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03月04日-03号

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  1. 奈良県議会 2024-03-04
    03月04日-03号


    取得元: 奈良県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-17
    令和 6年  2月 定例会(第358回)令和6年2月         第358回定例奈良県議会会議録 第3号              令和6年3月4日(月曜日)午後1時1分開議   --------------------------------    出席議員(43名)      1番 永田 恒        2番 川口 信      3番 芦高清友        4番 金山成樹      5番 星川大地        6番 松木秀一郎      7番 山田洋平        8番 清田典章      9番 関本真樹       10番 疋田進一     11番 若林かずみ      12番 斎藤有紀     13番 伊藤將也       14番 藤田幸代     15番 福田倫也       16番 福西広理     17番 工藤将之       18番 中川 崇     19番 原山大亮       20番 小村尚己     21番 浦西敦史       22番 川口延良     23番 池田慎久       24番 西川 均     25番 乾 浩之       26番 亀甲義明     27番 大国正博       28番 小林 誠     29番 佐藤光紀       30番 清水 勉     31番 松尾勇臣       32番 米田忠則     33番 粒谷友示       34番 田中惟允     35番 荻田義雄       36番 岩田国夫     37番 中野雅史       38番 山本進章     39番 井岡正徳       40番 阪口 保     41番 藤野良次       42番 森山賀文     43番 山村幸穂   --------------------------------    議事日程 一、当局に対する代表質問 一、当局に対する一般質問   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) これより本日の会議を開きます。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) ただいまより当局に対する代表質問を行います。 順位に従い、41番藤野良次議員に発言を許します。--41番藤野良次議員。(拍手) ◆41番(藤野良次) (登壇)改新ならの藤野でございます。質問の前に申し上げます。申すまでもなく、地方自治体では、首長と議会議員をともに住民が直接選挙で選ぶといった二元代表制を採用しています。議決権をはじめとした議会の権限や役割はもちろん重要であると認識していますが、予算の執行や人事権などを持つ首長の権限は非常に重く、内外に示す影響力は大変大きなものがございます。ある意味、大統領制下における大統領の権限に類似しているとも言われています。 そういった中で、今の山下知事の事業や施策における対応は、県議会や市町村長、市町村議会及び地域に対して説明責任を果たしているとは言い難く、知事としての権威を振りかざしているように見えるのは、私だけではないと思います。山下知事は確かに、知事選挙において26万人の支持を得て当選されました。民主主義の根幹である選挙において当選を果たし、その選挙戦で訴えた公約を守るとおっしゃっておられましたが、既に知事は26万人の知事ではなく、就任された以上、130万人の知事であります。事業の見直しや変更には混乱がつきものですが、そういったことを最小限に食い止めるやり方、方法で進めることが求められるのではないでしょうか。 また、市町村長も直接選挙で選ばれた代表です。橿原市や宇陀市にある県施設の移転を行うにあたっても、今までの用地活用に対する感謝の気持ちをもって、直接選挙で選ばれた代表同士ではありませんか、そのトップ同士が直接お話をすることが大事なことではないかと思うところです。 改めて申し上げますが、県は国と市町村をつなぎ、市町村単位ではできないことを県として幾つかの市町村をまとめて実現するなど、政策におけるリーダーシップとしての役割がございます。その地方自治リーダーである県知事は、やはり多くの住民の声に耳を傾け、政策に反映することが必要です。奈良県の知事として、130万人のトップとして、常に県民と向き合っていただくことを強く願い、議長のお許しをいただき、会派を代表して質問を行います。 初めに、奈良県中央卸売市場の再整備についてお伺いいたします。 市場の再整備計画については、様々な議論を経て、令和3年に県の附属機関である市場運営協議会に諮った上、以下の基本方針が策定されました。 1.市場エリアは、市場機能の高機能化・効率化を図る 2.賑わいエリアは、市場の特性と立地条件を最大限活用する 3.市場を核としたまちづくりや周辺施設等との連携を進める 4.両エリアを一括して整備する ことを打ち出し、事業スケジュールにおいては、令和5年の12月までに事業者が決まり、今年の4月から6月にかけて事業着手の予定でした。 昨年、山下知事は、再整備計画の一部中止を決められましたが、6月及び9月の定例県議会において、市場エリアについては、市場機能の高機能化・効率化は重要と認識しているが、市場事業者に対して再整備後の使用料案等を提示した上で、適正規模になるように検討する。また、賑わいエリアについては、民間事業者による独立採算でのにぎわい創出を検討する。さらに、両エリアを一括して整備可能とする民間事業者もあった、と答えておられます。 食の流通機能の役割を果たしている中央卸売市場も、開場以来47年が経過いたします。したがって、老朽化も著しく進んでおり、衛生面・管理面・安全面などの観点から、早急に施設の改善が必要であることは、知事もご認識いただいていることだと思います。市場エリア(BtoB)につきましては、引き続き、高機能化・効率化に向けた整備について、早急に進めていただきたいと願うところです。 一方で、賑わいエリア(BtoC)ですが、昨年7月、大和郡山市が、県に対して市場の活用についてアイデアを提言する部局横断のプロジェクトチームを発足させ、同年11月に、上田市長が、食がつなぐ新たな市場づくりをコンセプトに、大人が楽しめるマルシェ・フードコートや子どものための芝生エリアなどの整備を盛り込んだ提案書を、山下知事に手渡されました。地元自治体としても再整備については高い関心を示されており、今後の取組の行方を見守っておられるところです。 県民の食を預かり、奈良県の台所としての役割を果たす卸売市場であるからこそ、賑わいエリアについても「食」をテーマにした整備が大切なコンセプトであることは、言うまでもありません。 また、これから必要とされる持続可能な市場であるためには、場内事業者の活性化にリンクするような整備が必要であると思うところです。 市場エリアの施設が新しくなっても事業者の売上げが自動的に増えることにはつながりません。BtoBとBtoCの一体化を図るとともに、人と物の流れを考慮するといった、親和性、回遊性を生み出すような整備が求められます。また、そういったことを踏まえたランドスケープの計画を、ぜひお示しいただきたいと願っております。 そこで、山下知事にお尋ねいたします。 知事は、令和5年度中に中央卸売市場の再整備について、新しい基本方針を示すと表明されていますが、現時点での市場再整備の進捗状況についてお伺いいたします。また、市場エリアと賑わいエリアの一体的整備が必要不可欠と考えますが、知事の見解をお聞かせください。 次に、災害時における高齢者支援についてお伺いいたします。 災害時という観点から申し上げますが、先月13日、総合防災対策特別委員会として、山下知事に、五條市の県有地を活用した防災機能強化に向けた取組や、地元地権者等の意向も踏まえ、丁寧な説明をしていただくことや、本県の防災力を高めるため、引き続き議会との議論を深めていただきたいという、広域防災拠点に関する提言書をお渡しいたしました。その後の19日に地元説明会が開催され、ネット中継を拝見いたしましたが、住民の大きな反発に、知事が答え切れていなかったのではないでしょうか。改めて、県民に寄り添う姿勢のもと、本県の防災力を高めるための拠点整備を進めていただきますよう強く要望するところです。 さて、能登半島地震が発生して既に2か月が経過いたしました。これまでに241人の方々がお亡くなりになり、住家被害も4万9,000棟を超えるなど、甚大な被害が生じています。まずは、犠牲になられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災地の皆様にお見舞いを申し上げます。 新聞報道等によれば、能登半島は特に高齢化が進んだ地域であり、石川県全体の高齢化率(65歳以上)が30.0%であるのに比して、奥能登地方の輪島市では46.3%、珠洲市では51.7%となっています。また、住宅の耐震化率についても、輪島市で約45%、珠洲市で約51%と、石川県全体で約82%であることに比して、低い状況になっています。 2月14日に開催された、奈良県被災地支援対策本部の第2回会議における報告においても、高齢化が進む中、耐震化が進んでいない地域で、家屋倒壊による死者が多数発生していることが報告されました。その中では、能登半島地震による死者で氏名が公表された129人のうち、家屋倒壊による死者は111人で86%に上り、そのうち高齢者の犠牲者は82人に及んでいます。 平成23年の東日本大震災においても、被災地全体の死者数のうち、65歳以上の高齢者の死者数は約6割となっており、近年の災害でも犠牲者の高齢者割合が高い状況となっています。今回の能登半島地震は、改めて、災害時における高齢者支援をどのように進めていくかという課題を浮き彫りにしたと捉えているところです。 平成7年の阪神・淡路大震災の頃、奈良県の高齢化率は13.9%、昨年の令和4年では、奈良県全体の高齢化率は32.7%、県の南部・東部地域では50%を超える町村も多い状況となっており、今後も進んでいくと思われます。高齢化が進行する中で、高齢被災者の支援をどうしていくかは重要な課題であります。まず、災害発災直後の段階で、自力で避難することが困難な高齢者の避難支援をどのように担保していくかが重要となります。 これらに対処していくことを踏まえ、災害対策基本法が令和3年に改正され、避難行動要支援者ごとに、個別避難計画の作成が市町村に対して努力義務化されたところでありますが、県内の策定状況は全国平均と比べて大幅に遅れており、半数において計画が未策定の状況であります。 災害時に自力で避難できない高齢者の避難支援を実効性のあるものにできるよう、優先度を高めて、早期に策定を進めていく必要があると考えています。 また、避難後の生活において、高齢者は特に健康管理や生活環境へのストレス対処など、丁寧にケアをしていくことが重要と考えます。能登半島地震においても、避難生活の長期化により心身機能の低下も懸念されており、特に、ライフラインが長期にわたって途絶して、日常とはかけ離れた生活を強いられるなど、ストレスにさらされることも多いと思われます。 災害による直接的な死を免れても、その後の生活で命を落としてしまう災害関連死は、過去の災害でも起きており、大半は70歳以上の高齢者です。平成28年の熊本地震では、犠牲者273人のうち218人が災害関連死とされ、実に80%を超えている状況でした。 県による南海トラフ巨大地震の想定被害の最大値では、発災1週間後の避難者数は約26万人に上るとされており、今後も進行する高齢化率を直視すると、避難所生活において、高齢者の命をどうつないでいくかについては、大変重要な課題と考えます。 そこで、山下知事にお尋ねいたします。 大規模災害時に、自力で避難できない高齢者の命を守るための個別避難計画の策定や、避難所における被災高齢者の生活支援にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、能登半島地震に対する支援についてお伺いいたします。 改めて、能登半島地震における住宅等の崩壊や火災による焼失、停電や断水等によって、今なお多くの方々が厳しい環境の中、避難生活を強いられています。被害の規模が大きければ大きいほど、復旧・復興に必要な時間は長くなります。その長い試練の期間を耐え抜く力や、被災地の皆様に勇気を与えるのは、先行きへの明確な見通しです。どのような災害においても、被災直後は初動としての人命救助や被災者の避難に専念せざるを得ません。そして次に、物資の輸送やインフラの復旧に取りかかり、さらには本格的な暮らしの再建、産業・生業の再構築といったフェーズに移ります。その全体像と道筋、スケジュール感を被災者の皆様にできるだけ早く提示し、共有することが将来への不安を解消することにもつながります。今後、被害の全容が明らかになるにつれ、被災自治体の負担が一層重くなることは想像に難くありません。 こうした中、被災自治体が財政的な理由によって、復旧・復興や被災者への支援をためらったり、諦めたりすることのないよう強力に支援していくことが極めて重要と考えます。 一方、発災以来、被災地の自治体職員はもちろん、消防、警察をはじめ、全国からの応援職員、ボランティアなど、多くの方々が現場対応に力を尽くされています。厳しい環境の中、懸命に活動されているこれらすべての皆様に、心から敬意を表する次第です。 奈良県においても、県内市町村とともに職員が支援に従事しているところであり、公共サービスの重要性が改めて認識されるところです。 こういった中、被災地における苛酷な環境下で支援活動に従事されている自治体職員の中には、身体的にも精神的にも多くの影響が生じていると懸念の声もあります。聞くところによりますと、派遣直後は、公用車に水や食料を積んで長時間の運転により現地入りし、活動拠点となる日本航空大学校の教室で寝泊まりし、そこで貸与された寝袋では寒くて眠れなかったとの声も聞かれました。そういった意味においては、支援に従事する職員の安全衛生の確保や健康管理は必須であると思うところです。 