• "宿泊施設関係者"(/)
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  1. 大阪府議会 2005-02-01
    03月03日-03号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-19
    平成17年  2月 定例会本会議    第三号 三月三日(木)◯議員出欠状況(出席百九人 欠席二人 欠員一)      一番  吉村善美君(出席)      二番  尾辻かな子君(〃)      三番  清水義人君(〃)      四番   欠員      五番  浦野靖人君(〃)      六番  東  徹君(〃)      七番  松井一郎君(〃)      八番  西川弘城君(〃)      九番  荒木幹雄君(〃)      十番  小林隆義君(〃)     十一番  奥村健二君(〃)     十二番  かけはし信勝君(〃)     十三番  森 みどり君(〃)     十四番  井上 章君(〃)     十五番  中川隆弘君(〃)     十六番  三田勝久君(〃)     十七番  大橋一功君(〃)     十八番  岩木 均君(〃)     十九番  井上哲也君(〃)     二十番  阿部賞久君(〃)    二十一番  長田公子君(〃)    二十二番  谷川 孝君(〃)    二十三番  樋口昌和君(〃)    二十四番  西野修平君(〃)    二十五番  土井達也君(〃)    二十六番  森山浩行君(〃)    二十七番  小沢福子君(〃)    二十八番  今井 豊君(〃)    二十九番  山岸としあき君(〃)     三十番  松浪耕造君(出席)    三十一番  三浦寿子君(〃)    三十二番  池川康朗君(〃)    三十三番  柏原賢祥君(〃)    三十四番  光澤 忍君(〃)    三十五番  野上松秀君(〃)    三十六番  伊山喜二君(〃)    三十七番  中野まさし君(欠席)    三十八番  永野孝男君(出席)    三十九番  浅田 均君(〃)     四十番  花谷充愉君(〃)    四十一番  田中誠太君(〃)    四十二番  徳丸義也君(〃)    四十三番  北口裕文君(〃)    四十四番  品川公男君(〃)    四十五番  関  守君(〃)    四十六番  黒田まさ子君(〃)    四十七番  岸上しずき君(〃)    四十八番  堀田文一君(〃)    四十九番  小谷みすず君(〃)     五十番  阿部誠行君(〃)    五十一番  宮原 威君(〃)    五十二番  和田正徳君(〃)    五十三番  中島健二君(〃)    五十四番  上の和明君(〃)    五十五番  山添武文君(〃)    五十六番  漆原周義君(〃)    五十七番  西脇邦雄君(〃)    五十八番  西口 勇君(〃)    五十九番  大島 章君(〃)     六十番  山下清次君(〃)    六十一番  さぎり 勁君(〃)    六十二番  中野 清君(出席)    六十三番  那波敬方君(〃)    六十四番  谷口昌隆君(〃)    六十五番  野田昌洋君(〃)    六十六番  池田作郎君(〃)    六十七番  山本幸男君(〃)    六十八番  岩下 学君(〃)    六十九番  杉本 武君(〃)     七十番  三宅史明君(〃)    七十一番  坂本 充君(〃)    七十二番  北之坊皓司君(〃)    七十三番  鈴木和夫君(〃)    七十四番  井戸根慧典君(〃)    七十五番  竹本寿雄君(〃)    七十六番  西村晴天君(〃)    七十七番  谷口富男君(〃)    七十八番  浜崎宣弘君(〃)    七十九番  朝倉秀実君(〃)     八十番  原田憲治君(〃)    八十一番  岡沢健二君(欠席)    八十二番  西野 茂君(出席)    八十三番  岩見星光君(〃)    八十四番  畠 成章君(〃)    八十五番  梅本憲史君(〃)    八十六番  奥田康司君(〃)    八十七番  園部一成君(〃)    八十八番  中村哲之助君(〃)    八十九番  松田英世君(〃)     九十番  半田 實君(〃)    九十一番  西浦 宏君(〃)    九十二番  冨田健治君(〃)    九十三番  北川法夫君(〃)    九十四番  吉田利幸君(出席)    九十五番  若林まさお君(〃)    九十六番  長田義明君(〃)    九十七番  小池幸夫君(〃)    九十八番  横倉廉幸君(〃)    九十九番  杉本光伸君(〃)      百番  川合通夫君(〃)     百一番  釜中与四一君(〃)     百二番  橋本昇治君(〃)     百三番  徳永春好君(〃)     百四番  美坂房洋君(〃)     百五番  高辻八男君(〃)     百六番  隅田康男君(〃)     百七番  大前英世君(〃)     百八番  大友康亘君(〃)     百九番  土師幸平君(〃)     百十番  古川光和君(〃)    百十一番  酒井 豊君(〃)    百十二番  京極俊明君(〃)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         中村幹雄     次長         岡田重信     議事課長       西井正明     総括補佐       入口愼二     課長補佐(委員会)  中田 茂     主査(議事運営総括) 郷路秀男     主査(議事運営総括) 大河内隆生     主査(記録総括)   奥野綱一     主査         田澤孝夫    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第三号 平成十七年三月三日(木曜)午後一時開議 第一 議案第一号から第百六十八号まで及び報告第一号から第六号まで(「平成十七年度大阪府一般会計予算の件」ほか百七十三件)    (質疑・質問)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件    ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時二分開議 ○副議長(半田實君) これより本日の会議を開きます。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(半田實君) 日程第一、議案第一号から第百六十八号まで及び報告第一号から第六号まで、平成十七年度大阪府一般会計予算の件外百七十三件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 通告により徳丸義也君を指名いたします。徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇・拍手) ◆(徳丸義也君) 民主党・無所属ネット大阪府議会議員団の徳丸義也でございます。 会派を代表いたしまして、今議会に提案されております諸議案を初め、府政の重要課題について質問と提言を行います。 今日の地方自治体は、地方分権、地方主権のためのドアをまさにこじあける歴史的な段階に至りつつあります。そして、それは地方自治体の資質と能力が厳しく問われる過程でもあると思います。例えば、三位一体改革についても、国民の目にはややもすると国と地方の単なる権益のやりとりに映ってはいないか。地方への権限移譲の方が住民サービスに多様性や細やかさを実現でき、コストの面から見てもすぐれたものであることを実証していくことが求められていると思うのであります。 太田知事の財政再建と大阪再生の二兎を追うとの決意で大阪府行財政計画案が改定されました。平成十七年度予算に関しては、税収見通しを実質収入ベースで九千三百八十三億円、平成十六年度と比べて九百五十九億円の増と、景気と企業業績の回復を受けて法人二税だけで五百七十九億円強の増額を見込んでいます。これらを背景に、ハイテクベイエリア構想や新たな企業誘致の補助金、また学校の安全対策への思い切った決断など、一定積極的な姿勢が打ち出されています。もちろん、三位一体改革の行方、伸びない個人府民税収、平成十九年から二十二年、一千三百億から一千四百億円で推移する退職手当の重みなど、今後も行財政改革は引き続き予断を許さない状況でもあります。 しかし、この代表質問の後半で取り上げますが、大阪は今日バブル経済崩壊以降の長い低迷から脱出する新たな糸口をつかみつつあるという事実であります。そして、これらは東アジアの経済成長と深いかかわりの中で進行しつつあるということ、そしてその中で大阪が浮上していく足がかりに府政が果たす役割が殊のほか重要になっていること、この点であります。 府政における選択と集中が少ないパイの配分に窮した言いわけに陥ったりしてはなりません。今の大阪にとって必要とされることは、経済と産業、そして雇用、社会進歩につながる新たな鼓動を聞き取り、そして大胆に政策へと反映することだと考えています。 まず初めに、三位一体改革の点について三点お伺いいたします。 二月十七日、全国知事会の会長選挙が行われました。岐阜県知事の梶原さんが引退され、福岡県の麻生知事と岩手県の増田知事の東西対決となったのです。地方分権と三位一体改革で地方への思い切った税源移譲を進めこの国の形を変える、そしてさらに東京一極集中をいかに転換するのか、まさに闘う知事会の次のリーダーを決める大切な会長選挙であったと思います。 知事は福岡県の麻生知事を支持されたと聞いていますが、その真意についてお伺いいたします。また、麻生知事の会長就任に際し、今後の知事会の活動に対してどのような期待を持っているのか、率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。 二点目は、知事会で求めていなかった生活保護費の国の補助率の引き下げの方向についてお伺いいたします。 我が会派の十二月の質問でも取り上げましたが、生活保護費は憲法で保障された最低生活基準であり、大阪市西成区の例を見ても、生活保護世帯の大半が流入者であるという事実であります。厳しい批判がある不正受給の問題、取り組みが進まない自立支援策など、問題点が数多くあることは我々も承知しておりますが、だからといって地方に負担を押しつけるのは全く本末転倒であります。大阪市では、給付額が二千億円を超え、地方への負担が導入されれば百億円以上の影響が出ます。府内市町村にも大きな影響をもたらすこの問題に知事は今後いかなる取り組みを進めるのか、お伺いをしたいと思います。 三点目は、国民健康保険の都道府県移管の問題です。 財政調整交付金の国の持ち分が減り、新たに都道府県に負担が生ずる十七年度予算となっています。大阪府においても、一気に二百七十七億円が予算措置され、市町村への交付を行うよう国は指示しています。しかし、社会保障審議会医療保険部会で宮城県の浅野知事が抗議したように、二十年度実施を目指し十八年度から国民健康保険の抜本改革を議論しようとしていた立場からすると、場が違うと言わざるを得ないと怒りをぶちまけられております。私たちは、国民皆保険は国の責任で行う制度であり、財源や診療報酬制度に関する権限を持たない都道府県が保険者となる方向性に強い危惧を感じるのであります。改めて知事の取り組みをお伺いいたします。 次に、知事のPPPと市場化テストについてですが、知事が取り組もうとする市場化テストについては問題が多いと言わざるを得ません。まず、市場化テストという言葉は、現在政府の規制改革、民間開放推進に関する第一次答申で使われており、この答申では混合診療解禁や株式会社による学校経営なども大きな議論を呼んでいるところでございます。私も民間へのアウトソーシングを否定しません。しかし、大阪府における市場化テスト導入という言葉を持ち込むことは、現場を混乱させるおそれがあると思います。 また、官民競争型と提案アウトソーシング型に分けて考えられますが、公の施設の指定管理者制度の導入においても民間との競争が示されており、それ以外の官民競争型とは何を指しているのか、具体的に明らかにされてないのであります。そして、提案アウトソーシング型とは、これまでの公募型入札制度--プロポーザルコンペとどこが違うのか、これもあいまいであります。 このように、大阪府版市場化テストの具体的な内容や効果がイメージできない状況であり、今後十分検討した上で方針をまとめられるよう強く要望しておきます。 また、市場化テストに関連し、混合診療の解禁についても見解を表明しておきます。 この問題は、国民皆保険制度の根幹を崩すとして、医師会を初めとする関係団体から厳しい反対運動が起こりました。そして、従来の高度先進医療分野等のスキームを拡大する形で速やかに保険適用を目指すことで決着を見ました。しかし、今後の推移によっては、混合診療として個人負担になる部分が広がるのではないかという危惧をする向きもあります。本来、医療制度は国の責任でなされるべきものであり、高齢者や障害者、難病と闘っている人たちに不安をもらたすことなく安心して医療を受けられるシステムとなるよう、大阪府は今後十分な対応をとっていく必要があると表明しておきます。 次に、再生重点枠について意見を述べておきます。 再生重点枠事業について、私たちは十六年度の事業が波及効果や知事のメッセージ性の乏しいものまで含まれていることを指摘、改善を迫ってまいりました。平成十七年度予算では、予算一億円を超え、波及効果の大きなものとの指針が示され、また事業ごとの成果目標も明らかにされるようになりました。特に防災、子どもの安全、児童虐待など、タイムリーに施策を打ち出す必要性は従来にも増して高まっていると思うのであります。一般財源に二十九億八千万円、予算規模二百八十億円に達する再生重点枠予算を前向きに評価するとともに、私たちも今後ともしっかり提言をしていく考えであります。 次に、公約の達成状況についてお伺いします。 私たちは、昨年来、今後は首長マニフェストローカルマニフェストの時代が到来すると申し上げてきました。地方自治体の長にも、選挙公約の具体化の手順や年度をできるだけわかりやすく有権者に示し、またその達成状況を情報公開することが問われています。このたび、知事は、知事公約の取り組み状況という形で府民に明らかにされました。歴代知事の年度ごとの公約への取り組み状況がこのような形で示されたのは初めてで、画期的な意味を持つと評価しています。 特に一カ月で五百五十二億円の融資実績が生まれた債権プール型融資、七五・六%にも進んだ定期借地権導入による企業誘致、一万戸の住宅建てかえの四二%達成など、私たちもみずからの提案がどこまで進んだのかを検証する格好の機会と考えています。 知事も二期目の一年が経過したところでありますが、取り組み状況をどのように評価されているのか。百二十項目の施策のうち順調に進んでいるもの、思うように進まないもの、そういった点の思いも含め、率直な御意見をお伺いしたいと思います。 次に、堺市、美原町の合併と政令指定都市化への支援についてですが、二月一日、府内で唯一の合併となった堺市、美原町の合併記念式典が開かれ、知事も出席されたと聞きました。いよいよ府内二つ目の政令指定都市の誕生へ正式にボタンが押されたとの思いを強くしております。 私たちがかねてから訴えてますように、国に地方分権を求めるのと同様、都道府県も市町村へ一層権限の移譲を進めるべきであり、その意味で堺市が政令指定都市になる意義は大変大きいと思います。今後、堺市の政令市への指定について、また政令市にふさわしいまちづくりについて、知事はどのような支援を行っていこうとされるのか、お伺いをいたします。 ここで答弁を願いたいと思います。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 民主党・無所属ネット大阪府議会議員団を代表されましての徳丸議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、全国知事会については、三位一体改革を進める上で大変重要な役割を担っておりまして、これからもますますその重要性、存在感を増していくべきだと考えておるところです。ことしは、特に義務教育費国庫負担制度や生活保護費の問題など先送りされた課題に決着をつけ、三位一体改革の全体像を実現する第二期改革への足がかりをつける、真の地域主権をかち取っていくための正念場を迎えておるわけです。 このような重要な局面にあって、知事会の会長はそのシンボル的な存在であります。国と対等に渡り合え、四十七都道府県の知事、地方六団体をまとめられる強いリーダーシップと行動力を持ち合わせていなければ、議論も始まらないし進むものも進まない、このように考えておりました。 そういう中で、私は、福岡県の麻生知事が適任であるというふうに考えて推薦をいたしました。増田知事も大変立派な方と思いますけれども、麻生知事を推薦させていただいたわけです。麻生福岡県知事は、私は以前から存じ上げておりますが、一見温厚そうに見えます。しかし、大変粘り強くパワーのある方で、囲碁五段の頭脳と戦略、そして柔道四段のパワーと粘り腰、これで地方の先頭に立って中央と闘っていただけるというふうに信頼を寄せておるところです。三位一体改革について国と論戦する体制がこれで整いましたので、新会長のもとで闘い、成果をかち取る知事会として一致団結して、私もその一翼を担って精いっぱい努力してまいりたいと考えております。 次に、生活保護制度は社会保障の根幹をなす制度でありまして、国の責任において全国一律に運営をされるべきものであります。負担率の引き下げは国の責任を後退させるものでありまして、単なる地方への負担転嫁と言わざるを得ません。その意味で、地方分権型社会を目指す三位一体改革の趣旨、理念にも反し、絶対に容認できるものではありません。今後とも、府内市町村はもちろんのこと、地方六団体とも連携をして、国の負担割合を引き下げることのないように国に強く働きかけてまいります。 次に、国民健康保険についてでございますが、国民健康保険は、他の医療保険制度と比べ、高齢者や低所得者の比率が高いという構造的な課題があり、少子高齢化の進展や長年の景気停滞もあって、その財政運営は大変厳しい状況にございます。大阪府内においても、平成十五年度現在、二十七市町が累積赤字を抱え、その赤字総額は五百五十二億円にも上っています。 こうした状況下で、保険者を都道府県単位に再編統合することは、単に保険者を広域化するだけであり、医療保険制度の抜本的な解決とはなりません。国民皆保険制度は、我が国の社会保障制度の根幹であります。これを維持していくためには、国保の抱える構造的課題の解決策を示すことが国の責任であり、今後とも国に対して、長期に安定した医療保険制度を確立されるように働きかけてまいります。 次に、公約の達成状況についてでありますが、昨年三月の府議会での御議論も踏まえまして、できるだけ平易な形で参考となる指標やトピックを盛り込みますなど、府民の皆様にわかりやすいように工夫をして公表をさせていただきました。公約の実現に向けては、就任直後から府政の最重要課題として位置づけをし、現在までにすべての項目に着手をし、エンジン全開で取り組んでまいったところです。 その中で、関空第二滑走路の二〇〇七年供用決定を初め、回復基調にある景気、犯罪件数の大幅な減少など、大阪の活性化や安全なまち実現に向けた成果もあらわれてきております。最終的な評価は府民の皆様にしていただくものと考えておりますけれども、私としては、よいスタートが切れたと、そのように思っております。 公約に掲げた基本政策は百二十項目あり、すべて達成するまでにはさまざまな課題もあると思います。いま一度気を引き締めて、厳しい財政状況の中、優先度や目標実現への手法をよく考えながら、また環境変化にも柔軟に対応しながら、府議会初め市町村や府民、企業の御支援、御協力のもと、その達成に全力を挙げてまいります。 最後に、堺市の政令指定都市移行については、現在政令指定都市移行連絡会議において事務及び財源の移譲に関する協議を進めておるところです。できるだけ早期に堺市との合意を図り、政令指定都市への移行を支援してまいります。 本府は、これまで堺市域において臨海工業地帯泉北ニュータウンの整備を初め、政令指定都市の骨格となる都市づくりに取り組んでまいりました。港堺の顔である堺泉北港については、引き続き本府が管理運営を行ってまいります。また、堺臨海地域、いわゆる堺二区を初め都市再生緊急整備地域に指定された三地区では、現在都市再生事業が進められておりまして、本府としても、事業の促進に向けて協力を惜しまない考えであります。特に企業誘致については、先般大阪ハイテクベイ・プランをまとめたところであり、堺市との連携のもと、インセンティブを拡充して、堺臨海部への企業誘致活動を積極的に行っておるところです。 今後とも、堺市の政令指定都市に向けたまちづくりを支援するため、府職員の派遣やまちづくりに関する助言など、府、市連携した取り組みを進めてまいります。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 本会議の代表質問の方式が変わりまして、一問一答につきましては後半部分でさせていただきます。前半部分はまとめて質疑をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、行財政改革に向けた取り組みについて四点お伺いいたします。 第一に、平成十七年度の改革で私たちが重視するのは公の施設の改革であります。二月策定の公の施設改革プログラム案では、全二十八施設のうち、個々具体的に改革の目標、指定管理者公募の方針が示されています。しかし、これまでの財団のプロパー職員の扱い、関係団体と蓄積したノウハウの継承、NPO、市民団体の参画の視点などが重要であると考えております。 民間とこれまでの財団等の管理運営団体がイコールフッティングで競争するとは、どういう基準、考え方をもって実施されるのか。また、その際、ノウハウはあるが、資本や人材確保の面で力の弱いNPOや中小の事業者に対して、総合評価方式の入札のような考え方で行われるのか。公の施設の改革と指定管理者制度の導入についての具体的条件について、総務部長にお伺いいたします。 第二に、建設事業の重点化、土地開発公社保有資産の健全化についてお伺いいたします。 公共事業の先行取得を担ってきた大阪府土地開発公社は、平成十一年度においてもなお四千九億円の資産を保有していました。こうした膨大な資産を府が公社に依頼して取得させ、計画的な再取得もせず保有させてきたことは、まさに隠れ借金というべきものであります。 このような状況は府内市町においても同様であり、平成十三年度に十五市が公社経営健全化団体に指定され、保有資産の減少を目指しています。府公社においては、平成十一年度に包括外部監査の対象となり、供用済み資産や未利用地の存在が指摘され、平成十五年には一千八百五十一億円まで資産が減少したところであります。 しかしながら、昨年の決算特別委員会において、公社が十年以上にわたり保有している長期保有資産が増加していること、その原因として土木部の大阪府都市基盤整備中期計画案に位置づけのない事業の資産がいまだに約三百七十億円も存在していることを指摘しておきました。こうした公社の資産は、今後も長期にわたって金利を生むことは言うまでもなく、将来の府財政の大きな負担となる可能性があります。 今後、厳しい財政状況の中で、効率的、効果的な土木事業の推進を図るためには、より一層事業の重点化を図り、公社経営の健全化を促進すべきであると考えますが、土木部長の見解をお伺いいたします。 第三に、府立五病院法人化の課題についてですが、府立の五病院については、今議会で地方独立行政法人大阪府立病院機構の定款案が上程されています。自治体病院の経営は、多くが地方公営企業法の一部または全部適用で行われていますが、結核・精神医療など政策医療、不採算部門を担っていることから、一般会計からの負担金、出資金を繰り入れても、赤字経営を余儀なくされているのが現状であります。府立五病院も例外ではなく、平成十五年度百六十五億円の一般会計からの繰り入れ、累積で六十億円の資金収支の赤字、不良債務比率一三・二%となっており、設備更新やPETなど新しい高額医療機器の直接購入も、困難な状況が続いております。 この危機的状況の抜本的改善策として、衛生対策審議会の答申を受けて、地方独立行政法人を運営形態とすることが打ち出されました。東京都も、十五の都立病院のうち三つの小児病院を一つに統合、五つの病院の公社化や民営化など相当思い切った経営改革を行おうとしています。しかし、病院事業の地方独立行政法人化は、他の自治体に例がなく、当然これまでの公営企業法による経営との違いもあり、新しい経営形態について疑問点も残されています。 私たちは、まず強く求めてきた精神医療センターの早期建てかえの可能性がより大きくなる制度なのか、また休日、夜間、女性外来など柔軟な患者サービスに対応できるのか、患者、利用者にプラスになるのかということについてお伺いいたします。 次に、災害医療や結核医療、精神医療など、これまで府立の病院が果たしてきた公的医療の側面が十分確保されるのか、お伺いします。 さらに、参議院総務委員会の地方独立法人法案に対する附帯決議で、本法の施行に当たっては関係職員団体と十分な意思疎通が行われるよう示されており、十分な話し合いはもちろん、雇用不安や働く意欲に支障を来さないかどうかの点についてもお伺いをいたします。 以上、三つの課題について病院事業局長の見解を問いたいと思います。 第四に、大学法人府立大学の中期目標についてお伺いいたします。 いよいよ本年四月一日より府立大学が公立大学法人に移行し、大阪女子大学、府立看護大学を統合した新しい大学としてスタートいたします。昨年来、生命環境科学部大学院のりんくう移転問題の議論に大半が費やされ、新生府立大学の経営改革がどのようになされるのか、十分な議論がなされておりません。 まず、この改革に対して、新しい理事長、理事予定者がどれほどの危機感を持っておられるのかであります。さまざまな指摘がされているとおり、平成十九年には大学進学希望者と受け入れ定員が等しくなる、いわゆる全入可能な状況となると言われております。既に平成十六年春の四年制私立大学の入試で、五百三十三の大学のうち二九%が定員を満たしておりません。また、短期大学においては、平成十二年の五百七十二校から五百八校へと、四年間で六十校が減ってる状況であります。最近でも、東京海洋大や筑波大で定員割れの学科が出たと新聞で取り上げられました。国立大学も九十九校から八十七校に減少、公立大も各自治体において再編統合の取り組みが進められている状況にあります。 大阪府においては、ここ数年の決算額を見れば、府立大学、大阪女子大は年間約百八十億円、府立看護大は約二十億円、合計二百億円、このうち一般財源では百四十億円程度投入されるという手厚い扱いを受けてきたと言えます。今後の大学淘汰の時代に、法人に対し目標を示し、法人はそれに基づき明確な計画を立てて、その達成状況を評価していくという独立行政法人の仕組みを有効に活用していくことが大学の意識改革につながるものと考えています。 例えば、今回の中期目標においては、法人化前に比べ、平成二十二年度における外部研究費の獲得額の三〇%の増加、人件費及び管理的経費の七%削減などの数値目標も示されていますが、果たしてこのような目標が達成可能なのか。新生府立大学のスタートに際し、マネジメント体制をどのように大学に確立していくのか、設置者としての基本的な考え方を生活文化部長にお伺いいたします。 次に、ダム事業の見直しについてお伺いいたします。 平成十六年十二月五日に開催された淀川水系流域委員会において、近畿地方整備局が淀川水系五ダムの調査検討について(中間とりまとめ)を発表しています。具体的に大阪府とのかかわりでは、現時点では確定していないが、丹生ダム、大戸川ダムについては大阪府は撤退する方向、余野川ダムについては、阪神水道企業団、箕面市がともに撤退する方向であると明記されました。 全国的に見ても、多目的ダムとして計画された事業から、水需要の下方修正により利水から撤退するといった状況が各地で起こっています。大阪府でも、水需要予測を二百三十一万トンに下方修正する案が提示され、既に確保されている二百十万トンと臨海工業用水道から転用している十二万トン、計二百二十二万トン以外の残りの九万トンの水利権をどのように確保するのかと難題が起こっています。 従来七万トンを目標として、多目的ダム事業として、代替地やつけかえ道路の整備、生活再建など地元対策が現在進められている安威川ダム、また紀の川で十三万トンを目標とし、このうち二万トンの確保として本体が完成し残事業費百十七億円となってる紀の川大堰、そして最も安いコストで将来の必要量を見込んでも十一万トンの余剰が出る府工業用水道からの転用、府民負担の最小化を図ることを前提に見直しが進められると聞き及んでおります。 府として撤退を決めている大戸川ダム、丹生ダムについては、利水から撤退を決めた場合の必要な費用の問題も含め、今後の具体的な手法が国から示されていないと聞いています。全国的に同様の事例が起こっており、国に対して精力的に協議することを要望しておきます。 また、残り九万トンの水利権の確保に際し、府営工水の転用に当たっては、国との協議、安威川ダム事業の生活再建対策、紀の川大堰については国を初めとした関係者への影響も重大です。今後どのような視点で決定していこうとしているのか、企画調整部長にお伺いいたします。 ここで一たん答弁をお願いいたします。 ○副議長(半田實君) 総務部長三輪和夫君。   (総務部長三輪和夫君登壇) ◎総務部長(三輪和夫君) 公の施設と指定管理者制度の導入についての御質問でございます。 公の施設の管理運営につきましては、多様な事業者のノウハウを活用して充実したサービスが提供できるよう事業者を幅広く募り、公平かつ透明な手続で選定をすることが重要であると考えております。 そのため、指定管理者を募集する際には、多様な事業者の参加を促すためNPOも対象であることを募集要項に明記するほか、十分な情報提供や公募期間を確保することが必要と考えております。さらに、審査基準の公表や外部の委員を加えた選定委員会を設置するなど審査の透明性を確保することにより、多様なノウハウを有する事業者からの提案をもとに、公平な選定が確保できるよう配慮をしてまいります。 また、指定管理者の選定に当たりましては、事業者からの提案に基づいて、コストのみならず、サービス内容、業務を適正かつ確実に行うことができる能力、またNPOとの協働など、府の施策への協力について総合的に評価をしてまいります。 ○副議長(半田實君) 土木部長小河保之君。   (土木部長小河保之君登壇) ◎土木部長(小河保之君) 建設事業の重点化と大阪府土地開発公社保有資産の健全化についてお答えいたします。 大阪府土地開発公社におきましては、包括外部監査での指摘や議会での議論などを踏まえ、保有資産の縮減に努めてきたところでございます。この結果、土木事業に係る保有資産も約一千百億円に減少したものの、財政状況厳しい中、平成十三年度に策定した大阪府都市基盤整備中期計画に事業の位置づけができなかった保有資産があることから、十年以上のものについては、約三百七十億円で増加傾向となっております。 このため、昨年、土木事業に係る長期保有資産解消計画を策定し、中期計画に位置づけできなかった保有資産についても減少させていくこととしております。また、今回の中期計画の改定において事業のさらなる重点化も図ることとしております。 今後、より一層公社経営の健全化と自立を図るため、中期計画に基づく重点的な事業推進に努めるとともに、長期保有資産解消計画を踏まえた適正な資産管理、公社資金の重点投資、公社組織の専門化や経営の透明性の確保など、公社経営の健全化についての基本方針を今年度内に策定してまいります。 ○副議長(半田實君) 病院事業局長堀之内慎也君。   (病院事業局長堀之内慎也君登壇) ◎病院事業局長(堀之内慎也君) 府立の病院の地方独立行政法人化に関する御質問についてお答えいたします。 府立の病院につきましては、大阪府衛生対策審議会の答申におきまして、地方公営企業法の財務規定等のみを適用する現行の運営形態は、経営体として必要な自律性、機動性、透明性が制度的に十分ではないとされたところでございます。 答申を受けまして、よりふさわしい運営形態として地方独立行政法人と地方公営企業法の全部適用について比較検討を行ってきた結果、高度専門医療の提供と府域の医療水準の向上、患者・府民の満足度向上、及び安定的な病院経営の確立の三点を基本理念として、公的使命を継続的に果たし、患者、府民の期待にこたえていくための運営形態といたしましては、地方独立行政法人が制度的にすぐれていると判断しております。 地方独立行政法人化いたしました場合の精神医療センターの建てかえについてでございますが、現在の府立五病院の経営状況は、多額の不良債務を抱え起債が制限されており、現状のままでは建てかえが困難な状況にあります。地方独立行政法人化による多様な契約手法の活用や独自の給与体系の導入、IT化、アウトソーシングによるスリムで経営効率の高い業務執行体制の構築など、地方独立行政法人の特性であります自律性、弾力性を生かした法人運営、業務執行を行いますことによりまして経営の健全化を進めてまいります。その結果、不良債務が解消され、安定した起債が可能になることにより、精神医療センターの建てかえは着実に推進できるものと考えております。 また、患者、府民に対するサービスの向上につきましては、これまでもさまざまな取り組みを行ってきたところでありますが、地方独立行政法人化に当たっては、その特性を生かし、患者に最も身近な病院現場で創意工夫を凝らし、ニーズに迅速的確に対応できるよう医療サービスに関する権限と責任を病院に配分することによりまして、患者、府民の満足度の向上に努めてまいりたいと存じます。 次に、府立五病院の公的医療の確保についてでございますが、高度専門医療の提供など府立の病院が果たしていくべき公的使命、担うべき役割につきましては、大阪府衛生対策審議会の答申で示されたところでございます。その役割を継続的に果たしていくため、病院改革プログラム運営形態の見直し編の案にお示ししている高度専門医療の充実、災害時の医療救護対策、地域医療への貢献などの取り組みを進めることとしており、今後、法人が達成すべき目標として、知事が議会の議決を得て定めます中期目標に具体的に掲げてまいりたいと考えております。 また、こうした役割を適切に果たすことができるよう、例えば救急医療の確保に要する経費など、その性質上、行政が負担すべき経費や精神医療、高度専門医療に要する経費など不採算医療に係る経費等につきましては、地方独立行政法人法で設立団体である府が負担することとされており、この法の趣旨に沿って府からの負担金を措置してまいります。 