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  1. 奈良県議会 2020-06-01
    06月26日-05号


    取得元: 奈良県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 2年  6月 定例会(第342回) 令和二年        第三百四十二回定例奈良県議会会議録 第五号 六月   令和二年六月二十六日(金曜日)午後一時開議   --------------------------------          出席議員(四十二名)        一番 小村尚己          二番 樋口清士        三番 植村佳史          四番 川口延良        五番 山中益敏          六番 亀甲義明        七番 中川 崇          八番 小林 誠        九番 浦西敦史         一〇番 欠員       一一番 池田慎久         一二番 西川 均       一三番 乾 浩之         一四番 松本宗弘       一五番 大国正博         一六番 太田 敦       一七番 佐藤光紀         一八番 清水 勉       一九番 阪口 保         二〇番 井岡正徳       二一番 田中惟允         二二番 中野雅史       二三番 奥山博康         二四番 荻田義雄       二五番 岩田国夫         二六番 小林照代       二七番 山村幸穂         二八番 猪奥美里       二九番 尾崎充典         三〇番 藤野良次       三一番 和田恵治         三二番 国中憲治       三三番 米田忠則         三四番 出口武男       三五番 粒谷友示         三六番 秋本登志嗣       三七番 小泉米造         三八番 中村 昭       三九番 今井光子         四〇番 森山賀文       四一番 田尻 匠         四二番 山本進章       四三番 川口正志   --------------------------------        議事日程 一、当局に対する一般質問 一、議案の常任委員会付託   -------------------------------- ○副議長(森山賀文) これより本日の会議を開きます。   -------------------------------- ○副議長(森山賀文) ただいまより当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、二番樋口清士議員に発言を許します。--二番樋口清士議員。(拍手) ◆二番(樋口清士) (登壇)皆さん、こんにちは。自由民主党の樋口清士でございます。よろしくお願い申し上げます。 それでは、議長の許可を得まして、ただいまより一般質問を行います。 冒頭に、今般の新型コロナウイルス感染症に立ち向かわれ、社会の維持にご努力いただいている全ての方々に敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げて質問に入らせていただきます。 今回は、行政政策におけるスマート化について、戦略的広報について、土砂災害対策についての三項目について質問いたします。 まず、一つ目の質問項目である行政政策におけるスマート化について、荒井知事に質問いたします。 平成二十八年一月に策定されました第五期科学技術基本計画において、我が国が目指すべき未来社会の姿として、Society五・〇が提唱されました。ここで目指されている社会は、IoTで全ての人とモノがつながり、新たな価値が生まれる社会、AIにより必要な情報が必要なときに提供される社会、ロボットや自動走行車などの技術で人の可能性が広がる社会、イノベーションにより様々なニーズに対応できる社会であり、サイバー空間とフィジカル空間とを高度に融合させたシステムにより実現するとされております。 その後、政府において、スマート自治体、スマートシティ、スーパーシティなど様々な概念が打ち出され、その実現に向けた取組が進捗しております。 まず、スマート自治体の動向について見てみますと、総務省に設置されている自治体戦略二〇四〇構想研究会が平成三十年七月に取りまとめました第二次報告では、新たな自治体行政の基本的な考え方の柱の一つとして、スマート自治体への転換を掲げ、AI、ロボティクス等の破壊的技術を使いこなすスマート自治体への転換、自治体行政における情報システムや申請様式等の標準化・共通化などの方向性が示されました。 また、総務省に設置されていますスマート自治体研究会が令和元年五月に取りまとめました報告書では、スマート自治体の実現方策として、業務プロセスやシステムの標準化、AI・RPA等でのICT活用普及促進、電子化・ペーパーレス化とデータ形式の標準化、データ項目・記載項目や様式・帳票の標準化、セキュリティー等を考慮したシステムやAI等のサービス利用、人材面の方策、都道府県等による支援といった項目が示されております。 次に、スマートシティの動向について見てみますと、平成三十一年三月、内閣に設置されている統合イノベーション戦略推進会議において、府省連携したスマートシティ関連事業の推進に関する基本的な方針を決定するとともに、アーキテクチャ構築のための検討会議を設置し、各府省の実施に反映していくことを決定しております。 ここでは各府省のスマートシティ関連事業として、内閣府が実施する戦略イノベーション創造プログラム、総務省が実施するデータ利活用型スマートシティ推進事業、経済産業省が実施するパイロット地域分析事業、国土交通省が実施するスマートシティモデル事業等が位置づけられております。 また、令和元年八月にスマートシティの取組を官民連携で加速するために、内閣府、総務省、経済産業省、国土交通省が中心となって、企業、大学、研究機関、地方公共団体、関係府省等を会員とするスマートシティ官民連携プラットフォームを設立したところです。 既に国土交通省では、平成三十年八月に「スマートシティの実現に向けて[中間とりまとめ]」を公表しており、その中で、スマートシティが実現した社会では、都市の管理者、運営者の視点が静的データ利用から動的データ利用へ、マクロの視点からミクロの視点へ、エピソードベースからエビデンスベースへ、分野個別の解から分野横断の解へと変化する可能性があることを説くとともに、技術オリエンテッドから課題オリエンテッドへ、個別最適から全体最適へ、公共主体から公民連携へといった方向性が示されております。 特に、公共主体から公民連携へといった方向性については、スマートシティ推進のステークホルダーとして、技術をつくる技術開発者やサービス提供者、技術を加える都市開発者、技術を活用する都市管理者、技術を購入する住民や地元企業の四者を位置づけ、それぞれが連携して取り組むべきとしております。 令和元年度にはスマートシティモデル事業を実施し、事業の熟度が高く、全国の牽引役となる先駆的な取組を行う十五の先行モデルプロジェクトが選定され、各事業の実行計画が策定されたところであります。 最後に、スーパーシティの動向について見ますと、平成三十年十月の国家戦略特区諮問会議においてスーパーシティが提唱され、その基本コンセプトを取りまとめるために内閣府地方創生特命担当大臣の下に、スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会が設置されました。平成三十一年二月に最終報告書が取りまとめられております。 この最終報告では、スーパーシティは丸ごと未来都市をつくること、未来社会での生活を先行して現実にすることを目指すものとして、スーパーシティを支える構造として、未来仕様の都市インフラ、最先端の技術活用とAPI、データの適正な管理とセキュリティーの確保、未来都市を実現できる推進機関の必要性が示されるとともに、法整備の必要性が提言されました。 また、令和二年五月には、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律、いわゆるスーパーシティ法が制定されたところでございます。 このように、国においては、平成三十年頃から社会のスマート化に向けて制度、事業が大きく動き出しており、実証から実装へと段階を進めつつあります。 例えば、新型コロナウイルス感染症対策において、人流データを分析し、施策検討に活用しておりましたけれども、以前から札幌市では、スマートシティ推進の一環として人流データの分析結果を観光振興施策に活用するなど、既に行政政策の場面で動的なデータの活用が進んでおります。 また、新型コロナウイルス感染症対策の一環としてテレワークが推奨され、ライフスタイル、ワークスタイルが大きく変容する兆しも見られます。ただし、奈良県でも一部実施されておりますけれども、ここで取り扱っている情報がデジタル化されていない現状では、大きな進展を望むことはできません。 以上のような動向、背景を踏まえますと、社会の課題解決のため、県民のQOLの向上のため、行政のスマート化、社会のスマート化は今日的かつ重要な課題であり、今後、各政策分野にわたって積極的に取り組むことが不可欠となっております。 そこで、知事に行政施策におけるスマート化について、三点お伺いいたします。 まず、一点目の質問です。スマート自治体の実現に向けての県の取組状況についてお聞かせください。また、行政各分野におけるスマート化推進の基盤となる行政情報のデジタル化、オープンデータ化の進捗状況をお聞かせください。 次に、二点目の質問です。今後、県下において、国土交通省が提唱しているスマートシティや内閣府が提唱しているスーパーシティ等のまちのスマート化を進めるためには、県と市町村との連携による実証、実装に取り組むことが必要と考えますが、県の考え、現在の取組状況についてお聞かせください。 最後に、三点目の質問です。現在、県においてはエビデンスに基づく政策判断、政策立案が進められているところです。今後は統計データのみならず、ビッグデータの活用、分析ツールとしてのAIの活用が必要と考えますが、県の取組状況と今後の取組についてお考えをお聞かせください。 次に、二つ目の質問項目である戦略的広報について、知事に質問いたします。 今般の新型コロナウイルス感染症に対して、県において適宜適切な取組が行われてきたことを個人的には高く評価しております。 奈良県の取組については、感染状況とともに、県民に対してテレビ、ホームページ、SNS、広報誌など様々な媒体を活用して広報されてきました。 しかし、県民に適時適切に情報が伝わっていたとは言えない状況も見られ、お目にかかる方々からは、奈良県は何もしていない、危機感がないといった不満の声を聞くことも多く、奈良県の取組に対する県民の評価は総じて低いものになってしまっております。確実に対策を打っているにもかかわらず、その評価が低いことは非常に残念です。 私は、このような県民の評価が低い原因の一つは、メディア、特にテレビの報道にあると考えております。 具体的には、テレビの報道内容の大半が大阪府、あるいは東京都に関する情報であり、他府県の情報はクラスター発生などトピック的なものに限られ、特に奈良県の取組についての報道は皆無です。このことによって、報道されないことがやっていないことと同義になってしまっています。 二時間近くを費やして記者会見が行われ、そのうち三十分近くも奈良県の取組を詳細に説明しているにもかかわらず、特別な意図があってのことかどうか分かりませんけれども、知事の発言の一部分だけが切り取られて報道され、結果として県民には奈良県の取組が見えず、不安と不満のみを膨らませることになってしまっております。 在阪キー局は、人口の多い大阪府を中心とした報道となるのは仕方のないことだとも言えますけれども、なかなか残念なことだと思います。 このような条件下で、今般のような有事に際して県民に正しい情報を伝えるためには、平時から広報にも戦略的な取組が求められます。 多くの情報があふれる中、予算的、人員的な制約下で効率的かつ効果的な広報を展開するために、各メディアの特性を踏まえ、情報発信するクロスメディアという手法があり、非常に有効と考えます。 そこで、知事にお伺いします。 今回の新型コロナウイルス感染症のような有事のみならず、平時においても県の情報を適時適切に県民に伝えるためには、広報の強化が必要です。そのため、各メディアを単体で考えるのではなく、複数のメディアをその特性を踏まえて活用し、情報発信をデザインすることが必要と考えます。クロスメディア戦略という観点も含め、現在の取組と今後の取組方針についてお聞かせください。 最後に、三つ目の質問項目である土砂災害対策について、県土マネジメント部長及び地域デザイン推進局長に質問いたします。 新型コロナウイルスへの備えも重要ですが、いよいよ雨期を迎え、最も心配されるのは豪雨等に伴い発生する水害や土砂災害であり、これら災害への備えは今なお残された最重要な行政課題です。今回は、これら災害のうち土砂災害に絞って質問いたします。 県では、令和元年十月に奈良県土砂災害対策施設整備計画を策定し、土砂災害の課題と対応方針を定め、令和五年度までの五年間に実施するソフト・ハードの対策を明確化いたしました。 当該計画では、土砂災害特別警戒区域内の二十四時間利用の要配慮者利用施設、避難所、緊急輸送路のほか、老朽化した砂防施設の各施設に対する対策を定めており、現在、計画を踏まえ、優先順位を決めて取組が進められているところです。 また、令和二年三月には県内の土砂災害警戒区域等の指定を完了いたしまして、現在では九千八百三十二か所のレッドゾーン、一万八百十か所のイエローゾーンが指定され、これら警戒区域等での対策を順次進めていくことが求められています。 ただし、災害ハザードエリアの対策さえ万全であれば安心というわけにはいきません。 例えば、二〇一四年八月に広島市において線状降水帯が発生し、三時間降水量二百ミリメートルを超える記録的集中豪雨に見舞われたことにより、同時多発的に大規模な土石流が発生し、山麓部に開発された住宅地に大きな被害をもたらしたことは、いまだ皆様の記憶に残っていることと思います。 県内においても、傾斜地に造成された住宅地は広く分布しており、このような被害が起こる可能性はないとは言えません。特に、昭和四十年代に開発された住宅地などは既に開発後半世紀が過ぎようとしており、擁壁等の経年劣化も進んでいることから、被害を拡大するのではないかといった不安もございます。 令和二年六月に、頻発・激甚化する自然災害への対策として、災害ハザードエリアにおける新規立地の抑制、災害ハザードエリアからの移転促進、立地適正化計画と防災の連携強化を内容とする都市計画法、都市再生特別措置法等の改正が行われ、災害に対し土木事業として対応するのみならず、開発許可等により対応することの重要性が認識され、制度化されました。 そこで、土砂災害対策について、二点お伺いいたします。 まず、県土マネジメント部長に質問いたします。 奈良県土砂災害対策施設整備計画に基づく土砂災害対策に係る取組の進捗状況と今後の予定をお聞かせください。 次に、地域デザイン推進局長に質問いたします。 県下では山麓部等の傾斜地に造成された住宅地が多く分布しており、中には土砂災害の危険性のあるエリアに係る住宅地も見られます。また、既に四十年以上経過した住宅地もあり、擁壁等の構造物の経年劣化が進んでいることから、今後、地震や大雨が発生した場合に造成地に大きな被害が生じることが懸念されます。このような住宅地での宅地防災に対する県の考えをお聞かせください。 以上で登壇しての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(森山賀文) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)二番樋口議員のご質問がございました。