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  1. 鳥取県議会 2007-09-01
    平成19年9月定例会(第11号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。  この際、御報告を申し上げます。  本議会に提案されております議案第6号「職員の育児休業等に関する条例の一部改正について」に対し、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めておきましたところ、同委員会からお手元に配付している写しのとおり回答がありました。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問、次いで議案第1号から第18号までに対する質疑であります。  なお、質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。  これより、一般質問を行っていただきます。  21番福間裕隆議員 ◯21番(福間裕隆君)(登壇、拍手)おはようございます。  それでは、まず最初に、参議院選と知事の政治姿勢についてお尋ねをいたします。この問題につきましては、昨日、同僚議員であります鍵谷議員が知事の考えを問うております。ほぼ同じ内容になる部分があるかと思いますが、私は私の思いで知事のお考えをただしたいと思いますので、お答えをいただきたいと思います。  7月29日投票の第21回参議院議員選挙に、国民の審判が下りました。一言で言うなら、自民惨敗、民主圧勝であります。(拍手)私は、今回の参院選の争点は、小泉改革路線を継承するとした安倍首相を国民がどう評価するのかであったと考えています。すなわち、年金の問題に象徴される自民党政権国民生活軽視、破壊の政治に対し、国民の生活が第一と訴えた民主党の主張が格差と生活不安に苦しむ有権者の琴線に触れ、多くの共感を得、民主党への支持となって結実したものと考えています。  米子市出身の東大名誉教授宇沢弘文氏は、小泉改革思想的原点市場原理主義であり、その市場原理主義が本格化し、現在の日本は格差が拡大しつつあるとした上で、今回の参議院選挙の結果について、国民の多くが望んでいるのは市場原理主義的な改革ではなく、一人一人の市民の心と命を大切にして、すべての人々が人間らしい生活を営むことができるような真の意味における豊かな社会だということをはっきり示したものであると指摘をされています。  平井知事は今議会での答弁で、この参院選の勝敗の分岐点の最大のテーマは地域間格差であったという発言をされていますので、私とほぼほぼ同じような認識かなと思いますが、改めまして、参院選の争点について、知事の感想をお聞かせください。  次に、参院選における平井知事の対応について、お伺いをいたします。  まず、なぜ自民党、常田候補を応援されたのか。それは何だったのか。安倍首相は成長実感という主張をされていましたが、それなのでしょうか。それとも、政権与党だからですか、お答えください。  次に、選挙期間中の知事の応援演説は、どこの会場においても格差を是正すべきだと終始主張をされておりました。小泉改革と称し、小泉劇場型政治を展開、さらにそれを是とし継承するとした安倍政権が進めた政治は、市場原理主義的な考え方を多く取り入れた結果、格差拡大の社会をつくることになってしまいました。常田候補は、小泉・安倍両政権を構成する自民党の国会議員であり、自民党国会議員の中軸として格差拡大路線に積極的に加担したと思われる人なのに、その政党、その人を極めて熱狂的に支援されたことについて、平井知事自身は何ら矛盾は感じられていないのでしょうか。お答えいただきたいと思います。  選挙結果は、改選数121名に対して、自民党37、民主党60、公明党9、共産党3、社民党2、国民新党2、日本新党1、無所属7という結果でありました。特に、自民党は改選前の64議席からマイナス27、公明党は12議席からマイナス3と、自公政権党が大きく敗退、民主が改選前の32議席から倍増近くの60と、28議席もの大躍進というものでありました。参議院選において、国民の意思が示された結果であります。  平井知事が熱狂的に支援をされた政党と候補者は、残念ながら惨敗をされた結果になったわけでありますが、この結果を踏まえ、鳥取県知事平井伸治さんは、今後どのような対応をされるのか、お伺いをいたします。  次に、鳥取さわやか車いすマラソンのコースについて、お尋ねをいたします。  第19回大会となる今回、私は日本障害者スポーツ指導者協議会鳥取県支部の一員として、ボランティアとして参加をし、鳥取市国府町で給水係として選手に水を配ったり、頭から水をかけたりする役割をちょうだいいたしました。そして、真剣に競技に取り組んでおられる選手の姿に大いに感動をいたしました。
     ことしで19回目を迎えるこの大会の創設に取り組まれた先人の熱き思い、そして今日までそれを継続してこられた関係者の皆さんの御労苦に心から敬意を表したいと思います。このような大会は今後もぜひ続けていくべきと考えますが、知事は本大会についてどのような認識を持っておられるのか、お伺いをいたします。  競技が終わった後、出場されておられます選手の中で、10名程度の皆さんに感想をお伺いいたしました。ほとんどの皆さんが、鳥取駅前などの市街地の大通り、とりわけ町のど真ん中を走ることのできる鳥取のこの大会はすばらしいコースであるという声でありました。その理由は、沿道から多くの人に応援をしてもらえるので、それが励みになるということ、そして、このことを通じて鳥取県民の皆さんに身体障害のある人についての関心と理解を深めてもらえることの一翼を担っている、その思いがあるので、毎回参加したいコースの一つであると話しておられました。  しかし一方で、気になる話も耳にいたしました。それは、来年以降コースが変更されて、鳥取市の中心部を走らなくなるという話で、その話をされた選手は非常に残念がっておられました。この車いすマラソンは、市街地を走ることに大きな意味があると思います。大分国際車いすマラソンは、昨年、海外18カ国、国内39都道府県の計327人が参加しましたが、スタートは大分県庁前、そして大部分が大分市街地を走るコースであります。来年に開催予定の第20回大会のコースを変更する予定なのか、主催者ではない知事にお伺いするのは筋違いかと思いますが、所見をお聞かせいただければと思います。  さらに、コース変更は道路警備に多数の警察官が動員されることも要因ではないのかなと勝手な推測をしています。県警本部長に所見をあわせてお伺いをいたします。  3番目でありますが、若者仕事ぷらざについてお伺いをいたします。  若年者の早期就職職場定着の促進を図るため、就職支援等ワンストップで受けることのできる若者仕事ぷらざが平成16年4月鳥取市に開設、平成17年5月には米子市に開設されました。開設から3年以上がたつことになりますが、若者仕事ぷらざのオープンの経緯と現状について、知事にお伺いをいたします。  以上、壇上からの質問といたします。 ◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福間議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、参議院議員選挙についてのお尋ねがございました。その争点についての所見をということでございました。  争点について、福間議員の方から御指摘がありましたけれども、地域間格差の課題が大きな争点であっただろうというのは、私も同感であります。ただ、いろいろと正確に述べれば、本来、小泉改革から始まった自由主義的、市場主義的なというお言葉遣いですが、市場主義的な路線を安倍政権が継承したと。そのことの是非が問われたという御指摘でありますけれども、ただ、それ以上に、中途からさまざまな争点が加わったというふうに認識をいたしております。年金の問題でありますとか、あるいは農業問題でありますとか、いろいろな課題が重畳的に重ね合わさり、そこに政治と金の問題もクローズアップされて、それがちょうど選挙中の大きなイシューに、争点になってきた、論争の焦点へとなってきたということだと思います。そういうことがいろいろと重なり合って、今回の参議院選挙が戦われたものというふうに認識をいたしております。  次に、なぜ特定の政権与党側の候補を応援したのかという問いでございますが、これは、一つには格差是正ということを私は正面に向き合ってこれからの鳥取県政を進める必要があるだろうと認識をしていたことであります。したがいまして、いずれ政府の要職につかれる可能性が高いという方でありましたので、私はそう認識しておりましたので、その応援をさせていただいたということと、あと、地方分権という課題がこれから大きくクローズアップされてくる時期になります。そういう意味で、市町村レベル、県レベル、そして国会でも地方行政の場で活躍をされていた、そういう認識を持っておりましたので、応援をさせていただいたということでございます。  格差是正をすべきだというふうに私が主張をしていながら、政府・与党側の人を熱狂的に支援したことに矛盾は感じないのかということでございますが、特段矛盾は感じておりません。私は政府・与党の方の仕組みを変えなければ、この国は変わらないと思いました。したがいまして、地方の実情に理解をしていて、いずれ要職につく可能性が高いという方でありましたので、私はそれを応援させていただいたということでございまして、地域間格差の是正を私が応援演説などで訴えることとの違和感を特段感じていたわけではありません。その特定の候補も同じようなことをおっしゃっていましたので、そういう意味では、余り違和感はなかったところであります。  次に、選挙結果につきまして、このような結果になったわけでありますが、今後どのように対応するかということでございますが、おっしゃるように、衆議院と参議院とでそれぞれに多数派が異なる状況が形成をされたわけであります。したがいまして、今後、国政の決定において、参議院側の意向というものが色濃く反映される、そういう政局になってくると思います。  私は、これは単なる対立の構図で衆と参が対立をするだけでは国民にとって不毛になると思っておりますし、恐らく政党関係者も、そこの本質は理解をされておられると思います。したがいまして、多様な価値観を国政の場で包摂をする、ちょうどこの県議会の場でいろいろな価値観が抱合されていくように、国政の場でもそれが抱合されることによりまして新しいタイプの政治が生まれることを期待をいたしております。その政局の中で、私ども鳥取県にとってベストな選択が引き出せるように、県選出の国会議員と連携をいたしまして、最善を尽くしてまいりたいと、こういう気持ちでございます。  次に、鳥取さわやか車いすマラソンについての認識を問われたところでございます。  鳥取市の国府町でボランティアをされて、本当にお疲れさまでございました。ボランティアとして、駆け抜ける車いすをこぐ選手たちの姿をごらんになったり、また、ボランティア活動に当たられる、警備に当たられる、あるいは福祉関係者の方々とお話をされて、本当に思いを強くされたのではないかと思います。  私もさわやか車いすマラソンのように、障害のある方々が自分たちの力を精いっぱい発揮する、そして輝く人生というものを体感をしていただく、沿道の人たちにそれをごらんいただき、この問題といいますか、こうしたすばらしい方々がともにこの社会で生きているのだと、手を携えるのだということの認識を深めていただく、そういう意味で非常によい機会だというふうに考えております。  そういう意味で、このコース問題について今お話がございましたが、市街地の中を走ることの意義は、ある程度あるだろうと思います。それは、駆け抜ける人たちにとってすれば応援者が多いことが何より勇気を与えられるということになると思いますし、自分が走り抜けていくことの意義を感じるチャンスになると思います。あわせまして、ごらんになる方々にとっても、町中を走ることは利便性も高いわけでありまして、では応援に行ってあげよう、ボランティアに行ってあげようと、そういうインセンティブにもなるだろうと思いますので、現在のコース設定は一定の意味はあるだろうと思います。  ただ、私は主催者ではありませんで、これについては、さわやか車いすマラソン実行委員会が大会の運営に当たっておられますので、そちらの方でよく御議論いただきまして、これからのコース設定を考えていただければいいだろうと思います。  いろいろな御意見はあるのだろうと思います。交通のことかなと福間議員がおっしゃいましたが、そういうこともあるかもしれません。渋滞を引き起こすだとか、安全性に問題が出るだとか、考えられなくもないだろうと思います。いろいろな関係者の御意見も踏まえて、いい考えを実行委員会の方でまとめていただくようにお願いを申し上げたいと思います。  次に、若者仕事ぷらざのオープンの経緯と現状についてでありますが、商工労働部長からお答えを申し上げたいと思います。  この若者仕事ぷらざは、若年層の就職難、またフリーター問題、フリーターが多く発生しているという課題に対処するために、国全体でジョブカフェというワンストップサービスをやろうと、それが平成15年に始まったと思います。その一環として、鳥取県内では鳥取市と米子市とに順次開設をいたしました。この議場でも取り上げていただいて、その開設が促進をされたと記憶をいたしております。  それぞれの米子、鳥取での活動は活発でありまして、だんだんと利用者もふえているようであります。60万の県の中で2つこうしたスポットがあることは、全国的にも例がないような話でありまして、大いにこれを活用していただき、フリーター問題の解消や若年層の就職が推進されることを願っております。詳細は部長の方からお答えを申し上げます。 ◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。  門前商工労働部長 ◯商工労働部長(門前浩司君)若者仕事ぷらざのオープンの経緯と現状につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  今、知事から御答弁させていただきましたが、若者仕事ぷらざは、若者の就職難とフリーターの増加という状況を受けまして、若年者の早期就業や職場定着の促進を図るという目的のために、職業相談、職業紹介、情報提供などをワンストップで提供できる施設として、県がハローワークと協力して設置をしたものでございます。16年4月に鳥取駅南口に鳥取ぷらざを開設し、17年5月に米子駅前に米子ぷらざを開設したものでございます。  これまでも、利用者の増加に対応しますために、若年者就業支援員を増加するでありますとか、また、利用者の利便性の向上を図りますために、併設をしていただいておりますハローワークの土曜日の開所、こういうものを要望し、実現をしてきたということもございますし、また、職業意識や就職のための基礎的な能力を体系的に学ぶことのできる若年者就職基礎講座、こういうものなどを新たに開設するなど、支援の一層の充実を図ってきたところでございます。  その利用者の状況ということでございますが、鳥取、米子合わせた合計ということで申し上げますと、平成18年度で3万1,067人となってございまして、平日の平均利用者が119人となってございます。また、今年度は8月までの集計で1万5,442人となってございまして、こちらも平日平均の利用者で135人となってございまして、約15%利用者の方がふえているというような状況にございます。  また、就職者の状況ということでございますが、昨年度1,203人でございました。今年度8月までで663人ということになってございまして、前年の同月比で約5割増しというような状況になっているということでございまして、利用者、就職者ともに増加をしているという状況にございます。 ◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。  田代警察本部長 ◯警察本部長(田代裕昭君)お答えいたします。  鳥取さわやか車いすマラソンのコースにつきましては、議員がお話しになりましたように、鳥取駅前を通る市街地コースで開催されております。これは平成5年の第5回大会の際に記念大会ということで、それを契機に市街地を通過するコースで実施したいという強い御要望が寄せられたものと承知しております。以降、現在まで継続して市街地コースで大会を開催したいという御要望を受け、毎年、警察といたしましても、いわゆる道路使用許可を出させていただいているところでございます。  このコースは、御存じの方も多いと思いますが、布勢運動公園から主に国体道路を通過して、鳥取市の中心市街地を東西に横断するものでございまして、県内でも屈指の交通量の多い国道29号などと交差し、その交通を遮断する形にはなりますので、一般交通への影響はどうしても避けられないところがございます。しかしながら、県警察といたしましても、身体障害者の方々に希望と勇気を持っていただき、また、ノーマライゼーションの理念の県民の方々への浸透を図るという大会の趣旨を勘案し、県民の皆さんの御理解と大会関係者ボランティアの方々の御支援をいただきながら、警察といたしましても鳥取警察署員を中心に警察官を多数動員し、大会期間中の選手の安全の確保とともに、交通渋滞の緩和に努めてきたところでございます。  来年の第20回大会のコース設定につきましては、主催者側におきまして、従来のコースを変更するかどうかについて検討中であると伺っておりますけれども、警察といたしましては、いずれのコースで大会を実施することになりましても、大会の趣旨にかんがみて、選手の安全の確保と交通渋滞の緩和に向けて適切に対応してまいる所存でございます。 ◯議長(鉄永幸紀君)21番福間裕隆議員 ◯21番(福間裕隆君)まず、車いすマラソンから伺います。  結論的に言いますと、知事の思いも市街地を走ることに非常に意義があるのではないかというお考えだったわけですね。警察本部長の方も、実行委員会の方でコースが従来どおりのコース設定をされる場合であれば何ら問題はありませんよと、協力はいたしますよと、どのコースであれ協力はいたしますよというお考えであるということの確認をとらせてください。それでいいですね。ありがとうございます。  問題は、実行委員会がやられることなのですけれども、実行委員会の皆さんが自由に今の発想でできかねるような環境になりつつあるのではないでしょうか。実行委員会をサポートしていらっしゃる皆さんがたくさんおられて、実行委員会の企画立案をやろうとする人が、なかなか自由な思いを述べられない状況になっているのではないかなと、私の勝手な思いなのですよ。でなければ、コース変更という話は県の幹部から出ているのですよ、県の幹部から発言が。だから、そういうことも含めて、実行委員会の皆さんが自由な思いでできないような状況が見受けられるおそれがある。だから、そこは知事がおっしゃったように、実行委員会の思いをきちっと尊重をする、実行委員会がやりやすい環境をつくってあげるということを県としてはやっぱりこれから努めてほしいと私は思っています。  もう1つは、この大会のコースが日本陸上競技連盟の公認になるように関係機関に働きかけるということはどうでしょうか、こう思うのです。冒頭申し上げたように、第1回目の車いすマラソン身体障害のある人が車いすで市街地を走るということを企画された先人のこの思いが19年間続いてきた。大分国際マラソンまではまだいかないけれども、しかし、全国の皆さんがここをやっぱり集まる場所として集まってきてくれている。毎年100人近くの人が集まってきてくれている。そのことに──私はもう一つ非常に大きな感動を覚えたのは、国府町でテーブルを出して、水を並べて給水の準備をしていましたら、何の打ち合わせもないのに近所の女性の方が2人ぐらい走ってこられて、何か手伝うことがありませんか、私は何をすればいいでしょうかと、走ってきて、そういう申し出をしてくださった。