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  1. 鳥取県議会 2012-09-01
    平成24年9月定例会(第5号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(伊藤美都夫君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号から第26号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  13番濱辺義孝議員 ◯13番(濱辺義孝君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。公明党の濱辺義孝でございます。それでは、通告に従い一般質問をさせていただきます。  初めに、中山間地域振興について伺います。  昨年度、中山間地域振興条例が見直され、各地域の資源、特性を生かした振興の推進や地域づくりに取り組む人材の確保、育成、県民などの活動に支えられた振興の推進などさまざまな項目が追加されました。県におかれては、それらについて本格的に取り組んでおられるところであり、その一環として、中山間地域振興に対する地域サポート体制の強化として、県版集落支援員地域づくりサポーターがことし4月より各総合事務所県民局に配置されています。  私は、この8月末にそれぞれの総合事務所に出向き、各サポーターさんから今の活動の様子を伺いました。それぞれ地域の人たちとの人間関係を築きながら、地域の皆さんと対話を重ね、地域の会合、行事に参加したり、相談役として元気に頑張っておられるようです。  この対話の中で、一人一人が地域づくりサポーターとしてしっかりとした意志を持ち、地域活性化に役立ちたいとの願いに満ちていることを実感いたしました。中山間地域の地域サポート事業の柱として大きな期待を抱くものです。  一方、昨年県でまとめた2011年山間集落実態調査でわかるように、中山間地域における人口減少や少子高齢化が進み、集落機能の維持が困難な地域が出始めるなど、危機的状況になっています。このような状況の中、各種団体、協議会、事業者などの皆さんが、中山間地域振興を推進されていることに大変感謝しております。私は、いろいろな活動がありますが、一番大切なポイントは、そこに住む人たちが気持ちの上で元気になることだと思います。そのために、地域づくりサポーターが中心になり、市町村や集落の支援員とよく連携をとりながら、元気な地域づくりを中心に据えて推進していくべきだと思います。  しかし、地域に入る中でさまざまな課題に直面します。簡単に答えが出るものではなく、サポーターさんは精神的にも肉体的にも大きな負担を感じておられると思います。今、サポーターさんはさまざまな研修会、講演会などに参加したり、月に1回程度集まって、集落に入り研修を重ねるなどされていますが、いかんせん着任して半年と日も浅く、専門的な知識もなく、まだ不十分のようで、市町村の集落支援員をリードしていくには、非常に難しい現状にあると思います。やはり地域づくりサポーターの資質向上をより効果的にさらに力を入れていくことが必要だと考えます。  そのためにも、例えば地域づくりサポーターたちの研修会を充実させるために、中山間地域振興に精通した人に講師としてもっと参加いただいたり、県内外の先進地に出向いて実践的な視察を行うなど、支援リーダーとしての力を着実に身につけていただきたいと思います。そして、それぞれの地域の課題などを持ち寄り、サポーター同士で意見交換を行うなど、お互いに切磋琢磨しながら、打開策を見出していくなどの取り組みが必要だと思います。これらの地域づくりサポーターの資質向上の提案について、知事はどのようにお考えか、所見を伺います。  次に、県外の大学生と鳥取県内の市町村集落の交流について質問させていただきます。  私は、ある人から、県外の大学生が鳥取県内の中山間集落に入り、さまざまな交流をされていることをお聞きしました。そして、調べたところ、早稲田大学、明治大学、岡山県立大学、慶応義塾大学や県内の大学が13地域で交流されていることを知りました。把握できていないところがあるようで、実際にはこの数字よりもまだ多いそうです。  例えば、9月13日に鳥取市鹿野町へ明治大学の学生約20人が地域との交流、連携、地域活性化への提言を活動目的に来られました。グループに分かれて研究テ-マを決め、集落に入り研究をした結果の提言発表会に私も参加させていただきました。旅行しやすいまちづくり、鹿野らしさを生かした地域づくり、誰もが好きになるまち鹿野、交流人口増加に向けた空き家など遊休施設の利用などを発表した学生たちの姿に、私は若者の爽やかさ、また新鮮さを感じたと同時に、このような若者の交流をどんどん行い、中山間地域の振興につなげてほしいと思いました。  こうした交流の研究発表会などがそれぞれの地域だけで終了してしまうのは惜しい気がします。例えば、全県でフォーラム、意見交換会を開催し、情報を共有し、お互いの地域の活性化につなげればいいと思いました。県外の若者が集落に入り、新しい感覚で地域を分析する、その結果を皆で分かち合い、次の展開につなげる。中山間地域振興の推進において、新たな突破口になると思います。もちろん、県内の大学生、また中山間地域に携わっている人たちも一緒にその中に入って交流をし、強く推進していくことが今後の中山間地域振興の推進において大きな力になると考えますが、いかがでしょうか。もちろん相手のことがあるので協力を得られる必要がありますが、一度向かってみる価値はあると思います。  先日、中山間地域振興に精通した人に、短期的、長期的に考えていくことが大切とのお話を伺いました。短期的には、現在の生活を生かす、そして集落に合った仕組みを考えていくこと。長期的には、少子高齢化が進み、中山間地域の抱える課題をどうするかが大切とのお話がありました。  急激に進む中山間地域の少子高齢化、人口減少などを少しでも食いとめる一助となればとの思いで本日質問させていただいたところであります。
     次に、鳥取大砂丘について質問させていただきます。  3月26日、平井知事とともに鳥取砂丘西側浜坂部落林を他の県議とともに見学しました。東に鳥取大砂丘、西に千代川と鳥取市街地を一望できるすばらしい景観でした。新たな砂丘の名所の可能性も秘めた場所だと思いました。  ただ、あの地は火山灰層が露出していることもあり、むやみに開発はできないと繰り返し指摘を受けてきた場所です。以前から浜坂部落所有の部落林となっていますが、松が枯れ、ブッシュに覆い尽くされた無残な姿を呈していました。有志の方々の手によってブッシュが刈り取られ整備されていましたが、それも一部の地域です。繁茂した雑草は、季節になると天然記念物の砂丘に種子を供給し続けています。私たちは、いつまでたっても砂丘の除草作業をしなければならないという堂々めぐりを繰り返すことになってしまっています。かつての白砂青松の松林にしたいという有志の思いに共感したものでしたが、その後どうなっているのでしょうか。あくまでもうわさですが、いろいろと難しい状況になっているとか、所有者のほうで施設建設を考えているとか聞こえてきました。  そこで、現地を訪れた平井知事の率直な感想と浜坂部落林についての現状と対応をお尋ねします。特に現地で整備計画などがあるようでしたら、その点についてもお答えください。  公明党会派として、長年鳥取大砂丘を中心とした今後の保存活用について種々提案をしてまいりました。環境省を絡めての対応もその一つです。環境省は、地元自治体と一緒になって山陰海岸国立公園山陰海岸ジオパーク、中でも鳥取大砂丘を世界に発信したいということでした。ことしの3月の話です。  そこで、何点か伺います。会派要望での回答もあったものもありますが、詳しくお聞かせいただきたいと思います。その中での話で、明年山陰海岸国立公園指定50周年記念イベントとして、自然公園ふれあい全国大会などを鳥取砂丘を中心に開催したいとありました。その後、環境省との協議の進展はどうなっていますでしょうか。積極的に進めるべきですが、現状と今後について知事にお尋ねいたします。  また、ことし2月議会で、公明党の銀杏議員よりビジターセンターの機能を備えた鳥取砂丘ジオパークセンターを設置するよう環境省に提案したらどうかとありましたが、再来年の山陰海岸世界ジオパークの再審査に向けて、大変重要な内容だと思います。今は砂丘事務所ジオパークセンターの役目を担っていますが、世界に冠たる鳥取大砂丘にしては、余りにも手狭であります。職員、関係者の皆さんは大変な努力をされていまして、敬意を表するものですが、いかんせん20名も入ればいっぱいになるようでは話になりません。世界ジオパーク洞爺湖有珠山、島原半島には立派なビジターセンターを環境省が設置されています。ぜひ鳥取砂丘にジオパークビジターセンターを設置するよう環境省に働きかけられたいと思います。知事の所見を求めます。  次に、森林保護については、とっとり共生の森などの施策で、企業やNPOなどの支援を募っています。同じように、世界でも貴重な湿度の高い海岸地域での一大砂丘地鳥取大砂丘山陰海岸ジオパークに貴重な自然を保護し活用するということで、スポンサーを募ったらどうでしょうか。現在でもありますが、作業に参加するなどの人的支援でもいいと思います。天然記念物鳥取大砂丘中心部のみならず、周辺部の松林のブッシュを刈り取る経費に充てたり、除草や監視パトロールの経費などにも充ててはどうかと思います。当然スポンサーを顕彰し、ホームページや各種砂丘イベントで企業名を出すなどして、支援に応えることで、より多くの企業が協賛に名乗りを上げるのではないでしょうか。要するに、これまで以上に鳥取大砂丘を愛する人の輪を広げ、鳥取大砂丘をきれいにしたい、世界に誇ることができる本来の大砂丘に戻したいということです。知事の所見を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、中山間地域の振興について、何点かお尋ねをいただきました。  まず、濱辺議員から元気をつくらなければならないという御認識が披露されまして、そのために地域づくりサポーター、この資質向上を図るべきではないかというお話がございました。  この地域づくりサポーターにつきましては、この議場でも中山間地域の振興のかなめとして、県としても各地にあります集落支援員などの動きを支えるような、そういう活動が必要であろうという御指摘がございました。それを踏まえまして、今年度から配置をしたところでありまして、県内に5人の地域づくりサポーターが配置をされています。考え方としては、おおむね5年までを目途に活動していただくという趣旨で、適任者をお願いをしているということであります。  ただ、議員が今御指摘いただきましたように、中には地域づくりや中山間地域の振興の仕事をずっとこれまでやってきたわけではない方々もいらっしゃいまして、現在のところは、どちらかというと充電的な内容になっているのかなあと私も思います。ただ、だんだんと経験も積まれてきておりますので、これから活躍していただきたいと期待をしているところであります。  中には、TORCのほうで中山間地域の振興を行ってこられました水田さんのように、経験もこれまで持っておられて、すぐにでも即戦力で動かれる方もいらっしゃるわけでありますが、全員が全員そうではないというのは御指摘のとおりであります。  その研修といいますか、ブラッシュアップにつきまして、いろいろな手だてをやっています。例えば、就任早々からは、地域の宝という中山間地域のそれぞれの地域の魅力をつづったものがございますけれども、これを改訂をするといいますか、フォローアップをしていくということの仕事を通じながら、担当のエリアでの発展の可能性だとか、問題点の所在をみずから勉強してもらうということをしているわけであります。  また、島根県のほうに中山間地域研究センターというのがございます。これは中国5県で協力をして運営しているものでございますが、こちらのほうにも研修に行くということをしたり、高知県のほうの先進的な官民連携のような事業の視察をしたり、県内での交流をしたり、さまざまな研修になるような活動を続けてきているところでございます。これらを通じまして、議員がおっしゃるようにどんどん能力を上げていただき、市町村、そして集落の期待に応えられるような活動をしていただきたいと思っております。  例えば、今後は地域での集落支援員など県内にはたくさんの関係の方々がいらっしゃいますが、年度末ぐらいまでに一堂に会するような形で意見交換をしたり、支援の方策について率直な意見交換をすることがあっていいのではないかと思っております。その辺はこれから企画をしていこうと考えているところであります。  次に、学生との交流につきましてお尋ねをいただきました。  濱辺議員みずから鹿野のほうの交流事業をごらんになられ、県外の若者たちとの交流の場を推進していく、これが中山間地域の元気につながるのではないかと、こういう御指摘をいただきました。  実際そのとおりだと思います。よそ者とか若者と言われる存在が地域開発には必要だと、よくまちづくりのシンボルのように言われるわけでございます。実は鳥取県内でも、かねてからいろいろな大学との交流がございました。日南町だとか琴浦町が鳥取大学と協定を結んで中山間地域の振興をやっていこうというような動きをこれまでもやってきました。また、智頭町におきましては、これは昔からの経緯があるわけでありますが、京都大学と結構つながりがございまして、京都大学の過疎地域振興フィールドとして使われてきたと。その意味で、大学の先生や学生やらが入ってくるということがこれまでもございました。  そんなような交流がありましたけれども、私は、濱辺議員もおっしゃったように、ここに来て急にそういう学生が鳥取県に興味を持ち始めていると。鳥取県のほうにいろいろな形で入ってくるようになりました。本当にここ2~3年のことかなと思います。ことし新たに入ってきたグループもあります。その背景には、恐らく地域づくりというフィールドを学生たちも求めている。また、学生の世代の価値観が大分変わってきている。前のように、昔のように大企業に入って、いわば直線的な進路を進もうということ以外に、大自然等を感じながら生活してみたいとか、それからおじいちゃん、おばあちゃんたち、自分たちの家族が核家族化していますので、そういう新しい出会いといいますか、昔からのきずなを求めて興味を示される。自分にも何かできるのではないかなという、そういうボランティア心をくすぐる、そんな要素が鳥取県の中にはあるんだろうと思います。  そういう意味で、明治大学とは創立以来のつながりが鳥取県はございます。岸本先生の御縁もございまして、どちらかというと我々のほうに非常に好意的に明治大学が動いてくれておられますが、その事業の一環として、学生の交流で鹿野のほうに派遣をされるということになったわけであります。そこで、学生のいろいろな思いを披露しまして、まちづくりについての率直な若者らしい提言が寄せられたところでございました。  興味深いのは、日野郡のほうに今相次いで早稲田、慶応が入ってきております。早稲田大学が従来から入っておりまして、ひまわり号と言われます安達商事さんがやっておられる集落回りをするコンビニエンスストアがございます。これに対するインターンとして入ってこられました。早稲田が入ってきたのですが、今度慶応も入ってきまして、にわかに早慶戦が始まっているという状況のようでございますが、慶応のほうは商学部のゼミが中島先生とのつながりもございましてこちらのほうに入ってこられています。これが地元に結構インパクトを与えていまして、大変に活性化しているというような状況があります。もちろん地元の鳥取大学、各地に入っていますし、そういうつながりを我々としては大切にしたいと思います。  議員からも御提案いただきましたので、例えば来年の夏休み時分だとか、8月、9月の学生たちが結構こちらへ集まっている時期ですね、そういうときに、大学の垣根を越えて呼びかけたり、議員が今おっしゃったように、地元の学生とか地元の地域づくり関係者とか、何かみんなで集まるような、そういう大会、コンベンションを考えてもいいのかなというふうに思います。そういう中で鳥取県の活性化に向けた貴重な提言が出てくるかもしれませんし、我々としては、いずれ鳥取に住んでみたいというような学生が、有為な人材がふえてくれば、これはなおうれしいということになろうかと思いますので、一遍やってみたらという御提案でございますので、当初予算に向けてまして検討してみたいと思います。  次に、鳥取砂丘につきまして、何点かお尋ねをいただきました。  まず、浜坂の財産の部落林のほうにお伺いをしたときの平井の感想はいかがかと。また、地元に整備計画があるのであればそれはどういうものかというお尋ねでございます。  先般、春にお伺いをしました。そのときに、県議会からも御出席なさった方々もいらっしゃいまして、みんなで視察をするという機会をいただきました。事の次第からいえば、地元の浜坂の皆さんの大切な財産林があります。そこにももんじょの会という会が結成をされて、そこの地域整備をしようと。ブッシュが茂り放題だったと。それを是正をしていくということを住民の手でやっていこうという動きがございました。その状況を私も拝見に行ったということでございました。  あちらの丘のようなところに立ちますと、非常に美しく日本海のほうまで見渡せるところでありまして、かねて植えてきた防風林、防災林という保安林がございますが、その保安林の向こう側に砂丘やら海が見える。見晴らしもいいところでありまして、そこに地元の関係者の方々、ももんじょの会の方々が東部森林組合の協力なんかもございまして、一定の整備をしようとしかけているというお話でございました。  私としては、こうやっていろいろな形で地域をみずからの手で変えていこうと、よくしていこうと。願わくば砂丘を訪れる一つのポイントになればありがたいなと、こういうような思いでやっておられるということに共鳴をいたしました。私のほうから申し上げましたのは、砂丘全体、鳥取砂丘の環境を変えていこうという大きな取り組みがあります。そういう砂丘再生会議の話し合いなど、しっかりと位置づけをしてもらうとか、それから地元でのさまざまな調整とか、そういうことをぜひ十分やっていただいて、これから砂丘をよくする運動に皆さんも向かっていただければと。その場合、そうした調整がとれるのであれば、県も支援しやすくなるし、御支援申し上げましょうと、このようなやりとりをさせていただいた記憶があります。  そういう意味で、可能性がある地域ではありますし、開発といいますか、一定の手入れが必要な地域だと思います。ただ、かねてからここは浜坂の財産の皆様の持ち物でありますし、当然ながらそうした地元での調整というものが前提になるわけであります。その後いろいろあったというふうにお伺いをしていますが、7月には材木を少し置きまして、枕木を置きまして、階段を整備しかけたとか、また少しずつもう一度動き始めているというようにお伺いをいたしております。  具体的な整備計画の詳細というのは我々は伺っておりません。思い当たるものといえば、あのときも御説明いただいた中にありましたけれども、公園的に中で憩い、散策できる、そういうゾーニングをしようというお話があり、ちょっとしたあずまや的なものができないかとか、そういうような構想があったと思います。その程度の話は伺っておりますが、いわゆる整備計画というものについてはまだ我々も接してはおりません。これから地元で、まずは砂丘の再生会議もございますし、それから浜坂の財産の中の話し合いも大事なことでありますし、そういうものを経て、地元として動いていただくということを願っているところでございます。  次に、鳥取大砂丘につきまして、山陰海岸国立公園指定50周年記念イベント、自然公園ふれあい全国大会というものは積極的に進めてはどうだろうか。進展やいかんということがございました。また、鳥取砂丘ジオパークセンターを設置するように環境省に働きかけてはどうだろうかというお話がございました。  このような環境省絡みで、今いろいろな話し合いをしております。公明党の斉藤幹事長代行のお話なんかもございまして、鳥取県側と先方の環境省との話し合いの場が持たれたこともございますし、それ以外にも、政府でございますので、環境省側と我々もいろいろな形で話を続けています。環境省サイドは、どちらかというと本音では分権改革で、地方出先機関の移譲問題が気になっておられるわけでありましょうけれども、そういう意味で、我々も地方に協力するのですよという姿勢を見せたいという気持ちがこちらにも伝わってきます。  そういう意味で、こうした事業の提案がございます。自然公園の大会については、今環境省側とも折衝をしておりますし、あと、これは山陰海岸国立公園でございますから、京都府や兵庫県とも話し合いをしてきております。おおむねの方向性としては、来年の夏ごろに鳥取市を会場として行ってはどうだろうかと。それで3府県の間の話し合いが今進んでおりまして、そういうものをもとにして、環境省のほうでそうした大会のアレンジに協力していくということになるのではないかと思います。  大会自体は、環境大臣がお見えになって、そして、これからの山陰海岸国立公園のあり方あるいは自然公園のあり方について、みんなでアピールをしたり、今の状況を意見交換をしたりということではないかと思います。