災害対応において、支援を届けていくことは大変重要であると認識していますが、支援に従事する職員の安全衛生の確保や健康管理を継続し、心身に不調を来さないようにしていただきたいと願うところです。また、今後続くであろう支援について、惨事ストレス等の対応など、メンタルヘルス対策の実施も必要であると思うところです。 そこで、山下知事にお尋ねいたします。 能登半島地震の被災地に対する県の支援状況や、今後の復興支援に向けた取組についてお伺いいたします。また、被災地での支援活動に従事する県職員の心身の健康管理が重要と考えますが、どのように取り組もうとされるのか、併せてお聞かせください。 次に、県内の公共交通ネットワークの確保についてお伺いいたします。 9月の定例県議会において、知事より、公共交通は、通勤・通学、買物・通院といった県民の日常生活や、来訪者の移動ニーズを支える必要不可欠なサービス、まちづくりの基盤ともなるもので、県の重要な政策課題であると認識している。県民の日常生活や観光客の移動ニーズを持続的に支える公共交通サービスの構築を、県が先頭に立って進めるとの答弁がございました。 この方針に基づき、本県が主導し、鉄道、バス、タクシー、自転車に、自動運転などの先進技術・スキームを加え、すべての交通モードを俯瞰した上で、地域の需要とニーズに応じた効率的な公共交通ネットワークが構築されることを期待いたします。 さて、現状の本県公共交通サービスの課題を整理しておきたいと思います。公共交通サービスは、高齢者の運転免許返納が進む中で、買物、通院などの社会インフラとして果たす役割は日々高まっております。加えて、最寄り駅やバス停と自宅間の移動、いわゆるファースト・ラストワンマイルへの対応も、坂の多い本県住宅地の立地を考慮すれば看過できない問題です。また、2025年開催予定の大阪・関西万博の開催など、インバウンド需要が急激に回復する中で、とりわけバス、タクシー運転士の労働力不足によるオーバーツーリズムが懸念されています。 一方、近隣府県の路線バスに目を向けますと、運転者不足を要因とし、大阪の金剛バスが、路線バス事業を廃止したことをはじめ、阪急バス、京阪バスなど、大手企業においても路線休廃止が相次いでいる状況です。県内自治体においても廃止が前提ではないものの、路線再編に関する協議が進み、各自治体において利用促進、財政措置などの具体的な対策が講じられております。 また、運転者不足解消につながる明日香村・三郷町における自動運転の実証実験、全国ではこの4月にライドシェアの解禁に向けた検討がされるなど先進的な取組が進みつつありますが、安全・安心、持続性など公共交通に不可欠な課題をクリアした上での、本格的な社会実装までには、一定の時間を要するものと思われます。 これらの状況を踏まえて、県民の生活基盤を持続的に支える公共交通サービスを確保する観点から、次の3点について、山下知事にお尋ねいたします。 まず1点目ですが、不採算路線について、他府県の事例からも、事業者が赤字を抱えたままで路線を維持していくことは難しい状況になっていると考えます。観光需要が拡大し、運転者不足が深刻になる中で、事業者からすると限りある運転者をより生産性の高いところに投入するのが通常ではないかと考えます。 県が維持に努めている2市町村以上にまたがる基幹的なバス路線は、赤字額の一部を国や県などが補助するものや、市町村の補助も含めると、結果的にはほぼ全額が支援される路線もあると認識していますが、県内の乗合バス事業者の収支がどのような状況か、お聞かせください。 2点目ですが、上記で述べました基幹的なバス路線は、奈良県基幹公共交通ネットワーク確保事業として、令和6年度の予算は2億2,794万円計上され、利用者数や収支率など、5つの客観指標に基づいて維持する必要があるかどうかを診断し、その基準を満たす路線の運行費の一部を補助していくとのことです。 また、毎年エリア公共交通会議で、その改善策が協議されているとのことですが、例えば大和郡山市におけるバス路線のうち、近鉄郡山駅から奈良県総合医療センターへの系統や、王寺駅から国道25号経由でシャープ前に至る系統などは、県の補助がないと聞いており、いずれも廃止された場合、通院や通勤、通学に大きな影響を及ぼす基幹的なバス路線と考えますが、こうした路線に対する今後の維持対策についてお聞かせください。 3点目ですが、以上2点の質問を踏まえて、とりわけ大阪・関西万博が開催される令和7年度に向けて、多くの来県者によるオーバーツーリズムに備えた公共交通サービスの確保などの対応が必要と考えますが、県はどのように取り組むのか、お聞かせください。 次に、県内の高齢者福祉施設に対する取組についてお伺いいたします。 介護事業者の倒産は過去2番目、休廃業・解散は過去最多の510件、人材不足、物価高で、訪問介護の倒産は最多更新、という東京商工リサーチの記事を拝見いたしました。同社の調査によりますと、2023年の老人福祉・介護事業の倒産は122件で過去2番目を記録、このうち訪問介護事業者の倒産は、過去最多を大幅に上回る67件に達したということです。 また、2024年度の介護報酬は、1.59%のプラス改定となったが、人手不足や競合激化が経営安定の前に立ち塞がっており、業績のジリ貧や先行きが見通せない小規模事業者を中心に、年間600社強が市場から退出しており、高齢化社会の本格到来を前に、介護業界は一足早く冬の時代が訪れていると警鐘を鳴らしています。 一方、県内施設の方々とお話をする中においても、同様の危機感を持ちながら運営されておられる方が多くおられました。現状及び今後の共通する課題として、まずは物価高騰でありますが、全国平均においても、一時、電気料金は1.5倍強、ガス代は1.4倍強、軽油・灯油などの燃料代は1.3倍強の値上げとなり、事業運営に対してそれらをすべて使用している業態である福祉事業者は、深刻な経営状況の悪化を招いています。 加えて、それらの物価高騰のあおりを受けて、紙おむつや衛生材料、食料品など、あらゆる消耗材等が値上げとなっており、それらは福祉事業者にとって自力で対応できる範囲を超えている状況です。奈良県からも物価高騰対策として助成金が出ていますが、実質的に増大した支出額には到底及ばない現状であります。 次に、施設の老朽化も問われています。県下の高齢者福祉施設において、団塊の世代が後期高齢者に到達したときのサービス提供量の確保の観点から、平成初期当時に竣工した施設の数は多く、それらの施設は竣工後おおむね30年を経過し、今後、施設及び設備の老朽化が懸念されますが、現在の国の施策により、内部留保を吐き出し続けている現在の状況では、それらに対応するのは非常に困難であると伺っています。 最後に人材不足の問題ですが、ハローワークや求人広告媒体、人材紹介会社への依頼などを通じて募集を出しても応募者がない、または、予定人数に達しないため、現場の人員不足の解消に至らず、職員が心身ともに疲弊する、特に入居系施設においては、介護保険法上の人員基準を満たす必要があるため、各施設において早出・遅出・夜勤及び土日祝日を含めたシフト勤務が必要であるが、夜勤不可や土日不可などの制限のある応募者が多く、現場のニーズを満たせない事例が多く発生しているようです。 また、これらの状況を回避するためにも、新卒採用は重要な施策でありますが、新卒者は大手志向がはっきりとしており、小規模法人・施設は施設の人員規模や年齢構成などを勘案しても、定期採用が難しいため余計に不利な状況となっています。 県内事情の観点からは、奈良佐保短期大学の令和7年度からの学生募集停止についても危機感を持つという声も聞かれます。 奈良佐保短期大学においては、長年にわたり生活未来科・生活福祉コースにおいて、県下の高齢者福祉施設等介護福祉士人材を供給されてきましたが、令和7年度以降の学生募集停止により、ただでさえ少ない県下の福祉系養成機関が減少することにより、今後より一層介護人材の確保について厳しさが増すものと予想されます。外国人人材等の活用や、中途採用者も含めた総合的な人材確保支援策を進めていかなければ、職員不足による入所者の受入れ困難な案件が今後増える懸念もあります。 そこで、山下知事にお尋ねいたします。 県内の高齢者福祉施設においては、人材不足をはじめ、経営難や施設の老朽化など、多くの課題を抱えているとの声をお聞きしますが、こうした課題に対して県はどのように取り組むのか、お聞かせください。 次に、パートナーシップ制度についてお伺いいたします。 この件につきましては、様々なご意見があることは承知しておりますが、私は人権問題と捉え、少数でありますけれども、悩み、苦しんでいる人々に光を当てることは、政治の役割の1つであるとの思いで質問をさせていただきます。 さて、昨今我が国においては、LGBTQという言葉が一般的に知られるようになってきています。昨年6月にいわゆるLGBT理解増進法が制定され、国と自治体は、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民理解の増進に関する施策を実施することとされています。 多様性を受け入れ、偏見のない社会を目指さなければならない中で、まだまだ理解が進んでいないのが実情です。 こうした状況の中、近年は、多様な性的指向やジェンダーアイデンティティを踏まえて、様々な形のカップルを対象とした、パートナーシップ制度というものを導入する自治体が増えてきています。自治体が独自に性的マイノリティのカップルに対して婚姻に相当する関係であるという証明書を発行し、様々なサービスや社会的配慮を受けやすくする制度です。平成27年に東京の渋谷区で初めて導入され、県内でも現在、6つの市・町で導入されています。私の地元の大和郡山市でも令和2年4月にパートナーシップ宣誓制度が導入されています。 また、私が会長を務めています、大和郡山市人権のまちづくり推進協議会では、毎年12月4日から10日までの人権週間に、やまとこおりやま人権フェアを開催しており、昨年及び令和元年に性的マイノリティの方を講師としてお招きし、多様な性についての理解を深め、誰もが自分らしく生きられるまちにすることを目的とした講演なども行っています。そういった活動を行う中で、日常生活で必要な手続などで、性的マイノリティの存在が想定されておらず、行政サービスが受けられずにお困りの方がいらっしゃることもお伺いしています。こういった困り事の解消も期待できるパートナーシップ制度が、令和6年度から新たに奈良県でも始まるとお聞きいたしました。 そこで、山下知事にお尋ねいたします。 どのような考えでこのパートナーシップ制度を導入しようとされているのか、また、今後この制度に関連して、どのような取組を行おうとされているのか、お伺いいたします。 次に、学校における働き方改革についてお伺いいたします。 社会の急激な変化が進む中、学習指導のみならず学校が抱える課題は、より複雑化・困難化しています。このような中、平成28年に教員勤務実態調査が行われ、看過できない教師の勤務実態が明らかとなりました。 このため、文部科学省では、教師のこれまでの働き方を見直し、みずからの授業を磨くとともに、その人間性や創造性を高め、子どもたちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすることを目的とした、学校における働き方改革について、現在においても進められているところです。 しかし、昨年4月に発表された、6年ぶりとなる教員の勤務実態調査の結果では、国が残業の上限としている月45時間を超えると見られる教員が、中学校で77.1%、小学校では64.5%に上り、過労死ラインと言われる月80時間に相当する可能性がある教員が中学校で36.6%、小学校で14.2%と、依然として長時間労働が課題となっていることが明らかになっています。 そういった現状の中、昨年の8月28日、学校における働き方改革の答申を取りまとめた中央教育審議会の特別部会は、長時間労働の是正に向けた緊急提言をまとめられました。教師を取り巻く環境整備について、直ちに取り組むべき事項として、具体的には、登下校対応や校内清掃、休み時間の対応など14の業務について、地域やスタッフなど、教員以外への分担や負担軽減を進め、年間の授業時数が、国の標準を大幅に上回る1,086コマ以上の学校は来年度から見直すこと、学校行事は重点を置くものを選び、準備も簡素化することなどが盛り込まれております。 また、授業や事務作業などを支援するスクールサポートスタッフ(教員業務支援員)の全小中学校への配置や、教員の負担軽減が期待される小学校高学年での教科担任制実施の前倒し、それに、保護者からの過剰な苦情などに教育委員会が対応して学校を支援することなどを対応策に挙げています。 一方、奈良県においては受験資格を見直し、大学3年からの受験が可能とするほか、教員免許がなくても大学院で専門知識を学び、大学院を修了した者も受験可能とされます。また、高等学校の留学生対応のために日本語指導の資格を持つ教員の選考も実施するなど、多様な人材の確保に向けた取組が行われています。さらに、県内公立学校の常勤講師や県外の現職教員の受験者には、条件により一次試験をすべて免除することなどの取組も行われていますが、非常勤講師における取組の見直しなども、検討していただきたいと願うところです。 先日、現場での状況を聞く機会がありました。若い教員の中には、現在のような働き方を定年まで続けられるか不安に思っている方が非常に多いとのことであり、やはり長時間勤務が大きな要因であるとおっしゃっていました。緊急提言された中央教育審議会の特別部会は、教員を取り巻く環境は、国の未来を左右しかねない危機的な状況にあるとして、国や自治体、学校に加え、保護者や地域住民、企業など、社会全体で一丸となって課題に対応する必要があると指摘されています。 そこで、教育長にお尋ねいたします。 教員をはじめ多様な人材の確保や長時間勤務の是正など、県内の学校における働き方改革についての現状と、今後どのように取り組むのか、併せてお聞かせください。 最後に、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会について要望いたします。 1月4日に、2031年に開催が予定されている国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けて、奈良県は県立橿原公苑にある2つの体育館を統合して、新たにアリーナを建設し、開会式の会場とする方針を明らかにされました。