の市町村の本人通知制度の有無について、制度の内容について、実態をお尋ねいたします。あわせて、事前登録者数は何人くらいなのか把握していらっしゃるでしょうか、知事にお尋ねいたします。さらに、今日までの不正請求の実態を各市町村別に明らかにしていただきたいと思います。
     3番目の質問であります。とっとり花回廊の管理運営と地域との連携についてお尋ねいたします。  平成11年4月18日、総事業費182億円をかけてとっとり花回廊がオープンをいたしました。その目的は3つありまして、1つには県民に花と緑あふれる憩いの場を提供すること、2つには観光の振興に資すること、3つに花卉園芸の振興に資することであります。  今日で16年たとうとしておりますけれども、お尋ねをしたいのは、以上申し上げた目的の達成についてお伺いをしたいと思います。観光客はどうでしょうか。花卉園芸の振興の実態はいかがになっているでしょうか。  ここで、私は平成11年の議会でも主張いたしましたけれども、全国の同様の施設に先駆けて、障害者の皆さんや高齢者の皆さんの就労の場所をこのとっとり花回廊で設けるべきだと主張して以来、鳥取県の皆さんもそのことをしっかり受けとめていただいて、この鳥取県立とっとり花回廊の作業は地域の障害福祉の観点、さらには高齢者雇用に配慮する観点で今日まで続けられてきております。このことは、全ての人がみんながそこにいるのが当たり前、そんな社会が当たり前、まさにノーマライゼーションの理念に基づく施策として、私は大きく評価をしているものであります。  そこで、知事にお伺いをいたします。本県の他の県立施設で同様の施策の実態はありますでしょうか。なければ他の施設にも積極的に取り入れるべきではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。  今議会に提案中の農林水産部のとっとり花回廊管理運営委託費で、今回の管理委託の中で平成28年4月1日から向こう5年間、新たな指定管理者の委託の模索をするという提案がなされております。私はこれを見ますと、入園者目標を40万人に設定するとともに観光面に主体を置いて大きくしようとすることには理解をいたしますが、引き続き今まで取り組んでこられた障害者福祉の観点、高齢者雇用に配慮するという他の類似施設に例を見ない鳥取県立とっとり花回廊が全国に先駆けて取り組んできたノーマライゼーションの理念に基づく障害者、高齢者の就労という面での作業内容について、引き続き配慮をした募集行為、契約をすべきだと、このように考えています。  管理委託料の競争行為にのみに終始せず、ノーマライゼーションの理念に基づく障害者福祉高齢者雇用に配慮する仕組みを聖域として確保すべきだと、そういう契約にすべきだと、私はこのように主張をするものであります。知事、いかがでしょうか。  以上申し上げて、壇上からの質問といたします。 ◯議長(野田修君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、声を失った方々に対する医療器具支援についてでございます。まず、音声回復の4つの方法があるようだけれども、その人数はどうだったのか、次に医療器具扱いのために補助対象になっていないシャント発声法をサポートする県の支援策がないだろうか、また、世界的にもすぐれた医療技術として発信できないかと、こういうお尋ねでございました。  今お話を聞いていて少し胸に詰まるものがございましたが、思い出しました。ちょうど4年前、同じように最後の県議会を県議の皆さんと一緒に迎えていたときに、鍵谷議員がその大きな体をここに立たせて、そこに伊藤保議員福間議員がサポートされながら代表質問を非常に堂々とされておりました。その質問は愛情に満ちた県政に対する思いを語っておられました。その最後のときだったと思いますが、シャント発声法ということで鳥取大学のサポートを受けて、それに臨んだという話があって、鳥取大学の藤原先生とか、そうした先生方に対する感謝の言葉があり、こうした全国にとどろくような、全国に通ずるようなすばらしい技術を持った鳥取大学医学部の存在を誇りに思うというふうに語られたのが今でも脳裏に焼きついております。  そのことから、私もそのときは詳細の意味はよくわからなかったところもございましたけれども、鍵谷議員のところに行きますと、筆談を一生懸命されたり、それから電気的な発声法的なことをされたり、いろいろお会いするたびに工夫をされておりました。やはり声を失った方々がクオリティー・オブ・ライフ、生活の質というのを十分に享受できるような、そういう社会をつくっていかなければならない、それが鍵谷県議が最後に残されたメッセージだったのかなと思っておりました。  その発声法でございますけれども、先ほどおっしゃった4つのうち電気的な器具によります人工喉頭統計データは実は私どもにはございませんが、鳥取県清音会という声を失った方々のグループがございまして、我々のほうでも障害者のコミュニケーション支援をすることでそうした方々に集まっていただいて御意見を聞くようなことをしております。手話言語条例がきっかけになってできたわけでありますが、その際に皆さんからちょっといただいたデータのみでございますけれども、それによりますと、電気的な人工喉頭、これが49人の方が使っておられる。これが一番多いということであります。また、食道孔を使いまして発声をされるという、この食道発声が23名。これは実は鳥取大学の医学部にその訓練をしてくださるような方々もいらっしゃるそうで、ただ、比較的若い層の方々が向いておられるのかもしれません。そういう方々にお勧めをするというふうにお伺いをいたしております。それで、今御案内のありましたシャント発声法、これが11名でございまして、あと笛式のものがございますが、これは使っておられる方はいらっしゃらない。そのほかは筆談でそれをコミュニケーションの要に供しているという方が4名でいらっしゃるということでございました。  こうして見ると、シャント発声法は比較的少ない部類になるのかもしれませんけれども、それはやはり後々のメンテナンスの問題がちょっとあると。手術自体だとか、その辺は更生医療でやってくれるとか、また、時々やはり手入れをする手術をしなければいけない、処置をしなければいけない、その辺は医療保険がきくという分野もありますけれども、メンテナンスのほうはやはりやや面倒だというか、お金もかかるということがあると。ただ、施術をする方々にとりましては余りインセンティブはないそうでございまして、そんな意味でなかなか進まない、手術ということの煩わしさもあるということのようであります。  しかしながら、議員もおっしゃいましたけれども、鳥取大学医学部のこうした技術をもっと全国に発信してはどうかということがございましたが、私どもの鳥取大学のほうでされておりますのは、簡単に終わる、15分程度で終わる手術で局所麻酔で終わるということでございまして、こういう技術がいわば藤原方式とでも言うぐらい、よそに持っていってもいいようなお話だというふうにお伺いをいたしております。鼻からファイバーを入れて、最近、鼻で胃カメラを見るようなことがありますが、それでここから先は気道と食道が実は接続するような形で来ている。これを食道のほうに入れて、そこに食道気道プロテーゼ留置器具というのを入れてくると。それでつなぐ手術をする。せん孔というか、穴をあける。これによりまして、こちらのほうに出口をつくってあげる。それをいわばここをふさぎながら、食道から空気を出して発声をするということができやすくするということだと思いますが、そういうような手術であるものですから、比較的体に対して影響が少ない。通常なら全身麻酔をするそうでありますが、そういうことをしなくても済むし短時間で上がるということでありまして、この辺が鳥取大学の非常にオリジナリティーの高い手術方法であります。  これをぜひ私どもも今、要は医工連携も含めて、医療から産業や地域おこしにつなげていこうという一つの起爆剤にもなるかもしれません。県としてもそのPRに協力をさせていただきたいと思いますが、本家本元の鳥取大学とも相談をさせていただいて、PRに努めさせていただきたいと思います。  また、先ほど申しましたように、更生医療医療保険でも対応が可能なシャント法でございますけれども、メンテナンス、特に人工鼻、ここが結局鼻になるわけでございまして、この人工鼻のところはメンテナンス処置が必要であると。これも補助用具として市町村が認定してもらえばこれは対象になるわけでございまして、もちろん県も支援することになりますけれども、そういう制度にのせてもらえるように、これは市町村にもお諮りをさせていただきたいと思います。恐らくそんなに歴史のある技術ではないものですから、認知度が足りないということがあるのだと思います。残念ながら厚生労働省の予算が毎年のように足らなくなりまして、補助用具の補助金は市町村には評判の悪い補助金でございますけれども、そんなに数がたくさんあるものではございませんし、御理解をいただけるように私どもも市町村に呼びかけてみたいと思います。  次に、本人通知制度についてお尋ねがございました。これについて、その制度の内容の実態、事前登録者はどのくらいか、今日までの不正請求の実態ということでございます。  これについては、この議場でもたびたび取り上げられました。伊藤保議員から議論がございまして、本人通知制度ということの活用が必要ではないかというお話があり、その後、今度は長谷川議員からもお話がございました。そのときに個別にもお答えを申し上げておりますが、市町村に呼びかけて、その輪を広げようということやってまいりましたところ、今では全市町村でこれを取り組むようになっています。これはいわゆる身元調査と言われる悪質な企業行動といいますか、これは非常に残念なのですけれども、結構書士さんのような、本来公的には地位のある方々がやってしまうということでありまして、そうしたことに対して対応する一つの能力というものを市町村も持ったということでございます。  事前登録は現在1,670名の方がされているとお伺いをいたしておりますし、これまでの不正請求の事案ですね、これは最近でもございまして、平成17年に19件、23年に23件、それから平成24年に12件ということでございます。  深刻なのは、これは制度改正を一生懸命やっているのですけれども起きているということであります。もともとが戸籍法に基づいて、戸籍というのは見られたわけですね。それを昭和51年に戸籍法が改正をされまして、閲覧制度というのは廃止をされました。だから、全部ずらっと戸籍を見て回るということはできなくなった。これはもちろん戸籍の中には強度に個人情報がございまして、これらを保護するということで当然のことだったと思いますが、それで請求をしてやるということになるわけであります。その請求も濫用されるという事態に至りまして、平成19年に謄本の請求の制限がなされ、従来の行政罰が罰則になる、刑事罰になるといったような強化も図られました。これで本人が請求をする場合だとか代理人として判こをついた委任状を持ってきた人がもらえるとかということなのですけれども、ただ、弁護士さんとか行政書士さんだとか、そういう資格のある人が正当な職務に基づいて請求をする場合となりますと請求できるということで、これは相変わらずあるわけであります。これはなかなか議論があって、国のほうの制度改正がなかなか進まないのもこの辺が原因なのですけれども、そういうことで正当なことということで請求をされるのですが、大阪のプライム事件のように、それを全国ネットワークでやりまして請求をすると。それで身元照会の便宜を図ると。ただ、その請求の内容というのは何かいろんな事件が起きているような形にしてうそをつくわけです。こういうような事件があるので請求しますといって請求をした。これが全国で行われたということでありまして、本県でも12件、平成24年にこの事件関係で請求が起きているという実態があります。ですから、いまだになくなっていないということでありまして、これは市町村側の防衛措置として、全国的にも今こういう本人通知制度が広がっているということだと理解をいたしております。  そんな意味で、非常に残念な状況があって、本人通知制度というのは法的なものではないのですが、一つの便法として始まっているという実態があります。先ほど申しましたように書士さんのような社会的地位のある方々がやっているというようなこともある実態がございます。一番の問題は、やはり人権に対する意識のことだと思います。ですから、一番やらなければいけないのは本当は人権教育といいますか、人権意識というのをやはり社会全体で共有するような啓発活動や教育の場での理解を得る、そうしたことがやはりなければならない領域なのだろうと思います。同じようなことでインターネット上でも今、世界中にも通じるような形で非常に残念な人権侵害の情報が出されたり、それからまた、こうした身元調査ということが相変わらず起こっている。その根を絶つのは、やはり社会の病理でありますから、啓発なり教育なりということが本来あるべきことかもしれません。  次に、とっとり花回廊につきましてお尋ねがございました。とっとり花回廊の観光振興や、あるいは憩いの場の提供、花卉振興ということでございますが、その目的の達成状況はどうかと、こういうことでございます。  おかげさまで花回廊も多くの方々に親しまれる憩いの場として定着をしてまいりました。つい昨日は、台湾からまんが王国を目指して、こちらの鳥取砂丘コナン空港にやってこられて歓声を上げられていた台湾の観光客がございました。その方々がインタビューを受けていましてメディアでも流れていましたけれども、この鳥取で楽しみなのは何かと言ったら、その台湾の人が花回廊ですというふうににこにこして言っておられました。そういうように、日本のイメージと非常に見合うような形で美しい花園、フラワーガーデンというのは訴求力のある存在なのだと思います。こんなように憩いの場、観光振興としても役割を果たしてきております。  議場でも御意見があって取り組ませていただいたイルミネーションでありますけれども、これも今シーズン初めてやりましたけれども、おかげさまで非常に好評でございました。皆生温泉の旅館組合と協力をしてバスを出したわけでありますが、1,500名の方が利用されるということになりました。ですから、思ったよりもずっと乗ったと、よかったということで、ぜひ続けてもらいたいということでありました。また、このアイデアを私のほうにも毎回寄せていただいた大山ロイヤルホテルさんのほうも、やはりこういう花回廊関連の旅行商品が3倍増の売れ行きであったということでございました。これが入り込み客の数にも影響しております。最近ずっと長期低落傾向できておりましたが、今回のイルミネーションでぐっと冬場の入り込みが上がった関係で、恐らく今年度は38万人のシーズンとなると思います。これは私の就任前の平成18年の水準に戻るということでございまして、やはりこの辺は強化していく素材なのだろうなというふうに思いました。  花卉振興でも、いろいろと役立っていることがあろうかと思います。もともとそういう花卉園芸を盛んにする拠点としてこういうフラワーパークというものが想定をされたところでございますが、これをもとにしましていろんな方々がチャレンジをされています。小林一郎さんとか、あるいは白川さんとかですね、そういうようにJA西部の花壇苗生産部の方々が頑張っておられまして、青いサルビアであるとか、そういう今まではやっていなかったようなものですね、コスモスなどもそうなのですけれども、こういうものを花回廊に出すことである程度ロットができてくる。それが今度、関西方面への出荷の対象というふうにも成長してくる。こんなように動きが出てきているわけでございまして、花卉園芸にもいい影響があったのではないかというふうに思います。  それについて、就労の場でお話がございました。障害者の就労として花回廊を活用すべきではないかということでありまして、ほかの県立施設でも同様であるのかどうかということ、それから、平成28年度からの新たな募集に当たりまして、ノーマライゼーションの理念で募集上配慮すべきではないかということがございました。  いろんな実態につきましては、これは行財政改革局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、例えばこの近所のとりぎん文化会館では清掃委託とかで障害者雇用だとか高齢者のシルバー人材センターとかにつながっていまして、花回廊と同じようなことをそれぞれにさせていただいております。  花回廊については平成22年のときに、福間議員からも意見が寄せられたこともございまして、障害者雇用とかシルバー人材センターのような高齢者の活用、採択をするということがいわば条件として盛り込まれています。これはノーマライゼーションということでも重要な観点だと思いますので、今後も継承していくべき課題ではないかと思っております。 ◯議長(野田修君)伊澤行財政改革局長 ◯行財政改革局長(伊澤勇人君)それでは、指定管理施設におきます障害者、あるいは高齢者の雇用の取り組み状況につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  先ほど議員のほうからも御紹介、御質問がありましたとっとり花回廊での取り組みということも起点といたしまして、他の多くの指定管理施設におきましても当該法人における直接雇用、あるいは清掃業務、あるいは印刷業務などを障害者就労施設、あるいはシルバー人材センターといったところに委託などでお願いしているといったような実情がございます。  先ほど知事のほうからも御答弁を申し上げましたが、とりぎん文化会館におきましては例えば建物の外の清掃業務を障害者就労施設にお願いしていると。あるいは、鳥取砂丘こどもの国におきましては園内の除草や清掃作業、あるいは生涯学習センターにおいては会場の整理とか除雪作業、あるいは米子市の産業体育館では申請書やいろんなさまざまな用紙類の印刷を障害者就労施設にお願いしているといったような状況などがございます。  県としての全般的な取り組みでございますが、現在、指定管理者の選定を行います際は、どの法人にお願いするかということを審査するわけでありますが、この時点で当該法人の障害者雇用の状況、法定雇用率を満たしているのかどうかとかですね、そういったようなことを審査項目として設定しておりまして、審査の際の評価に加えているといったことでございます。さらには、指定管理者に選定された法人との間で締結いたします施設の管理運営に関する協定書の中で、努力義務という形ではありますが、障害者雇用への積極的な取り組みを規定しているといったことで取り組みを進めているところではございます。  さらには、障害者施設からの優先調達の取り組みというのも課題になっておりまして、これは福祉保健部のほうが中心になって取り組んでおりますが、平成26年度から庁内にプロジェクトチームを設けまして優先調達の取り組みも進めております。先月でありますが、27年1月には改めて各指定管理者に障害者施設からの優先調達もしっかり取り組むようにという要請を文書でお願いしているところでございます。  引き続きましてこのような取り組みを続けて、指定管理者における障害者、あるいは高齢者の就業機会の拡大の取り組みもしっかり取り組んでいきたいと、このように考えております。 ◯議長(野田修君)18番福間議員 ◯18番(福間裕隆君)何点かについて思いや、それから再質問という格好で申し上げたいと思っています。  花回廊の障害者就労について、何年か前には私もこの議場で御紹介したことがございますけれども、現在、わかとり作業所フラワー分場で花回廊の作業に取り組んでおられる方の感想文です。日々感じていらっしゃることをたまたまメモしておられたのを私のほうへちょっと御紹介いただきましたので、御披露したいと思っています。  お一人の方はこんな文章を書いていらっしゃいます。「ここで働き始めて4年ほどになります。毎日の作業は大変ですが、自分たちの仕事がここを訪れるお客さんに少しでも役に立っていると思うと、そこに喜びを感じます。私は精神科にかかっています。ここに来るまでは家に引きこもりがちでしたが、職場をともにする素朴な仲間たちと一緒に過ごすようになって、少しずつ表情に笑顔が戻ってきたように感じます。また、最近は徐々に花回廊の人たちとも何げない会話ができるようになってきました。