令和 5年 2月 定例会本会議 第三号 二月二十八日(
火)◯議員出欠状況(出席八十四人 欠席〇人 欠員四) 一番 中川誠太議員(出席) 二番 前田将臣議員(〃) 三番 牛尾治朗議員(〃) 四番 坂 こうき議員(〃) 五番
魚森ゴータロー議員(〃) 六番 角谷庄一議員(〃) 七番 三橋弘幸議員(〃) 八番 西元宗一議員(〃) 九番
松浪ケンタ議員(〃) 十番 塩川憲史議員(〃) 十一番 須田 旭議員(〃) 十二番 奥谷正実議員(〃) 十三番 西村日加留議員(〃) 十四番 山田けんた議員(〃) 十五番 野々上 愛議員(〃) 十六番 内海公仁議員(〃) 十七番 石川たえ議員(〃) 十八番 冨田忠泰議員(〃) 十九番 うらべ走馬議員(〃) 二十番 西川訓史議員(〃) 二十一番 原田 亮議員(〃) 二十二番 原田こうじ議員(〃) 二十三番 中井もとき議員(〃) 二十四番 奥田悦雄議員(〃) 二十五番 中野 剛議員(〃) 二十六番 みよしかおる議員(〃) 二十七番 中川嘉彦議員(〃) 二十八番 岡沢龍一議員(〃) 二十九番 山本真吾議員(〃) 三十番 上田健二議員(出席) 三十一番 永井公大議員(〃) 三十二番 前田洋輔議員(〃) 三十三番 中川あきひと議員(〃) 三十四番 おきた浩之議員(〃) 三十五番 紀田 馨議員(〃) 三十六番 いらはら勉議員(〃) 三十七番 欠員 三十八番 欠員 三十九番 河崎大樹議員(〃) 四十番
泰江まさき議員(〃) 四十一番 西林克敏議員(〃) 四十二番 松浪武久議員(〃) 四十三番 広野瑞穂議員(〃) 四十四番 植田正裕議員(〃) 四十五番 笹川 理議員(〃) 四十六番 横山英幸議員(〃) 四十七番 杉江友介議員(〃) 四十八番 徳村さとる議員(〃) 四十九番 金城克典議員(〃) 五十番 橋本和昌議員(〃) 五十一番 藤村昌隆議員(〃) 五十二番 中村広美議員(〃) 五十三番 山下浩昭議員(〃) 五十四番 大橋章夫議員(〃) 五十五番
肥後洋一朗議員(〃) 五十六番 内海久子議員(〃) 五十七番
加治木一彦議員(〃) 五十八番
八重樫善幸議員(〃) 五十九番 杉本太平議員(〃) 六十番 徳永愼市議員(〃) 六十一番
しかた松男議員(〃) 六十二番 欠員 六十三番 西 惠司議員(出席) 六十四番 西野修平議員(〃) 六十五番 川岡栄一議員(〃) 六十六番 大山明彦議員(〃) 六十七番
垣見大志朗議員(〃) 六十八番 林 啓二議員(〃) 六十九番 和田賢治議員(〃) 七十番 富田武彦議員(〃) 七十一番 中野稔子議員(〃) 七十二番 坂上敏也議員(〃) 七十三番 中谷恭典議員(〃) 七十四番 久谷眞敬議員(〃) 七十五番 鈴木 憲議員(〃) 七十六番 西田 薫議員(〃) 七十七番 森 和臣議員(〃) 七十八番 欠員 七十九番 松本利明議員(〃) 八十番 西野弘一議員(〃) 八十一番 土井達也議員(〃) 八十二番 三田勝久議員(〃) 八十三番 大橋一功議員(〃) 八十四番 岩木 均議員(〃) 八十五番 横倉廉幸議員(〃) 八十六番 三浦寿子議員(〃) 八十七番 三宅史明議員(〃) 八十八番 奴
井和幸議員(〃) ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局 局長 松井芳和 次長兼
総務課長事務取扱 大河内隆生 兼
議会秘書長事務取扱 議事課長 杉山智博 参事 佐藤 実 総括補佐 高山泰司 主査(議事総括) 太上利宏
~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第三号 令和五年二月二十八日(火曜日)午後一時開議 第一 議案第一号から第百三号まで及び報告第一号から第十三号まで(「令和五年度大阪府一般会計予算の件」ほか百十五件) (質疑・
質問) ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件 ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議
○議長(森和臣) これより本日の会議を開きます。 -------◇-------
○議長(森和臣) 日程第一、議案第一号から第百三号まで及び報告第一号から第十三号まで、令和五年度大阪府一般会計予算の件外百十五件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 なお、議場内は機械換気により空気を常時入れ替えており、また演壇にはパーティションを設置しておりますので、演壇での発言につきましては、発言を分かりやすくするためマスクを外して行っていただきますようお願いいたします。 通告により中村広美議員を指名いたします。中村広美議員。
◆(中村広美議員)
公明党大阪府議会議員団の中村広美でございます。 それでは、我が会派を代表して、順次質問、提案をさせていただきます。 初めに、
新型コロナウイルス感染症の五類感染症移行後における
高齢者施設対策について伺います。
新型コロナウイルス感染症については、五月八日に五類感染症への位置づけがなされる予定であり、これまで二類相当の感染症への対策として、行政が担ってきた
各種コロナ対応については、行政による支援策の縮小、廃止など、大きく見直されることになると考えます。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症は、特にオミクロン株に置き換わって以降、重篤度は低くなっているものの、感染力はむしろ強まっており、今後も感染の波を生じ得ると考えます。 健康医療部が、対策本部会議において示した六十歳以上の死亡例の陽性判明時の居所では、施設が全体の三分の一を占めていることからもクラスターになりやすく、ハイリスク者が入所する
高齢者施設対策は、五類感染症移行後も必要であると考えますが、今後の方針について健康医療部長の所見をお伺いします。
○議長(森和臣)
藤井健康医療部長。
◎健康医療部長(藤井睦子) これまで高齢者施設の
クラスター対策として、
府クラスター対応強化チーム--OCRTによる感染対策支援や、施設の協力医療機関による治療への支援、さらには府の登録医療機関による往診などを行ってきました。 五類感染症への位置づけ変更により、
新型コロナウイルスは原則として全ての医療機関が対応する一般医療に移行することから、協力医療機関などによる治療対応など施設等における感染症への対応力が極めて重要となってまいります。 また、集団発生等のおそれがある場合には、引き続き保健所が感染拡大防止の助言などを行いながら対応してまいります。 府としては、国に対し施設の感染防止対策や治療提供の充実などに向けた財政的措置を要望しておりますが、三月上旬を目途に国から示される具体的方針などを踏まえ、福祉部と共に施設が自主的に感染症対策を行えるよう支援してまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) よろしくお願いします。 次は原油価格・物価高騰対策として、府立学校の給食費無償化について伺います。 府立学校の学校給食費は、令和四年度、国の
新型コロナウイルス感染症対応臨時交付金を活用し、学校に通う子どもたちの保護者の負担を軽減するため無償となっています。 国の交付金制度は、
新型コロナウイルスや物価高騰への対策として実施されている制度ですが、物価高騰への影響は令和五年度も続くと考えられ、給食費を無償として、引き続き子育て世代への支援をすべきと考えます。 大阪府内での給食無償化は、田尻町をはじめ、千早赤阪村や高槻市の中学校でも実施されており、来年度からは大阪市でも無償化を実施するとの報道がありました。 特に、府では、平成二十八年に大阪市から支援学校の移管を受け、同じ大阪市内にある学校で無償となっている小中学校と、無償となっていない支援学校が混在する可能性もあります。 今年度実施した無償化に対し、どのような評価をしているのか、また令和五年度以降の府立学校の給食費を無償化すべきと考えますが、教育長の所見を伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎
教育委員会教育長(橋本正司) 府立学校の学校給食費につきましては、
新型コロナウイルスの影響が長期化する中、物価高騰に直面する保護者の負担を軽減するため、国の
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、令和四年度三号補正予算で今年度の無償化を実施いたしました。 無償化の対象となった児童生徒は、四十二校、約九千六百人で、負担の軽減につながったとの声を学校に伝えた保護者もいらっしゃるというふうに聞いております。 一方で学校給食費の費用負担は、学校給食法によりまして保護者の負担とされておりますが、義務教育につきましては国の責務であり、給食費の負担の在り方につきましても、国においてまず検討すべきものというふうに考えております。 加えて、
学校給食法制定当時とは、少子化の進展等、状況も異なってきておりますことから、長期的な視点での検討も必要というふうに考えておりまして、本年二月に全国
都道府県教育委員会連合会を通じて、国に対しまして緊急要望をしたところでございます。 今後の給食費につきましては、
臨時交付金等国による財政措置の状況を踏まえ検討をしていきますとともに、引き続き様々な機会を通じまして、国による財政措置がなされますように要望してまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) ありがとうございます。 この件についてちょっと知事、コメント欲しいんですが、この本当に大事な給食費を無償化にすべきということで、今、教育長から答弁がありましたけれども、知事のコメント、できれば所見をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 今般、この
新型コロナウイルス禍の中で、臨時交付金を活用して給食費、これは府立学校、支援学校になりますけれども、無償化というのを実施をいたしました。 今後、これをどうするかということについては、やはりまず、当然、支援学校には様々な就学支援制度というのもございます。 そういったものを踏まえて、この給食無償化をどうするかということについては、やはり国においても、きっちりと判断してもらいたいというところがありますので、国に対して、まずこの財政措置が行われるように要望してまいりたいと思います。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) ありがとうございます。よろしくお願いします。 次に、中小企業の賃上げに向けて知事のお考えを伺います。 今の日本経済にとって大きな課題は、物価上昇を上回る賃上げの実現であります。岸田首相は、春闘に先立ち、経団連等、経済団体に対し、インフレ率を超える賃上げを要請しました。また、中小企業の労使交渉が本格化する来月には、八年ぶりに政府、連合と経団連の代表者が集まる政労使会議を開催する方向で調整中との報道もされています。 大阪府においても、知事が旗振り役となり、賃上げの流れを中小企業にも広がるよう経済団体に協力を依頼していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 急激な物価上昇を踏まえて、賃上げは必要だと思っています。そのためには、まず中小企業が賃上げに踏み切れる、そういった環境の整備が重要です。 府としても、企業が賃上げの原資を確保できるように中小企業の生産性の向上であったり、あるいは下請取引の適正化であったりと、そういった経営支援に取り組んでいるところであります。 今後、経済団体とも意見交換をしながら、中小企業の賃上げが円滑に行えるように、国や経済団体に働きかけをしていきます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、府内市町村と連携した万博のPRについて伺います。 大阪・関西万博の開幕まで約二年となりました。万博の成功に向けて、府域全体でさらに機運を盛り上げていく必要があります。 昨年十一月、東大阪市は、地元の花園中央公園において、万博の意義や可能性を多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらうことを目的としたHANAZONO EXPOを開催しました。 イベントが開催された二日間で、約七万人もの来場者が訪れるなど大変盛況だったと聞いています。このようなイベントが多くの市町村で展開されれば、府域全体で万博の機運は高まると考えられます。 大阪府市では、来年度から経済界などとも連携し、効果的な機運の盛り上げを進めるため、万博推進局内に、
地域連携タスクフォースを新たに設置するとのことです。 この
タスクフォースの体制により、どのように万博機運醸成の強化を図っていくのか。また、この体制の下、市町村との連携イベントをもっと進めていくことで機運醸成を図っていく必要があると考えますが、万博推進局長の所見を伺います。
○議長(森和臣) 彌
園万博推進局長。
◎万博推進局長(彌園友則) 大阪・関西万博の成功に向けて、府内市町村や民間企業等に、万博を冠した様々なイベント等を開催いただくことは、府域全体で万博を盛り上げていく上で有効であると認識しております。 お示しの来年度当初に設置する
地域連携タスクフォースは、府市の関係部局や経済界で構成することとしており、民間企業等が開催する大
規模イベント等に、万博のPRを盛り込んでいただくよう呼びかけていくこととしております。 あわせて、そうしてマッチングした
万博関連イベント等を例えば開催時期で束ねて一連の