さらに、今後とも、災害発生時の職員派遣や患者の受け入れ、精神保健福祉法に基づく緊急措置入院など行政と密接にかかわる業務を担いますことから、職員の身分は地方公務員とする特定地方独立行政法人とすることとしております。 このように、府立の病院につきましては、地方独立行政法人化後も担うべき公的使命を継続的に果たすことができるよう、診療機能面に加え、それを支える財政的、人的な制度面も確保してまいります。 最後に、職員の雇用や勤務意欲についてでございますが、地方独立行政法人化につきましては、患者、府民の期待にこたえて府立の病院をさらによりよいものにしていくことを目指す改革であります。そのためには、府立の病院で働く職員が一丸となって取り組んでいくことが重要であり、職員団体や病院職員に対しまして、今回の改革の理念や内容について十分に説明をし、理解を得られるよう努めていく必要があると考えております。 これまで説明会や協議の場を通じまして、府立の病院の地方独立行政法人化の必要性等について理解が得られるよう努めてまいりましたが、地方独立行政法人法案に対する附帯決議の趣旨に沿って、職員団体とさらに十分な意思疎通が図れるよう努めてまいりたいと存じます。 また、地方独立行政法人化に当たりましては、職員が府民の命と健康を守るために重要な役割を果たしている府立の病院の一員として、働きがいがあり、安心して能力が発揮できる仕組みづくりも必要と考えております。 府立の病院につきましては、その公的使命の重要性から、特定地方独立行政法人とし、職員は引き続き地方公務員としての身分を有することとし、また頑張った職員が報われるよう、職員の業績や能力を的確に反映した人事や昇任管理を行うための公正で客観的な人事評価システムや、職務の内容と責任、職員が発揮した能率を考慮した給与制度を導入してまいりたいと存じます。 ○副議長(半田實君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 大学法人府立大学の中期目標についてお答えを申し上げます。 府の三大学は、この四月に再編統合し、公立大学法人の運営のもと、新しい大学として出発をいたします。そのスタートに当たり今議会において、法人の今後六年間の活動指針ともいうべき中期目標案を御提案させていただき、御審議をお願いしておるところでございます。 今後大学間競争はますます激化すると考えられ、このような中で新しい府立大学は、高度研究型大学として人材養成や産業の活性化への貢献など大阪の発展に大きく寄与する大学を目指していく必要があり、この中期目標案においては、教育研究の充実はもとより、社会貢献の推進などを盛り込んだところでございます。お示しの数値目標以外にも、平成二十二年度における共同研究件数三百件、受託研究件数百五十件、また平成二十二年度までに特許権取得件数五十件、大学発ベンチャー創出件数十五件を掲げ、産学官連携に重点を置いた大学を目指しております。 この実現に向けましては、お示しのとおり、法人運営のマネジメントのあり方が重要と認識しており、経営感覚を備えた責任ある執行体制として、運営の最高責任者である理事長と五名の理事から成る役員会を設置し、二名の理事には民間企業からの参画をお願いしたところでございます。また、審議機関となる経営会議や教育研究会議にも外部の方に参画をいただき、開かれた大学として出発する体制を確保いたしました。 今後、法人は、この中期目標を達成するために策定する中期計画に基づき教育や研究活動を展開してまいりますが、その業務の実績についても、毎年度府の評価委員会等の客観的な評価を受けていくこととなります。 本府といたしましても、新しい府立大学が時代の要請に的確にこたえながら、効率的運営を確保し、より魅力的な大学として発展してまいりますよう積極的に支援してまいりたいと存じます。 ○副議長(半田實君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) ダム事業の見直しに関する御質問にお答えいたします。 水資源の開発には、多くの時間と費用を要しますため、長期的な視点に立って水資源を確保する必要がございます。また、危機管理の観点から複数水源には一定の効果もあり、さらにこれまでの投資と今後の必要な負担、さらに時間なども考慮して、残り九万トンの水源につきましては、府工水の転用、安威川ダム、紀の川大堰の中から確保することを検討しているところでございます。 府工水の転用につきましては、国が策定をいたします淀川水系水資源開発基本計画--フルプランでございますが、それへの位置づけが必要であり、丹生ダム、大戸川ダムからの利水撤退とあわせて、国との協議を進めているところでございます。 安威川ダムにつきましては、現在代替地への移転やつけかえ道路の整備などの生活再建対策を進めており、利水を見直した場合の設計変更や事業枠組みの変更に伴う府の費用負担などについて、これまでの長年にわたる経過も踏まえ、関係者間で検討を進めております。 また、紀の川大堰につきましても、現在堰本体は暫定運用している状況にございまして、利水を見直した場合、関連する残りの事業に関して、事業者であります国や関係者である和歌山県の負担にも影響いたしますことから、同様に調整を図りながら検討を進めているところでございます。 このような点につきまして今後精査を行いまして、残りの水源確保につきましては、府民負担の最小化を図ることを基本に、長期的な視点での安定給水、危機管理の観点、さらにこれまでの水源に係る投資の有効活用などを総合的に勘案しながら、議会での議論を踏まえ、本年夏ごろを目途に決定をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 行財政改革に向けた取り組み等の問題につきましては、公社問題、それから府立五病院の経営形態の問題も含めて、今後引き続き委員会質問等で十分詰めていきたいと、こんなふうに思っております。 続いて、震災から十年目の検証等について述べます。 第一に、震災後十年の大阪府の取り組みについてでありますが、兵庫県では震災十年目のことしを復興の総仕上げの年と位置づけ、その一環として復興十年総括検証・提言事業を実施し、ことし一月報告が取りまとめられました。これは、大震災の復興過程から得られる経験と教訓を後世に継承し、今後発生する大規模災害への対応に生かしていこうというものであります。 大阪府においても、この十年間、さまざまな取り組みを行ってきています。それを総括し今後の取り組みの方向性を確認する意味で、兵庫県における検証結果も踏まえながら、防災、危機管理に関して、十年間での取り組みの成果と残された課題についての認識を総務部長にお伺いいたします。 第二に、防災から減災への視点についてですが、阪神淡路大震災の教訓の一つは、行政主導の防災から住民参加による減災への転換であり、行政だけではなく、住民も災害のリスクを把握し、災害への備えを行うことが重要だということであります。 大阪府では、来年度、大規模地震に備え、被害想定に加えて、都市構造・生活環境の脆弱性や災害影響度を把握し、災害リスク評価を実施するということであります。そのためには、基本となる地下構造調査が詳細に行われることが不可欠であり、まずは行政が詳細な地下構造調査を実施し、正確なデータを持った上で災害危険度情報を住民に開示すべきと考えています。 聞くところによれば、この科学的な調査によれば、これまでの大阪府防災計画の被害想定も大きく変わるとのことであります。また、阪神淡路大震災では、活断層の真上ではなく、少し離れたところに被害が集中する震災の帯と言われる状況が発生したと言われています。近年の調査研究によると、地下の岩盤の形が影響して、キラーパルスと言われる揺れが発生したことが原因であると報告されています。一番大きな揺れは、活断層の真上ではなく、何キロか外れたところで発生しているのであります。 ここで、我が会派は、専門家から伺った安全性バイアスという非常に興味深い内容をさらに紹介したいと思います。 一般的には危機管理意識を持ち続けることが必要ですが、本来人間というのは、常日ごろから危機に備えて緊張し続けることは不可能であるということであります。災害は発生するだろうが自分は大丈夫、発生すれば、そのときはそのときやと多くの人が考えています。これは、安全性バイアスという人間の本能的な行動、人間の本性であるということであります。府民の震災への備えを進める上においても、この人間が本来持っている安全性バイアスを十分に認識すべきであります。 大規模震災リスク評価をどのように活用し、今後府民が主体的に地震への備えを進めるように取り組んでいくのか、総務部長にお伺いいたします。 第三に、危機管理体制の強化について要望いたします。 自然災害について質問してきましたが、近年武力攻撃事態対処法や国民保護法などが成立し、今後有事の際には、住民の適切な避難誘導等が府の重要な役割となってきます。また、地震等自然災害を初め、SARSや鳥インフルエンザなどのさまざまな危機事象も多発しており、庁内関係部局の迅速な対応はもとより、近隣府県や関係機関との緊密な連携による対応が求められています。このような状況に的確に対応するためには、危機管理を一元的に統括し、災害や危機事象発生時に部局横断的に指揮、命令ができる組織体制が不可欠であります。 私たちの会派は、昨年九月定例会において、縦割り行政を排除し、全部局に迅速かつ的確な初動対応の指示が出せる知事直轄の組織を整備するとともに、知事の命を受け、各部局を指揮できる危機管理監を設置するなどの危機管理体制の強化を図る方策を提案し、知事から危機管理に万全を期すことのできる体制づくりに向けて早期に検討するとの答弁を得たところであります。そして、知事は、先日の本会議の府政運営方針で危機管理監を設置することを表明いたしました。私たち会派の主張が実現したことについては、前向きに評価したいと思います。今後、さまざまな危機事象に関して、危機管理監にその機能を十分に発揮させるよう要望しておきたいと思います。 第四は、津波対策についてであります。 東南海・南海地震が近い将来高い確率で起こると言われており、府においても再生重点枠予算を活用し、三カ年の緊急対策プロジェクトとして津波対策を実施すると聞いています。しかし、一方で、いつ起こるともわからない津波に対応するには、これらの対策に加え、過去の災害の教訓を生かし風化させないための取り組みも必要であります。 例えば、防災用教材の名作として語り伝えられている小泉八雲の「稲むらの火」の話があります。これは、一八五四年、安政南海地震の折、地震後の引き波で津波を察知した庄屋の五兵衛が高台の稲束に火を放ち、火事と思わせて村人を集め救ったという物語であります。先日の新聞記事によると、新年度から小学校六年生の道徳副読本として教材に復活するということであります。 災害の経験から得た貴重な教訓を風化させないために意識的に取り組むことも大事なことです。しかし、これには大変大きなエネルギーが必要になってきます。ところが、教訓が地域社会に根づいた文化にまで発展したとき、それはもはや当たり前のことして人々に語り継がれ、新たな投資なしに人々の危機意識として受け継いでいくということであります。それぞれの地域で、過去にどのような震災があったのか地域において認識し、それを日常生活の中で生かす工夫をすることで地域の防災文化を育てていくこと、すなわち経験を教訓に、教訓を文化に、文化をパワーにしていく試みが必要なのであります。 今回の緊急対策プロジェクトは一刻も早く整備すべき内容ではありますが、例えば沿岸部に設置しようとしている津波情報システムの拡声機は、もちろん実際に使用する事態にならないことを祈るばかりでありますが、これらの施設はいざというときしか使用されず、津波の恐怖を語るものとはなりません。このため、常日ごろから津波の恐ろしさを府民に伝えるよう、災害の教訓を文化として生かす試みが必要ではないでしょうか、土木部長の見解をお伺いいたします。 ここで答弁をいただきます。
    ○副議長(半田實君) 総務部長三輪和夫君。   (総務部長三輪和夫君登壇) ◎総務部長(三輪和夫君) まず、震災後十年間の取り組みの成果と課題についてであります。 全国レベル、近畿圏レベル、また各府県独自で、防災、危機管理のため、さまざまな取り組みが行われております。大阪府では、広域防災拠点、防災情報センターなどのハードの整備、また二十四時間の情報連絡体制、発災時の職員参集制度などのソフト面での充実をそれぞれ図ってまいりました。また、大阪平野地下構造調査や津波による浸水予測など地震被害を詳細に想定するための取り組みを行っております。 全国・近畿レベルの取り組みといたしましては、被災者生活再建支援法による制度創設とその拡充、全国知事会、近畿府県による相互応援協定の締結、広域消防応援制度としての緊急消防援助隊の整備など、従来の枠組みを超えた新たな制度や仕組みが創設されております。これらの取り組みの成果は、昨年多発した台風や地震などの災害における対応において生かされたところであります。 今後に残された課題といたしましては、阪神淡路大震災を含めさまざまな教訓を踏まえ、より実践的な危機管理体制を構築することであると認識をいたしております。具体的には、災害対策本部体制の充実強化や人材育成、各種訓練の充実を図るとともに、災害に関する迅速的確な情報の収集・伝達と共有化の推進などを図っていくことが必要であると考えております。 次に、府民の主体的な地震への備えについての御質問でございます。 府民がみずからの生命、財産はみずからで守るという自助意識の高揚は欠かせないものであると認識をいたしております。このため、府民の方々に地震に関する知識を高めていただくことが必要であり、大阪平野地下構造調査につきましては、パンフレットやホームページによって情報提供に努めているところであります。 お示しの来年度実施をいたします大規模地震災害リスク評価は、大阪平野地下構造調査で得られた精緻な地下構造モデルを活用しながら、木造密集市街地などの府域の脆弱性も把握し、直下型地震はもとより、東南海・南海地震などの大規模な地震による被害想定を行うものでございます。その結果につきましては、できるだけわかりやすい資料として取りまとめ提供をし、府民の地震災害への意識を高め、備えを促進していきたいと考えております。 このような取り組みとあわせて、最近の災害からの教訓を踏まえ、防災対策を総点検し、平成十八年度に大阪府地域防災計画を抜本的に改正するなど、地震への備えを進めてまいります。 ○副議長(半田實君) 土木部長小河保之君。   (土木部長小河保之君登壇) ◎土木部長(小河保之君) 津波対策につきましては、防潮堤の緊急補強などのハード面の整備とあわせて、過去の災害の歴史を教訓としたソフト面での取り組みを充実いたしまして、府民の皆様が津波の恐ろしさを意識し、いざというときに、迅速的確な行動をとれるようにしていくことが重要と考えております。 大阪においても、江戸時代の安政南海地震の歴史を伝える石碑が浪速区の木津川沿いや堺市の大浜公園に残されており、そこには、地震が発生したら津波が起こることを十分心得ておき、船での避難は絶対してはいけないとか、火の用心が大切といった教訓が刻まれております。 こうした歴史を踏まえ、広く防災意識の向上が図られるよう、来年度、西大阪治水事務所の建てかえにあわせて整備する津波ステーションについては、水門などの操作、監視の拠点機能に加え、こうした石碑の写真や伝承を紹介するなど工夫を凝らし、津波などの自然災害に関する情報発信・学習の拠点となるよう取り組んでまいります。 また、防潮堤の海側の公園利用者などに津波情報を伝達するための拡声機の設置に当たっては、その周りに過去の災害を教訓に津波の恐ろしさや危険性をわかりやすく知らせる看板を設置するなど、平常時においても公園や緑地を訪れる人々に対する啓発の場として活用してまいります。 今後とも、地域住民の参画によるハザードマップの作成や住民主体の避難訓練の充実などに引き続き取り組み、ハード・ソフトの両面から着実で効果的な津波対策の推進に努めてまいります。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 次に、安全なまちづくりについて二点お伺いいたします。 第一に、学校における安全管理とその対応についてであります。 平成十三年六月に大阪教育大附属池田小学校において、八人の児童の命が奪われるとともに、十五人の児童、教職員が負傷するという痛ましい事件が起こりました。この池田小学校の事件以降、府教育委員会では、学校における児童生徒等の安全を確保するための指針の策定を初め、危機管理マニュアル、取り組み事例集の作成配付、また教職員研修の開催など、子どもの安全確保のためのさまざまな取り組みを実施しており、各学校においてもさまざまな対応がなされてきました。 しかしながら、今回、寝屋川市立中央小学校において、三名もの教職員が殺傷されるという痛ましい事件が発生してしまいました。亡くなられた鴨崎先生の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、重傷を負われた教職員の皆さんの一日も早い回復をお祈りいたします。 さて、府では、二度とこのような痛ましい事件が起こらないようにするため、来年度の緊急対策として、小学校等への警備員の配置や、登下校中の安全確保のために、PTAや地域の方々、警察OBを活用した子どもの安全見守り隊の立ち上げなどの対策を実施されると聞いています。このような対策は、多方面からの要望も出されており、防犯防止のために大変必要で、一定の抑止効果は期待できるものと認識しています。 しかしながら、現代社会において我々は、事件、事故はいつでもどこでも起こり得るのだという意識を残念ながら持たなければならないという悲しい事実があり、このことは肝に銘じておかなければなりません。また、子どもたちに学校は本当に安全なのかなどという不安を持たせるようなことはあってはならないようにするべきであります。 このため、いま一度冷静に考えてみると、学校における子どもたちや教職員の安全を確保するためには、ハード面や人的な整備も大切ですが、各学校において防犯訓練などを計画的に実施することにより、児童生徒、教職員に危機に対応できる能力を身につけさせ、学校と家庭、地域が一体となって学校の安全を確保することが重要ではないでしょうか。 また、府では、事件後、児童や教職員への心のケアのために指導主事等から成るサポートチームを派遣し、学校の速やかな再開のために全力を尽くしていただいているところでありますが、このような支援体制の整備について教育長の御所見はいかがかをあわせてお伺いいたします。 第二に、子どもを初めとした地域の安全対策について二つの視点からお伺いいたします。子どもの安全を含めた地域の安全を総合的に高めていく見地から質問をいたします。 大阪市、茨木市、東大阪市、大東市などが予算化を進め、不審者メール配信が府域で新年度に向け続々開始される予定であります。そのきっかけとなったのが、二年間で全市町村での利用拡大を目指す大阪府のIT活用等地域安全情報発信事業であると聞いています。また、各市の取り組みに加え、府警本部でもメール情報配信を行うことになっています。 こうした大阪での活発な防犯への取り組みは高く評価できますが、現状では各市町村や府警で個別に予算化されており、サービスの提供が縦割りでばらばらになっていないか懸念されているところであります。例えば、公立小中学校だけでなく、塾、私学、高校、仕事など行政区域、所管を超えた活動、また市域の近隣に住む人は、近隣市の防犯情報も必要となってまいります。また、サービスの申し込みも、自分が活動する地域をそれぞれ指定して、一度に一つの市町村で申し込めるようにすることも重要ではないでしょうか。 また、防犯情報は、目撃や又聞きによる通報など多種多様であり、さまざまな立場からの情報確認や追加情報を含めた共有化などが必要であるため、府警、市町村、町内会、PTAなど地域の連携が不可欠であります。 そこで、大阪府は、安全安心の大阪モデルの実現に向け、単に経費を補助するだけでなく、市町村、府警などとの間で十分調整を図り、府民の立場に立った実効性のある防犯情報提供の仕組みづくりを積極的に推進することが重要であると考えますが、生活文化部長の所見をお伺いいたします。 二つ目は、地域における安全なまちづくりの推進体制についてお尋ねします。 安全な地域を築き上げるためには、非営利や営利、民間や公共を問わず、地域活動のさまざまな担い手が一体となって安全なまちづくりに取り組むことが重要であります。中でも、地域の経済活動を担っている事業者による主体的な参画への期待が高まってきております。 こうした中、運輸業者のトラックによる子どもの安全を目的とした啓発活動や、タクシー業者によるひったくりを防止するための啓発活動が行われるなど、事業者による活動についても広がりを見せているところであります。 このようなことから、事業者が地域でできることから主体的に安全なまちづくりに取り組むことができるよう、現在事業者がそれぞれの特性を生かしながら実践している事例等を踏まえながら、大阪府が積極的に働きかけていくべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、消費者保護条例についてお伺いします。 近年、規制緩和やIT化の進展に加え、クレジットカードに代表される消費者信用取引の飛躍的な発展によって、商品、サービスの選択肢が広がり、消費生活を豊かにするとともに、消費者の利便性は格段に高まっています。しかし、一方で、携帯電話やインターネットにかかわる相談の急増を初め、多種多様な商品、サービスに関するトラブルが府民の生活を脅かしています。 そこで、今回の消費者保護条例の改正案を見ますと、まず一点目に消費者の権利を明確に規定し、中でも全国で初めて消費生活において消費者の個人情報を侵害されない権利を規定したことは、個人情報の漏出が多く、消費生活上のトラブルの原因となっている状況にかんがみますと、大変意義深いものであります。 次に、クレジット業者等の過剰な与信行為を規制対象にすることとする規定の新設が提案されておりますが、このことは大変重要な意味を持つと考えています。実は、消費者トラブルの背景には、明らかに借り手の支払い能力を超えた過剰な信用を受けさせ、高額な商品やサービスを購入させるというクレジットの仕組みが利用されている事例が大変多く見られるからであります。今回の改正は、法の抜け穴的に規制対象とならなかった分野に光を当てるものであり、全国的にも数少ない先進的なものであると評価していますが、まず改正に至った経緯と期待される効果についてお示しいただきたいと思います。 さらに、今回の条例改正のもう一つの特徴として、公正で透明な取引ルールづくりのために、事業者や団体に対して自主行動基準の策定や府への届け出制度が新設されています。企業不祥事が続発している今日、この効果に大いに期待するものであります。 こうした中で、クレジットの仕組みを利用した取引が府民に幅広く利用されている状況を考えるとき、府としても、与信業者等に対し自主行動基準の策定を働きかけていくことが消費者トラブルを減少させ市場の健全な発展を促進するなど、今回の条例改正の趣旨を具体化していく道筋であると考えますが、あわせて生活文化部長の御見解をお伺いいたします。 ここで答弁をいただきます。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 子どもを初めといたしました地域の安全対策につきましてお答えをいたします。 地域の安全は、府民すべての願いであるとともに、最も基本的な都市の要素であり、大阪再生の基盤であります。このため、警察、行政、府民、地域団体、事業者などオール大阪で安全なまちづくりの推進に全力を挙げて取り組んでまいりました。 このような中で、先般寝屋川市の小学校において痛ましい事件が発生し、大変残念な思いをしております。私としては、すぐ手を打つことが大事だと考えて、緊急対策として、公立小学校への警備員の配置や通学路等での子どもの安全見守り隊の設置を支援することにし、来年度予算に追加計上させていただきました。 子どもや地域の安全を守るためには、こうした取り組みに加えて、地域活動のさまざまな担い手が自主的な活動を広く展開するということが重要であり、お示しのように、事業者がその営業活動を通じて取り組みを進めることは大きな効果があるというふうに考えております。 これまでも、金融機関やコンビニ等のこども一一〇番の家活動を初め、営業車両等による動くこども一一〇番活動、ひったくりを防止するための啓発活動、地域における防犯パトロールなどが行われております。さらに、先日、タクシー会社がGPSを使った独自の緊急通報システムを活用してこども一一〇番タクシーがスタートしました。 今後とも、こうした事業者の特性を生かした取り組みが行われるように事業者団体に幅広く働きかけを行い、子どもを守り、安心して暮らせる安全なまちづくりを一層推進してまいります。 ○副議長(半田實君) 教育長竹内脩君。   (教育長竹内脩君登壇) ◎教育長(竹内脩君) 学校における安全管理とその対応についてお答えいたします。 ハード面や人的な整備だけで万全となるものではなく、事件、事故はいつでもどこでも起こり得るものだという認識のもと、教職員が常日ごろから危機意識を持って危機対応能力を高めることが重要であると考えております。 そのため、府教育委員会では、市町村教育委員会に対する要望事項や各種研修の中で学校安全に関する内容を取り入れるとともに、平成十五年度から、警察、消防の協力により不審者を想定した防犯教室講習会を開催するなど、教職員の危機管理意識の向上を図っているところであります。加えて、各学校においては、住民による子どもの登下校を見守るボランティア活動、通学路の安全マップづくり、関係機関と連携協働した防犯訓練の実施など、家庭や地域と一体となった取り組みが実施されてまいりました。 今後は、危機対応能力の向上のために教職員研修をさらに充実するとともに、子どもがみずから身を守ることのできる能力をはぐくむための安全教育の推進も図ってまいります。あわせて、学校が地域と一体となって取り組む子どもの安全見守り隊事業などが推進されますよう、関係部局と連携しながら支援してまいります。 さらに、今回の事件を契機に危機管理マニュアルの見直しを行い、万一の場合には、校内の迅速な情報伝達や、警察、消防など関係機関への緊急通報などの徹底が図られるよう努めてまいります。 次に、心のケアの支援体制についてでありますが、今回の事件の第一報があった後、直ちに府教育委員会内に対策本部を設置し現地に指導主事を緊急派遣するなど、寝屋川市教育委員会と連携しながら正確な事実確認と迅速な初期対応に努めたところであります。あわせて、スクールカウンセラーを派遣し、健康福祉部から派遣された精神科医、ケースワーカー等と一体となって、児童、教職員、保護者の心のケアに努めてきたところであります。 今後とも、危機事象が発生した場合には、医療や福祉などの関係機関とともに、心のケアについて機動的できめ細かな支援が行えるよう必要な体制を確保してまいります。 ○副議長(半田實君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) まず、子どもを初めとした地域の安全対策についてお答えいたします。 府民のだれもが安心して暮らせる安全なまちづくりを実現するためには、地域の安全を守るための自主的な活動が、警察や市町村との連携のもと幅広く展開されることが重要であると考えております。 このため、来年度新たに電子メールを活用した地域安全情報等を配信するシステムの創設や、防犯ボランティア団体の育成支援を行う市町村に対し助成をすることといたしております。 お示しの府警本部のシステムは、ひったくり等の犯罪発生状況を提供するとともに、犯罪分析に基づく効果的な犯罪対策などの情報も提供し、府民の自主防犯行動を促すことを目的とされております。一方、市町村でのシステムは、子どもに対する不審な声かけ事案等の情報を提供し、保護者等に注意を呼びかけるほか、防犯ボランティア団体や自治会などに対してパトロール等の防犯活動の実施を呼びかけることなどを内容とするものとなっております。この二つのシステムが有機的に連携することによって、府民、市町村、警察が地域における安全なまちづくりの情報を共有化し、子どもや地域の安全確保がより一層図られるものと考えております。 今後、お示しの点なども踏まえ、府警本部や市町村と十分協議しながら、より効果的なシステムとなるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、消費者保護条例につきましてお答えを申し上げます。 今回の条例改正に当たりましては、消費者の権利確立とその自立支援を基本理念とし、最近の相談事例を踏まえまして、実効性のある規定となるよう検討してまいりました。 平成十五年度の消費生活センターが受けた相談件数のうち、クレジット等の信用供与に関する相談が一二%を占めております。その内容といたしましては、クレジット業者やその加盟店が、若者や高齢者に不必要な商品やサービスを購入させるため、高額の信用供与を受けさせるといった悪質な事例が多い状況にございます。 このため、条例改正案におきましては、クレジット業者等のいわゆる不当与信行為を規制することとし、悪質な場合には事業者名を公表するなど実効性のある規定を設けたところでございます。これを契機としてより一層指導を強化するなど、被害の未然防止に努めてまいりたいと考えております。 次に、事業者の自主行動基準につきましては、消費者からの相談の多い商品やサービスを供給する事業者や団体に対してその策定を促してまいりたいと考えておりますが、お示しのような状況も踏まえ、クレジット業者等に対しましても、自主行動基準を策定するよう協力を求め、府民が安心して消費生活を送ることができる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 続いて、福祉医療制度の充実について二点お伺いします。 第一に介護保険制度についてですが、去る二月八日に介護保険法等の一部を改正する法律案が国会に提出されました。しかし、新たな介護保険制度の全容が今なおわかりづらい状況にあると言わざるを得ません。例えば、要支援者を対象とする予防給付の中に設けられた介護予防訪問介護というメニューについてでありますが、介護予防を目的として介護や日常生活上の支援等のサービスを提供するとのことでありますが、従来の訪問介護とどのように異なるのかが明確にされておりません。 また、財源の面においても、例えば市町村に地域包括支援センターを新たに設置し、介護予防のマネジメント等の機能を担う中核機関としての社会福祉士などの専門職を配置するとのことでありますが、このセンターの運営経費など市町村が制度を円滑に運営するための財源がどの程度確保されるのかなど、具体的な内容が速やかに明らかにされる必要があると思います。 さらに、市町村の保険者機能を強化し、新たなサービス類型である地域密着型サービスを担う事業者の指定や指導について市町村が行うことになります。これらの業務の適切な執行に向けて、市町村のノウハウを高める必要があります。あるいは、主任ケアマネジャー(仮称)という人材を養成をし、個々のケアマネジャーからの相談に応じつつ、日ごろの業務運営に対する支援を行うとのことです。 しかし、このためには、主任ケアマネジャーが効果的に機能できるための手だてを講じるべきであります。新制度を実効あるものにするため、こうした制度運営面における諸課題への対応方策を早急に確立することが重要であります。 このような中で、府は、国に対し制度の全容を早期に明らかにし、市町村の制度運営に対して十分な財源を措置するなど、新制度のさらなる充実に向けた働きかけを行うべきです。あわせて、事業者の指定や指導を初め、市町村が制度を円滑に運営できるよう助言や支援に取り組むとともに、主任ケアマネジャーの養成や活動のあり方についての検討を進めるなど、新制度の実効性を高めるべくいかに取り組むのか、健康福祉部長の所見をお伺いいたします。 第二に、児童虐待の事前防止対策についてお伺いします。 大阪府においては、岸和田市における児童虐待事件以降、児童虐待に対する通告及び相談件数の増加が著しく、また残念ながら、その後も子どもが死に至る児童虐待事件が発生しています。府は、こうした事件の教訓をもとに、子ども家庭センターの職員の増員や職員のスキルアップのための研修など体制強化に取り組んでいることは評価するものであります。 しかしながら、児童虐待は子どもの心と体に将来にわたって重大な影響を及ぼすことから、これまでの子ども家庭センターを中心とした児童虐待が起こってからの対応だけでは、本当に子どもたちを救うことができるとは考えられません。虐待に至る前の段階で予防することが何より重要であり、昨年改正された児童虐待防止等に関する法律においても、行政の責務として、虐待の早期発見や子どもの適切な保護に加えて、児童虐待の予防を含めた対策が明記されたところであります。 また、国が行った調査によると、児童虐待による死亡事件例の約四割が一歳未満の乳児であり、また約九割が就学前の幼児となっています。乳幼児の場合、虐待によって重大な結果に至るリスクが非常に高いことから、この時期に焦点を当てた児童虐待の予防対策がぜひとも必要であると考えます。 今後、府は児童虐待の防止対策にどのように取り組もうとしているのか、健康福祉部長にお伺いします。 次に、教育の充実について三点お伺いします。 第一に学力実態調査についてでありますが、昨年十二月に経済協力開発機構--OECD、及び国際教育到達度評価学会--IEAが実施した国際的な学力調査の結果がそれぞれ公表されましたが、それらによると、我が国の子どもたちの学力は、特に読解力の低下を初め、数学、理科の学力も低下傾向にあるということでありました。この調査結果については、ゆとり教育が原因であるかのような主張も聞かれ、文部科学相はその見直しを図る考えを表明しているようであります。 しかし、ゆとり教育が学校現場において具体的に実施されたのは平成十四年度であり、この調査が行われたのがその翌年であることから、ゆとり教育の影響が即座にこの調査に反映されたとはとても言いがたく、根幹となる教育政策はじっくりと腰を据えて取り組むべきと考えています。 一方、大阪府教育委員会においても、児童生徒の基礎基本の力や、みずから学び考える力などの学力状況を把握し、指導上の課題や今後の施策の改善に役立てることをねらいとして、平成十五年度に独自に学力等実態調査を行っています。調査結果によると、国語力の低下と、できる子ども、できない子どもの学力格差が進み、二極化する傾向が見られているということでありました。 府教委は、今年度予算にも学力等実態調査を再度行うための予算を一部計上しています。