これも私にとっては大きな前進だと思います。」  もうお一人の方を御紹介したいと思います。「フラワー分場の仕事は大変なものが多く、疲れるのですが、その分、達成感を感じることができました。フラワーに行く前は人とかかわるのは苦手でしたが、来てからは大分なれてきました。自分から積極的にというほどではないですが、四季それぞれの景色を見ながらの仕事は楽しく、また、お客が多いのを見るとすごいところで働いていると実感ができました。」  今お二人の方の感想文を御紹介しましたけれども、私が花回廊での障害者就労ということに非常に大きなこだわりを持っていますのは、花回廊での作業を皆さん方がされるというのが生きていくということに物すごく大きな影響を与えると。このことが非常に大切で、仕事ということ以上に非常に大きな影響を与えているということを私たちは見きわめる必要があるのではないのかなと、こう思うのです。ですから、先ほど伊澤行財政改革局長のほうからも御紹介がございましたけれども、県立の施設の中で障害者就労という福祉政策としての位置づけを私は聖域として設けるということも検討してほしいなというふうに思うのです。そのことは要望ということになるかもしれませんが、今御紹介申し上げた花回廊での取り組みが働く人たちに非常に大きな生きる喜びを与えてくれているということを捉まえていただいて、障害者就労、あるいは高齢者の皆さんの生きがい対策としてシルバー人材センターがあるわけですから、高齢者の皆さんの重要な生きがい対策としての就労の場所をこの中で探していくということも極めて大切ではないのかなと思います。要望として申し上げておきますので御検討いただければと、このように思います。  次に、本人の通知制度について、何点かお尋ねをしてみたいと思っています。  市町村でそれぞれ戸籍の仕事というのはやっていらっしゃるわけですから、市町村がそれぞれ御判断をされて決めていかれること、鳥取県内の19の市町村で全てで本人通知制度を採用していらっしゃる、こういうことであります。  ただ残念ながら、先ほど知事のお話にございましたけれども、制度はできたけれども、現時点で1,670名の登録しかないのですよね。本議場にいらっしゃる議員さんももう一遍改めて復習という格好になると思いますけれどもお考えいただきたいのです。結局今のままですと、第三者、本人以外の誰かが私の戸籍を、住民票や戸籍謄本をとっても全然わからないのですよね。それが本人通知制度を導入することによって第三者、本人以外の人が私の戸籍をとったということが通知をされるというのが今の本人通知制度なのですね。だから、考えていくと、実は今の戸籍制度というのは極めて恐ろしい話なのですよね。誰がとったか全然わからない、しかもそれが犯罪に使われているかもわからないという状況があるということを私たちはもう一遍再確認をしていく必要があるのではないだろうか。そのために、まず一つお伺いしたいのは、鳥取県の平井知事はこれがどうあればいいとお考えなのかちょっとお尋ねをしたみたいのですよ。先ほど申し上げたように、市町村のそれぞれの任務ですけれども、鳥取県知事としてこういう方向が望ましいなというお考えがあればお尋ねをしたい。  私は、県も各市町村と連携を強めながら、もっともっと周知を図っていくということが必要ではないのか。その中で、本人通知制度に幾つかのパターンがあるようであります。ノーマルなやり方で本人が登録をしておれば、第三者にあなたの戸籍を、住民票の写しをお渡ししましたよ、そういう通知が登録をした皆さんに行くシステム。それも期限があるようであります。2年から3年ぐらいの期限で改めてまた期限を設定するという、おおむね期限が定められたもの。それから、琴浦町などでやっていらっしゃるようですけれども、期限のない通知制度を採用していらっしゃるところもあるようでありますし、南部町のように3年という期限は設けているけれども、被害があったときにはそのことが本人に通知されてくる、そういう制度もあるようであります。ですから、私としては鳥取県全体で市町村と連携を深めながら周知をすることが必要だと思いますけれども、あわせて、平井知事としては大体どんなようなパターンが理想的だな、望ましいなというようなお考えをお持ちなのか、お尋ねをしてみたいと思っています。  埼玉県では、2010年10月1日に埼玉県全市町村で本人通知制度がスタートした時点で財団法人の埼玉県人権・同和センターというところがこういう冊子を発行されたようであります。全県的に誰が見てもなぜ通知制度が必要なのか、どうすればいいのかというのが非常に一目瞭然わかるような冊子がつくられているようであります。鳥取県でもそれぞれの市町村ごとに広報紙はおつくりになっているようでありますが、私はできれば全県下対象に本人通知制度をわかりやすく周知するようなことが必要だというぐあいに思いますけれども、これについて何かお考えがあればお尋ねをしたいと思います。 ◯議長(野田修君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から改めて御質問をいただきました。花回廊について雇用のことがございましたけれども、やはり生きる喜びを感じたというお話がございました。私どもも実際にそこで働いておられる方のそういう状況など、わかとり作業所とか、それからシルバー人材センターの状況もお聞き取りをさせていただいておりますが、障害者にとりましては役立ち感が出るということだと思うのです。生きる喜びとおっしゃいましたけれども、先ほどもお話の中にありましたが、やはり人と接する機会といいますか、人から見られて自分がちゃんとこうやって役立っていますよというところですね。それは落ち葉拾いだとか除草だとか、そういう軽作業ではございますけれども、それに障害者も社会に参画をして役割を果たすことができる、そういう喜びを感じる場面だと思います。  また、環境としても自然が豊かなところでありまして、今のはそういうメンタルの障害を抱えた方のお話がございましたが、いろんな意味で治療といいますか、処遇としても効果のある設定なのだろうというふうに思います。ですから、シルバー人材センターもございましたけれども、その職場環境も整えながら、ずっとやっていくべき課題かなと思います。  施設のほうでもエアコンがきくような休憩室を用意するとか、状況に配慮した処遇をしながらシルバー人材センターや障害者施設をお迎えしているという状況でございまして、次期以降の話かもしれませんが、今後とも継承されるべき課題として受けとめられてしかるべきだと思います。  本人通知制度についてお尋ねがございました。その方向性はどうかということ、どういうあり方が望ましいのか、周知することが必要ではないか、そういうPRのことについてもお尋ねがございました。  これについてはどういう方向が望ましいかといえば、私はやはり国がきちんと責任を持って解決しなければいけない状況になってきているのだろうと思います。現にさっきもプライム事件のお話を申し上げましたけれども、これは全国各地で起こっていて、正当な理由をいわばでっち上げてやっているわけですね。そういうようなことが起きることを絶対に防止するような措置、法的なことだとか、それから、そのほか法的でない措置もあるかもしれません。これは戸籍であれば全国に国の事務を地方にやらせているわけでありますから、その配慮が十分必要だろうというふうに思います。  平成20年5月に発行しました住基法や戸籍法の改正の後もそういう事件が起きているということは重たいことであると受けとめる必要があると思います。ですから、最終的には法的な対策がとられるべきなのかなと思います。今、県内でも、例えば南部町さんであれば登録制とあわせて、実際に被害が発生をしたような場合、その場合には告知をしますよと、通知をしますよというような制度をとられたり、また、米子市さんの場合は、代理人が持ってきたという場合には、これは届け出の有無にかかわらずお知らせをするということであります。ただ、こうやって工夫をしても、結局被害が起こったとはっきり行政側が把握できない以上は通知ができないということであったり、それから、代理人以外のそういう正当な理由を掲げてくる書士さん、弁護士さんというところにはどうしようもないということであります。現実の請求の3割以上は金融機関だとか、こういう資格を持った方々の請求だというふうに言われておりまして、この辺に大きな穴があいているのは、代理人について通知をしたとしても防げないところであります。  問題状況は複雑でありまして、そういう法曹界の方々から言わせますと、遺言証書の作成であるとか強制執行だとか、本人に知らせずにやはりやらなければいけないことがあるではないかということで論陣を張っておられまして、それで国が決めることができなくて平成20年の改正が中途半端に終わっているということなのだろうと思いますが、今、マイナンバー制度が導入をされるわけでありまして、もっとこれから大きな課題としてこのことを捉えていかなければいけないと思います。ですから、国としても制度改正をするように、何らかの形で我々も提案をしていく必要があるのかなというふうに思っております。  また、埼玉県のようにいろんなパンフレットを発行したり、わかりやすい形で周知をすることはいいことだと思います。我々もいろんなチャネルを通じて、いろんな方々を対象にしてPRをしてまいる必要があると考えております。 ◯議長(野田修君)18番福間議員 ◯18番(福間裕隆君)ありがとうございました。  ちょっと御無礼な質問になるかもしれませんが、お許しいただきたいと思いますが、知事は事前登録しておられますか。恐らく本議場の議員さんも皆さんがしていらっしゃるかどうかはちょっとわかりませんが、改めて私は、先ほどおっしゃったように根本的には国が解決すべき極めて重要な課題だと思っているのです。しかし、そうはいってもなかなか一朝一夕には解決がつかないと思うのですよね。やはり当面、現在の本人通知制度を有効に活用するということは、一人でも多くの皆さんが登録をするということだろうと思うのです。と言う私自身も、実はやっていなかったのですよ。それで、急遽3月4日の日に南部町役場に行きまして、妻と2人で登録してまいりました。ほんの5分もかからずに登録できます。そういう意味では、今皆さんの戸籍を誰がとってもわからない誰でもとれる状況になっているという怖さを改めて皆さんで再確認をしていただいて、知事がまだ登録をされていなかったら、ぜひ登録をしていただいて、一緒になってPRをしていただくということをお願いしたいと思います。そして、県庁の職員を初め、行政職員がまず率先をして事前登録をするように努めてほしいと、このように私は思いますけれども、知事のお考えをお伺いして質問を終わります。 ◯議長(野田修君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議から重ねてお尋ねがございました。結論から言うと、私はそれはちょっととっていないですね。もうちょっと早く質問があれば、今、立候補届けを出さなければいけないものですから戸籍と住民票をとらなければいけないわけでございまして、その機会に出しておけばよかったのでしょうけれども、もう既に手続をしてしまいました。次回立候補するかどうかはわかりませんが、ともかくそういうことで、ちょっと機会を逃してしまいましたが、また機会を見て役所のほうに届け出もさせていただきたいと思います。  私自身も謄本を実際とったわけでありますけれども、皆さんも再選を目指される方々はとらなければいけないわけであります。見てみるとやはりいろんなことが書いてありますから、これが余り世の中出歩くのはどうかなと思われるものがあります。ですから、そういう意味で考えますと、やはりそうした配慮を役所側に求める、そういう権利がいわば設定されるのであれば、我々としても対応する必要があるのかな。片方で国に対して制度改正を要求することもありますけれども、自己防衛ということができるように、今、鳥取県では全市町村やっていますので、それは大切に考えて行動するというのもあるかなと思います。  職員のほうにも、我々のほうでいろんなツールがございますので、こういう制度があることは徹底をしてまいりたいと思いますし、県民の皆様にもそうした人権の問題とあわせて、こういう届け出を簡単に役場でできますよということをPRしてまいりたいと思います。 ◯議長(野田修君)20番森岡俊夫議員 ◯20番(森岡俊夫君)(登壇、拍手)会派希望(のぞみ)の森岡俊夫です。会派の共通テーマ、鳥取を住みたい県・行きたい県にするための戦略提言として、国際化に向けた観光戦略を取り上げ、知事と議論したいと思います。  日本を訪問する外国人が急増しています。2014年の訪日外国人の数は前年比29.4%増の1,341万3,600人、国、地域別に見ると台湾が最も多く282万9,800人、2位は韓国で275万5,300人、3位は中国で伸び率83.3%増の240万9,200人と初めて200万人を突破しました。また、人数だけではなく、訪日外国人の旅行消費額も2兆305億円と、空前の日本ブームが到来しています。  中でも注目されるのが中国からの観光客で、2月19日の春節前後、電化製品や化粧品、薬品などを大量に買い付けて持ち帰る、いわゆる爆買いと言われるシーンが連日連夜報道されていました。旅行消費額でも台湾の12万円、韓国の7万円余を大きく引き離し中国が断トツに多く、24万円余の旅行消費額となっています。  その要因については、日本政府観光局が北京、上海、香港で積極的にプロモーションを展開したほか、円安元高基調に加え、消費税免税制度の拡充、ビザ発給要件の緩和などで買い物好きな中国人が旅行しやすい環境が整ったことが上げられています。  また、航空路線においてチャーター便や新規路線の開設があり、輸送力が向上したことや、上海や天津からの大型クルーズが2013年の14本から2014年は116本と大きく増便され、このことも訪日中国人の数が大きく伸びた要因となったようです。  クルーズの目的は九州、沖縄が中心ですが、カジュアルクルーズで安く来日できるほか、買い物をするにも飛行機と違って重量オーバーになることもないことから、買い物クルーズとして人気を博しました。  鳥取県では3月1日の上海便を皮切りに、香港、台湾、タイからのチャーター便運航が連続して計画されています。また、境港においては4月、5月の2カ月間で15隻のクルーズ船の寄港が予定され、さらに7月には4,000人の中国人を乗せたクァンタム・オブ・ザ・シーズが寄港します。まさに外国人観光客の来訪ラッシュです。  しかし、鳥取県に一挙に来訪する外国人、特に中国人観光客の買い物ニーズや消費税の免税手続のスムーズな対応、さらに大量の買い物に対する配送のサービスやWi-Fi環境など外国人観光客の受け入れ態勢が本当に整っているのだろうか、少々心配な点もあります。外国人観光客の受け入れ態勢について、知事にその現状と認識を伺います。  中国人が日本に来る目的は、ショッピングが圧倒的です。買い物代が旅行支出の全体の5割を超えるのは中国人だけです。昨年10月1日からの消費税免税制度改正で、1人当たり13万8,000円の消費額となっています。この流れを享受するため、あるドラッグストアでは2月19日の春節までに80店舗を免税対応店舗に拡充したそうです。さらに、1カ所に長い間滞在することが難しい訪日外国人が効率的に買い物することができるよう、異業種の店舗が入居する施設も計画中だと報じられていました。2020年の東京オリンピック開催を好機と捉え、チャンスを生かそうとする商法です。規模の小さい地方の空港やクルーズ船寄港地こそ、滞在時間の短い外国人観光客の買い物ニーズに対応できる、このような異業種の集積店舗が必要であると思います。鳥取砂丘コナン空港や米子鬼太郎空港、さらにはクルーズ船の寄港地周辺に外国人観光客を魅了するような商業施設を行政主導で計画してみてはと考えますが、知事の所見を伺います。  買い物をするには、スムーズな決済が必要です。以前から銀聯カードに対応できる店舗をふやすことの重要性が叫ばれていましたが、県内の状況はどうでしょう。その対応状況について知事に伺います。  もちろんカード決済しなくても日本円で買い物はできるのですが、中国人は多額の買い物をすることから、日本国内で両替、換金して使用するというよりも、現在では海外発行カードを利用して日本国内のATMから引き出して買い物や飲食店で使用しています。セブン-イレブン、空港、駅、観光地など全国2万カ所に設置されているセブン銀行のATMは、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語から選択でき、外国人には強い味方となっているようです。鳥取県に外国人観光客を受け入れるためには、こうした海外発行カード対応のATMや多言語表記のATMは必須のアイテムであると考えます。セブン-イレブンやセブン銀行誘致はすぐには難しいと思われますので、地元金融機関に外国人が利用しやすいATMを導入してもらうなど働きかけてみてはと考えますが、県内銀行の海外発行カードへの対応状況について知事に伺います。  これまでお話ししたように、日本政府観光庁の積極的なプロモーション、免税手続の対応、カード会社、銀行ATMの多言語対応などに見られるよう、日本ならではのきめ細かい対応が中国人を初めとする多くの外国人の訪日増加につながってきました。しかし、鳥取県のような地方ではWi-Fi環境やカード決済機能などきめ細かな販売戦略を各店舗それぞれで対応していくことは難しいですし、観光地ごとでのプロモーションもできません。鳥取県に外国人観光客を誘致するには、県の強い指導力と民間業者を強く政策誘導する必要があります。そのためには、庁内に国際化に特化した専門部局を新設すべきであると考えます。  チャーターについては観光戦略課、定期便は交通政策課といったようにばらばらに対応するのではなく、国際関係施策、いわゆる観光、交通、物流など多岐にわたる課題や問題点を一元的に所掌し、国際感覚のすぐれた人材を結集させて鳥取県の国際化戦略を進めていくことが必要ではないかと考えますが、知事の所見を伺って、壇上からの質問といたします。 ◯議長(野田修君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)森岡県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、外国人観光客に向けまして、免税手続、それからコミュニケーション、配送サービス、Wi-Fiにつきましてお尋ねがございました。これについては今、日本も空前の外国人旅行客ブームになってきておりまして、1,341万人がやってくるということでございます。鳥取県でもお泊まりになるお客様をどんどんふやそうということでやってまいりまして、昨シーズンは3万7,000人でございましたが、恐らくこのシーズンはもっと多くなってくると思われます。外国からの観光客は購買意欲も日本人観光客よりも旺盛でございますし、日本人の人口が減少モードでございますから、そういうことからしますと、海外からどんどん入ってくるお客さんを引き込むのは大いに経済のパイを膨らます、雇用をふやす意味でも大変に有効であると思います。外需ということで、そうしたことを歓迎しない議員さんも一部にはいらっしゃいますけれども、外国からのお客様というのはどこの地域も伸び代として考えている時代になってまいりました。こういうことからまいりますと、我々としても受け入れ環境を整えなければならない。正直申し上げて、外国からのお客様にアンケートをとります。全国調査でありますけれども、日本で一番不便を感じるのはWi-Fi環境ということでございます。それから、お金をおろすこと、それからコミュニケーションのこと、こうしたことが上位を占めているところでございまして、意外にWi-Fi環境は大事なのですね。そういうこともありまして、私どもとしても最近、ここ数年、Wi-Fiの整備をやってまいりました。それは例えば旅館のWi-Fi環境を整備する支援をするとか、それから観光地で支援をするとか、県の公共施設のようなところ、例えばとりぎん文化会館のようなところ等々を含めてWi-Fi環境の整備を今どんどんとふやしてきたところでございます。そういうことで、一通り今そろいつつありますけれども、このたび2月の経済対策の予算の中でも、例えば岩美の観光地化したところとか、さらに追加して大山の大山寺のあたりだとか入れさせていただいておりまして、今順次広がりを見せているところであります。