• "牛群検定"(1/1)
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  1. 鳥取県議会 2011-06-01
    平成23年6月定例会(第4号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(伊藤美都夫君)ただいまから本日の会議を開きます。  この際、御報告を申し上げます。  本議会に提案されております議案第7号「外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部改正について」に対し、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めておきましたところ、同委員会から、お手元に配付している写しのとおり回答がありました。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは議案第1号「平成23年度鳥取県一般会計補正予算」から第21号「損害賠償に係る和解及び損害賠償の額の決定について」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  5番国岡智志議員 ◯5番(国岡智志君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  6月定例会一般質問トップバッターを務めます新人議員の国岡智志でございます。全力で頑張らせていただきます。  このたびは県議会過去最多の28人が質問に立ちます。鳥取県議会の県政への意気込みが伝わってまいります。よろしくお願いいたします。  3月11日に発生いたしました東日本大震災におきまして、6月5日の時点において、死者1万5,365人、行方不明者8,206人、避難者は9万8,505人となっております。被災されたすべての皆様に、心からお悔やみ申し上げますとともに、一日も早い復興と安心・安全が守られた生活に戻られることを心から願うところです。  私はまず、防災対策について質問いたします。  私は以前、東部広域の消防職員として勤務し、数々の火災現場、救助現場、救急現場、そして阪神・淡路大震災に出動し、最前線で活動してきた経験から、住民の命を守る、これを政治信条としております。先月は、東日本大震災の議員調査団として被災地を視察してまいりました。想像を絶する現状に恐怖さえ覚えました。  阪神・淡路大震災では、家屋やビルの倒壊と火災が大きな被害をもたらしました。震災を契機に、今までの震災計画の見直しが行われ、さらに鳥取県西部地震を経験した鳥取県は、さらなる災害への危機管理能力が高まっております。  そこで、今回の東日本大震災を踏まえて、新たな防災対策、危機管理能力が求められることから、平井知事に伺います。  東日本大震災を経験し、新たな地域防災計画の見直しが必要となりました。津波対策の見直しはもちろん、島根原発への対策は当然でありますし、何よりも想定外の災害に対して、どのようにして県民の命を守るのか。県民の生命及び財産を守るという崇高な使命を行政は最優先課題として取り組まなければなりません。防災計画の基本は、過去のあらゆるデータと地域の現状を熟慮し、最悪の事態を想定して作成しなければなりません。  このたびの東日本大震災においてよく耳にする言葉に、想定外があります。被災者の方々は、この想定外という言葉に対していら立ちを募らせておられます。なぜなら、想定外という言葉を言いわけや弁解として使っているようにしか感じないからです。過去の経験を踏まえて、自然の驚異に恐れの念を持ち、防災施設等のハードのみならず、防災計画や日々の危機管理等のソフトも組み合わせた対応と視点の重要性を改めて確認する必要があります。  鳥取県民の安心・安全を守るために、鳥取県は、想定外を想定内におさめる対策を講じなければなりません。鳥取県では、当初予算に、鳥取方式の地域消防体制検討事業が盛り込まれております。東日本大震災前にこの事業を計画されたことは、鳥取県西部地震を経験した、さすが鳥取県、平井知事だと思います。  私は、防災力日本一、日本で一番安心・安全な県を目指していただきたいと思います。人口が一番少ない鳥取県であっても、やはり安心して住める地域がこれから見直されてくると思います。生活者や企業にしましても、一番の魅力ではないでしょうか。鳥取県を日本一の安全・安心な防災県として全国に宣言できるように、目標を持って邁進していただきたいと思います。東日本大震災を契機に、平井知事の防災に対する思いと、鳥取方式の地域消防防災体制検討事業の見直しとタイムスケジュールの変更はあるのか、伺います。
     次に、各市町村と共同での地域防災計画の策定についてであります。  鳥取県と各市町村の連携について伺いますが、鳥取県は、鳥取県地域防災計画を作成し、各市町村についてもそれに準じて地域防災計画を策定しております。しかし、現実には各市町村において温度差があることは事実であります。鳥取県は毎年度修正をしておりますが、各市町村の状況はいかがでしょうか。  実際に災害が発生した場合には、被災地の市町村が最前線となります。津波・震災・土砂災害・水害・火災、またあらゆる災害が複合的に発生する可能性もあります。各自治体がそれぞれの防災計画にのっとって行動したとしても、鳥取県はお任せ状態では困ります。逆に、自治体の命令系統が麻痺、もしくは失われる可能性も考えなければなりません。そうしたとき、鳥取県がしっかりとバックアップしなければなりません。鳥取県が最前線の地域防災計画の把握と、さらには地域の地理的把握と、そこに住む方々の状況を把握しておく必要があると思います。私は、年次的に鳥取県地域防災計画の修正を行う際に、各市町村と共同で計画の策定を行ってはどうかと考えます。そうすることによって、鳥取県と各市町村のしっかりした連携が図られ、さらには市町村の危機管理のモチベーションが高まると思います。  災害は、発生したときから闘いが始まります。常備消防や警察機関は命をかけて救急救助の任務に当たりますが、大災害の場合には、被災された地域住民自身が危険を顧みずに救助活動に当たられます。限られた広域消防や警察機関だけでは対応し切れないからです。地元の消防団や自主防災組織が総動員しての災害対応となります。そういった状況をしっかりとバックアップしなければなりませんし、知事みずからが最前線の陣頭指揮をとらなければならない可能性だってあります。日ごろからのしっかりした訓練と計画がなければ、初動で出おくれてしまいます。現場では1分1秒を争う闘いです。最前線で懸命に闘う方々の混乱を招かずに、最優先に安全を確保し、迅速な活動が行える環境を即座に整えることが行政の責務だと思います。各市町村と連携を深めて、災害が発生したときに、最前線で闘う地域住民の安全を守るためにも、各市町村と共同で、今後新たな地域防災計画の策定をされてはと考えますが、知事の御所見を伺います。  次に、避難指定場所の再点検についてであります。  災害時の避難指定場所は、各市町村の判断で選定されております。基本的には鳥取県地域防災計画の第2章に、避難所運営体制の整備がうたわれていますが、実際に各市町村で計画どおりに行われているのでしょうか。防災計画には、避難所の指定から設備及び物資の配備または準備、避難路の確保・指定、施設管理者との事前協議、避難所運営体制の整備など、きめ細かく記されております。  鳥取県はホームページに、各市町村から出された計画をもとに避難所のマップを公開しておりますが、現実に調査確認はされておられるのでしょうか。地域によっては避難所が近隣にないという現実があります。昔は避難所の指定だったが、今ではその指定から排除されている場合もあります。耐震の問題など、さまざまな理由からの決定でしょうが、地域住民はその現実を知らされていない場合が多々あります。各市町村のやり方、決定に対して、鳥取県として口を出せないのかもしれませんが、私は鳥取県民の命を守るという非常に大切な責務を考えれば、先ほど言わせてもらいました防災計画を各市町村と連携して作成するのと同じように、県と市町村がしっかりと避難指定場所の確保と運営のあり方を共通認識のもとで計画されたほうがいいのではないかと思います。東日本大震災を見ましても、避難所そのものが被災し、運営に困難があったこと、その事実を踏まえて避難所の再点検を実施する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。  次に、被災孤立地域の対策についてであります。  鳥取県は中山間地を多く抱え、災害によって孤立する可能性がある地域が多く存在していると思われます。防災計画の災害予防編の災害避難計画の第3章に、孤立予想集落対策の強化、さらに災害応急対策編避難対策計画の第3章に、孤立発生時の応急対策が示されています。計画ではしっかりと記されておりますが、やはりこれも地域住民への周知徹底と、鳥取県と市町村の連携が必要不可欠です。ライフラインの確保はもとより、予防の観点から、県道の拡幅や河川改修、急傾斜地区対策の早期整備など、災害予防に必要な箇所はまだまだ残されております。また、孤立地域にはヘリの活用が一番有効ではありますが、離着陸場の確保が問題となります。また、通信手段の確保も問題です。衛星携帯電話の活用を考えておられるようですが、孤立予想地域への通信手段の整備が急務であると考えます。被災孤立地域への対策について、知事の御所見を伺います。  次に、広域消防と消防団・自主防災組織の強化であります。  あらゆる災害に対して、消防力の強化は必要不可欠です。鳥取方式の地域消防防災体制検討事業の予算説明資料に、これまでの取り組み状況と改善点が記されております。内容には触れませんが、地域の実情によって望む消防力の考え方に違いがあるということでした。これからの事業ですので、どのような体制整備の方向性が検討され、示されるのかはわかりませんが、災害時にはあらゆる組織が総動員されるということに変わりはありません。  鳥取県の常備消防の能力は全国でも優秀だと思っております。阪神・淡路大震災のときには、火災消失等で最も被害の多かった長田区や兵庫区に鳥取県は投入されました。東京消防庁のような恵まれた車両、資機材、装備は持ち合わせておりませんでしたが、懸命の救出活動を行いました。臨機応変の対応能力は東京消防庁を上回るかもしれません。また、火災戦闘におきましても、大都市圏の消防は絶対的な数の力で包囲し、火勢をたたく戦術でありますが、鳥取は最低限の車両、そして隊員の装備で、的確な臨機応変な戦術を行います。このように優秀な常備消防を抱える鳥取県ではありますが、災害、特に同時多発的に発生するような場面では、余りにも絶対数が足りません。例えば、鳥取市の消防本部には、はしご車や高規格の救助工作車が配備されております。しかし、中山間地の出張所には、最低限の装備と人員しか配備されておりません。平常時の出動件数を考えれば仕方のないことかもしれません。常備消防は市町村の管轄によりますので、鳥取県としてできることは限られるかもしれませんが、私は、常備消防の絶対数を補完する消防団や自主防災組織の消防力を強化することで、災害時の対応強化、住民の安心・安全をより一層守ることができると確信いたしております。人材の確保や組織化など、問題と課題はあると思いますが、装備の充実を図ることは可能だと考えます。今よりもさらに災害に対応できる装備の拡充と、それに合わせた教育訓練を行う必要があると考えますが、知事の御所見を伺います。  次に、がらっと変わった質問になりますが、有害鳥獣対策についてであります。有害鳥獣対策の問題は、これまで先輩議員から随時質問や対応の議論がなされてきていることは承知いたしております。しかし、余りにも被害が拡大している現状を踏まえて伺います。  私がこの冬に、さまざまな地域を歩いて山間部の皆様の声を聞かせていただいている中で、どこに行ってもだれと会っても、シカやイノシシ、クマの話が一番に出てきました。知事は実際に現場をごらんになられましたでしょうか。田畑の周りにシカやイノシシの侵入防止さくを張りめぐらせている光景は、農業被害に対しての対応だということはだれでもわかります。しかし、民家の周りにネットを張りめぐらせている状況は異常に感じました。庭の木々の葉っぱはシカに食べられ、庭木の足元はイノシシに掘り起こされている。民家のすぐ近くの畑の野菜は、雪解けを待って根こそぎ食べられております。軒先にぶら下げていたタマネギはシカに食べられ、家の周りは鹿のふんで足の踏み場もない。実際に、民家の玄関先でシカと遭遇したことは一度や二度ではありません。シカが畑や神社を悠々と歩いている姿は、どこかの公園を見るようでした。知事、異常な状況ではありませんか。犬を見かけるよりシカを見かけるほうが多い状況は異常です。あるおばあさんが言われました。せっかく田舎で野菜を育てて、子供や孫が帰ってきたときに食べさせて喜ぶ顔が見たかったのに、シカやイノシシのえさをつくってきたわけではない。静かに自給自足の生活を楽しんでいたのに、生活もできぬようになる。涙を流しながら訴えておられました。  このままの状況が長く続けば、耕作を続ける意欲が減退して耕作放棄地の拡大を招き、中山間地域での定住意欲を減退させる要因になってしまいます。既に放棄している方々もたくさんおられます。鳥獣被害総合対策事業は継続していただいておりますが、抜本的な対策が必要です。里山の放置や耕作放棄地の拡大により、緩衝帯がなくなったことも原因の一つでしょう。有害鳥獣の個体数を減らさなければ何の解決にもならず、延々と防止さくの補助を出し続けなければなりません。狩猟者の減少と高齢化の現実もありますし、捕獲個体の処分の問題もあります。シカやイノシシの肉は天然の環境で育ったものですので、なかなか流通の確保は難しいかもしれません。  問題山積みでありますが、隣接県との連携、そして今ある鳥獣被害対策連絡会議の強化と連携を推進し、抜本的な対策をしていただきたいと思います。根本は耕作放棄地の拡大と中山間地の人口減少も要因の一つと考えられるなら、再び活気あふれる中山間地とし、耕作放棄地を減らすことが抜本的な対策となるかもしれません。また冬がやってきます。動物は移動するものですから、昨年度と同じ状況になるかどうかは未知数ですが、さらに被害が拡大すれば、中山間地が天然の動物園となってしまいます。鳥取県の大切な中山間地を守るために、早急な対策を知事にお願いいたします。  知事のお考えをお伺いいたしまして、長い1回目の質問となりましたが、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)国岡議員の一般質問にお答えを申し上げます。  このたび、国岡議員には議席を得られ、そして住民の命を守るということを目標にしてこれからの議員生活に向かっていくというお話がございました。ぜひ私も一緒になって、国岡議員とともに防災のまちづくり、安全・安心の村づくりに努めてまいりたいと考えております。  議員のほうからお話がございまして、特に防災関係で何点か重点的な御質問をいただきました。議員のほうから、これまでの経験を生かしながら、地域の防災計画の大切さについてのお話があったり、そして想定外ということが今回の東日本大震災でも用いられているけれども、これは弁解になってしまうと。やはり防災に対する思いをしっかりと持ち、鳥取方式の地域消防防災体制検討事業、こうしたものをどうやってこれから進めていくのかというお話をまず第1点目にいただきました。  議員のほうでは、東部広域の職員をされて、実際に現場のほうに出られたわけでございまして、阪神・淡路大震災の救援活動、消火活動にも当たったというお話の披瀝がございました。こういう現場感覚が県政の中に注入されてくることは大変に心強いことだと思いますし、県と市町村とそれぞれの立場でやっておりまして、市町村のほうの防災の仕事と我々のほうの危機管理、防災とがうまくリンクをしていかなければなりません。その意味で、複眼的になると思いますが、市町村と県とが協調しながら、そしてある程度県のほうでもリーダーシップをとりながら、市町村が現場の住民と一緒になってこれからの鳥取県の防災をつくり上げていかなければならないわけでございます。  防災対策にはポイントがあるというふうに言われるわけでありますが、やはり住民の生命、身体、財産を守るという、この基本が一番重要でございます。そのために手段として自助、共助、公助というわけでございますけれども、こうした手法、手段を上手に組み合わせて一つのポートフォリオとして防災の仕組みをつくっていかなければならないわけであります。  議員は、広域消防のほうの経験があるわけでございまして、その公助のほうの何たるかということはよく御案内であろうかと思います。公助において全国的に消防力の基準というものが設定をされておりまして、人口の規模だとか、まちの規模などが一つの指標になりますけれども、こういうポンプ車はどの程度備えていかなければならないとか、また人員体制の人数の基準のことですとか、さまざまなことが全国的な取り決めがございます。  勢い、鳥取県は全国でも一番小さな県でございますので、公助の面では失われがちになるかもしれません。ただ、議員も御指摘ございましたように、鳥取県はその中でも気概を持って消防力を強化をしようと、現場の工夫を積み重ねてこられました。この東部地域でも鳥取の大火でありますとか、そうしたさまざまな災難をくぐり抜けてやってきているわけであります。西部のほうでも朝日座の火災だとか大きな火災がございましたし、西部の大震災ということも経験をしてきました。それを見事に鳥取県は住民と協調しながら乗り切ってきたという、そういう実績があるわけであります。そういうことから、公助には確かに一定の限界があるわけでございまして、基本となるのは自助や共助の世界であろうかと思います。  特に今回の東日本の大震災で明らかになりましたことは、津波のような大きな災害があったときに、現場で防潮堤、その津波を防止するための堤防を万里の長城よろしくつくっているわけでございますが、人知を超えるものが押し寄せた場合には、それが乗り越えられてしまう、大変な災禍が発生するわけでございますが、そのときにはとにかく山へ向かって逃げるという、これが一番の災害対策であるということであります。これは本人が逃げなければどうしようもございませんので、自助の最たるものだと思います。さらに、要援護者の方々がいらっしゃったり、あるいは町内会がみんなでその地域の財産を守ろうといって立ち上がるような運動、そういう自助や共助が重要でございまして、日本の場合は消防団組織がその共助の一翼を大きく担ってきたわけであります。  もとはといえば、江戸時代にまち火消しの伝統がございましたけれども、その伝統が明治以降も引き継がれていくわけであります。いい意味で警察と消防とが一定の緊張と競争関係を持ちながら、鳥取県でもそうでございましたけれども、地域における消防団が組織化され、強化をされてきました。鳥取県内でも5,100名を超える消防団員がいるわけでございますが、まだ目標の5,400名には届かない状態でございます。60万人の県民の中でそれだけの中核部隊がいることの意義というのは、非常に大きいものだと思います。  ただ、この消防団の活動にはいろんな限界もありまして、それを補う意味で、消防団活動とはまた別に、地域の自主防災組織を組織してきたわけでございます。こうした自主防災組織は、消防団のように日ごろの訓練、研さんを積んでいるわけではございませんけれども、バケツリレーのようなことだとか、あるいは消火栓を使ってそれにホースをつないで消火をする、そうした基礎的なことは日ごろ訓練をされておられるわけであります。また、いざというとき助け出そうということで、それぞれの地域で工夫をされながら、そうした地域の自主防災組織をはぐくみつつあります。これはまだ歴史が浅く、十分でないところがあろうかと思います。  私ども鳥取県では、最近になりまして、やはり現実に即した全体としての防災力強化を図るべきであろうという思いに至りました。消防団、それから地域の自主防災組織、こうした組織がこれから10年、20年かけてどういうようになっていくだろうか。例えば、中山間地でいいますと、消防団の中核を担うべき若い層の方々、そして消防団活動に協力してくれるというボランティアの心を持った方々がどれほど確保できるか、だんだんと難しくなるかもしれない。特に、都市部ではそうでございますが、境港とか、消防団の組織の状況などなかなか難しさの残るところもございます。そういう町中に行けば行くほど、地域の自主防災組織のように町内会活動の延長としてやる、そういう消防団に準じるような組織が重要になってくるのではないかと思います。  そして、これからは村ごとに考えますと、村の中には衰退してしまいまして、いざというときに力を発揮でない可能性が見えてきております。そうしますと、従来の一つの村単位に組織されているような消防団だとか自主防災組織の枠を超えて、もう少し中域といいますか、広域といいますか、そうしたところで支え合ったり、常備消防とうまく連動させながらそういうところを補っていく、こういう一つのトータルの考え方をする必要があるのではないかというふうに思っております。  その意味で、まだモデル的なところでございますが、地域消防防災体制検討事業というものを始めようとしておりまして、手始めに米子や境港、さらに日野郡のほうでそうしたシステムを考えてみようということを、シミュレーションも含めまして始めようとしております。23年度にそうしたモデル的な検討をして、市町村とよくよく協議をしながら、地域の方々にも御協力いただきながら、こうした鳥取型の防災力というものを培ってまいりたいと考えております。  次に、県が防災計画をつくっておりますけれども、地域の把握が必要であるわけでありまして、市町村と共同で新たな地域防災計画を策定する必要があるのではないかという御指摘をいただきました。これは、今の防災計画でございますが、鳥取県のほうで県の地域防災計画をつくっております。そしてさらに法律に基づきまして市町村も地域防災計画をつくっております。実は、この鳥取県の上位計画として、国のほうの防災計画があるわけでございますけれども、こうした一つの階層型になりまして、最終的には市町村の地域防災計画で、避難所のことでありますとか、最終的な防災体制のことにつきまして、きちんとした手当てをしていくというシステムになっているわけでございます。  今回東日本大震災を経験しまして、県のほうで大きく2つのポイントについて地域防災計画を見直さなければならないと思います。1つは、津波対策でございます。もう一つは原子力安全の対策でございます。そのほかにも今回の大災害で明らかになりました避難所の設営の問題だとか、あるいは市町村と県との連携のことだとか、そうしたことに踏み込んでいかなければならないだろうと考えております。県としても、これから新しい東日本大震災後の防災体制を考えていく中で、市町村ともよく協議をさせていただきまして、市町村の地域防災計画にも反映をしてもらえるような改定作業を急いでまいりたいと思います。  そのために、6月定例会でも提案をさせていただいておりますが、津波対策あるいは原子力安全の関係におきまして、これから津波のシミュレーションやさまざまな手がかりの検討を始めさせていただきたいと思いますし、そういうさまざまな協議を市町村ともやっていこうと思っております。今年度いっぱいは、まず基礎データの収集だとか調整が主だと思います。