応援キャンペーンとなるようコーディネートすることで、官民一体でプロモーションを実施するなど、効果的な情報発信につなげていきたいと考えております。 加えて、市町村に向けましては、大阪・
関西万博推進本部の
地域連携イベント部会が窓口となりまして、
タスクフォースと情報共有、連携協力することによりまして、地域の催事等におきましても、これまで以上に万博の色合いを強めていきたいと考えております。 今後、この
タスクフォースの下、市町村や経済界とのオール大阪で
万博関連イベント等を府域全体で展開することで、機運の盛り上げを大いに進めていきたいというふうに考えております。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、児童生徒に向けた機運醸成の取組について伺います。 先日、府議会の万博議連において、
テーマ事業プロデューサーの一人で、いのちを高めるというテーマを担当しておられる中島さち子氏に御講演をいただきました。 万博は、単に会場で楽しむだけではなく、多様な価値観と出会い、それらがつながることで、新しいものや考え方を生み出すきっかけになるものであるということ、万博を通じて得る経験は、レガシーとなって今後の新しい時代をつくっていく原動力になる旨の御説明がありました。 未来の宝である子どもたちが万博に関わることは、大変有意義であると考え、これまでも我が会派から子どもたちへの万博の興味や関心を高める
教育プログラムの取組について質問を行ってきました。 一方で、昨年十二月に実施された大阪・関西万博に関するアンケート調査によると、大阪・関西万博の認知度は全体で八二%、府内では九〇%と知名度は着実に高まってきているものの、年齢別に見ると、六十代以上の九三%に比べ、十八歳から二十九歳では七六%と、年齢が低いほど数値が低い傾向にあります。 二年後の開幕に向けて、さらに若い世代にも万博のことを知ってもらえるよう、取組を進めていく必要があると考えています。 小中学生、高校生のさらなる万博の認知度向上につなげるため、どのように取組を進めていくのか、万博推進局長に伺います。
○議長(森和臣) 彌
園万博推進局長。
◎万博推進局長(彌園友則) 将来を担う若い世代に万博の理解を深めていただくことは、万博認知度の押し上げにもつながることから、議員お示しの
教育プログラムの取組は有効であると認識しております。 小中学生に向けましては、大阪、関西を対象に、これまでも博覧会協会が
教育プログラムを展開してきており、今年度からは全国の学校に拡大し、理解促進を図っているところでございます。 さらに、高校生に向けましては、現在、教育庁との連携の下、生徒が興味を持ちやすいよう、この年齢層に支持されている著名人を全体の進行役とした動画による学習教材を作成しており、来年度から府内の高校の授業の中で活用してまいります。 あわせて、府外への展開に向けましては、全国知事会などを通じて、教材の提供や授業での活用を呼びかけていくこととしております。 今後とも、未来を担う若い世代に万博への期待感を高めていただき、会場でかけがえのない経験や記憶に残る体験をしていただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) ぜひとも、子どもたちに万博に興味を持ってもらえるよう、しっかりとPRをしていただきたいと思います。 答弁をいただいた
教育プログラムに加え、万博を契機とした国際交流や万博への無料招待など、子どもに関連する様々な取組について、これまで我が会派として府議会で何度も取り上げてまいりました。 現在、万博をきっかけとして、全国の子どもや若者と海外との交流を促進する
万博国際交流プログラムが国において検討されています。 会期前から世界各国の文化に触れるよいきっかけとなることから、府としても府内市町村が参加しやすい制度となるよう、しっかりと国に働きかけていただくようお願いをします。 また、子どもの無料招待についても、博覧会協会による入場券制度の検討状況や財源の問題も踏まえる必要があるとは思いますが、私立学校に通う生徒や府外から通う生徒も含め、できるだけ多くの子どもたちが不公平な扱いとならないように検討を進めていただくよう要望いたします。 次に、万博におけるボランティアの今後の進め方について伺います。 大阪府市におけるボランティアの検討状況については、昨年九月議会の我が会派の一般質問に対し、空港や主要駅等を活動場所として、交通案内や観光案内などの
ボランティア活動の実施について検討しており、来年度にはボランティアの募集を開始する予定との答弁をいただきました。 万博でのボランティアの経験は、参加者にとってかけがえのない貴重な体験になると考えます。約一万人もの方々が参加するとのことですが、募集に当たっては、若い人のみならずシニアの方まで幅広い年齢の方々が参加できるような応募条件となるようにすべきです。今後のボランティアの進め方について、万博推進局長に伺います。
○議長(森和臣) 彌
園万博推進局長。
◎万博推進局長(彌園友則) 万博のボランティアにつきましては、現在、大阪・
関西万博推進本部の参加促進部会におきまして、対象年齢や活動内容、配置場所などに関しまして、具体的な協議を重ねております。 このうち、対象年齢につきましては、
東京オリンピック・パラリンピックでは年齢の上限を設けず、十八歳以上とされていたことなど過去の事例も参考にしながら、応募条件を詰めているところでございます。 今後、年度内に運営事業者の募集を開始し、来年度夏頃に
ボランティアセンターを設置した上で、年度後半におきまして、ボランティアの公募を実施することとしております。 引き続き、幅広い年齢層の方々にボランティアに参加いただき、万博運営の当事者として記憶に残る体験をしていただけるよう、着実に準備を進めてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) よろしくお願いします。 次に、万博開催に当たっての中小企業の活用について伺います。 本年一月以降、
大阪ヘルスケアパビリオン展示・出展ゾーンのリボーンチャレンジへの参加募集が順次開始されています。中小企業やスタートアップが万博に参画するための具体的な動きがいよいよ始まりました。 万博の発注情報を府内中小企業につなぐ枠組みとして、府が構築中の万博商談もずやんモールは、万博参入を促進するきっかけとなる格好のツールになると期待しています。万博商談もずやんモールに関しては、我が会派として九月議会で質問を行ったほか、昨日、他の会派からも質問がありました。運用開始に向け、府内中小企業においても期待や関心が高まっており、できるだけ多くの方に経済効果が及ぶよう、広報周知に取り組んでいただくことを我々からも要望させていただきます。 今回、我が会派から、もずやんモールを活用した機運醸成の取組について伺います。 モールのスタートは、府内中小企業のみならず、一般の府民、さらには全国における万博についての認知度、関心度、期待度を高める絶好の機会になり得るだけではなく、万博関連発注についての透明性を世の中に示す機会ともなります。 うめきた、大阪城といった多くの人が集まる場所で、リアルなイベントを実施するなどのPRを行い、府内のみならず全国に万博の理念と併せて発信することで経済面での機運醸成につなげ、万博の成功の一助としなければならないと考えますが、商工労働部長の所見を伺います。
○議長(森和臣)
小林商工労働部長。
◎商工労働部長(小林宏行) 中小企業が、万博商談もずやんモールを活用し、万博関連の調達に参入する機会が得られれば、中小企業の万博に対する親近感や参加意識がさらに増すことが期待されます。 この好循環を生み出すには、もずやんモールが多くの受発注情報が集まる活発な取引の場となることが必要です。このため、府内中小企業の情報登録に向けた広報周知、専門の
発注開拓スタッフによる発注案件の確保などに取り組み、受注側、発注側の双方にこのシステムが広く浸透するよう注力してまいります。 あわせて、博覧会協会や万博推進局が実施するリアルのイベント等とも連携し、万博の理念とともにこのシステムの存在を啓発することで、相乗効果が高まるよう取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、万博を契機としたバス事業者の脱
炭素化促進事業について伺います。 九月議会の代表質問でも取り上げましたが、二〇二五年大阪・関西万博の会場アクセスとして利用するEVバス等については、令和六年度までに国と府市の補助金を活用して、合計百台程度を導入するとのことです。 今年度、国の補助金で多くの不採択が出たため、昨年十月に、府市は国土交通大臣に対し補助金の大幅な予算額の拡充と府域への重点的配分について要望し、我が会派としても後押ししてきたつもりですが、その成果はあったと言えるのでしょうか。 来年度も、府域でEVバス四十七台の導入を見込んでいるとのことですが、国補助も活用しつつ、確実に導入していく必要があると考えます。どのように取り組むのか、
環境農林水産部長に伺います。
○議長(森和臣)
原田環境農林水産部長。
◎
環境農林水産部長(原田行司)
日本国際博覧会協会が改定を予定しているEXPO二〇二五
グリーンビジョンにおきましても、
駅シャトルバス等として路線バスタイプのEVバスを運行するとしており、万博におけるカーボンニュートラルの実現に貢献するため、必要台数を確保することが重要でございます。 本年七月に国の補助金で不採択となったEVバス十一台につきましては、府市の要望後、国が実施した令和四年度補正予算による追加補助に申請し、全てに対して改めて補助金の交付が内定されました。これにより、申請のあった十八台の導入が確実となりました。 引き続き、補助金の拡充と府域への重点的配分を国に強く要望するとともに、府市の補助を継続し、府域の事業者がEVバス等を計画的に導入できるよう支援してまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) しっかりと計画的に導入できるように、さらによろしくお願いします。 次に、G7貿易大臣会合の安全安心な開催について伺います。 令和三年九月議会の代表質問で、我が会派より大阪・関西万博に向けた機運を盛り上げるため、大型国際会議の誘致を進めるよう質疑をしました。 本年十月二十八日、二十九日にG7大阪・堺貿易大臣会合が開催されます。本会合は、二年後の万博成功につなげていくための重要な発信の場であり、大阪の魅力を発信する絶好の機会です。 様々な大阪の魅力を世界に発信するための取組が行われることとなりますが、一番大事なことは世界の要人が集まる世界的会議を安全安心に終えることであります。安全安心な会議とするため、どのような対策を講じていくのでしょうか。 また、会議や宿泊先は、大阪市内と聞いておりますが、会合開催時期に大阪市内に約十五万人の方がお越しになるツーリズムEXPOが開催されます。会合で各国大臣や政府関係者がお越しになり、交通規制や警備強化がされる中、多くの方が大阪市内に集まるため、安全安心対策にしっかりと取り組むことが必要であり、大阪市とはどのように連携していくのか、政策企画部長に伺います。
○議長(森和臣) 川端政策企画部長。
◎政策企画部長(川端隆史) G7大阪・堺貿易大臣会合の安全安心な開催に当たりましては、様々な危機事象を想定し、関係機関と連携しながら対策を進めることが重要と認識しております。 そのため、警備体制の構築や自然災害、感染症への対応などについて、G20サミットの開催経験も生かし、府警察や消防など関係機関と連携し検討を始めているところでございます。 また、大阪市につきましては、会合会場や宿泊場所となることが想定されておりますことから、情報共有を行いながら、医療提供体制や交通規制対策等について緊密に連携し対応してまいります。 会合を無事に開催することで、大阪が安全安心に国際会議を開催できる都市であることを広く世界に発信し、大阪・関西万博の成功につなげてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、地震被害想定の見直しについて伺います。 二月六日にトルコ南部を震源とするマグニチュード七・八の地震が発生し、これまでに五万人以上の死者が確認されるなど甚大な被害が発生し、様々な被災者支援が活動を実施されています。 地震でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。 我が国においても、平成二十三年の東日本大震災や平成二十八年の熊本地震などの大規模地震の発生により甚大な被害が発生し、多くの貴い命が失われました。 また、今後三十年以内に南海トラフ巨大地震の発生する確率が、七〇から八〇%と高まっています。 府内で想定し得る地震に対し、最新の土地利用や耐震対策状況等、さらには科学的、技術的知見を踏まえ、災害対策の根幹となる最新の被害想定を把握しておくことが重要であると考え、私自身、昨年十二月の一般質問において府の被害想定を見直すべきと質問をいたしました。 府では、来年度から地震・津波被害想定の見直しに着手するとのことですが、どのように見直しを行うのか、また、その結果、防災・減災対策にどのようにつなげていくのか、危機管理監に伺います。
○議長(森和臣) 大中危機管理監。
