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  1. 奈良県議会 1998-09-01
    09月24日-02号


    取得元: 奈良県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    平成10年  9月 定例会(第245回)       平成10年奈良県議会第245回定例会(第二号)平成十年九月二十四日(木曜日)午後一時開議                            由本知己・北中路子速記   --------------------------------出席議員(四十五名)    一番  欠員           二番  安井 宏君    三番  中辻寿喜君        四番  丸野智彦君    五番  森下 豊君        六番  荻田義雄君    七番  粒谷友示君        八番  中野明美君    九番  今中せつ子君      一〇番  北野重一君   一一番  吉川新太朗君      一二番  上田嘉昌君   一三番  高野善雄君       一四番  辻本黎士君   一五番  植村家忠君       一六番  吉川隆志君   一七番  上松正知君       一八番  高橋 哲君   一九番  岩城 明君       二〇番  藤本昭広君   二一番  山下 力君       二二番  欠員   二三番  元田三男君       二四番  米田忠則君   二五番  小林 喬君       二六番  福田守男君   二七番  鍵田忠兵衛君      二八番  秋本登志嗣君   二九番  欠員          三〇番  小泉米造君   三一番  新谷春見君       三二番  大保親治君   三三番  国中憲治君       三四番  山本保幸君   三五番  中村 昭君       三七番  松井正剛君   三八番  寺澤正男君       三九番  新谷紘一君   四〇番  出口武男君       四一番  浅川 清君   四二番  藤本 巖君       四三番  植原一光君   四四番  杉村寿夫君       四五番  服部恵竜君   四六番  梶川虔二君       四七番  松原一夫君   四八番  福本虎之祐君      四九番  川口正志君    五〇番  欠員   --------------------------------欠席議員(一名)   三六番  飯田正君   --------------------------------議事日程一、当局に対する代表質問・一般質問   -------------------------------- ○議長(寺澤正男君) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後六時まで延長いたします。   -------------------------------- ○議長(寺澤正男君) ただいまより当局に対する代表質問を行います。 順位に従い、十一番吉川新太朗君に発言を許します。--十一番吉川新太朗君。(拍手) ◆十一番(吉川新太朗君) (登壇) それでは、議長より発言のお許しをいただきましたので、ただいまより、自由民主党県議団を代表して、当面する県政の諸問題について質問をさせていただきます。 質問に入ります前に、今回の台風七号による被害につきましてー言触れておきたいと思います。今回の台風は、降雨はもとより、近年にない非常に風の強い台風ということで、お二人が亡くなられたのをはじめ、各地に甚大な被害をもたらしました。被害を受けられました皆様方に対しましては、心よりご冥福をお祈りするとともに、お見舞いを申し上げる次第であります。特に、柿やハウス物などの農作物の被害は相当なものであります。また、国宝の室生寺五重塔が倒木により半壊したのをはじめ、多くの文化財が損傷を受けたほか、各所、広範囲にわたって被害が出ているとのことであります。県におかれましては、咋日いち早く台風被害復旧連絡本部を設置され、被害・復旧状況の掌握と情報提供に努めておられますが、今後とも一日も早い復旧に、きめの細かい、状態に応じてご努力いただきますとともに、適切な対策をお願いする次第であります。 引き続き、質問に入ります前に二、三点、要望といいますか、私の考えを申し上げたいと思います。 歴史は西暦二〇〇〇年に向け着々と歩みを進めていますが、県政におきましても新総合計画に挙げられました主要施策の具体化に向け意欲的に取り組んでおられますことに対し、まずもって敬意を表したいと存じます。その中で特に、二十一世紀を見据えたとき、できるだけ早い時期に決定なり着手、検討をしておくべき将来の本県にとっての大きな課題があります。 一つは、京奈和自動車道の促進にかかわって、大和北道路のルートの早期決定であります。「なら・半日交通圏道路網構想」にとって必要不可欠の幹線道路であり、一日も早い完成が望まれるところですが、 私としては、ここ一年ぐらいのうちに決めてもらわないと、という気持ちでいっぱいであります。 二つ目は、首都機能の移転問題であります。いよいよ来月には現地調査も行われるとのことですし、議会としても関係府県議会による連絡協議会設置に向けての検討を始めたところであります。地方分権推進等の観点からも、奈良県の大きな課題のーつとしてこれが推進に当たられるよう強く望むものであります。さらにいえば、二〇〇〇年の大阪サミットの誘致、あるいは二〇〇八年大阪オリンピックの招致など、国際的な行事にかかわっての奈良県としての友好的な活用方策であります。これらはいずれも将来の奈良県の方向性を語るとき避けては通れない課題であり、早い時期に決定等をなされるよう、この場をおかりして強く要望をしておきたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。今、日本経済はかつてない極めて厳しい状況下にあるわけでありますが、こうした中で、まず最初に、県内の景気の状況とその対策についてお尋ねいたします。 さきに経済企画庁が発表した月例経済報告によりますと、我が国の経済は、最近の株安や長期金利の低下などによる経済の先行きに対する不透明感が増している中、住宅建設が一段と低水準となり、個人消費も、収入の減少から消費者の消費意欲は弱く、厳しい状況が続き、民間設備投資は特に中小企業の減少が著しく、「景気は、低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にある」との認識を示しています。また、ことし四-六月期の国内総生産は、雇用不安が広がる中で個人消費が落ち込んだ上、設備投資も大幅減となったため、前期比〇・八%減少と、三期連続減少となっているのであります。 政府は、さきの閣議において中小企業等貸し渋り対策大綱を決定し、信用保証制度拡充による四十兆円規模の貸し渋り対策や、第二次補正予算と平成十一年度予算を一本のものとして、十五カ月予算として編成することにしているところです。また、首相直属の諮問機関、経済戦略会議を八月二十四日に発足させ、年内の経済再生に向け具体的な政策提言を要請しております。さらに、日本銀行においては、景気の低迷が続き、日本経済がデフレスパイラルに陥ることを未然に防止するため、三年ぶりに金融政策を変更し、一段の金融緩和が決定されたところであります。一方、本県経済においても、個人消費にあっては回復の兆しなく、住宅着工戸数新車登録台数大型小売店販売額の前年割れが続き、加えて設備投資が手控えられ、生産面にあっては、このところ最低水準で推移するなど低迷が続いており、中小企業の経営は大変苦しい状況にあります。さらに、県内企業の倒産件数も二十三カ月連続で二けた台となり、負債額についても引き続き高水準で推移するなど、大変厳しい状況となっています。 そこで、知事にお伺いいたします。このような厳しい経済環境の中、本県地域経済の活力の源泉である中小企業への対応策、とりわけ即効性が望まれる金融対策、すなわち貸し渋り対策も念頭に置き、今回予定されている中小企業金融円滑化対策事業の取り組みについてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 次に、雇用対策についてであります。 最近の雇用失業情勢は、景気の低迷状態の長引きにより依然として厳しい状況にあり、全国の有効求人倍率は、昨年七月の〇・七四倍から十一カ月連続で低下し、本年七月では〇・五〇倍と、現行の統計方法となった昭和三十八年以降の最低水準となっています。また、雇用者数が減少し、事業主都合離職者等が増加しており、完全失業率は、昨年十月以降九カ月連続で最高を記録し、七月の完全失業者数は二百七十万と、予断を許さない状況となっています。このため、雇用環境の厳しい地域や業種、あるいは中小企業、中高年齢層、障害者、女性、若年者等に対する雇用の安定をはじめ再就職の促進等について、これまでにも増してきめ細かな対策が必要と考えられます。 そこで、知事のご所見を伺いたいと思います。このような厳しい雇用環境の中、本県の雇用の現況をどのように認識され、対策を講じられているのか、お伺いいたします。さらに、こうした厳しい状況に対しての、特に公共事業を中心とした対応策についてお伺いいたします。県は、四月末に打ち出された総合経済対策と、これに基づく国の補正予算に機動的に対応するため、去る六月、補正予算において積極的な対応を講じられるとともに、今議会においても、社会資本整備を中心として積極的に予算を計上されました。特に公共事業につきましては、六月議会で我が党の杉村議員が代表質問でも触れましたように、関連企業への波及効果は極めて大きいものがあり、こうした厳しい経済状況のもとでは、なお一層その効果に期待するところが大きいのであります。その意味から、一連の補正予算を通じての公共事業の予算計上の考え方と取り組みについて、知事のご所見をお伺いいたします。 次に、恒久的減税構想ねついてお尋ねいたします。 去る八月七日の衆議院本会議において、小渕総理が就任後初の所信表明演説を行い、この中で総理は、「税制については、我が国の将来を見据えた、より望ましい制度の構築に向け、抜本的な見直しを展開しつつ、景気に最大限配慮して、六兆円を相当程度上回る恒久的な減税を実施する」と言明されました。その内容は、個人所得課税と法人課税に対する減税であります。個人所得課税につきましては、所得税、住民税を合わせた最高税率を来年一月以降、現行の六〇%から五〇%に引き下げ、定率減税との組合せにより実施しようとするものであり、その減税規模は四兆円と言われております。また、法人課税につきましては、我が国企業が国際社会の中で十分競争力が発揮できるよう総合的な検討を行い、実効税率を四〇%程度に引き下げるというものであり、減税規模にして二兆円超と言われています。このように、国は、深刻な景気停滞等に対処して経済再生を図ることを喫緊の課題として、税制改正等に取り組もうとしているのであります。 当議会といたしましても、景気の早期回復の必要性を十分理解し、これまでもできる限りこれに呼応すべく努力してきましたが、本県の財政も、一般会計の県債残高は平成九年度末で六千八百五十億円と大変厳しい状況にあり、また県税収入においても、景気低迷の影響を受け、非常に厳しい状況にあるものと予想するわけであります。地方分権が声高に叫ばれ、具体化する中で、県税収入は、自主財源の大宗をなすものとして極めて重要な役割を担うものであります。今後、その地方税財源の充実強化は不可欠であると考えるところであります。今回の減税構想は、今後の情勢によって地方税財政にも大きな影響を与えるものであると思われますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、環境問題についてお尋ねと要望をしておきたいと思います。最初に、ダイオキシン対策について知事にお伺いいたします。 昨今、ダイオキシンに係る問題が社会問題化しており、ダイオキシンに係る記事が新聞紙上に取り上げられない日はないぐらいに深刻な状況にあります。そもそもダイオキシンと申しますのは、古くは一九六〇年代にベトナム戦争で使用された枯れ葉剤、その中に不純物として含まれており、それが人体に多大なる影響を与えたとして大きな社会的注目を集めた物質でございます。ダイオキシン類は史上最悪の猛毒と言われ、有機塩素化合物の生成過程や廃棄物の焼却過程等で非意図的に生成する化学物質であり、その猛毒は、あのサリンをはるかにしのぐとさえ言われています。ダイオキシン類の発生源には、物の燃焼に起因するもの、除草剤の不純物など、幾つかの問題が挙げられておりますが、年間総排出量の八割から九割が廃棄物の焼却によるものと言われております。そのような背景を踏まえ、国においては、昨年一月にはごみ焼却に係る新しいガイドラインが策定され、また同年八月には廃棄物処理法の政省令が改正され、ごみ焼却炉の構造基準並びに維持管理基準が規制強化されたところであります。また、本年には世界保健機構が、従来のダイオキシン類摂取量の基準、一日の体重一キログラム当たり十ピコグラムを一~四ピコグラムに引き下げ、対策の強化を発表したところであります。 本県の市町村の焼却炉におけるダイオキシン類の排出実態は、国が定める緊急対策基準値の八十ナノグラムを上回ったところはないと承っておりますが、風光明媚で歴史的な価値の高い本県の環境を守るためにも、また県民のダイオキシンヘの不安を取り除くためにも、さらに一層の削減が望まれているところであります。したがいまして、今後市町村におきましては、新しい焼却炉の建設や既存焼却炉の施設改造、維持管理強化に取り組んでいくわけでありますが、それに要する費用は多大なものがございます。しかるに、市町村によりましては財政事情が逼迫しているところが多く、対策の推進が危惧されるところであります。つきましては、県としてのダイオキシン対策の進め方、並びに市町村における焼却炉の施設改造の状況について、知事にお伺いいたします。 また、近年専門家より、環境中に存在するダイオキシンなど幾つかの化学物質が、動物の体内のホルモン作用を攪乱することを通じて、生命の根源である生殖機能を阻害したり、悪性腫瘍を引き起こすなどの悪影響を及ぼしている可能性が指摘され、新たな環境問題として、内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンに対する関心が高まっています。過日、大和川中下流で、精巣が萎縮したり変形した雄のコイが、県内中学校の科学部の生徒と教諭との調査により発見され、「環境ホルモンの影響が疑われる」との新聞報道を見て、大和川という身近な川での問題として、身体への影響はどうなのかと不安を抱いたことが記憶に新しいところであります。今日、化学物質は、医薬品、電化製品、台所用品、日用品、建材など、あらゆる製品の原材料等として幅広く使われており、我々の生活は化学物質によって成り立っていると言っても決して過言ではありません。環境ホルモンについては、現在のところ、因果関係の有無を含め未解明の部分が多いものの、化学物質が我々の身近にあふれている現状を踏まえれば、健康への影響など、その一刻も早い解明が望まれるところであります。 国においては、本年五月、外因性内分泌攪乱化学物質への環境庁の対応について、環境ホルモン戦略計画--SPEED’98を定め、関係省庁一体となって、一つ、大規模な研究施設の整備、二つ、全国一斉実態調査、三つ、環境リスク評価・管理の検討、四つ、試験研究や技術開発、五つ、国際的なネットワークの構築など、環境ホルモンに対する基本的な取り組みが進められており、来年度予算においても、環境ホルモン対策関連に関係省庁合わせて八十億円の概算要求がなされております。そこで、先般県議会においても、国に対し「環境ホルモン対策の充実を求める意見書」を提出したところでありますが、知事におかれても、国の動向を踏まえながら積極的に情報収集に努められ、今後、県民への的確な情報の提供などにより県民の不安の解消を図られるとともに、手おくれとならない行政対応の検討をされますよう強く要望をしておきます。 次に、廃棄物処理対策についてであります。 ことしになってからだけをとってみましても、下市町、香芝市、大和高田市、室生村等で、廃棄物処理法違反で逮捕者が出ています。法律違反者を逮捕することは大変重要なことでありますが、それだけで問題が解決はしません。地域住民は、不法投棄や廃棄物の不適切な処理に苦しんでいます。廃棄物問題の解決の第一は、不法投棄や不適正処理の防止と早期発見にあると思います。一たん大量に不法投棄や不適正処理をされると、その始末には大変困難を極めるということが各地で散見できるものであります。県内にも何カ所かに解決できていない廃棄物の現状が残っています。原因者がわかっていても、資力がないということで解決できていないのであります。このたびの補正で、産業廃棄物の不法投棄と不適正処理事案に迅速かつ的確に対応するため一千百万円が予算計上されていますが、今までのパトロールでは発見や指導ができなかったものにも対応できるのでしょうか。パトロールが強化され、休日、夜間にもパトロールをされると聞いていますが、現場での指導には厳しく対応していただきたい。特に、室生村をはじめとして今回逮捕者を出した処分場付近の住民は大変大きな迷惑を受けており、受忍の限度を超えていると聞いています。地域住民が平穏な生活を過ごせるよう、徹底した指導を強く要望しておきます。 次に、介護保険制度についてお伺いいたします。 高齢社会が進行する中、国民共同連帯の理念に基づく介護保険制度も、いよいよ平成十二年度からスタートすることになり、保険者である各市町村では、制度の円滑な実施に向け準備に余念のないところであります。来年の十月からは、平成十二年四月からのサービス開始に備え、保険給付のための受け付けが始まり、介護認定作業が本格的に展開されるところでありますが、本年度はその事前準備として、全市町村で、要介護認定及び要支援認定、そして介護サービス計画の策定に係わりますモデル事業が今月の末から施行されると聞いております。ご承知のとおり、このモデル事業につきましては、平成八年度は橿原市で、また昨年は、奈良市、橿原市、そして五條市を中心とした西吉野村、野迫川村、大塔村、十津川村の一市四村、計三つの地域で実施されました。この事業は、本番に向けての練習と、厚生省が示しております要介護認定の基準等に関する実務上の課題やその対応方策などを研究し、制度の本格実施に反映せるため、今回は全国一斉に行われるものであります。また、介護を必要とする要介護高齢者の実態を調査し、保険で給付されることになるサービスの種類ごとにどれくらいのサービスが必要になるのか、そのサービスの総量を割り出す一方で、現実に提供可能なサービスを掌握し、両者の差をいかに埋めていくのか、こういったものを内容とする各市町村の介護保険事業計画につきましても、策定のための実態調査が今まさに行われているところであります。 さらに、県では、介護を必要とする高齢者に適切な介護サービス利用計画づくりを担当する介護支援専門員実務研修受講試験がこの十月四日の日曜日に実施されるところでありますが、この制度に保険料を負担し、介護が必要になったときに保険から給付を受けることになる県民にとっては、保険料が一体幾らになるのか、また、どのような状態になればどれぐらいのサービス給付が受けられるのかといった、具体的な制度の中身がなかなか見えてこないといった不安があります。もとよりこの介護保険制度は、老後の安心のために、四十歳以上のすべての国民が保険料を広く薄く負担し、その集めた財源を、介護が必要になった場合に介護サービスにかえ、社会全体で介護を支えようとする制度でありますが、制度の具体の内容が詳細に示されないことには、保険料の負担のみが前面に出てしまい、このような制度に対する理解が県民一人ひとりになかなか行き届かないのではないかと危惧するところであります。 そこで、現在、介護保険制度の重要事項は国の医療保険福祉審議会において審議されていると聞いておりますが、これらの国の動き、また保険者である各市町村の準備状況、さらには平成十二年度の制度施行に向けての今後のスケジュール等について、知事にお伺いいたします。 次に、毒物混入事件等への対応について、知事並びに教育長、警察本部長に対しお尋ねをいたします。 去る七月二十五日、和歌山市で、自治会主催の夏祭りにおいて出されたカレーに砒素などの毒物が混入され、四名の方々が亡くなられたほか、多数の中毒患者が出るという、大変痛ましい事件が起こりました。さらに、この事件後、新潟市をはじめ全国各地で類似事件が発生しており、つい最近、本県広陵町でも、自動販売機に殺虫剤入りのドリンクが置かれ、これを飲んだ男性が病院に運ばれるという事件が発生しております。これらの事件は、住民を不安と恐怖に陥れる大変悪質な行為であり、一刻も早い犯人の逮捕を願っているところでありますが、このような悪質事件の発生を予防するためには、まず、これら毒物・劇物等の適正な保管・管理等の徹底、また、これからは秋祭りのシーズンを迎え、県内各地ではバザーなどが行われると思いますが、人が大勢集まる祭りなどの催し事においての食品管理の徹底が必要であると考えます。さらに、自動販売機や店頭販売でも、管理者は不審な飲食物が置かれないよう十分注意を払うことなど、事件の発生予防に努めることが大切であります。 