ボランティアということ、自分たちができることを何か見つけ出そうというそういう使命意識が、この19年間のうちに沿道の市民の皆さんにやっぱり大きく芽生えつつあるというぐあいに一つは感じ取りました。  もう1つは、ボランティアとして鳥東、鳥西、湖陵、城北、敬愛、鳥工、あるいは八頭高、鳥取商業、高校生の皆さんが10名から20名ぐらいの単位でそれぞれこれに前日参加、鳥取商業は前日も参加をされたのですか、ボランティアとして自分たちで積極的に車いすマラソンに参加をして、自分たちでできることをやってくれている。そういう気風がこの車いすマラソンを通して、鳥取市周辺に大きな波及効果を及ぼしているということを行政マンは見逃してはならない。逆にそのことを助長するそういう気風をつくるべきだと、このことを申し上げておきたいのです。そのことをひとつ見ていただいて、いや、実行委員会がやることですからという、確かにそうだけれども、実行委員会がもっともっと大胆に前に出れるような発想ができるような、そういう環境整備をしてあげてほしい。人的配置も必要だと思いますよ。そのことを含めて、お願いをしておきたい。  もう1つは、実行委員会もまずいのです。人手が足らないからなのだと思っていますが、だれも知らない。車いすマラソンが19回目になるのに、余り知られていない。というよりも、関係者以外の人にほとんど知られていない。広報宣伝のありようが致命的にどこかできていないのでしょうね。関係者の間だけに周知をしてやっていらっしゃるというぐらいにしか見えていないのです。そういう意味では、鳥取県としても、せっかく全国的なこういう方向になりつつあるわけですから、そのことをひとつきちっととらまえていただいて、バックアップ体制をとってほしいと思いますが、ひとつ御意見をお願いしたい。 ◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、コース設定についてのお尋ねがありました。  このコース設定は、先ほど申しましたように、確かに実行委員会の方で決定をされることでありまして、それを私どもとしては尊重し、ぜひ応援をさせていただきたいと率直に思います。警察のこと、あるいはそのほかにもさまざまな問題があるかもしれません、人手のことなどもあるかもしれませんが、私どもの方でもできる限りの応援をさせていただく体制をとりたいというふうに思います。  今日までこの車いすマラソンが育ってきたのは、住民の方、あるいはボランティアの方の大いなる貢献があったことを今もしっかりとお伺いしました。こういうイベントというのがこれから非常に大切になってくるだろうと思います。単に行政が主導するとか、ある主催者団体だけが頑張るということではなくて、その地域の皆さんが共感を覚えて、これは自分たちイベントだと、しかも、全国から来られる障害者の方々の熱い情熱にこたえようではないかと、そういう意思に支えられるということは、大変に有意義なことだと思います。その意義を私どもの地元の方でむしろきちんと受けとめて、このイベントを育てていく、そういう情熱ないし決意を我々の方も持つべきだと思います。その意味で、今、議員がおっしゃったことをしっかりと受けとめさせていただきたいと思いますし、現在も実行委員会には、私どもの方から代表者を送り込んでおります。その者を通じまして、このコース設定について議場でこういう議論があったこと、あるいは、今あわせてお尋ねがありました公認コースの申請のことも、私どもなりにこの議場の考えを伝えていきたいと思います。  公認コースの件は、これもやはり実行委員会の方で最終的には決められることではありますが、その前提として、このコースでしばらくやろうということがないと、むだ金が生じることになりますので、まずはコースの問題を片づける必要があると思います。公認コースをとるためには、公認のための若干の資金が必要になりますし、手続も入り用になります。ですから、その辺はちょっと実行委員会のお考えも聞きながら、私どもの方でどういう御支援ができるものか考えていきたいというように思います。  広報宣伝が足りないということでありますので、来年は20回の記念大会になることでありますから、これもあわせて検討の中に入れていきたいと思います。 ◯議長(鉄永幸紀君)21番福間裕隆議員 ◯21番(福間裕隆君)次は若者ぷらざをお願いいたします。  先日、鳥取と米子の若者仕事ぷらざの支援員の方にお会いをして、お話を伺いました。支援員の皆さんは、民間企業などで活躍されたみずからの経験を十二分に活用されて、相談に来ておられる若い人たちに親身に接しておられる姿、この姿が非常に私にとって印象的でありました。また、支援員の方は、就職先の紹介のみならず、あいさつの仕方、あるいは靴のそろえ方、どこで立ってごあいさつをするのか、そういうようないわゆる社会の常識人としてのところとか、そういうところの指導、あるいは生活の悩み相談など、非常に多岐にわたって対応をしておられた、私はそういうぐあいに拝見をいたしまして、鳥取、米子2カ所の支援員の皆さんは非常にすばらしい活動をしていただいておるなと、こう思いました。  また、若者仕事ぷらざを通して就職をした人たちがおりますから、そこの事業主の方に、4社しかお会いできておりませんが、4社の社長さんや専務さんにお会いをしてお話を伺いまして、若者仕事ぷらざの内容について、どういう感じを持っておられるのか伺ってみました。こういうようなお話を伺うことができました。  ハローワークと違ってデータベースがあり、しかも、その作成過程が極めていいのだと。これは鳥取県独自の取り組みのようですけれども、事前に若者仕事ぷらざで本人との対話、キャッチボールを十分にしたものでデータベースをつくっている。したがって、本人の人間性や、本人が過去歩いてこられた過程など、一読するだけで一目瞭然となるようにデータベースがつくってあるのだと。このことは、単なる人の紹介だけではなく、いわゆるバックグラウンドの整備があって、非常に事業主、雇用主側にとってはすばらしいものですという、極めて高い評価をいただいています。さらに、中国研修生を3年間受け入れていたけれども、今後は日本人中心でやりたいと。地元の高卒の人が欲しい、人材が欲しいですと、こういう専務さんもおられました。それから、ほかのところでも、若者仕事ぷらざのスタッフは高く評価したいと。知っていないとできないことをやってもらっていると、そういうようなお話がございました。スタッフの皆さんみずから企業側に赴いて求人企業の実態調査を事前にどうもされるようですね。そして対応していただいている。さらに、非常に特徴的なことをお伺いして、なるほどなと思いましたけれども、就職後もずっと、若者仕事ぷらざを通して企業に就職したAさんに電話をして、どうですか、頑張っていますか、仕事は苦しくないですか、そういうフォローをしてくれている指導員さんもいらっしゃるようですね。こういう発言もありました。スタッフの対応が極めてよい。継続して今のスタッフに残ってほしい。こういうような話もございました。体験講習というのが非常によい人材紹介の方法だと考えると、こういうお話もありました。  いずれにしても、ここで4社の方でお伺いした話の中では、若者仕事ぷらざ方式というのは極めていい人材紹介の方法だと、まさに心がこもった人を紹介をしてくれているという、非常に高い評価を受けています。そういう意味では、私はこの若者仕事ぷらざのこういう人材紹介の方法をさらに大きく続けていってほしいというぐあいに思うわけです。そういう意味で、知事自身が若者仕事ぷらざについてどういう認識をお持ちなのか、お尋ねをしたい。  同時に、ニート等の若者の自立を支援するために、先ほど申し上げましたけれども、就職以外の個人の悩み相談までこの若者仕事ぷらざに持ってきているのです、若い人たちが。そういう悩み相談など、総合的な相談支援体制の整備が今全国に進められておりますけれども、地域若者サポートステーションというようでありますが、平成18年度は25カ所、今年度は50カ所が全国各地に設置されることになっておりますけれども、鳥取県ではまだ取り組まれておりませんが、これを若者仕事ぷらざとともに設置をして、より若者の就職支援をしていってはどうかと私は考えますが、知事の所見をお伺いをしたい。  この若者ぷらざではあと2つあります。  相談所に相談に来られた若い人たちと支援員の方の状況を実際に見てみますと、施設が狭いなと、そんな思いなのです。プライバシーを守るどころではないです。もう隣り合わせです。隣り合わせでそれぞれの相談を聞いていらっしゃる。そういう面からしますと、先ほど申し上げたように、地域若者ステーションを若者仕事ぷらざに併設するということになると、大まかに申し上げて現施設の3倍ぐらいのスペースが必要ではないのかなと、私もそんなぐあいに思ったりしていますけれども、いずれにしても、施設の拡充を図るべきではないのかなと、そういうぐあいに思っています。せっかくいいたまり場、いい仕事ぷらざができているわけですから、もうちょっとやっぱりゆったりと、そういう施設の拡充を図るべきではないのか、知事の所見をお伺いしたいと思います。  先ほどの企業の方のお話にもありましたけれども、企業にも、それから若い人たちにも、若者仕事ぷらざの存在そのものがまだまだ周知不足だというぐあいに私は感じています。より一層のPR、周知が必要と考えますが、これについて、以上、知事の所見をお伺いいたします。 ◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)若者仕事ぷらざについて、4点御質問をいただきました。  まず1つは、若者仕事ぷらざに対する認識であります。  今、4つの事業主のお話を聞かれたということをお伺いをいたしました。私も若者仕事ぷらざのすばらしいところというのは、やはりワンストップでいろいろなことを片づけられるということだと思います。1つには、ハローワークの職員がいまして就職あっせんをやるわけでありますが、これだけであれば単にハローワークで仕事は足りるわけであります。しかし、あいさつの仕方だとか、社会常識だとか、あるいはいろいろな家庭の悩みとか、さまざまなものを若者たちは抱えているわけでありまして、なぜフリーターになっているか、その背景となる事情もあるかもしれませんし、フリーターとしての悩みも当然あるわけでございます。そういうところから解きほぐしていって、社会人として自立をしていく、そういう道筋をつけていくことも大切なわけでありまして、この分野をいわば県営の支援員が担っているというところであります。あわせまして、雇用開発事業団ですか、別の団体の方でもキャリアサポートをしようという、そういう相談員もいまして、これらが一体となって入居をしているといいますか、回ることができる、それがこの若者仕事ぷらざのいいところなのだと思います。その運営のやり方も、今お話を伺いまして安心をいたしましたけれども、非常に個々のケースを理解をしながら真摯にやっているということでありまして、こういうものはぜひ推奨すべきであると思いますし、利用が伸びている理由もあるのだろうと思います。そういう認識を持ちます。  そして、さらにその機能を拡充するという意味で、地域若者サポートステーションを併設をしてはどうだろうかという御提案でございます。  この地域若者サポートステーションは、こうした従来のジョブカフェ、我々でいう若者仕事ぷらざの機能とはまた別に、どちらかというと、臨床心理士の方に入っていただいて悩み事の相談をするとか、あるいはキャリアサポートをできるようなキャリア相談員も置くと、こういうようなことが条件となって、国の方で事業化が始まったところであります。我が県の場合は、対象者がいるかどうか相談をかけてみましたところ、他県ですと大体NPOが受託をするというところが多いのですけれども、臨床心理士の都合がなかなかつきにくいところがありまして、残念ながらいまだ実現していないという状況のようであります。  いろいろな設置の形態があると思います。事実上、地域若者サポートステーションの機能を果たせるような人員配置を県側でやるとかいう手もあるかもしれませんが、いずれにせよ、今御指摘いただいたような機能の拡充ができるように、できれば地域若者サポートステーションという国の事業を導入できるように、働きかけてみたいと思います。  次に、もし地域若者サポートステーションを併設するときには、現在の施設は狭隘であるという御指摘であります。  確かに、今のところでは狭苦しい感じになろうかと思います。特に米子よりも鳥取の方が狭いわけでございまして、これは、その際にはよく検討する必要があるだろうと私も思います。ただ、同時に入居しているのがハローワークとかございますので、私どもの一存で決めかねる部分があります。ですから、関係者と相談をいたしまして、この地域若者サポートステーション実現の際には、入居場所について変更を検討したいと思います。  次に、まだまだ周知が足りないということでございます。  確かに今、来られる方はだんだんとふえてきておりますが、口コミに頼る部分が多かったと思います。平成19年度から随分と広報活動も充実をしたところではあるのです。その状況について、商工労働部長から御説明を申し上げたいと思います。  ただ、私は今の若者にとってフィットするような、非常にアクセスしやすい、ちょっとPR情報を受けてみようかなという気になるような仕掛けも必要なのだと思うのです。例えば、携帯電話を活用して、ちょっと小いきといいますか、気のきいた情報が入るようなところに若者仕事ぷらざのような情報も入る、あるいは、悩み事を持っている人たちがちょっと見てみたいというようなところに私どものサイトをくっつけていくとか、いろいろとやり方は工夫できるだろうと思います。若者が利用するという視点でこのPRのいろいろな事業を今もやっていますけれども、組みかえをするように検討をいたしたいと思います。 ◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。  門前商工労働部長 ◯商工労働部長(門前浩司君)若者仕事ぷらざのPRの方法等につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  現在、この若者仕事ぷらざのPRでございますが、行っておりますのがFMラジオ番組による広報、ジョブカフェタイムというものをやってございまして、毎月第2・第4水曜日の6時半から5分間程度、このジョブカフェタイムというものをやらせていただいております。また、就職フェアなど、他のイベントにあわせてPRを行わせていただいておりますし、ホームページやチラシによるPRなど、各種媒体を使ってPRには努めているところでございます。  ただ、まだまだ若者、また企業に対して十分でないと認識をいたしてございまして、今、知事から申し上げましたけれども、携帯電話での情報発信など、若者にターゲットを絞った方法も含めて、あらゆる機会を使って積極的に広報してまいりたいというように考えております。 ◯議長(鉄永幸紀君)21番福間裕隆議員 ◯21番(福間裕隆君)ありがとうございました。  参議院選と知事の対応について、2分しか残っていませんが、頑張りたいと思います。  知事、私はあなたが常田さんや自民党を応援されたのは政策だと言い切られるのかなと思っていたのです。平井伸治さんが特定の人の応援というのは、僕はあり得ると思うのです、あなたは政治家ですから。ずっとこの本会議場であなたの答弁を伺っていますと、自民党の政策に共鳴したのだと、常田候補の政策に私は拍手を送りたいのだということではなかったのですよ、どうも聞いていると。違うのでしょうか。私のとり方が間違っているのか。政策が私と一致したから応援したということをあなたが言い切られるなら、私はこの質問をしなかったのです。  結局、この本会議場での興治議員とのやりとりの中でも、交付税がごまかされているとするならば、今後たださなければならない。あなたが応援された政権与党自民党の政策なのですよ。そこでごまかされているとか、約束違反だというのが、鳥取県知事の発言として、さきの参議院選でその政権与党を応援したあなたがここでそんな発言をするというのは、僕は戸惑ってしまうのですよ。県民もそういう思いを抱いているのではないでしょうか。  だから、応援をされるということに私は否定はしません。あるべきだろうと思います。政策だということをきちっと言ってほしいということと、あとの整合性をやっぱりきちっとした発言というのが欲しいというのが思いであります。  ただ、平井伸治さんの応援演説を私もいろいろな情報でとりましたけれども、いやらしさがなかった。相手候補や政党に対する批判めいた発信というのがなかった。これは私は非常にうれしいなと思うのです。それ以外の方では、野党に対する大変な誹謗中傷など、聞くに耐えない演説内容の人もあったようであります。腹立ちとかあきれ果てたということを通り越して、その人の品格に疑問を感じるような演説内容もあったと私が聞いた範囲では思っています。哀れみすら覚える演説だなと、私はそう思いました。  あと、私はこのことをちょっと知事に感想をお聞かせ願いたいのですが、鉄の女と言われたイギリスの元首相サッチャーさんに、政治改革はいかにすればできるのですかと問うたら、政権交代のできる野党の存在することと言い切ったそうであります。これについて感想をお聞かせいただきたい。 ◯議長(鉄永幸紀君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)参議院選挙について、重ねてのお尋ねをいただきました。  まず、特定候補の政策についてということではないのかと、政策についてはいかがかということだったのですが、私は、先ほど御指摘の候補の応援に行きましたのは、格差是正だとか地方分権ということを、この人ならやれるだろうと思いましたし、その方のお話もかねて聞いておりました。それで、地域間格差について私は是正すると、その候補もあちこちで訴えておられましたし、私はそういう意味で、政権の中から変えてもらう実力を担う方だろうということでやったわけでありまして、基本的に政策の観点でやっていたわけであります。  交付税のごまかしなどの点があるということを私がこの議場で申し上げているわけでありますが、そうした地方交付税の過去のいろいろないきさつ、三位一体改革の不都合なども反省をしてやり直してもらうのが今の政権与党に課せられた課題だと私は思っております。ですから、先ほど議員の方からも御指摘がございまして、よく調べておられるなと思いましたが、私はあちこちで演説をしましたけれども、自分としては、格差是正の問題と分権をちゃんと立て直してやってくれという話ばかり言って歩いたのです。ですから、そのことを私は政権与党の中でぜひやってもらいたいという思いだったわけでありまして、別にここで述べていることと自分が今までやってきたことと、応援した気持ちとに矛盾を感じているわけではないのです。もちろん、受け取り方でいろいろなお考えがあることは理解ができますし、批判は甘んじて受けざるを得ない立場だろうと思いますけれども、自分としては、鳥取県民とそして地域の発展のためにいろいろと行動させていただくことを御理解いただきたいと思っておる次第です。  サッチャーさんがおっしゃいました、政権交代というものが政治を改める際には必要な道具になるだろうというお考えであります。  長い目で見て、政権交代が可能な制度というのは必要だろうと私も思います。ですから、平成5年、6年ごろに大議論をして、現在の政治改革、小選挙区と比例代表並立制を導入したわけであります。さらに、政治資金の制度でも、政党本位の政治資金制度、政党助成制度まで導入をしたという経緯があります。これは、政策をもって政党同士が相争う中で政権交代をする可能性を認めるためにやったところであります。  なぜそういう議論になったかといいますと、やはりいろいろな政権交代のパターンがあるということを前にも申し上げました。同じ党の中で政権交代を起こすというものもあります。これは民主的でないという言い方をされる方もありますが、必ず選挙の洗礼はいずれ受けるわけでありまして、そういう意味で、私は民主的でないとは思いません。また、特に比例代表制の国でよく起こるわけでありますが、与党の枠組みを組みかえる。我が日本でも自社さ政権ができたり、今度は自公政権になっていますが、このように連立与党、また非自民でつくった時期もあります。こういうふうに連立政権を組むことで、それで政権交代を起こすという、そういうパターンもあります。あともう1つは、特にイギリスの小選挙区制で発達をした政権交代を政党の間で起こすという、これは選挙の勝ち負けで決めるということでございます。サッチャーさんは特に、その価値観を信奉されているのだと思います。  ですから、政党が政策を相争う、特にイギリスは腐敗防止法も徹底しておりまして、きれいな選挙をやる中で政治活動を行い、その政権として掲げるプラットフォームと言われるもの、これがマニフェストというふうに日本では翻訳をされていますが、そのマニフェストが、これが政権を争う基本となる旗印であると。これによって、マニフェストに対する国民の信任を得た党が政権をつくるのだというふうにやるわけであります。  ですから、これは一つの民主主義の方向性だと思います。私は、今日の日本は、このシステムを確かに導入をしておりますし、その可能性があって、それによって政治が変わっていくこと自体を否定するものではありません。ただ、最終的に、その際にぜひ国民の方を向いて、しっかりとした温かみのある政治をやっていただく、また、活力をもたらす政治をやっていただく、これが基本になるのだと思うのです。単なる政権をめぐって相争うというだけが政治の本質ではなくて、国民のための政権を争う政権交代であるということを肝に銘じて関係者の方がやっていただくことを念願をいたしたいと思います。そういう意味で、いろいろと申し上げましたそういうトータルの中で、私は政権交代にも一定の意義があると思っております。 ◯議長(鉄永幸紀君)引き続いて、一般質問を行っていただきます。  37番稲田寿久議員  〔議長退席、副議長着席〕
