• "府民文化部長"(/)
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  1. 大阪府議会 2024-02-01
    02月27日-02号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-19
    令和 6年  2月 定例会本会議    第二号 二月二十七日(火)◯議員出欠状況(出席七十七人 欠席一人 欠員一)       一番  市來 隼議員(出席)       二番  浦本ともえ議員(〃)       三番  堀江ゆう議員(〃)       四番  橋本ゆうと議員(〃)       五番  森田彩音議員(〃)       六番  岩本ゆうすけ議員(〃)       七番  くすのき好美議員(〃)       八番  大野ちかこ議員(〃)       九番  木下昌久議員(〃)       十番  横道淳子議員(〃)      十一番  大竹いずみ議員(〃)      十二番  堀川裕子議員(〃)      十三番  吉田忠則議員(〃)      十四番  由井聖太議員(〃)      十五番  松浪武久議員(〃)      十六番  石川たえ議員(〃)      十七番  山田けんた議員(〃)      十八番  野々上 愛議員(〃)      十九番  須田 旭議員(〃)      二十番  うらべ走馬議員(〃)     二十一番  中井もとき議員(〃)     二十二番  奥村ユキエ議員(〃)     二十三番  山下昌彦議員(〃)     二十四番  中川誠太議員(〃)     二十五番  前田将臣議員(〃)     二十六番  牛尾治朗議員(〃)     二十七番  魚森ゴータロー議員(〃)     二十八番  角谷庄一議員(〃)     二十九番  三橋弘幸議員(〃)      三十番  西元宗一議員(出席)     三十一番  みよしかおる議員(〃)     三十二番  中川嘉彦議員(〃)     三十三番  岡沢龍一議員(〃)     三十四番  山本真吾議員(〃)     三十五番  上田健二議員(〃)     三十六番  永井公大議員(〃)     三十七番  前田洋輔議員(〃)     三十八番  中川あきひと議員(〃)     三十九番  置田浩之議員(〃)      四十番  紀田 馨議員(〃)     四十一番  いらはら 勉議員(〃)     四十二番  河崎大樹議員(〃)     四十三番  泰江まさき議員(〃)     四十四番  中野 剛議員(〃)     四十五番  藤村昌隆議員(〃)     四十六番  山下浩昭議員(〃)     四十七番  大橋章夫議員(〃)     四十八番  肥後洋一朗議員(〃)     四十九番  杉本太平議員(〃)      五十番  しかた松男議員(〃)     五十一番  笹川 理議員(〃)     五十二番   欠員     五十三番  内海久子議員(〃)     五十四番  加治木一彦議員(〃)     五十五番  八重樫善幸議員(〃)     五十六番  川岡栄一議員(〃)     五十七番  垣見大志朗議員(〃)     五十八番  西林克敏議員(〃)     五十九番  広野瑞穂議員(〃)      六十番  植田正裕議員(〃)     六十一番  杉江友介議員(〃)     六十二番  徳村さとる議員(出席)     六十三番  金城克典議員(〃)     六十四番  和田賢治議員(〃)     六十五番  富田武彦議員(〃)     六十六番  中野稔子議員(〃)     六十七番  坂上敏也議員(〃)     六十八番  中谷恭典議員(〃)     六十九番  久谷眞敬議員(欠席)      七十番  鈴木 憲議員(出席)     七十一番  西田 薫議員(〃)     七十二番  森 和臣議員(〃)     七十三番  西野弘一議員(〃)     七十四番  土井達也議員(〃)     七十五番  三田勝久議員(〃)     七十六番  大橋一功議員(〃)     七十七番  岩木 均議員(〃)     七十八番  横倉廉幸議員(〃)     七十九番  西野修平議員(〃)     ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         松井芳和     次長         大河内隆生     議事課長       佐藤 実     総括補佐       山本英次     課長補佐(委員会・記録)                高山泰司     主査(議事運営総括) 古石勝寛     ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第二号 令和六年二月二十七日(火曜日)午後一時開議 第一 議案第一号から第百二十六号まで、報告第一号から第十三号まで及び第一号諮問(「令和六年度大阪府一般会計予算の件」ほか百三十九件)    (質疑・質問)     ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件     ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○副議長(垣見大志朗) これより本日の会議を開きます。    -------◇------- ○副議長(垣見大志朗) 日程第一、議案第一号から第百二十六号まで、報告第一号から第十三号まで及び第一号諮問、令和六年度大阪府一般会計予算の件外百三十九件を一括議題といたします。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(垣見大志朗) この際、御報告いたします。 第七十七号議案 地方自治法第二百四十三条の二第一項の規定による知事等の損害賠償責任の一部の免除に関する条例等一部改正の件につきましては、地方自治法第二百四十三条の二第二項の規定により、本職から監査委員の意見を求めておりましたが、その回答文書は配付のとおりであります。   (文書は巻末に掲載) ○副議長(垣見大志朗) 次に、議案第七十八号から第八十二号まで、第八十五号、第百十九号及び第百二十四号、職員の退職手当に関する条例一部改正の件外七件につきましては、地方公務員法第五条第二項の規定により、本職から人事委員会の意見を求めておりましたが、その回答文書は配付のとおりであります。   (文書は巻末に掲載)    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(垣見大志朗) ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 通告により河崎大樹議員を指名いたします。河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 大阪維新の会大阪府議会議員団の河崎大樹です。 大阪維新の会府議会議員団を代表し、通告に従いまして順次質問させていただきます。 まず初めに、災害に強い都市大阪というテーマで伺っていきます。 今年一月一日に発生した能登半島地震は、マグニチュード七・六、最大震度七の揺れで多くの建物が倒壊し、大規模な火災も発生するなど、甚大な被害が生じました。現在でも、およそ一万二千人の方々が避難所生活を余儀なくされており、大変不安な日々を過ごされているかと思います。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。 このような大規模地震は、被災した県や市町村のみで到底対応できるものではありません。全国規模で被災地支援が行われているところですし、大阪府としても少しでも被災地の方々が安心して過ごせるよう、被災地のニーズに沿った迅速かつ適切な支援を行っていく必要がありますが、これまで府は、人的、物的両面でどのような支援を行ってきたのでしょうか、危機管理監に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 府では、能登半島地震への支援に向けて、知事を本部長とする災害等支援対策本部を設置し、全庁を挙げて、甚大な被害を受けた石川県、特に被災地支援のカウンターパートの輪島市に対し、様々な支援を実施しているところでございます。 まず、人的支援として、発災当日に緊急消防援助隊を派遣するとともに、輪島市に被災地ニーズを把握するための先遣隊を派遣し、その後、避難所運営等の支援として、府、大阪市、堺市、府内市町村でこれまでに延べ二千五百人以上を派遣しております。このほか、輪島市を含め県内各地へ福祉、医療、建築等の専門人材の派遣を行っております。 次に、物的支援としては、関西広域連合の決定を受け、七尾市や羽咋市へ食料や水などの提供を行い、さらに輪島市には被災者のニーズに沿って、府内市町村に御協力いただきまして、生活用品などの提供を行うほか、被災者の方に温かい食事をお届けするため、民間事業者と連携してキッチンカーを派遣いたしました。 さらには、二次避難先として府営住宅等を提供するとともに、入居者への生活相談窓口や福祉相談等窓口の設置、義援金の受付など、多方面から被災地支援を行っております。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 府として、人的、物的のみならず多方面から被災地支援を行っていることについては分かりました。引き続き、被災地に対し、しっかりと支援を行っていただきたいと思います。 被災地に寄り添った効果的な支援を行うためには、発災時から時間が経過するごとに変化していく被災地の状況や課題、ニーズを迅速に把握、共有し、支援に反映させていくことが肝要であります。 府は、府内市町村と共に輪島市に職員を派遣し、避難所運営等の支援を行っているとのことですが、被災地における課題、ニーズについて具体的にどのように情報収集し、府内市町村と共有しているのかを危機管理監に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 被災者の支援を効果的に行うためには、被災地の考えや取組、並びに日々変化する避難所の状況や課題、ニーズを現地派遣職員が速やかに把握し、府や府内市町村と共有、連携することが重要となります。 このため、府では、輪島市へリエゾンを派遣し、市役所内で開催される各種会議への出席、他の支援自治体、民間団体との調整、連携を通じて現在及び今後の取組を把握するとともに、避難所については現地派遣職員から時々の状況や課題、ニーズ等の情報収集を行っております。 それらの情報は、日報等による報告に加え、日々ウェブ会議により共有し、府として今後の対応を検討し、実行しております。これらについては、毎日、府内市町村にも情報共有し、輪島市のニーズに応じた支援に努めているところでございます。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 地震対策については、阪神・淡路大震災、東日本大震災、大阪北部地震といった過去の地震災害の教訓を踏まえ、取組を再検証し、よりよい対策へと向上させていくべきでありますが、今回の能登半島地震において、大阪府が実施してきたこれまでの被災地への支援活動を通じ、現時点で把握している課題とその対応について伺います。 また、今後、国等による能登半島地震の検証の結果、浮き彫りとなるであろう課題を次期アクションプランに反映していくべきと考えますが、併せて危機管理監の見解を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) これまでの輪島市への支援活動を通じまして、断水等によるトイレ等衛生環境の悪化、通信手段の制限、地震後の移動手段の確保への対応が新たな課題として顕在化いたしました。 そのため、来年度、水洗タイプの組立て式トイレトイレトレーラーの配備、活動拠点における通信手段として新たな衛星通信サービスの導入、悪路走行に強い四輪駆動車の配備を考えております。 また、次期アクションプランの策定に当たりましては、昨年度から検討しております地震・津波被害想定の見直しによる新たな津波浸水想定、建物被害、人的被害だけでなく、今後、国等により示される能登半島地震の教訓も踏まえ、初動対応をはじめ、これまでの対策を検証し、南海トラフ巨大地震等の災害にしっかりと対応できるよう、次期アクションプランに反映してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) アクションプランへの反映をよろしくお願いいたします。 大阪府域で、このたびの能登半島地震のような甚大な被害が発生すれば、市町村への支援のほかにも大阪府自身が行うべき業務として、物資、医療、広域避難、住宅など、多岐にわたる分野で多くのマンパワーが求められます。その場合、府の人員だけでは対応できず、広域的な人的支援を受けなければならない場合に、その仕組みは整っておりますでしょうか。大規模災害時における広域的な応援の受入れ体制について、平時より整えておくことが重要と考えますが、危機管理監に所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 大中危機管理監
    ◎危機管理監(大中英二) 府において大規模災害が発生し、府だけでは十分な応急対策が実施できない場合には、関西広域連合で定められた手順等に基づき、広域的に人的支援を受けることとなっております。 具体的には、広域的に人的支援が必要となる場合、まず関西広域連合の構成府県市から応援職員の派遣を受け、それでも不足する場合には全国都道府県から支援を受けることとなっております。 能登半島地震を踏まえ、現在の応援職員や支援物資を受け入れる流れをはじめとしました受援体制の再検証を行うなど、今後とも災害時に府への人的支援が円滑に受けられるよう取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) この受入れ体制の再検証もしっかり取り組んでいただきますようお願いいたします。 続いて、密集市街地の解消に向けた取組についてお尋ねをします。 今回の能登半島地震では、木造の建物が密集する地域において大規模な市街地火災が発生し、密集市街地での延焼火災の危険性を改めて痛感したところであります。 府においては、地震時等に著しく危険な密集市街地、いわゆる危険密集を令和七年度末までに九割、令和十二年度末までに全域解消するという目標に向け、重点的に取り組んでいるところでありますが、令和四年度末時点で八百九十五ヘクタールが未解消であり、延焼火災のリスクが大きい密集市街地がいまだに多く残っております。 輪島市では、約五万八百平方メートルの区域が焼失し、約三百棟の建物に延焼被害が発生したとのことですが、国土交通省が公表した調査報告では、建物間の距離が確保されていたことが、さらなる延焼拡大を防止した最も大きな要因として挙げられております。 そこで、輪島市の火災検証を踏まえ、危険密集における火災リスクを減少させるための府の取組について、都市整備部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 議員お示しのとおり、輪島市での火災の検証において、建物間の距離を確保することが、延焼の拡大防止に有効であることが改めて示されたところでございます。 危険密集の解消に向けましては、事業主体である地元市が実施する建物間の距離を確保するための道路の整備や、老朽化した建物の除却等に対し、財政的支援や技術的支援などを行ってまいりました。あわせて、府といたしましても、延焼遮断帯として、現在、都市計画道路二路線の整備を進めているところでございます。 その結果、危険密集は令和三年度に三十二ヘクタール、令和四年度に八十七ヘクタールが解消し、令和五年度につきましても精査中ではありますが、百ヘクタールを超える解消を見込んでおり、着実に取組を進めております。 引き続き、地元市と緊密な連携の下、危険密集の火災リスクを低減し、目標達成を目指してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) ありがとうございます。 この延焼遮断帯となる道路を整備するという話ですね、こういう、ちょっとパネルを用意してないんですけど、危険密集が終わったときに真ん中に大きい道路があったとしても、その横には当然危険密集が残ってしまう、そういうことがありますので、道路を造ればいいという話ではもちろんありません。地元市、当該市と連携して、しっかりこの解消について取り組んでいただくとともに、国に対しても働きかけをぜひお願いをいたします。 続いて、ブロック塀に対する安全対策についてお尋ねします。 令和六年能登半島地震で、多数の建物倒壊に加えてブロック塀の倒壊被害、これも報告されております。大阪府内では、平成三十年大阪北部地震において高槻市の小学校のブロック塀が倒壊したことを受け、通学路沿道を中心に危険性のあるブロック塀の撤去が進むなど、安全対策が一定進んでいるとも聞いておりますけれども、危険性のあるブロック塀は、もちろん通学路だけではなくて地域の生活道路沿道にも存在をしております。 建築基準法の趣旨からすると、所有者、管理者がこのような危険性のあるブロック塀の安全対策を講じることが原則で、行政がこれらを網羅的に調査、把握するというのは現実的に難しい部分もあるとは思います。ただ、地震が頻発している昨今の状況を踏まえると、これまで以上に危険な箇所を把握し、是正につなげていくことが重要と考えます。 都市整備部長の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) ブロック塀につきましては、平成三十年の大阪北部地震での倒壊を受け、通学路沿道の一斉点検などにより把握した危険な箇所に対し、大阪府及び府内十七特定行政庁が、建築基準法に基づき改善指導等を行ってきたところでございます。 具体的には、危険性が疑われる約九千三百件のブロック塀について現地調査を行い、そのうち危険性を把握した約一千五百件に対し、順次改善指導に着手しました。結果、令和四年度末現在、対象となるブロック塀全ての改善指導を実施しており、そのうち約四割が是正済みとなっている状況です。 しかし、令和六年能登半島地震をはじめ、全国的に地震が頻発している状況を踏まえますと、これら以外のブロック塀についても安全性を確保していくことが重要と認識しております。 このため、今後、府内の特定行政庁と連携し、危険性のあるブロック塀の安全性確保につながる取組について検討してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 通学路沿道以外の危険ブロック塀の数というのは、実際には通学路沿道の数よりはるかに多いと思いますので、特に交通量が多いとか人通りが多いといったところについては、速やかに安全性確保の取組、これを進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 続いて、保健医療活動に係る大規模災害への備えという点で伺っていきます。 今回の能登半島地震--何度も引用しておりますけれども、避難所生活の長期化などによる災害関連死のリスクを低減するといったことも大きな課題となっております。また、一部の医療機関では、停電や断水といった被害、そして医療従事者が道路の寸断などで出勤できないといった事態も発生をしております。このため、DMAT、DHEATといった保健医療活動チームが全国から派遣をされております。 現在、第八次医療計画の策定作業が進められているところでありますが、保健医療活動に係る大規模災害への備えについて、医療施設の耐震化等のハード面だけではなく、ソフト面も含めて、今般の能登半島地震を踏まえてどのように考えているのか、健康医療部長にお尋ねいたします。 ○副議長(垣見大志朗) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) まず、今般の能登半島地震における医療支援につきましては、被災地からの要請を受け、これまでDMATやDHEAT、公衆衛生チームなど、延べ二千二百人を超える人員を現地に派遣し、患者搬送や避難所、在宅における健康管理や感染対策などに従事してきたところでございます。また、医療関係団体等からも多数の支援をいただいているところでございます。 次に、災害医療に係る府の取組といたしまして、今年度策定いたします第八次医療計画に基づき、病院の耐震化や非常用自家発電設備の設置、事業継続計画--BCPの策定などについて具体的な目標設定を行うとともに、病院の浸水対策や人工呼吸器が必要な在宅患者への支援など、医療提供体制の強化を図ることとしております。 また、大規模災害発生時には、災害対策本部の下、保健医療調整本部を設置し、被災した医療機関や避難所等への支援をはじめ、透析、小児・周産期リエゾンによる患者受入れ調整など、保健医療活動の総合的なマネジメントを行うこととしております。 また、本年十一月には、府内で直下型地震を想定した近畿地方DMATブロック訓練を大阪で行うこととしており、引き続き関係機関とも連携しつつ、能登半島地震における対応や検証を踏まえ、大規模災害時においても必要な医療提供や支援ができるよう、しっかりと体制を構築してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 次に、災害時の医薬品備蓄及び情報発信について伺います。 常時多種の薬剤を使用しているですとか、難病を患っている方など様々な課題を抱えている方々に対しては、災害時の安心安全な体制を実現するためにも、通常の医薬品全般だけではなく専門的治療に用いられるような医薬品も含めた確保、供給体制が必要となってまいります。 