次に、各市町村と共同での
地域防災計画の策定についてであります。
鳥取県と各市町村の連携について伺いますが、鳥取県は、鳥取県
地域防災計画を作成し、各市町村についてもそれに準じて
地域防災計画を策定しております。しかし、現実には各市町村において温度差があることは事実であります。鳥取県は毎年度修正をしておりますが、各市町村の状況はいかがでしょうか。
実際に災害が発生した場合には、被災地の市町村が最前線となります。津波・震災・土砂災害・水害・火災、またあらゆる災害が複合的に発生する可能性もあります。各自治体がそれぞれの防災計画にのっとって行動したとしても、鳥取県はお任せ状態では困ります。逆に、自治体の命令系統が麻痺、もしくは失われる可能性も考えなければなりません。そうしたとき、鳥取県がしっかりとバックアップしなければなりません。鳥取県が最前線の
地域防災計画の把握と、さらには地域の地理的把握と、そこに住む方々の状況を把握しておく必要があると思います。私は、年次的に鳥取県
地域防災計画の修正を行う際に、各市町村と共同で計画の策定を行ってはどうかと考えます。そうすることによって、鳥取県と各市町村のしっかりした連携が図られ、さらには市町村の危機管理のモチベーションが高まると思います。
災害は、発生したときから闘いが始まります。常備消防や警察機関は命をかけて救急救助の任務に当たりますが、大災害の場合には、被災された地域住民自身が危険を顧みずに救助活動に当たられます。限られた広域消防や警察機関だけでは対応し切れないからです。地元の消防団や
自主防災組織が総動員しての災害対応となります。そういった状況をしっかりとバックアップしなければなりませんし、知事みずからが最前線の陣頭指揮をとらなければならない可能性だってあります。日ごろからのしっかりした訓練と計画がなければ、初動で出おくれてしまいます。現場では1分1秒を争う闘いです。最前線で懸命に闘う方々の混乱を招かずに、最優先に安全を確保し、迅速な活動が行える環境を即座に整えることが行政の責務だと思います。各市町村と連携を深めて、災害が発生したときに、最前線で闘う地域住民の安全を守るためにも、各市町村と共同で、今後新たな
地域防災計画の策定をされてはと考えますが、知事の御所見を伺います。
次に、
避難指定場所の再点検についてであります。
災害時の
避難指定場所は、各市町村の判断で選定されております。基本的には鳥取県
地域防災計画の第2章に、
避難所運営体制の整備がうたわれていますが、実際に各市町村で計画どおりに行われているのでしょうか。防災計画には、避難所の指定から設備及び物資の配備または準備、避難路の確保・指定、施設管理者との事前協議、
避難所運営体制の整備など、きめ細かく記されております。
鳥取県はホームページに、各市町村から出された計画をもとに避難所のマップを公開しておりますが、現実に調査確認はされておられるのでしょうか。地域によっては避難所が近隣にないという現実があります。昔は避難所の指定だったが、今ではその指定から排除されている場合もあります。耐震の問題など、さまざまな理由からの決定でしょうが、地域住民はその現実を知らされていない場合が多々あります。各市町村のやり方、決定に対して、鳥取県として口を出せないのかもしれませんが、私は鳥取県民の命を守るという非常に大切な責務を考えれば、先ほど言わせてもらいました防災計画を各市町村と連携して作成するのと同じように、県と市町村がしっかりと
避難指定場所の確保と運営のあり方を共通認識のもとで計画されたほうがいいのではないかと思います。
東日本大震災を見ましても、
避難所そのものが被災し、運営に困難があったこと、その事実を踏まえて避難所の再点検を実施する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
次に、
被災孤立地域の対策についてであります。
鳥取県は中山間地を多く抱え、災害によって孤立する可能性がある地域が多く存在していると思われます。防災計画の災害予防編の
災害避難計画の第3章に、
孤立予想集落対策の強化、さらに
災害応急対策編の
避難対策計画の第3章に、孤立発生時の応急対策が示されています。計画ではしっかりと記されておりますが、やはりこれも地域住民への周知徹底と、鳥取県と市町村の連携が必要不可欠です。ライフラインの確保はもとより、予防の観点から、県道の拡幅や河川改修、急傾斜地区対策の早期整備など、災害予防に必要な箇所はまだまだ残されております。また、孤立地域にはヘリの活用が一番有効ではありますが、離着陸場の確保が問題となります。また、通信手段の確保も問題です。衛星携帯電話の活用を考えておられるようですが、
孤立予想地域への通信手段の整備が急務であると考えます。
被災孤立地域への対策について、知事の御所見を伺います。
次に、広域消防と消防団・
自主防災組織の強化であります。
あらゆる災害に対して、消防力の強化は必要不可欠です。鳥取方式の
地域消防防災体制検討事業の予算説明資料に、これまでの取り組み状況と改善点が記されております。内容には触れませんが、地域の実情によって望む消防力の考え方に違いがあるということでした。これからの事業ですので、どのような体制整備の方向性が検討され、示されるのかはわかりませんが、災害時にはあらゆる組織が総動員されるということに変わりはありません。
鳥取県の常備消防の能力は全国でも優秀だと思っております。阪神・淡路大震災のときには、火災消失等で最も被害の多かった長田区や兵庫区に鳥取県は投入されました。東京消防庁のような恵まれた車両、資機材、装備は持ち合わせておりませんでしたが、懸命の救出活動を行いました。臨機応変の対応能力は東京消防庁を上回るかもしれません。また、火災戦闘におきましても、大都市圏の消防は絶対的な数の力で包囲し、火勢をたたく戦術でありますが、鳥取は最低限の車両、そして隊員の装備で、的確な臨機応変な戦術を行います。このように優秀な常備消防を抱える鳥取県ではありますが、災害、特に同時多発的に発生するような場面では、余りにも絶対数が足りません。例えば、鳥取市の消防本部には、はしご車や高規格の救助工作車が配備されております。しかし、中山間地の出張所には、最低限の装備と人員しか配備されておりません。平常時の出動件数を考えれば仕方のないことかもしれません。常備消防は市町村の管轄によりますので、鳥取県としてできることは限られるかもしれませんが、私は、常備消防の絶対数を補完する消防団や
自主防災組織の消防力を強化することで、災害時の対応強化、住民の安心・安全をより一層守ることができると確信いたしております。人材の確保や組織化など、問題と課題はあると思いますが、装備の充実を図ることは可能だと考えます。今よりもさらに災害に対応できる装備の拡充と、それに合わせた教育訓練を行う必要があると考えますが、知事の御所見を伺います。
次に、がらっと変わった質問になりますが、
有害鳥獣対策についてであります。
有害鳥獣対策の問題は、これまで先輩議員から随時質問や対応の議論がなされてきていることは承知いたしております。しかし、余りにも被害が拡大している現状を踏まえて伺います。
私がこの冬に、さまざまな地域を歩いて山間部の皆様の声を聞かせていただいている中で、どこに行ってもだれと会っても、シカやイノシシ、クマの話が一番に出てきました。知事は実際に現場をごらんになられましたでしょうか。田畑の周りにシカやイノシシの侵入防止さくを張りめぐらせている光景は、農業被害に対しての対応だということはだれでもわかります。しかし、民家の周りにネットを張りめぐらせている状況は異常に感じました。庭の木々の葉っぱはシカに食べられ、庭木の足元はイノシシに掘り起こされている。民家のすぐ近くの畑の野菜は、雪解けを待って根こそぎ食べられております。軒先にぶら下げていたタマネギはシカに食べられ、家の周りは鹿のふんで足の踏み場もない。実際に、民家の玄関先でシカと遭遇したことは一度や二度ではありません。シカが畑や神社を悠々と歩いている姿は、どこかの公園を見るようでした。知事、異常な状況ではありませんか。犬を見かけるよりシカを見かけるほうが多い状況は異常です。あるおばあさんが言われました。せっかく田舎で野菜を育てて、子供や孫が帰ってきたときに食べさせて喜ぶ顔が見たかったのに、シカやイノシシのえさをつくってきたわけではない。静かに自給自足の生活を楽しんでいたのに、生活もできぬようになる。涙を流しながら訴えておられました。
このままの状況が長く続けば、耕作を続ける意欲が減退して耕作放棄地の拡大を招き、中山間地域での定住意欲を減退させる要因になってしまいます。既に放棄している方々もたくさんおられます。
鳥獣被害総合対策事業は継続していただいておりますが、抜本的な対策が必要です。里山の放置や耕作放棄地の拡大により、緩衝帯がなくなったことも原因の一つでしょう。有害鳥獣の個体数を減らさなければ何の解決にもならず、延々と防止さくの補助を出し続けなければなりません。狩猟者の減少と高齢化の現実もありますし、捕獲個体の処分の問題もあります。シカやイノシシの肉は天然の環境で育ったものですので、なかなか流通の確保は難しいかもしれません。
問題山積みでありますが、隣接県との連携、そして今ある
鳥獣被害対策連絡会議の強化と連携を推進し、抜本的な対策をしていただきたいと思います。根本は耕作放棄地の拡大と中山間地の人口減少も要因の一つと考えられるなら、再び活気あふれる中山間地とし、耕作放棄地を減らすことが抜本的な対策となるかもしれません。また冬がやってきます。動物は移動するものですから、昨年度と同じ状況になるかどうかは未知数ですが、さらに被害が拡大すれば、中山間地が天然の動物園となってしまいます。鳥取県の大切な中山間地を守るために、早急な対策を知事にお願いいたします。
知事のお考えをお伺いいたしまして、長い1回目の質問となりましたが、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)国岡議員の一般質問にお答えを申し上げます。
このたび、国岡議員には議席を得られ、そして住民の命を守るということを目標にしてこれからの議員生活に向かっていくというお話がございました。ぜひ私も一緒になって、国岡議員とともに防災のまちづくり、安全・安心の村づくりに努めてまいりたいと考えております。
議員のほうからお話がございまして、特に防災関係で何点か重点的な御質問をいただきました。議員のほうから、これまでの経験を生かしながら、地域の防災計画の大切さについてのお話があったり、そして想定外ということが今回の
東日本大震災でも用いられているけれども、これは弁解になってしまうと。やはり防災に対する思いをしっかりと持ち、鳥取方式の
地域消防防災体制検討事業、こうしたものをどうやってこれから進めていくのかというお話をまず第1点目にいただきました。
議員のほうでは、東部広域の職員をされて、実際に現場のほうに出られたわけでございまして、阪神・淡路大震災の救援活動、消火活動にも当たったというお話の披瀝がございました。こういう現場感覚が県政の中に注入されてくることは大変に心強いことだと思いますし、県と市町村とそれぞれの立場でやっておりまして、市町村のほうの防災の仕事と我々のほうの危機管理、防災とがうまくリンクをしていかなければなりません。その意味で、複眼的になると思いますが、市町村と県とが協調しながら、そしてある程度県のほうでもリーダーシップをとりながら、市町村が現場の住民と一緒になってこれからの鳥取県の防災をつくり上げていかなければならないわけでございます。
防災対策にはポイントがあるというふうに言われるわけでありますが、やはり住民の生命、身体、財産を守るという、この基本が一番重要でございます。そのために手段として自助、共助、公助というわけでございますけれども、こうした手法、手段を上手に組み合わせて一つのポートフォリオとして防災の仕組みをつくっていかなければならないわけであります。
議員は、広域消防のほうの経験があるわけでございまして、その公助のほうの何たるかということはよく御案内であろうかと思います。公助において全国的に消防力の基準というものが設定をされておりまして、人口の規模だとか、まちの規模などが一つの指標になりますけれども、こういうポンプ車はどの程度備えていかなければならないとか、また人員体制の人数の基準のことですとか、さまざまなことが全国的な取り決めがございます。
勢い、鳥取県は全国でも一番小さな県でございますので、公助の面では失われがちになるかもしれません。ただ、議員も御指摘ございましたように、鳥取県はその中でも気概を持って消防力を強化をしようと、現場の工夫を積み重ねてこられました。この東部地域でも鳥取の大火でありますとか、そうしたさまざまな災難をくぐり抜けてやってきているわけであります。西部のほうでも朝日座の火災だとか大きな火災がございましたし、西部の大震災ということも経験をしてきました。それを見事に鳥取県は住民と協調しながら乗り切ってきたという、そういう実績があるわけであります。そういうことから、公助には確かに一定の限界があるわけでございまして、基本となるのは自助や共助の世界であろうかと思います。