また、原子力安全につきましては、島根県と協調して一つの体系をつくりたいと思っております。その後、県内の市町村に響いてくるような計画づくりに入ってこようかと思いますので、今年度から来年度にかけまして、そういう協議をしっかりとやっていきたいというふうに考えております。  また、市町村との協調体制でございますが、最近、防災フェスタというのを東・中・西で始めております。こういうような場で住民も巻き込んだ大々的な避難訓練をやっていく。あるいは緊急時に災害支援チームを県から派遣をするというのを我々の県庁の中にビルトインしておりますけれども、こうしたものの活用も市町村とよくすり合わせをしていきたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、県だけで県全体の県民の安心・安全は図れません。市町村がどうしてもかなめになる分野が多いわけでございますので、市町村とよく協調してまいりたいと思います。  次に、避難所についてでございます。避難所の運営の困難が東日本大震災であったわけでございますが、それを踏まえて避難所の再点検をやる必要があるのではないかということでございます。市町村の地域防災計画の中で避難所の設営の詳細は記述することになっておりますが、県の地域防災計画の中でもその基本を書かさせていただいております。例えば、土砂災害などに対しまして、安全な場所に設けなければいけないとか、それから基礎的な生活必需品などの供給の可能性を担保するようにするとか、そうしたいろんなことがございます。  今回、東日本大震災がございまして、先般、鉄永議員の代表質問でもありましたけれども、避難所における自治的な組織の重要性が改めてクローズアップをされているところでございます。あるいは避難所の設営ということについて、それを設営するために困難が生じる場合、今回のような壊滅的な被害を受けた場合、どういうように初動から動いていけるような体制をつくっていくのか、この辺も課題なのだろうと思います。こういう新しい課題が東日本大震災で見えてきたと思います。したがいまして、そうしたことを踏まえた避難所のあり方の再点検を、先ほど申しましたように今年度から来年度にかけて地域防災計画を県と市町村で見直していかなければいけないと思いますが、その際に、よく点検をしてもらって、改めるべきところはきちんとした装備をつくっていく必要があるだろうと思います。例えば、衛星携帯電話のような装備が必要ではないかと、これも鉄永議員の代表質問の中でございましたけれども、その辺も改めて市町村に注意喚起をしてまいりたいと思いますし、しっかりとした避難所が組めるように協調体制を組んでいきたいと思います。  次に、災害時の孤立集落についてお話がございました。ヘリコプターが孤立地域に対して有効に機能するわけでありますけれども、離着陸場の確保が重要であるし、通信手段の確保も問題となる。そうした孤立地域対策につきまして、どういうふうに考えるのかということでございます。  実は、県としても孤立の可能性のある集落の把握を今までも進めてきておりまして、ざっとした話で申しますと117孤立の可能性のある集落があります。大きな災害があるとき、例えばこのたびの豪雨災害とか、そういうときに私ども非常にちゅうちょしますのは、この孤立集落の発生の有無であります。時折やはりどうしても孤立が発生することがございます。そうすると、それに対する対策を早急に組まなければなりません。私どものほうでポイントというふうに考えておりますのは、ふだんからそうした孤立集落となる可能性のあるところを把握しておくこと、それから衛星携帯電話のような、そういう通信手段の確保を図ること。私どもの県庁の中には道路復旧の部局もございまして、そういう交通手段の回復を一刻も早く行うように体制を投入すること、こうしたことが基本になりまして孤立対策を進めることにいたしております。これは従来の地域防災計画に基づく対策としてもとっているところであります。  今、県内の孤立集落の状況からいえば、議員がおっしゃったように、常備消防にもいつも協力していただいてヘリコプターの離着陸場の確保をするわけでございますけれども、離着陸場が直接ある集落ももちろんございます。例えば三朝町などでは、孤立の可能性のあるところに順次今ヘリポートという非常に精度の高いものをこしらえてきている町もございます。そうでなくとも、ここは離着陸に使えますねというような箇所をあらかじめ特定をしておいて、いざというときここを使いますと、消防のほうでも把握されていると思いますけれども、ここにヘリコプターの着陸可能性がありますよということでリストアップをしているところももちろんございます。こうした離着陸場を確保しているところとあわせまして、日ごろから現場の踏査をいたして、ホイストですね、ヘリコプターからロープでおりてきまして、そして救助を行う、そういう最低限の孤立を防ぐ手だてを研究をさせていただいております。そのホイストが可能な地点も含めて、今までの調査の結果からいけば、117の集落すべてが何らかの形でヘリコプターのアクセスが可能な状態になってございます。そういう意味で、ヘリコプターを今後も使っていくことが、対応していくことが一つの基本になろうかと思います。  あと、今有線での通信手段はどの集落ももちろん確保されていますけれども、衛星携帯電話を本来は備えていただきたいと市町村のほうにお願いもしてきてございます。それで、県としても防災危機管理の交付金を設けまして、この交付金によって2分の1の助成をさせていただこうということにいたしました。しかし、残念ながら今日までこれに取り組んでおられるところは県内に2つの市町村のみでございまして、それ以外のところではまだこうした衛星携帯電話の常備が進んでおりません。したがいまして、これも代表質問でも御議論申し上げましたけれども、東日本大震災のような大きな事象が起こったような場合、そうした通信手段を確保するために、中国通信局などの応援を得たり電話会社の応援も得ながら、衛星携帯電話を確保して、もちろん県としても常備のものがございますので、そういうものを職員ごと張りつけるようにして、その孤立集落との通信を確保するとか、そうした対策をとっていく必要があると考えております。今回、東日本大震災もございましたので、改めてそうしたマニュアル等の点検もしていきたいと思います。  次に、常備消防を補完するような消防団や自主防災組織を強化することが必要である。そのために装備の拡充や教育訓練が重要ではないだろうかと、こういう御指摘をいただきました。このことは、先ほども冒頭で若干申し上げましたけれども、地域として自助、共助、公助という防災の体系をつくっていかなければいけませんので、その共助の基本でございます消防団とか自主防災組織、これの能力を高めていくことは不断の努力が必要だと思います。  議員のほうから御指摘がございましたように、阪神・淡路大震災のときも鳥取県の常備消防も活躍をしたわけでございまして、今長田区とか兵庫区だとか、当時のお話をお聞きいたしました。長田区のほうは、大変な焦土と化してしまった新長田駅のあたりとか、そうしたところがございましたけれども、阪神・淡路の大震災は、今回の東日本大震災とは違いますのは、火災での被害が非常に多かったことであります。それは幾つかの原因があるわけでございまして、事後的に分析をされましたけれども、あの神戸市ですらやはり常備消防の手が回らなかった、それで鳥取県のように少数精鋭で頑張っている各地の部隊が集結をして消火活動の手伝いをした。消火栓の場所がうまく使えなかったとか、足らなかったとか、いざというとき使えなかったとか、そうしたことも明らかになりました。  さらに言えば、がれきの下に埋まってしまった人たちは、鳥取県では考えられないことでありますが、そこにだれがいるかすらわからなくて、そうした救助におくれが出たのではないか、そういう指摘もございました。初動での動きの遅さということも問題になったわけであります。  鳥取県でも、そうしたことを常備消防が経験して帰ってこられたわけでございますが、地域の中でもそうした阪神・淡路大震災の教訓を生かしていかなければならないわけであります。いざというとき、この村までどれほど常備消防が来てくれるかということを考えたら、自分らでやらなければいけないというふうに実は県内のどこの地域も思っておられます。これが鳥取県のいいところだと思うのです。そうした消防団だとか自主防災のやり方を強化していくことで、常備消防だけでない消防力をつくっていくわけでございます。  その意味で、議員のほうから御指摘がございました、1つは資機材のことがあると思いますし、もう一つは教育訓練のような能力アップのことがございます。資機材については、消防団のほうは、これは市町村の応援もかなりございまして交付税だとかあるいは県の交付金なども活用されて整備は進みつつあると思います。  それからあと、新しく組織され始めた自主防災組織のほうでございますが、こちらのほうはまだ十分とは言えない状況だと思います。現状を申し上げれば、こうした地域の自主防災組織の場合、消火器のような小型の初期の消火用の道具であるとか、あるいはホースだとか、ある程度の基礎的な消火に伴うものは、3分の1とか、そうした団体で整備は進みつつあるかと思います。ただ、人を助け出すために必要なバールとかそういう機材、担架だとかいろんなものがまだまだ不足しているような状況がございます。この辺は、地域の工夫で乗り切ろうとしているところもございまして、例えば倉吉市などがそうだと思いますが、その地域の中で、それぞれ家がございますから、家の中にいろんな大工道具だとか結構使えそうな重機のようなものもあるわけでございまして、そういう機材を公民館単位で登録をして、それをいざというときには使いましょうというようなことで、地域の中でそういう自主防災の装備を形づくっていくところもございます。  あるいは、西部の大震災を経験した黒坂の集落におきましては、自主防災組織で、竹ざおと毛布から担架をいざというときにはつくる、そういう訓練をやっていたりしておりまして、こういう地域の、とにかく背に腹はかえられない状況でやっていくような装備でございますので、そういう工夫をヒント集として集めまして共有してもらうようにいたしてきました。防災危機管理の交付金がございまして、これで自主防災組織の装備も可能でございますので、県としても応援をしながら、こうした装備の工夫、資機材の整備について今後も支援をしてまいりたいと思います。  あわせて、能力アップについてでございますが、消防団のほうは日ごろから訓練をされておられます。最近の快挙としては、昨年の11月に全国の消防の大会の中で、鳥取県の江府町消防団の第1分団が操法の大会で見事にポンプ車で優勝を果たすという快挙がございました。久方ぶりに鳥取県に優勝旗が返ってきたわけでございまして皆が喜んだところでございますが、こういう日ごろからの訓練、操法大会なども通じまして、しっかりとやっていくことが大切だと思います。  あわせて、自主防災組織のほうは、今までそうした訓練や研さんの場が十分できていなかったところもございまして、今年度から新たに研究発表大会をやろうということにいたしました。自主防災組織の訓練の発表大会を計画しておりまして、こうしたことなどを通じて、先ほどのヒント集もございますけれども、市町村と一体となって自主防災組織の強化に向かってまいりたいと思います。  最後に、有害鳥獣対策についてお尋ねをいただきました。イノシシ、シカ、クマの被害が増加をしているということでございまして、大変な状況にあると実情を披瀝されました。これに対する抜本的な対策はないのかということでございます。詳細は農林水産部長から申し上げたいと思いますが、私も八頭郡のほうに参りますと、八頭郡は特にそうなのだと思いますが、シカの話だとかクマの話だとか、切実な問題として訴えられます。特にこのたびの冬は雪が深かったこともあるのでありましょう、シカが雪がある分だけ背伸びできるようなことになりまして、人家の庭先のほうまで入ってくるということで、食害が進みました。  智頭町でもそうしたシカの食害が顕著なところであるなと思いましたのは、山陰合同銀行がやっている共生の森がございますが、鳥取市の連合婦人会などが中心となった女性の森というグループがございますが、こちらが植林をするわけであります。ただ、植えたそばからシカがおいしく食べてしまうということでございまして、一向に森になっていかないという悩みをおっしゃっていました。  こういうようなことが非常に多発してきておりまして、人間と動物との共生ということを模索していかなければいけないのだと思うのです。かつては里山がありまして、里山は人々にとって入会の山であったわけでありますけれども、入会の果実をその地域の住民がみんなで共有していたわけであります。しかし、その里山は、人間だけの入会ではなくて、人間と動物たちとの入会でもございました。そういうような意味で、動物たちが里山をよりどころにしていたところが、里山が荒廃をしてくるということもあって、人間と動物との緩衝地帯が失われつつあるのかもしれません。ですから、県としてもそうした里山の復活をモデル的にもやってみようというように考えておりまして、このたびの予算などでも組まさせていただいております。  当然ながらイノシッシ団のようなイノシシ退治の方策であるとか、シカについて言えば、例えば八頭郡3町で共同してやるような取り組みを21年度ですかやったことがございますけれども、そういうことを今年度もやれないだろうかとか、いろいろと現場に即した対応を考えていきたいと思います。  クマについても、これも議論がございますけれども、クマの管理計画を見直そうというふうに考えております。そうした従来よりも一歩踏み出した対策をこれからやってまいりたいと考えております。 ◯議長(伊藤美都夫君)鹿田農林水産部長 ◯農林水産部長(鹿田道夫君)補足説明させていただきます。  有害鳥獣の被害額の経緯でございますけれども、平成16年度2億8,000万円ぐらいになりまして、これがピークになったということで、県のほうも重大な被害が出たということで、それ以後、県のほうに鳥獣対策の専門官を雇用しまして5年間ほど対策を行いました。そういう影響もありまして、先ほど知事が言ったようなイノシッシ団の養成とかもあるのですけれども、平成19年度には9,500万円ぐらいに被害が減りまして、ただそれ以後また最近徐々にふえてきている状況でございます。特に21年度は暖冬ということもありまして、シカ、クマ等が大分被害を大きくしたということがありますけれども、ことしの冬は雪が多かったということもありまして、シカのほうでは猟期にかなり捕獲されたということを聞いております。  今現在の県の取り組みでございますけれども、侵入を防ぐ対策だとか、個体数を減らす対策、それと周辺環境を改善する対策等というようなことで補助事業を設けておりますし、国のほうも昨年県のほうの要望額の10%程度しか割り当てがなかったのですけれども、今回は要望額の5割以上が一応配分されましたので、何とかやっていけそうかなというところがあります。あわせて、足りない分については県の補助金で取り組んでいきたいと思っておりますし、あとボランティア団体の応援もやはりかなり必要でして、イノシッシ団とあわせて、そういうボランティア団の組織もこれからも取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、あわせて、鳥取式の獣類侵入防止さくの「シシ垣くん」だとか、網を使った、漁師さんの網を再利用するとか、あと低コストの簡易のシカの捕獲さくを使うだとかいうような新たな対応策、安価で効果的な対策を今試験研究しているところもありますので、ここら辺を地元の現場のほうにおろしていきたいというふうに思っているところでございまして、あわせて、個体数を減らすという対策の中で、猟師さんのほうの関係ですね、やはり猟師さんのほうも高齢化しているものですから、なかなか猟師さんが現場のほうに行ってもらえないということもあるもので、新規にそれを養成するような対策とか、今免許を持っておられる方の再研修ということで、生活環境部のほうでもそういうような講座を設けながら取り組んでいきたいということで、23年度に予算化しているところでございます。  あわせて、捕獲奨励金の関係でございますけれども、町独自で、さらに県に上乗せしてやっているところが若桜町なり大山町でありまして、今回猟期に、そういうようなイノシシで上乗せでやられました若桜町では、昨年の21年度はシカの捕獲実績が126頭だったのですけれども、933頭になったというようなことの成果もありますので、ここら辺も今後の検討事項かなというふうに思っているところでございます。  いずれにしましても、市町村と連携してやるような取り組みでございまして、あわせて国のほうも交付税措置というような形で市町村の取り組みを支援するような仕組みがありますので、これからも一体的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。 ◯議長(伊藤美都夫君)5番国岡議員 ◯5番(国岡智志君)平井知事、丁寧な御答弁をありがとうございました。  きのうの読売新聞にも出ておりましたけれども、片山知事のときには怖いからなかなか質問がふえないけれども、平井知事は丁寧な答弁ですので質問者がふえたのではないかというようなことも載っておりましたけれども。  防災ですけれども、いろいろ言わせてもらいました。本当に防災のことに一つ一つ突っ込んでいったら、それだけで多分一つの一般質問ができるのではないかなと思いますが、今回はとにかく鳥取県と各市町村がきっちり連携を深めてくださいと、それを強く願って質問させていただきました。確かに各市町村が最前線で、それぞれの地域の特性なりいろいろあります。それを県が一律にといってもなかなか難しいかもしれませんけれども、私は、やはり何かがあったときには、後ろには県がしっかりついているのだと、それをふだんから各市町村に見せてあげる、その姿勢が必要ではないかと思います。まずその手始めに防災計画を一緒につくっていくと。そこの段階からスタートすれば一番手っ取り早いし、県も市町村も、そのシステム、地域の特色、そういったものを理解できるのではないかなと思って質問させていただきました。  現実に、この鳥取県の職員の中にも各市町村の方がたくさんおられると思います。例えば、県のそういった対策チーム、県の場合は防災局を今度危機管理局に格上げされます。組織的にも鳥取県は強化しておりますけれども、各市町村はいまだその担当の職員が総務課の中に組み込まれている、やはりそこで温度差が見えてきます。市町村の防災計画を見ますと、つくられているのが平成8年からまだ全然変わっていない、中によっては、その中身だけ手書きではしょっているような、そういった市町村もございます。やはりそこで既に県と各市町村との温度差が物すごく離れている現状があると思うのです。やはりそこを阪神・淡路大震災が終わり、鳥取県西部地震を経験し、そして東日本大震災を経験した中で、鳥取県と市町村がしっかり線で結ばれるような体制をつくっていただきたい。それがとにかく初動につながってくる、安心・安全につながってくる、私はそう考えております。  鳥取方式の体制づくりを考えておられます検討事業、これを今年度モデル的に西部地区のほうでやられております。私はこれを時期を早めていっていただきたいと思うのです。やはり試験的に調査する、データを集める、それから取り組みを考えるでは、やはり後手後手に回ってくるような可能性があります。いまだ東日本のほうでは余震が続いております。そして先般も鳥取県のほうでも、大きい揺れではありませんでしたけれども、地震がありました。いつ来るかわからないのが震災であり、災害であります。やはりすべきことがわかっている目的に対してはスピードを要する、それを知事に要望したいと思いますので、知事のお考えをお聞きしたいと思います。  最初の質問でいっぱい時間を使ってしまいましたのですが、消防力の強化ですけれども、消防団、自主防災組織、これも本当に中山間地のほうになります。特に鳥取県消防団の組織はしっかりしています。先ほど言われました操法の大会ですとか、鳥取県は本当に昔から伝統があり力を入れて頑張っておられますが、やはり皆さんが後継者で悩んでおられます。実際、郡部のほうに行きますと、火災等があったときには、各企業に勤めておられる消防団の方も優先的に仕事をとめて消防団活動に当たられます。すばらしいことだと思います。それが企業も含めた地域の防災力だろうと、そういうふうに思いますが、それが後継者がいない危機的状況にだんだんなる中で、そういった中山間地の自主防災組織の必要性というものが今改めて浮かび上がっていると思います。そこの中で大きな装備も要りませんが、先ほどバールとか言われました。やはり最低限の災害に対応できるものをこれもしっかり市町村と連携して、県が援助できることは最大限してあげて、地域を全体で守っていく、そういうことをやっていっていただきたいと思います。  有害鳥獣でありますが、これはこれからほかの議員さんが質問されると思いますが、とにかくできることは最大限やって、皆さんの安心につなげていただきたいと思います。知事の考えをお聞かせください。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)国岡議員から重ねての御質問をいただきました。  まず、第1点目として、防災計画を市町村と一緒につくっていく必要性を改めておっしゃったわけでございます。確かにおっしゃるとおりだと思います。これから防災計画を県も見直しますし、市町村も見直さざるを得ない時期だろうと思います。中には、議員もおっしゃいましたけれども、不磨の大典のように10何年もそのまま改正もせずに置いてあるところがあったり、地域防災計画の何たるかというところがなかなか職員全体に浸透していなかったり、いろんな状況があろうかと思います。今から津波の問題や、あるいは原子力防災という新しい切り口も加わり、さらに東日本大震災で見えてきた避難所対策のあり方などもございますので、今も議員の御提案がございましたので、この際、市町村に防災計画を改定するように働きかけをしたいと思います。その際、県からも専門の職員を派遣しまして、一緒になって市町村の地域防災計画をつくり、その中で防災計画以外のところの魂の部分、ここについても議論をしながら培っていくようにしていきたいと思います。  次に、地域の消防防災体制検討事業につきまして、これはスピードアップすべきではないだろうかという重ねてのお尋ねをいただきました。これもいろいろと工夫してまいりたいと思います。今、シミュレーション的なこともございまして、研究もありますので、ある程度の時間をかけながらということになりますが、その成果を途中段階からも公表したりしまして、各市町村にも共有してもらうようにしていきたいと思います。  それで、新しい鳥取県型のシステムをつくっていかなければなりませんので、そのための議論の輪をできるだけ早く立ち上げていきたいと思います。もちろん市町村によっては、こうした新しい仕組みによらず、従来の消防団でやっていこうというところも多々あるかと思います。例えば、三朝とか岩美とか智頭だとか、消防団の団員の数が比較的多いところもあれば、それが希薄であるところもございまして、地域性もあろうかと思いますが、できる限り早期に成果が地域に還元できるように努めてまいりたいと思います。  消防団や地域防災組織の強化につきましても重ねてのお話がございました。