さて、和歌山市の事件については、報道によれば、診療した医療機関の医師が通常の食中毒と診断するなど、薬物中毒に対する認識不足や、病院に解毒剤が常備されていなかったこと、また、病院や保健所、警察等、各関係機関の連携の悪さなどが指摘されていました。先ほど述べましたように、事件の発生予防に努めることが重要でありますが、不幸にしてこのような事件が発生した場合には、保健所、医療機関、警察、消防等、各関係機関が連携し、迅速かつ的確に対応することが被害を最小限にとどめることになると考えます。こうした中で、厚生省では去る九月七日に、健康危機管理対策に関する都道府県等担当課長会議を開催し、毒物混入等により健康被害が発生したときに、保健所、警察、消防などが連携して迅速に対応するための調整機関を設けるなど、都道府県等に対し体制整備を求めたと聞いております。また、和歌山市の事件発生後、毒物・劇物の適正な保管・管理の徹底や食中毒の発生予防等について、都道府県に対し通知もなされていると聞いております。 そこで、知事にお尋ねいたします。県においては日ごろからO-一五七や食中毒等の集団発生時の対応について取り組まれているところでありますが、今回の和歌山市の毒物混入事件等の後、県としてはどのような対応をされたのか。また、今後、このような事件を想定し、どのような健康危機管理体制を検討しておられるのか、あわせてお尋ねいたします。 また、このような事件の発生は、教育の場においても重大な影響があると考えます。成長期にある子どもたちがこうした事件に巻き込まれることは、生命、身体の安全という点ではもちろんのこと、事件の後々まで子どもたちの心に大きな傷を残してしまうという重大な問題を抱えていることは、堺市におけるO-一五七事件のその後の報告を見ても明らかであります。学校には、教材としての薬物・劇物のほか消毒剤など、事件に結びつくような薬品類が多数保管されています。このような状況の中で、すべての子どもたちを守っていくため、どのような対応や指導がなされているのか、教育長にお尋ねいたします。 また、O-一五七事件をはじめとする食中毒の発生に加えて、今般の毒物事件が発生したことで、子どもたちは言うに及ばず、保護者にも、家庭以外の場で食べ物の提供を受けることに対して大きな不安が生じております。例えば学校給食について言えば、本県では、学校数から見れば小学校で一〇〇%、中学校で七〇%の実施率で、十一万人の児童生徒が学校給食を食べていると聞き及んでいます。このような社会情勢の中で、安全でおいしい学校給食を提供するため、どのような取り組みをされているのか、あわせて教育長にお伺いいたします。 さらに、防犯対策の観点から警察本部長にお伺いいたします。先ほど申しましたように、広陵町においても同種の犯罪が発生し、かつ、この種事案は模倣性が強く、今後さらに同じような事件が発生するのではないかと、県民の間で不安に思っている人も多くおられるところから、県警察本部長として再発防止に向けどのような対策を講じておられるのか、お尋ねいたします。 次に、大和(おおやまと)古墳群学術調査事業について、教育長にお伺いいたします。 大和古墳群学術調査事業につきましては、本年の三月定例県議会で一度質問をさせていただきました。前回は大発見の直後ということで、いまだ熱気と興奮のさめやらぬ状況のもとで、黒塚古墳から発見されました三角縁神獣鏡の保存と展示施設などの問題につきまして、知事から非常に熱意のあるご答弁をいただきました。そして、学術調査の大幅な予算増額にも配慮をしていただきましたことに対しまして、感謝の意をあらわすものであります。また、四月四日から十二日にかけて、橿原考古学研究所附属博物館において「黒塚の鏡」というテーマで速報展を実施していただき、九日間で一万一千人を超える入館者があったと聞き及び、一月に実施していただきました現地説明会での見学者二万八千人余りという数字と考え合わせても、県民をはじめとする、人々の文化財に対する関心の高さを痛感するものであります。今、大発見当時のようなフィーバー状態はおさまり、地元の天理市でも落ちつきを取り戻してまいりました。しかし、あの大発見当時に比べればもちろん人数は減少しておりますが、今なお黒塚古墳を訪れる見学者や観光客は後を絶ちません。このような見学者は発見前にはほとんど見られなかったものであり、本来の学術的な成果にとどまらない、大和古墳群学術調査事業の大きな成果の一つと言うことができます。 こうした状況の中、七月から黒塚古墳において発掘調査が再開されております。また、最近、大和古墳群の一翼をなす箸墓古墳で、桜井市教育委員会において行われました発掘調査から、後円部周辺において渡り堤などが発見されたとの報道に接しました。そして、この調査では、箸墓古墳の構造解明につながる資料を得るとともに、魏志倭人伝に記された邪馬台国の女王、卑弥呼との関係も議論されているとのことで、桜井市で行われた報告会には千人もの参加者があったと聞き及んでおります。このような考古学や文化財に対する人々の熱い期待と深い関心にこたえるとともに、調査の成果を広く県民に還元するという意味で、今後、大和古墳群学術調査、とりわけ黒塚古墳の調査がどのような形で進められるのか、また黒塚古墳の保存方法や公開方法、さらには、発見された三十三枚の三角縁神獣鏡などの遺物がどのような形で保存され、あるいは公開されるのか、私たち県民としても大いに関心のあるところであります。 そこで、まず、再開されました黒塚古墳の発掘調査につきまして、昨年度の後円部に続いて前方部の発掘が進められているものと聞いておりますが、さらに詳しい状況についてお聞かせ願いたいと考えます。 次に、黒塚古墳の保存と公開についてであります。三月定例県議会でも申し上げましたが、いろいろ制約があるかとは存じますが、適切な形で保存を図っていただくと同時に、できるだけ広く古墳を一般にも公開できるように配慮していただきたいと考えますが、どのようにお考えでしょうか。また、黒塚古墳から発見された三角縁神獣鏡は現在、橿原考古学研究所において保存処理がされているということでございますが、これもできるだけ多くの人々に公開されるべきものと考えていますが、教育長のご所見をお伺いいたします。 引き続き、教育長にお伺いします。 ことしになり、中学生や高校生がナイフなどを使って殺傷事件を起こすなど少年非行が続発し、今また、女子中学生によるクレゾール液送付事件が起こっています。聞けば、こうした事件にかかわる子どもたちは、これまで特段の非行歴があるわけではなく、家庭的にも標準的な環境に置かれた子どもたちであります。このように、現在の非行は、普通の子による「いきなり型」とか、先生や親など子どもの周囲にいる大人たちの目には見えないと言われております。しかしながら、私には、果たしてそうであろうかと思われてなりません。普通に見えていた子が、実は非常に不安定な状態であったことに周囲の大人が気づいていないだけではないか。凶悪な事件が起こるまで、多感な時期にあるその子が深い悩みや問題を抱えていたという真の実態を、先生や親が見抜けなかっただけではなかったかと思うのです。私たち大人自身も、子どもたちが発するサインに気づくゆとりがなくなったのでしょうか。こうした状況に加えて、最近県内の小学校で、子どもたちが大切にかわいがり慈しみ育てていたウサギ四十三匹が、一夜にして何者かに撲殺されるという、非常にショッキングなむごい出来事がありました。命を大切にする心や思いやりの心をはぐくむため飼っていたウサギが、逆に子どもたちに恐怖と悲しみを与える結果となりました。子どもたちや先生方の驚きと無念さはいかばかりかと、誠に残念で、腹立たしい気持ちでいっぱいであります。これらのことから、今の子どもたちは、みずからの揺れ動く心とともに、みずからが置かれている社会的な状況においても非常に不安定な状態に置かれていると言えるものではないでしょうか。こうした状況を目にするとき、今、私たちが緊急にしなければならないことは、子どもたちの心の底に潜む悩みやストレスを和らげたり、さまざまな不安や心の傷をいやすことではないかと考えます。 そのような意味から、このたび教育委員会で進められようとしている、心の教室相談員の学校への配置に、大きな関心を寄せているところであります。そこで、教育長にお尋ねいたします。本県においては、この心の教室相談員をどのように位置づけ、今後、どのようにしてこの事業を進めようとされているのか、お聞かせください。 最後に、警察問題につきまして、警察本部長にお伺いします。島﨑本部長は、去る七月二十八日に運輸省から本県警察本部長に着任されたところでありますが、まず、警察運営についての所信と交通管制についてお聞かせいただきたいと思います。 先ほどの質問にもありましたように、着任と時を同じくして、和歌山県、新潟県、長野県、さらには奈良県等において、毒劇物等を混入した飲食物により多くの方々がお亡くなりになったり傷ついたりした事件が発生して、住民の恐怖や不安は募るばかりであります。このような状況の中、本県の治安状況をどのように認識され、今後どのような考え方で警察運営を行われようとされているのか、新警察本部長としての抱負と、警察運営に当たっての所信をお聞かせ願います。 次に、新交通管制システムの効果についてであります。大阪と奈良を結ぶ第二阪奈道路の開通に伴う交通流の変化や、年々増加する交通量が市街地や幹線道路における慢性的な渋滞を引き起こしている現状にありましたが、昨年度の予算において整備された交通管制システムの高度化更新がなされたことによって、交通流の円滑化等についてどのような効果があったのでしょうか。さらに、現在大和平野の中心部に限られている交通管制エリアについて、本年以降においてどれだけ整備が図られるのか、あわせてお伺いいたします。 以上、皆様方のご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺澤正男君) 柿本知事 ◎知事(柿本善也君) (登壇) 十一番吉川議員のご質問にお答えいたします。 ご質問ではございませんが、冒頭にお触れになりました今回の台風七号による被害につきまして、私からも一言触れさせていただきたいと思います。今お述べいただきましたように、今回の台風は、奈良県民にとりましては近年にない強い風の台風でございまして、特に、亡くなられたお二方には心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、各種の被害を受けておられる皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。被害が多岐、広範囲にわたりますので、昨日、奈良県台風被害復旧連絡本部を設置いたしまして、関係機関からの情報収集に努めているところでございます。早期の復旧等に、ご指摘のとおり最善を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、ご質問にお答えさせていただきます。まず第一点は、県内の景気の状況とその対策についてでございまして、その第一点は中小企業金融対策についてのお尋ねでございます。 お述べいただきましたように、現下の厳しい経営環境のもとにおきまして、県下の中小企業においても全般的に業況が悪化の傾向にあると我々も認識している次第でございまして、とりわけ今後の資金調達においては、広範囲な業種にわたりまして逼迫した資金需要が見られるところでございます。そういう観点から、今年度下期の中小企業金融円滑化対策を措置することとした次第でございます。具体的には、経済変動対策資金において、既に六月補正でその枠を二十五億円から五十億円に増額したところでございますが、さらに、従来の不況業種対応の通常の融資に加えまして、新たに全業種を対象とする県単独の特別融資制度を導入することといたしました。また、今年度当初に創設いたしました特定短期資金につきましても、全業種対応としたほか、その他、諸般の情勢に応じた所要の措置をとることとした次第でございます。また、このほか、本年度から当初予算で措置いたしました経営安定資金につきましても、例年より、昨年より一カ月以上早く、九月一日から募集を開始しているところでございまして、今回措置した金融円滑化対策とともに、有効に活用されることを待しているものでございます。これらの金融円滑化対策を推進するためには、やはり金融機関のご協力が必要でございます。県制度融資取扱金融機関並びに関係経済団体等から成る金融情勢連絡会を昨年十二月設置以来、延べ四回開催しておりますが、この場におきまして、県の制度融資の積極的な活用促進と、貸し渋り対策への柔軟な対応を強力に要請しているところでございまして、今後とも適宜の機会をとらえまして、さらに協力方を要請してまいりたいと考えております。 次に、景気対策の第二点の、雇用対策についてでございます。景気の低迷状況が長引きまして、本県におきましても、いわゆる有効求人倍率が、平成四年一月から一・〇倍を割り込みまして、この七月には〇・四二倍となっておりまして、大変厳しい状況でございます。求職者も二万人台で推移するなど、停滞傾向を示していることはご承知のとおりでございます。県といたしましては先般、中長期的な観点から、このような雇用対策の一層の充実を図るために奈良県雇用創出拡大協議会を設置いたしました。そこにおきましては、高年齢者、障害者、女性、若年者等の総合的な雇用対策を機動的に進めてまいることとしております。今後とも、こうした協議会における諸般の協議を通じまして、地域の雇用情勢に応じたきめの細かな対策を進めてまいりたいと考えております。さらに、緊急雇用開発プログラムというものを推進しているわけですが、その柱は、雇用の維持・安定対策、離職者等の再就職の支援対策、あるいは必要な情報提供、相談の充実強化を柱としているものでございまして、このプログラムの推進につきましても積極的に実施してまいりたいと考えております。 景気状況の第三点は、公共事業を中心とした対応策でございますが、ご指摘いただきましたように公共事業の促進も一つの重要な柱と考えておるわけでございまして、まず当初予算におきましては、景気動向に留意して額の確保に最大限の努力をしてまいりました。さらに六月補正におきましては、国の補正予算が成立した後、国の内示を受けて速やかに公共事業の執行が可能となるよう、当時としては見込み得る限りの額を計上するということで審議をお願いいたしました次第でございます。さらに、今回の九月補正にありましては、特に単独公共事業について過去最大規模での補正を行うこととしたほか、情報基盤の整備など、社会資本整備に意を用いるとともに、債務負担行為の活用などによりまして切れ目のない執行を図ることとしている次第でございます。申し上げるまでもございませんが、公共事業につきましては、一つは本県の社会資本整備の促進という面がございます。同時に、ただいま申し上げましたような景気の下支えに寄与してきた、あるいはしている、こういう考え方に立って公共事業を展開しているものでございまして、特にこのような厳しい経済状況のもとでは、一連の施策を通じまして景気浮揚にも効果があることを期待申し上げている次第でございます。また、こうした予算措置を効果あるようにするためには、速やかな執行を行うことも大事だと考えておりまして、これにつきましては今年度は、年度当初におきまして、上半期の契約目標率を過去最高の八四%に設定しております。そういう形で、早期契約、発注に鋭意取り組んできたところでございます。今後は、補正分もあわせまして、着実な執行に努めてまいりたいと考えております。 大きな第二点は、恒久的減税構想についてのご質問でございます。 国におきましては、深刻な景気停滞等に配慮して、経済の再生を図るため、税制改正を含めた経済対策に取り組もうとしておられるわけでございまして、その一環として、本県といたしましても、ただいま申し上げましたように、景気の早期回復の必要性を十分理解し、これまでもできる限りの景気浮揚のための公共投資の拡大等に積極的に努力してきたところでございます。今回の減税につきましては、ご質問にもございましたように、個人所得課税と法人課税を合わせて六兆円を相当程度上回るような恒久減税を行うものとされておりまして、その内容は現段階では明確になっておりませんが、改正内容いかんによっては今後の財政運営や地方分権の推進には容易ならざる事態があり得ると、こういうふうな認識をしている次第でございます。税収構造についてご心配いただきましたが、ご承知のとおり、今回、減税の対象として議論されている個人所得課税である個人県民税と、法人課税の中心である法人事業税を合わせますと、県税のほぼ過半を占めることになります。平成九年度決算で言いますと、個人県民税二八・九%、法人事業税二二・八%、合わせますと五〇%を超えるわけでございまして、県税の基幹税目であるということは、もう言うまでもないことでございます。なお、従来から申し上げているように、本県の県税収入は、景気の低迷によりまして、平成九年度決算見込み額約千百八十二億円でございますが、これは本県のピーク時に当たります平成三年度の決算額千二百八十一億円と比較いたしましても約百億円の大幅な落ち込みをしているわけでございまして、それに加えて、過去の景気対策として諸事業の実施に伴う公債費の累増により、非常に厳しい財政運営を余儀なくされているということも事実でございます。そういう観点からいたしますと、今回の減税論議は、本県にとっても大きな影響を想定されるところでございまして、今後の税制改正の議論に当たりましては、これは全国的な共通の問題でございますので、全国知事会等とも連携いたしまして、今回の減税が、少なくとも地方分権の推進に伴って必要とされる地方税財源の充実強化に基本方向として支障を来すものであってはならない、こういうことなどを地方として主張すべきと考えており、こういうようなことを国に対して強く要望してまいりたいと考えております。 三点目は、環境問題でございます。 ダイオキシン対策、並びに市町村における焼却炉に関連する問題でございますが、市町村の設置する焼却炉からのダイオキシン類の排出濃度につきましては、ご質問にもお触れいただきましたように、咋年とことしの二回、市町村から報告を求めております。その結果によりますと、これまでのところは、緊急対策基準値である八十ナノグラムを超えている施設はなく、全体的にも改善傾向が見られると、こういう状況にございます。しかしながら、もうご承知のとおり、ダイオキシン類は一層の削減が必要でございます。県といたしましては、市町村に対し、新ガイドラインや改正された廃棄物処理法に基づきます恒久対策基準値を五年以内にクリアできるような対策を計画的に実施するよう指導・助言しているところでございます。恒久対策基準値は平成十四年十二月に実施されることになります。なお、国においてもダイオキシン対策に係る施設改造について優先的に補助採択することとされておりまして、これ受けて本年度、県内では四市町、郡山市、天理市、斑鳩町、安堵町でございますが、これが施設改造を実施する予定でございます。また、残る施設改善が必要な市町村にあっても、具体的な計画を鋭意検討中でございます。県といたしましては、施設改造が円滑に進捗するよう、市町村に対し必要な情報提供、指導・助言等に努めるとともに、今後新設される焼却炉については、ダイオキシン対策を十分に施した二十四時間連続炉が原則となります。そういうことから、小さな市町村の焼却炉を集約したごみ処理の広域化計画を今年度中にも、市町村の意向を十分反映させながら策定したいと考えている次第でございます。なお、この広域化計画に基づき建設される焼却炉につきましても、国においては緊急特別の財政支援を図りながら推進することとされているところでございます。 五点目は、介護保険についてのご質問でございます。 介護保険の諸般の動きにつきましては、ご質問でるるお述べいただいたとおりでございます。例えば、介護保険法では、なお三百近い項目が政令及び省令に委任されているそうでございますが、このうち一項目を除きまして、まだこれから決めなければならない、こういう状況でございまして、制度の重要事項である要介護認定等の基準、あるいは在宅及び施設にかかわる介護サービスの人員、設備、運営基準等については、現在、ご指摘もございましたが、国の審議会で論議されていると、こういうところでございます。これらの審議を踏まえまして、予定といたしましては、十二月に政令が、また省令については来年の三月に公布されると、こういうふうな予定と聞いております。 なお、市町村の保険料が心配だというご指摘もございました。保険料の算定の基礎となる介護サービス費の算定基準いわゆる介護報酬等でございますが--につきましては、今年度国において実態調査が行われまして、最終的な決定は来年度後半になるという見込みでございます。そういう感ではございますが、それぞれの市町村では施行準備のため組織体制が整備されてきておりまして、また、介護保険事業計画というものを策定しなければなりませんが、これに対する高齢者の実態調査も行われておるところでございまして、この実態調査の取りまとめを行った後に、来年度にかけて具体的な計画作成作業が行われることになる予定でございます。また、今月三十日からは十八の実施地域に分かれまして、これも質問でお触れいただきましたが、全市町村でモデル事業が実施されますが、これらの準備作業等に全力が傾けられているところでございます。なお、さらに、被保険者の資格管理等に係る電算システムを構築するための準備も逐次進められているところでございます。