特に今回の東日本の大震災で明らかになりましたことは、津波のような大きな災害があったときに、現場で防潮堤、その津波を防止するための堤防を万里の長城よろしくつくっているわけでございますが、人知を超えるものが押し寄せた場合には、それが乗り越えられてしまう、大変な災禍が発生するわけでございますが、そのときにはとにかく山へ向かって逃げるという、これが一番の災害対策であるということであります。これは本人が逃げなければどうしようもございませんので、自助の最たるものだと思います。さらに、要援護者の方々がいらっしゃったり、あるいは町内会がみんなでその地域の財産を守ろうといって立ち上がるような運動、そういう自助や共助が重要でございまして、日本の場合は消防団組織がその共助の一翼を大きく担ってきたわけであります。
もとはといえば、江戸時代にまち火消しの伝統がございましたけれども、その伝統が明治以降も引き継がれていくわけであります。いい意味で警察と消防とが一定の緊張と競争関係を持ちながら、鳥取県でもそうでございましたけれども、地域における消防団が組織化され、強化をされてきました。鳥取県内でも5,100名を超える消防団員がいるわけでございますが、まだ目標の5,400名には届かない状態でございます。60万人の県民の中でそれだけの中核部隊がいることの意義というのは、非常に大きいものだと思います。
ただ、この消防団の活動にはいろんな限界もありまして、それを補う意味で、消防団活動とはまた別に、地域の
自主防災組織を組織してきたわけでございます。こうした
自主防災組織は、消防団のように日ごろの訓練、研さんを積んでいるわけではございませんけれども、バケツリレーのようなことだとか、あるいは消火栓を使ってそれにホースをつないで消火をする、そうした基礎的なことは日ごろ訓練をされておられるわけであります。また、いざというとき助け出そうということで、それぞれの地域で工夫をされながら、そうした地域の
自主防災組織をはぐくみつつあります。これはまだ歴史が浅く、十分でないところがあろうかと思います。
私ども鳥取県では、最近になりまして、やはり現実に即した全体としての防災力強化を図るべきであろうという思いに至りました。消防団、それから地域の
自主防災組織、こうした組織がこれから10年、20年かけてどういうようになっていくだろうか。例えば、中山間地でいいますと、消防団の中核を担うべき若い層の方々、そして消防団活動に協力してくれるというボランティアの心を持った方々がどれほど確保できるか、だんだんと難しくなるかもしれない。特に、都市部ではそうでございますが、境港とか、消防団の組織の状況などなかなか難しさの残るところもございます。そういう町中に行けば行くほど、地域の
自主防災組織のように町内会活動の延長としてやる、そういう消防団に準じるような組織が重要になってくるのではないかと思います。
そして、これからは村ごとに考えますと、村の中には衰退してしまいまして、いざというときに力を発揮でない可能性が見えてきております。そうしますと、従来の一つの村単位に組織されているような消防団だとか
自主防災組織の枠を超えて、もう少し中域といいますか、広域といいますか、そうしたところで支え合ったり、常備消防とうまく連動させながらそういうところを補っていく、こういう一つのトータルの考え方をする必要があるのではないかというふうに思っております。
その意味で、まだモデル的なところでございますが、
地域消防防災体制検討事業というものを始めようとしておりまして、手始めに米子や境港、さらに日野郡のほうでそうしたシステムを考えてみようということを、
シミュレーションも含めまして始めようとしております。23年度にそうしたモデル的な検討をして、市町村とよくよく協議をしながら、地域の方々にも御協力いただきながら、こうした鳥取型の防災力というものを培ってまいりたいと考えております。
次に、県が防災計画をつくっておりますけれども、地域の把握が必要であるわけでありまして、市町村と共同で新たな
地域防災計画を策定する必要があるのではないかという御指摘をいただきました。これは、今の防災計画でございますが、鳥取県のほうで県の
地域防災計画をつくっております。そしてさらに法律に基づきまして市町村も
地域防災計画をつくっております。実は、この鳥取県の上位計画として、国のほうの防災計画があるわけでございますけれども、こうした一つの階層型になりまして、最終的には市町村の
地域防災計画で、避難所のことでありますとか、最終的な防災体制のことにつきまして、きちんとした手当てをしていくというシステムになっているわけでございます。
今回
東日本大震災を経験しまして、県のほうで大きく2つのポイントについて
地域防災計画を見直さなければならないと思います。1つは、津波対策でございます。もう一つは原子力安全の対策でございます。そのほかにも今回の大災害で明らかになりました避難所の設営の問題だとか、あるいは市町村と県との連携のことだとか、そうしたことに踏み込んでいかなければならないだろうと考えております。県としても、これから新しい
東日本大震災後の防災体制を考えていく中で、市町村ともよく協議をさせていただきまして、市町村の
地域防災計画にも反映をしてもらえるような改定作業を急いでまいりたいと思います。
そのために、6月定例会でも提案をさせていただいておりますが、津波対策あるいは原子力安全の関係におきまして、これから津波の
シミュレーションやさまざまな手がかりの検討を始めさせていただきたいと思いますし、そういうさまざまな協議を市町村ともやっていこうと思っております。今年度いっぱいは、まず基礎データの収集だとか調整が主だと思います。また、原子力安全につきましては、島根県と協調して一つの体系をつくりたいと思っております。その後、県内の市町村に響いてくるような計画づくりに入ってこようかと思いますので、今年度から来年度にかけまして、そういう協議をしっかりとやっていきたいというふうに考えております。
また、市町村との協調体制でございますが、最近、防災フェスタというのを東・中・西で始めております。こういうような場で住民も巻き込んだ大々的な避難訓練をやっていく。あるいは緊急時に災害支援チームを県から派遣をするというのを我々の県庁の中にビルトインしておりますけれども、こうしたものの活用も市町村とよくすり合わせをしていきたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、県だけで県全体の県民の安心・安全は図れません。市町村がどうしてもかなめになる分野が多いわけでございますので、市町村とよく協調してまいりたいと思います。
次に、避難所についてでございます。避難所の運営の困難が
東日本大震災であったわけでございますが、それを踏まえて避難所の再点検をやる必要があるのではないかということでございます。市町村の
地域防災計画の中で避難所の設営の詳細は記述することになっておりますが、県の
地域防災計画の中でもその基本を書かさせていただいております。例えば、土砂災害などに対しまして、安全な場所に設けなければいけないとか、それから基礎的な生活必需品などの供給の可能性を担保するようにするとか、そうしたいろんなことがございます。
今回、
東日本大震災がございまして、先般、鉄永議員の代表質問でもありましたけれども、避難所における自治的な組織の重要性が改めてクローズアップをされているところでございます。あるいは避難所の設営ということについて、それを設営するために困難が生じる場合、今回のような壊滅的な被害を受けた場合、どういうように初動から動いていけるような体制をつくっていくのか、この辺も課題なのだろうと思います。こういう新しい課題が
東日本大震災で見えてきたと思います。したがいまして、そうしたことを踏まえた避難所のあり方の再点検を、先ほど申しましたように今年度から来年度にかけて
地域防災計画を県と市町村で見直していかなければいけないと思いますが、その際に、よく点検をしてもらって、改めるべきところはきちんとした装備をつくっていく必要があるだろうと思います。例えば、衛星携帯電話のような装備が必要ではないかと、これも鉄永議員の代表質問の中でございましたけれども、その辺も改めて市町村に注意喚起をしてまいりたいと思いますし、しっかりとした避難所が組めるように協調体制を組んでいきたいと思います。
次に、災害時の孤立集落についてお話がございました。ヘリコプターが孤立地域に対して有効に機能するわけでありますけれども、離着陸場の確保が重要であるし、通信手段の確保も問題となる。そうした孤立地域対策につきまして、どういうふうに考えるのかということでございます。
実は、県としても孤立の可能性のある集落の把握を今までも進めてきておりまして、ざっとした話で申しますと117孤立の可能性のある集落があります。大きな災害があるとき、例えばこのたびの豪雨災害とか、そういうときに私ども非常にちゅうちょしますのは、この孤立集落の発生の有無であります。時折やはりどうしても孤立が発生することがございます。そうすると、それに対する対策を早急に組まなければなりません。私どものほうでポイントというふうに考えておりますのは、ふだんからそうした孤立集落となる可能性のあるところを把握しておくこと、それから衛星携帯電話のような、そういう通信手段の確保を図ること。私どもの県庁の中には道路復旧の部局もございまして、そういう交通手段の回復を一刻も早く行うように体制を投入すること、こうしたことが基本になりまして孤立対策を進めることにいたしております。これは従来の
地域防災計画に基づく対策としてもとっているところであります。
今、県内の孤立集落の状況からいえば、議員がおっしゃったように、常備消防にもいつも協力していただいてヘリコプターの離着陸場の確保をするわけでございますけれども、離着陸場が直接ある集落ももちろんございます。例えば三朝町などでは、孤立の可能性のあるところに順次今ヘリポートという非常に精度の高いものをこしらえてきている町もございます。そうでなくとも、ここは離着陸に使えますねというような箇所をあらかじめ特定をしておいて、いざというときここを使いますと、消防のほうでも把握されていると思いますけれども、ここにヘリコプターの着陸可能性がありますよということでリストアップをしているところももちろんございます。こうした離着陸場を確保しているところとあわせまして、日ごろから現場の踏査をいたして、ホイストですね、ヘリコプターからロープでおりてきまして、そして救助を行う、そういう最低限の孤立を防ぐ手だてを研究をさせていただいております。そのホイストが可能な地点も含めて、今までの調査の結果からいけば、117の集落すべてが何らかの形でヘリコプターのアクセスが可能な状態になってございます。そういう意味で、ヘリコプターを今後も使っていくことが、対応していくことが一つの基本になろうかと思います。
あと、今有線での通信手段はどの集落ももちろん確保されていますけれども、衛星携帯電話を本来は備えていただきたいと市町村のほうにお願いもしてきてございます。それで、県としても防災危機管理の交付金を設けまして、この交付金によって2分の1の助成をさせていただこうということにいたしました。しかし、残念ながら今日までこれに取り組んでおられるところは県内に2つの市町村のみでございまして、それ以外のところではまだこうした衛星携帯電話の常備が進んでおりません。したがいまして、これも代表質問でも御議論申し上げましたけれども、
東日本大震災のような大きな事象が起こったような場合、そうした通信手段を確保するために、中国通信局などの応援を得たり電話会社の応援も得ながら、衛星携帯電話を確保して、もちろん県としても常備のものがございますので、そういうものを職員ごと張りつけるようにして、その孤立集落との通信を確保するとか、そうした対策をとっていく必要があると考えております。今回、
東日本大震災もございましたので、改めてそうしたマニュアル等の点検もしていきたいと思います。
次に、常備消防を補完するような消防団や
自主防災組織を強化することが必要である。そのために装備の拡充や教育訓練が重要ではないだろうかと、こういう御指摘をいただきました。このことは、先ほども冒頭で若干申し上げましたけれども、地域として自助、共助、公助という防災の体系をつくっていかなければいけませんので、その共助の基本でございます消防団とか
自主防災組織、これの能力を高めていくことは不断の努力が必要だと思います。
議員のほうから御指摘がございましたように、阪神・淡路大震災のときも鳥取県の常備消防も活躍をしたわけでございまして、今長田区とか兵庫区だとか、当時のお話をお聞きいたしました。長田区のほうは、大変な焦土と化してしまった新長田駅のあたりとか、そうしたところがございましたけれども、阪神・淡路の大震災は、今回の