これも市町村と協調してやっていきたいと思います。今のお話すべてが絡み合うわけでありまして、地域の防災力の強化のためのモデル事業なども踏まえながら、そうした対策を組んでまいりたいと思います。  有害鳥獣につきましては、今非常に被害が顕在化をしておりまして、特に昨年は鳥取県のクマが全国的にも注目されました。残念ながら鳥取市内で命を落とされる方もいらっしゃったわけでございまして、緊急の事態だと言っていいだろうと思います。ことしについて言っても、既に小グマではございますが捕獲をされた例が出始めてございまして、こうした状況を何とかこれから変えていかなければならないと思います。鳥取県が単県でできることと、周囲の県と協調しなければいけないこととあろうかと思います。イノシシだとかシカだとか、生息区域が広範囲にわたるわけであります。クマもそうでございまして、大体東部のほうは兵庫県のほうから攻めてくるわけでございますが、最近は西のほうから中部あたりまでどんどん入ってくるクマもいまして、東部のほうで捕獲されたクマの中には島根で捕獲の実績があるクマもいたりしております。ですから、今は東から西から攻められるような状態になっていまして、クマがどんどん入ってきているということであります。それに即した保護管理計画、これは大変な議論を呼ぶかとは思いますけれども、ここは勇気を持って、実情をまず把握して見直しに乗り出していきたいと考えております。 ◯議長(伊藤美都夫君)5番国岡議員 ◯5番(国岡智志君)ありがとうございました。  とにかく安心・安全な鳥取県、鳥獣にしてもそうです、防災に対してもそうです。これから機会あるごとにいろいろ一般質問の中で議論させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手) ◯議長(伊藤美都夫君)24番山口享議員 ◯24番(山口享君)(登壇、拍手)私は、本定例会に提案されている予算案について、大問題があるので、やむにやまれぬ思いでこの壇上に立たせていただきました。それは、社会資本整備交付金、それから農山漁村地域整備交付金、さらに地域自主戦略交付金の3つの交付金のあり方についてでございます。  もともとその交付金の財源でございますけれども、道路特定財源が目的税から外されたと。しかしながら、道路を利用するツールに課せられた道路の整備に資する財源であったのではないでしょうか。今申し上げましたように、平成21年4月に道路特定財源が廃止されました。自民党政権下では地域活力基盤整備交付金として残されていた財源でもあります。しかしながら、地域主権を目指す民主党公約のマニフェストの中で、自主財源を大幅に増加する、高速道路は段階的に無料化し、物流コスト、物価を引き下げ地域を活性化する。さらに問題なのは、ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率を廃止し、2兆5,000億円を減税すると、こういううたい文句でありました。さらに、国から地方へのひもつき補助金を廃止し、地方が自由に使えるよう一括交付金化するというものでありました。しかしながら、今までこの思いが実現したのでしょうか。私は決して実現したとは思っておりません。  民主党のマニフェストの見直しが、今国会の震災対策の中で野党との協調体制のキーを握っていると私は思いますけれども、やはりこの無駄な財源を、必要な財源を維持しながら復興財源に対して積極的に財源を求めて対応すべきものであるという認識に立っておるのであります。  また、一昨々日でございますけれども、枝野官房長官が菅内閣の評価の一つとして、ひもつき補助金の一括交付金化などの地域主権は前進しておると表明されておるのですけれども、果たして地方サイドはいかに評価されておるのでしょうか。まず、知事に思いと現在の状況についてお伺いしたいと思います。  現実には、ただただ事業区分を変えたひもつき補助金制度は従前の事業より2,000億円も減額された上に、耳ざわりのよい地域自主交付金も5,120億円が計上されておるわけでございますけれども、この2兆1,000億円の社会資本整備交付金と農山漁村交付金として23年度の国家予算に位置づけられているのも御承知かと思いますけれども、非常に耳ざわりのいい交付金でございます。  知事、民主党のマニフェストのように、23年度の予算においてひもつき補助金は本当に廃止されておるのでしょうか。地方の自主財源化が図られているのでしょうか。まずは知事の認識をお尋ねしてまいりたいと思っております。  知事は、全国知事会を通じて、今般国土交通省、農林水産省に係る国の補助金が交付金化されたのに当たり、地方の自主裁量権の拡大、実質的には地方へ自主財源を移譲することを一生懸命努力されたと思っておるわけでございます。加えて、新しく創設されました一括交付金の総額に対しては、交付金の対象となる現行の補助金と同額を確保すること、これも要求をされておると思います。さらに、配分に当たっては、社会資本整備の進捗率、財政力の強弱などを配慮して、地方のニーズに配慮した交付金であることも求めておられるのであります。その中で知事は、鳥取県としても独自に、鳥取県に対して地域の実情に即した公共事業が重点的に、かつ明らかな透明性を確保しながら対応することも必要だという求めをしておられるのであります。しかしながら、果たして知事の思いがこの交付金の中で、戦略交付金でございますけれども、制度化されたのでしょうか。これについても具体的に話をしていただきたいと思います。  本年度の自主戦略交付金の中で、先ほど申し上げましたように5,120億円が計上されておるわけでございますけれども、この中で国土交通省の一部の事業はやむを得ないといたしましても、農林水産省、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、警察庁の投資的な事業についても配分の対象になっておることでございます。なぜ私がそういう怒りを持っておるかといいますと、この原資は道路特定財源が財源の柱となっているからであります。繰り返して申し上げますならば、財源に、特定な人が負担をする、もともと受益者負担という方法で徴収されております道路特定財源が原資となっているからであります。そこに私は大きな疑問があるのではなかろうかと思っておる次第でございます。  本年度の交付金で鳥取県に配分された額は、極めて厳しいものでありました。県が当初配分を期待している公共事業でありますけれども、特に継続事業についての配分を求めて、完成することによって利便性が向上するという目的で対応されたと思いますけれども、公共事業に対するかなりの交付金を期待されておりましたけれども、その思いが通じず22億円ぐらいも減になっておるわけでございます。その分を単県費で対応しておられると、こういうことなのです。本当にもったいない話なのです。そういうことですから、私どもは不満、大不満でございます。この1次配分に対しても不満でございますけれども、知事も復活要請をされた。これは一括交付金でございますけれども、それもわずか3億9,000万円でございます。配分は全国41位となっておるわけでございます。極めてこれも不満な対応ではなかったかと、私はこう思っておるわけでございます。私はこの一括交付金を交付税化すること、これこそ必要な手法ではなかろうかと、こう思っておるわけでございます。これについて知事の考え方も伺っておきたいと思います。  もともとこの道路特定財源は、例えば揮発油税だと、本則部分と同じ額であります1リットル当たり24円30銭分が暫定税率でございます。いまだに上乗せされまして、目的税であったこの税の総額は3兆1,000億円にも上っておるのであります。しかしながら、国の地方向けの公共事業は、交付金の総額は23年度において、この3兆1,000億円に対してわずか2兆3,000億円にとどまっているのも大きな問題だと私は思っております。地方向けの公共事業助成交付金が道路特定財源を下回ったのは、ことしが初めてではなかろうかと思っております。したがって、私は、負担を負う自動車利用者に還元するためにも、基本的にこの交付金を道路などの整備に充当すべき、投入すべき目的を持った財源であると思っております。知事、いかがでしょうか。  したがって、私どもは公共事業の配分に当たっては従来の手法を十分考慮しながら配分増を求めて要求されたと伺っておりますけれども、どこに問題点があったかもひとつ検証してみる必要があるのではなかろうかと思っております。  しかしながら、現実に本県に配分された額は全国平均を4%も下回っておるということで、また、昨年度の当初配分額を13.8%も下回っている現状であります。これが鳥取県の現状でありまして、先ほど申し上げましたとおり、結果として補正予算に対して、想定した事業を実施するためにも、これはとうとい財源でございます。一般財源を22億円も投入しておるわけでございます。この22億円がございますならば、国の補助事業は一体どのぐらいの確保ができるでしょうか。全く本当にもったいない財源であると私は思っておるところでございまして、こういうことが続きますと今後県財政を圧迫する事態を招くのではなかろうかと、こういう懸念をしておるわけでございます。  そこで、今後、公共事業の確保と財政負担との問題にどう対応されるかも知事にお尋ねしてまいりたいと、こう思っております。依存度の高い、道路整備率の低い地方になぜ重点配分をしなかったかを私は真剣に検討してみる必要があるのではなかろうかと思います。  ここでちょっと比較してみますと、東京23区と鳥取県の場合でございますけれども、1世帯当たりの自動車の保有台数は、東京23区の0.46台に対して鳥取県は3.3倍の1.53台を各家庭が持っておるわけでございます。さらに、1世帯当たりにいたしますと年間走行キロは、東京のわずか2,300キロに対しまして、鳥取県は実に5.2倍の1万2,500キロを走っておることになっておるわけです。それがガソリン、目的税としてその中に入っておるわけでございます。さらに、1世帯当たりの道路特定財源の年間負担額は、東京23区は2万6,588円、これに対しましては鳥取県は何と3.7倍の9万9,675円を納めておるわけであります。したがって、地方は道路依存度が高く、道路整備の配分に期待するのは当然ではないでしょうか。  本来道路特定財源は、目的税ゆえに、より多く負担している地域の道路整備に充当されるべき性格のものであったと私は思っておるところでございます。したがって、道路特定財源が平成21年4月に一般財源化されたとはいえ、負担と受益の関係が失われていたことに大きな問題がありますけれども、その目的を果たすためにも、やはり負担すべきところは負担をする、そういう体制づくりをする必要があるのではなかろうかと思っております。  そこで、いろいろ申し上げましたけれども、道路特定財源の一般財源化への問題点、さらに一般財源から交付金制度への移行の問題点、それから社会資本整備総合交付金、農山漁村地域整備交付金と地域自主戦略交付金の配分についての問題点、さらに交付金の自主財源化の問題について、整理しながら回答を求めたいと思っております。  もうちょっと申し添えますけれども、実はなぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、道路特定財源の歴史と背景をちょっと伝えようと思っておるわけでございますが、昭和45年5月でございますけれども、当時、佐藤内閣におきまして新全国総合開発という計画が浮かびました。これは、日本を新幹線、高速道路網で結び、日本全体を一日交通圏とする構想でございました。  さらに昭和47年でございますけれども、時の通産大臣の田中角栄氏が日本列島改造論を展開したわけでございまして、ますます道路建設に対する要望が強まってまいったわけです。そこでどう対応するかというのが、道路目的税をつくる以外にないではなかろうかと、こういう形で対応されたと私は思っております。もう一般財源ではどうにも対応できなかったと思います。
     さらに昭和29年には揮発油税が道路特定財源になったわけでございますけれども、これの発想は石破二朗氏が建設事務次官であったときのようでございます。これは本当に当時からいい税制だと思っておりまして、この税制が果たした役割は非常に大きいと私は思っております。  さらに昭和49年でございますけれども、道路整備五箇年計画が進められた中で、道路に対する需要がどんどんどんどん広がってしまって、この道路財源そのものが持たぬようになってしまったと、こういうことで、実は北条町出身の坂野重信さんです、石破さんは郡家町ですけれども、当時建設事務次官だと思いますけれども、この道路整備の財源を確保するために揮発油税、軽油引取税の税率をアップされたわけです。それが暫定税率となっておるわけです。それをいろいろ内閣がかわって、平成21年4月にはこの特定財源が廃止されて一般財源化したわけでございます。本当にそういう経過を見ますと、やはり私どもは目的税から外されたことに対して大きな憤りも今感じておるわけでございます。  ちなみに、民主党政権の「コンクリートから人へ」という話がありましたけれども、コンクリートの建物、施設がいかに震災に大きな影響を及ぼしたかということも御承知かと思いますが、国の地方向け補助金、交付金、公共事業に関する額でございますけれども、平成10年は6兆円あった。しかしながら、民主党政権になりましてから22年に3兆円に減ってしまったと。ことしになりますとさらに減って2兆3,000億円になってしまったと。したがって、負担を多く負う鳥取県は、この中でまた整備率が非常におくれるのではなかろうかという懸念がございましたので、私はここに立たせていただきまして、このことを皆さんに訴えたいと思って質問をいたしたわけでございます。  道路特定財源については、先ほど申し上げましたように3兆3,000億円が今では2兆1,000億円に減っていると、こういう現実をとらえまして、知事の今後の対応についてお伺いしたいと思います。まず皆さんにこれを知っていただきまして、壇上での私の1回目の質問を終わらせていただきます。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)山口議員の一般質問にお答え申し上げます。  山口議員のほうから道路特定財源の経緯の関係、その一般財源化、さらに一括交付金を初めとした今回の交付金の配分につきまして、るるお尋ねをちょうだいいたしました。道路特定財源の経緯からいえば、暫定税率の問題があるわけでございますが、そうしたことにつきまして、ただいまは道路特定財源の原資となった揮発油税の創設や暫定税率の設定による道路財源の強化について、石破二朗先生や坂野重信先生といった県の先人たちの努力があったという御指摘もございました。こうした中で最近の制度改正が行われてきたわけでありますけれども、その一般財源化が行われたこと、それから今次の交付金の配分について、非常な慨嘆を込めての御質問をいただいたわけであります。  議員のほうからは、まず第1点目として、地方サイドとして、一昨日でしたか、枝野官房長官のひもつき補助金の一括交付金化などの地域主権前進という発言について、実際、地方サイドではどういう評価が分権改革について与えられているかというお尋ねをちょうだいしたわけでございます。  山口議員は、以前、全国議長会の会長もされておられまして、そのときに地方自治の現状に対して非常な憂慮を持たれ、財政窮乏県としての連合体を組もうという運動を始められました。それが契機になりまして、地方交付税の中で、小規模で財政力の乏しいところに対する交付税の配分の強化が行われた次第でございまして、それが今日の地方における税財政制度の一翼をなした成果とつながったわけであります。その活動からも御高承いただけるかと思いますが、結局、地方分権をやるためには、一つは権限の問題があるわけでございます。仕事をどれだけ地方にやらせるかということがあるわけでありますが、それとあわせて、実際に税財政のことを中心として、それだけの能力を地方側にきちんと与えるかどうかということがあるわけであります。この意味で、地方分権ということを地方団体サイドでは求めてきまして、地域主権だとか地方分権といった、そうした改革がここ数年進められようとしてきたわけであります。このたびようやく与野党の合意が成立をしまして、地方分権の骨組みとなる新しい制度ができました。それは国と地方の協議機関の設置でございます。また、義務づけ、枠づけという手法に対する是正措置も今回の成立した法律の中に盛り込まれたところでございまして、国の出先機関の廃止につきましても、この枠組みを前へ進めようという段階に来ているわけでございます。  それで、枝野官房長官の発言もあったわけでございますけれども、地方団体として正直なお話で申し上げれば、これまでの分権でありますけれども、決してそのスピード感としては十分ではない、それから、その内容についても十分ではないという評価だろうと思います。したがいまして、率直な感想からいえば、一括交付金化もできて、その地方分権は前進した、これが菅内閣のこの1年の成果だと胸を張られたわけでありますが、我々地方団体サイドからしますとそれほど評価に値する内容かなと、まだもう少し時間をかけて評価を見定めないといけないのではないかなというのが我々の率直な受けとめだと思います。  と申しますのも、地方と国との協議の場が設置されました。これは大いに評価に値するイシューだと思います。では、現実問題、今社会保障の問題では、社会保障と税のあり方を見直そうということになりました。ただ、その前提として、当然ながら地方の地方消費税を初めとした税源にもかかわりますし、地方の社会保障負担にもかかわるわけでありますが、地方との協議の場が開かれたかというと、一回も開かれていないという現実があります。ですから、正直な話を申し上げれば、法律はできたけれども、そこにあった国と地方との協議機関というのは、まだ絵にかいたもちの枠から出ていないわけでありまして、この辺は地方側としては不満があります。全国知事会長も、その辺の懸念を早速に発言をされてきたところでございます。  また、義務づけ、枠づけというところも不十分でありまして、その数について、これは全体を網羅するものになっていない。これは実は原口大臣のころからみずから認めておられまして、とりあえず一歩前へ進もうということで始められたことであります。それはしようがないのかもしれません。ただ、保育所の問題などをとってもそうでありますけれども、十分な規制緩和が図られる内容になっているかというと、国の基準というものがあって、それに従わなければならないという領域が物すごく広いのです。特に社会福祉系でそれが顕著であります。ですから、これも地方分権が大いに進んだということにはまだ至っていないというのが正直なところではないかと思います。  出先機関の廃止、それから地方への権限移譲についてでございますけれども、これもようやっと話し合いを開こうという段階でございまして、中身が一つもありません。そのことから、関西広域連合や九州のほうで新しい自治制度をつくろう、あるいは広域連合という仕組みを活用しようということで、山口議員もこのたび関西広域連合の議員に御就任をされたわけでございますけれども、そういう話し合いがようやく始まろうとしているところでございまして、地方側から今3つの機関を提示して協議をしようとしていますが、まだ国と協議が開かれた状態ではございません。このようなことでございますので、かけ声は確かにかかっているのでありますけれども、満足の得られる地方分権にはつながっていないということであります。  あと、税財政の観点からしますと、これも分権の一つの大きな領域だろうと思います。交付税について一部復元の動きが出たことは、これは率直に評価できようかと思います。ただ、片方で、交付税を旧に復するところまでまだ全然いっていませんけれども、一部でもそちらに向かって動き出した片方で、きょう山口議員からるる御指摘がございましたように、公共投資への助成を中心として、交付金制度も含めて大幅に地方への補助金が絞られてきているわけであります。一つの断面で申し上げれば、地方向けの補助金は大体9%ほど削られております。トータルで物事は考えなければなりませんので、果たして分権の基盤である十分な財源が地方に与えられたのかどうか、その質はどうだろうかと、この辺はまだまだ議論の余地があるのではないかと考えております。  具体的な中身としてきょうお尋ねをいただいた中心でありますけれども、民主党のマニフェストに書かれていたわけでありますが、平成23年度予算でひもつき補助金は現実に廃止をされたのか、地方の自主財源化が十分に図られたようなそういう一括交付金になったのだろうかというお尋ねでございます。  これにつきましては、平成23年度の予算編成の中身を申し上げれば、ひもつき補助金の廃止には至っていません。これは言葉のトリックがございまして、一括交付金化をされるときそちらに移行しました。ですから、その一括交付金化をしたことで補助金のメニューがまとめられたということがございます。  ひもつき補助金というものはどういうことかといいますと、その使途について国が限定をすることでありますし、その使途どおりに使われたかどうか国のほうで会計監査が入るということでございます。これらの点において、今回一括交付金化されたわけでありますけれども、それは補助金の束でございまして、一括ひもつき補助金という状態に残念ながらまだいるわけでございます。その使途については限定がなされておりまして、その使途どおりに使われたかどうかについて会計検査院の監査が入ってくる。  我々地方側からは、この点は大分反論をしてきたわけでございます。その内容として、補助金適正化法の対象外にすべきだと。つまりこれは一般財源であって、地方が自由に使えるものだからこそひもつき補助金でないということになりますので、そういう仕組みにすべきだと。したがいまして、会計監査が入るような補助金適正化法の対象から外すべきだという議論をさんざんしたのですが、これは結局受け入れられませんでした。また、ひもつき補助金でないように補助要綱で詳細に定められる使途制限、これも外すべきだということを申し上げましたけれども、これも残念ながらそういうことにはなりませんでした。経過的なものなのだというのが総務大臣の説明ではあるわけでありますが、結果としていえば、ひもつき一括交付金というようなものでございまして、そういう意味で、議員の御質問に答えるとすれば、ひもつき補助金が廃止された状態かといえば、まだ廃止された状態ではないというのが現状だということだと思います。  そして、今回のこの一括交付金の配分でありますけれども、私も議会の意を受けていろいろと要請活動をさせていただきましたし、国のほうに対して地方団体としても要請活動をしましたが、一括交付金の配分について、自由度の拡大や透明性の確保、それから社会資本の整備がおくれた地域に対する公共事業の重点確保、こうしたことがなされたのか、そういう思いが通じたのかという御質問がございました。これはもちろん各自治体それぞれに今回の一括交付金の配分がなされましたので、それぞれの自治体で温度差はあろうかと思いますけれども、鳥取県の立場で申し上げれば、今回の一括交付金で思いが通じたというところまでは至っていないと思います。  一番決定的なのは、これは地方団体側は随分反発をしたのですけれども、この一括交付金の配分の基準を決める際に、地方側にオープンに議論をすべきだと、そして地方側と一括交付金の配分の仕方について協議をすべきだということを申し上げました。