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12月09日-05号

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  1. 奈良県議会 2022-12-09
    12月09日-05号


    取得元: 奈良県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 4年 12月 定例会(第352回)令和4年12月         第352回定例奈良県議会会議録 第5号             令和4年12月9日(金曜日)午後1時1分開議   --------------------------------    出席議員(38名)      1番 小村尚己        2番 樋口清士      3番 植村佳史        4番 浦西敦史      5番 山中益敏        6番 亀甲義明      7番 小林 誠        8番 階戸幸一      9番 川口延良       10番 疋田進一     11番 池田慎久       12番 乾 浩之     13番 大国正博       14番 太田 敦     15番 佐藤光紀       16番 清水 勉     18番 西川 均       19番 阪口 保     20番 井岡正徳       21番 田中惟允     22番 中野雅史       23番 山本進章     24番 奥山博康       25番 小林照代     26番 山村幸穂       27番 尾崎充典     28番 藤野良次       29番 和田恵治     30番 荻田義雄       31番  欠員     32番  欠員        33番 米田忠則     35番 岩田国夫       36番 小泉米造     37番 今井光子       38番 森山賀文     39番 田尻 匠       40番 粒谷友示     41番 秋本登志嗣      43番 川口正志    欠席議員(3名)     17番 松本宗弘       34番 出口武男     42番 中村 昭   --------------------------------    議事日程 一、当局に対する一般質問 一、追加議案一括上程 一、知事提案理由説明 一、議案の常任委員会付託   -------------------------------- ○副議長(西川均) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後6時まで延長します。   -------------------------------- ○副議長(西川均) この際、お諮りします。 追加議案の上程を本日の日程に追加することにご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○副議長(西川均) ご異議がないものと認め、さように決します。   -------------------------------- ○副議長(西川均) ただいまより、当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、40番粒谷友示議員に発言を許します。--40番粒谷友示議員。(拍手) ◆40番(粒谷友示) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。 まず、学研高山地区第2工区のまちづくりについてお伺いをいたします。 生駒市では、本年6月に学研高山地区第2工区のまちづくりについて、人口減少や多様化する働き方などを踏まえ、産業施設を中心とする総合的なまちづくりを目指すべく、学研高山地区第2工区マスタープランを取りまとめられたところでございます。 また、先月21日、学研高山地区第2工区事業推進会議の第1回目の会議が開催されました。生駒市が新たに設置されたこの事業推進会議は、マスタープランを基本にまちづくりを推進していくためのものであり、国や県からも参加されることになりました。 かねてより、企業立地等に大概高いポテンシャルを持つこの地区のまちづくりは、雇用の確保や税源確保に非常に効果的で、生駒のみならず、奈良県にとっても重要なプロジェクトであると考えております。 このため、これまで何度も本会議で質問をしてまいりました。県も積極的に協力を要望してまいりました。 平成28年に、生駒市がそれまでの方向を転換し、全体の約6割に当たる、UR都市機構が所有している土地を取得するとともに、有職者による懇談会を開催されるなど、スタートから大変長い時間がかかりましたが、今回、国・県・市がそろう会議が設置されたことで、いよいよ、学研高山地区第2工区のまちづくりの検討が本格的に開始されるものと期待しております。 そこで、知事にお伺いいたします。 学研高山地区第2工区のまちづくりについて、現在、県は、生駒市とどのような協議を行っているのか、また、今後まちづくりの検討にどのように関わっていくのか、ご所見を伺いたいと思います。 次に、生駒市における幹線道路の整備について、今期4年間の総括として、生駒市内道路整備について質問をさせていただきます。 本県において、国道や県道の整備率は全国で見ると、最下位近くにある状態でございます。国道や県道といっても2車線のないところや、幹線道路で2車線であったとしても、交通の流れが悪く、停滞が著しいところもございます。 生駒市内でいうと、市北部において東西に走っている国道163号があるが、この道路は現在、国において清滝生駒道路として4車線化を進めておられますが、全線開通までにはまだまだ整備が必要でございます。 市中央部においても、私がこれまで、一丁目一番地の事業として幾度も質問をさせていただいてきました辻町インターチェンジ市中央部を東西に走っている阪奈道路と南北に走っている国道168号が交差する部分で、現在、大阪方面のランプはございますが、奈良方面へのランプがない状況でございます。 このことから、生駒インターチェンジあるいは富雄インターチェンジが大変混雑しており、こうした課題を解消すべく、県は市と連携しながら、奈良方面行きのランプの整備に向けて取り組んでおります。 さらに、市南部では県北西部を南北に結ぶ幹線道路である国道168号を2車線から4車線化に進めて、現在、生駒市の小平尾町から小瀬町の間を小平尾バイパスとして、整備を進めているところでございます。 生駒市だけでなく、奈良県にとっても、道路整備は大変重要な施策と考えております。 そこで知事にお伺いをいたします。 阪奈道路の辻町インターチェンジや国道168号小平尾バイパス、国道163号清滝生駒道路生駒市内における幹線道路の整備をどのように進めていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、近年、気候変動の影響により、気象が変化し、頻発化している中で、全国的にも集中的な豪雨をもたらす線状降水帯という現象が多くなってまいりました。 私の地元である生駒市を流れる竜田川は、人口が集中する市街地の中心を南北に流れています。竜田川流域の丘陵地では、これまでの宅地開発により市街化され、保水力が低下しております。 さらに、現在、小瀬地区内の上流の壱分町において、大きな開発が計画されており、この開発が進めば、当然、竜田川に表面水が流れ、少なからず影響があるものと思われます。 今年も集中豪雨時には、近鉄南生駒駅前小瀬地区において、竜田川はあふれんばかりでございました。この小瀬地区は、これまでも度々浸水による被害を経験しており、近隣住民の方は大雨のたびに不安を抱えるのが実情でございます。 竜田川の小瀬工区の改修は、井堰や用地買収の問題がある中、鋭意進めていただいておりますが、一方で応急的もしくは暫定的な対策も必要ではないかと考えます。 そこでお伺いいたします。 竜田川の小瀬工区について、河川改修について当面の対策として、県はどのような取組を進めようとされているのかお伺いいたします。 次に、不登校対策について、教育長にお伺いをいたします。 先般発表された、令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によれば、本県の不登校児童生徒数は、小学校において前年度比258人増の1,013人、中学校では394人増の1,988人、高等学校では55人増の695人と、いずれの校種も増加しました。 要因には、休養の必要性を明示した、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の趣旨が、保護者や児童生徒に浸透した側面もありますけれども、ストレスや不安、悩みを抱え、生きづらさを感じている児童生徒の増加があると思われます。 休養の意義も確かにありますが、不登校の状況が長期化し、児童生徒が教科学習や社会性を学ぶ機会を十二分に得られず、社会的自立に影響が出ないか大変危惧されます。 県教育委員会は、平成7年度よりスクールカウンセラーを配置しているなど、不登校が増加する状況の中で学校でのニーズもさらに増加していると考えます。 不登校の児童生徒が増加している現状を受けて、県として今後どのように不登校対策を行っていくのか、教育長にお伺いいたします。 次に、2点要望をさせていただきます。 1点目は、生駒市内の大規模開発でございます。先般地元自治会にお招きいただきまして、そのときの住民のご要望を申し上げたいと思います。 現在、生駒市壱分町における大規模開発は、生駒市や警察と協議を行っているところでございます。 この開発地域のすぐ近隣に小学校があることから、開発行為中における安全確保はもちろんのこと、周辺環境との調和、周辺道路への影響、歩道や交差点の整備等に関して、地元住民から様々な意見が出ました。大変不安な声も聞きました。 一義的には、開発業者が誠意を持って、地元住民の声を耳に傾けながら、十分な説明を行い、理解を得ることが重要でございます。しかしながら、現況では十分ではないという思いをいたしました。 県においては、この大規模開発については様々な課題があることを認識いただき、県に許可申請がなされた場合は、現状をしっかり把握した上で対応していただくよう要望しておきます。 次に、生駒警察署の建替について、私がご提案を申し上げ、今回の建替がなされたことに大変安心しております。 ただ、昨今の物価高を受け、先日の入札は不調に終わったとのことでございます。今回、補正予算も計上されており、無事に落札され、着工されることを期待しております。 新生駒警察署のコンセプトとしては、災害に強い警察署と高齢者に優しい警察署と聞いております。私も含め、地元住民は一日も早く開署することを期待しております。 引き続き、県警察を中心として、各部局が協力し、地域の安全・安心の拠点となる新生駒警察署が早期に完成できるよう要望して、私の一般質問の壇上での質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)40番粒谷議員のご質問がございました。お答え申し上げます。 まず最初のご質問は、学研高山地区第2工区のまちづくりについてでございます。 学研高山地区第2工区のまちづくりにつきましては、国が決定いたしました、関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針に基づき、県が建設計画を作成することになっております。 この建設計画は、整備方針や人口規模、土地利用計画等を定めた整備の基本的な計画でございますが、UR都市機構が参加していた当時の、住宅を中心としたまちづくりのままとなっております。生駒市では、現在は、産業施設中心まちづくりを検討されております。県では、建設計画の変更等について市から相談を受けているところでございます。 県としては、このようなまちづくりの方向性の変更について賛同し、この建設計画を変更する必要性について認識をしています。建設計画をどのように変更するかについては、この当該土地を買い戻されました生駒市が、より具体的に事業内容を示される必要があると考えております。 このような中、粒谷議員お述べのように、生駒市では、今後のまちづくりの検討に際して、学術経験者や行政機関などから意見や助言などを求めるため、学研高山地区第2工区事業推進会議を今年10月に新たに設置されました。県も参加させていただいております。 先月21日に開催されました第1回目の会議では、生駒市から、当該地区の全体面積が非常に広大であるため、複数の工区を設定し、段階的に取り組む等についての説明がありました。委員の方々からは、学研都市としての将来や地域全体のまちづくりの考え方を示す必要があるとの意見や、また地権者の意見に対しどのように取り組んでいくのかなどのご意見があったように聞いております。今後、さらに事業推進会議が重ねられ、議論が深められるものと考えております。 学研高山地区第2工区は、そもそも企業立地等ポテンシャルが高い地域だと考えております。今後とも、事業推進会議への参画を含めまして、産業を中心とするまちづくりを目指される生駒市の取組に県としても協力してまいりたいと思っております。 2つ目のご質問ですが、生駒市域における幹線道路の整備について、特に辻町インターチェンジ、国道168号小平尾バイパス、国道163号清滝生駒道路についてのご質問がございました。 これらの道路の生駒市域における位置づけでございますが、東西軸として第二阪奈道路、国道163号と阪奈道路がございます。また、南北軸として、国道168号と県道枚方大和郡山線がございます。これらは県の骨格幹線道路ネットワークとして位置づけているところでございまして、それらの整備を推進しています。これらが完成すれば、生駒市の経済社会の発展にとって大きな意味がございます。効果が発揮されることを信じております。しかし、これらの道路は整備途上の箇所もございまして、骨格幹線道路上、または関連する箇所で渋滞が発生している状況でございます。 こうした課題を解消するため、現在、国が国道163号清滝生駒道路を、県が国道168号小平尾バイパスの整備を進めています。また、国道168号と阪奈道路の結節点であります辻町インターチェンジフルランプ化に向けて、取り組んでいるところでございます。 道路整備を着実に進めるためには、用地の確保が何よりも重要でございまして、地域及び地権者の方々の協力は不可欠でございます。整備の予算を陳情し、「荒井知事用地取得ができないところには事業費をつけられませんよ。」と、もう重ねて言っておられます。 奈良県は用地の確保が全国の中でも最も難しい地域だという評判が立っております。生駒市もその例外ではないように見えます。粒谷議員、よろしくお願い申し上げます。 用地買収ができれば、道路整備が一挙に進むのが実情でございます。県としては、国道163号清滝生駒道路についても、県土地開発公社用地買収に協力しております。また、県が事業主体であります国道168号小平尾バイパスについては、用地買収を進めるとともに、バイパス区間橋りょう工事を進めております。また、辻町インターチェンジフルランプ化につきましては、生駒市と協力をしながら、地域及び地権者の方々のご理解、ご協力が得られるように説明を重ねております。 この国道163号清滝生駒道路、国道168号小平尾バイパス、辻町インターチェンジについては、県職員が用地取得に苦労しております。その進捗状況についてはプログレスレポートという形で、定期的に私に報告が上がるようになっております。したがいまして、この用地買収の事情は私が詳細に承知しております。その中で、用地交渉難航箇所が特定されております。いつも同じ名前が書いてございます。長く残っております箇所もございます。そのほとんどは高額要求でございます。生駒市も例外ではございません。県は公定価格以上で土地を買うことは絶対にありません。プログレスレポートを見ながら、県の職員の苦労をしのんでいる状況でございます。 生駒市域の皆様の利便性や安全安心を向上させるため、用地取得を進め、これらの骨格幹線道路の未整備区間が一日も早く供用できるよう、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 清水県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(清水将之) (登壇)40番粒谷議員より、私には生駒市内の竜田川の河川改修についてご質問がございました。 竜田川では、小瀬工区として、生駒市小平尾町地内の井出山橋から小瀬町地内の大登大橋までの約2キロメートルの区間において、河道の拡幅や河床掘削による河川改修に取り組んでいるところです。 これまで、下流部の生駒南第二小学校前の左岸においては、令和2年に約80メートルの護岸整備を行いました。 中流部の約400メートルは平成12年の被災を受けて、災害関連事業で平成15年に護岸復旧を暫定的に行いました。 