令和 4年 9月 定例会本会議(1) 第四号 十月五日(
水)◯議員出欠状況(出席八十三人 欠席一人 欠員四) 一番 中川誠太議員(出席) 二番 前田将臣議員(〃) 三番
牛尾治朗議員(〃) 四番 坂 こうき議員(〃) 五番
魚森ゴータロー議員(〃) 六番
角谷庄一議員(〃) 七番
三橋弘幸議員(〃) 八番
西元宗一議員(〃) 九番
松浪ケンタ議員(〃) 十番
塩川憲史議員(〃) 十一番 須田 旭議員(〃) 十二番
奥谷正実議員(〃) 十三番
西村日加留議員(〃) 十四番 山田けんた議員(〃) 十五番 野々上 愛議員(〃) 十六番 内海公仁議員(〃) 十七番 石川たえ議員(〃) 十八番 冨田忠泰議員(〃) 十九番 うらべ走馬議員(〃) 二十番 西川訓史議員(〃) 二十一番 原田 亮議員(〃) 二十二番 原田こうじ議員(〃) 二十三番 中井もとき議員(〃) 二十四番
奥田悦雄議員(〃) 二十五番 中野 剛議員(〃) 二十六番 みよしかおる議員(〃) 二十七番
中川嘉彦議員(〃) 二十八番
岡沢龍一議員(〃) 二十九番 山本真吾議員(〃) 三十番
上田健二議員(出席) 三十一番 永井公大議員(〃) 三十二番
前田洋輔議員(〃) 三十三番 中川あきひと議員(〃) 三十四番 おきた浩之議員(〃) 三十五番 紀田 馨議員(〃) 三十六番 いらはら 勉議員(〃) 三十七番 欠員 三十八番 欠員 三十九番
河崎大樹議員(〃) 四十番
泰江まさき議員(〃) 四十一番
西林克敏議員(〃) 四十二番
松浪武久議員(〃) 四十三番
広野瑞穂議員(〃) 四十四番
植田正裕議員(〃) 四十五番 笹川 理議員(〃) 四十六番
横山英幸議員(〃) 四十七番 杉江友介議員(〃) 四十八番 徳村さとる議員(〃) 四十九番
金城克典議員(〃) 五十番 橋本和昌議員(〃) 五十一番
藤村昌隆議員(〃) 五十二番
中村広美議員(〃) 五十三番 山下浩昭議員(〃) 五十四番 大橋章夫議員(〃) 五十五番
肥後洋一朗議員(〃) 五十六番
内海久子議員(〃) 五十七番
加治木一彦議員(〃) 五十八番
八重樫善幸議員(〃) 五十九番 杉本太平議員(〃) 六十番 徳永愼市議員(〃) 六十一番
しかた松男議員(〃) 六十二番 欠員 六十三番 西 惠司議員(出席) 六十四番
西野修平議員(〃) 六十五番 川岡栄一議員(〃) 六十六番 大山明彦議員(欠席) 六十七番
垣見大志朗議員(出席) 六十八番 林 啓二議員(〃) 六十九番 和田賢治議員(〃) 七十番 富田武彦議員(〃) 七十一番 中野稔子議員(〃) 七十二番 坂上敏也議員(〃) 七十三番 中谷恭典議員(〃) 七十四番 久谷眞敬議員(〃) 七十五番 鈴木 憲議員(〃) 七十六番 西田 薫議員(〃) 七十七番 森 和臣議員(〃) 七十八番 欠員 七十九番 松本利明議員(〃) 八十番
西野弘一議員(〃) 八十一番 土井達也議員(〃) 八十二番 三田勝久議員(〃) 八十三番 大橋一功議員(〃) 八十四番 岩木 均議員(〃) 八十五番 横倉廉幸議員(〃) 八十六番 三浦寿子議員(〃) 八十七番 三宅史明議員(〃) 八十八番 奴
井和幸議員(〃) ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局 局長 松井芳和 次長 大河内隆生 議事課長 杉山智博 参事 佐藤 実 総括補佐 高山泰司 主査(議事総括) 太上利宏
~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第四号 令和四年十月五日(水曜日)午後一時開議 第一 議案第一号から第二十二号まで、第二十四号から第三十一号まで、第三十三号及び報告第一号から第十七号まで(「令和四年度大阪府
一般会計補正予算(第六号)の件」ほか四十七件) (質疑・
質問) ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の
件 ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議
○議長(森和臣) これより本日の会議を開きます。 -------◇-------
○議長(森和臣) 日程第一、議案第一号から第二十二号まで、第二十四号から第三十一号まで、第三十三号及び報告第一号から第十七号まで、令和四年度大阪府
一般会計補正予算(第六号)の件外四十七件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 なお、議場内はパーティションを設置しており、また機械換気により空気を常時入れ替えておりますので、演壇での発言につきましては、発言を分かりやすくするためマスクを外して行っていただきますようお願いいたします。 通告により
西野修平議員を指名いたします。
西野修平議員。
◆(
西野修平議員)
自由民主党大阪府議会議員団の西野修平です。 会派を代表して質問いたします。 我が会派は、議会側から指摘するところは指摘いたしますけれども、批判ではなく提案、そして毎議会、新提案を基本的な考えといたしまして、今回の質疑におきましても、提案型の質疑質問を行わせていただきますので、最後までよろしくお願いいたします。 まず初めに、第八波に備えた高齢者施設への支援体制整備について伺います。 大阪府のコロナ対応については、第六波において特に高齢者施設でのクラスターの多発などにより、
医療提供体制は極めて逼迫し、
施設内療養者が急増しました。高齢者施設内で入院が必要な人が直ちに入院できなかったことが、高齢者の死亡者数を増やした要因の一つでもあります。
医療提供体制には限りがありますが、早期に治療できる体制を整備しておく必要があります。 第七波では、重症化する人は少ないものの、第六波を大きく上回って
施設内クラスターが発生している現状もあります。往診に協力する医療機関として多くの高齢者施設で治療に携わってこられた医師からも、第八波への備えとして、引き続き重症化予防に向けて施設内療養への支援の充実が必要であるとの意見をお聞きしております。
高齢者施設入所者の重症化や死亡を防ぐためにも、これまでの取組を引き続き進めるとともに、第七波で集約した知見を生かす必要があります。また、
往診協力医療機関を拡充するとともに、介護従事者の協力も不可欠であることから、福祉部とのさらなる連携を図り対策に取り組んでいくべきだと考えますが、
健康医療部長に伺います。
○議長(森和臣)
藤井健康医療部長。
◎
健康医療部長(藤井睦子) 高齢者施設に対する支援として、早期発見のための施設従事者などへの定期検査や、
クラスター対応強化チームによる
感染対策支援を行うとともに、施設の
協力医療機関がコロナ治療に対応できない場合、府が指定する
往診医療機関が早期治療を行う体制を整備いたしました。 また、
巡回接種チームの派遣など、入所者などへの
ワクチン接種の促進にも取り組んだところです。 現時点で第七波では、第六波に比べクラスターの発生数は増加したものの、
クラスター当たりの陽性者数は抑制されており、これまでの取組は、高齢者施設などの新型コロナへの備えと対応力の向上に一定の効果があったと考えています。 また、全体の死亡率については、第六波の〇・二七%に比べ、第七波は九月十一日時点で〇・一〇%となり、改善が見られたところです。 今後、第七波を上回る感染拡大を想定し、
施設往診協力医療機関の拡充や、第七波で把握した好事例や留意点の周知、
ワクチン接種の促進など、福祉部と共に連携し、高齢者施設への支援を着実に進めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。 実際の高齢者施設の現場では、医師や看護師のほかに、レッドゾーンで働くことができる介護従事者が不足している状況もございました。 また、自宅療養される高齢者が、医療機関への移動手段についても、支援の仕組みであったり、車椅子などを利用する要介護者は、介護タクシーの利用も必要になります。 さらに、これまで取り組んできた二十四時間体制での
オンライン診療や薬の配送体制、あるいは往診などの
療養支援体制の強化にも取り組んでいただくとともに、福祉部とも連携して対応するようお願いして、次の質問に移ります。 次に、いわゆる大阪産ワクチンについて伺います。 先般、九月七日、大阪産ワクチンを開発していた企業が開発の中止を発表しました。府民の皆さんも期待されていただけに、大変残念です。当時の知事の発言が前のめりだったのではという意見もありますが、揚げ足を取るような質問はいたしません。当時は、
新型コロナウイルスそのものが未知の存在でもありますし、世界は震撼し、国内も不安が渦巻く、そんな状況でしたので、大阪から希望の光をともしたいという知事の思いは、同じ政治家としても私も理解できます。そして、ワクチンの開発が一筋縄ではいかないことも、多くの人が理解しています。 ですので、何に問題があって開発できなかったのか、ひょっとしたら国だけじゃなくって大阪府も資金を供給すべきだったんじゃないか、不必要な規制があるならそれを取り除くために国に働きかける必要があるんじゃないかといった、今後発生する感染症を見据えて、今から備えておくことが大切なのではないかと考えています。 将来、大阪から世界を救うことができるようなワクチンや治療薬の開発がされるように、世界からも必要な資金が集まる大阪に成長させなければなりません。 そして、国の規制改革など、政府・与党の一員として我々も役割を果たしていかねばならないと考えています。 知事の今後のワクチンなどの開発に向けた取組に対する考えを伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) お示しのワクチンにつきましては、令和二年当時、
新型コロナウイルス感染症のワクチンがそもそも世界の中でも存在しないという中で、国内で初めて治験開始を目指すものでありました。 知事として府民の皆さんに情報を伝えていく、またそのために大阪大学の研究者から伺っていた開発目標などの状況をお伝えしてきました。 府としては、
新型コロナウイルス感染症に係るワクチンや治療薬について、大阪大学等の公的な機関六者で連携協定を締結し、本ワクチンを含めてその研究開発を後押しをしてきました。 新たな感染症に備えたワクチンや治療薬の研究開発の基盤整備につきましては、基本的にはこれは国の役割だと思っていますが、ただ府としてできることはやっていく、効果的な支援や情報発信に努めていきたいと思います。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 知事に対しまして、評価を受ける場合もあれば、時には指摘であったり、批判を受けることもあると思いますが、それぞれの様々な思いを真正面から受け止めていただいて、今後も大阪のかじ取り役、担っていただきたいと思います。 次に、国の
新型コロナウイルス対応臨時交付金を活用した支援策について伺います。 先日、静岡県内の
認定こども園で、通園バスに三歳の園児が取り残され亡くなってしまうという大変痛ましい事案が発生しました。これを受けて先日、国が対応方針を示したところですが、地元のこども園の関係者と意見交換すると、事故を起こした園の対応は決して許されるものではなくあり得ないとのことでしたが、一方でコロナ禍で
マンパワー不足に陥り、施設の苦しい運営状況があったのかもしれないと、自らの園と比較して厳しい運営の現状を吐露される一面もありました。 そこで、給食の材料費や送迎車のガソリン代、電気代などの高騰により、施設運営に係る経費の負担増に苦しむ
認定こども園、幼稚園、保育所への支援が急務であると考えます。 国の
新型コロナウイルス対応臨時交付金を活用して、子どもの人数に応じた交付金制度を創設し、施設の運営を支援すべきだと考えますが、知事に伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 私立幼稚園や保育施設に対する物価高騰等の対策について、
地方創生臨時交付金を活用して、住民に身近な市町村が地域の実情に応じて支援を行っているところです。 本府としましては、こうした状況も踏まえて、これまで
地方創生臨時交付金を活用し、物価高騰への影響が広く府民に及んでいる中で、子どもたちを支援するために、大阪府内全ての十八歳以下の子どもたちへの