実際それに基づいて国のほうで、国会で国と地方の協議の場は設定をされましたけれども、この一括交付金について国、地方の協議の場は結局開かれず、最終的な第2次配分に至りました。また、それ以前の事実上の協議も実際には受けてもらっておりません。我々のほうでもプロジェクトチームをつくりましてアピールもさせていただきました。1月には緊急アピールも出しまして、こうした地方側への協議を開くべきだということを申しましたし、予算編成時期にもかかわらず一括交付金の内容が明らかでありませんでしたので、予算編成ができない。これは各都道府県から悲痛な声が上がりました。それを集約いたしまして、情報を開示すべきだと、一括交付金はどういう基準で配分されるのか、予算編成に間に合うように開示をしてくれということがありましたけれども、これは残念ながら頑として受け入れられませんでした。そういうようなことで、経緯からしても残念ながらオープンな形で進められていない。一方的に国のほうで配分基準がセットされて、数字だけがこのたびやってきたというのが今回のところであります。  その中身についてでありますが、社会資本の整備がおくれたところに重点的に配慮すべきだということ、それから財政力の弱いところに配慮すべきだということ、これを申し上げました。その結果として出てきたので、いろんな指標がついてはいますので詳細な分析は必要なのかもしれませんけれども、鳥取県のように社会資本の整備がおくれたところに必ずしも多くの額が行った結果とはなりませんでした。そういう意味で不満が残る配分であったと思いますし、今回はもう終わってしまいましたので、新年度に向けて改善を求めていきたいというふうに思います。  財政力が弱いところに対して配慮すべきだということも、これも強く知事会として主張してまいりました。財政力が弱いところへの配慮すべき指標として、財政力に対する配分がなされたわけでありまして、この制度が入ったこと自体は評価に値するかとは思います。ただ、そのロットとしては、5,100億円の一括交付金の中で50億円財政力に対応する配分ということでございまして、これが十分であるかというと、私どもとしては十分だとは思えないところがございます。  したがいまして、そうした意味で、まだまだ我々としては満足のいく配分基準だとは言えないと思っています。もちろんこれは地方団体によって、それぞれ交付の結果が出ましたので、温度差があろうかと思いますけれども、ただ、筋論として、社会資本の整備がおくれたところに対する配慮だとか、とりわけ財政力が低くて、やりたい事業をやろうと思うと今まで国に随分依存してきた地域に対する配慮というところは、まだまだ十分とは言えない。特に財政力指数の問題は強化すべきだという訴えをしていかなければならないと思います。  それとあわせて、大事なのは総額の問題であります。総額として、従来この交付金の対象となっていた補助金の領域がございます。これからスライドをさせていきますと、結果として6%減っている中でのスタートでありました。そこに加えまして東日本大震災における留保分があるものですから、その面でも足らざるところが拡大をしたということであります。冒頭申し上げましたように、一つの問題点として言えるのは、確かにこういう制度改革を行ったということはありますけれども、それとあわせて、国の財政の都合で総額をぎゅっとへこませるその道具に使われた面があるわけでございます。ここのところは見落とされがちだったのではないかと思いますが、最終的に配分額が明らかになってきた今となると、その総額が削られてきたことが、極めて鳥取県には重くのしかかった結果になったという面もあろうかと思います。  次に、道路特定財源との対比につきましていろいろとお尋ねをいただきました。この一般財源化のこととの関係でございますけれども、議員のほうから、もともと道路特財であったところが、今回一括交付金化するに当たって農水省、厚労省、文科省、経産省など他省庁のものも入れて投資的事業に配分されるものとなってしまったことは問題ではないか、道路特定財源の経緯との関係で矛盾があるのではないかという御指摘がございました。それとあわせて、本来は極めて不満な配分であったと言わざるを得ないのであり、一括交付金は交付税化するのが本来なのではないか。さらに、この交付金でございますけれども、負担を自動車の利用者がやっている以上、そういうものに配慮した配分増を図るべきではないかというお尋ねがございました。こうしたさまざまな観点から広範囲に道路特財との関係で御指摘をいただいたわけでございます。  一括交付金化の状況などについては、今申し上げた次第でございます。  議員のほうでも御指摘いただきましたように、道路についての負担関係からいえば、鳥取県は東京23区よりも非常に大きな負担を負っているわけでございます。ですから、負担の公平ということからいえば、道路への充当とかをしっかりと図らなければならないわけであります。実はその道路特定財源が一般財源化する平成20年の5月の閣議決定がありました。それに基づいて21年度から一般財源化がなされたわけでありますが、この閣議決定の中できちんと書いてあるわけでございます。それは、これで地方に財政的な負担をもたらすことにはしない、財政的な影響を地方にはもたらさないと一つには書いてあります。もう一つには、必要な道路は財源確保してその実施を行っていくと、必要な道路の建設には十分配慮していくということが書いてございます。これは本来の出発点であったと思うのです。確かに道路特財だけが伸びていって、そして財政全体が窮乏していくということから、そのバランスをとろうと、一般財源化を図ろうという議論には一定の合理性はあったと思います。ただ、それを外すのであれば、当然ながら自動車の利用者に対する配慮、あるいは現実の財政環境を考えれば、地方への影響の排除だとか、道路の利用者に対する配慮という面で、道路の建設、必要なものはやっていきますよという約束が必要だったわけでありまして、これが出発点での閣議決定でありました。  しかし、現実に何が起こったかといいますと、平成20年度から平成23年度のことしにかけて、全国的に公共投資が削られてくるという結果になったわけでございます。それで、鳥取県が特に顕著でございまして、鳥取県に入ってくる国費の公共投資ということからいきますと、実に平成20年度から23年度で29%も減っているのです。最初の出発点として一般財源化されたときの約束はありましたけれども、結果として鳥取県は29%減っていると。国全体でも、鳥取県ほどではないですけれども、やはり減ってきているというわけであります。そういう中で、私たちは重点的に国直轄事業を引っ張ってきたり、いろんなことをやりまして、工夫をしながら、県民生活に支障を与えないようにソフトランディングをしようと奮闘してきているわけでありますが、正直かなり重荷になりつつあるというのが今の現状ではないかというふうに考えております。  そういう意味で、財政力というのを基準にして配る交付税のような制度に近い形で一括交付金という制度を組むというのは一つの理想形としてあるのかなと思います。先ほど申しましたように、財政力をもっと指標として強化をすべきではないだろうか。この辺は一括交付金化の今後の配分について強く訴えかけをしていく必要があると思っております。  そして、これからの公共事業費の確保とその財政負担との関係ということなどを考えていけば、もっと地方のおくれたところの投資財源の確保、これに対して国としても、これは一般財源化ということ云々以前の問題として、必要な事業に対して充当していく姿勢で予算の配分をしてもらうように国の姿勢を求めてまいりたいと思います。今回、新しい交付金ができたこと、さらに社会資本の整備の交付金だとか農村のことだとか含めて考えて、かなりの減額が発生したという事実がございますので、我々としても問題意識を新たにいたしまして、議会ともども国に対して交付金の適正化などを求めてまいりたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)24番山口享議員 ◯24番(山口享君)知事、私は知事の考え方はよくわかります。したがって、これは本当に、もうちょっとオープンに皆がわかりやすいような形の、特に地域戦略交付金でございますけれども、これは対応すべきことを知事会を通じてひとつ求めていただきたいと思っております。  私が大きな声で申し上げますのは、実はこの1次、2次も含めて交付金の現状なのですけれども、鳥取県が順番からいきますと37位です。それで、一番配分率が高いのは山形県なのです。総額が2次配分を含めて250億円。鳥取県が180億円。何と島根県が300億円なのです。ですから、この査定されるところが、先ほど知事が申し上げられましたように、本当に予算要求をされた中で、特に道路財源ですけれども、鳥取県には必要な道路と認定されていなかった、こういうことが頭に浮かんだわけでございますけれども、本当に島根県は300億円なのです。それは確かに大きな県でございまして、道路延長が長いと思いますけれども、そういったところを十分考慮しながら次に向かって対応していただきたいと、こう思っておるところでございます。  それともう一つ、軽油引取税なのですけれども、暫定税率、それから本則、これを含めて鳥取県の歳入の中で年間74億円も占めているわけです。一方、先ほど話をされましたけれども、交付金が減ったものが22億円、これが一般財源から持ち出されておるわけでございます。暫定税率がなくなってしまったら、一体どういう形で予算編成ができるか、これが大きな心配なのです。したがって、こういうことが続かないように、22億円もの一般財源を投入してしまいますと、知事が全員協議会の中で、やはり財政規律を維持しながらということなのですけれども、やはり公共事業というのは本当に必要なのです。だから必要性を求めてこれから対応していただかなければならないのではなかろうかと私は思っておるわけでございます。  さらにもう一つ大きな問題でありますけれども、去年、おととし、ことしと、自民党政権下で基金事業が始まったわけでございますけれども、この基金事業があって、知事が雇用問題について1万人と言われますけれども、2,000数百人維持されておるわけでございますけれども、これがもうあと残りが57億円ぐらいなのでしょう、基金を合わせて。58億円でしょうか。一体この基金がなくなった場合はどういう形で来年度の予算編成ができるか、これが一番大きな心配の種だと私は思っておりますので、今からこういう問題を真剣に考えていただかなければ、来年度以降の予算編成は非常に難しくなってくると、こういう思いで私は心配して質問に立ったわけでございます。ひとつそれに対する答弁を求めます。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)山口議員から重ねてのお尋ねをいただきました。  まず第1点目の一括交付金のことでございますが、対前年の交付金の伸び率からしますと、議員がおっしゃったように山形県が非常に高くなっております。こういうような県がある一方で、鳥取県のように全国的に見ても伸び率の悪い県もあるわけでございまして、その辺は要因の分析が必要だと思いますが、先ほど申しましたように財政力に対する配慮だとか、あとそれぞれの指標のとり方、こうしたところを再点検してもらう必要があるのかなと思いますし、社会資本整備の交付金も重要な役割を、ウエートを持っております。この社会資本整備の交付金の司令塔が国土交通省のほうになっておりまして、一括交付金のほうが内閣府のほうになっております。したがいまして、これは今回の反省かなと実務的に思っておりますのは、結局、従来であれば国土交通省が一括して管理をしまして、鳥取県内の社会資本整備を考えればこの程度の総額が必要ですねというようなことはわかり得た状況であったわけでありますが、今回は責任が分散してしまったものですから、そこが多分見えてないような状況がございます。これが鳥取県のほうの社会資本整備交付金の配分に悪い影響を与えているようでございまして、これが交付金全体での足を引っ張っている面があるかなと思います。そういう実務的な問題点もこれから整理をしまして、国に対して新年度以降の対策を求めていきたいと思います。  次に、揮発油税などの暫定税率の廃止が与える影響につきまして重ねてお尋ねをいただきました。  先ほどもお話がございましたように、坂野重信先生の御尽力もありましてこうした仕組みができ上がったわけでございますけれども、これは大変に大きな影響を与えるのは間違いないです。鳥取県の財政には、もし暫定税率が廃止されただけで、ざっと30億円見当の影響があります。さらに道路事業を考えてみますと、鳥取県の道路事業に与える影響が、直接、単純計算をしてみた場合は178億円ほど暫定税率の廃止の影響が出てくるということでございまして、かなりの大きな影響が生じ得るわけであります。私は、政治には現実論が重要だと思いますので、こうした暫定税率、今は暫定税率と呼んでおりませんけれども、こうした税体系のことは、きちんと国全体でも配慮しながら制度設計をしてもらわないと、地方に甚大な影響が与えられるのではないかというふうに考えております。  あともう1点、県の財政運営について御心配をいただきました。自民党政権下で創設されたさまざまな交付金、基金で生き延びている面があるけれども、これが外れてきた場合に、果たして来年度以降はどうだろうかという御指摘をいただきました。  これは実はおっしゃるとおりというのが正直なところでございまして、鉄永議員も代表質問でおっしゃっていましたけれども、ああいう基金などのお金に支えられて、この4年間上手に乗り切れたということでございますが、今後のことは、そこに不安材料は確かにございます。だからこそ3%の職員の総数をカットするなど、我々も身を正していきながら、足腰を筋肉質にしていかなければならないというふうに考えているところでございます。単純計算をしますと職員の退職金の負担も、団塊の世代的なものが本県は他県よりも遅くやってきますので、これからそういう財政負担も予想されるような状況もあり、慎重な財政運営が求められるのではないかというふうに考えております。  今年度も、今回のこの交付金の配分状況を見ますと、これから恐らく少なくとも5億円程度影響がマイナス面で出てくるのではないかというふうに見込まれます。そうしたことも頭に入れながら、県民に財政に対する説明責任を果たせるように、我々としても議会と一緒になりまして細心の注意を払った財政運営を心がけていきたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)24番山口議員 ◯24番(山口享君)最後になりますけれども、実は6月1日菅内閣に対する不信任案を自民党、公明党、みんなの党で提出いたしましたが、不発に終わったわけです。私どもは決して総選挙をやろうという気持ちではなかったと思っておりまして、今菅総理の退任時期が問題になっておるわけでございますけれども、その中でやはり2次補正予算を仕上げなければいけないということと、特例公債を立ち上げなければならないと、こういう大きな命題を与野党を問わず押しつけられておるわけでございます。したがって、私は国民に当然復興財源としても負担を求めてまいらなければならないと思いますけれども、加えて社会保障では、鉄永議員の話がございましたけれども、税の一体改革という形で消費税の増税というのが持ち上がっておるわけでございます。非常に複雑化した今の状況ではなかろうかと私は思っております。したがって、この赤字国債の特例公債法案ですけれども、これの前提となるのが、自民党にも責任はございますけれども、3Kと言われるばらまきを含めて、やはり切るものはきちんと切りながら負担するものは負担をすると、こういう対応でやらなければならない時期ではなかろうかと思っておりますけれども、この間新聞を見ますと、菅総理と鳩山さんとの確認事項の中で、民主党は壊さない、自民党政権に逆戻りしない。これは後の問題なのです。それよりも大震災に対する復旧を急いでやらなければならない。これが責任だと。逆になっているのではないでしょうか。これについて答弁をお願いします。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)山口議員から今の政治状況についてお尋ねをいただきました。山口議員の思いは、要は震災において政治空白をつくってはいけない。そのために今の複雑な政治状況を解きほぐしていかなければならないだろうと、こういうお尋ねでございました。  議員がおっしゃるように、震災には待ったなしの対応が求められています。それから赤字特例公債の法案をどうするか、これはひょっとすると、9月とか秋ごろになると国の予算執行ができなくなるかもしれないという深刻な問題であります。消費税のことも含めた社会保障と負担の議論も始まってきました。こうした大変大きな山が一遍に攻めてきた状況でございまして、政治的な力、決定力を必要としているだろうと思います。  特に被災者のことを考えれば、一刻の猶予もないというのが正直なところだろうと思います。その意味で、例えば経団連の米倉会長は、とにかく今のような政治状況はいけないと。この間の不信任案が否決されたときのコメントでございますけれども、できるだけ早い時期に挙国一致の体制をつくるべきだと米倉会長が言っていました。また、日本商工会議所の岡村会頭も同様の趣旨で挙国一致体制をつくるべきだという発言をされ、また、経済同友会の長谷川代表も政治空白をつくってはならないということを言われました。これは別に経済界にとどまりません。各界各層から同様の発言が飛び出しています。ぜひ国政の中枢においてそうした国民の熱い期待、それから目の前に迫った大きな課題に思いをいたし、一致した体制でこの難局を乗り切ってもらいたいと思います。  地方も当然ながらそれに対して応分の役割は果たしていくべきだと考えておりまして、全国知事会でも東日本大震災の対策本部を設置しました。我々にも我々の責任があり、国には国の責任を果たしてもらいたいと思います。そして、この国の政治があるべき方向へもう一度進み出すことを願う次第であります。 ◯議長(伊藤美都夫君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は13時10分より再開いたします。        午後0時03分休憩    ────────────────        午後1時15分再開 ◯議長(伊藤美都夫君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  4番長谷川稔議員 ◯4番(長谷川稔君)(登壇、拍手)2期目に入った平井知事に一般質問を行います。  私は、今期、4名の同志で会派「かけはし」を結成いたしました。「民主主義の三つの学校」でトクヴィルは、人間の最も本来的な自由は自己の努力と仲間の努力とを結合し共同で行動する自由であると言っています。その中で、一雨千山を潤すの持ち味を発揮していきたいと期しています。  さて、平井知事は1期目の4年間、期待を上回る活動実績が圧倒的な信任を得ました。普通9割をも超える支持となると、この支持を失うまいと慎重居士に陥りがちです。こんなとき、世界人権宣言を起草したエレノア・ルーズベルトの言葉が時代に響きます。心の奥底から正しいと思うことをやりなさい。やってもやらなくても批判されるのですから。自分が正しいと納得していることなら、批判によって心が不安定になることはありません。思ったとおりに実行してもしなくても、批判が出てくることは同じことですからと。これも杞憂に終わりそうです。  過日、代表質問における発言で、県政にもっと県民の声をくみ上げる仕組みがあってもいいのではないか、その一つに住民投票制度を考えてみたいと、これは大変重要な問題提起であったように思います。なぜなら、議会の側にこそもっと住民と結びつく努力を必要としているからです。私自身、小さな規模であったからかもしれませんが、長と議員とでは接触する機会と幅の広さが断然違います。二元代表制といいながら、私は、議会は議事機関であると強く意識しています。今こそ首長、議員の力量が問われ、しっかり調査し、議会で取り上げていく議員力が求められていると考えます。平井知事の頭をよぎっているのは、県政がお任せ民主主義になってはいけないとの思いではないでしょうか。人が持っている前向きなプラスの力で政治は動くことを実感できる機会をふやすことが大切であると私も考えます。団体自治と住民自治が機能しての地方自治の道のりを歩んでいきたいと思っています。  東日本大震災から90日がたちました。あの惨状を前にするとき、東北の復興なくして日本全体が再生したことにはならないと考えます。それには全国から、また一人一人ができる支援と協力を惜しまないことです。  鳥取県においても間断なく職員の派遣を初め被災地からの住宅提供、また生活支援金の創設などの役割を果たし、高く評価されるものです。  そこで、平井知事に求めたい点があります。阪神・淡路大震災の折には、私有財産である住宅再建に公費は投入できないとする国の姿勢を突き崩したのが、平成12年に発生した鳥取県西部地震を機に、当時の片山知事が国に基金制度を提案する一方、県独自の住宅再建支援条例を制定した経緯があります。  国はおくれて平成19年に住宅本体を支援対象としてきましたが、住宅再建のための支援金を都道府県拠出の約540億円と、国も同額を手当てして1,080億円の基金造成にとどまっています。関東を含む広範囲で今回の大規模な震災被害においては、支援金の基礎部分100万円しか支給できず、全壊家屋に対する満額300万円の支給のめどが立っていない状況にあります。加えて液状化被害が発生した自治体から国に緊急要望が行われた結果、5月2日に基準の見直しが行われ、半壊、大規模半壊が認められ、被災者生活再建支援法の適用が拡大されました。支援金は被災程度に応じた基礎支援金と住宅の再建方法に応じた加算支援金を合計して、最高300万円としています。住宅という生活の拠点を失い、中にはローンの返済を抱える被災者にとって、現状では将来が見通せません。菅政権が揺らぎ、国会議員が右往左往する中でありますが、国はその責任を最大限果たすべきです。全国知事会、全国議長会が波状的に要望を行っていますが、内閣で唯一民間出身の片山総務大臣在任中に補正予算が措置されるよう、平井知事に渾身の努力を要請いたします。  国民健康保険制度について質問いたします。  第1に、国民健康保険制度が国民皆保険の最後のとりでと言われながら、一方で構造的体質を抱えています。被保険者と保険者の両面から実態を確認、共有いただきたいと思います。  以前の国保は、自営業者、農業者などが中心でしたが、現在は現役をリタイアした60歳以上の加入者が多くを占め、加えて非正規労働者や職を持てない若者が加入する保険へと変質してきています。押しなべて、所得は低い一方で加齢とともに罹病率は高く、医療費はかさむ一方の状態が続いていると言えます。国保の被保険者の所得に対する保険料の負担割合は年々上昇し、被用者保険である健保組合の5.9%や協会けんぽの8.7%に比べ、10.5%と際立って高いものになっています。それが支払い能力を超え、収納率が90%すれすれのところに追い込まれています。  市税や固定資産税が年4回の納期としているのに対し、国保料、国保税の多くは8回、倉吉市のように収納が可能とされる7月から2月まで9回とし、1期当たりの金額を減らしていることからも、国保料の高さがうかがえます。