◎危機管理監(大中英二) 本府では、平成十八年度に直下型地震、平成二十五年度に南海トラフ巨大地震の被害想定をそれぞれ公表しております。 これを踏まえ、平成二十七年に、令和六年度までの十年間を計画期間とする新・大阪府地震防災アクションプランを策定し、防潮堤の液状化対策や密集市街地対策をはじめとする地震・津波対策に着実に取り組んできたところでございます。 被害想定公表から十年以上経過し、土地利用の高度化など社会環境の変化やアクションプランによる対策が進んできたことから、来年度、新たに学識経験者で構成する検討会を設置し、国における検討状況や科学的、客観的な立場からの知見なども踏まえ、直下型、海溝型ともに被害想定の見直しを行ってまいります。 今後、被害想定の見直しにより把握した避難者数などの被害の規模や様相などを踏まえ、府地域防災計画及び次期アクションプランに防災・減災に向けた具体的な取組を反映するなど、大阪府全体の災害対応力のさらなる強化に努めてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) よろしくお願いします。 次に、地下河川、下水道増補幹線の今後の進め方と効果及び情報発信について伺います。 寝屋川流域では、過去の浸水被害を踏まえ、昭和六十三年から国が進める流域治水の先駆けとなる総合治水対策が進められてきました。 我が会派では、これまでも寝屋川流域の治水施設整備を進めるため、北部地下河川の大深度法に基づく認可の早期取得や予算確保を国に要望しており、さらに令和五年一月にも補正予算の拡充などを国土交通大臣に要望したところです。 現在の寝屋川流域の北部では、北部地下河川城北立坑の整備が進み、門真守口増補幹線ほか三つの下水道増補幹線が事業中であります。 また、南部では、南部地下河川最下流部の用地取得が大阪市と共同で進められており、治水安全度向上に向け取り組んでいます。 しかしながら、南部では、地下河川につながらない地域もあり、計画に位置づけがある下水道増補幹線などの整備を進める必要があると考えています。 北部地域での地下河川及び南部地域での下水道増補幹線の今後の進め方と整備効果について伺います。 また、地下河川などは、地下にある構造物であり府民の目に触れにくいため、効果的な情報発信により広くPRしていくことも重要と考えます。府民への情報発信の取組について、都市整備部長に伺います。
○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。
◎都市整備部長(谷口友英) 寝屋川流域北部に位置する北部地下河川につきましては、令和八年の完成を目指し城北立坑の整備を進めるとともに、完成後、立坑上流部の鶴見調整池の整備に速やかに着手できるよう準備しているところです。 また、お示しの寝屋川流域南部の下水道増補幹線につきましては、令和五年度、枚岡河内中央増補幹線に着手する予定で、これらの整備が完了すれば流域北部で約六千二百ヘクタール、流域南部で東大阪市、大東市の約千六百ヘクタールの地域で被害を軽減することができます。 次に、情報発信の取組につきましては、これまでも城北立坑の見学施設や流域市と共催する施設見学会などによりPRを行ってまいりました。 今後は、治水施設や水辺空間を巡るウオークイベントなどを通じて、府民に幅広く関心を持っていただけるよう取り組んでまいります。 引き続き、寝屋川流域の治水施設の整備に取り組むとともに、積極的な情報発信を行い、府民の安全安心の確保に努めてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、ユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーの普及促進に向けた取組について伺います。 東京都内では、令和二年度末時点でタクシー総車両数約四万二千台のうち、UDタクシーが約一万三千台を占め、導入率は三割を超えていると聞きます。 一方で、大阪府では、今年度、UDタクシー購入一台当たり三十万円を上限とする府独自の補助制度が創設されたところですが、今年度末時点でタクシー総車両数約一万七千台のうち、UDタクシーが約千二百台、導入率は約七%の見込みであり、大阪・関西万博開催までに導入率を約二五%とする目標には程遠い状況です。 来年度には、補助制度の拡充が予定されているということですが、目標の達成に向け、この補助制度を関係事業者にしっかりと使ってもらえるように取り組む必要があると考えます。 今後、どのように取り組んでいくのか、都市整備部長に伺います。
○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。
◎都市整備部長(谷口友英) ユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーの普及促進に向けて、令和五年度から国の補助制度と合わせ購入一台当たり最大九十万円の補助が受けられるよう、府の補助制度を拡充する予定です。 加えまして、国や大阪タクシー協会等と連携し、タクシー事業者、リース事業者をはじめ販売店に対し、今回拡充する補助制度を紹介するチラシの配布や、タクシー事業者が参加する国主催の会議の場などにおいて情報発信を行い、少しでも制度を活用いただけるよう周知の強化を図ってまいります。 引き続き、様々な機会を捉えて補助制度の周知に努めるとともに、国に対し重点的な予算配分を働きかけるなど、関係者一丸となって取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) ぜひともよろしくお願いします。 次に、特殊詐欺の犯罪情勢と各種対策について伺います。 令和四年の大阪府下の全刑法犯認知件数は六万八千八百七件となり、中でも特殊詐欺については平成二十三年以降最多の二千六十件で、前年から五百二十二件増加したとお聞きしました。 主な内訳として、還付金詐欺が前年比百六十七件増加、キャッシュカードを狙った手口の詐欺や窃盗が二百三件増加したなど、被害が拡大しているものと認識しております。 また、新聞等において、ツイッター等のSNSで募集されている、いわゆる闇バイトに安易な気持ちで応募した若者等が特殊詐欺の犯行に加担していることや、警察庁の委託によりインターネット利用者からの違法、有害情報の通報を受理し、サイト管理者等、削除依頼等を行うインターネット・ホットラインセンターの通報対象に、殺人や強盗等の重要犯罪に関する請負、誘因等の投稿等を追加する改定が前倒しされたことが報じられております。 このような情勢の中、大阪府警察として、特殊詐欺の検挙対策とSNS対策について、警察本部長に伺います。
○議長(森和臣) 野村警察本部長。
◎警察本部長(野村護) お示しのとおり、特殊詐欺の被害につきましては、極めて厳しい情勢にあります。 特に、被害が拡大している還付金詐欺は、出金の場所の多くが関東圏となっていることから、出金場所を管轄する警察等と連携した取締りを進めているほか、キャッシュカードを狙った詐欺や窃盗においては、犯行グループからの電話が多発する地域における警戒態勢を強化し、受け子等の現場検挙を徹底しているところであります。 また、犯行グループ等の壊滅に向け、上位被疑者の突き上げ捜査を徹底するとともに、事件の背後にある暴力団や準暴力団の構成員等の犯罪組織に対する多角的な取締りを推進しております。 さらに、犯行グループが闇バイト等と称して受け子等をツイッター上で募集している実態を踏まえ、受け子等を募集したり、自ら受け子等になろうとしている書き込みを行っている者に対して、大阪府警察と明示した上で直接警告文を送信しているほか、闇バイト、受け子等の言葉を検索した利用者に対して注意喚起メッセージを表示する取組を推進しております。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、高齢者に対する被害防止対策について伺います。 特殊詐欺の被害者の約九〇%を占める六十五歳以上の高齢者については、特に被害防止策の情報が行き渡る対策が必要であると考えております。大阪府警察で取り組まれている高齢者に対する被害防止対策について、警察本部長に伺います。
○議長(森和臣) 野村警察本部長。
◎警察本部長(野村護) 特殊詐欺の被害の中心である高齢者に対する被害防止対策といたしましては、自治体の広報誌や府警で作成する防犯広報資料等を活用し、被害防止に関する情報を発信しているほか、民生委員や社会福祉協議会等を通じた広報啓発活動に努めております。 また、受講者にも、詐欺の手口を再現した寸劇に参加していただく被害体験型の防犯教室を実施しております。 そのほか、犯行グループとの通話を遮断することが被害防止に効果的であることから、防犯機能付電話機の普及促進や在宅時における留守番電話機能の活用の促進等にも取り組んでおります。 府警では、本年も特殊詐欺の撲滅に向けた総合対策の推進を重点目標の一つとして掲げており、引き続き組織総合力を発揮した検挙対策及び被害防止対策に取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) ぜひとも、よろしくお願いをいたします。 次に、動物取扱業者への指導の経緯について伺います。 先般、二月八日に寝屋川市内の犬の繁殖事業者が動物虐待の疑いで逮捕されるという報道がありました。府は、この事業者に平成二十四年度以降、四十四回の指導も重ねてきたとのことです。我が会派では、これまでも繰り返し、府議会の審議を通して動物愛護施策の推進を訴えてきましたが、今回のこのような事案が発生したことは、誠に残念です。 動物愛護管理法については、令和元年六月に改正され、動物の遺棄、虐待について厳罰化されました。また動物取扱業に対する規制強化と動物の大きさに応じたケージの数値基準など適切な飼養環境を確保するための規定が具体的に定められたことにより、基準を守らない不適切な事業者に対しては、法に基づく登録の取消しなどの処分が可能となりました。 しかしながら、現実には、法で定められた飼養環境基準などは一部で限られており、適切な飼養を求めるに当たって行政指導により改善を促すに止まらざるを得ない場合も多いと考えます。 府は、この事案について、どのような指導を行ってきたのか、
環境農林水産部長に伺います。
○議長(森和臣)
原田環境農林水産部長。
◎
環境農林水産部長(原田行司) 当該事業者につきましては、令和三年三月以降、一つの狭いケージに複数の犬が入れられているなどの複数の相談がありましたため、任意の協力の下、令和四年五月末までに八回の立入調査を行い適切な飼養を求めてきましたが、虐待を疑うような事実は確認できませんでした。 法改正後、令和四年六月以降には、数値基準の順守状況の確認などのため、立入調査を十三回実施いたしました。八月には、ケージの基準に適合していなかったため、法に基づく改善勧告を行い、十二月の立入調査で改善を確認いたしました。 立入調査の際には、その都度、個々の犬の健康状態を確認しておりますが、虐待の事実は確認できませんでした。 また、法に基づく報告書を確認したところ、国の示す全国平均と比べて死亡数が多かったことから、十一月には令和四年十二月一日から令和五年三月一日までに死亡した全ての犬に係る検案書等の提出を求める命令を行ったところでございます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 先ほどの部長の答弁では、立入調査の際は虐待の疑いを確認できなかったとのことです。 また、動物取扱業に対する規制強化を受け、随時、法に基づく指導や処分を行うとともに、法の規定がない問題点についても行政指導を行ってきたとのことです。 強制力のない立入調査や行政指導には、限界があることは認識をしておりますが、このような事案が発生したことは非常に残念なことであります。動物愛護に関する府民の関心は高くなっていますが、今回のことについて吉村知事の見解を伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 動物虐待は犯罪であり、絶対に許してはならないと思っています。特に、動物取扱業者には、動物愛護に関する高い倫理観とそれに基づく適切な事業活動を行うことが求められます。 改正された動物愛護管理法を適切かつ効果的に運用し、その権限に基づき、法に違反する不適切な事業者に対しては厳しい姿勢で対応をしていきます。 また、行政指導には、限界があることも事実でありますが、相談等により得られた情報に敏感に対応して、警察との連携をより一層密にして、手遅れにならないよう厳しく対処していきます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) しっかりと対応をよろしくお願いをいたします。 次に、ギャンブル等依存症対策について伺います。府が昨年十一月に実施した実態調査によると、ギャンブル等依存が疑われる人等の割合は、府の成人人口の三・四%、約二十五万五千人の方がギャンブル等依存が疑われる、またはそのリスクがある人と推計されています。 カジノ設置を伴うIRが誘致されれば、さらにギャンブル等依存の方が増えるのではないかとの懸念が府民の間に根強い中で、府では現在、第二期大阪府ギャンブル等依存症対策推進計画の策定を進めており、来年度は大幅な予算拡充を図った上で、相談や回復支援など様々な取組強化が図られています。 誰もが相談しやすい相談体制の充実や、相談をきっかけとして必要な支援につながる体制整備など、第二期計画ではこうした取組をいかに強化していくのか、健康医療部長に伺います。
○議長(森和臣)
藤井健康医療部長。