ギフトカードの配付等を実施してまいりました。 物価高騰等の影響につきましては、今後も続くものと見込まれます。 本来であれば、公定価格等の引上げにより、一時的な制度ではなくて一律の持続的な対策を行うことが望ましいと考えておりまして、引き続きこれは国に対しても要望していきます。 また、本府としまして、追加配分された国の臨時交付金の活用については、現場の声を伺いつつ市町村による支援の状況も踏まえながら、限られた財源の中で判断をしてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 施設に支援を行うということは、子どもへの支援に直結します。 今、知事のほうから国の
公定価格引上げに対して国に求めていくと、そういうお話もありました。 ただ、やっぱり今は、本当に苦しい現状がこういった施設にもあるということを、しっかり現場の意見も踏まえていただきまして、対応していただきたいなというふうに思っております。 ほかにも、例えば歯科医師の皆さんからも要望いただいておりますが、クラスターを出さないように待合室での患者数の調整などに取り組んで、光熱水費の高騰で厳しい状況にもあると伺っております。 臨時交付金による支援が広範囲にわたり行き届くようお願いをして、次の質問に移ります。 次に、臨時交付金を活用して実施した、十八歳以下の子どもたちに一万円の
ギフトカードを配付された事業ですが、我が会派は事務負担費用を抑えていち早く子どもたちの手元に届けることができるよう、市町村の子ども手当などのスキームを活用して現金給付することにこだわりましたが、府の判断で
QUOカードを配付することになり、基本的には
QUOカードPayをダウンロードして利用することになりました。 知事の、夏休みが終わるまでに配付したいとの意向を酌んで実施されたわけですが、夏休みが終わる八月末時点でどの程度利用されているのか伺います。 また併せて、ダウンロード後に
QUOカードPayが使用できる有効期限は三年間です。当然ながら三年後には、百二十七万人に配付された後に何人がダウンロードして、どれだけの金額が使用されたのかを明らかにする必要があります。 事業者には、九月十三日付の書面で正式に依頼したとお聞きしておりますが、併せて福祉部長に伺います。
○議長(森和臣) 吉田福祉部長。
◎福祉部長(吉田真治) 配付した
QUOカードPayの、子どもさんが使用される用品の購入実績等も含めた利用状況についてですけど、まず配付実績につきましては、八月九日までにほぼ九九・九%配付しております。 利用されたかどうかということにつきましては、おっしゃられた八月末時点で、有効期限後である三年後についても事業者と協議いたしましたが、企業秘密に当たるので提供しないと、できないという回答をいただいております。 物価高騰の中で、子どもたちの支援を目的として
QUOカードPayを配付しておりますことから、これまでも府のホームページやSNS等を通じまして、早期に使用されるよう呼びかけを行ってまいりました。 引き続き、三年間という期間に子どもたちのために確実に使っていただけるよう、様々な機会を通じまして周知に努めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 企業秘密に当たるから情報提供できないということなんですが、そもそもそんな契約になってるのは問題じゃないかなと思うんです。 事業者との契約では、
QUOカードPayをダウンロードされずに利用されなかった場合や、一万円のうち全部使い切らなかった場合も、残りの金額分は最終的には事業者に帰属される仕組みになってます。つまり、それも事業者の利益になる契約なんですね。配るだけ配って、その後どれぐらい使われたかということが分からない事業というのは、今後、このやり方は正しかったのか、それとも正しくなかったのかということを後々にどうやって評価するのかなって思うんですね。税金を使った事業ですから、当然、府民にも知る権利があります。この状況を知事は、どのように考えておられますでしょうか。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) まず、現金での給付を主張されたということなんですけれども、例えば児童手当についてもそもそも対象範囲が違います。十八歳以下全員にということの対象です。 また、これも議会でも議論しましたけれども、この児童手当、そういった口座についてはその目的のために口座を開示している以上、これについては使えないという前提です。ですので、本来、現金一万円を給付するために現金でやろうとすれば、その住民の皆さんとまず口座の確認をする一定行為の確認をして、そしてその上で入金すると、ここに関しての間接的な経費、またこれは府民の皆さんの負担も含めて非常に大きなものがかかる、そちらのほうが負担が多いという判断もありました。そういった観点からも、この
QUOカード、
プリペイドカードをお渡しするという事業をいたしました。この
プリペイドカード、一万円です。これは、三年間という期間です。 また、そういった事業スキーム、商慣習の中で契約が行われてますので、間接経費についても、送付料も含めて非常に大きくない額で抑えられてるのが現実です。これは、この議会でも議論もされたところです。それも含めての契約をしています。 今度は、府民の側からの立場ですけれども、一万円、そしてそれが三年間ということですから、三年間で子どもたちの書籍であったり、おむつであったり、ミルクであったり、そういうものに使っていただければと思います。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 知事、すいません、ちょっと答弁が漏れてます。私がお聞きしたのは、これ、税金を使った事業ですから、どこまで使われて、そしてどれぐらいの金額が事業者に渡ったのかということは、当然我々も知る権利がありますから、後々、この事業は正しかったかどうか評価しなくちゃいけないんですよ。ですから、全くその状況が見えないというこの契約の状況はいかがなものですかということをお聞きしてますので、もう一度、御答弁をお願いします。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) これ、経費も含めてどのぐらいかかるのかということについては、全て公開をしています。また、送付料について、いや、これ送付料のほうが少ないんじゃないのと、送付してるのに何でこんな金額でできるのというような議論もありました。この詳細については、福祉部が把握して皆さんも御存じのとおりだと思います。 つまり、これは、そもそもそういった商慣習上の企業秘密というものもある中で、じゃ、大阪の府民の全ての子どもたちにいかに経費を抑えながら、そして府民の皆さんにとってプラスになるかという契約をしたということですから、今のこの状況において、何かこの契約の中身を変更するということはあり得ないと思ってます。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 私の質問には、ちょっとお答えいただいてないんですね。ですから、このもともとの契約状況がよかったのかどうかということもございますし、先ほど知事、もともと子ども手当の対象が違うということなんですが、以前に国からの交付金を活用して子どもたちに寄附した事業がございました。 そのスキームを使えば、子ども手当とプラスして、各市町村がお金を取りに来てもらったり、あるいはそういう対応をしたりということがもう既に過去にできてますから、そのスキームを使えば大丈夫だということも市町村からも伺ってますから、これはやはり現金給付にするべきだというふうに思います。 ただ、この後でお金の使い道がどこまで事業者に渡ったのかって分からないという、このことについてはやはり問題点があると思いますので、今後ちょっとさらに議論を深めていきたいと思いますので、次の機会にさせていただきたいと思います。 次に、子育て世帯を応援する大阪の実現に向けた
子ども医療費助成の拡充について伺います。 先日、我が会派は、充実した子育て施策で全国的にも有名な明石市を訪問し、泉房穂市長と長時間にわたり意見交換を行いました。 明石市では、パネルにあるように十八歳までの医療費の無料化、第二子以降の保育料の無料化、中学生の給食費の無料化といった五つの無料化が大変有名ですが、そのほかにも数えれば切りがないほど子育て施策の充実ぶりは群を抜いています。また、特筆すべきは、所得制限を設けていないことにあります。そして何より、泉市長御自身の子どもへの愛情が半端ではないことがよく分かりました。 明石市は、
子ども関連予算を倍増し、子育て世帯を応援する市政運営へと
シフトチェンジを図ることで、若い世帯が流入し、九年連続で人口は増加、地域経済は過去最高益をもたらしています。それにより税収増となり、高齢者や障がい者施策も充実し、全ての人に安心をもたらすとともに、まちの好循環を生み出し、持続可能な財政運営を展開されていることを肌で感じることができました。 無論、市町村行政と都道府県行政との違いはあります。しかしながら、子育て施策に
シフトチェンジを図ることで好循環を生み出すのは、決して明石市だけではなく大阪府も可能です。 そこで、幾つか提案します。 まず、府内市町村からも要望が多い
子ども医療費の助成制度の拡充ですが、現在、府は幼稚園児までしか対象になっておらず、所得制限も設けています。 一方、府内市町村では、半数以上の市町村が対象を十八歳まで引き上げ、ほとんどの市町村で所得制限を設けていませんが、これを府が一律に負担することで、市町村は別の施策にその予算を回すことができます。 念のため申し上げておきますが、他府県においては助成の対象を十五歳まで、あるいは十八歳まで拡充しているところも多くあります。 府も、助成対象を十八歳まで引き上げ、所得制限も撤廃すべきだと考えますが、知事のお考えを伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文)
乳幼児医療費助成につきましては、府と市町村との役割分担として、医療の
セーフティーネットの部分は府が基準設定を行い、そして子育ての支援という部分については、住民に身近な基礎自治体である市町村が創意工夫の下、努力をしながら取り組むものというふうに整理をしています。 なお、平成二十七年度から、府域全体の子育て支援の底上げのために新
子育て支援交付金を創設し、子どもの医療費助成を含む市町村の
子育て支援施策の充実につながるよう、市町村支援を行っているところです。 府としては、引き続き
乳幼児医療費に係る
セーフティーネット部分の役割を果たすとともに、同交付金により市町村の
子育て支援施策をバックアップしていきます。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 知事の御答弁では、
セーフティーネットの部分だけということで、今のままということなんで少し残念なんですが、ぜひこれやっていただきたいと思ってます。 府が、仮に十八歳まで助成対象を拡充しましたら、所得制限も撤廃すれば、超概算ですが、現行の予算より追加で百十億円が必要になるとのことであります。 次に、私立高校授業料無償化制度について伺います。 実質無償化という言葉がよく使われるんですけれども、パネルのとおり所得制限がありまして、そこまでは言い切れないんじゃないかと思います。仮に、所得制限を撤廃すると、必要な予算は現行の予算より追加で百九十四億円が必要とのことです。また、府外の私立高校へ通う生徒の授業料も無償化すると、先日の質疑で十四億円の追加予算が必要とのことでしたが、これも所得制限を撤廃しますと追加予算二十八億円必要ということです。府内府外問わず、府民であれば所得制限なしの完全無償化を実現すべきだと考えますが、その場合、合計して二百二十二億円の追加予算が必要となります。 所得の高い世帯は、無償化する必要はないんじゃないの、そういう御意見もありますが、明石市の泉市長は、所得制限を設けることに対してこうおっしゃっておられました。地域経済活性化において重要なことは、ボリュームゾーンである中間所得層以上の世代が地域にお金を落としてくれる、幅広い所得層がまちを選んでくれる仕組みでなければ意味がないと話された言葉に、大変説得力を感じました。 この府内府外問わず私立高校授業料の完全無償化すると、追加予算が二百二十二億円、先ほど質疑をいたしました