しかし、我々は、大阪の子どもたちの問題点はこの調査で十分分析されていると考えています。今必要なことは、単に何度も調査することではなく、既に調査、分析された内容について、分析結果に基づいた実践を行うことではないでしょうか。調査結果を市町村教育委員会や各学校に広く情報公開し、学校協議会等の場を通じて保護者などの理解と協力を得ながら対策を立てていく体制づくりが必要と考えますが、どうでしょうか。教育長にお伺いいたします。 第二に、知的障害のある生徒の高等学校受け入れに係る調査研究についてお伺いします。 我が会派は、これまで障害のある児童生徒の教育は、ともに学び、ともに育つというノーマライゼーションやインクルージョンの理念に基づき推進すべきであると訴えてきたところであります。大阪府における障害のある児童生徒をめぐる教育の状況を見ますと、現在、公立小中学校の九六%に養護学級が設置されており、ほぼすべての学校でともに学び、ともに育つ教育が行われています。また、高等学校については、進学率が約九六%に達しており、義務教育と同様ほとんどの生徒が進学していると言っても過言ではありません。 そうした中で、知的障害のある生徒や保護者が小学校時代と同じように高等学校でも一緒に学びたいという思いを抱くことは、ごく当然であります。昨年七月に学校教育審議会の専門部会が実施したアンケートにおいても、中学校の養護学級に在籍する三年生の保護者の五六%が高等学校段階の教育について、どちらかといえば、高等学校で受け入れ教育内容を充実させてほしいと回答しています。 こうした状況の中で、知的障害のある生徒の高校受け入れに関する調査研究が行われているわけであり、過日、太田知事が我々の要望にこたえて、調査研究校である阿武野高校の授業風景を視察されたことに大きな評価をいたしております。 さて、この調査研究も、来年度が研究期間の最終年度であります。大阪府としても、審議会の答申を受け、結論を出さなければいけない時期となっています。 そこで、質問いたします。生徒や保護者の思いを真摯に受けとめ、財政上の課題はあるものの、知的障害のある生徒の高校入学が可能となるよう、地域バランスを考えて実施校を拡大すべきであると考えますが、どうでしょうか。 また、一方で、府の財政状況を考えると、府単独事業として受け入れ実施校を拡大するには限界があるのも事実であります。そこで、アンケート調査にもあらわれている多数の生徒や保護者のニーズにこたえて高校への受け入れを拡大するために、国制度の活用も積極的に検討すべきではないでしょうか。例えば、玉川高校跡地に予定されている特別支援学校のセンター的機能を活用して、高等学校にともに学ぶ場を設置するなど、現在の調査研究とは形態は異なりますが、その趣旨を生かした新しいタイプの受け入れについても検討すべきではないかと考えます。あわせて教育長にお伺いいたします。 第三に、育英会奨学金制度についてお伺いします。 失業率や高卒就職内定率が低い状況になるなど、府民の生活は厳しい状況にあります。とりわけ、高校進学を控えている生徒のいる家庭にとって教育費の捻出は大きな悩みであり、知事は公約どおり、大阪府育英会奨学金の新規貸し付け枠の拡大を図り、府民の期待にこたえているところであります。貸付人員、貸付規模ともに他府県に比し極めて充実した制度で、教育の機会均等を保障するために、本制度が果たす役割は今後ますます重要になってきています。 ところが、昨年度、返還率が六割を下回る事態に至りました。このような状況では、幾らお金があっても足りません。奨学金制度は、確実に返還金を回収しなければ立ちいかなくなる制度です。債権回収の専門家を活用したり、法的措置を進めることは私たちも賛成です。 しかし、滞納発生後の取り組みだけでなく、将来の滞納発生を抑止することも重要です。奨学金はもらって当たり前なのではなく、多くの人に支えてもらっている、応援してもらっているという意識を奨学生に持たせることが大切なことです。 今まで大阪府育英会は、お金を貸しているだけで、奨学金の意義、役割、社会への貢献等を十分に伝えてこなかったのではないでしょうか。また、奨学生とのつながりも希薄で、滞納が発生してから奨学生に返せと言っても遅いと言わざるを得ません。 奨学生に奨学金の意義と役割をきちんと伝えるとともに、奨学金を借りていたことを忘れさせないよう、奨学生と絶えずコンタクトをとり続けることが滞納の未然防止と感謝の気持ちの醸成につながると考えますが、生活文化部長にお伺いいたします。 ここで答弁をいただきます。 ○副議長(半田實君) 健康福祉部長納谷敦夫君。   (健康福祉部長納谷敦夫君登壇) ◎健康福祉部長(納谷敦夫君) まず、介護保険制度についてお答えをいたします。 このたびの介護保険法等の一部を改正する法律案におきましては、介護保険制度が将来にわたり国民生活の安心を支え続けられるとともに、高齢者が尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができる社会の実現に資するため、介護予防の充実や新たなサービス体系の確立などが図られております。しかし、細部にわたる事項の多くは政省令などにゆだねられております。 このような状況において、限られた期間の中で新制度への円滑な施行準備を進めるためには、細部にわたる事項が早期に明らかにされる必要があり、国に対しこの旨を強く要望するとともに、府や市町村に著しい財政負担が生じないよう十分な財源措置を求めてまいります。 また、保険者機能の強化の観点から、市町村の新たな事務となる地域密着型サービス事業者の指定や事業者全般に対する指導が円滑に実施されるよう、府が行う指定や指導の日常業務に市町村職員が同席をし、実践に基づくノウハウの蓄積を支援してまいります。あわせて、地域包括支援センターの立ち上げや介護予防など新たな市町村業務についての研究や検討の場を設けるなど、新制度への移行が円滑になされるよう積極的な助言や支援に取り組んでまいります。 さらに、ケアマネジャー支援等の役割を担う主任ケアマネジャーにつきましては、市町村や関係団体、学識経験者の参画のもとに、その養成研修や活動のあり方について検討を深めてまいります。特に大阪の実情に即した研修カリキュラムや活動支援方策を確立をいたしまして、公平公正で包括的、継続的なマネジメントの確保を担っていけるような人材の育成に努め、新制度が効果的に運営できるよう取り組んでまいります。 次に、児童虐待防止対策についてお答えをいたします。 児童虐待の防止施策につきましては、これまで子ども家庭センターの体制強化や市町村の児童虐待防止ネットワークの充実など、早期の発見や対応に重点を置いて実施してまいりました。 児童虐待の主要な要因といたしましては、育児不安や子育てをする人の孤立が指摘をされており、とりわけ乳幼児期におきましては養育負担が大きく、また虐待によって重篤な結果を招く危険性が高いことから、これまでの取り組みに加え、この時期に焦点を当てた養育支援策の充実が重要と考えております。 このため、来年度から、周産期の医療機関と連携をし、母子保健上専門的な支援を要する家庭に対し、出生後早期から保健師による訪問指導を実施をいたします。また、四カ月健診や一歳半健診の未受診家庭を児童委員の協力を得て訪問をし、見守る仕組みを構築することにより、乳幼児期の養育支援が必要な家庭を早期に把握して適切な支援を行い、虐待の発生予防に努めてまいります。 ○副議長(半田實君) 教育長竹内脩君。   (教育長竹内脩君登壇) ◎教育長(竹内脩君) まず、学力実態調査についての御質問でありますが、府教育委員会といたしましては、学力等実態調査の結果を学力向上の施策展開に反映するとともに、各学校の学力向上の取り組みに活用することが大切であると認識しております。 そのため、平成十五年度学力等実態調査の分析、課題整理を踏まえ、学力向上を最重点課題の一つとして、指導方法の工夫改善や児童生徒の自学自習力の向上を柱とする学力向上の施策展開に努めてまいりました。 また、調査結果につきましては、市町村教育委員会や各学校での活用を図るため、説明会等を実施するなど周知に努めてきたところであり、各学校においては、府学力等実態調査結果と市町村や学校独自調査結果を関連づけながら、学校ごとの課題を明らかにし、一人一人の子どもへの指導方針を立てていくことが必要であると考えております。今後、府教育委員会のホームページに調査結果を掲載するなど広く周知を図ってまいります。 あわせて、市町村教育委員会や各学校においては、学校協議会等の場を通して議論を深めていただき、それぞれの学校において取り組みを進めることが大切であると考えております。 また、全市町村において学力向上に取り組む拠点校づくりを進めるため、平成十七年度百五十校のモデル校を指定し、確かな学力向上のたの学校づくり推進事業を実施することとしております。モデル校においては、学力向上推進総合プランを確立するとともに、保護者や地域の方々、学識経験者など外部人材を加えた評価委員会を校内に設置し、子どもの実態や学校の取り組み状況と、その成果、課題などについて評価や改善意見を受けることにより、各学校における取り組みの質的向上を図ってまいりたいと考えております。 府教育委員会としては、府内の全学校にこのモデル校の成果の普及を図り、府学力等実態調査を市町村や各学校が独自に実施する調査と関連づけて課題を明確にし、個別の各学校が学力向上方策を具体化し推進するよう指導してまいります。 次に、知的障害のある生徒の高等学校受け入れに関する調査研究についてお答えいたします。 府の障害教育は、これまですべての幼児、児童生徒がともに学び、ともに育つことを基本とし、一人一人の障害の状況に応じた教育の推進に努めてまいりました。 知的障害のある生徒の高等学校受け入れにつきましては、大阪府学校教育審議会の提言により、平成十三年度からおおむね五年間を期間として調査研究を行い、本年七月ごろには最終答申をいただく予定となっております。これまで調査研究で入学した生徒は、社会性やコミュニケーション力の成長が顕著に見られ、また周囲の生徒や教職員においても一層の障害者理解が進むなど大きな教育的効果が見られます。一方、入学者選抜のあり方、教育課程の工夫、卒業後の進路などの課題につきましては、引き続き研究が必要となっております。 府教育委員会といたしましては、この間の学校教育審議会の論議も踏まえ、厳しい財政状況にはありますが、その教育的効果に着目し、知的障害のある生徒がともに学ぶ場を高等学校において設けることができるよう検討を進めてまいります。 あわせて、御提言いただきました国制度を活用した新たな形態の受け入れにつきましても、ともに学び、ともに育つ教育の理念を踏まえ、知的障害のある生徒の自立と共生につながる具体的な方策として積極的に検討してまいります。 ○副議長(半田實君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 育英会奨学金制度についてお答えをいたします。 大阪府育英会奨学金制度は、経済的理由により進学をあきらめることなく、子どもたちの能力と意欲に応じて自由に進路選択ができるよう支援していく制度であり、将来の地域や社会を担う人づくりに重要な役割を果たしていると考えております。 奨学金制度は、生徒が学資の貸与を受け、卒業後に返済し、それを次に学資を必要とする生徒が活用していく制度であり、資金が次々と奨学生にリレーされていくことが制度の基本となっております。このため、奨学生一人一人が奨学金制度の意義や役割、仕組みを十分理解し、確実に償還していただく必要がございます。 来年度からは、滞納対策を抜本的に強化することといたしておりますが、これにあわせて、滞納の発生を抑止する観点から、学校現場における奨学金教育をより充実するとともに、新たに奨学生向け広報誌を発行するなど、大阪府育英会と個々の奨学生との平生からのつながりをより一層強めてまいりたいと考えております。これらの取り組みにより滞納の未然防止に努め、奨学金制度の円滑な運営を図ってまいります。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 続いて、ホームレス等の就労支援についてお伺いいたします。 府では、従来から大阪市とともにあいりん地区の高齢日雇い労働者を対象として特別就労事業を実施していますが、この事業の財源は今年度限りの時限措置である緊急地域雇用創出特別基金が大部分を占めております。高齢日雇い労働者にとって特別就労事業は命の糧ともいうべきものであり、事業の廃止、縮小は極めて重大な問題であります。 こうした中、府では、あいりん・ホームレス関係事業の見直しを行い、高齢日雇い労働者向けの就労自立支援事業に再構築して、現状とほぼ同規模の就業機会、仕事量を確保されたところであり、このことに関しては一定評価できるものであります。 しかしながら、本来、ホームレス問題は社会のセーフティーネット構築の問題であり、第一義的には国の責任であると考えますが、今回の国の対応について府として今後どのように対処していくのか。 また、府では、来年度広く民間事業所等から軽作業を含めた仕事を集め、ホームレスの人やあいりん地区高齢日雇い労働者に従事してもらう大阪ホームレス就業支援センター運営事業を実施することとしています。府の厳しい財政事情もありますが、公的な支援には一定の限界があり、そのような中で民間と連携していくことは今後の支援のあり方を示したものであり、極めて重要な取り組みと期待しております。この事業についてどのように推進していくのか、府の基本的な考えをあわせて商工労働部長にお伺いいたします。 次に、京都議定書を踏まえた府としての環境対策についてお伺いします。 昨年は、日本各地で記録的な猛暑が観測され、また台風が立て続けに上陸するなど、地球温暖化現象が身近なものとして感じられた一年でした。このような状況にあって、本年二月十六日に京都議定書が発効し、温室効果ガスの削減が全世界を挙げて取り組むべき喫緊の課題となっています。 我が国においても、京都議定書の発効により、温室効果ガスを二〇〇八年から二〇一二年の期間に基準年である一九九〇年から六%削減するという国際公約に法的な拘束力が生じることとなりました。このため、国においては、地球温暖化対策推進法に基づき京都議定書目標達成計画を策定し、目標達成に向けて対策を推進していこうとしています。 一方、大阪府は、平成十二年三月に地球温暖化対策地域推進計画を改定し対策を講じていますが、温室効果ガスの大半を占める二酸化炭素の二〇〇二年度の排出量は、削減されるどころか、四・四%もふえているという状況にあります。京都議定書の発効を契機として、さらに踏み込んだ取り組みを強力に打ち出していく必要があると思います。 大阪府域における温室効果ガスの削減は、府だけの努力でできるものではなく、府が先頭に立って市町村や経済界、府民にも呼びかけ、官民一体となって取り組みを進めていくべきことです。府としての積極的な姿勢があって初めて目標達成も目に見えてくるのではないかと考えます。地球温暖化問題をいかに克服していくのか、知事の決意をお示しください。 次に、総合的な動物行政の展開についてお伺いします。 近年、アライグマによる農作物等の被害が拡大するとともに、在来の生物にも多大な影響が出ていることが懸念されています。また、住宅街にも出没し民家に被害が発生するなど、見過ごしにできない状況になっています。しかし、鳥獣保護法に基づく野生動物への対応は環境農林水産部が、動物愛護法に基づくペットの対応は健康福祉部がそれぞれ担当し、アライグマのように展示動物やペットとして輸入された後野生化したものへの対応については、法のはざまにあって十分な対応ができていないのが現状です。このため、我が会派は、平成十五年九月議会において、縦割り行政を排し、法のはざまを解消するため、動物行政に関する組織の一元化を提案し、知事は早く要望にこたえるようにしたいと答弁されました。 昨年三月から、当面の対応として府民の相談窓口を一元化し、動物相談センターが開設され、実に多彩な相談や苦情が持ち込まれ、たらい回しにされることなく府民の好評を得ていると聞いております。一方、昨年六月には外来生物法が制定され、これに関連した種の保存法が六月に改正されました。加えて、動物愛護法の改正に向けての検討が深められるなど、動物行政を取り巻く関係法令の整備が順次進んでいます。 このような動向を踏まえ、四月から府民の相談や苦情などにも対応できる組織体制を整備するとのことですが、相談対応だけでなく、これまでも指摘したとおり、動物とのふれあいの場を提供し、動物愛護の気風を醸成するなど、普及啓発機能の中核施設となるいわゆる動物愛護センターを整備することが必要であります。 動物愛護に対する基本的な認識とともに、総合的な動物行政の展開について知事の御所見をお伺いいたします。 次に、公共住宅における動物飼育についてお伺いします。 最近の青少年犯罪の傾向として、青少年が犯罪に至る初期の段階で動物を虐待する事例があると言われています。彼らの多くが自分よりも弱い生命を虐待することで快感を得たり、自分以外の生命への支配欲を満たすために幼いころから動物虐待を繰り返しているといったケースもあるようです。動物虐待が犯罪の大きな引き金になっているかもしれないという指摘は、大変深刻で重大な問題だと思います。人は、動物と接することにより命の大切さを知り、心の安らぎを得ることができると思いますが、動物に対して愛護の気持ちをはぐくむことは、ひいては人間に対する命の大切さを学ぶことにもつながっていくと思います。 また、首都圏では、新築分譲マンションの約三割がペットの飼育が可とされ、関西でもペットの飼育が可のマンションが分譲され始めている状況にあります。府営住宅や公社賃貸住宅においても、一律に動物飼育を禁止するのではなく、入居者の意思を尊重しながら人と動物とが共生できる社会を目指していくべきだと考えます。 このようなことを踏まえ、昨年三月の定例府議会において、我が会派の上の議員が府営住宅や公社賃貸住宅において、入居者がつくった適正なルールを厳しく守ることを前提に飼育を認めてはどうかと質問をいたしました。知事は、動物と接することが生命のとうとさを学ぶ大切な機会となるばかりではなく、動物を飼うことで生活に潤いと安らぎが生まれ、ストレスや寂しさをいやす効果があるとの認識を示されました。入居者による自主的なルールづくりのための動物飼育の条件を平成十六年中に検討を進めていくと答弁されましたが、その後の検討内容について建築都市部長にお伺いをいたします。 また、この際お願いしておきたいことがあります。都会の住宅地の猫の苦情がふえております。特に野良猫問題がクローズアップされています。もとはといえば、身勝手な飼い主に捨てられ、外でしか生きられない状況に追いやられたものであります。避妊手術をしないと年に二、三回子どもを産み、二年後には四十匹から五十匹になるとも言われています。人目を避けた遺棄は後を絶たず、避妊、去勢をすることによって、繁殖、遺棄を確実に阻止することができます。入居者による自主的なルールの中に犬や猫の避妊、去勢の取り決めがなされた場合、尊重されるよう要望しておきます。 ここで答弁をいただきます。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 京都議定書を踏まえた環境対策についてですけれども、地球温暖化は、海面の上昇や異常気象を引き起こすなど人類の生存基盤を揺るがす深刻な問題であります。 本府では、大阪府地球温暖化対策地域推進計画に基づいて、太陽光発電の率先導入、府有施設の省エネ化、家庭や企業への啓発活動などを実施してまいりましたけれども、お示しのように、府域の二〇〇二年度の二酸化炭素排出量は一九九〇年度と比べて増加しておりまして、効果的な対策を早急に進める必要があります。 そこで、地球温暖化対策をより実効あるものとするために、行政、事業者、府民といった各主体の役割を明確にして、数値目標を盛り込んだ地域推進計画の改定作業を今進めております。また、この計画を実現するために、環境審議会での御審議も踏まえて、エネルギーを多量に消費する事業者に計画的な温室効果ガスの削減を求めること、建築物を新増築する際に省エネ対策を初めとする環境配慮を求めることなどを内容とする条例の制定を目指してまいります。 さらに、地球温暖化は人間のさまざまな活動に起因をしておりますことから、各主体が一丸となって対策を進めていく必要があります。このため、私が会長を務め、民間団体等四十三団体で構成をいたします豊かな環境づくり大阪府民会議や平成十五年に指定した地球温暖化防止活動推進センターを活用して、省資源・省エネルギー運動を強力に進めるなど、目標達成に向かってさらなる取り組みを推進してまいります。 次に、総合的な動物行政の展開についてでありますが、動物の遺棄、虐待の問題への対応やBSE、鳥インフルエンザといった動物感染症対策などは、動物と共生する社会をつくる上で重要な行政課題であると考えています。 昨年から、動物行政を円滑に推進するための組織体制について検討を重ねてまいりましたけれども、来年度から、全国で初めてペットや野生動物、経済動物である家畜を一元的に所管する動物愛護畜産課を環境農林水産部に設置することにいたしました。今後は、この一元化の効果をフルに発揮して、動物感染症発生時の危機管理体制を充実するとともに、新たな課題にも積極的に対応を図ってまいりたいと考えています。 なお、狂犬病予防法との関連で、御指摘のありました健康福祉部と共管となる業務については、今後さらに、効率的、効果的な運営体制を検討してまいります。 また、お示しの動物愛護センターの整備については、機能や立地条例などさまざまな課題がありますので、そのあり方について一層検討を進めてまいります。 ○副議長(半田實君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) ホームレス対策についての二つの質問にお答えいたします。 まず、今後の対処でありますが、大阪のホームレス対策は、ホームレスとなるおそれがあるあいりん地区高齢日雇い労働者に対する就労対策が極めて重要であります。こうしたことから、緊急地域雇用創出特別基金終了後の来年度につきましても、厳しい財政状況ではございますが、おおむね今年度並みの規模で特別就労事業を実施することとしております。 お示しのとおり、ホームレス問題は、社会のセーフティーネット構築の問題であり、大都市に共通する社会問題でありますことから、第一義的には国の責任と考えておりまして、今後とも国に対しまして財政上の措置を求めてまいりたいと存じます。 次に、大阪ホームレス就業支援センター運営事業につきましては、広く事業主などから軽易な仕事を集めましてホームレスの人などに提供することとしておりますが、仕事の開拓が重要でありますので、大阪府、市と経済団体、労働団体とで昨年十月設置いたしました大阪野宿生活者就業支援協議会の協力を得たいと考えております。 また、事業の効果的な運営を図るため、就業支援センターをあいりん地区内に設置いたしますとともに、ホームレス問題に通じている社会福祉法人やNPOなどと連携することとしております。 今後、ホームレス就業支援センターの円滑な運営を図り、ホームレスの人などの就業機会の確保に努めてまいりたいと存じます。 ○副議長(半田實君) 建築都市部長阪倉嘉一君。   (建築都市部長阪倉嘉一君登壇) ◎建築都市部長(阪倉嘉一君) 公共住宅における動物飼育についてお答えいたします。 多くの人々が集まって住む府営住宅や公社賃貸住宅においては、共同居住のための一定のルールが必要であると考えております。犬や猫の飼育については、飼いたい方がおられる一方で、犬、猫の毛などに対してアレルギーがある方や犬、猫そのものに抵抗を持つ方も入居されております。また、鳴き声や飼い主のマナーの悪さによる入居者間のトラブル等も多く、このため犬や猫の飼育を控えていただいているところでございます。入居者の意識につきましても、府及び公社が実施いたしましたアンケート調査の結果によりますと、府営住宅では七割近くの方が、また公社住宅では六割を超える方が犬や猫の飼育に反対されておられます。 このような中で、共同住宅で犬や猫の飼育が受け入れられるためには、飼育に抵抗のある人や反対する人の理解が得られ、また飼育が適正に行われる仕組みや体制整備がされることが不可欠であります。 このため、府営住宅や公社賃貸住宅での入居者による自主的なルールづくりのための動物飼育の条件について検討を進めてまいりました結果、入居者間での十分な話し合いを通じ、動物飼育に関して合意がなされていること、飼育者が遵守すべき項目などを定めた飼育ルールが策定されていること、飼育ルールを適正に運用するために飼い主の会が結成されていることなどの条件がすべて満たされた場合には、入居者同士が協調して快適に動物と共生できる環境が整備されたものとして、入居者による取り決めを尊重することとし、今後このような考えを自治会などに説明してまいりたいと考えております。 なお、御要望の犬や猫の避妊、去勢の取り決めにつきましては、飼育ルールの一つとして、入居者間での十分な話し合いを通じて策定されるものであると考えております。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) ここからは一問一答という形をさせていただきますが、まず、今御答弁いただいた項目の中の大きい四番の二番、防災から減災の項目について再質問させていただきますが、大阪府も、今度地下構造調査ということで、科学的な分析で活断層や地下の構造をきちんと把握しようという、こういう動きになっていることであります。建物の耐震性ということだけではなしに地下を知ろうと、これがキーワードであります。 実は、もう一つ、地下の深いところの活断層や調査もそうですが、地表面に近いところのいわゆる地下の構造も阪神淡路大震災や新潟の震災で大きな被害を及ぼしていることを実態として私たちは受けとめなきゃならんなというふうに思います。 いわゆる切り土、盛り土といいまして、斜面を削って切って盛るという状態で造成をしたときに、片一方がずれることで、幾ら耐震性の強い建物をつくっても吹っ飛んでしまうという、そういうことであります。これは、地表面の地下構造ということであります。私ども会派の方で地質学の先生にお聞きしたわけでありますが、ただ一つ重大なことを申し上げますが、長い年月の埋め立てとか、いわゆる堆積したデータは危機管理室お持ちですが、実は私心配なのは、大阪がこれまで宅地造成をされてきました。これの造成の許認可をしているのは建築都市部でありますが、この造成のときにそういった宅地造成の地下の図面も含めて提出をするのが義務づけられていると思いますが、これはもしかすると、何年も保管する義務はきっと所管の課にはないんではないかなと。 これだけ今回地震の被害で貴重な、むしろ大事なデータであったこの宅地造成の切り土、盛り土やそういった地表面に近い地下のデータに対してもやはり我々しっかり関心を持つべきだし、被害想定や震災のために大変大事な資料なんです。これ、危機管理室がしっかり情報収集し--このままほっといたらこのデータが廃棄されるんです。これではやっぱり府民の生命、財産を守る立場にならんということであります。 改めて、この点に関しては、私は、この造成地の情報をきちんとデータを収集し、評価をし、そしてまた必要であれば府民に公開するという、そういう立場をとるべきだと、こんなふうに思いますが、総務部長、いかがでしょうか。 ○副議長(半田實君) 総務部長三輪和夫君。   (総務部長三輪和夫君登壇) ◎総務部長(三輪和夫君) 地表面に近い地下情報の活用についての御指摘でございますけれども、来年度実施をいたします大規模地震災害リスク評価におきまして、大阪平野の地下構造調査で得られました深度の深いいわゆる基盤岩、この情報などとあわせまして、埋立地あるいは扇状地、そういった地表面に近い地下情報につきましても検討の対象にしていきたいというふうに考えております。 また、この大規模地震災害リスク評価を取りまとめるに当たりましては、御指摘の宅地造成地などに関しまして、府が有しております情報につきましても、あわせて集約をして防災情報として提供をしていきたいと、このように考えております。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) これ以上申し上げませんが、ぜひそれはお願いしたいと思います。 はっきり申し上げて、そういういろんな調査が進む中では、場合によっては、今後不動産とか、そういったときに地下情報というのが重要な事項であるというふうな事態になってくるかもしれない。そういった意味では、やはりこういった情報についての把握というのは非常に大事であることをまず確認をいただきたいと思います。 再質問をもう一つさせていただきますが、六番目の項目の消費者保護条例の問題であります。 今、いわゆる消費者トラブルというのは、どっちかというと、携帯メールとか、いろんなややこしいメールとか、そういうことで問題が多いわけでありますが、やはり商品、サービスの提供ということでの商品項目でとりあえず多いのを言いますが、例えばお年寄りに浄水器を売りつけたとか、化粧品とか、宝石とか、エステとか……。 ここで大事なのは、クレジットと先ほどから答弁が出てますが、我々持っているクレジットカードと意味が違いまして、商品を売るときにそこでクレジット契約をするという意味でのクレジットを伴う割賦販売なんです、改めて申し上げておきますが。 ただ、大事なことは、そこの店員さんは、カードを切りますねと判を押させるんですけど、ただ問題は、そのときは商品を売るという行為とともに、実はそこの商店がそのクレジット会社の加盟店になっているんですね。ということは、商品を売るという行為と、いわゆる与信という行為を二つやっているんですよね。これは商法上、もし仮に消費者がその店の商品に対して苦情を申し上げる--抗弁というんですが、加盟店のそういう行為については抗弁権の接続というらしいですね。 クレジットカードに対してもやはり物が言えるということで、今回条例にこの信販会社、いわゆるクレジットに対するそういった規制を加えるということでありますが、このことはやはり非常に大事なことでありますから、ぜひ再度生活文化部長にお伺いするわけであります。 もう一つ申し上げておきますが、いわゆるサラ金、やみ金、多重債務というのがよくありますが、実は最初のきっかけというのはやっぱり物を買ってしまうということからスタートするわけで、そこに商品経済が発達してくるわけで、信用経済も発達してきますから、商品はたやすく手に入る、そういう時代に入ってきた、これは進歩なんですよね。 ところが、それがいつの間にか買い込んで、買いづらくなる。例えば、学生でもいわゆるカードを切ってもらって数十万の物を買ったとかいうことがあるわけですから、それがまた逆に多重債務につながってくる一つのスタートラインで、きっかけですから、おれおれ詐欺の少ない大阪でありますけども、こういったことに乗らないきちんとした大阪の消費者感覚というものがやっぱり必要だろうと思います。生活文化部長の御見解をお伺いします。 ○副議長(半田實君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 消費者保護条例について再度のお尋ねでございます。 平成十四年度末のデータでございますが、クレジットカードの発行枚数でございますが、全国で二億五千四百万枚となってございます。また、その利用総額も二十四兆六千億とされておりまして、非常に膨大なものとなってございます。クレジットカードなどの信用取引は、府民の日常生活に広く浸透しておるところと理解をいたしております。 お示しのように、いわゆるデート商法やキャッチセールスなどにより、クレジットの仕組みを利用して若者が高額な宝石、あるいはエステを購入させられるといった相談が消費生活センター等に後を絶たない状況にございます。 このため、今回の条例改正に当たりましては、不当な与信行為を規制する、そうしたこととともに、市場における公正な取引ルールづくりに事業者が自主的に取り組むことを求めておるところでございますが、クレジット会社、信販会社等に対しましても、悪質な加盟店を排除すること、あるいは消費者の年齢や資力などを十分踏まえた適切な与信等に関しての自主行動基準が策定されますよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) ぜひお願いします。そういうお店というのは、クレジットがついてるから売れるんですね、これ。月々一万とか言われるから払えるかなと、こう思うんですけど、実際のところは何十万も契約してるわけです。もしクレジット会社が店から加盟店引き揚げるぞと、こうなったら店は立ちいかなくなるわけですから、その点うまくやっていただきたいと、こういうように思います。 続いて、知事の東アジア戦略についてお伺いします。 二十一世紀はアジアの世紀と言われておりますが、一つここで数字を申し上げます。大阪税関関西国際空港支署が昨年の貿易高を発表しました。二〇〇四年の関西国際空港の貿易高、輸出が四兆二千五百億円、輸入が二兆三千八百億円となりました。十数%の伸びで過去最高であります。このうち、アジアの占める割合が全体の六割でありまして、しかも開港以来トップを走っていた対米貿易が実は対中貿易に取ってかわりました。 ここに来て、アジアの急成長に牽引され、電子部品、デジタル家電の輸出が好調であります。中国、韓国、ASEANなどの市場の拡大とともに、投資とか貿易が活発化して、かつてないスピードで進んでいるということであります。 一つ、中国というのが今成長する市場としてよく例に使われます。中国そのものが十三億の巨大市場であります。ちなみに、昨年のデータでありますが、中国の携帯電話は恐らく既に三億個以上売れているんじゃないかなと言われております。日本人の場合、赤ちゃんも全部入れて、二個ずつ持っても二億四千万ですから、中国の市場の大きさがあると思います。 中国の高速道路は、恐らく三万キロメートルに及ぶだろうと言われています。日本の高速道路は七千九百キロメートルでとめでございます。そういった中国の大きな経済の成長、去年も九%以上の経済成長があったと思います。 日本からの投資も、二〇〇一年のWTOへの加盟以降、ウナギ登りの状況にあり、日中貿易もこの三年間六割も伸びました。二〇〇八年の北京オリンピック、二〇一〇年の上海万博を控えて、今後も投資主導の高成長が続くことは確実視されています。 そこで、この二月三日に神戸ポートピアホテルで開かれた関西財界セミナーで王毅駐日大使が、中日FTA--自由貿易協定--をスタートさせるべきだと、貿易自由化は双方の利益に合致する、FTAが実現すれば日本の経済を押し上げると強調をされました。これは、関西財界を前にした王毅駐日大使の関西に対する意欲を示していると私は思います。