東日本大震災とは違いますのは、火災での被害が非常に多かったことであります。それは幾つかの原因があるわけでございまして、事後的に分析をされましたけれども、あの神戸市ですらやはり常備消防の手が回らなかった、それで鳥取県のように少数精鋭で頑張っている各地の部隊が集結をして消火活動の手伝いをした。消火栓の場所がうまく使えなかったとか、足らなかったとか、いざというとき使えなかったとか、そうしたことも明らかになりました。
さらに言えば、がれきの下に埋まってしまった人たちは、鳥取県では考えられないことでありますが、そこにだれがいるかすらわからなくて、そうした救助におくれが出たのではないか、そういう指摘もございました。初動での動きの遅さということも問題になったわけであります。
鳥取県でも、そうしたことを常備消防が経験して帰ってこられたわけでございますが、地域の中でもそうした阪神・淡路大震災の教訓を生かしていかなければならないわけであります。いざというとき、この村までどれほど常備消防が来てくれるかということを考えたら、自分らでやらなければいけないというふうに実は県内のどこの地域も思っておられます。これが鳥取県のいいところだと思うのです。そうした消防団だとか自主防災のやり方を強化していくことで、常備消防だけでない消防力をつくっていくわけでございます。
その意味で、議員のほうから御指摘がございました、1つは資機材のことがあると思いますし、もう一つは教育訓練のような能力アップのことがございます。資機材については、消防団のほうは、これは市町村の応援もかなりございまして交付税だとかあるいは県の交付金なども活用されて整備は進みつつあると思います。
それからあと、新しく組織され始めた
自主防災組織のほうでございますが、こちらのほうはまだ十分とは言えない状況だと思います。現状を申し上げれば、こうした地域の
自主防災組織の場合、消火器のような小型の初期の消火用の道具であるとか、あるいはホースだとか、ある程度の基礎的な消火に伴うものは、3分の1とか、そうした団体で整備は進みつつあるかと思います。ただ、人を助け出すために必要なバールとかそういう機材、担架だとかいろんなものがまだまだ不足しているような状況がございます。この辺は、地域の工夫で乗り切ろうとしているところもございまして、例えば倉吉市などがそうだと思いますが、その地域の中で、それぞれ家がございますから、家の中にいろんな大工道具だとか結構使えそうな重機のようなものもあるわけでございまして、そういう機材を公民館単位で登録をして、それをいざというときには使いましょうというようなことで、地域の中でそういう自主防災の装備を形づくっていくところもございます。
あるいは、西部の大震災を経験した黒坂の集落におきましては、
自主防災組織で、竹ざおと毛布から担架をいざというときにはつくる、そういう訓練をやっていたりしておりまして、こういう地域の、とにかく背に腹はかえられない状況でやっていくような装備でございますので、そういう工夫をヒント集として集めまして共有してもらうようにいたしてきました。防災危機管理の交付金がございまして、これで
自主防災組織の装備も可能でございますので、県としても応援をしながら、こうした装備の工夫、資機材の整備について今後も支援をしてまいりたいと思います。
あわせて、能力アップについてでございますが、消防団のほうは日ごろから訓練をされておられます。最近の快挙としては、昨年の11月に全国の消防の大会の中で、鳥取県の江府町消防団の第1分団が操法の大会で見事にポンプ車で優勝を果たすという快挙がございました。久方ぶりに鳥取県に優勝旗が返ってきたわけでございまして皆が喜んだところでございますが、こういう日ごろからの訓練、操法大会なども通じまして、しっかりとやっていくことが大切だと思います。
あわせて、
自主防災組織のほうは、今までそうした訓練や研さんの場が十分できていなかったところもございまして、今年度から新たに研究発表大会をやろうということにいたしました。
自主防災組織の訓練の発表大会を計画しておりまして、こうしたことなどを通じて、先ほどのヒント集もございますけれども、市町村と一体となって
自主防災組織の強化に向かってまいりたいと思います。
最後に、
有害鳥獣対策についてお尋ねをいただきました。イノシシ、シカ、クマの被害が増加をしているということでございまして、大変な状況にあると実情を披瀝されました。これに対する抜本的な対策はないのかということでございます。詳細は農林水産部長から申し上げたいと思いますが、私も八頭郡のほうに参りますと、八頭郡は特にそうなのだと思いますが、シカの話だとかクマの話だとか、切実な問題として訴えられます。特にこのたびの冬は雪が深かったこともあるのでありましょう、シカが雪がある分だけ背伸びできるようなことになりまして、人家の庭先のほうまで入ってくるということで、食害が進みました。
智頭町でもそうしたシカの食害が顕著なところであるなと思いましたのは、山陰合同銀行がやっている共生の森がございますが、鳥取市の連合婦人会などが中心となった女性の森というグループがございますが、こちらが植林をするわけであります。ただ、植えたそばからシカがおいしく食べてしまうということでございまして、一向に森になっていかないという悩みをおっしゃっていました。
こういうようなことが非常に多発してきておりまして、人間と動物との共生ということを模索していかなければいけないのだと思うのです。かつては里山がありまして、里山は人々にとって入会の山であったわけでありますけれども、入会の果実をその地域の住民がみんなで共有していたわけであります。しかし、その里山は、人間だけの入会ではなくて、人間と動物たちとの入会でもございました。そういうような意味で、動物たちが里山をよりどころにしていたところが、里山が荒廃をしてくるということもあって、人間と動物との緩衝地帯が失われつつあるのかもしれません。ですから、県としてもそうした里山の復活をモデル的にもやってみようというように考えておりまして、このたびの予算などでも組まさせていただいております。
当然ながらイノシッシ団のようなイノシシ退治の方策であるとか、シカについて言えば、例えば八頭郡3町で共同してやるような取り組みを21年度ですかやったことがございますけれども、そういうことを今年度もやれないだろうかとか、いろいろと現場に即した対応を考えていきたいと思います。
クマについても、これも議論がございますけれども、クマの管理計画を見直そうというふうに考えております。そうした従来よりも一歩踏み出した対策をこれからやってまいりたいと考えております。
◯議長(
伊藤美都夫君)鹿田農林水産部長
◯農林水産部長(鹿田道夫君)補足説明させていただきます。
有害鳥獣の被害額の経緯でございますけれども、平成16年度2億8,000万円ぐらいになりまして、これがピークになったということで、県のほうも重大な被害が出たということで、それ以後、県のほうに鳥獣対策の専門官を雇用しまして5年間ほど対策を行いました。そういう影響もありまして、先ほど知事が言ったようなイノシッシ団の養成とかもあるのですけれども、平成19年度には9,500万円ぐらいに被害が減りまして、ただそれ以後また最近徐々にふえてきている状況でございます。特に21年度は暖冬ということもありまして、シカ、クマ等が大分被害を大きくしたということがありますけれども、ことしの冬は雪が多かったということもありまして、シカのほうでは猟期にかなり捕獲されたということを聞いております。
今現在の県の取り組みでございますけれども、侵入を防ぐ対策だとか、個体数を減らす対策、それと周辺環境を改善する対策等というようなことで補助事業を設けておりますし、国のほうも昨年県のほうの要望額の10%程度しか割り当てがなかったのですけれども、今回は要望額の5割以上が一応配分されましたので、何とかやっていけそうかなというところがあります。あわせて、足りない分については県の補助金で取り組んでいきたいと思っておりますし、あとボランティア団体の応援もやはりかなり必要でして、イノシッシ団とあわせて、そういうボランティア団の組織もこれからも取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、あわせて、鳥取式の獣類侵入防止さくの「シシ垣くん」だとか、網を使った、漁師さんの網を再利用するとか、あと低コストの簡易のシカの捕獲さくを使うだとかいうような新たな対応策、安価で効果的な対策を今試験研究しているところもありますので、ここら辺を地元の現場のほうにおろしていきたいというふうに思っているところでございまして、あわせて、個体数を減らすという対策の中で、猟師さんのほうの関係ですね、やはり猟師さんのほうも高齢化しているものですから、なかなか猟師さんが現場のほうに行ってもらえないということもあるもので、新規にそれを養成するような対策とか、今免許を持っておられる方の再研修ということで、生活環境部のほうでもそういうような講座を設けながら取り組んでいきたいということで、23年度に予算化しているところでございます。
あわせて、捕獲奨励金の関係でございますけれども、町独自で、さらに県に上乗せしてやっているところが若桜町なり大山町でありまして、今回猟期に、そういうようなイノシシで上乗せでやられました若桜町では、昨年の21年度はシカの捕獲実績が126頭だったのですけれども、933頭になったというようなことの成果もありますので、ここら辺も今後の検討事項かなというふうに思っているところでございます。
いずれにしましても、市町村と連携してやるような取り組みでございまして、あわせて国のほうも交付税措置というような形で市町村の取り組みを支援するような仕組みがありますので、これからも一体的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
◯議長(
伊藤美都夫君)5番国岡議員
◯5番(国岡智志君)平井知事、丁寧な御答弁をありがとうございました。
きのうの読売新聞にも出ておりましたけれども、片山知事のときには怖いからなかなか質問がふえないけれども、平井知事は丁寧な答弁ですので質問者がふえたのではないかというようなことも載っておりましたけれども。
防災ですけれども、いろいろ言わせてもらいました。本当に防災のことに一つ一つ突っ込んでいったら、それだけで多分一つの一般質問ができるのではないかなと思いますが、今回はとにかく鳥取県と各市町村がきっちり連携を深めてくださいと、それを強く願って質問させていただきました。確かに各市町村が最前線で、それぞれの地域の特性なりいろいろあります。それを県が一律にといってもなかなか難しいかもしれませんけれども、私は、やはり何かがあったときには、後ろには県がしっかりついているのだと、それをふだんから各市町村に見せてあげる、その姿勢が必要ではないかと思います。まずその手始めに防災計画を一緒につくっていくと。そこの段階からスタートすれば一番手っ取り早いし、県も市町村も、そのシステム、地域の特色、そういったものを理解できるのではないかなと思って質問させていただきました。
現実に、この鳥取県の職員の中にも各市町村の方がたくさんおられると思います。例えば、県のそういった対策チーム、県の場合は防災局を今度危機管理局に格上げされます。組織的にも鳥取県は強化しておりますけれども、各市町村はいまだその担当の職員が総務課の中に組み込まれている、やはりそこで温度差が見えてきます。市町村の防災計画を見ますと、つくられているのが平成8年からまだ全然変わっていない、中によっては、その中身だけ手書きではしょっているような、そういった市町村もございます。やはりそこで既に県と各市町村との温度差が物すごく離れている現状があると思うのです。やはりそこを阪神・淡路大震災が終わり、鳥取県西部地震を経験し、そして
東日本大震災を経験した中で、鳥取県と市町村がしっかり線で結ばれるような体制をつくっていただきたい。それがとにかく初動につながってくる、安心・安全につながってくる、私はそう考えております。
鳥取方式の体制づくりを考えておられます検討事業、これを今年度モデル的に西部地区のほうでやられております。私はこれを時期を早めていっていただきたいと思うのです。やはり試験的に調査する、データを集める、それから取り組みを考えるでは、やはり後手後手に回ってくるような可能性があります。いまだ東日本のほうでは余震が続いております。そして先般も鳥取県のほうでも、大きい揺れではありませんでしたけれども、地震がありました。いつ来るかわからないのが震災であり、災害であります。やはりすべきことがわかっている目的に対してはスピードを要する、それを知事に要望したいと思いますので、知事のお考えをお聞きしたいと思います。
最初の質問でいっぱい時間を使ってしまいましたのですが、消防力の強化ですけれども、消防団、
