奈良県議会 2024-03-01
03月01日-02号
令和 6年 2月 定例会(第358回)令和6年2月 第358回
定例奈良県議会会議録 第2号 令和6年3月1日(金曜日)午後1時1分
開議 -------------------------------- 出席議員(43名) 1番 永田 恒 2番 川口 信 3番 芦高清友 4番 金山成樹 5番 星川大地 6番 松木秀一郎 7番 山田洋平 8番 清田典章 9番 関本真樹 10番 疋田進一 11番 若林かずみ 12番 斎藤有紀 13番 伊藤將也 14番 藤田幸代 15番 福田倫也 16番 福西広理 17番 工藤将之 18番 中川 崇 19番 原山大亮 20番 小村尚己 21番 浦西敦史 22番 川口延良 23番 池田慎久 24番 西川 均 25番 乾 浩之 26番 亀甲義明 27番 大国正博 28番 小林 誠 29番 佐藤光紀 30番 清水 勉 31番 松尾勇臣 32番 米田忠則 33番 粒谷友示 34番 田中惟允 35番 荻田義雄 36番 岩田国夫 37番 中野雅史 38番 山本進章 39番 井岡正徳 40番 阪口 保 41番 藤野良次 42番 森山賀文 43番 山村幸穂
-------------------------------- 議事日程 一、請願の上程及び
所管常任委員会への付託 一、当局に対する
代表質問 --------------------------------
○議長(岩田国夫) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後6時まで延長します。
--------------------------------
○議長(岩田国夫) この際、お諮りします。 請願の上程及び
所管常任委員会への付託の件を本日の日程に追加することに、ご異議ございませんか。 (「異議なし」の声起こる)
○議長(岩田国夫) ご異議がないものと認め、さように決します。
--------------------------------
○議長(岩田国夫) 次に、請願2件を上程します。お手元に配付しております文書でご承知願います。 なお、請願は、調査並びに審査の必要があると認めますので、所管の
総務警察委員会に付託します。 お諮りします。ただいま
総務警察委員会に付託いたしました請願については、会議規則第39条第1項の規定により令和6年3月24日までに審査を終わるよう期限を付けることにしたいと思いますが、ご異議ございませんか。 (「異議なし」の声起こる)
○議長(岩田国夫) ご異議がないものと認め、さように決します。
--------------------------------
○議長(岩田国夫) 次に当局に対する代表質問を行います。 順位に従い、13番
伊藤將也議員に発言を許します。--13番
伊藤將也議員。(拍手)
◆13番(伊藤將也) (登壇)皆さん、こんにちは。お元気でいらっしゃいますか。そして、
奈良テレビをご覧の皆さん、また、インターネットを通じて県内外でご覧の皆さんにも、またお会いすることができました。奈良市と山添村が選挙区の
自由民主党・無所属の会、伊藤將也でございます。議長のお許しをいただきましたので、
自由民主党・無所属の会を代表して、知事に質問させていただきます。 私、伊藤は、去年9月県議会の一般質問、また12月県議会では、
関西広域連合に全面加入するための賛成討論、そして今回、2月県議会の代表質問と、壇上に立つのも3回目となりました。 しかし、新年度予算を審議する大事な今議会に、1年生議員があらわれる
自由民主党・無所属の会を心配される方もたくさんいらっしゃると思います。安心してください、大丈夫ですよ。多くの県民の皆さんと心は1つです。22人の会派全員が勉強と議論を重ね、奈良県政が思わぬ方向に向かわぬように決意を固めて臨んでおります。伊藤もその1人です。丁寧かつ分かりやすい言葉で、県民の皆さんの疑問を伝えてまいります。 それでは、
自由民主党・無所属の会の先陣を切り、代表質問に入ります。 私は、代表質問を進めるにあたり、どのような流れをつくるのか考えました。県庁、行政の仕事は、継続してこそ地域が豊かになっていくものです。そこで、過去、現在、未来、この3つの枠組みを意識しながら質問をまとめることにしました。県政を引っ張っていく新しい知事がここに座っているからこそ必要な作業と考えました。 まずは、過去です。昭和20年の終戦の後、奈良県で選挙で選ばれた知事は6人います。私が知るのは、柿本元知事、
荒井前知事、そして現在の山下知事です。
荒井前知事は、最初の知事選挙から、その後およそ16年間にわたって
奈良テレビの
アナウンサーとして取材を続け、最後は、県議会議員となり、県庁を後にする姿を見ることになりました。16年、それは様々な課題と直面した16年でした。 幾つか例を申し上げますと、
荒井前知事が就任してすぐに、赤ちゃんを抱えたおなかの大きなお母さんが救急搬送されたにもかかわらず、受入先の病院が見つからず、いい言葉ではありませんが、たらい回しにされるという問題が起きました。奈良県の医療が県民にとって十分でない現実があらわになり、医療の改善が最重要課題の1つとして進んでいきました。その結果、間もなく出産を迎えるお母さんから生まれたばかりの赤ちゃんまでをみる、いわゆる周産期医療や、新しい医療の拠点が県北部や県南部でも充実していきました。 2010年の平城遷都1300年祭では、大なたが振るわれました。当初、柿本元知事は、奈良市の平城宮跡に幾つものパビリオンをつくり、イベントを展開することを考えていました。その予算額はおよそ300億円。そこで
荒井前知事は、予算規模を100億円程度に縮小し、奈良県全体を会場にして地域を盛り上げる方針に転換しました。 また、
荒井前知事は、市町村とともに歩むことにも気を配りました。県と市町村は対等にあるという考えのもと、行政の仕組みや財政を支えるために、奈良モデルが打ち出され、連携・協働に弾みがつきました。 さらに、2011年の紀伊半島大水害。奈良県内では、南部・東部の山間部を中心に大きな被害があり、多くの命が奪われ、今もなお、行方が分からない人たちがいます。伊藤自身、
アナウンサーとして取材した経験は鮮明に記憶に残っており、複雑な気持ちがなくなることはありません。災害に強い地域をつくることは、奈良県政に課せられた重要な取組であり、五條市に計画される防災拠点は水害の教訓も生かされる取組です。 評価だけをしていてはなりません。負の側面もありました。それは、
荒井前知事までの奈良県のトップに共通して言えることで、やるべきときにやるべきことをやらなかった。道路や
スポーツ施設の整備の遅れなどは、その顕著な例です。 奈良県政を動かしていくには、県職員の皆さんだけでなく、専門家などの意見を取り入れ、客観的なデータと根拠をもとに地域の発展を考えることが必要です。そうした作業がしっかりと行われ、知事と議会が共通の認識のもと、去年の2月県議会で、今年度予算が可決されました。 しかし、山下知事は、今年度予算について、ご自身の判断で精査すると言い、数多くの予算について執行停止、一部を停止されました。でも、考えてみてください。山下知事が就任してから今日まで仕事ができたのは、議会が認めた予算があったからではないですか。議会軽視はあってはなりません。また、去年6月、9月、12月と県議会が開かれましたが、出てきた議案のほとんどが、国からの施策や前知事の方向性などに基づいたもので、申し訳ございませんが、山下知事の成果ではありません。前任者や県議会が敷いたレールの上を歩んだだけです。 このような状況の中で、山下知事が初めて本格的な予算編成をしました。注目の予算案です。
県民サービスの基本となる一般会計は、およそ5,440億円。事業の廃止・見直し、借金となる県債の発行抑制、財政の健全性を維持、大阪・関西万博など、山下知事の選挙公約に並ぶ言葉が、予算案のポイントや方向性として挙げられています。山下知事は、新
年度予算案をメリハリのある予算と表現していましたが、私なりに言い換えると、例えば、積極性に乏しい予算案で、就任から9か月余りの時間をかけて真摯に県民と向き合い、考えられたのか、疑問を感じます。 そこで、最初の質問です。 山下知事は、県民が豊かな暮らしを実感できるために、新年度、令和6
年度予算案をどのような方針をもって編成されましたか。予算案を組む過程、プロセスなども踏まえた上で、丁寧な説明をお願いします。また、重点を置いた政策や分野にどのようなものがあるのか、その必要性も伺います。 続いては現在です。今やるべきことを考えます。 県民の暮らしを守るために、
中小事業者の皆さんや県民の思いが、山下知事に届いているのか、考えてみました。 民間の
信用調査会社・
東京商工リサーチ奈良支店によりますと、奈良県内の企業の倒産件数は増加傾向にあります。特に心配されるのが、コロナ禍においてゼロ金利や優遇金利でお金を借りた事業者の皆さんです。およそ3年間のコロナ禍をしのいでも売上げが上がらず、返済のめどが立たない。しかし、金融機関は追加融資に応じてくれず、お店などを畳まざるを得ない。このような現状があるそうです。 山下知事は、新
年度予算案の中で、新しい産業政策と声高らかにうたい、およそ170の県内の企業や団体の
トップレベルから聞き取りをしたといいます。 しかし、県内の
中小事業者の皆さんの声が、今、本当に届いているのでしょうか。 物価の高騰は経営を圧迫しています。さらに、製品をつくるために幾らコストを削減しても、価格に転嫁できず、利益を減らしていく。コロナ禍が明けたといえども、お金のやりくりは厳しいまま。非正規雇用などで日々の暮らしに困る人たちや、社会的に弱い立場に置かれる人々は、今を生きることに精いっぱいです。新年度の歳出、県から出ていくお金の
社会保障関係費は、今年度の6月補正予算後の時点と比べると48億円余りも増えています。それだけ行政からの支援が、今すぐに必要とされているのです。 しかし、山下知事は、水素社会の実現など、夢を語るような可能性を強調するばかりで、地に足がつかない取組が予算全体を見ても幾つもあり、とても責任を果たすというには至っていません。 奈良県政の手が届かず、失われる命があってはならないのです。 さらに、今やらなくてはならないことに、防災があります。 災害の本質は予防にあり、災害は忘れる暇なくやってくる。この言葉は、大きな地震があった熊本県の
危機管理防災特別顧問の有浦さんが語ったものです。 有浦さんは、陸上自衛隊で知識と経験を積んだ人物です。私
たち県議会は、超党派で有浦さんのお話を聞きました。防災にとって、無関心や準備の不足が最大の敵と語っていたことを、この議場にいる皆さんと共有しました。 1995年の阪神・淡路大震災以降、日本は内陸地震の活動期に入ったと言われています。奈良県の地面の下には、大きな地震を引き起こす活断層が多数あることが確認されています。さらに大きな懸念が、
南海トラフ巨大地震で、予測も明らかになっています。 奈良県では、最大震度7から6弱の揺れが襲い、県民の命が危険にさらされます。だからこそ、常に今、進行形で防災を考えることは、行政や政治の責任であることを私たちは肝に銘じなければなりません。山下知事も、
関西広域連合の広域防災の副担当であり、よく理解されているはずです。 2月19日の夜、五條市内の体育館で、住民説明会が開かれました。赤い鉢巻きをして山下知事の方針に反対の姿勢を示す、五條市に計画される防災拠点の整備方法に納得ができない人たちの強い抗議の集会だと私は感じました。 遡ること1月24日、山下知事は
定例記者会見で、五條市で防災を展開する予定地に、巨大な
太陽光発電、
メガソーラーをつくる計画を公にしました。もともとはゴルフ場だった場所のうち、芝が短く刈られた
フェアウェイに、土地の切り盛りや造成をせずに、
ソーラーパネルを並べると言います。世界遺産にも近い五條市の風景が
メガソーラー。奈良県南部、山間部の美しい光景が
ソーラーパネルとなるのです。大変悲しいです。 では、本来の防災機能はどうでしょうか。大型ヘリ1機が離発着できる
ヘリポート1つと、備蓄倉庫。圧倒的に大きな大きな敷地でつくった
太陽光発電の電力は、蓄電池に貯め、災害時には避難所などに運ぶ。災害が起きていないときには、水素をつくる電力にすると聞いています。 脱炭素、
再生エネルギーという時代の流行を例えるような言葉をうたい、防災をおろそかにして、県民の命と財産を守る使命を放棄したに等しい判断です。 地元住民からは戸惑いの声が上がっています。
メガソーラーについては、反対の意見が県内外から伊藤の下に届いています。 そこで山下知事に伺います。 五條市に計画される防災拠点は、県議会、地元・五條市、さらには、国、大学の教授、研究者といった専門家を交えて、最悪の事態を想定し、議論を深め、人々の命を救うため、最善の整備の在り方を考えなければなりません。知事の考えを伺います。 さらに、防災を盾にした
メガソーラー整備は、県民の理解を得られておらず、到底、容認できるものではありません。蓄電池や水素の利用と活用についても、需要は非常に低く、その実現を主張するなら、明確な根拠を持ってご説明ください。 最後に、未来です。 高等学校の授業料などの
支援制度拡充には、12億円を超える予算が計上されました。 人や地域に投資することは、奈良県の将来へとつながる大切な視点で、知事と議会に相違はないと考えています。 磯城郡の3つの町で予定されていた、
大和平野中央田園都市構想は、それぞれ姿を変えました。田原本町は
運転免許センターの移転。川西町では世界的な
スポーツチームの関連拠点などを誘致する。そして、三宅町においては学生寮と企業誘致というアイデアになったようですが、地元や専門家と、土地利用について、本当に議論されましたか。 また、現在宇陀市にある消防学校は、大和高田市の旧
高田東高等学校があった場所に移るといいます。どのような理由でこの場所になったのか疑問です。 方向性の転換では、160を超える取組が、廃止または見直しの対象となっており、奈良市の平城宮跡での
平城京天平祭などは、県からの支援がゼロになりました。地域の人たちの長年にわたるご苦労を考えると、とても冷たい判断です。 県庁が進めようとする
まちづくりは、地元の理解と協力がなければ実現できません。新
年度予算案の発表までに、しっかりとした説明があったのか。今議会でも確認してまいります。 さて、
まちづくりにおいて、特に地方の自治体では、大きなイベントが契機になり、地域の発展と期待に応えることが多いようです。
国民体育大会、現在の
国民スポーツ大会はその1つで、奈良県でも1984年のわかくさ国体に続き、今から7年後、2031年に予定されています。開催に向けては、
荒井前知事の時代から検討が始まり、橿原市で
陸上競技場を新しく整備するといった計画が進もうとしていました。しかし、山下知事は、予算の執行停止を表明し、現在の
県立橿原公苑にある
陸上競技場は改修し、運動競技やコンサートといった多目的に使えるアリーナを新設するとして、新
年度予算案に盛り込みました。 しかし、施設整備に向けたスピードはとても遅く、来年度末が期限とされる競技会場の決定に、今でも大きな影響が出ていると考えています。 こんなデータがあります。
野村総合研究所が国内の106の都市を対象に、
スポーツ環境に関するランキングをまとめています。奈良県内では奈良市が対象都市となっています。 それによりますと、
スポーツ施設の充実度などをあらわす、スポーツをするという視点は43位です。次に、様々な国際、
国内競技大会を直接観戦できるといった項目である、スポーツを観るは91位、さらに、自治体や
スポーツ団体、民間企業などが一体となり
スポーツイベントの開催支援などをしているかを調べたスポーツを支えるは80位。
総合ランキングでも80位と、スポーツを取り巻く環境は十分ではないことが明らかで、施設整備は喫緊の課題です。
奈良県議会では、2020年3月に、第85回
国民スポーツ大会及び第30回
全国障害者スポーツ大会の招致に関する決議を全会一致で可決しています。 また、県内の
各種スポーツ団体からも、施設の充実などに対して強い要望があります。山下知事は、その声に耳を傾けていますか。 何よりも懸念しているのは、
子どもたちです。東京2020大会は、
新型コロナウイルスの影響で1年延期となりましたが、日本をはじめ世界各地の選手の活躍は、たくさんの感動をもたらしました。
子どもたちは感受性が豊かです。スポーツの選手はもちろん、勉強をして医師や通訳といった分野で支える仕事をしたいと考えたかもしれません。今年はフランス・パリでオリンピックとパラリンピックが開かれます。私は将来、世界的に活躍する
子どもたちをこの奈良県からたくさん輩出したいと考えています。しかし、現在、県内の
スポーツ施設は、わかくさ国体で止まったままの状態ともいえ、いくらいい選手を育てようとしても、トレーニングや試合は奈良県外を選択せざるを得ないようです。また、
スポーツ観戦は、今、エンターテインメントでもあり、その要素を踏まえた施設づくりは、地域振興などに大きく貢献します。 そこで山下知事に伺います。
子どもたちの夢や地域の未来などを考えた上で、
スポーツ振興をどのように考え、計画を立てようとしているのか、山下知事のビジョンをお聞きします。また、
国民スポーツ大会などに向けた
県立橿原公苑のリニューアルについては、山下知事の一方的な考えが先行しています。さらなる議論が必要であり、特に、新たに整備する施設の規模や内容と、改修と判断した施設の内容、その費用対効果などを具体的にご説明ください。 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、
自由民主党・無所属の会を代表しての伊藤議員のご質問に答弁させていただきます。 まず1点目の、新
年度予算案についてのお尋ねでございます。 令和6年度当初予算案は、奈良県の未来を担う若者が県外に流出せずに、県内に住み続け、県内で働いてもらえる、奈良県の持つポテンシャルを生かし、産業力・観光力を向上させる、現役世代や高齢者等の生活基盤を充実させる、そうした奈良県にしたいという強い思いを込めて編成したところでございます。 重点を置いた政策分野といたしましては、まずは、県民や事業者の安心と暮らしへの責任を果たすため、県民の命と財産を守る防災力の強化に取り組むことです。 次に、奈良県の子ども、若者の未来への責任といたしまして、こども・子育て支援や教育施策の充実など、未来を担う子どもに、奈良県に生まれてよかったと感じてもらえるよう、
私立高等学校授業料の実質無償化をはじめ、様々な施策を充実させたことでございます。 また、豊かで活力のある奈良県を創る責任といたしましては、農林業や観光業を含む産業施策を強化し、
県内事業者等の成長を支援するとともに、県外の企業を誘致し、県内に魅力ある職場を数多く創出していくこと。そうしたことを重点分野といたしました。 さらに、これらの3つの責任をしっかりと果たすために、
リニア中央新幹線奈良市附近駅の早期確定や、道路等の
社会基盤整備の加速化などのほか、県庁の働き方・職場環境の改革、さらに人材の確保なども強化していくものでございます。 これらの施策の立案にあたりましては、こども・
子育て推進本部や、働き方・
職場環境改革推進会議をはじめ、庁内の部局横断の議論を反映させるとともに、産業施策においては、職員が県内企業等を訪問し、直接聞き取ったニーズや課題をもとに施策を再構築したところでございます。 また、新
年度予算案では、未来への投資を積極的に行う一方で、なるべく将来世代へ負担を先送りしないことを心がけました。 そのため、徹底した行財政改革に取り組み、県債残高の縮減に努めるとともに、既存事業の見直し等により財源を生み出すことによりまして、昨年度に引き続き、
財政調整基金からの繰入れを行うことなく予算案を編成し、財政の健全性を確保いたしました。 新
年度予算案に盛り込んだ施策を確実に実施し、県民が暮らしの豊かさを実現できるような奈良県づくりに、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。 2点目の、県民の暮らしを守ることや防災のお尋ねについての答弁でございます。 これまで、紀伊半島大水害等の検証も踏まえ、県内で災害が発生した場合に、
広域防災拠点等の既存の施設が十分機能を果たせるのか、検討を進めてまいりました。 1月24日には、防災機能の強化のため、
県立橿原公苑を
中核的広域防災拠点として活用していくとともに、五條市の県有地を活用し、大型ヘリの離着陸が可能なヘリポートや、備蓄倉庫等の整備、可搬型蓄電池を活用した災害時の非常用電源の確保などの方針を公表したところでございます。 来年度は、県全域におきまして、災害時に多くの応援部隊や支援物資の円滑な受入れをするための広域的な受援基本方針の策定や、五條市県有地における受援機能の確保やその規模、配置などの検討を行うこととしております。 具体的には、本県で想定される災害ごとにおける
中核的広域防災拠点及びその他の
広域防災拠点との役割分担や、拠点間の連携体制などの基本方針を策定するとともに、五條市県有地に導入する防災機能の具体化を行ってまいります。 これらの検討にあたりましては、防災に関して知見を有する、
地域防災計画策定検討委員会の委員の先生方からのご意見もいただきながら検討を進めていく予定でございます。 また、県議会や地元五條市に対しましては、県有地の活用に係る検討状況につきまして、進捗に応じて必要な説明を行ってまいります。 なお、非常用電源につきましては、災害に伴う送電線の断線等に際しても
太陽光発電であれば運用可能なことなどを引き続き説明するとともに、
太陽光発電施設整備に係る
環境アセスメントにおける地元首長、住民、専門家の
意見聴取手続の中でも、五條市県有地の新たな活用に対する理解が得られるように取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、蓄電池や水素についてのお尋ねに関する答弁でございます。 電気は貯めることができず、常に発電量と使用量を一致させる必要がございます。その差を調整する手段として蓄電池と水素があり、それぞれ需要と必要性があると考えております。 住宅や事業所等に設置される
定置用蓄電池の国内での累積導入量は、2015年度が約1,200
メガワットアワーに対しまして、2021年度では約6,000
メガワットアワーと約5倍となっております。 また、本県において、平成26年度から
家庭向け蓄電池の設置補助を行っておりますが、近年は募集開始と同時に予算額を上回る応募があり、抽せんを行っている状況でございまして、
家庭用蓄電池の需要は高まっていると考えております。 次に、水素についてでございます。まず、水素の
エネルギー源としてのメリットについて説明させていただきますが、分かりやすい説明のためにモニターを使わせていただきます。 水素の
エネルギー源としてのメリットでございますけれども、水素が持つ3つの特性を、まずご紹介させていただきます。 まず、水素は、様々な資源からつくることができます。水、化石燃料、メタノール、下水汚泥、廃プラなどからつくることができます。したがって、我が国のエネルギー安全保障に資するものでございます。次に、エネルギーとして利用してもCO2を排出いたしません。さらに、