またあわせて、空港に入られる海外のお客様向けにバスの中でも活用していただけるような、バスツアーにWi-Fi環境を貸し出すというようなサービスも始めておりまして、こういうような方向性は今後もしっかりと展開をしていかなければいけないと思います。  また、コミュニケーションについてでございますけれども、これもおもてなしのレベルアップを図ろうというふうにさせていただいておりまして、多言語の通訳サービスをコールセンターで提供させていただいております。これもつい最近始めたところでございます。またあわせて、東部、中部、西部の観光の案内所のようなところで多言語対応の音声アプリをつくらせていただいて、そういう通訳サービスも拠点制で試験的に始めております。水木しげるロードの観光案内所などもその対象とさせていただいております。  こんなようなことをさらに強めていく必要があると思いますし、配送サービス、これもツアーの企画に対応しながら今順次始めております。それは例えば香港のお客様が来られて生鮮品をホテルのほうにお届けをするというようなサービスであるとか、また、このたびはタイから初めてチャーター便が3月21日にやってくることになります。そのときに、そのツアーの方々だと今まで折衝した感じでは意外に山陰アシックス工業がつくっているオニツカタイガーが向こうでは大変な人気でありまして、地元だということでアシックスともかけ合わせていただいて、県内の店舗にお立ち寄りいただいた上でホテルのほうに配送するというようなサービスを今やろうとしております。また、空港から手ぶらでホテル等に配送するというのも500円で提供するなど、いろいろと試験的なことも含めて始めさせていただいているところでございます。  あと、免税店のことのお話がございましたが、今、私どももいろいろと免税店の奨励をさせていただいておりまして、飛躍的にふえてきているところでございます。この1月の段階では36店舗まで伸びてまいりました。以前とはちょっと打って変わってふえてきている状況でありまして、まだまだエントリーが続くと思います。次なるところでは、このたびの税制改正の中で私どもが要請していたことが実りまして、例えば水木しげるロードの商店街で丸ごと免税店の扱いをするような、そういう共同化というのもこのたび入りました。まだ制度の詳細が明らかにされていませんが、明らかにされ次第、そちらのほうに呼びかけをしてまいりたいと思います。  次に、鳥取砂丘コナン空港や米子鬼太郎空港、あるいはクルーズ船の寄港地といったところに商業施設を設けられないかということでございます。これは増加傾向にあるこうした外国人の観光客に対応して、買いたいものを買えるようなところを地元の人たちが提供する、それが大切だと思います。これは新たにつくるという考え方もありましょうし、それから既存のものを拡充したり、それを上手に使うということもあろうかと思います。  3月1日もまんが王国の一つのシンボルかもしれませんが、鳥取砂丘コナン空港というものをオープンさせていただいたとき、上海からお客様がやってきました。そのチャーターフライトが鳥取砂丘コナン空港に入ってきたわけでありますが、そのときちょっとにわかづくりだったのですけれども、鳥取市のコンベンションセンターであるとか、それとか寿製菓さんとか、いろいろと既存店舗、あるいは新しい、この際やってみようということで集めた店舗、こういうものでいわば特設的に販売をさせていただいたわけであります。そうすると、コナン・クリエイションさんがされた限定グッズなども当然たちまち売り切ったのですが、我々のほうでやってみてよくわかりましたのは、やはり買い物をされるのですね。意外だったのは、シャルビーさんという会社ですが、カニだとか魚のうろこなどを利用したコラーゲンがあります。これは鳥取県産の技術でありますけれども、それを鳥取大学と協調しながら化粧品に仕立て上げて、ほほうるるという製品をつくりました。これをあっという間に売り切ったのですね。さらに、お菓子でもチョコもちというお菓子、これがよく売れていました。だから、全部が全部、あれもこれもみんな買って帰るということではないのですけれども、やはりそこをちゃんと狙いにいけば売れるものは売れるということであります。  また、クルーズ船が着かれるときに外国のお客さんがいらっしゃいますけれども、そこに米子のブティックが店を出す。これが売れるのですね。それも驚かれるわけでありまして、それだったらもっとこれから免税もやって、もっと出そうかというようなことであります。  だから、まだ上手につき合い切れていないのですね。県内にはいろんな魅力ある商品が本来あると。そこに立ち寄ってもらって、あるいはそっちから出向いて、小さくてもいいですけれどもそういう売るようなスペースがあれば、空港だとかクルーズターミナルというのは一つの狙いどころになるのだろうと思います。  今90億円という数字も出てきましたが、境港のほうには新しい竹内南のターミナルをつくろうということで、議会の総意もあり、要請活動が実り、これが実現する運びになってきましたが、その一環で、そこに販売施設をつくろうではないかという絵も地元と協調して描き始めているところでございます。米子鬼太郎空港とそんなに離れていませんので、こうしたところを買い回るということは十分あり得るのかもしれません。  また、鳥取砂丘コナン空港でいえば、先般やはりシンガポールの観光会社が来られて、かろいちを見られて、これは絶対買うというふうに言っておられましたが、かろいちから非常に近いところに空港がございます。そうしたことで展開はそうした既存をうまくつなぐことも含めて、あるいは新設も含めて考え得るのではないかなというふうに思います。  金融決済についてお尋ねがございました。銀聯カードに対応できるところをふやすべきではないかということでございますけれども、これは県のほうでも助成制度をつくりまして促進をしたところ、県の助成によるものは27カ所できております。それとあわせて、それを使わずに銀聯カード決済に対応できるようにしたところが300近くございまして、今、県内でも銀聯カード決済はようやく広がりを始めているところであります。ただ、もっともっと裾野を広げていかなければならないのだと思います。  また、キャッシュを得るためのATM端末についてもお話がございましたけれども、先ほど御紹介ありましたようにセブン銀行が取り組みを始めました。セブン銀行は実は県内にもATMがございまして、それは大和証券さんと野村證券さんでございまして、こちらのほうでは多言語対応も含めて装備がございます。それから、活用できるのはゆうちょ銀行です。ゆうちょ銀行のネットワークATMがありますけれども、これが銀聯カードによることも含めて対応ができているわけでございまして、そうしたところも活用できようかなと思います。  さらに、これは今後ふやしていくべきでございまして、地元の金融機関にもお話は従来からさせていただいております。かなり経費もかかるシステム改修もあって地銀のほうはまだ十分進んでいないのですけれども、そのほかのところも含めて対応は広がってきておりまして、その辺もよくPRをしていく必要があると思います。  次に、国際化を担当した専門部局を新設してはどうかと、こういうお話でございます。これは我々もいろいろ試行錯誤をやっているところが実は国際関係の分野でございまして、これまでもいろんな変遷があるところでございます。自由に課をいっぱいつくって、国際専門の特に観光の課とか、そういうものを分離して、例えば国際貿易担当だとか、東京などはそういうことはできるのかもしれませんが、鳥取県は全国で一番小さなサイズの県庁なものですから、なかなかそういうことがやりにくい状況がございます。それに対して、行政ニーズのほうは実はマトリックス的に、たて糸、よこ糸を重ね合わせるようにできてきています。例えて言えばDBSクルーズフェリーがあります。DBSクルーズフェリーというのは、貨物と観光と両面があるわけですね。貨物と観光の両面のことを考えますと、海外からの貨物とか国内の貨物、これを動かす一つの行政ニーズがある。また、観光客の誘客という意味での行政ニーズがある。これはそういう商工系と観光系と二通りあるわけです。それに海外ということがありますので、国際的な対応が必要だという、そういう糸もあり、これらが組み合わさっているわけですね。それを例えば全部国際ということでまとめてしまいますと、実は貿易のための裾野を広げようと思うといろんな企業さんと日本国内でも話をしなければいけない。観光でいきますと、国際専門だけでもなくて国内のお客さんのことも考えなければいけない。これはチャーターフライトだとかいろんなところにも同じような状況がございます。そこで、どういう組織をつくるかが非常に悩ましいところでありますが、森岡議員がおっしゃるように、さらなる海外観光客がふえてくるという状況を踏まえた何らかの組織対応も必要になってこようかと思います。この辺はまた次期の課題ということかもしれません。新しい議員と新しい首長との間で制度設計をもう一度やり直すということも必要ではないかなと思っております。  実は他県でも苦労しているところでありまして、東京都は外務部というのが伝統的にあります。ここは国際交流を一つのベースにして、いわば日本国内の国際交流の草分けのような組織でございました。ただ、それだけで対応できるわけないわけでありまして、オリンピック対応とか商工対応だとか、それぞれに部局があって、それらがやはり連携をしながらやるというようなスタイルでございます。兵庫県とかもやはり同じようなことでありまして、あそこも昔から国際課という課があるのですね。そういう意味ではこうした分野では東京都と並んで先進県でございましたけれども、国際課だけで対応できないものでございまして、今はどうなっているかというと、商工労働部の中に国際担当が大きくでんとあるわけでありますが、やはり他部局との連携をしながら進めるというようなことにならざるを得なくなってきているということであります。我々も小さな世帯ではありますけれども、工夫をしてみる必要があると思います。 ◯議長(野田修君)20番森岡議員
    ◯20番(森岡俊夫君)鳥取県を行きたい県にするための国際観光戦略として、さらに質問をさせていただきたいと思います。  知事の御答弁にもありましたけれども、いろいろとWi-Fi環境であったり免税対応、銀聯カード、それから配送サービス等々のこういったサービスがだんだん向上していることはよくわかります。ただ、観光政策の最大の目的、知事もおっしゃいましたけれども、外需を拡大して受け入れるという、地元経済にどれだけ効果をもたらすか、また地元経済にどれだけの恩恵があるかという視点に立ってこういう戦略を立てて遂行する、そういったことが大切であろうなというふうに思います。  そのためには、観光客のニーズをしっかり的確に捉えて、それをどうやって満足させるか、これが重要な部分であって、それを満足させることで鳥取のファンになっていただいて、リピーターとしてまた鳥取を訪れてくれると、そういった観点が観光戦略、とりわけ国際観光戦略としては重要であろうと思います。  そういう観点から質問をさせていただきたいのですが、これまでチャーター便であったりクルーズ船がたくさん入ってきております。そういった観光客のニーズが本当に把握できているのかな、また、そのための本当に動向調査というものがうまくいっているのかなということを少しお話しさせていただきたいなと思います。  昨年入港しましたマリナー・オブ・ザ・シーズ、これには大体4,000名弱のお客様が上海から乗船しております。そのスケジュールなのですけれども、7時半に着岸して大体9時半ごろ上陸。それからバスに乗って、鳥取、島根の観光地をめぐって昼食をとっていただきます。大体16時30分に船に戻っていただいて、それから乗船して18時に離岸というようなスケジュールになっているのですよね。その間大体2カ所、3カ所の観光地をめぐって、その観光地の所要時間が40分、長いところで1時間、こういったスケジュールになっておって、本当にこれが中国人の観光客が喜んでくれているのかなという思いがあるのですね。  さらに、先ほど知事もクルーズ船のところにブティックなどを置くと非常に売れるのだということをおっしゃっておるのですが、要は所要時間が短い中で、例えば水木ロードにしたって40分ぐらいなのですよね。水木ロードを回って、では観光客の人たちがそこで品物を買うかということを考えたら、なかなか消費につながっていないというのが現状ではないのかなというふうに思っております。  それは境港に来たときのスケジュールであります。マリナー・オブ・ザ・シーズの全体のスケジュールを調べてみました。上海を出て、まず最初の寄港地が境港になるのです。その後は博多に寄ります。それからまた上海に帰ります。そういうクルーズ計画が大体100便ぐらい計画されているのですけれども、要は先ほども言いましたけれども、地元に経済効果がある買い物、消費をどこでしているかというと、2番目に寄っている博多なのですよね。要は、境港では1日観光はしてくれるけれども、そんなそんな消費にはつながっていない。2番目に寄る博多港でしっかりと1日フリーの時間をつくって、観光客の人はたくさんの買い物をして帰る。こういったことを考えるときに、実際に今度またクァンタム・オブ・ザ・シーズが入って、4,000人入るわけですけれども、ぎゅうぎゅうに詰めたような観光地を回らせることが本当に中国人の観光客のニーズに合っているのかなと、私はそう思えてならないのであります。  ですから、今度の入ってきたクルーズ船であったりチャーター便であったり、そういったときには、私は各地域を職員の方が一緒に回って、本当にアンケートでもとって動向調査をして、場合によってはクルーズ船に乗り込んで、その場でアンケートをとるなり、そういったしっかりとした動向調査が私は必要であるというふうに考えております。その点について知事のお考えをお伺いしたいと思います。 ◯議長(野田修君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)森岡議員から重ねてお尋ねがございました。このたびマリナー・オブ・ザ・シーズがやってきまして、まるで海のホテルのようなものでございました。3,000人を大きく上回るお客様が一堂にやってきまして、いわば新記録でございました。あちこちにバスで次のオプショナルツアーへ出かけられて帰ってくる。結構県内も回られました。満足が得られるような状況だったかどうかということでございますが、アンケートを我々のほうでもとらせていただいております。もちろん3,000人というお客さんではないですが、そのうちの一部、応じてくれた方々のアンケートでございますけれども、アンケート結果では84%が満足であると、大変満足ないし満足でありました。だから、よくなかったという人はほとんどいないぐらい実は満足されたということに安心をしております。  ただ、行かれたところは、一番多かったのはやはり水木しげるロードです。その次に多かったのは青山剛昌ふるさと館、それからそのほか、花回廊だとかいろんなところが続いていくわけでございます。やはりそうしたところに興味があって、行ってみると多分中国の人たちもおもしろい、そういうことで満足ということなのかなとデータ上は読めます。ですから、リピーターを呼び込む余地は我々のサイトには十分あるわけであります。  注意しなければならないのは受け入れ環境のことでありまして、そのときにいろいろコメントを書いていただいておりますが、Wi-Fi環境の話がございました。これが必要だと。実は今、水木しげるロードでは、境港市がWi-Fi環境整備を昨年度、今年度と進めておりまして、恐らく今月使えるようになるのではないかと思われます。これがないというのが一つ。それから、クレジットカードを水木しげるロードで使えなかった。銀聯カードのことでございます。これもやはり対応しなければいけない。両替所がなかった、それからガイドが少な過ぎる、そういうような御意見がございました。水木しげるロードを実際歩かれたようでございまして、そのことでというお客さんのあれだと思うのですが、同じような記念品のお店が多かった。それで、食べに入れるところが少なかった、そういうように書いてございます。恐らく皆さんは非常に楽しんでまちを歩かれるのでありまして、何か買うものがあったら買いたいとは思うのでしょうが、ちょっとそれがなかった。実はフリータイムがあって、食べ物屋に寄りたいのでしょうけれども、それが少なかったということでございました。  ただ片方で、マリナー・オブ・ザ・シーズのときに実ははやったお店があります。それは駅の近くの海鮮のお店でございまして、こちらはお客様が入りました。それはタッチパネル方式で多言語対応で注文できる、そういうお店でございまして、入りやすかったのだろうとも思われます。また、お客さんにもマップで案内もしてあるわけであります。これからわかるのは、こういうお客さんが来るのですから、もっと我々もそれをつかまえるような努力をやはりまち全体、それぞれの商店さんもやるべきなのではないかと思うのですね。先般はもっと売り上げを上げるための外国クルーズ船の迎え方をテーマにしまして、長崎の講師を呼んで境港で講習会をしたところでございますけれども、我々はもっとしたたかに、こういうせっかくお客さんが来てお金も持っているわけでありまして、そういう人たちのお金を地元に落とさせる、そういうまち全体の努力ももっとやらなければいけないかなと思います。  先ほど申しましたようにWi-Fiであるとか、それからカードを使えるところだとか、いろいろと広がりが出てきておりまして、少しずつ進んでいると思いますが、あと一番大切なのは、売ってやろうという意思と行動のところももっと必要なのではないかなというふうにも思います。ただ、いずれにいたしましても、議員がおっしゃるようにいろんな環境づくりだとか、そういうニーズ調査をしなければなりません。同行して今までも調査をしていることはあるようではございますけれども、ぜひ今度はクァンタム・オブ・ザ・シーズみたいなでかいのが来たりしますし、チャーターフライトなども今はたくさん来ていますが、少し濃密なそういう向こうのニーズがわかるような調査もさせていただきたいと思います。 ◯議長(野田修君)20番森岡議員 ◯20番(森岡俊夫君)調査についてはお願いをしたいなと思っております。ただ、調査先ですよね。例えば旅行会社だったり上海のエージェントであったり、そういったところが悪く書くことは恐らくないと思うのですよね。ですから、本当のお客さんの生の声、こういったことをしっかりと受けとめる体制づくりが必要だというふうに言っているわけでありましす。実は3月1日の鳥取砂丘コナン空港のオープニング式典で上海から来られたということでありました。その上海便のチャーター便のツアーを調べてみましたら、大阪2泊、鳥取1泊の3泊4日、それから大阪3泊、鳥取1泊の4泊5日、鳥取2泊、大阪2泊の4泊5日、鳥取1泊、大阪2泊の3泊4日、名古屋1泊、大阪3泊、鳥取1泊、5泊、そういったツアーが組まれておって、先ほど知事も県内に宿泊される外国人の方がたくさんふえていますねというお話をされたのですが、当然そういう形で、私はこういう商品を組むことに対しては非常に評価はしておるのです。ただ、先ほども言いましたけれども、地元に落とす、経済としてやはりショッピングというのが一番重要な部分になってきますので、どのツアーも必ず大阪・梅田なのですよ。1日あけて大阪・梅田でショッピングをしましょうというような企画になっておりまして、どうしてもここでせっかくチャーター便を手配して呼び込んだけれども、その大きな、一番おいしいところは他県にとられているというようなことがありますので、今は受け皿がないわけですから、それはそれでしようがないかもしれません。やはりそういったときにもしっかりと動向調査をして、本当にお客さんが何のために来て、どこが一番楽しかったのかというようなことは生の声で聞いていただきたいなというふうに思います。  外国人の観光客でいいますとね、そういうニーズをきちっと把握して、そのニーズに応えることができなければ、やはりリピーターとして帰ってくることは期待できないのではないかなというふうに思っています。  中国人は特に口コミがすごい、何か広がるようでして、実は水木ロードにまんじゅうをつくっているOEMの会社があるのです。