お答え申し上げます。 最初のご質問は行政政策におけるスマート化というテーマでございます。 その中で、最初のテーマはスマート自治体をどうつくるかというテーマであると理解いたしました。 行政政策のスマート化でございますが、スマート自治体研究会報告書の方策に沿って、県が市町村の補完・支援を行いながら取組を進めている環境にございます。 具体的な例を申し上げさせていただきたいと思います。 一つ目は、AIなどの普及促進でございます。昨年十月から県と五市町、大和郡山市、宇陀市、田原本町、王寺町、広陵町で住民からの問合せに二十四時間自動応答するAIシステムの運用を開始いたしました。 五月末現在で利用登録者数は約三万人、質問件数は約四万件となっております。今年度はさらに三市、天理市、御所市、香芝市が導入を予定しております。引き続きこのシステムの普及促進に努めたいと思います。 二つ目の例でございますが、行政手続の電子化でございます。平成十六年から県と市町村が共同で電子申請システムの運用を行っております。県と市町村を合わせまして年間約六十万件の申請手続をデジタルデータで受け付けております。今年度は、県において手続申請書を電子データに変換するAIツールを新たに導入し、行政手続のさらなるデジタル化を進めてまいりたいと思います。 三つ目のテーマでございますオープンデータ化につきましては、県では現在、十分野の九十九種のデータを公開しております。市町村に対しましても、説明会や個別の技術支援を行った結果、現在二十六の市町村でオープンデータ公開が実施されております。今年度末を目途に全市町村での公開を目指しているところでございます。 スマート自治体は大変大きな意味があろうかと思います。スマート自治体への転換を大きな目標にしていきたいと考えております。その背景を私なりにご説明申し上げたいと思いますが、奈良県の将来人口は急速に減少することが見込まれております。そのような中で、行政サービスの水準を維持しながら行政の財政面での効率化を図ることが大変重要な要求になっております。 これまで人口減少に対応するために我が国がやってきた行政の対応は、一つは合併であったかと思います。財政効率化に多少は寄与したと思いますが、一方、行政サービスのきめ細かさに欠けるところがあって、サービス水準の維持向上については、もう一つ迫力がなかったかと思います。ハード面での不効率な整備を合併によって効率化しようという面は、ある程度進んだかと思います。 一方、ソフトのサービスの維持向上については、合併だけではなかなか達成されないと思います。やはりデジタル化を取り入れて、スマート自治体の構築を目指して、ソフトの面でもスマートな自治体をつくるべきだと思っております。 スマート化の二つ目のご質問は、まちのスマート化でございました。 近年急速に発展してまいりました人工知能やIoTなどの最先端技術を活用したまちづくりというテーマでございますが、スマートシティやスーパーシティと呼ばれております。本県でも、県や市町村で取組を積極的に進めようとしている分野でございます。 具体的な例を幾つか申し上げたいと思いますが、まず、JR新駅を予定しております奈良市と大和郡山市の間、奈良市八条・大安寺周辺地区のまちづくりの例でございます。今後設置されます新駅の周辺地区において、昨年十一月に県と奈良市が有識者検討会を設置いたしました。人工知能を最大限に活用した高度な交通・観光・都市サービスが行き届くAIタウンを目指し、検討を進めています。有識者の方からは、周辺にある歴史文化資産、大安寺など、また、西ノ京などを生かしたスマートシティにしていくことの大切さなどの意見を頂いております。 二つ目の例は、橿原市にあります医大周辺のまちづくりでございます。平成二十七年に県立医科大学と包括的な連携協定を締結いたしまして、県立医科大学が開発いたしました、体温や血圧等のバイタルデータと気温や湿度等の生活環境データを統合して、高齢者の見守りや健康アドバイス等に活用できるICT技術の実証実験などを行ってまいりました。このICT技術は既に実用化されており、本県と橿原市が連携して進めている、県立医科大学が移転した跡地におけます医大周辺のまちづくりにも活用を検討してまいりたいと思います。県立医科大学の細井学長は、メディシン・ベースド・タウン、MBTという呼び方で、このような構想を唱道されているところでございます。 三つ目の例は、議員もお述べになりましたが、平城宮跡歴史公園での実験でございます。公園の魅力向上を図るため、昨年度から国土交通省により、次世代モビリティーや実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する技術を用いた歴史体験などの社会実験が実施されております。ないものが見えてくるというのが一つのみそでございます。 このように、人口減少や少子高齢化、住民の価値観の多様化が進む中での、地域の課題が複雑化している中での人工知能等の最先端技術の活用は、地域の課題を解決する手段の一つとして、新しいまちづくりへの応用に期待するところでございます。先進事例を参考にして、県と市町村との協働のまちづくりに、より効果的に実施していきたいと思っております。 まちづくりとも関係いたしますが、そのほかの事例を申し上げさせていただきますと、奈良県と連携しておりますスイスのベルン州でございますが、ベルン応用科学大学という大変程度の高い大学がございますが、先般、奈良県に来られまして、高齢者に向けた社会をICTを活用して研究したいという申し出がありまして、奈良先端科学技術大学院大学とベルン応用科学大学との連携が進んでおります。ベルンのそのようなICTを活用した高齢者の住みやすいまちづくりにつきましては、スイス連邦政府からも研究費が出る予定だと聞いております。 もう一つは、奈良県が今年度予算で採用していただきました一億円の研究費でございますが、議員が言っておられますこのようなICTを活用したまちづくりの研究ということも、私自身は大きなテーマであると考えております。議員お述べのテーマは、今いろいろな分野で動き出しているということを併せて報告させていただいた次第でございます。 行政のスマート化の三つ目のテーマはビッグデータの活用というテーマでございます。 知事就任以来の県政の取組は、エビデンス・ベーストというふうにしております。EBPとかNPMとかEBPMと言われるエビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング、それは統計の活用ということをベースにしてきたわけでございます。新しい「都」づくりの中でも、奈良県庁の流儀は一番で統計重視だと、こういうことをいまだに言っているものでございます。その統計活用の延長に議員がご唱道のビッグデータの活用が位置しているものと思われます。 近年、情報通信技術の発展により多種多量に生み出されて、また、蓄積されるようになったデータ、いわゆるビッグデータでございますが、本県でも、これまで既に、がん対策や高齢者支援の分野などでの活用が始められております。 ビッグデータは、統計調査に比べまして即時に、タイムリーに収集できる長所がありますが、正確性、あまりに多過ぎて、ピンポイントの情報という点には多少欠けるところがあると聞いております。 また、一方、セキュリティーや個人情報保護の課題ということもあるように聞いております。AIを活用して、分野を横断したビッグデータの活用というのは大変大きなメリットであるように思います。国でもビッグデータ連携構想の整備が進められていると思います。 AIのデータ解析への活用と併せ、ビッグデータをどのように本県の施策に活用できるかにつきましては、国の動きや他の自治体の先進事例も踏まえて、早期の有効な活用に向けて、しっかりと検討を進めたいと思っております。 地方行政のデジタル化というのは、共通して大事なことであろうかと思います。我が国では、国の縦割り行政の弊害が指摘されてきております。今はまだ縦割りの行政がございます。縦割りを地方行政は、まねはしてはいけないと思っています。横割りでプロジェクト化というのを進めておりましたが、プロジェクト化の延長では、そのビッグデータを活用した横割り、デジタル化のプロジェクトのデジタル化ということも視野に入れて、県庁のデジタル化を図っていきたいと考えているところでございます。 次のご質問でございますが、戦略的広報のご質問でございます。行政広報の分野のご質問でございます。 身近なところから、アメリカなど世界的にポピュリズムがはびこる中での行政広報の在り方というテーマになってくるかと思います。議員の指摘はもっともなところがあろうかいうふうに感じたところでございます。広報と同時に広聴というのが大事だということを昔から教えられてまいりました。広報のターゲットやタイミングの目的を測って、効果的な媒体の活用が必要だという面になろうかと思います。 本県では、多様な媒体をできるだけミックスして活用することには心がけてまいりました。先ほど申されましたように、発信力が不十分な私でございますので、なかなかうまくいかないことは多いわけでございますけれども、いろいろな媒体を通じて、お知らせを届けるということに心がけてきているところでございます。 具体的には、県民だより奈良などの広報、ホームページやSNS、スマホアプリ・ナラプラス、デジタルサイネージ、新聞広告など、様々な媒体を用いて広報を展開しようとしております。広報広聴課において各部局の公表案件を取りまとめ、分かりやすいようにしようと心がけております。県民だより奈良の表書きのデザインとその文句は、いつも私が書き込むようにして、僅かな行のメッセージでございますけれども、なるべくうまくお伝えできるように、発信力の少ない荒井さんでございますが、情けないながらも、ささやかな努力をしている次第でございます。媒体の多様さということについては、ナラプラスやLINEなどで広がってきているように思います。いろいろな媒体を活用しろよということをおっしゃっていただくことが大変な励みになるものでございます。 クロスメディア手法といった新しい言葉も出ておりますが、どのようなミックスをするかということは、まだまだ知恵がいきませんが、私は、官庁の広報でございますので、官庁の心がのっていないといけないと、いつもお伝えするときに、メッセージというのは心がのっていないと駄目だよ、政策には心をのせる、心をどのように書くかという技術だけではなしに、お知らせだけではいけないから、官の心をのせるようにということをいつも言っております。不十分でございますが、そのような努力をしている者にとって、温かいお励ましの言葉として受け取らせていただいた次第でございます。 立派なご質問、ありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 山田県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(山田哲也) (登壇)私には、奈良県土砂災害対策施設整備計画の進捗状況と今後の予定についてご質問がございました。お答えいたします。 今の計画ですけれど、令和元年から五年間を計画期間にしてございまして、昨年十月に策定いたしました。お話の中にありましたけれども、今、その計画に基づきまして、レッド区域の中で三つ、一つ目が二十四時間利用の要配慮者利用施設、二つ目が避難所、三番目がアンカールート、ここを中心に選択と集中により計画的かつ重点的に推進しているところでございます。 具体的にでございますけれど、一つ目の二十四時間利用の要配慮者利用施設でございますけれど、この計画期間中に全ての箇所について保全完了するということを目指して、今年度は四か所、事業化いたしました。 二つ目の避難所でございますけれど、ここはできるだけ市町村に、もっと安全なところに避難所の移転を指導しながら、地域の避難拠点となる小中学校五か所については、計画期間中に全ての保全完了を目指して、今年度は一か所を事業化いたしました。 三番目のアンカールートでございますけれど、これも計画期間中に対象全ての箇所を保全完了するということで、今年度は二か所を事業化いたしました。 今回の議会でも、避難所について、新型コロナウイルス感染症の話もあって、先日から県で開設に当たっての留意事項をまとめたというお答えはさせていただいていると思いますけれども、これらの動きも含めまして、防災統括室など関係部署と連携して、市町村と一体的に土砂災害から県民の安全・安心を高める取組を進めていきたいと思います。以上でございます。 ○副議長(森山賀文) 岡野地域デザイン推進局長。 ◎地域デザイン推進局長(岡野年秀) (登壇)樋口議員から私には土砂災害対策について、特に宅地防災に関する県の考え方についてご質問がございました。お答えいたします。 本県では、昭和四十年代より山林や丘陵地において宅地開発が盛んに行われ、多くの方々がお住まいになっております。ご指摘の宅地防災は重要な課題と認識しております。 まず、土地基本法等では、擁壁等を含む住宅地の管理は土地所有者が適正に行う責務があるとされております。擁壁等には経年劣化などの懸念もありますので、県民の皆様には常に宅地の安全面に関心を持ち、点検等をお願いしたいと考えております。 一方で、県におきましては、毎年五月を宅地防災月間として、宅地防災意識の高揚と危険宅地の早期発見を目指し、宅地防災について県のホームページ等で広報をするとともに、リーフレットを作成し、市町村と連携の下、啓発活動を実施しております。また、県下における面積三千平方メートル以上の大規模盛土造成地の位置を示すマップを作成し、リーフレットやホームページで公表しております。今後もこのような取組を強化し、宅地災害を未然に防止し、安全なまちづくりに資するよう取り組んでまいります。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 二番樋口清士議員。 ◆二番(樋口清士) ご答弁ありがとうございます。 それでは、逐次、各項目について再質問を行います。 まず、行政政策におけるスマート化についてなのですけれども、このスマート化を進めていくために、県がこういったことについて積極的に進めていただきたいというところが三点ほどございます。 まず、一点目が、行政内、かなり膨大な情報が集まっているところということで、その持っている情報をできるだけデジタル化していく、オープンデータ化する、これが重要だと考えておりますし、先ほど知事も取り組んでまいりますということでございましたけれども、例えば、電子申請化の話が先ほど出ておりましたが、こういった各行政分野の個別情報を、例えばGISなどに載せていくということによって、測地的な実情が分かるような、そういったデータベースをこしらえていくこともできるのではないか。これを個人情報なんかにも配慮しながらオープンデータ化することによって、いろいろ使い勝手のあるデータというのが出てくるのではないのかとも思います。 こういった手続のデジタル化、電子化と併せて、情報をどう蓄積していくかということも含めて取り組んでいっていただけたらと思いますし、こういったことができますと、例えば、市民がテクノロジーを活用して行政や地域社会の課題を解決しようとする取組、これはシビックテックといいますが、こういったこと、取組を進めていくことにもつながっていくのではないのかなと、このようにも考えます。 二点目なのですけれども、センサリングの技術の進化とともに、リアルタイムで状況を把握して問題解決に向けた制御をしていくということが可能になってきているということがあります。例えば、道路空間なんかでセンシング装置の設置をすることによって、リアルタイムな信号制御をして交通渋滞を緩和するとか、あるいは、現在実証中の自動走行車の安全走行を支援する、こういったいろいろな可能性が見えてくるのではないのかなと思います。 