こうした、いろいろ各般の課題がございます。 そういう観点から、県では本年の五月に、奈良県市町村介護保険制度推進協議会を県と市町村が一体となって設置いたしました。また、その下部組織であるブロック会議は毎月開催するというような形で、市町村との情報、意見の交換を行っているところでございます。また、十月の介護支援専門員実務研修受講試験の終了後は、十二月から実務研修を開始する予定でございまして、これは来年度の第二・四半期から介護サービスの事業者及び施設の指定を、これも開始することになります。こういうことで、申し述べておりますと切りがないほど幾らでも項目はございますが、今後とも、国の動向等を的確に把握しながら、市町村とも意見の交換等を密接に行いまして、介護保険制度が円滑に実施されるように最善の努力をしてまいりたいと考えております。 六点目は、毒物混入事件等への対応でございます。私に対する質問は、県としてどのようにしたのか、特に健康危機管理体制をどうしているのかと、こういうご質問でございます。 県では、昨年のO-一五七の問題もございまして、食中毒、感染症等、その他何らかの原因による健康被害の拡大防止等を図るため、昨年度から健康危機管理基本指針というものを策定しております。そして同時に、県レベルでは健康危機管理調整会議というものを設けまして、また、保健所単位では地域連絡会議を設置いたしまして、ご質問にございます健康の危機管理に取り組んできたところでございます。今年の和歌山市の毒物混入事件を受けまして、既に八月十七日に、救命救急センター、あるいは医師会、消防長会、警察等の関係機関の参加も得まして、この調整会を開催しておりまして、そこで情報交換等を行うとともに、参加機関相互の役割分担や連携について協議してきたところでございます。率直に言いまして、厚生省の会議より積極的に関係機関が活動してくれたということで、私も大変、その努力を評価している次第でございます。また、県立病院への解毒剤の追加確保とか、医師等を対象とした治療方法等の研修会の開催、あるいは治療マニュアルの作成、配布、毒物・劇物を扱う関係業者への立入検査等の実施、あるいは市町村への啓発資料の提供等を並行して行っている次第でございます。今後とも、やはりこれは、県民の方々の不安を取り除くということが大切でございますので、医療機関をはじめ警察等関係機関との情報連絡体制、あるいは迅速な検査体制の確立、並びに適切な医療の確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(寺澤正男君) 天根教育長。 ◎教育長(天根俊治君) (登壇) 十一番吉川議員のご質問にお答えいたします。 まず、毒物混入事件後の対応についてでございますけれども、教育委員会といたしましては、薬品の管理の面、それから、子どもたちが類似行為をしないように防止する件、そして、飲料水等々飲み物を買うときにかかわっての注意という、三つの方面で指導してまいりました。また、この中で特に薬品の管理につきましては、今日までも、その設備の施錠云々、あるいはまた薬品管理にかかわる教員のありようといったものにつきまして指導してきたところでございますけれども、今回のこの事件を踏まえまして、さらに厳しく指導するとともに、今日まで利用いたしておりました不要な劇物・薬物を処理すること、そして、この管理をさらに徹底しようということの強い指導をしたところでございまして、各学校におきましての教材として最低必要限度の薬物の保管につきましても、十分配慮するように指導いたしたところでございます。また、小中学校を管理いたします市町村教育委員会におかれましては、まず、購入にかかわります、子どもたちの安全を確保する指導と、そして、高等学校ほど多くはございませんけれども、薬品保管状況を調査したり、また、保護者あてに文書によりまして子どもとともに注意を呼びかけるという指導をしていただいたことになっております。 また、お述べの学校給食に関してでございますけれども、一昨年度いろいろご心配をおかけいたしました全国におけるO-一五七事件以降、特に施設整備、そして講習、研修、そういったものを主体に今まで取り組んできたところでございますけれども、今般の事件を踏まえまして、さらに、学校給食並びに学校行事、ちょうどこれから文化祭等々行われる時期でございますので、衛生管理、安全管理の徹底につきまして、今回は文書で指導したところでございます。 次に、大和古墳群の学術調査の件でございますが、議員がお述べいただきましたように、三角縁神獣鏡三十三枚の大量の出土にかかわりまして、三月議会でもいろいろご質問いただきました。その後、本年度は七月から調査を再開いたしまして、前方部分を中心にトレンチ調査をしているところでございます。この調査から、私たちは、古墳の構造であるとか築造のなぞが解明されることを期待しておるわけでございますけれども、この調査が進展いたしましたら、適宜調査の成果につきましては公表いたしていきたいと、かように考えている次第でございます。 また、黒塚古墳の保存と公開の件でございますけれども、一つには、この石室が竪穴式でありますことから、積み石が崩壊のおそれが非常にございまして、この安全面の配慮が極めて重要でございます。また一方、議員もお話しございますように、全国的なフィーバーの中でのことでございます。こういった面も十分配慮しながら、大和古墳群の学術調査委員会等の専門家の意見も十分聞きながら、本年度のさらにやっております調査結果を踏まえまして、文化庁並びに地元天理市とも協議をして、この事業をどうするかということについて進めていきたい、かように考えております。 また、出土いたしました三角縁神獣鏡などの遺物につきましては、現在、橿原考古学研究所においてその保存処理をしておるところでございます。何分非常にきめの細かい作業でございますし、数も多うございますので、大変でございますけれども、この公開につきましては、とりあえず速報展を実施いたしましたけれども、この十月に橿原考古学研究所の創立六十周年の記念事業といたしまして、秋季の特別展で取り扱って展示をしていく予定にいたしております。今後とも、保存、あるいは修理処理が終わりました段階で、できるだけ広く一般に公開できるように私としても努力していきたいと、かように考えている次第でございます。 三つ目には、心の教育相談事業についてでございます。まず、心の教室相談員の位置づけの件でございますけれども、これはとにかく中学生のナイフ事件等々にかんがみまして、当面の緊急措置として公立の中学校に配置していこうという、そういう事業でございますけれども、相談員は、例えば生徒が悩みなどを気軽に話していけるようなお姉さんのような存在であるとか、あるいはまた頼れるおじさんの存在であるような、そういったような第三者的な存在として、子どもたちの身近に配置をいたしまして、教員とは異なる立場で支援をしてもらおう、こういう側面がございます。また、もう一つの側面といたしましては、ボランティア活動など、生徒が地域社会の活動へ参加していくという件につきましても、コーディネーター的な役割を持ってお務めいただく、開かれた学校づくりの一端を担っていただこう、こういうふうな二面で考えているところでございます。この事業につきましては、今年度の十月からそれぞれの市町村で、教師経験者であるとか、青少年団体指導者であるとかいった、地域の人々から選ばれました相談員が週四日程度、弾力的に中学校に勤務いただきまして、それぞれの方の研修を深めながら、学級担任であるとか、あるいはまた養護教諭と一緒に連携をして随時、生徒、子どもたちの話し相手であるとか、相談に当たっていただけるような、そういう導入をしていきたい、かように思っている次第でございます。 以上でございます。 ○議長(寺澤正男君) 島﨑警察本部長。 ◎警察本部長(島崎有平君) (登壇) 十一番吉川議員のご質問にお答えいたします。 ご質問の順番と前後いたしますが、まず、警察本部長としての抱負と、警察運営に当たっての所信についてお答え申し上げます。 記紀万葉時代からの歴史あふれる奈良県の警察本部長を拝命いたしまして、大変身の引き締まる思いであり、このニカ月で県内の治安情勢等について報告を受け、また、実際に見ることによって、その職責の重大さを改めて認識しているところであります。今後、皆様方をはじめ県民の皆様のご協力を得ながら、奈良県の治安を維持するため一生懸命努力してまいりたいというふうに考えております。 さて、現在の奈良県の治安状況でありますが、刑法犯につきましては、本年八月末現在で約一万三千件が発生し、平成八年以降の増加傾向が続いている状況にあります。内容的にも、本年一月以降、四件もの銃器を使用した事件が発生し、さらには少年犯罪の凶悪化や低年齢化が進展し、また、覚せい剤等薬物乱用事犯や在日外国人による犯罪が増加するなど、非常に厳しい状況にあると認識しております。加えて、和歌山県で発生した毒物混人事件の模倣事件が全国的に発生しており、本県においても同種事件の発生を見たために、県民の皆様は治安に対して一抹の不安をお持ちになっているのではないかと考えております。このため警察としては、これらの犯罪の検挙、防圧に力を注いでいるところであります。刑法犯の検挙率に関しましては、全体では五一・四%、凶悪事件に限れば九一・二%と高水準を保っており、この面から見れば、おおむね平穏な県民生活が維持できているのではないかと考えております。今後とも、知事部局をはじめ各市町村との連携を強化し、県民の皆様が安心して暮らせる地域社会づくりを進めてまいりたいと考えております。 また、交通事故につきましては、交通事故死者数こそ、九月二十三日現在六十七人と、昨年同期に比べまして八入の減少となっているところでありますが、負傷者の数は逆に増加しており、厳しい状況にあります。そこで、九月二十一日から始まりました秋の交通安全県民運動を契機に、交通安全マナーアップ実践運動のさらなる盛り上がりを図るとともに、県や市町村等の道路管理者とタイアップした交通安全施設等の整備充実を図り、交通事故防止に向けた取り組みを一層強化してまいる所存であります。 以上、本県の治安状況を踏まえまして警察運営について申し述べましたが、このほか、暴力団総合対策、産業廃棄物等の公害事犯の取締りについても引き続き強力に取り組むほか、コンピューターを利用した犯罪などの新たな治安事象にも的確に対応し、県警察の運営指針であります、地域社会の安全と県民の安心を守る力強い警察のもと、県民の皆様の負託にこたえてまいりたいと考えております。 次に、交通管制システムの効果についてでありますが、当県警察の交通管制センターは、昭和五十六年四月に運用開始して以来十七年を経過し、装置及びシステムが老朽化して、年々増加する自動車交通に十分に対応し切れない状況にありました。このため、交通安全施設等整備事業七カ年計画の二年次に当たる平成九年度予算において、最新のコンピューター及び交通管制技術を取り入れて高度化更新し、本年四月二日から新システムを運用開始しております。このシステムの大きな特徴として、朝夕の慢性的な渋滞緩和を図るための予兆エリアゲート制御があります。これは、管制エリア内の交通状況から自動車総数が適正規模を超えて交通渋滞が発生する可能性が高くなった場合に、管制エリアの外周部の信号機を調整して、エリアから流出する自動車を促進し、あわせて流入する自動車を抑制してエリア内の交通量を適正にし、渋滞緩和を図るシステムであります。過日、本システムの導入前の三月中と導入後の六月中の朝夕の時間帯について、国道三六九号の県庁東交差点から三碓交差点までの間、国道二四号の法華寺東交差点から千代北交差点までの間、国道一六九号の県庁東交差点から天理インターまでの間、県道木津横田線の油阪交差点から横田北交差点までの間で、旅行時間や渋滞の長さのデータを集約して比較し、効果を測定いたしました。その結果、最大の旅行時間短縮は、国道三六九号の夕方、大阪行きで六分短縮、最大の渋滞の長さの短縮は、阪奈道路宝来ランプ付近の朝方、奈良行きで千二百メートル短縮等がはかられ、四路線の旅行時間の短縮率の平均で一四%と効果を上げております。今後もさらに運用方法を検討し、幹線道路の交通流の円滑化に努めていく考えであります。 次に、交通管制エリアの整備状況についてでありますが、現在、管制エリアは面積にして約四十七平方キロメートルであります。すなわち、奈良市の中心部、大和郡山市及び天理市、橿原市と大和高田市の中心部、田原本町と斑鳩町の幹線であります。今後のエリアの拡大整備でありますが、本年度から四カ年計画で生駒市及び奈良市西部のエリア化を図る予定であります。今年度は生駒市の一部の路線をエリアに組み入れるため、生駒警察署に下部センターを設置するとともに、一部信号機の地域制御化を図る予定で作業を進めております。 最後に、毒物混入事件等の再発防止に向けた対策でありますが、最近、全国的に飲料水等に毒物等を混入する悪質な事犯が連続して発生しており、本県においても広陵町におきまして、清涼飲料水に殺虫剤が混入される事件が発生いたしました。この種事犯は極めて模倣性が強く、さらに類似事犯の多発も懸念され、県民の皆様方の不安も広がっていることから、これら毒物混入事件の再発防止対策につきましては県警察を挙げて取り組んでいるところであります。まず、県下で毒物・劇物を取り扱っている業者等に対し、保管・管理の徹底や、販売、譲り渡し時の身元確認、盗難時の警察への速報等の指導を徹底しております。また、飲食物を販売するコンビニ、スーパー等とも連携を密にして、店内における自主警戒の強化、販売物品の適正な保管と管理、不審物、不審者の早期発見と警察への速報等の防犯指導を強化するとともに、自動販売機の設置管理者についても自主点検の強化を指導しているところであります。子どもやお年寄りなどを含めた地域住民に対しても、地域安全ニュース、交番速報、有線放送等を活用し、不審な飲食物を発見した場合には、口にすることなく、直ちに警察に連絡するようお願いしております。さらに、警察官による重点警戒活動を強化するとともに、防犯委員等の民間防犯組織との連携による防犯パトロールを実施し、この種事犯の再発防止に努めているところであります。いずれにいたしましても、こうした犯罪は社会の敵として許すことのできない誠に卑劣な行為でありまして、犯人の早期検挙を含めて、厳正に対処してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(寺澤正男君) 十一番吉川新太朗君。 ◆十一番(吉川新太朗君) それぞれ答弁していただきまして、ありがとうございました。 さらに知事に対してお願いをしておきます。台風七号の被害に対する対応については、先ほども申し上げましたが、農林業者をはじめとして被害者に対しては、できるだけきめの細かい対応を重ねてお願いを申し上げます。 また、教育長に対しましては、黒塚古墳の保存と展示、また、三角縁神獣鏡の保存、展示につきましては、地元天理市の意見を十分に聞いていただきましてこれに対応していただきますように強く要求をしておきます。 警察本部長に対しましては、奈良県の治安に対してはすべての面でよろしく今後ともお願いを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(寺澤正男君) しばらく休憩いたします。 △午後二時二十五分休憩    -------------------------------- △午後二時四十四分再開 ○副議長(福本虎之祐君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、四十九番川口正志君に発言を許します。--四十九番川口正志君。(拍手) ◆四十九番(川口正志君) (登壇) 新創NARAを代表いたしまして発言の機会が許されました。議員各位、理事者の皆さん方に感謝を申し上げながら、知事並びに教育長に質問と要望を申し上げたい。ところどころにお礼も入ると思います。 きょうは、私、産廃問題に大変強い関心を寄せております。そういう関係で、私の発言の内容が室生村にもかかわろうと、こういうことで、室生村の村長さん並びに議会議員の皆さん方が大勢、これまた県政における産廃の対応について確かめたいという思いで傍聴においでになっているのであろうと、このように思うわけであります。そういう意味で、私も刺激を感じながら質問をしたい。知事もまたそのつもりで真剣にお答えをいただきたいと、このことを冒頭に申し上げておきたいと思います。 およそ、私は今議会における質問は、昨年の九月に質問をいたしました内容にかかわって知事並びに教育長がご答弁をされたわけでありますが、検討、研究をお約束をいただいた事柄がかなりあるわけでありますが、それに関連した質問をいたしたいと、かように思っているわけであります。また、先刻、自民党の吉川議員の方からもご質問がございました。私の質問の内容と重なる部分が相当あるわけでありまするが、思いを同じくしている内容であると私は思っておりますので、あえて重ねて発言することをご理解願っておきたいと思います。 まず最初にお尋ねをしたいわけでありまするが、ことしは異常気象の連続でございました。一昨日、二十二日の近畿直撃の七号台風は、奈良県をなめ尽くすほどの甚大な被害をもたらしたわけでありますが、けさもなお大雨注意報の中にございました。さきの八月二十七日は、連続雨量百七十二ミリ、時間最大雨量八十八ミリを記録する降雨量で、寺川等が河川決壊を起こすなど、田畑の冠水、家屋の浸水の大被害があり、今回は瞬間風速四十メートルを超し、十津川の平谷では三百七十六ミリの連続雨量を記録するなど、家屋、樹木の倒壊、稲の倒伏、屋根やかわらを吹き飛ばす大暴風雨となり、伊勢湾台風を思い起こさせるものでございました。まずは、両暴風雨災害によりお亡くなりになられた方々に対して哀悼の意をささげる次第でございます。また、負傷者、被災者にお見舞いを申し上げる次第でございます。 さきの風雨における被害状況は、家屋浸水、稲の倒伏の甚大さが把握されており、今次七号台風は、近鉄尺土駅東方の鉄柱が折れ、室生寺五重塔など重要文化財や県の橿原会館の損壊をはじめ、各種施設、家屋、田畑等の被害は極めて甚大であり、実情把握は完全でないと考えますが、復旧作業とあわせ大変な状況にあることはわかりつつも、いまだ停電などの難儀でいら立っている地域もあります。また、自力にて損壊復旧の負担をし切れない被災者もあり、県、市町村の援助措置が急がれねばならない方々が相当あると考えます。格別の支援策をまずは要望しておきたいと思います。 なお、七号台風は昼間の襲来でありましたが、八月二十七日の豪雨は夜間の襲来であります。県は早速、復旧連絡本部設置のもと、暴風雨による災害対策に取り組まれていますが、深夜における気象予報のあり方、あるいは治山、治水の課題、治水はすなわち治山であることの認識に立った積極的な対応策を見直し、確立されねばならないと考えます。知事の方策を示されたいと思うわけであります。 次に、要望でありまするが、景気の低迷、経済不況に加えて、毒物混入事件などの社会不安をかき立てる犯罪が続発しています。日々の犯罪予防や防止のための苦労は目立たぬものがありますが、警察や消防をはじめとする関係者の努力に、まずは感謝を申し上げておきたいと思うわけであります。引き続き県民の不安解消のために頑張っていただきますよう熱望しておきたいと思うわけであります。 また、お礼を申し上げたいわけであります。引き続きまたご協力をお願いする次第でございまするが、水平社発祥の地、御所市柏原に水平社歴史館の建設をと呼びかけ、建設に要した費用はすべて募金で賄われ、五年にわたる準備期間を経て、ことし五月一日に開館いたしました。そして、七月十六日、有料入館者が一万人を超え、八月二十五日、入館者が二万人に達しました。きのうの段階では二万五千人の来館をいただいているわけであります。文字どおり、北は北海道から南は九州まで、全国各地から来訪者がありました。水平社歴史館は、全国の人権、平和等をテーマとしている施設とのネットワーク会議を開催いたしております。現在二十四館の参加を得ており、なお全国に呼びかけています。人権にかかわる情報発信にとどまらず、生涯学習の拠点としても機能していけるようにとの期待も高まっています。これまでのご支援に深謝申し上げ、今後とものご協力をお願いいたします。今後、県教育委員会、同和問題関係史料センターとの一層の連携が必要かと思います。格段のご高配をお願いをいたしておきたいと思います。 さて、私は昨年の九月議会代表質問で、第三次奈良県国土利用計画の内容に触れながら、産業廃棄物の適正処理、環境の保全についての県の対応が急務であることを述べ、知事の考えをただしました。その国土利用計画によれば、「廃棄物の量の増大、質の多様化に伴い、不法投棄や保管・収集・運搬段階による有害物質の漏洩への懸念といった問題が生じており、これら問題に対策を講じることが重要となっている」と述べています。かと思えば、「現在まで土壌汚染による大きな被害や問題になる事例は発生していない。……現時点では土壌汚染は問題ないものと推察されるが、将来的にも土壌汚染を生じないよう適切な方策をとることは重要である」と述べています。県のこの認識と対策姿勢の落差、ずれこそが、県政に対する県民の不信を醸し出していると言っても過言ではありません。 一年前の私の提案した具体的方策が実行に移されていたならば、室生村多田の産業廃棄物問題や山添村の産業廃棄物焼却場問題に対して県の対応がもっと違ったものになっていたのでは、と私は考えます。