鬼太郎まんじゅうであったり、他県の観光地でたくさんのOEMのまんじゅうを受けてやっているところなのですが、そこが出しているおまんじゅうが実は東京のコミックマーケットなどにも出しているのですけれども、同じ鬼太郎のパッケージ、それから去年はやった「進撃の巨人」というようなパッケージ、いろんなものを出すのですが、中国人の購買意欲は物すごいらしくて、一つの商品に対してこれがいいよとなったら、そればかり買うらしいのです。ですから、中国人がこれと言った商品が3日間で1万5,000箱売れたのですね。ところが、鬼太郎などでいうと500ぐらいしか売れないと、口コミでここがだめだったよとか、これはまずいよとか、そういったことが一番怖いわけですから、絶対に動向調査というのが必要になってくると私は思っております。  先ほど異業種の施設を集めてはどうかという質問をしまして、既存の施設を使ったり、そういったことで対応するというようなお話がありましたけれども、鳥取県に観光に入ってきていただいて、鳥取県ではこんなものがありましたよという宣伝ですよね、今度は。プロモーションといいますか、そういったことに関しても、中国人の場合には例えばウェイボーであったりウィーチャットのような、そういうITを駆使して情報交換をしたりすることで、例えば次はここの買い物ツアーに行きましょうとか、ここの観光地に行きましょうとか、そういったことが非常に広がっているというふうに聞いております。  なぜ異業種業者の集積施設を急ぐべきかというふうなお話をしたわけですけれども、やはりこれから東京オリンピックなどで外国人観光客が来ます。それに対応すべく、施設ということからも、そういったものを空港であったりクルーズ船の寄港地周辺に置くということは絶対に必要なわけでありますから、その辺についても対応していただければなと思います。  そのときに一つ考えなければいけないのは、国外の外国人の観光客の75%以上の方が食べること、日本食と、それから日本酒、それから焼酎などを楽しむということがそれぐらい高いニーズを持っていますので、知事が知事を受けられてから「食のみやこ鳥取」という、そういう切り口をしっかりと打ち出しているわけですから、そういう異業種施設の中にはそういう食のみやこを堪能できるような場所もひとつ考えていってほしいなというふうに思います。それが空港であれば空の駅という構想につながってくるのではないかなと思っております。そういった観点につきまして、知事の所見を求めたいと思います。 ◯議長(野田修君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて今、森岡議員のほうから、国際旅客の集客につきましてお話をいただきました。詳細については、文化観光局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  調査については、議員のほうもおっしゃるように、そういう意味で少し精細な動向調査というのを仕掛ける必要があるかなと思いました。また、あわせて、議員のほうの御提案も一つ一つごもっともでございまして、これからまた次の議会、そして首長というメンバーの中で恐らく地方創生といいますか、地域おこしをやっていかなければいけない。そのうちの一つの柱になってくるのは外国からの観光旅客をどういうふうに呼び込んでいくのか。多分ここは経済のパイが膨らんでくるところでございまして、鳥取県は正直今までとれていなかったところです。  私も就任以来、北東アジアゲートウェイを提唱させていただきまして海外からの旅客誘致を進めてまいりまして、EGLツアーズがこのたび3月11日から4月にかけまして香港から8回のツアーを出してくるところでございましたり、タイのツアーがやってくるとか、また、このたび鳥取砂丘コナン空港に上海や台湾のチャーターフライトが相次いで来るとか、今までにないタイプのツアーを呼び起こしてきておりますし、クルーズ客船もだんだんどんどんふえてきていると。これを経済の活性化につなげていく、そこのところのつなぎはやはりなかなかまだ追いついていないなと。そこが多分森岡議員がおっしゃるコアのところだと思います。それをもう一度謙虚に受けとめさせていただいて、今後の戦略を地方創生の大きな一つの柱として、こうしたことも考えていかなければいけないのだろうというふうに思います。  空の駅は重要だということでございますが、今もおっしゃったように、最後に買い回りをするところが空港であったりします。ですから、そういう空の駅としての機能を充実させること、これは論をまたないところだろうと思います。今、残念ながら鳥取県内の空港はいずれも小規模でございますので十分な対応がとれていない面がありますが、先ほど申し上げましたように、鳥取砂丘コナン空港のオープンのときに国際会館を使いまして、そこにいわばマーケットをつくりましたら、シャルビーとかそういう化粧品だとかが見事に売れたと。我々はこれをちゃんと受けとめるべきだと思います。ですから、海外からお客さんがやってくるのであれば、その人たちが買いやすいようなものを、買いたいものをそろえて、そこに議員がおっしゃったような口コミを重ねていく、この努力をやるべきなのだろうと思います。先般は上海のブロガーが水木しげるロードを歩いております。このブロガーが発信することでさっきおっしゃるようなウェイボーのマーケットの広がりが出てくるわけであろうかと思います。  実は今、空前の米子-ソウル便のブームになっておりまして、搭乗率が過去最高を記録しております。これもあちらのほうの方々にマスコミの番組を誘致したということが一つのきっかけになっていますし、ブロガーを呼んでネットでの評判を広げるということを丹念にやってきた成果が円安のこの時期にあらわれてきているということだと思います。そんな意味で、こうした取り組みをぜひとも拡大させる必要があると思いますし、それとあわせて、空港という拠点、空の駅構想の推進というのをいろんな方々の識者の御意見を入れながら抜本的に進めていくべきだろうと思います。  地方創生の一つのやり方として、鳥取砂丘コナン空港と、それからあの近くにありますマリンピア賀露、これを一つのゾーンとしてつなげて考えていく。これは利便性を整えるためには、例えばそこをつなぐようなバスで当面やって、いずれは道路をつくってつなげるということも検討してみてもいいのかもしれません。また、竹内南地区のターミナルがいよいよ国で採択をされて動き出すということに仮になるのであれば、3月10日前後ぐらいだと思いますが、正式に国土交通省が決めるタイミングが来るのではないかと期待をしております。そういうようなことに仮になるのであれば、そこを整備することがこれから始まります。これと米子鬼太郎空港は至近距離です。全国的に見ても、空港と港がこれだけ近いというのはまずないぐらい近いです。ですから、これを一つのゾーンとして考えれば、小さな山陰という規模かもしれませんけれども、国際空港と国際港湾とが一つのゾーンとして、買い回りをすることも含めて一体性のある空の駅、海の駅というものを考えることが可能な状況ではないかと思います。  さらに言えば、この至近距離を生かしましてクルーズ客船を呼び込むわけでありますが、ターンアラウンドと言われる手法があります。この地を出発点、終着点としてもらうと。それで日本一周だとかアジアクルーズを楽しんでもらう。フランスの船だとか、いろんな船もございます。こういうのを最近進めてきているのが小樽でございまして、我々も一生懸命今まで仕掛けてきたのですが、なかなか実を結んでいませんけれども、そういうようなことを取り込んでくるにも、空港と港の距離感というのはいいほうに作用してくる可能性もあるとにらんでおります。  いずれにしろ、こんなことをいろいろと展開をしながら海外からの旅客が入り込むこと、その具体的な経済効果をもっと今以上に広げていくことに注力していくことを目指してまいりたいと思います。 ◯議長(野田修君)森谷文化観光スポーツ局長 ◯文化観光スポーツ局長(森谷邦彦君)それでは、私のほうからは外国人観光客の目的に対応したおもてなしといいますか、外国人観光客のニーズの把握等について補足の説明をさせていただきます。  議員のお話にございましたように、中国からたくさんのお客様に本県にも来県していただいておるところでございますけれども、例えば中国の方への対応の基礎となるニーズ、例えば買い物であったり、あるいは旅行先であったり、そういったところがどこにあるかということ、これを捉えることが非常に大切なことかなと考えております。  例えば具体的に言いますと、昨年10月に境港に来航していただきましたマリナー・オブ・ザ・シーズですけれども、このときには事前に本県の担当者が過去実績のございます福岡港、あるいは長崎港に行きまして、あわせましてまたラウンドオペレーターの旅行会社、そういったところを訪問させていただきまして、しっかりとニーズを把握させていただいたところでございます。  そういった取り組み、例えば先ほど知事のほうからもありましたけれども、EGLのチャーター便の来客の際、あるいはクルーズ船の来客の際にアンケート調査、それからまた、実際に水木しげるロード、あるいは列車の中に同乗、同行させていただいて、その動向なり買い物の状況も見させていただいた、そういったようなことにも努めておるところでございます。そういった調査をもとに、いかに中国人の方、外国人の方に満足していただける旅行商品を提供できるかということで、例えば昼食施設、あるいは立ち寄りの施設、さらには観光地等の希望などをしっかりと把握させていただいて、ラウンドオペラーターとお話もさせていただいて、提案をさせていただいて、しっかりした旅行商品をつくっていただく、そういった取り組みを進めておるところでございます。  いずれにいたしましても、鳥取県は非常に魅力的な素材もございますので、それを上手にプロモーションしながら、経済的な効果も期待できる、そういった観光誘客を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 ◯議長(野田修君)20番森岡議員 ◯20番(森岡俊夫君)森谷局長のおっしゃるとおり、しっかりやっていただければなと思います。  クルーズ船であったりチャーター便というのは、これは手段でありますので、しっかりと目的を達成できる体制づくりをお願いしたいということであります。  魅力という観点からいいますと、やはり鳥取県の場合はまんが王国とっとりを標榜しておりまして、まんが王国とっとり国づくりビジョンの中でも、まんが王国の将来像として、一度は訪れたい漫画の聖地として確立し、国内外から継続して観光客が訪れるということ、それから王国の拠点整備、そういったこともきちんと明記されておりますので、大山であったり砂丘であったり、そういった自然、景勝地、それから温泉、旅館、こういった文化的な要素と、それからこういう漫画というものをしっかりと組み合わせて、これはなかなか短期的では難しいと思いますので、中長期的な戦略をしっかりと練って対応していただければなというふうに思います。  そのためには、先ほど森谷局長のほうからプロモーションの話がありましたけれども、これはどうやって宣伝をしていくかということが一番重要なキーだろうかと思います。昨年からフランスのジャパンエキスポなどにも出展されたり、積極的に海外展開をやられているわけですが、国内に来られる観光客、海外の方に鳥取をいかに知ってもらうかというのが私は一番のポイントではなかろうかなと思うのです。例えば東京に来るお客さんに鳥取県とはこんなところですよということを知らしめる。全国から1,300万人来られるわけですから、その方々に絶対に鳥取という言葉を目に焼きつけてもらうような、そういった形のプロモーション、宣伝というのを私は考えるべきではないかなというふうに思っているのです。  そういった中で、東京あたりへ行きますとデジタルサイネージという看板というか、表示板があるのですけれども、そういったものとスマホを関連させながら、それを外国人がかざすと鳥取の情報が入るとか、そういうITをしっかり駆使した戦略をつくってみてはどうかというふうにも考えております。  もう一つ、王国のことなのですが、やはり東京でコミケなどをやりますと、3日間で58万人というようなお客さんが来られるということを聞いております。58万人といいましたら鳥取県の人口と同じぐらいの人口なのですね。それくらい漫画やアニメというものが認知されておるという状況の中で、王国、聖地ということを考えれば、私は鳥取県版のコミケであったり鳥取県版のコミックコンベンション、コミコンと言われるようなそういった大きなイベントをこれからもやり続けることが必要ではないかなというふうに思っております。  昨日の官房長のお話だと、なかなかそういったところから今度は市町村へというような移行のお話もありましたけれども、ここは王国づくりに対しては、外国人にアピールするためにもしっかりとこういうイベントをやり続けることが大事だなというふうに思いますが、その辺について知事の所見を求めたいと思います。 ◯議長(野田修君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)今後のまんが王国による事業によります展開、それによる観光客の受け入れということにつきまして、改めてお尋ねをいただきました。詳細はまんが王国官房長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、議員がおっしゃいましたように、漫画というのは世界を通じて日本を見る一つの大きな窓口になります。引き寄せるための誘引としては、これが差別化の誘引になりまして、鳥取を選んでくれることにもなろうかと思います。  今、関西が空前の外国人観光客ブームになっているのは、恐らくユニバーサル・スタジオの新しい展開があって、そこに引き寄せられているものがあると思います。魔法学校ができたとか、それから、あわせて日本の「進撃の巨人」だとか、そういう日本のアニメなども活用しながらテーマパークとしてのおもしろさを強化したと。そんなことに引き寄せられるようにたくさんのお客さんが今やってくるようでありまして、かつて東京一極集中だったところが少し変わり始めているようにも見えます。もう一息で鳥取まで来るわけでありまして、あと一歩こちらに引き寄せるためにも、そういう日本に来るお客さんたちが好んでおられるようなアイテムが実はここにもありますから、そちらのほうに引き寄せる努力をするのが近道であり、漫画を活用することは私も賛成でございます。その意味で、今、海外でも宣伝をさせていただくわけでございますけれども、ジャパンエキスポにも参画をさせていただきまして、さらにはイタリアのミラノ万博にも関西広域連合との関連で出ていってもいいのではないかなと思います。  こういうようなことが向こうでどう受け入れられているかなのですけれども、実は1月だったと思いますが、アングレームというフランスのいわば漫画の聖地があります。ここでアングレームの博覧会があったわけでありますけれども、そのメーンが谷口ジロー先生でいらっしゃいました。谷口ジロー先生と一緒にぶらぶら歩きをするようなイメージで展示がセットされていまして、これが非常に大きな規模の展示でございました。現地メディアは絶賛をしていまして、谷口ジロー先生もびっくりするぐらいであったというふうに伺っております。その勢いでアングレームのほうと鳥取とを結びつけるような交流も考えてもいいのではないかと向こうのメディアが向こうの市長さんに言っているような状況にもなってきておりまして、我々としてもそれぐらい鳥取の谷口ジローさんが評価をされていること、これを今後も活用していけるのではないかなというふうにも期待しているところでございます。  また、海外との関係でいきますと、トリップアドバイザーとか、それからエクスペディアといったような海外の人たちが使う旅行サイトがあります。これと鳥取県と連携をして、それで情報発信を図ろうというようなことも始めようといたしております。さまざまな手を使って漫画というモチーフを海外に売り出す、それによって鳥取への誘客を図っていく、そんな展開をしてまいりたいと思いますが、詳細につきましてはまんが王国官房長のほうからお答えを申し上げます。 ◯議長(野田修君)江原まんが王国官房長 ◯まんが王国官房長(江原修君)森岡議員の御質問に補足をさせていただきます。  まず、プロモーションの関係でありますけれども、知事の答弁にもありましたように、本県が他の地域と差別化をする上で漫画をきっかけとしてアピールしていく、これは非常に重要なことであろうというふうに思っております。今回3月1日の鳥取砂丘コナン空港というものもまさにそういう切り口でオープニングをやらせていただいているところでありまして、今回のオープニングには海外メディアの在京特派員17社、それに上海のチャーター便から同乗して来られた中国メディア6社、計23社の海外メディアが取材に訪れ、国内メディアも合わせますと50社近いメディアでいろんな報道がなされたということであります。  オープンニング以降の海外のインターネットでこの記事がどれぐらい掲載されているかというのを調べてみますと、昨日時点で450件以上の記事が、特に中国を中心にして掲載がされているということで、漫画を生かした情報発信、これをいかにうまくやっていくかということによって鳥取県に対する認知というものが高まっていくということを改めて実感したところでありまして、今後もこういう機会あるごとに継続していきたいというふうに思っております。  また、先ほど知事も申しましたフランスでありますけれども、谷口ジロー先生というのが非常に高い評価を得ておりまして、アングレームの国際漫画フェスティバルの様子を日本のマスコミも取材しておりますが、その中では「孤独のグルメ」の作者は怪物だった、日本人が知らない谷口ジローの進化といったような形で、日本人には余り知られていないのだけれども、フランスあるいはヨーロッパではすごい評価を得ている本県出身の谷口ジロー先生というのがいらっしゃいます。そういうものにあやかりながら、鳥取県というものを海外に対しても発信していくいう意味で昨年のジャパンエキスポにも出展させていただきましたので、ことしもそういう経験を踏まえながらヨーロッパでの発信というものも引き続きやっていきたいと思っております。  また、議員おっしゃいましたITを活用したプロモーションということでございますけれども、詳細についてはまだ技術がどういうものか把握できていませんので何とも言いようがありませんけれども、いずれにせよ、スマホというツールというものが2020年には国民が1人1台以上は必ず持つようになるというような、そんな予測もあったりします。ですから、こういうものは有効に活用して、プロモーション、情報発信をしていきたいというふうに思っております。  まんが王国としてイベントを県としてもやり続けるべきではないかというような御質問をいただきました。基本的には、先般お答えしましたとおりいろんな主体の方々と一緒になっていろんなものを取り組んでいきたいなというふうに思っておりますけれども、コナン空港でいろんなソフト事業を行ってそれを情報発信につなげていくとか、そういうことは引き続きやっていきたいと思っております。  また、民間がやっておられます例えば来年で10年を迎えますが、ずっと続いてきている鳥取砂丘のゆるキャラカップでありますとか、また新たな米子のサブカルイベントとして定着しつつある米子映画事変ですとか、そういったものをサポートしながらまんが王国とっとりの核となるイベントというふうに育てていければというふうに思っております。 ◯議長(野田修君)20番森岡議員 ◯20番(森岡俊夫君)漫画の聖地化なのですよ。聖地化をするためのイベントなのですよね。ですから、例えばゆるキャラであったりとか、そういう鳥取砂丘コナン空港でやっているイベントというようなもので、では世界から観光客が呼べますかということなのですよね。ですから、そこはしっかりと、まんが王国とっとりを標榜しているわけですから、私はこれをやり続けるというか、これが核にならなければうそなのですよね。ですから、その辺をしっかり議論をしていただければなと思っております。  先ほども言いましたけれども、手段と目的を履き違えないようにして、地域経済を最優先に考えて、他県では実現し得ない魅力、これが漫画だと思います。