国保の担当者になって初めて市民生活の厳しさを知ったという市職員の声が耳に残ります。  次に、保険者としての県内市町村の運営状況を見てみますと、単年度実績収支が赤字は14団体と、19団体中大半となっています。一般会計から国保特別会計への繰り出しを行っているのが7市町あります。また、2つの市では運営上の赤字を翌年度の歳入で処理する繰り上げ充用を行うという、正常な状況とは言えなくなっています。全保険者とも、早晩保険料の引き上げなくして決算ができない状況に立たされています。国保会計に安定財源の確保なくして市町村の努力では限界にあるのではないでしょうか。  第2は、国は平成24年度で後期高齢者医療制度を廃止し、平成25年度から被用者と被扶養者を除いた高齢者は国保に加入することとし、国保のうち75歳以上の部分を都道府県単位で財政運営する新たな高齢者医療制度案を検討しています。同時に、平成30年を目途に、全年齢を対象として国保を県単位で進めることとしており、他方、各県に広域化など支援方針の策定を求めていますが、本県における策定状況と取り組み方についてお答えいただきたいと思います。関連して、意欲的に取り組まれている京都府の検討内容にも付言いただくことを望みます。  第3に、この問題の対応については2月以来頓挫しておりましたが、国保問題は6月2日の年金、医療、介護、子育て支援を含め社会保障改革原案として見解が示されております。その中では、次のように言っています。市町村国保の財政運営は都道府県の単位化とあわせ財政基盤を強化、高額療養費の見直しによる負担軽減と、その規模に応じた受診時定額負担などをあわせた検討、総合合算制度・高齢者医療制度の見直し、低所得者対策、逆進性対策の検討、後発医薬品、ジェネリックのさらなる促進、医薬品の患者負担の見直し、国保組合への国庫補助の見直し、高齢者医療費支援金の総報酬制導入、そして70歳から74歳の窓口負担を1割から2割負担に引き上げる等を内容としています。  一方で、少なくとも5%の消費税率引き上げが不可欠とされるとしています。これら年金や医療制度を安定させ財政再建するとする税と社会保障一体改革案についての評価、とりわけ財源を消費税に求めているだけに、地方消費税の原資でもあり、自治体としても地方分の増額を願っているだけに、無関心でいられないところです。平井知事に、増加する社会保障費に対する財源確保について、消費税の位置づけといいましょうか、とらえ方につきましても率直にお聞かせをいただきたいと思います。  子育て支援ととっとりイクメンプロジェクト事業について質問いたします。  少子化の進行は、結婚を取り巻く背景や子育てに関係する環境の整備をあらゆる面から関連づけて進めていく必要は論をまちません。この4月から市町村と協調して全県で医療費助成が中学卒業まで拡充されていることにも県の積極姿勢がうかがえるところです。自治体の政策は現実の生活に生きてこそ存在価値があると言えます。  昨年県外から移り住まれた方より、私の背中を強く押す発言に遭いました。「共働きで働き続ける社会をつくるには」のテーマに、東京よりも行政の影響が大きく感じられる鳥取県でこそ男性を含む育児休業をとれる企業を支援する仕組みをつくってはどうかとの実態からの提案でありました。折しも総人口減少の中で、合計特殊出生率は1.39とやや持ち直しています。鳥取県では、20代から30代までの女性の人口減少を見ますと、昭和55年に8万4,000人であったものが平成12年には6万9,000人に、さらに10年後の22年には7,000人も減少し6万2,000人と顕著となっています。  結婚後も共働きが多いと言われる鳥取県ですが、内実は、出産を機に退職されて改めて就職、しかも非常勤職員やパート勤務などが多いと思われます。全国的にも出産前後に6割の女性が仕事をやめており、これだけ女性の力が活用されていない国は他にはないと言われています。  結婚や出産後にも働く女性がふえ安定した形態で就労できれば、ウーマノミクスと呼ばれる家計はもとより経済の活性化をもたらすことは、北欧やフランス、ドイツなどで実証されています。子育てと仕事の両立環境をつくるための育児休業法が法制化されて20年たち、その後、男女ともに利用しやすいよう拡充されてきましたが、大手企業では制度の導入はほぼ100%でありますが、中小企業の多くはそんな余裕はないとされているのが実情です。  鳥取県のほとんどは100人未満の事業所であり、県内では浸透していないものと思われます。しかし、こうしたプロジェクト推進事業を機に、勤務状況や残業の見直しの契機ともなり、育児の役割をともに担うことで、女性は負担感を安心感に変え、男性には子育ての喜びを体験して知ってもらうなど意識改革を図り、そのことが2人目、3人目が欲しいという気持ちにつながっていくことへの願望がこの事業にはひしひしと伝わってきます。全国でもまれと思われる小さな県だから取り組みやすい、しかも必要とされるとっとりイクメンプロジェクト推進事業の特徴的なポイントを伺っておきたいのであります。  最後に、乳業を中心に畜産問題について質問いたします。  まず、昨年4月の近隣国での口蹄疫の発生を受け家畜伝染病予防法を見直し、農家の役割の明確化を打ち出しています。また、県でもマニュアルを整備し、防疫体制を確立しています。我が県は韓国などとの間に航路や空路があり出入りも多い中、関係機関も含め、これらの対応について取り組み内容を明らかにしていただきたいと思います。  2点目は、酪農業は投資額が大きいため、生産農家の戸数自体は減る中で1戸当たりの飼育頭数はふえている現状にあります。良質な乳質につながる土づくり、草づくりを目標に、コントラクターなどによる荒廃農地の活用、さらに飼料米、飼料稲の増産など、耕畜連携の展開及び自給飼料について県はどのような支援策を行っているかお尋ねをいたします。  3点目は、牛群検定でトップクラスの品質を生産している本県産の乳製品をいかに消費と販路の拡大に県として協力しているか、また新たに考えていくか、お答えください。  4点目は、TPP問題と、その影響についてであります。環太平洋貿易経済協定の場合、各国の個別の利害で例外を設けることは困難であり、バターなどオーストラリアからの輸入を高い関税で辛うじて食いとめているものが、この解除となりますと、輸入が増加することにより、それに押される形で北海道産品が安価で出回るようになってしまえば、牛乳の県内生産高53億円がそっくり消えてしまうと言われておりますが、このTPPの及ぼす影響について伺っておきたいと思います。  5点目に、畜産振興、なかんずく後継者育成に大きな役割を果たしてきた県内5カ所の県営牧場が平成25年度には民営化の方針が出されています。現在、鳥取県畜産振興協会の理事長に農林水産部長がつき、運営されてきているところです。民営化となればどのような運営形態となるのか、農家の不安を少なくする上からも民営化の内容を明らかにしていただくことを求めまして、私の1回目の質問を終わります。 ◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)長谷川議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず、議員のほうから今後の県政の進め方、それから「かけはし」の会派運営などにつきましての御認識の表現がございました。議員のほうから御指摘がございましたように、議員の皆さん、そして私もそうでありますが、この議場に集うお互いが切磋琢磨して県政の力を高めていかなければならないと思います。議員のほうから議員力というお言葉が出ましたけれども、議員の皆様、そして私どものほうで政策形成をしていく能力を高めなければならないと思いますし、この議場をそのためのフォーラムとして、自由な広場として、県民に公開した上で県政の方針について論じ合うことが大切だというふうに考えております。そういう意味で、団体自治と住民自治ということの両方を追求していかなければならないとおっしゃいました長谷川議員のお言葉は、そのとおりだというふうに思います。鳥取県の場合は、人口58万人余りの小さな県であります。ほかの県でいったら、これが一つの市であってもおかしくない、そういう人口規模であります。ただ、その範囲は大変に広大でありますし、そういう意味で、この運営の難しさがあるわけでございます。人口が少ないことを逆手にとりまして、住民との距離感というものをきちんととれるようにすることで、もっともっと県政への参画は高まりますし、県民の満足度も高まってくるだろうと思います。二元代表制のこの地方自治体のあり方を基本としながら、それに一定のスパイスを加えていくことで直接民主主義的な手法も一部加えていくことなどを通じまして、私たちは鳥取県らしいデモクラシーをつくれるのではないかと考えております。  2点目として、議員のほうから、西部地震のときの経験を踏まえて東日本大震災の被災者への被災者生活再建支援金が行き渡るように国が責任を果たすべきであり、補正予算の成立をきちんと働きかけるべきだと、こういう御指摘がございました。全くそのとおりだと思います。長谷川議員もこの議場におられて、私たちのこの世界から住宅再建支援の仕組みが生まれたわけであります。タブーを打ち破ったわけでありますが、いわば蛮勇を振るって前へと進んだわけでございます。それで新しい仕組みができました。その新しい仕組みができるときに、国としてのいろんな議論がありまして、全国知事会とのやりとりもあります。その中で、仮に阪神・淡路大震災のような大きな震災が起こったときには、これは別途協議しなければならない、そういうことを確認した上で国と地方で、国と知事会で半分ずつ出資をした基金をつくるようにしようということになりました。  今、地方側の出資が500億円を上回るところでございまして、このたびの国の1次補正予算の中で500億円強が盛り込まれたところでありますが、正直申し上げまして、全壊家屋が11万戸、そして半壊家屋が7万戸というふうに数えられます今回の大震災の規模からしますと、到底これで足りるものではございません。したがいまして、抜本的にこの水準を改めるようにする必要があるわけでありますが、地方のほうで保険を掛ける意味で積み立てていくのと、それから国が国として全国の災害対策を主管している立場からすれば、当然ながら大きなお財布である国が、もちろん最終的には国民の税金に帰着をするわけではございますけれども、東北地方も含めて全国民からの負担の上に新しい制度を構築する、その意味で、今の1対1の国、地方の負担ということではなくて、今回は特例的な大災害のために措置を講じるのが本来だと思います。これを強く私も主張しておりますし、全国知事会としても、今議長会のお話もございましたが、地方団体として国のほうにしっかりと働きかけをしているところであります。  ただ、残念ながら現在国のほうは冷淡とも言えるような態度でございまして、政府の中枢の方々からもこれを見向きもしないような発言が飛び出すのは大変残念であります。最終的に迷惑をこうむるのは地方団体というよりも被災地の住民の方々でありまして、被災地の住民の方々がもう一度自分の家を建て直して生活を再建しようという気力がそがれることになるのではないかと思います。300万円の資金は家1軒建てるには十分ではありません。ですから、我々も中山間地を離れる人たちが出ないようにということで住宅再建の支援制度をつくりましたけれども、そういうような効果が減殺されるのはまことに残念だと思います。  全国知事会では、今体制を立て直そうとしておりまして、現在財団法人都道府県会館の職員がこの給付事務を行っているのですが、それでは足りないので、各都道府県から人を出してこの滞った事務を前へ進めようとしています。まずは議員のほうからお話がございました第1次給付のところが対象になりますけれども、その後の加算給付だとかを考えますと、とてもではないですが早晩今の基金が枯渇することは火を見るより明らかでございまして、せっかく2次補正の議論を始めようというのですから、国としてしっかりとそれに向き合ってもらうように全国知事会や地方団体と協調してこの問題を取り上げてまいりたいと思います。  次に、社会保障の関係で何点かお尋ねをいただいております。  まず、国民健康保険につきましてお尋ねをいただきました。議員の御経験から、倉吉の国保財政、大変に苦労したと。どこの市町村でもそういうような状況だ、そういう国保の現状をどういうふうに認識をするのだろうかと。それから近年取り組まれ始めました広域化への支援の動きがございまして、これについて県としても役割を果たすべきではないかという御趣旨から、京都の動きも含めまして国保の広域化にどういうふうに取り組んでいるのか、こうした方針について問いただすというお話をいただきました。  国民健康保険につきましては、これは議員も今おっしゃったとおり、市町村がその保険者として主役になっておられます。ただ、この国の医療保険の仕組みがおかしくなっているというのが最大の認識でございまして、片方で健保組合がございまして被用者保険があります。それから旧の政管健保と言われる協会けんぽ、中小企業の健康保険の組合がある。さらに我々公務員の側からいきますと、こちらのほうは共済組合という制度があったりしております。そうしたさまざまな保険者と相並んで国民健康保険というのが設定をされています。結局この国民健康保険に入られるのはどういう方々かというと、自営業者の方であり、それから実際に職がない方々ということになります。したがいまして、2つの問題があるわけでありまして、年齢を経て会社を離れられるような方がこちらのほうに移ってくるわけでありますから、国民健康保険のほうは今どんどん高まってくる高齢者医療の費用負担が特別にのしかかってくるということがまずあります。もう一つとしては、収入が、例えば健保組合のような大企業さんであれば、毎年きちんとしたサラリーがあって、それに基づいて事業者と被用者とが協調して負担をしていくというリジッドな体制があるわけでありますが、国民健康保険につきましては決められた納期に納付をしてもらうと。これを市町村が徴収に回るという仕組みになっておりまして、非常に財政的に脆弱になりかねないということでございます。特に収入のない方々が入ってくるわけでございまして、生活保護の世帯であるとか、そうした方々が出てこられます。勢い低所得者の対策が必要になりまして、基盤安定制度のような制度を組み込んで県も応援をしておりますけれども、国や県や市町村で共同で支えていくという分野すらつくらなければならないわけであります。
     こういうように制度発足当初から不整合がありまして、片方で医療保険が回りやすい仕組みのところと回りにくい仕組みのところがあって、その回りにくい仕組みのところが市町村という全国の非常に細かい区分の単位での保険者をつくらされているという、そういう矛盾があるわけであります。これを根本から本来はときほぐしていかなければならないのだと思います。その意味で、私もそうでありますけれども、これからの保険者のあり方は十分な議論をして、今までとは違った保険者の体制をつくるべきだと思います。評判が悪くて今頓挫しかけているのが高齢者の医療保険制度でございますけれども、これは後期高齢者という言葉が災いした面がありますが、実は片方で市町村の国保の窮状を救うという面では現実には機能していたところがあります。これが今の政権交代の流れを受けまして、とにかく見直さなければならないということになってしまって、この後継制度をどうやって構築をするかが議論になってきました。  今、国全体で議論されている中で広域化というのも飛び出してきているわけでありまして、今月初めの政府から示された社会保障の枠組みの中でもそういう広域化のことが出まして、都道府県単位での医療保険に改編をしようという方針が国のほうから出ています。これにはいろんな議論が提起をされておりまして、我々県のほうからしますと、全国都道府県の中では非常に反発が強いです。その強い理由は幾つかございますが、一つは、これについて知事会として慎重な審議を求めていたのですけれども、とにかくぽんと出てきてしまったということがございました。慎重な審議を求めていたことは、背景には国が財政責任を果たすべきだという議論をしていたわけであります。その国の財政責任について何らの答えが出されないままにとにかく都道府県でまとまりなさいと、こういうことになりました。今議員もおっしゃったように、平成30年度だとか、将来のことになりますと、各年齢層を通じて都道府県単位に改編をするのだと、その都道府県単位というのは、県が保険の運営主体になり、そして市町村が徴収主体になる、そういう県と市町村との間にまたがるような保険制度を設定するのだと、こういうようなことでございます。  一番の問題は、今どんどんふえ続けていって、毎年1兆円というふうに医療費が膨らんでいるわけでございまして、これを地方だけで支えられるはずがないわけであります。それに対する答えの国の負担のところが何ら出てこないままにこの議論が進められていることは残念というか、見直しを迫らざるを得ないところがあるだろうと思います。例えば低所得者対策で今回2,200億円の対策をとると中に書いてあります。いかにも国と県が大きな役割を果たして、市町村がさらに付随的にその役割を果たすような財政スキームを出しているのですけれども、これをよく見てみますと、国のほうは国民健康保険の負担の比率を下げると言っているのです。今の負担比率からさらに下げて、そして調整交付金をその分だけふやすと。それで500億円の調整交付金の増分を低所得者対策に充てるのだということでございまして、何ということはない、国は負担関係はほとんど変わらないわけであります。結局2,200億円という新しい低所得者対策といっても人のふんどしで相撲をとるような形になっておりまして、結局地方にしわ寄せをしながらということでありまして、ばからしくて話にならない案が今国のほうの保険者改革の案として出てきているわけであります。  私は、そういう意味で都道府県対市町村の問題に矮小化させようという国の戦略に乗るのではなくて、市町村と都道府県とで一緒になりまして国のほうの財政スキームをきちんと引き出して、その上で安定的な保険者のあり方を議論していくように軌道を正常化させなければならないと思います。そういう意味で、県としてこれまで広域化の方針として計画をつくりました。この中では、当面できることからやろうということにいたしました。ジェネリック医薬品の使用を推進するとか、市町村で共通化できる事務をやっていこうとか、そういう対策を盛り込みまして広域的に行う体制を強化すればメリットがあるようにしました。これは財政的にも市町村国保にメリットが出ます。そういう意味で、この点はとらせていただきましたが、さらに一歩進んで、では県のほうで保険者を引き受けるかというと、これは国のほうの財政負担の問題とセットで議論しなければならないと考えております。  京都について言及がございましたけれども、京都は実は私と一緒にこの国保も含めた医療保険のプロジェクトチームに山田知事が入っておられますが、議論するわけでありますけれども、京都府は府として保険者を一本化することに前向きでございます。ただ、例えば広域連合の中に入るといっても、保険者として入るのではなくて、それを後ろで支えるような、後方支援のような形の入り方、技術支援といいますか、そういう入り方を今念頭に置いておられます。結局何がひっかかるかというと、国のほうの財政負担の問題が究極の問題なので、それの見きわめがつかないと保険者を市町村から府に移すというところはやはり無理だろうというのが山田知事の考え方ではないかと思っております。私どものアプローチとそういう意味では非常によく似ておりまして、鳥取県もどちらかというとこの面ではラディカルな急進派のほうかもしれません。ただ、先日、鉄永県議の代表質問でも取り上げられましたように、こういう保険者の問題を県で引き受ける可能性についてもタブーなく議論していくべき段階に入ったと思いますので、国のほうの財政スキームを引き出していくこととセットの議論として今後展開していきたいというふうに考えております。  次に、税と社会保障の一体改革について、財源確保についての率直な感想をということでございます。これにつきましてはこれまでの代表質問で取り上げられてきたこともございましたが、私の問題意識としては、やはり国と地方で協議を早速にすべきだということであります。現在それが開かれていないのは大変に問題だと思っております。社会保障につきまして、従来の高齢者関係の3分野に加えて子育てが加わったことは評価をしたいとは思いますけれども、そのほかにも障害者とかさまざまな分野がございます。そうしたところを通じて国と地方の負担関係が現在どうなっているか、それを解消していくためにはどういう将来的な負担が求められるか、これは消費税の税率の引き上げという議論が具体的に10%として示されたわけでありますが、その場合の国と地方の間の配分、取り分の問題、この辺の議論を本来はセットで進めていかなければならないと思います。しかし、今の進め方は地方の意見を聞こうとしないという大変な問題がございまして、まずはそれを開いていただくことが必要だと思います。  また、今回消費税をすべて特定財源化しようとしておられますけれども、本来地方消費税は一般財源でございましたし、またそれについて経緯まで申し上げれば、さかのぼれば、そもそも消費税が発足をするときに料飲税のような、料理飲食業の税金がございましたけれども、ああいう県の基幹税目も離しているのです。それで消費税ができてきていると。地方消費税は、タイミングの問題はありますけれども、いずれにせよ生まれ変わりの部分もございますので、そういう意味で考えれば、今の国の提示したスキームというのは地方として受け入れがたいところが少なからずございます。これは今後ぜひ議論していただきたいというふうに考えております。  次に、社会保障に関連して子育て支援についてお尋ねをいただきました。女性の力が十分に活用されていない。特に小さな事業所の多い鳥取県として男性の育児休業の取得が進まない状況がある。そういう意味でとっとりイクメンプロジェクト推進事業というのは評価していただいたわけでありますが、こうした取り組みについての姿勢をただされたわけでございます。  倉吉の市長に御就任をされて、長谷川議員がまず精力的に議論を仕掛けられたのが子育てのことでございました。記憶に鮮明なのは保育料の引き下げの問題でありまして、市役所、市議会の中でも大変な議論がありましたけれども、長谷川市政の実績として保育料を引き下げるということを実行されたわけであります。片方で歳出の問題もありますので、苦しい中での踏み込んだ決断であったというふうに思います。そうした時代を変えるような取り組みを我々はやっていかなければならないだろうと思います。今回のとっとりイクメンプロジェクトもそうした趣旨でございまして、中小企業のほう、100人という事業規模の下のほう、100人よりも大きな規模のところと分けてございますけれども、小さな規模のところには、国のほうの制度もありますけれども、そういうものをさらに補完をして10万円から50万円という支援をしよう、さらに大きな規模のところも、これも県内のリーダー役になってもらう必要がありますので、これもあえて県として補助対象にして、10万円という、これは定額的なものでございますが、そうした助成をしようということにいたしました。