新聞では、靖国問題に触れなかったというようなことの報道の方が多かったように思いますが、私は、むしろ中国の拡大政策がここにもあらわれているなというふうに思うところであります。 ちなみに、この国に関して言いますと、東京都の石原都知事はいささか冷やかな思いをお持ちのように私は感じるんですが、一方太田知事は、年頭所感の中でアジアの中の中枢都市大阪ということを上げられております。東アジアを一つのキーワードにして大阪を上昇気流に乗せると抱負も述べられておりますが、まず大阪を東アジアの中でどのような位置と役割に高めようとされているのか、目標像について知事にお示しをいただきたいと思います。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 最近よく申し上げておりますけれども、大阪の経済の低迷ということから言いますと、やっと転換の兆しが見えてきたわけですけれども、それの大きな要因をつくってくれたのは、何と申しましても、お隣の中国の景気の牽引だろうと思います。 今、徳丸議員より幾つか数字の紹介がございましたけれども、一番大きな要因はやはり中国への輸出だろうと思います。東アジア地域への近畿圏からの輸出は、一時期中部圏を追い抜いて、三十四カ月連続して増加をしておるということでございますし、またその中でデジタル家電需要の好調さというものが大変目立っておる。デジタル家電は大阪が発祥であるということを考えれば、景気の今回の回復基調というのは大阪経済が大きな役割を果たしているということは否めない事実ですし、またそれを中国が引っ張っているということも否めない事実だろうと思います。 私は、そういう中国の発展を大きな推進力にしておりますこの東アジアの発展ということを、大阪がこれからの都市づくりにあるいは経済成長に大きく結びつけていくということが大変大事な要素であるというふうに考えまして、アジアにおける大阪ということを申し上げ、またアジアにおける中枢都市としてこれから大阪がしっかりした都市基盤を築いていくべきだということを申し上げてまいりました。 歴史的にも、言うまでもないことですけれども、東アジアと大阪との結びつきは大変深いわけで、そういうことが影響しているからか、観光客を見ましても、東アジアからおいでになる中国、台湾、香港、そして韓国といったあたりの方々は、大変大阪に立ち寄る率が高いという結果も運輸白書等で明らかになっております。 大阪は、もともとオーストラリアともカナダとも言われますけれども、一国の先進国経済に匹敵する規模を持っております。そして、また基幹インフラとしても、空港、港湾、そして高速道路、世界第一級の都市基盤を持っております。そして、ものづくり機能、さらには研究機関、大学、クリエーティブな人材、それらどれをとっても大都市圏にふさわしい蓄積を持っております。さらには、先ほど触れました歴史、文化--これからは人が移って住みたい、住んで働きたいと思う要素の大きなものに歴史や文化があると思いますけれども、そういうものも奥深いものを持っております。 私は、アジアの中枢都市ビジョンをこれから策定するというふうに申し上げておりますけれども、これを策定するに当たって考えておりますことは、今申し上げましたような大阪の大きな備えている力と申しますか、潜在力ではなく実力というものをもとにして、それに磨きをかけ、そしてこれの存在感を世界に示していくというきっかけづくりをこのビジョンでしたいと思ったからなんです。描くべきビジョンはたくさんあると思います。今申し上げたように、大阪は大都市であり、世界一級の都市、世界都市であるわけですから、磨きをかけなくてはならない側面というのはたくさんあると思いますが、何と申しましても、私は、やはり経済的な活力にまず光を当てたいと思っております。 今申し上げましたデジタル家電を初めとした先端産業はもちろんのこと、次代のスタープレーヤーとしてバイオやロボットということが言われておりますけれども、これも戦略なくして育成することはできません。また、文化の振興を軸にした観光の振興というような面をとりましても、大変競争相手は多いわけですから、たくさんの力を結集しなければそのことを本当の力とすることもできません。そういう意味で、アジアの中枢都市として存在感のある都市となるためには、さまざまな戦略、あるいは具体的な達成すべきビジョンというものが私は必要だと思っております。 来年度早々にも懇談会をつくって、今申し上げましたようなビジョンを策定するということにしておりますけれども、私がこの時点で申し上げたいことは、ビジョンというのは単なる設計図ではありません。あるいは、単に絵にかいたものではありません。これは、行政と民間が力を結集してつくり上げていく未来の大阪への羅針盤となるものです。その意味で、関西で展開をされる民間との協働を強力なものに、あるいはより緊密なものにしていくシナリオと言っても差し支えないと思います。 このためには、経済界はもちろん、府民の皆様、NPO、そして個々の企業の皆様方と一緒にこのビジョンをつくらなくてはなりませんし、多くの方々の意見も聞いてまいりたい。そういう中で、東アジアの中枢都市の大阪の具体的な姿を明らかにしていきたいと考えております。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) たくさん答えていただいてありがとうございます。 今の知事のお答えの中でもそうですが、やはり今関西国際空港というのは、こういったいわゆる中枢都市を目指すための最重要なファクターであろうというふうに思います。 中国の上海浦東空港、韓国の仁川空港、香港空港、東アジアで相次ぐ国際空港が整備されておりますが、今国際空港で求められているのは、自国の国内線を結んで海外に行こうといういわゆるハブという考え方とともに、アジアの経済圏をまとめてヨーロッパやアメリカ大陸と結ぼうという、いわゆるグローバルなアジアのゲートウエーとしての役割をめぐる競争だというふうに言われております。 この十月二十四日に、関西国際空港十周年の記念のマラソン大会がありまして、超党派ですが、私と三田議員と井上議員と十キロ走ってまいりました。間違いなく関西国際空港は四千メートルの距離がありました。この足で確かめてきました。この役割がやはりこれから大事であると思います。 人、物、金、情報、文化、これが素通りするということは、やはり国際的地位を失うということでありますし、よく例に出されますが、世界第四位であった神戸港がもはや二十数位に後退しているということもよく言われます。アジアの国際船便というのは、もはや太平洋を津軽海峡を通って渡ってるらしくて、通過しているようであります。 そういった意味で、そういった空港の機能がますます大事だと思いますが、関西国際空港全体構想促進協議会というオール大阪の応援部隊もある。これまでもエアポートプロモーションなどで成果を上げてきておりますが、この促進協をさらに活用していくべきであります。 今後、関空の利用促進策を通じ、関空の利用活性化にどのように取り組まれるのか、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 関西国際空港は、皆様方のお力添えをもちまして二〇〇七年供用開始ということが決まったわけですけれども、二十四時間運用、そして先ほど走られたということでありますけれども、四千メートルの滑走路を複数持った世界標準を満たす我が国唯一の国際拠点空港であります。 今後は、大阪が先ほど申し上げましたアジアの中枢都市ということを目指すためにも、そしてまた今世界で一番危険な都市は、東京、横浜というふうに言われているわけですけれども、ここに一たび何かが起こったときに代替機能を果たすのは大阪だけだということの役割を遂げていくためにも、大阪がしっかりと発展を遂げていくということと、そしてそのために関空を最大限活用していくということは不可欠の課題であると思っております。 この貴重な国際交流インフラであります関空をこれから大阪、関西としてどのように実質的な発展につなげていくのか。今大事なことは、建設オンリーであったこれまでの時代から、利用促進、来島促進、にぎわいづくりというところに軸足を移すこと、転換をしていくことであると思っております。 最近、中部国際空港のにぎわいというものがよく伝えられるわけですけれども、私は、中部国際空港もよきライバルとして、これから来島促進を図る上で、にぎわいづくりの競争相手というふうにとらえて関空も頑張っていかなくてはならない、会社にも頑張っていただきたいと、このように思っております。 観光ビッグバンがアジアにおいて起こります。この国際航空需要を確実に取り込んでいくためにも、これまでも行ってまいりましたエアプロモーションはもちろんのこと、今申し上げました関空を軸にした観光振興、あるいは来島促進イベントなど、にぎわいづくりを私どもも促進協を通じて大いに応援していきたいと思っております。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 今、関空のことをお聞かせ願いました。大きなアジアという範囲から物を考えていきますが、そのための関空の役割と、こういうことであります。 そこで、さらに今度は、より緻密になりますが、いわゆる東アジアへの観光プロモーション・ビジネス交流の促進についてお伺いします。 観光と経済交流というのは一体のものでありますから、今、東アジアの中枢都市を目指すという知事の基本的な戦略についてお伺いしましたが、とりわけ観光や経済交流の分野においてはスピード感を持ってアクションを起こしていくことが必要です。 観光については、三月二十五日から始まる愛知万博、韓国、台湾からの訪日観光客は観光ビザが免除されます。中国では、訪日団体観光ビザ発給対象を全国に拡大するということが検討されています。こうしたビザに関する規制緩和などを追い風に、大阪への滞在促進を図るための戦略的な取り組みが求められておりますが、今回、大阪府観光戦略プログラム素案は東アジアをターゲットにしており、同じ東アジアでも、中国、韓国、台湾、香港ではそれぞれ観光のニーズは異なり、それに合わせた効果的なプロモーションを図っていくことが必要だと考えますが、どのような戦略をお持ちか、商工労働部長にお伺いいたします。 この問いがいわゆる観光に関する問いでありますが、次に経済交流の問題についても商工労働部長にお伺いします。 私の地元八尾では株式会社ニシムラという会社がありまして、住宅用ちょうつがいのメーカーで、アーチブランドとして国内シェア六割を超える業界のリーディング企業であります。この会社は、国内で多品種、少量の高付加価値の製品をつくって、中小企業の高い技術が海外に流出しないようにブラックボックス化して国内に残す一方で、海外では中国市場に参入し、大連に工場を建設して、汎用品の大量生産を行っております中小企業であります。この企業に見られるように、大阪の中小企業も、既に中国を初めアジアとの結びつきを強め、グローバルな競争を生き抜く動きをしているわけであります。 私たちは、一九九〇年代から製造業の海外展開によって国内産業の空洞化という深刻な問題を引き継いでおります。今も引き継いでおります。しかし、近年、私たちは、この空洞化という問題解決の新しい糸口をつかみつつあると確信しております。日本企業が中国へ進出した結果、基幹部品や機械設備などの新たな輸出需要を創出し、国内の設備投資を増加させているという事実であります。 もう一つ例に挙げますけれども、私の地元で八尾市の塚谷刃物製作所というメーカーは、他社の追随できない高精度の腐食抜き型という--いわゆる刃物の会社なんですが--技術を用いて、液晶携帯電話の部品メーカーにカットして送るわけですけども、受注後二十四時間から四十八時間の短納期で供給して、飛躍的に成長しています。私は、今言うように、産業の空洞化という言葉は、今後拡大するアジア市場を見据えて海外展開を図りつつ、国内産業の高度化を進めていくという国際分業の流れに取ってかわるべきものだと思います。 ここでのポイントは、貿易というのはもはや相手の国と物をやりとりするということだけではなしに、対外直接投資、対日直接投資と、そういう形態をとっています。特に中国は、そういう対外投資、海外出資資本を受け入れる体制で来ているわけでありますから、そういう時代であります。 しかも、もう一つ申し上げないかんのは、中国というのはもはや組み立て加工の工場という考え方ではなしに、もう既に中国の国内内需を獲得するための戦略が今問われていると、このことだけははっきり申し上げておかないかんかなと、こんなふうに思っています。 このように、輸出の対象となる高精度の部品や高度な技術を必要とする機械設備などの生産は、もともと大阪企業の得意とする分野でありました。府としても、従来から行っている海外への販路開拓支援に加え、国際的な事業展開を行う大阪企業の多様なニーズに対応した支援方策を強化すべきだと考えます。 また、最近、半導体や液晶分野で台湾や韓国の企業が日本企業に経営、資本参加するなどの動きが活発化してきていますが、中国企業にもこうした動きが広がっていくことが予測されます。東アジア企業を積極的に誘致するということにより、新しい技術や製品開発力を持つ大阪企業の事業拡大に結びつけることも大事であります。輸出や対外投資、輸入や対日投資という双方向の関係強化が問われているわけであります。 もう一つ申し上げます。 FTAがアジアで動きつつあります。ただ、この周辺の国々には、知的財産所有の問題や海賊品とか、いろんな問題があります。通貨の問題もありますし、不良債権の問題もあります。こういった問題を乗り越えていく作業がこれから大事だと思います。これからのことについては、大阪市や経済界と一体となったオール大阪で体制を進めるべきと思いますが、これからの大阪と東アジアとの経済交流の促進と今後の取り組みについて、商工労働部長、ぜひお答えをいただきたいと思います。 ○副議長(半田實君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) 東アジアをターゲットにした観光プロモーションでございますが、大阪への外国人旅行者数を二〇〇七年度までに二百万人程度に増加させる目標を実現いたしますためには、効果的なプロモーションを展開することが極めて重要であります。 そのため、今後大幅な観光客の増加が期待されます東アジアをターゲットに絞り込みまして、お示しのとおり、各国、地域ごとに異なる海外旅行ニーズを踏まえた対応が必要であると考えております。各国、地域ごとの海外旅行に関するデータの分析や観光関係者へのヒアリングを通じまして把握いたしました訪日ニーズを踏まえ、ターゲットや実施手法を選択して、効果的、効率的なプロモーションを展開してまいりたいと存じます。 とりわけ中国は、団体観光旅行が可能となってまだ日が浅いことや、観光旅行は団体旅行に限定されていることなどを踏まえまして、現地旅行代理店やメディアへのプロモーション機能を強化させますとともに、大阪の知名度を高めるPR活動とを組み合わせて展開してまいりたいと存じます。また、韓国は、リピーター率の高さや、特に若い人たちの間で日本の文化、芸能への関心が高まっていることを踏まえまして、ファッションやショッピングをキーワードとしたツアー商品づくりや広くメディアを活用して、大阪の都市魅力を積極的にアピールするプロモーションを展開してまいります。 今後も、ビザの発給緩和の動きや各国の訪日ニーズを的確に把握しながら、東アジア各国向けのプロモーションを戦略的に展開しまして、来阪外国人旅行者二百万人を達成してまいりたいと存じます。 次に、大阪と東アジアとの経済交流の促進についててありますが、近年の急速な経済成長の結果、東アジアは、北米やEUに次ぐ経済力を持つ地域となっておりまして、この東アジアとの経済関係をいかに築いていけるかが大阪の発展にとって重要なかぎであると存じております。歴史的、文化的にも大阪、関西は、東アジアとのつながりが深く、対アジア貿易のシェアも六割を占めておりまして、経済面でも強いかかわりを持っております。 御指摘のとおり、知的所有権の保護でありますとか、商取引慣行の違いなどの課題はございますが、この結びつきをさらに強めまして、大阪を東アジアのビジネス交流拠点として形成していくことが極めて重要であると認識しております。 これまでも、東アジアとの経済交流につきましては、大阪の企業が海外販路の開拓をする際の支援や、中国、韓国の政府機関・団体とも連携して積極的に経済交流事業に取り組んできたところであります。とりわけことしは、上海市との友好交流提携二十五周年を迎えますことから、大阪市や経済団体との連携を一層強化しまして、日中間の経済交流事業をより積極的に展開してまいりたいと考えております。 さらに、日中韓におけるバイオ、IT企業間のビジネス交流支援や国内企業の事業拡大にもつながります東アジア企業の大阪誘致にも取り組みを進めてまいりたいと存じます。 今後、東アジアとの経済交流をさらに促進するため、具体的な方策をアクションプランとして早急に取りまとめますとともに、経済界や大阪市とも連携しまして、大阪の総合力が発揮できる体制づくりに取り組んでまいります。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 観光と貿易をお聞きしました。 今度は、ペリーの黒船の例を出すまでもなく、貿易の活性化が国内産業を歴史的には高度化し変革していきます。企業誘致の問題について、いろいろ大阪府も反省すべき点たくさんあるわけでありますが、今後の企業誘致に当たっては、知事が先頭に立ちより戦略的な取り組みを進める必要があると思いますが、知事の御見解をお伺いいたします。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 企業誘致は、これまで五年間いろいろな面で頑張ってまいりまして、トップセールスも精力的に行ってきました。最近、いい数字が出ておりまして、既に触れたかもしれませんけれども、平成十六年上半期は特に企業立地の件数が伸びております。工場立地動向調査によると、面積で近畿圏の約四割を大阪が占めるようになった。以前は一〇%とか一五%というのがせいぜいでした。これは、国の産業立地政策も関係していますけれども、しかし工場等制限法等が廃止をされ、国の姿勢の転換もあって、私はこの四割というのは大きな評価をしているんです。製造業の関西回帰、大阪回帰が大変はっきりしてきたというふうに中央にも評価をしていただいている、そういうところまで来ていると私は思っております。 ただ、一方で、府の産業用地は結構埋まってきていまして、七六%ぐらいまで今契約率も来ておりますから、大きな投資案件になると少し分散されていて、まとまった土地になっていなくて対応できないというような状況も既に出てきておるということですから、これから企業立地を精力的に進める上では、やはり府有地だけではなくて、民有地も含めて立地インセンティブを供与するというような決断も必要だろうということで、私は、今回補助限度額を三十億円に引き上げるとともに、臨海部を中心に府有地にまでこのインセンティブを広げるということについて提案をさせていただきました。 また、大阪ハイテクベイ・プランの方は、ただ単に補助金だけではなく、環境面での配慮、あるいはハイテクの持つ特有のニーズ等に私どもも大きく配慮していく必要があるということで、総合的な企業立地促進策として提示をさせていただいたものであります。私は、こういうことをひっ提げて多くの企業を回り、トップセールスを含めて、大阪への企業立地をこれからも精力的に進めてまいりたいと思っておりますが、私だけでもなかなか力を全部発揮できませんので、商工労働部に企業誘致推進センターというのをつくって、情報の収集拠点、集結拠点とすると同時に、本当にそこの職員が意識を持って大阪をPRし、必死の思いで企業立地を推進していく、そういうセンターに育て上げていきたいというふうに思っておるところです。 きのうも申し上げましたけれども、企業誘致のかなめは情報であり、人のネットワークであると思います。ここのセンターの職員が情報をいち早くつかんで、そしてターゲットを定めたら、その企業に張りつく。お世話係として企業のコスト負担を削減できるような役割を果たしていくということが今一番大事だろうと思っておりますので、こういったことを中心に当面頑張り、またぜひ私のトップセールスでも熱い思いを企業のトップに伝えていきたいと、このように思っております。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 企業誘致ということで今お聞かせを願いました。 続いて、本社機能の集積についてお伺いします。 大阪が、東アジア、中国をにらんで今後さらに発展していくためには、その経済活動にかかわる中枢機能、いわゆる企業の本社機能がより多く立地していることが重要であります。私が調べたところでは、資本金百億円以上の上場企業の大阪での本社は、四〇%が中央区、二三%が北区、合わせて六三%が北区、中央区に集中しております。 JRの名古屋駅前には、ことしの秋に二百四十七メートルの四十七階の豊田毎日ビルというのが建つようでありまして、トヨタは豊田市と東京に本社があるわけでありますが、東京の海外営業拠点がこちらに引っ越してくるらしくて、この豊田毎日ビルという三千人を超すトヨタの一大拠点がこの名古屋の駅前に出現するということであります。このほかにも、名古屋駅前には、百七十メートルを超える超高層のインテリジェントビルが五棟も並ぶということであります。 私は、都市の本社機能の集積というのは、ある意味では大阪にとって、今企業誘致という問題がベイエリアという問題でありましたが、都市の本社機能というものを誘致する作業というのは非常に大事な作業であろうと思います。 都市の情報機能、それから東アジアの海外拠点という立場、都市基盤の高度化、東京都の代替機能という、こういった役割を果たすために知事はこういった本社立地に向けてどのような取り組みをなさるのか、お考えをお伺いしたいと思います。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 本社機能ですけれども、大阪が多分一番元気のよかった昭和四十五年、万博の年、この年には一八・七%の企業本社が大阪にありました。それが今、といっても平成十三年が一番新しい数字ですけれども、一二・八%に減っていて、実に六%ポイントも減ってしまったということです。大阪に元気がないと言われる一つのゆえんは、本社機能の東京流出にあります。そういう意味合いで、本社機能を大阪に取り戻す、集積していくということは大変大事な仕事だと私は思っておりますが、これはまた大変難しい仕事だと思います。 やはり相乗効果というのがありますから、あるいは市場の大きさというものがありますから、本社というのが一度東京に流れて、それを大阪に取り戻すというのは大変難しいことだろうと思いますが、一方で金融再編成で大変大きなメガバンクが誕生して、本当にセキュリティーの面からも、一つの本社でいいのか、二本足で立たなくてはならないのか等々、私は考えるべき条件も出てきていると思いますので、ここで本社機能の集積を促進するという観点からひとつインセンティブも考えてみたいと、こう思うに至ったわけであります。 大阪の強みについては先ほどるる申し上げましたので、ここではもう申し上げません。余り丁寧なのもいかがかと思います。 そういう意味で、私は、本社機能を取り戻すという意味から言えば、大阪を全体として魅力あるまちにしていくということが、例えば本社におられる社長さんにもう一度大阪に目を向けていただく大きな前提になると思っておりますので、これということを今申し上げるわけにはいきませんけれども、製造機能と異なって、本社の場合にはいろいろなニーズがあると思います。これが一体何なのか、大阪に足りないものは何なのか、コストはどのような面が一番かかるのか、企業の方々に率直にお伺いしたいと思っております。 今、そのことをいろいろ調べている最中であります。それを検証した上で、分析した上で、インセンティブについても皆様方に御相談をしたいと、こう思っておりますし、また当然トップセールスもしっかりやってまいりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) いろいろ知事はおっしゃいましたけど、たくさんあるというのは事実でありますが、私は先ほど質問で指摘しましたように、北区、中央区というところに六三%の本社が集積していることは事実でありまして、名古屋のインテリジェントビルの話も出しましたけど、もしかして大阪の中心地であるこれらの地域に建築規制があって、本社機能を集積させるのに障害なり妨げになってるとしたら、いかがですか。 それは、知事、やはり本社機能という場所の問題、そういった問題についても一歩踏み込んだ考え方、しかも都市基盤の高度化等も含めた、そういった考え方をむしろ今示すべきではないですか、いかがですか。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 本社機能の集積の話は、正直まだそこまで行っているという段階ではないと私は思いますけれども、しかしそういう規制緩和が必要ということであれば、よくお話を聞いて、大阪市と協力をして、その辺の規制緩和を実現しなくてはならないと思っております。 建築基準法は私どもの所管ですから、建築基準法上の規制緩和でありますとか、あるいは都市再生緊急整備地域の指定などによって容積率の緩和等もできることになっておりますから、そういう点での私どもの関与というのは当然やっていけるルートがあると思っております。こういった制度を活用して、メリットを十分PRすることに努めていきたいと思います。 ○副議長(半田實君) 徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) もう最後の質問になりますけど、そこは知事、やはり選択と集中でありまして、結論を出すとすれば、やはりそこに集中した考え方を持たないかんなというふうに思いますよ。大阪市さんとしっかりその点を含めてやはりきちんと話ししないと、いつまでも同じことを言うてたんでは高度化しないし集中しない、はっきり申し上げて。大阪の本社機能は、私の八尾ではないことは事実であります。 最後になります。 るる質問をさせていただきました。いろんなことを申し上げて、話が広がり過ぎて大変恐縮しておりますが、少なくとも世界はやはり東アジアに向いていることは事実でありまして、一例を申し上げますと、IBMが中国のレノボという会社にパソコン事業を売却することで、中国のいわゆるコンピューターのソフトエリアを拡大しようという戦略を持ったり、ドイツのシュレーダー首相が電気機関車やエアバスの購入で昨年も動いたり、シラク大統領も中国の温家宝首相とそういう商談をまとめたりしております。 知事は、二〇〇八年に関西サミットということを掲げておられます。二〇〇八年の世界というのは、きっと世界経済を牽引する巨大市場としての東アジアというものがあると思いますし、その開催都市が関西となれば、それは世界の外交力や経済力が関西に注目せざるを得ない、そういう時期になるだろうと思います。 私どもは、このサミットに関しては全く賛成でありますし、王駐日大使が、先ほど指摘しましたように、関西に投げ込んだボールがあります。それを知事がやはりしっかり投げ返すことも必要でしょう。二〇〇八年に日本で開催されるサミットの関西誘致をぜひ実現するとともに、その時期をターゲットイヤーと定めて、経済、文化、人材育成など、多方面から魅力ある都市づくりを早急に戦略的に進めていくことを考える必要があるのではないでしょうか。 アジアの中枢都市ビジョンを取りまとめたいと答弁されましたが、こうした観点から、東アジア中枢都市づくりの実現に向けてどのような姿勢でこのサミットに向かおうとされるのか、基本的な考えをお伺いをいたします。 ○副議長(半田實君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 二〇〇八年のサミット誘致は、これから急いでやらなくてはならないと思っておりますけれども、先ほど来大阪が東アジアで存在感をきっちりと発揮して、そして盛り上げていくという意味で一つの契機にしたいというふうに期待をして申し上げていることであります。今、京都府の知事さん、兵庫県の知事さんと御相談をしておりますけれども、できるだけ早く調整をして関西サミットとして誘致をさせていただきたいと、このように考えております。 サミットは、ただ単に開催をして、その期間中発信力を強化するということだけではなくて、それに至る道のりで、本当にアジアの中枢都市の名前にふさわしい都市づくりを進めていくということが大事、プロセスが大事だと私は思っております。 そこで、先ほどのビジョンということになるわけですけれども、この中では、本当にアジアで存在感を増すために一体何がいいのか、何が必要なのか。例えば、大阪で一番強みだと言われている医療をアジアのために役立てるのにどうしたらいいのかとか、あるいは本当にグローバルな人材を育てる上で国際交流をどのような形で進展させなくてはならないのか、具体的な戦略について検討いたしまして、ビジョン策定を進めていきたいと思っております。 ○副議長(半田實君) 申し合わせの時間が過ぎてますので、一言だけで終わっていただきます。徳丸義也君。   (徳丸義也君登壇) ◆(徳丸義也君) 新春に知事は、大阪は範囲が広いから総花的になってカラーが出せないんだというようなインタビューをされておりました。大阪府の職員は総花的には非常にすぐれているわけでありますから、知事は選択と集中で、誤解を恐れずに集中することでやはり大阪をリードしていただきたい、そのことを一つ申し上げて質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(半田實君) この際休憩いたします。午後三時四十一分休憩    ◇午後四時四分再開 ○議長(若林まさお君) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(若林まさお君) この機会にあらかじめ会議時間を延長いたします。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(若林まさお君) 通告により鈴木和夫君を指名いたします。鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇・拍手) ◆(鈴木和夫君) 公明党の鈴木和夫でございます。 公明党議員団を代表いたしまして、今後の府政に関する諸問題につきまして、通告に従い質問をしてまいりたいと思います。 府議会における質疑は、府政における問題点や課題、今後の方向性を浮き彫りにするための重要な機能でございます。執行部と議員とのやりとりは、府民のために行われるものでありまして、府民が聞いてわかりやすいものでなければなりません。わかりやすい質疑をするために、その第一歩として、今回一問一答方式が採用されました。理解できない答弁につきましては何度でもお尋ねいたしますので、よろしくお願いをしたいと存じます。 それでは、本題に入ります。 観光という言葉は、中国の古典「易経」の中の「国の光を観る」に由来をいたしております。その土地のすばらしいもの、すなわち国の光を客が見て楽しむ、そしてその土地を訪れた人に国の光を示す、誇るという意味がございます。 観光は、見るを通じて異文化の理解や交流に大きな役割を果たすだけでなく、一方では自文化理解を深め、他国に示し、誇れる地域をつくり上げるという役割がございます。今日、多くの人々が世界じゅうを活発に往来する時代を迎えており、発展のかぎが交流にあるという潮流は、ますます強まっております。 これまで我々は、都市や地域の将来を考えるとき、そこに住む人、いわゆる定住人口に目を向けてまいりました。しかし、このような時代にあっては、広く国内外から訪れる人、いわゆる交流人口の拡大が不可欠となってまいりました。こうした視点に立ったとき、観光は、まさに交流を促進する好機として大変大きな意義を有しております。 日本が戦後の荒廃の中から立ち上がり大国の仲間入りをしてきたのは、ものづくりから貿易立国を推進してきたからであります。しかし、製造産業は中国を中心とした東アジアに移りつつあり、今後の右肩上がりの成長が期待できない今日、日本の再生のみならず大阪の再生には、内外からの旅行者を呼び込むための観光立都が急務であります。 つまり、日本人の海外への旅行者が一千六百五十二万人であるのに対し、我が国を訪れる外国人旅行者はその三分の一以下である五百二十三万人にすぎません。国土交通省では、その格差を是正するため、二〇一〇年までに一千万人の訪日外国人誘致を実現する外国人旅行者訪日促進戦略、いわゆるビジット・ジャパン・キャンペーンを開始いたしました。 日本には、自然、歴史、文化、伝統、テーマパークといった観光素材が豊富にあるにもかかわらず、観光立国に向けた観光政策を確立してこなかった政府の責任は大きいものがあります。政府は十八年前の昭和六十二年には、国際収支のバランスを欠くからといって、日本から海外に行く旅行者を当時の五百五十二万人から五年間で一千万人に倍増するテンミリオン計画を推進していたくらいであります。 大阪府でも、来阪外国人を二百万人にすることを目標に取り組みを進められようとしていますが、大阪には食い倒れで有名な食べ物や買い物、遊びと洗練された多様な観光資源が数多くあります。特に大阪を訪れた外国人の多くが感心されることは、大阪人の親切と礼儀正しさであります。これらも立派な観光資源であります。大阪に来た外国人旅行者に本当に喜んでもらえるよう観光資源を充実、洗練するとともに、安く提供しなければなりません。そのためには、関西府県や自治体、民間企業等に働きかけ、官民一体の取り組みを行わなければなりません。 我が党は、これまでから観光振興の重要性を主張してまいりましたが、今まさに観光は大阪再生のキーワードであります。したがいまして、今回の代表質問の大半を観光資源の発掘、開発、整備、ネットワーク化、発信の観点から観光立都をテーマにすべての部局にわたり質問をしてまいりたいと存じます。 まず初めに、来阪外国人観光客二百万人目標についてお尋ねいたします。 大阪府では、二〇〇七年度までに外国人旅行者二百万人を達成することを目標として、大阪府観光戦略プログラム素案を策定されました。観光による経済波及効果はまことに大きいものがあると思いますが、年間二百万人の観光客が大阪を訪れた場合の大阪経済への波及効果はどれくらいと見込まれているのでしょうか、最初に企画調整部長の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 観光戦略プログラム素案におきまして目標といたしております年間二百万人の外国人旅行客誘致が実現した場合の大阪経済への波及効果につきまして、国内外からの宿泊客の観光消費額をもとに大阪府観光統計調査の手法を活用して算出をいたしますと、約二千百億円と試算されます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 今、二千百億円という答弁をいただきましたけれども、これから大阪に観光客を誘致するために、大阪にどれくらいの人が何を求めて来られるのかを把握する必要があると思います。 