自主防災組織、これも本当に中山間地のほうになります。特に鳥取県消防団の組織はしっかりしています。先ほど言われました操法の大会ですとか、鳥取県は本当に昔から伝統があり力を入れて頑張っておられますが、やはり皆さんが後継者で悩んでおられます。実際、郡部のほうに行きますと、火災等があったときには、各企業に勤めておられる消防団の方も優先的に仕事をとめて消防団活動に当たられます。すばらしいことだと思います。それが企業も含めた地域の防災力だろうと、そういうふうに思いますが、それが後継者がいない危機的状況にだんだんなる中で、そういった中山間地の
自主防災組織の必要性というものが今改めて浮かび上がっていると思います。そこの中で大きな装備も要りませんが、先ほどバールとか言われました。やはり最低限の災害に対応できるものをこれもしっかり市町村と連携して、県が援助できることは最大限してあげて、地域を全体で守っていく、そういうことをやっていっていただきたいと思います。
有害鳥獣でありますが、これはこれからほかの議員さんが質問されると思いますが、とにかくできることは最大限やって、皆さんの安心につなげていただきたいと思います。知事の考えをお聞かせください。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)国岡議員から重ねての御質問をいただきました。
まず、第1点目として、防災計画を市町村と一緒につくっていく必要性を改めておっしゃったわけでございます。確かにおっしゃるとおりだと思います。これから防災計画を県も見直しますし、市町村も見直さざるを得ない時期だろうと思います。中には、議員もおっしゃいましたけれども、不磨の大典のように10何年もそのまま改正もせずに置いてあるところがあったり、
地域防災計画の何たるかというところがなかなか職員全体に浸透していなかったり、いろんな状況があろうかと思います。今から津波の問題や、あるいは原子力防災という新しい切り口も加わり、さらに
東日本大震災で見えてきた避難所対策のあり方などもございますので、今も議員の御提案がございましたので、この際、市町村に防災計画を改定するように働きかけをしたいと思います。その際、県からも専門の職員を派遣しまして、一緒になって市町村の
地域防災計画をつくり、その中で防災計画以外のところの魂の部分、ここについても議論をしながら培っていくようにしていきたいと思います。
次に、地域の消防防災体制検討事業につきまして、これはスピードアップすべきではないだろうかという重ねてのお尋ねをいただきました。これもいろいろと工夫してまいりたいと思います。今、
シミュレーション的なこともございまして、研究もありますので、ある程度の時間をかけながらということになりますが、その成果を途中段階からも公表したりしまして、各市町村にも共有してもらうようにしていきたいと思います。
それで、新しい鳥取県型のシステムをつくっていかなければなりませんので、そのための議論の輪をできるだけ早く立ち上げていきたいと思います。もちろん市町村によっては、こうした新しい仕組みによらず、従来の消防団でやっていこうというところも多々あるかと思います。例えば、三朝とか岩美とか智頭だとか、消防団の団員の数が比較的多いところもあれば、それが希薄であるところもございまして、地域性もあろうかと思いますが、できる限り早期に成果が地域に還元できるように努めてまいりたいと思います。
消防団や地域防災組織の強化につきましても重ねてのお話がございました。これも市町村と協調してやっていきたいと思います。今のお話すべてが絡み合うわけでありまして、地域の防災力の強化のためのモデル事業なども踏まえながら、そうした対策を組んでまいりたいと思います。
有害鳥獣につきましては、今非常に被害が顕在化をしておりまして、特に昨年は鳥取県のクマが全国的にも注目されました。残念ながら鳥取市内で命を落とされる方もいらっしゃったわけでございまして、緊急の事態だと言っていいだろうと思います。ことしについて言っても、既に小グマではございますが捕獲をされた例が出始めてございまして、こうした状況を何とかこれから変えていかなければならないと思います。鳥取県が単県でできることと、周囲の県と協調しなければいけないこととあろうかと思います。イノシシだとかシカだとか、生息区域が広範囲にわたるわけであります。クマもそうでございまして、大体東部のほうは兵庫県のほうから攻めてくるわけでございますが、最近は西のほうから中部あたりまでどんどん入ってくるクマもいまして、東部のほうで捕獲されたクマの中には島根で捕獲の実績があるクマもいたりしております。ですから、今は東から西から攻められるような状態になっていまして、クマがどんどん入ってきているということであります。それに即した保護管理計画、これは大変な議論を呼ぶかとは思いますけれども、ここは勇気を持って、実情をまず把握して見直しに乗り出していきたいと考えております。
◯議長(
伊藤美都夫君)5番国岡議員
◯5番(国岡智志君)ありがとうございました。
とにかく安心・安全な鳥取県、鳥獣にしてもそうです、防災に対してもそうです。これから機会あるごとにいろいろ一般質問の中で議論させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)
◯議長(
伊藤美都夫君)24番山口享議員
◯24番(山口享君)(登壇、拍手)私は、本定例会に提案されている予算案について、大問題があるので、やむにやまれぬ思いでこの壇上に立たせていただきました。それは、社会資本整備交付金、それから農山漁村地域整備交付金、さらに地域自主戦略交付金の3つの交付金のあり方についてでございます。
もともとその交付金の財源でございますけれども、道路特定財源が目的税から外されたと。しかしながら、道路を利用するツールに課せられた道路の整備に資する財源であったのではないでしょうか。今申し上げましたように、平成21年4月に道路特定財源が廃止されました。自民党政権下では地域活力基盤整備交付金として残されていた財源でもあります。しかしながら、地域主権を目指す民主党公約のマニフェストの中で、自主財源を大幅に増加する、高速道路は段階的に無料化し、物流コスト、物価を引き下げ地域を活性化する。さらに問題なのは、ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率を廃止し、2兆5,000億円を減税すると、こういううたい文句でありました。さらに、国から地方へのひもつき補助金を廃止し、地方が自由に使えるよう一括交付金化するというものでありました。しかしながら、今までこの思いが実現したのでしょうか。私は決して実現したとは思っておりません。
民主党のマニフェストの見直しが、今国会の震災対策の中で野党との協調体制のキーを握っていると私は思いますけれども、やはりこの無駄な財源を、必要な財源を維持しながら復興財源に対して積極的に財源を求めて対応すべきものであるという認識に立っておるのであります。
また、一昨々日でございますけれども、枝野官房長官が菅内閣の評価の一つとして、ひもつき補助金の一括交付金化などの地域主権は前進しておると表明されておるのですけれども、果たして地方サイドはいかに評価されておるのでしょうか。まず、知事に思いと現在の状況についてお伺いしたいと思います。
現実には、ただただ事業区分を変えたひもつき補助金制度は従前の事業より2,000億円も減額された上に、耳ざわりのよい地域自主交付金も5,120億円が計上されておるわけでございますけれども、この2兆1,000億円の社会資本整備交付金と農山漁村交付金として23年度の国家予算に位置づけられているのも御承知かと思いますけれども、非常に耳ざわりのいい交付金でございます。
知事、民主党のマニフェストのように、23年度の予算においてひもつき補助金は本当に廃止されておるのでしょうか。地方の自主財源化が図られているのでしょうか。まずは知事の認識をお尋ねしてまいりたいと思っております。
知事は、全国知事会を通じて、今般国土交通省、農林水産省に係る国の補助金が交付金化されたのに当たり、地方の自主裁量権の拡大、実質的には地方へ自主財源を移譲することを一生懸命努力されたと思っておるわけでございます。加えて、新しく創設されました一括交付金の総額に対しては、交付金の対象となる現行の補助金と同額を確保すること、これも要求をされておると思います。さらに、配分に当たっては、社会資本整備の進捗率、財政力の強弱などを配慮して、地方のニーズに配慮した交付金であることも求めておられるのであります。その中で知事は、鳥取県としても独自に、鳥取県に対して地域の実情に即した公共事業が重点的に、かつ明らかな透明性を確保しながら対応することも必要だという求めをしておられるのであります。しかしながら、果たして知事の思いがこの交付金の中で、戦略交付金でございますけれども、制度化されたのでしょうか。これについても具体的に話をしていただきたいと思います。
本年度の自主戦略交付金の中で、先ほど申し上げましたように5,120億円が計上されておるわけでございますけれども、この中で国土交通省の一部の事業はやむを得ないといたしましても、農林水産省、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、警察庁の投資的な事業についても配分の対象になっておることでございます。なぜ私がそういう怒りを持っておるかといいますと、この原資は道路特定財源が財源の柱となっているからであります。繰り返して申し上げますならば、財源に、特定な人が負担をする、もともと受益者負担という方法で徴収されております道路特定財源が原資となっているからであります。そこに私は大きな疑問があるのではなかろうかと思っておる次第でございます。
本年度の交付金で鳥取県に配分された額は、極めて厳しいものでありました。県が当初配分を期待している公共事業でありますけれども、特に継続事業についての配分を求めて、完成することによって利便性が向上するという目的で対応されたと思いますけれども、公共事業に対するかなりの交付金を期待されておりましたけれども、その思いが通じず22億円ぐらいも減になっておるわけでございます。その分を単県費で対応しておられると、こういうことなのです。本当にもったいない話なのです。そういうことですから、私どもは不満、大不満でございます。この1次配分に対しても不満でございますけれども、知事も復活要請をされた。これは一括交付金でございますけれども、それもわずか3億9,000万円でございます。配分は全国41位となっておるわけでございます。極めてこれも不満な対応ではなかったかと、私はこう思っておるわけでございます。私はこの一括交付金を交付税化すること、これこそ必要な手法ではなかろうかと、こう思っておるわけでございます。これについて知事の考え方も伺っておきたいと思います。
もともとこの道路特定財源は、例えば揮発油税だと、本則部分と同じ額であります1リットル当たり24円30銭分が暫定税率でございます。いまだに上乗せされまして、目的税であったこの税の総額は3兆1,000億円にも上っておるのであります。しかしながら、国の地方向けの公共事業は、交付金の総額は23年度において、この3兆1,000億円に対してわずか2兆3,000億円にとどまっているのも大きな問題だと私は思っております。地方向けの公共事業助成交付金が道路特定財源を下回ったのは、ことしが初めてではなかろうかと思っております。したがって、私は、負担を負う自動車利用者に還元するためにも、基本的にこの交付金を道路などの整備に充当すべき、投入すべき目的を持った財源であると思っております。知事、いかがでしょうか。
したがって、私どもは公共事業の配分に当たっては従来の手法を十分考慮しながら配分増を求めて要求されたと伺っておりますけれども、どこに問題点があったかもひとつ検証してみる必要があるのではなかろうかと思っております。
しかしながら、現実に本県に配分された額は全国平均を4%も下回っておるということで、また、昨年度の当初配分額を13.8%も下回っている現状であります。これが鳥取県の現状でありまして、先ほど申し上げましたとおり、結果として補正予算に対して、想定した事業を実施するためにも、これはとうとい財源でございます。一般財源を22億円も投入しておるわけでございます。この22億円がございますならば、国の補助事業は一体どのぐらいの確保ができるでしょうか。全く本当にもったいない財源であると私は思っておるところでございまして、こういうことが続きますと今後県財政を圧迫する事態を招くのではなかろうかと、こういう懸念をしておるわけでございます。
そこで、今後、公共事業の確保と財政負担との問題にどう対応されるかも知事にお尋ねしてまいりたいと、こう思っております。依存度の高い、道路整備率の低い地方になぜ重点配分をしなかったかを私は真剣に検討してみる必要があるのではなかろうかと思います。