南生駒駅付近は、小瀬橋上流右岸の約70メートルの区間で、矢板護岸による暫定的な断面拡幅工事を平成30年に行いました。 また、工区内の4か所の農業用取水井堰については、既に3か所で井堰の水利組合と補償契約を締結し、現在、上井手井堰の移設工事を行っており、今年度完成予定です。 今後の対策としましては、下流部の生駒南第二小学校前の井手山井堰下流の右岸で、約25メートルの護岸工事に着手します。さらに、暫定的な整備にとどまっております中流部と上流部については、松本井堰の改修について、井堰管理者の理解が得られるよう交渉を続けてまいります。上流部の南生駒駅周辺については、現在、生駒市が道路等のバリアフリー化を検討中であることから、それとも整合するように市と連携し、検討していきます。 これらの対策にはまだ時間を要することから、当面の対策として、小瀬橋上流左岸約200メートルの区間で、来年度より矢板護岸の施工を予定しております。 また、工区内の樹木伐採、堆積土砂撤去など、河道断面の確保による治水機能の向上も適宜進めていきます。 今後も、地域の方々や関係機関の協力を得ながら、浸水被害を未然に防ぐことができるよう、河川改修を推進してまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)40番粒谷議員のご質問にお答えいたします。 私には、不登校児童生徒の増加に対する今後の対策についてお尋ねでございます。 令和4年10月27日に公表されました、文部科学省の令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査、この結果によりますと、奈良県の国公私立の年間30日以上欠席している不登校児童生徒数でございますが、1,000人当たりに換算いたしますと、小学校では15.3人、前年度では11.2人でございました。中学校では54.5人、前年度では43.5人でございます。高等学校では21.2人、前年度では18.7人でございまして、新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、全国と同程度前年度より増加をいたしております。 また、この調査から、小・中学校では36.3%の児童生徒が、高等学校では40.6%の生徒が、学校内外の機関での相談等も受けていないという結果がございまして、令和4年度はスクールカウンセラーの総配置時間数を前年度より約14%、2,079時間を増やして、1万6,735時間を配置いたしております。その結果、現在、県立学校、公立中学校義務教育学校の全校と公立小学校20校に配置ができております。また、未配置の小学校には、同じ校区の中学校との連携や教育研究所からの派遣によりまして、スクールカウンセラーの活用を現在可能といたしております。 さらに、教育研究所におきましては、電話・メール・SNS、LINE中心でございますが、これによる相談、また来所による相談、必要に応じまして、居場所として設けております、こまどりルームでの活動などを通して、不登校児童生徒の支援にも取り組んでおります。 不登校の未然防止には、子どもが孤立や孤独を感じる心の変化を少しでも早くキャッチすることが大切であると考えております。このため、来年度には、奈良女子大学で開発いただいております、こころと生活等のアンケートを本県の全児童生徒を対象に本格的に実施をいたします。アンケートの分析結果を踏まえ、市町村教育委員会や学校と連携をしながら、早期対応に組織で取り組むなどの支援の充実を図りたいと考えております。 以上でございます。どうもありがとうございました。 ○副議長(西川均) 40番粒谷友示議員。 ◆40番(粒谷友示) 知事から今答弁いただいたのですけれども、学研高山地区第2工区につきまして、私は9月に代表質問をさせていただきました。このときの知事の答弁を踏まえて、生駒市の皆さん方は、とりわけ高山地区ですけれども、やはり、もっと強いメッセージが欲しいというご要望でございます。 考えますと、一時期、荒井知事は、この学研高山地区第2工区については、非常にポテンシャルの高い地域である、それに100億円ぐらいの投資は必要か、あるいはまた、県立医科大学の移転も含めて、大変情熱的に知事はお話しをされました。私もそのときは非常に共鳴し、知事の熱意あふれるこの行動に大きく拍手したところでございます。しかしながら、前生駒市長がこの事業に対して白紙撤回されることになりましたので、この事業は凍結することになりました。 しかし、今、新しい市長がUR都市機構の土地、この約6割の面積を有するように買収をしました。そして、生駒市がこの事業を再スタートしたわけでございます。住民の皆さん方が期待されているのは、奈良県の強い強いメッセージであります。 今、知事からいろいろとお話しいただきましたけれども、皆さん方は奈良県ももっと情熱あふれる、以前のような熱意が欲しいな、そんな声が聞こえてまいります。 と申し上げますのは、やはりこの事業は、平成6年に、県、そして生駒市、UR都市機構と3者で基本協定書に調印した事業であります。土地を持っておられた方は当然売却された方もいらっしゃいますけれども、その地域の中の土地を持っている方は、いわゆる用途変更し、調整区域から市街化になって、もういつだったらできるのやろな、もうこれで30年になるわけです。 今、新たなスタートラインに立ちました。私は、できるならば、県のリーダーシップがもっともっと欲しいというのが地元の声でございます。知事は今年の春でしたか、夏でしたか、学研高山地区第2工区の現地に視察に行かれたと聞いております。その現地の視察を見られてどのような認識をお持ちなのか、再度お聞かせ願いたいと思います。 ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) 学研高山地区第2工区の県の関わり方について振り返ってみますと、前の市長が来られたときに、住宅はもう要らないと、UR都市機構の開発はもう要らないと、ストップをかけられました。それは一つの見識だと思いますが、あるときに前市長に住宅なしで開発するという方向はあるのかと聞きました。それはあるよとおっしゃったので、県は乗り出しました。 そのときに住宅以外の開発ということになって、どのようにするかという中で、県は土地区画整理事業、県がやってもいいというふうにも提案いたしました。100億円ぐらいは損してもいいかと思っておりました。 また、その開発の中で県立医科大学の新築問題がありました。老朽化問題がありました。県立医科大学学研高山地区第2工区まで移転するということ、カードを切りました。この議会では大騒動になりました。 粒谷議員立ち位置はどうだったのかよく分かりませんけれども、生駒出身の議員の方々の立ち位置は分かりませんでしたけれども、橿原方面の中村議員と、もうすごい勢いで大反対されました。 そのときに前生駒市長は、県立医科大学だけでは駄目だと、病院まで持ってこないと駄目だと、こうおっしゃったわけでございます。それはあまりだと、私もさすがにあまりだと思いました。 それでもう学研高山地区第2工区の県関与はやめたわけでございます。そのことは必ず思い出していただきたい。 今おっしゃいましたけれど、そこまで入れ込んだ時期があって、その粒谷議員立ち位置はその当時、どうだったか分かりませんけれども、そこまで私が入れ込んだということは記憶していただきたいと思います。 この議会でも大騒動になったって、明日香の中川君はもう血相を変えて私に報告してきました。そのときも100億円ぐらいは損してもいいのだけれどもということを言ったことを覚えています。 その後、知事選にも出られまして、学研高山地区第2工区の開発は、県の関与がストップしたわけでございます。 それから、市長が替わりまして、学研高山地区第2工区の開発を新たにし、どういうわけか市がUR都市機構の地面を買い戻されました。県に相談なかった。買い戻されました。このようにするから買い戻すよという相談はなかったのです。 だから、県、関与しないということで済んでおります。市民の方が不熱心だとおっしゃいましたけれども、相談なしのことに関与するのはもうこりごりだという思いでございました。 そのような事情の中で、生駒市長はこのようなことを、方針をこれから決めたいと、どのようにするかこれから決めたいのだとおっしゃいましたので、そのことについては協力しましょうと。市が主導だということを、粒谷議員、きちんと言ってくださいよ、市民の方に。市が買い戻した地面ですから、県が買い戻した地面でもありませんので。 協力は十分にしますけれど、県が主体的になるという方法はないですよ。この議場は大変になりますよ。もうカードはありません。協力するために全力を尽くしますけれども、ぜひ市民の方に、県の協力不十分だとおっしゃる方に、ぜひその歴史を言ってくださいよ。お願いしますよ。 ○副議長(西川均) 40番粒谷友示議員。 ◆40番(粒谷友示) 今、知事がおっしゃったように、県立医科大学の移転、そして100億円の投資、私もこの議場で申し上げました、あのときに。知事の評価、非常に高くしました。 そのときに、周りの方が、特に南部の方、議員さんが後ろから石を投げられました。何言うねんということで、そのときは、私も記憶に十分あります。 当時の橿原市の森下市長は私の大の友人です。しかし、彼もそれについては反対だということで、県に押しかけたと聞いております。 私、あのときの荒井知事の情熱というのは、私個人にとっては、非常にすばらしい判断だと大変評価して、この議場で私はそうした発言をしたと思います。 今おっしゃったように、生駒市が用地を買収すると、UR都市機構の土地を買った、これが県に何も相談がなかったということをおっしゃいましたので、私、このことは知りませんでした。どういうふうな経過で買収されたか知りません。今の知事の表現では、生駒市が県に相談なしに土地を買ったんだと、だから、生駒市が頑張ってやる、イニシアティブを取ってやる事業だから、県は協力はやぶさかではない、協力はするけれども、県が頭に立って、リーダーに立ってやるということではないのだよということをおっしゃったのが、それでよろしいですね、知事。そういうふうに認識したらいいですね。 私はそのことが分かりませんでしたので、そういうことで、地元の皆さん方にも説明させていただきます。 ただ、これは県にとっても生駒市にとっても大変大きな事業のことですから、来年の選挙で、いろいろな方がお出になりますから、当然、いろいろなマニフェストが出てまいると思いますので、私もしっかりと精査をさせていきたいと思います。できるだけ協力はお願いしたいと思います。 次に、辻町インターチェンジにつきまして質問させていただきます。 今、知事は用地買収は非常に難しいということをおっしゃいました。もう、私も熟知しております。今、振り返りますと、この問題を提起したときに、約10年前でございました。当時の加藤県土マネジメント部長に私が辻町インターチェンジの必要性を質問させていただきました。 そのとき、加藤県土マネジメント部長は、反対の看板が立っているからこの事業はできにくいのだということをおっしゃった。私はそのときにこの議場で再質問でかみつきました。私、忘れもしません。奈良県の道路行政の中で何が必要なのか、それは、県民にとって必要な事業かどうかをまず判断するものである。一部の反対があっても、これは県民にとって必要ならば、それは理解と協力を求めて事業をすべきではないかと、こう申し上げました。 当時、県土マネジメント部長も何度かの激しいディベートの中でやりながらご理解いただきました。加藤県土マネジメント部長が東京に帰られる前に、私のところにお越しいただいて、粒谷議員、あの事業は一丁目一番地の事業として、私は次の県土マネジメント部長に継承しますとおっしゃった。また、荒井知事も私とのディベートを見られて、現地に行っていただいたそうでございまして、そして、後日に荒井知事が、粒谷議員、現場に行ったら、やはりあの辻町インターチェンジしないといけない、分かりました、こういうふうにご判断いただいたのも事実でございます。大変ありがたい言葉を頂戴いたしました。 ただ、最近、特に言われるのは、知事が4年前、8年前にも、私のミニ集会で辻町インターチェンジのことでやりますよということをおっしゃった。生駒市の皆さん方にとってはいつできんねんと、これ、どないなっとんねんと、こういう質問が再三にわたって出てまいります。 私はこの辻町インターチェンジの言いだしっぺですから、私も手をこまねいているわけではありません。地元に行きまして、地元の皆さん方にこの理解と協力を求めるために汗を流しております。また、生駒市に行きまして、山本副市長にも再三再四にわたって、この辻町インターチェンジの協力をお願いしております。 山本副市長には、まず生駒市が前払い、露払いをしてほしい。やはり、用地買収など含めて、生駒市のほうが地域の皆さん方に非常になじみがあるだろうから、生駒市が協力していただきたい、このお願いもしました。そして、県の担当者も来ていただきながら、生駒市の担当者とともに、どうすればこの事業はうまくいくんかと。 ただ、悲しいかな、私は執行者でありませんので、できる側面協力しかできません。地元の皆さん方に強力なお願いしても、それ以上のことは私はする立場ではありません。 でも、私はこの事業について最初に口火を切った人間ですから、私だけ一生懸命汗を流しております。 ただ、市民の皆さん方からあの辻町インターチェンジは、一体いつになったらどうなるのやろな、その説明がなかなかつきづらいです。 ただ、今、知事がおっしゃったように、土地を持っておられる方はお商売されている方にも貸してはるのです。なかなか一律一気にその用地を買収することはできないと思うのです。やはり、お商売されている方については代替地も必要でしょうし、そう簡単にはいかないのですけれども、なかなか市民の方にはご理解いただけない。どう説明したらよろしいでしょう。 ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) 用地買収ですけれども、先ほど申しました、ほとんどすべてが高額要求です。公定価格以上に買うと、我々が罪に陥ることは、ほかの市の買収を見てよくご存じだと思います。 だから、それにもかかわらず高額要求されることに職員は苦労しています。そのときの切り札は強制収用です。粒谷議員からも強制収用を早くしろと言ってくださいよ、私どもに。喜んでいたしますよ。喜んでいたします。 強制収用をやめろと言われると進みません。高額要求との板挟みなので進みませんよ。理解されない道路がたくさんあるのですよ。もう資料を私も何度も、もう何年も見ていますから、名前を覚えています。この人は相変わらずだと。名前も今でも言えます。 それを市長によっては、強制収用される市長となかなかされない市長とございます。粒谷議員から、強制収用をしろよということを市民の方に言えますか。なかなか言われないのが常です。それを県が頑張れ頑張れと言っても、難しいのはご存じのことではありませんか。職員が物すごく苦労しているのは、私はこれだけの資料、こんな資料がどんどんと来るのですよ。それをみんな見ているのですよ。苦労がしのばれるというのは本当にしのばれるのです。 だから、粒谷議員にも、こんな言い方して失礼ですけれども、その苦労の跡、全部読んでいるからこういう言い方になるのですけれど、早く強制収用してくれんかと思うところが多々あります。高額要求ですよ。すごい高額要求の積み重ね。 しかし、だんだんそれがなくなってきて、一番喜んだのは橿原高田の京奈和自動車道。104件の未買収地箇所がありました。ほとんどが交渉難航箇所でした。あの辺りの人、高田と橿原、やはり欲どおしいのかと思って、ずっと見ていましたが、今、ゼロになりましたですよ。 あそこは強制収用の勢いになりますと、強制収用になると、税金控除がなくなるのですよ。そこまで行くと、もういいよとおっしゃる、そこまで行くのがなかなか大変。 そのときに頭を下げろ下げろと言っている政治ばっかりだったら、なかなか奈良は相変わらずだと。東京に行くと言われます。「奈良みたいなことをしていたら、事業費をつけられませんよ。」と、何度も言われた。だから、こんな言い方もするのです。事業費、これだけ要求して取ってきているのに使えないのですから。 ぜひ用地買収を進めば、小平尾でも、特に辻町インターチェンジでも、よくご存じではないですか。粒谷議員のアイデアであれだけいい絵が描けたのですから。粒谷議員、ここで叫んでおられたのは、席が違うとこですけれども、よく記憶していますよ。粒谷議員の情熱で辻町インターチェンジフルランプ化の設計図ができたのですから。 しかし、今、用地買収で頓挫しています。頓挫していますよ。進めませんよ。それは県の責任ではない。なかなか難しい。その苦労を見ていますと、何とかならないかと。これは市長も頑張っていただいております。辻町インターチェンジのことは市長は大事だと思って頑張っていただいている。 あと、地元の自治会の皆様方のご理解を得るというのは大変でございます。ぜひ、粒谷議員のエネルギーをそちらの方に向けていただくとありがたいと思います。共に頑張ろうということになれば、奈良の道路は格段によくなると信じております。 そのような例もございます。生駒でも道路がよくなりますように、ぜひ協力体制でよろしくお願いいたします。