◎健康医療部長(藤井睦子) 第二期計画では、ギャンブル等依存症に悩む御本人や、その家族などが早期に必要な支援につながることができるよう、気軽に相談できる相談窓口の整備や、切れ目のない支援体制の充実に取り組むこととしています。 具体的には、昨年試行的に実施したSNS相談大阪府依存症ほっとラインを通年で開設するとともに、二十四時間三百六十五日対応可能なLINEを活用したAIによる自動相談システムを令和五年度中に整備することとしています。 また、大阪アディクションセンター--OACの連携体制がより強固なものとなるよう、民間団体における複合的な支援が必要な事例について、関係機関の協力を得ながら連携方策について検討し、その結果を支援モデルとして共有、蓄積していきます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 相談支援体制の充実を進めるとともに、一人でも多くのギャンブル等依存症に悩む本人や家族が適切な支援を受けられるようになるためには、支援の糸口となる相談窓口の周知啓発が不可欠です。 また、府が行った実態調査によると、ギャンブル等の経験者の約九割が二十代までに始めているとの結果が明らかとなっていることから、早期の予防教育の取組も重要であると考えます。第二期計画における一般府民向けの普及啓発や若者への予防教育の取組について、具体的にどのような点が強化されているのか、健康医療部長に伺います。
○議長(森和臣)
藤井健康医療部長。
◎健康医療部長(藤井睦子) 普及啓発の取組として、五月の啓発月間に市町村や関係事業者などと協力して、相談窓口の周知をはじめ集中的な取組を行うとともに、依存症に悩む御本人などが必要な情報にアクセスできるよう、各種情報を一元的に集約したポータルサイトを本年秋までを目途に整備することとしています。 また、若年層への早期の予防教育が重要であることから、教育庁との連携により全ての高等学校などにおいてギャンブル等依存症に関する予防啓発事業等が行われるよう、啓発資材を新たに作成するとともに、教員向けの研修を計画的に実施していきます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、出産・子育て応援交付金について伺います。 さきの九月議会後半の一般質問で、我が会派が取り上げた伴走型支援と経済的支援を一体的に実施する出産・子育て応援交付金についてお聞きします。 国の第二次補正予算で盛り込まれた出産・子育て応援交付金事業は、支援が手薄とされる出産前後とゼロ歳から二歳児の子育て世代が孤立した状態の育児に陥るのを防ぐのが狙いとされています。 これまでも、市町村子育て世代包括支援センターにおいて妊娠期からの切れ目ない支援に取り組んでいますが、さらに強化されることを期待しております。十二月下旬には、実施要綱が国から示されるとともに、府内市町村でも順次、本事業が開始されていると聞いております。 実施要綱に記載されているアンケートのひな形を見ると、出産後の育児につながる内容となっています。一方で、一般的な妊娠経過をたどる方ばかりではなく、これまでも我が会派が取り上げてきた早産や流産、死産をされた方に対する配慮も必要ではないかと考えております。 さきの一般質問に対して健康医療部長より、交付金事業による新たな先進事例を研修に生かすなど、支援体制へのさらなる充実に努めていく旨の答弁がありましたが、早産や流産、死産をされた方への配慮という観点を踏まえ、伴走型相談支援に対する現時点での取組を健康医療部長に伺います。
○議長(森和臣)
藤井健康医療部長。
◎健康医療部長(藤井睦子) 国の要綱では、伴走型相談支援として、妊娠届出時、妊娠八か月時、出生後の面談などを通じて寄り添った支援を行うこととされています。このうち、妊娠八か月時における面談やアンケートは、多くの市町村にとって初めての取組になり、その際、早産や流産、死産をされた方を含めて個々の妊娠経過に応じた対応を行うことが重要になります。 このため、二月に実施した母子保健コーディネーター研修では、早産児支援に関するツールや先行市町村でのグリーフケアの取組事例などを情報提供したところです。 引き続き、市町村が円滑に伴走型相談支援に取り組めるよう、先行事例や対応策の共有など必要な支援を府としても実施していきます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) よろしくお願いします。 次に、医療的ケア児支援センターの設置について伺います。 大阪府は、全国に先駆けて平成二十四年度より、関係機関との連携の下、医療的ケア児を含む重症心身障がい児等への支援に取り組んできました。 近年、医療技術等の進歩に伴い、医療的ケア児が増加する中、さらなる支援の強化が必要と考えています。大阪府においては、医療的ケア児とその家族への支援体制の充実を図るため、令和五年四月に医療的ケア児支援センターを設置予定で、現在、関係機関との調整をしているとお聞きしました。 支援センターでは、医療的ケア児やその家族、関係機関からの困難事例の相談に対応し、情報提供や助言を行うとともに第二次医療圏域に関係機関が連携できる場を設定し、困難事例、好事例の招集と情報提供を行うこと等の医療的ケア児等が必要とする支援につなぐことが役割とお聞きしました。 医療的ケア児等に対する支援は、府内のどこに住んでいても個々に必要とする支援が届けられることが求められます。支援センターが、重要な役割を担うことが期待をされます。また、現在、市町村に配置されている医療的ケア児等コーディネーターが身近な地域において医療的ケア児の支援を行っているともお聞きしました。今後、さらに支援を深めていくためには、医療的ケア児等コーディネーターの役割が、今後ますます重要になると考えます。 これまでも、我が党から支援センターの設置に関する質問を行ってきましたが、医療的ケア児等コーディネーターの役割について、どのように考え、その育成及び府として支援センターと医療的ケア児等コーディネーターが連携し、医療的ケア児等をどのように支援につなげていくのか、福祉部長に伺います。
○議長(森和臣) 吉田福祉部長。
◎福祉部長(吉田真治) 医療的ケア児及びその家族の皆さんが、府内のどこに暮らしておられても個々に必要とする支援が受けられ、地域社会で安心して暮らせる体制づくりが必要と認識しております。 お示しの医療的ケア児等コーディネーターは、医療、保健、福祉、教育等の多分野にまたがる課題につきまして、医療的ケア児等にとって身近な地域での相談窓口となり、的確な見立ての下、支援の利用を調整しながら総合的かつ包括的な支援の提供につなげる役割を担うものでございまして、府といたしましては、医療的ケア児等の地域生活を支える人材として育成に取り組んでいるところでございます。 こうした地域の相談支援の核となるコーディネーター、それと本年四月中に設置予定であり、関係機関との連携調整を担う医療的ケア児支援センターが連携を図ることによりまして、医療的ケア児、家族、支援者等を地域全体で支える仕組みを構築していくことが重要と認識しております。 府といたしましては、センターを中心としつつ市町村がネットワークを整備し、課題把握や対策を講じる取組に対しまして、必要な支援を行ってまいります。 今後とも、医療的ケア児及びその家族の皆さんが安心して生活できるよう、関係機関との緊密な連携の下、医療的ケア児への切れ目のない支援の充実に取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 医療的ケア児への支援は、身近な地域で必要な支援が行われるべきであるので、二次医療圏域ごとの設置が望ましいと考えております。令和六年度以降の運用についても、ぜひ御検討いただくようお願いをします。 次に、検証を踏まえた児童虐待防止対策について伺います。 令和六年四月の児童福祉法等の改正では、市町村において母子保健と児童福祉の両機能を総合的に担うこども家庭センターの設置に努めることとされており、府民により身近な存在である市町村は、従来にも増して求められる役割が大きくなってきています。 府においては、令和四年六月、富田林市で二歳女児が亡くなった事案について、大阪府社会福祉審議会児童福祉専門分科会点検・検証専門部会において、令和五年一月に検証結果報告書が取りまとめられました。 再発防止に向け、発育状況や保育所等への出席状況の変化等に応じ、適切なアセスメントや対応を行うための取組、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協における適切なアセスメントやプラン検討のための取組が提言されています。 あわせて、児童虐待の未然防止、早期発見、きめ細かな対応や、再発防止のために市町村のさらなる専門性の向上や体制強化についても指摘をされています。 府子ども家庭センターにおいても、専門性の維持向上や要対協における助言等について言及されており、しっかり取り組んでいただきたいと思いますが、再発防止に向け、特に市町村の専門性の向上や体制強化に、府としてどのように取り組んでいくのか、福祉部長に伺います。
○議長(森和臣) 吉田福祉部長。
◎福祉部長(吉田真治) 児童虐待対応におきます市町村の役割、ますます大きくなっておりまして、市町村の専門性の向上を図ることは重要と認識しております。 お示しの点検・検証専門部会の検証結果を踏まえ、再発防止に向けた取組を着実に進め、府といたしまして市町村を支援していくことは不可欠であると思っております。 専門部会からいただいた提言を基に、大阪府市町村児童家庭相談援助指針を改定する予定としております。その中では、アセスメントの際の重要な視点として、身長体重の推移といった客観的情報を踏まえることや、保育所等の欠席が増える等、リスクの高まった可能性がある場合などには、適時適切に個別ケース検討会議を開催することにつきまして、具体的に示すこととしております。 加えまして、市町村職員向けに配信しております研修動画にも、こうした点を盛り込んでまいります。また、市町村におきます組織的体制のさらなる強化も必要と認識しておりまして、市町村児童家庭相談担当及び専門職のスーパーバイザーの配置基準につきまして、児童福祉関係法令に明記の上、併せて財政措置も講じるよう国に要望をしてまいります。 今後とも引き続き、府子ども家庭センターと市町村が連携いたしまして、児童虐待対策にしっかりと取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、健康寿命延伸の取組推進について伺います。 大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、大阪版万博アクションプランでは、二〇一三年比で二〇二五年までに健康寿命の二歳延伸を掲げています。 これまで大阪府は、健活10というキャッチコピーで、府民に取り組んでいただきたい十の健康づくり活動を啓発してきました。 一方で、延伸こそしているものの、現状では国が示す都道府県別の健康寿命のランキングでは、男性四十一位、女性は四十位で低位となっており、平均寿命と約十歳もの差があります。 大阪・関西万博のインパクトを生かし、健康寿命の延伸に向け、これまでの取組に加え、オール大阪で、市町村のみならず企業団体を含む多様な主体が連携した具体的な健康づくりの取組の裾野を広げていかなければならず、府として企業への積極的な呼びかけと取組を進めるべきと考えます。 大阪・関西万博に向けて大阪府の健康寿命を延伸するため、今後は、府は企業に向けどのように働きかけをしていくつもりなのか、健康医療部長に伺います。
○議長(森和臣)
藤井健康医療部長。
◎健康医療部長(藤井睦子) 府は、これまで企業に対し、従業員の健康づくりに向けた取組を促すため、健康経営セミナーや健康づくりアワードを実施し、好事例やノウハウの共有を進めてまいりました。 また、健康づくりを、企業をはじめとするオール大阪体制で推進するため、令和元年度に健活おおさか推進府民会議を設置し、現在までに百を超える企業に参画いただき、ブース出展や広報などに御協力いただいているところです。 今後は、商工労働部や経済団体とも連携し、健康関連企業や健康経営セミナー受講企業などに呼びかけ、府民会議の参画企業を増やしていきます。 さらに、来年度は、食生活やがん検診の受診など、健活10のテーマごとに集中取組期間を設け、企業内での取組や公民一体となったプロモーション活動を呼びかけ、万博に向け健康寿命延伸につながる取組を企業にも促していきます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、万博に向けた食の安全安心の取組について伺います。 大阪・関西万博には、国内外から多くの来阪者が見込まれます。 かつて天下の台所とも呼ばれ、常に日本の食文化をリードしてきた大阪においては、食の安全安心においても、行政としても、消費者目線で対応していくことが重要であると考えます。 先日、スーパー等で食品を陳列販売している冷蔵ショーケースについて、冷気を送り込む吹き出し口の内部が非常に汚れているという相談をいただきました。 実際に、その吹き出し口の汚れを見させてもらいましたが、ほこり等が一面に覆われて汚れており、清掃する必要があるのではないかと感じました。 パネルで御覧いただいているのが、食品小売業店舗における冷蔵ショーケースの現状です。 食の安全は、消費者、事業者、行政の三者が一体となって取り組むことが重要であり、府民の小さな声も受け止める必要があると感じていますが、大阪府ではこのような府民から寄せられた声に対してどう対応していくのか、健康医療部長に伺います。
○議長(森和臣)
藤井健康医療部長。