そこで、お尋ねいたしますが、来阪観光客は現在百四十八万人ということでありますが、誘致目標となっている二百万人の根拠を改めて企画調整部長にお尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 先ほど申し上げましたプログラム素案におきまして採用いたしました来阪外国人旅行者の数値でございますけども、訪日の外国人旅行者数--これは国際観光振興機構というのが集計をしておりますけども--に、その振興機構が年度ごとに集計をいたしております都道府県別の訪問率を乗じた数値を採用いたしております。 最新の数値といたしまして、二〇〇二年度の訪日外国人旅行者五百三十一万人に大阪府への訪問率二七・八%を乗じまして推計した数値でございます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) ただいま答弁をいただきましたけれども、外国人旅行者誘致の目標数値の根拠については、政府の訪日外国人旅行者の五百二十三万人という数字は、国籍と入国目的がわかっているだけで、国内のどこへ行って何をしているのかを把握している数字でありません。 答弁がありましたように、外国人旅行者の最新の数値である百四十八万人という数字も、二〇〇二年の数字であります。二〇〇二年、五百三十一万人、その大阪の訪問率というのは、この二〇〇二年のときの入国者の新千歳、成田、名古屋、関西、福岡、那覇の飛行場で、出国者に対して七百六十二人の人から聞き取り調査をしたデータであります。したがいまして、これらの人が実際に大阪に来たというわけではありません。推定の数字であります。大阪府でこれから戦略的に観光振興を図り、外国人を誘致していこうというときに、そのような基礎となる数字があいまいでは、府の政策が有効かどうかの検証さえ不可能であり、暗やみで鉄砲を撃つようなものであります。 スペインでは、州や主要都市ごとに観光客の数、国籍、宿泊日数などを把握し、毎月の実績を翌月の二十日までに公表しているということであります。スペインのみならず、EU加盟国や米国、中国でも観光統計の整備が進んでおります。こうした世界の趨勢に、日本の観光統計は著しくおくれをとっておるわけであります。 数字を申し上げますと、スペインの二〇〇三年の外国人旅行者は五千三百万人とフランスの七千五百万人に次いで世界二位、国際観光収入も四兆六千億と米国の七兆二千億円に次いで世界第二位、EU加盟国の中ではフランスを上回って第一位であるのもうなずけるわけであります。片や日本の外国人観光客は、今言いましたように年間五百三十一万人、国際観光収入はわずか四千億円であります。スペインはいずれも日本の十倍に当たります。 外国人宿泊者の調査--男女別、年代、滞在日数、滞在目的、予算、何回日本、大阪に来られたのか、大阪のどこがよかったのか、悪かったのか、どこへ行きたいのか、どんなことをしたいのか、調査結果に基づき分析をして、初めて集客の対策を練ることが真の観光戦略プログラムではないでしょうか。そうでなければ、二年前の数字を根拠とするならば、目標数字の二百万人も単なる数字合わせであり、ひょっとすれば既に二百万人にことし達成してるかもわかりません。どうお考えか、企画調整部長にお尋ねいたします。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 外国人旅行者の方々は府県を超えて行動されるわけでございまして、全国的に統一的な基準でその動向、数というのを把握する必要があると思っております。 今、議員の御指摘のとおり、国の方でも観光統計のあり方についてはいろいろと今議論をなされておるところでございまして、昨年の十一月には民間の有識者から成ります観光立国推進戦略会議というのが国の方で設けられておりますけども、その中でも観光統計の体系的な整備の促進ということが提言されているわけでございます。 観光施策を効果的に推進していくためには、本府といたしましても観光客の動向でありますとか、ニーズでありますとか、迅速にとらまえまして、それを施策に的確に反映していくということが重要だと思っておりまして、お示しをいたしましたプログラム素案におきましても(発言する者あり)……、数につきましては、先ほど申し上げました今の政府が採用しております統計数値によりまして推計をいたしておりますので、私どもとしてはまだ今の段階では二百万人に到達してないと、こんなふうに考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 府としても、今話がありましたように、ホテル業界とか、あるいはバス会社とか、旅行社に対して連携して、正確な統計整備をすべきではないかと思いますが、再度企画調整部長に答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 本府といたしましても、観光施策を効果的に展開するためには、お示しのとおり観光客の動向、ニーズ、これを的確にとらまえていって施策に反映させていくということが必要だと。素案におきましても、旅行動向の変化をタイミングよくとらえて、スピード感のある対応を図るとしているところでございます。 観光戦略プログラムに基づきまして、来年度から重点的に観光振興に取り組むに当たりまして、外国人旅行者のより詳細な動向とかニーズでありますとか、それを把握していくことが必要だと、こんなふうに思っております。そのためにどのような方法で情報を収集することが適切なのか、大阪観光コンベンション協会等とも協議しながら検討してまいりたいと、こんなふうに思います。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 企画調整部の方で統計をとられるということでありますけれども、もう一つ別の視点からお尋ねしたいんですが、日本には自然や歴史、文化、伝統、テーマパークといった観光素材がたくさんあります。そうした観光立国に向けた観光政策を確立できなかった政府の責任も大きいわけでありますけれども、本来この観光統計というのは、国が法律によって義務づけることによって可能だと思いますし、国が主導して行うべきものであります。やっと国でも観光統計の実施につけては動きがいろいろとありますけれども、国の動きを待っておったのではチャンスを逃がすわけであります。 戦後の日本のものづくりに大きな力を発揮してきたのは、鉱工業生産統計であります。正確な鉱工業生産統計があったからこそ、現場の状況を把握し、適切な産業施策を実行できたわけであります。 大阪府においても、先ほど申し上げましたように在阪のホテル業者、観光施設、旅行業者、バス会社からの協力を得て観光統計をとることは可能であります。そして、問題は、それらのデータを協力された観光関連企業にフィードバックをして、企業戦略に役立ててもらうことが大阪観光産業の底上げとなるわけでありますから、このことについては商工労働部長にお尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) 外国人旅行者の動向やニーズの把握の結果をビジネスに生かすということは、非常に重要な観点であると存じます。それによりまして新たな戦略といいますか、ホテルあたりがとっていくということであろうと思います。 そういう意味で新たなビジネスチャンスをつくり出していくことは、大阪観光産業の振興にとって重要であります。今後、観光コンベンション協会と協議をし、どういうふうな調査の方法が一番効率的でかつスピードを持ってできるのかということも調査いたしますし、その調査結果をできるだけ早く旅行業者でありますとか、あるいはホテル業者等にフィードバックするということが重要でありますので、その方法につきましても検討したいと、こういうふうに存じます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 大阪の再生にはやはり観光立都しかないという気概で、オール大阪として取り組みをしていただく必要があります。 本来、観光戦略というのは、大変長い時間がかかるものでありますし、スペインもそうでありました。長期的な戦略が必要であります。ただし、観光戦略プログラム素案では三年間しか示されておりません。二百万人が決して私はゴールでないと思います。長期的な目標、そして集客目標を今後どうするのか、このことにつきましては太田知事にお尋ねしたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) アジアの観光ビッグバンというのが既に訪れておりますので、それをどう取り込んでいくのか。愛知万博が開催されることしは特に大きなチャンスの年であるということで、今後三年間を目標年次として外国人旅行者二百万人達成という目標を設定し、重点的に取り組むということにいたしました。中長期的な目標ということを含めて、これから新しく設立をいたします観光交流局を含め、戦略的な取り組みを行ってまいりたいと思っております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 観光統計についてはよろしくお願いしたいと存じます。 それから、二つ目の質問でございますが、日韓友情年の取り組みについてお尋ね申し上げたいと思います。 ことしは、日韓国交正常化四十周年に当たりまして、日韓友情年と位置づけられております。大阪は、朝鮮半島から大陸文化が伝来し、国際交流先進地であり、府域には韓国ゆかりの歴史的文化遺産も数多くあります。私の地元の枚方市にも、百済寺跡や王仁塚など韓国ゆかりの地があります。また、大阪には韓国・朝鮮人の方々が我が国最大の約十五万人居住しておられます。大阪こそが韓国と日本の友情のきずなを確かめ合うにふさわしい地であります。 昨今の韓流ブームにより、韓国の映画や音楽を初めとした韓国文化への関心も大変高まっております。このような関心の高まりを活用して日韓友情年への取り組みを進めることは、両国の相互理解や友好関係の促進に大きく寄与するものと考えます。大阪と韓国との交流を活発にすることは、府が取り組む集客観光の振興にも結びつくものと考えます。日韓友情年を活用した府の取り組みにつきまして企画調整部長にお尋ねを申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 大阪は、韓国と歴史的、また文化的にも大変かかわりの深い都市でございます。また、お示しのとおり現在十五万人の在日韓国・朝鮮人の方々がお住まいでございます。さらにまた、韓国では、昨年一月の第四次日本大衆文化開放によりまして、日本への関心が大変高まっておるところでございます。韓国からは、大阪を訪れる外国人観光客のうち最も多い年間四十万人の方が訪問されていると、推計でございますけども。 このような中、日韓友情年であります本年は、韓国との交流を促進し、韓国とのかかわりが深い大阪をアピールする絶好の機会であり、ぜひとも大阪の観光振興に結びつけたいと考えております。 日韓友情年事業につきましては、国レベルで実施されているもののほか、大阪府内におきましても、自治体や民間の主体で二十以上の文化交流事業、それから青少年交流事業が既に実施あるいは計画されているところでございます。 本府におきましても、韓国の青少年を大阪に招聘いたしまして、韓国ゆかりの地へ訪問していただくとか、それから大阪の青少年との交流事業を行っていただく、こういったことのほか、各部局におきましても韓国との交流事業を積極的に展開するということにいたしております。また、市町村、それから韓国の関係機関などとも幅広く連携協力いたしまして、今後日韓友情年事業が一層活発に行われるように積極的に取り組んでまいりたいと、こんなふうに考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) さまざまな取り組みの答弁がありましたけれども、やはり友情年の主な取り組みは、ほとんどが東京で行われております。先ほども申し上げましたように、この朝鮮半島とのかかわりが深い大阪として、さすが大阪やというようなインパクトのある取り組みをするべきであります。 これからは知事にお尋ねしたいんですが、例えば大阪での韓国の映画祭の開催や、あるいは人気ドラマの冬ソナに出演したペ・ヨンジュンさん、チェ・ジウさんを大阪の秋のメーンイベントであります御堂筋パレードなんかに招聘すれば韓国からも多くの観光客を大阪に呼び込む期待ができるわけです。知名度も上がるわけでありますから、知事のお考えをお尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇)
    ◎知事(太田房江君) 企画調整部長よりお答え申し上げましたように、約十六万人の在日の皆様方がお住まいのこの大阪で日韓友情年のビッグイベントにふさわしい行事を行うということは、私も大事なことだと思っております。観光の振興にも大いに役立つと思っております。そういう意味で、御提案のアイデアは大変おもしろいと申しますか、興味深いと考えます。 日韓友情年にちなんで、日韓映画祭というものが開催できれば、私は大変両国の交流促進につながるというふうに思いますし、また秋のメーンイベントであります御堂筋パレードにペ・ヨンジュンさん、チェ・ジウさんというようなビッグスターが来ていただけるようなことがあれば、これは大いに盛り上がるなと、インパクトは絶大だなというふうに思います。ヨン様と歩きたい人は、私一人ではないでしょう。しかし、超人気スターでありますので、なかなか実現は難しいとは思いますが、御提案いただいた趣旨を踏まえまして、関係機関に対する積極的な働きかけをしてみようと思います。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 御努力を期待するものでございます。 次に、関西国際空港の競争力についてお尋ねしたいと思います。 二月十七日に中部国際空港が開港いたしまして、関空、成田とあわせて三大国際拠点空港の時代が到来いたしました。新聞、テレビでは、連日のようにこの中部国際空港の開港を華々しく報じられております。そして、毎回関空が引き合いに出され、二本目の滑走路にかかわる事業費は認められたものの、果たしてそれだけの需要が達成できるのかという疑問も報道で提示されております。 しかしながら、大阪の観光を振興するためには、その玄関口となる関空の利用促進が不可欠であります。中部国際空港などとの空港間競争時代に打ち勝っていくためどのような方策を考えているのか、また府として関空会社に対してどのような支援や利用促進策を考えているのか、再度企画調整部長にお尋ねいたします。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 関西国際空港につきましてお答えを申し上げます。 東アジアの各国が大規模な空港整備に取り組んでおりますように、国の交流を支える国際拠点空港の役割はますます重要となっております。国内におきましても、先般中部国際空港が開港いたしまして、成田、関空、中部による三国際拠点空港体制がスタートするということになりました。内外をめぐる空港間競争は、大変激しさを増しているところでございます。 このような時代に関空が世界の空港間競争に伍していくためには、利用コストの低廉化に加えまして、利用者満足度の高いサービスが提供できる国際拠点空港としての評価を定着させていくことが重要であると考えます。 関西国際空港株式会社では、こうした認識の上で一便でも多く関空発着の便がふえるように、きめの細かい着陸料割引制度を設定し、航空会社への営業を強化いたしますとともに、物流面では我が国で初めて運送業者が直接貨物機に横づけをいたしまして荷を積みおろしできるように、貨物動線の簡素・効率化に取り組むなど利用者の視点に立った方策を次々と打ち出しているところでございます。 これらの取り組みの結果、今春からスカイマークエアラインズが関空-羽田間に路線を新規開設いたしますほか、貨物も四月から世界有数の航空貨物会社でございますUPS社が週六便の増便を予定いたしております。中部に移ったとされております貨物便六便、これは数的には回復することになります。中部対策という点につきましては、関空会社の営業努力によりまして一定の効果があらわれていると、こんなふうに受けとめております。 本府といたしましても、展開中の関空エアポートプロモーションを強化いたしますとともに、関空の利用促進と活性化に向けまして、関空を拠点とした観光振興、国際線の新規就航を図るためのインセンティブの設定、イベントの開催などによります来島魅力の向上などを柱といたします関空・集客利用促進事業を来年度から関西の自治体と経済界で構成いたしております関西国際空港全体構想促進協議会を通じまして取り組んでまいりたいと思います。 成田空港が飽和状態の今日、アジア観光ビッグバンが急増する国際航空需要をこれから受けとめ得るのは、関空と中部であります。空港間競争は一段と激しくなると思われますが、両空港が切磋琢磨する一方で、連携を深めて国際拠点空港としての機能を備えていくことは、我が国の空港の競争力を全体として高めることになると考えておりますので、こうした視点も踏まえ、支援に努めてまいりたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 次に、外国語対応認定制度の創設についてお尋ねを申し上げたいと思います。 京都では、京都の歴史や伝統文化をPRする京都・観光文化検定試験、通称京都検定が昨年の十二月に行われました。ホテル業界やタクシー業界などの取り組みも大変熱心で、当初三千人を見込んだ受験者が一万人を超える大変な反響でございました。 一方、大阪府におきましても、来阪外国人旅行者二百万人を実現させるということで、大阪産業振興のためにも大阪の特色ある観光魅力である食やショッピングなどにいかに外国人旅行者を誘導していくかについて、業界も巻き込んで具体化していく必要があると思います。特に、外国人旅行者が大阪の特徴であります食やショッピングを楽しむためには、言葉の問題に不安を抱くことがないよう、そのことが極めて重要であります。 そこで、提案でございますが、ホテルやタクシー、飲食店や家電店等での多言語対応を支援するとともに、うちの店には中国語や韓国語が話せる店員がいますよと、あるいは多言語のメニューがあるとかいった外国人旅行者にアピールできるような、いわば大阪版の外国語対応認定制度と言うべきものを導入してはいかがでしょうか。言葉の壁を少しでも取り除き、外国人旅行者にも大阪のまちを楽しんでもらうため、このような制度を創設すべきであると考えますが、これは商工労働部長に答弁を求めます。 続いてもう一問、外国人が快適に観光できるまちづくりについてお尋ねいたします。 東アジアからの旅行者は、京都、奈良よりもショッピングへの関心が高いというデータがあります。とりわけ中国からの団体旅行は、富裕層が中心で購買力も高く、成田から入国して日本を縦断し、関空から出国していくというコースがゴールデンルートとなっております。大阪で多くの買い物をされると聞いております。まさに商いのまち大阪の本領発揮であります。 しかし、先ほど申し上げましたように、現実は言葉の壁が制約となり、多くの旅行者は、海外資本の免税店や外国人の店員のいる大型店に行ってしまい、地元商店街では十分な集客ができない状況にあります。外国人が快適に観光できるまちづくりに向けてどのような取り組みを考えているのか、企画調整部長に答弁を求めます。 また、大阪を国際集客都市にしていくためには、言葉の壁の克服に加え、外国人ツアーガイドの育成も重要な課題であります。例えば、中国からの団体旅行の場合、現地からの中国人ガイドを充てるケースが多く、こうしたガイドには大阪の店舗情報が十分に周知されていないために、大型免税店等に引率するケースが多いとも聞いております。府として、あわせてこのような人材育成について力を入れるべきであると考えますが、これは企画調整部長に答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) 外国語対応認定制度の創設についてでありますが、今年度、大阪観光コンベンション協会におきまして宿泊施設関係者を対象とした語学研修を実施しておりまして、また関西国際空港や主要駅、ミナミの商店街等の御協力を得て、IPテレビ電話を活用した同時通訳システムの社会実証実験を行いました。 今後は、飲食店が多言語メニューを作成する際の支援など、お示しのように外国人旅行者が大阪のグルメやショッピングを気軽に楽しみ、大阪で快適に過ごしていただけるよう取り組みを進めてまいります。 また、御提案いただきました大阪版外国語対応認定制度につきましては、外国人旅行者を積極的に受け入れていく機運の醸成にもつながりますことから、大阪観光コンベンション協会と連携し、観光関連業界の御意見も伺いながら、導入に向けて検討を進めてまいります。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 外国人が快適に観光できるまちづくりにつきましてお答え申し上げます。 今年度国の都市再生モデル調査を活用いたしまして、IPテレビ電話などIT観光の実証実験を行いました。この成果を踏まえまして、引き続き東アジアからの観光客のニーズが高いショッピングの促進に向けまして新たな仕組みづくりを検討しているところでございます。具体的には、大阪ミナミの商店街をモデルといたしまして、アジアからの集客に熱心な店舗を百店舗ほど選定いたしまして、大阪おいでやす協力店として発信をいたします。また、これとあわせまして、こうした協力店を観光コースに組み込んだ大阪おいでやすツアーを開発したいと考えております。 また、言葉の壁の克服は、大阪の集客力を高める上で非常に重要である、こんなふうに考えておりまして、商店街が面的に中国語や韓国・朝鮮語、英語での通訳案内機能を持てるようにIPテレビ電話などを活用したより大規模な社会実験を行いたいと考えております。 さらに、大阪の都市魅力に精通した外国人ツアーガイドの育成に向けまして、外国人留学生や在阪の外国人の方々などを対象に、大阪の都市文化や店舗情報に関するプログラムの開発、研修などの検討を進めますとともに、こうした人材育成の効果的な仕組みづくりにつきましても取り組んでまいりたいと考えております。 今後、大阪市や民間事業者、大学とも連携をいたしまして、これらの構想を大阪おいでやすプロジェクトとして早急に取りまとめを行いまして、国が来年度から事業化を予定しております集客交流に関する提案公募型のモデル事業に提案を行ってまいりたいと、こんなふうに思っております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 次に、観光案内所の情報提供についてお尋ねをしたいと思います。 ニュージーランドの観光案内所では、交通機関や宿泊施設の情報提供、予約の代行、決済、チケット等すべてのサービスが提供されております。また、すべての観光情報は利用料金が明示されておりまして、観光客がその場で料金を比較検討しながら予約を済ませることができます。 日本でも、中国以外の国々の多くの旅行者の方は個人客であります。既に関空においてもインターネットに接続する端末だけでなく、手持ちのパソコンがつなげるというような設備も整えられました。 大阪府においても、観光案内所における料金などコストを中心とした情報提供の充実、多言語観光情報提供サイトの設置、インターネット端末の設置、交通機関や宿泊施設の予約代行サービスの提供などサービスの充実を図るべきと考えますけれども、これも商工労働部長にお尋ね申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) 観光案内所における観光情報の提供についてでありますが、観光情報の提供につきましては、大阪観光コンベンション協会のホームページや各種の観光ガイドブックによりまして、積極的に情報提供に努めてまいりました。とりわけ、関西国際空港内の関西観光情報センターや大阪市内のビジターズインフォメーションセンターでは、観光施設の情報のほか、交通機関や宿泊施設の利用料金や割引制度などコストに関しますきめ細かな情報や施設の紹介を行っております。さらには、これまで日本語と英語が中心でありましたコンベンション協会のホームページに来年度は中国語とハングルも加えまして多言語による情報提供を行ってまいります。 また、市町村の観光案内所でも、外国人旅行者向けの案内機能が強化されますよう、外国語での案内やインターネット端末の設置を支援する制度を創設してまいります。 このような取り組みを通じまして、外国人旅行者が安心して観光できるよう努めてまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 続きまして、来阪の外国人観光客への医療の情報提供についてお尋ねをしたいと思います。 言葉の通じない異国の地では、病院へ行くのでも簡単ではなく、病院にたどり着いても、医者に自分の症状を母国語以外で説明するのは、至難のわざであります。外国人旅行者に安心して滞在していただくためには、外国語で対応可能な医療機関の情報などが簡単に入手できるようにすべきであると思います。 府のホームページには、英語や中国語の外国語で対応できる医療機関の情報は確かにありますが、英語と日本語しかアクセスできない状況にあります。大阪のホームページを開きましても、日本語で開かなきゃなりませんから、韓国や外国の人が開けないわけであります。しかもまた、このホームページも四、五年前に開設されて以来、一度も更新されていない状況であります。直ちに改善すべきであると思いますが、これは健康福祉部長にお尋ねをしたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 健康福祉部長納谷敦夫君。   (健康福祉部長納谷敦夫君登壇) ◎健康福祉部長(納谷敦夫君) 来阪外国人観光客への医療情報の提供についてでございますが、外国人観光客が滞在中に病気になったときに備えまして、外国語が通じる医療機関などを紹介した医療情報に容易にアクセスできるようにしておくことは、大変重要であると認識をいたしております。 現在、大阪府のホームページにおいて、日本の医療制度の概要、あるいは英語、中国語といった外国語が通じる医療機関の所在地や診療科目などを検索できる外国人のための医療情報ガイドを提供いたしております。 しかしながら、御指摘のとおり府ホームページの英語版では、この外国人のための医療情報ガイドにアクセスできるわけですが、その他の外国語からはアクセスできない状況にございます。また、掲載されている医療機関の情報につきましても更新をする必要がございます。 今後、中国語などでもアクセスできるように改善をしますとともに、内容につきましても定期的に更新するなど外国人観光客が利用しやすいシステムを早期に構築をしてまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) そんなに難しい問題じゃないわけですから、直ちに改めていただきたいと思います。 次に、産業観光のネットワーク化についてお尋ねいたします。 産業観光は、これらの産業文化財を介してものづくりの心に触れることによって、人的交流を促進する観光活動でもあります。大阪、関西には、全国でトップレベルのシェアを誇る独創性に富んだ中小企業が数多くありますし、食品や薬、家電など生活密着型企業の地盤であるという特性も有しております。松下電器産業技術館やインスタントラーメン発明記念館など、企業博物館や産業施設、ものづくり関連企業などもたくさん集積をしております。 こうした産業や技術の集積をテーマごとにルート化して、広く内外にPRしていくことで、他府県にはないユニークな産業観光を展開することができるのではないかというふうに思いますが、商工労働部長の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) 産業観光のネットワーク化についてですが、大阪府内には、お示しのようにものづくりの心やたくみのわざに触れることのできる記念館や施設が数多く存在しております。 これらのものづくりに関する観光施設をネットワーク化し、大阪の特色ある観光資源として総合的にPRいたしますため、府内の企業博物館や資料館、それから伝統工芸の体験施設等を紹介したガイドブックを作成いたしますとともに、大手旅行事業者と連携いたしまして府域の産業博物館や工場をめぐる外国人向けバスツアーを実施してまいりました。 今後は、テーマ別、地域別などの多彩なルートを設定いたしますとともに、新たにものづくり観光専用のホームページを多言語で開設しまして、広く国内外に情報発信してまいります。 さらに、海外からの修学旅行生を対象にものづくり観光モニターツアーを実施するなど、ものづくり観光を大阪の特色ある観光資源として積極的に活用してまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 次に、大阪府庁舎の観光資源化についてお尋ねをいたします。 ヨーロッパの国々におきましては、シティーホールといいまして、観光スポットの一つになっております。そこの市役所とか県庁とか、市民ばかりでなく旅行者が訪れ憩う場所になっております。 この大阪府庁舎につきましても、例えばこの本館は大正時代に建築された貴重な建築遺産でありますし、この府庁舎が大阪の観光スポットの一つになるように、もっと府民や旅行者に開かれたスペースとして活用することを検討すべきではないかと思いますが、庁舎を管理する総務部長の方にお尋ねを申し上げたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 総務部長三輪和夫君。   (総務部長三輪和夫君登壇) ◎総務部長(三輪和夫君) 府庁の本館は、大阪府近代建築物ガイドブックにも紹介をされますなど大正時代のモダン建築として歴史的、文化的な価値も高いことから、これまでも大阪の文化振興や観光の振興施策の一環として、映画、テレビのロケ現場、あるいはコンサート会場などにも提供をしてまいりました。また、府政にかかわって日ごろから多くの府民の方が訪れておられる建物でもございまして、来年度には現代美術作品のギャラリーとしての活用も予定をいたしております。 今後、執務への影響あるいは庁舎の安全管理上の制約などがあります中で、この歴史的な価値や、あるいは大阪城に近接をしているというそういう立地条件も生かして、お示しのような観光資源としての府庁舎の活用について、関係部局と連携をしながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) いろいろと警備上の問題等あるかもしれませんが、府庁舎の開放につきましては、もっと積極的に率先して行うべきであると考えますし、特に大阪城の直近でもありますし、またパスポートセンターを訪れた人に対しても気軽に立ち寄れるような、土曜日でも日曜日でも休日開放ができないのか、ぜひとももう一度総務部長の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 総務部長三輪和夫君。   (総務部長三輪和夫君登壇) ◎総務部長(三輪和夫君) お示しの本館の休日開放につきましては、単に開放ということでは、多くの訪問客はなかなか期待できないのではないかということもございますから、集客のために例えば展示会などのイベントの開催とあわせて開放するというようなことが有効ではないかというふうに考えますので、その実現に向けて関係部局と連携しながら検討をしてまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 大変いい答弁をいただきまして、今、部長の方から土日についてもそのような人が来られる、集客できるような形であればということであります。例えば、大阪女子マラソンもございますし、また先ほど申し上げましたように、大阪城の西の丸庭園の花見もありますし、多くの国内外の方々がこういう形で集まるわけでありますから、ぜひともそのようなイベントをどんどんやっていくべきだと。そうなってきますと、教育委員会もイベントをやられるでしょうし、企画調整もされるでしょう。さまざまな部局でイベントをされるわけでございますので、どこの部長に聞けばいいのか、文化条例もありますから生活文化部長にちょっとお尋ねをしたい。そういう形でイベントが可能かどうか、お尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 府庁本館を活用した文化イベントについてのお尋ねでございます。 大阪の歴史的建造物を活用したすぐれた文化活動を支援いたしますため、大阪楽座事業を平成十五年度から実施しておるところでございます。昨年八月、府庁本館においても手話コーラスと絵本の朗読コンサートが開催されたところでございます。また、来年度には、仮称ではございますが、現代美術の回廊事業といたしまして、本館二階回廊部分を中心に府が所蔵いたします現代美術作品を展示し、来庁者の方々に気軽に美術作品に親しんでいただく予定をいたしておるところでございます。 文化の振興を図っていくという観点から、あらゆる機会を通じて文化芸術に親しんでいただくことは意義あることと考えておりまして、お示しの点につきましても、関係部局とも十分協議をしながら検討を進めてまいりたいということで考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) できるだけ早期に各部局が連携して、実現に向けて取り組みをしてもらいたいと思います。 十点目の文化財のネットワーク化ということで、大阪には多くの文化財が残されております。特に教育委員会といたしましても、史跡や重要文化財、また登録された文化財の観光資源化を促進するためにも、博物館などの施設も含め、観光資源としての文化財のネットワークづくりが必要と思います。 さらにまた、大阪だけにとどまらず、近隣の府県も含めてネットワーク化を図ることは、より多くの観光客に大阪を見てもらう仕掛けづくりが必要と思いますが、これは教育長の方にお尋ね申し上げたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 教育長竹内脩君。   (教育長竹内脩君登壇) ◎教育長(竹内脩君) 府教育委員会では、これまでから大阪に残るさまざまな文化財の調査を積極的に進め、文化庁と調整を図りながら国宝、重要文化財などの指定文化財及び登録文化財の増加に努めてまいりました。その結果、七百六十五件の国指定文化財に加え、登録文化財は平成十七年二月末現在で三百七件と全国第一位となっております。 お示しの文化財のネットワーク化につきましては、平成十二年度の近畿ブロック知事会議の決定を受け、十三年度から近畿二府七県の文化財担当部局が集まり、文化財の活用方策について検討を重ねてまいりました。 このたび道と文化財をキーワードに、総数四百五十件の文化財につきましてデータベース化を行い、観光資源のネットワーク化としては初めて近畿二府七県の共同作業が完成しまして、この二十一日から関西広域連携協議会等で運営しますサイト、Kansai Windowで公開したところであります。なお、一週間経過後の二十八日時点で三千百件を超えるアクセスが確認されておりまして、今後さらに増加することを期待しております。 府教育委員会としては、大阪の誇るこれら文化財が観光資源の一翼を担えますよう、府立博物館、資料館を活用するとともに、関係部局、市町村と連携して、府民はもちろん、内外の多くの人々に対しわかりやすい文化財情報を発信してまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 続きまして、東アジアからの修学旅行の誘致についてお尋ねをしたいと思います。 海外からの修学旅行の受け入れ、特に児童生徒等の交流を行うことは、相互の国際理解を深めるのみならず大阪の魅力をアピールする、将来の観光振興につなげる上でも大変重要であると考えております。 そのため、府としても関係部局が連携をしていただいて、東アジアからの修学旅行を誘致するための有効な橋渡しのシステムや受け皿づくりを進める必要があると思いますが、商工労働部長に答弁を求めると同時に、受け入れ側の公立及び私立学校を管轄する教育長と生活文化部長にもお尋ねを申し上げたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) 東アジアからの修学旅行の誘致につきましては、訪日修学旅行生へのビザの規制緩和措置などを機に、観光振興はもとより交流を通じまして大阪の児童生徒の国際理解を促進するため、今後修学旅行の誘致を一層強化してまいりたいと存じております。 昨年秋、府立高校等に対しまして、海外の学校との交流の意向を調査しましたところ、多くの学校が交流に興味を示しておりまして、現在、大阪観光コンベンション協会を窓口に、海外から大阪を訪問する学校との橋渡しをする仕組みづくりを進めているところであります。 今後、大阪、関西の魅力を若い世代にアピールするためにも、東アジアからの修学旅行の誘致に努めてまいります。 ○議長(若林まさお君) 教育長竹内脩君。   (教育長竹内脩君登壇) ◎教育長(竹内脩君) 府教育委員会といたしましては、これまでから若い世代による国際交流の拡大を図るため、生徒の実態や学校の実情に応じた多様な国際交流プログラムや国際理解教育を推進するよう指導してきております。 今後とも、韓国や中国を初めとした東アジアの国々から修学旅行等を受け入れるに当たりまして、現地校の意向を踏まえ、関係機関とも連携し、府立学校に対し適切な情報提供に努め、有意義な交流になるよう努めてまいりたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 私立学校におきます修学旅行の誘致につきましてお答えを申し上げます。 私立の全日制高校では、九十三校中五十七校が海外への修学旅行を実施するとともに、五十三校が海外との姉妹校提携を行うなど、多くの学校がそれぞれの教育理念に基づき国際交流を進めているところでございます。 お示しのように、東アジアから修学旅行生に来ていただき、大阪の子どもたちと交流し、相互理解を深めることは、これまでの歴史的つながりや今後の文化的交流のさらなる進展を考えますと、非常に有意義であると認識をいたしております。 生活文化部といたしましては、今後とも留学生の受け入れや海外語学研修など、私立学校における国際理解教育の取り組みを支援してまいりますとともに、現在商工労働部において進められている海外の学校との交流の橋渡しをする仕組みにつきましても積極的な参加を呼びかけ、これまで実践してきた国際交流がより一層進展するよう努めてまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 続きまして、文化振興条例の具体化についてお尋ねを申し上げたいと思います。 都市や地域の魅力は、文化や芸術の奥深さや豊さから生じるものであります。したがいまして、観光振興と文化芸術の振興は一体のものであります。 このたび大阪府文化振興条例案の制定の運びとなりまして、今議会において条例案が上程されたことは、大いに評価しているところでありますし、関係者の御努力には大変感謝をいたしております。施策の具体化に当たりましては、条例に基づきさまざまな工夫を凝らしたユニークな施策を積極的に展開していく必要があると思います。 例えば、大阪といえば、かつて水の都と言われておりましたが、そのイメージを再生するため、水辺を活用したシンボル的なイベントの開催、食い倒れのまちの大阪の食文化を代表するタコ焼きなどの粉もんにスポットを当てた全国粉もんコンテストの開催、世界遺産文楽などすばらしい伝統芸能を世界に向けて発信するため、海外の伝統芸能との交流を図り、子どもと一緒になって楽しむことができる国際伝統芸能祭の開催など、知恵を絞ればさまざまな施策の展開が考えられます。 そこで、条例の制定を踏まえ、今後大阪文化を盛り上げていくためどのように文化振興を進めていこうとされているのか、生活文化部長にお尋ねを申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 文化振興条例についてお答えを申し上げます。 文化振興条例には、大阪が持つさまざまな文化を府民、事業者、行政が共有するとともに、次代を担う子どもたちにしっかりと引き継ぎ、創造力豊かな人材を育成すること、また文化をまちづくりや都市の活性化に生かしていくことなどを規定することといたしております。 条例の制定を受け、来年度においては子どもたちに伝統芸能やクラシックなどに親しんでもらうおおさか・元気・シリーズ事業や大阪城周辺にさまざまなアートを集め、若手プロデューサーの活躍の場、アーチストの発表機会の充実を図る大阪・アジアアートフェスティバルを開催いたします。さらには、水の都大阪の再生に向けた川開きイベントなども開催することといたしております。 また、今後の文化施策の推進に当たりましては、幅広い府民の施策形成への参加や民間との協働を常に視野に入れ、花と緑・光と水のまちづくり事業や関西元気文化圏などオール大阪、オール関西での取り組みを積極的に推進することといたしております。 ただいま水の都を象徴するような仕掛けづくり、伝統文化や食文化を活用したイベントなどの施策が必要ではないかと御提案をいただいたところでございます。お示しの趣旨をも踏まえまして、来年度以降、文化振興計画を策定する中で具体的な施策の検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 次は、知事にお尋ね申し上げますが、文化振興条例の制定を機に、大阪の文化を盛り上げるためには、マーライオンがシンガポールの象徴として世界じゅうの人々に親しまれ、シンガポールの人々の誇りともなっていますように、大阪のシンボルになるようなものをつくり出すことが必要ではないかというふうに考えます。 例えばでありますが、水の都を象徴する高さ二百メーターを超えるような大噴水を設置し、大阪府民が誇れるようなシンボルとするなど、さまざまな工夫が要ると思います。そのことにつきまして、知事はどのような文化都市大阪をつくろうとされるのか、簡単に御答弁願いたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 大阪には既に大変厚みのある文化が集積をされておりますので、今お触れになりました食文化はもちろんのこと、文楽、上方演芸、いろいろなものが恵まれている土地でございます。そういう意味では、文化振興条例の制定を機会に、こうした資源をさらに発掘して、磨きをかけて発信するということが文化の薫りあふれる大阪づくりに役立つんではないかと、こういうふうに思っております。 今ニューヨークといえば自由の女神、パリといえば芸術の都、それに類する大阪のシンボルをつくるようにということでございましたけれども、当面は大阪ブランド戦略を進めております中で、大阪のイメージを集約するという作業を大阪ブランド戦略コミッティの方でしておりますので、私はその作業を当面急いでいきたいと思っております。府民の多くの人がなるほどと思うイメージがやはり長続きし、アピールする力になっていくと思いますので、そのようなことに努めたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) よろしく工夫を凝らしてもらいたいと存じます。 次に、府立大学に観光学科を設置ということでありますが、先月大阪府の方で新しい府立大学のキャンパス整備の将来方向について、キャンパスプラン案を取りまとめられました。これは、中長期的な視点をもって新しい府立大学の学舎整備の基本的な考え方を大学と協議を重ね取りまとめられたものでありまして、今後の方向性を示したものとして理解はできるものとは考えますが、なぜ早くこの取りまとめ作業を行い、トータルビジョンを示した上で、個々の学舎整備の議論を行われなかったのか。我が党としては、これまでの大学キャンパスをめぐる議論のあり方、順序について、問題があると考えておることを今回は指摘しておきます。 本年四月から新たなスタートを切る府立大学にも、内外に今よりもさらに存在感をアピールできる大学として、常に時代のニーズを的確にとらえて学科再編を行い、教育研究の質の向上を図ることが求められております。大阪の持つ歴史や文化など多彩な魅力を組み合わせ、戦略的に観光振興を図っていくためにも、府立大学において観光を支える人材や専門の研究者を養成することが重要であると考え、我が党は、これまでから府立大学に観光学科を設置すべきであることを指摘してまいりました。 今議会には、府立大学の今後六年間の活動の指針となる中期目標案が上程されております。その中には、教育研究の進展や社会的ニーズの変化に的確に対応するため、学部、学科再編を含め教育研究組織の見直しに取り組むことも盛り込まれております。これを踏まえて、大学において観光学科の設置について前向きに検討するよう府として積極的に働きかけを行うべきと思いますが、生活文化部長にお尋ねします。 ○議長(若林まさお君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 観光人材の育成についての府立大学の取り組みについてでございますが、十七年度から公立大学法人としてスタートする新大学では、教育研究の充実を図るとともに、産学官連携の推進など府域全体を見通した社会貢献を一層充実することといたしております。 こうした中において、実践的な語学力や多様な社会、文化への深い理解、国際経済への高度な専門知識などを涵養し、卒業生が観光関連産業を初めグローバルな国際舞台でその力を十分に発揮し活躍できるよう、人材の育成を行うことが必要と認識をいたしております。 大学を取り巻く状況が大きく変化する中で、新たに展開される新大学においても、時代の要請に的確に対応し、特色づくり、魅力づくりを初め学際的な新分野にも取り組みを進めることが求められております。 府といたしましても、新大学が有する高いポテンシャルを生かしながら、個性あふれる存在感のある大学として府民とともに発展していく必要があると考えており、お示しの観光も含め、新たな発想に基づき積極的な教育研究の展開が図られるよう府立大学に対し働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 生活文化部長の方から大学とともに検討するという答弁をいただきましたが、折しも来年度、琉球大学におきましては観光科学科、また山口大学におきましては観光政策学科が国立大学で初めて観光関連学科として開設され、観光産業に貢献する実践型の人材や自治体の政策立案に貢献できる人材を養成するということであります。また、平成十九年度ごろをめどに和歌山大学においても観光関連学部の設置が検討されているようであります。 大阪府立大学におきましても、大阪の観光振興に貢献できる専門的な見識を有する人材の育成に着手するべきであります。そのためにも、観光学科、やがては観光学部を設置するよう、大学の設置者として知事から大学に対し積極的に働きかけを行うべきであると思いますが、知事の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 観光産業というのは、大変すそ野の広い、経済波及効果の大きい産業でありますので、これを育成する過程で人材の育成についても大いに考えていかなくてはならないことと思います。 府立大学は、公立大学法人化後も大阪府が支える大学であります。産学官連携を通じて地域への還元に貢献をしていくというようなことを含めて、府民ニーズを十分踏まえた大学として運営が行われる必要がございます。 観光学科設置について御提案がございましたけれど、御指摘のように幾つかの国立大学で既に事例があるわけですから、そういうところも参考にしながら、積極的な検討がなされるように働きかけを強めてまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 続きまして、高齢者と駅の関係につきましては、三問一括して質問を申し上げたいと思います。 我が国では、他に例を見ない急速な高齢化が進んでおります。二〇一五年には国民の四人に一人が六十五歳という高齢化社会を本格的に迎えます。また、障害者が障害を持たない人と同じように社会に参加できるノーマライゼーションの考えも広まってきております。こうした中で、今後高齢者、障害者の旅行者が増加することが予想されます。旅行業者によりますと、旅行需要約二十兆円のうち一兆円が高齢者、障害者の需要とされております。旅行業者にとりましても見逃せない市場となっており、今後高齢者、障害者にも配慮したツアー企画が増加するものと思われます。 こうしたバリアフリーやユニバーサルデザインの考え方は、欧米などの都市では我が国より相当に進んでおります。大阪府としても避けて通れない課題だと思います。 そこで、旅館、ホテルや公共交通機関、観光資源となるような施設などにおきまして、高齢者、障害者にやさしい整備を積極的に進めていくべきであると思いますが、これは建築都市部長に答弁を求めます。 また、高齢者、障害者や妊婦、けが人なども含めて、だれもが交通機関を使った移動をしやすくするためのバリアフリー化が求められております。 そこで、次に駅のバリアフリー化についてお尋ねしたいと思いますが、府内の鉄道駅を見回しますと、エレベーターが設置されていない駅がまだまだ多いのが現実でありますが、交通バリアフリー法に基づく国の基本方針では、平成二十二年までにエレベーターが必要な駅すべてに設置することが目標と聞きますけれども、府の今後の取り組み方針、目標についてはどうなっているのか、お尋ねしたい。 また、昨年四月に、府はそれまでエレベーター一基当たり二千五百万円を補助限度としておりましたが、一駅当たり二千万円に変更されました。今議会に提出されている予算案の説明では、エレベーター一基当たり一千三百万円、一駅当たり二基を限度にするものに改正をされております。 エレベーターを設置する補助制度は、市町村や鉄道事業者によりまして重要な意味を持つものであり、これらを短期間のうちに変えることは、事業費の確保など混乱を招く要因にもなりかねません。市町村との連携はとれているのでしょうか。さらに、今後はエレベーターの設置が難しい駅がふえてくると思います。エレベーター設置に非常に多額の費用を要する場合もあり、駅によっては事業費が数億円程度になるところもあると聞いております。 現在、国の補助制度は、国、地方公共団体、鉄道事業者のそれぞれが事業費の三分の一ずつを負担するスキームでできておりますが、このような場合であっても一律に三分の一を負担するという現行の国の制度では、地方の負担が余りにも巨額になり、現行制度そのものに無理があると思います。今後、国に柔軟なスキーム作成を働きかけるべきではないか。以上、あわせて建築都市部長に答弁を求めます。 もう一つ、モノレールのバリアフリー化についてお尋ねをしたいと思います。 電車の車内で、乳幼児を抱えながらベビーカーや多くの荷物を持った母親が困っているのを見かけることがあります。このような母親が優先して席に座ることができれば、どれだけ楽なことか。 大阪府が出資の大阪モノレールでは、すべての駅においてエレベーターを設置するなど、大阪府福祉のまちづくり条例にも適合して人にやさしい鉄道を目指していると伺っております。それならば、このモノレールにおいて駅や車両のバリアフリー化に先導的に取り組むべきであるとともに、少子化対策の観点から、例えば車両に設置されている優先座席に乳幼児連れや妊婦の方がよりわかりやすく優先して座れるような工夫をしてはどうか。これは土木部長にお尋ねを申し上げます。 以上、三点よろしくお願いいたします。 ○議長(若林まさお君) 建築都市部長阪倉嘉一君。   (建築都市部長阪倉嘉一君登壇) ◎建築都市部長(阪倉嘉一君) 高齢者、障害者にやさしい観光関係施設の整備についての御質問にお答えいたします。 本格的な高齢化社会を迎え、またノーマライゼーションの考え方が広まる中、高齢者や障害者など人にやさしいまちづくり、施設整備を進めていくことは、国の内外から多くの観光客を誘致し、お迎えする上においても重要な課題であります。 本府では、平成四年、全国に先駆けて福祉のまちづくり条例を制定し、鉄道駅舎や旅館、ホテルなどの観光関係施設を初め、不特定多数の人が利用する都市施設について整備基準を定め、公共、民間を問わず、また新設、既設を問わず、高齢者や障害者などが利用しやすい建物や公共空間の整備に努めているところでございます。 今後とも、観光関係施設はもとより、広く都市施設全般にわたって高齢者、障害者など人にやさしい福祉のまちづくりを積極的に進めてまいりたいと存じます。 また、整備を終えた施設の紹介など、現在ホームページで提供しておりますけれども、大阪のバリアフリーに関する情報をより多くの方に活用していただけるよう関係部局と連携して情報発信に取り組み、観光振興にも役立ててまいりたいと考えております。 次に、駅のバリアフリー化についてお答えいたします。 まず、今後の取り組み方針等についてでありますが、本府は一日当たり利用者数が五千人以上、高低差五メートル以上の駅にはエレベーターを設置する必要があると考えており、平成十六年度末にはそのような駅が三百二十六駅あるのに対しまして、設置済みの駅は二百二十四駅になる見込みでございます。 今後、残る百二駅のうち、大阪市内と地下鉄の駅や連立事業等で設置が想定されている駅を除く四十二駅を対象に、交通バリアフリー補助制度を活用して平成二十二年までにエレベーターが設置されるよう国、市町村等と連携、協力を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。 次に、エレベーター設置に係る補助要綱改正に当たっての市町村等との連携についてでありますが、昨年四月の改正は、平成二十二年度までの目標達成に向けて、できるだけ多くの駅に補助をしたいとの考えで、やむを得ず踏み切ったものでございます。 しかしながら、エレベーター設置工事費の増加や国庫補助の削減など地元市や鉄道事業者の負担増を招く要因が重なり、市町村からは府費の増額について強い要望が寄せられました。 今般の改正案は、こうした事情も勘案し、市町村などの負担を少しでも軽減しようとの観点から、関係する市町村にも説明を行い、これまでの補助実績等を踏まえて検討しているものでございます。今後も市町村とは事業費の精査、縮減など連携協力して取り組んでまいりたいと存じます。 最後に、国への働きかけでございますが、御指摘のように駅の構造等から多額の事業費を要する場合、その三分の一を地方公共団体が負担することは、現在の財政事情下にあって非常に厳しいものがございます。このため、これまでも国に対して補助率のアップなど地方公共団体等の負担軽減措置を講じる要望をしてまいりましたが、今後こうした多額の事業費を想定した場合の助成のあり方も含め、必要な財源の確保を要望してまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 土木部長小河保之君。   (土木部長小河保之君登壇) ◎土木部長(小河保之君) モノレールのバリアフリー化についてお答えいたします。 公共交通機関のバリアフリー化は、だれもが安全で快適に移動できる大阪を実現していく上で重要な課題と考えております。 大阪モノレールでは、開業当初から駅舎と車両のバリアフリー化に努めており、エレベーターやエスカレーターの設置など大阪府福祉のまちづくり条例に適合した駅舎の整備を既に完了しているところでございます。 今年度は、車いすやベビーカーを御利用の方々にとってより利用しやすい駅となるよう、全駅において通過幅の広い自動改札機を設置するとともに、全国初の取り組みとして、駅員の補助なくより自由に乗りおりができるよう、揺れの少ないモノレールの特性を生かし、プラットホームに車両との段差、すき間を小さくする固定式の乗降用スロープを設けました。来年度からは、車いすの方が切符を購入しやすいようカウンターの下が大きくあいた自動券売機の設置や多機能トイレの増設を図ってまいります。 車両についても、車いすスペースの確保や優先座席の設置などを既に行っており、この春には、少子化対策の観点も踏まえ、優先座席がよりわかりやすく協力を得やすいものとなるよう、新たに乳幼児連れや妊婦の方への配慮を加え、デザインに工夫を凝らしたイラスト入りのステッカーを提示していくこととしております。 今後とも、運行主体である大阪高速鉄道株式会社とともに、人にやさしいモノレールを目指して積極的に取り組んでまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) どうか一日も早い整備をよろしくお願いしたいと思います。 次に移ります。中国を除くアジア諸国からの大阪への外国人旅行者の大半は、個人旅行者であります。鉄道やバスなどの公共交通機関を使うことが多いというふうに聞いております。 大阪の一部の駅では中国語や韓国語を含む多言語表示が見られますが、多くの駅ではまだまだ案内標識や構内アナウンスが日本語のみの場合や英語との併用にとどまっておるのが多い現状であります。 関西では、JR西日本とその他の私鉄各社が個別のプリペイドカードを発売しておりまして、鉄道の路線図を見ましても、自社の路線網に限定した表示をしてるために、JRとそのほかの私鉄を組み合わせた鉄道のネットワーク全体がつかみづらい状況になっております。 観光立都が叫ばれて、大阪府を挙げて海外からの観光集客を促進しようとするならば、外国人旅行者の立場に立って案内標識の多言語表示や駅名の英数字表示、いわゆるナンバリングの拡充、ヨーロッパの鉄道全線を一定期間格安に乗車できるユーレイルパスのように、JRとその他私鉄各社の路線を共通で利用できる周遊パスの発行など大阪府が中心となられて鉄道各社に働きかけていくべきであると考えますが、今後交通政策として外国人旅行者が使いやすい公共交通機関の充実に向けて取り組みをどうされるのか、土木部長に改めてお尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 土木部長小河保之君。   (土木部長小河保之君登壇) ◎土木部長(小河保之君) 海外から多くの観光客を誘致し、大阪の活性化を図っていく上で、道路、鉄道などの交通ネットワークの充実とともに、乗り継ぎの円滑化などによる公共交通機関の利便性の向上や、言葉の壁を感じることなく目的地への移動や観光を楽しめる環境づくりを進めることは、重要な課題と考えております。 公共交通機関の利便性向上につきましては、先月二十七日から千里中央の駅前において大型プラズマ画面や携帯電話を活用して、鉄道からバスへの乗り継ぎ情報や駅周辺の店舗案内を提供する交通情報システムの社会実験を行っております。今後、この実験結果を踏まえ、システム対象駅の拡大を図ってまいりますとともに、外国人旅行客にとっても利便性の高いものとなるよう検討を進めてまいります。 次に、言葉の壁を感じさせない環境づくりにつきましては、先月取りまとめた大阪府観光戦略プログラム素案においても重要プログラムの一つとして、公共交通機関の多言語表示や案内機能の充実などによるホスピタリティーの向上を掲げているところでございます。 具体的には、来年度早期にビジット・ジャパン・キャンペーンを推進する近畿運輸局とも連携しながら、鉄道、バス、タクシーなどの交通事業者や旅行代理店、観光協会、旅行誌などの出版社、関係行政機関や学識経験者で構成します観光交通ホスピタリティー推進会議を設置することとしております。年内を目途にこの推進会議の場を活用いたしまして、多言語表示の促進に向けた府域の主要ターミナルにおける現状調査や外国人旅行者へのヒアリングを行うとともに、JR西日本とその他の私鉄をまとめて表示した鉄道路線図や利用料金、乗り継ぎ方法、切符の買い方などを詳しく示したパンフレットのモデル案を作成し、広く海外の観光事業者などにも御利用いただけるようPRしてまいります。 あわせて、JR西日本と私鉄各社におけるICカードの相互利用の協議に合わせた共通周遊パスの早期実現や、大阪市営地下鉄で実施されている駅名のナンバリングの拡大を大阪府が中心になりまして鉄道各社に働きかけるなど交通ホスピタリティーの向上に努めてまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 続きまして、大阪府営港湾についてお尋ねをしたいと思います。 港湾は、空港と並ぶ経済活動や府民生活を支える重要な社会基盤であります。大阪湾には西から神戸港、大阪港、そして堺泉北港等の府営港湾が展開をしております。特に、大阪府営港湾の堺泉北港は、中古車輸出については西日本一の実績であるというふうに聞いております。神戸港においても中古車オートオークション等の企業誘致が進められておりまして、決して安穏な状況ではありませんけれども、府営港湾につきましても、神戸港や大阪港との機能分担を踏まえた新たな将来像を早急に展開して、大阪再生を先導する港づくりを進めるべきであると考えます。 大阪府としては、中古車輸出などの取り扱い貨物の特性を生かした戦略を組み立て、貨物船の出入りだけでなく、地域一体となった集客によるにぎわいづくりを今後図っていくべきではないかと思います。 これまでも堺や泉大津、岸和田の各旧港を再開発して、アウトレット等の商業施設、あるいはホテル等を誘致しておりますが、いかんせん神戸港や大阪港と比べますと集客の点では大変おくれをとっております。ただ、昨年泉大津沖のフェニックスの堺泉北港では、利用計画を公募されてサーキットの構想が選ばれました。こうした経過も踏まえて、府営港湾のにぎわい、集客につきまして活性化に向けた取り組みを土木部長の方にお尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 土木部長小河保之君。   (土木部長小河保之君登壇) ◎土木部長(小河保之君) 府営港湾の活性化を図っていくためには、南大阪における物流の拠点としての観点から、取り扱い実績が多く競争力のある自動車などの特定貨物のさらなる集積やフェリーなどの定期航路の充実、大規模港湾用地への企業誘致を進めるとともに、地域と一体となったにぎわい、集客の拠点を形成していくことが重要だと考えております。 このため、現在見直し作業中の府営港湾長期構想--あすぽーと21においても、にぎわい、集客の観点から人々が憩い、海とふれあえる魅力的な海辺と広大な用地を活用し、府民に開かれたアメニティーポート機能の充実を図っていくこととしております。 既に昨年夏には、廃棄物処理場でありますフェニックス用地について、埋め立て竣功後の大規模緑地の活用アイデアを募集し、野外コンサートや各種スポーツが可能な多機能型エンターテインメントパーク構想や緑と海に囲まれたオートサーキット構想が選ばれたところでございます。 これらの提案を踏まえまして、人々が集い、楽しめるいやしとレクリエーション機能を兼ね備えた緑地となるよう、この夏には集客の起爆剤となり、フェニックスの知名度向上にもつながる数万人規模での野外コンサートを誘致してまいります。 オートサーキット構想についても、若者や自動車愛好家が集い、手軽にモータースポーツを楽しむことができるなど大きな集客効果が期待できるとともに、自動車のオートオークションやパーツショップなどの関連施設の集積も見込めることから、現在関係者の意見を聞きながら事業手法、規模等の検討を進めているところでございます。 今後、これらの構想を踏まえ、にぎわい、集客の場としての具体化が早期に図られるよう速やかに土地の竣功を図るとともに、港湾計画変更などの手続を終え、事業主体を募るなど多くの人々が集い、活気あふれる港湾づくりに積極的に取り組んでまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 府営港湾につきましては、土木部長から答弁いただきましたが、大阪の再生のためには府の総力を挙げた取り組みが必要であると思います。関空の方はもちろんでありますけれども、海外からの人や物の出入り口は、やはり港の取り組みが大変重要であると私としては考えます。 知事は、関空につきましてはみずからトップセールスを行っておられますが、この府営港湾につきましても関空と同様にトップセールスを行うべきでないかと考えますが、知事にお尋ねを申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 大阪は、いにしえより海に向かって開け、そして内外との交流を通じて発展してきた都市であります。この歴史は、現在にも受け継がれておりまして、ベイエリアに位置する府営港湾を活用して多くの人、物、企業を呼び込むことが大阪の再生につながると確信をいたしています。 臨海部における企業誘致を積極的に進めるということはるる申し上げてまいりましたが、堺泉北港を初めとした府営港湾のにぎわい、集客の具体化に向けトップセールスを行うなど、私自身が先頭に立って頑張ってまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 次に、グリーンツーリズム、ブルーツーリズムの活用についてお尋ねをいたします。 農村や山村などに滞在し、農林業の体験やその地域の自然や文化に触れ、地元の人々との交流を楽しむ旅が今盛んになっております。これをグリーンツーリズムと言います。これに対して島や沿海部の漁村に滞在して海辺での生活を体験する旅をブルーツーリズムと言います。自然派志向の家族の増加や、受け入れ側の民宿が自治体や農協などの協力を得て野菜の種まきや収穫などの体験メニューを充実させていることが人気の背景にあります。 観光振興ということになれば、ともすれば商業や工業分野が注目されることになりますが、大阪には多様な自然があり、個性的な農林水産業が営まれております。大阪の魅力を確立するためには、農林水産業や自然といった地域の魅力を十分に引き出し、高めていくことも重要であります。 そこで、大阪の自然や食文化などを体験できるグリーンツーリズムやブルーツーリズムを大阪の観光振興により戦略的に活用すべきであると考えますが、環境農林水産部長にお尋ねを申し上げます。 引き続きまして、傷病鳥獣救護ボランティア支援制度についてお尋ねします。 自然を活用した観光を育成していくためには、いかに自然環境を保護していくかということが重要であります。そのためには、行政のみならずNPOやボランティアを初めとする府民の自主的な協力が不可欠であります。 そうした取り組みの例として、大阪府が行っております傷ついた鳥などの救護制度があります。大阪府では何らかの理由で傷を負い、動物病院などで一定の治療を受けた野生の鳥などを野生に戻すまでボランティアにその世話を依頼しておりますが、フクロウなどの猛禽類のえさ代は月に一万円を超えるなど、その経費がかなり負担となっていると聞いております。 そこで、大阪府として傷ついた鳥などの救護ボランティアに対しえさ代等の経費の一部を支援すべきではないかと考えますが、これも環境農林水産部長に答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 環境農林水産部長草川大造君。   (環境農林水産部長草川大造君登壇) ◎環境農林水産部長(草川大造君) まず、グリーンツーリズム等の戦略的活用についてお答えを申し上げます。 大阪には、農空間や森林、大阪湾、河川などの恵まれた自然資源とともに、府民牧場、花の文化園などの施設も豊富で、広く府民に親しまれております。平成十四年三月に策定いたしました新農林水産業振興ビジョンに基づき、こうした恵まれた資源を内外の方々に広く活用していただくため、ふれあいや体験の場の提供や大阪を歩こうマップの作成などのほか、泉南市と和歌山県岩出町を結ぶ根来街道を中心に、府県域を超えた根来街道グリーンツーリズム振興協議会を設置いたしまして、紀泉わいわい村を初めとする街道周辺施設やイベント等についての情報発信を行いますなど、さまざまな取り組みを進めているところでございます。 当部が所管をいたしております自然資源や農林水産施設などの魅力を有効に活用してまいりますことは、多様なニーズにこたえる観光振興を進めていく観点からも非常に重要と存じております。このため、今後新たな観光資源の発掘、広域連携による各種観光資源のネットワーク化、民間等と連携したPRの充実、この三つの視点からグリーンツーリズムやブルーツーリズムの取り組みを強化してまいりたいと存じます。 まず、新たな観光資源の発掘につきましては、毛馬きゅうりやコツマナンキンなどのなにわふるさと野菜の認証制度を創設するとともに、外食産業等におけるなにわ食材メニューの開発を促進いたしますほか、魚種が豊富な大阪湾の体験プログラムの開発などを進めてまいります。 次に、広域連携による各種資源のネットワーク化につきましては、大阪特産の食の味わいと自然とのふれあいをテーマに府内の道の駅や海の駅、ファーマーズマーケット等を地域における観光資源の核とし、近隣の史跡や自然資源、農林水産関係施設等とのネットワーク化を進めてまいります。 