太陽光発電等の出力調整ができない電力の余剰電力をためることができます。これが水素のメリットでございます。 ただ、伊藤議員お述べのとおり、現状では、我が国における水素の需要は多いとは言えません。しかしながら、世界各国及び日本は、将来、間違いなく水素社会が到来することを見据え、大胆な水素戦略を打ち出しております。具体的にはスライドを使ってご説明させていただきます。 世界各国の水素戦略でございますけれども、まず、ドイツは2023年7月に国家水素戦略を策定いたしまして、2030年までに少なくとも10ギガワットの水素製造能力を目指すと打ち出しております。また、国内への水素技術への投資が70億ユーロ、約9,500億円を投資すると打ち出しております。また、アメリカにおきましては、超党派で制定いたしましたインフラ法、これは2021年11月に制定されておりますが、これにおきまして、グリーン水素関連プロジェクトに対し5年間で95億ドル、約1.24兆円を投資すると表明しております。次に、EUでございますけれども、欧州共通利益に適合する重要プロジェクトとして2022年7月と9月に水素戦略が承認されておりまして、官民で水素技術革新へ260億ユーロ、約3.51兆円を投じると表明しております。また、インドにおきましても、2022年2月に水素推進政策というのを打ち出しておりまして、グリーン水素やアンモニア用の再エネ優遇策を発表しているところでございます。 このように、今、世界各国が競って地球温暖化対策、脱炭素に向けて、水素が有用であるということで、様々な戦略を打ち出し、巨額の投資を打ち出しているところでございます。引き続きモニターで説明させていただきます。 我が国におきましても、世界で初めて水素基本戦略を2017年12月に策定しておりまして、それを、昨年2023年6月に改定しております。サプライチェーンへの官民による投資金額は15年間で15兆円、1年平均1兆円を投資するという計画を打ち出しております。そして、水素の年間導入量の目標といたしまして、発電・産業・運輸などの分野で幅広く利用するとして、現在、約200万トンであるものを2030年には最大300万トン、2050年には2,000万トンにすると打ち出しているところでございます。 このように、世界各国がしのぎを削って、水素の製造、供給、活用に、今、軸足を移しているわけでございまして、今後、間違いなく水素社会が到来することは疑う余地がございません。そうした世界や日本の取組を奈良県が先取りすることで、奈良県の産業力が他府県に先んじて大いに発展すると、そういう見込みのもと、この事業を打ち出しているわけでございます。 現在の需要が少ないからといって、ただ指をくわえて他府県や外国がやることを見過ごしているだけでは、奈良県は他の府県に先駆けて発展するということは、到底望めないものでございます。使う機会があるかないか分からない2,000メートル級の滑走路をつくることよりも、ずっとずっと有用な投資であるというふうに確信をしている次第でございます。 また我が国は、2050年カーボンニュートラル実現を国際公約に掲げておりまして、本県も同様の目標を掲げております。この目標を達成するためには、再生可能エネルギーの導入量を拡大する必要がございますが、その多くは出力を調整することができず、電力需要が少ないときは、一部の再エネ発電施設を送電網から切り離して出力を制御しております。そうした出力制限量が近年増加しております。この無駄にしている電気を水素に転換して貯留することができることから、水素は再エネ導入量の進展に伴い、需要が高まっているところでございます。 ただし、出力制御量につきましては、九州電力管内が我が国全体の71%を占めておりまして、現時点では、関西電力管内ではほとんど行われておりません。 日本は、多くの化石エネルギーを輸入しているわけでございますけれども、再生可能エネルギーは、世界的に地域偏在性が少なく、日本にも一定のポテンシャルが存在いたします。そのような特性を持つ再生可能エネルギーを使って水素を製造することは、エネルギー安全保障の観点からも重要で、先ほども説明したとおり、国は15年間で官民で15兆円を超える水素関連の投資を行うとしており、今後、大きな市場の形成が見込まれるところでございます。 また、つい先日でございますけれども、本年2月13日に閣議決定した、いわゆる水素社会推進法案におきましては、既存の化石燃料と水素の価格差を補う値差支援に5年間で4,600億円、15年間で3兆円を投じるとしておりまして、国のてこ入れの本気度が、こうした法案や金額からも十分に読み取れるわけでございまして、今後、確実に水素の流通量が増大する。これを見据えて、我が県が他府県に先んじて水素に投資していくということでございます。 さらに、スライドをご覧ください。現在、産業界も、再生可能エネルギー100%で発電した電気を求めております。したがいまして、再生可能エネルギーの供給量を拡大することが、奈良県の産業の発展にも資することは明らかでございます。 再生可能エネルギー100%の電力で事業活動することを目指す主な企業といたしましては、スライドに記載のとおり、建設業では大和ハウス工業株式会社、製造業では積水化学工業株式会社やパナソニック株式会社、小売業ではイオン株式会社や株式会社セブン&アイ・ホールディングス、金融・保険業では第一生命保険株式会社、サービス業では楽天株式会社などとなっております。そして皆さんがお持ちのiPhoneを製造しているアップルは、もう再生可能エネルギー100%由来の電力でつくった部品しか購入しないということを表明しているところでございます。 こうしたことから、脱炭素に向けた県内企業の主な声を拾ってみましても、スライドに書いてございますとおり、サプライチェーン上や顧客企業からもグリーンエネルギーの確保が求められ、対応が必要という多くの声をいただいているところでございます。 このような動きを捉えまして、来年度から、一定の水素需要が見込まれる地域を重点戦略地域として位置づけ、官民連携で水素需要の塊を作り出す取組をしていきたいと考えているところでございます。 五條市の県有地を活用した
太陽光発電施設の設置や、本県の水素戦略につきましては、数多くの大企業から問合せをいただいており、その反響の大きさから、この計画が民間のニーズに合致しているものとの確信を強めております。 また、私の元には、すばらしい計画であるとの賛同の声が多くの県民から寄せられておりまして、五條市の地元説明会での反応との間にギャップを感じているところでございます。 これらのことから、本県の持続的な発展のためには、再生可能エネルギーの供給拡大と水素社会の実現に向けて、今、歩みを踏み出す必要があると考えております。 次に、4点目、
まちづくりや
スポーツ施設の整備についてでございます。 スポーツの持つ価値は多様で、あらゆる世代の健康増進につながるとともに、精神力も鍛えられ、特に子どもや若者にとっては、豊かな心、身体、思考力を育むなど、人間形成に大変重要なものであると認識しております。
スポーツ施設の整備についてでございますが、
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会の競技施設は、改修等により、可能な限り既存施設を有効活用することが、私の知事就任当初からの考えでございます。 一方、大会終了後も見据えまして、県民が様々なスポーツに快適に取り組める環境を充実する必要もあると考え、去る1月4日に
県立橿原公苑のリニューアル整備方針を発表したところでございます。 具体的には、現在の2つの体育館は、統合してアリーナを新設し、
国民スポーツ大会の開催基準を満たすメインアリーナ等を配置する予定でございます。 なお、アリーナの面積や観客席数につきましては、次の3つの観点を踏まえながら検討していくことが重要と考えております。 1点目は、県民からプロに至るまでのスポーツ利用の観点。2点目は、音楽等スポーツ以外のイベント利用の観点。この2点につきましては、利用者側、観る側の双方の意見を丁寧に聞いてまいりたいと考えております。 また、3点目は災害時の利用の観点でございます。これら利用者側、観る側の意見に加えまして、他府県にあるアリーナの事例や、ゼネコンやシンクタンク等の聞き取り調査を行うなど、様々な立場の方の意見を参考に、規模や機能の検討を進めてまいります。 また、野球場につきましては、外野グラウンドの拡張やバリアフリー化等の改修、
陸上競技場につきましては、トラックのリニューアルやバリアフリー化等の改修を行います。 なお、これらの計画では、従来の荒井知事時代の計画に比べまして、約300億円の削減ができる見込みでございます。 今般のこの改修計画を県の担当職員が
スポーツ団体の関係者等に説明したところ、アリーナの新設、武道場の整備、野球場の拡張等については、競技団体からの要望を反映していただいており、大変ありがたいとの声をいただいております。 さらに地元からは、全国規模の大会が開催される機会も増えることで、ハイレベルな競技を間近で観る機会が増える、地域が盛り上がるなどの歓迎の声をいただいているという報告を受けております。 この検討に要する経費は、令和6年度の当初予算案に計上しており、今後は議会をはじめ様々な関係者の皆様にも、丁寧に説明しながら進めていくことといたします。 壇上からの答弁は以上でございます。ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) それでは、自席からの再質問に入ります。 まず、予算編成方針、予算全体について伺ってまいります。 まず、山下知事。知事そして県議会議員の仕事というのは、どういったものでしょうか。どうお考えでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 地方自治法に基づく権能を申し述べますと、知事は予算を編成し執行するということになろうかと思います。もちろん、人事その他の調整もいたします。 県議会におきましては、知事から出される議案や議員提案の議案を議決すると、簡単に言うと、これが地方自治法で定められた権能でございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 県議会では、奈良県全体のことを考える。五條市の防災拠点も同じです。 先日2月19日、五條市の防災拠点住民説明会が開かれました。私は住民説明会に参加しておりましたが、その最後、山下知事は、伊藤議員は奈良市選挙区選出の議員で、ここでは関係ないではないですかと発言されました。奈良市の議員が奈良県南部のことを考えては駄目なのでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) そのときの経緯を振り返ってみますと、まず、あの説明会は地元説明会でございます。地元住民に対して事業を説明するための機会でございます。 そうしますと、県議会の議員方にはここで説明し議論をするわけでございます。 会議開始前に、五條市民でもある斎藤有紀県議会議員から、住民説明会の最後で発言をしたいという申し出があるということを県の職員から聞いたので、斎藤議員は五條市民であり五條市選挙区選出の県議会議員であるから、発言するのは問題ないでしょうということで発言していただきました。 当初午後8時半までの予定でおりましたが、時間が予定を過ぎ午後8時35分か午後8時40分ぐらいになっていたと思います。午後9時までにあそこの会場を明け渡さなければならないというふうに、五條市役所から言われておりました。そこで、司会をしていた広報広聴課長が、これで住民説明会を終わりますと、打ち切ったわけでございます。 その後、伊藤議員は、自分の隣にいる県の職員からおもむろにマイクを奪い、どんな質問をされたか覚えておりませんが、何か質問をされたわけでございます。地元説明会が終了した後に、指名もされていないのに、県の職員のマイクを奪って勝手に発言をし、そしてそれに対して、なぜ知事は答弁をしないのですか、答弁してくださいというふうに言われましたので、いやいや伊藤先生、ここは地元説明会なのだから、地元住民ではない伊藤先生の質問に答える義務はございませんと、そのように申し上げたところでございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 当日の住民説明会、地元に限るとは聞いておりませんでした。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) だけど、正面の看板には地元説明会とありますし、県からのアナウンスでも地元説明会となっていましたし、それは伊藤先生の認識が誤っていたというほかございません。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) では、あの場にいた地元以外の方も認識が間違っていたということですね。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 終了の宣告があるまでに、五條市民以外の方でご発言された方はいなかったと認識しております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) その点については確認いたします。 進行を務めていた広報広聴課長、それから住民の皆さんにご迷惑をおかけしたことは大変おわび申し上げます。 しかし、山下知事。あなたの、ここでは関係ないではないですかという、県議会議員に対する発言、撤回してください。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 撤回するつもりはありません。 住民説明会で、住民でもない県議会議員が、しかも会議の終了宣告後に指名もされていないのに、勝手に県の職員からマイクを奪って発言すると。これは、県議会議員である以前に、一般の常識ある人としていかがな行動かというふうに思います。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) あの1時間半の議論で、知事と地元で納得のいくお話ができていましたか。それを継続してやってくださいと言ったのが、私の主張であります。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 予算執行査定の結果を公表したときから、地元の五條市長も従前の計画どおり2,000メートル級の災害目的のみの滑走路をつくってほしいと言っておられましたし、今般、県が発表した新たな土地利用計画について、事前に地元自治会の役員の方々、そして五條市役所の幹部職員の方々に説明したときも、従前のもともとの荒井知事時代の案でやってほしいという意見を聞いておりましたので、こちらの考えは十分に説明させていただいたつもりですが、もともと県の計画には反対であるというスタンスでこられていましたので、なかなか両者の距離は埋まらなかったものと認識しております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 住民説明会で、それから今議会で、私たちは2,000メートル級の滑走路について議論するつもりはありません。おかしいんじゃないですか。2,000メートルの滑走路とは一言も私たちは言っていません。あの説明会でも地元住民の皆さんから出ていないはずです。山下知事が2,000メートルの滑走路と強調していたのです。空港をつくると言って強調していたのです。 これ以上お話を続けると長くなりますので。市民マラソンで十津川村には行くけれども、災害現場の下北山村には視察にも行かない、行く予定も立てていない。山下知事の奈良県南部・東部に関する考えが、今、よく分かりました。 質問を続けます。
大和平野中央田園都市構想です。 まず、田原本町への
運転免許センターの移転ですが、橿原市の亀田市長と、記者発表の前にしっかり議論されましたか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真)
運転免許センターの移転につきましては、本年2月22日付で、橿原市長から要望書をいただいております。 そこにはこのように書かれております。令和5年4月以降、協議をすることもなくなり、令和5年11月頃に橿原市内の移転候補地が選定対象外になったとの連絡はあったものの、橿原市内から他市町村に移転するかどうかについて何度確認しても教えてもらうことさえできず、記者会見日の3日前に当たる令和6年1月12日になって初めて知らされる結果となりましたと。こういうふうに亀田市長の要望書には記載されているわけでございます。 しかしながら、
運転免許センターの移転の事業を中心となって行っております奈良県警察本部の警務部に問合せをしたところ、令和5年4月13日、これは私が当選した知事選挙の4日後に、県警察の担当者が橿原市役所に出向きまして、このように言っているわけでございます。山下知事が当選されたことから、知事が
運転免許センターの移転について今後どう判断されるかは不明であると。それに対して橿原市役所の担当者は了解したと。 それから当時、橿原市内に移転するということが計画されており、橿原市内のある場所が候補地になっておりまして、地権者は、そこの土地を
運転免許センター用地として購入してもらえるものと期待していたというような状況がございましたことから、橿原市役所の担当者が、地権者で構成される
まちづくり協議会の役員会総会に出席していただきたいというふうに県警察の担当者に言ったところ、新知事による事業執行停止が実施されれば、
大和平野中央田園都市構想で取得した県有地の利活用についての検討も必要となることが予想されるため、役員会等への出席は時期尚早であると、状況に変化が生じれば連絡するというふうに伝えまして、橿原市の担当者は了解したというふうに言いました。 また、同じときに、県警察の担当者が
大和平野中央田園都市構想の田原本町の土地はもともと県警察でも
運転免許センターの移転候補地として挙げていたが、県がサッカースタジアムを建設するとして既に購入していたため、県警察では候補地から除外した経緯があると。知事による事業査定により、サッカースタジアムの建設が停止となれば、県から同地での新
運転免許センターの建設を打診される可能性が高く、そうなれば県警察として同地での移転建替を検討していくこととなると思われる。これに対して橿原市の担当者は了解したと、こういうふうに言っているわけでございます。 ちなみに、これはまだ私は知事に就任しておりませんので、私が指示したものではございません。私の選挙公約を見た県の財政課や県警察本部が、こういうふうになるということも十分にあり得ると予測して、そういうことにもなり得るので、お含みおきくださいということを、わざわざ丁寧に橿原市役所の担当者に言いに行ったわけでございます。 さらに、その後、何度も橿原市役所の方から、この
運転免許センターの移転に関しては県警察の担当者に電話での問合せが入りました。今、
運転免許センターの移転の状況はどうなっているのですかと。それに対しまして、県警察の担当者の方から、その都度丁寧に検討状況を伝えております。 9月23日には県警察の担当者が電話で橿原市役所の担当者に対して、
大和平野中央田園都市構想を担任事務とする副知事から新
運転免許センターが必要とする敷地面積等について報告を求められたといったことも伝達しておりまして、こうしたことから、移転先がこの
大和平野中央田園都市構想の用地であるということは、この時点でも十分、橿原市役所の担当者に伝わっているはずでございます。 さらに、昨年11月15日でございますけれども、これは県警察の担当者が橿原市役所に出向きまして、このように説明しております。県の未利用地が多数ある中で新たに税金を投入して
運転免許センターを整備することは困難との結論に至ったと。移転場所については、現段階で具体的に伝えることはできないが、利用計画が決まっていない県有地に
運転免許センターを整備することとなるので、これまでの貴市との協議事項については白紙となる旨、丁重にお断りを入れたと。橿原市に対して丁重にお断りを入れたということは、橿原市以外の県有地に移転するという趣旨を伝えたことは明らかでございます。これに対して、橿原市役所の担当課長はこのように述べております。当方も公金を扱う立場なので、県警察の判断は致し方ないと考え、逆の立場であれば当方も同じ判断をしたと思うというふうに回答しております。 それから、今年の1月12日に今度は県警察の部長以下担当者が橿原市長と副市長を訪ねて、このように言っております。長きにわたって橿原市でお世話になっていた県警察の
運転免許センターがこのほど田原本町に移転することが決まりましたので、正式に市長に報告に上がりましたと、こういうふうに言っているわけでございます。 そうすると、亀田市長が私あての要望書に記載した、令和5年4月以降は協議することもなくなり、令和5年11月頃に、橿原市内の移転候補地が選定対象外になったとの連絡があったと。4月3日から11月まで全くやり取りがないかのようなこの記述は、虚偽であるか、あるいは橿原市役所の担当者が市長に報告をしていない、このいずれかであるというふうに言わざるを得ません。 また、要望書には、橿原市内から他の市町村に移転するかどうかについて何度確認しても教えてもらうことさえできず、記者会見日の3日前に当たる令和6年1月12日になって初めて知らされる結果となりましたというふうに書いているのですが、遅くとも、令和5年11月15日の時点では橿原市外の県有地に移転するということをはっきり伝えているわけですから、3日前に橿原市外に転出するということを知ったと。これは明らかに虚偽であるか、橿原市役所の担当者が市長に報告を上げていなかったかのどちらかであると言わざるを得ません。 こうしたことを踏まえますと、県といたしましては、十分に
運転免許センターの移転につきましては、橿原市役所の担当者に説明していたわけでございまして、説明が足りていない、丁寧な説明がなされていないといった橿原市長の要望書の内容については、非常に不快感を感じた次第でございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 県警察の方にお話を伺いました。県警察は8月上旬まで橿原市内での移転を考えていたそうです。8月25日に、知事が突然、田原本町に
運転免許センターを移転すると言ったそうです。これはいかがですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) そういった報告は県警察からは受けておりません。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 警察本部長に質問はできませんので、後ほど確認いたします。 11月15日に担当課長に説明をして、その後1月12日に県警察の方から橿原市役所に行って移転の説明があった。この間、亀田市長、トップに対してしっかりとした説明と判断を仰ぐべきだったのではないですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 1つ前の伊藤議員の質問に対する答えですけれども、先ほども説明したとおり、県警察や財政課では、
大和平野中央田園都市構想が白紙になるので、田原本町の土地がその候補地になるかもしれないということは独自に予測していたということは先ほど申し上げたとおりですが、私が初めて、
大和平野中央田園都市構想の田原本町の用地で検討したらどうかというふうに伝えたのは8月25日でございます。それ以前には私から明確なことは言っておりません。ただその後は、田原本町を有力候補地に加えて、橿原市内の用地との比較検討がなされたものと認識しております。 すみません、1つ前の質問をもう1回お願いします。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 時間がもったいないので次に行きます。 田原本町の
運転免許センターの移転後の
まちづくりをどのように考えていらっしゃいますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) それは新ノ口にある現在の
運転免許センターの跡地利用のことをおっしゃっているのですか。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 新ノ口もそうですし、田原本町に移転した後の田原本町での
まちづくりをどのように考えていますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 田原本町につきましては、先般、記者発表もし、資料も議員にお届けさせていただいたとおり、新ノ口にある
運転免許センターの機能に加えまして、奈良市柏木町にある県警察の機能、それから宇陀市にある県警察の音楽隊の機能、そうしたものをあそこに集約するという形で、今、計画を練っているところでございます。 新ノ口の現在の