加えて、そういった方々に対して不安感を払拭するために効果的な発信というものも必要になると思いますが、具体的にどのように取り組まれるのかを健康医療部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) 難病患者に対しましては、日常的に個々の患者の疾病に応じた薬が処方されているため、これまで災害時に備え、患者自らが数日分の医薬品などを常備するよう呼びかけてきたところでございます。 また、災害時において、医療機関等で必要となる医薬品につきましては、大阪府薬剤師会等との備蓄に関する委託契約や、府内の医薬品等関連団体との協定締結により、難病患者が用いる医薬品なども含め確保、供給する体制を整備しているところでございます。 今後、難病患者の不安払拭の一助となるよう、こうした医薬品の府の備蓄等の取組につきましても、難病ポータルサイトに掲載するなど、必要な情報発信を行ってまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 難病患者の方が用いる医薬品等を含めての確保、供給する体制、これ整備していただいているということですけれども、難病を抱える方と意見交換をさせていただいた際、実際に災害が起きたとき、例えば避難した先で、誰に声をかけてどのような手順で薬を提供してもらえるか分からないというような御意見もいただいております。平時の避難訓練などにおいて、そうした視点を含めて取り組んでいただくことも重要です。避難所を運営するのは市町村となりますので、しっかりと働きかけをしていただけるようお願いいたします。 次の質問に移ります。 避難所には、多くの方の生活の場所となる一般の避難所、そして高齢者、障がい者等の要配慮者が必要な支援を受けられる場所となる、いわゆる福祉避難所があります。 能登半島地震においても、福祉避難所が開設されているんですが、当初の想定よりも少ないといった報道もあるところでして、大阪府のカウンターパートである輪島市においても、福祉避難所に入れず、一時的に一般の避難所で支援を受けていた要配慮者もおられたと聞いております。 現在、大阪府内には約七百か所の福祉避難所が指定されているとのことですが、これらを踏まえると、府においても、今後ますます高齢化が進んでいくこともあります。要配慮者が必要な支援を受けるためには、福祉避難所のさらなる確保が必要と考えます。 福祉避難所の指定は市町村の責務でありますが、市町村だけに任せるのではなく、府としても積極的に取り組むことが必要であると考えます。危機管理監の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 災害時に、要配慮者の方が避難することをためらわず、良好な生活環境を確保するためには、食事や移動の介助などの支援を受けられる福祉避難所の確保は重要と認識しております。 このため、府としてはこれまで、関係部局と連携し、毎年市町村の担当課長会議におきまして、福祉避難所の確保の必要性を説明し、指定促進を働きかけております。昨年度は、大阪府社会福祉協議会や教育庁と連携し、指定を依頼される社会福祉施設、府立支援学校等に対し、市町村からの指定依頼への受託協力につきまして働きかけを行ったところでございます。 今後、市町村における福祉避難所の指定に当たっての課題を把握し、その解決に向けて市町村の好事例の共有化を図るとともに、それらを反映した府の避難所運営マニュアル作成指針を改定するなど、さらなる福祉避難所の指定が促進できるように取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 府のマニュアルを改定して促進を図っていくとのことでしたが、数値目標を掲げるなどしてしっかりと対応していただければと思います。よろしくお願いいたします。 大規模地震災害等における課題の一つとして、お風呂、入浴の問題もあります。大阪府においても、平成三十年の大阪北部地震の際には、入浴困難な被災者に公衆浴場を無料開放されたという事例があります。被災者の支援にとって、公衆浴場は重要な役割を担っていると思います。 府では、今年度、有識者を交えて今後の公衆浴場の役割や市町村を含めた行政の関わりについて研究を行っているとのことですが、ぜひ災害時の公衆浴場の活用も研究内容に含めてもらいたいと思います。 そこで、災害時における公衆浴場の活用について、健康医療部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) 災害発生後、被災した府民の避難生活におきまして、身体の清潔を保つため、お風呂やシャワーを利用できる環境を整えることが必要であると認識をしております。 このため、本府では、令和二年に大阪府生活衛生同業組合協議会と災害時に関する協定を締結し、その支援の一つとして入浴施設の提供を盛り込んでいるところです。災害発生時には、同協議会の会員である公衆浴場などの関係組合と連携し、利用可能な入浴施設の情報を提供することとしております。 また、今年度取りまとめる今後の公衆浴場に関する研究会の報告におきましては、公衆浴場の役割を踏まえ、事例を交えながら取組を整理することとしており、災害時の活用についても地域や市町村と一体となった取組が進むよう努めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) ここでパネルを御覧いただければと思います。 大阪維新の会で先日実施した意識調査の結果なんですけれども、一番下、地震発生を想定した備えについて聞いた結果です。この一番下が特に備えはしていないという回答が三分の一以上、三四・七%という数字が出ております。当然、能登半島地震の後に取った意識調査なんですけれども、それでもこの低さです。 近い将来に、かなりの確率で南海トラフ地震が起こるとも言われている中、府民の皆様に地震に対する備えをしっかりしていただくようにも働きかけを併せてお願いをいたします。 次に、二〇二五大阪・関西万博の成功に向けた取組というテーマに沿って順次質問をしていきます。 まずは、万博会場での防災対策について。 これまでの質疑で災害への備えについて伺ってきたんですけれども、大阪・関西万博の防災対策については、昨年十二月に博覧会協会において防災基本計画(初版)が公表されております。南海トラフ巨大地震の発生も指摘される中で、四方を海に囲まれた人工島である夢洲での開催ということもありまして、もしも万博開催中に南海トラフ地震などが発生すれば、地震や津波により大きな被害も生じてしまうのではないかという不安を抱く方もたくさんいらっしゃるかと思います。 そこで、今回の防災基本計画においては、特に地震、津波の被害想定についてどのような内容になっているのか、万博推進局長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 彌園万博推進局長。 ◎万博推進局長(彌園友則) 博覧会協会が昨年十二月に公表した防災基本計画(初版)では、地震の被害想定につきまして、直下型の上町断層帯地震や海溝型の南海トラフ巨大地震が発生した場合、会場内の建物については、耐震設計により倒壊や崩壊の可能性は低いが、道路の陥没や窓ガラスの飛散、漏水などの被害が及ぶこと、またアクセスルートとなる橋梁やトンネルは耐震化されており、倒壊等の致命的な被害が発生する可能性は低いが、発生直後には施設点検のために通行止めとなり、解除には一定の時間を要することなどが想定されております。 また、津波につきましては、夢洲の地盤は想定の津波高さに対しまして約五メーター以上のかさ上げを行っており、浸水被害は夢洲周辺部の護岸等に限られると想定されております。 協会では、これらの想定を基に、引き続き現場での具体的な対応等の検討を進め、本年夏頃をめどに避難や備蓄等の詳細を取りまとめるとともに、開幕に向けて研修や避難誘導等の訓練を実施していくこととされております。 大阪府市といたしましても、引き続き、関係機関と連携し来場者等の安全確保に備えてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) よろしくお願いします。 万博開催時には、国内外から多数の来場者が想定されております。想定来場者数は一日最大二十二・七万人、平均して約十五万人とされているところでございます。 このような中、大災害が生じた場合には、府域全体での対応がもちろん必要になるんですが、万博開催期間中は、これに加えて万博を契機に来阪される方々の安全安心を確保するため、会場やその周辺の防災対策だけではなく、国や大阪府、大阪市、博覧会協会が連携し、広域的な視点で万博を踏まえた防災対策を進めることが重要であると考えます。 そこで、開催期間中に災害が発生した場合の対応について、危機管理監に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 万博開催期間中の災害時に、来阪されている方々の安全安心を確保するためには、国、府、市、博覧会協会などが連携し、一体となって対応することは重要です。 そのため、昨年十月に府市関係部局、警察、消防から成る万博推進本部危機管理部会の防災分科会におきまして、現状の防災体制・対策について検証し、想定される課題を検討した結果、府市防災部局等と博覧会協会で迅速な情報伝達を可能とするための連絡体制の構築や、外国人の方も含む来場者の方に向けた多言語対応の防災アプリによる情報発信等、具体的な対策を進めているところでございます。 また、協会が本年夏頃を目途に取りまとめます避難や備蓄等の詳細については、国、府市関係部局等も参画する安全対策協議会におきまして、会場内外での連携も含め、協議を行っていく予定としております。 引き続き、協会をはじめとする関係機関と連携、情報共有を図り、安全安心な万博開催に向けて取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 続いて、市町村と一体となった大阪全体の盛り上がりに向けた取組について伺います。 先日、博覧会協会が催事検討会議を開催し、そこでは参加国や省庁、自治体など様々な主体から数多くの会場内催事の応募があったとのことです。大阪においては、万博会期中の五月、七月から八月、九月の三回にわたり、四十三市町村全てが参加し、地元大阪の魅力を発信する、仮称ですが、大阪ウイークの準備を進めております。各市町村での催事の準備が進めば、住民の皆さんにとっても万博が身近なものとなり、大阪全体での万博機運の盛り上げにもつながるものと考えます。 そこで、市町村の機運醸成の取組や万博への催事参加を円滑に進めるために、これからもしっかりと府が市町村をサポートする必要があると考えますが、万博推進局長の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 彌園万博推進局長。 ◎万博推進局長(彌園友則) 市町村の機運醸成に対する支援につきましては、これまでも地域で開催される催し等におけるブース出展やミャクミャクの派遣のほか、懸垂幕等の広報ツールの提供など、様々なサポートを行ってきたところでございます。さらに、府民文化部におきましても、市町村の万博関連イベントの開催を促進するため、補助事業の拡充を図っていくこととされております。 また、万博への催事参加につきましては、府内全ての市町村と共に大阪の魅力を世界に発信する(仮称)大阪ウイークの実施に向け、今後、府市が中心となってイベント全体の企画を具体化していく中で、地域の観光や産業、食文化などをより効果的に発信できるよう、市町村の素材も含めてコーディネートすることに加えまして、会場で各市町村が主催する催事につきましても、企画段階から伴走支援することとしております。 こうした取組を通じまして、関係部局と連携の下、引き続き市町村における機運醸成や万博への催事参加をしっかりとサポートしながら、府内全体を一体的に盛り上げ、万博の成功につなげてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) ありがとうございます。 後にもちょっと触れると思うんですけど、民間シンクタンクからいろんな提言をいただいているところで、その中の言葉で拡張万博というワード、単語があるんです。これは、大阪、ひいては関西全体を一つ、全体として仮想パビリオンに見立てて経済効果を図っていこうと、そういう考え方なんですけど、まさに今の市町村の機運醸成、府の働きかけというのも、それとリンクするようなことでありますので、しっかりと取り組んでいただければとお願いをしておきます。 続いて、大阪ヘルスケアパビリオン再生医療発信事業、これについてお尋ねをいたします。 大阪ヘルスケアパビリオンでは、大阪府市がiPS細胞による生きる心臓モデルをはじめとした再生医療に関する展示出展を計画しております。来年度予算案には、展示コンテンツの製作費等の予算が計上もされております。 四月には、いよいよ万博開幕一年前を迎え、秋にはパビリオンの予約も始まりますが、この再生医療発信事業についても、大阪ヘルスケアパビリオンにおける他の展示コンテンツと併せ、集客促進につながるよう、会期前からの積極的な情報発信にも取り組んでいただきたいところでございます。 そこで、本事業では現在どのような展示コンテンツを検討しているのか、万博開幕に向けてどのように情報発信していくのかを万博推進局長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 彌園万博推進局長。 ◎万博推進局長(彌園友則) 再生医療発信事業につきましては、産官学民で出展する大阪ヘルスケアパビリオンにおきまして、子どもたちにも命の大切さを学んでもらうとともに、科学への関心を高め、次代の人材育成にもつながるよう、iPS細胞を活用した展示を計画しております。 この計画に基づき、来年度は、自ら動く心筋シートそのものや、心臓が心筋シートの働きにより拍動するさまを体験いただける、生きる心臓モデルなどのコンテンツの製作を進めていくこととしております。 本事業の情報発信につきましては、再生医療の実用化・産業化拠点である中之島クロス等の関係機関との連携に加えまして、府市のウェブサイトやSNS等を活用するなど、館内の他の展示内容も含めまして、広く中身をPRすることでパビリオンへの期待感を高め、集客促進につながるよう、協賛企業等とも協力しながらしっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) よろしくお願いします。 次に、万博の具体的内容の発信強化について伺います。 昨年十二月に大阪府市が実施した万博の機運醸成に関するアンケート調査によると、認知度は、大阪府内では引き続き九割を上回るとともに、首都圏をはじめとする大阪府外で大幅に認知が進んで、昨年調査と比較すると全国では六・四ポイントの増加となっております。その一方で、来場意向度については、府内で四割を下回り、全国では七・四ポイント減少の三三・八%という状況でございます。万博の成功のためには、多くの府民、国民の皆様にまずは万博を訪れてみたいと思ってもらうことが重要だと思います。 大阪・関西万博は、地球規模で起こっている様々な課題への貢献を目指して、百五十を超える国々や民間企業等の英知が結集し、先端的な技術やサービス等の実証、実装が行われる未来社会の実験場を体現する場であります。しかし、こうした万博本来の魅力や万博の内容の魅力そのものが伝わらなければ、府民、国民の来場意向度が減ってしまうのは、ある意味当たり前の話であります。 そこで、今後の万博の機運醸成については、民間事業者のアイデアも活用するなどにより、万博に関する情報発信を充実させていくことが必要だと考えますが、その方法について、万博推進局長の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 彌園万博推進局長。 ◎万博推進局長(彌園友則) 万博の機運醸成につきましては、今年度から年間の取組を民間事業者に包括的に委託しており、府内外におきまして、自治体や民間企業等が主催するイベントでのPRやサイネージでの動画放映、ウェブサイトでの情報発信などに取り組んでまいりましたが、議員御指摘のとおり、昨年のアンケート調査の結果では万博の来場意向度が低下している状況でございます。 今後は、万博でどのような体験ができるかを広くお伝えし、多くの人々に会場に行ってみたいと思っていただけるような発信を強めていく必要があると考えており、例えば、大屋根リングをはじめ施設整備の進捗状況や、会場で実証、実装される最新技術やサービスの特徴、各パビリオンの展示内容などにつきまして、引き続き民間事業者の発想も取り入れながら、より具体的に中身をPRしていくこととしております。 こうした取組を通じまして、国民、府民の皆様の万博への期待感を高め、たくさんの方々に来場いただけるよう、今後とも博覧会協会などの関係機関と連携しながらしっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 次に、万博チケットの購入方法の多様化と販売促進について伺います。 大阪・関西万博の入場チケットの販売目標、これは前売り販売で一千四百万枚、全体二千三百万枚となっており、目標達成にはさらなる取組が必要なのは言うまでもありません。 ウェブサイトからの購入、これは万博IDの登録やパスワードの設定など購入方法が一定複雑なため、スマートフォン等を使い慣れた人でないとハードルが高い。実際に、チケットを買おうとしたが、ウェブ購入がうまくできずに諦めてしまったとの声も聞くこともございます。せっかくの販売機会を逃しているのが現にございます。 先月一月二十九日から一部の旅行会社において入場チケットの店頭販売、これが開始されておりますけれども、多くの方々に入場チケットを購入していただくためには、例えば誰でもすぐそばにあるコンビニなんかで販売するとか、もっと手軽にチケットを購入できるようにすべきではないでしょうか。また、企業の商品購入の特典にチケットを利用してもらうなど、企業と連携した取組も必要だと思います。万博推進局長に所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 彌園万博推進局長。 ◎万博推進局長(彌園友則) 万博の入場チケットの販売促進につきましては、博覧会協会におきまして、旅行会社の追加や、議員お示しのコンビニなどにおける販売に関しまして、費用対効果も勘案しながら検討が進められておりますが、府市としても、誰もが求めやすい購入環境を整えることが重要であると考えておりまして、協会に対する働きかけを強めてまいります。 また、企業との連携に関しましては、来場日予約等がスタートする今年の秋以降、万博チケットとセットになった旅行商品の販売キャンペーンなどについて、協会が関係事業者と調整を進めているところでございます。 引き続き、府市としても、共済、互助による職員向けの割引販売に加え、市町村の広報紙やSNS等を活用した前売りチケットの周知を進めるなど、協会と連携しながら、より多くの方に万博を訪れていただけるよう、しっかりと対応してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 昨日開催されました万博の特別委員会でも議論をさせていただきました。我が会派の森議員から、強くコンビニ販売についての提案意見も出させていただいたところです。これは、別にコンビニだけというわけではないんですけれども、黒字化に向ける努力、必死さというものをしっかり出していっていただきたい。局長の御答弁にも、協会に対する働きかけを強めていきますということもありましたので、これはまた特別委員会でもしっかり議論をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、万博の経済波及効果について伺います。 昨年十一月本会議において、大阪府市においても、万博に要する経費の全体像を提示し、それを基に最新の府域への経済効果を試算すべきと質問したところ、知事からは、府としても、国の動向を踏まえながら、万博のコスト、意義、効果について再確認するため、万博推進本部において議論を重ね、広く発信していくという御答弁がございました。 その後、大阪府市の万博推進本部では、万博に要する府市の費用についての議論や、万博の開催意義に関する二〇二五年の重要性について講演が行われたところであります。 また、本年一月二十九日の万博推進本部にはAPIRさんが出席されまして、約二兆七千億円から三兆二千億円程度の試算結果、五千億ほどの上振れ結果という説明もございました。 その際、知事からは、APIRの経済波及効果は一般的な算出方法に基づいたもの、参考数値とさせていただき、府民の皆様の万博の理解促進に活用させていただくとか、現在、国においても経済波及効果の算出に取り組んでおり、府市としても国に合わせて府域の経済波及効果を算出していくといった御発言がありました。 この府市における経済波及効果の算出に向けた現在の状況について、万博推進局長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 彌園万博推進局長。 ◎万博推進局長(彌園友則) 万博開催による経済波及効果につきましては、府市としても相応の費用を負担していることから、府域の効果を算出することは重要であると認識しておりまして、これを広く発信することで府民や市民の理解促進につなげていく必要があると考えております。 現在、国におきまして、算出に向けた準備が進められておりますが、さきの民間シンクタンクの試算にあったように、効果額は様々な主体がそれぞれの根拠で試算されるものではありますが、そのような中におきましても、行政としては統一的な根拠で算出すべきと考え、府市におきましては、国のデータ等を活用してお示しできるよう調整を進めているところです。 今後、国の動きに合わせまして、府域の経済波及効果も公表し、府民、市民の万博への理解がさらに促進されるよう引き続き準備を整えてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) この経済波及効果の話、APIRさん、これ四回試算を出しておりますが、初回の試算はコロナ前のたしか二〇一九年に出している数字なんですけれども、そのときは相当インバウンドの数があるという前提で出した数字があるんですが、それと比べてもさらに今上振れをしているという数字もありますので、ここはしっかりと数字を出していただければなという思いであります。 