ぜひこれを活用して実践例をつくっていただきたいと思います。考えてみれば、ここ数年で大分空気が変わりまして、女性の取得率は85%を超えるぐらいに来ているわけであります。それに対して男性も着実にふえてはきていると思いますけれども、飛躍的に変わったわけではないわけでありまして、鳥取県らしい取り組みとして提示をさせていただきたいと思っております。このほかにも病児・病後児保育の拡充だとか不妊治療だとか、そうしたところにも踏み込んでいって、鳥取県独自の子育て王国のプランづくりを進めてまいりたいと思います。  次に、酪農対策について何点かお尋ねをいただきました。  まず、第1点目として口蹄疫防疫対策がいかなるものになっているかということでございます。  これについては、まずその発生予防をしなければいけない、それから体制を整えていかなければならないということであります。この点は鳥取県は他県に先駆けてこの口蹄疫対策に取り組んでまいりました。例えば消石灰など、そうした消毒薬剤の備蓄でありますとか、また口蹄疫が発生したときの緊急時のマニュアルづくりやその訓練、演習なども重ねてまいりました。この春に入りまして、私どものほうで消石灰を牛だとか豚だとか、そうした農家のところにお配りをしまして、改めてその防疫対策の強化をしましたし、また米子鬼太郎空港に口蹄疫が侵入しないように県独自でマットを敷きまして消毒を行うといったようなことを進めたり、ことしは、埋却処分が大変だというのを宮崎でつくづく思いました。こうした埋却の具体的な進め方の大々的な演習をやってみようということも考えております。この口蹄疫は農家だけでなくて経済に甚大な影響を及ぼしますので、我々としても万全を尽くしてまいりたいと考えております。  次に、酪農対策として自給飼料の生産向上につきましてお話がございました。この自給飼料対策でございますけれども、酪農ですと大体55%ぐらいが飼料費、えさ代になります。これがどんどん高騰してきているということでありますし、世界的に相場がつり上げられるような危険もあります。したがいまして、ここのところは自給でやっていくと、自分たちでつくっていくということを進めていかなければいけないと考えております。平成16年には大体25%ぐらいの自給飼料率だったのですけれども、それを今では40%台の後半のところまで持ってきておりまして、42%まで平成20年度では持ってきていると。さらにその後も持ってきておりまして、恐らくもっと上がってきていると思います。例を挙げて言えば、ハーベスターの組合、コントラクター組合とか、それからサイロをつくるとか、いろんなことを大山乳業などの生産者と一緒になりまして進めております。昨年はさらに飼料用の米の作付を進めようということがございまして、これも全県的にマッチングをしましてやりました。県内ではこの飼料用米はほとんど生産がなかったわけでございますけれども、昨年ですと185ヘクタールもの作付を行いまして、大変に広がったわけであります。こうしたことをぜひ進めていって、飼料の安全保障という面でも、それから畜産農家の経営対策としても展開をしてまいりたいと思います。  そのほか牛乳の消費拡大につきましてお尋ねをいただきました。  牛乳の消費拡大につきましては、消費拡大のイベントをしたり新しい商品の開発の応援をしたり、かつては大乳さんが工場を建てるときに思い切った助成措置を打ったりしました。さらに東京でのアンテナショップなどにも提供していただいたり、いろんな形で支援策を打っているところであります。今、牛乳離れがございますので、カウィークラブの皆さんだとか、そうした生産者の関係者の方々と一緒になりましていろんなPR事業も展開をしております。あわせて、去年特に暑い夏で、生乳が失われるわけです。つまり暑いと夏ばてしまして乳も出ないことになりますので、飼育小屋の環境対策、そうした配備も進めていこうということにしまして、換気扇も171台という規模で設置を進めるなどの対策をとるようになりました。こうして乳価、お金をコスト削減をしたり、それから販売対策をしたりしまして消費拡大などに結びつけていこうと考えております。  TPPにつきましては、本県酪農への影響ということでございますが、議員のほうからおっしゃったようなメカニズムが働くだろうと、例えば北海道のほうでバターなどの生産ができなくなって、勢い安い牛乳が全国に流れてしまうのではないか。そうしますと、県内での生産額58億円ございますけれども、これがそっくり失われかねないというのが現在の県の試算でございます。この県の試算は実は農水省の試算方法に準拠しておりまして、一つのシナリオとしてはあり得る話だろうというふうに思います。そういうことがないように、このTPPにつきましてはぜひとも慎重に議論をしていただく必要があるだろうと考えております。私自身、全農の茂木会長と一緒にシンポジウムに出させていただいたりして全国的にもそうした論戦を張らせていただいております。確たる方針が今まだ出ておりませんけれども、そうした農業に与える甚大な影響というものを念頭に置いた議論をぜひ求めたいと思います。  最後に、鳥取県畜産振興協会の民営化についての県の考え方ということでお尋ねをいただきました。これにつきましては、そうやって民営化を進めたほうが現場の実態にも近い運営ができるということだとか、実は監査上の指摘もございましてこういうこともやっているわけでございますが、その経緯や考え方につきまして農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。 ◯副議長(稲田寿久君)鹿田農林水産部長 ◯農林水産部長(鹿田道夫君)財団法人鳥取県畜産振興協会の役割について補足説明をさせていただきます。  この畜産振興協会でございますけれども、昭和41年に酪農経営の規模拡大というような目的で、育成牛、乳が出る前の段階の牛を育成するという目的で、県下5牧場で育成するということで、主に酪農の育成牛を受け入れるということで展開しております。ただ、当初から協会の専属の職員が2名ほどということでずっと推移してきていまして、県のほうの派遣職員が15名というようなこともありまして、あと臨時職員の方と一緒にということで20数名で経営していたわけでございますけれども、県のほうの関与ということになりますと、やはり人事異動等がありまして頻繁に人がかわるというようなこともありまして、経営自体を安定的にするためと、あわせて自主的にやっていけないかというようなことで見直しを14年度ごろから行っております。その中で、今の取り組み状況でございますけれども、協会のプロパー職員が今4名になっておりまして、これを最終的には新公益法人、25年度以降ですけれども、そのときには8人にしたい。あわせて、今大山乳業のほうの応援ということで8名の方が来られています。これを8名から9名程度にするというようなことで、協会のプロパー職員と大山乳業の方で自主的に運営するような仕組みにしたいというふうに思っています。あわせて平成19年から和牛のほうも入れていまして、和牛のほうの関係があるものですから、JAのほうの関与もいただきまして、総合的に運営できるような仕組みに今しているところでございます。あわせて協会職員のレベルアップということで受精卵移植にも取り組んでいただいておりまして、プロパー職員の中には技術的にかなりたけた方がおられますので、そういう方をたくさんこれから養成していきたいというふうに思っておるところでございますし、あわせて頭数規模の関係も、従来夏場は900頭、冬場は600頭ということで、冬場の施設に入る牛は600頭ほどしかなかったのですけれども、最終的には常時1,000頭ということで、そのための施設整備についても県のほうが今支援しながら、国の事業を活用しながら県のほうも支援して、そういうハード的な設備基盤を支援していきたいというふうに思っているところでございまして、最終的には県のほうの職員の派遣はなくなった状態になりますけれども、それ以後についても基盤の整備だとか牧場運営についていろいろ相談に乗りながら取り組んでいきたいというふうに思っておるところでございます。 ◯副議長(稲田寿久君)4番長谷川議員 ◯4番(長谷川稔君)まず、子育て支援についてでありますが、男性が育児休業をとるという場合に、いわゆる話題性としては、広島県などでありましたか、知事がとることについて取り上げられたのですけれども、本当のねらいはそういう育児休業がとれる必要性といいましょうか、意義みたいなものがもっと深く掘り下げられればよかったと思うのです。男性がとる場合の意義というのは、女性は出産後ですから家に休んでいるわけです。そこに寄り添うということで、男性が育児休業をとるということで、本当に一緒になってあやしたりといいましょうか、そういうことで、その期間、男性がとることですごく子育てのストレスの解消といいましょうか、つらさなどから解放されるというところに意味があります。そして、これに鳥取県が取り組もうとしているもう一つの大きな意義は、法律は確かに今100人未満の事業所もとれるようになりましたけれども、対象は6カ月以上育児休業をとる場合の支給なのです。これを鳥取県では6カ月前、恐らく実際なかなかそんなにはとれませんし、最も必要とする6カ月までを鳥取県で支給ということでの条例化を、しかも事業所のほうにしようとしているわけです。私が途中申し上げました、鳥取県のほうが大都市よりも、大きい県よりもいい意味で行政の影響力が伝わりやすいと言ったのはそういう意味であります。県の施策、行政施策というものが事業所に届きやすいと、これは周知を図らなければいけませんから、そういう意味で本当にすぐれた施策だと、ヒットだと私は考えているものでありますから、そのような認識を持っているということであります。  国保料の点でありますが、納められる被保険者の方からは本当に国保料は高いものになっています。これをもう一つ角度を変えまして、他の県と比べた場合に鳥取県の国保料はそう高くありません。それはなぜなら他の被用者保険との関係から繰り入れというものが大きくなっているからであります。ここで申し上げたいのは、前期高齢者の取り扱いです。以前は退職者医療制度があり、それを引き継いだ形で今前期高齢者の保険者間の偏在による負担の不均衡を加入者数に応じて調整をされております。このため、鳥取県のように前期高齢者が多くて被用者保険の加入者が少ないところには、他県も含めて市町村国保のほうに繰り入れが多くなってくるというわけであります。ただし、他県の高齢化率が高くなると配分交付額が少なくなります。また、被用者保険の中で組合保険が運営上の赤字から解散するところが今生まれてきております。そして県単位の協会けんぽに移るケースがふえてきておりまして、トータルで前期高齢者の総額が減額となり、結果的に県内市町村に入る前期高齢者交付金も減額となる可能性というものがどうしても案じられるところであります。  次に、県をめぐる状況で申し上げますと、知事もさき方おっしゃいましたけれども、それまでにはなかった、平成17年から国の定額国庫負担の調整交付金が50%から43%になっております。そのあおりを、7%というものを県が今負担するようになってきております。また、保険基盤安定制度の低所得者保険料軽減分を、市町村に裁量権を与えるという言い方で、従前は国が4分の2、2分の1負担していたものを今は県が4分の3、市町村は4分の1として、ここからは国はもう財源保障をしていないわけであります。こういうことで、現状は県は定められた負担割合を支出するのみであって、いわゆる医療機能の強化を含めた保険者機能は発揮できない位置関係に今なるわけであります。ですから、これから保険者の広域化という場合にいろんな問題があります。確かに知事がおっしゃったように、まずは国がしっかりした公費というものをこの国保会計に投入しなければ何事も始まりませんが、参考までにということで取り上げていただきました京都府の場合は、やはり平成30年度には保険者として京都府が市町村と一体化していくと、統合するということを私は最終的なところには置いておられるように思います。そのためのいろんな町村間の、今保険料なりのいろんな格差がありますから、そういうものもならしていく、そういう期間に23年から30年まではしていこうというふうに私は読み取っておりますので、やはり現実からいいましても将来を見込みましても、自治体、市町村にやはりいつまでもということにはならないのではないかと考えておりますので、この問題、国とは少しまた観点が違って、県がしっかりとした保険者のいわゆるあるべき姿も目指しながら、これも追求をしていただきたいと思います。  最後に、最初に触れました東日本大震災に関しまして、生活再建支援法の住宅再建のいわゆる全額支給というものをどうしても国は財源的な手当てをしなければ、政治は被災者を見捨てたと思うと思いますので、ぜひこの点は強力に働きかけをいただきますようにお願いをして質問を終わります。 ◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)長谷川議員の重ねての御質問にお答え申し上げます。  まず、育児休業のことにつきましては、議員がおっしゃるように、男性、女性それぞれに役割を果たしながら子育てを進めていくことが大切であります。人間という動物はそういうふうにつくられていると思います。動物の種によりましては一切やらないのもあれば、逆に男性が子育てをする種もあるわけでございますけれども、そういうようなことでいきますと、人間は夫婦両性が相まみえまして、そして子供たちに対して教育をし、そして介助をしていくということが大切でありますけれども、どうも社会実勢としては女性のほうに一方的な負担がかかっているということであります。ただ、男性の側にもそうした事情はわかるところがございまして、県庁の職員も今率先して休業をとるようになりつつありますけれども、見方が変わってくるといいますか、人生の充足感というのも感じてもらえるようになっているようでございます。ぜひ国のほうも本来制度を改めていただきまして、6カ月以上休まないと一切国はお金を出しませんということでなくて、鳥取県を見習って、そうしたきめの細かいサービスを考えてもらいたいというふうに思います。  国民健康保険につきましては、議員のほうから御指摘がございましたように、前期高齢者の算定の仕組みなどもありまして、鳥取県は幾分他県よりは緩和された形があるかもしれません。ただ、県の保険者とのことも絡めてお話がございましたけれども、全国を見渡してみますと、長野県などのようにそもそも医療費全体が抑えられていて、別に医療費をけちっているわけではなくて、健康というものを大切にするような、そういう地域づくりが功を奏しまして健康保険のほうの負担も抑えられているというようなところもございます。北海道だとか関西は高い、九州も福岡などは高い、そういう地域性があって国民健康保険ないし保険料というものが地域で格差があるというのは非常におかしなことでありまして、都道府県も医療についての一定の役割がありますから、県もかかわってそうした医療費の適正化も含めた一定の役割を果たすというのは十分志向し得るところだと思います。問題として、その前提となるこれから余りにも膨らんでいく高齢化の時代の中の医療費負担、これについての国の政策がきっちり整うことを見きわめながら、鳥取県も京都府のように議論への参画を強めてまいりたいと思います。  そして、最後に東日本大震災の被災者への被災者生活支援金の御指摘がございました。今の議員の御発言を受けとめまして、国に対してきちんとした要望を地方六団体を通じてぜひやってまいりたいと思います。 ◯副議長(稲田寿久君)新人の議員もいらっしゃいますので申し上げますが、制限時間が近づきましたら質問をまとめていただきたいというように思います。  なお、議長の命令に従わないときには質問を中止させる場合がありますので、御了解をいただきたいと思います。  次に3番砂場隆浩議員 ◯3番(砂場隆浩君)(登壇、拍手)新人議員の砂場隆浩です。初めての本会議での質問でありますから間違いや失礼があると思いますが、先輩議員の皆さん、執行部の皆さんにはお許しをいただきたいと思います。  さて、私たちの会派「かけはし」の本会議での質問は、森岡議員の質問に始まり、私で最後です。一人一人の質問が完結し、そして4人で一つの質問になるように考えたつもりであります。また、任期中私が本会議で質問する機会は16回ありますので、今回は平井知事に県政運営の哲学、理念を伺うとともに、幾つかの時間のかかる課題について提言をいたします。次回以降は各論として財政、雇用、福祉など毎回テーマを決めて議論をしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、質問に移ります。  政治家の政治哲学、思想性は、つまるところは、その政治家がどんな理想の未来像を描いているかに帰着すると思います。トマス・モアは、1516年、住民たちが貴金属、金を嫌い、共有の倉庫から必要に応じて物を取り出して暮らすユートピア島を描きました。これがユートピアの語源であることは皆さん御存じのとおりです。  環境大臣で防災担当大臣であります松本龍さんが以前私に1冊の本を勧めてくださいました。それはシューマッハが40年前に描きました「スモール・イズ・ビューティフル」という本であります。核廃棄物の環境破壊を警告した本として、今再評価されています。この本は、地域の必要に応じ地域の資源で生産活動を賄う循環型の仏教型経済を提唱し、完全雇用と最小限の消費で最大限の幸福を得ることができる地域をつくるべきと提案をしています。私は非常に示唆に富む考えであると思います。鳥取市内の旅館でカニをほうばりながら松本さんが、シューマッハの理想は鳥取なら実現できるのじゃないかと繰り返されたことを今思い出しています。  平井さんのマニフェストは鳥取県の課題を網羅し、現実的な処方せんが提示されていると思います。であるならば、これらがすべて実現されれば鳥取県はどういう地域になるのでしょうか。そして、「みんなでやらいや未来づくり」でいう未来とはどんな未来なのでしょうか。そこからまずお聞かせください。  〔副議長退席、議長着席〕  合衆国の歴代大統領の中で一番アメリカ国民の敬愛を集めているのはジョン・F・ケネディだそうです。ダラスで最愛の妻ジャクリーンの前で凶弾に倒れた悲劇の主人公であるということも一因でしょうが、やはり人類を月に送るという希有壮大なアポロ計画を国民に示し実現したからだろうと思います。  ケネディは1961年5月25日、上下合同会議で今後10年以内に人類を月面に着陸させ安全に地球に帰還させると表明いたしましたが、この演説の中で、人類にとってこれ以上にすばらしく、これ以上に重要な計画はないだろう、しかしながらこれ以上に遂行が困難で費用のかかる計画もないだろうと語っています。ライス大学では、我々が10年以内に月面有人探査という道を選択したのは、それが容易ではなく困難であるからだ、そして我々はその挑戦を後回しにせず受けて立つことを望み、これに勝利する用意があるからだと演説しています。困難にあえて立ち向かう姿勢こそが私は我々政治家のあるべき姿だと思います。  結局アポロ計画は250億ドル、当時の為替レートで換算いたしませば8兆円を超える投資額となりまして、2万を超える大学、企業が参加し、何と40万人を超える雇用を創出いたしました。確かに大陸間弾道弾という負の遺産もありましたが、科学技術の革新を生み、揺るぎない技術大国へとアメリカを引っ張っていったわけであります。そして何より大きいことは、アメリカ国民に大きな夢と自信を与えました。実現可能性も重要でありますが、県民と一緒になって大きな大きな夢に向かって困難に立ち向かうことも我々政治家にとっては大切なことだと思います。  価値観が多様化した平成の世に生きる私たちは、司馬遼太郎が小説「坂の上の雲」で描きましたように、明治の人たちが坂の上に浮かぶ一筋の雲を目指してひたすらに坂を上ったようなメンタリティーは持ち合わせていません。だからこそしっかりとした哲学、理念に裏打ちされた大きな大きな夢を県民に提示することが欠かせないと思いますが、平井知事はいかがお考えでしょうか。  私たちの会派「かけはし」は、森岡議員が代表質問でパラダイムシフトの必要性を訴えました。私も同じ思いでこれから幾つかの提言をしてまいります。  第1の提言は、エネルギーにおけるパラダイムシフトであります。福島第一原子力発電所の事故以来、太陽光発電に注目が集まっています。孫さんが提唱したプロジェクトに平井さんはすかさず崎津工業団地への誘致を表明されましたし、マニフェストにも自然エネルギーで10万キロワットの発電が掲げられています。一昨年、2009年に県内で消費された電力は38億8,100万キロワットでした。県内では風力、水力、太陽光、バイオマスと、自然エネルギーで5万7,300万キロワットアワーが発電され、自然エネルギーが占める割合は14.8%であります。全国よりかなり高い率でありますが、どうでしょうか、ここは思い切って国内で初めて、いや世界で初めて100%自然エネルギーの発電で電力需要を満たす、そういう地域を目指していただけないでしょうか。  全国の状況では、大阪の堺市で関電が1万キロワット、シャープが9,000キロワットの計画が進行中です。新潟市では新潟県と昭和シェル石油が1万キロワットで計画中ですが、これは降雪地でも太陽光発電が可能であることを示し、産業プラントとして輸出を目論んでいます。世界に目を移せば、カリフォルニア州モハベ砂漠にあるSEGSプラントは、1951年の稼働以来増設を続け、今では35万キロワットの出力を誇ります。北ヨーロッパの9カ国は、北海で風力で発電し、スーパーグリッドで電力を融通し合って、そして供給する仕組みに取り組んでいます。アフリカでは、何と地中海を越えて南ヨーロッパへ送電する太陽光発電所も計画されています。どうでしょうか。確かにまだまだこれからではありますが、鳥取県が本当に環境イニシアチブをとるのであれば、本気のニューディール、文字どおりの新規まき直しを行っていただきたいと思います。  福島第一原発の事故以来、自然エネルギーへの回帰が世界じゅうで始まっておりますが、太陽光パネルの原料であるシリコンの高騰が懸念をされています。ですが、実はこの問題を解決する研究が鳥取大学で進められています。  議長のお許しを得ておりますので、ちょっとパネルを使わせていただきます。  普通の太陽光パネルはただ太陽光が当たっただけですけれども、鳥取大学の研究は、一たん当たった太陽光を集めて小さな太陽光パネルで発電するというものです。光を集めるという発想なのです。そうすることで小さな太陽光パネルでも大きな太陽光発電ができるという考え方です。具体的には、1次元集光型というのはミラーでありますとかレンズで線上に太陽光を集めて発電をするというものです。2次元集光型というのはパラボラアンテナのようなもの、またレンズを使ってこの立体で太陽光パネルの光を集めるというものであります。そしてもう一つは、今の太陽光パネル発電と違いまして、12時に一番太陽光が集まるわけですけれども、直角に太陽光が当たることが発電を高めますので、太陽光発電のパネルを時間ごとに変化をさせますと、約2倍の発電が可能になってまいります。これは1次型ですけれども、このように1次型のパネルを並べまして、横で自転車のチェーンのようなもので角度を変えることで太陽光発電の出力を上げていこうというものであります。この研究の発想は非常に単純であろうと思いますが、大きなことは、これらのものはステンレスなどを簡単に加工してできるということです。