結果は、事の重要性を十分認識されていた答弁でなかったように思うわけであります。改めて知事にお尋ねをいたします。一年前、千葉県のいわゆる残土条例を参考に土壌の汚染防止策をお尋ねしましたところ、「本県として土壌の汚染防止策としてどういう有効な手段になり得るか、こういう観点から、この例も参考として研究してまいりたい」との答弁をいただきました。その研究の結果をぜひお聞かせを願いたいわけであります。 関連して、室生村多田の産業廃棄物処分場の焼却炉で無許可の焼却処分等がされていたとして、社長らが逮捕されましたことについて、知事にお尋ねをいたします。八月八日、処分場の捜査が行わ、廃棄物の内容を調べたところ、焼却灰、畳、マットレス、注射針、タイヤの燃えがら、生ごみなどが見つかったとの新聞報道がありました。さらに新聞は、室生村当局の「我々が訴えてきたことが現実のものとなり、捜査に感謝したい。実態を見過ごしていた県に対しては怒りを感じている。県には、ダイオキシンの調査も含めてさらなる実態解明を望みたい」とのコメントが載せられていました。 知事にお尋ねをいたします。その第一は、業界用語に「あわせ産廃」というのがあるようです。カラスが多数飛び交うなど、安定型処分場としては極めて疑わしい事実が提起されているにもかかわらず、措置命令や改善命令が法的にも認められていながら、なぜしなかったのかということであります。 第二は、県は全国に先駆けて県外廃棄物の本県搬入抑止対策要綱を定め、対外的には原則持ち込み禁止と言われています。奈良県には二十二、三万トンの産業廃棄物が大阪、和歌山、兵庫から流入し、おおよそ同数量以上が大阪、兵庫、京都に流出していると言われています。室生村多田の処分場への車の出入りの多さから、県外からの搬入についての指摘もあったと聞いています。県が定めた要綱を県が守る、業者にも守らせることがなぜできなかったのか、しなかったのか、お答えをいただきたいと思うわけであります。ちなみに、国の指針は産廃の広域処理を示しているようでありますが、これを受けとめての対応なのか、また、産廃排出企業数の掌握と企業責任をどのように追及してこられたのかを伺いたいと思うわけであります。 第三は、ダイオキシンの問題です。ダイオキシン問題では、私たち一人ひとりが加害者にも被害者にもなり得ます。ごみ問題など、私たちが抱える多くの環境問題と深くかかわっています。かつての公害のように、一企業だけが問題なのではないのです。これまでのように密室主義、秘密主義では解決しません。問題の処分場でもダイオキシンの不安があります。県は、県民が不安を抱いている地点のダイオキシン調査をする必要があります。測定から結果が出るまで四十日ほどかかると言われる調査だけに、早急に対処すべきです。そして、不法投棄されたごみを知事は業者に撤去させると言ったとの話も聞きますが、香川県豊島の二の舞になるだけです。県が早急に撤去すべきです。知事の見解を示してもらいたいと思います。また、この際衛生研究所の調査機能の充実が大きな課題であると思いますが、そのプログラムをお示しいただきたいと思います。 第四は、改定された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、産業廃棄物適正処理推進センターの設置が盛り込まれています。事業者による適正処理の確保を図るための自主的な活動をする法人を指定するわけですが、県がその推進に果たす役割は大きいと言わねばなりません。知事の対応いかんにかかっていると思いますが、お考えを示してください。また、同法第十一条は、県の区域内の産業廃棄物の処理に関する計画を定めなければならないとしています。県の計画書は極めて不十分なものであるという市町村の認識が一般的にあると言われています。とりわけ産業廃棄物の処理施設に関する事項は重要であります。県の認識と、今後の対応についてお示しを願いたいと思います。 第五は、産業廃棄物に関する情報公開についてです。法人情報は、事業競争に支障を来すおそれがあるとして、実質的支障のあるなしの検討の結果に関係なく、非公開にする傾向があると言われています。県もまた同様の認識で、産業廃棄物処理場に関する処分場の処分可能容量、残余容量等の情報を非公開にしてきたようです。ことし四月、青森県で産業廃棄物にかかわる情報公開の非公開処分を取り消す答申が出されました。詳しく述べることは避けますが、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第十八条、第二十九条第四号から、行政運営情報には該当せず、非公開とすべき理由の客観性に欠けるというものであります。こうした認識は全国的なものになると思われます。県は、産業廃棄物に関する情報公開について渋ることなく、これまでの対応を改め、積極化すべきです。知事の見解を示していただきたいと思います。 次に、地方分権について知事にお尋ねいたします。 昨年九月議会で私は、地方分権の受け皿としての体制をどうするのかとお聞きをいたしました。知事は答弁の中で、地方分権の基本とは「地域がみずからが考え、みずから実施すること」で、この見地に立ち、「まず職員が一丸となって時代の要請にこたえる積極的な姿勢で諸般の課題に意欲的に取り組むよう、そういう体制なり指導なりをしてまいりたい」と述べられました。その体制というのはどういうものになりますか、お示しをいただきたいと思います。 私は、かねてから県の南北格差の解消を求めてまいりました。第三次奈良県国土利用画も、基本的には県土の均衡ある発展を基調に施策が組み立てられていますが、その実現の見通しは極めて流動的要素に左右されることを免れません。過般、奈良県市町村地方分権推進会議が開催され、協議が始まったようでありますが、その中でも、「地方行政が企画から実行まで責任を持つことが求められている。県と市町村が相談してその準備体制をつくっていきたい」と副知事があいさつをされたと報道されています。県議会は、二百回県議会を記念して、第一回県議会が開かれた東大寺回廊で開催いたしました。政治、行政の機能は必ずしも完備された施設を必要としません。県庁が奈良市に固定してある必要も必ずしもありません。知事の言う「時代の要請にこたえる積極的な姿勢で諸般の課題に意欲的に取り組む」ための第一歩は、その場にみずからの身を置くことです。まずは十津川に県庁機能を持っていく、そして、順次巡回するなどしていってはどうかと私は思うのですが、知事の見解をお聞かせ願いたい、議員の皆さん方にもご協力を願いたい、このように思うわけであります。 次に、国営総合農地開発事業、いわゆる国営パイロット事業について、昨年九月に質問をいたしました。十三市町村の広い範囲で行われているこの事業は、農業を取り巻く情勢の変化、後継者不足等が重なり、借金だけがふえることになりかねない現状にあることを指摘し、県の支援を求めました。早速県は、元利合計百三十四億九千三百万円の支援策を関係市町村に提示していただきました。農業の重要性の認識のあらわれと評価したいと思います。しかし、私の知るところ、関係者は県の対応を評価しつつも、納得はしていないのであります。すなわち、当初の補助率、国七五%が一方的に変更されたことへの不信感があります。また、借金をして土地を入手しても、投じた価値よりも土地の評価は安いという現実に、農家は営農意欲をそがれると言います。現に、十三市町村の中には荒れるに任せているところもあるやに聞きます。整備した土地が投資しただけの価値があるかどうかが危うい状態にあるわけですから、整備代を返済するに際して、県として利子補給できないか。二つ目には、そのような土地にも資産の評価はされます。新築家屋の固定資産税減免があるように、取得した土地の減免の方途について、県として検討をお願いしたいのであります。かなめは、荒れるに任せる農地をこれ以上つくらないために、県が財源を持って市町村と協議するということであります。積極的な検討を特に要望しておきたいと思います。 教育長にお尋ねをいたします。 私は昨年の九月議会で高校中退問題で質問し、現在議会に提出されている請願内容にも触れながら、教育改革を求めました。その結果、今年三月、全県立高校での編入試験が実施されました。しかし、試験まで一カ月ほどしかなく、何人受験して、何人合格したのかを聞くことすらためらわれます。このことからも、一度高校を退学した者にとって高校の門はいかに遠いかがわかります。高校は中退者を拒んでいるのです。この編入試験のいろんな改善の必要がありそうです。その方向性についてお答えをいただきたいと思います。その際、私がかねてから提案いたしておりますように、欠員が生じている限り、年三回、毎学期実施することについてもお答えをいただきたいと思います。 一人ひとりは、これからの社会でなくてはならない生徒たちです。高校がすべてではないとも言われます。事実、高校中退どころか中学校卒業だけでさまざまな才能を発揮している人も少なくありません。私は、中学校の硬直した進路指導の犠牲者に、さらに二度も三度もみずからの可能性を求めたチャレンジのチャンスを社会が用意しなければならないと思っています。そして、社会がさまざまな能力を持った若者を待っていることに、教育行政が、政治がこたえていかなければならないと思います。現行の高校が中退者を拒むのなら、中退者に開かれた高校、高校に入ってから自分の興味や関心を見つけるところから始められる総合学科など、全国ではさまざまな施策が始まっています。奈良県でも、到達目標と実施年度を明確にした高校改革ビジョンが早急に必要です。 以上が、昨年九月議会での私の質問と、それに対しましてのその後の検討結果についての質問です。教育長の決意をお聞かせいただきたいと思います。 引き続き、知事にお尋ねをいたします。ことし三月十九日に成立した特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法がいよいよ十二月一日から施行されます。今議会に法施行に伴う県条例が提案されています。この法律の目的は、「特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与すること」とされています。この法律が成立するまでには紆余曲折がありましたが、法律は次の十二活動分野を特定非営利活動としています。すなわち、保健、医療又は福祉の増進を図る活動、社会教育、まちづくり、文化、芸術又はスポーツの振興、環境の保全、災害救援、人権の擁護又は平和の推進等であります。NPOは、ある社会的課題を多くの人や団体が協力し合って解決していこうという仕組みと言えます。これをそのNPOを担っている人から見ると、ある社会的課題を多くの人や団体の支援を受けて解決していこうという仕組みとも言えます。 県の担当は県民生活課でボランティア係のようでありますが、ボランティア活動の特徴である無報酬性とNPO活動の特徴である非営利性とを混同しているための誤解も少なくありません。有益な活動領域を持つNPO活動がぜひともこの奈良の地に根づいてほしいものだと思っております。知事にお尋ねをいたします。NPO活動を促進するために県のすべきことがあろうかと思いますが、どのように考えておられますか。国税は法案審議の過程で三年以内に税制優遇措置を検討することとなっていますが、地方税は知事の判断でNPO支援策としてできることがあります。知事の判断をお示し願いたいと思います。 知事も既にご承知かと思いますが、最近大阪で、差別身元調査事件が明らかになりました。調査会社が会員の求めに応じて就職希望者の身元調査をしていた可能性が大なのです。当の調査会社自身はそのような依頼は受けていないとするなど、真相はまだまだ追求されなければならない部分があり、これからの事実確認等を進めなければならないものでありますが、その被害者の中には奈良県民も含まれております。なおまた、調査会社の会員、つまり調査依頼企業も、県内の有力企業十社が含まれていることが明らかになっているわけであります。私が入手した資料によれば、調査は必ずしも部落出身かどうかだけではなく、支持政党、宗教等さまざまな方面に及んでいます。部落出身の場合、調査結果をそのまま記載せず、依頼元には、調査不能とか、履歴書全体に大きく米印をつけるなど、調査結果の符号による報告とおぼしきものも見受けられます。 知事にお尋ねをいたします。失業者がふえ続けています。また、ことしの大学卒業生の就職は大変厳しいものであったと言われています。そして、採用試験に応募してくる学生の身元調査が、さも当然かのように行われており、その調査内容がさきに示したようなものです。既に幾つかの自治体では、個人情報を扱う事業所への規制等を盛り込んだ個人情報保護条例を制定しています。また、三月十日にさきの国会に提出され、継続審議となっている住民基本台帳の一部改正案に、プライバシーの侵害と地方自治の本旨にもとるものとして疑問を提起している自治体もあります。この点についての県の態度は極めてあいまいであり、県のこれまでの差別を許さない行政方針が揺らいでいるのではないかとの危惧すら感じます。差別身元調査事件を契機に、県は制定された人権条例を具体化した施策をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 制定されました県人権条例の具体化について、あと一つお尋ねをいたします。ことし六月十日に惜しくも逝去された元奈良県同和研究会会長佐々木一行先生は、同和教育運動ですばらしい働きをされましたが、「奈良県手をつなぐ親の会」結成にも携わり、熱心に活動されていました。たしか、もう十七年前になろうかと思いますが、私は福祉作業所の充実について先生から熱心な陳情を受けました。当時、福祉作業所への補助金は三十万円ほどだったと思います。福祉作業所は、「手をつなぐ親の会」が中心になって、子どもたちのために必死で支えていました。指導員がついてくれれば、送り迎えや生活指導や仕事の準備などが整い、もっとすばらしい福祉作業所の運営ができるとして、「手をつなぐ親の会」として県に随分と補助金の増額の陳情を続けていますが、なかなか前進しないというものでした。 私も早速、県議会において提起するなど、補助金増額のための行動をともにとってまいりました。現行の福祉作業所補助要綱は全国に誇れるものです。そのもとになった補助要綱ができたときには本当に喜んだものです。障害者の生きがいの場所として機能している作業所は、県の補助制度もあり、県内で五十を超えました。この補助は指導員等の人件費等も含まれていますが、福祉作業所に長年勤め、入所者とともに頑張っている人も少なくないのですが、悩みは補助金の額の少なさです。何とか事業収入をふやし、給与や手当を増額しようとそれぞれの作業所は努力をされていますが、昨今の経済情勢でそれもままなりません。それだけに、福祉作業所補助制度の拡充を待ち望む声は大変大きなものがあります。知事の見解をお聞かせ願いたいと思います。 不況が長期化し、深刻さが一層増大している昨今の情勢であります。銀行の貸し渋りは緩和されず、担保価値も低下し、顧客への金融支援は感じられません。中小零細企業は悲鳴を上げています。私は、事あるごとに中小零細企業への県としての経済対策支援策を求めてまいりました。県は、当初予算に加え、六月には国の政策にあわせ、融資のための補正予算を組みましたが、しかし、借りる人が少ないと聞きます。信用保証協会のことを担保協会とやゆしています。県は今こそ、それがなぜなのか、考えなければなりません。今の金融情勢から見て、銀行の貸し渋りは改まる可能性はありません。県がその救いの手を差し伸べるときです。もっと借りやすくする。秋から冬にかけて不況倒産の風が一層強まることは必至であります。とにかく経営者を元気づけ、頑張る意欲を支える県の施策が必要なのです。知事の判断をお示し願いたいと思います。 次に、大工さん等の人材育成について、知事並びに教育長にお尋ねをいたします。私はこれまでも、奈良県の地場産業の支援策を提起してまいりました。今回は大工さん等の専門技術教育についてお尋ねします。 奈良県の林野面積は二十八万五千ヘクタールで、県面積の七七%を占めています。県がこの豊富な森林資源の活用についてさまざまな施策を講じていることについては承知しています。私がお尋ねしたいのは、その森林資源の活用のもう一方の担い手たる大工さん等の現況とその育成についてであります。高等技術専門校の中卒コースでは、建築--大工、住宅設備--水道工、溶接、家具工芸で、全体の定員はそれぞれ二十人程度と聞いています。建築コースの定員はせいぜい五、六人ということになるわけですが、これで大工さんの育成という要請を充足しているのでしょうか。かつての県訓練所が今の名称になったわけですが、生徒を送り出す中学校の進路指導では、高等技術専門校の位置づけはどのようになっていると認識しておられますか。生徒たちが自分の興味や関心を、誇りを持って学ぶことができるような環境を整備するのが行政の任務だと私は思います。そこで、次のことについてお答えを願いたいわけであります。現在一校しかない高校総合学科を複数設置し、その内容を多様化させる。高等技術専門校もその中の一つとして位置づけ、コースを豊富化させる。次に、木材の生産地として名高い和歌山県龍神村では、材木を利用してもらうためには、遠回りになるかもしれないけれども、大工さんを育てなければならないとして事業を始めたと聞きます。その事業とは、棟梁が大工さんを育てるに当たり、見習い期間の二年間、給与の一部と社会保険料の補助や、道具購入資金の半額を助成するというものです。林業県奈良県がこのような人材育成策を推進するための補助制度が必要かと思うのですが、いかがでしょうか。 次に、製造物責任法に関連して、知事にお尋ねいたします。 製造物責任法が一九九五年に施行されました。その第一条「目的」は、「この法律は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」とあります。最近、新建材など、家が原因で病気になるシックハウス症候群が問題になっています。目、鼻、のどの刺激症状、粘膜の乾燥、じんま疹、湿疹、疲労、疲れやすい、頭痛、風邪にかかりやすい、めまい、吐き気や集中力がなくなる、思考力の低下などの症状が起こると言われています。一千万人を超える人たちが化学物質による被害を受けながら、医師にも、患者にも原因がよくわからず、多くは根本的な治療が行われないでいるといいます。しかし、病原は、食品中の残留農薬、食品添加物、合成洗剤などの家庭用化学薬品、衣類の防虫・抗菌剤、大気汚染物質など生活全般にわたるが、その中で塗料、接着剤、新建材の毒性も大きな要因になっているとされています。 製造物責任法が施行され、これからは建材メーカーや住宅メーカーも法的に製造物責任が問われることになろうと思います。高いお金を出し、二十年以上ものローンで手に入れた住宅が人間の体に合わないものになっていることに対し、木のぬくもり、木の優位性ははっきりしています。問題は、人にやさしい木のよさを取り入れた住宅づくりであります。林業立県、奈良県の材木の優位性を広めるためにも、製造物責任法の趣旨を体してしかるべき対処策が必要かと思いますが、見解をお聞かせいただきたいと思います。例えば、農産物の毒性には神経質だが、日常の暮らしを取り巻いている建築材料が健康に与える影響について、ほとんど知識がないというより、知らされていません。県の対応が必要であります。知事の見解をお示し願いたいと思うわけであります。 以上、まずは第一問の質問にかえたいと思います。いい答弁を期待しながら、まずは降壇をいたしたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(福本虎之祐君) 柿本知事。 ◎知事(柿本善也君) (登壇) 四十九番川口議員のご質問にお答えいたします。 まず最初のご質問は、今回の異常気象並びに集中豪雨、あるいは七号台風についての関連した水害対策のご質問でございます。 まず、台風等に関連してお述べいただきました趣旨につきましては、十分それを踏まえて対処してまいりたいと考えております。とりわけその中でご指摘ありました、治水はすなわち治山という考え方でございますが、私もそのとおり思っておりますし、考え方としては国の制度もそういうふうにできているのではないかと理解している次第でございます。治山・治水対策は一体として長期計画もつくられておると承知している次第でございまして、その趣旨が生かされた形で相互に連携して進められなければならないと、さように考えている次第でございます。今後とも、例えばいろんな流域の治山、総合治水対策にいたしましても、川上から川下までお互いが一体となって、しかも総合的な計画のもとに対応していかなければならないということはご指摘のとおりかと思います。とりわけ今回、かなり奈良県としても今までにかつてない台風の被害を経験したわけでございますので、ご指摘の趣旨を改めて踏まえましてその対応について検討してまいりたいと、さように考えている次第でございます。 なお、本県の水害対策でございますが、夜間の場合の点もご質問でご指摘ございました。深夜における問題というわけではなくて、昼夜を問わず、気象台から気象予報あるいは警報等の通知を受けた場合には、その進め方としては、直ちに河川課内に水防本部を設置することにしております。また、必要によりましては災害対策本部を直ちに置く場合もございますが、そういう水防本部あるいは災害対策本部から情報を、水防管理者である市町村あるいは土木事務所等に連絡いたしまして、水防の配備体制を編成することにしておりまず。