最後に、民間等と連携したPRの充実につきましては、NPOを初め外食産業、関連団体等と連携したPRを行いますとともに、電鉄会社等の協力を得ながら大阪の食と緑を楽しむ観光プランづくり、これを進めてまいります。 こうした取り組みを関係部局と連携しながら進めることによりまして、大阪ならではの自然資源や農林水産施設等を生かした観光振興を図ってまいりたいと存じます。 次に、傷病鳥獣救護ボランティアについてでございますが、本府では傷を負った鳥獣の保護を図りますため、府民から運び込まれた鳥獣を無償で治療する救護ドクター制度と、治療を受けてから野生復帰できるまでの間お世話をいただく保護飼養ボランティア制度、これを設けておりまして、日本野鳥の会を初めとするボランティアの方々に御協力をいただき、実施しているところでございます。 ボランティアの方々に保護、飼養いただいている野生鳥獣は、ヒヨドリ、キジバトやフクロウなど多種にわたっておりまして、えさやり、リハビリ等の世話には日ごろから大変な御苦労をおかけをいたしております。とりわけフクロウなどの猛禽類につきましては、野生復帰までに長時間を要し、保護飼養に相当の経費を要しますことから、今後こうしたボランティアの方々の御負担を少しでも軽減できるよう府として支援してまいりたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) よろしくお願いしたいと思います。 次に、りんくうタウンの集客策につきましてお尋ねをします。 りんくうタウンは、関西国際空港の対岸にありまして、大阪の玄関口となる絶好の位置、この玄関口に国内外から多くの観光客を受け入れることができる魅力あるまちづくりを進めることが大変重要であります。 ところで、りんくうタウン駅周辺の南エリアでは、昨年の秋に閉園したパパラの隣接地で二年間にわたって検討されてきたコリアビレッジ計画は一体どうなっているのか。また、このエリアの活用については、関西の玄関口として関空を利用する外国人旅行者も必ず立ち寄りたくなるようなにぎわい、遊び空間を提供する大規模集客施設を誘致し、府の観光魅力を創出することが必要であると考えますが、駅南エリアの集客施設の誘致についてどのように考えておられるのか。これは企業局長にお尋ね申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 企業局長芝池幸夫君。   (企業局長芝池幸夫君登壇) ◎企業局長(芝池幸夫君) りんくうタウンにおきましては、集客施設として昨年十一月にイオンモールが、十二月にはプレミアムアウトレット三期事業もオープンいたしました。また、この二つの集客施設と関西国際空港を結ぶワンコインバスやりんくうタウン駅を結ぶ路線バスが運行されるなどりんくうタウンの利便性も向上し、にぎわいや観光魅力が芽生えつつございます。 しかしながら、こうした中で駅南エリアにおいて二年余にわたって推進されてきましたコリアビレッジ計画につきましては、非常に残念なことではありますが、事業化のめどが立たないことから、事業主体であるりんくうコリア株式会社から中止したい旨、先日申し入れがあったところでございます。 駅南エリアにつきましては、このコリアビレッジの中止に伴いまして、りんくうパパラ跡地と合わせて七ヘクタールを超えるまとまった事業用地が生じることとなりますことから、お示しのような新たな集客施設を公募により早期に誘致するための検討を始めたところでございます。 ただ、集客施設の立地に当たりましては、交通量の増加への対応、地区計画など都市計画との整合、既存立地企業の業種との競合の回避など克服すべき課題もございます。 今後、こうした課題への対応を早急に行いまして、りんくうタウンが関空の対岸に位置いたしますことから、国内外の方々が集えるような観光魅力をも備えた施設の誘致に全力で取り組んでまいりたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 断念されたということで残念でありますが、特にりんくうの玄関口でありますこの場所も七ヘクタールという大変大規模な場所でありますので、どうか有効にこの集客に向けての努力をしていただきたいと存じます。 続きまして、ミナミの犯罪対策についてお尋ねをいたします。 大阪を観光集客都市にしていくためには、観光客が安心して歩けるまちにすることが必要不可欠であります。しかし、残念なことに大阪は安全という点では大変イメージが悪いと言わざるを得ません。とりわけ道頓堀、戎橋、宗右衛門町などに代表されるミナミの繁華街は、大阪の庶民文化や食文化を語る上でも欠かせない観光集客都市としてのシンボル地域でありながら、その安全面でのイメージは、悪化の一途をたどっております。 そこで、ミナミ地域における犯罪対策モデル地区化と重点取り組みを進めるべきであると考え、昨年の九月の私どもの代表質問で取り上げたことから、今回府警本部ではミナミ地区の重点取り締まりを実施することとされました。また、ミナミ地域においても違法駐車が大変大きな問題となっております。 こうした中、大阪の観光振興にとってミナミ地域の治安と交通事情をどう改善していくのか。そして、その姿勢と成果をいかにPRしていくかが非常に重要なポイントであります。 そこで、ミナミ地域における犯罪と駐車違反を例えば半減させるという明確な目標を立て、府民に宣言していただきたいと考えますが、府警本部長の答弁を求めます。 次に、過密な警察署対策についてお尋ねをいたします。 安全なまちづくりは緊急の課題であり、最大限のスピードを持って対策を講じるべきであります。恥ずかしながら、例えば枚方警察署の二分署化の問題について、今からちょうど一年前の本会議でも質問をいたしました。現在でも現状は変わっていないと思います。地元ではどうなっているのかという声もふつふつと上がっております。そのときにも申し上げましたが、枚方警察署は犯罪件数、交通事故件数の極めて過密な警察署であります。このような現状を踏まえ、枚方警察署管内における治安悪化を懸念し、私は平成八年二月議会において枚方警察署の二分署化の実現について質問、要望してまいりました。それから十年目を迎えたわけでありますが、いまだ実現をいたしておりません。 このことは、議会で幾度となく訴えてまいりましたが、この問題がなぜ実現しないのでしょうか。安全なまちづくりを進めるためにも、枚方警察署の早急な二分署化を訴えたいと存じ、府警本部長に実現の可能性についてあわせてお尋ねを申し上げたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 警察本部長米村敏朗君。   (警察本部長米村敏朗君登壇) ◎警察本部長(米村敏朗君) ミナミ地区を代表とする歓楽街につきましては、これはミナミ地区に限りませんけれども、そうしたところには暴力団とか来日外国人犯罪組織、グループが入り込んで、いわば活動の拠点となっている、そういう実態が見られるわけであります。 そこで、これまでもそういった実態を解明すると同時に、事件化を図ってまいりました。また、風俗無料案内所でありますとか悪質な客引き事犯、これは府民の非常に批判が強いところでありますが、これに対する取り締まりを強化するなど浄化対策を推進してきたところであります。 違法駐車に対する取り締まりにつきましては、昨日も申し上げましたけれども、各種の対策を推進してきたところであります。 そこで、歓楽街、具体的にはミナミ地区の現状はどうかということでありますが、これは昨年九月議会の代表質問で御指摘をいただいたとおりでありまして、今申し上げましたようなもろもろの状況、要因、府民の側から見ればどうしても不安感を抱かざるを得ない状況、要因というものは引き続きある。そういうものが見られるというところだろうと、こう思います。 そこで、府警といたしましては、二月二十二日に歓楽街総合対策推進本部を設置いたしまして、ミナミ地区を推進重点地区に指定をいたしまして、歓楽街の治安対策を組織の総力を挙げて推進することにいたしたところであります。 対策といたしましては、歓楽街における迷惑行為、違法行為に対する抑止と検挙の両面からの対策の推進、それと組織犯罪対策の推進、また安全かつ安心な歓楽街の環境、これを構築するためのもろもろの施策の推進を重点事項としております。 当面は次の三点を重点といたしまして、何とか目に見える形で結果を出して、環境浄化を推進してまいりたいと考えております。 一点目は、違法な客引き行為等の取り締まりであります。この違法な客引きにつきましては、昨年十月以降さまざまな取り締まりをやってきております。その結果、客引きの数そのものにつきましては、ことしの一月と昨年の十月を比べますと約三分の一に減少するなど、一定の効果を上げているところかと思いますが、これは今後も引き続き推進をしてまいりたいと考えております。 二点目は、来日外国人犯罪の取り締まりであります。来日外国人犯罪の温床ともなっております不法滞在者の一掃を図るため、大阪入国管理局との合同摘発の反復実施、あるいは街頭取り締まり活動を推進するとともに、さまざまあらゆる法令を適用いたしまして、その背後に介在する犯罪組織の実態解明と壊滅に向けた突き上げの捜査を徹底してまいりたいというふうに考えております。昨日夜も実施をしたところでありまして、来日外国人不法残留者十数名を検挙しているという状況でございます。 三点目は、安心して遊べるまちづくりということで、ひったくりなどの事案、府民が不安を感じる街頭犯罪の抑止と検挙を進めてまいりたい。これは、関係行政機関や団体等と連携いたしまして、あるいは道路や商店街の障害となっておる放置自転車等の撤去対策を推進してまいりたいと考えております。 違法駐車対策につきましては、この第三点目の一環として、ミナミ地区における駐車秩序を確立するため、御堂筋、堺筋等を取り締まりの重点路線として指定をいたしまして、重点的かつ計画的な取り締まり活動はもとよりでありますが、大阪府を初め関係機関、タクシー業界等と連携した街頭指導でありますとか、キャンペーンなどの広報啓発活動も積極的に推進してまいりたいと考えております。 また、先般地元の市民の方、あるいは商店会、あるいは関係行政機関により設置をされましたミナミ歓楽街環境浄化推進協議会との緊密な連携を図ってまいりたい。地元の御意見を反映させるとともに、協働した施策を推進することによりまして、今申し上げましたような違法な客引き、あるいは不良来日外国人の一掃、違法駐車のさらなる減少等々を図ってまいりまして、安心して遊べるまちづくりを目指して努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第であります。 次に、枚方警察署の分割につきましてお答えいたします。 この分割の問題につきましては、これまでにも府議会の場などにおきまして何度となく強い要望を受けてきたということは、私も十分承知をしているところであります。府警といたしましては、枚方警察署管内の人口、あるいは犯罪の発生状況、あるいは交通事故の発生状況等々を踏まえますと、その分割の必要性は高いというふうにかねてより考えているところであります。 じゃ、これまで一体どういう取り組みになってきたかということでありますが、警察署を分割する際に不可欠な管轄区域の境界線、これは平成十四年十一月に枚方、交野両市と大筋で合意をしているというところであります。さらに、一昨年の二月、三月に両市から提示されました十数カ所の土地につきまして、市民の利便性でありますとか警察の機動性等々を勘案しながら、いろいろと検討を重ねた結果、先般新しい警察署の候補地につきましては、両市との間で合意をしたところであります。 今後は、この新警察署の候補地の確保に向けた具体的な手続なり方策等につきまして、この両市の協力を得ながら積極的に関係部局と検討を進め、早期にこの候補地が確保できるよう積極的に努めてまいりたいと考えております。 以上、お答えいたします。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 枚方警察の過密ぶりは、想像を絶するものがあります。それでも、枚方警察署職員の方々も、昼夜問わず枚方、交野市民のために頑張っておられます。歴代の府警本部長は、答弁では分署化の必要性をるる述べられますけれども、一年でおかわりになるわけでございますので、どうかこの際、分署化の早期実現に向け、ぜひ枚方警察署に赴き、枚方市、交野市の意向や管内の実情を直接御自身で確認していただくようにお願いしたいと考えますが、再度府警本部長の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 警察本部長米村敏朗君。   (警察本部長米村敏朗君登壇) ◎警察本部長(米村敏朗君) 警察署の管内情勢等を把握するといいますか、実感するための署の巡視というのは計画的にやっておるわけでありますが、枚方警察署につきましては、今回閉会後、早い時期に参りたいというふうに今予定をしております。いずれにいたしましても、きょうも署長からいろいろお話を聞きましたけれども、分割の必要性は高いというふうに認識をしておるということで御理解いただきたいと思います。 以上です。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 次に、観光立都の組織機構につきましてお尋ねをしたいと思います。 我が党は、これまでから観光振興施策を全庁的に進めていくためには、観光振興を専門とし、責任持って観光施策を進めるための観光局を設置すべきであるということを強く今まで主張してきたところであります。 このたびの平成十七年度予算案によりますと、商工労働部内に観光交流局を立ち上げるということになっております。しかし、これは現行の商工労働部観光交流課と企画室の観光担当副理事を統合して名前を変えただけではありませんか。しかも、この企画室の観光担当副理事というのが、今年度商工労働部から観光の企画部門を独立させて設置されたばかりでありますから、今回の府の観光局の構想は、単に一年前に時計を巻き戻したものではないかと思います。このことにつきまして、組織の機構という観点から、まず最初、総務部長に答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 総務部長三輪和夫君。   (総務部長三輪和夫君登壇)
    ◎総務部長(三輪和夫君) 観光施策の推進体制についてでありますが、観光集客につきましては、大阪再生のために部局横断的に対応すべき重要課題の一つと位置づけ、今年度企画室に副理事を配置し、観光のみならず文化、芸術、まちづくりなど多岐にわたる分野について総合調整を行い、戦略的な施策展開の推進に向けて観光戦略プログラム案の策定を進めてきたところであります。 今後は、このプログラム案に基づいて全庁的な整合性を確保しつつ、相互連携を行いながら、府として戦略的かつ具体的な施策展開を行う必要があると認識をいたしております。これまで商工労働部では海外駐在事務所や大阪観光コンベンション協会などを活用しながら、多様な観光施策の展開を図ってきたところであり、この商工労働部の体制の強化を図る中で中枢機能を強化し、各部局との連携のもとで、これまでの蓄積を有効に活用した施策の展開を図ろうとするものであります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 今の答弁では、到底理解できるものではありません。 きょうの最初の質問の二百万人から二十三項目すべて観光をキーワードに質問をしてまいりました。これで多くの各部局の観光振興に対する取り組みをそれぞれ各部局長から答弁がありました。観光にかかわる答弁をいただかなかった部局は、知事公室と水道部であります。強いていえば、日本最大級の浄水能力規模を誇る水道部の村野浄水場もいわば観光資源にもなるわけであります。これだけ多角的な事業を統括するには、商工労働部の中の観光局というのでは余りにも荷が重過ぎます。 これまでの答弁にありましたように、観光振興の施策は、部局をまたがり、二十三項目にわたって実に多岐にわたっております。これらの各部局の取り組みを戦略的に取りまとめ、限られた予算を有効的に分配し、連携を図っていくというのは、大変至難のわざであります。 観光は、確かに経済効果には大きなものがありますけれども、経済効果だけで観光をとらえてはいけません。文化芸術の振興面や国際交流や国際理解の推進などさまざまな側面を有しております。また、観光という言葉は物見遊山的な語感がありますけれども、経済、文化、生活、あらゆる面で本来観光は都市政策全体の軸となる力を持っております。提案されている商工労働部のもとでの観光局でなく、企業局のような組織にすべきと考えますが、知事のお考えをお尋ね申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 先ほどの答弁にもございましたように、観光施策というのは、文化、環境、まちづくりなど多岐にわたる分野の施策を整合性を持って戦略的に進めるということが不可欠でありまして、今回の観光交流局の設置は、全庁的な調整を行う中枢機能として設置をするものであります。商工労働部にその流れがありますので、その中に設置をいたしましたけれども、商工労働部の施策のツールはもちろんのこと、全庁的な施策、資源を有効に活用するということはもちろん、外に向かって、例えば大阪観光コンベンション協会との連携、海外駐在事務所の活用などやるべきことはたくさんあると思います。いわば全庁の司令塔として効果的な施策展開を図ってまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 私は、別の視点から質問を申し上げたい。新たな直轄部局を設置することによりまして、ラインの部長のポストがふえまして、職員の士気の向上にも私は役に立つと思います。危機的な財政難によりまして職員の給与や定数の削減、あるいは昨今の公務員に対する批判などで府幹部職員の意識が守りに入っているというふうに仄聞いたしておりますが、このことにつきまして知事はどう考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 行革の最大の使命は、職員の意識改革であります。守りに入っているという御指摘は重く受けとめて、そのようなことが起こらないようにこれから意識改革にさらに努めてまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 商工労働部のもとに置く観光交流局長という立場は、お尋ねしたいんですが、部長級といえども部長と同格の責任や立場、あるいは指導力を持たせると、そういうふうに理解していいのか、改めてお尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 私としては部長級の人材を充てるということに今考えておりますけれども、観光施策というのは、先ほど申し上げましたように司令塔でありますので、これまでの縦割りのヘッド、トップというよりは、横割りの部局としての調整機能、中枢機能というものを発揮するトップでなくてはなりません。そういう意味で、役割と申しますか、果たすべき機能は異なっていますけれども、部長級の役割を十分果たしていける局になってほしいと思っております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) もう一度確認さしてもらいたいんですが、部長と同等の立場という意味でいいんですか。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 部長と同等の立場で調整を行い、中枢機能を発揮するということです。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 今、大変すばらしい答弁をいただきまして、今現実、幹部職員の心理と申し上げますが、給料は下がる、ボーナスも下がるという状況のもとで、多くの職員の方の気持ちも沈む一方ではないでしょうか。このような時代だからこそラインの部長ポストを新設し、職員の士気向上に努めるべきです。これだけの幅広い事業を所轄する局長といえども、今知事は部長と同格と言われましたけれども、同格ではありませんよ、指定職じゃないんですから。この本会議場で観光施策のさまざまな問いかけに対して、ここではあなたがおっしゃっておられる商工労働部のもとでの局長では答弁ができないんです。今、あなたは部長と同じ立場とおっしゃいました。その整合性をどうとられるんですか、お尋ね申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 部長と同じ立場で調整をし、中枢機能を発揮してまいりますけれども、この場での答弁は商工労働部長からさせていただきます。しかし、そのことをもってその人の役割が減じられるというものではないと思っておりますし、商工労働部のすべてのツールを使うという意味合いにおいては、そのような形で出発をし、実績を上げることが望ましいと私は考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) くどいようですけども、これだけの幅広い事業を所轄する局長であります。指定職というポストで本会議場でも十分に意見が述べられる、また大胆にその立場で知恵を絞り、意欲を持って仕事をするためには、やはり私はそのような立場を与えてあげることが今府全体の幹部職員に対する意識啓発として私は必要ではないかと思います。 そういった意味では、知事との見解が違います。今回の新設された危機管理監につきましては、指定職というふうに聞いております。観光振興の仕事は、危機管理以上に今後大阪府政の大きな柱となるポストであります。決して指定職にしてもおかしくない立場ではないんですか。改めて答弁を伺います。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 新しいポストを設けるに当たりましては、まず観光交流局の現在の私どもが提案しております立場で十分な実績を上げていただく。そして、評価をしていただく。これがまず大事だと思っておりますので、御理解をお願い申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 十七年度から、これから上程されるわけでありまして、仮に観光局を指定職という立場にするならば、当然条例変更をするわけでありますけれども、事務的な形で仮に十七年度、今知事から答弁がありましたように、一年間そのような働きを見て、状況を見て、改めてその判断のもとで、そのような私たちが申し上げているような形での組織機能を変えられるというふうに理解していいのか、お尋ねしたいと思います。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 十七年度大いに頑張っていただいて、もちろん私もトップダウンでいろんなことをやっていきたいと思っておりますけれども、その成果を検証した上で考えてまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) さまざまな形での考えがあると思いますけれども、今私が申し上げたいのは、多くの幹部職員の皆様方が守りでなくて積極的にいろんな角度で展開していこうという意欲を持つためにも、そのような立場を与えてあげることが私は知事の職務ではないかと思います。引き続き十七年度のその状況を見ながら、観光局につきましては検討していただきたいと思います。 続いて、その組織機構の関連で観光戦略アドバイザー制度につきましてお尋ねを申し上げたいと思います。 大阪府の観光を戦略的に進めるためには、東アジアからの観光客の誘致につきまして、専門家の意見を聞くことができるアドバイザー制度を大阪府に設置すべきと考えますが、これは商工労働部長にお尋ねを申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) 観光戦略アドバイザー制度の設置についてのお尋ねでありますが、平成十五年四月に設立いたしました大阪観光コンベンション協会では、民間の発想やノウハウ、さらには専門家の意見を積極的に取り入れるため、会長に経済界から経営手腕にたけた民間人を、またプロモーション担当には旅行事業者や観光会社などから専門家を迎えるなど、体制を整備いたしました。 また、来年度、中国、韓国、台湾におきまして現地の旅行事情に精通した人物を観光プロモーターとして活用することとしております。さらに、来年度、大阪府が観光振興を戦略的に進めるに当たりまして、専門的な意見や助言をいただけますよう、お示しの観光関係の専門家をアドバイザーとして活用したいと考えております。 こうした取り組みを通じまして、プロモーション活動を強化し、東アジアからの観光客の誘致を推進してまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 次に、サミットの誘致についてお尋ねをいたします。 二〇〇八年に日本で開かれる主要国首脳会議いわゆるサミットの開催地をめぐり、自治体の誘致合戦が今後活発化されようとしています。大阪府では、さきの二〇〇〇年のサミットでも誘致合戦に参戦したものの、沖縄県と九州に敗れてしまいました。サミットは観光集客都市を目指す大阪にとって、その名を世界じゅうにPRする最大のチャンスであります。二〇〇八年のサミットの誘致については、京都府を初めとする近隣府県と連携し、何としてもその誘致を実現させなければなりません。そのために、例えば今議会が終了後、直ちに三府県の知事と一緒に、国の決定権を握る総理大臣に直接働きかけるぐらいのことをすべきでないかと考えますが、知事の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 二〇〇八年のサミット開催誘致ということですけれども、これは、先ほど来申し上げておりますアジアの中枢都市としての地位を大阪が確立していく上で大変大きな柱になるという思いで提案をし、ただいま京都府、そして兵庫県と調整をさせていただいているところです。二〇〇八年という年は、皆様御承知のように北京オリンピックの開催を控えているところでありまして、世界の注目が東アジアに集中する年であります。 こういう機会をとらえてサミットを開催する。そして、日本の歴史や文化の魅力を関西から発信するというのは、東アジアとの連携をアピールするということにもつながりますし、また大阪のプレゼンスが飛躍的に高まるいいチャンスになると思っております。 現在、先ほど申し上げましたように調整を行っておりますが、来年度早々にも調整をして、国に対して正式な立候補の意思表明を行いたいというふうに考えておりまして、先ほど申し上げました両府県はもちろんのこと、三政令市、経済団体等との調整に当面力を注ぎたいと思っております。 今後、経済団体等も含めてオール関西が一体となって関係各方面に働きかけてまいる必要がございますけれども、お示しのようにできれば総理大臣にも働きかけを行いたいと思っております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 以上で観光立都につきましては終わりたいと思います。 次に、知事の姿勢につきまして二点にわたりましてお尋ねしたいと思います。 先に安威川ダムにつきましてお尋ねします。 安威川ダムにつきましては、昨年の三月の定例府議会におきまして、将来の水需要等について早急に検証、精査に着手し、昨年十二月までに利水事業の必要性の有無についての結論を出すという答弁が太田知事からありました。 その後、その結論を本年八月まで先送りするという報道がありましたが、それまで結論がおくれるという説明はこれまでなされておりません。これほどまでに結論がおくれる理由は、本当のところ何があったのか、企画調整部長にまず答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 安威川ダムについてお答えいたします。 このたび水需要を精査いたしました結果、水源の必要量は日量二百五十三万立方メートルから二百三十一万立方メートルに下方修正することといたしました。臨海工水も含めましたこれまでの水源確保量二百二十二万立方メートルとの差、残り九万立方メートルにつきましては、府工水からの転用、安威川ダム、紀の川大堰から確保することが考えられますけども、それぞれの選択肢につきまして問題点、影響を検討する過程で時間を要しました。また、国など関係機関と十分な調整が図れず、結果として年内にお示しすることができませんでした。このことにつきましては、率直におわびを申し上げる次第でございます。 現在の検討状況でございますが、安威川ダムにつきましては、代替地への移転やつけかえ道路の整備などの生活再建対策を進めており、利水を見直した場合の設計変更や事業枠組みの変更に伴う府の費用負担などについて、これまでの経過も踏まえ関係者間で検討を進めているところでございます。 また、府工水の転用は、国が策定いたします淀川水系水資源開発基本計画への位置づけが必要であり、国との協議を進めているところでございます。 紀の川大堰につきましても、利水を見直した場合、関連する残りの事業に関して、国や和歌山県の負担に影響いたしますことから、同様に調整を図りながら検討を進めているところでございます。 こうした点について十分精査を行い、残りの水源確保策につきましては、府民負担の最小化を図ることを基本に、長期的な視点での安定給水、危機管理の観点、これまでの水源に係る投資の有効活用などを総合的に勘案しながら、本年夏ごろを目途に決定してまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 議会で初めてこの安威川ダムのおくれた話があって、今経過がありましたけれども、今の答弁で、国のというお話がありまして、国のせいにされてますけれども、私はそんなことは昨年の三月の時点で当然わかっている話でありますし、答弁ありませんでしたけれども、確かに水資源は企画調整部、実働部隊は土木部、そして水道部であるわけでありますから、あえて私はこの際ですから水道部と土木部にそのことについての答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 水道企業管理者末吉徹君。   (水道企業管理者末吉徹君登壇) ◎水道企業管理者(末吉徹君) 九万立米の確保方策につきまして、ことしの夏ぐらいまで時間がかかるというその理由につきましては、企画調整部長が答弁したとおりでございます。私ども水道部といたしましても、関係部局とよく相談しながら今後調整を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 土木部長小河保之君。   (土木部長小河保之君登壇) ◎土木部長(小河保之君) 水資源のその内訳をこれから決めることにつきましておくれたことに関しましては、土木部としましても、現場を持っている部局としていろんな意見を申し述べてきました。その点で最終的に調整がつかなかったということに関しましては、我々に関しても責任があると思って……。それに関してはおわび申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 安威川ダムの水資源云々じゃなくて、昨年三月の議会で知事から、そういうような形で十二月に決めるということを答弁で約束されているわけであります。これは、私は大変大きな問題であります。ただ、私、今回の出来事は、企画調整部と水道部と土木部のこの三部がまとまっていなかった形で、この辺のところが大きな原因ではないかというふうに思います。そのことにつきまして、この場で追及するわけにいきませんけれども、先ほどから企画調整部長も土木部長からもおわびの話がありました。 それならば改めて企画調整部長の方にお尋ねしますけれども、十七年夏ごろというふうにそこまでおっしゃるけれども、ことしの夏というめどに根拠があるのですか。また、単にちょうど議会のはざまをねらった八月でありますし、また結論が先送りされないかという懸念が今もしております。もしおくれた場合の責任は、あなたとれるんですか。改めて答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 私ども企画調整部は水源確保対策を所管をいたしておりますし、それから関係府県との調整につきましても、窓口といいますか、責任を持った形で対応いたしております。 今、責任がとれるのかということでございますけども、それを所管いたします部局といたしまして責任ある対応をしていきたいと、このように思っております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) その根拠を私は聞いてるわけでありまして、あなたの決意ではないんですよ。実際そのことについては言えるんですか、責任とれるんですか、どうなんですか。あなた、そんな答弁したらだめですよ。 ○議長(若林まさお君) 副知事梶本徳彦君。   (副知事梶本徳彦君登壇) ◎副知事(梶本徳彦君) まず、安威川ダムの利水につきまして、十六年十二月というお約束をしておりましたけれども、結論が出されなかったことについては、いろいろ先ほど企画調整部長からその事情を説明をさしていただきましたけれども、結果として申しわけないというふうに思っております。 今後、八月までにできるんかということでございますけれども、安威川ダムの利水の方向性を決めますためには、府トータルとして水源確保の検討が必要でございます。 一つ目の府工水の転用については、確かに国土交通省との調整が必要でございますけれども、私どもとしては、速やかに国土交通省に対しまして基本的な考え方を示すよう強く求めてまいりたいというふうに思っております。 それから、二点目の紀の川大堰の利水についてでございますけれども、これも和歌山県と関係者との調整を進めてまいります。 それから、三点目の安威川ダム本体の問題でございますけれども、多目的ダムとして国庫補助を受けておりまして、十八年度の予算の概算要求時、これは十七年の夏になるかと思いますが、それについて利水の結論を出さなければ十八年度予算確保に支障を来すおそれがございます。必要な予算が措置されない場合には、生活再建事業にも大きな影響を及ぼすことになりまして、地元への影響を考えますと、府としては夏までに結論を出すことが必要でありまして、それ以上先送りは許されないという状況に立ち至っているというふうに考えております。 したがいまして、安威川ダムを含めた府トータルの水源計画をどうするかということにつきましては、先ほど鈴木議員から御指摘ありましたように、企画調整部、土木部、水道部に関連する課題でございますので、私が責任を持ってその検討の進捗状況を点検し、また把握をして夏までに必ず決定をしますので、御理解をいただきたいというふうに思います。