運転免許センターの跡地の利用については、まだ何も決まっておりません。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 現在の橿原市の
運転免許センターは長年にわたり地域の住民の皆さんにお世話になりました。その感謝の気持ちを持たなければなりません。 また、新たに
運転免許センターが移転する田原本町でも、周辺の
まちづくりを考えていかなければならない、それが
まちづくりではないかと思いますが、その辺りはどのようにお考えになっていますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 伊藤議員ご指摘のとおり、当然のことながら、田原本町での新しい
運転免許センターの開設にあたりましては、地元田原本町をはじめとする皆さんと、いろいろな協議をしていきたいと思っておりますし、新ノ口の現在の
運転免許センターの土地の利活用につきましても、地元橿原市と様々な協議をしていきたいと考えております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 田原本町の土地ですが、周辺は市街化調整区域の農地です。そう簡単に開発はできないと思いますが、どう考えていらっしゃいますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 自治体が開発主体となる場合は、土地利用規制の緩和は、民間がされるよりも比較的簡単にできると担当課から説明を受けております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 三宅町に移ります。 三宅町の学生寮と企業誘致、それぞれの見込みを教えてください。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 三宅町の学生寮につきましては、県内の国公立大学や奈良工業高等専門学校に対するヒアリング、あるいは県内で学生寮を有している私立高等学校等にヒアリングをいたしました。その結果、寮が足りないという声をいただいており、そうした寮を県で整備していただけると大変ありがたいというような声を聞いておりまして、現時点では100名ぐらいの規模を予定しているのですけれども、十分それぐらいの応募者はあるだろうと考えております。 今回の学生寮は、単なる学生寮ではございませんで、複数の大学や複数の高等学校、そうしたところの学生や生徒が集まる、そこで交流が生まれると。さらにそこに、ベンチャー企業の拠点をつくるわけです、学生寮の中に。ベンチャー企業をこれからやろうとしている若手の起業家と、大学生や大学院生、高校生が交流をする。あるいは、大学生とか大学院生の間からよい人材を見つけたいと希望している企業がたくさんありまして、そうした企業が寮生向けに様々な企画をやってくれると。そうしたことで、県が用意する寮はただ単なる住まいではなくて、そこで既存の企業やこれから大きくビジネスを展開しようとしている起業家と学生との交流が生まれることで、奈良県で新たなビジネスが展開するということが十分期待できますし、また、高校生、大学生、大学院生のときから、そういう企業と交流することで、学校を出ても県内で就職しようと思われる学生が多く生じるだろうと考えておりまして、こうした施設を望む声というのは、県内外の大企業やスタートアップ企業、それから教育機関からあります。県内外の大企業には25社ヒアリングをしております。スタートアップ企業には5社ヒアリングをしております。教育機関は9機関ヒアリングをしておりまして、いずれの機関からも、かなり前向きなご意見をいただきましたので、十分成功するだろうという見込みのもと進めているものでございます。 企業誘致につきましても、具体的な名前を現段階で明らかにすることはできませんが、学生や新興企業、ベンチャー企業が集まる拠点ができるなら、ぜひその近くに進出したいと強く望んでいる大手企業がございまして、ですから、このプロジェクトは必ずや成功するものと確信しております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 学生寮ですが、担当課に聞くと、奈良工業高等専門学校の希望が40人から50人あるそうです。大和郡山市につくればいいのではないですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 奈良工業高等専門学校以外にも、例えば、奈良先端科学技術大学院大学、あるいは奈良女子大学、あるいは奈良県立医科大学、あるいは奈良県立大学といったところからも寮生が来ることを予測していますので、そういう意味で言いますと、三宅町はちょうど地の利としては中間地点ぐらいにありますので、大変利便性が高いかなと思っております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 大学から遠い場所に寮は借りないと思いますが。この三宅町の取組ですが、地元にどのような還元策があるのですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 当然、地元には、新たに企業が進出することで雇用が生じますし、学生が集まること、あるいはベンチャー企業が集まることで、そこで例えば、いろいろな飲食とか買物のニーズも高まるでしょうし、ベンチャー企業がそのまま三宅町で新たにオフィスを構え、そこを本社とするといったことも考えられるわけでございまして、三宅町で商売をされる企業が増えるということ、また、人が集って、いろいろなにぎわいが生まれるということが予想されるものと考えております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 三宅町の方にお話を聞きますと、期待感はあるが、また裏切られるような気持ちもあるとおっしゃっていました。 前知事時代に磯城郡3町との覚書が交わされていると思うのですが、山下知事、この覚書の認識はどのように考えていらっしゃいますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 覚書については、具体的な権利義務、県にこういう権利があり、町にこういう権利があり、あるいは県や町にこういう義務があるといった具体的な権利義務を定めたものではなくて、単なる紳士協定であると、法的な効力は全くないと、そういうふうに認識しております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) ということは、山下知事がこれから交わされる覚書も、そのような紙切れのような扱いだということですね。 次に行きます。 宇陀市にあります消防学校の旧
高田東高等学校跡への移転、どうしてこの場所を選ばれましたか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) さきほどの
運転免許センターの移転については、その場の流れで答えてしまいましたが、
運転免許センターについても消防学校の移転についても、もちろん他の議員から聞かれる予定で答弁は準備しているのですけれど、要するに伊藤議員からの質問通告には含まれていないのです。 質問の通告の趣旨と違うことを、2問目、3問目で自由に聞いていいのだったら議会のルールはなくなるのではないですか。いかがですか、議長。
○議長(岩田国夫) 今の話は入っているのではないのか。初めの予算の。 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 今
年度予算案について審議をする、今議会です。私は、今
年度予算案について、最初に知事の予算編成方針を聞きました。その中にはすべてが含まれていると考えています。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) わかりました。資料を出しますので、少しお時間ください。
○議長(岩田国夫)
伊藤將也議員に聞きます。今の質問は、消防学校を
高田東高等学校跡になぜ決めたかという理由を聞いておられるのですか。
◆13番(伊藤將也) 予算に関連してそのように聞いております。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) きょう質問される予定の議員の答弁案にはなかったので、私の記憶の範囲で答えます。 まず、宇陀市に現在ございます消防学校は、建物も訓練施設も非常に老朽化しておりました。これは、移転・建替をしなければならないということは、私が知事になる前からそういうふうに県の担当部局は認識していたと私は聞いております。 その上で、移転をするにあたっては、もし県の未利用地で使えるところがあるのであれば、そこから候補地を見つけ出すというのが、これまでも、県のそういう事業を進めるにあたっての常道でございます。わざわざ土地を新たに買うのではなく、県の未利用地から候補地を選定すると。そういう観点で、五條市の県有地も含めまして、県の未利用地を洗い出して、それが消防学校の用地として適しているかどうかについて、すべて点数をつけまして、そしてその結果、
高田東高等学校跡が最も多くの得点を得たということで、担当の消防救急課の方から
高田東高等学校跡に消防学校を移転したいということが申し出られましたので、分かりましたと言ったわけでございます。 その採点表は、先般、誰か別の議員から資料提供要求がありましたので、それは既に開示させていただいております。以上でございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 旧
高田東高等学校ですが、浸水被害も想定されています。それから、入っていく道路も大変狭くて、消防車1台もなかなか通れない。なぜこの場所になったのか、もう少し明確に教えてください。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 浸水想定エリアですけれども、この旧
高田東高等学校の用地については、既に土地のかさ上げをされております。ですので浸水リスクは少ないという判断になりました。 進入道路に関して、確かに幅員が狭いところもあるのですが、大型車両が全く通れないような幅員ではないというふうに聞いております。 先般、大和高田市の堀内市長とこの件についてお話をさせていただきまして、私から、道路の拡幅についてご協力をお願いしたいというふうに申し上げたところ、それは当然のことなので喜んで協力させていただきますというお言葉を頂戴したところでございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 一方、宇陀市の金剛市長とはお話されましたか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 宇陀市の金剛市長には担当職員の方が事前に説明して、消防学校の移転については予想していたというコメントをいただいております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 山下知事は、すべてが担当職員が行っている。直接話をするということはしない人なのですね。
県立橿原公苑のリニューアルに移ります。 新
年度予算案でアリーナの基本計画をつくるということは、現時点で議論のたたき台、構想というものはありますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 具体的な計画につきましては、令和6年度に策定していく予定にしておりますけれども、現時点で考えている案につきましては、先般、記者発表をさせていただき、議員にもお届けした資料のとおりでございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 山下知事は、橿原市のアリーナ、収用人数は何人を考えていらっしゃいますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) それは、先ほどの質問に対する答弁でもお答えさせていただきましたけれども、3つの観点、県民からプロに至るまでのスポーツ利用の観点、それから音楽等スポーツ以外のイベント利用の観点、3点目は災害時の利用の観点、そうした観点を踏まえた上で、他府県にあるアリーナの事例や、ゼネコンやシンクタンク等の聞き取り調査を行って、様々な立場の意見を参考に、規模や機能の検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 例えば、奈良のプロバスケットボールチーム、バンビシャス奈良が頑張りました。B1に行く、その際にライセンス基準の収容人数は何人かご存じですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 具体的な数字は把握しておりません。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 不勉強ですね。5,000人です。5,000人が基準です。 大阪府、兵庫県、京都府、今は1万人、それから滋賀県や和歌山県では5,000人のアリーナができたり、建設予定です。 角度を変えて少し聞いてみましょう。山下知事が好きな費用対効果を考えたとき、アリーナで必要な要素は何でしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 必要な要素というのは、スポーツとかスポーツ以外の音楽イベントなどでどれぐらいのニーズがあるのか、それを見極めた上で、そのニーズに合致する規模を決めると、そういうことに尽きるかと思います。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 簡単に言うと稼働率ですね。佐賀県では今年、
国民スポーツ大会などが開かれます。SAGAアリーナというのがつくられました。国際会議や展示会など様々なイベントに柔軟に対応できる、来場者の満足度を高める視点を大事にしているそうです。 雑誌の東洋経済に佐賀県の山口知事のコメントがありました。大会後も多くの方に訪れていただけるような稼げるアリーナにしたいと語っています。山下知事も、SAGAアリーナを研究されてはいかがですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 全国知事会の集まりのときに、佐賀県知事と席が近くになりまして、SAGAアリーナのことについて伺いました。たしか、当初150億円ぐらいを想定したけれど、結局259億円ぐらいかかったと。数字はうろ覚えですけれど、100億円台から250億円ぐらいになったというふうに聞いています。 土日も予約がいっぱいのようですねと聞いたところ、そうですと、ただ、非常に福岡から近いということを言っておられました。今、九州新幹線が、佐賀県まで来ていて、そこから在来線に乗換えたら佐賀の駅まですぐだと。福岡からすごく近いと。最寄り駅からも、たしか徒歩15分とか20分とか言っていたと思うのですけれど、非常に近いということで、福岡市という大都市から近いということで、かなりニーズがあるというようなことをおっしゃっていました。 一方で、体育館は、また別にすぐ近くにあると聞いておりまして、主にスポーツ関係はその近くの体育館で行って、アリーナはコンサートとか見本市とか、そうしたこと等に使われることが多いというようなことも言っていたと記憶しております。 ですので、福岡市との近接性とか、スポーツ以外の用途を主目的としていることとか、かなり多額のお金を投じていることとか、そうした点で参考にはなるものの、佐賀県での事例がそのまま橿原市でも、佐賀県で成功したから橿原市でも同様に成功するのかというのは、そこは、先ほど言ったような視点でいろいろ調査が要るのかなと思っております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 佐賀県の事例がそのまま当てはまるとは私は思っておりません。しかし、現在、奈良市の鴻ノ池の体育館は固定席が2,300席、橿原市の第1体育館で1,680席が固定席です。同じようなものをつくっても仕方ないと思うのですが、改めて聞きます。収容人数はどれぐらいを考えていますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) それについては、先ほどから申し上げているとおり、様々なニーズを探って観客席数は決めていきたいと考えております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 中途半端なアリーナをつくるのであれば、つくらないでいただきたい。税金の無駄遣いになります。新しくつくれば、30年、40年使うわけです。負の遺産になります。箱物になります。 それから、アリーナに大切な視点、山下知事がおっしゃっていたように防災という視点ですが、防災についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) このアリーナを物資の搬送拠点にしたいと考えておりまして、具体的に言いますと、災害時にはですね、奈良県で災害が起こった場合、奈良県外から多くの緊急物資が輸送されてくると思います。これを、まず一旦この橿原公苑に新設するアリーナで受け入れまして、そこから県内各地の9か所の
広域防災拠点や、あるいはそれ以外の避難所等に運ぶというふうに考えておりまして、
県立橿原公苑の立地場所は、ちょうど地理的に東西南北の中心、奈良県内で東に行くにも西に行くにも北に行くにも南行くにも非常によい場所にありますので、県内各地に隅々まで比較的短時間で輸送できる立地ではないかと考えております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) ニューズウィークという雑誌に、金沢のアリーナの1.5次避難所について書かれておりました。多目的多機能バリアフリーの施設が充実し、感染症の隔離や要介護者などを集約して支援ができる、それがアリーナと書いてありました。アリーナは地域住民の命を直接助けられる場所だと私は考えております。そのアリーナを、物を置くだけの拠点にするというのはどうなのでしょう。アリーナができるから、横に競技場があって、そこにヘリコプターが乗り降りできる、そんなふうに考えて、簡単にこの
中核的広域防災拠点を決められたのではないですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) これにつきましても、既に記者発表をさせていただきましたけれども、
県立橿原公苑は、物資輸送拠点、航空搬送拠点、進出拠点、救助活動拠点、その4つの機能をすべて満たす、現時点では県内で唯一の中核的な
広域防災拠点の候補地であると認識しておりますので、私は適切な場所であると認識しております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也)
県立橿原公苑周辺、液状化が懸念されております。その点については、どのようにお考えですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 液状化が指摘されているという、指摘されているのは、誰がいつどこでどう言っているか、具体的に言っていただかないと、お答えのしようがございません。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 知事のほうで調べてください。
県立橿原公苑と五條市が防災の広域受援体制の拠点と表現されております。そもそも、この広域的な受援というのはどういう意味なのですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 先ほども申し上げましたとおり、今回の能登の地震でも、皆さんテレビや新聞の報道で分かったかと思いますけれども、大きな地震や水害が起きれば、県外から、救助のための人員、あるいは、市役所とか役場の仕事の支援、保健師、医師、看護師、あるいはボランティア、様々な方が助けに来てくれるわけでございます。 それから当然のことながら、テントとか水とか緊急の食料とか、様々な物資が、あるいは避難所で使う段ボールベッドとか、簡易トイレとか様々なものが、もちろん県内で備蓄されているものから使われますが、それでは足りないので県外からそれが輸送されてくるわけでございます。 受援というのは、読んで字のごとく、援助を受ける、それを広域的に、広域的というのは奈良県全体でどうその援助を受けて、その援助を隅々まで行き渡らせるか、そうしたことを考えるのが広域受援体制と、こういうことでございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 防災の基本は自助です。自治体も地域もみずからを守ることが大事なのです。大きな災害が起きたときに、奈良県に助けが来ると思っていらっしゃるのですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 防災のときに、自助、共助、公助という言葉がよく使われますけれども、まず自助という言葉は、今、伊藤議員が言われたニュアンスとは違う意味で使われていまして、まず、自分の身は自分で守ると。つまり、地震が来たら、まず自分で逃げる、どこに逃げるかということをあらかじめ決めておく。災害時には、すぐに持ち運びできるようにリュックサックに緊急用のいろいろな物資を詰め込んでおいて、地震が来たらさっとそれをかついで逃げると、そういった、自分で自分の身を守るということを心がけることは自助です。あるいは、家具が倒壊しないように壁に家具を金具で固定しておくとか、これも自助です。 共助というのは、隣同士、あるいは自治会単位等で助け合うというのは共助です。 公助というのは、役所、具体的には市町村とか都道府県とか国が助けるのが公助でございます。 その公助は、当然、地元の奈良県とか、奈良県内の市町村が中心になるわけですけれど、地元も被害を受けているわけですから、県庁の職員や市町村の職員も被災して、自分も被災しているのだから、本来の業務に従事できないと。だから、県外から助けに行くわけですよね。 ですから、そういう人たちが来たときに、きちんとそういう援助を受けられるようにするということが、先ほど言った広域受援体制なわけで、今の話聞くと、自助が原則なのだから、奈良県の防災は奈良県と市町村だけで考えればいいのだと。県外からの支援なんかあてにする必要ないというような質問の趣旨にとれるのですけれど、それは大きな事実誤認ではないでしょうか。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也)
南海トラフ巨大地震が起きた際に、津波被害が大きく懸念されております。三重県、和歌山県、大阪府、そこにやはり人が集中すると思います。 私が防災士をとったときに、河田さんという、防災の偉い先生です。奈良県でも関わりがあると思いますが、奈良県には助けは来ませんよとおっしゃっていました。しっかり奈良県で防災の力を考えてくださいという発言をされておりました。それがあったから私はこの発言をしたわけです。 中核的な
広域防災拠点、橿原公苑には、今、備蓄はどのぐらいありますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 今、橿原公苑は、現在は
広域防災拠点に指定されていないので、そういう物資等がどれぐらい保存されているのか私は存じ上げませんが、当然、今後、広域受援体制を検討し、奈良県地域防災計画を改定していく中で、
県立橿原公苑を中核的な
広域防災拠点に位置づけると決定した場合には、そこにどんな物を日頃から蓄えておくかということは、検討して実行することになると思います。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) では、備蓄ができるような場所をつくっていく、それもやはり、