先ほど出ておりました平城宮跡のICT技術を活用した社会実験、こういったこともありますけれども、県が管理している既存のインフラ、あるいは新規に整備するインフラの上に新たなシステムを搭載していくための実証事業を県が主体的に取り組んでいくと、こういったことも必要なのではないかと。 例えば、これは私見ですけれど、大宮通りから奈良公園にかけてのエリアというのは、奈良市の都市軸を形成する県管理の公共空間ということがあります。様々な実験的な取組を行いながら、象徴的な都市空間を形成して、都市のにぎわいにつなげていく。こういったことも考えられるのではないかと思います。 三つ目なのですけれども、スマートシティの取組、いろいろされております。こういったプロジェクトが、実は現在、行政政策のスマート化の取組の象徴だと思うのですが、個別分野ごと、地域ごとの取組になってしまっている部分もあるということで、その成果が地域限定的、分野限定的にならざるを得ない部分もあるのか。一個一個のプロジェクトとしてこなしていくということですので。しかし、地域社会に新たなシステムを実装、あるいは構築していくということのためには、分野横断的かつ地域相互をつなぐ取組が必要になっていくのではないか。また、進化し続ける技術を活用して、実証しつつ取組を進めなければならないということから、産学の知恵や技術の活用というのが必要になってくる。先ほど産学連携の話も出ておりましたけれども、まさにそういった取組が非常に大事になってくる。 そこで、県内の様々な地域で地域特性に応じた様々な分野の実証事業が行われ、その成果を県内各地で共有化して、活用して実装していくための仕掛けとか、あるいは行政内の各部局の連携、産学官の連携を促すための取組、民間からの様々なアイデアを受け入れる取組を推進していくための仕掛けとしてプラットフォームの構築、こういったことも必要ではないかと思います。国主導でこのプラットフォーム、構築はされているのですけれども、ただ、シビックテックのようなローカルかつ小規模な取組を活性化していこうと思いますと、やはり県や市町村レベルでのプラットフォームの必要性というのもあるのではないのかなと思います。 また、行政内の連携を推進するために、牽引する組織の設置をはじめとする組織体制の整備、こういったことも必要なのだろうと。先ほど知事の方からも行政横断的にというようなこともありましたけれども、ただ、そういうお答えいただきながら、申し上げにくいのですが、この質問に当たって、このスマート化の話を各課、関連のところにいろいろお話をお伺いしました。ただ、やっぱり印象として、いろいろな部署でいろいろな取組をされているのですけれども、ただ、非常に個別になってしまっていて、その隙間を埋めていく取組とか、あるいは相互化するための取組、こういったものがなかなか、いまだ見えてこないなという印象を受けました。 スマート化というのは分野横断的な取組、先ほど知事がおっしゃったとおりなのです。各政策分野に横串を刺す形で取り組める行政内の連絡、連携というのが不可欠と考えるのですけれども、この点について、もし知事、何かご所見がございましたら、お答えいただけますでしょうか。 ○副議長(森山賀文) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) スマート自治体、我々地方行政のスマート化という大きなくくりのなかで、いろいろなアイデアをおっしゃいました。三点あるとおっしゃいましたので、うまくできるか、少しフォローしたいと思いますが、一つは、電子申請がありますと申請情報が入ってくるので、申請情報の活用ということが最初にあったように思います。申請情報は大変豊富な情報でございますが、個人情報が多く含まれておりますので、この扱いがなかなか大変かと、まず少し思います。収集の目的以外のために行政は使ってはいけないと条例でも書いておりますし、個人情報保護法もそのような扱いでございます。 一方、その豊富な情報を個人情報から外していく匿名化というのが一つ大きな課題かと思います。匿名化で集合した情報を集合統計情報として利用することができたらと、行政の内部でそのように加工することができるかということは一つの課題としてチャレンジしております。行政が匿名化しても分かるよと、政治意識調査でおっしゃった党がありますけれども、それは収集のときから極めて匿名化しても、そのようにおっしゃるというようなまだ環境でありますので、申請情報は匿名化されていない情報そのものでございますので、匿名化するよといっても、行政の匿名化かと、こういうふうになると、またいかんところがあります。これは徹底と、個人情報保護、今度の新型コロナウイルスでも濃厚接触者をどのように開示するか、私はすべきではないという立場でございましたけれども、そのようなことがございました。しかし、豊富な申請情報をどう活用するかという点につきましては、極めて重要なテーマだと思います。 二つ目は、道路などの路側情報といいますか、測地情報で使えないかということでございます。これは、これから機器を持っている者との接触、そのアプリがあると、道のところで案内が出るという情報、あるいは、最近、奈良県がやっておりますバスロケーションシステムというのは、路側情報の何分で来ますよということが、道路の混雑と一緒に混ぜ合わせると、混雑している情報でも、いらいらしないで待てるというシステムでございますけれども、測地の情報提供というのも一つのいいまち、スマートまちづくりをするためのテーマかと思いますが、個別に少しずつ、そのような意識はございますので、少しずつ進んでいるということでございます。 それから、スマートシティの地域展開をもう少し広くという趣旨が三つ目のテーマであったように思います。個別のテーマで、ある程度していても、プロジェクト化しても、そこから少し横に行くというテーマでございますが、地域を大きくやるというのは、縦に深めて横に、縦に横と、こういう感じでございますが、そのような発想からのテーマは南和の地域包括ケアを電子的にしようという試みを言っております。南和のおばあさんはスマホを持っていれば、「お元気」と対話ができる。そこをスマホで、薬歴、病歴があれば、電子カルテにつながって、外来に行かなくても体の健康管理ができるという構想でございますけれども、そのような構想は南和広域医療企業団が大変乗り気になってくれておりますので、それはとても珍しい試みでございますけれども、そのような試みも、これから実現する可能性が極めて高まってきたと思います。 それから、いろいろな情報が行政の中で市町村と県と分かれておりまして、市町村が全部参加してくれるかという課題はあるのですけれど、南和の場合は包括ケアで全部やろうと、南和広域医療企業団ができておりますので、そのような話もしやすいということでテーマを取ってやろうかと。西和の七市町については、西和の病院のこれからの在り方というテーマが、陳情がございました。この際、西和の包括ケアのまちづくり、あるいは防災のまちづくり、交通のまちづくりを三つテーマで七つの市町と県で協議会をつくろうということを提案しております。まだ返事はないのですけれども、多分、基本的には賛成していただけると思うのですけれど、その中で、議員おっしゃるようなデジタル化とか電子、ICTをどのような地域で活用するかということは大事な課題かと、内心は思っているところです。 いろいろな例をやってきて、さらに進めたいと思いますといった程度の答弁でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 二番樋口清士議員。 ◆二番(樋口清士) ありがとうございます。これからもどんどんチャレンジングな取組を進めていっていただきたいと思います。 次に、戦略的広報の話なのですけれども、在阪のテレビ局がなかなか奈良県の報道をしてもらえないというところがある。ローカル局としての奈良テレビがございまして、今日も入っておられますけれども。ここをコロナのときに、どれだけ上手に使えたかというところが多分またポイントになってくる部分だし、また、これからどう使えるのかというところもポイントになってくるのかと思いますけれども、この辺りの取組、あるいは考えというのがもしございましたら、お答えいただけますでしょうか。 ○副議長(森山賀文) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) 奈良テレビは奈良県内の地域電波メディアでございます。奈良のことをたくさん放送していただきますので大事かと思います。 一つは、笑い飯さん、私、大好きなのですけれど、よく考えて、割とおちゃらけふうにしながらも程度の高いことをおっしゃっていただいているように思います。あのような提供の仕方は大変好感度の高いものであろうかと、私は見習うべきもないレベルでございますけれども、大変ありがたいです。 その中で、奈良テレビの活用、いろいろなことで奈良県から県政フラッシュとか、ならフライデー9とか、お願いして入れていただいております。奈良県内のニュースをできるだけ伝えよう、コンテンツも課題でございますが、どのように分かりやすく編集して伝えていただけるかというのが課題です。しかし、独立したメディアでございますので、県庁の広報部ではございませんので、ただ、事実を、ファクトをどのように県民の人に、ファクトを知っていただくのは民主主義の基本だと思っておりますので、ファクツファーストです。CNNが言っておりますように、ファクツを知ると、いろいろなポピュリズムとかフェイクに抵抗力が出ると。民主主義のワクチンがファクツだと私は思っております。 地方のメディアが衰えると二極化するとアメリカのニュージャージー州の知事が言っております。地域のメディアのために百万ドルの補助をするよというようなことを言っておられました。二極化する、そこから民主主義が揺らぐ、ファクツを住民の方が知っていただくのが、ローカルニュースを知っていただくのが地方政治の、民主主義の基盤だと、議員のご質問を知って改めて思ったところでございます。 奈良テレビは重要なメディアであろうかと思っております。県としては、そのコンテンツを、正確なファクツをなるべく分かりやすく届けるということをさらに心がけていきたいと思っています。 ○副議長(森山賀文) 二番樋口清士議員。 ◆二番(樋口清士) ありがとうございます。テレビもやっぱりうまく活用するということが必要になってくるかと思いますので、よろしくお願いいたします。 有事のとき、あるいは平時にかかわらず、県民に対して、県民が必要としている情報を適時適切に発信、提供すると、非常に大事なところかと思っております。特に有事に際しての情報発信は県民の安心・安全確保の観点から最重要な課題だと思っております。ちまたにあふれる誤情報に県民が惑わされることのないように、正しく強い情報発信をしていただきたいと思います。 であるからこそ、クロスメディア戦略のような効果的な情報発信をするための戦略的取組というのが必要になってくるのだろうと思いますし、また、特に有事の際には、官民協働による対策の必要性ということがうたわれます。行政・県民間での情報共有、あるいは信頼関係の構築ということのために、リスクコミュニケーションというキーワードも最近出てきておりますけれども、こういったことも有効になってくるということでございますので、こういったコミュニケーション技術の活用ということも含めて考えていっていただきたいと思います。 県では広報広聴課がこういった取組を担うという形になっておりますけれども、こういった情報戦略の重要性を認識しながら、必要に応じて、その体制強化ということも考えていただきたいと思いますのと、あと、一般的にメディア戦略というのが、行政の不得意とするところとも思われますので、必要に応じて民間の知恵なんかも借りながら取り組んでいっていただきたいと思います。 次に、三点目の質問の土砂災害対策についてです。 まず、一つ目の質問、県土マネジメント部長の質問に対してのところなのですが、これは再質問ではございません。要望ということでお聞きいただきたいと思うのですけれども、現在、この避難所に係る整備というのが優先されている状況があるわけなのですけれども、ただ、こういった新型コロナウイルス感染症の話が出てきて、感染症対策として避難所の分散ということが求められるようになってきていると。そうすると、今、対象にしている避難所以外のところ、かなり広くカバーしていかないといけないような話にもなってまいります。これは当然、国の考え方、あるいは市町村、避難所の所管するところの考え方にもよりますけれども、そういうところと連携しながら、今後の取組方というのも、また考えていっていただく必要があるのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。 この土砂災害の二つ目の質問に関してなのですけれども、先ほど土地基本法の中で土地所有者の責任ということが言われておりましたけれども、宅地防災、非常に専門的、技術的な話でありますので、なかなか素人が手を出せるところではないのかなというところで、開発許可権者である奈良県として、今後どういった取組を進めていくのか、もし何かさらに踏み込んだ取組を考えておられるのであれば、お答えいただけますでしょうか。
    ○副議長(森山賀文) 岡野地域デザイン推進局長。 ◎地域デザイン推進局長(岡野年秀) 宅地防災について、さらに踏み込んだ取組というご質問をいただいております。 住宅地における災害、これ、いつどこで発生するか予見できないものでございます。そういった意味で、繰り返しではございますが、土地所有者の方に常に宅地防災についてご関心を持っていただく、それとともに、県など行政側においても、共に取り組む必要があるとの認識をしております。 そこで、議員の方からは専門的とのご指摘がございました。国の方で我が家の擁壁チェックシートでありますとか、我が家の宅地安全マニュアル等を作成し、ホームページで公表しております。これ、私、内容を見ましたけれども、県民の方々にも分かりやすい内容でございますので、県においても、その活用を図って広くPRしていきたいと思っております。 雨の多い季節に入ってきております。こういうときこそ宅地の安全性について関心をお持ちいただけるよう、さらなる啓発活動に取り組んでまいりたいと思っております。以上でございます。 ○副議長(森山賀文) 二番樋口清士議員。 ◆二番(樋口清士) ありがとうございます。 今、国土交通省のチェックシートの話が出ていましたけれども、私もこれは拝見いたしましたが、なかなかあそこを見ようと思って見る人は少ないだろうと。ホームページのトップページに入っても、なかなかそこへたどり着けないという状況もありますし、内容を見てみますと、やっぱりテクニカルタームが結構入っていて、これを実際、何も知らない人が、これで自分でチェックできるだろうかと、配筋の状況とか、多分設計図がない状況でどう判断するのだろうか。かなりやっぱり素人には分かりにくい内容なのかなと思います。そういうところを踏まえて、県としても、そこを正しく伝えていくための情報提供ということはぜひやっていただきたいと思います。こういったシートを活用してということではありますけれども、少しそこにアレンジをかけていく必要もあるのかなと思いますので、そういった取組も含めて、よろしくお願いいたします。以上でございます。 ○副議長(森山賀文) 次に、二十七番山村幸穂議員に発言を許します。--二十七番山村幸穂議員。(拍手) ◆二十七番(山村幸穂) (登壇)皆さん、こんにちは。日本共産党の山村幸穂です。 新型コロナウイルスによって、日本経済は戦後最悪の危機に直面し、国民の暮らしと雇用は大きく脅かされています。安倍政権の対応があまりにも遅く、実態に即していなかったことから怒りの声が沸き起こりました。自粛と補償は一体でという大きな声が広がり、多種多様な業種の事業者、文化芸術関係者、フリーランスなど幅広い人たちが声を上げ、立ち上がりました。医療関係者は政府の医療への財政支援があまりにも小さいと改善を求め、若者も学費減免などの支援を求め、運動に取り組んでいます。この国民の声が政治を動かしています。 同時に、コロナ後の社会がどうあるべきか、問い直す声が出されています。