    ○副議長(西川均) 40番粒谷友示議員。 ◆40番(粒谷友示) 知事がおっしゃる気持ちもよく分かります。私、決して職員を批判していません。私も職員の皆さん方から随時報告を受けております。本当にご苦労かけているというのはもうよく分かっています。 ただ、私に執行権者ではないだけに、じくじたる思いもあるし、また市民の近くにおりますので、市民の皆さん方からのご要望、ご意見というのは直接入ってきますので、私自身もつらい立場にいるというのも事実です。その板挟みになっているのも事実です。 ただ、今、知事おっしゃったように、そういうような気持ちの中ということは、市民の皆さん方にお伝えをさせていただきます。よろしくお願いいたします。 次に、県土マネジメント部長、先ほどご答弁いただきました。ちょうど私はこの竜田川の問題について、参加をしたのが3年ほど前でございました。当時の県土マネジメント部長にも地元の現場を見ていただきました。非常にこの事業は必要な事業ということもご認識いただきました。 令和3年、4年の予算で堆積土砂を大幅に取るなど、できることはすぐにやる。そして、中長期的な視野に立っての事業もやっていくと、このようなお話もございました。 今回も、私、県土マネジメント部長に要望書をお渡しいたしました。来年度予算にぜひ反映していただきたい、そんな思いでございますので、ぜひとも地元の切ない要望を聞いていただきたいと思います。 今、申し上げましたように、この上流部分で、今、大型開発が1か所進んでおります。そして、今言いますように、壱分町での開発は今、話合いをされております。そうなりますと、この表面水が竜田川に流れますので、開発行為と河川改修とはまた別ですけれど、ただ、非常に危惧される部分がありますので、ぜひとも力をお貸しいただきたいと思います。 最後に、教育長から不登校につきましてご答弁いただきました。私、この問題、一番何が問題なのかというたら、それぞれ個人個人、全部、なぜ不登校になったかという理由は別々だと思うのです。これを解決するということは、いわゆるマンパワーでしか解決できないのかと。生徒さん、お一人お一人の立場に立って、これを解決しなければできないのではないかというのが私の思いでございます。 今日まで、私もこの不登校の問題、再三にわたって質問させていただきました。私も現実、この不登校の子どもさんのご家庭に入って、学校へも一緒に行き、いろいろと相談も受けてまいりました。家族の皆さん方も大変お困りでございます。 解決方法といったら何かと。これはもうマンパワーとそのための予算措置だと思うのです。そういう意味で、教育長だけで解決できる問題でもないと思うのですけれども、ぜひ小さな子どもさんが将来の夢をはぐくむためにも、お一人でも少しでも不登校がなくなるように、精いっぱいのご努力をお願いしたいと思います。 これで一般質問を終わります。 ○副議長(西川均) 次に、10番疋田進一議員に発言を許します。--10番疋田進一議員。(拍手) ◆10番(疋田進一) (登壇)皆様、こんにちは。私は、奈良市・山辺郡選挙区選出、自由民主党無所属会派の疋田進一です。議長からのお許しをいただきましたので、7項目について、質問及び要望をさせていただきます。 私は、子どもたちが安心して暮らすことができる奈良になることが、高齢者やハンディキャップをお持ちの方、そして、私たちを含む全員が安心して暮らすことのできる奈良になると考えています。 しかし、現在は、家庭、企業、学校、地域と、どこを見ても時間的、経済的、精神的余裕がない状態ではないでしょうか。そして、そのしわ寄せが子どもたちの環境に行ってしまっていると考えています。子どもたちが安心して暮らすためにも、今の課題を一つ一つ解決することが、私たち大人に課せられた使命であり、私も皆さんとともにその目標に向かい、議員活動を行ってまいりました。 行政の分野において、専門家集団である縦割り行政だけでは、今の課題を解決することが難しくなってきていることを実感しました。縦割りの強さを生かしながら、今までの形にとらわれず、自由な横の連携を取ることが非常に重要です。 本日は、様々な部分に横串を通す、そのことを意識しながら質問させていただきます。 まずは、飛躍的に発展する可能性があるドローンの活用について伺います。 近年、ドローンは、農業、測量、警備、捜索、物流、災害調査、検査やメンテナンス、報道、観光・エンターテインメントなど、様々な場面で活用され始めています。 2025年の大阪・関西万博に向けて、空飛ぶ車を目指し、ドローンの大型化、重量化の開発が急速に進んでいます。また、複数台のドローンを同時に利用する実証実験も始まっています。従来のカメラ機能だけではなく、農林業分野では農薬散布、将来的には木材搬出、土木分野では地籍調査や橋りょう点検、防災分野では土砂崩れなどの災害現場の確認や火災状況の把握、大規模災害時に取り残された人の救出など、多岐にわたる活躍が期待されています。 また、ドローンを活用することにより、予算の削減や人材不足の解消も期待されます。例えば、橋りょう点検においては、今までは専門家がすべての現場に赴いていましたが、まずはドローンの点検によって目星をつけ、必要な部分だけ専門家による点検を行うなど、効率的な人材配置と予算づけが可能になります。 また、令和5年度より、ドローン操縦が国家資格化され、レベル4と呼ばれる、第三者上空で目の届かないところでも、ドローンを活用できるようになります。山梨県小菅村で実証実験されている中山間地域の家庭に基地から生活用品などを届けることも可能となり、買物弱者対策など、過疎対策の一助にもなり得ます。 ドローンは行政の現場においても必要不可欠なものとなってくることは間違いありません。しかし、ドローンを運用するのは人です。レベル4運用や複数台のドローンの運用をするためには、プログラミングスキルを持つ人材育成や電波環境整備などが必要であり、奈良県が全国に先駆け、予算の効率化と県民の安全・安心、発展を両立する施策に取りかかるべきだと考えます。 実現に向けて重要なことは、県として部局を越えたドローン運用人材を育成し、市町村や民間に対し、指導的な役割を担う人材バンクの確立が必要なのではないでしょうか。県CIOのもと、地域及び行政のデジタル化推進とともに、その技術的部門として、そして、その技術部門の業務改革の一つとして、ドローン運用と人材育成のため、統括的な部局が新たに必要だと考えています。 そこで、知事にお伺いいたします。 県民の安全・安心の確保や地域のさらなる活性化のため、今後、さらに幅広い分野でドローンを活用すべきであると考えますが、現在の取組状況と今後の方針についてお聞かせください。 次に、現役世代が働き続けられる、在宅介護における現役世代の負担軽減についてお伺いいたします。 令和2年度版厚生労働白書によると、30年前は42%であった共働き世代の割合が、2019年には66%まで増加し続けています。一方、共働きを含む現役世代が働き続けるために直面する問題は、病気、子育て、介護などです。子育てについては幼児教育・保育の無償化が進み、子育て支援が進みつつあります。 介護については、家族の負担を軽減し、社会全体で支えることを目的とした介護保険制度により、介護サービスを必要とする人が、介護施設への入所、訪問介護などの介護給付を受けられるようになりました。今や、介護を必要とする人とその家族にとって、なくてはならない制度となっています。 しかし、家族が介護を必要とする状態となり、介護に専念するために仕事を辞めてしまう介護離職者の数は、15年前の約5万人から2019年には約10万人となっています。離職理由としては、体力に両立が難しかったこと、先が読めず両立の見通しが困難だったことが挙げられています。 在宅介護をされている現役世代にとって、介護サービスを利用するが、それに加え、朝夕の世話をし、定期的に仕事を休んで通院に付き添うなどの日常生活の介助をすることが大きな負担となっています。 その結果、介護が必要となった家族を支えるために、現役世代が常勤の仕事を続けることが困難になり、非正規への変更や離職を選択せざるを得なくなっています。また、仕事を続けられたとしても、テレワークができる業種に限られるなど、働き方の選択肢が大きく制限されています。そして、その影響を受けるのは、多くの場合、女性です。 このように、実際には介護によって望む働き方を続けることができない方が多数おられるのが現実です。介護を家族だけのものとせず、県はじめ市町村、民間企業、地域コミュニティー全体で高齢者を支えることができれば、現役世代の負担が軽減し、家族に介護が必要となっても、望む働き方を続けることが可能になるのではないかと考えています。 そこで、医療・介護保険局長にお伺いいたします。 家族が介護を必要とする状態になっても、仕事と介護を両立させるためには、高齢者を地域で支えていく仕組みが必要と考えますが、県としてはどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。 順番が前後になりました。 次に、県北部地域の道路整備についてお伺いをいたします。 県北部地域、とりわけ奈良市における道路整備につきましては、京奈和自動車道をはじめ、南北道路について重要な社会資本と位置づけ、その整備を最重要施策として取り組んでいただいておりますことに感謝を申し上げます。 一方、奈良市内における東西路線の幹線道路がならやま大通り、三条通りを含む阪奈道路だけであるため、慢性的に渋滞、その渋滞を避け、住宅街にたくさんの通過交通が入ってしまっているのが現状です。そのため、歩行者と自動車などが入り交じり、非常に危ない道路が多数存在しています。 その一例が、尼ヶ辻周辺や西ノ京周辺の県道や市道です。今後、西ノ京周辺の県道は、(仮称)奈良インターチェンジやJR新駅と薬師寺、唐招提寺をつなぎ、通学路や生活道路として、そして、新しい観光ルートとして期待される路線でもあり、さらなる交通量の増加が予想されます。 さらに、西ノ京駅から西には、小中学校や高等学校、県総合医療センターがあり、児童や生徒、医療従事者はじめ関係者の通勤通学路として使われており、この道路は常に渋滞が発生し、車と歩行者が入り交じり、緊急車両も通ることを避ける、危ない路線の代表例です。 しっかりと高速道路、幹線道路を早期に充実させることによって、生活道路への通過交通を最小限に抑えることができます。それにより、安全な通学路や歩行空間を確保することができます。東西路線の整備は、県民の安全を考える上で早急に解決しなければいけない重要な課題だと考えています。 一方、県は、来年度の政府予算要望において、東西路線について触れられています。ようやく東西路線について目を向けていただけたことをうれしく思っています。 そこで、知事にお伺いします。 県北部地域の東西幹線道路の整備が重要と考えますが、政府予算要望で述べられているリニア中央新幹線奈良市附近駅の整備を踏まえた東西の高速道路ネットワークの整備について、所見をお伺いいたします。 次に、公立学校体育館の役割と安全性、快適性の確保について伺います。 近年、5月~10月まで真夏日を数多く記録し、熱中症の危険が高まっています。半年近く、子どもたちは野外で遊ぶことが制限され、十分な運動や遊びの機会が失われています。このような状況は、高齢者の方が集まる機会や地域の居場所づくりについても同じであり、熱中症を心配しなくてもよい環境を早急に用意する必要があります。 そこで、地域に必ずある公立学校の体育館が重要な役割を果たすと考えています。 また、地域の小中学校及び高等学校の多くは、災害時の避難場所に指定されています。避難される方は、生活するため最低限のものを持ち、場合によっては長期間、避難所で生活をすることになります。避難者の安心と安全、生活を担う体育館が、夏は熱中症、冬は寒さのため、健康を害するおそれを抱えたままでは、安心して避難することができません。それにもかかわらず、現在、県内公立学校体育館への冷暖房設置率は、小中学校が22%、高等学校が6%と、進んでいる状況とは言えません。公立学校体育館に冷暖房の設置と床面の改修が早急に必要なのではないでしょうか。 床面においても、現在の木材の床は冷暖房の効果が効率的ではなく、メンテナンスの負担もあり、床面の逆剥けによるけがも発生します。避難所では足音一つがストレスとなり、もめごとの原因にもなり、プライバシー保護の必要性もあります。 そこで、冷暖房の効果を効率的にし、床面の管理、掃除もしやすく、利用時の安全性を確保できる、最適な素材の床面を導入するべきだと思います。 私は、京田辺市中央体育館と王寺北義務教育学校の体育館を拝見してきました。さきに述べた新素材の床面とランニングコストが低い床下式の冷暖房を利用し、安全性と快適性を両立した体育館が実現されていました。本県においても、このような体育館を増やすことが、県民の安全と子どもたちの運動や遊びの機会、高齢者や地域の居場所づくりを守ることになると考えています。 そこで、教育長にお伺いいたします。 公立学校の体育館は、学校施設としてだけではなく、災害時の避難所や地域の居場所など、様々な活用が想定される施設であり、空調整備をはじめ、安全で快適な環境整備を進めていくことが必要と考えますが、現在の状況と今後の方針について伺います。 続いて、学校現場における教員が子どもに向き合うための余裕をつくり出すための負担軽減策について伺います。 学校現場において、教員の教務負担が大きく、子どもと向き合う時間を取ることができていないと言われています。教員やOBの方から、「学年に1人、手伝ってくれる人がいれば」、「若手の指導力向上に昔ほど時間を取れていない」という声をよく聞きます。 県から発表された、2020年働き方調査報告書では、教員が事務・報告書作成、保護者対応を負担に感じる一方、授業や学習指導にもっと力を注ぎたいと考えていることが明らかになりました。 そこで、事務的負担を減らすために、文部科学省はスクール・サポート・スタッフなど、地域の方が学校現場をサポートする体制を推進し、県においても、市町村に対して補助する形で支援を行っていただいております。 保護者対応は、教員と保護者の信頼関係を築くために大事な業務です。しかし、すべての相談を教員が直接解決しないといけないわけではないでしょう。現在、各市町村が利用する保護者向けアプリに保護者相談機能をつけることや、県としてコールセンターを開設し、解決方法や相談先を提案できることなども1つの解決策だと思います。 一方、授業や学習指導について、若手教員はもちろん中堅教員にとっても、昔のように指導力向上の機会が身近にはなく、授業内容や学級運営、保護者対応など、気軽に相談しにくい環境です。これらの相談を聞くことは、現場を経験した方しか担えず、身近にサポートできる人材が必要です。学級運営や授業への心配が減り、教室へ向かうことができれば、教員自身に余裕が生まれ、児童生徒に対してよりきめ細やかに向き合うことができます。教員OBなど、学校現場の経験者の人材を確保し、すべての学年に指導力サポーターを配置できるような仕組みが必要なのではないでしょうか。 そこで、教育長にお伺いします。 子どもたちが一層成長できる学校となるため、教員の指導力確保と事務負担の軽減が必要なことと考えますが、小中学校における教員の指導力・保護者対応力向上や事務負担軽減のため、県はどのように取り組んでいかれているのかお伺いいたします。 次に、不登校児の学習機会の確保について伺います。 今年度の不登校児童生徒数は、先ほどのご答弁がありましたように、増加の一途をたどっています。 不登校は、子どもたちからのSOSであり、抱える課題から生じる現象であると言われます。子どもたちに適切に寄り添い、その原因を見つけることができれば学校へ戻ることができるだけでなく、予防もできます。 初期段階で、児童生徒と直接寄り添い、課題を解決するスクールカウンセラー、教員とともに、原因とSOSに応える方法を見つけるスクールソーシャルワーカーの配置を文部科学省は推進しています。 その上で、オンラインで共に課題を共有することが必要な場合、学校とは異なるフリースクールに通うことがよい場合、学校内で違う教室に通うほうがよい場合など、抱えている課題に応じて、児童生徒に応じて適切に寄り添うことが重要です。 また、不登校の子どもたちは、抱える問題のせいで学習に目を向ける余裕がないだけで、学習意欲がないわけではない場合が多いと聞きます。そこで、学習を自分のペースで進める機会を用意することが必要であり、学習面の遅れを心配せず、元の学級に戻るための障壁を小さくすることも重要です。 そこで、学習指導要領に基づいた授業動画作成が必要なのではないでしょうか。2月議会においての質問では、県として一部作成中とご答弁いただきました。