◎健康医療部長(藤井睦子) 府民や事業者からいただいた食品衛生に関する相談は、食の安全安心の向上につながる貴重な情報であり、御相談いただいた場合は迅速に立入調査や指導を行うなど、適切に対応することが重要であると認識しています。 例えば、議員お示しの冷蔵ショーケースの衛生保持に関しましては、情報が寄せられてから速やかに適切な管理を促す事業者向けのチラシを作成し、業界団体の協力を得て周知を行ったところです。 今後、スーパー等の立入検査の際にも、併せて周知を行っていきます。 引き続き、府民はもちろん国内外からの来阪者が安心して大阪の食文化を楽しんでいただけるよう、府民や事業者の貴重な情報も積極的に活用しながら、適切に監視指導を行っていくとともに、事業者の自主的な取組を促進していきます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) ぜひともよろしくお願いをいたします。 次に、介護・福祉人材確保戦略の見直しについて伺います。 府では、少子高齢化の進展により深刻化する介護・福祉人材の不足に対応するため、その取組の指針として平成二十九年に介護・福祉人材確保戦略を策定し、この間、介護福祉分野における人材の確保を進めてきたと聞いております。 本戦略は、策定後五年が経過することから、本年度中に内容の見直しを行うとのことですが、特に介護分野においては、高齢者の増加により、現状のまま推移すると二〇二五年には約二万四千人、二〇四〇年には約六万七千人の不足が生じるとの推計もあり、必要となる人材の確保に向け、中長期的な視点に立った実効性のある見直しと、さらなる取組の強化が必要であると考えます。 今後の確実な人材確保に向けた戦略見直しに当たっての考え方と方向性について、福祉部長に伺います。
○議長(森和臣) 吉田福祉部長。
◎福祉部長(吉田真治) 介護福祉分野におきましては、将来的な人材不足が懸念されております。 とりわけ、介護分野におきましては、深刻化する人材不足は喫緊の課題でございまして、その対策が不可欠と認識しております。 このため、中長期的な視点に立った対策の一層の強化に向け、今年度中に介護・福祉人材確保戦略を見直すこととしておりまして、見直しに当たりましては、重点的に取り組む項目といたしまして三つ、すなわち一つ目は、将来の福祉を担う人材の確保に向け、教育機関等との連携による低年齢層や青少年期から福祉の仕事への理解と関心を深めていただくための機会の提供、二つ目は、国内人材だけでなく外国人介護人材の活用にも視野を広げていただくための施設等への受入れ支援や、日本語学習、資格取得に向けた支援、三つ目は、全国に比べ高い傾向にある早期離職率を改善し、人材の流出を防ぐための早期離職防止と業務改善による職場定着の促進、この三つを設定する予定でございます。 今後、戦略を見直した上で、その具体化に向け、関係団体や事業者等の協力をいただきながら、具体的な取組を進めてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、インターネット上の誹謗中傷や差別に対する相談事業について伺います。 我が会派は、大きな社会問題となっているインターネット上の誹謗中傷や差別について解消を図るため、府として効果的な取組を進めるよう求めてきました。 特に、多大な心労を抱えておられる被害者への支援については、より深刻な事態を招いてしまわないためにも、効果的な施策を早急に実施していくことが重要であると考えています。 また、さきの九月議会での我が会派の代表質問でも取り上げましたが、侮辱罪の法定刑の引上げなどに伴い、加害者が自身の行為を後悔し、書き込みを削除したいなどといった相談も増えてくることも予想されます。 府においては、インターネット上の誹謗中傷や差別の解消に向け、有識者会議において具体的な取組について検討を行ってきたところであり、先般、その検討結果の取りまとめ案が公表されました。 この取りまとめ案では、被害者支援策として専門の相談窓口を設置することが提案されており、またこの相談窓口において、人権侵害情報を発信した加害者からの相談にも対応することが示されております。 府は、これを受け、令和五年度当初予算案において、専門相談窓口の整備費用を盛り込んでいますが、どのような窓口を整備し対応していくのか、府民文化部長に伺います。
○議長(森和臣) 江島府民文化部長。
◎府民文化部長(江島芳孝) インターネット上の人権侵害に関する相談対応の在り方につきましては、相談者がより安心して相談できる環境を整え、充実させていくことが重要であると考えております。 有識者会議からも、こうした点を踏まえまして、被害者や加害者からの相談を幅広く受け止めることができる専門の窓口の整備の必要性について意見がありましたことから、府としても新たに相談窓口を設置し、その支援の充実を図ることとしたところでございます。 この相談窓口では、人権侵害情報の削除要請や発信者の情報開示に関する手続などのサポートを行いますとともに、精神保健福祉士などによる相談も行う相談者のこころのケアについても十分に対応していくなど、相談者に寄り添いながら適切かつ継続的な支援を行ってまいります。 今後とも、こうした取組を着実に実行していくことにより、インターネット上の人権侵害に悩む府民への支援をしっかりと進めてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) しっかりとよろしくお願いします。 次に、府立高等学校の再編整備について伺います。 平成二十六年度以降、大阪府及び大阪市では、府市の再編整備計画に基づき、府内の高等学校の再編整備を進めてきました。 この間、学校数にして十六校を減少させてきましたが、府教育委員会は、人口減少等を理由に今後も再編整備が必要としており、昨年十二月に公表した府立高等学校再編整備方針案や、本年一月に公表した府立高等学校再編整備計画案においても、その考え方が改めて示されています。 具体的には、期間内において九校程度の募集停止を公表することとするとされております。 我が会派では、募集停止校の検討に当たっては、府立高等学校からその地域の歴史や文化に深い関わりを持っていることから、志願状況だけでなく地域の状況等を十分に考慮するように繰り返し意見をしてまいりましたが、府教育庁は今後どのように再編整備を進めようと考えているのか、教育長に伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎
教育委員会教育長(橋本正司) 昨年十二月に公表しました府立高等学校再編整備方針案におきましては、社会のニーズを踏まえた教育内容の充実、就学機会の確保を前提とした効果的かつ効率的な学校配置という考え方の下、活力ある学校づくりを目指した再編整備を推進することとしております。 活力ある学校づくりを進めるためには、様々な選択科目の開講や展開授業など、生徒の学習ニーズに応える学習活動や、学校行事、部活動などの教育活動の充実を図る必要がございます。 そのためには、一定の学校規模を確保することが必要と考えておりまして、その観点でこれまで再編整備を進めてきたところでございます。 引き続き、募集停止校の決定に当たりましては、府立学校条例の下、志願状況に加え、教育課程や教育活動といった学校の特色、さらに公共交通機関の整備状況、高校の設置状況といった地域の特性も勘案した上で総合的に判断し、募集停止を行ったとしても、対象校に通っている生徒の出身地域に在籍する中学生が、高校の修学を断念するような事態が生じないかの確認を行いまして決定をしてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 総合的に検討されるとのことですが、この間、募集停止を公表された学校について地域等から様々な要望が出されてきました。 地域の事情を十分踏まえて検討を行うとともに、学校数を減ずることを目的とするのではなく、子どもたちの教育環境や内容がより充実する再編整備となるよう要望いたします。 次に、支援学校の教室不足の解消等について伺います。 令和三年十月に国が実施した教室不足調査に関し、大阪は全国で最も多い五百二十八教室という結果でした。これは、特別教室等をホームルーム教室に転用した実績とともに、同年九月に制定された特別支援学校設置基準に明記された学級編制基準を満たすために必要となる教室、百六十八室を含んでいます。学級編制基準では、一室に小学部、中学部は六人以下、高等部は八人以下と明記されています。我が会派の議員も複数の支援学校を視察しましたが、ホームルーム教室で学年によっては十人を超えている実情も見てきました。先生方は、あらゆる工夫をしながら学びをしっかりと確保されており、子どもたちも明るく元気に挨拶してくれたことが印象に残っております。 設置基準は、令和五年四月に全面施行となります。既存校は、経過措置が講じられているものの、少なくない子どもたちが、国が定めた基準を満たしていない環境で過ごしている事実には変わりはありません。 昨年九月の代表質問において学校整備を進めるべきとの問いに対し教育長から、教育環境の改善に向けできるだけ早く計画的に整備が進められるよう取り組むとの答弁をいただきました。 令和五年度は、豊能地域と大阪市内で新たに二校の学校整備に着手するための予算が計上されていますが、なぜこの二つの地域から着手するのか、またそれ以外の地域における今後の対応について教育長に伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎
教育委員会教育長(橋本正司) 知的障がい支援学校の在籍者数の増加に対応し、児童生徒の教育環境を確保するために、新たな支援学校の整備等により、設置基準の不適合や教室不足の解消を今後十年以内に目指していきたいと考えております。 まず、来年度は、在籍者数が増加する豊能地域及び大阪市内において教室不足が多く生じており、設置基準で示された学級編制基準及び校舎面積基準を満たしておらず、学校整備による早急な対策が必要と判断しました豊能地域の豊中支援学校と、大阪市内北東部の思斉支援学校の対策に着手することといたしました。 豊中支援学校におきましては、これまで豊能地域で新校の整備に取り組んできていないことなどから、唯一の知的障がい支援学校である同校の在籍者数は、直近五年間で百人程度増加し、府立支援学校の中で最も多い状況となっております。 また、思斉支援学校におきましては、直近五年間で六十人程度在籍者数が増加し、校舎面積に対して基準を満たすことができる児童生徒数を百人程度上回るという状況にございます。 こうした現状を踏まえ、まずは対策が急務である二校の教育環境を改善するために、学校整備に着手することとしたものでございます。 今後、児童生徒数の動向や現在着手済みの新たな学校の開校により想定される効果も踏まえ、その他の地域におきましても順次着手できるようにしっかりと取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、大阪府における不登校支援について伺います。 文部科学省の問題行動調査結果が、十月に発表されました。全国で不登校の小中学生が急増し、初めて二十万人を超え、過去最高の二十四万人となりました。大阪府においては、小学校、中学校、高等学校のいずれにおいても不登校は増加傾向であり、全国よりも厳しい状況が続いております。 そうした中、先日の文部科学大臣の会見では、特例校の設置促進に加え、一人一台端末を活用した不登校の発見と早期支援、予防的な不登校対策の推進を三つの柱として、本年度中に不登校対策の総合的な政策パッケージを固定するとの発言があったところであり、国も本腰を入れて不登校対策に取り組む姿勢です。 先日、我が会派の議員が、不登校の小中学生を受け入れる目的で設置した東京都八王子市立高尾山学園を視察しました。十九年前に開校し、現在は小学四年生から中学三年生までの百十一人が通っています。 大阪府としても、不登校の対策や支援により一層力を入れるべきと考えますが、教育長に伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎
教育委員会教育長(橋本正司) 不登校児童生徒は、コロナ禍の三年間でさらに増加をいたしておりますけども、その要因、背景は様々であるため、一人一人の子どもの状況に応じて寄り添い、学びの保障を確実に行っていくことが重要と考えております。 府教育庁としましては、これまでから子どもの状況をつかむために作成したスクリーニングシートを活用すること等により、不登校の兆しを早期に把握するとともに、専門家を配置し、スクールカウンセラーによる心理的ケアや、スクールソーシャルワーカーと連携して家庭環境の改善等、必要な支援につなげてまいりました。 加えて、来年度から、不登校の課題が大きく、校内教育支援ルームを設置する府域約百の小中学校に、不登校やその兆候のある児童生徒のペースに沿った学習や相談、ICTによる学習支援を進めるために必要な事業予算案を今議会に提出したところでございます。 高等学校におきましては、府教育センターに教育支援センターを設置し、在籍校と連携して一人一台端末を活用した学習支援や面談等による心理面のサポートを行うなど、生徒の状況に合わせた支援を行っているところでございます。 府教育庁といたしましては、チーム学校として生徒の悩みや不安を早期に把握するとともに、休みがちな生徒を支援することができるよう、各学校の教育相談体制のさらなる充実を図ってまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、私立高校等授業料の無償化について伺います。 令和六年度以降の私立高校等授業料無償化制度について、これまで効果検証の結果も踏まえ、二月定例会までに制度内容を示したいと答弁されてきましたが、今般、制度の在り方を含め抜本的な検討を行うため、検討をさらに継続するとの意向が示されました。 知事の公約を受けてのことと察しますが、本定例会での提示に向けて制度の見直しを検討してきたことと思います。ついては、授業料無償化制度の検討状況について、教育長に伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎
教育委員会教育長(橋本正司) 令和六年度以降の授業料無償化制度につきましては、公私立高校生の保護者を対象としたアンケート調査の結果等を用いて現行制度の検証を行いますとともに、無償化制度の趣旨も踏まえて検討を進めてまいりました。 アンケート調査では、現在支援対象となっている世帯のほか、支援の対象となっていない年収九百十万円以上の世帯におきましても、授業料等の負担が重いと感じている世帯が一定数存在したという結果でございました。 これらの検証結果を踏まえ、様々な検討を行ってまいりましたが、生徒の在り方を含め抜本的な検討を行うため検討をさらに継続し、令和五年度の早い時期に制度内容をお示ししたいというふうに考えております。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、府立学校の学習環境の改善について伺います。 我が会派では、府立学校の学習環境の改善について、以前から生活様式の変化等に対応するため、府立高校のトイレ改修、洋式化について質問をさせていただいていますが、令和五年度も引き続き進めていただきたいと考えております。 また、体育館への空調機の設置や、府立学校の空調設備の更新などについても計画的に取り組んでいくことが重要だと考えますが、子どもたちの学習環境の改善について、教育長はどのように考えているのか、伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎
教育委員会教育長(橋本正司) 子どもたちの学習環境の改善について、府立高校では空調設備を平成十六年度に導入し、令和三年度から令和五年度にかけまして更新を進めております。 支援学校では、特別教室の空調機を平成三十年度から令和五年度にかけて、全ての支援学校に設置をする見込みでございます。 また、夏季の体育授業や部活動時の熱中症対策として、令和元年度から令和五年度にかけて府立学校の体育館に空調機の設置を進めております。 子どもたちにとって、学校は長い時間を過ごす重要な場所でありますことから、令和六年度以降もトイレの洋式化をはじめとする学習環境の改善を計画的に進めていくために、整備手法などを検討し、関係部局と協議をしてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 教育長、ぜひともよろしくお願いをいたします。 次に、改定版副首都ビジョンについて伺います。 先日示された副首都ビジョン改定案では、二〇五〇年代に大阪の経済規模を現在の二倍にするという大きな目標が掲げられています。二〇五〇年代は、大阪・関西万博を体験した今の子どもたちが社会の中心を担う頃です。 ビジョンの目標達成には、大人になった子どもたちが活躍できる大阪を我々の世代みんなでつくっていくことが重要となります。 まちをつくるのは人です。また、会社を形づくり、イノベーションの創出や社会の課題の解決を図るのも人であります。とりわけ、その核となる若者や女性の活躍が不可欠です。 今般のビジョン改定案において、人が中心という視点を掲げられたことは、これまでからの我が会派の指摘に沿ったものとなっております。あとは、この副首都ビジョンを羅針盤に、大阪を本当に人が輝く都市にできるかどうかが問われております。 知事には、その責任とリーダーシップが求められると考えますが、知事の決意、覚悟を伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) これまで、財政再建の成果を基に次世代への投資を積極的に進めてきましたが、大阪の持続的な成長発展には、今後、さらに若者や女性の活躍支援を強化していくことが重要だと考えています。 そのため、今回のビジョン改定案においても、チャレンジを後押しする機能、暮らしやすさ、働きやすさ、楽しさを高める機能として、失敗を恐れずに何度でもチャレンジできる就業機会や、女性をはじめ誰もが活躍できる環境の充実を図ることとしています。 こうした人中心の取組を経済団体や各企業などオール大阪に広げ、しっかりと進めることで、府民をはじめ国内外の多様な人材を引きつける副首都大阪を実現していきます。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 大阪においては、今後三十年以内に南海トラフ巨大地震の発生確率が、七〇%から八〇%に高まると言われる中、災害に対する備えや危機意識は片時も欠けてはいけません。 また、災害への備えは、府民の命を守るという第一の目的に加え、国内外からの人や投資を引きつけるためにビジネス面での信頼にもつながり、副首都として国際競争力を向上させるためにも重要と考えます。 この点、現在示されている副首都ビジョンの改定案では、個別の取組に触れるにとどまり、災害対応力を強化していくという大きなメッセージは伝わりにくいです。 人が中心であるということに加え、人を守り成長にも寄与する災害対応力の強化を明確にビジョンに掲げるべきであり、成案化の際にはぜひとも反映していただくよう強く要望させていただきます。 次に、市町村DX支援について伺います。 スマートシティ戦略部では、令和四年四月に知事をトップとする大阪DXイニシアティブを立ち上げ、DXの推進による住民のQOLを向上させる最適な仕組みや推進体制について検討を進めています。令和五年度当初予算案に七事業を盛り込むなど、着実に取り組んでいただいております。 大阪DXイニシアティブでは、市町村のDX支援についても検討を進めています。府内の市町村のDXの取組については、八月の中間報告でも示されていたように、デジタル化の進展具合に大きく開きがあるのが現状です。同じ府民でも、住む場所によってデジタル化の恩恵に差が出るのは望ましくないことは言うまでもありません。 府域全体でのDXの推進に向け、広域自治体として市町村のデジタル化を後押ししていくことが必要と考えます。 大阪DXイニシアティブにおいても、市町村への支援方策について検討されてきたと聞いておりますが、来年度の新たな市町村支援の取組について、スマートシティ戦略部長に伺います。
○議長(森和臣) 坪田スマートシティ戦略部長。
◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) 議員お示しのとおり、デジタル化につきましては、府内市町村の取組状況に差があるという現状を踏まえ、住民向けサービスのデジタル化と自治体そのもののデジタル化の両面から、広域自治体としての市町村を支援していくことが重要と考えております。 住民向けサービスにつきましては、今年度、本府からの働きかけもあり、統合アプリやLINE公式アカウントで市町村と住民をつなぐデジタルの窓口が、全国で初めて府内全市町村で整備されたところでございます。さらに、先行している市町村では、子育て等の情報を希望する住民が受け取れるサービスが展開されております。 このようなサービスを標準的なものとして横展開するため、新たに導入する市町村に、サービスの共同調達と補助金による支援を来年度実施する予定でございます。 次に、自治体のデジタル化に資する事業といたしまして、市町村単独では確保が難しいデジタル専門人材について、複数市町村が共同で確保する仕組みづくりを進めております。 セキュリティー面をはじめ、様々な専門的助言等を行える人材を府が選定するとともに、補助金による支援で後押ししてまいります。 現在、具体的なニーズを市町村にヒアリングしており、来年度十五団体程度とともに実施していく予定でございます。今後とも、全市町村の状況を把握し、ニーズを丁寧に酌み取りながら市町村を支援してまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、スーパーシティー等におけるヘルスケア分野の取組について伺います。 九月議会での我が会派の代表質問では、スーパーシティーで目指す方向性のうち、大阪が大学や研究機関、企業等の集積で高いポテンシャルを有するヘルスケア分野の取組について、先端国際医療を中心にスマートシティ戦略部長に質疑をさせていただきました。 我が会派としては、人口減少と少子高齢化が急速に進む中、誰もが健康で生き生きと暮らせる大阪を目指すに当たり、ヘルスケア分野の重要性はさらに高まっていくと考えております。 デジタル技術の活用は、ヘルスケア分野における大阪の強みをさらに発展させるポイントと考えており、スーパーシティーの推進に加えて、スマートシティ戦略におけるスマートヘルスシティの取組にも期待をしております。 まずは、大阪スーパーシティ構想については、昨年十二月に府市において全体計画を策定したと伺っていますが、全体計画ではヘルスケアの取組について、何を目指し、どのように取り組んでいくこととしたのか、併せてスマートヘルスシティに係る新たな取組について、スマートシティ戦略部長の所見を伺います。
○議長(森和臣) 坪田スマートシティ戦略部長。
◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) スーパーシティ全体計画では、大阪の強みであるヘルスケア分野を柱に据え、豊かに暮らす健康長寿社会を目指すこととしております。 その取組として、九月議会でお答えした先端国際医療環境の整備に加え、将来的にはデータ連携基盤--ORDENを通じて、健康、医療、介護、スポーツなど多様なデータをつなげた次世代PHRを核に、AI等最新のデジタル技術を活用し高度化された様々な先端的サービスを提供するなど、住民QOLの向上につなげてまいります。あわせまして、議論の過程で経済界からいただいた意見も踏まえ、データ活用が新たなサービスを生むデータ駆動型社会を目指すことで、健康医療サービスの高度化や産業の創出を図っていくことも盛り込んだところでございます。 また、スマートヘルスシティの取組につきましては、規制改革の遅れが原因で日本が先進国から大きく遅れていると言われている治療アプリ、予防アプリにフォーカスしたデジタルヘルスファンド大阪を民間の出資により今年度末を目途にスタートさせる予定でございます。当初の目標を大きく上回る出資企業も集まりつつあり、万博に向けてデジタルヘルス系スタートアップの創出に努めてまいります。 今後、これらヘルスケアの取組の着実な推進により、誰もが健康で生き生きとした生活を実現できる社会を目指してまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、大阪の成長に向けた取組について伺います。 政策企画部においては、大阪の成長に向け、大阪版万博アクションプランの取りまとめを行っているほか、今年度、スタートアップやアートの分野においてモデル事業を実施されていると聞いております。 スタートアップについては、イノベーションの源泉であり、都市の成長に欠かすことのできないものであります。特に、大学の研究開発などから生まれるディープテックと呼ばれる高度な技術を有するスタートアップへの注目が高まっており、府としてもしっかり取り組んでいただくようお願いをいたします。 また、アートについては、先日開催されたStudy:大阪関西国際芸術祭二〇二三のアートフェアにおいて、海外ギャラリーの誘致に試行的に取り組まれたとのことです。実際、我が会派の議員も見に行かせていただきましたが、来場者も多く、改めてアートの可能性を強く感じたところであります。 大阪の成長は、一朝一夕に成し遂げられるものではなく、様々な可能性を探り、チャレンジを続けていくことが重要と考えます。これまでの成長に向けた取組について伺うとともに、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、政策企画部長に伺います。
○議長(森和臣) 川端政策企画部長。
◎政策企画部長(川端隆史) 大阪の成長に向けましては、大阪版万博アクションプランに掲げる項目について各部局と連携し、その施策に最優先で取り組むとともに、政策企画自らもスタートアップやアートについてモデル事業を実施するなど、成長を加速させるための先駆的な取組を進めております。 スタートアップにつきましては、大阪、関西の強みである大学等の集積を生かし、今年度、新たにディープテック分野のスタートアップの創出、育成に向けた支援体制を検討しているところでございます。来年度は、その結果を踏まえ、企業版ふるさと納税等も活用し、具体的な大学等の研究シーズの掘り起こしや事業化に向けた支援に取り組んでまいります。 また、アートにつきましては、国内外から人や投資を呼び込むという観点から、議員お示しのモデル事業を実施し、アートフェアに海外ギャラリーを誘致する際の課題や今後の出展可能性などを調査しているところでございます。来年度、その結果も踏まえ、大阪の都市格向上に向け、どのようにアートを活用できるか検討してまいります。 引き続き、全庁を挙げて大阪版万博アクションプランの取組を進めるとともに、現在実施中の大阪の新たな成長分野に係る調査分析の結果なども踏まえながら、新たな分野の事業にも機動的に挑戦し、大阪の持続的な成長の道筋を確かなものとしてまいりたいと思います。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、万博に向けたスポーツツーリズムの推進について伺います。 国において昨年十二月に改定された二〇二五年大阪・関西万博アクションプランでは、観光交流など新たに五つの分野の取組を進め、全国的な機運醸成を図り、万博を契機とした交流人口の拡大を推進していくことが示されました。その中で、スポーツは人生や社会を豊かにするものと位置づけられ、スポーツと連携したイベントの実施など、スポーツの連携強化によるスポーツ交流を進めていくことが掲げられております。 今回、当初予算案では、大阪の成長を図るため、今年度から新しく取り組んでいるアーバンスポーツを中心に、府市が連携して万博のいのち輝くをテーマにした体験イベントを開催し、スポーツツーリズムを推進していく事業が上げられております。 今なお記憶に残る東京二〇二〇大会をはじめ、今回で十一回目を数えました大阪マラソンなど、スポーツは多くの人に感動や楽しさを与えるものであり、そうした人を引きつけるイベントの開催等、スポーツと旅行、観光を掛け合わせたスポーツツーリズムを推進することは、交流人口の拡大を図り、活力あるまちづくりを進める上で重要なものと考えます。 さらに、大規模なスポーツイベントだけではなく、施設を有する市町村等と連携しながら、府民が身近な場所でスポーツを楽しむ機会を幅広く提供していくことは、万博のテーマであるいのち輝くに通じる点である非常に大切なことであると思います。 万博のインパクトを活用し、どのようにスポーツツーリズムを推進していくことを考えているのか、府民文化部長に伺います。