地元の企業の皆さんで大きな雇用を生んだり、またここで仕事ができるということであります。これを御検討いただきたいと思います。  そしてもう一つ、100%自然光で賄おうと思いますと、やはり崎津だけでは足りません。第2、第3の発電所をつくらなければならないと思います。今鳥取砂丘の西側でありますが、ここは保安林と鳥大の乾燥地研究所があるわけでありますが、実生の松が繁茂してジャングルのようになっておりますが、これを地元の方々が、ももんじょプロジェクト、お父さんたちが中心になって活動しておられまして、ここの整備を進めておられます。そして彼らはこの中で太陽光発電所をここにつくってもいいのではないかという考えもお持ちです。どうでしょうか。産官学といいますが、住民の皆さんも入った産官学住のプロジェクトです。御検討いただければと思います。そして、この場所に太陽光発電の学習館でありますとか、また研究施設ができましたなら、それは太陽光発電のメッカとなり、鳥取に新しい魅力を付加してまいります。そうなりますことは、やはり鳥取砂丘に太陽をつくるという大きな夢であります。やはり鳥取砂丘のネーミングは大きいわけでありますから、何としても実現に向けて歩み出していただきたいと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。  ソフトバンクからの資金の提供に素早く反応されたことは極めて高く評価をいたしますが、実は3日の代表質問で鉄永議員が、LEDの照明の導入に関して複式簿記的手法の導入について提案がありました。私はこの提案はただ単に会計上の手法の問題ではなく、導入時に大きな資金が必要な計画であったとしても、複数年のランニングコストを計算してトータルで経費削減となるものであるならば果敢にトライをしようという非常に魅力的な提案だと思います。知事はもう一度どう考えているかお聞かせ願いたいと思います。単なる複式簿記的な手法という会計上の問題ではないと思っておりますので、再度のお考えをお聞かせください。  もう一つ、鳥取市内の商店経営者の中にはアーケードを太陽光パネルでつくりたい、そして照明をLEDにかえて商店街そのものをエコの地域に変えていきたい、こういう考えを持っておられる方がおられます。非常に魅力的な商店街が鳥取に生まれてまいります。そして、やはりこれは新しい魅力ができるわけですから、地域としての財産になるだけではなく、プラントとして発売できればこれも新しい産業になってまいります。6月補正予算には再生可能エネルギーの導入モデル事業がありましたが、市街地モデルの中には住宅地ではなくて商店街においてのこういうチャレンジもどうか加えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  それでは、林業のパラダイムシフトへと話を移します。今、本当に林業は厳しい状態に置かれていますが、3つの提案をいたします。  第1は、木の住まい助成制度の飛躍的な対象の拡大です。今、この制度は県内の業者が県内に住宅を建設するときにしか適用はなされませんが、県内の建設業界の皆さんは非常に厳しい状況に置かれています。どうでしょうか。県外に県産材を担いで商売に行っていただきたい、こう思うわけであります。県外への適用も認めていただきたいと思います。また、県内に支店を抱えている企業の中には、大きな雇用を生み、そして法人事業税を多額に納税しておられる方々もおられます。ところが今、松江と鳥取の支店の統合の動きがたくさんあります。支店が松江に移ることは鳥取県にとってはマイナスです。福岡や札幌が支店経済で潤っているのでありますから、この点もお考えをいただきたい、こう思います。  第2は、MDF工場の設立です。MDFは中密度繊維板のことで、木材チップを細かくして、接着剤を加えて熱を加え、圧力をかけて形成いたします。何といっても原材料は木材チップです。間伐材や端材でも可能でありますから、とても安価であります。県内で若いデザイナーによる家具づくりや住宅リフォームのプロジェクトも立ち上がっております。しかしながら、このMDF、10億円を超える資金投下が必要になってまいりますので、県営もしくは大きな支援を県のほうが考えるということは可能ではありませんでしょうか、御検討願いたいと思います。  第3には、カーボン・オフセットの活用であります。県が昨年11月にまとめられた森林・林業・木材産業再生プランでも提唱されていますが、やはりこのオフセット・クレジットについては、広く民間の企業へも適用をお願いしたいわけです。現在は県有林、そして智頭の町有林、智頭芦津財産区の林業へ広がりましたが、まだまだ民間林業者への転用はなされておりません。1ヘクタール当たり7トンの二酸化炭素を吸収することができますので、今二酸化炭素1トン当たりは1万5,750円です。そうしますと、1ヘクタール当たりで11万円になりますので、間伐費用の半分程度を林業家の皆さんにお渡しすることができますので、御検討いただけないでしょうか。  次は、イベントのパラダイムシフトです。海づくり大会が本年の10月29日、30日、再来年春には植樹祭、秋には都市緑化フェアが計画されています。海づくり大会は2億7,500万円、植樹祭が7億円、都市緑化フェアが鳥取市とあわせて9億6,000万円と20億円近い税金が投入されてまいります。であるならば、一過性に終わらせることなく、県内の農業や、そして林業が発展するような、そういうイベントにしてほしいと願うわけであります。今、職員の皆さんは懸命に働いておられますが、目の前に迫ったイベントで、皆さんのこれ以上の力を期待するのは酷というものであります。ここは政治家である平井知事の出番だと思います。リーダーシップを発揮していただきまして、バイヤーを招待客に選ぶとか新製品の開発、既存商品のブラッシュアップなど、さまざまな産業育成策に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、千代川の河川敷をこれを機会といたしまして、もちろん河川敷占有許可準則なる国交省の規制もございますが、桜並木と菜の花を植えるなど新しい、そして後世に残るまちづくりを始めていただければと思いますが、いかがでしょうか。  そして、最後は交通のパラダイムです。日本の交通網、なかんずく航空路は東京の空港が中心になっています。これが首都圏、そして地方の格差の大きな原因だと私は思っています。であるならば、東京中心ではなく地方都市間を結ぶ航空路はできないでしょうか。確かに名古屋と米子を結ぶ航空路は中止になりました。それは都市間では需要がないからです。であるならば、空の山手線のようなものを考えたらどうでしょうか。わかりますでしょうか。鳥取空港を出ましてぐるっと1周回ると、右左に回るという航空路があれば、それぞれの空路を結ぶ、そういう新しい需要を喚起することができますし、一つ一つの航空路を結ぶよりももっともっと効率的な運用ができるのだと思います。これにつきましても、鳥取空港のほか地方管理空港が多いので、各県に呼びかけて離着陸料を免除してもらえばローコストキャリアが可能になります。どうでしょうか。平井知事には知事のままでもいいので日本初のローカル・ローコスト・キャリアの創業社長も目指していただきたいと思うのでありますが、いかがでありましょうか。  るる申し上げましたのは、やはり今大事なことは、これまでの既存の概念を打ち破って新しい取り組みに果敢に挑戦をしていただきたいと思います。次回からは細かな現在の問題を取り上げますが、今回はそういう大きな問題を取り上げさせていただきました。  最後に1点だけ、パートナー県政について議論を申し上げたいと思います。2月議会で尾崎薫さんの質問に答えて直接民主的な手法を導入して住民意思を確認するようなものがないかと住民投票の可能性にも言及されておりますが、鉄永議員の代表質問に対しましては、現行法下では拘束型は無理で諮問型しかとり得ないというふうに回答なされております。しかし、新しい制度を考えるときには既存概念にとらわれてほしくはないわけであります。例えばカリフォルニア州、もちろん法律の制度は違いますが、ここは30万ドル以上の州の債権を発行する場合には上下両院で3分の2以上の賛成があり、そして住民投票の可決を得なければなりません。そしてまたその一方で、アファーマティブ・アクションに関します規制を住民投票でしたというマイナスの面もあります。そういう意味では、さまざまな事例を検討していただきまして、本当に鳥取発の地方自治を改革するような、そういう新しい日本の地方自治のターニングポイントと言われるような理想的な条例を目指していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  壇上からの質問はこれで終わらせていただきます。どうぞ回答よろしくお願い申し上げます。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)砂場議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、私のこれからの政策運営につきまして、どういう地域を目指すのか、どんな未来を考えるのか、大きな夢を県民に提示すべきではないかという御指摘がございました。これは森岡議員の代表質問にもお答えをしましたけれども、そのときはパラダイムシフトという発想の転換、価値観の転換、そうした観点での代表質問がございました。そのときも私の考えの一端を述べさせていただきましたけれども、今の砂場議員の御質問で、私も共鳴いたしますのは、フリードリッヒ・シューマッハの「スモール・イズ・ビューティフル」という、そういう考え方でございまして、これは私たちの鳥取県にも一つの方向性を与えるものではないかというふうに思います。と申しますのも、そのパラダイムシフトに関連しても申し上げましたけれども、今回の東日本大震災の後、非常に致命的なぐらい日本人の価値観が今変わりつつある。それは従来の大量生産、大量消費という、そういう物質型の文明からの脱却を目指そうというものであって、節約志向もそうであり、さらに自然と対決するのではなくて共生をしていくだとか、そういう環境のスタイル、こうしたところにシフトしていくのではないかというふうに申し上げました。  「スモール・イズ・ビューティフル」の後々称賛されることになりましたのは、このシューマッハ御自身がその当時だれも見通せなかったオイルショックを見通して予言をされたわけであります。この時期、地球上でもそうした学者を中心とした先進的な学説の提示がございました。例えばローマクラブというところでも、世界の賢人たちが集まりまして、地球という資源が有限であると、この宇宙船地球号というものは一つの限られた世界であって、いずれ枯渇するに違いないということを言い始めたわけであります。エリオットなどもエコロジカル・フットプリントという考え方で、もしアメリカと同じような大量消費の社会というものを地球上全部でやったら地球が4個ほど必要になるとか、そういう提示がどんどんと学会を中心として広がってきている。それがここに来て皮肉なことに、今回の福島原発の問題がありまして、決定的なまでに我々として方針転換が迫られる状況に今来ているのだろうと思います。  これは日本だけの問題ではなくて、既にヨーロッパにも飛び火をしておりまして、地球全体でエネルギー需給についての意識が変わってきている段階だと思います。ドイツにおいては原子力発電を放棄するという決定すらしまして、もし電力が足らなければよそから買っていかなければならないかもしれない、それに対して産業界が反発をしながらも従っていこうという、そういう流れになってきているわけであります。こうした時代の転換点に立っている私たちでありますので、そうした中で私たちの鳥取県だとか私たちの未来像というものをつくっていかなければならない、その中に夢というものを描いていくのだというふうに考えております。  鳥取県は小さな県ではありますけれども、幸いなことに自然環境に恵まれている、この自然環境を保持してきています。また、地域のコミュニティーもしっかりしていまして、支え合いの気風というものもあるわけであります。こうしたことを武器にしまして、鳥取県の未来というものをつくっていく必要があるだろうと考えております。今までにはない新しい産業としてのエネルギー産業であるとか、それからきちんとした技術開発を行うことによりまして、これはバイオテクノロジーだとか電気自動車といったような、そうした先端産業にも切り込んでいったようなそういう産業、またローテクというふうに言われがちな農林水産業も立派な先端産業でございまして、こうしたところも我々の生きる糧になっていくだろうと思います。時代が変わってきて、私たちこそがこれからの世界の動向の命運を握る地位になり得るチャンスが出てきているのだというふうに逆に考えるべきだと思います。そのための人材を育成したり、それから安全・安心な暮らしを保障するような、そういう社会システムをともに築き上げていく、こうしたことが私たちの未来の姿として必要なのではないかと思います。きょうは議員のほうから、エネルギー問題だとか各種の提示をいただきました。そうした夢を私も皆さんと一緒に追ってまいりたいと考えております。  その具体的な中身の一つとして、メガソーラー発電についてお話がございました。自然エネルギーの発電で100%需給を賄うような、そういう地域を目指して環境イニシアチブを主導すべきではないだろうかというお尋ねでございます。  私は、前の代表質問、お二人にもお答えしましたように、そういう意味で、自然エネルギーの拠点として鳥取県は名乗りを上げていきたいと思っています。風力のことだとか、それから小水力やマイクロ水力も含めた水力のことだとか、さらに地熱とか温泉だとか、そうしたさまざまなチャレンジがあり得ようかと思います。最近、民主党政権も注目をしている洋上風力発電、そういうこともひょっとすると日本海の風ということを考えれば適するような立地も考えられるかもしれません。今までできそうでなかなかできなかったことに挑戦できる環境が整いつつある中でメガソーラー発電の構想も出てきているという段階であります。  今、私は具体的には鳥取県の西部、米子のあたりなどでそのエネルギー需給を賄うような、そういう特区構想を考えているところでございまして、それはバイオマス発電も重要でございます。王子製紙という巨大企業が工場を構えておられますけれども、そこでバイオマスの発電があるわけでございます。これに地域の風力発電だとか、それからメガソーラーだとか、そうしたものを組み合わせていくことで、少なくとも民生部門の電力需給を賄うとか、そうしたことを新しいスマートグリッドの技術とあわせてこの鳥取県から実証実験的にやってみませんかと、こんな提言をさせていただいております。今、具体的に関係者でアイデアのすり合わせをしているところでございまして、環境イニシアチブのリーディングケースをつくってまいりたいと思います。  次に、太陽光発電につきまして、技術開発がいろいろなされており、鳥取大学でも研究が進められているという御指摘がございました。太陽光を集めてする発電システムなど、今パネルを見せていただいての説明を伺いました。直角に近い角度で追いかけていくような、そういう太陽光発電だとか、そうしたアイデアがあるわけでございます。こうしたものを使いこなして太陽光発電のイノベーションをぜひ取り上げていくべきではないかということでございます。  これは全く同感でございまして、実は今太陽光発電関連産業の育成協議会というものを県の中に組織をしてきました。平成21年から活動しておりまして、その中に、恐らく御存じなのだろうと思いますが、鳥取大学の西村先生とか、そういう複数の先生方にも入っていただきまして、このプロジェクトを進めております。実はきょうこの日もそのプロジェクトの準備会をやっているわけでございまして、その中の一つのテーマとしても、太陽光発電の新しい技術をもとにした県内での開発モデルづくり、これをやってみようではないかということでございまして、直角に近い角度で追いかけていく、追尾型の発電だとかで光を集めて発電効率を高めていく、そういうものを、これはメガソーラー的な大きなものではございませんけれども、どちらかというと規模の小さいところで商品化できるようなことを県内企業と一緒になってできないだろうかと、これにきょう恐らく話し合いを始めていると思います。こうした技術開発だけでなくて、例えばソーラー発電を設置する、その施工技術のワーキンググループでありますとか、あるいは周辺機器のいろんな部品がございますけれども、そういうワーキンググループですとか、そうしたところもあわせて太陽光の関連産業を県内のいろんなアイデアを組み込みながら進めていきたいというふうに考えております。  次に、太陽光発電、メガソーラー発電で崎津だけでなくて鳥取砂丘の西側で産官学住で取り上げてはどうだろうかというお話がございました。これにつきまして、いろんな背景のお話もございました。ももんじょプロジェクトとか、そういうことも出てきました。  この鳥取砂丘のあたりは、住民の皆さんも積極的にかかわって、景観保全だとか砂丘の復活だとか、あるいはイベントでの活用だとか、取り組まれてございます。今鳥取県では鳥取砂丘のための再生会議を設置しておりまして、関係者の方にも入っていただきましていろんなプロジェクトも取り上げてきております。そのももんじょの関係者の皆様も環境活動を精力的にされておられまして、敬意を表する次第であります。鳥取砂丘の西側のところも、それは一つのサイトかもしれません。今後関係者の方の御意見も聞きながらどういう実行可能性があるのかということも調査をしてみたいとは思いますけれども、今、現状でいえば、あのあたりはほぼ鳥取大学の敷地ではないかと思います。特にメガソーラー的な大きな敷地を用意しようと思いますと、鳥取大学がキーパーソンになるのかなというような分野ではないかと思います。これは国立大学法人の持ち物でございまして、その国立大学法人がどういうふうにソーラー発電にチャレンジしていくのかというところはなかなか今想像しにくいところもございまして、まずは地元のほうで、こういう体制で組めるのではないかという話を皆さんの間でも話し合いをして、本当にやるというのであればそのコーディネーター役のような形で県としてもかかわらせていただくのかなと思います。  これは今メガソーラー発電、崎津で一つ例を挙げさせてもらいましたけれども、私も孫社長に申し上げましたのは、県内には崎津を初めとした候補地がいろいろありますという言い方をしておりまして、どこかほかにもあれば御紹介をさせていただけるかもしれません。ただ、いずれにいたしましても、プラクティカルな事業スキームが今求められている段階に来ておりますので、その辺は熟度を見てコーディネーター役が必要であれば県もかかわっていくということではないかと思います。  次に、複式簿記的な手法のことで、LEDのことにつきまして、鉄永県議に申し上げた答えの再質問をちょうだいをいたしました。  私の言葉足らずだったかもしれません。あのとき申し上げたのは、道路照明をあのときは議論しておりましたけれども、道路照明についてLEDを活用してやっていくことはどうかという御提案でございました。その際に、一遍に買うことが難しければ複式簿記的に考えてやるような手法もあるのではないかということでございました。  制度として一般会計で複式簿記を今やっているわけではありませんが、もしやるとしたらこういうことがあるのではないですかということを申し上げたわけでありますけれども、県の場合、道路照明であれば買いかえ時期が来ますので、そのときに、端的に買いかえてしまえばいいと思います。それを何も大借金をして年次を割って複式簿記的に毎年減価償却で出していくということでなくて、それは買いかえのサイクルの中に入れていけば一定の財政負担の平準化にはなるだろうというふうに思います。それが現実的な手法ではないかということを申し上げました。あとは大阪がやっている例を説明させていただいたわけでございまして、大阪の場合では、LEDについてリース会社をわざと絡ませるわけであります。そのリース会社からリースをする形にして年間の費用負担を平準化しようという考え方であります。これは当然ながらリース会社のほうの手数料分といいますか金利分がかかりますので、それが果たして得策かどうかというのはよくよくそろばんをはじいてみる必要があるだろうというふうに考えております。  次に、エコ商店街という構想について県の補正予算の再生可能エネルギー導入モデルで加えられないかということでございますが、これは住宅だけに限定するものではございません。いろんなケースを想定して、エコな太陽光発電だとかを取り入れた、そういうシステムを導入してみましょうということでございまして、中山間地ではこんなケースがあるのではないですか、市街地ではこんなケースがあるのではないですかということでございまして、具体のアイデアがあれば、プランがあるのであれば、今回補正予算が成立すればそれをもとにして対象事業の中には加え得ると思います。あとはプランの成否といいますか、熟度の関係で、幾つかの中からモデル的なものを選定していくという手続になろうかと思います。  次に、木材関係につきまして何点かお尋ねをいただきました。  まず、第1点目として、木の住まい助成事業の対象を県外に拡大するのはどうかということでございます。  これは県の中で県産材を地産地消で使っていきましょうという事業でございまして、当然ながらそれで木材需要を県内でつくっていくことにもなりますし、またその材木を使うという習慣を県民の皆さんにも知っていただくという観点であります。議員がおっしゃるように、外に出ていくというのは当然大切でありまして、外に鳥取の産材を売っていくことは重要なわけでありますけれども、これについてはまた別のアプローチをしておりまして、昨年も製材業者5社で15棟分ぐらい県外で住宅を建てるということを県のほうで応援をさせていただいております。そんなようなことで、県外向けには県外向けの助成制度を活用して需要拡大を図ってまいりたいと思います。  次に、MDFの工場稼働につきましてお尋ねをいただきました。これは農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますけれども、多額の投資も必要になりますし、競争も激しい分野であります。県営でもどうかということでありますけれども、県営でやるつもりはございません。そういう投資のリスクを負う必要はないと思います。もちろん民間でそういう活力を生かしてやろうという会社があれば県のほうでも応援の余地は十分あるだろうと思います。例えば最近でいえばLVLという別のタイプの材でございますけれども、株式会社オロチというものをつくりまして、これを農林の観点でも、それから商工の観点でも、両方から支援をするということでパイロット的に県として出発をさせた経緯がございます。非常に厳しい中ではありましたけれども、今一つの資金循環が動き出したところでございまして、非常におもしろいプロジェクトになってきているというふうに思います。もしそういうように先導的にやってみようということがあれば、スキームを考えて応援をするということはあり得ようかと思います。  次に、カーボン・オフセットについて民間ベースで実現できないかということでございます。これについては県有林の日野町の板井原でまず第1号をつくりまして、自来8件のJ-VERが県内で生まれました。