私もそれを拝見しましたが、職員の方のパソコンからしか見ることができず、厳しい条件を満たして、学校から申請された児童生徒のみ見ることができる環境になっていることを知りました。 なぜ一般公開することができないのでしょうか。不登校の児童生徒対象であっても、教員や児童生徒に見てもらうことも可能ではないでしょうか。また、一般視聴者からの様々な意見を聞くことにより、よりよいものができると思います。 同じ理由から、私立学校や民間教育機関を含めた第三者からの評価や点検等も必要と考えています。これらは、オンライン授業や動画による授業が進んでおり、より多くの生徒のニーズをつかみ、改善してきたノウハウがあります。その知恵を生かし、よりよい教育環境を皆でつくることが必要なのではないでしょうか。 そこで、教育長にお伺いいたします。 不登校児の学習機会の確保について、授業動画による対応を進められていますが、動画内容をより充実するため、第三者評価を受けるなどの仕組みづくりが必要と考えますが、所見をお聞かせください。 最後に要望をさせていただきます。 本年4月に、奈良県美しい南部・東部地域を県と市町村が協働して振興を図る条例が施行されました。本条例によって、吉野郡はじめ、南部・東部地域に対して、県が積極的に協働支援してくださることに対して、とても心強く感じています。 一方で、本条例は、市町村単位で該当地域を決めるため、南部・東部地域と同じ悩みを抱えている地域であるにもかかわらず、県と協働できる機会を得ることができていない地域があります。 都祁や月ヶ瀬など奈良市東部地域、福住はじめ天理市東部地域などです。柳生、大柳生、田原、狭川、東里地区などは、明日香村と同じ、日本の原風景を残す地域であり、観光スポットでもあります。月ヶ瀬は山添村とほぼ同じ位置・環境にあり、都祁は宇陀市と宇陀郡と同じ大和高原の一角をなし、山添村に並ぶ東部地域へのゲートウェイでもあります。 これらの地域は市町村合併を機に奈良市となりましたが、人口減少、高齢化の問題を抱えながら、必死に地域を守るための方法を模索し続けている地域です。 本条例が、奈良県の南部・東部の振興を目的としているのであれば、同じ悩みを抱える地域が参加できる仕組みが必要であると考えます。該当市町村には当たらなくても、条文にある関係市町村として、南部・東部地域とともに汗をかき、地域を守るための施策、参加の機会をできるだけ早い段階からつくっていただきますよう要望いたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。ご清聴いただき、ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)10番疋田議員のご質問にお答えいたします。 最初のご質問は、ドローンの活用についてでございます。 ドローンは、人が直接実施するには危険を伴う作業や効率性が求められる作業に効果を発揮するツールと認識をしています。特に、労働力は希少となり、労働安全の確保、生産性が大事な課題になる中で、地域で幅広く活用できる可能性があるものと考えております。 私も、本年10月の奈良県防災総合訓練において、ドローンの有用性を体験する機会がございました。人が立ち入ることのできない場所で、初期の被害状況を迅速に把握することができ、災害時の人命救助に極めて有効な手段であることを改めて実感いたしました。 ドローンが撮影した画像が前のテレビに出るわけでございますが、本当に鮮明に、しかもあらゆるところにこう飛んで、画像が目の前に来るということが可能になっていることがよく分かりました。 県でも、様々な分野でドローンの活用を始めております。 例えば、公共事業では直接目視できない地形の確認、工事の進捗確認、管理施設の点検等に使っております。 また、別の場所ですが、馬見丘陵公園ではドローンでプロモーション動画を撮影し、ふだん見ることのできない公園の魅力発信に活用しています。馬見丘陵公園は地上で見るよりも少し空中から見た方が相当迫力がございますので、それを写真に撮ってPRに使うということをやっております。 このように、ドローンの活用を進めるためには、ドローンを操縦する人材の育成も重要でございます。疋田議員がお述べになったとおりでございます。そのため、まず、土木や林務担当の県職員を対象に、操作技術の習得や技能向上を目的とした研修を実施しております。 また、様々な場面でドローンを安定的に運用するためには、県職員以外の操縦士も必要でございますので、市町村や民間団体等においても養成していただけるよう、連携を進めてまいりたいと思っております。 今後も、県民の皆様の安心・安全の確保や、地域のさらなる活性化につなげられるよう、積極的にドローンの活用を推進したいと思っております。 次のご質問は、北部の東西幹線、東西高速ネットワークの状況、整備について、とりわけリニア中央新幹線奈良市附近駅との関連についてのご質問がございました。 疋田議員お述べのように、北部の東西幹線道路の必要性、とりわけ高速道路のネットワークが十分ではない状況であることは、そのとおりだと思います。疋田議員ご指摘のとおりだと思います。 従来から、その点について知恵を絞ってきたわけでございますが、最近、リニア中央新幹線の奈良市附近駅の状況が環境アセスメントという大変大きな変化がございましたので、その中で東西高速道路のネットワークが絡めさせられないかという発想を持つに至りました。 リニア中央新幹線の整備そのものは、これまで国土軸から外れていた本県にとりまして、県民生活の向上や、県全体にわたる産業・観光振興などが見込まれ、またとない大きな飛躍の機会をもたらすプロジェクトでございます。 その効果を最大にするというのは地域の知恵でございます。10年、15年後に迫りますリニア中央新幹線の全線開業と奈良市附近駅の設置の整備効果を最大化し、県全域に波及させるためには、広域高速道路のミッシングリンク・ボトルネックの解消が必要ですが、とりわけ、リニア中央新幹線の奈良市附近駅への高速道路の直結アクセスの整備は大変重要だと考えております。 このことから、今年度、国に対しまして、高速道路ネットワーク上、孤立する第二阪奈道路、第二阪奈道路は奈良市の大宮通りで終点になっておりますので、高速道路接続はございません。また、県の南北軸であります京奈和自動車道、とりわけ、リニア駅を新たに直結する新たな高速道路ネットワークの構想をし始めております。 その中で、リニア中央新幹線奈良市附近駅を東西の高速道路の通る間に入れるということを考え始めております。 具体的には、第二阪奈道路、その次にリニア中央新幹線奈良市附近駅のインターチェンジ、3つ目に京奈和自動車道と第二阪奈道路とのジャンクション、さらに、それを東に延ばしまして、名阪国道の針の向こうで、オメガカーブを越えるオメガ越えという構想を持っております。それも陳情の中に入れております。第二阪奈道路からリニア中央新幹線、第二阪奈道路ジャンクションからリニア中央新幹線奈良市附近駅、京奈和自動車道ジャンクションから東に伸びまして、名阪国道オメガ越えという東西の新しい国土軸を考えております。 そのことは国に提案をいたしましたし、JR東海にも説明いたしましたし、NEXCO西日本にも要望を開始しているものでございます。 また、疋田議員お述べのとおり、本県の道路ネットワークが脆弱なために、渋滞を避ける車両が住宅街に流入しているとの課題につきましても、県内高速道路ネットワークのボトルネックの解消により、生活道路と通過交通のすみ分けができ、安全性が向上するものと考えております。南北も橿原高田、もう少しということでございますので、東西もこのような整備して、ネットワーク化するというのが奈良県の悲願でございます。 この構想、リニア中央新幹線の奈良市附近駅も高速道路ネットワークに絡ませるというのが新しい発想でございますので、この構想の実現に向けまして、リニア駅の検討状況を踏まえまして、関係機関と連携するとともに、積極的な、疋田議員お述べの東西高速道路ネットワークということも頭に入れながら、積極的に対応していきたいと考えております。 ご質問ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 森川医療・介護保険局長。 ◎医療・介護保険局長(森川東) (登壇)10番疋田議員から私には、在宅介護における現役世代の負担軽減のための高齢者を地域で支える仕組みづくりについてお尋ねいただきました。お答えします。 高齢化が進展する中、家族の介護は誰もが直面する可能性のある問題でございます。家族に介護が必要となった場合でも、現役世代が働き続けられるとともに、高齢者が安心して生活を送ることができる社会の実現が急務になっております。 その実現のためには、介護が必要な人に対する専門職によるサービスの提供だけでなく、高齢者が生活を送る上での多様な支援ニーズに応える、よりきめ細かなサービスの提供が必要でございます。疋田議員お述べのとおり、介護事業者だけでなく、地域住民や民間事業者等を含む多様な主体により、地域全体で高齢者を支えていく取組がこれまで以上に重要になってきます。 現在、県内各市町村では、生活支援の提供体制の構築を行う生活支援コーディネーターを配置し、地域の実情や課題に応じた体制の充実に取り組んでおられます。例えば、御所市では、地域住民が主体となり、自家用車で高齢者の通院や買物に付き添う移動支援サービスを行っておられます。また、天理市では、買物代行や庭の草引きなど、高齢者が日常生活で抱える困り事に対し、様々な住民団体が有償で支援する仕組みをつくられています。 県は、このような先進的な取組の横展開や必要な助言を行うほか、トップセミナーの開催や生活支援コーディネーターの資質向上のための研修の実施などにより、市町村の取組を支援しているところでございます。 これからも、現役世代が仕事と家族の介護を両立できるよう、市町村の取組への支援を充実してまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)10番疋田議員のご質問にお答えいたします。 私には3つの質問をいただいており、1つ目は、公立学校体育館の空調などの環境整備について、現状と今後の方針についてお尋ねでございます。 公立学校の体育館につきましては、疋田議員お述べのとおり、災害時の避難所として指定されるなど、学校施設としてだけではなくて、地域においても重要な役割を担っております。 さらに、放課後や休日にはスポーツ活動等にも活用されるなど、地域の居場所としての活用も行われています。 公立学校の体育館等における空調の設置率は、文部科学省の調査によりますと、令和4年9月1日現在で、県内の小・中学校においては21.9%、全国平均は11.9%となっております。県内の高等学校においては6.3%で、全国平均は8.1%、特別支援学校におきましては66.7%で、全国平均は28.9%となっております。 公立小・中学校における体育館の環境整備については、各地域の実情に応じまして、設置者である市町村により実施いただくことになります。 県教育委員会としては、市町村に対して、整備に関する国庫補助制度の情報提供を行うとともに、国に対しては、学校施設整備予算の確保について要望を行うことで、公立小・中学校における体育館の環境改善について、引き続き支援を行っていきたいと考えております。 文部科学省では、既存の体育館の多くは、断熱性能が確保されておらず、冷暖房効率も悪いことから、体育館本体の建替や全面的な改修工事に併せ、断熱性能を確保した上で、空調を設置するなどの考えを示しております。 したがいまして、県立高等学校の体育館におきましては、断熱性の高い床材の導入や空調の設置につきましては、長寿命化整備を行う際に、様々な観点から検討してまいりたいと考えております。 一方、特別支援学校の体育館につきましては、体温調節が困難な子どもも多く、福祉避難所にも指定されていることから、今後は優先的な空調の設置を検討していく予定でございます。 2つ目は、小・中学校において教員が子どもと向き合うための余裕が持てるような取組を進めるべきとの趣旨でのお尋ねでございます。 県教育委員会では、令和2年3月に策定いたしました、学校における働き方改革推進プランに基づいて、教職員の業務の負担軽減を進め、教員が心身共に健康で、児童生徒と十分に向き合う時間を確保し、教員の質の向上を図りたいと考えております。 同プランの進捗状況に関する令和3年度アンケート結果から、小中学校において退校時間が19時以降となっている割合は、20代の若手教員が最も多くなっていることは分かっております。若手教員は、教科指導や学級経営の経験が少なく、授業準備や保護者対応などで長時間労働となる傾向がございます。特に小学校では、教員定数上、副担任の配置は困難で、1年生の学級経営になりますと、子ども一人ひとりの実態を丁寧に見取ることのできるベテラン教員が担当いたしております。 そこで、次年度からの新たな取組といたしまして、週3日勤務の短時間再任用を進めることで、ベテラン教員のノウハウを若手教員に伝えていきたいと考えています。具体的に申し上げますと、小学校1年を担任する若手教員とともに、ベテラン教員に教室に入っていただいて、生活科を中心とした教科指導や学級経営を行っていただこうと考えております。これによりまして、若手教員の指導力の向上、ベテラン教員の多様な働き方の実現につながると考えております。現在、定年退職者の意向を確認しているところでございまして、約20名程度の配置を予定いたしております。 県教育委員会では、すべての教員と子どもにグーグルアカウントを付与いたしております。また、すべての市町村で共通の校務支援システムの導入も進めております。教員と子どもの新たな学びや、学校と家庭、小学校と中学校との新たな連携がデジタル技術の活用で可能となります。デジタルにより教員が子ども一人ひとりと向き合う時間や余裕が生まれ、本県が推進しております、本人のための教育の充実が図れるものと考えております。 最後に、不登校の子どもの学習機会の確保についてお尋ねでございます。 文部科学省が令和2年度に実施いたしました不登校児童生徒の実態調査の結果によりますと、特に、約7割の児童生徒が勉強の遅れや進路、進学に対する不安を感じております。また、学校に戻りやすい対応につきましては、友達からの声かけが1番で、その次に個別に勉強を教えてもらえることと回答いたしております。 県教育委員会では、不登校児童生徒が小学校段階での学習内容を身につけることができるよう、令和3年度よりオンライン学習支援動画の作成に取り組み、これまで、国語、算数、理科、社会、外国語を合わせて89本を作成いたしました。小学6年生~中学3年生の児童生徒22名に対して、オンライン教材を活用した支援を行い、児童生徒が学習に意欲的に取り組むようになったことや、別室登校を始めるきっかけになったことなどの効果が見られております。 今年度末までに作成予定の91本のオンライン教材を不登校児童生徒に活用する場合、体系的で系統的な学びになることや、効率よく学べる子どもに合った指導プランであることなどにつきましては、疋田議員お述べのように、学識経験者等に評価いただいたり、検討いただく必要があると思っております。そのために、不登校児童生徒の学びの継続支援に関する懇談会を開催してまいりたいと考えております。 今後は、特に理科、算数・数学については、小中学校の内容を系統的に理解できるオンライン教材、また不登校児童生徒本人や保護者からの意見を参考に、eスポーツなど子どもとつながる様々なコンテンツを研究し、一般公開も視野に入れながら、教育研究所教育支援部が不登校の子どもの支援を包括的に行うプラットフォームの役割を果たしてまいりたいと考えております。 以上でございます。どうもありがとうございました。 ○副議長(西川均) 10番疋田進一議員。 ◆10番(疋田進一) ご答弁いただきまして、ありがとうございました。時間の関係から、数点に絞りまして、再度、お伺いまたは要望をさせていただきます。 まず1点目は、ドローンについてでございます。ドローンは、やはり活用範囲が多岐にわたることが1番の特徴で、そして、この質問をするにあたっても担当部署はどこだろうという状態でございました。 ですので、ドローン活用を部局ごとに人材やドローンの準備などしていくと、やはり重複部分がたくさん出てまいります。その部分が人材的にも予算的にも、もったいないことになってしまうと思いますので、それを避けるために統括的な部署というものをぜひともご検討いただきたいと思っております。 特に、デジタル化とこのドローンは、業務改革という意味でのDXを踏まえております。デジタル庁で聞いたところでは、デジタル化担当部署は1つ離れて、やはり副知事の担当直轄であったりとかという方が進みやすいという意見も聞いております。 県のCIOにおきましては、総務部管轄ということで、もちろん総務部長が最もDXにたけておられるということからそのような配置になっているのかと思っているのですけれども、一方で、DXを進めるためには部局を離れて進める方がよいという観点もあります。 