続いて、空飛ぶクルマについてお尋ねいたします。 大阪での空飛ぶクルマの実現に向け、万博での運航を予定している各機体メーカーは、既に国に対し、航空法に基づく型式証明の申請を行っており、認証に向けた審査手続が進められていると聞いております。非常に期待が高まる一方で、一部に認証が間に合わないのではないかという声も聞かれます。 万博開催時での空飛ぶクルマの実現、とりわけ大阪、関西でのビジネス展開を視野に入れた商用運航はぜひとも実現をしていただきたいです。 そのため、例えば国に対し働きかけを行うなどの動きも必要かと思いますけれども、知事の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 空飛ぶクルマの社会実装を進めるに当たりましては、まずは万博において商用運航を実現させることが何よりも重要だと考えています。 そのため、関係省庁や大阪府市、運航事業者などで構成される大阪・関西万博空飛ぶクルマ準備会議での検討を踏まえ、スケジュール感も共有をしながら、認証取得のための機体の安全性に関する基準や離着陸場整備指針、航空管制システムの構築など、万博での運航に必要な準備が着実に進められているところです。 なお、万博開催時の商用での運航には、運航事業者による旅客運送事業許可の取得や、搭乗条件の取決めなども必要であることから、これらについても遅滞なく準備が進められるよう、国や運航事業者などと共に取り組んでいきます。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 知事、ありがとうございました。 万博では、空飛ぶクルマによって未来社会がどう変わっていくのか、万博後も大阪において継続して運航ビジネスが展開されていくことが非常に重要で、万博後の大阪、関西において空飛ぶクルマを根づかせていくために、府としてどのように取り組んでいくのかを商工労働部長にお尋ねをいたします。 ○副議長(垣見大志朗) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 大阪府では、大阪、関西で空飛ぶクルマのビジネス展開を目指す事業者を対象に、まずは万博をマイルストーンとして運航を実現させるため、全国に先駆けて実証実験や離着陸場の整備に対する支援など、様々な取組を進めてまいったところでございます。 万博後に大阪、関西で空飛ぶクルマの運航を定着させるためには、安全かつ安定した運航の継続に必要な機体整備や駐機、人材育成等の機能を備えた拠点が必要であるため、来年度は新たにそうした拠点の形成を目指す事業者を支援することとしております。 また、これらの取組と併せて、今年度作成するガイドブックも活用いたしまして、民間事業者による離着陸場の整備を後押しするとともに、関西の各府県とも連携いたしまして、広域での運航ネットワークの形成など、ビジネス展開のしやすい環境整備に取り組んでまいります。 このような取組を通じまして、空飛ぶクルマを根づかせ、交通や観光、輸送、ものづくりなど様々な産業との掛け合わせによるイノベーションを図り、都市型ビジネスの創出につなげてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 部長、ありがとうございます。 今部長から、関西の各府県と連携して、広域でのネットワーク形成に取り組むという御答弁をいただきました。この関西一円でのネットワーク形成に向けて具体的にどのように取り組んでいこうとするのか、再度商工労働部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 空飛ぶクルマの商用運航によるビジネス展開を目指す事業者が想定しているユースケースというのは、大阪を中心とした中距離の都市間移動や観光、遊覧といった分野での活用でありますことから、万博後の運航拡大に向けては、大阪と関西各地を結ぶ運航ルートを整備し、さらにそれらをネットワーク化していくことが必要となります。 その第一歩として、今年度は実証実験等の取組を兵庫県と連携して支援し、府県域をまたぐ四件の事業を共同で採択したところでございます。 今後は、運航ルート確立の基盤となる離着陸場整備を関西一円で進めていくため、事業者には離着陸場整備指針のガイドブックなども活用し、整備を促していくとともに、関西の各府県に対しましては地域に応じた空飛ぶクルマの実現に向けた取組を働きかけて、大阪、関西でのビジネス展開の潜在力、実現可能性を具体的に事業者に訴求できるよう、オール関西で取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 続いて、大阪が目指すべきライドシェアの実現というテーマで伺います。 昨今の深刻なタクシー不足を踏まえ、今年四月から法人タクシー事業者による交通サービスを補完するための地域の自家用車、ドライバーを活用した有償運送、いわゆるタクシー会社限定のライドシェアがスタートします。 国では、ライドシェアの一部導入が始まるとのことで、さきの国会において、新規参入を含めたさらなる緩和を含む新たな法制度の議論に当たっては、安全管理、雇用問題、タクシー事業者の経営への影響などについて、四月開始のタクシー会社限定のライドシェアの効果を検証した上で、時間をかけて見極めていくことが必要といった議論がありました。 また、一部のタクシー事業者からは、ライドシェアの導入によって大阪市内の一般道路で渋滞が起きないかといった声も出ているところです。 ここでパネルを見てほしいんですけれども、これも維新の府議団でアンケート調査した結果なんですが、右側、三分の一強、半分近くがライドシェアの導入に前向きな意見、四一%という数字も出てきております。これだけ多くの方が、ライドシェアそのものに期待をしている証左かと思います。 大阪・関西万博開幕まで一年少々となっているこの国家プロジェクトを成功に導くためにも、会場内の準備はもちろんですが、おもてなしの部分も非常に重要でありますし、我が会派としては、地元開催都市として、観光に来ていただいた皆様にとって円滑な移動を確保することは最低限の責務であると強く認識をしております。 そこで、国会での安全管理、雇用問題、タクシー事業者への影響など時間をかけて議論すべきといった質疑や、都市部の交通渋滞への懸念について、ライドシェアを進める府としてはどのように受け止めているのか、都市整備部長に所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) タクシー業界における深刻なドライバー不足の中、インバウンドの急速な回復や、一年後に迫った大阪・関西万博による交通需要の増加に対応するには、ライドシェアの早期導入が不可欠と認識しております。このため、昨年十二月に、大阪がめざすべきライドシェア(案)を取りまとめたところでございます。 この案では、まず安全管理につきましては、意欲のある事業者の参入を認めることとしております。その上で、ドライバーの事前資格審査や資質向上に必要な教育、訓練の実施、トラブル防止の観点からドライブレコーダーの設置など、安全安心な運行管理を行うことのできる体制の確保に向け、必要な措置を講ずることとしております。 次に、雇用問題につきましては、実施主体が運行サービス全般に責任を持つ契約をドライバーと締結することを条件に、雇用契約方式に加えまして業務委託方式も可能とすることを目指しております。 また、タクシーと新規参入事業者がイコールフッティングの下、両輪となって万博やインバウンドなど高まる移動需要の増加に対応することで、タクシー事業者への影響が出ないような供給体制の構築を目指しております。 さらに、交通渋滞への懸念につきましては、大阪の交通総量を考えますと、ライドシェアの導入が交通渋滞を引き起こす大きな要因となるとは考えておりません。ただし、空港やターミナル駅など特定場所における混雑の可能性について調査の準備を進めており、万博時の円滑な輸送、安全運行の実現に向けましてしっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 大阪が目指すライドシェアの姿、方向性は明確でありまして、また国会での質疑があった安全管理、雇用面、タクシー事業者の経営への影響などの懸念に対してもしっかり考えられているということは分かりました。 我が会派としては、大阪でのライドシェアをぜひ実現してもらいたいと当然思っておりますけれども、残念ながら、現在、国で検討を進められている内容はそのようにはなっておりません。 このたび国が示した四月から導入されるタクシー会社限定での自家用車、ドライバー活用事業については、タクシー会社が、二種免許に加えて一種免許のドライバーを、また営業車両以外に自家用車両を活用することができるようになるもので、タクシー業界の人材不足対策としては一定評価できるものの、大阪が目指すライドシェアを実現する上ではまだまだ課題があると考えます。 しかしながら、一部の方々が日本型ライドシェアと呼ぶこの制度、実は実態はタクシー事業の緩和でありまして、本来の意味するライドシェアと言えるものではありません。果たして、一年後に万博を控える大阪において、外国人観光客、そして府民の皆様の移動の足として、十分役割を果たせるかどうかというのは甚だ疑問が残ります。 大阪府市では、昨年末に、大阪がめざすべきライドシェア(案)が取りまとめられ、先月の国の規制改革推進会議地域産業活性化ワーキングにおいても、吉村知事から万博時に向けた四つの提案ということで、意欲ある事業者の新規参入、運転手への業務委託、府域全域そして二十四時間運行、そして四つ目、ダイナミックプライシング、こちらを訴えられております。 我が会派としては、ライドシェアの導入は、万博の成功に向けてはもちろん、人口減少・超高齢化社会が進む中で、このライドシェアは、府民生活やちょっとした移動における利便性を向上させる、それだけではなく、新たな産業の創出やまちづくりの整備など、新たな価値を創造していくツールとして不可欠と認識をしております。 国では、ライドシェアに関する法律制度について議論を進めていくとのことですが、一方で法改正までは必要ないといった否定的な声も聞こえてまいります。まずは万博に向けて、さらには大阪が目指すべきライドシェアの実現に向けてどのように進めていくのか、知事に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 国が、本年四月から導入をされます、いわゆるタクシー事業者によるライドシェアにつきましては、タクシー事業の規制緩和という意味では少し前進をしたものだと考えています。府内のタクシー事業者には、できる限り参画をいただきたいと思います。 しかしながら、万博時の需要増への対応として、この国の案では不十分です。現在、万博期間中のタクシー需給予測を有識者の意見を聞きながら調査をしていますが、結果が出れば速やかに国で実施中のパブリックコメントに具体的に提案を行っていきます。 今後とも、あらゆる機会を通じて、タクシー事業者以外の新規参入や府域全域、二十四時間運行の必要性など、大阪が目指すライドシェアが実現できるようにしっかりと取り組んでいきます。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 知事の今の御答弁の中で、タクシー需給予測を有識者の意見を聞きながら調査もしておりますというお答えでした。この結果が出てくるのがもう少し早ければ、常任委員会ぐらいで議論できるタイミングがあるのかもしれません。しっかりここは議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 続いて、三つ目のテーマ、成長し続けるグローバル都市大阪ということで順次質問をしていきます。 まず、大阪の成長発展に資する府の財政運営の在り方について。 府の財政状況に関する中長期試算、いわゆる粗い試算なんですが、毎年度数百億円規模の多額の収支不足が今後十年以上にわたり毎年生ずるとの試算結果が繰り返し毎年示されてきております。令和六年二月版によれば、府の財政状況は、前回試算と比較して人件費や一般施策経費の増加により、各年度の収支が前年度からさらに二十億円ないし百四十億円悪化し、今後十年以上にわたり毎年二百億円から九百億円規模の収支不足があると、そんな試算が出ております。 しかし、決算ベースで見ると、平成二十年度以降の十五年間、府の実質収支は黒字をずっと確保しております。赤字は一度も出しておりません。剰余金の中から減債基金の復元に努めつつ、この間、財調基金を積み上げてきたもので、粗い試算に基づく収支見通し、そして実際の決算額との間には著しい乖離が生じております。 毎年度、多額の収支不足が生じる粗い試算を示されておりますと、財政運営の在り方、これはおのずと緊縮マインドにもなります。本府財政に対する大きな足かせになることも懸念されるところであります。実態とそぐわない当初予算と決算の乖離はなるべく小さくすべきと考えますが、これも知事の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 令和六年度当初予算は、万博の開催に向けた取組や次世代への投資などに予算を重点配分しつつ、財政規律を堅持しながら厳しく編成したものです。 当初予算は、確実に見込まれる収入と施策を実施するために必要な支出の上限でありまして、年度を通じた効果的、効率的な予算執行などにより、決算との間では一定の変動が生じます。 今後も、大阪の成長発展に向けた施策にしっかりと投資をしていくため、実績を踏まえて所要額を精査するなど、引き続き当初予算と決算の乖離を小さくするよう努めていきます。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) すぐ見直すよというお答えではもちろんなかったんですけれども、これ思い返すと、当時の橋下知事が--全国にこういう粗い試算なんていう例はありませんでした--財政が非常に厳しいというところで、まずはこういうことからやっていこうよという、ある意味トップダウンでつくられた制度なんですが、もし今後、実態にどんどん即していかないとか問題があると知事御自身が感じられることがあれば、これもまたトップダウンで見直しをしていただくのも一つの方法かなと思います。これも、委員会などでは、維新の我が会派の置田委員もずっと問題意識をしながら議論してきておるんですが、今後も引き続き議論をさせてもらえればと思います。 次に、国際金融都市について伺います。 今年一月に金融庁が提案募集を開始した金融・資産運用特区において、二月十六日に大阪市と連携で提案書を提出したとのことですが、国際金融都市の実現の狙いは、金融の力で大阪の実体経済を発展させていくことであります。今回の特区提案についても、海外の資産運用業者などを呼び込んだ結果、外資系の企業が自らの利益を追求するだけでなく、大阪経済の成長や府民生活の豊かさの向上につながっていくことが重要であります。 そこで、今般の金融・資産運用特区について、どのような目的で、どのような内容の提案を行ったのか、政策企画部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 川端政策企画部長。 ◎政策企画部長(川端隆史) 金融・資産運用特区に係る提案につきましては、万博を一過性のものとせず、大阪が強みを有するライフサイエンスやカーボンニュートラルなどの重点分野を軸に、万博レガシーとしてイノベーションが次々と生み出される未来社会を実現し、世界の課題解決に貢献することを目的としております。 この目的達成のため、金融の力で企業のチャレンジを支えていくことが今回の提案の狙いでございます。大阪が、金融面でも世界に開かれ、海外の資産運用業者やフィンテック企業等を呼び込むことにより、投資が投資を呼ぶ好循環を生み出せるよう、金融機関や関係者等の御意見を踏まえながら、グローバルスタンダードに合わせた規制改革等を提案したところでございます。 具体的には、参入障壁となっている外国人の銀行口座開設の促進や投資家ビザの創設、金融面での手続の簡素化・英語化への支援、金融系外国企業等に係る法人税の軽減など、規制改革で二十三項目、税財政措置として七項目を提案いたしました。 今後、まずは全力を傾けて特区の対象地域としての指定を目指し、これを追い風として、世界に伍する国際金融都市の実現につなげてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 世界に伍する国際金融都市の実現をぜひ目指してまいりましょう。よろしくお願いします。 次に、関西国際空港における今後の成長見通しについて質問いたします。 万博を機に関空の容量を拡張させることは、二〇二九年三月に第三滑走路が完成予定の成田空港や、二〇二七年度を目途に第二滑走路が供用開始される中部空港に先んじるとともに、二〇三〇年秋頃には開業予定の大阪のIR計画など、その後の大阪、関西の成長機会を確実に捉えていく上で、極めて重要な都市戦略であります。 関空は、昨年四月の水際対策の撤廃以降、主力である国際線の外国人旅客数は急速に回復しており、近いうちにも年間発着回数が現行上限の二十三万回を超えることも十分考えられます。 府としては、今後の関空の成長についてどのような見通しを持って容量拡張を進めておりますでしょうか、改めて政策企画部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 川端政策企画部長。 ◎政策企画部長(川端隆史) 関空の国際線につきましては、昨年十二月の外国人旅客数は、コロナ前のピークであった二〇一九年同月比で既に上回っております。今後、中国人旅客の本格的な回復などにより、さらなる増加が期待できるものと考えております。 成長見通しとしては、関西エアポート社等が行った将来需要予測におきまして、万博が開催される二〇二五年には年間発着回数が現在の上限二十三万回を超え、さらに二〇三〇年には標準的なケースで約二十八万回に達するとされております。この予測を踏まえ、関西三空港懇談会におきまして、二〇三〇年代前半に三十万回を目指すことが合意されました。 こうした動きを踏まえ、府としては、万博時に万全な受入れ体制を整えるとともに、その後の一段の成長に備えるため、容量拡張の実現に向け、鋭意取り組んでいるところでございます。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 旅客の増加に適切に対応するためには、空港施設についてもしっかりと体制を整えていく必要があります。足元では、特に繁忙期でもない昨年十一月に、保安検査において約百分の待ち時間が発生したとも聞いており、大阪への訪問旅行者がいきなり空港内の手続で待たされて悪い印象を持たれては、それこそ大きな損失であります。利用者が、ストレスを感じることなく円滑に出入国手続等ができるよう、具体的にどのように取り組んでいくのかを政策企画部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 川端政策企画部長。 ◎政策企画部長(川端隆史) 関空における出入国手続等の円滑化については、これまでも関西の自治体、経済界が一体となって国に要望するとともに、関西エアポート社においても改善措置が図られてきたところでございます。 足元の混雑対策として、昨年十二月に国内線の保安検査員を国際線に配置転換するなどの体制強化が図られ、現在の待ち時間は最大三十分程度になるなど、大幅な改善を見ております。 来年度は、保安検査における最新設備の導入や、入国審査と税関申告のワンストップ化が図られる予定でございます。さらに、万博後の需要に対応するため、ターミナルの大改修において保安検査場のレーン増設などが進められているところでございます。 府としては、関空の容量拡張とともに、利用者の利便性、快適性の向上が図られるよう、引き続き、国及び関西エアポート社等に対し必要な対策を求めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 大阪、関西の成長機会を確実に捉えていく上で、極めて重要な都市戦略である関空の容量拡張の実現、これに向けて関西三空港懇談会では、国に対して、深夜・早朝時間帯における新飛行経路の運用制限など、環境面での改善提案がなされたと聞いております。 今後、国との協議に加えて、近隣地域の自治体など地元調整も本格化するものと考えておりますけれども、万博までの合意形成に向け、知事のリーダーシップにも大いに期待しているところであります。 万博に向けた関空の容量拡張実現について、知事の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 関空の容量拡張に必要となる新たな飛行経路の実現には、地元の理解が大前提となりますことから、有識者による環境検証委員会を設置し、その検討過程において、特に影響のある自治体首長の意見を直接聞くなど、地元対応を丁寧に進めてまいりました。 その中で、泉州九市四町からは、騒音の影響が最小限となるよう、国への環境改善策の要請、府と関西エアポート社における地域活性化への協力、支援などを求める意見書が出されたところです。 府としては、このような意見を踏まえ、関西三空港懇談会と連携をして、住民の生活環境に配慮した深夜・早朝時間帯の海上ルート導入などを国へ働きかけるとともに、関西エアポート社と協力の上、監視体制の強化や地域の観光振興などに取り組みます。 私が、先頭に立って、地元理解を着実に進め、この夏の関西三空港懇談会での最終合意を目指します。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 知事の強い決意、ありがとうございました。 次に、大阪広域データ連携基盤--ORDENについて伺います。 パネルを御覧ください。 このランキングでは、日本は残念ながら毎年低位に甘んじており、これの大きな要因としてデータ利活用の項目が最下位というものがあり、日本のデータの利活用の遅れが日本の競争力を阻んでおります。 大阪府では、大阪が進めるデータ駆動型スマートシティーの礎として、大阪広域データ連携基盤--ORDENを構築し、先般、国のスーパーシティーのデータ連携基盤としても正式認定されたところであります。このORDENは、日本が遅れているデータ駆動型社会を牽引するインフラとして期待をされているところであります。 そこで、国のお墨つきを受けたこのORDENを大阪のスマートシティーの理念である住民のQOL向上に寄与していくために、令和六年度にはどのような展開を予定しているのか、スマートシティ戦略部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 坪田スマートシティ戦略部長。 ◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) 昨年十月にスーパーシティーの認定を受けたORDENの利活用につきましては、スーパーシティープロジェクトとしての夢洲での建設工事現場内外での移動円滑化や、渋滞緩和を促すための駐車場ダイナミックプライシングなどのサービスを皮切りに、民間の利活用を進めているところでございます。 また、行政側の利活用としましては、住民の属性に合わせて必要な情報を必要なタイミングで届けることができる広域総合ポータルとしてのmydoor OSAKAをスタートいたします。 加えまして、ORDENを通じた官民のデータ取引を活性化させ、データを活用した多様なサービス展開を促すためのデータカタログを三月末に公開していく予定でございます。 さらに、ORDENの他府県への横展開に向けまして、自治体等と協議を進めるなど、ORDENがデータを生かした豊かな暮らしの実現に寄与できるよう、これらの施策をしっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) このORDENの利活用、まさに今が勝負どころと伺っております。部長、ぜひともよろしくお願いいたします。 続いて、府庁DX等の業務移管についてお尋ねをいたします。 今回、これまでスマートシティ戦略部で担ってきた府庁DXや業務改革に関する業務について、令和六年度当初から財務部にその組織が移管するということです。府庁、庁内DXの取組については、スマートシティ戦略部が中心となって課題点の洗い出しや対応方策の検討等を行ってきたと認識しておりますが、今回なぜ財務部に業務を移管することとしたのか、移管の目的、狙いについて総務部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 市道総務部長。