    ◯37番(稲田寿久君)(登壇、拍手)紅白歌合戦のトリは大変華やかなものでありますが、本議会のトリはろうをなめ、砂をかむような味気ないものではあると思いますが、中身は大変重要であります。しばらくの間、御辛抱をいただきたいと思います。  通告に従いまして、鳥取県情報公開条例の制度論、解釈論と、いわゆる全国学力調査結果の取り扱いにつき、一点集中、知事と教育長にその見解をお尋ねいたします。  今議会において数人の議員諸賢が質問、所信をお述べになり、知事、教育長がそれぞれ所見を披瀝され、既に事実論、経緯などについては議論されてきましたので、私は視点と視座を法律論に置き、質問をいたします。  それは、全国学力調査結果の取り扱いの問題は、帰するところ、鳥取県情報公開条例の条文解釈のいかんによるものであると思うからであります。したがって、これから議論するところは、すべて法律的論拠に基づく思考形態で意見を述べ、論じたいと思います。  そこで、まず第1項目として、鳥取県情報公開条例のバックボーンとなっております憲法第21条、表現の自由、なかんずく情報に対する権利の中の知る権利の制度的意義について。2項目めとして、行政機関の保有する情報公開に関する法律と我が鳥取県情報公開条例の制度的意義と整合性について。3項目として、全国学力調査結果の開示、非開示の是非について、鳥取県情報公開条例の逐条解釈について伺います。  1項目として、知る権利について。  皆様よく御承知のとおり、アメリカ判例法理に由来するこの権利は、住民が行政機関に対して必要な情報を妨げられることなく享受し、また、情報の提供を要求する権利であります。現代の行政機能の巨大化、複雑化、専門化に伴い、行政機関が情報を自己に集中させ、行政上の秘密として公開しないという状況が顕著となり、情報の提供者と受領者の分離によって住民が表現主体から阻害される現象が強まるにつれて、その救済方法として考案された制度であります。  自由な情報流通を確保するため、また、政治問題、私たちの身近な行政問題の自由な討議の材料提供のため、従来の表現の自由のコロラリーとして、情報に対する受け手側の知る権利が意識され、要求され、確立されたものであります。したがって、この知る権利は、まず国民主権の理念に立って、国民統治のための政治参加、行政参加を具体的に確保しようとする憲法上の基本原則それ自体に根拠を持つ、重要不可欠なものであります。知る権利を共有する主体はすべて住民でありますが、その向けられる対象は、国、都道府県、市町村に至るすべての行政機関、行政行為に及ぶのであります。  ただ、ここで思いをいたさねばならないのは、知る権利には2つの限界、すなわち、内在的限界と外在的限界が存在することであります。内在的限界とは、知る権利は本質的に参政権ないし人格発展を内容とする個人権的な機能を営むものとして構成されますので、それと無関係な、ただ単なる興味本位に情報を求める自由を含むものでないことは言うまでもありませんし、情報の提供、公開を要求する権利としての性格を有する以上、情報公開法令などの根拠がなければならぬことは言葉をまちません。  また、外在的限界としては、他の権利との法益の衝量、特に個人情報の管理、プライバシー権との関係が問題となります。個人情報管理と知る権利との利益衝量については、微妙で困難な問題に突き当たります。2つの重要な権利がいわゆる善と善との衝突の関係であるだけに、それらを基本的に等価値のものとして取り扱わねばならず、結局は具体的な場面場面で憲法の価値体系と附属法令の理念と趣旨を念頭に置きつつ、事案に含まれる諸要素を総合的に判断して結論を導き出すことになると思います。これに対する知事、教育長の所見を伺います。  2項目めとして、行政機関の保有する情報公開に関する法律と鳥取県情報公開条例との関係について。  この議論は、帰するところ憲法解釈の問題であります。法律と条例が抵触する場合には、条例の制定は許さないとするのが通説判例であります。憲法94条の解釈からすると、条例制定権は国家の承認に基づくもので、条例の制定は法律の範囲内で認められるのでありますが、しかし、法律と条例が抵触する場合もいろいろな場面があり、難しい判断を迫られます。一般的な基準としては、法令と目的、対象を同じくするときは、条例は法令以上の規制をすることも法令以下の規制をすることもできません。法令と目的を異にするが対象を同じくするとき、また、法令と目的は同じだが対象を異にするときは、いずれも原則として条例は自由であるとの3つの基準が一般的にあるわけですが、この基準を尊重しつつも、昨今、分権型社会の構築が声高に叫ばれる中にあって、地方自治体の自立、自主の精神からすると、条例の制定権は自治体の固有の権利として地域の独自性、特殊性、実情から考えて、法令との同位もしくは優位が認められなければならない大きな時代潮流が目前に迫っているようにも思えます。  国法形式の秩序維持、統一性確保の見地からすると違憲とも言えるこの考え方も、条文の解釈、地方自治の本旨に工夫を凝らすことにより、また、ナショナルミニマムを充足するように法令を解釈することにより、あくまでも法令の合憲性を維持しつつ、条例の力強い効力を認めようとすることにも大きな意義が存在すると思います。知事、教育長の所見を求めます。  あわせて、今般の全国学力調査に関して発令されている文部科学事務次官及び初等中等局長通知なるものの拘束力につき、どの程度自治体に影響力を与えるものなのか、見解を伺います。  3項目めとして、全国学力調査結果の開示、非開示に関する鳥取県情報公開条例の条文解釈について。  執行部からいただいた資料によると、県民室は県条例を解釈した結果、基本的には全部開示とならざるを得ないし、文科省がいう事務事業の支障に当たると判断することは、県条例第9条2項7号の規定との関連においてダブルスタンダードとなるため、非開示とすることは困難と判断しております。一方、教育委員会は、解釈上は基本的に全部開示となるが、開示が序列化や過度な競争につながり、参加主体からの協力は得られず、調査の適正な遂行に支障を来すおそれありとして、非開示とする結論を出しておられます。まことに論理の一貫性に乏しいものと言わなければなりません。教育機関といえども行政機関であり、厳正な条例解釈の上に立って行政事務執行を行うことは当然のことわりであります。最終的には、行政不服審査法に基づく司法の場での解決を示唆しておられるようですが、なるほど行政執行システムはそうなっているとはいうものの、余りにも条文解釈の稚拙な論理性と自主性の欠如を露呈するものであると断ぜざるを得ません。  ここで改めて、以下7点につき、逐条的にどのような有権的な条文解釈をなされたのか伺います。  1点目、鳥取県情報公開条例第1条、もって県民参加による開かれた公正な県政の推進に資することを目的云々とは、どういう解釈になるのか。  2点目、第2条、公文書とは、実施機関の職員が職務上作成し、または取得した文書の解釈はどうか。  3点目、9条第2項第1号、各大臣の指示その他これに類する行為とは、一体どういう指示と行為を指すのか。  4点目、第9条第2項第6号、当該事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのあるものの条文につき、事務事業とはどういうものを指すのか。学力調査と学力試験とは同じものなのか。支障を及ぼすと判断される具体的な内容と理由は何か。  5点目、9条第2項第6号のアの試験に係る事務とはどういうものか。  6点目、9条第2項第6号のウ、調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害する云々とはどういうことか。  最後に7点目、9条第2項第7号、全県的な学力の実態を把握するとあるが、全国学力調査はこれに該当するのか否かといった各点につき、知事、教育長の明快な、かつ簡潔な答弁をお願いいたしたいと思います。  壇上での1回目の質問を終わります。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)稲田議員の精細な御質問にお答えを申し上げたいと思います。(笑声)本当に久しぶりに法学部を思い出したような気がしまして、稲田ゼミに入門したような気がいたしております。  まず、知る権利につきまして、憲法21条の関係で、鳥取県情報公開条例とのかかわりなどの御質問がございました。  この知る権利については、私も大学で習ったわけでありますが、まだ存在として非常に微妙な状況にあるのだろうと思います。憲法の中では、憲法21条は表現の自由は一切これを保障するというように規定をするわけでありますが、基本的には、まず情報を提供する方、すなわち、例えば芸術活動であるとか、あるいは言論出版活動であるとか、そうしたものに対する保障が一つ含まれております。また、その情報提供を受領する情報受領権についても、この規定の範疇というふうに言われているわけでありますが、あと、積極的なこの表現の自由を背後から支える情報収集のあり方につきまして、これは憲法上、その積極的な情報収集まで認められるかどうか、これについては、やや議論はあったところだと思います。  ただ、国民として、この表現の自由がどういう意味合いを持つかということでありますが、一つには、議員が御指摘になりましたように、これは民主主義の基本をなすものであると。表現の自由によって言論出版活動を自由に行い、さらに集会結社の自由などとあわせまして、これは思想の自由市場を形成をし、そして民主主義の議論を闘わせる、これこそが国家の基本なのであって、そういう意味で、憲法21条の機能は非常に高いものと言わざるを得ないというように一般に言われるわけであります。この憲法21条の規定の中で背後から支える情報収集権、知る権利も、当然ながら憲法として保障するのではないかという説もあるわけでありますが、これについては、やはり法律上根拠を持った方がいいのではないかという議論もあったわけであります。  そういう中で、私ども鳥取県においては、もともと公文書公開条例をつくっておりました。そして、国の方で国全体のそうした知る権利に対する議論の高まり、地方自治体における公文書公開条例の広がりを見て、情報公開法を国の方はつくるに至ったわけであります。私どもも情報公開法を見ながら、新たに鳥取県の情報公開条例をこの議場で制定をするに至りました。私どもの情報公開条例の特徴の一つは、国の情報公開法が単に公文書の公開を求める権利であるというところまでしか、請求権を認めるところまでしか行っていないわけでありますが、鳥取県の情報公開条例は、その第1条におきまして知る権利というものを明確に規定をしたという点で、国の法律を上回る理念と決意が入っているというように私どもは考えておるわけであります。そういう意味で、鳥取県としては、この知る権利というものが入った情報公開条例を、その精神を引き継ぎながら解釈、運用をしていく必要があるだろうというように思います。  確かに、ほかの利益衝量の問題もあり、例えばこういう場合は非公開にすべきではないか、個人のプライバシーがあれば非公開にすべきではないかなどの条文も盛り込まれています。これは、先ほど申しましたように、憲法21条が直接知る権利まで規定したかどうか、これについては議論のあるところであり、やはり実定法的に、条例で書かれたものに則して解釈、運用をしていき、これは非公開、これは公開というふうに振り分けをしていく、そういう筋合いのものだろうと思います。もし条例の方の規定に不備があるのであれば条例を直すとかということは、随時自治的にやっていき得る話でありますので、基本的には、条例の規定に基づいて解釈、運用をしていくというのが筋道だろうと思います。  次に、行政機関の保有する情報公開に関する法律の範囲内でしか鳥取県情報公開条例が制定できないと考えられる。こうした意味で、条例にもっと力強い効力を求める最近の動きはいかがかということであります。  国の方の情報公開法は、先ほども申しましたような考え方でつくられておりまして、国の行政機関に対する情報公開を請求する権利を設定をして、その情報公開の手続なりなんなりを定めるわけであります。その中の26条で、地方公共団体の方に努力義務として、情報公開法の趣旨に沿って、そうした情報公開の仕組みを定めるように努めるものとすると、地方公共団体に努力義務を課しているわけであります。  形式的には、私どもの情報公開条例も、この努力義務に沿って形式的に定律をしたという格好になっているように見えますが、もともと情報公開条例の前に公文書公開条例があって、我々には伝統がありましたこと、そして、知る権利というものも定律をいたしまして、県としての姿勢を明確にしていることで、単純に努力義務を履行したものではないと私は見ています。  そういうことで、国の方の情報公開法の規定どおりに私どもの情報公開条例がつくられなければならないかというと、必ずしもそうではなくて、独自の規定領域を我々で考え、そして議決をして条例化していくことは可能であろうと思います。国の設定自体も努力義務として地方に対して呼びかけている形式でございますので、その行政手続としての情報公開のあり方、また、非公開、公開の区分の問題など、余りにも国の方の考え方と違うようなものでなければ、基本的には幅広い裁量権がこの領域では認められていると私は思っております。  そして、御指摘になりましたように、今この法律の範囲内で条例は定めるべきであるという憲法94条についての考え方でありますが、御指摘のとおり、その内容でありますとか、趣旨でありますとか、効果でありますとか、こういうものに照らして法律と条例とが具体的に抵触するかどうか、矛盾があるかどうかを判断をするというのが最高裁の一貫した考え方でありますが、このたび、地方制度についていろいろな議論がなされる中で、条例による法令の上書き権、すなわち、条例が法律よりも優先していくという制度に変える方がいいのではないかという議論も出てきているわけであります。これは積極的に評価できる議論だと思います。私どもの方で、やはり国の方からの法令で受託をされている領域などもありますし、さまざま国の規制もあるわけでありますが、地方独自の規制など、有効に機能することは容易に考えられます。ですから、自治的な立法としての条例の強さというものを認めて、事実上この領域で、法令の制定権においては連邦制に等しいぐらいの制度にしていこうというのは賛成できます。  次に、全国学力調査に関しまして、文部科学事務次官通知、文部科学省初等中等局長通知はどの程度自治体を拘束するものかというお尋ねでございます。  私は、拘束力自体からいえば、これは法令に基づくものではないと思いますので、いわば通知、お知らせ、お手紙というたぐいなのだろうと思うのです。ただ、この場合注意をしなければならないのは、私どもの方の情報公開条例の9条2項1号の中にあります各大臣等の指示その他これに類するような行為に当たるかどうか、これとの判断はまた別個のものだろうと思います。通達、通知の拘束力とはまた別に、この9条2項1号にいうような大臣の指示それに類するような行為に当たるかどうかという判断を実施権者の方でされるかどうかがポイントになってくるのだと思います。  今回のこの2つの通知はそれぞれに若干の違いがありまして、前者の方の事務次官通知の方は、これは学力テストの執行とあわせまして、この公開については都道府県は市町村ごとの公開をするなということを求めているものでありますし、また、初等中等局長通知の方は、これから都道府県の方にお渡しをする資料についてはこういうように取り扱いなさいというそういう通知であります。これをどう考えるかというのが、今回のテーマになってくるのだと思います。  特に後者の方のものは、今から一連の学力テストの結果を都道府県の教育委員会に上げますよと。この都道府県教育委員会に行く情報については、取り扱い上、こういう点に留意をしてくださいというふうに言っているものであります。この情報自体は国から県の方に移転されるものでありまして、例えば、商品であれば商品に注意書きが書いてあるような、そういうことなのかもしれません。では、そうした商品を受け取った以上は、それについて、この条例解釈として類する行為に当たるかどうか、それをどう読むかというのが焦点になるのだと思うのです。先般来申し上げていますように、最終的には、これは実施権者の方でそこの最終判断はなされるわけでありまして、教育長の方に詳細はお譲りをしたいと思います。  最後に、鳥取県情報公開条例の数々の条文についての解釈を求められました。  有権解釈と言うとおこがましい感じがいたしますが、今、私どもの方でいろいろと運用する際、通例はこんな解釈をしておりますということについて、総務部長から御答弁を申し上げたいと思います。 ◯副議長(上村忠史君)瀧山総務部長 ◯総務部長(瀧山親則君)県の条例解釈について、7点の御質問がございましたので、順次答えさせていただきます。  まず、鳥取県の情報公開条例第1条の目的とはどうかということでございますけれども、1条に、そのものに書いてございますように、県民の開示請求権を保障し、それから、県民の知る権利の上に立って、そして県民への説明責任を全うすることによって、開かれた公正な県政の推進に資するという目的を書いたものでございます。  2点目の公文書とはどういうものかということでございますけれども、各実施機関、知事部局、今回の教育委員会等、いろいろございますけれども、そこの職員が作成し、あるいは取得した文書、それから図画、写真等、電磁的な媒体によるものも含めて、広く規定しているところでございます。今回の国等の作成した文書であっても、県が取得すれば、この条例の開示請求の対象となるのは当然でございます。  