陸上競技場の改修などの予算としてこれから計上されていくということですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) はい。この新設のアリーナは物資輸送拠点にする予定でございますので、そこに備蓄機能を持たせるのか、あるいは新設するアリーナ以外に、そういう備蓄用の建物を設けるのか、それは、今後、検討してまいります。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 五條市の防災拠点整備に移ります。 五條市の防災拠点で
メガソーラーはやるのですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 大規模な
太陽光発電施設を設ける予定にしております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 山下知事は、奈良県の日本維新の会の代表でもあります。これは、日本維新の会会派皆さんの共通した見解ととってよろしいですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) この案については、日本維新の会の県議会議員の皆さんにもご説明して、了承いただいているところでございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 県庁での議論のやり取りを聞いたのですが、去年12月5日の会議以降、突然、山下知事が
太陽光発電を五條市でやると言い始めたと聞いていますが、県庁内での議論はいかがでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 本年度の8月中旬ぐらいから、担当部局におきまして、県内の再生可能エネルギーの導入量の拡大を目指すために、どこか県有地等で
太陽光発電施設を設けることができる場所があるのかないのか、そうしたことの検討を始めたということでございます。 11月上旬頃に五條市の県有地を最有力の候補地として検討しておりまして、12月上旬頃に、私と協議をして五條市の県有地に
太陽光発電施設を設けようということで意思決定をしたものでございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 五條市の防災拠点での
メガソーラーですが、なぜこの場所でないといけないのでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) まず、選挙公約でもありますけれども、もともと計画されていた2,000メートル級の滑走路を五條市の県有地につくる必要はないと考えております。 これは地元の住民説明会でも申し上げさせていただきましたが、今回の能登半島地震でも、輪島市にある能登空港は、1月1日の発災当日に滑走路に亀裂が入り、1月22日まで使えませんでした。 ですから、人命救助といった1番重要な局面、これは発災後72時間と言われていますけれども、その期間内においては能登空港は使えなかった。緊急消防援助隊の一部は小松空港に空路で入り、そこから陸路で被災地に入ったというふうに報道もされているところでございまして、私は以前、この県議会の席上で、五條市につくる新しい災害目的の滑走路、これは本当に災害時に使えるのですかと。災害時に使えない空港を防災目的でつくると、これはナンセンスというかギャグみたいな話ですねというようなことを申し上げたと思うのですけれども、まさに防災目的としてつくる災害時に利用することを予定していた空港が災害時に使えないという、本当にばかみたいなことが現実に能登で起こったわけですよね。ですから、まず滑走路は要らないと。 そして2月13日に、先ほど伊藤議員もご紹介された熊本県の
危機管理防災特別顧問の有浦隆先生。この先生が、2月13日に
奈良県議会政策セミナーというところでご講演されたというふうに聞いておりまして、その席上、ある議員が、防災に特化した意味では何メートル級の滑走路が必要ですかと聞かれたことに対して、防災に特化した滑走路は不要であると、チヌークという大型ヘリや防災ヘリが離着陸できれば十分であるというふうに言われたということでございまして、伊藤議員が尊敬される有浦先生も、そのようにおっしゃっているということでございまして、私は、ますます2,000メートル級の滑走路をつくる必要はないのだということを確信いたしまして、私の知事選挙での公約は非常に先見の明があったなと改めて認識したところでございまして、全くこの方針に揺らぎはございません。 そうすると、滑走路をつくらないということになると、あのゴルフ場の約60ヘクタールの土地をどう利用するのかということになるわけでございます。 滑走路は要りませんが、ヘリポートは要ると思っておりまして、備蓄倉庫もつくります。それを災害時に活用いたします。しかし、ヘリポートと備蓄倉庫で60ヘクタールも使うことはございません。すると残りの土地をどうするのだということを考えていかなければいけないわけでございます。 現在、年間1億4,000万円かけて草刈りをしているわけです。ずっと草刈りを年間1億4,000万円かけてやって、ほっておくということは無意味である、無益であるということは誰しもご理解いただけると思います。 この土地をどう使っていくのかということですけれども、防災拠点が、送電線等の断線によって電気が通じなくなるということも想定されます。そうした場合に、この防災拠点で自立的な電源を確保する必要があるだろうと思いました。なので、その1つとして
太陽光発電施設ということを考えました。
太陽光発電施設で自立的に発電ができれば、送電線が切れても電力を自分で賄えると、そうするとヘリポートや備蓄倉庫を使えるということでございます。 それとともに、平時の滑走路の予定地の利用方法ということを考えておかなければいけないわけでございます。先ほども言いましたように、毎年、年間1億4,000万円を草刈り代にかけるというのは全くのナンセンスでございますので、そうしますと、この
太陽光発電施設を、空いた土地全体に広げることで、電力を売る、売電するということで何らかの収入が県に入ってくる、そして地元の五條市には固定資産税が入ってくる、県の試算では約5,000万円でございます。さらに、
太陽光発電施設、パネルを敷き詰めば、全く草刈りしなくていいというわけではないですけれども、一定の草刈りとか枝打ちはしなければいけませんけれども、年間1億4,000万円かかるということはないわけでございます。そうしますと、防災拠点に自立的に電源を供給できる、草刈り代も削減できる、県が売電収入の一部を得られる、地元の五條市にも固定資産税が入る。そして、先ほど言いましたように、
太陽光発電は、供給過剰のときにはその電力を使って水素を製造するということで出力制限をせずに済むと。電力が過剰に発電されるということがなくなる、供給量が需要を上回ったときの発電量もきちんと水素としてエネルギーとして蓄えられると。そういったことを考えますと、非常にこれは合理的な案ではないかと考えまして、今回の案を計画したわけでございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 山下知事、勘違いされていますね。先ほども言いましたが、私たちは2,000メートルの滑走路をつくることにこだわっているわけではないし、つくってくださいとも言っていない。五條市もそれは同じ考えなのです。防災拠点の在り方、62ヘクタールの用地の使い方を、今、議論しているのです。2,000メートルの滑走路をつくるつくるといって、論点をすり替えるのはやめていただきたい。
メガソーラーが、災害時に役に立ったという事例、それから事故の事例などは検討されておりますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 伊藤議員のお考えは知りませんけれども、五條市や地元の地権者、地元の自治会からは、もともとの案をやってくれというふうに私は言われております。従前どおりの案をそのままやってほしいと。従前どおりの案というのは2,000メートル級の滑走路を伴う大規模
広域防災拠点であると私は認識しております。 すみません、何でしたっけ、質問は。事故。あれを使ってもいいですか。
○議長(岩田国夫) 持ってきているの。
◎知事(山下真) きちんと議会運営委員会で言っていますので。 すみません、うまく映写できませんので手元の資料でお答えしますと、
太陽光発電施設の事故割合は0.08%でございます。0.08%というのは、分母が68万6,097件のうち567件ですけれど、これは日本全国のデータですが、567件のうち水害による事故は15件、地震による事故は4件にすぎません。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 今日、議員の皆さんのお手元にあります請願一覧ですね。請願第1号、それから請願第2号、五條市長、地元からの請願だと思いますが、市議会ですね。ここに、当初の理念に従って実施していただきたい、滑走路の是非については、議論の余地ありと書いてあります。これは読んでいらっしゃいますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 滑走路の是非がどうこうというのは、私は発見できませんけれど、こう書いていますよ、請願第1号には。五條市における大規模
広域防災拠点等の整備を、大幅な変更がなく、当初の理念に従って実施していただきたいと。 これは地権者10名からの要望書でございまして、平岡市長から出ている要望書にも、五條市における大規模
広域防災拠点の整備を大幅な変更なく当初の理念に従って実施していただきたいと。これは普通に読んだら、2,000メートル級の滑走路をやってくれと、こういう意味ではないのですか。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 2枚目めくってください。上の4行のところに、滑走路の是非については、議論の余地ありとあるではないですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 確かにそう書いているけれど、滑走路の是非について議論の余地はあるけれど、この要望書を出された人は、大幅な変更なく当初の理念に従ってやっていただきたいとこういうふうに言っているのではないのですか。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 次の質問に移ります。 新
年度予算案の五條市の
メガソーラーの関連項目、予算額は幾らですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真)
メガソーラーの設置に係る予算は令和6年度の当初予算には含まれておりません。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 1回の会議も書類1枚もつくらないのですね。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 先ほど来、答弁しているとおり、まず広域受援体制を検討していく中で、五條市の県有地にどういう防災機能を持たせるかということを検討して決めていきます。 まず、必要な防災機能を確保した上で、残りの土地を
太陽光発電施設にするということですから、まずは防災機能が決まらないことには
太陽光発電施設の規模は決められませんので、現時点では予算は盛り込んでいないと、こういうことでございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 大変不誠実なご答弁ですね。 橿原市の
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会の整備でアリーナは構想計画について予算額が上がっているのに、こちらは上がっていないとおっしゃる。ステルス予算案、そのように表現してもいいかもしれません。情報公開、透明性を強調されていた、山下知事らしくないご答弁だと思いました。 次の質問に行きます。ヘリポート、備蓄倉庫、
メガソーラーの広さ、改めて確認いたします。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) ヘリポート、備蓄倉庫、それ以外にどういった機能をこの五條市の県有地に持たせるか、そうしたことも含めまして、最大でも10ヘクタールと考えております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) マスコミに向けた会見、議会の委員会、その場その場でヘリポートと備蓄倉庫の広さが変わっているのです。数ヘクタールと言ってみたり、5ヘクタールと言ってみたり、今は最大10ヘクタールと言ってみたり、公の場での会見、特にマスコミが入っている記者会見の場でのこの意見の移り変わり、どのように記者会見などを考えていらっしゃるのですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) ですから、備蓄倉庫とヘリポートでは5ヘクタール。数ヘクタールというのは、普通、日本語で5、6ヘクタールぐらいを意味しますので、数ヘクタールと5、6ヘクタールという言葉にそごはないと思っております。 備蓄倉庫とヘリポートで数ヘクタール、具体的には5、6ヘクタールでございまして、それ以外にどういった機能を持たせるかはこれから決めていくので、そのための面積が4、5ヘクタールということで、合わせて最大でも10ヘクタールというふうに申し上げておりまして、終始一貫した説明をさせていただいております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) その辺り、山下知事の発言の真偽性というのでしょうか、各マスコミ、新聞社、テレビ局の皆さんが判断されると思います。 被災地で蓄電池が役に立った、そういう話があれば教えてください。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 今回の能登半島地震では、道路の寸断等によりまして集落が孤立したわけでございます。先般、五條市の説明会で申し上げましたけれども、孤立した集落の数は24集落となっております。送電線も倒れまして、約1万8,000戸が停電したということでございまして、この停電が約1か月間続いたと。 孤立した集落の避難所は電力がなくて大変困っていたという報道は伊藤議員も目にされたことと思いますけれども、恐らく蓄電池の備えが十分でなかったのでこういう結果になったのだろうと思います。 ですから、災害で集落が孤立して、また、停電になった場合でも、自立的に電力を供給できるように蓄電池をそうした被災地の避難所等に配るということが大変有益であるということが、今回の能登半島地震でも明らかになったものと考えております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 蓄電池は、お話を聞いていますと、スマホの充電、テレビを見たりとか、必要最低限のための蓄電池と聞いているのですが、今の話を聞いていると、どうも避難所そのものの明かりに使ったり、それから生活に生かされるための蓄電池というふうにも聞こえます。それだけの容量の蓄電池というのは、大変大きな蓄電池になると思います。運べるのかどうかも分からない、非常に疑問です。 先日、兵庫県の三木市にあります防災拠点に行ってまいりました。こちらには
陸上競技場の下にたくさんの備蓄が用意されておりました。担当者に聞きました、蓄電池はありますかと。見たこともないと言われました。本当に蓄電池は必要とされているのですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 蓄電池を備蓄していないことがいいことだとは私は決して思いませんので、それは、兵庫県の三木市の防災総合公園でも、今後、能登半島での教訓を踏まえて蓄電池の備蓄等を検討されるのではないでしょうか。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也)
関西広域連合などでお話なさってください。 五條市の防災拠点、
環境アセスメントは必ずやりますね。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) はい、行います。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 行政がやることで少し思い出しました。五條市の防災拠点整備には国のお金である緊急防災・減災事業債が適用されます。緊急消防援助隊の活動拠点で
メガソーラーをします。このお話、総務省に相談をした上で内諾を得ていますね。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 国とのやり取りの中で、緊急防災・減災事業債が使えそうだという見込みを県でつかんでおりますが、国との具体的なやり取りについては、国との信頼関係もございますので、これ以上の答弁は差し控えさせていただきますが、国とのやり取りから、県の見込みとして、緊急防災・減災事業債が使えそうだという認識は持っております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 見込みと内諾という言葉の違いは何ですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 最終的な正式な結論は、五條市の県有地でこういう事業をします、こういう形で防災目的で土地利用をします、なので、緊急防災・減災事業債の活用の一形態としてご理解くださいという、どこかの時点でそういう正式な話を総務省にさせていただくわけですけれども、そのときにならなければ、正式な申請行為がないわけですから、総務省としても、いいとも悪いとも現時点では言えないと思います。正式な申請があって初めて、いい悪いというのが言えると思います。ただ、一般論として、やり取りをする中で、いけるのではないかという、そんなふうに県としては見込みを立てたと、こういう意味でございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 山下知事は会見で内諾を得ていると言いました。内諾は承諾ということです。受け入れるということですね。総務省は
メガソーラー整備について受け入れたと受け取っていいのでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) ですから、先ほど来、言っているように、内諾を得られそうな見込みであると県として判断したと、こういう意味でございます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) そのお話は、山下知事ご本人が総務省とされたのですか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 私以外の職員がしましたけれども、具体的な、県の担当者、国の担当者の氏名につきましては、今後の国と県との信頼関係がございますので、これ以上の言及は差し控えさせていただきます。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 今後ですが、地元五條市と現時点では、
メガソーラーの予算も上がっていない状況ですので、
メガソーラーの整備についてはゼロベースだと私は考えます。五條市との対話、防災拠点の在り方について、今後しっかりとゼロベースから考えるつもりはありますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) ありません。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 五條市民の皆さんも、それからこの防災拠点の在り方について、今、このテレビやインターネットを通じてご覧になっている皆さんも、そうかと、答えは分かっていたのですが、改めてそういうふうに感じた方も多いと思います。反対してでもやるとおっしゃいましたから。突き詰めると、これから裁判になる可能性があります。時間がかかります。その間に大きな災害があったとき、拠点整備の遅れなどによって県民の命が脅かされても、山下知事、その責任を負えますね。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 私、弁護士ですので、その辺はプロですが、これを止めるための法的措置はないと思っております。
○議長(岩田国夫) 13番
伊藤將也議員。
◆13番(伊藤將也) 法律で何でもできる、法律が基本になるかもしれないのですが、山下知事、あなたに求められているのは弁護士としての知事ではない。奈良県民の代表としての知事という立場です。その辺りはしっかり考えていただきたいと思います。 最後に1つ、私から。先ほど知事の答弁にもありました、熊本県の
危機管理防災特別顧問の有浦さんについて、お話が上がっておりました。有浦さんは、山下知事とは直接会っておらず、自身の言葉が五條市の住民説明会の資料に入っていたことに大変驚かれていました。有浦さんは五條市の防災拠点に言及はしておりません。これだけは有浦さんのためにも本会議でお伝えしておきます。一方、有浦さんは、紛糾させてしまい申し訳ないとおっしゃっていました。でも、こうもおっしゃっていました。山下知事の防災への考え方は、奈良県の防災を50年誤らせる、正しくない方向に導くとおっしゃっていました。そして、山下知事、あなたのことを、あなたのことをですね、小さな知事だと言い切りました。山下知事、民意を取り違えてはいけません。選挙で得た26万あまりの票、有権者があなたの民意ではありません。奈良県民およそ130万人、一人ひとりに向き合う、県議会とも真摯に向き合う心の大きな知事になることが、あなたの1番の今の仕事です。ぜひそのことは理解していただきたいと思います。 以上で、
自由民主党・無所属の会を代表して代表質問を終わります。
○議長(岩田国夫) しばらく休憩します。
△午後3時11分休憩
--------------------------------
△午後3時22分再開
○議長(岩田国夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、28番小林誠議員に発言を許します。--28番小林誠議員。(拍手)
◆28番(小林誠) (登壇)それでは、議長のお許しをいただきましたので、代表質問をさせていただきます。今議会で会派、日本維新の会の代表質問をさせていただきますのは、生駒郡選挙区選出の小林誠です。 冒頭、昨年12月に発生しました、下北山村上池原の国道169号における法面の崩落事故で1名の方がお亡くなりになられました。謹んで哀悼の意を表します。 また、今年1月1日の年始に発生いたしました能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生し、北陸地方を中心に広い範囲にわたって甚大な被害に見舞われました。突然の災害でお亡くなりになられた方々には、心よりお悔やみを申し上げます。また、この災害で被災された皆様にも、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早く復旧されるよう、お祈り申し上げます。 さて、令和5年度は、奈良県の日本維新の会にとって、大いなる飛躍の年となりました。 まず、4月9日の統一地方選挙、前半戦である県知事選挙におきまして、日本維新の会公認として大阪府以外では初となる山下奈良県知事が誕生いたしました。同時に行われました
奈良県議会議員選挙におきましても、3名の議席から14議席へと大幅に躍進いたしました。また、4月23日の後半戦においても、森川河合町長、さらには多数の市や町の議会議員が当選し、大変にぎわいのある奈良県総支部になりました。 山下知事は就任と同時に、公約に掲げられていた新たな取組について、担当課に検討を指示されるとともに、