これまでの新自由主義的な考えの下、全てを市場原理に任せて、利潤第一、経済的利益最優先で公共の仕事を縮小する行財政改革や民営化、東京一極集中で地方を置き去りにする政治は破綻が明らかです。 公衆衛生や医療・介護、交通、物流、食品小売業、農業、教育や文化の仕事の重要性が改めて明確になりました。今こそ住民の福祉の向上という地方自治体の役割と姿勢が問われています。 私たち県議団は、地域の商店、中小企業、旅館や観光業関係者、障害者福祉や介護施設、医療機関、保健所、芸術家の方々、県立学校など様々な分野の皆さんと懇談をして、実情や切実な要望をお聞きし、県へも四次にわたって要望させていただきました。 新型コロナウイルスから県民の命を守り、暮らしと営業を守るために、どのように取り組んでいくのか、幾つか質問いたします。既に質問されたこともありますが、ご容赦ください。 初めに、今後の県政の運営について知事に伺います。 コロナ後の社会を見据えて、今後の県政運営についても見直しが必要ではないでしょうか。 昨年十月の消費税の増税が景気を押し下げる中、新型コロナウイルス感染症が県経済と県民の暮らしに打撃を与えています。総務省が発表した四月の労働力調査によると、非正規雇用の労働者は、前年同月比で九十七万人減少し、比較可能な二〇一四年以降で最大の減少です。もともと不安定で低賃金の苦しい生活が立ち行かなくなります。このうち女性は七十一万人、県でも、最も暮らしが困窮している非正規雇用のシングルマザーの実態が以前から報告されておりますが、さらなる困難が襲っているのです。県としても、親身で継続しての支援が必要です。 困窮する県民の暮らしを守り、子育てを応援する事業など、生活に欠かせないことは着実に実施して、今後さらに補正予算で必要な拡充をしていくことも重要と考えます。今年度予算化したものでも、不要不急の事業や見直すべきものは見直すことも必要ではないでしょうか。 しかも、本県においては自主財源がもともと厳しい中で、今後、県税収入などの減収が見込まれ、財政運営についても、ますますやりくりが難しくなることが予想されます。私たちは、リニア新幹線誘致やリニア新線の開発のための調査、京奈和自動車道の地下トンネル、平城宮跡国営公園の体験館の建設などは一旦立ち止まり、再考することを提案します。 そこで、質問いたします。今回の新型コロナウイルス感染拡大により、生活困窮者等をはじめとする県民の生活に大きな影響が生じています。このような状況の下、不要不急な事業やプロジェクトを見直し、県民生活の支援に集中的に取り組むなどの対策が必要であると考えますが、今後の県政運営について、どのようにお考えでしょうか。 次に、医療体制や感染防止対策について、知事に伺います。 東京都などでは新型コロナウイルス感染症の市中感染はいまだに続いており、世界では拡大しています。再び緊急事態宣言とならないように、第二波へのしっかりとした備えが必要です。 県は、症状がない人でも医療機関、介護施設、保健所の職員などで感染の危険があると認められる場合に、医師の判断で広くPCR検査を実施するとの方針ですが、このことは全国での医療機関や福祉施設でのクラスター感染防止の教訓にのっとった重要な前進だと思います。 厚生労働省によると、奈良県の流行ピーク時の患者数は一日当たり外来約四千六百人、入院約二千六百人との予測です。 そこで、知事に伺います。 感染拡大を防ぐための積極的なPCR検査を着実に実施できるよう、検査体制の思い切った強化と地域の発熱外来のさらなる増加が必要と思いますが、どのように取り組まれるのでしょうか。 政府は、全国の保健所を一九九〇年の八百五十か所から二〇一九年には四百七十二か所に減らし、職員定数は七千人減少するなどの機能縮小を進めてきました。奈良県でも、保健所職員数は二〇〇〇年の二百六十四人から二〇一九年百二十二人と、約四六%の減少です。保健研究センターも縮小されるなど、感染症対策や公衆衛生が軽視されてきました。 実際に保健所でお話を伺いましたが、かかってくる電話の対応だけでも手にあふれる。人手がない中、他の業務をストップして総力で対応に当たり、睡眠も削っての懸命の対応をされていました。 そこで、知事に伺います。 保健所の職員数の削減が行き過ぎていたと思います。保健所の職員数の現状について、どうお考えでしょうか。また、いつ第二波の感染が蔓延するか分からない中で、今のうちに保健所や保健研究センターの体制を強化する必要があります。どのように対応されるのでしょうか。 また、第二波の感染予防のために、地域の医療を守らなくてはなりません。県内のある病院は、感染のおそれから受診を控える方が多く、検査や手術も延期するなど、患者数が激減して大きな減収となっています。しかし、発熱を訴える患者さんを診療する特別の外来を開設しているため、それに必要な職員体制や発熱者をPCR検査結果が分かるまで受け入れるための隔離病棟の準備など、多額の費用がかかっているとのことです。それでも懸命に命を守るために奮闘されています。 新型コロナウイルス感染症患者受入病院では、一か月で億単位の減収となり、新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れていない病院でも数千万円の赤字であることが報告されています。奈良県内の中堅病院でも、月五千万円の減収と聞いています。新型コロナウイルス感染症患者の受入れの有無にかかわらず、役割を分担して地域の医療を守り、患者さんに寄り添って対応されている医療機関が経営難で立ち行かなくなるようなことがあれば、医療崩壊の危険があります。国の責任で、全ての医療機関への財政的な支援が必要であると思いますが、国の第二次補正予算による地域の医療機関への財政支援策は、あまりにも規模が小さく、影響を受けている全ての医療機関に行き渡らないのではと不安の声が出ています。 そこで、知事に伺います。 地域の医療機関に対する財政的支援について、さらなる増額を国に求めるとともに、県としても支援していくべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。 次に、地域経済の活性化に向けた中小企業や個人事業主への支援について、産業・観光・雇用振興部長に伺います。 新型コロナウイルスの感染症拡大が、海外に依存する脆弱な日本経済の実態も浮かび上がらせました。外国人観光客なしには地域経済が成り立たないほどとなり、輸入部品が途絶えて製品が作れない状況も生まれています。 この危機を契機に、本県においても、中小企業の緊急実態調査や、当事者も参加する検討委員会の設置などによる調査、検討を行った上で、食料、再生可能エネルギーを地域で自給して、農業、林業、中小業者を地域経済の柱に据えて、人、モノ、資金を地域で循環させる経済へと転換すべきと考えます。 県内の地場産業に携わる事業者にお話を伺いましたが、売上げのほとんどがストップしており、国の持続化給付金や雇用調整助成金を申請して、事業の継続や従業員の雇用を何とか持ちこたえているが、この状況がいつまで続くのか、不安を訴えておられます。これまでとは違った分野の新たな商品の開発に取り組んだり、販売形態を変えたり、事業者は懸命に努力しておられます。消費税減税を望む声も多数寄せられました。 営業自粛要請に応えた事業者への県の協力金は、同じ地域で営業していても、業種によっては対象になりません。しかし、お客が来ないために営業を休まざるを得ない状況は、どの業種においても同じです。事業者からは、業種の分け隔てなく全て救済してほしい、この切実な声が寄せられています。 政府による新しい生活様式への転換の呼びかけは新しい自粛要請にほかならず、既に大きなダメージを受けている中小事業者や個人事業主にとっては、さらなる経営難に陥ることになるのではと懸念されます。 県では、国の交付金を活用し、新型コロナウイルス感染症対策として、新しい生活様式に対応した事業者の取組に対し、新たな支援策を実施されるとのことですが、この制度が中小企業、零細企業、個人事業主も含めて、地域の全ての事業者に支援が行き届き、一人も取り残さないように対応が求められます。 そこで、産業・観光・雇用振興部長にお伺いします。 今後の地域経済の活性化を図るには、中小企業や個人事業主の経済活動への新たな支援について広く周知し、活用を促すべきだと考えますが、どのように取り組まれるのでしょうか。 次に、文化芸術分野への支援について、文化・教育・くらし創造部長に伺います。 新型コロナウイルスの感染拡大による政府の自粛要請で、音楽、映画、演劇、伝統芸能、舞踏などのイベントや公演は中止を余儀なくされ、その損失は五月末現在、六千九百億円にもなると言われています。実際に、奈良で活躍されているオーケストラの方に伺いましたが、団員はそれぞれ個人で演奏指導や公演活動などで生活しており、自粛によって収入の道が途絶えている。日頃の練習があってこその仕事なので、思うように他の仕事に就けないと苦境を訴えられています。 もともと日本では芸術に対する評価は低く、公演料なども低く抑えられ、今回の新型コロナウイルス感染症対策でも、政府の支援は一番後回しにされてきました。 しかし、音楽は、あの東日本大震災のときにも人々の心を癒し、生きる勇気を呼び覚ましました。音楽家の方々は、音楽は人生を豊かにする、なくてはならないものと誇りを持って活動されています。 今後の演奏会などを行う場合、三密を避けるために、入場者を半数に制限したり、感染防止策を厳重に取ることが主催者に求められています。これらの対策による収入減は避けられません。今後の活動再開に向けた支援が必要です。 そこで、文化・教育・くらし創造部長に伺います。 奈良県の文化を支えて頑張る方が苦境にある中、県文化会館の施設使用料を減額するなどの施策が必要と考えますが、今後の活動再開に向けて、県としてどのように支援していくのでしょうか。 次に、学校教育活動の再開に当たって、教育長に伺います。 六月一日から三か月ぶりに学校が再開されました。これまでに経験したことがない長期の休みは、子どもの心に大きなダメージを与えています。学校に行っても、感染症対策のために友達と近づいたら駄目、おしゃべりやふざけ合いも駄目、先生とは触れ合えない。何だか子どもの楽しみが何もない、つらいことです。新一年生のお母さんから、子どもが、楽しくない、明日学校へ行きたくないとつぶやいたりして、とても心配という声をお聞きしています。 パネルをご覧ください。 子どもの心への影響につきまして、国立成育医療研究センターが全国の子どもに行ったアンケートです。子どもの心の影響、大変分かりやすく示されていると思います。こうした子どもを受け止める心理的なケアや、困難の背景にある福祉的支援の取組が重要です。 そこで、教育長に伺います。 長期に及ぶ学校の臨時休業や学校再開後の環境変化等がある中、子どもたちの心身のケアをしっかり行い、寄り添った支援を行うことが必要と思いますが、どのようにされるのでしょうか。 学校再開直後の教室は分散登校のため少人数でしたが、六月十五日からの普通登校では、多くの学校で一クラスの人数を抑えられず、過密になっています。県立高校では、教科によっては四十人以上の場合もあると聞いています。感染防止のため、人との距離を二メートル、最低でも一メートル空けることが新型コロナウイルス感染症対策専門家会議から呼びかけられていますが、四十人学級では、実際には距離を空けるのは難しい状況です。 パネルをご覧ください。 子どもたちが相談したいことの第一位はコロナにかからない方法です。四十人学級で教室が過密となることに教職員も子どもも保護者も不安の声を上げています。身体的距離の確保を新しい生活様式の重要な柱の一つとして社会全体が取り組んでいるときに、教室を例外にすることは重大な問題です。 そこで、教育長に伺います。 県教育委員会として、教室における新型コロナウイルス感染防止対策について、どう取り組んでおられるのでしょうか。 また、学習の遅れも心配です。子どもたちの置かれた環境によって格差も生じていると心配されています。遅れを取り戻そうとして、七時間授業や土曜日の授業、夏休み返上など、詰め込みではかえって子どもたちのストレスを大きくしてしまい、成長にも影響するのではないでしょうか。 学習については現場の教師が、次年度への先送りも含めて、学習内容を精選して、遊びや行事もバランスよく工夫していくことができるよう柔軟な教育を進めていくことが重要です。そのための環境整備が必要です。 新型コロナウイルスの感染から子どもたちを守ろうと教職員の皆さんは懸命に頑張っています。感染防止のための掃除や消毒、子どもたちの健康チェックなど、これ以上の仕事の負担は過重な労働です。 このコロナ危機の中で、改めて少人数学級の必要性が明らかになりました。子どもへの手厚い柔軟な教育のためにも、命を守る感染症対策としても、学校に教職員やスタッフを思い切って増やし、二十人程度の少人数学級を進めるべきだと考えます。 奈良県の現状では、小中学校全てで三十人学級とするには、少なくとも担任だけで約四百五十人、約三十三億五千万円で可能です。政府は教員の加配で教育を充実するとしており、奈良県でも今回の六月補正予算で、国費で三十一人の加配を予定されていますが、小学校六年生、中学三年生のみで、高等学校には加配はありません。 パネルをご覧ください。 一般社団法人日本教育学会が、子どもたちの学びを保障して、ストレスや悩みに応える学校づくりを進めるために、小学校三人、中学校三人、高等学校二人、全国で教職員十万人、支援員などスタッフを十三万人増員することを提案しています。そのために必要な予算は約一兆円というものです。 そこで、教育長に伺います。 教室における過密対策が必要とされる中、新型コロナウイルス感染症対策や子どもへの手厚く柔軟な教育のためにも、少人数学級編制をさらに進め、教職員の増員を最大限努力していくべきと考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。 以上で壇上での第一問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(森山賀文) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)二十七番山村議員のご質問がございました。お答え申し上げます。 最初のご質問は、新型コロナウイルス感染拡大の時代を迎えております中での県政運営の方針、変更はないだろうかというご質問でございます。 県政の目指すべき姿を、これまで地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創るというふうにしておりました。その実現のために全力で取り組んでいます。今回の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて見直しますと、大阪などの大都市に依存してきた本県の経済・社会の現状を見直し、地域の自立が求められていると改めて感じるところでございます。 本県では、本年二月にもっと良くなる奈良を目指して、奈良県政の発展と目標の道筋につきまして、奈良新「都」づくり戦略2020を取りまとめました。奈良県経済の好循環を促す取組や、地域の魅力を向上させる未来への必要な投資など、都づくり戦略に盛り込まれた諸施策を着実に実行することこそが地域の自立につながり、コロナ感染時代の抵抗力をつけると改めて思います。 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、県民の方々の社会活動や県内の経済活動に大きな影響が出ているわけでございます。このため、奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部において、毎週、取りまとめ方針を発表しておりますが、対処方針に基づき、感染拡大防止と社会活動正常化・経済活動活性化の両立のために必要な経費について、今議会に補正予算案を提出させていただいております。