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  1. 大阪府議会 2022-09-01
    10月06日-05号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-19
    令和 4年  9月 定例会本会議(1)    第五号 十月六日(木)◯議員出欠状況(出席八十三人 欠席一人 欠員四)      一番  中川誠太議員(出席)      二番  前田将臣議員(〃)      三番  牛尾治朗議員(〃)      四番  坂 こうき議員(〃)      五番  魚森ゴータロー議員(〃)      六番  角谷庄一議員(〃)      七番  三橋弘幸議員(〃)      八番  西元宗一議員(〃)      九番  松浪ケンタ議員(〃)      十番  塩川憲史議員(〃)     十一番  須田 旭議員(〃)     十二番  奥谷正実議員(〃)     十三番  西村日加留議員(〃)     十四番  山田けんた議員(〃)     十五番  野々上 愛議員(〃)     十六番  内海公仁議員(〃)     十七番  石川たえ議員(〃)     十八番  冨田忠泰議員(〃)     十九番  うらべ走馬議員(〃)     二十番  西川訓史議員(〃)    二十一番  原田 亮議員(〃)    二十二番  原田こうじ議員(〃)    二十三番  中井もとき議員(〃)    二十四番  奥田悦雄議員(〃)    二十五番  中野 剛議員(〃)    二十六番  みよしかおる議員(〃)    二十七番  中川嘉彦議員(〃)    二十八番  岡沢龍一議員(〃)    二十九番  山本真吾議員(〃)     三十番  上田健二議員(出席)    三十一番  永井公大議員(〃)    三十二番  前田洋輔議員(〃)    三十三番  中川あきひと議員(〃)    三十四番  おきた浩之議員(〃)    三十五番  紀田 馨議員(〃)    三十六番  いらはら 勉議員(〃)    三十七番   欠員    三十八番   欠員    三十九番  河崎大樹議員(〃)     四十番  泰江まさき議員(〃)    四十一番  西林克敏議員(〃)    四十二番  松浪武久議員(〃)    四十三番  広野瑞穂議員(〃)    四十四番  植田正裕議員(〃)    四十五番  笹川 理議員(〃)    四十六番  横山英幸議員(〃)    四十七番  杉江友介議員(〃)    四十八番  徳村さとる議員(〃)    四十九番  金城克典議員(〃)     五十番  橋本和昌議員(〃)    五十一番  藤村昌隆議員(〃)    五十二番  中村広美議員(〃)    五十三番  山下浩昭議員(〃)    五十四番  大橋章夫議員(〃)    五十五番  肥後洋一朗議員(〃)    五十六番  内海久子議員(〃)    五十七番  加治木一彦議員(〃)    五十八番  八重樫善幸議員(〃)    五十九番  杉本太平議員(〃)     六十番  徳永愼市議員(〃)    六十一番  しかた松男議員(〃)    六十二番   欠員    六十三番  西 惠司議員(出席)    六十四番  西野修平議員(〃)    六十五番  川岡栄一議員(〃)    六十六番  大山明彦議員(欠席)    六十七番  垣見大志朗議員(出席)    六十八番  林 啓二議員(〃)    六十九番  和田賢治議員(〃)     七十番  富田武彦議員(〃)    七十一番  中野稔子議員(〃)    七十二番  坂上敏也議員(〃)    七十三番  中谷恭典議員(〃)    七十四番  久谷眞敬議員(〃)    七十五番  鈴木 憲議員(〃)    七十六番  西田 薫議員(〃)    七十七番  森 和臣議員(〃)    七十八番   欠員    七十九番  松本利明議員(〃)     八十番  西野弘一議員(〃)    八十一番  土井達也議員(〃)    八十二番  三田勝久議員(〃)    八十三番  大橋一功議員(〃)    八十四番  岩木 均議員(〃)    八十五番  横倉廉幸議員(〃)    八十六番  三浦寿子議員(〃)    八十七番  三宅史明議員(〃)    八十八番  奴井和幸議員(〃)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         松井芳和     次長         大河内隆生     議事課長       杉山智博     参事         佐藤 実     総括補佐       高山泰司     主査(議事総括)   太上利宏    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第五号 令和四年十月六日(木曜日)午後一時開議 第一 議案第一号から第二十二号まで、第二十四号から第三十一号まで、第三十三号及び報告第一号から第十七号まで(「令和四年度大阪府一般会計補正予算(第六号)の件」ほか四十七件)    (質疑・質問)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件    ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○副議長(三宅史明) これより本日の会議を開きます。    -------◇------- ○副議長(三宅史明) 日程第一、議案第一号から第二十二号まで、第二十四号から第三十一号まで、第三十三号及び報告第一号から第十七号まで、令和四年度大阪府一般会計補正予算(第六号)の件外四十七件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 なお、議場内はパーティションを設置しており、また機械換気により空気を常時入れ替えておりますので、演壇での発言につきましては、発言を分かりやすくするためマスクを外して行っていただきますようお願いいたします。 通告により三橋弘幸議員を指名いたします。三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) 大阪維新の会大阪府議会議員団の三橋弘幸です。 一般質問全体でのトップバッターで質疑をさせていただく機会をいただきましたので、通告に従い、しっかりと質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、子どもの英語力についてお伺いいたします。 現代社会において、英語によるコミュニケーション能力は、一部の業種や職種だけでなく、生涯にわたる様々な場面で必要とされることから、高校教育における英語力向上の取組は、今後一層重要です。 府教育委員会において、この間、全府立高校の教員を対象とした悉皆研修や、高校生を対象とした海外研修などを実施することにより、国の調査で、英検準二級相当の英語力を有する高校三年生の割合が全国平均を四ポイント上回るなど、高い成果を上げていると聞いています。 また、今後一層進展するグローバル社会においては、多様な文化や価値観を持つ人々を理解し、共生していこうとする姿勢を育成することも重要であり、それに向けては学校教育において、英語圏だけでなく、その他の国や地域の同年代の生徒たちと交流する機会を持つことが効果的であると考えています。 様々な国や地域の人たちと接する際には、英語をそのコミュニケーションツールとして活用することになるため、生徒の英語運用能力のさらなる向上にもつながるのではないでしょうか。 そこで、教育長にお伺いいたします。府立高校においては、様々な国や地域の人たちとの交流について、どのような取組を実施しているのでしょうか、お伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 議員お示しのとおり、様々な国や地域の人たちと協働し、よりよい社会をつくっていくためには、その担い手となります高校生が、多様な文化や価値観を持つ人々と交流する機会を持つことが重要でございます。 そのため、府教育庁では、令和二年度より、オンラインによる他国の高校生等の交流を実施をしており、令和二年度は中国、令和三年度はインドネシア、インドの高校生とグローバルリーダーズハイスクール十校の生徒が、環境問題や学校教育の在り方をテーマに、少人数のグループに分かれて英語によるディスカッションを行ったところでございます。この取組につきましては、今年度より全府立高校から参加希望者を募る予定といたしております。 今後も、府立高校における取組を支援するため、府の国際課とも連携し、海外の交流先を増やしてまいります。 ○副議長(三宅史明) 三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) 私は、今から二十年前、当時の仕事の関係で、よくイラン・イスラム共和国に行くことがありました。 イランの方々は、親日家が多く、また子どもたちもすごく好奇心旺盛で、イランの子どもたちからすると、外国人の大人の私に何とかコミュニケーションを図ろうと、よく話しかけてくれました。中には、小学生ぐらいの子どもも語りかけてくるのですが、そのほとんどが英語であったことに衝撃を受けたことを覚えています。 日本の子どもが、英語が母国語でない国の子どもたちと英語でコミュニケーションを取る、このことは、英語をしゃべる能力だけでなく、異なる文化や価値観に直接触れる機会となるため、教育的効果はとても高いと考えています。 現在、府でもグローバルリーダーズハイスクールで取り組んでいるとのことは、非常によい取組だと思います。現在は、限られた生徒が限られた場所で行っているとのことですが、今後はICTを積極的に活用し、多くの生徒が参加できるような仕組みを、そしてできれば中学校、小学校でもそのような取組を進め、さらなるグローバル人材の育成に力を入れていただきたいと思います。 次に、高等学校入学者選抜における調査書について伺います。 昨年度実施された令和四年度入試において、堺市立の中学校が作成した調査書の評定に記載誤りがあり、二名の生徒が本来、合格であったにもかかわらず、誤って不合格になったことが本年四月に判明し、報道もされました。その後の調査などにより、堺市の中学校において、評定だけでなく所属している部活動や委員会名なども含め、結果として百三十名を超える生徒の調査書の記載内容に誤りがあることが明らかとなりました。 直近でも、平成三十年度に府内の公立中学校において、合否過誤につながる調査書の記載誤りがあったと記憶しています。言うまでもなく、入試は生徒の人生に大きな影響を与えるものであり、このような誤りはあってはならないことです。 これまで、府教育庁として市町村教育委員会に対し、どのような指導を行ってきたのか、また今回の事案を踏まえ、新たにどのような指導を行ったのか、教育長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 調査書につきましては、平成三十年度の事案を受け、市町村教育委員会に対して、全中学校でマニュアルを作成すること、加えて、毎年その内容を点検、改善していくことを指導いたしますとともに、毎年度、チェック体制等の好事例を掲載した冊子を配付をいたしております。 市町村教育委員会におきましては、各中学校の進路指導担当者を集め、失敗事例を共有し、それを踏まえて各校のマニュアルの再点検を行っているところでございます。 今回の事案を踏まえまして、府教育庁として、改めて注意すべきポイントを示したチェックリストを作成し、市町村教育委員会に配付をいたしました。 各中学校におきましては、本リストを活用して、改めてマニュアルの確認、見直しを行い、調査書の作成が適切に行われるよう取り組んでおります。 ○副議長(三宅史明) 三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) これまでの府教育庁の働きかけ、市町村教育委員会の方策については分かりました。しかし、調査書については、入試終了後に情報開示をするまで、生徒、保護者は、その内容を把握できないという点で不透明だという意見があります。 一例でありますが、東京都では、作成した調査書を高校に提出する前に中学生の保護者に開示するよう指示していると聞いています。東京都のように、中学校が作成した調査書をあらかじめ中学生や、その保護者に対して提示することは、調査書への記載内容の不透明さを解消し、調査書の記載誤りを防ぐためにも効果的な方策であると考えます。 このような事例を市町村に紹介することは、調査書の記載誤りを防ぐために有効だと考えますが、府教育庁はどのように考えているのか、お伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 中学校三年間の生徒の努力や、取り組んできた成果である調査書の内容を生徒、保護者と共有することは、生徒の今後の学びに生かされますとともに、調査書の記載誤りを防ぐ上で、効果的な方策の一つであると考えております。 お示しのような事例を市町村教育委員会に情報提供するなど、引き続き各中学校においてミスのない円滑な進路指導事務が行われますように、適切に指導してまいります。 ○副議長(三宅史明) 三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) 今回の堺市の事案は、調査書の必要性自体を考えなければならない問題だと思っています。 調査書自体、不透明なことが多く、教師が生徒一人一人の学校での生活面や態度面を一律に評価できるのかという点や、生徒によって家庭環境も違い、それらも反映されているかなど疑問に思うことも多くあります。 また、生徒が内申点獲得のために努力することは外発的動機のため、主体的に学ぶ子どもを育むという本来の教育目的とも、ずれがあるのではないかと思っています。私個人的には、調査書は要らないのではないかと思っています。しかし、学校教育法施行規則で定められたものなので、廃止は難しいと聞いています。 そんな中、先日、堺市教育委員会は、記載ミスの原因や再発防止策をまとめた報告書を公表し、出願前に調査書を生徒や保護者に開示するとの報道がありました。不透明や記載ミスを解消するために一歩進んだ取組だと考えています。 ぜひとも、府内全ての生徒の調査書が出願前に開示できるように、府としての取組をよろしくお願いいたします。 次に、文化庁令和三年度補正予算、地域の伝統行事等の伝承事業の府の利用状況と無形文化財の登録制度についてお伺いいたします。 だんじりや、ふとん太鼓、やぐらなどの地域の伝統的な祭りや行事は、新型コロナウイルスの影響により、中止されることが多かったのですが、今年は三年ぶりに開催されるところも多くあります。 これらの祭りや行事は、経済的な効果も大きく、地域活性化の面でも大変重要と改めて認識した一方で、コロナ禍や少子高齢化などにより、担い手の確保や経費での課題が大きく、何とかぎりぎりの状況で継続しているという現状があります。 昨年度、国では、地域文化財総合活用推進事業という補助金が補正予算として組まれ、伝統的な祭りに用いる用具の修理や後継者の養成などに関して、これまでの補助金が拡充されました。大阪府内における採択件数や採択額の合計は全国的に最も多く、注目度の高い補助金でありました。このような補助制度の充実に加え、国では昨年六月に、文化財保護法が改正され、伝統的な祭りなどの無形民俗文化財や、伝統工芸などの無形文化財を国の登録文化財にできるようになりました。 また、地方公共団体が、条例により登録文化財にできる法的な根拠も整備され、地方公共団体が登録文化財としたものについては、国の登録文化財にするよう提案できる制度が新設されたところです。 国の登録文化財になれば、講習会などの伝承事業や映像記録作成などの活用事業に対する補助金を活用することも期待できます。地域の伝統的な祭りを継承していくために、このような補助金は重要であるため、継続的に補助してもらえるよう、府から国に要望していただくとともに、無形民俗文化財や無形文化財を広く保護していくために、府としても今回の法改正を踏まえ、これらの登録制度の整備が必要と考えますが、教育長の所見をお伺いしたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 議員お示しのとおり、令和四年四月一日施行の改正文化財保護法によりまして、無形文化財及び無形民俗文化財を対象とします国の登録制度が新設をされました。あわせて、地方公共団体は、条例の定めにより、保存と活用のための措置が特に必要な文化財を登録でき、また国の文化財として登録するよう提案できる制度も新設をされたところでございます。 府としましては、これらの法改正を踏まえ、有形文化財等を対象とするこれまでの府の登録制度を無形文化財、無形民俗文化財にも拡充できるように、専門家の意見も聞きながら検討を始めたいと考えております。 また、地域文化財総合活用推進事業につきましては、引き続き必要な予算額が確保されるよう、あらゆる機会を捉えて国に要望してまいります。 ○副議長(三宅史明) 三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) ありがとうございます。 祭りは、まちを華やかに彩り、活気づけ、人々の絆を深め、地域をつなぐ力があります。子どもたちは、祭りで地域の交流を通して人々と関わり、礼儀や感謝、道徳などを学ぶ貴重な体験をし、地元で大きくなり、また次世代への継承を行っていきます。 しかし、現在では、保存や管理を行うための資金不足は大変深刻で、数百年続いてきた祭りを継承し、継続していくのが非常に難しい状況であります。中には、休止に至ってるケースもあると聞いています。少しでも資金不足が解消され、地域を活気づける祭りを次世代につなげていくためにも、府としての取組をよろしくお願いいたします。 次に、石津川における大雨時の対応についてお伺いいたします。 パネルを御覧ください。 先月の九月二日、泉州や東部大阪で大雨が発生した際、私の地元である堺市では石津川の水位が急激に上昇し、万崎橋で観測された水位が氾濫危険水位を超えたため、堺市から避難指示が発令され、一部の住民は避難をされました。 幸いにも、今回の降雨のピークは、おおむね一時間ほどであり、石津川の水位はすぐに低下したとのことでありますが、さらに雨が続いていれば、河川から水があふれ、大規模な浸水被害が発生していたかもしれず、このような事態への備えとして、速やかな住民の避難行動につながる適切な河川の水位情報の提供が重要と考えます。 そこで、今回の大雨時における石津川の水位上昇に伴う大阪府の対応と、より速やかな情報提供に向けた今後の取組について、都市整備部長にお伺いいたします。
    ○副議長(三宅史明) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 大阪府では、これまでから水防法に基づく水位の周知が必要な河川を対象に、氾濫危険水位等への到達情報を流域の市町村等に提供しており、石津川につきましても、九月二日に堺市に適切に水位情報を提供し、市の避難指示発令につながったものと考えております。 お示しの、より速やかな情報提供につきましては、現在、水位情報を提供する間隔を十分から一分に短縮する水防災情報システムの整備に取り組んでおり、令和五年四月から運用を開始する予定でございます。 今後とも、適切な河川水位等の情報提供に努め、迅速な住民の避難行動につながるよう取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) 今回の大雨での府からの水位情報に基づく堺市の避難指示の発令により、人的被害はありませんでしたが、堺市中区毛穴町では、石津川に接続する水路から水があふれ、隣接する工場の敷地などが浸水する被害が発生しました。 浸水被害の原因については、現在、堺市において調査しており、特定に至っていないと聞いていますが、先日行われた地元での意見交換では、短時間での集中的な降雨により、水路の排水能力を上回ったこと、石津川の急激な水位上昇により、水路から石津川へ排水できなかったこと、石津川と水路との接続部に設置されている川からの逆流を防止するための上下開閉式ゲートが閉じなかったことなどが考えられるのではないかといった意見が出ていました。 今後、浸水被害の原因は明らかになると思いますが、住民が安全安心に暮らしていただけるよう、このような被害を少しでも軽減していくことが重要であり、そのためにも府と堺市が協力して取り組む必要があると考えます。 そこで、今回の浸水被害の発生を踏まえた今後の大阪府の取組について、都市整備部長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 大阪府では、現在、流域のあらゆる関係者が一体となって治水対策を行う流域治水の取組を進めているところでございます。 お示しの石津川の流域につきましても、府が実施する河川整備や堺市による住民の避難行動支援など、大阪府、堺市をはじめ様々な関係者が連携して取り組む流域治水プロジェクトを令和四年三月に策定し、取組を進めています。 今回の石津川で発生した浸水被害の原因も見極めつつ、堺市などとも連携し、引き続き浸水被害の軽減に向け、取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) 九月二日のような大雨は、今後、府内のどこにでも降る可能性があります。 今回、石津川においてゲートが閉まらなかったということですが、府内のほかの河川においても同様のことが起こらないよう、各流域の市町村と情報共有を図り、府と市町村が連携して府民の安全安心の確保にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、管理者が明らかでない橋梁についてお伺いいたします。 先ほど質問した豪雨で、浸水被害があった毛穴町近くにある二級河川石津川に架かる鶴田橋は、管理者が明らかでない橋梁として新聞やテレビで繰り返し取り上げられたこともあり、近隣住民から今後の利用についての不安の声が寄せられています。 管理者が明らかでない橋梁は、設置の経過などにより、河川改修時に府が設置したものの、市町村などへの引継ぎができていない鶴田橋のように未引継ぎ橋と、届出などがなく管理する者が明らかでない管理者不明橋に分けられ、府が調査を実施した平成三十一年三月末時点で、未引継ぎ橋は百二十一の橋、管理者不明橋は三百三の橋があり、合わせて四百二十四の橋とのことでありました。 