既に準備委員会において取組が進められており、競技や会場については、開催に向けて、正式競技及び特別競技、計38競技の会場地を令和6年度末までに選定する予定であり、現在、第1次として12の競技において会場地となる市町村を選定しておられます。 一方、県内の開催市町村に対する支援については、先催県の例を基に、市町村競技施設整備費補助が予定されているとお聞きいたします。一般的な補助としては補助率2分の1、上限1億円の見込みであると思われますが、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会競技施設基準を満たすには、補助金を大きく上回る費用を市町村が負担しなければならないことが考えられます。また、複数の競技を運営する場合には、財政的な負担の集中が見込まれると思われます。 さらに、各競技団体のスケジュールは、数年先を見据えて予定されていることもあり、急な対応に困難なことが予想されるため、年次的な競技会場の改修が必要となります。競技施設の改修には多額の費用と時間を要するため、市町村競技施設整備費補助については、交付要綱を早期にお示しいただくとともに、経費の判断においては上限額の引上げ等、柔軟な対応をぜひお願いするところです。 以上、要望とさせていただき、壇上における質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) (登壇)それでは、改新ならを代表いたしましての藤野議員のご質問にお答えさせていただきます。 まず1点目、奈良県中央卸売市場の再整備についてでございます。 市場エリアにつきましては、整備する施設規模を確定させるため、再整備後の新市場の使用料案の提示を行い、新市場へ移転されるか、市場事業者に意向確認いたしました。その結果、後継者が確保できないことや、現状の取引量及び経営状況等から判断して、移転しない意向を示した事業者もございましたが、8割以上の事業者は新市場へ移転する意思を示されたことから、市場エリアの整備内容については、おおむね理解を得られたと考えております。 次に、賑わいエリアにつきましては、昨年度に実施した市場再整備に係るアイデア募集に応募のあった民間事業者に対し、賑わいエリア整備について継続してヒアリングを行いました。その結果、条件によっては独立採算が可能と回答した事業者もございました。しかし、現計画は市場の営業を継続しつつ、現地での建て替えを前提としていますことから、賑わいエリアは、市場エリアの整備後でないと事業に着手できず、着手までの期間が長期になるため、社会情勢の変化等のリスクを考慮すると、現時点では事業収益性の見通しが立たず、事業への参入は確約し難いとの意見が多かったようでございます。 そこで今般、競争性確保の観点から、市場エリアを先に整備し、その整備中に賑わいエリアを発注するといった、分割で整備することも含め、いましばらく整備方法等について検討を行いたいと考えております。このため、今年度中に予定しておりました新しい基本方針の作成については、当面、延期することにしたいと考えてございます。 もちろん、さきに述べましたように、市場エリアにつきましては、市場、市場事業者とも方向性についてほぼ合意しておりまして、今後も再整備に向けた作業を着実に進めていきたいと考えております。また、賑わいエリアにつきましては、整備方法等についての再検討は行いますが、食や市場と親和性のある施設を整備し、賑わいを創出するという方向性につきましては従前どおりと考えております。 2点目の、災害時における高齢者支援についてでございます。 大規模災害から命を守るためには、まず、確実に避難していただくことが重要でございます。個別避難計画におきましては、高齢者などの自力で避難が困難な避難行動要支援者ごとに、避難先、支援者、必要な配慮などを記載するものでございまして、策定が災害対策基本法により市町村の努力義務とされております。 本県におきましては、全39市町村のうち、令和5年10月1日時点で、全部策定済みが4市町村、一部策定が15市町村、未策定が20市町村であり、全国的には策定が遅れている状況でございます。県としては、市町村に取組を促す必要があると考えております。策定が進まない背景といたしましては、地域での支援者を対象者ごとに確保することが困難であることや、市町村における庁内の推進体制が整わないことなどが課題と認識しております。 策定にあたりましては、地域ごとに実情に応じた取組が必要であるため、県では、市町村職員を対象とした研修の実施、市町村ヒアリングや好事例の紹介、内閣府による支援事業の活用などの取組を進めております。今後は、奈良県・市町村長サミットなどにおきまして首長に直接働きかけるとともに、引き続き市町村職員向けの研修や、未策定市町村への助言などの個別支援に取り組んでまいります。 次に、避難生活における災害関連死を防ぐことも重要でございます。そのためには、生活環境や衛生状態の改善などに関する、専門職による適切な支援の仕組みが有効でございます。 能登半島地震被災への支援といたしまして、本県からも、保健師チームや介護福祉士等で構成されるDWAT(災害派遣福祉チーム)と訳されますが、これを派遣し、避難者の健康状態の確認や、トイレや手洗い環境の衛生指導、介護の相談など、多岐にわたる支援を行っております。 これらの災害時に活動する専門職チームの活動は、本県が被災した場合にも有効な取組であり、平時から実践的な訓練を重ねるなど、対応力の強化に努めてまいりたいと考えております。引き続き、高齢者等の災害時に配慮が必要な方々が確実に避難し、適切な支援を受けながら安心して過ごすことができるよう、市町村をはじめ関係機関と連携し、体制の充実を図ってまいる所存でございます。 3点目の、能登半島地震に対する支援についてでございます。能登半島地震の被災地支援につきましては、震災直後から各省庁の支援スキームにより、緊急消防援助隊や警察の広域緊急援助隊、DMAT(災害派遣医療チーム)の派遣のほか、被災者の健康管理等を支援する保健師や、建物の安全性を評価する被災建築物応急危険度判定士などを派遣してまいりました。また、カウンターパート方式の被災地支援といたしまして、石川県穴水町に情報連絡員や、避難所の運営、罹災証明書の交付等の災害対応業務支援のための県職員・市町村職員の派遣を実施しております。県では、1月11日に能登半島地震奈良県被災地支援対策本部を設置しており、今後も、国、関西広域連合等と連携して、被災者ニーズに応じた支援や被災自治体の業務体制構築のための支援を、全庁体制で続けていく方針でございます。 次に、被災地への派遣職員の心身の健康管理につきましては、藤野議員お述べのとおり大変重要なことと認識しております。被災地支援にあたりましては、断水環境下での活動や長時間の移動など、職員の負担が大きいため、水、消毒液、ウエットティッシュなどの衛生用品、安全靴などの装備品を支給するほか、被災地に近い宿泊施設の確保など、支援環境の改善に努めているところでございます。さらに、派遣職員がみずからの心身に起こり得る変化を知り、休息、睡眠、気分転換など、必要なセルフケアを行うとともに、当該職員がいつでも相談できる環境を整えることも大切と考えております。 そこで、派遣前に対象職員に対しまして、心身に起こり得る変化の例と回復のヒントを具体的に記載しましたチラシを配布するとともに、派遣中、派遣後を問わず、職員が心身の不安を、いつでも、どこからでも相談できる窓口を設置し、対応しております。引き続き、派遣職員の心身の健康管理について、きめ細かく対応しながら、今後も被災地支援に取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、4点目の県内公共交通ネットワークの確保についてでございます。そのうち、(1)県内の乗合バス事業者の収支の状況についての質問でございます。 公共交通は県民の日常生活や観光客をはじめとする来訪者の移動ニーズを支える必要不可欠なサービスでございまして、その充実を図ることは県の重要な政策課題であると認識しております。しかしながら乗合バス事業については、少子高齢化やライフスタイルの変化に伴い、その利用者数が減少傾向にある一方、人件費や燃料価格など、運行に要する費用は上昇傾向にあり、交通事業者の経営を取り巻く環境は厳しさを増していると認識しております。 こうした中、県内のほぼ全域を運行する奈良交通の令和4年度決算報告書によれば、同社の乗合バス事業の収支は約16億円の赤字であり、国、県、市町村からの各種補助金を含めましても、約400万円の赤字であったと承知しております。 次に、公共交通ネットワーク確保の2点目の質問でございます。路線に対する今後の維持対策についてでございますが、県では地域の移動の足の維持・充実を図っていく上では、地域がより主体的に参画し、利用者にとって最適な交通体系や、その拠点を実現することが重要との基本理念のもと、奈良県公共交通基本計画に基づき、様々な取組を推進しております。 お尋ねの、基幹的なバスネットワークの確保に向けましては、県として支援すべき一定の幹線系統について、利用者数や収支率など、5つの客観指標に基づく診断を実施し、そのデータをもとに、地域の関係者で構成するエリア公共交通検討会議で路線の改善策等について議論し、協議の整った路線について、運行費の一部を補助しているところでございます。具体的には、市町村をまたいで運行される広域的な系統で、①通院・通学利用に対応していること、②鉄道駅に接続していること、③市町村のコミュニティバスと接続することで広域的なネットワークを形成していること、などの要件を満たす路線を補助対象の候補とする議論を実施しております。 ご指摘の大和郡山市内を経由する2路線についても、こうした要件を満たし、必要な協議が整えば補助対象になり得ます。また、来年度には定時・定路線によるバス運行を維持することにとどまらず、国による新たな制度や、交通分野における技術革新を取り込みながら、持続可能な地域公共交通に関する新たなモデルを構築するための必要な予算も計上しております。 公共交通ネットワークの3点目の質問、大阪・関西万博に向けてのオーバーツーリズムに備えた対応についてのお尋ねでございます。大阪・関西万博が開催される令和7年度に向けましては、こうした取組を通じて公共交通の確保を図っていくことに加えまして、公共交通がより利用しやすいものとなるよう必要な環境整備を進めていくことが重要と認識しております。県といたしましては、交通事業者や市町村等が実施する、①バス停における情報案内板、②バスの位置情報をリアルタイムで表示するバスロケーションシステムの整備、③ユニバーサルデザインタクシーの導入への支援、などを継続的に行っているほか、令和6年度予算案では、EVバス導入に係る支援を充実させたところでございます。県といたしましては、引き続き県民の日常生活や、観光客をはじめとする来訪者の移動ニーズを持続的に支える公共交通サービスの構築に向けて取り組んでまいります。 5点目の、県内高齢者福祉施設に対する取組についてのご質問にお答えをさせていただきます。全国の75歳以上の割合が、令和5年、2023年には2000年に比べて2倍を超える16.1%になるなど、超高齢化社会が急速に進展しており、高齢者のニーズに応える介護サービスの確保は喫緊の課題であると認識しております。これまでに実施されました厚生労働省の調査や県民アンケートの結果からは、介護が必要になっても自宅で生活し続けることを希望する方が大多数であり、在宅介護サービスの提供が重要でありますけれども、高齢化の進行により自立して生活することが困難な高齢者が増えている中、施設サービスの重要性は増しており、その持続可能性の確保は重要な課題と認識しております。 高齢者施設につきましては、藤野議員ご指摘のとおり、人材の不足や施設の老朽化への対応など、将来にわたる施設運営を脅かす問題に直面しておりまして、県としても喫緊の課題と認識しております。これまでも課題解決に向け各般の取組を進めてまいりましたが、令和6年度からの奈良県高齢者福祉計画・第9期介護保険事業支援計画・認知症施策推進計画においても、施設サービスの整備・推進や、多様な介護人材の確保・育成・定着を、今後とも重点的に取り組む施策として明示しております。市町村や事業者とともに取り組んでまいります。 その具体的な内容といたしましては、まず、人材確保策につきましては、これまでから参入促進、離職防止と定着支援、資質向上の3つの柱で施策を推進しており、引き続き事業所認証制度による、安心して働ける職場環境づくり、介護ロボットの導入促進、外国人材の活用促進等の施策に取り組んでまいります。 また、施設の老朽化への対応といたしましては、これまでも建て替えに対する補助を行ってまいりましたが、これに加えまして、修繕による施設の長寿命化を促進するため、現在補助制度がない修繕について国へ財政措置を要望していくほか、物価高騰など、施設運営にかかる緊急の課題に対しましては、今議会にも補正予算を提案しており、引き続き着実に支援してまいります。今後とも、高齢者が安心して暮らし続けられる奈良県を目指して、高齢者施設に対して支援してまいる所存でございます。 6点目、パートナーシップ制度についてでございます。藤野議員お述べのとおり、昨年LGBT理解増進法が施行されました。今般導入する奈良県パートナーシップ制度は、法の目的である性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現のため、性的マイノリティの人たちが、互いを人生のパートナーとして、日常の生活において継続的に協力し合うことを約した2者間の関係を県が証明するものでございます。婚姻制度とは異なり、その関係を法的に保護するものではございませんが、2者間の関係を公的に認めるものでございます。 これにあわせまして、性的マイノリティの人たちが日常・社会生活を営む上で生じる様々な障壁の低減を図ることも必要でございます。県が行っている様々な事務事業の中には、届出や申請等の際に、家族や配偶者を要件としている行政手続があり、昨年9月に行った庁内調査では33件がこれに該当しております。このうち、県営住宅の入居や県立病院の手続など9件は、パートナーシップ関係にある人からの申請を認めております。残りの24件につきましては、今後、奈良県パートナーシップ制度を活用し、要件緩和の検討を進めてまいります。 また、市町村では、家族や配偶者であることを要件としている行政手続として、住民票や税に関する証明書の交付、保育所の入所申請、障害や介護に関する福祉制度の申請、相談など、住民にとって身近な行政手続が数多くございます。