ここでちょっと比較してみますと、東京23区と鳥取県の場合でございますけれども、1世帯当たりの自動車の保有台数は、東京23区の0.46台に対して鳥取県は3.3倍の1.53台を各家庭が持っておるわけでございます。さらに、1世帯当たりにいたしますと年間走行キロは、東京のわずか2,300キロに対しまして、鳥取県は実に5.2倍の1万2,500キロを走っておることになっておるわけです。それがガソリン、目的税としてその中に入っておるわけでございます。さらに、1世帯当たりの道路特定財源の年間負担額は、東京23区は2万6,588円、これに対しましては鳥取県は何と3.7倍の9万9,675円を納めておるわけであります。したがって、地方は道路依存度が高く、道路整備の配分に期待するのは当然ではないでしょうか。
本来道路特定財源は、目的税ゆえに、より多く負担している地域の道路整備に充当されるべき性格のものであったと私は思っておるところでございます。したがって、道路特定財源が平成21年4月に一般財源化されたとはいえ、負担と受益の関係が失われていたことに大きな問題がありますけれども、その目的を果たすためにも、やはり負担すべきところは負担をする、そういう体制づくりをする必要があるのではなかろうかと思っております。
そこで、いろいろ申し上げましたけれども、道路特定財源の一般財源化への問題点、さらに一般財源から交付金制度への移行の問題点、それから社会資本整備総合交付金、農山漁村地域整備交付金と地域自主戦略交付金の配分についての問題点、さらに交付金の自主財源化の問題について、整理しながら回答を求めたいと思っております。
もうちょっと申し添えますけれども、実はなぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、道路特定財源の歴史と背景をちょっと伝えようと思っておるわけでございますが、昭和45年5月でございますけれども、当時、佐藤内閣におきまして新全国総合開発という計画が浮かびました。これは、日本を新幹線、高速道路網で結び、日本全体を一日交通圏とする構想でございました。
さらに昭和47年でございますけれども、時の通産大臣の田中角栄氏が日本列島改造論を展開したわけでございまして、ますます道路建設に対する要望が強まってまいったわけです。そこでどう対応するかというのが、道路目的税をつくる以外にないではなかろうかと、こういう形で対応されたと私は思っております。もう一般財源ではどうにも対応できなかったと思います。
さらに昭和29年には揮発油税が道路特定財源になったわけでございますけれども、これの発想は石破二朗氏が建設事務次官であったときのようでございます。これは本当に当時からいい税制だと思っておりまして、この税制が果たした役割は非常に大きいと私は思っております。
さらに昭和49年でございますけれども、道路整備五箇年計画が進められた中で、道路に対する需要がどんどんどんどん広がってしまって、この道路財源そのものが持たぬようになってしまったと、こういうことで、実は北条町出身の坂野重信さんです、石破さんは郡家町ですけれども、当時建設事務次官だと思いますけれども、この道路整備の財源を確保するために揮発油税、軽油引取税の税率をアップされたわけです。それが暫定税率となっておるわけです。それをいろいろ内閣がかわって、平成21年4月にはこの特定財源が廃止されて一般財源化したわけでございます。本当にそういう経過を見ますと、やはり私どもは目的税から外されたことに対して大きな憤りも今感じておるわけでございます。
ちなみに、民主党政権の「コンクリートから人へ」という話がありましたけれども、コンクリートの建物、施設がいかに震災に大きな影響を及ぼしたかということも御承知かと思いますが、国の地方向け補助金、交付金、公共事業に関する額でございますけれども、平成10年は6兆円あった。しかしながら、民主党政権になりましてから22年に3兆円に減ってしまったと。ことしになりますとさらに減って2兆3,000億円になってしまったと。したがって、負担を多く負う鳥取県は、この中でまた整備率が非常におくれるのではなかろうかという懸念がございましたので、私はここに立たせていただきまして、このことを皆さんに訴えたいと思って質問をいたしたわけでございます。
道路特定財源については、先ほど申し上げましたように3兆3,000億円が今では2兆1,000億円に減っていると、こういう現実をとらえまして、知事の今後の対応についてお伺いしたいと思います。まず皆さんにこれを知っていただきまして、壇上での私の1回目の質問を終わらせていただきます。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)山口議員の一般質問にお答え申し上げます。
山口議員のほうから道路特定財源の経緯の関係、その一般財源化、さらに一括交付金を初めとした今回の交付金の配分につきまして、るるお尋ねをちょうだいいたしました。道路特定財源の経緯からいえば、暫定税率の問題があるわけでございますが、そうしたことにつきまして、ただいまは道路特定財源の原資となった揮発油税の創設や暫定税率の設定による道路財源の強化について、石破二朗先生や坂野重信先生といった県の先人たちの努力があったという御指摘もございました。こうした中で最近の制度改正が行われてきたわけでありますけれども、その一般財源化が行われたこと、それから今次の交付金の配分について、非常な慨嘆を込めての御質問をいただいたわけであります。
議員のほうからは、まず第1点目として、地方サイドとして、一昨日でしたか、枝野官房長官のひもつき補助金の一括交付金化などの地域主権前進という発言について、実際、地方サイドではどういう評価が分権改革について与えられているかというお尋ねをちょうだいしたわけでございます。
山口議員は、以前、全国議長会の会長もされておられまして、そのときに地方自治の現状に対して非常な憂慮を持たれ、財政窮乏県としての連合体を組もうという運動を始められました。それが契機になりまして、地方交付税の中で、小規模で財政力の乏しいところに対する交付税の配分の強化が行われた次第でございまして、それが今日の地方における税財政制度の一翼をなした成果とつながったわけであります。その活動からも御高承いただけるかと思いますが、結局、地方分権をやるためには、一つは権限の問題があるわけでございます。仕事をどれだけ地方にやらせるかということがあるわけでありますが、それとあわせて、実際に税財政のことを中心として、それだけの能力を地方側にきちんと与えるかどうかということがあるわけであります。この意味で、地方分権ということを地方団体サイドでは求めてきまして、地域主権だとか地方分権といった、そうした改革がここ数年進められようとしてきたわけであります。このたびようやく与野党の合意が成立をしまして、地方分権の骨組みとなる新しい制度ができました。それは国と地方の協議機関の設置でございます。また、義務づけ、枠づけという手法に対する是正措置も今回の成立した法律の中に盛り込まれたところでございまして、国の出先機関の廃止につきましても、この枠組みを前へ進めようという段階に来ているわけでございます。
それで、枝野官房長官の発言もあったわけでございますけれども、地方団体として正直なお話で申し上げれば、これまでの分権でありますけれども、決してそのスピード感としては十分ではない、それから、その内容についても十分ではないという評価だろうと思います。したがいまして、率直な感想からいえば、一括交付金化もできて、その地方分権は前進した、これが菅内閣のこの1年の成果だと胸を張られたわけでありますが、我々地方団体サイドからしますとそれほど評価に値する内容かなと、まだもう少し時間をかけて評価を見定めないといけないのではないかなというのが我々の率直な受けとめだと思います。
と申しますのも、地方と国との協議の場が設置されました。これは大いに評価に値するイシューだと思います。では、現実問題、今社会保障の問題では、社会保障と税のあり方を見直そうということになりました。ただ、その前提として、当然ながら地方の地方消費税を初めとした税源にもかかわりますし、地方の社会保障負担にもかかわるわけでありますが、地方との協議の場が開かれたかというと、一回も開かれていないという現実があります。ですから、正直な話を申し上げれば、法律はできたけれども、そこにあった国と地方との協議機関というのは、まだ絵にかいたもちの枠から出ていないわけでありまして、この辺は地方側としては不満があります。全国知事会長も、その辺の懸念を早速に発言をされてきたところでございます。
また、義務づけ、枠づけというところも不十分でありまして、その数について、これは全体を網羅するものになっていない。これは実は原口大臣のころからみずから認めておられまして、とりあえず一歩前へ進もうということで始められたことであります。それはしようがないのかもしれません。ただ、保育所の問題などをとってもそうでありますけれども、十分な規制緩和が図られる内容になっているかというと、国の基準というものがあって、それに従わなければならないという領域が物すごく広いのです。特に社会福祉系でそれが顕著であります。ですから、これも地方分権が大いに進んだということにはまだ至っていないというのが正直なところではないかと思います。
出先機関の廃止、それから地方への権限移譲についてでございますけれども、これもようやっと話し合いを開こうという段階でございまして、中身が一つもありません。そのことから、関西広域連合や九州のほうで新しい自治制度をつくろう、あるいは広域連合という仕組みを活用しようということで、山口議員もこのたび関西広域連合の議員に御就任をされたわけでございますけれども、そういう話し合いがようやく始まろうとしているところでございまして、地方側から今3つの機関を提示して協議をしようとしていますが、まだ国と協議が開かれた状態ではございません。このようなことでございますので、かけ声は確かにかかっているのでありますけれども、満足の得られる地方分権にはつながっていないということであります。
あと、税財政の観点からしますと、これも分権の一つの大きな領域だろうと思います。交付税について一部復元の動きが出たことは、これは率直に評価できようかと思います。ただ、片方で、交付税を旧に復するところまでまだ全然いっていませんけれども、一部でもそちらに向かって動き出した片方で、きょう山口議員からるる御指摘がございましたように、公共投資への助成を中心として、交付金制度も含めて大幅に地方への補助金が絞られてきているわけであります。一つの断面で申し上げれば、地方向けの補助金は大体9%ほど削られております。トータルで物事は考えなければなりませんので、果たして分権の基盤である十分な財源が地方に与えられたのかどうか、その質はどうだろうかと、この辺はまだまだ議論の余地があるのではないかと考えております。
具体的な中身としてきょうお尋ねをいただいた中心でありますけれども、民主党のマニフェストに書かれていたわけでありますが、平成23年度予算でひもつき補助金は現実に廃止をされたのか、地方の自主財源化が十分に図られたようなそういう一括交付金になったのだろうかというお尋ねでございます。
これにつきましては、平成23年度の予算編成の中身を申し上げれば、ひもつき補助金の廃止には至っていません。これは言葉のトリックがございまして、一括交付金化をされるときそちらに移行しました。ですから、その一括交付金化をしたことで補助金のメニューがまとめられたということがございます。
ひもつき補助金というものはどういうことかといいますと、その使途について国が限定をすることでありますし、その使途どおりに使われたかどうか国のほうで会計監査が入るということでございます。これらの点において、今回一括交付金化されたわけでありますけれども、それは補助金の束でございまして、一括ひもつき補助金という状態に残念ながらまだいるわけでございます。その使途については限定がなされておりまして、その使途どおりに使われたかどうかについて会計検査院の監査が入ってくる。
我々地方側からは、この点は大分反論をしてきたわけでございます。その内容として、補助金適正化法の対象外にすべきだと。つまりこれは一般財源であって、地方が自由に使えるものだからこそひもつき補助金でないということになりますので、そういう仕組みにすべきだと。したがいまして、会計監査が入るような補助金適正化法の対象から外すべきだという議論をさんざんしたのですが、これは結局受け入れられませんでした。また、ひもつき補助金でないように補助要綱で詳細に定められる使途制限、これも外すべきだということを申し上げましたけれども、これも残念ながらそういうことにはなりませんでした。経過的なものなのだというのが総務大臣の説明ではあるわけでありますが、結果としていえば、ひもつき一括交付金というようなものでございまして、そういう意味で、議員の御質問に答えるとすれば、ひもつき補助金が廃止された状態かといえば、まだ廃止された状態ではないというのが現状だということだと思います。