○議長(森和臣) 江島府民文化部長。
◎府民文化部長(江島芳孝) 大阪が国内外から注目される大阪・関西万博を絶好の機会と捉えまして、スポーツが持つ魅力や発信力を積極的に活用し、万博の機運醸成や大阪への誘客促進を図っていくことは重要と認識しておるところでございます。 このため、世界的に人気のアーバンスポーツに着目いたしまして、大阪ゆかりの選手と共に多くの方が参加、体験できるイベントを本年一月、堺市で実施したところでございます。さらに、来月には、世界のトップ選手が登場いたします大阪初の大規模イベントをインテックス大阪で開催することとしておるところでございます。 加えまして、来年度は大阪市と連携し、アーバンスポーツを中心に誰もが楽しめるスポーツイベントを万博のPRと併せて大阪城公園などの発信力の高い市内中心部の施設や府民に身近な大型商業施設などで開催いたしまして、スポーツツーリズムの推進を図ってまいります。 今後、府内市町村とも緊密に連携しながら、万博に向け、スポーツの持つ力で万博の機運醸成を図りますとともに、大阪の人とまちの成長を牽引できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、文化芸術の振興について伺います。 府では、新型コロナで大きな影響を受けた府内の文化芸術活動の回復に向け、この間、補助金やアーティスト等の活動機会の創出等により支援を行ってまいりました。最近では、コロナも一定落ち着き、大阪でも数多くの講演や展示会が開催されるなど、文化芸術の分野もにぎやかになってきており、府のこうした取組は一定の効果があったものと考えております。 令和五年度当初予算では、これまでの支援に加え、大阪・関西万博を好機と捉え、府内の文化芸術活動のさらなる活性化や文化資源の魅力向上などに取り組むとのことです。万博の成功に向け、都市格の向上や地域経済の活性化にも寄与する文化芸術は、なくてはならない重要な要素であることから、本事業には大いに期待をしております。 また、実施に当たっては、市町村とも連携し、万博を目当てに来阪される国内外からの観光客に府内各地を巡ってもらい、より長く大阪に滞在していただくため、文化芸術でおもてなしをすることはもちろんのこと、大阪ならではの文化芸術を磨き上げるなど、万博終了後も府民の貴重な財産として残る取組となるよう進めていただきたいと思います。 大阪・関西万博に向け、文化芸術の力を活用してどのように大阪を盛り上げていこうと考えているのか、府民文化部長の所見を伺います。
○議長(森和臣) 江島府民文化部長。
◎府民文化部長(江島芳孝) 大阪・関西万博に向けまして、府内各地で文化芸術を活用した魅力向上や発信に積極的に取り組み、万博の機運醸成を図りますとともに、大阪の成長発展につなげていくことが重要であると考えております。 そのため、来年度は大阪市とも連携し、様々な文化芸術プログラムをより充実させ、万博への機運を高めつつ、文化芸術活動の一層の活性化を図ってまいります。 さらに、取組を段階的に拡充し、万博の開催期間中におきましては、大阪全体で文化芸術が繰り広げられる大規模な祭典の開催へとつなげてまいります。 加えて、市町村とも連携し、地域にある文化財を舞台とした講演等を行うなど、各地域の文化資源の魅力を一層高め、万博のインパクトも活用しながら府内各地への誘客を図ってまいります。 こうした取組により、万博の開催に向け、大阪の多彩で豊かな文化芸術の魅力を国内外に向けて強力に発信し、文化芸術の力で活力ある未来を切り開き、大阪の成長につなげていけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、大阪府在日外国人施策に関する指針の見直しについて伺います。 多文化共生社会の実現は、大阪・関西万博やその後の未来社会を見据え、府として取り組むべき重要な課題です。 在日外国人施策に関する指針は、大阪における在日外国人施策の基本的な考え方を示すものであり、今年度、二十年ぶりに見直しを行うとのことです。二十年前と比較すると、国籍の多様化や留学生、技能実習生の増加など、在日外国人を取り巻く状況は変化している中、指針の見直しに当たっては、世の中の変化とともに変えるべきもの、世の中が変わっても変えてはいけないもの、双方の面があることに留意することが必要です。 指針の見直しについては、我が会派としても注目しているところであり、昨年五月議会の一般質問では、府民文化部長から、指針の見直しに当たっては、これまでの基本的な理念を踏まえと答弁をいただきました。 基本的な理念や大阪がこれまで大事にしてきた認識は変えるものではないと思いますが、一方で大阪が難波津の昔から人々を引きつけ、様々な形で外国人を受け入れてきた経緯を踏まえると、幅広く意見を聞き、変えるべきものは変えていくことも重要であると考えます。 昨年十二月には、我が会派から知事への政策要望において、指針の見直しについてはパブリックコメントにより広く府民の意見を伺うとともに、府内で多文化共生の推進に取り組んでいる団体の意見もしっかりと聞いて取り組むことと要望いたしました。 指針の見直しに当たっては、様々な意見を聞きながら進めていただいているところだと思いますが、どのように取り組んでいるのか、府民文化部長に伺います。
○議長(森和臣) 江島府民文化部長。
◎府民文化部長(江島芳孝) 本府では、在日外国人施策に関する指針を策定いたしまして、全ての人が人権を尊重し、国籍、民族等の違いを認め合い、共に暮らすことのできる共生社会の実現を目指す取組を進めてまいりました。 本指針の改正に当たりましては、これまでの基本的理念を踏まえつつ、外国人数の増加や多国籍化などの社会状況の変化、さらにヘイトスピーチの解消、多言語によるコミュニケーション支援など、今日的課題にも対応していく必要があると認識しておるところでございます。 そのため、今般、学識経験者や在日外国人の方などで構成する有識者会議をはじめ、多文化共生を推進される団体などから幅広く御意見をお伺いしながら、新たに多言語による情報提供の充実のほか、人権尊重意識の一層の高揚を図りますための取組を指針改正案に盛り込み、パブリックコメントを実施したところでございます。 今後、議会での御議論やこれまでにいただいた様々な御意見を踏まえまして、年度内に指針を取りまとめ、在日外国人施策の推進に関係部局とも連携しつつ、しっかりと取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、今後の大阪経済の発展を見据えた外国人材の活用について伺います。 昨年九月に発足した公民が参画するOSAKA外国人材受入促進・共生推進協議会では、受入れ促進と共生推進の二つの柱について取り組んでいくため、その方向性を決定、そのビジョンをオール大阪が共有し、取り組んでいくとのことです。 我が会派としても、かねてより在住外国人に対する教育や留学生に対する就職支援など、外国人との共生に関する様々な課題や取組について指摘をしてまいりました。 一月二十七日の大阪労働局の公表では、昨年十月末時点で、大阪における外国人労働者数及び外国人雇用事業所数は、共に前年比一割前後増加し、過去最大です。 また、同日、出入国在留管理庁が発表した令和四年の外国人新規入国者数を見ると、観光目的である短期滞在ビザ以外、就労ビザ、留学ビザと、ほとんどの在留資格において、コロナ前である令和元年の水準に達する入国者数となっております。 実際、まちじゅうでも、旅行者ではないと思われる外国人に出会うことが非常に多くなりました。今後も、大阪に定住され働く外国人の増加は止まらないものと考えています。 外国人材は、語学力や外国人ならではの感性や国際感覚といった点での強みを有し、コロナ後、経済活動を活発化させたい企業にとっての即戦力となり得ます。 大阪の産業の中でも、外国人材をいかに受け入れ、日本社会の中で共に働いていくのか、今後の受入れ促進の取組について、商工労働部長に伺います。
○議長(森和臣)
小林商工労働部長。
◎商工労働部長(小林宏行) ポストコロナ社会へのシフトに向け、社会経済活動が再び活発化しており、労働力の不足が強く懸念されます。 特に、中小企業の活動を支え、今後のグローバル化に対応していく人材が不足しており、優秀な人材を確保していくためには、日本人のみならず、高度な知識、技術を有する外国人材の活用が鍵と考えます。 このようなことから、即戦力となり得る外国人留学生と府内企業のマッチングを行い、ロールモデルとなるリーダー候補の人材の採用を促進する外国人材受入加速化支援事業を実施いたします。 また、外国人労働者については、日本人よりも離職率が高いというデータもあり、地域との共生という側面も意識しつつ、就職後の定着が図られるよう課題を明らかにしてまいります。 このような取組を通じ、産業を支える人材の確保や強化を図り、ポストコロナの大阪の成長を目指してまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、スタートアップ支援について伺います。 昨年十一月下旬、国においてスタートアップ育成五か年計画が策定をされました。スタートアップへの投資額を現在の十倍超である十兆円規模に、また将来においてユニコーンを百社創出することなどが目標として掲げられており、我が国でスタートアップを生み育てる機運が高まっているところです。 大阪では、令和二年七月に京阪神連携でスタートアップ・エコシステムのグローバル拠点都市に選定されてから二年半余りが経過しましたが、世界との差は依然大きいものがあります。 将来の大阪経済を牽引するプレーヤーとしては、やはり時価総額十億ドル超のユニコーンと呼ばれるようなグローバル市場で活躍するスタートアップを創出することも必要な段階に来ていると考えます。 実際に、大阪でも高度な技術を有し、グローバル市場での活躍が期待される新進気鋭の企業が既に出てきており、それらに続くスタートアップの輩出が重要と考えます。 来年度、商工労働部において、グローバルスタートアップ成長支援事業を実施予定とお聞きしました。この事業では、大阪のスタートアップのグローバル展開に向け、どのような方向性で支援していくのか、商工労働部長に伺います。
○議長(森和臣)
小林商工労働部長。
◎商工労働部長(小林宏行) 将来、ユニコーンに成長する規模拡大型スタートアップを輩出するためには、国内のみならず、グローバル市場への進出に向けた支援が必要です。中でも、グローバル展開に優位とされる先端技術を活用したスタートアップであるディープテックへの支援は重要であり、効果的と考えます。 この認識の下、令和五年度グローバルスタートアップ成長支援事業においては、海外進出に向けた必要な事業計画、連携メニューの洗い出しからその具体化へと、伴走型支援を行ってまいります。 さらに、これらのスタートアップをCVCと言われる企業の投資部門へとつなぎ、事業連携や資金調達を促進させる取組を展開してまいります。 これら支援を総合的かつシームレスに行うことにより支援手法の蓄積を図り、成長モデルとなり得るスタートアップの創出に取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、水素関連分野への中小企業の参入拡大について伺います。 欧州に目を向けると、英国のロールス・ロイス社が水素で航空機エンジンを動かす試験に初めて成功したことを発表しており、国内外で開発が進む水素船、既に市場投入されている燃料電池自動車と併せ、陸、海、空での交通網で水素の活用が拡大していくことが期待をされます。 国内では、ENEOSホールディングスが、水素を有機化合物と結合させることで常温の液体での輸送を可能とする技術の実証を開始する等、水素の大量輸送技術の実用化に向けた動きも加速化しており、近い将来、大量の水素が現在より低価格で流通する可能性も高まっております。 この二月には、化石燃料に水素やアンモニアを混ぜて使う火力発電所等を念頭に、温暖化ガスを排出しない発電所が、二十年間という長期にわたって固定収入を得られる制度を二〇二三年度から導入するという国の方針が報道されました。 水素は、次世代エネルギーとして大きく期待されており、今後の大きなビジネスチャンスにつながっていくことも予想されます。先導する大企業の取組を府内中小企業と関連させることが重要であると考えますが、府内中小企業の水素関連分野への参入促進に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、商工労働部長に伺います。
○議長(森和臣)
小林商工労働部長。