こうした市町村の事務事業におきましても、県や市町村のパートナーシップ制度を活用しまして、要件緩和が進むよう、市町村に働きかけを行っていきたいと思っております。 パートナーシップ制度の実施にあたりましては、当事者の気持ちに寄り添った運用に努めるとともに、県の様々な施策の推進に際しても、この制度の趣旨を尊重した取組を進めることで、自他の尊厳を尊重し、違いを豊かさとして認め合い、一人ひとりが個性や能力を発揮できる奈良県の実現につなげたいと考えております。 私からの答弁は以上でございます。ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)41番藤野議員からの、学校における働き方改革についてのご質問にお答えいたします。 複雑化、多様化する教育問題に対応するためには、新たな教育課題に対応できる高度な専門性を持った多様な人材を確保するとともに、教員の業務を見直し、働きやすい環境をつくることが重要と考えております。 来年度の教員採用試験では、小学校に難聴や発達障害等への対応として言語聴覚士の資格を持つ教員を、特別支援学校には作業療法士の資格を持つ教員を、高等学校には、大学院で農学や工学等の修士を取得した教員をそれぞれ募集するなど、多様な人材の確保に努めたいと考えております。また、教員が働きやすい環境づくりにつきましては、本県で令和2年に策定いたしました、学校における働き方改革推進プランを令和5年に改定をし、取り組んでおります。来年度は、業務支援員や学習支援員など、教員を支援する外部人材を市町村が雇用する際にかかる人件費に関しまして、県の補助割合を大幅に拡大することで配置の拡大を目指してまいります。 また、中学校に部活動指導員を配置する市町村に対する補助を増額し、専門的な知識や技術を持った地域の方々による部活動への参画を推進することにより、地域クラブ活動への移行を促進し、令和8年度には休日における教員の指導による学校部活動を廃止することを目指してまいります。 学校の活性化のためには、教員や教員以外においても、意欲と熱意に満ちた多様な人材を一人でも多く採用することは、本県教育の進展に不可欠であり、引き続き、採用試験の改善や働き方改革に努めてまいる所存でございます。 以上でございます。どうもありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 41番藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) 2回目の質問です。まず、奈良県中央卸売市場再整備計画についてお聞きいたします。先ほどの質問の中で申し上げましたように、地元の大和郡山市から、知事に対して再整備に向けての提言があったということでございますが、この提案を受けて、知事としては、市がこういった内容を提案することについて、あるいはこの提案の内容について、どのような感想を持たれたのか、お聞きいたします。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 提案の内容につきましては、先ほども申し上げましたように、食や市場と親和性のある施設を整備し、にぎわいを創出するという、そういう方向での検討の参考にさせていただきたいと考えております。 ○議長(岩田国夫) 41番藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) 市長は知事との面談後、この新聞報道によりますと、県庁内で記者会見されています。そのコメントの中には、当初計画にあったホテルやアリーナは省いており、事業費は大幅に圧縮できるようになった内容になっていると、知事の取組に一定の理解を示す一方で、民間活力の導入に対しては、採算の取れない施設もあると、公的資金の投入も一定は必要ではないかというコメントをされております。また今後は、知事の判断ですけれども、地域にとっては重要な施設であり、事業者も成り立つ方策を考えてほしいというといったコメントを残されておりますが、私も同様の考えであります。 この流通機能の役割を果たす卸売市場に対する、県の支援というのは欠かせないものであると思いますが、もちろん民間ベースで進められるという方針のもとで、しかしながら、ある意味一定の支援は県も行うべきだろうと思うのですが、その辺の知事のお考えをお聞きいたします。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 県といたしましては、市場事業者が、中小の規模の事業者が非常に多く、経営面でいろいろご苦労されているという観点から、市場事業者が支払う施設利用料をなるべく低額に、なるべく安くするという方向で県の資金は活用してまいりたいと考えております。 ○議長(岩田国夫) 藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) BtoBは知事のお考えで流れていってもいいのかと思っております。BtoCについては、ある意味一定の行政の支援が必要ではないかと、このように思うのです。 例えば、心配しておりますのは、BtoCの用地に食とは全く関係ない施設、例えばホームセンターとか、あるいは百円ショップといったものが誘致されたら、何かもう、結局は卸売市場の用地を2つに割った、市場エリアと切り離されただけのもので、もっと言えば、要は切り売りしただけの状況になるのではないかと、そんな心配もしているのです。そういったことはないと思います、知事がおっしゃったように、食との親和性という、その観点は非常に大切にされておられるということで、そんな心配はないと思うのですけれども、改めて知事の、今、私が申し上げた、いわゆる「食」ということを前提にした考えであるのか、改めてお聞きいたします。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) まず、そもそも今の市場にはBtoCエリアというのは基本的にございません。基本的にはBtoBエリアだけでございまして、前知事の時代にBtoCエリアということで、今、ご指摘のあったホテルやアリーナという、まさにこれこそ市場とはあまり関係ないと思いますが、そういったものを造るという計画が立案されていたわけでございます。私は、どうして市場にホテルなのだ、市場にアリーナなのだと、関係ないだろうということで、その事業は見直すということを表明させていただいた次第でございます。 しかしながら、用地買収は、そうしたホテルやアリーナ等も含む施設を設置するということで、用地買収は既にほとんど終わっておりまして、かなり広大な土地を、新たに入手をしたわけでございます。そうしますと、この土地をどう活用するのかということが次の課題になるわけでございますけれども、先ほど来申し上げているとおり、もともとホテルとかアリーナとか、非常に違和感のある施設をつくるということで用地が買収されたわけでございますが、私は、そういう市場と関係ないものをわざわざここにつくる必要はあまりないと認識しております。
    ○議長(岩田国夫) 41番藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) ホテルやアリーナを建てるために、いわゆるBtoCの用地を広げる、あるいはその用地を確保するということでは全くなかったと思いますよ。用地があって、当時の荒井知事が、その用地にホテルやアリーナを建設してはどうかという計画を立てられただけで、そのための用地確保ではないということだけ、私は断言しておきます。 それともう1点は、BtoBとBtoCを分けて、今、取組を進めているのに、今、知事の答弁ではBtoCというのはもうないですよというような、そしたら、去年の大和郡山市が提示した案件はどうなのですかというところも疑問を感じるのです。お答えください。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 駐車場の用地として使うという目的で用地を購入されたと思うのですけれども、それはBtoCエリアに、かなり様々な施設をつくるという前提で、駐車台数が要るだろうということで駐車場用地として買収されたわけですから、BtoCと関係のない用地購入ではないと認識しております。 大和郡山市の方針につきましては、先ほども申し上げましたように参考にはさせていただきますけれども、最終的には県で決定させていただきたいと考えております。 ○議長(岩田国夫) 藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) 私、もう一度言いますけれども、ホテルやアリーナを確保するために用地を確保したのではないということだけ、言わせていただきます。 それと、いわゆるBtoCとBtoBは、やはり一体化した方針で進めていただきたいと、特にお願いいたします。これはできましたら、基本方針に盛り込んでいただきたいと思います。これはやはり、様々な事業者が、いわゆる民間事業者がBtoCエリアに様々な施設を建てるにあたっても、やはり食をテーマにしたということをしっかりとうたってもらわなければなりませんので、やはりあそこは市場、いわゆる流通機能を高める、そのような位置づけでありますので、私はできれば食というのをしっかりとテーマにした、そしてまた周辺に、その効果をしっかりともたらす、いわゆる市場のまちづくりを強化するような、そういった今後の展開にしていきたいと思っておりますので、ぜひとも、この基本方針に一体的整備というのを盛り込んでいただきたいと思いますが、知事のお考えをお聞きします。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) BtoCエリアについても一定程度の整備は行う予定でございますけれども、先ほども答弁の中で申し上げさせていただきましたが、民間事業者の意向を聞きますと、BtoCエリアの整備は大分時期が先になってしまいます。ですので、その時点での需要を今のうちから見通すことは難しいという、そういうことから、参入に少し慎重な意見も多かったわけでございますので、県といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、まず、BtoBエリアを先行的に整備して、その後BtoCエリアを整備するという方針で考えております。 ○議長(岩田国夫) 藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) 何回も申し上げます。知事、先ほどから食との親和性とおっしゃっておられますので、基本方針に、この一体的整備、食との親和性で、いわゆるBtoB、BtoCエリアを一体的に整備するということを盛り込む自体は、別に今の時点でも可能ではないかと私自身は思うのですけれども、知事のお考えをお聞きいたします。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 一体的整備というのは、同じ時期にという意味ですか。 ○議長(岩田国夫) 藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) もちろん建設は、いわゆるBtoBに建っている今の施設を解体して、違うところに建てていかなければなりません。同じ敷地に建てるわけですから、その辺の工事の状況もあると思いますので、建設時期は多少のずれはあると思います。ただし、この食との親和性ということの観点から、基本方針をそこに盛り込んでほしいというのが私の思い、強い要望です。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 基本方針には、分割整備をするということと、市場エリアにつきましては、市場施設をコンパクト化するとともに、高機能化・効率化をするということを記載します。賑わいエリアにつきましては、市場を核としたにぎわい創出ということで書かせていただきますけれども、具体的にどういう表現になるかというのは、まだ未確定でございます。 ○議長(岩田国夫) 藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) 以前、基本方針では、当然工事の時期は、ずれるのは、これは致し方ないことです。ただし、先ほど申し上げましたように、基本方針の中にはBtoB、BtoCエリアの一体的整備ということを明確に書いておりますので、今回もそういった方針を明確に示していただきたいと、このように思いますが、お答えをお願いいたします。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) ですから、先ほどご答弁させていただいたとおり、賑わいエリアにつきましては、市場を核としたにぎわいの創出という観点から、基本的には民間事業者による独立採算での整備、それから食を中心とした一般消費者施設、市場機能の強化、活性化につながる施設、そうした方針で基本方針は作成することになろうかと思います。 ○議長(岩田国夫) 藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) もう、押し問答になります。改めて、この基本方針に、食との親和性を含めた、いわゆる一体的整備というのをしっかりと明確に、この基本方針の中に盛り込み、新しい市場の在り方、これを行政と市場事業者がともに考えていただきたいと、このようにお願い申し上げます。また、この市場事業者と様々な話合いを持っていただく、そういう意向も知事は持っておられるのでしょうか、最後に質問いたします。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 今年、藤野議員も参加されておりましたけれども、市場事業者の協会の新年会にも、私、参加をさせていただきまして、理事長らと意見交換させていただきましたし、日頃は、食と農の振興部の乾部長以下、関係管理職が緊密に市場事業者との意見交換しているものと認識しております。 ○議長(岩田国夫) 藤野良次議員。 ◆41番(藤野良次) 改めて、市場事業者と膝を突き合わせて、知事がその思いをしっかりと述べていただき、様々な協議していただきたいと。このことをお願い申し上げます。 その他の質問につきましては、やはり人材の確保が必要です。