さらに、それを受けた水防管理者や土木事務所等は、入手した気象情報、河川情報をもとに避難勧告等の指示を行う、水防活動を行うと、こういうことになっているわけでございます。八月二十七日の集中豪雨による寺川の堤防決壊に際しましては、機関間の情報伝達に若千行き連いがあったということも聞いております。そういう観点から桜井土木事務所におきまして、後日、九月に入りまして、市町村の水防担当者を集めまして、連絡体制の強化、あるいは情報伝達の確認の徹底等につきまして再確認するための会議を開かせていただいております。その他、水防関係につきましてはOA機器を活用した体制の整備を現在進めているところでございますが、こういうものも利用いたしまして、できるだけ県民の方に安心してもらえるような水防体制を取り組むように今後とも努力してまいりたいと、かように考えている次第でございます。 第二点は、廃棄物関係のご質問でございます。 その第一点は、千葉県のいわゆる残土条例についてのお尋ねでございます。お尋ねのいわゆる残土条例は、正式の名称は「千葉県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例」という長い名前でございますが、これは経緯といたしましては、千葉県内の埋立造成地に都内の建設現場から搬入されていた残土から有害物質を検出された、こういうことから土砂等の埋立て等による土壌の汚染等の未然防止を目的として制定されたものと聞いている次第でございます。この条例の骨子につきましては、昨年九月のご質問もございましたので、早速そういう条例等を取り寄せて検討を部局でやっておったわけですが、その条例の規制の骨子を見てみますと、いわゆる他の場所で採取された土砂等、まあ残土と言われますが、これは廃棄物には入らないそうでございますが、この土砂等を使って行う三千平方メートル以上の埋立事業を許可制といたしまして、この許可に当たりましては、埋立てに使用される土砂等の採取場所を特定する。一カ所ではございませんが、特定し、その搬入予定量や期間等を記載して許可申請をさせると、こういうことが決められております。また、埋立事業に使用される土砂等の安全基準、いろんな諸項目がございますが、その基準値であるとか測定方法、これが規則で定められておりまして、許可を受けた場合に、土砂等を搬入しようとするとき、またはその土砂の量が五千立米を超えたごとに、当該採取場所から採取された土砂等であることを証する書面、あるいは当該土砂等が安全基準に適合していることを証する書面を添付して届出をするというようなことが、見たところの骨子ではなかろうかと思います。 この制度は、埋立事業のように相当な規模で土砂等が搬入され、土砂等の採取場所が特定される場合に有害物質の混入の程度を関係者の証明書等でチェックするシステムでございまして、手法としては緻密な制度になっているなという印象を持っている次第でございます。ただ、この条例は本年一月から施行されたところでございまして、実施状況についても、担当部局が再三問い合わせておるのでございますが、施行後まだ日が浅いこともありまして、現在のところ、参考とすべきデータも収集できない段階にあります。今後その成果をよく聴取いたしまして、本県の廃棄物等の問題に役立て得るよう、あるいはそういう点についてさらに検討してまいりたいと考えている次第でございます。 廃棄物問題の第二点は、室生村多田の処分場についてのご質問でございまして、とりわけ改善命令や措置命令をなぜしなかったのかというご質問でございます。この事案につきましては地元から苦情も出されておりまして、県でも重点的なパトロールを行ってきたところでございます。ただ残念なことに、パトロールの際には処分基準に著しく違反するような行為は確認できなかったようでございます。ただ、昨年三月に水質調査をいたしましたところ、BODが管理型処分地の排水基準を超える数値が検出されたため、これは四月、五月と追跡調査を行っております。その際は基準値内の数値が出ましたので、一過性のものと判断したとのことでございます。また、本年に入りまして二月と七月に、やはり管理型の処分場に適用される総窒素--トータルNの基準値を超える数値が検出されましたので、これにつきましては業者の方で自主的に水処理プラントを設置しまして、処理後の水質検査では、BOD、トータルNの数値は良好な状態であったと、こういうことでございますので、措置命令には至らなかったということでございます。しかし、ところが、昨年八月のパトロールの際には、中間処理施設におきまして安定五品目以外の廃棄物の保管が認められました。そこで担当者が厳しく指導したところ、直ちに撤去が行われた、こういうことでございまして、この件は保管施設の保管であったこともあり、てんまつ書等を提出させて、この際の命令は発動しなかったものでございます。ご質問にございました今回の措置でございますが、特に奈良県--知事部局と警察とが合同で、六月二十四日に夜間の調査、さらに八月八日には掘削調査によりまして、ご指摘の違反行為が判明したものでございます。この点につきましては、この時点で業者から改善する旨の申し出があったもので、現在その改善案を指導中でございますので、この時点の改善命令等は行わなかったと聞いております。 以上が主な経過でございますが、でき得べくんば、業者による自発的な行動により、法律にのっとってしっかりとやっていただくことが望ましいわけでございますが、ご指摘にもございましたようなことでございますので、事態によっては権限による処分も当然行うことにいたしたいと考えております。また、今回の経過を見まして、やはり監視のためのパトロールがまだまだ十分ではなかったのではないか。これを強化する必要を痛感いたしましたので、年度途中ではございますが、監視体制の強化のために必要な予算措置の追加をこの九月議会でお願いしているところでございます。 次に、廃棄物対策の第三点目でございますが、県外廃棄物の本県搬入抑止対策要綱というものがあるが、これが守られていないのではないかと、こういうご質問でございます。確かに昭和五十一年に県外廃棄物の本県搬入抑止対策要綱を定めていることは事実でございます。ただ、現実には県内の廃棄物の実態といたしましては、一般廃棄物、焼却灰の半分近くが大阪へ搬出されております。これはフェニックス計画を利用したものでございます。また産業廃棄物についても、ご指摘がございましたように、県外に大量搬出されている状況にございます。また、感染性の廃棄物とか特定有害産業廃棄物については、県内に処分場がないため、すべて県外に搬出されていると、こういう状況にございます。このような現状を考えますと、県内への搬入だけを一方的に抑止するということは現実的には困難な状況ではないか、そういうふうになっていると、こう判断している次第でございます。 次に、産業廃棄物の排出企業数等の状況でございますが、事業所統計等から推測いたしますと、産業廃棄物を排出する事業所数は、平成八年度の段階で約五万一千事業所程度と考えられております。なお、これらの事業所のうちで大量に産業廃棄物を排出すると考える事業所、基準といたしましては年に五百トン以上排出する事業所を考えておるわけですが、これは平成三年の実態調査では約百四十事業所があるそうでございますが、この事業所につきましては、排出量とか処理の状況について毎年抽出調査を行っているところでございます。なお、今年度につきましては、約四千社を対象に第三次産業廃棄物処理基本計画策定のための実態調査を行っている次第でございます。 企業責任についてのお尋ねがございましたが、企業責任につきましては、法律に基づく適正処理はもちろん、排出事業者の役割として、発生量の抑制、あるいは資源化、再利用の促進等に取り組んでいただくことが当然でございまして、平成八年度からは順次立入り指導をしてきたところでございます。また、今回の法改正により、マニフェスト制度がすべての産業廃棄物に義務づけられることになりましたので、企業責任が明確にされたということでございます。今後はこれらの趣旨に基づきまして、より一層の指導を進めてまいりたいと、かように考えております。 次に、ダイオキシンについての調査の問題でございます。ダイオキシン調査につきましては、実は既に当該業者が検査資格を有する機関に委託いたしまして実施しております。調査結果は特に問題ないとの報告を受けているところでございます。 それから、室生村の処分場からの安定五品目以外のものの撤去についてでございますが、近く業者から撤去を含めた改善計画が出されることになっております。それに従って来月早々にも着手されるものと聞いている次第でございます。なお、一般論といたしまして撤去は原因者が行うことが基本であるというふうに考えている次第でございます。 それから、ダイオキシン類による県民の健康への影響については、これはもうお説のとおり早急に対応しなければならない課題であると考えている次第でございます。そのために、衛生研究所の体制についてのご指摘がございました。ご指摘のとおり、検査体制の充実を図ることが必要であるということで認識している次第でございまして、衛生研究所は大変繁忙にもなっておりました。そういうことで、かつては衛生研究所の過重な負担を減らすために、市町村の水質検査については別途の検査所を設置することも行った次第でございますが、このダイオキシン類の調査につきましては、今後、民間分析機関の活用も含めながら体制のあり方について研究してまいりたいと考えております。 次は、産業廃棄物適正処理推進センターの設置についてのご質問でございます。今回の法改正によりまして設置が盛られております産業廃棄物適正処理推進センターにつきましては、全国で一カ所、厚生大臣が指定することにされておりまして、これは国と事業者の出捐により設置されるものでございます。その主たる業務は、不法投棄に対して原状回復措置を図るために、都道府県等に対してその費用の一部を補助するということでございます不法投棄は行為者による原状回復が基本でございますが、投棄者が不明等の場合の一定の要件のもとに適用されるものと承知しております。県では、五十五年四月から不法投棄の撤去について市町村に対する補助制度を設け、対処してきたところでございますが、今後は個別の事例に即して、この適正処理推進センターの制度の活用についても検討してまいる必要があると考えております。しかし、いずれにしてもこのような事案が生じないことがまず望ましいわけでございますので、そういう面についての指導をしていくこと、あるいはそういう監視をすることが重要であろうと、こう考えている次第でございます。 それから、産業廃棄物処理基本計画のご質問でございますが、現在の第二次奈良県産業廃棄物処理基本計画は、適正処理の推進、資源化、減量化の推進、それから最終処分地の確保の推進等を基本方針として、平成二年度から平成十一年度までの十カ年を目標年次として決められたものでございます。しかしながら、この間二度の大きな法律改正が行われたことから、状況の変化を踏まえた計画の見直しが必要と考えられておりまして、着手しているところでございます。現在、次期基本計画の策定に向け、準備を進めているところでございまして、その取り組みの一つとして本年度において産業廃棄物の実態調査を行っているところでございます。この調査結果を踏まえ、減量化、資源化等の目標の設定や、処理施設としての方策等を次期基本計画に反映いたしたいと考えている次第でございます。 もう一点、産業廃棄物の情報公開についてのご質問でございますが、産業廃棄物に関する情報公開につきましては、情報公開制度が始まってまだ日が浅いのでございますが、住民の関心は大変高うございまして、これまで二十六件の公開請求が出されております。その公開につきましては、次の二点を除き、すなわち特定の個人名、それから業者が実施し県に報告された検査データ等の一部を除きまして、積極的に開示しているところでございます。例えば処分場の処分可能容量についても開示しております。今後とも条例に従いまして誠実に対応してまいりたいと考えております。 次の大きな点は、地方分権の推進についてでございます。 昨年私がご答弁申し上げました点について、その体制をどう考えているかと、こういうご質問でございます。もう再度申し上げるのはなにですが、実効ある地方分権を推進するために何が一番ポイントかというと、やはり一番の基本的な考え方は、地域みずから考え、みずから実施するという地方分権の基本を踏まえて、それぞれの地域における政策をみずから考え、実施していくという、そういう自治体の姿勢ということが大切だと考えておりまして、そのことが、地域ごとの個性豊かなまちづくりとか、あるいは均衡ある発展にも極めて重要であると、こういうふうに認識している次第でございます。とりわけその行政主体の仕事をする地方分権の受け皿でまず大切なのは、そういう地方分権のねらいというか趣旨というものを踏まえた職員の意識のあり方だと私は考えている次第でございまして、職員一人ひとりがそれぞれの職務なり持ち場において、諸般の課題に分権の観点に立って主体的かつ積極的に取り組むことが、制度その他財源の問題も重要でございますが、大きなかぎになる、こういうふうに考えている次第でございまして、そうした意識を醸成するため、私自身も一人として、管理者研修とか、あらゆる機会を通じてそういう意識改革、あるいは意識の高揚に努めているところでございます。去る五月に地方分権推進計画が閣議決定されまして、いよいよ地方分権の時代が本格的に実施段階に入った、こういうことになるわけでございますが、やはりいろんな必要な諸事業を効率的、効果的に執行するとか、そのため団体としての企画調整機能の強化など、地方分権時代にふさわしい行財政システムの構築を目指してまいりたい、こういうふうに考えておりまして、そうした新しい課題に向けた機動的な組織体制の整備などの検討を現在、新行財政システム推進本部会議を中心に行っているところでございます。また、市町村との関係につきましては、この地方分権の推進に向けて、県と市町村との役割分担、それと、それを踏まえたより一層緊密な連携体制を築くことが重要な柱と考えております。そういう意味で本年八月、ご質問でご指摘いただきましたように、副知事を会長とする、市長会、町村会の代表や県の部局長で構成する奈良県市町村地方分権推進会議を設置したところでございまして、この場におきまして新しい時代にふさわしい県と市町村との連携関係の確立に努めてまいりたいと考えております。 この点に関連して、南北格差の解消等に関連して、十津川に県庁機能を持っていったらどうかということも含めたご質問がございました。地方分権を推進する基本の一つといたしまして、基礎的な自治体としての市町村と広域的な自治体である県とがそれぞれの役割分担を明確に意識することは重要でございますが、同時に、運用面では各組織、各責任者が、自分の目、あるいは自分の考えで事に当たるという意識も必要でございます。ご指摘いただいたようなのとよく似通った点があると思いますが、私はこういう観点から時折職員に対して、可能な限り県内外の現場に赴いて視野を広めてもらいたい、仮に県庁に身を置いている場合でも、自分の目の原点を施策のある現場に移して考えようではないか、そうすれば、おのずから考え方にも違いが出てくると、こういうことを申し上げております。県庁に座っているから十津川を北から見ているんじゃなくて、南からも見るべきであると、まあ例を拝借するとそういうことになるわけでございます。十津川に県庁をというのは、こういう方向での責重な例示ないしご示唆と受け取らせていただきたいと思う次第でございます。やはり、県土の均衡ある発展には、もとより各市町村が地域特性を発揮して活力に満ちた地域社会を実現していくことが不可欠であると思いますが、県といたしましても、広域行政の推進支援、あるいは過疎地域の振興に当たりましては、このような意識改革、今申し上げましたような意識改革等を通じて県政の重要施策や課題に当たりまして、均衡ある県勢の発展と総合的な地域づくりに向けて今後とも努力してまいりたい、さように考えている次第でございますので、ご理解を賜りたいと思います。 次に、NPO法についてのご質問でございます。 NPOは、その多くがボランティアグループとか、あるいはその種の団体が発展的に成長を遂げてきたものであると考えている次第でございまして、このNPO活動に対する支援につきましても、ボランティア活動に対する支援と同様、側面的支援を原則としながら、団体の自主と自立を損なわないことは大切であると考えております。今日まで、もうご承知のとおりでございますが、本県でボランティア活動について基本指針をつくりまして、あるいは機運の醸成として、写真集をつくったり、情報誌を発行したり、あるいは各種の養成講座を設けたり、各種のイベントや、あるいは条件整備として交流活動の場を設け、あるいは情報提供として奈良ボランティアネットの運用も図っている次第でございまして、NPO活動についてもこの種の施策が一つの支援になるのではないかと考えております。 さらに、NPO法人に対する税法上の取扱いでございますが、現在は公益法人等と普通法人--これは企業等でございますが--の中間的な公益事業を行う法人格のない社団、財団に対する取扱いと同様な措置が講じられているところでございます。なお、これはお触れいただきましたが、寄附金等の取扱いについは三年以内に税制の扱いについて検討を加えられると、こういうことになっております。県税についてできることがあるのではないかというお話でございます。県税の取扱いにおきましては、NPO法の考え方を踏まえつつ、公益を目的とした、収益事業を行わない団体と同様、収益事業を行わないNPO法人に対しての法人県民税の均等割につきましては課税免除とする方向で検討しておりまして、申告義務の生ずる十一年度までに必要な措置を講じてまいりたいと、さように考えております。 次は、人権条例の具体化に関連してのご質問でございます。 第一点は、差別身元調査をしていた可能性が大きいという事案についてのご質問でございます。我々の認識としては、部落地名総鑑発覚以来、運動団体をはじめとして行政及び関係者が啓発を重ねてきた、こういう経緯があるわけでございまして、他府県の企業でございますが、起こした今回のそうした可能性のある事案というものは、市民的権利、自由を侵害する可能性のある事件として誠に遺憾であると、さように考える次第でございまして、このような事件は起こしてはならないということを改めてそれぞれが自己に銘じる必要があると考えております。本県についての取り組みでございますが、人権政策の推進を施策の大きな柱の一つとして位置づけておる次第でございまして、就職差別につながる身元調査に対する企業啓発をはじめ、人権の確立と同和問題をはじめとするあらゆる差別の解消を目指す施策を実施してきた次第でございまして、また、本年三月には「人権教育のための国連十年」奈良県行動計画を策定いたしまして、この行動計画推進本部を設置して、全庁的な体制で推進していることでございまして、今後もこうした条例の趣旨を十分踏まえ、取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。 人権条例の具体化に関連してもう一点は、福祉作業所の補助制度についてのお尋ねでございます。この制度は、国の制度を補完する目的で県単独でやっている事業でございます。障害者の社会参加とか自立の促進を図るため、市町村を通じて福祉作業所への支援に努めている次第でございまして、少ないじゃないかというご質問でございましたが、当方といたしましても、例えば平成七年度には重度加算制度を創設したり、あるいは平成八年度には人件費等の補助基準額を引き上げるなどの改善措置を講じてきたということもご理解を賜りたいと思います。なお、福祉作業所の安定した運営を図るためには、在宅精神薄弱者のデイサービスの事業とか、あるいは法律に基づく授産施設への転換を積極的に推進するようなことも必要でございます。こういう観点から市町村と協議しておりますし、また、転換への条件整備について、関係機関、関係団体とも話し合ってまいりたいと考えております。いずれにしても、質問のご趣旨を踏まえ、今後とも、在宅心身障害者の支援に努めるとともに、国に対しても福祉作業所への助成措置を充実されるよう強く要望してまいりたいと考えております。 次は、中小企業に対する県の支援でございます。 現下の厳しい経営環境については、先ほどもお答えしたとおりでございまして、全般的に業況が悪化しているという認識に立っておりますし、また、今後の資金調達については、もう特定業種じゃなくて、広く業種にわたりまして逼迫した情勢が予想されているところでございまして、そういう観点から県としてもできる限りのことをしようということで中小企業の金融円滑化対策の措置をやっているわけでございまして、そのために今回も六月で補正させていただきました内容の充実を、先ほどお答えしたとおり、県単独の不況業種に対する特別融資制度とか、あるいは特定短期資金の拡充とか、こういうことを図っている次第でございます。また、そうはいうものの、実効性の問題はどうかということでございます。中小企業者に対する金融支援策の実効性の確保につきましては、県制度融資の活用促進が不可欠であると考えておりまして、県信用保証協会に対して柔軟な保証対応を要請するとともに、さきに閣議決定されております中小企業等貸し渋り対策要綱に基づく実施内容、これはまだ決まっておりませんが、確定次第、県としても必要な対策について、国と協調しながら適切に対応してまいりたい。