そして、今回のこの一括交付金の配分でありますけれども、私も議会の意を受けていろいろと要請活動をさせていただきましたし、国のほうに対して地方団体としても要請活動をしましたが、一括交付金の配分について、自由度の拡大や透明性の確保、それから社会資本の整備がおくれた地域に対する公共事業の重点確保、こうしたことがなされたのか、そういう思いが通じたのかという御質問がございました。これはもちろん各自治体それぞれに今回の一括交付金の配分がなされましたので、それぞれの自治体で温度差はあろうかと思いますけれども、鳥取県の立場で申し上げれば、今回の一括交付金で思いが通じたというところまでは至っていないと思います。
一番決定的なのは、これは地方団体側は随分反発をしたのですけれども、この一括交付金の配分の基準を決める際に、地方側にオープンに議論をすべきだと、そして地方側と一括交付金の配分の仕方について協議をすべきだということを申し上げました。実際それに基づいて国のほうで、国会で国と地方の協議の場は設定をされましたけれども、この一括交付金について国、地方の協議の場は結局開かれず、最終的な第2次配分に至りました。また、それ以前の事実上の協議も実際には受けてもらっておりません。我々のほうでもプロジェクトチームをつくりましてアピールもさせていただきました。1月には緊急アピールも出しまして、こうした地方側への協議を開くべきだということを申しましたし、予算編成時期にもかかわらず一括交付金の内容が明らかでありませんでしたので、予算編成ができない。これは各都道府県から悲痛な声が上がりました。それを集約いたしまして、情報を開示すべきだと、一括交付金はどういう基準で配分されるのか、予算編成に間に合うように開示をしてくれということがありましたけれども、これは残念ながら頑として受け入れられませんでした。そういうようなことで、経緯からしても残念ながらオープンな形で進められていない。一方的に国のほうで配分基準がセットされて、数字だけがこのたびやってきたというのが今回のところであります。
その中身についてでありますが、社会資本の整備がおくれたところに重点的に配慮すべきだということ、それから財政力の弱いところに配慮すべきだということ、これを申し上げました。その結果として出てきたので、いろんな指標がついてはいますので詳細な分析は必要なのかもしれませんけれども、鳥取県のように社会資本の整備がおくれたところに必ずしも多くの額が行った結果とはなりませんでした。そういう意味で不満が残る配分であったと思いますし、今回はもう終わってしまいましたので、新年度に向けて改善を求めていきたいというふうに思います。
財政力が弱いところに対して配慮すべきだということも、これも強く知事会として主張してまいりました。財政力が弱いところへの配慮すべき指標として、財政力に対する配分がなされたわけでありまして、この制度が入ったこと自体は評価に値するかとは思います。ただ、そのロットとしては、5,100億円の一括交付金の中で50億円財政力に対応する配分ということでございまして、これが十分であるかというと、私どもとしては十分だとは思えないところがございます。
したがいまして、そうした意味で、まだまだ我々としては満足のいく配分基準だとは言えないと思っています。もちろんこれは地方団体によって、それぞれ交付の結果が出ましたので、温度差があろうかと思いますけれども、ただ、筋論として、社会資本の整備がおくれたところに対する配慮だとか、とりわけ財政力が低くて、やりたい事業をやろうと思うと今まで国に随分依存してきた地域に対する配慮というところは、まだまだ十分とは言えない。特に財政力指数の問題は強化すべきだという訴えをしていかなければならないと思います。
それとあわせて、大事なのは総額の問題であります。総額として、従来この交付金の対象となっていた補助金の領域がございます。これからスライドをさせていきますと、結果として6%減っている中でのスタートでありました。そこに加えまして
東日本大震災における留保分があるものですから、その面でも足らざるところが拡大をしたということであります。冒頭申し上げましたように、一つの問題点として言えるのは、確かにこういう制度改革を行ったということはありますけれども、それとあわせて、国の財政の都合で総額をぎゅっとへこませるその道具に使われた面があるわけでございます。ここのところは見落とされがちだったのではないかと思いますが、最終的に配分額が明らかになってきた今となると、その総額が削られてきたことが、極めて鳥取県には重くのしかかった結果になったという面もあろうかと思います。
次に、道路特定財源との対比につきましていろいろとお尋ねをいただきました。この一般財源化のこととの関係でございますけれども、議員のほうから、もともと道路特財であったところが、今回一括交付金化するに当たって農水省、厚労省、文科省、経産省など他省庁のものも入れて投資的事業に配分されるものとなってしまったことは問題ではないか、道路特定財源の経緯との関係で矛盾があるのではないかという御指摘がございました。それとあわせて、本来は極めて不満な配分であったと言わざるを得ないのであり、一括交付金は交付税化するのが本来なのではないか。さらに、この交付金でございますけれども、負担を自動車の利用者がやっている以上、そういうものに配慮した配分増を図るべきではないかというお尋ねがございました。こうしたさまざまな観点から広範囲に道路特財との関係で御指摘をいただいたわけでございます。
一括交付金化の状況などについては、今申し上げた次第でございます。
議員のほうでも御指摘いただきましたように、道路についての負担関係からいえば、鳥取県は東京23区よりも非常に大きな負担を負っているわけでございます。ですから、負担の公平ということからいえば、道路への充当とかをしっかりと図らなければならないわけであります。実はその道路特定財源が一般財源化する平成20年の5月の閣議決定がありました。それに基づいて21年度から一般財源化がなされたわけでありますが、この閣議決定の中できちんと書いてあるわけでございます。それは、これで地方に財政的な負担をもたらすことにはしない、財政的な影響を地方にはもたらさないと一つには書いてあります。もう一つには、必要な道路は財源確保してその実施を行っていくと、必要な道路の建設には十分配慮していくということが書いてございます。これは本来の出発点であったと思うのです。確かに道路特財だけが伸びていって、そして財政全体が窮乏していくということから、そのバランスをとろうと、一般財源化を図ろうという議論には一定の合理性はあったと思います。ただ、それを外すのであれば、当然ながら自動車の利用者に対する配慮、あるいは現実の財政環境を考えれば、地方への影響の排除だとか、道路の利用者に対する配慮という面で、道路の建設、必要なものはやっていきますよという約束が必要だったわけでありまして、これが出発点での閣議決定でありました。
しかし、現実に何が起こったかといいますと、平成20年度から平成23年度のことしにかけて、全国的に公共投資が削られてくるという結果になったわけでございます。それで、鳥取県が特に顕著でございまして、鳥取県に入ってくる国費の公共投資ということからいきますと、実に平成20年度から23年度で29%も減っているのです。最初の出発点として一般財源化されたときの約束はありましたけれども、結果として鳥取県は29%減っていると。国全体でも、鳥取県ほどではないですけれども、やはり減ってきているというわけであります。そういう中で、私たちは重点的に国直轄事業を引っ張ってきたり、いろんなことをやりまして、工夫をしながら、県民生活に支障を与えないようにソフトランディングをしようと奮闘してきているわけでありますが、正直かなり重荷になりつつあるというのが今の現状ではないかというふうに考えております。
そういう意味で、財政力というのを基準にして配る交付税のような制度に近い形で一括交付金という制度を組むというのは一つの理想形としてあるのかなと思います。先ほど申しましたように、財政力をもっと指標として強化をすべきではないだろうか。この辺は一括交付金化の今後の配分について強く訴えかけをしていく必要があると思っております。
そして、これからの公共事業費の確保とその財政負担との関係ということなどを考えていけば、もっと地方のおくれたところの投資財源の確保、これに対して国としても、これは一般財源化ということ云々以前の問題として、必要な事業に対して充当していく姿勢で予算の配分をしてもらうように国の姿勢を求めてまいりたいと思います。今回、新しい交付金ができたこと、さらに社会資本の整備の交付金だとか農村のことだとか含めて考えて、かなりの減額が発生したという事実がございますので、我々としても問題意識を新たにいたしまして、議会ともども国に対して交付金の適正化などを求めてまいりたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)24番山口享議員
◯24番(山口享君)知事、私は知事の考え方はよくわかります。したがって、これは本当に、もうちょっとオープンに皆がわかりやすいような形の、特に地域戦略交付金でございますけれども、これは対応すべきことを知事会を通じてひとつ求めていただきたいと思っております。
私が大きな声で申し上げますのは、実はこの1次、2次も含めて交付金の現状なのですけれども、鳥取県が順番からいきますと37位です。それで、一番配分率が高いのは山形県なのです。総額が2次配分を含めて250億円。鳥取県が180億円。何と島根県が300億円なのです。ですから、この査定されるところが、先ほど知事が申し上げられましたように、本当に予算要求をされた中で、特に道路財源ですけれども、鳥取県には必要な道路と認定されていなかった、こういうことが頭に浮かんだわけでございますけれども、本当に島根県は300億円なのです。それは確かに大きな県でございまして、道路延長が長いと思いますけれども、そういったところを十分考慮しながら次に向かって対応していただきたいと、こう思っておるところでございます。
それともう一つ、軽油引取税なのですけれども、暫定税率、それから本則、これを含めて鳥取県の歳入の中で年間74億円も占めているわけです。一方、先ほど話をされましたけれども、交付金が減ったものが22億円、これが一般財源から持ち出されておるわけでございます。暫定税率がなくなってしまったら、一体どういう形で予算編成ができるか、これが大きな心配なのです。したがって、こういうことが続かないように、22億円もの一般財源を投入してしまいますと、知事が全員協議会の中で、やはり財政規律を維持しながらということなのですけれども、やはり公共事業というのは本当に必要なのです。だから必要性を求めてこれから対応していただかなければならないのではなかろうかと私は思っておるわけでございます。
さらにもう一つ大きな問題でありますけれども、去年、おととし、ことしと、自民党政権下で基金事業が始まったわけでございますけれども、この基金事業があって、知事が雇用問題について1万人と言われますけれども、2,000数百人維持されておるわけでございますけれども、これがもうあと残りが57億円ぐらいなのでしょう、基金を合わせて。58億円でしょうか。一体この基金がなくなった場合はどういう形で来年度の予算編成ができるか、これが一番大きな心配の種だと私は思っておりますので、今からこういう問題を真剣に考えていただかなければ、来年度以降の予算編成は非常に難しくなってくると、こういう思いで私は心配して質問に立ったわけでございます。ひとつそれに対する答弁を求めます。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)山口議員から重ねてのお尋ねをいただきました。
まず第1点目の一括交付金のことでございますが、対前年の交付金の伸び率からしますと、議員がおっしゃったように山形県が非常に高くなっております。こういうような県がある一方で、鳥取県のように全国的に見ても伸び率の悪い県もあるわけでございまして、その辺は要因の分析が必要だと思いますが、先ほど申しましたように財政力に対する配慮だとか、あとそれぞれの指標のとり方、こうしたところを再点検してもらう必要があるのかなと思いますし、社会資本整備の交付金も重要な役割を、ウエートを持っております。この社会資本整備の交付金の司令塔が国土交通省のほうになっておりまして、一括交付金のほうが内閣府のほうになっております。したがいまして、これは今回の反省かなと実務的に思っておりますのは、結局、従来であれば国土交通省が一括して管理をしまして、鳥取県内の社会資本整備を考えればこの程度の総額が必要ですねというようなことはわかり得た状況であったわけでありますが、今回は責任が分散してしまったものですから、そこが多分見えてないような状況がございます。これが鳥取県のほうの社会資本整備交付金の配分に悪い影響を与えているようでございまして、これが交付金全体での足を引っ張っている面があるかなと思います。そういう実務的な問題点もこれから整理をしまして、国に対して新年度以降の対策を求めていきたいと思います。