学校の働き方改革におきましても、教員の確保、あるいは老人福祉施設においても介護士の確保、さらには、公共交通においては運転士の確保といった人の確保が喫緊の課題となってまいります。厳しい社会情勢、あるいは厳しい財政状況の中でも進めていかなければなりませんので、各行政の皆様方、よろしくお願いを申し上げ、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。 しばらく休憩します。 △午後2時13分休憩    -------------------------------- △午後2時26分再開 ○副議長(池田慎久) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、16番福西広理議員に発言を許します。--16番福西広理議員。(拍手) ◆16番(福西広理) (登壇)皆様、こんにちは。磯城郡区、川西町、三宅町、田原本町選挙区選出、日本維新の会、福西広理です。県議会議員としては初めての一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、質問に入ります前に、私からも、このたびの石川県能登地方を震源とする、令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、そのご家族並びに関係者の皆様に、謹んでお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の復興支援のためにご尽力されている方々に深く敬意を表します。一日も早い復興を願うとともに、今回の災害での教訓を、奈良県での防災・減災対策にもしっかりと生かせるように全力を尽くしてまいります。 それでは、事前通告のとおり、質問を行います。 まず初めに、大和平野中央の県有地の活用について、知事にお伺いいたします。 知事は昨年6月の予算執行査定の結果、磯城郡3町において、県立工科大学の整備や国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けた新施設の整備を計画していた、大和平野中央田園都市構想の拠点施設整備について見直しを行われ、整備内容を含め、計画を再検討することとされました。また、再検討にあたっては関係者と協議を行い、大和平野中央地域の持続的な振興・発展に向けて協力していくとの考えを示されました。 そして早速、その翌月には、知事と川西町長、三宅町長、田原本町長が一堂に会しての協議が行われ、県が取得済みの用地の活用方策については、地域の発展、ひいては県の発展に資するよう、地元の理解を得ながら丁寧に協議すること、また、各町ごとに作業部会としてワーキンググループを設置し、具体の活用方策や方向性等について検討を始めることで合意がなされたと承知しております。 このような県と各町による協議・検討が精力的に行われるのと並行して、7月には三宅町で、また、12月には川西町で、地元説明会がそれぞれ開催されました。知事みずから足を運ばれたこれらの説明会には私も出席しましたが、中には厳しいご意見もございましたが、三宅町では、スタートアップエリアの代案を示してほしいというご意見や、川西町では、当該地区に隣接するまほろば健康パークとの連携や、若い子育て世帯が来たいと思えるようなエリアを整備してほしいというご意見がありました。 そして、先般発表された、大和平野中央における県有地の活用についての基本的な方針を見ますと、一定、地元の声も取り入れていただいたと感じているところでございます。このような取組を進めていく上で、地元である町、そして住民の理解と協力は不可欠であり、今後も、これまで同様、着実に、そして丁寧に事を運んでいっていただきたいと思います。 そこで、知事にお伺いします。 磯城郡の川西町、三宅町、田原本町の3町で展開される県有地を活用したまちづくりは、地域の活性化、さらには県全体の発展に資するものと考えますが、具体的にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 次に、大和川流域における流域治水対策について知事にお伺いします。 昨年6月、台風2号から梅雨前線に向かって、暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となったことから、大和川流域においても線状降水帯が発生いたしました。私の地元、川西町を流れる寺川においては、結崎観測所で水位が上昇し、氾濫危険水位の4メートル20センチメートルを超え、氾濫危険情報が発令され、大和川の水位上昇に伴い、支川への逆流を防止するための樋門が閉鎖されたことから、川西町吐田地区では、支川合流部付近において農地等が浸水する被害が発生いたしました。 皆様、モニターをご覧ください。あまりご存じないとは思いますが、ほぼ毎年のように、梅雨の時期や台風シーズンに悪条件が重なりますと、樋門が閉鎖され、樋門上流部の道路や田畑が内水で浸水し、あたり一面、湖のような状況になることが常態化してしまっています。 奈良県では、昭和57年の大和川大水害を機に、大和川流域を洪水被害から守るため、県と市町村で流出抑制に取り組むことに合意し、流域整備計画では、県と市町村、合わせて約180万立方メートルの貯留対策に取り組むことになっています。しかし、市町村における対策は遅れており、計画を立ててから40年が経過しても、流域対策としてのため池治水利用と雨水貯留浸透施設、水田貯留については、令和5年3月時点での市町村の進捗率は78%にとどまる状況となっています。市町村ごとの整備の進捗率を見ますと、上流域と下流域の市町村で大きな温度差があり、寺川などの中下流域における内水被害を防止するためには、上流域でも取組のさらなる促進が必要と考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 大和川流域での浸水被害の防止に向け、ため池の治水利用など、ためる対策を流域全体でより一層進める必要があると考えますが、県は今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 次に、生成AI等を活用した働き方改革の推進について、総務部長にお尋ねいたします。 アメリカの企業であるオープンAIが2023年、昨年の3月に公開したChatGPT-4を皮切りに、ビジネスや、様々な場面で生成AIが活用されるようになりました。その後も生成AIは急速に進化を続けており、文章の作成、画像の生成、プログラミング等、あらゆる分野で業務の効率化に有効なツールとなってきております。今後、これらの生成AIをビジネスや業務の中で活用しないという選択肢はなくなったと認識しております。 行政運営においても、このような技術は、情報提供、文書作成、市民からの問合せへの応答など、多岐にわたる業務の効率化と質の向上に寄与する可能性を秘めています。また、生成AIを活用することで、従来の手法では時間がかかる作業を短縮し、職員がより創造的な業務に集中できる環境を整えることが期待されます。 そこで、総務部長にお尋ねいたします。 行政において業務の効率化を進めるためには、生成AIの活用が効果的と考えますが、県はどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 続きまして、同様の趣旨で、教育現場における生成AIの活用について、教育長にもお伺いいたします。内容は先ほどの趣旨と同様で、教員の業務の効率化や授業の質の向上を図るため、教育現場においても生成AIを活用することが効果的と考えますが、教育委員会はどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。 また、児童生徒に対して、正しく生成AIを使えるように指導することも重要であります。子どもたちの生成AIの利用は、これからの時代、必然でありますし、既に家庭内や自身のスマホ等で利用している方も増えてきているとも聞いております。生成AIは画期的で、大変便利なツールではありますが、利用にあたっては潜在的なリスクもあると言われています。生成された情報の正確性が担保されていないことや、プライバシーや著作権を侵害する場合があること、また、過度に生成AIに依存してしまう問題などがあります。これらの問題を児童生徒自身が正しく理解し、適切に対処できるようになることで、生成AIを安全に、効果的に使用することが可能になると考えます。 生成AIを利用する児童生徒が日々増えてきている状況ですので、奈良県教育委員会としても、児童生徒が正しく生成AIを使えるように、早急に指導を行っていかなければならないと考えますが、今後の取組方針をお聞かせください。 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) (登壇)それでは、福西議員の一般質問にお答えをさせていただきます。 まず1点目の、大和平野中央の県有地の活用についてでございます。 大和平野中央の県有地につきましては、県民の暮らしと地域の発展に資する活用を行うべく、県と磯城郡3町が共働して検討を進めてまいりました。昨年7月に県と三町による協議をスタートさせて以降、土地活用の様々な可能性について、幅広く民間事業者等へのヒアリングを重ね、そのニーズを確認しながら各町とのワーキンググループをそれぞれ4回実施して議論いたしました。その結果、用地活用の基本的な方針について各町長と合意し、今年1月から2月の共同記者会見で公表するに至りました。 川西町につきましては、子どもを中心に多様な交流が生まれるまちとして、近隣のまほろば健康パークと相まって、地域の活性化につながり、子どもたちも楽しめる機能を併設した企業の誘致や、地域のスポーツ振興にも資する、世界的なスポーツチームの関連拠点を誘致する考えでございます。 三宅町につきましては、次世代を担う学生×企業のまちとして、若者が生活しながら成長できる、全く新しいタイプの学生寮の整備や、研究や新産業にチャレンジする企業を誘致する考えでございます。 田原本町につきましては、交通安全・安心のまちとして、バリアフリーに配慮するなど、全ての利用者が使いやすい、新しい運転免許センターの移転整備や、県警察の一部機能を移転する考えでございます。 今後は、これらの基本的な方針に従い、計画策定や埋蔵文化財調査等を実施するほか、福西議員お述べのように、地元である町や住民の理解と協力は不可欠と認識しており、地元・関係者に対し丁寧に説明するなど、引き続き磯城郡3町と連携して取り組んでまいります。 2点目の、大和川流域における流域治水対策についてでございます。 大和川流域では、昭和57年8月の大水害を契機に、河川改修などのながす対策とともに、ため池の治水利用などの、ためる対策を進めるため、昭和60年に大和川流域整備計画を策定し、県と流域市町村の貯留量の目標を定め、治水力の向上に向けた取組を進めてまいりました。県は既に目標となる貯留量を達成しておりますが、市町村では対策の進捗状況に差が生じており、現在、市町村全体の進捗率は78%にとどまっております。 このため、今年1月に開催しました、国、県、流域25市町村が参画する大和川流域水害対策協議会では、私自身も出席して、対策の伸び悩む市町と議論を行い、取組状況の情報共有や、見える化を進めながら、流域全体でためる対策を推進していくことに合意いたしました。県としても、市町村のためる対策を推進するため、対策が進んだ市町村のノウハウを他の市町村と共有するとともに、技術者が不足する市町村に対する技術支援や、国の補助とあわせて、県からも財政支援を実施しております。 さらに、民間事業者による、ためる対策の推進も重要と考えておりまして、特定都市河川浸水被害対策法という法律に基づき、開発等の際に整備が義務づけられる雨水貯留浸透施設の貯留量を超えて、一定規模以上の貯留施設を整備する場合に、国の補助と併せて県も補助を行うこと、市町村は固定資産税の減免を措置すること等を、さきの協議会で合意したところでございます。 今後も、浸水被害から大和川流域を守るため、国や市町村との連携を強化いたしまして、流域全体でためる対策をはじめとした治水対策を強力に推進してまいりたいと考えております。ご質問、ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 岡野総務部長。 ◎総務部長(岡野年秀) (登壇)16番福西議員から、生成AI等を活用した働き方改革の推進についてご質問いただきましたので、お答えをさせていただきます。 少子高齢化に伴う労働力人口の減少が進む中、行政の生産性向上を実現し、行政サービスの質の向上を図ることは極めて重要な課題でございます。一方で、職員が健康で生き生きとやりがいを持って働けるよう、働き方や職場環境の改善に取り組むことも必要と考えております。 こういった中、福西議員お述べのとおり、生成AIは、業務効率化を進めるための有用なツールの1つと考えており、県庁内におきましても、昨年9月より、文書の作成過程や要約、各種施策のアイデア出しなど、幅広い場面で生成AIのクラウドサービスの1つでございますChatGPTの利用を開始したところでございます。あわせて、ChatGPTの利用方法や先進県における活用事例などのメリットとともに、個人情報や機密情報の漏えい、著作権侵害のリスク、生成された文書やコンテンツの正確性確保等の課題についても、全職員に対し、セミナーや、研修動画を通じて周知を徹底いたしました。 また、生成AIをはじめとするデジタル技術の利用を県庁の中で促進するためには、体制整備も必要と考えております。このため、部局にデジタル推進員を配置し、実地の指導や新たな取組への活用の提案などを行っているところです。さらに、補助金の交付や予算編成など、全庁的な業務について、外部の専門家の知見も活用しながら、生成AIを活用した業務効率化の検討を進めております。これにつきましては、今年度中に方針を取りまとめ、来年度には一部で試行を始めたいと思っております。 今後も、デジタル技術を積極的に活用し、庁内の働き方改革を推進するとともに、県民の皆様により質の高い行政サービスを持続的に提供できるよう努めてまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)16番福西議員からの、教育現場等における生成AIの活用についてのご質問にお答えいたします。1番と2番を併せて回答をさせていただきます。 