    ◎総務部長(市道泰宏) 府庁DXの取組につきましては、これまで、府庁全体のシステムの最適化に向けまして、スマートシティ戦略部が中心となって、ハードウエアの集約やソフトウエアの見直し、運用の一元化など、デジタル改革を持続的に推進するための方策について検討を行ってきたところでございます。 これまでの検討結果を踏まえ、来年度から実行段階に移行していく中で、府庁DXをより一層進めていくためには、財務部が所管する予算編成や公民連携等の業務と一体的に取り組むことが効果的でございますことから、今回財務部に当該業務を移管することとしたものでございます。 一方、スマートシティ戦略部では、広域総合ポータルmydoor OSAKAの展開をはじめ、万博開催に向けたORDENの活用、デジタル格差の解消に向けた市町村DXの推進など、喫緊の課題として取り組むべき施策を複数抱えており、府庁DX業務等を財務部に移管することで、これら対外的な重要施策に注力することが可能となるものでございます。 今回の業務移管によりまして、財務部とスマートシティ戦略部がおのおのの取組を進め、府及び府内市町村におけるデジタル改革をより一層加速させることで、府民サービスの向上と行政の業務効率化に寄与できるものと考えているものでございます。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 次に、阪神高速道路の料金見直しの目的と今後の取組について伺います。 近畿圏の高速道路については、複数の運営主体と料金体系が混在し、会社間を乗り継ぐ際に重複して基本料金がかかり、割高になることなどで、高速道路ネットワークが十分に活用されていない状況であることから、公平かつシームレスな料金体系が実現されるよう強く求めてきたところであります。 この料金体系の実現に向け、平成二十九年に行われた阪神高速道路の料金見直しでは、対距離制を基本とした料金体系の導入に併せて、激変緩和措置として上限料金が設定されるとともに、都心部への流入交通に対して、経路や会社によらず同一料金とする都心流入割引などの導入が進められました。 昨年末には、国や阪神高速道路株式会社から、上限料金が普通車の場合一千三百二十円から一千九百五十円に見直されることや、その財源を活用した新たな割引の導入などが示されるとともに、今般同社から大阪府に対して申請のあった料金見直しと料金徴収期間の延長に関する事業変更について、知事が同意する議案が本議会に提出されております。 今回の事業変更のうち、料金見直しについては、その目的や効果などを府民をはじめとする利用者に理解していただくことが重要と考えますが、我が会派が主張してきた公平かつシームレスな料金体系との関係性を踏まえた料金見直しの目的と今後の取組について、知事の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 今回の料金の見直しは、上限料金の見直しや戦略的な料金施策などを講じることにより、高速道路運営主体間の料金格差を縮小して、そして会社間を乗り継ぐ際の負担感を少なくするなど、お示しの公平かつシームレスな料金体系の実現に向けた一つのステップであり、併せて都心部の渋滞緩和などが期待されるものと考えています。 今後、議会での御審議を経て今回の料金見直しが実施された後も、淀川左岸線等の高速道路ネットワークの整備状況なども見据えつつ、国や関係自治体と連携しながら、公平かつシームレスな料金体系の実現に向けて着実な取組を推進していきます。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 次に、阪神高速道路株式会社の経営改善の取組について伺います。 今回の料金見直しの目的は理解する一方、利用者が納得するためにも、阪高さん自ら経営改善に努めていただくこと、これは是が非でもセットでお願いしたいところであります。 経営改善については、我が会派として、昨年九月議会の都市住宅常任委員会において、ETCの利用率を踏まえた有人料金所の無人化などによる管理費の削減や子会社の整理などにより、さらなるコスト縮減を進め、その縮減により得られた財源を利用者へ広く還元するなどの取組を求めてきておりますが、阪神高速道路株式会社における経営改善の具体的な取組内容について、都市整備部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 阪神高速道路株式会社におきましては、これまでも経営改善に関する様々な取組を進めてきており、昨年十二月には、料金見直しの方針と併せて、改めて経営効率化に向けた今後の取組が公表されたところでございます。 この中で、物価高騰等を踏まえつつ、新技術の活用等による約一割のコスト縮減や、令和十二年度を目途とした全料金所の無人化とともに、子会社の統廃合も含めたグループ経営体制の見直し、パーキングエリアの改善や企画割引の実施による利用者サービス向上の取組などが示されたところでございます。 府としても、引き続き、株主総会や出資団体会議等、様々な機会を通じ、阪神高速道路株式会社に対しまして経営改善の取組の着実な履行を求めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) この料金見直しの話なんですが、昨年から繰り返し会派内でも盛んに議論をしてきたテーマでもあります。今回の見直しについて、多くの府民の皆様に納得していただくためにも、繰り返しますが阪高さんの経営改善の確実な実行、これをぜひとも府としても強く求めていただくことを要望しておきます。 次に、新大阪駅周辺地域のまちづくりについて伺います。 十三、淡路を含む新大阪駅周辺地域については、我が会派としても東西二極の一極を担う副首都大阪の実現に向けて、周辺まちづくりについて代表質問、一般質問で何度も取り上げてまいりました。 昨年十二月には、新大阪駅周辺地域まちづくり検討部会が開催され、民間都市開発の機運醸成に向けたプロモーションの取組状況と今後の進め方について確認されたところであります。 このような中、リニア中央新幹線や北陸新幹線などの整備に伴い、新大阪駅エリアが広域交通の要衝として発展し、その効果を大阪、関西一円に波及させることが重要であると考えます。 新大阪駅エリアにおける交通拠点形成の観点から、現在の検討状況と今後の取組について、大阪都市計画局長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 尾花大阪都市計画局長。 ◎大阪都市計画局長(尾花英次郎) 新大阪駅エリアにつきましては、広域交通の利便性に優れたポテンシャルを生かしまして、エリア価値を高める質の高い都市機能の集積を図るとともに、国内外の人の流れを集め、周辺地域や各都市に広げる役割を担うことが重要と認識しております。 このため、新大阪駅周辺において、乗換え利便性の向上や、次世代交通を含む多様な交通サービスの提供、さらには新しくシンボリックな人中心の空間形成など、交通結節機能の強化に向けた検討を進めているところでございます。 引き続き、関係機関との連携の下、民間都市開発の機運醸成を図るとともに、今後、新幹線新駅の位置の確定に伴い、想定される人や車の流動等を踏まえつつ、駅前広場をはじめとした空間構成の具体的な検討を行うなど、駅とまちが一体となった世界有数の広域交通ターミナルのまちづくりの実現に向けまして着実に取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 新大阪駅は、周辺道路での渋滞を引き起こすなど、現在課題の多いターミナルです。今後、北陸新幹線やリニア等の乗り入れによって、より一層重要なターミナルとなっていきます。そういった観点からも、全般的なターミナルの見直し、特に在来線側の周辺整備を含めた広域交通ターミナルの実現をお願いいたします。 通告の次の病院機構の経営統合については、時間の関係がありますので、今回は省略します。 次に、府有地の有効活用について伺います。 行政目的を終えた府有地、不要財産とも言えるこの早期売却は、これまでの大阪府の危機的な財政状況を改善するための重要な取組の一つでありまして、我が会派もこれまで継続して主張、提言してきたところであります。府の財政状況は、これまでの行財政改革の効果によって大きく改善されております。 将来的には、府有施設の建て替え用地なども必要になってまいりますが、短期的な財政効果だけを考えて売り払って処分するだけではなく、ストックの有効活用、これをしっかり図っていくことも重要であります。 不要な財産の処分について、売却一辺倒ではなく、例えば貸付けを行うなど、方針の方向転換の時期に来ていると考えますが、財務部長の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 金森財務部長。 ◎財務部長(金森佳津) 不要となった財産については、歳入確保の取組として、財産所管部局による活用検討を経て、庁内、地元市町村での活用の有無を確認し、いずれも希望がない場合には売却してまいりました。希望があれば、庁内転用や地元市町村への売却も行っています。また、その売却収入については、事業実施の財源としている部局もあるところです。 今後、個々の財産の状況に応じ、府施策の観点や費用対効果、地域のまちづくりの計画、活用ニーズなどを踏まえ、財産所管部局などと連携し、貸付けを含む有効活用や処分の在り方について考えてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) ちょっとパネルをお願いします。 これ、会派の教育部会の視察で見させてもらったオキナワインターナショナルスクール、これ旧玉城村役場跡地で貸付けの授業を行っている様子なんですね。 国際金融都市を目指す大阪において、インターナショナルスクールの増設、今後、学校跡地は重要な資産となるため、貸付けについても御検討いただければと思います。要望します。 次に、インバウンド誘客促進について伺います。 民間シンクタンクの出したさっきの新たな経済波及効果の調査結果の中で、海外の旅行者に万博に興味を持ってもらうために、万博と絡めた旅行コンテンツの磨き上げが重要と指摘されております。 この点、大阪の強みである長い歴史や豊かな食文化などは、特に海外の高所得者、いわゆる富裕層にとって大きな魅力であり、こうした富裕層をしっかり取り込んでいくことがこれからの大阪の観光の発展にとって重要であります。 世界中からさらなる人々を引きつける都市として発展していくために、富裕層をはじめとしたさらなるインバウンドの誘客促進についてどのように取り組んでいくのか、府民文化部長の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 大阪が、国際都市としてさらに発展していくためには、今後増加するインバウンド、とりわけ海外の富裕旅行者をターゲットにした取組は有効な手法の一つであると認識しております。 このため、大阪都市魅力創造戦略二〇二五におきましては、大阪の強みを生かした魅力創出や、地域資源を活用した着地型観光の促進などに加えまして、富裕層の受入れ拡大に向けた環境整備や、上質感のある体験など、旅行者の多様なニーズに配慮したサービスの提供を主な取組として掲げているところでございます。 こうしたことから、府としても富裕旅行者にも楽しんでもらえる歴史文化資源を活用した特別感ある体験コンテンツの提供を行いますとともに、大阪観光局におきましても富裕旅行者の受入れに対応するプラットフォームを検討するなど、受入れ環境の整備を進めていくこととしておるところでございます。 大阪・関西万博の開催を一年後に控え、富裕旅行者をはじめ、国内外から多彩な人々が訪れる魅力ある都市となるよう、大阪ならではの強みを存分に生かした取組を進めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 二〇二五年大阪・関西万博、さらにはその先のIR開業を見据え、ラグジュアリーホテルのみならずスーパーヨットやプライベートジェット機の受入れ環境が整備されるなど、民間の活力を引き出しながら都市のプレゼンスを高め、富裕層や府内外から訪れる様々な人々が魅力を感じられるまちづくりを進めていただくよう要望いたします。 前半最後の質問になります。 サイクルラインを活用した観光振興の推進についてお伺いします。 パネルを御覧ください。 これ都市整備部のホームページにもあるんですけれども、二〇二五万博に向けて、既存のサイクルラインというのがあるんですが、それに舗装を整えたり看板をつけたり、ブルーラインを引いたりといった計画、これは大阪府だけじゃなくて、実は大阪市のホームページにもあります。堺市さんも力を入れて今やっている、そういう事業があるんですけれども、国内外から--私は特に海外からというイメージが強いんですが、多くの人を呼び込む、大阪府内各地の観光振興や魅力発信につなげるために、このサイクルラインを生かした取組に非常に大きな可能性を感じているところであります。 これは自転車で--僕自身もちょっと自転車、サイクリングが趣味なんで、よく淀川を走ったり大和川を走ったりすることもあるんですけど、高層ビルが立ち並ぶ摩天楼を見ながら、淀川とか川を走りながら、そして豊かな歴史や文化、それこそ世界遺産が並ぶような応神天皇陵、そういったところを見ながら、大阪の都会、そして自然、歴史を一体的に感じてもらう、そういういわゆるサイクルツーリズムを推進することで、大阪の観光資源を生かした周遊を可能にし、大阪の魅力をさらに高め、国内外からの集客にもつながり、ひいては大阪のさらなる成長に寄与するものと考えております。 そこで、今後、このサイクルラインを生かして観光客を呼び込む、大阪の魅力向上、発信の取組をぜひ進めていただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 大阪のさらなる成長のためには、府内の多様な観光資源の魅力をより多くの方に知ってもらい、実際に訪れていただく仕掛けづくりが重要です。とりわけ、お示しのサイクルラインについては、その活用により国内外からの誘客や周遊性を高めるコンテンツとして有効だと思います。 国内外からの多くの来訪者が、自転車で安全、快適に府内各地を周遊し、沿線の魅力や様々な地域資源を楽しんでいただけるように、現在四つのサイクルライン、計約百二十キロメートルの整備を進めています。また、大和川サイクル月間や大阪京都淀川周遊サイクルディスカバリーの開催など、自転車などを活用して大阪の魅力をより実感していただけるイベントも実施をしています。 今後、大阪・関西万博を絶好のチャンスと捉え、府内市町村や大阪観光局等と連携しながら、サイクルラインを活用した魅力づくりや府内周遊の促進に向けて、各地の観光資源と組み合わせたモデルルートの設定を行うなど、さらなる魅力発信やイベントの開催に努めていきます。 ○副議長(垣見大志朗) 河崎大樹議員。 ◆(河崎大樹議員) 知事、御答弁ありがとうございました。 これ、答弁調整会議で上がってきたとき、何で知事が答えるのかなとちょっと疑問に思われませんでしたか。(発言する者あり)……ごめんなさい。これ僕、知事に求める答弁ということではなくて、どなたか部長にこのサイクルラインの強化というのを答えてほしかったんですけど、部局の皆さんと答弁調整すると、これ本当、もう議員の皆さん経験してると思いますが見事な縦割りなんですよ。これ、さっき見せたパネルは、都市整備部がつくっている絵なんですね。それをイベントやっているのは都市計画局で、機運醸成とか発信していくというのは府民文化部で、これを、じゃどこの部長さんに聞けばいいですかというと皆さん黙っちゃうんですよね。もうしゃべった者、負けみたいな、そういう状況もあったりしたので、これもちろん知事がやりますと言ってくれる答弁をもらえたのは非常に喜ばしいことではあるんですが、一方で部局のほうから誰も答えられないから知事に答えてもらいましょうみたいなことがもしあったのであれば残念だなと。ちょっと今副知事のお一人がお笑いになってますけど、これ副知事の所管でも実はまたがっているんです。 そういう問題提起にもなるかなという思いも込めて、私のパートで少し持ち時間超過しておりますけれども、指摘をさせていただきました。 前半は以上となりますが、引き続き広野議員にこの代表質問を託していきたいと思います。まずは、御清聴ありがとうございました。 ○副議長(垣見大志朗) この際、休憩いたします。午後二時五十分休憩    ◇午後三時十五分再開 ○副議長(垣見大志朗) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。 通告により広野瑞穂議員を指名いたします。広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 大阪維新の会大阪府議会議員団の広野瑞穂でございます。 河崎議員に引き続き、私から代表質問をさせていただきます。 先般行われました副首都推進会議では、公立大学法人大阪の取組について、第二期中期目標の策定に先立ち、理事長、学長、知事、市長などによる意見交換が行われました。その中で、学部での秋入学の導入について検討を開始していくことが大学から提案され、国際的な大学間競争が激しくなる中、大学のグローバル化を推進することが重要。秋入学の導入については、昨年九月の我が会派の代表質問で要望した事項であり、実現に向けた検討を行うことを評価しています。 そこで、秋入学をはじめ、公立大学法人大阪の第二期中期目標策定に向けた考え方について、知事の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 公立大学法人大阪は、設立から間もなく五年が経過をしまして、府市両大学の統合効果を本格的に発揮する新たなステージを迎えることになると思います。 第二期中期目標の策定に当たり、先日、副首都推進本部会議で議論を行いました。大阪が国際都市を目指す上では、大学が知の拠点として国際力を強化する必要があります。このため、大学の英語力を高めるとともに、世界標準である秋入学を目指していきたいと思います。 また、大学には、大阪の成長発展を牽引する使命があります。幅広い研究分野を有する総合知の強みを生かして、産学官民の連携を進めることで都市課題の解決を図っていく必要があります。 さらに、教育研究組織や事務局の組織改編やスリム化を進め、目に見える形で統合効果を出し、生み出された資源を活用して新たな取組を進めていくことが必要だと考えています。 こうした考え方の下、府市が共同で第二期中期目標案を作成し、議会の御議論を経て、来年度中に成案化をしてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 秋入学を導入した場合、春入学から半年間の時期のずれが生じることで、高校卒業後の空白期間の発生や、就職にも影響があるのではないかという懸念の声がありますが、知事はその点についてどのようにお考えでしょうか。