そんな大きな大会というよりは、小ぢんまりとした表彰式典に近いようなものであります。  ただ、環境省の関連の事業はそういう小ぢんまりとしたものかもしれませんけれども、全体としては地元でも協力をしたり、それから兵庫県や京都府にも協力していただいて、山陰海岸ジオパーク世界ネットワークに加盟しているその値打ちについて十分なアピールができる場にしたいなというように考えております。その詳細については検討をしている真っ最中でありまして、まだ準備段階がスタートしたばっかりでございます。これから具体化して、いずれ当初予算案の中で議会にも具体的な御相談をさせていただけると期待をいたしております。  次に、鳥取砂丘ジオパークセンターでございます。  これにつきましても環境省側から一定の提示がございまして、環境省側でも協力する用意はあるよというようなお話がございました。鳥取市を中心に砂丘再生会議でも議論してもらわなければなりませんけれども、そういうところで、ではどういうような要請をしようかと今いろいろと議論をしているところでございます。  ビジターセンターがという構想でありますけれども、先例を申し上げれば、巨大なものを想定されているかもしれませんけれども、そういうものではどうもなさそうでございまして、雲仙のほうは行かれたのかもしれません。平成新山のビジターセンター、あれは大体690平米ぐらい、それから同じようなものでございますけれども鳥取県内に大山隠岐国立公園がありますが、それの関係で大山寺のところに大山情報館があります。あれが680平米ぐらいなものでございます。ですから、大山の駐車場のところにあるあの程度のものだというふうにお考えをいただければと思います。そういうことかなあというふうに思いながら、我々としても地元での考え方をまとめようとしているところでございます。地元のほうの要請したい内容というものが固まってきたら、これはぜひ環境省に我々も一緒に働きかけをしてまいりたいと思っております。  最後に、鳥取砂丘の保全のためのスポンサー募集についてお尋ねをいただきました。  このスポンサーということも含めて、私ども、実はこの議場でも大議論をやりまして、日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例という条例をつくりました。全国からも注目を集めた条例でありました。その趣旨は、いわば砂丘の憲法をつくろうと。この砂丘の国では、この砂丘をみんなが支えて美しく保つと、そういうことを盛り込んだものでございます。そういう理念のもとに、例えばゴルフの試打を禁止するとか、落書きを禁止するとか、さらに鳥取砂丘レンジャーを配置をさせていただきましたけれども、そういうことをあわせてやるようなそういう条例ができました。その関係もありまして、いろいろと企業などからもこれまで御協賛をいただいております。  例えばアダプトプログラムというのを始めておりまして、砂丘の中にゾーニングをして、この区域はこの企業、団体が責任を持ってやりますよと。もちろんそれは無償で企業側が持ち出すということでありますが、これも今では11の団体が加入をして動いてくれています。また、今年度も砂丘の雑草取り、大体5,000人強の方々が参加をされました。これも実は企業の協賛を得てやっております。参加していただければ、らくだやさんでアイスクリームが食べられるとか、そういう無料チケットが出たり、また飲み物を配布をしたりしていますが、こんなものも実は企業さんの御協賛がございまして、そういうことでやっております。もちろんいろいろな企業から、この砂丘の草取りあるいは一斉清掃に協力して人も出ておられます。大分定着してきたのではないかと思います。  また、具体的に鳥取砂丘に役立ててくれという企業協賛もございます。例えばアサヒビールさんがスーパードライを飲むと、1缶につき1円鳥取砂丘の振興に役立ちますよと、こんなキャンペーンを季節ごとにやっておられます。また、イオングループがWAONカードをつくられましたが、そのWAONの中には砂丘カードというのがございまして、これもポイントが砂丘振興、砂丘の保全のほうに使われるということでうたわれておられます。イオンさんとは包括業務提携を結びまして、こういうことも含めて企業としての御協力をいただいているところでございます。  これからも何かそういう具体的なテーマを持って、企業さんから御協賛をいただきながら、鳥取砂丘がいろいろな方々の手によりまして育っていくように、我々としても呼びかけを続けてまいりたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)13番濱辺義孝議員 ◯13番(濱辺義孝君)それでは、さらに質問を続けさせていただきます。  初めに、県版集落支援員地域づくりサポーターの方について質問させていただきますが、先ほど本論でも言いましたけれども、この地域づくりサポーターさんの資質向上が一番大切だと思います。それで、サポーターさんのサポ-ト体制として、先ほど知事からもお話がありましたけれども、島根県にある中山間地域研究センターの方々、また鳥取県の環境大学に設置されました地域イノベーション研究センターの方々に協力していただき、毎月1回程度研修されているところに、より多く入っていただき、そのサポーターさんの資質の向上をしっかりと図っていくべきだと思います。今、現状を見ますと、そこに視察に行ったりとかという、まだまだ資質向上には至らないと考えますので、その点、知事いかがでしょうか。  また、大学生との交流の件ですけれども、聞いた話なのですけれども、鹿野町での大学生の交流の研究発表会の終わりのほうで、実はその大学生の方々が帰るときに、この土地でつくられた野菜とかそういうものを、研究させていただいたお礼に学食で使えたらいいなというような話を少しされたということなのです。それで、地元の方の野菜、お米とか、作物をやはり学食に使っていただくような流れができれば、本当に地域の活性化の大きなエネルギーになるかと思いますし、また、「食のみやこ鳥取」という部分を大きくアピールできるのではないかというふうに考えます。この点、知事いかがでしょうか。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺議員から重ねてのお尋ねをいただきました。  まず、島根県の中山間地域研究センターあるいは鳥取環境大学のセンターを活用して、専門家も一緒に入るとか、そういう取り組みをしてはどうかというお話がございました。  詳細は局長の岡濱のほうから申し上げたいと思いますけれども、基本的な考え方としては、この地域づくりサポーターの皆さんにも集落に入るときには大学側の協力を得るということも既に約束をしております。鳥取大学さんとも約束をしておりますし、環境大学さんとも約束ができておりまして、これから年度の後半で、実際に集落に入るようなときに、そうした活用を図っていく方向で今調整をしているところでございます。  また、学生さんのつながりを大切にしてみたらどうだろうかと。例えば「食のみやこ」にもつながるのではないかとか、いろいろとアイデアを今いただきました。そういうことをこれまでもやってきておりますけれども、いろいろなチャンスをこれからもぜひこしらえていきたいと思います。  例えば、龍谷大学さんは鳥取県と協定を結びました。そして、相互支援といいますか、交流といいますか、要は就職の支援とか、そういう中でありますけれども、そのときにも、交流を決めたお祝いの席で、鳥取県の食材をふんだんに使いまして、あちらの学食というかレストランというか、大学内のところでパーティーをやりました。龍谷大学さんは、当時若原先生が学長をされておられまして、今本県の教育委員になっておられますけれども、その関係もございまして御縁ができたわけでありますが、本来学食にストレートに食材を出すということをやりかけたのですが、なかなかちょっとそれでうまくいきませんで、テスト的にそんなような機会を持ったこともございます。  鳥取環境大学では、卒業生で今日野郡のほうで農業をされている方がおられまして、そのお米を学食で出されたりしているようなこともございます。また、早稲田がこちらのほうにも来られてますけれども、早稲田地球感謝祭というお祭りが、学園祭のようなものがあるようでございまして、そちらのほうに、先ほどの江府町に来られる学生さんの御縁がありまして、江府町が今では毎年のように、去年、ことしとブースを出しまして、そこで町の物産展をやると、物産販売をやるということも既に始められておられます。  こんなようないろいろな御縁が学生との交流から生まれてきます。ですから、先ほどのお話にもございましたけれども、いろいろな形で学生との交流を我々もサポートする事業を始めてはどうかと思います。ついこの月曜日の夜も、マツコ・デラックスさんの「月曜から夜ふかし」という番組がございました。その中で、鳥取県と島根県とどっちが悲しいかというテーマで一部コーナーがございまして、そのほかにもいろいろあったのですけれども、徳島県の人は何でおさい銭が少ないのかとか、どうでもいいことでありますけれども、そういういろいろな地域のテーマを取り上げてありますが、実はそういうような企画が結構出ておりまして、鳥取問題を解決をすると、鳥取の人口減少に歯どめをかけるとか、もっとにぎわいをつくろうというようなことを勝手にテレビ番組で始めている嫌いがございます。  例えばそういうものにひっかけて、学生の皆さんがこちらに来られて、そういう交流行事に参加されたら、鳥取問題学生解決隊とかそんなようなことで任命をさせていただくとかしてファンになってもらうと。それで、先ほど御議論がございましたように、時折交流会のようなこともやって、鳥取県へのつながりの意識を深くしてもらうと。それで、いずれ「食のみやこ」を売り出すとか、そういうアイデアをいただいたり、サポートしていただくようなよすがにもなりましょうし、こちらのほうには、就職も含めてI・J・Uターンを狙っていくことにもなろうかと思います。ちょっとそんな展開を、確かに学生との絡みでできそうな時期に入ってきたと思いますので、検討してみたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。  岡崎地域づくり支援局長 ◯地域づくり支援局長(岡崎隆司君)地域づくりサポーターのサポート体制について、補足答弁を申し上げます。  先ほど議員からお話のありました島根県の中山間地域研究センターは、行政機関としては全国で唯一の中山間地域を総合的、専門的に研究する機関でありまして、実はいろいろと鳥取県もお世話になっております。いろいろな場面で鳥取県にお越しいただいてアドバイスをいただいているというよい関係にあります。また、地域イノベーション研究センター、旧のTORCですけれども、こことも地域づくりに関係する施策についていろいろと今もずっと協議しておりまして、その研究活動についても我々をサポートしていただいている状況です。  そこで、県では今回の地域づくりサポーターの設置に当たりまして、県内の大学等と連携、協力した総合的なサポート体制をつくろうということでして、鳥取大学と鳥取環境大学とは既にこの協力体制は了解をいただいております。そこで、今後はこの地域づくりサポーターが地域に出ていく場面で、大学の先生方と一緒にこの地域の、例えば取り組みの方向性を指南していただくとか、企画提案をアドバイスしていただくとか、または取り組みに対する検証をしていただくというようなことを実際にアドバイスをいただく予定としております。  また、先ほど御提案ありましたように、定例の研究会も毎月やっておりますので、それについてもいろいろな場面でのアドバイスをいただきたいということで今後も話をしていきたいというふうに思っています。  この地域づくりサポーターの活動の際には、島根県の中山間地域研究センターや県内の大学の連携を特に密にしまして、実際のサポーターの質向上もあわせて、地域にとってよりよい方向の取り組みができるように頑張っていきたいというふうに思っています。 ◯議長(伊藤美都夫君)13番濱辺義孝議員 ◯13番(濱辺義孝君)サポーターさんの質の向上、そして大学生、若い人がそういう集落に入る、大切なことだと思いまして質問させていただきました。よろしくお願いいたします。  続いて、過疎法について質問させていただきます。  本県は近年過疎化が進み、過疎法指定地域が12市町、県土面積に占める割合は56.5%にふえました。県人口に占める割合は15.5%であります。  平成22年3月末で失効予定であった過疎法が平成22年4月1日から平成28年3月末まで6年間延長され、施行されることになりました。さらに、平成24年6月27日、東日本大震災発生後、市町村の実情を鑑みて期限が5年間延長され、平成33年3月31日まで延長されました。  過疎法については、我が党は積極的に推進しておりまして、中山間地域のさまざまな課題を取りまとめ、平成21年に過疎法見直しプロジェクトを立ち上げました。過疎地域の人たちの強い要望を後押しに、国への要望を粘り強く続け、この法の継続と拡充に尽力をしたところであります。公明党は、さらにこれが時限立法ではなく恒久化を目指しております。  さて、この拡充によって、これまでのハード面だけでなく地域医療の確保、集落の維持及び活性化、ソフト面での事業拡大ができ、大きく使えるようになりました。例えば、買い物バスなどの生活交通の維持、集落支援の人材育成などあります。  そこで、鳥取県の中山間地域振興に対して、拡充された過疎法を十分に活用すべきでありますが、今後どのようにされるつもりか知事に伺います。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)過疎法についてお尋ねいただきました。  過疎法は、議員立法でできておる法律でございます。このたび、過疎法がまた新しくなりまして、例えば岩美、三朝、江府、大山も過疎地域に追加指定されることになるなど、鳥取県としてもメリットのある今回の改正だったと思います。  特に大きなのは、内田県議の代表質問にもございましたけれども、ソフト面での過疎法の活用ですね。過疎対策債を充当するわけでありますが、ソフト事業にも充当できるということであります。これは各地でも新しい事業が始まっておりまして、私どもとしても注目できる内容かなと思っています。こういうものを情報を共有して、こんなやり方もあるのだよというふうに輪を広げていきたいと思います。  例えば、用瀬、佐治の地域におきましては、鳥取市内でも交通の便でなかなか問題の多いところでございます。そこで、デマンドタクシーといいますか、デマンドバスといいますか、そういうものを使いながらアクセス問題を解決していこうと。そういうことに今鳥取市で取り組まれておられまして、これについて、ソフト分の過疎対策債を今年度充当するという動きになっております。これは一つの例でありますけれども、今各地で過疎法に基づく新しい制度の活用が始まってきております。  片方で、過疎債は公債費の負担がだんだんふえていきますので、そちらのほうの財政状況にもぜひ注意をしていただきながら、そうした自由度の高い制度を地元市町村も活用していただき、過疎地域の打破に向かっていただければと思っております。 ◯議長(伊藤美都夫君)13番濱辺義孝議員 ◯13番(濱辺義孝君)それでは、続きまして山陰海岸ジオパークについて質問させていただきます。  山陰海岸ジオパークでは、地質遺産を初めとした多様な地域資源を官民一体となって守っていくとともに、教育、観光、地域産業に活用し、ジオパークの取り組みを通して魅力、活力ある地域づくりを行い、鳥取県はすばらしいところだと全国に、また世界にアピールできるような力強い推進をお願いしたいと思っております。  そこで、1点提案したいと思います。  世界ジオパークになって目に見えて観光客がふえたのは、山陰海岸学習館、また島の遊覧、鳥取大砂丘と言われていますが、全体的には期待を下回るという声をよく聞きます。そこで、内陸部にジオスポットはないものか、以前にも会派で提案したことがありますが、岩美町に旧岩美鉱山、荒金鉱山とも言われる銅山が実はあります。一方、同じ「いわみ」の発音の島根の石見銀山は世界遺産となっています。岩美鉱山ではなく、岩美銅山と呼べば名前も話題性が出てきます。  この岩美銅山は、西暦698年に採掘され、銅が朝廷に献上されたとの記録があるように、日本の最古の銅山とも言われております。今閉山されていますが、鉱山はまさしくジオ、地質そのものであります。そして、閉山後の採掘坑から出る廃水処理のため毎年4,000万円、最近では6,000万円近く費用がつぎ込まれています。言ってみれば、採掘が終わったけれども今なお生きている鉱山と言えるのです。そうした処理施設や処理後の沈殿物、また埋立地、さらには200メートル先まで入ることができる採掘抗跡もあります。  ただ、岩美鉱山ではこれまでさまざまな悲しい事件、事故があったと聞きます。今でも慰霊祭が行われております。関係者の方々のお気持ちを察し、十分な配慮が必要ですが、歴史を風化させないことも望まれているかもしれません。  それらのことを勘案し、今後これまで以上にジオスポットとして力を入れてはどうでしょうか。知事に伺います。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)岩美鉱山につきましてお尋ねをいただきました。  ここは今でも実は山陰海岸ジオパークの一角というふうに、エリア的には位置づけをあえてさせていただいております。それだけジオとしても魅力のある地域であります。ここは明治22年に鉱山として活動が開始されまして、昭和40年代に閉山となるまで一定の活動が続いてきたわけでございます。黄銅鉱とか黄鉄鉱とか、そうした鉱脈がふんだんにあることから、すばらしい山陰の一つの鉱山として使われてきたところであります。  そういう意味で、今でも坑道が残っていたり、いろいろと見て回るところはあるわけでございますし、ジオパークでありますから、そういう鉱脈があること自体が地質としても研究価値もあるところでございます。  ただ、一般的な、例えば浦富海岸だとか、あるいは砂丘のように、誰でもが行って、誰でもが楽しめるというような観光地というよりは、どちらかというと学びのスポット、探勝型といいますか探求型というか、そういう感じのスポットではないかと思います。  今でも地元に事務所といいますか、管理される方々がいらっしゃいまして、そちらのほうで案内をしていただくようにしております。これは岩美町のほうのいろいろなツアーの中の一つに位置づけて今も動かしておられるところでございまして、この辺もっとアピールしていくことはできるのかなと思います。  ただ、昭和18年9月10日の鳥取大震災の折に、鉱滓のダムが決壊をしまして、たくさんの家が流されて埋まってしまったと。戦争中のことでございますので、在日朝鮮人の方々も含めて、今も掘り起こされることがなく多数の方々の遺骨が下に眠ったままになっています。また、ここの鉱脈の跡、残滓の中からは非常に酸性度の高いものが出てくるわけでございまして、それを現在リサイクル利用していますけれども、そういうような鉱山が閉山された後の問題というものも今も色濃くございます。  ですから、そうしたものをトータルで学習するような場、これはいろいろな歴史だとか、あるいは自然科学だとか、それから産業面とか、さまざまな側面のあるスポットだと思います。そんな意味でのジオツアーの中の一部としてこれからもてこ入れといいますか、いろいろと推進を図ってまいりたいと思います。