生成AIにつきましては、利便性が高く、教員の負担軽減や指導改善に期待される一方で、子どもの思考力や創造性への影響が懸念されているものの、私は、教育現場では共存共栄を図るべきであると考えております。 文部科学省は、生成AIを使い、教員の長時間労働の一因となっている業務を減らす実証実験をスタートする予定でございます。削減の対象には、研修資料、広報資料、校外活動の行程表作成、また、教材やテストのたたき台などが挙げられております。 現在、文部科学省には、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを推進するチームがございまして、このチームは、来年度生成AIも推進する予定でございます。このDX推進チームに、教育研究所の指導主事を、来年度1年間派遣いたしまして、生成AIの本格的な活用にも取り組んでまいります。 現在、県教育委員会では、画像AIを活用した採点システムを、既に県立学校に導入いたしております。来年度予算にはAIを搭載した学習プラットフォームを県立高等学校1年生に取り入れ、AIドリルによる生徒のテスト結果や学習記録などの情報を通して、個別最適な学びを実現する予算を計上させていただいております。 また、生成AIの生徒への活用についてでございますが、県立奈良高等学校が文部科学省の生成AIパイロット校として、生成AIの効果的な活用方法を、現在検証いたしております。例えば、英語の授業におきまして、生徒自身が英作文を生成AIに添削をさせることで、その回答から多様な表現方法を学ぶことができたり、また、科学の実験レポートに対して、生成AIでコメントし、再度回答を考えさせることができたりと、生徒の学びを深めることはもちろんのこと、教員の業務の効率化にもつながっております。 特に生成AIにつきましては、事実に基づかないもっともらしいうそ、ハルシネーションと言われておりますけれども、これを生成する問題点等もございますので、教員のAIリテラシーの向上が必要でございます。 来年度の教育研究所の教員を対象としたICT活用研修では、国のDX推進チームからの派遣講師による生成AIの活用例でありますとか、あるいはリスク対策の講演を予定いたしております。今後、現在、義務教育段階でのICT活用ガイドラインを作成中でございますけれども、このガイドラインに奈良高等学校での実践例を掲載いたしまして、生成AIの活用や指導に役立てていただきたいと考えております。 以上でございます。どうもありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 16番福西広理議員。 ◆16番(福西広理) ご回答ありがとうございます。 まず初めにですけれども、大和平野中央の県有地の活用についての部分です。地元としっかりと話をしながら進めるとおっしゃっていただきました。ですが、私、この磯城郡3町で事業を進めていく上で1つ懸念材料がございます。先日の代表質問でも触れられていましたが、再度、確認のために知事にお伺いしたいと思います。 2月22日付で、橿原市長から山下知事に対して、運転免許センター等移転先決定に関し、方針の撤回と丁寧な協議を求める要望書が提出されているということですが、こちらの要望書には、運転免許センターの移転先について、奈良県は橿原市と協議をすることなく、知事の記者会見日の3日前に初めて内容を知らされたと記してあります。これが事実なのであれば、これから地元と協力して事業を進めていく、私、磯城郡選挙区選出の議員としては看過できない不誠実な対応だと言わざるを得ませんが、事実なのか、山下知事、いま一度お答えいただけますでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) その質問につきましては、自由民主党・無所属会の代表質問に対してお答えいたしましたとおり、事実誤認に基づく要望書でございます。 既に令和5年4月13日に、県警察の担当者が橿原市の担当者に会いに行きまして、私が当選したことによって、大和平野中央田園都市構想の田原本町の用地が候補地として浮上してくるかもしれない、そういう可能性があるということを既にお話をしているところでございまして、令和5年の11月15日にも、県警察の担当者が橿原市役所の担当者に対しまして、橿原市外の県有地に移転することに決まったということを明確に伝えておりますので、記者会見の3日前になって、初めて橿原市外に運転免許センターが移転することを知ったという、橿原市長の要望書は、知っていたのに知らないと言っているのか、橿原市の市役所の担当者から報告を受けていなかったのか、そのどちらかであると言わざるを得ません。 ○副議長(池田慎久) 16番福西広理議員。 ◆16番(福西広理) 答弁内容を聞いて安心いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。 私は、この大きな事業の方向性を決めるにあたっては、知事と市町村長といった首長同士での話合いは重要であると認識はしております。しかしその一方、その前に、県と市町村の担当部局の職員間での打合せ、地元の要望をしっかりと聞いたり、県の方向性を伝えたりと、事務レベルでの詳細な打合せをきめ細やかに行うことが、大型事業を成功に導く鍵であると思っております。県職員や市町村職員の皆様は、これまでも、きめ細やかに取り組んできていただいていると感じておりますので、今後も、これまで同様に、県と町とがしっかりと話合いをして、地域住民や県民の皆様に、そこで住んでいてよかったと思っていただける、大和平野中央の磯城郡3町での事業にしていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。 そこで、磯城郡3町で計画されている事業への要望をお伝えしておきたいと思います。住民の皆様からは様々な意見はいただいておりますけれども、この場では大きな方向性の要望のみお伝えをしたいと思います。 まず、川西町の県有地についてです。今回計画されている事業の場所は、近鉄橿原線のファミリー公園前駅の東側になります。そして、その線路をまたいですぐ西側にまほろば健康パークがございます。こちらのまほろば健康パークの整備事業計画も、山下知事が就任されてから再検討をするということで、一旦停止されています。その周辺地域をもう少し大きく俯瞰していただきたいのですけれども、大和中央道の南に向かっていく延伸工事事業、これも長年にわたって川西町で止まっています。また、南北の京奈和自動車道の側道工事、これは国の事業ですけれども、この側道も川西町で止まっております。 今回の大和平野中央の下永地区での利用計画を機に、これらの、長年止まっていた道路整備や、ファミリー公園前駅周辺一帯も含めた、地域全体の発展を見据えたまちづくりに取り組んでいただきますことを強く望んでおりますので、よろしくお願いいたします。 次に、三宅町の県有地におきましては、近鉄橿原線の石見駅前であり、京奈和自動車道とも隣接しています。アクセスのよさなどを武器に、さらなる関係人口を創出できる地域づくりに取り組んでいただくようお願いいたします。また、今、申し上げましたアクセスのよいという点で、大和平野のほぼ中央に位置する石見地区は、奈良県の広域防災拠点に位置づけることも大変効果的な立地条件であると考えます。計画を策定する際には、防災機能も考慮して進めていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 最後に、田原本町県有地におきましては、運転免許センターの移転ということです。安心・安全のまちづくりに寄与する施設となりますが、周辺住民の方々にとって直接のメリットはあまり期待できない施設となります。また、電車を使って施設を利用される方にとっては、田原本駅からアクセスはよいとは言えない立地条件であります。駅と運転免許センターをつなぐ利用者のアクセス方法も考える必要があると思いますので、その際には、地域公共交通やアクセス道路周辺の整備開発など、地元としっかりと協議を重ね、地域住民の方々にとっても、施設が来てよかったと思っていただける計画を立てていただきますよう、要望といたします。 これらの要望を踏まえて、知事、今後の磯城郡3町での取組への思いを、いま一度お聞かせいただけますでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) この三町の町長とはきちんとコミュニケーションも取れておりますので、今、福西議員からいただいたご意見も参考にしながら協議を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(池田慎久) 16番福西広理議員。 ◆16番(福西広理) ありがとうございます。この磯城郡3町での事業、これまで大和平野中央構想・スタートアップ推進課が中心に進めてきた事業ですが、これからは複数の部局にまたがって進めていく段階に入ってきております。山下知事にはイニシアチブをしっかりと取っていただいて、既に設置していただいているそれぞれの事業のワーキンググループに、部局横断的に各担当課が参加するような体制をとっていただいて、地域全体の発展につながる計画を策定していただきますようお願いを申し上げます。 次に、大和川流域の総合治水対策についてです。知事から、対策が伸び悩む市町村と会話を行っていただいて、指導していただいているというご答弁をいただきました。そして、壇上で質問時にお示しいたしました写真は、川西町吐田地区の氾濫状況のみをお示しいたしましたが、このような状況になっているのは、安堵町や斑鳩町、広陵町など、大和川に河川が合流する付近では内水氾濫が頻繁に発生しております。この下流部での被害は、上流部での住宅開発や耕作放棄地の増加などが大きく影響しています。この現状を奈良県全域で共有していただいて、上流部でもためる対策に本気で取り組んでいただきたいと思います。また、目標を達成できていない市町村にペナルティを科すなどは難しいとは考えますが、今後も、県が各市町村にしっかりと指導していただいて、治水対策に取り組んでいただきますことをお願いいたします。 次に、総務部長に対して行いました、生成AIを活用した働き方改革の推進についてです。昨年の9月頃からいろいろスタートしていただいているということですけれども、再度、1つ質問したいのですけれども、今現在、どれぐらいの職員の方が生成AIを活用されているのか、分かれば教えていただけますでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 岡野総務部長。 ◎総務部長(岡野年秀) 答弁で申しましたように、昨年9月から運用を開始いたしまして、現在までに利用したことがあるという職員は、職員全体の約15%程度と認識しております。 ○副議長(池田慎久) 16番福西広理議員。 ◆16番(福西広理) ご答弁ありがとうございます。先日、私が聞いたときは大体10%ぐらいだと聞いていたので、そこから5%ぐらいは伸びていっていると。職員への周知の仕方が、私、聞いたところによると、メールでChatGPT等を積極的に使いなさいよと送った程度になっていたと聞いているのですけれども、これをもっと強制的に、職員に使っていって、業務の改善を図っていくべきだと、早急にやるべきだと考えるのですけれども、さらに取り組んでいくという考えはないのかお伺いできますでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 岡野総務部長。 ◎総務部長(岡野年秀) やはり全職員の約15%というのは、あまり使われていないという認識を、私もしております。やはり広げるためには、使えますよという情報だけではなくて、やはり使うことによるメリットというのが非常に有効なのかと思っております。 いろいろ情報を聞いておりますと、他府県で非常に有効だったよという声が多い活用事例があります。例えばアンケートの集計・分析ですとか、多くの関係者が出席する会議の議事概要の作成、また、SNSの投稿文や広報、キャッチコピーの作成などといったものが他府県では非常に有効だったという声がありますので、こういうメリットの面もあわせて職員に周知し、活用の拡大を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(池田慎久) 16番福西広理議員。 ◆16番(福西広理) ありがとうございます。私、担当課の職員の方にも、東京都のデジタルサービス局というところがネット上でも公開している、都職員のアイデアが詰まった文書生成AI活用事例集というのが既にインターネット上に公開されているのですけれども、そういったものを奈良県で研究する、しなくても、東京でもう出しているものをどんどん活用していったらどうかということを案内させていただきました。このような生成AIというのは、本当に有効なものであると思いますので、積極的に活用していただきたいと思います。 これらを使った結果、業務時間がどれだけ短縮できたかというデータを分析して、人員配置の再検討、残業時間の削減に取り組んで、本当に必要な業務に注力できるよう取り組んでいただきたいと思います。 また、奈良県は働き方推進協議会などを設置して、県内の民間企業に対してDXの推進をしたり、働き方を促したりしているわけですから、まずは、奈良県の職員の皆さんが率先して生成AIのようなツールを活用して、業務の改善を図って、働きやすい環境づくりをみずから実現していただいて、その効果を県内の民間企業にも示していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、教育現場における生成AIの活用についてですけれども、教職員の方々にも業務、校務において生成AIを活用していただきたいという思いは、ただいま総務部長に述べたことと同様ですので、早急な使用の促進をお願いしたいと思います。 次に、生徒に対しての教育というか、生徒に対してどのように生成AIを使っていくかというのを教える必要があると思うのですけれども、ご答弁いただいた中では、県立奈良高等学校をパイロット校として生成AIを使ってみるということで、その結果を奈良県下のほかの高等学校に広げていくというご答弁だったと思います。 まず、県立奈良高等学校では、奈良県のトップレベルの学力を有している学校ですので、生成AIは使用するだけではなくて、どのような活用方法があるのかというのを考えさせたりとか、さらには生成AIがどのような仕組みで動いているかというのを、さらに追求していただいて、新たな生成AIをつくり出していけるような人材を育てていただきたいと思います。 