次に、揮発油税などの暫定税率の廃止が与える影響につきまして重ねてお尋ねをいただきました。
先ほどもお話がございましたように、坂野重信先生の御尽力もありましてこうした仕組みができ上がったわけでございますけれども、これは大変に大きな影響を与えるのは間違いないです。鳥取県の財政には、もし暫定税率が廃止されただけで、ざっと30億円見当の影響があります。さらに道路事業を考えてみますと、鳥取県の道路事業に与える影響が、直接、単純計算をしてみた場合は178億円ほど暫定税率の廃止の影響が出てくるということでございまして、かなりの大きな影響が生じ得るわけであります。私は、政治には現実論が重要だと思いますので、こうした暫定税率、今は暫定税率と呼んでおりませんけれども、こうした税体系のことは、きちんと国全体でも配慮しながら制度設計をしてもらわないと、地方に甚大な影響が与えられるのではないかというふうに考えております。
あともう1点、県の財政運営について御心配をいただきました。自民党政権下で創設されたさまざまな交付金、基金で生き延びている面があるけれども、これが外れてきた場合に、果たして来年度以降はどうだろうかという御指摘をいただきました。
これは実はおっしゃるとおりというのが正直なところでございまして、鉄永議員も代表質問でおっしゃっていましたけれども、ああいう基金などのお金に支えられて、この4年間上手に乗り切れたということでございますが、今後のことは、そこに不安材料は確かにございます。だからこそ3%の職員の総数をカットするなど、我々も身を正していきながら、足腰を筋肉質にしていかなければならないというふうに考えているところでございます。単純計算をしますと職員の退職金の負担も、団塊の世代的なものが本県は他県よりも遅くやってきますので、これからそういう財政負担も予想されるような状況もあり、慎重な財政運営が求められるのではないかというふうに考えております。
今年度も、今回のこの交付金の配分状況を見ますと、これから恐らく少なくとも5億円程度影響がマイナス面で出てくるのではないかというふうに見込まれます。そうしたことも頭に入れながら、県民に財政に対する説明責任を果たせるように、我々としても議会と一緒になりまして細心の注意を払った財政運営を心がけていきたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)24番山口議員
◯24番(山口享君)最後になりますけれども、実は6月1日菅内閣に対する不信任案を自民党、公明党、みんなの党で提出いたしましたが、不発に終わったわけです。私どもは決して総選挙をやろうという気持ちではなかったと思っておりまして、今菅総理の退任時期が問題になっておるわけでございますけれども、その中でやはり2次補正予算を仕上げなければいけないということと、特例公債を立ち上げなければならないと、こういう大きな命題を与野党を問わず押しつけられておるわけでございます。したがって、私は国民に当然復興財源としても負担を求めてまいらなければならないと思いますけれども、加えて社会保障では、鉄永議員の話がございましたけれども、税の一体改革という形で消費税の増税というのが持ち上がっておるわけでございます。非常に複雑化した今の状況ではなかろうかと私は思っております。したがって、この赤字国債の特例公債法案ですけれども、これの前提となるのが、自民党にも責任はございますけれども、3Kと言われるばらまきを含めて、やはり切るものはきちんと切りながら負担するものは負担をすると、こういう対応でやらなければならない時期ではなかろうかと思っておりますけれども、この間新聞を見ますと、菅総理と鳩山さんとの確認事項の中で、民主党は壊さない、自民党政権に逆戻りしない。これは後の問題なのです。それよりも大震災に対する復旧を急いでやらなければならない。これが責任だと。逆になっているのではないでしょうか。これについて答弁をお願いします。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)山口議員から今の政治状況についてお尋ねをいただきました。山口議員の思いは、要は震災において政治空白をつくってはいけない。そのために今の複雑な政治状況を解きほぐしていかなければならないだろうと、こういうお尋ねでございました。
議員がおっしゃるように、震災には待ったなしの対応が求められています。それから赤字特例公債の法案をどうするか、これはひょっとすると、9月とか秋ごろになると国の予算執行ができなくなるかもしれないという深刻な問題であります。消費税のことも含めた社会保障と負担の議論も始まってきました。こうした大変大きな山が一遍に攻めてきた状況でございまして、政治的な力、決定力を必要としているだろうと思います。
特に被災者のことを考えれば、一刻の猶予もないというのが正直なところだろうと思います。その意味で、例えば経団連の米倉会長は、とにかく今のような政治状況はいけないと。この間の不信任案が否決されたときのコメントでございますけれども、できるだけ早い時期に挙国一致の体制をつくるべきだと米倉会長が言っていました。また、日本商工会議所の岡村会頭も同様の趣旨で挙国一致体制をつくるべきだという発言をされ、また、経済同友会の長谷川代表も政治空白をつくってはならないということを言われました。これは別に経済界にとどまりません。各界各層から同様の発言が飛び出しています。ぜひ国政の中枢においてそうした国民の熱い期待、それから目の前に迫った大きな課題に思いをいたし、一致した体制でこの難局を乗り切ってもらいたいと思います。
地方も当然ながらそれに対して応分の役割は果たしていくべきだと考えておりまして、全国知事会でも
東日本大震災の対策本部を設置しました。我々にも我々の責任があり、国には国の責任を果たしてもらいたいと思います。そして、この国の政治があるべき方向へもう一度進み出すことを願う次第であります。
◯議長(
伊藤美都夫君)暫時休憩いたします。
午後の本会議は13時10分より再開いたします。
午後0時03分休憩
────────────────
午後1時15分再開
◯議長(
伊藤美都夫君)再開いたします。
引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
4番長谷川稔議員
◯4番(長谷川稔君)(登壇、拍手)2期目に入った平井知事に一般質問を行います。
私は、今期、4名の同志で会派「かけはし」を結成いたしました。「民主主義の三つの学校」でトクヴィルは、人間の最も本来的な自由は自己の努力と仲間の努力とを結合し共同で行動する自由であると言っています。その中で、一雨千山を潤すの持ち味を発揮していきたいと期しています。
さて、平井知事は1期目の4年間、期待を上回る活動実績が圧倒的な信任を得ました。普通9割をも超える支持となると、この支持を失うまいと慎重居士に陥りがちです。こんなとき、世界人権宣言を起草したエレノア・ルーズベルトの言葉が時代に響きます。心の奥底から正しいと思うことをやりなさい。やってもやらなくても批判されるのですから。自分が正しいと納得していることなら、批判によって心が不安定になることはありません。思ったとおりに実行してもしなくても、批判が出てくることは同じことですからと。これも杞憂に終わりそうです。
過日、代表質問における発言で、県政にもっと県民の声をくみ上げる仕組みがあってもいいのではないか、その一つに住民投票制度を考えてみたいと、これは大変重要な問題提起であったように思います。なぜなら、議会の側にこそもっと住民と結びつく努力を必要としているからです。私自身、小さな規模であったからかもしれませんが、長と議員とでは接触する機会と幅の広さが断然違います。二元代表制といいながら、私は、議会は議事機関であると強く意識しています。今こそ首長、議員の力量が問われ、しっかり調査し、議会で取り上げていく議員力が求められていると考えます。平井知事の頭をよぎっているのは、県政がお任せ民主主義になってはいけないとの思いではないでしょうか。人が持っている前向きなプラスの力で政治は動くことを実感できる機会をふやすことが大切であると私も考えます。団体自治と住民自治が機能しての地方自治の道のりを歩んでいきたいと思っています。
東日本大震災から90日がたちました。あの惨状を前にするとき、東北の復興なくして日本全体が再生したことにはならないと考えます。それには全国から、また一人一人ができる支援と協力を惜しまないことです。
鳥取県においても間断なく職員の派遣を初め被災地からの住宅提供、また生活支援金の創設などの役割を果たし、高く評価されるものです。
そこで、平井知事に求めたい点があります。阪神・淡路大震災の折には、私有財産である住宅再建に公費は投入できないとする国の姿勢を突き崩したのが、平成12年に発生した鳥取県西部地震を機に、当時の片山知事が国に基金制度を提案する一方、県独自の住宅再建支援条例を制定した経緯があります。
国はおくれて平成19年に住宅本体を支援対象としてきましたが、住宅再建のための支援金を都道府県拠出の約540億円と、国も同額を手当てして1,080億円の基金造成にとどまっています。関東を含む広範囲で今回の大規模な震災被害においては、支援金の基礎部分100万円しか支給できず、全壊家屋に対する満額300万円の支給のめどが立っていない状況にあります。加えて液状化被害が発生した自治体から国に緊急要望が行われた結果、5月2日に基準の見直しが行われ、半壊、大規模半壊が認められ、被災者生活再建支援法の適用が拡大されました。支援金は被災程度に応じた基礎支援金と住宅の再建方法に応じた加算支援金を合計して、最高300万円としています。住宅という生活の拠点を失い、中にはローンの返済を抱える被災者にとって、現状では将来が見通せません。菅政権が揺らぎ、国会議員が右往左往する中でありますが、国はその責任を最大限果たすべきです。全国知事会、全国議長会が波状的に要望を行っていますが、内閣で唯一民間出身の片山総務大臣在任中に補正予算が措置されるよう、平井知事に渾身の努力を要請いたします。
国民健康保険制度について質問いたします。
第1に、国民健康保険制度が国民皆保険の最後のとりでと言われながら、一方で構造的体質を抱えています。被保険者と保険者の両面から実態を確認、共有いただきたいと思います。
以前の国保は、自営業者、農業者などが中心でしたが、現在は現役をリタイアした60歳以上の加入者が多くを占め、加えて非正規労働者や職を持てない若者が加入する保険へと変質してきています。押しなべて、所得は低い一方で加齢とともに罹病率は高く、医療費はかさむ一方の状態が続いていると言えます。国保の被保険者の所得に対する保険料の負担割合は年々上昇し、被用者保険である健保組合の5.9%や協会けんぽの8.7%に比べ、10.5%と際立って高いものになっています。それが支払い能力を超え、収納率が90%すれすれのところに追い込まれています。
市税や固定資産税が年4回の納期としているのに対し、国保料、国保税の多くは8回、倉吉市のように収納が可能とされる7月から2月まで9回とし、1期当たりの金額を減らしていることからも、国保料の高さがうかがえます。国保の担当者になって初めて市民生活の厳しさを知ったという市職員の声が耳に残ります。
次に、保険者としての県内市町村の運営状況を見てみますと、単年度実績収支が赤字は14団体と、19団体中大半となっています。一般会計から国保特別会計への繰り出しを行っているのが7市町あります。また、2つの市では運営上の赤字を翌年度の歳入で処理する繰り上げ充用を行うという、正常な状況とは言えなくなっています。全保険者とも、早晩保険料の引き上げなくして決算ができない状況に立たされています。国保会計に安定財源の確保なくして市町村の努力では限界にあるのではないでしょうか。
第2は、国は平成24年度で後期高齢者医療制度を廃止し、平成25年度から被用者と被扶養者を除いた高齢者は国保に加入することとし、国保のうち75歳以上の部分を都道府県単位で財政運営する新たな高齢者医療制度案を検討しています。同時に、平成30年を目途に、全年齢を対象として国保を県単位で進めることとしており、他方、各県に広域化など支援方針の策定を求めていますが、本県における策定状況と取り組み方についてお答えいただきたいと思います。関連して、意欲的に取り組まれている京都府の検討内容にも付言いただくことを望みます。