3点目の9条第2項第1号の、各大臣の指示その他これに類する行為というのはどういうものかということでございますけれども、代表的なものとすれば、法定受託事務の処理について、各大臣の指示等が当たると思いますけれども、まだそれだけではなくて、いろいろな場合において、それに類するもの等はあるだろうと思っているところでございます。  4点目の県の事務事業とは何かということでございますけれども、これは広く県の諸活動すべてを示すものと考えております。  学力調査と学力試験とは同じものかというお尋ねでございますけれども、どちらかといえば学力調査といいますと全体の学力のレベルの、そういう全体的な調査なのかなというぐあいに思いますし、学力試験といいますと、どちらかというと個人の学力の到達度ですとか理解度、例えば入学試験ですとか期末試験ですとか、そういうものではないのかなと思っております。なお、この7号についても、学力試験の結果の集計というような表現をしておりますので、試験と調査とは少し違うのではないかなと思っているところでございます。  学力調査の開示が国の事務事業にどういう点で支障になるのかということでございますけれども、開示、非開示のことについては、先ほど知事が申しましたように、9条の2項第1号の大臣等の指示その他これに類するものに当たるかどうかということもございましょうし、また、事務事業の支障という観点からいきますと、国の事務事業との観点からいけば、例えば調査結果を開示しないということを前提に調査されたわけでございまして、開示されると国民の信頼が損なわれるのではないのかというような点、また、結果を開示することによってほかの教育委員会が実施しなくなって、調査全体の正確な情報が得られない可能性があるかどうかというようなことが事務事業の支障に当たるのではないかなと思いますし、県の事務事業等を考える場合には、本県が調査を却下した場合に鳥取県が全国の学力調査等に参加できなかった場合ですとか、ほかの県に波及して学力調査が中止されるというような支障も考えられるのではないかと、そのあたりは実施主体それぞれで具体的に考えていくものだと思っております。  5点目の第6号のアの試験に係る事務とは何かということでございますけれども、これは県などが実施する資格試験ですとか入学試験、それから採用試験等の事務でございます。趣旨としては、例えば事前に試験問題が開示されたら公正な試験ができなくなるというようなことだと思っております。  6点目のウに書いています調査研究に係る事務に関し、公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するものとはどういうものかというのがございましたが、試験研究機関等によっていろいろな各種の研究ですとか調査を行っているところでございます。開示することによって、例えば代表的な例でいいますと、特許ですとか実用新案を取得する前の情報を流すと非常な財産的な損害を受けるとか、研究自体に支障を及ぼすというようなことが代表例であろうかと思っております。  7点目の全国学力調査は第7号に該当するかどうかということでございますけれども、表現上、7号の全県というのをどう読むかということになろうかと思いますけれども、文理上は該当するのではないかなとは思いますけれども、ただ、この7号に該当したから直ちに開示すべきということには当たらないだろうと思っております。それと、第7号の制定時の状況と現在の状況は少し異なっていると思っております。それは、第7号、ここを追加するときには、国の学力調査というものは全く想定されていなかったというのが一つございます。それから、その他、例えば9条第2項の第1号の国の事務とか、あるいは第6号の事務事業の支障ですとか、それらに該当すれば、仮に第7号に該当したとしても、非開示ということはあり得るというぐあいに考えているところでございます。(発言する者あり)  仮に第7号に該当したとしても、他の規定で非開示情報ということになれば、非開示ということもあり得ると考えているところでございます。 ◯副議長(上村忠史君)中永教育長 ◯教育長(中永廣樹君)稲田議員の御質問にお答え申し上げます。  非常に法律的に、専門的な、精緻な論理立てに基づいた御質問ですので、ちょっと私が丁寧に全部説明できるかどうかわかりませんけれども、私なりに一生懸命答弁申し上げたいというふうに思っております。  まず1点目ですけれども、全国学力調査結果の非開示の判断は、知る権利と衝量したその判断なのかという、そういうお尋ねでございます。  御指摘のとおり、我々行政に携わる者としましては、申すまでもありませんで、県政に対する県民の知る権利を尊重するという、そういう意味での情報公開条例の趣旨はきちんと常に念頭に置いて、我々が持っております公文書等について自分本位に取り扱ったりすることのないように、恣意的に取り扱ったりすることのないようにしなければならないという認識はしっかり持っているつもりであります。  ただ、そうした考え方に立ちますが、場合によっては開示することが適切ではない、あるいは、すべきではないという情報もあるというふうに考えております。議員がさっき御指摘になりました個人情報とのかかわり、それから、プライバシーとのかかわりの上でのバランスというのも、その中の一つだろうというふうに考えております。  こういうふうなことで、鳥取県の情報公開の条例の第9条第1項で原則開示ですよということを規定しております。第2項各号で、合理的な理由があればですけれども、合理的な理由があれば非開示とする情報を限定的に示しているというふうに考えております。そういう意味で、規定を踏まえて、全国の学力調査についても、県の教育委員会としては、これまで再三申し上げてきました理由から判断をいたしたものでございます。  2点目でございます。県の条例は法律の範囲内でしか制定できないが、条文の解釈の工夫等で条例に強い効力を認めようとすることにも意義があると思うがどうかと。また、全国学力調査の文科省からの通知はどの程度自治体を拘束するものかというお尋ねでございます。  情報公開法と県の情報公開条例の関係のお話ですけれども、私は、情報公開法はやはり当然国の機関等を対象としていると。それから、県の情報公開条例は県の機関を対象としている。さらに、条例の方は法の趣旨をきちんと踏まえて制定されているというふうに考えておりますので、それぞれ別なものというふうなことで、法律と条例の抵触というふうな形での問題等は、この場合はないのではないかというふうに考えています。  文部科学省からの通知です、事務次官通知とか局長通知ですけれども、法的な拘束力はないだろうと考えています。ただ、全国の学力調査の目的を果たすという、そういう意味では、みんなばらばらで基準を定めないでやるのではなくて、全国一律の基準をきちんと定めて実施するということが非常に重要でありますので、その取り扱いについて定めたものに従ってこれは実施するというのが自然だろうというふうに考えております。  ただ、先ほど知事の答弁にもありましたけれども、局長通知については、条例の第9条第2項第1号の大臣等の指示その他これに類する行為に該当するかどうかということについては、今後、条例担当課とよく話し合った上で検討しなければならないのではないかというふうなことの認識は持っております。  3点目でございます。全国学力調査にかかわって、県情報公開条例の条文解釈について、どう解釈をしたのかということであります。これについては、逐条的な解釈でありまして、非常に専門性を要するものでありますけれども、先ほど知事とか、それから総務部長が詳しく丁寧に説明されました。基本的に私どももその考え方と同じだというふうに考えております。  ただ、教育委員会として、少し重複しますけれども、若干つけ加えさせていただきたいというふうなことにつきましては、まず2点目でありますけれども、公文書ということの点でありますけれども、文部科学省から今回送付されてきます調査結果は、県の教育委員会の職員が職務上これは取得するというふうなものに当たりますので、開示対象となる公文書に該当するというふうに当然考えているところであります。  4点目の支障を及ぼすと判断される具体的な内容及び理由というふうなことでありますけれども、これもこれまでも申し上げておりますとおりでして、全国の学力調査の結果を開示することによって、これはどうしても序列化とか過度な競争が生じる。そのために、参加主体であります市町村の方の参加、あるいは学校の協力が得られなくなる。そうすると、全国的な正確な情報が得られなくなるというふうなことであります。  7点目の全県的な学力の実態を把握するために実施される試験に今回の全国学力調査は該当するのかというお話でありますけれども、条例に第7号が追加されたときには、これは先ほどもお話がありましたけれども、全国調査が想定されていなかったのではないかというふうに考えております。ですから、直ちに該当するとは言えないのではないかというふうに私どもは考えておるところであります。  いずれにしましても、県の教育委員会としまして、今回のような条例の解釈に当たっては、条例の所管課ですとか、あるいは法制担当の政策法務室等とよく協議をしながら対応しているところでございます。 ◯副議長(上村忠史君)37番稲田議員 ◯37番(稲田寿久君)それぞれに答弁をいただきました。  なぜ私が教育長と知事とに、双方に同じような質問をしたかといいますと、いわゆる県民室と、それから教育委員会とで、解釈は同じかもしれないが、その解釈に基づいて出てきた結論が違うのです。ねじれを起こしているわけです。いただいた文書では、県民室は解釈論としては全部開示だと、ダブルスタンダードになるのだから非開示は困難ですよと、こういうぐあいに言っているわけです。それから、教育委員会は全部開示ですよと。しかし、序列化や過当な競争になるから、今度はこっちは非開示ですよと、こう言っているわけです。結論が県民室と教育委員会とで異なるのです。でも結局は、きのうの知事の答弁のように、条例の7条か何かで、いわゆる実施機関、そして有権的な解釈ができるところは結局教育委員会だということだから、県民室、知事の方としては意見しか述べられないのかなというように私は思っておるわけです。ですけれども、これはやっぱり聞いておいて、その差異があるということを認識していただきたいと思うのですね。これは解釈論がおかしいですよ、双方とも。  知事にお伺いをしたいのは3点。1点は、先般、宗教法人法の例を少し出されましたが、宗教法人法は、あれは法定受託事務なのです。ですから、今回の学力試験というのは法定受託事務でもない、自治事務でもない、何なのかな、何だかわけのわからない作業なのです、これは。あえて私が名前をつけようとすれば、行政上の事務類型としか言いようがないようなものなのです。これはシステムを話していると長くなりますから私は話しませんが、ですから、宗教法人法の例は適当ではありません、これは。今回の学力調査と対比をして例として挙げるには、宗教法人法の例は、これは不適当だというように私は思っております。  今までの知事の答弁を聞いておりますと、これも先般、藤縄議員が言っておられたように、私もよくわかりません。加工して学問上役立てるというような、要するに言ったらそんなような表現だったと思うのです。意図はよく理解ができます。しかし、これは意味不明ですよ。  例えば民法上の物に対して加工するということは、加工すると別のものができ上がるものがあるわけです。例えば魚を加工してかまぼこになるというように、これは別なものです。ですが、今回の学力調査の結果を加工するとはどういうことなのか。私は非常に理解に苦しみます。それを知事、答弁していただきたいと思います。  結局、今回のもろもろの、今まで何人かの方が質問されました。私は藤縄議員の事実論というのが一番当を得ている、的を射ていると思っているわけです。結論から先に言うと、今回これは何にも受け取らないということがまず一番問題がなかったのです。わけのわからないこんなもの、市町村がやったもの、それで県に結果が上がってきて、その結果を受け取るか受け取らないかということでもめておるわけです。でも、現に郵送してきているわけです。だから、多分受け取るようになるでしょう。ですけれども、こんなものを受け取らない。受け取ったら、受け取った以上は先ほどの解釈から開示です、これは。もしこれを本当に非開示にするのであれば、条例を改正しないといけないですよ。条例改正しないと、通常の条文の解釈からしたら、どんなに常識的な条文の解釈をしても非開示にはならないです。後でもう少し論点を言いますけれども、ならないです。だから、非開示ならば条文を改正する。開示ならばこのままでいい。受け取らないならばもっとよかったということなのです。その点、知事、もう一つ、知事の所見をまず求めたいと思います。3点。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、宗教法人法のことでコメントをいただきました。  宗教法人法につきましては、この議場で稲田議員の方からまさに議論の提起があり、私ども執行部の方は、これは条例上公開しなければならないという論陣を張りまして、最高裁まで行って見事負けたというのが結末なのでありますが、第一審、第二審と議論が進んでいきます。あのときも、実は本当の争点になりましたのは、よくわからない部分だったのです。つまり、宗教法人法に基づく法定受託事務というのがありまして、その法定受託事務の条文は、本来これは限定列挙で列挙されていなければならないのですが、ここで情報として宗教法人から出てきた財務書類などを持っている、それを保管するところの規定まで国の方の限定列挙が及んでいないものですから、これは一体何なのだろうかというのが本当の争点でした。ただ、それについてはいろいろと法律構成はあり得るわけでありまして、一審、二審と微妙にこれが食い違ってくるわけであります。ただ、要は裁判所としては、このようなものは国の方で全国一律の指示としてなされているものであり、これは宗教法人の内部の情報にかかわるものであるので開示すべきではないという、冒頭におっしゃったような利益衝量的な判断が私は働いたのではないかというふうに見ております。  今回も、私どもが想定していなかったあの当時の国の指示といったような状況がひょっとするとあるかもしれないと。ですから、このことはよく検証をする必要はあるのではないかと思います。  稲田議員がおっしゃったのと全く同感なのですが、これは一体、では今までの事務の区分から何なのかというところは、正直よくわかりません。恐らく事実行為として、いわば商品を送りつけるというのに近い形ではないかと思うのです。我々の方というか、教育委員会の方は、これは何だったら要らないと言っているのですけれども、受け取れと言って向こうが送ってくると。送ってくる際に、そこに注意書きが書いてありまして、これは市町村ごとの情報は開示してはならないと、こう書いてあるわけです。ですから、受け取る以上はそれに従わなければならないかもしれませんので、その範囲でいえば、ひょっとするとこれは9条2項1号で、宗教法人法のときと同じ議論を惹起する可能性はあり得るところだろうと思うのです。ですから、ここはよく、もうちょっときちんと議論をしてから結論を出してもらいたいという気持ちがあると申し上げていたものであります。  加工という話を持ち出しましたのは、知る権利について私どもは非常に厳格に考えたいと思います。ですから、県民の皆様に対して行政が持っている情報はきちんと開示すべきものは開示すべきである。限定列挙をされている非開示情報以外は開示すべきであると。これが鳥取県の立場であります。これを明確に出しているのが、恐らく我が県の情報公開条例の基本であり、特徴点だと思います。そういう意味で、今回仮に教育委員会の方で最終判断をされて、この市町村別の情報は開示しませんというふうになったときであっても、それは極めて限定的に私は考えていただきたいというふうに思うわけであります。この限りにおいては情報は提供できない、すなわち、市町村別にきちんと区分けしたものにはできないけれども、これに若干別の次元で分析を加えたものなど、そういうものはむしろ積極的に公開をしたり、あるいは学力向上の参考資料として使えるように、一般の人も見れるようにすることが私は必要ではないかと思います。そういうことを申し上げました。ですから、仮に限定列挙に該当して非開示となるとしても、ただ、それに近い情報は、出せるものはできるだけ出すというスタンスで臨んでいただきたいという、これは意見表明として申し上げたものであります。  あわせまして、受け取らないとか開示、非開示だとかということの御議論がございました。  私は、受け取らなければ、確かに商品を送りつけてくるようなものでありますので、これは要りませんと言って返すのも一つの行き方かもしれませんが、私は気持ち的には、学力向上に役に立つかどうかということであれば、受け取ってもそれはいいだろうと思いますし、それを正直にきちんと解釈をして、開示になるか非開示になるかは決定をすればいいと思います。  仮に教育委員会の決定に問題があれば、最後はこの間の宗教法人のときと一緒で、司法の場まで行けば結論は出る話でありますし、仮に非開示決定が出ても開示にひっくり返る可能性はいろいろな場面であり得るわけでありまして、それは手続的に情報公開条例の中でも示しています。例えば、審議会に付されることになります。不服があれば審議会に付される。審議会の決定に従わなくてもいいかもしれませんが、従うという選択肢も教育委員会の方には残されるわけでありますし、いろいろな場面で道を引き返す可能性はあると思いますので、そういう意味で、単純に条例改正が必須であるかどうか、それはよく考えていただければいいのではないかと思います。一回運用してみて問題があるということであれば、条例改正も今後は考えられるテーマにはなろうかと思いますが、今現在は現状の条例に基づいて解釈するのが執行部側の立場だと思います。 ◯副議長(上村忠史君)37番稲田議員 ◯37番(稲田寿久君)わかりました。知事のお考えも少しわかってきました。  あとは、今度は教育長との議論になるわけですが、確かにこの学力調査結果というのは、何かわけがわからないのです。よく国が、前片山知事がよく慫慂という言葉を使っておられた。慫慂。それとなく勧めるということです。国が県に対して慫慂している。それに対して、では県の方もそれに参加しましょうかと、こう言っているわけです。国と業者は、これはまさに私的な契約です、民法上の契約です。この一番問題なのは、県と国との、国から慫慂されたことによって参加する、ここのところが、この結果が何なのかということが明らかにならないのです。だから、これの取り扱いにみんなが苦慮しているのだろうと思うのです。自治事務でもない、法定受託事務でもない。今は私は奇妙な名前をつけましたけれども、行政上の事務の類型などという。今、知事は商品の注意書きみたいなものだろうみたいなことなので、いずれにしたって、これは法的なものではないかもしれない。行政行為ではないかもしれない。となると、本当はこんなものは受け取らないよとその場で判断をして、きのう藤縄議員が言われたように、そんなものはその場で判断して、受け取らないよと言ったら済んでおったのです。だけれども、それを受け取って、だれかがどうしたのか、どういう圧力があったのか、どういう話がそこで行われたのかはわからないけれども、教育長も言わされたのかどうかはわからないけれども、こういうことになったから受け取りましょうよみたいな話になったので受け取って、それで非開示にしましょうよみたいなことになったのだろうと思うのです。それは常識的に、我々の頭で状況を考えても、それぐらいな流れはわかります。ですけれども、一番最初は受け取らない方がよかったということです。