そういったことを国内外の人たちにアピールして、一度は鳥取に行ってみたい、訪れた人たちがもう一度鳥取に行ってみたい、そういうふうに思わせるような国際観光戦略を平井知事には組み立てていただきたいと思います。 ◯議長(野田修君)時間です。 ◯20番(森岡俊夫君)コメントがあればお願いします。 ◯議長(野田修君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)森岡議員から力強いメッセージをいただきました。議員の御質問を伺っていてなるほどと思いますのは、やはり一つの聖地として国内外で認知をされるぐらいのものを鳥取からつくり上げていかなければいけないということだと思います。これはたくさんのお金をかけるということよりも、むしろメディア戦略も含めてクレバーに、堅実に、そしてしたたかにやっていく、それが戦略なのかなというふうに思います。そういう意味で、今、水木しげるロードを改装しようというふうに動き出しました。平成28年度から工事にかかるということでありますが、このリニューアルをぜひともそういう意味でまんが王国の一つのコアとなるように、みんなでいろんな知恵を寄せ合って、起爆剤としていかなければいけないと思います。ことしの11月にはホテルも境港にいよいよオープンをするというふうにも言われていまして、時代が今動きつつあると思います。  このたびの鳥取砂丘コナン空港のことをとっても、あるいはフリーでの岩美町にやってこられるお客さんを見ても、今までとは違った風が吹き始めたことは間違いがない。これをしっかりとフォローウインドとして地域を発展させる起爆剤にしていかなければならないというふうに思います。  イベントのことも御提案がございましたが、これも関係者と、官民、それから市町村、いろんな役割分担も考えながら今後とも精力的に検討してまいりたいと思います。 ◯議長(野田修君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は13時ちょうどより再開いたします。        午後0時02分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(前田八壽彦君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  21番横山隆義議員 ◯21番(横山隆義君)(登壇、拍手)会派希望(のぞみ)会長の横山隆義です。本議会は、今任期の最後の議会であります。会派希望(のぞみ)は県政の政策集団として、あるべき会派の姿を示せたと自負を持っております。こうした会派の活動ができたのも、理想の地方議会の姿を追求される伊藤美都夫議員、海の知識豊かな森岡俊夫議員、会派の知恵袋である砂場隆浩議員、そして防災の専門家の国岡智志議員に感謝しております。  今回の一般質問で、代表質問を含めて本会議での質問は50回目になります。多方面にわたって質問させていただきました。その都度、平井知事を初め、答弁にかかわっていただきました皆さんには丁寧な答弁をいただき、有意義な本会議を体験することができました。本当にありがとうございました。  加えて、平井知事におかれましては、東奔西走で県政の発展に貢献されました。心より敬服し、感謝しております。来期の活躍を期待しております。我が会派は連帯の声援を送りたいと思います。  今回の会派希望(のぞみ)の統一テーマは、鳥取県を住みたい県・行きたい県にするための戦略提言であります。私は、UIJターンを通して戦略策定の方向性を考え、次に県政顧問を通してその手法を議論いたし、最後に財政確保戦略としてふるさと納税への提言をさせていただき、住んでみたい希望地日本一を目指したいと思います。  先日、東京にあるふるさと暮らし情報センターが、同センターを訪れた人を対象に実施した移住希望アンケートの集計結果を発表しました。いわば住んでみたい地域ランキングであります。2012年に鳥取県は全国で第8位でしたが、2013年、2014年は10位以内にも入っていません。調査結果を見ると、首都圏から比較的交通アクセスがよい山梨県、長野県が上位となっています。山梨県は県労働局からセンターに人員を派遣して移住相談、就職相談の窓口を構え、定期的な移住セミナーを開催しておられます。昨年、一昨年1位であった長野県は2位に下がっております。センター内にあった移住相談コーナーを新しく銀座にできたアンテナショップに移設したため、相乗効果が失われたのではないかと同センターは分析しています。それだけ相談窓口の重要性がわかります。  一方、ふるさと回帰支援センターは、インターネット調査ではなく、センターに訪れた相談者にアンケートをしています。実際に田舎暮らしを考える相談者と言っていいでしょう。実に相談者の約70%は希望地域が決まっていないそうであります。その結果、移住先のPRがうまくいっている地域の人気が高くなる傾向があるそうです。移住希望地として地方都市を上げる人は14.8%であります。希望するライフスタイルとしては就労を上げる人が61.8%で、就労形態の内訳を見ると、企業を含む就職を上げる人は45.3%、農業を上げる人も27.9%もおられます。この結果を見ると、鳥取県の出番はあると思います。  自然災害が少ないこと、空気や水がおいしいこと、まんが、食、子育ての3つの王国であること、観光地は開発途上で移住者の活躍の場があること、何より、人情に厚く、素朴で優しい土地柄であること、そして平井知事がいつも言われる顔の見えるコミュニケーションがとれていることが戦略策定のベクトルではないでしょうか。  まず、鳥取を住みたい県、行きたい県にするための戦略の方向性について、平井知事の所見を伺います。  次に、戦略策定の手法として、県政顧問制度について質問いたします。  県政顧問制度は、県政の重要項目に関する助言、提言をいただき、あるいは個別の見地からの御意見をいただくため、本県にゆかりのある各界の皆様に就任をお願いしている制度であります。当該制度は昭和40年から始まり、途中7年程度の中断を挟み、現在に至っているものであります。  今回質問を行うに際し、執行部から同制度に関する資料を幾つかいただきました。県政顧問制度の活用状況を示した資料には、各顧問の方々にお願いした事柄がたくさん記載してありました。特定の分野で御協力、御支援をいただいているという事項は納得できるのですが、漠然とした内容のものも多く、社交的に面談して意見交換をしたという域を出ていない、あるいは担当者レベルで処理できたような簡易な案件も多く記載されているように感じました。これでは県として県政顧問制度を有効に活用していないと言え、就任いただきました県政顧問の皆様に失礼ではないでしょうか。  今、日本中で地方創生が叫ばれております。そのための緊急経済対策の補正予算も組まれ、本県議会も臨時議会を開いて議決しました。このことは意味のあることだと思います。しかし、言葉だけで、緊急対策予算だけでお茶を濁すその場しのぎの地方創生であってはいけません。地域の特色を生かし、持続可能な地方創生でなければ、予算の終わりが地方創生の終わりとなりかねません。  私は、県政顧問制度を地方創生の推進役として大いに期待してはどうかと考えています。本県にゆかりのある日本を代表する各界の有識者に意見を請うわけですから、国内有数の頭脳に本県独自のオーダーメード的な政策や本県に革命を起こすような貴重なお知恵をいただけるならば本当にすばらしい制度になるのではないでしょうか。  顧問を任命し、記者発表することがメーンで、顧問の皆さんが県政のアクセサリーという状況であってはなりません。顧問の皆さんのお知恵をかりて、足元の施策だけではなく、将来を見据えた施策を大所高所から考えられた政策など、もっと骨太の事柄を相談なさってはどうでしょうか。その過程においてこそ、住んでみたい希望地の日本一の未来像が見えてくると思います。  顧問の皆さんも本来業務でお忙しいと思いますが、顧問就任を快諾してくださった方々ですので、本県のために大いに力をかしていただけるものと推察いたします。そして、顧問の方にお願いするには、何よりもまず執行部自身が県政に何が欠けているのか、そして何がたけているのかを研究して、住みたい希望地日本一、行ってみたい希望地日本一の鳥取県を目指さなければなりません。そのような姿勢を今の執行部に持っていただきたいと思います。県政顧問制度をもてあましているようではいけないと思います。まず、県政顧問制度が機能しているかどうか、率直な感想をお聞かせください。そして、今後県政顧問制度をどうしていこうとされているのかお聞かせください。  財政確保戦略としてふるさと納税を取り上げ、質問と提言をいたします。  ふるさと納税とは、厳密には納税制度ではありません。一定の制限や限度があるものの、任意の地方自治体に寄附することによって寄附した額の一定額が税額控除となる住民税を中心としたスキームの総称であります。自分が生活している自治体ではなく、生まれ育ったふるさとなどの発展のために寄与することから、ふるさと納税と呼ばれております。  県だけでなく、県内19市町村の全てが取り組んでおります。その総額は昨年1年間で21億5,572万円にもなります。平成25年には9億9,213万円ですから2.17倍、平成24年度は2億175万円ですから10.68倍と驚異的な伸び方をしております。県も平成25年度1年間で3億3,600万円も寄附をいただきました。寄附額の1割から3割に相当するお礼を送る経費などがかかりますが、お礼の品は県内企業の協力もあって魅力的な品が集まり、県は約2億円の財源を確保できました。これは不動産売却収入の半分近い自主財源であります。しかも、ふるさと納税は基本は住民税の免税制度ということもあって、税収減には厳しい財務省の態度もおおらかで、今後この制度は継続されるとの見方が強いようです。今後ますます拡充していただき、財源確保の一助としていただきたいと思います。  加えて、ふるさと納税は県産品のPRにも大きな役割を果たしてくれるのではないかと私は期待しております。鳥取県そのもののPRにもなるのではないでしょうか。まず、ふるさと納税に対する知事の評価をお聞かせください。  私はふるさと納税を高く評価しており、さらなる充実を求めたいと思います。そこで、何点か提案させていただきます。  まず第1に、ニュース性に富んだ事業展開です。ふるさと納税がヒットしたのはネット上での展開が成功したからであり、この強みを生かさない手はありません。日本穀物検定協会の食味ランキングで、ことしも鳥取県産のきぬむすめが特Aの評価を受けました。もう既にやっておられると思いますが、よろしくお願いします。  第2の提案は、ウェルカニキャンペーン、ジビエサミット、ハタハタフェスティバルなど、販路拡大や市場開拓のために県が仕掛けるイベントのコラボレーションであります。これは大きな相乗効果が期待できます。
     次の提案は、2月補正予算で成立した緊急経済対策の中に首都圏でも販売しますプレミアム旅行券がありましたが、これをお礼の品にするという提案であります。そして、今申し上げた各提案は、私の持論であるインバウンド増に直結し、行ってみたい鳥取県づくりに役立つと思います。  次の提案は、会派希望(のぞみ)の砂場隆浩議員が提案しました海外展開です。ふるさと納税の本質は、寄附行為であります。仮に課税控除の対象とならなくとも、鳥取というふるさとの香りが海を越えて届くというのであれば、協力しようとする人は少なくないと思います。  さらに、11月の定例会で内田博長議員が提案された東京アンテナショップの利用、もっと有効的な利用もあるのではないかと思っております。  以上、4点の提案につき、知事の考えをお聞かせください。  以上で、壇上での質問を終わります。 ◯副議長(前田八壽彦君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)横山県議の一般質問にお答え申し上げます。  冒頭、温かいエールを送っていただきました。連帯のメッセージを熱い思いで受けとめさせていただきました。考えてみますと、横山県議におかれましては、子供たちを過去に指導した経験、それからまちの中で一緒になっていろんなイベントをしたり障害者のお世話をしたり、そういう実績を踏まえながら、いつも陰に陽に御指導いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  そして、まず鳥取を住みたい県・行きたい県にするための戦略、方向性についていかがかということでお話がございました。議員がおっしゃったように、災害が少ないとか空気がおいしいとか、あるいは人のきずなが温かいとか、いろんないいところがふるさと鳥取県にはございます。この鳥取に観光で訪れる、さらに住んでみる、訪れてよし住んでよしの鳥取県をつくっていくことが地方創生の肝心かなめの部分だというふうに思います。議員がおっしゃったようなそういうベクトルを一つにまとめまして、まずは地方創生に向けた骨子的なものをこの議会の間に取りまとめをさせていただこうと、今急いでいるところでございます。  そして、市町村のさまざまな動きが出てこようかと思います。琴浦においてはデーリィータウンをつくろうと、酪農のまちをつくろうということをコンセプトに掲げられました。これはなりわいにもつながりますし、地域のイメージにもつながりますし、それから、人々の夢をかき立てるものでもあろうかと思います。今、観光化が進みまして、お客さんも鳴り石の浜を初め徐々にふえてきている琴浦でございますが、そういう琴浦なりの計画も今つくり始めようとしているところでございまして、私としても県のサポート体制をそれぞれの市町村に対して組んでいきたいと考えております。  やはり一つの戦略としては大いなる田舎ということ、すばらしい田舎ということ、それを端的に多くの方々にアピールをしていく、そんな内容かなというふうに思っております。自然の恵みであるとかぬくもりのきずなであるとか、さらにはゆったり刻む時であるとか、そういうぜいたくがこの土地にはあります。お金で買えない幸せの姿なのではないかと思います。それを我々としても磨き上げて、多くの方々が住んでも安心して、しかも元気で働く場もあるような、そんなふるさとをつくってまいりたいと思っております。  そういう中で、議員の御指摘がございました県政顧問を活用するということになろうかと思います。県政顧問についての率直な感想とこれからどういうふうにしようとしていくのかということでございます。先ほどの御指摘の中で担当者のほうからペーパーを取り寄せて活動状況を見たと、こういうことでございましたが、ちょっと話を聞いていた感じでは、それは恐らく担当者のレベルでわかることが多かったのではないかな、しかも特定の課にお問い合わせになったのではないでしょうか。それは特定の課の中でわかる範囲内のことだったのかなと思います。横山議員の御質問によりまして県政顧問制度を復活させました。これは横山議員の質問がなければ動き出せなかった部分だと思います。それは実際には大変に活用されていると私は思っております。顧問の方々の名誉のためにも、そのことは申し上げなければいけないと思います。  一般にこういう県政顧問のようなポストにつきまして、期待されるものが幾つかあると思います。1つはその顧問のお知恵ということ、いろんな経験豊富なことについてお知恵をいただくということ。それから、2つ目には顧問の人的ネットワークがあります。ある程度の社会的な地位の方をお願いをしておりまして、その人的なネットワークを活用させていただくと。それから、3番目には県政顧問の方御自身が行動を起こしていただくと、そうやって県政のサポートをしていただく、こういうような効果が県政顧問というポストにはあるのではないかと思います。  実は、就任をお願いしたころからしますと、期待以上にそこは動いていると思っております。県政顧問の皆様のお知恵ということでいえば、今、博物館をどうしようかということでございますが、これについては林田顧問がまさに前の国立新美術館の館長をされておられた方であり、文化庁長官をされた方です。この方のお知恵を今いただきながら、非常に県政上難しい課題の一つである博物館ということについて当たっていただいておりまして、今後どうするか、美術館機能を切り離すのか、自然系の機能を切り離すのか、人文系の機能を切り離すのか、アンケート調査も県民の皆様にさせていただいているところでございまして、遠からず方向性が出てくるのではないかと思っております。  こういうようなことだけでなくて、実は林田顧問のことでいえば、人脈をいろいろといただいています。例えばアーティストリゾートをつくろうと、文化芸術の高みをやろうというときに、鳥の劇場が中心となって今そういうアートをされているわけでございますけれども、それを東アジアの演劇祭レベルに持ち上げていこうではないか。これをBeSeTo演劇祭と言っているものでありますが、この東アジア演劇祭を立ち上げるとなりますと、国のほうのいろんな人脈とのつながりがなければなりません。高名な演出家であるとか、それからさまざまなプロデュースのノウハウを持った人たちだとか、そうしたところとも結びついていかなければなりません。その辺の橋渡し役も実は今していただいているところでございます。  そんなように、今は林田さんの例でありますけれども、井上さんというダイキンの会長も顧問になっていらっしゃいます。この方は関経連の中において鳥取の担当を引き受けられました。それで、鳥取の経済人と関経連加盟の企業との橋渡し役をみずから買って出ていただいております。それから、今我々のほうで例えばこれからは航空機産業であるとか医薬健康系であるとか、次世代型の産業を興していかなければならない。そのための高度人材を育成しようと思いますと、今のやり方では研修がし切れないわけですね。ですから、お願いをしておりますのは、ダイキンアレスという施設を県内にお持ちでいらっしゃいますけれども、それをこういう高度人材育成のプログラムに活用させていただけないだろうか、こんなこともお願いをしているのですが、基本的には御了解もいただいております。  それから、秋篠宮家がお泊まりになられたのも記憶に新しいところでございますけれども、普通ならなかなかそういう御提供いただけないような宿舎を御提供いただき、その間は会社の研修を閉ざしてお客さんを全部入れないという措置までしていただいているわけであります。こういうようなこともございます。  また、最近でいいますと、リンガーハットの米濱さんも、これも県政顧問でいらっしゃいますが、鳥取県のほうでお願いをしておりましたキノコを食材として活用してもらうということでありますが、実はデッドロックに乗っかっていました。県政顧問の会議を開いたときに米濱さんがきょう話をまとめてきたとおっしゃいまして、それで先般、知事のほうから話があったこの件についてはリンガーハットとして受けることにいたしましたということをお伝えいただきまして、本当に関係者も喜んだところでございます。非常に就職の厳しかったときに鳥取の状況に鑑みまして、山田顧問はこちらに不二家の系列によりますBPO、ビジネス・プロセス・アウトソーシングですか、要は事務系の仕事をアウトソースをする会社、これをこちらに誘致するのに御協力をいただきました。東日本大震災の喧騒の中でありましたけれども、そういうように取り組んでいただいたわけであります。  こういうように申し上げるとまだまだ切りがないのですけれども、それぞれの顧問の方にそれぞれに鳥取県の発展の道筋をつけていただいたり、お知恵をいただいたり、人脈をおかしいただいたりしていただいているところでございまして、担当の者が知っている範囲での会議だけで終わっているものでは決してございません。それがやはり顧問という役職なのだろうと思います。ボランティアでやっていただいているわけでありますけれども、やはり県政顧問という名前の大きさ、看板の大きさに御協力をいただいているということでありまして、こうした制度を設けたことはよかったのではないかなと思います。  もちろんこれからもこういうふうに多方面にわたりまして、それぞれの方々のバックグラウンドや人脈やら、やっておられるお仕事やらそれぞれに違いがありますので、それぞれの違いに応じて私どもで御意見をいただいたり、御協力いただいたりしてまいりたいと思います。  次に、ふるさと納税につきましてお尋ねがございました。ふるさと納税に対する評価はいかがかということでございます。  