また、先ほども申し上げましたが、金融の円滑化については、金融情報連絡会を通じて対応しておりますが、今後とも適宜の機会をとらえて協力の要請をしてまいりたいと、さように考えている次第でございます。 次は、大工さんのお話でございます。 県の高等技術専門校におきましては、建設関係で、建築、住宅設備、溶接の三科でおのおの二十名の定員を設定して訓練を行っている次第でございます。ご指摘のように、職業訓練と職業教育を充実し、誇りの持てる技能者の養成、職業人の育成は大変重要だという認識をしております。これで十分かと言われると、やはり今後ともさらにその資質の向上を図っていかなければならないと思っておりますが、専門校の評価を高めるためには、訓練生の職業紹介の充実とか、あるいは学校訪問の強化による専門校のPR、あるいは資格取得の推進などを図りまして、その評価を高めるように努力していきたいと思っております。 なお、大工さんの育成は、今後も産業を支える人材の育成という観点から大変重要でございますが、この点につきましては、県立の施設とは別途に、民間の職業訓練校においても、工務店などの従業員を対象に夜間訓練を実施しているわけでございまして、これらを含めた充実、さらには、これは教育長からお答えすることと思いますが、学校のあり方を含めて、技能者の人材の確保、養成について今後とも努力してまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。 なお、民間各事業所における従業員の訓練につきましては、その要した経費の一部を給付金として助成しておりますし、また、この啓発強化も図ってまいりたいと思いますが、同時に、やはり人材を確保するためには、後の問題にも関連するかもしれませんが、木材住宅の建設促進に向けた取り組みも大切だと思っております。県産材の利用普及、県産材の利用相談の促進等、木材住宅のよさをPRしながら、その需要の拡大ということもやはり重要な柱として進めてまいりたいと、さように考えている次第でございます。 最後の点は、製造物責任法に関連して、シックハウス症候群についてのご質問でございます。 確かに、せっかくの住宅が人間の体に合わないと言われたのでは、大変失望きわまりない話になろうかと思います。県では、シックハウス症候群の問題につきましては、これはまだそう答えが確定していないところもございますので、最新の情報を集めつつ、県民に対し、消費生活相談とか、あるいは各種の啓発講座を開催するなど、住宅環境に対する知識の向上に努めているところでございます。また、業界といたしましては、集成材業界におきまして接着剤等の使用基準づくりに取り組んでおられるところでございますが、この点につきましては、林業試験場において業界に対する指導・助言を実施しておりますし、これの強化も図らなければならないと、こういうふうに考えております。そのほか、先ほど申し上げましたように、木造住宅のよさというものを十分PRいたしまして、そのよさを生かしたような施策を今後とも推進していきたい、そういう形でご質問の趣旨にこれから--まあ答えの決まっていない部分もありますが、そういう点も含めまして、ご質問の趣旨を生かしながらこの問題に取り組んでまいりたいと、さように考えております。 以上でございます。 ○副議長(福本虎之祐君) 天根教育長。
    ◎教育長(天根俊治君) (登壇) 四十九番川口議員のご質問にお答えいたします。 議員からは、平素から子どもの教育についていろいろご提起をいただき、我々はそういったものを参考にしながら行政を進めているわけでございますけれども、先ほどお話もございましたように、昨年、いわゆる中途退学者への対応ということでのご提起をいただきました。そういうご提起を受けながら、公立学校を一たん中退した者を再度同じ学校へ受け入れるという再入学と、それから、他の学校へ受け入れていくという編入学の制度を整備いたしました。再入学につきましては、この期間を一年延長いたしまして、再入学できる期間を二年間に拡大しよう、そして編入学制度を拡充しよう、そういうことに取り組んだわけでございますけれども、これもご指摘ございましたように、昨年度の結果はそんなに多くの応募を得ることができませんでした。これは、議会への請願も踏まえて、不十分ながらできるだけ早くやっていこう、こういう立場で早期に即実施に踏み切ったところにも原因があろうかと思いますが、当時マスコミの皆さん方からは、全国に先駆けてと大々的に取り上げていただきました。そういうあたりの周知がある程度広がったという期待もあったのでございますけれども、そういう反省に立ちまして、本年度は、まず一つは、ここ一、二年に退学した者を中心といたしまして、退学者へこの制度の周知と、そしてアフターケアの意味を兼ねて進路にかかわっての制度の周知をまずやろうということで、各学校へ通知をしているところでございます。もう一方では、各学校がどういう学校で、どういう試験で実施するかということにつきまして、昨年度も公表が二月になってしまった経緯がございます。本年度はできるだけ年度内に取りまとめまして公表できるように、まず努めていきたいと考えております。 それから、年三回にというお話でございます。転入学につきましては、Aという学校での授業の継続をBという学校で実施するということで、これにはさほど問題はないわけでございますけれども、一たん退学した者につきましては、途中での入学は、現在の単位制の関係からいうと非常に単位認定が難しゅうございまして、現在の制度の中では四月の受入れしかやむを得ないのではないか、そんな考え方でおりまして、そういうことでの現段階でのご理解をお願いできたらと、かように考えております。 また、高等学校のあり方に関しましては、今まではどちらかといいますと画一性指導が中心でございました。それを見直しまして、指導形態であるとか、あるいはまた弾力的な運用であるとか、あるいは新しいカリキュラム開発という学校中心の改革に取り組んできたところでございます。今後は、そうした学校の運営、中身の問題だけではなくて、学校のありようそのものにつきましてもさらに研究をしていく必要があろうかと、かように考えておる次第でございます。ただ、この実施にかかわりましては法改正が必要な部分もあるわけでございますけれども、先を見てのいろいろ研究の取り組みをしていきたいと考えております。また、これからのありようにつきましては、先日出ました教育課程審議会の最終答申を受けまして、近々、いわゆる弾力化された方向が多分入ってこようかと思うわけでございますけれども、新しい方向づけも行われるところでございます。それに加えまして、特に県立高校におきましてはいわゆる生徒数の減少というのもあるわけでございます。そういうことも踏まえまして、県立高校の将来構想を策定する必要があると私も考えているところでございまして、現在、内部でその資料等につきまして検討をしているところでございます。ビジョンを含めて早期に必要だとの議員のご指摘も、私も同じように考えて、少々焦りぎみで取り組んでいるところでございます。今後は、関係者の意見もいろいろお聞きしながら、二十一世紀における高校のありようにつきまして練り上げていきたいと、かように思っている次第でございます。 その次に、大工さん等の人材育成の件でございます。. 私も、例えば植木を育てるのに、植木の根本に肥やしをやれば植木は枯れてしまう、周辺部に肥やしをやることによって植木はよく育つという、そういう発想のご提起と、いわゆる広い意味で取り組めと、こういうご指摘ととらえておるわけでございますけれども、今現在では、職業教育、とりわけ大工業の育成にかかわりましては、県立高等学校の建築科で広い意味での建築基礎を中心に学習しておるところでございまして、学校によりましては、毎年卒業生の大体二〇%がいわゆる大工業についている学校もあるわけでございます。ご指摘の意味も含めまして、学校でこれから新しい教育課程の中で課題研究等の時間も入ってこようかと思います。そういったところでさらなる工夫もしていけたらと考えているところでございます。 また、それに加えまして総合学科の複数設置のお話もございました。このご提言も謙虚に受けとめてはおるわけでございますけれども、ただ、総合学科につきましては、入学してからいろんなことを経験をして、そして自分の方向性が決められるという、そういうメリットは大いにあるわけでございますけれども、一方では、三年の間でその方向性を持って、出口の問題で、その基礎的な教育が不十分ではないかというような指摘をされることもございまして、そのあり方につきましては慎重に検討していく必要があると考えております。だだ、これからいろいろ専門的な技術を有する人材が求められる時代でございますので、例えば外国における専門学校等を例にしながら、従来の学校の枠にとらわれないシステム、ご提起ございましたいわゆる専修学校、あるいはまた専門学校、あるいはまた就業体験、いわゆるインターンシップ等々、こういったものも視野に入れながら、職業教育のありようにつきましてぜひ研究していかなきゃならない、そういう必要がある時期だと私も考えておる次第でございます。取り組んでいきたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(福本虎之祐君) 川口正志君。 ◆四十九番(川口正志君) 知事も教育長も随分丁寧に答えてくれたようですけれども、かゆいところを靴の上から、かいてるんだったらまだましだけど、なでているようなもんで、丁寧に丁寧におっしゃっただけではないかと、こういう気持ちです。きょうは十分議論はできませんから、率直に申し上げます。 産廃の問題、室生村の被害、室生村をはじめとして幾つかの地域があるわけですけれども、では、産廃の処分場になっているところは、地勢上不運でしたねえと、それで済まされるのかどうなのか、ここのところを明確にやっぱりすべきだ。それが方針であり、対策でなけりゃならん。一般論を言うてるだけでは問題の解決にならんわけです。具体論でなけりゃならん。そのことを、では、室生村は産廃の課題、問題からいつどのような形で救われるのか、これをひとつ明確にどんずばり出されるべしだと、こう申し上げたいわけです。法律、条例、要綱、いろいろおつくりだ。不要なものはなくしたらいいわけです、不要なものは。そして新しいものをおつくりになったらいいわけです。今日の間尺に合うものをつくらにゃならん。今までの要綱は、つくりながら生かしていない。なぜだと、こうなりますね。つまり、行政側の失敗が素通りをして、受益者やいろんなかかわり合いのある者の失敗が問われる、こういうような姿になっているのではないか。例えば、社長が逮捕された。これ、社長だけで問題が済まんのじゃないか。例えばね、医療機器が入っておったんでしょう。これ、どうして追及をしないんだ、企業責任を追及をすべしだと、こう言ってるわけでしょうが。どっかで紛れましたんでは済まんでしょうが。例えば私はそう指摘をしたわけです。法律に基づいて物事をやっております、行政はきちっとやってるんですと。では、そういうことを申し上げたら、司法で問題を解決しなさいと言ってるように聞こえるかわかりませんけど、司法だけでは問題の解決にならんですよ、この産廃の問題は。排出企業がきちっと責任をとる。一番迷惑を受けているのが住民です。しかし、中間で働いている処分業者だって大変苦労してるんです、処分業者だってね。ひしめいてる、真ん中で。矛盾があるんです。両面があるんですよ。けれども、やっぱり一番迷惑をしている住民の立場で物事を見つめる。これがなけりゃならん。 話がチャンポンなり混同した形で言いますけど、私、十津川に県庁を持っていきなさいと言うた。あなたは、今いいことをおっしゃったわけです。その目線、目の位置、まあこう言っちゃ悪いけど、県庁、何千人と職員おりますけれども、十津川を知らない県庁職員もたくさんおりますよ。まあそこへ行かなきゃ発想の転換はできないというわけではないけれども、私が十津川の問題を提起しているのは、発想の転換ですよ。地球儀をいつも北極を上に見てるだけではどうにもならん、南極を上にして一遍見てごらんよと、こう言うのと一緒です。 だから、今の産廃の問題にまた戻りますけれども、室生村はいつ救われるのか、知事、それを答えてください。 ○副議長(福本虎之祐君) 柿本知事。 ◎知事(柿本善也君) 大変割り切ったご質問でございますが、確かに今、室生村の地元の方にとっては、今のご質問は一番適切な当を得たご質問かと思いますが、やはり白紙ではございませんで、いろんな関係者がいろんな行為をして現在に至っているわけでございます。いわば糸がもつれた状態になっているという表現が当たっているかどうかわかりませんが、そういう状態だと思います。この糸をほぐすためには、やっぱりいろんなそれぞれに適切な対応をしながらこれをほぐしていかなければならないと思いますので、確かにいつとお答えできたらいいんですが、やはり糸をほぐすのはなかなか苦労な作業でございますので、それについてはちょっとお答えいたしかねますが、できるだけいろんな努力をしながら最善の、早期に解決できるように努力いたしたい、そういう決意を申し上げまして、答弁にかえさせていただきたいと思います。 ○副議長(福本虎之祐君) 川口正志君。 ◆四十九番(川口正志君) 物事はそんなに短絡なもんじゃないと。私もわかる。お互い、わかってるんです。では、その短絡でない複雑な絡み合うた問題をほぐすための手だてというのはどうあるべきか。では、室生村と、室生の住民の皆さん方と県が真剣に具体論で話し合ったことがあるのかどうか。私、室生村の産廃処分場に関する申入れをもらっております、これね。(資料を示す)今度予算委員会でまた持ち出しますけどね、これにかかわって、この文書を見れば、室生村は怒りの発言しかないわけです。県の方は、どうして抽象的に事の逃れをしようかという態度しかないというのが、この申入れの文脈にありありと出てると私は思うんです、ありありとね。 その基本姿勢を私は尋ねたい、基本姿勢をね。これは産廃の問題、大変な問題です、率直に申し上げてね。日本の社会構造、企業構造にかかわっての重要な問題だから、一地方の問題じゃないけど、やはり普遍的に物事は考えにゃいかんし、では、室生村に、この処分場がある上に何らかの利益があるのか、害ばかりではないかと。利害のバランスがあってこそ物事の処理ができると私は思いますけど、そういう積極姿勢ね。県は逃げの姿勢ではなしに、いろんな絡みで室生村と話し合うという謙虚な姿勢がおありかどうか、もう「言だけ聞いておきたいわけです。 今度もう一遍立てませんから、ついでにしゃべっておきますけどね、もう一点は人権の関係ですけれども、身元保証にかかわっての調査、この調査企業が奈良県のかなり優秀な企業です。国連の人権教育十カ年計画の展開だけでこの問題の解決にならない。県はやっぱり積極的に関係者と連携をとりながら対応していく必要があろうと私は思うんです。そうでなきゃ、何でも啓発で物事が済む、そんな世の中ではない。それは大いに啓発も進めにゃいかんけれども、時にはやっぱり具体論で突っ込み合わにゃいかん。お互いがかみ合わなきゃならん。そうでない限り問題の解決がないのではないかと、このように思うんです。 いろんな問題たくさんありますがね、大工さんの問題は、これ、森林立県としての奈良県の具体的な提起としてやっぱり積極的に受けとめる必要があるんじゃないかと。今、材木を輸出するわけにいかんのですよ。今や材木を買うのは、港へ買いに行っているわけでしょう。材木は山にあるはずなのに海へ買いに行っているという、 こういう現象は逆立ちをしているんだから、これはやっぱり是正をする方向をね。家を一軒二軒建てたって、材木はそんなにたくさん要らないかもわからんけれども、そういう基礎的なものが常に大事ではないかと。シックハウス症候群の問題とも絡めながら総合的に、私は奈良県の山林、森林の問題を考える。なかんずく南北格差の是正、これを申し上げているという本意だけを正しく受けとめていただきたい。 まだもうちょっと残っていますけれども、ちょっとだけ残しておきましょう。 ○副議長(福本虎之祐君) 柿本知事。 ◎知事(柿本善也君) 産業廃棄物に係る地元のいろいろご苦労は、我々も察している次第でございまして、決して一般論、抽象論で県が済まそうと思っているわけではございません。いろいろしながら、村の関係者の方々も必要に応じていつでも話し合う姿勢は基本的に持っているつもりでございますので、対応いたしたいと思います。 ○副議長(福本虎之祐君) これをもって当局に対する代表質問を終わります。 しばらく休憩いたします。 △午後四時十六分休憩    -------------------------------- △午後四時三十九分再開 〇議長(寺澤正男 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ただいまより当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、四十六番梶川虔二君に発言を許します。--四十六番梶川虔二君。(拍手) ◆四十六番(梶川虔二君) (登壇) 議長のご指名をいただきましたので、ただいまから一般質問をさせていただきます。 先日、ある県の幹部職員から、梶川さんの質問はいろんなものが出てきますなあと言われまして、若干痛快に感じながら、かつ気になるところもあったのでございますが、きょうはいろいろな県民の意見を聞きまして、できるだけオーソドックスな形で質問をしたいと思いますので、よろしくお願いをします。 まず第一点目として、重度重複障害者の問題についてお尋ねをいたします。 私の近くに重度重複障害児を持った母親があります。七年ぐらい前に夫を亡くして、親一人、子一人の生活をしております。その障害児は奈良養護学校高等部に通学をしております。母親が働かなければ生活できません。 仲間と福祉作業所をつくり、家庭生ごみを有機肥料にするのに使うEMばかしをつくって売っております。ひとりで頑張っているのですが、最近ではどうしてもやり切れなくなり、通学スクールバスから家に帰る道はヘルパーの力をかりようと、今その方法について検討をしておるところでございます。このヘルパーも、福祉部は通学目的は福祉と違うからだめだと言うし、教育委員会は、夜間中学の障害者通学にヘルパーが欲しいと言えば、ヘルパーは福祉の問題だと言って、双方とも障害者のことは全然考えてくれません。双方で話し合う場をつくって、十八歳以下の障害児の通学にヘルパーがつけられるようにしてください。いかがでしょうか。 この重度重複障害児は、今は学校に行っているから何とかなっていますが、卒業しますとたちまち預け入れるところがなく、母親も安心して働けません。地域に学童保育のような施設が欲しい、また、重度重複障害児にとって医療は食事と同様不可欠であり、医療費以外に通院交通費など有形無形の負担があり、何としても障害者医療無料制度は継続、充実してほしいなどと思いを聞かせていただきました。今、県では、障害者医療、母子医療、老人医療、乳幼児医療無料制度のあり方検討委員会を持っていますが、ぜひ配慮するよう要望をしておきます。 そこで、重度重複障害児にかかわる点でお尋ねをいたします。介助補助のための福祉機器の購入や家屋改造に補助金を出していますが、機器の機能、品種も日進月歩であり、絶えず対象や補助率など見直しの必要があると思います。屋内昇降機には補助が出るが、屋外の昇降機や改造は補助の対象にならない。自動車についても、障害者本人の所有でないと免税の対象にならない。このことについてはこのたびは申し上げませんが、改造の場合も、本人運転のための改造だけが対象で、母親が運転する車に乗りおりする重度重複障害児や脳性麻卑の障害者の介助のための改造は補助の対象にならないと聞いて驚きました。また、子どもには電動車いすの許可がおりないとか、屋内のつり具にもいろいろな現実的でない規制があるなど、問題点があると聞いております。福祉を誇る奈良県として県単ででも見直す必要があるように思いますが、いかがでしょうか。 また、奈良県は重度重複障害者の通園施設は少しおくれているように思います。本年から東大寺整肢園十五人、吉野学園五人の計画がありますが、この進捗はいかがでしょうか。今私が話したようなケースは、母親は働かなければならない、子どもの通園も介助しなければならないということですから、当然通園距離も限られます。北和と南和ということでなく、厚生省が求めているように保健福祉圏域を定めて、例えば一消防署管内を保健福祉圏域にするとかして、その圏域の中に重度重複障害児の通園施設を計画していただきたいと思います。また、通園バス事業もあわせて行っていただきますようお願いをいたします。以上、柿本知事のご見解をお聞かせください。 続いて第二点目として、障害者の雇用問題についてお尋ねをいたします。 景気の低迷は、失業率四・三%と最悪の事態になっております。雇用問題は、社会的に一番弱い障害者、パート労働などに解雇という形であらわれてきますし、また、新規雇用に当たっては大変厳しいものがあります。私がお話を聞いた自閉症の人も、来年養護学校高等部を卒業予定で、就職を希望していますが、いまだに働けるところがありません。この七月から障害者の雇用率が、企業の場合一・六%から一・八%に、役所の場合一・九%から二・一%になりました。