でも、送ってくるわけですから、敵が攻めてくるわけですから、どういうぐあいにそれを迎え撃つかということをこれから考えていかなければならないわけです。  そこで教育長に伺いたい。これも解釈論です。学力調査の条文の該当性、一体どの条文に該当するのか。さっき教育長は、いわゆる9条の2項1号以下、ずっと8号まで、制限列挙だと言われました。まさにそのとおりです。例外は必ず制限列挙です。そして、制限列挙によって、これは限定的に解釈をする必要があるわけです。これを広げて解釈したら制限列挙にならない。  そこで、一体どれに該当するのか、私も考えていました。いろいろと考えてみたけれども、1号でないことは確かです。これは今のところ法定受託事務でないからです。それから7号は、さっき総務部長が答弁したように、これの立法趣旨、立法理由、立法の歴史から、県が行う学力調査ですから、全国調査はこれに当てはまるのかな。それからもう一つ、試験が出てきます。試験はさっき話がありました。採用試験であるとか資格試験です。でも、百歩譲っても、類似解釈をして試験に該当するかなと思われる節もなくはない。それから、もう一つは研究調査です。研究調査。学力試験と言わないであえて研究調査という言葉を使っているのであれば、調査かなというように思います。それに対する、どの条文を使われたのか伺いたいと思います。  2点目。学力調査の開示結果と、いわゆる序列化、あるいは過当な競争といった予見される因果関係です。開示をすることによって序列化をされる──教育長、聞いていなさいよ。開示することと序列化、あるいは過当な競争につながるというところの、そこのところに因果関係がないとだめなのです。こうこうこうだから、こういう結果が生まれるのだということにならないといけないわけです。相当な因果関係がないと、その結果がそうなのだということは断定できないのです、解釈論から。  そうすると、今までの県内でやられた学力試験、きのう藤縄議員が言われた、何も序列化などという話が起こってきていない。序列化の結果なんか出てきていないはずなのです。因果関係がないのです。そういうことを因果関係がさもあるかのごとく、非常に短絡的なのです。そして、ちょっと長くなるけれども、もともと学力調査というのは学習指導要領に基づいて、習熟度の調査ですとか、教育現場が把握して、教育課程や指導方法の工夫に役立てる意義や学力の向上を図る目的があるのだというようなこともうたってあります。児童や生徒や保護者の努力目標と学習意欲を向上させる目的があるのだというようなこともうたってあります。さらには、各学校の客観的な評価や信頼度を高めることに資する大きな目的があるのだというようなこともうたっておられます。この目的から因果関係を導き出していかなければならないわけです。  確かに、習熟度は一つの指標にすぎないわけで、これが序列化に結びつく可能性は否定はできない。過当な競争に結びつくかなということも否定はできませんが、しかし、このことからただ短絡的に、計数化された数字だけでもって、そのことが序列化につながる、あるいは過当な競争につながるのだということは、私が前段に述べた、大きな学力試験の大目的に反する、その趣旨が意味するところを十分に受け取っていないのです。真の意義というのは、そういうものではないです。そして、本当にそうであるならば、教育というのは生徒や児童や保護者や県民に対して納得を得るように、教育委員会は、これはいわゆる序列化や過当競争につながるのではないのだということをもっともっと説明する説明責任があります。教育者としてそれをやるのが本分なのです。だから、そこのところを放てきをして、すぐ短絡的に序列化に結びつくなどというような論がおかしい。その点について、教育長の意見をもう1点聞きたい。  今の限定解釈です。限定解釈なのだから、限定的に解釈をする必要があります。そして、それぞれの限定解釈の例外規定の中にはすべて、おそれ、おそれ、おそれというのがあるわけです。この「おそれ」というのが問題なのです。非常に不明確な文言なのです、法律上。幅が広いわけです。ですから、この当てはめの範囲の限界をきちんと定めないといけない。そして、6号のア、イ、ウ、エ、オは、これはまさに例示列挙なのです。6条の本文を例示的にこういうものが6条の本文に当たりますよと言っているわけです。ですから、わけてこれは例示列挙でそのままなのだけれども、この1号から8号についての「おそれ」というのは、限定的に解釈をする必要がある。  そして、このことが、先ほども言いましたように非常に範囲を広げておるわけですから、言葉を例えば顕著であるということの、予見の可能性や結果発生の可能性を十分に言いあらわした、狭く解するような言葉に変更する、それを私は条文の改正ということを言ったわけです、非開示にするならば。だから、そういったことについて、教育長の所見を伺いたい。  最後は、1点として、要するに教育委員会から教育長に対するいわゆる事務の委任等に関する規則というのがあって、教育長は教育委員会から、いわゆる2条によって幾つかの委任を受けておられるわけです。この問題は多分大きな問題だから教育長の判断に入るとは思いますけれども、その点についても所見を伺っておきたいと思います。
     要するに、厳正にやっぱりつくった条例なのだから、厳正に解釈をすること、これは、教育だから超法規的だなどというような話ではないのです。これはまさに教育そのもの。教育もやはり行政行為なのです。ですから、厳正な解釈をやって、県民の皆さん方にわかりいい説明をしていただきたいということであります。情報公開条例の解釈に余りにも稚拙な部分があって、私は、今回のこの問題について大変不満に思っておる者の一人であります。所見を伺って質問を終わります。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  中永教育長 ◯教育長(中永廣樹君)4点質問がございました。  今の学力調査の判断の基準になった条文ですね、これはどれなのかということのお尋ねがまず1点目であります。  これは前にも申し上げましたけれども、我々は6号で考えております。6号の中の県の機関、国ですね、特に県の機関は今はありませんので、国が行う事務または事業に関する情報であって、公にすることによって、次に掲げるおそれその他、いろいろなものがあると思いますけれども、当該事務または事業の性質上、当該事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものというふうなことで考えておるものであります。例えばウのところに調査研究等がございますので、これにも当たるのではないかと思っております。  2点目ですけれども、非開示にするというのは序列化というようなことを根拠に上げて言っているけれども、きちんとした因果関係なんかも十分示されていないのではないかと、教育の側の論理だけで進めているのではないかというふうなお尋ねでありますけれども、これも申し上げましたとおりでして、我々現場の方の子供たちの様子を、経験も含めて、あるいは市町村や、あるいは学校からの意見を聞くことも含めてでありますけれども、やはり点数が示され、そして点数が示されると当然ながら順位が示されているというふうなことになりますと、しかも、それが普通の場合だったらまだいいのですけれども、全国的に非常に注目の高い、競争を非常に意識しているような人たちがおる中でなされる中で、私はそれが何か子供たちの優越感とか劣等感みたいなものにもつながるおそれがあるというふうな意味も含めて、教育的なというふうにおっしゃいますけれども、それでも教育的なやっぱり配慮みたいなものが必要ではないかと、そういうふうな考え方で申し上げておるところであります。  3点であります。おそれですね、このおそれが不明確だというふうなことであります。これも今申し上げましたこととつながってしまうのですけれども、やはりおそれを、さっきのような余り恣意的に限定しないで何でもかんでも当てはめるということはしてはならないというふうな考え方を持っております。この場合に限って、市町村ごと、あるいは学校ごとに限って、ここだけに限定して非開示にするというふうな考え方で考えているところであります。当然、出ました資料は、それ以外のものは十分に加工して、学校ですとか市町村の教育委員会に渡すことができると思っています。市町村ごと、学校ごとに出しませんけれども、全国の様子、都道府県全体の様子、それから、我々が持ちます状況の中には細かいことがありますので、地区ごととか、あるいは都市部、郡部ごととか、いろいろな形で加工して示すことはできると思っていますので、おそれだけでとまってしまわないような、そういう対応をしたいと思っております。  4点目で、委任を教育長が受けている、その所見をというふうなことであります。これはおっしゃったとおりでして、私は教育長として委任を受けている立場でありますので、教育委員会の皆さんの意見をしっかりと受けとめるというふうなことが必要であります。その上で、私が委任されて最終的な判断をするというふうなことになりますので、そのためにも、これも申し上げましたけれども、教育委員の皆さん方の協議の場にこれをきちんと出して、いろいろな点から協議をしていただいているというふうに考えているところであります。 ◯副議長(上村忠史君)これをもって、県政に対する一般質問を終了いたします。  暫時休憩いたします。  午後の本会議は、13時より再開いたします。        午前11時55分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(上村忠史君)再開いたします。  議案第1号「平成19年度鳥取県一般会計補正予算」から第18号「平成19年度鳥取県一般会計補正予算」までを一括して議題といたします。  これより、議案に対する質疑を行っていただきます。  7番市谷知子議員 ◯7番(市谷知子君)(登壇)日本共産党の市谷知子です。早速質疑に入ります。  まず、議案第1号と第18号のソウル便対策について、お尋ねします。  執行部からいただいた資料によれば、全国で米子空港のようにソウル便が就航している地方空港が15空港ありますが、航空会社への財政支援額は鳥取県が最高額の7,679万円であり、鳥取県は平成13年度から7年間にもわたってソウル便に多額の財政支援を行ってまいりました。その上に今回、財政支援を行うわけです。  そこで、この7年間、他県に比べ破格の財政支援を行いながら搭乗率が低下してきたわけですけれども、今回の運休という事態に至るまでにどのような真剣な対応をしてこられたのか、次の点についてお尋ねします。  1つ目に、最近の搭乗率低下を踏まえ、これまでどのような対策を講じてきたのか、そして、それがどういう効果があったのか、あるいはなかったのか、また、これまでの取り組みについて、どう総括しているのか。2つ目に、これまでに費用対効果の検証はどのように行ってきたのか。3つ目に、これまでに島根県との協議はどのように行われてきたのか。この3点についてお尋ねいたします。  次に、議案第1号の中の犯罪被害者支援事業についてお尋ねいたします。  この事業は、犯罪被害者とその家族が公的機関では十分対応できないきめ細やかな支援が受けられるようにするため、民間支援団体設立の準備を行うための事業です。そこでお尋ねいたしますが、今後設立された民間支援団体がどのような役割を果たし、それに対する公的機関のバックアップをどのようにしようと考えておられるのか、お尋ねいたします。  次に、議案第7号の産業廃棄物処分場税についてお尋ねします。  鳥取県の産業廃棄物処分場税は、産業廃棄物を最終処分場に搬入した際、その排出量に応じて税金を払うという方法をとっていますが、今回、この税金の期間延長の提案に伴い、県議会が中間処理業者から聴取した意見の中に次のようなものがありました。  実際の廃棄物の流れは、排出業者から中間処理業者を経由して最終処分場に持ち込まれ処理されるパターンがほとんどですが、中間処理業者は、この税金部分を処理料として排出業者に負担してもらう仕組みがとれればいいが、なかなかとれないで、実質、中間処理業者が負担をしています。この税の目的の一つに、産業廃棄物の排出抑制が掲げられていますが、排出事業者が直接負担する仕組みに変えない限り、排出抑制の効果が期待できないという意見です。  この意見のように、直接排出業者から税を徴収することや、また、その場合には中小の排出業者は配慮して税額を安くすることなどについて、検討しておられるかどうか、また、これから検討するつもりがあるかどうかお尋ねをいたしまして、私の第1回の質疑といたします。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  瀧山総務部長 ◯総務部長(瀧山親則君)産業廃棄物処分場税の課税の仕組みについてのお尋ねでございます。  お尋ねは、産業廃棄物の排出業者が直接負担する仕組みに変えられないのか、その際に小規模事業者に配慮した仕組みができないかということでございますけれども、まず、排出事業者に直接課税する方式でございますけれども、これは排出業者に対してより直接的に排出抑制を働きかけるという面ではすぐれていると思いますけれども、ただ、この方式で行いますと、幾つかの問題点がございます。まず1つは、県内の事業所は約3万近くあるのですけれども、このうち産業廃棄物をどの程度出していらっしゃるかはちょっとわかりませんけれども、県内の多くの事業者から、産業廃棄物の排出に対して申告と納税を求めることになります。結果として、19年度予算は450万でございますけれども、これが1社当たりになるとかなり少額になります。この少額な納税手続を多くの事業者に求めることになり、負担が大きいのではないかと考えられる点が1つございます。  もう1点は、産業廃棄物処分場税の導入に当たりまして、隣県との二重課税が生じないように、課税方式の調整を行ったところでございます。現在、中国地方のすべての県が鳥取県と同じやり方で特別徴収方式によって産業廃棄物の税制を導入しているところでございます。こうした中で鳥取県だけが排出事業者に直接課税する方式を導入した場合、県内の排出事業者は県外で処分された場合には本県で払い、また他県に持ち込んだときに払うという二重課税という懸念がございますので、この方式はとりにくいのではないかなと思っているところでございます。  なお、排出事業者に対して直接課税している県ですけれども、現在、産業廃棄物処分に係る税は27道府県が課税しておりますけれども、そのうち2県ございます。そのうち、三重県は1,000トン以上のもの、滋賀県は500トン以上を課税対象にしております。このように、多量の排出事業者を焦点といいますか、ねらった仕組みとなっているところでございます。排出量が極めて大きい事業者だけに限定して課税するというのは、排出者の責任を徹底するという観点からは適切ではないのかなと思っているところでございますし、また、課税の公平性の観点からも適切ではないのではないかと思っているところでございます。  また、事務的な面でいいますと、排出事業者の課税方式というのは、県側にとっても課税徴収というコストが増大いたしますので、19年度でいきますと税収見込み450万円という金額からも現実的ではないのではないかということで、現行の課税方式ということで提案しているところでございます。 ◯副議長(上村忠史君)青木企画部長 ◯企画部長(青木由行君)米子~ソウル便につきまして、幾つか御質問をいただきました。答弁させていただきます。  まず最初に、これまでとってきた対策、そして、それが今回、搭乗率が非常に低くなっていることとの関係でどう総括するのか、分析するのか、こういったお尋ねであったと思います。  ソウル便が13年に就航いたしましてから、これまで、アシアナ航空に対する運航経費の補助金、着陸料支援とかそういったものに加えまして、市町村、民間とも連携をしまして、利用促進実行委員会における利用促進対策、こういったものを通じまして支援を行ってきたところでございます。この対策によりまして、運航の下支えをするということと、それから旅行商品のPR、それから交通アクセスの支援というようなことで、県民等にソウル便の利用を促進する上では一定の効果はあったというふうに認識をしております。  こういった支援の効果もありまして、16年ごろまでの利用状況は、他の路線に比べましても比較的堅調に推移をしていったということであります。例えば搭乗率で申し上げますと、就航した13年が74%、14年が69.5%、15年が62.3%、16年が63.6%ということでございまして、利用者数も、途中で機材が大型化というようなこともあったのですが、おおむねふえる基調ということで、16年が3万5,152人ということでございました。内訳を見ますと、当時は7~8割を占めるアウトバウンド、日本から韓国の方に行くお客さん、こちらがこういった搭乗率を支えていた、こういうふうに分析をいたしております。  しかしながら、17年以降現在までにソウル便を取り巻く環境が、正直申し上げて私どもの予想を大きく上回るような変化をしたわけでございます。1点は、まず日韓の交流の中断ということもございました。これは地域間の江原道との中断のことでありますけれども。もう1つは、為替レート、円とウォンとの関係で、ウォン高が非常に急速に進みました。例えば、17年ぐらいまでは大体1円が10ウォンぐらいで安定的に推移していたのですけれども、18年が8ウォン台、19年が7ウォン台ということで、この3年間ぐらいで非常にウォン高が進んだというところであります。  これを背景といたしまして、韓国で訪日の旅行、これは文化的な交流なんかも背景にありますけれども、訪日の観光ブームというのが急速に盛り上がっているということでございます。この結果、市場規模が大きいソウルから韓国のお客さんを誘致して路線の安定化を図るということが、これは各地の空港で現在も行われているわけであります。インバウンド戦略の強化ということでありますが、この変化には私ども十分対応できていなかったのではないかということは、率直に認識をしているところでございます。また、こちらから行く方のアウトバウンドの方も、17年度に減少して、それが回復しないということで、ことしに入ってもさらに減少が続いていたということであります。  こういったような経緯で、17年度以降、アウトバウンドの減少、インバウンドの伸び悩みという状況が続きまして、ことしに入って、3月から7月は搭乗率が5割を切るというようなことで、今回のアシアナの運休が通告され、これは今は保留ということになっていますけれども、そういった流れになってきたというふうに認識をしているところでございます。  2点目でございますが、費用対効果についての御質問でございました。今回、ソウル便につきまして、補正でも、あるいは補正の追加という形で予算をお願いしておりますので、そういったこともありまして、定期便の持つ経済的効果というのを分析をさせていただきました。  それで、幾つかありますけれども、1つは、こちらに住んでいる地域居住者の便益がふえる。具体的に申し上げますと、米子便があることによって他空港に行く時間と、それから費用、これが縮減される。それを金額に換算をいたしました。そうしますと、少なくとも2億3,000万程度の便益増があるということでございました。観光客で、韓国の方が来訪されますと消費を行われまして、経済波及効果がございます。こちらの方を数値化をいたしますと、約3億6,000万円の経済効果が得られるということでありました。  数値化をいたしましたのはこの2点でございますけれども、ほかにも、例えば米子~ソウル便が就航いたしますと、県民の方が例えば空港ビルに行かれたりとか、それから、アシアナが企業活動をするということによりまして、一定の経済波及効果というものも出てまいります。