    ◯議長(伊藤美都夫君)13番濱辺義孝議員 ◯13番(濱辺義孝君)私は、今回の一般質問において、中山間地におきましては、元気な中山間地域をつくっていきたい。中山間地域に希望の持てる地域をつくっていきたいという思いで質問させていただきました。また、ジオパークにおきましては、鳥取県はすばらしいと、鳥取県はいいところだという思いで質問させていただきました。どうか力強く推進していただきたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)29番上村忠史議員 ◯29番(上村忠史君)(登壇、拍手)先ほどの濱辺議員の質問を聞きまして、同じような気持ちで私も質問させていただきたいと思います。  私、今月の7日から10日までの4日間、日本会議という全国組織の方たち40名と台湾視察に行ってまいりました。台北では、李登輝元総統、91歳になられるのですが、かくしゃくとしておられました。それから、国の大臣に当たると思うのですが、李嘉進国家委員、あるいは許世楷アジア研究会会長、台南市長の頼清徳さん、あるいは司馬遼太郎の「台湾紀行」に登場する老台北の蔡焜燦、87歳でございますが──の話を伺うことができ、活発な意見交換が行われました。  その中で2~3紹介いたしますと、台湾での最近のアンケートによりますと、世界で好きな国は第1位が日本で、41%の方々が好感を持っているということでございますし、2位、3位は中国、アメリカで、それぞれ7%というぐあいに伺いました。また、李登輝元総統は尖閣諸島は明白に日本の領土だと繰り返しおっしゃっておられましたし、かつては台湾から漁に出かけていたということも話しておられました。  視察の最後のほうで、烏山頭ダムというのがありました。約15万町歩ある嘉南平野は非常な干ばつがありましたが、烏山頭ダムができまして、三毛作ができておりました。まさにダムといい、三毛作の農業地帯は本当に圧巻でございました。この烏山頭ダムは、八田與一技師が築堤したものであり、今でも多くの台湾人が八田技師を敬愛をしております。私は、この偉業に本当に敬意を表し、八田夫妻の墓に献花をしてまいりました。  このように、台湾は日本に対しての印象が大変よく、最近では経済的な結びつきが強くなっております。鳥取県も台湾との文化、経済両面にわたって交流をより一層進めていくべきだと感じましたが、知事の所見を伺います。  台湾の人々は、かつての古きよき日本の教育を今でも大切にしている人がおられます。戦前の国語読本を復刻、増刷し、大切に使用し、俳句や和歌を若い人々に引き継いでおりました。また、国や郷土を愛し、公に尽くす、あるいは他人に迷惑をかけない、弱い者いじめをしない、お互いに認め合い、仲よくするといった道徳心も大切に教えられておりました。  平成18年、安倍内閣時代にほぼ60年ぶりに教育基本法の改正が行われ、第1条で、教育の目的として、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならないとされました。そしてまた、2条では、その目的を実現するために学問の自由を尊重し、また個人の尊厳だけでなく、道徳心や公共の精神を培うとともに、伝統、文化を尊重し、それを育んだ我が国と郷土を愛し、他国を尊重し、国際社会の平和の発展に寄与するというぐあいにされております。人権や個人の尊厳は大切でありますが、いじめ問題を考える中で、やはり周りの人を思いやる道徳心を大切にしなければいけないと思います。  たびたびになって恐縮ですが、道徳心を子供にどのように教え、人格の形成をどのように促していくのか、教育長の考えを伺いたいと思います。  次に、海士町についてでございます。  去る9月13日、米子で隠岐の海士町の山内道雄町長の話と新藤宗幸千葉大名誉教授との対談を聞きにまいりました。大山町出身の山内町長は、海士町が昭和25年ごろには7,000人近くいた人口が現在は3分の1の2,400人に減少した。超過疎化に加え、高齢化率が約40%、年少人口率が約10%で、出生者は年間に10名弱といったような超少子高齢化のまち、あるいは超財政悪化というときに町長になられました。ないものはないのだということをモットーに、島を再生、活性化させたのであります。この議場にもたくさんの議員が海士町に行っておいでになりますし、私以上に御存じの方もたくさんおられますけれども、改めて御紹介いたします。  平成15年に山内町長が初当選されましてから、16年に住民代表と町議会が一緒になりまして、島の生き残りをかけた自立促進プランを作成し、行財政改革を断行する守りの戦略を行う一方、一点突破の産業振興策、責めの戦略を強力に推進されました。  まず、守りの戦略といたしまして、町の三役で最大50%カットを行うなど、町長以下役場職員の給与を大幅カットし、早期退職、転職を図りながら、一方で町内の区長あるいは老人クラブ等の補助金カット等もなし遂げられました。また、責めの戦略といたしまして、島の資源を生かす現場主義と産学振興とあるいは定住、移住を図れたのでございます。  海、潮風、塩を3本柱に、イワガキの養殖とそれを磁場エネルギーで細胞を振動させ、組織を壊さずに冷凍させるCAS、セル・アライブ・システムというのですけれども、その技術を導入いたしまして、現在ではイワガキやイカの冷凍品を新鮮なまま東京など国内はもとより海外にも出荷されているようでございました。また、潮風を浴びたミネラルの多い牧草を食べ、おいしい肉質にでき上がった隠岐牛を東京市場へ出荷し、A5評価を得たり、他にふくぎ茶、梅干し、干物などを製造する会社を7社、集落やグループなど特産物をつくるグループを5グループ立ち上げたりと次々と産業振興施策を展開されたようであります。実際、菱浦港付近には、海士町の産物を載せるクロネコヤマトの宅配便の配送車が多数いました。  お金がない、前例がない、制度がないは禁句とも言っておられました。地方が主役で元気がないと日本も活気が出ません。海士町の責めの戦略、島の資源を生かし、農水産物を磨き上げ、島に新たな産業、雇用を生むという活性化の取り組みを一つのモデルとして取り組んではいかがかと思います。県内には海士町以上の海や山の豊富な素材、資源が存在します。知事のお考えをお尋ねいたします。  次に、隠岐國学習センターですが、これは離島地域の教育における課題を克服し、高校卒業までは島の子供は島で育てるとの信念のもとに、平成22年に地域に公営の塾として設立されたものであります。このセンターは、地域唯一の高校である隠岐島前高校と連携し、高校の授業内容を踏まえた学習効果の向上を図っておりました。訪問したときには、泊まり込みで10名程度の中高生が勉強していましたが、私どもと同じように、選挙のときにつくります目標や公約を掲げたポスターを室内に張っており、徹底した学習をしておりました。島留学制度も取り入れ、成績も低位安定が難関大学等を含む高位型に移行し、存続が危ぶまれていました隠岐島前高校が、昨年1学年2クラスで存続するとニュースで聞いたときには、本当にうれしく思ったものでございます。  地域間の教育格差の固定化が叫ばれております現在、海士町が行っておられる取り組みは、過疎地域における一つの大きなモデルになると考えますが、教育長のお考えなりを伺いたいと思います。  1回目の質問とさせていただきます。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)上村議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、台湾との交流につきましてお尋ねをいただきました。  その交流を一層進めるべきではないかということの詳細につきましては、文化観光局長からお話を申し上げたいと思います。  今、いろいろとニュースでにぎわせておりますのは我が国の領土問題でございまして、きょうも国連総会での野田総理の発言が報道されています。我が国としては、毅然として領土、領海を守っていくという立場で、国際法にのっとった平和的解決を望むのだと、そういう立場を鮮明に国際社会に対してアピールをされました。基本的には、そういうスタンスで、毅然としてこれからも平和的解決を目指して取り組んでいくべき事柄だと思います。  そういう中におきましても、台湾との関係では、先般も漁船が大挙してやってくるなどの事態がございましたけれども、非常に冷静に台湾政府は事を運ぼうとされておられます。すなわち、台湾としてはこの問題について、中国と同一歩調をとるものではないと。特に、漁業権の問題を中心課題として交渉すべきという立場をとられております。そういう意味で、先般来、台北におきまして実務者同士での話し合いが始まっているわけでございまして、解決策を双方で見出していこうと。台湾政府、そして日本政府の間での話し合いが今なされています。  非常に厄介な課題はいろいろとあるわけではありますけれども、議員がおっしゃったように、台湾は本当に親日的に物事を考えておられまして、我が国として最も大切にしなければならないパートナーの一つだと思います。特に、議員がお訪ねになられたという八田與一の物語というのは、台湾の人々の心に強く焼きつけられております。日本人がこの国の農業を開いてくれたと、そういう思いが強いわけであります。実は、その八田與一さんの御長男は鳥取県にも来られてまして、昭和43年から昭和47年まで鳥取県の土木部長として働いておられました。そういう意味で、台湾と鳥取県とのつながりはそんなところにもあらわれています。  実は、我々いろいろ心配しながらというか、非常に重要な関心を寄せながら慎重に国際交流に当たっている時期ではあるのですけれども、ついせんだっては、鳥取県の梨を台湾のほうに売り込みに行くというキャンペーンがありまして、それが帰ってきました。結果を申し上げますと、想像していた以上に売れております。3万7,000箱でございまして、その意味では、私どもとしてほっと胸をなでおろしたというか、いい成果が出たなと思いますし、そのキャンペーンに行った先々で、鳥取県の人たちは非常に好意的に歓迎をされております。穂木の輸出をぜひ来年しっかりやってもらいたいと、こんなような話もあったようでございまして、いろいろと海の上では波風がたつことはあっても、人の心の中はつながっているというように我々は今感じ始めているところでございます。  そういう意味で、これからさまざまな事業が予定をされていたり、これまでも行ってきた事業がございますが、詳細、局長のほうから申し上げたいと思います。  次に、海士町の地域振興につきましてお尋ねをいただきました。  海士町におきましては、自立促進プランをつくられ、島の産業、雇用をつくり出そうと非常に頑張っておられる。これについてどういうふうに考えるかというお話でございます。  海士町は、全国のまちづくりのモデルになり始めていると思います。そういうところはどこから来たかということで、今上村議員のほうから解説がありましたけれども、要は、ないものをねだってもしようがないと。むしろ自分たちでつくり出すのだと。考えてみると素材はいっぱいあるわけです。それに地元の人も気づかれて、さまざまな企業だとか団体での活動が動き出している。また、豊かな自然や人々の暮らし、ほかと違った時の流れに引かれて移住してこられる方々もおられるわけでございます。  それは、鳥取県に引き比べても参考になることは多いというふうに思います。隠岐の潮風ファームにおきましては和牛を非常に大規模に育てておられますけれども、潮風を受けてミネラルを豊富に吸収して育った、それがおいしさの秘訣ですよというような、そんなようなストーリーで東京を中心とした売り込みをかけて成功しておられます。CASのお話もございました。前に森岡議員からも御質問がございましたけれども、そういう最先端の技術を使いまして導入をしているということもございまして、鮮度のいいものを届けようという動きでございます。  また、先ほどの濱辺議員の御質問にもありましたが、若い人たちがどんどん積極的に海士町のまちづくりに加わってもらうと、そういうような動きがございまして、例えば、「島じゃ常識さざえカレー」というパッケージがありますけれども、あれも若い方が商品開発の研修生としてあちらに入られて編み出したものでございますが、今ではヒット商品になっています。  こんなようなことは、鳥取県でも各地でそのまま使えるような話が多いわけであります。大山町でも、我々のところでこのたび出しました地域ごとやるようなチャレンジプラン、みんなでやらいやというプランをやってみようではないかということで呼びかけましたら、大山のブロッコリーあるいはネギといった素材をもとに、地元のほうでも今プランを出しておられます。この辺にもいろいろな動きが出てきていまして、今ブランド化をしようということで、2体の着ぐるみを使いまして今キャンペーンを仕掛けたり、またこのたびは地域ブランドを取得されて、やられているということでございます。  これもいろいろな努力の中から生まれてきたというわけでありますけれども、そうやってやっぱり打って出て、ない物ねだりをしてもしようがないわけでありますから、身の回りの素材で仕掛けていくということが大切なのだというふうに思います。  先般は、NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」という番組が大山のほうにやってきて、2週間にもわたって無料のキャンペーンを大山町のためにされたなあと思いました。大山の大山寺のほうではとやま旅館さんが出られて、秘伝のだしを使ったお鍋を提供しておられましたけれども、それから牛だとか芝だとか、それから例のイワガキでありますとか、それも鶴瓶が頬張りまして、これは本当にうまいものだというような話をしておられました。  そういう素材が身の回りにいっぱいありますし、あとは売り方だとか商品開発だとか、またやっぱり私たちの努力だと思います。この辺を結集していく道具立てをしっかりとそれぞれの地域でやっていただきたいし、それを県としても後方支援としてサポートしてまいりたいと思います。鳥取県内にも多くの海士町があると信じておりますので、これからもそうした視点で、村づくり、まちおこしを支えてまいりたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。  細羽文化観光局長 ◯文化観光局長(細羽正君)台湾との交流につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  台湾との交流につきましては、二十世紀梨の穂木の輸出を契機として、当時の台中県との交流ということで長年進めてまいりました。そういった経過の中で、本年1月には、知事を初めとする県の関係者、それから議会の皆様、それから県民の皆様と一緒にチャーター便で訪台いたしまして、まんが博のPRでありますとかチャーター便の誘致、それから台中県と合併して新しく誕生した台中市の胡志強市長と知事も会談をし、今後の交流の一層の推進ということで確認がされたところでございます。  そうした動きとも並行しまして、さまざまな面での交流も進んでおります。例えば文化面で申しますと、毎年鳥取県の高校生等が台中の文化フェスティバルのほうにも出かけておりますし、チャーター便のほうも年々たくさん飛んでおります。ことしも既に4往復台中とのチャーター便が飛んでおります。今後も米子空港、鳥取空港で各2往復ずつチャーター便の運航も計画されているところでございます。  青少年の交流では、昨年から大学生のインターンシップということで、台湾の学生を中心に、大体20名ぐらいなのですが、県内の観光施設に約1カ月、夏休みの期間来ていただいて研修をしていただくということをしております。これについては、受け入れ側の施設のほうも非常に好評でございまして、今後こういった取り組みも広げていきたいと思っております。  県内の進出企業とタイアップした物産展でありますとか、観光PRということもやっておりまして、本年も台北の新光三越のほうでの物産展、観光PRということも予定しております。  知事のほうからも話がありましたが、今ちょっと国際情勢微妙なところがございますが、こういった交流につきましては今のところ予定どおり今年度も進める予定にしております。また、ちょっと新しい玉としまして、ことしの1月に訪台したときに、世界的な自転車メーカーでジャイアントというメーカーがございます。そちらの本社にも伺って、知事と劉会長との面談を行って、その際、鳥取県の大山を中心としたサイクリングの魅力等をしっかりPRして、劉会長のほうも非常に興味を持っておられます。そういったつながりを生かして、今後、鳥取県内で開催されます例えばツール・ド・大山のような大会への協賛でありますとか、さらには台湾からのサイクリングのお客さんのツアーを計画していただくということも今ジャイアント社側と調整を進めておりまして、できれば来年の春にはそういったことが実現するように努めているところでございます。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  横濱教育長 ◯教育長(横濱純一君)上村議員の御質問にお答えいたします。  議員から台湾を訪問されたお話がありました。道徳心を大切にした教育が行われているということで、私も関心を持って聞かせていただきました。また、議員は、教育基本法を引き合いに出されまして、個人の尊厳は大切であるが、いじめ問題を考える中で、周りの人を思いやる道徳心を大切にしていかなければならない、そういう御指摘もいただきました。  議員のお話がありました教育基本法は、平成18年に60年ぶりに改正されておりまして、人格の完成とか、あるいは個人の尊厳とか、そうした普遍的な理念は大切にしながら、新しい時代の教育の理念を示したものであります。教育基本法が改正されました背景には、家庭や地域で教育力が低下してきていることとか、あるいは子供たちには基本的な生活習慣の乱れがある、また学ぶ意欲が低下してきている、また学校ではいじめや校内暴力等が増加してきている、こうしたことが背景になったというふうに思います。  教育基本法の改正を受けまして、学習指導要領も改正されました。私は、道徳教育を行っていく上で、個人の尊厳を大切にしながら、あわせて、例えば誰に対しても思いやりの心を持って、相手の立場に立って親切にするとか、あるいは謙虚な心を持って、広い心や自分と異なる意見や立場を大切にしていくとか、また誰に対しても差別することや偏見を持つことなく、公平公正、そういう心で接して正義の実現に努めるとか、そういう姿勢や態度もあわせて育てていく必要があると思います。道徳教育では、まず子供たちの心を響かせて、そして判断する力を養って、そして最終的に実践をできる力につなげていく。そういう段階ではないかと思っております。  また、道徳心を育てるためには、学校の道徳の授業だけではなくて、道徳以外の教育活動、また地域社会、あらゆる場が教育の場になるというふうに思っております。教育活動全体の中で子供たちを指導していくことが大事だと思います。そのためには、まず子供たちの心が揺さぶられるような授業とか体験が前提となります。子供たちが社会の一員として豊かな人間関係を築いていきますように、そして成長していきますように、道徳教育の充実に努めたいと思います。  続きまして、海士町の取り組みについて感想をということでございました。  議員から御紹介がありました海士町につきましては、先日の内田議員の御質問にもお答えした際に御紹介をさせていただきました。議員のお話がありました高校と連携した公営の塾であります隠岐國学習センターは、海士町の高校魅力化プロジェクトの一つとして行われているものでありまして、この塾では、大手予備校で指導の経験がある経験豊かな講師を迎えて、生徒一人一人にきめ細かな指導を行っているということであります。  また、これとは別に、生徒の興味や関心に応じまして週1回夢ゼミというものを行っておりまして、ケースによりましてインターネットを使っての動画をライブ配信しながら、いわゆるUstreamですね、それを使って、例えば全国で活躍しているプロフェッショナルの方だとか、あるいは東京の高校生と同時に映像を通して話し合うというようなことをしています。例えば、東京の進学塾に通っている高校生と夢について語り合うというようなこともやっておりまして、そうした中で、東京の子供たちは目的意識が高いなあとか、よく学んでいるなと、そういうことを感じて自分たちも大変刺激を受けたというようなことを言っているようであります。  私も海士町を訪問しましたけれども、地域が一体となって高校の魅力化に向けて取り組んでいらっしゃる。その際、行政とか学校とか地域にそれぞれ思いを実現しようとするキーパーソンがいらっしゃるわけですね。キーパーソンのベクトルが完全に一致している、それが大変な強みだろうというふうに思いました。そうしたキーパーソンの思いが、ベクトルが合っており、そのことが学校や地域の活性化につながっていると思いましたし、島のきずなを強く感じました。  また、これとは異なりますが、地域が主体となった取り組みについて一つ紹介をさせていただきます。これは兵庫県立千種高校という高校でございまして、岡山県と鳥取県の県境の山間部に位置しております。1学年1学級の高校でありまして、定員割れが続きまして、まさに廃校の危機に直面していたということであります。このような状況の中で、高校の存続を願う住民やPTAなどが千種高校を支援する会を結成いたしまして、そうした運動が功を奏しまして、平成22年度から連携型の中高一貫校として生まれ変わりまして、地域とさまざまな連携した事業をやっております。  例えば地域の人材を活用しまして、中学生と高校生が一緒になって英語検定の受験に向けて努力するだとか、あるいは芸術分野で一緒にやるとかやっております。また、地元のスキー場だとかゴルフ場だとか、そういうところとも連携しながら体験活動をやっているということであります。こうしたことで、だんだんとこの高校の評価も上がってきまして、地元中学校の7割から8割の子供が今やそこの千種高校に通っているということでありますし、入学した生徒は、明るく元気で学習活動に当たっておりまして、進学、就職とも満足度の高い進路実現を果たしているというふうに聞いております。  ここを教育委員会の職員が訪問しまして、地域の気持ちが一つになったときの強さを学んだというふうに言っておりまして、これも地域に支えられて、地域に根差した学校として生まれ変わったという例ではないかと思います。現在、教育委員会では、平成25年度から30年度にかけまして、今後の県立高校のあり方を検討しておりますけれども、地域がしっかりと学校を支えるビジョンやコンセプトを持って取り組んでいるこういうよい例がありますので、こういうものを参考にしながら、魅力ある学校づくりに努めていきたいと思っております。 ◯議長(伊藤美都夫君)29番上村忠史議員 ◯29番(上村忠史君)いろいろ伺ったわけでありますけれども、知事なり教育長の思いをお聞きしました。  ちょっと追及で、まず、U・I・Jターンでございますが、海士町では、平成16年から23年の間にUターンが185名、Iターンは218世帯の330人というぐあいに伺いました。