その中には、生活が困難な方や子育てへの支援についても、その必要性を十分に踏まえ、計上しているところでございます。 今後も、第二波への備えなど新型コロナウイルス感染症の拡大に細心の注意を払いながら、奈良新「都」づくり戦略2020を土台に、知恵と工夫を凝らして県政各分野の戦略を積極果敢に実行して、自立する奈良を目指していきたいと思っております。 検査体制の強化についてのご質問がございました。 先般の代表質問でもお答え申し上げましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のためには、感染者を早期に発見し、早期の隔離につなげることが重要だと改めて思っております。そのため、PCR検査の対象の拡大と検査能力の拡充に取り組んでいきたいと思います。 検査対象の拡大とその強化でございますが、検体採取と判定の二つの能力を高める必要があろうと思います。 まず、検体採取につきましては、県総合医療センターほか県内二病院でのドライブスルー検査の導入を行いました。また、西和医療センターでは、県立医科大学と大和ハウスが共同で開発いたしました日本でも最初のプレハブ型感染症外来ユニットを活用して、発熱外来クリニックを開設いたしました。これらにより、一日最大百四十二件の検体採取が可能となっております。 今後、市町村や地区医師会などが設置、運営するドライブスルー方式での発熱外来クリニックに対する支援や、病院、診療所に発熱外来認定制度を積極的に活用していただくことで、県民の方が身近ところで診察、検査を受けていただくことができるよう体制を強化してまいるつもりでございます。 また、判定につきましては、県保健研究センターの体制強化などにより、一日最大、二百十五件の検体について判定できる体制となっております。今後、さらに検体の採取件数が増えた場合には、民間の検査機関の活用により対応できると考えております。 次のご質問でございますが、保健所の職員数の現状とその強化についての所見ということでございます。 県内の保健所の職員数について、平成十二年と平成三十一年を単純に比較して、総数が減少しているというふうにおっしゃいました。その総数のみをもって本県の感染症対策や公衆衛生が軽視されていたと指摘されるが、これは全く当てはまらない誤解を呼ぶご指摘だと思っております。 山村議員の観察で抜け落ちている事実がございます。申し上げさせていただきます。 まず、その内容は、保健所の権限の移譲と効率化があったという事情でございます。まず、平成十四年に奈良市が中核市になりましたので、市みずからが保健所を設置することができるようになりました。奈良市にありました奈良保健所を移譲することになりました。平成十二年当時、五十八人の体制で奈良市内の奈良保健所がありましたので、それを廃止することにいたしました。 また、施設の効率化によって施設管理職員の減少を図ってきております。例えば、郡山保健所では、単独庁舎から郡山総合庁舎に移ることができましたので、施設管理を行う職員が不要となりました。また、中和地域におきましては、葛城・桜井の両保健所を統合して橿原総合庁舎に移転しましたので、同じように施設管理の職員が不要となりました。また、保健所の業務の一部を保健研究センターや景観環境センターに移管いたしましたので、それらの業務に従事している職員は異動いたしました。 これらの取組により、県の保健所職員の総数は減少しましたが、保健所業務において、公衆衛生や感染症対策などに中心となっていただいておりました人員に大幅な変動はございません。必要な人員が維持、確保されていると思っております。具体的には、保健師につきましては、平成十二年には、奈良市域を除くと五十八人おられましたが、平成三十一年には五十四人になっております。四人が減少しておりますが、これは平成二十五年四月から未熟児の訪問指導などの母子保健事業に関する権限の一部が県から市町村に移譲されたことによるものでございます。また。薬剤師は、平成十二年の二十三人に対しまして、平成三十一年には二十四人となっております。決して重要な業務を軽視して減ったわけでもございません。 そのような事実を抜け落ちて言われますと、この議会で聞いておられる県民の皆様が、先ほどの樋口議員のご指摘ではありませんが、誤解を呼ぶということを大変恐れています。民主主義の敵は誤解でございます。このような奈良テレビを見ておられます皆様に事実を申し述べさせていただくのは議会の大きな機能でありますので、ありがたく申し述べさせていただきました。 このような中で、今回の新型コロナウイルス感染症への対応について申し述べます。 県民の皆様からの相談、受診調整、入院調整、疫学調査など、通常時をはるかに上回る業務が発生し、現場職員には大変なご苦労をいただきました。平時の人員と非常時の人員については、配置の仕方が随分、考え方が違っているわけでございます。非常時でございますので、人員の強化を図ってまいりました。 県では、感染の疑いのある方の相談を担う帰国者・接触者相談センターを本庁に設置いたしまして、補強いたしました。また、事務職員等の兼務や応援派遣、新たな保健師・看護師の確保を行うなど、県庁総力戦という考えの下、現場の業務負担の軽減を図りました。 今後は、引き続き新型コロナウイルス感染症対応のための保健師の募集を行いたいと思いますし、第二波発生の際には機動的に人的応援を行うなど、的確かつ臨機応変に対応していきたいと思っております。 また、PCR検査を担っております保健研究センターにつきましても、より多くの検査が今後行えますように、今回の補正予算案におきまして、検査機器の増設や検査を行う職員の採用に関する経費を計上させていただいているところでございます。 次のご質問でございますが、検査体制の強化の中で、医療機関に対する財政支援をしていくべきではないかということでございます。 本県の新型コロナウイルス感染症第一波への医療提供体制につきましては、医療崩壊は幸いにもございませんでした。医療従事者はじめ関係者の皆様の絶大な努力のおかげだと思っております。また、これまで万全の体制が維持されてきたことに対しまして感謝を申し上げます。医療機関における多発感染、クラスターも発生しないまま過ぎております。 県では、このような医療機関の取組を財政面から支援したいと思っております。国の第二次補正予算を最大限に活用して、人工呼吸器などの医療機器の整備やコロナ専用病床の確保、院内感染防止対策に係る経費に対し補助を行うため、今議会に補正予算案を提案させていただいております。 また、新型コロナウイルス感染症と最前線で戦う医療従事者の方々の勤務環境を良好なものとするため、宿泊費、特殊勤務手当の支援や激励金、慰労金の支給を行うこととしております。 さらに、新型コロナウイルス感染症が医療機関の経営に与えた影響を把握するため、現在、県独自で医療機関へのアンケート調査を実施しております。 今後、調査結果の分析を行い、必要に応じ、国への要望に活用するなど、医療機関の支援につなげてまいりたいと思います。 私に対する質問は以上でございました。残余は関係の部長、教育長が答弁させていただきます。 ○副議長(森山賀文) 谷垣産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(谷垣孝彦) (登壇)二十七番山村議員の質問にお答えいたします。 私に対しましては、経済活動への新たな支援策について、広く周知し、活用を促すべきだと考えるが、どのように取り組むのかとのお尋ねでございます。お答えいたします。 県では、県内事業者の経済活動への新たな支援として、今議会に提案させていただいております補正予算におきまして、感染防止対策やインターネット販売の活用、テレワークの導入などを支援する経費として十億円を計上しております。 さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により調達が困難となった部品を自社で製造するための設備導入など、先駆的な投資への支援として、別途十億円を計上しております。 これらの支援メニューについては、制度の概要や補助対象となる取組の例示や、問合せが多いと予想される項目などについて県ホームページに掲載する予定をしてございます。 併せて、市町村や経済団体を通じて案内するほか、県内の商工会議所、商工会、よろず支援拠点などと連携し、積極的に県内事業者への周知を図ってまいります。 また、県内事業者の活用を促すため、着手済みの事業につきましても、一定期間遡って補助対象とする予定でございます。併せまして、申請者の事務軽減に資するよう、申請書類については可能な限り簡素化を図る方針でございます。 今後、早急に制度の詳細を決定し、できる限り早く公募が開始できるよう努めてまいります。以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 吉田文化・教育・くらし創造部長。 ◎文化・教育・くらし創造部長(吉田晴行) (登壇)二十七番山村議員の質問にお答えします。 私には、文化芸術分野への支援について、奈良県文化会館の施設利用料を減額するなど、今後の文化芸術活動再開に向けて、どのように支援していくのかのお尋ねでございます。 先日の代表質問で知事も申し上げましたが、民間の芸術文化団体の活動再開を支援するためには、県が率先して活動の機会を創出することが大事だと考えています。 そのため、例年実施している奈良県大芸術祭・障害者大芸術祭は、新型コロナの感染防止対策の徹底を図り、工夫を凝らした内容で開催することを検討しており、現在百五の催事を予定しているところでございます。 また、国の二次補正予算により、文化庁が文化芸術関係者や団体を対象に、文化活動の継続や再開のための活動費に対する支援を準備されています。 今月中に募集案内を発表する予定と聞いていますので、県内の文化団体などに確実にこの情報を届け、積極的な活用を促し、芸術文化活動の再開につなげてまいります。 このような支援制度もあることから、県文化会館の施設使用料に係る減免については、現在、障害のある方々の利用に限って行っていますが、新たな適用は考えず、この方針を継続してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(森山賀文) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十七番山村議員のご質問にお答えいたします。 私には、学校の再開について三つの質問をいただいており、一つ目は子どもの心のケアについて、どのように対応していくのかとのお尋ねでございます。 臨時休業が長引き、環境の変化に不安や悩みを抱える児童生徒のストレス解消法の一つとして、腹式呼吸等によるリラクセーションの動画を教育研究所のホームページに掲載いたしました。また、学校には、ストレスによる児童生徒の心や体への変化とその対応のポイントを示し、相談窓口を改めて児童生徒に周知するよう指示いたしております。 学校再開時には、スクールカウンセラーがストレスチェック等によるスクリーニングを全児童生徒に実施し、必要な支援を行ってまいりました。特に、福祉的な支援を要するケースに対しましては、スクールソーシャルワーカーが学校や関係機関と連携し、児童生徒の置かれている環境の改善に努めております。加えて、スクールカウンセラー等の緊急派遣、また来所等による相談体制も現在整備いたしております。 今後は、教育研究所に新たに設置いたしました教育支援部が児童生徒の心身の状況を把握するために、アンケートなどを二学期に実施し、不安や悩みの解消に取り組んでまいります。 二つ目は、教室における感染防止対策について、どのように取り組むのかとのお尋ねでございます。 県教育委員会では、新型コロナウイルス感染症の予防策や学校教育の段階的再開への具体的な段取り等について取りまとめたガイドラインを策定し、県立学校や市町村教育委員会へ周知してまいりました。 各学校におきましては、このガイドラインを参考に、特に児童生徒の基本的な予防策として、マスク着用や手洗いの励行、家庭での毎朝の検温などの行動規範につきましては、一人ひとりがふだんから心がけるように指導をするとともに、家庭への啓発も行い、その徹底を図っております。 また、教室における感染防止対策としては、密閉回避のための換気の徹底、密集回避のための一メートルを目安とした身体的距離の確保、密接回避のためのマスクの着用など、三密を避けるとともに、ドアノブ等多くの児童生徒が触れる場所には、一日一回以上消毒をしております。 また、四十人を超えて教科学習等を実施する場合は空き教室を活用し、長時間、近距離で対面形式となるグループ学習を行う場合にはICTを活用するなど、感染防止のための工夫を行っております。 今後も学校での感染防止対策を継続しながら、教育活動の充実を図り、子どもたちの健やかな学びの保障に努めてまいります。 最後に、今後、少人数学級編制を推進し、教職員を増員すべきと考えるがどうかとのお尋ねでございます。 現在、少人数学級編制につきましては、いわゆる義務標準法に基づきまして、小学校一年生で三十五人以下学級を編制し、小学校二年生は国の加配定数を活用して三十五人以下学級を実現いたしております。 小学校一、二年生以外の学級の編制につきましては、国の加配定数を活用して、市町村が地域や学校の実情に応じて柔軟に行っております。今年度は、少人数学級編制に小中学校百二十五校で百七十四人を配置いたしております。また、課題別指導や個別指導など、少人数指導に小中学校百三十五校で二百二十人が活用されております。 このように、県教育委員会では、少人数学級編制などの個に応じたきめ細かな指導体制は、義務標準法により算定される定数に基づき、整えるべきであると考えております。少人数学級編制の推進につきましては、今後も引き続き、全国都道府県教育長協議会を通じて国に対して要望を行うとともに、国の進展を見守りながら対応してまいりたいと思います。以上でございます。どうもありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 二十七番山村幸穂議員。 ◆二十七番(山村幸穂) お答えいただきまして、ありがとうございます。 それでは、再質問したいと思います。 まず、最初ですけれども、今後の県政運営につきまして、知事は奈良新「都」づくり戦略2020、これは優れた計画であるので見直すところはないというお答えだったように思います。 私としたら、県民の思いとは随分かけ離れていると感じています。コロナ後の社会がどうあるべきかということが問われている中で、大企業のもうけのために大型の公共事業、そうしたことを最優先にやる政治ではなく、やはり地域の人たちに軸足を置いた、そうした施策を重要視していくということが今後は求められていると感じています。そういう点で、少し違っていると感じておりますが、これはやり取りしても同じことになると思いますので、意見を申し上げておきます。 次に、保健所のことなのですけれども、知事の方から、数だけで見ているのではないかということで言われました。確かに数も現実、減少しております。しかし、私は、誤解を受けるような質問の仕方だったかもしれませんけれども、それだけではなく、この間の保健所行政、公衆衛生行政という中で、国の法律も変わってくるという中で、地域保健法などのこうした改正もありまして、実は保健師さんが地域全体を診断する、つまり、住民の健康状態だけでなく、生活の状況や地域の実態、そのような全体を見て、他の部署と連携しながら公衆衛生行政を前進させていく重要な役割を果たしてきたということで、大事な職だと思っております。そういうところが発揮できない仕組み、国の法律の改正で変えられてしまったというふうなことですとか、数が減ったり、要するに、知事がおっしゃったような、いろいろな合理化が進められていくということになったのではないかと認識しております。 二〇一〇年の厚生労働省設置の新型インフルエンザ対策総括会議の報告では、さらに保健所や感染症対策の強化をしなくてはならないと言われていたにもかかわらず、効率化を優先するという形が続いてきたというところが問題ではないかと思っていますので、その点を説明しておきたいと思います。 