この奈良高等学校での取組を横展開していくとお聞きしたのですけれども、言い方は悪いかもしれないですけれど、奈良県で学力がトップレベルの奈良高等学校で行ったことを、奈良県内のほかの高等学校に横展開していくということが効果的なのかどうかというのは、私、少し疑問に思います。言葉を間違えそうなので、視点を変えて述べさせてもらいますと、文部科学省がコロナ禍の中でGIGAスクール構想、あのとき、県の教職員の方もみんなが本気出してやったので、もう既に児童生徒1人1台のタブレット端末を持っていると思います。教職員が児童生徒に生成AIなどを教える前に、既にもう児童生徒が生成AIを使用して宿題、課題などをやっているというのが現状です。そういう状況にあるにもかかわらず、教職員の方はまだ使い方も分からない、アレルギー反応を起こしているというのでは、私は今後の教育に対しても、いかがなものかと思いますし、きっちりと先生が使ってみた上で、先ほど述べさせてもらった生成AIの潜在的なリスクというのも子どもたちに伝えていく必要があると思うのですけれども、スピード感を持って、この生成AIへの取組、教育委員会として、いま一度検討し直していただけないか、教育長にお伺いしてもよろしいでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) 従来でしたら、国の実証実験の結果を待って、それを受けて県教育委員会としてどう対応するかという対応であったのですけれども、今回は、教員を派遣させていただいて、その実証実験の結果を待つ前に、具体的な実践例とかを県で取り入れていきたいという、この意気込みをご理解いただければありがたいと思っております。 ○副議長(池田慎久) 16番福西広理議員。 ◆16番(福西広理) 意気込みは感じさせていただきましたけれども、実際問題、派遣するというのは数名の方を派遣してということですか。全員ですか。数名の方を派遣して、教師全員が生成AIに触れたことがあるという状況にはなっていないと思うのです。 僕が聞いたところによると、今まで読書感想文を書くのに、生徒がインターネット上に落ちている答えをコピーして貼り付けて提出していたと、そのような方法でしたらもう先生にばれてしまうらしいのです。だから今、言い方は悪いですけれど、学力はないけれども、すごく勘のいい子どもは、生成AIで答えをつくってそれを提出していると、そうすると、先生にばれなくて、宿題も提出したということになるという、そういうことを行っている子どもがもうどんどん増えてきているというのが事実です。 その事実を分かってもらった上で、では、先生は何を教えるべきなのか。そういう子どもが出てきたときに叱るのか、それとも褒めるのか、私はすばらしいことだと思うのです。そういう、コピーして貼り付けるのではなくて、自分で生成AIに命令を出して、これをつくりなさいと、もう少し簡単な文章に変えてくださいとか、ですます風に変えてくださいというような努力している子どもたちを、私は褒める教育も必要だと思うのです。その上で、教育者として、やはりこの生成AIを使ったことがあるという状況になっていたほうが私はよいと思いますので、早急に、学校の先生全員が、生成AIを使ったことがあるという状況にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後になりますけれども、今回の私の生成AI等の質問ですけれども、私自身、AIやプログラミング、コンピュータなど、非常に疎いほうです。ただ、今回の一般質問の中で、総務部長と教育長に質問をさせていただいた文章は、ChatGPTを駆使して作成させていただきましたことをお伝えいたしまして、私の一般質問を終結させていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 次に、15番福田倫也議員に発言を許します。--15番福田倫也議員。(拍手) ◆15番(福田倫也) (登壇)15番、大和高田市選挙区選出の日本維新の会、福田倫也です。今回が2回目の一般質問となります。知事をはじめ、理事者の皆様には、ぜひとも心のこもった前向きなご答弁をお願いいたします。 それでは、議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして、4項目にわたって一般質問をさせていただきます。 まず1点目、大阪・関西万博の開催に向けての本県の取組について、知事にお伺いいたします。 先日の代表質問では、同じ会派の小林議員からも、機運醸成に向けた取組について質問がありましたが、とりわけ私はその中でも、どのように、県内の各地域と機運醸成を図っていくのかについてお伺いをさせていただきます。 改めてにはなりますが、大阪・関西万博は未来社会の実験場として、国内はもとより、世界中からも多くの方々が訪れる一大イベントでございます。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」とされ、持続可能な社会の実現に向け、様々な分野で展示やイベントが行われる予定となっており、2005年に開催された愛・地球博に続き、20年ぶりに日本で開催される国際博覧会で、開催期間は来年の4月13日から10月13日の半年間となっております。これまでの本県の機運醸成に向けた主な取組として、シンポジウムの開催や、奈良県市町村サミット、それ以外にも県内の各種会議の場やイベント会場等を利用し、PRブースを出展するなどして広報活動にあたってこられたと、先日もご答弁されていました。そしてまた、昨年7月には万博推進室が新設され、開催500日前プロジェクトなど、様々な場面で、県を挙げ、さらなる推進活動を進めていこうとされている意気込みを感じているところでございます。 しかしながら、一方で、県内各市町村での盛り上がりはまだまだといった印象で、機運が大きく高まってきているとは言えない状況ではないかと感じております。今議会で行われる来年度の予算審査の中でも、万博の推進については議論されていく予定だと思いますが、県内の子どもたちが校外学習等で、会場に足を運ぶ際の入場料の助成なども組み込んでいく予定にされている中で、せっかくのこの機会、残された1年余りの期間で最大の効果が得られるように機運醸成を図るには、県内の市町村との連携が成功の大きな鍵を握ると言っても過言ではないと考えております。 ちなみに、本日私がこの右側につけておりますピンバッジは大阪・関西万博の公式ライセンスグッズですが、知事、いかがでしょうか。大阪の吉村知事のこれまでの会見を見ておりましても、EXPO2025と書いた上着や、夏にはポロシャツなどを着てPRをされておりました。私は山下知事にも、そんなふうに、もっともっと目立つようにPRをしていってほしいと思いますし、奈良県のトップセールスマンとして活躍していただきたいと思っています。そして、大阪・関西万博の開催に向けた機運醸成を大きく加速させるにあたっては、県内市町村との連携、協力をもっともっと進めていくべきだと考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 大阪・関西万博の開催に向けた機運醸成や会場催事等の企画・開催準備を進めるにあたっては、県内市町村との連携が非常に重要になると考えますが、いかがでしょうか。知事のお考えをお願いいたします。 次に、2点目は、消防力の向上についてというテーマで、知事に質問をさせていただきます。 山下知事は、県政に取り組むにあたり、県民の皆様に3つの責任を果たすとお約束され、その1番目に、県民や事業者の安心と暮らしへの責任を掲げておられます。本日は、その中の主な施策の1つである消防力の向上についてお伺いいたします。 年初に発生した能登半島地震では、発生後ほどなくして、現地の被災状況がテレビ等でも次々と報道されました。被災の中心となった石川県へは、他府県から多くの自衛隊、消防、警察の方々が迅速に現地に向かわれ、精力的に被災者の救助活動などに取り組まれる様子を拝見しておりました。一方で、道路の寸断や港湾の損壊により支援がなかなか届かない状況も目の当たりにし、かねてより言われていることではありますが、災害発生時の初期段階における対応の重要性を改めて認識いたしました。 大規模な災害の初期段階において、被災者の救助活動の主力となるのは、県内の3つの消防機関、奈良市、生駒市、そして奈良県広域消防組合の職員の皆様及び消防団の方々であると考えています。消防は、基礎自治体たる市町村の業務ではありますが、災害から県民を守るため、県としても、消防力の向上に取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。 そんな中、山下知事は2月7日、定例記者会見において、老朽化が進んでおり十分な訓練が行えなかった消防学校の移転場所を、大和高田市松塚にある旧高田東高等学校に決定したことを公表されました。また、新年度予算案に基本計画の策定経費を計上し、移転整備を進めていく方針を明らかにされました。消防教育の拠点でもある消防学校の移転整備は、県の消防力の向上に大きく寄与するものであり、ぜひとも着実に進めていただきたいと思います。また、消防学校以外にも、消防力の向上に資する取組をたゆまず続けていただきたいと考えております。 そこで、知事にお伺いいたします。 県民の安全・安心の確保に向け、消防力の向上は重要な課題であると考えますが、どのように取り組んでいこうとされているのか。また、記者会見でも発言されていましたが、改めて消防学校の移転整備における知事の意気込みもあわせてお考えをお聞かせください。 次に、3点目は、その消防学校の移転予定地周辺を流れている小金打川の河川改修について、県土マネジメント部長にお伺いいたします。 高田土木事務所が管轄する小金打川は、橿原市曲川町から大和高田市松塚を通り、一級河川曽我川へと合流する河川でございます。大和高田市松塚地内は、大雨やゲリラ豪雨などで発生する洪水時に、曽我川の影響を受け、浸水被害が発生しやすく、また、ふだんから比較的通行量が多い市道も冠水により通行止めになるなど、被害が多発しやすい地域であり、早期の課題解決が住民の皆様から求められる地域であると認識しております。この小金打川に関しては、現在、河川整備計画をもとに、当該地域で、おおむね10年に一度の確率で発生する大雨による洪水を安全に流下させることを目的に整備を進めておられると聞いています。 そこで、県土マネジメント部長にお伺いいたします。 小金打川周辺地域は、大雨が降ると道路の通行止め等の浸水被害が頻繁に発生し、生活に支障を来すことが多いという課題を抱えていますが、被害軽減のための河川改修の進捗状況はいかがでしょうか。ご答弁をお願いいたします。 最後に4点目は、土木技術職員の確保等について、県土マネジメント部長にお伺いいたします。 私は、この土木技術職員の希望者不足について、深刻な問題であると認識いたしました。本県の公共事業やインフラ整備には、高度な技術と専門知識を持つ人材が必要不可欠であることは言うまでもありません。しかし最近では、技術職の求人に対する応募者が減少傾向であり、人材不足の影響が年々現場においても大きくなっていくのではないかと危惧しているところです。具体的に申しますと、令和3年の採用予定人員が56名に対し、入庁者数14名、令和4年が、採用予定50名に対し入庁者16名、令和5年はまだ入庁者数が確定しないということですが、採用予定人員53名に対し、試験の合格者が30名と、採用したい人数よりも大幅に少ないことが分かります。私は、次の3点が人材確保において大事なことかと思っております。 まずは、若者への啓発と教育です。土木技術職の魅力を広く知っていただくには、学生や若者への啓発活動を強化することが重要と考えます。技術系の学校や大学と連携し、専門知識を身につけてもらう機会を提供しているかなども重要ではないでしょうか。 次に、技術職のキャリアパスと待遇改善です。技術職のキャリアパスを明確にし、モチベーションを高めるためにどのような施策を実施しているか、それに加え、待遇や労働環境の改善にどのように取り組んでいるかということも、働き手にとっては重要な要素であると考えます。 最後に、地域社会との連携です。地域のニーズに合わせた技術職の配置やプロジェクトについて、地域社会と協力しながら人材の確保に向けて取組を進めていく必要があると考えます。 そこで、具体的な取組や今後の展望について、県土マネジメント部長にお伺いいたします。 近年、土木技術職員の採用試験合格者数が採用予定人員を下回っている状況とお聞きしておりますが、今後、どのように人材確保の強化に取り組んでいかれる予定であるか。また、採用人数の大幅な改善が見込みづらい現状でも、業務を円滑に進めていかなければなりませんが、どのように効率化を図りながら進めていかれるのか、お考えをお聞かせください。 以上で、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) (登壇)それでは、福田議員の一般質問に対しましてお答えをさせていただきます。 まず、第1点目の大阪・関西万博の開催についてでございます。 令和7年4月に開幕する大阪・関西万博に向け、令和6年度はその準備を加速させてまいります。大阪・関西万博を契機に、国内外から来場される観光客をできるだけ奈良県内に呼び込み、より高い経済効果を県内全域にもたらすため、市町村や民間事業者、大学などと連携し、オール奈良の体制による実行委員会を新たに立ち上げ、取組を推進していくところでございます。 中でも、福田議員お述べのとおり、県内市町村との連携は特に重要と考えておりまして、すべての市町村に実行委員会への参加をお願いしたいと考えております。市町村と連携した取組といたしましては、来年度は集客力の高い県内イベント等に万博PRブースを出展し、大阪・関西万博でのアトラクションやプログラム情報などを広く情報発信し、機運醸成を図ってまいります。 また、令和7年度の万博開催期間中は、会場内の関西パビリオンの多目的エリアや、本県出身の映画監督、河瀬直美氏が事業プロデューサーを務めるパビリオンに、各市町村の魅力を発信するPRブースの設置を予定しております。これに向けまして、来年度には展示物やPR動画の作成などの準備を進めてまいります。