それからあと、議場でも何度かお話をさせていただいたわけでありますけれども、企業誘致のアピールポイントになるとか、地域産業の国際化、高度化に資する、それから、北東アジア諸地域との国際交流の推進に寄与する、あるいは、定期便が就航していることによりまして、税関などのCIQの機能が強化されますので、港湾等についてCIQの機能が確保されるというようなメリット。それから、CIQの機能が確保されているということで、ほかの国との、台湾とのチャーター便も運航が促進される。それから、そういったそもそも開かれた窓を持つということによる県民の国際感覚の醸成、こういった効果も、金額換算というのはなかなか難しいわけですけれども、あるというふうに考えているところでありまして、我々としては、これまで講じてきた支援、それから、今お願いをしております、講じようとしております支援につきましては、十分な費用対効果があるのではないかというふうに考えているところであります。  なお、今申し上げたようなことにつきましては、資料といたしましてホームページで公開をさせていただいているところでございますので、申し添えさせていただきたいというふうに思います。  3点目といたしまして、島根との協議についてということでございました。  島根県さんとは、アシアナ便ができまして、それでなかなか観光客誘致というのが、先ほど申し上げたようなことで、最初は観光で韓国から来ていただく方というのは、これは全国的にもそうだったのですが、非常に少ないという状況ではありましたけれども、何とか一緒に取り組もうということで、誘致活動などにつきましては、共同して取り組みを進めてきたところであります。  こちらから行く方の利用促進につきましては、実行委員会の方に今年度から島根県、それから関係の市町村さん、商工会議所の皆様にお入りをいただいて、一緒に利用促進策を検討するというような体制をしかせていただいております。  それで、今回運休決定という通知がございましたときに、両県の知事で直ちに電話で連絡をとったということがあったということと、それから、鳥取県としては何とか運休を撤回してもらうように本社の方に出かけていって直接交渉したいということを申し上げたところ、直ちに担当の山根商工労働部長を派遣するというようなお話があったということでございます。一緒に交渉に臨ませていただいたということでございます。  また、関連いたしまして、現在、利用促進の方策を検討、実行する組織を、インバウンド、アウトバウンドそれぞれにわたりましてワーキンググループを設置をいたしておりますが、そちらの方にも島根県の方にお入りをいただいて、どういう利用促進策があるのか、こういった検討を共同して行っているところであります。また、そのための実行につきましても、既に島根県さんの方でPR活動、例えば管内の団体にいろいろと呼びかけをするというようなことにつきましても、いろいろと連携をとりながらさせていただいているところでございます。 ◯副議長(上村忠史君)田代警察本部長 ◯警察本部長(田代裕昭君)犯罪被害者等支援に係るいわゆる民間被害者支援団体に関するお尋ねをいただきました。  犯罪被害者やその遺族、または家族に対し、物心両面にわたる支援活動を行うとともに、広く人々の被害者支援意識の高揚を図ることなどを目的とする民間被害者支援団体の設立が近年各地で進んでおります。これらの団体は、警察等の関係機関との連携を図りながら、被害者支援に関する広報、啓発、電話相談、面接相談ですとか、病院や裁判所等への付き添い、遺族の会などの被害者自助グループへの支援、また、ボランティア相談員の養成及び研修といった活動を行っておられます。  その先駆けとなりましたのは、平成4年に東京で設立された被害者支援都民センターでございましたが、その後、これに続く県も多く、その経験や実績の蓄積に照らしまして、平成16年成立の犯罪被害者等基本法におきましても、条文上の位置づけがしっかりとなされ、国及び地方公共団体は、犯罪被害者等の援助を行う民間支援団体に財政上及び税制上の措置を講ずべきこととされているところでございます。  もとより、警察といたしましても、犯罪被害者支援のための取り組みを進めておりまして、犯罪被害者等給付金支給法に基づく一定の要件のもとでの被害者への経済的援助のほか、例えば被害者から事情聴取を行った事件担当捜査員が捜査状況、犯人の検挙状況、処分結果等を被害者や遺族に連絡する制度ですとか、被害者等の経済的な負担軽減を図るため、性犯罪被害者に対する初診料、診断書料、緊急避妊等の初回処置料などを公費で負担する制度、その他、数々の支援制度がこれまでにも導入されております。  しかしながら、議員も御指摘のように、被害者等の早期回復の観点から、メンタルなものも含めまして、きめ細かい被害者の方、また御家族や遺族の方に対する支援を行うということにつきまして、公的機関による活動を超えたところで、民間団体によるきめ細やかな支援活動というものが全国で広まりつつあり、そういった支援活動が国民、また県民の方から強く望まれているところであろうと感じております。  今現在、私ども県警察といたしましても、先進県の例を研究し、また、他機関とも共同しながら、民間被害者支援団体の早期設立に向けた活動を全面的にバックアップしていく所存で努力しているところでございます。  議員のお尋ねは、主に成立したらその後どうするのかというお尋ねが中心だったと思います。それに関連する限りで、今現在一緒に取り組んでいることにも若干触れさせていただきまして、でき上がった後のことについてもお話しさせていただきたいと存じます。  この団体の設立に向けてということで、昨年来、犯罪被害者や御遺族の方、また官民の関係機関、団体の方々と何度か勉強会を行った上で、本年7月から被害者や御遺族、また弁護士会を初め、司法、医療など、各分野の有識者、実務家、そして支援活動に現に携わっていらっしゃるグループの方々などから構成されます民間被害者支援団体検討委員会というものが発足いたしまして、警察本部において、そのお手伝いをさせていただいております。前回9月の委員会に私も参加させていただきまして、各方面で被害者支援の充実に向けて精力的に御尽力くださっている方々の御意見をじかに拝聴することもできました。  今後、こうした方々のお教えをいただきながら、警察といたしまして被害者支援のテーマに重点的に取り組んでまいりますし、この団体の設立に向けての動きにも一緒に参画してやらせていただきたいと思っているところなのですが、この検討委員会におきまして、犯罪被害者支援団体の設立に向けて、これこれこういう方向性で具体的な準備を開始することが適当であるといった形で意見が集約されましたら、支援団体の設立準備会を立ち上げて、支援団体の活動内容や組織形態、運営財源等の具体的な論点について検討を行うということが適当であると考えますので、それがこのたびの補正予算案でお願いをしているところでございます。  そういった多くの分野の有識者の方々の御議論を経て、準備会が将来的に立ち上がり、また、行く行くはこの団体が発足するということになりました暁には、警察で先ほどちょっと御紹介申し上げたような業務をみずからも行いながら、被害者の方々の声や御意見をじかにお聞きする機会もございますし、また、こういった民間団体の方から大いに学ばせていただきまして、協力して犯罪被害者支援のための仕事が一層充実するように努めてまいりたいと思っている次第でございます。 ◯副議長(上村忠史君)7番市谷議員 ◯7番(市谷知子君)ソウル便についてなのですけれども、私が聞きました費用対効果の検証、それから島根県の協議というのは、今回の運休に至るまでに、これまで多額の支援金を出しているわけですから、この事態に至るまでにどういう検証なり協議を行ってきたのかということを聞いたわけですけれども、今回以降のことではないのです、それ以前にどうしたのかということなのですけれども、もう一度お答えいただきたいと思います。  あと、ソウル便なのですけれども、先ほどいろいろとソウル便を取り巻く環境が変化をしたということはるる挙げられましたけれども、結局、採算ラインを割ってきていて、取り組みが不十分だったということがあったわけです。多額のお金を投資しながら不十分な対応であったということなのですけれども、その上に、今回アシアナ航空に対して70%の搭乗率を割った場合には保証金を出すということを県議会や県民には諮らないで、県がアシアナ航空に約束をしてこられたわけです。  これはこの間から出ていますけれども、50%の搭乗率だと半年で約4,900万円アシアナ航空に支援をするということになりますけれども、その一方で、今鳥取県はお金がないと、財政が大変だということで、今、議案も出ていますけれども、特別医療費助成制度の改定で、低所得者の入院給食費有料化、これは今回のアシアナ航空の保証金に匹敵する約4,200万円も低所得者の方に負担増をするという計画をしているわけです。ですから、ちょっと私は、このアシアナ航空の保証金を決めた経過について、もう少し詳しくお尋ねしたいと思います。  1つは、アシアナ航空から運休の話があったのは8月20日でしたけれども、実際に運休をするのは約2カ月後の10月28日からということで、交渉期間がまだあったのではないかと思われます。それに、これだけの多額の税金投入をする契約なのですから、非常に交渉を重ねるということが大事だったのではないかと思いますけれども、なぜ慌てて保証金を出すことに決めたのか、お尋ねしたいと思います。  2つ目に、8月28日に知事がアシアナ航空の社長と面会した際に、アシアナ航空の社長が、自民党の二階俊博衆議院議員がアシアナ航空の玄東實日本地域本部長に対して路線維持へ特別の配慮をするよう電話で要請してこられたという話をしておられますけれども、この二階俊博衆議院議員がアシアナ航空に電話要請するに至ったその経過と内容について、お尋ねしたいと思います。  次に、犯罪被害者の支援の件ですけれども、いろいろと本部長にお答えいただきましたけれども、私が聞いているのは、民間団体が設立された際に警察としてはこの団体に支援をするのかと、どうなのかということを教えていただきたいということですので、もう一度お願いします。  全国で鳥取県と徳島県以外はこの民間団体が全部できていまして、今46団体ということなのですけれども、この民間支援団体に財政支援をしている都道府県が幾つあるのかをお尋ねしたいと思います。  産廃処分場税についてなのですけれども、先ほど言いましたように、中間処理業者から意見が出ているということで、排出業者から中間処理業者が手数料といいますか、お金がなかなか取れないという悩みが出ているわけですけれども、これについて何か対応されることは考えておられないのか、それをお尋ねいたします。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  瀧山総務部長 ◯総務部長(瀧山親則君)産業廃棄物の特別徴収について、特に中間処理業者の方が排出者に対して転嫁できないことがあるけれどもどうかということですけれども、これは、排出事業者に税の仕組みをよく知っていただいて、きちんと税の負担というものをしていただきたい、きちんと転嫁できるような仕組みにしていきたいと思っております。そのために、今まで経済団体だけに周知していたのですけれども、今後この議案が議決されましたら、排出量の大きな個別事業者に対しても、この税の趣旨というものをきちんと説明していきたいと思っております。 ◯副議長(上村忠史君)青木企画部長 ◯企画部長(青木由行君)まず、費用対効果の御質問であります。私どもとしては、過去行ってきた支援、それから、これから講じようとしている支援、これにつきまして、県民の方の御理解を得るということは大切だろうというふうに考えております。  それで、費用対効果ということをどういう形で県民の方にお示しするかというのは、これはいろいろなやり方があると思っております。我々としては、先ほど申し上げたような、とりあえず固めて数値化できるものというものをまずお示しをして、そして、数値化できないものも含めて、私どもとして支援をしてこの路線を就航する意義があるのではないかということを県民の皆さんに説明をさせていただいているところでございます。御理解をいただければ大変ありがたいというふうに思っている次第であります。  島根県との協議についてのお話でございました。このアシアナ路線が利用が低迷しているということは、これは毎月、アシアナの方からも、また私どもの方からも公開をして広報をしておりますので、島根県も当然それを知っているということでありました。特に近年は利用が低迷しているということにつきまして、事務レベルでも、これは両県で少し取り組む必要があるのではないか、こういう打ち合わせはしておりました。そして、昨年のことではございますけれども、それぞれ前知事の時代でありますけれども、両県の知事会議というのを行いまして、その中の一つの決めた方向性といたしまして、先ほど申し上げた利用促進の実行委員会の方に島根側の方の官民の組織もお入りいただいて一緒にやっていこうという、そういう流れになってきたというところであります。  しかし、先ほど申し上げましたように、私どもが利用促進に取り組もうと思っているスケジュール感といいますか、そういったものを上回るアシアナ側の急な決定というのがあったというところにつきましては、お互い両県とも予測はちょっとできなかったということで、緊急にお互いに対策を講じようとしているというのが現状でございます。  この緊急支援につきまして、議会それから県民に諮らずにアシアナに提案したのはどういう事情かという御質問でございました。  御指摘がありましたように、運休の決定が伝えられましたのは8月20日ということで、運休開始予定の10月28日の2カ月前ということでございましたのですけれども、その時点でいろいろとお話を聞いたのですが、この米子路線の機材を使って他の地方空港に機材を回すという、そういう計画がアシアナの本社の方におありになって、いわば米子の運休とその増便とか、そういったものも含めて、10月28日以降のウインタースケジュールというのを、その話をいただいた8月20日の翌週の早々には公表すると、こういう状況でありまして、運休を覆すための交渉の期間というのはほとんどなかった、こういう状況でございました。また、一たん運休されますと、今申し上げたように、機材をほかに回したりということもありますので、再開はほとんど不可能だというふうに客観的に考えられた状況でございました。  こういった状況の中で、運航の継続につきましてアシアナ航空と交渉するに当たりましては、今議会に提案をさせていただいております緊急運航支援を議会にお諮りするといういとまがございませんでしたので、執行部の判断といたしまして、アシアナ航空に対して提示をさせていただいたというような状況でございました。  言うまでもなく、この緊急運航支援につきましては、議会の議決がなければ効力を発しない、執行できないということでありますので、現在、御審議をいただいているところでございますけれども、御理解がいただけるように努力をしたいというふうに考えているところでございます。  自民党の二階議員からの要請につきましては、これは私どもが本社の方に出向きまして、先方の姜柱安社長の方からいろいろな説明があった中で触れられまして、私どもはそれで初めて聞き及んだということでございますので、御質問の経緯とか、そういったところについては、私どもは承知をしておりません。 ◯副議長(上村忠史君)田代警察本部長 ◯警察本部長(田代裕昭君)2点お尋ねのうち、まず、ちょっと順番が逆になるかもしれませんが、全国における民間被害者支援団体に対する公的機関による財政的支援状況といったことについてでございますけれども、全国の民間被害者支援団体で、本年9月末現在で、未設立の2県、鳥取と徳島を除きまして、設立されている45都道府県、46団体のうち、自治体から財政的援助を受けている団体は38団体でございます。  次に、この団体が設立された暁において、県警としてはどのように支援していくのかということでございますけれども、もちろん平素の業務の中で連携、協力を密にして、情報交換などもしながら被害者支援のための施策を進めていくということがまずございますけれども、もう1つのお尋ねと関連して、財政面の支援ということでございますれば、先ほどちょっと触れましたように、犯罪被害者等基本法におきまして、国及び地方公共団体は犯罪被害者等の援助を行う民間支援団体に財政上及び税制上の措置を講ずべきとされているところであり、また、単に法律に書いてあるということだけではなくて、この鳥取県、また県民の皆さんが、例えばDV被害者の方とか障害者の方など、困難な状況にある方々への心遣いを大変大切になさっているという姿勢にも、この民間被害者支援団体の意見も大いに整合性のあることのように感じておりますので、本県においてこの団体が設立された暁には、事業費を一部補助している先ほど御紹介しました全国の事例なども参考にしながら、県警察といたしまして、財政的な補助につきましても積極的に各方面に御相談を申し上げてまいりたいと考えている次第でございます。 ◯副議長(上村忠史君)7番市谷議員 ◯7番(市谷知子君)ソウル便についてなのですけれども、いろいろと費用対効果についても、それなりに何か検証というか、考えてこられたので御理解をということでしたけれども、それから、今回運休になるというのは突然のことで予想ができなかったということなのですけれども、でもやはり多額の税金を投入してきているわけで、私はそういう状況の中で、県がやっぱりまじめにここを本当にどうしていくのかということでの対応というのが、もっともっと必要だったと思うわけです。でも、それが結局のところはやっぱり不十分なままで、しかも今回、議会に諮るいとまがなかったと言われるわけですけれども、それは非常に、二重にこれは大変な事態だなというふうに私は思うわけです。  ちょっと最後にソウル便についてお尋ねしたいと思いますけれども、この間の話し合いの中で、アシアナ航空は損失、穴埋めに頼らない自立した路線に生まれ変わるよう、アシアナ航空としてもあらゆる努力をするのだと言っておられます。しかし、その割には、今回新たな財政支出として鳥取県が搭乗率向上対策ということで合わせて1,915万円、加えてさっきの搭乗率70%までの保証金。先ほども言いましたけれども、50%の搭乗率だったら4,900万円で、鳥取県としては新たに合計約7,000万円の財政支出を覚悟しているわけです。それに対してアシアナ航空はどうかといいますと、新たな負担は予算の提案の中身で、資料で見させていただいた範囲では200万円ということで、鳥取県は7,000万、アシアナ航空は200万ということで、非常に差があるなというのを感じるわけなのです。  それで、なぜこのようにアシアナ航空の負担が極端に少なくなっているのかと。こんなに差があることについてどう思っておられるのかということをお尋ねをいたしまして、私の質疑とさせていただきます。 ◯副議長(上村忠史君)青木企画部長 ◯企画部長(青木由行君)まず、アシアナ航空の努力、関与についてのお尋ねでございました。  今回、運休の通告がある際に、アシアナ航空といろいろなやりとりをいたしましたのですが、まず先方から言われましたのが、就航以来、約4億に及ぶような赤字をこれまで自分たちとしては累積をさせているのだ、それから、現在は毎月1,000万ぐらいの赤字を背負ってきているのだということで、もう看過できない、こういう説明があったわけでございます。  それで、今回私どもとして、この運休をひっくり返すために、70%を切った場合に4分の3を交付するという支援をすることを今提案をしているわけでございますけれども、これは緊急避難的にやるものであって、決して望ましいものではないというふうに思っておりまして、なるべく利用率を早く向上させて、自立できるようにというのが望ましいということでありまして、この点については、アシアナ航空の方も同じスタンスというふうに理解をしております。  アシアナ航空の関与といたしましては、今言われた利用促進にお金を追加的に出すということではなくて、やはり本来業務として、就航した責任を果たしていただくということで、まず営業強化をしていただくということ、それから、地元の利用促進対策に積極的に参加、協力をしていただくこと、こういったことであろうというふうに思っております。  現在も、例えばアウトバウンドでいいますと、県外、島根県も含めて、積極的な営業活動を今していただいたり、それから実行委員会、それから山陰国際の観光協議会にワーキンググループに入っていただいて、それで、今は実行委員会の事務局にもお入りをいただいて、特にファンクラブの運営でございますとか、あるいは、それに伴う特典として割引券を発行していただくとかというようなことも取り組んでいただいているところです。また、インバウンド、向こうから来ていただく方は、これは向こうのソウル支店が中心になった取り組みということになるのですけれども、向こうの旅行会社に対する積極的な働きかけをしていただいています。