次に、お伺いしたいのですけれども、医療機関の支援についてでございます。 県では、先ほど知事の答弁で、県内の医療機関対象に経営実態の調査もなさっていただいているということで、大変よいことだと思っています。これ、資料を見ましたら、三千件以上に上るたくさんの診療所や病院なども含めて調査されて、国に対して支援を要望するための資料にしたいということですから、本当に職員の皆さん、努力に感謝したいと思っています。 こういう優れたことをやっていただいているということで、これをどうしても生かしていただきたいと思っているのですが、今度の補正予算では、重点医療機関、協力医療機関への支援が盛り込まれておりますけれども、これは県が認定されるということなのですけれども、どういうふうな考えなのか伺いたいと思います。 ○副議長(森山賀文) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) 最初の行政の方向というのは、質問ではなしに、ご意見ということでございますので、論争しないことにいたします。 二つ目は保健所の保健師の数、総数で勝負するのはやめるとおっしゃったので、それは大変結構なことでございます。事実を曲げちゃいけませんということでございます。 そこから、保健師の業務の在り方について、合理的かどうかというふうにおっしゃったように思いますが、保健師行政事務をやっておりますので、この間に保健師の担当業務が、先ほど少し申しましたら、県の業務と市の業務と分けてきて、どちらかというと、市町村の方に行っていく傾向があったという傾向、私はあまりいい傾向ではないと個人的には思っています。市町村の保健業務が拡大する中で、市町村の保健師の確保がなかなか難しいという事情が発生しております。それを県がカバーするよというメッセージを市町村に出しておりますけれども、例えば、保健師の共同採用などでございます。 今度の新型コロナウイルスでは、県の保健所の役目が甚大でございました。大きな役目がございましたので、こんな非常時でございますので、非常時の動員というのは平常時の動員と違いますので、四苦八苦しながらやったということでございます。今後とも、二波、三波は非常時の保健師確保、特に県の保健師の確保というのは、先ほどの保健研究センターの充実も含めて、極めて重要なポイントだと思いますので心がけていきたいと思います。 医療機関に対する支援ということをおっしゃいまして、これも重要なことだというように思います。医療機関は、この奈良においては、感染者、陽性者があふれることが全くなかったわけでございます。一時、確保病床数の七割ぐらいまで感染者の発生数が行ったことがありますけれども、そこから病床数を増やすのと、感染者が減ってきたということで隙間が随分できてきたのですけれども、医療機関を、このような対応をするのに、通常の医療に支障ないようにということと、感染症に対策をするようにという大変非常時の医療提供でございますので、今後とも、工夫が要ると思いますけれども、議員がお述べになりました、経営状況の悪化も踏まえて、医療機関全体のことを考えないといけないとは思います。感染症対策の医療と通常医療と、なるべく動線から、窓口から分離してやっていくというのが基本になると思います。現場の工夫も要ると思いますけれども、県は物資の支援とか、いろいろな仕組みについて、気がつくところは全面的にご支援していきたいと思っております。 ○副議長(森山賀文) 二十七番山村幸穂議員。 ◆二十七番(山村幸穂) その医療機関への支援についてなのですけれども、全面的に支援ということが、どのように全面的なのかというところがあると思うのですけれども、私が聞いておりますのは、この医業収入が物すごく減っている中で、四月、五月の診療報酬が入るのは六月、七月なので、そこで倒産してしまうか、あるいは借入れを行いまして、それで五年間猶予があるから、その五年間持ちこたえても、その後潰れてしまうのかというぐらい逼迫した状況に落ち込んでいるという状況があるので、そこを何とかしてほしい。それはもちろん国に対して強く要望されておりますけれども、その応援を県としてやっていただきたいということであります。 私が思っているのは、重点医療機関、協力医療機関という形で県が区別されていますけれども、そうではなくて、民間の開業医さんであっても、様々な形で発熱患者さんを受け入れて大きく貢献していただいていますので、対象はやっぱり全ての医療機関だと思うのです。総力で当たらないと、奈良県のようなところで第二波が来たときに、持ちこたえられなくなると思います。 例えば、今後、秋になれば、どの医療機関にも風邪やインフルエンザ、発熱患者がどんどん来られることになると思います。そういうときに、どうやって対策をちゃんと取っていくことができるのかというときに、一つでも病院が欠けていくということになりますと大変なことになるので、総力で、やはり一体として頑張れる、そういうメッセージを県が発してほしいと私は思っているのですけれども、その点はいかがでしょうか。 ○副議長(森山賀文) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) 質問の趣旨がより分かりました。ありがとうございました。 このようなコロナ時代の通常医療の業務への影響という点であろうかと思います。病院の通常経営が大変悪化していると、うわさとしては聞いておりますので、それを今度ちゃんと調査しようということが、先ほど申し述べたところでございます。その実態調査から始めようということでございます。これは県独自の調査でございますが、調査結果の分析を行って、どのように悪化したのかということを調査して、それを防ぐ手はあるのか、あるいは国などに要請する手法はあるのかということを至急に検討したい。先ほど答弁したことでございます。 その実態が詳細に分からないまま、どこをどうこうということは、なかなか言えないというのが今の実情だと私の情報では思っております。診察を患者様の方で控えられた事情は何だろうかと想像するに、外出自粛がありますと、通常の糖尿病とか腎臓病の診察も外出自粛の対象にあるのだろうかと思われたのではないかと想像いたします。そういたしますと、通常やっております腎透析などが減ったのかどうかということは、やっぱり調査してみたいと思うような項目でございます。その結果、診療報酬の収入が減ってきたということにつながっているのかどうかということを、各地域でエビデンスをもって調べてみたい。それを国に突きつけて、これをどうするのだろうかということを申し述べていく役目は果たしていきたいと今思っているところでございます。 ○副議長(森山賀文) 二十七番山村幸穂議員。 ◆二十七番(山村幸穂) ぜひともその役割を果たしていただきたいと思っています。 やはり私は、全ての医療機関を取り残さないということで、総力戦で戦っていくということについて、県が腐心していただくということが大事だと思っています。 北海道などでは、医療従事者等の派遣関連経費という予算を計上していますが、感染者が出ると、一時的にその病院は大変なことになってしまいます。そういうときに、ほかの病院からスタッフを派遣することができる。それを県のお金で支援して、そういうやりくりをその地域全体でやっていこうというふうなことを進めていくという動きも聞いております。私は、奈良県はやっぱり一丸として県民の命を守るための医療の体制というのを、知事はいろいろ率先してやっていただいていると思いますけれども、これを充実させていっていただくということでの期待を述べさせていただきまして、質問を終わりたいと思います。 ○副議長(森山賀文) しばらく休憩します。 △午後二時五十三分休憩    -------------------------------- △午後三時十四分再開 ○議長(粒谷友示) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、四十一番田尻匠議員に発言を許します。--四十一番田尻匠議員。(拍手) ◆四十一番(田尻匠) (登壇)四日間において、奈良県議会の本会議におきまして代表、一般質問が行われております。私が大トリ、最後となりました。 今議会は、新型コロナウイルス感染症対策で大半の皆さん方がその件に触れられました。私も、このことなくして、やはり奈良県の再生はないものと、そのように強く信じておりますし、確信いたしているところでございます。質問は重複する点がございますが、ご容赦いただきながら、よろしくお願い申し上げたいと存じます。 また、今、着用させていただいておりますマスク等につきましては、文化教室の皆さん方がお作りになられて、本会議で質問するということを申し上げますと、ぜひともということで頂戴をしてまいりました。浦西議員に引き続いてご披露申し上げながら、質問に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。 新型コロナウイルス感染症は、世界各国はじめ日本全国各地に感染が広がり、大きな影響を与えました。経済的、教育的、医療的、日々の生活スタイルと全ての人の生活を変えてしまいました。日常的に当たり前でした通勤や通学もできず、会社ではテレワークや、学校ではオンライン授業と、今までにない取組が導入されました。 新型コロナウイルス感染症は、世界では六月二十三日現在、約九百十万人、死者四十七万人、その中での感染者が最も多いのがアメリカの約二百三十一万人、ブラジルが約百十万人、ロシアが約五十九万人でございます。日本では一万八千八百十五人、死者九百七十八人となりました。 政府は四月七日、東京、大阪など七都府県の緊急事態宣言を発出し、四月十六日には、五月六日までの間、対象地域を全国に拡大いたしました。不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたいで人が移動することを絶対に避けること。五月二十五日に全都道府県の緊急事態宣言が解除されるまで一か月以上も続く異常事態となりました。 しかし、解除後もしばらくは自粛が続いて、いまだに仕事も学校も、日々の生活が完全に戻るには、程遠い状況であります。 奈良県においても、六月二十五日現在、今までの感染者は九十二名、現在入院者数はゼロとなっております。この間、懸命に治療に専念いただきました医療機関の皆様方、関係者の皆さん、従事者の皆様方に心から感謝と御礼を申し上げます。 一日も早いワクチンや治療薬の開発が待たれていますが、まだまだ先が見通せない不安な状況が続いています。しかし、国民の生活は新たなるウィズコロナで再スタートを始めていかなくてはなりません。 そこで、県民生活に必要不可欠な現実対応の数々の課題についてお伺いいたします。 最初に経済再生についてであります。 奈良県は、新型コロナウイルスの影響で経営と資金繰りが困難になった企業や個人事業者に対して、無利子・無保証料の奈良県制度融資をスタートいたしました。申込みが殺到して、新型コロナウイルスの影響が県内の経済界に甚大な影響を与えたことを証明しております。 奈良県は、新型コロナウイルスの影響で海外からの観光客がほとんど皆無、県外からの団体旅行、修学旅行のキャンセルなど、観光産業の大ダメージと県外との往来自粛規制などにより、経済は大変な状況であります。それだけに新たな経済活動には緊急資金が必要不可欠であります。 五月末現在では、融資貸付実行、保証決定の状況は、県経営環境変化・災害対策資金、県セーフティネット対策資金四号・五号、県大規模経済危機等対策資金、新型コロナウイルス感染症対応資金、合わせて合計五千三百九十九件、約一千二百三十二億円にもなっております。 業種別では、建設業が一千百八十七件、二二%で約二百九十八億円、製造業が九百五十五件、一七・七%で約二百八十五億円、小売業が六百六十四件で一二・三%、約百四十四億円、飲食サービス業が五百八十九件、一〇・九%で約六十五億円、卸売業が五百三十九件、一〇%で約百五十一億円、その他一千四百六十五件、二七・一%、約二百八十六億円となっております。 この巨額な制度融資は、奈良県が全国初として無利子・無保証料・無担保でスタートして、五月から国の補助制度と併せて一千五百億円まで枠を広げてまいりました。この大規模融資制度は、復活、維持存続をかける県内事業者の切なる熱い思いであります。早急に皆様方のもとに活用されるよう、資金を給付しなくてはなりません。 今六月県議会にも、融資枠を三千億円に拡大する予算が提案されています。二〇二一年度以降の利子負担分が二百六十億円を超える見通しとなります。しかし、県内の事業者では、まだまだ厳しい状況が続く中、融資制度は引き続き必要と考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 県は、これまで主に制度融資における無利子・無保証料化により経済活動を支援してきましたが、先日、無利子・無保証料化を廃止したと聞きました。今後、事業者への金融支援をどのように進めていかれるのでしょうか。 次に、医療関係への支援についてであります。 新型コロナウイルス感染症の対応のため、働く医療機関の関係者の皆さんから実態をお聞きしました。総力戦でそれぞれの職場で感染リスクや不安と戦いながら業務を行ってこられたことを強く感じましたとともに、その労に感謝と報いる方策が必要と考え、改善策についてお伺いいたします。 まず、県立病院であります。県立医科大学附属病院、奈良県総合医療センター、西和医療センター、南奈良総合医療センター、総合リハビリテーションセンターへの対応でございます。 緊急事態宣言は解除されておりますが、一部地域ではクラスターが発生し、今後、第二波に備えて感染拡大防止、医療提供体制確保などが非常に重要になります。私が各病院からお伺いしているところでは、新型コロナウイルス感染症の影響で病院の経営は厳しく、赤字になるのではないかと予想されることです。医療機関において、感染拡大防止に伴う患者の受診控えや予定入院の延期などにより、患者減や予定手術の延期、感染防止策の徹底などによるコスト増が生じ、経営が非常に厳しい状況にあるようです。 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会が五月十八日に公表いたしました速報では、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れました病院や病棟を閉鎖せざるを得なかった病院では、今年四月の医業利益率がマイナス三〇%に近いことが明らかにされました。新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていない病院でも、三分の二近くが赤字に陥っていることが報告されております。 新型コロナウイルス感染症患者の受入れなどの影響により、今後、県立病院の経営が悪化することが想定されますが、働く方が心配することなく働き続けることができるよう経営についての支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。 次に、保健所についてお伺いいたします。 依然として現場の最前線の、特に保健所ではまさしく、これまで拡大する感染症への対応を想定されていない人員構成スタッフでコロナ感染症拡大業務を抱え、最前線で業務に当たってこられ、電話対応や検査のための検体回収から感染経路の追跡調査など仕事は苛酷を極め、感染ルート追跡の聞き取り調査では、偏見などへのおそれから調査への理解も得にくく、勤務は連日深夜まで続き、医療機関に車を走らせ、ウイルスの有無をチェックするPCR検査用の検体回収も担い、四月では超過勤務が百八十時間に及ぶ職員もいたと聞いております。 感染者の発生対応が終われば、濃厚接触者への健康観察が始まり、体調の変化や体温の聞き取りも必要であれば受診を促します。仕事が終わっても、家族との時間は十分に取れない状況であったようです。感染症対策のプロとして、感染予防をしている自分自身が感染したらと不安もありながら職場へ行く毎日との苛酷な状況の声を聞きました。 