◎商工労働部長(小林宏行) 水素は、発電や合成燃料、モビリティーなど幅広い産業分野での利活用が期待されており、ビジネスチャンスの拡大が予想されることから、府内中小企業の水素関連分野への参入に向けた支援は重要と考えます。 今年度実施しているカーボンニュートラル技術開発実証事業においては、水を電気分解して効率的に水素を製造する技術や、ドローンなどに活用が期待されている燃料電池向けの水素高速充填装置などについて、府内中小企業も参画し、技術開発を進めています。 今後、府内中小企業のビジネスチャンスの創出、拡大に波及させるため、万博での発信、実証や、その後の社会実装に向けた取組を促進するとともに、研究開発の中心となる大企業などとの連携を促すことで、大阪の成長と脱炭素社会の実現につなげてまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) しっかりとよろしくお願いします。 次に、未来医療国際拠点の意義とPRについて伺います。 大阪・関西万博に先立ち、二〇二四年春に開業する未来医療国際拠点の形成は、万博のテーマ、いのち輝く未来社会のデザインを象徴するプロジェクトであり、中でも未来医療の一つとして産業化を目指す再生医療は、医薬系の大学、研究機関、画期的な新薬を開発する製薬企業、高い技術力を持つものづくり企業など、多くの企業が集積する大阪、関西の有望な成長分野と言えます。 その拠点でもある未来医療国際拠点は、大阪都心中之島に立地し、既に建築工事も進んで高層階まで鉄骨が組み上がっていますが、周辺住民にとっては何の施設か、どんな使われ方をするかなど、概要がまだ十分知られていないと思います。拠点の開業まで一年強となりましたが、万博の機運醸成につなげ、多くの人に知ってもらえるよう、拠点をしっかりとPRしていくことが大切ではないでしょうか。 そこで、未来医療国際拠点の形成が府民にとってどのような意味を持ち、そのポテンシャルをどのように発信しようとしているのか、商工労働部長の所見を伺います。
○議長(森和臣)
小林商工労働部長。
◎商工労働部長(小林宏行) 再生医療の実用化は、これまで治療法がなかった難病の克服などをもたらし、またその産業化によって医薬や医療機器のみならず、細胞の保管や輸送など幅広い分野での経済波及効果が期待できます。 一方で、再生医療の多くはまだ研究開発段階にあり、府民の理解も十分浸透しておらず、産業空間の進展には、府民に再生医療の現状や将来の可能性を正しく伝え、関心と理解を深めてもらう社会情勢の向上が重要です。 このような考えの下、未来医療国際拠点を中心に情報発信を戦略的に推進するため、二〇二五年大阪・関西万博と、その後も見据えた計画を今年度作成することとしており、来年度は再生医療の現状や大阪、関西の強みを伝えるコンテンツ制作、理解促進のためのイベント開催などに取り組みます。 あわせて、万博との親和性も踏まえ、国とも連携して再生医療のポテンシャルを発信し、未来医療国際拠点形成の意義の浸透を図ってまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、SDGsビジネスの支援について伺います。 持続可能性の重要性に対する認識の高まりから、特に欧州ではSDGsビジネスで先行しており、国内でも企業経営のSDGsの浸透は一定程度進んできたとされますが、SDGsの達成は現状維持ではなく、一歩進んだ取組が鍵を握ります。 特に、SDGsの達成や+beyond、二〇三〇年より先を掲げる大阪・関西万博は、企業のチャレンジングなSDGsビジネスを世界に飛躍させる大きな起爆剤です。 例えば、府内には、環境負荷が低く栄養価も高い大豆を用いた大豆ミートや、いのちや暮らしを支える水ビジネスなど、新たな技術や先進的なSDGsビジネスを世界に展開している企業があります。 カーボンニュートラルなどのイノベーションにつなげることも重要ですが、万博を機に消費者目線で、大阪の強みでもある食など、いのちや暮らしという観点でSDGsビジネスを支援していくことも必要ではないでしょうか。今後のSDGsビジネス支援の方向性について、商工労働部長の所見を伺います。
○議長(森和臣)
小林商工労働部長。
◎商工労働部長(小林宏行) 国連の持続可能な開発委員会によれば、二〇三〇年のSDGs関連の世界市場規模は年間十二兆ドルと試算されており、あらゆる分野の企業にとって大きなビジネスチャンスとなり得るものです。 府としても、府内企業にSDGsビジネスの挑戦を促すため、自社で賄い切れない技術や資金調達に直面する企業と、協業先となり得る企業や金融機関などとのマッチング機会を提供し、事業化を支援してまいりました。 また、SDGsへの貢献も掲げる大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン、リボーンチャレンジでは、SDGsビジネスに意欲を持つ大阪の中小企業の参加も多く期待されています。 こうした状況を踏まえ、関係機関とも連携し、食などのいのちや暮らしなどの分野など、万博も見据え、SDGsに関連するビジネスの創出支援に貢献できるよう、引き続き取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、脱炭素ポイント制度について伺います。 二〇五〇年の府域におけるカーボンニュートラルの達成に向けては、脱炭素型の消費行動を府域に広く普及していくことが重要であると考えます。 大阪府では、CO2排出が少ない商品、サービスを購入した消費者に対して脱炭素ポイントを上乗せ付与する事業を行っており、十一月から店舗において実証事業を開始しました。 我が会派で、地元のエコ農産物や有機農産物などを対象にポイント付与しているスーパーを視察したところ、店長は実験開始後、対象商品の売上げは二割程度伸びている、地元産品の良さを知ってもらう機会にもなると話しており、お客様、販売店舗、環境のいずれにもプラスになる取組であることを確認しました。 今年度は、六事業者による実証であり、緒に就いたばかりではありますが、消費者が脱炭素に資する商品等を積極的に買い求めるようになれば、製造業や販売事業者もそのニーズに応えるために、積極的に事業活動における脱炭素化を進めることにつながると考えます。 来年度は、脱炭素ポイントに取り組む事業者数を大幅に増やして府域全体に広げていっていただきたいと考えますが、どのように展開していくのか、
環境農林水産部長に伺います。
○議長(森和臣)
原田環境農林水産部長。
◎
環境農林水産部長(原田行司) あらゆる主体と連携して府域のカーボンニュートラルを実現するためには、消費者の意識改革、行動変容が不可欠であり、またそれによって誘導される事業者側の変革も期待されます。 本事業につきましては、現在、今年度実施した実証事業の検証を進めております。この結果も踏まえ、来年度は脱炭素ポイント制度推進プラットフォームを活用して、ポイント付与が適当な商品、サービスの考え方や周知啓発手法等を記載したガイドラインを作成いたします。 さらに、来年度は、ポイント原資の一部を補助することにより、脱炭素ポイントに取り組む事業者の倍増を目指すとともに、府民をはじめ、供給サイドの店舗従業員への周知啓発も強化し、効果的かつ持続的な脱炭素ポイント制度を構築してまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) よろしくお願いします。 次に、カーボンニュートラルポート、略してCNP形成に向けた取組について伺います。 輸出入の九九・六%を取り扱い、CO2排出量の約六割を占める産業の多くが立地する港湾において、国が掲げる二〇三〇年度温室効果ガス排出量を二〇一三年度比四六%削減、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて各港湾が脱炭素化に取り組むことは不可欠であり、また世界的にも脱炭素化を目指した取組がなされている中、こうした環境を意識した取組は港湾の国際競争力にもつながる重要なものと考えます。 大阪港にある夢洲において大阪・関西万博が開催されますが、民間事業者が開催期間中に水素を燃料とした旅客船の運航を目指すことが公表されるなど、次世代エネルギー利活用の機運が高まっており、港湾における脱炭素化の取組をアピールする絶好の機会でもあり、万博を見据えた取組が必要です。 大阪“みなと”である堺泉北港、阪南港、大阪港の各港において、CNP形成計画を今年度中に策定すると聞いていますが、現在の取組状況と、二〇二五年の万博を契機に二〇五〇年カーボンニュートラル達成のために府営港湾としてどのように取り組んでいくのか、大阪港湾局長に伺います。
○議長(森和臣) 丸山大阪港湾局長。
◎大阪港湾局長(丸山順也) 大阪港湾局では、堺泉北港、阪南港、大阪港の各港におけるCNP形成計画案を府市一体で作成し、今年度中の策定に向け、現在、パブリックコメントを実施しているところでございます。 この計画案では、CO2排出量の推計や推計値を基にした削減目標、目標達成に向けた削減計画、現時点で想定されている取組をロードマップとして取りまとめたところでございます。 府営港湾である堺泉北港では、立地する民間事業者が大阪・関西万博をインパクトに次世代エネルギーの本格運用に向け取り組んでいることなどを踏まえ、水素等の輸入拠点とし、阪南港、大阪港へ供給することについて検討する方針をCNP形成計画案に盛り込んだところでございます。 今後、大阪・関西万博を契機とした取組や脱炭素化に資する技術の進展等を踏まえ、港湾法の改正に伴い、来年度新たに設置する港湾脱炭素化推進協議会を通じ、国や民間事業者と連携し、CNPの形成に向けて積極的に取り組んでまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) 次に、新大阪駅周辺地域のまちづくりの今後の進め方について伺います。 さきの九月定例府議会の代表質問において、都市再生緊急整備地域指定後は、都市再生緊急整備協議会を速やかに設置し、この協議会の下、検討を進めていくとの答弁をいただきました。 十月には、新大阪駅エリアにおいて都市再生緊急整備地域の指定を受け、十二月には国、府、市、鉄道事業者等によって、都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備協議会を設置、新たな新大阪駅周辺地域のまちづくりのスタートが切られたところです。関係者と連携して、まちづくりの具体化に向けてしっかりと取り組んでいただくよう、お願いをいたします。 また、平成三十年度にまちづくりの検討が始まったときには、新大阪、十三、淡路を一帯のエリアとして捉えて将来像を検討されてきました。時間軸は異なりますが、十三駅、淡路駅エリアの検討も忘れずにお願いをしておきます。 これから、大阪全体のまちづくりが進んでいきます。大阪・関西万博のインパクトを生かし、その後、うめきたの全体開業、なにわ筋線開業、淀川左岸線完成などの進捗を踏まえ、新大阪駅にリニア中央新幹線、北陸新幹線の全線開業が想定される頃に向けて、時間はかかりますが、その目標に向けて立ち止まることなく、できることから取組を進めていくべきであります。 今後、新大阪駅周辺地域のまちづくりをどのように進めていくのか、大阪都市計画局長に伺います。
○議長(森和臣) 角田大阪都市計画局長。
◎大阪都市計画局長(角田悟史) 新大阪駅周辺地域のまちづくりにつきましては、令和四年十二月の都市再生緊急整備協議会会議におきまして、新大阪駅エリアだけでなく、次に続きます十三駅エリア、淡路駅エリアも含めたまちづくりのロードマップを確認し、協議会の下、設置しましたまちづくり検討部会を中心に、具体的な検討を進めていくこととしたところでございます。 まずは、新大阪エリアにおきまして、都市再生制度の活用による民間都市開発の具体化を着実に進めていくとともに、先日開催いたしましたまちづくりセミナーなどを通じて、さらなる開発機運の醸成を図っていきます。 また、新大阪新駅の位置が示されれば、具体的な駅周辺の空間につきまして検討を進め、新大阪エリア計画を更新し、取組を進めていきます。 今後とも、リニア中央新幹線、北陸新幹線の動向等を注視しつつ、関係者で連携協力の下、世界有数の広域交通ターミナルのまちづくりの実現を目指してまいります。
○議長(森和臣) 中村広美議員。
◆(中村広美議員) ぜひとも、しっかりと進めていただきたいと思いますんで、よろしくお願いをいたします。 新大阪駅周辺地域のまちづくりについて、これまでも民間都市開発の機運を高めることが重要であり、戦略的にプロモーション活動を展開すべきなどを指摘したところであります。引き続き、民間都市開発の具体化や機運醸成に力を入れて進めていただきたい。 また、今後、駅周辺のまちづくりを具体的に検討していくためには、リニア中央新幹線、北陸新幹線の駅位置を早期に確定させていくことが必要であります。議会としても国に対して働きかけをしていきますので、大阪府としても、国や関係機関に対して駅位置の早期確定を求めていくことを要望しておきます。 最後に、我が会派は、今後も府民の皆様から寄せられる貴重な御意見、御相談や御要望に誠実に耳を傾けながら、様々な課題や問題の解決に全力で取り組んでまいります。 以上をもちまして、代表質問を終わります。御清聴、大変にありがとうございました。 ~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(森和臣) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、明三月一日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。 (「異議なし」「異議なし」)
○議長(森和臣) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。 -------◇-------
○議長(森和臣) 本日は、これをもって散会いたします。午後三時二十三分散会...