特別な支援をしていないけれども、この515名が島を元気にしているというぐあいに伺ったのですが、私どもが行ったときには、高学歴といいますか、有名大学もきちんと出て、一流企業に勤めていた若いIターンの方にお会いしました。お話を伺ったときには、大きな会社の一員で個性を発揮できないということで、移住を決断したということでありました。現在は、収入は半分ぐらいに減ったのですけれども、隣近所等からのもらい物といいますか、お互いがそういった助け合いをやっているというようなことで、その方は広告宣伝のインターネット等を使った仕事を行って、大変有意義だというぐあいに話していたのですが、本県におきますU・I・Jターンの戦略といいますか、今後の見通しなり、そういったものを知事にお尋ねをしたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)U・I・Jターンにつきまして、重ねてお尋ねをいただきました。  隠岐島の海士町の例がございましたけれども、実はいろいろな支援をされています。例えば出産の支援とか、あるいは移住関係の支援、いろいろなことを実はされていまして、それが多分うまくいっているのかなという感じがいたします。それに、あと隠岐のイメージですね。美しい島のイメージやそこの暮らしのイメージがいい方向に現代社会の中で作用していてI・J・Uターンを呼んでいるということではないかと思います。  実は、鳥取県も順調に今ふえてきております。平成19年から急にかじを切りまして、ここ5年弱になりますが、私ども鳥取県が窓口になってI・J・Uターンを進めようということを始めました。昨年度までで1,667名の移住ができているわけでございまして、それまでとは格段にちょっと違うペースになってきています。それだけ我々も手応えを感じるようになってきていまして、隠岐島でも同じことが起こっていて、海士町の事例もあるのかなというふうに思います。  その戦略としては、我々もっと露出していいのかなというふうに思うのです。先ほどは学生の交流の話がありましたけれども、いろいろな仕掛けがこれから考えられようかと思います。従来やってきていることに加えまして、この9月の補正予算の中でも、東京からお試しでこちらに来てもらう、そういう事業をこのたび入れさせてもらいました。また、あわせて東京での集客イベントの際に、移住についての相談窓口をつくろうということをいたしました。これまでの主たるターゲットは関西圏であります。ただ、隣の岡山県がそうなのですけれども、やっぱり非常に今移住の需要は出てきていると、問い合わせがふえてきていると。それに対応するために、スタッフの再配置とかを岡山は始めているわけです。鳥取県も、岡山ほどにロットは違うのかもしれませんけれども、同じようなことが起きていますので、従来よりも踏み込んでやっていっていいのではないだろうかというふうに思います。  隠岐もそうですけれども、我々のところでも入ってきていただいて、すばらしい活躍をされる方々がいらっしゃいます。例えば、河西さんという関西のほうから来られて、鳥取市で水産業をされておられますけれども、非常に熱心に活動をされておられますし、販路開拓なども若者らしい視点で動いておられます。また、神戸のほうにもともとおられた西村さんという方は、大山の麓で天然酵母のパン屋さんをつくられて、伯耆町の丸山の別荘地の下のあたりだと思いますが、そこでそうした新しい生活を始められたわけでありますけれども、地元の方が例えば野菜だとかそんなものを提供してくれるというようなこともありまして、非常に自分の創作意欲が湧くといいますか、パンづくりには適しているのかなあというようなことをおっしゃっていました。また、やっぱり関西で広告宣伝のお仕事をされていて、先ほどのお話にも近い話でありますけれども、柄木さんという方は、米子のほうに来られて、今では大山で行いますとっとりバーガーフェスティバルの主催者でありまして、全国的にもバーガーフェスタを行う理事長として名前が知れ渡っているのですね。県外の人にも、鳥取の柄木さんというのはということで言われるくらいでありまして、バーガー界では名の売れた人に鳥取に来てなられているというようなこともございます。  ですから、我々としても、積極的にI・J・Uターンの相談窓口の強化だとか、その支援策の強化を市町村と一緒になってやっていきたいと思います。  隠岐のほうで成功していることの背景には、その辺のサポート体制もありますが、特に住みかえのほうは、市町村が熱心にやっておられます。智頭町であれば、こちらのほうに住まわれるのであれば、土地を無償で提供しましょうと。そこに地元の町産材で家を建ててくださいというような条件をつけたり、またそのための住宅をつくったりされています。鹿野でもそういうことをやったこともございますし、そのほかにも同じようないろいろな例が出てきております。そうしたところで結構引き合いがあるのです。若桜でも今始めようとされておられます。そうしたことをいろいろと市町村でもやっていただき、県のほうでは就農対策だとか雇用対策だとか、ひとり立ちするためのベンチャー起業対策だとか、そういうことを我々のほうでもサポートさせていただき、トータルのパッケージで移住を支えていきたいというふうに考えております。 ◯議長(伊藤美都夫君)29番上村忠史議員 ◯29番(上村忠史君)市町村と一緒になって進めるということでございますので、市町村にもぜひ頑張っていただきたいというぐあいに思います。  次に、人づくりについての考えでございますけれども、海士町では県外からの若いIターンが多いわけであります。特に御紹介しますと、先ほども知事からありましたけれども、結婚や出産の子育ての支援をしているということですし、また優秀な子牛の雌牛を購入するための資金として、海士ファン・バンクを創設しております。これは一口50万の出資金を募集しまして、出資者への特典としまして、毎年1万5,000円相当分の農産物が贈られるようでありまして、7年後には一括返済されるという制度であります。  本県でも、企業誘致には力を入れておりまして、昨年からベンチャー企業や個人の起業家の方の支援も行っておられます。成果がどのようなものであるか、あるいは県外からIターンされた若者たちのさらに起業しやすい環境整備のために、制度の見直し等も検討する必要があるのではないかと思うわけでありますが、この状況について、知事にお尋ねをいたします。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)上村議員から、ベンチャー支援のようなやり方で創業を支えることもあってもいいのではないかというお尋ねをいただきました。  鳥取県としても、これまでもベンチャー支援策、さまざましています。例えば創業塾をやるとか、それからベンチャーのためのファンドも私どものほうで持っていまして、鳥銀系と合銀系と2つ県も出資してつくりました。そういうところから出資支援を行うようなこともございますし、また目ききのアドバイザーを得て育成を指導していくと、そんなようなプログラムもつくってきております。  海士町の場合も、そういうファンドをつくって支援をするということをされているというふうに伺いました。若い方々、いろいろなタイプの方がいらっしゃいますけれども、中には、農林水産業を自然の中でやってみたいという方もいらっしゃれば、自分がそれまでまちで培ってきたノウハウを自分なりに生かしてみたいと。例えば商業ベースといいますか、販売のルートづくりだとか、企画開発だとか、そんなようないろいろな仕事がありますし、農商工連携みたいな話もあります。  先般、西部のイベントで、中村さんという若い方と出会いました。大山町に来ていると。もとは埼玉の出身だというふうにおっしゃって、名刺をいただきました。漁師中村という名刺でございますが、ワカメを加工して、ワカメの商品をつくって、それを販売をするという事業を始められたわけであります。その後のいろいろな動きがあったのだと思いますけれども、このたび鳥取県版の経営革新の例のプランの中に登録をされまして、今まさに動き始めておられます。  同じようなことがたくさんあるわけでありまして、AONケミカルの安積さんなんかもそうでありますが、梨の酢をつくるということを手がけられましたけれども、これも県のほうのベンチャー支援的な事業で支えてきたこともございました。  また、このたびは米子のアルファビルのほうにスターという会社が出てくることになりました。これは女性の方でありますが、玩具会社に勤めておられた方が人形制作をやろうということでございます。これも私どものほうのそういうソフトビジネス展開の支援の中で応援をしようというふうに考えております。  若い人たちは、せっかくだから自分で一から身を起こしてやってみたいという方々が結構多くいらっしゃいます。ただ、初動の資金だとか、経営のノウハウなど一定のサポートがどうしても必要な面もございます。最終的には自立して御自身のビジネスとして育ってもらわないと困るわけでありますけれども、我々としてもそういう最初の動き出しのところだとか、またアドバイスの部分であるとか、場所のあっせんですね、立地のあっせんだとか、そうしたことではいろいろとお手伝いできるところはあると思いますので、積極的に今後も展開してまいりたいと思いますし、そうしたIターン、Jターン、Uターンに即したような住まい対策などとあわせたベンチャービジネスの起業支援、来年度に向けて、もう少しほかの諸制度と組み合わせてパッケージで充実を図ってまいりたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)29番上村忠史議員 ◯29番(上村忠史君)次に、教育長に日本史のことについてお尋ねをいたしたいと思います。  日本の歴史を正しく知ることは大切なことだと認識しておるわけでありますが、日本の中学生あるいは高校生とかが外国に行きまして、日本の歴史を余り知らないというか、外国人に質問されて答えられないという場面があると以前伺ったことがあります。  先ほどもちょっと話したのですが、八田技師のように台湾の歴史教科書に登場して、多くの台湾の人々から尊敬されている日本人について、私もやっとこの年になって知ったわけでございまして、日本の教科書には記載がないから余り知られていないといったような現状があると思うのです。しかも海外から高く評価されているいろいろな方もまだおられるわけでありますが、本当に日本人の誇りを育てるという意味でも大切なことではないかと思うわけであります。それをまた親から子へ、そして後世へしっかり受け継いでいくために、まずは教科として日本史を必修科目とすべきではないかと思うのですが、教育長の考えを伺いたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  横濱教育長 ◯教育長(横濱純一君)上村議員の御質問にお答えいたします。  日本史を必修化にしてはどうかという御意見をいただきました。  高校では、平成6年度から実施されました学習指導要領におきまして、新たに独立した科目、独立した教科としまして、これまでの社会科にかわって地理歴史科というものが設けられました。そして、世界史を全員が学ぶようになりまして、日本史や地理は選択となりました。これは、グローバル化の進展に伴いまして、異なる文化を持つ人々と互いに理解し合ったり協力したりすることができる日本人を育成したり、あるいは国際社会で主体的に生きていくそういう日本人を育成していこうということが背景にあったというふうに考えております。  議員から日本史の必修ということがございましたが、例えば小学校や中学校の歴史分野での学習内容は、高校の世界史が必修であるということを前提とした上で構成されておりますので、日本史を必修にするということになれば、小学校、中学校全ての段階から再構成していくということになります。また、あわせまして、一つの教科に時間数が集中しますので、ほかの国語とか数学とか理科とか英語というのがどうなるのかという教科のバランスの問題もあります。  しかしながら、議員がおっしゃいましたように、外国の人から子供たちが日本のことについて聞かれたりしたときになかなか答えられない。それは歴史もそうでありますし、文化についても知らないことがある。特に古典についても知らないことがあるのではないかというふうな指摘があります。  今、中学校では日本の歴史を中心にして学習しておりまして、この春から中学校は学習指導要領が変わっております。これまでの105時間から130時間というぐあいに授業時間数もふえておりますし、また学習活動におきましても、これまでの事項を学んでいくというのではなくて、時代の様子を大きく捉えて表現していく、そういうふうな学習にシフトしていくといいますか、すなわちこの時代の特色はこんなことがあってこういう時代だとか、あるいはこの時代を代表するものはこれこれこういうもので、こういう理由からだと、そういうふうに大きく捉えて理解して説明していくことができる、そういうことに力を注いできております。  高校でも、来年度から新しい学習指導要領になりますが、世界史を全員が学ぶ必修科目であることを踏まえた上で、日本史との関連を重視して学ぶというふうに、そういうことが明記されて見直しが行われております。これらの学習指導要領の改訂の趣旨をしっかり踏まえまして、日本の歴史を学ぶことの重要性を教職員、教員が再認識をしまして、そしてまた、議員御指摘の点がございましたそういうことも大切にしながら、児童生徒に我が国の歴史をしっかり教えていくことが大事だと思っております。 ◯議長(伊藤美都夫君)暫時休憩いたします。
     午後の本会議は、13時より再開いたします。        午前11時48分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(稲田寿久君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  3番砂場隆浩議員 ◯3番(砂場隆浩君)(登壇、拍手)会派「かけはし」の砂場です。一般質問をさせていただきます。  まず、青少年健全育成条例の改正についてお聞きします。  今議会に、脱法ハーブなどの薬物によって子供たちの健全育成が阻害されるおそれがあるとして、鳥取県青少年健全育成条例第11条の改正案が上程されています。お手元の資料、議長のお許しを得て配付しておりますが、4ページに11条、5ページにその改正案を示しておりますので見ていただきたいのですが、11条の改正案は、表現行為の内容評価に対する規制です。憲法21条が保障する表現の自由を規制するものですから、規制の合憲性を考えておく必要があると思います。  改正案は、福祉生活病院常任委員会でも議論いたしましたが、極めて哲学性と思想性に満ちた政治命題だと私は考えています。そこで、事務局ではなく、政治家である平井知事の所見をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  3ページをごらんください。表現の自由は個人の自己実現に奉仕し、国民の自己統治に不可欠な人権であることから、さまざまな人権の中で優越的な地位に立つべきだと私は考えています。まず、表現の自由がさまざまな人権カタログの中でも優越的な地位に立つ大切な人権とお考えなのか、それとも利益衡量をして制限を加えていい程度の人権とお考えなのか、表現の自由に対する認識をお聞かせください。  憲法訴訟論の第一人者である佐藤幸治京都大学名誉教授、私の恩師である阪本昌成広島大学名誉教授を初め、多くの憲法学者は、表現行為に対する事前抑制は原則禁止されるべきだと主張されています。それは、事前抑制が表現行為に大きな萎縮効果をもたらすからです。6ページを参考にしていただきたいのですが、条例第11条は事前抑制に該当し、原則的に規制してはならないと考えますが、知事はどうお考えでしょうか、お聞かせください。  県内の書店は、大山緑陰シンポや本の国体ブックインとっとりを開催されるなど、先進的かつ良心的な書店だと全国から高い評価を集めていることは皆さんも御存じのとおりです。11条は自主規制を定めていますが、自主規制であるなら、高い倫理観をお持ちで、しかも本のプロである書店の皆さん、書店商業組合の皆さんに全て任せてしまえばいいのではないでしょうか。公権力が出てくる必要はないと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。  7ページは、鳥取県書店商業組合から出された意見書の要旨です。この意見書やパブリックコメントを見ると、脱法ハーブを解説した書籍は県内のほとんどの書店では一般販売に供されておらず、規制に実効性はないということです。これに対して、子育て王国推進局の組合に対する回答は8ページに示していますが、今回の改正条例を先取りして実施していただいていると考えていますというものでした。市民の権利を制限する法律や条例は抑制的に制定すべきで、心配を先取りして制定すべきではないと思います。しかも、委員会の審議では、組合加盟店以外の書店が主な対象になるという答弁をいただきました。しかし、県内の多くの専門書店は組合の加盟店で、非加盟店は少ないそうです。もちろんコンビニとかそういうところを入れれば売り上げは違ってまいりますけれども、数からいうと少ないということです。  9ページに合憲性判断の基準を列挙しているので参考にしていただきたいと思いますが、おそれや心配だけで規制を受けるとしたら、少数のために大多数が規制を受けるとしたら、過度の広範性ゆえに無効の法理で違憲と判断すべきではないでしょうか。  また、11条は、「性的感情を刺激し」あるいは「粗暴性または残虐性を誘発し」という非常に主観的に流れやすい表現になっています。改正案も「あおり、そそのかし、または助け」という同様の表現になっています。このような明確性に欠く文言で規制することは、昭和50年9月10日に出されました徳島公安条例事件最高裁判決などの中で示唆された、漠然性ゆえに無効の法理、あるいは不明確性ゆえに無効の法理で違憲となるのではないでしょうか。  改正案は、トルエン、酢酸エチルまたはメタノールを含有するシンナー、接着剤、塗料その他のものとありますが、「その他のもの」という文言は、余りに漠然とし過ぎて明確性を欠き、表現の自由を規制する条例としては失当と考えます。  さらに、書店商業組合の、どの図書が該当するか、店頭などの販売現場では判断がつきにくいとの指摘に対して、子育て王国推進局は、今後書店に説明に回ると回答されました。大体説明をしなければ理解できない条例は、それこそ明確の原則に反する条例と私は思います。  表現の自由を規制する場合の合憲性審査基準として、委員会の議論の中では、平成元年9月19日の岐阜県青少年保護育成条例訴訟の最高裁判決が採用した規制目的と手段の合理性のテストが上げられました。しかし、この判決は自動販売機で販売するという手段について判断したものであって、今回のように直接的に表現の内容、評価に関する制限ではありません。  私は、表現の自由をその内容と評価によって制限することができるのは、明白かつ現在の危険が存在し、LRAテスト、つまりより制限的でない他の選び得る手段がない場合だけに限定されると思います。  鳥取県青少年健全育成条例第11条とその改正案は、違憲性の疑いが強いように私には思えますが、平井知事はいかがお考えでしょうか、お考えをお聞かせください。  次に、いじめ・自殺対策について議論を進めます。  大津のいじめの自殺問題が表面化した後、全国で痛ましい事件が相次ぎました。教育委員会、学校現場の隠蔽体質、事なかれ主義などが表面化してまいりました。  知事は子育て王国を標榜し、横濱教育長も教育現場に対して、アンテナを高く持てと繰り返しておられます。知事のマニフェストにも教育長の姿勢にも私は共感をいたします。  しかしながら、この問題は、内田議員が代表質問で指摘されましたように、トップの意識やシステムも大事でありますが、学校現場で先生たちがどういう対応をとられるかが一番大事だと思います。  本当に悲しいことですが、残念ながら県立学校で自殺と思われる事案が発生し、しかも公表されることなく処理されようとしていました。調査を進めると、大津市同様お子さんよりも学校と教師のメンツと保身を優先したのではないかと疑ってしまうような対応が出てまいりました。この問題を少し質問してまいります。  ただ、きょうもこの学校では多くのお子さんたちが学んでおりますし、お子様を失った御家族の心中には察して余りある悲しみがあります。本会議の議論は公開され、ネット中継もされておりますので、わかりにくいとは思いますが、質問では学校や個人が特定できないような表現にしますことを皆さんにはお許しをいただきたいと思います。また、答弁でも御高配をお願いを申し上げます。報道機関の皆様にも、家族の静穏を乱すことないよう十分な配慮をお願い申し上げます。  では、質問に入ります。  警察電話から消防へ緊急出動要請があり、その救急車が到着したときには既に意識がなく心肺停止の状態でした。救急車の中で気管内挿管、心臓マッサージなどの措置をしつつ病院に到着し、ICUで懸命の治療が続きましたが、その日の深夜、このお子さんは亡くなられました。着衣に乱れはなく、目立った外傷もありませんでしたし、近くのコンビニの防犯ビデオに1人で映っている映像が残っていることなどから、遺書は見つかっていませんが、自殺の可能性が高いと思われます。  