その後、市町村などへの引継ぎや安全の確保が困難な橋梁の閉鎖などの取組を進め、解決しているものもあると聞いていますが、利用されている方々のためにも、早く取組を進めてほしいと考えています。 そこで、管理者が明らかでない橋梁の現状と、今回、報道に取り上げられるきっかけとなった鶴田橋についての協議状況を都市整備部長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 管理者が明らかでない橋梁については、これまで管理者の特定や引継ぎをはじめ、安全の確保が困難な橋梁の閉鎖などの作業を進め、令和四年八月末時点で、未引継ぎ橋が六十橋、管理者不明橋が百四十八橋の計二百八橋となっております。 議員お示しの鶴田橋につきましては、令和元年度より堺市と協議を開始し、利用者の安全対策や現市道との接続等、引継ぎに係る課題が示され、令和二年十二月には、利用者の安全確保に向けた橋脚部の腐食対策を完了したところでございます。 残る現市道とのすりつけや転落防止柵の補修等の課題につきましても、具体的な対応策の協議を進めており、引き続き早期の解決に向け、取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) 先ほど、大雨による浸水被害で水路の質問をしましたが、恐らく橋梁だけでなく、府が管理する河川につながる水路に設置されているゲートでも、管理者が不明なものもあるのではないかと思っています。まずは、そういった箇所がないか、地元市町村と共にしっかりと調査点検をし、管理者をしっかりと明確にして災害に備えていただきたいと思います。 最後に、浜寺公園開園百五十周年イベントについてお伺いいたします。 浜寺公園は、日本最古の都市公園の一つで、令和五年に開設百五十周年を迎えることとなります。その浜寺公園においては、令和五年四月より、民間活力を導入した公園全体の管理運営を行うPMO型指定管理が始まります。 具体的には、カフェやドッグランの設置など、新たな魅力向上の取組が提案されたと聞いており、浜寺公園のさらなる活性化や地域の魅力向上につながるものと期待しております。 これまでも、浜寺公園は多くの府民に親しまれてきましたが、百五十周年を契機として、より一層、公園の魅力を広くPRするため、昨年九月議会において、開園百五十周年を記念する取組の検討について質問をし、都市整備部長からは、実施に向け検討を進めるという御答弁をいただいたところです。 私としては、この機会を捉え、浜寺公園の歴史の紹介や、地域と連携したイベントの開催など、特別な記念事業を実施してもらいたいと考えています。 そこで、改めてとなりますが、浜寺公園における百五十周年記念事業に対する府の認識を再確認したいと思います。あわせて、現在の検討状況と今後の進め方について、都市整備部長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) お示しの浜寺公園における百五十周年記念事業は、ふだん使っていただいている住民だけではなく、より多くの府民に浜寺公園の魅力を知っていただくよい機会になると認識しております。 記念事業につきましては、今年八月に、国が都市公園制度百五十周年を記念する事業を推進するために設置した委員会に、本府も参画し議論を始めております。あわせて、地元の堺市や高石市とも連携し、本公園での記念事業の準備に着手したところでございます。 引き続き、本委員会を通じまして、国やほかの自治体等と連携するとともに、記念事業につきましては、地元市に加え、地域の関係者や電鉄会社などにも参画を呼びかけ、百五十周年記念にふさわしい事業となるよう取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 三橋弘幸議員。 ◆(三橋弘幸議員) 浜寺公園は、来年度、PMO型指定管理制度が実施され、地元の皆様は新たな公園として、多くの人に愛されるまちのシンボルとしての役割に大きな期待を寄せています。 同時に、絶妙なタイミングで百五十周年を迎えることになりますので、その記念にふさわしい事業になるよう、よろしくお願いいたします。 また、お隣の大阪市住之江区にある住吉公園も同時に開園百五十周年を迎えます。浜寺公園と住吉公園は、阪堺電車でつながっていることもあるので、広域的なイベントの盛り上がりを期待しております。 二〇二五年には、大阪・関西万博が開催されます。その前祝いとして、また万博の機運醸成をこのようなイベントで行うなど、多くの自治体や関係団体、また地元の方々が関わり、多くの人々の記憶に残るイベントになるよう、ぜひともよろしくお願い申し上げます。 以上、るる申し上げましたが、これで私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(三宅史明) 次に、山下浩昭議員を指名いたします。山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 公明党大阪府議会議員団の山下浩昭でございます。 初めに、新型コロナウイルス感染症に対応していただいてる全ての皆様に、改めて敬意と感謝を申し上げます。 それでは、一般質問の機会をいただきましたので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。 初めに、大阪府におけるサイバーセキュリティー対策についてお伺いをいたします。 日本企業が、サイバー攻撃の標的となり、深刻な被害を受けるケースが相次いでおります。ロシアによるウクライナ侵攻以降、世界中でサイバー攻撃の脅威が高まる中、サイバー空間では日本も戦争状態になりつつあると指摘する専門家もいます。攻撃元は不明ですが、実際に日本企業が攻撃の標的となり、深刻な被害を受けるケースが最近、相次いでおります。 中でも、二〇二二年三月、トヨタ自動車の取引先部品メーカーへのサイバー攻撃があり、この部品メーカーが利用していたリモート接続機器の脆弱性を突かれてシステム障害が起き、トヨタは国内の全ての工場の稼働を停止する事態に陥りました。 ビジネスのデジタル化やIoTの進展により、企業同士のコンピューターはネットワークで結ばれております。大企業に比べるとコストや人員が十分ではない中小企業が狙われ、そこをきっかけにして取引先の大企業などが標的にされるおそれがあり、中小企業も危機感を持ち、対策を強化することは必要であります。 しかし、多くの中小企業は、必要性を理解できても、導入への具体的なアクションが分からず、また費用負担を前に立ち止まってしまっております。そのため、サイバーセキュリティー対策に係る啓発事業や費用面での緊急支援についての必要性を感じているところであります。 中小企業のサイバーセキュリティー対策については、パネルでお示しの経済産業省の取組事業により開発されたサイバーセキュリティお助け隊サービスがあります。これは、中小企業特化型として安価、簡便で、見守り、お知らせ、相談、駆けつけ、保険などをセットで提供するものであります。 そこで、大阪府としてもサイバーセキュリティー対策のため、セミナーによる啓発を行うほか、同サービスを府内中小企業に広く周知することや、導入費用の支援などにより、中小企業のセキュリティー対策導入機運を高めるべきと考えますが、府としてどのように取り組むのか、商工労働部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 小林商工労働部長。 ◎商工労働部長(小林宏行) サイバー攻撃は、自社だけでなく、関連するサプライチェーン全体にも影響が及ぶこともあり、その対策は重要です。 国においては、八月からIT導入補助金にセキュリティー対策推進枠を創設し、お示しにありましたサイバーセキュリティお助け隊サービスの利用補助制度を開始いたしました。 このサービスには、中小企業に必要なセキュリティー対策がパッケージ化されていることから、府としてもこの活用を推奨しており、導入に当たっての事業者の疑問や不安については、大阪商工会議所において相談対応を行っております。 こうした支援に加え、府の小規模事業経営支援事業補助金によるBCPセミナー等での対策に向けた啓発活動、損保会社や金融機関をはじめとする民間との連携強化などを通じ、中小企業にセキュリティー対策が浸透するよう、府としても働きかけてまいります。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 大阪では、二〇二三年にG7貿易大臣会合が開催されることが決定をいたしました。万全を期し、無事故で成功裏に終えなければなりません。そのことが、ひいては二〇二五年大阪・関西万博開催の成功、そして安全で安心な大阪への信頼につながるものと考えております。 そのような中、九月上旬、ロシア政府を支持するハッカー集団キルネットが、大阪メトロを含む重要インフラ等へのサイバー攻撃を示唆するなど、日本に対するサイバー攻撃が懸念されているところであります。 そこで、府民の生活を守る意味からも、鉄道をはじめ通信や電力などの重要インフラ等に対するサイバー攻撃元の探知や、攻撃への防御等、総合的なサイバー攻撃対策をさらに積極的に進めるべきと考えますが、警察本部長の考えをお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 野村警察本部長。 ◎警察本部長(野村護) 府警察では、サイバー攻撃への対処を専門的に行うサイバー攻撃対策隊により、サイバーテロ、サイバーインテリジェンスといったサイバー攻撃に係る情報収集や捜査を推進する中で、攻撃元の探知、犯行主体やその手口、目的を特定する活動に取り組んでいるところであります。 また、サイバー攻撃による被害防止対策の充実強化を目指し、府警察と府内の重要インフラ事業者等で構成する大阪府サイバー攻撃対策協議会の枠組みを通じ、サイバー攻撃の脅威や情報セキュリティーに関する情報共有や注意喚起、各事業者等におけるサイバーセキュリティーの現状把握や不審メール情報の分析、共同対処訓練の実施などの対策を推進しております。 二〇二三年にG7貿易大臣会合が開催されることが決定し、その後に大阪・関西万博の開催を控えていることから、さらなる人的基盤の強化に努め、サイバー攻撃対処能力の向上を図るほか、引き続き関係機関、事業者等と連携した取組を強力に推進してまいります。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 東京オリンピック・パラリンピックの際には、パネルでお示しのように、内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンター、通称NISCがサイバーセキュリティー対策全般をマネジメントし、具体的なサイバー事象への対応として、総務省と国立研究開発法人情報通信研究機構、通称NICTが連携をし、二〇一八年から三年間、組織委員会のセキュリティー担当者等に対して、実践的サイバー演習--サイバーコロッセオとして、大会開催時に想定されるサイバー攻撃を再現し、防御手法の検討や訓練を実施したとのことであります。 その結果、実際のオリンピック・パラリンピック期間中には、聖火リレーや開会式の動画配信を装った偽サイトの出現やSNS上における大会関係機関を標的としたサイバー攻撃の呼びかけ等は確認されたものの、大会の運営そのものに影響を及ぼすような事象には発展せず、サイバー攻撃による重大な事象は発生しなかったとNISCが公表しております。 二〇二五年に開催する大阪・関西万博は、オリンピック・パラリンピックと比べ、開催期間が百八十四日と非常に長いですが、国家プロジェクトとして、国において対策に万全を期していただき、開催期間中、何事も起こらないことが一番であります。 しかしながら、オリンピック・パラリンピックとは異なり、バーチャル万博として世界中からネットワークを通じて万博にアクセスできることが前提になっていることからも、現実的にはサイバー事象を完全に防ぎ切ることは困難ではないかとも考えております。 そこで、万博版サイバーコロッセオのような、本番を想定した実践訓練を実施するなど、仮に何かサイバー事象が起こっても大きな支障や影響のない段階で対処するオペレーションや体制が必要だと考えますが、大阪・関西万博開催期間中の会場内におけるサイバーセキュリティー対策に関する現在の国の検討状況、また府の取組について、万博推進局長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 彌園万博推進局長。 ◎万博推進局長(彌園友則) 大阪・関西万博におけるサイバーセキュリティー対策に関する国の検討状況につきましては、内閣官房のNISCからは、国や博覧会協会、地元自治体等で構成されるサイバーセキュリティー体制を今年度中に構築すべく準備を進めているほか、万博で想定されるサイバー事象につきまして、リスク分析や対処方針の整備を着実に進めていくと聞いております。 また、総務省からは、NICTと連携し、お示しのサイバーコロッセオの万博版といたしまして、博覧会協会等の情報システム担当者を対象に、起こり得るサイバー攻撃を想定し、防御手法等を実践する演習を令和五年度から実施する予定と伺っております。 さらに、大阪府市といたしましても、博覧会協会等と共に本年五月、サイバーセキュリティーの確保に向けたリスクマネジメントの促進や、危機事象が発生した場合の対処体制の整備、専門人材の育成確保などにつきまして、国に要望したところでございます。 引き続き、国や関係団体の動向を注視しながら、必要な対策等について国に働きかけるなど、しっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 府では、スマートシティーの取組として、住民サービスの高度化の実現に向けた、公民の多様なデータの流通、連携を促進する大阪広域データ連携基盤--ORDENの整備や、ヘルスケアやモビリティーの先端的サービスの提供などを推進しております。 また、令和四年四月には、大阪DXイニシアティブを立ち上げ、住民に対するデジタルサービス、府庁のDXや市町村へのDX支援などを検討しております。 一方、近年のデジタル化の進展に伴い、サイバー空間の公共空間化がさらに加速する中、さきの質問で言及しているように、サイバー空間における脅威は極めて深刻な情勢が続いております。 府内の医療現場におきましても、地域医療連携システムなどITの利活用が進められており、ランサムウエア感染により診療機能が停止する事例も聞き及んでおり、サイバー攻撃は医療サービスにも影響を及ぼし、命を危険にさらす可能性もあります。 大阪府公立病院協議会からも、対策についての要望が府にあったと聞いております。 このような状況において、先ほど申し上げた住民向けのデジタルサービスの高度化をはじめ、DXを着実に推進していくためには、府民に安心して利用してもらえるよう、個人情報など情報資産の安全を確保するためのサイバーセキュリティー対策は極めて重要であります。 今後、大阪では、スーパーシティーの推進や、G7、万博など、国際的な大規模イベントの開催が控える中、ますます多様化、複雑化していくと思われるサイバー攻撃から、府域のあらゆる情報資産を守るためには、中長期的な視点を持って、府はもとより府内市町村、府警察本部などと連携し、サイバーセキュリティー対策に取り組む必要があると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 社会のデジタル化の進展に伴い、情報セキュリティー対策の重要性は増しています。 府では、昨年度、インシデント発生時に迅速に対応する全庁体制--CSIRTを整備するとともに、今年度は端末機の不審な動作を検知し封じ込める仕組み--EDRを新たに導入するなど、継続的に取組を進めています。 また、府内市町村に対しては、民間アドバイザーを活用した支援や、府警察本部と合同でサイバーセキュリティー研修などを実施しているところです。 万博、さらにその先も見据えて、府民が安心してデジタルサービスを利用できる環境を整えていくことが重要だと思います。 このため、国と緊密に情報共有等を図りながら、府警察本部やセキュリティー関連機関、市長村等々、広く連携協力し、効果的なセキュリティー対策に取り組んでいきます。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) さきの質問で、万博推進局長より答弁のありました今年度中に構築される予定の国や博覧会協会、地元自治会等で構成されるサイバーセキュリティー体制に、府が積極的に人材を参画させることで、専門人材を育成するなど、今後の大阪府のサイバーセキュリティー対策にしっかりと取り組んでいただきますよう、知事、よろしくお願いをいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてお伺いをいたします。 令和三年五月の一般質問におきまして、新型コロナウイルス感染症後遺症への対応について、大阪府においても新型コロナウイルス感染症後遺症相談窓口の設置や、後遺症に関する相談先の周知など、後遺症で苦しむ方に対する対策を速やかに行っていくことが重要と考えるが、いかがでしょうかとの問いに対しまして、健康医療部長より、今後、後遺症に関する研究成果等を医療機関向けに広く周知するとともに、後遺症に対する各医療機関の診療等の実態について状況把握を行うなど、相談への対応について検討してまいるとの答弁をいただきました。 その結果、令和三年七月より、大阪府新型コロナ受診相談センターにおきまして、二十四時間体制による電話での受付、アドバイスが実施されました。窓口を設置いただきましたことにつきまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。 このセンター設置により、令和三年七月八日から令和四年七月三十一日までの後遺症相談件数は、政令市も含めて九千四百四十七件に上り、後遺症に悩まれている方が多数おられることが、このことからも分かります。しかし、いまだ後遺症に関しての実態解明は進んでおらず、治療法も確立されずに対症療法が行われている状況であります。そのような中で、第七波の大規模感染により、後遺症に悩まれる府民の方がさらに増加すると思われます。 そこで、新型コロナウイルス感染症の後遺症の実態解明に向けた研究調査を進めつつ、府民が後遺症に関する相談や受診がしやすい環境を一層整備すべきと思いますが、健康医療部長の所見をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 藤井健康医療部長。 ◎健康医療部長(藤井睦子) 新型コロナに関する後遺症の実態については、国により研究結果や診療の手引が公表されるとともに、府としても、昨年度、四十一医療機関から、症状や治療などに関する実態把握を行ったところです。しかし、依然、後遺症の病態などについては不明な点が多いことから、国に対し、より多くの症例を分析し、実態解明を進めるよう要望していきます。 府としては引き続き、医療機関に対して診療の手引など後遺症患者の診療に関する情報を提供するとともに、幅広い媒体を活用して府民に後遺症に関する相談窓口の周知などを行い、かかりつけ医など身近な医療機関で相談や受診ができる体制の整備に努めていきます。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 現在、診療の手引に挙げられている後遺症の症状の多くは、パネルでお示しのとおり、倦怠感、嗅覚障がい、味覚障がいであり、外見上は後遺症とは認識し難いものであります。その他、頭の中に霧がかかったようにぼんやりして集中力が低下するブレインフォグの症状を訴える人や認知機能が低下する例も報告されており、その結果、周囲からは、怠けているのではないかと疑われるようなケースもあると聞いております。こうしたことからも、後遺症に関しては、当事者だけではなく、周囲の方の理解促進に向けた取組が不可欠であります。 府では、後遺症に対する啓発に取り組んでいただいているところでありますが、府民の理解促進に向けた取組について、健康医療部長にお伺いをいたします。 また、後遺症に悩まれている方の中には、仕事を休んだり退職する方もおり、労働や生活困窮等の問題を抱える場合があることから、後遺症についての啓発に合わせて適切な相談対応につなげていくための啓発も必要ではないかと考えますが、健康医療部長に併せてお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 藤井健康医療部長。 ◎健康医療部長(藤井睦子) 後遺症の治療は、対症療法が中心となることや、外見上、分かりにくい症状が長期にわたる場合があることなどから、御家族や職場など、患者を取り巻く周囲の理解も重要と認識しています。 そのため、ユーチューブやSNSなどでの情報発信のほか、今年度新たに後遺症の症状や相談窓口などを記載したリーフレットやポスターを医療機関や大学、宿泊療養施設などに配布し、若年層も含めた幅広い世代に対して一層の周知を図っているところです。 今後も、後遺症に悩まれる患者や、その周囲の方を含めた府民の理解促進に向けた啓発に取り組んでいきます。あわせて、こころの相談や労働相談などの窓口を一覧化し、後遺症に関するホームページに掲載するなど、後遺症に悩む府民の方々が適切な相談先につながるよう取り組んでいきます。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) ぜひ、よろしくお願いいたします。 次に、ヤングケアラー支援についてお伺いをいたします。 令和三年五月議会の私の一般質問において、ヤングケアラーの状況について早急な実態把握をすべきとの問いに対しまして、教育長から、府立高校における実態調査を行うとの答弁をいただきました。その後、府教育庁は、令和三年の九月から十月にかけて、府立高校生約十万人を対象とした実態調査を行い、その調査の結果、パネルでお示しのように、回答者約二万人のうち、世話をしている家族がいると回答した生徒は六・五%、千三百十二人いることが分かりました。一方、未回答の生徒が約八万人存在することから、各府立高校には、さらに多くの家族の世話をしている生徒がいると考えられます。 