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) これから大阪公立大学内の検討チームにおいて秋入学の課題整理や対応策を検討する予定であり、お示しの点も含め円滑に実施できるよう、府市としても一緒に考えていきたいと思います。 私としては、入学までの空白期間については、イギリスをはじめ欧米で活用されているギャップイヤー制度を導入するべきだというふうに思っています。これは逆に、学生にとって貴重な自己研さんの期間として有効活用が可能になると思います。 また、就職については、経団連のアンケートにおいて、新卒者の通年採用は二〇二二年に約三割でしたが、五年程度先には約五割以上で導入意向があると。春だけでなく、通年採用する企業も増えているところです。 また、この就職に関していくと、先ほどのギャップイヤー制度も活用して、例えば留学であったり、ボランティアであったり、長期間のインターンシップ等、社会的な体験活動、これを通ずることで自己研さんを図ることができると思います。それは、むしろ他の大学の学生との差別化を図ることができるとも考えています。むしろ、そちらのほうが、私はこれからの社会において就職に有利ではないかというふうに考えています。 また、人生これから百年時代になりますけれども、長い人生において、会社、社会に出るとなかなかできないこと、学生であったらなかなかできないこと、こういったギャップイヤー制度の期間を通じて有意義な社会体験活動を行うということは、人生においてもプラスではないかというふうに思っています。 全国には八百もの大学があります。この大阪公立大学、秋入学を目指して、個性を持って大学として進めていく、また個性のある学生を育てていく、国際化を目指していくということは、僕は十分に意義があると。そして、大阪というのは国際都市を目指すわけですから、その知の拠点である大阪公立大学は、まさにリーダーシップを発揮して、この生徒に新たな選択肢が生まれればいいなと思います。 また、費用が要るじゃないかということもありますけれども、大阪公立大学というのは入学金、そしてまた授業料も完全無償にすると、所得制限なしで。これは大阪府民にどうしても限る制度になりますけれども、完全無償化の制度もするということですから、大阪公立大学は国立大学の二番煎じでもなく、私立大学でもない。何で大阪府市が、自治体が大学を持ってるのかと、国立大学でもない、私立大学でもない、大阪としての都市大学の役割を果たしていくことが僕は非常に重要だと思っています。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) ありがとうございます。知事の思いをしっかりと前に進めていただきたいと思います。 さて、先般、沖縄科学技術大学院大学を視察してまいりました。この大学は日本政府によって設立した大学で、教員、学生の半数以上を海外から採用しており、教育及び研究は全て英語で行っているとのことでした。また、外国人研究者向けの宿舎の整備など、海外から研究者を受け入れるための環境整備の取組についても伺ってまいりました。 大阪公立大学が、世界に通用する、展開するグローバルな大学に発展していくには、優秀な外国人研究者を受け入れていくことが重要です。そうすることで、優秀な留学生の獲得にもつながっていくと考えます。 そこで、大阪公立大学における外国人研究者の受入れを促進するための取組について、副首都推進局長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 西島副首都推進局長。 ◎副首都推進局長(西島亨) 大阪公立大学では、二百を超える海外大学などと学術交流協定を通じたネットワークを形成し、国際的な教育活動や共同研究の推進に取り組んでおります。 お示しの外国人研究者の受入れに当たりましては、英語で対応可能な職員の配置や外国人研究者向けの宿舎の運営など、受入れ環境の整備に努めているところであり、本年四月には、入学手続を支援する国際事務センターの設置を予定してございます。 大阪公立大学としては、世界の優秀な研究者から選ばれる大学となるよう、引き続き国際力強化に向けた取組を進めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 次に、特定分野に特異な才能を持つ児童生徒は、将来、イノベーションを起こし、日本の経済発展に大いに貢献する可能性が高い人材であると認識しています。 特定分野に特異な才能を持つ児童生徒の存在や、当該児童生徒が学校生活で直面する困難について、府教育庁として学校現場などにおいてどのように周知していくのか、教育長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 特定分野に特異な才能を持つ児童生徒を含め、児童生徒に適切な支援を行うためには、児童生徒の特性や背景等を把握し、個々の状況に応じた支援を検討する必要がございます。そのために、学校におきましては、教員だけではなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家の理解も重要でございます。 国の有識者会議の報告書では、学校が子ども一人一人の多様性を受け止めた上で、当該児童生徒の理解のための周知、サポート、多様な学習の場の充実等について示されております。 今後、府教育庁が開催をしております教員研修や専門家との連絡会におきまして、国の実証研究事業の成果等を踏まえ、当該児童生徒が直面する困難やその支援等について情報提供を行ってまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 特定分野に特異な才能を持つ児童生徒は、その専門分野の興味関心の高さや知識量の多さゆえに、学校における学習だけでは十分にその力を伸ばすことができないのではと危惧しています。その場合、例えば休日や、あるいは学校で行われている時間帯でも、NPO、民間施設、大学など、学校外の社会資源等を活用し、多様な学習の機会を得ることができれば、より高い専門性を育成することができると考えます。 府教育庁として、本児童生徒が学校外で専門的な学習をする機会を得ることについてどのように考えているのか、教育長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 児童生徒の力を伸ばすことにつきましては、特定分野に特異な才能のある児童生徒を含め、それぞれの学習の理解度や興味関心に合った個別最適な学びとなるよう、ICTも活用しながら進めているところでございます。 その上で、学びの充実のため、外部機関との連携につきましても、必要に応じて検討してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 大阪をさらに発展させる上で、理科の学習を通して、テクノロジー分野の人材を育成していくことは重要であると考えます。 教育長からも、授業を充実させていくことが必要であること、大阪府学生科学賞など子どもたちの理科への興味関心を高める取組への参加を促すことや、大学などの外部機関との連携による好事例の共有を図っていくことなど、取組を進めていくとの御答弁がありました。 そこで、その後の府教育庁としての取組や、今後どのような取組を行うのかを伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 今年度、全国の子どもたちが自身の研究成果を発表し、その内容を競い合います日本学生科学賞におきまして、府内の高校生が文部科学大臣賞、中学生が入選二等などを受賞しております。今後、こうした取組がさらに広がりますように、市町村教育委員会や府立学校に周知をいたしますとともに、次年度の積極的な応募について依頼をしているところでございます。 また、授業の改善に向けまして、市町村の指導主事や府立学校の教員等を対象とする協議会を開催し、具体的な方策について共有、協議を行い、各学校におけます指導の充実に生かしているところでございます。 加えて、次年度は、高校生を対象に、新たに理工系学部の研究を体験できるセミナーや、国際科学オリンピック対策講座等を大学と連携して開催する予定でございます。引き続き、大阪府の子どもたちの理科の力のさらなる向上に取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 府教育庁として、理科の力をさらに高める取組を着実に進めてもらいたいと思います。 そのための土台として、小中学校のときから体験的な学びを通して自然の事物や現象に対する興味関心を高めることが必要不可欠であると考えます。小中学校において、どのような自然の事物や現象へ興味関心を高める取組を行っているのか、教育長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 子どもたちが身の回りの自然や現象などに興味を持ち、探究心を高めることは重要であります。 理科の学習の中では、実際に実物を見たり触れたりすることなどを大切にするために、可能な限り観察や実験を行っております。例えば、身の回りの生物の学習としまして、校庭や近隣の公園で生き物や植物を観察し、大きさや形、色などをまとめ、発表などを行っております。 また、それぞれの地域にあります科学館等の施設に見学に行きましたり、大学や研究機関、企業と連携し、学校ではできない実験をしてもらうなどの取組も進めているところでございます。 さらに、スーパーサイエンスハイスクールに指定されております府立高校で行われております小中学生向きの科学実験講座や研究発表大会に参加するなど、様々な機会を利用して、子どもたちの理科に対する興味関心を高める取組を行っているところでございます。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 大阪公立大学の研究環境整備の充実とともに、イノベーション人材を大阪自前で育成することも大変重要であり、特異な才能を持つ児童生徒への支援やテクノロジー分野の人材育成を一層努めていただきたいことを要望いたします。 大阪府においても、不登校児童生徒が増加する中、不登校になった子どもや、その兆しのある子どもに対し、多様な支援を行うことは重要と考えております。これまでも対策を講じるよう要望もしてまいりました。 そこで、大阪府不登校支援パッケージについて、次年度、どのような取組を行うのか、教育長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 不登校の児童生徒数は、本府では、昨年度、小中学校におきまして過去最高となり、令和元年度と比較しましても、小学校で約二倍、中学校でも約一・五倍に増加をいたしております。府立高校におきましても、令和元年度と比較いたしますと約一・二倍に増加をしているところでございます。 また、不登校となる時期の低年齢化に伴いまして、一度不登校となりますと継続する傾向にありますことから、小学校から高校まで包括的な支援策として、大阪府不登校支援パッケージを取りまとめをいたしました。 取組は、大きく二つの観点から進めてまいります。 まず、誰もが安心して学べる魅力ある学校づくりといたしまして、不登校につながる要因を摘み、未然に防ぐため、各学校がより一層魅力ある学校づくりを進めることに加えまして、不登校の兆しの段階から子どもの状況等を分析し、支援ができますように、スクールカウンセラーの派遣を--これは政令市を除きますけども--府内の全小学校及び不登校の課題の大きい高校に対しまして派遣を拡充し、チーム学校による早期対応の充実を図ってまいります。 また二つ目に、全ての子どもが学びへアクセスできる環境整備といたしまして、多様な学びの場による支援を進めてまいります。小中学校では、校内教育支援ルームへの支援人材の配置を拡充いたします。また、府立高校では、不登校の課題の大きい高校において、同時双方向型の遠隔授業による学習機会の確保を新たに取り入れることや、学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校の設置に向けた準備を進めてまいります。 これらの取組によりまして、子どもたちの学びをしっかり支えることができますように、市町村教育委員会や府立学校と連携し、支援の充実に努めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 先日、沖縄県の青少年の家を視察してまいりました。近年、子どもたちが自然体験や友達と遊ぶ機会が減っている中で、レクリエーションに取り組む姿を見て、多くの人と関わりながら経験を積み重ねることは、子どもが成長する上で非常に重要と実感しました。 府にも、貝塚市内に府立少年自然の家があります。都市化が進む大阪において、和泉山脈の豊かな自然に恵まれた環境に立地しており、大阪の子どもたちには、この施設でしかできない貴重な体験をしてほしいと考えます。府立少年自然の家は、社会教育施設として子どもに育成したい資質や能力をどのように考えているのか、また施設で提供しているプログラムにはどのような教育効果が見込めるのか、加えて、子どもはもとより、もっと多くの方に利用してもらうためにはどうしていくのか、教育長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 少年自然の家では、様々な自然体験活動の機会を提供しておりまして、施設での様々な実体験を通して、子どもたちには連帯感、社会性、協調性など、人格形成の基盤となる力を育んでもらいたいと考えております。 施設で提供するプログラムは、自然体験活動等について豊富なノウハウを持つ指定管理者と府教育庁が企画開発を行っております。例えば、命を守る力を養成するために、たき火による防災食調理等の体験をする防災キャンプや、大自然による感動を体感するため、魚つかみや星空観察を行うフォレストジュニアクラブなどのプログラムを用意いたしております。参加者や保護者からは、日常にはない体験ができ、学ぶことが多かったという声をいただいております。 新型コロナウイルス感染症の影響により、一時利用者は減少をいたしましたが、利用者の拡大を図りますために、来年度は環境農林水産部と連携し、府域全小学校に配布をいたします子ども環境教育情報紙に施設の様子を掲載する予定でございます。 今後も、様々な媒体を積極的に活用した広報に努めまして、さらなる利用促進に取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 視察した糸満青少年の家では、県立高校の生徒が児童に授業をする双方学びの場となるイベントなど、強い教育的意図を持った様々な企画が実施されていました。テクノロジー分野の人材育成、不登校支援など、本施設の持つポテンシャルを生かす絶好の場面であり、指定管理者としっかり協力し、教育的機関として、より有効な活用を要望いたします。 次に、工業系高校では厳しい志願状況が続いており、要因の一つとして、授業内容や実習設備が時代の変化に対応できておらず、子どもたちにとって十分に魅力ある学校となっていないのではと考えております。今後、必要とされるものづくり人材を育成するためにも、どのように工業系高校の魅力化を進めていくのか、教育長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 令和五年八月に公表いたしました再編整備案では、工業系高校の募集停止だけではなく、工業系高校全体の教育内容の充実といたしまして、時代に即した基礎基本への対応、工科高校におけます深化・接続コースの充実、大学進学専科及び企業連携の拡充等を進めることを示し、十一月の教育委員会会議で最終決定したところでございます。 現在、教育庁と学校の教職員で構成するプロジェクトチームにおきまして、これからのものづくり人材に必要とされる技術、技能の習得等に向けた教育内容の検討を進めております。 具体的には、車の自動運転技術などにつながるAI搭載ロボット、人が近づくことが困難な場所の点検作業などに使われておりますドローン、これを制御するプログラミング学習、またVRを活用した建築プランニングや工業実習トレーニングなど、デジタル技術や先端技術を取り入れた学習の導入を検討しているところでございます。 工業系高校が将来にわたって大阪の成長を支える人材を輩出できる魅力のある学校となりますように、時代の変化に合わせた教育内容の充実を図ってまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 工業系高校こそ、最も民間との連携を必要とする学校と考えます。ものづくり現場のニーズに見合った人材を生み出し、さらに生きる力を備えることができる学校として生まれ変わっていただきたいと思います。 次に、平成二十九年度に、府立初の中学校、府立富田林中学校が設置され、昨年度三月に中学校一期生が富田林高校を卒業したことに伴い、府立中高一貫教育の成果と要因、課題について教育常任委員会で伺いました。 成果としては、地域活性化、グローカルリーダーの育成、生徒の自己実現というものであり、地元市や企業の方々から継続的な協力を得られたことが大きな要因とのことでありました。 一方、課題として、広域から通学してくる生徒に対する丁寧なケアを迅速に行うことや、六年間の学びについていくことが難しい状況となった生徒をいかにフォローするのかといった説明がありました。 その上で、これらの成果や課題について検証を深めていくとの答弁はありましたが、その現状について教育長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 現在、お示しの成果と課題が府立富田林中学校・高等学校のどのような教育活動に起因するものなのかを検証しているところでございます。 まず、成果であります生徒の自己実現についてでございますが、生徒アンケートの結果等から、探究活動等を通じて、主体的に学び考える力が育成され、生徒が希望する大学等への進学実績が伸びたことにつながったものと考えております。 グローカルリーダーの育成につきましては、同校で実施しております国際教育や地域教育が生徒にどのような力を育成し、進路希望にどのような影響を与えたのか、今後、卒業生の活躍を追跡するなどして、引き続き検証を深めてまいります。 三つ目の地域活性化につきましては、地域と連携した探究活動等が地域にどのような影響を与えているのか、今後、地元自治体の教育委員会や地元企業の方々から御意見をいただくなどして分析を行ってまいります。 一方、課題についてでございますが、中学校段階ではより緊密に家庭との連携が必要となりますが、生徒が広域から通学をいたしておりますことから、丁寧なフォローを迅速に行うことに限界があり、今後どのような手法が取れるのか、現在研究を行っているところでございます。 また、六年間の学びについていくことが難しい一部の生徒につきましては、どのような段階でつまずきが生じやすいのかをしっかり確認した上で、フォロー体制の充実につなげていく必要があるというふうに考えております。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 今後のスケジュールについても伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 現在、抽出できている成果や課題につきまして、教育委員と事務局で定期的に意見交換を行っております。 教育委員の間でも様々な意見があり、例えば同校の成果は地元地域の多大な協力があったからこそ得られたものであるとの意見や、卒業後も生徒がどれだけ地域と結びついているのか継続した検証が必要といった意見がございました。 この春、二期生が高校を卒業いたします。引き続き、様々な角度から効果検証を行ってまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 次に、日本語指導が必要な児童生徒は、大阪府では令和五年度に小中高で約四千五百人の児童生徒が府内全域にわたって散在している状況と聞いています。 国全体の動向を見ても、今後も当該児童生徒が増加することが予想されることから、生きていく上で必要となる日本語の力を身につけさせるなど、当該児童生徒への必要な支援を行っていくことは喫緊の課題と考えます。 当該児童生徒の日本語能力を向上させるために、小学校から高校まで系統的に学べる環境をつくることが大切だと考えますが、その実現へ向けて、府教育庁として、今後、小中高の連携をどのように進めていくのか、伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 小中学校におけます日本語指導が必要な児童生徒の指導につきましては、学習指導要領に特段示されておりません。このため、各学校におきまして、当該児童生徒の日本語能力に応じた特別の教育課程を編成した上で、一人一人の状況に合わせた指導計画を作成し、指導を行っております。 その際、当該児童生徒の日本語能力を丁寧にアセスメントすることが必要ですので、共通のアセスメントの方法や、子どもの成長に応じた指導計画の改善等につきまして、担当教員を対象に研修を行い、連続性のある日本語指導を進めているところでございます。 高等学校におきましては、小中学校での学びの状況や支援内容を校種間で適切に引き継いだ上で、高校段階で改めてアセスメントを行い、その結果も踏まえて、一人一人の状況に応じた指導を進めております。さらに、日本語指導が必要な生徒を対象とした選抜を志願する生徒をこれまで以上に受け入れることができる新たな仕組み等を現在検討いたしております。 また、日本語の力を向上させることができますように、校種を超えて互いに学び合える教職員の研修をより一層充実させていきたいと考えております。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 現状、公立の小中高での日本語指導については、日本語指導ができる、または児童生徒などの母語が分かる相談員や支援員などの配置がなされているものとは聞いてはおりますが、様々な困難を抱える外国につながる児童生徒と保護者に必要な支援を的確に行うためには、日本語指導の専門性を備えた教員が指導することが望ましいと考えます。 