この事案について、笠見教育委員長、横濱教育長が最初に受けた報告は、事案発生からどれくらいたったときだったのでしょうか。そして、誰から、どこで、どのような内容をお聞きになったのでしょうか。また、自殺の可能性についてはどうお聞きしたのでしょうか。まずそこから答弁をいただきたいと思います。  教育委員会事務局にお聞きしますと、事案が発生した日以降教育委員会は何回も開催されていますが、この事案の報告はなかったということでした。今月10日の事務局からの聞き取りでも、鳥取県では平成22年1月以降児童生徒の自殺は発生していないと聞かされました。人の命が失われるという極めて重大な事案にもかかわらず、闇に隠されようとしたのではないかと深く憂慮しております。  11ページのグラフをごらんください。児童生徒の自殺数ですが、警察庁、内閣府の集計と文部科学省の集計では大きな開きがあります。この差について文部科学省の担当官は、教育委員会が把握していないか、もしくは把握していても教育委員会から文部科学省に報告がなかった事案が多数存在していると解説してくれました。  12ページから14ページまでは、昨年6月1日の文部科学省初等中等教育局長通達です。文部科学省の担当官にお聞きしますと、自殺事案と自殺が疑われる死亡事案を同等に扱っているのは、自殺と断定することが難しい事案が少なくないためです。疑われる事案も対象としなければ、しっかりと事態を把握することができないということです。  教育委員会に報告がなされなかったことについて、今月14日、担当課からの説明では自殺と断定できなかったからという話を聞きましたが、これは文部科学省の心配そのとおりであり、今回の通達にも反していると思います。  教育委員会事務局の記録によりますと、学校が教育委員会事務局にこの事案を連絡したのは、病院に駆けつけた保護者から連絡があった18分後で、直ちに担当課員が学校に急行しています。この日は県庁に残った担当課長と現場の間で頻繁に連絡がとり交わされていますが、これだけ迅速な動きをしながら、不思議なことに翌日からは校長とだけ連絡をとり合い、結局教育委員会への報告はなされなかったわけであります。  笠見教育委員長は、報告がないなど、この一連の教育委員会事務局の対応をどうお考えですか、お聞かせください。  学校では、翌日の午後7時半から保護者会が開かれました。学校側は、事実をきちんと伝えたいと保護者の皆さんに説明しましたが、事実の説明は、救急車で運ばれた、回復を望んだが亡くなったなどと非常に簡単なものでした。そして、会の最後には、「はっきり言います。今、大津で起こっていることとは違います。問題は別次元で全然違います」と報告がなされました。学校側にお聞きしますと、指導の記録及び保護者との会話から判断したということでした。  しかし、その会話たるや、集中治療室の前のソファーで、学校の管理職がこの御家族に、今全国的にいじめのことが問題になっていますので、いじめの疑惑が起こるかもしれませんね、これは全然違う、違いますよねと尋ねただけで、御家族が、そうですね、違いますねということが理由だったと、これだけの会話です。しかも、お子さんの延命治療が懸命になされているその前で、親御さんにこんな会話をすること自体非常識ではないですか。しかもこれだけの会話を理由に、いじめがなかったと判断することは、拙速というよりもむしろ隠蔽したいためのアリバイ工作であると疑ってしまいます。  説明を聞いた保護者の皆さんは、亡くなった翌日にいじめはなかったと断言してしまう学校側の対応に大津の事件と同じ体質を感じられたのではないでしょうか。しかも、この説明会は質疑を含めわずか30分間で終了しています。これで本当に保護者と学校の信頼関係が保たれるとお思いなのでしょうか。  笠見委員長は、かつて学校の先生でした。笠見委員長がこの学校の校長先生でしたらどのような対応をされましたでしょうか。この学校をどのようにお感じになったかお聞かせください。  また、この保護者会の席上、学校は、外部の保護者に、他校に電話されることがあるかもしれませんが、そのようなことを言われるのはどうかと思います。保護者の皆さんにも御協力をお願いしますなど、再三再四にわたって箝口令とも思われる発言を繰り返しています。この日の説明会で話すべきことは、現時点でここまでわかって、そのわかったことを正確に伝えて、今後はきちんとした調査をして、節目節目で皆さんに説明しますと保護者の皆さんに誠意ある対応をとることではなかったのでしょうか。しかも、会の説明と同様の手紙が翌日欠席した保護者に配られた後、説明は保護者に対して何もなされていません。これで本当に保護者に対して説明責任を果たしたと思われているのでしょうか。笠見教育委員長の所見をお聞かせください。  そして、私が一番問題だと思うことは、自殺がこれほど疑われる事案であるにもかかわらず、学校が何の調査もしなかったということです。学校は、教職員に対しても、関係の深かった児童生徒に対しても、保護者の皆さんに対しても、聞き取り調査もアンケートもしていません。警察にも、救急隊にも、搬送された病院にも、何の照会もしていません。  横濱教育長は興治議員の代表質問に対して、見たくないものは見えないという畑村洋太郎福島原発事故調査検証委員会の委員長の言葉を紹介されましたが、そのとおりのことが鳥取でも行われていたのではないでしょうか。  先ほど示した文部科学省の通達では、迅速かつ正確な調査の必要性を繰り返し指摘しています。これにも反しているのではないですか。  ただ、9月14日に横濱教育長にこの件をお話ししたところ、その日の午後、私の学校側の聞き取りから事務局職員を同行させていただきましたし、即時に調査を開始され、今は休日返上で関係者から聞き取り調査が続けられています。このスピード感を持った対応には心から敬意を表したいと思います。真相が解明され、この学校現場の意識改革がなされるものと期待しておりますので、笠見教育委員長、横濱教育長にはリーダーシップを発揮していただくように心からお願い申し上げます。  しかし、なぜこのような対応が最初からとれなかったのですか。笠見教育委員長には、調査しなかった学校の対応に所見を求めるとともに、今後しっかりした調査の指導をお願いを申し上げます。  また、教育委員会事務局では鋭意調査をされておりますが、学校側が調査しなかった理由についてどう把握されているのでしょうか。わかっている範囲で結構ですので、横濱教育長にはお教えいただきたいと思います。  そして、亡くなった児童生徒の親御さんへの対応にも問題が大きいと感じています。集中治療室の前で会話を交わした後、何の説明も聞き取りもほとんどなされていないのです。通夜に職員が参列したときと、御両親が遺品を学校にとりに来られたときにほんの少しの会話があっただけと聞いています。そして、40日以上たった後に、やっと学校の対応として教員2人が自宅を訪問しています。学校での様子などの説明を保護者の方が詰め寄られるのは当たり前のことだと思います。そこで初めて謝罪や説明が始まったということです。しかし、その内容は到底満足のいくものではなかったと聞いています。きちんとした説明も調査もなく40日以上も放置された御家族の気持ちを考えると、私はいたたまれません。  通達では、御遺族に対する調査の重要さと御家族の意向を大切にするように繰り返し指摘されていますが、それに逆行するものです。御家族に対する学校の対応を笠見教育委員長はどう考えになりますか。お聞かせください。  鳥取県には、検挙や補導された児童生徒の情報を県警から学校に伝える学校・警察連絡制度があり、有効に機能しているとお聞きしています。もちろん自殺とは全く関係ない制度で、そのまま適用することはできません。しかし、事情聴取など県警の高い調査・捜査能力は捨てがたく、そして自殺であってもきちんとした調査と捜査がなされると聞いております。もちろん、児童生徒の御家族のプライバシーには十分配慮しなければなりませんが、御家族から情報開示の了承を得られた場合に限定して、教育委員会と学校が情報を共有し合って、助け合って、お子さんの命を守っていく、あるいは失われた命を無駄にしない取り組みというものはできないものでしょうか。  確かに、犯罪の広域化、高度化に伴って業務量が激増している県警に新しい仕事をお願いするのは恐縮ですが、石田警察本部長、笠見教育委員長には知恵を絞っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  15ページをごらんください。知事と教育委員会は、8月31日、教育振興協約を改定いたしました。自殺等の重大な事案が発生した場合には第三者委員会で調査することなどが盛り込まれました。  16ページをごらんください。国においても、ことし8月、自殺総合対策大綱の全面改定を閣議決定いたしました。自殺は追い込まれた末の死であって、決して弱い人が死を選んだということではない。そして、その多くは防ぐことができる社会的な問題であるということを基本認識としました。自殺の実態を明らかにすることが必要で、社会的要因を含む自殺の原因と背景、自殺に至る経緯、自殺直前の心理状態を迅速に、そして多角的に把握することとしています。  しかし、今回の事例のように、きちんと調査する意思もなければ行動もない、このような形で、国の対策も、県の対策も実効性があるものになるというのでしょうか。この学校が例外的な存在だったというものでしょうか。県内全ての学校が、先生方が自由に物の言える風通しのいい教育現場であると言い切れるでしょうか。学校を管理するためではなく、現場の先生たちをしっかり支えるために教育委員会は十分に機能していると断言できるでしょうか。私はそうあってほしいと心から願ってやみません。本当にそうあってほしいと思います。しかし、そうあるためには絶え間ない不断の努力が必要だと思います。  この点、平井知事、笠見教育委員長はどうお考えでしょうか。この点についてお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)砂場議員の一般質問にお答え申し上げます。  まずもって、このたび、今質問の中で出てまいりましたけれども、とうとい小さな命が失われたことに対しまして、心から哀悼の誠をささげたいと思いますし、御遺族の深い悲しみに哀悼の意を表させていただきたいと思います。  さて、質問の内容でございますけれども、私のほうには主として青少年健全育成条例の改正につきましてお尋ねをいただきました。砂場議員、少々高ぶっておられるようでございますけれども、砂をかむようなとよく副議長もおっしゃいますが、ちょっと法律論を申し上げます。意に沿わないところはあろうかとは思いますけれども、お尋ねでございますので、私なりに法律の解釈等につきまして申し上げたいというふうに思います。  まず、るるお尋ねをいただきました。総じて言えば、後で細かく一つ一つ申し上げたいというふうに思いますけれども、今回の青少年健全育成条例は違憲な改正ではないだろうかということでございますが、これは全く当たらないと考えております。違憲にも違法にもほど遠い改正でございまして、問題は、砂場議員によく本意を聞いていただければと思いますが、この改正を必要とするかどうか、その政策論だと思います。  冷静に我々のほうでいろいろな議論をさせていただいて、憲法上の問題は正直発生しないと思いますが、今、薬物汚染が子供たちに進もうとしていると。今回、青少年健全育成条例に書こうとしておりますのは、麻薬、アヘン、覚醒剤、こういうものも含めて、今脱法ハーブと言われるものすら登場してきた。こうしたものを唆し、その使用を助長するような、そういう情報を青少年に与えないようにすべきではないか。私たちは子供たちを守るべきではないだろうか。この一点です。それについて、私は、やはり今このタイミングで青少年健全育成条例はせめて改正をすべきだろうと思います。それで子供たちが薬物汚染に染まらないように、その手前のところでとどめていく対策を大人たちである私たち、地域社会として条例という手段でとるべきではないかと考えております。  ただ、悩みました。それは、現在ですと、麻薬、アヘンといったようなもの、あるいはシンナー遊びのシンナーの系統、これらについては既に確立されたものがございますけれども、脱法ハーブのところはまだそれぞれの地域、例えば東京都で取り締まりが始まったとか、地域的に始まっているところでありますが、その十分な体制づくりだとか、厚生労働省での医事薬事法の改正ないしその解釈変更についての検討は進んでいるところでございまして、そうした専門的な動きがありますから、最終的な実効性を伴うサンクション、刑罰だとか強制力を伴う公権力の行使としてのサンクションを伴うもの、これはあえて今回は避けております。したがいまして、自主的に協力してくださいという、そういう内容の条例改正にとどめているわけであります。  これは何を意味するかといいますと、後でるる出てきますけれども、表現の自由だとか営業の自由だとか、そういうものに対する制限になるのではないかという一般的な法理論の中から言いますと、これは自主的に協力してくださいということを求めるものの内容でございますので、その制限には当たらないというのが一般的な法律の理解でございます。  したがいまして、表現の自由などいろいろな議論を展開されましたけれども、基本的に今回盛り込もうとしております内容は、制約を伴うものではありませんので、違憲を構成することは、正直法律論としてはあり得ない世界でございます。  その具体の内容につきまして、何点にもわたりましてお尋ねをいただきました。  今回の前提として、憲法21条の表現の自由は優越的地位にあるかどうか。これについては、賛同いたします。営業の自由とか、あるいは引っ越しの自由といったいわゆる社会的自由と言われるものと比べますと、国民が政治的判断をすることすら選べる。そのための表現の自由でありますので、これは通常の自由よりも一段階上の、ダブルスタンダードで言えば上のほうのスタンダードのほうがかけられるべき自由であるということでありまして、それについては全く同感であります。  その表現行為の事前抑制に該当するのではないかというお尋ねがございました。事前抑制、いわゆる検閲を禁止するという憲法の措置につきましては、通説的な理解からいえば、検閲というのは世の中にその思想が発表される前にとめることであります。今、中国でいろいろなことが報道されています。報道規制をかけるわけですね。そういうようなものがまさに検閲でありまして、我が国ではあり得ないことであります。  今回のものは、書店で売ったり、あるいはDVDだとかいうようなメディアもありますけれども、そういうように既に発表されて、目の前に陳列されているような類いのものであります。それが販売される段階で、青少年に対しては遠慮してくださいねと、自粛してくださいねと販売者に呼びかけるのが今回の内容でございまして、既に公表された後の話でありますから、一般論として検閲には当たり得ない法律論でございます。やや広くとったとしても、事前抑制に該当するかということでありますが、先ほど申しましたように、権利の侵害、行為の抑制を強制的に伴うものではありませんので、それには該当しないということになります。  議員のほうから、平成元年の岐阜県の青少年保護育成条例の判例を摘示されました。これは一つのリーディングケースになるものでありますし、その前に昭和59年の札幌税関の事件があります。こちらのほうは大法廷でやっております。これはまさに税関が水際でとめるわけでありますから、事前の抑制云々ということが当然その論旨の中に出てきますけれども、本県のような場合はそれとは少々関係がないと。岐阜県の場合ですと、これは自動販売機に入れるかどうかということでありますので、拡張解釈をして事前の抑制的なところはあるかなということで、その判決の中に補足意見で出されたところを先ほど砂場議員が指摘をされました。判決の本体のところは、青少年保護育成条例は合憲であると言っています。その内容は、我々よりも一段高いレベルの話なのですが、有害図書の指定ですね。有害図書指定をしたものについて自動販売機での販売を規制をする内容なわけでありますが、有害図書指定をして青少年のアクセスを制限する。有害図書でありますので、本県にも有害図書規定がありますが、有害図書であれば、これは罰則がかかります。したがって、公権力の行使でそこを制限することになるのであります。この有害図書規制については合憲であるというのが岐阜の件の最高裁の判決の内容であります。なぜかというと、表現の自由といえども、青少年の健全な育成という大きな法益がありますので、その対応でいけば、これは公共の福祉として制限が許される範囲内だと。したがって、合憲であるというように最高裁のほうでは判決されています。同様のことは、先ほど御指摘申し上げました札幌税関事件でも同じことでございます。  そういうようなことで、本県の改正案につきましては、事前抑制には該当をしないということであります。  また、過度の広範性ゆえに無効の法理ということで違憲にならないかというお話がございました。  これも同様でございまして、まず1番目には、そもそも権利の制限に当たらない、公権力の行使に当たるものはございません、自主規制の部分でございますので。それがまず1つあります。  あと、過度の広範性ゆえに無効ということでありますが、書いてあることは非常にビビッドに書いてあります。明らかに書いてあると。先ほど御指摘をされたメタノール、エタノールを──それはちょっと別なところで出てくるかもしれませんが、今回のものにつきましては、先ほど申し上げたような意味で、限定的に青少年健全育成の関係で一定程度協力をお願いするという趣旨の規定でございますので、この点での違憲も構成をしないと思います。  次に、おそれや心配があるだけで制定すべきではないのではないかという御趣旨でございますけれども、これはちょっと誤解があるのかなと思います。  実は、青少年健全育成条例はこれまで随時改正されてきました。それで、当初は性的羞恥心を刺激するような内容のいわば性表現のもの、それから暴力性の表現のもの、そこに何年か前にやはり自死事件が大変に問題になりまして、練炭自殺ということをやると。中にはそういうものの教則本のようなものまで出回り始めたと。これもやはり自主的に制限をお願いすべきではないだろうかと。それで、それにつきましてもこの健全育成条例の中で自粛対象として書かさせていただいております。そういうものとの並びで考えて、今回かなり具体性を持ちまして、麻薬だとか、アヘンだとか、あるいはシンナーの系統だとか、それからいわゆる薬物の関係、また新しく登場した脱法ドラッグと言われるようなもの、こういうものも含めて青少年には販売をしない、自粛をしてもらいたいという内容でございまして、過度に広範性のあるものではございません。  おそれや心配ということでございます。今申し上げましたように、そういう従来の規定との並びで性表現、あるいは暴力性、あと最近の子供たちの状況から言えば、こういう薬物対策というのも大事なことでありまして、「ダメ。ゼッタイ。」というキャンペーンを社会全体でやっているわけであります。ですから、そういうことに対して我々として、社会全体で防御線を張ろうというもので、強制力のないものに限ってやろうというものでございます。  したがいまして、これは実際に今県内というか、全国的にこういう薬物被害の問題は広がっておりますので、具体的な危険が迫っているからこそ対象を特定してやろうというものであります。  次に、明確性の議論との関係で、漠然性ゆえに無効の法理というものを持ち出されました。2つほど同様の観点でおっしゃったのかなと思いますが、1つは、あおり、そそのかし、または助けという表現が今回の改正条文の中に入っています。これにつきましては、既に各種の法律の中で解釈も確立した形で使われています。例えば出入国管理法であるとか、地方公務員法の政治活動制限であるとか、このたび大阪市で有名になった条文でありますけれども、そういうような条文で判例の積み重ねもありますし、解釈も固まっているものでありまして、こういう表現が曖昧だというようには考えにくいものだと思います。  また、その改正案の中で、さっきのシンナーの類いですね。そこの表現として、トルエン、もしくはメタノールを含有するシンナー、接着剤、塗料、その他のものというふうに書いた、その他のものというものが、これが漠然性ゆえに無効ではないかというふうにおっしゃいました。  これをよく読んでいただきますとおわかりいただけると思うのですが、トルエンとかメタノールを含んでいるものなのです。トルエンとかメタノールを含んでいるものの説明として例示を入れたのです。シンナー、接着剤、塗料、その他のものと。そのものの中身をもっとはっきり書こうということで、シンナー、接着剤、塗料と書いて、その他のというふうにつなぐ言葉を入れたわけであります。したがいまして、これも明確にいわゆるシンナー遊びをしているあの話でございまして、読む方にとって明確になるようにと書き加えてきているものであります。  次に、書店商業組合とのやりとりにつきまして、関連してのお尋ねがございました。主観的で明確でない、説明しなければ理解できないということをおっしゃいました。  これは、どういうやりとりされたのかも含めて私も細部まで承知しておりませんので、子育て王国推進局長のほうから改めて御答弁を申し上げたいと思いますが、要は、よくやることでありますけれども、ある条例を施行する際に、その説明書きを書いたりとか、いろいろ我々のほうでも施行が円滑に進むようにやります。