当時、調査対象にはなっていなかった新入生が入学していることも踏まえ、改めて生徒の状況を把握する必要もあると考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 毎年、新入生が入学し、また在校生の家庭状況にも変化が生じます可能性があることから、継続的にヤングケアラーの実態を把握する必要があると考えておりまして、今年度も全ての府立高校の生徒を対象として、アンケート調査を九月末までに行ったところでございます。 今年度の調査につきましては、より多くの生徒が答えやすいように、質問項目等を改善をするとともに、一人一台端末を活用いたしました。 調査結果につきましては、十月末をめどに取りまとめる予定といたしております。調査結果につきましては、関係部局とも共有し、ヤングケアラーの相談ニーズ等を的確に把握した上で、スクールソーシャルワーカー等の外部の専門家とも連携するなど、必要な支援へとつなげてまいります。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 府立高校での取組が進んでいるところではありますが、ヤングケアラーは本人に自覚がないことや、知られたくないという思いもある中、周囲が気づいて見守りやサポートすることが重要と考えます。まずは、ヤングケアラーについて、その状態像などを学校関係者や福祉関係者をはじめ、広く府民に認識してもらえるよう認知度向上を図るべきであります。 過日、会派の代表で北海道に赴いた際、ヤングケアラーに長く関わる支援者の方との意見交換の際に、二つのポイントについて取り組んでいく必要性を強く感じました。 一つは、福祉的ケアを必要としている家族を支えるケアマネジャー等の福祉専門職の方が、そのサービスを利用する当事者だけを見るのではなく、家族の中にいるかもしれないヤングケアラーに気づき、意識して介護サービスを組み立て、支援していくことが重要であるという点であります。府においても、これら専門職への研修や調査を行い、啓発や支援力の向上につなげていくことが必要と考えます。 もう一つが、ヤングケアラーが抱える課題は一朝一夕に解決が難しく、粘り強く長い時間をかけて信頼関係を築き、本人に寄り添う伴走型支援が欠かせないという点であります。これは、定期的に人事異動等がある行政機関よりも、ヤングケアラー等の支援を目的に立ち上がった民間支援団体が得意とするところだと感じております。 今年度、府の福祉基金を活用して、地域におけるヤングケアラー支援のモデル事業を行う民間支援団体を公募し、五つの団体に助成して活動を支援していることは承知しております。このモデル事業から生み出される成果を生かしていくことで、ヤングケアラーが抱える深刻な課題が少しでも解決に向かっていくのではないでしょうか。 そこで、府民を含めた認知度向上への取組と併せ、ヤングケアラーに接する可能性のある福祉専門職の支援力の向上、さらに民間支援団体へのモデル事業の成果の活用について、福祉部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 三点、御質問いただきました。 まず、ヤングケアラーの認知度向上の取組についてでございますが、お示しのとおり、重要という認識の下、来年一月にシンポジウムを開催し、ヤングケアラーの状況や支援の必要性につきまして、学識者のお話、当事者の体験談、支援者の取組等を紹介し、広く府民の理解と関心を高める機会としてまいります。 次に、福祉専門職等の資質向上につきましては、研修会を実施、ヤングケアラーを意識して支援につなげる視点やスキルの習得を図っているところでございます。これに加えまして、年内に福祉専門職を対象に、ヤングケアラーに対する認識や支援事例等の実態調査を行い、調査への回答を通じまして、福祉専門職の皆さんの意識向上や啓発を図ってまいります。 また、ヤングケアラー支援では、民間支援団体等による長い時間をかけた伴走型支援が重要と認識しております。今年度、民間支援団体の活動を推進いたしますため、府の福祉基金によりモデル事業に助成しておりまして、食事や学習の支援、居場所づくり、ピアサポートなど、様々なヤングケアラー支援の取組が進んでおります。 こうしたモデル事業で得た好事例や支援スキルなどを研修や、先ほど申し上げたシンポジウム等を通じて広く周知することによりまして、各地域での取組の活性化につなげ、府域全体のヤングケアラー支援の充実に努めてまいります。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 部長、ありがとうございます。 福祉専門職の方々への意識向上や啓発、そして府の福祉基金を活用した民間支援団体の活動支援の継続、そして拡大に取り組んでいただきますように、よろしくお願いをいたします。 次に、環境配慮消費行動促進に向けた脱炭素ポイント付与制度調査検討事業について、お伺いをいたします。 二〇五〇年に、府域におけるCO2排出量、実質ゼロを実現するためには、府民の脱炭素への意識改革、行動変容が特に重要と考えており、そのインセンティブ手法として、ポイント制度を活用した仕組みが必要と考えております。 令和三年五月議会の一般質問で、環境に配慮した製品やサービスの消費を促す取組として、ポイント制度の検討をお願いし、府からは、事業者と意見交換を行う場を設け、持続的な仕組みの構築などについて積極的に検討を進めるとの答弁をいただきました。 そして、今年度から新規事業として、環境配慮消費行動促進に向けた脱炭素ポイント付与制度調査検討事業を実施中であります。 本事業は、パネルのとおり、商品等の購入時に小売事業者等が通常付与しているポイントに加え、CO2排出が少ない商品などには、大阪府が原資の一部を負担して、脱炭素ポイントを上乗せするという実証事業であります。 この実証事業は、ポイント付与を通じて、消費行動を脱炭素型に変えていくものであり、府民の行動に直接働きかけるという点で、従来の啓発手法から一歩踏み出した事業で、大変期待をしているところであります。 本事業では、今年十一月頃から三か月程度にわたり、脱炭素の取組に意欲のある六事業者と連携して実証事業を実施すると聞いておりますが、府民に分かりやすい制度のネーミングも必要と考えております。 例えば、静岡県では、温暖化防止に資する賢い選択としてクールを意味するポイントとして「クルポ」、神戸市では環境にいいことをぐるぐると回していくという意味で「イイぐるポイント」とネーミングして、取組を推進しております。大阪府でも、例えば「大阪たまってええやんポイント」など、大阪らしいネーミングも考えられますが、府では本ポイント制度のネーミングはどのようにするのか、環境農林水産部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 本ポイント制度の名称は、その趣旨が伝わりやすく、かつ親しみやすいものにする必要がございます。様々な業種の事業者等が参画する脱炭素ポイント制度推進プラットフォームにおいて、名称についても検討を行っており、通常のポイントに上乗せして付与されることが分かることや、PRのためのキャッチフレーズ等と併せて消費者の理解が進むものがよいなどの意見をいただいております。 今年度の実証事業では、ネーミングについて府民へのアンケート調査も実施する予定でございまして、その結果なども踏まえ、府民に浸透する名称にしてまいります。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) ネーミングにつきましては、ぜひ府民の心を捉えるものにして進めていただくようにお願いをしておきます。 このたびの実証事業では、アンケート調査を行う予定とのことですが、持続的なポイント制度の構築に向けた様々な課題の抽出や今後の改善策の検討のためには、多くの府民に参加してもらい、たくさんのデータを収集して、効果検証を行う必要があります。 今回の脱炭素ポイント制度の実証事業を実施するに当たり、府民への周知、PRをどのように取り組んでいこうとしているのか、環境農林水産部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 脱炭素ポイント制度の普及のためには、ファーストステップとして実施する十一月頃からの実証事業に、多くの府民の興味関心を引くことが重要と考えております。 このため、脱炭素ポイント制度推進プラットフォームにおいて、効果的な周知、PR方法を検討しているところでございます。 例えば、脱炭素化への貢献とともにお得感を伝えるなど、注意を引くキャッチフレーズを盛り込んだのぼりのほか、各事業者のチラシやSNSなど、府と事業者がそれぞれ有する広報ツールを最大限に活用して進めてまいります。 多くの府民に参加をしていただき、有意義な効果検証を行うことにより、今後の持続可能な制度の構築につなげてまいります。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 本ポイント制度が確立し、持続できる見通しが立つまで、府が来年度以降もしっかり支援を継続していただきますようお願いをしておきます。 最後に、府営東大阪春宮住宅活用地--イオン東大阪店跡地の売却についてお伺いをいたします。 二〇二九年の開業に向け、大阪モノレールの延伸により、パネルのとおり、既存鉄道四路線に接続することとなり、新たな鉄道ネットワークが形成されます。 私の地元東大阪市には、仮称鴻池新田駅、またパネルのような仮称荒本駅、そして仮称瓜生堂駅の三駅が設置され、沿線地域の活性化が期待されております。 中でも、仮称荒本駅は、パネルでお示しのように、東大阪市役所や府立図書館が位置しております。 さらに、イオンリテール株式会社への二十年の定期借地契約が、本年十二月をもって期間が満了し、府に更地返還される予定の府営東大阪春宮住宅の活用地、約一・八ヘクタールは、荒本北地区が東大阪市の核となるために有効に活用することが重要であると考えております。 本年四月、東大阪市は、当該活用地を対象に、駅前拠点の形成を図るための地区計画を決定いたしました。 また、府市が参画する大阪モノレール延伸部沿線活性化検討連絡会議におきましても、駅前にふさわしいにぎわい施設の導入や、利用者の利便性向上等の取組を検討しているところでもあります。 そのようなことも踏まえまして、府では、当該活用地の売却に当たり、これまでの条件付一般競争入札ではなく、よりまちづくりに貢献できる売却方式による公募を予定しているとのことでありますが、具体的にどのような方式を検討しているのか、都市整備部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) お示しの活用地の売却に当たりましては、新駅設置が予定され、にぎわいの創出が期待されること、新しいグランドデザインでも、当地区を大阪の中核を担う拠点エリアと位置づけられる予定であることなどから、この地区のまちづくりにふさわしい提案を募り、有識者で構成する審査会での審査を経た上で価格を入札する売却方式とする予定でございます。 なお、提案の公募条件の検討に当たりましては、東大阪市の意見も聞きながら、駅前にふさわしい商業機能を含めた複合機能の確保、シンボリックかつ新駅や市役所等の周辺施設と調和した景観の創出、にぎわいを創出するオープンスペースの確保などの観点を加えることとしております。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) このエリアは、交通利便性に優れ、二〇二九年開業予定の大阪モノレール、仮称荒本駅と大阪メトロ中央線に乗り入れをしております近鉄けいはんな線荒本駅とつながるポテンシャルの非常に高い地区であります。それにふさわしい施設立地を図ることで、さらなる地域活性化につながることができますので、十分な検討をお願いしておきます。 令和三年五月の府議会におきまして、イオン東大阪店閉店に伴って発生している買物弱者対策について質問をし、当時の住宅まちづくり部長より、商業機能の導入をはじめとしたにぎわい施設の早期誘致を図るとの答弁をいただきました。 買物弱者問題の抜本的な解決のためにも、恒久的な商業施設の早期立地が必要であります。 そこで、今後の当該活用地の具体的な売却スケジュールについて、都市整備部長にお伺いをいたします。 ○副議長(三宅史明) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) お示しの活用地の売却スケジュールにつきましては、来年度中頃の事業者選定を目標に、今年度中に公募を開始するべく、東大阪市をはじめとする関係者と調整を進めているところでございます。 引き続き、関係者との連携を密にしながら、商業機能の導入をはじめとした駅前にふさわしい複合施設の早期立地に向け取り組んでまいります。 ○副議長(三宅史明) 山下浩昭議員。 ◆(山下浩昭議員) 当該地域では、現在、スーパーからの移動販売やキッチンカーなどを誘致し、暫定的に買物支援を行っていますが、当該地域の買物弱者解消に向けまして、モノレールの供用前でも商業施設の開業ができるように取り組んでいただきますよう、よろしくお願いをいたします。 以上で、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(三宅史明) 次に、岡沢龍一議員を指名いたします。岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 大阪維新の会大阪府議会議員団の岡沢龍一です。通告に従いまして順次質問させていただきます。 まず初めに、通級指導教室についてお伺いいたします。 平成五年に学校教育法施行規則の一部が、改正等が行われ、小中学校において通級による指導という指導の一形態が制度化されました。これは、通常の学級に在籍する障がいのある児童生徒が、大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部の授業について、障がいの特性に応じた特別の指導を特別の場で行うものです。 当初は、言語障がい等のある児童生徒を指導の対象としていましたが、平成十八年度からLD、ADHDのある児童生徒についても、通級による指導の対象とすることとなりました。 通級による指導を受けている小中学校の児童生徒数の全国における推移を見たところ、平成五年は一万二千二百五十九人、令和二年は十六万三千三百九十七人が利用しており、通級による指導を受ける児童生徒数は年々増加していることが分かります。 通級による指導を実践する通級指導教室設置のニーズが高まっておりますが、大阪府内の通級指導教室の設置率及び全校設置ができている市町村の有無についてお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 通級による指導は、通常の学級に在籍する児童生徒で、言語障がい、自閉症、情緒障がい、弱視、難聴、学習障がい、注意欠陥多動性障がい、肢体不自由、病弱及び身体虚弱のある児童生徒を対象といたしております。 令和四年度におけます大阪府内の通級指導教室の設置校数は、政令市を除きまして、小学校三百一校、中学校百二校であり、設置率は小学校で五〇・六%、中学校で三五・八%となっております。 また、府内で全校に通級指導教室が設置されておりますのは、三市と六つの町村でございます。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 通級指導教室の教員配置につきましては、平成二十九年の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、いわゆる義務標準法の改正により、対象となる児童生徒十三人に対し一人の教員定数が、都道府県ごとに算定される仕組みが示されました。この制度は、十年計画で実施されており、令和八年度に計画が完成するとのことです。 国から配分を受け、大阪府が各市町村へ教員を配置する仕組みになっているとのことですが、どのような配置基準となっているのか、お聞かせください。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 通級指導担当教員の定数は、政令市を除いた府域全体で指導を受け持つ児童生徒十三人に対して、教員一人が算定される仕組みとなっておりますけども、令和八年度に向けて、段階的に定数化されることとなっておりますことから、現在は、必要となる全数が定数化されているわけではございません。 そのため、通級指導担当教員につきましては、市町村の通級指導教室設置計画を基に、指導を見込む児童生徒数や施設教室の過密状況、当該市町村の設置率等を考慮して配置をいたしております。 あわせて、市町村に対しましては、指導を受け持つ児童生徒十三人に対して、教員一人が算定される仕組みとなっておりますことから、通級による指導を必要とする児童生徒が適切に指導を受けることができますように、自校に配置された教員による指導だけではなく、教員配置校へ児童生徒が通う他校通級や、担当教員が複数校で指導する巡回指導等の体制構築も求めております。 府としましては、引き続き市町村と連携して、通級による指導に必要な教員が適切に配置できますように、国へ要望してまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 自校に通級指導教室がない学校は、通級による指導を受けるために、他校から教員に巡回指導という形で来てもらうか、放課後に保護者が送迎し、通級指導教室が設置されている学校に行かなければならず、指導時間数も週に一回程度しか確保できないという現状です。これでは、通級による指導が必要な児童生徒に対し、十分な指導時間が確保できているか疑問でございます。 国から示された教員数を各市町村へ配分するに当たっては、市町村の配置計画に基づき、様々な状況を考慮して配置しているとのことでしたが、その結果、市町村によっては、通級指導教室利用者数に見合った教員数となっていない現状もあるのではないでしょうか。 通級指導教室設置のニーズが高まっている中、次年度に全校への設置を希望している市町村もあると聞いております。利用者数に見合った教員数となるような配置方法を検討していただくとともに、必要となる教員数が確保できるよう、国へ働きかけを強く要望させていただきます。 次に、教員の資質についてお伺いします。 今年の四月、文部科学省が「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」という通知を発出し、府教育庁を通じて、府内各市町村教育委員会に周知がなされ、私の地元である枚方市では、市教育委員会から保護者に対し、「今後の枚方市の支援教育について(お知らせ)」という文書が配付されました。 このお知らせを受け取った支援学級に在籍している生徒の保護者が、担当教員に問合せしたところ、その教員は、市教委が急に言ってきた話で、私は何も分からないと答えるなど、あやふやな対応に終始したと聞いております。 保護者からの質問や相談に対して、責任を回避したり、あやふやな回答をして不安にさせるようなことは、教員としてはあってはならないことと思います。 このような資質に欠ける教員がいることについて、また教員の資質向上についてどのように考えているのか、教育長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) ただいま御指摘にありましたような、保護者に対して制度改正等を周知する場合には、教育委員会と学校現場が連携し、十分な意思疎通を図った上で行うべきものというふうに考えております。 また、保護者に説明する立場にある教員及び校長等管理職職員は、それらの通知の趣旨、内容を正しく理解し、質問や相談があれば的確に答えることが必要と考えております。 このような御指摘があったことを踏まえ、しっかり対策を講じるよう、当該教育委員会には既に伝えております。 また、組織的な取組の重要性や、適切な保護者対応等につきましても、研修等を通じて徹底してまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 文科省から「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」が通知されたことを受け、保護者から、通級による指導を利用すると公立高校への進学はできないのか、特別支援教育就学奨励費制度が利用できないのかとの質問がありました。 また、本通知の内容や、これを受けた学びの場の見直しの動きは、憲法二十六条に定められている教育を受ける権利の侵害になるのではないのか、本通知に法的拘束力があるのかといった質問も寄せられております。これらの四つの質問についてお答えください。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) まず、一点目でございますが、通級による指導とは、通常の学級に在籍する障がいのある児童生徒が、一部の授業について障がいの特性に応じた特別の指導を特別の場で行う指導形態でありまして、通級による指導を利用することで公立高校へ進学できないということはございません。 次に、二点目でございますが、市町村の実施する特別支援教育就学奨励費は、通級による指導を受けている場合でありましても、その障がいの程度によりまして、利用対象となる場合もございます。 次に、三点目のお示しの通知でございますけども、これは文部科学省が、児童生徒の障がいの状況に応じた学びの場の判断や学習内容等について、都道府県や市町村に対して適切な対応を求めたものでございまして、憲法第二十六条に定める教育を受ける権利を侵害するものではないと考えております。 次に、四点目でございますが、本通知には、学習指導要領の内容を適切に実施するために必要となる事項等が含まれておりまして、法令に準じたものというふうに受け止めております。 そのため、府といたしましては、各市町村に対し、支援学級の状況を丁寧に把握するとともに、本通知の内容を踏まえつつ、本人及び保護者の意向も確認しながら、児童生徒にとっての適切な学びの場を提供できるように、指導、助言をしているところでございます。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 枚方市では、教員が発したあやふやな言動により混乱が生じており、保護者からは学校に対して様々な意見や要望、苦情が寄せられております。それらの多くが、教員のあやふやな言動によるものです。 