今後、我が会派としても、教員の待遇や定数といった抜本的な改善を国に対し求めていく予定ですが、府においても、教員免許を持ちつつ日本語指導の技術を持つ者の掘り起こしを進めることが重要ではないかと考えます。 そこで、府立学校において、日本語指導が必要な生徒に対し、日本語指導の専門性を備えた教員をどのように確保していくのか、伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 日本語指導が必要な生徒に対しては、指導に高い専門性が求められますことから、教員研修におきまして、大学教授やNPO等で実践経験のある人材を招聘し、日本語指導の知識を深めたり、教科指導のノウハウ等を共有したりするなど、生徒に合わせた授業を実施するために、教員の指導力の向上に努めております。 加えまして、教員採用選考テストにおきまして、日本語指導の素養がある人物を確保するために、新たに令和六年度に実施する選考テストから、大学等で日本語教師養成課程を修了した者に対する加点制度を設けることといたしております。 これらの取組を通じまして、教員全体における日本語指導の専門性向上及び専門性を備えた教員の確保に努めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 日本語指導を必要とする児童生徒は、その支援に関わる教職員の力が非常に重要であり、教職員の環境を整えることが最重要と考えます。教職員の新規採用はもちろんのこと、現職の教員や退職、休職中の教職員も対象とした掘り起こしを行うなど、日本語指導が必要となる児童生徒に対応できる教職員を一人でも多く確保いただくこと、さらには、今後の児童生徒の増加に対応すべく、教員の育成も含め、異動の仕方など現場の環境整備にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、教員の働き方改革につきまして、これまでも様々な取組が進められてきたと思いますが、いまだ長時間勤務となっている教員も多数おり、さらに効果的、効率的に働き方改革を進め、具体的な勤務時間の縮減につながっていくことが重要と考えます。 今回の分析で明らかになった課題を踏まえ、今後、どのような働き方改革を進めていくのかを伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 府立学校におけます働き方改革をさらに進めるために、昨年七月に教員を対象とするアンケート調査を実施し、業務の状況等を把握いたしますとともに、長時間勤務の要因に関する分析を行いまして、その結果や今後の取組につきまして取りまとめたところでございます。 分析の結果、部活動が長時間勤務の主な要因の一つというふうになっておりますことから、活動時間の上限、これの遵守に向けまして、部活動の計画的な運営管理等を盛り込んだ部活動働き方改革マニュアルを新たに作成し、時間外在校等時間の縮減と教員の意識改革に取り組んでまいります。 あわせて、ICTを活用した校務運営の効率化や多様な人材配置等に取り組むことで、教員の負担軽減とワーク・ライフ・バランスの実現に向けて努力してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 具体的に、勤務時間の縮減と学校現場の負担軽減につながるよう、課題に応じた取組を進めていただきたい。また、一般の教員だけではなく、管理職についても、その業務実態を踏まえた負担軽減の取組を進めていただくよう要望しておきます。 次に、少子化が急激に進展する中、令和四年十二月に、国が部活動に関わるガイドラインを策定し、大阪府においても部活動の地域移行に関する検討会議を設置、昨年八月に、大阪府における部活動等の在り方に関する方針を策定するなど、部活動改革のために様々議論されてきたと伺っています。 広域行政を行う大阪府として、府立学校だけでなく、市町村の中学校においても指導者を確保していくことが必要だと考えるが、現在の検討状況について伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 中学校の部活動の地域移行を進めていく上で受皿となります地域クラブ等におけます指導者の確保が大きな課題でございます。今後、企業や大学との連携を深め、人材確保に向けた一層の取組が必要となっております。 府教育庁では、指導者を発掘、把握し、市町村等の求めに応じて人材や団体をいち早く紹介できますように、個人の登録に加えて、大学、企業などの団体も登録できるシステムの構築を検討しておりまして、来年度中の運用を目指していきたいと考えております。 引き続き、関係者の御意見も聞きながら、円滑な部活動の地域移行に向けまして、市町村を支援してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) このシステムは、商工労働部や連携デスクなど、情報共有をしっかり図ることを求めます。さらに、部活指導員の募集に関するだけで終わるのではなく、学校に関わるSSWやSCなど、広く募集できるシステムの取っかかりとなることを強く要望いたします。 次に、全国的に少子化が進展する中、支援学校に通う児童生徒は依然として増加しております。府においても同様で、府立支援学校における知的障がいのある児童生徒の在籍数は、五年前の平成三十年度の七千八十九人から、昨年度は七千七百十七人となっております。 我が会派は、これまでも、児童生徒の増加に伴い生じている教室不足や、特別支援学校設置基準への不適合を改善し、児童生徒の教育環境を早急に整える必要があると強く指摘してまいりました。昨年二月の代表質問で、設置基準の不適合や教室不足の解消に向けた取組と今後の見通しを質問したところ、教育長から、教育環境を確保するために、新たな支援学校の整備等により、特別支援学校設置基準における校舎の面積基準、学級編制基準の不適合の解消、併せて教室不足の解消を今後十年以内に目指していきたいとの答弁を得ております。 そこで、基準不適合や既存教室の改修等による教室不足の解消に向けた取組の状況と今後の計画について伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 特別支援学校設置基準の不適合や教室不足の解消に向けまして、今年度は、手洗い場の設置や防音対策等による教室の環境改善に取り組みますとともに、新校の整備も進めているところでございます。 具体的には、今春開校いたします出来島支援学校の整備、生野支援学校の大阪わかば高校敷地内への移転、併設に加えまして、新たに豊能地域におきまして、令和七年度末に閉校予定の豊中市立第七中学校の活用、また大阪市北東部におきましては、令和六年度末に閉校予定の府立茨田高校の活用による新校整備の基本計画を現在策定をいたしております。 これら四校の取組に加えまして、来年度は、北河内地域におきまして、暫定的な分校として十五年目を迎えます交野支援学校四條畷校に小学部を新たに設置し、令和十一年度の本校化に向けた基本計画の策定に着手し、北河内地域全体の設置基準への適合や教室不足の解消を図っていきたいと考えております。 その他の地域におきましては、今後の在籍者数の推移等を見極めながら、設置基準への適合や教室不足の解消に向けまして、必要となる対策の検討を進めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 北河内地域への対策に着手することは高く評価しております。しかしながら、八尾支援学校をはじめとした中河内地域も教室不足の課題があり、対策が待ったなしで先送りはできません。茨田高校と同様に閉校予定の府立高校は東大阪市内にもあることから、これらの活用検討を含め、早急に対策を講じていただくようお願いいたします。また、支援学校自体の根本的な教員不足の課題への対応策も検討することも重ねて要望いたします。 次に、府立視覚支援学校について伺います。 これまで二校の施設環境の大きな差、特に大阪北視覚支援学校の激しい劣化についての問題を提起し、緊急性の高い必要な改修は速やかに実施していただきました。しかしながら、抜本的な設備改修を行えないのであれば、せめて通学区域を越えて、本人、保護者の意向で学校を選択できるよう求めているところです。 現在、両校合わせた在籍者数は直近十年間で四割減少している状況にあり、本人、保護者の意向で学校を選択したとしても受入れ可能ではないかと考えますが、通学区域について、検討状況について伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 府立視覚支援学校の在籍者数が減少する中、両校の役割と機能を含め課題を整理し、その在り方につきまして現在検討を進めているところでございます。御指摘の通学区域につきましては、児童生徒へ与える影響が大きく、そのことを踏まえて判断する必要があると考えております。 幼稚部から高等部本科の児童生徒は通学バスを利用いたしておりますけども、支援学校におきましては、通学バスの乗車時間が六十分を超えないよう取り組んでいるところでございます。一方、成年を対象とする高等部専攻科の保健理療科と理療科の生徒は、全員が自主通学を行っております。 このようなことから、まずは専攻科におきまして本人が希望する学校を選択できるように、通学区域割りを見直す方向で検討を進めていきたいと考えております。
    ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) ぜひ積極的な検討を進め、早急な結論を要望いたします。 次に、国では、昨年十二月末に、今後五年程度を見据えた子ども施策の基本的な方針等を定めたこども大綱が閣議決定されました。同大綱では、国が目指すこどもまんなか社会について、「全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会」と定義するとともに、子ども、若者の権利保障や貧困と格差の解消など、六つの子ども施策に関する基本的な方針を定めたほか、子ども施策に関する重要事項を子ども、若者の視点に立って分かりやすく示すため、こどもの誕生前から幼児期まで、学童期・思春期、青年期など、ライフステージ別に提示しています。 そのような中、大阪府子ども総合計画は、令和六年度末で期限を迎えます。そこで、令和七年度から次期計画の策定状況について、福祉部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 現行の子ども総合計画ですけど、平成二十七年につくりまして、お示しのとおり、来年度、期限を迎えます。 令和七年度からの十年間を計画期間とする次期計画の策定につきましては、こども大綱が目指しますこどもまんなか社会の実現に向けまして、昨今の子どもを取り巻く現状を踏まえながら、子ども、若者や子育て当事者の視点に立ちまして策定を進めていくことが重要と認識しております。 そのため、本府におきましては、昨年八月の子ども施策審議会の開催を皮切りにしまして、子ども・子育て分野の有識者等と議論を重ねますとともに、保護者や保育所、幼稚園等、子育て支援施設を対象にしまして実態調査を実施しますなど、順次作業を進めております。 次期計画につきましては、こども大綱を踏まえますこと、先ほど申し上げた子どもたちを取り巻く現状を踏まえますことはもちろんですけど、本年四月に再編、設置いたします府子ども家庭審議会におきまして、新たに子ども・若者を委員として迎えることによりまして、子ども・若者や子育て当事者の視点に立った子どもの健やかな成長を支える計画を策定できますよう、しっかり取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 現在、大阪の全ての子どもたちを対象に、所得や世帯の子どもの人数に制限なく、自らの可能性を追求できる社会の実現と、子育て世帯の教育費負担を軽減し、子育てしやすいまち大阪の実現へ向けて教育の無償化が進められておりますが、子どもの貧困の問題は残っています。子どもたちが生まれ育った環境にかかわらず、夢や希望を持つことができる社会を実現するためには、継続して子どもの貧困対策に取り組む必要があります。 現在の貧困対策計画は、令和六年度に最終年度を迎えますが、これまでの取組状況、そして今後、府としてどのように子どもの貧困対策を進めていくのかを伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) まず、貧困対策計画の取組状況についてでございますが、現行の貧困対策計画につきましては、五年計画といたしまして令和二年に策定いたしました。この計画に基づきまして、現在、困窮世帯への経済的支援や学びを支える環境づくりへの支援など、貧困対策につきまして七つの視点で事業を整理しまして、市町村等と連携して取組を進めているところでございます。 具体的には、子どもの貧困緊急対策事業費補助金等を活用させていただいて、困難を抱える子どもや保護者を必要な支援につなぐ取組や、子ども食堂等の居場所づくりなどの市町村の取組を支援しているところでございます。 また、社会全体で子どもの貧困問題に取り組むため、平成三十年に創設しました子ども輝く未来基金に頂いた御寄附を活用させていただいて、子ども食堂を利用する子どもたちや独り親家庭の子どもたちに学習教材等を届ける事業を実施しております。 現行計画の取組期間は六年度まででございますため、今年度、府内の小学五年生及び中学二年生とその保護者八千世帯を対象に、子どもの生活に関する実態調査を実施しまして、今年度末にその結果を取りまとめることとしております。 今後、この調査結果や国のこども大綱を踏まえまして、有識者の意見をお伺いしながら、令和六年度に次期計画を策定し、引き続き市町村と共に子どもの貧困対策を推進してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 今回の実態調査では、前回対象とした方々への後追い調査ではなく、あくまでも現在小学校五年生及び中学校二年生とその保護者を対象にしているため、貧困率の解消という観点からは実態が非常に分かりにくいと感じています。子どもの貧困は、特に親の経済状況に大きく関係があると考えることからも、あらゆる観点で調査が必須です。一方、今回の調査結果も重要であることから、次期計画への検討材料とし、適切な指標設定の上、取組の効果が分かるよう、策定に取り組まれることを要望いたします。 次に、次年度四月に施行される改正児童福祉法におきまして、児童養護施設経験者などに対する自立支援の強化が改正事項の一つに盛り込まれました。 児童養護施設などを退所した子どもたち、いわゆるケアリーバーは、保護者などに頼ることができず、また身近に頼る大人や相談相手がいないこともあり、孤独感を抱えながら生活している事例も聞いております。加えて、自立への準備が十分に整わない中でも、施設で生活できるのはこれまで最長でも二十二歳の年度末までであったため、やむなく施設を退所し、結局、周囲に頼れる大人もおらず、生活に行き詰まるような事例もあったのではないでしょうか。 児童養護施設などから退所する子どもたちが生きる力を育み、自立していくための支援は、重要な課題の一つと捉えています。児童養護施設などに入所している児童の自立支援について、大阪府としてどのように取り組むのか、伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 児童養護施設等に入所されている児童の皆さんが本人の希望に沿った形で自立を目指すことができる、そういった環境を整えていくことは大変重要と認識しております。 大阪府では、これまでも、退所前の児童の皆さんを対象に、社会生活のルール等を学ぶことができる講座を行いますとともに、退所後につきましても相談支援を実施してまいりました。 今回の改正された児童福祉法におきましては、先ほど議員のほうから最長二十二歳とおっしゃってましたが、それも超えて、施設等で継続的に生活できる年齢要件の弾力化や、社会で孤立しがちな入所経験者が集まり意見交換等をする交流の場、生活、就労等に係る相談支援を提供する事業が制度化されておりまして、府といたしましても、令和六年度から実施できるよう環境を整えてまいります。 引き続き、児童養護施設等に入所されてる児童の皆さんが個々の状況に応じた支援を受けながら自立していけるよう、しっかり取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 我が会派といたしましても、子どもが児童養護施設等に入所している間に、将来の自立を見据えていかに生きる力を育んでいけるか、それをどのように行政はじめ関係機関が支援していけるかということが非常に重要なテーマであると認識しています。引き続き、現場の声も聞きながら、子どもたちが生きる力を育み、自身が選択した進路に向かって安心して施設を退所できるよう、検討を進めていただきたいと思います。 府では、子ども家庭センターの体制強化を図るために、令和元年に児童福祉司の増員計画を策定し、令和五年度までに順調に児童福祉司の増員が図られると聞いています。ここ数年、児童相談所を設置予定の中核市をはじめとする各自治体が専門職採用を積極的に進めていることが、府における児童福祉司の確保にも影響しているのではないかとも思います。 このような背景を踏まえまして、今後、府として、児童福祉司の確保と対応力強化を両立していくためにどのように対応していくのか、伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 府におきましては、令和元年八月に公表した児童福祉司増員計画に基づきまして、毎年二十人程度、計画的に増員を進め、令和五年四月には、全部で二百八十四人の児童福祉司を子ども家庭センターに配置しております。 この増員に加えまして、定年等で退職された方を新規採用職員で補充してきたということもございまして、多くの新規採用職員を配置してきたことから、経験年数が五年以下の職員の占める割合が六割以上とアンバランスな職員構成になっております。そういう中で、若手職員をしっかり育成していくための体制強化が課題となっております。 今後、先ほどおっしゃったように、中核市の児童相談所設置が予定されておりまして、府としての児童福祉司の必要人数の減少ということも留意していく必要があると思っております。そうした中、児童福祉司の確保、対応力の強化、その両立が図れるよう、児童福祉司増員計画の見直しを視野に入れ、検討を開始したところでございます。 今後とも、府子ども家庭センターの役割をしっかりと果たしてまいりますため、人員確保に努め、体制強化を図りますとともに、職員の丁寧な育成等、対応力強化にも取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 令和七年度からは、一時保護開始時に裁判官の審査が必要となる、いわゆる一時保護時の司法審査の制度も導入され、ますます府子ども家庭センターの業務は高度化、複雑化していくことになると思っております。そのためにも、若手職員の丁寧な育成を図り、より一層対応力が強化されるよう要望しておきます。 次に、昨年九月議会の我が会派の代表質問で、性犯罪・性暴力根絶に向けた取組の強化について取り上げた際、知事から、万博の開催も見据え、性犯罪・性暴力の根絶に向けて、警察本部との連携も図りながら、全庁を挙げてさらに取り組んでいくと力強い答弁をいただきました。 性犯罪・性暴力の根絶へ向けては、犯罪の取締り、性被害を受けた方々への支援、そしてあらゆる世代の府民に対する被害も加害も起こらないような教育といった取組が必要だと考えており、全庁挙げて部局横断的に取り組むことが重要と認識しています。 国の「性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針」の集中強化期間は令和七年度までとしておりますが、今後の大阪府の取組を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を踏みにじる行為であり、絶対にあってはならない卑劣な行為であることから、厳しく対応していくべきものだと認識をしています。 大阪府では、国の「性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針」等を受けて、ワンストップ支援センターについては、令和六年四月から分室を新たに設置をして機能拡充を図ります。加えて、困難女性支援法に基づく、性的な被害を含む様々な困難を抱える女性の支援体制を充実させていきます。 学校においては、発達段階に応じて、性に関する指導等の充実に努めているところです。また、子どもを性犯罪から守る条例を今定例会で改正をし、法改正により新設された面会要求罪及び性的姿態等撮影罪を住所の届出対象に追加することで、性犯罪防止の強化を図っていきます。 これらの取組に加えて、あらゆる機会を通じた幅広い年代の府民への啓発強化など、引き続き性犯罪・性暴力の根絶に向けて、警察本部とも連携をして、全庁を挙げて推進をしていきます。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) あらゆる機会を通じた幅広い年代の府民への啓発強化など、全庁挙げて推進していくという内容の力強い答弁をいただきました。性犯罪・性暴力の根絶は喫緊の課題であり、全庁挙げて被害が起こらない大阪にしていくという積極的な姿勢を取組の中で示していただきたいと思います。あらゆる府民が安心安全に過ごせるような施策の実施を要望いたします。 次に、昨年、性犯罪に関する刑法等が改正されたことで、相談や認知件数が増加しているように思いますが、性犯罪に対する警察の取組について伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 向山警察本部長。 ◎警察本部長(向山喜浩) 性犯罪につきましては、御指摘のように、相談、認知件数のいずれも増加傾向にございます。 認知件数の増加につきましては、昨年七月の刑法改正によりまして、改正前は暴行、脅迫という要件を必要としておりましたものが、それだけではなく、同意しない意思を形成、表明するいとまがないですとか、予想と異なる事態に直面した恐怖や驚愕などといった八類型に整理、拡充されたことなどが影響しているものと考えられます。 令和五年中の認知件数は、不同意性交等が二百八十八件と前年比プラス七十五件、不同意わいせつにつきましては七百九十六件と、前年比プラス百六十九件となっております。 府警といたしましては、以前から関係機関とも連携しながら、この種の犯罪に適切な対応を図ってきたところでございますが、引き続き個々の案件につきまして、被害者の声に丁寧に耳を傾け、被害者に寄り添った対応に努めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 全庁挙げて取り組まれるという知事の思いを実現していくためにも、関係各部局、府警本部におきましては、被害を受けた方に寄り添った支援を、社会一般にはより届きやすく効果のある啓発強化を改めてお願いいたします。 次に、さきの九月議会におきまして、大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例の改正が行われ、差別的な投稿への削除要請や、その発信者に対する説示、助言についての規定が追加されました。 この追加は、加害行為に対する取組として一定の効果が期待できると考えますが、SNS上での差別的な投稿は匿名で行われることが多く、いわゆる裏アカを使った加害行為であり、適切な運用ができるのかといった課題が残ります。 そこで、今後実施するプロバイダーへの削除要請や発信者への説示、助言について、より効果的な取組としていくために、具体的にどのような対応を行うのか、伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) インターネット上の人権侵害は、匿名性が高く、被害が急速に拡大する特徴を有すること等から、その防止のためには、きめ細かな被害者支援に加えて、加害行為者への働きかけも重要と認識しております。 そのため、改正条例に基づき、匿名での投稿に対しましても、不当な差別的言動を発信していることが明らかな場合には、プロバイダーへの削除要請を行うことに加えまして、府が発信者に対し直接メッセージを送信するなど、ほかの閲覧者に視認されない方法により説示、助言を行うこととしておるところでございます。 また、これらの削除要請や説示、助言を迅速かつ適切に実施いたしますため、大阪府人権施策推進審議会からの意見も踏まえ、判例等も十分に見定めた不当な差別的言動の判断に関する考え方を指針として取りまとめてまいります。 現在、指針案のパブリックコメントを行ってるところであり、インターネット上の人権侵害の解消に向け、本年四月からの改正条例の効果的な運用に努めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 本条例の一番の趣旨であります新たな加害者を生み出さない、そのためにも、今後しっかり取り組んでいただくようお願いいたします。 次に、昨年九月議会におきまして、我が会派からハラスメントに関する職員アンケートの実施を提案し、その後、昨年十二月にアンケートが実施され、このたび結果が公表されました。 今回のアンケート結果では、ハラスメントを受けたと感じる職員が六百四名、内訳としては、パワーハラスメントと感じる職員が最も多く、五百五十五名いたということが明らかになりました。こうしたアンケートを実施し、結果を公表したことにより、職員自身も気づかないうちにハラスメントをしていないかを振り返る機会になるなど、ハラスメントに関する職員の意識啓発を図ることができたのではないかと考えています。 しかしながら、今回のアンケートでは、回答者数が全体の四二・五%にとどまっていたことが課題であり、全ての職員がハラスメントに関する当事者意識を持ってもらうことがハラスメント撲滅へ向けて重要だと考えますが、今後、どのような対応を行っていくのか、伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 市道総務部長。 ◎総務部長(市道泰宏) ハラスメントは、個人の尊厳を傷つけ、働く人の仕事への意欲、自信を失わせるとともに、職場秩序の乱れや業務への支障を与える等、大きな弊害を招く行為であり、決して許されるものではないというふうに認識をしております。 今回のアンケートは、回答者の認識について匿名形式で実施をしたものでございまして、全ての回答がハラスメントに該当するとは言い切れないものの、一定数ハラスメントを受けたと感じた旨の回答があったことは重く受け止めております。 ハラスメントに関する社会全体としての問題意識が高まっている中で、意識啓発の取組は、このような課題に対して関心が低い職員への気づきにつながりますことから、大変重要と考えておりまして、これまでも府としてその対応等に取り組んできたところでございます。 これらに加えまして、本年度からは、さらなる対策強化のため、ハラスメント撲滅月間や研修の拡充等に取り組んでおり、さらに次年度からは新たに定期的にアンケートを行いますとともに、自身の行為を振り返るためのセルフチェックを実施してまいります。 引き続き、ハラスメントのない、風通しのよい職場環境づくりに努めますとともに、強い姿勢でハラスメントの根絶に取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) ハラスメントのない快適な職場環境に向け、あらゆる方策を講じていただくよう要請しておきます。 また、アンケートの回答率を上げるために、職場のパソコンで回答するのではなく、スマホからも回答できるようにするなど、アンケート実施の方法の改善も要望しておきます。 次に、国内では、団塊世代が七十五歳以上となる二〇二五年問題、さらに日本の人口の約三分の一が六十五歳以上となる二〇三〇年問題を迎え、万博期間中はもとより、万博後のレガシーという観点からも、子育て世代を含め、年齢や障がいの有無にかかわらず快適に利用でき、安心して活動できる大阪を実現するための基盤づくりが重要になってくると考えます。 加えて、ユニバーサルデザインの観点からも、人の多様な在り方に着目し、誰もが大阪で過ごしやすく、観光の目線からも住民の目線からも豊かな都市を目指すに当たり、福祉的、都市構造的課題に取り組む必要があります。 そこで、万博で目指すいのち輝く未来社会の実現に向けて、まずは万博期間中において、年齢や障がいの有無にかかわらず安心して活動できる基盤づくりに向けてどのように取り組んでいくのか、また地域共生社会を先進的に取り組んでいる大阪の活動を万博でどのように発信しようとしているのかを伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) まず、万博期間中に年齢や障がいの有無にかかわらず活動できる基盤づくりについてですが、大阪・関西万博推進本部の下にユニバーサルデザイン部会を設置し、準備を進めているところでございまして、ハードの環境整備と併せまして、来阪される障がい者や高齢者等が宿泊施設等を快適に利用していただけるよう、これらの施設を対象とした心のバリアフリー認定の取得促進や、障がい理解のためのセミナーを実施しております。 また、来年度から新たに、子ども・子育て世帯外出応援事業といたしまして、子どもや子育て世帯が移動、外出しやすい社会づくりのため機運醸成を図ってまいりたいということで、電車やバス車両のほか、駅構内等に設置されておりますデジタルサイネージ等も活用させていただいて、広報啓発活動を展開してまいる予定でございます。 こうした取組を通じまして、万博期間中、そしてそのレガシーとして、誰もが安心して活動できる基盤づくりを進めてまいります。 次に、地域共生社会の発信についてですが、おっしゃっていただいたように、二〇二五年問題、二〇三〇年問題が迫る中で、万博後も見据えた地域共生社会の実現を目指しまして、開催地大阪で地域共生社会づくりのために取り組んでおります先進事例を万博において発信し、レガシーとして府域全体、ひいては国内外に広く展開していくことが重要と考えておりまして、先行的な取組を行っております団体等と連携いたしまして、万博会場内でのイベント実施等を検討しているところでございます。 万博の理念も踏まえましたいのち輝く地域共生社会のここ大阪での実現を、万博を契機に加速化できますよう、関係機関と連携してしっかり取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 次に、能登半島地震におきまして、ペットを同行して避難ができないという問題が発生いたしました。 避難所の運営につきましては市町村が行うものでありますが、飼い主がペットと共に安心して同行避難ができるよう、市町村に対してどのように支援しているのか、伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 災害時にペットとの同行避難が円滑に行われますためには、避難所での適切な対応方法の理解や訓練の実施などを通じ、受入れ体制が強化されることが重要でございます。 大阪府では、令和四年三月、避難所におけるペットの受入れ条件や飼養管理ルールなどの留意事項を取りまとめた手引を作成、周知し、市町村におけるマニュアル作成を促してまいりました。現在、三十四団体が作成しており、未整備の市町村には引き続き働きかけてまいります。 また、市町村の同行避難訓練に府の獣医師が参画し、避難所でのペットの飼養スペースが避難者の生活動線にかからないよう助言するなど、支援に努めているところでございます。 さらに、万一災害が発生した際には、府や獣医師会、動物愛護団体などで構成する動物救護本部を設置し、避難所で受け入れたペットの健康管理や治療、不足物資の提供などの体制を構築することとしております。 今後とも、能登半島地震での教訓などを踏まえ、災害時における同行避難が円滑に行われるよう、関係部局と連携して市町村を支援してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 市町村では、地元の小中学校だけでなく、府立学校も避難所となることが想定されます。能登半島地震におきましても、各地の学校に設置された避難所でペットと飼い主が同じ空間で避難しているケースが見られました。 府においても、府立学校はペット同行避難可能な避難所として機能するよう、市町村からの要望を待つことなく、危機管理室、環境農林水産部、教育庁が連携して積極的に市町村を支援していただきたいと思います。 次に、我が会派では、昨年二月議会の代表質問におきまして、これまでの経験や教訓を生かし、新興感染症対策をどのように取り組むのかを質問し、健康医療部長より、新型コロナの検証を基に、今年度中に感染症予防計画を改定する旨の答弁をいただきました。 現在、新興感染症に関わる平時、有事の取組を新たに記載した大阪府感染症予防計画(第六版)(案)が取りまとめられ、公表されておりますが、予防計画に基づいた新興感染症対策の取組のうち、特に新型コロナ対応で課題となった検査、医療提供体制や保健所体制構築にどう取り組むのか、健康医療部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) 新興感染症に対する平時からの備えといたしまして、新型コロナの対応を踏まえ、まず医療提供体制につきましては、医療機関等との協定に基づき、現時点で約二百五十機関で四千床を超える病床をはじめ、約二千機関で一日当たり二万三千人を超える患者に対応可能な発熱外来約一万七千室の宿泊施設の確保などを予定しております。 また、検査体制につきましては、大阪健康安全基盤研究所の機能強化や民間検査会社との協定等により、発熱外来での対応可能人数を上回る検査体制を確保できる見込みとなっております。 さらに、保健所体制につきましては、府内十八保健所において、流行開始から一か月間に必要とされる人員確保の目標を約二千三百名と見込み、府及び保健所設置市の応援職員を中心として業務を継続的に行えるよう、体制の整備を図ることとしております。 有事の際には、これら平時の備えを速やかに実行に移し、感染状況を踏まえ、迅速かつ機動的な対応を行ってまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 次に、周産期医療について伺います。 近年の治療薬の開発などにより、早期発見、早期治療が可能となった希少難治性疾患があり、いわゆる拡大新生児マススクリーニング検査として、保護者の自己負担により実施されています。検査で早期発見できれば治療が可能で、子どもは健康に成長できる可能性が高いと言われているにもかかわらず、ほぼ全ての赤ちゃんが受検する公費対象検査に比べ、拡大新生児マススクリーニング検査では受検率が低いと聞いております。 このような状況の中、国の令和五年度補正予算で新たに対象疾患追加を検討するため、新生児マススクリーニング検査に関する実証事業が創設されました。将来的な全国展開を目指すモデル事業としての位置づけであるものの、子どもたちの健やかな成長のためには重要であり、ぜひ取り組むべき事業であると考えます。また、全ての子どもたちが受検できる検査の意義について、保護者へ周知することも必要であると考えるが、新たな府の取組について健康医療部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) 国の実証事業の対象となります重症複合免疫不全症及び脊髄性筋萎縮症につきましては、いずれも発見、治療が遅れると命に関わる病気であり、全ての新生児が検査を受けられる環境づくりは急務と認識しております。 本府におきましては、昨年末に、国から実証事業の要綱が示された後、一日も早い事業開始に向け、医療機関や大阪市、堺市と調整を重ねた結果、三月一日より、府内全ての地域で無料により追加される二疾患の検査が受けられることとなります。 引き続き、市町村と連携して、検査の意義、重要性について保護者に周知するとともに、安心して子どもが育てられるよう検査・治療体制の充実に取り組み、今後、全国統一の制度として恒久化されるよう、実証事業を通じて国に対し積極的に協力してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 次に、現在策定中の次期医師確保計画の内容に関連してお伺いします。 計画案では、今年度府が実施した府内医療機関の勤務実態調査や将来の医療需要などを踏まえて、府が独自に算出した二〇三六年の必要医師数が、二〇二二年の医師数を上回っており、二〇三六年へ向けて約二千人の医師の確保が必要とされています。 加えて、今年四月に改正医療法が施行され、いわゆる医師の働き方改革がスタートすることから、医師の確保とともに勤務環境の改善が必要になってきます。勤務実態調査によりますと、産科、小児科、救急科は長時間労働の傾向があったことからも、これらの診療科における医師の確保が厳しい状況にあることが分かります。 このような中、医師の確保や勤務環境の改善に向け、府としてどのように対応していくのかを伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) 府内の医師数は、全体として増加をしているものの、依然として二〇三六年に必要となる医師数との間に隔たりがあることや、一部の診療科におきまして医師の偏在が生じていることから、次期医師確保計画におきましても、引き続き医師の確保や勤務環境の改善に向けた取組を進めていくこととしております。 具体的には、初期臨床研修後、救命救急センターなどに派遣する地域枠を府内四大学に設置し、計画期間中に最大六十人程度の医師を確保することとしています。また、医学生や若手医師を対象とした診療科別セミナーや病院見学会などを通じ、地域医療に対する実情や関心を高め、一人でも多くの地域医療を担う医師を養成し、医師の偏在解消につなげてまいります。 次に、医師の勤務環境の改善に向けては、医療現場のICT化等に係る補助を行うほか、医療勤務環境改善支援センターにおいて、本年四月の改正医療法施行後の勤務実態や地域医療への影響を把握するとともに、相談員の増員により実地訪問によるフォローを充実するなど、きめ細かな支援を実施してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 府においては、来年度から、全国に先駆けて国民健康保険料が完全統一されます。昨年十二月に作成された大阪府国民健康保険運営方針によれば、大阪府で一つの国保として、被保険者間の受益と負担の公平性の確保と、被保険者の負担軽減、持続可能な国保運営の実現の二本柱を掲げた上で、安定した持続可能な制度を実現するため主な取組内容が定められています。 保険料水準を統一する意義として、人口減少・超高齢化社会が進展する中、これまでの市町村単位の仕組みのままでは、十年後、二十年後の府内市町村間の保険料水準に大きな格差が生じることが見込まれ、将来にわたり市町村間の格差を是正することで、被保険者間の受益と負担の公平性を確保するとともに、保険財政の規模を大きくすることで安定した財政運営が図られ、広域自治体と基礎自治体が連携することで、サービスの充実につながるものと認識しています。 そのため、府内のどこに住んでいても、同じ所得、世帯構成であれば同じ保険料となるよう保険料水準を統一した上で、新たに財政調整事業の枠組みを構築し、統一保険料水準の抑制、平準化に努めることとしている。これらの取組については、国保制度の維持や安定的運営の観点から必要なものとは理解できるが、長期的な視点に立った場合に、保険料統一の趣旨を踏まえますと、これまで市町村ごとに異なるサービスを提供していた被保険者への健康管理面の取組の充実を図ることや、国保運営面における事務効率を追求していくことが、持続可能な国保制度を実現する上で非常に重要な取組になると考えられます。 こうした課題に対応するため、大阪府は、市町村と共に策定した国民健康保険運営方針にのっとり、リーダーシップを発揮して、市町村間の格差是正を図りつつ、医療費の適正化や事業運営の広域化、効率化を行うなどの施策に取り組むことが重要で、真に持続可能な国保運営を可能とすると思われますが、健康医療部長の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) 国民健康保険の運営に当たり、将来的な医療費の上昇傾向が続く中で、保険料への影響を最小限に抑えるためには、医療費の適正化を図ることが最も重要であると認識しております。 このため、府といたしましては、市町村が主体的に取り組む被保険者の予防、健康づくりをはじめ、生活習慣病の重症化予防や適正な受診、服薬などの保健事業につきまして、地域の実情を考慮しつつ好事例の横展開を図ることや、国の交付金獲得に向けた重点的な支援を行っていくこととしております。 あわせまして、来年度、保険料完全統一に伴い、保健サービスや国保の運営事務におきましても、市町村と連携し、PDCAサイクルに基づく進捗管理を行いながら広域化、効率化を図り、被保険者へのサービスの充実とともに、安定的かつ持続可能な国保制度を実現してまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 話は変わりますが、臓器移植を必要とする難病を抱える方や人工透析を必要とする方は、国保加入者が多数おられます。今後、例えば臓器移植推進大会を大阪に誘致するなど、国保への効果もあると考えることから、広域行政の役割として、誘致の検討も含め、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、府では、国際都市として全国に先駆けた受動喫煙防止対策を進めるため、平成三十一年三月に大阪府受動喫煙防止条例を制定したところです。本条例は、令和七年四月に全面施行を迎えます。 府では、対策を推進するために、条例で規制されている飲食店に対し、喫煙専用室の設置などへの補助金を用意するとともに、屋内での禁煙化が進むことで屋外での喫煙が増えることを懸念し、屋外分煙所の整備も推進していると認識しています。 しかし、現状では飲食店での対策が遅れているのではと感じており、条例の全面施行まで間もなく一年を切る今、一層スピード感を持って取り組む必要があると考えます。そのことに対して、府はどのようにお考えでしょうか。 また、今後、万博の開催を控え、海外からの来阪者の増加が見込まれることから、大阪のホスピタリティーを高める上でも、来阪者が受動喫煙により不快な思いをしないよう、飲食店での受動喫煙防止対策を進めなければならないと考えます。 そこで、来年度にはどのように取り組んでいくのか、併せてお伺いします。 ○副議長(垣見大志朗) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) 本府では、飲食店の支援といたしまして、喫煙専用室等の設置や全面禁煙化に伴う費用を補助する制度を設けておりますが、補助金の活用実績は見込んでいた数を下回っているところです。 その要因の一つといたしまして、条例の全面施行までは現状のまま喫煙可能店として営業したいと希望する飲食店が多いことから、全面施行直前での補助金申請の駆け込み需要に応えられるよう、来年度は予算を大幅に拡充し、有効活用を促すとともに、技術的な助言等を行うことにより、飲食店の受動喫煙防止対策にしっかりと取り組んでまいります。 また、コロナ明けによるインバウンドの回復に加え、万博の開催により来阪者の増加が見込まれることから、来阪者が受動喫煙にさらされることなく快適に過ごせる環境づくりに取り組むことが重要であります。