その観点から、今現在、CIOなど、デジタル関連の部局が総務部内の管轄にあるということにされた何かお考え、思いなどをお聞かせいただければと存じます。お願いします。 ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) 組織的対応はということでございます。当然必要かと思います。 ドローンの活用のフィールドは、我々、今日議論いたしましたほかに、観察、撮影が中心でございましたけれども、あと、搬送、特定農業振興ゾーンから中央卸売市場にドローンで搬送する、多少大きなドローンが、馬力のあるドローンが要る、そういうことも視野に入れますと、やはりそのようなことを県が運用する、あるいは民間が運用するように促すというような組織的な対応、また人材の育成が必要だと思います。 組織等についてはまだ県庁内ではこれからの検討になります。疋田議員のご指摘を踏まえて、検討を進めたいと思います。 ○副議長(西川均) 10番疋田進一議員。 ◆10番(疋田進一) ありがとうございます。ぜひとも、このDX化がしっかりと進むようにご検討いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 2点目に、東西路線についてでございます。 高速道路ネットワーク、今本当に壮大な構想をお聞かせいただきまして、これによって本当に奈良の通過交通の今までの悩みが、解決に向かうのではないかと期待しておりますので、ぜひともしっかりとした構想をつくっていただきたいと思っております。 一方で、大きなこの東西の路線ということも踏まえながらも、実は中規模、南北でいうと、国道24号のような幹線道路も必要であると思っております。 特に、今決定しているJR新駅というところでございましたら、やはり、そこの駅ができることは確定しておりますので、そこの東西路線、特に西向き、知事が強くおっしゃっておられました薬師寺方面、西ノ京方面への観光ということも含めまして、やはり新駅から薬師寺方面、西ノ京方面への道路をもう一度考えていただくことも必要なのかと思うのですけれども、それについて、もし知事の思いがございましたら、教えていただけますでしょうか。 ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) JR新駅は大安寺駅とも言われるように、大安寺がすぐそばにあります。大安寺は大事な遺跡で大きな寺院でございます。それとバッティングしないように、まちをつくるという課題がございます。 西のほうに行きますと、薬師寺、唐招提寺の西ノ京駅は、ご存じのように大変難しい。踏切自身も難しいし、どう越えるか、越えてからも難しいですが、六条山の県立病院があるところ、県総合医療センターがあるところでございます。それに、西大寺はなかなか難しいところだとは思っております。 しかし、JR新駅になりますと、柏木線ですか、国道24号バイパスから柏木線に入ってくるのと西九条佐保線が一緒になって、北のほうに、大宮小学校まで行く西九条佐保線、これも南北ですけれど、有力な道路になります。 南北に、その市街地を地上で走るのと東西がうまくかみ合うというネットワーク、地上ネットワークということがあります。いずれにしても、大和西大寺駅の、西大寺のあれ、何号線か、大和郡山市に行く路線は細いですし、道幅も狭い。特に、西大寺に行く観光バスなどは窮屈で、踏切は大変越えにくいところでございます。 大和郡山市に行きますと、踏切の下を地下で通る道路を整備中、西大寺、西ノ京はそこまでできる余地もないものでございまして、多少違う工夫が要ると思います。 すると、高速道路になると地下になるということになりますけれども、地下になりますと、遺跡とか文化財の地下というのは大変問題。なかなか課題ばっかり浮かび上がって知恵が出ないのですけれども、西ノ京の東西方向というのは極めて、あそこは南北も弱いのですけれども、東西も大事。あの角の場所、美容院がありまして、よく知っている方なので、あそこはどういうわけか、奈良朱雀高等学校に行く通りでございます。これは通学路としても大変重要な地域でございまして、いつも気にしておりましたが、多少道路の整備が進んでいるということでございます。 今、我々議論している高速道路ネットワークという観点からは、難しい、難しいということばっかり言っておりますけれども、なかなか課題ばっかり頭に浮かんで、アイデアが出ませんけれども、さらに知恵を絞っていきたいと思います。 せっかくJR新駅ができますので、その新駅の効用をどのように発揮するかという観点で道路は必ず必要でございます。さらに知恵を絞っていきたいと思います。 ○副議長(西川均) 10番疋田進一議員。 ◆10番(疋田進一) 知事、ご答弁ありがとうございます。高速道路のことも踏まえながらも、ぜひともこの地面を行く、地の道路についてもぜひともこれからも思いを持ち続けていただきたいと思います。 最後に、教育長に要望させていただきます。 体育館の整備につきまして、今回、教育委員会と防災担当部局で目的が異なるということから、立場の違いからも話をまとめるのがなかなか難しかったというところでございます。 国は国土強靱化防災・減災の取組として、やはり教育委員会と防災担当部局でしっかりと連携してほしいというのを、本年の6月に改めて通知を出していると思いますので、しっかりと連携していただきたい。 また、この床面については、学校施設環境改善交付金、床についても使えると思いますので、使っていただきながら、一方でこの避難所の体育館については、やはり緊急防災・減災事業債も活用できると思います。ですので、部局をまたいでしっかりと策を考えて進めていただくよう要望いたします。 ありがとうございました。 ○副議長(西川均) しばらく休憩します。 △午後2時37分休憩    -------------------------------- △午後2時54分再開 ○議長(岩田国夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、2番樋口清士議員に発言を許します。--2番樋口清士議員。(拍手) ◆2番(樋口清士) (登壇)皆様、こんにちは。自由民主党の樋口清士でございます。よろしくお願いいたします。 それでは、議長の許可を得まして、ただいまより一般質問を行います。 新型コロナウイルス感染症からの復帰直後ということでございますので、マスクをつけての質問をさせていただきます。 今回は、歯科健診の推進について、県営住宅の改修・更新について、情報産業の集積促進についての3項目について質問するとともに、生駒市北部地域の道路ネットワーク整備についての要望をさせていただきます。 まず、1点目の質問項目です。歯科健診推進について質問いたします。 歯周病は、狭心症、動脈硬化、脳卒中、脳梗塞、低体重児の出産、早産の発生確率を高めたり、あるいは糖尿病を悪化させる、認知症を進める、また高齢者の死亡につながるおそれのある誤嚥性肺炎の原因になるなど、現在、100以上の病気と関連があるという形で言われております。健康な日常生活を送るためには、歯周病の予防、そのための定期的な歯科健診の重要性の認識が高まってまいっております。 歯科の重要性に関しましては、平成29年に国の骨太の方針に記載され始め、令和3年には、全身との関連性に係るものとして、生涯を通じた切れ目のない歯科健診の重要性が記載されました。さらに、令和4年6月に閣議決定されました、骨太方針2022において、全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積と、国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診の具体的な検討、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療職間・医科歯科連携をはじめとする関係職種間・あるいは関係機関間の連携、こういったことが盛り込まれました。 奈良県におきましては、平成23年8月に、歯科口腔保健の推進に関する法律が施行されたことを踏まえまして、平成25年3月に、なら歯と口腔の健康づくり条例を制定するとともに、同条例に基づく、なら歯と口腔の健康づくり計画を策定し、現在、同計画に基づき、取組を進めているところでございます。 現在の主な歯科健診といたしましては、妊産婦歯科健診、乳幼児歯科健診、小学校から高等学校までの学校歯科健診、歯周疾患検診などがありますが、この中で義務づけされているのは、1歳6か月児と3歳児を対象とした乳幼児歯科健診と小学校から高等学校までの学校歯科健診のみとなっており、大学生や社会人では任意での受診となっております。 なら歯と口腔の健康づくり計画の実施状況報告によりますと、歯科医師による1年に1回の定期的なチェックを受けている20歳以上の人の割合というのは、計画目標50%に対して、男性は44%、女性は54%となっておりますけれども、この数字は郵送アンケートの結果でありまして、歯科治療のための受診を含んでいることから、実態はもっと小さいと推察されます。 今後は、青年期、壮年期、高齢期、さらには定期的に健診を受けることが困難な障害者や介護が必要な高齢者を対象とした歯科健診の受診率をいかに上げるかということが課題となってまいります。 そこで、医療政策局長にお伺いいたします。 県民の健康増進に向けて、歯科健診の受診率を上げることが重要と考えますが、県としてどのような取組を考えているのか、お聞かせください。 次に、2つ目の質問項目であります、県営住宅の改修・更新について質問いたします。 奈良県では、令和4年4月現在、43団地、734棟、8,256戸の県営住宅が供給されています。このうち、簡易耐火構造あるいは木造の住宅が505棟、2,325戸あり、その約3分の2以上が築後50年以上経過しており、9割以上が耐用年数を過ぎるなど、老朽化が相当程度進んでおります。また、現在の入居率は39.9%と低く、既に新規募集を停止しております。 他方、低・中・高層の耐火構造の住宅は、229棟、5,931戸あり、その建設年度を見ますと、1970年代に建ったものが半分以上を占めるなど、建設年度に大きな偏りがあり、今後、数十年以内に耐用年数を超える物件が大量に発生することとなります。平均入居率は83.6%となっておりますが、老朽化が進んでいる団地を中心に、入居率7割未満の団地も見られます。 このように、現状において、簡易耐火構造あるいは木造の住宅にあっては、維持管理の効率化、あるいは県有資産の有効活用の観点からその取扱いが大きな課題となっており、また耐火構造の住宅にあっては、建設年度が偏在しているため、ストックの改修・更新の平準化が大きな課題となっております。 奈良県住生活基本計画において、老朽化が進む県内の公営住宅の長寿命化を図るため、引き続き、外壁や屋上の改修等を計画的に進め、既存ストックの有効活用を図るとともに、老朽化が著しい住宅の建替を行うなど、公営住宅の計画的供給を推進するということとなっておりますが、奈良県住生活ビジョンの改定段階では、県営住宅ストックの総合改善事業による外壁改修工事等は毎年進捗を図っているが、進捗状況が遅れ気味であるとの現状認識がされております。 さて、高度成長期等の住宅の量的不足を補う時代に多くの県営住宅が供給されてきましたが、昭和50年代に入り、質的向上が求められるようになり、今や住宅の質を含む生活の質、QOLの向上を前提とした住宅供給が求められております。 例えば、県営住宅全体での入居者の世帯主の年齢を見てますと、65歳以上が61.5%と、高齢化が相当程度に進んでおりますが、高齢者の健康的な生活を維持するためには、もちろんバリアフリー化とともに、ヒートショック防止のための断熱性能の向上も必要であり、さらには、団地内で一定の生活支援サービスが提供できることも必要となります。 このように、障害者、ひとり親家庭、子育て世帯など、入居者のニーズに合わせた生活環境の整備を一定程度整えることが求められますが、現在の県営住宅がこのようなニーズに十分対応できているかは疑問であります。 生活ニーズの高度化・多様化、時代による居住ニーズの変化、時間変化に伴う居住ニーズの変化などに対応していくために、民間のストックを含め、既存の賃貸住宅のストックをいかに活用するのか、その中で県営住宅はどのような役割を果たしていくのか、そのために県営住宅のストックをどの程度確保し、どのようなサイクルで改修・更新していくのかを計画化することが求められると言えます。 そこで、地域デザイン推進局長に伺います。 県営住宅については、ストックの老朽化が進むとともに、居住者の高齢化、世帯構成の変化、社会経済環境の変化などに伴い、居住ニーズが変化する中で、誰もが安心して暮らせる住宅を供給し続けるために、中長期的な視点に立って、計画的な改修・更新が必要と考えますが、財源の確保方策を含め、県としてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。 次に、3つ目の質問項目であります情報産業の集積促進について質問いたします。 令和3年6月に、経済産業省では半導体・デジタル産業戦略が取りまとめられ、国家事業としての産業基盤の確保、日本に根差す事業者の確立と世界的相互依存関係での地位確立、デジタル化とグリーン化の同時達成、早期実用化、こういった3つの目標を掲げて、さらに、デジタル産業基盤の構成要素のうち、政策的事業性が拡大し、主要国が重点投資を進めている3分野、つまり、半導体、データセンター等のデジタルインフラ、クラウド産業、サイバーセキュリティ産業等のデジタル産業、これを中核として強靱化・一体的な整備を図るということが示されました。 特に、AIやビッグデータ活用の向上など、今後のデジタル化、新たなデジタルサービス等の開発・活用拡大は、データの集約・活用拠点であるデータセンターの立地が一つ鍵となり、データ流通量が幾何級数的に拡大し、今後10年間で30倍以上になることが予想される中で、デジタル社会における心臓部とも言えるデータセンターの立地需要はますます拡大すると考えられております。また、安全保障の観点から、国内立地への志向はますます高まると考えられております。 さて、そのデータセンターの立地条件ですが、大量の電力が確保できる、高品質な通信環境が構築できる、自然災害リスクが低いの3点が挙げられます。また、これまで都心部に集中的に立地していたものが、近年は一極集中のリスク解消、施設の大規模化への対応などから、都心部郊外、または地方都市のウエイトが高まりつつあります。 このような立地需要の拡大、立地動向の変化などを踏まえれば、奈良県内、特に生駒市北部地域は、大阪都心部との近接性、電力確保の容易性、用地確保の可能性等の理由から、データセンターの立地ポテンシャルが高まってくると考えられ、特にクラウド事業者によるハイパースケールデータセンターの適地と言えます。 現状において、奈良県では情報通信産業の集積が弱く、今後のDX化の推進を踏まえた域内取引の拡大という観点からも、その育成、集積は重要な課題と考えます。 また、県内にデータセンターが集積することにより、保守管理・更新に係る産業だけでなく、データ集積を活用した新たな情報サービス産業の集積に期待したいところです。 そこで、産業・観光・雇用振興部長にお伺いいたします。 今後、奈良県の立地ポテンシャルを生かした情報産業の集積を促進することが必要と考えますが、データセンターなどの立地促進に向けた取組について、県としてどのように考えているのかお聞かせください。 最後に、生駒市北部地域の道路ネットワーク整備について要望いたします。 生駒市では、令和4年6月に、学研高山地区第2工区マスタープランを策定し、マスタープランに基づき、事業推進するために、この10月には学研高山地区第2工区事業推進会議を設置いたしました。 9月の定例会、また今日の定例会の中でも、知事は、生駒市の住宅中心から産業中心のまちづくりへの方針転換に合わせて、関西文化学術研究都市(奈良県域)の建設に関する計画の見直しの必要性について認識を示され、また今後、市の主体的な取組に協力していく旨の答弁いただくとともに、事業推進会議にも県として参加していただき、誠にありがたいことだと思っております。 今後、学研高山地区第2工区、またその横の学研生駒テクノエリアを含めた生駒市北部地域のまちづくりの観点から、既存の県道7号主要地方道枚方大和郡山線、県道65号生駒井出線、県道72号生駒精華線、現在整備進捗中の国道163号清滝生駒道路、いわゆる国道163号バイパス、これらなどを含めた道路ネットワークの整備を考えていく必要があると思います。 生駒市では、これから学研高山地区第2工区を9分割して、個別地区の事業内容、事業全体・地区間の機能連携・インフラ整備等について検討していくこととなりますけれども、このようなまちづくりの検討と並行して、広域的な道路ネットワークの在り方、その中での道路の機能に合わせ、県と市が適切に役割分担して整備を進めていっていただくということが必要ではないかと考えております。 