このような声を聞いて、窓口業務や相談を受ける職場など、感染リスクの高い部署への対応も職員個人任せになっていたのではないかと心配になりました。また、苛酷な勤務から来る健康状態の悪化は感染リスクを高めることが想像され、そもそもリスク対応に向けた人員が確保されていたのか、リスク対応マニュアルは機能していたのかについて検証が必要と思います。 これらを踏まえ、奈良県として、今後、実態に即した職場環境改善に努めていく必要がございます。 そこで、質問です。新型コロナウイルス感染症対策の現場の最前線となる保健所職員に対して、マスクや消毒液をはじめとした感染症対策は、これまでどのように行われ、今後、第二波に向けて、どのように備えていかれるのか。また、保健所においては、感染症対策により長時間労働が発生していると聞いております。職員の健康管理をどのように考えておられるのかお伺いいたします。 併せて、保健所における必要経費の確保も必要でございます。新型コロナウイルス感染症対応に追われます保健所では、衛生用品の購入、例えば職場で使用する体温計、使い捨てエプロン、検体搬送に公用車を利用した際のガソリン代や事務経費は限られた予算で対策をされています。 そこで、お伺いいたします。保健所においては、各種経費が増えていると聞いておりますが、安定した保健所運営のために必要な経費については十分な対応が必要と考えますが、いかがでございましょうか。 次に、鉄道、バス、タクシー、貨物輸送などの公共交通対策についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の拡大により緊急事態宣言が発出され、テレワークの活用、学校休業、不要不急の外出自粛、休業要請などにより自宅で過ごすことが多くなりました。これまで医療施設、生活必需物資販売、食事提供施設などは休業要請対象外となり、県民の暮らしに必要な事業として継続してまいりました。これらの事業は不特定多数の方と接触する環境で、感染のリスクは増大いたしております。 公共交通に関しても同様で、人の移動、物流を確保することで、日々の通院や通学、買物など県民生活を支えております。そのような中、外出自粛により企業収入が大きく減少し、働く者の賃金にも大きく影響している現状でございます。 このように、休業要請対象外である公共交通を存続させるために質問をさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症対策の対応と現況について、近畿日本鉄道株式会社、JR西日本の鉄道事業者、バス、タクシー、貨物輸送等の公共交通従事者の皆さんから直接お話をお聞きしてまいりました。 近畿日本鉄道株式会社においては、出勤回数を減らすため、現業、事業部門ともにポストの臨時削減、在宅勤務、休業が行われ、最近の売上げは前年同月比、定期外でマイナス七四%と厳しい状況でした。 JR西日本においては、緊急事態宣言対象地域に所在する間接部門社員は原則在宅勤務、休業は駅、乗務員区、間接部門など一千四百人にも及び、売上げは前年同月比、四月がマイナス七七%、五月はマイナス七三%、そして山陽新幹線においては、ゴールデンウイーク期間中はマイナス九五%にも及ぶ前代未聞の事態となりました。 県内大手バスの奈良交通においては、一日約二百五十人相当の休業、高速バス線、東京などへの夜行バス、空港などへのリムジンバスなどの運休となりました。何よりも大打撃を受けましたのは、修学旅行、団体旅行などを扱います観光バス事業であります。現在、奈良交通の観光バス車両百十八台保有中、一日の稼働は僅か二台という惨たんたる状況であります。そのため、観光バスの運転手さんが路線バスの運転に変更するための研修を受け、現在、路線バスの乗務をしていただいております。 さらに、六月一日からダイヤ変更が行われ、県内の路線バスの運行を県下一円、二十九路線の便数で減便という厳しい現実がスタートされました。最近の会社の売上げは、乗合事業で前年同月比マイナス五七・九%、貸切り事業でマイナス九九・一%までと壊滅的な状況まで全体で落ち込んでしまいました。 また、団体、修学旅行専門に事業展開されてまいりました奈良観光バスにおいては、保有台数七十台中、稼働は社用車の一台だけで、社員の休業は百十二名に及んでおります。最近の売上げは何と前年同月比マイナス九五%にもなります。 県内大手の近鉄タクシーにおいては、五百人の社員中、百五十人の休業、保有台数三百台のうち五十台はナンバープレートまで外した状態であります。最近の売上げは前年同月比マイナス六五%にもなります。 このような大変厳しい状況でも、公共交通は県民の生命線として維持存続していかなくては県民の生活は成り立ちません。そのために必要な対策について具体的にお伺いいたします。 まず、公共交通従事者や利用者への感染防止対策ですが、鉄道、バス、タクシーは病院への通院者が乗車されます。貨物トラック、宅配については、玄関先において直接接するのでリスクが増大します。そのためのマスクの着用、消毒液は必需品であります。しかし、需要に対して供給が追いつかず、入手が困難な事例や購入費が跳ね上がるなど、各自で購入しているが入手できないときもあります。社員本人ともに、濃厚接触者に当たります家族の購入費などにも費用がかさんでまいりました。 バス、タクシーの各事業所では飛沫感染防止策を行い、利用者、乗務員の感染防止に努められています。各車両に対しても、ビニールシートの設置や消毒液の設置、費用が増大している状況にあります。今は応急的な措置ですが、今後、プラスチック板のような固定したものを設置することが考えられます。 そこで、お伺いいたします。公共交通従事者や利用者の感染防止策に対する支援について、どのようにお考えでございましょうか。 次に、公共交通事業者への支援、雇用継続対策として、通勤、通学輸送の減少、観光事業の減少により企業収入が大幅に減少をしました。先の見えない状況にあります。特に学校休業による運休については、運行が前提として要員を確保しているため、費用が増大しております。 このような状況の中、内閣府から新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用事例が発表されました。公共交通に対しては休業要請がなく、これまでどおりの運行をしてきましたが、旅客は減少となり、厳しい状況でございます。日々の買物、通院など人の移動、物流、通信は県民の生活を支える公共インフラであります。 緊急事態宣言解除後、県立学校などから路線バスの通学利用の密を避けるために、地域交通機関に、これまでの便数以上に運行要請が来ています。事業者の方は可能な限り、この要請に応えていただく方向のようですが、増便しても利用者は増えません。路線バスで通学する県立学校生徒の密を避けるために増便に協力する地域公共交通機関に対して新たな支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。 また、厳しい状況下においても雇用継続を行っております。これらを継続させるためにも、雇用調整助成金の申請の簡素化、迅速な支給が必要と思います。 鉄道、バス、タクシーの収束後の需要喚起として、特に観光はすぐに回復が見込まれないため、移動や宿泊、飲食の割引券など観光需要に特化した施策を打ち出していかなくてはなりません。奈良県と市町村の連携、協働の仕組み、奈良モデルの取組がされております。独自で支援制度を行っている市町村があります。この奈良モデルの活用により復興支援をするべきだと考えます。 次に、事業運営に係る諸税でありますが、需要の減少となり、事業者の収益が悪化している状況の中で資金繰りが厳しくなっております。公共交通従事者雇用を守ることからも、健全な企業運営が望まれます。 そこで、お伺いいたします。地域公共交通機関の企業運営を支援するため、法人税、固定資産税、自動車税、軽油引取税など各種税金の軽減措置を検討すべきと考えますが、いかがでございましょうか。 次に、観光政策についてお伺いいたします。 奈良県は、全国はじめ世界各国から多くの観光客を受け入れ、国内有数の観光地として高く評価されました。奈良県の魅力は、世界文化遺産をはじめ、文化芸術自然など、すばらしい資源を有する県であります。二〇一八年では、観光客は延べ四千四百二十一万人、海外からも二百五十八万人と推計され、延べ宿泊客も国内外合わせて二百五十五万人と国内でもトップクラスの観光県でした。 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響、感染者が国内最初が奈良県ということもあり、一気に観光客が大幅減少いたしました。海外からはほとんど皆無状態であります。国内も修学旅行や団体旅行の中止や延期によって大打撃を受けた状態であります。何としても、一日も早く観光業も復活していかなくてはなりません。飲食サービス業、ホテル宿泊業、公共交通輸送業をはじめ多くの業界が立ち直っていかなくてはならないと思います。 そこで、お伺いいたします。今年四月オープンいたしました奈良県コンベンションセンターについてお伺いいたします。 三月二十九日オープン式典、四月一日開業、JWマリオット・ホテル奈良オープンなど、内覧会も終え、盛大にスタートを切る予定でしたが、緊急事態宣言の中で予定どおりのスタートを切ることができませんでした。非常に残念であります。しかし、これから感染対策をしっかりとしながら、奈良県コンベンションセンターを県内外の皆さんにご利用していただかなくてはなりません。 そこで、お伺いいたします。奈良県コンベンションセンターにおける新型コロナウイルス感染症の影響によるキャンセルの状況及び今後の予約状況はいかがでしょうか。また、再開いたしました奈良県コンベンションセンターの誘客に向けて、例えば近接する平城宮跡や奈良公園バスターミナルと連動した取組も考えられますが、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。 次に、今議会に提案されております、奈良県の観光回復に向けて県内周辺からの誘客強化に一億円、宿泊需要の喚起に五億円の予算です。この内容についてお伺いいたします。 私は、県議会の発言やいろいろな機会でも、県内企業、事業者、地元優先をしなくては県内の雇用は守れず、企業、事業所の撤退につながると言い続けてまいりました。 そこで、お伺いいたします。県内宿泊等の割引キャンペーンや旅行コンテンツ開発などの取組については、旅行会社や交通事業者等、県内の幅広い産業と連携して進めることが重要と考えますが、いかがでございましょうか。 最後に、警察官の感染予防についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症は、年齢、男女、職業、住所を選ばず、国内外全ての人、場所で感染の脅威を見せつけました。 日本でも、国民の生命と財産を守る最前線で奮闘されています警察官も感染者となり、多数の被害者が出ました。四月末では、十都道府県の警察職員百七名が感染者となりました。近隣の兵庫県神戸西警察署ではクラスターが発生し、百名の自宅待機者が出ました。 このように、警察官は職務上、事件の捜査、職務質問、容疑者の逮捕など直接人と接するのが仕事であります。それがゆえに感染リスクは非常に高い職場でございます。容疑者の取調べのときは、警察官が防護服を着て職務に当たった県もあるようであります。奈良県の警察官も感染予防として、マスクの着用、消毒液の使用、アクリル板の設置など、新たな十分な取組と予算が必要であります。警察官は職務上、直接人と接する仕事であり、感染リスクが非常に高い職場であります。警察活動における感染予防対策について、警察本部長にお伺いいたします。 また、新型コロナウイルス感染症の拡大で、警察署の窓口業務の中で来庁者の多い運転免許証の更新や事務取扱が延期になったりしましたが、具体的にはどのような影響がございましたか。また、優良運転者表彰については、窓口業務と連動すべきであったと思いますが、いかがでございましょうか。 以上が壇上からの質問となります。理事者の皆様方には誠意ある前向きの答弁でよろしくお願いしまして、私の質問を失礼いたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(粒谷友示) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)四十一番田尻議員から質問を賜りました。お答え申し上げます。 最初のご質問は、事業者への金融支援についてのこれまでの取組、また今後の取組方についてでございます。 まず、最初の三月段階でございますが、新型コロナウイルス感染症で経済に影響が出始めているという観測が出ましたときの資金繰りの支援のため、三月十七日に政府系金融機関、日本政策金融公庫などにおいて、当初三年間は実質無利子となる特別貸付制度が開始されたのがまず初めでございます。しかし、多くの申込みが見込まれ、融資決定が遅れ、中小企業の資金繰りに重大な支障を来すことが懸念される状況と判断いたしました。 その状況を踏まえまして、県が中小企業の資金繰りを強力に支援するために、県単独で県制度融資の資金を融通しようということを三日後の三月二十日に決定いたしまして、無利子・無保証料としました。 その後、四月十六日には、奈良県を含む全国に緊急事態宣言が出され、さらに地域の経済活動が制限されたことから、さらに経済が悪化するという判断が国全体に認識され、引き続き強力な資金繰り支援が必要である状況でございましたので、県では、県単独資金の無利子・無保証料での融資を継続することにいたしました。また、五月一日に創設されました国補正予算を活用した全国一斉の資金についても、無利子・無保証料により対応することといたしました。 県の制度融資の利用の実績が極めて早く拡大してきてまいりましたが、その効果ということになりますが、民間信用調査会社が先日発表されました負債総額一千万円以上の五月の県内企業倒産集計では、新型コロナウイルス関係の倒産はなかったこととされております。多くの事業者に無利子・無保証料の資金を有効に活用いただき、効果があったということであれば、それはそれでありがたいこと、うれしいことであろうかと思います。その後の倒産状況は、今後フォローしていきたいと思っております。 今般、国の第二次補正予算において、政府系金融機関の実質無利子融資の継続や融資限度額が大幅に拡充されました。 また、五月十四日には、奈良県への緊急事態宣言が解除され、経済活性化のフェーズになってきましたので、今議会に経済活性化策に係る様々な予算を提案しています。経済に資金融通から直に関与する方策を組み入れたわけございます。 このような状況を踏まえまして、無利子・無保証料による金融支援は当初の一定の役割を果たしたと判断し、六月十七日保証申込み分から、県単独資金は通常利率としましたが、国補正予算を活用した資金につきましては、当初三年間は無利子、全期間無保証料を継続するとともに、融資限度額を三千万円から四千万円に引き上げるなど、引き続き事業者の資金繰りを支援してまいりたいと思っております。 なお、一連の制度融資による経済活動支援に係る後年度の県負担につきましては、国の臨時交付金をより有効に活用できるよう政府へ要望するなど、財政面での対応をしっかりしていきたいと考えております。 二つ目のご質問でございますが、医療機関への支援についてでございますが、経営についての支援が必要ではないかというご指摘でございます。 県立医科大学附属病院や県総合医療センター、南奈良総合医療センターでは、新型コロナウイルス感染症患者の積極的な受入れを行っていただきました。また、この三病院では、特に重症の患者を重点的に受け入れていただいて大変助かりました。また、西和医療センターにおきましては、発熱外来クリニックを設置し、感染者の早期発見に努めていただくなど、県内の新型コロナウイルス感染症対応について、それぞれ重要な役割を果たしていただいたものと思っております。 