教育長は、今後、二度とこのようなことが起こらないように改善策を講じ、再発防止に取り組むよう要望しておきます。 次に、支援学校の整備についてお伺いいたします。 先日の我が会派の代表質問において、支援学校の児童生徒の増加に伴う教室不足等の対応に係る検討状況を質問したところ、教育長から、現在、課題解決に向けた手法を検討しており、来年度予算につなげられるよう検討を急ぐとの答弁を得たところです。 現在、少子化の進展に伴い、府立高校の再編整備が進められています。一方で、知的障がい者などの支援を必要とする生徒は増加傾向であり、適切な教育環境の確保が喫緊の課題です。一刻も早く適切な教育環境を確保するため、これら既存の府立高校に併設するなど、あらゆる方策で支援学校を整備すべきです。 また、新たな支援学校の整備については、多様化するニーズに対応していくため、支援学校の機能の一層の充実が必要となります。 そのためには、民間福祉機関などの外部専門家との連携を図っていく必要があると考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 児童生徒の増加に伴いまして、特別支援学校設置基準の不適合や教室不足が生じております。 知的障がい支援学校につきましては、できるだけ早期に適切な教育環境を確保していくことが必要であると考えております。そのため、現在、その手法について検討を行っており、閉校となった府立高校の活用や府立高校との併設、既存の教室改修等による対応やその他の効果的な手法など、できるだけ早く計画的に整備が進められるよう努めてまいります。 また、多様化するニーズに対応し、支援学校が地域の支援教育の拠点としての役割を果たすセンター的機能をさらに強化するため、民間福祉機関などの外部関係機関と連携し、支援学校の機能の一層の充実が図れますよう、その具体策の検討を進めてまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 次に、私の地元枚方市にある枚方支援学校は、計画上三百人規模を想定して、平成二十七年度に新設された学校であり、市民の皆さんから地元に支援学校が開校したことへの喜びの声が、当時は多く寄せられていました。しかしながら、同校は、開校当初から三百人を超える児童生徒が在籍し、その後も人数が増加し続けたため、開校して五年後の令和二年度から、通学区域割の変更が行われ、枚方市東部在住の高等部の生徒は、四條畷市にある交野支援学校四條畷校に通学することとなりました。 このような状況を踏まえ、現在、教育庁において進めている調査検討では、今後の各地域の増加見込みのほか、現状の通学区域割の課題解消も含め、どの地域に支援学校の整備が必要かをしっかり見極めていくべきと考えますが、教育長の見解をお伺いします。 ○副議長(三宅史明) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 支援学校に在籍する知的障がいのある児童生徒の増加に対応するため、これまでも枚方支援学校をはじめとした新たな学校整備や通学区域割の変更等を行ってまいりました。 枚方支援学校は、平成二十年度に実施をしました知的障がい支援学校在籍者の将来推計を踏まえ整備を行いましたが、その推計を上回って在籍者数が増加し続けたために、令和二年度から高等部の通学区域割の変更を行ったものでございます。 現在、各地域におけます在籍者の将来推計を行いますとともに、通学環境も含めた各地域や各学校の課題も踏まえた上で、特別支援学校設置基準の不適合や、教室不足を解消するための手法を検討しておりまして、課題解決に向け、来年度予算につなげられますように、作業、検討を急いでまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 私は、枚方市に住んでいる子どもは、同じ市内に枚方支援学校が設置されているのだから、全員が枚方支援学校に通えるようになることがベストだと思っています。支援学校で学ぶ児童生徒や保護者からは、小学部入学から高等部卒業まで同じ学校で学び続けたいという声を多く聞いております。途中で学校を替わることは、学習の継続性や人との関わり、通学時間の変更など、障がいのある児童生徒にとっては、こうした感覚の変化に伴う不安が大きいものです。 このような児童生徒や保護者の不安に対し、学校では丁寧に対応していただいていることは理解していますが、可能な限り地元の支援学校で、小中高一貫して卒業まで通い続けることができる環境を速やかに整えていただきますように要望しておきます。 次に、消防団に関してお伺いいたします。 消防団は、将来にわたり地域防災力の中核として欠くことのできない代替性のない存在であり、災害が多発化、激甚化する中、団員一人一人の役割が大きくなっています。 その団員の苦労に報い、士気の向上や、家族等の理解を得るためには、消防団員の報酬等の処遇改善は重要であり、消防団の活動内容に見合った額の報酬が、団員個人に対して直接支給されるべきであると考えておりますが、実際には、報酬等が適切に支給されていない市町村もあると聞いております。 大阪府内の市町村において、消防団員へ適切な額の年額報酬が直接個人に支給されているのか、現状について危機管理監にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 消防団員の処遇改善につきましては、昨年四月に国におきまして、報酬等の基準が示されたことを踏まえ、大阪府では消防団を所管する市町村に対しまして、報酬額の改正や個人への直接支給などについて通知するとともに、ヒアリングなどを通じまして積極的な助言を努めてきたところでございます。 この結果、本年四月現在で、年額報酬が国の標準額を満たしている市町村は十六団体から三十七団体へ、個人へ直接支給を行っている市町村は二十六団体から三十五団体へと増加しております。 引き続き、全ての市町村におきまして、消防団の報酬等の処遇改善がなされるよう働きかけてまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 年額報酬については、市町村が地域の実情を踏まえながら、条例に基づき支給しているものと承知していますが、団員の苦労に報いるためには、国が示す標準額を下回っている団体は、早急に報酬額を引き上げるべきと考えます。 また、支給方法についても、個人への直接支給が原則とされている中、団を経由した後に個人に支給することは法的に問題があると考えているため、こちらも早急な改正が必要です。 府におかれましては、全ての市町村が報酬の標準額を満たし、また個人への直接支給を徹底するよう、引き続き適切な助言をお願いいたしたいと思います。 次に、多様な消防団員の確保についてお伺いします。 人口減少や高齢化、雇用体系の変化など、消防団を取り巻く社会環境が大きく変化する中、これに対応するためには、多様な人材の確保が必要不可欠であると考えております。 大阪府では、本年二月、消防団が活動しやすい環境や団員の確保などについて検討を行うことを目的に、大阪府消防団充実強化研究会を設置されてました。 大阪府では、全国と比べ緩やかではございますが、団員が減少している中、様々な人材を確保し、消防団員の減少に歯止めをかけるためにどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 消防団員の確保につきましては、消防団を取り巻く様々な課題の解決に向けた検討を行うため、現役の消防団員や消防団事務に携わる市町村の職員などで構成します大阪府消防団充実強化研究会を設置し、まずは消防団員確保の方策の検討を開始したところでございます。 今年度は、消防団の認知度を向上させるための課題や方策について検討することといたしまして、府民千人に対し消防団の認知度などのアンケートを実施したところ、消防団に対する全体の認知度は約六割である一方で、女性や若者の認知度は全体に比べ低いという結果となりました。 今後は、これらの結果や実際に活動を行っております団員の意見などを踏まえ、消防団の認知度向上や、多様な人材の加入促進につながる具体的な方策を検討してまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 消防団員の確保をはじめとする消防団を取り巻く各種課題について、市町村の消防団員や消防団事務に関わる職員から、現場の生の声を取り入れる機会は貴重であると考えております。研究会の活動をしっかり続けていくよう要望しておきます。 次に、女性消防団員の確保についてお聞きいたします。 先ほどの答弁で、アンケートによる認知度調査の結果、全体の認知度は六割であり、女性や若者の認知度が低いとのことでした。女性の社会進出が進み、社会における女性の役割が大きくなる中、私は特に女性消防団員の加入促進が重要と考えております。 例えば、大規模災害時の避難に際して、高齢者や女性へのきめ細かな配慮ができる女性の視点が不可欠であり、女性消防団員の存在が注目されています。 そこで、女性消防団員に焦点を当てたPR活動を展開し、団員確保を広くアピールし、女性消防団員の確保を促進することが必要ですが、大阪府ではどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。
    ○副議長(三宅史明) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 消防団活動の多様化に伴い、多様な人材が必要とされる中、多くの女性が消防団に参画していただき、女性の意見を反映することは、これからの消防団の充実、ひいては地域防災力の向上に大きな役割を持つものと考えております。 このため、府では、大阪府消防協会と連携しまして実施しております女性団員の研修会において、活動事例の紹介や情報交換を行い、能力の向上と活性化を図るとともに、これらの活動を積極的に周知するなど、女性の消防団への加入促進につながるための取組を行っております。 今後とも、広く府民が参加するイベントや研修会など、あらゆる機会を捉えて、女性団員の認知度向上に取り組むとともに、大阪府消防団充実強化研究会におきまして、女性団員のさらなる確保方策につきましても検討してまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 大阪府の消防団の充実強化に向けて、報酬等の処遇改善や女性をはじめとする多様な人材の確保など、大阪府だけではなく市町村、そして消防団と議論しながらの様々な取組は一定理解しました。 引き続き、関係者と連携して、これらを深め、しっかり取り組むよう要望しておきます。 次に、府営住宅における福祉車両の柔軟な駐車場利用についてお伺いいたします。 府のホームページには、府営住宅にお住まいの方が府営住宅駐車場を利用する場合、定められた条件を満たす必要があると記載されており、車両サイズについては長さ四百九十センチ以下、幅百八十センチ以下と定められております。 このたび、車椅子常用者である入居者が、住宅管理センターにロングボディーの福祉車両を駐車したいと相談したところ、府の条件を超えており、車両が駐車区画内に収まらないため、承認できないとの回答があったと聞いています。 府営住宅駐車場の利用承認は、一定のルールに基づいて行わなければならないことは理解しておりますが、障がいのある入居者が生活をする上で、大きなサイズの福祉車両を利用しなければならないなど、特別な事情がある場合には配慮する必要があるのではないかと考えております。 そこで、府営住宅駐車場に福祉車両を駐車する際の利用承認について、やむを得ない事情がある場合は、柔軟な対応が考えられないか、都市整備部長に所見をお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 府営住宅駐車場の利用承認に当たりましては、福祉車両も含め、一般的な車両の規格や安全管理の面から必要な車両サイズを定めており、これまで福祉車両を利用される方からも特に支障があるとの声は聞いておりません。 議員お示しの障がい者の方が、生活に支障を来すなど、真にやむを得ない事由が認められる場合には、ほかの車両の通行確保などの観点から個別に対応してまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 住宅管理センターに車両入替えを断られた車椅子の重度障がい者の方は、一人暮らしで生活しておられます。パートナーや介助の方がおられず、一人で車の乗り降りや運転をしています。左手の障がいもひどくなってきているので、運転席に座って車椅子を畳んで持ち上げることが大変困難な状況でございます。これらの事情により、車を乗り換えることになりました。 この乗り換える車両は、トランク側からリフトで車椅子で乗り込み、車内を移動して一人で何とかして運転席にたどり着くことができる車椅子の福祉車両です。警察署の車庫証明係の方も、住宅管理センターが手順を整えば車庫証明は出しますよとの御返事もいただいております。 これらの特別な事情を御理解いただき、速やかに対応していただきますよう要望させていただきます。 次に、立会人型電子契約サービスについてお伺いいたします。 入札や契約を管理する新たな電子契約システムについて、本年度予算措置され、電子契約だけではなく、入札から契約、請求、支払いまでの契約事務全般をトータルで行うシステムとして開発に着手されたと聞いています。 契約書を電子ファイル化する電子契約については、茨城県などの地方公共団体において実施されていますが、これらの多くは民間の電子契約サービスを利用していると聞いています。 民間の電子契約サービスは、立会人型と呼ばれるサービスが主流となっており、その特徴は導入が容易なクラウドサービスになっていること、受発注双方者の電子的な押印--電子署名に替えてサービス事業者が電子署名を行うというものであり、利用者の利便性やコスト面においても優れたものとなっております。中小企業者への負担も少ないものです。 これらのことから、本府における電子契約は、立会人型クラウドサービスを導入すべきと考えますが、現在検討している電子契約部分はどのようなものになるのでしょうか、総務部長にお伺いします。 ○副議長(三宅史明) 市道総務部長。 ◎総務部長(市道泰宏) 令和七年一月に稼働開始を予定をしております新たな電子契約システムにつきましては、本府と事業者が双方向のオンラインやペーパーレス化、契約案件の一元管理によりまして、事務処理の効率化や経費削減を図ること等を目的として導入を進めているものでございます。 新システムにおけます電子署名の方式につきましては、国が行っております受発注者双方の電子署名方式などと比較検討をした結果、立会人型の電子契約サービスの利用が、システム開発やランニングに関するコストが低く、さらには民間で普及をしておりますシステムでありますことから、事業者側の負担が少なくなるなどのメリットがあるため、本府としてこの方式を採用することとしたところでございます。 今後とも、電子契約を含め、新たなシステムの開発に当たりましては、中小企業への利便性の向上を図るなど、より一層の導入効果を得ることができるよう、取組を進めてまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 電子契約は、大阪府と事業者双方に非常にメリットがあり、本府におけるDXの推進に大きく貢献するものとしてほしいと思います。 これからシステム開発を行っていくということですので、これらに資する新たな技術やサービスについても注視し、柔軟に取り入れるなど、より優れた先進的なシステムとしていただくよう要望しておきます。 次に、府税のキャッシュレス収納について質問いたします。 府税の収納については、ペイジー収納、スマートフォン決済、自動車税種別割のクレジットカード収納など、府民の利便性向上につながるキャッシュレスによる収納方法が拡充されたところです。 しかしながら、いまだに銀行窓口での対面式での納付が多数を占めていると聞いており、キャッシュレス収納の比率を向上させる取組が必要であると考えます。 今後、府税のキャッシュレス収納の拡充についてどのように取り組んでいこうとしているのか、財務部長にお伺いします。 ○副議長(三宅史明) 手向財務部長。 ◎財務部長(手向健二) 府税の収納は、自動車税種別割を例に取ると、令和四年度の納期内収納百九十七万件のうち、クレジットカードやスマートフォン等を利用したキャッシュレス収納は、一六・五%を占めております。 そのほか、コンビニでの収納が三八%、銀行窓口等での収納が四五・五%となっており、府民の利便性向上、府税の収納促進の観点から、キャッシュレス収納を拡充させる必要があると考えております。 令和五年四月からは、地方公共団体が共同利用する地方税共通納税システムにおいて、パソコンやスマートフォンを利用した収納が全税目で実現することとなっており、当該システムの利用をPRし、キャッシュレス収納の一層の推進に努めてまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 令和五年四月から、地方税共通納税システムで全税目の収納が開始されるなど、キャッシュレス収納の取組を進められていることは、一定よく理解しました。 一方で、銀行窓口で収納がいまだに四五・五%もあるという実態に鑑みて、納税者の利便性向上のため、キャッシュレス収納の取組を着実に進めるよう強く要望しておきます。 最後に、太陽光発電及び蓄電池の普及拡大についてお伺いいたします。 大阪府では、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けて、昨年三月に策定したおおさかスマートエネルギープランに基づき、二〇三〇年度までに太陽光発電等の自立分散型エネルギーを二百五十万キロワット以上導入することを目指しています。その具体的な取組の一つとして、太陽光発電及び蓄電池システムの共同購入支援事業があります。 私も、地元の枚方市から配布されたチラシを見ましたが、府域全域から太陽光発電や蓄電池の購入希望者を募り、スケールメリットを生かすことで、約二、三割のコスト低減を実現したと聞いております。知恵を絞って、予算ゼロで、補助金と同等の効果を発揮することができております。 現在、ウクライナ情勢の影響を受け、家庭の電気料金は高騰しているが、太陽光発電等の導入は電気料金の削減のために有効な対策でもあることから、しっかりと事業のPRを一般住宅における普及に取り組んでもらいたいと考えておりますが、どのように取り組んでいくのか、環境農林水産部長にお伺いいたします。 ○副議長(三宅史明) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 府内の再生可能エネルギー導入ポテンシャルの大部分は、太陽光発電であり、脱炭素社会の実現に向けて、太陽光発電設備や蓄電池の普及が重要でございます。 お示しの事業は、市町村の協力により、広報誌に加え、回覧板や学校を通じたチラシの配布、SNSでの発信など、効果が高いと考えられる様々な方法で広く周知をしております。さらに、府民の反応がよい市町村の取組を横展開するほか、府内企業等と連携した顧客や社員への周知など働きかけを行ってまいります。 今後とも、本事業のほか、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHの普及などに努め、高効率で都心の稠密な住宅状況でも整備しやすい次世代太陽光発電設備の実用化などもにらみつつ、太陽光発電設備及び蓄電池のさらなる普及、導入につなげてまいります。 ○副議長(三宅史明) 岡沢龍一議員。 ◆(岡沢龍一議員) 本事業は、参加登録後、見積りを確認し契約に至ることで、初めて太陽光発電が設置されるものです。参加登録数は、毎年千六百から二千世帯相当が上がっていると聞いております。 ところが、最終的に契約に至る世帯数は、その一部にすぎず、今年度の契約数はまだ確定していないが、令和三年度は参加登録された世帯のうち、契約まで至ったのは約八%の百三十二世帯にとどまっていると聞いています。 まずは、参加登録数を増やすことが重要であると考えているので、引き続きどのような周知方法が府民の関心を引くのか、しっかり検証を行い、来年度以降のさらなる増加につなげてもらいたいと思います。 あわせて、契約率を上げるために、さらに工夫できることがないのかも検討して、太陽光発電の導入拡大に向けてしっかり取り組むよう要望させていただきまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(三宅史明) この際、休憩いたします。午後二時五十四分休憩    ◇午後三時十六分再開 ○議長(森和臣) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。 通告により須田旭議員を指名いたします。須田旭議員。 ◆(須田旭議員) 自由民主党大阪府議会議員団の須田旭でございます。通告に基づきまして質問に移ります。 インターネット上の誹謗中傷等について、初めに伺います。 昨今は、マスコミ報道や当事者の不適切な言動などをきっかけに、批判的な投稿が集中的に行われる嫌いがあります。私が由々しき問題だと感じるのは、当事者以外の人々が匿名で過度にバッシングを行い、ややもすると世間が同調するといった風潮です。いじめと全く同じ構図で、こうした部外者の参入は本来好ましくなく、時に人を深く傷つけ死に至らしめるような悲劇的なことも起きています。 国では、誹謗中傷等に対処するため、悪質な投稿を行った発信者情報の開示請求手続の簡素化や、侮辱罪の法定刑の引上げなどの対策が進められており、今後、効果を期待していますが、規制が行き過ぎてしまえば表現の自由が制限され、開かれた自由なインターネット利用が損なわれることになります。 よって、インターネットリテラシー向上のための教育や啓発を行い、安全安心にネット利用ができる環境づくりを進めていくことが肝要です。そして、誹謗中傷を行った方には、自分の投稿が人を苦しめ、時に犯罪にもつながってしまうという事の重大性を理解いただくとともに、自分の行為を振り返り、考え直していただける取組が求められています。 そこで、ネット上の誹謗中傷等の加害行為を防止するための啓発に関する取組について伺います。 また、誹謗中傷の多くが匿名で行われている課題はありますが、直接加害者に対して啓発を行うなど、何らかの働きかけを行うことはできないのか、併せて府民文化部長へお伺いいたします。 ○議長(森和臣) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) インターネット上の誹謗中傷等を防止するためには、府民が加害者にも被害者にもならないよう、インターネットリテラシーの向上や人権意識の高揚を図るための教育、啓発に取り組むことが重要であると認識しております。 特に、悪質な誹謗中傷といった加害行為の防止に向けた啓発につきましては、そうした行為が、刑事や民事上の法的責任を伴うことはもとより、人を傷つけ、いかに許されないものであるか、しっかりと認識してもらえるよう取り組む必要があると考えております。 そのため、具体的な取組として、加害行為の事例を紹介いたしますとともに、加害者にならないための注意点や侮辱罪や名誉毀損罪の刑事責任、損害賠償等の民事責任等を説明した動画やリーフレットを作成し、ホームページやユーチューブ、学校や地域への出前講座などを通じまして、啓発活動を行っているところでございます。 また、加害者に対しまして直接的に働きかける方策につきましては、現在、インターネット上の人権侵害の解消に関する有識者会議におきまして、議員御指摘の匿名性の問題や、個人間の誹謗中傷に対する行政の関与の在り方などの課題を含め議論されており、今後、その結果を踏まえ、効果的な手法について検討してまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) ありがとうございます。 次に、コロナ禍での自宅介護について伺います。 在宅介護を提供する事業者は、利用者の方々やその家族の生活を継続する観点から、十分な感染防止対策を行いながら必要な各種サービスを継続的に提供すべく、大変な御苦労をされています。 しかし、介護サービスを受けている高齢者と同居する御家族が陽性となった際、訪問介護事業者にサービスの提供を断られ、他のショートステイを利用しようとしても断られ、療養型施設の入居も、御本人はあくまでも濃厚接触者であるため入所できないという取り残される事例を複数聞いています。 支援を必要とする在宅の方にとっては、生活を支える介護サービスは必要不可欠であり、継続してサービスが受けられるよう、府として介護事業者に対して何らかの支援をすべきと思いますが、福祉部長にお伺いします。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 在宅で介護サービスを利用している高齢者が、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者になった場合におきましても、日常生活を続けるためのサービスの継続は不可欠と認識しております。府におきましては、国からのコロナ禍においても介護サービスを継続するようにとの要請を府内の介護サービス事業者に対しまして通知しております。事業者においては、これに従ってサービスを実施されているものと認識しておりました。 また、府では、訪問介護時等における感染防止策につきまして、府のホームページやオンラインでの事業者向け集団指導等を通じまして周知いたしますとともに、事業者が十分な感染防止対策を取れるよう、マスクや消毒液、個人防護具など衛生用品の購入などに必要な経費につきまして支援しているところでございます。 今後とも、集団指導をはじめ様々な機会を捉えまして、事業者に対しまして介護サービスの継続的提供や支援について改めて周知徹底いたしますなど、在宅の高齢者が安心して暮らしていただけるよう努めてまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) ありがとうございます。 大阪コロナ高齢者医療介護臨時センター・ほうせんかでは、七月、八月延べ百四十四人の方が入所され、約七七%の方が、要介護三以上でもリハビリ等の取組により平均七・三日で退所されたとの報告を受けています。陽性者となった際に入所できるこの施設の設置は、在宅介護の家族の会の皆様も大変喜んでおられました。 先ほど、サービスが実施されていると認識をしていたという、ある意味、正直な御答弁をいただきました。 高齢者と接する介護事業者にとっては、陽性者がいる、または明日にでも陽性者になるかもしれないお宅で介護サービスを行うことは、敬遠したいというのが率直なところでしょう。医療従事者ほど陽性者との対面接触のノウハウがないわけですから、こうした自宅介護の方の声もぜひ拾っていただきますように、知事にも重ねてお願い申し上げ、次の質問へ移ります。 高校再編にも関わる進路指導について伺います。 近年、大阪の高校入試の志望状況を見ると、人気や利便性の高い高校へ集中する傾向があります。 有意義な高校生活を過ごすためには、高校で何を学べるのか、どんなことに取り組めるのかなど、様々な情報を知った上で進路を選択すべきであり、中学校ではどのような進路指導が行われているのか、教育長にお伺いいたします。 ○議長(森和臣) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 中学校の進路指導では、一、二年生の間に生徒一人一人が自分の将来を考え、目的を持って学びに向かうことができるよう、卒業生を招いて受験や高校での体験を伝えてもらったり、様々な職業の方から話を聞くなどいたしております。 三年生では、生徒の具体的な進路選択に向けて、生徒、保護者と懇談を行い、本人の学力をはじめ個性や特性、将来就きたい職業などを踏まえ、必要な情報を伝えながら相談を重ねております。 また、進路指導ルーム等を設置し、生徒がいつでも高校の特色や学校説明会等の情報を得たり、進路について相談したりできるようにいたしております。 加えて、高校が実施するオープンスクールや進学フェアは、中学生がその学校の様子を体感できます貴重な機会でもありますので、参加するように促しております。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) 高校の特色や情報を得れるように取り組んでいるとのことでしたので、次に府立高校の魅力発信についてお伺いいたします。 志願割れが生じる府立高校の増加は、各校の特色や教員の頑張りといった学校の魅力が、中学生や保護者に十分に伝え切れていないことも一因だと思っています。十分な志願者を確保する観点から、中学生などに府立高校の魅力が伝わるよう、積極的な情報発信が必要と考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(森和臣) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 急速な少子化や中学生等のニーズの多様化など、府立高校を取り巻く状況が大きく変化する中、学校の魅力をしっかりと発信することが重要であると考えています。 令和二年度、三年度の二年間は、コロナ禍において、進学フェアや学校説明会等をオンラインに切り替えるなど、様々な制約がある中での実施となりました。 今年度につきましては、三年ぶりに進学フェアを来場方式で開催し、多くの参加者から、複数の学校から直接説明を聞くことができたという点につきまして評価をいただいたところです。 また、昨年度の大阪府学校教育審議会における答申におきましても、より積極的な情報発信について指摘があったところであり、中学生が進路選択を行う際に参考となるよう、各府立高校の魅力や特色をウェブ上等でさらに効果的に発信することなどを検討をいたしております。 今後、中学生等が求める情報をしっかりと発信し、効果的に府立高校の魅力を伝えることができるように努力してまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) ありがとうございます。 公立高校では、相当努力をされている学校でも、例えば山手にあるなど交通の便の悪い場合などは、自治体も地理的条件がネックとなっていると頭を悩ませています。大学も駅近など便利なところへ移っています。昨日の我が会派の代表質問でも触れましたが、こうしたことも鑑みながら、高校再編には着手していただきたいと思います。 次に、進学機会の確保について伺います。 貸与型奨学金を受けて大学等に進学した学生が卒業後、経済的な事情から奨学金の返還がままならず、最悪の場合、自己破産に至る方すらいらっしゃいます。奨学金返還が負担となれば、その後の人生設計にも大きな影を落とします。若者を応援するため、企業の奨学金返還支援制度を、日本学生支援機構が昨年四月、大阪府育英会が今年七月創設し、運用されています。 本制度は、企業が従業員の代わりに奨学金の返還をできる仕組みであり、返還を抱える若者の経済的、精神的な負担軽減となるだけでなく、企業にとっても税負担軽減、福利厚生充実、魅力向上による人材確保にもつながるものとなっていますが、本制度を活用している企業はまだ多くありません。 双方に有意義な企業の奨学金返還支援制度が活用されるよう、府は積極的に企業に働きかけていくとともに、これから就職を迎える学生にも制度の存在を周知すべきと考えますが、商工労働部長にお伺いします。 ○議長(森和臣) 小林商工労働部長。 ◎商工労働部長(小林宏行) お示しの奨学金返還制度は、制度化されて日が浅く、まず制度の浸透を図ることが肝要と考えます。このため、企業に向けて、今年度からOSAKAしごとフィールドを中心にメールマガジンによる情報提供を始めたほか、八月に実施したセミナーでは、直接、日本学生支援機構と大阪府育英会から本制度の活用を働きかけていただきました。 一方、学生に対しては、今月と来月に予定されている府主催の合同説明会において、本制度を導入している企業をパンフレットにも記載するなど、積極的に情報提供してまいります。 今後、商工会、商工会議所などの経済団体や人材不足分野の業界団体とも連携しながら、経営者に本制度の理解が得られ、導入が進むよう取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) ありがとうございました。 知事にお伺いさせていただきます。 二〇二〇年度から導入されている給付型奨学金も、対象となる生徒の世帯年収には厳しい制限があります。コロナの影響もあり、家計が厳しい家庭が増えています。学費のためにアルバイトが増え過ぎることも本末転倒です。 政府が、教育未来創造会議で提言した新たな時代に対応する学びの支援の充実に、奨学金制度を改善し、地方公共団体や企業による奨学金の返還支援を推進すると明記されました。 長野県や沖縄県では、優秀な人材の確保、若い世代の離職防止に資するとして、従業員の奨学金返済支援に取り組む企業へ補助制度が始まります。東京都でも、中小企業の人材確保につなげるため、奨学金を利用している学生が技術者として就職した場合、返済費用の一部を都が負担する支援事業が始まるそうです。 将来世代を応援する大阪府政として、企業へ導入を検討してもらうための広報と併せ、もう一歩補助にも踏み込むように庁内で議論、御検討いただくことはかないませんでしょうか。知事、よろしくお願いいたします。 ○議長(森和臣) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 奨学金返還支援制度の導入は、中小企業が自主的に人材確保を図る上で有効な取組だと考えています。 一方で、この制度が、まだまだ中小企業に浸透してないという課題があります。そのため、府としては、中小企業自らの導入が進むように、企業などに対する広報、働きかけ、そこに対して積極的に取り組んでいきたいと思います。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) ありがとうございます。 私も、高校、大学時には、あらゆる奨学金にお世話になりました。今も、五割近い利用があると言われています。日本の少子高齢化対策へ一石を投じることになると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、商工会、商工会議所が行う小規模事業者等への経営相談に対する補助事業について伺います。 本事業は、府の小規模事業者支援施策における根幹事業でありますが、予算編成要領に基づく全庁シーリングの影響により、令和三年度予算は前年度比約八千六百万円減の約十九億二千五百万円となっており、令和四年度の予算も同額で、依然、減額されたままです。ウィズコロナでは、商工会、商工会議所への相談が増加することが明白にもかかわらず、減額のままとなっているのはいかがなものでしょうか。 相談実績に見合った補助金交付がなされなければ、現場を担う経営指導員の努力に報いることができず、ひいては必要な人員の確保が難しくなり、相談に対応し切れない状況になると考えます。 また、円安や原油、原材料価格の高騰、さらには来年十月から開始のインボイス制度への対応など、事業者を取り巻く環境は厳しさを増し、今後ますます商工会、商工会議所へ相談が寄せられることでしょう。相談実績に見合った必要な予算をしっかりと措置しなければならないと考えますが、商工労働部長の見解を伺います。 ○議長(森和臣) 小林商工労働部長。 ◎商工労働部長(小林宏行) 小規模事業経営支援事業は、個々の事業者の経営改善や発展が図られ、ひいては地域経済の活性化につながることが重要です。同事業につきましては、効果的な支援となるように事業評価を実施するなど、これまでの制度を改善し、BCPの作成支援や、円滑な事業承継に向けた支援に係る費用など、中小企業、小規模事業者への経営改善指導の充実に向け、必要な予算を確保してまいりました。 引き続き、中小企業、小規模事業者に向けた的確な支援を念頭に置き、商工会、商工会議所の現場からの意見や要望などを十分取り入れ、事業実績や事業効果を踏まえた予算となるよう努めてまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) 次に、地域猫活動への支援について伺います。 昨日、我が会派の代表質問では、ボランティアの活動の促進が重要と指摘をいたしました。府の所有者のいない猫対策事業は、地域からの要望を受け市町村が申請することになっていますが、うまく活用されていません。 私は、双方の話を伺いましたが、地域猫活動のボランティアの方は、殺処分される猫を減らしたいとの思いで活動されていますが、ふん尿等の被害を受けている地域の方は、生活被害を受けるのは私たちで、無責任な餌やりによって野良猫は増えていると、意見に大きな隔たりがあります。 市町村が、両者の調整を行っていますが、折り合いがつかず、この事業を実施するに至っていないことは問題です。市町村が取り組みやすい支援について、環境農林水産部長に伺います。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 社会全体で殺処分ゼロを目指すためには、その多くを占める所有者のいない猫を減らしていくことが重要であり、不妊去勢手術等を支援する所有者のいない動物を減らす事業が効果的と認識しています。 市町村におきましては、ボランティアと地域住民との合意などに苦慮している例が多いため、これまでから府では、相談のある市町村に対して、動物愛護管理センター等の獣医師が現地に行き、猫の生態把握や地域の実情に応じた被害防止に向けた助言などを行っています。 今後、より一層きめ細かく、市町村や地域の実情を把握し、適切な助言や支援に努めてまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) かなり踏み込んだ助言や具体的な支援を行わなければ、本事業は机上の空論となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、動物虐待における警察との連携について伺います。 府では、令和元年十月より、おおさかアニマルポリス♯七一二二という、連絡窓口を一元化した大阪府動物虐待通報共通ダイヤルを設置運用し、府民の意識も変わり、効果が上がっていると聞いています。 ♯七一二二は、動物虐待疑いを見つけた府民からの通報を受け、府や政令市、中核市が通報内容に応じて指導するほか、悪質な場合は警察が対応することとなっていますが、♯七一二二を通さず直接警察に連絡を入れることもあり、この場合、動物愛護に関する知識を持つ職員などが仲介しないために、警察は虐待の有無や程度について判断が難しい場合があると聞いています。 迅速に対応するため、日頃から府や政令市、中核市と警察が連携を深め、個々の事案に適切に対応することが、動物虐待発生防止につながると思います。環境農林水産部長に伺います。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 動物虐待を防止するためには、府民一人一人が、動物の命の貴さを意識するとともに、いち早く虐待事案を探知し、行政、警察が連携して対応することが重要でございます。 警察との連携につきましては、毎年、政令市、中核市、警察で構成する連絡調整会議におきまして、事例を基に意見交換を行うほか、今年度から若手捜査員の方向けに、不適正飼養や動物虐待に関する講義を行うなど、知識の共有を図っております。 また、警察に直接連絡が入った場合には、直ちに担当部署と情報を共有し、協力して必要な対応を行っております。 今後も、警察や政令市、中核市としっかりと連携し、動物虐待事案に厳しく対処することで、人と動物が共生できる社会の実現を目指してまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) ありがとうございます。 事件だとしても、警察がなかなか動いてくれず、気をもんだというケースも耳にしています。無論、捜査の進展状況は教えていただけませんので、そうした情報提供者の立場も御理解いただき、初動については大変留意をした対応をお願いし、次の質問に移ります。 農業の活性化について伺います。 多面的機能の発揮についてであります。 農業の生産基盤となる農地や農業用施設の維持管理を難しくしているのは、担い手の減少、高齢化によるものです。 一方、大阪の農業、農空間は、農産物の供給だけでなく、こちらのパネルのつなぐ棚田遺産に認定された千早赤阪村の棚田のように、癒やしと安らぎをもたらし、伝統文化を継承するなど多面的な機能も有しており、その維持保全は重要です。 コロナ禍の新たなライフスタイルとして農に対する関心を高めていますが、この流れを定着させ、維持管理活動への参加につなげていくことで、府民と共に農空間を支える社会へと転換できるのではないでしょうか。 府が、農家と地域住民が協働で行う維持管理や交流活動を支援している多面的機能支払交付金について、地域の皆さんの創意工夫を一層生かせるように、人件費においても今後は対象とするなど、府民が農業、農空間に関わる活動を支援する環境を整えていくべきと考えます。 農空間の持つ多面的機能を維持保全していくため、地域農業を取り巻く環境や府民の価値観の変化を踏まえた農業、農空間への府民の参画をどのように進めていくのか、環境農林水産部長に伺います。 ○議長(森和臣) 原田環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(原田行司) 本年三月に策定いたしましたおおさか農政アクションプランでは、農業、農空間を生かした新たな価値創造を目指す方向性の一つに位置づけ、農に関わる人、百万人以上を目標に施策に取り組んでいるところでございます。 具体的には、半農半Xなど、ポストコロナのライフスタイルの変化に対応し、府民と農空間のつながりを生み出すため、今年度から新たに農空間ライフステーション事業を行っております。 お示しの多面的機能支払交付金につきましても、草刈りや農道補修といった活動や、これらにより守られる景観形成などに多くの府民に御参画いただけるよう、地域の実情に応じた、工夫を凝らした取組を支援できるよう検討してまいります。 引き続き、農業を取り巻く府民意識の変化を捉え、幅広い府民の参加の下、農空間の保全と活用が図られるよう努めてまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) ありがとうございます。 多面的機能支払交付金についても、こういった提案の活動について支援できるよう検討していただけるということでございます。本当にありがとうございます。 続きまして、博覧会協会が実施するTEAM EXPO 二〇二五プログラムについて伺います。 開催前から万博に関わり、いのち輝く未来社会のデザインを実現し、SDGsの達成に貢献するための取組、TEAM EXPO 二〇二五は、主体的に未来に向けて行動を起こす共創チャレンジと、こうした活動を場所の提供や情報発信などを通じて支援する共創パートナーの二つの枠組みがあり、本年九月末時点において全国でそれぞれ七百三件、二百三十七団体が登録されています。 自治体であれば、いずれの登録も可能ですが、特に共創パートナーについては、市民等の様々な活動をサポートするという意味において、日頃より市町村の取り組む施策そのものであることから非常に親和性が高く、参加しやすいと考えます。にもかかわらず、開催地大阪でも機運の盛り上がりに地域差を感じており、府内市町村における共創パートナーの参加数は、現在、十三市にとどまっています。 各市町村の判断ではありますが、共創パートナーに登録することで、市町村の後押しを受けた共創チャレンジに取り組む団体、個人の活動が活発化し、万博の機運醸成につながると思います。市町村へ周知を徹底し、登録を後押ししていただくことが必要と考えますが、万博推進局長の所見を伺います。 ○議長(森和臣) 彌園万博推進局長。 ◎万博推進局長(彌園友則) 共創パートナーにつきましては、議員お示しのとおり、現在、府内で十三市が登録されております。その中で、各市が有する公共施設等の提供による活動支援や、民間企業や関係団体とのネットワーク構築に向けた橋渡し、市の広報紙やホームページ等を活用した情報発信など、共創チャレンジの活動を支援されているところでございます。 この間、大阪府市といたしましても、本年五月の市長会及び町村長会におきまして、博覧会協会の協力の下、TEAM EXPO 二〇二五を紹介する中で、共創パートナーの取組につきましても、登録を呼びかけてまいりました。 今後とも、一つでも多くの市町村に本プログラムに登録いただけますよう、博覧会協会と連携しながら、市町村の担当者向けの制度説明会も実施するなど、しっかりとサポートを行い、さらなる機運醸成につなげてまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) よろしくお願いいたします。 