子ども医療費の十八歳まで所得制限を撤廃した完全無料化をしますと、追加予算が百十億円、このインパクトのある二つの施策を仮に府が実施したとして、合わせて三百三十二億円の追加財源が必要となります。 提案するからには、財源の裏づけも必要です。例えば、府の今年度当初予算約三兆八千億円から人件費や公債費などの義務的経費を除くと、約二兆七千億円となりますが、この予算を一律で一・三%のシーリングをかければ、約三百五十一億円の財源を捻出することができます。一・三%のシーリングで捻出できます。 この二つの施策の完全無償化、子育て施策への予算の
シフトチェンジをするという意味で、知事、来年度から実施しませんか。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) まず、一・三%のシーリングということですけれども、これはもう議員もお分かりの上で言ってるのかも分からないんですけども、その予算の中身が、それができるものなのかどうなのかというのは、もうこれは議員も御承知だと思っています。だから、分母がまず全然違うということは、議員経験の長い議員であれば、もう御承知の上でおっしゃってるんだろうというふうに思います。そんな簡単な話じゃありません。 それから、やっぱり府の財政についても、これは現実、いろんな施策をする中で、太田府政のときに五千二百億円の大穴を空けた、借金を返さない、預金に手をつけるということの返済、これを今なお続けています。成長への投資、子育てへの投資、これをやりながら、この五千二百億円の太田府政時代の大穴を、今、僕が知事になってもなお穴埋めをし、そして何とかこれがもうすぐ終わるというところまで来てる、大阪府が破産会社というところからスタートした、この財政を立て直してきた。今、そしてまさにそれは本当に最後のところに来てるということもよく御承知をいただけたらと思います。 その中でも、やはり子どもたち、次の世代への投資ということは、力を入れてやってまいりました。例えば、実は大阪市も同じような財政状況でしたけども、それを立て直しながら、僕が市長時代のときには、所得制限のなき幼児教育の無償化というのを国がやる前に先駆けて行いました。その後、国が追いかけてきました。 また、知事就任後には、大阪公立大学、これについて授業料の無償化などの取組も、そういった減債基金の、この大穴空けてるものを穴埋めしながら、取組を進めています。 また、大阪の成長戦略、二〇二五年の大阪・関西万博や様々な成長戦略もそうですが、やっぱり大阪は元気になって成長しなきゃいかんということで、そちらへの投資もしています。 その中で、財政も立て直しながらやってるということもよく御承知をいただけたらなというふうに思います。 財源については、もちろん様々なそういったハードルの中で、子どもたちが頑張れるような社会と、もうそこはそれぜひつくっていきたいというふうに思います。 完全無償化について、現行制度の効果検証を踏まえて検討を進めていきたいと思います。今後も教育や子育て、僕はここに中心に力を入れるべきだと、これは大阪府もそうです、僕が市長時代からやってきた信念でもあります。ただ、自治体を破産させるわけにはいきませんので、きちんと責任を持って財政を切り盛りしながら、次の世代への投資、これをしっかりやっていきたいと思います。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 過去に財政に穴を空けた、そういう状況があった、これを今、今の時代で穴埋めしてるんだというお話ありました。 知事が、知事に就任される前から、私も府議で、府議会議員としてこの議場で、いろんなこれまで議論をしてきました。その穴埋めをするために、様々な条例を提案されたことに対して受け止めて、今までやってきました。 ですから、それについては、今、皆さんの努力でようやく穴を空けてはいけないところに穴が空いてるところを、今、補填が間もなく終わろうとしてるじゃないですか。たしか令和六年度ぐらいで、減債基金の復元というのは完遂するというふうにお聞きしておりますが、今の知事の御答弁だと、恐らく令和六年か七年度以降にはしっかりと子どもに充てていけるというような趣旨で私は発言されたと思いますので、ぜひその財政が好転した暁には、子育て施策に再充填していただいて、子どもに寄り添った施策の展開を図っていただきますようによろしくお願いいたします。 次に、いじめから子どもたちを守る対策について伺います。 昨年四月、府立高校に通っていた女子生徒が自殺に追い込まれました。府教育委員会の第三者委員会は、女子生徒へのいじめがあったことを認定し、対応に誤りがあったという学校側を批判する報告書をまとめました。女子生徒は、スクールカウンセラーに相談していたそうですが、未然に防ぐことはできませんでした。こうした痛ましい事案は、後を絶ちません。これは人による人的エラーという側面もあれば、システムエラーなのではないかと考えています。 一たび、子どもが自殺してしまう事案が発生すると、第三者委員会が立ち上がり、いじめとの因果関係などの調査、検証を行った上で、責任の所在を明らかにし、校長や教育委員会が記者会見で頭を下げるというシーンをよく見かけます。それが、ゴールデンパターンのようになっています。果たして、このような教育的アプローチだけで、いじめを根絶できるんでしょうか。 いじめ事案の多くは、教員や学校などで対応が可能だと言われてますが、一方で中にはいじめが長期化したり、目に見えないケースも一定数あるとお聞きしています。教育的アプローチだけでは、いじめる側といじめられる側を、加害者、被害者とは言わず、あくまでも教育的指導という名の下で解決を図ろうとします。しかし、それだけでは今回の事案を見ても分かるように、逆に深刻化するケースがあります。 そこで、いじめ問題に対する対応案を提案します。 これまでの学校や教育委員会だけに頼る教育的アプローチだけでなく、そこに行政的アプローチと法的アプローチを導入します。 つまり、いじめは深刻な人権問題と捉え、知事直轄の部局に監察課を設置します。その監察課に子どもやその親などから通報や相談が寄せられると、いじめの有無にかかわらず、行政的アプローチとして調査を開始します。その後、ケース判定会議を開催し、いじめる側、いじめられる側を、加害生徒、被害生徒として扱った上でアプローチ手法を決定します。そして、加害生徒や関係者に接触し、事実認定に基づき指導を行います。もし、いじめ問題が解決しない場合、加害生徒に問題があれば、出席停止や学級替えなどの必要な措置を教育委員会及び学校に勧告します。 なおもいじめ問題が解決しない場合は、最後の手段として法的アプローチに入ります。法的アプローチでは、賠償請求などの民事訴訟や刑事告発に係る弁護士費用の補助を府が行います。この取組は、既に寝屋川市で実施されています。そして成果を上げています。寝屋川市の広瀬市長と意見交換した際の貴重な意見として、教職員側からもこの制度は非常にありがたいとの声があるということでした。教育的指導の範疇を超える事案に頭を悩ましている教職員側も、受け入れてるとのことなんです。 一方、教育への行政側の介入により、教育委員会制度の独立性を担保できるのかという課題ですが、知事が調査した結果、問題事案があれば教育長に講ずるべき措置を勧告するだけです。あくまでも、実行に移すのは教育委員会側です。勧告を受けて主体的に対応するのは、教育長となります。 知事、いかがでしょうか。知事直轄の部局にいじめ対応ができる監察課を設置し、いじめ問題と真正面から向き合い、いじめの根絶を目指すべきだと考えますが、知事に伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) いじめの問題と真正面から向き合う、これが重要であります。また、じゃ、そのための手段をどうするのかということです。 これについては、もちろん教育庁が様々ないじめの相談なんかを受け付けたり、あるいはその対応をするというのはしていますが、非常に重要なことはこの児童生徒、子どもの側から立ったときに、いかにSOSを発しやすい場面をきちんとつくるか、そしてそれをキャッチできる場面をつくるかだと思っています。 行政側の都合で何か振り分けをしたり区分けをするんじゃなくて、児童生徒のほうがアプローチしやすい仕組みをつくっていく、これが重要だと思っています。 何か教育庁と知事部局が争いをするもんでもなくて、やっぱりその子どもたちが相談しやすいアプローチの体制というのをいかに整えるのか、ここが重要だと私は思っています。数も非常に多いですから、小さいうちに芽を摘むことが重要です。 ですので、教育センター等のすこやか教育相談、これは教育部局でやってるのは当然やってますが、それ以外にも知事部局において二十四時間三百六十五日開設の子ども専用、子どもの悩み相談フリーダイヤルを設置をしています。また、週二回のLINE相談を実施していますが、これについては来月からLINE相談を毎日実施をするいうことに範囲を広げています。 皆さん、特に府立高校、高校生はLINEをよく使ってますから、高校生が使っているツールを使って、相談しやすい仕組みをつくって、早めにキャッチをするということが重要だと思っています。 また、一人一台端末も完備をいたしました。高校生に対して。ですので、紙によるアンケートを書きにくい場合もございますので、こういったものを使って、端末からアンケートを簡単にタブレットで答えることができるようにする、そういった対応をして、知事部局としても責任を持って対応してまいりたいと思います。できるだけ早くキャッチをするという仕組みのほうが、私は重要だと思っています。 また、重大事案について再調査する場合、これはやはり被害者側の視点というのが非常に重要です。教育委員会や学校が信用できないという場合もありますから、そういうことについてはもう被害者のほうが知事部局で行うか、あるいは教育庁で行うか選択できる仕組みというのもこれは創設をいたしまして、今、既に実行しています。 今後とも、いじめの早期発見、早期解決に向けて取り組んでいきたいと思います。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 今、知事は、キャッチすることが大切だということだったんですが、キャッチすることが大切だと思っていただいてるんだったら、教育側だけじゃなくって、学校の先生には言いたくない、学校には言いたくないという生徒も結構いてるんです。その子どもたちの生の声をしっかり受け止めて、受け止めるだけじゃなくって、その後、解決するまでアプローチしていかなあかんのです。そして、解決に至るまで寄り添うということが大事なんです。 すこやか教育相談とかフリーダイヤル、あるいはLINEでも聞いてるということなんですけど、これって外郭団体の教育センターや、委託を受けた事業者が相談に乗って精神的なケアをするだけで、解決に向けて主体的に取り組んでいるわけじゃないんです。子ども家庭センターでの相談でも、虐待事案と絡まっていじめがあるケースなど、対応は限定的なんですよ。 また、教育委員会から仮に知事部局に対応が移る場合でも、重大な事態に至ったケースに限られてます。そして、深刻な状況にいる子どもが最初から担任や学校に相談したくないというケースが、先ほども申し上げたとおりたくさんありますので、いじめに苦しむ子どもに最初から寄り添っているわけじゃないんです。しかも、知事部局が、最後まで取り組むわけじゃないんです。 だから、この考えを今、申し上げているわけでありますが、ただ、今、このまま進めるということなので、今議会に自民党府議団と自民保守の会合同で、関連条例案を提出する予定でありますので、今度は議会側で真摯に議論を行っていただきたいと考えております。 一方、いじめ問題と向き合っていただいてる府の教育現場の状況を確認しておきます。 現在、小中学校及び府立高校に勤務する教職員のうち、六十歳で定年を迎えた後、再任用で勤務されている方は何人いらっしゃるでしょうか。また、再任用の方のうち、校長や教頭を受け持っておられる方は、何人いらっしゃいますでしょうか。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎教育委員会教育長(橋本正司) 再任用制度につきましては、教員を含む公務員全般を対象に雇用と年金の接続を図り、能力と意欲のある高齢期の職員を活用していくための制度であり、知事部局と同時に平成十四年度から導入をいたしております。 現在、府教育委員会が任命し、再任用として勤務をしております教員は約二千人でございまして、教員全体の六%となっております。また、そのうち再任用の校長、教頭は、二百五十六人でございまして、管理職全体の一二%となっております。