その中には、御紹介がありましたように、芦津の財産区のような、そういう民間のものも入っております。この芦津の財産区のときがそうでございますけれども、こういう民間がやる場合には県のほうからJ-VERの取得経費の応援をするようにしました。ですから、ぜひ民間ベースでももっともっと活用していただくようにしてもらえばありがたいというふうに思います。  次に、いろんなイベントがあることと絡みまして、それを開催後に効果が持続するものにしていくべきではないかというお尋ねがございました。  これについてはおっしゃるとおりでございまして、単なるイベントだけで終わらせるつもりはございませんし、それだけだったら余り意味がないと思います。例えば今回、10月30日に全国豊かな海づくり大会の式典が鳥取市で開催をされることになりました。これは大変大きな大会でございますけれども、この春に震災後に行われました実行委員会で私のほうから提案をさせていただきまして、災害からの復興をサブテーマにしようというふうに申し上げました。今計画をしておりますのは、宮城とか岩手だとか気仙沼など、さまざまなところで漁業者が今生活の糧を失っておられます。実は鳥取県も似たような状況がございまして、年初の雪害のときに200隻を大きく上回る漁船が沈んでしまいました。それから立ち直って漁船を引き揚げて修理をして、県も支援をさせていただきましたが、漁業を復興させたという事業者がございます。ですから、県内のそういう雪害から立ち上がった方々とか、それから今の震災を乗り越えようとされている東北の漁業者の方もあえて招待をさせていただいて、天皇皇后両陛下がいらっしゃる御前でも御紹介をさせていただいたりして、それでこれからの漁業の未来というものをもう一回鳥取県から考えてみようではないかと、こんなことを今イベントとしては念頭に置いております。今準備を詰めているところでございます。また、終わった後も陛下が御放流をなさいます賀露のかにっこ館にいろんな展示をしたりして、長く水産業の振興だとか環境保全などの運動が続いていくようにしたいというふうに考えています。  そして、この海づくり大会の陰の主役として、今白うさぎ大使という環境保全活動をやる子供たちを中心としたボランティアを育成をしています。この子供たちに壇上に上がってもらいまして海づくり大会をやろうと思っておりますけれども、この白うさぎ大使のボランティア活動をさらに2年後の植樹祭につなげていって環境推進活動のきずなを後世へ後世へとつなげていきたいと考えております。全国植樹祭もそうでございまして、全国植樹祭とあわせて同じ年に都市緑化フェアが開催されることが決まりました。都市緑化フェアは湖山池のあたりを主会場としてやるわけでありますが、植樹祭の会場である花回廊もサブのサテライト会場として位置づけてはどうだろうかと考えております。5月か6月か、そうした春から初夏の時期に植樹祭をやり、お手植えなどの行事があった花回廊をさらに今度は都市緑化フェアでもサテライトの会場として位置づける。海づくり大会もそうでありますけれども、鳥取県の中に森づくりだとか海づくりだとか環境推進活動の息吹をだんだんと育ててまいりたいというふうに考えております。  マンガサミットも、マンガサミットだけでなくて漫画をモチーフとした地域づくり、あるいは漫画に関連した産業などを起こしていく、そうしたことをしていきたいと考えております。例えば漫画についての国際コンペティションを国際マンガサミットで実際こちらに来られる漫画家の先生方にも審査員に加わっていただいて、当日その表彰式を晴れ晴れしく行うことなどを通じまして、鳥取県を漫画コンテンツの産業を興していくよすがにしていければというふうにも考えております。もちろん観光地としての育成もあろうかと思います。このように、一過性のイベントで終わらせるのではなくて、むしろそれを契機として県内の諸活動が活気づくように、活力が生まれるように進めてまいりたいと思います。  次に、この植樹祭、都市緑化フェアに関連をしまして、河川敷を、千代川の土手を使って県民運動を進めてはどうかということでございますが、これは地元、鳥取市のほうでされるのであれば考えられたらどうかというふうに思います。県土整備部長から詳細を申し上げたいと思いますが、これをやろうと思うと河川法の仕組みの中でやることに今の現行法上なるわけでございますけれども、例えば江戸川であれば松戸市とか、そうしたところで花を植えたりするそういう河川敷の美化活動を結構大規模にされます。こんなような活動は地域主体で市民の憩いの場といいますかシンボルとしてされるものでございまして、そういう地域の声があれば、我々も国との仲立ちなど、つなぎ役を果たしてまいりたいと思います。  次に、ローカル・ローコスト・キャリアを考えてはどうかということでございまして、東京の山手線のように環状で飛ぶような航空路をつくってはどうかということでございます。  これは一つのアイデアとして受けとめさせていただきたいとは思いますけれども、我々も実は東京便だとかを考えて、地域で航空会社を立ち上げてみてはどうかというアイデアをいろんなところで議論したことはございます。しかし、結局その出資の問題だとか、それから安全運航管理の問題だとか、なかなかハードルが高うございまして、鳥取県として一人でやるのは難しかろうというふうに思いました。そして議員が御指摘になったように、あちこちをぐるぐる回っていくということであれば、かつても松山とか広島とか、あるいは福岡だったですか、瀬戸内海の西側のほうで三角形の航空路構想といいますか、プロジェクトがあったりしましたけれども、なかなか現実には前にうまく進まないのが実情でございます。これはどうしてかというと、その費用の問題だとかノウハウの問題が一つございますけれども、航空の難しさとして、安全管理が最優先されるところがございます。飛行場に着きますといろんな規制がかかるわけでございますし、航空会社の考え方もあるわけでございますが、乗客は一たんおりなければいけないのです。それはなぜかといいますと、そのときに点検をするわけでございます。次に飛び立つ前にこの飛行機は安全かということを点検をすると。その点検のタイミングをとらえて、皆さんも飛行場でごらんになっているように必ず給油をします。この給油をするときに乗客は飛行機からおりなければならないという規制がございます。これは別に日本に限らず諸外国でもそうでありますが、私もアメリカにいたりして、時々経由便のようにしてセットされている便がありますけれども、結局ハブ空港に着くとそこでおろされてしまいまして、またその飛行機に乗るのであってもおろされる、しかも場合によっては同じ便名がついていても別の飛行機に乗せられることすらあると、これが飛行機の業界のやり方でありまして、順番に点で結んでいってずっと乗ったままで列車に座っているように待っていればいいかというと、そういうわけでもない。そうすると勢い一つ一つの区間でお金を取るようなセッティングになりますと高くつくとか、いろいろと考えてみて隘路があることが過去の検討の中からもわかりました。  なかなか困難もあるということではありますけれども、他方で私はチャレンジすべきと思っていますのは、今のこのローコスト・キャリアの動きの中で決して地方空港は排除され得ないということです。むしろそのローコスト・キャリアが地方空港をビジネスチャンスにとらえ得るものがあると。鳥取県であればそれ相応の協力をローコスト・キャリアに対してしていくことで国内の路線を誘致をしたり、それから国際的にも路線を誘致をしたりということは射程の中に入り得るものだと思います。今も水面下でいろんな働きかけといいますか、フィジビリティスタディを職員と一緒にしているところでございますけれども、これからの国際観光市場をにらんでみれば、中国という大規模な人口圏というのはターゲットの外に置く必要もないだろうと思います。また、米子~名古屋便が消えてしまいましたけれども、それにかわるような国内航空路線というものをローコスト・キャリアの手でやってもらえる余地はないだろうか、この辺も我々としても考えていき得る挑戦だと思っています。もちろんこれはいろんな条件交渉だとか、そういうことがないと成就しないものではありますけれども、今議員がおっしゃったように、これからの交通についてのパラダイムシフトを起こしていくという観点からも考えてみるべき課題ではないかと思います。  最後に、パートナー県政についてお尋ねをいただきました。議員のほうから県民参画基本条例の構想につきましての御指摘がございまして、私のほうで申し上げた拘束型ができないのではないかということに対しての御意見ですとか、それからカリフォルニア州などの先進地を研究をしてみる必要があるのではないか、ぜひ画期的な条例にすべきではないかと、こういう御指摘をいただきました。  私もこの間鉄永議員に詳細お答え申し上げましたとおり、これはまさに県民のためのツールとしての県庁のシステムづくりでありますので、これから広く専門家の知見も得ながら、そして住民の皆様のお考えもとらえながら、ある程度時間をかけて検討して答えを出していきたいというふうに考えています。その目標とするところは、今砂場議員が最後におっしゃいましたように、県民の皆さんが参画をする、全国でもモデルとなるような、そういう地域づくりをする条例を考えていければというふうに思います。今の御指摘の中にありました拘束型のことなど、法律的な隘路は私は正直あると思います。ただ、そういうことをある程度前提にしながらも、鳥取県らしいシステムはつくれるだろうというふうに考えております。カリフォルニアの事例だとか、いろんな事例もございまして、もちろん県内の中でも北栄町だとか、こういう面では全国的にも先頭を切ってやっている町もございますので、いろんな事例も参照させていただきながら、最後は県民の皆さんの御意見がどの辺にあるか見きわめて、できればその条例の最終的な提案にこぎつけていきたいという気持ちであります。まだこれからスタートを始めようというところでございまして、今議会には検討のための予算をまずお願いをしたところであります。 ◯議長(伊藤美都夫君)鹿田農林水産部長 ◯農林水産部長(鹿田道夫君)MDF工場についての補足説明をさせていただきます。  MDFにつきましては、間伐材や端材等を原料としまして木材チップにしてから繊維にして接着剤で固めるというようなことで、それをボード化したものですから、比較的安くというようなことで、安価なものですから、スピーカーの壁だとか住宅の内装材、家具、建具などに使用されているという状況でございまして、間伐材等を有効に活用するという手段の一つとしては有効だというふうに認識しております。ただ、現在の国内の需要供給の状況を調査させていただきますと、現在、製造メーカーは国内に3社ありまして、そのうち需要自体が平成19年106万立米という需要があったのですが、現在は、平成22年度ですけれども66万立米ということで、6割ほどに減っております。あわせて輸入物もちょっとありまして、平成19年には60万立米ぐらいが輸入されていたのですけれども、平成22年には35万立米ということで、輸入のほうも減ってきているということで、どちらかというと、需要が余りないというような状況になりつつあるということで、かなり厳しい状況だと思っています。それで、一応その筋の専門家の方にお伺いしますと、もしつくるとしたら、工場としては相当大きな設備、目安としては年間15万立米ぐらい生産できるような施設が必要だということになりますと、その設備投資に約90億円程度かかるということになりますとかなり厳しいというふうに思っておりまして、こういうことを乗り越えてという民間企業があればお話を伺ってみたいというふうに思っております。
    ◯議長(伊藤美都夫君)古賀県土整備部長 ◯県土整備部長(古賀俊行君)それでは、私のほうから千代川の桜と菜の花、植樹、緑化の件でございます。  まず、堤防への桜の植樹でございますけれども、例えば桜が老木になった場合に時々それが倒れて堤防を破壊するとか、あるいは桜の場合、根が非常に広く張りますので、それが根腐れを起こして堤防の中が空洞化するというような事例がやはりありまして、原則的には堤防の上に新たに桜を植樹するというのは認めておりません。これは河川管理者のほうの見解といいますか、基準としてそういうふうになっております。ただ例外的にありますのは、堤防の必要断面の外側に別に土をちょっと余分に盛りまして、その中で堤防に直接影響がない範囲で盛るというような工事は実はいろいろなところでやっておりまして、同じことを千代川でやろうとすると、千代川の堤防の外に新たに用地買収をして土を盛った上で桜を植樹するというようなことになろうかと思いまして、これを今からやるというのは非常に困難かと思われます。ただ、もう一方の河川敷のほうに菜の花を植えるという話でございますけれども、菜の花がいいのかどうかは別にしましても、要は花を河川敷に植えるというのは全国でいろいろ事例がございます。先ほど知事のほうからもございましたように、松戸市のほうでやっております江戸川でのコスモス畑ですとか、そういった事例はございます。ただ、これをやるに当たってのポイントになりますと、やはり管理を住民協働でできるかどうかというのが一つのポイントになろうかと思います。それから、現在、実際、千代川の場合ですと、スポーツ利用とか、そういうのもやられておりますので、そういうものとの兼ね合い、それから新たな植物を植えることによっていわゆるそこに自生しております植物、在来種への影響、そういったことを考慮の上実施することになろうかと思います。ただ、いずれにしても、実施するに当たりましては、こういった全国どこの事例でもそうですけれども、地域づくりの観点から地元の市町村などが中心となって河川法上の許可を得た上で住民協働でやっていくと、そういったことになろうかと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)3番砂場議員 ◯3番(砂場隆浩君)今、太陽光発電をめぐりまして西部の特区という話が出ました。確かにそのとおりだと思いますけれども、鳥取の住民にとりましたら、米子空港で海外路線ができて、次はDBSができて、また今度は西部の特区かと、こういう声を聞きます。やはり東・中・西さまざまな事業をするときにはバランスよくやっていただきたいと思いますし、自然エネルギーの問題は何も西部だけの問題ではなく東部の問題でもあると思います。中部の問題でもあると思います。やはり手法は変えても、それぞれの地域が省エネで、そして自然エネルギーで賄えるような、そういう地域づくりについても御検討願えればと思います。  MDFについても、費用についてはかなり新しい会社ができていて、そこまでの費用はかからないというような提案もあると思いますが、一番大きいのは、今林野において大きいのは間伐材の問題です。間伐材がお金になりませんから間伐ができないわけです。もともと木が大きくなって高い値段で売れればいいですけれども、ピークだった昭和55年に比べたら木材は5分の1になっているわけです。そうすると、木を売っても間伐する費用さえ出ないわけですから、何とか間伐材がお金になる仕組みづくりを考えなければならないと思います。MDFについては木材の組合の皆さんのアイデアでありましたけれども、もちろん困難があることはわかっておりますが、何とか間伐材がお金になる、そうしない限り鳥取の林業を支えていくことはできないと思います。間伐の経費をいかにして生むか、それをできれば市場経済の中で生んでいく、そういう仕組みづくりが必要だと思います。MDFにこだわりませんが、何か新しい知恵がないかみんなで考えていかなければならないと思います。やはりここもパラダイムシフトを一緒になって考えていただきたい、そういう姿勢をお願いをしたいと申し上げます。  実はローコスト・キャリアについてはJALの若手のパイロットの人たちがそういう研究会で話し合った結果をここで言わせていただきました。今知事が言われたようなことはよくわかるのですけれども、実際には、空港で給油をせずに飛び立つ事例もあるそうでございます。チャーター便などの場合にはありますので、それも頭から決めてしまわずに検討いただけたらと思いますし、茨城空港などは上海との間では1万円を切った旅行運賃で飛行機が飛んでいるということで、新しいインバウンドを生んでおりますので、これについても御検討を願えればと思っております。  いずれにいたしましても、大切なことは、河川敷の問題もそうです。国土交通省の河川の許可準則ではできないことはわかっているわけでありますが、幾つかの地域ではそれを乗り越えてさまざまな知恵でやっているところがあります。これは河川敷ではありませんが、鉄道の線路沿いに、これもやはりつくってはいけないのでありますけれども、愛媛県の伊予市双海町では住民の皆さんの知恵でそこにきれいな菜の花が咲く、そういう鉄道もできております。いずれにいたしましても大切なことは、頭からできない、ルールの中はこうだと決めることではなくて、柔軟な姿勢を持っていただきたいと思うわけであります。それが私が言いました、さまざまな困難に立ち向かうときにはさまざまなルールがあります。しかしながら、そのルールというものはやはりよりよい生活を生むために行政が生んだものでありますから、そういう原点に立ってもう少し柔軟な発想を持っていただければありがたいと感じました。いかがでございましょうか。 ◯議長(伊藤美都夫君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)砂場議員から重ねてのお尋ねをいただきました。  まず、エネルギー関係でございますけれども、西部での特区の話を申し上げました。これについて東部や中部もということでございますが、特区というのは地域設定してやらなければならないのでそういうふうにさせていただいておりますけれども、もちろん東部や中部もすべて含めて小水力発電ですとか風力など自然エネルギーの増産はねらっていきたいと思います。近々は袋川の発電所がオープンするわけでございまして、新しい発電の拠点も東部のほうで生まれるわけであります。大事なのは、今のエネルギー需給が世界的に変わってくる、その中で新しい役割を果たすのが今までの原発の立地の市町村だとか、あるいは火力発電所や、そうしたことのある臨海工業地帯だけでない、自然が残っているところだからこそ自然エネルギーの増産拠点になり得るという、そのことでございます。その意味でいきますと鳥取県のチャンスがあると思いますので、今後も果敢に取り組んでまいりたいと思います。  そして、MDF工場に関連をしまして間伐材の活用というお話がございました。これにつきましては、鳥取県はよその県と違って間伐材の切り出しに対して助成を行っております。これが功を奏しまして、近年山が動き始めております。そして、間伐材の活用という意味でも海外へ売っていくだとか、先ほど申し上げましたLVLでありますとか、あるいは若桜のほうのウッディ若桜とか、そうした既存の製材所の活用だとか、これは町なども応援をしてやろうということになってきたりしておりまして、ここ2~3年で大分空気が変わってきているだろうというふうに考えております。これからも間伐材の活用など県産材の利活用につきまして、県としても全力を挙げてまいりたいと思います。  次に、ローコスト・キャリアについて重ねてのお尋ねをいただきました。JALの若手の方々のアイデアであるという御紹介がございまして、茨城空港のような上海と結ぶ計画も考えられるのではないかということでございます。  今、一つの提案として、そうしたローコスト・キャリアについて今後も我々としても胸にとめていきたいと思います。特に後段でおっしゃいましたように、茨城空港がほとんど使い道がないという中で上海と結ぶ航空路線が世の中の話題を呼びました。首都圏に対する人の流れを茨城からつくったわけでございまして、常識を打ち破るものがあったと思います。このたび同じ航空会社である春秋航空は高松空港に乗り入れました。それからさらにほかの地域もねらっているという、そういう情報もございます。私たちとしても、機敏にそうしたローコスト・キャリアの動向をとらえて、鳥取県の空のネットワークの充実を図ってまいりたいと思います。  最後に、鉄道の土手のお話もございまして、河川敷の活用をタブーを破って考えていくべきではないだろうかということでございます。  先ほどの例が千代川で国営の河川の部分でございましたのであのような話になりましたけれども、県営の河川のところにつきましては、今積極的にスーパーボランティア制度というのをつくっております。これは県のほうから管理の委託をするという形にあえてするわけであります。ただ、その委託をするのとあわせて自由に使ってくださいと。今おっしゃったように花を植えるとか、そうしたこともありましょう。いろんなことを地元のほうでやってもらって、そうしたことに対して県のほうでその実費弁償的なことをやったり、あるいは今は自分たちで多少重機を使える方々もいらっしゃいますので、少し形状を変えて公園風にするようなこともあります。そうしたものも実費的なところで県としても支弁していきましょうと。これをやることで地元の人にとってはすばらしい空間が生まれるし、また環境推進活動の場にもなります。県としては、逆に今までたくさんのお金をかけて業者の方を頼んで河川管理をして、例えば雑草の伐採などをしていたものが地元でやってもらえるようになる、従来よりは経費は安くなると、こういう双方ウイン・ウインの関係ができるわけであります。これを今例えば岩美町の河川でありますとか、それから西部のほうでもやろうとしていたり、同じような考え方で米子のけやき通りの並木のところを管理をしてもらうとか、こういうスーパーボランティアの導入を今進めています。今議員がおっしゃるのはまさにそうした領域でございまして、具体的に県河川などでこういうことをやったらどうかということがあれば我々としても積極的にテーブルを設けて地元の活動を後押ししていきたいと思います。 ◯議長(伊藤美都夫君)3番砂場議員 ◯3番(砂場隆浩君)河川敷については前向きな姿勢を示していただいてありがとうございました。  木材についてですけれども、木の住まい助成制度とは別に県外で15棟の助成制度があるというふうに教えていただきましたし、それからJ-VERについても助成制度があるとお聞きしたのですけれども、随分多くの木材業者さん、それから建築業者さん、それから加工業者の皆さんに聞いたときに、なかなかそういう話が出てきていないのですね。ですからやはり現実にどんなにいい制度をつくってもその制度を周知徹底して県民の皆さん、県内の企業の皆さんが使われませんと意味がありませんので、できる限りの周知徹底のほうも御努力をいただければと思います。  そして、木の住まい助成制度でございますけれども、県外に適用した場合に、例えば県外分については県内でしか使えない地域通貨を使ってインバウンドに利用するとか、一つの政策で他のたくさんの分野で効果を生むような方法というものも各部連携をして進めていただければおもしろいのではないかと思っています。  質問を予定していたのですが、時間がこんなに早くたつとは思わずに言葉足らずに駆け足になってしまいましたけれども、本当に丁寧に答えていただきましてありがとうございました。(拍手) ◯議長(伊藤美都夫君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時26分散会    ────────────────...