そういう意味で、先ほど申し上げたように、非常にはっきりした内容を改正しようとしているわけでありますが、それを具体的に説明をすることはぜひさせてもらいますよという趣旨ではないかと思っています。  御参考までに、今回のこの改正でございますが、本県は自主的な規制ということにとどめて、あえて強制力を外した形でまずは関係者の御協力を求めようとしました。ただ、全国的にはもう既に15県ほどで罰則を伴う規制すらやっております。これは先ほど岐阜の訴訟の関係で申し上げました有害図書の仕組みを使いまして、その有害図書の仕組みが本県とはある程度変えているということもあって、そういう規定をいわば活用しながら、こうした薬物、特に各県が今関心を持っているのは脱法ハーブですね、そうしたことについて、やはり書店を初めとして関係者の御協力を得る。さらには、罰則を科してその実効性を担保しようというところまで他県はもう既にやっております。こういうところでは、こういうものが有害図書ですよということで具体的に列挙しておりまして、我々もこの条例を施行するとすれば、他県で今罰則をもって禁止しているものを、罰則は今回遠慮しますけれども自主的規制としてはお願いをしたいというものとして示していってもいいというふうに思います。  その内容につきまして、もしこんな本がということであれば皆様のほうにも後刻担当者がお持ちしてお示しをさせていただいてもいいのですが、中身としてはひどいものです。こういう薬物を使えばこういういい気分になりますよ、それが例えば性行為に及ぶようなときにすばらしいですよと。そういうものにさらに漫画の解説までつけてわかりやすく説明をする。こういうものを本当に青少年の目に、通常本当に簡単な形で売買で触れさせていいのかということですね。  ですから、それに対する私たち大人社会としての一定程度のけじめを青少年健全育成条例の改正という形でつくっておく必要があるのではと思っておりますので、憲法判断とはちょっと違いますので、政策判断としてそれが必要なのかどうかぜひ御議論を賜ればありがたいと思います。  最後に、LRAテストとよく言われます、あるいは明白かつ現在の危機法理というふうに言われるような、他に選択し得る、制限の少ない手段を選択しようということでございますが、その観点で言えば、まさに今回我々がやろうとしている罰則をつけない、法的な強制力のない規制でありますので、その意味でも違憲性は発生するはずがないということになろうかと思います。  少々議員の趣旨の意にそぐわない内容をるる申し上げたかもしれませんが、今申し上げたことが通常行われております法実務でございますので、御理解を賜りたいというふうに思います。  あともう一点、学校現場のことにつきましてお尋ねをいただきました。  これにつきましては、謙虚な気持ちで我々はこの問題に向き合っていかなければならないと思います。特に私たちはそれぞれ選挙された立場でこの場に席を得ております。我々には住民の皆様の考え方を代弁する責務があるというふうに思います。  今、学校現場の中で起きていることに対しまして、非常に社会は関心を持っている。特にいじめ問題が大津で発生をして、それが死に至る重大な結果を惹起したのではないかと取り沙汰をされています。こういうようなことから、私は、いわば住民の代表として教育振興協約をこのたび改定をさせていただき、いじめの問題にも教育委員会に取り組んでもらうと。その意味で民意をインプットする、そういう意味の協約を結ばさせていただきました。  いずれにいたしましても、これはいじめに限りませんけれども、教育現場がいろいろな問題に対してセンシティブ、非常に敏感で、それを解決していく能力がなければならないと思います。また、周囲の地域社会や家庭もそういう子供たちを育てることに協力をしながらやっていくという、鳥取らしい温かみのある人の育み方というのがもっともっと発展させられてよいことだと思います。それだけの素地は本県にあると思います。  今回の件につきましては、私も中身を今初めて聞いた話でございまして、これから教育委員会のほうでの御見解があろうかと思いますけれども、知事部局としても注目しながらこの案件について見てまいりたいと思います。 ◯副議長(稲田寿久君)補足の答弁を求めます。  末永子育て王国推進局長 ◯子育て王国推進局長(末永洋之君)青少年健全育成条例の関係につきまして、補足をさせていただきます。  書店商業組合様とのやりとりという点でございますが、議員のお配りいただいております資料にもございますけれども、大きく2点ほど御意見をいただいているところでございます。  この意見につきましては、先月8月21日から9月3日までの間に条例の改正案ということでパブリックコメントを実施させていただいておりますが、その期間中にいただいたものでございます。ただ、このパブリックコメントを行いますに先立ちまして、この書店商業組合様には私どもの担当者から事務局の方へ内容についての御説明は申し上げてきたところでございます。これまで性表現でございますとか暴力、自殺の関係で御協力をいただいているという経緯を踏まえてのものでございます。
     具体的な意見でございますが、まず、実効性に疑問があるというようなことでございます。それから、基準が明確でなくて、販売するか、していいかどうか、対象が明確でないので判断がつきづらいというようなお話でございました。  私どもからの御回答といたしましては、議員からもお話がございましたように、既に書店商業組合様におかれましては、改正条例、今回私どもが考えております内容を既に先取りしていただいているものだというような御説明を申し上げて、引き続き今取り組んでいらっしゃる取り組みをぜひ進めていただきたいというようなお答えを1点させていただいております。  ただ、条文の内容につきまして、知事から御答弁申し上げましたように、私どもとしては明確な表現ぶりであるというふうに考えてございますが、これまでどういったものが性表現でありますとか暴力の中で対象になってくるのかということについて意見交換等をさせてきていただいているところでありますので、その具体的なもの、具体的には他県で、15都府県で今有害図書指定されておりますけれども、そうしたものを実際にお持ちするなり、明確な基準をお示しするなりして、具体的には私どもとしてはこのような形での自主規制、このようなものについて青少年へ販売にならないようにということをお願いしてまいりたいという趣旨で、条文は明らかでありますけれども、今後も内容について御説明をさせていただきたいというようなお答えをさせていただいているところでございます。 ◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  笠見教育委員会委員長 ◯教育委員会委員長(笠見幸子君)砂場議員から御質問をいただきました。  お答えする前に、まず初めに、亡くなられた生徒さんに対し、心から御冥福をお祈りいたしますとともに、御家族に対して心からお悔やみを申し上げます。  8点御質問をいただいたようでございます。  まず、今回発生した事案について、どれぐらいたったときに、誰から、どこで、どのような報告を受けたかということでございますが、先ほど議員からもありました。この場で申し上げられる範囲でお答えをいたしますと、私は徳島に出張しておりましたが、発生の翌日、その出張先で教育長から、県立学校の生徒が自宅近くで意識がない状態で発見され、病院に運ばれたが、夜お亡くなりになったとの報告を受けたところでございます。自殺の可能性や亡くなった原因については、その時点ではお聞きしておりません。  次に、教育委員会への報告について、事務局の対応をどう考えるかというお尋ねでございますが、校長が病院で保護者の方とお話をする中で、この子は精いっぱい生きたという趣旨のお言葉をお聞きし、また学校によくしていただいたという言葉や、保護者の、そっとしておいていただきたいとの思いがあるということをそのとおりに受けとめまして、報告事項として上げず、今回のような対応となったということでございます。  しかし、当時は保護者は極限の心理状態の中でおっしゃったことであり、さまざまな思いが整理がつかない中での言葉ということを考えますれば、全てをそのまま受けとめて事務局は対応したようですが、教育委員会に報告すべきだったと考えておりますし、あわせて調査をすることが必要だと考えております。  また、教育委員長の立場の私としましては、日ごろ生徒が亡くなった場合にはどのような場合でも報告を聞きたいという思いを持っておりまして、事務局に対して改めてお願いをしたところでございます。  3番目に、保護者会における学校の対応について、私が校長だったらどのような対応をしたのか、またこの学校の対応をどう感じたかというお尋ねでございますが、私も先般直接学校を訪問いたしまして、管理職から聞き取りを行いました。  今回の事案が発生した時期は、ちょうどいじめによる自殺が社会問題となっている折でありまして、校長は、御両親からいじめという言葉が出た場合にはすぐにでもそれなりの対応をしようという考えからお考えを確認したかったようでございます。当該学校には心のケアが必要な生徒たちもおり、とりわけ生徒たちが安心して学校生活を送ることができるよう学校経営に努力しております。校長は、生徒が亡くなるような状況に直面し、他の生徒や保護者の動揺を抑え、連鎖反応を防ぐことが必要であると考えて保護者会で説明したようです。しかし、御両親の心情等、当時の状況を考えますともう少し配慮のある対応をすべきであったと考えておりますが、校長は、生徒の死という初めての状況に直面し、動揺していたような感じがいたします。  私もかつて中学校で校長をしておりましたが、決して完璧というわけではありませんでしたが、校長という視点で見ても、今回の対応には課題があるのではないかと感じております。私が校長であれば、初期の対応において、まずは病院で保護者に寄り添い、生徒の命が助かるということをひたすら祈ると思います。そして、死が確認された後には、教頭を警察、あるいは消防署へ行かせて状況を吸収させたいと思いますし、それらに基づいて保護者会をできるだけ早く開催したい。そして、保護者会では、その時点でわかっていることを正確に伝えるとともに、職員会議等を開いて共通認識をした学校の対応方針について説明し、保護者の理解と協力を得ると思います。何分心のケアが必要な生徒たちがいることに最大限留意を払いながら、少し落ちついた段階で調査も行っていくと思います。そのような対応が完璧かどうかはわかりませんが、私なりにそれがまず初期の対応として大事だと考えているところでございます。  4番目に、学校は保護者に対して説明責任を果たしたとは言えないのではないかというお尋ねです。  学校は、先ほども申しましたが、生徒が亡くなられた翌日に保護者会を開きました。校長は経過を説明する際に、保護者に臆測やうわさ話を謹んでいただきたいとお願いしておりますが、これは亡くなられた生徒の御両親が、このことを知った生徒たちが心を乱したり悩んだりされないようにしてほしいとの気持ちを校長に伝えられていたこともあり、保護者から話を聞いた生徒たちが不安にならないようにとの配慮からであり、決して隠蔽するというような考え方はなかったと聞いております。しかしながら、保護者の中には、学校側の説明に違和感を持たれた方もおられるように聞いております。そうだとすれば、保護者会の持ち方について配慮が必要であったと考えます。  このようなことから、私としましては、学校は今後今回の事案についてしっかりと調査し、御遺族の了解を得て、節目節目に保護者会等で説明をしていく必要があると思います。  次に、5番目ですが、調査しなかった学校の対応についてのお尋ねです。  先ほど申し上げましたとおり、病院での保護者の方の言葉やお気持ちをそのままに受けとめる余り、本当にしばらくそっとしておくという対応をしてしまったのだと思います。しかし、それは保護者が大変に動揺されているときであり、後日改めて保護者の様子をうかがいながら対応すべきであったと考えます。この点については、学校はもとより教育委員会も反省しなければならないと思いますし、私自身、この点リーダーシップを発揮して調査をしてまいりたいと考えております。  なお、先ほども申し上げましたが、心のケアが必要な生徒もおります。調査を進めるに当たっては、これまでにも増して生徒たちの状況に細心の注意を払い、保護者のお考えも伺いながら対応してまいりたいと考えております。  次に、御家族に対する学校の対応についてのお尋ねですが、学校側は、御遺族の意向を受けて、葬儀ではなく通夜に参列させていただきました。その後、御両親が遺品を取りに来られた後にも教職員5名が自宅を訪問しておりますが、担任を初めその他の教職員については、しばらくの間はそっとしておいてほしいとの保護者の気持ちを受け、しばらくは訪問を遠慮していたという状況があったとお聞きしました。また、担任も訪問しなければならないと思いつつ、御両親の気持ちを思うと訪問する勇気がなかったと話しております。  しかしながら、こうした学校側の対応は、御遺族の心情を察すると十分なものではなく、もう少し早く関係者が訪問し、御遺族の心情に寄り添った対応をすべきであり、その点で校長はもう少し適切な判断と指導をすべきであったと考えます。  次に、今回のような事案があった場合の関係機関の連携について御質問がございました。  生徒たちの学校生活に責任を負うのは当然学校であり、教育委員会であります。お互いが情報を共有し合って連携して取り組む必要があると考えております。しかし、生徒たちがさまざまな危機に直面した場合は、学校や教育委員会だけでは対応できないこともあり、日ごろから関係機関との連携が大切だと考えております。  このたびのことは、学校現場において最初の段階において情報収集の努力が不足していたと感じております。また、保護者の本当の気持ちに十分沿えないところがあったのではないかと反省しております。一人一人の生徒が心豊かに学校生活を送れるよう、教育委員会としましても学校や関係機関と話を進めていきたいと考えております。  最後に、学校や教育委員会のありようについてのお尋ねです。  要は、教育委員会と学校との連携、学校現場における機能的な組織の構築、さらには教職員のモチベーションが高まらなければ実効性のあるものにはならないということであります。教育委員会として学校現場の管理監督はもとより、学校現場が適切な対応を速やかにできるように指導するとともに、しっかりと支援していきたいと考えております。  私は、持論として、管理職の熱意で教職員が変わり、子供が変わり、そして保護者が変わると思っております。教育委員会としてもこのような視点で管理職の資質向上を図ってまいりたいと考えております。 ◯副議長(稲田寿久君)続いて、横濱教育長 ◯教育長(横濱純一君)砂場議員の御質問にお答えいたします。  私のほうには、発生事案に係る報告についてお尋ねをいただきました。  私は、事案が発生した当日、担当課から報告を受けました。内容は、行方がわからなくなっていた生徒を家族が探しておられたところ、自宅近くで意識がない状態で発見され、病院に搬送された。容体は不明とのことでありました。私は、直ちに担当課の職員を学校に派遣し、学校のサポートを行うように指示をいたしました。次の朝早く、担当課から、残念ながら昨夜亡くなられたという報告を受けまして、笠見委員長に報告をいたしました。自殺の可能性や亡くなった原因については、その時点では聞いておりません。  次に、これまでの調査状況についてお尋ねをいただきました。  先ほど教育委員長が答弁いたしましたが、校長が病院で保護者の方とお話をする中で、そっとしておいていただきたいということなど、保護者からお聞きした言葉をそのとおりに受けとめてしまい、調査することについて意識が行かなかったのではないかというふうに思っております。しかし、当時の保護者の方の不安で御心配なお心をお察ししますと、後日保護者のお考えをしっかりお伺いしながら調査を行う必要があったと思っております。  私としましても、この学校の初期対応に課題があると考えておりますが、私も報告を受けた段階で直ちに学校に出向かせましてサポートするようにしたものの、その後の対応につきまして、私としても的確な指示を欠いたということで反省をしております。  現在、教育総務課の職員を中心に、保護者の方のお話をお聞きしたり、あるいは学校から情報を集めております。今後調査を進め、保護者の方の願いや思いに応えられるようにしていきたいと思っております。 ◯副議長(稲田寿久君)次に、石田警察本部長 ◯警察本部長(石田勝彦君)警察としての教育との連携の強化といいますか、情報の共有がもっとできないのかという趣旨のお尋ねでございました。  昨今のいろいろな各地のいじめの事案などを踏まえまして、当方も最近教育委員会等と連携を深めていこうという話をいろいろなレベルでさせていただいております。その中で、既にあるいろいろな制度をさらにしっかりと動かしていくことだとか、さらにその連携を深めることは何かできないかということをお話をさせていただいております。  その中で、情報共有ということにつきましては、個別の事案ということになりますと、議員も御指摘ありましたように、プライバシーの問題ですとか、御遺族のお考えですとか、あるいは捜査にわたることもあるかもしれませんが、いろいろと問題点もありますけれども、一律にこうするということはなかなか言いにくいのですけれども、ただ、連携を深めていくということはまさにそのとおりだと思いますので、今後教育委員会のほうの御意見も聞きながら、連携を強化していくということに努めたいと思っております。 ◯副議長(稲田寿久君)3番砂場議員 ◯3番(砂場隆浩君)御答弁いただきました。  教育委員長、この対応は、病院の前で、今にも自分の子の命が尽きようとしている、その闘いをしている前でやられた会話だけで来ているわけです。その翌日に学校側から簡単な電話が入っただけです。その後は学校側はずっと何の連絡もとってないのです。そして、御両親が遺品を片づけに来られたときも、御両親の言っていることと学校側の言い方は違っていて、そのときの対応についても御家族の方は非常に心を痛めておられるわけです。御家族の意向に沿ってやったというのは僕も学校側の聞き取りで聞きましたけれども、では翌日に簡単に電話を一本入れただけで、それで意向が確認できると思ったのですか。どうして学校は御遺族のもとに行って、直接会って、しかも宿題を忘れたとかそんな話ではないですよ。命にかかわる問題で、命がなくなっているのに簡単な電話一本で済ませてしまったということが、これが御遺族の意向に沿って処理をしたというふうには僕には思えないですよ。決してこの案件を隠そうとしたわけではないのだったら、どうしてそこに行かなかったのかということが私には理解できないし、今笠見教育委員長がおっしゃったような対応をされていればこういう問題は何一つ起こっていないですよ。  そして、5人行ったと言っていますけれども、これは学校側の指示で行ったわけではないですよ。むしろこの5人の先生が行ったことに対して、学校側の管理職は、部屋に呼び出して学校の運営上支障があるという発言をしているわけですよ。逆ではないですか。  私の聞き取り調査について、先生たちに聞きましたよ。そうしたらそのことについても、議員にどんなことをしゃべったのかといって管理職が聞く。これは隠蔽工作以外の何物でもないのではないですか。認識がそこら辺甘いのではないか。  そして、お子さんが亡くなったとわかった翌日、どうしてその原因を聞かなかったのですか。命を大切にするのであれば、お子さんが、しかも意識不明の状態で外で見つかったというような話は尋常ではないではないですか。事故だったのか、ほかの犯罪に巻き込まれたのか、心配しなければいけないと思います。報告を受けているのだったら、どうして学校を介してどんな原因だったかと聞かないのですか。それが何で2カ月も放置される形になってこうなったのか。やはりそこは、問題点は本当にお子さんに向き合っていたのかということですよ。  そして、担当課はこの日病院に行っているのです。だから、状況はわかっているわけですよ。その話は当然上がっていなければいけないでしょう。現場に担当の職員が行っているではないですか。現場で状況も聞いているわけですよ。その報告は教育委員長のところに上がっていなかったのですか、その話は。いかがですか。 ◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  笠見教育委員会委員長 ◯教育委員会委員長(笠見幸子君)先ほどからも申し上げておりますように、初期の対応にまずい点が多々あったということはそのとおりでございます。校長が動揺していた、判断、見通しがなかったと言えばそれですが、私どもはそれを受けまして、やはり管理職の資質向上、研修というものを一層やっていかなければいけないと、こういうぐあいに感じているところでございますし、私が報告を受けました徳島、会議が集中、詰まっておりましたけれども、報告を受けたときに、ちょっとこの場では申し上げられない範囲なのですけれども、ただ、もう夏休みになるので遊んでいてそういう状況になったと、そういうぐあいに私自身も捉えてしまったわけです。