次に、府営住宅内の維持管理について伺います。 除草や樹木の剪定、階段、廊下等共用部分の清掃等、共同施設等の維持管理に係る作業については入居者が共同して実施、または入居者により外部委託することが基本ということは理解していますが、府営住宅全体の六十五歳以上の入居者の割合は、令和四年三月末時点で四六・五%と、高齢化の進行で入居者自ら行うことが困難となってきました。 私も、二年前、本会議で提案させていただきました共益費として徴収する制度が来年度から導入されますが、どの程度の申請があり、自治会などからはどのような御意見があったのか、都市整備部長にお伺いいたします。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 維持管理に係る作業の共益費化については、今年四月に制度改正を行った後、団地ごとに来年度の意向を聞いたところ、十三件の申請がございました。 また、今回の共益費化に関しまして、自治会や指定管理者等からは、前向きに受け止めていただいている、導入に向けて入居者の意見調整に時間を要している、コミュニティ維持の観点から共益費化はしないなどの御意見をいただいております。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) 続きまして、入居者の七割以上の同意が、この制度は必要であります。そして、現在、先ほど答弁で、意見調整に時間を要しているといった意見があるとのことですが、府営住宅における緑地面積などの敷地条件により、世帯当たりの負担は異なっています。負担の大きいところでは、意見がまとまりにくいことも原因の一つと考えます。 このパネルは、あくまでも一部ですが、狭山住宅は昭和四十年代に建設された大規模な府営住宅で、緑地が広大であり、他の住宅よりも除草や樹木の手入れに手間と費用がかかります。 また、緑地の状況については、同じ狭山住宅の中でも棟ごとに差があり、それによって維持管理に係る入居者の負担に差も生じていることが、本制度を今後運用していく上での課題だと考えています。 府営住宅における緑地の維持管理に関して、府として何らか支援ができないのか、都市整備部長にお伺いいたします。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 緑地など共同施設の維持管理に係る費用につきましては、受益者負担の原則にのっとり、それを享受している入居者が負担することを基本としております。 ただし、急な斜面の除草や高い樹木の手入れなど、入居者自らが実施するには危険または困難な箇所につきましては、府が負担することとしております。 今後も、これらの考え方について、入居者の理解が得られるよう、丁寧に説明してまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) 今回の私の質問に対して、府の部局の方も足を運んでいただきました。建てられた年度の違いによって、住宅ごとにコンセプトに違いがあることも、府として認識をしていただいています。丁寧に説明をしていくという御答弁に込められた、より踏み込んだ対応を強く期待していますので、よろしくお願い申し上げます。 続きまして、私も含め、再三再四取り上げています府管理道路の除草についてお伺いいたします。 道路の維持管理は、安全安心を確保するため大変重要ですが、南河内地域などは豊かな自然に囲まれるがゆえに、都市部に比べ、パネルのように、国道や府道でも道路沿いに草木が繁茂しやすく、歩行者の通行阻害や運転者の見通し悪化など、自治体や府民から非常に多くの除草要望をいただきます。一度、本当に大きな事故も起きてしまいました。 府における道路の除草は、年一回が基本と幾度となく聞いていますが、回数を二回に増やすなど、より充実した対策が必要不可欠な現状です。都市整備部長に伺います。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 本府が管理する道路につきましては、のり面や路肩などから草木が繁茂し、歩行者や自転車、通行車両に支障となることから、原則年一回の除草を実施しております。 加えて、日常のパトロールや要望などを踏まえ、安全上、追加で対応が必要な箇所につきましては、職員の直営作業などにより対応するとともに、令和三年度からは、除草に係る当初予算を約六千八百万円から約一億二百万円に増額するなど、現場の状況に応じたきめ細かな対応を実施しているところでございます。 今後とも、予算を有効に活用しつつ、適切な道路の維持管理に努めてまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) 度重なる要望の結果なのか、単価の上昇も原因なのか、厳しい財政状況の中、一・五倍の予算増額は大変ありがたく思っています。 そもそも、二度刈らなければ危険なところというのは、各土木事務所ごとに把握されてると思いますので、初めに二回刈ることを発注しておいたほうが、都度の対応よりも単価が抑えられることもあると聞きました。どうぞよろしくお願いいたします。 次のバリアフリー改修に対する支援についての質問に移ります。 高齢者や障がい者の方を含め、誰もが安心して暮らせる環境の整備を図るため、飲食店やスーパーマーケットなど既存建築物のバリアフリー改修を進める必要がありますが、小規模店や施設では進まないと聞きます。 本年四月、国土交通省が事業を拡充し、小規模店舗をはじめとした既存建築物のバリアフリー改修工事等を支援する制度を創設し、バリアフリー法に基づく条例で規制対象となっている不特定多数の方が利用する建築物も対象とされました。 小規模店舗においてもこうした制度も活用すべきと思いますが、府として既存建築物のバリアフリー化にどのように取り組んでいるのか、都市整備部長に伺います。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 大阪府では、全国に先駆けて、平成四年に大阪府福祉のまちづくり条例を定め、不特定多数の方が利用する施設のバリアフリー化の基準を示すとともに、平成二十八年には、設計の配慮事項等をまとめたガイドラインを作成し、建築物のバリアフリー化を促進しているところでございます。 また、令和三年の国のバリアフリー設計のガイドラインの改正を踏まえ、今年度、府のガイドラインを小規模店舗にも役立つものに見直す予定でございます。 引き続き、これらの取組を進めるとともに、お示しの国の補助制度を活用する市町村に対しましては、技術的な助言や、必要な国費の確保などの支援を行ってまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) どうもありがとうございます。 大阪府のガイドラインを小規模店舗にも役立つものに見直す予定とのことで、大変ありがたく思っています。 大阪府では、全国に先駆けて大阪府福祉のまちづくり条例を定めたという経緯もございます。ぜひこの新制度の周知並びに、この国の新しい制度への府費の裏負担、いわゆる上乗せも御検討いただきたくお願いしまして、次の質問に移らせていただきます。 最後に、阪神高速道路工事期間中の料金設定についてお伺いをいたします。 阪神高速松原線の通行止め中は迂回が必要となり、日常生活や経済活動にとって大変大きな負担となっていることは、再三、私も委員会の所属の中で御指摘をさせていただきました。 パネルを御覧ください。 例えば、南阪奈道路の羽曳野インターチェンジから大阪府庁へと向かう場合は、これまでは松原線を通って参っておりましたが、大和川線、湾岸線を大きく迂回するか、近畿道を経由し、東大阪線を利用することになりますが、料金面では、大和川線の鉄砲ランプから堺線の住之江ランプに乗り継いだ場合や、東大阪線の森之宮で下りる場合も、従来の松原線で府庁に向かうよりも割高になるなど負担増となっています。 委員会の中でやり取りをする中で、阪神高速道路株式会社からは、工事期間中も、高速道路及び一般道の交通状況を把握し、必要に応じて対策の見直しを行うと、以前の質問で回答を、私の質問でそのように阪神高速道路株式会社から聞いていると答弁いただいています。 こうした状況を踏まえ、料金調整をぜひとも実施していただきたいと考えますが、都市整備部長にお伺いいたします。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) お示しの料金調整は、調整後の効果や影響を考慮する必要があるものの、利用者の負担軽減には有効な対策であると認識しております。 これまでも、議会での質疑や、令和四年五月議会での意見書を踏まえ、阪神高速道路株式会社に対し、大和川線と堺線の乗り継ぎ制度の早期導入などを働きかけており、同社からも、必要に応じ、料金調整も含め、交通状況の改善につながる追加対策を検討していくとの回答を得ております。 引き続き、阪神高速道路株式会社に対し、料金調整も含めた対策の実施を強く求めてまいります。 ○議長(森和臣) 須田旭議員。 ◆(須田旭議員) ありがとうございます。 先ほど示した料金調整というのは、一部にはなりますけれども、ETCを利用していますので、あまり実感はないかもしれませんが、本当に、南河内またはその先から大阪市内に向かっておられる方の負担というのは、この三年間で蓄積するとどれだけのものになるのかなというのを私は思っています。 国土交通省が、二〇一五年に、高速道路を中心とした道路を賢く使う取組の基本方針を取りまとめた調査があります。その中で、一人当たり、日本国民は、年間で約四十時間の渋滞損失時間があるとされ、その時点で、日本の総人口が仮に一億二千七百万人として計算した場合、約五十億時間の無駄な時間をつくってしまっているという、そういった発表でした。 そして、それを国民一人当たりの所得で計算をし直しますと、平均労働時間と掛け合わせまして、その渋滞で約十一兆円の経済損失が出ているという数字でした。 こういった数字が、十一兆円は国民全体ですが、今、この松原線通行止めの三年間で、南河内の府民、そしてその先から大阪市内へ来てくださっている方々はずっと受け続けるということで、これはもちろん、リニューアル工事というのは今後どんどん増えてくると思いますので、大阪府といたしましても、そういった阪神高速には強く働きかけを再度、再度お願いをいたしまして、私の全ての質問を終わらせていただきます。 このたびの本会議の質問、私は、また四度目の貴重な機会をいただくことができました。先輩諸兄に心から感謝を申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴いただきまして、誠にありがとうございました。 ○議長(森和臣) 次に、前田洋輔議員を指名いたします。前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 通告に従い順次質問をいたします。 まず初めに、非常時における透析医療体制等の確保についてお伺いいたします。 腎疾患の治療として実施される人工透析医療は、数日の中断が患者の生命に関わるため、どのような状況でも継続して実施される必要があり、今般の新型コロナウイルスのような法に指定された感染症に罹患した場合や、大規模災害の発生時等の非常時においても、継続して透析治療を受けることができるよう、行政が率先してその体制整備に取り組む必要があると考えます。 そこでまず、新型コロナウイルス感染症に罹患した透析患者についてどのような対応を実施したのか、また大規模災害発生時などの非常時に、透析医療体制をいかに確保するのか、府の取組について健康医療部長に伺います。 加えて、腎疾患患者の中には、避難所に摂取可能な食品がないという認識から不安を感じている方がたくさんおられます。大規模災害発生時における腎疾患患者の避難所での食事についてどう対応しているのか、危機管理監に伺います。 ○議長(森和臣) 藤井健康医療部長。 ◎健康医療部長(藤井睦子) まず、透析患者が新型コロナウイルスに感染した場合には、継続して透析治療を受けられる体制の確保が不可欠になります。このため、受入れ医療機関に対する要請により、透析患者の受入れが可能な病床を現時点で約百九十床確保しています。 さらに、第六波の病床逼迫を踏まえ、全ての透析取扱医療機関に対して、かかりつけ患者が新型コロナウイルスに感染した場合、軽症者などについては、透析治療の継続及びコロナの初期治療を行うよう要請しました。 次に、大規模災害等が発生した場合には、日本透析医会が運営する災害時情報ネットワークなどを活用して、透析施設や患者の被災状況を把握し、透析治療が継続できない患者には他の医療機関で受け入れる調整を行うなど、非常時にも透析医療を確保する体制を府として整備しています。 今後、新型コロナ対応における課題の検証や災害訓練などを通じて、医療機関などとの連携をさらに深め、非常時での透析治療の継続に向けた体制の充実に努めていきます。 ○議長(森和臣) 大中危機管理監。 ◎危機管理監(大中英二) 府では、避難所において、食事制限が必要な腎疾患患者の方が安心して食事していただけるよう、塩分が少ない原材料表示をした食料を備蓄するとともに、市町村に対しても、避難所運営マニュアル作成指針を策定し、同様の対応を求めております。 今後とも、市町村と連携し、腎疾患患者をはじめ配慮を要する方が安心して避難していただけるよう、避難所における不安解消に向け取組を進めてまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 腎疾患患者の中には、臓器移植の機会を待つ方もおられます。一件でも多く移植を実現するためには、一人でも多くの方に、臓器提供の意思について、最終的な承諾を行う御家族と話し合った上で意思表示を行っていただくという作業の周知と、移植につながる事例に円滑に対応するための環境整備を実施していく必要があると考えます。 特に、意思表示については、令和三年度の世論調査において、臓器提供に関心があるとの回答が六割を超える一方、実際に意思表示をしている方は一割にとどまるとの結果が出ており、大阪府として積極的に周知を行う必要があると考えます。 そこで、臓器移植が一例でも多く行われるために、どのような取組を行っているのか、伺います。 ○議長(森和臣) 藤井健康医療部長。 ◎健康医療部長(藤井睦子) 府では、一人でも多くの方に御家族と話し合った上で臓器提供の意思表示をしていただくため、府ホームページや府政だよりでの周知のほか、イベント会場での啓発や市町村の協力の下、成人式での意思表示カードの配布などの取組を行っています。 また、臓器移植コーディネーターを配置し、移植に当たって、臓器搬送に関する手配や家族への説明など総合的な調整を行っています。あわせて、医療機関に対して移植に関する調整担当者の配置を働きかけるとともに、事例を想定した実践的な研修を行うなど体制の充実を図っています。 今後とも、府民への周知啓発と医療機関における環境整備の充実を図り、臓器移植の推進に努めていきます。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 腎疾患対策は、その発症予防から透析治療のみでは対応できない合併症の治療に至るまで多岐にわたっております。府として様々な面から取り組んでおられると思いますが、ぜひそれらを取りまとめた大阪版腎疾患総合対策の構築をよろしくお願いいたします。 また、臓器提供の意思表示ですが、自動車運転免許証や健康保険証の裏面にもその意思表示を記載する箇所があります。ぜひこういったところへの記載をしていただけるような取組も進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、一般公衆浴場、いわゆる銭湯について伺います。 銭湯は、年々その施設数が減少しているところですが、昨今の原油高により経営がさらに厳しくなる中、物価統制令により、燃料費上昇分を価格転嫁できないことから、府では、我が会派から緊急要望した公衆浴場燃料費高騰対策支援事業を行っており、事業者の負担が幾分和らぐのではないかと期待しているところですが、ほぼ全ての家庭にお風呂がある現状において、新たな顧客を呼び寄せることが銭湯経営にとって重要であると考えるため、引き続き支援をしていただきたいと思っております。 本題に入ります。 昭和五十七年、銭湯の数が減少する中、公衆衛生の向上に寄与することを目的とした法令として、公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律が施行されており、本法令では、「国及び地方公共団体は、公衆浴場の経営の安定を図る等必要な措置を講ずることにより、住民の公衆浴場の利用の機会の確保に努めなければならない」といったことなどが求められております。 その後、家庭風呂の普及が進む中、平成十六年に一部法改正がされ、現在、それからさらに二十年近く経過しております。 この間、銭湯を取り巻く環境が劇的に変化していることを考えると、法が示す地方公共団体、大阪府や市町村に求められる役割も変化してきており、その役割に応じた整理を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、その整理検討を行う場合、どのように進めていくのか、健康医療部長に伺います。 ○議長(森和臣) 藤井健康医療部長。
    ◎健康医療部長(藤井睦子) 銭湯については、物価統制令に基づき入浴料金の上限を設定しており、安価で利用できることから、かつての家庭風呂が少ない状況において、地域の公衆衛生の維持向上に貢献してきました。 家庭風呂が普及していく中で、議員お示しの公衆浴場確保法の改正により、その目的に住民福祉向上への寄与が加えられるなど、銭湯が担う役割も変化していると認識しています。 こうした中、府としては、来年度、有識者による研究会を設置し、営業者や関係者との間で意見交換を重ねつつ、銭湯の現状及び行政の役割の在り方について整理していきます。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 銭湯は、これまで家庭にお風呂がない住民に対し、保健衛生水準の向上に貢献してきただけでなく、地域のふれあいの場としての役割をも担ってまいりました。 また、平成三十年の大阪府北部地震の際には、入浴困難な被災者に銭湯を無料開放されたという事例もあり、被災地支援においても重要な役割を担っていると言えます。そういった地域に溶け込んでいた銭湯が年々減少する状況の中、公衆浴場確保法における行政の役割を整理していくことは一定評価いたします。 とはいうものの、この取りまとめ、行政の役割の整理を行った後が重要です。 府と銭湯事業者や関係者で、引き続き意見交換を行い、必要な措置を講じることで効果的な事業が実施できるよう、住民福祉の向上に資する取組を進めていただきますよう要望いたします。 次に、乳幼児医療費助成制度について伺います。 乳幼児医療費助成については、毎年、府内市町村から制度の拡充についての要望が上がっており、近隣では中学校卒業までを対象としている府県もある中、大阪府においては小学校就学前までが対象となっており、そういったことから、八尾市においては子ども医療に係る大阪府の支援は事業費全体の一五%となっております。 現在の補助制度については、平成二十六年度福祉医療費助成制度に関する研究会において検討されたということですが、当時から八年が経過し、当時と背景や状況も変化しております。 市町村への支援を拡充すべく、再構築に向けての検討を進めるべきと考えますが、福祉部長に所見を伺います。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 乳幼児医療費助成制度につきましては、府と市町村の役割といたしまして、医療のセーフティーネット部分は府が基準設定を行い、子育て支援部分につきましては、住民に身近な基礎自治体である市町村が創意工夫の下、取り組むと整理しているところでございます。 なお、平成二十七年度から、府域全体の子育て支援の底上げのため、新子育て支援交付金を創設し、子どもの医療費助成を含む市町村の子育て支援施策の充実につながるよう、市町村支援を行っているところでございます。 府といたしましては、引き続き乳幼児医療に係るセーフティーネット部分の役割を果たしますとともに、同交付金による市町村の子育て支援施策をバックアップしてまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 子育て支援は、住民に身近な市町村が取り組み、府は市町村支援を行っていくという府の考え方をお示しいただきましたが、市町村の子育て施策を支援していくに当たり、他府県の状況も把握しながら進めるべきと考えますが、所見を伺います。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) お示しの他府県の取組につきましては、把握させていただきながら、府と市町村との役割分担を踏まえまして、引き続き子育て支援に取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 他府県の取組も把握しつつ、府と市町村の役割分担を踏まえ取り組むと御答弁いただきました。 近隣自治体で府と同じく就学前を対象としている和歌山県では一部自己負担なし、滋賀県においては所得制限、一部自己負担なしとなっており、セーフティーネットの担い方について違いがあることが分かります。 そうしたことからも、府が担うこととしている医療のセーフティーネット部分の役割の果たし方については、議論、研究の余地があるのではないかと考えております。他府県の取組を把握いただく中で、セーフティーネットの担い方の考え方についても把握していただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、都市計画道路八尾富田林線と大阪柏原線との接続について伺います。 八尾富田林線は、大阪の環状方向の交通機能を強化する交通軸で、大阪内陸都市環状線を形成する重要な路線として整備が進められておりますが、大阪柏原線と一体で整備することで、より広域的な道路ネットワークの強化が期待されると考えます。 