よろしくお願い申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 梶本副知事の方からそのような答弁がありまして、一定の理解はいたすところでありますが、やはり三月の太田知事が十二月までに結論を出すという答弁は大変重たいわけでありまして、改めて私は知事からも、今回のこの夏に必ず結論を出すという議会と府民に改めて約束できるかどうか、知事の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 今、御指摘のように、確かに昨年三月定例府議会で十六年十二月までに大阪府としての方向性を明らかにすると、このように表明をしておるわけですから、これがおくれたという結果については、御指摘ごもっともと私も思っております。本年夏には必ず安威川ダムの規模と、そしてトータルな水源計画について結論を出してまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) おくれたのが一月か二月であれば許される範疇でありますが、八カ月もまだ先送りというのは、やはり理解できない部分でありますが、知事も約束されたわけでありますから、今度は約束をほごにしないように要望いたしておきます。 続きまして、本社機能の移転につきまして、先に企画調整部長の方にお尋ねしておいた方がいいと思います。 ことしの年頭の一月四日の知事の記者会見におきまして、本社を大阪に戻すという点について、企業立地を進める中の柱として考えるという話がありました。 しかし、私は、これはいろんな課題があると思います。一つは、本社機能の移転と一口に言いましても、一体本社機能とは何を指すのか、また大阪への本社機能移転に一定の助成を検討するということですが、そういった助成金に対して所管する企画調整部長としての答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 企画調整部長山登敏男君。   (企画調整部長山登敏男君登壇) ◎企画調整部長(山登敏男君) 大阪経済の活性化や雇用、またまちのにぎわいを図る上から、企業活動の中枢部門であります本社が立地をするということは、非常に大きな意味合いを持つというぐあいに考えております。 本社機能と称する場合、その本社機能につきまして明確な定義があるわけではないと思っておりますけれども、本社立地の効果を実のあるものにするためには、単に登記上の本社の所在地が大阪であるということにとどまらず、企業の経営上の意思決定、これを支援するための役員を含めた人材、それからまた組織が一定程度集中をし、事業活動が営まれているというような実態的な機能を備えているということが必要であろうと思っております。 今、地方自治体としてその本社機能の移転ということにつきまして、どのような施策を講じることがその企業にとってインセンティブとなるのか、あるいは企業にとって魅力あるまちづくりに向けてどのような取り組みが求められているのか等々につきまして、現在調査をしているところでございます。 今後、幅広い観点からどのような取り組みが効果的であるのか、十分に検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 本社移転補助の話は、私は知事のフライングではないかと思います。トップダウンの政策判断は、私は大変理解いたしますけれども、例えば後でまた質問いたしますけども、寝屋川の中央小学校の形で今回の知事の判断は賢明で、私は大変評価をいたしております。ただ、大阪府と市町村の関係ですから、知事の領域の話ですから、トップダウンは私はいいと思います。 しかし、今回の企業の本社の移転の話は性格が違います。本社の拠点というのは、その会社の経営理念に基づき企業の方々が方針を立てるもんであります。特に、巨大な市場の東京に本社の機能を置くのは、当然自然の道理でありますし、自治体が企業に対して金を出すから戻って来いというのは、大変無礼な話ではないかと思います。一過性の移転経費を負担するからといって、必ずしも本社を移転できるものでないと私は思います。それくらいのことは、通産の元官僚として当然おわかりだと思います。工場誘致策とはまた観点が違います。やるならば恒常的な税の軽減が必要でありましょうし、またそれによって九州や四国や中国の企業を誘致する方が私は得策ではないかと思います。 年頭の知事の記者会見の発言は、十分に検討された上ではないと思います。失礼ではございますが、単なる思いつきで発言されたのではないか。知事の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 年頭の記者会見での私の発言は、大阪経済再生のためにことしは本社を含めた企業立地を進めていくために知恵を絞っていきたい。そして、そのためにどんな支援策が考えられるか、精力的に勉強したいという趣旨で発言をいたしました。もちろん九州や中国地方にあるような企業も含めて、企業立地を進めるという意味では、自治体として考えられるあらゆる策を私はとるべきだと思っております。 そして、本社機能を取り戻すということに言及しましたのは、ある大きな企業のトップにお会いしたときに、これまで本社が出ていく場合にも、あるいは取り戻すということについても、大阪府の発言が聞かれたことはないというような言及がございましたので、私としてはそういう意思はあるんだということを発言しておく意味はあると、そう考えまして年頭に発言をいたしましたけれども、補助金等につきまして結論めいたことを申し上げたつもりはございませんでした。 おっしゃるように、工場誘致とは異なる面が多々ございます。本社機能は現実に東京一極集中が進んでおるわけですし、それにはそれなりの理由があるわけですから、これを取り戻すには相当な知恵が必要であることもよくわかっております。これから十分研究、分析する必要がございますので、今その調査を行っているということであり、御理解をいただきたいと思っております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 安威川ダムの問題と本社移転につきまして、二点関連して質問したいと思いますけれども、行政の長としてトップダウンでリーダーシップをとることについては、決して悪いことではありません。しかし、またそのトップダウンの判断も、情勢の変化で方針が変更されたり予定が狂ったりする場合も当然あります。 しかし、大阪府という地方自治体の長である知事の発言は、大変重たいものであります。一度発言したことは、よほどでない限り守らなければなりません。どうしても守れないというならば、誠意を持って説明するという責任があるのは、当然の話であります。知事は、みずからの発言の重みを自覚して政策判断し、行動していただきたいと思いますが、あわせてもしコメントがあれば御発言ください。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 今、知事に求められる役割というのは、本当に多岐にわたっておりまして、時にはトップダウン、多少勇み足であっても大きな発言を求められることもありますし、またそれができなかった場合には、本当に府民に対して、あるいは府議会に対して、きちんと説明するということが求められていると思います。 そういう意味では、両様に、あるいは柔軟に判断をしていくことが求められている時代だと思いますので、私としては常に情報を的確につかみ、できるだけ皆様方に御迷惑がかからないように努力をしてまいりたい、政策判断をしていくことが大切だと思っております。どうか御理解をお願いいたします。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 続きまして、子どもの安全についてお尋ねをいたします。ここからは一括で質問いたしますので、答弁の方も答弁者ごとに一括してお答えいただいて結構でございます。 寝屋川市立小学校事件を踏まえた子どもの安全対策についてお尋ねします。 先月、痛ましい事件が発生いたしまして、大阪府では二〇〇一年六月の大阪教育大学附属池田小学校の事件を教訓に、各自治体が学校の安全対策を積極的に推進されてこられました。全国の幼稚園、小中学校などを対象にした文科省の調査によりますと、昨年三月末現在で防犯カメラやセンサーなど防犯監視システムを整備している学校の比率は、大阪府が七八・八%と四十七府県中最も高く、全国水準の四〇・六%を大きく上回っております。事件が起きた中央小学校でも三カ所の出入り口のうち、正門と物資搬入門にインターホンと防犯カメラを設置し、職員室のモニター画面で来訪者を確認した上で名札をつけてもらう体制になっておりました。こうした監視システムがあるにもかかわらず大事件が発生したわけで、残念なことであります。 そこで、我が党は、事件の翌日である二月十五日に府及び教育委員会におきまして徹底した措置が講じられるよう知事並びに教育長に対し強く申し入れたところであります。 その際、知事は、できることはすべて行うと力強く明言され、その後、我が党の要望を受けて大阪市内を除く府内の公立小学校七百三十三校に警備員を配置し、小学校ごとに警察官OBの助言も得て地域住民が通学路の警戒活動を行う子どもの安全見守り隊を組織する方針を打ち出されました。このために七億円の追加予算が計上されまして、市町村への半額補助を行うということでありますけれども、これらの迅速な対応につきましては、先ほど申し上げましたように大変評価するところであります。 しかしながら、幼稚園、保育所や中学校においても対策を講じるべきではないかと考えますが、知事の答弁を求めます。 また、今回の小学校への警備員の配置につきましては、大阪市が対象外となっていること、また府内市町村にとっても突然経費の半分を負担しなければならないなど、大阪府と大阪市を含む府内市町村との調整が不可欠でありますが、その調整はどうなっているのか、教育長の答弁をお願いします。 警察におきましても、このような事件が二度と繰り返されないよう積極的な取り組みが求められております。警察本部長の答弁を求めます。 さらに、小学校の児童、教職員、保護者等の方々の受けられたショックは大きく、児童、教職員、保護者に対する心のケアを図るための対策につきましても教育長に答弁を求めます。 さらに、このような事件を再び起こさないために、何よりも学校、地域、家庭、そして行政、警察などの関係機関がより一層緊密に連携し、全力を挙げて子どもたちの安全を守っていくことが重要だと考えますので、これは生活文化部長に答弁を求めます。 以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(若林まさお君) 知事太田房江君。   (知事太田房江君登壇) ◎知事(太田房江君) 寝屋川市立中央小学校の事件を踏まえまして、子どもの安全対策と申しますのは、私ども附属池田小学校の事件以来、本当にいろいろ取り組みを進めてまいりました。小学校、幼稚園、保育所等における防犯カメラやインターホンの設置など不審者の侵入防止に取り組みを進めてきたわけですけれども、再度このような事件が発生したことは、重く受けとめておるところです。 私も事件発生直後に中央小学校に駆けつけましたけれども、お会いした教職員の皆さん、保護者の皆さんの不安と動揺は、大変大きなものがございました。逮捕された少年は開いていた門から侵入したと聞いておりまして、学校の施錠管理、まずこれを最低限徹底する必要があると考えます。 しかし、施錠管理が比較的容易で、施設の規模等から見て職員の目も届きやすい幼稚園や保育所と比べまして、公立小学校は校庭を含め敷地面積が広い、そしてまた門と事務室とが離れているということなどから、教職員の目が届きにくく、来校者への対応も防犯機器のみでは難しいという実態がございます。あるいはまた、中学校との比較では、子どもたちの状況から見てより危険性が高いと考え、今提案しているような対策にさせていただいたということでございます。警察等への通報、あるいは学校への出入りのチェックというような意味で人の配置が必要であるというふうに判断をした結果でございますので、どうかよろしく御理解をお願い申し上げます。 同時に、学校等の設置者の御意見をお聞きしながら、門扉の施錠、それから安全管理マニュアルの整備、不審者対応訓練の実施など、取り組みが一層徹底されるように引き続いて取り組んでまいります。 ○議長(若林まさお君) 教育長竹内脩君。   (教育長竹内脩君登壇) ◎教育長(竹内脩君) 警備員等の配置措置に係る市町村との調整についてお答えいたします。 今回の事件を受け、府警察から府教育委員会に対し、学校における来校者に対する出入り口の限定、出入り口の施錠等の措置を講じるべき等の強い要請がございました。 府教育委員会では、これを受け府内の公立小学校に対し、学校の出入り口の限定と来校者のチェック、警察等への通報などが徹底されるよう危機管理マニュアルの見直しを要請してまいりました。 また、こうした対応の実効性を担保するためには、学校設置者である市町村に対する踏み込んだ支援を行う必要があると考え、極めて厳しい財政状況の中ではありますが、緊急対策として今回の措置を講じることといたしました。 事件発生以来、大阪市を含む府内市町村とは必要に応じ情報の共有に努めてまいりました。また、先月下旬には市町村に対し府の考え方を説明する機会を設け、警備員等の配置について要請したところであり、現在市町村の実情等を踏まえながら補助金交付要綱の策定等を精力的に進めております。市町村におかれても、厳しい財政状況の中、その具体化に向け検討をいただいているところであり、今後とも十分調整を図ってまいりたいと考えます。 次に、寝屋川市立中央小学校の児童等に対する心のケアについてでありますが、府教育委員会としては事件の第一報があった後、直ちに教育委員会内に対策本部を設置しますとともに、寝屋川市及び当該小学校に指導主事を派遣し、事実確認を行うなど初期対応体制を整えました。 また、スクールカウンセラー四名の派遣を初め、健康福祉部と連携を図り、精神科医やケースワーカー等を派遣するとともに、大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター長の派遣要請を行いました。さらに、学校再開前の全児童への家庭訪問にスクールカウンセラーを同行させるなど児童、教職員、保護者の心のケアを最優先に取り組みを進めており、今後とも当該小学校の状況を把握しながら適切に支援してまいります。 ○議長(若林まさお君) 警察本部長米村敏朗君。   (警察本部長米村敏朗君登壇) ◎警察本部長(米村敏朗君) 子どもを犯罪から守るためには、学校や通学路等における安全の確保が極めて重要であると認識しております。問題は、どうやってそれを実現するかということでありますが、警察や学校当局の種々の対策、対応とあわせて、やはりPTAを初めとする地域住民の方々が一体となったさまざまな見守り活動というものが大切ではないかというふうに考えております。 このため、府警におきましては大阪府安全なまちづくり条例、これに基づきまして学校、通学路等の安全の確保に関する指針を府の教育委員会等と連携して策定をし、安全なまちづくり推進協議会を中心に、関係機関や地域住民の方々と協働してその実現に努めてまいりました。 具体的には、日ごろから学校等における防犯訓練、あるいは防犯教室の実施、あるいは学校の安全設備等の点検、それから府警ホームページ等による子どもの安全に関する地域安全情報の提供、自治体が進めているこども一一〇番の家活動の協力家庭等に対する対応訓練等の支援活動を行っているほか、情勢に応じて学校、通学路等における警戒・警ら活動を強化するなどしてきたところであります。 また、子ども緊急通報装置を国、大阪府、関係自治体の御協力をいただき府下七地区に整備したほか、平成十四年度からは国の緊急地域雇用創出特別基金事業、これを活用して通学路等の学校周辺における警戒活動を行うセーフティ・サポート隊を運用するなどしてきたところであります。 しかしながら、先日、寝屋川市内の小学校におきまして教職員が殺傷されるという極めて痛ましい事件が発生をしたところであります。このため、府警におきましては、早速大阪府教育委員会等に対しまして、学校等における安全対策の強化について要請をいたしますとともに、学校等に対する立ち寄り警戒及び通学路等の警戒・警ら活動を強化したほか、教職員、児童等に対する実践的な不審者侵入時の対応訓練の実施等に努めているところであります。 また、平成十七年度からの新規事業といたしまして、警察官OBの非常勤職員によりPTA等地域住民の方々による子どもの安全を見守る活動を行う組織、この結成を支援するともに、その自主警戒活動についての指導助言を行うこととしております。このほか子どもの安全に関する地域安全情報の充実を図るため、携帯電話の電子メール等を活用した情報提供を行うこととしているところであります。 府警といたしましては、子どもの安全を確保するため、地域住民の方々と一体となって子どもを対象とした犯罪被害の防止に努めていく所存であります。 以上でございます。 ○議長(若林まさお君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 子どもの安全についてお答えをいたします。 子どもたちの安全を脅かす事件が多発しておりまして、地域で子どもを守り、安心して暮らせるまちを実現していくことは、重要な課題であると認識をいたしております。これまでから学校、地域、家庭と連携して約十二万七千件のこども一一〇番の家や営業車両等による動くこども一一〇番を初め、地域での巡回活動など府民運動として子どもを守る取り組みを進めてまいりました。十七年度には子どもに対する不審な声かけ事案等の情報提供を初め、地域における総合的な安全情報を電子メールを活用して携帯電話等に配信するシステムの創設や、地域の防犯ボランティア団体を育成するため市町村に対し支援をすることといたしております。 また、今回の寝屋川市の事件を受け、緊急対策としてPTA、自治会など地域を挙げた協力を得て七百三十三の小学校区の通学路における子どもの安全見守り隊の設置に向け、市町村を支援してまいりたいと考えております。 今後とも、教育委員会や警察本部を初め、関係機関と連携協力を図りながら子どもの安全対策に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 寝屋川中央小学校の児童、保護者等のケアにつきましては、今後も大阪府として最大限の支援をしていただきますことを要望いたしておきます。 次に、府消費者保護条例につきましてお尋ねを申し上げます。 今般の条例改正に当たりましては、消費者の実態を踏まえた実効性ある規定の整備と消費者の自立に向けた啓発、教育などの環境整備が図られるべきと考えますが、生活文化部長の答弁を求めます。 さらに、府民の安全安心を確保していくためには、相談から問題解決までの一貫したシステムを構築する必要があり、一次的な相談は身近な市町村で、専門相談や事業者指導は府消費生活センターでといったそれぞれの役割分担をこの際明確にすべきではないかと考えますが、あわせて生活文化部長の答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 生活文化部長綛山哲男君。   (生活文化部長綛山哲男君登壇) ◎生活文化部長(綛山哲男君) 消費者施策につきましてお答えを申し上げます。 近年、規制緩和の進展や情報技術の発達によって消費者の利便性が向上する一方、消費者問題は深刻化しており、特に若者や高齢者からの消費生活相談がふえ、府内の相談件数は平成十年度の五万三千件から十五年度の十万件へと倍増している状況でございます。 こうした状況を踏まえ、条例改正に当たりましては、電子商取引や訪問販売等における消費者の意に反した勧誘を行うことを不当な取引行為とする規定を整備し、悪質な事業者名を公表できる規定を新設するなど条例の実効性を担保してまいります。 また、消費者が自立するためには、学校や地域等で学習する機会が保障されることが重要でありますので、消費者が教育を受ける機会を提供される権利の規定を新設したところでございます。 これに伴いまして、これまでの小中高校生向け教材の作成とその普及に加えまして、来年度は地域において高齢者に対しましてミニ講座を開催するなど、安全安心に消費生活を送ることができる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 府と市町村の役割分担についてでございますが、お示しのように身近な相談は市町村にお願いし、府はこれまでも法律相談や苦情審査会による問題解決などの専門性の発揮に努めてきたところでございます。 今回の条例改正を契機に、府民の消費生活の安全安心を確保してまいりますため、府域の中核センター機能がより発揮できるよう消費生活センターのあり方につきましても検討を深めてまいりたいと考えております。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 失礼いたしまして、先ほどちょっと質問漏れがございまして、まだ時間がございますので、改めて質問をさせてもらいたいというふうに思います。 先ほどの中央小学校と関連した形で不登校対策につきまして、こういった形での今回の問題は、不登校、引きこもり等の問題がありまして、本当に不登校の予防を図るのであれば、小学校段階からの対応をすべきではないか。また、あわせて不登校問題の解決のためには、児童生徒の心理的な対応とあわせて、このような福祉的な取り組みの視点を持った人材が必要ではないかということをあわせて教育長にお尋ね申し上げます。 ○議長(若林まさお君) 教育長竹内脩君。   (教育長竹内脩君登壇) ◎教育長(竹内脩君) 不登校対策でありますが、大阪府内の不登校の特徴の一つに、中学校の不登校生徒数が小学校のそれに比べ約三倍に大きく増加するという状況がございます。このことを踏まえ、府教育委員会としては、中学校一年生段階での不登校を予防する観点から、不登校支援協力員を中学校に配置するなどの新たな取り組みを進めることとしております。 しかし、今御指摘いただきましたとおり、中学校一年生の不登校生徒の多くに小学校当時から遅刻や欠席日数が多いなどの兆候が見られるなど、小学校段階での対策も重要となっております。 このため、教育委員会といたしましては、国に先駆け昨年度から小学校に相談員を配置するとともに、今年度から国が創設した子どもと親の相談員制度も活用しながら、小学校における相談体制の充実に努めております。 また、小学校の不登校は、中学校に比べ家庭問題に起因している割合も多く、適切な対応を図るためには、福祉的な視点から家庭環境や家族関係の改善に取り組む必要があるケースも少なくございませんことから、来年度から新たにスクールソーシャルワーカーを府内七地区の小学校に拠点配置し、必要に応じて機動的な対応をとることとしております。 これらの事業を効果的に進めるためには、スクールソーシャルワーカー派遣先となる不登校児童家庭をどのようにして選ぶか、また関係機関との連携によるケース会議の開催手法、さらにその後のフォローのあり方など解決すべき課題が多々ございますが、今後この事業を通じて得られるノウハウなどをもとに、市町村教育委員会と十分連携を図り、小学校における不登校対策の充実に努めてまいります。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 失礼いたしました。それでは次に、中小企業融資支援と就職支援につきましては、商工労働部長に答弁を求めますので、一括して質問をさせていただきたいと思います。 中小企業に対し大阪府が貸し付け債権の一部を保証することにより、無担保無保証人で融資を実施するポートフォリオ型融資は、三井住友銀行、UFJ銀行、りそな銀行の大手三行の協調により昨年十一月に実施されました。 ところが、三井住友銀行分につきましては、申し込み開始後、実質三日間で千三百件の申し込みがあり、五百億円の融資枠が満杯になったということです。一方で同様の制度で融資を行っているりそな銀行は、同時期に一割にも満たなかったことを考えると、余りにも三井住友銀行の状況は不自然であります。 例えば、従来から取引のあった融資をこの新しい制度に乗りかえさせれば、銀行としてはみずからのリスクを減少させた上で融資実績を簡単に増大させることができます。この制度は、現在まで七百億円に達する実績を上げており、これまでなら融資を受けられなかった企業が融資を受けられるようになる制度として我が党も大変評価いたしておりますが、それだけに府の保証でリスクが減った分、金融機関の利便を図っただけと批判されることがあってはなりません。そのために、中小企業の円滑な資金供給を図るという本来の目的が達成されているかどうか、よく検討、検証する必要があると思います。平成十七年度にこの制度を拡充させるということでありますが、その際には制度本来の趣旨、目的が全うされるよう何らかのチェックを働かせる措置が必要と考えますが、商工労働部長に答弁を求めます。 もう一点、就職支援策についてお尋ねします。 私の地元であります枚方市の枚方津田地区は、関西文化学術研究都市の一翼を担っており、大阪府、大阪府住宅供給公社や枚方市などが整備を行い、企業や研究施設の誘致が進められております。 ところで、大阪府の職業能力開発の拠点として平成二十年度以降、東淀川校、守口校にかわる技術専門校を大阪府北部に設置すると聞いております。この新設校については、これから検討するところであると聞いておりますが、その候補地についてもいろいろと考え方があると思われます。私は、府として整備、誘致を進めてきた枚方津田地区が有力な候補地の一つになると考えますが、商工労働部長の答弁を求めます。 また、技術専門校は、求職者等を対象に実践的な職業訓練を実施しており、毎年多くの修了生を社会に送り出し、雇用失業情勢の改善に貢献しているところであります。技術専門校の再編に当たっては、大阪のものづくりの伝統を守る後継者を育てるとともに、時代に即した新たな職業能力を習得できることが必要と考えますが、あわせて商工労働部長に答弁を求めます。 ○議長(若林まさお君) 商工労働部長藤原安次君。   (商工労働部長藤原安次君登壇) ◎商工労働部長(藤原安次君) まず、中小企業融資支援についてお答えします。 ポートフォリオ型融資は、中小企業の無担保無保証人の資金ニーズにこたえるため、昨年十一月に都市銀行三行との協調により創設したものでございます。その効果を検証いたしますため、昨年末までの融資先企業千五百社の状況を調査いたしましたところ、約半数が従業員九人以下、または年商三億円未満の小規模企業でありましたほか、赤字の企業が約一割を占めておりましたことから、従来であれば融資が困難であった企業層にも資金供給がなされたものと理解しております。 この制度は、中小企業の新たな資金需要にこたえようとするものでございますので、御指摘のように金融機関が既存の融資をこの制度に乗りかえさせるといったことがあれば、本制度の趣旨に反することになると存じております。 平成十七年度には都市銀行三行に加え、新たに地域金融機関四行の参画を予定しておりますが、制度の趣旨、目的を全うできますよう各金融機関と具体的な契約内容について十分に協議調整を行い、円滑な資金供給の確保に努めてまいりたいと存じます。 次に、就職支援策についてお答えいたします。 大阪府では平成十四年十二月に策定いたしました府立高等職業技術専門校再編基本構想におきまして、技術専門校を七校から五校に再編することとしております。この再編基本構想によりまして堺校、松原校を統合し、平成十八年四月にテクノステージ和泉において新たに仮称南大阪校を開校するよう現在建設工事を進めているところであります。 さらに、平成二十年度以降に東淀川校、守口校にかわる技術専門校を大阪府北部地域に設置する予定としております。この北部地域の技術専門校の立地につきましては、今後お示しの地区も視野に入れつつ、府の財政状況や府域における技術専門校の配置上のバランスなどを考慮しながら、府関連用地を中心として当該地域が訓練に適した環境であることや関連設備が整備されていること、さらには周辺に連携が可能な企業や研究機関等が集積していることなどの条件を満たすような地区を選定してまいりたいと存じます。 また、再編基本構想の中では、目指すべき将来像といたしまして、特色ある技術専門校づくりや創造性に富んだ若いものづくり技能者の養成、さらに新たな産業分野を担う中小企業の人材育成に向けた高度な職業訓練の展開などを掲げておりまして、新たな観点から環境分野の訓練にも取り組んでいくこととしております。 今後とも技術専門校の再編を進めながら、常に産業界の人材ニーズを踏まえた訓練科目の見直しを行うことによりまして、大阪産業の発展を支える人材を育成してまいりたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 中小企業に対するポートフォリオ型融資の問題につきましてお伺いいたしましたが、今回のポートフォリオ型融資制度は、担当者の方の知恵とアイデアの結晶であると一定の評価をいたしております。それ以上に金融機関の抜け目のなさが存在することも事実であります。ぜひこの制度を府民にマイナスにならないよう発展させていただきたいと思います。 また、商工労働部の事業を振り返りますと、これまで数々の大きな課題を担当者の知恵と努力で乗り切ってこられました。思い起こせば信用組合の破綻処理、大阪コクサイホテルや泉佐野コスモポリスの問題など、まさに大阪府の負の遺産の処理について、関係者や議会と真摯に議論を闘わせるという手法で数々の困難を解決されてこられました鈴木副知事に、御自身の御経験を踏まえ、後進の方々へのアドバイスを兼ね、今後の大阪の再生への取り組みについてのお考えをお伺いしたいと存じます。 ○議長(若林まさお君) 副知事鈴木重信君。   (副知事鈴木重信君登壇) ◎副知事(鈴木重信君) 恐らく最後の答弁になろうかと存じます。一生の思い出になる、そういう意識を持って考えを述べさせていただきます。 お示しがございましたように、商工部時代--信用組合管理監と商工部長ですが、その時代に信用組合の破綻処理、大阪コクサイホテル、泉佐野コスモポリスの破綻処理、そして信用保証協会の再建という難題をみずからの課題とすることとなりました。 思い返せば、私が信用組合管理監に就任いたしましたちょうどそのころは、バブルの崩壊に伴う金融の行き詰まりから、さまざまな破綻問題が現実の課題となり、待ったなしの状態に追い込まれた時代でありました。大阪府もその渦の中で深刻な財政危機に陥り、横山府政の誕生とも相まって、府議会も含めて推進から撤退へと大きく方向転換をせざるを得ない、かつてない判断を迫られることになりました。そのとき、横山前知事は、私が独断専行型であることを承知の上で処理をゆだねられ、摩擦と対立を恐れずに思うとおりやったらいいよと声をかけていただいたことが思い出されます。 前例なき処理プロセスの中で、ぎりぎりした議論が続き、府議会にもおしかりをいただいたことがたびたびありましたが、がむしゃらに取り組む毎日を過ごしました。その後も副知事として、負の遺産は先送りせずきっぱりとけじめをつけるという太田知事の方針のもと、第三セクターや企業局事業の破綻処理をみずからの使命と受けとめ、半ば専念するつもりで取り組んでまいりました。長い日時を要しましたが、ようやくほぼすべての問題に決着をつけ、あるいは解決の道筋をつけることができましたのは、私のみならず、私とともに苦労してくれた担当職員の粘り強い努力の成果であります。 私は、かねてから自己判断、自己責任、そして成果主義を自分の哲学として仕事に取り組んでまいりました。とりわけ組織の長となってからは、破綻処理の仕事が多かったせいかもしれませんが、自分が先頭に立つという覚悟が大事だと思ってまいりました。口幅ったい言い方ですが、強い信念と情熱は必ず部下に伝わる、熱い議論を重ねれば部下職員の士気は大いに高まる、それが大きなエネルギーとなって、でけへんと思うことも突破できる、今、改めてこのような考えを持っております。 今後の府政は、もっともっと厳しさを増していくと言わざるを得ません。職員はなお一層厳しい職務を強いられるでありましょう。だからこそますます重要なのは、部長、課長の職にある者の自己判断、自己責任、そして摩擦と対立を恐れず議論を重ねることによって、最善の結論が導き出されると確信いたします。 大阪再生とは、活力と魅力あふれる大阪を取り戻すという府政の大目標でありますが、府政全般を覆った抽象的なスローガンだとも思います。私は、大阪再生とは、府の組織それぞれが目指す目標の集合体であり、さらにいえば職員一人一人が心に掲げている夢の結晶体であると考えております。 したがって、自分の職務によって何をどのように変えていくのか。知事の立場で幅広く、しかも具体的に考え、成果を積み上げる。そのことが府政を変え、大阪を変え、大阪再生につながっていくのではないでしょうか。私はそのように考えております。あすの府政に心から期待をいたしております。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(若林まさお君) 鈴木和夫君。   (鈴木和夫君登壇) ◆(鈴木和夫君) 私が当選させていただいた平成七年は、ちょうど今鈴木副知事がおっしゃられた負の遺産を背負った時代でありまして、私も思い出があります。あの当時はさまざまな形で、コクサイホテルあるいは信組、泉佐野コスモと、大阪府そのものがすべての多くの情報をできる限り議会には示さないという中で、鈴木副知事はこれがすべて私の持っているデータです、これを使って議論しましょうという形ですべてを開示されました。私は、そのことに深く感銘をしたことを今でも覚えております。 それがゆえに我が会派も今まで鈴木副知事に対しまして全面的な信頼をしてきたわけでありますが、今回退任されるのは大変残念でありますけれども、また別の立場で大阪府政を見守っていただきますことをお願いいたしまして、私の代表質問を以上で終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(若林まさお君) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、明三月四日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」「異議なし」)
    ○議長(若林まさお君) 御異議なしと認め、さよう決します。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(若林まさお君) 本日はこれをもって散会いたします。午後七時五分散会...