どうしてかというのを私のほうからもう少し聞くべきであったと。これも反省でございます。 ◯副議長(稲田寿久君)3番砂場議員 ◯3番(砂場隆浩君)学校側だけの話になっていますけれども、この病院には担当課の職員が行っていて、最初の日には担当課長と何度も電話でやりとりをしているのです。そして、大体この案件の概要は把握をされているわけですよ。そうしたら、こういう事案であるということはわかっているはずです。それがどうしてこういう形になったのかというのはわからないのですね。何でそのときにしっかり──初動の段階は悪いとは思いませんよ。本当に1時間もたたないうちに現場に行って、学校に行って、その後は細かな連絡をとり合っているわけですよ。ところが、その翌日から全く連絡がなくて、御家族に言ったのは校長先生が一回短時間の電話をかけて、保護者会やりますの確認をとっただけ。それはやっぱりおかしいと思うのですね。だから、そこのところが一つわからないことと、その後で、その報告を受けたことというのはもう忘れてしまったのですか、2カ月近くの間に何の対応もされていないという形が。しかも、言われているのが御家族の思いを大切にした、思いを大切にしたと学校側で聞きましたよ。今もそうおっしゃるけれども、では何で確認していないのですか。確認したのは、ICUの前だけと電話一本だけではないですか。それだけで判断できるのですか。  この問題を考えていただきたいのは、そこの部分です、一番考えてほしいのは。もちろん初動だけではないのです。初動のときに失敗したのだったら、次の段階できちっとやればいいではないですか。それもやられていない。2カ月近くも放置された。そして、その間にこの問題は全く公表されていないのですよ。  この前の職員会議でどういう議論があったかというと、私がこの問題を調査していなかったら、この問題は表にならなかったのではないですか、県議が来たらこの話はするのですかと、こういう議論があったと聞いていますよ。その問題を聞いていますか。  そして、大事なことは、この学校の先生たちがみんなこうやったわけではなくて、いっぱいまともな先生がいて、いっぱい心を痛めていて、さっきの5人の先生は管理職にとめられても御家族のところに行っていろいろな話をしているわけですよ。そういう先生たちがいて、そういう先生たちが守られていないというような状況があるわけです。  ですから、初動だけではなくて、それ以後の対応も問題があったとお思いになりませんか。 ◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  笠見教育委員会委員長 ◯教育委員会委員長(笠見幸子君)保護者の意向と申しましたのは、しばらくはそっとしておいていただきたい、やはりそのことが心に強く残ったのだと思います。それが2カ月間という期間になったのかもしれませんが、先ほどから多々反省すべき事項はあるということは申し上げておりまして、今後その調査をして、浮き上がった事象については対応というものをきちんとしていかなければいけないと感じているところでございます。 ◯副議長(稲田寿久君)3番砂場議員 ◯3番(砂場隆浩君)ICUの前での会話も、学校側の管理職のほうから、これはいじめではないですよねとか、こうこうこういう事情ですよねと言っているのですよ、みんな。御家族のほうからこうですよね、こうですよねではなくて、こうしておきましょうか、こうしておきましょうかと言っていて、そこら辺話が食い違っているわけですよ。そこら辺も含めてきちんと調査をしていただきたいし、今の話を聞いていると、もっと真摯に何が問題なのかをきちんと調査をしていただきたいと思います。  9月14日以降の対応については極めて高く評価していますので、しっかりとした調査をして御報告をいただきたいし、何よりもまずやはり親御さんの気持ちに沿っていただきたいと思います。学校に子供を預けておったら、もう後は学校を頼るしかないですよ、親としたら。とにかくそういう親御さんの気持ちも大切にして、命がなくなった事案だということをしっかりと考えてやっていただきたいというふうに思いますので、お二人のリーダーシップに期待したいと思いますので、どうぞその点よろしくお願いします。  済みません、ちょっと時間がなくなったので、知事とはもう少し法律議論をしたかったのですけれども、また機会を改めてその部分をやりたいと思いますけれども、大切なのは、やはり公権力が文学などに介入しないという基本的姿勢ですし、基本的に自主規制はやらなくてもいいと。自主規制をやるのだったらお任せしたらいいですからという根本的な議論をしたかったと思っています。  以上で質問を終わります。 ◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  笠見教育委員会委員長 ◯教育委員会委員長(笠見幸子君)今、砂場議員から改めていろいろと御指摘がありましたことも踏まえて、含めて、調査を、内容項目等を考えながら行っていきたいと思っております。 ◯副議長(稲田寿久君)暫時休憩をいたします。  再開は、14時20分といたします。        午後2時08分休憩    ────────────────        午後2時20分再開 ◯議長(伊藤美都夫君)再開いたします。  引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  20番森岡俊夫議員 ◯20番(森岡俊夫君)(登壇、拍手)本日最後となりました。いましばらくおつき合いをいただきたいと思います。  通告に従いまして、2項目について知事に質問をいたします。  まず初めに、とっとり花回廊における入場券の不適切な取り扱いについてであります。  この案件は、9月19日の農林水産商工常任委員会でそのてんまつの報告がありました。その内容は、花回廊の入場券について不適切な管理があるとの情報提供があり、所管課である農林水産部生産振興課が花回廊側に調査及び報告を求めるとともに、現地確認を行った結果、過去に入園券について不適切な事務処理があり、3,300枚に及ぶチケットの半券が廃棄されていたことが判明したものでありました。原因は、事務処理の誤りであるとのことですが、民間企業では到底理解しがたいことと言えるのではないでしょうか。売り上げの証拠となる販売したチケットの半券、もしくは未販売とされるチケットの束が見当たらないわけでありますから、うがった見方をすれば、3,300枚分のチケット代金を売り上げとして入金せず、意図的につじつまを合わすがごとく廃棄処分したのではと疑われても仕方ありません。  このことを言いかえれば、売り上げを計上していないわけですから、業務上横領事件として取り扱われるかもしれませんし、組織的なものとするならば、裏金づくりの手段ではないかとか、意図的に収入を減らしたことにより、脱税の容疑がかけられても仕方ないのであります。単なる事務処理では済まされないことであることを花回廊には認識していただき、猛省してもらいたいと思うのであります。  そして、何よりも指定管理費として巨額の県費が投入されている施設であることを考えれば、花回廊を所管する農林水産部生産振興課の指導監督責任は極めて重いと言わざるを得ません。二度とこのようなことが起こらないよう、より一層透明性を確保するとともに、厳しく徹底、指導していただきたいと思います。  そこで知事にお伺いいたしますが、今回の花回廊入場券の不適正処理の報告結果をどのように受けとめられておられるのでしょうか、知事の見解をお尋ねいたします。  次に、東京アンテナショップについてであります。  東京アンテナショップは、「食のみやこ鳥取県」推進事業として、物産販売の「食のみやこ鳥取プラザ」の1階部分と2階のレストランで構成され、東京にいながら鳥取を感じられる場所というコンセプトのもと、平成20年8月29日、東京新橋に開設されました。  県内にはすばらしい多くの食材や加工製品が存在しているものの、個々のブランド力、マーケティング力が弱いことから、首都圏の消費者やバイヤー向けの拠点施設を設け、知名度の向上、情報発信を柱に県内事業者の販路拡大につなげることを主眼としたものでありました。  初期投資として施設改善費約1億円を投入し、平井知事が初当選した平成19年のマニフェストで公約として掲げられた、打って出る鳥取県産業を具現化する、いわば知事の肝いりの事業でありました。当時の常任委員会でも、平成11年に撤退した最初の東京アンテナショップの二の舞になりはしないかとか、効果に疑問があるとか、場所の選定についてなど、1年間の激しい議論の末、ようやく産みの苦しみで予算化にこぎつけたのでありました。  アンテナショップの目的は、販売力の弱い県内の事業者が、アンテナショップ出店を足がかりにバイヤーや量販店とのコネクションをつくり販売促進につなげるためのツールとしての役割を果たすとともに、商品開発のための情報フィードバックであります。  実績を見てみますと、初年度、2年目にはビジネス・トゥ・ビジネス、BtoBとしての商品の取扱件数は多くあるものの、3年目からは激減しております。商品開発においても、平成21年度には50件を記録していますが、その後は減少しております。この現象は、想定内と言えば想定内と言えるのでしょう。開設当初は、話題性や物珍しさからある一定の効果は見込まれると予想できるからであります。5年目を迎えるこれからが本当の勝負と言えるのかもしれません。  平成24年度の事業棚卸しでも、アンテナショップ事業が議論されているように、県民目線で見てもその必要性や効果について疑問視されていることを現状認識として受けとめなければならないのであります。事業棚卸しの評価では、必要性は認めるものの、改善すべき課題として、情報発信のあり方や魅力づくり、他県との差別化など、的確な指摘を受けております。  知事は、これまでの東京アンテナショップ事業をどのように総括されておられるのでしょうか。知事の御所見をお伺いし、壇上からの質問といたします。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)森岡県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、とっとり花回廊での入場券の取り扱いにつきまして、紛失が発生をしていたことに対し、生産振興課に再発防止に向けたチェック体制をやってもらう必要があると、こういうお尋ねでございます。  花回廊は、観光の核の一つとして大分名前も売れて浸透してきていると思います。これにつきましては、議会の御賛同をいただきながら、ずっと指定管理のほうに回してきたという状況がございます。  今回明らかになりました事案は、入場券の半券がありますけれども、その半券が失われていて行方がわからないというものでありました。  私、正直申し上げて、このことにつきまして報告を受けたのはごく最近であります。この夏になって報告が上がってまいりました。そのときも職員とかなり厳しいやりとりを実はしたのですけれども、役所のことで、結局半券がなくなったということで皆さん大騒ぎをしているわけです。半券がなくなって、その半券の数が合わないと、こういう事務手続のミスがあったのでそれを正しますと。私は、いや本質は違うと。半券というのは、結局お金の動きに対する一つの証拠なわけでありまして、半券が失われているというのはひょっとするとお金が丸ごとどこかに消えているかもしれない。むしろそっちのほうが本当の問題なのではないかと。そこをしっかりと明らかにしなければいけないということを再三申し上げました。議会側とのやりとりの中で、常任委員会で報告をするということでありまして、私は一回常任委員会の報告を待ってもいいのではないかと申し上げたのです。そのほうが、それで我々としても厳しく観光事業団に再調査をさせるとか、それから当事者とのやりとりを改めてやるとか、結局お金の問題が裏にあるわけだから、単なる半券がなくなった云々という、そういうささいな事務ミスとして片づけるべきではないということを申し上げました。結局、先般常任委員会のほうには、そうは言いながらも日程の関係もあって報告をしたわけでありますけれども、私のほうからは、これについてはまだ我々としても調査の発展途上であって、体制をつくりつつあるということをきちんと言いなさいと、こういうことで報告をさせていただいたと思います。  その後、まだ観光事業団とも緊張感のあるやりとりを我々自身もしています。その結果として、昨日であったかと思いますけれども、第三者委員会を設置をするというようなことになりました。改めてまた調査をするということで伺っております。  また、私どもとしても、この件については厳しい態度で臨んでいく必要があると思いますし、再発防止に向けてやっていく必要があると思います。
     詳細、今大分その事態も動いているといいますか、当事者しか知らないことも多くて、なかなか事案は明らかに解明し切れないそういう中ではありますが、最近の動き等も含めて農林水産部長からこの際御報告を申し上げ、今後の改善の方向性について考え方を申し上げたいというふうに思います。  いずれにいたしましても、全庁的な問題であるというふうに捉えて、このことを端緒として、改めて経理の適正化を委託先に対して求めて徹底していきたいというふうに思います。  今回、県職員と私とやりとりをしていて、ちょっと見解の相違で、あれっと思っていたのは、管理委託というのはその管理だけをやるのだと。施設の物理的な管理だけを。私は、そうではないと。それは経理も含めて委託をしているわけであって、そこで適正な経理が行われているというのは当然なのだと。役所のほうでは、いや、これは幾ら入場料収入が上がろうが上がるまいが、それは観光事業団の取り切りなものですから県には損害はないのだということをおっしゃるのですが、それなら意味はないわけです。それは地方自治法にも書いてあるわけでありますけれども、管理とその経理の適正について、我々委託先としてそのことを相手に対して求めることになっています。ですから、それが具体的に入場料収入が最終的にどこに入るかどうか、どこに穴があくかどうかではなくて、経理が適正に行われるということを我々は担保追求していかなければならないと思います。  そういう厳しい態度で、このことについては監査体制といいますか、我々の監督体制を強化させていただきたいと思います。  次に、アンテナショップについてお話をいただきました。アンテナショップにつきましては、事業棚卸しに上げられるなど、効果に疑問があるのではないだろうかと。これまでの評価や総括を問うということでございます。  これにつきましては、私は、いろいろと産みの苦しみがあったと議員からも御指摘がございましたけれども、そこでたっぷり議論をしてもらったおかげで、一定の成果がおかげさまで得られているというふうに考えています。と申しますのも、このわずかな期間で既に38万人の方にアンテナショップに訪れていただきました。東京の中で考えていただければ、小さな店ですから、そこに足を運んでくださる方がいらっしゃってリピーターが出てきているというのは、鳥取県のファンができてきていることにほかなりません。恐らく年内に40万人の壁は突破するというふうに思います。そういうようなことで考えますと、想定以上の集客なり効果はあるのかなと思います。  特に我々として予想外でありましたのは、マスコミ等の登場回数が350件を超えています。これが商品の販売にも影響します。例えばついせんだっても瑞穂ショウガのコンフィチュールがございまして、商品開発をこのたびされたわけでありますけれども、それが首都圏のテレビで取り上げられまして、その後注文が殺到するということになり、取引が進んでいるということであります。  こういうように、首都圏にアンテナショップをつくるというのは、鳥取県はいい商品をつくっていてもなかなか認知してもらえない。その隘路を解消するための恐らく唯一の窓なのだと思います。そのことはこれまでのアンテナショップの営業活動を通じまして、一定程度評価はいただいているのかなと思います。  今回、事業棚卸しにかかりました。結果は改善しつつ継続ということでありまして、我々としては一応の評価はもらったというのが正直なところであります。  そこに、今議員もおっしゃいましたけれども幾つか御指摘がございます。例えば、他の県との差別化を一層徹底するようにだとか、また家賃のことも実は書いてありまして、事業者の頑張りとあわせて、その家賃システムの見直しも必要なのではないかというふうに書いてあります。  これは若干解説が要るかと思いますが、当時常任委員会で大分議論をされました。要は、ぎりぎりまで民間ベースでやってもらうというところをとことん追求したわけであります。その中で、1階のショップ部分と2階のレストラン部分とございますが、1階のショップ部分も7%は結構高いのですけれども、2階のところが20%という歩合になっているわけです。これは他の県と比べますと圧倒的に大きな家賃負担になっています。要は、いろいろな議論がございまして、ぎりぎりまでもうければいいという委員会での御審議もございまして、かなり高目のハードルになっています。これは正直、現在も受託者側の経営圧迫要因になっていまして、思い切ったレストランショップ展開に若干制約がかかっているかなと思われます。恐らくそのことを指して、今回見直しも必要ではないかと、こういう御指摘をいただいたのかなと思っています。  これから分析してみたいと思いますが、反省すべき材料もたくさんあります。ただ、こういう店が必要だと、足がかりが必要だということは、これまでの間で一定程度評価もいただいたのかなと思っておりますので、御指摘もございました事業棚卸しの内容をよく精査し、当初予算までに皆様にもいろいろな御意見、御議論を賜りまして、最終的に来年度の予算の中で改善をしたものを提案をしてまいりたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)補足の答弁を求めます。  西山農林水産部長 ◯農林水産部長(西山信一君)とっとり花回廊における不適切な入園券の取り扱いの関係につきまして補足をさせていただきます。  まず、経過でございますけれども、花回廊の入園券について不適切な管理があるというふうな情報提供がございまして、花回廊のほうに平成19年4月から23年8月までの5年間の入園券、約90万枚でございますけれども、これについて確認調査を指示をいたしました。その結果の報告がございまして、その内容の確認に生産振興課の職員が現地確認をしてきております。その中で、約3,300枚、平成19年から21年の3年間の中で約3,300枚については証拠として残すべきチケットの半券等が残されていないというふうなことから、そこの取り扱いが確認できないというふうな状況がございました。花回廊のほうでは、担当の職員等の聞き取りを重ねていただきまして、内容としましては、ゴールデンウイーク等の忙しい時期に臨時券売所を設けたときに、残った入園券を集計表に記載をせずに廃棄処分をしたりしたというふうな人為的なミスが中心だというふうに花回廊のほうでは聞き取り等を中心にして判断をされ、報告がございました。  知事のほうからもありましたように、なかなか証拠になるものが十分ないというふうな点からその確認が難しいという点がございまして、一定の整理をして御報告をいたしましたけれども、観光事業団の理事長なり、とっとり花回廊の園長なり、再度打ち合わせをしまして、今後の対策を強化をしていくというふうなことを理事会等でも話し合っていただきまして、昨日その対応等について報告をいただいたところです。  農林水産部のほうとしても、追加の調査を今後行いまして、いろいろな角度から核心に迫っていきたいというふうに考えております。  また、対策につきましては、現在マニュアル等を整備をして改善対策がとられております。それについては、これまでも定期的に確認をしておりまして、その後については特に問題が起きていないということは確認をしております。 ◯議長(伊藤美都夫君)20番森岡俊夫議員 ◯20番(森岡俊夫君)御答弁をいただきましてありがとうございます。  花回廊の問題でありますが、知事の御認識を聞いて、私は安心をしております。経理が適正に行われていることを確認するというのがやはり私は県の責務であろうと思います。先ほどもおっしゃいましたけれども、県費が導入されている以上は、そこがどういう経理をしているかということについては、最後まで監督責任があろうかと思います。  先ほど知事もおっしゃったのですけれども、各部署、部課の認識は、恐らく指定管理費がこれだけ入っていますねと。ですから、その指定管理費がちゃんと使われていますかということだけの確認に今までずっと終始していたのではないかと私は想像しているのですが、恐らく今回の問題点としては、やはり収入の根拠になるチケットの半券が最終的には最後までつきまとうものであろうかと思いますので、そのチケットの突き合わせの検査そのものが、例えば県の所管課のいろいろな指導があったり、例えば県に監査報告を受けたり、それから内部の定期的な監査を受ける段階においても、その突合というものの根拠といいますか、そういったものの確認がされていないシステムだったというのが一つ原因であろうかと思うのです。  こういったことは、36に上る指定管理施設がございますけれども、同じようにこういう入園券や入場料をいただくような施設については、やはりきちんとした突き合わせなりが行えるようなシステムそのものが必要であろうかと思います。  