県では、このような医療機関の取組を支援するため、四月臨時県議会においてお認めいただいた補正予算案により、人工呼吸器などの医療機器の整備や専用病床の確保、外来体制整備に係る経費に対して補助を行うことといたしました。 また、今議会に上程しております補正予算案におきましても、国の第二次補正予算を最大限に活用し、さらなる支援を行うため、再度の感染拡大に備えた入院病床の確保や、院内感染防止対策に係る経費に対し補助を行うこととしております。 さらに、新型コロナウイルス感染症が医療機関の経営に与えた影響を把握するため、現在、県独自で民間病院も含めた医療機関へのアンケート調査を実施しています。 今後、調査結果の分析を行い、必要に応じ、国への要望に活用するなど、医療機関の支援につなげていきたいと考えております。 次のご質問は保健所への支援についてでございます。 保健所では、新型コロナウイルス感染症対応業務として、電話による相談、受診調整、疫学調査のほか、感染の疑いのある方と直接接触するPCR検査の検体採取、その検体の搬送、健康観察など、様々な業務をこの際、行っていただきました。今回、第一波への対応に当たり、保健所の職員には最前線で大変活躍していただいたと思います。 これまでも、鳥インフルエンザなどで県保健師の大活躍、パワーは十分に承知しております。改めてそのパワフルパワーを思い出す次第でございます。感謝とともに思い出す次第でございます。 保健師の業務の中でも検体採取は感染のおそれが高く、従事する際はマスクや防護服などを着用することとされています。そのため、県庁から県の四つの保健所と奈良市保健所に、在庫に応じ適時衛生物資の配付を行っています。例えば、三月及び四月には、医療用マスク約五万四千枚、医療用消毒液四リットルなどを配付したところでございます。これら衛生物資につきましては、第二波に備え、保有数量の確認を行った上で適宜必要量の確保を行ってまいる所存でございます。 議員お述べのとおり、感染拡大に伴う業務量の急激な増加により、保健所職員の業務負担が大きくなってきたことは、そのとおりだと思います。職員の健康管理の面からも負担軽減の必要がありました。そこで、順次応援職員の派遣や業務の発令を行い、また、五月からは本庁に入退院や外来受診の調整などを行う専門の班を設置いたしまして、それまで保健所で行っていた業務をこの班が行い、保健所の業務負担を軽減することにした経緯もございます。 第二波に備えまして、この第一波での経験を踏まえ、感染症対策の中核を担っていただく県保健師を新たに確保したいと思っております。 また、事務職員の応援体制を整備し、職員の健康管理に配慮しながら感染症に対応できる体制を整えてまいりたいと思います。非常時の体制を心がけたいと思います。 また、保健所で必要となる各種業務経費についてでございますが、新型コロナウイルス感染症対応に伴い増加していることは承知しております。適宜、必要な予算を確保しており、業務の遂行に支障はこれまで生じてはおりません。 第一波への対応から得られた教訓を生かし、引き続き、人員、物資、予算等様々な面で体制の強化を図り、第二波への備えを万全にしたいと考えております。 地域公共交通機関への支援についての、特にこの新型コロナウイルス感染が展開されている中での支援についての考え方についてのお問合せがございました。 公共交通は地域内の移動を支える必要不可欠なサービスでございます。県民や来訪者の方々が安心して利用できるよう、各輸送機関の従事者や利用者の感染防止対策は適切に行われる必要があると思います。 今般の国の第二次補正予算におきましても、地域の公共交通事業者による感染防止対策を国が支援する助成措置が決定されております。具体的には、車両の抗ウイルス対策やバス運転席の仕切り設置などに要する費用が助成対象になる見込みでございます。県としても、県内の事業者に情報提供を行い、積極的な活用を促していきたいと思います。 また、県では、タクシー事業者など中小事業者等を支援するため、顧客や従業員を感染から守る設備や機器の導入なども対象に、五十万円を上限として支援する経費を今議会に提案している補正予算に計上しているところでございます。各公共交通機関がこれらの支援策を十分に活用され、必要な感染防止策が講じられるものと考えています。 また、それとともに、各交通機関、地域の交通事業者に対しまして、県がどのように支えればいいのか、支える根拠となる権限が必要だと常に思っております。交通市場の規制権限は国が独占をされております。また、資本の論理で、地域の要請に日頃の交通事業者との議論がスムーズに行えない傾向も見受けられます。地方公共団体の中には、困ったときだけ言ってくるのかといった意見も、日頃のお付き合いの結果、出てきているように思います。 公共交通機関の地域での貢献と影響の甚大さに鑑み、それを支えるのは、私は全くやぶさかではございません。支える必要があると思っておりますが、公共交通機関の地域での貢献の見える化がまず必要だと思います。 また、地方公共団体のサービス水準の維持への関与の根拠が必要だと思っております。そのような仕組みについては、我が国では曖昧なままに取り残されていると思いますので、かつて私もそのような部署にいた者でございますので、国土交通省の幹部に一度議論してみたいと思っているところでございます。 公共交通の支援の中で、税制の軽減措置についてのご質問がございました。 新型コロナウイルス感染症の影響が甚大であることに鑑み、政府において四月に緊急経済対策が講じられました。その中には、地域公共交通機関も活用いただける税制措置が盛り込まれております。 その一つとして、国税や地方税の納付を事実上一年間延期する徴収猶予の特例措置が設けられております。今年二月以降の任意の一か月で、収入が前年同期と比較して、おおむね二割以上減少し、納税が困難な場合において、納期限が二月一日から来年一月三十一日の間に到来する税について、無担保かつ延滞金なしで最長一年間納税を猶予できる制度でございます。議員ご指摘の、法人税、固定資産税、自動車税、軽油引取税など、ほとんどの税がこの猶予措置の対象になっております。 また、軽減措置でございますが、今年二月から十月までの任意の三か月間の売上高が、対前年同期と比較して三割以上減少している中小事業者等に対しまして、令和三年度課税分の償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準を売上げの減少幅に応じて、二分の一またはゼロにする軽減措置が設けられているところでございます。 新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況に直面されている事業者の皆様には、これらの制度をご活用いただくことで、事業活動への影響を少しでも緩和していただければと考えているところでございます。 観光政策についてのご質問がございました。 奈良県コンベンションセンターの状況についてのご質問でございます。 奈良県コンベンションセンターの新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、五月末時点の現在の状況でございますが、企業の決起集会や就職説明会等、百三件のキャンセルが出た状況でございます。 一方、会議等の開催が延期になったものの、延期後の開催場所も引き続き奈良県コンベンションセンターを希望していただいている大規模な国際会議や国内会議など、全国自治体病院学会など二十五件がございます。大変ありがたいことだと思っております。 また、キャンセルと同程度の新規予約も入ってきております。結果といたしまして、五月末時点の予約につきましては、四月一日の開業時点とほぼ変わらない二百三十件が維持されている状況でございます。 今後は、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底しつつ、新しい生活様式に即したMICE開催を目指したいと思います。大屋根つき屋外広場、天平広場を活用したイベント等により、にぎわいの創出を図っていきたいと思います。 また、議員お述べの奈良県コンベンションセンターと平城宮跡歴史公園及び奈良公園バスターミナルは、いずれも大宮通りに面した県の観光拠点でございます。大宮通りは奈良県観光のゲートウェイだと考えてきております。そのような立地を生かした観光政策になりますが、MICE主催者に対しまして、コンベンションセンターで会食したり、平城宮跡歴史公園でレセプションやエクスカーションを開催する、奈良らしい、世界にないユニークな提案をしていけたらと思います。 このような観光拠点は、奈良県の観光にとって、ぜひとも必要でございましたので、奈良公園、平城宮跡一帯の大宮通りの滞在型観光の定着に取り組んでまいりたいと考えております。 キャンペーンについてのご質問がございました。 観光は、本県経済において大きな役割を担っております。観光産業の回復は極めて重要でございます。このような認識を持って、感染症の再拡大を防止する観点も踏まえながら、まずは身近な観光需要を掘り起こす観光振興から始めたいと考えております。 このため、県としては、奈良県民の皆様が県内の宿泊施設を利用する際、料金を最大七割程度割り引くキャンペーンや、三密回避など新たな生活様式を意識した商品造成などに取り組んでいただけたらと思います。 これらの取組に当たりましては、旅行会社の知見を活用しつつ、感染対策の整ったバスやタクシー、レンタカーなども組み合わせた商品造成にも努めていただきたいと考えております。 これにより、宿泊施設にとどまらず、交通事業者等も含めた効果的な事業になるように、奈良は安心して行ける、また、奥深い、楽しいといったことが定着するように願って、キャンペーンを進めたいと思います。私に対する質問の答えは以上でございました。 ○議長(粒谷友示) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)四十一番田尻議員のご質問にお答えいたします。 私には、路線バスで通学する生徒のために、増便に協力するバス事業者に新たな支援を行うべきと考えるがどうかとのお尋ねでございます。 県立学校では六月一日から段階的に教育活動を再開し、分散登校を解除した六月十五日からも、引き続き混雑時間帯を避けた時差登校を継続いたしております。学校までの路線バスを利用する生徒が多い県立高校では、生徒に対しまして、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染防止対策を徹底いたしておりますが、バス事業者には、密を避けるための増便やダイヤ変更などにご協力いただき、大変感謝いたしております。 今後、第二波の到来等により、さらなる取組が必要となる場合に備え、一般客を含めたバス一台当たりの混雑度を調査し、時差登校の見直しや利用時間帯の分散など、県教育委員会として対応策を検討してまいりたいと考えております。 分散登校の再実施などによりバスの増便が必要となった場合のバス事業者への直接的支援につきましては、現在、文部科学省の制度はございません。今後、補助メニューの増設など国の動向を注視し、検討してまいりたいと考えております。以上でございます。どうもありがとうございました。 ○議長(粒谷友示) 大橋警察本部長。 ◎警察本部長(大橋一夫) (登壇)四十一番田尻議員から二問、私にご質問がありました。 最初に、警察官の感染予防対策についてお答えをさせていただきます。 警察官が新型コロナウイルスに感染した場合、警察活動に支障が生じ、治安維持に重大な影響を及ぼすだけでなく、来庁者等、県民の感染リスクを高めることになります。 このため、県警察では、各種感染防止対策を講じているところであり、マスクや消毒液などにつきましては当初予算で購入したほか、六月補正予算案では、感染リスクの高い留置管理業務従事者等の感染予防のため、感染防護服のキット、パルスオキシメーター等の購入に要する経費を計上いたしました。 また、今後は、警察署などの窓口に応急的に設置したビニールカーテンをアクリル遮蔽板に変更するなど、窓口における飛沫感染防止対策を継続的に推進してまいります。 県警察におきましては、必要な装備資機材等の予算を確保するとともに、引き続き関係機関と連携を図り、情勢に応じて適切な各種感染防止対策を講じてまいる所存でございます。 次に、交通関係窓口への影響及び優良運転者表彰への対応についてのご質問がございましたので、お答えさせていただきます。 交通関係窓口における新型コロナウイルス感染症の影響についてですが、三密防止の観点から、運転免許の更新可能期間を延長する措置を取るとともに、全国に対する緊急事態宣言の発出を受け、免許更新業務を約一か月間停止しておりました。一方で、県民の利便性の観点から、窓口業務が短時間で終わるものにつきましては、感染防止対策を講じながら業務を継続しておりました。 これらの措置により、同宣言解除後は、通常の更新者数に加え、更新期間を延長した方が大幅に増加したことから、職員の業務負担や来庁者の待ち時間の増加、三密状態を解消するため、免許センターの体制強化や更新受付時間の延長などの対策を取っております。 表彰受付につきましては、手続が短時間であることから、感染防止対策を取りながら、通常どおりの業務としておりましたが、議員のご指摘と第二波の状況も踏まえまして、今後は、延長も含めて関係機関と協議して適切に対応してまいる所存でございます。以上でございます。 ○議長(粒谷友示) 四十一番田尻匠議員。 ◆四十一番(田尻匠) 今、知事はじめ理事者の皆さん方から答弁いただき、ありがとうございました。 本当に新型コロナウイルス感染症の影響で県民の生活や全ての皆さん方が大変苦しんでいく、あるいは苦しまれている、そんな現状でございます。何とか皆さんで力を合わせながら、国、県、市町村、あるいは全ての皆様方が協力して、ここを乗り切っていかなくてはならないと思います。 そのためにも皆様方の強烈なリーダーシップや、あるいは国との連携、あるいは市町村との連携、そして県民や各事業所の皆様方との強い連携の下、いつまでも元気で健康で、そして住みよい奈良をつくるために共に頑張っていただきますよう強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(粒谷友示) これをもって当局に対する一般質問を終わります。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) 次に、議第五十四号から議第六十九号及び報第二号から報第二十一号を一括議題とします。 この際、ご報告します。 議第五十八号については、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見を求めましたところ、回答がまいりました。 また、議第六十二号及び議第六十三号については、地方独立行政法人法第十九条の二第五項及び地方自治法第二百四十三条の二第二項の規定により、監査委員の意見を求めましたところ、回答がまいりました。 その写しをお手元に配付しておりますので、ご了承願います。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) 以上の議案三十六件については、調査並びに審査の必要がありますので、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) 十八番清水勉議員。 ◆十八番(清水勉) 常任委員会開催のため、明、六月二十七日から七月二日まで本会議を開かず、七月三日会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。 ○議長(粒谷友示) お諮りします。 十八番清水勉議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) それでは、さように決し、次回、七月三日の日程は、各常任委員長報告と同採決及び各特別委員長報告とすることとし、本日はこれをもって散会します。 △午後四時九分散会...