現在、八尾市域では、中部広域防災拠点である八尾空港付近の市道木ノ本田井中線から大和川沿いの府道大阪羽曳野線に至る約二キロメートルの区間について、事業が行われておりますが、八尾富田林線の完成後は市道に車両が流れ込み、渋滞が発生する懸念があることから、周辺道路の渋滞緩和と円滑な交通を確保するため、事業中の区間をさらに北側に延伸し、大阪柏原線まで整備すべきと考えますが、都市整備部長の所見を伺います。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 都市計画道路八尾富田林線の北側への延伸は、都市計画道路大阪柏原線とつなぐことで、中河内地域の道路ネットワークの強化に寄与するものと考えております。 現在、大阪柏原線は、国や地元市と具体化に向けた議論を進めている状況であることから、今後、大阪柏原線の具体化の見通しや、八尾富田林線の事業中区間の整備状況も踏まえ、北側への延伸の着手時期を見極めてまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 八尾富田林線の延伸は、大阪柏原線の具体化の見通しを踏まえて見極めていくと答弁がありました。 この大阪柏原線は、八尾市と柏原市の努力により国への要望ルートが合意に至ったと聞いており、これは非常に大きな前進だと思っております。これまで、国が整備する際は、広域的な観点から複数の府県をまたがってのルート設定が必要と思い込んでおりましたが、今回合意に至ったルートは府県間をまたぐことなく、大阪府域で完結するルートと聞いております。 そこで、この要望ルートに係る国の見解はどうか、また今後どのようなステップで事業化が図られていくのか、都市整備部長に伺います。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 大阪柏原線につきましては、国が管理する国道二五号のバイパス機能を有する路線として、国や地元市と共に地域課題や道路の整備効果などの検討を進めてきたところでございます。 お示しの要望ルートにつきましては、国が整備する路線は必ずしも府県をまたがる必要はない、他府県では同一府県内のバイパス道路を認めているとの見解を国は協議の場で示しております。 また、国への要望ルートが合意されたことから、今後は事業者によりルートや構造等の検討、都市計画などの手続のための調査、事業実施の妥当性の評価を経て事業化されるものと考えております。 本府としては、引き続き事業の具体化に向け、地元市と共に取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 八尾富田林線が整備されたとしても、大阪柏原線が整備されなければ、大阪内陸都市環状として、また大阪市内へのアクセス道路としてネットワークが機能しません。さらに、八尾富田林線、大阪柏原線が交差するエリアは、JR久宝寺駅から地下鉄八尾南駅の間に位置しており、先般、マーケットサウンディングが行われた八尾空港西側跡地や八尾空港、大阪を代表するものづくり企業が数多く存在しております。 そういった点からも、大阪の成長に資する非常に大きなポテンシャルのあるエリアであり、八尾富田林線と大阪柏原線が一体的に整備されることで、初めてその機能、効果が発揮されるものと考えます。 時間軸としては、現在の八尾富田林線の事業の完了時期を見据え、その延伸と大阪柏原線の事業化に向けて取り組んでいただくとともに、整備が一体的に行われるよう進めていただくことを要望いたします。 次に、恩智川治水緑地の利活用について伺います。 恩智川治水緑地は、洪水を一時的に貯留する施設として効果を発揮し、平成三十年七月豪雨の際には百万立米を超える恩智川からの洪水を一時貯留するなど、浸水被害の軽減に大きく寄与しており、被害の軽減のため活用されてきました。 一方、平常時の利活用については、恩智川を境に西側を八尾市、東側を東大阪市が上面占用し、グラウンドや広場などを整備し、これまでも府民に利活用されてきたところですが、週末のグラウンド利用が中心で、それ以外ではほとんど利用されていないと感じております。 都市近郊の約四十ヘクタールの空間は、非常に貴重な財産であり、より多くの府民に利活用されることが重要と考えますが、恩智川治水緑地のさらなる利活用に向けてどのように取り組むのか、都市整備部長に伺います。 ○議長(森和臣) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 恩智川治水緑地は、府が治水施設としての整備を行い、地元市がその上面を平常時にグラウンドや広場として利用できるよう整備しております。 現在、休日を中心に球技などで多くの府民にグラウンド利用いただいているものの、地域の方からは出入口の一部がバリアフリー化されていない、管理用通路の一部が自由に通行できず周遊ができないなどの声をいただいております。 このため、令和四年五月にこれら地域のニーズを把握し、今後の利活用の方向性などを検討する勉強会を八尾市と立ち上げたところでございます。 今後、この勉強会を活用し、八尾市など関係者と連携しながら、治水緑地のさらなる利活用に取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 恩智川治水緑地の利活用は、地元市が主体的に検討を進めていくものと認識しておりますが、八尾市、東大阪市の両市にまたがる治水緑地がより魅力的でにぎわう場となり広く府民に利用されるよう、広域自治体、河川管理者でもある府がコーディネーター役として一体的な検討が進むよう、支援をお願いいたします。 次に、第二次大阪府教育振興基本計画に関して質問いたします。 現在、大阪の教育の今後十年間における大きな方向性を示す第二次大阪府教育振興基本計画の策定作業が進められており、その策定に当たり、大阪府教育振興基本計画審議会が開催され、委員からは教員が抱える課題について多くの意見が出ていると伺っております。 特に、働き方については、教員は学校でのことは自分たちで解決するという意識が強く、問題を抱え込む傾向があり、そういった意識が風土、文化のように根深くなっていることから、意識改革の必要性が指摘されております。 これまでも働き方改革として、学校閉庁日の実施や一か月単位の変形労働時間制の適用範囲の拡大など、具体的な施策、取組を行ってきたと認識しておりますが、教員一人一人の意識が変わらない限り、効果を生み出すことはできません。 あわせて、重要なのは、教員のモチベーション維持の取組です。教員が働きがいを感じるような仕事の内容、職場の環境であることが子どもたちへのよりよい教育、指導につながるとともに、新たに教員を志す人の増加にもつながっていくと考えます。 このような教員の働き方に関する意識改革、教員のモチベーション維持について、第二次計画にどのように反映していくのか、教育長の所見を伺います。 ○議長(森和臣) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 教育庁では、これまで、風通しのよい組織づくりや、教員が外部人材の活用や外部機関と連携、交流する機会などを通じ、教員の働き方に関する意識改革をお願いしてまいりました。 また、モチベーションの維持向上につきましては、教員それぞれのキャリアステージに応じた研修や、個々の教員の状況の丁寧な把握に基づく人事異動の実施、教員が異動先を希望することができる制度を設けるなど、教員の意欲向上に努めております。 教員の意識改革やモチベーションの維持向上は、重要な観点というふうに考えており、第二次大阪府教育振興基本計画におきましても、それらの視点を盛り込みますとともに、具体的な取組につきましては、知事と協議をさせていただき、検討を進めてまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 次に、学校外部の資源、力の活用について伺います。 八月に示された第二次計画の骨子案の中で、これからの社会は先行きが不透明で、将来の予想が困難な未来を迎えるとされているように、今後、これまで以上に予見できないような課題が発生すると考えられます。 実際、近年の教育環境の状況を振り返っても、コロナ禍を背景とする急速なICTを活用した教育環境の整備や教職員の負担増大など、第一次計画策定時には予想だにしなかった課題も生じております。 そうした課題へ迅速に対応するためには、既存のスキームに加え、積極的に外部から財源や人材等の資源を呼び込み、活用することが必要であると考えます。 第二次計画においても、外部資源の呼び込み、活用を進めるべきと考えますが、所見を伺います。 ○議長(森和臣) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 今後十年間を見据え、様々な課題に柔軟に対応するためには、外部資源を呼び込み、活用することが非常に重要であると認識をいたしております。 特に、大学や企業との連携をはじめとする外部人材や外部機関のさらなる活用を進めることにより、教育内容の専門性を高め、子どもの多様化するニーズに応えることができると考えております。 加えて、教職員の負担も軽減でき、教員が子どもに向き合う時間を創出し、教育のさらなる充実につながることも期待できますことから、今後、知事と協議させていただき、第二次基本計画の基本方針の一つに位置づけ、検討を進めてまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 外部人材や外部機関のさらなる活用について答弁がありましたが、外部資源として人材だけではなく財源を確保することも重要です。そのための一つの策として、府立学校をはじめとする教育施設を活用し、収益を得る方法が考えられます。例えば、休日に学校を資格試験の会場などとして外部団体に貸し出せば、その会場使用料として収益を得ることができます。 教育分野においては、今後、様々な課題が生じることが見込まれ、それらに迅速に対応するためには多くの財源も必要です。そうした観点からも、外部からの財源を呼び込み、教育施策に還元していく観点を持つことが重要です。その一つの手法として、教育施設の活用による収益の獲得を進めるべきと考えますが、所見を伺います。 ○議長(森和臣) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 府立学校施設をはじめとする行政財産につきましては、大阪府公有財産規則に基づき、一定の要件を満たした場合に、行政財産の目的外使用許可として、その用途または目的を妨げない限度におきまして貸付けをすることができるとされております。その際には、規則により定められた使用料を徴収することとなっております。 府立学校の活用例でございますが、休日に教室を検定試験の会場として貸し出し、使用料を徴収した事例がございます。 今後も、学校の教育活動に支障がない範囲内で対応してまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 支障がない範囲で対応していくとのことですが、校舎、運動場、体育館、プールなどの施設、用途、時間帯などその範囲を明確にし、料金設定も含め可視化する必要があります。また、閉校後の学校もあることから、時間貸し以外の活用の方法も考えられます。民間事業者のアイデア次第では、想像する以外の使い方ができるかもしれません。 いずれにしましても、教育施設も府民の大切な資産であるという意識を持ち、積極的に財源確保に取り組むなど、二次計画では公立学校における教育においても経営の観点を含めていただきたいと考えますので、よろしくお願いいたします。 次に、大阪府教育振興計画で示す今後十年間の方向性について伺います。 計画審議会の中で委員からの意見もありましたが、第一次計画下における十年間で、教育の在り方はもっと変化すべきであったと考えております。個々の教育施策、取組で見ると一定の変化はあったかとは思いますが、大阪の教育という高い視点で見ると、抜本的な変化はなかったように感じております。 一方、大阪の教育を取り巻く環境は大きく変化しており、第二次計画の骨子案の中にあるように、人口減少、少子高齢化、グローバル化の進展など、これまでと同じ取組では対応し切れない変化に直面しております。 このようなことを踏まえると、第二次計画では大阪の教育の在り方の見直しも含め、抜本的な教育改革を行うべきと考えます。例えば、学力向上に重きを置くなど、市町村立、国公立、私立では行われていない新しいタイプの小中学校を府立で設置することや、中高一貫校を増やしていくことなどは、大阪の教育に大きな変化をもたらすきっかけとなります。 これらの取組は、市町村が実現できていない部分を大阪府が補完することで、子どもの学びの選択肢を増やすことにつながるとともに、実践に基づく教育施策の効果検証を行うことが容易になります。 先ほど質問したような外部人材、外部財源、人材等を呼び込み、教育施策に活用するような考えも、現行の枠組みにとらわれず、幅広い観点から中長期的な検討を行い、実現の可否を判断していくものと考えます。 二次計画においては、計画に定める内容や既存の考え方にとらわれることなく、教育の在り方を絶えず検討することが必要と考えますが、所見を伺います。 ○議長(森和臣) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 第二次計画は、今後十年間の大阪全体の教育の羅針盤となるものでございます。また、急激な時代の変化に対応するためには、これまでの取組や現在の状況を踏まえた計画の柱となる基本方針等を着実に進めることに加え、今後生じる様々な課題やニーズに柔軟に対応していくことが必要と考えております。 このようなことから、今後、知事との協議を進め、教育の大綱となる第二次計画を策定をいたしますが、計画期間の中間時点において、別途策定をいたします事業計画を改定するなど、状況やニーズを適切に捉えて、個々具体的な取組を進めてまいります。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) 二次計画が、今後十年間の大阪全体の教育の羅針盤であることは理解をしております。教育の在り方という大きな検討は、一朝一夕で結論が出るようなものではなく、二次計画とて十年であり、プロセスという意識を持つべきと考えます。既存の制度や枠組みの中で実現可能性を判断してしまっては、場当たり的な取組となり、結果的に現状と変わらず、本当の意味での教育改革を行うことはできません。 現状の大阪の教育に満足することなく、既存の制度、枠組み自体も含めた検討を絶えず行うことで、引き続き将来を担う子どもたちにとっての最適解となる教育の在り方を探求し続けていくということを二次計画の中において明確にしていただけるようお願いいたします。 最後に、副首都ビジョンのバージョンアップについて伺います。 有識者による意見交換会の中間論点整理が示され、今後、議論をさらに深化させるとともにバージョンアップに取り組むと伺っておりますが、今後の議論では具体的に何をすべきかということを明確にしていく必要があると考えております。 現在の国の規制やスキームにのっとった動きでは、成果が現れるまでに相当な時間を要することから、具体的に規制改革をはじめとする法改正や、特区の設置の方向性やその内容を示していくべきと考えますが、この点について意見交換会においてどのような議論が交わされたのか、副首都推進局長に伺います。 ○議長(森和臣) 本屋副首都推進局長。 ◎副首都推進局長(本屋和宏) 意見交換会では、大阪自らが世界に伍して、日本の成長を牽引できるような経済モデルを考えるに当たって、全国一律の権限移譲ではなく、大阪がリードする形で必要な規制改革や特区制度を国に主張していくのがよいのではないかとの議論があったところです。 そして、そうした規制改革等の実証の場として、大阪は大都市として一定の経済規模があり、信頼ある知見を十分に集められること、加えて大阪には不具合が生じた際に迅速に改善できる十分な行政能力があるといった優位性などから、最も適した場所と言えるのではないかとの意見をいただいているところでございます。 こうしたことから、全国に先駆けた、東京にはできない実証の場を目指すことを中間論点整理の主なポイントに掲げております。 引き続き、人材やデジタル等を最大限生かして、先駆的な実証の場としていかに大阪のポテンシャルを高めていくか議論を深め、副首都ビジョンのバージョンアップにつなげていきたいというふうに考えております。 ○議長(森和臣) 前田洋輔議員。 ◆(前田洋輔議員) イノベーションを起こすには、規制改革が必要となりますが、権限や財源を持っているのは国であるため、実現に向けてはハードルがあります。 場合によっては、その権限や財源の移譲を求めていく必要もあろうかと思いますが、その国を動かすためには、制度的なハードルを具体的に明らかにしていくとともに、例えば規制改革の実現によってどれほどの経済効果があるのか、目指していくのかといった規模感や全国へのインパクトなど、メリットをしっかりと国に訴えていくことが必要です。 その際には、大阪が実証の場になるだけの単なるフィールドで終わることがないよう、マイルストーンを設定したマーケットの広がりを意識していくことが重要であり、大阪が世界に飛び出す、大阪で培った技術やサービス、ビジネスによって世界の人々の生活の質を向上させていくんだといったような大きな方向性を示していただき、世界中の人々が驚きに包まれるようなビジョンのバージョンアップ案となるよう、策定に取り組んでいただくようお願いをいたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(森和臣) この機会に、あらかじめ会議時間を延長いたします。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(森和臣) 次に、久谷眞敬議員を指名いたします。久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) 大阪維新の会大阪府議会議員団の久谷眞敬でございます。 まずは、大阪人権博物館の収蔵資料の有効活用について質問をさせていただきます。 今月十月は、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例啓発推進月間であることも踏まえ、大阪人権博物館の収蔵資料については、代表質問において時間の関係で質疑できなかった項目の一つでありますので、この機会に一点確認をさせていただきます。 近年の社会経済情勢を見ますと、様々な場面で人権に関する状況が、これまでにないほど重大な危機を迎えているのではないかと認識しております。一人一人が、真に人権の大切さを自ら理解し行動していく以外に方策はなく、そのためには人権侵害の歴史を知り、忘れないことが何よりも重要です。 そうした観点から、私は大阪人権博物館--リバティおおさかにおいて、多くの関係者により集められた約三万点の資料について、今後の保管方法や活用方策が定まらない状況にあることを懸念しております。 我が会派では、資料を府民の共有財産として次の世代にしっかりと引き継ぎ、教育や啓発に有効活用し、情報発信を図っていくべきとの観点から、昨年九月議会で取上げをさせていただきました。 府民文化部長からは、関係者との協議調整を図りつつ、府として何ができるか検討するとともに、府民への啓発や人権教育に積極的に活用していく旨の答弁をいただきました。現在、資料は大阪市の施設で二〇二三年三月末までの期限で保管されていますが、このたび人権博物館から大阪公立大学に対して、所蔵資料を寄贈するので有効に保存活用してほしい旨、提案されたと伺いました。 実現すれば、人権に関する歴史資料として適切に保存管理し、次世代に引き継ぐことが可能となります。同時に、大学にとっても研究に活用でき、また新設の森之宮キャンパスなどで展示活用することなどによって、教育に役立てることができるのは当然のこと、人権問題に関する新たな知の創造拠点として、大学の社会的な存在価値、貢献度をアピールすることにつながり、極めて有意義なものであると考えます。 今後、両者の間で具体的な協議が進められていくことになると思いますけれども、現況を踏まえ、大阪府として関係者と調整を図り、どのように取り組んでいくのか、府民文化部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) お示しの大阪人権博物館収蔵資料につきましては、人権の意義や価値についての理解を深める上で貴重なものであり、府としても次世代にしっかりと引き継ぐべき府民共有の財産であると認識しております。 そのため、府としても収蔵資料を有効に活用し、次世代を担う若者への人権問題についての意識を高めるとともに、大学の教育、研究機能の一層の強化、向上を図る観点から、大阪公立大学が適切と考え、財団とも協議をしながら収蔵資料の活用等について働きかけたところでございます。 今般、財団からも大学に対し具体的な提案が行われ、その結果、現在、大学におきまして学術資料受入検討委員会を立ち上げ、その受入れに当たっての今後の活用方策等の課題や条件を整理するなど、検討が進められているところでございます。 今後、府としても検討された課題等を踏まえ、知の拠点である大学において貴重な当該資料が保存、展示されるとともに、その有効活用が図れますようしっかりと支援してまいります。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) よろしくお願いいたします。 次に、大阪マラソンについてお伺いをいたします。 大阪マラソンは、平成二十三年の第一回大会以来、これまでに十回開催され、大阪にはなくてはならないイベントとして定着してきております。 また、昨年度の大会から、歴史と伝統のあるびわ湖毎日マラソンと統合し、エリートランナーと一般市民ランナーとが共に走る大会となっておりますけれども、残念ながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、一般市民ランナー部門が中止となってしまいました。今年度こそは、大阪マラソンの原点である市民マラソンとエリートマラソンが融合した初の大会を観戦できると楽しみにしております。 パネル、お願いします。 これは、私ではございませんし、大阪マラソンとは関係ないんですけれども、このランナーの着てる服を見てほしいんです。大阪マラソン十回目ってなってるんですけど、十回目は大阪マラソン、コロナの関係で中止となったんですけれども、これ、記念品としてもらったTシャツだそうです。