先ほど知事も、全庁的な問題点として捉えているということでございました。ということから、私のほうからは、やはりこれは一つのルール化をして、やはり指定管理を担当している、所管している担当課がきっちりそういったチェック体制がとれるような、全庁的な統一したシステムというのですか、そういったものをもう一度確立してほしいと思うのです。もしそれが今でも可能であれば、やはりそれをやっていなかったということになるわけですから、しっかりと再度そういったものを見直していただいて、こういったことが二度と起こらないようにお願いをしたいなと思います。その点についての知事の所見をお伺いをしておきます。  東京アンテナショップについてであります。  先ほど知事のほうからも、産みの苦しみで東京アンテナショップを開設して、ある一定の成果があって、鳥取のファンも多くなったということを御指摘されました。私もそのときの常任委員会におりまして、非常に激しい議論がありまして、担当者の目に涙が浮かんでいるのではないかというぐらいの様相であったというふうに私も記憶しております。  私は、今反対の立場で言っているわけではありません。アンテナショップは必要でもあろうし、もっとさらに改善点を加えて、いい方向性を見つければいいなという立場で質問させていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  議長にお許しを得て皆様のお手元にお配りしておりますけれども、これがアンテナショップのランニングコスト、それから家賃ですね、先ほど知事のほうからも家賃をどうするかということがかんかんがくがくいろいろ議論があったということでございましたけれども、これが平成20年度から平成24年度までの実績でございます。  その中で、家賃が1年間に1階部分と2階部分合わせて大体4,000万円。そのうち2階部分は1,300万円の家賃がかかるわけですけれども、2階のレストランが100%見ているわけですから、これはちょっと除外して考えてみたいと思うのですが、その中で24年度予算の中でも一般財源の持ち出しが約5,000万円ありますね。初年度の1億4,200万円というのは、これは施設経費がかかっていますので、大体1億円を引いた額がそのときの一般財源からの持ち出しであろうというふうに思いますが、先ほど4,000万円の家賃がかかる。そのうち1,300万円は2階から100%もらうということで、1階部分は約2,700万円の家賃がかかるわけですね。そうしたところ、この業務委託を受けているところとの約定に沿った形の家賃収入が大体500万円とか600万円とか、そういう金額で推移していくわけですけれども、そうすると、家賃だけで毎年大体2,000万円、安く見積もっても大体2,000万円の家賃を県はずっと永遠に、このままの約定であればずっと補填していくような状況が続くわけなのですね。  それをどういうふうに見るかというのはいろいろな見方はあろうかと思うのですが、要はそういう今の現状をこのまま続けていこうとするならば、そういうふうに2,000万円ずつの県費がかかってくるということですね。  売り上げですね。売り上げも大体1億円ぐらいなのです。1億円ぐらいあって、そのうち業務委託を受けている会社と物産品を出している人たちのやりとりはわかりません。情報を開示してくれと言ってもしてくれないのです。というのは、何%の利益をおたくに上げますからということで委託販売をしているはずなのですよ。ところが、その利益率を出せと言っても出してくれないので、大体の話、恐らく通常のものであれば20%から30%の利益が小売のほうに認められるわけですけれども、東京に出すということでデリバリーの金額を差し引いても、平均しても大体20%の利益があるだろうという考え方ができると思うのです。その中で、1億円の20%ですから、粗利で2,000万円ですね。受託業者の粗利としては1階部分では2,000万円ぐらいしかないわけです。その中で、約600万の家賃の分担、それからあとの残りの1,400万円で水道光熱費、人件費、そういったものを出していかなければいけないわけですから、恐らく受託業者としてもなかなかこれは前向きに考えられない状況ではないのかなというふうに考えるのです。  この約定で言えば、その2,700万円の家賃を例えば自立化してくださいよと。県がもう2,000万円払えないので自立化してくださいねといっても、約定の利率を見ますと、800万円以上は3%の費用分担がかかるわけですから、約9億円の売り上げがないとその3%に満たないわけですよ。ということは、明らかに1億円の売り上げしかないのに、実際に9億円の売り上げを上げてこの約定を守れというふうなことは、もうはなから無理な話であります。何が言いたいかというと、要はそういうふうな状況を踏まえて、もっと売り上げが上がる方向性もあるのではないかなと。要はそれが仮に20%の利益率であれば、売り上げが3億円ぐらいあれば6,000万円上がって、その中から2,700万円の残りの家賃部分は充当できますねとか、そういったいろいろな考え方ができると思うのです。  要は、自立を求めるという方法、そういったものと、それからこういったものをしっかりと県のほうとしてもこれから考える必要があるのではないかというふうに思います。  この契約書なのですけれども、来年度その更新時期を迎えるのです。平成26年3月31日までの契約になっていまして、その半年前までに新たな更新の手続がなければ3年間自動更新しますよということですので、ということは、平成25年度には何らかの形の方向性を見出して相手方に伝えないといけないという時期にも来ております。そういったことも含めて、早い段階で現状維持をするのか、制度設計そのものを新たに変えるのか、もしくは東京アンテナショップは撤退するのか、そういったものを含めてきちんと早い段階で議論すべきだと思いますが、その辺について知事のお考えをお伺いしたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)森岡議員から重ねて、とっとり花回廊とアンテナショップにつきましてお尋ねをいただきました。  花回廊の関係では、経理の適正をぜひ図っていかなければならない、また今までの県の姿勢としては、指定管理費の使い道だけに興味があったかもしれない、また半券の突合ということであれば、そうした半券の調査について、保管についてきちんとルール化をするなど、全庁的な体制というのが必要だと、こういうお話がございました。  これらを踏まえて、今後どういう体制をとっていくのか、今行財政改革局のほうで事案の調査も片方で進んでいますが、今後の対策についても考えているところでございます。それについては、局長のほうからお話を申し上げさせていただきたいと思います。  議員のほうでおっしゃいますように、今までは、要は監督の部分を限定的に考えていたかもしれないのですね。向こうは自分で料金収入を得て勝手にやっている部分だからということでありますが、その料金収入を得ていること自体は県の施設として設置をされて、県の制度としてそこで入場料収入を得るという仕組みになっているからそれを得ているわけでありまして、そこの最後の収支計算を向こうのほうにインセンティブとして渡しているだけのことであります。したがいまして、それも含めて県のほうの重大な関心事として考えるべきでありまして、確かに体制を立て直す必要があろうかと思います。  半券については、そういう意味で保管の義務なり、その検査、またそこに監督者である県の所属のほうが調査に入る権限なりを一体的にルール化してつくってみたいと思います。それが今議員がおっしゃるような趣旨に沿う話になろうかなというふうに思います。  また、アンテナショップにつきましてお尋ねをいただきました。アンテナショップの今後の運営形態について、来年度契約の更新に向けた検討が始まるので、それまでに一定の方向性を考えるべきではないかということでございます。  森岡議員のほうから内容の分析を詳細にいただきまして、なるほどなと思いながら伺っておりましたし、そのお話を聞きながら、実は私自身も今受託をしている事業者から時々聞こえてくるような話と符合する部分が多いものですから、我々も役所の人間でございますので、確かにその経営というのはなかなかわかりにくいところはございましたけれども、厳しさがあるのかなということも感じました。  今のアンテナショップの状況を総括して言えば、確かに毎年2,000万円ほど持ち出し部分が最終的には残ります。2つのことが言えます。1つは、常任委員会を中心として大分セッティングするときに議論しました。その議論をしたものですから、小さく産んで大きく育てよう的な話をあのとき大分したと思うのです。それで、まず小さな規模で始めて、けがのないように、前の渋谷がけがをしましたので、そういうことにならないように、繰り返さないようにやろうと。その際には、事業者とのいろいろな取り決め、こういうことも取り決めて、向こうはこの部分を負担するとかいうことを大分詰めていったわけでございます。その成果として、鳥取県は今2,000万円ほどの持ち出しということが実質上残りますけれども、これはほかの県と比べますと格段に小さいです。恐らく隣の島根県、よその話で悪いですけれども、差し引きベースで恐らくうちの3倍ないしもっと実質持ち出しがあると思います。何となれば、家賃収入を取っていませんから。だから、我々のところはかなり厳密に事業者との関係を整序したところがあります。  あと、規模のこともそうなのですけれども、小さく産んで大きく育てるということで始まりましたので、ちょっと手狭かなという話は正直出てきます。ですから、むしろ今後のことを考えると、そういう議論も本当はしなければいけない時期に来ているのかもしれません。  事実、最近もアンテナショップの出店ブームが続いています。近いところで広島県が出されました。相当大きなお店です。昔のブティックというか、ファッション業界のビルを丸ごとアンテナショップにしたようなものでございまして、「TAU」と言っていますが、すばらしいアンテナショップです。広島県議会でも随分議論して、今回それが認められて始まったということですが、売上高も当然我々よりは大き目にはなりますけれども、持ち出しも相当あると思われます。桁が違うぐらい持ち出しがあるかもしれません。最近ですと高知県がやはりアンテナショップを出されました。これも私どもに比べると規模も大きいのですけれども、県としての持ち出しも大分大きくなっていると思います。  ほかの既存のところもそうでありまして、近所にも香川県や愛媛県のアンテナショップがございまして、これが我々のモデルになったところでありますが、そういうところよりもかなり負担も小さく、店も小さくというスタイルで始めましたけれども、こうしたスタイルについて、無理がかかっていないかとか、もっとPR効果とか考えた場合にどうだろうかという議論はそろそろ始めさせていただいたほうがいいかなと私も思います。  PR効果のことで言いますと、それを入れると、大体今まで毎年7,000万円ぐらいは黒字というふうに見てもいいです。2,000万円赤字が出ているようでありますけれども、PR効果を広告換算しますと、あるいは販路拡大の部分を収入換算しますと、それぐらいの効果がありまして、税金で若干の持ち出しはありますが、リターンは県全体では大分大きく出ているということであろうかと思います。  こういう、今いい姿で動いていますので、そのいいところは確保しながらも、別の展開もあり得るのか。また、特に今回事業棚卸しの中で出されたような各種の疑問点、問題点、こうしたところに対しまして早急に考え方をまとめていきたいと思います。棚卸しいただいておりますので、私たちの責務としてお答えを近々出す必要がありまして、当初予算の中で御相談を申し上げたいと思います。また、中長期的にどうするかということも、また来年度改めて皆様と検討させていただくことも考えてみたいと思います。  ただ、現状のことでいいかどうかということをまず率直に関係者の方の御意見を集める必要があると思いますので、せっかく御質問がございましたので、出店される方とか、あるいは利用者の方とか、アンケート調査等をやってみて、事業効果を我々なりにも確認をしたり、今後のあり方について考える材料をつくらさせていただき、議会とも御相談させていただきたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。  伊澤行財政改革局長 ◯行財政改革局長(伊澤勇人君)私のほうからは、とっとり花回廊におきます入園券の取り扱いにつきまして、今後の改善策につきまして補足の答弁をさせていただきます。  私ども行財政改革局のほうでいわゆる指定管理者制度の全体の制度運用の統括をさせていただいております。そういった観点から、このたびの問題になりました事案を教訓といたしまして、入場料収入等があります指定管理施設の全てにつきまして、過去数カ年間にさかのぼった点検作業を至急行いたいと、このように考えております。  先ほど議員のほうからも、半券のチェック等が必ずしも十分に行われていなかったのではないかという御指摘を受けたところでありますが、まだざっとした調査でありますが、調べたところによりますと、御案内のとおり、現在鳥取県では指定管理施設が計36施設ございますが、このうちいわゆる入場料等、入園券というようなチケットのような形で発行している施設が12施設ございます。ここにおきます内部でのチケットの半券等のチェックの体制を簡単ではございますが第一報で調べたところによりますと、やはり御指摘いただいたとおり、十分なチェック体制がとられていないところもありますし、従前から内部でチェック体制をし、かつ所管課でも、抽出調査でありますが、そういった状況を一部点検しているといったようなところもありますし、そういった体制がとられていないというところもありまして、体制がばらついているというのが実態でございました。  このような状況を改めて反省いたしまして、今後こういったばらつきが起きないように、まずは所管課のほうでしっかり業務管理、あるいは経理管理を点検するといったことが必要でございますので、こういった体制をとる方向に向けまして、マニフェスト化も含めまして、全庁的な取り扱いの統一を図ることを早急にやりたいと、このように考えております。  あわせまして、今回のような問題事案が発生したときに、私ども統括しております総務部の行財政改革局のほうに問題事案が速やかに上がってくる、そしてそれを全庁に共有して全庁の改善策に生かしていくということが重要なわけでありますが、大変申しわけないことに、今回の案件、この事案がこういう状況になりましてから私どもが承知するに至ったというのが実態でございまして、速やかな全庁の情報共有、あるいは改善策の手だてを打つということが必ずしも実現できておりません。これも大きな反省点だろうと考えておりまして、今後こういった不適切事案の報告体制、あるいは全庁での改善策の展開等も改めてきちんとできるような報告体制の再構築といいましょうか、そういったことも行っていきたいと、このように考えているところでございます。 ◯議長(伊藤美都夫君)20番森岡俊夫議員 ◯20番(森岡俊夫君)伊澤局長には期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  東京アンテナショップのことでさらにお願いをしたいと思いますけれども、先ほども申しましたが、私は賛成派のほうでありまして、どちらかというと、要は東京アンテナショップの販路拡大という意味合いと、それから今回の補正予算でも出ている県版の経営革新だとか、こういったものとか、きのう横山議員がおっしゃっていたような商工会議所や商工会のあり方、こういったものをきちんと体系的に総合的にまとめて、やはり打って出る鳥取県という意味合いにおいては、東京アンテナショップはそこの出先機関に私はなり得るであろうなというふうに思います。  そういったことを考えれば、今の方がどうのこうのという考え方ではなくて、私は、産業振興機構というものがあって、これが県内でいろいろと県内企業の販路拡大のお世話をしたり、海外の販路拡大についてのいろいろとやりとりをしているわけですね。売り上げを上げようと思えばいろいろなやり方があろうかと思うのです。私であれば、恐らく県内出身者なんかで販路拡大の経験者を募って、無店舗販売でもいいと思うのですよ。そのかわり売った歩合制でどんどん売ってくださいねというようなやり方もあるでありましょうし、要は産業振興機構そのものが鳥取県のエンジンだと私は思っているのです。産業のエンジンですから、そういったところが例えば受け皿になって、販路開拓指導員もいらっしゃるわけですし、要はそこでBtoCもできるわけですから、そのBtoBをしっかりとその本来目的として、そういう組織形態を考えてもいいのかなという、これは一つの提案として捉えていただければと思います。  そういった中でも、先ほど知事も25年度予算に向けてしっかり検討されるということでございますので、お願いをしておきたいと思います。コメントがあればお聞きしたいと思います。  花回廊の件であります。この本会議の冒頭にも、窮鼠猫をかむ云々ということが問題になりましたけれども、私は今回の案件の情報提供者は追い込まれたネズミではないかなというふうに思うのです。そうでなければ、こういう情報というのはなかなか出てこないわけですね。今は時間がたっていますのでわかりませんよ。もしかすると猫に反撃を食らっているかもしれない。我々には調査権がないので、そこまで立ち入ることはできないのです。  そういったことを思えば、やはり先ほど知事がおっしゃったように、きちんとした県の姿勢、こういったものが必要ではないかというふうに思います。  猫とネズミの関係で言えば、私はトムとジェリーを思い出すのですけれども、知事は勉強で忙しくて見なかったかもしれませんけれども、トムとジェリーというのは仲よくしているのですけれども、猫が、トムがいじめたりする。そこにはブルドッグのスパイクというのが出てくるのですね。やっぱり僕は、スパイクは県の役目だと思っているのですよ。やっぱりしっかりそこはきちんと歯どめを打つ。そういった物の考え方でしっかりやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。コメントがあればお聞きします。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)アンテナショップにつきまして重ねてのお尋ねをいただきました。  議員のほうから、販路拡大のさまざまな方策の御提案がございました。なるほどなと思って伺っておりました。  現状を申しますと、鳥取県の職員として関西本部だとか東京本部にも職員がいます。また、物産協会が配置をするということで販路開拓の職員もおります。今そういうような体制をとってやっておりますけれども、アンテナショップだとか、あるいはアンテナショップに準ずるような存在を今大阪でも千里中央のほうで始めたところであります。そうした顔の見えるところとあわせて、こういう店舗なしでも回れる人材というものを活用して、それで鳥取県の営業活動をやっていくという体制を強化する必要があるかなと思います。  今回、この議会でも中小企業の振興という意味で商工会、商工会議所の活用や、あるいはベンチャービジネスの育成やら、さまざまな御意見が出ています。関係者にももう一度話を聞いて、今回事業棚卸しで出てきて、アンテナショップの単なる改善をやるということだけでなくて、非常に効果のあるものになるように、その周りでアンテナショップとつかず離れずやっていくような別働隊のそういうセールス部隊というのも考えてみてもいいのではないかと思います。  基本的には、事業者が出ていって売るのが当たり前でありますけれども、そういうノウハウが必ずしもありませんので、あわせてそのサポートをしたり、あるいは代行して売りに回るようなときもあったりするような、そういう人員がいてもいいと思います。今でもそれらしい活動はしているのですけれども、もう一度このアンテナショップのつくりかえ的な改善の話と一つパッケージにしまして、販路開拓のあり方を再構成してみたいと思います。  とっとり花回廊の件につきましては、先ほどトムとジェリーの話がございましたが、きちんとした監視役ですね、いざというときに適正に行われているかどうかを担保すると、その重きをなす役割を県として果たしていかなければいけないと思います。  そうした説明責任を果たせるように、先ほど内部的な今の検討の状況を申し上げましたが、行財政改革局のところで一つきちんとした骨となる統一的なルールをもう一度再構成させていただいて、また特に問題となったような事例をお互いに共有をすると。それでそれぞれの施設の管理の適正化が図られる。その際には、担当の課や室が実際に立ち入って調査をすることも含めて、今おっしゃるような役割を果たしていく必要があるというふうに思います。  そういう意味で、今回情報提供があったということでございますけれども、それを大切に教訓として、私たちも鳥取県の委託の適正化が一層進むように、その契機にさせていただきたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時10分散会    ────────────────...