これは今、鳥取県はふるさと納税のメッカというふうに考えられるようになってまいりました。先般も上京いたしましたときに、こういうふるさと納税の専門的な雑誌の取材を受けました。それぐらい注目を受けているということだと思います。これはもともと、私もそうですけれども、若手の知事が中心となって提言をしたこともありますし、そんなようなことから皮切りになりまして、だんだんと話が実現に向かっていったということがございました。紆余曲折あったのですけれども、こういう形で始まりまして、いろいろと試行錯誤によりながら、こども未来基金への基金造成の御協力を広く国民の皆様にお願いをしてきたところでございます。  最近、ふるさと納税のいわばお礼の品と言われるようなグッズを使った特産品振興と組み合わせた手法がブームに火をつけたことになりました。このブームの火つけ役の一つの大きな存在が鳥取県であり、鳥取県内の市町村でございました。ですから、一日の長がありますので、今でもふるさと納税というと鳥取というイメージがありまして、御選択いただく幅も広がってきていると思います。  これについては、県も昨年は大体2億円ちょっとということでありますが、全国都道府県の中のトップの寄附額ということになりました。ただ、我々のスタンスは鳥取県の県の丸取りを狙っているわけではありませんので、市町村にもしっかりと寄附が入るほうがいいではないかと、あえて一緒にPRしております。市レベルは5億円近い米子市を筆頭としまして、いずれも2億円を超えています。また、町村でいいますと琴浦町が町村のトップでありまして、1億9,000万円台、2億円近いこととなりました。このように、県内の市町村にとりましても非常に貴重な財源となり始めています。  それとあわせて、先ほど申し上げました特産品振興と組み合わせたことがございました。これについては、6月14日に安倍総理が鳥取県と島根県に御視察に来られまして、地域の活性化の取り組みを見たいということでありました。大山Gビールのガンバリウスのほうにお連れを申し上げまして、そこで一つ一つ鳥取県のふるさと納税のお礼の品を御試食をいただいたり、鳥取県のふるさと納税で全国に先駆けてインターネットでのクレジット決済による寄附方式を導入したこと、このことを御説明申し上げましたところ、非常に特産品振興と結びついたいい例だというお話をいただきました。その後、政府の施政方針演説の中に総理がわざわざこのガンバリウスでの御経験というものを盛り込んでくれたぐらい、このことについては評価をいただいたと思っています。  さらに7月に参りまして、そのことの報告とあわせて菅官房長官に面談をさせていただいたときに、鳥取は何でそんなに伸びるのだと言うから、こういうような電算システムを入れたということなどを申し上げました。さらに、これからのことを考えると改善が必要だと、やはり面倒くさいという声がある。だから、クレジット決済を導入して瞬時にできるということだけでこんなに上がったと、そういう手続の簡素化とか、さらなる納税が受けられるような、寄附が受けられるような応援をしてもらいたいということを申し上げましたところ、寄附の限度額のほうでは2倍に引き上げるという改正、それから、確定申告をせずにそのメリットを受けられるという改正がこのたび税制改正の中で入りました。政府も鳥取県のそういうイニシアチブに御協力いただいているということかなというふうに考えているところでございます。  これについては、さらに特産品のほうでも、先ほどのビール工場もそうでありますし、各地で増産が出てきているきっかけにもなっています。先般、鳥取地どりピヨのお話もございましたけれども、あれも米子市のふるさと納税のお礼の品があるからこそ、今生産がかなり順調にいっているということがございます。これは障害者施設にも波及してきました。あしたばと言われるところの三徳そば、打吹うどんのセットがお礼の品の中に盛り込ませていただいたのですが、これで売り上げが出ている。それがそこに通われる方々の励みになっている。こんなようにも波及してきておりまして、大きなものになってきております。  このたび、鳥取県としてもこういうパートナー企業の枠をさらに別の角度で広げてはどうか、特別パートナー企業制度というのをつくろうというふうに関係先と協議をしてまいりました。それによりまして、多分週明けになりますけれども、鳥取銀行さんと協定を結ばせていただくこととなります。これは銀行のほうに預金をして利息が出るわけでありますが、そのうちの1万円相当をふるさと寄附にすると。ふるさと寄附を選んでもらって、それでまた鳥取のことを愛していただくというような仕組みでございまして、今のふるさと納税ブームとあわせて、こういう預金商品をつくるというところまで来ております。全国でも初めてのやり方になるのではないかというふうに思います。これからもこのようなふるさと納税の制度というのを広げてまいれればというふうに考えているところでございます。  また、個別の課題、幾つかお話がございました。きぬむすめをまた宣伝してはどうかということでございますが、これはぜひホームページの中で紹介をさせていただきたいと思います。  また、ウェルカニなど、そういうイベントの節にコラボしてはどうかという御指摘がございます。私どももイベントの機会はたくさんございますし、先ほど申しましたように鳥取というとふるさと納税というイメージもでき上がってきていまして、以前ですと何か寄附の無心に行くような感じでありましたが、今はむしろ魅力的な響きが出てきています。ですから、今度はこの月末を皮切りに、そごう川口で行われる物産展がありますが、そのときにふるさと納税の窓口も試験的に設置をしてみたいと思います。  プレミアム旅行券を使うとか、こんなような展開はないかということでございますが、今、こぜにやさんの1泊2食つきのペア券を出すとか、あるいは大山の乗馬体験だとか、こういう旅行商品もふるさと納税の中に入れさせていただきまして、それでそういう旅の魅力も盛り込ませていただいてはどうかというように考えております。ふるさと旅行券そのものについては、国の制度がそれを禁じていましてできないところがございますけれども、それ以外に旅の魅力と結びつけたやり方はあろうかと考えております。  また、海外展開についてでございますけれども、今、個別に海外のものについては相談をさせていただきますというふうに記載をいたしております。具体的には、ある程度高額なものについては先方とも協議をしながらということになりますが、お礼の品をお送りをするということをいたさせていただこうとしておりまして、詳細は今詰めているところです。例えば弓浜絣のようなものとか、そうしたものをある程度の高額なものについて提供する。外国になりますので、どうしても送料だの何だので結構コストがかかりますから、少額のものは例えば和紙のセットだとか、ある程度手ごろなものでさせていただくかもしれませんが、高額なものはそれ相応のものを協議させていただいてお送りするというようにいたそうとしております。  また、アンテナショップの活用のお話もございました。これはちょっと時間がかかりましたけれども、今運営されている稲田屋さんとも協議をして、できるようになりました。そのアンテナショップの商品券をつけるということ、それから、アンテナショップでふるさと納税の寄附ができて、その場で商品券をもらって、それで買い回りができると、こういうようにシステムをつくらさせていただいたところでございます。  いずれにいたしましても、議員のおっしゃるように、ふるさと納税はいい仕掛けになると思いますので、今後とも拡大を図ってまいりたいと思います。 ◯副議長(前田八壽彦君)21番横山議員 ◯21番(横山隆義君)続いて幾つか質問させていただきます。  鳥取を住みたい県、行きたい県にするための戦略ですが、もちろん就労の充実というのは皆さんいろいろ議員の方もおっしゃられますし、そのとおりと思っております。しかし、特筆すべきは、27.9%の人が田舎に行って農業をしたいというのです。これは受け入れ体制をどのぐらいやはり考えるかということに係ると思っておりますので、農林水産部はもっと本気でかかってほしいと思っております。中途半端なやり方では、各県もやっておりますから、各県に負けないような施策を考えてほしいと思います。  楽しい人生を送るというのは、やはりスポーツですよ、運動です。スポーツマンシップです。スポーツで元気な社会をつくらなければいけないと思っております。大交流時代を実現するといっても、やはりスポーツツーリズムで観光地の魅力を発見するということや、スポーツイベントのさらなる充実や、これを食のみやことコラボレーションするというと、幾らでも鳥取県は伸びる可能性があると思います。  鳥取県が一番だと思う、そういう議員でありたいと思うし、そういう知事は、その先頭で日本中を駆けめぐっておられます。鳥取県の悪口を言われたのを聞いたことがない。知事の悪口はちょいちょいは聞きますが、何を考えているんだ、こいつはと僕は思います。だから、本当にプラス思考で生活をする鳥取県民でありたいと思っております。プラス思考が不可能を可能にする可能性があるわけです。そういうことを考えると、不平不満や悪口陰口は組織の破壊者でもあります。そういうことではいけません。  大体、高齢化社会になるのですが、そういうときは、ぱっと隣を見たら、グラウンドゴルフで頑張っているな、一生懸命にウオーキングをしておられるな、できればノルディックウオークもしておられるな、そういう社会がつくりたい。それが住んで楽しいおもしろい、やはり鳥取県になるのだろうと思っているのです。スポーツの一点突破で鳥取の元気を前面展開できればいいなと思いますので、ぜひよろしくお願いします。  とりあえずは、プラス思考について鳥取県の知事の考え方を伺いたいと思います。 ◯副議長(前田八壽彦君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)横山議員から重ねてお尋ねがございました。  まず、農林の対策でございますけれども、農林水産業のイメージは結構鳥取は強うございまして、移住のときにもそのお話がかなりのパーセンテージ、27%の話がございましたけれども、現実にも出てきます。それを我々もここ4~5年かけて徐々にバージョンアップをしてきております。今やはり皆さんにある程度安心していただけるのは、例えば農業法人とか、それから、森林組合だとか、また、水産のほうでもそうですけれども、どこかに雇ってもらって入る場合には、初任給程度が保障されるようにしたり、また、そこからスピンアウトしてひとり立ちしていく過程でも、普及員だとか地域の認定農業者等の支援、そういうシステムをつくってきているところでございます。そういうのをもっともっとこれから広げていく必要があるだろうというふうに思います。  農業については結構夢を持って来られる方がいらっしゃいまして、それぞれの思いが実現できるようなところを考えていかなければいけません。ただ、非常に厳しい経営だとか、そういう現実もまた向き合わなければならないところがありますので、いきなりはひとり立ちができませんから、最初の初動のところの支援は、国や他地域よりも充実をしておりますので、ここを一つアピールどころとして我々も訴えかけていけるのではないかなと思っております。  農業については、そういう意味で新しく導入しようと考えておりますのは、ハローワークの仕組みと、それから、農業大学校の仕組みを組み合わせるようなイメージで、要は失業保険で農業研修を受けられるというような仕組みをちょっとつくってみてはどうだろうかと。この辺も予算の中で提案をさせていただいているところでございます。  また、市町村がこういう農業研修などの受け皿をつくるとき、それに対する私どもの支援ということもつくらさせていただいております。  また、農業で入ってこられる場合の住まいは中山間地になると思いますが、きのうも国岡議員の御質問もございましたけれども、空き家を利用してそれを使う等、やりやすいように、これも県の2分の1助成等が適用できるようにさせていただいております。ただ、これからはもっと移住者がふえてくる可能性がございます。ですから、そこのところはもっともっと間口を広げていかなければいけないのだと思います。先ほど移住対策のほうでもお話がございましたけれども、ふるさと回帰支援センターのほうと私どもが移住対策を始めたころは結構濃密に連携していたのですけれども、どうも最近連携が少し弱まっているのではないかな、それがデータ上もあらわれています。ですから、そこはもう一度パイプをつくり直して、またまき直して、そういう農林水産業を中心とした方々の回帰を呼び込んでまいりたいと考えております。  これからの受け皿を考えるときの鳥取県のよさ、アピールする一つは、スポーツが思い切りできる環境だと思います。おいしい空気があって、それで広い大地があって、思いきり泳げる海がある。さらには登れる山がある、スキーができる山がある。そういう環境は世界中でも誇るべきものがあると思います。これをまだ活用し切れていなかった、スポーツのリゾートとして使い切れていなかったわけでございまして、この辺もアピールをしたり環境を整える対策が必要です。  先般は横山会長にも御協力をいただいて、この夏、鳥取県にジャマイカのレーシングチームを誘致することに成功しました。鳥取県にジャマイカの世界レベルのチームがやってくるということは、そういう陸上のトレーニングをする適地だというイメージを国内外に与えることになるわけです。こういうことがスポーツリゾートの入り口をあけるということになるのではないかと期待をしておりまして、こういうような合宿地の呼び込みやキャンプ誘致等々をやっていく値打ちはあるだろうと思います。  また、自転車を走らせることがブームになっておりまして、そういう自転車道の整備やルート設定。このたびはジャパンエコトラックというのをスタートをさせますが、そうしたことに向けて環境を整えるハード面での投資も必要ではないかと思います。  また、一流のスポーツ選手が出身ということになりますと、錦織選手の島根県のように、周囲の目も変わってきます。あそこに行けば、島根に住めばテニスが強くなるかなと、錯覚だと思いますが、そういうこともあり得なくはないわけでございまして、私どものほうでも優秀な選手をやはり育てていくことも大切です。これも選手の育成に向けまして今いろいろと宣伝をつけた事業をさせていただいているところでございます。ぜひとも、議員がおっしゃるように、スポーツという魅力を前面に出し、それが食や観光地としての魅力と結びつきまして、リゾートとして、あるいは住まうところとして評価されるようにしてまいりたいと思います。 ◯副議長(前田八壽彦君)21番横山議員 ◯21番(横山隆義君)次は、ふるさと納税ですが、ランキングは、2014年のふるさと納税ランキングというので見ましたら、長崎県の平戸市が12億7,884万円で日本一になった。とりあえず山陰では、先ほど知事が言われました島根県浜田市が6億1,770万円で5番、とりあえずこれは、テニスの錦織圭選手が、帰ってノドグロが食べたいな、たったこの一言で、その一言で、がっと日本中に流れて、浜田のほうに行ったらノドグロというのを食べたいなと、高くなってなかなか食べられないそうです。納税でもとても活躍しているのです。  鳥取県では当然、先ほど言われたのですが、米子市が6位です。我が琴浦町も郡では1番です。まだ鳥取県1位というわけになりませんが、詳しい資料は持っておりますけれども、言いません。とりあえず特産品をいかに発掘するかなど、ふるさと宅急便、ふるさと納税便というので2カ月に1回、3カ月、4カ月に1回、びゅうっとふるさとを忘れないように、何といっても30%も、10万円もあったら3万円分送れるわけですから、そういう体制でふるさとを何回も思い出させようというそういう体制でやってほしいなと思います。  田舎暮らしの希望地域では、2012年は鳥取県は第8位、これが2013年、2014年になると10番以内にも入っていない。何でだろうなと。鳥取県というのはいいところなのに。第一自然災害がない。イノシシが欲しかったら鳥取県に来なさいと言えばいいわけですから。そういう宣伝をすることによって、やはり鳥取県は大丈夫だなと。雪が降ったらいろいろなものが、毛布でも何でも出してくれるし、とんでもないいい人ばかりだなと。これは日本中に定着しておりますよ。これで宣伝してみてください。  先ほど知事が言われましたが、最近3カ年のふるさと納税年度別実績というのの資料でありますが、平成23年度は鳥取県は第17位、平成24年度は鳥取県は第8位、平成25年度は鳥取県、先ほど申されましたが、1番ですよ。これでまだ差が少ないですから、大体途中で先頭をとったらどんどん引き離さないといけません。主導権を握ったらもう完璧に差をつける。相手が大体諦めてどうにもならないというところまで差をつけないといなけいと思っておりますが、知事を筆頭に、知事の顔がいろいろなところで鳥取県のPRになっていると思っている。それはいろいろとうちの議会の人たちもやはり人脈を通さないとだめなのです。人脈があるかないかによって成果が全然違うのです。人脈のない者が幾ら県外に行ったって、何をしに来ているのか、あなたはと、これぐらいしかわからないのです。外国だってそうなのです。人脈があるかないかによっていろいろなことができるかできないかにかかわるわけです。物見遊山で外国などに行ってはいけません。そういうことが大切なのです。だから、常日ごろから人脈をつくる、そういう癖をつけたいものだと思っております。執行部は特に人脈をしっかりつくってほしいなと思います。  最後に知事の所見を伺って終わります。 ◯副議長(前田八壽彦君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)横山議員から重ねてお尋ねをいただきました。  まず、ふるさと納税についてでありますけれども、お礼の品については、今、若干議論がございまして、一定の節度を持って取り組むべきだということでございます。鳥取県としてもその辺は修正をしながらやっておりますが、それでもレパートリーはどんどんふやしておりまして、その中で魅力はまだまだ継続できるのではないかというふうに思います。  ある意味、私どもも今トップグループでございますけれども、大事なのは県だけではなくて、市町村も含めて巻き込みながら全体としての底上げを図っていくことだと思いますので、我々のノウハウも市町村でも模倣していただく、援用していただくように働きかけて、県全体でその辺を伸ばしていければと思います。琴浦町もこのたび躍進をしたわけでありますけれども、県の手法というのをかなり導入しておられたところでございました。  ふるさと回帰支援センターの活用については、これは議員もおっしゃいましたけれども、もう一度まき直してやる必要があると思います。私も国の関係者と話をすることがございますけれども、恐らくこのふるさと回帰支援センターが一つのキーになってくるように思います。これから国のほうで全国の移住についての窓口的なところを東京で考えるという話がありますけれども、このふるさと回帰支援センターは一つのキーになってくるように見えます。もともと鳥取県がここと連携をしまして、たしかパートナーの協定を結んだりして取り組んでいたはずであります。ですが、若干切れ目がございますので、もう一度ここは修復をしてまいりたいと思います。  私自身もこことつき合い始めたのは、ふるさと回帰支援センターのほうで高橋公さんという方がいらっしゃいますが、この方がもともと自治労の御出身であって、そういう自治行政とも非常に親しいといいますか、関係のある方でございまして、そういうこともあり、こういうふるさと回帰運動に鳥取県も参加をしたということでございました。趣旨は、志は一つ、一緒にしておりますので、活用させていただきたいと思います。  それで、人脈のことのお話がございました。議員もおっしゃるように、やはり人と人との関係で初めて物事が動いていくということは大変に多うございます。今回のジャマイカの誘致もそうでありますが、陸協の皆さんが向こうとのパイプを持っていた、これは市の陸協も含めてでございますけれども、また、我々ももちろんそういう人脈を持ち続けていた。その辺がうまく機能してそういう大きな話がまとまったということがございました。  企業誘致等もそうでございまして、それは結局人脈でたどり着いてやってくるところが多うございます。