また、障害者義務雇用に知的障害者も含まれました。そこで質問ですが、この一年間に解雇された障害者は幾人ありましたか。ことし就職を希望した障害者の就職率は、現時点で幾らになっておりますか。雇用率アップに対し、県はどのような対策をしていますか。もともと雇用率を達成していない事業所はさらに雇用未達成率が上がると思いますが、幾社あり、どのように指導しているのでしょうか。例えば、会社が障害者のために特例子会社をつくって、そこで障害者を採用する、この特例子会社も規制が緩和されたと聞いております。数社でつくるとか、福祉作業所とタイアップするとかいった研究をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。以上、商工労働部長にお尋ねをいたします。 続いて第三点目として、シルバー人材センターの結成と、そのソフト事業についてお尋ねをいたします。 シルバー人材センターは、現在七市九町村にあり、ことしは新たに王寺町でも結成をされます。このシルバー人材センターは、高齢化社会を迎えるに当たって、ただ我が国のみならず世界各国でシルバーエージの対策が迫られております。昨年六月のデンバー・サミットでは、参加各国で人口の高齢化がますます進展する中で、アクティブ・エージング(活力ある高齢化)を基本概念として、高齢者は扶養されるべきという昔からの発想から、老齢期に入っても社会的に生き生きとした活動を続けたいという高齢者の希望や能力を生かす社会への発想の転換を求めるよう議論がなされ、サミットコミュニケの中で「アクティブ・エージングの推進が合意された」とされております。昭和二十二年、二十三年生まれの団塊の世代の定年退職期はそこまで来ております。シルバー人材センターの結成も、各市町村全域に結成しなければなりません。全国平均では、九七年度の統計で市町村の四四・一%に結成されておりますが、我が奈良県は、ことし九八年度結成分を入れても三六%であります。結成率の低迷はどのような要素があるのか、それをどのように克服しようとしているのか、お聞かせください。 また、シルバー人材センターの仕事でありますが、労働省はことしから、アクティブ・エージング実現の中核と位置づけて、新たにパートタイム雇用をはじめ柔軟で多様な就業機会を確保し、より本格的な雇用、就業を推進するシニアワークプログラムを創設し、シルバー人材センター連合、奈良県にあっては奈良県シルバー人材センター協議会において実施させるとしております。この事業は、公共職業安定機関、業種別事業主団体と連携して、技能講習、合同面接会などをするものですが、奈良県の取り組みはどのようになっているのか、県民や事業団体に対するPR、啓発が必要だと思いますが、いかがでしょうか。また、講習会をした後の合同面接会など、肝心のアフターフォローが必要ですが、体制はつくられているのでしょうか。以上、商工労働部長にお尋ねをいたします。 次に、第四点目として、臍帯血確保のための人材確保についてお尋ねをいたします。 白血病や再生不良性貧血症等の血液疾患を治療する骨髄確保のため、骨髄バンクがつくられ、ドナー登録も十万人を達成し、さらに三十万人の登録を目指して運動がされております。奈良県でも、行政などにおける啓発のほか、「奈良県骨髄献血の輪を広げる会」等民間組織の献身的な活動により、ドナー登録目標である千人を達成しております。しかし、現在登録している人も、五十歳になると増血機能の低下などにより骨髄を提供することが困難なことから、絶えず新たなドナーを確保することが必要であり、そのため継続的、効果的な啓発が必要であり、例えば、献血に協力いただいた方へのドナー要請をしたり、献血車に張っている啓発シールを大きくしたり、より効果的な啓発をしていただくよう要望をしておきます。 一方、県内で中核的役割をしている県立医大は、血縁者をドナーとした骨髄移植は今日までに十例行っていると聞いておりますが、これが、十五例以上で、かつ最近三年以内に十例に達すると、日本骨髄バンクに登録された非血縁者をドナーとした治療ができることになります。今後の県立医大の取り組みに期待をするとともに、これまでの医師団の努力に敬意を表しておきたいと思います。 さて、この骨髄移植治療以外に、最近臍帯血移植治療が実用化され、国内で既に五十例がこの方法で治療されていると言われております。全国に既に、医療施設の協力により、地域臍帯血バンクが九カ所設置され、二千件余りの臍帯血が保存され、近畿でも二百三十二件、そのうち百三十六件の臍帯血が県立医大で保存され、また、現在医大では、輸血部の医師一名と技師一名が他の業務と兼務しながら先導的役割を果たしておられると聞いております。我が県議会においても、臍帯血移植の治療が円滑に行えるよう、「臍帯血移植の医療保険適用等に関する意見書」を決議しております。いずれにしても、今後臍帯血移植を円滑に推進するためには、公的臍帯血バンク設立等、臍帯血治療のための体制整備を行うことが必要であり、とりわけ臍帯血の採取、保存のための人材確保が緊急の課題であると考えます。そこで、当面、臍帯血の採取、保存のための専任の医師を県立医大に配置していただきたいと思いますが、健康局長のお考えをお聞かせください。 次に質問の五点目として、岡崎川の浄化施設設置についてお尋ねをいたします。 岡崎川は、大和郡山市を源流とし、安堵町で富雄川とともに大和川に注ぐ内水河川であります。この川の水質は、今年度発行されました県の環境白書を見ますと、九六年度のデータですが、BOD九・七ppmで、環境基準五ppm達成にはほど遠い状況にあります。そこで、九四年ころだったと思いますが、県の河川事業により河川浄化施設を安堵町健民グラウンド付近につくる計画がありました。ところが、県議会にも請願が出ましたが、酪農の牛ふんの用水路放流で岡崎川の汚染がひどく、とても浄化施設をつくるレベルでないとして、その計画は中断をしておりました。その後、牛ふん放流問題については、酪農家に処理施設を設置させ、堆肥化するとともに、やまと堆肥流通組合を設立させ、堆肥の流通に関係者が努力いただき、一応の対策を見ました。今後、この牛ふん処理施設を活用させ、牛ふんを用水路に放流しないよう、畜産課も環境保全課も実態を十分把握し、フォローアップをしていただきたいと思います。また、安堵町ではこの堆肥を手間暇かけて米作に使っていただいております。せっかくですから、例えば「安堵町の有機米」と銘打って地元で流通させるようなことも考えていただくよう、あわせてお願いをしておきます。 そこで質問ですが、岡崎川の汚染も一定改善されたようですから、河川浄化施設計画を再開すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、単に浄化施設をつくるだけでなく、健民グラウンドと一体的な河川公園として岡崎川を整備することにより、地域住民が水辺で憩える川づくりをすべきであると考えますが、土木部長のお考えをお聞かせください。 次に第六点目として、平群町椿井交差点以南の国道一六八号線並びに県道椿井王寺線の改良計画についてお尋ねをいたします。 今、西和地区は、平群町から生駒市にかけて一千数百戸の宅地開発が進み、徐々に入居が始まっております。また第二阪奈道路の開通もしました。来年には近大附属病院もオープンします。また、東山駅前には大規模小売店舗計画もされており、このように開発された住宅団地の中は整備されておりますが、そこをつなぐアクセスの整備はされておりません。近鉄生駒線は単線のままです。全線複線化は二〇〇五年に着工することが望ましいという、政府の諮問機関、運輸政策審議会の答申は受けていますが、答申どおり進むのでしょうか。沿線住民は強い関心を持っております。あるいは、JR王寺駅のエレベーター設置、JR、近鉄、両王寺駅のトイレの水洗化、国道一六八号線の踏切が極端に狭いところがあり、踏切上で車の離合ができないなど、いろいろな要望や苦情が住民から寄せられております。これらの改良は、住民の利便性を考えて、県当局のすべきところは速やかにやり、事業者やデベロッパーに実施や協力を求めるべきは求めていただきたいと思います。 話をもとに戻しますが、国道一六八号線は、平群町内で自動車通行量は一日十二時間一万六千台で、これからも住宅建設が進むにつれてふえていくことは間違いありません。この一六八号線は、平群町内では上庄バイパスの建設が進んでおりますし、王寺町では都市計画道路として現道拡幅の計画で用地買収が進んでおります。しかし、平群町南端の椿井交差点南から王寺町への計画が見えてきません。同交差点から竜田大橋に抜け、そして二五号線を通って王寺町に入る現道を改良するのか、県道椿井王寺線の改良で王寺町内につなぐのか、定かでありません。この部分の改良計画の調査・検討の進捗状況について土木部長にお尋ねをいたします。 最後に、県警本部長にお尋ねをいたします。 今日の県内の交番の位置を見ますと、見直しが必要なのではないでしょうか。宅地造成が進み、三十年も前に設置された交番の位置は、今日では適当でないところが県下で至るところにあるのではないかと思います。建替えとあわせて、ふさわしい位置を選んでいただきますよう要望をしておきます。 そこで、さらに具体的に申し上げますと、三郷町勢野の交番は、比較的人家の少ない集落の中にあり、見通しの悪い交差点、坂道に面したところにあります。建物も、一九六六年、今から三十二年前に建てられたもので、建替え時期にあるのではないでしょうか。この際、勢野の交番は、近鉄信貴山下駅など、県民の利便性を考えて人通りの多いところに設置した方がよいと思いますが、いかがお考えか、お聞かせください。 また、斑鳩町には一つの交番と二つの駐在所があります。その駐在所の方は、JR法隆寺駅前と法隆寺門前にあります。法隆寺駅前は通勤者のマイカー乗り入れ、観光客の乗降などがありますし、法隆寺門前も観光客が多い地域ですから、現在の駐在所体制では十分なサービスができませんし、警察職員にも過酷な勤務形態を強いていると思います。この際、法隆寺門前、法隆寺駅前の駐在所を交番にしてはと思いますが、県警本部長のご見解をお聞かせください。 以上で私の質問の第一回目を終わりたいと思います。満足のいく回答をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございま七た。(拍手) ○議長(寺澤正男君) 柿本知事。 ◎知事(柿本善也君) (登壇) 四十六番梶川議員のご質問にお答えいたします。 私に対する質問は、重度重複障害児対策についての質問でございます。 まず第一点は、養護学校のスクールバスの乗り場までの通学にホームヘルパー対応ができないかと、こういうご質問でございます。現在、障害児教育諸学校に在籍する児童生徒の通学保障につきましては、保護者の負担を少しでも緩和するためにスクールバスを配置して、その増車を図ってきているところでございます。通学バスの運行経路につきましては、各学校において、児童生徒の状態や居住地域、交通事情等を勘案して検討し、児童生徒や保護者にできる限り過重負担にならないよう、実態に合わせてコースの設定に配慮しているところでございます。また、家庭からバス停、さらに学校まで、他の交通機関、自家用車での送迎の必要がある場合には、経済状況に応じて本人及び保護者の交通費を援助してきているところでございます。お尋ねのような点もございますので、現行制度の中でよりきめ細かな対応ができるよう、バスの運行経路の検討等を加えてまいりたいと考えております。なお、教育委員会と福祉部でよく話し合うようにと、こういうことですが、当然のことでございますが、業務が各部局にまたがることについては今後ともよく話し合うように督励してまいりたいと考えております。 第二点は、障害者の日常生活用具の給付の対象の問題でございます。現状につきましては、在宅の重度心身障害者(児)に対し、国の日常生活用具給付事業では、浴槽、便器、ワープロ、移動リフト等、障害区分、等級、年齢にもよりますが、四十三品目の日常生活用具が給付または貸与されているところでございます。このほかに、これを補完する意味で、県におきましては国の日常生活用具の設置に必要な家屋の整備を行う経費について助成をしているというのがただいまの制度でございます。いろいろ必要性のある生活用具についてはいろんな考え方があろうかと思いますが、さらに対象品目が拡大されるように国に要望するとともに、県、市町村、それぞれが障害者の福祉ニーズに沿ったサービスが提供できるよう、今後とも引き続き努力してまいりたいと考えております。 それから、重度重複障害児対策についての通園施設の問題でございます。重度重複障害者の通園施設整備事業の一環として重度心身障害児の通園事業について取り組みを進めているわけでございまして、本年度の新規事業につきましては、先ほどお触れいただきましたように、北和地域については来年一月から東大寺整肢園で十五名、南和地域については本年十月から吉野学園で五名の受入れ体制を整えましたので、この通園事業を実施する運びとなっております。また、通園バスについては、その必要性に応じで検討をしてまいりたいと考えております。 これで十分ということではございませんので、今後とも、地域性を考慮しながら、重症心身障害児(者)の通園事業の充実に向けて引き続き努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(寺澤正男君) 高羽商工労働部長。 ◎商工労働部長(高羽一夫君) (登壇) 四十六番梶川議員の質問にお答えしたいと思いす。 私には、大きくは二つだと思います。障害者の雇用対策とシルバー人材センター、この二つだと思います。 まず、障害者雇用対策でございますけれども、質問といたしましては、障害者の就職率等の今の現況でございます。それと、障害者雇用率未達成事業所への指導方法、それから、大きく三つ目には雇用率アップの方策と、こういうことについてどうかというようなお尋ねだったと思います。 まず、平成九年度に解雇されました障害者は二十四人でございまして、内訳は、事業所閉鎖によるものが十七人、不況等の人員整理によるものが七人となっております。平成九年度の新規求職者申込み件数は九百八十八人ございまして、紹介件数は千二百二十二人でございます。就職件数は三百八十七人で、就職率は三九・二%となっております。また、平成九年六月一日現在の障害者雇用状況は一・八六、全国が一・四七でございますので、若干上回っているような状況でございます。未達成企業は百四社でございます。このために昨年の四月に、知的障害者を含む障害者雇用率の拡充を主とした障害者の雇用の促進等に関する法律の改正に伴いますところの周知徹底を図るために、県の職員による企業、市町村への訪問指導をはじめ、障害者雇用促進会議、障害者面接会の開催、それで、今もやっているところでございますけれども、九月の障害者雇用促進月間を中心といたしまして障害者雇用対策を一層充実強化しているところでございます。 また、質問の中にちょっとございましたように、特例子会社として福祉作業所とタイアップしてはどうかというようなお話がございますけれども、特例子会社の認定要件といたしましては、子会社が株式会社または有限会社であるということとされておりまして、福祉作業所をそこに含めるということはちょっと困難な状況でございます。それから、本県におきましては、平成九年度にその特例子会社は一つの会社が認められていまして、雇用達成率に向けた計画的な取り組みをしているところでございます。 それから二つ目の、シルバー人材センターについてでございます。 まず一点目は、本県でのシルバー人材センターの結成率が低迷している要因とその対策ということでございます。本県におきましては、県シルバー人材センター協議会と協力をいたしまして、未設置市町村に対しましてアンケートや説明会の実施、また個別訪問による勧奨等、いわゆる設置促進に向けまして努めているところでございます。昨年は三団体を設置いたしまして、現在十四団体、十六市町村となっております。さらにことしは一つ、それから来年度も二つぐらいの設置を予定しているところでございます。それでも、梶川議員が指摘のように、全国平均よりも低い状況でございます。その主な要因として考えられますことは、これは明確な原因と言えるかどうかわかりませんけれども、強いて言うならば、山間の町村においては発注元である事業所が少ないと、こういうことで市町村の設置がおくれているのではないかなと考えるわけでございます。今後は、今までの勧奨方法も踏襲しながら、地域の関連施設や老人クラブ等へも十分に刊行物等を配布いたしまして、一般住民の方の目に触れる機会をふやしていって、一層の周知を図っていきたいと、こう考えております。 それから、シルバー人材センターの二つ目でございます。シニアワークプログラムに対するいわゆる奈良県シルバー人材センター協議会の取り組み状況等でございます。平成十年度から新たに、県シルバー人材センター協議会が労働省から委託を受けまして実施しておりますのがシニアワークプログラムでございまして、中身といたしましては三点ございます。一つは緑地保全・管理、二つはビルメンテナンスのオフィスクリーニング、それから三つ目といたしましてはホームヘルパーでございます。この三コースで大体二百人ほどの人を予定しておりまして、主といたしまして十月から十二月にかけまして技能講習を行うところでございます。これらの講習の実施に当たりましては、新聞広告による県民の皆様への周知をはじめといたしまして、各シルバー人材センターから地域への周知、それからハローワークの窓口での周知等を行っているところでございます。また、講習後の合同面接会でございますけれども、講習と一体的に実施するものでございまして、事業主団体と関係者が集まっていただいて、その場で相談、面接、紹介が行えるような体制をとって実施しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(寺澤正男君) 森田健康局長。 ◎健康局長(森田倫史君) (登壇) 四十六番梶川議員のご質問にお答えいたします。 私へのご質問は、臍帯血の採取、保存のための人材確保についてでございます。 重症血液疾患の治療法といたしまして、臍帯血移植は、採取量の問題はありますが、骨髄移植に比べ提供者に身体的苦痛がないという点ですぐれておりまして、その治療法に対する期待が高まっておるところでございます。ちなみに、近畿臍帯血バンクに参加する医療機関が行った臍帯血移植は、ことしの八月末現在、七件ございます。このうち奈良医大では移植を一件、それから、奈良医大で保存しております臍帯血の他の医療機関への提供が五件でございまして、奈良医大が近畿臍帯血バンクの中心的な役割を果たしておるわけでございます。この治療を円滑に推進するためには、公的な臍帯血バンクを設置し、全国的な情報ネットワークの構築等を行うことが特に必要と考えております。このことから、公的臍帯血バンクの早急な設立等につきましてかねてから国に要望しておりました結果、臍帯血移植について保険が適用されるなど、一定の成果が見られたところであります。一方、国におきましては、これが移植を一層円滑に行うという観点から、公平かつ安全な臍帯血移植の推進を図るため、関係者による臍帯血の採取、分離、検査、保存方法の標準化等の共同作業の実施、及びHLA検査、これは白血球の適合検査でございますが、この検査体制の整備、並びに臍帯血バンク設備の整備、これらの予算措置について検討されていると聞いておるところでございます。県といたしましては、これら国の動向を注視しながら、今後とも臍帯血移植に必要な臍帯血の採取、保存等の体制の強化について検討を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(寺澤正男君) 森土木部長。 ◎土木部長(森俊勇君) (登壇) 四十六番梶川議員のご質問にお答え申し上げます。 まず、岡崎川の浄化施設の設置に関してでございますが、岡崎川の浄化対策につきましては、流入しておりました支川の上流におきます牛ふん処理の施設の整備が平成九年度までに講じられましたところでございまして、河川浄化事業を再開することといたしまして、今年度詳細設計を実施いたしまして、来年度以降、浄化施設の本体工事に着工する予定でございます。なお、河川浄化施設とあわせました河川環境整備につきましては、安堵町におきまして隣接地で計画されております健民グラウンドの公園整備と調整を図りながら検討してまいりたいと思います。 次に、生駒郡南地区の国道一六八号線等の改良計画についてのご質問でございます。平群町の椿井交差点以南から王寺町に至ります地域におきましては、狭隘部解消のために、国道一六八号椿井交差点付近及び県道椿井王寺線信貴橋付近におきまして、現在道路改築事業を進めているところでございます。議員ご指摘の当該地域におきます国道一六八号、県道椿井王寺線等の今後の改良計画につきましては、現在までに当該地域におきます地形条件、交通流動等の現況を調査いたしまして、道路網としての抱える問題点等を検討してきたところでございます。当該地域の道路網は、主要幹線道路であります国道二五号と密接な関係を有しておりまして、国道二五号の渋滞が当該地域の道路網の渋滞に及ぼす影響が大きいと考えられますことから、今後の検討に当たりましては、現在事業中の「いかるがパークウェイ」の進捗を勘案いたしますとともに、国道二五号に関します今後の改良計画の動向も見きわめる必要があるものと思料しております。