荒井前知事のもとで進められてきた大型プロジェクトについても見直しを進められ、6月、それらのプロジェクトに関する令和5年度予算執行査定の結果を公表し、改革を断行されました。 また10月には、子育て世帯や
子どもたちにとって待望の施策である知事の公約、一丁目一番地であった高等学校授業料等の実質無償化について、財源の検討を踏まえた新たな制度案を取りまとめられ、公表されました。この案については、私学団体からも高い評価をいただいていると伺っております。実に県民の皆様が、かつてなく大きな変化を実感できる、すばらしい1年になったことと、感慨深く思い返しています。 その後も、ソフト・ハードを問わず、県民目線に立った様々なアイデアの具現化を進められるとともに、それらの施策を盛り込んだ予算案の検討を進められてきたと聞いております。 その検討された結果であり、県政における新たな時代の幕開けとなる令和6
年度予算案を今議会に提案されたところです。 我々、日本維新の会としても、本会議や委員会での知事や理事者側とのやり取りを踏まえ、内容を十分に吟味させていただきます。提案された各議案について、しっかりと議論をさせていただきます。 では、早速ですが、山下知事就任後初となる令和6
年度予算案に込められた知事の思いを中心にお尋ねさせていただきます。 まず初めに、県民の命と財産を守る防災力の強化について伺います。 日本は、頻繁に自然災害が発生する国であり、地震や台風、津波などの災害が多発しているにもかかわらず、避難所における環境がなかなか改善されていないと感じる県民の方も多いのではないでしょうか。 今もなお、日本国民の我慢強さや忍耐強さに甘え、人道的な災害対応における最低限の生活水準を定めた国際基準、支援を必要とする人々が高い水準の援助を受けられるようにすることを目的としたスフィア基準を満たす努力を怠っているのが、私たちが住んでいるこの日本です。 国においては、令和4年度に見直された避難所運営のガイドラインを早期に実現できるしっかりとした財政支援をお願いします。 南海トラフ地震においては、今後30年以内にマグニチュード8~9の大地震が起こる確率が70%~80%とされています。 このため、大地震のリスクに備え、東北地方太平洋沖地震の教訓を生かして、大規模な地震や津波に対する準備、対応、そして復旧・復興のための対策が日本各地で全体で進められています。 そして、2014年に策定された南海トラフ地震防災対策推進基本計画から10年が経過することから、国において基本計画の見直しに向けた本格的な議論が実施されています。
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループでは、防災対策の進捗状況の確認や被害想定の見直し、技術の進展や他の災害の教訓、社会状況の変化等を踏まえ、今後の防災対策の検討にあたって考慮すべき課題を洗い出し、新たな課題を踏まえた被害想定の見直し、防災対策の検討がなされているところです。 また、新たな地震防災対策として、少子高齢化や人口減少等、将来の社会状況を踏まえた計画作成の推進方策や、市町村が作成する計画だけでなく、国家危機となる南海トラフ地震に対応した大局的な計画づくりの推進などが議論されています。 さて、知事は就任後、これまで県が指定していた県内9か所の
広域防災拠点が、大規模災害発生時に県外からの応援部隊や支援物資の受入れ、活動・配送ができるための機能を十分に発揮できていない、できない現状を知って驚かれたのではないでしょうか。そして、今後どのように対応し、県民の生命や財産、県民の生業を守るのか思案され、当初の大規模防災拠点の整備方針を見直されたと推察いたします。 皆様、お手元の資料をご覧ください。令和3年度に作成された資料ですが、これは
奈良県議会には提出されていない資料です。 我々、日本維新の会は、大規模防災拠点に、この資料のような2,000メートルの滑走路は必要ないとの立場ですが、昨年の6月議会、9月議会、12月議会において、大規模防災拠点が必要である、当初予定されていた整備が必要であると、他会派の県議会議員からご意見があった中、防災拠点の整備について、ヘリポートと防災備蓄倉庫の整備を山下知事が発表されました。 この表明を受け、五條市の地元自治会や五條市長からも当初の案どおり、2,000メートルの滑走路を併設した大規模防災拠点の整備要望がございました。 そこで山下知事にお伺いします。 五條市の県有地について、当初の大規模防災拠点を見直し、ヘリポートや防災備蓄倉庫を整備することとした経緯と、今後どのように地元や県民に対して理解を得ていくのか、知事の所見をお伺いします。 また、
県立橿原公苑を新たに
中核的広域防災拠点と位置づけることにより、どのように防災力を強化していくのか、併せて伺います。 次に、大阪・関西万博に向けた奈良県の取組について伺います。 いよいよ開催される大阪・関西万博、2025年4月13日から10月13日までの184日間、大阪市の人工島、夢洲で開催されます。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、世界約160の国と地域がパビリオンの出展を計画し、来場者は1日最大23万人、会期中の来場者は合計2,800万人、そしてバーチャル参加を含む世界の約80億人がアクセスする万博の実現に、今、チャレンジしております。 約2,800万人の来場者が見込まれている万博が関西で実施されることは、大阪・関西、そして奈良県の歴史や文化、食の魅力を世界に発信し、共感し、大阪・関西万博期間中、閉会後も奈良の地を訪れていただける絶好の機会ではないでしょうか。 そのためにも、関西が一丸となって盛り上げていく機運醸成に取り組んでいかなければなりません。 そんな折、先日の2月20日に、国においても、奈良県が
関西広域連合へ全部参加することが許可されました。奈良県は2015年から7分野のうち、なぜか防災と観光の2分野に限って参加していましたが、新しい知事、山下知事が
関西広域連合へ全部参加する意向を表明されたことを受け、必要となる
関西広域連合規約の改正に向けた手続が進められ、昨年12月22日に奈良県を含むすべての構成府県市の議会において同規約の改正案が可決されていました。 奈良県が
関西広域連合のすべての分野に参加できることになり、
関西広域連合長の三日月滋賀県知事は、一層活力のある関西を目指し、広域連合のバージョンアップを図っていくとのメッセージを発表され、大阪府の吉村知事も22日、
関西広域連合に奈良県が加入するのは歓迎です、経済だけでなく防災対策など、様々なことについても情報が共有できるので、奈良県が加入することによって、より関西が力を合わせて、一致団結して成長に向けて頑張れるようになると思うとも述べられ、期待感を示されています。 このように関西が一丸となって、万博会場以外でも複数のイベントを開き、関西全体をパビリオン化すれば、経済波及効果が約3,900億円上振れすると、民間シンクタンクの試算もございます。 上振れ分を地域別に見てみますと、最も恩恵が大きいのは大阪府の1,688億円、京都府776億円、兵庫県493億円、私たちの住んでいる奈良県は何と27億円です。 この試算は、工場を公開したり、ものづくり体験の場を提供したりするオープンファクトリーのようなイベントやお祭り、国際会議などによって万博を拡張することによって、上振れするそうです。 1970年は大阪万博でしたが、今回は、大阪・関西万博です。関西全体をパビリオンにするという意識のもと、
関西広域連合で連携し、さらには奈良県下39市町村が、イベントや様々な仕掛けを用意すれば、世界に向けた奈良県のブランドイメージも高まるでしょうし、それがレガシーとなり、奈良県経済が反転するきっかけとなるのではないでしょうか。 そこで山下知事にお伺いします。 世界各国の文化を身近に体験できる貴重な機会であり、多くの県民の参加を期待しているところですが、県民や事業者の参加につながる機運の醸成に向けてどのように取り組んでいくのでしょうか。 また、大阪・関西万博を一過性のイベントとするのではなく、奈良県の産業と観光の振興につながるよう取り組んでいく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いします。 次に、今後の奈良県の観光戦略について伺います。 奈良県では長期的な社会背景の変化を踏まえ、観光の方向性を定めた上で、短期的な課題にも迅速に対応できる具体的かつ実効性のある施策を示すため、令和3年7月に奈良県観光総合戦略を策定されました。 それから3年が経過しましたが、その間に
新型コロナウイルス感染症の流行の終結、また、大阪・関西万博の開催決定など、様々な観点において、本県の観光産業の置かれた環境は大きく変わったのではないでしょうか。 また、県政においても、山下知事が誕生し、県の
関西広域連合への全部参加という大きな転機を迎えています。そこでこの機会に、本県の観光と産業の在り方を見直し、新たな戦略を検討していく必要があるのではないかと考えています。 さらに県は、2011年に策定された奈良公園基本戦略に基づき、名勝奈良公園保存管理・活用計画を継承しつつ、寺社など一体で形成される奈良公園における自然、歴史・文化、公園資源の価値を踏まえ、名実ともに世界に誇れる奈良公園を目指し、取り組まれてきたところですが、
新型コロナウイルス感染症の終えん後には、オーバーツーリズムという、これまでにない観点からの課題も明らかになっています。 知事は所信表明の中で、観光戦略本部について言及されていますが、この新たな局面において、観光戦略本部で議論されている方針や戦略に関して、奈良県の独自の文化資源や自然環境をどのように生かし、観光振興を推進していくのか、その大まかな方向性についての知事のお考えがあると思います。 また、将来的に考えられる地域固有の魅力を前面に出した観光コンテンツの開発や、変化する市場ニーズに対応するためのマーケティング戦略に関するビジョンも既にお持ちかもしれません。 これから展開される様々な取組が、奈良県を訪れる国内外の観光客にどのように影響を与え、観光地としての魅力を高めることにつながるのか、その展望について期待しているところでございます。 そこで山下知事にお伺いします。
関西広域連合への全部参加などを契機に、奈良県の観光戦略の見直しが必要と考えますが、観光戦略本部においてどのように議論し、観光振興に取り組んでいくのか、知事の所見をお聞かせください。 次に、
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会に向けた取組についてお伺いします。 2019年から2021年にかけて大規模な国際競技大会の開催が予定されていましたが、
新型コロナウイルス感染症の流行により、日常生活や
スポーツイベントが大きく影響を受けました。イベントの中止や延期、無観客での開催が相次ぎ、スポーツの機会が失われるなど、様々な制限がなされました。 この状況は、私たちの生活や社会におけるスポーツの重要性、スポーツの価値を再認識させ、評価を新たにする機会となり、さらには、eスポーツの普及やスポーツを取り入れたバケーション、いわゆるスポーツワーケーションの推進など、スポーツライフスタイルに対する人々のニーズにも、大きな影響を及ぼしました。 国は令和4年3月に、第3期スポーツ基本計画を策定し、東京オリンピック・パラリンピックのレガシーを継承・発展させる方針を打ち出しました。 この計画では、スポーツを「つくる/はぐくむ」「あつまり、ともに、つながる」「誰もがアクセスできる」、この3つの大きな視点に基づいた取組を進めることを目指しております。 私たちの奈良県においては、令和5年3月に新たに制定された、「誰もが、いつでも、どこでもスポーツに親しめる地域づくりの推進に関する条例」に基づき、また、スポーツ基本法及び国の第3期スポーツ基本計画の趣旨及び方向性も踏まえ、第2期奈良県スポーツ推進計画が推進されています。 そのような中、山下知事が誕生し、新たな視点で奈良県のスポーツをさらに発展させていかれることを期待しております。 令和13年に予定されている
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会の開催は、奈良県の
スポーツ環境を発展させ、スポーツ全体を活性化させるとともに、県民のスポーツへの関心、参加を促進する絶好の機会であると考えており、ハード面・ソフト面、両面での取組が重要であると考えます。 そこで、知事にお伺いします。
県立橿原公苑のリニューアルについては、誰もが快適に活用できる施設となるよう整備するべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 また、
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会を契機に、選手や指導者などの人材育成、県内の
スポーツ振興に取り組むことが重要であると考えますが、どのように進めていくのか併せてお伺いいたします。 次に、学校現場における働き方改革についてお伺いします。 学校における働き方改革の必要性がクローズアップされたのは、もう2010年代前半から大分たってしまいます。 学校現場を取り巻く環境が複雑化・多様化し、学校に求められる役割が拡大する中、教員の長時間勤務の改善が課題となっています。学習指導要領の改訂の動向等を踏まえた授業改善に取り組む時間や、教員が子どもと向き合う時間の確保、教員一人ひとりが持っている力を高め、発揮できる環境を整えていくことが必要であると考えます。 このような観点から、2015年に文部科学省は、教員の働き方改革に関する検討会を設置し、この中で、とりわけ部活動における休養日の設定の徹底をはじめとした運営の適正化や勤務時間管理の適正化の必要性等が示されました。 そして、2019年1月の中央教育審議会からの答申、いわゆる、学校における働き方改革に関する答申では、今回の学校における働き方改革は、我々の社会が
子どもたちを最前線で支える教師たちが、これからも、みずからの時間を犠牲にして長時間勤務を続けていくことを望むのか、それとも、心身ともに健康にその専門性を十二分に発揮して質の高い授業や教育活動を担っていくことを望むのか、その選択が問われていると、改革が急務であることが示されております。 奈良県教育委員会においても、学校における働き方改革推進会議が設置され、これまでの取組により、教員の時間外勤務や、学校での過ごす時間がある程度は改善されてきましたが、いまだに長時間労働を強いられている教員が少なくないことも明らかです。 これらの課題に対応し、持続可能な学校教育の実現を目指すためには、知事の後押しのもと、教育関係者全体で力を合わせ、改革に取り組むことが求められるのではないでしょうか。 今、学校では、学校や教師が担う業務の適正化の一層の推進、これは、学校・教師が担う業務に係る3分類を徹底するための取組が進められております。 これは、部活動、学習評価や成績処理、支援が必要な児童生徒・ご家庭への対応など、支援スタッフの一層の配置によって推進が図られる分野です。 そこで知事にお伺いします。 新年度から、「教師にゆとりを!こどもに笑顔を!プロジェクト」が始まりますが、教員が
子どもたちと向き合う時間の確保も重要です。このためにも、学校における働き方改革を一層進める必要があると考えますが、知事は、令和6年度予算においてどのように措置しようと考えておられるのでしょうか。 次に、次なる新興感染症への備えについてお伺いします。 ポストコロナ医療体制充実宣言において、厚生労働省と医療関係団体は、次の感染症拡大への備えを集中的に進めることを共同で宣言されました。 内容は、
新型コロナウイルスによる厳しい医療環境と経営状況の中で、医療従事者が過去3年間奮闘してきた経験に基づくものです。 この期間、国民の協力により、日本の死亡者数は比較的低いレベルで抑えられましたが、感染者の増加は医療体制の逼迫を引き起こし、新興感染症に対する常時の備えの必要性を浮き彫りにしました。 さらに、質の高い医療サービスを継続的に提供するためには、医療分野における医療DX、デジタルトランスフォーメーションが必要であることが強調されています。 この宣言は、次の感染拡大に向け、厚生労働省と医療界が連携して取り組むべき具体的な施策を前向きに実施することを目指したものです。 これまでの
新型コロナウイルス感染症の経験を無駄にすることなく、次なる新興感染症から県民の生命と健康を守るため、平時から備えをしていくことが重要であると考えます。 今後は、新興感染症の発生に備え、いわゆるサージキャパシティ、病院や医療機関が災害や大規模な感染症の流行などの非常時に、急患や被災者の受け入れ、治療、ケアを適切かつ効率的に行う能力や、適切な施設の整備、医療スタッフの適切な配置やトレーニング、災害時、有事の迅速な対応体制の確保に向けて、感染症法が改正され、
新型コロナウイルス感染症の対応への最大規模の体制を目指して、医療機関等と都道府県が協定締結を行うこととされました。 また、保健所においても、平時のうちから、健康危機に備えた体制整備を計画的に推進することが示されております。 そこで、奈良県における取組状況について、筒井医療政策局長にお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、次なる新興感染症に備えることが重要であると考えますが、特に医療機関と連携した医療体制の確保や保健所機能の充実などを含め、県はどのように取組を進めていくのでしょうか、お伺いいたします。 最後に、県立高校入試における障害のある生徒への配慮についてお伺いいたします。 奈良県では、今、障害者を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。 少しご紹介しますと、山下知事が新たに、障害の有無に関わらず、
子どもたちが能力を発揮できる社会を目指し、3つの柱に基づき、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の様々な在り方を相互に認め合える、全員参加型の社会、共生社会を実現することになります。 具体的には、発達障害児、障害者に対する支援が充実します。 障害者とそのご家族に寄り添い、伴走する体制の充実や、早期に適切な発達支援につなげる仕組みの構築、障害者を中心とした地域でチームとして支援する体制の整備促進などが始まり、環境が改善されつつあります。 学校教育においては、令和5年5月1日現在、奈良県の中学校段階における特別支援学級在籍生徒数は、第1学年482人、第2学年480人、第3学年433人の合計1,395人です。 1,395人の生徒が、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し、社会参加することができるよう、医療、保健、福祉、労働等との連携を強化し、社会全体の様々な機能を活用して、障害のある子どもの教育の充実を図られています。 また、2007年4月の学校教育法の改正により、全国的に順次、特別支援学校へ名称が変更されてまいりました。養護学校の名称を継続してきた奈良県においても、ようやく特別支援学校への名称変更を検討されています。 特別支援学校に通う生徒数も増加しており、教育委員会でも対応を以前から検討されていた特別支援学校を設立したいという長年の思いを受け、山下知事が特別支援学校の移転、新設を決断されました。私にとって、これほどうれしい知らせはございませんでしたが、なかなか世間での話題にはならず、大変残念に思っております。 これを契機に、知事や県教育委員会のリーダーシップのもと、障害児や障害者を取り巻く環境が大きく変わり、日本で一番障害者に優しく、寄り添う奈良県になることを期待してやみません。 共生社会の実現の観点から申し上げると、インクルーシブ教育の推進も重要と考えます。 障害者の権利に関する条約第24条によれば、インクルーシブ教育システムとは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することが可能とするとの目的のもと、障害のある者と障害のない者がともに学ぶ仕組みであります。 障害のある者が教育制度一般から排除されないこと、各障害者の方々が生活する地域において、初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な合理的配慮が提供される等が必要とされています。 そこで本日は、2026年度以降の県立高等学校入学者選抜について、奈良県立高等学校入学者選抜基本方針(案)について、吉田教育長にお伺いいたします。 2026年度以降の奈良県立高等学校入学者選抜基本方針(案)において、一般選抜と特色選抜の一本化、スポーツ・文化活動推進校における、部活動の活動実績の評価導入、さらに医療的ケア児に向けた選抜を新たに設けることを検討されていることについて、この医療的ケアを必要とする生徒を含め、障害のある生徒の県立高校入試における配慮の状況はどうなっているのでしょうか。今後の見通しも含めてお伺いいたします。 以上、壇上からの質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、日本維新の会を代表しての小林誠議員の代表質問にお答えをさせていただきます。 まず1点目の、県民の命と財産を守るための防災力の強化についてでございます。 五條市の県有地につきましては、昨年6月の予算執行査定におきまして、大規模
広域防災拠点の整備計画を見直し、どのような活用が適切なのか整備内容の検討を進めてまいりました。 紀伊半島大水害の実例や県南部地域の地形特性等を踏まえますと、南部地域では、道路の寸断による孤立集落の発生や停電が懸念されます。 そのため、五條市の県有地には、大型ヘリコプターが離着陸可能な防災ヘリポート、備蓄倉庫等を整備するとともに、蓄電池による災害時の非常用電源を確保する方針でございます。 また、過去の大災害における全国各地の課題等の検証を踏まえますと、進出、救助活動、航空搬送、物資輸送の4つの機能を1か所に備えた県の中心となる中核的な
広域防災拠点が必要との考えに至りました。 このため、県内の既存の
広域防災拠点やそれ以外の既存施設で十分にこれらの機能を果たせるか検討を進めてまいりましたが、本県には4つの機能を1か所で備える県有施設が存在しないと担当課から聞いておりました。 これらの検討を進める中、
県立橿原公苑にアリーナを新設することになったことから、アリーナを災害時の物資輸送拠点として活用することで、
陸上競技場、野球場等その他の施設とあわせまして、先ほど申し上げました
広域防災拠点の4つの機能を満たす中核的な
広域防災拠点として活用できると考えたわけでございます。橿原公苑は県中心部に位置し、交通アクセスにもすぐれており、他の
広域防災拠点と連携することで防災力を強化できると考えております。 また、近隣の橿原運動公園も
中核的広域防災拠点として併せて指定することができれば、一体的な活用が可能となるため、さらなる防災力の強化につながります。今後、橿原市と調整したいと考えております。 このように、広く県民の生命と財産を守るための取組であることにつきまして、引き続き県民の皆様の理解が得られるよう説明してまいりたいと考えております。 次に、2点目の大阪・関西万博に向けた奈良県の取組についてでございます。 大阪・関西万博は、多くの県民の方々や
県内事業者等が、世界各国で発生している課題の解決に向けた取組や、最新技術に触れることができる絶好の機会と捉えておりまして、本県としても積極的な情報発信等に努めてまいります。 万博開催前の機運醸成につきましては、これまでの県内でのシンポジウム開催や、県主催の集客イベント等におけるPRブースの出展に加えまして、令和5年10月に中国・臨沂市で開催されました東アジア地方政府会合でも、私みずから、大阪・関西万博のプロモーションを実施するなど、機会を捉えて取り組んできたところでございます。 来年度は、集客力の高い県内イベントや交通事業者等との連携により、万博情報の発信を行ってまいります。また、区切りである開幕半年前、開幕100日前に大阪・関西万博関連シンポジウムなどを県内各地で開催することで、大阪・関西万博へのカウントダウンを感じていただき、万博への期待、参加意欲を高めていただきたいと考えております。直近では来月に開幕1年前イベントを開催する予定でございます。 さらに、未来を担う