第3に、この問題の対応については2月以来頓挫しておりましたが、国保問題は6月2日の年金、医療、介護、子育て支援を含め社会保障改革原案として見解が示されております。その中では、次のように言っています。市町村国保の財政運営は都道府県の単位化とあわせ財政基盤を強化、高額療養費の見直しによる負担軽減と、その規模に応じた受診時定額負担などをあわせた検討、総合合算制度・高齢者医療制度の見直し、低所得者対策、逆進性対策の検討、後発医薬品、ジェネリックのさらなる促進、医薬品の患者負担の見直し、国保組合への国庫補助の見直し、高齢者医療費支援金の総報酬制導入、そして70歳から74歳の窓口負担を1割から2割負担に引き上げる等を内容としています。
一方で、少なくとも5%の消費税率引き上げが不可欠とされるとしています。これら年金や医療制度を安定させ財政再建するとする税と社会保障一体改革案についての評価、とりわけ財源を消費税に求めているだけに、地方消費税の原資でもあり、自治体としても地方分の増額を願っているだけに、無関心でいられないところです。平井知事に、増加する社会保障費に対する財源確保について、消費税の位置づけといいましょうか、とらえ方につきましても率直にお聞かせをいただきたいと思います。
子育て支援ととっとりイクメンプロジェクト事業について質問いたします。
少子化の進行は、結婚を取り巻く背景や子育てに関係する環境の整備をあらゆる面から関連づけて進めていく必要は論をまちません。この4月から市町村と協調して全県で医療費助成が中学卒業まで拡充されていることにも県の積極姿勢がうかがえるところです。自治体の政策は現実の生活に生きてこそ存在価値があると言えます。
昨年県外から移り住まれた方より、私の背中を強く押す発言に遭いました。「共働きで働き続ける社会をつくるには」のテーマに、東京よりも行政の影響が大きく感じられる鳥取県でこそ男性を含む育児休業をとれる企業を支援する仕組みをつくってはどうかとの実態からの提案でありました。折しも総人口減少の中で、合計特殊出生率は1.39とやや持ち直しています。鳥取県では、20代から30代までの女性の人口減少を見ますと、昭和55年に8万4,000人であったものが平成12年には6万9,000人に、さらに10年後の22年には7,000人も減少し6万2,000人と顕著となっています。
結婚後も共働きが多いと言われる鳥取県ですが、内実は、出産を機に退職されて改めて就職、しかも非常勤職員やパート勤務などが多いと思われます。全国的にも出産前後に6割の女性が仕事をやめており、これだけ女性の力が活用されていない国は他にはないと言われています。
結婚や出産後にも働く女性がふえ安定した形態で就労できれば、ウーマノミクスと呼ばれる家計はもとより経済の活性化をもたらすことは、北欧やフランス、ドイツなどで実証されています。子育てと仕事の両立環境をつくるための育児休業法が法制化されて20年たち、その後、男女ともに利用しやすいよう拡充されてきましたが、大手企業では制度の導入はほぼ100%でありますが、中小企業の多くはそんな余裕はないとされているのが実情です。
鳥取県のほとんどは100人未満の事業所であり、県内では浸透していないものと思われます。しかし、こうしたプロジェクト推進事業を機に、勤務状況や残業の見直しの契機ともなり、育児の役割をともに担うことで、女性は負担感を安心感に変え、男性には子育ての喜びを体験して知ってもらうなど意識改革を図り、そのことが2人目、3人目が欲しいという気持ちにつながっていくことへの願望がこの事業にはひしひしと伝わってきます。全国でもまれと思われる小さな県だから取り組みやすい、しかも必要とされるとっとりイクメンプロジェクト推進事業の特徴的なポイントを伺っておきたいのであります。
最後に、乳業を中心に畜産問題について質問いたします。
まず、昨年4月の近隣国での口蹄疫の発生を受け家畜伝染病予防法を見直し、農家の役割の明確化を打ち出しています。また、県でもマニュアルを整備し、防疫体制を確立しています。我が県は韓国などとの間に航路や空路があり出入りも多い中、関係機関も含め、これらの対応について取り組み内容を明らかにしていただきたいと思います。
2点目は、酪農業は投資額が大きいため、生産農家の戸数自体は減る中で1戸当たりの飼育頭数はふえている現状にあります。良質な乳質につながる土づくり、草づくりを目標に、コントラクターなどによる荒廃農地の活用、さらに飼料米、飼料稲の増産など、耕畜連携の展開及び自給飼料について県はどのような支援策を行っているかお尋ねをいたします。
3点目は、
牛群検定でトップクラスの品質を生産している本県産の乳製品をいかに消費と販路の拡大に県として協力しているか、また新たに考えていくか、お答えください。
4点目は、TPP問題と、その影響についてであります。環太平洋貿易経済協定の場合、各国の個別の利害で例外を設けることは困難であり、バターなどオーストラリアからの輸入を高い関税で辛うじて食いとめているものが、この解除となりますと、輸入が増加することにより、それに押される形で北海道産品が安価で出回るようになってしまえば、牛乳の県内生産高53億円がそっくり消えてしまうと言われておりますが、このTPPの及ぼす影響について伺っておきたいと思います。
5点目に、畜産振興、なかんずく後継者育成に大きな役割を果たしてきた県内5カ所の県営牧場が平成25年度には民営化の方針が出されています。現在、鳥取県畜産振興協会の理事長に農林水産部長がつき、運営されてきているところです。民営化となればどのような運営形態となるのか、農家の不安を少なくする上からも民営化の内容を明らかにしていただくことを求めまして、私の1回目の質問を終わります。
◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)長谷川議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、議員のほうから今後の県政の進め方、それから「かけはし」の会派運営などにつきましての御認識の表現がございました。議員のほうから御指摘がございましたように、議員の皆さん、そして私もそうでありますが、この議場に集うお互いが切磋琢磨して県政の力を高めていかなければならないと思います。議員のほうから議員力というお言葉が出ましたけれども、議員の皆様、そして私どものほうで政策形成をしていく能力を高めなければならないと思いますし、この議場をそのためのフォーラムとして、自由な広場として、県民に公開した上で県政の方針について論じ合うことが大切だというふうに考えております。そういう意味で、団体自治と住民自治ということの両方を追求していかなければならないとおっしゃいました長谷川議員のお言葉は、そのとおりだというふうに思います。鳥取県の場合は、人口58万人余りの小さな県であります。ほかの県でいったら、これが一つの市であってもおかしくない、そういう人口規模であります。ただ、その範囲は大変に広大でありますし、そういう意味で、この運営の難しさがあるわけでございます。人口が少ないことを逆手にとりまして、住民との距離感というものをきちんととれるようにすることで、もっともっと県政への参画は高まりますし、県民の満足度も高まってくるだろうと思います。二元代表制のこの地方自治体のあり方を基本としながら、それに一定のスパイスを加えていくことで直接民主主義的な手法も一部加えていくことなどを通じまして、私たちは鳥取県らしいデモクラシーをつくれるのではないかと考えております。
2点目として、議員のほうから、西部地震のときの経験を踏まえて
東日本大震災の被災者への被災者生活再建支援金が行き渡るように国が責任を果たすべきであり、補正予算の成立をきちんと働きかけるべきだと、こういう御指摘がございました。全くそのとおりだと思います。長谷川議員もこの議場におられて、私たちのこの世界から住宅再建支援の仕組みが生まれたわけであります。タブーを打ち破ったわけでありますが、いわば蛮勇を振るって前へと進んだわけでございます。それで新しい仕組みができました。その新しい仕組みができるときに、国としてのいろんな議論がありまして、全国知事会とのやりとりもあります。その中で、仮に阪神・淡路大震災のような大きな震災が起こったときには、これは別途協議しなければならない、そういうことを確認した上で国と地方で、国と知事会で半分ずつ出資をした基金をつくるようにしようということになりました。
今、地方側の出資が500億円を上回るところでございまして、このたびの国の1次補正予算の中で500億円強が盛り込まれたところでありますが、正直申し上げまして、全壊家屋が11万戸、そして半壊家屋が7万戸というふうに数えられます今回の大震災の規模からしますと、到底これで足りるものではございません。したがいまして、抜本的にこの水準を改めるようにする必要があるわけでありますが、地方のほうで保険を掛ける意味で積み立てていくのと、それから国が国として全国の災害対策を主管している立場からすれば、当然ながら大きなお財布である国が、もちろん最終的には国民の税金に帰着をするわけではございますけれども、東北地方も含めて全国民からの負担の上に新しい制度を構築する、その意味で、今の1対1の国、地方の負担ということではなくて、今回は特例的な大災害のために措置を講じるのが本来だと思います。これを強く私も主張しておりますし、全国知事会としても、今議長会のお話もございましたが、地方団体として国のほうにしっかりと働きかけをしているところであります。
ただ、残念ながら現在国のほうは冷淡とも言えるような態度でございまして、政府の中枢の方々からもこれを見向きもしないような発言が飛び出すのは大変残念であります。最終的に迷惑をこうむるのは地方団体というよりも被災地の住民の方々でありまして、被災地の住民の方々がもう一度自分の家を建て直して生活を再建しようという気力がそがれることになるのではないかと思います。300万円の資金は家1軒建てるには十分ではありません。ですから、我々も中山間地を離れる人たちが出ないようにということで住宅再建の支援制度をつくりましたけれども、そういうような効果が減殺されるのはまことに残念だと思います。
全国知事会では、今体制を立て直そうとしておりまして、現在財団法人都道府県会館の職員がこの給付事務を行っているのですが、それでは足りないので、各都道府県から人を出してこの滞った事務を前へ進めようとしています。まずは議員のほうからお話がございました第1次給付のところが対象になりますけれども、その後の加算給付だとかを考えますと、とてもではないですが早晩今の基金が枯渇することは火を見るより明らかでございまして、せっかく2次補正の議論を始めようというのですから、国としてしっかりとそれに向き合ってもらうように全国知事会や地方団体と協調してこの問題を取り上げてまいりたいと思います。
次に、社会保障の関係で何点かお尋ねをいただいております。
まず、国民健康保険につきましてお尋ねをいただきました。議員の御経験から、倉吉の国保財政、大変に苦労したと。どこの市町村でもそういうような状況だ、そういう国保の現状をどういうふうに認識をするのだろうかと。それから近年取り組まれ始めました広域化への支援の動きがございまして、これについて県としても役割を果たすべきではないかという御趣旨から、京都の動きも含めまして国保の広域化にどういうふうに取り組んでいるのか、こうした方針について問いただすというお話をいただきました。
国民健康保険につきましては、これは議員も今おっしゃったとおり、市町村がその保険者として主役になっておられます。ただ、この国の医療保険の仕組みがおかしくなっているというのが最大の認識でございまして、片方で健保組合がございまして被用者保険があります。それから旧の政管健保と言われる協会けんぽ、中小企業の健康保険の組合がある。さらに我々公務員の側からいきますと、こちらのほうは共済組合という制度があったりしております。そうしたさまざまな保険者と相並んで国民健康保険というのが設定をされています。結局この国民健康保険に入られるのはどういう方々かというと、自営業者の方であり、それから実際に職がない方々ということになります。したがいまして、2つの問題があるわけでありまして、年齢を経て会社を離れられるような方がこちらのほうに移ってくるわけでありますから、国民健康保険のほうは今どんどん高まってくる高齢者医療の費用負担が特別にのしかかってくるということがまずあります。もう一つとしては、収入が、例えば健保組合のような大企業さんであれば、毎年きちんとしたサラリーがあって、それに基づいて事業者と被用者とが協調して負担をしていくというリジッドな体制があるわけでありますが、国民健康保険につきましては決められた納期に納付をしてもらうと。これを市町村が徴収に回るという仕組みになっておりまして、非常に財政的に脆弱になりかねないということでございます。特に収入のない方々が入ってくるわけでございまして、生活保護の世帯であるとか、そうした方々が出てこられます。勢い低所得者の対策が必要になりまして、基盤安定制度のような制度を組み込んで県も応援をしておりますけれども、国や県や市町村で共同で支えていくという分野すらつくらなければならないわけであります。