このため、改めて、飲食店での喫煙の可否が容易に分かるよう入り口での掲示を飲食店に求めるとともに、希望する飲食店には多言語対応のステッカーを提供するなど、望まない受動喫煙の防止に向けた取組を進めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 飲食店における受動喫煙対策の取組の状況は分かりました。 ステッカーを掲示して利用者が喫煙の可否を事前に分かるようにすることは、受動喫煙を防止する上で重要ではありますが、飲食店紹介サイトなどで容易に分かるような取組が必要だと考えます。 また、屋外での取組も必要であり、屋外分煙所の設置をさらに進めるべきとの声もあります。特に屋外での問題へのアプローチは、府のみならず市町村や地域との連携が不可欠であることから、府は、屋外分煙所のモデル整備などで支援を通じ、引き続き大阪・関西万博も見据えた受動喫煙防止対策を要望いたします。 次に、水素は、これまでエネルギーとしては供給スタンドの少なさやコストの高さが普及の壁となってまいりました。一方で、燃焼する際にCO2を排出しないことから、国もカーボンニュートラルに向けた鍵となるエネルギーと位置づけており、万博の会場では、水素や水素を含むアンモニアで発電した電力の利用や、水素とCO2から都市ガスの主成分であるメタンを合成するe--メタンの活用、水素船の実証運航といった取組が展開されます。 国は、今後十五年で三兆円を投じて、水素等を国内で製造する事業者や海外から輸入して販売する事業者に対し、エネルギーとしての水素等の普及を後押しするとのこと。大阪の港湾、臨海部でも水素等の次世代エネルギーの供給事業の検討が発表されている中、水素等が広く普及していくためには、ビジネスとして、供給側だけではなくエネルギーとして様々な需要が立ち上がる必要があります。 今後、水素等の利活用を拡大させ、大阪経済の成長につなげていくような取組が必要と考えますが、商工労働部長の所見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) エネルギーとしての水素やアンモニア、e--メタンの需要を創出する上では、これらを利活用する事業者を増やす必要があり、そのために、万博会場で実装される取組を活用していくことは効果的であると考えております。 そこで、例えば、製品の製造工程で化石燃料を利用する企業には、水素等の活用で得られる知見などを共有して新たな需要先の開拓につなげていったり、また消費者に対しては、会場での実例を通じて、安全性や有用性に対する理解促進を図っていくといったことを行ってまいります。 これらの取組を通じまして利活用の拡大を図り、大阪の港湾、臨海部における水素等次世代エネルギー投資の後押しと、化石燃料からの転換に伴うものづくり企業の要素技術の新たな活用につなげ、大阪産業の振興と成長に向けて取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 水素に関しましては、利活用の拡大とサプライヤーとしての大阪も目指していただきたいと思っております。 大阪では、来年度、再生医療をベースに、最先端の未来医療の産業化を推進する中之島クロスが開業いたします。 中之島クロスは、企業、スタートアップ、アカデミアに加え、医療機関が一つ屋根の下に集積する、ほかに類を見ない拠点となります。この中之島クロスにおいて、世界をリードする専門家同士が交流し、都心立地を生かし、最先端の情報を発信、専門家と共に市民を交えて価値を共創するなど、様々な取組が期待されるところです。 当該拠点が開業することで、府内において新たな価値を生み出す拠点が整うこととなり、今後、府内三拠点が連携し、府域全体のライフサイエンス産業を振興させていくことが重要となりますが、中之島クロスは立ち上げ期にあるため、拠点の形成に向けた取組に注力しつつ、将来を見据え、再生医療の実用化、産業化に向けた取組を加速させていく必要があると考えています。 このような状況におきまして、再生医療は万博の開催テーマ、いのち輝く未来社会のデザインと親和性が高いことを考えますと、万博開催を機に、再生医療の実用化、産業化に向けた取組を加速化させるには絶好の機会であると考えます。 府として、再生医療の実用化、産業化を強力に進めるためには、中之島クロスに入居する企業、スタートアップ等による共創の取組をしっかり支援していくことが重要と考えますが、商工労働部長の意見を伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 近年、創薬においては、製品開発ベースで約八割のシェアを占めているスタートアップの役割は極めて重要であり、大手製薬会社と連携して、その成果を製品化することが主流となっております。 中之島クロスは、そうしたスタートアップが集積する場であるとともに、一つ屋根の下で産業化に向けて医療機関や大手企業等が密に交流できる場であることが大きな強みであります。 府としましては、スタートアップのパートナーとの共創に向けた取組や、中之島発となるプロジェクトの創出に対する補助などにより、再生医療の産業化を加速させていきたいと考えております。 また、中之島クロスのポテンシャルを来年度の未来の医療プレEXPO、さらに万博開催時には、中之島クロスを言わば会場外のパビリオンとして内外にアピールし、新たな共創につなげていくこととしております。 中之島クロスが拠点となり、産業の力で再生医療が当たり前となっていくように、府として、その立ち上がりをしっかりと後押ししてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 次に、全国豊かな海づくり大会につきまして、昨年十二月に、令和八年第四十五回大会を大阪府で開催することが正式に決定されました。 我が会派では、これまでも本大会の開催がより意義深いものとなることを目指し活動を続けてまいっており、昨年十月に、令和六年開催予定の大分県庁を視察してまいりました。その中で、主目的である水産振興策に加え、山、川、海のつながりに関する環境教育を実践している事例を聞きました。 今後、大阪大会の開催に当たり、府域全体の機運醸成に資する観点からも、次世代を担う子どもたちを含め、幅広く府民に山、川、海のつながりを実感してもらえるよう、大会の準備を進めていくことが重要です。どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ○副議長(垣見大志朗) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 全国豊かな海づくり大会は、大阪湾を身近に感じ、水産資源の保護、管理や、それらを育む海や河川等の環境保全の大切さについて知っていただく絶好の機会でございます。大阪湾の豊かな環境を維持し、保全していくためには、海での取組と併せ、山から川、海につながる府域全体での取組が重要であると認識しております。 開催に当たりましては、大都市を背後に控えた大阪湾の特色を踏まえ、府民に安全でおいしい水産物を届けるための都市型漁業の振興、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの推進、大阪・関西万博のレガシーの継承、SDGsへの寄与などの大きな方向性を示し、府域全体を巻き込んだ大阪らしい大会となるよう、しっかり取り組んでまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 本大会を一過性のイベントで終わらせるのではなく、府民が漁業振興や環境保全への意識を深め、それぞれにできる取組を継続していただくことは、この大会を開催する上で大変大きな課題だと考えています。 そのためには、実行委員会での協議が大会を成功に導く鍵になると考えておりまして、その構成は非常に重要と考えます。どのような体制で大会を運営する方針であるか、環境農林水産部長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 令和六年度に設置予定の実行委員会におきましては、大阪府、沿岸市町をはじめとする自治体や漁業者団体などの水産関係団体のほか、既開催県の例も参考に、農林関係や環境団体、経済団体などの参画について現在検討しているところでございます。 今後、幅広い委員で構成する同委員会において、行事本体の内容と併せ、府民に対する環境教育や府域全体での機運醸成等の具体的な内容についても御審議いただき、大阪初の開催にふさわしい大会となるよう、内容の充実を図ってまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 開催に向けては、海沿いの地域だけが取り組むのではなく、大阪府全域で開催に向けて機運醸成を図っていくことが必要です。 来年度に同大会の開催を控えている大分県では、県漁業協同組合や市町村と連携し、地元の水産業や環境問題について理解を深める取組を行っていました。同大会が大阪府で行われることを契機に、子どもたちが海や河川の環境の保全をはじめ、環境問題を自分事として捉えることができるよう、環境教育を推進していくことが重要であると考えます。 そこで、学校における取組について、教育長に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 学校におけます環境教育についてでございますが、学習指導要領に基づきまして、理科など様々な教科で学習する機会が設けられておりまして、小学校から高校まで、発達段階に応じた学習が進められております。 また、教科の学習だけではなく、総合的な学習の時間等におきましても、海洋プラスチック汚染問題や河川の水質などをテーマに探究的な活動を行うなどの取組を行っております。 府教育庁におきましても、府内全ての小学校で実施をしております小学生すくすくウォッチのテスト問題の題材に、環境農林水産部作成の大阪湾の海ごみ問題に関するリーフレットを取り上げまして、豊かな海を守るための具体的な行動につきまして、子どもたちに考えさせたところでございます。また、小中学校におけます様々な実践を府のウェブページで紹介し、取組の充実に生かしてもらうように努めているところでございます。 今後も、環境問題を子どもたち一人一人が自分事として捉えて、主体的に考え、行動することができるような環境教育の充実に向け取り組んでまいります。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(垣見大志朗) この際、会議時間を延長いたします。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) ありがとうございます。しっかり対応いただくことを要望いたします。 次に、大阪府中央卸売市場の再整備について伺います。 府市場は、開設から四十五年が経過し、施設の老朽化をはじめ、年々大型化する輸送トラックに天井の高さが一部対応できていないことや、施設全体の低温化、いわゆるコールドチェーン対応ができていないなど、府民への生鮮食料品の安定供給の観点から、機能強化を図っていく必要があると考えます。 そのような状況を踏まえ、令和三年九月議会におきまして、我が会派の代表質問に対し、知事から、民間資本を活用した建て替え再整備の具体的な検討を進めていきたいと答弁があり、令和四年度からの二年間で、場内事業者と共に再整備に向けた検討が行われているところであります。 その検討の中で、場内事業者からは、資材高騰などの影響がある中、将来リスクに対する不安から、整備費に対し一般会計から繰り出しを求める声があると聞いています。しかしながら、府市場におきましては、二十ヘクタール以上ある大きな敷地を有していることから、当初の方針どおり、この府民の貴重な財産を最大限活用しながら機能強化を図りつつ、将来にわたり自立的な運営が可能となるよう再整備を検討すべきであると考えますが、御意見をお伺いします。 ○副議長(垣見大志朗) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 大阪府中央卸売市場の再整備につきましては、必要となる市場機能を確保しつつ、施設配置の工夫等により創出した余剰地からの収入を整備費に充てるなど、民間資本を最大限に活用し、将来にわたって自立的な運営が可能となるよう検討を進めてきたところです。 検討に当たりましては、施設配置の合理化などにより、事業者の使用料負担の抑制を図ってきており、現時点の試算では、使用料引上げ率が京都市場や神戸市場など再整備を進めている市場と同水準となっております。 しかしながら、事業者において、コロナ禍により経営状況が依然改善されていないことや、建設資材の高騰など将来リスクに対する不安により、検討を一度立ち止まるべきとの声があり、現段階において検討を継続するか否かについて協議を行ってるところでございます。 府といたしましては、将来リスクへの備えとして、総事業費に一〇%の予備費を含めており、今後も施設規模のさらなる精査を行い、一般会計からの繰り出しがなくても自立的な運営が可能となる再整備が進められるよう、引き続き場内事業者との協議を進めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 府内には、食肉市場を除き、中央卸売市場が大阪市の二市場を含めて三市場ございます。過去には、府市統合本部会議などにおきまして、それぞれの市場の在り方、経営形態の見直しについて検討が行われ、現在の状況になっていると認識しておりますが、それから既に十年が経過し、卸売市場法の改正による規制緩和や、卸売市場を経由しない取引の増加など、食品流通構造の変化が起きており、市場を取り巻く環境は大きく変化しております。 少子高齢化や人口減少に伴う生鮮食料品の消費量の減少は今後も続き、全国的に市場における取扱数量も減少していくことが見込まれる中で、府市場の再整備に当たっては、将来の課題にしっかり対応できるよう、府市において三市場の在り方も念頭に置きながら、連携強化を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(垣見大志朗) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 府市場の再整備に当たりましては、広域中継拠点市場化をはじめ、品質管理、衛生管理の高度化など、必要となる市場機能等を確保することを目指し、これまで場内事業者と協議を続けてきたところでございます。 こうした中、来年度当初には、いわゆる物流二〇二四年問題も控えるなど、市場を取り巻く環境が大きく変化することが予想されますため、府内三市場がそれぞれの強みを生かしながら連携し、諸課題に対応していくことが重要と認識しております。 そのため、当市場の再整備に当たりましては、将来を見据え、府内三市場の役割分担なども念頭に、府と市で意見交換等を行いながら、連携方策について検討を進めてまいります。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 今回、三市場に関わる質問を行いましたが、これを機に、例えば現状でも運営が危ぶまれる花卉市場など、大阪に存在する市場全般の再構築を検討することなど、大阪の未来における市場の絵姿をいま一度御検討いただきたいと思います。大阪における市場が関西の拠点とも言えるような市場になることも見据えた再検討を強く要望いたします。 次に、大阪府暴力団排除条例の一部改正についてお伺いいたします。 現行条例では、事業者が暴力団員等に利益の供与をすることを禁止し、違反した場合は、指導、勧告、公表の行政措置を講ずることが定められ、これまで社会全体で暴力団との関係遮断が進められてきました。 しかしながら、条例施行から十年以上が経過した今日においても、二月五日に報道されていたように、風俗関係者が浪川会という指定暴力団に用心棒代を支払っているなど、悪質な事業者と暴力団等の反社会勢力のつながりが指摘されています。 このような情勢を踏まえ、条例改正案は、一定の地域や業種に的を絞った上で、違反行為があった場合には懲役や罰金を科すことのできる規定を設ける内容と理解しています。 そこで、条例改正に関わる効果や影響等についてお伺いいたします。 ○副議長(垣見大志朗) 向山警察本部長。 ◎警察本部長(向山喜浩) 御指摘のとおり、現行の大阪府暴力団排除条例におきましては、事業者が暴力団員等に対して利益を供与することなどが禁止され、これらに違反した場合は勧告等の行政措置を講じることができることとされておりますが、違反に対する罰則は設けられておりません。 このたびの改正案は、府内の主要な繁華街等において、一定の事業者及び暴力団員等により敢行されるこの種の違反に対して罰則を設けることなどを内容とするものであります。これによりまして、暴力団の資金源の遮断等を通じまして、さらなる暴力団排除の推進が可能となるものでございます。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 条例改正により、社会からの暴力団排除が一層強化される狙いは理解しましたところですが、最近、半グレと言われる者が府民の体感治安を悪化させる要因となっています。暴力団のみならず、このような半グレと言われる者についても、府民から警察に幅広い情報が上がってくるように理解と協力を求め、暴力団と同様に対策を講じていただきたいと思います。 最後の質問になります。 大阪の観光名所、グリコ看板下の遊歩道、俗に言うグリ下に集まった少年少女らが犯罪に巻き込まれるなどトラブルが生じている問題で、知事は、市長及び南警察署長、地元商店会と共にグリ下を視察し、意見交換会を実施されました。 その中で、民間支援団体を含めた関係者による会議の設置を指示され、現在、大阪府、大阪市、大阪府警察、地元商店会、民間支援団体などから構成するグリ下会議が開催されています。グリ下に集まる若者が安全な環境で安心して生活できるようになることが議論されており、一定の方向性が整理されたと認識はしておりますが、グリ下会議のこれまでの経緯と今後の取組について、知事に伺います。 ○副議長(垣見大志朗) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 若者が犯罪の加害者にも被害者にもならないことが重要であることから、グリ下に集まる若者への支援は急務だと認識をしています。そのため、民間支援団体等を含む実務者により協議を行うグリ下会議の設置を指示いたしました。 会議は、昨年八月からこれまで四回開催され、グリ下に集まる若者たちの課題への対応としまして、生活困窮者自立支援事業や民間支援団体が行う若者支援などの情報共有をはじめ、就労支援や相談支援の在り方などについて意見交換が行われました。 十二月開催の第四回グリ下会議では、課題を踏まえ論点整理が行われ、グリ下に集まる若者へのアウトリーチ、民間支援団体と公的機関が連携した支援の提供、加えてグリ下からの脱却、そしてグリ下への流入防止という四つの対応の方向性が示されました。 今後は、この四つの方向性の具体化に向けて、公民連携を視野にグリ下会議においてさらに議論を重ね、課題のある若者が安全な環境で安心して生活できるように検討していきます。 ○副議長(垣見大志朗) 広野瑞穂議員。 ◆(広野瑞穂議員) 今後の府政に関しまして、多岐にわたり質問させていただきました。 最後に、グリ下の質問をさせていただきましたが、グリ下には様々な背景を起因とした課題を抱える若者が集まっています。グリ下への流入抑止が新たなグリ下をつくることにつながることのないように、どんな背景の若者でも受け入れるというプラットフォームとなる居場所が必要だと考えます。 また、グリ下には行き場を失った大阪出身の若者だけが集まっているというわけではなく、SNS等を通じて日本各地から集まっており、もはや大阪市中央区だけの局所的な地域課題ではありません。同様に、東京でもそうした若者がトー横に集まり、オーバードーズやパパ活、違法薬物など、グリ下と同様の問題があることから、日本全体の課題として捉えるべきと考えます。 こういった子どもたちをつくり出したのは、実は私たち大人ではないかというふうに考えることも必要だと思います。行き場を失っているのは子どもたちではなく、大人の社会でも多数存在しています。心の貧困によって将来に夢と希望を持てなくなっているというこの現実、この問題にやはり真摯に向き合わなければいけません。 さて、いよいよ来年、万博の開催を迎えることとなりました。前回の万博から五十五年、さきの万博でお披露目されたワイヤレスフォンや駅における自動改集札機などは、我々の日常生活に大変大きな変化をもたらしました。本来、万博とは、世界が抱える課題を克服するために、将来の日本、将来の世界のある姿をしっかりイメージし、その実現へ向け、世界中の知力を結集していく場でもあります。 今回の万博のテーマは、いのち輝く未来社会のデザインです。まず、我々がしっかりと一致団結し、万博を成功へ導くこと、そして万博でお披露目できた技術をもって、子どもたちが不安を抱えることなく、いのち輝く未来社会へ向けてしっかりと歩んでいける、そんな大阪をつくり上げていかなければなりません。 誰もが訪れたくなる大阪、誰もが住みたくなる大阪、そして誰もが安心して暮らせる大阪を目指す、そんな思いを持って、本日質問をさせていただきました。長時間にわたり御清聴いただき、ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(垣見大志朗) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、明二月二十八日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」「異議なし」)
    ○副議長(垣見大志朗) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。    -------◇------- ○副議長(垣見大志朗) 本日は、これをもって散会いたします。午後五時九分散会...