子どもたちに世界の様々な文化や知見、技術に触れる機会を創出することも重要でございます。そこで、令和6
年度予算案におきまして、校外学習として大阪・関西万博を訪れる小・中・高校生等の入場料を助成する所要額を計上しているところでございます。 今後も、県民の方々や
県内事業者等の皆さんが、より万博の魅力を感じ、万博会場に足を運んでもらえるような取組を進めてまいります。 大阪・関西万博に関する2点目の質問に対する答弁でございます。 大阪・関西万博では、国内外から約2,820万人の来客が見込まれております。その経済効果は2兆7,000億円を超えると試算されております。開催期間中は国内外の多くの方々に来県いただくとともに、奈良県の産業力や観光の魅力を発信することで、万博を一過性のものとせず、奈良県のさらなる飛躍につなげていくことが重要でございます。 具体的には、大阪・関西万博の開催に合わせまして、県内の競争力のある企業や、潜在力の高い工房などがつくる工業製品、木製品、農産加工品を一堂に集め、販売だけではなく飲食なども楽しめるクラフトフェアを県内各地で開催したいと考えております。 また、県内企業の優れた技術や生産者の思い、産地のストーリーなどを、ものづくりの現場で体感できるオープンファクトリーを各地で掘り起こし、県内の生産地域を周遊する産業観光の創出に取り組んでまいります。 次に、歴史文化、食の魅力、県南部・東部での体験型観光などのコンテンツを、オーベルジュや宿坊をはじめとした個性的な宿泊施設と組み合わせた観光モデルコースを、旅行事業者等に売り込むため、観光見本市を開催したいと考えております。 また、大阪・関西万博を契機に旅行を計画されている方々に対しましては、SNS等による発信のほか、お勧めの奈良旅のプランが表示される観光リコメンドサービスなどによりまして、海外への情報発信を強化することとし、あわせて多言語化対応にも取り組んでまいります。 これらの取組につきましては、大阪・関西万博終了後も継続し、本県の産業・観光のさらなる発展・飛躍につなげていきたいと考えております。 3点目の、今後の奈良県の観光戦略についてでございます。 観光の振興にあたりましては、奈良をさらに魅力ある観光地にする観光地域づくりを行い、多くの人々に訪れていただくことが重要だと考えております。 そのためには、地域や民間とも連携しつつ、観光の目的地としての魅力の向上を抜本的に強化して進める必要があると考えております。 来年度には、新たに観光戦略本部を立ち上げ、その中で観光地域づくりについて議論を進めてまいります。 具体的には、県内に奈良公園を含む、近鉄奈良駅・新大宮駅周辺や、平城宮跡周辺をはじめ、中南部地域など、重点エリアを県内に複数設定いたしまして、そのエリアごとの部会を観光戦略本部の中に設けたいと考えております。 観光地域づくりにおきましては、地域に存在する観光資源をユーザー目線で捉えまして、旅行者にとって魅力と感じられる新たな価値を発信することが重要でございます。 このような考えから、部会においては、新たな価値の発信に向け、専門家や地域の関係者とも協議しながら、その地域の観光資源の高付加価値化、観光人材の育成、感度の高い宿泊施設や飲食店の誘致、交通アクセス・インフラの改善など、目的地としての魅力の向上について総合的に検討してまいります。 県内の各地域におきまして、その特性や観光資源のポテンシャルを最大限に引き出し、目的地としての魅力の向上が進むよう、観光戦略本部において議論を重ねてまいりたいと考えております。 4点目の
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会に向けた取組についてでございます。 スポーツの持つ価値は多様でございます。あらゆる世代の健康増進につながるとともに、精神力も鍛えられ、特に子どもや若者にとりましては、豊かな心、身体、思考力を育むなど、人間形成に大変重要なものであると認識しております。
スポーツ施設の整備にあたりましては、多くの県民がスポーツに取り組み、あるいは観る際に快適に楽しめる環境をつくることが重要と認識しております。
県立橿原公苑のリニューアルは、この考えに基づき整備を進めてまいります。 具体的には、野球場は外野グラウンドの拡張、スコアボードの更新、バリアフリー化等の改修、
陸上競技場につきましては、トラックのリニューアルやバリアフリー化などの改修をそれぞれ行います。また、現在の2つの体育館は統合してアリーナを新設し、武道場と弓道場も配置する予定でございます。 なお、新しいアリーナにつきましては、先ほど伊藤議員への答弁のとおり、今後、利用者ニーズや民間事業者への聞き取り調査など、関係者の意見を伺いながら、面積や観客席数等の規模や内容を検討してまいります。 2点目の質問についてでございます。選手や指導者などの人材育成、県内の
スポーツ振興につきましても、小林議員お述べのとおり、大変重要な課題と認識しております。 地元開催の
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会で奈良県選手が活躍することで、県民は感動を受け、夢や憧れを抱き、みずからもスポーツに取り組もうとする気持ちになり、スポーツ人口の裾野の拡大につながるものと考えております。また、地域の一体感や郷土愛の醸成にもつながります。 そのため、来年度、(仮称)奈良県競技力向上推進本部を立ち上げ、競技力の底上げをはじめとする人材の育成に取り組みまして、
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会だけでなく、将来にわたり県内で選手として活躍し、その後、指導者として、次世代を育成するという好循環を生み出していきたいと考えております。 また、各競技の開催市町村を中心に、トップアスリートにご協力いただき、競技の普及・啓発活動などを令和6年度から実施する予定でございます。大会に向けた期待感を高め、盛り上がりにつながるよう取組を進めてまいります。 5点目の、学校現場における働き方改革と教職員が
子どもたちと向き合うための時間確保への取組について、お答えさせていただきます。 先の知事選挙におきまして、教員の負担軽減を公約として掲げました。そして、これを実現するため、先月、「教師にゆとりを!こどもに笑顔を!プロジェクト」を公表いたしました。 その主な内容は、学習プリントの印刷など事務作業を手伝う業務支援員や、学級担任等の授業運営の補助を行う学習支援員、また、中学校で負担の大きい部活動を担当する指導員をそれぞれ拡充してまいるということでございます。 業務支援員や学習支援員の配置につきましては、人件費のうち3分の1が市町村の負担であったことから、市町村間で配置状況に格差がございました。そして、その解消は県の果たすべき役割と認識いたしました。 特に業務支援につきましては、従来の市町村負担分を県が肩代わりして負担し、全校に配置するということを目指して予算を計上させていただきました。また、学習支援員につきましても、小学校において配置を拡充するため、市町村分を県が負担することとしております。 中学校の部活動指導員につきましては、市町村からの要望に応えられるよう配置数を拡充し、令和8年度には、休日における教員による部活動の指導を全面的に地域に移行したい、これが実現できれば全国で初めての取組となりますが、これを実現したいと考えております。 これらの外部人材を配置・活用した学校では、教員の在校時間が短縮されたり、子どもと向き合う時間が増え、教材研究や授業準備が充実するなどの成果が上がっていると聞いております。今後も、教師のゆとりが子どもの笑顔につながるよう、教員の負担軽減施策に努めていく所存でございます。ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 筒井医療政策局長。
◎医療政策局長(筒井昭彦) (登壇)28番小林議員から私に対して、
新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、次なる新興感染症の備えについてご質問がございました。お答えいたします。 今般の
新型コロナウイルス感染症への対応を振り返りますと、奈良県では重症者や死亡者を減らすことを最大の目標に掲げ、関係者の方々から多大なご尽力をいただきながら、この難局に対応してきました。 この間、爆発的な感染拡大の際には、確保病床や発熱外来の不足により、その都度、医療機関に体制拡充をお願いしたほか、常に最前線で対応した各保健所においても、患者数の増加に伴い業務が逼迫し、人員投入や業務効率化を図る必要があったなど、多くの課題に直面いたしました。 こうした経験から得られた知見や教訓に加え、今般の改正感染症法の趣旨を十分に踏まえ、本県では、現在、次なる新興感染症に備えるため、奈良県感染症予防計画の改定作業を進めているところです。 改定の主な内容としまして、医療提供体制につきましては、まず平時から、県が病院、診療所及び薬局等と協定を締結することにより、新興感染症発生時における迅速な病床確保や発熱外来設置などを目指すこととしております。 次に、保健所体制につきましては、平時からデジタル化等により、業務の効率化を図るとともに、有事の際にも円滑に対応できるよう、外部人材の活用も含めた人員体制の確保を準備していくこととしております。 あわせまして、この予防計画の実効性を高めるため、各保健所において、有事に備え、実践型訓練などを継続的に実施するとともに、健康危機対処計画の策定を進めております。 今後も、関係者と十分に協議を行いながら、奈良県の実情を踏まえた体制整備を着実に進めてまいりたいと考えております。以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) (登壇)28番小林議員の、障害のある生徒に対する県立高等学校の配慮受検についてのご質問にお答えいたします。 これまでから、障害等のある生徒が、県立高等学校を受検する場合、学校生活において提供される合理的配慮を踏まえ、一人ひとりの状況やニーズ等に応じて、具体的に申し上げますと、全盲の生徒に対する点字受検でありますとか、学習障害の生徒に対する問題文等の読み上げや時間延長などを実施しております。 先月16日、17日に実施いたしました令和6年度の特色選抜におきましては、37名の生徒が配慮受検をしております。具体の配慮事項につきましては、中学校での定期考査における配慮の内容を基準にしながら、県教育委員会、中学校、高等学校、市町村教育委員会などの関係者が連携をした上で、問題用紙等の拡大など、必要な支援の内容について丁寧に協議を重ねながら合意形成を図っております。 また、令和7年度に実施する県立高等学校の入学選抜の改善について現在検討しております。医療的ケアの必要な生徒が、先ほど申し上げました配慮受検では対応が難しい、具体には、手書きの表現が全くできないケースなどでございますけれども、この場合、保護者とともに通学可能な学力に見合った高等学校におきまして、学校独自検査、想定しておりますのは、CBT、コンピュータによるテストでありますとか、あるいは口頭試問でありますけれども、そういった試験で受検可能とするインクルーシブ教育推進に係る特別選抜の実施を現在検討しております。 今後も、受検機会・選抜方法における公平性・公正性を基本としつつも、一人ひとりの障害の特性等に応じた入学者選抜を実施してまいります。 なお、特に医療的ケアを必要とする生徒に対しましては、入学後も安心して高校生活を送れるよう、看護師や支援員の配置に尽力してまいります。以上でございます。どうもありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 28番小林誠議員。
◆28番(小林誠) ご答弁ありがとうございました。皆様方に更問、追加質問をさせていただきたいと思います。 上から順番に行かせていただきたいと思います。まず、山下知事にお伺いいたします。 まず、財源についてお伺いいたします。 これまでの4年間、
奈良県議会の議論を聞いておりますと、2,000メートルの滑走路をつくれば奈良県は安全だというふうなことに重きを置いて議論がされてきたと、私はこの4年間、個人的には感じております。確かに、大きな2,000メートルの滑走路、大規模防災拠点があれば、奈良県はいいかもしれませんけれども、巨額の公費を投資することについては、もっともっと議論をしなければいけなかったのかなと思っております。例えば、滑走路だけでは当然いけないわけでありまして、様々な施設、発着機の待機場や給油等の設備、さらには司令塔など、様々な施設が検討されておりました。そういったことの財政的なシミュレーションやコストの検証は、正直、この4年間、県議会には私は出てきていないと思っております。イニシャルコストだけではなく、これからその施設を維持管理するために税金を支払っていただく世帯の方々の声も、私は聞かなければいけないなと思っています。 ところで知事、就任されまして、そもそも、そういった大規模防災拠点の、今まで1,000億円、これからさらに値上がりするであろう金額財源について、就任されて、どのような財源を当てにしているというふうに財政当局、担当課から説明を受けられたのか、まずは教えていただきたいと思います。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 土地の買収に関しては、緊急防災・減災事業債が使われたと認識しております。 ただし、現時点では緊急防災・減災事業債については、令和7年度までに事業を概成することが必要とされております。 ただ、これが場合によっては延長される可能性もあるわけでございますけれども、令和7年度以降に実施される、あるいは期限が延長されるとしても、延長された後に実施される事業については、これは緊急防災・減災事業債は使えないということになるわけです。そうすると、リニア中央新幹線のトンネル工事でできる残土を埋立てに使うのだというふうに言われていたわけで、リニア中央新幹線の大阪までの開業は2037年、しかしながら、現時点では、名古屋までの開業時期が当初より遅れるというふうに言われているわけでございます。そうすると、新大阪までの開業時期も2037年からさらに遅れる可能性があるということでございます。 仮に2037年とした場合、今、2024年ですから、あと13年後ということになるわけです。そうしますと、そのときまでにこの720億円の工事が全部終わっているとは到底思えないわけでございます。そうすると、仮に緊急防災・減災事業債の使用期限が延長されたとしても、それ以降は自前でお金を用意するほかないわけです。それに加えまして、260億円のアクセス道路、これはもともと緊急防災・減災事業債は使えないわけです。そうすると、約1,000億円、これは試算したときより、今は建設業界の人件費とか資材が大分上がっていますから、僕は1,300億円とか1,500億円になる可能性は十分あると思うわけです。そのうち、緊急防災・減災事業債が使えるのは令和7年度もしくは延長された期限までに終わる工事だということであれば、場合によっては1,000億円を自前で調達しなければいけない。しかも、先ほど来言いましたように、能登半島の能登空港は災害時に使えない。そしてもう一度言いますけれど、議員がセミナーでお招きされた熊本県の
危機管理防災特別顧問の有浦さんも、防災目的の空港は要らないと言っていると。では、その1,000億円はどこから調達するのだと。これは、私が財政当局から聞いているのは、地域・経済活性化基金というところに毎年20数億円ずつお金を積んでいると。これを当て込むというふうに聞いておりました。
○議長(岩田国夫) 28番小林誠議員。
◆28番(小林誠) 知事がおっしゃったとおりだと思っています。大多数の奈良県民が知事を支持しているのではないかと、個人的には、今、思っております。 1つだけ言っておくと、当初の案どおり行かれましたら、リニア中央新幹線の残土のために私の選挙区斑鳩町に法隆寺から畠田駅に新しい線路を通す計画とか、そういったもろもろの計画も復活するのではないのかなと思っております。そうしないと、2,000メートルの滑走路、2,000メートルではなくても、あの深い谷を埋める、山を切り削って谷を埋める作業に、1万3,000立方メートルぐらいの土砂、残土が必要だったと思いますけれども、それが補えないので、リニア中央新幹線の土を運ぶ、新しい線路もつくるみたいな、そんな説明を地元にしないまま計画された総事業費2,000億円の事業もありますけれども、そういった事業についても、今回、山下知事が誕生されて、なくなってよかったという、私の地元の斑鳩町民は全てそういったお声をいただいております。これはご報告だけはさせていただきます。 そして、緊急防災・減災事業債の関係もございましたけれども、この4年間議論を聞いていますと、政治家なのに、緊急防災・減災事業債があるから別にいいのではないかというニュアンスの答弁をされる政治家がおられました。 山下知事、その答弁というか、緊急防災・減災事業債だからいいのではないのかという発想について、政治家として、どう考えておられるのか教えてください。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 先ほど言いましたように、1,500億円に上振れするとして、そのうち幾ら緊急防災・減災事業債が使えるか分からないわけですけれど、緊急防災・減災事業債が使えた場合は7割が起債の返済費を交付税措置してもらえるというふうに聞いております。では国から7割補填されるのだったら使ってしまえと、要るか要らないか分からないけれど、つくってしまえと、こういう発想が、我が国の1,200兆円を超えるという債務残高を産んできたというふうに私は思っております。国のお金だから別にいいのだと、そういう発想で地方がお金を使い続けることについては、僕は大いなる疑問を感じておりまして、国のお金だって奈良県民を含む全国の人が納めた税金を原資としているわけですから、無駄遣いはしてはいけないのが当たり前のことですよね。ですから、緊急防災・減災事業債だからいいのだみたいな議論は、私からしたら、全く政治家としての責任感、自覚を欠く政治家であると言わざるを得ないと思っております。 今後、もし我が国の金利が上昇したら、1,200兆円を超えるこの我が国の債務をどうやって返していくのだと。金利が1%上がるだけで何兆円と利息の支払いが増えていくわけですから、そういったことに対して、我々、地方自治に携わる政治家も、もっと責任感を持って臨まなければいけないと、私はそういうふうに強く思っております。
○議長(岩田国夫) 28番小林誠議員。
◆28番(小林誠) 我々、日本維新の会会派と全く同じ認識でいていただいているということで、大変安心させていただきました。 今、大規模防災拠点の720億円の7割の500億円が緊急防災・減災事業債、あと二百数十億円をどういった財源で埋めるのか、そういったときに前知事は、実は、第二阪奈道路の清算金二百数十億円があるから、ヘのかっぱという発言をされました。これは問題発言ですので、議事録からは抹消されていて、今、皆さん、
奈良テレビをご覧の方しか知らないのですけれども、やはりそういった考えのもとに、これからの県の事業を進めるというのは、私は政治家としてあってはならないと考えております。ぜひともその姿勢を、思いを、忘れることなく、是々非々で行財政改革をして財源を生み出し、未来のために新たな財源を生み出していただきますようお願いいたします。 ところで知事、この五條市にそもそも大規模防災拠点は、五條市の全市民が望んでいたのか、どう思いますか。私個人としては、香芝市に住んでおりました。香芝市の山の中、丘の上に住んでいました。丘の上には十数軒しか家がございません。そういった中で、コンビニにジャンプを買いに行くにも、獣道を通って、家から駅のコンビニに行っていました。そういった環境で育っていた私は、大変恵まれていたなと思っています。 でも、今、日本有数の香芝市、若者の増える町、宅地開発がありました。私の家の周り、見る影もなくというか、もう森も山も削って、木も削って、池も埋めて。そんなところに私は愛着がないので、第2のふるさと斑鳩町に引っ越しをして、今、新たな人生を歩ませていただいています。本当に、五條市の人って、皆さんが望んでいるのか、こういったことについて、奈良県としてアンケートをする必要があるかと思うのですけれども、そういった資料というのは、奈良県はお持ちなのか教えていただきたいと思います。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 奈良県としては、そういうことに限ったアンケート調査はしていないと思いますが、令和5年5月31日の奈良新聞によれば、奈良新聞がJX通信社というところと共同で5月27日、28日の両日、世論調査されたという記事が載っております。事業見直しの地元の住民を対象に、無作為抽出の電話世論調査を実施したということでございます。 それによりますと、この五條市の大規模防災拠点の整備につきまして、五條市に整備すべきだという方は54.79%でございます。それ以外の方は、五條市に整備すべきだという考え方ではないという、こういう調査結果が出ております。
○議長(岩田国夫) 28番小林誠議員。
◆28番(小林誠) その調査結果は、私ははっきりと存じ上げませんけれども、恐らく電話調査ではないかなと思っております。電話に出られるということは、どちらかというと年配の方だと思うのです。その年配の方でも、五條市が推し進めているこの大規模防災拠点については、その方々を含めても約55%しか同意を得られていない。これ逆に、調査できなかった大多数の若者は、本当に大規模防災拠点を望んでいたのかということについては、私は本当に疑問で仕方がないと思っております。 では、山下知事、お伺いさせていただきたいのは、先ほども、
自由民主党・無所属の会会派の方からも、日本維新の会も太陽光パネルを承認しているのですかというご質問がございました。私はこれ、印象操作だと思うのです。本日の請願にも、今日初めて目を通させていただきましたけれども、先に、五條市の大規模防災建設予定地に
再生エネルギー(太陽光)による大型電源施設だと。太陽光がいつもマスコミの報道を見ていても先なのですよ。いやいや、私は、まずは県民の生命財産を守るために、まずはヘリポートと災害用の備蓄倉庫が必要でしょう。だから、早期に取り組まなければいけないでしょう。さらには、この前、先ほどからお話がよく出ている熊本県の
危機管理防災特別顧問がおっしゃってましたけれども、やはり、水、トイレ、電気、これがまずは必要だというふうにおっしゃってました。そういったためにも、さらには能登半島地震から何を学んだのか、災害時における非常用電源の確保を私は検討した結果、技術的かつ奈良県の地理的要因によって、実現可能かつ効果的な太陽光パネルが選ばれたというふうな順序だと思っております。この私の認識、日本維新の会の認識で合っているのかお聞かせいただきたいと思います。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) おっしゃるとおりでございます。
○議長(岩田国夫) 28番小林誠議員。
◆28番(小林誠) 私は、これが正直、知事は絶賛されていますけれども、ベストなのかはまだ分かりません。ベターなのかも分かりません。 ただ、批判するだけなら誰でもできるので、対案を示す必要があると思いますし、そもそも、2,000メートルの滑走路を4年間検討していて、この専門家がばっさりと、防災関係だけの2,000メートル滑走路は要りませんというふうにおっしゃった。私たちはこの数年間、何をしていたのかなと。そもそも、しっかりとしたすべての事業には、専門家を充てて、客観的な専門家の意見を求めて、こういった大規模防災拠点ではないですけれども、その他の事業についても、山下知事の事業をしっかりと前に推し進めていただきたいと思います。 最後に、吉田教育長、お待たせいたしました。すみません、時間がございません。いろいろとありがとうございます。 お話を聞いていると、満額の回答だなと思っております。昨年9月に工藤県議会議員がおっしゃった答弁に対する満額の回答だと思っております。 しかし、まだまだ配慮試験に漏れてしまう、そういった一般の方々が大多数おられます。そういった方々も救っていただきますよう、よろしく申し上げまして、私の代表質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) しばらく休憩します。