     私が行ったときにお伺いしたのですが、社長の面談があるその直前にも、系列の旅行会社を緊急に招集をいただいて、そして米子路線を販売強化するためにはどうすればいいかというような、そういう対策検討会議を行われたというふうに聞き及んでおります。また、いろいろな広告を打つときのアレンジとか、それから、マスコミの方とか旅行会社の方を本県に招致をして見ていただいたり、あるいはテレビ番組をつくっていただいたりというようなときのアレンジをいろいろとしていただいたり、また、そのときのソウル~米子便で来られますので、席を優先的に確保していただいたり割引をしていただいたりというような形で御協力をいただいているというふうに思っております。  我々としては、現在アシアナの方でも我々と同じベクトルの方向で努力をしていただいているというふうに考えておりまして、今後ともよく連携して、利用促進の取り組みを進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◯副議長(上村忠史君)16番銀杏泰利議員 ◯16番(銀杏泰利君)(登壇)議案第11号、鳥取県特別医療費助成条例の一部改正について、福祉保健部長にお尋ねをいたします。  この条例に関しましては、6月議会、そしてこの9月議会でも、一般質問で取り上げたところであります。特別医療費は、今まで医療費の全額が助成されていましたが、片山前知事の時代に一部負担の導入が検討され、パブリックコメントでの意見募集も行われました。そしてこの春、新しく知事に就任された平井知事は、検討された一部負担について見直しをして、生活実態に合わせた大幅な負担軽減を盛り込んだ修正案を示されました。小児等の通院費助成の対象年齢を広げることといい、大いに評価し、歓迎したものであります。  さて、その修正案を示して、ことし6月にパブリックコメントを実施され、さらに修正をかけた条例案をこの9月議会に提案されたところであります。そこで、最初に基本的な質問ですが、6月において行われたパブリックコメントでどのような意見が寄せられ、再修正に結びついたのか、具体的な説明を求めます。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  田中福祉保健部長 ◯福祉保健部長(田中謙君)特別医療費の関係で、第2回目のパブリックコメントの意見と対応ということで御質問をいただきました。  今回の見直しにつきましては、1点目といたしまして、適正な利用の確保、それから2点目といたしまして、将来的に持続可能な制度設計の観点から行ってきたところでございます。  6月に2回目のパブリックコメントを行いましたが、主な意見といたしまして4点上げますと、障害があると病院に多くかかるので、市町村民税課税世帯であっても負担が大きい。2点目といたしまして、小児等の入院に係る一部負担金、1日1,200円がそうでございますが、月額負担上限を設けてほしいというものが2つ目。3点目といたしまして、所得制限を引き上げて、負担額を低くしてほしいというのが3点目。それから、食事の関係でございますが、入院時の食事代の助成を継続してほしいという4点でございます。  まず、1点目の市町村民税課税の方も負担が大変な方があるという御意見でございますが、これにつきまして、月額負担上限の軽減につきまして、市町村と検討いたしました結果、課税世帯で老齢福祉年金支給要件の所得額の方につきまして、通院の上限が1医療機関当たりの通院の上限、月3,000円を2,000円に軽減する。それとあわせまして、入院につきましても、月1万5,000円を月1万円に軽減すると、そういうふうな一部負担金のさらなる軽減を行うこととしております。  2点目といたしまして、小児等の入院に係る一部負担金、1日1,200円が上限でございますが、月額負担上限を設けてほしいという意見でございますが、これにつきましては、新たに小児等低所得者の長期入院時の負担を軽減するという修正を行うこととしております。具体的に申し上げますと、月額の上限がなかったわけでございますが、高額医療費制度におきまして、低所得者世帯の負担というのは、一般世帯と比べまして大体半分ぐらいに抑制されているというふうなことで、月に15日まで、月額でいきますと1万8,000円まで負担上限を下げるというふうな見直しをしております。  3点目でございますが、所得制限の廃止または制限額の引き上げができないかという御意見でございますが、所得制限額の引き上げにつきましては、いろいろと検討いたしましたけれども、見直しを行わないこととしております。  その理由でございますが、障害者の方でも負担できる方には負担していただくことが必要ということで、例えば特別医療費助成制度の対象となる所得の上限額というのを、現在の案でございますが、老齢福祉年金支給資格の所得額、159万5,000円に設定しておりますけれども、これは収入ベースに直しますと、単身の方でございますが、給与収入で年収で253万6,000円、これが上限になるわけでございます。これ以外に、障害者の方につきましては、障害基礎年金とか特別障害者手当の給付を仮に受けておられる方でございますが、例えば障害基礎年金の1級でございますと年に99万円、それから、特別障害者手当でございますと年に31万7,000円と、こういうものにつきましては、課税対象の収入とみなされないというふうなことで、仮にこの2つを受けられている場合には、先ほど申し上げました老齢福祉年金の159万5,000円が収入額ベースでいきますと384万ばかりになります。そういうことで、この基準額以上の所得がある方につきましては、公的支援がなくても一定水準の生活が可能ではないかというふうな判断をいたしました。  低所得者に対する食事療養費助成の継続ができないかという御意見でございますが、食事療養費の助成制度の継続または経過的な措置につきまして検討いたしましたけれども、見直しは行っておりません。  理由でございますけれども、食費は在宅でも施設でも必要な費用でございます。低所得者の方につきましては、実は医療保険制度でも負担軽減がございまして、一般の方につきましては1食が260円でございますが、低所得者の方につきましては1食が100円から210円まで軽減をされております。市町村ともこのことにつきましては意見交換を7月27日にやっておりますけれども、当初は食事療養費の助成の継続または経過措置につきまして、3町村がそういうことを設けてほしいということがございましたが、最終的に現在の修正案につきまして決をとりましたら、全市町村が賛成をされたわけでございます。特別医療費助成制度につきましては、障害者の方にとってとても必要な制度でありまして、これを維持するためには、障害者の方も含めて、皆さんで制度を支えていただくことが必要だというふうに考えております。 ◯副議長(上村忠史君)16番銀杏議員 ◯16番(銀杏泰利君)答弁いただきました。  一般質問でも申し上げましたけれども、こうやって最終成案を夏に出されましても、さらに障害者の皆さんが多くの1,000名を超える署名を携えられて知事のもとに陳情に来られた。8月の23日だったのではないかなというふうに思いますけれども、陳情をされたわけです。そういうことを考えますと、まだ見直しが不十分な点があるのかなというふうにも思ったりもします。  先ほど部長の方から丁寧に説明があったわけですけれども、私は、もう少し障害者の方の生活面でのいろいろな出費の多さ等々を考え合わせて、一般の所得による区分、区分けの仕方よりももう一段緩やかな区分けがあってもいいのではないのかなというふうに思っております。  そこで質問なのですが、今も大分わかりやすく説明をいただいたわけでありますけれども、出ています最終成案における障害者等の一部負担金の区分けの合理性について、できるだけ県民やこれを聞いておられます障害者の皆さんによくわかるように説明をしていただきたいと思います。  例えば、実際の生活実態などを示して説明されるとか、区分けにつきましては、所得ではなくて、我々がいつもなじんでおります収入金額に則するような格好で御説明をいただきたい。それから、でき得るならば、それぞれの区分けでの家計の収支がわかるような、そういったモデル的なものでも示していただくなりして説明をいただきたいと思います。福祉保健部長に答弁をお願いいたします。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  田中福祉保健部長 ◯福祉保健部長(田中謙君)所得区分の合理性等につきまして、具体的に家計の収支のモデル等を示して説明をするようにということでございます。  これにつきまして、当初案につきましては、実は本人の所得に着目をして基準を設定しております。これは見直し以前でございますが、平成18年の3月ごろに障害者の自立支援法の意見交換会をやりましたが、そのときに、サービスの月額負担額上限が世帯所得により設定されると、障害者の方から、自分は収入が少ないのに負担が多くなって肩身が狭いというふうな御意見がございました。こういうことを考慮して、本人さんの所得に着目した基準を設定しておりました。  しかし、第1回目のパブリックコメントにおきまして、本人の所得のみではなくて世帯として収入が少ない方への配慮をすべきではないかという御意見がございました。これにつきましては、個別事例を調査いたしまして、軽減策といたしまして、世帯の所得という考え方を導入しております。  その検討結果でございますが、1点目といたしまして、市町村民税非課税世帯につきましては、障害福祉サービス等の負担も考慮いたしまして、従来どおり全額助成をすることといたしました。これにつきましては、市町村民税非課税者の方の基準所得額というのは125万円でございますが、例えば単身の方でございますが、これを給与収入に直しますと、年収で204万円以下ということでございます。これに被扶養者の方が入りますと、さらにこの基準というのが上がってまいります。  2点目といたしまして、市町村民税課税世帯で障害者御本人さんが市町村民税が非課税の方でございます。こういう方につきましては、世帯として一定の収入があるために一部負担をお願いしたいというふうに思っておりますけれども、本人さんは年収が204万以下というふうに少ない方の場合は、通院の場合には1医療機関当たりの月額を1,000円までの定額の負担上限が適当ではないかというふうに考えて、こういうふうにしております。この方につきましても、上記以外に障害基礎年金とか特別障害者手当を受けておられる方につきましては、実質的な上限額というのが上乗せになるわけでございます。  3つ目でございますが、市町村民税課税世帯で本人が老齢福祉年金支給資格以下の所得の方につきましては、給与収入で直しますと253万6,000円未満の方でございます。こういう方につきましては、通院の場合には1医療機関当たり月額2,000円までの負担をしていただくことは可能ではないかというふうな考えをしております。こういう方につきましても、先ほど申し上げましたが、障害基礎年金でありますとか特別障害者手当の給付を受けておられる場合には、この上限額は実質的に上乗せになるわけでございます。  4点目といたしまして、市町村民税課税世帯で御本人さんが老齢福祉年金支給要件を超える所得の方、給与収入に直しますと253万6,000円以上の方でございますが、こういう方につきましては、公的支援がなくても一定水準の生活が可能というふうに考えられますので、特別医療費助成対象外とすることが適当であると考えております。こういう方は現在、この助成制度の対象になっておる方から外れる方が大体2割ぐらい、新しい見直し案では2割ぐらいになるふうに推計をしております。  あと、個別に聞き取りした事例でございますが、30例のうちの一部を御紹介いたします。これは個人情報が入っておりますので、詳しいことはちょっと議場では申し上げにくいのですけれども、まず、ケースの1番目でございますが、市町村民税非課税世帯の方。家族が3人。夫と妻が障害で、それぞれ2病院に月に2回通院しておられます。それから、ホームヘルプサービスを月に50万利用されておられます。こういう方につきまして、収入面でいいますと、先ほど申し上げました障害基礎年金の1級でありますとか、特別障害者手当等を受けておられます。あと、娘さんがちょっと働いておられまして、そういう収入がございます。大体合計額で月額25万ぐらいになるのではないかと思います。こういう方につきましては、自立支援法の福祉サービスの自己負担額というのが1万8,300円ございます。当初の見直し案では、こういう方につきましては医療費負担を9,600円お願いしておりますけれども、新しい見直し案では、この医療費部分というのが負担がゼロになっております。  続きまして、ケースの2でございますが、市町村民税課税世帯の方。家族がお2人。2人の子供さんは難病でございます。定期的な通院というのはちょっと不明でございますけれども、排たん誘導のための医療機器をレンタルでお使いになっておられるとか、ホームヘルプとか児童デイとか、おむつとか、そういう月額の負担で7万3,000円ぐらいあるというふうにお聞きしております。この方につきましては、お父さんが働いておられますので、大体特別児童扶養手当等を合わせますと月に35万から40万ぐらい収入があるようでございますが、今回の見直し案では、御本人さんが収入がないわけでございますので、市町村民税課税世帯でございますが、通院の場合には、1医療機関ごとに月額の上限負担額を1,000円まで負担していただくと、そういう負担が発生するというふうな見直しになっております。 ◯副議長(上村忠史君)16番銀杏議員 ◯16番(銀杏泰利君)もう1点、お尋ねをしたいと思います。  障害者の方の中には、今回の特別医療費助成制度の対象になっていないような方もたくさんいらっしゃるわけであります。そういった方の中には、実際、仕事ができるような状態ではなくて収入も見込めない、そういったことで、世帯として大変苦労されているという、そういった家庭もたくさんあるというふうに思われるわけです。  障害基礎年金の支給を受けていない分、生活が苦しいのだと、そういった訴えを受けることが私もあるわけでありますけれども、本来ならば、そういった方々へも助成を広げていくべきなのかなというふうにも思ったりもします。なかなか難しいことではあると思いますけれども、今回の見直し論議の中で、そういった課題というのは上がってこなかったのか、福祉保健部長にお尋ねして、質疑を終わりたいと思います。 ◯副議長(上村忠史君)田中福祉保健部長 ◯福祉保健部長(田中謙君)助成対象の方の拡大につきまして、答弁を申し上げます。  特別医療費助成制度につきましては、就労が困難で年金が主な収入源となっている方で、重度の障害をお持ちの方々の健康の保持、生活の安定を図るということを目的とする制度でございます。したがいまして、助成対象の方でございますが、身体障害者の方につきましては、1級から2級の障害者手帳を持っておられる方。それから、知的障害者の方につきましては、IQが35以下の方。IQが50以下の方でも、3級から4級の身障手帳を所持されている方は対象になります。それから、精神障害者の方につきましては、1級の精神保健福祉手帳の所持者というふうに対象者を限らせていただいております。  したがいまして、県といたしまして、中程度の方々まで対象範囲を拡大するということは現在考えておりませんし、今回の見直しの検討に際しまして、そういう議論は行っておりません。  先ほど申し上げましたように、障害者手帳の3級から4級の方につきましては、療育手帳のBの所持者の方でございましても、IQが50以下の方につきましては、重複障害で重度に相当するというようなことで、従来から助成の対象といたしております。 ◯副議長(上村忠史君)8番錦織陽子議員 ◯8番(錦織陽子君)(登壇)日本共産党の錦織陽子です。私は、3つの議案について、質問をいたします。  まず第1に、議案第1号、平成19年度鳥取県一般会計補正予算のうち、県立母来寮の民営化にかかわる予算についてお尋ねします。  県立養護老人ホーム母来寮は、65歳以上で環境上及び経済的理由で居宅での生活が困難な人を市町村の措置によって入所させる施設で、現在126名の方が入所しておられますが、入所後、健康状態の悪化で特別養護老人ホームに入所希望を出しておられる人は現在何人でしょうか。また、重度の方の対応のために、県は何人の職員を加配しておられるのでしょうか。  そして、県立の養護老人ホームを民間へ譲渡してしまうと、ほかに県立の施設はなく、数年後には県庁職員の中には現場を知らない職員ばかりということになりますが、監査や指導責任上のリスクをどのように考え、また、リスク回避の手だてをどう考えているのか、お尋ねします。  2番目に、議案第4号、平成19年度鳥取県営電気事業会計補正予算、袋川発電所建設事業について伺います。  国のエネルギー政策は、原発にはもんじゅだけで約2兆円の開発費をつぎ込みながら、再生可能な自然エネルギーの開発にはわずか140億円で、電力の3分の1は原発に依存するという仕組みがつくられています。このようなエネルギー情勢の中で、県が地球温暖化防止や再生可能な自然エネルギーの自給率向上を推進する立場に立つことは意義があると思います。同時に、発電所建設事業は総事業費13億円という巨額を投じる公共事業であり、厳しい本県の財政状況に見合った効率的な運営や県内企業の受注機会をふやすことが求められることから2点伺います。  袋川発電所は、発電開始後、どのくらいで建設総事業費を黒字に転換できると試算しているのか。今、中小企業でもやれる発電プラントで小型の風力発電が開発されていますが、検討されたかどうか伺います。  3つ目には、議案第11号、鳥取県特別医療助成条例の一部改正について伺います。  この条例案は、障害者の課税世帯に医療費の有料化、入院給食費は低所得者も含めて有料化する内容です。一部改正によって県の負担は総額で約2億円減ると試算しています。鳥取県は、制度の2回目の見直しを行うために、意見交換会やパブリックコメントを6月から約1カ月間行いました。2回目のパブリックコメントで寄せられた意見は、9割が見直し案に反対であり、また、県の社会福祉審議会でも、障害者にとってこの制度は命綱、まだまだ厳しいという声が上がったと報じられています。  障害者自立支援法による負担増が既に始まっており、特に低所得者にとって、入院給食費の有料化は最後のセーフティーネットが奪われるという意見が多かったのですが、なぜ助成の廃止、有料化に踏み切ったのか、お尋ねします。以上、1回目の質疑とします。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  田中福祉保健部長 ◯福祉保健部長(田中謙君)まず、母来寮の民営化の関係でございますが、特別養護老人ホームへの入所の希望の方でございます。