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 再任用の方が約二千人おられて、校長や教頭まで受け持っておられる方が二百五十六人もいらっしゃるとのことなんです。もうすごい数字です。担任を受け持つ再任用の方も、相当数いらっしゃるとお聞きしてます。 言い換えれば、管理職や責任のあるポジションに就こうとされている教職員が減っているということでもありますし、管理職に就ける年齢層の教職員が、数が少ないということもあると思いますが、何でもかんでも教師や学校の責任とか、本来、家庭や学校以外で解決しなくちゃいけないのに、そんなことまで教師や学校の責任ということになれば、教育者側でも負担が増える一方であります。この現状を考えると、学校や教育委員会で解決できない長期化するいじめや、凶悪化するいじめまで教育側が受け持つのも限界があると考えています。そういう意味でも、いじめ対策の強化については、議会で議論を深めたいと考えています。 次に、一時保護児童の意見を第三者が代弁するアドボカシー制度の構築に向けた取組について伺います。 府内の児童虐待相談件数は、平成二十六年と比較して約二倍になっています。府が取り組むべき最重要課題の一つでもあります。つらい思いをして心に傷を負った子どもたちに常に寄り添い、職責を果たしていただいている子ども家庭センターや入所施設、一時保護所などの職員の皆さんには本当に頭が下がる思いですし、もう心から敬意を表したいなと思います。 また、保護されている子どもが虐待やネグレクトといった何らかの問題があったと認識しているからこそ、保護されているということも重々承知しています。 しかしながら、入所施設や一時保護所で預かる子どもと職員のやり取りであったり、子どもたちの意見や意思がどのように反映されてるのかというのは、知る由がありません。親や保護者だけでなく社会からも隔離されて、携帯電話も所持することができません。 これまで周りの大人に意見を聞かれなかったり尊重されてこなかった子どもが、自分自身の意見を伝えるということは非常に難しいんじゃないかと容易に想像できます。 そのような中、国は意見表明支援員、いわゆるアドボケイトが子どもに寄り添い、子どもの意見表明を支援する事業について、今年の改正児童福祉法に位置づけました。 府では、昨年度から保護者との長期の分離が必要な施設入所児童などへのアドボケイトによる意見形成や意見表明を支援する取組を、モデル事業として実施していただいてますが、対象の施設はごく一部の施設だけで、しかも入所施設の子どもだけが対象で、一時保護の子どもについては対象外であります。一時保護の子どもは、外部との接触ができず学校へも通えないケースがほとんどで、外出すらできないため第三者に相談することもできず、むしろ一時保護の子どものほうが事業の対象とするべきであります。 今年四月には、池田子ども家庭センターが、生後一か月だった女児を七か月にわたり一時保護が解除されなかったとして、母親が訴えを起こし、府は敗訴したばかりです。 何度も申し上げますが、子ども家庭センターや施設の職員さんは、真剣に子どもたちと向き合っていただいて、寄り添ってくださってると確信していますが、一方で子どもたちの状況を客観的に見てあげることができる、そんな存在も必要ではないでしょうか。 子ども自身が一時保護されたことをどのように感じて、自分の意思や意見を伝えることができる第三者の存在が必要です。そして、その第三者は、子どもの意見や意思、意見を受け止めて、代弁者として表明できる仕組みを構築する必要があると考えますが、福祉部長に伺います。
○議長(森和臣) 吉田福祉部長。
◎福祉部長(吉田真治) 施設入所児童、一時保護児童にかかわらず、第三者であるアドボケイトが、子ども家庭センターの職員等とは別の立場で子どもの声を聞き、代弁することは、子どもの権利擁護の観点から重要と認識しております。 一時保護児童は、保護の背景や家庭の事情が様々であることに加え、一時保護期間、そしてその後の生活の見通しが持てず不安定な状況にありますことから、お示しのとおり、子ども自身の気持ちの整理や、意見を聞き取るための仕組みづくりが不可欠と考えております。 そのため、現在、実施しておりますモデル事業の課題や効果を踏まえ、来年度から一時保護児童も対象となるよう検討を進めますとともに、子どもの意見を支援に生かすことができる制度の構築に向けて積極的に取り組んでまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 大変前向きな御答弁いただきました。 モデル事業として実施している自治体はほかにもありますけれど、本格的な制度構築となると恐らく全国初になると思います。 知事には、福祉部の前向きな御答弁、受け止めていただきまして、子どもたちの声が一つとして漏れることがない制度構築に努めていただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、ヤングケアラーへの支援の拡充について伺います。 ヤングケアラーに対しては、まず必要なことはその存在に気づいてあげることです。虐待やネグレクトといった事案を複合的に抱えている子どもがいます。そのため、気づいてあげられるのは、どうしても学校になります。そして、気づいて寄り添った後に適切なケアをしてあげて、適切な福祉サービスにつなぐことが必要であります。 ただ、学校の先生だけでは限界がありまして、専門的な視点も必要であるために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門人材が不可欠です。 我が会派は、一貫してその主張を行ってきましたが、今年度から府立高校などでスクールソーシャルワーカーの派遣が拡充されて、ヤングケアラーの発見や支援が進むものと期待しています。一方で、我が会派から、小中学校への専門人材の配置拡充とともに、さらなる取組を求めてきたところですが、今年の二月議会では小学生のヤングケアラーの実態を把握するために、すくすくウォッチの児童アンケートを活用すると答弁が教育長からございました。 そこで、すくすくウォッチ終了後のアンケート結果の内容を伺います。また、小中学校へのスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門人材の配置拡充を改めて求めます。教育長の方針を伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎教育委員会教育長(橋本正司) 小学校五、六年生を対象に、今年度四月末に実施しましたすくすくウォッチの児童アンケートにおきまして、ヤングケアラーに関連する質問項目を盛り込んだところでございます。 その結果、家庭の仕事をしている児童は約九割、そのうち週に三日以上かつ一日に二時間以上携わると答えた児童が一割以上存在してるということが判明をいたしました。 こうした児童の中には、とても疲れることがあるといった否定的な回答がある一方、家の中で気持ちよく過ごすことができるなど、肯定的な回答もあることが分かりました。 こうした結果を踏まえ、市町村に対しましては、アンケートで把握をしましたリスクが高い児童に対し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等、専門家と連携を図った上で、まず丁寧に本人から話を聞き、その気持ちに沿った支援につなぐよう指導をいたしております。 これまで、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の専門家の配置拡充を進めてまいりましたが、新たな現下の状況を踏まえまして、小学校に派遣するスクールカウンセラーの拡充をするための補正予算の御審議を現在、お願いをいたしております。 今後もリスクの高い児童への支援を進める中で、子どもの状況を踏まえてスクールソーシャルワーカー等、専門家の配置確保に努めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 専門人材の配置確保に努めていくということであります。前向きに受け止めておきたいと思います。 財務部長、大切な分野でありますので、教育委員会から予算要求があった場合には、絶対にカットしないように強くお願いしておきます。 次に、府立高校の再編整備について伺います。 平成二十五年に府立高校再編整備方針が策定されて以降、この十年間で府立高校と旧市立高校合わせて実質十三校の募集停止が決定しています。今年八月の教育委員会会議においても、今年度新たに三校の募集停止案が公表されました。 府立学校条例に基づき、三年連続定員割れした学校は再編整備、つまり統廃合の検討対象となりますが、令和四年度選抜において、三年連続定員に満たない学校は十七校にも上ります。さらに、二年連続定員に満たない学校も十一校あります。 今後も生徒数の減少が続く中、引き続き再編整備を進めることとなっていますが、当然、これらの学校も統廃合の検討対象になると思われます。 これまで、いい意味で公私間の切磋琢磨を促すことが目的でありましたが、このまま再編整備が進められることによって新たな課題も浮き彫りになってきました。それは、今後、地域偏在が生まれてくる可能性が大きいということです。 府内でも急激に人口が減少している地域は、当然ながら子どもたちの人数も減少しておりますので、このまま進めば、町村を除く三十三市の中から府立高校が一校もなくなるという市が出てきます。既に、柏原市にはありません。 問題は、地域の子どもたちの進学先の選択肢が減少して、遠い高校までわざわざ通うことになって、通学に要する時間や通学費などのコストが増えて、過度な負担が生じることになります。ましてや、低所得の世帯にとっては負担が増すばかりです。 こうしたことを踏まえて、再編整備を進める際は、公立高校の役割を踏まえて就学の機会の確保に十分配慮する必要があると考えますが、教育長に伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎教育委員会教育長(橋本正司) 府立高校の再編整備につきましては、生徒減少を教育の質的向上を図る好機と捉え、教育内容の充実と併せて適正な配置を推進する観点から進めてまいりました。 再編整備を進めるに当たりましては、公立高校の果たすべき役割である全ての子どもに教育の機会を保障するということや、これまで大阪の教育が目指してまいりました公平性、卓越性の高い水準での両立と多様性を追求することが重要であると考えております。 引き続き、このような認識で府立学校条例の下、志願状況に加え、教育課程や教育活動といった学校の特色、さらに公共交通機関の整備状況、高校の設置状況といった地域の特性も勘案した上で総合的に判断し、就学機会を確保しつつ再編整備を進めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 就学機会を確保しながら再編整備を進めるということでありますので、今後、これまでどおり再編整備を進めますと、地域の中で学校数が減少していくことで、中学生の進路の選択幅が狭まることも懸念されてます。子どもの能力や興味関心に応じた進路選択の幅を確保することも大切です。 例えば、京都府には、普通科とか商業科、工業科を併設した高校がありますが、府内でも多様な学びを担保し、子どもたちが通学で過度な負担が生じることがないよう、十分に留意していただくことを要望しておきます。 次に、中学校の部活動の地域移行について伺います。 深刻な少子化の進行などによりまして、部活動を持続させていく環境が厳しくなっています。このような状況を受け、国は来年度から三年間を改革集中期間に位置づけて、まずは休日のみ、部活動の段階的な地域移行を行うこととしています。 地域移行するに当たり、幾つか心配な点があります。 例えば、教員の中で引き続き指導したいと考えている人がいる場合に、その教員が受皿となる地域の団体でも活躍できる仕組みを構築することや、部活動の運営が地域の民間に移行されることにより、指導者の専門性の確保であるとか、コンプライアンスの徹底であるとか、そういうことが必要になってまいりますので、様々課題があります。 