△午後4時32分休憩
--------------------------------
△午後4時41分再開
○副議長(池田慎久) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、14番藤田幸代議員に発言を許します。--14番藤田幸代議員。(拍手)
◆14番(藤田幸代) (登壇)本日最後の代表質問に立たせていただきます、奈良市・山辺郡選挙区選出、公明党の藤田幸代でございます。議長の許可をいただきましたので、公明党を代表いたしまして質問させていただきます。 初めに、発達障害児(者)への支援についてであります。 文部科学省による令和4年の発達障害の可能性のある通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果では、小中学生の割合が8.8%、高校生で2.2%と報告されており、増加傾向にあるとも言われております。 このうち通級で指導を受けている小中学生は10.6%、高校生は5.6%にとどまり、支援が行き届いていない現状がうかがえます。さらに、著しい困難を示す基準には達していないけれども、基準近くに分布している児童生徒、いわゆるグレーゾーンの児童生徒も一定数おり、支援策の充実が求められております。 こうした調査結果からも、奈良県における発達障害児(者)への支援体制の構築は急務であると捉え、我が会派は、発達障害児(者)への支援の必要性、また県としての支援の在り方に関して、昨年の改選後の6月定例会から毎回の代表質問で取り上げ、また新年度予算要望でも知事にその必要性を訴えてまいりました。 今年度の補正予算では、発達障害の子どもへの支援のために相談ケースごとの支援の現状調査をし、その課題からあるべき支援体制を検討する予算を確保され、また先日、知事から、来年度の予算事業(案)として、3つの柱に基づく発達障害児(者)に対する支援の拡充を発表されました。 そこには、まず、支援対象者に直接支援をする市町村の支援体制構築や支援の充実、発達障害医療を担える小児科医の育成などが盛り込まれております。 まだ新
年度予算案の段階ですので、今議会の中で審議されることではありますが、今回提示された発達障害児への支援の拡充(案)については、大きな一歩につながるものであると評価させていただきます。 発達障害児への必要な支援といたしまして、何より早期発見・早期療育、一番早い発見月齢では、1歳6か月児健診で自閉症スペクトラムについては発見できるとも言われております。そうした早期発見・早期療育につなげることで適応できる環境や能力を確保することができます。 そして、ライフステージごとの環境の変化への継続した支援と、医療・保健・福祉・教育・地域などの包括的支援が必要であると考えます。 また、青年期になると、社会的自立、経済的自立につなげる就労支援も必要でございます。 こうした支援が必要な子ども・発達障害児が県内にどれほどいるのか、文部科学省の調査結果から考えますと、小中学生の割合が8.8%ということは、35人学級の中に、1クラス3人はいるということになります。 この小中学生の割合を赤ちゃんから中学校3年生、15歳までに当てはめて想定してみますと、令和5年10月1日時点の奈良県の0歳から15歳までの人口が15万6,813人ですので、奈良県の約1万4,000人の子どもに支援が必要なこととなります。このほかに、支援が必要なグレーゾーンの
子どもたちもおります。 これだけの
子どもたちをどう支えていくのか。市町村や地域の関係機関で行う直接的支援に対して、県としてどのように支援していくのか、その在り方を考えなければなりません。 県として果たすべき役割はどうあるべきなのか。それを求めて、昨年11月に公明党会派で、先進的取組をする埼玉県に視察に参りました。 その事例については、大国議員の12月定例会の代表質問でも主張させていただいております。再度の主張になりますが、埼玉県では福祉政策課に専担組織を設置し、県の発達障害支援の拠点として、発達障害総合支援センターを開設。医師・保健師・公認心理師・作業療法士・精神保健福祉士等の専門職と事務職を配置し、直接的支援をする人を育てるといった間接的支援、人材育成に注力されております。 その人材育成には3つの視点があります。1つ目には、保育園や幼稚園教諭を対象に1園当たり3人の支援体制、小学校教員を対象に1校当たり6人の支援体制、市町村の職員を対象に1市町村当たり12人の支援体制の構築に、年間2,000人近くの早期に気づき、支援できる人材育成のための研修をされております。 2つ目には、医療・療育の専門職の育成であります。医療の専門職に関しましては、本県の新年度事業(案)の中にも、小児科医のスキル確保を盛り込んでくださっています。そして療育のほうでは、発達支援のできる作業療法士の確保も必要であります。 そして3つ目には、作業療法士や経験豊富なセラピストを活用し、身近な地域で、専門性の高い支援ができる人材の育成、そうした人材育成に力を入れておられました。 そして、その研修内容や支援が地域の支援機関で定着することがさらに大切であります。そのための専門職の訪問助言などでフォローアップに努めていくこと。埼玉県が育成した人材により、確実に市町村、地域での支援の確保につながっておりました。 こうした埼玉県の発達障害児(者)への支援の構築には、当時の知事のリーダーシップが欠かせないものであったとお聞きいたしました。 また、そのときの埼玉県の支援体制の構築にご貢献された発達障害に詳しいドクターが、幸いなことに、現在、この奈良県の奈良県立医科大学にいらっしゃると聞いております。 そこで知事にお伺いいたします。 発達障害児(者)の現状について、知事はどのように認識されているのでしょうか。また、令和6年度の支援の取組と今後の支援の在り方について、どのように考えておられるのでしょうか、お尋ねいたします。 次に、困難な問題を抱える女性への支援についてであります。 コロナ禍により、困難を抱えている女性の現状がクローズアップされ、これまでの古い社会状況を捉えた、女性を保護する、また、更生させるといった法律から、現代社会の中での複雑化・多様化している女性の困難な問題に関して、包括的に支援するための「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」、いわゆる女性支援
新法が令和4年5月に成立し、令和6年4月1日施行となります。 この法律の施行に合わせて、現在、奈良県困難な問題を抱える女性への支援のための基本計画が策定されようとしております。 当初の計画(案)の報告を受け、昨年12月の文教くらし委員会において質問で取り上げましたが、女性支援
新法、女性支援の新しい法律の観点で、新たな支援の枠組みで計画されるべきものが、これまでの既成概念にとらわれているのではないか、現代女性が抱える困難状況の捉え方について、これまでの相談支援の枠から脱していないのではないかと感じるものでした。 また、今ある相談支援体制に関しても、抜本的に、今、見直さなければ、
新法で求められている複雑化した困難事例に対応できないのではないかという懸念を抱いて、2月初めに、厚生労働省の所管担当者へ公明党県議団で確認してまいりました。 女性が抱える困難さをどう捉え、どうした手段で支援していけばよいのか。 女性支援
新法による女性の支援は、女性が抱える困難さを幅広く捉えて、包括的に支援していく必要があり、これまで行われてきた福祉政策と複雑化する支援ニーズのギャップを埋めるものでなければなりません。 また女性が抱える困難さは、女性のライフステージにより様々であり、様々な困難を支援するためには、関係部署や機関が連携するものでなければなりません。これまでのDVやひとり親家庭の相談支援にとどまらず、複雑化多様化する女性が抱える困難さを支援していくためには、男女共同参画・医療・保健・福祉・教育・警察などの関係部署と、女性支援をする民間機関・団体も含めた支援調整会議が必要であります。 そこで、知事にお伺いいたします。 知事は、複雑化・多様化する女性が抱える困難さについて、どのように認識し、女性への支援体制を強化・確保されていくのでしょうか。 そして、困難を抱える女性の支援のためには、女性相談支援窓口と女性相談支援員、そして、その後の支援が必要な女性への自立を支援していくための施設が必要であります。今年4月に婦人保護施設から名称変更となる女性自立支援施設は、40都道府県と全国的にほとんどの都道府県で設置されておりますが、奈良県にはありません。 そこで、知事に伺います。 女性自立支援施設は、全国40都道府県で設置されておりますが、本県には未設置であります。女性の自立を支援するために、本県でも設置が必要な施設と考えますが、いかがでしょうか。 次に、地域包括ケアシステムの取組について、進行する高齢化社会を支えるため、団塊の世代すべてが後期高齢者75歳以上となる2025年を見据え、国が進める、介護が必要になっても住み慣れた地域で、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組みである地域包括ケアシステムの構築に、本県においても取り組んでこられています。 この仕組みの構築にあたっては、高齢化の進展に伴い、独居高齢者、老々介護が増えていく中で、孤立・孤独な高齢者、介護難民を決して出さず、介護施設の中にあっても、住み慣れた自宅にあっても、必要なサポートが過不足なく提供される安心できる生活の確保が課題であります。 また、高齢化に伴い、社会保険料が増大する中で、高齢者の生活を将来にわたり支えていくためには、医療・介護・福祉などの共助・公助といった公的支援(フォーマル事業)とともに、地域の中で互助となる助け合い(インフォーマル事業)が重要となってまいります。 このような課題を前に、実際に高齢者や地域関係者に直接対応するのは、地域包括ケアシステムを構築する上で中心的な役割を担う市町村になりますが、県としても県内の市町村が格差なく取組を進めていけるのか、確認・後押しをしていく責任があります。 目前の2025年を乗り越え、さらに団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年、高齢者人口がピークになる時代に対応できる仕組みを確実に市町村で実現していくことが肝要であると考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 団塊の世代すべてが後期高齢者となる2025年を目前に控え、現在、第9期介護保険事業支援計画の策定が進められておりますが、地域包括ケアシステムの構築に向けた県内市町村の現状やこれまでの取組を踏まえ、今後の課題にどのように対処し、市町村を支援していくのか、知事のお考えをお聞かせください。 次に、高等学校授業料等の無償化について、お伺いいたします。 知事は、昨年10月に、知事選挙の際に公約に掲げられた、高等学校授業料等の無償化について、令和6年度からの制度案を公表されました。今議会に提案されている令和6
年度予算案に、所要の経費約13億円が計上されております。 この制度は、県内の高等学校等に通学する県内在住世帯の生徒を対象として、私立高等学校の場合、年収の目安が910万円までの世帯については、国の就学援助支援金とあわせて上限63万円、910万円以上については、23歳未満の子どもを3人以上扶養する世帯に限り、上限5万9,400円の支援を行うこととされております。 今回の制度で、家庭の経済的状況に関わらず、みずからが希望する進路を選択できることを目的とされていることには、公明党といたしましても教育の無償化を目指しておりますので、理解するところではあります。 しかしながら、県民の方からは、同じように税金を納めているのに、年収の目安が910万円を境に支援の額に大きな差が生じることになること、また、県外の高等学校等に通学する生徒の家庭は無償化の対象とならないなど、不公平感が生じているとの指摘も伺っております。 また、この制度により、私立高等学校を志願する生徒が増加することで、公立高等学校を志願する生徒が減少し、定員割れを生じる公立高等学校がますます増えることになるのではないか。その結果、特に若年人口の減少の著しい県南部・東部地域をはじめとして、公立高等学校が減少することになるのではないかと心配しております。 先日のテレビ報道、新聞報道でしたか、大阪ではもう既に、私立高等学校の受験者が増えて、公立高等学校が厳しくなっているといった報道もあったようであります。 そこで、知事にお伺いいたします。 知事は、高等学校授業料等の無償化を進められておりますが、今回拡充した制度により、公立・私立のバランスのとれた教育の振興をどのように図っていこうと考えておられるのでしょうか。 また、今回の高等学校授業料等への支援の大幅な拡充が、県内の公立高等学校や私立高等学校に大きな影響を与えることを踏まえつつ、年収の目安が910万円以上の世帯の生徒や県外の高等学校等に通学する生徒への制度の拡大について、どのように考えておられるのでしょうか、お聞かせください。 次に、南部・東部地域における災害等への対応についてお尋ねいたします。 昨年12月、下北山村国道169号での崩落事故、また、本年元日夕刻に発生しました能登半島を襲った最大震度7の地震は、石川県など各地で甚大な被害をもたらしました。お亡くなりになられました方々のご冥福を心からお祈り申し上げ、また、この厳冬の中、避難生活を余儀なくされている被災者の皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。一刻も早い生活再建と復興のために、公明党としても取り組んでまいりたいと決意しております。 能登半島地震での奈良県の被災地支援におきましては、消防・医療・保健・警察等、職員の皆様の献身的な活動に心から感謝と御礼を申し上げたいと存じます。本当にありがとうございます。 今回の能登半島地震を見ますと、石川県の能登半島と同様に、奈良県の南部・東部地域も山間地域であり、孤立しやすい環境にあるのではないか、同じ災害状況となるのではないかと懸念いたします。 能登半島地震では、土地の隆起や亀裂、山間の至るところでの崩落で道路が寸断され、被災直後、孤立した集落への救助・救援活動が阻まれ、救援物資を届ける手段の確保にも時間がかかった状況がありました。中でも水の確保は、今もなお深刻な状況であり、給水車で水を運ぶにも道路の確保が大切であることを痛感いたしました。 発災から72時間が人命救助のタイムリミットとも言われており、救助・救援活動のための道路の確保が何より大切であることから、今回の地震では、いのちの道とも表現されています。 こうした能登半島地震の被災状況を教訓に、奈良県南部・東部が被災した場合に同じような状況になる可能性があり、そのときの初動対応となる救助・救援活動をどう確保できるのか、まずは想定しておくという心構えが大切であり、その上で対応できるための対策、事前の備えをしておくべきであると考えます。 まずは、南部・東部のいのちの道となる国道168号・国道169号について災害に強い道路整備をしておくこと、災害時に備えた道路啓開計画の策定なども大切であり、そして道路啓開に時間がかかる場合には、ヘリコプターを活用することを念頭に、孤立集落の中で離着陸地点の確認や確保をしておくことも大切な備えになります。 奈良県地域防災計画においても、孤立集落対策に関する一定の取組方針が定められておりますが、より一層の取組強化を進めておくべきであると考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 能登半島地震の被害状況を踏まえ、南部・東部地域に孤立集落が発生した場合の支援について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。 最後に、県庁における障害者雇用の促進についてお尋ねいたします。 障害者雇用促進法に基づき、労働者に対する障害者の雇用の割合が義務づけされる、障害者法定雇用率が定められております。昨年末の12月に奈良県の令和5年の障害者雇用状況が、奈良労働局から発表となりました。 これによると、民間企業の法定雇用率2.3%に対して、実雇用率は3.06%で、9年連続過去最高を更新されております。 公的機関である奈良県においては、法定雇用率2.6%に対して実雇用率2.78%と達成することができ、昨年の2.69%を上回ることができております。 しかしながら、奈良県教育委員会においては、法定雇用率2.5%のところ1.94%と、昨年の1.81%から少し増えたものの、達成することができておりません。その上、47都道府県教育委員会の中でも、奈良県教育委員会は42番目と大変悪い成績となっております。 そこで、県教育委員会の障害者雇用について、教育長にお伺いいたします。 令和6年4月から法定雇用率が2.7%に引き上げられ、さらに令和8年には2.9%まで達成が義務づけられています。 新年度事業(案)に、学校における障害者雇用の促進を掲げられており、教育委員会としてもこの状況に本腰を入れて取り組んでくださると期待したいところですが、実雇用率と法定雇用率がかなり乖離しております。教育委員会において、障害者の法定雇用率が達成できていない状況にありますが、今後、達成に向けて、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。 次に、知事部局の障害者雇用についてお伺いいたします。 法定雇用率は達成されておりますが、これからの共生社会を目指して、障害者の立場に立った雇用の在り方なども検討する必要があると考えます。 1つには、障害者枠での正規採用に関してですが、奈良県の障害者の採用時の年齢要件は18歳~29歳となっております。他の都道府県の採用時の年齢要件は、大阪府では18歳~60歳、兵庫県では18歳~59歳、京都府も同様に18歳~59歳、滋賀県では18歳~34歳、和歌山県では18歳~35歳と幅広い年齢層を対象とし、障害者の採用の門戸を広げる配慮をされております。 健常者の受験環境と、障害者の受験環境には違いがあります。障害者の方は就労への訓練が必要であったり、任用的な就労で慣れる期間が必要であったりと、受験に至るまでに時間を要することがあります。そうしたことを配慮した年齢要件にするべきではないでしょうか。 2つ目には、障害の種別による採用の在り方であります。 身体障害者・知的障害者・精神障害者と障害者の方の採用をされておりますが、その中でも、知的障害者の雇用が極めて少ないという状況があります。知事部局の雇用状況でも、知的障害者の雇用が極めて少ないことは確認しております。 知的障害者のご家族の方からも、経済的自立について、親亡き後の生活を心配するお声もあります。 知的障害の方にできる仕事を庁内から集約して提供するといった障害者に合わせた仕事の確保ということも共生社会を進める行政だからできることではないでしょうか。そして、採用にあたっては、障害の特徴を理解した上での試験内容とする配慮も必要と考えます。 そこで、総務部長にお伺いいたします。 知事部局において、障害者を対象とした職員採用試験の年齢要件の緩和、また知的障害者の受入拡大など、障害者雇用を一層進める必要があると考えますが、今後、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。 以上、私の壇上での質問とさせていただきます。(拍手)
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、公明党を代表しての藤田議員のご質問にお答えさせていただきます。 まず1点目の、発達障害児(者)への支援についてでございます。 発達障害のある子どもは、適切に療育を受ければ、社会での活躍が期待できるにもかかわらず、家族だけで悩みを抱えておられるケースも多く、社会全体でサポートする仕組みが求められていると認識しております。 このため、私は、発達障害の子どものサポートを選挙公約に掲げまして、令和5年度6月補正予算に所要額を計上し、発達障害児(者)への支援について検討を進めてまいりました。 県ではこれまで、昭和63年に県心身障害者リハビリテーションセンターを設置し、医療と福祉の一体的提供を開始したほか、療育・相談等の支援を行う障害児通所支援事業所への介護給付費の負担、さらに発達障害児(者)の総合的支援拠点である県発達障害者支援センターの設置等を行ってまいりました。 これに加え、令和6年度は次の3つの視点から新たな取組を進めてまいります。 1点目は、発達障害のある子ども等とその家族に寄り添うということでございます。早期の段階からライフステージを通じて伴走支援を行うため、県発達障害者支援センターにおける相談員の増員や、地域課題の見える化及び体制整備等を支援する地域支援マネージャーの新設などを行ってまいります。 2点目は、支援を必要とする子ども等を早期に適切な支援につなげるため、県総合リハビリテーションセンターの小児科医師の増員や、診断前アセスメントを行う専門職の配置など、福祉と医療が適切に役割分担と連携ができる仕組みを構築してまいります。 3点目は、当事者を中心に地域でチームとして支援する体制整備のために、障害児支援の質の向上に取り組む市町村の支援や、医師間の連携強化を行う情報提供書の作成などを行ってまいります。 引き続き、障害の有無に関わらず、誰もが能力を発揮できる社会の実現に向けまして、これらの取組の効果を検証しつつ、必要な施策を実施してまいりたいと考えております。 大きな2点目の、困難な問題を抱える女性への支援についての1点目、知事は複雑化・多様化する女性が抱える困難さについてどのように認識し、女性への支援体制を強化・確保していくのかとのご質問にお答えをさせていただきます。 藤田議員お述べのとおり、本年4月から施行する「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」は、これまでの婦人の保護更生を目的とする売春防止法から脱却し、支援を必要とする女性が抱えている問題やその背景、心身の状況等に応じた適切な支援を包括的に提供し、その女性が安心してかつ自立して暮らせる社会の実現に寄与することを目的としております。 本県では、この