このような道路ネットワークの整備があってこそ、北部地域全体の今後の発展性を確保することが可能と考えておりますので、県・市の役割分担、連携・協力の下、ぜひ整備を推進していただきますよう、よろしくお願い申し上げまして、登壇しての質問及び要望を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩田国夫) 大澤医療政策局次長。 ◎医療政策局次長(大澤和重) (登壇)2番樋口議員より、医療政策局長に対しまして、歯科健診の推進について、県としてどのような取組を考えているのかというご質問をいただきました。お答えいたします。 県では、なら健康長寿基本計画を策定し、健康・医療・介護の関連計画を歯車の歯がかみ合うように連動させ、県民の健康長寿日本一を目指しています。歯科口腔保健は、この計画の歯車の一つであることから、なら歯と口腔の健康づくり計画を別途策定し、取組を推進しているところです。 歯科疾患を早期に発見し、早期に治療を受けることを促進するため、歯科健診の推進は重要で、この計画では、歯科医師による定期的なチェックを受けている人の割合を指標として設定し、取り組んでいます。 具体的には、県では、受診率の向上に向けて、歯科健診の実施主体である市町村に対して、口腔の健康が全身の健康に影響することの周知を図る研修会や、個別に意見交換を行うなどにより取組を促してきました。 また、保健所を通じて、歯周病が全身の健康に関係することの説明や、財源として県の補助金があることの周知などにより、歯周疾患検診の実施を働きかけてきたところでございます。 さらに、県民に対しましては、県民だよりの奈良養生訓のページや奈良新聞のなら健康だよりの欄で、歯科医療機関での受診勧奨を行ってきました。 来年度は、なら歯と口腔の健康づくり計画の改訂を予定しており、現行計画で取り組んでいる歯と口腔の健康に関する正しい情報の提供などの着実な進捗と合わせまして、歯科疾患の早期発見・早期治療についても目標となる指標を設定し、取組を充実していきたいと考えています。 歯科健診の推進については、県民への啓発と市町村に対する働きかけを継続するとともに、庁内関係部局や奈良県歯科医師会とも協働・連携して取組を進めてまいります。 以上でございます。質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 岡野地域デザイン推進局長。 ◎地域デザイン推進局長(岡野年秀) (登壇)2番樋口議員から、県営住宅の計画的な改修・更新及びその財源確保の方策についてお尋ねがありましたので、お答えをさせていただきます。 県営住宅につきましては、樋口議員お述べのとおり、高度成長期に建てられた大量の住宅が今後15年~30年程度で耐用年数を迎えるほか、既に耐用年数が超過した住宅もあり、老朽化が進んでございます。 加えて、入居者が高齢化し、単身・夫婦のみ世帯が増加する中にあって、こうした老朽化した住宅は、バリアフリー性能や断熱性能が十分に確保されておらず、また、親子世帯向けの住戸タイプが多い状況にございます。 県といたしましては、人口動態等の将来推計に基づき、必要な供給戸数を確保しながら、こうした課題に適切に対応していくため、老朽度に応じて優先順位を定めつつ、今後はさらにペースを上げて、計画的に大規模修繕や建替を進めてまいりたいと考えてございます。 その際には、バリアフリー性能、断熱性能の向上や住戸面積の適正化等を進めるとともに、暮らしの充実及び財源の確保の観点から、集約建替等により生じます跡地の活用及び処分についても積極的に検討してまいりたいと考えております。 今後も、幅広い世帯が安心して健康に暮らせる県営住宅の整備等に努めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 谷垣産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(谷垣孝彦) (登壇)2番樋口議員のご質問にお答え申し上げます。 私に対しましては、情報産業の集積促進、特にデータセンターの立地促進に向けた取組についてのお尋ねでございます。 データセンターは、企業や公的機関の事業活動における大容量の情報データを、高速な通信回線により蓄積・処理する施設でございます。 高度なセキュリティと免震性の高い大規模な施設内に、大量のサーバーやネットワークの情報機器が設置されますことから、通例、大型の投資となります。 このため、特に固定資産税の税収効果も大きく、市町村の税源涵養に貢献すると見込まれます。 その一方で、データセンターの立地につきましては、1つ目に、大規模なまとまった用地が必要であること、2つ目に、大量の電力供給を安定的に受けられる場所であること、3つ目に、国内外とのインターネット接続拠点に近いこと、4つ目に、安定した地盤であること、5つ目に、自然災害リスクが少ない場所であることなどの要件を満たすことが求められます。 樋口議員お述べの生駒市北部地域は、大阪市の堂島にあるインターネット接続拠点から近く、また、大規模な変電所があるなど、ポテンシャルは高いと考えており、要件が整えば、データセンターの適地であると考えております。 近年、クラウドサービスの普及や、精密度の高い画像や映像の取扱いなどによるデータ量の増大とも相まって、本県においても、データセンターの立地について問合せが増えてきている状況でございます。 県では、事業者からの問合せに対しまして、希望に沿った適地があるか、市町村とも連携し、積極的な情報提供を行っております。 今後とも、データセンターに適した土地情報の収集を進めますとともに、本県独自の企業立地促進事業補助金などの支援制度も活用いたしまして、立地促進に努めてまいります。 以上でございます。ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 2番樋口清士議員。 ◆2番(樋口清士) ご答弁ありがとうございました。 それでは、逐次、各項目について再質問させていただきます。 まず、歯科健診の推進についてですけれども、国において骨太の方針2022に、これが示しています、生涯通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診の具体的な検討ということについて、既に令和7年の健診の導入を目指して検討が進められていると聞いております。 奈良県が目指している健康長寿日本一、これを達成していくために、少し先取りもしながら、この健診の推進ということについてやっていく必要があるだろうと考えるわけですけれども、具体的に県内の市町村をモデル指定でもして、そこでどういう形で展開できるのかということについて、少し先駆的に進めていくということもやってみられたらどうかと思うのですが、この点について何かお考えがあればお願いいたします。 ○議長(岩田国夫) 大澤医療政策局次長。 ◎医療政策局次長(大澤和重) モデル地区として市町村を選定し、効果的な実施方向を検討したらどうかというご質問かと思います。 歯科健診の実施方法の検討にあたりましては、まずは実施主体であります市町村の実施状況を詳細に市町村と丁寧に意見交換を行いたいと考えております。それによって把握した情報に基づきまして、より効果的な歯科健診の実施方法を検討してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(岩田国夫) 2番樋口清士議員。 ◆2番(樋口清士) 実施状況もこれから市町村と話をしながら確認していくということですけれども、実際、この実施状況は確認できているかどうかということも、実は少し怪しいところが……。この実施の状況を確認する方法から、また考えないといけないということにもなるのかと思うのですけれども、そこは具体的に市町村と議論しながら進めていってもらうのですが、モデル地区を決めてやることの意味というのは、まさにそういうところを明らかにしていくということだと思いますので、ぜひそういう取組をお願いしたいと。 やみくもに全市町村と話していきますだけでは何も進まないので、ターゲットを決めて、具体的に何か進んでいるところ、あるいは進められそうなところと連携しながら、そういう取組を進めていく、これがモデル事業になるということだと思います。 次に、2点目の質問ですけれども、なら歯と口腔健康づくり計画、この中で指標として幾つか設定されていまして、先ほど申し上げたような、なかなかこう、自ら健診を受けに行くことが難しい方々、例えば、障害者に関しましては、障害者支援施設及び障害児入所施設での定期的な歯科健診の実施割合が指標化されています。介護老人に関しては、介護老人福祉施設及び介護老人保健施設での定期的な歯科健診の実施割合、こういった指標が設定されています。 ただ、それをどう進めていくんだというところについて、知り合いのいろいろな施設にヒアリングしてみますと、例えば、障害者施設では、協力歯科医師の確保がなかなか難しいのだという現状があったり、あるいは障害、介護、いずれの施設についても、口腔衛生管理加算というのがあって、これで賄いなさいということにはなっているのですけれども、なかなか実際の費用と見合わない部分もあるということもあって、なかなかそこが進んでいかないことも実態としてあると。 また、奈良県では、無歯科医地区というのが22地区、準無歯科医地区が11地区ということで計33地区が挙げられるのですが、そういったところについては定期的に健診する場所がなかなか確保できないということもある。 こういった幾つか現実、突き当たっている問題について、どれをどのようにそこを対応していくのか、対処していくのかということの有効な手だて、そこがないとなかなか指標は立てられているけれども、進められないということにもなろうかと思うのですけれども、この点について、既に計画があって指標がある、現状があるということなので、何かこう県として今考えられていること、取り組んでおられることがありましたらお聞かせいただけますでしょうか。 ○議長(岩田国夫) 大澤医療政策局次長。 ◎医療政策局次長(大澤和重) 福祉関係施設及び無歯科医地区等において、有効な手だてをどのように考えていくのかというご質問だと考えております。 現在、来年度の、なら歯と口腔の健康づくり計画の改訂に向けまして、障害者及び要介護高齢者施設における歯科健診の実施状況等、アンケートにおいて調査しているところでございます。その結果を集約しまして、歯科健診実施のための課題を明らかにして、解決に向けた取組について、関係部局とも連携して検討してまいりたいと考えてございます。 また、無歯科医地区につきましては、健診の実施主体となる市町村と歯科医師会などの関係者と健診の環境の整備などについて検討してまいりたいと考えてございます。 以上です。 ○議長(岩田国夫) 2番樋口清士議員。 ◆2番(樋口清士) ありがとうございます。 今後の計画改定の中で、その作業に入っていくということではありますけれども、実は庁内で、今、例えば介護施設どうなっていますかという話を担当部署にお伺いすると、実はこの指標が設定されていることもあまりこう認識されていなかったり、具体的にはその対応というところまで至る手前のところで、どうもこうとどまってしまっているのではないか。 だから、計画が計画のまま置いておかれている状況もあるのではないかというふうにも、少し心配する部分があります。今、計画改定に向けての取組を進められている中で、やはり庁内の他部局との連携というのはしっかりとやっていただく必要があるし、やはりどういう指標設定がされていて、具体的に目標達成するためにどういう取組していくのかということは、担当部局からのレスポンスを持って、計画に落とし込んでいくということは必要だと思います。 先ほど申しましたように、モデル市町村なりを決めて、そこで具体的に、どういう形で健診を勧奨していくのか、それを調べるほうの歯周疾患検診とか、あるいは治療というところにどう結びつけていくのかということについて、具体的にそれぞれどうつなげていくんだということを施策化していくということが必要なので、そこに向けての市町村との連携、あるいは他部局との連携ということを進めていただきたいと思います。これ、国民皆歯科健診ということになれば、国費で相当程度賄われる部分が出てきますので、財政負担ということについては、少し県として軽くなるかとは思うのですが、その分、余計に勧奨というところに力を入れていくためにどうするかということを考えないといけないだろうし、また、そこに至るまで、モデル的に事業を進めていくにしても、今ある課題を解決するために必要なお金というのは必要ですから、そこを少し手当てしていくことも考えていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 2点目の県営住宅の改修・更新について少し再質問させていただきます。 まず、大規模改修がなかなか今計画どおり進んでいるのかという、少し心配がありまして、例えば、今、国土交通省でマンション等の長期修繕計画の作成ガイドラインというのをつくられていまして、それを見ていますと、大体12年から15年の周期で改修していくのがベストだろうというモデルですけれど、一般的なモデルとしてご提示されています。 この県営住宅について、今どういうサイクルでその修繕というのがされているのか、その進捗状況として遅れ気味とありますけれども、実際どの程度遅れているのか、このあたり、確認をさせていただきますでしょうか。 ○議長(岩田国夫) 岡野地域デザイン推進局長。 ◎地域デザイン推進局長(岡野年秀) 県営住宅の修繕の周期とか進捗状況についてお答えをさせていただきます。 県では、国土交通省が定めております、公営住宅における長寿命化計画の策定指針、こういったものを参考に、外壁改修ですとおおむね20年周期、屋上防水改修はおおむね25年周期を目標にして進めているところでございます。 しかし、樋口議員のお述べのとおり、少し目標とする周期に改修ができていないという状況も相当出てきておりまして、近年、コンクリートの剥落ですとか、漏水等でご心配をおかけしているという事例も一部で出てきております。 答弁でも申し上げましたけれども、今後、高度成長期に建てられた大量の住宅が耐用年数を迎えるという時期がやってまいりますので、少し修繕のペースをさらに上げまして、実施周期の適正化に努めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岩田国夫) 2番樋口清士議員。 ◆2番(樋口清士) ありがとうございます。 ただ、やはり20年周期で本当によかったということもありますし、この長寿命化に向けての20年周期とか25年周期というのは、恐らく昭和四、五十年代に建てられた物件を対象にしたものの言い方なのかどうかというのは非常に疑問に思うわけです。 つくり方がきちんとしてこその20年に1度の修繕で大丈夫という話で、当時、どういうつくり方をしていたか、私はよう分かりませんけれども、やはり幾つかサンプルを取り出して、建築の状態がどうなのか、築何年でどうなっているのか、こういう検査をした上で適正な改修の周期というのは設定していただく必要があるだろうと思いますので、その辺、よろしくお願いいたします。命に関わる部分にもなりますので、徹底していただきたいと思います。 それと、先ほど申し上げたようなバリアフリー化とか断熱性能の向上、こういったところがこれから不可欠ですよという話で、その認識も十分に持っていただいているところですけれども、全面的な改修、特に断熱性能を上げていくという話になると、全面的な改修の中でどうやっていきますかという話になっていくんだと思うのです。外壁改修だけではなかなかこれ、追いつかない話で、個別に、壁の断熱性をどう上げていきますか、窓のサッシをどうしていきますか、取り替えますか、二重サッシにしますか、みたいな話が必ず出てきて、多分、そういう話ってなかなか今の大規模修繕的なところではこなせていないのではないかと想像するのですけれど、この点、少し確認のためですけれど、いかがでしょうか。 ○議長(岩田国夫) 岡野地域デザイン推進局長。 ◎地域デザイン推進局長(岡野年秀) 断熱性能の確保についてでございますけれども、県営住宅、先ほどから申しておりますけれども、大半がそういう昭和50年とかそのあたりにできておりまして、いわゆる省エネ基準というのは昭和55年にできておりますけれども、それ以前でございますので、断熱性能が十分ではないという状況でございます。 当然、そういったニーズもありますので、県といたしましては、老朽化いたしました住宅の建替をまず進めておりますけれども、その際に、順次断熱性能が確保された住棟へ更新を進めていると、こういった方針で現在取り組んでおります。 以上でございます。 ○議長(岩田国夫) 2番樋口清士議員。 ◆2番(樋口清士) 建替が進まないとなかなかこれ達成できないという話です。 あと、もう1点、違う観点ですけれど、簡易耐火構造、木造の住宅、これは、今新規の募集を停止していますという話を聞いています。