国の有識者による運動部活動の地域移行に関する検討会議で提言が取りまとめられたところですが、来年度以降、地域移行が円滑に進められるよう、府内市町村を積極的に支援していくべきだと考えますが、教育長に伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎教育委員会教育長(橋本正司) 現在、国では、検討会議の提言を踏まえまして、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの改訂や、地域移行後も引き続き指導に従事することを希望する教員のための手続等の検討を進めていると聞いております。 府教育庁としましては、国からガイドラインが示され次第、大阪府部活動の在り方に関する方針を改定し、市町村に通知をしていきたいと考えております。また、現在、地域移行に関する国のモデル事業を府内二市で実施をいたしております。 参加した生徒からは、専門性の高い指導を受けられるといった声や、教員の負担軽減といったメリットが報告されます一方、受皿の整備や指導者の確保、家庭におけます新たな費用負担等の課題も出てきております。 今後、こうしたモデル事業の成果と課題を踏まえまして、各市町村におけます地域移行が円滑に進められますよう、府教育庁としてもさらに検討を深めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 教育長、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、高校の部活動改革について伺います。 先日の大阪府総合教育会議において、部員数が減少し、一つの学校で部活動が成り立たないチームが出てくることを想定し、複数校で一つの部活動とする仕組みについて検討することとされました。これはこれであるべき姿だと考えますし、現在、既に実践している高校もあります。 気になる点は、複数校で一つの部活動とすることで、強いチーム同士で組織して恣意的なチームづくりが行われてしまわないかという点です。そのためにも、勝利至上主義にならないように位置づけが必要です。 また現在、合同チームは、大阪府大会までは参加できるものの、全国大会や近畿大会などへの参加が認められていない競技がほとんどです。 合同チームがそうした大会にも参加できるよう、強く働きかけるべきだと考えますが、併せて教育長に伺います。
○議長(森和臣) 橋本教育長。
◎教育委員会教育長(橋本正司) 大阪府内の公式戦におきましては、大会主催者により、単独でチームを組める学校は、他校との合同チームによる大会参加が認められておりません。 これは、部員数不足のために単独でチームを編成できない学校が、日頃の練習の成果を発揮、確認する機会を保障する趣旨で行われているものでありまして、各校におきましても、この趣旨にのっとり合同チームでの大会参加を行っているところであります。 一方、議員お示しのとおり、全国大会におきましては、合同チームで出場できない競技も多数ございます。 今後、生徒の減少に伴い、合同チームの必要性は高まってくるというふうに考えておりますので、合同チームであっても、全国大会参加による生徒の多様な経験の機会を広げるため、関係団体へ働きかけるなど、引き続き生徒にとって望ましい環境づくりに努めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) どうぞよろしくお願いいたします。 次に、包括的支援における地域貢献委員会との連携について伺います。 近年、家族形態の変化や地域のつながりが希薄になる中、公的な支援制度のはざまに陥った方やダブルケアなどの複合化、複雑化した課題を抱えて、どこに相談していいのか分からずに、課題を抱えたまま孤立していく方々が顕在化しています。 こうした状況を背景に社会福祉法が改正されて、市町村が包括的支援体制を整備するよう定められました。 今後は、高齢者や障がい者施策といった、これまでの縦割りではなくて横串を刺す形で進めるべきでありますが、体制整備はなかなか容易ではなくて、昨年度創設された重層的支援体制整備事業を実施する市町村は僅かしかありません。 一方で、地域で活動する団体は、広がりを見せております。とりわけ大阪の社会福祉法人は、実に様々な地域貢献活動を行ってきた歴史と伝統があります。この強みこそ、今後の包括的支援体制の整備に生かしていく必要があります。 府においては、昨年度、包括的支援体制の構築に向けた社会福祉法人などとの連携、協働の在り方を協議するための研究会を開催し、今年三月に報告書が取りまとめられました。 これは、報告書の中で府が提案している大阪モデルの図です。 図の中央にある地域貢献委員会は、多様な職種の社会福祉施設が集まった市町村単位の組織であって、地域で活動する民生委員や地区福祉委員などとつながって、様々な課題に連携、協働して取り組んでいこうとされているものであります。既に、府内三十七市町村で組織化されておりまして、全国に誇る大阪の特徴的な取組でもあります。 府では、この地域貢献委員会を核として、地域課題と向き合う包括的支援体制を大阪モデルと呼んでいます。 ぜひとも、この大阪モデルを市町村の包括的支援体制に取り入れて、整備の推進と体制の強化に役立てていくべきです。 大阪モデルが絵に描いた餅にならないよう、市町村と共に社会福祉施設や社会福祉協議会との連携、協働を進めて、府が必要な支援を行っていく必要があると考えますが、福祉部長に伺います。
○議長(森和臣) 吉田福祉部長。
◎福祉部長(吉田真治) 市町村の包括的支援体制の整備充実のためには、市町村と協働する市町村社会福祉協議会や社会福祉施設等が、それぞれの強みを生かして市町村の取組に参画していただくことが重要と認識しております。 このため、府では、今年度より市町村ごとに社会福祉施設等で組織されております地域貢献委員会の代表者と、事務局である市町村社会福祉協議会が参画する地域貢献委員会代表者会議を開催して、包括的支援体制の理念、大阪モデルの周知、地域貢献委員会の実践事例の提供などを行いますほか、市町村との協働に向けた交流会などを行っております。 引き続き、市町村、市町村社会福祉協議会、社会福祉施設等に対し、包括的支援体制に向けた協働を働きかけますとともに、今後、市町村や大阪モデルの実現に向けた具体的検討を進める地域貢献委員会に府が直接働きかけるなど、積極的に支援を行ってまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 大切なテーマでありますので、積極的に支援をよろしくお願いいたします。 次に、ICTを活用した民生委員、児童委員の担い手育成について伺います。 コロナ禍が続き、地域内のコミュニティーが希薄になる一方、家庭内においても孤独や孤立など、地域での新たな福祉ニーズが高まっています。そのような中で、地域活動の担い手として、民生委員、児童委員の皆さんの果たす役割もますます重要になっています。 民生委員、児童委員は、三年ごとに一斉に改選が行われ、今年はその一斉改選の年になっています。しかしながら、定数に対して委嘱率は九〇%前後で、充足していない状況が続いています。また、民生委員の高齢化が進み、働きながら活動されている方も年々増加しており、これまでのように実際に家を訪問したり、集まって会議をするという活動だけでは負担感が増す一方です。 そこで、これからの民生委員、児童委員の担い手不足の解消や活動環境を改善するためには、ICTの活用が不可欠であり、関連の民間事業者との連携や協力も得る必要があります。 大正時代に、民生委員制度の前身でもある方面委員制度がこの大阪から始まりましたけれども、このような過去を踏まえて、全国に先駆けて民生委員、児童委員の在り方の再検討を行って、ICTを活用した新たな取組を進めるべきだと考えますが、福祉部長に伺います。
○議長(森和臣) 吉田福祉部長。
◎福祉部長(吉田真治) 民生委員さん、児童委員さんは、地域で大変重要な役割を担っていただいている一方、お示しのとおり負担感が増しておりまして、委員として担っていただける方の確保や活動いただける環境の改善は、喫緊の課題と認識しております。 府では、府の社会福祉協議会が民生委員児童委員協議会と共同で、令和二年度にまとめられた民生委員・児童委員の担い手確保・活動環境改善に関する報告書を踏まえまして、新任委員に対するフォローアップ研修や研修のオンライン化、民生委員活動の広報の充実等に取り組んでおります。また、報告書では、若者や就労している方なども活用していただきやすい環境整備のために、ICT活用の提案がありましたことから、現在、社会福祉協議会や民生委員児童委員協議会等の当事者の意見も伺っているところでございます。 福祉部では、先月、DXを推進する民間事業者と事業連携協定を締結しましたが、その事業者さんのノウハウなども取り入れながら、今後、ICTを活用した民生委員、児童委員の負担軽減等の取組について、さらに具体的な検討を進めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 具体的な検討を進めていくということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、猫の殺処分ゼロに向けた取組について伺います。 府は、動物愛護管理推進計画において、令和三年から令和十二年度までに、犬猫の殺処分数を半減することとしています。 今回の質問では、猫に特化した質問を行いますが、府内では知事が就任された平成三十一年から令和三年度までで、猫は三千二百五十匹も殺処分されています。動物愛護管理センター--アニマルハーモニーだけに限ると、千七十三匹殺処分されています。減らす努力はされているんですが、現段階でもこれだけの多くの命が人の手で処分されています。知事、この現実に向き合っていただきたいと思います。 殺処分を減らすためには、最も有効な手段は野良猫を増やさないことです。そして、野良猫を保護して、かわいそうなんですが不妊去勢手術を施して、一代限りの命とすることが、何よりも命を守ることにつながります。 そこで、整理しておきます。人と猫の共生を図る上で、大きく二つの方法があります。 まず、野良猫を保護して、不妊去勢手術をして、地域に戻す活動を地域猫活動といいます。地域猫を地域に戻す、リリースする際に、自治会長や地域住民の了解を得る必要があります。一方、野良猫だけでなく、飼い主が病気や亡くなったりして飼えなくなった猫や、いわゆる多頭飼育崩壊となった猫たちを保護して、不妊去勢手術をして、譲渡会を開催し、新たな飼い主を探す保護猫活動も各地で行われています。これらの活動のほとんどが、民間ボランティアによるものです。 府は、どのような支援を行っているかというと、寄附金を集めた動物愛護管理基金を活用して、不妊去勢手術などへの補助を行っていますが、補助による支援は地域猫活動だけが対象です。 地域猫とは、手術後、地域に戻しますので、その際、地域住民の了解を得なければならず、非常にハードルが高いんですね。それを証拠に、平成三十一年から始まった地域猫活動は、四年が経過した現在でも、認められた地域はたったの七地域です。府は、このハードルが高い地域猫活動のみに支援を行っています。 一方で、保護猫活動がどこから支援を受けてるのかというと、公益財団法人などの民間団体が、市町村や個人のボランティアを対象に無料の手術チケットを配付し、支援を受けています。そして、そのチケットで手術代の負担はなくなりますが、場合によっては、保護猫へのウイルス