1年1か月後に迫りました大阪・関西万博開催に向けまして、市町村や民間事業者、大学などと連携を密にし、本県への誘客促進につながるようしっかりと準備を進めてまいります。 次に、消防力の向上についてでございます。消防力の向上は、福田議員お述べのとおり、私が掲げる3つの責任の1番目、県民や事業者の安心と暮らしへの責任として、安全・安心の確保に向けた主要施策の1つであり、県内消防組織への支援や、消防学校教育の充実を中心に取り組んでいく所存でございます。 まず、県内消防組織への支援といたしましては、主として消防団員の確保対策、これが重要であると考えております。消防団員の年額報酬や出動報酬を国基準以上に改善するよう、団員の処遇が十分ではない市町村に助言を行っているところでございまして、今後とも引き続き消防庁と連携しつつ取り組んでまいります。 次に、消防学校教育の充実におきましては、今年度設置しました消防学校教育訓練充実検討委員会での検討を踏まえたカリキュラムの充実とともに、先日、移転場所を公表した消防学校の移転整備に取り組んでいくこととしております。令和6年度はその基本計画を策定してまいりたいと考えております。また、旧高田東高等学校が立地する大和高田市と、近日中に消防学校移転整備推進に関する協定を締結する予定でありまして、地元自治体としっかり連携しつつ着実に取り組んでまいります。 なお、先般大和高田市の堀内市長に、道路の拡幅についてご協力をお願いしたところ、喜んで協力するというお言葉を頂戴したところでございます。このほか、昨年9月の議会でご議決いただきました、県防災航空隊で運用している消防防災ヘリコプターの更新は、令和7年度の供用開始を予定しております。新機体の導入によりまして積載量の向上、具体的には積載量を5,100キログラムから約5,900キログラムへと、800キログラム程度の増加となります。それから赤外線装置の追加などによる探索機能の強化など、直接的な消防力の向上を見込んでいるところでございます。 私からの答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 清水県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(清水将之) (登壇)15番福田議員から、私に2問ご質問がございました。順次お答えします。 まず、1問目は小金打川の改修についてでございます。小金打川は橿原市曲川町を上流端とし、大和高田市松塚で曽我川に合流する、延長約2キロメートルの県管理の一級河川です。小金打川は川幅が狭く、断面積も小さいことから、豪雨の際の雨水を流下させる能力が不足しており、浸水被害が発生しています。直近では昨年6月の台風2号の豪雨により、市道が冠水により通行止めとなっております。浸水被害を解消するために、河川整備計画に基づき、おおむね10年に1回程度の確率で発生する洪水を安全に流下させるため、河道拡幅や河床掘削を行っています。 これまで、曽我川合流点から約320メートル区間の河道拡幅及び河床掘削を終えました。現在、その上流側約40メートルの護岸及び橋りょうの架け替えを施工しております。令和6年度は、さらにその上流側約50メートルの護岸を施工していく予定としております。それらの区間のさらに上流側では、河川改修に伴う河川の付け替えを予定しております。これにあわせて大和高田市が、河川の廃川敷地を活用し、河川に隣接する市道の拡幅を計画しておられますので、大和高田市や地元水利組合等と協議し、設計を進めているところでございます。 今後とも大和高田市松塚や、橿原市曲川町の浸水被害軽減が早期に図れるよう、市や地域の方々の協力を得ながら、小金打川の河川改修を推進してまいります。 2問目に、土木技術職員の確保に関するご質問をいただきました。全国的に土木技術職員の不足が生じておりまして、本県でも土木技術職員を十分に採用できていない中、どう対応していくかは重要な課題と認識しております。土木技術職員の確保に向けましては、現在リクルート活動の強化や、採用試験制度の改革に取り組んでいるところでございます。さらに令和6年度からは、3つの新たな取組もスタートすることとしております。 1つ目は試験制度の見直しでございます。職員採用試験における試験種目の見直しとして、民間企業で広く活用されている基礎能力検査、SPI等への移行を予定しております。また、公務員経験者を対象とした試験の創設もいたします。さらに、高等専門学校の卒業見込み者等をⅠ種受験資格に追加する受験資格の拡大も行ってまいります。このような取組によりまして、受験者にとって間口の広い制度へ見直しを行います。 2つ目に、土木職として入庁を志す学生に対し、大学等卒業後、奈良県庁で一定期間勤務するなどの条件を満たした場合に、貸付資金の償還を免除する修学資金貸与制度を創設します。 3つ目、入庁後に事務職から技術職への転換を可能とする人材育成の取組を導入します。一方、現場で起こっている様々な課題に対応していくためには、このような人員確保とあわせて、地域や市町村とのやり取りも多い土木事務所等の業務改善や効率化も重要でございます。このため、近年のデジタル技術を活用し、ウェブカメラ等を用いた遠隔臨場による工事現場監督、大雨等の際、遠隔操作で道路を通行規制する機械式ゲートの設置、道路損傷等の通報を効率よく処理できるLINE等を用いた通報システムの導入、水防業務時に職員が行っている河川情報連絡の自動化などにより、職員の負担軽減と業務の効率化や省力化に取り組んでいく予定でございます。また、業務のアウトソーシングなど、民間活用も進めており、土木工事にかかる積算補助や監督補助の外部委託、道路の定期パトロールと、小規模修繕工事や除草作業を一契約とする包括管理委託、道路・河川に関する相談・苦情受付等の一元化窓口の設置などにより、職員が直接的に対応する業務の負担軽減を図るなどの取組を進めております。 引き続き、土木技術職員の確保及び業務改善や効率化について、全庁的な働き方改革や、DX推進とも連動し、知恵を絞って対応してまいります。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 15番福田倫也議員。 ◆15番(福田倫也) ご答弁ありがとうございました。 それでは続けて、自席にて意見や再質問をさせていただきます。 まず、大阪・関西万博の機運醸成についてですが、なぜ今回、このような質問をさせていただこうと思ったのかといいますと、今回の大阪・関西万博については、実はまだ県庁の、しかも、その一部だけで盛り上がっているだけではないのかという思いを抱いたからです。本県が考える機運醸成に関しては、県内市町村の協力なくしては達成できるものではありません。一体となって盛り上げていかなければ、県が危惧されているように一過性のイベントにしかなり得ないのではないでしょうか。実際に職員の方からも、以前の愛・地球博のころに比べると、いまいち盛り上がっていないといった声も何件か聞かせていただきました。 理想を言いますと、各市町村の首長にも、こういったグッズを身につけていただいたりとか、役場の中に展示ブースを設置するなど、様々な工夫や協力をいただきながら一体的に進めていく必要があると考えております。県庁の入り口すぐのところにも、大阪・関西万博のポスターや旗など、開催まであと何日とかという展示もされているのですが、こういった取組をぜひ各市町村でもやっていただけないかということも考えておりました。 昨年、知事が代わりまして、方針も大きく変わり、ときには逆風の中でも様々な課題に向き合っておられるということは重々承知しておりますが、ご自身がリーダーとして先頭に立っていただきまして、大阪・関西万博による効果を最大限に発揮できるように、その推進に努めていただきたいというのが私の思いです。 そこで、知事の大阪・関西万博にかける思い、そして、知事ご自身がどう機運を高めていくかについて、お考えを教えてください。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 昨年5月の知事就任直後であります昨年の7月に、大阪・関西万博をテーマにした、奈良県・市町村長サミットを開催させていただきました。本県出身の河瀬直美映画監督に来ていただいたり、公益財団法人大阪観光局の溝畑理事長にご講演いただき、その後、溝畑さんや河瀬監督には懇親会にも残っていただきまして、私をはじめとして、県内の市町村長との懇親も深めていただきました。大阪・関西万博に向けて頑張ろうという機運が一定程度醸成されたものと認識しております。 また、昨年10月に中国の臨沂市で開催されました東アジア地方政府会合におきまして、私みずから大阪・関西万博の概要などについて、各国からの参加者に対してプレゼンテーションをさせていただいたところでございます。これまでも私みずから先頭に立って、大阪・関西万博の成功に向けて積極的に取り組んできたところでございますが、今後とも、大阪・関西万博が奈良県のさらなる経済発展の起爆剤となるよう、引き続き、あらゆる機会を捉えて情報発信等してまいりたいと考えております。 ○副議長(池田慎久) 15番福田倫也議員。 ◆15番(福田倫也) ありがとうございます。今後、県内のイベントですとか、記者会見の場でも、上着は非売品みたいですけれども、ポロシャツとかは買えるみたいなので、ぜひ、そういった場でもPRしていっていただけますと良いかと思います。 続いて、消防力の向上についてです。消防学校の移転に向けては、基本計画をこれから策定されて、近日中に大和高田市とも協定を締結して、実践的な訓練を行える施設として、これから整備していくというお答えをいただきましたので、引き続き丁寧に議論を進めていただきまして、充実した施設になるようにご期待を申し上げます。 そして、消防団員の人材確保に向けた取組についてですが、団員の処遇改善にも取り組まれる旨をご答弁いただきましたが、人材確保に向けては、若い世代へのアプローチも非常に重要ではないかと考えております。そこで、若い世代を消防団に呼び込むための施策としてお考えのものがあれば教えてください。特に学生や若者に対して、消防団の魅力をアピールするための具体的な取組があれば、併せてご答弁をお願いします。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 総務省消防庁におきましては、消防団の充実強化に向けた取組の1つとして、学生など、若い年代を含む幅広い住民の入団促進を掲げておりまして、各市町村において地域の実情に応じて取り組んでおられると認識しております。 県といたしましては、幅広い住民の入団促進に取り組む市町村に対し、国のモデル事業、これは消防団の力向上モデル事業という国のモデル事業ですけれども、その活用促進などを行っておりまして、今後とも消防庁と連携して市町村への支援を行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(池田慎久) 15番福田倫也議員。 ◆15番(福田倫也) ありがとうございました。ぜひとも、積極的に取組を進めていただきますようお願いいたします。 続きまして、小金打川の河川改修については、引き続き近隣住民の皆様のご理解をいただきながら、着実に進めていただきますようお願いいたします。 次に、大和高田市との今後の連携について、少しだけお伺いをさせていただきます。先ほど少しご答弁の中にもあったのですが、現在、小金打川に隣接する市道の高60号線は、途中から橿原市の市道、曲川町9号線、そして2号線へと接続しているわけですが、中和幹線から松塚駅の横を通りまして、橿原市にあるショッピングモール方向へ向かう道として、交通量も比較的多い道路でございます。また、その間に住宅が建ち並ぶ地域でもありますが、道路幅が狭い部分が多く、車同士の対向がしづらかったり、渋滞の発生や事故の危険性も高い道路であると認識しております。 そこで、続いての質問ですが、小金打川の河川改修にあわせまして、大和高田市が市道の拡幅を計画しているとのことですが、お話いただける範囲で、大和高田市の協議状況について教えてください。 ○副議長(池田慎久) 清水県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(清水将之) 河川改修に合わせまして、河川の付け替えを行います。その河川の横がまさに市道になっておりますので、もともと河川であったところを道路にすることによって道路の幅を広げるということで、道路の拡幅をしようということで、今、大和高田市との協議を始めました。具体には、昨年11月に協議を始めまして、そのようなやり方での工事をするという前提で、河川の予備設計を今年度、既に進めているというところでございます。 以上です。 ○副議長(池田慎久) 15番福田倫也議員。 ◆15番(福田倫也) ありがとうございます。ぜひとも、こちらも課題解決に向けて、よろしくお願いいたします。 そして、土木技術職員の方の人材確保についてもご答弁、ありがとうございました。優秀な人材の確保については、公共だけではなく、民間企業にとっても非常に重要な課題であると考えております。一方では、働き方改革を進めながら必要な業務を確実にこなしていかなければならないという、一見相反することに対しての取組についても一定理解いたしました。 今回のテーマとは少し外れるかもしれませんが、定年を迎えた職員に県庁に残っていただき、業務に従事していただけるような新しい制度の構築も、人材確保に向けた取組としては、今後重要になってくるのではないかと考えておりますので、これは意見として申し述べさせていただきます。 理想を理想のままやり過ごすのではなくて、現実のものにしていくことには困難が伴うことも多々あろうかと思いますが、引き続き取組を着実に進めていただきますようお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。   -------------------------------- ○副議長(池田慎久) 21番浦西敦史議員。 ◆21番(浦西敦史) 本日は、これをもって散会されんことの動議を提出します。 ○副議長(池田慎久) お諮りします。 21番浦西敦史議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○副議長(池田慎久) それでは、さように決し、明、3月5日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。 △午後3時41分散会...