新法及び国の基本方針に即して、奈良県困難な問題を抱える女性への支援のための基本計画(案)を策定し、本議会の委員会においてもご説明させていただいております。 この計画の策定にあたりましては、昨年5月から10月にかけて、県内の女性を支援する民間団体へのヒアリングや市町村へのアンケート調査を実施いたしまして、現状や課題の把握に努めてきたところでございます。 調査の結果からは、女性が抱える困難については、性的な被害、家庭の状況、不安定な就労状況、生活困窮、孤立などに加えまして、高齢者、障害者、在住外国人、性的マイノリティであることなど多様化、複雑化、複合化していると認識をしておりまして、これらを計画の対象として定めております。 またこの計画では、女性への支援策といたしまして、民間団体と連携したアウトリーチによる支援対象者の早期把握、個々の状況や本人の希望に応じた自立支援など、新たな取組も盛り込んでおります。 それらの支援を効果的に実施していくためには、体制や連携の強化が重要でございます。そのため、来年度から、中央こども家庭相談センター内に女性相談支援センターを設置し、人員を増員して、県内の女性への支援の中核とするとともに、県、市町村、関係団体間の連携強化を図ってまいります。 さらに、新たに支援調整会議というものを設置いたしまして、県庁内の関係部署、警察、市町村などに加えまして、地域で様々な困難を抱える女性を支援する民間団体にも広く参加を呼びかけ、必要な情報の交換や支援の内容に関する検討を行ってまいります。 今後、様々な困難な問題を抱える女性に寄り添い、つながりながら、行政や民間団体による重層的な支援や、本人の状況に応じた適切な支援を実施できるよう取り組んでまいります。 困難な問題を抱える女性への支援についての2点目でございます。女性自立支援施設を本県でも設置してはどうかというお尋ねでございます。 本県におきましては、先ほど申し上げましたとおり、奈良県困難な問題を抱える女性への支援のための基本計画の策定を進めております。これによりまして、支援対象者の状況に応じて、一時保護のみならず、退所後の自立支援の充実を図ってまいります。 先ほど申し上げました支援調整会議で支援の在り方を検討することとしておりますが、まずは、支援対象者が安定した生活の場所を確保し定着できるよう、市町村、民間団体等との連携を強化し、母子生活支援施設や救護施設等の活用により、支援の充実を図ってまいります。 藤田議員お述べの女性自立支援施設の全国の状況につきましては、携帯電話が使えないなど外部との連絡が制限されるといった理由から、入所者数は低く推移しておりまして、定員数も年々少しずつ減少しております。 また、定員に対する充足率は、令和4年度の全国値では18.4%となっております。 なお、本県の令和4年度のデータでございますが、一時保護後に退所された女性の退所先としては、本人の希望によりまして、親族、友人・知人宅などに身を寄せる方が40%、母子生活支援施設や救護施設などの社会福祉施設に入所される方が24%、帰宅される方が16%の順に多く、県外の女性自立支援施設への入所はない状況でございます。 続きまして3点目、地域包括ケアシステムの取組についてお答えをさせていただきます。 我が国では、高齢者人口がピークに達する2040年に向けまして、高齢者の平均年齢も上昇の一途をたどっており、今後、さらに超高齢化社会が進行する見込みでございます。 これに伴い、高齢者が安心して生活を送るために必要なサービスは、質・量ともに増大しております。その一方で生産年齢人口は急激に減少してきており、介護人材の不足をはじめ、サービス提供の持続可能性には懸念が生じております。 これら高齢者を取り巻く課題に対応するため、県では3年ごとに高齢者施設の基本的な方針となる介護保険事業支援計画を策定して、市町村や事業者とともに取組を進めております。 計画の基本理念は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるようにすることでございまして、そのために不可欠なのが、地域において、医療・介護・生活支援等が包括的に確保される地域包括ケアシステムの構築であります。 地域包括ケアシステムは、地域ごとに市町村が主体となって構築に取り組むものでございますが、令和5年度までの第8期計画におきましては、県は、在宅医療・在宅介護の提供体制の整備や、健康づくり・介護予防の推進など、市町村の取組を支援してまいりました。 その結果、医療・介護の連携体制である入退院調整ルールが、全市町村で運用されるなど、県下全域での着実な進展が見られております。 現在策定中の第9期計画におきましても、地域包括ケアシステムの深化・推進と介護保険制度の持続可能性の確保を2本柱に位置づけまして、医療・介護の多様なニーズに対応するサービスの充実と、それを将来にわたり維持できるような人材確保等を推進することとしております。 さらに、計画策定の基本方針において示す地域共生社会の実現という理念や、昨年成立した認知症基本法を踏まえ、地域における生活支援サービスの充実や認知症高齢者への支援などを積極的に推進することとしております。 今後とも、すべての高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる奈良県の実現に向けまして、市町村や事業者とともに取り組んでまいる所存でございます。 次に、4点目の高等学校授業料等の無償化についてでございます。 まず、その1点目の、公立・私立のバランスのとれた教育振興をどのように図っていくのかというお尋ねでございます。 私は、奈良県で育つ
子どもたちには、ご家庭の経済的な事情を気にすることなく、希望する進路を選択していただきたいという強い思いから、今議会に提案している令和6年度当初予算案に、高等学校授業料等の無償化に係る経費を計上させていただきました。 今回お示ししている制度では、年収の目安が910万円までのご家庭で、国の高等学校等就学支援金により、公立高等学校においては既に授業料が無償化されていることを踏まえまして、令和6年度からは、県内の私立高等学校に子どもが通学するご家庭に対しまして、全学年一斉に公立と同じ年収水準まで実質無償化を行うことといたしました。 一方、県立高等学校の施設が全体的に老朽化していることも認識しており、まず、思春期の高校生にとって最も切実な問題であるトイレの洋式化と乾式化を全公立高等学校において計画的に進めることとし、今回の予算案に所要の経費を計上させていただいています。 また、県教育委員会では、生徒それぞれが自分らしく学べるよう、例えば、進学教育重点校・推進校やスポーツ・文化活動推進校を指定するなど、各県立高等学校において特色のある教育を進め、入学者を増やすための様々な創意工夫を行っていただいております。奈良県立大学が設置している附属高等学校におきましても、大学と高度に連携しながら、課題探究型の学びを重視した教育に取り組んでいるところでございます。 ご懸念いただいております、県南部地域・東部地域におきましては、県立高等学校が生徒の学習機会の確保に対して中心的な役割を担っていることを認識しており、引き続き、県教育委員会において、通学条件、地域バランス等に配慮した課程・学科の適正な配置に取り組むこととしたいと考えております。 今回の高等学校授業料等の無償化のスタートが契機となり、国立・公立・私立を問わず、県内の高等学校が切磋琢磨し、本県の教育の質が一層向上することを大いに期待しております。 高等学校授業料等の無償化の2点目の質問でございます。今回、制度の対象外となった生徒への拡大について、どのように考えているのかとのお尋ねでございます。 今回お示ししている制度に係る県の財政負担は、県立高等学校の授業料の減免を含めまして約13億円でございます。この財源は、前知事時代に計画された大型公共事業の見直しによりまして、その財政需要に備えて行っていた地域・経済活性化基金への積立てが必要なくなったことから、この財源が生み出されたものでございます。 藤田議員お尋ねの年収の目安が910万円以上の世帯につきましては、今回の制度におきましても、23歳未満の子どもを3人以上扶養しておられる多子世帯を対象に、新たに5万9,400円の支援を行うこととしております。ただ、多子世帯以外の世帯の生徒や、県外の高等学校等に通学する生徒に対する支援については、近隣府県における高等学校授業料支援制度の状況や、県の財政事情等を踏まえて見送ったところでございます。 この制度のさらなる拡大には、多額の県負担を要することから、引き続き、既存事業の徹底した見直しなど、行財政改革の取組を推し進める必要があると考えております。今回の制度の在り方については、こうした県の財政事情や、今回の制度拡大が県内の公立・私立高等学校に与える影響、近隣府県の状況等を見極めつつ、しっかりと考えてまいりたいと考えております。 続きまして5点目の南部・東部地域における災害等への対応についてでございます。 大規模災害発生時には、本県においても南部・東部の山間集落を中心に、道路途絶による孤立集落が発生すると認識しております。 平成23年の紀伊半島大水害においても、土砂災害により17の地区で孤立集落が発生した経験から、発生に備えた対策について、市町村と協力して取り組んできたところでございます。 具体的な取組といたしましては、まず、災害時に孤立する可能性がある集落について、ヘリによる救助活動や物資輸送を迅速・的確に行えるよう、対象集落や災害時に活用可能な臨時のヘリポートの位置情報、そうしたものを県内の各消防本部や県の防災航空隊と共有しているところでございます。 次に、外部との連絡がとれなくなる、いわゆる通信孤立対策といたしましては、すべての市町村役場に衛星携帯電話を設置しております。さらに、孤立集落との通信を確保するため、その集落の避難所への衛星携帯電話等の設置が進むよう、引き続き市町村に働きかけてまいります。 また、集落が孤立した場合の備えとして、避難所における非常用電源の確保や、食料・生活必需品等の備蓄を市町村に働きかけるとともに、自助としての食料備蓄や自主防災組織による避難訓練なども呼びかけていくつもりでございます。 加えて、さらなる防災力の向上を目指し、可搬型蓄電池等の活用による災害時の非常用電源の確保について、現在、検討を進めているところでございます。 孤立集落の解消に1か月以上を要した能登半島地震における支援の状況や課題を検証しまして、市町村等と協力しながら、災害時の孤立集落対策の充実を進めてまいりたいと考えております。登壇してのお答えは以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) (登壇)14番藤田議員からの、教育委員会における障害者雇用率達成に向けた今後の取組についてのご質問にお答えいたします。 文部科学省が令和2年7月に発表いたしました、全国の職種別の障害者雇用率では、教員が1.27%、事務職が7.39%と大変大きな差がございまして、その要因には、障害者の教員免許取得率の低さが挙げられております。 このため、県教育委員会では、全国の教員養成系大学に呼びかけまして、教育職員への夢を持つ障害のある大学生及び大学院生を支援する目的で、全国障害学生支援ならネットを令和3年度から運用しておりまして、開始からこれまで18名の学生が参加してまいりました。この講座の受講生には、本県の教員採用試験において、教職教養や集団面接を免除しておりまして、今年度は2名が合格しております。 また、教員以外では、県立学校において障害者の方を学習プリントの印刷や配付準備などの教員の業務をサポートする教員業務支援員として、令和3年から任用しておりまして、今年度は15名の任用となっております。 しかし、法定雇用率は残念ながら2.5%を達成できておりません。 来年度には、障害者を対象とした教員業務支援員の配置をすべての県立学校に拡大し、39名とする予定でございますが、法定雇用率は今後、段階的に引き上がり、令和8年度には2.9%となります。この状況に対応し、県教育委員会の障害者雇用率を抜本的に改善していくため、来年度の組織改編で、課長級をヘッドとする障害者雇用の専門チームを教育委員会内に設置いたします。 当該チームが中心となり、障害者の方が担う業務内容や、新規雇用計画の策定、教育現場での理解促進等について、外部の専門家等の意見も踏まえながら検討を行って、法定雇用率の達成に向けた取組を、藤田議員の言葉をお借りして、本腰を入れて進めていく所存でございます。どうもありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 岡野総務部長。
◎総務部長(岡野年秀) (登壇)14番藤田議員から、知事部局における障害者雇用の促進についてご質問いただきましたので、お答えさせていただきます。 本県におきましては、奈良県職員障害者活躍推進計画に基づき、障害を有する職員が、県庁組織内でその能力を十分に発揮し、活躍できる包摂的な職場づくりを進めてございます。 まず、毎年の職員採用において、障害のある方を対象とした選考試験等を実施し、令和5年度には23名の方を採用いたしました。このうち、知的障害を有する方は4名となっております。 また、障害のある職員を対象として、職場満足度等に関するアンケートを今年度から実施するとともに、職場での困り事等について、人事担当職員が面談を行い、フォローアップに努めるなど、定着率向上の取組を行っているところでございます。 これらの取組により、知事部局等では、法定雇用率達成を継続できているところです。 今後、法定雇用率のさらなる引上げが予定されていることも踏まえまして、これらの取組を、今後より一層推進していく方針でございます。 藤田議員お述べの職員採用試験の対象年齢の拡大や、知的障害者の受入拡大についても、先進自治体の事例等を研究するなどにより、検討してまいります。ありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 14番藤田幸代議員。
◆14番(藤田幸代) 2問目は自席において、主張、要望とさせていただきます。 発達障害児(者)への支援についてでありますが、国においても、発達障害などを早く発見し、安心して小学校入学につなげるための5歳児健診が推進され、今年から導入する市町村への財政措置がされます。実施主体は市町村ですが、県下の全市町村が導入するよう後押ししていただきたいことと、何よりこの健診では、発達障害を見極められる人とスキルの確保が課題であります。県主催で5歳児健診のための各市町村の保健師の研修などの実施をご検討ください。 発達障害という生きづらさを抱えた
子どもたちへの早期発見・早期療育、ライフステージに応じて切れ目のない包括的支援体制を整えることで、発達障害を要因とした生きづらさの様々な支援に結びついてまいります。 例えば、親が抱える子どもの育てにくさの支援となり、児童虐待をさせない、未然防止とすることができます。また、子ども自身の学校での生きづらさの支援となり、不登校児童・生徒を減らすことになります。小さいときから集団への適応力をつけてあげることで、若者のひきこもり支援にもつながります。適切な支援、理解ある環境の確保で、精神障害などの2次障害を避けることにつながります。こうした発達障害を要因とする多くの支援に結びついてまいります。 来年度は、発達障害の支援体制強化に取り組んでくださるとのこと、その中でも特に、発達の見立てをしていただく小児科医の充実を図ってくださることには期待し、感謝いたします。 しかしながら、県下の支援が必要な子どもの人数を考えますと、県としての支援の在り方など、抜本的な体制整備が必要であると考えます。ぜひとも、山下知事のリーダーシップのもと、福祉・医療・保健・教育等が連携できる中心となる先端組織を設置し、県の発達障害支援体制を、これまでの直接的支援から、人材育成に注力する間接的支援を確立し、市町村での身近な支援の確保、一人でも多くの支援につなげていただきますようにお願いいたします。 次に、困難な問題を抱える女性への支援についてであります。 当初の基本計画案から、12月の委員会で私の意見も踏まえ、また、皆様からのパブリックコメントも反映させて、関係課、関係機関を含めた支援調整会議の開催と重層的な支援計画へと、短期間に随分と改善してくださったことは評価させていただきたいと思います。 女性が抱える困難さには、若年女性・成人女性・中年女性・高齢女性と、女性のライフステージによって、様々な困難状況がございます。そうした女性の様々な困難さに光を当てて、効果的な支援を提供するための代表者会議、実務者会議、ケース会議といった支援調整会議となるようにお願いいたします。 そして現在、女性の相談支援の窓口が、中央こども家庭相談センターにありますが、子どもを守る施設である児童相談所と、これからより多くの女性の相談窓口として開かれていかなければならない相談窓口が同一であることも、窓口の在り方として、今後、改善していく必要があるとも考えます。 それと、先ほど知事からご答弁がありました、女性の自立支援施設でありますが、これから新しい視点での支援が始まっていきますので、そうした設置も前向きにご検討いただきたいと思います。 女性支援
新法の制定にあたり、女性の支援を進めるため、国もそのための財源確保をしておりますので、そうした補助事業も多く活用して、積極的活用・積極的支援をしていただきたいと存じます。 次に、地域包括ケアシステムであります。 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる助け合いのまちは、地域福祉が充実しているまちであります。地域福祉が充実しているまちは、高齢者だけではなく、
子どもたち、障害をお持ちの方、地域のすべての方が住みよいものとなります。その地域福祉の充実となる地域包括ケアシステムの取組が、県下格差なく整えられますようにお願いいたします。 2040年問題では、65歳以上の高齢化率が35.3%に上るとも言われ、1人の高齢者を約1.5人の現役世代で支える時代が到来すると推計されております。単なる、高齢化がピークとなる時代という課題だけではなく、社会保障の維持が深刻な状況を迎える時代になるとも言われております。公明党といたしましても、政府に提言していくため、この2040年を乗り越えるためのビジョンを現在策定中でもあります。 そうした時代を迎えていくために、まず、今なすべきことは、高齢者施策である地域包括ケアシステムの地域での助け合いの仕組みづくりを県下で格差なく整えていただくこと、そして、2040年に向けて、奈良県で共生できる社会をより進めておかなければならないことと考えます。 共生社会を進めることは、障害や性別、人種、年齢などに関係なく、差別や排除をなくし、あらゆる人々を受け入れ、すべての人が平等に参加できる、包摂という認識の共有を進めていくことです。現代でよく言われております、排他的社会、人に無関心社会、そうしたものから、共生社会、包摂的社会へと広げていくために、まずは知事の言動が県民に大きな影響を与えることになります。知事みずから包摂的な思いで県政を進めていただきますことを要望いたします。 高等学校授業料等の無償化についてであります。 教育の無償化は大切であると考えておりますので、今回の制度を否むものではありませんが、制度発表までの検討段階で、私立高等学校の授業料等の無償化に伴う公立高等学校進学とのバランスをどのように検証されたのか、家庭の経済的状況に関わらず、みずからが希望する進路を選択できることを目的にされておりますが、授業料等が無償化されても、私立高等学校ではそれ以外にかかる費用も大きく、家庭の経済的状況に関わらず、本当にみずから希望する進路を選択できるのか、家庭に経済的事情のある生徒にとってはもっと必要な支援があるのではないか。県のすべての
子どもたちが置かれている状況を念頭に入れていただき検討された制度設計なのか、少々危惧しているところでもございます。今後、奈良県のすべての
子どもたちにとっての教育全体の振興をお願いいたします。 次に、南部・東部地域の防災対策です。 近年の自然災害による被害状況は深刻さを増すばかりで、想定以上の発災も否めないところではありますが、備えをするに越したことはありません。人命救助のタイムリミットと言われる、発災直後の72時間の初動対応で一人でも多くの命を守るために、今回の能登半島地震を教訓とした南部・東部地域の災害対策となる事前の想定のもとの事前の備え、そのための初期体制の確認をお願いいたします。 そして提案ですが、備蓄品に加えていただきたいものがございます。能登半島地震の被災地でも活用されましたインスタントハウスというものがあります。2種類ありまして、避難所の中でプライバシーを確保するための段ボール仕様のハウスと、仮設住宅として屋外で設置できる防水仕様のものがあります。両方とも時間をかけずに設置でき、低価格であることが利点であります。特に、避難所生活が長引いたときの精神的ストレスや関連死の対策になり、女性の性被害防止にもなります。県としての備蓄品に、ぜひともご検討いただきたいとお願いいたします。 そして、今回の質問は、先ほどの質問でもありましたが、五條市の大規模
広域防災拠点計画を後押しするものでは決してないことをお断りさせていただきます。中でも
メガソーラー計画は、慎重に検討すべきものであるということだけ主張させていただきます。 そして、県庁における障害者雇用の促進について。現在、法定雇用率を大きく達成されている民間企業においても、今後、令和6年、令和8年と法定雇用率がアップされ、また、従業員数の基準が拡大され、義務づけの対象となる民間企業は増えていくことになります。民間企業に対して行政として示しがつくように、県教育委員会の法定雇用率達成に、鋭意ご努力をお願いいたします。またその際、知事部局の協力も必要であると思いますので、よろしくお願いいたします。 障害者の方の雇用に関しては、法定雇用率があるからというだけではなく、障害者の方がどうすれば社会参画できるのか、そのための合理的配慮は何かという視点に立つことが大切であります。そうした視点で、障害者の枠での採用年齢要件について、ぜひとも前向きにご検討いただきたい。 そしてまた、知的障害者の採用に関しては、今年度、新しく採用にも取り組んでいただいたということですので、今後も継続していただけるようにお願いいたします。 そして、これからの仕事の在り方として、庁内のDX化が図られ、人が担う仕事は減っていくと考えられますが、障害者が担える仕事の確保は意識していかなければならないのではないかと考えます。県が積極的な障害者雇用の取組を示すことで、県下の市町村や民間企業へのお手本になっていくと考えますので、よろしくお願いいたします。 そして最後に、知事に意見を申し上げたいと思います。 知事が当選されましたのは、多数決による選挙であります。選挙でありますので、多数決の原理は当然のことではありますが、選挙の公約だから実現して当然というのは、県民全体の総意を得たのか定かではないということ。そして、1つの県の長である知事となったお立場では、どこまでも少数意見を聞く努力は必要ではないか。当選した者として、公約に掲げたことの実現も大切ではありますが、知事となったからには、選挙で戦っていたとき以上のより広い見識に立った物事への判断、基準の在り方が大切であり、そして、一人でも多くの方と合意形成が図れるように取り組むことが、知事としての責任ではないでしょうか。合意形成の取組があってこその民主主義ではないでしょうか。 独善で進められると、権威主義に陥ってしまいます。今回の新年度事業で発達障害児(者)への支援の充実を進める事業等では、福祉目線での事業として、大変評価させていただいております。それと同じように、少数の立場にある人、弱い立場にある人、生活弱者という、数といった基準では光の当たらない人に光を当てて県政に臨まれることは、知事として必定であると考えます。 五條市や、橿原市などの問題となっていることも、地域の合意を得られる努力と、何より地元地域への伝え方、伝える順番へのご配慮が欠けていたのではないでしょうか。 そしてもう1点、新年度事業予算を審議する2月定例会が始まる数週間前から、新年度事業案について記者発表を繰り返されていました。これから議会で審議されるものを先に発表することで、県民の皆様に実施が決定したものと誤解を与えてしまうことになっています。また、そうすることで、議会を牽制していることにつながりかねませんし、議会が行う審議を軽視、議会軽視しているのではないかと感じます。 社会的常識である、マナーやルールを重視されるのが山下知事であると考えますので、今後の知事としての県政姿勢について再認識していただきたいと意見いたします。 そして、大切なことですので、もう一度申し上げます。知事の言動は、県民の皆様に大きな影響を与えることとなります。知事みずから包摂的な思いで県政を進めていただきますことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
--------------------------------
○副議長(池田慎久) 21番浦西敦史議員。
◆21番(浦西敦史) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。
○副議長(池田慎久) お諮りします。 21番浦西敦史議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。 (「異議なし」の声起こる)
○副議長(池田慎久) それでは、さように決し、次回、3月4日の日程は、当局に対する代表質問及び一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。
△午後5時44分散会...