ワクチン接種費用や、検便費用など自己負担もすることがあります。 ただ、現在、手術してくれる動物病院は、府内に僅かしかないんです。そのため、そこまで通う高速代とかガソリン代とか、もうそういったものもボランティアさんの自己負担となります。こうしてボランティアの皆さんは、自らのお金と時間を割いて野良猫たちと向き合っています。 知事にお願いしたいと思います。地域猫活動だけじゃなくて、いわゆる保護猫活動に取り組む方々へも、手術代やワクチンなどの費用を補助する制度に改めるべきです。そして、ボランティアの皆さんの様々な活動を支える仕組みに変えるべきです。そうでなければ、真の支援策とは決して言えません。 ボランティアの皆さんが活動しやすい環境が整備されることによって、ひいては殺処分される猫の数を減らすことにつながります。これらの取組を実行して、初めて殺処分ゼロを目指すと胸を張って言えるのです。今後の方針について、知事の考えを伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 大阪府における猫の殺処分についてですけれども、平成二十五年頃、約七、八年前になりますかね、十年ぐらい前は、殺処分数は年間六千頭というような状況でした。殺処分を減らしたいということで、この間、対策を取ってまいりまして、今、令和三年度で七百頭という状況です。でも、それでもやはり殺処分については、ゼロに向けて取組を進めていきたいと、そう思っています。 その中で、社会全体で殺処分ゼロを実現するためには、やはり所有者のいない猫を増やさないということが非常に重要です。どうしても生まれたての猫ちゃんで親がいないと、所有者もいないとなると育てられないということになりますから、ここが殺処分につながってきてしまいます。ですので、所有者のいない猫を増やさないということが重要です。 そのために、地域猫活動のみならず、様々なボランティアの皆さんの協力、これも不可欠だと思ってます。今後、ボランティアが多くの地域において活動しやすくなるように、自治会等が主体となることを前提としている府の所有者のいない動物を減らす事業につきまして、ボランティアがより参加しやすい仕組みにすることなどによって、その負担軽減に向けて検討を進めてまいりたいと思います。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 今、知事に、事業の見直しに言及していただきました。様々なボランティアの皆さんの負担軽減が、真の人と猫の共生につながりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、脱炭素ポイント制度のさらなる推進について伺います。 二〇五〇年の二酸化炭素排出量ゼロに向けた取組が進められていますが、行政側や企業側の努力はもとより、府民の皆さんのライフスタイルの転換を促し、消費行動そのものを脱炭素型に変えていただく必要があります。 ごみの排出を抑えるという観点から、コンビニやスーパーのレジ袋などが有料化されました。これに伴い、お買物される際、多くの府民はエコバッグを持参されています。有料化については賛否がありますけれど、環境に配慮するという機運醸成には確実につながっています。 ただ、恐らく府民の皆さんは、三円、五円払うのがもったいないという感覚のほうが多いのではないでしょうか。そもそも払うのがもったいないからではなくて、逆にエコバッグを持参すればポイントがもらえるという発想で制度構築ができるのであれば、そのほうが、私はこれだけポイントがたまったとか、これだけ環境に貢献してるんだという意識になって、さらに機運は醸成されると考えています。 そんな発想から、昨年の二月議会で、府民がCO2排出量の少ない商品やサービスを購入した場合、ポイントが付与されるという脱炭素ポイント制度の構築を提案したところ、制度構築に向けた前向きな御答弁があって、その後、今年五月に、脱炭素ポイント制度推進プラットフォームを新たに設置し、団体も含めて十三社が参加され、検討を始めました。そして間もなく、六事業者との連携により、脱炭素ポイントを付与する実証事業がスタートします。 初期の実証では、脱炭素につながる製品や農産物を対象としてポイントを付与する事業者が多いとお聞きしておりますが、今後、この制度を府民の誰もが認知するような制度にしていくためには、幅広いシーンにおいて導入する必要があります。 例えば、デパートで買物した際に、紙袋もう一枚つけますかって必ず尋ねられるんですが、要らないと答えたらポイントが付与されるであるとか、アマゾンなどのオンラインショップで商品を購入した際、こんなちっちゃい商品でも、こんなに大きな段ボール箱に入ってきて、過剰な包装で配送されてきます。もうあれ、本当に無駄だと思いますので、これを例えば簡易包装にすればポイントがつくというような発想で、事業者への参入をさらに促していただきたいと考えています。実際に、メルカリでは、梱包材を五人以上がリユースすると、利用者全員にポイントが付与される仕組みを、期限付ではありますが導入しています。 そこで、さらなる異なる業種、業態の事業者への参加を促し、脱酸素ポイントの本格的な制度構築に向けて、さらに加速させるべきだと考えておりますが、環境農林水産部長に伺います。
○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。
◎環境農林水産部長(原田行司) 脱炭素化に向けて府民や事業者の行動を変えていただくためには、従来の啓発手法から一歩踏み出し、行動に直接働きかけるポイント制度などが有効であると考えております。 プラットフォーム会議には、スーパー、百貨店、生協、ファッション小売、家電量販店、鉄道、通信など多様な事業者が参加し、ポイント制度の在り方や運用の仕方について検討を進めています。 来年度、百貨店協会、チェーンストア協会等の関係団体も通じて、さらに多くの事業者に参加を働きかけるとともに消費に伴う幅広い行動を念頭に置いて、対象商品の選定をはじめ、具体的な仕組みを検討してまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 来年度、百貨店協会やチェーンストア協会などのさらに多くの事業者の参加を促していくと、本格実施に向けて具体的な仕組みを構築するということですので、期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、スマート農業について伺います。 大阪農業の持続的な発展のためには、担い手の確保と育成、企業参入の促進はもとより、高齢化が進む府内農業の省力化であったり、コストパフォーマンスを高めたり、生産性を向上させる必要があります。そのためには、スマート農業の普及は避けて通れませんけれども、府では令和二年度に大阪府スマート農業推進指針を策定し、大阪の農業に適合するスマート機器の普及に努めています。例えば、毎日のように水田に通い確認していた水位をリモートで確認するシステムを導入して、農作業を省力化する効果を実証しているところもあります。 しかしながら、このような取組はまだまだ普及していません。府が今年三月に行った調査では、スマート機器を導入した農家数は百名弱とのことでしたが、指針にある二〇二五年目標の百五十名の達成に向けて、さらなる努力が求められます。 スマート機器の普及や定着を図るためには、シンプルで使いやすい機器から重点的に普及させるなどの工夫も必要であると考えますが、環境農林水産部長に伺います。
○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。
◎環境農林水産部長(原田行司) 成長し、持続する大阪農業の実現に向け、農作業の省力化や高収益化を図るため、スマート農業の推進は重要でございます。 そのため、機器の導入費用の一部を補助する大阪版認定農業者支援事業や、メーカーと生産者をマッチングする展示会を実施しております。また、個々の農家の必要とする機能に絞り込んだスマート機器の自作やカスタマイズを支援する経営強化チャレンジプロジェクト事業などに取り組んでいます。 今後、ベンチャー企業等による製品開発や低廉化などの情報を農業者に提供するとともに、経営強化チャレンジプロジェクト事業を活用し、現場に応じた実用的なスマート機器の導入を促進するなど、大阪農業のスマート化を積極的に推進してまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 府の補助制度がより効果的に実施されますよう、運用については現場の実情を踏まえて対応していただくということなので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、オーダーメイド型農業と農・福・商の連携について伺います。 農業と福祉の連携、いわゆるハートフルアグリの取組は、障がいのある方が農業分野での活躍を通じて社会参画を促すとともに、農業の担い手不足の中で重要な取組であります。しかしながら、参入したハートフルアグリ事業者が抱える課題の一つに、出口対策、つまり確実な販路をいかに確保するかという課題があります。 一方で、売り先となる飲食店などでは、社会貢献の観点から、障がいのある方が作った地元農産物を優先的に購入したいという声もあります。 例えば、餃子で有名な中華料理チェーン店では、月に一日だけとか、百個限定でとか、障がいのある方が生産したキャベツを定期的に購入して、独自メニューとして販売することは飲食店にとってもCSRの一環になりますので、ウィン・ウィンの関係になります。ある意味でブランド化にもつながります。 そして、事業者も計画的に農産物を生産することが可能になるので、このようなオーダーメイド型農業は、販路の確保に貢献することになります。農業と福祉、つまり農と福の連携に商業の商を組み合わせた農・福・商の連携を推進すべきだと考えます。 府として、飲食店などをマッチングする機会の創出を図って、ハートフルアグリ事業者の経営安定化につながる取組を積極的に進めるべきだと考えますが、環境農林水産部長に伺います。
○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。
◎環境農林水産部長(原田行司) 大阪農業のさらなる成長産業化と多様な担い手の確保のため、事業者が抱える課題の解決に加え、収益拡大等による経営の安定化を図り、ハートフルアグリを推進していくことが重要でございます。 そのため、事業者で構成するハートフルアグリネットワークに付加価値の創出等をテーマとした分科会を設置し、障がい者が携わった食品の農林規格であるノウフクJASの取得のほか、品質向上やブランド強化策を研究しています。 今後は、飲食店や量販店等とマッチングする機会を設け、計画的な生産や、さらなる販路拡大につながるよう支援いたします。 こうした取組を進め、農・福さらに商との連携を図り、ハートフルアグリ事業者の高収益化など経営強化を図ってまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 大変前向きな御答弁いただいたと思っております。どうぞよろしくお願いします。 次に、大阪DXイニシアティブについて伺います。 府では、大阪の自治体におけるデジタル改革を進め、住民サービスの向上と行政の業務効率化を目指して検討が進められています。八月二十六日に開催された大阪DXイニシアティブ会議において中間報告が行われたところですが、特に住民のQOL向上に直結するデジタルサービスの充実に力点を置いていただきたいと考えています。 住民に身近なツールと言えば、例えば府の公式ホームページがあります。この公式ホームページは、府民と行政をつなぐ窓口でもあります。ただ、このホームページがかなりの昭和の年代物です。府民や事業者が知りたいページに到達するまで、かなり時間がかかります。そのような上から目線のホームページではなく、利用者目線に立ったメイ・アイ・ヘルプ・ユー的なホームページに改めるべきです。 既に、民間事業者のAI技術やノウハウを活用しながらチャレンジしている自治体もあります。また、スマホで仕事や買物もできる時代でありますので、手の中で行政手続が完結できるようにするべきです。 大阪DXイニシアティブに新たに設置された庁内横断のタスクフォースにおいて、まずは事業者の申請の簡素化であるとか、子育てや安全安心などの分野など、住民に寄り添ったサービスの展開を目指すべきだと考えますが、スマートシティ戦略部長に伺います。
○議長(森和臣) 坪田スマートシティ戦略部長。
◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) 住民に寄り添ったサービスの展開を目指すという議員の御指摘、全くおっしゃるとおりだと思います。 そこで、庁内横断の組織として、九月五日に設置しました住民サービス向上タスクフォースにおきましては、住民が暮らしが便利になったという実感ができるサービスの事業化について、集中的に推進することとしております。現在、庁内各部局へのニーズ調査や府内市町村に対するヒアリングなどを行い、具体化できるサービスを選定し、進めているところでございます。 検討に当たっては、八月二十六日の大阪DXイニシアティブ会議においてお示ししました、スマートフォンなどで手軽にアクセスできる環境の整備ですとか、あるいは必要な人に必要な情報が必要なときに届く仕組みの構築ですとか、さらには分野をまたがるサービスをワンストップで提供していくなどの幾つかの方針の下、民間企業の技術も活用していく予定でございます。一例としまして、住民一人一人が望む情報を適時得られるポータルサイトの構築などを検討いたしております。 今後、紙の様式での提出が規定されているなどの法整備に係る調整や、個人情報の取扱い、費用対効果といった面も考慮しながら、利用者目線でサービスを絞り込んでまいります。その結果、すぐにでも実現可能となるものについては、早期具体化が図れるよう関係部局と連携しながら積極的に進めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) ぜひ積極的に進めてください。 DXを進めていくに当たって、民間企業も含めて多くのステークホルダーとの調整であるとか、様式やデータをそろえる合意形成といった様々な課題があります。一朝一夕ではなし得ない難事業だというふうに思いますけれども、この実証過程でのトレースを徹底しながら進めていただきたいと思います。 そして、失敗してはいけないという行政特有の風潮に左右されずに、坪田部長を中心に果敢に取り組んでいただくことをお願いして、次の質問に移ります。 次に、府庁におけるICT環境の整備について伺います。 カーボンニュートラルの実現に向けて取り組む中で、ペーパーレス化については、府議会ではさらなる推進を図ることとなりました。一方、府の各部局においては、ペーパーレス化にはデジタル技術の活用が欠かせない要素でもあります。 スマートシティ戦略部の坪田部長は、昨年二月議会の御答弁で、以前勤めておられた民間企業では、ペーパーレス化のための仕組みや充実したデジタル環境が整備されていたとおっしゃっておられました。 ペーパーレス化を進めようというのは簡単です。そのためには、必要なICT環境が整備されなければ、逆に職員の皆さんに負担を強いることになるだけです。 今後、府庁におけるICT環境の充実、これは急務であると考えますが、スマートシティ戦略部長に伺います。
○議長(森和臣) 坪田スマートシティ戦略部長。
◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) 確かに、昨年の議会におきまして、この場で私が民間から大阪府庁に参りましたときに感じたことを率直に申し上げました。 当時、本当に紙の多さに驚きまして、私の周りの職員に対して、私とのやり取りはもう紙ではなくて、もう全てデジタルでやり取りしたいという方針を打ち出しました。ところが、一か月もたたない間にその方針を私自身が撤回して、紙に戻してほしいというようなそういう経緯をお話ししました。なぜなら、これは予想もしなかったことですけども、紙からデジタル化に変更したことによって、業務が非常に非効率に、不便になったからであります。そういう趣旨のお話を申し上げました。 つまり、デジタル資料を電子ファイル化したり、共有化したり、あるいは、一番大きなことですけど、過去の資料を探し出したり、検索したり、こういったツールが全く不整備でしたので、結局、紙よりもデジタル化したほうが不便になると、こういうことが理由でございました。 一方、今、御指摘のように、私が前にいた会社では、ペーパーレス化においては屈指の企業だったんですけども、一回もペーパーレス化ということを目標にしたことはございません。働き方の改善、便利さ、効率ということを追求していくと、いつの間にか周りから紙がなくなっていたというようなことであったのかなと思います。 何が申し上げたいかというと、ペーパーレス化というのは決して目標にしたらうまくいかずに、むしろ結果としてあるべきだというように思っております。紙よりデジタル化したほうが仕事が楽になるなら、おのずとペーパーレス化も進んでいくものだというように理解しております。 そこで、府庁におきましても、現在、文書のデジタル化を前提とした働き方を支援して、仕事の効率アップを実感できるICT環境の設計に着手しております。令和五年度には、ペーパーレスに最適な軽量のポータブル端末導入を開始いたしますし、デジタルファイリングのためのツール群も、順次整備に努めてまいりたいというように考えております。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 結果、ペーパーレス化につながるよう、どうぞよろしくお願いいたします。 一方で、議場におけるペーパーレス化ですが、議会側が努力していこうということになっているのに、理事者側、つまり府の答弁者の皆さんが、これまでタブレットを使って答弁される姿を見たことがありません。スマートシティ戦略部長ですら、紙の原稿で答弁されてます。 ただ、一方で、むしろ紙のほうが、急遽メモを取ったりする際に機能的である側面があります。実際、私も今、紙にメモを取って質疑をさせていただいております。 タブレットじゃないと駄目って言ってるのじゃありません。ただ、紙でないと駄目という状況を改めるべきです。府民を代表するこの議場が、まず変わる姿勢を持つことが大切です。議場、議会側だけではなく、答弁者側もペーパーレス化を進めるべきだと考えますが、知事に伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) ペーパーレス化につきましては、これは方向性として進めていくべき方向性だと思っています。これ、デジタル化だけではなくて、グリーンという観点からも進めていくべきだと思っています。 先ほど、坪田部長からもあったとおり、ただデジタル化というのは、何でもかんでもデジタル化するのがデジタル化ではなくて、DXもそうなんですけど、いかに負担を減らしていくのか、生産性を上げていくのか、仕事のやり方を変えていくのか、それがまさに僕はデジタル化だというふうに思っています。 この議場においても、当初僕が知事になったときに、何か資料が分厚いのが毎回並んでるので、もうこれデジタル化にしようよということで、デジタル化にどんどんしていってます。 これからも、この議場においては、デジタル化というのはどんどん進めていったらいいし、議場だけじゃなくて、そういったデジタルにしたほうがいいんじゃないかと、無用な印刷だよねというのはどんどん減らしていくべきだと思います。ただ、紙でやったほうが便利なものについては、逆にそれを無理やりペーパーレス化すると不便になるというのもあります。 この答弁におきましても、今、これ紙でやったり、自分の頭で考えていろいろやったりもしてるんですけども、やっぱりメモをしたり、あるいは振り返ってあっち行ったりこっち行ったり、答弁は受ける側なので、僕は議員の立場も、それから理事者の立場もどっちも経験してますけれども、質問する側と受ける側、受けて答弁する側に立つと、やっぱりどういう質問があるか、あるいは行ったり来たりとかというのを常に頭でぐるぐる巡り合わせながらやるという意味では、今のままだったらタブレットより紙のほうが便利なのかなというのが正直なところです。 今、補助されてる議員も、メモする立場になると、やっぱりそっち側のほうが便利になってるということもあると思うんです。タブレットでそっちへ今、書き込みをするようなタブレットも増えてきてるんですけど、これからどんどん技術革新が進んでいくと、そっちのほうが便利になることもあると思いますが、今の段階では、この答弁の原稿なんかは理事者の生産性なんかも含めて、まだ紙のほうが便利なのかなという点もありますが、ただペーパーレス化は進むべき方向性だと思ってますので、この議場もそうですし、議場にかかわらず、この議場だけの話じゃなくても、府庁としてのペーパーレス化は、そういった視点からできる限り進めていきたいというふうに思っています。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 知事のおっしゃるとおりだと思いますし、先ほど私、質問しながら、タブレット飛んでしまいまして、質問探すのに大変でした。そういう状況もあって、やはりできるところから、やれる範囲から始めていけばいいのかなというふうに思っております。ただ、進めていくという方針で、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 次に、後方支援活動拠点の機能強化について伺います。 南海トラフ巨大地震の発生確率は、向こう四十年間で九〇%と想定されています。いつ起きてもおかしくない状況の中で、ふだんから発災した際の対策などを想定しておくことが重要です。 岩手県の内陸部に位置する遠野市では、東日本大震災時、津波の被害はありませんでしたが、内陸部ということと、硬い花崗岩の岩盤上に位置する優位性を利用して、平成十九年に、将来の沿岸部の大規模な津波被害の発生に備えて後方支援活動拠点構想を打ち出し、助けに行けるまちづくりに取り組んでいました。それが功を奏し、発災直後、いち早く後方支援活動拠点としての機能を発揮し、自衛隊をはじめ、全国から消防、警察、そしてボランティアが集結して、沿岸部の支援に当たることができました。 私自身も当時、岩手県の陸前高田市で、水路や家屋に流れた泥水のくみ上げなどのボランティアに伺いましたが、いきなり陸前高田市に行くんじゃなくて、遠野市の拠点に一旦向かって、そこで指示を受けて、現場に向かい作業しました。そのような経験から、後方支援活動拠点の重要性を認識している一人でもあります。 府では、地域防災計画により、大規模地震の被害想定や実動訓練も実施してきましたが、計画に盛り込まれている後方支援活動拠点はほとんどが府営公園で、府内に十一拠点整備されてますが、本当に全国から部隊を受け入れる体制ができているのか、不安に感じています。実際に、被害がどこで、どの程度、場所と規模も想定しておく必要があります。発災時に、全国から駆けつける自衛隊や警察、消防、ボランティアの車両が、どこに何台止められるのかといった詳細な計画が策定されているわけではありません。 南海トラフ巨大地震への備えとして都市整備部が行ってきた、防ぐ、しのぐ、逃げるという従来の取組にプラスして、危機管理室による助けるための準備をもっと緻密に行っておく必要があります。そして、緻密な計画策定が本当に機能するのか、訓練を定期的に実施し、後方支援活動拠点の機能充実を図る必要があると考えますが、危機管理監に伺います。
○議長(森和臣) 大中危機管理監。
◎危機管理監(大中英二) 広域的支援部隊受入計画につきましては、大阪府、消防、警察、自衛隊などの救助機関で構成する広域防災連絡会議におきまして、各部隊の集結エリアや活動拠点への進入ルートなどにつきまして、議論を重ね、策定しております。 計画の実効性をより高めるためには、各活動拠点につきまして、発災後の時間計画に応じた部隊展開や、車両の配置などを具体的に想定しておくことも重要です。このため、活動拠点の一つであります久宝寺緑地におきまして、自衛隊と現地確認を行う予定としておりまして、消防、警察にも御参画いただけるよう調整を進めているところでございます。 この結果を踏まえまして、他の活動拠点についても配置の検討を行うとともに、必要に応じ、順次現地確認を実施するなど、発災時の円滑な支援部隊受入れに万全を期してまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) ぜひ緻密な計画策定も含めて、これからもどうぞよろしくお願いいたします。 次に、スーパーボランティア制度の構築について伺います。 震災時に活躍していただく災害ボランティアの皆さんは、なくてはならない存在です。今年度の防災白書では、地域の災害ボランティア人材の発掘と、災害ボランティアの信頼と認知度を高めるためのスキルアップ研修を導入することが提言されました。 私自身、ボランティアを行う際に感じることは、ボランティア活動を組織的にまとめるリーダー的な人材や、より充実した活動が行えるように、率先して役割を担う人材が不可欠であるということです。 府では、現在、大阪府社会福祉協議会内に災害ボランティアセンターを常設して、ボランティアリーダーの育成に努めていただいておりますが、さらなる推進に向けて、本年、我が会派からも要望させていただきましたが、府独自のスーパーボランティア制度を創設し、マンパワーの育成と有事の際の組織力強化に努めるべきだと考えますが、危機管理監に伺います。
○議長(森和臣) 大中危機管理監。