正直申し上げて非常に私も就任したころに大変だったのは、鳥取に行ってももうからないと言わんばかりの応対が多かったですけれども、何度となく通い続けたりいろいろと話を持っていったものが今ごろになってまた返ってきて、それで環境も変わってきたので考えてみたいとか、そういう話も実際にございます。やはり人間のつながりの中でそういう動きが出てくるのだというふうに思います。ですから、県庁としてもそういう人脈づくりというのもしっかりと大切にしていかなければなりません。いろいろと御意見がありながら名古屋のほうも今代表部に改組をいたしましたけれども、その名古屋代表部で人脈づくりを改めてやりましたところ、先ほどの県政顧問でいいますと、山本さんという名古屋のテレビ局の社長さんが今は顧問になられました。この御縁も非常に有効に機能していまして、最近愛知方面からの観光客がふえてきておりますけれども、それは山本社長がいらっしゃるから、その局が時々やはり鳥取の宣伝番組を組んでくれるわけです。そういうようなことなどはやはり人脈から始まっていることがございまして、議員がおっしゃるように、その大切さは組織全体に浸透させていかなければいけないと思っております。 ◯副議長(前田八壽彦君)22番伊藤美都夫議員 ◯22番(伊藤美都夫君)(登壇、拍手)会派希望(のぞみ)の伊藤美都夫でございます。私は平成15年4月の県議会議員選挙で初当選し、最初の6月定例議会にて、この壇上で代表質問に立ちました。それから12年、本日は任期最後の一般質問の最終日、そして、最終の質問者であります。私にとりましては議員としての最後の質問であります。  通告をしておりました鳥取県を住みたい県、行きたい県にするための戦略、主として農山漁村がたどった道を検証しながら、主として農林水産戦略を中心に質問をいたします。  私は昭和36年に県庁に入って以来、今まで55年間いろいろな立場で本県の農林漁業、農山漁村と向き合ってきました。半世紀というスパンの中で中核をなす戦後の国の経済成長、所得倍増路線と、それと時を同じくしたたび重なる農政の転換に農山漁村は翻弄され続けた歴史でもあったように思います。  昭和35年に施行された農業基本法は、今まで米、麦中心の農業から園芸、畜産への転換を主軸とする農政に変わり、農業構造を大胆に変革するということで、本県でも農業構造改善事業が多くの農山村で取り組まれ、果樹や畜産の大規模な団地が県下各地に生まれました。まさに期待にあふれた時代であったようにも思われます。  しかし、昭和45年から農政の大転換とも言われる減反政策が導入され、全国規模でのいわゆる転作は、有史以来続いた米崇拝の農村、農民の心に大きな変革を呼び起こすことになったと認識しております。農政の変革は大きな波乱を各地に招くことにもなりました。  戦後、食料不足の中で全国で取り組まれた干拓事業もその一つであったと思います。本県が取り組んだ中海干拓もその一つで、結果的には中断となったものもあり、現在もその余波で混乱を来している地域も出ているのであります。そうした中にあって、多くの農山漁村から都市へと人の流れはとどまることなく続き、三ちゃん農業とも言われ、特に若者の流出による人口減少は山村に限界集落をつくり、その延長は地方各地に及び、現在の消滅自治体論まで進んでいるのであります。今までの政策から手のひらを返すような農政の転換もあり、農村は戸惑い、自立の力を奪われてきた地域も少なくなかったと思えるのでありますが、知事はどのように認識されておられるでしょうか。  また、このような背景もあり、農林業や水産業にも疲弊とも言える地域、山地が目立ち、耕作放棄地もふえ、生産額は大きく減少しました。そうした中で地方創生政策が大々的に取り組まれることになったのであります。県内農業の現状は、農業活力増進プランにもありますが、非常に厳しいものがあります。それでも近年多くの新しい芽が出始めていることも事実であります。  また、地域農業や山地のあり方にも変革の芽が育ち始めております。この8年間、知事は農政課題に真正面から取り組まれ、あえて挑戦とも思えるような課題にも立ち向かっておられ、むしろみずから課題をつくっておられるようにも見えるのであります。今、地方創生について国もやっと国政の柱、中心課題として取り上げられておりますが、平井県政2期8年はまさに世界への展望を視野に入れた種をまくこと、それは地方創生そのものへの挑戦であったと思えるのであります。平井知事の言われる種をまくことがどんなことに結びついているのか、例えば、まず、二十世紀梨中心であった本県の梨に全国的に評価の高い新甘泉など、新しい品種が生まれたこと、2番目に、驚異的な枝肉を生産する種雄牛白鵬85の3号が誕生したこと、日本穀物検定協会が実施した全国食味ランキングで本県産きぬむすめが2年連続特A級を取得したこと、山間部の三朝町でイソフラボンの含有量が極めて高い地大豆が選抜されたこと、日本を代表する菌蕈研究所を支援し、次々に新しいキンタケが育成されていること、全農乾椎茸品評会で団体優勝が続いたこと、全国に先駆けてマサバの陸上養殖技術が開発されたことなどなど、全国に先駆けて、あるいは日本初の成果が出始めており、着実に鳥取創生の素材が生まれてきているのであります。  また、県民の意識が大きく変わりつつあると思える場面にも出会うことが少なくありませんが、知事はどう認識しておられるでしょうか。  知事のいわゆるロケットスタートは、とっぴではなく現場の実態をよく知った上での知事の鳥取創生への全力投球の始まりだと思えるのですが、いかがでしょうか。  また、鳥取地方創生は県庁が大きく変わることを求められているのではないでしょうか。県庁全体が鳥取創生に立ち向かう姿勢こそ県民にも本気度が伝わると思うのであります。隠岐の島海士町の役場の変革が現在の海士町づくりの原点だったと町長さんは語っておられましたが、まさに県庁が変われば鳥取県が変わる、そんな県庁の意識改革であってほしいと思うのであります。知事の所見を伺います。  さらに、県庁の組織や体制も、先ほどの鳥取で生まれた全国に先駆けた日本有数の素材を仲間がふえる、所得がふえる、地域の活力が大きく進むことを目指した作戦本部のような鳥取創生に集中できる大胆な変革が必要であると思いますが、いかがでしょうか。  次に、私の最初の代表質問は、1期目で改革派知事として全国に名をとどろかせ、さらに現場主義を標榜され、2期目は無投票で選出された片山知事に対してであります。ただしたのは当時の大きな課題であった雇用創出についてのプロジェクトチームでの初会合での知事の発言の新聞記事であります。そんな知事を見ながら、知事の絶大な権力はいかにみずからは現場主義と思い、ボトムアップと思っておられようとも、実際はトップダウンになっているのではないでしょうか。職員の意識改革が大きく進んだと強調されておられましたが、それは面従腹背、表面だけの服従が多いのではないかと生意気にも知事に苦言を申し上げたことを思い出しております。そのとき副知事室におられたのが今の平井知事であります。私の質問にどんなお気持ちで聞いておられたのか私には知る由もありませんが、その質問の中に和牛全共岐阜大会での成績の悪さに関して幾つかの質問をいたしました。平井知事の答弁は、関係者は慨嘆し、ため息が漏れる、どこかがおかしいのではないかとの思いが強かったと話され、さらに悔し涙は人を育てるという言葉を引用されておられましたが、そのときの悔し涙こそが現在の平井知事の和牛改良にかける大きな力になっているのではないかと思うのであります。悔し涙の後は、まさにロケットスタート、現在の全国一の種雄牛への到達であったように思います。  それ以上に、私がびっくりしたのは、何回かの質問に全てノーペーパーの専門的な答弁であります。単なる答弁書の丸読みではなく、みずからの言葉でみずからの信念に基づいた答弁が、いかに聞く人の心を打つものか、議論がかみ合わなくても、思いや考え方の違いはあっても、その溝は少しずつ埋まるものだと思い知らされたものであります。  かつて平井知事は片山知事との違いを芸風が違うとも表現されておられましたが、平井流の意識改革と県庁挙げてのリーダーシップを期待して壇上からの質問といたします。 ◯副議長(前田八壽彦君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤美都夫議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。  伊藤議員からは鳥取創生、地方創生を進める、それも農林水産業の成果、状況を踏まえながら、そして、鳥取をどういうふうに変えていくのか、こういう観点でお尋ねをいただきました。  今、議員の御質問をお伺いしていて、伊藤美都夫議員には県庁時代から私どもの先輩として御指導いただき、このたび県議も去られる御決断をされ、本当に長きにわたりまして鳥取県庁に、あるいは県民の皆様に生涯をささげられたその一つ一つの道筋をたどるようにお話をされておられるようにも聞こえまして、感慨深いものがありました。長年にわたりまして御指導いただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。  議員のほうからは県民の意識が大きく変わりつつあるのではないだろうか、さまざまな種がまかれてきたけれども、これからどういうふうに改革を鳥取創生というものを進めていくのだろうかと、こういうお話がまずございました。議員もいみじくもおっしゃいましたけれども、いろいろと我々で進めてきた農林水産業においても改革の道筋がございました。  議員が最後におっしゃったのを聞いていて思い出しましたけれども、岐阜全共に行きましたときに、非常に厳しい結果で、皆さんはまるでお通夜のようにしんみりとしておられました。いろいろとお話を伺っていますと、どうも県庁と農業者、生産者との間のコミュニケーションが当時うまくとれていなかった。また、鳥取県の中にもいろいろと頑張っておられる和牛生産者はいらっしゃるのですけれども、チームワークといいますか、ネットワークがまだ十分に組まれていなかった。そういうばらばらな中で岐阜全共をしたことが見えたわけでございます。しかしながら、鳥取県は当時鳥取全共を5年後にやらなければいけない。そのことを皆さんに訴えながら閉会式を迎えたわけでございまして、その先行きについて非常に暗雲が立ち込めるような思いでございました。当時、私も岐阜の高山のほうからずっと車で鳥取まで帰ったものでありますが、そのときに当時の農林水産部長だった職員と一緒に原因を分析して対策をきちんと立てなければいけない、そういうことを延々とやりました。何せ高山から鳥取までですから、相当な時間がありまして、そのときに今あるような和牛再生のプログラムの骨子を実は話し合っていたということを思い起こしました。何くそと思いながらやったわけでございます。「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の味はわからない」とゲーテが言っているように、私どもにとっては一つのレッスンであったというふうに考えたわけでございます。  実はこういうような意味というのは、伊藤美都夫議員も県庁時代にも長くされていたのではないかなと思い起こします。非常に難しい中で農業を引っ張ってこられました。農村づくりとか、それから、梨を初めとした作物の振興であるだとか、普及員の役割というものをしっかり果たされ、農林水産部長まで上り詰める役所人生も送られたわけであります。その間、いろんなアイデアで起死回生の一発を打ってやろうと、スイカサミットもそうであったろうと思いますし、さまざまなことがあったと思います。ただ、なかなか状況は厳しくて、中浜農協の問題だとかそういう試練が数多くある中で、今おっしゃったとおりだと思いますが、涙が人を成長させるということを念じながら頑張られたのではないかなというふうに思いました。  県民の皆様と一緒にこれからの鳥取創生というものをつくっていかなければいけないわけでございますが、県民の皆様も大分変わり始めていると思います。実は私も8年前に就任したときに、あえて当時申し上げましたのは、自立と連携ということでございました。県民が主役で、かつ、担い手である県政、こういうようなことを訴えさせていただきました。私自身が目指したのは、平井というのは一個の人間にすぎないので、触媒としてこの鳥取県が生まれ変わることに心血を注いでいきたいと、こういうことでございまして、県民の皆様が破竹の勢いで鳥取を生まれ変わらせようと頑張られることを応援していく、一緒になって走っていく、そういうイメージで県政をスタートさせたわけであります。  最近もそういうことで県民の皆様の目線が変わり始めているなというふうに思うことがあります。多分こうしたことの先例をつけたのは、こういう例を出していいかどうかわかりませんが、サカズキネットがあったと思います。これは倉吉の商工会議所青年部の皆様を中心とした若きメンバーと鳥取県庁の職員有志、その中心にいたのが伊藤美都夫議員でいらっしゃったと思います。そのネットワークの中で、もうこのまま放っておいたら大変なことになってしまうから、危機感を持ってやれることをどんどんやっていこうということで立ち上がられたわけでありまして、中国に最近は植林に行ったりというような成果も出ていたわけであります。まちづくり系のNPOの第1号だったと思います。こういうようなことがどんどん今広がってきまして、それぞれの市町村に元気なグループができてきています。これをもっともっと動いていくことができれば、鳥取創生にも道筋がつくのではないだろうかなというふうに思います。  議員がおっしゃったように、ここ数年やってきたことで農業の世界でも新甘泉であるとか白鵬85の3を初めとした和牛であるとか、シイタケのお話もいただきましたが、全農の品評会に出るたびに賞をかっさることができるような実力がついてきたり、変わり目になってきていると思います。ですから、一気に爆発させるような形で鳥取創生を進めていければというのが全力投球と言っている趣旨でございまして、ロケットスタートのゆえんでございます。  その意味で、県庁が大事ではないかという御趣旨だと思いますが、海士町のように県庁が変われば鳥取県が変わる意識改革をやってもらう必要があるというお話があり、鳥取創生に集中できるような大胆な変化を組織上もやるべきではないかというお話がございました。この組織につきましてはごもっともでございまして、私も先般この議場で申し上げましたけれども、そういう頑張る市民の皆様、県民の皆様のネットワークが生まれ始めています。そういう県民活動の部局と観光をやっているような部局だとか、企画をやっているような部局だとか、いろんなものがまだばらばらでございまして、これをうまく横串で刺すようなことを組織上も何らか考えなければいけないという問題意識がございます。これは次年度以降の課題ということになろうかと思いますが、新しい議員のメンバーと一緒に新しい首長が相談して決めていけばというふうに願っているところでございます。  県庁の意識改革でありますけれども、先ほど面従腹背という例えがございました。やはり心を一つにして、それぞれがモチベーションを感じながらやれる組織が望ましいところでございます。鳥取県の中でもここ数年でやってまいりましたのは、県庁5(GO)・5(GO)とか、鳥取県庁のカイゼン運動であるとか、また、最近は認め合いという運動をやろうというふうに動いてきたりとか、そのように県庁改革も進めようとしてきております。そういう中で、いろいろと問題意識を持ちながら動く職員の皆さんというのは、着実に生まれ始めているだろうと思っております。  ただ、それは一つのカルチャーとしてつくっていかなければなりません。経営学の世界でもそういうことはよく言われるわけでありますが、そういう職場文化というのがその職場のパフォーマンスに決定的に大事であるということでありまして、この辺はいろいろと今後とも工夫をしていかなければいけないのだというふうに思います。  先般、若手の意見も入れながらやるべきだということがございまして、それを考える方向で物を申し上げたわけでありますけれども、この鳥取創生ということだったら、まさに次の世代、将来世代が担うべき課題が多いわけでありますし、将来世代が今向き合っている課題を解決しなければならない。そういうことからしますと、若手が参画したプロジェクトも立ち上げて活性化を図ってまいりたいと思います。  伊藤美都夫議員が歩んで、そして、育ててこられた鳥取県庁の意識をもっともっと先輩から引き継いで高めていけるように努力をしてまいりたいと思います。
    ◯副議長(前田八壽彦君)22番伊藤美都夫議員 ◯22番(伊藤美都夫君)ありがとうございました。  追及をちょっとさせていただきます。  昨年の5月、増田レポートが出て以来、消滅自治体論がかなりばっこしておりますが、生き残りをかけた地方の創生は今や地域間競争の色合いさえ出ているのであります。日本初の、あるいは日本一の、あるいは全国に先駆けて、この言葉もよく聞きますが、今まではこれはまさに平井知事の独擅場ではなかったのかときょう財政課から資料をいただきましたけれども、よくこれほど日本初の、日本一の、日本先駆けての項目があるなと。まさに種をまかれた8年の成果だろうと思っております。  そういう中で、私は日本で初の、日本一の、日本に先駆けて、この平井流の先駆けの施策が鳥取が変わる、鳥取を変える本流としてこそ全県挙げての鳥取創生だと思います、いかがでしょう。  そして、私は鳥取県の農業の基本的な品目でありますスイカ、梨、和牛について多少お尋ねしたいと思います。  先ほど申されました鳥取県では平成6年に世界スイカサミットが開かれました。そして、平成8年には世界・梨ドリーム博’96が大々的に開催されたまさにこれからのスイカの産地を不動のものにしようと、そういう作戦でありました。結果的には、その後、梨もスイカも県内の生産農家、生産量、生産額も大きく減ってきましたが、両者には決定的な違いがありました。例えば、北栄町、あるいは倉吉市、そして、琴浦町のスイカは当時北栄町だけでも37億円の生産額があったわけです。しかし、今、約18億円と、半減しているのであります。これをもって産地の衰退との見方もありますが、見事にブランド産地に変身し、今では日本を代表するスイカ産地に生まれ変わっているのであります。どのスイカを食べても品質は保証できる、これこそがやはりブランド産地としてのあり方、条件であろうと私は思っております。まさに農家を初め、県の関係指導者、あるいは技術者らを挙げて努力した結果だろうと思っております。当然のことですけれども、その段階で対応できなかった農家は栽培から手を引き、選び抜かれた農家が残ってきた、それが私は産地を選定するそういう一つの流れで、どうしてもそれを通過しなければいけないのではないかと思っております。  一方、梨については、梨の新しい世界を創造しようというテーマでしたが、二十世紀梨中心の世界から脱皮することができず、今もって大幅な面積減が続いており、新しい品種を含めたブランド産地への転換確立を目指しているとはいえ、まだ確立途上の段階であります。この辺は知事もよく知っていると思います。私は長い間、鳥取の梨の生産や販売で大阪事務所にも行ってかかわってきました。常に鳥取の梨というのは本当に鳥取県の一大資源だと、一大財産だと思っておりますが、この梨が30年間減少の一途をたどっておるのであります。鳥取県の全国に誇るブランドと言われる梨の活性化こそ私は現在の県政の重要な課題であると考えます。  この30年の梨の歩みを見ますと、大きく分けて3つのうねりがあると思っております。1つは、農家自身の発想で初めて二十世紀梨のハウス栽培を県が強力に支援したことであります。5年間で5億の補助金、そして、短期間で100ヘクタールのハウス産地を達成して、市場の評価をかち取ったわけであります。  2つ目は、ゴールド二十世紀梨の導入であります。二十世紀梨は黒斑に極端に弱い。黒斑病との戦いが二十世紀の歴史でありますが、ゴールド二十世紀を導入したことで、それこそ黒斑病との戦いを終結させた、これは非常に大きな成果だと思っております。  そして、現在、園芸試験場はなつひめ、新甘泉などの新品種を開発しました。さらにジョイント栽培という梨の果樹農家が一番困っている早期成園化に対応できる技術を取り入れて栽培しておられます。先日、園芸試験場へ行って私も見せていただきました。