これは、いずれ居住者がいなくなるという話になるのでしょうけれども、それまでの間というのは、耐用年数がもう過ぎたものがそのまま存在している、そこに災害時どうするのですかという危険を非常に感じながら、入居者さんがいらっしゃるという状況です。これをこのまま放置していていいのかということも、実は見方によっては問題だというところになるのですけれども、このあたり、具体的にどう、これを取り扱っていくのかということについて、県としてなかなか答えを言いにくいかとは思いますけれども、何かもしお考えがあればお願いいたします。 ○議長(岩田国夫) 岡野地域デザイン推進局長。 ◎地域デザイン推進局長(岡野年秀) ご指摘の簡易耐火構造とか木造の住宅、いわゆる1階建て、2階建ての住宅ですけれども、それは高層のものよりもさらに老朽化しているものが多いという現状でございます。 すなわち老朽化が進んでおりまして、入居率もかなり低くなっているというのが現状でございますので、必然的に、何て言いますか、集約建替の優先順位が高くなっているということで、順次、移転建替という取組を進めているというのが現状でございます。 以上です。 ○議長(岩田国夫) 2番樋口清士議員。 ◆2番(樋口清士) 優先的に建て替えていく、なかなか、でも追いつかなくていっぱい残っている状態だと思うのですけれども、いずれしても、そこの有効活用、財源としてという部分を含めて、考えていきますという話もありました。 時代時代に応じて、その住宅に対するニーズというのは変わっていくので、それを大量に改修していってしまうと、また、それに取り残された住宅がいっぱいできてしまうような話にもなります。今、既にたくさん抱えていますよ、ストックをと。それを順次建て替えながら、10年スパンである程度こうサイクルを回しながら、時代時代に応じた、そのニーズに合わせた住宅を提供していくということができるのが、一番ベストだろうと思うのです。やはりそこへ持っていくためには、長期的な計画というのがどこかにないと、場当たり的に、今の状況を見ていると、個別の建替、あるいはその更新にきゅうきゅうとしている状態もあって、そこに長期的な視点で計画をつくるという、どうも暇がないかと。やはり、一定、体制を整えてそこに取り組んでいただく必要があるかとも思いますので、よろしくお願いいたします。 最後、産業情報の集積については、データセンターができたから必ずしも情報産業が集積するということには多分ならないかと思うのです。一方で、新幹線駅ができると、これは大きくポテンシャルが上がるということもありますし、都市及び産業の機能が集積するところに情報産業というのは集まる嫌いがあります。そういう意味では、リニア中央新幹線の駅の整備、それと、そのタイミングに合わせながら、例えば、今、進められている大和中央のプロジェクトであるとか学研のプロジェクトであるとか、こういった都市機能をつくっていくまちづくりの話を進めていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 次に、9番川口延良議員に発言を許します。--9番川口延良議員。(拍手) ◆9番(川口延良) (登壇)皆さん、こんにちは。奈良テレビをご覧の皆さん、こんにちは。天理市選挙区選出でございます川口延良でございます。 9月定例県議会に引き続きまして、今定例県議会も最後の質問者となりました。質問に入ります前に、カタールで開かれているFIFAワールドカップ2022では、予選リーグEグループにおいて、コスタリカに敗れたものの、ワールドカップ優勝国であるドイツ、スペインから大金星を上げ、死の組を首位突破をいたしました。ベスト8をかけ、決勝リーグでは前回大会準優勝のクロアチアに臨みましたが、延長の末、惜しくもPK戦で敗れ、2大会連続のベスト16となりましたが、多くの方は期待に胸を膨らませたのではないでしょうか。 スポーツの魅力は選手だけのものではなく、選手を温かく迎える人、観客や応援をした人それぞれが感情を動かされます。 あさってには、13回目を数えます奈良マラソン2022が開催をされ、3年ぶりに10キロ種目も復活されるということで、マラソンを通じて、スポーツ振興だけでなく、古都奈良の文化財として世界遺産に登録されている平城宮跡や東大寺などの歴史的景観と、自然を堪能していただき、奈良の魅力を県内・県外に発信する貴重な機会として、地域振興、県民の健康増進、経済活性化等のためにすばらしい大会となりますことをご祈念申し上げ、今回はマラソンについては質問はしませんけれども、議長の許可をいただいておりますので、既に通告しております5項目について、一般質問を行います。 まず初めに、自然体験活動を取り入れた保育・幼児教育について、こども・女性局長にお伺いをいたします。 急速な都市化や娯楽の変化に伴い、私たちが自然と接する機会は減少の一途をたどっています。現在、多くの先進国で社会の自然離れが急速に進んでおり、山登りや木登り、昆虫採取など、自然体験をしたことがない子どもの割合が大幅に増加していることが課題となっています。 そんな中、森や川をはじめとする豊かな自然環境を活用した自然保育の取組が、近年、全国的な広がりを見せています。県内でも積極的に自然保育を実践する保育所や、自然保育を学び合う民間団体の取組等が認められるようになってまいりました。 私の地元、天理市内の高原地域にも、年間を通じて、森の自然フィールドを活用して自然保育に取り組む民間の保育所があります。子どもたちは、自然素材を活用したものづくり、昆虫やカエルなどの生き物観察、自然フィールド探検など、興味を持ったことに夢中になって遊んでいます。 この保育所では、子どもをただ遊ばせるのではなく、子どもの自主性と体を育む保育の実践、子ども一人ひとりの無限の可能性と成長のプロセスを信じた見守りなどを基本理念に置き、活動を続けておられます。 また、自然保育について関係者が学び合うとともに、自然保育の取組の輪を広げるため、昨年、NPO法人森のようちえん全国交流ネットワーク連盟主催の、森のようちえん全国交流フォーラムが曽爾村で開催をされました。私も参加いたしましたが、会場には全国から自然保育の実践者、自然保育に関心のある保育所等の職員、行政関係者などが集い、2日間にわたって活発な意見交換が行われました。 さらに、県では、本年策定された、奈良っ子はぐくみ基本方針において、自然を満喫し、自然に感動する保育を推進することを打ち出されました。 乳幼児期の自然体験活動は、自己肯定感や自立的・主体的に行動する力など、いわゆる非認知能力をはぐくむ効果が高いと言われています。私は、生きる力の土台をはぐくむ自然保育の取組が、今後、県内で広まってほしいと願っています。 以前、私が本会議で自然保育の取組の推進について一般質問した際、こども・女性局長から、積極的に自然保育に取り組む施設・団体を認証する制度も含め、活動の定着、普及のための具体的な取組を検討するとのご答弁もいただきました。 そこで、こども・女性局長にお伺いいたします。 子どもの非認知能力をはぐくむためには、幼児期の自然体験が重要であると考えますが、自然体験活動を取り入れた保育・幼児教育の推進に向けて、県はどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 次に、奈良盆地周遊型ウォークルートについて、観光局長にお伺いをいたします。 新型コロナウイルス感染症が発生し、本県の経済・観光に大きな影響をもたらしてから、3年近くになろうとしています。 この間、人々の行動様式は一転し、観光のニーズも大きく変化してきたように思います。密となる観光地より、地元のおいしいものを目的に宿でくつろぐ旅や、自然環境の中でアウトドア体験を楽しむ旅などへのニーズが高まっているのではないでしょうか。 依然として、新型コロナウイルス感染者数は多く、第8波とも言われていますが、10月11日に全国旅行支援が開始され、また水際対策の緩和もあり、秋以降は、この県議会周辺でも修学旅行生や一般観光客、また外国人観光客の姿も多く見かけるようになりました。 私の地元、天理市においても、この秋も山の辺の道を歩くハイキング客でにぎわっていました。 山の辺の道は、奈良盆地の山裾をはうように南北に走る古道で、歌垣で知られる海石榴市から三輪、柳本を経て石上神宮に至り、さらに奈良へと北上する道で、道沿いには記紀・万葉に登場する名所旧跡が数多く、神話や古代ロマンの世界へといざなってくれます。ゆっくり歩きながら、眼下に広がる奈良盆地の中に浮かぶ大和三山や二上山の眺望を楽しみながら、道の脇に立つ万葉歌碑で万葉びとの息吹を感じることができる古道であります。 山の辺の道については、諸説があり、その道をはっきり跡づけることはできませんが、中でも、大部分が東海自然歩道に指定されている天理市から桜井市までの約16キロメートルがハイキングコースとして親しまれ、多くのハイキング客を見かけますが、北・山の辺の道と呼ばれる奈良市から天理市のルートを歩くハイキング客はまだまだ少ないように思っています。 ハイキングを楽しむ旅は、まさにコロナ禍において、ますますニーズが高まっていると感じており、周遊・滞在型の観光につなげるため、積極的なPRが必要ではないでしょうか。 また、県内で最も多くの観光客が訪れる奈良市内に来られた観光客を、奈良市以外の地域に誘導できる可能性もあると考えています。 そこで、観光局長にお伺いをいたします。 コロナ禍において、アウトドア活動を楽しむ観光ニーズが高まる中、山の辺の道など、県が設定した奈良盆地周遊型ウォークルートを積極的にPRすることが重要であると考えますが、どのように取り組んでおられるのかお聞かせください。 次に、農業の担い手の育成・確保について、食と農の振興部長にお伺いいたします。 農林業センサスを見ますと、本県の農業を支えている基幹的農業従事者数は、2020年で1万628人と、5年前に比べ18.2%減少しています。年齢構成を見ましても、60代~70歳代が全体の65.9%を占めている状況で、農業者の減少、高齢化は、耕作放棄地の増加につながり、耕作放棄地は病害虫や野生鳥獣の温床になり、さらなる耕作放棄地の増加を招くといった悪循環が懸念されます。 農業を取り巻く環境は厳しく、多くの課題が山積みをしていますが、その中でも特に対応すべき課題が、担い手の育成と確保だと考えています。 最近では、県の取組の成果もあり、イチゴを中心に農業へ新規参入される方が増えていると聞きます。引き続き、新規就農者の増加に向けた取組を強化をいただくとともに、新規就農者が安定的に農業経営を発展させることができるよう、県の支援をお願いをいたします。 また、農業・農村の維持・発展のためには、個人の担い手の育成だけでなく、地域全体で農業を支える集落営農を、地域農業の担い手として育てていくことも重要です。それぞれの集落には、高齢になって来年の作付けをちゅうちょしている農家や、機械が壊れてしまい、新しい機械を購入するか悩んでいる農家も多いと思います。集落営農であれば、各農家が可能な範囲で負担・参加をしながら、集落全体で営農活動に取り組むことにより、個々の作業や農業機械を所有する負担の軽減が可能となります。 さらに、担い手を確保するためには、魅力ある農業、もうかる農業を確立し、その姿を示すことで、農業の将来性を感じてもらうことが重要であり、もうかる農業を実現していくための道筋を県が主導的に導いていくことが求められると考えています。 そこで、食と農の振興部長にお伺いいたします。 県内の農業従事者、特に基幹的農業従事者が減少している中、担い手の育成・確保に向けた県の取組状況についてお聞かせください。 次に、九条バイパスの整備について、県土マネジメント部長にお伺いいたします。 九条バイパスは、天理市東井戸堂町にある天理イオン付近から南に向かって、桜井材木天理団地までの約2キロメートルの道路であります。これまで、調整が難航したため頓挫したこともありましたが、ルートの見直しや必要性の整理など様々な検討を行っていただき、平成27年度から事業着手をいただきました。 約50社の企業が立地する天理工業団地は、地域に多くの雇用や税収をもたらしていますが、この天理工業団地がさらに活性化するために、また天理駅と長柄運動公園を含む市南部地区とが一体となる市のまちづくりを実現するために、九条バイパスは欠かすことができません。 上総、喜殿、南六条を通る名阪側道が開通し、郡山下ツ道ジャンクションから市中心部へのアクセスが飛躍的に向上をしました。今後、市南北のアクセスを大きく改善させる九条バイパスが開通すれば、市内の車の流れを大きく変え、旧橘街道の慢性的な渋滞を解消し、地元の通学路及び生活道路の安全確保にも大きく寄与するものだと考えます。 また、天理消防署から市南部への到着時間の大幅な短縮が見込める点で、命の道であり、市南部の土地活用や企業立地支援のための動線となるべく、九条バイパスの早期開通に向け、私も、また岩田議長も強く望むものであります。 天理市においても、県とまちづくりに関する包括協定を結び、天理駅周辺地区などでまちづくりを進めるとともに、長柄運動公園を健康づくりの拠点として活用する方針だと聞いており、市のまちづくりを強く推し進めていくためにも九条バイパスの早期実現が地元の念願でもあります。 そこで、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。 九条バイパスは、にぎわいの拠点となる天理駅周辺地区と、健康づくりの拠点となる長柄運動公園との連携を強化する重要な道路であると考えますが、現在の整備状況と今後の見通しについてお聞かせください。 最後に、小中学校における児童生徒のICT端末について、2点、教育長にお伺いをいたします。 文部科学省が令和元年12月にGIGAスクール構想を発表しました。GIGAは、Global and Inovation Gateway for Allの略で、IoTやロボット、人工知能といった先端技術を取り入れて、経済発展と社会課題の解決の両立をさせる社会、Society5.0を生きる、これからの子どもたちにとって、端末は鉛筆やノートと同じぐらい必要なものと位置づけられたものであります。 その施設の中核となるのは、小学校の児童・中学校生徒全員への1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備でありました。 当初、国は1人1台端末は、令和元年度から5年間かけて、令和5年度までに整備する予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、オンライン授業の必要性が高まったことから、補正予算を活用して端末導入のスケジュールを前倒しにしました。とりわけ、本県は全国的にも比較的早く、令和2年度末までに県内のすべての小中学校で端末が整備されたと聞いております。 導入当初は課題もあったようでありますが、導入してほぼ2年が経過し、導入前と比較して、授業はいろいろ変わってきているようであります。 そこで1点目の質問でありますが、令和2年度に整備された小中学校のICT端末について、授業等での活用状況をお聞かせください。 次に2点目の質問でありますが、現在の端末については、県域で導入を進めていたことにより、奈良県の教育の情報化の向上に大きく寄与したと伺っております。 しかし、せっかく導入していただいた端末ですが、次期更新費用については、現時点では、予算措置や補助制度などが明らかになっていないと聞いています。 国が前回のように、補助金がなければ、端末更新に係る費用が市町村負担となってしまうのでは、あまりにも財政負担が大きく、市町村ごとの対応にばらつきが生じる懸念もあると思います。 更新費用が自治体負担となれば、財政的に苦しい自治体では、教育のICT化に十分な予算を確保できない可能性も出てきます。もし、費用が捻出できず、端末の買換えができない場合、せっかく進んだタブレット端末の運用も後戻りすることになります。また、タブレット端末に伴うコストは端末本体の費用だけではありません。精密機械を扱う以上、使用後に劣化するバッテリーに加え、前述の端末故障の問題など、メンテナンスに様々な追加費用が発生します。仮に端末を継続して使い続けても、こうした付随する費用負担を避けることは難しい課題であります。 タブレット端末の安定運用には、端末延長補償への加入など修理金額面の対策を検討しておくことや、故障や経年劣化で必要な修理費用を考慮した保守予算内で、修理だけでなくデータリカバリーや保証サービスの提供など、今後、タブレット端末の運用を継続的に行えるサポートや体制づくりが不可欠だと思います。 そうした点に配慮した予算化の議論が出てきていないという声も、運用面におけるサポートも重要であり、県に一括入札していただいた現在の端末は、市町村によって、機種や更新時期が違うなどの課題もあると聞いています。 そこで、端末の次期更新に向けて、市町村との連携が重要であると考えますが、今後、県としてどのように取り組まれるのでしょうか。 