◎危機管理監(大中英二) 近年の熊本地震や西日本豪雨の災害復旧におきまして、災害ボランティアの活動が大きく貢献されており、ボランティアの力は災害時に欠かせないものとなっております。 このため、府では発災時を想定して、平時からボランティアやNPOなどとの連携強化を目的に、本年四月に、大阪府社会福祉協議会に府災害ボランティアセンターを常設化したところでございます。 センターにおきましては、例えば高所作業を行える専門的なボランティア人材の発掘や、議員お示しのスーパーボランティアも担っていただけるように、ボランティア経験がある方を対象にリーダーの人材育成を行っております。 今後とも、災害復旧時の被災者支援のために、一人でも多くのボランティアの方々が参画、貢献いただける体制の構築に努めてまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) どうぞよろしくお願いいたします。 次に、鉄道利用者の安全確保策について伺います。 昨年八月に、東京の小田急線の列車内で男が刃物を振り回して火をつけ、乗客が重軽傷を負うという事件がありましたが、こうした列車内での事件のほかに、ホームでの暴力行為などが相次いで発生しています。 そのような事案が発生した際、乗客側は乗務員や駅員に対し、一義的な安全確保を求めますが、乗務員や駅員は丸腰で対応しなければなりません。一方で、鉄道事業者はサービス業であるため、体を張って抑止するという行為は非常にやりづらいと。過剰サービスだ、過剰防衛だと言われることもあるそうであります。 そうした中、昨年十二月に大阪府警は、在阪鉄道事業者十五社と近畿運輸局との間で包括連携協定を締結しました。 締結された内容は、セキュリティーに関する情報共有や防犯カメラに関する情報提供、乗務員や駅員の対応能力向上のための訓練など五項目において、既に各鉄道事業者との訓練や講習会を行っていただいております。これは、全国初の取組であり、大変ありがたい試みであります。 今後も、さらに推進していただきたいと考えておりますが、一方で乗務員や駅員が丸腰で対応するには限界があって、防御盾やさすまたなどの防御備品を列車内や駅構内に備えた上で、安全確保に努めるべきだと考えます。現在、国交省では、こうした状況を踏まえ、対策の在り方の検討が始まったとお聞きしております。 数百人、数千人の地域社会がそこにあると考えれば、列車内や駅構内には常に警察官がいるわけではありませんので、一義的な安全確保に努めていただく鉄道事業者に対し、防御備品の購入補助であるとか、防犯カメラの設置などに対する何らかの公的な支援があってもいいのではないかと考えております。 府として、鉄道事業者に対する今後の支援の在り方について、田中副知事の考えを伺います。
○議長(森和臣) 田中副知事。
◎副知事(田中清剛) 鉄道利用者の安全確保につきましては、国土交通省において、昨年発生しました二件の事件を受けまして、同年十二月に、社内非常用設備や防犯カメラの設置などに関する対策が取りまとめられ、本年六月には車内非常用設備等の表示に関するガイドラインが示されたところでございます。 利用者の安全確保は、基本的には鉄道事業者が担うべきというふうに考えておりますが、府としましても、非常に重要な課題であるというふうに認識しております。このため、国の動きを注視するとともに、鉄道事業者の意見も踏まえ、国への働きかけなど、府としてどのような協力が可能かについて検討してまいります。 今後とも、市町村、警察、事業者、府民及び民間団体などが一体となって、オール大阪で安全なまちづくりに取り組んでまいります。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 今回は、ハード整備に対する質問を行いましたけれども、一方で、乗務員や駅員に対する暴言などのカスタマーハラスメントが横行しているという実態もあります。今後も、この課題については議論を深めていきたいと考えております。 次に、国際金融都市に向けた大阪の目指すべき方向性について伺います。 国内における国際金融都市は、大阪のほかに東京、福岡も目指しています。先日、最も取組が進んでいる東京都の状況を確認するために、国際金融都市の専門組織である一般社団法人フィンシティー・トーキョーを訪問しました。 この組織は、プロフェッショナル人材の集まりで、日本の大手金融機関をはじめ、名立たる多くの企業が既に会員として参画しています。そして、既に市場開拓に向けて始動しており、例えば上場間もない企業の資金調達支援のためのコーポレートガバナンスの英文による情報開示などに取り組んでいます。 また、東京都においても、グリーンローンやトランジションローンの借入れにかかる費用や、トランジションボンド発行にかかる費用の助成など、国際金融都市の実現に向けた歩みを既に始めており、大阪は少し周回遅れの印象を受けました。 一方で、世界の投資環境も変化し始めています。 今後、我が国の難局と言えば、ESG投資が世界から後れを取っていることです。このESG投資は、既に欧米を中心に広く浸透し、年々拡大傾向にあります。 アップルなどの世界のメガ企業でもあるGAFAの一部からは、基本的に地球環境の保全に努力しないようなサプライチェーンは全て切りますよという宣言が出され始めてます。GAFAのような企業のこの考え方は、ブランディングの要になります。そうすると、化石燃料を使って何かを作っている国からは、今後一切中間製品買いませんよというふうになっていく可能性すらあります。こうした世界的なトレンドに対し、我が国はかなり後れを取っている状況があります。 また、グリーン分野においても、世界の金融センターと言われるアメリカをはじめ、欧米諸国から日本は立ち後れています。 このような中で、大阪が国際金融都市を目指すに当たり、東京都と競争するのではなく、協調するべきです。実際に、東京は大阪の企業年金基金や関西の大学基金と連携を図りたいと考えてると、そんなこともお聞きしました。 現状、東京には後れは取っていますけれども、逆に大阪にはライフサイエンスなどの強みのある分野が存在しています。それらを生かして海外からの投資を呼び込んで、大阪独自の投資環境を整備することも視野に入れて、海外ベンチャーキャピタルなどの金融系外国企業の誘致を進めるべきであります。 一方で、企業誘致には、技術やデータ流出などの経済安全保障上のリスクが伴うために、この点にも十分留意して進める必要があると考えますが、併せて知事に伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 国際金融都市を目指していく上で、まず東京ですけれども、これはもう完全に国家戦略として、情報、金融、政治、経済、東京に完全に一極集中させています。市場面においても、東京が有利なことはほぼ間違いないと。 私は、東京一極集中には反対の立場です。東西二極のもう一極を目指していきたいというのが思いとしてやってますが、その状況の中で、何か東京と競争するというよりは、大阪の独自の個性や特徴というのを生かしながら、エッジの利いた独自性の高い国際金融都市を目指していくべきだと思っています。 その中で、もちろん東京と協力をしていくことは、協力をしながら進めていく。同じ土俵に立って相撲を取れる相手では、正直申し上げて、金融の面においてはないだろうと思っていますから、相撲の取り方を考えなければならないと思っています。 大阪においては、大阪・関西万博、これがあります。ここをインパクトに加速させる。まさに、ライフサイエンスの分野であったり、カーボンニュートラル、そういった大阪の強みの部分もあります。 そういったものについてプロモーションをしながら、海外から資金や企業を呼び込む、そういう取組も進めています。今年五月には、外資系の大手証券会社の投資家向けのフォーラムで、私自身が大阪の独自のこの投資魅力をPRするメッセージも発信したところです。 今後もあらゆる機会を捉えまして、国内外で大阪のプロモーション活動を展開をして、個別の企業誘致をつなげていきたいと思っています。 また、誘致に当たって、技術やデータ流出などを防ぐ観点からも、当該企業の実績を調査するなどして、大阪でしっかり事業展開をしてもらえる企業を呼び込んでいきたいと思います。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) どうぞよろしくお願いいたします。 ライフサイエンス分野では、二〇二四年春に中之島に開設予定の未来医療国際拠点に、再生医療などのスタートアップ企業が入居するインキュベーション施設も整備されます。再生医療の実用化から産業化の実現を目指す上で、今後、海外展開を視野に入れるライフサイエンス分野のスタートアップが成長するためには、多額の資金が必要になります。資金調達に向けた環境整備を積極的に進めていただきたいと思います。 アメリカのファイザー社製の新型コロナワクチンの研究開発には八百七十億円が投資されて、モデルナ社のワクチンには九百八十億円以上の投資が行われました。世界を救う製品を実用化するためには、これだけの資金が必要だということであります。 それと、最後に一点申し添えておきたいのは、特定の企業のための国際金融都市であってはならないということです。そのことを申し上げて、次の質問に入ります。 次に、eスポーツを生かしたスポーツツーリズムについて伺います。 eスポーツについては、健全育成の面から懸念点はあるものの、産業面においても、観光面においても、今後さらなる成長のポテンシャルを秘めています。 大阪にもカプコンなどのゲーム会社やソフト関連会社は多数ありますが、今後、産業として育成していくとともに、開発されたソフトには、大阪の観光スポットをレーシングコースや戦闘の場にしているものも多くありまして、それらを活用した大阪ならではのイベントも開催できるはずです。大阪の有力な観光コンテンツになり得ます。 他府県の状況を見ると、最も先進的に取り組んでいるのは福岡市です。既に、この分野のリーディングシティーと言えます。また、東京都も三年前から予算化を図り、取組を加速させています。 大阪は、大きく後れを取ってますけれども、国は二〇二五年の万博会場で、国際的なeスポーツ大会を開催する方向で検討していますので、本来であれば、今から直ちに民間企業も含めた検討会議を立ち上げるべきです。ただ、まだまだそういう状況ではないかと思いますので、eスポーツそのものが、スポーツ、観光、産業の分野にまたがることを踏まえて、まずは成長戦略に位置づけて、部局横断的な推進体制を構築すべきだと考えますが、知事に伺います。
○議長(森和臣) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) eスポーツは、その大会やイベントの人気、集客力の高さに加えまして、府内においても既に関連施設が設置されるなど、有力な観光コンテンツとしてのポテンシャルを有しているというふうに思っています。加えまして、国において、二〇二五年大阪・関西万博の会場で国際的なeスポーツ大会の開催が検討されるなど、こういった新たな動きもあります。 今年四月には、成長関連施策の推進の要となります成長戦略局を新たに設置をいたしました。今後、関係部局連携の下、スポーツ、観光、産業の面から他産業への波及効果や、大阪の成長への寄与度、行政の役割などを十分見極めて、どういった取組が可能なのか、この成長戦略局において、まずは調査検討をさせたいと思っています。
○議長(森和臣)
西野修平議員。
◆(
西野修平議員) 調査検討から、さらに加速化をさせていただきたい、そのように考えております。 次に、関空と万博会場を結ぶ海上アクセスについて伺います。 先月開催された関西三空港懇談会において、関西国際空港の成長目標として、二〇三〇年代前半を目途に年間発着回数三十万回を目指し、関空の容量拡張の実現を図ることが合意されました。 今後、関空の発着容量が増えれば、これまで以上に来訪者の増加が見込めるため、関空アクセス、発着容量といった空港そのものの機能強化だけではなく、関空と万博会場を結ぶ海上ルートなどの万博へのアクセス強化が必要だと考えます。 現在、万博への来訪者に大阪を観光してもらう取組として、万博会場からなんばや大阪城などを結ぶ、海船から川船に乗り換えることができる中之島GATEターミナルの整備が計画されています。 一方で、関空と神戸空港を三十分で結ぶ高速艇が運行されていますが、兵庫・大阪連携会議においても、海上交通と連携した周遊コースの開発が検討されておりまして、斎藤兵庫県知事も、海上交通の検討に大変興味を示されています。 そこで、関空と万博会場、さらには中之島GATEターミナルを生かしたミナミなどへの観光スポットを結ぶ海上アクセスの整備を提案いたします。関空に到着した旅行者が、大阪湾や水辺の風景を見ながら、船で万博会場や、さらにはミナミの道頓堀、大阪城などにアクセスできるようになれば、インバウンドにも人気のルートになるのではないでしょうか。ぜひとも実現に向けて取り組んでいただきたいと考えますが、政策企画部長に伺います。