引き続きまして、これらを勘案いたしながら当該地域におきます改良計画の調査・検討を進めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(寺澤正男君) 島﨑警察本部長。 ◎警察本部長(島崎有平君) (登壇) 四十六番梶川議員のご質問にお答えいたします。 近年、県西部を中心に大阪のベッドタウンとして宅地開発が進み、道路網の整備、駅周辺の市街化等が図られ、交通の流れにも変化を来していることなどにつきましてはよく承知をしております。警察といたしましても、これら地域の特性に的確に対応できる施設の配置や体制の見直しを行っているところでありまして、交番の移転や駐在所の交番化につきましては、土地の確保、警察官の増員、予算確保等の問題をクリアしつつ、必要性の高いものから計画的に対応しているところであります。 お尋ねの勢野交番の移転につきましては、地域住民の意見を尊重しつつ検討してまいりたいというふうに考えております。 また、斑鳩町に所在しております法隆寺及び法隆寺駅前の二つの駐在所を交番にしてはどうかというお尋ねでございますが、斑鳩町には現在、斑鳩交番と法隆寺及び法隆寺駅前の二つの駐在所がありまして、この三カ所で斑鳩町をカバーしているという体制になっておるわけでございます。斑鳩交番は拠点交番ということで七名体制ということになっておりまして、駐在所員が不在となる夜間などにつきましては、同交番で二つの駐在所の管轄区域を含めた広域的なパトロールや事案対応等を行っているというところであります。交番の位置の見直しや駐在所の交番化につきましては、全県的な治安情勢や地元住民の要望を勘案しつつ、総合的な見地から今後さらに計画的に見直しを進めていく所存であります。 以上であります。 ○議長(寺澤正男君) 四十六番梶川虔二君。 ◆四十六番(梶川虔二君) それぞれご答弁をいただきまして、ありがとうございます。 ちょっとまだ時間もありますし、もう少し確認をしておきたいんですが、一つは、重度の重複障害者のスクールバスについて、これは二つに分けて考えなきゃいかんのは、先ほど知事が答弁された通園、いわゆる学校を出た後の通園については、東大寺とか吉野学園、これは福祉サイドの問題として、スクールバスというか通園バスを置かれるということでございますので、それはそれで結構なんですが、今、養護学校へ行っている場合、これはまあ教育長の分野になるんかと思うんですが、これのスクールバスまでの例えばヘルプ作業ですね、これをヘルパーでできないかという問題について、知事の方は当然教育委員会とも相談をしてというお話をいただきましたので、教育長の方もぜひそのように考えていただきたいと思います。 一つは、先ほど答弁でもあったんですが、例えば今のスクールバスは確かに結構大きい。大きいから、割と家の近くまで行けないというような事情もあるようで、むしろそういう意味ではバスを小型化したらいいんではないかというような声も聞いておるわけです。あるいは、いろんな事情で、例えば西和地区の方面ですと、奈良養護の車が大和川を渡る斑鳩までしか来ない。だから、王寺の方が何かわざわざそこまで少しのよしって、どのぐらいの距離かわかりませんが、来られていると。まあいろんな事情があるんだろうと思うんですけれども、それが王寺の方まで行かないというようなこともあるので、そういった点でも教育委員会サイドでも、ぜひコースを見直したり、あるいは、今後バスを購入する場合に大きさを考えたりして、できるだけ家庭とバスの間を縮めるというのも、ヘルパーだけの話でなしに、必要かと思いますので、その点を検討していただきたいと思います。 それから、この会議も本会議場ですから、これは知事にもう細かく詰める気はないんですが、僕は部長にちょっと聞きたいんですけれども、例えば身体障害の場合、障害者がみずから車を運転する場合の改造は出るんですが、今度は、本人は運転できんけれども、乗りおりする場合にその改造が必要な--最近では、この前も東京の方で障害者向けのモーターショーをやっておりましたが、既に改造されたような車も出るわけですけれども、こういった問題をですね、まあ国に言いますというのもそれは一つの言い方だと思いますけれども、県で県単事業でも、県下に何台ぐらいになるかわかりませんが、その程度の乗りおりをする改造の補助ができないか。あるいは、家屋の中はわかるんですけれども、外の段差解消とか、外にリフトをつけるとかいうような場合にそういったことができないかという私は質問をしておるわけで、その点、部長の方からひとつお聞かせを願いたいと思います。 それから、福祉圏域というのを私は聞いたんですけれども、福祉圏域は今あるのかないのかですね。保健医療圏域があるように、福祉圏域というのがあるのかないのか。厚生省はそういうものをちゃんとつくりなさいというか、分けなさいというような指導をしているやに聞いているんですけれども、そういうのはどうなっているのか、その点も、まあ答弁も抜けているように思いますので、お聞かせを願いたいと思います。 以上です。 ○議長(寺澤正男君) 森本福祉部長。 ◎福祉部長(森本紘司君) 車の乗りおりなどについての改造について県単でどうか、あるいは屋外のスロープについてどうかということで、屋外のスロープにつきましては、この制度とは別途の融資制度がございます。車の乗りおりについての新たな県単制度については、これはやはり基本的に国の日常生活用具の中で品目を拡大して対応していくという考え方だろうと思いますので、これはやはりそちらの方へ要望をしていきたいというふうに思います。 それから、障害者の福祉圏域の話でございますが、老人保健福祉計画と同じように、北和、中和、南和というふうに計画を持っております。 ○議長(寺澤正男君) 四十六番梶川虔二君。 ◆四十六番(梶川虔二君) はい、結構です。以上で終わります。 ○議長(寺澤正男君) これをもって当局に対する一般質問を終わります。   -------------------------------- ○議長(寺澤正男君) 次に、請願一件、陳情六件を上程いたします。 この際お断りいたしておきますが、請願の朗読については件名のみにとどめ、要旨等についてはお手元に配布いたしておきました印刷物でご承知願います。          (議事課長補佐岡本守君朗読) △請願第十七号   産業廃棄物処分場の操業停止と廃棄物の撤去を求める請願                 請願者  奈良県宇陀郡室生村小原八四四番地                      笠間川流域環境保全対策協議会                       会長  奥村 博                               外一〇、三三四名                 紹介議員  高野善雄                       新谷紘一《要旨》 奈良県宇陀郡室生村多田地区では一九九一年(平成三年)より産業廃棄物処分場の操業がはじまり、現在三業者により投棄が続けられています。これらは、廃棄物処理法第六条三項に基づく「安定型廃棄物」(金属くず、ゴムくず、ガラス及び陶磁器くず、廃プラスチック、建設廃材)の「自社処分」と称し処理を行っているものです。しかしながら、周辺土地への紙くず等の散乱、施設付近での悪臭、野犬や朝夕の数百羽に及ぶカラスの飛来など地域における環境汚染の状況は極めてひどいものがあります。規模も三社をあわせると数十ヘクタールにおよび、西日本で有数規模の処分場となっています。また、一日二百数十台におよぶトラックにより通学路の安全が脅かされ、搬入車両の優先通行による交通渋滞、県道・林道の損壊など日常生活に大きな障害を生じています。加えてこの地域の笠間川下流には山添村民の水道水源があり、さらには奈良県民はもとより京阪神地域の水道の水源ともなっています。奈良県が一九九七年三月におこなったA社処分場の放流水の水質検査の結果では水質汚濁防止法で定められた「排水基準」のBOD(生物化学的酸素要求量)の値で五倍を超える汚水が検出され、改善されることの無い施設や許認可を与えた県当局に、周辺及び下流住民は不安と不信を抱いています。 これらの産業廃棄物処分場の操業は、環境を破壊することはもとより、周辺や下流住民にとっては、生命や健康を脅かし、一刻も猶予のできない問題となっています。 以上の趣旨にそって、次のことを要求します。 〔請願項目〕  一.水源を汚染する室生村多田地区の産廃処分場の操業を中止させること。  二.「安定型」以外の廃棄物や違法に投棄された廃棄物を撤去させること。   -------------------------------- ○議長(寺澤正男君) なお、請願は、調査並びに審査の必要があると認めますので、所管の常任委員会に付託をいたします。 ○議長(寺澤正男君) 次に、陳情についてはお手元の印刷物でご承知願います。   -------------------------------- △陳情第五十八号   永住韓国人の地方参政権確立のための立法化を求める陳情書                 陳情者  奈良市芝辻町一丁目八七-三                      在日本大韓民国民団奈良県地方本部                       地方団長  金吉龍《要旨》        「永住韓国人の地方自治体参政権付与について」 日本に永住資格をもって定住する在日韓国人の要望を理解いただき、政府及び関係省庁に働きかけられ、国会で立法化措置が講じられるようお願いします。 一 ’95年二月の最高裁判決と、全国自治体議会の意見書採択を尊重され、永住韓国人が地方自治体の参政権を一日も早く行使できるよう、国会において、地方自治法、公職選挙法をはじめとする関連法の改正、または特別立法の制定がなされるよう陳情します。 二 国会内に永住韓国人の地方参政権付与に関する立法化措置のための特別委員会を設置し、民主主義の原則に基づき、全国自治体の意見書内容を反映した、しかるべき正当な審議がなされるよう陳情します。 今後とも、私たちは、日本の地域社会において、その義務と責任を全うし、日本国民と永続的な「共生」を続けようと決意しています。 貴議会におかれましては、何卒私たちの住民・市民としての要望が成就されますよう、一層のご理解とご支援を切にお願いするものであります。   -------------------------------- △陳情第五十九号   北朝鮮による蛮行の歴史と金父子個人崇拝教育の実態を直視し、朝鮮総連系の学校への補助金支出の抜本的見直しを求める陳情書                  陳情者  西宮市上葭原町二番一四-一〇二                        黒坂 真《要旨》 以下の四点について貴議会に陳情します。一 朝鮮総連系の学校での金父子個人崇拝教育についての実態調査を貴議会で行い、調査結果を一般に公開して下さい。貴自治体で朝鮮総連系の学校に補助金を支出しているなら、補助金支出の全額削減を含め抜本的に再検討して下さい。二 貴議会で日本政府に対し、「朝鮮総連系の学校での金父子個人崇拝教育の実態を調査し、補助金支出の全額削減を含め抜本的に再検討するよう全国の自治体に通達を出して下さい。」という意見書をあげて下さい。三 朝鮮学園は各種学校であり、学校教育法で規定されている「一条校」ではないので、各種学校としての税務行政を朝鮮学園に行うべきです。特例措置は一切必要ありません。貴議会で日本政府にそのように意見書をあげて下さい。四 貴議会として、北朝鮮による蛮行の歴史を直視し、北朝鮮の秘密組織の破壊活動から国民の生命と財産を守るために、神戸市在住の張龍雲氏(北朝鮮の秘密組織「洛東江」の一員だった方)や、韓国にいる北朝鮮からの亡命者に対する聞き取り調査を行うなど、然るべき調査活動を実施して下さい。そして、日本政府にも同様の調査活動を行うよう意見書をあげて下さい。   -------------------------------- △陳情第六十号   北朝鮮の武装ゲリラ・秘密組織の破壊活動から日本を守り、被拉致日本人の原状回復を実現するための陳情書                 陳情者  兵庫県西宮市上葭原町二番一四-一〇二                       黒坂 真《要旨》 以下について、貴議会に陳情します。 北朝鮮の武装ゲリラが日本に侵入し、日本の中にある北朝鮮の秘密組織と協力して原子力発電所の占拠と破壊、要人暗殺あるいは毒物散布など途方もないテロを行う可能性があります。彼らのテロを許さないために、以下の①から⑭の件を徹底し、必要な場合は法制化するよう、貴議会で日本政府に意見書をあげて下さい。⑮、⑯については、貴自治体の権限にも関連することですので、自衛隊への協力体制づくりを進めるように、貴議会で議論して下さい。 ① 北朝鮮の武装ゲリラの日本侵入を許さないために、海上防衛体制の強化と防衛演習の実施。 ② 自衛隊や海上保安庁が北朝鮮の工作船、潜水艦など不審船や武装ゲリラを発見したときに直ちに対処できるように、交戦規定を作成すること。 ③ 原子力発電所を自衛隊が常時防衛すること。テロに対する防衛演習の実施。 ④ 要人の防衛体制、首相官邸の人員、設備の抜本的強化。有事の際に、専門家の判断を即時に得られるようにするために、首相官邸に自衛隊の制服組を常駐させること。 ⑤ 北朝鮮の秘密組織が、現在も日本各地に存在して各種の破壊活動を行っていることは十分に考えられます。彼らに対応するために、スパイ罪を厳罰にすること。 ⑥ 北朝鮮の秘密組織の破壊活動を警察が監視し、違法活動を行っている場合は即座に逮捕するために、警察に通信傍受の権限を与えること。 ⑦ 北朝鮮の秘密組織に対する朝鮮労働党からの指令は、日本に来る北朝鮮の船で労働党幹部から出されることが多いようです。秘密組織と朝鮮労働党の連系を困難にするために、北朝鮮の全ての船の日本への寄港を拒否すること。 ⑧ 日本人拉致国家・テロリスト国家北朝鮮への日本からのモノと金の流れを断ち、金正日と朝鮮人民軍を弱体化させるために、北朝鮮を訪問する在日朝鮮人の日本への再入国を拒否すること。 ⑨ 日本人拉致国家・テロリスト国家北朝鮮への食糧支援拒否、国交樹立拒否。 ⑩ 朝鮮総連系の学校での金父子個人崇拝教育の実態を調査し、補助金支出の全額削減を含め抜本的に見直すように、日本政府が自治体に通達を出すこと。 ⑪朝鮮出版会館(東京都文京区)、朝鮮総連中央学院(東京都八王子市)、朝鮮総連大阪府本部(大阪市東淀川区)、朝鮮総連近畿学園(大阪府東大阪市)などでの朝鮮信用組合による不可解な融資疑惑、長銀愛知役員による預金流用疑惑の徹底究明をすること。 ⑫@債務超過に陥った朝銀信用組合は業務停止処分にすること。(預金は保護) ⑬国税庁と朝鮮商工会の間に納税上の「合意」なるものが存在するなら、撤廃すること。朝鮮商工人の納税額と朝鮮半島の植民地期の歴史評価、当時行われた徴用の労働現場の実態は無関係であるという通達を国税庁が全国の税務署に出して徹底すること。 ⑭朝鮮半島有事の際は、日本が北朝鮮により攻撃される可能性が十分にあります。それを未然に阻止するためには、日米同盟を堅持し、日米の圧倒的軍事的優位を日本人拉致国家北朝鮮、あるいは覇権主義、侵略主義国家中国に明示する必要があります。中国は北朝鮮と同盟関係にあることに留意して下さい。そのためには、朝鮮半島や台湾、台湾海峡周辺等で日本の平和と安全に重要な影響を与える事態が生じた場合、集団的自衛権を行使しうることを明確にすること。 ⑮朝鮮半島有事の際、難民が大量に日本に来た場合の受け入れ体制の準備と、マニュアルの作成をすること。 武装難民が来ることもありえます。貴議会でも難民の受け入れ態勢を検討して下さい。 ⑯北朝鮮の武装ゲリラに日本侵入を許してしまった際には、直ちに自衛隊が出動して彼らに対応し、殲滅するようにせねばなりません。自衛隊が戦闘能力を十分に発揮するためには、地方自治体が公共施設の提供、道路や港湾の利用、病院の設営などで全面的に協力する必要があります。貴議会で、北朝鮮の武装ゲリラに自衛隊が対応する際、自衛隊に全面的に協力する体制作りについて議論し実施してできるようにして下さい。   -------------------------------- △陳情第六十一号   北朝鮮の弾道ミサイル発射に対して抗議するための陳情書                 陳情者  兵庫県神戸市須磨区離宮前町二-九-一六                       大矢卓志《要旨》 以下の四点について、政府に意見書をあげて下さいますよう、貴議会に陳情いたします。 一 北朝鮮の弾道ミサイル発射に対して、政府があらゆる外交経路を活用して、北朝鮮が弾道ミサイル配備を実際に中止するまで厳重に抗議の意志を表明し続けること。 二 北朝鮮が弾道ミサイル配備を実際に中止し、被拉致日本人を日本に返すまで食糧支援、国交樹立をしないこと。 三 北朝鮮の攻撃に対する抑止力と反撃力を整備するために、日米防衛協力の新指針(ガイドライン)関連法案を早期に成立させること。 四 戦域ミサイル防衛構想(TMD)の研究を急ぐことや、日本独自の偵察衛星を保有することなど、弾道ミサイル攻撃、武装ゲリラや秘密組織の破壊活動など北朝鮮からの想定しうるあらゆる攻撃に対する抑止力と反撃力を整備し、必要な法整備を行うこと。   -------------------------------- △陳情第六十二号   北朝鮮の弾道ミサイル発射に対して抗議するための陳情書                 陳情者  赤穂市木生谷一一九                       山根義則《要旨》 以下の四点について、政府に意見書をあげて下さいますよう、貴議会に陳情いたします。 一 北朝鮮の弾道ミサイル発射に対して、政府があらゆる外交経路を活用して、北朝鮮が弾道ミサイル配備を実際に中止するまで厳重に抗議の意志を表明し続けること。 二 北朝鮮が弾道ミサイル配備を実際に中止し、被拉致日本人を日本に返すまで食糧支援、国交樹立をしないこと。 三 北朝鮮の攻撃に対する抑止力と反撃力を整備するために、日米防衛協力の新指針(ガイドライン)関連法案を早期に成立させること。 四 戦域ミサイ’ル防衛構想(TMD)の研究を急ぐことや、日本独自の偵察衛星を保有することなど、弾道ミサイル攻撃、武装ゲリラや秘密組織の破壊活動など北朝鮮からの想定しうるあらゆる攻撃に対する抑止力反撃力を整備し、必要な法整備を行うこと。   -------------------------------- △陳情第六十三号   臍帯血バンクの充実を求める陳情書                 陳情者  奈良県磯城郡田原本町阪手四五六-一ハ(吉川方)                      奈良骨髄献血の和を広げる会内                      臍帯血バンクを支援するグループ                       代表世話人  吉川卓延《要旨》 公的骨髄バンクが設立されて七年目を迎え、多くの骨髄移植を必要とする尊い患者さんの命を救うことができました。しかし、未だにHLA適合ドナーが見つからず、移植ができる日を待ちわびている患者さんが数千人います。                  近年、骨髄移植と同じように、血液難病を救う方法として臍帯血移植が注目され、国内でも既に五十数例の患者さんがこの臍帯血移植で救われています。骨髄バンクで適合ドナーの見つからない多くの患者さんを臍帯血移植を行うことにより助けることができます。しかし、全国で九箇所の各地域の臍帯血バンクで保存されている臍帯血数は、未だ三千にも達していません。数多くの臍帯血を採取保存し、少しでも多くの患者さんが臍帯血移植が受けられるように各方面で努力がなされています。 当会の賛同施設である奈良県立医科大学輸血部は、近畿臍帯血バンクの中心施設であり、近畿臍帯血バンクに八月末現在、三百五個の臍帯血が保存されていますが、その内百三十七個が奈良県立医科大学輸血部で採取保存されており、近畿臍帯血バンクを介し行われた六例の臍帯血移植の五例が奈良県立医科大学輸血部より臍帯血が提供されています。今後も奈良県内の患者並びに全国の移植を望む患者さんに奈良県立医科大学輸血部から臍帯血が提供されることが予想されます。 当会では、奈良県立医科大学輸血部で今後さらに多くの臍帯血を保存できるよう協力したいと考えています。 奈良県立医科大学輸血部には、臍帯血採取保存を行う専任の医師はおらず、医師一名、技師一名が他の業務と兼務しているのが現状です。 奈良県で多くの臍帯血が採取保存され、県内だけでなく全国の移植を望んでいる患者さんに生きるチャンスを与えるためにも、下記の要望をお願い致します。                    記 一 臍帯血の採取保存を専任業務とする常勤医師一名を増員してください。   -------------------------------- ○議長(寺澤正男君) 二十七番鍵田忠兵衛君。 ◆二十七番(鍵田忠兵衛君) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。 ○議長(寺澤正男君) お諮りいたします。  二十七番鍵田忠兵衛君のただいまの動議のとおり決しましてご異議ありませんか。 、          (「異議なし」の声起こる) それでは、さように決し、明九月二十五日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会いたします。 △午後五時三十二分散会...