以上で、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩田国夫) 谷垣こども・女性局長。 ◎こども・女性局長(谷垣裕子) (登壇)9番川口延良議員のご質問にお答えいたします。 私へは、自然体験活動を取り入れた保育・幼児教育の推進についてご質問いただきました。お答えさせていただきます。 今日の複雑で先行きが予測しにくい社会を豊かに生きていくためには、非認知能力が重要であり、乳幼児期に自然体験活動が多くなるほどこの能力が身につくとされています。 奈良っ子はぐくみ基本方針では、自己肯定感や他者への寛容な心といった非認知能力のはぐくみと、健やかな体のはぐくみを目標に掲げ、県の重点プロジェクトの一つとして、今年度から保育施設等での自然保育の推進に取り組んでいます。 まず、自然保育に積極的に取り組む保育施設等を認証する、奈良っ子はぐくみ自然保育認証制度を11月に創設しました。 施設の立地環境にかかわらず、多くの保育施設等に自然保育に取り組んでいただきたいとの考えから、本県独自の認証基準として、森や川など自然体験活動ができる園外フィールドがある場合だけでなく、樹木や土、水などに親しめるように整備された園庭で同様の活動ができる場合にも、認証を取得できる制度としています。 また、自然保育を推進する保育施設等への支援も実施しています。 園庭や園外フィールドの整備費用等に対して補助を行うほか、人材育成研修会の実施、自然保育の知見や経験を有するアドバイザーの派遣、さらに、保育者等を対象とした情報共有と交流のための事例発表・交流会を開催する予定です。 これらの取組を通じ、奈良っ子が夢中になって遊ぶことができる質の高い自然保育の普及・定着に注力してまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 平田観光局長。 ◎観光局長(平田千江子) (登壇)9番川口延良議員より、私には奈良盆地周遊型ウォークルートについてのご質問がございました。お答えいたします。 奈良盆地エリアにおいて、各市町村のお勧めの道をベースに、市町村域を越えてループ状につながるコースを、奈良盆地周遊型ウォークルートとして設定する取組を平成27年度から進めてきました。設定したコースを分かりやすく、安全・快適に歩けるよう、統一的な案内サインの設置を行い、令和3年度に整備が完了したところです。 このウォークルートを多くの方に知っていただくため、「歩く・なら」としてホームページで公開しています。このコーナーには、県ホームページ、観光情報のトップにバナーを掲出し、本県への観光を検討する多くの方の目に留まるようにしております。 コロナ禍における観光ニーズの変化は、趣のある町並みや神秘的な山々など、味わい深い魅力あるコースを歩いて楽しみ、奈良の魅力を感じていただく好機であると捉えています。今後もSNSによる発信など、奈良盆地周遊型ウォークルートをより一層PRし、幅広い年齢層の方々に県内全域をゆっくり周遊し、奈良を楽しんでいただけるよう取り組んでまいります。 私からは以上です。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 乾食と農の振興部長。 ◎食と農の振興部長(乾新弥) (登壇)9番川口延良議員より、私に対しまして、農業の担い手の育成・確保について、県はどのように取り組んでいるのかとのご質問がございました。お答えを申し上げます。 農業の担い手育成・確保に向け、本県では、なら食と農の魅力創造国際大学校、NAFICのアグリマネジメント学科への就学・実習や、新規就農希望者向けの長期研修を通じて、新規就農者を養成しております。 また、県担当課や4か所の農林(農業)振興事務所においては、市町村や、なら担い手・農地サポートセンター等関係機関とも連携し、新規就農に関する相談対応や就農後の定着を図るため、技術面や資金面での支援を行っております。 経営発展を目指す農業者に対しては、専門家による経営支援等も実施しております。 また、地域農業の担い手として、集落営農組織を育成するため、組織化に向けた研修会の開催や、振興事務所による組織化への指導・助言、法人化への支援を行っております。今年度からは新たに、集落営農組織の経営発展のため、共同利用機械の導入や加工品の開発に対する支援も実施しております。 こうした県の取組の成果もあり、直近5年間では、新たに244名が就農し、集落営農組織も新たに10組織が設立され、2組織が法人化いたしました。 川口延良議員お述べの魅力ある農業、もうかる農業を実現するため、本県独自の取組として、平成30年度より、特定農業振興ゾーンを設定し、高収益作物への転換・導入を図るとともに、区画の大規模化や担い手の確保、集落営農組織の育成などに努めております。 この取組の成果といたしまして、例えば、広陵町寺戸地区では、イチゴの新規就農者が2名参入し、また、五條市丹原地区では、既に集落営農組織が立ち上がり、現在、法人化を進めているところでございます。 今後も、これらの取組を進めることにより、農業の担い手をしっかり育成・確保し、本県農業の発展に結びつけていきたいと思ってございます。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 清水県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(清水将之) (登壇)9番川口延良議員から、私に九条バイパスの整備についてご質問がございました。お答えいたします。 主要地方道天理環状線九条バイパスは、天理市東井戸堂町から西長柄町までの約1.9キロメートルを2車線のバイパスとして整備する事業です。天理市まちづくり基本構想に基づき、天理駅周辺と長柄運動公園との連携強化を図るため、両拠点間の円滑なアクセスを確保する重要な道路です。 平成27年度に事業着手し、これまで、設計、用地取得を進め、現在、約4割の用地を取得しています。引き続き、用地取得を進めるとともに、バイパスの南側約600メートルの一連区間において、大部分で用地取得のめどが立ったことから、文化財調査を進め、今年度、一部区間で擁壁工事に着手しています。 今後も引き続き、地域や地権者の方々のご理解、ご協力を得ながら、残りの用地を早期に取得し、完成に向けて取り組んでまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)9番川口延良議員のご質問にお答えいたします。 私には小中学校におけるICT端末について、2つの質問をいただいております。 まず1つ目は、授業等での活用状況についてのお尋ねでございます。 令和4年度全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査におきまして、昨年度までの事業でICT機器を週3日以上使用していると回答した公立小・中学校の児童生徒の割合でございますけれども、小学校で59.0%、全国平均は58.2%でございます。中学校で45.9%、全国平均は50.9%となっております。 また、学校の授業の場面ごとのICT活用について、これも児童生徒に問う質問でございますけれども、まず自分で調べる場面では、小学校では74.6%、中学校では61.3%、自分の考えをまとめて発表する場面での活用は、小学校で47.0%、中学校で28.6%となっております。このように、小学校と比べ、中学校で率の低いこと、また小・中学校共にICT機器が自分の考えをまとめるなどの学習活動に生かされていないことが課題となっております。 学ぶ力はぐくみ課では、小学校6校を本年度から研究指定校に指定をし、ICT機器や学習ソフトの効果的な活用方法についての授業研究を進め、その成果を県内に今後周知してまいります。また、王寺町では国の授業時数特例校制度を活用し、ICTを活用した情報活用能力育成のための特別の教育課程による取組を現在検討いたしております。 現在、ICT活用のガイドラインを作成をいたしております。指定校での成果、また県内各地で進められている中学校でのICTを活用した効果的な指導方法などを取り入れてまいります。このガイドラインによりまして、子どもの見える化、教員間で子どもの支援の見える化が図られ、多様な子どもを誰一人取り残すことのない個別最適な学びの実現を目指してまいります。 次に、端末の次期更新に向けて、市町村との連携にどのように取り組むのかとのお尋ねでございます。 県教育委員会では、令和2年6月に、すべての市町村教育委員会が参加するGIGAスクール構想推進協議会を設置いたしております。月に1回程度の会議で、端末の整備や調査研究事業、情報化推進に関する情報提供などを行っています。 同協議会においては、端末の次期更新に向けて聞き取り調査も行っています。現在のところ、国からの端末整備がない場合には、小学校の低・中学年では、学校に備え付けられた端末の活用、高学年、中学校ではBYODの導入による活用を検討している教育委員会もあると聞いております。 今後、先ほど申し上げました、ICT活用のガイドラインに、小学校の低・中・高学年、中学校の家庭学習での活用例も挙げながら、学校、保護者の意見を参考にし、県教育委員会の端末に対する考え方も示せればと考えております。 以上でございます。どうもありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 9番川口延良議員。 ◆9番(川口延良) 理事者の皆様には的確なご答弁いただきましてありがとうございました。 自然体験を取り入れた保育・幼児教育の推進についてというところで、数年前と比べると、一歩も二歩も前進して、この保育の環境自身に自然を取り入れるという取組をいただいたということにまず感謝を申し上げたいと思います。 いずれは、その先には、当然市町村の理解ということもいただかないといけないのかと思いますが、県内でも認可の保育園という形で、この森のようちえんができればいいのかと。いわゆる多様性という部分において、できればいいのかと思っておりますので、今すぐとかということではなくて、様々な取組をお願いしたいと思います。 また、奈良盆地の周遊型ウォークルートについてでございます。ご答弁いただきまして、ありがとうございました。 私も天理で、先日、桜井まで歩いて、天理からこの奈良を向いて歩いたのですけれども、なかなか、擦れ違う人の数が全く違うということと、どこを歩いていいのかというのが、正直ごめんなさい、申し訳ないですけれども、北向いて行くときに感じたところです。 統一的な案内板ということでしたけれども、やはり、奈良市の問題もあるかと思いますが、もっとこう盛んに歩けるような観光づくりというのが必要ではないかと。今のままだと、なかなかこう一体的な道とは思えないのかと思うので、今後の課題としてお取組いただければと思います。 農業の担い手育成・確保についてですが、数年前から特定農業振興ゾーンであったり、集落営農ということでお取組いただいているというのは非常に理解もしておりますし、奈良県として独自の対策ということで思っているのですけれども、今、ご紹介いただきました5年で新規就農者244名というのは、私も数字的には何となくこう理解はできる数字かと思うのですけれど、集落営農の10組織というところで、もう少しこの数を増やしていくことが奈良県の課題かとも思います。 個人的な感覚ですけれども、水稲、米を作っている方をこれからどうやって維持させていくのか、あるいは転作というか、その集落営農にどう転化していくのかというのが、これからの奈良県の課題ではないかと。全国的な課題かもしれませんけれども、10年先を見たときに、本当にこのまま維持できるかというと、多分難しいと思いますので、ここの部分について、まず水稲の方をどう維持させていくのか、あるいは農業を続けていただけるような工夫づくりというのを考えていただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 九条バイパスについてでございます。これも4割ぐらい用地取得ということで、南の部分から随時いただいているということも理解しております。 当初、事業着手する頃には、令和7年、8年ぐらいには開通できたらという話を説明で聞いていましたけれども、地籍調査であったりとか、埋蔵物の関係で少し後ろ倒しになって、工期が延びているということでございます。地元からしても、大変待望している道でございますので、できるだけご尽力いただいて、南から順に北向いて、早めに開通できるようなお取組というか、ご尽力いただきますようにお願い申し上げます。 最後に、ICT端末についてでございます。本来だったら、全部を一気に導入してしまったから、これからその端末の更新についての課題というのが全国的に残されているのかと思うのです。これが毎年学年ごとに購入していけば、毎年更新するのも1学年分だけの予算を考えればいいというところだと思うのですが、このICTの活用の全学年小中がスタートしてしまったというところが、次の更新時期の課題かと思います。 私個人としてですけれども、やはり6年ぐらい使ったものを、次に新しく使う人ってなかなか、気持ちよく使えるものではないと思いますので、この次の更新時期にどういう使い方、どういう配り方をするのがベストなのかということを、当然、国の考え方もあろうかと思いますが、ある程度、県でもまとめていただいて、利活用に進めていただければと思いますので、要望しておきます。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) これをもって当局に対する一般質問を終わります。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) 次に、本日、知事から議案4件が提出されました。 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配付しておりますので、ご了承願います。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) 次に、議第100号から議第103号を一括議題とします。 知事に提案理由の説明を求めます。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)ただいま提出いたしました議第100号は、12月1日に提出されました「奈良県議会議員の議員報酬額、費用弁償額及び期末手当の額並びにその支給条例」の改正に基づき、議員の期末手当を増額するための令和4年度一般会計補正予算案です。 また、議第101号から議第103号は、それぞれ教育委員会の委員、公安委員会の委員、土地利用審査会の委員の任命に関する議案です。 以上が今回提出した議案の概要です。 どうぞ、慎重にご審議のうえ、よろしくご議決いただきますよう、お願い申し上げます。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) 次に、議第80号から議第98号、議第100号及び報第32号、報第33号を一括議題とします。 この際、ご報告します。 議第84号については、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めましたところ、回答がまいりました。 その写しをお手元に配付しておりますので、ご了承願います。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) 以上の議案22件については、調査並びに審査の必要がありますので、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 お諮りします。 ただいま各委員会に付託いたしました各議案については、会議規則第39条第1項の規定により、令和4年12月14日までに審査を終わるよう期限をつけることにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○議長(岩田国夫) ご異議がないものと認め、そのように決します。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) 5番山中益敏議員。 ◆5番(山中益敏) 常任委員会開催のため、明、12月10日から14日まで本会議を開かず、12月15日会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。 ○議長(岩田国夫) お諮りします。 5番山中益敏議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ございませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○議長(岩田国夫) それでは、さように決し、次回12月15日の日程は、各常任委員長報告と同採決及び議員提出議案の採決とすることとし、本日はこれをもって散会します。 △午後4時15分散会...