しかし、新品種とジョイント栽培はまだ60戸の農家が取り組んでいるだけで、中部のほうでは残念ですけれども、その3分の2はJAいなば管内であります。ここには県の試験場の元場長さんの活躍が大きく働いているなと思っております。  新品種の宣伝活動は平井知事も先頭になってよく頑張っておられまして、市場からは引く手あまたと言いますけれども、生産が追いつかない段階であります。  私が産地を歩いて肌で感じるのは、二十世紀梨のハウス栽培のときや、ゴールド二十世紀梨の導入のときのように、農家の熱気がいま一つ感じられないのであります。苗木業者へ行ってみますと、昨年もことしも苗はつくったのだけれども、余っている、そうお聞きしました。県としてもそれほど農家に対する支援策は本当によくできている。なぜこれが面積拡大に結びつかないのかなと思いながらせんだっても試験場のジョイント栽培の新甘泉を見せていただきました。私は再度、この指導体制のあり方を検討して、消費者ニーズの極めて高い新しい新品種の梨を多品種型の産地として鳥取創生のモデルの一つと考えておりますけれども、知事の所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(前田八壽彦君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤美都夫議員からスイカと梨につきましてお尋ねがございました。  スイカについては議員のほうからも御総括がございましたけれども、スイカのブランド化は着実に進んできていると思います。確かに作付面積でいいますと、長い目で見ると減っている感はありますが、今下げどまり感といいますか、その辺は出てきておりますし、また、いろんな工夫をして単価を出そうとか、切れ目がないように出荷しようとか、そういう努力も実ってきて、生産額ベースでは決して衰退しているという状況ではなくなってきています。現実にも今、議員がおっしゃったように、結局残るべくして残った農家がしっかりとやっていて、ブランドができてきていると。これは一つのステップだったのだろうというふうに総括をされましたが、そうやって残られた農家さんはかなりスイカで収益性の高い農業をやっておられまして、ここ数年の成果があらわれているなというふうにも思います。これは農家の皆さんとスイカの生産部の皆さんとの対話の中からいろいろとやっているわけでありますが、例えばどうしても切れ目ができるので、ハウスの栽培をやって間を補うべきではないか。その辺の議論がございまして、県のほうでも議会と相談して助成制度をつくらさせていただいたところが、的中をしまして、これがシーズンを通じた下支えにもつながりまして、産地としての力が高まったことがあったと思います。  また、販売促進を図るということで、ここ最近は積極的に東京に打って出て、さらに海外へも出すというような動きをしているわけでありますが、これも全体としての販売額の底上げにつながっている面がございます。北栄もありますし、また、極実スイカなど、倉吉もいい産地になっておりまして、この辺はかつての伊藤議員を初めとした指導がようやく花開いてきているというふうに見るべきものではないかなと思っております。  梨のほうは構造転換が必要だったのだと私は思っていました。議員がおっしゃったように、実は幾つかの節目が確かにございまして、もともと鳥取県に導入をされた111年前からさかのぼっていけば、最初はお金持ちのサイドビジネス的なものだったんだろというふうに言われていますが、黒斑病なりなんなりというようなことがありまして、パラフィン紙を入れて守りをするというような手法を鳥取県で生み出しながら、もともと梅雨時期の雨が比較的少ないこともありまして、産地として成長をし始めたというところでございましたが、最初は本当に非常に厳しい生産環境でありまして、とても割に合わないものであったというところであります。そこを不屈の闘志で乗り切ったわけでありました。それから、二十世紀梨をつくって季節の便りと一緒に出す。そういう意味で一斉出荷をする解禁日をつくって売り方などを工夫したり、今おっしゃいましたけれども、ハウスをつくる。ハウスの中で早目に世の中に出しますと、大体倍ぐらい単価がとれたりしまして、一つの活気づく原因にはなりました。  また、そういう病気対策等々からしてゴールドだとか、さらにはおさゴールドだとかそういう品種改良を進めていきました。当時は伊藤議員を初めとして県の農林水産部の職員、さらにはJA関係の方々、または鳥取大学の林先生、そういった産学官のトライアングルが上手にでき上がりまして、こういう動きが強まっていき、梨に勢いを与えた時代がございました。  ただ、長期的に二十世紀梨の価格が低落していったわけです。それが二十世紀梨栽培の魅力を薄れさせることになりまして、生産者の高齢化も手伝ってだんだんと収穫が先細っていきました。それで日本一の梨の生産地が千葉だとか茨城だとか、そうしたところの後塵を拝するようになってきたわけであります。  私が就任したときに、一つ転換をさせていただいたのは、実は青梨中心からの転換をやっていたわけです。当時就任した早々に新甘泉、なつひめがようやく世の中に出せる環境が整ってきました。これをブランド戦略で売っていこうと。やはり最近の傾向からしますと、甘くない果物はなかなかいい値がつかない。青梨も、見ようでございまして、関西の感覚からしますと見なれた青梨はおいしそうなのですけれども、大阪を中心とした一帯から外に出ますと、青い梨は酸っぱいように見えるのですね。余りおいしくないように見えると。これが実は真実だったのです。ただ、議員が今いみじくもおっしゃったですけれども、二十世紀梨中心主義というのが産地としてありまして、二十世紀梨にこだわったところが逆に梨産業の転換をおくれさせている面があるのではないかというふうに考えておりました。それで、就任早々関係者とも話し合いをし協議を重ねた上で、梨のビジョンをつくりまして、新甘泉などへの改植を本格的に進めていく、ブランド化を進めていく。今まででは絶対なかったのですけれども、赤梨を一つ入れて、それで梨の立て直しを図ろうというふうに方向転換をしたわけであります。結果はどうだったかといいますと、今、議員もおっしゃいましたように、マーケットでは供給が追いつかないほど人気が出ていまして、価格も通常の梨の倍ぐらいとれるようになってきました。これをぜひ私どもも主力として、もちろん二十世紀梨を完全に捨て去るということではないのですけれども、そういう転換も上手に図っていく必要があるのではないかなというふうに考えております。  決して悲観しているわけではないのです。正直申し上げて、梨の生産部の皆さんともここ8年間、就任後、ずっとこうしたテーマを話して膝を割って砕けた話もさせていただける関係もできているのですけれども、そういう中で、やはり新甘泉とかを一生懸命やらなければいけないと。それで、今度、郡家のほうでは、新しい選果場をつくってブランド梨を出せる環境をつくろうというふうにし、ついせんだっても国のほうの小泉副大臣のほうにその訴えかけに行ったりいたしております。  実際農家の皆さんの集まりに行っていますと、大山町のほうでもそうですが、非常に燃えている人は本当に燃えていまして、やはりこれでもう一度梨産地がつくれるというふうに確信を持って取り組んでおられる方はおっしゃっています。だから、ここをもっともっと着火させていけばいいのだと思うのですね。最近も若い前田さんという方が湯梨浜のほうに帰ってきて、梨を起こされたりしているとか、また、三代寺のところの残土処分地を土地改良しまして、このたび梨園としてオープンさせようと。ここに生産部の指導者の方も入られますが、新しく梨に取り組んでみたいというふるさと就農舎を卒業された方々も入ってやろうというようになってきております。  かつて議員が取り組まれたころに、東伯にモデル団地をつくろうというふうにされたり、そういう動きがございましたけれども、それと同じようなことが今少しずつですけれども、起こり始めているような気もいたしております。ぜひ、産地としての熱気を梨の面でもつくり上げていけるように関係者とよく協議をしながら取り組んでまいりたいと思います。 ◯副議長(前田八壽彦君)22番伊藤議員 ◯22番(伊藤美都夫君)ありがとうございました。  もう1点、小谷議員の独擅場かもしれませんけれども、和牛問題につきまして。  実は、私が因伯牛が日本の和牛改良の代表的な素牛として広く認識されていることを知ったのは、平成4年に大分で開かれた第6回の全共に参加したことであります。全国の成績優秀な和牛のほとんどは因伯牛の血統でありました。私は非常な誇りで身が震えるような気持ちであったことを覚えております。当時の本県の和牛繁殖雌牛は農家戸数が2,500戸、そして、頭数が8,000頭。しかし、その後、先ほど知事が申されました育成目標の大きな変化や、その対応のおくれもあって、平成14年の第8回岐阜大会では、飼育農家は673戸、飼育頭数は3,818頭でありました。そして今、飼育農家も飼育頭数もさらに減少しております。このときに日本一の種雄牛が育成されて、大きな期待が持たれているわけです。今や飼育農家は300戸を切り、飼育頭数も2,847頭。言うなれば、今はぎりぎりの産地規模であります。  日本一の種雄牛を持って鳥取県はどのように産地をつくりかえていくのか、これは日本中の和牛関係者の注目が集まっているのであります。鳥取創生の試金石の一つではないかと思うのであります。知事にはその計画と抱負をお聞きしたいのでありますが、この点については先日の一般質問で答えられておりましたが、私にはどうしても改正の落とし穴があるように思えてならないのであります。かつて名種雄牛を持った第7糸桜、島根県がございます。あるいは、安福という有名な種雄牛を持った岐阜県があります。しかし、その後の島根県は有力産地として名前がほとんど上がってこない。どうなったのだろうと。あれほど有名な種雄牛がと思っておりますが、きっちりとその辺は検証して、本県の産地づくりに向かってほしいと思っております。  ある獣医さんにお聞きしますと、優秀な種雄牛を持った地域は、次の計画交配にきっちりとした道筋をつけておかないと、それこそ産地は続かない。そういうことが和牛の世界にはあるようですけれども、その辺の検証をよろしくお願いしたいと思います。  次に、せんだっての増田レポートの中にありましたのは、秋田県の八郎潟の大潟村のことであります。これは開拓の入植の地域であります。実は平成23年7月7日、農林水産商工常任委員会がこの八郎潟干拓地を視察調査いたしました。この干拓地は食料増産のモデル農村だったということで、昭和39年に生まれたわけでありますけれども、入植者は589人。しかし、6年後の昭和45年から米余りで国の減反政策が始まったと。そこにそれこそ農政に翻弄された歴史があるわけであります。減反政策を守る農家と自主作付派に二分されておりました。国は減反は緊急的措置であり、数年後には稲作ができると言いながら、次第に減反を強行するようになり、入植者の不満に火がついた。ピーク時には半数以上の農家が減反に協力せず、当時の食料管理法で認められていなかったヤミ米を直販したのであります。戦いが始まったのが昭和60年、県が村の外に通ずる全ての道路に検問所を設け、24時間体制でヤミ米を監視、さらに県警がヤミ米農家3人を摘発したのでありました。平成7年には、今度は食料管理法が廃止されて、今度はヤミ米が計画外流通米制度として合法化されたわけであります。さらに平成11年には過剰作付した農家の農地明け渡しの強行執行を受け、生育途中の青い稲が根こそぎ刈り取られたわけであります。もう補助政策で縛らないでほしいと。米価は市場が決めるべきだと。淘汰される農家が出るかもしれないが、その過程で本当に強い米づくり農家は米つくりができるのだと。これは米の生産直売している代表者の言葉であります。まさに農政に翻弄された50年だったのであります。  しかし、昨年5月に発表された増田レポートは、この地域が農業で産業化に成功した代表ということで取り上げられておりまして、その特徴を農業規模の大きさとそれを生かした独立独歩による産業化に成功した事例だということで大々的に伝えており、跡継ぎ問題とも無縁、2040年には20歳から39歳の女性は現在よりも15.2%もふえるのだと、そういうことであります。  国の政策に従わず、ヤミ米だと警察の摘発も受けながらも全国の米問屋を歩いて回って販路を拡大してこられた成果は先ほどの増田レポートのとおりであります。今大々的に国は農協改革に向かっておりますが、その前に過去の農政を検証し、真に自立できる農業のあり方、活力ある農山村のあり方にどう農政がかかわってきたのか点検して、農家の自主独立を生かす農政こそが地方創生、そして、農業創生であろうかと私は思うのですが、いかがでしょうか。  最後に、私は本任期をもって引退することにいたしました。満77歳、横山議員は年寄りだと言いましたけれども、オールドオールドの世界であります。議員の皆さん、そして、平井知事を初め、執行部の皆さん、3期12年、本当にお世話になりました。ありがとうございました。新しい時代の幕あけが鳥取県から始まる、そんな県政を誇りとしながら質問を終わります。ありがとうございました。 ◯副議長(前田八壽彦君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤美都夫議員から重ねて農業につきましてお尋ねがございました。  まずは、和牛生産についてでございます。これについてしっかりとした戦略を立てていかなければいけないのではないかというお話がございました。これについて議員も御指摘ございましたように、過去、鳥取県も実はそういう面があったのかもしれません。気高号、栄光号のそうした大いなる時代がございまして、そういうことに引きずられながら、どちらかというと肉質といいますか、味ですね、但馬系をかけ合わせるといいますか、そういうほうの努力を怠っていた面が過去あったのかもしれません。そういうことが島根県であれば第7糸桜の後、あるいは安福の後というように、他産地でもそういう面があるのではないか。だから今、新しい種雄牛ができたところでこれからが正念場だという御示唆をいただいたところでございます。まさにそうだろうと思います。その意味で、先般来、小谷県議や、それから、内田隆嗣県議のほうからも御指摘がございますけれども、それとかけ合わすほうの雌牛の保留等を、勝安波の系列だとか安福久とか、そうしたところをこれからどうしていくのか、この辺は今後のテーマとしてやはり十分考えなければいけないだろうということだと思います。  一つ今全共の戦略を立てていますので、宮城全共に向けてやることというのは、まさにそういう白鵬85の3や、それから、百合白清2など、鳥取県が抱える全国最優秀な種雄牛を子孫に向けてどうやっていいものにしていくのか、その努力が問われるのが今度の全共でありますので、この全共対策をしっかりと進めていくことが、恐らく伊藤議員が今おっしゃる産地として上を向いていけるチャンスをつくれるかどうか、その道筋と重なっているのではないかというふうに思いました。  ぜひ、きょうのお教えも胸に刻み込んで、職員一丸となっていい牛の産地に育てて、先輩方の努力を継承してまいりたいと思っております。  また、八郎潟の話を捉えながら、農政がいろいろと変わってくる中で翻弄された、その中で真に自立した農家の姿があった。これが地方創生の原点ではないだろうかというお話がございました。  今まで振り返ってみますと、戦後農政は確かに猫の目のごとく変わっている面がございまして、これは農家の皆さんも大変な波にもまれることも多かったと思います。また、それと向き合いながら仕事をしている県庁の農業関係の職員も翻弄される面があるのだろうなと思います。  振り返ってみれば、戦争直後、自作農をつくろうと小作開放がありまして、農地法が制定されて、小規模の農家がたくさん生まれるわけでございます。こういうことに始まる農地政策でございますが、農地政策からいいますと、今は小規模過ぎて、それを法人なり集落営農としてまとめなければいけないと、今は正反対のことをしているわけでございます。  また、食料管理についても、戦後の食糧難ということから、食料増産をやろうと。それこそ中海干拓も含めて農地をつくり上げることまで手をかけて国中が動いたわけでありますが、結果はどうなったかといいますと、農地は余るどころか荒廃した耕作放棄地があちこちにできてしまったという矛盾も生まれている。これを今どうしようかというふうに過去の遺産を我々が引き継いで奮闘しているという状況があります。  農村政策もそうだったと思います。これも農業改良普及員が大分現場に入り込みながら育ててきた面があるわけでございますけれども、中山間地のことを考えて、象徴的なところでは、昭和60年のカウベルホール、これも今度周年行事を迎えようとしていますけれども、このカウベルホールも農村に文化を、若者に音楽を与えようということで、これも全国では非常に珍しいぐらいのいいホールができまして、これをやったのが新農構の事業でございました。今考えますとそういう農林省の事業であのような公会堂といいますか、音楽堂を建てるというのは考えられないことでございます。今はとてもそんなことを農村でやろうという空気ではなくなっているわけでありまして、これも正反対に向き始めているわけであります。  大潟村は、先ほど申しました農地をつくり上げて大増産を図ろうという象徴的なモデルとして登場したわけでありまして、全国からも入植者が集まるようなことになりましたが、それが今度は米余りの中で大苦労をするということになったわけであります。また、食料管理政策も変わる中で、反旗を翻すということにもなったわけでありますが、米づくりを自分たちのよって立つ大いなる大地だと踏みとどまってやったことが、増田レポートで評価されているということでございました。  農業の今後もそうだと思います。我々の先人を振り返ってみますと、鳥取県の農業者は苦労を苦労とも思わずに乗り越えることで地歩を固めてきたようにも思います。香取村に入植された皆さんもそうでありました。戦車2台であそこを開墾されたことから始まりまして、今ではおいしいヨーグルトをつくり、愛される農地が生まれて、そこに豊かな村もでき上がっているわけでございます。梨の歴史やスイカの歴史も、先ほどお話があったとおりでございます。  農業を通して地域の自立、農家の自立をつくっていくことこそ地方創生の原点と言っていいのではないかというふうに思います。農業をやるというのは、遠い昔の話から今に至るまで人類がつくり上げてきたなりわいの形であったし、暮らしの形であったと思います。この農業を育てていくことが鳥取県の地方創生を果たしていくことにもなったのだというふうに思います。  冒頭からお話がありますように、鳥取には、すばらしい大地があって、農業をやるにはいい環境であるのだろうと思います。「東京に空は無いといふ、ほんとの空が見たいといふ」、高村光太郎が智恵子抄の中に残しています。その智恵子というのは光太郎の妻であり、洋画家でありました。光太郎自身も彫刻家であったわけでありますが、その目線から見て本当の空がないと言わしめたのが東京の空でありました。今、地方創生でその東京の空を捨てて鳥取の空へと帰ってくる人たちが出てこようとしております。伊藤議員から過分なお言葉をいただきまして、平井が種をまいたというお話がございましたが、私から見れば、まさに種をまいたのは伊藤美都夫議員が先人としてこの県庁の農業政策を引っ張られたことからだと思っております。私もミレーの絵に例えて言えば、むしろ落ち穂拾いのほうを引き受けさせていただいて、これからも先輩方の意思を継いでこの鳥取県の農業を育ててまいりたいと思います。 ◯副議長(前田八壽彦君)次に、議案第64号「鳥取県税条例等の一部改正について」を議題といたします。  本件については、質疑の通告はありません。  これをもって、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。  それでは、議案第1号から第20号まで、第33号から第61号まで、第63号及び第64号は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりであります。これも、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時54分散会    ────────────────...