これにつきましては、11人おられるのではないかというふうに思っております。それから、入寮者の方の重度化の加配の関係でございますが、職員の加配でございますが、これは5名でございます。  民営化後の県の運営指導につきましてのお尋ねがございました。  母来寮の勤務をしておりますのは、例えば職種で申し上げますと寮母とか調理師とか、それから生活相談員、事務職等でございます。こういうことを経験した職員が実際に施設の監査業務を担当したというふうなことにつきましては、近年ではこういうことは承知しておりません。  老人福祉施設に対する県の指導監査と申しますのは、老人福祉法とか、あるいは介護保険法等、法令や運営基準に基づいて、福祉保健局の監査担当職員がやっております。監査担当職員というのは、人数は少ないのですけれども、国立保健医療科学院での監査担当者向けの研修を受講しておりますし、実際に監査に出かける場合には、監査に熟知した職員が経験の浅い職員と通常2人セット以上で監査現場の実務経験を蓄積するということで、監査に必要な資質というのは習得をしております。施設の監査業務というのは、監査に必要な法令とか運営基準を十分理解して、監査指導の手法を十分に身につけると、そういうことによりまして適切に実施されるというふうに考えております。直営施設の有無に特段影響を受けるものではないというふうに考えております。そういうことでございますので、母来寮の民営化に伴います監査業務への支障というのは想定されないというふうに考えております。  もう1点、特別医療でございます。第2回のパブリックコメントで9割の方が反対しているということで、障害者の方の医療費を有料化することについて御質問がございました。  先ほど銀杏議員さんに詳しく申し上げましたので、ちょっと省かせていただくかもしれませんが、今回の見直しというのは、1点目といたしまして、適正な利用の確保、それから、将来的に持続可能な制度の設計の観点から行ってきております。見直しに当たりまして、パブリックコメントとか関係者との意見交換会、あるいは個別ケースの聞き取り等を繰り返しまして、これらの意見を踏まえて見直し案を修正しております。  2月から3月にかけまして第1回目の意見聴取をやりまして、パブリックコメント、あるいは県政参画電子アンケートをやっております。修正案につきまして2回目のパブリックコメントをやっておりますが、これが6月でございます。当初案でございますが、本人の所得に応じた月額負担上限は1割負担という当初の改正案につきまして、第1回目のパブリックコメントでは反対の意見が216件ございました。賛成の意見は87件ございました。それ以外に、県政参画電子アンケートというのをやっておりますが、これにつきましては、7割の方が賛成をされておられます。  いろいろと反対意見等がございましたので、寄せられた意見を踏まえまして修正案をつくりまして、第2回目のパブリックコメントをやっております。これにつきまして、反対につきましては98件、賛成の意見は12件ございました。反対の意見の方でございますが、私は1枚ずつ意見書を見ましたけれども、多くが現行どおりの制度を継続してほしい、それから、自己負担の導入をやめてほしい、入院時の食事療養費の助成費を継続してほしいというふうなことで、これにつきましては、当事者とか家族の方以外に、その他の方の御意見もかなりございました。2回目のパブリックコメントでは、さらなる負担軽減を求めるというよりも、制度見直し自体に反対だと、負担を求めることに反対だというふうな意見が多いというふうに思いました。  このことから、低所得者の方の負担軽減を行った修正案に対しまして、現行制度を継続してほしいというふうな反対意見が9割あったという結果のみで見直しが不十分だというふうには一概に言えないものというふうに思っております。最終案につきまして、助成事業の実施主体である市町村とも協議を重ねまして、市町村の方から一部負担金のさらなる軽減とか、あるいは小児の入院に係る一部負担金、1日1,200円にも月額負担上限を設定してほしいというふうな意見がございましたので、必要な修正を行いまして、市町村ともこれでいいのではないかというふうな合意に至っております。  最終的な見直し案につきましては、障害者の方に負担を求めつつも、1点目としましては、所得の少ない方に一層の配慮をいたしております。市町村民税課税世帯の方につきましては全額助成、それから、月額負担上限を定額に設定したことによる負担軽減、それから、院外薬局の負担額につきましては、当初は負担をしていただくように考えておりましたが、これにつきましても全額助成をするというふうなことにしております。それから、障害の特性ゆえに医療費が継続的に必要な方にも配慮をいたしております。そういうことで、おおむね納得いただける内容になったものではないかなというふうに思っております。 ◯副議長(上村忠史君)宮前企業局長 ◯企業局長(宮前和憲君)袋川発電所の採算見通しについてのお尋ねでございます。  袋川発電所は、殿ダムの放流水という自然エネルギーを利用した発電所でございますが、建設時に費用としまして電気事業会計の内部留保金、貯金に相当しますが、それと、国の補助金、それから不足がございますので、その不足分として企業債で賄います。これを発電でできました電気を売りまして、売電しました電気からお返しするわけですけれども、1,100キロワット、そして一般家庭に換算しますと約1,000戸分という少し小さい発電所になりますので、黒字の転換まで約30年、正式にはじいておりますのでは33年の年月がかかるというふうに計算をしております。  ただ、もともと水力発電所といいますのは長い運用が可能でありまして、現在、企業局が運用しております7つの水力発電所、この中で例えば小鹿発電所等の3カ所の発電所では、50年を超えるものと50年近い発電所が経過しておりますので、適切な管理を行いますともっともっと長期に運用が可能で、十分採算がとれるというふうに考えております。  次に、小型の風力発電所を検討したかどうかということでございますが、小型の発電所といいますのは、風力発電所というのは、まず風力発電には非常に適地が少ないということがございます。コンスタントに強い風が吹く必要がある等々がございますし、小型では発電量が少なく、発電所に対する単価が高い。それから、小型発電の活用というのは、現在把握しておりますところでは、外灯とかキャンプ場とか、大山なんかでもつけてありますが、山小屋の全く電気が来ないところに非常に小さい供給がなされているところの利用が一般的でございます。今、企業局で設置したり、ほかの民間等のを見てみますと、風力発電につきましては、放牧場につきましては1基が1,000キロワットという大きな規模のものを使っておりますし、ほかにも1,500キロワットというふうなことを使っておりますので、非常に小さいものについては採算が合いませんということで検討しておりません。 ◯副議長(上村忠史君)8番錦織議員 ◯8番(錦織陽子君)お答えいただきました。  母来寮について伺いますが、入所者の11人、約1割の方が特別養護老人ホームの方に入所を希望されているということでした。民営化後も入所者の身体状況に変化がないとか、あるいは、今後加齢とともに重症化していくという人がふえるということが推測されますと、今の水準を維持していくためには、さっき職員5人加配しているというふうにおっしゃいましたが、この加配が継続されるのかどうかということを1つ伺いたいと思います。  県が譲渡先に出す運営条件ということについて伺いますが、県は民営化されて一度に職員がかわってしまうと入所者の不安を招くということで、これに配慮して、民営化後に3年間をめどに譲渡先に職員を派遣するということを検討しておられるようですが、その一部を県が補てんするとはどういうことか、この点について伺います。  袋川発電所事業についてですが、ダム式袋川発電所の実施設計、あるいは建設工事、発電所定期点検業務委託の発注がこれから発生するわけですけれども、それぞれ県内事業者への発注はどのように考えているのかということを伺いたいと思います。  あわせて、平成8年度稼働した水路式の加地発電所の総事業費、これは約14億1,000万円かかっていますけれども、このうちで県内事業者への発注状況、そして、昭和58年に稼働しましたダム水路式の佐治発電所の総事業費、これは約47億700万円かかっていますが、このうち、県内企業への発注状況をお尋ねします。  そして、今回計画されている袋川発電事業は約13億かかるわけですが、最大出力、先ほどおっしゃいました1,100キロワットです。平成18年度発電開始の風力発電、これは3基でしたけれども、この総事業費は8億1,000万円かかっていますが、最大出力は3,000キロワットです。これについても、県内企業への発注状況をお尋ねします。  特別医療助成のことについてですが、所得の少ない人に一定配慮をしたというふうにおっしゃっていますが、入院の給食費については全廃されたと思いますけれども、この点についてはどういうお考えのもとにされたのか、伺います。 ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  田中福祉保健部長 ◯福祉保健部長(田中謙君)民営化後の職員の加配についてのお尋ねでございます。  母来寮におきましては、多くの方、全体の4分の3ぐらいでございますが、認知症の症状が見られるほかに、重度の身体障害をお持ちの方も生活しておられるということから、法令で認められている配置基準に加えまして、現在、非常勤職員、寮母5名というのを加配しております。民営化後も入所者のこうした状況はおおむね同様だというふうに考えておりますので、職員の加配の必要性につきましては不安定要素があるわけでございまして、今後、譲渡先法人を選定するそういう動向も見据えながら検討する必要があるというふうに思っております。  具体的に、介護保険法、18年の改正によりまして、外部サービス利用型特定施設というふうなことが、新しい事業形態に移られた場合にそういうことが可能になりますので、こういう指定を受けられた場合には、仮に先ほど申し上げましたように介護サービスを利用される入所者の方が多いと、こういう特定施設としてのサービスを利用される方がふえますので、全体として、法令で定められました必要配置数というのが現在の加配人数を含む実配置数を上回ることがあるというふうに考えておりますので、こういうことも勘案しながら検討していきたいと思います。  民営化されますと、3年間施設に職員を派遣するというふうなことになっておるけれども、これについてはどうかということでございますが、民営化後もケアの質を確保するということで、現在の職員の一部を3年間派遣するということを検討中でございます。  これにつきましては、譲渡先の法人との職員の給与の水準というのが恐らく違ってくるのではないかというふうなことがございますので、仮にそういう職員を派遣した場合には、そのあたりの検討が、給与水準をどうするか、職員の給与を派遣先で落とすわけにはいきませんので、その分につきましては、仮に派遣した場合にはその補償をする必要があるのかなというふうに考えております。  特別医療費の関係でございますが、入院時の食事療養費の助成廃止につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、入院時の食事につきましては、介護保険上自己負担とされますのは食材料費のみということで、調理コストとか栄養管理費というのは医療保険によりまして全額給付されております。これにつきまして、所得の低い方、市町村民税非課税の方につきまして、入院時の食材料費につきましては、一般の方が1食260円でございますが、低所得者の方には1食100円から210円の軽減措置がされておりますし、食費は在宅でも施設でも必要な経費でございます。それから、障害者サービスとか介護保険とか医療保険でも、すべて実費負担だということで、最終的な結論といたしましては、自己負担をしていただくのが適当ではないかというふうに考えております。 ◯副議長(上村忠史君)宮前企業局長 ◯企業局長(宮前和憲君)袋川発電所の建設工事の県内事業者等への発注状況、これからのことと過去のものについてのお尋ねでございます。  基本的なスタンスから申し上げますと、袋川発電所の発注といいますのは、県内企業でできるものは県内企業に発注をしたいというふうに考えておりますが、少し説明をさせていただきます。  発電所の本体は非常に特殊なものでございますので、県内製造してございません。それで、発電所につきましては県外企業に発注をするということになりますけれども、そのほかの工事関係、建築関係、建物の建屋とか、川のところの護岸とか造成とか、いろいろなことがございますが、そういうものにつきましては、今回につきましては特殊工事もそれほど多くはありませんので、なるべく県内企業に発注したいというふうに考えております。  なお、今回補正をお願いしております実施設計に伴いましては、発電所の設計と、それから建屋の設計、護岸等々ございますが、これにつきましては、発電所につきましては非常に特殊な技術と高度な技術等が必要ですので、そういうものにつきましては経験のある者にお願いしながら、建物とかできるものを県内の業者の方にお願いをしたい、そういうふうに考えております。  2番目に、今までの水力発電の建設の中でのお話でございました。ちょっと年次順に説明を差し上げたいと思います。まず、佐治の発電所でございます。58年の3月に完成をしておりますが、これは発電所の本体と、それから、佐治のダムから水をずっと引いてきて発電をしますが、その間が約4.8キロございますので、その中にトンネルを掘って水を引っ張ってきます。これらが非常に特殊な工事になりますので、そのほかの土木の工事、支川がありますから、いろいろな支川からの水をとってくる工事とか、そういうものを県内の業者に発注をしておりまして、それが約3%でございます。  加地の発電所、これは約11億5,000万でございますが、平成8年の8月に完成をしておりますけれども、先ほど言いました、発電機の本体は非常に特殊なものというふうなことがございますので、その他のできるもの、例えば水圧鉄管をずっと引っ張ってきましたが、それなんかにつきましては、工事自体を県内に発注をしておりまして、約11%でございます。  鳥取放牧場の風力発電でございますが、これは本体は県内と県外の共同企業体に発注をしております。これが約85%。それから、あとできるところにつきましては、送電の工事とか、それから進入路とか、仮設の道路等々、合計で49%となっております。今後とも県内でできるものは県内に発注していきたいと考えております。 ◯副議長(上村忠史君)8番錦織議員 ◯8番(錦織陽子君)母来寮ですけれども、養護老人ホームとして、今後一定期間以上継続して運営するということに運営条件が出されているのですけれども、これはどのくらいの期間を県は考えておられるのかということと、それから、継続できない場合というのはどのような場合を想定しているのか。それから、継続するための担保をどのようにとろうとしているのかということを、ちょっとこのことについてはお聞きしたいと思います。  袋川発電所の事業ですけれども、きのうも知事は県内の経済状況で、公共支出の依存が全国6位と高くて、公共投資が停滞しているという見解を述べられましたので、数少ない公共投資の中で、やはり今回の発電所建設事業でも県内企業の技術力を高めるということではジョイントが検討されているかどうかというのを伺います。  特別医療では、食費は在宅でも施設でも必要な経費だということをおっしゃっていたのですけれども、入院中に提供される食事というのは、患者の病状によって内容も変えられております。いわゆる治療上必要な治療食と私は承知していますが、この点ではどういうふうに考えられたのか伺って、私の質疑を終わります。
    ◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。  田中福祉保健部長 ◯福祉保健部長(田中謙君)まず、母来寮の関係でございますが、譲渡に当たって、一定期間以上の経営を条件とするということだが、何年を考えているのかとか、一定期間運営後に運営をやめる場合にはどういう場合が想定されるとかということのお尋ねがございました。  まず、経営の継続期間についてでございますが、継続要件につきましては、母来寮の譲渡先法人に一定期間以上の経営を義務づけるということを通じまして、譲渡を希望する法人が施設運営に対する責任意識を持っていただくということをねらいとして設定しております。具体的な経営継続期間につきましては、公募までに検討をしていきたいというふうに思っております。  2点目でございますが、経営廃止の想定でございますが、継続要件である一定期間経過後につきましても、譲渡先法人が養護老人ホームを廃止するためには、老人福祉法の規定でございますが、知事の認可というのが必要になります。したがいまして、将来、一定期間経過後に運営廃止の意向が示された場合には、その時点で施設を取り巻く状況、例えば制度的なものが変更になっておるかもしれませんし、それから社会的な状況もございます。そういうものを踏まえた上で、法人の方から話をよくお聞きしまして、例えばやめられる場合には、経営継続する意向のある法人への譲渡を指導するなど、適切な対処をしていきたいというふうに思っております。現時点におきまして、一定期間経過後に経営をやめるという具体的理由につきましては、想定をしておりません。あと、一定期間以上の経営の義務づけを経営条件に盛り込む方向で検討をいたしております。  あと、食事療養費の関係で、治療の一環ではないかというふうなことでございますが、確かに医療保険上、食事療養費につきましては治療上必要なものだというふうに考えておりますけれども、繰り返しになりますけれども、自己負担をされるのは食材料費のみでございますので、調理コストとか栄養管理というのは医療保険によりまして全額給付がなされているというふうなことでございますので、食材料費に限りまして、今回の特別医療費の見直しを検討しているわけでございます。 ◯副議長(上村忠史君)宮前企業局長 ◯企業局長(宮前和憲君)発注についての御質問でございます。発電機等、県内では製造していなくてできないものについてだけ分割して発注して、なるべく県内でできるものは県内の発注に努めるように考えております。 ◯副議長(上村忠史君)これをもって、議案に対する質疑を終結いたします。  これより、議案を付託いたします。  まず、議案第16号「平成18年度鳥取県営企業決算の認定について」及び第17号「平成18年度鳥取県営病院事業決算の認定について」は、決算審査特別委員会に付託することに御異議はありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議はないものと認めます。よって、議案第16号及び第17号の2議案は、決算審査特別委員会に付託することに決定いたしました。  次に、議案第1号から第15号まで及び第18号の諸議案は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりであります。これも、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  次に、議案第19号から第25号「鳥取県土地利用審査会委員の任命について」を議題といたします。  お諮りいたします。  以上の7議案は、委員会付託等を省略することに御異議はありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議はないものと認め、さよう決定いたします。  本日の議事日程はすべて終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時30分散会...