こういった形で楽しみにしているランナーもおられるということを御紹介をさせていただきたいと思います。 以上です。 本日は、大阪マラソンのコースについてお伺いをいたします。 大阪マラソンでは、令和元年度に開催された第九回大会から大阪城公園をゴールとする、いわゆるセントラルフィニッシュ方式が採用されています。セントラルフィニッシュとは、文字どおり都市の中心部をゴール地点として設定するもので、その都市の中心部や観光名所を通過させることから世界の大きなマラソン大会で採用されています。 大阪マラソンにおいても、このセントラルフィニッシュを採用したことにより、多くの名所を巡ることができるようになり、またスタート地点の近くにゴール地点を設けたことにより、荷物の移動等ランナーの負担も減ったのではないかと思います。さらには、応援する皆さんにとっても、少ない移動距離でレースを追いかけることができ、大会を盛り上げる上では非常に有意義であり、私も議会で提言してきた者としまして、セントラルフィニッシュ方式の採用は、大阪マラソンの魅力の向上に大きく貢献したものと評価をしております。 ただ、現在のコースは折り返し地点が多く、実際にコースを走るランナーにとっては少し走りにくいのではないかと思います。ランナーにとって走りやすいコースとなることで、より多くの方が楽しめる市民マラソン大会となり、また記録も狙えるコースとなれば、よりレベルの高い選手の招聘も可能となるのではないかと考えます。 そういった観点から、大阪マラソンのコース変更を検討するべきと考えますけれども、府民文化部長の考えをお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 大阪マラソンは、大阪の都市魅力を発信する都市型市民マラソンであり、ランナーだけではなく観客の方々など、大会を支える全ての方々が楽しめるスポーツイベントとして開催することが重要と認識しております。そのため、中之島や御堂筋など見どころが多い大阪のまちを巡り、大阪城公園でゴールするセントラルフィニッシュ方式の採用などの工夫を重ねまして、大阪の魅力を存分に楽しむことのできるコース設定に努めてまいりました。 さらに、昨年度は、びわ湖毎日マラソンとの統合に伴い、世界選手権の代表選考レースとしても位置づけられたところであり、今後、市民マラソンとしての楽しさに加え、競技性の向上を図り、これまで以上に大会の魅力を高めることが必要であると考えております。 このような状況を踏まえ、現在、府も参画する大阪マラソン組織委員会におきまして、令和六年二月に開催予定の大会に向け、五か所の折り返し地点を三か所とする検討を進めているところでございます。 今後とも、大阪マラソンの魅力が一層高まるコースとなりますよう、府としても積極的に取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) 都市型の市民マラソンである大阪マラソンは、多くのランナーが大阪のまちを駆け抜けるという非日常が体験できる、まさに新しい形の大阪のお祭りです。私の地元の天神祭、御堂筋イルミネーションなどと同様に、大阪の魅力を発信することができる貴重な機会です。 コースを変更するということになれば、大阪の代表的なランドマークを通過しつつ、走りやすい四十二・一九五キロを設定するという難しさのほか、車道等を通行止めにすることによって、沿道の皆様に御理解、御協力をいただくための調整など、様々な苦労があると思います。 先ほど、府民文化部長から前向きな答弁をいただきました。大阪マラソンは、大阪府民のみならず、世界中の方が楽しみにしている大会でもあります。ぜひとも、府民の皆様に親しまれ、世界中の誰もが走ってみたいと思うような、より一層魅力的なコースとしていただきますよう要望しておきます。私としましては、ランナーのアンケートで人気のある地元大阪市北区のまちなみをコースに選定されますよう、併せて要望をさせていただきたいと思います。 次に、少子化対策についてお伺いをいたします。 少子化が一層進行していくことが懸念されている中、結婚、妊娠、出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものでありますけれども、少子化が進んでいる背景には、経済的基盤の不安定さや出会いの機会の減少、仕事と子育ての両立の難しさなどの要因が考えられ、個人の希望実現のためにそれらを打破していく必要があります。中でも、結婚の希望がかなえられない大きな理由の一つに、適当な相手に巡り会わないとの理由があることから、出会いの場、機会の創出支援が重要であると考えます。 府では、子ども総合計画に結婚支援を位置づけ、取組を推進しているということでありますけれども、どのように取り組んでいるのか、福祉部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 結婚を希望される方の希望を実現するために、結婚支援に取り組むことは重要であるというふうに認識しております。 令和元年度より、府内市町村や団体等によるおおさか結婚応援ネットワークを構築させていただいて、結婚を応援する機運の醸成等を図っているところでございます。今年度は、ネットワークに参画の商工会議所等二団体におきまして婚活イベントを開催されます。また、府といたしましても、八月に民間団体と共催で、福祉や医療従事者を対象とした婚活イベントを行うなど、出会いの機会を後押ししているところでございます。 引き続き、先ほど申し上げたネットワークにおける情報共有を密にしながら、民間団体等と連携して、結婚を望まれる方の希望が実現するための取組を進めてまいります。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) 結婚支援については、ネットワークによる定期的な婚活イベントの開催を引き続きお願いをいたします。 さて、先日公表された国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によりますと、十八歳から三十四歳の未婚男女のうち、「いずれ結婚するつもり」と答えた割合は、男性が八一・四%、女性が八四・三%で、ともに過去最低となりました。一方、「一生結婚するつもりはない」との回答は、男性で一七・三%、女性一四・六%でどちらも過去最高でした。 多様化する時代において、少子化対策を進めるに当たっては、次世代を担う高校生や大学生などの若い世代が、早くからキャリアデザインと併せて、結婚など自身の将来について考えておくことも重要と考えております。 そこで、若者にライフデザインを立てることの重要性についてどのように理解を促していくのか、福祉部長の御所見をお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) お示しのとおり、次代を担う若い世代が、自らライフデザインを描いていただくと。そのためには、早くから就職や結婚など自身の将来について考える機会を持っていただくことが重要と認識しております。 府におきましては、子ども総合計画の基本方向の一つに、「若者が自立し、自らの意思で将来を選択できる社会づくり」を掲げておりまして、その中で若者がライフデザインを考える機会の提供に取り組むこととしております。 現在、若者の価値観も多様化しております。そのことから、大学や民間団体と連携し、大学生などの意見を聞く機会を設け、自らライフデザインを描くための適切な情報発信に取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) 早くからライフデザインについて考える機会を持つことは、そのときに実感がなくても重要であることから、しっかり取り組んでいただくことをお願いいたします。 さて、国において、こども家庭庁が令和五年四月に設置され、こども基本法に基づき、子どもを社会の真ん中に据えています。平成二十九年の新しい社会的養育ビジョンにより、全ての子どもを対象として支援を行う考え方が示されました。 特に、何らかの事情により実家庭で生活できない子どもたち、いわゆる社会的養護を必要とする子どもたちを社会全体で養育する一つの例といたしまして、里親制度があります。温かい愛情を受けながら家庭での生活を送ることは、子どもの健やかな成長にとって非常に有意義であり、推進していく必要があると思います。 十月は、里親月間であり、私もこのように街頭に立って啓発を続けております。子どもへの思いがある方であれば、結婚や子育て経験の有無にかかわらず、里親として子どもを育ててもらえるのではないかと。社会全体で子育てする観点に立ち、結婚や子育て経験の有無等によらず、子どもに温かい愛情と正しい理解を持つ方に広く里親になっていただくことで、里親の成り手が広がると思いますけれども、福祉部長の見解をお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) できる限り家庭的な養育環境の中で、特定の大人との継続的で安定した愛着関係を育むことができるようにいたしますことは、子どもの健やかな成長にとりまして重要と認識しております。 里親になっていただくためには、必ずしも結婚していることや子育て経験がある必要はございません。府が里親に求めております幾つかの要件のうち、子どもの養育についての理解及び熱意並びに子どもに対する豊かな愛情を持っていることを最も重視しております。このような思いを持っておられる幅広い府民の方々に里親として活動いただけるよう、広報発信をしているところでございます。 特に、議員先ほどお示しのとおり、十月は里親月間でございます。府内各地で開催する相談会やイベント等を通じまして、積極的に発信し、より多くの方に里親になっていただけるよう取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) 少子化対策に特効薬はなく、大阪の活性化を含めたあらゆる施策を総動員して、持続可能な社会づくりに資する取組を継続していく必要があるということを改めて感じております。 日本は、健康寿命が世界一の長寿社会を迎えており、こうした人生百年時代には、高齢者から子ども、若者まで全ての人に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくる必要があります。そのため、幼少期から生まれてきた意味、意義を認識し、自分を大切にするという意識を持ってライフデザインを描けるよう、幼少期から教育していただきたいと思っております。また、ミドル世代への婚活支援など、引き続き全ての人の希望がかなう大阪の実現に向けて取組を進めていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、スマートシティ戦略におけるモビリティー取組についてお伺いをいたします。 デジタル技術の活用は、これまでに解決できなかった社会課題の解決へのアプローチとして重要な意味を持ちます。 二〇二五年大阪・関西万博では、最先端の技術を先取りし、未来社会への道筋を示す絶好の機会であり、モビリティーの分野でも空飛ぶクルマや自動運転など実現に大きな期待が寄せられていますが、私は同時に、今まさに府民の皆さんが困っている課題の解決やポストコロナの経済成長にデジタル技術を生かすことも大変重要と考えております。そうした観点から、昨年の九月議会において、移動課題の解決に向けたAIオンデマンド交通やパーソナルモビリティーについて質問をさせていただきました。 加えて、今後、こうした移動手段の普及に合わせて、多様な移動手段をシームレスにつなぎ、またお出かけ目的のサービス等も連動させるMaaSの推進が重要になってくると考えます。 スマートモビリティーが、社会課題の解決に果たし得る役割は極めて大きく、高齢者により拡大する移動課題への対応のみならず、ポストコロナの経済成長に向けて、府内各地への回遊性の向上による広域での経済活性化や、都市の競争力を高める都心部の生活利便性の向上にも資するわけであります。 さらには、渋滞解消や公共交通の利用促進によるカーボンニュートラル等の実現など多岐にわたります。スマートモビリティーに関する取組について、スマートシティ戦略部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 坪田スマートシティ戦略部長。 ◎スマートシティ戦略部長(坪田知巳) スマートモビリティーは、お示しのとおり、生活に直結する移動課題の解消のほか、経済の活性化や都市魅力の向上、持続可能な社会の実現などに大きな役割を果たせるものと認識いたしております。 バス路線の縮小やコミュニティバスの運営負担が市町村で課題となる中、大阪スマートシティパートナーズフォーラムの取組といたしまして、府内の自治体とAIオンデマンド交通導入ワーキングを実施いたしております。そこでの議論を通じて、市町村が個々に対応するよりも、交通事業者が運行主体となることで運営の効率化や持続性を高め、市町村の境界にとどまらない、広域にAIオンデマンド交通を展開できるモデルの構築を目指すことといたしました。 今年度は、府として、その推進を図るための補助制度を創設いたしました。阪急バスさんや南海電鉄さんといった大手交通事業者が参画する二つの事業を採択し、令和六年度の実装につなげてまいります。 また、MaaSについては、二〇二五年大阪・関西万博を控え、渋滞緩和のためにも非常に重要と考えております。先月、関係部局との庁内関係者会議を設置し、まずは鉄道七社を中心に計画が進められている関西MaaSとの連携について検討を進めております。 今後、府内の移動の利便性向上と観光など、大阪の経済活性化にもつなげてまいります。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) よろしくお願いいたします。 昨年五月から、大阪市内でシェアリング事業による電動キックボードの実証実験が開始され、ヘルメットの着用が任意である自転車と同様に、一方通行を逆走できるなど、特例措置が認められている特例電動キックボードが走行することになり、これらの電動キックボードを運転する若者などをまちじゅうでよく見かけるようになりました。 しかしながら、いまだ府民にとって電動キックボードは、自転車ほど身近な乗り物として定着していない上、まちなかを走行している電動キックボードは、従来の電動キックボードと特例電動キックボードが混在していると感じております。 そこで、電動キックボードの法的な位置づけやルールについてお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 野村警察本部長。 ◎警察本部長(野村護) 電動キックボードは、現行法上、原動機付自転車に該当するため、公道を走行するには原付免許が必要となり、ナンバープレートや保安基準に適合したバックミラー、ブレーキなどの備付け、ヘルメットの着用が義務づけられております。 他方、産業競争力強化法に基づき、国の認定を受けた事業者から貸し渡された特例電動キックボードは、小型特殊自動車に区分され、指定された区域内で走行させる場合は、小型特殊自動車を運転することができる免許を受けている必要があり、従来の電動キックボードと同様に、ナンバープレートやバックミラーなどの備付けが義務づけられておりますが、ヘルメットの着用は任意となっております。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) 電動キックボードの利用が増えるとともに、交通ルールを無視した危険な運転の増加も懸念され、悲惨な交通事故の発生を未然に防ぐためには、交通指導取締りを強化する必要があると感じております。先月、電動キックボードの利用者の初の死亡事故が発生してしまったわけであります。 そこで、府下における電動キックボードの取締りをはじめとする各種取組についてお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 野村警察本部長。 ◎警察本部長(野村護) これまでに、繁華街を中心に違法な電動キックボードの集中的な交通指導取締りを実施したほか、府下一斉の取締り強化日を設定するなど、取組を強化しているところでございます。 また、電動キックボードの利用者に対しては、交通ルールの周知を図るため、広報動画やチラシを作成し、府警ホームページなどで呼びかけているほか、特例電動キックボードにつきましては、事業者と連携した安全講習会を開催し、安全利用の啓発を行っているところであります。 府警察といたしましては、引き続き交通指導取締りや関係機関と連携した広報啓発活動を継続し、電動キックボードの安全利用の周知徹底を図り、交通事故抑止に努めてまいります。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) 本年四月に公布された改正道路交通法では、最高速度が時速二十キロ以下の電動キックボードについては、特定小型原動機付自転車として分類され、十六歳以上であれば免許が不要になると報道などで承知しております。 公布から二年以内に施行されるとお聞きしており、自転車のように電動キックボードが利用できるようになれば、新たなモビリティーとして、今後、利用者は増加すると思われますけれども、同時に危惧されるのは交通ルールを無視した危険な運転や悲惨な交通事故の発生です。 取締りの強化のほか、利用者が安全に利用できるよう、また歩道を走行するとなれば歩行者が安心して歩行をできるように、交通ルールやマナーの周知を図る広報啓発や安全教育など様々な取組を進め、今後も、先ほど、法改正も含め全ての人が電動キックボードについてのルールを理解できるよう、引き続き取組を進めていただきますことをお願いをしておきます。 次に、万博を契機としたスポーツツーリズムの推進についてお伺いをいたします。 国内外から多くの方が訪れる大阪・関西万博に向け、食、歴史、そしてスポーツなど、大阪の強みを生かし、多様なコンテンツの創出に努め、国内外から誘客促進を図っていく必要があります。とりわけ、多くの人を引きつけるスポーツツーリズムの推進に取り組むことが、大阪の成長の観点からも非常に重要であると考えております。 これまでも、大阪府では、大阪マラソンの開催や、今年一月に設立した大阪スポーツコミッションを軸として、プロチームと連携した体験イベントや情報発信などに取り組んでいるところであります。 今回、九月補正予算案では、スポーツコミッションの新たな取組とともに、スケートボードやBMXといった多様なアーバンスポーツの魅力を体験できるイベントの開催など、大阪・関西万博を見据え、スポーツツーリズムを推進していくための事業が挙げられています。 アーバンスポーツは、東京二〇二〇オリンピックで注目され、子どもや若い世代を中心に人気を集めている新しいスポーツであり、府内の市町村では環境整備に取り組んでいるところもあります。また、テクノロジーとの親和性も高く、ビジネス展開に適しており、成長のポテンシャルを有することから、今後のスポーツツーリズムの重要な柱に位置づけて取り組むことは非常に有意義であると考えております。 そのため、アーバンスポーツを通じ、スポーツツーリズムをどのように推進することを考えておられるのか、府民文化部長にお伺いをいたします。 ○議長(森和臣) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 新しい魅力的なスポーツコンテンツを創出し、大阪・関西万博を契機として大阪に多くの人を呼び込んでいくことが重要と認識をしております。 このため、このたび補正予算案として提案させていただいておりますスポーツツーリズム推進事業におきましては、誰もが気軽に楽しむことができ、エンターテインメント性も高いアーバンスポーツの魅力を体験できるイベントを開催し、スポーツツーリズムを推進していくこととしております。 具体的には、DXの導入やVR等テクノロジーを活用し、BMXなどの一流選手によるショーや体験型プログラムなど、アーバンスポーツをリアルとバーチャルで楽しめるイベントを実施するとともに、データによる効果検証も行い、ツーリズムの本格展開につなげていきたいと考えております。 今後、スポーツツーリズムを通じた地域社会や経済の活性化により、大阪全体の成長が図られますよう、市町村とも連携しながらしっかりと取り組んでまいります。 ○議長(森和臣) 久谷眞敬議員。 ◆(久谷眞敬議員) スポーツ推進については、さらなる支援でお願いをしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 一方で、したいスポーツがあっても場所がないとか、公園を利用したくても規制がかかってやむなくそのスポーツを諦めなければならない事例の相談をよくいただくわけであります。私は、そんなことはあってはならないと考えております。 また、大阪府と大阪市では、公園利用の規約等がばらばらなため、大阪府民であり大阪市民である方、私も含めてなんですけれども、大阪府で管理している公園は利用できるのに、なぜ大阪市で管理している公園は利用できないのかという問題も生じておるのが事実であります。公園利用について、スポーツの多様性等で難しい点もあると思いますけれども、私は大阪府と大阪市との間で、一定の統一した公園利用に関する申合せをすべきと大阪府の部局の皆様方にお聞きをしたんですけれども、話し合うつもりはないということでありました。 そういうことだったんですけれども、知事におかれましては、話し合うこと自体も必要ではないというふうにお考えではないと思うんですけども、縦か横か、縦ということで、話し合うということで理解をさせていただきます。 本当にそういった部分も含めまして、しっかり府民が利用したいと思える、そして魅力ある公園づくり、共に府民とつくっていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(森和臣) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、明十月七日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」「異議なし」) ○議長(森和臣) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。    -------◇------- ○議長(森和臣) 本日は、これをもって散会いたします。午後五時十一分散会...